平成21年03月03日中野区議会予算特別委員会
平成21年03月03日予算特別委員会(第6日)
1.平成21年(2009年)3月3日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(40名)
1番 内 川 和 久 2番 ひぐち 和 正
3番 白 井 秀 史 4番 平 山 英 明
5番 つぼい え み 6番 いながき じゅん子
7番 林 まさみ 8番 山 口 かおり
9番 せきと 進 10番 いでい 良 輔
11番 伊 東 しんじ 12番 佐 野 れいじ
13番 北 原 ともあき 14番 南 かつひこ
15番 小 林 秀 明 16番 の づ 恵 子
17番 奥 田 けんじ 18番 近 藤 さえ子
19番 牛 崎 のり子 21番 吉 原 宏
22番 大 内 しんご 23番 伊 藤 正 信
24番 きたごう 秀 文 25番 久 保 り か
26番 やながわ 妙 子 27番 酒 井 たくや
28番 佐 伯 利 昭 29番 むとう 有 子
30番 長 沢 和 彦 31番 か せ 次 郎
32番 山 崎 芳 夫 33番 斉 藤 金 造
34番 篠 国 昭 35番 市 川 みのる
36番 岡 本 いさお 37番 飯 島 謹 一
38番 江 口 済三郎 40番 佐 藤 ひろこ
41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子
1.欠席委員(0名)
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
副区長(経営室)石神 正義
副区長(管理会計室) 沼口 昌弘
副区長(政策室)西岡 誠治
教育長 菅野 泰一
計画財務担当課長長田 久雄
区民の声担当課長(調査研究担当課長、平和・人権・国際化担当課長) 小田 史子
情報政策担当課長平田 祐子
情報化推進担当課長 藤井 康弘
政策室特命担当課長(基本計画担当課長) 髙橋 信一
危機管理担当部長清水 流作
経営担当参事 川崎 亨
広報担当課長 戸辺 眞
人事担当課長 合川 昭
健康管理担当課長村田 宏
財産管理担当課長安部 秀康
用地・管財担当課長 冨永 清
危機管理担当課長(防災担当課長) 志賀 聡
経営室特命担当課長(契約担当課長) 篠原 文彦
評価改善担当課長 田中 政之
経営分析担当課長相澤 明郎
税務担当課長 中井 豊
会計室長 村木 誠
区民生活部長 大沼 弘
区民生活部経営担当課長(里・まち連携推進担当課長、地域活動担当課長) 遠藤 由紀夫
南地域担当課長 波多江 貴代美
中部地域担当課長吉村 恒治
東地域担当課長 横山 俊
北地域担当課長 伊藤 政子
西地域担当課長 鳥井 文哉
戸籍住民担当課長今 恵里
産業振興担当参事鈴木 由美子
ごみ減量・清掃事業担当参事(環境と暮らし担当参事) 橋本 美文
清掃事務所長 齋木 正雄
子ども家庭部長 田辺 裕子
子ども家庭部経営担当課長(育成活動支援担当課長、男女平等担当課長) 瀬田 敏幸
子育て支援担当課長(子ども家庭支援センター所長、地域子ども施設連携担当課長) 浅野 昭
子ども健康担当課長 原田 美江子
保育園・幼稚園担当課長(幼児研究センター所長、幼児教育担当課長) 白土 純
地域子ども家庭支援センター担当課長 野村 建樹
保健福祉部長 金野 晃
保健所長 浦山 京子
保健福祉部経営担当参事 岩井 克英
保健予防担当参事(結核予防担当参事) 本保 善樹
生活衛生担当課長古屋 勉
健康推進担当参事尾﨑 孝
福祉推進担当課長伊東 知秀
中部保健福祉センター所長
(中野地域包括支援センター担当課長、北部保健福祉センター所長) 鈴木 郁也
南部保健福祉センター所長 高里 紀子
鷺宮保健福祉センター所長 大石 修
障害福祉担当課長辻本 将紀
障害施設担当課長大橋 雄治
生活援護担当課長黒田 玲子
保険医療担当課長柿内 良之
介護保険担当課長飯塚 太郎
都市整備部長 石井 正行
都市計画担当課長(住宅担当課長) 登 弘毅
都市計画調整担当課長 田中 正弥
南部地域まちづくり担当課長 角 秀行
中部地域まちづくり担当課長 上村 晃一
北部地域まちづくり担当課長(西武新宿線沿線まちづくり担当課長) 萩原 清志
土木・交通担当課長 遠山 幸雄
公園・道路担当課長 石田 勝大
建築担当課長 豊川 士朗
拠点まちづくり推進室長 佐藤 幸一
拠点まちづくり担当課長 松前 友香子
中野駅周辺整備担当課長 秋元 順一
教育委員会事務局次長(生涯学習担当参事) 竹内 沖司
教育経営担当課長小谷松 弘市
学校再編担当課長青山 敬一郎
学校教育担当課長寺嶋 誠一郎
指導室長 入野 貴美子
選挙管理委員会事務局長 奥山 功
監査事務局長 服部 敏信
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 山下 清超
事務局次長 奈良 浩二
議事調査担当係長 大谷 良二
書 記 荒井 勉
書 記 永田 純一
書 記 河村 孝雄
書 記 菅野 多身子
書 記 松本 明彦
書 記 丸尾 明美
書 記 鳥居 誠
書 記 土屋 佳代子
書 記 杉本 兼太郎
書 記 岡田 浩二
書 記 竹内 賢三
1.委員長署名
午前10時00分開議
○吉原委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会します。
第7号議案から第12号議案までの計6件を一括して議題に供します。
初めに、昨日の委員会終了後の理事会の報告を行います。
本日、総括質疑4日目は、1番目に江口済三郎委員、2番目に伊東しんじ委員、3番目にむとう有子委員、4番目に近藤さえ子委員、5番目にいながきじゅん子委員、6番目に林まさみ委員の順序で、6名の質疑を行うことを確認しました。
次に、要求資料、総務51の資料について差しかえの申し出があり、これを了承しました。お手元に配付してありますので御確認ください。
前回に引き続き、総括質疑を行います。
江口委員、お願いします。
○江口委員 おはようございます。きょうはひな祭りでございますけど、並んで耳の日だそうでございまして、ぜひ議会と区民の声をしっかり聞いていただく、また、そのスタートの日にしていただければと思っておりますので、よろしくお願いします。
それでは、早速質問させていただきます。
初めに、犬との共生のまちにつきまして。議会でも何度も取り上げておりまして、多分またかというふうに思う人がいると思いますけども、愛犬家の皆さん、また区民の皆さん、我が家の犬に約束をし、また、公約もしましたことですので、実現できるまで質問させていただきたいと思っております。
区は平成19年度に、ペットなどと共存する暮らしの推進を重点的に行う取り組みを始めました。平成19年6月には中野区ペットに関するアンケート調査を実施していただきました。また同時に、ペットとの共生を考える懇談会を発足させていただき、平成20年3月に懇談会からペットとの共生のための提言がなされました。
そこで、中野区として、アンケート調査、懇談会の提言を踏まえた現時点の犬のほうの考え方をお聞かせください。
○古屋生活衛生担当課長 ただいまの御質問にお答え申し上げます。
アンケート調査を行って、それを踏まえて懇談会を行い、それを踏まえて区の考え方ができたところですので、アンケート調査のほうから少し説明させていただきます。
犬に関してですが、飼い主のマナー、トラブルの改善策、あるいは公園への同行入園ということにつきまして、アンケートも行われた項目ですけども、マナーにつきましては、「よい」あるいは「おおむねよい」という答えが74%ありました。また、トラブルの改善策ということにつきましては、飼い主に対してマナーや適切な飼育を求めているという実態がわかりました。また、公園への入園につきましては、条件を整備した上であれば、犬の同行入園ができる公園をふやしてもいいという回答が59%あったところでございます。
次に、このアンケート調査を踏まえたまた懇談会というのが行われまして、その提言について若干申し上げます。提言では、飼い主のマナーの向上とか、あるいは守るべきルールの確立、こういうものが不可欠であろうということでありまして、特に犬につきましては、マナーの悪さがトラブルの原因になっているということもありまして、区は最低限のマナーの啓発を強化していく必要があるという提言をいただきました。また、犬の運動場所の確保策につきましても提言を受けたところでございます。
最後に、提言を受けました結果の区の対応でございます。区としましては、人とペットとのよりよき共生社会の実現を目指すために、ペット飼養に関するルールの地域理解や飼い主のマナーの啓発、区が努めるべき事項などについて条例を定めたいと考えております。特に犬に関しましては、飼い主が遵守すべき事項について、また、区が努める事項として、適正な飼養ができるための公園等の条件整備ということにつきまして定めていきたいと、このように考えております。
○江口委員 今、アンケートのこと、それから、懇談会のを簡単にまとめていただきましたけども、特に懇談会では、これから犬が公園に飼い主と一緒に入れるような、そういう方向づけをして、私が議会で言ったいろんな登録制だとか、いろんな条件等もほとんど網羅された形の提言がされておりました。この提言でも、最後にまとめた言葉は、この提言の内容が適切に生かされることを期待するということが提言書の最後に言われているわけですけども、先ほど条例という形がありましたけども、中野区の場合にはなかなか、近隣住民がどうのとか、苦情が多いとか、そういう言葉がいつも返って、それが実現しないということですけども、これだけしっかりした提言がなされた以上、そういう公園の整備ということも含めながら、入れる公園、そういうことも含めて、今後の考え方を簡単にお答えいただければと思います。
○石田公園・道路担当課長 今の委員の御質問についてお答えさせていただきます。
現在、愛犬家を含めまして、同行入園ということで、リードつきの犬が入れる公園としまして、平和の森公園の一部と江古田の森公園の一部があるわけでございます。提言書に基づきまして、現在、愛犬家の皆様方に個別にどのような協力をいただけるのかというヒアリング等を実施しているわけでございます。それで、提言書にもございましたように、愛犬家団体のやっぱり協力ということが大前提になるわけでございまして、そういった事柄から含めまして、まずは愛犬家団体の方々に対してどのような協力がいただけるのかということを今やっているところでございます。その後、愛犬家の方々に、例えば登録制による連携であるとか、組織づくりを図ってまいりたいというふうに考えております。地域の住民の方々の理解も得る必要がございまして、具体的にどの公園がどうのこうのということにはまだ至ってはおりません。いずれにしましても、そういった愛犬家団体の連携を含めまして、今、検討しているところでございます。
○江口委員 基本的に私は、中野区の中で本来ドッグランをつくれということを再三提案してきているんですけど、多分、今の中野のこういう施設というか、公園の状況からすれば、現状は無理だということも十二分承知しております。そういう中で、今言ったように、問題は、まず、区側が公園に同行して入れるということを解禁するという前提で愛犬家と話すのか、愛犬家の人たちの意見を聞いてとか、公園の地域住民の人たちに聞いてとか、そういう前提で話すのかとは全然違うわけですね。現在157カ所公園があって、今、お話があったように、2カ所は一部解禁されているんですけど、それ以外は、再三言うように、犬だけが入ってはなりませんと看板が必ず入り口に提示されていると。ところが、これは杉並なんかへ行くと、そういう公園もあるけど、そうじゃない公園もあるという。多分中野だけだと思うんです。全部調査していないので申しわけないんですけど。すべての公園に動物の中で犬だけが入れないという。犬だけが入れないんですよ。小動物は入れませんというならまだわかるんだけど、犬ということを明言されてやってきた。
そういうことで、これはまず、区が解禁をするという前提で取り組むというのと、そうじゃなくて、意見を聞いてどうするかでは違うので、その辺はどっちでしょうか。
○石田公園・道路担当課長 提言書の趣旨を十分私ども理解しているつもりでございまして、まさに鶏と卵の議論になっちゃうかもしれませんけれども、愛犬家の方々に対してこういった現状等が実際問題として起きているわけですね、犬を飼われている方々の。したがって、そういうことも含めまして、どういう御協力をいただけるのかという前提でもって今ヒアリングを実施しているところでございます。
○江口委員 もう一つ、これもさんざん質問しますと、公園運営委員会と協議したい、相談したいという。今、中野区で157のうち運営委員会が動いている委員会というのはどのぐらいあるのか。この問題を運営委員会と懇談した、どこの運営委員会と懇談したかとお答えになることできますか。
○石田公園・道路担当課長 公園運営委員会につきましては、一部を除きまして、実態としてなくなっているといいましょうか、そのように認識しているところでございます。具体的に運営委員会として活動されているのが江古田の森と平和の森だというふうに認識しているところでございます。したがいまして、具体の運営委員会にこの案件を御相談しているという状況には今のところございません。
○江口委員 これ、時間がないのでそんなにやるつもりないんですけど、ぜひ近隣の住民の皆さん、それから町会、それからまた愛犬家というのを含めて、しっかりと区の方針を決めた上で意見を聞きたいという形で、場合によってはその公園の周辺の人たちは結構ですよという、私が言っているような例えば時間制限とか、曜日だとか、それから、先ほど出た登録をしているとか、そういう形でやることによって、すべての犬に対する問題が大きく私は解決すると思っているんですね。マナーの問題も含めたり、それから、狂犬病の登録等も含めて、まだまだ中野は少ないわけですから、そういうことも含めてぜひやってほしい。これは要望です。
それから、もう一つ犬に関して、今まで区が実施してきた犬のマナー講習としつけ教室と二つあるわけですね。これについて伺いたいんですけども、マナー講習は保健所でやってきているわけですね。これは犬を連れていかないんですね。同行しないで講習を受けると。もう一方、道路・公園担当では犬を同行させた教室を行ってきたと。この違いを説明してほしいんですが。
○古屋生活衛生担当課長 保健所が実施しております教室は、実は犬のしつけ方教室と言っております。公園・道路担当のほうが行っているほうはマナー教室というふうに申しております。私どものほうは、訓練などの実技指導よりか、初めて、これから犬を飼う人たちを対象にして、しつけ方の知識を習得していく、これを目的としているものでございます。
○石田公園・道路担当課長 公園・道路分野でやっております犬のマナー教室でございますが、現実問題としまして、平和の森公園等で同行入園等を認めているわけでございまして、やはり愛犬家の方々に対しまして、犬のマナーのあり方という前提でもって、公園を利用される際の犬のマナーというか、愛犬家のマナーのあり方等についてということを前提としてやってきているということでございます。
○江口委員 今、私はちょっと逆に言ってしまって申しわけなかったんですけど、どちらにしても、これは本当に行政が犬に対する理解不足といいますか、マナーにしても、それからしつけにしましても、御自分の犬という、それぞれ犬というのは全部、犬種も違うように、一匹ずつ違うんですね。だから、そういう意味では、直接飼い主と犬と対面しながら訓練する。特に訓練というのは服従訓練なんですよ。要は、人間が主人であってということをきちっと教えておけば、さまざまな事故も起きてこないし、きちっと従って、皆さんに迷惑もかけない。それをやらないと、必ずそういうトラブルが発生してしまうと。これはトラブルも本当に、かみついたりしたら大変なことになるので、そういう意味でやっぱり、これは区側としてきちっと、犬を連れた上で訓練士をお願いして、集団でも結構ですからやるというふうに私は思っているんですけど。犬と同行しないで、これから飼うから教室に行くという、私も一度出ましたけど、ほとんど皆さん飼っている人ですよね、来ている人は。ですから、そういう意味では、これは完全にやるならば同行というふうに思っているんですけど、実は新年度はやらないんですね、これ。これだけ懇談会をやったり、犬に向かって一生懸命やろうとしているのに、なぜ今度はこれが、事業が中止されたのか、それも含めてお答え願います。
○石田公園・道路担当課長 公園・道路分野といたしましては、実際、従来やってきている犬のマナー教室の場所が警察大学校跡地地区でございましたので、実際工事に入らざるを得ませんので、場所ということから含めまして無理だろうということが一つと、実際、生活衛生部門とやっぱり連携をとりながらやりましょうということでなっておりまして、来年度からは生活衛生分野のほうでやっていただくということでございます。
○江口委員 どちらにしても理解不足ですから、しっかり1回犬のことを勉強してください。例えば私の近くだったら、千代田公園という本当に小さな公園がありますね。そこでも大体20頭ぐらいの訓練はできるんですね、服従訓練は。それはもちろん時間貸しで、この間はこういう形で使用していますということが告知されていることが条件ですけども。ですから、場所がどうのとか、そういうことはあえて言わないほうが私はいいと思うので、ぜひこのことはしっかり、提言を踏まえて条例化していくということに進んでいるようですから、この1年考えていただければと思います。結構です。
次に、未利用地の有効利用について伺います。
災害に強い安全で快適なまちづくり、防災機能を持つ広場として土地開発公社に購入していただきました本町二丁目、五丁目の用地の今後のスケジュールを年度別に具体的にお聞かせください。
○角南部地域まちづくり担当課長 まず、本町五丁目、NTT社宅跡地についてですが、来年度以降、まちづくりの基本的な調査や公園都市計画決定、それから、事業認可の手続を行いながら、今のところの想定でございますが、平成22年度からおおむね5カ年で用地を取得しながら準備・整備を進めていき、平成26年度ごろまでに整備を完了させる予定でございます。また、本町二丁目郵政宿舎につきましては、来年度中には具体的な事業計画を固める作業を進めていきたいというふうに考えてございます。
○江口委員 今聞いたように、実際に都市計画決定とか、それはともかく、21年度から、新年度から始まるということはわかるんですけど、整備するためには、本町二丁目の場合もやっぱり五、六年、それから、本町五丁目の場合も一部ずつという、開放するなんていうことをお答えになっているけど、そんな簡単にいける問題じゃないと思うので、やっぱり何年かはこの土地があくわけですよね。そういう場合には、この用地、そのまま、あの更地のままにしておくのか、その辺はどういうふうに考えているか、お答え願います。
○角南部地域まちづくり担当課長 取得しました用地につきまして、整備工事に着手するまでの間、暫定利用ということでございますが、そういった土地の暫定利用をするには幾つか想定があります。まず1点目が、例えば事業計画が定まりまして、着工までに期間があるケース、それから二つ目が、事業計画の変更などにより、用地の利用計画が当面見込めないようなケースというのが暫定利用に当てはまるのかなと思います。今回、御指摘いただいております二つの跡地につきましては、現在のところ、具体的な事業計画が定まっていないために、直ちに暫定利用についてはできないという状況と考えております。
○江口委員 この土地、購入後にかかった経費というのは幾らかかっていますか。
○角南部地域まちづくり担当課長 本町二丁目につきましては、19年度と20年度に2回ほど樹木の剪定とか草刈りをしています。それと、あと、不法投棄防止などのために門扉を2カ所取りつけておりまして、これらの費用が288万6,469円となってございます。
○江口委員 今、暫定利用の話が出てきました。私、ぜひお願いしたいのは、計画が決まっていないからできないということになると、五、六年の間はこのまま放置という形で、こういう経費がどんどんかかっていくんですね。私が言っているのは、暫定ですから、例えば1年間、例えば21年度は何もしないわけですね、今のこの予算上を見ても。1年間は暫定で結構ですよと。翌年は翌年でまた考えるという形でいく。場合によっては半年間でも結構ですよという形で、やっぱりこれだけの土地を、高いお金と貴重な財産、将来の中野のまちづくりのために購入したということの土地を数年間もあかせるというのは、区民からすれば何なのという行政のやり方だとなるし、毎日私たちみたいにあの地域を通ったときに、どうして使えないんだろうという声は圧倒的に上がってくるわけですね。そういう意味からすれば、そんな形の考え方じゃなくて、やっぱり半年なら半年いいですよと、1年なら1年、何も今のところ計画がないのでどうぞと。ただし、この間は区がどうしても剪定だとか草刈りで使うから使えませんよとか、そういう柔軟な姿勢でお貸ししたらどうかと思っているんです。
私はここであえて提案しておきます。先ほどドッグランの問題が出ましたが、ドッグランは夢です、中野では今。ここにとりあえず一部、一部ですよ。本町二丁目にドッグラン、それから、本町五丁目はスポーツ広場。あれだけの平坦の土地という、樹木は結構ありますけども、スポーツ広場として開放する。それも地域の人たちに相談して、地域の町会だとかボランティア、それも土曜・日曜だったら地域の人たちは協力してくれます、運営ということか、当番といいますかね。そういう形で、できるだけ役所に負担をかけずに、経費を使わずに、みんながそこを有効にする。そして、初めてそこで皆さんがまちへ行って、これは防災まちづくりの拠点であり起点であるんだと、だから、皆さん協力してほしいと言わないと、本町二丁目なんて協力しませんよ、そんなことをやっていたら。何なのということになってしまう。私はそう思うの。それはなぜかって、毎日そういう声が来るんですよ、どうして使えないのという形で。極端な人は、草刈りもやってあげてもいいというぐらいに言っている。そういうやっぱり市民の声を生かすためには、そういうところから役所と地域が一体となるというふうに私は考えるべきだと思います。これが最後の質問。ぜひ、どういうふうに考えているか、再度お答えいただければと思います。
○角南部地域まちづくり担当課長 本町二丁目のところで、地域の方々の協力を得ながら、そういったまちづくりの機運を高めていくというのは、そのとおりだと思っております。ただ、暫定できるケースというのも幾つか、跡地自体の条件整備が必要となるのかなと思います。用地が仮開放とか、暫定利用しても差し支えない程度に安全である場合というところで、例えば今、御指摘いただきました本町二丁目の郵政宿舎につきましては、敷地内に1メートルから1.5メートルの段差があることとか、あとは、敷地全体が小さながらが多い状態になっていますので、これらを改良しなければいけない。それから、本町五丁目のNTT社宅跡地につきましても、こちらのほうも、従前の敷地の段差をなくすために広い範囲で盛り土をしておりまして、入ると地面がやわらかくて、一部5センチ程度沈む状態がありまして、現状ではすぐの利用というのは難しいので、一定程度の仮工事をする必要性が出てくるということがございます。こういった条件を整えること、それから、先ほども言いましたが、事業計画というのを固めまして、暫定利用についても、できる条件が整えば考えていきたいというふうに思っております。
○江口委員 基本的にはやらないという答えなんでしょうけど。そんなのは、そういうことこそ区民と相談して、使うことによって、広場がない中野区なんだから、そのために買ったんでしょう。そういう意味での利用をしていただいて、最後は防災機能を持つ広場ということをやって、夢をやっぱり区民に与えるのが当然だと思うし。例えば変な話、そんな難しいことを言わないで、転圧ローラーをかけるとか、そういう形で十分に使えるわけ。そんな本格的に使おうなんて思っていないんですよ、区民は。だから、そういうことを踏まえて、やっぱりもうちょっと前向きな形を考えていただかないと、私、今後どうなっても知りませんよ、これ。それだけは言っておきますから。別におどかすわけじゃないんです。なぜかというと、これは本当に区民の願いですから。
最後にここだけ、今、五丁目のNTTの跡地は万年塀なんですね、昔から。耐震の場合の問題は必ずブロック、万年塀というのは大きな話題になりました。これはどうされますか。
○角南部地域まちづくり担当課長 まず、江口委員につきましては、今後ともまちづくりに御協力いただければというふうに思っております。
それと、あと、万年塀についてでございますが、おっしゃるとおり、いざというときに広場としての機能もございます。できるだけ早い時期に万年塀の安全性について調査などを行いたいというふうに考えます。
○江口委員 御協力しますので、ぜひ皆さんも御協力いただければと。ありがとうございました。結構です。
次に、システム構築事業の選定について伺います。
平成20年第3回定例会一般質問で、私は、区が事業者選定の透明性を確保するため、だれでもわかりやすい明確な基準を定めていただくために質問をいたしましたが、詳細にわたっての質問をすることができませんでしたので、この企画提案方式による事業者選定の経緯について、確認の意味を込めて何点か伺わせていただきます。
初めに、この中央電算システム構築に応募した業者は何社ですか。
○藤井情報化推進担当課長 このプロポーザルに参加した事業者は、4グループ6社です。
○江口委員 一般質問の答弁で、答弁を西岡副区長からされたんですけど、結果的に第1次選考を通過した1位業者のみが第2次の選考に進み、ヒアリングを受け、事業者として決定したとの答弁がありましたが、その理由を詳しく教えてください。
○藤井情報化推進担当課長 昨年の答弁でも話があったかと思いますけれども、1次選考の段階で1位と2位以下の差が大きく開きまして、プレゼンテーションに配点していた点数では逆転が不可能だったということから、2位以下の事業者に過度な負担をさせないようにというふうに配慮をした結果、1位業者についてだけまずプレゼンテーションを実施していただいたというところです。
○江口委員 そのことについては後ほどまたお聞きしますけど、私はこの件についてはある事業者から苦情を受けました。区からは、価格面、リスク面、ハードウエアのオープン調達面が大きなかぎとなっているとの回答があったそうです。こうした重要な条件は、応募する事業者が安易に判断できる仕様書になっていたのか、お伺いします。
○藤井情報化推進担当課長 この提案の仕様書につきましては、外部の専門事業者とも協議をして作成いたしたものでして、価格面、リスク面、ハード面等、マイグレーションについての実際のノウハウ、経験がある事業者であれば判断ができる仕様書になっていたというふうに考えております。
○江口委員 また、事業者説明会で、価格面やリスク面、ハードウエアのオープン調達面での第1次選考を行い、区の要求水準に満たない場合は第2次選考に進めないということが十分に応募した事業者に説明をされていたんでしょうか。
○藤井情報化推進担当課長 説明会では、区の要求水準に達していなければ2次選考には進めないというふうには説明しておりませんでした。それにつきましては、区側といたしまして、1次選考でそれほどの大差がつくということはちょっと想定していませんでしたので、プレゼンテーションで逆転の可能性のある事業者が3事業者程度2次選考に進んでいただいて、2次選考を3社程度で実施するという予定をお話ししてありました。
○江口委員 それでは、今回のシステム提案に当たりまして、応募書類の名称と提出部数、そして、事業者の作成期間はどのぐらいだったんでしょうか。
○藤井情報化推進担当課長 少し細かくなりますけれども、提出していただく書類といたしましては、会社概要が5部、財務諸表3カ年分が5部、見積書が5部、見積明細書が5部。見積明細書については様式が3種類あります。あと、ハードウエア関係の見積明細書が同じように5部。提案書が16部及び製本と電子媒体、これについてはCD-Rで納品と。あと、サンプル試算の提供をしてありまして、実際にマイグレーションが可能な事業者であるかどうかの判断をするために、そのサンプルを使って実際にマイグレーションをした結果ができれば、それを提出していただくということになっていまして、サンプル試算の活用状況説明書を16部。これについても電子媒体での、CD-Rでの納品も求めていました。
