平成18年03月03日中野区議会予算特別委員会
平成18年03月03日予算特別委員会(第6日)
1.平成18年(2006年)3月3日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(41名)
1番 いでい 良 輔 2番 伊 東 しんじ
3番 佐 野 れいじ 4番 北 原 奉 昭
5番 久 保 り か 6番 酒 井 たくや
7番 奥 田 けんじ 8番 近 藤 さえ子
9番 小 堤 勇 10番 大 内 しんご
12番 きたごう 秀 文 13番 吉 原 宏
14番 高 橋 ちあき 15番 やながわ 妙 子
16番 平 島 好 人 17番 むとう 有 子
18番 はっとり 幸 子 19番 長 沢 和 彦
20番 か せ 次 郎 21番 山 崎 芳 夫
22番 小 串 まさのり 23番 若 林 ふくぞう
24番 市 川 みのる 25番 岡 本 いさお
26番 こしみず 敏 明 27番 飯 島 きんいち
28番 佐 伯 利 昭 29番 佐 藤 ひろこ
30番 来 住 和 行 31番 岩 永 しほ子
32番 篠 国 昭 33番 柿 沼 秀 光
34番 伊 藤 岩 男 35番 斉 藤 金 造
36番 大 泉 正 勝 37番 斉 藤 高 輝
38番 江 口 済三郎 39番 藤 本 やすたみ
40番 昆 まさ子 41番 江 田 とおる
42番 池 田 一 雄
1.欠席委員(1名)
11番 伊 藤 正 信
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
助役 内田 司郎
収入役 山岸 隆一
教育長 沼口 昌弘
区長室長 寺部 守芳
経営改革担当課長 鈴木 由美子
政策計画担当課長 川崎 亨
政策担当課長 政策計画担当課長兼務
計画担当課長 奈良 浩二
総務部長 石神 正義
総務担当参事 橋本 美文
広聴広報担当課長 鈴木 郁也
平和人権担当課長 広聴広報担当課長兼務
平和担当課長 広聴広報担当課長兼務
人権担当課長 広聴広報担当課長兼務
財務担当課長 篠原 文彦
営繕担当課長 秋元 順一
人事担当課長 長田 久雄
情報化推進担当課長白土 純
防災担当課長 斎木 正雄
危機管理担当課長 防災担当課長兼務
税務担当課長 遠藤 由紀夫
未収金対策担当参事総務部長兼務
区民生活部長 本橋 一夫
区民生活部経営担当課長 登 弘毅
地域活動担当課長 区民生活部経営担当課長兼務
南中野地域センター所長 角 秀行
弥生地域センター所長 南中野地域センター所長兼務
東部地域センター所長 柿内 良之
鍋横地域センター所長 南中野地域センター所長兼務
桃園地域センター所長 東部地域センター所長兼務
昭和地域センター所長 蛭間 浩之
東中野地域センター所長 昭和地域センター所長兼務
上高田地域センター所長 昭和地域センター所長兼務
新井地域センター所長 東部地域センター所長兼務
江古田地域センター所長 安部 秀康
沼袋地域センター所長 江古田地域センター所長兼務
野方地域センター所長 江古田地域センター所長兼務
大和地域センター所長 大橋 雄治
鷺宮地域センター所長 大和地域センター所長兼務
上鷺宮地域センター所長 大和地域センター所長兼務
戸籍住民担当課長 榎本 良男
産業振興担当課長 鳥井 文哉
環境と暮らし担当課長 納谷 光和
ごみ減量・清掃事業担当参事 西條 十喜和
ごみ減量担当参事 ごみ減量・清掃事業担当参事兼務
清掃事務所長 遠山 幸雄
子ども家庭部長 田辺 裕子
子ども家庭部経営担当課長 合川 昭
子育て支援担当課長馬神 祥子
子ども健康担当課長大久保 仁恵
中部保健福祉センター所長 瀬田 敏幸
北部保健福祉センター所長 中部保健福祉センター所長兼務
南部保健福祉センター所長 深山 紀子
鷺宮保健福祉センター所長 嶋﨑 江美
保育サービス担当課長 竹内 沖司
子ども育成担当課長小平 基晴
男女平等担当課長 子ども家庭部経営担当課長兼務
保健福祉部長 菅野 泰一
保健所長 清水 裕幸
保健福祉部経営担当課長 寺嶋 誠一郎
保健予防担当参事 深澤 啓治
結核予防担当参事 保健予防担当参事兼務
生活衛生担当課長 飯塚 太郎
健康づくり担当課長今 恵里
保健福祉担当課長 保健福祉部経営担当課長兼務
高齢福祉担当課長 冨永 清
障害福祉担当課長 田中 政之
生活援護担当課長 浅野 昭
保険医療担当参事 奥山 功
介護保険担当課長 藤井 康弘
都市整備部長 石井 正行
都市整備部経営担当参事 服部 敏信
都市計画担当参事 都市整備部経営担当参事兼務
土木担当課長 尾﨑 孝
公園・道路担当課長野村 建樹
建築担当参事 佐藤 幸一
建築行政担当参事 建築担当参事兼務
住宅担当参事 岩井 克英
地域まちづくり担当参事 住宅担当参事兼務
地域まちづくり推進担当参事 住宅担当参事兼務
拠点まちづくり推進室長 石橋 隆
拠点まちづくり担当参事 拠点まちづくり推進室長兼務
中野駅南口周辺整備担当課長 上村 晃一
西武新宿線沿線まちづくり担当課長 中野駅南口周辺整備担当課長
副収入役 村田 宏
教育委員会事務局次長 金野 晃
教育経営担当参事 村木 誠
学校教育担当課長 相澤 明郎
指導室長 小林 福太郎
生涯学習担当参事 大沼 弘
生涯学習推進担当参事 生涯学習担当参事兼務
中央図書館長 細木 博雄
選挙管理委員会事務局長 柳澤 一平
監査事務局長 石﨑 新一
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 山下 清超
事務局次長 高橋 信一
議事調査担当係長 大谷 良二
書 記 黒田 佳代子
書 記 永田 純一
書 記 荒井 勉
書 記 岩浅 英樹
書 記 菅野 多身子
書 記 廣地 毅
書 記 西田 健
書 記 鳥居 誠
書 記 杉本 兼太郎
書 記 松本 桂治
書 記 吉田 哲郎
午前10時00分開議
○斉藤(金)委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
第4号議案から第8号議案までの計5件を一括して議題に供します。
初めに、昨日の委員会終了後に開かれた理事会の報告をいたします。
まず本日の委員会運営についてであります。本日の委員会は、さきに御確認いただいておりました質疑者の割り振りを変更し、1番目に斉藤高輝委員、2番目に藤本やすたみ委員、3番目に近藤さえ子委員、4番目にいでい良輔委員、5番目に篠 国昭委員の順序で5名の質疑を行うことを確認いたしました。
また、委員会の開会及び再開、休憩、終了目途等については、既に確認いただいておりますとおりとすることを確認いたしました。
以上が理事会の報告ですが、何か御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤(金)委員長 それでは、ただいまの報告どおり委員会を運営していくことに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤(金)委員長 御異議ありませんので、そのように運営させていただきます。
それでは、昨日に引き続き総括質疑を続行いたします。
斉藤高輝委員、お願いいたします。
○斉藤(高)委員 おはようございます。持ち時間が24分間でございますので、早速、質問に入ります。
それでは、警察病院の医療体制整備について3点伺います。
まず第1点は、警察病院の開設に向けて、医師会と警察病院の意見交換の場は現在あるのでしょうか。そして、あるとしたら、その開催状況と内容について伺いたいと思います。
もう1点、続けて申しますけれども、今まで東京警察病院移転に関しては、医師会とともに地域医療連携を進めるための調整連絡会を設けて協議を重ねてきたと思います。中でも、国は3次緊急で担う救命救急センターがなく、とりわけ小児救急医療については、区民の要望も強いということで、3次救急医療機能の設置を要望してきましたけれども、現在はどうなっているのでしょうか、その後の経過について教えていただきたいと思います。
2点まとめて答弁をお願いします。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 まず話し合いの場、意見交換の場につきましては、中野区医師会、歯科医師会、薬剤師会と警察病院と中野区が、警察病院開院に向けての実務的な協議を行っております。平成15年以来、おおむね年2回ということでございます。内容につきましては、地域医療連携のあり方ですとか、災害時の対応の役割分担、あるいは医師会、歯科医師会、薬剤師会の要望事項などについて協議を重ねているということでございます。
それから後段の3次救急につきましては、中野区が属しております西部保健医療圏及び都全体において充足しているという認識もありまして、少なくとも開設当初から3次というのは難しいという意向であると聞いてはございますが、今後とも引き続き積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
○斉藤(高)委員 では、その件につきましては、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
もう1点は、陽電子放射断層撮影、いわゆるPET検査について伺います。これは、時間の関係上、全文は除きますけれども、がんの早期発見で期待される5ミリ程度のがんも発見でき、一度に全身の検査が可能なPET検査であります。このPETは今全国に広がっていて、検査料が高価なため、あきらめた人も少なくなかったようですけれども、今や過当競争で10万円以下で検査ができるような状況であります。最新のがん検査では、健康とされる集団を対象にしても、1%の確率、つまり100人に一人の割合で今はがんが発見できるようになったわけでございます。予防的な健診を押し進めるならば、将来のがんの発症数をかなりの割合で抑えることができると思っております。
国立がんセンターのがん予防検診研究センター長であります森山先生が、あるフォーラムの中で、このような発言をした内容を紹介させていただきたいと思います。「PETとCTを組み合わせて非常に精彩な診断が行われるようになってきております。がん予防検診センターで1年間で3,792人の検診をしたところ、がんの方が191人いました。9割以上の方が早期のがんですが、40歳以上の方の5.04%、つまり20人に一人の方ががんであります。決して驚かすわけではありませんけれども、検診はぜひ受けていただいた方がいいと思う」ということで、この先生が述べておりますけれども、そこで伺いますけれども、がん検診などに有効である最新の医療機器、PETですけれども、ぜひこれを警察病院に導入していただきたいと思うんです。別に中野区が買うわけではないし、またこれを買う警察病院も、高価なものだと思いますけれども、やはり全国的ないろいろな病院を見ても赤字状況の中で、すばらしい機器を整えているところは、本当に経営がいいわけでございますので、ぜひそういう意味で、警察病院とのいろいろな懇談の中では、このPET導入を力強く訴えていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○寺嶋保健福祉部経営担当課長 PETの件でございますが、新しい警察病院の医療機器としてどのようなものを導入するかにつきましては、現在、検討中であると聞いてございます。導入の御要望につきましては、警察病院にしっかりと伝えていきたいと思っております。
○斉藤(高)委員 それでは、次の質問に入ります。
これは庁舎内のことですけれども、本庁舎の3階を例えて申しますけれども、エレベーターホールの照明を消した際に、エレベーターの呼び出しボタンを探すのに大変苦労しています。議会棟から11時過ぎたときに、エレベーターに向かったときに、議会棟は電気を消して、そのままエレベーターに向かうと、もうそこは全部真っ暗でございます。ですから、壁をさすりながらボタンを探すのは、何か宝くじではないんですけれども、いろいろと苦労してみんなやっているんです。そういう中で、別に3階だけではないと思いますけれども、ほかの階もそういう状況ではないかと思うんです。そういう意味で、これは何とか工夫できないでしょうかということです。私も建築基準法とか消防の法律を読んでも、確かに中野区のことは間違っていないんです。でも、ここは少し工夫していただいたらいいんではないかと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○秋元営繕担当課長 ただいまは、よいアドバイスをいただきまして、ありがとうございます。実は私も同様な経験を過去にいたしたことがございました。安心に使っていただける施設を目指しまして、人感センサー等で機能する照明を設置するなど、早急に対応してまいりたいと思っております。
○斉藤(高)委員 よろしくお願いいたします。
それでは、次の質問に入ります。
次は小・中学校の安全対策について伺います。
不審者の侵入を防ぐため、区内のすべての保育園、幼稚園、小・中学校に防犯カメラ及び正門に施錠システムと、もう1点は学校内の安全性を高めるための校内緊急通報システムを小・中学校に導入したいということでございます。いわゆる防犯カメラシステム、正門等施錠システム、校内緊急通報システム、私から言わせてもらうと3点セットになりますけれども、校内緊急通報システムの内容、小・中学校においては、18年度中に全校に設置するということで理解してよろしいんでしょうか。
○村木教育経営担当参事 学校内の緊急通報システムについてのお尋ねでございますが、今御紹介ありましたように、その前にまず学校内への不審者の侵入を防止するため、また抑止力を高めるために正門等に施錠システム、人感センサーの付いた防犯カメラを設置するということにしてございます。しかしながら、万が一、不審者に侵入された場合の対応といたしまして、お尋ねの緊急通報システムを導入いたします。これは、普通教室や昇降口などに固定の通信機を設置し、また校庭にいる教師等には、ペンダント型の通信機を携帯させまして、緊急時に通信機を作動させることにより、どこに緊急事態が発生したかを職員室等の受信機で確認できるシステムでございます。通報時には、職員室等の受信機が大きな音で職員室内に周知するとともに、その場所を特定して表示し、校長室や事務室にもアラームで緊急事態が発生したことを知らせるというシステムでございます。さらに、非常時には校内放送等で即時対応を図るとともに、既に小・中学校全校に設置しております非常通報装置、いわゆる学校110番を利用いたしまして警察へ通報するということになります。これらシステムの連携を通じまして、学校内での児童・生徒の生命・身体の安全に万全を期するためハード面からの充実を図るというものでして、18年度中には全校に設置をする予定でございます。
○斉藤(高)委員 ぜひこの点については、力を入れて頑張っていただきたいと思います。
次に、質問は変わりますけれども、子どもの安全対策として、まず第1点ですけれども、地域と学校と警察で行っておりますセーフティ教室の実施状況について伺いたいと思います。
私は、本年1月末に、本当に寒い日でありましたけれども、野方小学校のセーフティ教室に参加させていただきました。このセーフティ教室は、学校、保護者、警察関係と連携して、児童の非行、犯罪、被害防止の充実を図り、児童の安全確保に努めております。当日の内容でも、不審者対応の避難訓練終了後、意見交換等で終わるわけですけれども、これは非常にこれから考えなくてはならないと思いますけれども、今後セーフティ教室というのは、どのように区として取り組んでいくかという点についてまずお伺いいたします。
○小林指導室長 セーフティ教室につきましては、平成15年度から中野区内のすべての小・中学校で実施をしているところでございます。今後、関係機関や地域との連携を一層強化して充実を図ってまいります。
○斉藤(高)委員 続けて伺いますけれども、このところ校内の不審者の侵入だけではなくして、登下校時の事件で子どもたちが犠牲になっていることが多くなってきております。安全を守ることが急務と考えますが、区立小学校における全通学路の安全点検を行い、現在どのように取り組んでいるかという点についてお願いいたします。
○小林指導室長 昨年末に連続して小学生が殺害されるという大変痛ましい事件がございましたが、その直後、区内の全校で緊急に通学路の点検をしております。さらに、防犯だけではなくて、交通安全等の視点も含めて、長期的な見直し・点検も必要であるということから、現在、小学校におきましては、15校が点検・見直しを実施済みでありまして、残る14校が実施中、または実施予定となっております。
○斉藤(高)委員 それから続けて、また関連しますけれども、この安全点検の結果、危険箇所が認識することのできるよう、児童による通学安全マップの作成の状況など、どのように取り組んでいるのかという点、あわせて学校と警察との連携をとって、子どもたちに防犯教室というものも必要ではないかと思っておりますけれども、その考えについて、2点まとめて御答弁をお願いします。
○小林指導室長 まず児童みずからが作成する安全マップにつきましては、現在、作成済みの学校が8校、作成予定の学校が16校、現在、教員等が作成したものを活用しているため、作成が未定の学校が5校となっております。今後、作成については一層推進してまいりたいと思っております。
また、防犯教室につきましては、各学校とも月1回、安全指導と避難訓練を実施しております。そして必ず実施を予定しておりますセーフティ教室との関連で一層充実させてまいりたいと思っております。
○斉藤(高)委員 続きまして、区内の小学校、子どもの安全を守るための取り組みを拝見して驚いたことの一つに、ある小学校で集団登校が40年も続いているという学校もありました。また、毎朝、保護者に見守られながら学校に登校している方、そして一方、集団下校についてですが、ある保護者から私はこういうことを言われました。児童の下校のとき、子どもは時間がもうばらばらだというんですね。そういう意味では、この集団下校が有効であるという考えの人ですけれども、中野区の小学校における集団下校実施状況ということについては、どのようにお考えか、お聞きしたいと思います。
○小林指導室長 集団下校につきましては、小学校全校で実施をしております。そのうち全学年を対象に実施しているのは15校、またそのほかは低学年を中心に実施をしているという状況でございます。
○斉藤(高)委員 一度これも検討していただきたいと思います。
次に、今度はボランティアの充実について伺いますけれども、学校安全ボランティアの充実ということで伺います。
最初に、すべての小学校区において、地域社会全体で通学路の安全を含む学校安全体制を整備されるよう、学校安全ボランティアへの参加を広く呼びかけております。この事業は、防犯の専門家や警察官OBなど地域学校安全指導員、いわゆるスクールガードリーダーとして委嘱し、人的警備が必要な小学校ごとに巡回警備に当たる学校安全ボランティア、いわゆるスクールガードを育成して指導をしていく状況です。スクールガードの設置ですけれども、これは国が推進しておりますけれども、私から見て、中野区はなぜこの施策に手を挙げなかったのか、どういう状況だったんでしょうか。
○小林指導室長 本区におきましては、先ほどお答えしたように、既に全国に先駆けて、警察の協力のもと、セーフティ教室を実施しております。これは国が推進する学校安全ボランティア、いわゆるスクールガードを活用した安全体制の整備と同様の趣旨と認識をしております。そのため初年度に当たる平成17年度については設置を見送ってございますけれども、今後、必要に応じて導入を検討してまいりたいと思っております。
○斉藤(高)委員 それと関連しますけれども、東京都において、子どもの安全ボランティアリーダー養成講座というのがこの間ありました。東京都の安全・安心まちづくりの担当者の説明によりますと、現在、子どもの安全確保のために緊急対策を実施しているということで、この中に児童の安全を確保する体制整備を支援していくために、子ども安全ボランティア事業を展開することとして、このたび東京都と警視庁の共催で、小学校ごとに通学路等のパトロールや見守り活動を行うということで、子ども安全ボランティア結成支援を目的に、地域におけるボランティア活動の中軸となるリーダーを要請する講座が、先月ですけれども、2回ほどあったと思います。そうしますと、東京都の警視庁が推進している子ども安全ボランティアについては、これについては先ほど答弁いただきましたけれども、東京都と警視庁が一緒にやっております子ども安全ボランティアについては、区はどういう内容を聞いているか、また区としての考え方もお聞きしておきたいと思います。
○小林指導室長 お尋ねの子ども安全ボランティアにつきましては、先ほど申し上げました学校安全ボランティア、いわゆるスクールガードが校内の安全が主であるということに対しまして、この子ども安全ボランティアは、児童の登下校時の安全を守るということを主眼にしております。区としても、子ども安全ボランティア、地域、保護者と連携をして、この趣旨にのっとって連携を一層図り、子どもの安全を図ってまいりたいと思っております。
○斉藤(高)委員 それから最近、私は、高校生も安全対策に取り組んでいるという話を聞きまして、いろいろと調べてみましたら、都立高校生徒による小学校児童の安全対策の支援について伺いますけれども、簡単に伺いますと、この件について、都立高校の実施校に地域教育プラットホーム事業への参加校とか、小・中・高夢のかけ橋推進事業、連携推進校があると伺っておりますけれども、中野区内にある都立高校、参加校があった場合、取り組み内容とか、区ではどの辺まで承知しているか、それについても答弁をお願いいたします。
○小林指導室長 現在、区内にございます富士高校、中野工業高校におきまして、近隣の小学校と支援方法の打ち合わせ中であると聞いております。
○斉藤(高)委員 またわかり次第、いろいろと報告をお願いしたいと思います。
最後になると思いますけれども、地域安全・安心パトロールの運行についてお伺いをいたします。パトロールカー仕様の区有車を運行し、区内児童・生徒の安全を確保するとともに、ようやく地域防犯活動等の支援を行うことになりました。お隣の杉並区では、もう平成16年12月末だと思いましたけれども、青色回転灯を点灯させた防犯パトロール車による巡回がスタートしておりますけれども、ようやく中野区もこれを取り上げることになりましたが、その中で、パトロールカーの運行体制で、区南部と北部地域で各1台で、時間も午前9時から午後6時の予定ですけれども、このパトロールカー2台で区内全域の巡回パトロールは、私の考えでは厳しいのではないかと思うんです。そういう中で、中野区の地域的には3台は必要ではなかったのかと思いますけれども、予算的なこともあるんでしょうけれども、なぜ2台ということを決めたか、その辺の理由を説明していただたきいと思います。
○斎木防災担当課長 人通りの少ない暗がりとなっている犯罪の発生しやすいところ、不審者情報による巡回要請のあったところなどを重点的にパトロールしたいと考えてございます。そのために南北1台ずつに分けて、2台が毎日運行することによりまして、犯罪抑止力を高める期待が持てるだろうと考えております。
○斉藤(高)委員 スタートしていないから何とも言えませんけれども、運行した中でまた検討していただきたいと思いますけれども、もう1点は、一つ江東区を例に出しますけれども、江東区は地域住民の防犯活動ではカバーできないということで、夜間の独自の自主的なパトカーが運行しております。その中で私も感心したのは、パトロールカーについても、低公害庁有車を使用している点がございました。杉並区は普通の軽車両ですけれども、江東区に行くと、環境、省エネを配慮した低公害車を利用しているんですけれども、中野区もこの車を購入する際に当たって、そういうことを考えて購入したかどうか、いかがでしょうか。
○斎木防災担当課長 中野区は、地域の特性ということもあります。区内の狭い道路を走行するために軽自動車であること、それから水災害時に対応するために車高の高い車であることの選定条件の中で、排出ガス規制に合致した25%の低減車を導入したということでございます。
○斉藤(高)委員 もう1点は、これは私の所管する委員会でございましたけれども、担当課長から、区の庁有車に「みんなで守ろうまちの安全・安心」、これは磁石になっていて、車の両脇にステッカーが張ってありますけれども、まちの安全・安心パトロールを張ることによって、それを見た方に言わせると、あのような小さなステッカーで、何を書いているかわからないようなステッカー、本来ならもっとパトロールしているような感じで大きな文字の方がいいのではないかという意見が出てまいりましたけれども、それに対して、中野区も1年たつわけですから、何か今年度に対して、あのステッカーを検討して、区民が見ても、これはすばらしい、新しいステッカーができ上がったかどうか、お伺いしたいと思いますけれども。
○登区民生活部経営担当課長 庁用車につける安全・安心のステッカーでございますけれども、縦30センチ、横50センチというものでございます。大きさとしましては、ほかの自治体と同じような大きさでございます。ただ、字については、確かに遠くから見ると見えないということもあろうかと思います。今後つくる際には、少しその辺を工夫してまいりたいと思っております。
