平成21年10月02日中野区議会決算特別委員会
平成21年10月02日決算特別委員会(第6日)
1.平成21年(2009年)10月2日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(40名)
1番 内 川 和 久 2番 ひぐち 和 正
3番 白 井 秀 史 4番 平 山 英 明
5番 つぼい え み 6番 いながき じゅん子
7番 林 まさみ 8番 山 口 かおり
9番 せきと 進 10番 いでい 良 輔
11番 伊 東 しんじ 12番 佐 野 れいじ
13番 北 原 ともあき 14番 南 かつひこ
15番 小 林 秀 明 16番 の づ 恵 子
17番 奥 田 けんじ 18番 近 藤 さえ子
19番 牛 崎 のり子 21番 吉 原 宏
22番 大 内 しんご 23番 きたごう 秀 文
24番 伊 藤 正 信 25番 久 保 り か
26番 やながわ 妙 子 27番 酒 井 たくや
28番 佐 伯 利 昭 29番 むとう 有 子
30番 長 沢 和 彦 31番 か せ 次 郎
32番 山 崎 芳 夫 33番 市 川 みのる
34番 斉 藤 金 造 35番 篠 国 昭
36番 岡 本 いさお 37番 飯 島 謹 一
38番 江 口 済三郎 40番 佐 藤 ひろこ
41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子
1.欠席委員
な し
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
副区長(経営室)石神 正義
副区長(管理会計室) 沼口 昌弘
副区長(政策室)西岡 誠治
教育長 菅野 泰一
政策室副参事(企画調整担当) 田中 政之
政策室副参事(基本計画担当) 髙橋 信一
政策室副参事(予算担当) 志賀 聡
政策室副参事(区民の声担当、調査研究担当、平和・人権・国際化担当) 小田 史子
政策室副参事(情報政策担当、地域情報担当) 平田 祐子
政策室副参事(情報化推進担当) 藤井 康弘
危機管理担当部長清水 流作
経営室参事(経営担当、契約担当) 長田 久雄
経営室副参事(サンプラザ関係事業担当、サンプラザ地区再整備担当) 田中 謙一
経営室副参事(広報担当) 戸辺 眞
経営室参事(人事担当) 尾﨑 孝
経営室副参事(健康管理担当) 村田 宏
経営室副参事(財産管理担当) 安部 秀康
経営室副参事(用地・管財担当) 冨永 清
経営室副参事(危機管理担当) 石濱 良行
経営室副参事(防災担当) 鳥井 文哉
管理会計室副参事(評価改善担当) 篠原 文彦
管理会計室副参事(経営分析担当) 相澤 明郎
管理会計室副参事(税務担当) 青山 敬一郎
会計室長 村木 誠
区民生活部長 鈴木 由美子
区民生活部参事(区民生活部経営担当、地域活動担当) 遠藤 由紀夫
区民生活部副参事(南地域担当) 松原 弘宜
区民生活部副参事(中部地域担当) 小山 真実
区民生活部副参事(東地域担当) 辻本 将紀
区民生活部副参事(北地域担当) 伊藤 政子
区民生活部副参事(西地域担当) 中井 豊
区民生活部副参事(戸籍住民担当) 今 恵里
区民生活部副参事(産業振興担当) 高橋 昭彦
区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 横山 俊
区民生活部参事(ごみ減量・清掃事業担当、ごみ減量担当) 橋本 美文
清掃事務所長 齋木 正雄
子ども家庭部長 竹内 沖司
子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当、男女平等担当) 瀬田 敏幸
子ども家庭部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長 浅野 昭
子ども家庭部副参事(中部地域子ども家庭支援センター担当、
南部地域子ども家庭支援センター担当) 天野 秀幸
子ども家庭部副参事(北部地域子ども家庭支援センター担当、
鷺宮地域子ども家庭支援センター担当)波多江 貴代美
子ども家庭部副参事(子ども健康担当) 町田 睦子
子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当)、幼児研究センター所長 白土 純
保健福祉部長 金野 晃
保健所長 田原 なるみ
保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 野村 建樹
保健福祉部副参事(保健予防担当) 山川 博之
保健福祉部副参事(生活衛生担当) 古屋 勉
保健福祉部参事(健康推進担当) 岩井 克英
保健福祉部副参事(福祉推進担当) 伊東 知秀
中部保健福祉センター所長 鈴木 郁也
北部保健福祉センター所長 大橋 雄治
南部保健福祉センター所長 高里 紀子
鷺宮保健福祉センター所長 大石 修
保健福祉部副参事(障害福祉担当) 朝井 めぐみ
保健福祉部副参事(生活援護担当) 黒田 玲子
保健福祉部副参事(保険医療担当) 柿内 良之
保健福祉部副参事(介護保険担当) 遠山 幸雄
都市整備部長 石井 正行
都市整備部副参事(都市整備部経営担当、都市計画担当、住宅担当) 登 弘毅
都市整備部副参事(都市計画調整担当) 田中 正弥
都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 滝瀬 裕之
都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 石田 勝大
都市整備部副参事(建築担当) 豊川 士朗
まちづくり推進室長 川崎 亨
まちづくり推進室副参事(まちづくり推進室経営担当、地域まちづくり担当) 上村 晃一
まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 松前 友香子
まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 秋元 順一
まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当) 角 秀行
まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当、西武新宿線沿線まちづくり担当) 萩原 清志
教育委員会事務局次長 田辺 裕子
教育委員会事務局参事(教育経営担当) 合川 昭
教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 吉村 恒治
教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 寺嶋 誠一郎
教育委員会事務局指導室長 喜名 朝博
教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 飯塚 太郎
教育委員会事務局中央図書館長 小谷松 弘市
選挙管理委員会事務局長 奥山 功
監査事務局長 服部 敏信
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 山下 清超
事務局次長 奈良 浩二
議事調査担当係長 大谷 良二
書 記 長﨑 武史
書 記 荒井 勉
書 記 河村 孝雄
書 記 菅野 多身子
書 記 丸尾 明美
書 記 土屋 佳代子
書 記 鳥居 誠
書 記 杉本 兼太郎
書 記 鈴木 均
書 記 岡田 浩二
書 記 竹内 賢三
1.委員長署名
午前10時00分開議
○いでい委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。
認定第1号から認定第6号までの計6件を一括して議題に供します。
昨日の理事会の報告を行います。
本日の運営についてですが、総括質疑の順番は、1番目に、昨日に引き続き、やながわ妙子委員、2番目に大内しんご委員、3番目に北原ともあき委員、4番目に佐藤ひろこ委員、5番目にむとう有子委員、6番目に近藤さえ子委員、7番目にいながきじゅん子委員、8番目に林まさみ委員の順で8名の総括質疑を行います。
なお、本日は総括質疑最終日であり、午後5時を過ぎることも想定されるため、午後5時を過ぎる場合でも質疑を続行し、委員長判断で適宜休憩を入れることを確認しました。
以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。
ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声ではっきりと職名を述べるようお願いします。
なお、質疑、答弁中には私語を慎むようにお願いします。
それでは、質疑に入ります。やながわ妙子委員、質疑をどうぞ。
○やながわ委員 皆様、おはようございます。昨日に引き続き質疑を続行させていただきます。
2番目の発達障害児の支援について伺います。
現在、中野区は、療育センターアポロ園が建てかえ建設中でございます。既に民営による運営が決まっております。障害を持つ親御さんからさまざま期待もされております。せんだっても我が会派の久保りか委員からさまざま要望があったところでございます。開設に当たっては、区民の期待にこたえていただきたいと思っております。同時に、南部地域に在住している親御さんたちや関係者の間では、南部方面に建設が予定されている新たな障害児施設に対して大きな期待を持っております。私は、南部方面にアポロ分室を設置すべきと長年提案をしてきたところでございます。中野区は10か年計画に新たな障害児施設の設置とあります。区内の交通アクセス等を考えると、この新たな障害児施設はアポロ園と同様な機能を持ち合わせた障害児施設の拠点として設置すべきだと思います。
この件について、田中区長の2期目のマニフェストには、南部方面にアポロ園的な機能施設を設置するとあります。そこで区長にお聞きいたしますが、区長の言う施設とは、先ほど私が述べたような施設だと考えていますが、いかがでしょうか。また、現在はどのように計画が進んでいるのか、お聞かせください。
○田中区長 マニフェストのときには、現在のアポロ園をもっと専門性を高めて、時代の要請にこたえられるように充実をしていきたいという気持ちがありましたので、そのままアポロ園と同じものをというふうには書きませんでしたけれども、アポロ園も建てかえをして、さらに充実をさせていくということを一方でやっているわけでして、南のほうで展開するものも当然そのアポロ園と同じものをと、基本的に同じものをということでマニフェストでも書かせていただいたと。そういうふうに理解していただきたいと思っています。
○やながわ委員 ぜひそのように進めていただきたいと思います。
先日、渋谷区の子ども発達相談センターに行ってまいりました。昨年6月に開設したばかりの施設です。電話相談、面接相談、出前訪問相談と、いずれも専門スタッフによる対応をしております。さらに、そこから子育て支援として、親子の遊び場スペースどんぐりや交流広場、であいグループという場の提供等、充実した施設になっております。
相談内容は、精神遅滞、自閉症、注意欠陥多動性障害、集団適応の問題や育てにくさのある児童が圧倒的に多く、子育てに困難さを抱えている親御さんがいかに多いかわかります。これは渋谷区だけの問題ではないと思います。新たな障害児施設の開設は、中野区もこうした相談機能を充実した施設にするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○町田子ども家庭部副参事(子ども健康担当) アポロ園では、より専門性を強化して、相談機能を充実してまいります。身近で気軽に相談できる場所として、4カ所の地域子ども家庭支援センターにおいて発達相談を実施してきているところでございます。
○やながわ委員 今、アポロ園と言った。私が聞いたのは、これから開設するであろう新たな障害児施設ということで理解してよろしいんですか。
○町田子ども家庭部副参事(子ども健康担当) 先ほど区長の答弁にございましたように、アポロ園及び南部に展開する新たな療育施設においてということで、どちらも同様でございます。失礼しました。
○やながわ委員 もう一つ大事な機能があると思っております。それは医療機関との連携です。東京都は10月1日、きのうから都立大塚病院に公明党の推進で発達障害専門外来が開設されました。こうした機関とも連携を図るべきだと思います。また、先ほどの渋谷区の発達相談センターでも、医療的な問題は小児科医、児童精神科医、整形外科医による相談を行っております。中野区も医師会と協議をし、実施すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○町田子ども家庭部副参事(子ども健康担当) 医療機関との連携及び療育施設内での小児科医などによる相談については、これまでも実施してきているところでございます。アポロ園及び南部地域に整備する療育施設においても引き続き実施してまいりたいと思っております。
○やながわ委員 こうした医療機関との連携、あるいは充実が、区長がマニフェストでアポロ園の分室をというふうに言ったものに対して、さらにここを充実することがそのマニフェストを進化させることになるんだと実は思っておりますが、その辺もう一度お聞かせいただきたいと思います。
○田中区長 発達障害に対する対応といったようなことは、日々新しい展開をしているというふうに考えております。必要な機能を適切に充実をさせていきながら、施策の前進を図っていきたい。このように考えております。
○やながわ委員 ぜひ期待をしておりますので、よろしくお願いいたします。
発達障害児や発達障害の可能性があり、配慮や支援の必要な子どものための中野区版の要配慮児支援システムをつくってはいかがでしょうか。
○町田子ども家庭部副参事(子ども健康担当) 発達のおくれや障害のある子どもについて、行政としての支援経過や生育歴を記録したサポートファイルを作成し、これを活用することにより、地域で成長過程を通じて一貫した支援を受けられるようにすることを考えております。
○やながわ委員 ありがとうございました。
次に子育て支援について伺います。保育園待機児童の解消について。この件については我が会派からも質問をし、提案もしてまいりました。また、多くの同僚議員からも指摘があり、区は現在さまざまな手だてを講じています。待機児童解消には今のところ届かないのが現状です。私はこの際、区内のあらゆる施設や保育にかかわる一切の手だてを活用すべきだと思っております。そこで、中野区における待機児童は8月現在、新定義で169人と聞いております。ゼロ歳児が74名、1歳児が75名、2歳児は13名となっています。
認可保育園で待機児を解消するには莫大な予算が必要と考えられます。21年予特の資料によりますと、ゼロ歳児のお子さんを区が預かると、1人に対して年間おおむね500万円かかります。片や仕事をしたくても保育園に入れないでいる親御さんもいます。保育園に入れたお子さんと入れないでいるお子さんでは大変な不公平を生じていると思います。この不公平さを解消するには、仕事がしたくても保育園に預けられない親御さんたちに対し、早期に保育園の設置で対応できないのであれば、現金給付で対応するしかないのではという声も上がっております。私もこの考えにはうなずけるところがあります。こうした現状を区はどのように認識しているのでしょうか、伺います。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 保育園に預けられないために働けない保護者は不公平感を感じていらっしゃるということについては十分理解しているつもりでございます。
○やながわ委員 第2次の10か年計画素案の「さまざまなサービスで支えられる子育て支援の推進」には、多様な保育サービスの拡充として、保育所の建てかえに合わせた定員の拡大や認証保育所の新設開設の支援等により、待機児童をゼロにすることを目指します、家庭福祉員等の保護者のニーズに応じた保育サービスの充実に努めます、とありますが、地域に根差した家庭的な雰囲気の中での子育てをねらいとした家庭福祉員の充実を図るべきだと考えています。認証保育所の利用料は要綱で上限が8万円までと定められていますが、大多数の利用料はおおむね7万円前後となっています。しかし、子育て世代の家計を逼迫させています。19年度より区が実施している保護者補助費が最大2万円ですが、保護者の毎月の負担は平均5万円前後となっています。これに比べて食事の提供はないものの、家庭福祉員による利用料は最大3万円です。2歳児までの保育ですが、保護者負担の観点からいえば、家庭福祉員の拡大を図るべきだと思います。
平成20年度の決算書には、家庭福祉員は設置数8カ所とあります。資料として出していただきました文教99、この過去5年間の推移を出していただきましたが、こうして見ますと、年間、19年度から1人ずつしかふえていない、この実態をどのようにお考えなんでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 現在、家庭福祉員につきましては、昨年度より1カ所ふえて、9カ所となってございます。児童は23人の児童を保育しているということで、家庭福祉員についても待機が出ている状況でございます。このような現状につきましては、家庭福祉員の数について決して十分であるというふうには思ってございませんけれども、さまざまな課題もございます。このため、家庭福祉員の拡充のためには、それらの課題をクリアしていく必要があるというふうに考えてございます。
○やながわ委員 今、御答弁もいただきましたが、この家庭福祉員になるための、この条件であったら私もやってみようと思わなければ、進まないのではないでしょうか。いわゆる保育ママの活用を待機児解消の手だてとして、条件緩和や家賃助成などを検討すべきだと思います。その条件緩和の一つですが、子育ての経験があれば、保育士資格や看護師資格を持っていなくとも、一定程度の実務研修を履修すれば資格を得られるようにする。その際、実務研修は区立保育園を活用するようにしてはどうでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 家庭福祉員の資格要件の緩和についてでございますが、東京都の家庭福祉員事業の補助の適用対象となるためには、保育士等の資格がない場合、保育経験を有すること及び区市町村が実施する121時間をめどとした研修を受講することが要綱上、要件となってございます。今年度から発達心理や保育理論など学科に当たる51時間分の研修を東京都が実施することになりましたので、家庭福祉員として認定する場合には、この都の研修を受けてもらった方に対して、残りの保育実習等を区立保育園で実施する方向で考えていきたいと思っております。
○やながわ委員 そういう条件を区報等に、やっぱりこれならできるなという人だっていると思うんです。今、こういう緊急事態でございますので、そういった条件緩和を考えているとするならば、きちっと区報等に、またあるいは子ども家庭支援センター等で周知をしていただきたいと思いますが、その辺はどう考えているでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) これにつきましては、きちっと方針と計画を策定した後、しっかりと周知してまいりたいと考えてございます。
○やながわ委員 2番目の条件緩和というんでしょうか、提案ですが、自宅で保育専用の居室を確保できない場合、家庭福祉員がアパート等を賃借した場合には家賃を補助するようにしてはいかがでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 現在の中野区の家庭福祉員制度運用要綱では、自宅などに6畳以上の保育室を有することが要件となってございます。このため、現在保育室を自宅とは別に賃貸の形態で開設することは認めておりませんが、仮に賃貸の形で開設を認める場合につきまして、自宅で開設する場合との均衡の問題がございますので、原則としては家賃は保育委託料の中で賄ってもらうという考えでございます。
○やながわ委員 それじゃ条件の緩和にはならない。先ほどおっしゃったような努めてまいりたいということから逆行するように思うんですね。やっぱりこの辺にも工夫がないと、だったら同じじゃないと。そこの利用料から、あるいは事務経費の中から家賃も出すと。中野区、アパート一間借りるといったって2万、3万じゃないわけで、その辺はやっぱり柔軟な対応をしない限り、これはふえないと思いますが、その辺の弾力的な考え方はあり得るのでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) これは自宅で開設する場合との均衡の問題というのがどうしても出てまいりますが、例外的に賃貸の形で補助ができるのかどうか、研究してまいりたいと考えてございます。
○やながわ委員 ぜひ前向きな検討をしていただきたいと思います。
3番目には、家庭福祉員のサポート体制の充実です。1人で最大3人までの乳幼児を保育する家庭福祉員にはリスクが少なくありません。自分自身の病気やけがにはもちろん、家族の病気など、さまざまな場面が想定されます。さらに、よりよい保育を提供するためには、研修参加の機会も担保すべきです。これらの病気や研修会参加における休業の際に、そのエリアでの区立保育園などでのサポート体制の構築を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 家庭福祉員の休業の場合でございますとか、あるいは研修の機会を担保するなどのためにサポート体制を構築することに関しまして、現在、保育園の職員も参加してPTをつくりまして、連携保育所の導入を検討してございます。既に区立保育園だよりの配布を行いまして、家庭福祉員が身体測定や地域子育て教室などの際に近隣の区立保育園に児童を連れていったり、あるいは散歩のときに立ち寄るなどの交流も始めてございます。
○やながわ委員 家庭福祉員のところで預かっているお子さんがそうした連携保育園との中で交流しているということは当然のことながら、私が今申し上げたのは、きちっと休みがとれるように、家庭福祉員の人が1週間、土曜保育もやっているわけですよね。6日間。片や公立の保育士さんたちは、きちっとそれは担保されているわけですね。ここまで緊急事態になってきているわけですから、区も本当に柔軟な、交流だけの担保じゃないです。私が言っているのは休むとき。その休むとき、今、何をどうしているかというと、緊急一時保育室に預けているわけですね。実はこの緊急一時保育というのは、在宅で子育てしているお母さん方にリフレッシュ保育とか、何かのときにちょっと預けたいと。しかし、今、そういう方々が予約さえ受け付けられないとか、かなりの条件があって預かってくれないと。こういう声も聞いています。でも、片や、そういうところに今、家庭福祉員でお預かりしているお子さんを預けているわけですから、今、交流だけの連携を私が申し上げているわけではありませんので、この辺もしっかり構築していかないと、今後これはふえていかないと思うんです。その辺を申し上げているんですが、再度御答弁をいただきたいと思います。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 交流を始めているというのは、連携保育所導入のための準備的な行為でございまして、委員御指摘のように家庭福祉員が休業する場合に、緊急一時保育の枠を利用させていただいている。これは本来的な形ではないということで、連携保育所導入の検討を始めているということでございますので、しっかり検討してまいりたいと思います。
○やながわ委員 杉並区では新たな待機児童の解消の施策として、認可外保育施設を直営または委託での形で実施しています。これも一つの有効な手法だと思います。保育園に入りたくとも認可保育園には入れない。認証保育所も今やいっぱいという状況で、やむなくベビーホテルなどの認可外の保育所に入れざるを得ない保護者もたくさんいる中で、同じ税金を納めながら、なぜ認証保育所の保護者だけに保護者補助の制度があるのかと。一般に認可外保育施設やベビーホテルというと、劣悪な保育環境をイメージしがちです。補助金を出して、より良質な保育環境の整備に向けた指導を行うべきだと思います。認可保育所や認証保育所、またはベビーホテルを利用している乳幼児も皆等しく中野区の子どもです。あすの中野を担っていく子どもたちであることを忘れないでいただきたいと思います。
先日、この認可外保育室の現場を見てまいりました。本当によく頑張っていることがわかります。こうしたところも受け皿として活用してはどうでしょうか。それには中野区独自の認可外保育室の支援を検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 現在、認可保育所にも認証保育所にも入れずに、やむを得ずにベビーホテルに預けざるを得ない保護者がいらっしゃるということに関しては、保護者の負担の公平性という点からは問題があるというふうに認識してございますけれども、財政状況も踏まえた検討が必要であるというふうに考えてございます。
また、ベビーホテルにつきましては、従来から保育環境との関係で、補助をするべきか否かという問題がございます。補助の問題に関しては、財政面はもちろん政策面からも慎重な検討が必要であるというふうに考えてございます。
○やながわ委員 ありがとうございました。
次に、出産費の負担軽減について伺います。出産育児一時金がこの10月1日から42万円になりました。しかし、東京都内での出産費の平均負担額は51万5,000円です。中野区の周辺ではこれ以上負担しているのが現状です。結婚して中野区内に住み、子どもを生み育てるには大きな経済的負担がかかります。これでは将来の夢も希望も生まれません。出産育児一時金の増額は国保の関係もあり、中野区独自で改正することはできません。渋谷区ではハッピーマザー制度、分娩一時金制度、また、世田谷区のことし4月からスタートした第3子以降の出産費助成があります。中野区もこうした状況をかんがみ、独自の出産費の助成を検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○町田子ども家庭部副参事(子ども健康担当) 出産費用の経済的負担の軽減を図ることを目的として、今月から暫定的に出産育児一時金の支給額が引き上げられ、原則42万円となったところでございます。また、出産費用に出産育児一時金を直接充てることができるように、原則として各医療保険者から直接病院などに出産育児一時金を支払う仕組みに改められ、出産費用の負担軽減が図られていると思われます。出産費用については、医療保険制度の中で対応できているものと考えております。
○やながわ委員 時間がないから次にいきますが、先ほども申し上げましたように50数万円以上かかるわけで、その辺もやっぱり配慮していただきたいと思っております。
次に、Hibワクチンの公費助成について伺います。多くの医療従事者からは、Hibは子どもの健康と将来に格差が生じる可能性があると指摘されています。きのう私もB小学校の男の子の発達障害の件で特別支援教育でお話ししましたが、このお子さん、実は髄膜炎による後遺症で発達障害というこの障害が残ってしまいました。やっぱりこのことに関しても強く憂える気持ちがありますので、このHibワクチンの公費助成については再三、我が会派からも質問や要望を出してまいりました。先日も本会議で取り上げさせていただきましたが、区長からの御答弁は同じ答弁が繰り返されてまいりました。
そこで、何点かお伺いしたいことがあります。まず、ことしになって開始した乳幼児のおたふく風邪や水ぼうそうの予防接種に対する区の補助事業の対象者について、想定した受診率と人数、そして開始以来これまで何人のお子さんが接種を受けてきたのでしょうか、お伺いいたします。
○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 想定受診率は30%、人数にしますと2,376名でございます。それぞれ4月から7月末現在、おたふく風邪は963人、水ぼうそうは969人がこの制度を利用して接種を行っております。
○やながわ委員 Hibワクチンは年齢によって接種回数が異なります。中野区内のHibワクチンの接種対象者は何人ぐらいいるのでしょうか。その全員が接種を受けた場合の総接種回数はどのくらいになるのでしょうか。
○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 平成21年4月現在で申し上げますと、主にゼロ歳から4歳までがHibワクチンの一般的な接種対象者と考えられ、9,091名になります。また、Hibワクチンは年齢によって接種回数が異なりますが、すべての対象者が接種を受けた場合の総接種数は延べ1万5,313回になります。
○やながわ委員 今の御答弁を聞いて試算をしてみますと、Hibワクチン接種については、東京都がことしの4月から自治体に対して補助率2分の1の補助制度の支援を行っております。そこで、区が1回の接種につき4,000円の補助を行い、対象者の3割が接種を受け、さらにこの補助制度を活用した場合の中野区の負担費用はおおむね1,000万円になると試算できます。これは決して不可能な額ではありません。これで子どもの命を守れるとしたら、できるのではないかと思います。子どもの髄膜炎を防げる対策の一つとして、Hibワクチン接種は大変重要です。来年度の予算編成に向けて公費負担の導入を積極的に検討することをこの場で改めて要望しておきます。御答弁は結構でございます。
○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 申しわけありません。一部数字の訂正がございます。
先ほど水ぼうそうを969人とお答えしましたが、実際は696名でございます。696名が正しい数字でございます。申しわけございません。よろしくお願いいたします。
○やながわ委員 ぜひよろしくお願いいたします。
次に、食育の推進について伺います。食育推進基本法が制定され、自治体の取り組む責務が明示されました。私はこれまで食育の大切さを主張してきた一人でございます。平成20年度健康と食育の推進事業に執行した額は2,765万1,604円となっています。どのような取り組みをしてきたのでしょうか。
○町田子ども家庭部副参事(子ども健康担当) 中野区食育推進アクションプログラムに基づき、子どもたちの健やかな心と体をはぐくむ食育について区民意識が高まり、区民運動として食育が広がるよう食育推進協議会を設置いたしまして、5回開催させていただきました。また、食育推進のための食育・健康づくりフェスタを開催いたしまして、盛況でございました。マスコットキャラクターを区民から広く募集させていただきまして、「うさごはん」に決定いたしまして、着ぐるみやキャラクターグッズを通じて食育推進に取り組んできたところでございます。
食育に関するホームページも開設いたしまして、食育e-ウオークラリーの実施や各種食育事業の紹介などを通して、食育・健康づくりに関する周知啓発を図ってきているところでございます。各種食育事業の内訳といたしましては、食育サポーター養成講座、ファーストステップ食育キャンペーン、食卓づくり講習会などを行ったところでございます。あわせて、中野区業務委託提案制度で採用されました食育入門クッキング委託や食育推進事業補助金などを行ったところでございます。
○やながわ委員 今、中野区食育推進アクションプログラムに基づいて、さまざま事業をされてきたと御答弁いただきましたが、食育推進協議会、この果たす役割と、そして現在もどのように機能しているのでしょうか。
○町田子ども家庭部副参事(子ども健康担当) 食育推進協議会は、中野区食育推進アクションプログラムに基づく食育推進事業を効果的かつ効率的に推進するために設置した協議会でございます。食育推進協議会は、食育の推進にかかわる実施方法や区民への周知方法など、地域団体などにおける取り組みについて協議するところでございます。委員は町会連合会、医師会、歯科医師会、商店街連合会、幼児・小・中学校代表、青少年健全育成地区委員会、民生児童委員協議会、栄養士などから構成されているものでございます。平成20年度に引き続き、今年度も5回開催予定であり、積極的な協議や各種事業のPRなどを行っているところでございます。
○やながわ委員 今、御答弁いただきましたが、委託事業としてさまざま事業を展開している。私もホームページで見ましたが、なかなかよく検討されていると思います。ただ、この決算書によりますと、参加人数が2,200人と、区民の認知度はまだまだ少ないと思います。先ほどの答弁にもマスコットキャラクター「うさごはん」だとか、そういうのは目につくんですが、食育に対する区民の意識レベルが上がったかどうか、大変わかりにくいと思います。今後は参加者の増員と食育のPRも必要と考えますが、どのように検討されているのでしょうか、伺います。
○町田子ども家庭部副参事(子ども健康担当) マスコットキャラクターに頼り過ぎずに、食育を身近に感じ、日々の生活に取り組んでいけるように啓発を進めていきたいと思っております。食育や健康づくりは全庁挙げて取り組むべきものと考えております。食育キャンペーンチームをはじめとした庁内関係部署とも連携を十分図りながら、区民運動をより広域的なものとなるように事業展開やPRを推進してまいりたいと思います。
○やながわ委員 特に妊娠時や乳幼児期の食のあり方は大変大事だと思っています。若い妊婦さんの中には、今まで全く料理をしたことがないという人も少なくないと聞いております。食育の意義を考えると、妊婦さんたちの啓発も大事なことだと思っています。妊娠時の食の大事さを考えると、食育推進協議会に助産師さんも加わることが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○町田子ども家庭部副参事(子ども健康担当) 妊娠時、乳幼児期の食のあり方は重要なものであると認識しております。食育推進協議会の委員に栄養士代表も入っているため、栄養にかかわる知恵を伺うことができると考えております。助産師をはじめとした多様な意見に広く耳を傾けるように努めてまいりたいと思っております。
○やながわ委員 板橋区では、昨年9月から訪問を始めた離乳食訪問お助け隊が訪問先で離乳食の指導を行う中、現場で得た情報をもとに市販の離乳食の本では例のない、大人の料理から取り分けてつくるレシピカードを作成し、配っているそうです。また、塩釜市では食育推進の一環として、母子手帳とともに妊婦に贈呈されるオリジナル料理集「マタニティママのおいしおがまメニュー」を配布している。食育に関心を持ったきっかけは何かとのアンケートでは、子どもができたからという回答が一番多かったそうです。私はこの乳幼児期、あるいは妊娠時期におけるそうしたきめ細やかなサービスが食育運動を進める一環だと実は思っております。
今まで聞いたように中野区もさまざまやっております。レシピコンクール、クッキング教室等々。私はこれから子どもを育てる方々にこうしたレシピ集をつくって、PRを兼ねて配布するなどを考えてはいかがかなと思いますが、どうでしょうか。
○町田子ども家庭部副参事(子ども健康担当) 母子手帳発行時に「妊娠期・授乳期ママの栄養ガイド」というレシピ集及び妊産婦のための食事実践ガイド「ママと赤ちゃんの栄養ガイド」をすべての方に配布しているところでございます。
○やながわ委員 さまざまな視点で小・中学校やそういう方々にこうしたカレンダーをつくって渡すとか、いろんな形でやらない限り、この食育がいかに大切かということをPRするのは難しいと思いますので、そういった視点もよろしくお願いいたします。
時間がありませんので、次にいきます。赤ちゃんほっとスペースの活用について伺います。20年度の決算書には、赤ちゃんほっとスペースシール印刷代として14万6,150円、200枚が計上されています。現在はどこまでいっているんでしょうか。
○瀬田子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当) 赤ちゃんほっとスペースにつきましては、区内の各駅の周辺、また区内におきまして授乳スペースやおむつがえシートを有する施設、店舗につきまして、区有施設、あるいは民間の施設を問わず区が認証し、認証した施設にステッカーシールを張り、身近な施設で御利用いただくようにPRをしているものでございます。これまで、今年度の8月現在でございますが、授乳室につきましては区有施設で12施設、民間におきましては3施設、合計15施設。それから、おむつがえシートの設置施設につきましては、区有施設で33施設、民間施設で24施設の合計57施設で、1施設につきましてシールを2枚ずつ配布をし、添付をしてPRに努めているところでございます。
○やながわ委員 他の自治体のいわゆる赤ちゃんの駅事業には、必ず授乳とおむつがえがセットになっております。中野区の赤ちゃんほっとスペースの大半には、今御報告いただいたように、この授乳スペースが大変少ないと思います。これはどうしてなのでしょうか。
○瀬田子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当) 当区におきましては、地域センターなど区有施設を中心にいたしまして、おむつがえシート及び子ども専用シートの計画的な整備をこれまで進めてきたところでございます。授乳スペースにつきましては、調乳用の給湯設備、あるいはまたそれを代替する措置といったような形で整備を要しますし、また授乳場所を仕切る設備などが必要になってきてございます。現状では、それらの要件を満たしている施設が15施設となってございます。ただ、現在、保育園などにおきまして、授乳やおむつがえの必要のある区民がそこの園児でなくとも気軽にお立ち寄りいただきまして、御利用いただけるように施設内の工夫で対応できるように準備を進めてございまして、近々周知、PRを始める予定となってございます。