○江口委員 期間は。
○藤井情報化推進担当課長 期間につきましては、説明会以降4週間程度とっています。
○江口委員 そうすると約1カ月ですよね。これを1カ月で準備するためには、事業者がどれほどの作業時間と人員、金額がかかると考えておりますか。
○藤井情報化推進担当課長 今回の中央電算の再構築につきましては、単純に知識があるというだけではなくて、経験、ノウハウもあるということを前提としておりましたので、それだけの経験、ノウハウのある事業者であれば、4週間程度でそういう書類については整備できるというふうに見込んでおりました。価格、どれぐらいの経費がかかるかということにつきましては、事業者の力量といいますか、体制によっても異なるというふうに考えますので、それについては特に見積もりはしておりません。
○江口委員 そうすると、これだけの労力と、1カ月間だけですよ。時間をかけて、1カ月間の間ということは、これは当然、これで当たり前だと、発注側としては。そういうふうに思われるんでしょうか。
○藤井情報化推進担当課長 プロポーザルの提案参加に際しまして、その提案費用につきましては、提案事業者側の経費とするということを仕様書に明記してありましたので、どの事業者さんにつきましても、その経費についてどの程度かかるということを見込んで、リスクを勘案した上で参加されたものと思います。また、それが不可能だというふうに思われた事業者さんについては、実際に参加されなかった事業者さんもあろうかと考えております。
○江口委員 ありがとうございました。
じゃあ、次の質問に入ります。区では20年3月に情報システム調達ガイドラインを策定しました。区の情報システムの調達はすべてガイドラインに基づいて行われたと思いますが、その中に、提案依頼書の作成という項目の(1)にプロセスの説明があります。そこには情報システム調達の概要、要求事項、条件、手続など必要事項を網羅し、複数の提案業者からできるだけ有効な企画提案書を引き出せるように作成するとあるが、今回の調達仕様書はそのようにきちっとしたものになっているのか、担当の課長に伺います。
○平田情報政策担当課長 委員のただいまの御質問にお答えいたします。
調達ガイドライン自体は平成20年3月の策定になりますので、今回の中央電算再構築の期間はまだ策定作業中だったんですが、十分調整を図りながら行っておりまして、今回の仕様の内容につきましては、特に調達ガイドラインの策定方針に準拠していると考えております。
また、今回の提案依頼書につきましては、素案作成の段階で外部の専門家に素案の作成を依頼しておりまして、区でその内容を十分吟味した上で提案依頼書として使用しております。ですので、今回の仕様書につきましては適切なものであったと考えております。
○江口委員 それではもう一つ、ガイドラインの提案書の評価では、プロセスの説明として、提案依頼を行った後、評価メンバーは業者から提出された提案書を中立的な立場で、業務面、技術面など多角的な視点で審査し、落札予定者もしくは優先交渉者を選定するとあるが、今回の中央電算システムの再構築はこうした考えのもとで確実に行われたと思っておりますか。
○平田情報政策担当課長 情報システムの選考につきましては、業務に精通した担当者、それから、情報システムに精通した担当者、それらの者で構成する審査委員会が必要だと考えております。したがいまして、今回の審査委員会につきましては、情報システムの事業者と何ら利害関係を持たず、かつ業務知識としても適切な構成員で選定されていると考えております。
○江口委員 それでは、再度お聞きしますけど、第1次選考の評価基準について、ガイドラインに沿った適切な基準であると考えておりますか。
○平田情報政策担当課長 調達ガイドラインでは、情報システムの特性に合わせて個々の評価項目は設定することを想定しております。したがいまして、今回の評価基準につきましては、手順及び検討するべき事項については調達ガイドラインに準拠しており、評価項目につきましては、個々の情報システムの特性に合わせた適切なものであったと考えております。
○江口委員 先ほど藤井課長がお答えになった部分ですけど、一般質問の西岡副区長の答弁では、プレゼンテーションを1次選考の1位業者にしか実施しなかった理由は、1次選考終了時点において1位業者と2位業者の得点に大差がつき、プレゼンテーションで仮に1位業者が零点で2位以下の業者が満点となったとしても、逆転することが不可能な状況にあったからという言葉がありました。こうした取り扱いも区の調達ガイドラインでは十分に想定していて、特に問題はないと、今後もあり得ると、そういうふうに考えているんでしょうか。
○平田情報政策担当課長 調達ガイドラインでは具体的な提案競争の実施方法については定めておりませんので、個々のシステムの特性によって適切な実施方法を選択することを想定しております。ただし、評価項目につきましては、今後CIOオフィスのほうでも十分に事前精査して、適切な評価項目の設定を目指していきたいと考えております。
○江口委員 それじゃあ、改めて伺いますが、このマイグレーションの提案の選考にかかわった委員をお答えください。
○藤井情報化推進担当課長 今回のマイグレーションの選考委員会では、計画財務担当課長、評価改善推進担当課長、政策室担当副区長及び情報化推進担当課長の4名でした。
○江口委員 中野区のIT部門のCIO、最高責任者であります西岡副区長に改めて伺います。第1次選考の評価で1位業者のみになるような評価基準や選考に当たった評価メンバーの資質は適正なものだったと断言できますか。
○西岡副区長 選考メンバーは適切であったというふうに考えます。先ほど課長から御説明しましたように、経費面、技術面、それから、業務効率面についての各責任者と、情報部門を統括する私がメンバーということで、体制的に不備はなかったと思っています。また、手続的にも、2次選考によって逆転の可能性がないというふうに判断された場合でございましたので、特殊な場合でございましたので、2次選考にかかる負担を、業者に余計な負担をかけるべきではないという判断から行ったものであって、そういった判断も適切であったというふうに考えております。
○江口委員 私は、今回の業者選定では、その選定に伴う評価基準とか、先ほど問題がないと言われた選考メンバーの資質に問題があるのではないかと考えております。これからなるべく多くの事業者が参加できるような取り組みを今後検討すべきと考えておりますが、いかがでしょうか。
○篠原経営室特命担当課長 契約担当におきましては、本年の1月になりますが、総合評価方式を基本といたしました企画提案公募型事業者選定の試行基準、こういったものを策定いたしまして施行したところであります。この試行要領におきましては、各事業部が企画提案型の事業者選定を行う場合につきまして、その件名、それから、企画提案で行う理由、そのほか仕様書、それから評価の観点、基準、それから配点、それから、選定委員の名簿などをあらかじめ契約を所管する副区長に提出することになっております。こうした中で、副区長を委員長とする選定委員会、ここで公募の適否、審査基準等の審査をしてございます。配点や外部委員とか、そういったものの御提案もありましたが、そういった提案についても、こうした中で議論をしていきたいというふうに考えてございます。
○江口委員 ぜひもう少し、私からすれば中立・公平ということを考えてお願いできればということを要望しておきたいと思っております。
次に、資料要求した総務79について何点か伺わせていただきたいと思っております。
初めに、6月から7月に行われた西武新宿線沿線まちづくり計画策定業務の選定経過について伺います。この選定委員会の委員構成と委員長をお答えください。
○萩原西武新宿線沿線まちづくり担当課長 この委員構成、委員長につきましては、西岡副区長、都市整備部長、産業振興参事、都市計画担当課長、西武新宿線沿線まちづくり担当課長の5名が選定委員でございまして、委員長は西岡副区長でございます。
○江口委員 この現年度分の契約を資料として出させていただきましたけど、他の部では部長以下関係する部課長が構成員となっているんですね。なぜこの案件だけが西岡副区長が構成員になっているんですか。
○萩原西武新宿線沿線まちづくり担当課長 連続立体交差事業は中野区にとりまして初めてのことでありまして、連続立体交差化にあわせて行う沿線のまちづくりの経験のある職員が都市整備部にいないために、国土交通省時代に連続立体交差事業やそれに関連するまちづくり等の経験のある西岡副区長が選定委員長にふさわしいというふうに判断をさせていただきました。
○江口委員 それは委員長としてお願いしたのか、それとも西岡副区長からやりたいと、どっちなんですか。
○萩原西武新宿線沿線まちづくり担当課長 先ほど述べましたような理由によりまして、専門知識を有しているという関係から、西岡副区長が委員長になるのが自然であるというふうな判断をいたしまして、都市整備部として西岡副区長に委員長就任を依頼いたしました。
○江口委員 それでは、選定された社団法人日本交通計画協会は国の外郭団体だと思いますが、どこの省の外郭団体か、お答えください。
○萩原西武新宿線沿線まちづくり担当課長 ここの法人の所轄官庁は国土交通省でございます。
○江口委員 国土交通省の外郭団体が参加したプロポーザルの事業選定の委員長に国交省出身の西岡副区長がなってもいいんでしょうか。
○萩原西武新宿線沿線まちづくり担当課長 この選定委員の決定は募集の開始の前でございまして、実際どのような業者が応募するかというのはその時点では不明でございます。また、選定委員がだれなのかというのは、このプロポーザル完了までは非公開としているために、応募しようとする業者が区の選定委員がだれかということも知ることができません。このために、法的透明性についても、その時点では問題ないというふうに思います。しかしながら、今回たまたま、今、委員御指摘のようなことも踏まえまして、今後は、例えば私なんかは東京都から来ているんですけれども、東京都の外郭団体が応募するような可能性のあるものには入らないとか、委員構成についてもさらなる透明性が確保できるように心がけていくべきではないかというふうに考えております。
○江口委員 私が聞いているのは、選定のほうの事業者がだれが入るとか入らないかじゃなくて、それは事業者のほうはだれが委員長かどうかとわからないのは当然なのでね。わかったら困ることですから。そういうことじゃなくて、最初からこういう形でいけば、専門的な立体事業をやっているわけでしょう。それで入れたんでしょう、委員長として。そういうと、そういう関係するところが入ってくるという想定というのはつくじゃないですか。そういう場合には、もともとそれは御遠慮していただいて、部内か外部、私がさっきから言っている外部の人を入れてやるというふうになぜしなかったのか。
○萩原西武新宿線沿線まちづくり担当課長 募集の時点では、そのような国の外郭団体の業者が募集するということは残念ながら想定はしていなかった結果でございます。
○江口委員 それでは、この提案書は事業者名が特定できるものなのか、または事業者からヒアリングは行ったんですか。
○萩原西武新宿線沿線まちづくり担当課長 募集時に公表した技術提案書作成要領では、提出者である企業の名称を記載しないことというふうにしておりまして、技術提案書のみで事業者を特定することはできないようになっております。また、そのほかの提出書類では事業者を推測できる可能性もありますけれども、それらの書類は事務局内で厳重に保管されておりまして、選定委員は、どの業者が応募してきたのかというのは選定が終わるまで業者名すらわからないというふうな状況であります。それから、ヒアリングについては行ってございません。
○江口委員 事業者名を隠しても、これまでの実績とか取り組みの例などを見れば、安易に事業者を特定できるんじゃないでしょうか。
○萩原西武新宿線沿線まちづくり担当課長 プロポーザルの書類の中で、過去の実績ですとか、そういうものにつきましては、事務局側のほうで見る書類ですので、事業者を特定することはできません。また、先ほど申し上げたように、技術提案書の作成においては、提出者で企業の名称を記載しないこととされておりまして、また、事業者が特定できるような、過去の実績等から容易に想定できるような場合には、その時点でその企画提案書が無効というふうになっておりますので、選定委員が応募事業者を特定するといった、知り得る、想定するということは不可能だと思います。
○江口委員 それでは、この案件の契約事業者の次点の事業者とはどのぐらいの差があったか、お答えできますか。
○萩原西武新宿線沿線まちづくり担当課長 満点が615点ありまして、第1位の業者が472点、2位の業者が433点で、間は39点の差があります。
○江口委員 今の業務の事業者の選定の結果というのは公表はできるんでしょうか、それとも資料要求したら選定の詳細というのは公表はできるんでしょうか。
○萩原西武新宿線沿線まちづくり担当課長 プロポーザルの選定自体は完了しておりまして、原則としてすべて公表することはできます。ただし、技術提案の内容、それから、それぞれの業者の順位と名称、点数等については、著作権、それから知的財産権、それから企業情報の保護の観点から、その部分については非公開としております。これについては、他の自治体についても同様の対応を図られているというふうに聞いております。
○江口委員 それはやろうと思えばできるんですか、公表は。
○萩原西武新宿線沿線まちづくり担当課長 まず、募集時において、技術提案の内容については提出者の著作権ということになっておりますので、それについては公表することができません。それから、やはりどこの業者がびりだったとか上だったかというのは、企業の、応募した業者の提案力が低いとかということを客観的に区が言うような形になると思いますので、そういうことはできません。
○江口委員 できないわけですね。わかりました。
それでは、たしか評価は全員の点数で私は行っていると思っているんですね。これはこれからの中立・公平ということを考えたら、今言ったように、上位と下位を外して点数をつけるとか、評価するとか、そういうような工夫はできないんでしょうか。
○萩原西武新宿線沿線まちづくり担当課長 今後、プロポーザルもやっていく中では、そういったことも含めて検討していきたいというふうに思います。
○江口委員 最後に、昨日も西岡副区長が御自分の役割をしっかりと答えておりました。しかし、副区長が就任して以来、区役所内に国交省の外郭団体の姿が私は多くなったと思っているんですね。区役所に出入りしている独立行政法人都市再生機構は国交省のOBの役員が7人、先ほどの社団法人日本交通計画協会は国交省OBの役員が3人、いわゆる国の天下り団体が区の業務を受託しております。業務の受託自体を私は悪いと言っているわけではありませんけども、現在、国では渡り・天下りを廃止する公務員改革、その審議が行われております。こうした状況の中で、やっぱり区民や議会に不信を抱かせるような不透明な事業者選定、早急に見直すべきだと考えておりますが、契約を担当する、所管する責任ある立場の理事者からこのことについてどう思うか、お答えください。
○石神副区長 契約に関することについては、これは公平でなくてはいけないですし、これは公正に行われるということだろうと思います。また、結果については、今、既にいろんな事業については公表されております。プロポーザルにつきましても、部分ではありますが、区民の関心が多い部分であるとか、そういった部分については経過を含めて、また、場合によっては業者選定に必要な項目について意見を聞くとか、いろんな形で区民の方に理解を求めるような形をとってきております。ただ、これについてはルールがはっきりしておりませんでしたので、先ほど担当の課長が言いましたように、この1月から第三者的にそのプロポーザルがいいのかどうか、向いているかどうか、それにあわせてプロポーザルの点数のつけ方が適切であるかどうか、これを調査してオーケーを出すという手順をとっております。私どもでは、今までもそういった問題を起こすような形での選定をやったつもりはございませんが、そういうように見えてしまうということは非常に問題が多いというふうに思いますので、これからは手続も含めて公開ができるような形、また、公平な形で行われているということが見えるような形にしていきたいというふうに思っております。
○江口委員 ありがとうございました。
次に、子育て支援のところに入ります。
保育園の待機児対策について若干お聞きしたいんですが、本会議ではうちの岡本議員、また、総括でも同僚議員から数多くこの待機児童のことに対しては質問が出ておりました。新年度は190人と予想されておりましたけども、解決策は答弁の中では出ていなかったやに聞いております。見直す見直すといっても、すぐにでも緊急対策を私はとる必要があるのではないかというふうに思っているんですけども。昨日、厚労省が緊急対策として、保育所に対する、施設に対する助成、それから、保育ママのゼロ歳から2歳を就学前児童までの緩和ということが打ち出されて、4月から何とか取り組みたいという発表がありましたけども、そういうことを踏まえて、本当に緊急対策、杉並区が緊急対策を発表しましたけども、中野区にとりましても、緊急対策としてこれをやるということはどのように考えているのか、お答え願います。
○白土保育園・幼稚園担当課長 待機児解消対策といたしましては、従来から区立保育園の民営化による定員増や認証保育所の開設誘致、それから家庭福祉員の増員、これを行ってまいりましたが、これらに加えまして、緊急対策として認可保育園の分園のための経費を当初予算に計上してございます。さらなる緊急対策という御質問でございますけれども、どのような方法が可能かにつきまして、現在、施設の全体配置や活用のあり方などについて庁内で検討してございますので、その検討結果も踏まえて検討していきたいというふうに考えてございます。
○江口委員 ぜひ杉並がやったように、区の施設を使って緊急対策ということでこのまず1年は乗り切ろうと。それでも多分待機児は出てしまうという部分があるけども、できるだけ前年度よりも少ない形でやりたいということを各区とも打ち出しているのに、中野だけが遅くて、頑張れ頑張ると言うだけなんですが、これは早急にしないと、皆さん4月1日からの入園というのを待っているわけですね。課長も、入れない人の気持ちというのは十二分にわかっていると思うんですけども、これは本当に経済対策じゃないけども、家計、家に響いてしまう、家族に響いてしまうという重大なことなんですよ。そのためにやっぱり行政、特に中野区、自分たちの住むまちの区がどこまで応援してくれるんだろうということが中野に対する愛情であり愛着であり感謝なんですね。そういう意味でやっぱりこれは早急にやらなきゃいけないので、まず最初の示し方としては、例えば分園をする旧東中野保育園、7月と言っていますけども、もともとあそこは保育園の跡じゃないですか。この間まである団体が使っていたわけじゃないですか。ちょっと修理すれば済むことなので、緊急ですから。これは5月ごろからとか、せめて、予算が通ったらすぐにやるとか、できないんでしょうか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 まず、分園のための設置運営事業者、これを選定しなければならないということがございます。分園の要件につきましては幾つか定められておりまして、この条件を満たす区内の私立保育園を対象にして、運営実績等を見まして選定することを考えてございます。また、必要な備品でございますけれども、廃園の際に区立保育園などに持ち出していることもございまして、備品の購入もしなければならない。また、分園のための認可内容の変更手続、これにも時間が要するということを考えますと、7月の開園の前倒しにつきましては厳しい状況でございますが、可能な限り努力してまいりたいと考えてございます。
○江口委員 ぜひ、本当にこれだけの数の待機児の人たちが出たときの、その人たちの家族、それからまた友人、その人たちの嘆きというのは相当なものだと思うし、これは絶対避けなきゃいけない。そのために緊急対策という言葉が出ているので、ぜひこれからも早急に部内、事業部内で考えていただいて、どうすれば一日も早く待機児の人たちに措置ができるだろうかということを考えていただく、これだけぜひお願いする、要望にしておきます。
次に、乳児室の問題です。これは本会議でも出ておりましたけども、おむつのかえや乳児室、赤ちゃんほっとスペースという名称で今やっているんですけど、これは中野区は本当に設置が少ないと思うんですけど、いかがでしょうか。
○瀬田子ども家庭部経営担当課長 現在、中野区内で赤ちゃんほっとスペースを設置している場所、全部で53カ所、ことしの2月現在でございます。地域センター、保育園、児童館等の公共施設、地域センター等を含めまして30カ所、それから民間施設、これはJRですとか西武線等の駅を含めまして23カ所で整備をしてございます。なお、機能別といたしまして、授乳室の整備が27カ所、おむつがえシートの整備が53カ所になってございます。
○江口委員 少ないと思いませんか。
○瀬田子ども家庭部経営担当課長 やはり子育てに優しい環境づくりという意味で、さらなるこういった整備については充実が必要だというふうに認識してございます。
○江口委員 例えば中野坂上のサンブライトツイン、あそこのビルは、土・日というのは普通一般の人は入れないんですよね。そこがなっているんですよね。ほとんど出かける場合は土・日なんですよ。とか休日ね。そのときにどうしても利用したいな、それから、それがあれば行きやすいなということなので。やっぱり場所なんかもしっかりと、きちっともう一度見直して、これだけのシートというか、動きが始まったんだから、ぜひ優しいまちということを、本当に見えない、気づかない部分でしょうけども、そういうお子さんを持つお母さんたちは、やはり私たちにもなかなかないと。特に中野駅周辺ということでこれからにぎわいのあるまちをと一生懸命打ち出している割には、区役所にあるんですけど、区役所はやっぱり土・日って入りにくいですよね。裏の守衛室に、警備の人に言えば入れるかもしれないけども、正面玄関は閉まっていて、一般の人は夜間入り口は知らない。それで、前ので久保議員がサンプラにということをお願いしたんですね、区長に。区長は考えますと言ったけど、サンプラに実現できましたか、この部屋は。
○瀬田子ども家庭部経営担当課長 サンプラザのほうに以前、ほっとスペースの設置につきまして照会いたしましたところ、当面の整備についての予定はないとの回答でございました。サンプラザの施設は、区内の大型施設の一つとして、また、年間を通じて利用者の多い、非常に公共性の高い施設ということで認識してございますので、区といたしましても、さらに整備に向けて積極的に働きかけていきたいと考えております。
○江口委員 中野の顔と言われるサンプラ、区役所、そういうところにこれがない自体が、もう姿勢が悪いんですね、区の。やっぱりサンプラの場合は、検討していないじゃなくて、させなさいですよ。検討しなさいと。というぐらいな形でやることによって、中野へ来たときに一番利用しやすい場所なんですね。先ほど言われたように、さまざまな演劇だとか、そういうのも含めて来る人たちも多いわけでしょう。そういう意味で、まずそういうところをぴしっとやって、それから50何カ所になりましたけども、さらにふやしたいとかですね。たしか新年度では10カ所ということでしょうけど、まだまだ商店街にも足らないし、そういう前向きな姿勢で臨むことによって初めて支援という言葉が出てくるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○瀬田子ども家庭部経営担当課長 御指摘のとおりだと思ってございまして、サンプラザにつきましても、さらに積極的に、できるだけ早期の整備に向けて働きかけていきたいと思ってございます。また、こういった整備につきましては、東京都のほうでも助成の制度等も充実してきてございますので、そうした利用も含めまして、商店街、また他の利用の多いところを中心に、計画的に整備につきまして働きかけていきたいというふうに思ってございます。
○江口委員 ありがとうございました。
もう一つ、子育て支援という中で、子どもたちの文化芸術の支援ということでちょっとお聞きしたいと思います。文化芸術活動を通じて子どもたちの活動を支援する文化庁をはじめとして、東京都も含めて、どんな支援があるんでしょうか、団体だとか、そういう人たちに対して。
○竹内教育委員会事務局次長 主にはそういった活動をなさる団体への助成の制度が中心だというふうに考えてございます。例えば子どもを対象とした団体の取り組みに対する助成の制度といたしましては、財団法人伝統文化活性化国民協会が行う伝統文化こども教室、それから、独立行政法人国立青少年教育振興機構が行う子どもゆめ基金、それから、独立行政法人福祉医療機構が行う子育て支援基金などがございます。こういったものはそれぞれの省庁の委託を受けて実施をしているものというふうに考えてございます。
○江口委員 その今の支援の情報というのは、区民の方や関係団体にはどのように提供しているんですか。
○竹内教育委員会事務局次長 こういった特に助成の制度について、すべて区に募集の通知があるというものではございませんけども、募集のあったものにつきましては、例えば教育委員会のホームページに「文化芸術振興に関する助成金等のご案内」というようなコーナーを設けて周知をしたりですとか、それから、過去に申請をされた団体には個別に御案内をしたりと。それから、先ほど申しました子どもゆめ基金のように、健全育成活動の振興を目的としたようなものにつきましては、青少年育成団体の代表者が集まる会議等で案内を配布して周知するなど行っております。
○江口委員 過去に助成を受けた団体というのは情報提供していますというけど、どのぐらいの団体があるんですか、数的には。
○竹内教育委員会事務局次長 それは助成金によりまして、例えば同じ事業で数年間助成が受けられるというような場合に行っているものでございまして、数としては、昨年度から今年度にかけては1団体でございました。
○江口委員 基本的には、本当の形、本来の形で情報提供というのはされていないと私は思っているんですね。それから、情報提供も非常に遅過ぎる。例えば文化庁が発表していても、中野区のホームページには載っていないというケースだとか。やっぱりこの辺はしっかりと情報収集をするなり、また、ホームページにしても目立つような形でやりませんと、せっかく申し込みをする期間を逃してしまえば、1年間の事業ができなくなってしまうという部分もあるわけですから、ぜひその辺は素早くというか、正確にやっていただきたいなと思っております。これは私、分科会なので、また改めてそこでやらせていただきます。結構です。
次に、平成20年度に区が後援して、独立行政法人福祉医療機構子育て支援金助成事業を活用して、さまざまな団体が子どもアートに関する活動、子育て支援活動を展開するため、先ほど言った旧東中野保育園にキッズアートハウスが100日間、子どもとアートが出会う場所、みんなの夢を形にする場所として実験的に開放がされました。NPO法人が運営を行いましたが、区も本会議で高い評価をいたしましたが、そこで何点かこのことについて伺いたいと思います。
この法人にこの場所を貸した理由は何でしょうか。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 本年度当初、この当該の団体から御相談を受けまして、ちょうど保育園を廃園した後、普通財産としておりました場所を私どもが管理しておりましたので、そういったところで御活用について助言をしたというところでございます。
○江口委員 そのキッズアートハウスの事業に対して区は助成金を出されたんでしょうか。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 私どもといたしましては、本年度のこの活動につきましては、直接的な金銭的な支援というものは行ってございません。
○江口委員 支援をしていないと。家賃は幾ら取りましたか。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 区の普通財産の貸し付けの一般ルールにのっとりまして算定をした金額の9割減額をするという形で貸し付けをいたしました。その理由としましては、今、委員おっしゃられたように、区が協働して実施をするというような、後援を行ったというようなことがございまして、逆説的な言い方をいたしますと、その9割部分については区が負担をしたということでございます。
