平成20年02月26日中野区議会予算特別委員会 平成20年2月26日予算特別委員会(第3日) 1.平成20年(2008年)2月26日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(40名)
  1番  内  川  和  久        2番  ひぐち   和  正
  3番  白  井  秀  史        4番  平  山  英  明
  5番  つぼい   え  み        6番  いながき  じゅん子
  7番  林     まさみ         8番  山  口  かおり
  9番  せきと      進       10番  いでい   良  輔
 11番  伊  東  しんじ        12番  佐  野  れいじ
 13番  北  原  ともあき       14番  南     かつひこ
 15番  小  林  秀  明       16番  の  づ  恵  子
 17番  奥  田  けんじ        18番  近  藤  さえ子
 19番  牛  崎  のり子        21番  吉  原     宏
 22番  大  内  しんご        23番  伊  藤  正  信
 24番  きたごう  秀  文       25番  久  保  り  か
 26番  やながわ  妙  子       27番  酒  井  たくや
 28番  佐  伯  利  昭       29番  むとう   有  子
 30番  長  沢  和  彦       31番  か  せ  次  郎
 32番  山  崎  芳  夫       33番  斉  藤  金  造
 34番  篠     国  昭       35番  市  川  みのる
 36番  岡  本  いさお        37番  飯  島  謹  一
 38番  江  口  済三郎        40番  佐  藤  ひろこ
 41番  来  住  和 行        42番  岩  永  しほ子
1.欠席委員 なし
1.出席説明員
 中野区長    田中 大輔
 副区長(経営室)石神 正義
 副区長(管理会計室)          沼口 昌弘
 副区長(政策室)西岡 誠治
 教育長     菅野 泰一
 計画財務担当課長長田 久雄
 区民自治推進担当課長(調査研究担当課長、平和・人権・国際化担当課長) 小田 史子
 情報化推進担当課長           白土 純
 政策室特命担当課長           奈良 浩二
 危機管理担当部長清水 流作
 経営担当課長  川崎 亨
 報道・秘書担当課長           浅野 昭
 人事担当課長  合川 昭
 財産管理担当課長豊川 士朗
 用地・管財担当課長           冨永 清
 危機管理担当課長(防災担当課長)    志賀 聡
 経営室特命担当課長(契約担当課長)   篠原 文彦
 評価・改善推進担当課長         田中 政之
 経営分析・公会計改革担当課長      相澤 明郎
 税務担当課長  中井 豊
 未収金対策担当課長           若槻 磐雄
 管理会計室特命担当課長         伊東 知秀
 会計室長    村田 宏
 区民生活部長  大沼 弘
 区民生活部経営担当参事         服部 敏信
 南地域担当課長 波多江 貴代美
 中部地域担当課長(地域活動担当課長)  遠藤 由紀夫
 東地域担当課長 横山 俊
 北地域担当課長 戸辺 眞
 西地域担当課長 鳥井 文哉
 戸籍住民担当参事奥山 功
 産業振興担当参事鈴木 由美子
 環境と暮らし担当課長          納谷 光和
 ごみ減量・清掃事業担当参事       橋本 美文
 清掃事務所長  斎木 正雄
 子ども家庭部長 田辺 裕子
 子ども家庭部経営担当参事(男女平等担当参事) 榎本 良男
 子育て支援担当課長(子ども家庭支援センター所長) 馬神 祥子
 子ども健康担当課長           原田 美江子
 保育園・幼稚園担当課長(幼児研究センター所長、幼児教育担当課長) 藤井 康弘
 子ども育成担当課長           野村 建樹
 地域子ども施設連携担当課長       吉村 恒治
 保健福祉部長  金野 晃
 保健所長    浦山 京子
 保健福祉部経営担当参事         岩井 克英
 保健予防担当参事(結核予防担当参事)  本保 善樹
 生活衛生担当課長飯塚 太郎
 健康・高齢担当参事(地域ケア担当参事) 尾﨑 孝
 中部保健福祉センター所長
 (中野地域包括支援センター担当課長、北部保健福祉センター所長) 鈴木 郁也
 南部保健福祉センター所長        深山 紀子
 鷺宮保健福祉センター所長        嶋﨑 江美
 障害福祉担当課長辻本 将紀
 障害施設担当課長大橋 雄治
 生活援護担当課長瀬田 敏幸
 保険医療担当課長柿内 良之
 介護保険担当課長今 恵里
 都市整備部長  石井 正行
 都市計画担当課長(住宅担当課長)    登 弘毅
 南部地域まちづくり担当課長       角 秀行
 中部地域まちづくり担当課長       上村 晃一
 北部地域まちづくり担当課長
 (拠点まちづくり推進室西武新宿線沿線まちづくり担当課長) 市川 求
 土木・交通担当課長           遠山 幸雄
 公園・道路担当課長           安部 秀康
 建築担当参事  佐藤 幸一
 拠点まちづくり推進室長         谷村 秀樹
 拠点まちづくり担当参事         秋元 順一
 中野駅周辺整備担当課長         松前 友香子
 教育委員会事務局次長          竹内 沖司
 教育経営担当課長小谷松 弘市
 教育改革担当課長青山 敬一郎
 学校教育担当課長寺嶋 誠一郎
 指導室長    入野 貴美子
 生涯学習担当参事村木 誠
 中央図書館長  倉光 美穂子
 選挙管理委員会事務局長         柳澤 一平
 監査事務局長  石﨑 新一
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事務局長     山下 清超
 事務局次長    髙橋 信一
 議事調査担当係長 大谷 良二
 書  記     黒田 佳代子
 書  記     永田 純一
 書  記     荒井  勉
 書  記     菅野 多身子
 書  記     廣地  毅
 書  記     松本 明彦
 書  記     丸尾 明美
 書  記     鳥居  誠
 書  記     杉本 兼太郎
 書  記     岡田 浩二
 書  記     松本 桂治
1.委員長署名


      午前10時00分開議
○吉原委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会します。
 第5号議案から第10号議案までの計6件を一括して議題に供します。
 お手元に総括質疑一覧を配付しておりますので、参考にごらんください。


        平成20年(2008年)2月26日
                予算特別委員会

      総 括 質 疑 一 覧
氏名・会派等 質   疑   項   目
山崎 芳夫
(自 民)
1 道路特定財源について
2 区退職職員の外郭団体等への再就職について
3 その他
岡本 いさお
(公 明)
1 ICTを活用した学校教育について
(1)ICT活用推進組織について
(2)教員の指導力アップについて
(3)学校図書館などの情報化について
2 環境施策について
(1)なかのエコシティについて
(2)区役所の二酸化炭素排出ゼロについて
(3)エコスクールについて
(4)太陽光発電機器設置の推進について
3 障害者施策の充実について
(1)障害者福祉計画について
(2)仮称「すこやか福祉センター」について
(3)障害者自立支援協議会の充実について
(4)就労支援について
(5)バリアフリーについて
4 その他






 
来住 和行
(共 産)





 
1 2008年度予算について
2 環境問題について
(1)環境基本計画素案について
(2)環境と子どもの健康について
3 小中学校再編計画について
4 東中野のまちづくりについて
5 保育園の問題について
6 教育センターを拡充することについて
7 その他
(1)「日本たばこ中央一丁目アパート」跡地について
(2)その他






奥田 けんじ
(民主ク)



1 行政経営について
(1)PDCAサイクルマネジメントと予算・決算の関係について
(2)その他
2 自転車の歩道通行について
3 公共施設の無線LAN導入について
4 コンプライアンスの向上について
5 その他






 
佐野 れいじ
(自 民)





 
1 中野区の財政運営について
(1)財政規模について
(2)義務的経費について
(3)起債計画について
2 中野区の未収金について
3 中野区内の生活道路(狭あい道路)について
4 その他
(1)障害者の就労意欲の向上について
(2)その他




 
白井 秀史
(公 明)
   
1 区民健診等について
2 障がい者施策等について
3 緑化の推進について
4 資源の回収について
5 東中野駅前再開発について
6 通学路等の安全確保について
7 その他


 
牛崎 のり子
(共 産)
    
1 リニアパークの自転車対策について
2 障害者の就労支援について
3 小規模作業所等の障害者自立支援法移行にともなう区の支援について
4 新井薬師前駅の踏み切り内の歩道の安全性の確保について
5 みどりの基本計画について
6 その他
(1)生ごみの資源化について
(2)平和公園通りの歩道の安全について
(3)その他



 
のづ 恵子
(民主ク)


 
1 子どもの安全安心について
(1)地域の施設について
(2)その他
2 環境について
(1)地球温暖化対策について
(2)保護樹木について
3 共感教育について
4 その他




 
大内 しんご
(自 民)
1 コミュニティバス「なかのん」の早朝運行について
2 温暖化と芝生化について
3 区有施設耐震改修計画について
4 新井3丁目法務省用地について
5 その他
10



 
飯島 謹一
(公 明)



 
1 「財政運営の考え方」と「平成20年度予算」について
(1)「財政運営の考え方」(08年版)の改定の視点について
(2)区有財産の利活用と障害者の雇用促進施策の新たな展開について
(3)中長期財政フレームの諸課題と公会計改革について
(ア)「職員2000人体制」について
(イ)「基金計画」、「起債計画」について
(ウ)公会計改革の目的について
(エ)平成20年度予算の具体的事例について
2 危機管理の諸問題について
(1)新型インフルエンザ・パンデミック対策について
(2)食品安全対応について
3 都市計画マスタープランの改定について
4 学校教育の諸課題について
5 その他
(1)ワンストップサービスについて
(2)高齢者緊急時情報サービスについて
(3)その他
11
 
酒井 たくや
(民主ク)
1 組織と人事について
2 その他
12



 
いでい 良輔
(自 民)



 
1 区内産業の育成について
(1)中野区産業環境基礎調査について
(2)区内産業のネットワークの構築について
(3)公共施設の指定管理者制度について
(4)長期継続契約について
(5)その他
2 学校教育の充実について
(1)学校再編について
(2)魅力ある学校づくりについて
(3)その他
3 環境問題対策について
(1)環境基本計画について
(2)その他
4 その他
(1)2016年東京オリンピック招致活動について
(2)その他
13



 
内川 和久
(自 民)



 
1 教育施策について
(1)学校再編について
(2)小中一貫教育について
(3)学校施設のバリアフリー化について
(4)校庭芝生化について
(5)安全な通学について
(6)ネットいじめについて
(7)小中学生との意見交換会について
2 中野駅周辺まちづくりについて
(1)「学」「官」連携について
(2)南口地域のまちづくりについて
(3)民間ノウハウについて
(4)自転車道について
(5)環境・景観への配慮について
3 その他
14



 
きたごう 秀文
(自 民)



 
1 防災対策について
(1)南台地域の防災まちづくりについて
(2)防災情報等告知機付きの自販機設置について
(3)その他
2 教育問題について
(1)生徒による学校評価について
(2)その他
3 環境問題について
(1)ハイブリッド清掃車導入について
(2)その他
4 (仮)南部区民活動センターについて
5 その他
15


 
篠 国昭
(自 民)

1 教育問題について
2 中野区次世代育成支援行動計画について
3 公会計改革の取り組みについて
4 その他
16



 
佐藤 ひろこ
(無所属)



 
1 高齢者・障がい者の住宅施策について
(1)福祉住宅条例について
(2)高齢者向け優良賃貸住宅等の整備について
(3)バリアフリー住宅の誘導策について
2 歩行空間等のバリアフリー化について
3 区財政について
4 その他
17


 
むとう 有子
(無所属)

1 江古田の森保健福祉施設について
2 桃花小学校体育館建て替えについて
3 本町5丁目用地(NTT職員宿舎跡地)購入について
4 その他
18


近藤 さえ子
(無所属)

1 犯罪被害者等支援について
2 子ども家庭支援センターの役割について
3 区民風車について
4 その他
19



 
林 まさみ
(無所属)