○やながわ委員 他区の自治体では、いろいろな民間のホテルだとか自動車系の販売店だとか、あるいは本庄市では警察署、税務署、ホテル、商店、さまざまいろんな民間の施設にも広がりを実は見せております。そういう点も含めて、中野区の顔と言われるサンプラザにもこの授乳施設がありません。中野のランドマークタワーと言われているサンプラザにこそ設置すべきではないでしょうか、どうでしょうか。
○瀬田子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当) サンプラザにつきましては、現在、授乳スペースの設置につきまして、株式会社サンプラザにおいて検討が行われておりまして、サンプラザ側と区側双方の担当者間でこの間、話し合いも進めてきているところでございます。サンプラザ側といたしましては、整備計画を作成しており、具体化に向けて検討を進めていると伺ってございます。区といたしましても、中野駅周辺のランドマーク施設といった性格のものでもございますので、整備に向けて必要な助言などに努めているところでございます。
○やながわ委員 あともう1点、このシールは応募によって決まったそうなんですが、大変かわいいシールなんですが、このマークでは中野区のように授乳とまだおむつがえがセットでない。こうした場合、両方できればいいんですが、できない場合、授乳のマーク、あるいはおむつがえだけのマーク、何とか工夫をしないと大変使いにくいんではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
○瀬田子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当) 現在のほっとスペースのステッカーでございますが、東京工芸大学との相互協定、協力によりまして、デザインを同大学に依頼をさせていただきまして、区が作成したものでございます。御指摘のよりわかりやすい表示につきましては、現在のステッカーそのものがまだ採用して1年ほどでございますので、直ちに切りかえるということは難しいと考えてございますが、今後よりわかりやすい表示につきましては、御指摘の点を踏まえまして、工夫に努めてまいりたいと考えてございます。
○やながわ委員 ぜひ工夫をしてください。あの今のシールを変えろと言っているわけではありませんので、あそこに哺乳びんをつけたり、赤ちゃんのおむつのマークをつけたり、ちょっと工夫をしたらいかがかなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
次にまいります。行政サービスのあり方について。私は、平成17年第4回定例会の一般質問で、行政サービスの向上について区長のお考えを伺いました。当時はおもてなし運動、フロアマネジャー、コールセンター等について伺いました。「新しい中野をつくる10か年計画」の前期5年の取り組みの検証を兼ねて、おもてなし運動の検証、職員の資質向上、コールセンターの設置について伺います。
区は、区民に満足していただく接客六つの約束を指針として、おもてなし運動に取り組んでいます。接客、接遇は中野区行政の顔として大事な分野であると思っています。20年度の決算書におもてなし講演会、全国改善改革実践事例発表大会参加等の記載があります。この大会の目的、ねらいは何だったのでしょうか。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 御指摘の全国改善改革実践事例発表会でございますが、全国の自治体で取り組んでおります業務改善、それから職員の意識改革、こういった事例を一堂に集めまして、全国規模で改善の発想、そして考え方を共有する。そして、みずからの職場で効率的な行政運営と不断の改善改革、こっちに取り組む共鳴を起こす。そして、お互いが教え学び、ともに成長していく。こういったことを目的とした大会でございます。
○やながわ委員 この大会の参加団体数と人数、発表事例の件数は把握しているのでしょうか。中野区も発表したなら、事例とその内容も簡単に御紹介ください。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 平成20年度の福井市で行われました第3回全国大会でございますが、86団体、560名が参加をしてございます。また、発表事例につきましては18事例がありまして、中野区では区立のあさひ保育園「ただいまグリーンキャンペーン中!!」という事例を発表しました。この内容でございますが、保護者、在園児がいやされる空間づくり、それから親子のコミュニケーションの向上、それから、いざというときに頼れる保育園の構築、こういった内容の事例が発表されたものでございます。
○やながわ委員 区で取り組んでいるおもてなし運動は6年目になると聞いておりますが、職員の接客態度についてはまだまだ苦情が多いです。この運動の検証は行われているのでしょうか。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) おもてなし委員会でございますが、ことしで第7期になります。ただ、運動自体は6年目になってございます。7期目になりますが、期ごとに運動の成果について検証をいたしまして、さまざま次年度の各種の運動、例えばサイン計画とか、あとは来庁者に対するアンケート調査、そういったことを通じまして、その結果を全庁的に周知をいたしまして、より一層区民サービスに資するような運動になる。そういったような取り組みも進めているところでございます。
○やながわ委員 このおもてなし運動、こうした取り組みも必要と思いますが、そろそろ職員もおもてなしのプロとしての資質を高める必要があると考えますが、この辺はいかがでしょうか。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 毎年、期ごとにおもてなし講演会というものを開催してございます。この講演会には、そういった大学の教授、それから企業風土改革の民間コンサル、こういった方をお呼びしまして、どうすれば役所が変われるのか、こういったようなテーマで研修を実施いたしまして、委員、それから職員の意識改革を進めてございます。今後もそういった研修を通じまして、職員の資質向上、接客のプロとしての職員の養成、そういったものに努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○やながわ委員 あるNPO法人が認定するサービス介助士という検定資格をホテルや百貨店、交通機関の接客部門で導入が進んでいます。町田市が職員向けにこのサービス介助士の研修を行い、それをきっかけに検定を受ける職員が出てきています。区もこうした研修を通じて職員の意識改革に活用すべきと考えます。また、職員の接客対応や電話の対応などで言葉遣いや言い方の間違い等も多く見受けられます。正しい日本語の使い方等を学び直すことが必要だと思います。最近、自治体の中にも民間資格の日本語検定などを接遇の研修に取り入れられていると聞いております。中野区も区民サービスの向上のため、民間資源を活用するお考えはないでしょうか。
○尾﨑経営室参事(人事担当) 接遇の研修につきましては、ビジネスマナーの一環として、相手の立場や状況に応じた接遇の仕方などを含め、研修を行っているところでございます。また、適切な言葉遣いにつきましては、職員が身につけていなければならない基本的なスキルでございます。こういったことから区といたしましては、既にさまざまな民間資源の活用を取り入れながら研修を実施しているところでございますけども、今後とも研修の内容について十分検討を行い、より一層接遇の向上、職員の意識改革につながるようにしてまいりたいと考えております。
○やながわ委員 皆さんのこの胸のところにマークがついているかと思いますが、皆さんついている方自身もそうした意識改革というんですか、向上に向けて真剣に取り組んでいただきたいと思います。
次に進めさせていただきます。同じく17年4定で、私はコールセンターの設置について質問しました。区長からは、効率化と行政サービスの質を向上させるため検討していきたいと答弁をいただきました。これまでどのような検討をされてきたのでしょうか、伺います。
○安部経営室副参事(財産管理担当) この間、コールセンターを導入している他の自治体6カ所ほどございますが、その状況等について情報収集を続けてまいりまして、何時から何時までやっているか、どんなことについてコールセンターで対応しているかというようなことを調べてまいりました。
○やながわ委員 先日、私は足立区のコールセンター「お問い合わせコールあだち」を視察してまいりました。事業の立ち上げまでに1年半の時間を費やしたそうです。そしてさらに、この1年半の中で全職員を対象としてつくり上げたコールセンターで使用するよくある質問の回答集を全員が約半年間かけてつくったそうです。これはコールセンターの命綱になると思われます。
私はここで聞いてきたときに、当初は足立区も、聞くのが一番といって電話番号が書いてあるシールがあるんですが、代表番号、そしてコールセンターの番号が違っているんですね。職員の担当の係長いわく、躊躇したと言うんですね。代表電話と一緒に統合することを。しかし、20年1月からやってきて、これは一緒じゃないと、区民にとっても職員のさまざまな職務にいろんなお問い合わせが来ると、できなくなる。こう考えると、この電話番号を統合することが一番いいと。こういうことが判明してきたと。今一番考えているところはそこなんだというお話を伺ってまいりました。そういったさまざまな事例を参考にして、区も早期に具体的な検討を始めるべきだと思いますが、どうでしょうか。
○安部経営室副参事(財産管理担当) 確かに足立区でもコールセンターを設置して、そのコールセンターに質問が来るものについて、それをデータとして残して、区民はどういうことを一番区役所に対して聞きたいといいますか、質問してくるのかと。どういうことが区民が知りたいということがあるのかということをデータ化して、それで足立区の中でその情報を共有するというようなことを進めているというようなことがあるようでございます。多いのが、ごみの出し方、分け方なんていうのも非常に多いというようなことも聞いております。また、今年度の場合には定額給付金の問題とか、そういうこともあったということも聞いております。平成17年度に区長が答弁しておりますけども、単なる区の業務案内だけではなくて、さまざまな相談にも何らかの形で対応できるような体制について検討しなければいけないというふうに私たちも考えております。
それで、8月にお示ししました10か年計画の素案の第2章の重点プロジェクト、24時間365日どこでも区役所ということの中で、夜間休日窓口の延長や休日開庁の拡充の一つの方策として、コールセンターも検討していかなければならないというふうに考えておりますが、今、委員から御指摘のありましたように、今、当分野で電話交換というものを所管しているわけですけども、電話交換台の職員も足立区と同じような形でいろいろな区民から質問が来たときに、なるべく電話交換手のところでお答えできるものはお答えする。それから、間違ってお答えしてはいけないようなものは所管に回すというようなことで、それに近いようなお答えの仕方をしているわけですけども、こういう中での区民の質問というようなものも参考にしながら、中野区のコールセンターのあり方というものを検討してまいりたいと思います。
○やながわ委員 期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
10か年計画改定素案第3章の実現へのステップ1にコールセンターの設置がありますが、2章、3章にはコールセンターの記載がございません。コールセンターの位置付けは何でしょうか。きちんと考え方を記述すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 確かに今御指摘のように、10か年計画の改定素案につきまして、2章、3章にはコールセンターに関して具体的な記述がございません。ただ、行政サービスの効率性と利便性の向上、そして24時間365日対応によります区民の安全・安心の仕組みの一つといたしまして、コールセンターの果たす役割は非常に大きいというふうに考えてございます。今後、本案策定に向けまして、コールセンターの位置付け、これも明確にしていきたいというふうに考えております。
○やながわ委員 ぜひよろしくお願いいたします。
先般、私は、新聞で「ほほ笑みで温かい家庭と地域を」という見出しがありまして、早速、青森県に行ってまいりました。この青森県では、青い森のほほ笑みプロデュース事業、児童虐待防止事業、大変ユニークな事業を行っていました。時間がないので割愛していきますが、このきっかけは、児童虐待相談がふえ、虐待を予防する取り組みはないのかと、この職員の提案からできた事業でした。虐待の背景には、親の孤立やゆとりのなさがあると言われているので、不安やストレスをやわらげ、いやしをもたらすほほ笑みや笑いの力を取り入れようとしたものです。NPOの力をかりてやったというふうに聞いてまいりましたが、講習の内容は約1時間、受講者の評判がよく、家庭環境が改善したとか、子育てで気持ちが楽になったと多くの感想が寄せられているそうです。この事業で画期的なことは、職員提案だったということです。こうしたメンタルな分野を行政の政策にしたことです。期間の限定事業ではありますが、青森県知事のもとに県民から多数の依頼があったそうです。職員が身近な行動を取り上げ、効果の上がる事業としてつくり上げていくことこそ、地についた行政サービスではないかと思います。
先ほど板橋区の赤ちゃんの駅事業も、これも職員提案からでき、今では全国的に展開しております。中野区では庁内ベンチャー事業の提案、あるいは政策の登用など、区の職員提案制度の取り組みはあるのでしょうか。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 職員提案制度につきましては、平成14年12月から実施をしてございます。また、それと似たものになりますが、アイデアボックス、これは区長へのミニ提案箱というような制度でございますが、これについては平成15年5月から実施をしているところでございます。
○やながわ委員 日常の仕事の中で区民と接する機会が多い職員の中からこそ、区民にとって必要な施策がつくられるのではないかと思います。積極的に取り組めるような環境をトップの区長がつくっていかなければならないと思っております。職員の意識改革の先頭は区長だと思いますが、いかがでしょうか。
○田中区長 職員提案も、それからアイデアボックスというような形での、自分の持っている職務以外でのアイデアを自分で深めたり、それを提案したりという仕組みも、これも持っておりますし、大事なことだとも思っております。実際に施策化されたものもあったりいたします。そういうことも大事だと思っておりますけれども、もう一つやっぱり本来業務の中で、それこそ区民とじかに接して、肌で感じたものを施策化していくというのが職員の本来の能力の発揮の場面だと思っておりますので、そういう意味で今回の10か年計画の改定でありますとか、さまざまな新しい施策形成、これの検討を現場の職員が積極的に主体性を持って進めていくと。そういったようなことができるような組織全体の目的をきちんと明確にして、それに対してどのような成果を上げていくのか。そのことを評価して、必要な改善を常に加えていくというPDCAサイクルを定着させながら、職員がみずからの創意工夫を職務の中で十分に発揮できるような環境をつくるように努めているつもりでございます。今後ともこうした考えをしっかりと持ちながら進めていきたいと思います。
○やながわ委員 ありがとうございました。職員は区民に寄り添って、また区長は職員がそういうさまざまな政策提案やいろんなことが生まれ出てくるような、こういう職員に寄り添って行政を進めていただきたいと念願しておきます。
最後の質問になります。女性の健康支援について伺います。中野区は、先月、9月中旬に女性特有のがん検診推進事業として、特有のがん検診無料クーポン券を、対象年齢者に受診票を送付しました。またあわせて、がん検診手帳が配布されました。これがそうです。私は対象年齢ではございません。来ていませんので、同僚議員の久保委員のところに来たというのでお借りいたしました。年齢は申し上げませんが。中身を見ると、このがん検診無料クーポン券の女性の検診手帳、職員の方も見ていない人も多いんじゃないかと思います。こういうのが来ております。中を見ると大変よく書かれております。この事業は国の事業によるものなんですが、先般、区長は、新しい政権になってもこの事業はやるのかと、こういう質問に対して、しっかりやっていくと。こういう御答弁をいただきました。さらにこの5年刻みの対象者だけではなく、期間を延長すると中野区は発表しております。今後こうした現状の中で対応をしていくのかと改めて伺います。
○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) 乳がん及び子宮頸がんの無料検診の期間延長についてでございますけども、女性の健康支援という視点から10か年計画の素案にもそのような考え方を明らかにしているところでございます。今年度、先ほど御質問にもございましたが、乳がん検診、子宮頸がん検診の無料クーポン券や受診票などを対象者の方に送付する際にも、そのような考え方を説明しているところでございます。区といたしましては、乳がん検診であるとか子宮頸がん検診の受診率の向上を図るために、区独自に無料検診の実施期間の延長を行っていきたいというふうに考えております。
○やながわ委員 時間がありませんので。この検診、乳がん、子宮頸がんの検診の受診率をやっぱり上げていかなければいけないということで配られたわけですが、2万4,000人の方に今回配られてきたわけですので、中野区としてもこうしたことのPR、あるいはどうしてもやっぱり受診率が上がらなければ意味がないと思うんですね。せっかく送付したわけですから、何らかのPRが大切と思いますが、どのようなことを検討されているのでしょうか。
○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) 対象者全員の方には、先ほど御質問にありました、わかりやすく乳がん検診、子宮がん検診の必要性などについて説明した検診手帳を配布しているところでございますけども、さらにこれらの検診の受診率の向上に向けたPRにつきましては工夫をしていきたいというふうに考えております。
○やながわ委員 具体的な内容をお聞かせいただきたかったんですが、他区の自治体にはホームページの前面にばちんと載っていたり、ポスターが張られたり、さまざま工夫しておりますので、どうか検討していただきたいと思います。
昨日、10月1日から乳がん撲滅キャンペーンが始まりました。私もピンクリボンをつけております。ピンクリボンをつけている人はほとんどいないように見受けられますが、一貫してこの女性の健康キャンペーンに何らかのイベント、あるいはそうした対応をすべきだと、このように私ども言ってきました。しかし、今回もそれらしきものは何もございません。練馬区はもう本当に前面にピンクリボンがついているんですが、東京都もライトアップだとかさまざましております。次回のそうした女性健康支援のキャンペーン期間の取り組みをお聞かせいただいて、最後の質問にしたいと思います。
○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) 今年度の乳がん月間の取り組みにつきましては、乳がんの講習会のほかは考えておりませんけども、今後、乳がん検診の普及促進に向けた広報などについて検討していきたいと思っております。
○やながわ委員 ぜひよろしくお願いいたします。
以上で、すべての総括質疑を終わらせていただきます。本当にありがとうございました。
○いでい委員長 以上で、やながわ妙子委員の質疑を終了します。
次に、大内しんご委員、質疑をどうぞ。
○大内委員 おはようございます。自民党5番目ということで質疑をさせていただきます。
自民党も人数が多いだけあって、いろんな切り口から質問させていただきます。また、きょう夜中、オリンピック、いよいよ決まるということで、きょうの天気と同じように、あまり東京の雲行きはよくないと新聞に出ておりましたけれども、それはさておいて質疑をさせていただきます。
質問通告に沿って、産業振興の中の新産業創出について、にぎわいの創出について、経営改革推進について詳しく内容を聞きたいと思います。よろしくお願いをいたします。
それでは最初に、この区民生活費中の産業振興費について、この産業振興費の事業内容及び決算内容は、予算書と主要施策の成果、各会計歳入歳出決算書及び説明書と区民生活部の事業概要、これをあわせて見ることにより、十分とは言えませんが、初めて知ることができました。しかし、どの資料も単独では、産業振興にはどんな事業が実施され、どのように経費をかけているのかよくわかりません。なぜなら決算内容は決算書と歳入歳出決算説明書との比較でしかわかりませんが、予算の段階では事業の内容が十分に煮詰められていないためか、事業内容が目のレベルで記載されており、事業内容は節の金額でしか判断できません。一方、歳入歳出決算説明書は目、事務事業、事業メニューで記載されていますが、節ごとの金額では示されていません。このため、予算に沿って事業が実施されたのか、歳入歳出決算説明書と予算書を見比べてもよくわかりかねました。また、事業内容は、歳入歳出決算説明書の説明と事業概要の事業内容は異なっている点が多くあるため非常に理解しにくく、また議会資料となる歳入歳出決算説明書は都合の悪い点は記載していなかったかと、そういった疑念を持っております。
そこで、実施された事業について、予算書、20年度の予算書、また主要施策の成果、各会計歳入歳出決算説明書、事業概要、そして担当のほうからいただきました契約書類、そういったものに基づいて質問をいたします。
まず、主要施策の成果と歳入歳出決算書の施策、事業体系の表記の違いについてお聞きをします。主要施策94ページの成果に記載されている分野名、決算説明書では産業振興費の項、施策名は目、事業名は事務事業、事業メニューということでよろしいんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 恐れ入りますが、もう一度御質問をお願いいたします。
○大内委員 ですから、平成20年度主要施策の成果別冊、各分野の行政評価結果94ページ。これと決算説明書の項、施策名や目、事業名は事務事業、事業メニューでいいんですね。普通のことを聞いているんだよ。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) そのとおりでございます。
○大内委員 しかし、目標体系での文章の記述と予算決算での固有名詞型の記述は関連性が非常にわかりにくい。例えば、これでいう地域価値が向上するコミュニティゾーン、この94のところに出ていますよね。2203のところにね。これは決算書の188ページ、地域商業活性化の部分に当たるんですけれども、地域価値が向上するコミュニティゾーンを地域商業活性化と決算書では書いておりますが、ちょっと無理があると思いますが、これはどういうことですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 地域の価値が向上するコミュニティゾーン、その地域の商業活性化、そしてまた商店街につきましてはコミュニティ機能、地域の結びつきを強める機能を果たしていくということを考えております。それを達成するための施策として考えてございます。事業名としては、その具体的な名称として商店街活性化支援・経済交流ということで定めたということでございます。
○大内委員 ですから、この地域価値が向上するコミュニティゾーン、これを地域商業活性化と文言が変わっているんですけれども、これがちょっとわかりづらいと。もうちょっと記述に関しては的確に書いたほうがよろしいんじゃないのかなと思いますので、一応御指摘をしておきます。
次に進みます。次に、主要施策の成果では94ページですね。産業振興分野の四つの施策のうち、経営改革推進費、人材が育ち経営革新が続くまちで示されているこの事業名、後ろに事業メニューが出ていますが、これは6事業ありますが、予算、あるいは決算説明書では、事務事業と分けられているのは経営支援と雇用就労支援の2事業、あとの4事業は事業メニューとしております。他の三つの施策については事務事業と事業メニューの分類の仕方はほぼ似ておりますが、このように主要施策の成果で示された事業名を事務事業と事業メニューに分類していますが、その分類の仕方にこの部分では統一性が見られません。分類基準はあるのですか。もし各部の判断で自由にこの事務事業、あるいは事業メニューに分類ができるというのであれば、区政目標を達成するための施策、この施策を実現するための事務事業、事務事業を構成する事業メニューという目標体系がしっかりしていないということになります。副参事、分類をどのようにやっているんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 分類につきましては、94ページにございます事業体系に基づいて分類をしてございます。
○大内委員 だから、決算予算書では違うでしょうと、区分が。何でこういうふうに事業メニューと事業名。一緒に書いていると、事業を達成するために事務事業があるんじゃないんですか。何でこういう表記の仕方をするんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 事業体系の分け方が決算書のほうで分類、そのつながりがわかりにくいという点については、今後見直し検討をしていきたいと思います。
○大内委員 わかりました。じゃ、今年度からそれをきっちりやってください。
また、この決算の認定を議会が行うに当たっては、実施法及び施行令、施行規則に定められた附属書類と区が独自に作成している書類に基づいて審議することになっています。決算説明書で示された款、項の内容である目、節は歳入歳出決算事項別明細書で示されますが、中野区では審議をしやすく配慮がされ、決算書、説明書で目までしか示しておりません。しかし、予算書と決算説明書の説明が同じレベルで記載されていないこと。この配慮がかえって理解しにくいものになっているような気がします。
各会計歳入歳出決算事項別明細書116ページ、117ページを見ますと、新産業創出費が出ております。この備考欄に流用内容が説明されていますが、どの節からの流用かは読み取れません。予算書と決算事項別明細書をあわせて初めて、この委託料と補償補てん及び賠償金の節から596万9,000円が流用されたことがわかります。ところが、決算事項別明細書で示されている流用は目の単位でまとめられるため、流用によって減額された事業は何であるのかわかりません。これを解明するために、今度は決算説明187ページ、予算書の107ページの説明欄、企業立地推進費を見比べなければわかりませんでした。これまで議会での審議をしやすくするために工夫されてきたことが、かえって審議がしにくくなる。この原因は、先ほどお聞きした事務事業と事業メニューの区分けがはっきりしていない、あいまいであるということ。また、目の単位も統一した基準がないことだと思いますが、どう思いますか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 委員のお尋ねの趣旨については、目の単位まで表示、表現がないと一覧した場合に読み取れないという御指摘かと思いますが、その点については、現在のものではその状況にあるというふうに思います。
○大内委員 だから、この決算事項別明細書の117ページのこの流用を見ると、どこから流用されたか、一応書いてあるけれども、節の中のどこかがわからない。そういうことを言っている。わかりますか、言っていること。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 失礼いたしました。具体的に中身を申し上げますと、こちらの新産業創出費の中から地域商業活性化費へ流用したもの、これにつきましては節が変更になってございます。具体的には目間で、こちらにつきましては委託料として予算をつけていたもの、それが地域商業活性化のほうに流用ということです。
○大内委員 だから、流用がこの明細書を見ただけじゃなかなかわかりづらいよ。担当課長も簡単にわからないでしょう。そんな難しい話じゃないんだよ。あなたがつくったんだからね、この部分は。ちゃんと説明してくださいね。
じゃ、どんどん進めます。次に、この流用によって予算を減額した新産業創出費の企業立地推進事業についてお聞きをします。企業立地推進事業では、予算では1,098万円の経費を積算しています。予算ではどのような事業を予定し、予算化したのですか。平成20年度の予算説明書107ページに出ています。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 1,098万の内訳でございますが、二つの柱を想定してございました。一つは、企業立地推進のための新たな取り組み、そして二つ目は、都市としてのマーケティング強化のための取り組みということです。一つ目の企業立地推進のための新たな取り組みにいたしましては、具体的には三つ想定をしておりまして、一つはオフィス改修費融資制度、そして二つ目は企業立地促進事業、三つ目として企業誘致等促進体制の整備。二つ目の柱として想定しておりました都市としてのマーケティング強化のための取り組みにつきましては二つございまして、一つ目は区内オフィス等現況状況の把握、二つ目につきましては区内経済状況の把握ということでございます。
○大内委員 今、予算の説明だよね。今度、決算説明書を見ると、決算説明書の186ページ、新産業創出の事業メニュー、企業立地推進費、ここを見ると予算現額が501万1,000円、当初予算に比べ596万9,000円の減額がされています。さらに執行率も68%と低い。この減額は実施予定の今おっしゃった事業を縮小または取りやめにしなければできない額だと思いますが、この事業を縮小したんですか。今言ったやつをやめたんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 今申し上げた目的の内容のうち、具体的にはシティ・セールス活動をする予定でございました費用、そして企業立地推進のためにホームページを作成しようとしていた費用、もう一つ、オフィスリノベーション、先ほどの表現ですとオフィス改修融資制度、こちらにつきましては事業を取りやめた形になってございます。
○大内委員 だから、要するに当初予算で組んだ事業の予算を半分以下に減額し、そして目標達成に影響はなかったんですか。きちんと積算をしてあった予算であれば、そういったことがない。影響はなかったと思いますが、どうなんですか。積算がいいかげんだったんじゃないんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) それぞれ事業の取りやめたものについては理由がございます。目的に沿って事業を組み立ててきたわけですが、その経済状況の変化等に伴いまして、事業の組みかえをせざるを得なかった部分がございます。
○大内委員 ですから、当初予算が1,000万余組んでいる。途中でこれは目間流用かな、によって約500万に減額する。さらに執行されたのが340万。34%、当初の予算に比べると執行されていなかった。これでは積算の根拠が甘い。当初目的としていた事業が実施されなかったというふうにとれるんじゃないんですかと聞いている。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 金額的に、結果として流用としてなったわけですが、その内容といたしましては、経済状況の悪化に伴う緊急融資、こちらを実施するために流用するという部分が多くなってございます。もともとオフィスリノベーションということで考えていた部分、こちらは設備投資になってございますが、年度途中で経済状況が変わり、設備投資というよりは運転、また緊急的な融資ということの必要性が高まったということもありまして、変更になったものでございます。そういったことで内容の組みかえをしてございます。
○大内委員 緊急融資には回していないでしょう、流用していないでしょう。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 実際には緊急融資自体ではなく、緊急融資の手順の中でいたしております相談体制、こちらのほうは融資を受けるための前段階のステップとなりますが、そちらのための相談員謝礼、そういったところでの費用に流用してございます。
○大内委員 ちょっとそこを詳しく調べていないので、先へ進めますけれども、今言っていることはちょっと理解しづらいので。多分、でも、その流用は本当にそうやって流用されている。これには読み取れないんだけどもね。要は、そうやって聞かないとわからない。流用は。これを見ても全然わからない。500万以上のお金が課の中、部の中で勝手に流用されているということが問題なんじゃないですかと、そういうことも言っている。使われた方、何に使ったかというのは、それは一つの説明ができるのは当たり前だけれども、そういった流用って簡単にやっていいんですか。その辺の判断はどうなんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 結果としては部の判断ということになったわけですが、当然予算につきましては議会の承認も経て決定しているものでございます。やった結果については御報告をしてございますけれども、その財源内訳等については報告をしていないのが事実でございます。その点についてはその状況が十分に伝わっていないということは認識してございます。
○大内委員 ちょっと先に。それを言っちゃうと、また後で聞くので、あまりここでは聞きませんけども。
それでは、この21年度、本年度またここの部分で1,140万の予算を組んでいます。減額した事業、あるいは今、取りやめたのがありましたけど、こうやって予算化したのは何でなんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 昨年度につきましては、先ほど申し上げましたとおり経済状況の急激な変化で実際に実行ができなかったものがございましたが、企業立地推進につきましては、今後とも継続的な、持続的な発展のためには必要な領域でございますので、必要な予算について計上してございます。
○大内委員 じゃ、この予算、今、流用を話しましたけども、決定者はだれですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 目間につきましては部長の決裁ということになります。
○大内委員 部長はだれですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 昨年度は大沼部長でございます。
○大内委員 特命副区長は関係ないのね。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 大沼部長でございます。
○大内委員 じゃ、この企業立地推進事業費からの流用についてどのような判断をして決定したのか、大沼部長がいないから答えられないということはないよね。大丈夫だね。年度目標の達成に支障はないと判断されたんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) そのように判断があったということでございます。
○大内委員 違う。あなたに聞いているんじゃない。責任者に聞いている。
○鈴木区民生活部長 企業立地推進につきましては、今、担当の副参事から申し上げたとおり幾つか変更して執行したものがございます。さまざまな状況の変化によって何を優先すべきかというふうな総合的な判断のもとで、できるだけの対応をするというふうなことで昨年度は対応させていただきました。そういったことで当初想定した目標を別な手段を講じることによっても一部達成することが可能であるというふうに判断したことが一つと、それから、企業立地推進につきましては、継続的にできる方法を選び取りながら、中野区としての発信をし続ける。そういったような判断から流用財源を充てたものでございます。
○大内委員 これ、担当の副区長はいないの。目間流用を認めた担当の副区長はだれだったんですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 予算の流用につきましては、予算事務規則で定めておりますように部長の判断、決定でございます。
○大内委員 じゃ、担当副区長はいなかったということね。そのときにいなかったということでいいんですね。決定のときに。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 流用のほうには関与してございません。
○大内委員 わかりました。じゃ、次に進めます。じゃ、この予算流用を議会、あるいは常任委員会に報告されましたか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 先ほどの繰り返しになってしまいますが、結果としてやった、例えば緊急融資等につきましては報告をしてございますが、そこに至る財源の更正、変更についての報告はしてございません。
○大内委員 予算を審議するに当たって、議会としては詳細なところまで聞いて決定をしている。承認をしている。もちろん承認しない人たちもいるけど。そういった私たちは承認しているほうだから、きっちり聞いておかないと、承認したけれども、全然内容が違っている。それじゃ困るんです。決算を見たら違う。この目、節、予算の執行科目として執行機関が執行過程においてやむを得ない場合に限り変更することが許されている。昨日、平山委員のたしか質疑の中でも、この流用についてはいろいろ触れられておりました。また、そちら側のほうの担当者も説明をされていましたので、あまり詳しくは言いませんけども、この目、節、やはりこういったものでも議決予算を構成する一つの大きな材料であり、報告は必要だと思いますけど、どう思いますか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 予算につきましては御承認いただいたものであり、我々としてもどういう形で事業がどうなったか。それは逐一報告していく。逐一という言葉は失礼いたしました。大きな事業の変更があった場合には御報告すべきというふうに認識してございます。