○江口委員 幾らなのか。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 100日間で43万円余でございます。
○江口委員 私もこの事業を視察させていただきました。この短期間で子どもアートの力で人をつなぐ場の提供とか、さまざまな子育て、教育、アートの団体とのネットワーク、非常に頑張っておりました。このまま終わらせるより継続ができないかなということで、団体の皆さんに要望もし、お話し合いをしました。しかし、朝から夜遅くまで担当するということは大変だということで、みんなで協議させてほしいということで、協議した結果、せっかくこれだけネットワークが広がったので、ぜひ使えるものなら継続したいということで、私自身が区のほうに、これをぜひ延長して、事業はそこで終わっていますけども、貸してもらえんかと、今あいているんだからということでお願いをしました。当初、区はオーケーですよという簡単な話でありましたので、早速、NPO法人は担当のほうに延長のお願いを文書として出せというので出したと思っております。
しかし、いきなりその後、実は貸せないという。どういう理由かというと、認可保育園があそこの日本閣の問題があったとかいうことでだめだと。確かにそうだなと、緊急対策で何かあそこは使わなきゃいけないのかなと思って言って、その後の今度理由が、東中野図書館が上にありますので、図書館を広げたいので、図書館の分園みたいな形で広げるという形で来て、断られたんですね。それで、いまだに図書館にはなっていないんです、図書館は上だけ使っているだけで。昨日も見てきましたけども、いまだに空き室ということなんですね。
そういうふうにころころ変わっていながら、延長した結果どういうことになったかというと、たまたま11月3日が期限切れでしたから、その間の前後で話し合ってもおりましたので、1カ月間延長は結構ですと言ったんですけど、1カ月間延長して、その延長理由は何かといったら、引っ越し準備のためなんですね。家賃も取られたんですね、たしか。そういうような形をとられた。今、空室なんですよね、ずっと。それで、最初言っていることが全部話が違っているんですけど、その辺の理由は何なんですか、本音は。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 いろいろ紆余曲折があったということで、団体の皆様には御迷惑をおかけしたというふうに思ってございます。ただ、この事業、当初から区と団体との間のお約束としまして100日間ということでございました。その後、延長を図りたいという御相談をいただきました。ただ、先ほど委員から御説明があったように、その当時、東中野地域の認証保育所の問題がいろいろございまして、こちらの跡施設の活用について、確たる方針を定めるというところにはない、かなり流動的な要素というのが持ち上がってまいりました。そんなところで、30日間の延長ということで御容赦をいただいたという経過がございます。
○江口委員 いや、それじゃあ納得ができないのでね。その間、何もしなかったじゃないですか、今日まで。あいているじゃないですか。団体としては2カ月でも3カ月でも、その都度その都度でもいいから、とりあえずあいている期間中だけはこのネットワークを広げるチャンスなので、100日間という経験を踏まえた上で、どこからも援助を受けず、自分たちのお金で運営するということも含めてやろうとしたのを、なぜそこでとめてしまったのか。そういう意味で、なぜなのかと。全然、だって、本当に保育園の緊急保育対策にしようと思ったのか、図書館にするかと、文教委員会でも何も報告なんかないですよ、そんなの。ところが、断る理由の中にどんどん出てくるだけなので、それは何でですかと聞いているんです。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 先ほどの答弁、繰り返しというふうになりますが、認証保育所問題が起こったというところです。緊急に活用をするという可能性もあったわけでございまして、結果としまして、その後、空き室状況が今も継続をしているというところでございますが、その時点での判断といたしましては、継続してお貸しをするということが判断できなかったということでございます。
○江口委員 私からすれば、方針も何も決まらないで、その団体に延長して貸したくなかったというだけだと私は思っているんですね。要は、せっかくネットワークができて充実した、その中で、どうしてあそこの団体だけ貸すのと、そういう声も聞きました。しかし、あそこはその団体が使ったんじゃなくて、団体が運営して諸団体にお貸ししたという、そういう経緯がわかっていない人がそういう声を出したということも聞いております。そういう意味でやっぱり、ここであれだけのものができた、私としてはすばらしいものだと思います。大変皆さん努力されて、御苦労もされたと思う。そういう事業をやっぱりとめたというのは、責任が私はあると思うんですね。せっかくここまで来て、うまく盛り上げてきたのを、民間がですね。それをやっぱり、そのことによって、たった一つの答えだけでとめてしまったと。その辺の責任というのは感じていないんですか。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 先日の本会議でも答弁をさせていただきましたが、この団体の事業の成果、これについては十分私ども評価をしているところでございます。先ほどからの御質問でございますが、こういったネットワークをつくっていくというような、私ども区の直営ではできないような事業について、このNPO法人がいろいろ試行的に行ったこと、これらを踏まえまして、今後、私どもの反省点といたしましては、拠点となるような場、これをどうやって支援していけるかといったようなことを再検討させていただきたいというふうに思ってございます。
○江口委員 ぜひ、この間、私もずっと視察させてもらった中で、やっぱり定着した拠点があることによって、それから、場所が非常に駅から近かったということもあって、さまざまな人たちが利用したり、また逆に、懐かしいということで旧保育園の旧父兄会がそこを利用したり、そういうこともやったようです。そういう意味では本当に、ああいうネットワークづくりというのは難しい中、よくやられたなと思っているので、ぜひこれから、今言ったように、拠点の中で、どこを定着した形でやれるかということは前向きに検討してください。ありがとうございました。
次に、これも簡単に、学校再編と小中一貫校、これは、再編の問題は今回さまざまな人がやって、教育委員会は早目に出す早目に出すと、またいつ出すかまで言えない、早急に出すと、これは何年間、1年近く言い続けているんでしょうけど、ぜひこれは出していただきたいんですけど、これは私たち公明党が言っている、この間、小中一貫校、この問題はやっぱり再編計画とは離せない問題であるし、ここで今、本当に踏み出さないと、中野の場合、私たちが提案している小中一貫校、一体型、これはできないと私は見ているんですね。
そういう意味で、先日、久保議員も法務省矯正局の跡地の問題を言いましたけども、私は、中野の場合、今、いろんな条件整備とか考えたときにできるのは、南と法務省矯正局跡地と、あと北、この3カ所ぐらいしか一体型の学校はとりあえずできないのかなと、条件的に。それは、もう一つ私が提案しました二中は間もなく築50年なんです。そうすると建てかえをすると。ところが、先ほどの五丁目の用地は暫定利用させないと言っているから、それは難しいんですけども、本来はあそこを借りて仮校舎にすれば、二中は建て直すことができる。二中は体育館、プールをいじらなくて当面済む。そういう費用の問題ということも含めて、やはりしっかりと今決めないと、これはここで再編と同時に決めておかないと、5年、10年先に決まるという話になったら、何も魅力のない中野区の教育行政というふうになるわけですから、その一つの柱として、もうそろそろ再編と同時に一体校をつくるという方向まで決めたらどうですか。これは教育長か次長、どちらかで。
○竹内教育委員会事務局次長 一貫校のお話でございますけども、私ども、小中一貫校につきまして、また、それに伴って通学区域の見直し、こういったことにつきましても、選択肢としての可能性を除外することなく、幅広い検討を行って、再編の内容を決めていく必要があるというふうに考えております。
○江口委員 ここで私は申させていただきましたので、あとは分科会で細かくやりますので、そのつもりで分科会にお臨みいただきたいと思っております。
その他に入ります。その他で里・まち交流のことをちょっと何点かお聞きします。
最近、商店街の協力でいろんな物産展という形で行われてやっているんですけど、これは向こうから物産展というものを持ってきているんですけど、地元の商店街としてはメリットは何なんですか。
○鈴木産業振興担当参事 産直品を商店街の活動の中にうまく取り入れて、顧客の集客につなげる、そういったこともねらいの一つだというふうに考えています。
○江口委員 向こうからすればそれはいいんでしょうけど、実際には物産展をやっているところで、そこで、じゃあ、流れて商店街で買い物をして帰るという人はいない。物産展のものを買って帰って終わりという形なんですけど、その辺、現実的なことはよくつかんでおりますか。
○鈴木産業振興担当参事 今、一過性のイベントの現在は展開ですので、そういう意味ではなかなか人が商店街に循環しないというような状況であることは確かだと思っています。それも固定した売り場を確保していくということも、商店街に新たな顧客を呼び寄せる一つのコアにはなっていくのではないかな、そのように考えています。
○江口委員 私も物産展ではよく考えたんですけど、物産展というのはやっぱり商店街によっては、この品物は売っては困るということがあって、なかなか商店街がまとまらないという部分があって、御提案することはなかったんですけど、ぜひ、この辺の交流が始まったことはいいんだけど、商店街が今度向こうに行く、交流ですから、行くときに何があるのかというのも含めた交流をお願いしたいということで、もう一つは、商店街としてそこに、大きくいえば市民と入るんでしょうけど、市民との交流というのはこの里・まち交流でどういうふうに考えているんでしょうか。
○鈴木産業振興担当参事 まず、見えやすい形では、産直から入ってきているというのは事実でございます。そうやって食の安全といいますか、生産地を確認できるというような、そういった取り組みから生産地への関心が広まると、そういったところへの滞在型、あるいは農業体験をしたいとか、そういう、人が動くことにつながっていくのではないかというふうなことの期待を考えているところです。
○江口委員 今、話がありましたように、私がさんざん言ってなかなか実現しない都市と農村の共生、杉並なんかはこれで本格的に新年度からこれに取り組んでいくという形で、都会型、それから農村型とお互いに交流して、ないものをやるという。それが、私が提案しているのは防災協定にも将来つながるだろうと思っているんですけど、そういうことはこの中には含まれているんでしょうか。
○鈴木産業振興担当参事 里・まち連携の事業の目的そのものが、やはり今、委員が御提案なさっているところ、都市と、それから農村の新しい共生の姿づくりにあるんだろうと思っています。その姿づくりは、行政が主体になるのではなくて、相互の住民同士が主体的にかかわって、生命線としては人と人がつながっていくということ、それがこの事業の一番の肝ではないかなというふうに思っていますので、徐々に一つひとつのプロジェクトを踏まえながら、人の交流が活発になるように仕立て上げていきたいというふうに考えています。
○江口委員 ありがとうございました。
次の質問です。教育委員会に施設課がなくなりましたものですから、財産管理担当に、これは私、文教ですけど、直接質問することができないので、ここで1点だけ。学校施設の点検というのは、何人の職員とどういう形でやっているんでしょうか、現在。
○安部財産管理担当課長 今、財産管理分野ということで、教育委員会の分野ではなくなったものですから、形式的には教育経営分野から依頼を受けて点検をするという形になっております。実際にどんな形でやっているかといいますと、建築・機械・電気、それぞれの職がおりますので、この職の者4人で1チームをつくりまして、これが五つのチーム、ですから、都合20人ということになるわけですが、このチームをつくって、それが、財産管理分野でつくった点検表がありまして、これをもとにして約1週間かけて各学校を回っております。それで、大体毎年12月ころに点検をしまして、この点検結果をもとにしまして、緊急対応しなきゃいけないものは当然緊急に対応すると。それから、年次計画を変更したほうがいいようなもの、年次計画は後になっていたけど、傷みが早いので先に回そうとか、そういうようなことをするように教育経営分野と調整をしているということでございます。
○江口委員 もう時間があれですから、1点だけ。非常に前々から気になっていることがあるんですけど、資料にも載っておりますが、フェンスの改修というのは何年度、何年度やってもらっていますよね。いつも学校へ行くたんびに屋上だとかフェンスがさびが多いんですね。何でこれをその前に手を打たないのかと言うと、言ってもだめですというのが学校の話です。どこへ行ってもさびが校舎のほうの壁面まで垂れてきたり、屋上に広がったりしているんだけど、これはやっぱりメンテということで点検をやっているのでしたら、早目早目に手を打って、塗装をするとか、さびないものを使うとか、そういうことってなぜこれ、私、30何年議員をやっているけど、ずっとこれが続いているんですけど、なぜでしょうか。
○安部財産管理担当課長 今、屋上防水にあわせて屋上フェンスの取りかえをやっているんですが、これが現状でまだ昭和30年代の後半から40年代の前半のものを取りかえている状況でございます。それで、40年代後半から大体50年代前半ごろ、ちょうど木造校舎を鉄筋校舎に建てかえたころのが残っているわけですが、当時としては最良の品だということで採用したものですが、鉄板をひし形の金網に加工しまして、それを樹脂コーティングしたものを使っております。この樹脂が紫外線でもろくなりまして、とれてしまっているという状況でございます。これを塗装するのには、ケレンというさび落としの作業があるんですが、これが普通の鉄骨と違いまして、鉄骨なんかの場合には電動のやすりで簡単にケレンできるんですが、人力で金属のブラシで落とさなきゃいけないと。外部側については足場を組まなきゃいけないというようなことがございまして、非常に経費がかかるという割には、塗装はあまりもちがよくないというようなことがございまして、現在取りかえるものにつきましては、溶融亜鉛メッキといいまして、送電線の鉄塔に使っている材料とか、あと、鉄道の線に使っている材料なんかを使ってそういうものを取りかえております。そういう、進まないので、できるだけ早く工夫をしながら進めたいと思っております。
○吉原委員長 以上で江口委員の質疑を終了します。
次に、伊東委員、お願いします。
○伊東委員 おはようございます。一般質問に続きまして、総括質疑におきましても自由民主党議員団のしんがりを務めさせていただきます。その重責にたえられるような質問をと心がけてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
質問項目ですが、5番のその他、定額給付金につきまして、これを冒頭に質問させていただきまして、その後は通告順に行ってまいりたいと思います。質問につきましては、理事者の皆様の胸元目がけて直球を投げ込んでまいります。答弁いただける理事者の方々、少なくともそれを後逸するようなことがないように、私のストライクゾーン目がけて投げ返していただけますようお願い申し上げます。まかり間違っても、私がコンクリートの壁相手に1人キャッチボールしているような、むなしい気持ちにさせないでいただけたらと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
それでは、5番のその他として、定額給付金についてお伺いいたします。
昨年からの経済不況については今さら触れるまでもありません。同僚議員の皆さんがこの定例会におきましてもその状況をつぶさに伝えていただいておりますので。そうした中で、政府は緊急経済対策として定額給付金の給付を決定して、今、その関連法案がもうじき成立するかと思っておりますが、定額給付金は、区長も言うように、消費拡大の即効性にすぐれた施策だと思っております。区の定額給付金の早期実施と、それから、同時に行うプレミアム商品券の発行は、的を射た施策だと評価しております。そのために、ただいま庁内では、年度末の多忙な時期にかかわらず、給付金事務に多くの職員の方が休日・夜間を問わず携わっていただいているようです。本当に感謝申し上げております。
しかしながら、こうした給付事務自体、これはこういう非常に即効性を求める施策におきましては、民間に委託して、さらに早期の実施を図ることも肝要じゃないのかなと思っております。このことは、消費の拡大と同時に雇用の促進にもつながるのではないかなと思っております。区のほうでは、定額給付金給付事務を民間に委託する考えはないのでしょうか。
○横山東地域担当課長 ただいま民間委託の活用ということでございましたけれども、包括的な委託ということではございませんけれども、事務の一部につきまして、これから配置予定しておりますコールセンターですとか、あるいは提出されました申請書の開封・点検等、それから、窓口で現金交付することがありますけれども、そういった給付事務への従事者等々につきましては、例えば人材派遣スタッフのほうに委託といいますか、派遣をつけまして体制をとる予定でおります。あるいはまた、申請書等の発送の作業等につきましては、外部に業務委託をするというようなことで考えて進めているところでございます。
○伊東委員 ありがとうございます。中野区は職員2,000人体制を目指すとしております。そうした中で、限られた人材の中で、こうした迅速性を必要とする事業につきましては、どんどん民間の力を活用されたほうがよいかと思いまして質問させていただきました。
続きまして、定額給付金の経済効果について伺ってまいりたいと思います。
最初に、中野区における定額給付金給付総額について再度お聞きします。
○横山東地域担当課長 ただいまのところの見込みでございますけれども、約44億5,000万前後というふうに見込んでございます。
○伊東委員 そうした金額、45億を超える額が確実に消費につながることを願ってやまないわけですけれど、そこで、定額給付金の中野区における経済効果についてお尋ねしてまいりたいと思っております。
最初に、区内の小売店、飲食店等にそうした消費が行われればと思うんですが、その総数、また、そうした店舗の年間の売り上げ等をお伺いして、今回の給付金がどれほど影響力があるのか、お尋ねしたいと思います。
○鈴木産業振興担当参事 先ほど総額で45億弱ということで、それを総務省のほうの試算ですと、ほぼ4割が消費に充てられるだろう、充当されるだろうという一つの試算がございます。そうなりますと、区内で18億という数字が一つはじき出されるんですけども、それを一方で置いておいて、区内の小売店舗、小売の店舗数が2,659です。それから、飲食ですと2,154の店舗数を数えてございます。こういうところでどれほどの消費があるのかといいますと、一つ、都民の暮らしの家計調査から参考の数字を引っ張ってきますと、いわゆる毎月の家計の中で住居費だとか、医療費だとか、光熱水費とか、そういうのを外して、身の回りの店舗でいろいろ買う、食料品をはじめ身の回り品を買う割合が、大体45%の支出というふうな数字がございます。したがいまして、18億が使われるだろうと思って、そのうちの45%がそういう小売、飲食を中心に使われるとするならば、そうすると、区内で8億1,000万が小売店を中心に循環するというふうに今、試算ができるかなというふうに考えています。
○伊東委員 そうした8億1,000万余、冒頭、総務省のほうでは4割が消費に回るんじゃないかという、そうした前提条件も踏まえてなんでしょうけれど、4割なんて寂しいことを言わないで、どんどん使われることを願っているわけですけど。そうした店舗等で一、二カ月、短期間に消費が行われた場合の売り上げに対する割合、効果というのはどれくらいでしょうか。
○鈴木産業振興担当参事 先ほどの8億を数字にしますと、0.2というような数字かなというふうに思います。この場合、飲食がちょっと入らないので、正確な数値とは言いにくいところを御容赦いただきたいと思います。
○伊東委員 それは一、二カ月ということですか。年間。
○鈴木産業振興担当参事 1カ月で試算をしてございます。
○伊東委員 先ほども申し上げましたように、45億弱だそうですね。それが確実に消費につながるようにということが望まれるわけですけれど。今、プレミアム商品券を販売することに向けて、区内の商店街のほうに御協力をいただいているんですけれど、地元の商店街の皆さんにお尋ねすると、ついつい目がプレミアム商品券を受け取った場合の事務処理のほうに行ってしまって、その45億という定額給付金の消費につながる発想というのは、まだそこまで目が行き届いていないのかなと思っております。プレミアム商品券も大切ですけれど、少しでも多くが消費に回るようにということで、区としてはそうした商店街の方々に消費拡大を促す施策を講じていく必要があるんじゃないかと思うんですけれど、その用意はありますか。
○鈴木産業振興担当参事 商店街ごとにいろいろ、セールを行うとか、イベントを予定しているというふうに聞いています。すべてではありませんけれども、そういったイベントのときに一定これまでも、元気を出せ!商店街というようなことで事業補助というものがございますので、積極的に前倒しをしてそういうイベントの企画をしていただけるよう、商店街を通じて働きかけていきたいというふうに考えています。
○伊東委員 ぜひ働きかけのほうを強くお願い申し上げて、この項の質問を終わらせていただきます。
続いて、通告順に従って進めてまいりますけれど、1番の地域センターの(仮称)区民活動センターへの転換についてお伺いしてまいります。
最初に、条例制定について伺ってまいりたいと思いますが、一般質問で、地域センターの(仮称)区民活動センターへの転換について私が質問させていただいて、続けての質問になりますけれど、今回の転換手続でもっともっと丁寧な情報提供、説明があってしかるべきだと一般質問でも意見を述べさせていただきました。区のほうも、区長からそれに努めていくとの御答弁があったやに記憶しております。しかし、今回の委託についてまだ十分に質問し切れていない部分について、この総括の場をおかりしまして質問してまいりたいと思います。質問項目は条例制定ということですが、質問の内容が広範に及ぶことを許されたいと思っております。
まず、委託の方法について伺いたいと思います。公の施設については、その設置、管理運営について地方自治法に定められています。地方自治法の平成15年の改正で、公の施設の管理運営が民間に委託可能になりました。いわゆる指定管理者制度です。区も指定管理者制度を導入し、公の施設24件の管理運営を指定管理者に委託しております。一方、事務事業の業務委託も60件行われています。ほかにも事業そのものの完全民営化もございます。これは今回の総務の資料64から数字を抽出させていただきましたけれど。そこで、指定管理者制度と、それから業務委託、両方とも区はこちらの方法を取り入れておりますけれど、その違いについて伺ってまいりたいと思います。
まず最初に、両者の法的性格の違いについてお伺いしたいと思います。
○田中評価改善担当課長 指定管理者につきましては、公法上の行政処分の一種でございまして、自治体が条例の定めるところによりまして、公の施設の管理権限を指定を受けた者に委任するものでございます。一方、業務委託契約につきましては、私法上の契約と位置付けられておりまして、自治体の個別の業務の実施を契約によりまして相手方に行わせるものでございます。
○伊東委員 続いては、受託主体の制約に違いがあるのか、お伺いしたいと思いますが。
○田中評価改善担当課長 指定管理者につきましては、自治法上、法人その他の団体とされておりまして、個人は指定管理者となることはできないということになってございます。一方、業務委託契約につきましては、特に実施主体の制約はございませんので、法人その他の団体に加えて個人も受託者となることができるものでございます。
○伊東委員 個人の場合には制限がかかってくる場合とかからない場合があるということですけれど。続いて、受託主体を選定する場合の手続の違いはどういう違いがありますか。
○田中評価改善担当課長 指定管理者につきましては、指定の手続を条例で定めることとされておりまして、例えば中野区におきましては、中野区公の施設に係る指定管理者の指定手続に関する条例によりまして、申請の方法でありますとか、選定基準を定めているところでございます。また、公募による募集をすることを原則といたしておりまして、規則で定める申請書などを総合的に審査した上で選定することとしているところでございます。一方、業務委託契約につきましては、自治法の規定に基づきまして、一般競争入札、指名競争入札、随意契約などの方法により契約を締結するものでございます。
○伊東委員 それで、一方、今度はそうした制度を利用して受託していく場合に、それぞれの施設の管理をどのように管理していくかという基準を定めていかなければならないと思うんですけれど、そうした基準を定めること自体、どこが行うか、そうした主体の違いというのは、両方の制度、違いがありますか。
○田中評価改善担当課長 主体といたしましては両者とも自治体でございますけれども、指定管理者につきましては、住民が施設を利用するに当たっての基本的な利用条件であるとか、使用制限の要件などのいわゆる管理の基準をあらかじめ条例で定めることとされておりまして、指定管理者はその範囲におきまして、民間のノウハウを生かした管理を行うものでございます。一方、業務委託につきましては、管理の基準をあらかじめ条例で定めることは求められておりませんので、契約によりまして、管理の手順など管理の内容を定めて受託者が実施するものでございます。
○伊東委員 今のお話ですと、指定管理者のほうは条例で管理の基準を定めなければならない。一方の業務委託のほうは、契約上の契約書面においてそれを定めればいいということですか。
○田中評価改善担当課長 そのとおりでございます。
○伊東委員 公の施設には設置条例というものがありますよね。中野区でも地域センターにおいては地域センター条例というもの、その中に細々とそうしたものが書かれていると思うんですけれど、そうしますと、業務委託になると、そういう設置条例自体にはそういう細かいことが必要なくなるということですか。
○田中評価改善担当課長 設置条例はその施設の基本的なところを定めているものでございますので、運営が指定管理者制度によるものであったとしても、業務委託になったとしても、その公の施設としての基本的なものは条例で定まったとおりでございます。
○伊東委員 そうしますと、設置条例では根本的な部分だけで、詳細については契約のほうにゆだねたいということなんですね。そうなってきますと、今、中野区が進めようとしている業務委託による区民活動センターの活動展開という部分、その中で、運営のある程度フレキシビリティー、地域の実情に即した運営という部分は、この議会の場ですとか、そういう部分では諮られることなく、契約書の書面によって記されるということになりますか。これはちょっと質問の順番が変わっておりますけれど、肝心な部分ですのでお聞きしております。
○田中評価改善担当課長 制度で申し上げますと、指定管理者につきましては、若干繰り返しになるかもしれませんけども、管理の基準でありますとか、そういった基本的な基準を条例で定めていまして、その定めたもとにおきまして指定管理者を選定する、お任せをするという形になります。一方、業務委託につきましては、運営につきましてはいわゆる細かい部分でございますので、契約によりまして、その中で定めていくと、こういうことでございます。