 
1 環境問題について
(1)区民風車について
(2)その他
2 組織について
(1)経営本部体制について
(2)その他
3 その他


○吉原委員長 本日は総括質疑の1日目となります。質疑の順番は、1番目に山崎芳夫委員、2番目に岡本いさお委員、3番目に来住和行委員、4番目に奥田けんじ委員の順序で4名の質疑を行います。
 次に、要求資料の配付についてですが、前回の委員会で要求した資料207件すべての資料が提出されておりますので、御確認ください。資料作成に当たられた職員の皆さん、ありがとうございました。
 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。
 それでは質疑に入ります。山崎芳夫委員、お願いします。
○山崎委員 おはようございます。自民党の山崎芳夫でございます。一般質問を先週の火曜日にさせていただきましたけれども、あそこでの議論が少し深まったなと、課題も整理できたなと思ってはいたんですが、少し脱線をするような議論が後ほど出まして、正規のルートに戻したいというような気持ちがございまして、総括質疑を予定しておりませんでしたけれども、臨むことになりました。ぜひよろしくお願いをします。
 なお、私はちょっと耳が遠いんです。これは歯科医の職業病だと思っていますが、そうしたこともございますので、ゆっくりと、はっきり御答弁をしていただければと思いますので、よろしくお願いをします。
 早速ですが、質問の第1項め、道路特定財源についてお聞かせをいただきたいと思います。この道路特定財源、今国会の中で審議をしているさなかでございまして、私どもといたしましても、また私個人といたしましても、こうした議論は国会にゆだねるべきだ、こういう思いがございまして、今までなかなか中野区の本会議、あるいは総括質疑で取り上げたことはございませんでしたけれども、当中野区においても甚大な影響がある、地方自治体、他の地方自治体においても、財政再建団体に陥るかもしれないというような、こういうことでございますので、質問させていただきました。したがいまして、国会での議論をここで再現しようという思いはありませんが、私も自民党の議員ということで党籍がございます。うちの議員団のほうから、自民党の主張を幹事長しっかりしてこいと、こういうお言葉をいただいておりますので、まず自民党の主張をさせていただいて、その上で質問に入りたい、こう思いますので、よろしくお願いをします。
 ガソリン税や軽油取引税などのいわゆる道路目的税は、国内の道路整備に使用するための暫定措置として租税特別法などで基本税率の約2倍の税率がかけられていると思いますが、この措置が3月で御承知のとおりに切れることになっております。この措置を継続させる租税特別措置改正法案を成立をさせませんと、4月以降、国と地方から合計で約2兆6,000億円もの税金が入ってこないということになります。民主党は、この暫定税率を廃止すればガソリン1リッター当たり25円安くなりますよということを主張しております。しかしながら、このことは事実でありますが、この税収がなくなりますと、都道府県区市町村の歳入欠陥は甚大になることは、先ほどお話しをさせていただきました。税額にいたしますと、1兆6,000億円という税額になりまして、全国1,800余りの自治体の予算に甚大な影響を及ぼすことは承知のとおりでございます。
 既にぎりぎりの財政状況にある多くの自治体は、財政再建団体に陥り、国民の暮らしを守る行政運営に支障が出ることが予想をされております。民主党のように、ガソリン税などの軽減などいわゆる選挙目当てのいいとこ取りは耳をかさずに、冷静に良識ある区民同士で、国民のための世論を高めていきたいということを申し上げて、当道路特定財源を一般財源化すること、あるいは暫定税率を廃止することによる区財政に与える影響について質問をしたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 まずはじめに、これはいろいろ議論がありますけれども、道路特定財源、暫定税率と特定財源これは本来どういう趣旨でできたのか、あるいは目的はどうだったのか、あるいは法的なこうしたものの根拠はどういうところにあるのかということをお聞かせをいただきたいと思いますが、国交省御出身の副区長の西岡さんにお願いできませんでしょうか。
○西岡副区長 道路特定財源は、道路の整備とその安定的な財源確保のために創設された制度であり、受益者負担の考え方に基づき、自動車利用者が道路整備のための財源を負担しているものでございます。その根拠は、道路整備費の財源等の特例に関する法律となっております。
 次に、暫定税率につきましては、立ちおくれた道路整備を促進するため本則税率を引き上げ、およそ2倍の税率が適用されております。その根拠は、租税特別措置法及び地方税法でございます。
○山崎委員 これは、20年2月に、特別区長会事務局から出された資料を参考に御答弁をいただいたんだと思いますが、国交省御出身ということで、もう少し色をつけてお答えをいただくとわかりやすかったんですが、このままのお答えだったということで、それはそれとして、それで、具体的に、いろいろ趣旨、目的、法律の根拠などをお示しをいただきましたけれども、実際にこの道路特定財源が一般財源化をされるということになりますと、さまざま議論がありますが、具体的に日本の道路はどうなっちゃうんでしょうか。これは、道路は国の政策でつくらなくちゃいけない側面がありますので、今話題の地方にゆだねると、つくりたいところはつくればいいじゃないか、ほしいところはヘリコプターを買えばいいじゃないかという議論には、私はなじまない。道路は一つの線としてなければならないので、あるところとあるところはできたけれどうちは要らないという議論には実はならないんじゃないのかなという思いがございまして、日本の道路、そして特に東京の道路は整備をされていると、もうされてしまったと東国原知事などは言っていますが、これから将来の東京の道路はどうなっちゃうんでしょうか、具体的にお話しをください。
○西岡副区長 自動車利用にかかわる受益者負担の原則に基づいて使途が特定されているという財源でございます。道路整備に対する責任を負った財源がなくなるということになりますと、現在進められている各種の事業は着実におくれることになるのではないかというふうに思います。
○山崎委員 もう少し具体的にお話をしていただきたかったんですが、前に進みます。着実におくれるという御答弁なんですが、これは民主党さんのお話を聞いていますと、僕も民主党さんの改革ビジョンというんですか、こんな厚いやつ、かなり一緒に勉強をさせていただきましたが、それを見ますと、道路の整備については、水準は下げませんよと、こういうことになっているんですが、これは水準は本当に下がらないんでしょうか。
○西岡副区長 民主党の道路特定財源制度改革案、私も拝読をさせていただきました。直轄事業負担金制度を廃止して減収分に充てる、それでも足りない分については、地方交付税や補助金の配分で調節するということでございました。一方、都市部において、道路特定財源分の減収額が、直轄負担金制度廃止による負担軽減額を上回る傾向にあるということも述べられております。
 いずれにしても、水準の維持の方策が明らかになっていないというふうに思いました。
○山崎委員 私も実はそう思うんです。それで、今もちょっと出ましたけれども、直轄の道路については廃止をしてそれを地方分に充てるんだとか、それから地方交付税でこうくるんだということで、一括交付金制度を創設して、ここで交付をするんだというような内容のことが、今西岡さんがおっしゃったような形で書かれているんですが、一括交付金の制度を創設をしても、これは交付金という制度でございますから、東京都は不交付団体、御承知のとおりにそういう団体になってございますので、交付税は受けられないんじゃないのかな、したがって、民主党がおっしゃるように、今後も道路整備の水準は下げないというようなことにはならない、交付金が来ないということになりはしませんか、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○西岡副区長 委員御指摘のとおり、中野区は地方交付税の不交付団体でございます。直轄事業負担金の配分調整を受けることとはなりませんので、自動車関係諸税の減収の影響をまともに受けることになるというふうに予定されます。
○山崎委員 その辺のところははっきりしませんので、国民は非常にわかりにくい議論になっていると、こう思います。
 それで、日曜日の新聞でしたか、前原さんという方が新聞に書かれていたんですが、だからこそ民主党も法律の案をちゃんと出して、財源も示して、明らかにして議論をすべきだと、こうおっしゃっているんですが、これは政治家である区長さん、いかがでしょうか。
○田中区長 全く山崎委員のおっしゃったとおりだと思っております。最初はガソリン値下げ隊という人たちが出てきたんです。ガソリンを値下げするために暫定税率をやめようじゃないかと、こういう話でした。ガソリンを25円値下げして、じゃその次もっと上がったら、今度はまたどこかの税金をつぎ込むんでしょうか。そういうことができないということになったら、ガソリン値下げ隊という人はだんだんいなくなりました。少なくとも報道で見る限り、ガソリン値下げ隊は今はいないようです。
 一般財源化するよと、こういう話がありました。一般財源化をして地方分権に充てますよ、交付金にしますよ、一般財源というのはそういう性質のものじゃないですね。使い道を特定しないから一般財源なんです。一般財源にして保育園の待機児なくします、そんなことないですよ。一般財源化されたら、大半は借金返すのに使われるんですよ。国家公務員の給料にも使われちゃいます。そういうことなんです、一般財源化するということは。そのことと地方の独自財源をふやすということは全く別の政策体系であります。そういうことをごっちゃにして、一般財源化したら地方の歳出をこうやって保障するよ、全く、そもそも筋道が成り立っていない話を、要するに受け取りやすいところだけを主張するというこのやり方については、私は甚だよろしくないと、こういうふうに思っております。
○山崎委員 全く同感の意見でして、同じ意見なのにここでやりとりをしても少しせんないことですが、せっかく区長が一般財源化について御持論を述べていただきましたので、私も一つ区長にお聞かせをいただきたいと思います。
 先ほど西岡副区長が、道路特定財源の法的な根拠について、特別区長会の資料をもとに、これは法律の一部を揮発油税から地方道路税まで、それぞれ述べていただいたと、こう思います。したがって、これは今区長からもお話がありましたけれども、目的税で取るものは取って、これは本税も、それから上乗せをしている部分の暫定税率についても、特定の目的のために財源としていただいている税金なんです。いただくときは特定目的でいただいておいて、使うときには一般財源化ということはいかにも理論に合わないと思いますが、この点についていかがでしょうか。
○田中区長 そもそも無理なことだと思います。この目的のためだから、この目的のために受益を受ける皆さん負担してくださいということで無理やり、税金というのは無理やり国民からいただくものですから、無理やりお願いしている話でありますので、もらったから、ちょっとお金が苦しいからほかのところに使いますよと、こういうことでは国民の税制に対する信頼というものは全く失われてしまうことになると思います。
○山崎委員 ガソリン値下げ隊という人たちはいなくなったということで一安心はしているんですが、区長もおっしゃっていましたけれども、私は、こうした一般財源化だとか暫定税率の廃止の議論というのは、税制全体で考えていかなくちゃいけない問題、大きな問題だと思います。同時に、これは歳入、歳出両面からの構造改革が必要だと、こう思います。そうした改革の中で議論をされるということであれば、私も大変有意義な議論であるなと、大きな政府にするか小さい政府にするのか、財政出動をたくさんして景気をよくして借金を返していくのか、これは一つの考え方ですから、議論をすべきだと思いますが、今区長もおっしゃっていたように、この部分だけを抜き出して、選挙目当てに、25円安くなるんだ、こういうような議論は極めて不愉快であるし、不適切だと私もそう思っております。今後区長さんと一緒にこうした問題には立ち向かっていきたいと、決意も新たにしております。
 続きまして、これは2月19日、民主党の要請で開かれました公開討論会、これは20日の新聞の記事がございますが、これについて少しお聞かせをいただきたいと思います。お読みになったと思いますが、読売新聞に書いてあるんですが、菅氏と東国原氏が火花を散らしたという記事ですが、菅氏の発言の中でこういうのがあるんです。「道路の必要性が高い所はまだまだあると思った。宮崎県など九州東側の道路整備は遅れている。国土交通省と自民党道路族が力によって道路予算を配分し、ムダな形で使われたからではないかと指摘。」と、こう書かれているんですが、国交省出身の西岡さんは、こう書かれているんですね、私が言っているんじゃない、国交省と自民党の道路族とはっきり書かれているんですが、国交省ではこういうことがございましたでしょうか。
○西岡副区長 事業採択に当たりましては、交通量調査ですとか、影響度調査などの客観データや地元自治体の意見や取り組みを勘案して、事業アセスメントを行った上で決定しております。力で配分してきたという事実はなかったと認識しております。
○山崎委員 なかったということで、よかったなと思います。
 それでは、これはだれにお聞きしたらいいのかわかりませんが、「道路族が力によって道路予算を配分し」となっているんですが、私は昭和24年で、みゆき族というのをよく知っているんですけれど、道路族というのはよくわからないんですが、道路族という人たちはどういう人たちか、わかる理事者はいらっしゃいますか。
○田中区長 だれも出ないと困るので出てきたんですけれども、何を指して道路族というふうに言っているのかよくわからないんですけれども、特に地方における道路建設、これについて強く主張をされたり、さまざまに勉強されている、そういった議員の皆さんがいらっしゃると思います。そういう人たちを称して道路族と、こんなふうに言っているんじゃないかと思いますが。
○山崎委員 一生懸命勉強している人が道路族ということで、国民の敵みたいな言われ方をすると非常にかわいそうだなと。私もそういう面では、歯科医師会出身だということで、厚生族ということに属するのかなと、よく勉強しておりますので、思います。
 それで、またこの記事に戻りますが、東国原知事は、また一方でこう言っているんですね。「都市部から道路が整備され」、都市部から順番に道路が整備されましたよと、「地方の番になった、ここで一般財源化、暫定税率廃止する。必要な道路はつくるというのは、信用性に欠ける」と、必要な道路はちゃんとつくるんだと菅さんがおっしゃっているけれど、これは信頼性に欠けると、こうおっしゃっているんですが、区長はこの東国原知事の発言の要旨について、どのような感じをお持ちでしょうか。
○田中区長 率直な感じから言いますと、これまで地方部の幹線道路ネットワーク、要、不要の議論があるような路線も含めて、地方の幹線道路ネットワークが先に整備をされてきていて、我々都市部の、鉄道のあかずの踏切対策ですとか、渋滞対策ですとか、そういったようなことは後回しにされてきたというふうな印象を持っているのが私の受けている印象であります。そういう中で、ようやっと西武新宿線の連続立体交差が採択されるようになって、ようやく都市部にも少し日の目が当たるようになってきたかなと思ったところでこの議論だということで、必要な道路は着実に整備をしてもらわなければならない、必要なインフラは着実に整備していただかなければならないというふうに思っているところであります。
○山崎委員 それで、先ほどの特別区区長会の事務局のこの小冊子をもとにお話をしますけれども、これは区長さんがミッションに行かれたことは一般質問で私も質問に取り上げさせていただきました。16ページに写真で載っているんです。区長は一番右の端のほうに載っているんですが、2月1日の金曜日には、自民党、公明党、社会民主党、新党大地、政党そうぞうというところに行かれているんですね。4日の月曜日には民主党、5日の火曜日には日本共産党、国民新党、新党日本、ほとんどの政党に行かれているんですが、不思議なのは、政党人で私のほうから申し上げるとなかなか言いにくいんですが、自民党と公明党と民主党にこうした要請をしている写真は載っているんです。しかしほかの政党もそうでありますが、特に、公党であります日本共産党さんの写真が載っていない。載る場所がなかったということはないと思う。あいているんだからこうやって、ここあいているんだ、しかし載っていないということで、何か特段の意味はございますでしょうか。
○田中区長 区長会の役員が要請行動を、原則的にしようじゃないかと、こういうふうに言ったんですけれども、なかなか役員区長が、日程の都合もありまして、全部の党を回るというふうにもいかないというようなことで、事務局のほうで対応した政党さんもあったのではないかと、こんなふうに思っております。ですから、事務局が行った場合に、そんな写真を撮るというようなこともしませんので、写真は掲載はできないということもあるかと思います。
○山崎委員 それから、これも本会議で御答弁をいただいたんですが、民主党に区長は行かれたということで、御答弁の中で、藤井代議士というお話がありましたが、正確には元代議士ではないかなと。(「復活したんだよ」と呼ぶ者あり)、復活したんですか。そうですか。じゃあ私の間違い、これは訂正をしておきます。
 それで、民主党さんに行かれて、区長会の要望をして、ただ渡して写真を撮ったということでは僕はないと思うんですね。区長会としての切なる要望をし、また政党ですから、政党の持っているビジョンなんかをお聞かせをいただいて帰ってきたんだろうと思いますが、民主党さんのお話を伺う、あるいは区長会としての意見を交換したということはございますでしょうか。
○田中区長 10分間程度の面会時間という予定で行ったんですけれども、実際には、さまざまな議論になりまして、50分間ぐらいさまざまな意見交換をさせていただきました。そこでの御主張というのは、やはり藤井さん、日曜日のテレビにも出ておられましたけれども、大体同じようなことでありまして、私どもとしては、地方の必要な道路はつくるんだ、また地方の財源は確保するんだ、地方交付税のあり方そのものにも踏み込むんだというようなお話であるけれども、じゃあ具体的にそれがどういうふうに実現するのかということについての御説明はないと、つまり先のレールが全く敷かれていない中で、ポイントだけいきなり切りかえられちゃうというようなことについては全く納得がいきませんと、こんなふうに申し上げたところです。ということになりましたら、民主党さんとしては、もともと、何年か前のマニフェストにも書いてあることだと、だからやるんだというようなことをおっしゃっておられましたけれども、だったら何で去年じゃないのか、その前じゃないのかと、こういう話にもなるわけでありまして、やはり最終的にどういう姿で日本の国の税制とか、財政のあり方とか考えていくのかというようなことをお示しいただかなければ、こうした議論をすること自体に無理があるのではないかというような印象を持って帰ってきたところです。
○山崎委員 そういう印象で、先ほどの話に戻りますけれども、ぜひ法律案を出されてくださいというようなことはお願いされませんでしたか。
○田中区長 必ずしも法律案ということでなくても、具体的なビジョンを示されなければ、ビジョンに基づいて法律案をつくるという作業はできると思うんですけれども、やはり具体的なビジョンを示していただかなければ議論にならないということは、再三お話をしてきたところであります。
○山崎委員 区長会の役員として区長が御努力をなされていることは、本当に頭が下がりますし、私たちも協力はできるだけしていきたいと、こう思いますが、ひるがえって、区長は、東京選挙区では7区という、中野と渋谷の選挙区の中野区の区長さんでいらっしゃって、東京7区には、この選挙区選出の国会議員が2名ほどいらっしゃいます。そうした国会議員の方々に、区長として、区長会としてではなくて、当区の区長として、要請活動を行ったということはございますでしょうか。
○田中区長 松本衆議院議員それから長妻衆議院議員、お二人にそれぞれ要請活動を行いました。
○山崎委員 もうちょっと区長そこに、すみません。どんな感じだったでしょうか。
○田中区長 松本衆議院議員におかれましては、とにかく自民党の主張と私が申し上げたこととは一致しているので、とにかく頑張るという言い方は変かもわかりませんけれど、頑張るというようなことであったと思っております。長妻議員に関しては、連続立体交差等を実現しなければならないということについては、自分もよく理解できているというようなことをおっしゃっておられました。具体的にこうこうだというような主張ではなく、私が申し上げたことをお聞きをいただいたと、そんな感じでありました。
○山崎委員 よくわかりました。
 それでは、ここから各論に入りたいと思いますが、資料請求をさせていただきました総務75の資料に基づいて、細かい、当区に及ぼすそうした問題についてお聞きをしたいと思います。
 これは、歳入、歳出、内訳、国庫補助充当事業内容と細かく分けて出していただきました。
 まずはじめに、平成18年度の決算額で、歳入については道路特定財源C、AプラスBということで13億6,013万円と、こうなっております。私どもが東京都連でいただいた数字は、18年度決算ベースで6億円ということになって、倍ぐらいの乖離があるんですが、これはどういうわけでしょうか。
○長田計画財務担当課長 総務の75でお示しをいたしました委員御指摘の18年度決算部分の13億円余の金額でございますが、これは暫定税率を全部含めました合計ということで、内訳を申し上げますと、本則の税率分が7.5億円相当、暫定税率分、上乗せ部分になりますが、それが約6.1億円相当ということで、約6億円の影響があるということは、そのとおりでございます。
○山崎委員 それから、数字の部分もお聞かせをいただきたいんですが、これは予算説明書補助資料を見ているんですが、さまざま歳入、道路、重量譲与税、地方道路剰余税と、こうなっていますね。これをいろいろ見ると、款項目は地方譲与税の款項目に入っているわけです。そうすると、歳入の性質別を見ますと、これが一般財源になって、僕は特定財源なんだろうなと思っていますが、一般財源に入っているんですね。使われるのは、これをずっと追ってきますと、目的税化のような形で使われるんですね。これはどういうわけで特定財源の部類に性質別の収入、支出の項目で入ってないんでしょうか。
○長田計画財務担当課長 地方譲与税という形で地方の財源を補てんすると、国の集めた税金を地方分として交付するという性質を持っております。そういう意味で、財政の区分上は、区の予算のレベル上は特定財源という仕分けをしておりませんが、その地方譲与税のそれぞれの目的からすれば、使途先としては、道路の整備に充てるという内容でございますので、総務の75でお示ししましたように、自動車重量譲与税、地方道路譲与税、それから交付金のたぐいでございますが、自動車取得税交付金、こういったものはすべて使途先、使い道としては、総務75の歳出のところにお示ししましたように、道路関係の事務事業に充てているものでございます。
○山崎委員 だから、何で性質別内訳の中で特定財源の項目にならないんでしょうか。
○長田計画財務担当課長 特定財源といたしましては、例えば、この資料の中で、歳入のところに国庫補助金という項目がございます。具体的な、区で特定の事業計画をもって事業を行うという場合に、そのことに使途先が限定されるというものにつきましては、特定財源という整理をいたしております。国からくる財源のうち譲与税、それから都からくる交付金以外にこういった国庫支出金といったたぐいのものについて、特定の事業計画に基づいて使途先が限定されるものについて特定財源という仕分けをさせていただいております。
○山崎委員 わかりました。特定のそうした事業ではなくて、全体としての事業で使いなさいよと、こういう形でくるということで一般財源の項目に入ってくると、こういうふうに理解して。
 それで、歳出のほうで、道路関係事業がずっと、道路管理から道路境界、交通施設、ずっと書いていただいております。それぞれに私は目を通しておきましたけれども、具体的に重立った事業名を挙げていただけますでしょうか。
○長田計画財務担当課長 総務の75の歳出のところ、道路関係事務事業のところに、道路管理から道路境界、交通施設、交通安全啓発等、各事務事業を掲げさせていただいております。道路管理で申し上げますと、補助説明資料の302ページにその事業の内容を記載をさせていただいておりますが、道路の占用の関係の事務ですとか、それから道路観察の事務を行ってございます。それから、総務の資料の2番目、道路境界でございますが、道路境界の事務につきましては、303ページのほうに具体的な事業メニューを掲載させていただいております。道路境界の確定の事務、それから地籍調査の事務などの事業を行っているものでございます。
 それから、交通施設、上から3番目の項目でございますが、これは補助資料の305ページのほうに具体的な事業メニューを掲載させていただいております。自転車駐車場の運営などの事業を行っているものでございます。さらに、交通安全啓発という事務事業がございます。補助資料の306ページのほうに具体的な事業メニューの内容を掲載してございます。交通安全啓発とか、それから教育、放置自転車対策などの事務に当たっているものでございます。
 それから続きまして、道路の維持という事務事業がございます。少し飛んでいただきまして311ページ、こちらのほうに事務事業の内容を掲載してございます。道路、橋梁の維持ですとか、街路灯の維持管理、その他管理的な事務もここで行っているものでございます。
 こういうようなさまざまな、具体的な道路に関係した、ないしは都市施設に関係するような事務事業を支えているのが道路特定財源ということでございます。
○山崎委員 それで、これを見ますと、そういう財源だけでこうした事業ができない、こういうことで18年度決算ベースでの数字ですと、一般財源も投入をされていますね。6億6,466万6,000円、これは一般財源がなければ今言ったような事業はできないと、こういうふうに読んでいいんですよね。
○長田計画財務担当課長 委員御指摘のとおり、ここに歳入としてお示しをしました道路特定財源の合計額、18年度決算で申し上げますと13億余でございますが、歳出が24億余の規模になってございます。その差し引きの中で具体的には一般財源も投入しないと、さっき申し上げたような道路関係の事務事業、具体的な事業メニューを支えるということはできないということでございます。
○山崎委員 そうしますと、20年度の当初予算につきましては、一般財源が24億5,500万円余入って、なおかつ、一般質問で出てきましたけれども、予算額ベースでは5億円、こういうものを充当して事業をやられていると、こういうことになると思います。
 それで、国庫補助充当事業の内訳ですが、どんな事業がやられているかと、こういうことでこれを見ますと、それぞれやっていくと時間がありませんので割愛をしますが、野方駅の整備に使われているんですね、野方駅の整備。この野方駅の整備の進捗状況はどのような状況になっているか、お聞きしたい。実は、もう計画は始まっちゃっているんですね、北口を含めて。うちの大内議員を中心に自民党も、あるいは公明党も一丸となって議員団が長い間活動して、都議会議員を動かして、国会議員に御理解をいただいてやっと少し一歩前に出ると、こういう事業なんですね。その野方駅の整備に使われているということですが、どのぐらい使われているかわかりませんが、この特財が入ってこないと、いろんな理由で。一般財源化されてしまうだとか、あるいは今、上乗せ部分についていますので、上乗せ部分が入ってこないんだとか、暫定税率が入ってこないということで、財源が入ってこないとどうなっちゃうんだろうなと。事業は進んでいる、一般財源もかなり入れている、しかし道路特定財源、暫定税率分が5億円も入ってこないということになるとどうなんだと。区長のお話ですと、西武線の連続立体交差のような大規模な事業については、当分見合わせなくてはならないというような御答弁をいただいたんですが、一歩出ちゃっている事業はどうするんだろうなと思いますが、いかがでしょうか。
○長田計画財務担当課長 委員御指摘のように、もう既に事業計画を立て、事業が進捗しているものについて、例えば財源の確保ができないためにこれが中断するということになりますと、区民生活に甚大な影響がある、そういうものだというふうに考えてございます。
○山崎委員 甚大な影響があるんですが、どうしてあるんでしょうか。
○長田計画財務担当課長 例えば、野方駅の整備に関しますと、西武側と協定を結んで、第3セクターをつくって、駅舎の改良とあわせまして自由通路の設計という段階になっております。こういった長い年月をかけた地域の方たちの要望をかなえるべく事業を進捗させているわけですが、これが一般財源だけで対応しなければならないということになりますと、事業に投入する経費が十分に割り当てられないということにもなりかねません。そういう意味で、事業の進捗を著しくおくらせるということになるというふうに考えております。