○斉藤(高)委員 これは、今区内にも民間でいろいろとパトロール隊をつくっています。そういう中で、100以上の団体が今、夜、いろいろとパトロールをやっておりますけれども、その方に言わせると、民間の区民の方が、会社から帰ってきて取り組んでいるのに、区の体制は、もう少し防犯体制について力を入れていただきたいという声がありましたので、ぜひこれに対しては、全力で区民が納得するような防犯体制をつくっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
時間でございますので、これで終了させていただきます。ありがとうございました。
○斉藤(金)委員長 以上で斉藤高輝委員の質疑は終了いたしました。
次に、藤本やすたみ委員、お願いします。
○藤本委員 民主クラブの一員として質問させていただきます。ちょっとかぜぎみで頭が余り回転していませんので、質問の趣旨を十分に酌み取っていただいて、答弁の方は、簡潔に、明瞭に、そしてわかりやすい答弁をお願いしたいと思います。
早速ですけれども、質問に入らせていただきます。
まず第1は、安心して暮らせるまちづくりのための狭隘道路拡幅整備事業についてお尋ねをしたいと思います。
狭隘道路の拡幅整備事業は、御存じのとおり56年ごろから要綱で定めて、その後、条例に定めて、区が全力を挙げて取り組んできた施策であります。その趣旨は、安全で快適な住みよい住環境のまちづくりを実現するため、建築主等の協力を得ながら、幅員4メートル未満の建築基準法上の道路を4メートルに拡幅整備するという趣旨で取り組んできたわけであります。これ以前においては、建築を建てられても、その後、また塀をもとに戻すという形で、なかなか道路が広がっていかなかった。そういう中で、要項をつくり、条例を定めて、区としては全力で取り組んでこられたわけで、多くの区民の協力を得て、あるいは行政の努力もあって、道路が建て替え時には広がっていくという形で、その点では行政の努力を高く評価したいと思います。
しかし、残念ながら、全部が全部、そういう形で協力をしていただいているというわけではありません。
資料をもらったんですけれども、特に交通の便に支障を来すような箇所は、区としても10カ所ぐらいある、あるいはそれ以上あるかもしれませんけれども、区として把握をしているのが10カ所ぐらいあるという資料をいただいております。それについてお答えをいただきたいと思います。10カ所近くあるということについて。
○野村公園・道路担当課長 現在、条例によって、生活道路、いわゆる狭隘道路の拡幅整備を進めておりますが、整備率といたしましては、かなり高いところまで来ている、9割から9割5分ぐらいのところまで整備いたしております。毎年、御協力いただけていないというのが、件数としては15件程度あるということでございますが、ただ、これらのすべてが、私どもとして、もちろん整備を進めていきたいということでは取り組んでおりますけれども、道の中ほどにあって、そこだけセットバックしていただいて、こういうような問題が生じていないというものが大半でございますが、今、委員が御指摘いただいたように、いわゆるボトルネックのような状態になっているものが10件程度あるかと承知しております。
○藤本委員 その中で、マンション等の大きな建物に付随して、そういう箇所というのは何カ所ありますでしょうか、10カ所のうち。
○野村公園・道路担当課長 いわゆるマンションというものは1件と思っておりますが、小規模のアパート、これが条例制定当時のものでもう一、二件あるかと思っております。
○藤本委員 きょう取り上げているのは、幾つかあるんですけれども、その中でも、もう10年ほどたつんですけれども、マンションの建設をめぐって、この道路の拡幅ということがありまして、これは区のあっせんによって、建築主と地域住民とが協定を結んで、その中で、これは本来、入れる必要もない内容なんですけれども、工事協定の中に、後退部分はコンクリート打ちとして施工とし、L字型は現状のままとし、なお後退部分に工作物は設置しないという協定を結んでいたわけです。本来的には、こんな協定も結ぶ必要もない、もうセットバックしなければいけないところなんですけれども、区があっせんに入って、そういう形で協定を結んだ。にもかかわらず、その後、ポールが立てられてチェーンが張られていったんです。イメージというか、大体20メートル近く、公道から公道、そしてそれを結ぶ間の公道なんです、東西に公道が走って、その間です。ですから、1.8ぐらいの公道なんですけれども、マンションが建つということで、それがセットバックして、大体この距離以上の距離はありますかね、ここから区長さんの席ぐらいの距離はある、このぐらいのところが本当はセットバックして、もっと広がって車も入るという状況だったにもかかわらず、これが広がらないで、ポールが立てられ、チェーンが張られ、それが今に至っているということで、行政としてはどのような努力をされてきたんですか。
○野村公園・道路担当課長 委員、今御指摘の事例にとどまらず、御協力をいただけていないところについては、粘り強く訪問をし、御協力の要請をするということで対応しております。
○藤本委員 とどまらずというか、これは平成8年、だからもう10年たつんですけれども、当時は工事協定まで結ばれて、区があっせんに入って、区もちゃんと間に入っているわけです。ただ、建築主にある意味、心配があったので、わざわざ工事協定の中に、そこには工作物は置かないという協定を結んだ。にもかかわらず、それが立てられてしまった。そのときのいきさつを説明しますと、最近、拡幅したところを、水色のビニールで最初に目隠しをして、それでビニールの下に穴が出てきたということで、地域の人は心配されたわけです。担当の課長のところに連絡をした。そのときの課長の対応は、何かデザインかもしれない、こういう答弁なんです。地域の人は、いや、ポールが立てられるのではないか、そういう心配をしたわけです。何か変化があったら教えてくださいと。結局、行政としては適切な対応をしていないんです。何かデザインが、考えられないようなことで、実際にはポールが立てられてしまった。チェーンが巻かれてしまって、それに対して、幾ら住民の人が何とかしてくださいと言っても、結局そのままの状態ということが今日まで続いているんです。当時の担当の課長もそうですし、私は課長がかわるたびに、この問題を、大体四、五人はいらっしゃいますね、かわるたびに言っているんです。解決すべきではないかということに関して、結果として区は何らこれに対して手をつけることができないという状態が続いてきて、今もそういう状態。区としては、どうされるつもりなんですか。そのまま依然として放置をしていくつもりなんですか。せっかく多くの9割とか9割5分の住民の方々が協力をしてくれている、しかし一部のそういう心のないというか、そういう人たちが協力をしない、以前に要綱が定まったときには、ちょっと悪質というか、セットバックもしないというような、かなり区は強力な指導で2カ所ぐらい排除した例が私の記憶に残っているんですけれども、その後、区は余りそういったこともしないという形で、これが残っている。今後どうされようとしていますか。
○野村公園・道路担当課長 私どもとしましても、決して放置をしているということではございませんで、鋭意努力をしているところでございます。今、委員の御指摘があったような事例、例えば過去の事例で申し上げますと、建て売り業者がセットバックに非協力的であるという事例に対して、条例上、氏名の公表というペナルティがございますので、そういったことを背景にしまして計画をし、改善をしたという事例もございます。御指摘の具体的な事例で申し上げますと、私どもも歴代、説得に努めているところでございますが、なかなか強権を発動するといいますか、そういったところに至らないグレーのゾーンのあるのも確かでございます。ただ、今日の時代的な背景も変わってきておりますし、区民の皆様の中にセットバックというのがごく当然のことと受け入れられているという状況もございます。そういったことも踏まえまして、今後さらに強力に協力要請をしていきたいと思っております。
○藤本委員 課長、ちょうどぶつかってしまったので、気の毒だと思うんですけれども、課長は何回か通われて、熱意を持って説得はされているようなんですけれども、結局、課長たちは、2年、3年過ぎれば、もう忘れてしまうんです、正直なところ。それで解決をしないまま残ってきたということが実際なんです。努力したといっても、結果として残っているわけです。
そうすると、では、車は通れない、消防自動車も通れない、救急車も通れない、何か火災とか緊急時があったときに、行政はその責任を問われませんか。行政の責任は非常に大きいと思います。国でも安心ということでいろいろと議論されています。東横インのホテルの社長さんが、ああいう形でどんどんと改造して、やはりそれはいかんという形でかなり行政指導が入ったではないですか、改善をしているではないですか。これなんかは、まさに区民の安全・安心ということから考えれば、早急に解決しなければいけない問題です。それに対して、今みたいな答弁をしている限り解決しません。それで何かあったとき、行政はその責任を負えますか。行政が問われると思います。火災が起きた、消防自動車が入れない、あるいは急病人が出た、そこで救急車が入れないということで、命を落とす、あるいは財産がなくなるといったときに、行政は何らの責任も問われませんか。
○野村公園・道路担当課長 建築基準法上の明確な違反物件であれば、私どももそれなりの対応をしておりますので、そういった面では、不作為責任のようなことは生じないのかと思っておりますが、重ねて申し上げますが、なかなかそう端的に言えないグレーなゾーンがあるというのも確かで苦慮しているところでございます。これについては、先ほどの答弁を繰り返させていただきますが、法令遵守、このことを建築主の方に強く説得してまいりたいと思っております。
○藤本委員 余りこの問題に時間をかけたくないんです。だから、行政の責任は問われませんかということに対して、はっきりした御答弁をいただきたいんです。火災が起きる、消防自動車が入れない、急病人が出る、救急車が入れない、そういったときに、行政がきちんと指導していなかったということはあるわけです。行政の責任は何ら問われませんか、問われるんではないですか。きちんと道路はもともと4メートルというのが基本なんです。そこにそういうものをつくってはいけないんです。そういうきちんとした考えを持って指導しない限り、そんなグレーゾーンとかなんとか言っている限り問題は解決しないんです。そこをどういうふうに考えて、強制力を持って排除しても、本当に区民の安全・安心、命を守る、財産を守るという立場からすれば、私は問題ないと思いますし、行政がそうすることによって、何か訴えられて、訴えられたら受ければいいではないですか、それぐらいの毅然とした姿勢を持たない限り解決しません。どうですか、課長で答えにくければ、部長でも、場合によっては区長でも結構です。この問題をこのまま放置しておくつもりですか。これだったら、本当に協力をしてきた区民、正直に区政のために、あるいは安心したまちづくりのために協力をしてきた区民は、何だということになると思います。そういう本当に一部のごくひと握りの人が協力をしないで、ここは本当に1.8メートル、これがこのぐらい広がるんです、チェーンがなくなれば。本来はそうなるべきなのになっていないということに対して、グレーゾーンがあるとか、そんなふにゃふにゃした答弁をしないで、きちんとした考え方、だから課長のところで答えられないんだったら、もっと責任ある人が答えてください。
○田中区長 例えば、消防車が通れないという場合には、消防車というのは、火事のときには、多少のそういった私有物件であっても、取り除いたりして活動するという法律的な権限を持っておりますから、必ずしも、委員がおっしゃったように、その場所でそういうことが起きるとは、私は思いませんけれども、行政は法律によって動かなければなりませんので、今おっしゃったようなことで、例えば区道の管理者が法的な責任が問われるということは、私はないと思います。ないと思いますけれども、それでいいとは思っておりません。今のような状況がそのまま続いていくということでいいとは思っておりません。私もいろいろなところで、委員が御指摘になっている場所のことは、そのお話でお聞きしましたし、また別のところでも、さまざまな同じような事例のお話を聞いております。みんなが自分の私有財産を公共のために使えなくしている状況を我慢し合っているという制度ですから、これは自分勝手にその決まりを守らないという方がいるということは、私は非常によくないことだと思っております。そういう意味では、きちんとした指導、そういった対応をもちろんしていかなければいけませんけれども、そのことにとどまらない、何か別の法律的な効力のある仕組み、そういったものをつくっていくということも含めて検討をしていかなければいけない、そういった事案だろうと思っております。このことについても、もっと強い態度で対応できるようにしていきたいと思います。
○藤本委員 区長と私はちょっと考えが違いますけれども、私は問われると思います。区道です、公道です。公道で、しかも区はあっせんに入って工事協定をして、区はそこできちんと関係の中に入って工事協定まで結んでいるんです。それを区の担当の方が、ポールが立てられる、チェーンが巻かれるから、それは避けてくださいということをしているにもかかわらず、きちんとした対応をしていない。それで実際にはつくられてしまっているということにおいては、行政はそこで不手際があるわけです。そういう形だったら、もう皆さん、だれも協力しません、拡幅しても、何も問われない。では、もう全部、皆さん、自分の私有地だからということだったら、そういう形になれば、区長の考えはちょっと違うと思います。法律、法律といっても、公共の福祉のためにという立場から考えて、人命を考えて、そういったことから考えれば、もっと違った考え方を持って取り組まないといけないのではないですか。区がそういう考え方なら、私は別の形で解決をしようと思っていますから、それでも、なおそういう考え方で具体的に動こうとしないんですか。具体的に解決をしようという気持ちはお持ちにならないんですか。
○田中区長 法律的に違法な不作為となるかどうかということについて、この場で議論をするということは、私は余り意味がないと思います。我々は、法律的に問われるということではないと思っておりますけれども、そうでないという立場の方もいらっしゃると思います。問題は、区として、このことについて、どういうふうに対応するかということだと思います。実効性の上がるような対応をこれから考えていきたいと私は答弁をしているので、そこのところを御理解いただきたいと思います。
○藤本委員 私は、この問題は5分ぐらいで終わろうと思っていたんですけれども、ちょっと延びてしまって、もう少し毅然とした区の姿勢を伺いたかったんですけれども、残念ながら余りそういう形での答弁はなかったように思います。
質問を移ります。第2番目の第六中学校の施設の活用についてということで、この問題につきましては、既に本会議、あるいは予特の総括質疑で大内委員、山崎委員も質問しております。関連して、都立中野工業高校との関連で一つの提案という形で質問をしておりますけれども、私は、いろいろな統廃合で、各小・中学校のその後の活用ということで、六中だけが当初は売却という形が素案で出て、これが最終的な計画の中では消えたということは、非常によかったと思っているんですけれども、跡地の利用について、私は非常に大切だと思っているんです。これだけの広大な土地、5,000平米ぐらいあります。この土地をいかに区民のために有効に活用していくかということです。なかなかこれだけの土地を購入しようと思っても、まとまった土地を購入することは難しいわけです。とすると、あの10か年計画の中でも、福祉施設とか、さまざまな区施設が計画の中にありますけれども、それは必ずしも土地があって計画を立てているわけでは、こういうものを建てたいという形であって、土地があるわけではないし、あるいは近くに野方図書館がありますけれども、この建て替え時期ももう大分近づいています。あるいは、スポーツ広場についても、中野区は不足をしているのは御存じのとおりですし、公園についても、質問がありましたけれども、まだまだ中野の公園というのは少ない。そういうあらゆる観点から考えて、この跡地はまず区民のために必要な公共施設として利用するということを最優先で考えるべきではないか、そのように思っているんですけれども、いかがですか。
○奈良計画担当課長 第六中学校の施設の活用についてのお尋ねでございます。
10か年計画では、第六中学校施設など、用途がなくなって未利用となる施設につきまして、売却、または必要となる施設への転用を行う施設と位置付けを行ってございます。こうした未利用となる施設、用地につきまして、基本的な考え方としましては、そのときどきの区民のニーズに応じまして、区として何らかの形で活用していくことが望ましいと考えてございます。また、区として直接活用ができない場合、こうしたときには、民間に貸すといったような形で、区民に役立つ施設、こういった目的で民間活力の活用を図っていくということも検討していきたいと考えてございます。
○藤本委員 いわゆる未利用の土地とは違うんです。買って、それが10年間もほったらかしで何も使えなかったという野方一丁目のああいう土地とは違うんです。学校として活用されてきた、公共施設として活用されてきた、その中に含めることがどうかとは思うんですけれども、とにかく区民のために、いろいろなあらゆる角度から考えて、この土地を有効にしていくということを私は最優先に考えるべきだということで、大体答弁はその趣旨に沿ったような答弁だと私自身は受けとめて、先の質問に入りたいと思います。結構です。
3番目に、幼児総合施設についてお尋ねをしたいと思います。
区立幼稚園の廃園に伴う幼児総合施設の問題については、さまざま、議会、あるいは文教委員会等を中心に議論が行われてまいりました。みずのとう、あるいはやよい幼稚園を廃園ということで、区立幼稚園の再配置について、17年11月30日の文教委員会の資料によりますと、かみさぎ幼稚園、ひがしなかの幼稚園は、近隣に私立幼稚園が少ないため、新たな私立幼稚園の参入を見込むことは難しいことから、この2園は区立幼稚園として存続させるということなんですけれども、それに付随した資料で、文教委員会の資料で、そうなのかと思うんですけれども、例えばひがしなかの幼稚園、1キロ以内に3園、私立幼稚園、みずのとう幼稚園、3園、かみさぎ幼稚園、ゼロ園、ですからかみさぎ幼稚園のゼロ園というのは、ない。ひがしなかの幼稚園とみずのとう幼稚園は大体同じぐらいなんです。だから、どうしてなのかと思うんですが、1.5キロメートル以内でも、ひがしなかの幼稚園が若干多いということぐらいで、そんなに差がないんですけれども、どうして、差がないのに、このような記述になって廃園という考え方をとられたんでしょうか。
○金野教育委員会事務局次長 ひがしなかのとみずのとう幼稚園の状況の違いですが、周辺の民間の幼稚園の配置状況ということでは、ひがしなかのの方が若干数がありますが、そう大きな違いはございません。ただ、周辺の定員の充足率などを見ますと、ひがしなかのに比べるとみずのとうの方はかなり周りの幼稚園について受け入れの余地が大きいということ、それからまた全体的な地域の周辺の状況なども勘案して、ひがしなかのの方が存続の必要が高いだろうと判断したものでございます。
○藤本委員 私の記憶では、当初、区、あるいは教育委員会の検討の中では、ひがしなかの幼稚園が廃園になるということを耳にしていたんですけれども、その辺についてのご説明をいただきたいと思います。
○金野教育委員会事務局次長 平成14年にまとめました教育委員会事務局内部の検討会の報告では、区立幼稚園のあり方、事務局のPTとしての考え方として、ひがしなかのを廃園にして残る3園を残していこうという考え方が示されました。その後、それを受けて教育委員会としてさまざまな検討をしてきたわけですが、その間にまとめたものにつきましては、配置の考え方というものを、教育委員会として明示するような形のことは、この10か年まではしてまいりませんでした。10か年計画案の策定に伴って行った検討の中では、今、委員がお示しのとおり、二つの園について残していくという10か年計画の考え方に沿ったまとめを示しているものでございます。
○藤本委員 教育委員会の事務局内部にしろ、そういう考え方というのがあったわけです、ひがしなかの幼稚園を廃園にしよう。そのとき、廃園にしようという理由は当然あったわけですね。その理由はどのような理由だったんですか。
○金野教育委員会事務局次長 事務局内部の検討の段階では、区立幼稚園については、今後モデル的な幼児教育の実践をしていくなどのいろいろな理由を挙げて、引き続き必要であるという考え方が示されました。区立幼稚園、4園相互の位置関係などを勘案して、ひがしなかのは廃止してもいいだろうというPTの考え方でしたが、その後、さまざまな教育委員の論議の中では、例えばモデル的な事業を実践するにしても、公立だけがやるのではなくて、私立、公立を問わず区全体で取り組む必要があるという考え方を示しました。また、幼稚園の配置の考え方についても、区立園と区立園の配置関係というよりは、民間、公立を含めた幼稚園全体の配置を見た上で考えようということで、少し視点を広めて検討した結果、結論についても違ったと考えております。
○藤本委員 今の理由というのが、廃止してもいいだろうと、何かあいまいな、当然、廃止なら廃止でそういう考え方を出したわけですから、理由が明確になければいけないわけです。それは事務局案であろうと、その理由というのが今の答弁でははっきりしないんですけれども、これこれこういう理由でこの園を廃止にしようという理由をもう少し明確に述べてもらわないと、これが新しく出てくる理由と全く違う理由になってくると、そこのところはどうなのかということになると思うので、そこの理由というのをもう一度、明確に、これこれこういう理由で、配置が何とかという漠然としたことではなくて、もう少し明確にお答えいただきたい。
○金野教育委員会事務局次長 まず幼稚園をめぐる議論の大きな背景といたしましては、幼児人口が大幅に減少して、幼稚園児数も減っている中で、区内の幼稚園としては、私立、公立を含めて、幼児数に比較して相当大きな容量の幼稚園があると状況が続いているところでございます。そして私立幼稚園が減少していく中で、公立4園につきましては、このまま残していくのかどうか、改めて役割を検討する必要があるという観点で検討してまいりました。そうした中で、区立幼稚園を4園とも維持していくという必要は、今の状況を踏まえればないということから、幼稚園数については見直しをするという考え方を出しまして、その上で、どの幼稚園を廃止していくべきかという議論をしてきたものでございます。
○藤本委員 その前段の部分はいいんです。ここで、4園のうちひがしなかの幼稚園を廃園にしよう、その理由があるわけではないですか。それをお聞きしているので、前段の部分は前段の部分で理解します。しかし、4園あるうちひがしなかの幼稚園を廃園にしようという理由があって、この幼稚園ということにしたわけでしょう、その理由をお聞きしているわけです。前段については結構ですから。
○金野教育委員会事務局次長 先ほど申し上げましたように、区立幼稚園相互の位置関係からいって、ブランクエリアという考え方も事務局のPTの中では示されておりますが、3園を配置することによって、区立幼稚園の配置としては形が適当であるという議論がされたわけでございます。ただし、これはあくまでも事務局内のプロジェクトチームでございますので、教育委員全体の議論の中では、それに沿った考え方を必ずしもとってきたわけではございません。
○藤本委員 そうすると、事務局のところでは、そういう考え方だったけれども、教育委員会の中での議論の中で、それは変わっていった、その理由が、ということなんでしょうか。
○金野教育委員会事務局次長 検討の中で考え方を広げ、また視点も拡大してまいりましたので、考え方は変わってまいりました。
○藤本委員 そのときどきに、いろいろと行政案をつくったときには、それなりの理由をつけられるわけです。それはもうもっともらしいと言ったらおかしいけれども、理由をつけられる。それでまた新しい案ができたら、それらに対する理由を考えられるということのような感じもするんです。当初、それがなぜという部分は見えてこない。
そういう中で、いずれにしても、みずのとうとやよいという形に変更した。それが幼児総合施設ということで国で提案をされて審議をされるそうですけれども、そういうものを含めて区としても考え方を変えてきたということがあるのかと思いますけれども、幼児総合施設については、文教委員会にはかなり具体的に説明をされているのかもしれませんけれども、いまだに私はイメージとか具体的な施設内容というのが自分自身で把握することができないんですけれども、それをわかりやすく御説明していただけますか。
○合川子ども家庭部経営担当課長 幼児総合施設につきましては、就学前の子どもに適切な幼児教育・保育の機会を提供いたしまして、地域の乳幼児親子への支援機能を果たす施設として考えられたものでございます。これにつきましては、国の考え方がある一定程度示されてございます。国の考え方といたしましては、四つの類型が考えられるということでございます。
一つの類型としては、幼保連携型ということで、これは幼稚園と保育園が連携をして一体的な運営を行うということで、総合施設としての機能を果たすタイプといわれてございます。