○伊東委員 ごめんなさいね。質問の順番を飛ばしたり戻ったりということで。ここからは細かくなると思いますので、逆に、区民委員会の所管になると思いますので、そちらのほうで十分議論を尽くしていただけたらと思っております。ありがとうございました。
それでは、今回、中野区は区民活動センターを業務委託によって運営委員会に運営を委託したいという方向性を打ち出しておりますけれど、この区民活動センターの管理運営を業務委託とする理由についてお聞かせ願います。
○遠藤区民生活部経営担当課長 (仮称)区民活動センターにつきましては、地域の総意で幅広く管理のあり方が定められるということから、業務委託というものを考えたものでございます。
○伊東委員 地域の総意と今おっしゃられたんですか。もう一度お願いします。
○遠藤区民生活部経営担当課長 地域の総意が反映されるということで。
○伊東委員 今、私の耳に届いている総意というのは、課長の今の胸のうちにある総意とはちょっと差があるんじゃないのかな、ちょっとじゃなく、大きな差があるんじゃないのかなと思っております。もうちょっとそうした意味では謙虚に、ちょうど耳の日、先ほど江口委員がおっしゃっていたように、耳を澄まして区民の声を聞いていただけるようにお願いできたら。区はそういう方向で、指定管理者制度自体が今回の委託の方法にはそぐわない部分は先ほどのお話の中でも理解できているんですけれど、方法の選択自体の理由がそうしたものというのは少し腑に落ちない部分がございますので、さらに再考していただけたらと思っております。
先ほど、区民活動センターは地域の実情に即し、また、そこに住まいする人たちの区民の皆さんの思いに即した形で、自由な形で運営されることが望ましい、それが地域の公益活動、地域活動の活発化につながる、活性化につながるということで、区は一貫してこの事業を進めようとしているんですけれど、そういう意味では、先ほどの質問の中で、公の施設をやはり設置主体の区としてはある程度、15も施設があるわけですから、地域地域の差は多少あっても、根本の部分はある程度統一的に考えていかなければいけないんじゃないのかな、そうなってくると、裁量の余地というのはやっぱりある程度限られてしまうんじゃないのかなと思うんですけれど、その辺についてはいかがでしょう。
○遠藤区民生活部経営担当課長 この区民活動センターにつきましては、公の施設でございますので、その基本的な部分につきましては条例で定めるという形になってございます。その枠の範囲内で各地域の意向が反映されるというふうに考えてございます。
○伊東委員 そうでしょうね。ですから、その辺がまだ区民の方も十分納得されていない、理解されていないという部分ではないかなと思います。そうした若干の裁量の余地を残して地域にゆだねていくにしても、行政財産の性格上、目的外の使用については制限されると思うんですが、目的外使用、それを行おうとした場合には、区長の許可が必要ではないかと思うんですけれど、いかがでしょう。
○遠藤区民生活部経営担当課長 委員御指摘のように、条例が想定しておりません目的外使用、これにつきましては、当然区長の許可が必要というふうになってございます。
○伊東委員 やはり想像していたとおり、基本的な部分、それをしっかり区は押さえなければならないということと、それから、その上で多少フレキシビリティーというか、その地域の実情に即したという、そういう意味ではある程度限定された裁量の範囲ということになるんじゃないかなと。実際に考え方の修正案でもその辺がはっきりと、条例で定める範囲内ということも書かれていますので、その辺はやはりもっと丁寧に区民、そして地域の方に説明していっていただきたいと思っております。
それで、具体的にお話を伺いたいと思います。開館時間、利用用途、使用条件の裁量ということを書かれていますけれど、その辺をある程度自由に考えていただきたいということなんですけれど、どの程度を想定しているのか。それから、区民活動センターにおいて、地域の方がコミュニティビジネスを展開していきたい、あるいは活動の原資にと、営利の事業を始めたいというようなことまで想定されているんでしょうか。
○遠藤区民生活部経営担当課長 やはりさまざまな、開館時間、使用条件、そういったものにつきましては、大枠といたしまして条例の中できちっと定めていく。その範囲の中で、各地域に応じた運営をしていくというふうに考えてございます。委員のコミュニティビジネスにつきましては、地域活性化のためにそういったコミュニティビジネス、こういったものを行うというものは想定できるというふうに考えておりますので、そういった事業によって得た利益、こういったものについては、地域活動に活用していただきたいというふうに考えてございます。
○伊東委員 仮に地域ごとに柔軟な運営が可能になったとしても、区民活動センターの設置条例には利用時間や料金の設定等の項目が必要になってくることはないんですか。
○遠藤区民生活部経営担当課長 そういった基本的な事項につきましては、条例で定めていくというふうに考えております。
○伊東委員 裁量の幅が広がりますと、各区民活動センターごとに条例、いろんなものが出てきてしまう可能性はないんですか。
○遠藤区民生活部経営担当課長 これから地域の皆様方といろいろとお話し合いをしながら、具体的な運営につきましていろいろと意見交換しながら、そういったものを踏まえまして条例を定めていきたいというふうに考えております。
○伊東委員 では、この項の最後に、区民の方の意見について伺いたいと思いますけれど、修正案が示されたのが昨年の12月の末ですね。その修正案を持って地域に区長が説明に上がったと。そうしたときに区民の方から出された意見というのはまだ報告は上がっていないようなんですけれど、それをいつ出していただける用意がありますか。
○遠藤区民生活部経営担当課長 現在取りまとめているところでございますので、この議会の区民委員会に御報告申し上げたいというふうに考えております。
○伊東委員 ありがとうございます。
続いて、運営スタッフについて伺ってまいりたいと思います。一般質問でも申し上げましたが、運営委員会が運営スタッフを直接雇用する責任も大変な課題であります。区の説明も十分でございませんし、そうした点について伺ってまいりたいと思います。
区では8時間・週5日勤務職員1名、6時間・月16日勤務職員3名、そのほかアルバイトを運営スタッフとして想定していらっしゃるようです。そこでお尋ねします。それぞれの職員はどのような職掌を想定していらっしゃいますか。
○遠藤区民生活部経営担当課長 ただいまの1日8時間・週5日勤務の職員、この方につきましては、受託いたしました業務全体、これについて統括をする、いわゆる事務局長、そういった役割を担うというふうに考えてございます。また、1日6時間・月16日勤務の職員3名につきましては、施設の開館時間内の維持管理、集会室等の提供に関する業務、地域の自治活動や公共公益活動の推進に関する業務、地域団体の連携の促進に関する業務、こういった業務につきまして分担して担当するというのを想定してございます。アルバイトにつきましては、主に集会室等の提供に関する業務と他の業務の事務補助ということで考えてございます。
○伊東委員 今、お話の中で、6時間勤務の方が主に地域活動の支援のほうに実際に携わっていただく、要するに、今、地域センターの職員の方が地域の皆さんの活動の会合等に出席していただいて、その事務を一部担っていただいたり、そうした声を区のほうにつなげていただくというような、そうした役割を今度担っていただきたいということなのかなと思うんですけれど。今、御紹介いただいたそれぞれの職業の立場の方、そうした職掌を踏まえて、どのような人を雇用の対象として考えていらっしゃいますか。
○遠藤区民生活部経営担当課長 多様な人材を発掘していきたいというふうに考えてございますけども、スタッフにつきましては、企業のOBや地域活動の経験者などを想定してございます。また、自治体職員のOBも対象になるかなというふうに考えてございます。こうした人材の能力を区が一定程度確認した上で、人材登録し、研修などを行って、職務を遂行できるようにしていきたいというふうに考えてございます。
○伊東委員 ここで一つお聞きしたいのは、8時間勤務の職員の方、これだけちょっとお聞きしたいと思いますけれど、この職員を仮に区のほうで雇うことは可能なんですか。要するに、こうした勤務形態の方をここに配置することになると、その方は従前どおりの、まず区としての職員採用があって、そこから指示によってこちらの現場のほうに派遣されるという形をとらざるを得ないんですか。民間からこの目的のために直接雇用というのは可能なんですか。
○遠藤区民生活部経営担当課長 区が直接そういった職員を採用するといった場合については、一般の職員というふうになりますので、当然地方公務員法の適用を受けるというような形になりますので、現在のところ、そういった形での常勤一般職員の採用というものは行っておりませんので、仮にそういった形で行うということであれば、今いる職員を配置するという形しかとれないというふうに考えております。
○伊東委員 ありがとうございます。
それでは、こうした運営スタッフ雇用の契約についてなんですけれど、今考えていらっしゃるのは有期雇用契約ということです。それも1年の期間を想定されているようですけれど、その理由について伺いたいと思います。
○遠藤区民生活部経営担当課長 この運営委員会でございますけども、任意の団体でありまして、構成や考え方というものも任期ごとに変化する可能性があるということでございます。そういった団体の性格からいたしまして、期間の定めのない雇用をして、継続的に雇用主としての責任を持つということについては難しいというふうに考えておりますので、雇用期間につきましては1年と区側は考えたところでございます。
○伊東委員 区としてはそういうお考えをお持ちかもしれませんけれど、今、日本の社会で起きている事象、雇用の不安定化という部分では、1年という単位が果たして適しているのかどうか。また、1年の契約を複数回更新する必要も当然出てくるかと思います。そうした場合に、労働基準法上の解雇の差しとめ等の一定の制約が出てくるのではないかと思いますが、いかがでしょう。
○遠藤区民生活部経営担当課長 法規上、契約更新の回数の定めはないわけですけども、過去の裁判の例によれば、契約の形式が有期労働契約であっても、期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態に至っている契約の場合や、反復更新の実態、契約締結時の経緯等から、雇用継続への合理的な期待が認められる場合がございます。
○伊東委員 ちょっとお聞きしただけでもいろいろの問題が想定される、雇用についてはですね。こうした細かいことについて想定して、地域の方にそうした細々としたことを説明されてきたことはありますか。
○遠藤区民生活部経営担当課長 この雇用関係につきましては、基本的な部分についてはこれまで御説明申し上げているところですけども、今、委員がおっしゃられたような細かなところまではまだ説明しておりませんので、今後さらに詳しく説明していきたいというふうに考えております。
○伊東委員 ありがとうございます。議会のほうにもそうした情報の提供をお願いします。
それでは、(3)のその他といたしまして、区の考える地域における公益活動について一つだけお伺いしたいと思います。要求資料の区民の3、町会・自治会の主な活動についてとございますが、これから福祉・子育ての支援がすこやか福祉センターを中心に展開される中で、そうした状況の中で、ここには載っていない地区委員会の支援ですとか、先ほどの資料には載っていない支援ですとか、地区懇談会への参加・支援、また、地域でふれあい食事会などが行われていますけれど、こうしたものを含めて、どういうふうに地域の活動が変わっていくのか、御答弁お願いします。
○遠藤区民生活部経営担当課長 この(仮称)区民活動センターでは、運営委員会が運営の中核となることによりまして、その地域の住民の目線で公益活動をとらえまして、(仮称)すこやか福祉センターとも連携をしながら、福祉や子育て関係の活動も含め、地域活動を幅広く支援・推進していきたいというふうに考えております。
○伊東委員 ありがとうございました。あとは区民委員会のほうにお願いしたいと思います。もっともっと議会、区民の皆さんに丁寧な説明をお願いしたいと思っております。
○吉原委員長 伊東委員の質疑の途中ですが、ここでお昼休憩をとりたいと思います。
午後0時01分休憩
午後1時00分開議
○吉原委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き、総括質疑を続行します。
伊東委員、お願いします。
○伊東委員 午前中に引き続きまして質疑を続けさせていただきます。
質問項目の2番、防災対策について伺ってまいります。
最初に、昨年8月に策定されました中野区デジタル防災無線等整備基本計画について伺います。この計画が策定されて、また21年度の予算案にも防災行政無線デジタル化実施設計費が計上されております。これについて伺いますが、最初に、基本計画で導入を図るとしている緊急地震速報システムですが、21年度予算に新規として計上されている緊急地震速報システムと同一のものでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 平成21年度予算に計上しております緊急地震速報システムにつきましては、本庁舎、学校施設に導入するシステムでございます。今回、防災行政無線のデジタル化に伴いまして導入いたしますものとは別の仕組みのものでございます。防災無線のデジタル化に合わせまして導入するシステムにつきましては、J-ALERT、全国瞬時警報システムと申しまして、津波警報ですとか、弾道ミサイルの発射情報、そして、緊急地震速報など、対処に時間的な余裕がない事態に対応するために、緊急情報が人工衛星を用いまして送信され、同報系防災行政無線により配信する、そのようなものでございます。J-ALERTが導入されました時点では、先行導入した緊急地震速報との整合性をとりまして、改めて検証していきたいと、そのように考えているところでございます。
○伊東委員 別のものということで。それでも、その期間、暫定的な期間におきましても、地震速報システムが十分な効果を発揮されることが期待されるわけですけれど、小・中学校に設置、あるいは本庁舎に設置ということなんですけれど、それらの放送設備に速報の情報を提供して一斉に通知するということは考えていらっしゃいますか。
○志賀危機管理担当課長 まず、本庁舎に設置されます緊急地震速報システムにつきましては、既存の同報系防災行政無線あるいは放送設備に対しまして接続することは可能でございます。館内放送設備に接続いたしまして、来庁者の方々に向けて地震速報を提供する、このような中身でございます。
○伊東委員 本庁舎へ設置のシステムにつきましては、同報系、要するにパンザマストからの情報提供はないんですね。
○志賀危機管理担当課長 同報系の防災行政無線の接続は可能なんですけれども、接続しないということで、理由といたしましては、一つは、この緊急地震速報につきまして、まず、区民の方々にパンザマストを介して放送するということに対する周知の時間が必要であること。また、誤放送による混乱を避けたい、そういったことから今回の導入に当たっては接続をしないということでございます。
○伊東委員 それでは、次の項目に移ります。基本計画で導入を図るとしている地図情報システムですが、21年度予算に緊急雇用創出事業として計上されているシステムと同一のものなのか、あるいは基本仕様をそろえるといった工夫は考えていらっしゃるんでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 防災無線のデジタル化に合わせまして導入を予定しております地理情報システムにつきましては、今回導入いたします防災業務を支援するシステムでございます。災害時に迅速で的確な情報収集と分析を可能といたしまして、現在の処理能力を飛躍的に向上させるために導入を図るものでございます。また、これが防災センターの中心的な役割を果たすものでございます。21年度予算で緊急雇用創出事業として広報担当のほうで導入を予定しております地理情報システムにつきましては、一般区民向けの公開型の地理情報システムを導入するとしてございます。防災無線のデジタル化に合わせまして導入いたします地理情報システムにつきましては、あらゆる災害の情報の管理や火災の延焼シミュレーション、それから、日常的な物品の管理――備蓄用品の管理ですね。そういったこともできるようなことを前提とした地理情報システムでございますので、使用目的が違いますことから、基本仕様の部分につきましては異なるものだということでございます。
○伊東委員 別のものということで。この防災センターにそうした地図情報システムが備えられるというのは、飛躍的に情報の収集・分析が向上する、機能が向上すると思いますが、よく見かける自治体が区民サービスとして、住民サービスとして行っている地図情報処理システムというものが、大変使いにくいものが目につくわけで、これは広報のほうでこれから整備されるGISのほうにも共通することなんですけれど、操作性が極めて高いものが期待されると思います。そういった意味では、主要プロバイダーが提供している、グーグルアースですとか、そうした地図の仕組みをうまく取り入れていっていただきたいなと思うんですが、その辺はいかがでしょう。
○志賀危機管理担当課長 今回導入を予定しております地図情報システムにつきましては、主要なプロバイダー、グーグルアースみたいな、そういったものの提供を受けるといったものではございません。先行自治体としまして、地図情報システムを導入して防災業務支援システムを導入している自治体として、港区、それから江東区がございますが、こういったところで効果的に運用されている、そういったパッケージソフトがございます。それを参考にいたしまして、中野区の仕様にカスタマイズをして導入していきたい、このように考えているところでございます。
○伊東委員 いいシステムが構築されることを願っております。
続いて伺ってまいりますけれど、震災時、区民が求める情報、これはまず一義的に、第一番に避難者情報であると言われています。基本計画では避難者情報処理を防災情報処理システムで扱うとして、入力を地域本部で行うように想定されています。情報管理は地域本部で行うとしても、避難者情報の入力は、避難所のほうで行ったほうが効率的ではないでしょうか。避難所であれば、21年度から用意されます校内LAN用のPCなどがあって、また、避難所には大勢の方がいらっしゃって、そうした方のボランティアによる入力支援も期待できるのではないかと思うのですが、そうしたことへの対応を視野に入れて、こうしたものの、これから行っていくシステムの調達に関して実施設計を行っていくべきではないでしょうか。的確な災害対応に必要なのはまずは情報処理と思いますので、その辺いかがでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 現在の計画では、避難所への防災情報処理システムの導入の予定はございませんけれども、将来的に十分な拡張性を持ったものであるというふうに認識しております。また、避難者情報につきましては、校内LANの使用できる状況下であれば、入力するフォーマットを統一して、そちらで入力していただいて、校内LAN、庁内LANに接続をしていただくということで情報の交換ができる。また、そういったことが不可能な場合であっても、パソコン等の持ち込みをして、CSVファイルにデータを変換して、それで、それをUSBであるとか、そういったものでデータ交換をして情報の共有ができるというふうに考えているところでございます。
また、防災行政無線のデジタル化に伴いまして、これまで同報系無線につきましては一方通行の情報発信でございましたけれども、デジタル化に伴いまして双方向の受信が可能となります。このために、今回、学校には移動局、それから個別受信機を設置することになりますけれども、その個別受信機にファクス機能を付加いたしまして、配備いたします。この関係ではファクス無線による通信も可能となりますので、こういったところでも情報の共有が可能かなというふうに考えております。
今後とも情報の伝達手段につきましては、さまざまな手段を用いていきたいと。また、実施設計、それから導入後につきましても、その拡張性を十分生かしながら、情報の共有の部分につきまして検討していきたいと考えております。
○伊東委員 ぜひ、限られた職員体制、ましてや非常時になればもっと限られてくることが想定されると思いますので、そうしたシステムの構築にはさまざまな可能性を盛り込んでいただけたら、想定していただけたらなと思っております。
同時に、避難者情報だけではなく、先ほどの地図情報システム等に必要な情報というのも、大変収集が職員だけでは困難な場合も想定されると思います。そういう意味では、区民からの情報提供というのが重要になってくるのではないかなと思います。お聞きしますけれど、さきの移動系防災行政無線の移動局を防災士や地域防災会に配備する予定はございますか。
○志賀危機管理担当課長 移動系の防災行政無線につきましては、まず、配備先に制限があるということを御承知していただきたいと思います。その配備先といたしましては、一つは行政機関、また、防災機関であること、それから、これまで導入しておりました地域防災無線、こういったものは防災協定団体に配備できるということが可能となっておりました。このことから、これまで配備されておりました行政機関、防災関係機関、それから、新たにふえております協定団体に対しては配備をしていこうと考えておりますけど、地域防災会に対しましては今のところ配備については考えておりません。同報系の無線のほうからの配信ということで、個別受信機、これにつきましては、これまでと同様に配備をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○伊東委員 物理的な限界があるようで。ただ、こうした移動局でなくても、今は携帯電話というものがかつてよりも格段に普及しております。それにはカメラ機能が搭載されているのがほとんどの常識になってしまっているという状況で、取り込んだ画像の送信もメールによって行うことが可能な時代になっております。こうした携帯電話を利用しての区民からの情報提供を積極的に行っていく、求めていくべきじゃないかなと思いますが、そうした仕組みについて御検討はされていますか。
○志賀危機管理担当課長 災害時に区民の皆様方から情報提供を受けるということは大変重要なことであるというふうに認識しております。それで、現在もそうでございますけども、ホームページ上に例えば私どものほうの防災担当のアドレスを公開しておりますけども、そういった専用のアドレスを公開することによって、そちらからメールで配信、携帯電話からの配信をしていただきたいと。そして、利用してシステムのデータ管理のほうにつなげていきたいというふうに考えております。
○伊東委員 ぜひ使いやすいものを用意していただきたいと思います。私も携帯は持っていますけれど、子どもたちのようにさくさくとは使えないのも事実ですので、よろしくお願いします。
続いて、災害時の区並びに関係機関の動員体制について伺ってまいりますけれど、今の中野区の地域防災計画の震災応急対応計画ですが、これは首都圏直下型地震の発生に備えて計画されています。首都圏直下型地震が発生した際の区の活動体制並びに防災関係機関の活動体制について聞いてまいりますけれど、地震につきましては時間を選ばずに発生いたします。阪神・淡路大震災のときは早朝、それから、中越地震のときは夕方というような状況の中、いついかなるときに起きるかわかりません。そうした意味では、区の活動体制をまず整えられ、いつでも万全の体制がとれるようにすることが肝要かと思います。
平成17年には区の参集訓練が行われて、そのときは2,400人規模の訓練だったそうですけれど、30分以内に参集できた方が600名ほど、1時間以内は920名ほどとの報告がございます。地震の夜間・休日の発生では、訓練ほどの数字は期待できないと思います。こうした状況下を想定して活動体制が機能するかについて伺います。震災応急対応計画の災害対策本部の組織図には、各部・各班の最低構成人数の記載がございません。この組織図のような活動体制をしくには何人の職員を想定していらっしゃいますか。
○志賀危機管理担当課長 地域防災計画の震災応急対策計画の中では、具体的な職員の体制について記載しておりませんけれども、職員向けの防災マニュアル震災編におきましては、震度4の地震発生時から情報連絡体制、それから、震度5弱で初動配備体制、以降、震度階級に応じまして、第1次非常配備体制から第3次非常配備体制まで、各部・班ごとに人数等が定められてございます。また、震度6弱以上の地震が発生しましたときには、全職員が参集し、震災応急対策に当たることとなってございます。また、その職員数につきましては、平成20年の4月1日現在でございますが、2,564名、全職員で対応するということになってございます。
○伊東委員 要するに全員当たる、全員参集していただいて、フルに働いていただくと。ちょっと難しいのかな。私、この先の質問を想定していたんですけど、そのような状況というのはなかなか、どれだけ時間が必要なのかなと思うんですけれど。要するに、全部の職員の方が参集いただける、非常事態になったときに。
○志賀危機管理担当課長 初めに、職員につきましては、今、答弁しましたように、全職員が対応するということで、あらゆる手段を使いまして職員が参集するということが前提となっております。お話の例えば夜間・休日に地震が発生した場合に、職員の参集時間につきましては、具体的にこれまで分析したことはございませんけれども、想定の範囲の中での御答弁になりますけども、ちょっとお許しいただきたいと思います。区内在住、近隣区在住の職員、これがおおむね二、三時間以内に47%、おおむね1,200人程度が参集できるのではないかと思われます。また、その後の段階的な参集として、参集可能なすべての職員が参集してくるのがおおむね24時間後、また、それ以降になるというふうに考えております。ちなみに、東京都の事業継続計画の中におきましては、職員参集率、24時間で61.1%、24時間から72時間で95.8%、このようになってございます。
○伊東委員 そういうふうに想定されているということで。この後、質問を用意していましたけれど、ちょっとかみ合わないかなと思いますので割愛させていただきます。ぜひとも今の御答弁に沿って、非常時は職員の方、今、東京都のほうでは60%を想定されるというようなことをおっしゃっていましたけれど、ぜひ参集に力を尽くしていただけたらと思います。
続いての区民等の自主防災活動についてお伺いします。一昨日、上高田地域において総合防災訓練が実施され、364名の参加がありました。その中には第五中学校の生徒76名の参加があり、住民とともに訓練をした次第ですけれど、こうした訓練も大変重要なんですけれど、救助を目的とする訓練があってもよいのかなと。阪神・淡路大震災の際は、倒壊家屋からの人命救出の8割近くは被災住民みずからが行ったという報告もあります。そこでお伺いしますけれど、救助を想定した訓練を行ったことはありますか、また、行う用意はありますか。時間も限られていますので、手短にお願いいたします。
○志賀危機管理担当課長 地域防災会に配備されております資機材を利用いたしまして、これまでも倒壊家屋からの救出訓練につきましては、消防署の指導を仰ぎながら実施してきたところでございます。また、今後とも救助訓練につきましてはさまざまな場面で展開していきたいと、このように考えております。
○伊東委員 視点を変えまして、地図やコンピュータ、携帯電話、無線を使用しての訓練は行ったことがありますか、また、みる予定がありますか。
○志賀危機管理担当課長 地震を想定いたしました図上訓練、こういったものは実行したことがございます。また、防災行政無線を利用した訓練につきましても、これまで実施している避難所開設運営訓練、この中でもやっているところでございます。ただ、コンピュータと携帯電話を使用した訓練につきましては実施したことがございませんので、今後どのような訓練が可能か、工夫をしてまいりたいと考えております。