○山崎委員 ほかのところでお話ししたかったんですが、せっかく野方駅が出ましたので、野方駅についてそういうことで何とかいくんだと、こういうことですよね。それから以西について、中井と野方駅の間についてはいいけれども、以西については、今回の計画で大変不満があるんだとおっしゃっている人がいるんです。野方以西の住民にとってはとても強い不満を残しているという指摘がありますと、中井と野方が先に決まっちゃって、そこから先については不満が非常にあるんだと、こうおっしゃっている人がいるんですが、そのような住民のお話を、広聴課というのは今ないのかな、区民の要望だとか、御不満、持っていらっしゃる課はありますでしょうか。
○小田区民自治推進担当課長 広聴を担当しております区民自治推進担当でございますが、私どものほうに直接区民の方から寄せられたということはございません。
○山崎委員 地域センター所長はいかがでしょうか。
○石井都市整備部長 現在、西武新宿線の沿線、主に駅周辺を中心にした勉強会、これを各駅ごとに立ち上げておりまして、今回、中井、野方間、これが着工準備採択ということになったわけでございますが、一般質問でも御答弁させていただいていますように、2区間になっておりました中野区内の西武線の都の判断によります区別によって2区間が設定をされておりました。この中で、先ほど言いました東側、野方以東ですね、ここについての着工準備採択がされたということで、野方以西の方々にとりましては、当然、一体的に着工準備採択がされるだろうという思いは強くお持ちだったろうと思います。私どももそういう願いはあったわけでございますが、今回、そういう着工準備採択が以東について行われたということでございまして、区といたしましては、ただ、着手の順位といいますか、これは当然、どちらからかが着手の順になるだろうと、これは事業量、事業費相当を考えましても、一遍に全部を施工ということは、これはなかなか難しいことだろうと思っております。したがいまして、当然、順位というものがあるというふうに思っておりまして、そういう意味では、野方以東、これをまず着手をし、次にその以西ですね、この辺を考えていきたいというふうに区としても思っておりますし、今後もそれに向けて努力はしていきたいなと思っております。
 地元から、そういう意味で、今御指摘のような御意見は、勉強会を熱心に続けられていらっしゃる方々からの声として、私どもに届いております。
○山崎委員 順番があることですから、すべてを聞くというわけにはいきません。うちのほうでも、沼袋は北原委員が勉強会を長い間、地元の商店街や町会と立ち上げて、新井薬師駅近辺については、伊東しんじ委員がやっておりまして、だれがどうこうというようなことにとらわれないで、全体としての計画が管理できるように、しっかりと完成するように区として一生懸命やっていっていただきたい。あおる人がいると思いますよ、うちはおくれているんだから、どうしろとか、ああしろとか、そうした声に流されないで、全体の計画をしっかり見ていっていただきたいなと思います。
 思ったより時間がかかっちゃったので、もうそろそろこの手の質問はやめたいんですが、ちょっと気になるので、もう一つ二つ、この特定財源についてお聞きをしますが、区長は1期目の選挙で、批判をされた大型箱物事業である地方の交流センター、中野区にはないと思いますが、交流センター、民業圧迫と言われる道の駅など、建設官僚の一方的な解釈による使い道の拡大、関連事業への天下り、随意契約による工事コストの増大、職員のための防火宿舎づくり、何のことを言っているかわかりませんが、職員の、これも職員のですよ、レジャー用品の買い入れからミュージカル、果てはアロマテラピーまで、これらについて触れられました、財源の使い道について不適切なものであったと、こう区長は1期目主張をされて当選をされたと、こういう趣旨の内容のお話をなさった方がいらっしゃいまして、私は当選をされるときに国のさまざまな無駄遣いについて御指摘があるということは、政党が違っても、あるいは無所属であっても仕方がないと思いますが、区長になられてから、今お話しをさせていただいたような、地方の交流センターから果てはミュージカルやアロマテラピーなどのような不適切の出費、これが中野区にあったというようなことをお認めになりますでしょうか。
○長田計画財務担当課長 先ほども総務の75で道路特定財源の歳入の状況と、それから中野区における事業メニューまでの状況を御説明をさせていただきました。そのとおり、道路特定財源を使いまして、しかも委員の御指摘にありましたように、一般財源をそこにさらに加えて中野区の道路整備、都市基盤整備をしていくということが急務になっております。御指摘のような無駄な事業、無駄な経費に充てるというような余地は中野区の財政にはございません。
○山崎委員 全くなかったと、私もそう思っています。区議会議員になって、歳入、歳出、決算、予算、ずっと審議をしてきましたけれども、思い当たる節はないということですが、区長室にマッサージ機ってありますでしょうか。
○長田計画財務担当課長 ありません。
○山崎委員 そうした報道で言われるような不適切な用途については、少なくとも中野区には1円もないと、こういうふうな理解でいいと思います。
 それで、もう一つ、マスコミで言うところの区長さんや全国知事会は、兵糧攻めに遭っているから国を応援するような形の運動をしなくちゃならないんだよと、本音は違うんだと、こういうことをおっしゃる人もいるんですが、実際に兵糧攻めというのをやられたことがあるでしょうか。
○長田計画財務担当課長 そのような認識は持っておりません。
○山崎委員 それでは、最後になりますけれども、こうした道路特定財源の必要性について、これから非常に難しい問題だけれども、区報だとかホームページで、その根幹にかかわる問題、そして中野区としての影響を受ける問題についてしっかりと区民に訴えをしていく必要があるだろうなと、こう思いますが、いかがでしょうか。
○長田計画財務担当課長 既にこの問題につきましては、中野区の基本的な姿勢を明らかにするために、2月7日の予算に関する区長のプレス発表、この場で道路特定財源の必要性について強く訴えたものでございます。この内容につきましては、既にホームページに掲載をしてございます。また、今定例会におきまして、施政方針説明において、同じく区長の基本的な姿勢を表明させていただいたところでございます。これにつきましても、今後、3月5日号の区報に掲載をするということで、区民の皆様にも広く区の基本姿勢をお伝えするという考えでございます。
○山崎委員 これは国会での議論で、なかなか具体的にわかりにくくなっちゃうんですよ。中野区としてどうなんだと、本則論、大きな政府だとか小さな政府だとかという、その問題よりも中野区としてどうなっていくのか、今一例として挙げた野方駅はどうなっていくのか、西武線はどういう計画になっちゃうのか、そういうことを具体的に書いて区民に説明をしていってほしい。3月5日にも出るそうですので、ぜひお願いをします。
 そうした活動の中で、これは区長にお聞かせをいただきたいんですが、区長はそういう意味では政治家の一人でもございますので、駅頭などに立ってそうしたことをお訴えをするという予定はありますでしょうか。
○田中区長 幅広くさまざまな形で主張はしていきたいと思っておりますけれども、駅頭に立ってという予定はありません。
○山崎委員 ぜひ、どこの駅頭とは申しませんが、私どもも政党人として、この国のあり方を区民に問いかける問題として、政治活動をしていきたいと思っております。場合によっては、区長さんが同じお考えということであれば、一緒に御参加をいただいて街頭に立って区民に訴えていきたいと、こう思いますので、その節はぜひよろしくお願いをします。
 この項の最後に一つ述べておきたいことがございます。これも新聞に載ったんですが、政府税調、調査会の会長、一橋大学の大学長という方で、石弘光さんという方の新聞、これは佐伯委員が今見たそうですが、その方が新聞でこう書いてあるんです。「総額59兆円と道路整備中期計画や暫定税率の妥当性などをめぐって対立が続いている。しかし、危機的な財政をどうするのかの視点に欠け、論戦はもっぱら自分の立場でしか考えられない意見の応酬に移っています。国家百年のために、選挙も考えずに動く政治家は昔はいた。今はいない。それは国民の眼力のなさの裏返しでもある。でも苦しい選択も逃げずに誰かが真摯に訴え続けていきたい。」、こう述べておりまして、私ども自民党もこの意に沿って今後とも頑張ってまいりたいことを申し上げてこの項の質問は終わらせていただきます。
 もうすぐ終わりますけれど、もう一つ、退職職員の外郭団体への再就職について御質問をさせていただきます。
 この問題についても、私は、中退共の理事をやらさせていただいておりまして、その関係の御質問をなさった方がいらっしゃいまして、非常に苦慮をしておりまして、少し質問をしたい、こう思っています。
 中退共が資金不足に陥って、3年間で約10億円充当しなくちゃいけない事態になったではないか、この準備金の不足について、役員を区から派遣したというような御指摘があったかのように思っておりますが、中退共の準備金の不足の理由はどういうことでしょうか。
○鈴木産業振興担当参事 中退共は中野区が昭和46年に設立し、運営している制度でございます。財団法人中野区退職金共済会という仕組みを持ってございます。発足からしばらくは非常に高度経済の後押しで、資産運用も順調で、多額の運用益を確保してきたんですけれども、いわゆるバブルがはじけた平成3年以降、いわゆる掛け金と運用益で給付をしている制度でございますので、運用金利の低迷、それから加入の口数がなかなかふえない、そういったことの減少によりまして、財政収支が悪化して、退職給付率と資産の運用利率の逆ざやが生じたということが一番の原因でございます。それが平成6年、それ以降、共済会としても、給付利率の引き下げ等々努力してきているところでございますけれども、運用利率の低下がますます、異常なほどの低金利でございまして、そういう意味では非常に資産運用が厳しい状況となっているということでございます。
○山崎委員 議会で御指摘をされた幹部職員に事務局長として送り続けてきたのにもかかわらずこうした事態に陥ったというような視点には立たないということでよろしいでしょうか。
○鈴木産業振興担当参事 資産運用に当たりましては、当然、豊富な情報収集と適切な判断、そういったものがこういった制度を円滑にしていくには欠かせないというふうに思ってございます。どういった担当の方がそういった要職につかれても、それぞれその時期の経済動向を読みながら判断して対応してきたというふうに認識してございます。
○山崎委員 もう一つ、これも議会で御指摘をいただいたんですが、平成15年に発覚をした文化スポーツ振興公社の職員の公金横領事件について、公社の運営人に区の幹部職員OBを送り込んだことが問題であったかのように理解をされている方がいらっしゃるということなんです。この事件の原因はどこにあったのか。区の判断を聞かせていただきたいと、こう思います。
 1次報告は私も見ました。確かにそのような記述も一部書かれていたと思いますが、1次報告なんですね、最終報告はどうなっていたんでしょうか。
○川崎経営担当課長 ただいま御質問の件につきましては、平成15年7月に区としての最終報告をまとめております。その中では、原因と問題点につきまして、制度上、事務処理上と組織体制上の二つの側面から具体的項目を列挙しております。制度、事務処理上の問題といたしましては、公印の管理が適切でなかったこと、使用料の算定事務を複数の職員で確認していなかったこと、収納金と申請書との突き合わせを翌日に行っていたことなど、8項目を挙げております。また、組織体制上の問題といたしましては、区側が委託事務の具体的な処理内容を公社に指示をしていなかったこと、また、証拠書類を調査せずに収納すべき額を決定していったことなど4項目、また公社側といたしましては、その庶務課が施設に対して十分な指揮監督をしていなかったこと、また、徴収手続について、過去に監査の指摘を受けながら再点検の取り組みを行っていなかったことなど3項目を挙げているところでございます。
○山崎委員 川崎さん、そうおっしゃっていただきましたけれども、こうした事件が起きることは大変残念でありまして、しかし残念ですが、組織上の問題も追及すべきことは、私も当然だと思いますが、派遣職員の存在が、幹部職員を派遣をした、このことがこういう事件にそのまま直接的に結びついたと、こう考えるのは、いかにもうがった考え方ではないかなと、こんな感じをしております。
 続いて、外郭団体へ採用された区の職員についてお聞かせをいだたきますが、現在、これは人事のほうで私が調べさせていただいたんですが、外郭団体、シルバー人材センター、社会福祉協議会、障害者福祉事業団にそれぞれ役員を送っていただいておりますが、間違いないでしょうか。
○合川人事担当課長 委員御指摘のとおり、現在、中野区シルバー人材センターに1名、中野区社会福祉協議会に1名、中野区障害者福祉事業団に2名、合わせて4名再就職をしてございます。
○山崎委員 区長の御答弁ですと、こうした団体さんからの要請を受けて、もちろん要綱等に基づいて派遣をしておりますと、こういう御答弁だったんですね。それぞれに人件費の補助が出ていると思いますが、調べましたので、私のほうからお話をしますけれども、シルバー人材センターについては、人件費の補助600万、社会福祉協議会570万、障害者福祉事業団については、計2名ということで1,000万円、こういう補助金が出ていると、これは間違いないでしょうか。
○合川人事担当課長 そのとおりでございます。
○山崎委員 私は要綱に基づいてこうした補助金の支給、あるいは派遣というか、要請に応じて中野区から御紹介をするということで、何の問題はないと、かえって優秀な人材を使っていただいて、公共性の高い事業に勤務をしていただいてありがたいなという思いでいるんですが、これが国で言う天下りに当たりますでしょうか。
○合川人事担当課長 天下りというのは、一般的に下のものの意向や都合を考えない、上からの一方的な押しつけで、特に官庁で退職後の幹部などを民間会社や団体などに受け入れさせることとされてございます。中野区の場合は、あくまでも当該団体から人材に関する情報提供の要請があったときに適切な人材の紹介を行うものでございまして、天下りではないというふうに考えてございます。
○山崎委員 正確には天下りのあっせんというような形の御指摘を受けたと思いますが、そうしたことではないという御答弁なんですが、そのときの主張の中に、こうした外郭団体は自主性、自立性を重んじてやってきたではないかと、そういう目的があってやってきたのに区から幹部職員がいくのはいかがなものかというような御指摘もあったように思うんですが、私は、だからこそこうした団体が区に優秀な人材を求めて推薦依頼がきたものについて、自主的にそういう御紹介をしてくださいという結論を出してきた、そうした外郭団体等について、こうしなさいよ、外郭団体だから区の職員は送りませんよ、公募をしなさい、ああしなさいと、これは本来の趣旨から逸脱をしていると、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○合川人事担当課長 あくまでも、先ほど御答弁を申し上げましたとおり、当該団体から推薦依頼があって、それに応じて私ども職員を推薦しているということでございますので、当然のその判断の上では、当該団体の自立性の上で判断をしているものというふうに考えてございます。
○山崎委員 国で言う退職金、職員で1回もらって、外郭団体でまたもらうというようなことが一般論として報道されていますが、この方々は退職金をいただけますでしょうか。
○合川人事担当課長 退職金は支給されてございません。
○山崎委員 非常にこうした経済状況の中で、大学を出てもなかなか就職につけないという、こういう疲弊した社会の中で区民の目は非常に厳しい目で見られているということがございますので、こうした要綱に基づいてさまざまに活用されるのはいいですけれども、誤解をされないような運用方をぜひよろしくお願いをしたい。何かございますか。
○合川人事担当課長 今、委員御指摘のとおり、当該推薦につきましては、誤解のないような形で精いっぱい努めていきたいと思っております。
○山崎委員 それから、もう最後にしますが、区の退職職員の外郭団体への再就職というのが問題になっておりますが、私はさっきの議論、道路特定財源の議論と同じように、出口の議論ばっかり持ち出して、ああだった、こうだった、区のOBが行っているんじゃないのかというようなことを、まるで天が落ちてくるかのように言いふらすというのは、私はとても不適切ではないかなと、現実にのっとって調査をして、あるいは全体として職員、入り口論だってこれは論じなくちゃならないと思っておりますので、退職のこの項目とは少しなじまない部分がありますが、入り口論についてだけちょびっとやらせていただきたいと思いますが、区の職員を採用するに当たって、いろんな形の採用があると思います。私は全然その部分は存じ上げないんですが、どういう形の採用がございますでしょうか。
○合川人事担当課長 一般的には、特別区人事委員会での統一試験による採用、これは事務ですとか、技術職ですとか、ございます。また、区独自によりましても、技能系の職員ですとか、あるいは保育士など、区の独自の選考で採用してございます。
○山崎委員 具体的に試験を受けられないで区の職員になられるという方がいるということなんでしょうか。
○合川人事担当課長 あくまでも選考を経てということでございますので、試験を受けてという形になります。
○山崎委員 これはあくまでうわさなんですが、アルバイトで区の仕事についたと、その後、ずるずる区の職員になったというような人がいるらしいと、こういうようなうわさがあるんですが、そんな方は一人もいらっしゃいませんか。
○合川人事担当課長 先ほど御紹介いたしましたいずれの形態でも、職員の採用につきましては、地方公務員法第15条に規定をします能力実証に基づいて行われているものでございます。試験もなく正規職員になるということはないです。
○山崎委員 これも先ほど申し上げたように、なかなか国民は疲弊をしております。そうした形で見られないように、厳密な制度運用について格段のお願いをして終わりたいと思います。
 その他についてはございません。一応は用意をしたんです。区がさまざまに委託事業を今やっておりますね。2,000人体制を視野に入れて、私どももアウトソーシング、とても賛成をしてここまできましたけれども、その後、そうした委託について、適切に契約どおりに運用されていたのかどうかということが非常に気になっておりまして、委託と一言で言っても、設計、管理、施工、業務委託、さまざまな委託がありまして、こうしものの委託の実態について、運営についてチェックをしてみたいと用意をしたんですが、予算の審議をする中でチェックをするというのは少しなじまないな、決算のときにこうした問題を取り上げてチェックをしていきたいということで、今回は委託事業の今後のあり方については、その他から割愛をさせていただきました。長い時間にわたりまして御清聴いただきましてありがとうございます。すべての質問を終わります。
○吉原委員長 以上で山崎芳夫委員の質疑を終了します。
 次に、岡本いさお委員、お願いします。
○岡本委員 公明党のトップバッターとして総括質疑をさせていただきます。久しぶりの総括質疑ですので、どうか明快な、積極的なわかりやすい御答弁をよろしくお願いしたいと思います。時間がこの時間ですので、午前中には終わらないと思いますので、委員長と相談しながら割り振っていただきたいと思います。一応、通告の順に従って質問させていただきたいと思います。
 はじめに、ICTを活用した学校教育について伺います。
 近年、情報や通信に関する技術、インフォメーションアンドコミュニケーションテクノロジーと言うんですが、ICT活用の流れはあらゆる分野にわたって広がってきています。総務省の20年度予算には、ICT分野の国際競争力強化を旗印に、地域活性化に向けたユビキタスネットワークの整備、ICT利活用の高度化、利用、環境整備をするとしています。その中にICT人材育成、教育利活用等の推進もあります。
 これまで私は、議員にさせていただいた17年前から、児童・生徒がわくわくする授業の推進を図るために、学校のコンピュータ教室の充実や情報技術、ITを活用した学校教育の充実などさまざまな質問や提案をさせていただきました。その都度、またパソコンかとのやじが飛んだことをよく覚えております。このたび、我が会派の提案により、職員室のLANが構築され、各教員に1台のパソコンが支給されて、本格的に情報技術の活用が始まっています。私がたびたび要望してきた校内LANは、20年度中にすべての小・中学校に整備する予算が計上されました。当初、5年間で整備する計画を大きく前倒しをして実施されることを大変に高く評価しています。また、校内LANの整備と同時にe-ラーニングボード、つまり電子情報ボードも各学校に3セット導入されることになり、中野区の校内LANの整備や電子情報ボードの導入は、実にタイムリーな政策だと思います。この結果、区内の学校間のデジタルデバイドがなくなり、全小・中学校で等しくICT活用の授業が行われるのは本当に夢のようです。これで中野区のICTを活用した学校教育の整備や体制は、23区内ではトップクラス、あるいはトップになるのではないかと思っています。
 しかし、ICT機器が整備されただけでICT活用が図れるわけではありません。問題は、これからの取り組みと十分な活用によって、わかる授業と確かな学力向上、情報化活用能力の育成、校務の情報化の推進、教員の指導力、情報モラル教育、人材の育成などが図られなければ無用の長物になってしまいます。すべての区立小・中学校に一挙にICTの基盤整備がされますので、まず教育委員会にICT活用推進室的な組織を早急に立ち上げる必要があると考えています。その組織を中心に、教育委員会や関係者とでICT活用の基本方針や計画などをつくるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○小谷松教育経営担当課長 教育委員会におきますICT活用推進という組織ということでございますけれども、既存の組織的な対応といたしましては、これまでハード面の導入ということで、教育経営担当で対応してまいりました。今後、ICT基盤をいかに活用していくかということでございますので、指導室を中心としたそういった対応を図ってまいりたいと思っております。
 あわせて、学校と一体となりました活用推進のため、校長、副校長、さらにまた現場のICT担当教諭も含めた検討会を立ち上げまして、ICT機器を活用した教科の指導方法、それからまた学校におけるICTの活用方針や計画などにつきまして検討を進めてまいりたいと、そのように思ってございます。
○岡本委員 二つの角度で御答弁をいただきましたけれど、教育委員会にICT活用推進室的な組織をつくるかどうかというのを、まず明確にお答えいただきたいと思います。
○小谷松教育経営担当課長 今、御答弁申し上げましたが、教育委員会の中に現場の、実際にICTの推進を図っております教員も含めました検討会、これは教育委員会、学校一体となりました形で、20年度そういった組織を立ち上げながらやってまいりたいと、いわゆるフォーマルな形という組織ではなくて、機動的な形で対応できる、そういった教育現場と一体となりました検討会の中で、さまざまこれからのICTを活用する教育のあり方、ソフト面の充実でございますけれども、そういったものをしっかりとやっていきたいと思っております。
○岡本委員 私は、一挙に小・中学校がICTの基盤整備ができますから、本当にすぐれた、例えばメディアコーディネーターという方を、私が言うICT活用推進組織に配置して、そしてすべての教員がICTを活用して効果的な授業ができるような体制をつくることを、まず第1段とすべきだと思っています。その上で今課長のおっしゃるような各現場での教員を交えたそういう体制をつくらなきゃなと思っているわけです。
 いずれにしても、教員がやる気にならなければ、ICT活用の教育は実現できないわけです。このメディアコーディネーターが学校に出向いて、効果的な配置は絶対というくらいに欠かせないと思いますが、この点について、教育委員会の考えをもう一度伺います。
○小谷松教育経営担当課長 導入された機器を効果的に活用いたしましたICT活用教育を推進するため、学校へ指導や助言、それからまたコーディネート等が必要になってくるという御意見、それは本当にそのとおりだと思ってございます。学校に対するサポートをどのように行っていくかということにつきまして、先ほど申し上げました検討の場におきまして、しっかりと取り組みを進めてまいりたいと思っております。
○岡本委員 多分、遠慮して答弁をされているのかなと思うんですが、ICT活用推進のための人的配置が欠かせないわけですが、財政上のことが頭にあって遠慮されているかと思いますが、区長からICT活用推進のための人的配置についての御見解を伺います。
○田中区長 学校におきますICTの環境を活用するためには、教職員のスキルアップでありますとか、人材育成というのは非常に欠かせないという認識は十分持っております。また、単に教員のスキルアップだけではなくて、適切に活用方法について指導したり助言をしたりできるような、そういった仕組みを設けるということも一つの方法だろうというふうに思っております。ただ、そういった特別な能力のある人を組織の中に配置するということになりますと、採用の仕方の問題でありますとか、処遇の問題でありますとか、公務員制度との関係でありますとか、いろんな難しい問題が出てくることもあると思っております。ですから、必ずしも、何らかの職員のような形で配置するということよりは、そういった学校でのICT環境の活用について、サポートできる仕組みを、外部の活用なども含めて検討するというようなことのほうが現実的なのかなと、こんなふうには思っております。
○岡本委員 正規に採用するという意味で言っているのではなくて、いろんな活用の仕方がありますので、しかも一挙に小・中学校全部を整備するだけに、そういう力のある方の意見を学校が聞けるような体制がないと、なかなか全体のレベルを上げるということは相当難しいかなという思いで質問させていただいているわけです。
 次に、教員のICT活用指導力アップの取り組みについて伺います。
 先ほども課長から話がありましたけれど、まずICT活用に向けて、現在、各学校におけるICT推進員やICT教育の担当者などの体制はどのようになっておるんでしょうか。
○入野指導室長 現在、各学校におきましてICT教育担当者を決めております。さらにその担当者でございますが、学校の中での役割としては、ICT教育の推進をするためのリーダー的な役割をその者が担っております。
 また、教育委員会では、各学校におりますこのICT担当者の連絡協議会を年間3回催しておりまして、その中でICTに関する情報交換、またわかりやすい授業、そして学力向上を目指しての授業研究、そしてICT機器の活用方法等について協議等を行っているところでございます。そのほか、全教員対象に、夏季休業中などにおきましてICT機器やソフトの活用、情報モラル等に関する研修を30講座程度開催しております。
○岡本委員 中野区全体としてICT教育を具体的に推進するために、今、指導室長から話がありましたように、活用や研修を行う支援チームが必要だと思います。各学校の管理者やICT推進員など、現場の教師を加えた、私が勝手に名づけたんですが、仮称学校ICT教育推進委員会を設置する必要があると思っていますが、今、そういう体制が既につくられているようなので、安心をいたしました。その委員会として、他の自治体でのICT活用の事例を学ぶとともに、電子情報ボードの操作研修、ホームページ作成研修、すべての授業におけるICT活用案の作成研修、指導力のスキルアップの教員研修、ICT教材の作成などを行うようにすべきだと思いますが、教育委員会のお考えをもう一度伺いたいと思います。
○入野指導室長 先ほどお話をいたしました連絡協議会のほかに、次年度から、各学校のICT担当の教員を含めた委員会を立ち上げまして、ICTを活用した授業の指導資料集等を作成していく予定でございます。また、全校に導入される校内LANやICT機器の活用法、教員の指導力の向上のための研修会等につきましては、ICT担当の教員を含めた先ほどの委員会の意見も聞きながら、指導室として研修計画を作成して実施していくつもりでございます。
○岡本委員 これからは、コンピュータ教室だけでなく、すべての教室で、あらゆる授業にわたってICT活用ができるようになります。普通教室での算数、数学、社会、理科、英語などはもちろんのこと、図書館、体育館、音楽室、調理室、工作室などでICT活用の授業が展開されます。したがって、具体的にICT活用の方針を決め、計画を立てて推進しなければ、効果的な授業を推進することはできないと思いますが、いかがでしょうか。