○鈴木区民生活部長 予算のときには当然のことながら、事業の成り立ち、それから、それらの事業の経費がどこの目、節に置かれているか。それを含めて議会で御審議いただいているものというふうに理解してございます。現在、中野区では事業部制というふうなことで、一つの予算事務の進め方のルール、それにのっとって、これまでもこの目、節の許される範囲での流用を充ててきたわけでございますので、事業部のよりよい効率的な事業実施のために、これまでは必要な判断だったというふうに考えてございます。ただし、事業の未執行でありますとか取りやめ、そういったものについては実施のみの報告ではなくて、取りやめた理由のことの御報告をすべきであるというふうに認識してございます。
○大内委員 繰り返しになりますけれども、流用は原則禁止だと。予算の流用、この中野区の規則第20条、いろいろ書いてあります。中野区の場合は、この自治法よりもさらに厳しい規定としている。それは御存じですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 承知してございます。
○大内委員 承知している。承知していないからこういうことをしたんじゃないの。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 承知しております。
○大内委員 まあ、これは産業振興に限らず、議決が必要なもの、そういったものは確かにつじつまが合っているし、目的もわかりやすいけれども、こうやって目間流用、目内流用に関しては議会に報告されない。決算書を見てもなかなかわかりづらい。決算事項別明細書を見ないとなかなか出てこないじゃないか。だから、こういった流用は基本的によくないんですよ。これはだれが定めたんですか。だれが提案したんですか、これ。こういう流用禁止。中野区の場合、より厳しい、自治法より厳しい規定を。これはだれがこういうものを設定したんですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 中野区の予算事務規則につきましては、予算当局のほうで定めたものでございます。
○大内委員 じゃ、予算当局は今回のこの目間流用は知っているの、知らないの。
○志賀政策室副参事(予算担当) 昨年度まで予算の流用につきましては部長の判断で行っておりました。それで、予算協議といったものは昨年まではございませんでしたけれども、21年度、今年度からは予算協議という形をとらせていただいております。
○大内委員 昨年はそういうことで流用が多くあったということで、今年度からこういった形で変わったということなんですね。そうですよね。だから、きょういる各部の方たちも、当然そういった流用については今年度はきっちり予算担当を通すと。そういったこと。また、議会等にも必要なものに対しては、きっちり報告をしていく。そういった考え方でいいんですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 先ほどからいろいろと流用につきまして御指摘をいただいているところでございますけども、昨日もお答えしましたように、予算につきましては議会の承認を経て、区民の皆様に公表しているものでございます。委員の御指摘のとおり、明らかに当初予算に計上されておらず、新規に事業を組み立てる場合、あるいは事業の大きな変更が生じるもの、そういったものについては流用によらず、補正予算を通して計上し、議会の審議をいただくものだというふうに考えてございます。流用につきましては必要最小限にとどめなければならないものだということは十分認識しておりますので、今後とも適正な執行に心がけてまいりたい、このように考えております。
○大内委員 では、決算のほうにまたちょっとしっかり戻って質疑をさせていただきます。
区民生活部の事業概要、9月に出されたものを見ますと、企業立地推進事業では20年度にICTコンテンツ企業セミナーを事業開始したと。21年度の予算ではまた473万ほど組んでいますが、平成20年度決算説明書には記載されておりません。この事業の成果目標はどういうものだったんですか。また、20年度目標は達成したんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 20年度につきましては、創業セミナーの一部として、ICTコンテンツセミナーということで実施してございます。これは今後、中野区が伸ばしていきたい、誘致をしていきたいと考えてございます領域の分野をより伸ばすために考えて、事業化してきたものでございます。実際、事業の成果といたしましては、一回開催いたしまして、23名の方に参加していただくことができました。そのことにより一定の成果が出ているかというふうに認識してございます。
○大内委員 次に、この企業立地推進事業、決算説明書187ページに出ております。三つ、3件の調査委託をしております。中野区景気動向調査委託、区内賃貸オフィスビル現況、動向の比較の調査委託、中野駅周辺商業環境等調査委託、この委託をしておりますが、この調査、これだけだと何を目的として行ったのか、よくわかりません。その中で一つ、中野区景気動向調査についてお聞きをしたいと思います。またこれは事業概要を見ますと、この景気動向調査、上半期と下半期、年2回実施されていますが、調査結果の概要とあわせて説明をしてください。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 景気動向調査につきましては、区内の産業支援政策形成等に資する目的で実施している調査でございます。区内の経営者の方々に調査票を送付し、その結果に基づき傾向をつかむということでございます。委員御指摘のとおり年2回、上半期と下半期に分けて実施をしてございます。結果につきましては、昨今の経済状況の悪化を受けまして、特に下半期につきましては非常に景気動向の悪さということが読み取れる結果となってございます。
○大内委員 その一言なの。下半期、上半期、年2回実施して、調査結果、大変景気が悪くなった。それだけなの。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 実際には業種別の傾向等も調査をしてございます。その業種ごとに現在の状況、今後の見通しというところで状況を把握して、今後の施策検討の材料としているということがございます。
○大内委員 じゃ、具体的にこの調査結果はどのように活用されているんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 先ほども申し上げましたが、内部で施策検討をするための材料、それからホームページで掲載をいたしまして、その調査結果につきましては事業者の方、区内産業に携わる方々にもごらんいただけるようなことで活用を図っているところでございます。
○鈴木区民生活部長 年2回の調査でございますので、上半期と下半期、景気の変動が激しいときに、もう少し細かい調査が必要だろうとは思いますけれども、昨年度2度ばかりやることによって、やはり中野も非常に景気が悪いということの改めて確認ができたというふうなことでございます。業種別と、それからもう一つはアンケートもとっていまして、今後どういうふうなことでこういったコスト高、あるいは資材の高騰でそれぞれの経営を乗り切っていくのか。そういうようなこともお尋ねしてございます。そうなりますと、社員は採用できないとか、あるいは価格にははね上げられないので、経営努力をするしかないとか、そういったことから私どもとしては、こういう厳しい状況にある中野区の事業者のための必要な融資というふうなことで緊急融資を発動したり、あるいは組み立てるときの参考にしてきたというふうな経緯がございます。
○大内委員 だから、この中野区景気動向調査を具体的に聞けば、中野区の区内業者の方たちだけの調査であって、中野区、ほとんど区外に働きに行っているわけだよね。そういったところの調査はできていないわけでしょう。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) この調査の対象としては区内業者ということになってございます。
○大内委員 だから、中野区だけ、杉並区に比べて、あるいは練馬区に比べて、景気がいいとか悪いとかってあるわけないんだ。そうでしょう。中野区だけ景気が悪かったの。やっぱり全部、東京、日本全体的に景気が悪いという、それを確認しただけの調査なの。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 中野区だけ状況が違う。大きなマクロな状況については、異なることはないのかもしれませんが、地域特性というのはやはりあるのだというふうに認識をしております。そのため、国、また東京都でもやってございますが、中野区でもやる意義があるということで考えてございます。
○大内委員 だから、この調査委託、3件並べると約300万。3件で。160万、115万、30万。これだけ委託して調査しているんでしょう。ちゃんと結果を出さないと、PDCAサイクル、あんなことをしたって意味ないんじゃないの。これだけ調査をしているんだったら、それの成果を出さないとまずいんじゃないですか。今みたいな一言で300万ですか。160万か。1カ所だからね。ほかのところの調査委託の内容を聞いても、多分今と同じようなことしか答えは出てこないだろう。だから、そういうのはしっかり、こういった委託に関して、調査委託に関してちゃんと精査して、必要なのかどうか考えてからやらなきゃいけないんじゃないですかと思いますけど、どうですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 私の説明のつたなさで十分その結果が伝えられず、申しわけございませんが、この結果については、さまざまその施策、来年度の施策、そして10か年計画を計画する中でも、どうこの中野区内の産業を進めていくかというさまざまに活用をしているところでございます。
○大内委員 そう言ったから話が終わると思っていると本当は間違いなんだけども、これ以上、時間もあれですから、次へ進めます。
次に、創業支援事業について、決算説明書、同じく186ページ、事務事業3の創業促進、事業メニューに書いてあります創業支援、これについてお聞きをします。この事業の不用額は、予算比31.7%、執行率68.3%、112万8,045円です。これも不用額が大変多い。予算の積算にこれも問題があるんじゃないかと思います。事業概要によれば、創業支援事業により実施されているセミナー、あるいは創業支援相談、診断、新分野の進出支援の各事業の事業開始時期は、それぞれ平成14年、10年、16年と実績を重ねているものばかりで、新規に取り組んだ事業はありません。このPDCAサイクルによる区政運営を標榜している田中区政にあって、チェック・アンド・アクションなしに事業計画を立てないと思っていましたが、予算、決算の内容を読み込んでいくと、事業現場ではPDCAサイクルはただ単にスローガン化しているように思います。担当副参事、あなたは今おっしゃっていたけども、実施事業が区内産業の振興という目標に対してどの程度寄与しているのか、それぞれチェックしていますか。また、そういうことをあまりしていないから、こういった予算積算が甘くなっている。そういうふうにこの不用額、執行率を見ると見えてくる。財政が厳しさを増しているときに、経常化した事業に甘い予算を組んでいれば、必要な新規拡充事業の財源も出てきません。どのようにお考えですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 事業の内容につきましては、常に見直しをかけてございます。例えば、この創業の中の支援セミナーにつきましては、先ほども申し上げましたが、ICTコンテンツというような要素を新たに加えているところでございます。執行残につきましては、確かに額的には多いという御指摘があるのかもしれませんが、事業の実施につきましては、そのように見直しをかけなから、PDCAサイクルにのっとって進めているところでございます。
○大内委員 わかりました。じゃ、次に、にぎわいの創出事業、決算説明書の186ページの一番下の段。このにぎわい創出事業は予算説明書106ページを読むと、需用費が5万円、そして役務費が1万円、委託料が3,000万円、負担金補助及び交付金が40万円、計3,046万が予算として計上されています。しかし、決算事項別明細書、この116ページ、これを見ますと、大幅な節の組みかえが行われています。予算になかった報償費が385万新たに組まれ、また5万円しか組まれていなかった需用費が106万7,000円にふえ、また1万円しか組まれていなかった役務費が10万2,000円に増額されています。3,000万円組まれていた委託料が2,330万3,000円に減額され、予算にまた組まれていなかった使用料及び賃借料が新たに173万8,000円組まれるなど、大幅な組みかえが行われています。幾ら節は予算の執行科目だからといって、ここまで組みかえていたら、予算の議決をすることに私たち自民党としては疑問を持たざるを得ない。議会は事業のやり方まで必要がない。そう思っているわけではないでしょうが、にぎわいの創出事業は予算編成段階では理念だけで、事業内容は決まっていなかった。決まっていたのは経常事業化している中野区伝統工芸支援事業、勤福でこの間もやりましたね。この40万円だけだった。あとのところは全部金額が変わっている。こういったところ。伝統工芸支援事業経費である負担金及び交付金だけは組みかえが行われていない。これについてどうですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 御指摘のとおり、当初委託料として3,000万ということでございました。当初につきましては委託という形を想定していたわけですが、内容的にはプロモーション活動、そしてイベントの開催、そしてその実施を円滑、また中身を充実させるためのプロモーション支援、そういうことを想定してございました。結果として委託ということでありますと、職員のスキルもアップしない。このイメージアップについては継続的に今後発展させていくものであるということで、職員みずからのかかわる部分をより多くする必要があるだろうということで、委託ということから組みかえをした部分がございます。職員が核となって手配をしながら事業を進めていく形で組みかえをしてございます。
○大内委員 ですから、当初の平成20年予算説明書によれば、需用費5万円、役務費1万円、委託料3,000万円、負担金補助及び交付金40万円。それが決算説明書を見ると大きく金額が変わっている。そういったものについてどうですか。中身を聞いているのではない。そういったやり方はよろしいのですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 議会に御説明させていただいた内容から変わっているところについての十分な説明ができていなかったということにつきましては反省してございます。
○大内委員 だから、議会で審議している内容と、予算のときね。決算で出てきたものと違っていると、何でこの予算議決したんだということになりかねない。そういったように大幅に動いていると、3,000万円の枠の中でこれだけ動かされちゃうと、わけわからなくなるんです。だから、流用というものについてしっかりとその辺もう一度やっていただきたい。部長、どうですか。
○鈴木区民生活部長 予算審議いただいているときに、なかなか細部まで詰め切らないで御説明させていただくケースがございました。極力予算の御審議のときにきちっと情報収集して、事業の組み立てをし、議員の皆様方の御審議に耐えるような内容にしなければいけないというふうに思っております。今後改めるべきは改めて、きちっと議論に乗せていただけるような内容で臨みたいというふうに思っております。
○大内委員 だからね、予算説明書で需用費が5万円、役務費が1万円、委託料が3,000万円組んでいるところがこれだけ大きく変わっている。これについてはどういうふうにお考えなんですか。平気で決算書が出されているけども、こういうのはいいんですか。それを聞いている。
○鈴木区民生活部長 現在許される範囲の方法で私どもはよりよい執行を組み立てるので流用をさせていただいた経緯がございます。実施に当たって実効性のある方法を検討するに当初予定した予算の執行方法では効率的にいかない。そういうような判断をしたという経緯がございます。そこら辺についてはもう少し十分に練り上げていかなければいけないというふうに反省してございます。
○大内委員 このにぎわい創出費、平成20年の3月3日の区民分科会で当時、鈴木さんが担当参事かな。書いてあるんだけども、この3,046万の内容について述べている内容。今もう時間がないから読みませんけれども、全然そういうことを言っていないんですよね。プロモーション活動に500万程度、ウェブデザイン、これも500万程度、ポスター・ステッカーに1,000万円、何だかんだ概略で、逸品みたいなもので800万とか何か、そんな程度しか答えていないんです。使われている内容は、今聞いているとちょっと違うんですよね。そうすると、予算審議していても意味がないじゃないかということになりかねない。それを今後しっかりとその辺注意してやっていただきたいと思います。
以上で午前中の部を終わります。
○いでい委員長 大内委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
再開は1時。1時まで委員会を休憩します。
午前11時58分休憩
午後 0時59分開議
○いでい委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き、総括質疑を行います。大内しんご委員、質疑をどうぞ。
○大内委員 続きまして、同じくにぎわい創出の中から質問させていただきます。平成19年度にイメージアップ戦略会議を1,150万円かけて委託して行っておりますが、この委託の成果、どういうものだったでしょう。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 19年度の委託の結果、区の考えるイメージアップについてのイメージを固めることができました。その結果、平成20年4月4日にイメージアップ3カ年戦略を策定するということで成果を出してございます。
○大内委員 じゃ、その今言ったイメージアップ3カ年計画、これについて資料をいただきましたけれども、これはいつ作成されたんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 19年度から策定作業を続け、4月4日に決定ということでございます。
○大内委員 じゃ、4月4日に起案決定ということでよろしいんですね。
では、その次、決算説明書187ページによると、イメージアップアドバイザーに謝礼349万6,500円が支払われています。議案によると、このイメージアップアドバイザーは中野区イメージアップ3カ年計画に基づき、中野区のイメージアップに関する企画及び事業実施についてのアドバイスをしてもらうために設置するとしていますが、このアドバイザーを置く必要があると判断した経緯について説明をしてください。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) にぎわいの創出という領域につきましては、これまで区で取り組んだ実績がございませんでした。その成果を確実なものとしていくために専門家のアドバイスが必要ということで判断いたしまして、結果としてアドバイザーを依頼したということになります。
○大内委員 これはそちらからいただいた資料、イメージアップアドバイザーの設置等、あるいは委託契約書をいただきました。見させていただきました。この中で決定期は、要は平成20年4月4日ですね。このイメージアップ3カ年戦略について起案したと先ほどおっしゃっていましたけれども、こっちの契約書を見ますと、6日後の4月11日にアドバイザーの設置を決定したことになっております。予算段階、先ほども午前中お聞きしましたけども、予算の分科会の説明では一切なかった。そういったものがアドバイザーの設置も考えていなかったと思われるんですけども、この4月、なぜこんな短時間で決まったのか、教えてください。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 予算の段階では、先ほど午前中の質疑でもございましたけれども、3,000万円委託という形で一括して考えていったところでございます。ただ、その中のイメージアップ戦略につきましては、内訳としてウェブ、それからグッズ、プロデュース、イベントという内訳を想定してございました。そのプロデュース部分に該当するものがこのアドバイザーの部分になってございます。
○大内委員 この起案では、選定手続もなく、アドバイザーを≪会社名記載削除≫の代表取締役≪氏名記載削除≫さんでいいですか、に決定しています。≪氏名記載削除≫さんとアドバイザーの仕事の内容や報酬額、勤務条件を平成20年4月10日にしておりますが、4月、カレンダーを見ますと、5、6が土曜日、日曜日、10日の起案まで実質3日間で交渉し、決定できたことに疑問を持っております。イメージアップ3カ年戦略を策定する前から決定手続もとらずにアドバイザーを設置することを決め、≪氏名記載削除≫氏と契約を前提に話し合いをしていたんではないですか。≪氏名記載削除≫さんをアドバイザーとした経緯を説明してください。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) イメージアップ戦略の検討、そしてアドバイザー、プロデュース役のこちらの行政としての確保については、検討につきましては並行して進めてまいりました。結果として決定日に近いという結果になっておりますが、同時並行で検討していたということの結果でございます。その検討の途上でアドバイザー、区がアドバイスを受けるところについては、どういうところが可能なのかという検討を重ねてまいりました。当初は大手の広告代理店、そういったところにも打診をして、区の想定している予算額では到底そういうことはできないというようなお返事もいただいたところです。アドバイスしてくれる方、いろんな人づて、またインターネット等を活用いたしまして、人選をいたしまして、最終的に今回アドバイスを受ける≪氏名記載削除≫氏ということで決定した次第でございます。
○大内委員 だから、この4月4日にイメージアップ3カ年戦略ができましたよね。でも、10日に、これを見ると起案日になっている。3日間でインターネットを見て、大手と交渉してやったんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 私の説明がうまくないと思うんですが、決定としては近い日ですが、検討自体は同時並行で進めておりました。区がアドバイス、プロデュースを外部にお願いしたいということ自体は昨年、19年度の時点から考えていたことでございまして、イメージアップ戦略が決定してから考え出したということではございません。
○大内委員 だから、予算のときにそれ、触れていますか。説明されていますか。分科会で。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) たしか予算分科会の中で岩永委員の質疑に対応した答弁だと思いますが、その中でプロデュース部分について考えているということで御説明したと記憶してございます。
○大内委員 そんなの書いていないんだけど。当時それを言ったのはだれですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 答弁者は鈴木でございます。
○大内委員 同じ今、参事ですから聞くけど、そういう発言をされていますか。
○鈴木区民生活部長 やり方につきましては一括になるのか、またプロデュース的なものを考えているので、基本的にそういった要素を含めて考えていますというふうな答弁をしてございます。
○いでい委員長 委員会を休憩します。
午後1時07分休憩
午後1時07分開議
○いでい委員長 委員会を再開します。
○大内委員 これ、そのときの議事録ですけれども、どこに書いてある。プロモーション活動に500万、ウェブのデザイン、見やすいところに500万、ポスター・ステッカーに1,000万円、ウェブで5,000万円、何だかんだで800万。それを受けて700万と書いてあるけど、一言も書いていないですよ。
○鈴木区民生活部長 お答えしますと、同じ私も議事録を確認してございます。引き続き、その先に、積算の内訳は委託費でという中で、一括というふうなこともあるけれども、プロデュースする、そういった専門家を活用させていただく。そういう要素も入っているというふうに答弁させていただいておるところです。
○大内委員 多分それはこの人を全部まとめて委託するかどうかも含めて、現在企画提案している。いろいろそういったところの文言を指しているんでしょうけれども、実際として具体的にこんな4月1日で決まるんですか。もっと前もって詳しいそれなりに情報というんですか、議会に予算のときに出されてもよろしいんじゃないのかなと思います。これは指摘だけしておきます。進めます。
この≪氏名記載削除≫氏ですけれども、派遣依頼によりアドバイザーになっておりますが、この契約というか、設置の書類を見ますと、4月21日から翌年の3月31日の1年間にわたる長期間、また日にち、日時も決めない派遣依頼、そういったものは疑問が残ります。研修の講師としての派遣依頼や審議会などの委員としての派遣依頼はわかりますが、こうした日時も決めない長期間の派遣依頼は適切なのですか。また、非常勤職員として雇用するとか、アドバイザー契約するとかの方法が適切だと思いますけれども、どうしてこういう契約をしたんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 今回、アドバイザーということで契約ではなく、アドバイザーの依頼をしてございます。期間につきまして、なかなか多忙な方で、これだけの期間というところの頼みも難しかったということでございます。こちらのできる限り必要なときに必要な都度、御依頼をしたいということで話をいたしまして、この形式をとったという次第でございます。
○大内委員 課長ね、無理しないで、前任者も上にいるんですから、契約をした方が答えても結構ですからね。じゃあ、この≪氏名記載削除≫さんの報償費、1時間当たり2万円。この2万円という額はどういう根拠ですか。1日8時間働いたら16万円。1日8時間で16万円。ちょっと信じられない単価なんですけど、これ、どういうふうに決まったんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 委員御指摘のとおり、時間2万円ということでお願いをしてございます。今回の依頼内容につきましては専門性が高く、また、これだけの内容を我々職員が学ぶということもお願いをすることでございますので、専門性にかんがみまして、2万円という設定をしてございます。
○大内委員 こういう契約、1時間2万円の契約というのは今まで何件ぐらいあるんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 産業振興担当としてはございません。
○大内委員 それが4月1日で、いつ検討したんですか。先ほど答えになっていないけども、ちょっとその辺疑問がかなり残ります。この報償費の支払い限度額を見ますと、350万円、166時間以内。交通費を含むと出ていますが、この根拠は何ですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) にぎわいのイベント、そしてプロモーションにかかる費用等を含めて考えますと、アドバイザーの部分に割り当てる金額として350万ということで適正かということで判断をいたしまして、設定をいたしました。
○大内委員 166時間以内、当然350万。決算書を見ると、349万6,500円。1分計算でやっているの。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 今の御指摘につきましては、端数がなぜ出ているのかという御指摘かと思われますが、時間単価2万円でございます。≪氏名記載削除≫氏の御依頼で、個人に支払うのではなく、会社を通して支払ってくれということで御依頼がありました。会社に支払った関係で消費税がついてございます。
○大内委員 今出た、この今言った会社、何という会社ですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) ≪会社名記載削除≫でございます。
○大内委員 じゃ、この≪会社名記載削除≫、中野区での過去の実績を教えてください。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 過去については存じ上げません。
○大内委員 じゃ、この≪氏名記載削除≫さん個人的で結構です。中野区の過去の実績を教えてください。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 産業振興担当として≪氏名記載削除≫氏と契約等を結ぶのは、御依頼するのは初めてということになります。
○大内委員 ちょっとここで聞きますけれども、≪氏名記載削除≫さん、「都市観光でまちづくり」、これは都市計画分野、あなたからお借りした本ですけれども、これを見させていただきました。ずばり聞きます。西岡副区長から頼まれたからじゃないですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) いえ、そういうことはございません。
○大内委員 よく聞こえなかったので、もう一回言ってくれますか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) そういう事実はございません。
○大内委員 では、西岡副区長、当時の産業振興担当で、現区民生活部長に≪氏名記載削除≫氏を紹介したか、しなかったか。それだけ言ってください。
○西岡副区長(政策室) 昨年度、アドバイザーの選定をしたいという御相談がございました。その中でだれかいい人を知りませんかというお話がありましたので、私もそういう面に明るくありませんから、私の母屋であります国交省ですとか、過去いろいろ交流のありました、そういうにぎわいですとか、まちを活性化するという分野に明るい方々にお尋ねをしまして、複数の方を紹介いたしました。その中の1人に≪氏名記載削除≫さんは含まれております。
○大内委員 1時間2万円の方を御紹介したということですね。西岡副区長、国交省の支援を受けて設立した、この本に書いてありますけれども、都市観光をつくる会の幹事ですよね。≪氏名記載削除≫さんもこの会の幹事。都市観光をつくる会は、財団法人計量計画研究所を事務局として、「都市観光でまちづくり」の編集をしています。このときも西岡副区長と≪氏名記載削除≫さんは一緒にこの編集委員で参加されていますけども、西岡副区長、こうしたつながりのある≪氏名記載削除≫さんを区長から特命を受けた産業振興の事業に関与させたいと思ったんじゃないですか。
○西岡副区長(政策室) 今から七、八年前ぐらいに、そこの本の編集の前提となりました都市観光をつくる会という任意の会合が、当時まだ運輸省と建設省が分かれている段階で、運輸省の観光分野と建設省の都市分野が一緒に力を合わせて設立した経緯がございます。私、建設省都市局の代表といいますか、一員としてその運動体の事務局に参加させていただきました。その関係で、今お手元にあります本は、その3年間の活動を締めくくるために書籍として残したものでございます。確かにそういう実行委員会組織から編集委員会という形に引き継がれたわけですけども、私もその一員でございましたし、≪氏名記載削除≫さんはそういうまちのにぎわいをアドバイスする全国で活躍されておられる方ということで当初から参加されておられました。しかしながら、私と≪氏名記載削除≫さんとは特に個人的にはその会を通じても親しくなったわけではございませんで、今回、産業振興から私に、どなたかいい方はありませんかと言われたときも、すぐさま≪氏名記載削除≫さんの名前が浮かんだわけではありませんで、母屋であります国土交通省の方々等に先ほど言いましたように確認した中でお名前が出てきて、あ、そういえば、そういう活動体で数年前に一緒にしたことがあるなといったことに気づいたぐらいでございまして、私から≪氏名記載削除≫さんを使ってほしいというようなことを申し上げたわけではございません。そういうような関係ではありません。
○大内委員 これ、あなたもつくった本を私もじっくり読まさせていただきました。この≪氏名記載削除≫さんは富山だっけ、黒部か、まちづくりのことについていろいろ書かれております。この本全体もいろいろ読みましたけれども、日本でいえば小樽だとか函館、そういった大きなところですよね。中野区で人が集まる。人が住んで楽しい。要するに観光要素を取り入れなきゃいけないということが非常に書かれている。そういったことで中野区のこのイメージアップに関する企画及び実施事業のアドバイス、そういった方だとちょっと違うんじゃないかなと私は思うんですけども、あなたでも、よく推薦された理由がわからない。かえってこの本を読む限り、だって、今、私は担当部署に、何かこの≪氏名記載削除≫さんの資料を出してくれといったら、これしか持っていない。これを見る限り、中野区のイメージアップ、そういったところの戦略、国交省の外郭団体の方ですから、あまり言葉はちょっと控えて言いますけれども、ちょっと違うんじゃないかな。1時間2万円。さっき中野区の経済動向、悪いと言ったよね。でも、中野区ってそんなお金があるんですかと、そう一般の区民は思わざるを得ない。だから、一応指摘をしておきます。
この財団法人計量計画研究所をインターネットで検索をしました。総務省、国交省の所管による公共福祉に寄与するために設立された非営利団体の総合研究機関、いわゆる国の外郭団体。西岡副区長は国交省から出向されている。こうした機関のノウハウを活用されることは当然あると思います。そこで、関係者を直接雇用することには問題があると思った。それも契約手続のできない派遣などという形で350万の報酬を支払う。正確には349万ですか。疑問を持たなかったんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 我々といたしましては、この事業、イメージアップを進めるためには欠かせない人物だと判断いたしまして、適正な支出ということで考えてございます。
○大内委員 時給2万円が、じゃあ、お医者さんなんかよりも全然高いんですよね。全然高いんですよね。だから、そこまで本当に成果があったのか。当初から時給2万円払う。そういった契約を結ぶ派遣契約、これは実際どういうものなんですか。契約は通すんですか。部だけでやるやつですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 契約は通しません。派遣、その都度の御依頼ということの形でございます。
○大内委員 その都度って、4月21日から3月31日いつ来てもいいの。あなたたちが必要なときに呼ぶんだろうけど、でも、特に普通、講師とか何かで派遣依頼、契約はわかるけども、これ、どういうことなの。いつ来てもいいの。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 1年間の間でアドバイスをし続けてもらうために期間を定め、その間に依頼を行い、その都度来ていただくという形でお約束をさせていただきました。
○大内委員 だから、そういうやり方はおかしいんじゃないんですかと言っているんだけど、おかしいと思わないんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) この方法につきましては、適正であると考えてございます。
○大内委員 それは部長もそうなのね、区長もそうなのね、適正なのね。まあ、間違ったとは言えないだろうけども、今でもそう思っているんですね。
○鈴木区民生活部長 年間通じてこのイメージアップを進めていくのに、必要なときにアドバイスをいただきたい、一緒に議論をさせていただきたいというふうなことで御依頼を申し上げました。週に1回とか週に2回とかということではなくして、その事業の進捗状況、検討状況に応じてまたミーティングの場を設定させていただきながら、次回をいつぐらいというふうなことでその都度御依頼し、来ていただくというような約束をさせていただく形式をとってございます。これにつきましては1回ごとにきちっとその時間を確認して、お払いするというふうなことで現在のところ適正であるというふうに認識してございます。
○大内委員 再三申し上げますけど、時給2万円、ちょっとこれは本来ならば予算の説明段階である程度もうちょっと詳しく説明していただかないと、もう決算は終わっているんですよね。もう払っちゃっている。今さらとめることもできないし、さっき言った目の中の流用がそういうことに使われると非常に審議するほうも予算を認める上でもっと詳しく徹底的にやらなければいけない。そういうふうになっていきますので、ぜひ気をつけていただきたいと思います。