また、幼稚園型ということで、これは幼稚園が機能を拡充されるということで、総合施設としての機能を果たしていくというタイプでございます。
また、保育所型ということで、保育所が機能を拡充させるということで、総合施設としての機能を果たすタイプといわれてございます。
また、最後に地方裁量型ということでございますが、これは幼稚園、保育所のいずれの認可もないけれども、地域の教育・保育施設が総合施設としての機能を果たすタイプ、こういった四つの類型を示されてございます。
先ほど御答弁申し上げましたように、こういった四つの類型の中で、これから各自治体がいろいろな自治体の状況に合わせて類型を選択し、総合施設への転換を図っていくとなるかと思ってございます。
○藤本委員 ですから、四つの類型のうち、中野区はどういう類型を選択しようとしているのかということをお聞きしたいんですけれども。
○合川子ども家庭部経営担当課長 こういった類型をもとに、私どもは、これからそういった幼児総合施設の基本的な考え方、その基本的な考え方に至る幼児教育全体の基本的な考え方も含めまして、できるだけ早い段階でお示しをしたいと考えてございます。
○藤本委員 四つの類型のうちのどれを選択するかもわからない。そうすると、私たち議会も、イメージすらわいてこないんです。一つひとつについてはわくけれども、中野区はどういう選択をするかというものもわからない。具体的な施設内容もわからないという形が今、そういう形ですね。そうすると、保護者の方とか関係者の人はなおさらわからないと思うんですけれども、区はそういうものをきちんと示して、それから進んでいくということがないと、いまだに示し得ていないところで議論をしても、いろいろと議論を聞いていてもかみ合わないのは、そこで、まだ区は選択をしていない、例えば足立とか品川とか、一つのモデルがあります、先行的に実施をしている。例えば足立は文科省のそういう流れの中でつくっている。そこで発信をしていく基地として一つつくって、私立、公立を問わず、そこにいろいろな幼児教育のそういったことを発信していく施設としてそれをつくっているし、品川の場合は、どっちかというと、厚生労働省、保育園ということで、そこの所管。中野区は一体どちらの流れというか、どういうものをつくろうとしているかも、いまだにまだ決めていないんですね、いまだに検討されているわけですね、それも示し得ていないわけですね。
○合川子ども家庭部経営担当課長 それらにつきましては、今検討をしているというところでございます。
○藤本委員 とすると、もう少しそこの議論を深めていかなければいけない。そういうものが示されて議会も考える、あるいは区民も考える、公立、私立を問わず、幼稚園の関係者も考えるという時間的なゆとりが必要、今何も決まっていない段階でいろいろと議論をしても、最初に何となく廃園ありきでぽんと出されてということでは、なかなか理解が深まらないわけです。だから、そこのところを区としてはじっくり時間をかけて理解を深める努力が必要なのではないかと思うんですけれども、その辺はどうでしょうか。
○合川子ども家庭部経営担当課長 さまざまな御意見等がこれに関してはございます。我々も、これまでの経緯、保護者の皆さん方の不安、あるいは区民の方々のそういったお考えもありますので、そういった不安をできるだけ早く解消したいと考えてございます。そういった意味でも、できるだけ早く区としての考え方をまとめ、それをお示しして、区民の皆様方との意見交換会、あるいは十分な懇談の場等も踏まえながら最終的に決定をしたいと考えてございます。
○藤本委員 10か年計画の中で、今みたいなお考えというか、最初に施設の方が先に来ているんです。ですから、ステップワン、ステップツーで、区立幼稚園2園の幼児総合施設への転換に向けた検討準備というのがステップワンに来ていて、ステップツーの方で子育て・幼児教育センターの開設ということが来ているんですけれども、本来なら、これが逆にあって、そこで十分に区立、公立、あるいは私立、そういう幼稚園、あるいは保育所、そういった関係の人の御意見を聞いて、中野区としてはどういう方向で進もうかということを検討して、それから先に進んでいけば、私はスムーズな形の流れがあったのかと思うんですけれども、その辺については逆転しているような感じがするんです。何か施設がぽんと最初に来て、その後でいろいろと考えましょうというところにギャップがあるような感じがしているんです。だから、その辺のところも含めて、もう少しゆとりをもって、時間をかけて議論をしていく、理解を深めていくということは必要なんではないかと思うんですけれども、どうも質問の仕方が悪いのか、答弁のあれなのか、わからないけれども、もう聞きません、聞きません、官だけで決めていきますみたいな答弁になってしまうんですけれども、行政側だけではなくて、行政も議会も、あるいは関係者も含めて考えていかなければいけない大変重要な施設だと思うんです。全く新しい施設です、今までにない、それだけに時間的に十分に検討していく、それぐらいのゆとりというのは、行政は持つべきではないかと思うんですけれども、どんどんと行政だけで進んでいって、理解も得られないまま進んでいくよりは、十分な理解を得て進んでいくということの方が、よりよい施設というのができるんではないかと思うんですけれども、その辺については、どうお考えでしょうか。何年もということではないんですけれども、どうも行政はもうすぐにでもという感じがあるんですけれども、考え方を示したら、当然それについて、行政、あるいは関係者、区民、全部の関係者を含めて十分に理解をしてもらうというだけでも、かなり時間が必要だと思うんですけれども、その辺はいかがですか。
○合川子ども家庭部経営担当課長 幼児総合施設、10か年計画の中では、第3ステップ、平成21年、22年ごろをめどに幼児総合施設への転換を図るということでございます。先ほど申し上げましたように、それまでにいろいろな形で準備を進めていかなければいけないということもございます。先ほどお話をしたように、保護者の皆さんですとか、あるいは区民の皆様方の不安をできるだけ早く解消するという意味では、区としての考え方をできるだけ早くお示しをして、区民の皆さん方とも、議論、あるいは意見交換の場を踏まえて決定していきたいということでございますので、十分にそういった部分については配慮をして進めてまいりたいと考えてございます。
○藤本委員 ぜひその辺の少しゆとりを持った形で進めていただきたいと思うんですけれども、それにつけても、もし民間で受けるとすると、受け皿の問題が当然必要になってくるわけです。品川の方は、文教委員会で視察に行かれて、NPOの園長さんの大変な熱い思い、そういうものがなければ、なかなか大変な仕事だと。私たちも足立区に行って、本当にそこで幼保の一つの施設をつくるのに、二、三年かけて議論をして、そこに至っているわけです。それが1年間、運営をしていくのにも大変な御苦労をされているんです。そういうのを聞いてくると、そういうものを十分に、行政としても、他区に例があるわけですから、受けとめて考えていかなければいけないと思うんですけれども、受け皿づくりにしても、結局、3年先だからということがあるんですけれども、それはそれで、だから、そういうものを含めて、先にというのならいいんですけれども、最初にそれが来て、ですから、そういうことについても、十分な時間が必要ではないか、受け皿一つにしても、と思うんですけれども、その辺はどうでしょうか。
○合川子ども家庭部経営担当課長 当然、私ども民間活力を十二分に活用して今回の幼児総合施設をつくっていきたいと考えてございます。そういった民間の活力、あるいは事業者の参入への意向等の調査も行いながら準備を進めてまいりたいと考えてございますので、そういった意味で十分に議論をしながら準備をして、開設に向けて準備を進めてまいりたいと考えてございます。
○藤本委員 小・中学校の適正配置というか、統廃合というのが、区全体で一つのプランとしてでき上がっていますね。ですから、これがもし一部だったら、なかなかそんな形には行かなかったと思うんですけれども、区立幼稚園が4園ある。それについて、本来的には区としての全体プランというものを持った上で進めていくべきではないかと思うんですけれども、今のところは、何となくみずのとうとやよいというところで、ひがしなかの、かみさぎはどうなるのかということについては、何らの言及もないんです。そこについては、全体プランをしっかりと持って進めていかなければ、私はいけないのではないかと思うんですけれども、それで進んでいく。だから、そのステップがどうも欠けているような気がするんですけれども、その辺についてはどのようにお考えですか。
○合川子ども家庭部経営担当課長 幼児教育に関しての区としての基本的な考え方につきましては、例えば教育ビジョン、あるいは次世代育成支援行動計画、今回の10か年計画などについて、逐次お示しをしてきたつもりでございますけれども、早急に今、委員の言われた、これからの総合施設を含めた幼児教育の基本的な考え方については、お示しをしたいと考えてございます。
○藤本委員 それは、私は必要なことではないかと思っています。
それから区立幼稚園、私立幼稚園だけを考えていきますと、当然、公私の格差という問題があります。そのことに関しては、私たちも公私の格差是正というのはしていくべきだとずっと主張してまいりましたけれども、なかなか行政の方は、財政が厳しいという中では、私立の保護者の補助金を1万円から8,500円にぽんと切り捨てて、それで行政のやっている部分には手をつけない、それがずっと来ているわけです。だから、本当はそういう中で公私の格差を是正をしながら来ていれば、もっと問題はスムーズに移行したのかと思うんですけれども、ある部分、行政の怠慢というか、そういう官でという部分、どうしてもそこの部分が、行政としては、もっとしっかりした形で取り組んでいれば、もっといいものができたんではないかと思うんですけれども、その点についてはどうでしょうか。
○竹内保育サービス担当課長 区立幼稚園の保育料の改定のお話でございます。
これまで区立幼稚園の保育料の改定をずっといたしておりましたけれども、前回、平成14年に改正をしております。その段階で今、保育料の改定については、改定の幅を20%に抑えたいという基本的な考え方を持って改定を目指しております。そういった配慮をした上で、これまでも使用料の改定等に取り組んでいるといった状況でございます。
○藤本委員 結構です。余りそこで時間をとるつもりはありませんので、結局、公私の格差というのはあって、ただ、今回、幼保一元化の施設ということになりますから、そうすると、幼稚園と保育園の比較をしていく、ある部分は、幅広く考えていった場合に、区立幼稚園にかかっている経費そのもの、区立幼稚園の教員は4園で21人ぐらいです。保育園だと、一つの保育園でまず20人から30人の保育士がいますから、ある部分、幼稚園の方が経費はかかっていないという比較、全体を比較すると、そういう比較もできます。だから、その辺も含めて、新しい施設をつくるという場合に、私たちは従来も行政改革を推進してきている、ただ、そういう形の中で、経費が節減されても区民サービスは向上していくということで、学校警備や学校給食、図書館、いろいろな形で私たちは賛成をしてきたし、むしろ推進をしてきて、区民の税金がより有効に使われるという立場をとってきました。ただ、今回の場合は、ある意味、全く新しい施設なんです。従来のように判断のできる、保育園で民間があるとかという、全く新しいものをつくろうとしているわけですから、恐らく区立幼稚園の今あるところでかかっていた経費より以上の経費がかかるかもしれない。保育園の機能をそこに含めれば恐らくかかるだろうと思うんです。それは、民間に委託しようと、恐らく経費的な形ではかなりのものがかかってくるのではないか、実質的に、ということを考えれば、その辺も含めて総合的に考えていかなければいけないし、本当にいい施設、新しい時代の要請というか、そういう中でいい施設をつくっていくということならば、それはやよいとか、あるいはみずのとうにかぎらず、当然、区立幼稚園のひがしなかのとか、あるいはかみさぎの幼稚園もそういう施設を目指していかないと、どうも違うんではないか、その辺のところの明確な方針というのは、区としてはお持ちなんでしょうか。それとも今のところは全くない、ただただ幼稚園の先生がいらっしゃいますから、その間は区立幼稚園を維持していくという形になっているのか。それとも一つの方向として、そういう時代の要請にこたえて、少なくとも区立幼稚園、あるいは保育園がそういう形になってもおかしくないわけです。区の保育園がそういう施設になっても逆におかしくない、それぐらいの形で取り組まれないと、本当に区がただただ新しいからということではなくて、区民に喜ばれるような施設という形でつくっていくんだと思われるんです。ですから、そういう考え方というのは、基本的な考え方としてお持ちなのか、あるいはまだ持っていないのか、その辺についてのお考えはどうなんでしょうか。
○田中区長 幼保一元化という言い方を最近しなくなっているというのは、単純に幼稚園と保育園がくっついて、両方のサービスをやるから一元化だという考え方ではないんだろう。やはり幼児総合施設ということで、これまで幼稚園でも保育園でも提供されていなかったようなサービス、例えば地域の人たちが自由に使える子育て相談とか、自由に集まって交流ができるだとか、そういったことに対して専門家が働きかけができるとか、そういうことを含めた総合的な新しいタイプの施設をつくっていくということがあると思います。そういう施設というのは、幼稚園や保育園以外にこれから幅広く必要になっていくだろうという認識を我々は持っているところでありますけれども、では、具体的にこれをどういう施設にして、どのぐらい配置していけばいいのかといったところまでの検証がまだされておりませんので、現時点では、まず二つつくりましょうということを考えているわけでありますが、当然、将来の展開の中では、区立幼稚園の4園というのが設立当初、期待していた役割というのは、もう終わっているということを我々は認識しているわけですから、この4園の展開というのは、おのずとそういった方向になるんであろうと考えておりますし、また保育園の中でも、保育園の資源をそういう形に変えていくことがいい、そういう保育園も当然出てくるだろうという一定の考え方は持っております。ただ、それを具体的にこういうふうに展開していきますというところまで、まだお示しできるところまで行っておりませんので、現時点で2園についてやっていきたいという考え方となっております。
○藤本委員 基本的にそういう考え方を持っておられれば、新しい施設をつくられて、そこの中で検証して進んでいかれるのかと思いますけれども、もう一つお尋ねをしたいのは、これも質問がありましたけれども、今、結局、具体的な施設の内容が、イメージもされていないし、まだ決められていないという段階で、19年、募集を停止するというのは二重の不安だろうと思うんです。これは大泉議員も本会議で、募集停止を前提としないで考えていくべきではないかということに対しての答弁が、明確な答弁ではなかったように思うんですけれども、当初、3年間、募集をずっと停止していくという形で、全く空っぽにして新しくつくるという考え方が区としてはありましたし、あるいは今もお持ちなのかもしれないけれども、私は、そうではなくて、募集を継続しながらでもできるのではないか。例えば、4年、5年、そういう形になると、幼稚園の機能というのはほぼなくなってきます。それよりは、一定の募集をしながら新しいものをつくっていくという形で、いつも持続性と継続性というのは、区長、大切な言葉として使われておりますけれども、そういったものは、私は必要なのではないかと思いますけれども、全く空っぽにして、みんな私立幼稚園に行ってくださいという形で、新たにつくって、また来てくださいというよりは、一つの考え方がまとまれば、そういう中でも一定の募集をしながら一つのものをつくっていくという考え方は、私は一つ選択肢とあるのではないかと思いますけれども、その辺はいかがでしょうか、そういう考え方についてです。
○合川子ども家庭部経営担当課長 今回、10か年計画の本案の決定に際しまして、募集停止するという以前の記述を変えてございます。そういった意味というのは、募集を停止するか停止しないかという部分につきましては、幼児総合施設の基本的な考え方にもよると考えてございますので、施設の継続性、あるいはそういった部分も含めて、一定の早い段階での考え方をお示ししたいということでございます。
○藤本委員 ぜひ柔軟な考え方を幅広く持っていただいて、計画が決まったんだから、行政としては、どうしてもそういう立場に立つんでしょうけれども、しかし議会の意見もありますし、議会は住民を代表した形での議会の意見、あるいは区民の意見、そういうものも幅広く受け入れながら、本当に少しゆとりを持って取り組んでいただきたいと思います。そうすることによって、よりよい本当に区が目指しているような施設というものができると思います。これが、住民が余り理解していないような形の中で、とにかく進んでいけばできるんだという考え方ではなくて、住民にも十分に理解をしてもらうという考え方のもとに進めていくことが、本当に中野区にとっては必要なことだと思います。さまざまな中野区の学校再編、これも大変な改革だと思いますし、大変なエネルギーを使うと思います。そういう改革に取り組んでこられていることは高く評価しますけれども、こういう施設についても、少しゆとりを持って、じっくりと議会側とも、あるいは住民とも話し合っていくという姿勢で、ぜひいい施設をつくっていただきたいということを最後にお願いして、私の質問を終了します。ありがとうございます。
○斉藤(金)委員長 以上で藤本やすたみ委員の質疑を終了いたします。
次に、近藤さえ子委員、お願いいたします。
○近藤委員 新しい中野をつくる10か年計画も策定され、今年度は少子・高齢化社会に向かい、中野区の舵取りを示す大事なスタートの年であると思います。私がいつも思うのは、今後ますますかかっていく社会保障費、10年間で約1,000人近くの職員の退職金の問題、区施設の建て替えの問題など、多くの財源確保を要する問題が山積みの中野区が、どのように区民の生活の最低保障を担保していくかということです。その視点から2点、行政の役割と学校に設置される防犯カメラと施錠システムについて伺います。時間がありましたら、その他の項でコミュニティバスなかのんを質問させていただきます。
中野区は、10年後に職員2,000人体制の小さな政府をつくるお考えですが、小さな政府にする一番の目的は何ですか。人件費率を下げるという財政の効率化のためですか。それとも、今まで行政が担ってきたことの多くは、本来、住民の自治でやるべきことであり、区政を自治に戻すという認識からですか。
○鈴木経営改革担当課長 将来にわたって持続可能な自治体として中野区があり続けるために、基本構想でも、小さな区役所の実現を目指しているところでございます。10か年計画では、そのために具体的な2,000人という職員の数値目標を掲げているところですが、これは単純に職員を減らすだけではなく、あわせて限られた財源の中でよりよいサービス提供を行っていく、そういうことを区民の皆さんにお約束している、それが目的でございます。それと同時に、地域の中でさまざまな公共サービスの担い手がきちんと活動できるような、そういう環境整備をきちんと区がしていく、そういうことによって、中野の真の自治の発展、そこにつながっていけるように、そのことを目的にしていると御理解いただければと思います。
○近藤委員 私は、現在、そしてこれから迎える少子・高齢化社会に、財政面が理由で小さな政府になることは、ごく自然なことで賛成ですが、住民の自治の部分は、本来は自分たちのことは自分たちでやるべきであるという理想は理解しているのですが、現実問題として、自分たちで生活することさえできない大変な区民を多く見ていることなど、多くの区民に自治力が育っているようには見受けられないため、小さな政府になっていく今後、どう住民自治を育てていけばいいのかは大きな課題であると思っております。大きな政府から小さな政府に移行する、これからの10年間、自治意識を既に持っている人はいいのですが、その変化についていけない人に、自治が育つような働きかけをしながら、行政はでき得る限り支えていかなければならないと感じています。そこに行政のやらなくてはならない役割は、まだまだ残されていると思いますけれども、行政としてはどのようにお考えですか。
○川崎政策計画担当課長 ただいまの御質問の中で、地域の自治力ということでございます。自治力とか、あるいは地域力、そういう言葉が言われているわけですけれども、そうした中で、それをどう高めていくのかという問題だろうと思います。
地域力を高めていく、地域の課題をみんなで解決していく、そんな地域社会をつくっていくためには、地域の皆さんがよりその地域に関心を持って参加をしていく、そういう動機付けをしていくということが大切であろうと考えております。
○近藤委員 10か年計画には多くの目標が書かれています。元気いっぱい子育て戦略の展開、4に、豊かでたくましい心と体を育てるとあり、解決すべき課題には、全国平均を下回る子どもの体力、身近な場での手軽にスポーツに親しむことのできない環境などがあります。区民にスポーツの機会を広げようと始める地域スポーツセンターは幾つできるのでしょうか。
○大沼生涯学習担当参事 地域スポーツクラブのことだと思います。10か年計画では、第3ステップで1カ所、第4ステップで1カ所、計2カ所を地域活動スポーツクラブの活動拠点として計画しています。
○近藤委員 将来的にも2カ所ということでよろしいですか。
○大沼生涯学習担当参事 将来的なことについては、まず1カ所つくりまして、そうしたクラブを検証した後、10年後の見直しの中で、またどこに必要なのか、数についても検討していくべきだと思っています。とりあえず、地域スポーツクラブをまず1カ所、立ち上げたいと思っています。
○近藤委員 2カ所ということで、大人がスポーツをする場所がふえるということの考え方でしたら、2カ所でもいいと思いますが、中学生が毎日の生活の中で、豊かでたくましい心と体を育てるためには、酒井議員や佐伯議員もその重要性をおっしゃっていらっしゃいましたが、やはり中学校の部活動に力を入れることが重要になってくると思います。10か年計画には、豊かでたくましい心と体を育てるという目標があるのですから、中学生にもその期待を担保するべきです。
しかし、現在、中学の部活動は、外部指導員に支えられて成り立っています。外部指導員は、校長先生や地域の人にお願いしたり、卒業生や保護者の方が担っていて、継続性がなく、個人の善意に支えられて担われている状態です。文教30の資料を見ても、学校によって外部指導員の人数は5倍以上も差があります。予算も予算説明書の学校経理の中にざっくり入っていて、目標も成果も設定されていません。外部指導員のシステムを評価する場所はありません。地域の限界、学校の限界で生徒はクラブ活動ができない状態になっているのです。上のお子さんが中学生のときにPTA活動を一生懸命に務めていたお母さんは、子どもがクラブ活動に物足りなさを感じ、下のお子さんは私立の中学校に入れることを決断しました。子どもが地域の学校に行けないことを残念がっていました。お子さんとともにPTA活動を熱心に担っていたお母さんも地域の学校からいなくなりました。担い手を地域の自治に任せたとき、その活動自体が成立しなくなってしまい、ここでは部活動を例に挙げていますけれども、学校さえも選ばれないところになってしまったのです。
教育委員会は、学校の体力と地域の自治に任せているだけではなく、中学校の部活動が成立する仕組みを取り入れていかなければならないと思います。中学校が安定的な人事の確保を行い、クラブ活動の充実を図るべきだと考えますが、いかがですか。
○小林指導室長 教育委員会では、部活動の外部指導員の仕組みを取り入れて、それに基づきまして、各学校がその実態に応じて、地域の方々や卒業生などに外部指導員をお願いしているところでございます。今後、学校教育にかかわる学校スタッフについては、大学等と十分に連携をしていくことが重要であろうと考えております。
○近藤委員 大学生が継続的に中学のクラブ活動を支援してくださるのでしたらありがたいことです。公教育の充実は地域の担い手を育てます。今、指導者が地域にいなくてクラブ活動ができない状態より一歩は前に進みました。しかし、これからは、できることなら住民の自治力で担っていこうとしているのでしたら、将来、外部指導員がもっと育っていくように、区報で外部指導員を募集したり、学生アルバイトの指導者が指導しているところを見てもらい、指導の方法などを学んでもらったりして、中学生のクラブ活動の安定的な存続を保障しながら、次のステップを用意しておくことが、子どもたちにも、保護者にも選ばれる学校になると思います。お考えをお聞かせください。
○小林指導室長 大学等と連携を積極的に図っていく中で、外部指導員の扱いにして、今、委員御指摘のようなことも含めて検討してまいりたいと思っております。
○近藤委員 子どもたちの健康を担保しながら次のステップに行くということが大事です。ここでは、学生のアルバイトでしたけれども、地域の自治が担っていなかったとき、どういうふうにしていくかという考え方を持って検討していかなければいけないと思います。