○伊東委員 続いては、先ほど、移動局については各地域防災会のほうに配備は考えていないということだったんですけれど、一方、地域ではやはり自分たちの自助・共助の中で、自分たちの命は自分たちで守るという部分で、自分たちが互いに助け合う、救助し合うという視点で、各防災会において無線を用意する防災会が出てきております。そうした防災会に無線を配備していく、要するに、中野区の防災資機材の配備計画の中に無線はございませんけれど、そうした部分を用意する予定はありますか。
○志賀危機管理担当課長 地域防災会の方々が災害時における情報交換をするということは大変重要だと思っております。また、これまでの過去の震災等で、アマチュア無線ですとかトランシーバーが大変役に立っているということも認識しております。しかしながら、現在、防災行政無線を含めまして業務用無線の関係で、これを地域防災会の皆様方に配備するということは、現時点においては考えてございません。
○伊東委員 業務用無線、高額でもあります。防災会が用意するにはちょっと負担になるのかなと思いますので、ぜひ前向きに検討ください。ありがとうございました。
続いて、質問通告の3番、住民基本情報システムの再構築と将来対応について伺ってまいります。
ただいま中央電算システムのオープン化を目指して、実際にもう業務が始められているわけですけれど、今回のシステム再構築の中核である大型汎用機、これは2年後でしたっけ、リースが切れるということで、それに向けてオープン化を進めていると聞いております。再構築のスケジュール、作業が今始まって1年たつのかな。問題ございませんか。また、当初懸念されていたパフォーマンスの十分な確保が予定どおり進んでいるのか。また、ちょうど今の時期ですと単体テストが終わったころとなっているはずです、計画では。その辺はいかがなんでしょうか。
○藤井情報化推進担当課長 中央電算の再構築につきましては、今年度、来年度の2年間で再構築業務を行う予定でいます。現在、細かくはいろいろな課題や懸案事項もありますけれども、予定どおり進んでいるところです。また、計画段階でパフォーマンスについて課題として挙げておりました。ホストと同じだけのパフォーマンスをオープン系で達成するのはなかなか難しいところではあるんですけれども、おおむねそれについてもめどがついてきているところでして、さらに性能向上策を対応して、多少でもハードの構成を安くしたいというふうに今、検討しているところです。単体テストにつきましては、業者側で開発ツールについての検証がほぼ終わりまして、中野区での試算をもとにした結合テストを現在開始しようとしているところです。
○伊東委員 この地域情報プラットホーム、これが今、全国レベルで構築されようとしていますけれど、中野区はそれについては将来対応ということにしております。その理由についてお伺いしたいのと、これに参画することによって区民のメリットはどんなものが期待できるのでしょうか。その辺をまとめてお答えください。
○藤井情報化推進担当課長 国が進めています地域情報プラットホームにつきましては、まだすべての仕様書が明確になっている段階ではありませんで、また、将来的にはいろいろな業者がそれに対応したアプリケーションを提供することで選択肢が広がるというふうに言われているものですが、今はそんなに多くのそういう提供があるわけではないというところから、オープン化時点では、それに対応する、あるいはそれを導入するというふうなことは困難というふうに考えているところです。
また、将来的に地域情報プラットホームに対応する区民のメリットといたしましては、例えば引っ越しをしたときに、住民記録の異動とあわせまして、電力、ガス、水道、年金等の手続についても一括して行うというふうなことが可能になるというふうに言われています。
○伊東委員 続いて、この地域情報プラットホームに参画することによる、今回のオープン化、あるいはその先の住民情報系システムの再構築について、特に講じておく必要のあるものがあるのかどうか、対応はいかがでしょうか。
○藤井情報化推進担当課長 仕様がまだすべてが明確になっていないというふうに申しました。その関係もありまして、オープン化した段階でこれこれをしないといけないとか、機器構成をこうしないといけないというふうなものはないんですが、もともとの現在動かしている中央電算は特定のメーカーによるホストマシンになっています。これをオープン化することによりまして、もう少し選択肢の多い、いろいろなメーカー、ベンダーから提供される機器の選択ができるということで、地域情報プラットホームにも対応しやすくなるというふうに考えております。
○伊東委員 まだほかにも質問をお願いしているんですけれど、時間のほうが大分迫ってきて、この後に1項目ありますので、最後に一つだけお伺いします。
区政を支える情報システムの所管として、今回の定額給付金をはじめ、さまざまな区民ニーズへの対応が必要なのではないかと思っております。再構築の取り組みによる影響はないでしょうか。また、もう一つそれに加えて、今度、自動交付機なんかも導入の考えがあるということですので、その辺についてもお伺いしたいと思います。
○藤井情報化推進担当課長 再構築中につきましては、それにかなりの労力をとられるものですから、どうしても制度改正等必須のもの以外についてのシステム改修要望についてこたえ切れていない部分があります。ただ、今回の定額給付金をはじめといたしまして、区として実施することがどうしても必要なものであるとか、制度改正に対応することが必要であるものについては、いろいろと工夫をして対応することをしております。
また、住民票の自動交付機についてですが、これについては、今回のオープン化で実施するものではなく、オープン化した後、自動交付機のシステムを開発する予定でおりますが、その際には、将来の地域情報プラットホームを念頭に置きまして、幅広くいろいろな連携が可能なシステムを開発していきたいというふうに考えております。
○伊東委員 ありがとうございました。
最後に、都市基盤施設と都区財調について伺ってまいりたいと思います。時間がありませんので、端的な御答弁をお願いしたいと思います。
早速ですけれど、都区財調の制度の中の特別区交付金の原資と配分方法についてお願いいたします。
○長田計画財務担当課長 都区財政調整制度の原資となる財源は、いわゆる調整三税と言われているものでございまして、固定資産税、市町村民税法人分、特別土地保有税の3種目でございます。配分方法でございますが、都区の役割分担に基づきまして財源を配分するという考え方に基づいてございます。区が55%、都が45%の割合で配分するということになってございますので、23区全体に対する交付額の総額が55%となるものでございます。
○伊東委員 それら調整三税なんですけれど、景気動向による影響というのはどういうふうに考えられますか。
○長田計画財務担当課長 先ほど御紹介いたしました市町村民税法人分、これは法人の収益に関係する税目でございます。そのために、景気の変動によりまして法人の収益が減れば、それだけ市町村民税法人分の税収が減るということになってございます。21年度の財調の見込みでも、約19%の減少を見込んでいるという状況でございます。
○伊東委員 固定資産税のほうは。
○長田計画財務担当課長 固定資産税については、基本的に課税の根拠となるものが土地・建物でございますので、これの直接的な景気の変動はございません。平成21年度に評価がえといったものを予定してございますが、年度年度における直接的な影響はないというものでございます。
○伊東委員 この都区財調の中で、要するに原資が三税によるということで、どうしても税収によっての全体の枠というのがあると思いますけれど、そうしたもの、全体枠と区別算定、それぞれにあるわけで、その調整はどこで行っているんでしょうか。
○長田計画財務担当課長 全体の調整は都と区の協議と、都区協議の場において最終的に決定されるというものでございます。
○伊東委員 その中で単位費用なんかも毎年度決められるわけですか。
○長田計画財務担当課長 具体的には都側、それから区側、それぞれ算定項目、単位費用等についての提案を持ち寄って協議するということでございますが、最終的には都区合意をもって内容が決められるというものでございます。
○伊東委員 これから都市基盤施設について伺ってまいりたいと思います。都区財調制度の中には、土木費として道路橋梁費あるいは公園費というようなものがあると思いますけれど、それについて、ちょうど1年前になりますか、昨年の第1回定例会で道路整備について伺った際に、中野区の私道を区道に格上げすることによってどのような影響があるか、そのときの御答弁では、15万平米に対して、特別区交付金が1億6,000万ほど増加するのではないかということがありましたけれど、そうしたものについて伺ってまいりたいと思います。
平成20年度の区道の面積と、そして、道路橋梁費として中野区に交付された特別区交付金の金額をお教えください。
○長田計画財務担当課長 区道の面積でございますが、約152万平方メートルでございます。財調で算定されました財政需要、交付の額でございますが、投資的経費、経常的経費合わせまして23億6,000万余でございます。
○伊東委員 続いて、実際に中野区でそれら道路・橋梁の維持・改良に費やした費用の総額はお幾らでしょうか。
○長田計画財務担当課長 一般財源ベースで申し上げますと16億2,000万余となってございます。これはあくまで予算ベースでございます、20年度でございますので。
○伊東委員 そうしますと、特別区交付金で23億交付されていて、中野区が使ったのは16億ということで、その差7億ほどあるわけですね。これは、こうした差が生じているのはどうしてですか。また、これが通年のことなんでしょうか。
○長田計画財務担当課長 先ほど御説明させていただきました都区協議において、単年度ごとにさまざまに算定の項目、それから内容について協議をいたします。その中で、平成19年度と20年度においては、単価の改正と加算を見てございます。この影響を直接受けた形で、先ほど御説明させていただきました財政調整制度の中での算定額というふうになっているものでございます。内容を御説明させていただきますと、通常、道路改良の実施の期間は35年周期と、35年に一度道路の改良の工事をするということが算定の基準になってございますが、19年度、20年度に限っては、20年度に一度の実施率ということで算定され、この内容が加算されたということから先ほどのような内容になっているものでございます。
○伊東委員 こうした変動ですよね。それが先ほど、財調協議の中で決まっていくということだったんですけれど、いつの時期に行われるのか。中野区の予算編成との時期の関係、それから、どの部署からそれに出席されているんでしょうか。
○長田計画財務担当課長 財調協議のまず出発点になりますのは、区側のほうの区長会における方向性についての方針の決定ということがスタートになります。これは毎年7月に区長会総会においてこの方向性が決められるということになります。その方針に基づきまして、基本的には財政担当課長会において下命事項を受けて、実務的な整理をして、11月の時点で区側の提案の事項を取りまとめるということをいたします。その後、12月から、先ほど申し上げました都区財政調整協議会というものがスタートいたしまして、年を越しまして2月に都区協議で最終的な決定を見るというスケジュールになっているものでございます。
○伊東委員 我が会派の質問にもありましたように、交付されてくるお金というのは色がついてございません。一度入ってしまうとやはり一般財源として取り扱う中で、そうした水上のほうにさかのぼって、何のための交付金なのか、また、通年、平年化して、どこにそれを蓄えていかなければならないのかという部分が重要かと思います。先ほど、7億もの差が生じているということですので、その辺の仕組み、これから区の対応について伺いたいと思いますが。
○長田計画財務担当課長 税収等の財源の変動に伴いまして、これをいかに年度間の調整を図っていくかということも財政運営の重要な課題だというふうに認識してございます。委員御指摘のとおり、公園、道路という都市基盤整備をきちんと保全していく、維持していくためのそういった対応策といたしましては、道路・公園に関する基金を創設してございますので、こういったものを活用しながら、財政需要に対してきちんと対応していきたいと考えているところでございます。
○伊東委員 どうしても設備ですとかはイニシャルコストに目が行きがちで、ランニングコストという部分が後のほうになってしまうということなんですけれど、道路一つに限ってもこれだけの財源変動がありそうな御様子ですので、ぜひその辺にも着目して、しっかりとした中野区財政構築をさらに進めていっていただきたいなと思っております。
ちょうどになります。終わります。ありがとうございました。
○吉原委員長 以上で伊東委員の質疑を終了いたします。
次に、むとう委員、お願いします。
○むとう委員 それでは、区民の方から寄せられました御意見をもとに質疑いたします。私の持ち時間は34分ですので、機敏な行動、簡単・明瞭な答弁をよろしくお願いいたします。
まず1番目、中野区耐震改修促進計画の進捗状況についてお尋ねいたします。
2006年1月、改正耐震改修促進法が施行され、2015年までに住宅や民間特定建築物の耐震化率を90%とする数値目標が設定されました。それを達成するために耐震改修が義務付けられ、建物の範囲が拡大し、診断や改修については自治体による指示や立入検査が可能となり、さらに、これに従わない場合は所有者名を公表することもできるなど、指示・指導の強化がなされました。この改正に伴い、中野区耐震改修促進計画が2007年11月に策定されました。その計画の中で、区は2015年度までに住宅及び民間特定建築物の耐震化率を90%とし、区有建築物の耐震化率は100%を目標値としています。それを実行するために、中野区区有施設耐震改修計画が2007年12月につくられました。それに基づいて、Dランクの中央中体育館を放置するなど全く納得できませんが、区有施設についてはそれなりに改修が進められています。
その一方で、耐震改修促進法第6条に規定されている、不特定多数の者が利用する百貨店やマーケット、ホテル、水泳場などの運動施設、病院や福祉施設などの民間特定建築物の耐震化が大きな課題です。中野区耐震改修促進計画では、区内の民間特定建築物166棟のうち27棟が耐震性が不十分と書かれています。この27棟について、区はどの建築物なのか把握されているのでしょうか、お答えください。
○豊川建築担当課長 今、委員御指摘の27棟の耐震性不十分でございます。これは、区内には民間特定建築物166棟ありますが、東京都の耐震化率の推計方法で84%が耐震性があると。残りの16%、27棟が耐震性が不十分ということでございまして、個別具体の把握をしているわけではございません。
○むとう委員 個別の建設物はわからないということですね。27棟の民間特定建築物の所有者に対して、区は耐震化を強く要請します、指導・助言を積極的に行います、さらに、指導に従わない者のうち、耐震化が特に必要な建築物の所有者には指示を行い、正当な理由がなく指示に従わない場合はその旨を公表し、公表しても耐震改修を行わない場合には、建築基準法に基づく勧告・命令を行うことを検討しますと計画に書かれています。にもかかわらず、27棟についてどの建築物なのか把握していないということは、まだ計画にのっとって何もしていないということでよろしいでしょうか、お答えください。
○豊川建築担当課長 民間建築物すべてについて耐震診断等をしているわけではございません。そういった意味から、現在、データの収集をしているところでございまして、今後は個別に状況を把握して、個別の耐震化の状況等を把握しながら、効果的な助言や指導等を行っていきたいと考えております。
○むとう委員 民間特定建築物の中には地権者が多数で複雑な権利関係の建築物もあると思われますので、区有施設のように耐震化を進めるのはなかなか困難です。2015年まであと6年しかありません。たったのと、たったというか何というか、27棟ということですので、やる気になればできるはずです。民間特定建築物について予算をきちんとつけて、計画的、積極的に指導・助言・指示・公表・勧告・命令を行うべきではないでしょうか。
○豊川建築担当課長 例えば今、委員御指摘の民間特定建築物のうち、緊急輸送道路沿道建築物、これに関しましては新年度から耐震診断助成をします。その他のものに関しましても、今後、効果的な方法等を検討しながら対応していきたいと考えております。
○むとう委員 ありがとうございました。27棟に多分含まれているのではないかと思われるんですけれども、「1966年に建築されたブロードウェイは地下に重油タンクがあるらしいけど、耐震性は大丈夫かしら」というような、日常的にお買い物に訪れる区民の皆さんが大変心配をしています。民間特定建築物についても計画どおり耐震化を強く要請することを求めて、この項の質問を終わります。ぜひきちんと、よろしくお願いいたします。
続きまして、子どもショートステイ事業についてお尋ねいたします。
保護者の急病、看護、冠婚葬祭などで一時的に家庭で15歳以下の子どもの保育ができない場合、中野区では零歳から3歳未満の子は聖オディリアホーム乳児院で、3歳から15歳の子は東京都石神井学園児童養護施設で宿泊による一時保護を行っています。なお、ひとり親家庭の3歳から15歳の子は、母子生活支援施設さつき寮あるいは石神井学園で一時保護を行っています。今回の2009年度の予算説明書には、これらが短期預かりサービスとひとくくりにされて617万円というふうになっています。まだ今年度途中ですけれども、今年度の利用実績をお答えください。
○浅野子育て支援担当課長 まず、聖オディリアホームのゼロから3歳未満でございますが、延べ人数で2人、延べ5泊でございます。それから、石神井学園の3歳から15歳児でございますが、延べ13人で延べ51泊、それからさつき寮、これはひとり親家庭の子どもさんですが、延べ6人で延べ41泊でございます。
○むとう委員 年度の途中ですけれども、もう300日以上今年度も経過しておりますので、最高で51泊ということですから、非常に利用されていないという現状かなというふうに思いました。核家族化が進む中で、この事業は本当は必要性は高いはずではないかというふうに私は思うわけですけれども、なぜ利用されないのでしょうか。制度設計と運用に問題があると私は思っています。この事業は、事前に計画的に申し込む場合よりも、むしろ急に必要になって利用する場合が多いのではないかと考えます。
ある区民の方が2人目のお子さんを出産に際して、予定日が早まり、急遽、区に1番目の子のショートステイを相談したところ、「3日前までに申し込まなければだめです」とけんもほろろに断られてしまったそうです。このような場合は、せめて受け入れ施設に相談すべきではないでしょうか。出産予定日とは早まることもおくれることもあります。利用する3日前までの申し込みということがネックとなり、この事業は使えないとの苦情が寄せられています。
そもそもこの事業は、突発的な出来事により子どもの養育が困難になったときに対応するための事業のはずです。特に病気や出産、親族の葬儀などは予定どおりにはなかなかいかないものです。何が何でも利用する3日前までの申し込みというのはいかにもお役所仕事であり、事業本来の目的を見失っているように思えます。子どもショートステイ事業のしおりには、原則として利用予定日の3日前までと書かれています。あくまでも原則としてのはずです。さきに紹介したような事例の場合には、せめて受け入れ施設に相談をした上で対処すべきではないでしょうか。改善を求めます。お答えください。
○浅野子育て支援担当課長 ショートステイ事業でございますが、今、委員おっしゃられたような、保護者の入院等の事由により、子どもさんの一時的に宿泊を伴う形でお預かりしております。そういった体制ということは、24時間で体制を組まなければなりませんので、やはり職員体制の確保というのがまず一つございます。したがいまして、原則として利用申し込みを利用予定日の3日前というふうに定めさせていただいております。ただ、今、御指摘のあったような事例ですが、実際、全く3日前ということでお断りしているわけではございません。緊急やむを得ない事由があった場合には、やはり施設のほうに問い合わせをして、職員体制が確保できればお受け入れをしてございます。お話のあったような事例があったとすれば、もしかすればちょっと職員のほうの対応に不手際があったかと思いますので、今後さらに徹底させていきたいと思っております。
○むとう委員 ありがとうございます。原則としてということですので、緊急やむを得ない事由があった場合には、少なくとも電話を受けて「3日前まででだめです」ガチャンではなくて、「一たんお待ちください」ということで、契約をしている施設のほうに受け入れ可能かどうかぐらいの打診をしてから今後はきちんと対応していただきたいというふうに思います。
また、利用期限についても、子どもショートステイ事業のしおりには、1回の利用につき6泊7日を限度とします、原則として利用期間の延長や同一事由での再利用はできません、年度内で合計50泊まで利用できますと書かれています。しかし、病状の回復が思わしくなく、入院が多少延びることもあると思います。8日目にお母さんが退院をしていないのに、一たん子どもが家に帰されたと私は聞いて大変驚きました。50泊までとのリミットは守りつつも、原則は原則としての融通性のある柔軟な対応をすべきではないでしょうか。
○浅野子育て支援担当課長 今、委員おっしゃられましたように、子どもショートステイ事業の利用期間でございますが、利用定員とか受け入れ側施設との話し合いの中で、原則として6泊7日ということで指定させていただいております。ただ、実際は1日2日、少し延びるという場合も確かにございます。こういった場合は受け入れ施設と協議の上、可能な場合には現在受け入れの延長も行ってございます。
○むとう委員 ぜひお子さんのことを考えて、今後こういうことがないように、あくまでも原則としてということで、事由によっては柔軟に対応をしていただけるように重ねてお願いしたいと思います。
子どもショートステイの事業のしおりには、今申しましたように、申込方法や利用期間の説明文に「原則として」の文言がありますけれども、これとは別に、ひとり親家庭のショートステイサービスの御案内というのがありますが、こちらについては「原則として」という文言が全くないんですね。なぜなんでしょうか。ひとり親家庭のショートステイサービスの御案内にも「原則として」の文言を付記すべきではないでしょうか。
○浅野子育て支援担当課長 これは委員御指摘のとおりでございまして、「原則として」というのを忘れておりました。御指摘を受けましたので、早速利用案内のほうを訂正させていただいております。申しわけございませんでした。
○むとう委員 ありがとうございました。
また、区内に児童養護施設は愛児の家1カ所しかなく、小規模であり、ショートステイは実施していないため、大泉学園にある石神井学園に委託しています。ショートステイを利用する3歳から15歳の子どもたちは、区内の保育園、幼稚園、小・中学校に通っています。その日常生活を継続しやすくするためには、ひとり親家庭にこだわらず、区内にあるさつき寮を有効に活用すべきですし、少しでも中野区に近い児童養護施設を見つけるべきではないでしょうか。この間そのような検討と努力をなさっていたのでしょうか、お答えください。
○浅野子育て支援担当課長 子どもショートステイ事業の実施の場合、やはり24時間体制による養育が必要であるということで、乳児院ですとか児童養護施設等を使わせていただいております。現時点では残念ながら、今の施設以外に受け入れ可能な施設がないというのが状況でございます。また、さつき寮のほうの利用拡大がということでございますが、さつき寮は今、ひとり親家庭のショートステイ事業で使わせていただいておりますが、受け入れ定員を1世帯としていることから、仮に一般世帯の方を受け入れた場合、ちょっと部屋が足りなくなって、ひとり親のほうが利用できなくなるという状況がございます。そういった状況がございますので、現時点ではひとり親家庭のみとさせていただいていまして、ただ、来年建てかえる予定の施設のほうでは、受け入れ定員を3世帯として一般世帯も受け入れるような形で検討しているところでございます。
○むとう委員 さつき寮はたしか20世帯入所できることになっていますけれども、今、半分しか入所していないというようなことも伺っておりますので、新しくできたさつき寮、新しい母子施設では考えるということで、それはありがたいことではあるんですけれども、今困っている方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。さつき寮のお部屋はあいていますから、今の段階からやはりさつき寮での受け入れも考えていくべきではないかというふうに私は1点思います。
それから、もう1点ですけれども、児童養護施設で今のところ現状では受け入れられる施設が見受けられない、見つけられないというようなお話でしたけれども、それは最近そういった努力をされた結果、見つけられていないんですか。
○浅野子育て支援担当課長 まず最初の御指摘ですが、さつき寮につきましては、20世帯受け入れ可能ということになってございますが、施設上使えない部屋も今あるのが現状でございます。耐震の関係のことで、ちょっと危険な部分もございますので。そういった点では、やはり現行としてはまず1部屋がいいところではないかと思っております。
また、養護施設等の受け入れですが、やはり現状ではそういった形で、確かに遠いという御指摘はございますが、現状では今のところでしか受け入れていただけないというのが現状でございます。
○むとう委員 さつき寮、耐震上危ないということですけれども、今、実際使っているわけですから、じゃあ、今入所している方は危ないということになっちゃいますよね。まだ建てかえまでしばらく時間がありますし、中央中の体育館はDランクのまま使うわけですから、あいているお部屋があって緊急性がある場合には、積極的に今利用できるように重ね重ねお願いしたいというふうに思います。それについてはもう答弁は結構ですけれども。
ほかの児童養護施設なんですけれども、実は私、石神井学園よりも中野区に近い児童養護施設数カ所に数日前、電話で問い合わせをしました。阿佐谷にある施設が、今年度ショートステイ事業を実施していませんが、実施する意向があり、中野区から依頼があれば検討するというお話を私は園長先生から伺いました。私でも探せることがなぜ今までなさらなかったんでしょうか。御相談に伺うべきではないでしょうか、お答えください。
○浅野子育て支援担当課長 もしそういうことでございましたら、私どものほうでも一応当たらせていただきたいと思います。
○むとう委員 ありがとうございました。聖友学園です。ぜひ園長を訪ねてください。ショートステイ事業が区民にとって利用しやすい事業となるよう、申込方法や利用期間、実施施設について再検討をしていただきたいというふうに思います。
ごめんなさい。1点私は質問を飛ばしてしまったんですけれども、ちょっと質問を戻りますけれども、先ほど、原則は原則ということだったので、原則として利用予定日の3日前までとしつつも、ただし書き、「ただし、3日前までに申し込みが困難であった正当な理由があると認められる場合に限り、当日までの申し込みを認めるものとする」というような内容を付記すべきではないでしょうか。ぜひ検討していただきたいのですが、いかがですか。
○浅野子育て支援担当課長 当日、確かにそういうお話が来る場合もございますが、夕方に来られて職員体制が確保できなくてはお預かりできません。それはもうお断りせざるを得ません。ですので、そういった、先ほど、3日前が原則ですけども、やはりある程度施設との話の中で、受け入れが可能であれば受け入れというふうにしてございますので、その当日でも、時間的に区切るわけではございませんが、やはり施設側が職員を確保できなければ、責任を持ってお預かりすることができないので、そういった点は御了承いただきたいというふうに思います。
○むとう委員 これはだれのためのショートステイ事業かといいましたら、本当に緊急やむを得ない事由で困っている親子の大切な事業ですから、今後、区民にとって利用しやすい事業となるよう検討を求めていきたいと思いますので、ぜひ対処していただきたいと思います。ありがとうございました。