また、この決算189ページ、「中野、ここが一番!」という事業についてお聞きをします。決算説明書では、この事業は運営委託により実施されています。経費は887万1,950円となっています。この契約の受託会社はどこですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 中野の逸品グランプリ事業に関しましては、二つに分けて契約を結んでございます。一つは運営管理業務委託、そして広報業務委託ということでございます。運営管理委託に関しましては≪会社名記載削除≫、広報業務に関しましては≪会社名記載削除≫ということになってございます。
○大内委員 合っているの、それ。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 失礼いたしました。全く勘違いいたしまして、違うことをお答えしました。今のことは食の逸品グランプリでございまして、委員御指摘のところは、「ここが一番!」ということで訂正させていただきます。こちらについて運営業務委託いたしましたのは≪会社名記載削除≫でございます。
○大内委員 それ、聞いた名前ですね。この委託契約書、先ほど出ました≪会社名記載削除≫代表取締役は≪氏名記載削除≫さんでいいのかな。この委託契約書を見ると、まず899万9,999円という金額なんですけれども、こっちの委託契約書ね。でも、こっちの運営委託業務を見ると887万1,950円、金額が違うんですけども、これはどうしてですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) この「ここが一番!」のイベントに関しましては、タレントの松村さんを起用するということで進めてまいりました。ところが、松村さんが東京マラソンでしたか、倒れてしまったというアクシデントがありまして、急遽出られなくなったということで、委託の内容を変更してございます。その結果、金額が差異が出てございます。
○大内委員 じゃ、改めて聞きますけども、この受託会社、今言った≪会社名記載削除≫、代表取締役はどなたですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) ≪氏名記載削除≫氏でございます。
○大内委員 ということは、先ほど時給2万円で頼んでいた方と同じ方ということでよろしいんですね。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) そのとおりでございます。
○大内委員 では、この契約、平成21年2月10日に締結されています。この契約の件名は、イメージアップ事業、起創展街フォーラムの運営委託となっています。決算説明書では契約件名、起創展街フォーラムではなく、「中野、ここが一番!」に事業名が変わっております。区民生活部事業概要では、起創展街フォーラム「中野、ここが一番!」とされていますが、この表記の仕方の違いは何か理由があるんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 「中野、ここが一番!」ということで大々的にPRをいたしましたので、そちらのほうがよりわかりやすいかということで表記をいたしました。
○大内委員 いや、おれはわかりづらいと言っている。この契約書と違っているでしょうと。こういう表記の仕方をしたら混乱するんじゃないですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 申しわけありません。同一の名称とすべきところでございました。
○大内委員 じゃ、イメージアップ事業、起創展街フォーラム運営委託の契約、ここに書いてありますけど、これは業者指定によって行われております。経営室契約担当の示す契約の取り扱いによりますと、業者指定による特命随意契約は、法的な背景等により競争入札できないものや、契約の性質その他の事情により契約の相手を特定しなければ業務の履行に支障を来すなど、真に契約の相手方を特定する必要がある場合に限って認められるとしています。また、この指定理由書には、業者指定の根拠を原因として特許、特殊技術の有無などを記載することになっています。しかし、この運営委託の業者指定理由書、これは業者指定の根拠、原因部分を読み上げさせていただきますと、今年度策定した中野区イメージアップ3カ年戦略に基づき、フォーラムの開催、にぎわいWEBの開設、中野の逸品グランプリを行ってきた。これらの事業は今年度契約しているイメージアップアドバイザーのアドバイスを受け、実施をしてきた。①今年度、主体として本事業を行う。引き続きイメージアップアドバイザーのアドバイスが必要になる。②事業を進めるに当たって、時間的にも事業の継続性からもイメージアップアドバイザーの所属する事業所に運営管理を委託するほかない。したがって、以上2点のことにより上記業者を指定するとの理由で、業者指定すると書いてあります。しかし、これによると、事業の継続性からアドバイザーの所属する事業所に委託するほかないことが一番の理由となっていますが、アドバイザーにはどのような仕事を頼んでいたんですか。職員が行う企画へのアドバイスだったんじゃないですか。事業の実施を頼んでいたんじゃないんですよね。お答えください。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 委員御指摘のとおり、このイメージアップ戦略を進めるためのアドバイスを受けるということでございます。それに対して職員がアドバイスを受けるということで、事業の実施を依頼していることではございません。
○大内委員 ではこの指定によって、まだおかしな点、幾つかあります。アドバイザーのアドバイスを受けて実施したとしているにぎわいWEBの開設も、中野の逸品グランプリも他の事業者に運営管理業務も既に行っていますよね。そして、中野の逸品グランプリは19年度と同じ事業者に既に委託して実施している事業ですよね。事業の継続性を理由として業者指定することには疑問があります。イメージアップ事業、起創展街フォーラムの契約は手続をする前に契約することを決めていたために、無理やり業者の指定を行ったように見えますが、そうじゃないんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) イメージアップのアドバイスを受けるというのは職員でございます。職員が基本的に骨格を組み立てるということがまず原則でございます。食の逸品につきましても、引き続きの事業でございますが、アドバイザーのアドバイスを受けながら最適な実施方法を模索して実施に至ってございます。また、WEBにつきましても、委託事業者は別にございますが、委託するもとであります区、その職員に対してアドバイスを受けてございます。その集大成イベントとしての起創展街フォーラムを3月24日に実施したということになります。
○大内委員 ちょっと言っている意味が複雑なのか、単純なのかわからないんだけど。
○鈴木区民生活部長 「中野、ここが一番!」は、逸品グランプリと、それから起創展街フォーラムというものを合体して、1日の中で3部構成で行うものでございます。既に実施の委託の事業者が別にいるので、ただ、トータルにそのイベントを演出する。そういうようなことから、継続性ということはそういうことなんですけども、そういったことからここに委託して、トータルな効果を出すことが一番望ましいだろうというふうな判断で指名をさせていただいたものでございます。
○大内委員 そして、これがたしかそのときのチラシだよね。あなたたちもかかわっているのに、3月24日、卒業式の午後ですよね。こういう日に設定すること自体、そもそも何考えているんですかと。これはアドバイザーが言うの。この日だめですよとか、この日ですよって。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) アドバイスの中では、会場としてやはり中野のシンボルであるサンプラザが適当であろうという話がありました。そのサンプラザの会場のあいている日というのが結果として3月24日だということでございます。
○大内委員 だから、卒業式の日だとか、皆さんが忙しい日にわざわざやらなくても、ほかの日でもよろしいんじゃないですか。幾らかけてやっている事業なんですか、これ。それを言っている。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 900万円という金額のかかっている事業でございますが、結果として3月24日、小・中卒業式という日に重なってしまったことについては申しわけないと思ってございます。
○大内委員 だから、それだけの金額を使って、ちょっと無理に、年度内に消化するためにやったような事業にも見えます。では、この事業目的と成果とか全部聞きたいですけども、時間がないので聞きません。
じゃ、次にいきます。次に、経営革新等の推進費、経営支援事業についてお聞きをします。産業振興の各事業メニューの事業内容を見ますと、同じような事業名が出てきます。事業メニューが違いますので、事業目的はそれぞれ違うんだと思いますが、経営支援事業で実施している決算書191ページに出ています中野区ビジネスフェア共同出展助成金事業と企業立地推進事業で実施している自治体フェア、187ページに出ています自治体フェア出展事業、創業支援事業で実施しているビジネスフェア出展支援助成金事業、それぞれの目的を持って実施されていますが、どのような成果がそれぞれあったのか、言ってください。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) まず、経営支援の中で出ている191ページ、ビジネスフェア共同出展助成金でございます。こちらにつきましては、中野区という塊で企業様を募って出展するということでございます。ビジネスフェアにつきましては、その企業様の製品、また、そういったPRをする場でございますけれども、中野区にあるということを一体性を持って打ち出すことによって、より効果をねらう。そういう目的のことでございます。それによって中野区にはこういう企業があるという効果もあわせて外に発信することができるというふうに考えてございます。
続きまして、自治体フェアにつきましては、これは中野区が出展するという内容でございます。今後変わりゆく中野四丁目の姿、そういったところを区外に発信をして、中野区の魅力、そして今後の期待できる姿を御披露いたしまして、広く日本にPRすると。そういうことによって企業立地を促進していきたいということのねらいでございます。数多くの方がブースのほうに訪れていただきまして、PRが十分できたかというふうに考えてございます。
もう一つが、ビジネスフェア出展に関しましては、こちらは個々の企業様がビジネスフェア等、そういった見本市等に出展する場合に補助する制度でございます。最大5万円まで補助するということで、企業様のより幅広い御発展を支援するという目的で行っている事業でございます。こちらにつきましても、出展された企業様、PRによる営業拡大ということでつながっているかと認識してございます。
○大内委員 それで目的と今のごちゃごちゃになったのは、成果は何が出た。まとめてでもいいし、個々でもいいし、成果について教えてください。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 中野区の出展したビジネスフェアと、またそれ以外の共同出展と個別の出展に対するものはちょっと系統が違うと思うんですが、まず中野区が出展した自治体フェアのほうにつきましては、中野区ということが日本じゅうに新しい動きがあるんだなということを認識していただいたという成果が出ているかと思っております。企業さんの出展されるほうに関しましては、企業の今後の将来に向かっての発展というところに寄与しているということで認識をしてございます。
○大内委員 じゃ次に、雇用就労支援事業についてお聞きします。一番最後の194ページですけども、この事業は、厳しい経済状況にあって、安定した雇用を求める区民が多く、また雇用環境の改善や就労支援を喫緊の課題と思います。しかし、このような事業目的を実現する事業メニューとしてはあまりにも貧弱である。このたび説明されました第2次10か年計画の素案を見ました。まだ素案の段階、これですね。これで、この部署を探しました。これを読みますと、長くなりますので読みませんけれども、この10か年計画の素案を見ても、実現へのステップがちょっとお粗末というか、書いていない。戦略4、健康・生きがい戦略の展開に生涯現役を続けられるまちの取り組み、領域1、持続可能な活力のあるまちの1-1産業と人々の活力がみなぎるまちの施策の方向のオ、多様な雇用機会の創出の主な取り組みを見ても、現在取り組んでいる事業しか提案されていません。そのため、ステップも1で目標達成するとしている。要はステップ1、2、3、4のところ、1でもう終わっちゃっているんですね。現在の実施事業で目的が達成しているのであれば、10か年事業にわざわざ乗せなくてもいいんではないですか。現在実施している事業だけでは目的は到底達成できないと思います。産業振興のこの雇用就労支援事業は今のままでは不十分だと思いますが、いかがですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 雇用就労につきましては、これからの時代、また、こういう経済状況、そして今後進む高齢化・人口減少社会の中でとても重要な課題になってくるかと考えてございます。現在の施策で十分かというところについては、不足しているということは認識してございます。今後充実していくための検討を進めてまいりたいと思ってございます。
○大内委員 この10か年計画素案で、この秋、今年度中にある程度できる。なかなか予算フレーム等をかんがみると、実施、つくっていくのはかなり難しい部分だとは思っておりますけれども、それにしても中身についていろいろ今回のこの分野で見ていくと、10か年の記述がちょっとおろそかだというふうに見受けられます。ステップ1で終わっているものを10か年計画で乗せるのかな。計画ができていないんじゃないのかなと。とてもちょっとこのやり方だと不安に思いますので、しっかりやっていただきたいと思います。
産業振興分野の仕事の進め方には、きょういろいろ御指摘させていただきました。20年度決算の中に多くの問題といいますか、疑問に当たる、いろいろあります。当初予算を組むに当たっての事業の積算根拠が希薄であること。このため、予算の流用が安易に行われていること。年度途中で事業をつくり、予算を組みかえてしまうこと。事業実施に当たっては契約をすべて業者指定により行っていることなど、問題はかなりあります。区長が幾らPDCAサイクルを徹底しようと思っても、権限を持っている管理監督者がチェックもアクションもせず事業を行っていたのでは、規律もルールもないのと同じだと思います。このような状況は産業振興分野でなく、他の分野でも少なからずあるんではないでしょうか。今議会では、きょうはもう時間の制限もあります。産業振興分野の関連しか質問できませんでしたけども、機会をとらえて、次回は他の分野の事業について質問いたします。
最後に区長にお聞きをします。私は質問するに当たって、事業に関係する区民の方、あるいは区内業者の方からも多くの情報提供を受けました。予算のときに江口先輩のほうからも、このプロポーザル等のいろいろ指摘をされたと思っております。その中で私には捜査権限や処分権限、あるいは改善権限がありません。議員である私ができる質問という形で疑問や問題をただしました。しかし、問題の解決、これには至っていないと思っております。中野区職員倫理条例、コンプライアンスと照らし、質問についても考えましたが、執行機関の自浄能力に期待したいと思います。区長は私が指摘した幾つかの問題について改善に取り組んでいただけますか。
○田中区長 本日御質疑がありましたことについて、内容を私としてもよく検討いたしまして、ただすべきことはただしていきたい、こう思っております。
○大内委員 簡単なお答えだから余計いろんな含みがあるんだと思います。また近いうちに予算、決算もあります。そのときに指摘されないようにきっちりやっていただきたいと思いますので、ぜひ皆さんの御努力を期待しております。
以上で質問をすべて終わります。ありがとうございました。
○いでい委員長 以上で、大内しんご委員の質疑を終了します。
次に、北原ともあき委員、質疑をどうぞ。
○北原委員 格調の高い、非常に内容の濃い大内委員の質疑の後でございます。自由民主党の北原ともあきでございます。早速、総括質疑に入らせていただきます。
まず初めに、沼袋周辺における防災まちづくりについて質問をいたします。
平成20年、西武新宿線の中井駅・野方駅間が連続立体交差化事業の新規着工準備箇所として国に採択され、野方・井荻駅間は東京都の連続立体交差化事業の事業候補区間に位置付けられました。主要施策の成果別冊によりますと、西武新宿線沿線4駅のまちづくり勉強会の参加人数でありますが、平成18年、19年度の700人台に比べまして、平成20年度は1,000人を超える参加人数となっております。また、西武新宿線沿線まちづくり計画素案の意見交換会の結果から見ても、地域住民のこの事業に対する関心の高さと期待がうかがわれます。
そこで、西武新宿線沿線まちづくり計画素案はこれまでの各駅周辺の勉強会での議論や検討がベースになっていると認識しておりますが、勉強会の取り組みをどのように評価しているのでしょうか。
○萩原まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 勉強会をどのように評価をされているかということでございますけれども、それぞれの地域のよいところ、不便なところ、不安なことなどをその地域で長年住み続けている住民の皆様の生の声から教えられたことが数多くございました。これまでのこうした議論をもとに、今回のまちづくり計画素案を取りまとめることができたというふうに考えておりまして、勉強会の熱心な取り組みには感謝をしているところでございます。
加えまして、連続立体交差事業を契機とした、このまちを安全で魅力的なまちへと変えていきたいという住民の皆さんの強い思い、まちづくりへの期待というものを痛感したところでございます。
○北原委員 ありがとうございました。それでは、沼袋駅周辺まちづくり勉強会では、沼袋に限定することなく、沼袋周辺のまちの活性化や防災問題についても多くの意見が出されました。身近な問題として、平和公園通りの中野水再生センター東側の歩道設置や、あるいは妙正寺川の河川改修に伴う橋のデザインなどの提案もされました。これに対し、中野区は現在、この平和公園通りの水再生センターの東側でありますけれども、この歩道の設置工事を行っております。また、橋のデザインも東京都へ働きかけていただきました。沼袋から妙正寺川、そして中野に通じるこの道路でありますけれども、河川改修が一部終了いたしまして、新しい橋がきょうから通れるようになりました。6メートルの橋の幅だったんですけれども、12メートルに拡幅されました。非常にこの橋が変わることによって地域は変わった。しかも、この橋のデザインに地元の小学生の提案が一部この中で導入されたということについて、私たちは勉強会に限らず、こうした願いがすぐに形になるということになりまして、区政に対する参加意欲が大変多くなっているところでございます。また、この歩道の設置でありますけれども、これも今、工事に取りかかっておりますということで、こうした中野区の姿勢については高く評価できるものであるというふうに感じているところでございます。
ところで、中野水再生センターの東側の歩道開設工事も年内には完成するという模様でありますけれども、その先ですね。南側というんでしょうか。南側には法務省の矯正研修所の塀が約15メートルあります。そのために道路がそこで急に狭くなってしまう。歩道がなくなるということですね。そして、その南側には矯正協会というのがあるんですけれども、この東側のところには既に歩道が確保されています。このため、せっかくの歩道整備もその効果が十分ではないということが残念でなりません。この矯正研修所は区が学校用地として取得する計画になっている土地であります。そこで、矯正研修所の塀の部分について、できれば早期に歩道を設置すべきであるというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○萩原まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当) 今御指摘いただきました矯正研修所の塀の箇所につきましては、これは平和の森公園の地区施設道路の計画の線に位置付けられております。そういう場所でございますので、現在、法務省と財務省と学校の用地取得等に関して情報交換を行っているところでございますけれども、その中でも塀のあるところの道路部分については先行して用地を取得させていただきたいというようなことについて協議を始めたところでございます。御指摘の歩道の拡幅につきましては、今後とも法務省と関係機関との理解が得られるように交渉を進めまして、早期整備につなげていきたいというふうに考えております。
○北原委員 この平和公園通りというのは、北から中野のところに直線的に入ってくる道路であります。子どもの通学路であると同時に、ここは特に朝とか夕方はさらに込むわけでありますけれども、通勤、通学はもとより、1日を通して人、それから自転車、そして車が大変多く通行するところでありますので、ぜひそのようなところで進めていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。
次に、この平和公園通りのほかにも、平和の森公園が東京都の広域避難場所に指定されていることなどによりまして、この地区には防災まちづくりとしての道路の整備予定路線が数多くあります。長い間まちづくりを進めている割には整備が進んでいないような感じでもございます。そこで、この地区における道路整備の進捗状況や今後の見通しはどのようになっているのでしょうか。
○萩原まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当) この地域には新たに設けなければいけない道路、新設道路は3路線、それから現状の道路を拡幅して整備をする道路として8路線の合わせて11路線が計画をされております。このうち、新設路線の1路線のみが完了しているにとどまっておりまして、ほかの路線につきましては部分的な整備ということになっております。この平和の森公園地区の道路整備率につきましては、平成20年度末現在で30.6%でございます。現在、新設道路部分を中心に土地・建物の取得交渉等を積極的に進めているところでございまして、来年度には新たに1路線が開通できる見通しとなっております。今後とも一層の道路整備に努め、避難路等の確保に努めてまいりたいというふうに思っております。
○北原委員 平成5年から15年以上で30%の進捗率ですね。約30%の進捗率ということでございますけれども、建物の建てかえ時に合わせるとはいえ、十分な進捗率とは言いがたいと思います。さらに積極的にこの事業を推進していただきたいところでありますが、用地の取得に際しては、収用などの一定の強制力は持たないというふうに認識しておりますが、いかがでしょうか。
○萩原まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当) そのとおりでございます。土地収用の行える事業というものは都市計画事業や土地収用法で定められている事業でございまして、本件のような地区施設道路の整備につきましては、直ちに収用の対象となると、こういう性格の事業ではございません。このために地権者の皆様と粘り強い交渉を重ね、御理解を得ながら任意で買収をしているところでございます。
○北原委員 今、副参事の御答弁にありました。ということは、つまり、平和の森公園周辺地区のように地区計画による道路整備事業は地域の協力があってこそ事業が進捗するものであります。地域に入り、地区計画を定めたころからかなり年月がたっています。もう一度地域の皆さんへ事業の意義、必要性をしっかりと説明するなど、事業への協力をお願いするというスタンスで取り組んでいただきたいと思います。
ところで、この平和の森公園周辺の地区計画が策定された平成5年ごろというのは、野方小、沼袋小の統合、まして統合新校の矯正研修所跡地への移転、さらには西武新宿線の連続立体交差化も想定されておりませんでした。西武新宿線沿線ではまちづくり計画を策定するなど、一定の進捗が見られるが、平和の森公園周辺では沼袋三丁目の整備計画はいまだ定められておりません。学校再編による学校移転や妙正寺川の河川改修など、地域の状況にも変化が生じております。現在の河川改修が来年の2月ごろには完了するということでありますけれども、平和の森公園の広域避難所へ通じる五つの橋が倍以上に拡幅されるということであります。この橋の拡幅に関しましては、過去に地元から要望書も出されていると記憶しております。例えば新たな学校ができるため、そのまちの安全性や児童・生徒の通学路、さらに将来、野方小や沼袋小の跡地をどうするのかなど、新たに考慮すべき事項も考えられます。今後の平和の森公園周辺では、そうした視点を踏まえたまちづくりの考え方があってしかるべきだと思いますが、御見解をお伺いします。
○萩原まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当) 今後のこの地域のまちづくりの取り組みについてでございますけれども、この平和の森公園周辺地区につきまして、都市計画マスタープランでは、防災性の向上を図りつつ、よりよい住環境を形成するため総合的に整備を進めるというふうにしております。さらに矯正研修所移転跡地は、住環境の改善を考慮しつつ学校用地として活用するというふうに明記をされております。こうした方針に従いまして、現在の事業の推進強化はもとより、沼袋三丁目や矯正研修所周辺などの防災性の向上や地域の住環境の改善に向けた総合的な整備が進められるよう、教育委員会などとも連携を図りながら具体的な整備を行っていきたいというふうに考えております。
○北原委員 ぜひこの連続立体交差化や、あるいは学校の移転など、変化の機会ですね。地域が大きく変化するという機会を的確にとらえていただいて、まちづくりを推進していただきたいと思います。
関連しまして、質問をいたします。法務省の矯正研修所移転跡地に平成28年度に移転を予定している野方小、沼袋小の統合新校についてお尋ねします。当初は野方小を改築し、その位置に野方小、沼袋小の統合新校を開校する計画でしたが、矯正研修所の移転計画に伴い、現在の計画に改められました。その主な理由は、位置や環境、敷地面積の広さや形状にあったと認識しておりますが、いかがでしょうか。
○吉村教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 委員お話しの法務省矯正研修所は敷地面積が約1万5,000平方メートルと広く、将来にわたり長期間使用するのに理想的な学校施設の建設が可能であり、また、児童にとってよりよい教育環境が整備できると判断したものでございます。
○北原委員 よくわかりました。ところで、これから先が問題なんですけれども、この矯正研修所の敷地内にはちょうど北側の中央部に、皆さんが、私もそうだとも思いますけれども、文化財的価値を有する中野刑務所正門が残されております。これは大変大きな門でございます。また、西側には宝樹神社という小さなお社があるというふうに伺っております。矯正研修所の移転計画とともに、学校用地として取得する中野区にとっては大変大きな問題であるというふうに考えておりますが、区の見解をお尋ねいたします。
○吉村教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 中野刑務所正門、宝樹神社の取り扱いにつきましては、用地取得の際の大きな課題であると認識してございます。その取り扱いについては現在、地域まちづくり担当及び企画調整分野と連携、調整をとりながら、法務省の関係部署と協議しているところでございます。引き続き用地取得に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○北原委員 スムーズに移転ができるようにしっかりと仕事をしていただきたいと思います。ありがとうございました。
最後に、西武新宿線沿線のまちづくりの機運を重く受けとめ、地域での関心の高い防災力の向上の観点からも、この地域一帯のまちづくりをしっかりと進めていただきたいと思いますが、区長の御決意をお聞きしたいと思います。
○田中区長 西武新宿線の連続立体交差化というのは、中野区の将来にとって大変大きな歴史的な出来事というふうになってまいります。その連続立体交差に伴う沿線のまちづくりの成否が中野区にとってこれからのまちの発展を大きく左右する大変重要なまちづくりになると、こう思っております。また、きょう御議論のありました沼袋の駅周辺一帯についても、平和の森公園の周辺の防災のまちづくりとの関係も大変重要でもありますし、区民の皆様の御理解をいただきながら、御協力をいただきながら強力に進めてまいりたいと、こう思っております。
○北原委員 区長の御決意をしっかりと受けとめさせていただきましたので、この項の質問は終わります。
次に、歴史文化遺産の保存と活用についてお尋ねいたします。私は、平成20年、去年でありますけれども、第1回定例会において文化財及び伝統工芸の映像化について、そして昨年、平成20年、決算特別委員会において郷土資料の収蔵についてを質問させていただきました。既に区指定文化財江古田の獅子舞などはDVD化されました。そして、区内の小・中学校に貸し出されて好評のようであります。今年度は、東京都の雇用創出事業で歴史資料のデジタル化が進行中であるというふうに伺っております。また、私がこだわっているオリジナル性については問題があるものの、中野区にゆかりのある作家や文化人などに関する資料の収蔵も限られた予算の中で少しずつ進んでおります。
文化行政の向上には情報発信がつきものでありますが、回数は別にして、図書館、あるいは歴史民俗資料館、そして小さいですけれども、平和資料の展示室における展示や企画展、さらに情報紙「ないせす」へのPRにも工夫の一端がうかがえます。しかし、区政において中野の顔や中野らしさはよく使われる言葉でありますが、近代以降、武蔵野の真ん中の地ということで中野の地名があるわけですけれども、中野として発達してきたもの、そのイメージがいま一つ浮かびません。すなわち、今日の中野区における文化行政は初期発展段階にあると言えなくもありません。しかし、今後、保有する歴史文化資源の活用によっては、大いなる可能性、発展の可能性も秘めているものであります。
ここに「文学にみる中野」という110ページの本があります。この文学というのは、一般的に見て区民だれでもが関心を持つ分野であります。この本は平成元年に初版、そして平成6年に改訂版で発行されております。ここには50人を超える中野区にゆかりのある作家が紹介されております。例えば国木田独歩、若山牧水、田山花袋、大町桂月、中原中也、中野重治、小林多喜二。(「ちゅうや」と呼ぶ者あり)それはいろんな読み方があります。(「そう。なかやとも読みます」と呼ぶ者あり)私、古書店の専門家でございます。これは実は、沼袋二丁目に住んでいた庄野さんという方が編集に協力されて発行されたものなんですね。この方は非常に熱心で、中野に住んでいた方は恐らくこの中で半数ぐらいなんですね。ほかの人は、文章、小説の中に中野のまちが紹介されているんですね。
これ以外にも中野のまちが紹介されているところがあるんですね。(「大藪春彦」と呼ぶ者あり)今、大藪春彦さん。意外なところ、例えばこれは文学ではないですけれども、百観音の献灯会はさだまさしさんの詞の中に歌われて、歌も歌われているようなことのように、いろんな分野にあるということ。今これは文学だけに限定しておりますけども。せっかくこうしたものがある。こういうものを例えば小学校や中学校の教材としてとか、あるいは生涯学習だより、ちょっと変わりましたから、こんな中でも利用されていったら、恐らく文化に関する中野らしさというのが改めて区民の中に広がっていく。認識が高まるのではないかなと思っておりますので、ちょっと紹介をさせていただきました。
そこで、質問の中に入るわけですけれども、平成18年刊行の「中野区史」というのがあります。平成18年でございますけれども、上巻が刊行されました。そして、平成19年に「中野区史下巻一」というのが発行されたんですね。これは平成19年ですから、大変ですね、(「昭和じゃないの」と呼ぶ者あり)ごめんなさい。失礼しました。昭和ですね。区長、ありがとうございました。昭和18年と昭和19年に発行されました。これは特に下巻の一というのは本がないんですね。中野区にも「中野区史」の下巻の一というのはあまりないんです、ここにも。ただし、議員図書室にはありました。
その後、昭和29年に刊行されたのは「中野区史」の下巻の二というのがあるんですね。その後、昭和編とか昭和資料編というのが各3巻ずつ刊行されておりまして、現在、「中野区史」としては9冊が刊行中であります。
ところで、その編さんのもととなった原資料というんですね。我々は古本屋さんで違うということを言われますけども、生資料とかいうんですね。これが中央図書館の建てかえ工事の際、廃棄処分の難を逃れて保管がされているというふうに聞いております。現在のこの現状をお尋ねします。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 昭和18年から昭和29年にかけて刊行されました古い「中野区史」の編さんにかかわる原稿、それから収集された参考資料などにつきましては、歴史民俗資料館で保管してございます。これは区史資料という名称で分類整理いたしまして、小型の箱におさめまして、温度、湿度は適正に調整された、館内に特別収蔵庫というのがございまして、そこに収蔵しております。必要があれば直ちに取り出せるという状況になってございます。
○北原委員 難を逃れてきた、その「中野区史」編さん関係の資料が歴史資料館の書庫にあるというのは大変結構なことだと思うんですね。この自治体の歴史資料は地域の文化遺産として、板橋区は公文書館なんかを設立し、貴重な資料を保存するというような区のスタンスがあるそうですが、これはこれとして、これを中野が見倣えというふうに私は申し上げるのではありません。すべての行政関係の資料を保存する必要は、私はないと思っております。
かつてここに市川委員もおりますけれども、打越町会の設立に関する資料がごみ屋さんを通して古本屋さんに持ち込まれたケースがありました。そして、その方は中野以外の方でしたんですけれども、中野の資料としてこれはおもしろい資料じゃないかと。このままにしておくのは申しわけないので、私にくれるということで、もちろんそのままただでいただいたわけですけれども、これも私にあるよりは、市川委員は地元ですからね。市川委員のところにあるのが一番いいのかなということで、差し上げたのでありますけれども、こうしたように行政資料というのは要らない人にとっては全く要らないんですけれども、中野区にとってはどうしても必要な資料であると思いますので、今後ぜひ今ある地下の書庫に眠っている原資料を調べていただきたい。特に写真なんかは、本に使われた写真なんかがありますと、くっついちゃってとれなくなりますので、ぜひ時間があったら、大切な資料であるので、確認していただきたいと思っております。ありがとうございました。
さらにお伺いいたします。区内に住む某家から寄贈された戦前のポスターコレクション、これが1,500点ぐらいあると、保存がされているようでありますが、その内容と保存程度についてお尋ねします。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 昭和初年から20年までを主体にしまして、1,589枚のポスターが保管されております。内容といたしましては、国とか都とか区、公的機関作成のものでございまして、民間企業等のポスターはございません。これは寄贈された方が戦前、地域の公的役割を担っていた関係で集めたものでございます。そのためにそういった内容になっております。丸めた状態で長年保管されていたんですけれど、蔵に保管されていたんですが、現在はすべて伸ばしまして、広げた状態で温度・湿度管理に気を使いながら、専用のマップケース、これに保管してございます。これは戦中のものがかなり多いので、紙質が非常に悪くて、慎重に扱ってございます。
○北原委員 この戦時資料として、昭和のポスターもたくさん入っていると思いますね。特に昭和元年からちょうど終戦ぐらいまでのところだと私は思いますけれども、1,500点のこうした行政関係のポスターコレクションというのは極めてまれだと思いますね。ポスター類の収蔵で有名なのは、国立国会図書館、ここはあります。それから、企業では、ここは割とコマーシャル的な民間のものが多いんですけれども、電通ですね。ここが大変集めております。それから、個人では、私のいとこであります北原照久コレクションというのが有名であります。
ところで、ポスターというのは実物が展示されることによって、色彩だとかデザインだとか紙質がより明らかになり、価値を高めるものでございます。もともとポスターは広報媒体としてつくられたものでありますから、私蔵しておくのはもったいないというふうに考えます。少し傷んでいるというような話も聞きましたけれども、専門家の助言をいただいて、ぜひですね、こうしたコレクションを区民の皆さんに展示して見ていただきたいというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 先ほど申し上げましたように紙質がかなり悪いものが多くて、何度か展示をしたことはあるんですが、その際に紙のくずがぽろぽろ落ちるみたいな状況がございました。ただ、スライドにとったものがございましたり、それから、専門の方に何かアドバイスいただけるんでしたら大変ありがたいと思いますし、何らかの格好で区民の方の目に触れるように工夫してみたいと考えております。
○北原委員 ぜひ専門家のアドバイスをいただきながら、できるだけ展示する方向で検討していただきたいと思っております。