2月25日、児童館運営委員会の代表者会の中で、学校の中に児童館機能が入っていったとき、自分たちが担い手になれますかと聞かれたとき、各児童館運営委員の代表者は、やはり地域で差があり、できないと答えた代表の方も多かったと、出席された方がおっしゃっていました。町会、自治会、PTAを抜かしても、1,000人規模の協力員を集めるとスタートした高齢者見守り助け合いのシステム元気でねっとは、平成16年7月にスタートしてから、ほぼ毎月区報でお知らせを出して協力員を募集しているそうです。協力員登録説明会を34回も開き、職員の方も高齢者を見守ってくれる協力員の人材確保に大変努力されています。しかし、地域によっては、1年半たっても一人も協力員が出ない地域もあります。2006年2月1日、現在、協力員91人で、そのうち60歳以上が56人と半数以上です。中学校の部活動の外部指導員、学校への遊び場機能の担い手、高齢者見守り協力員など、いろいろな活動に、各地域にどのぐらい担い手がいるのか、どのようにかかわっているのかを調べてみますと、自治力がある地域、自治力がない地域、子どもの事業が盛んなところ、地域の差が見えてきます。地域によってさまざまな特長もあり、地域の自治力にはそれぞれ差があります。中野区の中でも、地域によって自治力や得意な分野に差があることを認識していらっしゃいましたか。
○川崎政策計画担当課長 自治力、地域力、そこで地域の皆さんがさまざま、どういう活動をされているかということだろうと思うんですが、活動の範囲もさまざまであろうと思います。例えば子どもの健全育成に一生懸命に取り組まれている、その事業が盛んなところもあれば、またうちの地域は、防災にかけては皆さん一生懸命にやっていますということで、それぞれの地域での特長というのがあろうかと思います。その中で、具体的に差について認識をしているかというお尋ねなんですけれども、自治力、地域力をどういうふうに定義をして、何を指標として判断をするかというのは、これは非常に難しい問題だろうと思っています。したがいまして、現時点で私の方から、地域といったときに、どういう分け方があるかというのがありますけれども、例えば15の地域センターの区域で見た場合に、その差を認識しているかということでいえば、それぞれの特長があるということについては認識をしておりますが、力の差はというところについては、明確な認識は持っておりません。
○近藤委員 差ということは、認識していないとおっしゃるんですけれども、差というのは、優劣をつける差というのではなくて、いろいろな特長があるということで私も理解しています。
元気でねっとは、この事業が立ち上がりの時期であって、まだ集まらないのかもしれません。しかし、これから今まで行政が担っていたことや新しく区民の自治でやろうとする自治活動がたくさん地域におりてきたとき、おろすという言い方をすると、また違う、皆さんに自治でやるんですと言われてしまうんですけれども、行政がそれぞれの地域の自治意識の違うことを理解しないで、無造作にすべて持ち込んでしまったら、地域はパンクしてしまいます。その地域の得意分野、子育て分野なのか、高齢者分野なのか、自治の育ちでも違います。そこがどんな地域なのかを行政としてしっかり理解していくことが必要になってくると思います。小さな政府が地域の町会、自治会、PTAなどに住民自治でやりましょうと何でもおろしてくれば、消化できずに抱え込み、無理をしなくてはならない人たちが出てきます。また、その事業そのものの意味がなくなるかもしれません。行政にはまだ地域の実力の違いがほとんど見えてこないでしょうけれども、これからたくさんの事業がおりてきたとき、その差は歴然としてくると思います。地域や地域団体には、得意な分野、不得意な分野があり、特長があるのです。今までのように、一律に区民の活動に補助金をつけたり、支援をするやり方ではなく、自治が育っている地域は、その自治力に任せ、自治がない地域、活動内容には寄り添い、区民の自治が育っていくための小さなステップをたくさん用意する必要があると思いますが、いかがですか。
○川崎政策計画担当課長 私も、先ほど地域にはそれぞれ特長があるということを申し上げました。例えば、区政世論調査などで、地域への参加意向でありますとか、ボランティア活動に参加する意欲がありますかということで、地域別の数字なども出ておりますけれども、そういったところである程度の傾向はつかめる部分もございます。今、委員が後段でおっしゃいました、これから区がさまざまな地域の皆さんの活動に期待していく場面、そのときには、当然、地域での受け皿がどういう状況であるのかということを十分に見極めた上で、地域の皆さんの御意見を伺いながら進めていくことが必要だろうと考えております。
○近藤委員 地域の自治を取り上げましたが、これは、個人でいえば、生活保護の方など生活弱者の方に自己責任でお願いしますといっても、自立できない方も多いのです。一律の援助ではなく、自治が育つ可能性のある小さなステップをたくさん用意されることが、これからの大きな行政の課題であると思います。行政の力量がここで問われるのだと思います。
次に行きます。今年度、中野区の公教育、公立小・中学校に1億6,000万円の予算で導入を考えている安全対策のための予算のうち、特に防犯カメラ及び正門等施錠システムについて伺います。まずどういうシステムか教えてください。
○村木教育経営担当参事 当該システムでございますが、学校内への不審者の侵入を防ぐとともに抑止力を高めるために、人感センサー付き防犯カメラをまず導入するものでございます。このカメラは、センサーによりまして、人が近づくと職員室等に設置された受信機が音により報知するため、職員が常にこの部屋等に張りついている必要はないというシステムでございます。東京都青少年治安対策本部が都内全公立小・中学校を対象といたしまして、防犯カメラを設置する場合の補助事業を18年度に実施すると聞いております。その際には、この補助事業を活用する予定でございます。
また、この防犯カメラとあわせまして、インターホン付きの正門等施錠システムを設置することによりまして、職員室、事務室等に設置されました受信機を用いて施錠、開錠を行う、こういうシステムでございます。
○近藤委員 学校に来た人だけではなくて、そこを通るだけでも、フラッシュがたかれて、写真が撮られて、職員室のブザーが鳴るということですね。近くで、いつも見ているわけではなくて、察知すると撮るということですね。
○村木教育経営担当参事 いわゆる人感センサーにつきましては、感知する範囲につきましては、カメラで調整することができます。したがいまして、お尋ねのようなことは避けられると考えております。
○近藤委員 プライバシーの問題や地域で起こるかもしれない問題を学校にたくさん持ち込み、音が鳴り響いて学校がうるさくなります。学校の先生たちはすごく迷惑ではないかと思いますけれども、教師や主事の時間は、この仕事が入ることでかなり取られると思います。教師は、課題や研究、行事などで、ただでさえ忙しく、子どもたちの学力や体力を高めるために十分な時間の確保も難しい状態であるのに、本来の教育活動に支障がないでしょうか。主事がこの業務を行うにしても、学校の中のほかの面の安全面の配慮などを含めて支障を来すことにはならないでしょうか。
○村木教育経営担当参事 先ほど申し上げましたように、来訪者がインターホンを押すために、防犯カメラの感知範囲に入った場合、このセンサーにより受信機が音で報知をし、職員室や事務室等の近くにいる人なら、だれでも操作可能というシステムです。常に来校者を意識していることもございません。したがいまして、子どもたちに、例えば目が届かなくなるということもありませんし、子どもの安全等に支障を来すこともない、逆にこれは安全のために設置をする装置でございます。
○近藤委員 現在、学校は開かれた学校づくりに力を入れています。授業参観のときだけではなく、いつでも気軽に子どもたちの様子を見に来てくださいと言っています。地元の小学校も、大阪池田小事件の後、名札をつけて、門は1回ずつ、手動ですが、閉めるようになり、玄関で名前を書いて入るようになりました。それだけでも以前より大分気軽に学校に行けなくなったという保護者の声も聞きます。わざわざ正門で防犯カメラに映され、門を開けてもらうのでは、学校の敷居がより高くなってしまいます。開かれた学校づくりとは全く逆行しているのではないでしょうか。
○村木教育経営担当参事 例えば、授業参観のときなどには、この門のオートロックは解除いたします。必要に応じて南京錠等で対応しますので、そういうことでは柔軟な対応を図ることが可能ということから、開かれた学校づくり等に逆行するとは、私どもは考えておりません。
○近藤委員 授業参観や保護者会のときだけではなく、忘れ物や、あと不登校のお子さんがやっと出てきたときなど、大変なプレッシャーを与えると思います。そういった面で、この防犯システムは本当に必要なんでしょうか。
○村木教育経営担当参事 施錠システムというのは、基本的には、いわゆる登下校時の間、学校生活をしている間に、このシステムを作動させるというものでありますので、システムの導入の有無にかかわらず、今でも児童・生徒はその時間中、自由に学校から出たり入ったりすることはできません。そういう意味では、子どもたちにとっての影響というものは考えておりませんし、そのことによって、例えば教師にストレスが生ずるということもないと考えております。
○近藤委員 中野区は、行財政5か年計画で交通指導員の職を廃止した経緯があります。それから地元の学校では、保護者が緑のおばさんのかわりを務めてきました。その経験からすると、遅刻しそうになって登校してきた子どもたちは、あわてて左右確認をしないで走って学校に滑り込みます。正門の前は車が頻繁に通る道です。これに門が閉まってしまうと思うと、よりあわてて事故にあってしまわないかと恐ろしくなります。1990年に、神戸で遅刻しそうになった女子高校生が門扉と門柱の間に挟まれて死亡した事件なども思い出します。毎日そこを通る子どもたちのことが心配です。防犯カメラの前でふざけて逃げれば、すぐ後ろは車が走っている道です。そんな危険が日常生活にたくさんあります。学校を閉鎖的な場所にして、学校に来る人たちにも、わざわざわずらわしさを与え、教員と主事たちには、忙しさを与え、子どもたちに、いつやってくるかわからない侵入者の恐怖を毎日持たせて、財政難の中野区が1億6,000万円ものお金を投じ、教育現場の学校としては、一つも利点がないように思えますが、それまでしなくてはならないほど学校には犯罪を犯すような侵入者が多いのですか。
○村木教育経営担当参事 学校に侵入者が入ることなど本来あってはならないことでございます。現実に侵入があるかないかということよりも、あくまでも万が一の場合に備えた安全対策をとりたいというのが私どもの考え方でございます。
○近藤委員 2月25日の朝日新聞の犯罪統計書では、殺害された小学生の数は、90年代以前と比べて人口比でもかなり減少している。現実を見ても、76年、100人、82年、79人に対して、04年は26人です。なのになぜ、こんなに犯罪への不安を高まっているのかという記事が書いてありました。私の記憶でも、池田小学校事件以外、佐世保の同級生や寝屋川の卒業生がインターホンを押して名前を名乗って学校に入ってきて、教師を差してしまった事件も、防犯カメラと施錠システムがあっても避けられなかった事件と思っております。それ以外にも、学校には虐待がふえています。警視庁のまとめで、昨年1年間、両親など保護者からの性的な児童虐待を受けた18歳未満の被害者は、前年より17人増、56人に上がり、統計が残る90年以降で最多だったとわかりました。朝御飯を食べさせてもらえない子どももいます。いじめもあります。お友達のお母さんにも、塾の先生にも殺されてしまうような事件もあります。それはみな閉ざされた空間で起こった事件です。万が一、外部からの侵入者から子どもたちを守るという安全対策のために学校を閉鎖的にし、学校に多大な負担と騒音と責任を持ち込み、これから落ち着いた学習環境が、税金を1億6,000万円まで使ってこのシステムを導入することは、正しい判断であるのか、確認させてください。
○村木教育経営担当参事 このシステムは、学校内における児童・生徒の生命・身体の安全に万全を期するために導入するものでございますので、そのために必要な経費であると考えております。
○近藤委員 子どもたちは、楽器を買うのもマットレスを買うのもできずに我慢して、不自由な思いをして学校生活を送っています。すべて中野区にはお金がないとしています。でも、子どもを守ることでしたら、お金を使ってもいいというのでしたら、せめて朝御飯食べた、きのうはお休みだったけれども、きょうは元気ないねとやさしく声をかけてくれる人の配置を願ってやみません。なぜ人的配置はできないのですか。
○村木教育経営担当参事 ただいまの御質問については、本会議でも御答弁をさせていただいていると思いますが、当該システムを導入することによりまして、現在の人的対応で安全確保が可能と考えているから、今回のシステム導入、我々はハード面を担当しておりますので、そのように考えております。
○近藤委員 私は、学校が万が一の侵入者と機器に振り回されるのではなく、自分の命も人の命も大事にする教育に時間がとれる場所であってほしいと思います。このシステムが導入されることで、子どもたちと教師の心の負担が心配です。また、セキュリティ関連会社の株式の今期最高益という文字も気になるところです。
その他の項で、なかのんを質問させていただきます。
なかのんは、私の地域でも、皆さんに大変喜ばれております。御尽力をいただきありがとうございました。これからは、路線拡大、時間延長も目指して、皆さんで利用していきたいものと思っております。
私も乗ったのですが、何か物足りないような感じがしました。それが何かというと、他のバスに比べると広告がないことに気づきました。大手民間企業にはしっかりお金を請求して広告を出してもらい、中野区の中小企業、商店街には、手づくり広告などを許可して、新興産業の応援ができたらいいのではないかと思います。また、子どもたちの絵を張れば、お母さん方も乗るでしょう、お年寄りの情報伝言板もいいでしょう、中野区の情報も載せて、もっと楽しい、もっと収益アップを図れるなかのんにすることはできないでしょうか、お考えをお聞かせください。
○尾﨑土木担当課長 車内広告の件でございますけれども、これにつきましては、運行主体のコミュニティバス、関東バスでございます。そこで受け付けて掲示の判断をしております。コミュニティバスということもありまして、今のところ広告の申し込みは少ないようでございます。広告の掲示は、バス事業者の収入になり、またバス路線の運行にも安定的なことに寄与することになりますので、私どもも期待しております。それともとに、コミュニティバスにふさわしい掲示物、あるいは区のお知らせ、そういったものも掲示してもらいたいと思っております。いずれにしましても、バス会社との話し合いの場で話題にしてみたいと思っています。
○近藤委員 ありがとうございます。ぜひ検討していただいて、もう少しなかのんをほかのところにも広げていけたらいいなと思っております。
これで私のすべての質問を終わります。どうもありがとうございました。
○斉藤(金)委員長 以上で近藤委員の質疑を終了いたします。
ここで休憩いたしたいと思います。1時まで委員会を休憩いたします。
午前11時57分休憩
午後1時00分開議
○斉藤(金)委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
いでい良輔委員、お願いいたします。
○いでい委員 自由民主党・民社クラブの立場から総括質疑をさせていただきます。
御存じのとおり、3年前に初めて当選をさせていただきましてから、私、ここに斉藤金造委員長のもと開会されます予算特別委員会のこの場に立たせていただくことを、大変に名誉なことだと光栄に存じております。この胸の高鳴りを皆さんに聞かれているのかと思っています。委員、そして理事者の皆様には、若者が夢を持てるような御答弁をお願いしたいと思います。それでは、勇気と情熱を持って質問をいたしますので、よろしくお願いをいたします。
1番目として、地方分権時代における自治体の責任についてをお伺いいたします。
平成12年に施行されました地方分権一括法における地方自治体の責任分担についてお伺いいたします。この法律は、地方の権限をふやして国との関係を対等にすることを目的につくられた法律です。地方分権推進委員会を中心として行われた第1次地方分権改革の集大成として、平成11年7月に地方分権一括法が成立し、平成12年4月1日から施行されました。地方分権一括法による改革は、国から地方への権限移譲といった目に見える形でのドラスティックな変化を目的としたものではなく、機関委任事務制度の廃止や国の関与の縮減など、国の地方自治体に対する縛りを弱めて、地方自治体が自主的な判断を行いやすくしようとする趣旨から実施されたものです。法律施行後、御承知のとおり国が自治体に委託する法定受託事務と自治体が受け持つべき自治事務に分けられました。
2月22日の朝日新聞夕刊にも掲載されておりましたが、東京都の石原都知事が、今回発覚した耐震構造偽装問題を受け、自治体が受け持つ自治事務において、もし事故が発生した場合、被害者や被災者に対する責任、賠償を行わなくてはならなくなる可能性を持つ事務機関、事務関係はどのくらいあるのか調査をさせたところ、余りにも多くありそうなので驚いているとコメントされております。
民間には、国の資格試験により行政に携わる仕事についている技術者や国から資格を与えられて仕事を行っている法人が多くおり、行政に成り代わってしている仕事分野は多岐にわたっております。しかし、何か事故が起きた場合でも、自治体には国が許可・認可した資格に対して、立入検査権など実質的に監督する権限は定められていないのが実情です。今回の耐震構造偽装問題でも、国は自治体に対し、被害者支援として建て替え費用の55%を負担するように求めたと聞いております。
以上のことからお伺いをいたします。中野区における自治事務で、もし事件や事故が起きた場合に自治体責任を負わされる可能性のある事務はどのくらいあるのでしょうか、具体的に例を挙げてお答えください。
○橋本総務担当参事 ただいまお話のありました中野区が処理する自治事務で、建築確認事務と同様に、区には立入検査権などの実質的な管理監督権限のない、国等が指定しました民間の検査機関等で、検査等にかかわる事件、あるいは事故につきまして、区がその責任を負わさせる可能性のあるものということでお答えをさせていただきたいと思います。私ども現時点で把握しておりますのは、食品衛生法の規定による営業許可に関するもので、営業する施設が使用する水が水道水以外の井戸水や小規模給水施設の場合の水質検査が建築確認と類似しているものとして、これに当たると思います。この検査を行う機関は、食品衛生法に基づいて厚生労働大臣の登録を受けた検査機関、水道法に基づいて厚生労働大臣の登録を受けた検査機関などであります。新聞報道にあります事案、これはほとんど都道府県の事務ということで、お尋ねのどのくらいかと申しますと、ただいま申し上げました食品衛生法等に基づきました水質検査がこれに当たるということでございます。
○いでい委員 それでは、指定確認検査機関が行った建築確認処分について、特定行政庁が責任を負うといった趣旨の判断が最高裁判所で初めて示されましたが、どうお考えでしょうか。
○佐藤建築担当参事 建築基準法、現行では、耐震強度偽装問題の例にもありますけれども、特定行政庁は指定確認検査機関の審査に関与できないわけですけれども、指定確認検査機関の行った確認について法的な責任を問われかねない不合理な仕組みになっていると考えております。
○いでい委員 特殊建築物の安全確認の不備やビルに設置された給排水設備に、水質汚染などによる健康被害問題があった場合、またデパートのエスカレーターに不備があり、人身事故等の被害が出た際に自治体責任はあるのでしょうか。
○佐藤建築担当参事 建築基準法では定型報告制度がございまして、建築物の所有者等は、建物、行動、建築設備を常時、適法かつ安全な状態に維持されているかを、1級建築士などの資格を有する者に調査をさせ、結果を区へ報告することになっております。報告を受けました区は、適時指導しておりますけれども、建築物の所有者等は、資格者との契約に基づき調査させるものでございまして、調査不足等により事故が発生した場合でも、責任は所有者、また調査した資格者にあるということで、自治体に責任が及ぶものではございません。
○いでい委員 それでは、自治事務の中で事故が起きた場合に、自治体に責任を負わされる可能性があるなど、責任の所在があいまいになっている法律については、見直しの必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○佐藤建築担当参事 国土交通省は、耐震強度偽装の具体的な防止策について検討をするために設置いたしました社会資本整備審議会、建築分科会内の基本制度部会において、建築基準法の改定の見直し作業等を行っております。建築基準法の第6条2の1項の指定確認検査機関が行った建築確認は建築主事が行った建築確認はみなすとの規定の削除などによりまして、指定検査確認機関の行った確認検査についての法的な責任を明確にすべきだと考えておりますので、区としましては、法の改正等も求めて、東京都を通じて現在働きかけているところでございます。
○いでい委員 それでは、関連して、その他の項でお伺いします。
現在、区では、指定管理者制度の導入に伴い、指定管理者として民間やNPO法人に仕事を委託して運用させようとしている案件を多数抱えています。昨日の我が会派の北原委員の質疑と多少重複しますが、もし委託先で何らかの事故が起きた場合に、責任の所在はどこになるのでしょうか。今後、公益活動の推進として、町会・自治会に、びん缶の回収、防犯・防災のパトロールなど自主的に運営することをお願いしていきますが、そのときに不測の事態や事故、災害に見舞われた場合、賠償問題などが発生したときには、その責任の所在は法的にどちらになるのでしょうか。指定管理者には保険などがあり、ボランティアにはボランティア保険がありますが、このような保険を活用することはお考えでしょうか。
○川崎政策計画担当課長 私の方からは指定管理者の問題についてお答えを申し上げますが、公の施設が指定管理者で管理をされている場合、そこで万が一、利用者の方が損害を被った場合には、国家賠償法の規定により、その施設を設置した地方公共団体、すなわち中野区が責任を負うということで解されております。なお、当然のことながら、その事故の内容によりまして、指定管理者の責任の度合いによりましては、改めて区の方から指定管理者に賠償額について請求を行うということになります。
○登区民生活部経営担当課長 私の方は、町会・自治会活動などに伴う事故の責任ということでお答えをさせていただきます。
いわゆる自主的な活動によって事故を起こしたような場合は、事故を起こした区民の方の責任ということも生ずるかと思います。しかし、このようなことから自主活動が妨げになる、抑制されるということがあってはならないと思っております。したがいまして、例えば平成18年度、来年度からでございますけれども、防犯パトロール団体につきましては、保険料につきまして区の方から助成をするという方策を考えております。また、町会・自治会のその他の活動につきましても、18年度から開始いたします助成金制度、これでそういった保険料等の支出に充てていただければ、安心してそのような活動ができるのではないかと思っております。
○いでい委員 官から民へということで、区はさまざまな事業を委託していきますが、今回の耐震構造偽装問題を発端として、国から任されているさまざまな事業が、自治体が責任を負って、賠償問題なども自治体に責任を負わされていく、そういった心配が出てきました。中野区は、責任の所在が明確にならなければ、区民や委託先と信頼関係が築けず、結果的に区民へのサービスの低下と区民の安心も得られないと考えますが、いかがでしょうか。
○川崎政策計画担当課長 ただいま委員が御指摘のとおり、これまで区が、あるいは行政が担ってきたサービスが民間に移っていく過程で、相手先との信頼関係、さらにはサービスを利用される区民の皆さんのサービス向上でありますとか、権利の擁護、こういった仕組みをしっかりと整えながら進めていかなければならないと考えております。
○いでい委員 どうもありがとうございました。以上でこの項の質問を終わります。
次の質問に移ります。警察大学校等跡地についてお伺いいたします。
(1)都市計画道路については、都合により割愛をさせていただきます。
(2)その他の項で、囲町地区から長年にわたり陳情・請願が出ておりました。東西道路設置願いについてお伺いをいたします。
今定例会において、我が会派の幹事長、大内委員の質問に区長は、「跡地地区の整備に当たっては、隣接する囲町地区のまちづくりを進める上で、その堺に東西道路をつくることが望ましいと考える。また、地元からは、この整備の陳情が出され、昨年の第3回定例会において全会一致で採択されています。こうしたことから、警察庁宿舎の移転について要請してきたところである。そのため警察庁宿舎の統合新校予定地負担への移転も想定し、中野体育館を含めた公共公益利用ゾーンにおける統合新校等の施設配置の見直しを行ってきたところである。その結果、当該道路の整備、宿舎移転及びその跡地の活用について、関係者の合意が得られたところである」とお答えになっています。