続きまして、樹木・樹林・生け垣の保護と助成制度についてお尋ねいたします。
中野区では、みどりの保護と育成に関する条例に基づいて、一定の基準を満たす樹木・樹林・生け垣を保護指定し、維持管理に要する費用の一部を助成しています。樹木は地上1.5メートルのところの幹回りが120センチ以上のものが6,000円、樹林は面積300平方メートル以上の樹木集団で2万円、500平方メートル以上で3万円、1,000平方メートル以上で4万円、2,000平方メートル以上で5万円、生け垣は高さ1メートル以上、延長10メートル以上で幅4メートル以上の道路に面していれば、1メートル当たり500円の助成金額となっています。樹木と樹林については1979年から、生け垣は1990年から保護指定を行っています。指定数に大きな変化はなく、ほぼ横ばいとなっており、2008年4月1日現在の指定数は、樹木351本、樹林41カ所、生け垣67カ所です。それでも区全域の緑被率は16%であり、23区平均の22%を下回っています。なお、2009年度の予算は698万円となっています。次年度予算の中で、既存の樹木を保護し、さらに緑をふやすために予算化された新たな方策はありますか、お答えください。
○石田公園・道路担当課長 今、むとう委員がおっしゃった内容でございますが、さらに私ども20年度から、いわゆる保護樹林並びに樹木の地権者の方々から要望で一番多いのが、落葉樹についてはあるいっときどさっと落葉しちゃうわけですよね。そのときに、落葉した落ち葉を何とかしてほしいというような要望がございまして、20年度から試行的に落ち葉を集めまして、収集して堆肥化ということで実施しております。この件についても、来年度以降も引き続き実施する予定でございます。
○むとう委員 ちょっと私の聞いたこととずれているんですけれども、そのことは次に伺おうかと思っていたんですが、要するに、緑をさらにふやすために何かしようとしていることがあるかと聞いたんですけれども。落ち葉については無料で収集するという、それも大事ですけれども、それだけでは緑はふえませんよね。何か考えていることがあればお尋ねしたかったんですが、わざわざ答弁が違うということは、何もないからそういう答弁になったというふうに受けとめますので、次に進みます。
剪定した枝木や落ち葉は、個人の家庭のものでも45リットル袋で5袋以上は清掃事務所への申し込みが必要で、有料となります。面積300平方メートル以上の樹木集団では、最低でも軽小型貨物1台分、約50袋で1万円となります。樹林の所有者は、ごみ処理費だけではなく、当然手入れをする植木職人の経費もかかっています。保護指定を受けている区民の方からは、現行の助成金ではごみ処理費用も足りない、せめて剪定した枝木や落ち葉のごみ処理費を無料にしてほしいという御意見がこれまでも多数寄せられています。そういった中で、先ほど御答弁があったように、落ち葉については1回の収集が1万5,000円で、5回、合計7万5,000円で委託業者に委託をして、試行的に落ち葉を無料で収集し、好評であったということです。しかし、お隣の杉並区では、12月限定ではありますが、清掃担当が落ち葉だけではなく剪定した枝木も無料で収集しています。緑化推進担当でも清掃担当でもどちらでも結構ですが、中野区においても落ち葉だけではなく、次年度は一歩進めて、剪定した枝木も集めて無料収集するように検討を求めます。いかがでしょうか。
○石田公園・道路担当課長 落ち葉については今申し上げたとおりでございまして、剪定につきましては、地権者の方が保存樹木・樹林について剪定されるわけでございますが、その収集方法とか、剪定枝、結構場所をとるものでございまして、そういった一時保管場所等に問題があるというふうに認識しておりまして、今後の課題としてとらえさせていただいて、研究してまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○むとう委員 ぜひ落ち葉だけではなくて、杉並ができていることですから、中野でできないはずはありません。清掃担当ともよく相談をして、前向きに対応していただきたいというふうに思います。
それから、幹が120センチ以下の樹木でも、300平方メートル以下の樹林でも、10メートルに満たない生け垣でも区内の緑化に寄与しているにもかかわらず、助成金が全くありません。藤やブドウの木などは幹が120センチにはなり得ません。このように120センチや300平方メートルや10メートルに及ばないという区民の方から、保護指定基準の緩和を求める意見が寄せられています。今後検討をしていただけないでしょうか。
○石田公園・道路担当課長 確かに、いわゆるつる性の植物でございまして、いわゆる藤棚とか、そういった植物については、今の中野区の条例等におきましては対象外になってしまうわけですね。したがって、そういった指定基準の考え方、もしくは方法論について検討してまいりたいというふうに思います。
○むとう委員 ありがとうございました。ぜひしっかり区民のために、緑をふやすために検討を進めていただきたいと思います。ありがとうございました。
続きまして、先日、来住議員の質疑にもありましたけれども、職員のメンタルヘルスについてお尋ねいたします。
今から2年前、2007年第1回定例会で一般質問いたしましたが、それからずっと私は中野区職員の精神保健相談に注目をしてまいりました。そのときにもお伝えしましたが、田中区政となった2002年度より精神保健相談の延べ件数が急増しています。田中さんが区長になられる前年の2001年度は32件でした。2008年度は1月末までで1,232件です。つまり38倍です。確かに相談体制の充実が年々図られてきていることは大変評価します。それに伴い相談延べ件数が増加したとも言えます。また、健康管理担当課長の熱心さも評価いたします。しかし、それにしてもこの件数は大変深刻な事態だと私は思います。
職員数が中野区とほぼ近い2,300人の渋谷区では70件です。職員数約3,800人の杉並区では103件です。職員数が中野区の約倍ですか、5,000人の練馬区でも124件です。このように、精神保健相談延べ件数が他区と1けた違います。相談体制は各区もちろんまちまちで、一長一短があり、延べ件数のカウント方法にも違いがあり、単純に件数だけでは推しはかれないことは重々承知していますが、「全国的に増加しているので、中野区で増加しても不思議ではない」と落ちついていられる状況にはもはやないと言えます。心身ともに元気に気持ちよく、持てる力を十分に発揮して働ける職場環境をつくり出すのは、ここにおられる管理職の皆様の役目です。心身ともに元気に気持ちよく働ける職場環境をつくり出すために、次年度、全庁的に取り組まれることがあれば、お答えください。
○村田健康管理担当課長 隣接区の例を今挙げまして、いかにも中野だけメンタル疾患が多いと、皆さんお聞きになっていてちょっと誤解を得ちゃうとまずいなと思いまして、1区だけ例を挙げさせて、こういうことですよというお話をさせていただきます。渋谷区の例です。今、委員は年間の相談数70件と言われました。中野の場合1,166件ですから、丸が一つか二つか多いということでして。渋谷区の場合は庁内で相談を受けておりません。そういう相談を受けたかったら病院へ行けと。病院へ行っている数が70件です。中野の場合は保健師さんが常駐していまして、まずその方にお話しして、そこで片づく場合と、または、じゃあ、病院へ行ってくださいと、そういうふうに振り分けをしているんですね。そういう、仕組みが違いますので。先ほど、委員は確かに仕組みが違うとおっしゃっていましたけど、ということで、一律に数だけではできません。
来年度どういうことを考えているかといいますと、一つは、メンタルヘルスで大事なのはカウンセリングを充実するということです。来年度予算の増額を皆様にお願いしているのは、カウンセリングの充実をお願いしています。それから、今、委員が言われていましたように、これは一職員健康管理室だけの問題ではなくて、個々の職場の管理職がこれをどう受けとめるかということが大事なんですね。やっぱり職場の責任者としての管理職、このことを、状況を理解していただきたいということで、一昨年に研修を行いました、メンタル疾患についての理解。それから、今年度、メンタルヘルスの対応マニュアルというのをつくっていただきました。これをもとに、これから管理職について研修をする予定でございます。
○むとう委員 各区状況が違うということはもちろん私も把握して、あえて挙げた数字です。村田さんの御熱心な取り組みはよく評価しておりますので、その思いがここにいらっしゃるほかのそれぞれの職場の中で生かされますように、ぜひ頑張ってください。ありがとうございました。
最後に、その他で1点。学校再編で教育環境はよくなったとこの間いろいろ評価が出ているようなので、桃花小学校についてお尋ねいたします。学校再編計画が決定し、2006年度から旧桃三小学校の改修工事が始まり、6年後の2011年度にやっと体育館が完成する予定ですが、そこまでにかかる総経費は幾らの予定でしょうか。数字だけ簡単にお答えください。
○小谷松教育経営担当課長 数字だけ簡単にということでございますけれども、申しわけございません。きちんとお話し申し上げたいと思います。この体育館の改築とおっしゃいますけれども、体育館のほかに、今、桃花小学校にはA棟、B棟、C棟という三つの校舎がありまして、そのうちのA棟も含めて改築をする、さらに、キッズプラザも新築をすると。つまり、この施設は校舎、体育館、キッズプラザの複合施設でございます。それに加えて、別棟で防災備蓄倉庫も新設すると、こういう工事でございます。
それで、本体の体育館等の改築に要する経費でございます。これは21年度の予算案にお示ししてございますとおり、工事費、それから工事管理費を含めまして14億6,800万円余でございます。そのほかに、それに関連いたしまして、既に執行してございますが、設計の委託、それから、この工事期間中、特別支援学級の旧桃丘小学校への仮校舎整備、そのほか解体や仮設施設関連工事などに要しました経費が2億5,900万円余。そのほかに、再編に絡みまして、第1期から第3期までの改修工事、これを行ってございますが、これが5億5,700万円余でございます。したがいまして、再編の改修に要した経費、それから、本体の体育館等の改築に要する経費、そのほか関連の工事関係の経費、それらを含めまして、決算額と予算額がちゃんぽんになってございますが、総計で22億8,500万円余でございます。
○むとう委員 ありがとうございました。つまり、第1期工事からおよそ体育館すべてが完成するまでに6年間かかるんですけれども、22億8,544万3,000円というふうに私は数字をいただいています。すごい金額ですよね。約2年で、約30億円で体育館も校舎も新築できるという数字が理事者側からこの間出ておりました。それが6年間もがたがた工事をし、体育の授業時数確保のために旧桃丘小まで週1回通うなど子どもたちに負担をかけ、22億8,544万3,000円かけても校舎は古いままです。そして、数年後には今度は校舎の建てかえ工事が入るわけです。私は2006年度第1期整備工事から反対をしてまいりました。子どもたちに劣悪な教育環境を強いるような再編計画がよかったとどうして言えるのでしょうか。まさに計画性のない、稚拙なと言わざるを得ない再編計画に強く批判し、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○吉原委員長 以上でむとう委員の質疑を終了いたします。
次に、近藤委員、お願いします。
○近藤委員 無所属の近藤さえ子です。職員の皆様においては、日々区民のために御尽力をいただき、ありがとうございます。総括質疑も最終日、質問が多少前の議員と重なることがありますけれど、御了承ください。
23区の平成21年度予算が出そろったことを受け、東京新聞が23区予算記者座談会を行い、その記事が2月20日と22日の紙面に掲載されていました。各区が打ち出した事業や取り組みは区民のニーズにこたえているか、また、各区長のPR力はどうかについて8人の記者が議論をしています。各区が打ち出した目玉事業の中で、板橋区の病児病後児保育サービスがトップに挙がりました。これは保育園で子どもが急な熱を起こしたとき、総合病院の看護師が保育園まで迎えに行き、病院で治療と保育をしてくれる制度です。これまで子どもの体調変化や急な発熱に仕事を休んだり、早退しなくてはならなかった保育園に子どもを預ける親にとっては大変ありがたいサービスであると思います。そのため、この報道後、板橋区には全国からの問い合わせが殺到したそうです。ほかにも墨田区の観光都市を目指すスカイツリー関連事業や、江東区の認可保育園の整備、世田谷区の雇用創出対策等が取り上げられていましたが、残念ながら中野区は載りませんでした。評価に順位をつけるのは難しいが、子育て支援では板橋区と荒川区、今後の高齢化への対応は台東区に高い評価ができると本紙は結んでいます。
そこでお聞きします。中野区の平成21年度予算とその取り組みについては、どのように説明されているのでしょうか。また、特に力を入れていく新規事業は何なのでしょうか。
○長田計画財務担当課長 既に予算案の提案の御説明の中でも触れさせていただいたところでございますが、21年度の予算の特徴ということで申し上げますと、公共工事の前倒し実施などの総合的な緊急経済雇用対策、それから、小児予防接種の公費助成などの暮らしと健康を守る取り組み、それから、環境対策やにぎわい創出などの将来を見据えた取り組み、こういったものを主眼に置きまして新たな事業を取り組んでいるところでございます。
○近藤委員 その将来を見据えた事業ですが、(仮称)起創展街会社の取り組みやにぎわいのネットワークの構築は、10か年計画で示す未来を開く4つの戦略のまちの活性化戦略・キラリ中野、日本全体の大きな流れを中野から変えようとする取り組みです。区長が言われる他の自治体をリードする中野区とどのようにつながっていくのでしょうか。
○鈴木産業振興担当参事 こういった急激な景気後退に直面しているときには、明確な夢を持ち得る将来のビジョンを打ち出していくことが必要であるというふうに思っています。あわせて、これまでとは異なる新しい枠組みをつくり出すということの認識に立って、区は行財政運営の方針として、日本全体の大きな流れを中野から変えようとする取り組みであるとか、他の自治体をリードする中野区というふうに述べているところでございます。
○近藤委員 中野にブランド力がつき、まちが活性化することは大変よいことだと思います。その財政効果をお聞きしようと予定していましたが、昨日、平山議員が御質問されていたので、割愛させていただきます。これらのにぎわいのネットワークの構築の先に、区民生活の向上にどのように寄与するのでしょうか。地元の商店街は活性化が実現されるのでしょうか。
○鈴木産業振興担当参事 昨日もお答えいたしました(仮称)起創展街会社が新しい中野駅周辺を中心としてソフト・ハードの魅力づくり、まちづくりを推進する組織として役割を果たしてもらいたいというふうな考えを持っているところでございます。新しいまちづくりですから、そういったところでは、さまざま民間からも資金を集めて、来街者の集客につなげ、中野っていいところだ、楽しいところだというように、外からの評価を高めていくということをまずねらいとすべきではないかというふうに考えてございます。そういうふうに目が高まりますと、やはり中にいる住民も、あ、中野っていいものだというふうな、心情的な逆評価も生まれると同時に、現実的には、評判が高まれば新たな資本が入ってくる、それから、地価も上がるだろう、そしてまた商業も活発になると、そういう一つのいい循環をつくるきっかけとして、中野駅周辺の魅力づくりということが必要だろうというふうに思っています。具体的には、事業者の活動が活発になれば税収にもつながってきますし、その税収の確保によって区民サービスの充実というものが図れていける、そのように考えているところです。
○近藤委員 中野を魅力的なまちにしようとされているのはとてもわかって、評価できると思います。ただ、その努力は本当に評価しているんですけれど、それが一発のイベントで終わってしまわないことがとても大切で、その効果をしっかりと検証することが大事であると思います。まちのにぎやかさやイベントが住民を引きつける大きな要因となるのかというと、それは私には疑問に思えます。
予算規模も立地条件も人口構成もそれぞれ違うので、一概に他区と比較することはできませんけれど、昨日、いでい議員もおっしゃっていましたけれど、賃貸の転居を希望する人に対するアンケート調査では、中野区は、これは中野区全体というより駅周辺と思われますが、交通の利便性からは上位ですけれど、家賃が高く、結局検討するまでには至らないというデータもあります。やはりこういった、活性化させるにしても、家賃が高いとかいう問題も抱えております。
また、若い子育て中のファミリー層は、地域の安全性や子育て支援がしっかりしているかどうか、教育環境が整っているかなど考慮して住まい選びをします。その場合、今回の記事のように、子育て支援が充実しているのは板橋区と荒川区というような情報を目にします。また、かねてから杉並区や大田区の教育現場の活性化が話題になる中での検討をした場合、一般住民はどこに住みたいと考えるかという視点も忘れてはならないと思います。そして、熟年層や高齢者層は安心で落ちついた環境と手厚い支援を切に願っています。まちに住み続けている熟年層や高齢者にとって必要なのは、静かに自分らしく安心して暮らせるまち、もしものときに差し伸べてくれる手のある優しいまち。決してにぎやかなイベントではないので、このイベントの先を本当にしっかり考えていただくことが大事だと思います。
近年、初めに紹介した板橋区のように、さまざまな自治体が生活に密着した事業をマスコミ等でPRしていますが、中野区の「こんな支援があるからここに住みたい」と区民が誇れるような施策、中野ブランドとなるような事業がなかなか見えてこないのですが、いかがでしょうか。
○長田計画財務担当課長 10か年計画をもって今、中野区は将来の姿を実現しようというふうに取り組んでございます。この中野区の10か年計画の一番の特色は、やはり四つの戦略をもって施策の展開を図ろうと考えているところだというふうに自負を持っているところでございます。区民生活に影響を与える大きな課題を中野のまちから解決していくための優先的な取り組み、これが四つの戦略でございますが、これらの戦略を着実に推進していくことが、中野に住みたい、住んでよかったと思われるような中野区のブランド化につながると、かように認識しているところでございます。
○近藤委員 中野区のブランドといっても本当に、大きな垂れ幕を張って(仮称)起創展街会社を宣伝するようなことはなく、その取り組みが区民の豊かな暮らしにたどり着くような道筋をしっかりと描くことが大事だと思います。財政効果の裏づけを伴う事業計画が求められます。中野区が近年取り組んできた独自事業の取り組み、中野区政策研究機構、区民風車、ことしの起創展街会社、そして、にぎわいのネットワークの構築からは、区民生活が少しでもよくなり、満足度が増す、そこまでの道のりがまだ見えず、費用対効果は低いように思われますが、いかがでしょうか。
○長田計画財務担当課長 委員御指摘の事業、施策でございますが、これはすべて中野の将来、未来を見据えた取り組みの施策の一つひとつであるというふうに考えてございます。それぞれの年度でも成果は出してございますが、全体の成果が一、二年という短期的なところですぐ出るというものではないというふうに思ってございます。将来を見据えた取り組みということで、今後も着実に推進をしてまいりたいと考えてございます。
○近藤委員 将来を本当に見据えてお願いしたいと思います。注目を浴びても、持続性、目的への寄与度が低ければ、別の方法を検討するべきと思います。
2月19日の朝日新聞には「マイナス予算8区で」として、そのトップ記事には中野区が出ておりました。中野区が保養施設シェモア仙石を売却することになったとありました。予算上仕方がないと思います。ただ、中野区のよい事業が消えていくことは残念です。例えばこのよい事業のことですけれど、小学生5・6年生を対象にした常葉サマーセミナーは、他区に住む多くの保護者たちからうらやましがられた子どもたちに手厚い教育事業でした。6年生までの体験の中で一番楽しい思い出だったと語る子どもたちもたくさんいます。お子さんが幼稚園のときから常葉サマーセミナーに行くことを楽しみにしていた保護者もいます。ことしやっと5年生になりました。私はまだ廃止になることを伝えられません。常葉サマーセミナーにかわる事業が中野区のブランドになるぐらい、中身のある事業にしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○竹内教育委員会事務局次長 このたびの見直しによりまして、より身近な場所でより多くの子どもたちにさまざまな自然体験ですとか科学実験などの機会を提供していきたいというふうに考えております。こども科学教室は大変今でも好評をいただいている事業でございますけども、このたびその定員を大幅にふやすとともに、新たに仲間づくりを図りながら、環境学習や自然観察を行うコースを増設するなど、ニーズにこたえられる内容に充実する予定でございます。多くの子どもたちの参加を得られ、また、効果のある事業となるよう工夫に努めてまいりたいと考えております。
○近藤委員 財政の限りある中で打つ施策です。今後の10か年計画の見直し、「未来への扉をひらく4つの戦略」が、区民が中野区に住んでいることを誇らしく思えるような施策の積み重ねとなってほしいと思います。そのことをお願いして、私の1番目の質問は終わりたいと思いますが、御見解をお願いいたします。
○髙橋政策室特命担当課長 10か年計画の改定に当たりましては、区民とともにつくった基本構想で描く中野のまちの将来像の実現に向けて、今、委員がおっしゃるとおり、誇らしいと思える計画、そのように取り組んでまいりたいと考えております。
○近藤委員 ありがとうございます。本当に誇らしい区で議員をやらせていただいてよかったと思います。
次に、公教育の充実について二つ伺います。
学校の外部評価について。教育委員会では、学校、幼稚園に外部評価の制度を取り入れていますが、どのような制度で、目的は何なのでしょうか。
○入野指導室長 現在、保護者等による学校関係者の評価を外部評価と呼びまして中野区では行っております。その目的は、学校や幼稚園が、保護者や地域住民など学校の教職員以外から学校の教育目標の達成度合いや学校の教育活動、学校経営状況について評価を受けまして、意見・要望等を把握し、その結果を参考に改善策を立てて、教育活動の充実・向上を図り、学校改革を進めていくということによりまして、より信頼された、開かれた学校づくりを達成することを目的として行っております。
○近藤委員 中学校の保護者による外部評価を例に挙げて質問させていただきます。この外部評価の結果は、教育要覧と教育委員会のホームページに載せていますが、中野区全体として各項目ごとに、例えば「学校は、特色ある教育活動を推進している」など23の項目があり、「A十分」が何%、「Bまあ十分」が何%、「Cやや不十分」が何%、「D不十分」が何%、「E答えられない・分からない」何%と数字で示されています。ほとんどの項目で「十分」と「まあ十分」を足すと70%を超えていて、よい評価をもらっていると言えます。この評価を教育委員会はどのように活用するのでしょうか。
○入野指導室長 教育委員会では、今、委員がお話をなされたような共通項目について、全学校の状況を把握しておりますので、その評価をすべて集約いたしまして、分析した上で、教育施策についての業績評価の指標にも使っておりますし、今後の改善・充実のための計画作成に役立てております。
○近藤委員 しかし、教育要覧、ホームページに載っている評価は全校合計を平均したものであって、各学校の評価を見ますと、全部見たわけではありませんが、「十分」と「まあ十分」が80%を超えている学校もあれば、50%を割る学校もあります。特に気になったのが、「学校は、生徒に学習内容の基礎・基本を身に付けさせている」「学校は、熱意をもって指導に取り組んでいる」「学校は、生徒の関心や学習意欲を引き出す授業を工夫している」、このような学習に関する項目がどれも「十分」と「まあ十分」が50%を切る学校と90%近く満足している学校の差があります。学校選択制をとっていない中野区の公立中学校の保護者の評価にこれほど差があることについて、どのようにお感じになりますか。
○入野指導室長 委員のお話は恐らく、それぞれの学校が、今お話しした保護者による評価を学校だよりですとかホームページで改善も含めて公開することということにしてございますので、それを見ていただいたんだというふうに解釈しております。学校評価の本来の目的は、先ほどもお話をしましたように、学校ごとに自分の学校の課題を明らかにして改善・充実を図ることでありまして、他校と比較して優劣を見るものではないと本来的にはとらえておりますが、学校によって区の平均と大きな差が生じるような項目については、取り組みの内容や保護者への説明責任を含めてその原因をまず把握することが大事かなというふうに思っております。そして、必要に応じて改善策を学校と教育委員会が協力して検討していく必要もあるというふうに考えております。
○近藤委員 学校は、やはり悪い評価が出たときに取り組もうとすると思うんです。そして、先生方も一生懸命どうしようかと思うと思うんです。ただ、2年続けて、また3年続けて「学校は、熱意をもって指導に取り組んでいる」というのが「不十分」という結果になった学校に対して、やはりそれを学校にお任せしても、学校が取り組めといっても、それは熱意を持って指導に取り組んでいないかもしれないわけですよ。そういうことが数字で出ているのにかかわらず、この全体の中野区としての学校評価は足してしまっているので、いいところもみんななっているので、いい評価が出て、それを普通の人は見て、各学校の人たちだけが悪い評価を見るという仕組みでは、改善がなされないと思います。やはり「熱意をもって取り組んでいる」というのが不十分な学校や、「生徒に学習内容の基礎・基本を身に付けさせている」というのが不十分な学校に対しては、学校だけに任せるのではなく、教育委員会としてきちっとした方策をしなければ、それはやはり立ち直れないのではないでしょうか。
○入野指導室長 今のお話の部分でございますけれども、その原因はいろいろあるかというふうに思っております。その数値は真摯に受けとめなければいけないのは学校も教育委員会も同じだというふうに思っておりますが、例えば熱意を持って指導に取り組んでいるということが伝わらない状況なのか、または委員のお話のように、熱心に取り組んでいない教員がいるのか、それは個々の問題なのか、組織の問題なのか、またそのほかの問題なのかということはしっかりととらえていかなければならないかと思っております。そして、それに対応した私どもの支援を学校とともにやっていくことが大事かというふうに考えております。
○近藤委員 この外部評価を学校からもらってきて、保護者がこれを書くというのは、やはり学校に対してもそうですし、教育委員会に対しても期待をしているからこれを提出するんだと思うんですね。それをやはり学校だけには任せないで、教育委員会としっかりこのことを厳粛に受けとめて、学校への改善としていかなければ、学校は2年続けて悪い評価をもらっているということは教育委員会に対してのSOSだと私は思います。それをやはりきちっと受けとめて改善に向けていただきたいと思いますが、いかがですか。
○入野指導室長 繰り返しになるかもしれませんが、外部評価だけでなく、学校の状況というのはいろいろな形で私どもの目に入ってまいります。具体的に直接的に観察をさせていただく場面でも課題の把握ができますし、今の外部評価、それから、学力にかかわる調査等々、学校の状況を把握できるものはいっぱいございます。それらを総合的に見まして、学校のSOS、学校の置かれている状況については、ともに考え、ともに支援をし、私どもも力を尽くしてまいりたいというふうに思います。
○近藤委員 ありがとうございます。回収率が上がっていると聞きます。これは保護者の学校や教育委員会に対する期待だと思います。そこのところを十分に考えていただいて、ぜひ公教育を充実させていっていただきたいと思います。