次に、中野区立歴史民俗資料館は山﨑家の多大な援助と協力のもとに、山﨑家の歴史文化遺産を核に開館しました。その中には一級の歴史文化資料が含まれております。しかし、近年、一部の資料でありますが、急速に劣化が進んでいると聞いております。保存のための調査と補修を急ぐべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 山﨑家資料につきましては、絵画、陶磁器、浮世絵、古文書などがございます。絵画については新規に表装を施したものもございます。それからまた、重立った絵画13点が中野区登録有形文化財、古文書3点が中野区指定有形文化財になってございます。浮世絵につきましては、二つ折りの台紙に挟みまして、整理、保管しております。古文書については解読作業を完了いたしまして、結果は山﨑家文書という表題で全5巻にまとめて刊行しているところでございます。この原資料につきましては、分類整理の上で、特注した中性紙封筒に一つひとつおさめているというところでございます。これらの資料、劣化がない陶磁器は一般資料収蔵庫におさめてございますが、その他は温度、湿度管理がされた特別収蔵庫に保管をしております。全体に良好な保存状態ではございまして、緊急的に補修は必要ではないというふうに判断してございますけど、古いものでもございますし、今後、収蔵品の状況を見きわめながら対応してまいりたいと考えております。
○北原委員 ありがとうございます。古文書などは、これは一点資料というもので、それしかないものですね。だから、再び手に入れることはできないということであります。御承知のとおり山﨑家文書というのは全5巻の本になりまして、目録として発行されております。それにおさめられた相当な資料があるわけですけども、これには江古田の獅子舞の縁起文書ですね。あるいはしょうゆの醸造関係資料というようなものもあります。こうしたものの中で、先ほど私が申し上げましたけれども、一級の歴史文化資料につきましては、こういったものを失うということは山﨑家に対して大変失礼な話であるというふうに私は考えます。ぜひしっかりと調査をしていただいて、補修、保存に努めていただきたいと思います。
それで、私、その後、先月、9月ですけれども、歴史民俗資料館においてミニ展示というのがありました。「器にみえる文明開化 印版皿」という、そういう展覧会なんですよね。あまり陶芸に関心のない方はそれほど興味がないのかもしれませんけれども、この印版皿というのは……(「印刷だよ。印刷のこと」と呼ぶ者あり)陶器に造詣の深い斉藤委員のほうから若干補足がありましたけれども、この皿は明治から戦前期にかけて、型を用いて図とか絵、模様なんかを印刷したものなんですね。そういうことで、この描かれた図柄はつくられた時々の社会や文化を色濃く反映し、そして古美術としての観点のほか、技術史とか経済史、あるいは文化史の資料としての価値もあり、歴史学、民俗学の立場からも興味の尽きないものであるというふうに紹介されておりました。
それで、これは意外なものが展示されているというふうに私は感じましたから、入ってみました。その展示の経緯を尋ねたところ、新宿区の古美術商の全面的な協力のもとに展示をされているということでありました。なぜ古美術商の方がそんなに献身的に協力されたのかということで聞いたところ、あの新青梅街道をこの古美術商の方はいろんな仕事で時々通っていたということなんですね。もう開館してから歴史もありますから、古美術屋さんですから当然関心がある。ところが、繰り返し繰り返し同じものを展示することが多いわけですね。そういうわけで、かわりばえがしない展覧会ばっかりだなと本人は思ったんですね。だったら、うちにあるものを持っていって、ふさわしいものがあったら展示していただければ、お金は要らないからということなんですね。それでどうだろうかというふうにそこの専門家と話をして、あ、これはおもしろい文化的な資料ですねという話になって、とんとん拍子に進んで、ほとんどすべてこの古美術商さんのほうの負担ということで展示をされたということであります。これ、一時的に預かって見せるわけですね。預かっておくものなんですけども、寄託による。寄託方式による展示は歴史民俗資料館においては多分初めてだろうというふうに聞きました。
昨年、平成20年、中央図書館で開催された「不思議博士・井上円了」展、ここにおいては、貴重な資料の多くが東洋大学の提供によって行われました。中野区における展示事業というのは、館所蔵資料を基本として企画、実施しているようでありますが、所蔵資料の展示だけでは限界があって、魅力を失ってしまうというふうに私は感じます。期間を限定した寄託による展示制度を検討されたらいかがでしょう。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 過去の展示では、ほかの博物館から借用して展示をしたというようなことはやっておりましたけれど、ただ、運送費とか借用期間中の保険料等の予算面とか、それから取り扱いの問題がありまして、それほど行っていないというのが現状でございます。資料の性質によっては照明とか温度、展示条件に細心の注意が必要となりまして、破損などの事故についての問題が懸念されるというようなこともございます。この問題がクリアできれば、御提案のようなことも可能と考えておりまして、先ほどの御指摘の例のように申し出ていただけるということであれば、それはもう進めたいと思っています。
○北原委員 区内には中野区関連資料をはじめ、さまざまな分野でのコレクションが存在しているというふうに思います。所有者も大切に扱われるということでありますとなりますと、所蔵品の活用を願うものであります。ぜひとも前向きに研究、検討していただきたいと思います。ありがとうございました。
歴史文化遺産の保存と活用のためには、専門的知識と経験を有する人材が求められます。ぎりぎりの職員体制で中野区の歴史や民俗などの歴史文化遺産を継承していくということは大変難しいと思います。何らかの支援が必要だと思いますが、最後に教育長の御見解をお伺いいたします。
○菅野教育長 歴史文化遺産をこうした博物館、資料館で展示活用する場合には、資料の取り扱いは学芸員が行うことが必要でございます。限られた人材を有効に活用しながら、また教育委員会内部で一層の連携を行うなど、さらに民間活力の導入なども視野に置きまして、適正な運営を図ってまいりたいと、このように考えております。
○北原委員 私は、都市基盤の整備は中野区の発展のために不可欠であると思います。また、さらに中野区の発展を図るためには文化基盤の整備も同様に重要であると思います。新たな時代、お笑いやサブカル文化の創造とともに、歴史文化遺産の活用が中野らしい文化行政を構築し、それがまちの活性化や経済成長につながるということを申し上げて、この項の質問は終わります。
それでは、次に、心の教育相談室についてお尋ねいたします。近年、小・中学校の不登校や問題行動の増加が危惧されております。その要因として、悩みや過重なストレスがあります。また、子どもたちを取り巻く家庭環境、とりわけ経済的な問題、失業や解雇、あるいは両親の不仲、離婚、ひとり親家庭など、学校だけでは支え切れない要因が多くなってきて、職員の過重な負担となっております。
そこで、子どもたちの心の問題に対応するため、中野区ではかなり早い時期から各学校に心の教室相談員を配置しております。また、中学校と一部の小学校にスクールカウンセラーを配置しておりますが、具体的な資格要件、そして職務内容はどのようなものでしょうか、お尋ねします。
○喜名教育委員会事務局指導室長 まず心の教室相談員でございますけれども、特に資格要件はございませんで、心理系の学生、元教員、教育相談経験者などにお願いをしているところでございます。職務内容でございますけれども、児童・生徒の相談相手、話し相手、それから地域と学校の連携や支援、教育活動の支援ということでございます。平成10年から入れてございます。
スクールカウンセラーでございますが、こちらは臨床心理士の資格が必要でございまして、職務内容は児童・生徒からの相談、教員からの相談や助言、保護者からの相談でございます。
○北原委員 小学校は一部の小学校に配置ということでありますけれども、配置されていない小学校への対応はどうなっているのでしょうか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 3校、小学校配置しております。啓明、向台、それから丸山でございますが、それ以外の9校につきましては、特にスクールカウンセラーではなく、心の教室相談員が対応するということになります。
○北原委員 それでは、スクールカウンセラーへの相談内容はどのようなものが多いのか。また、スクールカウンセラーや心の相談員を配置することによって、子どもたちの心の問題は解決しているのでしょうか、お尋ねします。
○喜名教育委員会事務局指導室長 スクールカウンセラーの相談内容でございますけれども、文教分科会資料の42にお示ししているとおりでございますが、全体の32%がいわゆる話し相手ということ。それから、19%が不登校、情緒不安定とか発達障害にかかわるものが6%となっております。あと細かく家庭や家族のこと、友人関係というふうになってございます。
効果でございますけれども、まずこのスクールカウンセラーは教員の立場ではございませんので、相談の専門家であるカウンセラーが学校にいるということで、子どもたちは初めはいわゆる雑談の中でお話をしながら、気負うことなくお話をして、悩みにいかないまでも、それが解決できている。悩みが大きくならないうちに解決しているというところがございます。また、不登校傾向のお子さんにつきましては、引きこもらせないように継続的に相談をしているということがございまして、問題解決、問題が大きくならないことに大変つながっているというふうに思っております。
○北原委員 決特の文教22の資料では、区立小・中学校の不登校児童・生徒一覧によりますと、配置の成果は見られるというふうに思います。これは配置年度とその後の数値が減少しているということで、その成果は見られると思いますが、決特の文教54、区立小学校のいじめの発生件数には配置の成果はそれほど見られていないというふうに読み取れるわけであります。こうしたところでぜひ、十分ではないと私は認識しておりますので、さらにいい方法をやっていただきたい。特に小学校3校のみにしか配置されていないということにつきましても、今後大きな検討課題であると思っておりますので、積極的に検討していただきたいと思っております。
それから、スクールカウンセラーに対して保護者の相談というのは、あるいはもしわかれば、教職員の相談割合というのも教えていただきたいんですけれども。また、相談内容についてもあれば、特徴があれば教えていただきたいと思います。
○喜名教育委員会事務局指導室長 まず保護者の相談件数でございますけれども、昨年度、16校で1万451件の相談がございました。そのうち875件、8.4%が保護者からの相談でございます。内容といたしましては、不登校のこと、発達障害、子育てに関することなどでございます。教職員でございますけれども、特に集計しておりませんので、データはとっておりません。
○北原委員 今、保護者からの相談が8.4%あるということでありました。その数値から見まして、実は総括質疑の2日目、山口委員から私と同じような以下の質問が出たと思います。改めてお伺いいたしますけれども、相談者には相談を含め、相談していること自体を学校に知られたくないという相談者もいるはずであります。これはデリケートな問題だけに特に学校関係では多いんですね。こうした中で、この8.4が高いのか低いのかは、これは別問題でありますけれども、相談室に直通電話を設置する必要があるのではないかという質問でございます。改めて御答弁をお願いいたします。
○喜名教育委員会事務局指導室長 山口委員と同様の御回答ということになりますけれども、スクールカウンセラーの本分が、まず第一義的に直接子どもたちの話し相手になったり、相談を行うということがございます。二つ目としまして、匿名の電話ということであれば、教育センターの電話相談を御活用いただきたいということ。3点目といたしましては、学校の状況を知っているスクールカウンセラーに相談をしたいというのはとてもよく理解できることですけれども、その場合は現在いろいろ工夫をしております直通電話ではなくて、匿名性を担保できる方法を使っていきたいというふうに思っております。
○北原委員 山口委員の答弁の中で、高額な経費と、それから後年度負担がかかるということでありますけれども、この電話回線を1回線増設するということについて、どの程度の経費が必要か。あるいはその後の後年度負担ということについてもお伺いしたいと思います。
○喜名教育委員会事務局指導室長 まず固定の直通電話でございますけれども、新たな敷設ということになりますので、初年度、小学校、中学校全校に入れますと約1,200万円、後年度負担としまして200万円ということになります。また、現在、携帯電話が安くなっておりますし、契約内容によっては初年度300万円。ただ、後年度負担が240万円程度ということになります。
○北原委員 今、1,200万円という数字が出てきたところを見ますと、検討されたことがあるのかなと思うわけでありますけれども、このことは実際に相談する側の身になって考えないといけないということでありますので、今、情報通信の社会になってまいりましたから、もっと安い金額でできるようなものがあるんじゃないかなと考えられますので、ぜひもう一度検討していただきたいと思います。
それから、教育センターの電話相談も紹介していくということが今答弁でありましたけれども、相談者にとっては、身近なところにいることによって、より顔が見えるスクールカウンセラー、あるいは心の教室相談員というものも頼れる相談員であるというふうに私は思います。一部指導室長のほうからもそうした話がありましたけれども、この点についてもう一度お伺いいたします。
○喜名教育委員会事務局指導室長 委員御指摘のとおりでございまして、スクールカウンセラーはやはり学校の教員の中にいるわけでございますので、学校の状況をよくわかっているということ。また、友達関係などもよくわかっているということはおっしゃるとおりでございます。教育相談のほうで連絡、相談をいたしますと、その背景もすべて御説明しなければいけないということがございますので、保護者のお気持ちということではスクールカウンセラーということはよく理解できます。
○北原委員 スクールカウンセラーや心の教室相談員は、子どもたちの問題行動、不登校への対応に一定の効果が出ております。また、今後進んでいく学校再編においても、当事者である子どもたちは我々の想定できない心の問題に直面するかもしれません。そのため、心の教育相談室での対応をさらに充実すべきであります。公立学校のよさを区民に広くアピールする意味でも、今後配置日数をふやすなど具体的な方策を考えるべきではないでしょうか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 委員御指摘のとおりでございまして、やはり子どもたちがいつでも相談室に行って相談をしたり、何気ない会話をするという環境をつくっていくことが大事だと思っております。まず統合新校の件でございますけれども、統合新校につきましては、東京都教育委員会の特別の配置がございまして、3年間はスクールカウンセラーを配置することになっております。それから、心の教室相談員でございますけども、現在、報償費で対応しているということもございますので、例えば今、連携している大学から学生をボランティアで派遣をしてもらうとか、さまざま工夫を図っていきたいというふうに思っております。
○北原委員 スクールカウンセラーに係る経費が高額であるということは承知しております。私はこの質疑のために4人の校長、副校長に会いました。それで、限られた予算の中で何ができるかということをいろいろ考えたんですね。その中で、実は要望があって、それから必要性を認めても、財政上の問題があって、配置日数ですね、現在、週1回4時間をふやすのは難しいのかなと思ったわけであります。そうであるならば、スクールカウンセラーの勤務体制を変えてみて、配置日数を週2回、勤務時間を2時間に短縮してしまう。そうして2校を担当する。しかも、移動時間を考えて、この2校は近隣2校とするという方法ですね。これについては、それほど経費はかからない。そして、学校現場の話によりますと、週1回よりは短くてもいいから2回来てもらったほうが実は助かるんですよと。その間に解決して、相談しなけりゃならないことがあるんですということで、このほうがはるかに実効性が高いというような話を聞きました。改めてこの配置日数を週2回、勤務時間を2時間に短縮し、2校を担当するということで、担当校は近隣校とするような、こういった方策も有効な方策の一つだと思いますが、御見解をお尋ねいたします。
○喜名教育委員会事務局指導室長 ただいまいただきました委員の御提案というか、方法も含めまして、経費も考えながら、よりよい方法を考えてまいりたいと思います。
○北原委員 ぜひそうしていただきたいと思います。
10分ほど時間が残りましたけれども、2016年オリンピック・パラリンピックの東京誘致の決定を祈念いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○いでい委員長 以上で、北原ともあき委員の質疑を終了します。
ここで休憩にしたいと思います。委員会を休憩します。
午後2時40分休憩
午後3時01分開議
○つぼい副委員長 委員長と進行を変わります。
委員会を再開します。
休憩前に引き続き、総括質疑を行います。佐藤ひろこ委員、質疑をどうぞ。
○佐藤委員 それでは、総括質疑をさせていただきます。
最初に、区長のマニフェストと10か年計画についてお伺いいたします。
今度の総選挙では各政党がマニフェストで競い合い、大変マニフェストの論議で盛り上がったと思います。政権が変わり、そして、そのマニフェストに基づいて今さまざまな政策が打ち出されているところです。区長も1期、2期ともマニフェストを出されて選挙を戦ってこられました。2期目のマニフェストがどうであったのかについてお伺いしたいと思います。
2期目当選された後の2006年の第2回定例会で、マニフェストを皆さんあまり御存じないんじゃないか。多分これに目を通されている区の職員の方も少ないんじゃないかというふうに思います。今と違って、政党はマニフェストを配れますけれども、自治体の長は選挙期間中にマニフェストを配ることができないということで、多分ホームページに載っていたということでのお知らせにとどまっていたということで、やはり政治家としてどういう政策を掲げて、この4年間やっていくのかということを示したのがマニフェストだと思います。それで、2006年の第2回定例会において、マニフェストをきちっと区民の方に伝える手だてをとってほしいということを質問させていただきました。それに対して区長は、ホームページなどでも明示できるように工夫していきたいと答弁されております。しかし、ホームページの中はちょっとないようですし、その当時ありました区長の個人ホームページも今はなくなっていると思います。どのように明示されているのか、お伺いいたします。
○田中区長 マニフェストですけども、正確には1期目はマニフェストという言葉がまだ一般的じゃありませんでしたし、私もマニフェストと称した公約ではありませんでした。1期目は公約ということでやりました。2期目はマニフェストということで、成果目標、期限、そして財源といったものを明記するというようなことをできる限り踏襲しながらということで、マニフェストを掲げて選挙をするということを行ったつもりであります。
それを、あの質疑も覚えているんですけども、ホームページなどで明示をしていくべきだというお話で、区のホームページというのは執行機関のホームページですから、やはり政治家個人の政治的な表明を区の執行機関のホームページに表示するというのは妥当でないだろうというようなことで、区のホームページには表示をいたしておりません。本当は私が個人のホームページとかブログとかつくっていれば、そこでできるんですけれども、大変忙しゅうございまして、それができていないということでありまして、ホームページなどで明示をするということについてはできていないというのが現状です。
○佐藤委員 私は質問の中ではホームページと言ったんじゃなくて、区長が答弁の中でホームページなどというふうにおっしゃったんですけれども、それが御自身でこの4年間できなかったということです。政治家として、いわゆる住民に対して約束された4年間の仕事を伝えていない。マニフェストは、要するに約束として伝えるわけです。マニフェストの評価っていろいろあると思います。知って、じゃあ、この4年間、その政治家がどんな仕事をしたのかなということをそこで評価するわけです。何もわからないと評価のしようもないわけです。そういったことで各自治体の長、今はマニフェストを掲げて当選される方も大変多くなっております。神奈川県の松沢知事は早くからマニフェストを個人ホームページに載せて、自分の自己評価と、それから市民の方たちの評価委員会の評価ということで、それを出してこられました。私も松沢知事のいわゆる市民評価というところで一度勉強させていただいたことがあります。
奈良県の生駒市長は、市のホームページに御自分のマニフェストを載せて、そこで年2回評価をされているということです。それから、国政のマニフェストと違って、地方自治体はローカルマニフェストというわけですけども、そのローカルマニフェスト推進ネットワークというのがあります。そこで毎年、いわゆるマニフェスト大賞というのをつくって表彰しているわけですけれども、昨年のマニフェスト大賞の1番として表彰された市長部門が静岡県の浜松市長でした。浜松市長もその御自身のところじゃなくて、市のホームページでいわゆる工程評価という形でマニフェストの評価を定期的に行っていらっしゃいます。マニフェストは掲げるだけじゃなくて、事後をしっかり検証していくためのマニフェストなわけですから、ただ掲げただけでは、それはマニフェストとして意味がない。だから、実現度の事後の検証が可能であることが必要な条件です。その点について、区長は最初に掲げられた、マニフェストをつくられたときに、事後の評価についてはどのように考えていらっしゃったんでしょうか。
○田中区長 その任期でのお約束ということがマニフェストであります。マニフェストを掲げて、別にお知らせしていないとか、公表していないとかということではなくて、あくまでもホームページなどで掲示していないということでありまして、印刷物にして配布をしたということもあります。公表しているということですから、そのマニフェストについてのお約束というのは完全に生きているということで理解をしていただきたいと思っておりますけれども、その期のマニフェストということですので、その期を単位として評価をするべきだろうな。そんなふうに思っております。
○佐藤委員 それもこの前の議会で聞いたときに、マニフェストの検証評価はどのようにされていくのかと言ったときに、4年間が一つの単位であるので、任期4年のサイクルとしてその検証を行っていきたいというふうに区長はお答えになっています。もう4年がそろそろ終わろうとしています。あと半年で終わろうとしています。現在の中で、現時点での御自身のマニフェストの達成状況について、どのように評価されているのか。達成できたところの主な点、達成できなかったところの主な点について述べてください。
○田中区長 マニフェストで私として申し上げたことについて、かなりの部分達成したり、着手をしたりということで動いてきているというふうに思っております。現時点で評価をしたりとか、ここが足りないとかというようなことで、総括的にまとめて考えているということはまだありません。
○佐藤委員 御自身の4年間でここに打ち出されてきたことがどの程度できたのか、そしてできなかったのかについてはきちっと見ていただきたいと思います。マニフェストは候補者としての公約で、選挙で当選すればマニフェストに書かれていることすべて、もうそのままオーケーですよということじゃなくて、議院内閣制をとっている国政の政権与党のマニフェストと、二元代表制の自治体のマニフェストとは違うと思います。自治体は二元代表制なので、長の掲げた、やりたいというマニフェストがそのまま実行できるわけじゃなくて、まず議会の意見、議決というのが、当然議会の意思がきちっと入ってきます。住民の意思というのも入ってきます。そこで、実行ができなくなったり、あるいは修正がかかったりするのは、それは私は当然だと思います。ですから、マニフェストについてできなかったこと、あるいは変わってきたこと、修正があったことについても、なぜ修正がかかったのか、なぜできなかったのかというのもきちっと検証していくことが必要で、そのためのマニフェストなんだというふうに私は考えております。その意味では、できなかったこと、あるいは修正がかかってきたことをどうしてそういうふうになってきたのかについてはきちっと検証していただきたいと思います。
2期目のポイント、もちろん1期目から2期目にかけて中野区の財政を改革していく。それをきちっと立て直していくというのが一番の主題でした。そこの点については、私は大きく変わってくるきっかけをきちっとつくられてきたというふうに評価をしております。しかし、もう一つの2期目の大事なポイントというのが、区民の力をどう生かしていくのか。そういった生かした政策が実現できるのかということにあるというふうに考えております。このマニフェストの中で掲げられている中で、今なかなか実現がおくれているもの、あるいは不十分になっているものが、さっきもほかの委員の方が質問されていましたけども、広域活動の推進に関する条例に基づく区民提案型の委託事業の実施、基金が集まってないじゃないか。それから、まちづくりを進めるTMOの設立、これは全然まだ行われていない。それから、環境と緑を守る区民ファンド、これも行われておりません。そして、住民が管理運営する区民活動センター、これは地域の数からしても、最もいわゆる住民とともにどんな区政運営がこれからできるかという大きな改革を行う視点だったと思いますけれども、それがマニフェスト、いわゆる公約の中ではことし、ちょうど4年目に終えるということでしたけれども、2年先にそれが延びたということになっております。こういった区民の力を生かす政策がなぜ進まないのか。その原因をどのように分析されていて、今後どうされるのか、お伺いいたします。
○田中区長 マニフェストでありますから、私としてはその実現に全力を尽くしていくということですけれども、委員が一番最初におっしゃられたように区政運営は首長に当選したから、全部言ったことがそこで実行できると決まるということでは決してありません。国政も同じだと思いますけどね。そういうことですから、提案をし、そしてそのことについて説明をし、皆さんの御理解をいただくように努力をするということで進めていくということだと思っております。
今、幾つかの項目についての御指摘もありました。これについても私としては動きをつくり出していくということについては、できる限りのことをやっているということであります。それについて区民の皆様の受けとめでありますとか、議会も含めて多くの方々がどのように受けとめているかということが、まだ4年たっていませんけども、現状もしうまくいっていないんだとすれば、そういった区民の皆様や議会、要するに多くの現在の中野区政のあり方というものがまだその実現というところまで至っていないんだということだと思います。方向として私が決して違っているというふうに思っているわけでもありませんし、着手もしております。そういう意味では、私としては御理解、御協力をいただくように努力をこれからもしていかなければならないと思っておりますけれども、いずれもやはり区の中のそういった環境や空気というものが醸成されていくということが大事なのであって、形ができ上がればいいということだけではないと、そんなふうに思っておりますので、議論として進んでいるということは、私はいいことだなと、そんなふうに思っているということで御理解いただきたいと思います。
○佐藤委員 ありがとうございます。やはり区民と一緒に、ともに区政をつくっていくんだというところで、いわゆる区民の意識をインクルージョンできなかった。一緒に歩むというところにやはりなかなかうまくいかなかったというところをどうすればうまくいくのかというあたりをきちっと打ち出していただきたいというふうに思います。区民活動センターについては、かなりいろんな議論、異論もありました。しかし、やる気のある区民の方たちもおります。もうやりたいよ、やっていきたいよ、自分たちのまちのことは自分たちでやるんだ。やはりそういう意識のある地域から私は先行して始めてもいいと思います。そういった形で一斉にやるんではなくて、モデルになるところを区民と一緒に先に先行してつくっていく。その後検証しながら、また全部に実施のあり方を考えていくというやり方でやっていただきたいと、これは要望にさせていただきます。
すみません。ちょっと時間があれしていますので、ここをちょっとはしょりまして、次にいかせていただきます。
2番目、用地取得と売却についてというところです。10か年計画の素案で13カ所の売却予定地が示されております。その売却予定地一個一個、どんな売却予定地なのかなというのを考えていったときに、とても不思議な用地に当たりました。それが総務の120で出していただいております野方一丁目用地の売却予定に至る経過というところです。これは平成元年に住民の方たちの要望を受けて、土地開発公社で先行取得がされております。それからもう20年以上ですか、いわゆる用途に供されないで、臨時的な使い方でずっと塩漬け用地の典型的なものがまだ残っていたんだというのは改めて驚いたわけです。たしか老人アパートをつくるんだ。また途中では、障害者の福祉施設がつくられるんだ。そのとき私は非常に期待していたんですけども、それが立ち消えになっていったということがあります。野方一丁目の用地はなぜ20年間も塩漬けのままだったのか、お伺いいたします。
○田中政策室副参事(企画調整担当) 野方一丁目の用地につきましては、当初の購入目的の施設整備を行う初期の段階から整備が困難という状況がございました。また、他の施設への転用につきましても、土地の制約等がございまして、なかなか整備が進められないという状況がございました。その後、将来的な需要を見込みまして、土地を保有してまいったわけでございますが、結果として整備に至らなかったというものでございます。今回、10か年計画の素案の施設検討の中で改めて整理をさせていただき、こういうもので売却という方針をお示しをさせていただいた。こういうものでございます。
○佐藤委員 要するに20年間買ったけど、何も使わない。18年には区で買い戻しているんですよね。何か活用を検討するって買い戻しているんですけれども、結果的にやはりそれは考えられなかったので売却する。もう本当に何のために買ったんだか全くわからない。たしか9億円ぐらい買い戻したときにお金が出されております。それを今度売却するという提案なんですけれども、今度売却するところが素案の中では13カ所あるわけですけれども、売却に当たっての基本的な考え方は何なんでしょうか。つまり、保育園も売却するところと売却しないところがある。児童館も売却するところ、売却しないところもある。それから、中野保健所に至っては10か年より先の話なんですよ。今、10か年の素案なのに、10か年より先の話なのに、もう売却するというふうに決めたような提案になっています。一体どういう考え方で整理されているのか、お伺いいたします。
○田中政策室副参事(企画調整担当) 今回売却予定としてお示しをさせていただいたものは、新たな施設整備の財源とするためでございますけども、この具体的な施設、土地の選定に当たっての考え方ということでございます。例えば移転等で必要な機能が継続されることになるかどうか。それから、例えば施設機能が既に廃止したものであるかどうか。それから、耐震性能の低さであるとか、施設の老朽化であるとか、そういったことから民間、あるいは転用が困難なものであるかどうかとか、そういったさまざまな視点から総合的に検討し、活用が見込めないものについて選定をした。こういうものでございます。
○佐藤委員 皆さんわかりましたでしょうか。事前にいろんなやりとりでお聞きしても、ちょっとよくわからない。今の段階でなぜそういう判断に至っているのか、共通項は一体何なのかというのをもうちょっと明確に示す必要があります。その10年先のことまで今売却って何で決めちゃうのかというあたりもよくわからないです。そういうところで、いわゆる土地購入に当たっても、基本的な考え方をやはりちゃんとつくっておいていただきたい。この野方一丁目のような、何かそのとき言われたから買ってみたものの、住民からの反対があったのでやめちゃったというふうな、そんな買い方じゃない買い方をきちっとこれからしていくんだ。今も相手のマンションが建ちそうだったら、これを購入してほしいとかって、いろいろ区民から要望が上がるわけで、だけど、区としてはこういう視点をきちっと考えて購入するんだということの、やはりそういう考え方、売却に当たって、購入に当たっての考え方をきちっとつくっていただきたいと思います。これも要望にさせていただきます。ありがとうございました。
続きまして、インクルーシブ教育と特別支援教育についてお伺いいたします。10か年計画の素案の中で特別支援学級の増設、それから特別支援教室を全小・中学校に整備するという考え方が出されてきました。どんなニーズがあって、どういう検討がされたのかってお伺いしたところ、おととしにつくられた「中野区における特別支援教育の推進について」、これしかもとになっているものがないということなので、これを読ませていただきました。ちょうど特別支援教育が始まったぐらいのときに、これからどうしていくんだって検討されたわけです。その中で中野区の基本的な考え方というのがこの1ページ目に書いてあります。今までは障害のある児童一人ひとりの障害の種類や程度に応じて特別な専門的な教育を行ってきた。そして、これからは生徒一人ひとりの教育ニーズに応じた教育を行う特別支援教育を推進していく体制づくりをしていくというふうに、手短にいうと、そんなふうに書いてあるんですけれども、じゃあ、この前とこれからとそんな違わないじゃないか。形としても特別学級を特別支援学級って名前を変えただけだし、通級学級も特別支援の通級学級って名前を変えただけにしか私には映らない。一体そういう基本的な考え方が今までとどう違うのかということをやはりちゃんと示していただきたいと思います。
2006年、国連で採択された障害者の権利条約の第24条に、障害者が障害を理由として教育制度一般から排除されないこと。義務的な初等教育または中等教育から排除されないこと。あらゆる段階におけるインクルーシブな教育制度ということが打ち出されております。どの子も一緒に学習ができることが原則だ。そして、個人の必要に応じて合理的な配慮を行っていくことを求めております。そういった考え方がこの資料の中には見えません。インクルーシブ教育についてどのように考えているのか、お伺いいたします。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 報告書で書かれているとおり、特別支援教育ということでございますが、これまではそれぞれ障害の種類や程度に応じて特別の場で専門的な指導を行ってきたということです。それが今度は一人ひとりのニーズに応じて適切な教育的支援を行っていく。しかも、通常の学級に在籍する発達障害児のお子様も対象にしてきた。しかも、取り組み方も通常の学級での取り組みじゃなく、学校全体として取り組んでいくということでございます。
それから、インクルーシブ教育につきましては、法改正の趣旨もそのとおりでございまして、一人ひとりのニーズに応じて支援していくということでございます。
○佐藤委員 今までの日本の障害児教育は、やはり分離することに私は力点が置かれてきたと思います。その分離ではなくて、地域で一緒に生きることをどう実現していくか。そのための個人個人の力をつけていくための特別な支援なんだというとらえ方で、最終目標は地域で一緒に生きるんだということをやはり最終目標にして、そういう教育の考え方を組み立てていっていただきたいと思います。
同じ学校で今度特別支援教室をつくるということですけれども、先日、特別支援学級の通級の先生方にお話を伺ってきました。通級に来ていることを内緒にしたいという子どもたちがいるそうです。それから、先日、ADHD、発達障害の大学生、それから統合失調症と言われる精神障害の大学生の方たちにお話を聞く機会がありました。その中で、じゃあ、皆さん、小さいときにどうでしたか。やはり分ける場に行く。絶対行きたくないということをそのADHDの方は言っていました。じゃあ、普通学級にいて居心地がよかったかといったら決してそうじゃない。本当につらかった。どういう支援があればよかったのかというのがこれから必要なわけです。精神障害の統合失調症と判定された大学生は12歳のときに判定されて、そして病院に行って、そこから養護学校に行った。だけど、自分は勉強したいと思った。養護学校から普通の大学を受験するということがどんなに大変だったかということを話しました。今、大学生になっております。その中で本当に特別な、特別というか、個々に応じた支援のあり方というのはどういうものなのかというのを考えさせられました。