昨年の第4回定例会で、私の質問にも、財務省、警察庁に強く働きかけるとお答えをいただきました。
このようなことから、囲町側に設置される東西道路の形が大幅に変更になったと聞いております。そこでお伺いいたします。区はこの件に関して財務省、警察庁に対し、どのような働きかけによって、いつ変更されたのか、御説明ください。また、図面上ではどのような道路になるのか、詳しく御説明をください。
○石橋拠点まちづくり推進室長 警察大学校等跡地整備に当たりましては、隣接する囲町地区のまちづくりを進める上で、その際に、委員からお話がございました東西道路をつくることが望ましいと考えております。また、地元からは、この趣旨の陳情が出され、昨年の第3回定定例会におきまして全会一致で採択されております。こうしたことから、東西道路の実現に向けまして、警察庁宿舎の移転等につきましては、昨年以来再三、国等に要望を行ってきたところでございます。その結果、当該道路の整備、警察庁宿舎移転及びその跡地の利用につきまして関係者の合意が得られたところでございます。
東西道路の位置につきましては、今後、国の跡地の土地処分方針等や地区計画、これは都市計画で決めるわけでございますけれども、この中で明らかにしていきたいと考えております。具体的な内容につきましては、そういった中で決めていくわけでございますけれども、さきに策定いたしました中野駅周辺まちづくり計画等では、総幅員が12メートルで、幅員構成につきましては、車道7メートル、両側に2.5メートルの歩道を設けるということで想定いたしております。
○いでい委員 大きな道路ができることは、将来、再開発を含め、地区計画推進により大きくまちづくり計画を立てられることになると思います。そのような場合、囲町地区において、警察大学校跡地と同様、またはそれに準ずる用途地域変更が行われると思ってよいのでしょうか。
○石橋拠点まちづくり推進室長 警察大学校跡地に隣接する囲町地区につきましては、土地の開発と連携したまちづくりを進めることが必要であると考えております。このため、来年度、まちづくり構想等の作成のための調査検討を予定しております。今後、地元の方々とまちづくり計画の検討を進める中で、地区計画の導入や用途地域の変更なども視野に入れまして、検討を進めていきたいと考えております。
○いでい委員 それでは、今まで中野区側からは、囲町地区住民に対し、どのような説明が行われてきたのでしょうか。また、囲町地区が地区計画を進める場合、区としてどのような立場で指導をされていくのでしょうか。
○石橋拠点まちづくり推進室長 囲町地区の方々とは、警察大学校跡地の開発を含め、地域のまちづくりに大変関心を持たれ、地元にまちづくり勉強会も設置されております。区は、こうした勉強会等に出席いたしまして、警察大学校跡地のまちづくり計画の内容の説明であるとか、当地区のまちづくりにつきまして意見交換を行ってきたところでございます。
それから区の今後の取り組みでございますけれども、囲町地区のまちづくり計画の検討に当たりましては、地元と区が連携を図りながら進めることが重要であると考えております。こうした地域に密着したまちづくりの主体は、あくまでも地元でございますけれども、区として当地区のまちづくりの実現に向けまして幅広い支援を行っていきたいと考えております。
○いでい委員 ありがとうございました。区民の声を反映して、区が率先して関係省庁などに強く働きかけることによって、このように計画が変更したことに対し、私は大変大きく評価をいたしております。区長が、今度とも行動する行政のトップとして、フットワークが軽く、土俵際の粘りが強いリーダーとして活動されることを、区民も私も期待しております。以上でこの項の質問を終わります。
次の質問に移ります。中野坂上周辺の交通状況についてお伺いいたします。幾つかの観点から御質問をさせていただきます。
まず最初に、現在、拡幅整備中である山手通り、本町一丁目、二丁目間の中野長者歩道橋についてお伺いをいたします。
平成14年に東京都建設局第3建設事務所、当時の首都高速道路公団と私どもとの話し合いにより、拡幅整備時にはバリアフリー型歩道橋を設置する方向で検討するとの回答をいただいておりました。この件については、私としても、設置促進の立場で物申してきたところですし、昨年の第4回定例会では、私の質問に区は「山手通りにおきます横断歩道橋の取り扱いに関して、中野区を初め沿道の関係4区、この4区と東京都及び旧首都高速道路公団で協議をしてまいりました。エレベーター設置後の御指摘がございました管理等の問題もございまして、現時点では調整がつくまでには至っていない状況でございます。今後、区といたしましては、ほかの関係区と連携しつつ、東京都など関係機関に対しまして、管理を含めたエレベーターの設置を今後も粘り強く要請をしてまいりたいと考えておるところでございます」とお答えになっていられます。
そこでお伺いいたしますが、山手通りの拡幅整備が進んでいる現時点で、中野区は歩道橋設置の検討状況について、どのように承知をされているのでしょうか、今後の取り扱いについてのお考えはあるのでしょうか、お答えください。
○服部都市整備部経営担当参事 ただいま委員の方で昨年の第4回定例会の一般質問の答弁のところを御紹介いただきました。現在、中野長者歩道橋につきましては、今、委員御紹介でございましたけれども、山手通りの拡幅整備に伴いまして、既存、ありました歩道橋を落橋、落としておりまして、架設の歩道橋を設置してございます。この件につきましては、山手通りの拡幅整備に際しまして、歩道の構成とか沿道の植栽等につきまして、地元の意見、要望等を反映するために、町会・自治会を初めとして地元の関係者や東京都、また首都高速道路、当時は公団でございました、そして中野区で設置しておりました山手通り整備意見交換会の中での議論もありまして、そういった議論も踏まえて、東京都としては、長者歩道橋につきまして設置する方向で警視庁と交通管理者協議を進めていると承知してございます。
○いでい委員 では、歩道橋にかかる検討について、東京都はいつごろまでに取りまとめることになるでしょうか。
○服部都市整備部経営担当参事 歩道橋設置の前提に、前の御答弁でさせてもらってございますけれども、警視庁と交通管理者協議を進めていると承知してございますが、おおむね本年3月末を目途に取りまとめるものと聞いてございます。
○いでい委員 歩道橋の取り扱いについて現在検討中とのことで、これ以上の御質問は難しいと思いますので、この項の最後に、当該歩道橋についての区の考え方をお伺いします。
○服部都市整備部経営担当参事 当該歩道橋、長者歩道橋につきましては、桃園小の通学路でもあります。また、本一高齢者会館が近くにありますほか、幼稚園、児童館などもありまして、区といたしましては、安全な横断施設として設置すべきものと考えてございます。また、先ほども委員の方から御紹介いただきましたところでございますが、これまで都に対しましてエレベーター付き歩道橋、いわゆるバリアフリー対応型の歩道橋でございますけれども、要請してきてございますが、先ほどの委員からの御紹介にもございましたけれども、設置後の管理等の問題もありまして、調整がつくまでに至ってございません。現時点で東京都からは、エレベーター付き歩道橋の設置は難しいとも聞いてございます。
○いでい委員 どうもありがとうございました。
それでは、次に中野坂上交差点の交通渋滞の問題についてお伺いをいたします。
東京都が現在、工事を行っている放射第6号線、小滝橋から青梅街道のところ、暫定的に整備され、本年6月ごろに開通し、青梅街道と合流するとのことです。当初は中野坂上付近の通行渋滞解消を図るために、淀橋付近の立体交差化を行うこととし、斜線をふやすとともに右折レーンを設置し、中野坂上交差点の渋滞が改善すると理解しています。
そこでお伺いいたしますが、当初の淀橋立体交差事業が見送られた事業について中野区は御承知をされているのでしょうか、伺います。
○服部都市整備部経営担当参事 淀橋立体交差事業のことでございます。その取り扱いにつきましては、東京都が一部、新宿区側の区民との調整が長引きまして、これ以上、調整が長引きますと青梅街道そのものの拡幅整備に支障を来すと東京都は判断いたしまして、当面の措置といたしまして、平面での整備に至ったと承知してございます。なお、この件につきましては、平成16年12月の中野区における建設委員会の中で、立体交差事業の見送りという部分での報告をしてございます。
○いでい委員 私は、平成16年第3回定例会の一般質問において、立体交差事業は、横断歩道もなくなるし、本当に区民のためにならないという立場から質問をいたしましたので、この件に関しては大変に満足しております。
しかし、現在でも中野坂上交差点付近は渋滞しており、沿道周辺の居住環境にも影響を及ぼしかねないから、区としては、東京都の暫定整備に対し、何らかの申し入れをされてきたのでしょうか、お伺いします。
○服部都市整備部経営担当参事 今回、平面によります整備でございますが、青梅街道の下り方向の交差点につきましては、右折レーン、池袋方向でございますが、その増設や信号待ちの車両の長さ、通常これを滞留長と言ってございますが、そういったものを十分にとるように整備を行い、直進方向の流れの改善を図る、そういう期待をしてございますが、区といたしましては、当面、平面交差によります交通処理につきまして、信号の取り扱いも含めて十分に検討をお願いするように、これまでも要請してまいりました。
○いでい委員 それでは、中野坂上交差点周辺の交通状況について、今後、区としてはどのような問題を中心に東京都と話し合い、協議を行っていくおつもりでしょうか、お伺いします。
○服部都市整備部経営担当参事 中野坂上交差点の渋滞対策について、大変区でも大きな課題と認識してございます。それに関しましては、周辺道路も含めて、青梅街道の渋滞対策に寄与することから、できる限り早期に整備が完了するよう、引き続き都に要請していきたいと考えてございます。
また、違う観点でございますが、環六の地下にございます中央環状新宿線の供用開始によりまして、山手通り全体の通過交通量の減少が見込まれますことから、その結果、坂上交差点の渋滞改善にもつながりますので、中央環状新宿線の早期の供用開始を首都高速道路株式会社に要請していきたいと考えてございます。
○いでい委員 わかりました。
この項の最後に、中野坂上周辺のまちづくりについてお伺いをいたします。
中野坂上交差点を中心に再開発が進んでいるところですが、青梅街道の沿道周辺を見ると、再開発ビルと新宿区に至るまでの間については、一方では高層ビル、一方では消防車も通れないような狭隘道路が続くなど、まだまだまちづくりが進んでいないように感じます。東京都は東京全体の土地利用の方針を打ち出し、環状6号線の内側については、センターコア再生ゾーンとして位置付け、商業系、住居系の高容積メニュー等の活用により、新たな産業や都心居住を目指すとしています。
そこでお伺いいたします。区は青梅街道の沿道のまちづくりについてどのようにお考えになっていられるのでしょうか。
○服部都市整備部経営担当参事 この地域は、今、委員の御紹介でございますけれども、東京都が定めました東京全体の土地利用の方針では、センターコア再生ゾーンとして位置付けられてございます。こうした都全体の土地利用の方針と土地利用の動向等を踏まえて、業務・商業、また文化・交流などのにぎわいとか活力を生み出す拠点として、また近くに中野坂上の駅がございます。交通結節点との機能強化とともに、都心部にふさわしい良好な住環境も兼ね備えました沿道まちづくりを進めていく必要があると考えてございます。
○いでい委員 では、そのため今後、区はどのようにまちづくりを進めていくおつもりなのでしょうか。
○服部都市整備部経営担当参事 今後、区といたしましては、青梅街道の沿道につながります後背地の住居地域とそういった調和を図りながら、幾つかの具体的な手法でもございますけれども、まちなみ誘導型地区計画の検討、これは一定程度、地区の特性に応じまして、建物の高さ、配列とか形態を一体的に定めること、また平面の後退等によりまして、その結果として建築物の形態、容積や斜線の制限緩和といいますか、そういった可能性の検討、また提案型の地区計画にかかわるまちづくりに対します相談支援、そういったものを行うなど、まちの魅力と新しい活力を生み出す取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。
○いでい委員 ありがとうございました。
環状6号線・山手通りの内側は、センターコア再生ゾーンとして位置付けられたことと今後、東中野の駅前広場整備なども進み、大きくさま変わりしていくことになりますので、区としては、東京都や国と連携して対応に当たっていかれることを切望して、この項の質問を終わります。
○いでい委員 次の質問に移ります。4番、働く世代への施策については、都合により割愛をさせていただきます。
5番、ベンチャー企業の育成についてお伺いいたします。
中野区は、昨年3月に新たな基本構想を議決・策定し、中野区の目指すべき姿を発表されました。そして、この基本構想で描いた10年後のまちの姿を実現するために、この1月に10か年計画が決定されたところであります。この計画の中で、第1の戦略である、まち活性化戦略に対応した部分である産業と人々の活力のみなぎるまちについては、目指す姿として、例えば情報関連ビジネスなど、多様な都市生活のニーズに対応した産業が発展しており、区内から企業を目指す人が多く集まるなど、地域全体の経済力が高まっていますといった姿が描かれています。そして、これをつくり上げるための主な取り組みが記されています。主な取り組みの中では、ITコンテンツや環境・ヒューマンサービス業などの都市型産業の集積を目指しているとあります。この集積を目指しているIT・コンテンツ産業などは、成長が見込まれる産業であり、またまさにベンチャー企業がつくり上げ、発展させてきた産業であると私は考えております。アメリカの経済をよみがえらせた原動力の一つに、数多くのベンチャー企業の存在があったと言われております。毎年10数%の廃業とそれを上回る開業が米国経済の構造改革を促したのであると書物にも書いてありました。停滞する中野区の経済状況を好転させるために、中野区の目指す姿をつくり上げるためには、地元事業者いっぱんに対する支援というだけではなく、ベンチャー企業の育成も大変重要であると考えております。
そこでお伺いをいたします。10か年計画は平成17年度を初年度としている計画であり、10か年計画で描く姿を実現し、ベンチャー企業などを育成するために、中野区はどのようなことを行っているのでしょうか、伺います。
○鳥井産業振興担当課長 ベンチャー企業の育成に関するお尋ねでございます。
中野区では、いわゆるベンチャービジネスを含めまして、創業支援ということで行ってございます。主な内容でございますが、まず創業支援セミナー、これは創業を予定される方を対象に、将来性のある起業を促すためのセミナーでございます。また、創業支援相談ということで、中小企業診断士によるノウハウのサポートを行ってございまして、これにつきましては、さらに創業後もフォローアップ診断という形でもフォローをしているところでございます。また、創業支援資金の融資あっせん、利子補給も行ってございます。さらに、産業支援機関への参加費の一部補助、また同様にビジネスフェアに出展される場合の経費の助成等を行っているところでございます。
○いでい委員 中野区としては、創業支援の一環としてベンチャー企業の育成を考えているようですが、まずビジネスフェア出展支援については、どのような成果が上がっているのかをお伺いいたします。
○鳥井産業振興担当課長 ビジネスフェアの出展の支援でございますけれども、これは製品の販路拡大等を図るための支援ということで、区内の事業者の皆様を対象に始めたものでございまして、事業の開始が平成16年度でございましたが、11件の実績がございました。この助成を利用して出展された事業者の皆様方からは、商談が実際に成立した、異業種の方との交流が深まった、あるいは新しいビジネスの動向がつかめた、そういった声を寄せていただいてございます。また、平成17年度、今年度でございますが、現在のところで15件の助成を行ってございます。今年度は、特に中野区ブースという形での団体出展も行ってございます。これは東京都などが主催をしております大きなビジネスフェア、産業交流展というのがございますが、これに区内の産業界のメンバーの皆さんで構成される実行委員会をつくりまして、区内8事業者の方が中野区の企業ということでまとまって出展をされました。これを行ったことで、区内の事業者の皆さんの間で、ネットワークの構築にも役立ったという声も聞いてございますし、また事業者の方から、事業者としての信頼関係もできてきたのではないかということで感想を寄せられているところでございます。
○いでい委員 ビジネスフェアに中野区ブースとして初めて団体出展したとのことですが、これは今後どのように発展させていくおつもりでしょうか。
○鳥井産業振興担当課長 今後の発展方向でございますが、平成17年度の実行委員会で反省会を行いまして、その場では、実行委員をされた皆様、あるいは出展をしていただいた皆様、声を合わせて、さらに大きくしていこうということでございました。平成18年度でございますが、さらに区内の産業界の皆さんと区が力を合わせる形で、規模も拡大して実施する予定にしてございます。それから将来でございますが、数年後を想定してございますが、会場も中野区内に移して、中野独自の産業展の実施という形で発展をさせていきたいと考えているところでございます。
○いでい委員 次に、新分野進出等支援助成事業では、新分野として過去に前例のないものに対して積極的に助成をされていくわけですけれども、実際のところ、どのような団体に、参加する場合に助成することになるのでしょうか。
○鳥井産業振興担当課長 産業支援機関というのは、幾つか想定されるところでございますが、典型的なところは、名称が社団法人首都圏産業活性化協会というものでございまして、通称TAMA協会という団体でございます。
○いでい委員 社団法人首都圏産業活性化協会、TAMA協会という団体は、どのような団体でしょうか。
○鳥井産業振興担当課長 首都圏産業活性化協会、通称TAMA協会でございますが、経済産業省が進めてございます産業振興に関する計画に関連して設立された団体でございます。内容としましては、特定分野の関連企業や大学、あるいは自治体等の関連する機関が地域で競争しつつ、また協力して相乗効果を生み出す、こういったことを目的としてございます。通称TAMA協会でございますが、技術先進首都圏地域という言葉の略でございます。実際のところは、製造業や大学が多い埼玉県の南西部や東京都の多摩地区、それから神奈川県の中央部に広がる地域を網羅してございまして、合計650ほどの会員で構成されてございます。企業が約300、大学等が38、自治体が22の内訳になってございまして、私ども中野区も23区の中では唯一の自治体の会員として参加しているところでございます。
○いでい委員 TAMA協会の目的が、産・学・公の連携とすると、公としての中野区としては、そこにどのようにかかわっているのでしょうか。
○鳥井産業振興担当課長 TAMA協会でございますが、産・学・公の連携も目的の重要な部分でございますけれども、中野区のかかわりという点で申し上げますと、昨年、平成17年4月にTAMA協会の内部の分科会という形で、中野区も参加するミニTAMA東部会というものが発足をしてございます。多摩から見ると23区は東部にございますので、このような名前になってございます。ミニTAMA東部会の主目的でございますが、23区内の企業が持っております企画力、資金力、それから販売力、こういったものと三多摩の企業の物づくり企業の力での融合を推進していくということで、企業間の連携・交流の場ということで活動を始めたものでございます。私ども中野区は、ミニTAMA東部会の世話人会がございまして、その一つとして会の運営にも携わっているところでございます。
○いでい委員 昨晩開催されましたミニTAMA東部会とミニ三多摩会の合同イベントには、区長も御参加されたとのことでございますけれども、区長の御感想をお聞かせください。
○田中区長 趣旨については、今、課長の方から御答弁申し上げたとおりなんですけれども、私も実際にお集まりになった三多摩の人、それから都心側の人たち、さまざまな人たちと直接交流をする中で、こういうところから新しいビジネスというのが生まれてくるんだと実感をしたところであります。三多摩のさまざまな物づくりの力と都心の方が持っている商品企画力とか、販売力とか、そういったものとが結びつく、そのことによって、また新しいビジネスというものが生み出されていく、そういう場をつくり出していく場所としては、中野というのは非常にいい場所なのではないかと思ったところでございまして、そうした地の利とか人がたくさんいらっしゃるという人的なエネルギーとか、そういったものを中野の中で大いに生かしていけるような方向を探っていくべきだと思ったところであります。
○いでい委員 ありがとうございました。これからの中野の産業発展を考える上で、そのような形で中野が、企業の連携、マッチングの場となることは、大変に望ましいことであると私は考えます。
次に、10か年計画では、インキュベーションオフィスの開設が予定されていて、これにはベンチャー企業の入居も可能と思われるので、その育成に役立つと思われます。しかし、ベンチャー企業も成長すればインキュベーションオフィスを卒業し、さらに広いオフィスを求めることになるかもしれません。中野には中野坂上周辺や中野駅周辺にある程度のオフィスがありますが、中野で育った企業すべてが中野に残ることは無理としても、必要なオフィスが確保されていることは重要でありますし、産業の振興が10か年計画のとおりに進んでいった場合に十分ではないのではないかと考えます。
そこでお伺いをいたします。警察大学校など跡地におけるまちづくりでは、オフィス需要に対してどのように対応をされているか、お伺いをいたします。
○石橋拠点まちづくり推進室長 中野駅周辺まちづくり計画では、中野駅周辺につきまして、業務、商業、住宅、大学等の多様な機能の導入を図るとともに、道路等の都市基盤や公園を整備して、にぎわいの心を育成することにしております。にぎわいの心の育成、整備には、情報、ITなどの都市型産業の創出や新規創業などにより新たな産業集積を図ることとしています。こうした新たな産業集積には、警察大学校等跡地におけるオフィス床等のあり方、あるいは使い方が大変重要であると考えております。このため今後定めます地区計画等の中に、将来の需要等を見込みました適切なオフィス床の配置であるとか、ボリュームであるとか、そういうことを定めていきたいと考えております。さらに、オフィス床等に導入します業種、業態やそれらが担うべき役割等につきまして、区としての考え方を示した上で、会社に協力を要請するなど、さまざまな取り組みを今後とも図っていきたいと考えております。
○いでい委員 今までに産業育成のためのさまざまな取り組みについて御答弁がありましたが、今後ベンチャー企業が生まれ、育っていく中野区にするためには、10か年計画で記述した産業振興のための主な取り組みを着実に実現していくことが求められると考えます。そのためにも、18年度策定予定の(仮称)産業振興ビジョンや中野駅周辺まちづくりに関する調査の充実が重要であることを指摘しておきたいと思います。
また、中野区という自治体が、区民が充実した仕事の場を得て、しかも住みよいという、まさに職住近接にふさわしいまちであるためには、働く世代に対する子育て支援サービス、生活支援サービスが充実していることも求められています。この点も指摘させていただいて、この項の質問は終わります。
次に、国際理解教育についてお伺いいたします。
先日、我が会派の研修会の中で、我が国の労働力人口は2008年がピークとなり、その後の2030年には、2000年の労働力人口6,770万人から5,470万人まで、実に19.2%もの減少を示すといった説明を受けました。政府は、こうした労働力の急激な減少に歯どめをかけるため、昨年少子化対策担当大臣を置くなど抜本的な対策を講じることとしております。高齢化が一層進む中、介護業務などの増大に備え、外国人労働者の活用拡大についても検討をされています。現にフィリピンやタイなどの国々では、日本の介護需要の増大に目をつけ、大量の介護士の要請を行っております。そして既に就労ビザを取得して日本の介護施設で働いている事例もあります。こうした事例は今後もふえることが予想され、外国人介護士を受け入れる地方自治体もさまざまな対応が必要となると考えます。
そこで、まず現状認識をさせていただきますけれども、こうした国際化の対策を行う区の組織はどちらでしょうか、国際交流協会を所管している総務分野でよろしいのでしょうか、伺います。
○橋本総務担当参事 中野区の国際化推進を総合的に取り組んでいるところ、それから国際交流協会への支援を担当していますのは、総務担当でございます。
○いでい委員 では、国際交流協会の主な事業内容を、簡単で結構ですから、御紹介いただきます。