その他で、犯罪の被害に遭った方、またはその遺族の方をゲストに迎えて、中野区の中学校で授業を行ったと聞いていますが、どのようなものだったのでしょうか。
○入野指導室長 今年度、小・中学校1校ずつが、交通犯罪等にかかわる授業を保健福祉分野の協力を得まして、犯罪被害者相談窓口担当の方と御協力を得まして実施いたしました。小学校では交通遺児の方々に命の大切さや家族の大切さ等についてお話をいただき、中学校では、犯罪被害者やその家族が置かれた状況、法整備や民間による支援などの現状等を、統計資料やビデオ、手記等を活用して生徒の理解を深めた後に、遺族による講演会を行いました。
その結果でございますけれども、子どもたち全員が講演者に感想の手紙を送りました。それを見させていただきますと、小学生は、家族が生きているということはとても幸せなことなのだと強く感じ、自分も毎日お父さんやお母さんへの感謝の気持ちを忘れずに、そして大切にしたいと思ったというような、命の大切さや家族を大切に思う気持ちが理解できたという反応がございました。中学生からも同様な、犯罪被害者に対してしっかりした対応をしない現状を知ったということで、自分たちは犯罪被害者に対して何をすればいいのかということを考えたというような趣旨のいろいろな感想があったということを報告を受けております。
○近藤委員 ありがとうございます。私も命の大切さを伝えるために、他の自治体の「よのなか科」などさまざまな場所で講演をしておりますけれど、特に子どもたちは話を聞く前と後では驚くほど命に対する考え方も違ってきます。今までいて当たり前だった両親の存在をとてもいとしく思い、私に感謝さえしてくれます。現在自分が生きていることのすばらしさを感じてくれます。心に響く命の大事さを教える授業に取り組んでくださって、とてもありがとうございます。
次に、3番目にネズミの駆除について質問させていただきます。
これは私ごとで大変恐縮なんですけれども、ことしに入り、我が家では朝方にガリガリと木を削る大きな音がするようになりました。御近所の古い大きなお宅が取り崩されたころからこの音はさらに大きくなった気がします。毎朝4時ごろ、ネズミが木を削り走り回る音が聞こえ、睡眠を妨害され、気持ちも悪く、日々生活に支障が生じています。現在、業者にネズミの駆除を依頼していますが、その費用は10万円を超える高価なものです。それでも駆除し切れないこともあるそうで、そのときは天井をあけてもらうために大工さんに依頼するそうです。家にネズミが出るなどと言うと、建物のメンテナンスもせずにだらしなく暮らしていると思われるのではないかと心配しながらも、何人かの知人に話したところ、多くの人がネズミの害に悩まされている、あるいはかつてネズミで大変な思いをしたことがあることがわかりました。
隣の練馬区の話で、練馬に住む知人から家の中に出没するネズミに困っている話を聞いていました。数年前から練馬方面の薬局やペットショップではネズミ用の駆除剤や器具がたくさん売られ、いかにネズミが多く出るかを感じていました。練馬区では平成17年度、ネズミ相談や指導が1,500件あったそうです。ネズミの対策、施策をつくり、積極的に取り組んでいるようです。最近、中央線や西武線沿線でネズミの出没がふえているという情報もありますが、中野区のネズミの被害の現状はどうなっているのでしょうか。相談件数がわかれば教えてください。
○古屋生活衛生担当課長 保健所がお受けしたネズミの相談件数は、平成19年度は322件ございました。参考までに平成18年度は355件、17年度は504件ありました。このことから、最近3年間の相談に関してはほぼ減少の傾向にはあるかと思います。
○近藤委員 高齢者のみの家庭ではネズミの害に気がつかないで、介護保険のヘルパーさんが介護現場でネズミに遭遇して困っているという話も耳にしています。高齢者世帯はネズミが出ても自分の力では駆除もできず、経済的な理由で業者に依頼することもできない状態であるという話も聞いています。こういう問題でも支援を必要とする高齢者の存在があり、その増加は予想されます。保健所ではどのような対応をされているのでしょうか。
○古屋生活衛生担当課長 高齢者の世帯からも相談もいろいろお受けしております。ただし、一般的な相談と同じように、相談に来られた方に対しましては、ネズミの習性であるとか、あるいは駆除の方法、こういうことにつきまして個々に御説明をしているところでございます。
○近藤委員 都会のネズミはサルモネラ菌や家ダニなどを媒介するため不衛生です。また、電線や光ケーブル、時にはガス管まで食いちぎってしまうこともあり、危険です。最近都会に多いクマネズミは、1本の電線の上でも歩けて、6ミリのすき間があれば建物内に侵入でき、さらに、学習能力にすぐれているために、捕獲が大変難しいと言われています。ネズミは1軒から追い出されると、次のすみかを求めて動くので、地域的な問題になります。ネズミ被害を最小限にとどめるために、区報などで環境的防御の勧めを周知し、ネズミ駆除支援を必要とする区民に対して速やかな対応と指導をしてはいかがでしょうか。
○古屋生活衛生担当課長 保健所のほうでは、ネズミの侵入箇所であるとか、あるいは駆除の方法について、わかりやすい写真などを使った資料を作成して、環境的な防除の周知を行っているところでございます。また、ホームページのほうでもネズミ被害の注意を促すとともに、被害を防ぐための対応策につきまして情報提供しております。なお、ネズミの駆除の支援を必要とする区民の方に対しましては、殺そ剤であるとか、あるいは粘着シート、こういうネズミ駆除のサンプル品を参考に提供しまして、様子を見ていただくようにお願いしているところでございます。また、ネズミ駆除を専門に扱っている協会等を御案内しております。今後とも、相談者に対しましてはそれぞれ適切に対応していきたいと考えております。
○近藤委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。一般質問からいろいろな質問を取材している中で、職員の方たちにもいろいろネズミの話をしましたところ、中野区にすごく昔に住んでいたときに、自分の顔の上にネズミが歩いてきたという職員もこの中にいらっしゃいました。本当にネズミの被害は、困っている人にはとても大変な被害です。どうか区民のそういった生活の本当に基本の身近な自治体の支援をよろしくお願いいたします。
私の質問はすべて終わりです。ありがとうございます。
○吉原委員長 以上で近藤委員の質疑を終了いたします。
少し早いのですが、この時点で3時休憩をとりたいと思います。
午後2時42分休憩
午後3時05分開議
○吉原委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、総括質疑を続行します。
いながき委員、お願いします。
○いながき委員 無所属のいながきじゅん子でございます。
本日は中野駅周辺のまちづくりについて伺います。質問の順序を入れかえまして、最初にその他の項のまちづくりの財源と警察大学校等跡地整備の経済効果について伺います。
中野区の顔とも言える中野駅とその周辺が大きく変わっていくということについては、近隣住民の方はもちろんのこと、多くの区民が高い関心を持ってその行方を見守っています。私は、先行き不透明な何かと暗い話題が多い昨今において、この事業は私たち区民がまちの将来への夢や希望を抱ける数少ない明るい話題の一つであり、ぜひ成功させていただきたいと思っております。しかし、一方で、こういった大規模開発には多額の費用がかかるのが現実であり、要所要所でそのお金をどこが幾ら出すのかという難しい問題に決着をつけていかなければなりません。その交渉に時間がかかると、その分計画全体がおくれ、かつ余分な経費も上乗せされていきがちです。しかし、かかるものはしようがないと言って貴重な税金と時間を浪費するのは、区民感情の面からいっても許されることではありません。
例えば中野駅関連の整備費用の負担割合については、いまだJRと決着がついていません。平成19年に設置された交通結節点のあり方検討会にJRが正式参画するまで、この件については一切話をしてこなかったのでしょうか。昨日の御答弁では、警大等跡地の整備が進めば、ピーク時には1時間当たり1万人以上駅利用者が増加するということで、改札や自由通路の新設、北口広場の整備は待ったなしの状況のようですが、負担割合もいまだ決まっていない状況で、工事が間に合うのか心配です。現時点でJRとの交渉はどういう状況なのか、お答えください。
○松前拠点まちづくり担当課長 中野駅地区整備に係るJRとの交渉状況についての御質問かと思います。JRさんにつきましては、御指摘いただいたように、平成19年度から交通結節点あり方検討会というものを設置しておりまして、その中にJRさんも入っていただいている状況です。この検討会では、南北の新しい自由通路並びに新しい歩行者動線のあり方について、具体的な技術的な検討を行ってきたところでございます。この検討会は20年度も引き続き設置をしておりまして、次年度以降もこの中で整備構想から整備計画へ検討を進めていきたいというふうに思っているところでございます。
○いながき委員 負担割合についてはどういう交渉状況になっていますか。
○松前拠点まちづくり担当課長 負担割合についても、今後整備計画等々を検討していく中で、これをどういった事業手法でやっていくのか、また、事業割合、費用負担もどのようにしていくかというところを今後協議していくことになろうかというふうに思います。
○いながき委員 このまちづくり事業は、昭和62年に最初の調査を委託することから始まって、既に20年以上たっています。そこまでさかのぼらなくても、交通結節機能の調査、駅の調査を平成16年に委託したときからも既に数年たっています。これだけの時間がかかっているにもかかわらず、今の御答弁では、これまで結果的に何もしなかったという結論に帰結してしまいますが、よろしいですね。
○松前拠点まちづくり担当課長 まちづくりに関しては、過去もろもろ調査をしてきているところでございます。ただ、本当に19年度から具体的な整備検討を行っているわけで、決して何もしていないということはございません。まちづくりの動きの状況、進捗に合わせて着実に検討しているところでございます。
○いながき委員 また、昨日の質問でも触れられていましたが、開発協力金40億円について再度伺います。この金額は、警大等跡地に進出する4事業者と財務省から支払われるということですが、要綱では任意の寄附金となっています。この経済状況の中で本当に全額を集めることができるのでしょうか。
○松前拠点まちづくり担当課長 開発協力金についてでございますが、こちらにつきましては、事業者と個別に取り交わしております覚書、その中にも項目としてきちんと取り込んでいるところでございます。これに基づいて、区といたしましては、その額や支払い時期について各事業者と協議を進めてまいります。
○いながき委員 今の御答弁ですと、この40億という金額が変わる可能性があるということですね。
○松前拠点まちづくり担当課長 その数値は一定の想定の上に区が示しているものでございます。基本的には、考え方は変わらず協議をしてまいりたいというふうに思っております。
○いながき委員 今回の計画は当然、国のまちづくり交付金や都の都市計画交付金などを見込んでのものだと思います。一つ懸念しているのが、例えば今後の政局の変化等に伴い、もし仮に道路特定財源が全額一般財源化された場合、見込んでいたお金が来なくなるなんていうことが起こらないのかということです。その心配はないんでしょうか。ないとは思うのですが、万が一にもそういう緊急事態が起こった場合のプランシミュレーションは何か考えていらっしゃるのでしょうか。私もそうですが、多くの区民の方がこのまちづくり事業が円滑に進むことを期待し、完成を楽しみにしていると思いますので、確認させていただきます。
○松前拠点まちづくり担当課長 道路特定財源のことでございました。これのことにつきましては、関連法案が現在国会審議中であります。この動きに関しましては、今後、その動向に細心の注意を払って取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○いながき委員 まちづくりといいますと、建物や道路、駅舎や広場の整備といったハード面の話が先行しがちですが、幾ら外枠が立派に整備されても、その中身、ソフトがお粗末であれば、人々を引きつける魅力的なまちにはなり得ません。その中身、今回の中野駅周辺まちづくりが目指すものについては、これまで基本目標あるいはコンセプトという名称で何度も発表されていますが、どうやってその目標やコンセプトを達成していくのかという具体的な方策があまり見えてきません。
例えば中野駅周辺まちづくりガイドライン2007のまちづくりの基本目標の2番目では、まちの個性の発揮と求心力、集客力の向上によって、にぎわいと個性のあるまちの拠点を実現と明記されています。ただ、中野駅周辺にはブロードウェイやサンプラザなど既にそれなりに有名で、それなりの集客力がある商業文化施設がございます。新たにどのような方法で求心力、集客力を向上していきたいと考えていらっしゃるのでしょうか。先日の一般質問での区長の御答弁では、警大等跡地では23年度ぐらいから順次区道の整備や建物の竣工が予定されている、それ以外の地区の再開発完了まではまだ相当時間がかかるとのお話でしたので、今回は警大等跡地整備をまちの活性化、新たな個性やにぎわいの創出にどのように結びつけていくのかということについて御説明いただけますでしょうか。
○鈴木産業振興担当参事 警察大学校跡地の整備が一番早くスタートするというふうなことで、そこには今まで中野にはなかった非常に大きな緑と空間、それから学校、大学、それから業務棟ができてくるというふうな想定、計画でございます。そういう意味では、これまでにないものをどう生かしていくかということは、それらの事業主体者である方々と十分に協議をしながら、新しいコンセプトづくりにも加わっていただく必要があるだろうというふうに思っています。また、集客という意味では、ビジネス的にはやはり大きなビジネス床が発生いたしますので、駅前にこういったビジネス人口がふえるということ、それから、大学による交流、学生がふえることによってやっぱり人の流れが変わるということから、そういったものにふさわしい、今までにない中野の特徴になるようなソフトの施策ということを誘導していくべきではないかなというふうに考えています。いずれにしましても、まちをよくしようということにかかわる人たち、区も含めて、これからそういったソフトのことについての協議の場づくりから始めたいと、そのように考えております。
○いながき委員 公園と大学あるいはオフィスというのは、正直、どこのまちでもあると思いますが、それが中野の個性にやっぱりつながっていくんでしょうか。
○鈴木産業振興担当参事 個性の一つということが言えるのではないかなというふうに思います。この駅周辺を同じ個性で一色で語るというよりか、やはり駅、先ほど委員の御質問の中にもありましたように、今も非常に商業集積として活性化になっておりますサンモール、ブロードウェイというのもございます。そういった色合い、特徴とは異なる空間を区民や、また事業者の人たちがどういうふうにしたいのか、そういったところから考えていけたらというふうに思っております。
○いながき委員 ちなみに、警察大学校跡地の整備完了により、区への直接的な経済波及効果は幾らくらいを見込んでいらっしゃいますか。
○鈴木産業振興担当参事 こういった拠点整備の経済波及効果というのは、事業費、建設の投資額、それから、施設ができたときにそこから発生する経済効果というふうに、大きく合算して計算されるんだろうと思うんですけれども、今現在、私どもは、地権者の方たちが建設にどのぐらい投資なさるのかという、そのあたりの数字を把握しておりませんので、結論から申し上げて、そういった経済波及効果の詳細については把握しているところではございません。
○いながき委員 大学が三つ来て、若い学生さんがたくさん集まるということで、確かにまちはにぎやかになるとは思いますが、地元経済の効果はどれくらいあるのでしょうか。どうも学生さんたちというのは、安い学生食堂や割引がきく学内の購買部を基本的に利用して、外でもコンビニエンスストアですとかファストフード店ですとかのチェーン店ばかりに行ってしまうイメージがあります。あまり地元にお金を落とさないんじゃないかというイメージもあるんですけれども。そして、区は産学連携あるいは産学官連携がまちの活性化をもたらすと強調していらっしゃいますけれども、産学連携とは具体的にどういう内容で、どのようにまちを活性化していくと想定しているのか、教えてください。
○鈴木産業振興担当参事 先ほどの経済波及効果のところなんですけれども、実際にどのぐらいの人がふえるかというような試算は出ております。学生が、寮に入る学生も含めて7,400、それから、オフィスに通う人たちが、就業者が6,000、それから、店舗に働く人等を入れますと1万4,000ぐらいの人数がふえるだろうというふうに考えています。その方々が多少であれ地元で毎日お金を落とすのを平均的に1,300円としますと、この人たちが落とすのが年間44億、そんなような計算ははじいているところです。その中で、学生さんがあまりお金を落とさないことは一定言われていることでございますけれども、学生がそれだけここに集まるということは、下宿でありますとか住居、それから交通、バス、そういったものの経済波及効果というものも発生することが見込めるというふうに考えております。
それから、産学連携についてです。産学連携は、確かに今まだ中野区の中では実態的には進んでいないところですけれども、やはり一定共同研究、それも先端技術というよりか、中野のこういうふうな商業集積の特徴から見ると、マーケティングであるとか、サービス産業をよりよい価値があるものにするにはどうしたらいいのか、そういった観点からの大学と民間の共同研究があると思います。そういった中で、研究から企業は事業化にしたり、顧客サービスの充実に努めたり、そういうような連携と、もう一つは、やはり産業人材につながる人材育成というところでは教育の持つ力は大きいと、そのように考えているところです。
○いながき委員 そうですね。産学連携については、例えば学生と企業が組んでイベントを行ったりですとか、商店街に学生運営の店舗を開いたりと、一時的には確かにまちの活性化に一役買っているケースもあるようなんですけれども、それを長期にわたって維持・継続しているケースとなると本当に少ないようですし、ましてまち全体、区全体にその効果を波及させている実例はほとんど残念ながらないように見えます。
あと、ガイドラインの中で、産学官の連携促進によって個別企業の力を伸ばし、中野区全体の産業の活性化を推進するという必要があるとおっしゃっていますけれども、先ほどもサービス業の力を伸ばしていきたいということでしたけれども、やはりこのガイドラインに書いていますイノベーション推進ということに関しては特に、中野区は大田区のような製造業のまちではありませんし、ほかの分野でもわざわざお金を出して大学に何か研究を依頼したいという企業は少ないのじゃないかなと正直感じております。産学連携、産学連携と、警察大学校等跡地の整備の効果を主張なさいますけれども、ちょっとこの言葉を安易に使っているのではないかなという気がするんですけれども、もう一度お答えをお願いいたします。
○鈴木産業振興担当参事 いわゆる全国的に言われています産学官連携というものが、一つのやはりパターンができているのかなというふうにも思っております。そういう観点からいうと、委員が今おっしゃったように、なかなか中野にはなじみにくいのではないかといったような懸念が考えられると思うんですけれども、ただ、やはり産学官連携も、大学もいろいろ日々進化しておりますし、現実的なマーケットをにらみながら研究をしなければ生き延びられない、そういう時代になっておりますので、むしろ大学を利用してしまうというふうな、そういうしたたかさを持って連携のいい形がつくっていけたらというふうに思っております。
○いながき委員 ありがとうございました。
次に、親子の遊び場づくりについて伺います。
中野区のような都市部において、子ども、特に乳幼児の遊び場不足は深刻です。一応各地に公園は点在しているものの、遊具も少ない地味なところが多く、正直、魅力的な場所は少ないと感じます。そもそも衛生面や昨今の治安の問題で、積極的に子どもさんを公園で遊ばせないと、遊ばせたくないという親御さんも残念ながらふえているようです。公園ではボール遊びはできませんし、住宅密集地が多い中野区では親子でキャッチボールというのさえなかなか厳しいものがあるようです。学校の校庭開放や保育園や幼稚園の園庭開放、児童館での親子プログラムのようなものもございますが、公的施設ですと日曜日はほとんど閉まってしまい、好きなときに遊べるというわけにはいきません。
区民からは近場で安心して子どもを思いっきり遊ばせられる場所、特に休日に親子で楽しめる場所というのが強く求められていると感じますが、いかがでしょうか。また、区にはそういった場が十分確保できていると言えますでしょうか、お答えください。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 今、委員おっしゃられましたが、休日の子どもの遊び場としましては学校開放等がございます。また、乳幼児の方ですと、公園等でもそんなかたいボールでなければボール遊びも十分にできるかというふうには思ってございますが、それだけで十分だというふうには思ってございません。そこで、私ども子ども家庭部では、来年度の予算でお示しをしてございますが、ベビーバギー等を押して御自宅から通いやすい場所に子育て広場といったようなものを拠点整備をしていきたいと、そういうことに取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
○いながき委員 昨今は子どもの運動能力及び体力の低下が叫ばれるようになって久しいですが、山梨大学の中村和彦先生によりますと、昔のように野山を駆け回って遊べる環境が激減した今では、日常生活の中で子どもたちが体を動かして思いっきり遊べる場と、発育段階に応じた運動プログラムを提供していく必要があるのだそうです。ただ、何かスポーツをさせれば大丈夫なのかというと、そう簡単ではなくて、遊びを通して基本的な体の動きを身につけずに一つのスポーツ競技に特化しても、限られた身体能力だけで、バランス性が欠けてしまうんだそうです。また、指導によるトレーニングではなく、好奇心を刺激しながら楽しく遊ぶことで心の育成にもつながり、集団行動が苦手な現代の子どもたちが社会性や協調性を身につける機会にもなるのだそうです。しかし、専門ノウハウがない行政のほうでこういった遊び場やプログラムを提供するのは、財政的なことも含め非常に難しいと思います。
しかし、今、こういった時代のニーズにこたえるように、子どもたちが楽しく遊びながら運動能力を身につけることができる魅力的な屋内施設や遊具を提供する民間企業が相次いで出現してきております。そういうところに教育機関やディベロッパーが遊具などのプロデュースを依頼するケースもふえてきています。さらに、行政側が子育て支援の一環として、こういった民間企業と官民協働で子どもの遊び場を提供しているケースも出てきています。この試みの反響は非常に大きく、福岡県北九州市が駅前の第三セクターのビル内で民間企業の全面プロデュースで実現した期間限定のプログラム、「あそびのせかい」というタイトルがついていたんですが、そこでは1年半で親子合わせて36万人の利用があり、群馬県前橋市が同じ企業のプロデュースの遊びの空間を「子育てひろばプレイルーム」として、NPO法人の運営で提供し始めたところ、無料ということもあって、半年で15万人の利用があったそうです。民間の力を活用するとはまさにこういうことなのだと思った次第です。区は、このような自治体と民間企業とのコラボレーションによる子育て支援、子どもの運動能力・体力向上支援策についてどうお考えでしょうか、お答えください。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 乳幼児期から運動能力の向上を図るということは区の重要施策だというふうに思ってございます。私どもで今、追求をいたしておりますのは、幼児教育センター、これとも連携をしながら、外遊びの機会をふやしてやって運動能力を向上させていこうと、こういったことに着手していこうというふうに思ってございます。ただ、今、委員おっしゃられましたように、一方で外の衛生面に気を使って、室内遊びを求める親のニーズというのも確実にふえてきてございます。そういったところから、室内公園といったようなものも整備されてきているのが昨今の状況なのかなというふうに思ってございます。そういったところのNPOにしろ、それから玩具の開発メーカーにしろ、民間と私どもとが連携・協働するといったこと、これについてはやぶさかではないというふうに思ってございます。
○いながき委員 そうですね。本当は外で思いっきり遊べるというのが一番理想なんだと思いますが、天候の問題もありますし、昨今の事情から、そういった屋内公園が必要とされてきているというのは本当にそうだと私も思っています。
これまで複数の区民の方から、中野駅近辺に親子で遊べる場所がない、あればいいのにという声を聞いております。言われてみればそのとおりだと思います。休日になると、親子でにぎわいを見せているのはブロードウェイの玩具売り場ぐらいで、親子で楽しめる場所、特に体を動かして遊べる場所というと本当に少ないなと感じます。以前は南口の丸井さんの屋上がそういった場所だったようですが、今ではそれもなくなってしまいました。私は東京23区のような都心にこそ、天候に関係なく小さな子どもを安心して思いっきり遊ばせられる屋内公園のような遊び場が強く求められていると感じています。
例えば杉並区では現在、有料の子育て支援サービスに利用できる金券を子育て応援券という形で支給していますが、その利用先の年間第1位が町田市にある別の企業が運営する同じような屋内公園、遊び場だったそうです。応援券が利用できる施設やサービスは杉並区内や近隣にもたくさんあるのに、区から40キロも離れて車で1時間はかかる施設まで、私も実際車で行ってみたんですけれども、本当に1時間ぐらいかかるんですが、そこまでわざわざ出向いている親子が多いという事実に驚きました。
もし中野駅周辺の再開発に合わせ、安心して親子で楽しめる屋内施設を駅周辺に提供できれば、区内の子育て世帯に喜ばれるのはもちろん、これまで中野になじみがなかった新たな層も区外から呼び込める可能性が高いのではないでしょうか。最近はこういった屋内公園の集客力に着目し、商業ビルを運営するディベロッパーが積極的にその誘致に乗り出しているケースもふえているようです。私が視察に行ったJR川崎駅前の商業ビルでは、この親子向けの屋内施設が入居したことで、ビルの飲食店の売り上げが20%増加したそうです。思いっきり遊ぶことで、子どもたちもおなかがすいてレストランに行くと、そういう図式です。また、子どもたちを見守る運営スタッフさんは、元保育園や幼稚園の先生だった方も多く、そういった方たちの再就職の場ともなっています。
もし警大等跡地の商業エリアや建てかえ中の南口の丸井さん等にこういった施設があれば、天候や曜日に左右されない、安定した集客効果が見込める可能性は高いですし、周辺への回遊性を高められれば、地元への経済効果も見込めるのではないでしょうか。ほかにもサンプラザですとか、勤労福祉会館ですとか、中野駅近くには活用できるようなスペースがたくさんあるのではないかと思います。民間企業の運営ですと、区の財政負担もありません。今回のまちづくり計画をチャンスととらえ、新宿や杉並など中央線沿線のほかの自治体に先駆けて、交通の便がよい中野駅周辺にこうした施設を誘致し、中野区政の先見性を発揮してみてはいかがかと思いますが、御見解をお伺いします。
○松前拠点まちづくり担当課長 中野駅周辺のまちづくりにつきましては、にぎわい形成という考え方がございます。このにぎわい形成ということを考える際に、委員のおっしゃっているような屋内型の遊び場形成ということも、考え方の一つとしてはあろうかなというふうには思います。ただ、民間施設である以上、事業採算性でありますとか、その企業それぞれの戦略、建物に対するコンセプトというものがあろうかというふうに思っております。そういった状況の中で、区として施策的な要望以上に、個別具体的な業態の導入を働きかけるような、そのような動きは控えるべきではないかというふうに思っております。