就学相談で今、ここに行きなさい、あそこに行きなさいというふうに専門家のあれで決めています。しかし、発達障害という、言ってみれば、どう対応していいか、本当のところまだきちっとわかっていないようなお子さんたちが出てきているわけです。どこの場がいいのか、どうすればいいのかというのは試行錯誤をしながら、これから考えていくんだと思います。その中でやはり通級から固定級に行きたいというお子さんがいたら、それはすんなりと行けるように自由を確保していただきたいと思います。今の教育委員会の指導では、なかなか固定級に行っちゃったら、もう次にここへ行きたいといっても移動できない。なかなか移動が難しいという苦情も上がってきております。その自由の確保、自由に選べることについてはどうお考えなのか、お伺いいたします。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 就学相談を含めて、どういった教育の場がそのお子さんに最適なのかと。あくまでもそのお子さんの最善の利益を図って、私どもと親御さんとで話し合いをしていただくということです。固定学級に入級しても通常の学級に戻れたというケースもございますので、そういったことは今後とも親御さんとも十分に話し合っていきたいというふうに考えてございます。
○佐藤委員 ぜひ選択の自由を保障してあげる形の、そういった特別支援をやっていただきたいと思います。何が何でも、この近くに教室ができたから、そこに行きなさいということじゃなくて、やはり御本人の気持ちを大事にしていくやり方をとっていただきたいと思います。ありがとうございました。
最後です。学校における精神保健の健康学習支援についてお伺いいたします。さきの議会でも質問いたしましたが、中野区の生活保護受給者の20%が精神疾患を抱えており、うつや引きこもりで仕事につけず、生活保護を受給せざるを得なくなる若い人が最近ふえてきております。本人や家族の苦しみとともに、若い労働力の喪失が経済や社会保障制度を揺るがしかねない問題になることが懸念されております。
都立松沢病院の岡崎医師のこれは文章なんですけれども、三重県のある市で5,000人の中学生の協力を得てアンケート調査しました。その結果、15%の子どもが精神病症状を呈しているという回答があった。12歳でも既に13%があると答えており、若年、10歳ぐらいから体験している子どもも可能性がある。今、思春期の子どもたちの精神病理の問題は未曾有の広がりを見せているということです。つらい体験をしている子どもたちを含む小学校高学年から中学生を対象にした情報の提供と相談支援の取り組みを行っていく必要があるとおっしゃっております。子どもの精神的不調に真っ先に気づくのが教育機関であるというデータも出ております。うつや統合失調など精神疾患について正しい理解を教える授業プログラムが必要であると指摘されておりますが、中野区においてはどういう取り組みをされているのでしょうか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 小学校の体育科の保健領域、それから中学校の保健体育科の学習の中で、心の発達や悩みの対処、心の健康について学習しておりますが、統合失調症ですとか躁うつ病等の気分障害など、いわゆる精神疾患についての学習内容は学習指導要領にも入っておりません。
○佐藤委員 私もあの教科書を見ましたけれども、入っていないんですよね。それの本当にできるようにしていくためには、まず教員に対して、教師もうつとかにかかる方が多いと聞いております。精神疾患についての的確な情報を持ち、児童・生徒に対応できるような研修だと思いますが、教員の研修についてぜひ行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 特別支援教育の推進の視点から、いわゆるお子さんたちの発達障害についての研修、それから校内委員会によって理解は深まっているところでございますけれども、精神疾患についての啓発は行っておりませんでした。しかし、本年4月1日に施行されました学校保健安全法の第9条におきまして、教職員が児童・生徒の心身の状況を把握し、健康上問題があると認めるときは遅滞なく必要な指導を行うということがございまして、メンタルヘルスを含めたお子さんたちの健康観察の重要性が示されているところでございます。今後、精神疾患に関しても理解促進が求められているところでございますので、文部科学省作成の資料などを活用しながら進めてまいりたいと思っております。
○佐藤委員 ぜひよろしくお願いいたします。先ほど北原委員からも心の相談室とかという質問が出ておりました。養護教諭の方にお話を聞きますと、やはりいっぱい子どもたちが相談に来る。スクールカウンセラー、心の教室相談員などが、中野区においてはスクールカウンセラーは全校に配置しておりますので、そこで対応されています。しかし、不登校、引きこもりのお子さん、今、引きこもりのお子さんもすごい大きくなって、もっともっと問題になっております。お母さんたちの悩みが30歳の子どもを抱えてすごく深くなっているという相談を受けたりもします。そういったところを早期にやはり解決していくためには、出向いていく、そういった相談員は必要ですけれども、養護教諭にしても、先生にしても、スクールカウンセラーにしても、学校にいる子どもたちで今や手いっぱいです。お話を聞きますと、昨年度、スクールソーシャルワーカーというのを中野区ではモデル的に導入されて、それがすごく効果を上げているというお話を聞きました。どのような内容なのか教えていただきたいのと、あわせてぜひそれを増員していただきたいというふうに思います。これは最後の質問ですが、お答えをまとめてお願いします。
○喜名教育委員会事務局指導室長 この事業につきましては、文部科学省のスクールソーシャルワーカー活用事業でございまして、これに応募いたしまして、本区は今、昨年度から2名のスクールソーシャルワーカーを配置しているところでございます。1名は精神保健福祉士、1名は教員免許を持った教育相談経験者でございまして、職務内容は学校からの要望によりまして、関係機関との調整、場合によってケース会議を開くとか、家庭訪問、それから保護者や学校への支援ということで行っていただいております。昨年度11ケースをやっていただきまして、関係機関等86回の訪問をしていただいております。増員のお話でございますけれども、本事業、来年度から、これまでは区の持ち出しはございませんでしたけれども、事業拡大に伴いまして、区が3分の1負担ということがございます。できる限り現状維持ということで進めてまいりたいと思っております。
○佐藤委員 ありがとうございます。本当に国ではこれから頑張らなくちゃいけない分野だとも思います。経済の損失、それから、これからの社会保障を組み立てる若い人たちがやはりきちっと社会に出ていける力をつけていく。そういったことをぜひ中野区の教育の現場でも支援していっていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○つぼい副委員長 以上で、佐藤ひろこ委員の質疑を終了します。
次に、むとう有子委員、質疑をどうぞ。
○むとう委員 それでは、区民の方々から寄せられました御意見をもとに質疑いたします。なお、持ち時間は34分です。簡潔明瞭な答弁と機敏な行動をよろしくお願いいたします。
2008年度決算では、特別区税が約5億7,000万円の増加となりました。これは税制改悪による納税義務者の数の増加だけではなく、収入が変わらないのに支払わなければならない税金が高くなったことを意味します。苦しい生活の中からいただく税金だからこそ区民ニーズにこたえられるよう、一つひとつの事業について中野区が口癖のように言うPDCAサイクル、つまり計画、実施、評価、改善を行うべきであると私も思います。しかし、目標数字に過度にこだわるのはいかがなものかとも思っています。また、計画は立てたものの実施せず、区にとっては都合のよい評価をし、区民の思いと遠のくばかりの改善がなされているように感じられます。
それでは質疑に入ります。1番目、経営本部体制と副区長3人制について。
2006年第1回定例会の決算総括質疑で事業部制について質問いたしました。2004年から導入したこの制度の目玉として、華々しく新聞記事にもなった職員人事のドラフト制度はたった1回だけの実施でやめてしまいました。また、同じく目玉であった予算執行の際に、各部の努力によって執行残額を生み出した場合は、その一定割合を自由に活用できる財源として、翌々年度の予算配分に上乗せするという制度は、節約だけさせておいて、結局一度もやらずにやめてしまいました。この二つの制度については、区長が提唱するPDCAサイクルがどのように機能したのか、これまで明らかにされていません。
さて、2007年度から鳴り物入りで始めた経営本部体制と副区長3人制については、総務委員会での資料や当時の担当者の答弁によりますと、副区長が具体的に担う役割は二つあり、一つは、政策室、経営室、管理会計室が所管する業務を担任すること。二つ目は、複数の事業部にまたがる課題や区政課題として取り組む大きな政策課題を分担して担当すること。この二つ目の役割が極めて重要と繰り返し答弁されていました。つまり、二つ目の役割が副区長を3人体制にするポイントなわけです。資料では例としてまちづくり総合推進、子育て支援、安全・安心対策などが挙げられていました。一つ目の三つの部屋の所管事務以外にどのような区政課題を分担し、担当されていたのかをお尋ねいたします。まず、まだ副区長が2人だった2007年度には、どの副区長がどの区政課題を担当されたのか、お答えください。
○長田経営室参事(経営担当) 区政課題についての分担は、区長の指示によりまして、政策的に重要な事項であること、複数の部を横断する事業であること、新規に構築する事業であること、こういった観点から、2人の副区長に課題の解決について取り組むように指示をしたものでございます。例示をいたしますと、石神副区長は里・まち連携交流、自然エネルギーの利用拡大など、沼口副区長はコンプライアンス、マネジメントシステムの構築などでございました。
○むとう委員 次に、2007年10月に副区長が3人となってからはどのような分担になったのでしょうか、お答えください。
○長田経営室参事(経営担当) 同じく明示をさせていただきますと、石神副区長は里・まち連携交流、自然エネルギーの利用拡大、沼口副区長はコンプライアンス、マネジメントシステムの構築などでございます。それから、西岡副区長は中野駅周辺のまちづくり、西武新宿沿線のまちづくりなどでございました。
○むとう委員 では、今年度はどのような分担になっているのでしょうか、お答えください。
○長田経営室参事(経営担当) 2009年度につきましては、「新しい中野をつくる10か年計画」の改定の年度であることから、経営本部会議におきまして、または10か年の策定の検討の過程などにおきまして、全体で調整を図ることとし、特定の政策課題についての分担はしてございません。
○むとう委員 分担をやめてしまったんですか。副区長3人制度の導入の二つ目の大きなポイントのうちの一つを変更して分担をやめるのであれば、なぜ分担をやめたのか、きちんとPDCAサイクルにのっとった説明をすべきではないでしょうか。こういったことは総務委員会などで御説明なさったんでしょうか。
○長田経営室参事(経営担当) トップマネジメントを強化するという、そういうコンセプトのもとに、新たな経営本部体制、それから副区長3人制をしいてございます。そのことのコンセプト自体は変更がございません。それから、トップマネジメントの一翼を担って、副区長がそれぞれ課題の解決について、その時々に応じて事業部間の調整をするということも変わってございません。それから、議会に対しての御報告の件でございますが、先ほど来御説明させていただいておりますように区長の指示によりまして、特命事項をその都度特定するということでございますので、特段議会についての御報告はしてございません。
○むとう委員 なかなか23区でも副区長が3人いるところというのはないわけですよね。そういう中で、なぜ3人必要なのかということで、導入の際にそちらが何度も何度も御説明していた内容を変更したわけですから、やっぱりそれはきちんと説明すべきだと私は思います。当初聞かされていた経営本部体制と副区長3人制の内容と実態が異なっていると私は思います。議会に説明もなく、こっそり変更されてしまうと、実はうまく機能していないのではないかと思えてしまいます。打ち出してはこっそりやめるというのではなくて、経営本部自身が説明責任をしっかり果たすことを求めて、この項の質問を終わります。ありがとうございました。
次に、区民が求める区政運営の評価改善についてお尋ねいたします。行政評価制度は2000年から試行的に始め、今回で10回目となりました。2002年度からは外部評価が導入されました。外部評価委員会は学識経験者と公募区民で構成されており、お決まり指定枠の区民が構成されていないことは高く評価いたします。また、熱心な委員は自発的に現場に見に行かれる方もいらっしゃると聞きます。新鮮な区民の目線で評価することの意義を認めます。しかし、私は10年間議員をしておりますけれども、いまだに区が行っている事業の半分も実は理解できていません。外部評価委員の皆さんは有能な方だとは思いますが、延べ19回のヒアリングで一体どこまで実態把握が行われるのか、疑問が残ります。そこでお尋ねいたします。10年間実施した行政評価制度そのものへの評価と改善についてお答えください。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) ここ数年来、外部評価結果が事業の見直しにつながっていないんではないかといったような外部評価委員からの意見がございます。そういった意見を受けまして、私どもといたしましては昨年度から事業相互評価、これを取り入れまして、事業の委託化や廃止などの評価を行い、見直しをつなげるような改善をしてまいりました。また、21年度からにつきましては、この評価改善分野で行っております行政評価制度でございますが、これについても政策相互評価の対象といたしまして、一定の課題の整理、見直しの方向、こういったものについて評価が示されております。現在、その行政評価制度につきましては、そういった意見を踏まえまして、見直しに着手をしたというところでございます。
○むとう委員 PDCAサイクルを提唱する側である経営本部の政策室、計画財務分野に対して、行政評価結果の18ページに目標管理すべき指標になっていない。資料が不十分であり、外部評価へ臨むに際して、その姿勢を改善してほしいなど、外部評価の根本にかかわる部分ができておらず、あきれ果てる評価が出されています。この評価についていかがお考えでしょうか、お答えください。
○田中政策室副参事(企画調整担当) 御指摘のうち、成果指標につきましては、昨年度の外部評価において工夫が必要であるとの指摘を受けてございまして、21年度の成果指標について既に改善を図ったところでございます。また、外部評価に臨む姿勢につきましては、10か年計画の改定資料として検討中の素案の内容について提示がないと評価できないという指摘を受けたものでございます。ヒアリングの時点で適切な資料がなかったことから、それにかわるものといたしまして、最新の資料でございました10か年計画の改定の主な視点を提出いたしまして、ヒアリングのときにもその旨、説明をさせていただいたところでございますけども、十分な御理解が得られなかったと考えているところでございます。
目標と成果による区政運営は、区政運営の根幹でございます。当分野につきましては、区政目標の策定と管理を所管しているということがございますので、行政評価につきましては他分野の範となるように誠実に取り組んでいるところでございます。
○むとう委員 ぜひ誠実にですね、事業部に対して面目立ちませんよね。しっかりやっていただきたいと思います。
また、行政評価結果の77ページを読むと、2008年度から先ほど御説明がありました事業相互評価を導入し、21の事業の評価をなさったそうですけれども、ほかの事業部に対して忌憚のない意見を闘わせることができたんでしょうか。その評価、改善をお答えください。そして、その評価結果はなぜ公表されないのでしょうか。簡潔にお答えをお願いいたします。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 今御指摘のとおり、平成20年度から事業相互評価を実施しております。この20年度に行った評価では、21事業を対象といたしまして、そのうち9事業につきまして、事業の廃止、それから委託化の方向が示されてございます。具体的に改善につながったものとして紹介すれば、シェモア仙石の廃止、それから福祉資金の徴収委託、そういったような改善につながったということでございます。
また、事業相互評価の結果でございますが、これを現在公表してございません。これにつきましては、この結果を受けまして、各部が主体的に見直しを行いまして、翌年度の予算に反映するものにつきましては、主な取り組み事項として区議会にも御報告をし、それから区報、それからホームページにおいても区民に公表して意見をいただいている。こういったことでございます。
○むとう委員 今後も事業相互評価を行っていくのであれば、きちんと事業部同士が互いの評価をし合った結果というのは、ぜひそれだけをきちんと私は報告をしていただきたいというふうに思っていますので、それは要望しておきます。
2004年度から始めたおもてなし運動は既に5年を経過しました。昨年発行のこれですね、2007年度広聴活動1年の歩みがここにあります。2007年度の区民の声の総件数は1,009件でした。これらは全職員に周知されていることになっていますし、ホームページで読むこともできます。ここにはお褒めの声をはるかに上回る、おもてなし以前の職員としてあるまじき態度に対する区民の怒りの声が多数寄せられています。先ほど御答弁のあった接客のプロにはほど遠い実態について、一部御紹介いたします。しっかりお聞きください。
ガムをかみながらの対応で不愉快。携帯電話でメールしたり、私用電話をかけていた。何分も待たせている区民の面前で職員同士が談笑していた。無表情で笑顔がない。あいさつをしたが、返事がない。周りに他の人がいるにもかかわらず、大きな声で住所確認をされた。電話口で部署名も名前も名乗らない。話の途中で一方的に電話を切った。知らないことを見透かした言い方をされた。説明が専門用語で通じない。転入届の入力を間違え、1時間30分待たされた。その間、他の職員は手伝おうともせず談笑していた。別人の所得額と間違えられて、児童扶養手当支給停止通知書が来たが、「すみません」の一言で簡単に流された。障害者福祉手当に該当することを教えてくれなかった。国民健康保険料をまとめて支払ったが、確認もせずに、あなたが間違っていると言い、2回も請求が来た。その後、区が間違っていたことが判明した。つまり、職員側からすれば、言い分もおありかとは思いますが、職員の区民に対する無礼な態度と、実務知識と能力の欠如を指摘されています。
これらの指摘に該当するのはごく一部の職員だとは思います。しかし、一部でもこのようなことがあれば、どんなに懇切丁寧な職員がいても、おもてなし運動が絵空事になってしまいます。紹介したこれらの区民の声をどのように受けとめていらっしゃるのか、お答えください。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 私も2007年のこちらの冊子を読まさせていただきまして、今、委員から紹介がありましたことについては大変不適切な対応があったということについては承知をしてございます。ただ、この間、おもてなし運動を通じまして、2007年、2008年、今、2008年を集計中でございますが、着実に職員に対する苦情は減ってきているというふうに考えておりまして、逆にお礼を言われる区民の方がふえてきたというふうには認識をしてございます。さらに、おもてなし運動の趣旨が職員に徹底するようにしていきたいというふうに考えてございます。
○むとう委員 また、寄せられた区民の声に対して調査研究していきます、考えています、検討していますなどの回答内容があります。しかし、そこで終わっていて、検討した結果がどうなったのか、これまで区民に返されていません。そこで、行政評価結果の21ページでは、一定の期間経過後の担当分野にその進捗状況を確認するよう努めたいとの見直し内容が書かれています。確認をし、再度区民に回答するということでよろしいでしょうか。また、それはいつから実施されるのでしょうか、お答えください。
○小田政策室副参事(区民の声担当) 外部評価委員の御指摘を受けまして、1週間以内で回答しているという対応は非常によいのだけれども、その後についての区民の満足度を向上していただきたいということで、このような改善方法を進めることにいたしました。今年度回答いたしました件につきましては、おおむね3カ月後ぐらいに各所管分野のほうに確認をとりまして、改めてホームページ上で掲載等をしていきたいと思っております。
○むとう委員 ホームページの掲載なんでしょうか。検討しますというふうに区民に答えているわけですから、その区民に対してきちんと回答するということはなさらないのでしょうか。
○小田政策室副参事(区民の声担当) その点につきましても、きちんと回答していきたいというふうに思っております。
○むとう委員 ぜひお願いいたします。おもてなし運動発表会については、成果とコストの関係が不明との指摘を受けている中、さらに発表の場として、全国都市改善改革実践事例発表大会に2008年は約15万円で尼崎市に、2009年は約31万円で福井市に区の職員が参加しました。この発表会は来年3月19日に中野区で開催することに決まっているそうです。なぜ中野区が開催地に手を上げられたのか。計画した際の目標と成果を数値でお答えください。端的にお願いいたします。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 全国大会につきましては現在、当区で取り組んでおりますおもてなし運動、これを全国に向けて発信するといった意味から、私どものほうで手を上げたものでございます。この成果目標でございますが、参加団体数の増、それはもとより、現在当区で取り組んでおりますおもてなし運動を全国に発信することによりまして、運動をさらに職員に定着をさせ、区民サービスの一層の向上につなげていきたい。そのように考えてございます。
○むとう委員 そんな全国に発信するほどの成果が中野のおもてなし運動にあるというふうには、私はとても思えないんですけれども、結構です。多くの区民はもてなされることを望んでいません。当然のことですが、区民の立場に立ったわかりやすい親切な対応を望んでいます。今後、区民の声に感謝の声が多数届けられることを願って、この項の質問を終わります。
次に、これまでも何度か質疑いたしましたけれども、食品衛生監視指導の充実・拡充についてお尋ねいたします。
食品衛生法に基づき、食品に起因する危害の発生を防止し、区民の食生活の安全と健康の保護を目的に、食品衛生監視指導計画を策定し、食品衛生監視員による食品衛生監視指導が行われています。決算説明書では281ページに、行政評価結果では183、185ページに、指導件数が8,024件で目標値を達成しました。最少の人数で高い成果を上げているとの外部評価が記載されています。この数をこなしている監視員は23区中最低の10人で、23区平均の16人から見て明らかに少ない人数です。件数達成のノルマに追われているのではないかと推測いたします。
そこで、お尋ねいたします。監視指導件数の件数とは、中野区保健福祉部事業概要に書かれている食品衛生法許可業種と東京都食品製造業等取り締まり条例許可業種と届け出対象施設、東京都フグの取り扱い規制条例の営業所、食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する許可営業所、食品衛生法施行細則第16条の届け出施設、いわゆる菓子販売業などの業種数を足し算したものとの認識で間違いないでしょうか、お答えください。
○古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当) 今、委員が御指摘ありましたように、監視指導件数はこの許可業種の数、届け出業種の数の合計でありまして、それは今、営業所と言われた欄の合計になります。
○むとう委員 そうなんですね。これ、件数というのは実は業種数を足したものということを多くの方は御存じないと思います。そうだとすると、例えばスーパーマーケットやコンビニを立ち入り監視指導した場合、飲食店営業、それから食料品等販売業、食肉販売業、魚介類販売業、乳等販売業などの許可業種や、それに加えて菓子販売業、野菜・果物販売業などの数種類の許可不要業種を持っているお店が多いので、一つのお店に立ち入るだけで監視指導件数が10件近くカウントされるということになるということでよろしいですよね。
○古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当) スーパーの場合には、いろいろな多様な食品等を扱っているところでございます。そのために監視指導のほうもポイントがあって、大変職員のほうも苦労しながらやっているところでございます。その中の監視指導については、確かに許可業種の数、そしてまた届け出業種の数の合計数がスーパーの場合にも監視指導件数というふうになります。
○むとう委員 ということは皆さん、おわかりですか。1軒行っても10種類ぐらいの業種を持っていれば10件というふうにカウントされるというのが、この8,042件の数字だということを御承知おきしていただきたいと思います。
そこで気になるのは、監視指導件数8,024件のうち、実際は何軒の店に立ち入り指導ができたのか。お店の数、軒数が示されていないことです。監視指導対象軒数と監視指導を行った立ち入り軒数をお答えください。
○古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当) 食品衛生の考え方は、各許可業種、あるいは届け出業種、そういうものについてそれぞれいろいろな検査を行っていく、監視を行っていくという考え方でございます。したがって、これまでは、いわゆる店舗、あるいは事業所という概念ではなくて、あくまで、例えば飲食店販売業であるとか、豆腐製造業であるとか、そういう業種ごとに見ていくということで行ってまいりました。そういうことでデータの管理のほうも業種ごとのカウントで行ってまいりましたが、今回、参考までに実際の営業所の数について調べてみました。今回の監視指導の対象になっている件数は全部で9,989件ですが、それに該当するお店の数というのは4,200店、事業所です。そしてまた、今回の監視指導件数の8,024件というのは、該当するお店の数、事業所は2,831ということで判明しております。
○むとう委員 ありがとうございました。前回、私、同じ質問をしたときには、件数は出ないとの答弁でした。副参事が変わりまして、今回、件数をカウントされた姿勢を高く評価いたします。ありがとうございました。今後、立ち入り軒数の集計と、さらにその内容の公表を求めます。お答えください。
○古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当) 最初ちょっと申し上げましたように、食品衛生の監視指導の考え方というのが業種ごとにやっているものですから、これまではそういうことでやってまいりました。事業所の数につきましても、これからはいろんな角度から分析していく必要もあるかと思います。したがいまして、まず、例えば事業概要であるとか、あるいは統計値などについての中には、食品衛生法に基づくような、そういう考え方とともに、それに該当する店舗の数であるとか、事務所数についてもわかりやすく表記していきたいと思います。
○むとう委員 ぜひわかりやすく今後は公表をしていただきたいというふうに思います。決算説明書では指導件数、施設数というふうに表現し、保健福祉部事業概要では営業所というふうに言っているんですね。いずれも業種数を意味するもので、複雑怪奇な表現となっています。監視員でない私のような普通の人でも理解できるような、今後は統一単語を使うなり、注釈を付記するなど改善を求めていきたいと思いますので、これは要望していきます。
なぜ私が立ち入り軒数にこだわるかといいますと、例えば中野駅周辺に集積しているような一つのお店で一業種しかない個人経営の中華料理店や焼肉店などの食堂や夜間だけ営業している小料理店や居酒屋店などの小さなお店をしっかり監視指導すべきと考えるからなんです。衛生管理がなかなかやり切れていない小さなお店にこそ足繁く通い、丁寧な食品衛生の指導が必要です。知り合いの小料理店に聞いてみましたが、新規開店時以来、保健所からはだれも来ていないということでした。夜間だけ営業しているお店には新規開店時と許可更新時、苦情や事故発生時などを除き、監視員が必要と思う店に自発的に行う通常監視指導での立ち入り指導が十分にはできていないと推測いたします。6月にカンピロバクターを原因とする食中毒が2件発生しましたが、いずれも私が心配するような小さなお店でした。この2件のお店に通常監視指導を行っていたんでしょうか、お答えください。
○古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当) 今お話がありました、ことしの6月に発生しましたカンピロバクターを原因とする食中毒のお店につきましては、食品衛生監視指導計画の中では許可更新時の立ち入りを行うという対象になっていまして、毎月1回行うとか、そういう対象にはなってございませんでした。
○むとう委員 そうなんですよ。10人で頑張ってくださっているけれども、行き切れない部分もあり、許可のときにしか行けていないというような一つのお店で一業種しかない個人経営のお店というのが、やっぱりなかなか監視指導が行き届いていないのではないかというふうに私は思うわけです。実際そういったお店に対する通常監視指導の立ち入り指導の実態というのはどうなっているのか、ぜひ正直にお答えください。
○古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当) 食品衛生の監視指導につきましては、基本的には食中毒が発生しやすい季節であるとか、あるいは被害が拡大していくおそれがある、そういうおそれがある施設などについて、目的であるとか、食品の内容を対象を絞って優先的に立ち入りを行っています。今言われて問題になりました1業種1店舗というようなお店、例えばすし店であるとか、弁当のお店、仕出屋さん、あるいは集団給食施設、こういうものにつきましては、食品衛生監視指導計画の中では夏季対策の一環としましても、重点監視指導の対象になっておりまして、これらのお店はほとんど、さっき申し上げたように小さなお店のところもあるかと思いますけども、必ず毎年1回以上は監視しているということになっております。
○むとう委員 毎年1カ所行っているんですか。そこのところが聞こえなかったんですけど。
○古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当) 夏季対策でも行っていますので、少なくともその年に更新があれば2回以上とかってなります。食中毒の気配が発生する頻度の高い業種であれば、例えば年2回以上は行くというふうになっております。
○むとう委員 通常の計画どおりに行くのは当然のことなんですね。計画を立てていますから。そうではなくて、今回の中毒が発生したようなお店はやはり監視指導から抜けていたわけですよね。計画の指導から抜けていたようなお店でやはり中毒が発生しているわけですから、私としてはそういうところをきちんと今後監視指導に行っていただきたいというふうに思うわけです。勤務時間を柔軟に運用し、夜間も定期的に監視指導できる体制を私は整えるべきだと思います。食品衛生監視員が幾ら頑張っても、明らかに10人では限界です。
杉並区の2008年度監視指導計画によれば、監視対象件数は中野区より若干少ない9,402件ですが、立ち入り予定件数は中野区よりも6,000件多い1万4,000件なんです。監視員が20人いるからこそ、きめ細かく立ち入り指導ができていることを私は数字が物語っていると思います。各区の監視対象施設数にもよりますが、23区平均の16人を目指し、計画的に食品衛生監視員の増員を図るべきと考えます。ぜひ検討をしていただきたいんですか、いかがでしょうか。
○古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当) 数字の持ち方といいますか、目標の持ち方というのは各自治体によってそれぞれ考え方は異なると思います。といいますのは、地域性という問題もあります。中野区のような住宅街におけるお店と、あるいは都心におけるような非常に店舗が多く、倉庫が多いとかいう事情もあるかと思います。あるいはお祭りが多い自治体であるとか、あるいは大きな、大規模な企画、催事場があるような場所、そういうところは非常に監視の件数も多くなります。そういうことで自治体によって考え方がその辺は違うと思います。したがって、職員体制についても一概に比較はできないだろうというふうに思います。そういうことで、今後は、これまでもやってきましたけども、仕事のやり方であるとか、あるいは執行体制、これも工夫を図りながら、効率的、効果的な食品衛生の監視指導は行っていきたいと、このように考えております。
○むとう委員 効率を考え過ぎると過度に数値目標の達成にこだわるために、年度末になると衛生管理が行き届いている先ほど言ったスーパーマーケットとかコンビニを件数達成だけのために回っていくというような事態に陥ってしまうのではないかと私は思うわけです。まさに監視指導件数は数値目標の達成に振り回されている事例と私は言えるのではないかと思います。目標値達成だけに目を奪われず、成果の中身をしっかり評価、検証し、改善することを求めます。よろしくお願いいたします。
次に、ことし2月の第1回定例会で質疑いたしました中野サンプラザの自転車駐車場設置についてお尋ねいたします。ことし1月より施行された改正中野区自転車等放置防止条例により、区長は自転車駐車場の設置を勧告し、措置命令を行い、罰金刑を科すことができるようになりました。長年の懸案であったブロードウェイには7月より自転車駐車場が設置されました。その一方で、長年申し入れをしている中野サンプラザにはいまだに設置されていません。第1回の定例会では現在検討をしているという回答があったとの答弁でした。その後、中野サンプラザからはどのような検討結果が来ているのでしょうか、お答えください。
○田中政策室副参事(サンプラザ関係事業担当) 中野サンプラザを所有しております株式会社まちづくり中野21では、区からの申し入れを受けまして、調査検討を進めているというふうに聞いてございます。
○むとう委員 それは前回の答弁でした。第1回定例会でそういう回答があったんですよ。それからもう半年以上たっているのに、また検討結果がどうなったんですかって聞いたんだけれども、まだ検討しているというのが回答なんですね。はい、わかりました。身内に甘い対応では条例が説得力を持ち得ません。区長は株式会社まちづくり中野21の社長である中野区の副区長にいいかげん勧告をなさってはいかがでしょうか、お答えください。
○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 中野サンプラザへの自転車駐車場設置の勧告についてでございますが、委員御指摘のとおり条例上は当該施設周辺に自転車等が放置され、歩行者などの通行に危険が生じていると認める場合には勧告することができるということになってございます。現在、サンプラザの周辺でございますが、一部放置自転車があるものの、恒常的に歩行者等の通行に危険が生じているというふうには必ずしも言いがたいのではないかと認識してございます。したがいまして、現時点では条例に基づく勧告までには至らないのではないかと考えているところでございます。
なお、サンプラザには従来より施設利用者のための自転車駐車場の設置を求めてきたところでございます。引き続き協議をしていきたいと、このように考えてございます。
これとあわせまして、中野通り周辺の放置自転車対策につきましては着実に行っていきたいと、このように考えているところでございます。
○むとう委員 本当に撤去が行われない土曜日とか日曜日というのは、サンプラザの周辺、実に放置自転車が多いですよ。危険が生じなければ、そのまま勧告しなくていいんですか。だったら、この条例をつくった意味がないじゃないですか。まして中野サンプラザは中野区と本当に関連している施設なんですよ。石神さんが社長なんですよね。この状況って実に恥ずかしいのではないでしょうか。ぜひ経営本部にかかわる皆さんからまず襟を正していただきたいというふうに思います。
これで私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。
○つぼい副委員長 以上で、むとう有子委員の質疑を終了します。
次に、近藤さえ子委員、質疑をどうぞ。
○近藤委員 近藤さえ子です。よろしくお願いいたします。
私は今回、調査研究のフィードバックと「新しい中野をつくる10か年計画」の改定についてという題になっているんですけれど、これは調査の結果が生かされているのかという、それをあらわすためにこんな題になってしまったんです。「新しい中野をつくる10か年計画」第2次の素案が8月に報告されました。今回私は、意見交換会に出席できなかった方々で私のもとに寄せられた意見、さまざまな区民の方からの声をお伝えしたいしたいと思います。総括質疑で最終日で、これまでの皆様と部分的に重なる質問もありますが、御了承ください。
前回の「新しい中野をつくる10か年計画」の策定時は、ワークショップを開き、基本構想を策定し、多くの区民の参加を踏まえて計画はつくられました。今回、第2次の素案策定に至るまでに区民の参加はあったのでしょうか。
○髙橋政策室副参事(基本計画担当) 現行の10か年計画の策定以降、対話集会とか区民の声、各所管の窓口対応または関係団体との懇談などで日常的に寄せられていますさまざまな意見を踏まえまして、素案の作成を行っているものでございます。また、昨年の8月から11月につきましては、区報及び区のホームページで区民の皆様からの意見または御要望を募集したところでございます。