○橋本総務担当参事 国際交流協会の主な事業でございますが、区民、市民レベルの国際交流活動の推進を担っていただいております。簡単に申し上げますと、主な事業といたしましては、国際理解の促進に向けて、地域に暮らす外国人のための日本語講座とか、外国人相談などを実施してございます。また、交流事業といたしまして、国際交流の集いとかスポーツ交流なども実施しております。そのほか外国都市との交流といたしまして、区からの委託を受けましてニュージーランド・ウェリントン市との友好子ども交流の実施などに取り組んでいただいているところであります。
○いでい委員 私も国際交流協会の評議員をさせていただいておりますので、大体はわかっていたんですけれども、外国人のさまざまな相談を担当されている分野はどちらでしょうか。
○鈴木広聴広報担当課長 総務部の広報広聴分野が担当しております。
○いでい委員 これまでどのような相談が多くありましたでしょうか。
○鈴木広聴広報担当課長 例えばですけれども、アルバイトをしたい、リストラをされたといったような仕事関係の相談、アパートの更新、日本人との交流の機会を持ちたいといった暮らしの関係の相談、日本人の夫と死別された、あるいは離婚されたというような婚姻・国籍関係の相談、ビザが切れた、滞在延長をしたいといった入国関係、そういった相談が寄せられているところでございます。
○いでい委員 現在、中野区もそうなんですけれども、都内の飲食店などでは多くの外国人の方が働いております。特に最近では、中国や東南アジアの国々から、就労ビザではなく、留学ビザや観光ビザで来日し、就労しているケースが多くありまして、私が思うには、半分以上が不法滞在・不法就労ではないのでしょうか。
○榎本戸籍住民担当課長 外国人の方の実態というお尋ねだと思います。
全体の実態の状況を申し上げます前に、登録者数を申しますと、中野区の外国人登録者というのは1万572人、これは昨年12月現在でございます。実態でございますが、国の統計によりますと、全国の外国人登録人口は192万人、不法残留及び不法入国が約24万人、こういうふうに推定されています。さらに、国では、このほかにも、潜伏されている外国人がいる、こういうふうに指摘しているわけでございまして、さらに192万人の中にも、御指摘にもございましたけれども、名目が留学、就学にかかわらず、実際は就労しているという方が少なからずいると指摘してございます。中野区内の在留許可が切れている人が今500人ほどおりますけれども、先ほどの全国統計から、適正に登録しているんですが、不法に働いている外国人の方、このほかにも未登録の外国人の方がいると想像されるわけでございますけれども、外国人登録法は本人申請主義をとっておりまして、また職権消除ができないということから、先ほどの24万人が全国のどこにいるのか、また潜伏者の数を合わせると、各自治体では実態把握ができない状況にあるというのが実態でございます。
○いでい委員 確かに実態をつかむことは大変であると思いますけれども、現在の外国人登録者の中で、6歳以上15歳未満の子どもは、中野区内に何人いるのでしょうか。
○榎本戸籍住民担当課長 昨年10月現在でございますが、区内登録者の6歳から15歳まで、小・中学生相当年齢のお子さんは425名でございます。
○いでい委員 区内にいる425名の外国人の子どもが義務教育就学年齢に達した場合、どのような手続になるのでしょうか。また、現在、公立の小・中学校に在籍する児童・生徒の人数と国籍別内訳をお教えください。
○相澤学校教育担当課長 外国人につきましては、就学年齢に達しましても、保護者はその保護する子女に対し法的に就学義務を負ってございません。しかし、外国人の保護者が区立学校の就学の願いを出た場合には、就学を許可し、日本人と同様な形で就学事務の手続を行っているところでございます。具体的には、小・中学校の学齢期を迎える外国人登録のお子さまがいる保護者に対して、毎年10月に就学に関する案内の手紙、日本語、英語、中国語を送付して、就学を希望する場合には、申請の手続をするように案内しているところでございます。また、外国語版区報についても、10月号に案内の記事を掲載しているところでございます。
御質問のありました区立学校に在籍する外国人児童・生徒数でございます。2月現在で143名でございます。教育委員会では、すべての就学児童・生徒について学齢簿を編成してございますが、学校教育法施行規則において、国籍については学齢簿への記載事項になっておりません。したがいまして、教育委員会では、児童・生徒の国籍別の内訳については把握してございません。
○いでい委員 今御紹介いただいた区内の小・中学校に在籍する児童・生徒の人数と先ほどお聞きした6歳以上15歳未満の子どもの数とは大分違いがあります。300名近く違いがありますけれども、未就学なのでしょうか。それとも中華学校、朝鮮学校などに就学しているのでしょうか、実態はおわかりになりますか。
○相澤学校教育担当課長 外国人の保護者は、法的に就学義務を負いませんので、御指摘のような数値の開きはあると考えてございます。区立学校に在籍していない学齢期の外国人の実態につきましては、教育委員会では把握してございません。
○いでい委員 わかりました。
私は、平成15年第4回定例会におきましても、国際交流について、このような質問をさせていただいておりますが、私が今回、こうした質問をさせていただいたのは、実は昨年、知り合いの外国人の子どもが区内の小学校に就学していて、結局、学校になじめず帰国してしまった例がありました。その大きな原因が言葉の問題です。小学校では、一定の期間、日本語指導のため人を配置しているようですが、1日中つきっきりでいるわけにもいきません。結局、その子は友達もできずに、日本に何らいい印象を持たず帰国してしまいました。このことは、国際社会をリードすべき日本にとっては大きなマイナスであり、恥ずかしいことであると私は考えます。異人種・異文化の子どもたちが学校生活を通して交流することは、将来の人間形成にとっても大きくプラスになると考えます。また、せめて片言の日本語が話せるまでとか、ある程度、友人とのコミュニケーションがとれるまでの間、面倒を見てくれる人を配置するべきであると考えます。お考えをお聞きいたします。
また、あわせて、日本の子どもたちにも、これからの一層進むと思われます国際化社会に対応していく力や心を養う教育が必要と思いますが、現在の取り組み内容について御紹介をください。
○小林指導室長 まず日本語の理解が十分でない子どもたちへの対応についてでございますけれども、教育委員会では、こうした子どもたちのために、初期対応として通訳派遣の制度を行っております。さらに、原則として長期休業日を除く毎週土曜日に選任講師による中野区日本語適用教室を実施しているところでございます。
次に、国際化社会に対応する力をつけていくための学校の取り組みでございますが、小学校におきまして国際理解教育推進校を設置しております。現在9校を指定して国際理解教育指導助手・ALTを派遣し、自国や他国の文化理解やコミュニケーション能力の育成などを図るための指導を行っているところでございます。
○いでい委員 何校かでの取り組みをお聞きしましたけれども、いつまでもモデル校的に行うような状況にないと私は考えます。
ここで先進的な事例を紹介いたしますが、岐阜県可児市の教育委員会では、不就学ゼロを目指して、外国人の子どもたち、私たちと一緒に学校へ行こうといったスローガンを掲げ、外国人児童・生徒の学習保障事業を昨年4月からスタートさせました。この事業は、外国人の子どもたちが元気に育ち、安心して勉強できるようなまちづくりを実現するために行われているものです。具体的な事業の内容は、外国から来日し、初めて就学する児童・生徒の学習指導、これは児童・生徒の状況を考慮して、初期指導と教科指導に分けて学習支援をすることになっています。また、外国人の子どもが在籍する学校には、国際教室を置き、担当教諭を配置するなどの手厚い配慮がされています。そのほか、教育委員会では、ばら教室可児を設置し、外国人の児童・生徒の学校教育で必要な生活指導や初期的な日本語指導を一定期間、集中的に行うこととしています。このばら教室には、開設から6カ月間で41人もの外国人の子どもが通い、そのうち29人が在籍校に戻り、友達もでき、元気に登校をしているそうです。残りの12人は引き続きばら教室で個に応じた指導を受けているそうですが、おおよそ4カ月程度で在籍校に戻れるとのことでした。ぜひ中野区でもこうした取り組みを行ってほしいと考えています。区立の小学校や中学校に外国人の子どもが安心して通え、日本人の友達をつくれることは、逆に日本人の子どもにとっても大変教育的な効果があると思いますし、これからの国際社会を生き抜く子どもたちにとって貴重な経験になると考えます。御見解をお伺いいたします。
○小林指導室長 我が国の子どもたちが、日本にいながらにして、日常的に外国人の子どもたちとともに学ぶことは、真に異文化を理解し、互いに尊重し合う態度を育てるなど、国際社会に生きる人間として望ましい能力や態度を育成する効果が期待できると考えております。先ほど申し上げました通訳派遣制度、また日本語適用教室等の事業をさらに一層、充実してまいりたいと考えております。
○いでい委員 どうもありがとうございました。この項の質問を終わります。
その他の項で1点お伺いをいたします。
日本が抱える大きな問題として少子・高齢化がありますが、そして少子化が進んでいることと並行して、ニート・引きこもり、自殺、いじめなど、私たちが期待している若者像と反比例して暗い現実も確実に進んでいます。その根本にあることは、やはり心の問題と私は考えています。
私事で恐縮なんですけれども、なぜか私はうちの近所の二十歳に満たない子どもたちから、いろいろな相談を受けます。学校について、親について、就職について、異性について、また性についてなど、相談はさまざまです。人生経験の少ない私に答えられることは限られていますが、相談に来る子どもたちは、一様に皆が口をそろえて、こんな話を聞いてくれるところがないといいます。私も同感です。私が子どものころには、親や学校にも相談できないことは、月に1回通っていた近所の床屋さんの御主人が聞いてくれていました。その床屋さんでけんかをしていた友達と仲直りをさせてもらったこともあります。御飯を食べさせていただいたこともあります。そのときに悩んでいたことは、今となっては笑い話の方が多いですが、当時の私にとっては大変に重要なことばかりでしたから、もうお亡くなりになってしまった床屋の御主人には、今でも感謝の気持ちを忘れたことはありません。子どもたちの話を聞くということは、大変に重要だと思っていますし、心の教育の必要が声高に現在にあってしかるべきと考えます。
ここで伺います。区には、子ども家庭部において、子どもを育てる親のためなどさまざまな相談に対して窓口がありますが、子どもたち自身の悩みなどについて、どのように対応しているのでしょうか。
○馬神子育て支援担当課長 中野区の子ども家庭支援センターにおきましては、18歳未満の子どもとその家族、家庭に関する相談にすべて対応しております。子ども自身からの相談も受け付けております。また、児童館など子ども関係の施設におきましても、日常的に子どもたちの相談に応じているという状況です。
○いでい委員 それでは、今までの相談の実績はどのぐらいにあるのでしょうか。
○馬神子育て支援担当課長 子ども家庭家庭支援センター、今年度の相談実績でございますが、最新のもので4月から1月末まで、延べ48人、小学生が10名、中学生が9名、高校生以上で29名、相談内容では、家庭生活に関するもの、友人関係、不登校、そういったものがございます。相談方法としては、電話での相談が31名で、全体の6割を超えております。
○いでい委員 子どもの悩みというのは、相談した時点で半分は解決するという言葉もありますけれども、相談したくても、相談機関についての情報を知らなければ、話を聞いてもらうことはできません。周知はどのように行っているのでしょうか、伺います。
○馬神子育て支援担当課長 子ども家庭支援センターの活動内容の一環として、区報やホームページですとか、リーフレットを作成しております。ただ、子どもからの相談ということを特出しての周知は、今までは余りしていなかったということはあると思います。
○いでい委員 もっと積極的な周知を行っていくべきではありませんか。
○馬神子育て支援担当課長 私どもの方でも、その辺は認識しておりまして、今リーフレットを新しく改定しております。そこの中に、電話番号が入った切り取り式の子どもカードというのをつくりまして、子ども自身がカードを切り取って、常に形態して、必要に応じて電話してもらえるような、そんな工夫をしております。それについては、近日中に小・中学校を通じて全児童・生徒に配付する予定でございます。今後ともいろいろな工夫をして、できるだけ子どもたちに情報が行き渡るようなことをしていきたいと思っております。
○いでい委員 最後に、そこで御提案なんですけれども、その相談窓口に、電話でももちろん結構なんですけれども、お忙しいでしょうが、たまに区長御本人が子どもたちの悩みを直接聞いて道を諭してあげたり、話を聞いて、これからの区政運営に反映したりすることは、子どもたちにとっては大変心強く、区長を通して、大人や社会に対し夢や希望が持てるきっかけになるかもしれませんし、大変に意義があると考えますが、今、議長の方から、(「議長もだよ」と呼ぶ者あり)議長も、もちろんそうだと思いますけれども、ここにいらっしゃる委員の皆さんも、たまにはそういう話を聞いてみるのはいかがでしょうか。
○田中区長 私ぐらいの年齢になりますと、大抵子どもを育てた経験もある人が多いわけですから、私だけと言わず、区の幹部ですとか、議員の皆さんですとか、そういう経験をするというのもいいことなのではないかと思います。
○いでい委員 それでは、ありがとうございました。以上で私のすべての質問を終わります。時間もぴったりぐらいだと思います。これで質問を終わります。ありがとうございました。
○斉藤(金)委員長 以上でいでい委員の質疑を終了いたします。
引き続いて、篠委員、お願いいたします。
○篠委員 自由民主党の子ども担当の後を受けまして、最後のバッターとして、少し時間を残すように私が申し上げましたところ、委員長の方から、いい加減にしろと、前の方はよく見えるんですが、何せ後ろが気になりながら、質疑をしたいと思っています。
通告では、区長の施政方針についてというのが1項目めなんですが、ざっと触れまして、その方針全体に及ぶと御判断されたら、どなたでも区長にかわってお答えいただければと思っております。
施政方針、そして予算案の概要、大体目を通させていただいておるんですが、人口減少社会に大変な危機感を抱いているというところから始まりまして、真の改革を目指したいという熱い気持ちをしっかり読み取らせていただいております。
ただ、他の自治体でもそうなんですが、大変美しい言葉、あまり美しい言葉は思考を停止させますので、人が生きる上で豊かさと幸福を考えて。これ、考えただけで、どこまで考えていいかわからないほど難しいんですが、流暢にきれいに並びますと思考を停止させられてしまうんですが、10か年計画というのをしっかり立ち上げるという方針が得られたわけですが、やはり区長の立場としては、20年先を見据えた心の置きどころが披瀝されてあれば、さらによかったかなとも思っております。
海兵隊員が、配られたパンフレットを読めないというところまで落ち込んでしまったときに、アメリカでは第1に教育の立て直しということを施政方針の第1番に入れて頑張られた。そして他の国においても、やはり本気で国を立て直そうというときには、自分たちの国民を格調高くしたいという流れがどこでもできているわけです。わかりやすい財政再建というのは、優秀な人材をそろえた中野区だけでなく、なかなかそれに長けた人の力だけでは完成しないと言われております。やはり民主主義ですから、一人ひとりが完璧だという形に少しでも近づける施策展開の上で、少しずつ動き出すということなんだと思います。
そして、全体を通しまして、区長が何としてもこれをやりたいという気持ちはわかるんですが、何としてもやってくれという発信に欠けるような感じを受けました。ケネディーさんが、力を出してくれというときに、どれほど苦労したかというのが思い出されるわけですが、そのときには、日本の改革に大きな力のあった上杉鷹山公を出したと言われています。やはりどうしても最大のサービス機関を目指したいという流れにどうしてもなるんですが、強力な努力を頼むという方便をどのようにして文章にあらわすか、そして本当に、先ほどの近藤委員の質疑にもありましたが、お力をかりたいというときになると、手っ取り早いのは、既に力をいっぱいいただいている方に被せてお願いするという流れなわけです。ところが、そうではない、30万人もいる人材の中に、灯火から育て上げたいという意気込みを盛られたら、さらによろしかったなと思っております。
人づくりについては、我が会派からも相当なメンバーで、他の会派からも、これだけの優秀な人材の信用を一つに集めて、すばらしい中野区をつくれというメッセージが届いているわけですが、そういうことに今後も思いをいたしながら進めていただきたい、このように思っております。
そして、施政方針の中で、あるいは予算案の概要を見させていただいて感じましたのは、土地開発公社の健全化計画、今年度で終わってしまうわけです。残念ながら、これだけ残ってしまったという形になっているんでしょうか。
○篠原財務担当課長 17年度末の残高で申しますと、見込みですが、67億円となってございます。
○篠委員 御説明の中で、平成18年度、来年度から5年間、平成22年にかけて、第2次の健全化計画というのがあるんだというお話を、詳しくではなく、ちらりと話されましたが、これはどこを納得させて国に訴えるのか。そして中野区でいえば、どことどこが残っていて、その金額は幾らぐらいなのか。そして、今60数億円と言われた金額に5年間で切り込めるのか、その辺に触れてお答えください。
○篠原財務担当課長 第2次健全化計画の内容でございます。17年度末の保有地8物件ございます。借入金額にいたしますと約67億円ということで先ほど申し上げました。第2次健全化対策では、このうちの5物件、15億円を18年度から22年度の5年間で買い取ることにしてございます。具体的にどこを買い取るかということで申し上げますと、上鷺宮五丁目公園拡張用地、本一高齢者会館用地、産業情報センター等の施設用地、中野五丁目公園拡張用地、これは2カ所ございますが、この計5件でございます。残った3物件でございますが、こちらは中野駅北口広場整備用地、これは2物件ございます。それから南口市街地整備事業用地、この3件、こちらでは合計で約52億円程度の借入残高となってございます。
○篠委員 第2次に大きく期待する数字という形では読み取れなかったんですが。何も手をつけていないではないかという感じを受けざるを得ないんですが、それにはそれなりの計算がなくてはならないと思っています。例えば、北口の件でも、52億円でしたか、50億円余りあるわけです。第1次健全化で対応できないとなると、もろに一般会計で対応しなければならない、これは無理ではないかと議員は心配するわけですが、したたかなやり方というのを、財務担当としては想定されているんでしょうか。仮の形でもいいんですが、お答えください。
○篠原財務担当課長 残りました3物件ということでお答えをさせていただきますが、この3物件につきましては、今後の駅周辺のまちづくり、南口の再開発の問題がございます。この用地につきましては、用途が決まってございません。ただ、用途によりましては、都市再生特別措置法のまちづくり交付金、都市計画道路等市街地整備事業があれば東京都の都市計画交付金、こんなような交付金の活用も可能でございます。また、そういった交付金が活用されることによって、起債の充当率もかなり高くなるということから、そういったことを総合的に勘案して計画を進めていきたいと考えてございます。
○篠委員 しっかりとした対応で、中野区のためになるような方法で頑張っていただきたいと思っています。
開発公社も含めた債務残高というんでしょうか、これはお答えいただけますか。
○篠原財務担当課長 特別区債と開発公社の借入残高でございますが、いわゆる区の債務残高で申し上げますと、17年度末の見込みでは585億円でございます。また、推移につきましては、平成13年度、2001年度が657億円ありました。この5年間で72億円を削減したということでございます。
○篠委員 それで、施政方針では、18年度末では、さらに頑張って上乗せして106億円と読ませていただくわけなんですが、土地開発公社でこれだけ頑張って、何で5年がかりで1年当たり20億円の頑張りだったかというのが、我々はわかるんですが、区民にはなかなか理解できない構図なんですが、どのような形で説明すれば一番わかりやすいでしょうか。
○篠原財務担当課長 18年度末につきましては、18年度の健全化対策につきましては、用地の取得を予定してございません。19年度以降から、そういった買い取りを進めていくという計画にしてございますので、単年度で申しますと、そのぐらいしか減らないということで御理解をいただきたいと考えております。
○篠委員 東京都には開発公社というのはないんだと思うんですが、土地開発公社はないですね。
○篠原財務担当課長 ないと承知をしてございます。
○篠委員 どっちでもいいんですが、要は頑張って土地開発公社が健全化を図る、しかしながら区の一般会計で買うということで、財務担当課長にはよくわかることが、区民には何でという形になってあらわれると、私どもが説明せざるを得ないわけですが、いずれにいたしましても、減らすのは大変なことだということで、先行取得ですから、土地が上がり続けるという想定の上に立ち上げたものですから、追い込まれるのはもう目に見えているわけで、しっかりとした対応でここを乗り切っていただきたいと思っております。
○篠原財務担当課長 御指摘の部分につきましては、例えば公社の借入額が、区が買い取ることによって一般会計につけかわる、そういったことで、どちらかというと、区の隠れた借金が表立って見えてくるというお話だと理解しております。ただ、中野区の公債費比率につきましては、平成13年度、2001年度には12.1%でございました。これが17年度末の見込みでは7.4%と改善をしてございます。こうした財政の健全化の取り組みを今後より一層進めていきたいと考えてございます。
○篠委員 あと、まちづくり関係では、いでい委員も、そしてうちの大内幹事長も質問させていただいているんですが、いよいよ、聞くところによりますと、3月6日ぐらいには新聞の上での発表があるのではないかということをお伺いしているんですが、警察大学校跡地等を含め国有地の処分という問題については、今年度を過ぎると地方自治体への優遇措置がなくなるという理解でよろしいんですか。
○石橋拠点まちづくり推進室長 地方公共団体が国有財産を公共性、公益性の高い事業等に供する場合は、国は譲与、無償貸付、減額売り払いなどの優遇措置を講ずることができるようになっております。これまでも、こうした優遇措置は、国の財政難などを背景に縮小傾向にありましたが、国の財政事情の一層の悪化や未利用国有地が地域的に偏在しているため、地方公共団体間に受益面での不公平が生じるといった理由から見直しを行ってきました。再度ここで見直しを行うということになっております。その結果、物納財産や警大跡地のような国が移転経費を要した財産につきましては、来年度から原則として優遇措置の対象外で、取得する全面積について時価売り払いということになっております。例えば、警大跡地につきましては、区が道路や公園予定地を取得する場合にありましては、今年度までは用地面積の3分の2、これは時価でございますけれども、3分の1は無償貸付となるという制度になっておりますけれども、来年度からは全体の面積が時価対象となるということになっております。こうした優遇措置を引き続き受けるためには、年度内に処分方針等を国有財産地方審議会等に諮り決定する必要があるということになっております。
○篠委員 それである程度は納得がいくんですが、中野区の意向が全部反映するという形での動きではないわけですね。4者協議というんでしょうか、杉並、中野、東京都、財務省、こういう中でしっかりと対応するわけですので。私は、優遇措置というのが、中野区にとって、ぜひ使わなければいけないものという認識でいるんですが、そういう認識で間違っていませんか。
○石橋拠点まちづくり推進室長 考え方については、いろいろな考え方があると思いますけれども、少なくとも区が公園用地、道路用地を取得するということであれば、今年度までであれば、そういった優遇措置がございますので、区が取得するという前提であれば、今年度、手を挙げて整備方針を決定すれば、来年度以降取得することであっても優遇措置が受けられますので、そういった優遇措置を受けるべきではないかと考えております。
○篠委員 まだ委員会等でしっかりと議論していただくということで、これ以上は御質問いたしません。しっかりと頑張っていただきたいと思っております。