○入野指導室長 委員お話しのように、ICTを活用した授業がより効果的に実施されるためには、各学校がICTの活用の方針ですとか、それから指導計画等を作成するということがまず大事かなと思っております。それに伴いまして、各学校が校内の組織を整備いたしまして計画的に取り組む必要があると思います。そのために教育委員会としましては、区内全教職員を対象とした、現在行われておりますような夏季休業中の研修をさらに充実したり、各学校へ業者等を派遣いたしまして校内での研修を実施すること、そういうことを通しまして、すべての教員がICTを活用できるように、全教員が活用できるような体制をとってまいりたいというふうに思います。また、ICTを活用するための推進計画ですとか、実践資料等も学校に示していければなというふうに思っております。
○岡本委員 私は、小学校、中学校、それぞれモデル校を設置して、その学校でさまざまなICT活用を研究し、触発し合って中野区のICT活用のレベルを図ってはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○入野指導室長 区内では、もう御存じのように、二中、七中が平成13年度から文科省の指定を受けまして研究を進めてきております。ある意味、これがモデル実施をしてきた形になっているかというふうに思っております。このモデル校としての役割を現在も役割を持って進めておりますので、この2校の実践を今後小学校、中学校に広めますとともに、学校の教員も含めた、先ほどの委員会におきまして、さらに効果的な取り組みについて調査をいたしまして、各学校が活用できる、触発し合ってレベルを高めることができるような資料を作成していく予定でございます。
○岡本委員 次に、教員のICT活用のレベルアップを着実に図れるようにするために、中野区として、例えばICT活用習熟のランクを設け、研修を繰り返して、上級へのランクへと進んでいく仕組みをつくり、すべの教員がICTを活用した授業のプロになるような流れをつくって、定期的な習熟チェックを実施し、教員の指導力アップを図るべきであると考えますが、いかがでしょうか。
○入野指導室長 現在、本区におきましては、文科省が作成しました教員のICT活用指導力のチェックリストというものを活用しております。これは、5段階になっております。そのようなもので今実態を把握しておりますけれども、今後ともこのチェックリストを活用しまして、一人ひとりの教員のICTの指導力の向上を図ってまいりたいというふうに考えております。
○岡本委員 また、今年度からスタートした特別支援教育にも、ICT活用で発達障害児などに対する授業が大きく改善されると期待しています。以前にも紹介した教育研究団体トス(TOSS)は、障害児に対するICT活用の研究を行い授業の効果を上げています。日野市のICT活用教育推進室でも、特別支援教育の充実のため、ICT活用の研修を繰り返し行っています。
 私は、特別支援教育における学力アップにも、児童・生徒とのコミュニケーションを図る上でも、ICT活用の効果が大いにあると考えていますが、教育委員会のお考えを伺います。
○入野指導室長 特別支援教育を含めまして特定の教科とか、それから内容においてはICTによる教育も非常に効果的であるということは、実践事例もあり、報告も受けているところでございます。今後も、効果的なコンテンツ活用について考えてまいりたいというふうに考えております。特別支援教育も含めまして、今後ともそのような研究をしてまいりたいというふうに考えております。
○岡本委員 次に、学校図書館の情報化について伺います。
 校内LANの構築により、学校図書館からもインターネットの活用が可能となり、区立図書館の蔵書検索や予約だけでなく、都立図書館や国会図書館などの電子図書館にも入っていけます。学校図書館に児童・生徒用のパソコンを常備していつでも使えるようにすれば、図書に関する関心や興味が増し、読書意欲が大きく前進するのではないかと思っています。常設するパソコンについてですが、学校コンピュータ教室のパソコンはリース方式で行っていますので、パソコンのリース更新時に古いパソコンを引き取り、そのパソコンを整理して全小・中学校の図書館に配備する方法をとったらいかがでしょうか、お考えを伺います。
○小谷松教育経営担当課長 校内LANの整備によりまして、校内ネットワークが学校図書館に構築されたことに伴い、学校図書館に児童・生徒用パソコンの配置につきまして、今お話がございましたけれども、今後、使用しなくなるそういったパソコンの活用を含め、配置について検討してまいりたいと思っております。
○岡本委員 学校図書館の図書貸し出し票というのがありまして、私どもが小・中学校の時代に利用していた、今から言うと半世紀前と同じカードを使っています。書籍の裏表紙の内側にポケットをつくり、その本を借りた人の個人名と日付が記載されているカードが貸し出し票です。この本をだれがいつ借りたかという個人情報がむき出しになっています。私は、個人情報保護の立場からも、一刻も早くこのシステムを解消すべきだと思っていますが、どのようにお考えでしょうか。
○小谷松教育経営担当課長 教育委員会で定めました中野区子ども読書活動推進計画というものがございますが、その中で、学校図書館の充実に向けまして、蔵書管理と検索の円滑化を図るため、コンピュータの導入を検討することとしてございます。そういった中で、ただいまお話がございました貸し出し方法、そういったことにつきましても検討してまいりたいと思っております。
○岡本委員 図書館にパソコンが導入されるわけですから、区立図書館で採用しているバーコード方式を導入すれば貸し出し票は不要になります。しかし、区立図書館の蔵書管理や検索システムの変更時に新たなICタグ付与方式を採用する計画があると聞いていますので、その際学校図書館の蔵書についても、ICタグ付与方式を採用すべきだと思いますが、いかがでしょうか。さらに、学校図書館の情報化とプライバシー保護についてのお考えをあわせてお聞かせください。
○小谷松教育経営担当課長 先ほど申しました子ども読書活動推進計画にございます学校図書館へのコンピュータ導入を検討する際に、ただいまお話がございましたICタグ方式も含め、より効率的なシステムの導入、またそれに伴いまして、個人情報の保護といったようなことにつきましても、その中で検討を進めていければと思ってございます。
○岡本委員 我が会派が20年度の重要予算要望項目として要望したICタグの導入は見送られましたが、それはどのような理由からでしょうか。蔵書管理システムの更新も繰り延べになったのでしょうか、伺います。
○倉光中央図書館長 中央図書館の図書館業務システムにつきましては、御承知のとおり平成20年度に現在のリースの満期を迎えることになっております。かねてより図書館といたしましては、満期にあわせてシステムのリプレース及びICタグの導入の計画を検討してまいりました。しかしながら、全庁的に平成20年度より新たにシステム関係のリプレース、あるいは開発につきましては、調達ガイドラインを適用するという制度が発足いたします。図書館システムのような大規模システムにつきましては、この制度を適用するため、リプレースそのものを1年延期すると、このようになってございます。
○岡本委員 先日の一般紙に、府中市で昨年12月に図書館にICタグを導入したことにより、本の貸し出し数が一挙に1.7倍に増加したとの報道がありました。ICタグ導入は、もう既に御承知のとおり盗難防止策だけでなく蔵書管理にも大きな威力を発揮します。さらに、学校図書館の情報化も推進させる契機ともなり、学校図書館を含めた中野区図書館ネットワークシステムが大きく前進すると思っています。区として、改めて学校図書館を含めた情報図書館計画をつくるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○倉光中央図書館長 先ほど教育経営担当課長が御答弁申し上げましたように、子ども読書活動推進計画におきましては、学校図書館の蔵書管理と検索の円滑化を図るためのコンピュータの導入を検討することとしております。その上で、学校図書館と図書館とのネットワークにつきましては、さらに検討していく必要があると考えております。
○岡本委員 中野区立図書館の蔵書管理システムのリース更新時期とICタグの導入について、改めてまず教育委員会に伺います。
○菅野教育長 ICタグにつきましては、必要なものと考えておりますけれども、先ほどもお話しいたしましたように、こうしたシステム導入に当たりましては、区全体で調達ガイドラインということで定めまして、専門的な見地も含めて検討するということでございますので、教育委員会といたしましては、そうした区の内容に沿いまして、資料作成、それから導入の必要性などにつきまして、十分説明してまいりたいと思っております。
○岡本委員 最後に、区長に図書館のICタグ導入についてのお考えを改めて伺います。
○田中区長 ICTを活用したさまざまな図書情報の貸し出し提供サービスということは、既存の図書館だけではなくて、学校図書館でありますとか、区のさまざまな施設、そうしたものをどのようにうまく結びつけて、区民にとってよりよい情報サービスを提供していくかと、図書情報サービスを提供していくかという視点から、全体的にそのあり方を検討していく必要があると、このように思っております。
 そういう中で、図書館のICタグ、蔵書に対してICタグを標準装備していくということの課題は当然出てくると、このように思っているところであります。よりよい、区民にとって本当にいい次世代型の図書情報提供サービスといったようなものを考えていく中で、次の図書館の情報システムのあり方なども検討していきたいと思っておりますし、ICタグについても積極的に取り組んでいきたい、こう思っております。
○岡本委員 以上でICTを活用した学校教育についての質問を終わります。
 次に、環境教育について伺います。これまで地球環境の将来の問題として扱われてきた地球温暖化の対策が喫緊の課題として早急に対策を講じなければならない時代に入ったと思います。国連の地球環境概要には、大気汚染によって地球全体で毎年200万人以上が死期を早める原因となっていること、また有害な紫外線から人々を保護するオゾン層も、南極上空の穴は過去最大になっていると報告されています。また、IPCC、気候変動に関する政府間パネルの報告では、二酸化炭素の排出量が近年急増し、ここ50年の温暖化傾向は過去100年のほぼ2倍となり、21世紀末には最大で6.4度上昇する可能性があると予測しています。日本でも京都議定書に基づく温暖化対策として、2012年度までの温室効果ガスの削減目標への取り組みがされています。
 昨年の11月29日、中野ZERO小ホールで上映された「不都合な真実」を見させていただきました。アメリカの元副大統領アル・ゴワ氏制作のドキュメンタリー映画ですが、温暖化へと突き進む地球を憂い、温暖化によって引き起こされる数々の問題を提示するとともに、地球温暖化防止は国や行政レベルだけでなく、家庭や個人でも省エネ行動をとることによって温暖化の防止を前進させることはできると呼びかけています。この映画を見る前と後では、自分の行動に確かな変化が起こりました。それは、ゴワ氏の地球を守ろうとする熱い思いに共感したからだと思います。温暖化の情報や対策を知らなければ行動に移せないということを改めて実感させられました。
 区の新しい中野をつくる10か年計画の四つの戦略の一つに、地球温暖化防止戦略が掲げられています。今までに経験したことのない戦略だけに、全く新たな取り組みが行政だけでなく、多くの区民が主体的になって取り組まなければ、この戦略はかけ声だけに終わる可能性を持っています。また、計画のスパンは10か年にとどまらず、20年、30年という長期にわたって持続して取り組むべき課題であり、計画化すべきものと考えます。
 はじめに、このたび公表した中野区環境基本計画素案について質問します。
 まず、中野区の目指す環境像に脱温暖化の取り組みが根づいたエコシティ中野が示されています。このことについて伺います。
 中野全体をエコシティとして方向性や基本的な考えを示すことは必要ですが、アクションプログラムとして取り組む場合、全体的、総体的な事業の展開の仕方では、身近な、また自分のものという意識が持てないように感じます。私は、それぞれがかかわる関係部門や機関、分野、地域で具体的に身近に接しているところで目指すべき目標を掲げ、また共有して取り組まなければ他人事になり、目に見えて成果を上げることはできないと思います。したがって、地域や個人、事業所、それぞれ明確な目標を持って脱温暖化の取り組みを進める必要があります。例えば、区役所庁舎で言えば、エコシティーホール、学校ではエコスクール、地域に展開すると、エコ○○地域、エコ○○町会、商店街やまちではエコタウン、企業ではエコオフィス、さらに家庭ではエコホームなどと銘打って、脱温暖化に向けて具体的に取り組むことが大切だと考えますが、いかがでしょうか。
○納谷環境と暮らし担当課長 地球温暖化防止の取り組み、今委員のお話にもありましたように、区民、事業者、また区がそれぞれ明確な目標を持って取り組むことが極めて大切だと思っています。特に、日常の生活、あるいは行動、あるいは事業活動の中で、家庭ぐるみ、あるいは事業所ぐるみというんですか、また地域ぐるみ、またある施設、あるいは建物自体が共通の目標、また具体的取り組みの方法を持って進めることが本当に欠かせないと思っております。このような観点から、今委員の御提案のあったようなそれぞれの取り組みのステージで、共通の目標となるようなネーミングというんですか、ネーミングをして取り組みを進めることは、極めて効果的であろうかなというふうには思っております。
○岡本委員 環境基本計画素案では、仮称地球温暖化防止条例をつくる予定になっていますが、この中でそれぞれの責務として取り組む姿を明らかにしてはどうでしょうか、伺います。
○納谷環境と暮らし担当課長 現在、予定しています条例には、当然、区民、事業者、また区のそれぞれの責務を明らかにする考えでおります。この際に、その責務とともに、先ほどのような取り組む姿をあらわすかどうか、またあらわす場合にはどのような形であらわしていくかということも含めまして、条例化を検討する中で考えていきたいと思っております。
○岡本委員 次に、まず区役所の二酸化炭素排出ゼロプロジェクトについて伺います。
 計画では、10年後の二酸化炭素排出ゼロ目標を3,000トンとしています。究極の情報産業と言われる区役所で、単純に二酸化炭素の排出量をゼロにすることは不可能です。それは休みの日であっても、庁舎内の中央電算システムのコンピュータサーバーやその部屋のエアコンはフル稼働しています。ファックス受信や電子申請なども、電気使用による二酸化炭素は確実に排出しているからです。省エネ対策としては、実際に二酸化炭素量を削減する手だてと、二酸化炭素排出量を取り引きする仕組みの発想で削減目標を掲げ、それを合わせて3,000トンとしなければ、目標の達成は不可能だと思いますが、どのように取り組まれるんでしょうか。
○納谷環境と暮らし担当課長 区役所としての二酸化炭素削減の取り組みは、大きな柱としまして、自然エネルギーの利用、それからISOなどのような環境マネジメントシステムによります徹底した省エネルギー、あるいは省資源、これを中心に自主的な二酸化炭素の削減は進めていきたいと思っております。これとともに、この削減だけでは補えない削減部分と申しましょうか、これにつきましては、電力のグリーン購入、あるいは現在、国、東京都で検討をしています排出権取り引きのような、そういう仕組みを活用してこの目標の達成を図るもの、このように考えております。
○岡本委員 そのような考えであれば、区役所として、また職員として、二酸化炭素削減に向けた具体的な行動計画を改めて策定すべきではないでしょうか。
 また、区役所本庁舎では、既にISO14001を取得し、庁舎内にはISO推進の組織があると思いますが、この際、区役所全体で、例えば二酸化炭素排出ゼロ推進委員会を設置して取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○豊川財産管理担当課長 地球温暖化対策の推進に関する法律に基づきまして、平成13年、中野区として定めた事業者、消費者としての中野区環境行動計画、これに沿いまして中野区はこれまで二酸化炭素排出の削減に取り組んでまいりました。今後は、中野区環境基本計画素案に示しました、まだ仮称ではございますが、中野区役所地球温暖化対策実行計画、これを平成20年度に定めまして、さらに取り組みを深めていきたいと考えております。その際、御指摘の趣旨も踏まえながら、より効果の上がる取り組み体制についても検討したいと考えております。
○岡本委員 また、白熱電灯をなくし、蛍光灯を省エネタイプにかえ、またセンサーつき自動照明システムにする、清掃車や区有車をハイブリッド車や電気自動車などエコカーへ転換する、太陽光発電機器の導入など、さらに、会議時間の削減など合理化目標も入れたエコシティーホール計画をつくるとともに、まとめて省エネ推進に対するアイデアを募集するなどして、区役所挙げて取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○豊川財産管理担当課長 御指摘のような内容につきましては、例えばセンサーつき自動照明システムなど、現在既に一部実行しているものもございます。しかしながら、先ほどの件と同様に、中野区役所地球温暖化対策実行計画、これの内容を平成20年度に取りまとめる際に検討すべき事項と考えてございます。
○岡本委員 川口市では、市役所の壁面に、332平米余りのゴーヤなどつる植物で覆う川口グリーンカーテン大作戦を実施、世話は職員がみずから行っています。名古屋市でも同じような取り組みを行っています。職員が必死になって取り組まなければ実現できません。具体的に取り組んだ部署や職員には何かメリットとなるポイントを付与してはどうでしょうか。場合によってはエコ手当として期末手当に反映させてはいかがでしょうか。
○豊川財産管理担当課長 二酸化炭素削減の取り組みの成果を手当に反映するということは、一般的には職員個人の貢献の度合い、これの定量化が難しいというふうに言われておりますので、直ちには困難かと考えております。しかしながら、実効性のある取り組み、これにつきましては今後工夫していきたいと考えております。
○岡本委員 一方、社員に職場や家庭での地道な環境対策を促す企業がふえています。企業の社会的責任、CSRが進められています。ボランティアで植樹を行った場合、参加者とその家族にポイントを与える、デンソーでは、環境保護活動に取り組む社員や家族を対象にエコポイント、デコポンと言っておりますが、デコポンをはじめ、マイカー通勤をやめて徒歩や自転車で通勤したり、自宅で環境家計簿をつけたりすればポイントがもらえる制度です。日本IBMでは、エコマラソンという活動を実施しています。毎年、ことし1年間チャレンジする目標をネットに入力する、実施した距離をチェックし、たまったポイントを商品と交換する事業を行っています。マツダでは、2キロ以上歩いて通勤する社員には通勤手当として1,500円を支給し、環境保護への関心を高めてもらうようにしているなど、社員の取り組みやすい工夫を重ねています。中野区内の企業について、どのような取り組みを行っているか、お聞かせ願います。
○豊川財産管理担当課長 中野区内の企業の環境に有効な取り組みにつきましては、現在のところ特筆あるものというのは承知はしておりませんが、例えば、今委員御指摘のような有効な仕組み、こういったものがあれば参考にしたいと考えております。
○岡本委員 次に、風力発電、区民風車の建設について伺います。
 先日のプレス発表では、区民風車にマスコミが異常なくらいに関心を示しています。平成20年度から基本プラン、立地調査、事業運営の検討準備、そして基本設計が22年度としています。風がないところでは何の役にも立たない代物ですので、風況調査など十分な検討を行っていただきたいと思います。具体的な建設はこれから4年以降になると思われます。科学技術は日進月歩、急速に進んでいますので、技術的に効率の高い、環境への影響の少ない最新鋭の風車を導入すべきだと思います。その上で、多くの区民が来られる庁舎をエコシティホールとして取り組みを区民にPRし、温暖化対策の啓発を図るべきだと思います。そのために1階のわかりやすい場所に、例えば現在蛍光灯は省エネ型に何%かえた、太陽光発電による電気量は何キロワット、二酸化炭素排出量は現在何%削減している、また区民風車による発電量などの数値もあわせて掲示して、区民への啓発に資してはいかがでしょうか。
○納谷環境と暮らし担当課長 まず、区民風車の件についてお答えいたします。この区民風車の安定的な運営、これを図るためにも当然立地調査、あるいは風況調査は適切に実施していきたいと思っております。これらの調査結果、データ等を踏まえて、当然、十分な検討を加えるなど確実な実施を進めていきたいと思っております。また、風車の選定に当たりましては、近年、風車というのはもともと欧州が主流でございました。近年、特に日本の風に適したような風車が開発されるなど、またメンテナンスが容易になるなどの技術開発が相当進んでいると聞いております。まだ風車の選定は先の話にはなりますが、当然、風況の状況、あるいはメンテナンス、コスト、そのあたり、また環境への影響も加えまして、そのあたりを総合的に判断していくものになると思っております。
 また、区役所のさまざまな太陽光発電、あるいは風車の取り組み、またその他省エネの取り組みなど、特に二酸化炭素の削減に関しましては、区民、事業者とともに進むという視点からは、やはり削減効果の見える化というんですか、区民へのお知らせ、周知が大変重要だと思っております。当然、庁舎1階のロビーで活用すること、これらも含めまして、削減効果の見える化をどう図っていくか、今後工夫していきたいと思っております。
○岡本委員 次に、区立小学校での温暖化対策について伺います。
 私たちは学校全体が自然エネルギーの利用と緑化対策など、環境対策を取り入れた環境にやさしい施設を実現し、直接その取り組みに触れて環境教育を進める学校をスーパーエコスクールと呼んでいます。その実現に向けて先駆的に取り組んでいる学校を視察してたびたび質問してきました。環境基本計画素案では、学校施設への自然エネルギーの活用、校庭や屋上、壁面の緑化を進めるとしています。二酸化炭素排出削減の目標を含めた基本計画の策定を踏まえて、教育委員会としてエコスクールの計画を作成すべきだと思います。学校での環境教育は、感性が高く心が鋭敏な小・中学生ですので、理屈ではなく、太陽光発電などによって実際に発電している電気量が見え、また照明に変わるという環境に直に触れて教育することが大事だと思います。これらを活用して環境教育に取り組むとともに、すべての学校はエコスクールとして取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 その際、ISO14001に準ずる中野版学校環境マネジメントシステムを検討して導入してはいかがでしょうか、あわせてお考えを伺います。
○小谷松教育経営担当課長 太陽光発電ですが、実際に児童・生徒が見て、触れて実感できるという、そういった教育的な効果というものは非常に大きなものがあろうかと思っております。したがって、もしこれが設置されると、学校にこれから順次計画では設置をしていくということになってございますけれども、それは当然子どもたちにとって生きた環境教育の素材ということになろうかと思います。
 それから、またエコスクールの発想、また環境マネジメントの導入といったようなことにつきましては、今後、教育ビジョンの改定を行う際に、学校で実践するにふさわしい環境負荷を軽減するあり方といったようなものをきちんと検討してまいりたいと思っております。
○岡本委員 風力発電もよいと思いますが、私は中野の区立小・中学校はすべて発電所にするとの意気込みで積極的に太陽光発電の取り組みをすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○納谷環境と暮らし担当課長 現在提案しています環境基本計画の素案におきましては、この計画期間中にすべての小・中学校の屋上に太陽光発電機を整備する計画でございます。
○岡本委員 どうか思い切って、小さな太陽光じゃなくて、発電所にするくらいのそういう思いで取り組んでいただきたいと思います。
 また、区内の太陽光発電機器の設置目標を18年度の290件から29年度には4,000件と、10年間で約14倍にすることを目指しています。太陽光発電機器設置の促進策などどのように考えているのでしょうか。目標が掲げられても設置した区民に何かメリットがなければ進展しないと思いますが、お考えを伺います。
○納谷環境と暮らし担当課長 まず、メリットでございますが、設置された方にとっては、みずからCO2 の削減に取り組んでいると、こういうことがございます。いわゆる削減への参加ということでございます。また、実質的には、自家消費分の電気料金が減少する、また、余剰を電力会社に売電して収入を得るというメリットがございます。これらのメリットも含めまして、特に太陽光発電機につきましては、設置者の立場に立った情報、その設置の方法、設置の費用、またメンテナンス、そういうものについて十分知られていないということがございます。そういうことで、私どもはまず太陽光発電の情報の提供に積極的に努めていきたい。セミナーの開催、あるいは新しく作成を予定しています地球温暖化防止のホームページ、これらで情報の提供に努めていきたいと思っております。さらに、太陽光発電を専門としていますNPOと連携しまして、設置に対する支援という意味で、相談窓口、こういうものを設けていきたいというふうに考えているところでございます。
○岡本委員 次に、基本計画素案で示しているなかの地球温暖化対策地域協議会について伺います。
 温暖化防止を確実に取り組むためには、区民、事業者、区が連携、共同して、中野区を挙げた区民運動として推進する必要があるとの指摘は大事だと思います。区民や事業者の理解を得て、みずからが効果的な取り組みを進められるようにすることが一番重要ですので、丁寧な、また納得のいくまでの繰り返しの説明を行い、共同組織である協議会設置の取り組みをすべきです。計画素案では、20年度の後半に発足、活動開始としていますが、区民のモチベーションが高まるようなさまざまな講演会、イベントなどの開催とあわせて多くの区民の理解を得て進めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○納谷環境と暮らし担当課長 仮称ではございますが、地球温暖化対策地域協議会、これにつきましては、広範な区民団体あるいは事業者団体等の参加は欠かせないと思っております。そういう意味で、私ども区民あるいは団体の方と十分意思の疎通を図る話し合いの場を設ける、また委員からお話のありましたイベントを開催する、こういうことによって参加意欲を高め、広く区民、区民団体、事業者、あるいは事業者団体の参加を促して、きちっとした組織づくりをしていきたいと思っております。
○岡本委員 また、自然エネルギーや省エネルギーなどの部会の設置も考えられますが、現在の地域センター単位での地域部会ができてもよいのではないかと思いますが、協議会や部会の取り組みについてのお考えを伺います。
○納谷環境と暮らし担当課長 現在想定しています協議会の部会は、いわゆる対策部会、例えば省エネの部会とか、そういう対策部会のものを想定しています。地域部会につきましても、やはり地域単位の行動あるいは活動、取り組みを向上させる点から、地域ごとに部会があってもよいのではないかなというふうには感じているところでございます。
○岡本委員 次に、経済産業省資源エネルギー庁でも、家庭で省エネ大作戦として実施していますが、家庭や個人でできる省エネの取り組みについて伺います。
 中野区2004年度の二酸化炭素排出量は、家庭部門からの割合が45.4%と、家庭部門からの割合が最も高くなっていますので、区民一人ひとりの取り組みによらなければ、二酸化炭素排出量削減目標は実現できません。エコチャレンジについて南かつひこ議員が質問しましたが、区民が参加する省エネ活動は、意識を高めつつ、楽しく、そして持続しなければ、省エネや温暖化対策は進展しません。そのために、温暖化防止運動のモチベーションを高めることは大事であると思います。区が作成するエコチャレンジシートを活用し、取り組みのすぐれた方には顕彰して、地球温暖化防止を推進するモチベーションを高めていくやり方も考えられます。
 毎年6月に中野も環境月間として取り組んでいますし、また環境行動の日も決めていますので、これらの時期に温暖化防止の取り組みを積極的に推進している企業、地域、家庭や個人を顕彰する企画や中野エコチャレンジコンテストを実施するとともに、地球温暖化防止を推進した区民には、区内の商店街での商品を安く買えるような、ポイント制を導入するなどの取り組みをしてはいかがでしょうか、伺います。
○納谷環境と暮らし担当課長 事業活動あるいは日常の生活の中で省エネ等を推進します中野エコチャレンジ、この取り組みに当たっては、中野エコチャレンジコンテストとして、ユニークな取り組み、あるいは成果のあった取り組みを評価、紹介、顕彰する、そういう制度を進める予定でいます。
 商品を安く、ポイントにつきましては、今後、私どもエコポイントの調査、研究を行っておりますので、その一つの課題かなというふうには認識してございます。
○吉原委員長 岡本委員の質疑の途中ですが、12時になりましたので、委員会を休憩いたします。
     午後12時00分休憩