○近藤委員 今回は6回の意見交換を経て素案が決定される予定ですけれど、この意見交換会に出席された区民の意見はどのように計画案に反映されるのでしょうか。
○髙橋政策室副参事(基本計画担当) 意見交換会やメールや電話、ファックスなどで受け付けました素案に対する御意見等につきましては、庁内での情報共有、また10か年計画、今回も本案の検討の参考にするとともに、必要に応じましてそれを反映していきたいというふうに考えてございます。
○近藤委員 政策研究機構の研究成果はこの素案の中にどのような形で反映されたのでしょうか。
○髙橋政策室副参事(基本計画担当) 10か年計画の改定の基礎資料といたしまして、人口やまちに関するデータなど、政策研究機構が行っています区の現状と課題を分析した基礎調査の研究を活用しているところでございます。また、障害福祉施策とか住宅施策などの研究成果を各施策の展開の参考とか、または個別計画の策定のための課題整理のために活用するなどをしております。また、間接的に今回の素案の策定にも反映されているというふうに考えてございます。
○近藤委員 それでは具体的に何点か質問させていただきます。
まず施設の売却予定地についてお聞きします。先日、小林委員からも質問がありましたが、第六中学校跡地については売却となっています。平成20年3月に出された中野区施設白書には、中野区立小・中学校再編計画により、本来の学校機能がなくなった跡地については、①区の貴重な財産であること、②他の区有施設に比べて規模が大きいことなどにより、さまざまな活用が考えられ、地域での検討とともに、区全体の視点から活用を考える必要がありますと明記されています。しかし、第六中跡地については地域での検討もなされず、売却予定となりました。野方地域センターで行われた意見交換会では、第六中跡地を子どもたちが使える施設としてほしいとか、高齢者の施設にできないかなど、さまざまな区民の要望が出ました。区民の貴重な財産を区民が活用できる施設を求める声が大きいのですが、どのように対応される予定なのでしょうか。
○田中政策室副参事(企画調整担当) 第六中学校の跡地でございますけども、地域に必要な防災機能の確保も考慮しながら売却していきたいと考えているところでございます。今後具体的に検討してまいります。
○近藤委員 新たな施設をつくるには、建てかえのための財源などが必要なことは理解できますが、まちづくりの観点からも雑多な住宅が並ぶ魅力のない地域になってしまうことがないように、安易な売却はしないようにお願いいたします。
丸山児童館も売却予定になっています。中野区政策研究機構の2009年3月の「中野区の現状と課題の分析ver.2」を見ると、区内で年少人口の高い地域は中野区北部に多く、1位が上鷺宮、丸山は2位です。人口増加率も丸山は高く、新しく分譲された住宅もあり、若い家庭が比較的多く住むと明記されています。児童館、小学校、中学校が近隣にそろっていることを魅力と感じて丸山地域を選んだ若いファミリーにとって、児童館の廃止はサービスの低下になってしまいます。中野区の児童館は、乳幼児を育てる若い親たちにとって大変貴重な存在です。丸山地域の子育ての親が児童を連れて、沼袋小学校跡地のすこやか福祉センターや現北原児童館のU18まで行かなくてはならないのは気の毒です。サービスの低下になると思いますが、いかがですか。
○波多江子ども家庭部副参事(北部地域子ども家庭支援センター担当) お尋ねの乳幼児の居場所ということで、サービスの低下になるのではないかという御質問です。子ども家庭部の基本的な方針といたしましては、乳幼児親子の遊びや交流の場は区内4カ所に設置するすこやか福祉センター及び区内9カ所のU18プラザの中に専用の場所として整備をすることになっております。さらに、民間保育園や認定こども園でも施設を活用して、こうした乳幼児親子のための事業を実施していくこととしております。お尋ねのとおりですけれども、丸山児童館の地域では、沼袋小学校跡に開設される北部のすこやか福祉センターやU18プラザ事業を行う北原児童館に乳幼児親子専用の場所を整備していくということになってございます。また、近隣の児童館である江古田児童館跡に整備する民間保育園では、地域の乳幼児親子を対象とした事業を行うこととしておりますので、サービスの低下のないように乳幼児親子の居場所について、遊び場や交流の場所については確保していくというふうに考えてございます。
○近藤委員 児童館がなくなってもサービスの低下はないということでよろしいですね。
○波多江子ども家庭部副参事(北部地域子ども家庭支援センター担当) はい、そのとおりでございます。
○近藤委員 この新しい計画により、中野区を選んで住まわれたファミリー層に失望を与えることのないような計画にお願いいたします。
次に、商店街のことについて伺います。10か年計画改定では、実現へのステップ1で、新生商店街の形成に向けた仕組みづくり支援となっていますが、この新生商店街とはどのようなものなんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 新生商店街につきましては、人口減少化、超高齢化社会の進展など、社会構造が変化する中で、消費者の多様なニーズに対応していくことのできる長期的な視野に立った持続可能な商店街像ということで考えてございます。
○近藤委員 20年度は中野区政策機構によって決算1,407万1,831円をかけて地域商業調査、区民生活時間調査を実施しました。また、「ユビキタス都市中野」の推進に関する研究を行いました。この調査研究では、地域の商店振興組合専務理事のインタビューが5ページにわたり掲載されていました。インタビューではさまざまな問題点が挙げられていましたが、その中で私の地元の商店街振興組合の方の話の内容をちょっと紹介させていただきます。商店街に祭りや地域など地域活動への期待が高まっているのはわかるが、商人の側にも商業の仕組みと結びついたいろいろな変化が起き、それも問題であろう。まず、現代の商店では、いわゆるだんなが不在だということだ。使用人を雇い、自分は商店街の役員活動や地域活動に積極的にかかわることができる商店主は減り、店の営業も他の活動もすべて個人でやらなくてはならない。昔のように自由にならないのが実情だ。また、支店や加盟店であるフランチャイズチェーンなどがふえているが、これらは店長が短期間で交代してしまうため、商店主に地元意識を持ってもらうのは難しい。支店等にも地域に参入するのだという意識を持たせる何らかの説得力が必要だと思っている。
以上のインタビューを受けて、政策研究機構が分析したポイント1として、商店街、家庭でも高学歴、企業志向が高まる一方、自己雇用化が進んでいる。こうした自己雇用化のため、商店主が地域活動に参加する時間や労力を提供することが難しくなっているとまとめています。この内容は商店街の現状をよくとらえていると私は思いました。専務理事がおっしゃるように、商店街が私たちの暮らしの近くに存在し、一つのコミュニティを形成している意義を見つけて、支店や加盟店にも、そして区民にも示していくことが、これからの地元の商店街が生き残っていく数少ない方法ではないかと私は思います。
これは後で提案させていただきますが、このように現場の声とあらゆる調査、分析、いろいろなデータが本当に、これは全部紹介できないんですけど、入っているんです。それを持っているんですけれど、10か年計画では突然、なかの里・まちプロジェクトが重大プロジェクトという、区民の現実や調査研究からはかけ離れた一事業が出てきました。なかの里・まち連携事業でどのような成果を期待されているのですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 里・まち連携事業につきましては、都市の課題、それから地方の課題に対し、それぞれの強みを生かし、弱みを補完し合い、ともに豊かで持続可能な地域社会の実現を目指していくというものでございます。その中で経済交流、環境交流、人の交流の事業を進めてまいりたいと考えているものでございます。
経済交流で申し上げますと、生産と販売が顔の見える関係で消費者のニーズにこたえられる。また、食した物産等をきっかけに里への関心が高まったり、また流通の拡大による生産性の質的な向上や働く場の創出などにより、地域経済の活性化が促進される、そのような成果を期待してございます。
○近藤委員 それはわかるんですけど、この四つの戦略の重大プロジェクトというにはかなり無理があるんじゃないですか。
○髙橋政策室副参事(基本計画担当) 重点プロジェクトの位置付けでございますが、10か年計画におきまして特に重要としているのは、第2章に挙げております区民生活に大きな影響を与えます課題について先導的、効果的に取り組んでいくための四つの戦略というふうに考えてございます。なかの里・まち連携事業をはじめといたしまして、素案でお示しいたしました三つの重点プロジェクト、それらはこの四つの戦略を推進して展開していくための有力なツール、または仕組みとか取り組みとして設定したものでございます。
○近藤委員 取り組みとして設定されたのはいいんですけれど、本当にこの国民生活調査ですとか、政策機構がつくったいろいろな資料を見ますと、その四つの、元気いっぱい子どもたちのこととか、そういったことに本当に深刻な問題がたくさん出ているんですよね。それを三大重点といって、里・まちに持っていくのは無理があるという、本当に多くの区民の方が区報を見て驚いてしまって、何なんでしょうね、この里・まち連携というプロジェクトは、普通の一事業ならわかるんですけれど、中野区の重大プロジェクトというプロジェクトにするには、本当にちょっと言葉は悪いですけど、ばかにされているような感じがするという声まで上がっているんですけれど、いかがですか。
○髙橋政策室副参事(基本計画担当) 私どもとしては、真摯に計画をつくっているところでございます。また、わかりやすい表現としてまとめたものでございます。改善できる部分があれば考えていきたいというふうに考えてございます。
○近藤委員 里・まち連携によって外から野菜や果物などを同業者が参入することで、さらに経営が厳しくなる商店街などもあります。地元の商店街の個人商店で買い物をしていると、近藤さん、今月は私の労働に対してお給料はありませんでしたなどと言われると本当に悲しくなります。区民の暮らしは本当に深刻です。それを受けとめて、本当に調査研究の現実をフィードバックして、10か年計画はつくられていると言っていいのですか。
○髙橋政策室副参事(基本計画担当) そのとおりでございます。
○近藤委員 それでは、そういうふうに区民にお伝えするしかないんですけれど、里・まち連携で……。いや、ここでしっかりと確認をとらないと、ちょっと皆さんはふざけていらっしゃるのかなという声が多かったんですけれど、これは里・まち連携で中野区を三大重点事項としてやっていくという本当の決意をきょう聞かせていただいたので、それは区民の皆さんにお伝えして、ぜひ本当に区民の皆様の生活に寄り添うものになっていただきたいと思います。
私がさっき商店街のところでちょっと紹介をさせていただこうと思ったのは、この調査研究にあるのは、中野区における65歳以上の被保険者、第1号被保険者に占める介護認定の割合は16.9%で、23区で千代田区、新宿区、渋谷区、世田谷区、杉並区、港区に次ぎ、7番目に高いのです。65歳以上で介護が必要な高齢者の割合が23区の中でも高いことを示しています。決して財政が豊かとは言えない中野区がますます高齢していく事実が鮮明に出ています。買い物に出かけられない、介護を必要とする高齢者と、後継者がいない商店街を結ぶ有料のボランティア配達システムの構築など、需要と供給がマッチするビジネスに対して区が支援するなど、本当にそのニーズに合ったことを考えていくことが必要ではないかと思いますが、いかがですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 高齢化社会がさらに進展する中、高齢者のニーズに対応する商店街のあり方、活性化について研究してまいりたいと思います。
○近藤委員 それは検討していただけるということでちょっとうれしいんですけれど、地元で行われた10か年の意見交換会では、中野区はPDCAサイクルではなく、プランばかりでPPPサイクルではないかと冗談を交えておっしゃっている方がいらっしゃいましたが、「新しい中野区をつくる10か年計画」改定素案がしっかりとした現状把握と区民のニーズに合わせて、今後区民が幸せになれる具体策を検討することにならなくては意味がないと思いますが、大丈夫ですか。
○髙橋政策室副参事(基本計画担当) 区民が中野区に住みたいと。また、いい計画だと思われるよう、しっかりやっていきたいと思います。
○近藤委員 新しい10か年計画が区民にとって本当に必要な施策を導いていくことになることをお願いして、この項の質問を終わります。
普通学級の特別支援体制について質問いたします。
昨日のやながわ委員、先ほど佐藤委員から質問がありましたけれど、私も特別支援教育のことを質問させていただきます。重なる部分がありますが、御了承ください。私はお二人の角度と少し別の角度から質問させていただきますが、特別に支援を必要なお子さんがより充実した環境で学習ができること、より健やかな成長に結びつく環境を求めています。そのことを初めに述べて、質問に入らせていただきます。
私事ですが、10年ほど前、私の娘が在籍した公立小学校の1年のクラスは、まさに学級不成立のクラスでした。席に座っていられない、どこかへ行ってしまう子どもを担任が追いかけ回す。先生のいないクラスは大騒ぎです。床には子どもたちの持ち物が投げ出されています。うちの娘は入学したばかりで、その状況はわからずに毎日泣いていました。保護者はそのクラスの現状を見て、心底驚きました。これは一体どういうことなんだろう、私たちはどうすればいいんだろう。それにしても、このままではいけない。いろいろ話し合った末、保護者たちが授業中に後ろで見守るなど、教育現場に立ち会うようになりました。しばらくしてクラスは少しずつ落ちついてきたように思います。
そんな経験をした私個人に対して、毎年のように学校の同じような現場を目にした親御さんから驚きの声、苦痛の声、あきれの声が寄せられています。一体これは何なんでしょう。原因ははっきりわかりませんが、軽度の障害を持つ児童、ただしつけられていない児童等、全く意味が違う支援が必要な児童が一緒になって、みんなが勝手に動き回っている状況なのです。近年では、未就学の子どもたちの中でもちゃんと並ぶことができない子などがいて、遊戯会などが成り立たないという保護者の声も聞きますが、保育園、幼稚園などの未就学児童の状況は把握されているのでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 発達障害児の状況でございますけれども、保育園を例にとりますと、後発性発達障害、あるいは注意欠陥多動性障害、それらの疑いも含めますけれども、いわゆる発達障害のある子どもは全体の1%から2%程度いるというふうに把握してございます。そのほか、障害があるとまでは言えませんが、特別な支援を必要とするお子さんもいらっしゃいます。保育園での状況を例にとりますと、クラス全員が製作活動を行っているときに、興味が持てずに席を立って、勝手に廊下や外に出ていってしまうお子さんとか、あるいは散歩に出かけたときに直進しかできず、角を曲がると寝転んで、泣いて大暴れをするといったような状況が見られます。このような場合には、保育士が別のところに遊びに誘うとか、あるいは避難車、お散歩カーでございますが、を使って目的地まで行くなど、個別の対応をしてございます。また、プログラムや保育日誌についても個別に作成したりして対応してございます。
○近藤委員 特別支援を必要と思われるお子さんは、小学校入学時にどういう進路を進んでいくんですか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 障害のあるお子さん、あるいはそういう心配のあるお子さんは就学相談を受けるというふうに幼稚園、保育園、それらを通じて保護者の方にお知らせしているところでございます。その結果、特別支援学校や特別支援学級、あるいは通常の学級に入られるお子さんがいらっしゃいます。また、そのほかに、場合によっては就学相談を受けずに通常の学級に入学されるお子さんもいらっしゃいます。
○近藤委員 日本では公教育において、かつては基本的に分離教育が行われていました。しかし、現在では軽度の障害を持つ児童、あるいは人の話を聞いたり、理解することのできない児童や、また1カ所に座っていることができずに、ふらふら歩き回ってしまう児童なども通常学級に入っていくということです。当然のことながら、彼らの保護者は普通学級への進学を強く希望します。そして、その6年にわたるクラスでほとんど何の生活的な、及び学力的な指導も受けずに過ごし、小学校を卒業し、中学校に入学しているのが現実だと私は思います。通常の学級の中で急に大声を出したり、団体行動がとれない子どもたちに対してはどのように対応しているのでしょうか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 基本的には担任が対応することになりますが、お子さんの状況によりましては、学校が支援体制をつくりまして、空き時間の教員や副校長も含めて順番に教室に入ってサポートをするとか、学年合同で見ていくというような対応をしてございます。また、そのお子さんの状況によりましては、保護者に入っていただくということも行っております。
○近藤委員 通常の学級の担任だけでは対応に限界があるので、校長先生が取り出し学習をして、個別にしているなどということも聞きますけれど、そういう実態は御存じですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 担任だけでなく、全校で見ていくというのが特別支援教育の基本的な考え方でございます。小規模校など状況によりましては、校長室が個別指導の場になるということは珍しいことではございません。特別教育に取り組んでいる一つのあらわれというふうに受け取ることができると思います。
○近藤委員 私の例を挙げましたけれど、私の担任だった先生は本当に疲れ果てて、今も連絡をとっているんですけれど、どうですかと言うと、いや、あのときの経験があるから、本当にあのときよりはどこに行っても大丈夫よと言うぐらい大変な思いをされたみたいです。本当にこの先生たち、突然その学校のその教室に全責任が来てしまうという、そういう状態を私は大変なことだなと思っています。そして、巡回相談というのがあるんですけれど、その巡回相談で発達障害がわかったとき、学校は保護者にその旨を知らせる権限があるのですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 学校を含めまして、だれにもそのような権限はございません。また、巡回相談員が診断をするということはできませんので、その傾向があるとか、可能性があるということでございます。保護者がみずから求めて専門機関に相談したり、医師の診断を受けたりすることで知らされて受け入れていただくということになります。学校はその保護者と信頼関係を築きながら、そのお子さんにとって最善の支援の仕方を考えていくということで、特に特別支援教育コーディネーターが保護者との面接の中で学校での状況をお伝えするとか、相談機関を御紹介したりといった努力を重ねているところでございます。
○近藤委員 発達障害であるという旨を保護者に伝えるときは、本当に校長先生、担任の先生もとてもつらく、本当はそうなのかどうかということはだれもわからないので、言ってしまった後に保護者との関係がとても悪くなってしまったり、そういう保護者との関係が悪くなると、もうそこから話が進まなくなったりして、学校現場では大変困っていることをよく見ました。そういうところで、その保護者にいろいろな問題があるんですよというときに、巡回相談員や専門家を同席させることはできないのですか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 保護者の方にお話をするときには、やはり日ごろから保護者と接して信頼関係を築いている担任、あるいは特別支援教育コーディネーターから保護者へお話をするというのが原則ということになっております。ただ、場合によっては、そういったような巡回相談員、臨床心理士の同席なども考えられますが、なかなか体制の問題もありまして、現状では難しいと考えております。
○近藤委員 このコーディネーター、昨日から伺っているんですけれど、この方たちは本当にそこの先生たちが突然コーディネーターになるわけで、とても重い仕事で、やはりそれは外部からきちっとした専門のコーディネーターがいらして、そういう動きと全く保護者は違うと思うんですよね。そこのやっぱり支援をちゃんとしていかないと、学校だけにこのとても重い課題をぶつけるのは私は酷ではないかと思います。特に小学校低学年の場合は、子どもたちには他の子どもたちとの違いはまず理解できません。そんなことで安易ないじめに結びつく危険もあります。また、現実で保護者に対して自分の子どもが通うクラスの現状がつかめません。学校で熱心な担任の先生や校長先生、副校長先生だけが各児童に平等に対応するために真剣に取り組み、疲れて、やがて本当にもう投げ出さなければならない状況が私は起こっていると思います。こういう現状を見ると、学習のおくれや特別支援の必要な子どもたちを取り出し授業などができるように、通常の学級における発達障害の支援体制を本当にきちんと構築すべきと考えますが、いかがですか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) そういったような現状を打開するために、10か年計画の素案の中で私どもは全校に特別支援教室というものを設置して、そこへ専門の相談員、教員を巡回して、取り出し学習などを行うということを考えているところでございます。
○近藤委員 そのためには本当に人員が必要なので、ぜひよろしくお願いいたします。ノーマライゼーションというのは社会の多くの違う人間から成り立っていることを基本として、だれもが年齢や障害などに区別されることのない社会生活が送れることを目的として、北欧諸国から始まった理念です。今のままでは支援が必要な子どもも、そうではない子どもも大変な状況であると思います。もっときめ細かく支援体制を強化すべきではありませんか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) そういった支援というものですが、教員への研修をさらに充実させまして、教員の力量を向上させることが非常に重要かと思います。また、教員だけでは十分な支援を行えないという状況を補うために、先ほどもお話ししましたが、今後、特別支援教室などを設置いたしまして、そういったような十分な指導に努めていきたいと考えております。
○近藤委員 学校の先生たちだけの中で終わらせるのではなく、ぜひ学校内に専門家を入れていく方向で動いていただきたいと思います。1人ずつ子どもに向き合う目があり、育てのメニューがある。そこで初めて公教育の中のノーマライゼーションが成り立つのではないかと思い、私のすべての質問にいたします。ありがとうございます。
○つぼい副委員長 以上で、近藤さえ子委員の質疑を終了します。
次に、いながきじゅん子委員、質疑をどうぞ。
○いながき委員 無所属のいながきじゅん子でございます。本日は質問項目の(4)のその他のところで成果主義について伺わせていただきます。後半は質疑の順序が多少入れかわるかもしれませんが、どうぞ御了承をいただきますようお願い申し上げます。
総括説明の際にもお話が出ましたが、私も今後、中野区の財政運営はこれまで以上に大変厳しい状況になるだろう。率直にそう思っております。日本経済は相変わらず不安定な状態が続き、デフレ懸念も高まる中、ついにことし7月の完全失業率は5.7%と、1953年の統計開始以来、過去最悪を記録してしまいました。デフレや雇用情勢の悪化は区の税収減少に直結します。その一方で、扶助費を中心とした義務的経費は増加傾向にあります。一言で言えば、入りが減って出がふえるといった厳しい環境のもと、どのように質の高い行政サービスを維持し、区民満足度を高めていくのかという大変難しい課題に我々は待ったなしで取り組んでいかなければなりません。
そんな中、区職員の皆様に求められる仕事の質も大きく変わってきております。時代の流れがハード中心の行政から、人が主役のソフトサービス中心の時代にシフトしてきているからです。まさにこれまで以上にお一人お一人の知恵なり人となりが問われる時代になったと言えます。
今後、各自治体は限られた予算の中で創意工夫し、時代と地域の特性を生かした質の高い行政サービスをスピーディーに提供していくことが求められます。ただでさえ区民の要望が多様化し、わかりづらく、満足度を上げることが難しくなっている中、役所がこれまで行ってきた前例主義や慣例主義を続けていても決してうまくいきません。区民の満足度を高めていくためには、広い教養と専門知識を兼ね備え、時代の変化に適応しながら、中野区の新しい可能性をみずから責任を持って開拓していける自律した人材の存在が不可欠です。職員が自律し、区が自律し、そして区民にもしっかり自律してもらう。中野区も今後はそのような自治体を目指していかなければ、早晩立ち行かなくなってしまうのではないかと私は考えております。
そこで、最初の質問です。これからの厳しい環境のもとで中野区が区民に質の高い行政サービスを継続的、安定的に提供していくためには、ドラスチックな行財政改革が必要となってくるだろうと思っております。改革を実現し、今後の逆境を乗り切っていくためには、某有名企業の「やってみなはれ」精神ではないですが、ひたすら上からの指示を待つ依存型の人材ではなく、先ほどから御説明しておりますようなみずから考え、行動を起こす自律型の人材が伸び伸びと活躍できる環境を提供していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。また、その方法の一つとして、現場の選択権や決定権の幅を積極的に広げていくことで業務の効率化、スピード化とともに、職員の自律が促され、組織も活性化されていくと考えますが、これについても御見解をお聞かせください。
○尾﨑経営室参事(人事担当) 人材の活躍の場ということでございます。区政目標の達成を最も効果的に推進していくために、組織や職員の能力を生かして、部が権限と責任を持って区政運営を行う事業部制を導入しております。部として何を重視して経営をしていくかなど方針を示し、運営に当たっているわけでございます。このような状況の中で、御指摘のようなやる気のある人材が活躍できる環境は用意されている、整っていると考えております。
○いながき委員 そういった意欲と責任感ある人材が育ち、伸び伸びと活躍するためには職場の信頼関係も大切となってきます。行政に携わる人間であれば、年齢や立場に関係なく、だれでも安心して区政について発言でき、行動を起こせる土壌がなければ、どんなにそういった前向きですばらしい人材がいたとしても、なかなか力を発揮できません。今の中野区の状況はどうでしょうか。だれもが安心して言いたいことを思い切り言える。やりたいこと、新しいことに思い切ってチャレンジできる土壌をこれまでつくり上げていらっしゃいましたでしょうか。
○尾﨑経営室参事(人事担当) 職員はその区政目標を達成するために職務に従事しているわけでございまして、目標を実現するという範囲においては、新しいことへの提案や、それから行動ができる環境にあるという状況でございます。目標管理シートを実施しておりますけども、目標を設定する中で新しいことやチャレンジする目標を設定することが可能となっておりますし、自分の職務レベルを超える課題に果敢にチャレンジする。そういった場合には、評価ポイントを高くする仕組みもできております。
○いながき委員 言いたいことが安心して言えるかというふうな御質問をしたんですけれども、午前中にお話がございましたが、中野区は平成14年12月に組織の活性化及び職員の意識改革を図るという目的で職員提案制度という制度をつくり、続いて平成15年にも同じ目的のアイデアボックスなる電子フォーラムを立ち上げて、職員の自由な発案、意見及び情報提供を受け付けるとしています。それぞれ毎年何件くらいの提案があったのか、改めて過去3年分、年度ごとに教えていただけますでしょうか。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 職員提案制度につきましては、過去3年間、平成18年度から20年度につきましてはゼロ件でございます。また、アイデアボックスについては、平成18年度が2件、19年度がゼロ件、20年度が3件でございました。
○いながき委員 非常に少ないと思います。これで言いたいことが言えている環境と言えるのでしょうか。区はこの少ない理由をどのように分析していらっしゃいますか。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 具体的に原因というのははっきりしませんが、職員提案制度につきましては、審査会における審査があるといった点がありまして、その辺が敷居が高いということから提案が少ない。こういったことが理由なのかなというふうには考えてございます。
○いながき委員 ちなみに、提案されたアイデアへの対応はどうなっていますでしょうか。アイデアの提案から採用、不採用の回答までどのくらい時間がかかっていますでしょうか。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 過去3年におきます回答までの日数でございますが、アイデアボックスについては最短で83日、最長で223日、平均すると136日でございます。ちなみに、5年前になりますが、職員提案制度につきましては最短で27日、最長で64日、平均で44日ということでございました。
○いながき委員 最高で返事までに半年かかったケースもあると聞いています。ちょっとお聞きした限り、時間がかかり過ぎているような気がします。世の中が物すごい早さで今、変化しているこの時代に、行政判断にももっとスピード感が求められるのではないでしょうか、お答えください。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 御指摘のとおり、この半年かかった部分につきましては、言い訳になってしまいますが、エコキャップ運動の提案がございまして、キャップの取り扱い、搬入事業者、これの調査等に時間を費やしたということで、私どももその辺については反省をしているところでございます。やはりこういったアイデア、また提案があった場合につきましては、より一層速やかに提案について回答するようなことに心掛けていきたいというふうに考えております。
○いながき委員 調べてみますと、この職員提案制度とアイデアボックスが実質的にスタートした平成15年に関しては、前者で1年間に10件の提案、後者に1年に13件の提案がありました。しかし、両方とも次年度には件数ががくっと減り、その後、現在まで低空飛行が続いています。これは初年度の区の対応を見て、返事もなかなか返ってこないし、提案してもあまり意味がなさそうだと職員たちに早々に見切りをつけられてしまったからなのではないでしょうか。はっきり申し上げて、この数字を見る限り、中野区はこの5年間で職員の意欲とやる気を伸ばすどころか、逆につぶしてきてしまったように見えてしまいます。内容もそっくりですし、ここまで低空飛行が続いている制度を二つも並行して継続していく必要があるのでしょうか。実際に採用されている件数も非常に少ないようですので、二つの制度の統合を含む抜本的見直しを行うべきではないでしょうか。あるいは一たん勇気ある撤退を行い、仕切り直してみてもよいのではないでしょうか、お答えください。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) この制度につきましては、区政運営に関しまして、職員が自由な発想と創意工夫を求め、それを可能な限り実現させることによりまして、組織の活性化、それから職員の意識の改革につながるものと考えてございます。今、いろいろ見直しもしているところでございますが、より提案しやすいもの、またはある程度テーマを絞って受け付けをするなど、そういった工夫をしながら、今後積極的に提案の奨励をしていきたいというふうに考えてございます。
○いながき委員 この二つの制度は続けていくということですか。二つとも。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) はい。現在のところ、多少の見直しはしていきますが、提案の勧奨については引き続き行っていきたいというふうに考えてございます。
○いながき委員 最初に少し申し上げましたが、各自が一定の生活水準を確保し、物質的な豊かさをも手に入れている日本のような社会においては、住民の要望が多様化し、ますますわかりづらく、満足してもらいづらくなっています。その区民との接点にいるのは、行政幹部や管理職ではない現場の最前線で働く職員の方々です。現場の思いを知り、そこから上がってくる声をもっと真剣に吸い上げていかないと、環境の変化を察知できず、現状を的確にとらえられない可能性があると思います。それで正しい政策判断をスピーディーに行うのは、私は大変難しいと思っております。また、現場の声がなかなか区政に反映されないとなると、そこで働く人材は元気もやる気も失ってしまい、力を発揮できなくなる可能性もございます。ちなみに、経営本部の幹部の皆様方は、各部署に足を運んで管理職以外の職員の方と交流を図り、現場の問題を積極的に把握しようとなさっていますでしょうか。研修だとかイベントのときではなく、現場の実態を実際にごらんになっていますでしょうか、お答えください。
○尾﨑経営室参事(人事担当) 経営本部の管理職といたしまして申し上げます。私どもは各事業部から現場の問題など、必要な情報を得ることに努めております。そういった意味では、さまざまな職員と話をする場面は当然あります。課題の把握に努めるとともに、その解決に向けて全庁的な調整を図っているというところでございます。
○いながき委員 ぜひ区長、副区長の皆様方にも現場に足を運んでいただき、職員の生の声を聞いていただきたいと思っております。
次に、職員同士のコミュニケーション環境についてお聞きしたいと思います。私は組織の風通しのよさ、年齢や職階、セクションを超えた職員同士の活発なコミュニケーション、そして信頼関係こそが情報の共有化、区の目標や理念の共有化を進め、結果、横の連携を促し、縦割意識の解消にもつながるのではないかと思っております。職員の皆様方が自分の問題は区の問題、逆に区の問題はみずからの問題としてそれを共有しながら、みんなで改善に取り組んでいただければ、中野区も飛躍的に変わっていくのではないでしょうか。そのためにもぜひ積極的に横のネットワークやコミュニケーションを大切にして、アイデアや情報を交換し合って、全員一丸となって行財政改革に取り組んでいっていただきたいと思っております。
中野区では、組織の風通しのよさやセクションを超えた活発なコミュニケーション環境をつくるために何か工夫していることはございますでしょうか、お答えください。
○尾﨑経営室参事(人事担当) 当区では、まず係を廃止いたしました。フラットな組織にするということでございます。そういった中で新たな行政課題に対しても柔軟で機動的な対応ができる。そういう組織づくりを進めてきているところでございます。円滑なコミュニケーションを図る。なかなか難しい部分はございますが、比較的容易な環境づくりになっているんではないかというふうに考えております。
○いながき委員 自主的に研究グループを立ち上げた場合に助成金が出るようですけれども、昨年度は1件のみで、今年度はまだゼロ件ということでちょっと不安が残ります。
さて、中野区では、ここ数年で全体の職員数が減少しているにもかかわらず、精神疾患で長期休職している職員数は減少しておりません。平成20年度は28名が精神疾患で長期休職したということですが、この数字、職員全体の数に占める割合としては23区でもワースト5に入る数字です。休職中も給与が支払われるため、長期休職の職員が多いと人的損失だけではなく、経済的損失も発生することになります。区は、健康管理室を設けて対応なさっているということですが、そこに駆け込まざるを得なくなる前に、すなわち問題が深刻になる前に早期発見し、長期休職に入ってしまわないようにする職場環境を整えることも重要です。この点に関し、区は健康管理室の設置以外のことで何か工夫している点があれば、お示しください。
○村田経営室副参事(健康管理担当) 今、委員が初めに健康管理室以外というお話をしたので、申しわけございませんが、健康管理室は何をやっているかというお話にさせていただきたいので。(「どうぞお願いします」と呼ぶ者あり)すみません。メンタルヘルス疾患の患者というのは休職期間が長くなるというのは委員御指摘のとおりです。これまでそういうメンタル疾患が出ないように、職場にはメールによる新着情報の発信や、場合によりましてはメンタル医の相談を受け付けるような、そういうシステムをつくってまいりました。昨年度初めてセルフケア、自分で自分を知るということが大事だということで、メンタルヘルスチェックを導入いたしまして、全職員に対してチェックシートを渡して、そのチェック結果を上げさせるようにいたしました。そこで体の健康と同様に心の健康も大事だということを各職員に知ってもらう。それから、メンタルヘルスチェックのシート結果で自分の心の状態はどうなっているか具体的に知っていただく。そういうことをやりました。その結果を踏まえまして、一般職員や管理職員に研修を行いました。また、管理職にはメンタルヘルス職員の対応マニュアルというのをつくりまして、組織をあずかる管理職としては職員の個々の動きをちゃんとウオッチしろと。そういうようなことを話しております。また、健康管理室では、当該職員だけではなく、職場の上司、そういう方の相談に応じておりますので、そういうことで対応してございます。