次の項目で、その他で、時間があったらということで考えておったんですが、時間がありそうですので、先にお伺いしたいと思うんですが、防災計画というのは、毎年のように修正、改正をされているんですが、よくこれだけのものをつくり上げるなという感覚とともに、ネットワークづくり、本当に立派にやっている、郵便局長会なども巻き込み、防災意識をつくり上げることにも頑張っている、しかしながら、地域で一番心配しているのは、あまり考えない人は、いざとなったら学校へ飛び込めばいいという感覚でおるんですが、リーダーになる方々は、学校が対策本部になるのではない、地域センターが対策本部になって、地域の力を結集するんだという覚悟でおるわけです。そのときに地域センターの動きで大変大きな話し合いの場を持つ機会が失われているように思えるんです。地域センターの所長自体が3つも、災害時にどうやって対応するんだとか、いろいろな心配もあるわけで、それはそれなりに時代の変化に対応した流れがしっかり地域に理解されれば、それはそれで頑張れるわけで、いざとなったら近所の力以上のものは出せないという検証もされているわけですが、この辺について、区民にお知らせする前に、まず議会に現状をお知らせください。
○斎木防災担当課長 まず地域センターの見直しだとか、学校の再編、そういったことに伴う地域本部のあり方みたいなところかと思いますが、このことにつきましては、現在、避難所運営会議というのを年1回程度、開催いただいているところでございます。そこには、学校関係者、もちろん地域防災会、区の三者がそれぞれの立場で運営に参加しているわけでございます。そこでそうしたことの話をしてございますし、このほかに地域センターと連携しながら防災会等へ丁寧な説明をしていきたいと考えてございます。
それからもう1点の地域本部のあり方につきましては、基本的には、現地域センターに地域本部を設置するということに変わりないとしてございますが、災害対策要員につきましては、管理職である応急班長が地域本部長として対応するなど、地域本部の機能が損なわれないように、体制整備を図る必要があると考えてございます。
○篠委員 最近は町会なり自治会、あるいはPTA等、グループに情報がかなり早いスピードで流れるように地域は頑張っておりますので、しっかりと地に足をつけたグループが、いつでもそれの応援団として登場できるような対応をぜひ期待したいと思っております。
先ほど申し上げましたように、施政方針演説の中で、子育てについて、細かいところまでしっかりと目が行き届いているわけですが、私が質問させていただく清掃問題について、あるいは男女共同参画基本計画についての中で、まとめて触れさせていただければと思っております。
それでは、清掃問題について何点か御質問いたします。
中野区報の2月26日号、粗大ごみの申し込みはお早目に、何でこれが1面なのかと思ったんですが、3月には粗大ごみがいっぱい出たり、そういうことなのかとも思ったんですが、何よりも1月末に出た粗大ごみ収集民間委託という新聞記事が我々には大きく目に入ってきたんですが、サブタイトルが待ち日数最短3日、経費3分の1、足立区ですね。豊島区もそうなんだそうですが、足立区は清掃担当職員の身分が都職員から区職員に切り替わる新年度、平成18年度、23区で初めて粗大ごみの収集を民間に全面委託するそうですが、こんなことできるんですか。清掃業者や東京都清掃労組と交渉し合意した。これにより経費は3分の1に削減できる。地域別に曜日を決めて収集する方法も見直し、需要期の年末年始や年度末で申し込みから収集まで所要日数を縮める。これは2000年の都区制度改革によって、よく読むと勝手な行動はなかなかできないぞということをのんで清掃問題に対応してきたように思うんですが、中野区はどうなんですか。内容を明らかにする前に、足立区は、粗大ごみについて、3分の1になったというんだけれども、どのような体制で対応をしたのか、経費をいくら計上しているのか、その辺に触れてお答えください。
○遠山清掃事務所長 今、委員から私どもの区報の年度末のものについての御紹介をいただきました。現実、私どもも、早いときで3日から1週間ぐらいでお申し込みから収集まで回ってございます。ただ、御案内のとおり、年度末、お仕事の関係等でお引っ越しが多いということで、そういうことで区報に紹介させていただきました。
委員の御紹介、朝日新聞だと思いますけれども、足立区につきましては、新聞で御紹介されているように、正規の職員が8人、足立の場合は非常勤となってございますが、中野の場合も、再雇用の職員2人、今、人材派遣の職員を2人使ってございますので、ほぼ同じ人数で、予算も約2億4,000万円、ほぼ同じ状況でございます。利用している車両につきましても、ほぼ4台ということでございます。具体的には、粗大ごみ量の問題もございますが、足立区はちょっと特別な、区民が持ち込んだ場合、無料という制度も一部取り込んでございますので、現実的には中野区の方が処理をしている粗大ごみ量は多いかという実態でございます。
○篠委員 かなり細かくお答えいただいたんですが、足立区の地区割だとか、曜日だとか、作業効率優先手法だとかは、これで紹介されているんですけれども、中野区では、区報を見る限り、そういう手法、あるいは地域はというのは、何一つ書いていないんですが、御紹介いただけませんか。
○遠山清掃事務所長 中野区の場合も、4から5、6ぐらいのブロックに分けまして、受け付けの曜日を地域ごとに割り当てて、効率的に受け付けをしております。ただし、ごみ量の多い少ないがございますので、そこにつきましてはフレキシブルに、もちろん、その場合は予定よりもやや早くなる場合ですので、申込者の御承諾を得て早めに取りにいくといった便宜は図らせていただいてございます。
○篠委員 足立区も、これを実行するには1年かけた。去年の1月から民間に委託して日曜日の粗大ごみの収集を実施していたということも書いてあります。検証を続けたところ、ルートを調整すれば、エリアを定めなくても対処できる見通しが立った。やはり何かをやるのに、かなり実験を繰り返しているんですが、申し込みから最短で3日、中野区でも、3日というのは負けないぞとおっしゃっていただいたわけですが、予約いっぱいの場合でも翌々日には収集できる、これはもう信じがたいことなんですが、何せ私が心配するのは、2000年に清掃事業が都から移管される前、特別区の雇上会社と呼ばれる清掃業者は52社ございますね、この団体、そして清掃労組とは覚書が交わされた。そこで、どんな覚書の内容だったんですか、こと粗大ごみの収集に関して。
○遠山清掃事務所長 今、委員の御紹介がございましたが、具体的には、覚書というものは、登場する当事者は、東京都、特別区区長会、御紹介のございました雇い上げ業者の団体、この三者で覚書が交わされて、当面の間は、粗大ごみにつきましては、全体の中で一定の拘束のもとに、23区共通のベースにのっとった上で契約を行うということでございます。委員の御質問は、不思議だということでございました。これは昨年の12月に覚書の中身について確認書が取り交わされまして、粗大ごみにつきましては、平成18年度から各区で、細かいことを言えばある程度の拘束はございますが、各区の契約ができると見直しがなされたわけです。御紹介いただいた足立区、豊島区については、その考えに沿った民間委託の契約だと認識してございます。
○篠委員 それが紹介されている収集車を4台から3台に、乗車する作業員を二人に減らす、かなり細かいことも書いております、作業員の乗る後部座席が不要になる分、3割増しの4.2立法メートルを積載できる新型車両を導入することなどで合意したと。合意の相手は、新年度から13社でつくる足立清掃環境事業協同組合に委託する。交渉した相手もここだったわけで、12月の内容と連動して、それを先取りした行動を起こしていたと、こういう理解でよろしいんですか。
○遠山清掃事務所長 そのように理解してございます。今、委員の御紹介いただきました団体は、一番最初に御紹介いただきました雇い上げ業者の団体とほぼ構成メンバーを同じくする、より自由に契約といいますか、受託業務ができるということで、別立ての団体でございますが、構成メンバーは雇い上げ業者のメンバーとほぼ同じと考えてございます。
○篠委員 中野区も大変な努力をしているのはよくわかるんです。他区に先駆けての行動をたくさんとっているんですが、こと粗大ごみに関しては、足立区が先取りした方法に沿って、中野区のつくるそういった業者と交渉するという形なんですか、そういう理解でよろしいですね。その業者は何社あるんですか。
○遠山清掃事務所長 中野区の粗大ごみ、今現在、直営方式でやっておりますが、直営方式の中で、コスト、その他、収集体制の改善ということは、常に日ごろから検討しているわけでございますが、民間委託についても検討はいたしてございましたが、私どもの検討の中では、個人情報を扱うという、その取り扱いの問題、どういった収集体制で業者委託をするか、あるいは、新聞にも載ってございましたが、日曜日となると、受け入れ先の関係で一時保管をしなければいけないというところのスペースを有する業者が区内にあるかということで、基本的には、区内の能力を持った業者を中心に内部で検討をしていたというのが実態でございます。
○篠委員 何社あるんですか。
○遠山清掃事務所長 想定されるのは2社でございます。
○篠委員 2000年の東京を挙げての頑張りで、都区制度改革、それなりにやったわけですが、まだ課題は残っているわけですが、清掃関係では、いわゆる不燃ごみ、可燃ごみ、粗大ごみ、古紙、ペットボトル、この五つについて清掃事務所が担当する。そして以前から区が対応して、引き続き対応しているのが、びん・缶という理解でよろしいですか。
○遠山清掃事務所長 そのとおりでございます。
○篠委員 そのうち3番目の粗大ごみのことを質疑させていただいたんですが、不燃ごみについては、中野区は中野区独自のビジョンに基づいた行動をとっているんですが、簡単に御紹介ください。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 プラスチック製容器包装回収の事業につきましては、ごみ減量施策、あるいは化石資源の再資源化による環境にやさしい施策の一環ということで、不燃ごみの重量比でございますが、約26%を占めておりますプラスチック製容器包装を分別回収いたしまして、容器包装リサイクル法の指定法人ルートを活用した事業者による再商品化を行う事業でございます。再商品化処理の事業者につきましては、容リ協会の入札により毎年決まることになっておりますけれども、現在は新日鉄君津製鉄所においてコークスの還元利用化法により行われてございます。プラスチック原料でございます炭化水素、コークス、発電用ガスに再生されている、そういった事業でございます。
回収事業の実施状況でございますが、中野区としましては、平成15年度に試行を開始しまして、3度にわたる地域拡大で、現在は約1万3,750世帯を対象としておる事業でございます。地域といたしましては、弥生町の四丁目から六丁目、鷺宮四丁目から六丁目、上鷺宮一丁目から五丁目でございます。この間の実績といたしましては、15年度は3カ月間の試行回収でございますが、27.8トン、16年度は9カ月間でございますが、約85.8トン、17年度につきましては、1月末現在でございますけれども、約204.1トンでございます。18年度はごみ収集と一体化した回収体制を組むことで事業の効率化を図ることにいたしまして、雇上経費につきましては、17年度対比で約2,300万円の減を図っていきたいと考えているところでございます。
○篠委員 早口で多分だれもわからなかったと思います。ただ、かなり前向きに頑張っている、そういうことだと思うので、しっかり頑張っていただければと思うんです。
我々がわかりやすいのは、不燃ごみ、可燃ごみ、粗大ごみ、古紙、行政回収というんですか、この部分で、粗大ごみでは足立、豊島は、新聞に出たんですが、中野区の努力は、町会連合会等々としっかり手を組んで改革を進めているんですが、車の台数も含めて、何月までに何台にするんだ、行く行くは何台にするんだという計画を立てたら、その都度、清掃協議会に届けなければいけないんですか。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 車の雇上会社を来年度どのような計画で雇用するかという内容につきましては、前年度の1月の中旬までに清掃協議会の方に報告いたしまして、それに基づいて配車計画を、清掃協議会として23区全体の計画をつくるということになってございまして、途中で勝手にやめてしまうということはできない形になってございます。やめる場合については、いつから減車するというような形で、あらかじめ届けておく必要があるという形になってございます。
○篠委員 中野区の届ける前に計画をつくらなければいけない。それであれば、何月に何台にする、今は何台である、それをゆっくり教えてください。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 季節によって若干異なる場合がございますけれども、届け出しておりますのは、中野区の直営が20台、雇上が64.08台、これは収集体制もございますので、そういった形でございます。直営車が20台、雇上が約64台ということで、18年度分については、そのような形で届けているところでございます。
○篠委員 そのうち古紙を担当する部分は。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 古紙につきましては、現在9台でございますけれども、来年度は1台減らした形で8台にするということで届けてございます。
○篠委員 今は7台ではないですか。9台ですか。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 平ボディの車と軽小型車がございますので、それを入れますと9台ということでございまして、来年度は平ボディの車を1台減らすという形でございます。
○篠委員 その大ざっぱな計画でいいんですか。何月には何台にして、何月には何台にして、平成19年度の4月になったら零台にするんだ、そこまでの計画は立てないで構わないんですか。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 実際の運用の見通し、来年度のごみの収集量を見通した中での配置計画でございますので、運用の中で、具体的に来月、大体季節的な要因がございますので、そういったものを加味して年間平均64台という形でやってございます。また、ごみが急にふえた場合、年末とかなんかについては、臨時的な車の手配をするような仕組みになってございますので、基本的に日常月間ベースで必要な車の台数を平均的に出しているわけでございます。
○篠委員 町会長が大分いらっしゃいますので、町会のお力を借りて、何月からこうやるんだということを何回繰り返しても、地域に発信しても発信し過ぎることはないと思うんですが、もう1回教えてください。古紙だけでいいので。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 現在、先ほど申し上げましたように、平ボディの車と軽を入れて9台でやっているわけでございますが、これを来年度は8台にして運営していきたい。現在、今、委員がお話しされております内容について、少し説明させていただきますと、これはどうしてかということでございますが、町会・自治会が今、新集団回収方式ということで、週1回回収を古紙については行うという事業を進めておられるわけでございまして、これが昨年12月現在でございますけれども、46町会にふえてきているというところから、18年度中に町会連合会ごとにすべての町会が週1回回収、今やっておられない町会があるわけでございますが、そういったところが一緒に取り組んでやっていこうという計画を提案されてございます。区といたしましても、そういった計画を支援するということで、あわせて取り組んでいきたいということで、19年度当初には、今の中野区としての行政の古紙回収は停止していけるようにいきたいという考え方を持っているわけでございます。そういった話が、ちょうど1月ごろにまとまる状況がございましたが、来年度の配車計画については間に合わない状況になってございますので、当面、今までの減車ができる範囲で届けてございます。来年度の集団回収が進めば、その分に応じて車も必要がなくなる部分がございますので、変更させていただき、他に活用していくようなことも検討していきたいと考えてございます。
○篠委員 19年度は何月何日までに届けなければいけなかったんでしょうか。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 たしか1月18日だったと思います。
○篠委員 零台にしたいという気持ちはあったんですか。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 今回の町会・自治会がやっておられます新集団回収方式が、46町会までは行ったんですが、その後がなかなか進まない状況がございます。そういったことで今後どういうふうにするかということがございました。要するに、区の行政回収の車の回収量も減ってきているわけでございまして、ちょうど中途半端な形になっておりまして、これだと行政の方の経費もかさむばかりだし、報償金の方はふえていく、こういった二つの矛盾が生じてまいりますので、これを何とか解決し、集団回収をできるだけ促進していく方法がないのかということで、私どもとしては相談をさせていただきまして、新たに地区町会連合会単位ごとに取り組むことによって促進できるのではないか、こういった話を常任理事会の方で検討していただきました。そういったことでやろうという話になりましたので、これが2月の初めの常任理事会で了承いただいたということで、今回、ちょうどその狭間に入っている状況でございます、車の関係で申し上げれば、そういうことでございます。
○篠委員 現在、何トン出ているのか。そして報償金をいくら払って、行政回収分はいくら予算を取って、合計はいくらになるんですか。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 大体、町会・自治会と区の方で1万4,000トンぐらい出てございます。今年度は、報償金が6,000万円をちょっと超える予定でございます。来年度の予算は9,200万円ぐらいを報償金に入れてございます。車の方は1億2,000万円ぐらいになるかと思ってございます。そういった経費の内訳でございます。そんな状況でございます。
○篠委員 そうしますと、報償金が現在は約6,000万円払っている、そして直営が1億1,000万円なり2,000万円なりというと、1億七、八千万円、それが1万4,000トン全部報償金という形になれば、掛け算しますと8,400万円、何だかんだ含めても9,000万円ぐらいという理解でよろしいんですか。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 およそそのような考え方でございます。
○斉藤(金)委員長 3時になりましたので、3時25分まで委員会を休憩いたします。
午後3時00分休憩
午後3時24分開議
○斉藤(金)委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き総括質疑を続行いたします。
○篠委員 続きを始めます。
清掃事業でしっかりと区長会は一生懸命に努力しているんですが、なかなか大変な状況でございます。清掃協議会のあり方というのが、やはり2000年、平成12年に都区制度による移管というところで、これはちゃんとした法律に基づいて立ち上げられているわけですけれども、各区の自治に基づいて行動するといういたってわかりやすい構図として、基礎的自治体として理解されました。ですが、ことごみに関しては、民間業者、雇上業者の力を借りるにしても、雇上業者自体が区の方に顔を向ける必要がないという構図、そういうDNAというんでしょうか、本当の意味の地方分権として、各区事項という形で残してこられなかったところに、現在の主要5課題等も含めた大きな根があったのではないかと私は思っておるんです。しかしながら、区長会は清掃協議会で経過的に処理している事務については、本来は基礎的自治体の業務にあるという認識で、各区が直接処理する方法で検討をするようにという方針も一たんしっかり出したんです。しかしながら、相手がいることでして、いわゆる雇上業者、最後の判こは区からもらうにしても、区に顔を向けないでも済む組織をつくってしまっての行動ですから、それと連動してすべてがうまく行っていないという大きな流れになってしまっているのではないか、私はそのような認識でおるわけですが、清掃協議会、今後どんな動きになるんですか。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 現在、清掃協議会は62項目の事務を行っているところでございます。先ほど委員のお話にございましたように、基礎的自治体として、こういった事業については、基本的には各区事項とすべきだという方針のもとに、いろいろと協議が進められてまいりました。そのうち、今回は一般廃棄物処理業の許可事務が各区に来年度、4月から移行されることになりました。これが一番大きな移管かと考えてございます。そのほかに連絡調整事務というものもございまして、この中に雇上契約と雇上契約に付随する連絡調整事務といったものがございます。この事務についていろいろと協議が行われたわけでございますけれども、先ほどお話がございました資源ごみと粗大ごみについては、18年度から各区でも独自に契約ができるという形で協議が一段階進んだわけでございますけれども、その後の本体でございます可燃ごみ、不燃ごみの契約につきましては、さらに継続協議ということになってございますので、この部分について協議会の事務が残るということになります。そういったことから、この事務の範囲で18年度以降も清掃協議会は残るということになってございます。覚書の見直しの協議が進みまして、雇上契約に関する事務が各区事務に移行するといったことがまとまれば、清掃協議会はいずれ廃止になるといった見通しでございます。
○篠委員 契約というか、平成12年、2000年に取り交わした覚書というんですか、見直すということになっているのか、今お答えいただいた中で、見直した内容がそれだということなんですか。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 覚書、あるいは確認書の中で、関係事業者、雇上業者でございますが、対応策として、区移管後、一定期間の経過後、見直しの必要が生じた場合には見直すこととしてございます。見直しに当たっては、東京都と特別区、清掃協議会と関係事業者で協議をするという位置付けにされてございますので、この協議が昨年4月から始まって、先ほどお話のございました粗大ごみの契約も、それから資源回収、古紙回収でございますが、これについては区で個別の契約をすることができると。ただ、契約できるのも、今の雇上会社か、あるいは雇上会社で構成する団体に当面委託するといった協議が整ってございますので、そういった仕組みの中で個別契約ができるとなってございます。
○篠委員 いずれにしましても、区民にとって一番いい方法が実現できる、区長会は、23区の区民にとって最大の利益になるという方法で努力をしていかなければならないわけです。ということは、区民にも情報をしっかりと流す、区民の代表としての議会を完全に巻き込んだ形で、区長会が力をもらって、区民のためになる交渉ということが今後もこの流れのポイントになると思いますが、そういう理解の上に行動されていますか。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 区長会等でまとめられたものにつきまして、私どもの所管の委員会に逐次報告をさせていただいております。その中で、区長会、全員協議会、各区の議長さん方にも、一組清掃協議会から報告がされていると聞いてございますので、そういった中で、それぞれの各区の議会の方々も取り組んでいただいているんだろうと考えてございます。
○篠委員 2000年、平成12年に清掃で移ってきた不燃ごみ、可燃ごみ、粗大ごみ、古紙、ペットボトルの中で、可燃ごみの有料化ということが、ごみ減量のかなりの大きな力という認識が研究されていますけれども、そこへのステップをどのように考えていらっしゃいますか。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 家庭ごみの有料化につきましては、ごみ減量施策として有効な経済的手法だととらえているわけでございますが、一方、区民の皆さん方に負担をお願いするということでございますので、実施に当たっては、区民の御理解と御協力が何よりも重要と考えてございます。したがいまして、家庭ごみの有料化に当たりましては、まずはごみの資源化などのごみ減量、あるいは経費削減のための施策を事前に講ずることが必要であります。あわせて、区民に対して、ごみ問題の現状に関する理解を求めていくことも重要だと考えてございます。その上で、必要に応じて、特別区全体での検討だとか調整を行う余地がございますけれども、基本的には各区がそれぞれの課題に取り組んで、効果的な有料化の施策の実現を目指す必要があります。
具体的には、有料化を実施するに当たりましては、細かい話ですが、料金の設定をどのようにするんだとか、課金媒体はシールにするのか、袋にするのか、あるいは料金の使途はどのようにするのか、収集方式は戸別でやるのか、あるいは記名でやるのかとか、あるいは収集作業体制はどういうふうにするのか、そういった取り組むべき課題がございます。そういったものの方向性について検討の場を設ける必要があるだろうと考えてございまして、そうした検討を踏まえて、区民、議会、関係業者の理解・協力を得ていく必要があると考えているところでございます。