○いながき委員 じゃあ、難しいということですけど、屋内公園の集客力ですとか、現代の親子のニーズに関してはどう思いますか。あると思いますか、ないと思いますか。
○松前拠点まちづくり担当課長 それは駅周辺あるいは中野区に限らず、親子で遊べる場所に対するニーズというものはあるのではなかろうかというふうに思います。
○いながき委員 ありがとうございました。
実はこういった施設は、子どもたちだけではなく、遊び場が限られていた障害者の方たちからも好評で、団体単位で利用されているそうです。また、高齢者のデイケアとしての利用も可能なのだそうです。利用料金は企業によって多少差がありますが、私が視察に行ったところでは、平日1カ月遊び放題で子ども1人当たり4,200円というパスポート制度がありました。ディズニーランドや近くの遊園地に行くよりは安いのではないかと思います。子どもたちの健全な発育のために、休日に子どもを遊びに連れていく場所を探しているお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんのために、そして、にぎわいのある中野のまちづくりの起爆剤として、ぜひ誘致を検討していただきたい旨を要望して、私の質問をすべて終了します。ありがとうございました。
○吉原委員長 以上でいながき委員の質疑を終了いたします。
次に、林委員、お願いします。
○林委員 総括質疑、最後になります。お疲れのこととは思いますが、お耳を傾けていただき、明快なお答えをお願いいたします。
まず最初に、政策研究機構について質問いたします。(1)障害者雇用の政策実現についてと、その他として、自治体シンクタンクについてをあわせて質問いたします。
地方分権一括法の施行や三位一体改革など地方分権改革の推進は、地方自治体が独自の選択と責任により自治体を経営しなければならない、都市間競争の時代を到来させている。中野区はこの競争を勝ち抜き、区民にとっての価値と満足度を高める区政経営を実現するために、政策形成能力を一層向上させることが不可欠であるという背景をもとに、平成19年度に経営本部に新たに自治体シンクタンクである政策研究機構が設立されましたが、目的はどのようなものであるか、お答えください。
○小田区民の声担当課長 委員御紹介のように、やはり地方分権が進む都市間競争の時代におきまして、中野区がこの競争を勝ち抜き、区民にとって価値と満足度を高める区政運営を高めるためには、政策形成能力のより一層の向上が必要であるというふうに考えてございます。このことから、専門的研究と実践的な側面をあわせ持ちます政策研究に取り組みまして、中野区の政策形成能力を高めるために政策研究機構を設置したものでございます。
○林委員 では、この政策研究機構は、いわゆる民間シンクタンクではなく自治体シンクタンクという形態をとられていますが、民間シンクタンクではなく自治体シンクタンクという形態をとる最大の目的は何でしょうか。
○小田区民の声担当課長 区で設置いたしましたので一応自治体シンクタンクなんですけれども、やはり民間シンクタンクでは自治体内の内情がちょっとよくわからなく、把握が不十分である場合ですとか、民間シンクタンクに委託して調査することでは、職員の政策形成能力の向上は図れないというふうなことがございます。また、自治体シンクタンクである以上、やはり調査研究結果がさまざまな形で政策に反映されることが必要であるというふうに考えております。ただし、政策研究という性格上、発想の転換を行いまして大胆な提案を行う場合もございますので、すべての提案が直ちに施策化、事業化にできるということではないんですけれども、さまざまな考え方、方策を行政として持っていることは大変重要なことであるというふうに考えております。
○林委員 でも、自治体シンクタンクであるということは、政策がやはり実現するということだと私はとらえています。
次の質問なんですが、では、その考えのもと、政策研究機構は2007年度、長期研究テーマとして、中野区2050年・区民生活の展望、短期研究テーマとして、建替え促進による住環境向上(木造密集市街地の改善を中心として)と、障害者の雇用促進の研究をしました。その中で、政策研究テーマとして挙げている障害者の雇用促進の課題について伺います。
質問する前に、今まで区で行われていた、そして課題として、障害者の雇用について触れさせていただきます。中野区では、障害者の就労を促進させるために、ジョブサポーター養成講座、障害者の就労のためのIT講座などさまざまな施策をしてきました。しかし、政策を支えるに足る収入を得ている障害者の方は極めて少なく、手当や給付等の福祉政策に頼らざるを得ない現状である。つまり、障害者の自立を進めるための一般雇用の促進が中野区の課題の一つであった。これが一つ目ですね。そしてまた、障害者の雇用を行っていない中小企業が中野区内に多くあるということがもう一つの課題。そしてもう一つ、この政策研究機構に書かれていたのが、政府の動向として、今後、雇用納付金制度という徴収対象が中小企業のほうにも及ぶという、三つの課題において、今回、障害者雇用促進に対しての研究をなさったということでよろしいでしょうか。
○小田区民の声担当課長 委員のおっしゃるとおりでございます。
○林委員 その研究から、この冊子はでき上がって総務委員会でもお示ししていただいたのですが、その中でLLPという政策が提案されています。LLPの事業の内容について教えてください。
○小田区民の声担当課長 LLPとは有限責任事業組合のことでございます。複数の中小企業や団体、個人が経営参加をする事業体といたしまして、(仮称)中野区障害者雇用支援センターを設立いたしまして雇用を創出するというのを提案させていただいております。(仮称)雇用促進コーディネーターをこの中に設置いたしまして、障害者福祉事業団と連携を図りながら、区内事業者の支援ですとか、障害者の就労の定着支援を行うことを想定して書いてあるものでございます。LLP、この有限責任事業組合を事業体の形態として選択した理由といたしましては、まず、NPOと異なり、営利性のある事業に取り組める。2点目としましては、事業者の経営参画が容易である。また3点目としましては、ネットワーク構築に適しているなどでございます。
○林委員 LLPとは、今まで障害者の雇用をしていなかった中小企業の人たちがグループになって事業体をつくるということだと理解しております。では、LLPの事業の対象となる中野区の企業は何社ほどあると考えられていますか。
○小田区民の声担当課長 区内300人以下の事業所のすべてが対象となり得るというふうに考えてございますが、おおむね中野区の事業所数、全体といたしましては1万3,600程度でございます。このうち、ただ、雇用納付金の56人以上300人未満の事業所というので、本社機能がある事業所というのは中野区の場合117社でございます。また、ただ、区内でいわゆる障害者の方が働ける雇用の場として想定できる事業所数としては、約300あるというふうに考えてございます。
○林委員 では、その300社に対して、LLPのような政策があるということに対して聞き取り調査やニーズ調査はしましたか。
○小田区民の声担当課長 この障害者を雇用支援するLLPの制度自体が大変新しい考え方を持った制度でございますので、この内容につきましてはやはり詳しい説明をしないと、きちんとしたヒアリング調査等はできないと思っておりまして、個別の聞き取りはしておりません。
○林委員 では、また、研究所のほうに、区は企業への障害者雇用支援は国の仕事として手をつけておらず、具体的な支援を用意していなかったとあります。今回、LLPの運営の検討や区が行う助成のあり方や支援の仕方など、政策を実現するための後押しとなる支援策などは、この研究の中に示されましたでしょうか。
○小田区民の声担当課長 仮称の中野区障害者雇用支援センター全体のさまざま体系図の中に、さまざまな支援制度として提案させていただいている部分で御提案をしているというふうに考えてございます。
○林委員 その提案というのは具体的にどのようなものでしょうか。
○小田区民の声担当課長 この障害者の雇用促進に関します提案内容は、LLPの制度だけではなくて、例えば就労支援ですとか生活支援の充実、いわゆる「たまり場機能」の拡充でございますとか、働いていらっしゃる方の勤続表彰制度の創設、また、就労支援カルテの作成、障害者雇用支援金の創設、福祉的就労従事者の方への職場実習の通勤費、または就職準備金の助成などというものを一応この研究の中では御提案させていただいております。
○林委員 そのようなものではなくて、中小企業できちんと雇用を創出するという、そのための助成を何か考えていらっしゃいますか。
○小田区民の声担当課長 まず、この企業体を実際に動かすと想定した場合に、きちんとした理解がないと、まず企業の方も手も挙げられないというふうに思いますし、その辺に関しましては、これから具体の、もし政策化した場合ですけれども、に入ってからの検討だというふうに考えております。
○林委員 もともと障害者の人を雇用しようという意識のない中小企業の人たちが、自分たちが今までしたことのないような事業を何社かグループをつくってLLPというものをつくり、新しい雇用を創出する場合、まず、障害者の方を雇用するかどうかのニーズ調査もしていないし、そのために何が必要なのかも調査していないということなんですね。
○小田区民の声担当課長 報告書の中で載せていただいておりますが、民間の調査でございますけれども、都内の中小企業経営者に対して行いました2007年障害者雇用アンケートによれば、なぜ障害者の雇用に踏み切れないかという理由といたしましては、まず、事業所に雇用するだけの仕事がない、また、自分の事業所には障害者に適した仕事がない、それと、あと、障害者に対するいわゆる接点がないということが理由として挙げられております。
○林委員 そういう状況である中、新しい雇用を創出するということに対して、この研究ではどのように道筋をつけていけばいいかということは書かれているでしょうか。
○小田区民の声担当課長 これは具体的に施策化、事業化した過程で当然お話しして、お示ししていくことだと思いますので、当研究報告書のほうには載ってございません。
○林委員 この自治体シンクタンクは実現するためというものなのですが、そのような調査もなく、いきなり実現するかどうかというのは、事業部に任せるということなんですか。
○小田区民の声担当課長 一応この政策案といいますか、提案を出させていただいた中では、さまざまいろいろな調査もしておりますし、また、専門家の方々にあてて意向等も伺っておりますので、ちょっと委員のおっしゃっているところがよくわからない部分があるんですけれども。すみません。一応きちんとした調査を立てた上でこの提案はしております。
○林委員 では、調査を立てた上で一応読み進むと、パンの製造販売がいいのではないのか、LLPというものがまず仮にできたら、スワンベーカリーというものを説明として挙げられています。ヤマト福祉財団が手がけたスワンベーカリーというパン屋さんは、25人社員のうち知的障害者が13人いて、年商が5,000万円であると書かれています。中野区でもこのようなものができることが望ましいと書かれているのですが、そのスワンベーカリーということに対して、中野区の中小企業の人たちが全く自分たちがしていないパン屋さんというのを事業として掲げるということに対して、ただパン屋さんを提案しただけなんでしょうか。
○小田区民の声担当課長 当報告書の中で、仮にLLPがなすべき職種といたしましてパンの製造販売を挙げました理由といたしましては、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構の障害者職業総合センターによります、求職中であります知的障害の方に対するアンケートでございますと、やはり第1位としましては、パンなどの食品製造を希望する方が多い。また、第2位としては清掃、第3位としては野菜・花などの栽培、木炭製造というふうになっております。中野区の置かれておりますような状況から考えまして、まず、例示といたしましてパンの製造販売というものを挙げさせていただいたものでございます。
○林委員 いろいろと聞いていると、いろいろな調査からパン屋さんがよかったり、LLPという形がいいというような話が一つひとつ出ているんですけれども、それが実際きちんと中野区の中小企業の人の雇用になるような道筋が一つもないんですが、それはどうしてですか。
○小田区民の声担当課長 繰り返しになりますけれども、政策研究機構が御提案させていただきました政策案等につきまして、これが選択された後にすべて進めていく道筋だというふうに考えておりますので。
○林委員 では、区内事業者がこのような形を選択するという調査はなさったんですか。
○小田区民の声担当課長 先ほど、事業体の主体となるような企業に聞き取り調査を行ったかという御質問がありまして、そちらのところで行っておりませんというふうにお答えしたと思うんですけれど。
○林委員 ですので、研究は研究だけで実現しないと、自治体シンクタンクの意味がないと思うんですが、いかがでしょうか。
○小田区民の声担当課長 先ほど御報告させていただきましたが、この研究報告に載せましたさまざま、LLPの制度の導入以外の例えば就労支援制度、生活支援制度の充実の部分ですとか、勤続表彰制度の創設の部分ですとか、こういう部分に関しましては、保健福祉部におきまして、21年度、さまざま対応等を考えていただいて、例えば福祉的就労従事者への職場実習通勤費の支給拡大ですとか、「たまり場」の回数増などに反映されている部分もございます。また、勤続表彰制度も21年度試行する予定だというふうに伺っております。
○林委員 政策研究機構で研究した、しなければいけないことというのが、そういうことなんでしょうか。じゃなくて、それでいて、総務委員会でもこのような質問がありました。「シンクタンクだから、研究するのはわかるんだけど、研究してどうするの」と。課長がおっしゃっているのが、「具体的な施策なり事業なりに結びつく提案をしていきたいというふうに考えております」。斉藤委員なんですけれども、「それは受けるほうはどう受けるのか。その受ける体制は、要するにこういうシンクタンクをやって、こういう結論が出たら、受けるほうはどうするのか。受けるほうの体制もできているのか」という話でした。それで、小田課長は、「現場の視点なり、現場の意見なりを一緒に把握いたしまして、それに基づいて具体的な施策、翌年度以降の施策につながるような形での研究にしていきたいというふうに考えております」とお答えになっています。その後、もう一つの質問で、「現場にきちんと反映できるように、研究自体の構想として、そういう仕組みがもう既につくられて」……(「総務委員会で聞いたんじゃない」と呼ぶ者あり)そうです。だから、総務委員会でそのようにお答えになっているのに実現しないのはなぜですか。
○小田区民の声担当課長 一応、先ほど申し上げました21年度予算で事業部で取り組みます内容につきましては先ほど述べさせていただきましたが、研究成果につきましては、次年度以降の政策に反映させていただくように努力していきたいというふうにお答え申し上げていると思っております。
○林委員 一応、そのときに副区長が最後におっしゃっているのが、自治体シンクタンクとして「これが政策に結びつかないと全く意味がないので、そういう意味では担当の事業部とも連絡を取りながら、私のほうでも調整しながら、これを確実に政策に結びつけるように努力してまいりたい」とおっしゃっているんですけれども、これはどのように、調整などはされたんでしょうか。
○西岡副区長 政策室担当の副区長として、事業部とよく協議いたしております。
○林委員 それで、どうだったのでしょうか。
○西岡副区長 今、委員がずっと御指摘されておられますLLPについては、まだ具体的に芽を見ておりませんけど、それ以外の報告書の中に織り込まれました各種の施策については、個別には幾つか来年度の予算や取り組みに反映されつつあるというふうに認識いたしております。
○林委員 具体的にどのようにお話がもうされているのでしょうか。
○小田区民の声担当課長 先ほど申し上げさせていただいたんですけども、21年度予算におきましては、保健福祉部で、福祉的就労従事者への職場実習通勤費の支給拡大ですとか、また、「たまり場」の回数増などに予算的には反映されている。また、勤続表彰制度を試行する予定だというふうに伺っております。
○林委員 それが研究内容ということなんでしょうか。
○小田区民の声担当課長 私どもの研究報告書のほうで、LLPとともに就労支援の政策、事業内容の一部として御提案させていただいたものでございます。
○林委員 平成19年の第1回定例会で、予算特別委員会において、政策研究機構の設立に当たっては、研究課題や目標を明らかにし、その成果が真に区民生活に資するものとなるよう取り組まれたいというのが附帯意見でついております。そのことについてどのようにお感じになりますか。
○小田区民の声担当課長 中野区が区民にとって価値と満足度を高める区政経営を実現するために、やはり政策形成能力を向上する必要があると思っております。その推進役を担うものとして、中野区政策研究機構が時代のニーズですとか、区政の課題をとらえた調査研究を行うというふうに考えてございます。附帯意見は常に肝に銘じて調査研究に取り組んでいる次第でございます。
○林委員 では、最後の質問とさせていただきます。今回この調査研究では、LLPの実現がやはり真にすべきことだと思うんですが、それが今回、障害福祉のほうの予算には全く反映されていません。そうなると、この研究に対して、なぜ研究が実現しなかったかということに対して評価をしなければいけないと思うんですね。その場合、四つあると思いまして、一つは研究内容に問題があったか、受け手側の事業部のほうに何らかの問題があったのか、庁内調整がきちんとなされていなかったのか、またその他かなんですが、どのようにお考えなんでしょうか。
○小田区民の声担当課長 平成21年度予算におきましては、具体的なLLPに関する経費というものはのっていなかったわけですけれども、今後、それを全く検討していかないということではなくて、事業部のほうではさまざま事業者の方の懇談会等を予定されているというふうに伺っておりますので、次年度以降に可能性はあるというふうに考えてございます。
○林委員 次年度にはユビキタスを今研究なさっていますよね。ユビキタスの実現に向けてではしっかり注視いたしたいと思うことと、成果として実現をしていないのに、今回700万円多くそちら予算がついていますけど、そのことについて何か一言下さい。
○小田区民の声担当課長 東京都の緊急雇用の関係で10分の10でいただいた調査費だというふうに理解しております。これは社会調査の費用ということで、来年度の研究の実地調査、その部分で使わせていくところで組ませていただいたものでございます。
○林委員 先ほど、近藤議員も中野の政策に対して一言おっしゃっていましたけれども、政策研究機構が本当に意味のある活動をし、実現可能な道筋をつけるような研究でないと、実は総務委員会のを見ていると、最初のころはきちんと研究どおりに実現しますと言っている話だったのが、どんどん事業部が受けるほうになっているというふうになっているんですね。研究は研究ですると。それを受けるのは事業部であるというような形になっていて、何となく事業部と経営本部の間にすごく温度差があるような感じがするんです。この中でずっと、また今回がユビキタスという、何とも、どう私たちが評価すればいいのかというような、わかりづらいようなものを提案されていたり、2050年の中野区区民生活というものが研究等されているということに対して、やはり中野区の政策形成能力が本当に上がるのかという不安を覚えます。今後どのように活動されるかはわかりませんが、議会としてもこのことは厳しく追及することとなると思います。以上で終わります。
次に、教育のことについて質問いたします。
まず、教育活動支援のための人的配置についてお尋ねします。
まず、学習指導要領が変わりまして、勉強の内容なりが変わるように、とても複雑になりました。それに対して、理科の実験なども、今まではただ教えるという実験から、まず仮説を立てて、実験をしてみて、そして、その後どのようにまとめて発表するかということまで要求されるような形になります。教育委員会としては、理科の授業に対して理科支援員などをつけておりますが、そのように学習指導要領が変わることについての人的配置や教育のあり方などについてどのようなお考えか、教えてください。
○入野指導室長 今、委員お話しのように、学習指導要領では理数教育の充実がその中の大きなものの一つとして挙げられております。今お話しのように、中野区教育委員会におきましては、今年度から小学校の理科支援員に加えまして、中学校におきましても理科のTT、少人数指導ができますような学力向上アシスタントを拡大して配置してございます。理数の充実につきましては、このことで取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○林委員 区では学力にかかわる調査を行っていますが、その調査から、区の理科教育における課題を何ととらえているのか、また、その課題に即して理科支援の指導などテーマや、また学力向上アシスタントの連携などがなされているのか、お答えください。
○入野指導室長 学力にかかわる調査の結果におきましては、特に理科におきましては、目標値に達した児童・生徒の割合が学年が進むに従いまして低下している状況にございます。経年を比較してまいりますと、理科も徐々に上がってきておるんですけれども、全体的傾向としてはそうでございます。特に観察・実験の技能・表現にかかわる項目については、小学校6年生の内容から中1への低下が著しくございまして、その後、中2・中3にも低い状況がございます。そこで今回、小学校に値する部分については、理科支援員という制度をとりまして、観察・実験の充実を図ること、中学校以上の対応としては、今お話をいたしましたように、学力向上アシスタントを算数・数学から理科に関しても拡大して、少人数指導に当たるという状況をつくってございます。
○林委員 他の自治体では、例えば中1ギャップというのがあって、中学校で理解が劣ってくるテーマについて、小学校の高学年のときにきちんとフォローするような連携をしていると聞いております。中野区でも、中学校の理科の授業で、このテーマのときに少し点数が悪いというようなことに対しての連携はなさっているんでしょうか。
○入野指導室長 学力にかかわる調査につきましては、それぞれの学校が分析するとともに、検討委員会のほうで、小中の代表者によりましてその問題等の分析も行っております。お互いに問題をとらえ合いまして、小中の連携という意味で、指導上の連携ということでは取り組んでおります。
○林委員 中野区教育委員会としての考えとか指針はないんですか。
○入野指導室長 連携教育を進めていくということでいつもお話をさせていただいておりますが、やはり小学校と中学校のギャップの部分については、小学校時代から芽があるものは小学校時代からの対応を行い、小中の間のギャップでのものであれば、そこでのところを強化するということで、教員間の連携、学校間の連携を十分に図ってまいりたいというふうに考えております。
○林委員 今回の予算のほうを見ますと、特色ある学校づくりの重点校や理科支援員配置授業、学力向上アシスタントに対して予算が370万円ほど減額されています。学習内容が複雑になり、量も多くなり、また、中学生になったときに理解が悪くなるような教科などをきちんととらえて、小学校のころから連携した教育、また、それに対するフォローなどをするには、もう少しきちんと人的配置にお金をかけるなり、お金ばかりかけるのではなく、どのようにすればいいのかということを検討し、教育委員会のほうで話し合いながら方向性を示すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○入野指導室長 学力向上アシスタントの減額については理由がございまして、配置校数の減少ですとか、それから、学力向上アシスタントは、教員免許を取得するということでやっている者もおりますので、教員免許取得中、つまり実習中は従事しないということでの減額等々が入ってございます。理科支援員については若干増額したところでございます。特色ある学校づくりにつきましては、新規の募集を削減したということでございまして、来年度も2年目・3年目校については特色ある学校づくりの重点校として取り組んでもらう予定でございます。
○林委員 さまざまな理由があるとは思いますが、子どもたちの学力をきちんと定着させるために、しっかりと教育のほうを行っていただきたいと思います。
最後に、特別支援教育についてお伺いします。
学習指導要領の改訂だけではなく、平成19年度4月1日より特別支援教育が法的に位置付けられました。改正学校教育法が施行されたことにより、中野区教育委員会としては、指導者の育成や人的配置、専門家との情報の共有などにより、どのような教育環境の整備を目指しているのか、お答えください。
○寺嶋学校教育担当課長 学校教育法関連により特別支援教育が平成19年から始まったわけですが、中野区では学校の中に校内委員会を設置したり、あるいは特別支援コーディネーターを設置したり、あるいは支援スタッフの設置、それから巡回相談員などを実施いたしまして、一人ひとりのニーズに合った特別支援教育を進めていっているところでございます。
○林委員 特別支援教育とは、いわゆるLD(学習障害)やADHD(注意欠陥・多動性障害)、高機能自閉症など軽度の発達障害の子どもたちに対しての教育ということで示されています。中野区では巡回指導員などを3人から4人にして、その子どもたちの状況などをきちんと把握しているように努めていますが、最終的に、文部科学省によると、その一人ひとりに対しての教育のことに対してもきちんと指導するということになっております。中野区では今、どのような環境になっておりますでしょうか。
○寺嶋学校教育担当課長 特別支援教育といいますのは、障害のある児童・生徒の自立や社会参加に向けて、一人ひとりの教育ニーズを把握して、持っている能力を高めていくと。生活や学習上の困難を改善あるいは克服するということが目的です。委員御指摘のように、巡回相談員が学校に回ることによって、気になる子どもたちの特徴や、そのための指導方法を助言しているというところでございます。
○林委員 ですので、中野区としてはまだ入り口だと思うんですね。その子どもたちの一人ひとりをまず把握している状態で、その子たちに合った教育というところまでには踏み込んでいないと思います。時間がないのでもう少しで終わりますが、文教30の資料によると、教育センターにおける相談実績がこの2年間、18年と19年で知能や言語に対する発達的な問題に対してセンターに相談されている方が182人、そして、ことしは329人になっています。広汎性発達障害・同疑については95人、19年は92人、学習障害・同疑に関しては、18年が30人であったところ、19年は112人となっています。小計で585人の保護者から不安であるという電話が来ています。そのような状態に対して、中野区は今後どのように対応していくのでしょうか。
○寺嶋学校教育担当課長 区の保護者の方も相談件数がふえています。このことは、やはり特別支援教育というものが区民の方にも次第に理解されてきたのかなということであります。問題は、そういった中に、通常の学級にいらっしゃる気になるお子さんに対してどのように指導していくかというような形でございます。現在のところは、巡回相談などによって校内委員会など、個別の指導計画を立ててきめ細かく指導していくということでございまして、そのためのさまざまな手だてをこれから考えていくと。今もやっていますけど、考えていこうというところです。
○吉原委員長 以上で林委員の質疑を終了いたします。
以上ですべての総括質疑を終了いたします。お疲れさまでした。
次回の委員会は、3月10日(火曜日)午後1時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
なお、お願いがございます。あしたから分科会が開会されますので、委員、理事者は資料を机の中に残しておかないで、必ずお持ち帰りいただくようお願いいたします。
以上で本日の予算特別委員会を散会します。
午後4時08分散会