     午後 1時00分開議
○吉原委員長 委員会を再開します。
 本日冒頭に申し上げましたが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるよう改めてお願いをいたします。
 休憩前に引き続き総括質疑を行います。岡本いさお委員、よろしくお願いします。
○岡本委員 さらに、区民の脱温暖化の意識を高めるために、仮称中野エコバッジを作成して運動を大きく展開することも検討してはいかがでしょうか。
○納谷環境と暮らし担当課長 委員から御提案のあったバッジというのは、多分胸につけるようなバッジのことだと思いますが、バッジをつけることによって自分の取り組みをアピールする、あるいは取り組み仲間をふやすのは大変おもしろいアイデアだと思います。私ども中野エコチャレンジを推進する中で、その他いろいろなロゴとかキャラクターへの取り組みも考えております。そういう中で検討してみたいと思っております。
○岡本委員 次に、カーボンオフセットについて伺います。
 民間の企業が中心となってカーボンオフセットの導入の動きが報道されています。個人や会社などが排出する二酸化炭素量を吸収する樹木を育てる金額で相殺する手法です。カーボンオフセットの活用として、カーボンパスなどさまざまな運動が進められていますが、区として今後の取り組みの中でカーボンオフセットに対する考え方を伺います。
○納谷環境と暮らし担当課長 カーボンオフセットについては、いろいろ民間ベースでは進められていますが、その信頼性あるいは実効性についていろいろまだ問題点がございます。そういうことで、国では、先ごろカーボンオフセットの指針を出したところでございます。私どもといたしましては、このような指針を踏まえて、区が今後どのように取り組めるか、中でも里・まち連携事業の中での仕組みづくりが極めて効果的だろうと思っていますので、このあたりを中心に検討を進めていきたい、このように考えております。
○岡本委員 最後になりますが、省エネ家電の買いかえの促進について伺います。
 家電購入時に省エネ性能を選択した人の割合の目標を、平成22年度までに40%と掲げています。29年度には家電製品、事務機器、照明など買いかえが進んでいるとの姿を示しています。買いかえの際、家電商店や家具店などから勧められるのではなく、区として環境にやさしい家電の例などを紹介するとともに、日常的に取り組む行動をわかりやすく示した中野版環境に優しい日常生活、パンフレットを作成して全家庭に配布したらいかがでしょうか。
○納谷環境と暮らし担当課長 省エネ家電の買いかえ、あるいは白熱球の一掃、これら省エネの取り組みについてのパンフレットは作成する予定でおります。またホームページなどで情報の提供を進めることとしています。なお、全戸配布というものは考えておりません。区報等で特集号を組むなど工夫をしていきたい、このように考えているところでございます。
○岡本委員 以上で環境施策の質問は終わります。
 最後の障害者施策について伺います。
 私はこれまで中野を福祉の先駆的なまちにしたい、障害者の皆さんと住みなれた地域でともに生き、ともに育つまち、そして障害者の皆さんが中野に住んでよかったという中野にしたいという思いを持って質問させていただきました。
 はじめに、障害者の福祉計画について伺います。
 昨年3月に第1期中野区障害福祉計画が策定されました。私はこれまで中野区として保健福祉総合計画とは別建てにした障害者の総合福祉計画を策定するよう要望してきた立場から、この計画を策定したことを評価したいと思っていました。従来の身体及び知的障害にこれまで対応が十分でなかった精神障害者を加えて3障害統一のサービスの充実を図ったことは、一歩前進していると言えます。しかし、すべての障害者に対する計画にはなっていません。発達障害や特別支援教育、難病患者など、障害福祉計画に取り入れなかった理由は何でしょうか。また、発達保障の示唆が欠けていると思いますが、いかがでしょうか。
○辻本障害福祉担当課長 障害福祉計画につきましては、障害者自立支援法を中心に組み立てたものでございます。発達障害者や特別支援教育につきましては、個別の計画や考え方を策定、あるいは検討しているところでございます。実施計画でございます障害福祉計画とのいわば役割分担ということで取り入れなかったものでございます。
 また、難病患者につきましては、特段実施計画は持ってございません。保健福祉総合推進計画の中で施策の方向性をつくりまして、この中で事業等を実施しているところでございます。
○岡本委員 中野区のように障害福祉計画としているところと、障害者福祉計画としている自治体があります。仙台市は今から15年前の平成5年に既に障害者福祉計画を策定しています。さらに、10年前には、精神障害者、難病も含めた障害者保健福祉計画を策定しています。これがその資料ですが、また5年前に策定した計画には、現行制度のはざまにある新たな障害を含めすべての障害を対象としています。これは概要版ですが、ちょっと手元にありませんが、実によくできています。今後、難病患者も加え、現行制度のはざまにある発達障害児・者などの障害についても対象として、すべての発達保障を守っていける障害者保健福祉計画を策定することが、ぜひとも必要だと思っています。
 保健福祉総合推進計画の改定に当たって、障害者保健計画は別冊にして、そこにすべての障害者がライフステージで途切れることのない計画を策定すべきではないでしょうか。お考えを伺います。
○辻本障害福祉担当課長 保健福祉総合推進計画につきましては、高齢者や障害者などすべての区民を支える、そういった全体計画と位置付けてございます。理念を分けましたり、あるいは考え方を分けるといった考えは今のところとっていないところでございます。
 なお、障害福祉計画を別冊にすることにつきましては、検討したいと考えているところでございます。
○岡本委員 中野区は分野別の事業部制をとっていますが、特に障害者施策については、乳幼児から高齢者に至るまで、あらゆる年齢にわたったすき間のない施策が必要です。したがって、障害福祉分野だけでなく、子ども家庭部や教育委員会、就労支援の産業振興分野、さらに健康、高齢分野にも施策や事業が及びますので、分野や部を越えて、副区長あるいは経営本部が主導して施策や計画を策定すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○辻本障害福祉担当課長 障害者施策につきまして、現在保健福祉部が中心となって調整し、推進しているところでございます。したがいまして、計画づくりにつきましても、保健福祉部が中心となりまして進めているところでございます。
○岡本委員 同じ体制で計画をつくると全く同じような障害者の福祉計画ができてしまうようなおそれを私は持っております。前々から障害者の保健福祉総合推進計画をつくるように言ってきておりますが、障害福祉分野だけでつくっているからこういうような形になっているのではないかと、私は大変残念に思っております。ですから、同じような計画にならないためにも、経営本部での考えを伺いたいと思います。
○石神副区長 現在、いろんな形で取り組んでいる事業については、各分野にまたがって行う事業、実現する事業というのは多いわけでございます。そういう中で、基本構想、10か年計画、それぞれ目標を共有して、それを実現するためにそれぞれの分野で実現できることを計画に落とし込んで、目標をしっかり明示して進んでいくということがあります。全体を調整するというところとしては、経営本部がありますので、その中で進行管理等を含めて着実に進めていきたいというふうに思っております。
○岡本委員 そうしますと、これから改定されて、私が言う障害者保健福祉総合推進計画ができるとすると、仙台市ができているよりも上回るすばらしいものができると期待していいんでしょうか。
○石神副区長 障害者施策につきましては、これまでもさまざま議論しておりますし、そういった議論、また現状の課題、将来に向けての課題、こういうものを認識してございますので、そのようなものをつくっていきたいというふうに思っております。
○岡本委員 また別な機会に議論をしたいと思います。
 次に、仮称すこやか福祉センターについて伺います。
 区長の施政方針説明には、区内4カ所に仮称すこやか福祉センターの開設を進める一環として、まず仲町小学校跡地に施設活用整備を行うとあります。すべての障害者のライフステージにわたっての相談、支援、総合的な調整や障害者を支えるネットワークづくりなどが同じ場所でできるようになることは大きな前進です。
 はじめに、相談事業の体制について伺います。直営の施設と委託の施設が複合した事業となっていますが、相談体制について、民間事業者等からの報告が生かされているようには見えません。相談はあくまで解決されるまでが相談ですから、相談者の時間を考えた日や時間を設定すべきではないでしょうか。また、緊急時には、当然、夜間や休日の電話対応を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○辻本障害福祉担当課長 現在、区が相談事業を委託しておりますつむぎからもさまざまな報告を受けているところでございます。これらを参考といたしまして、仮称すこやか福祉センターの開設日や時間につきましても検討してまいりたいと考えてございます。
 なお、緊急時の夜間、休日の対応につきましても、あわせて検討してまいりたいと考えてございます。
○岡本委員 次に、発達障害児・者の支援について伺います。
 これまで発達障害児・者の支援については、早期発見、個別支援と成長するに従って支援が移る移行支援が必要なことから、センター的な発達障害支援室でなければ十分な支援策ができないとの視点で、設置を強く要望してきました。区は、発達支援担当を設置したことは一歩前進ですが、発達障害児が成年になり、大人になり、高齢者に移った場合の個別支援、移行支援として、生涯にわたって支援を続けるためには、発達支援担当で十分な支援策を行うことは無理だと思うからです。
 世田谷区では、21年度から発達障害児を支援する仮称発達発育センターを整備するとしています。支援範囲を18歳未満までと拡大しています。世田谷区では親が気づかない、認めたくないという壁を、発達障害の気づきシートを4歳半の幼児のいるすべての家庭に送付し、早期発見、健診、お子さんのために個別支援計画の作成を理解してもらう、乳幼児期から小・中学校、高校、社会進出まで、ライフステージで途切れることなく個別支援計画を作成し、さらに個別支援会議を行って、個別支援、移行支援を行う事業としています。
 仮称すこやか福祉センターは、すべての障害者の支援センターになるわけですから、この機に、発達障害児・者の幼児から高齢者まで生涯にわたっての支援システムを構築すべきだと思います。養育園アポロに設置している発達支援担当が、この仮称すこやか福祉センターに移るとも聞いています。そうであれば、発達障害の支援体制を拡充し、年齢対象を拡大して、仮称発達支援センターとして立ち上げるべきだと思いますが、いかがでしょうか。区のお考えを伺います。
○原田子ども健康担当課長 仮称すこやか福祉センターでは、支援の対象年齢を18歳までに拡大して、ライフステージを通じた発達障害児の個別支援を実施するとともに、就学、就労に向けた移行支援を実施していくという考えでおります。
 また、すこやか福祉センターでは、子どもや障害者、高齢者に対する地域の支え合いネットワークの拠点として、地域のさまざまな資源を活用して、個別のケースに対応していくことと考えております。特にこの場合、発達支援センターという名称ではございませんけれども、子どもから高齢期まで、障害などに関する相談支援の機能については、十分果たせる運営を目指していきたいと考えております。
○岡本委員 そこまで踏み込んで拡充しようとするのであるからには、発達支援担当ではなくて、きちっと名称を変えたらどうですか。
○原田子ども健康担当課長 現時点では、名称は確定したものではございませんけれども、現時点ではセンターということでは考えてございません。
○岡本委員 最後のほうは何言っているかよくわからなかったんですけど。
 次に、障害者自立支援について伺います。この法律は、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し、安心して暮らすことのできる発達保障のまちの実現に寄与することを目的としています。障害者自立支援法が施行されて、中野区はいち早く地域生活支援事業を原則無料にしたことは高く評価しています。しかし、一つひとつの中身は明確でなく、移動支援については、区民が戸惑っていることを伺っています。
 はじめに自立支援協議会について質問します。障害者自立支援法の第1条にある「障害の有無にかかわらず区民が相互に人格と個性を尊重し、安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする」を推進し、そのための地域づくり、地域が協働して取り組む場が自立支援協議会だと思っています。
 私は、昨年の第1回定例会の一般質問で、自立支援協議会の設置と機能の充実を訴えました。中野区は昨年じゅうに設置する予定でしたが、おくれてことしの2月4日になってやっと立ち上げました。まずこの協議会の構成員として考えられるのは中野区相談支援事業者、サービス事業者、保健医療機関、子育て支援、学校、就労支援機関、社会福祉法人など、地域で障害者を支える協議会が求められますが、体制は整っているでしょうか、伺います。
○辻本障害福祉担当課長 中野区障害者自立支援協議会につきましては、障害当事者のほか区内の障害福祉サービス等の事業者、並びに教育関係機関、雇用関係機関、障害者関係団体、区職員を構成員としているところでございます。障害者に関します関係機関、事業者、団体が幅広く参加してございまして、地域で障害福祉を考えるための体制を整えているものと認識してございます。
○岡本委員 次に、自立支援協議会の命綱と言われる個別ケア会議について伺います。
 まず、この個別ケア会議の位置付けを明確にする必要があると思います。この会議を通じて、どうしても確認しておきたいことや、話し合っておきたいこと、共通の課題をもとに解決したいことなど、この個別ケア会議が発言もととなって自立支援協議会の部会でさらに検討していくことは大事だと思います。また、自立支援協議会や個別ケア会議での事務局の体制が極めて重要です。記録をとり、事例を積み重ね、自己評価する資料をつくる、さらに障害者福祉計画にも反映させる、また、対応困難な事例については、支援課題に対する計画の作成など大事な作業を行うのは事務局ですが、この体制はどのようになっているんでしょうか。
○辻本障害福祉担当課長 まず、1点目の個別ケア会議でございますけれども、この会議では、個々の事例につきまして、関係者の方々の参加によりましてケアマネジメントを行ってまいります。この検討事例やここで出されました課題等は、事務局を経まして、今回協議会のもとに設置をいたしました四つの課題別検討部会に、関連テーマごとに報告されるところでございます。その上で、各部会におきましては、障害者のニーズの把握と対応策の検討、協議等が行われます。そして最終的に協議会の場で、障害者施策の拡充に向けました意見集約が図られるといった仕組みを考えているところでございます。
 また、事務局の体制でございますけれども、区がきちっと責任を持つ体制ということが大事だと考えてございます。こうした意味から、自立支援協議会、各部会、個別ケア会議におきましても、障害福祉分野の担当職員を配置しているところでございます。
 なお、書類作成あるいは諸通知等の軽易な事務につきましては、事業者に一部委託ということで対応しているところでございます。
○岡本委員 また、対応困難な事例が生じた場合に対して新たな施策が必要となります。その場合の仕組みをきちっとつくっておくこと、その事例こそが地域の障害者支援レベルを高めていくきっかけとなること、さらに、区の相談支援体制の評価をすることも大事な機能となります。また、マネジメント機能が働く仕組みが重要ですが、どのようになっているんでしょうか。
○辻本障害福祉担当課長 自立支援協議会におきましては、個別ケア会議で対応した事例などを通しまして、課題別検討部会で障害者のニーズの把握、あるいは分析、検討を行いまして、新たな社会資源の開発や既存のサービスの改善策などの対応策につきまして協議をしてまいります。
 また、これらの協議を通じまして、区の施策に反映させるべきものがございましたら、検討していきたいと考えているところでございます。
○岡本委員 次に、専門的な管理者に区内の人的資源を活用することについて伺います。
 自立支援協議会や個別ケア会議での情報から地域ニーズとして必要な福祉施策を考え、行政側などに提言するスーパーバイザー的な人材が必要だと思います。中野区内には、すぐれた人的資源がたくさんいます。例えば、つむぎではここ数年間区民の安心を与える場にもなっていますし、セミナーも定期的に行っていますが、実際には行政の方は参加されていません。区内の人的資源をもっと積極的に活用すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○辻本障害福祉担当課長 区の担当におきましても、自立支援協議会の場などを通じまして、障害福祉の分野で活躍している方々の御意見なども十分聞くにようにしてまいりたいと考えているところでございます。
○岡本委員 中野区の相談事業からスタートする地域生活支援システムが障害福祉計画にも示されていますが、わかりづらいと思います。相談事業から各種サービスの提供、そのサービスを受けて個別ケア会議でサービス助成や評価を行い、自立支援協議会につなげ、また全体会とのやりとりを示した地域生活支援システムをイラストなどを使ってわかりやすく示すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○辻本障害福祉担当課長 地域生活支援システムにおきましては、さまざまな場面でのつながりや流れにつきまして、他の自治体の事例などを参考にいたしまして、わかりやすく示すよう検討してまいりたいと考えておるところでございます。
○岡本委員 障害者自立支援法が制定され、入所施設から地域生活支援とサービスが移行しました。区の保健福祉総合推進計画にも関係図などが示されています。地域移行を促進する場として、グループホーム、ケアホームなど居住サポートが欠かせませんが、これらの計画はどのようになっているんでしょうか。
○大橋障害施設担当課長 グループホーム、ケアホームは、生活基盤の確保手段として、障害者の地域移行生活を支えるサービスであります。そして現在、区内には9カ所ありまして、18年度は8カ所、19年度中には区内10カ所に、20年度には11カ所と計画しております。ただ、19年度の計画は1カ所が開設済で1カ所がまだ開設されておりません。現在、3カ所検討されているという情報がありますので、その開設に向けて区としても推進していきたい、そのように考えております。
○岡本委員 また別の機会に議論したいと思います。
 次に、障害者施策の文言の整理について伺います。
 保健福祉総合推進計画や障害福祉計画の中に、支援センターという名前だけ見ても、障害者自立支援、生活支援センター、地域活動支援センター、地域生活支援センターなど、紛らわしい事業名があります。国の事業名をそのまま使っているからですが、本当にわかりにくいと思います。中野区の地域生活支援システム図の作成とあわせて、わかりやすいサービスの文言の整理をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○辻本障害福祉担当課長 ただいま委員御指摘のように、国の法制度等を踏まえまして事業名をつくることが多いというふうに認識してございます。なお、施設名につきましては、愛称などを付することをしておりまして、区民に親しまれるよう工夫しているところでございます。今後、各事業のサービス内容をわかりやすく表示できないか、いろいろと検討してまいりたいと考えてございます。
○岡本委員 次に、特別支援教育について伺います。
 中野区特別支援教育がスタートして1年がたとうとしていますが、区としてこれまでどのような取り組みをされ、成果などがあらわれてきているんでしょうか、伺います。
○寺嶋学校教育担当課長 区立小・中学校全校に校内委員会の設置とか、あるいは特別支援コーディネーターの指名、臨床心理士による巡回相談を行うなど支援体制の充実をしてございます。その結果、特別な支援を要するお子さんについての学校内での共通理解が深まりまして、一人ひとりに応じた教育の一層の充実が図られたというふうに考えております。
○岡本委員 都立中野養護学校がこの4月から東京都立特別支援学校に名称が変わるとともに、センター校として機能をあわせ持つ学校になります。その学校とさらに連携や協力を進めて、中野の特別支援教育の充実を図るべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 さらに、区内の社会資源となっている民間の関係機関も含めて、連携やネットワークの体制をより強化すべきだと思いますが、あわせてお考えを伺います。
○寺嶋学校教育担当課長 中野養護学校は特別支援教育のセンター校という位置付けでございまして、区立学校の教員の研修の実施、あるいはコーディネーター協議会への参加、それから私どもがやっている巡回相談についても御協力をいただくなど、今後さらに同校との連携を一層強めていきたいというふうに考えております。
 それから、後段のほうでございます。特別支援教育の推進に当たりましては、都立の養護学校だけではなく、民間を含めた教育、福祉、医療等の諸機関との連携、協力は不可欠と考えてございますので、今後も努めていきたいというふうに考えております。
○岡本委員 次に、障害者の就労支援について伺います。
 中野区は、障害者福祉事業団が就労支援機関として積極的に就労支援を行ってきていることを評価しています。中野養護学校との横の連携も効果的に行っていると聞いています。就労支援のフローチャートもわかりやすくすっきりしています。しかし、区内の就労を継続支援する事業者数が著しく少ないと思います。主に、民間作業所の場合、障害者が日中活動する場所を新たに確保することが困難であるとも聞いています。この際、区の施設の活用も検討して、積極的に障害者の就労支援を図ってはいかがでしょうか、お考えを伺います。
○大橋障害施設担当課長 今後、民間事業者が障害者自立支援法に基づきまして、就労継続支援事業も含めて就労継続を行うなど、主体的で安定した運営を行うよう幅広い支援策を検討していきたいと、そのように考えております。
○岡本委員 ぜひとも、区の施設の活用もお願いしたいと思います。
 また、杉並区では、特例子会社による障害者の就労支援を図っています。中野区も特例子会社誘致の計画を持っていますが、現状はどのようになっているんでしょうか。
○辻本障害福祉担当課長 特例子会社につきましては、今後、障害者の雇用を進める上で重要なものと考えているところでございます。現在、区といたしましても、他の自治体の例などをいろいろ調べているところでございます。
○岡本委員 私は、区の未利用地や施設を活用した障害者の就労や特例子会社の誘致も考えてはいかがでしょうか。財産分野担当のお考えを伺いたいと思います。
○冨永用地・管財担当課長 現在、財産管理分野では、公有財産の効率的な運営及び管理の適正化を図るため、財産を目的に沿って維持、保存、運用をしているところでございます。ただし、行政財産はその用途または目的を妨げない限度におきまして他に使用させることもできますので、ただいまの御提案、御意見の趣旨を踏まえまして、所管分野と今後協議をしてまいる考え方でございます。
○岡本委員 また、さきの本会議でも、チャレンジ雇用の質問がありました。かつてチャレンジ雇用の可能な職場が庁内にあったにもかかわらず前進しなかったという事例がありましたが、区の行政機関における障害者就労や雇用についての現状と今後の取り組みについて伺います。
○合川人事担当課長 特別区の正規採用試験につきましては、特別区人事委員会が共同で実施をしてございます。この採用試験におきましては、身体に障害のある方を対象とした試験を実施しておりまして、中野区ではこの試験合格者をここ2年1名ずつ採用してございます。また、来年以降も1名ずつ採用していく予定でございます。
 また、保健福祉部におきましては、障害者であることを要件といたしまして、福祉相談員などに非常勤職員を採用してございます。なお、障害者雇用率につきましては、平成19年度2.97%でございまして、法定雇用率の2.1%を上回ってございます。障害者の就労支援として、現在、厚生労働省におきまして、チャレンジ雇用という取り組みが推進をされてございます。この取り組みは区の中でどのように実現できるのか検討していきたいというふうに考えてございます。
○岡本委員 次に、障害者とのバリアフリーについて伺います。
 昨年10月から、公明党が推進してきた中学生までの医療費無料が実現したことは、障害児の皆さんにとっても本当に大きい意味があることを知らされました。それは、障害者という意識を持つ必要がなく、すべての中学生までの医療費が無料になったということに対して、大きな喜びとなっているということでした。格差のない施策や事業を実施するのは私どもは当たり前のように思っていることが、障害者の立場から見ると、実はものすごく大事なことであるということを教えられました。
 文化や芸術も同じように障害者とともに生き、ともに育つようにすることは極めて大事な施策だと思います。アートを通じて障害者の自立を支援するというコンセプトのアートフェスタが昨年10月には大阪で、ことしは1月半ばから1カ月間、北海道旭川美術館で開催され、5月には東京で開かれます。スイスのローザンヌ市にはアールブリュット美術館があります。アールブリュットとは、これまでの伝統的な美術史において評価の対象外であった専門教育を受けていない人々の作品を芸術作品として評価する言葉です。障害者が自宅や施設で作成した絵画や芸術品など、イベントなどその場限りの作品とするのではなく、障害者アートの技術価値を評価、検証を行い、しかるべき場所で展示することで、障害者とともに生き、はぐくむ文化、芸術の地域社会が実現されると思っています。例えば、桃丘小学校跡地が文化、芸術の拠点となりますので、中野区として、障害者の皆さんが作成した生の美術の展示を行う中野版アールブリュット美術室の設置を検討したらいかがでしょうか、お考えを伺います。
○鈴木産業振興担当参事 閉校後の桃丘小学校の活用につきましては、新しい中野をつくる10か年計画で、産業関係の起業ですね、インキュベーション施設、それから今委員が御提案になりました文化、芸術活動を支援する施設として区は整備する方針でおります。委員の御提案にもありましたように、プロであるとか、アマ、そういったことを問わず、また老いも若きもさまざまな、多様な人々の文化、芸術活動、そういったものを豊かにして、アートを通じた交流、そのことで新しい出会い、刺激、そういったことを促進してまちの活力が生まれる、そういうような拠点となるように整備していきたい、今後そういった視点も重視しながら検討してまいりたいと考えております。
○岡本委員 最後の質問でありますが、私は、中野を障害者の先駆的なまち、障害者とともに生き、ともに育つまち、あるいは発達保障のまち中野などと掲げ、地域の資源を積極的に活用して、中野を障害者の先駆的なまちにしたいと考えています。
 最後に区長に伺います。障害者に対する思いと中野区を障害者とともに生き、育つまちづくりについてのお考えをお聞かせ願います。
○田中区長 障害者とともに生き、育つまちということでの御質問でありました。私は、人間はそれぞれどなたにも精神機能の制約とか、特性というものはあるというふうに思っております。その中で、目が不自由な方がいたり、耳の不自由な方がいたり、そういう不自由がない人がいたりというようなことであります。人にそれぞれ存在するのは、そういう意味での個別性が存在するわけでありまして、そういうさまざま多様な個別性を持った人たちが社会の中で当然に自己実現をしたり、あるいは社会参加をしたり、同じように生きがいを持って生きていくという社会が当然であると、こういうふうに考えるならば、障害は人にあるんじゃなくて、それぞれの個別性を障害にしてしまうのは社会の障害なんだと、こんなふうに考えていくべきだというふうに私は思っております。
 そういう意味で、現在の社会は、さまざまな個別的な制約を障害にしてしまう、そういう多くの障害を持った社会であると、いまだにそういう社会であると、こんなふうに思っております。そういう社会の障害を一つひとつ取り除いていきながら、だれもが本当に生きがいを持って、分け隔てなく同じような参加の機会を持ちながら社会で生きていける、そういう地域社会をつくっていくと、中野をそういう地域社会をリードしていける地域にしていきたいと、そんなふうに思っているところであります。
○岡本委員 以上で私の総括質疑を終了しますが、最後に一言だけ申し添えておきます。
 きょうは三つのテーマでICT活用の教育と、環境施策、障害者施策、これらを質問させていただきましたが、すべて人によってその事業の成否が決まるものです。これだけに限りませんが、すべての事業がそうかもわかりません。校内LANを整備するにしても、あるいは整備しても、二酸化炭素排出量の削減目標を掲げても、障害者保健福祉計画が策定されても、すべて推進するのは人で決まります。しっかり人的配置をしなければならないときには、アクセルを踏まないと、私はあまり好きな言葉じゃないんですが、仏つくって魂入れずになってしまいます。その配置と人材を育成する仕組みに予算と時間を惜しんでは、区民のためになる事業として成功させることはできないと思っています。必ずしもきょうの質疑で、積極的な前向きの答弁ばかりではありませんでしたが、今後、民間活用も含めて効率的な人的投入、そして育成をどうするか、ぜひとも積極的に検討して取り入れていただきたいことを要望して、私のすべての総括質疑を終わります。ありがとうございました。
○吉原委員長 以上で岡本いさお委員の質疑を終了します。
 次に、来住和行委員、お願いします。
○来住委員 質問に先立ちまして、故藤本やすたみ議員、故小堤勇議員の御冥福をお祈りします。同時に、故小堤勇議員の葬儀に際しましては、理事者並びに議員の皆様方の御厚情に心より御礼を申し上げます。
 それでは、日本共産党の立場から2008年予算特別委員会での質疑に入らせていただきます。
 なお、通告をさせていただいておりますけれども、順番を変えまして、環境問題を6の次ということで、恐縮ですけれども、変更させていただきます。
 まず、2008年度予算について伺ってまいります。
 昨年の夏から秋にかけまして、日本共産党議員団といたしまして、多くの区民や団体の方々と懇談をしてまいりました。また、そこにお寄せいただいたその声、団体、個人の皆さんからの声に対しまして、要望書という形で345項目の要望にいたしまして、区長に提出をさせていただいたところです。その際、暮らしの実態を見据えて、困窮する区民の暮らしに寄り添う、そういう予算にしてほしいということで提案をさせていただいてまいりました。
 まず、区民の暮らしの実態について見ていきたいというふうに思います。その点でお聞きしてまいります。
 この間のまず区民の収入、そして所得、収入、所得がどうなっているのかという点で、区民の給与収入ということで、平均で出されている資料等々を含めまして、10年前と比較してその特徴がどうなっているのかという点について、まず御答弁をお願いいたします。
○中井税務担当課長 納税者の多くを占めます給与所得者の1人当たりの平均給与所得を、平成10年度以降で見ますと、傾向としては、ほぼ毎年減少をしてきております。平成10年度と平成19年度を比較しますと、平成10年度は1人当たりの平均給与収入が543万6,000円、平成19年度は512万8,000円と、金額で30万8,000円の減となっております。また、率としましては、5.7%の減であります。
○来住委員 月額にしますと、2万5,600円ということになるんでしょうか。こういう形で毎月いわゆる給与で生活される収入の方々が減収をしているということで、本当に深刻な状況は、一定の期間で見てもはっきりと出てきているのではないかと思います。
 さらに、給与収入を年齢別に、収入段階別の階層で見てみたいと思うんですが、特に、20歳、30歳、こういう若い方々の給与収入の状況というのはどうなっているか、御答弁ください。
○中井税務担当課長 100万円台、また200万円台の給与収入の段階に占めます20歳代と30歳代の比率につきましては、給与収入100万円台では54.7%、200万円台では66.1%を占めていることになります。
○来住委員 本当に今の社会的な働く環境といいますか、とりわけ20歳から30歳代の方々が100万から200万台の収入で、5割から6割の方々が生活をせざるを得ないという、こういう暮らしの実態がこの数字の中でも読み取れるというふうに思います。しかし、今の特に収入という面の数字ですけれども、私は、働き方、働かされ方というものが、今社会的にも言われているような正規の労働状況、特に言われているのは、働く人の3人に一人が非正規という形に置きかえられていますし、女性や青年は二人に一人と言われているわけです。やはり日雇いであったり、派遣であったり、アルバイトであったり、パートであるという、そういう働きの形が大きく変えられてきたというところで、収入などについても安定したものになかなかならないということが言えるんだと思います。
 次に、負担という点から見てみたいと思うんですが、区民の負担はどうなっているのかということなんですが、その角度から特別区民税の負担状況といいますか、その点から3年前の比較で御答弁いただけますか。
○中井税務担当課長 特別区民税の負担状況につきましては、平成17年度と平成19年度の決算見込みから算出額を比較させていただきますと、区民1人当たりの負担状況が約8万円から9万4,000円で1万4,000円の増、1世帯当たりの負担状況が14万1,000円から16万3,000円で、2万2,000円の増、それから納税者1人当たりの負担状況が、15万7,000円から17万円で1万3,000円の増となっております。
○来住委員 収入が減る中で負担がふえるという状況が数字の上でもはっきりしてきていると思います。
 子育て世代はどうかということで、中野区の幾つかの資料、幾つかといいますか、示されてこれまである資料では、一つは就学援助の数字でやはり見てとれるんではないかと思うんです。認定の数で見ますと、平成10年度と平成17年度で比較しますと、小学校で就学援助を受けている方が18%から23%にふえるということで、中学校の場合も18%から24%ということで、これらも本当に子育て世代の厳しさが数字の上でもこの間生まれているというふうに思います。生活保護の状況についても、既に厚生のほうに資料が出されておりますので、これについては、保護人員、それから保護世帯数、ともにこの間ふえておりますし、今現在、平成18年度、2006年で1,000人のうち17人強の方が生活保護という状況が示されております。こういう点で、区民の暮らしの実態にどう寄り添っていくかということを、区政の大事なことだということで申し上げてきたわけであります。特に、生活保護の場合には、高齢であったり、病気であったり、いろんな困難なケース、それから心の病であるとかということで、大変お厳しい、困難なケースがふえているということも伺っております。
 まず、この点で、私たちが予算の要望をしてきたんですが、さきの本会議でも提案をさせていただきました。後期高齢者の方々に対する支援ということの一つとして、幾つかある中での一つとして、今回4月から変わろうとしている後期高齢者の医療制度の問題があります。特に、この点では、全国の自治体、地方議会、500を超える議会から撤回や廃止や見直し、これを求める議決がされております。そういう点を踏まえまして、この本会議でも提案をさせていただいた500円の自己負担、これは健康診査の自己負担についての補助ということを御提案いたしました。今、後期高齢の関係では、健診問題をはじめとして後期高齢の広域連合のほうでも調査がされたというふうにも聞いておりますが、この健診に対しての各自治体の都内の状況について、数字でわかれば御答弁いただきたいんですが、いかがでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 ただいま委員の質問にございました後期高齢者医療制度に関する都内の連合内の自治体の自己負担金の徴収の有無でございますが、調査をしたというふうに聞いてございます。連合内につきましては、62団体ございまして、そのうち57団体から回答があったと聞いてございます。その内訳でございますが、自己負担を徴収する団体が7団体、自己負担金を徴収しない団体が45団体、未定または検討中、調整中が5団体というふうに聞いてございます。
○来住委員 かなりの自治体がこの自己負担については徴収をしないという方向に踏み出して、その数もまさに8割、9割という状況だと思うんです。この点での自己負担については、中野区は、70歳以上の方々については、これまで健診について無料ということでの実施をされてきたわけですね。それにはいろいろの根拠があったというふうに思いますし、政治的な判断も政策的な判断もあったのかというふうに思いますが、やはりこの間、若い青年から子育て世代、そして高齢者については、これからいよいよ制度が大きく変わるという中で、この自己負担に対する500円の補助というのは、極めて、額的にはという問題よりも、やはり高齢者に対しての思いを行政としてどれだけ大事にするかという一つの私は指標だと思うんですね。戦後の中で70、75年もやっぱり頑張ってこられた、その中に私たちが今いるわけですから、そういう人たちがつくってきた社会の中でいる私たちが、そういう人たち対する思いをどうやってあらわすか、500円ではありますけれど、やはりこれが多くの自治体が今、45団体がこれを何とかしようという思いで到達しているそのレベルだと思うんです。そういう点からぜひ、中野でもこの高齢者に対する健診を本当に受けていただく、健康を大事にしていただくという思いを伝える意味でもこれは踏み切る必要がある。区としてこれをする必要があるということを改めて求めたいんですけれど、いかがですか。
○柿内保険医療担当課長 本会議でも区長のほうから御答弁させてもらいましたけれども、後期高齢者医療制度につきましては、制度上、健診について自己負担をすることを前提としてございます。また、健診にかかる費用につきましても、自己負担を除いた部分を対象といたしまして、国や都から補助をするということになってございます。したがいまして、中野区といたしましても、それらの考え方を前提といたしまして自己負担をお願いしたいということで考えてございます。
○来住委員 本会議答弁と変わらないように思いますが、改めてこの点では真剣に検討していただきたい。といいますのは、これは昨年の10月の決算特別委員会でも御答弁をいただいている中で、前年度に比べて減少しているのは、老年者の非課税措置廃止に伴い新たに課税になった65歳以上の方に影響があるというふうにお答えをされて、そういう考えを示しておられますし、老年者非課税措置の廃止によってやはり負担の重さが高齢者には大きいんだということも、議会の中でも、そういう点ではやっぱり私たちと共通している思いはあるんだと思うんです。そういう点で改めてこの点での御努力をお願いをしておきます。
 予算の特徴ということで、私たちはこれまでこの間の中野区の予算については、大規模開発を優先して区民の暮らしに軸足がないんではないかと、そういう指摘をさせていただいてまいりました。その中で特にこの間に繰り返されてきた、今回も資料として建設の2で提出いただいていますけれども、いわゆる調査委託、この問題ですね。これは、調査委託というのは、これからの行政としてのこの先の方向を一つ示す指標でもあるんではないかというふうに思います。こういう点でもこの一つの調査委託のバロメーターではないかというふうに思っているんですが、中野駅周辺、警察大学校の跡地、またそのサンプラ等を含めまして、これまで、2004年から2008年までの間に調査委託が17回行われております。総額で2億2,000万円余ということになります。これに加えて、いよいよ新しい年度の予算が出されています。いますけれども、今回、この警大関係、関連といいますか、中野駅南口等々のこの関係での予算案の中身についてはどのようになっているのか。また、その総額について御答弁をお願いします。
○秋元拠点まちづくり担当参事 2008年度の予算の見積もりでは、警察大学校等跡地整備につきまして、囲町地区、それから中野四丁目西地区等の関連地区を含めまして1億3,900万円余、中野駅地区整備につきましては、5,900万円余、中野駅南口地区及び周辺まちづくりでは1,900万円余、この各地区を合わせまして、消費税を抜いて2億1,800万円余を予定しているところでございます。