○いながき委員 中野区では、先ほどおっしゃったように昨年11月から12月にかけて、再任用職員を含め全庁的に心と体の健康チェックという調査をなさいました。調査の結果、数字にあらわれない中野区の特徴として上がってきたのが、相談できる相手がいない、信頼できる相手がいないと感じている職員が多い傾向にあるというものでした。これこそが中野区役所の実態であり、問題の根源なのではないでしょうか。相談できる相手がいない、信頼できる相手がいないということは、問題を一人で抱え込んでしまって、苦しんでいる人たちが今現在も職場に少なからずいるということだと思います。こういった人たちは精神疾患の予備軍といっても過言ではなく、放置できない問題です。区は早急に対策を講ずるべきかと思いますが、これについて御見解をお願いします。
○村田経営室副参事(健康管理担当) 相談できる職員の相手がいない、または信頼できる相手がいない。これは大変深刻な問題だと思っております。職場に身近なそういうことをできる職員がいないということは、やっぱり私たちも非常に心を痛めてございます。信頼関係が職員間または職員と管理職の間にないということ、これは本当に残念なんですけど、そういうふうに感じている職員が多いということが統計的に出ました。委員の言われているとおりでございます。そのために何をやったらいいのか。管理職は常日頃から部下との日常的なコミュニケーション、つまり職員に対する気配りとか声かけ、そういうことを行っていただきたい。また、係長会やミーティング等、話し合いの場でその組織の問題を管理職が積極的に自分から解決していくんだと。そういうことを見せることによりまして、職員の信頼を形づくっていくんではないかと思っております。なお、今、職場だけの話をいたしましたが、職場以外のインフォーマルな時間とか場所を使って、職員とのコミュニケーションをつくっていくことも大事なことと私は考えております。
○いながき委員 ぜひこのメンタルヘルスの問題は個人の問題として健康管理室に丸投げして終わりなのではなくて、区全体で改善に取り組んでいっていただきたいと思います。
次に、成果主義について伺います。中野区は、中野区行政改革5カ年プランの中で成果重視の人事システムの確立を明記し、目標の達成度合いに応じて給与に差をつけています。私は例えばサービスの質を落とさず、コストだけを幾ら削減できたかというように数字で成果がはっきり示せるものに成果主義を導入することについては、それほど問題ないと思っています。しかし、営利企業ではない区役所において数字で成果がはっきり出せる仕事というのは意外と少ないのではないでしょうか。正直、適切な目標設定がしにくいのではないかとか、客観的で公平・公正な評価がなされにくいのではないか。あるいは目標管理シートの書き方がうまいとか、上司と仲がいい職員が高い評価を受けるのではないかという懸念がございます。また、下手をすると自分の成果に直結しない仕事には手をつけない、関心を持たない個人主義が進み、結果、縦割主義を助長し、仕事の押しつけ合いや問題先送りの温床になってしまう可能性も否定できません。だれが見ても公平・公正な評定がなされない限り、逆に職員のモチベーションが下がってしまうおそれもあります。今、民間企業では成果主義を見直す風潮もございますが、これらについて御見解をお願いします。
○尾﨑経営室参事(人事担当) 前段の目標設定をしにくい、あるいは評価に関してでございます。目標と成果による区政運営のもとで、部長等は区長の方針等に基づき部の目標と経営戦略を定めて、統括管理者はこれをもとに分野の目標と経営戦略を定めていく。執行責任者及び事業担当者についても、自分の担当する施策の目標を達成するために、職層や職務の級に応じて部や分野の目標、経営戦略を踏まえながら個人目標を設定しておりますので、目標設定が難しいとは考えておりません。また、現在の人事考課制度は自己申告制度、そういったものも取り入れておりますし、評価者となる上司につきましては十分な検証を行っている。その上で面接も十分にしておりますので、適正な評価が実施されていると、そのように考えております。
後段の個人主義というようなお話から問題先送りというような観点で御指摘があったかと思いますけども、職員は1人で仕事をしているわけじゃなくて、チームのメンバーとの協力関係の中で目標を達成することが期待されているわけです。職員の成果の中にはチーム全体の動きに対する貢献や困難な職務での努力の結果なども含まれておりますし、そういったことから個人主義や縦割主義といったような御指摘のような心配は要らないと考えております。
○いながき委員 中野区行政改革5カ年プランは今年度でちょうど終了する予定となっています。この5年間の成果主義の成果とは何だったんでしょうか。成果主義のそもそもの目的は職員の能力と意欲の向上ということですが、その目的は達成されたのでしょうか、御説明ください。
○尾﨑経営室参事(人事担当) この5年間でこれまでの年功序列的な給与処遇の見直しを図ってまいりました。それにかわる能力、職責及び業績を適切に反映できる給与制度に改革してきたという流れがございます。現在は職員の成果を適切に評価して処遇に反映させており、職員の意欲と能力を十分に引き出していると考えております。
○いながき委員 それはあくまで参事の主観ですよね。例えば職員の方々にアンケート調査を行って、施策の成果を客観的に検証したことはないですよね。
○尾﨑経営室参事(人事担当) 先ほど申し上げましたように上司との間で目標設定、あるいはその達成度合いのヒアリング、評価においても同じようなことをしております。その中で職員の問題意識、それから課題に取り組む姿勢、そういったものを十分に上司は把握することができますので、全体を通してのアンケート調査等はする必要もないと思います。
○いながき委員 成果主義に限らず、どんな制度もですが、ただ何となく続けるのではなく、PDCAサイクルのチェック・アクション機能をちゃんと働かせるべきだと思います。例えば中野区は昨年から新たな人材マネジメントの取り組みとして、中野区コンピテンシーモデルを定め、人材育成に活用するとしていますが、職員提案制度やアイデアボックスのようなこれまで行ってきた制度を振り返ることもあまりないまま、次から次へと新しい制度を導入しても、結局どれも中途半端で終わってしまう可能性がなきにしもあらずだと思います。やりっぱなしの繰り返しというのは、それこそ税金のむだ遣いになってしまいます。区の現状認識はいかがでしょうか、お答えください。
○尾﨑経営室参事(人事担当) コンピテンシーモデルにつきましては、昨年度から職員に対して、それから管理職に対しても取り入れているものでございます。目標を達成するための一つの行動規範として、多数の職員の参加を得てコンピテンシーモデルをつくらさせていただいております。それを参考にしながら、どうやったら成果が上がる行動様式になるか、それぞれの特性、得意分野、強み、そういったものを職員自身も自覚しながら、成果が上げられるようにしたものでございます。この制度については今後とも生かしていきたいというふうに思います。
○いながき委員 次の質問に移ります。さて、いわゆるCS、民間企業では顧客満足度、行政でいえば区民満足度ということになりますが、それを上げていくためには、職員満足度、ESの向上も必要であるという認識が高まっております。ESの高い企業では優秀な人材の離職率が低いという研究結果も出ており、ノウハウの蓄積や組織の成長を図るためにもESの向上は重要なようです。中野区も今後、区民満足度をさらに高めていくためにも、区を挙げてES向上に努めていく必要があるのではないでしょうか。それが満たされずに、やらされている感いっぱいで余裕がないまま区民と向き合っても、自らの仕事量や負担をふやすまいと常に逃げの姿勢になってしまい、相手を満足させるどころか、信頼関係も築けず、クレームの原因になってしまいます。職員の意欲とやる気の向上にもESの向上は有効かと思いますが、いかがでしょうか、お考えを聞かせてください。
○尾﨑経営室参事(人事担当) 職員満足度、ESの向上でございます。CSの向上ということもあるわけでございますけども、まず職員が職務に対してやる気を持って取り組み、日々の仕事に充実感を持つことは、これは極めて重要なことでございます。職員にとって達成感のある満足度の高い職務の状況は、結果的には区民満足度の向上にもつながるものと、そのように考えております。
○いながき委員 ESをないがしろにしては、先ほどの成果主義もますます意味をなさなくなってくると思います。どんな施策、サービスも人が考え、人が行うことで、サービスを提供する人間が仕事にもし不満を抱えながらすれば、受け手である区民が本当に喜ぶサービスを提供することは、私は不可能に近いと思っております。先ほど意識調査はしないという御回答でしたが、私は一度とにかく全庁的に職員のやる気や満足度をはかる調査を行って、もしも低い場合は早急に改善していくべきだと思いますが、いかがでしょうか、もう一度お答えをお願いします。
○尾﨑経営室参事(人事担当) 意識調査の実施でございますけども、結論的には同じことを申し上げると思います。目標管理シートにより統括管理者等の上司が職員と目標設定、そこから始まります。そういったところを共通確認し、目標の進行状況を途中でも確認しながら、評定時においても面接を行い、職員の職務に対する意欲や能力等の把握に努める。そういうことをしております。今後とも、先ほど出ましたコンピテンシーモデルの活用や面接により職員の能力と特性を把握し、各職員に応じた職務配置や事務分担を行いながら、引き続き職員の意欲と能力の向上を図ってまいりたい。このように考えておりますので、職員の意識調査についてはこうした面接等を通じて把握を行っておりますので、現在のところ個別、全員に対する意識調査の実施は考えていないところでございます。
○いながき委員 どうしてもやりたくないというのがよくわかりました。景気もあまりよくない中、区を元気にするためには、まずは区の職員の皆様が元気になっていただかなければ始まりません。中野区の職員は日本一元気で優秀であると全国的に有名にでもなれば、それは立派な自治体ブランドとして通用すると私は思います。お金があまりかからない区のイメージアップ戦略としても大変有効だと思っております。どんな人材も必ずその人にしかない魅力があります。ぜひ区民だけではなく、職員の皆様も大切に、お一人お一人の長所を最大限に引き出し、大きなパワーに変えて、益々すばらしい中野区をつくっていっていただきたいと思います。
以上をもちまして私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
○つぼい副委員長 以上で、いながきじゅん子委員の質疑を終了します。
次に、林まさみ委員、質疑をどうぞ。
○林委員 5時を過ぎまして、最後の総括質疑をさせていただきます。お疲れとは思いますが、大きな声でお答えください。ここに立っていると何かよく聞こえないので、よろしくお願いいたします。
では、まず初めに、環境基本計画について質問させていただきます。中野区は平成20年5月にこの中野区環境基本計画を策定いたしました。環境基本計画には、平成29年度までにCO2を約9万トン削減することを目指しております。この基本計画は、環境・エネルギープロジェクト、緑を守り、自然を生かすプロジェクト、環境に配慮した快適なまちづくりプロジェクト、そして区役所の二酸化炭素ゼロプロジェクトの四つのプロジェクトがあり、それぞれ取り組み方法、アクションプログラムがあります。その四つのアクションプログラムのうち、率先して二酸化炭素ゼロを目指す区役所をサブタイトルとしています区役所二酸化炭素排出ゼロプロジェクトについて説明してください。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) かいつまんで御紹介させていただきます。
お尋ねのプログラムでございますけれども、区有施設にいわゆる環境マネジメントシステムを導入することをはじめといたしまして、省エネ性能の高い施設への転換や自然エネルギーの導入などによりまして、区民、事業者の方々のモデルとなるよう取り組みを進め、区有施設からCO2排出ゼロを目指すといったプログラムになってございます。
○林委員 その中で区役所本庁舎はISO14001を認証取得いたしまして、CO2削減に努めているとお聞きしています。
二つ目の質問として、区役所本庁舎のここ数年のCO2削減の取り組み内容と、特にISO14001の取り組みによってのCO2削減成果についてお答えください。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) CO2削減効果につきましては、後ほど財産管理担当のほうからお答えをさせていただきますが、庁舎につきましては、光熱水費、これにつきましては認証取得前に比べますと大きく削減をしてございます。着実にCO2削減の成果が出ているというふうに考えてございます。また、ISO14001シリーズを取得したことによりまして、職員意識、これについても大きく変化をしてございます。日中こまめに電気を消したり、コピー用紙、こういったものの使用も裏紙の使用を積極的に行う。また、両面印刷にするといったような取り組みが進められておりまして、着実に職員の意識改革につながっているというふうに考えてございます。
○安部経営室副参事(財産管理担当) 私のほうからは、区役所本庁舎のCO2削減効果について御説明させていただきます。
お手元の要求資料総務119に示しておりますとおり、平成18年度からISO14001を取得しておりますので、平成17年度比で平成18年度はマイナス8.9%、平成19年度はマイナス6.6%、平成20年度はマイナス7.8%というふうに6.6から8.9%の間でCO2が減少しております。これは年度間で上下しておりますのは、気候の変動とか、冷夏とか猛暑とか、そういうものがございます。この間には、大規模な省エネルギー工事等は行っておりませんので、この7%から8%ぐらいのうちの多くの部分が評価改善担当が申し上げましたようなエコ推進活動によるものと考えております。
○林委員 本庁舎では確実にCO2が削減されているということがわかりました。では次に、本庁舎以外の区有施設のCO2の削減取り組みと成果についてお聞きします。平成18年から20年の高齢者会館全体の運営による光熱費の合計の推移を教えてください。
○大橋北部保健福祉センター所長 厚生21の資料にお示ししてありますけれども、平成18年度は1,226万3,707円、平成19年度は1,224万9,831円、平成20年度は1,270万7,882円で推移しております。
○林委員 平成18年から19年度は一たん減少しましたが、20年度に大幅にふえております。こちらのなぜ増加したのか。また、今後の対策などを教えてください。
○大橋北部保健福祉センター所長 平成19年度と比較しまして、平成20年度は45万8,051円増加しております。光熱水費としての料金支払いは増加しておりますが、電気、ガス、水道の各使用料は19年度に比較して減っております。使用料金の増加の原因は、原油価格の高騰等により、電気、ガス料金の単価が上がったことが考えられます。また、水道料金についても全体の使用料はわずかに減って、ほぼ平成20年度は平成19年度と同じような使用料でございましたが、各施設の料金区分の動き等によって約8万円あまり増加したものです。今後とも高齢者会館において電気、ガス、水のむだな使用をしないように進めていきたいと思っております。
○林委員 ありがとうございます。次に、地域センター施設維持管理費全体の平成18年から20年度の光熱費の推移を教えてください。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 区民の1の資料に地域センター別運営費内訳一覧が載っております。その中に光熱水費の額が載ってございます。地域センターの光熱水費につきましては、18年度は4,271万7,184円、19年度は4,305万3,599円、20年度は4,535万479円となっております。
○林委員 こちらは右肩上がりに上がっているのですが、増加の原因と、また対策について教えてください。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 19年度の光熱費の増加はガスの使用料がふえたことによります。これは猛暑によりまして、冷房をガスによって行っておるセンターがございますので、その影響によるものと考えてございます。20年度の増加につきましては、先ほど高齢者会館につきまして説明したものと同様のことで、燃料費の高騰によるものでございます。現在、区が進めております環境マネジメントシステムの一環といたしまして、エコオフィス活動を地域センターでも実施しておりますので、こうした取り組みをさらに強化し、地域センターを利用する区民の皆さんの協力も得ながら、使用料の抑制に努めてまいりたいと考えております。
○林委員 地域センター施設以外も適応指導教室運営事業、歴史民俗記念館、自転車駐輪場運営などの光熱費が増加しています。今、理由として挙げられました使用料金が上がっていることなど、さまざまな要因はあるとは思いますが、光熱費だけではかれないのも承知しています。しかし、区民、事業者の手本となる環境に配慮したスタイルを区全体で示すことが必要と考えます。
そこで伺います。今後、区の施設全体を環境に配慮したスタイルにどのように転換していくのか。また、管理委託している施設などを含め、区有施設全体にどのように二酸化炭素削減チェック、また改善などを行っていくのか、お答えください。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 先ほど別の担当のほうからもお答えしましたような各種の環境マネジメントシステムをはじめといたしまして、自然エネルギーの活用ですとか、あるいは緑化などによりまして、区有施設全体の省エネ化環境対策を進めてまいりたい、このように考えてございます。
○林委員 次に、今後、中野で予定されている中野駅前開発行為による二酸化炭素削減の対策についてお聞きします。都市計画マスタープランや新10か年計画に示されているように、今後、中野駅前開発や西武線沿線立体交差化事業が行われます。この開発により中野区環境基本計画に予定されていないCO2の排出が予想されます。そこで伺います。今後、開発工事時により排出が予想されるCO2は区が負うことになるのか。それとも開発事業者が負うのか。このことは国や都でどのような取り決めになっているのか、教えてください。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) ただいま委員の御質疑にございました、例えば西武線沿線立体交差化事業に関しましては、いわゆる環境アセスメントの対象になると聞いてございますが、その他につきましては、例えば工事を請け負う事業者自身が法人として省エネ法等の対象になるといったケースもあるかと存じますけれども、開発過程、これを取り分けまして、その過程で発生するCO2の削減、こういったものを義務付けるような規定は特段ないというふうに承知してございます。区といたしましては、例えば警察大学校跡地地区のまちづくりに関します覚書におきまして、環境配慮対策を実施することを盛り込むなど、開発事業者等に可能な限り環境負荷の少ない工法の採用、あるいは施設とすることなどを求めていくこととしているところでございます。
○林委員 開発による二酸化炭素排出の対応については、環境基本計画には示されていません。しかしながら、改定されたばかりの都市計画マスタープランには、地球環境に配慮したまちづくりを行う。それを実践する必要がある。また、中野区の都市整備においても地球温暖化対策、ヒートアイランド対策のための積極的、集中的取り組みが必要とも示されています。今後、開発の指針となるグランドデザインや入札の基準等に環境アセスメントなどを西武線は入れるということですが、中野駅前開発には入れるのでしょうか。そのことはグランドデザイン等には示されているのでしょうか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 中野駅周辺まちづくりグランドデザインにおきましては、環境アメニティーという新しい時代の基盤づくりという項目を入れてございます。その中におきまして、環境負荷の軽減という要素をきちんと盛り込んでございます。
○林委員 では、グランドデザインを策定するときに環境関係の有識者などが入ってつくられたのですか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 特にグランドデザインを作成する際に環境の専門家を取り込んではございません。
○林委員 今後、まちづくりにおいてさまざまなCO2の排出などが予想されますので、その点も今後注意していただきたいと思います。住宅都市の中野では、区有施設や開発からの二酸化炭素の排出量は多くは占めません。しかし、中野区役所が区民、事業者に対して環境モデルになるように取り組む姿や、今後環境に配慮したまちづくりを区が率先して実践することは、中野区民への環境生活向上の啓発につながると思われます。地球温暖化に対して区がまちづくりや区有施設で真摯に取り組む姿を示すということは大きな効果を生むと考えます。
では、次の質疑をさせていただきます。次に、区から排出される二酸化炭素の7割以上を占める家庭と中小企業者に関して伺います。中野区環境基本計画には、先ほど言ったように29年度までに二酸化炭素を9万トン削減するとあります。その中で家庭と中小企業から出される二酸化炭素は全体の8割以上、その9万トンの中、8万3,100トンを削減すると示されています。つまり、中野区の二酸化炭素削減目標を着実に実現するには、家庭や中小企業から出される二酸化炭素の確実な削減が必要と考えます。しかし、「新しい中野をつくる10か年計画」の成果指標の達成目標に当たるものに、達成状況別冊2の資料によると、平成14年から18年までの4年間で家庭から出る二酸化炭素は4万トン、事業所からは1万トン、CO2が増加しています。そこで伺います。なぜ中野区内の家庭や事業所から二酸化炭素排出がここ数年増加しているのか。その原因を区はどう分析しているのか、お答えください。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) CO2の排出量でございますが、その年々の増減というものはその年の気象状況、あるいは景気の好不況といったものによる影響が大きいという部分がございますが、ここ数年大きな傾向といたしましては、家庭からのCO2排出量増加の主な原因といたしましては、例えば世帯数の増加、あるいは各部屋にエアコン1台といったような家電製品等の増加、あるいはその大型化といったものが主なものと推定してございます。
○林委員 また今後、家庭から排出される二酸化炭素の実態を把握し、対策を立てなければならないと考えております。しかし、二酸化炭素排出量は使用された光熱費から推測するしかできないと考えられています。そのため、各家庭や事業所から排出される二酸化炭素量の詳細を調べることは今のところ容易ではないと考えます。二酸化炭素削減を実現するためには、家庭から二酸化炭素量の実態把握をするべきと思いますが、どのように考えておりますか。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) ただいま委員御指摘のとおり、例えば10か年計画の指標等でも採用してございますが、区内のCO2の排出量の総量、あるいはその中の各部門別の総量といったものについては、各種統計のほうから算出することができまして、把握できているところでございますが、個々の各家庭の取り組みによります排出量、あるいは削減量、こういったものを逐一すべて把握するということはなかなか技術的、あるいは経費的にも難しいというふうに考えてございます。ただ、区内におきます各家庭、あるいは個人個人の意識的な取り組みによりますCO2の削減、こういったことにつきましては、今後、現在検討中でございますが、エコポイント制度等ができました暁には、CO2の削減に応じたポイントを付与するといった仕組みになってございますので、この申請件数等によって一定の捕捉といったものが可能かなというふうに考えてございます。
また、(仮称)中野区地球温暖化対策地域協議会、こういったところを通じまして、加盟していただいた町会、子ども会、例えば業界団体などの一定のまとまりのある取り組みをしていただくことによりまして、例えばなかのエコチャレンジなど、なかなかCO2としては精密には把握しにくい取り組み等につきましても、このようなことを通じましてCO2削減の把握に努めてまいりたい。このように考えているところでございます。
○林委員 今出ました地球温暖化対策地域協議会等を通じて、幅広く多くの区民の人に周知されるようにお願いしたいと思います。また、提案としてなんですが、環境リサイクルプラザというものが中野にはあるんですが、あまり活用されているというような感じを受けません。環境基本計画にもさまざまな事業所の人たちと家電販売店、消費者団体、環境NPOなどと連携し、そしてさまざまなCO2削減の事業を行っていくと書いてあります。でき得れば、環境リサイクルプラザを活動の拠点として、各事業所、家電販売店、また環境NPOがともに活動できるような場をつくっていただきたいということと、もう一つ、先ほど申し上げました地球温暖化対策地域協議会にも環境NPOまたは環境活動団体などの環境活動をしている区民の人たちがもう少し入るようになって、その人たちがさまざまな地域の人、自治体の人、町会の人などと環境のことをもっと話せるような場をつくるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) ただいまお話にございましたとおり、10か年計画の第2次素案でお示ししてございますが、環境リサイクルプラザにつきましては民間活力の活用も進めまして、CO2削減の取り組みが区民の方々、事業者の方々において広範かつ現実的に進められるための拠点として展開を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
また、(仮称)中野区地球温暖化対策地域協議会、これにつきましては、一人ひとりの環境行動が区民全体の運動として広がっていくよう、さまざまな方々による新たな環境への取り組みが生まれていくようなことを視野に入れまして、広く参加を募ってまいりたいというふうに考えてございます。
○林委員 CO29万トンの削減が着実に実現するようによろしくお願いいたします。
次に、2番目として、意見交換会とパブリックコメントのことについて伺います。
中野区は、意見交換会とパブリックコメントを自治基本条例にのっとり行っています。それは区民の最大の幸福を実現する地域社会の形成のため、また行政運営及び区民の参加の手続として行っていると理解しています。しかしながら、なかなか意見交換会やパブリックコメントで区民の意見がきちんと反映されないなどのさまざまな意見があります。また、その意見交換会に対しての行政評価、評価改善などをどのようにしているかという質問をしたところ、各分野でしているということでした。今まで行われた意見交換会について評価改善されているか、3点ほど伺いたいと思います。
まずは、中部防災公園の意見交換会について伺います。中部防災公園の意見交換会を南中野地域センターで行い、参加者が1人であったとの報告をまちづくり特別委員会で受けました。なぜ中部から遠い南中野地域センターで行ったのか、南中野地域センターで行うことでどのような意見を聞くつもりだったのか、意見交換会を行う上でどのような意見を聞くのか、目的を持って行っているのか、また、意見を聞く対象などを想定しているのか、お答えください。特にこちらは公園なので、説明会の時間帯が夜7時ということで、公園を利用している子育て世代の人たちが来やすい時間ではないとも考えます。その点について関係者の方、お願いいたします。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 委員御指摘の公園は、(仮称)中央部防災公園だと思うんですが、その件についてお答えさせていただきます。
(仮称)中央部防災公園は、まさに中野区のリーディングプロジェクトの一翼を担う公園であるというふうに認識しているところでございます。したがいまして、基本計画案について幅広く区民の方々から御意見をちょうだいしたいという考えの中で、本年5月に北部地域では野方の地域センター、中央部地域では勤労福祉会館、南部地域では南中野地域センターの3カ所で実施したものでありまして、いずれの時間帯も夜7時からでございました。なお、委員御指摘の南中野地域センターで確かに御出席者は1名でございましたですけど、当日、大雨が降りまして、防災の警報というか、そういう状況であったわけでございまして、出席者が確かに少なかったということには我々認識しておるところでございます。
○林委員 いや、公園なのになぜ夜の7時にしたのかということを聞いているんですが、お答えしていただいていないんですが。そのような改善とか、そのことについてどうお考えですか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 夜7時ということにつきましては、会場等の都合もありまして、たまたま7時になったということでございます。
○林委員 また、この地域センターで意見を聞くのにどのような目的を持って聞いているかということも聞いているんですが、お答えしてもらっていないんですが。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 今御回答させていただきましたと思っているんですが、幅広く区民の方々から御意見をちょうだいするということでございます。
○林委員 幅広くということでわかりました。では、東中野小統合のときの意見交換会についても質問します。学校統合後に学校統合について学童関係者の保護者に向けての意見交換会が行われたときに、教育委員会だけの出席者によるものだった。学童関係者の話し合いであれば、学童後の子どもの、児童の帰宅の問題が出ることは想定される。しかし、答えるべき子ども家庭部の出席はなく、意見を持ち帰ることになった。意見交換会を設定するときに説明を求められそうなことに対しての対応は行うべきと思う。また、分野がまたがるときの意見交換会の調整などは行われているのか、お答えください。
○吉村教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 委員御指摘の説明会については、昨年、保護者や地域の方を対象に、統合に伴う通学安全対策について等の説明を中心に、教育委員会が主催、実施したものでございます。また、学童クラブなどに関する説明会につきましても、別途保護者等に対して担当所管部、子ども家庭部でございますけれども、実施してきたところでございます。いずれにせよ、今後こうした説明会につきましては、実施する際にはその目的、あるいは対象の方などを考慮した上で、関係部署と調整、連携して実施していきたいというふうに考えてございます。
○林委員 ありがとうございます。せっかく意見交換会を行うのであれば、区にとっても区民にとっても実りあるものにするべきと思います。10か年計画の成果指標の達成状況の14ページを見ますと、区が区民の意見や要望を聞く姿勢を評価している区民の割合は28.2%です。17年度です。このような数字が出ているということを受けとめて、せっかく区の話を聞きに来る区民の方に対しての態度をやはり改善されることを要望いたします。
ところで、現在、区で行われている意見交換会は行政に意見や質問をする、行政が説明するという行政と区民との対面形式での説明会の形式となっていますが、意見交換会の形式というのは決まっているのでしょうか。区民同士が意見を交換する、協議するような意見交換会はあり得るのでしょうか。
○小田政策室副参事(区民の声担当) 中野区意見交換会に関する規則第2条では、意見交換会を区の政策に関する基本的な計画、条例等の策定の検討に当たり、区民の区政への参加の促進を図り、区の区民への説明責任を果たすため、区民に区長が実施する対話形式の集会をいうというふうな定義をしております。一般的には、初めに区側から計画や条例などの案につきまして一通り説明を行い、その後に区民の方との質疑応答の中で御意見をいただくというような形が多いのではないかというふうに考えております。
○林委員 でも、協議形式ではだめであるということは書かれてはいないんですよね。
○小田政策室副参事(区民の声担当) 規則の規定によりますと、対話形式の集会というような定義ではございますが。
○林委員 まちづくりなどの案に対しては、やはり区対区民という1対1的なものではなく、意見を交換する協議会やワークショップ的な区民同士が区を交えて意見を交換する形式などがあるべきと考えます。今回、中野区都市計画マスタープランが改定され、区は一部改定であるとの理由から、やはり協議会形式やワークショップ形式というものをせずに、意見交換会のみを30数回行ったと聞いております。しかし、まちづくりは個人対区の意見交換ではなく、さまざまな立場の住民が自分たちのまちづくりのために話し合う検討会やワークショップなどが必要だと感じております。ちょっと例えばなんですが、ほかの自治体でも都市計画マスタープランが今、改定されておりまして、世田谷区、港区、新宿区、荒川区、三鷹市、小平市、調布市などは市民検討会、まちづくり会議等をしております。このように住民同士が話し合える協議の場を都市マス改定時につくることで地域住民の連携を強め、まちづくりに対する合意形成の実現に努めている自治体がたくさんあるというのが実態でございます。また、今回、中野区では都市計画マスタープランをそのような協議会形式にしなかったんですが、なぜそのような形式をとらなかったのか、教えてください。
○田中都市整備部副参事(都市計画調整担当) 委員御指摘いただきました各都市、それぞれ都市の特性なり事情に照らして、それぞれに最もふさわしい方法でもって策定がされたと思っております。この本区につきましても同様でございます。中野区都市計画マスタープランは、今回は旧マスタープランの見直しであるということ。それから、旧マスタープランと変えて、いろいろな立場から区民の方々の意見を広く聞きたいと考えまして、そういう考え方に立ちまして、30回にわたり区民意見交換会を実施し、並びに16の各種団体との意見交換会を開催してきたものでございます。素案をつくる前の早い段階からも意見交換会を開催して、御意見なり要望なり、あるいは課題の御指摘、そういったところも承ってまいりましたし、ロの字型、すなわち意見を出していただきやすいようなそういった工夫、意見交換もしてきたところでございます。そういった形でさまざまな意見をいただけるような工夫をしてまいりました。さらに意見交換会だけではなくて、意見募集に寄せられた御意見、それから各地区での具体的なまちづくりに際しての区民協議の場でいただいている御意見、それらも十分に酌み取って反映しつつ、マスタープランをつくってきたものでございます。
○林委員 ロの字型でも同じ形式、形だけはロの字型であるというふうに認識しております。ただ、都市マス、都市計画マスタープランはやはり地域住民の参加による地域のまちづくりの合意形成をつくるという方針のもと、それを確認し合う作業であります。そのために、川崎市では市民による区別構想区民案というのを市民と各種団体委員の方々の参加で取りまとめた後、庁内と調整を行うつくる参加と区の意見交換会に当たる決める参加で行われています。このように手間暇かけて住民参加をすることで、後のまちづくりに積極的にかかわる市民が育つ。そういうような効果もあらわれております。自治基本条例を読みますと、市民の自治、区民自治を推し進めるために行うというのが書いてありました。都市計画マスタープランの今回のような対面方式で、自治する市民は育ったのでしょうか。育ったと考えられますでしょうか。
○田中都市整備部副参事(都市計画調整担当) つくる過程の区民の方の意識と、それから、つくった後に区民の方がみずから主体となってまちづくりをどうしていただけるか。これはちょっと別の段階の次元があるかと思います。ちなみに、川崎市の御紹介がありましたけれども、これは始めてから9年かかっております。ある意味それは手厚いというのかもしれませんけれども、いろいろと刻々変わる都市の情勢に対応して臨機応変にできたかどうかというと、外から見ると課題であろうというふうに思ってございます。
都市計画マスタープランで描いた姿を実現していくということが重要であると考えますので、それに向けたさまざまな方策等を含めまして、都市計画マスタープランには盛り込んできている。そんなふうな内容で具体的に、あるいは実践的に示し得たというふうに考えております。
○林委員 川崎のまねをするなという話もありますが、昔、中野に職員としていて、今、新宿区で区長をしている方がいますが、今、新宿区では住区協議会という形をとっております。そのようにして地域の声をまちづくりに反映させています。また、評価改善の成果指標に区のまちづくりに関する施策を評価している区民の割合が29.3%となっています。今後予定されるまちづくりにおいても区民の参加のあり方を見直し、愛着の持てるまちとすることが必要と考えます。
以上で終わります。
○いでい委員長 以上で、林まさみ委員の質疑を終了します。
以上で、総括質疑はすべて終了しました。お疲れさまでした。
10月5日(月曜日)からは各分科会が予定されているため、本日の委員会終了後、会場設営を行います。各委員がお持ちになった資料は机の中を含め、すべて持ち帰りください。
次回の委員会は10月9日(金曜日)午後1時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
以上で本日の決算特別委員会を散会します。お疲れさまでした。
午後5時50分散会