○来住委員 これまでの調査委託を含めますと、この警大関係、中野駅周辺での合計が4億4,000万近いというふうに思います。要するに、こういう開発への出発となる調査委託が、今年度だけでも2億を超えて行われるという、そういう状況が示されたと思います。既に中野区が取得をした警察大学校の跡地の道路、公園用地、予定用地ですね、132億円余りのこの支払いがこの3月末に法務省に一括して支払うことになっているとも聞いております。いよいよ事業が始まるということになるわけですけれども、これまでのこの警大跡の開発については、開発者の負担でというふうに区は言ってこられたと思います。その一つとして、これまでの皆さんの説明としては、開発者負担が原則というような言い方だったかと思いますが、やはり新年度、2008年度は、昨年含めて、開発協力基金という問題が出されてまいりました。ことしは新年度の予算で、予算じゃないですね、これは皆さんの考え方の中に40億円の開発協力金というものが出されてきているわけですが、この開発に関して協力金を求める開発者、そして開発事業者、これは具体的にはどういう事業者を、事業者名としてお答えいただきたいんですけれども、どうなんでしょうか。
○秋元拠点まちづくり担当参事 今の御質問には、本会議の中で区長からも御答弁を申し上げましたが、警察大学校等跡地の中で開発を行うものすべてのものが対象になるということでございます。
○来住委員 事業者名については、お答えいただけないということでしょうか。
○秋元拠点まちづくり担当参事 現在、まだ確定していないところもございますので、個々個別のお話は省略をさせていただくというふうに考えております。
○来住委員 しかし40億という数字だけは出されながら、それについての現段階での寄附を求められる事業者という点では、現段階では御答弁いただけるんじゃないですか。
○秋元拠点まちづくり担当参事 昨年の夏に当該土地を取得いたしました東京建物をはじめとする民間開発者、それから大学法人の中では明治大学、それから帝京平成大学、現在のところはこういったところが開発者として明確になっているというところでございます。
○来住委員 警察病院をはじめ大学等々もこの開発者として含まれるというふうに考えてよろしいということでいいんでしょうかね。
○秋元拠点まちづくり担当参事 現在、開発をもう既に進めている警察病院、こちらのほうも当然開発者の1事業者ということになるわけでございます。
○来住委員 開発協力金の40億円と見込んだ根拠ですね、これはどこに。
○秋元拠点まちづくり担当参事 開発協力金の考え方でございますが、これは、区が施行して整備をいたします都市計画道路、それから防災公園等の整備にかかる費用の一部を開発事業者に負担をしていただくということで考えているものでございます。
 今御質問の具体的な額についてでございますが、これは一般的な開発行為を行った場合に想定される経費を負担していただこうという考えでございます。今後整備を進める過程で開発者等と協議をすることになるわけでございます。
○来住委員 財政運営の考え方の中では、開発者協力金40億円を原資としてまちづくりの基金に積み立てる、こういう計画もありますし、やっぱりここだけではなくて今後そういう使い道としては、今回特に開発の規模が90ヘクタールに大規模化してきたわけですから、そういう点では非常に懸念をされ、懸念といいますか、どういうふうにこれが使われようとしているのかという点では、大変私たちとしては問題だなというふうに考えてはおります。
 ただ、平成26年度の事業費として、総額、この考え方まで示されている、約200億円ということになっているんですけれども、これも本当にこれでおさまるのかなと、こういう大規模な、要するに拡大をされてこれでおさまるのかなということも懸念を非常にしております。私たち、区の負担、それから交付金、それから補助金というものも税金であることは変わりないわけですから、今年度の末に基金残高も350億ですか、これを超えるという点では、バブル時代を上回る基金ということになってまいりました。そういう点では、開発が開発を呼んでしまう、こういう道に進んでいくんではないかということを、この間の予算を含めて、この点を指摘させていただいてまいりました。この点を最後に、こういう区民の、先ほど述べた暮らしのほうに軸足をきちんと置いて、暮らしを支えるという予算、そういう区政という点を、ぜひ方向を切りかえてほしいということを御指摘いたしまして、予算についての質疑を終わります。
 続きまして、小・中学校の再編計画についてお尋ねをいたします。
 ここでは、東中野小学校、中野昭和小との統合問題を中心にお聞きをいたします。
 中野区立小・中学校の再編計画に基づいて進められているわけですが、来年4月に、中野昭和小学校の位置に東中野小学校を統合するというものであります。学校統合委員会などの活動も承知はしておりますけれども、去る2月15日に、区議会議長あてに要望書が届いております。この中身は、東中野小学校と中野昭和小学校の統合再検討についてと題してありまして、統合の必要性及び方法を再検討し、状況に応じて本件の凍結、撤回を求めるというものであります。この要望書を提出された方は、東中野小学校の同窓会の会長さんと、在校生父兄有志の一同の代表になっております。
 これに加えまして、学校統合委員会の中心的な一人でございます方が、今メッセージを発せられまして、統合委員会の中にも統合についての危惧を感じ、納得、理解できない思いの人が少なからずいると、統合の進め方についてもう一度柔軟に地域の特性を考えて、子ども、地域、住民の側に立って再検討をすべきという声が多く上がっている、現在では、納得しているのではなく、仕方がない、区は何を言っても聞いてくれないからというあきらめが強く、区に対して不信感が強くなっているという、そういうメッセージでございます。
 区議会議長あての要望書、この中でも統合する根拠についての区教育委員会の説明に納得がいかないという理由が述べられております。
 今、統合委員会の中でもこの間議論をされてきたとは聞いておりますが、やはり一つ大きな点は、通学の距離の問題が言われております。要望書の中でもこの点が強く指摘をされているわけですが、今現在の区内の小学校で通学距離について、長い距離の距離数は幾つでしょうか。
○青山教育改革担当課長 現在の区立小学校の通学区域で学校までの直線距離が最も長いところにつきましては、東中野小学校の通学区域で、約1.1キロメートルでございます。
○来住委員 これは平成16年4月30日の教育委員会の議事録ですけれども、このときにこの再編案等についての協議が行われているんですが、山田委員長がこういうお尋ねをされています。「現時点の小学校の通学区域では、大体おおむね何キロぐらいのベースなのでしょうか」というふうにお聞きになっていまして、教育改革担当課長は「大体、現行の小学校を見ますと、ほぼ1キロメートルの中に大体の学校はその通学距離がおさまっているのかなと見てございます」というふうにございます。それを受けて山田委員長は、「現行、約1キロのところですが、」というそれに続けてお話になっていますが、中野区は、この通学距離については何か定めを持っておられるのでしょうか。
○青山教育改革担当課長 通学距離の基準といったものについては、中野区の教育委員会としては持ってございません。
○来住委員 他区のこの通学距離についての状況はわかりますか。幾つかあれば特徴等について御答弁ください。
○青山教育改革担当課長 近隣の区の状況で申しますと、練馬区におきまして、平成17年4月に策定いたしました区立小・中学校及び区立幼稚園の適正配置基本方針の中では、小学校の通学区域については1キロメートル以内、中学校の通学区域については1.5キロメートル以内を目安に設定するということが記載されてございます。これに基づきまして本年2月に、区立学校適正配置第1次実施計画というものが策定されておりますが、これは練馬区の光が丘地区を中心とした計画でございまして、もともと狭い範囲の中に複数存在する学校を統合するものでございます。
 したがいまして、中野区の学校再編計画とは性格が異なるものであるという認識でございます。
○来住委員 中野区には距離についての定めはないと、今御紹介あった二つの区でしたかね、練馬でしたか、ここに小学校通学区域制度の研究という書がありまして、東京学芸大学教授の葉養正明先生がお書きになったものです。これらによりますと、23区の中ではかなり通学区域の目安といいますか、持っていまして、大体おおむね小学校の場合には1,000メートルというような基準を定めているようです。もちろん中には中央区であるとか荒川区である、こういう区について500メートル、足立区は800メートルというのもございます。
 最近の審議会等の数字を調べて見ますと、板橋区も審議会で1,000メートルということでありますし、世田谷区も2007年4月に1,000メートル程度ということで、中学校は1,500メートル程度、大体共通しているようです。小学校については、やはりその上限をほぼ1,000メートルというところに、23区の場合にはほぼそこで上限としているというようなことがうかがえます。
 そこで、東中野は、それでは昭和小学校への距離ということになりますけれども、幾らと、距離についてはどういうふうにお考えですか。
○寺嶋学校教育担当課長 東中野地域のうち、統合新校の位置となります中野昭和小学校までの直線距離で一番遠いところにつきましては、約1.4キロというふうに認識してございます。
○来住委員 課長には既に先にこの資料をお渡ししていますので、これは保護者の皆さんが、今現在の東中野小学校に行っている子どもたちの居住、要するに住まいですね、それを落とされた地図、マップというんでしょうか、というものです。これを見ていただくと、ほとんど8割方といったらいいでしょうか、東中野小学校の周りに集中をし、さらに神田川沿いのいわゆるマンション群にかなりの方々がお住まいだというのがわかります。要するに、東中野五丁目、五丁目の中でも新宿に近いほうの五丁目というのが、今の子どもたちの居住実態というのを先にお渡していますので、これについていかがですか、見られて。
○青山教育改革担当課長 こういった地図に落としたものというのは、拝見したのははじめてでございますが、私どもとしましても通学距離に関する御不満等いろいろお聞きすることがございましたので、実際に東中野小学校在学の児童の皆さんがどのあたりにお住まいかというところにつきましては、以前からある程度つかんでいたところでございます。
 先ほど申し上げました、約1.4キロという一番遠いところにつきましては、先ほど委員がお見せいただいた地図でいいますと、いわゆる小滝橋というあたりかと思われますが、この辺が一番遠いところかというふうに認識してございます。
○来住委員 それは直線上での距離ということで、それとも通学路に沿って測定した距離ということ、どちらでしょうか。
○青山教育改革担当課長 まだ両校統合してございませんので、統合校の通学路というのは設定してございません。現在の東中野小学校の通学区域の中で一番遠いところから中野昭和小学校までの直線距離ということでございます。
○来住委員 そうなんですよね。直線距離で1,400とおっしゃっているんだと思うんですよ。私は、専門家の方にはかっていただきました。しかも、現状の通学路、いわゆる早稲田通りの、今は消防署のところから基本的に学校におりていくという、そういうルートをとっています。それでいきますと、現状の通学路をもし東中野から使うとしたら1,640メートルです。これは神田川の、先ほど紹介した五丁目の中でも神田川に近いマンションということになりますけれども、しかし、そこは極めて、東中野の子どもたちが住んでいる数が非常に多い一帯です。要するに、皆さんのは直線、しかし、子どもは真っ直ぐ、私たちもそうです、真っ直ぐなんか歩けません。道路に沿って通学をするわけですから、やっぱりその距離をきちんと持つ必要があるだろうというふうに考えます。
 引き続き、そういう点では、皆さんがおっしゃる、しかも、23区の中では大体1,000メートルという一応の目安がある中で1,600を越えると、今の通学帯ではそうなってしまうという状況にあります。
 それは皆さんお感じとっていただきたいと思うんですが、さらに、教育委員会でも適正規模を検討する過程の中で、通学路に対して、距離に対して皆さんのほうからの情報提供、それからそれについての議論等についてはほとんど議事録がないんです。やはり子どもたちの今の安全、特にそういうことについてどういうふうにするかという配慮、その問題での慎重な検討、そういう検証を含めてやられてないんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
○青山教育改革担当課長 学校再編計画策定時におきまして、通学区域の設定に当たりましては、現行の通学区域を尊重しつつ通学距離ですとか、あるいは幹線道路や鉄道の横断、それから小学校と中学校の通学区域の整合性などを勘案しまして、教育委員会で協議を行ったものでございます。
○来住委員 続けますけれども、この要望書等々の中身から察しますと、やはり交通事故に対する不安というものが、保護者の皆さんには非常にうかがえます。そういう点で距離があるというだけではなくて、この特殊といいますか、山手通りと早稲田通りという、まさに幹線道路をまたぐ、横断するという、この中での事故に対する不安が非常に大きく感じられます。その点では、この地域の交通事故の状況などについては、当然、教育委員会は把握されていると思いますけれども、どうですか。
○青山教育改革担当課長 交通事故につきまして、例えば車対車ですとか、交通事故の態様にもさまざまあると思います。そういった中で通学時の、何といいますか、交通事故ということにつきましては、区内全体でそれほどの数の報告はないという報告を受けてございます。
○来住委員 やっぱりちゃんと調べる必要があると思うんですよ。警視庁の資料で中野署の資料を保護者の皆さんからいただきました。それによりますと、平成19年1月1日から12月11日までの中野署所管の山手通りが、人身事故として85件、物件の事故が220件あると、早稲田通りは、人身事故が48件、物件については82件という、こういう数字を警察のほうでいただいておられます。そういうことを含めまして、これは警視庁のホームページですから、こういう資料が載っています。取ることができます。これを見ていただけば、早稲田通り、これが山手通りです。どれだけの交通事故がどういう場所で頻発しているかという、一目でわかる情報を出しています。これを見ますと、黒々と描かれているのがやはり山手通りと早稲田通りの交差点なんです。やっぱりあれだけの交通量ですから、考えられます。あってはならないんですけれども、そういう状況に置かれているという一つの指標だろうと思います。やはりそういうものを皆さんも努力して、明らかにして、議論の中でそれに対してどういう対策を区としてとるのかということを置いておいて、大丈夫です、そういうことではやっぱり議論も深まらないし、解けないわけです、不安は。そういうところに今回の最初の段階での問題が今の状況をつくっているんではないかと思うんです。
 昨年の11月29日ですけれども、統合委員会が行われております。この中でもこの交通事故、距離問題等々ほとんどこの会議はその議論になったというふうに議事録でうかがえるんですけれども、しかし、なかなかそこでも、それは保護者の皆さんじゃなく統合委員の方々、昭和小学校に関係する方々を含めて、その通学の安全性については大変な不安が出されて、皆さんとのやりとりがあったとうかがえます。どうだったんでしょうか。
○青山教育改革担当課長 学校統合委員会における通学の安全につきましては、学校統合委員会を立ち上げる前の準備会の段階から、通学に関する不安というのは何人かの方からお話がございました。そうした中でやはり通学の安全対策につきましては、統合委員会で1から議論するというものではなく、基本的には学校とそれから教育委員会とで責任を持って対策を考えていくというスタンスでおります。ある程度の案がまとまった段階で統合委員会にお示しして御意見を伺うと、そういった進め方でやっております。
○来住委員 それはやはりそこに住まわれて、地域の教育に責任を負っていらっしゃる地域の皆さんが、地元で参加をして、よりよい学校にしようという思いで皆さんはその統合委員会にかけていただいていると思うんですよね。そこで出てきているいろんな不安や、疑問や、これに対してきちっとその都度解決をして一定の方向を与えて誘導していくのが教育委員会の仕事じゃないですか。
 さらに、私は、先生の書物を読んでいまして、こういうところに、この記述に驚いています。この方、研究をなさっているわけですけれども、通学途上での交通事故発生率と通学区域内での幹線道路のあり方との間には密接な関係があると、その主な傾向として次の事例があるということで四つ挙げられていまして、その一つに、児童の通学においては、通学途中で交通量の多い道路を横断する者としない者との場合には、事故率が3倍から4倍の差が出てくるというふうな研究をなさって発表なさっているんですね。そういう点でもやはり対策を含めて、対応を含めて、きちんとした保護者の皆さん、地域の皆さんにやはり理解をいただくという点では、やはり不十分だったというふうに、今の状況はそうだというふうに思いますが、このような実態を前提にして、安全対策の検討をどのように行っていくのか。検討内容、対応策について、保護者への説明、今やられてきたと思いますけれども、納得は得られていないからこういうものが出てきているわけですから、いかがですか。
○青山教育改革担当課長 通学路につきましては、先日、中野昭和小学校と東中野小学校の校長を中心に、新校の通学路の案というものが、学校統合委員会で示されたところでございます。今後、保護者の方あるいは地域の方の御協力を得ながら、その通学路の安全性等について検証してまいりたいというふうに思っております。
 また、安全確保策等につきましては、今までも統合委員会等でお示ししてまいりましたし、また東中野小学校につきましては、個別に説明会に招かれまして質疑を行ったところでございます。今後とも検討を進めつつ、適宜適切に情報提供を行ってまいりたいというふうに思っております。
○来住委員 この地域は保育園がある、小学校がある、幼稚園がある、中学校があるという、一つの地域としていわゆる完結といいますか、その通りを含めてこういう一つのまちを構成している地域なわけです。そういう点でやはりきちんとしたとらえ方が必要だろうというふうに思います。
 学校は、教育の場であるというだけではなくて、やはり生徒・児童を結んでの地域のコミュニティの機能の中心なわけですね、一つの。そういう点では、災害時、特に災害時に対する役割というのは大きいわけです。だからこそ、同窓会の会長さんも名を連ねて提出をされてきたんだろうと思うんです。したがって、保護者の皆さん、この地域の皆さん、再検討を統合についてはしてほしいという声になっているわけですから、統合委員会の中心の一人の方もそういう発信をされています。そういう点で、この項の最後にしますけれども、立ちどまって、もう一度きちんと再検討するという声があるわけですから、それにどうこたえる、その点でお答えください。
○青山教育改革担当課長 この統合につきましては、これまでさまざま検討を続けてまいりまして、先日、統合新校の校名候補も決まったところでございます。また、地域の皆様、保護者の皆様の御意見を伺いながら、21年4月の統合に向けて進めてまいりたいというふうに思っております。
○来住委員 地域の要望はそこにありませんので、改めて再検討を求めておきますが、統合問題で最後に1点お聞きします。
 野方小と沼袋小、丸山小の統合問題ですけれども、これは法務省の矯正研究所東京支所の跡地での新校舎による統合ということが文教委員会で報告をされています。新校を跡地に新築して、平成28年4月に開校するというのであります。であるならばこの際、これまで示されてきたスケジュールをきちっと見直して、改めて3校の統合については、矯正研究所の跡地での新校開校という新しい条件が生まれたわけですから、それを前提にして検討していくということだと思うんです。その中で今後の統廃合の見直し等もあると思いますけれども、やはりこの4月に先行して統合される桃花小学校や緑野中学校、こういう統合される、開校される、この中での児童や子どもの実態、状況がどういう形で、統合された形で、どういう心理的な面も含めて、やっぱり専門家も交えて、そのへんをとらえてちゃんとして今後の統合問題にはきちんと生かしていくということがやはり大事だと思うんです。そういう点で今回の法務省の矯正研究所の跡地に対する新校問題も、改めて専門家などの協力を得て検討すべきだというふうに思いますが、いかがですか。
○青山教育改革担当課長 今後学校再編を進めるに当たりましては、今まで統合委員会等で協議を続けてきまして、今回開校する桃花小学校ですとか緑野中学校、そういったところの例を生かしながら進めてまいりたいというふうに思っております。
○来住委員 新しい新たな条件が生まれたわけですから、計画ありきということではなくて、やはり子どもの立場で、しっかりと慎重な再検討をお願いしたいということで要求しておきます。
 それでは、東中野のまちづくりについて質疑をいたします。
 東中野は、皆さん御存じのとおり、一つは東中野の駅舎を中心にするこの開発といいますか、まちづくりの考え、それから東中野全体を視野に入れたまちづくりの計画、そして山手通り、これは駅舎広場との関係でもあるんですけれども、山手通りから駅舎とのこの上空を活用した広場の事業、それから東中野一丁目58番街区というこの共同化事業、こういう3本柱で東中野駅を中心にして計画や調査が進められてまいりました。これまでのこの間に、東中野関係分だけで7回の調査委託がされて、約4,600万円余の調査委託が投入されております。
 新年度の予算でも東中野関連の予算が計上されておりますけれども、これは幾らの予算の計上でしょうか。
○上村中部地域まちづくり担当課長 中部地域まちづくり担当といたしましては、まちづくり計画策定としまして800万円となっております。
○登都市計画担当課長 都市計画担当としましては、東中野駅前広場整備としまして約9,200万円余でございます。
○来住委員 合わせまして1億円余ということになります。
 それでは、幾つか質問させていただきますが、この東中野に関連して先ほど申し上げました三つの大きく分けてまちづくりという形で進められていると申し上げました。
 まず一つ目ですけれども、東中野一丁目58番街区の共同化事業についてお尋ねをします。
 これは、これまでの調査委託で平成18年に252万円、平成19年度に約300万円余が計上されて共同化の進めが行われております。それでは、この事業計画の概要の作成等々というような形での委託にはなっておりますが、この事業化の見通し、2年間やってこられましたので、この見通しと、予算計上が平成20年度にあれば、それもあわせて御答弁いただけますか。
○上村中部地域まちづくり担当課長 委員の御指摘の58番街区と申しますのは、西口南側にあります東中野一丁目の58番街区のことでございますが、ここにつきましては、駅広や上空活用区域と隣接するため、高低差や道路づけなど事業の影響を大きく受けることになる地域でございまして、これらの改善策としまして、駅前広場整備事業等と連動した街区の再整備を目指し、共同化事業等の検討や周辺環境のまちづくりを推進するものでございます。
 19年度は、事業計画を目指しての勉強会と地権者の意向把握をするためヒアリング等を行ってきております。平成20年度は、コンサル委託経費等は計上してございませんけれども、今までの一定の検討素材がありますので、担当で出向いたり、必要に応じ専門家を対応できる体制で臨んでいきたいと思っております。
○来住委員 事業化そのものは前のほうに進んでいると、要するに事業化ができるという方向での御判断をなさっているということでよろしいんですか。
○上村中部地域まちづくり担当課長 地権者は8人と少ないわけでございますけれども、さまざまお声かけいたしまして勉強会を開催してございますけれども、参加されていない方はおりますけれども、毎回資料を送付しながら連携をとっております。ただ、お声をかけても体調を崩しているなど、参加されていない方でなかなかお会いできない方もございます。区としては、さまざまこの趣旨、目的また駅広や上空活用などの進捗状況をお話ししながら、地権者自身の課題として認識していただき、自主的な取り組み等も促していきたいと考えております。
○来住委員 この8人の地権者の中で、その用地の約4分の1を持っておられる方は、最初からこの共同化に参加をされていないというふうにも伺っています。最初の段階で、やはり区が予算措置をし始めるわけですから、一定の参加の意思確認はとるべきだと思うんですね。1回も参加されていないとおっしゃっていますよ。それは2年間委託契約をされて、全く議会にもこれまで途中経過も示されていないんじゃないですか。建設委員会にそういう一定の途中経過なり、この予算執行の中身について報告されましたか。
○上村中部地域まちづくり担当課長 勉強会等の検討途中の段階でございまして、建設委員会等には特に報告してございません。
 なお、いつも参加されていない方につきましても、お声はかけるんですけれども、通知を差し上げたり、ただ共同化等々のお話となると、ちょっと体の調子が悪いので結構ですというようなお断りとか、今委員からも参加の意思を確認してということですけれども、共同化、またいろいろ再整備、再開発等の動きにつきましては、一つの動きがだんだん広がっていく、なかなか全体の意思が固まるには時間がかかるということで、一つのまちづくりの将来像やメリット等感じていただきながら、やはり駅の顔となる大事な立地にございますので、再整備は実現していきたいと考えております。
○来住委員 気持ちはわかりますけれども、気持ちを伝えて進めるといっても、実際に回を重ねるごとに参加者は少なくなっているじゃないですか。最初から出る人がいないにもかかわらず回を重ねて、しかもほとんど今は2人か3人でしょう、出られているのが。そういうふうに聞いておりますので、やはりコンサルに対する委託のあり方、契約の内容ですね、それらも含めて、2年間で500万円を超えていますね、こういう委託費を出して事業化を進めるんであれば、もちろん議会にも報告してほしいし、契約のあり方も含めて今後検討する必要があるというふうに思います。結構です。
 引き続き二つ目の問題、東中野についてお聞きしますけれども、これは今回9,200万円でしたか、駅の広場事業というものが計上をされているという先ほどの御説明でした。東中野全体にかかわるというよりも、東中野の広場と、いわゆる軌道上空を使う建設に関係しまして、財政フレーム、財政運営の考え方というのが昨年の中で、東中野のこの関係では、事業費が26年までに7億円余という数字が示されていました。
 ところが、改訂版を見ますと、26年度までに11億7,000万円ということで増額をされております。この事業費を増額し変更した理由は、その内容についてはどこにあるんでしょうか。
○登都市計画担当課長 事業費を増額した理由でございますけれども、軌道上空の人工地盤等の整備の工事費でございますけれども、列車の運行に必要な電気施設の移設ですとか、そういったことにかなり経費がかかるということが、詳細なJRとの検討の中で判明いたしまして、それによってふえたというのが大きい要素でございます。
○来住委員 JRの運行上出てくる問題かもしれませんが、JRの施設を移設なり動かすということに対して、中野区の事業費の中でカウントしていくという、これはちょっとなかなか区民の御理解をいただくには、といいますのは、あの広場をつくるということは、JRにとって極めてプラスにといいますか、いわゆる山手通りと駅舎が一体となって改札に人を呼び込めるという条件をつくるわけですね。そういう点では、むしろJRにとっては非常にプラスになるということも言えます。そういう点からJRの設備の施設の移転について、いわゆる事業費の中でみていくということでは、私これまでJRの負担分ということでたびたび求めてまいりましたけれども、応分の負担を求めるということは、昨年もおっしゃっております。じゃあお聞きしますけれども、この線路上空の広場事業でJR分の負担というものは、どのくらいを求められるのか。また、いつになったらJRが負担をするということを、いつまでに確定をされるということなんですか。
○登都市計画担当課長 JRとは今年度中に、以前からなんですけれども、一定の結論を出して共同で線路上空活用をやろうという話になっておりました。JR側の話ですけれども、軌道上空の活用は、この機を逸するとなかなかできないと、したがって、今回ぜひやる方向で考えたいという返事を受けております。ただ、JR側から、しかしながら事業の採算面、もう少し検討させてくれという返事を現在もらっておるところでございます。我々としましては、再三にわたって早急に結論を出していただきたいという話をしております。
 あと、JRと区との工事費等の負担割合ですけれども、現在、それらも含めて調整をしているというところでございます。
○来住委員 やはり中野駅の駅の問題もそうですけれども、JRとの関係で言うならば、一定の見通し、JR側の判断、そういうものをある程度見定めて、区が事業計画の額を出していくんではなくて、JRとの負担をどうするかということを、一定目鼻をつけてといいますか、そういうことがやはりないと、これはなかなかJRさんを区のほうでというのは厳しさがあるんだと思うんですよ。事業にスタートする前に負担割合等々含めて、その時期も含めて明確にして進めるとしても、進めなければいけないということを申し上げておきます。
 三つ目の問題に入りますが、建設資料の16にもありますように、平成18年度、19年度の2年間で2,500万円、これも調査委託が行われてきました。新年度、先ほど課長からありましたように800万円でしたか、予算の計上をします、参加しますということです。これは東中野駅を起点にしながらまちづくり計画策定をしていくんだというようなのが、この新年度の予算の中身のようです。東中野のまちを、全体をどういうまちにしていくのかというのが、一つはこれの計画の中身になっていくんだろうと思うんです。委託をしていますので、当然委託会社、コンサルがたたき台をつくって準備をしてくると、そこまで恐らく委託費の中に見込まれているはずですから、絵が出てくるということですね。
 私は、まちづくりへの参加の問題を、前回も申し上げたと思うんですけれども、ここに、東中野地域に住んでおられる方々が、最初の段階からどういう東中野にしたらいいだろうかと、どういうまちにみんなでしていこうかという、そういうたたき台をつくる前から参加ができる、そういうことができるのは区でしかないんですよ。コンサルの方はできないんですから、委託されたその内容でしか動けないわけですから、そういうことをきちっと、役割を委託の中に求めると、それが区の仕事の大事なことなんですよ。丸投げするような形でたたき台を出してくださいと、調査もしてくださいと、その結果を出してくださいというところまでの今は委託の内容でしょう。住民に対して委託会社がどういう苦労をするか、どういう働きかけをするか、このことも委託の内容に入れて、だってそうじゃないですか、マンションの建設を賄っているそういう事業者は、住民の皆さんのいろんな意見を聞きながら、結果は別として、そこまで受けてからじゃないですか。それは同じとは言いませんけれども、やっぱりまちづくりに関しては、業者任せ、委託任せじゃなくて、地域の皆さんがそこに参加できる、そういう仕組みを同時にその中でつくっていくということが大事だと思うんですけれども、いかがですか。
○上村中部地域まちづくり担当課長 委員から今まちづくりの調査委託につきまして、コンサル任せとかいうような御指摘がございましたけれども、私どもは、区としまして責任を持って委託調査を管理し、またまちづくりの提案、意見交換しながら進めているものでございます。
 住民参加のことがございましたけれども、平成18年度調査の中で住民や大会社や商店街団体などからアンケート調査を行い、意向把握を行っているところでございます。
 平成19年度、今年度につきましては、専門家や学識経験者などのメンバーから成る調査研究会を中心に、方針、方向性など将来像について、大所高所から意見や提案をいただいている段階でございます。まちづくりの方針や方向性など、まちづくりの基礎となる骨格部分は、区が責任を持っていかなければならないと考えております。区としてまちの将来像や方向性などしっかりと描き、その後、まちの方々と意見交換など開催していきたいと考えております。
○来住委員 課長は、前回もどなたかの質疑のときに、東中野を東京の東中野にたしかするという、胸を張って御答弁なさったような記憶があるんですがね、言っておきますけどね、地権者の共同化さえ2年かかったってまとめられないじゃないですか。そういうことなんですよ。だから、地域の皆さんにやっぱり最初から入っていただくということが大事なんですよ。専門家の、もちろん学識経験者であるとか、区の人も入っているでしょうけども、その中に地域の方を、いろんな立場やいろんな考え、専門の人もいるんですから、やっぱり地域の方を加えるということがまちづくりには原則ですよ、これは。委託した業者が勝手に絵をかいて、これでどうでしょうというやり方は、もう時代じゃないんですよ、はっきり言っておくけど。本当に。みんなが賛同する、賛同してこれでいこうよという、そういう町をつくるところに皆さんは知恵を働かせて、そこを切りかえていただきたいんですね、まちづくりについては。
 そういう意味では、この東中野についても青空広場をつくってほしいというのが、区長にも議会にも今回出ていましたよね、要望書が。それから東中野一丁目の58番街区ですか、この方々も今はそうだけども、やっぱり駅舎の広場づくりと一緒に関係して一緒にやっていったほうがいいというふうに考えていらっしゃるわけですよ。一部のその地域だけでビルをつくるんじゃなくて、駅舎や地域の全体として東中野のまちのありようとして自分たちもそういう役割を果たしたいとおっしゃっているんですから、それをまとめるのがあなたたちの仕事でしょう。いいです。
 それでは、保育園の問題について質疑をいたします。保育園の問題については、きょうは特に待機児の問題に絞りまして質疑をいたします。
 働きながら継続して子育てをするという点では、なくてはならないという保育園なわけですね。しかし実態は、なかなか入ろうと思ったときに、実際に保育園に入れないという状況もたくさん声をいただきます。特に産休明けでの問題、それから年度途中での問題、乳児、特にゼロ歳、1歳、2歳というところはなかなか厳しいという声がたくさんあります。
 今現状は、中野の認可保育園の現状はどうなっているか、これについて御答弁ください。
○藤井保育園・幼稚園担当課長 現在の、2月の終わりの時点での入園の状況ですが、待機児童数は、ゼロ歳から5歳まで、合計で、旧定義で355人、認可保育園に一応希望は出していて入れなかった方が355人になります。ただ、どこかで実際には保育を受けているという方もいらっしゃいますので、そういう方を除いた新定義であれば264名になります。これは、昨年同時期と比べますと、50人ほどふえていまして、最近5年間では最も多くなっております。
 特にゼロ歳児クラスの認可保育園の待機児童数につきましては、18年度以降増加傾向にありまして、2月1日現在、旧定義で239名ほどの待機、前年同時期に比べて40人ほどふえております。1歳児クラスについては、年により増減がありますが、やはりこの2年間多くなっております。2歳児クラスについては、16年度までの増加傾向は一たん下がっておりましたが、本年は若干増加しているという状況です。
○来住委員 今2月の段階の数字を御紹介いただいたと思うんですが、この4月、見通しということになるんでしょうけれども、4月1日段階での見通しについて、ゼロ歳、1歳、2歳のところでも結構ですけれども、もし御答弁いただけるんであれば数字を御紹介ください。
○藤井保育園・幼稚園担当課長 今度の4月入園の申し込み実人員につきましては、2月13日現在で、ゼロ歳児クラス275名、1歳児クラス312名、2歳児クラス111名、3歳児クラス70名、4歳児クラス14名、5歳児クラス11名ということで、合計793名になっています。今後若干、2次申し込みという形でふえるという見込をしております。
 昨年度の4月での申し込みに比べますと、今の時点で若干ふえているという状況です。特に1歳児クラスの申し込み数が、昨年285名だったのが、現在312名という形でふえております。
 今後の申し込み状況ですとか、年度末にかけての退園というふうなこともありますので、最終的な数は今の段階ではわかりませんが、おおむねの見込といたしましては、特に1歳児のクラスを中心として、昨年4月に比べると待機児はふえるというふうに見込んでおります。
○来住委員 本当になかなか希望、4月の1日で入れない状況が生まれるというのは、近年、あまりなかった、私の記憶ですけれども、大体4月1日を待てば保育園には入れるというのが、私たちの子育て時代といいますかね、ずっとあったわけで、ここにきてなかなか4月1日にも、待たなければならないという状況が生まれているというのは、やはり子育てや教育もそうですけれども、10年、20年、100年という期間を見ながら、先を見ながら施設をどうするかということが大事だと思うんですね。
 そういう点では、やはり中野区の保育園の適正配置の進められてきたこの10年ちょっと前になりますかね、からずっとやられてきたあさひ保育園、江古田、西中野、前原、高峰、野方ベビー、若宮等々ですね、廃園をされて、その後区立園の民営化などもされて、その当時は41のいわゆる直営の保育園があって、これが今25園ですか、になっているというふうになるわけですね。やっぱり保育需要をどう見ていくかというところの見定め、見誤りがやっぱりあったんではないかということとあわせて、いわゆる認容定員というんでしょうかね、定数を、今ある保育園の定数をふやしながらやってきたけれども、それ自身ももう賄えないという状況に、定数を多くするというのは、詰め込んでいくということにもなるんですけれども、しかしそれをやってこられた。それでも今は間に合わないという状況なんですけれども、先ほど御紹介いただいた300人程度の子どもたちが保育園を待機するという状況なわけですから、じゃあ、どこの保育園にも希望しながら入れないという子どもたちについては、待機している状況というのは、区としてどのように把握されているんですか。
○藤井保育園・幼稚園担当課長 認可保育園の申し込み段階で、現在の当時点での保育の状況についてもお伺いをしております。その状況によりますと、申請時点では認可外の保育施設を利用中であったり、祖父母等が保育を行っていたり、育児休業中で母親が保育中という方が大体かと思っています。
 もし、認可保育園に入園できなかった場合は、引き続き、または新規に認可外の保育施設等を利用されたり、あるいは祖父母等の方に預かっていただいたり、あるいは可能であれば、育児休業期間を延長するというふうな形で対応されているというふうに認識しております。
 区といたしましては、認可外の保育施設や家庭福祉員等の利用について案内をいたしております。
 待機児童のその後の状況につきましては、申請自体が6カ月の更新ということになっていますので、6カ月ごとのその更新時点で再度確認をするということ以外に、認可外の保育施設等を御利用になった場合には、その利用状況について御連絡いただくことが、一応その次の選考の時点での参考になるということで、その保育状況についての変更について把握をしております。
○来住委員 コンビプラザでしたかね、認証が7園ありますけども、7園の認証園でも1月段階で約50人が希望しても入れないという状況があるわけですね。認可園を希望して認証に行く方もやむなくあるでしょう。それもかなわない状況が生まれているわけですよ。
 じゃあ、児童福祉法の保育の実施というこの第24条ですけどね、要約して御紹介しますが、「市町村は、保護者の労働又は疾病、その他の政令で定める基準に従い、児童の保育に欠けるところがある場合において、保護者から申し込みがあったときは、それらの児童を保育所において保育しなければならない。ただし、付近に保育所がないなどやむを得ない事由があるときは、その他の適切な保護をしなければならない。」というのが保育の実施の児童福祉法の第24条です。これをやっぱりきちんと、待機している人たちに対してはきちんと状況を少なくとも把握をする、希望をきちんと聞きながら、やはりこれが区のやるべき仕事なんですから、それができていないわけですから、少なくとも待機児についての把握はきちんとすべきだというように思いますが、改めて答弁いかがですか。
○藤井保育園・幼稚園担当課長 待機児の状況につきましては、この10年間では、年によりいろいろ変動はあるんですが、一時期減っていた状況が、ここ二、三年ほど少しふえているということは承知しております。そういうことに対応するということもありまして、区立の認可園の定数の弾力化ですとか、認証保育所の誘導支援、あるいは家庭福祉員の増員等を図っているところです。
○吉原委員長 来住委員の質疑の途中ですが、ここで3時休憩をとります。
      午後3時00分休憩

      午後3時16分開議
○吉原委員長 それでは委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き総括質疑を続行いたします。来住委員お願いします。
○来住委員 それでは、保育園のことで続けて質疑をいたします。
 保育園の耐震補強の建てかえ等々を機にして新しい問題が起きているというふうに思います。
 一つは、本郷保育園の問題であります。ここでは待機児という関係での質疑をさせていただきますけれども、この本郷保育園のことで言うならば、先ほど紹介した適正配置のときに、隣接していた前原保育園との関係がありました。99年でしたか、前原保育園が廃園になったと思うんですけれども、その当時も前原の保護者の皆さんや地域の皆さんから、議会に陳情が出されていたように思います。要望されておりました。そのときに区の考えとしては、本郷保育園をその地域、前原や本郷保育園が現にあるわけです。その地域に建てかえるということで、今の規模よりも定数も拡大し、充実した形で建てかえを行うと、この地域の保育需要については受けとめられる、そういうものをつくりますという、そういう説明が当時、議会のやりとりの中でも、地域の説明の中でもされてきたというふうに思うんですけれども、いかがだったでしょうか。
○藤井保育園・幼稚園担当課長 当時の地域の需要を見込みしまして、また本郷保育園、それなりに老朽化しているというふうなことも、あと建てかえをしようとした場合の土地の制約等を考えまして、別の場所での建てかえをその当時計画したものです。
○来住委員 地域の皆さんにも、議会に対しても、そういう形で、この地域の、本郷保育園地域の保育需要はあると、当時、平成11年ですけれども、先ほど失礼しました。前原保育園の廃園の条例は、平成11年であります。上程された、たしか11月だったと記憶しますけれども、その時点でも待機しているその地域の児童というのは26名いたというようなやりとりがあります。したがいまして、当時、地域の陳情されていた皆さんは、この地域に本郷保育園が建てかえられると、新しい、しかも定員をふやしてしっかりした、本郷保育園はそういう意味では定数的には小さいですので、条件がありますので、そういう点で新しいのができるのでそういう選択をしていこうという、そういう陳情の中での地域の皆さんの意向だったように思います。
 本郷保育園は耐震診断そのものは前にやっているわけです。結局、今回そういう耐震診断をなさったわけですけども、結局、これまで地域の皆さんに言ってきた建てかえという点では、そういう責任を果たしてこられなかったわけですね。さらに今回、仮園舎ということになっていくわけですが、それでも募集に対する停止がされてきているわけです。新しい入園できる条件が閉ざされるということになっていまして、少なくとも募集を再開して仮園舎での待機児を解消すると、先ほどずっと前段で答弁もしていただいているように、現に入れない子どもたちがこれだけの数いるわけですから、待機児解消にはやっぱり責任を持つという、区としてですね、いかがでしょうか。本郷保育園での募集を行うという点でお答えください。
○藤井保育園・幼稚園担当課長 現在の乳幼児の状況といいますのは、ここ10年の中で、全体の少子化の影響もありまして、当時の見込みほどはふえない。逆に少し減っているというふうな状況が全体のものとしてあります。特にここ数年、ゼロ、1、2歳についても減っているというふうな傾向がありまして、新たに定数を大幅に拡大するような形でのことはなかなか難しいのかなというふうなこともあります。
 本郷保育園があります弥生地域につきましては、22年度に、弥生幼稚園が認定子ども園に転換するということを予定していまして、その中で保育機能について提供されます。予定されている保育機能の提供量といたしましては、現在の本郷保育園の規模よりも多い量の、ゼロ歳児も含めた保育サービスの提供を予定しておりますので、その状況を踏まえてこの地域の保育サービスの提供については考えていく必要があるというふうに考えています。
○来住委員 幼稚園の、今度はおっしゃいましたけれども、その間、2年少なくともあるわけですね。仮園舎での保育は、本郷の場合は始まるわけで、少なくともその2年間については、今おっしゃったように待機をしている子どもたちが、区全体として見るとかなりあって、それはやっぱりどう待機児をなくすのかというのが、それは国を挙げて待機児をなくしていこうということになってきているわけですから、やはり可能な仮園舎の中身、要するに受け入れられる中身にすれば保育できるわけですから、待機児をやはり解消していくんだということで仮園舎の中で受けていくということだって、その先の問題はありますけれども、とりあえず今困っている方々を受けとめるということはできないんですか。
○藤井保育園・幼稚園担当課長 この2年間につきましては、この2月にも弥生地域で家庭福祉員一人増員いたしましたが、来年度に向けましても家庭福祉員を増員するほか、認証保育所を必要な地域に誘導するということで待機児の解消を図っていくということを予定しております。
○来住委員 ですから、ことし、来年という、そういうスパンで、現に待機児がいるわけですから、そこを何とか、認証保育園とおっしゃいますけれども、それはこの年度でどうなのかという見通しがはっきりしているわけじゃないんですから、今年度、来年の、少なくとも待機児についての解消をきちんと仮園舎の中でしていただきたいということを求めておきたいと思います。
 もう一つは、新井保育園の建てかえに際してですけれども、ここは民間園にするということで、既にゼロ歳、1歳児の募集が停止されているということですけれども、耐震補強工事、園舎建てかえ、新井も新しい民間園に建てかえるわけですけれども、今後、耐震補強や建てかえに直面した場合に、募集を停止、中止してしまうというようなやり方での建てかえや耐震補強ということじゃなくて、やっぱり今の少なくとも募集されている定員については、受けとめられるような条件を整える、仮園舎においてもそうですけれども、そういう見通しをきちんと持って待機児を出さないということを前提にした建てかえ等については、区としてそういう構えで臨まなければ待機児は解消できないというふうに思うんですね。そういう点でも父母や地域の皆さんの理解をきちんと前提とするという意味でも、とりあえず建てかえるので募集を中止するというやり方じゃなくて、募集を引き続き行いながら、保育しながら実施すると、それはどうでしょうか。今後のことですけれども。
○藤井保育園・幼稚園担当課長 建てかえにおいて募集を停止するというのは、それぞれの状況によっても異なるというふうに考えています。建てかえた別のところに新設を予定しています、今後取り組む南江古田保育園のような場合には、特に建てかえにおいて募集を停止するというふうなことは想定しておりませんが、現在保育園のある場所で建てかえをするというふうな場合には、円滑に引き継ぐというふうなことを考えますと、一定の募集停止ということもとらざるを得ないかなというふうに考えています。
 地域全体の保育需要を踏まえまして、その年度年度に対応できるような形での手だてを考えておりますけれども、ここ1、2年ちょっと想定しているよりも子どもの数が多いということでの、待機児が発生してしまっているということについては、申しわけなく思っております。
○来住委員 その場その場限りのそういうやり方じゃなくて、やっぱり見通しを持ってきちんと理解を、地域や保護者の理解を得られるようにしていただきたいと思います。
 保育園の最後になりますけれども、東中野保育園の問題についてお聞きします。
 ここは耐震関係との連動ではないんですが、住吉保育園を民間園の陽だまりの丘に建てかえて開園するということとの関連です。この東中野保育園も適正配置の対象園だったわけですね。高根保育園を建てかえるので、宮園保育園と東中野保育園を廃止するという計画が出されて、結局、高根保育園を廃止をして二つの園を残すという、そういう決定を区としてはされたという状況があります。それはやはり、東中野保育園の一丁目、それから中央一丁目といいますか、いわゆる神田川に沿って青梅街道に至る地域に保育園がないという状況が実はありまして、あの地域については一定の規模の保育園が必要だという認識を当時、厚生委員会等でもやりとりがあったように思います。東中野保育園は3歳児までの小規模園ですけれども、それでもその価値は非常に高いということで残されたというふうに思います。
 そういう点から、まず待機児という問題でお聞きしますが、今回新しい園となる陽だまりの丘の定数、それから住吉と東中野保育園を廃止されるわけですから、区立園を廃止されるわけですから、その二つの園の定数、現状ですね、ゼロ歳、1歳、2歳児で、合わせてどういう関係になるんでしょうか。
○藤井保育園・幼稚園担当課長 現在あります住吉保育園、東中野保育園のゼロ、1、2歳の合計と新園との比較ということで言いますと、ゼロ歳については、2園合計17名のところが新園では15名、1歳については、22名のところが新園では20名、2歳については22名で変わらないというふうな状況になっています。
○来住委員 そうしますと、ちょっと私の計算が間違っていればあれなんですが、2歳までの定数で言うと変わらないということですか。ちょっとすみませんもう一度。
○藤井保育園・幼稚園担当課長 2歳児については22名で変わらない。ゼロ歳と1歳の定数については2名ずつ減っているという形になります。
○来住委員 はい、わかりました。4名少なくなるということですね。ですから、新しい園を民間でつくるということについては、いろいろ私たちは意見を持っていますけれども、待機児という面で見るならば、今東中野保育園、2階が図書館になっていますので、運営は継続されるわけですね。1階の部分が保育園だったわけですから、そこが3月ですか、廃止をするということですね。少なくともこの東中野一丁目の地域の需要、それから先ほど申し上げた中央一丁目、二丁目関係の需要を、保育園が駅に近いという、これが私は保育園の大きな魅力、子育て世代の大事な要素なんですよ。あそこにあれだけの施設を残しながら廃止をして、その後は、この東中野保育園の1階の、図書館の1階部分はどうなさるんですか。
○藤井保育園・幼稚園担当課長 来年度については、使用しない予定であります。
○来住委員 だからね、全体こう見てきましたけども、待機児が一方でいると、ふえているとお認めになって、数が出ているわけですから、現に使われてきた保育園、しかも利便性のいい場所ですね、日当たりもいいし、小さいけども園庭もしっかりあって、通勤にも非常に利便のいいところです。そういうところを、とりあえず1年ですか、わかりませんけれども、閉めてしまうということじゃなくて、次の展開がある程度見通せる、次の展開がですね、そういうふうになって、やっぱりそこをどうするかというのが順序じゃないですかということを申し上げているわけです。どうですか。
○藤井保育園・幼稚園担当課長 東中野地域につきましては、両園を廃止し、新園をつくったあと、東中野保育園跡につきましては、10か年計画では認証保育所を誘導するということで計画をしておりました。現時点での状況といたしましては、先ほどゼロ歳、1歳、2名ずつ定員が減るということでなっておりますが、今度の4月の入園につきましては、必要度の高い方については、おおむね入園できる見込みでいます。
 また、駅前のほうに民間事業者が認証保育所を開設するというふうな動きもありますので、その動きも踏まえた上での認証保育所の誘導を図っていきたいというふうに考えております。
○来住委員 いわゆる働く女性が育児休業等がとれるようにかなり法の整備も進んできている面があるわけです。今おっしゃったように、4月の段階では何とか賄えますということでは、安心して出産を迎えられない、要するに妊娠しても、すぐ保育園をどうしようかという、そういう悩みを抱えざるを得ないという声がいっぱいあるわけですよ。それは幾ら法の整備がされても、預けられる保育園が一方にないと、しかも待機が半端な数じゃない数が、年度途中に入れるという条件を整えないと子どもは育てられないわけです。4月にいつもそれにあわせて出産できるわけじゃないんですから。一応4月には幾つかあいていますということじゃ困るわけです。年度途中にいつでも入れるような条件を整える、しかもちゃんとした保育園があったわけですから、当面そこを使う予定がないんだったら、そこでちゃんと保育を実施すればいいじゃないですか。そのことを申し上げているわけです。
○藤井保育園・幼稚園担当課長 ゼロ歳の待機児というのは、4月1日には多くはない状態でいるところが、3月に向けてだんだんとふえていくということが確かにあります。ただ、ゼロ歳の年度途中での保育需要について、年度当初から人員を配置して整備をするというのは、そんなに税金を使ってかなりのコストがかかるというふうなこともありまして、弾力的な運用ができる保育体制にしていく必要があるのではないかというふうに考えています。
 その弾力的な保育運営ということを考えますと、家庭福祉員ですとか、認証保育所という形での対応がより好ましいのかなというふうに考えております。
○来住委員 御答弁があったので、一言だけ申し上げますが、保育は基本的に児童福祉法による区の行政の責任ということを明確にしていただいて、少なくとも子どもの措置、子どもの保育については責任を持ってやっていただきたいということを申し上げておきます。
 次に、環境問題について質疑をさせていただきます。
 環境基本計画の改定素案が示されました。区の責任を明確にしつつ、区民、事業者が一丸となって地球温暖化の防止に取り組んでいくということは、これは緊急な課題でありますし、求められていることだと認識しております。
 その過程で、いわゆる計画を策定するに当たっての基本計画のいわゆる前段でといいますか、そこにうたい込んでという基本的な視点というのが大事だろうというふうに考えます。この間言われていますように、京都議定書で取り組まれてきたその後の世界的な環境、この温暖化防止に対する取り組み、特に温室効果ガスを削減するための数値目標を決めて先進国でも全体として取り組んでいこうと、いわゆる総量規制を明確にしていこうという、そういう流れに踏み込んできたと思います。しかし残念ながら、日本は6%の削減義務に対して、むしろ6.4%ですか、ふえているというのが現実だと言われておりますし、きのうの国会ですか、政府もなかなかこの目標達成は困難だろうというような話もあるようです。
 それにしても今回の基本計画の中できちんと日本の役割、どういう世界の中で果たしているのか、さきのバリの国際会議でも各国のNGOからもいろいろ言われていました。アメリカや日本やカナダについては、数値目標の設定については足を引っ張っているというようなことも言われています。
 そういうことも受けながら、やはり今度のこの基本計画の中では、日本が国際的に環境の面ではおくれていると言われているわけですけれども、これを補っていくような中野区の立場、そういう前向きの積極的な立場というものを一方ではきちっと持つということと、国際的な環境問題での流れというものをきちんと位置付けた文面を据えていくと、それをもとに区民の皆さんの認識を共有していくような中野区の役割というものをこの中できちんと位置付けるということが基本計画の中では大事だというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
○納谷環境と暮らし担当課長 区長がさきの本会議で答弁しましたように、国では、ことし1月に開催されましたダボス会議におきまして、福田首相がですが、二酸化炭素、いわゆる温室効果ガスの削減に向けて、積み上げ方式による国別総量削減目標というものを提案するなど、世界の中で一定の役割を果たしているというふうに考えております。
 また、国では、京都議定書の目標達成計画、これの見直しに着手するなど、規制というんですか、取り組みの強化を図ろうとしているところでございます。
 基本計画の素案に当たりましても、政府間の、気候変動に関する政府間パネル、いわゆるIPCCの期日を記載する上で、国は国の立場に立って、また中野区としては中野区の地域特性に合った方向性を示しているところであります。
 また、この改定の考え方に当たりましては、当然、地球規模で取り組む緊急の課題という大きな課題認識を持って、地域から、地域を挙げてさまざまな環境分野で取り組んでいくんだということで、中野区のこの地球温暖化問題に対する基本的な立場、姿勢は明確にしているというふうに考えております。
○来住委員 中野区の役割、責任というものを明確にうたい込んでいただきたいということをお願いしておきます。
 二つ目の問題として、目標数値の問題ですが、中野区は、2017年度までに10%削減ということで、二酸化炭素の削減目標ということであります。それぞれの、例えば千代田区などは25%、これは2020年という目標年度を示しておりますけれども、やはり10年後にこれだけの目標数値を達成していくということであるならば、中間年でどうなのか、いわゆる短期的な目標も数値的に持ってそれを検証していくという、そういう10%の目標がいいかどうかは別にしても、目標数値に向かって区民の意識や行政、事業者が一緒になって取り組む課題ですので、そういう意味ではその数値目標を出して、10年先ではなくて中間的な検証できる、そういう設定の仕方というのも大事ではないかというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
○納谷環境と暮らし担当課長 私ども基本計画で示しています二酸化炭素削減の取り組み、これは一つひとつの取り組みを積み上げてその目標値を設定しているところであります。自然エネルギーの利用拡大あるいは省エネルギー、省資源等、これ極めて一定の時間を要する取り組みだというふうに我々も感じております。そういう意味で、10年間という目標の設定は適当かなというふうに思っております。ただ、アクションフロー等におきましては、3年ごとの見直しを行います。こういう中でその達成のレベルなどをきちんととらえ、計画全体の進行を着実に行っていきたい、このように考えております。
○来住委員 見直しをされるということですけれども、やはり見直しをする基準を持たなければいけませんので、10%というのは10年先ですから、5年なり6年なりその中間のところで、どこまでいっているかということはやっぱり検証していくことが大事だ。10%のゴールを目指していくならば、いきなり7年、8年から急には達成できませんので、全体として達成に向けてこういう形でやっていくわけですから、中間年でどうするかという、そういう到達点を明確にしてやっていくのが、目標を本当にやり切る私は大事な条件だというふうに考えていますので、申し上げておきます。
 さらに三つ目ですけれども、これはちょっと具体的な問題なんですが、ほかの区で実施している、いわゆる家庭用の油、廃食用油の回収ということになるんでしょうか、既に豊島区であるとか、世田谷区であるとか、取り組まれております。世田谷区の場合も、家庭で出る使用済みの食用油を、これを回収して、拠点回収といいますか、家庭を訪問するんではなくて、公的な場所に家庭みずから持っていって、そこを回収して回って再利用をするという、そういうやり方を、墨田区もそうです。豊島区なども、千代田区もそうですね、既に始めております。したがって、ごみを出さないということもありますけれども、区民の意識をどう啓発をしていくかという点でもそうですし、その廃油を利用していくというやり方も一つの、私はこの段階では検討に値する取り組みではないかというふうに考えますけれども、やり方や方法については、それぞれの区で検討していけばいいと思いますけれども、この点での今後の見通し、検討についてどのようにお考えか、御答弁ください。
○橋本ごみ減量・清掃事業担当参事 家庭から出ます使用済みの食用油、いわゆる廃食用油の回収につきましては、資源の有効活用、それから環境負荷の軽減という観点から有意義な取り組みだというふうに考えてございます。
 委員御紹介のありました豊島区、墨田区、世田谷区、千代田区、こうした既に実施している区、あるいは他の自治体につきましても情報等収集しながら、今後の検討課題とさせていただきたい、このように考えてございます。
○来住委員 他区の経験などもぜひ生かしていただいて、実施の方向で検討いただきたいということでお願いしておきます。
 環境と子どもの健康問題については、改めて別の機会でやらしていただきます。
 時間の関係で、教育センターの拡充について質疑に入りたいと思います。
 中野区の教育センターは、教職員の研修、教育資料の収集、展示、そして教育相談などの教育の充実で役割を果たしています。特に教育相談については、その役割は大きいというふうに私は思っています。
 そこでまず、教育相談の件数、また最近の特徴などについて御答弁ください。
○入野指導室長 過去10年間の教育センターの教育相談室の相談件数でございますが、平成9年度の2,744件から平成16度には3,000件を超えまして、昨年度、18年度では3,130件と増加してきてございます。
 その内容を見ますと、近年、今回の文教27の資料にもございますように、集団不適応や対人関係にかかわる相談が多いという特徴がございます。
○来住委員 なかなかその相談の中身も継続性が必要な中身になってきているんではないかなというふうに、この件数からもうかがえます。それだけに相談の時間に要する、いわゆる相談に要する時間、回数なども当然ふえていくし、相談そのものも、延べの件数でしょうから、増加の一途をたどっているということだと思います。
 相談時間について、学校の今授業時間が延びていることもありまして、夕方の時間に集中をすると、相談が。親子での相談が、小学校の場合にはもちろん一緒ですので、授業が終わって相談に見えるということになると、夕方の時間での集中ということで、相談時間の延長などもこの間なさってきたと思うんですけれども、それでも相談の予約が半月先になってしまうというケースもあるというふうに伺っているんですけれども、その点ではどのようにお考えですか。
○入野指導室長 平成17年のころから、やはり学校の事情、それから付き添います保護者の方の事情等々、それから相談の主旨が、不登校という部分ではなくてという部分もふえてきたような事情から、やはり委員の御指摘のように、夕方、学校が終わってからという相談がふえてきてございます。それに対応しまして午後5時までの枠での相談、5時で終わりますと、6時で終わるという相談の時間を後ろにずらしまして、ここのところ6時からの枠までの相談にしてございます。それでも確かにどちらかというと、御希望を聞くと夕方の相談がやはり多いという、相談希望が多いという現状はございます。
○来住委員 あわせて、施設の問題を二、三質疑させてもらいますが、相談室が五つでプレイルームが2カ所というふうに聞いています。私も実際に見てお話も聞いてきました。
 今、小学生の相談、全体の数もふえていますけれども、小学生の相談が8割を超えているというふうに聞いています。したがって、相談室もふやしてほしいというのもありますけれども、いわゆるプレイルームでの様子を見ながら相談を受ける、アドバイスをするという、そういうケースがあるためにプレイルームの増設といいますか、ふやしてほしいというのが相談員の方の要望でもあるんですけれども、その点については、限られた施設ですのでなかなか厳しい面もあるのかなと思いますが、このプレイルームの活用をふやしていくという点ではいかがでしょうか。
○入野指導室長 現在お話のように大小二つのプレイルームがございまして、ケースによりますが、子どもの場合には遊戯療法、プレイセラピーというのを行っているケースがございます。その場合に相談の件数の増加に伴いまして、確かにプレイルームを使う件数がふえておりまして、頻度は増加している状況にございます。
 ただ、できるだけ相談者の意向にあわせた相談を行うということも大事ですので、重なる場合につきましては、本来の使用目的ではございませんけれども、センターの利用状況を見まして、ほかの研修室や視聴覚室を使っての相談ということも行っております。
○来住委員 なかなか厳しい相談もあると思いますし、できるだけスムーズに予定を入れられるような、予約ができるような改善をお願いしたいと思います。
 あわせて、相談者が相談の時間を決めてそこに見えるわけですけれども、相談者が待機をしている、相談の時間までに、相談室に入るまでに待機をするスペースが、今現在廊下のいすで待機をするという状況にあります。したがって、いろんなものを抱えながら家族と子どもの相談、いわゆるプライバシーの問題、人に会いたくないという、そういうことも持ち合わせしながら相談に見える、しかし、待機をしている場所がないために廊下のいすで待たざるを得ないと、しかも、そこは冷房もなく、冬は寒く、夏は暑いということです。せめて、待機している子ども、保護者の方が次の時間までに、呼ばれるまでに待機できる状態を整えるということは、とても相談者にとっては大事なことじゃないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○入野指導室長 そのような時間ができるだけないように相談時間を設定しておりますことと、それからまた、同時刻に同じ学校の児童・生徒が重ならないような配慮をしてきているところでございますけれども、やはりどうしても相談者が早く来室してしまったりとか、相談が長引いたりということで、実際としては廊下でお待ちいただくこともあるようでございます。ただ、施設の状況で面談室があいておりましたらそこでお待ちいただく等々の工夫は、今しているところでございます。
○来住委員 やはり相談にみえる方々の気持ちをやっぱり酌んでいただきたいし、それはちょっと施設上の、設備上に難しいというのであれば、またそれはそれとして工夫が必要だと思いますけれども、やっぱりそこは大事にして、ぜひ努力をしていただきたいということは申し上げておきます。
 あわせて、相談員、心の相談員などが小学校には配置されています。スクールカウンセラーが中学校には配置をされております。しかし、先ほど申し上げましたように、小学校の相談も数的にも多いわけです。したがって、小学校にもスクールカウンセラーを配置すべきではないかというふうに思います。心の相談員の方もいろいろ努力していただいていますけれども、やはり専門的な力を持ったスクールカウンセラーの配置というのが教師に対してのいろんな相談、教師自身が相談できるという反響がありますので、ぜひ、近隣区では既に小学校に配置しているところもあるというふうに聞いておりますので、御検討いただきたいと思いますが、いかがですか。
○入野指導室長 中野区におきましても、かつて、平成10年ぐらいだったと思いますが、小学校の一つの学校にスクールカウンセラーを配置しまして研究をいたした経過がございます。その結果、全校に心の教室相談員を配置するという、全校体制をとるということのほうが有効であろうということで現在のシステムになってございます。現在の中学校に配置されておりますスクールカウンセラーにつきましては、近隣の小学校においても相談ができる体制をとっております。
 また、国が今後小学校にもスクールカウンセラーの配置を始めると聞いておりますので、今後におきましても、私どももまた研究をしてまいりたいというふうに思っております。
○来住委員 心の教室相談員と教師、そしてそれをまとめ、本当に信頼を一つの形にしながらできる体制をスクールカウンセラーを置いてですね、ぜひ実施していただきたいというふうに思います。
 この項の最後になりますが、この関連の最後ですけれども、相談員の方々の処遇といいますか、報酬というんでしょうか、やはり安定的に相談員を継続的に確保すると、そういう人材を確保していくという点では、一定の報酬も見直していただいて、今非常勤の区の処遇というふうに聞いておりますけれども、ぜひ安定的な相談に対応していく体制をつくるという意味で、処遇についての改善をお願いしたいと思いますが、御検討いかがでしょうか。
○入野指導室長 教育相談員につきましては、委員の今のお話しのように、1年ごとに委嘱するという形をとってございますが、実質としましては、やはり相談の継続性をできるだけ配慮して確保していくようにということで、選任に当たっているところでございます。
○来住委員 私のその他については割愛いたします。
 これをもちまして質問のすべてを終わります。ありがとうございました。
○吉原委員長 以上で来住和行委員の質疑を終了いたします。
 次に、奥田けんじ委員、お願いします。
○奥田委員 総括質疑に先立ちまして、さきにお亡くなりになりました藤本やすたみ議員並びに小堤勇議員の御冥福を心からお祈り申し上げます。
 それでは、民主クラブの立場から予算の総括質疑をさせていただきます。
 まずはじめに、1番目としまして、行政経営についてお伺いをさせていただきます。
 (1)として、PDCAサイクルマネジメントと予算、決算の関係についてということでお伺いをさせていただきます。
 総論として、まず、このPDCA、なかなか定着しづらい言葉ではありますけれども、この経営のサイクルを回していくという考え方に基づいて、この間、田中区長が行政経営を続けられてきたということでありますけれども、まず、この経営サイクルへ立ち返って確認をさせていただきますと、PDCA、つまりプラン・ドゥー・チェック・アクション、計画、実施、評価、改善の実践ということになってくるんだろうというふうに理解しておりますが、まず、この経営管理の手法が導入されたということについては、現行の地方自治の制度を超えて、管理に軸足を置いた経営のあり方だということで、高く評価をさせていただいております。
 その中で、16年度に行政評価が決算委員会の資料として活用されたということを基準にいたしますと、この経営サイクルというものが基本的に4サイクル目に入ったのかなということで、私なりにとらえさせていただいております。予算ベースでいいますと、17、18、19、20と、今回で4回目の、予算ベースでいうと年度になってくるという理解をさせていただいております。
 今回の、平成20年度予算につきましては、新たな経営サイクルの始まり、つまり、Pというプランですね、がこの20年度の予算に該当してくるわけですけれども、当然、サイクルマネジメント、循環をさせる管理でございますから、プランの前にはチェック、アクションという評価、改善の工程が先立ってあるわけでございます。
 現状の分析を私なりにさせていただきました。そうすると、現状どうなっているかと申しますと、例えば今年度の予算について申し上げますと、チェック、アクションというところで既に結果が出ているものは、18年度の行政評価、チェックですね、を受けて改善案を検討するというアクションの部分、ここが今現在で出ている最新のサイクルに先立つ評価になります。それが前回の決算委員会で既に出されております主要施策の成果、別冊というところにまとめられているものでございます。これが現状で一番新しい評価というところになるんですが、これを見ますと、実際には今検討しているのは20年度の予算、つまり20年度のプランをつくっている段階であるということでありますが、現にこのサイクルの中で既に確定している評価は、2年前のものという状況でございます。本来であれば、この直近の19年度の実施内容を評価して、それを改善策に今予算に反映していく、これが本来のサイクルのマネジメントのあるべき姿だろうというふうに考えております。
 そこで、お伺いをさせていただきたいんですが、現在の地方自治の制度上で、前年度の実績を予算に、あるいは計画の中に反映させていくということは難しいのかどうか、ここを確認させていただけますでしょうか。
○田中評価・改善推進担当課長 まず、現在の行政評価の制度でございますけれども、正しい決算数値に基づきまして評価を行いまして、各事業部が見直しを行うことによりまして翌年度の予算あるいは目標へ反映をしているわけでございますけれども、すぐに改善すべきもの、改善できるものにつきましては、現在執行しております状況にもすぐに反映をしているというものでございます。
 また、予算編成につきましては、行政評価の結果を踏まえて行っているわけでございますけれども、直近の執行状況も加味をしながら行っているものでございます。
 今後の課題といたしましては、執行段階におきましてPDCAサイクルによる適時適切な見直しを行うことなど、改善に努めていきたいと考えてございます。
 したがいまして、現在の制度の中で考えますと、このサイクルというのは妥当であると、ただ、運用の仕方として適時適切、常に改善を図っていくと、そういったようなことの取り組みが必要だろうというふうに考えてございます。
○奥田委員 お尋ねしたのは、今の制度の中で妥当であるかどうかではなくて、今の制度の範囲内で、前年度の実績を反映させることが可能かどうかということでお伺いしております。
○田中評価・改善推進担当課長 いつ行政評価をして反映をさせるかというのは、基本的には、いつでもいいわけでございます。ただし、現在、いわゆる行政評価を行う目的といたしましては、三つございます。一つは、正しいコストに基づいて適切な評価をするということがございます。それから2点目は、それを踏まえて適切な改善につなげていくということがございます。それから3点目は、議会への報告など説明責任を果たしていくということにあろうかというふうに思ってございます。
 現在の中野区がやっている制度といたしましては、いわゆる正確な決算数値に基づいて、さらにそれを外部評価という形をとりまして、正しく適切に評価をしているということでございます。それで9月の決算議会に決算説明資料として御提出を申し上げているわけでございますので、この点についてのサイクルについては妥当だというふうに考えてございます。
○奥田委員 なかなか制度上可能かどうかというところでのお答えをいただけないんですが、現状でやられている範囲では、なかなか、決算確定後に評価を出すという方法をとっておりますので、それが変えられるかどうかという議論については、ここではいたしませんけれども、現行、中野区でとっている範囲の中ではなかなか難しい状況であるということであれば、そこには制度設計の中で、自治法の中での縛りがどの程度あるか、決算が確定してからということを前提にするならば難しいということになるんでしょうけれども、そこを制度と管理を分離して考えていくということも必要ではないかなというふうに考えるところでございます。
 このことについては、公会計改革でも同じような趣旨で今中野区は改革を進めているところだと理解しておりまして、現状で、制度の会計で、現金主義等を採用している中で管理という視点の立場から経営の判断の材料を十分に提供するために、管理会計の手法として企業会計の手法をもとにした複式であるとか、発生主義の会計の導入を今検討しているというところだと思います。同じように、管理をしっかりと進めていくというために、今19年度の現状が全く、全くとは申しませんけれども、評価を受けてという意味では、反映されていない状況が、果たして経営サイクルとして妥当か、あるいは最適な状況かどうかということについて、各論で幾つか例示をさせていただきながらお答えをいただきたいというふうに思います。
 まず1点目に、図書館の登録者という部分でお尋ねを申し上げます。
 まず、こちらをお示しさせていただくのが、今ピンク色の補助資料、予算の補助資料として358ページに図書館運営という項で、成果指標として図書館の利用登録者数、区民の数の割合というのが出ております。これが18年の実績が20.8%、19年の見込みが20.0%、目標20年、今年度の目標が24.5となっております。この資料だけを拝見いたしますと、なかなか実績、見込みとして伸びていないなというところはありますけれども、それほど違和感はなく拝見することができるんですが、参考に、昨年度の予算の同じような資料を拝見させていただきますと、337ページになりますけれども、同じような項目で、数字が2005年の実績が21.6%、18年度の見込みが21.2%、目標が24%となっております。
 ここで何がわかるかと申しますと、実は2005年、17年の実績が21.6という数字になっていたのに対して、18年の段階で19年度の予算の編成時期に、1年前の直近の見込みを21.1%と、若干下回るという下方の修正見込みを出しておりました。この若干の下方修正に対して目標を、19年のときの予算の目標を24%というふうに出しておりました。
 でですね、改めて今回出されている資料を見ますと、18年度、昨年度の予算の段階の見込みが21.1%だったものが、実績ベースで見てみますと20.8%、さらに下方修正されているということになりました。そして今回の19年の見込みは20.0%、さらに下がっている。昨年出された資料の19年の目標が24%に対して、今回の見込みの状況では20%ということで、乖離が4%を出ています。これは、実は10か年計画の中で目標が、中間目標で、昨年の決算の中で出された評価の中で、248ページの中で、実は10か年計画の中に数字が落とし込まれておりまして、21年目標で25%という数字があって、按分してみますと、先ほど申し上げました19年あるいは20年の目標数字は順調に上がっているということがわかります。それに対して実績は、結果的に申しますと、実績ベースでは全く伸びていない。むしろ下方に修正されているという状況であります。
 このことについて図書館長にお伺いしなければならないと思うんですけれども、まず、18年度見込み21.1%、19年度当初の予算編成期に見込みを立てられたこの21.1%と、実績ベース、20年度の実績、行政評価を出した時点での20.8%、この乖離はどのような理由でしょうか。
○倉光中央図書館長 図書館の利用登録率の動向でございますけれども、中野区におきましても、近隣区とほぼ同様に残念ながら低下の傾向が見られております。理由は、さまざまあろうかと思いますけれども、近年のインターネットの発達でありますとか、あるいは本というものの利用の仕方そのものが、じっくり読むものから気軽に手に取るものに変わっている、あるいは中野のように交通の便のよいところでは、書店等にまず行かれる方も多いかと、そのようなことを原因としては図書館として推測しているところでございます。
○奥田委員 そういった実態を推測されているという背景は当然あるんですが、それが見込みの段階と実績との乖離が大きいと、目標を立てる際に方向を間違ってしまう。例えば24%という目標が立てられておりますけれども、これはそもそも10か年計画で順調に登録数が伸びていくという前提のもとで立てられた数字を按分したものになっていますね。それに対して見込み数としては、若干低下する程度でおさまるけれども、目標には未達になりそうだということで示していただいて、それが実際のベースではさらに下回ってくるということになると、果たして見込みで立てた数字というものの精度がどうなのかということが問われるわけです。つまり、ここで見ると、目標はどんどん上がっていくにもかかわらず、見込みである程度甘めの数字が出ていますけれども、実績ベースでは、見てみますと年々下がっていっているんですね。今申し上げましたPDCAのサイクルというのは、実践してみてどうだったかというものを受けて改善するというのが基本ですね。だとすれば、これは何年にもわたって実績を下回っていくという見込みがわかりながら、目標は修正せずに実践している内容自体がもし改善されていないとすれば、何らのサイクルになっていないというふうに言わざるを得ないというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○倉光中央図書館長 委員御指摘のとおり、平成21年度には25%という中間の目標として、これは10か年計画で公表しているものでございます。私どもとしては、10か年計画という重みのあるものに目標として掲げた数値の達成に向けて引き続き努力は図ってまいりたいとこの間考えてまいりました。しかしながら、残念ながら低下傾向にあるということも実績としては事実でございますので、この数字の取り方については、直近の10か年計画の改定の際には、成果指標の設定の方法等も含めまして検討したいと考えております。
○奥田委員 つまりおっしゃっているのは、実践される内容の改善ではなくて、数字自体を下方修正しようということですね。
○倉光中央図書館長 実践に向けた図書館の努力についてのお尋ねかと思います。この間、図書館といたしましては、やはりいわゆる常連的な利用の方だけではなく、これまで図書館を利用したことのない方への働きかけがやはり利用登録率の向上のためには重要であると考え、さまざまな取り組みを行っていたところでございます。
○奥田委員 具体的に数字が改善するための行動をとらなければ、悪化傾向というのは変わるわけがないんですよ。社会的に、今おっしゃったように、なかなか登録が見込めない状況があるというのが認識されていて、具体的に、以前されていたことと行動の内容が変わっていなければ下方修正するだけですよ。それがおっしゃっているような経営サイクルのマネジメントだとすれば、実績を追いかけて下方修正を続けるということが経営管理だということになってしまいませんか。具体的に何か変化を起こすための行動をされたのか、されていないのか、お答えください。
○倉光中央図書館長 図書館といたしましては、委員御指摘のとおり、待っているだけではだめだという認識を持ってこの間行動してまいりました。例えば昨年度から地域の商店街との共同事業で、商店街に出かけて、その場で新規の登録を受け付ける事業でありますとか、あるいは庁外広報紙NICES等を通じて中野の図書館の蔵書を紹介し、それを利用に結びつける等々の行動をとってきたところでございます。
○奥田委員 図書館については、これで終わりにしますが、いろいろやってきたと、しかし結果につながらないというのを、まさに評価して、何が足りないのか、どうするべきかということを今回の行動に入れていかなければならない。しかもその評価が2年前の行動についての改革ということになってしまえば、方向性を修正するのがおくれるということの証左を一つ例として挙げさせていただいたということでございます。図書館については結構でございます。
 次に、同じような例示として305ページの都市整備費の中で交通安全対策費というところの項で、同じく成果指標なかのんの1便当たりの平均乗車率というのがございます。これを見ますと、昨年の予算の補助資料の中では、当初の目標が31.4%だったものに対して32.4%ということで、18年度の見込みベースで上振れするという予想を立てているわけです。上振れする予想を19年度の予算の編成時に立てているんです。目標に対し上振れするという予想を立てました。ところが、数カ月後の決算が出たときの18年度の評価では、逆に目標を下回った、31.4%が目標であったのに対して実績は30.3%、わかりますか、見込みベースで出しているこの資料の作成の段階と行政評価を出したときというのは、本当に数カ月しか違いがない中で、上方修正ということで見込みを出しておいて、決定値が下回っているというような、これほど見込みが甘い状況が出ております。結果的にどうなったかといいますと、昨年度この上方修正した見込みをベースに目標をさらに上に高く見積もって利用率を35.3%と立てました。ところが、実際は、今19年度の見込みは26%と見込まれております。実に9%の乖離になっています。これははっきり申し上げて、19年度の予算編成段階で18年度見込みを出したこの数字自体が極めてずさんな数字で、これをもとに目標を立ててしまっていることによって19年度の予算、あるいは実践について、全く現状を反映しない、そうした1年間を過ごしてしまったということになるわけです。要するに、改善傾向が見られるという予想のもとで実践をしたんです。しかし、実際は、利用率はどんどん落ちていたわけです。本来であれば、既に利用率が落ちていることを反映して、改善の努力を一層しなければ目標は到底達成できない。ちなみに、この指標の中間の目標、最終の目標21年度の目標が44.1%の利用率というところに置いてあります。これをもし達成するのであれば、当然、下方修正をしている場合じゃないわけです。そういった中で、こうした実態を反映するのが、この2年間、PDCAサイクルという意味では、おくれているという状況を放置していると。残念ながらこうした改善のサイクルがおくれる、あるいは経営判断を誤るということにつながりかねません。まず、ここの項で、なぜこのような上方修正をしたにもかかわらず、結果的に18年度実績というところで下方修正になったのか、理由をお尋ねいたします。
○遠山土木・交通担当課長 このなかのんにつきましては、御案内のとおり、平成17年11月から運行を開始しまして、交通事業者に対しまして、中野区が運行経費の補助をしていると、こういった事業でございます。運行経費につきましては、月125万掛ける12カ月といった1,500万、3カ年、36カ月の助成事業ということになってございます。
 委員のお話にもございました1便当たりの平均乗車率、平成17年、開始年度でございますが、29.4%、平成18年度が30.3%でございまして、平成19年度現在見込みは26%程度ということで、乗客率が非常に低下をしているというのが実態でございます。私どもは、運行経費の補助を行っているという関係上、目標設定をいたしまして、この事業に対してバックアップをするということを本来業務としてございます。区自体が事業の実施主体ではないということで、区の努力にも限界がありますが、委員の御指摘にもございましたように、目標設定にはもう少し慎重さが必要だったのかなと思いますが、このなかのんの開始、スタートに当たりましては、採算点、収支がバランスのとれるところが、平均乗車数が15名前後ということでございますので、私どもはこの36カ月、3カ年の中では、最終目標、今委員の御指摘にもありました44から5ぐらいを最終目標にしてバックアップをしてきたということ、こういう実情がございます。
○奥田委員 今お尋ねしたのは、なぜ下振れしたのか、下回ってしまったのか、上方修正した見込みに対して結果が下方修正になっているが、なぜかというふうにお尋ねしたんです。
○遠山土木・交通担当課長 バス事業者から情報をいただきまして、乗客数の情報を逐一月ごとにいただいているわけでございますけれども、具体的にこういう原因があって乗客が減少していくと、断定的な原因はわかりません。把握してございませんが、私どもはそれを手をこまねいて見ているということにはいきませんので、私どもはチラシやポスターその他でPRをしたり、事業者と乗客数を増加させるための改善策について常に協議をしているということではございますが、事業者からは、そういう乗客減の実績がきたということでございます。
○奥田委員 申し上げているのは、月次でそういった乗客数の報告というのをもらっているというふうにおっしゃっているわけですから、月次ベースで集計していて、ああどうも上振れしそうだなという集計をした後で、最終的に数カ月後に下方修正というのは極めて不自然ですよ。ですから、なぜ上方修正したのに下方修正になっているのかということを聞いているんです。月次でとっているのにそういった乖離が大きいのはなぜかということです。月次ベースで集めていて、ある程度方向性が読めて着地点というのがわかるわけですよ。急にお客さんが減ったりとか、ふえたりということがない限りこういった結果は出ないんです。ですから、分析として、何らかの理由がなければこういった数字は出ないはずです。なぜですか。
○遠山土木・交通担当課長 答弁は繰り返しになりますけれども、乗客減についての原因究明というのは私どもも検証の努力は続けてございますが、これということに断定できる理由は明確にはつかんでございません。
 ただ私どもは、この目標、PDCAのサイクルにおいてチェックということでは、先ほどお話ししましたように、慎重さが足りないということはございましたが、努力目標というところでは、事業者と一体となって掲げている目標ということで御理解をいただきたいと思います。
○奥田委員 いろいろ具体例というのを持ってまいったんですけれども、いずれにしても、幾つか対応していただいたものについて割愛いたしますけれども、いずれにいたしましても、結果的に見えてくるのが、確定値のベースでの数字が古過ぎるんです。その上で、要するに2年前の実践についての評価でことしの予算をつくろうとしているんですから、方向が間違っていたら全く政策的に反対側の政策をやってしまうことになるわけです。で、今申し上げたような見込みについても、非常に古い数字をもとに見込み数字を立てていますから、これについても参考にならない。ですから、PDCAのサイクルといっても、参考にならない数字を並べてサイクルを回しているということになってしまうわけです。
 そこで、改めて行政の経営のPDCAサイクルの管理手法として、あるべき姿は何なのかということを考えたときに、やはりいろいろな制約はあるかもしれませんけれども、直近の確定値あるいは確度の高い見込み値を出していく、その上で期中の改善、つまり19年度であれば19年度の中で、評価者の立場であれば評価者の責任として、目標達成に対して下振れているようであればてこ入れをしていくというような動きもしなければなりませんし、事業部の責任としては、それを下回らないように改善していくという、期中の改善も当然しなければなりません。そして、今回の20年度の予算編成に当たってのプランづくりについては、年度ベースで精度を上げていかなければ全くこれをつくっている意味がなくなってしまう。それを何とか改善につなげていくということをやっていただきたいんです。その間に少しずつこのサイクルの精度というのを上げてきた、それは私も評価させていただくところですけれども、時間的なブランクが大き過ぎると、幾ら外部に評価を出しても経営に反映することができないわけですから、そのあたり、例えば、民間企業では、半期あるいは四半期のベースで決算書を出します。もちろん四半期のベースであれば、決算短信という形で簡単な決算書の内容ではありますけれども、ある程度の上方修正とか下方修正、あるいは業務の改善内容というのを記載したレポートを出します。つまりこれが着地点での、年度末の着地点での精度を上げるための秘訣になっているんです。年度末だけしかそういった数字を出さなければ大幅な乖離が出てくる、しかも完全に評価が固まったものをもとにやろうとすれば、行政の動きでは2年前の数字になってしまう。これでは改善のサイクルが回りません。そこで、やはり見込み値の精度を向上させるためには、せめて中間の段階で、内部の評価で構いませんから、中間値の数値というのを確定し、予算編成期、今の時期に、19年の中期の確定値を間に合わせるということが必要ではないかというふうに私は思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○沼口副区長 今の予算編成の仕組みの中では、なかなか、例えば20年度の予算編成は夏過ぎぐらいから始まりますので、その時点では19年度の数値というのは、見込みを出すのもなかなか難しいところがあります。しかし、できる限り直近の見込み値、これを基準にして翌年度の予算に反映しなきゃいけないということは当然だと思いますので、現在も予算編成の中では、例えば18年度の行政評価のほかに19年度の見込みということも当然やっております。その精度をこれからもう少し上げるように努力したいと、そのように思っています。
○奥田委員 ですから、今の予算編成の流れで、夏ごろにはというふうにおっしゃった、つまり夏ごろには編成過程をスタートさせるということであれば、半期の、夏までの中間値であれば反映できるんですよ。少なくとも4分の1の3カ月分だけであれば最低限反映できるわけです。夏に編成期がスタートするのであれば、半期ベースは、簡単なものであれば集計できますよ、月次で集計しているんであればですけれども。そういったことも参考にしていただきながら、この精度を上げていきませんと、全く乖離したものをもとに予算編成、あるいは行政目標をつくっていくということになりますので、そのあたりを勘案いただきまして、ぜひ御検討いただきたいというふうに思います。この項の質問は終わらせていただきます。
 次に、ちょっと時間がなくなってしまったんですけれども、自転車の歩道の通行についてということでお伺いをさせていただきます。
 中野のブランドづくりということで、私はさきの一般質問の中で、自転車の似合うまちというコンセプトの提示をさせていただきました。これは産業の育成であるとか、さまざまな顔づくりというものがある中で、暮らしに軸足を置いた自転車というものが似合うまちづくり、これが中野の魅力づくりにつながっていくんではないか、こんな提案をさせていただいたわけですけれども、区長が答弁されたように、やはり歩行者にとって危ないという環境であっては自転車政策はままならないということであります。一方で、自転車が被害者になってしまうという状況があっては、安心して乗ることもできない。つまり、自転車政策を進めるに当たっては、安全な環境整備、これを整えていくことが不可欠になってくるわけであります。
 資料の建設の6、17を見ていただきますと、自転車が加害者の立場あるいは被害者の立場、双方での側面が見えてまいります。中野区については若干の減少傾向が見えますけれども、全国的にはやはり被害者としても、加害者としても立場は非常に厳しい状況が依然として続いている。そんな中で道路交通法の改正がされまして、6月にはいよいよ施行されるということになりました。実際にこの道路交通法が改正になりますと、自転車がこれまで基本的には車道というルールは変わりませんけれども、4割の道路について歩道上を走っていいということになっておりましたが、基本的には車道におりるということでルールが改正になります。しかし、現状の中野区も含めて日本の道路の状況を見ますと、これは車道上を自転車が安心して走れる環境というのは、とても整備されているとは言えない状況です。これは国交省等が審議会で報告を出しているものにも同じような記載がされていて、背景としては、環境が整った上での道交法の改正ということでありましたけれども、残念ながら環境が整わないまま改正が施行されてしまうという状況になります。その中で、まず自転車の少なくとも中野区内でできる法的なすき間の部分、あるいは少しでも事故が起こりにくい環境をつくっていくために何ができるかということを自治体として考えなければならないというふうに思っております。
 その中で、まず御確認をさせていただきたいんですが、先ほど自転車が歩道上を走ることができる道が今4割程度あるというふうに申し上げましたけれども、歩道上を走ってよいとなっているその歩道上を走る際に、今の道路交通法では、自転車、歩道上の走行のルール、どのようになっていますでしょうか。
○遠山土木・交通担当課長 質問は、歩道上を自転車が通行可の場合のルールでございますが、この場合は、車道寄りの側を自転車が通行するということでございます。
○奥田委員 歩道上車道寄りということでございます。つまり改めて確認をさせていただきますと、歩道上では自転車が走行する際、進行方向に規定がないということでよろしいですか。
○遠山土木・交通担当課長 往復車線を考えますと、左右それぞれ車道寄りの自転車が通行する部分におきましては、それぞれ双方向ということになります。
○奥田委員 つまり、道交法上では、車道を走るに当たっては進行方向が、車両ですから規定されておりまして、左側通行となっている。にもかかわらず、例外規定として設けた歩道上の走行については、徐行という規定はありますけれども、進行方向の定めがないということになっています。つまり、歩道上例外としたものの既に4割が走っていいということになっていて、しかも表記がわかりにくいとなっておりますから、区民の皆さんが歩道上を走っていいのかどうかわからない中で、しかも進行方向、実はルール上の定めがないということでございます。そういった状況の中で、出会い頭の事故という心配が非常に懸念されるわけですが、現状、自転車事故の出会い頭の事故の割合、全体の中でどれぐらいの割合でしょうか。
○遠山土木・交通担当課長 私ども、それぞれ所轄の警察から伺っているところでございますが、まず、自転車にかかわる出会い頭ということでは、自転車ということでは、情報はいただいてはございません。
○奥田委員 出会い頭の事故が相当程度あるというようなことは、中野のレベルでは実は把握されていないということなんですけれども、日本全国の数字で言いますと、8割であるとか、6割といったような大きな数字が出ている自治体もあるわけです。そんな中で、方向が定まっていないことで想定される深刻な事態が交差点における事故でございます。先日も知人の息子さんですが、交差点で深刻な事故に遭いました。それはどういうケースかといいますと、自動車が南から進行してまいりまして、自転車が西側から右側を、車道上なんですけれども、走行して交差点で接触事故を起こしたということがありました。これはもちろん車道上を右側走行していたということで、道交法を違反したのは自転車側ではありますけれども、残念ながら歩道上を右側を走っていいというルールの中で、お子さんが歩道上は大丈夫だけど車道になったらたちどころに違反になるというのはなかなかわかりません。そんな中で、被告としての立場を今持っているわけでございます。私は、交差点において一番深刻な事態になりやすいこのケースについて、仮にこれが歩道上であっても左側通行だという規定があれば、車が来たときに右側を通っているとよけるいとまがないんです。それに対して左側だという規定があれば、よけるいとまが少しならずとも出てくる。これは道路通行法が何重にもトラブルを避けるために設けている、もちろん一時停止をするとか、信号無視はいけないとか、さまざまなルールを何重にもかけて事故を防ぐようなことをしているんですが、そうした一つとして、車道上は左という規定で進行方向が重複しないような形でトラブルを避けているわけでございます。そんな中で、このルールが規定されていないということは、極めて重大な問題だというふうに思います。道路交通法が対症療法的に従来車道上であったものを車と自転車の事故が非常に多いということで、例外的に歩道上に上げた、そのことが今度は歩道上で自転車が歩行者の加害者になるということで、今度はまたおろそうとしている。その際に、歩道上に乗せた自転車の進行方向を規定されないままこの間きてしまっているということでございます。残念ながら、国交省でも警察のほうでも、この規定がされていないということについての認識がほとんどされておりません。まず、自治体として、我々の市民の命を守っていくという一番身近な立場でできることというのはやっていかなければならないと思うんですけれども、まず確認として、法律の定めのないこうした事項について、条例で規定していくということは可能でしょうか。
○川崎経営担当課長 基本的に、自治体は法律の範囲内で条例を制定することができるということになっております。
○奥田委員 そうですね。定めがないというところですから、条例で規定するということは可能になってくるんだろうと思います。そんな中でぜひ、これは要望になりますけれども、守りやすい、わかりやすいルールづくりをしていくことが、もちろん法令の遵守であるとか、マナーを向上させていくということは大前提ではありますけれども、非常に理解しにくい、誤解が発生しやすいというルールのもとでは、なかなかルールを守っていくということも簡単ではありません。そうしたなかなか整備されていない状況を自治体レベルで改善していくという取り組みを、ぜひ御努力いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○遠山土木・交通担当課長 今、委員から自転車の現状、車道寄りの自転車通行可の部分につきまして、双方向、相互通行になっているところを一方通行といいますか、そういう御提案かなと思ってございます。自転車の一方通行ということにつきましては、世田谷区で、国土交通省の協力のもとで、社会実験を昨年実施してございまして、その中では、今取り上げていただきました車道寄りを自動車と同じ方向に走る、いわゆる委員のお話しする一方通行ですね。それからその逆につきましても実験を行っているというふうに聞き及んでございます。区といたしましては、今後、発表されるでありましょう世田谷区での自転車の一方通行の実験結果等も注目して、情報収集をしていきたいと、このように考えてございます。
○奥田委員 ぜひ、今後積極的な取り組みを期待させていただきまして、この項の質問は終わらせていただきます。
 3番目の公共施設の無線LANの導入についてお伺いさせていだたきます。
 まず、冒頭に、区内の公共施設の無線LANの導入状況についてお伺いしたいというふうに思っていたんですけれども、時間の関係で、御報告ベースではありますけれども、現状では図書館内のみということでございます。で、今後、こうした無線LANの整備状況について、さまざまな集会室等についての検討をぜひしていただきたいというふうに考えております。現状では、図書館の中に整備している無線LANのサービスはNTTコムのサービスでございまして、ホットスポットというふうに名称がつけられております。月額の固定料金でいうと1,600円程度、従量制でいいますと、1時間利用するということで計算しますと830円、1日利用という定額制を利用すると500円という設定でございます。例えば、集会室を利用する際に、こうした接続料金のほうがむしろ高くなってしまうという状況であれば、なかなか利用の促進は難しいという状況になってしまいます。私は、さまざまな事業者との懇親会議などで、商工会館であるとか、リサイクルプラザを使わせていただく機会がふえてまいりましたけれども、そんな中で、ノートパソコン、無線LANの受信できるパソコンが最近はふえているんですが、そうしたものを使いながら会議をするという機会が非常にふえてまいりました。民間の施設ですとそうした環境が整っているところが多い中で、もし可能であれば、整っていれば、会議の円滑化、あるいは情報収集、発信ということがその場でできるという非常に区民サービスにとっては非常に価値がある、そういうふうな見解を持っているんですけれども、そんな中で、ぜひ今後の検討状況についてお伺いさせていただきたいんですけれども、区内施設について、無線LAN、今後、例えば先ほど申し上げたような商工会館についてどうか、あるいはリサイクルプラザについてどうか、あるいは区内の地域センターの集会室についてどうか、それぞれお答えいただけますでしょうか。
○白土情報化推進担当課長 利用者が無料で使用できる無線LANの環境につきましては、公共施設への導入事例がございますけれども、経費的な面から申し上げますと、公共施設の側で導入経費やランニングコスト、これを負担しなければならないということがございます。そういったことがございますので、例えば検討課題としまして、政策的な目的、無料で使用してもらうということでございますので、そういった政策的な目的を明らかにする、特に施設の場合には、施設の設置目的の関係でそれを明確にする必要があるということがございます。二つ目といたしまして、民間サービスもある中で、そもそも税金を投入しなければならないのかという問題、それから無料とすることについて、サービスを利用する人と利用しない人との負担の公平性、それから情報セキュリティーの問題、それから接続ができないといったような場合に、問い合わせに対する体制といった検討課題もございますので、政策的な観点を含めて検討いたしまして、区の施設への無線LAN環境の整備、これを進めるかどうかを総合的に判断していく必要があるというふうに考えてございます。
○奥田委員 もちろん産業支援の立場から、あるいはNPO団体の支援の立場から、あるいは地域団体の支援の立場からというさまざまな立場でどのような料金設定をするのがいいのか、どういったプロバイダーを選択するのがいいのかというさまざまな検討はあるかとは思いますけれども、今、ユビキタス社会というふうな言われ方をするように、これが基本的なインフラとしてあるということが区民の知的な生涯学習の視点からも、生産活動の上でも望ましい環境だというふうに私は思います。そんな中で、例えばフリースポットというような無料で環境整備について協力をしてくれるような事業体、IT企業が主催になっている協議体なんですけれども、そういったサービスも始まっておりまして、事例として岐阜県の郡上市などでは、図書館を含む庁舎等で29カ所への導入がされており、無料で導入できて、利用も無料でできるというようなサービスも始まっておりまして、実績も既に行政、公共施設等での実績もあるようでございます。そういったものも含めてぜひ前向きに、政策の目的にかなっているかどうかの検討も必要かと思いますけれども、ぜひ前向きに御検討いただければと思います。この項の質問を終わらせていただきます。
 4番目のコンプライアンスの向上についてお伺いをさせていただきます。
 今年度の予算に、コンプライアンスの推進体制の整備費を計上して、法令遵守の体制を強化をしていくという打ち出しがされております。これは我々中野区の民主党のマニフェストの中でもうたわせていただいたものでありますけれども、2月14日、不正打刻事件、あるいは不適正打刻事件にかかわります裁判、東京高裁の824号法廷で行われましたものですけれども、区長が証言に立ちまして、参事、部長級ですね、の病気休職、これは分限処分に当たるんですけれども、この分限処分について、助役、現在で言うところの副区長でございますけれども、助役への委任が法的あるいは明文の根拠なく行われているという弁護人の指摘を受けて、裁判官から、今後の改善について問われました。それについての答えが、区長が、改善の検討も行っていないので今後改善することはないということで明言をされました。私は、これが法的あるいは明文の根拠がない形で委任されているという現状があるというのは、コンプライアンス上非常に問題があるというふうに思いますけれども、現在、法的あるいは明文の根拠なく委任されている状況というのは他にあるかどうか、所管にお答えいただけますでしょうか。
○合川人事担当課長 ほかにはございません。
○奥田委員 他にないということであれば、この状況をレアケースという理解でいいんだというふうに思いますけれども、所管の立場で、コンプライアンス上こうした状況が例外的とはいえ発生しているという状況は問題ではないんでしょうか。
○合川人事担当課長 一般的に規定の整備の必要があるということについては、早急に規定の整備をしないといけないというふうには考えてございますが、お尋ねの区長の証言ということに関しましては、現在係争中ということもございますので、この場で答弁は控えさせていただきたいと思います。
○奥田委員 区長に伺います。係争中ということで、その当時は、裁判の中では変えるつもりはないということでおっしゃったんですけれども、現在、今の段階で思いというのは変わっていないかどうか、これだけ確認させていただきたいと思います。
○田中区長 決定の有効性に対して何か影響するようなことだとは思っておりません。それ以外の私の認識につきましては、裁判で係争中のことを外の場に持ち込んでいろいろと押し広げるというようなことについてはお断り申し上げます。
○奥田委員 この項の質問は終わらせていただきます。
 その他で、ペット等の共生を考える懇談会についてお伺いさせていただきます。
 昨年の12月19日の第5回最終会に出席をさせていただきました。12月15日は答申がまとまると伺っておりましたが、どうなっているのでしょうか。なぜ出ないのか、お答えいただけますでしょうか。
○飯塚生活衛生担当課長 提言案につきましては、現在、学識経験者、それから懇談会委員等に原稿を送りまして内容確認をしていただいているところでございます。3月上旬には区長に提言を行いまして、年度内には区議会の皆様方にも内容をお示しできることでございます。
○奥田委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○吉原委員長 以上で奥田けんじ委員の質疑を終了いたします。
 以上で本日の総括質疑を終了いたします。
 次回の委員会は2月27日、水曜日、午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
 以上で本日の予算特別委員会を散会します。
      午後4時48分散会