○篠委員 中野区のキャッチフレーズに、ごみゼロというのがあるんですが、ごみゼロということだけに関して、ゼロになるわけはないので、何年までにどのぐらいにまでするということをもう1回、明確におっしゃっていただけませんか。
○西條ごみ減量・清掃事業担当参事 10か年の最終目標の29年度に、現在のごみの量の半分にすることを当面の目標としてございます。
○篠委員 ありがとうございました。
次に、男女共同参画基本計画について、予算案の概要の中では、29ページの男女共同参画基本計画の策定、予算額63万6,000円、社会状況の変化、区基本構想、10か年計画等との整合性を図るため男女共同参画基本計画を改定します。来年度、平成18年度は審議会を設置・検討、19年度に策定、計画期間は19年度から28年度とあるんですが、これはまた5年ごとに再度動きがあるという流れの中での計画期間なんですか。
○合川子ども家庭部経営担当課長 基本計画につきましては、10か年を予定してございますが、当然、その中間の時点で見直しも含めて検討しているということでございます。
○篠委員 昨年、男女共同参画計画が5年ぶりに見直され、5月の中間整理の発表を得て、平成17年12月に閣議決定されたわけです。動きが大変、全国的に注目を集めたわけですが、自民党のグループの中でも、安倍幹事長を中心とした、過激な性教育、ジェンダー・フリー教育実態調査プロジェクトチーム、いわゆるプロジェクトチームの発言を、逐一何らかの方法で我々は目にすることができたんですが、でき上がった第2次参画基本計画というのは、これなんです、これで最大の焦点は何だと思いますか。
○合川子ども家庭部経営担当課長 計画の中にジェンダーという言葉を盛り込むかどうかということが、かなり議論を呼んだと認識をしてございます。
○篠委員 ジェンダーという部分で、中間発表後の地方議会の流れ等も、我々の知るところだったんですが、一番早く行動を起こしたのが徳島県議会、10月17日、自民党、公明党による賛成多数で男女共同参画見直しの意見書を出す、12月16日には、香川県議会が、ジェンダーという言葉を外せという決議案を可決、いわゆる我々が中間報告を受けた後の全国的な動きというのは、地方からかなり上がりましたので、私もそれに目を通す機会があったんですが、今回のいわゆるジェンダーという文言について、第2次の基本計画の21ページに「社会的性別(ジェンダー)の視点」ということで、今回、22行にわたる説明があって定義付けられている。どうして行政用語として22行も要したのか。どんな内容になっているのか、ちょっと教えてください。
○合川子ども家庭部経営担当課長 まず趣旨でございますけれども、ジェンダーということで、社会によってつくり上げられた男性像、女性像がありまして、このような男女の別を社会的性別と定義をしてございます。社会的性別の視点というのは、社会的性別が性別による固定的役割分担ですとか偏見につながる場合があることを意識していこうというもので、社会的性別の視点には、男女共同参画社会の形成を阻害するものがあるが、一方で阻害しないものまで見直しを行うものではないということ。それからジェンダー・フリーという用語を使用して性の差を否定したり、あるいは人間の中性化を目指すことは、国民が求める男女共同参画社会とは異なる、これらのことを国は広く国民に周知をするというものでございます。一部に、画一的に男女の違いをなくし、あるいは人間の中性化を目指すという意味で、ジェンダー・フリーという用語を使用している事例がありまして、これは男女共同参画が目指すものとは異なるということで、そういったことの議論があった結果と認識をしてございます。
○篠委員 自民党のプロジェクトチームは、外せということに相当こだわったいきさつが報告されているんですが、前回と違う最大の問題点は、5年前に閣議決定された男女共同参画計画では、何の定義もされないまま「ジェンダーに敏感な視点」という言葉が入っていた。これが最大の暴走を許した原因であります。その反省に立って、これはまずいということで、変えていったら22行になってしまった。まだ書き足りないという感じもあったんですが、結局は自民党の中が真っ二つに割れる、11月まででしたか、官房長官の下で男女共同参画施策は展開されていたんですが、選挙が終わったら、そうではなくなってしまった。猪口さんのジェンダー・フリーグループと安倍さん、山谷さんを中心とする、伝統を大切にしなければ性教育が乱れる、自民党の中に民主党が入ってしまったんです。これは党の分解かというところまで行ってしまったわけです。それで、最後に安倍さんが中に入りまして、目に余るものが確かに例として提示されたけれども、さらにこの流れがとまらないときには、一歩も引かずにジェンダーという言葉を外すということで、妥協しようということで、見方によっては自民党の分裂が避けられたとも言われている定義なわけです。
22行としても、行政用語としてはまるでなっていないわけですが、人間の中性化なんていうのも、聞いたこともない定義と言わざると思うんですが、これはまずいと言われて、22行の中に書かれた言葉をもう一度おっしゃってください。
○合川子ども家庭部経営担当課長 再度の答弁になりますけれども、そういった社会によってつくられた男性像、女性像、こういったことで男女の別があるということで、それを社会的性別ということで定義をしてございます。こういったことの用語の解釈が間違った方向で行かないようにということで、こういった22行の定義になったのかと思ってございます。また、私ども、こういった定義につきましては承知せざるを得ないと思ってございますが、新聞報道等によれば、先ほど委員御指摘のような、官房長官のそういった姿勢、あるいは猪口担当相の私が全国を回ってこういった概念の周知に努力をするということで、あるいはこういった定義についても、詳しく基本計画の中に盛り込んでいくんだ、そういった姿勢の中で、こういった22行の説明となったと私どもは認識をしてございます。
○篠委員 第2次の基本計画の中に、これはあまりよくないという具体的な例をお聞きしたんですけれども、22行以外からでも結構なんですが、全部言ってみてください。
○合川子ども家庭部経営担当課長 22行の定義の中で、例えばということで例が示されてございます。例えば、児童・生徒の発達段階を踏まえない行き過ぎた性教育、あるいは男女同室着がえ、男女同室宿泊、男女混合騎馬戦等の事例は、極めて非常識である。また、公共の施設におけるトイレの男女別色表示を同色にすることは、男女共同参画の趣旨から導き出されるものではないという例が挙がってございます。
○篠委員 地域で事業を公開しましたら、そうでもないよと言っていただけるのもあるかもしれない。しかしながら、例として挙げられて、ただ、男女混合名簿は不適切な事例として挙げられていませんね。ですけれども、ものすごい激論が走った。一日に4回も会議を開くという、いわゆるこういった流れの第1手がここにあったということです。結局は終息されたんですが、様子を見ようということで、最終的には教育現場の問題だとして、文部科学省の意向に従うというところになりました。ですが、議論自体は、東京都はこれが最初の1手なんだ、ついては変えた方がいい、同じ経路をたどっての議論だったと思うんですが、一番困るのは、昨年夏の日教組の定期大会では「平成15年、16年度運動総括として憲法や教育基本法改悪を性やジェンダー・フリーの教育への組織的攻撃など平和が危機的な状況にある。ことし18年度の運動スローガンにジェンダー・フリーの理念の定着を図る」と挙げているんです。去年11月には、ジェンダー・性教育批判対策プロジェクトチームを設置と、やはりここが、力を落としてきたとはいえ、現場を握っているわけです。この流れに対して、我々は今後とも、閣議決定された参画基本計画、これも組織的攻撃に当たる可能性もあるわけで、これについて日本全体を見渡せば、やはりそういうことなんです、現場は握られている。それに対して、教育委員会としても、しっかりとした姿勢が求められると思うんですが、いかがですか。
○小林指導室長 教育委員会といたしましては、人権尊重理念を広く区全体に定着させ、あらゆる偏見・差別をなくし、さまざまな人権課題にかかわる差別意識の解消を図るため、教育の果たす役割というものは極めて重要であるとの認識を持っております。そこで、学校教育の指導目標に重点教育の推進を掲げて推進しているところであります。とりわけ男女平等については、中野区男女平等基本条例に基づき、男女が互いの違いを認めつつ個人として尊重される男女両性の本質的平等の理念を児童・生徒に理解させ、その具現化を図るように進めているところでございます。
○篠委員 ただ、我々は、地方分権といえば、もう問答無用で、本当にありがたい世界になったという流れの中に今いるんですが、イギリスでは、教育現場が本当に乱れたときに、そうではなかったという流れもサッチャーさんによってつくり出されたわけです。では、日本においては、どうかといえば、やはり昭和31年の地方教育行政の組織及び運営に関する法律、いわゆる地教行法ですが、それの48条、52条というのに「適正を欠き教育の本来の目的達成を阻害していると認めるときは是正措置をとることができる」、48条は「文部大臣は教育行政のほとんどすべてにわたって指導、助言、または援助をするものとする」、それがどう変わったか。要するに、平成11年に48条も52条も変わったわけです。52条に至っては全面削除、48条は「指導、助言、または援助をするものとする」というのが「行うことができる」、こういう関係、いわゆる相談されれば相談にはのる、東京都でこういう方針を出した。中野区の教育委員会は、対等の関係で、それに従うことはない、こういうことで構図ができているわけです。これは、考えようによっては、地方分権一括法が乱れたときに立て直しが効かないという由々しき流れというとらえ方をする人もいるぐらいなんですが、ここで現場が乱れたときというくだりでは、教育委員会、そして地域の御父兄の目というものを相当に大切にする体制を中野区の教育委員会がつくらない限りは、中野区の教育は大変なことになる、どの地域においてもそうだという認識でいるんですが、具体的にそういう自覚と施策とがありましたら教えてください。
○小林指導室長 今、委員から現場が乱れるようなということでお話がございましたが、一例を挙げるならば、性教育において児童・生徒の発達段階を十分に踏まえない内容の授業が行われるということがもしもあった場合には、やはり男女平等教育を適正に進めていく必要があろうかと思います。男らしさや女らしさをすべて否定するような誤った考え方による指導はあってはならないことであり、今後の適正な性教育、そして男女平等教育を推進するように、各学校に指導をしてまいりたいと思っております。
○篠委員 今、室長のおっしゃられた性の自己決定という文言は今回外されたわけです。中野区の共同参画基本計画では、性と生殖に関する健康と権利、リプロダクティブ・ヘルス、これは自己決定に基づく性の尊重の確立に努める、これに取り組まざるを得ないと思うんですが、その心づもりでしっかりいらっしゃるんですか。
○合川子ども家庭部経営担当課長 性の自己決定ということでございますけれども、前の国の基本計画の中には、性の自己決定という言葉はございませんでした。そういった基本計画の項目にはなかったんですけれども、今、委員御指摘のリプロダクティブ・ヘルス・ライツ、こういったことに関する意識の浸透という項目はあったと認識をしてございます。今回の基本計画の中には、こういった言葉もしっかりと再定義をするということで、性と生殖の健康を得る権利とされてございます。私どもの行動プランの中にございます、そういった言葉につきましても、こういった国の考え方に沿った形でこれから検討していきたいと考えてございます。
○篠委員 さきの中野区のものでは、下位の行動計画という中には、原則は大変すばらしいことが書いてあって、「この行動計画に含まれる勧告については、国内の法及び開発優先順位と一貫性を持ち、自国民のさまざまな宗教的、倫理的価値観及び文化的背景を十分に背景し、また広く承認されている国際的実験との調和を図りながら」云々、非のつけどころがない文言があるんですが、第7章にそれが入っています。
それから女子に対する差別の撤廃に関するものでは、1979年に国連で、日本は1985年に条約を公布していますが、アメリカは認めていないんです。サインはしたけれども、上院、国の議会は通っていないんです。こういうことなんですが、大きな流れ自体は、国連発を日本の国会があまり精査しないで、世界の流れという、いわゆる世界で活躍した猪口さんが、そこではよく活躍されたわけですが、その流れがそのままという形になっていて、今回の閣議決定でも大分修正を迫られたという部分が出てきたんだと私は思っているんですが、間違えるといけないので、さきの差別の撤廃に関する条約というのは、アメリカは承認していませんね。
○合川子ども家庭部経営担当課長 私ども、いろいろな形で確認をいたしましたところ、委員御指摘のとおり、署名はしていますけれども、批准はしていないという状況でございます。
○篠委員 ここは、なぜ批准をしなかったかを問題にする場所ではございませんので、さきの基本計画を中野区で立ち上げるとき、また、今回もまた立ち上げなければいけない。ただし、今回は、さきにも触れましたように、社会状況の変化、基本構想、10か年計画の内容等の整合性を図りながらしっかりと対応する。もちろん、第2次の基本計画から目をそらさない行動をとるということなんでしょうが、さきの会議で、神山区政において、この委員に押された方は、大沢真理さん、これはもうジェンダー・フリーの総本山ともいわれる方でございます。金子勝さん、この方も、どっちかというと激しいテレビ出演で、お顔は忘れないお顔をしていらっしゃるんですが、その中に我が沼口さん、内田さん、山岸さん、保々雄次郎さんとあるわけですが、今度も丸投げをするんですか。
○合川子ども家庭部経営担当課長 今回につきましては、私ども、18年度の予算ということで御提案申し上げておりますけれども、審議会を設置して検討を重ねていきたいと考えてございます。委員御指摘のとおり、国のこういった基本計画ですとか、私どもの基本構想、10か年計画、そういった理念に沿った形での計画づくりということで、一定程度、事務局としての案をお示ししながら審議会にかけたいと考えてございます。
○篠委員 自民党のプロジェクトチーム自体も、性教育が乱れている恐れがあるぞという対応をしたわけです。男女の国会議員が同数というのはスウェーデンだそうです。男女平等が大変進んでいる、性教育促進ということでは、男女同権推進が車の両輪のようにしっかりと動いた。今では福祉国会の聖地の名を、残念ながら返上せざるを得ないというところまで社会政策には追い込まれたとも聞いていますが、少なくとも1970年は、今、国の方向をつくっている方々が勉強に行ったころは、性教育の先進国の名を世界にとどろかせたことは事実です。それで、学校でも家庭でも幼児の段階から性がオープンに語られて、また性の自由を謳歌する国のように見られたわけですが、残念ながらヨーロッパで最も性犯罪発生率の高い国として名指しをされる、またスウェーデンの犯罪全体の発生率は現在、米国の4倍、到底自由と人権の国にふさわしい数字とは言えないわけです。若者の自殺、あるいは若者の失業、麻薬。スウェーデンが性教育先進国と呼ばれるようになった背景は、伝統的家父長制の否定、女性や子どもの人権重視の観点から性を個の権利として扱った政策が大きく影響したと言われています。個人の人権と自由を最大限保障する国家を目指したスウェーデンでしたが、タブー視されてきた性の問題にも同様な思想を適用としたのが原因だと総括されているわけですが、その思想が浸透したのは、性を罪悪視するキリスト教の呪縛からの開放、これがキャッチフレーズだったと聞いています。結果としては、無秩序化、社会不安を招いてしまいます。こういうスウェーデンなんですが、あらゆる性のスタイルに寛容になるという方向を目指して、世界一人権を尊重する国として振る舞ってもきたわけです。しかしながら、ちょうど35年たちますが、過半数のカップルが婚姻届をされていない事実婚、離婚件数が婚姻件数の50%、4割の子どもが非嫡出子、同性愛も合法、学校で教師が同性愛を批判すると牢屋に入れられてしまう、やはり大変頭のいい方々が30数年前に勉強に行って、しっかりと対応したはずなんですが、人口10万人当たりの強姦件数なんていうのは日本の20倍、10万人当たりの性犯罪も日本の7倍、見るに見かねるような結果としてあらわれています。ヨーロッパでは、これは決して手本になりません。しかしながら、動き出した流れをとめるというのは、もうほとんど至難のわざでございますが、認識、そして妥協の産物の第2次の閣議決定を見ましても、相当に国民の目を最後には期待しますとおすがりしている部分があります。国民の目というのは区民の目であるんですが、性教育という項目ではなく、道徳教育とか、そういったものも含めて、学校では地域に理解を求める努力をしていらっしゃいますか。
○小林指導室長 差別や偏見のない社会の実現に努めるため、そういった児童・生徒を育成していくために、学校における道徳教育の一層の充実を図るとともに、道徳授業地区公開講座などを全校で展開しておりまして、保護者や地域との連携を強化するようにしているところでございます。
○篠委員 21ページに22行の定義を書かれたんですが、その中、あるいはそのほかにも、ジェンダーという概念そのものは残ったわけですし、ジェンダーという言葉の誤った使い方はやめるとは言っていますが、ジェンダーは生物学的性別とは違い、もっぱら社会によってつくり上げられたものだという定義自体は、中立的とはいっても積極力がありません。今回の基本計画も、よく読みますと、よいジェンダーと悪いジェンダーがあるとか、ますますわからなくなってしまうような文言が入っているわけです。そういう意味でも、やはり地域の目にしっかりと見ていただくという行動を今後とも続けていただきたいと思っています。
実際には、基本計画の中に、生涯を通じた女性への健康支援という章が立ち上げられて、またやながわ妙子委員が母乳教育の大切さということもおっしゃいました。そのことも事実、今回は出ているんです。やながわ委員はあまり詳しくおっしゃっていませんでしたが、母乳を通した不思議さというんですか、免疫力と強さというのは、だれでも知っているんですが、出産の1日目の母乳と1カ月目の母乳と6カ月目の母乳は成分が全く違うんだそうです。生命の神秘以外に何ものでもないんだろうということなんですが、それが感染症にかからないとか、相当なこの分野の研究が進んでいるわけです。しかしながら、世の中の流れの中で、哺乳びんというのは、一気に15分ぐらいでぱっと飲める、母乳となりますと、私はわからないんですが、詰まったじょうろのようでなかなか出ないんだそうです。一生懸命に吸って、やっと出るということですから、肺の筋肉も発達したり、そのかわり大変なんだそうで、夜中にも起きなければならない、1回の授乳で40分近くかかってしまうという場合もある、それはそれは大変なんですが、それにも目を向けて頑張れと、行動計画にはこう書いてあるんです。中野区も、急に言われたって、どうしていいかわからない部分かもしれませんが、山口県の光市の例をやながわ委員は熱く説いておりましたけれども、アメリカでは、35年前は、母乳育児をする母親が2割まで、フェミニズムの影響が下がってしまった。女を赤ちゃんに縛りつける、社会進出を妨げると否定的に見られたんだそうです。けれども、母乳育児も大切とした、それ自体というのは、世界的に見直されているそうで、韓国でも一時期は15%ぐらいまで下がってしまったんですが、韓国の場合は国家プロジェクトで65%まで上がったそうです。ニュージーランドは現時点では90%を確保できている。いずれにしても、国の方向性をつくるときに、3歳児神話は神話に過ぎないという厚生労働省と、いや、そんなことを言っている場合かという文部科学省との動きがあるわけで、行政としてもどっちを向いていいかわからないほど大変なんですが、もう厚生労働省自体は、母乳育児のための調査というのは、あの白書以来、もうすっかりやめてしまった、全く始末の悪い対応をしているんですが、しかしながら、行動計画を見ますと、やはり厚生労働省主導の流れを感じます。
そして、最後の方に数値目標に書かれているんですが、中野区でしっかりと立ち上げた部分というのは、新聞でも評価されておりましたが、いわゆる働く女性を徹底的に支援する。しかしながら、今回の総括、あるいは一般質問の中でも感じられたんですが、江戸川区での対応というのは、少子化の流れをとめている23区唯一の区でもあるし、参考にしないといけないのではないか。区長部局もその対応を必死にする姿があるんですが、母親が仕事に専念できる体制という方しか予算の上ではやはり見えてこない。近藤委員が実際の数値で、お年寄りの部分についてはお力をいただいていないんではないかという御質問をされましたが、子どものことについても、地域では守りきろうという動きはあるんですが、これはやはり家庭的な流れ、これが幼児にとっては一番いいんだそうです。これは、デンマークで、いつか申し上げましたが、25年前に家族責任という概念で大きな力になりました。スウェーデンの例で学ぶと30年を過ぎて、つけがやたら回ってきます。これは改めないといかんぞという流れだと思うんです。これについて区長は必死に考えているようですけれども、発信としては、今回の施政方針演説の中では、力強くは伝ってきていない。その辺についていかがですか。
○田中区長 家庭での育児・子育てを支援していくという意味で、家庭そのものに力、機能が弱まっているということに着目した、いろいろな意味での施策はやってきていると思っております。新生児訪問などを拡充してきているとか、それから新産婦のためのホームヘルプを行うといった事業を行うとか、要するに家庭で子育てをしていく女性の力をお助けするといった施策としては、充実をしていくということをやってきているつもりでありますけれども、言葉における表現というのでしょうか、そういった面で乏しいと言われれば、そうかもしれないと思います。
○篠委員 日本の場合は、5年間の実験の結果、やはりそうであってはならない動きがあってしまったということで、今回の基本計画も大分修正されているんですが、ジェンダーという言葉をどうとらえるかというのは、やはり目が離せない。そんなの気にする必要ないととらせるジェンダー・フリー学者もいるんです。男性名詞、女性名詞、フランス語、ドイツ語に至っては中性というのもある、これはあって当たり前で、別に意味はないけれども、外すと言葉として成り立たなくなってしまう。おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川に洗濯にというのも、これはいかんといっても、別にどっちが偉いと言っているわけではないんで、どっちが偉いんだったら、これはまずいけれども、そういうことではないわけですから、それの拡大解釈が暴走をしてしまった。ジェンダー・フリーの学者でも、早稲田大学の政経学部の教授の長谷川眞理子さん、この方は生物学が本職ですので、ジェンダー論でもほかの人とはちょっと違って、子どもは母親が絶対に必要ですという形をつくっているんです。
そして、行動計画の中に「男らしさ、女らしさを否定するものではない」、この言葉自体が否定的です。「ではない」、男らしさ、女らしさは追求すべきだというのであれば、これは肯定的なものの言い方、民主党が負けた原因も否定的な意見だなんて言われましたけれども、そうではない。私は、男らしさ、女らしさは追求すべきですし、同じ言葉を逆に言ったら、アウトかというと、アウトではありません。欧米の騎士道というのは、いわゆる男らしさ、女らしさを追求すれば、差別なんかするやつは下賤な人間として扱われていました。騎士道も9割ぐらいは武士道とすっかりマッチしている。こういう中にあるわけですが、私は、男らしさ、女らしさを否定するものではないではなくて、男らしさ、女らしさを追求すべきであるといえば、やれ、平等だ、人権だなんていう問題はほとんど解決すると思っているんですが、室長はどう考えていますか。
○小林指導室長 男女共同参画社会におきましては、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会であり、男らしさ、女らしさをすべて否定するような誤った考え方によるものではないという認識のもとで、教育委員会としては、中野区の男女平等基本条例に基づいて適切に男女平等教育を推進していきたいと考えております。
○篠委員 だれからも文句言われないようなお答えでございます。
それで、私が考えるに、要するにジェンダー教育といいましょうか、最悪の部分というのは、フェミニズムの神髄は、人類社会が平安に存続しますようにという祈りの世界ではなくて、男女平等というのは原理がすべてで、いわゆる原理主義の行動をとるところに問題があると思っています。そういう意味では、例えば1年のある時期になると子孫を残す行動をとるというのは、やはり画期的なんだそうです。チンパンジーとかゴリラぐらいになりますと、みんなと一緒に育てませんと、とんでもない行動を起こすんだそうです。要するに、わけもわかんないのにメスを引っぱたいちゃったり、それで総スカンをくってしまって、子づくりどころの騒ぎではないそうです。だんだん程度が高くなるにつれて、長谷川さんがおっしゃるには、そうなんだそうです。やはりしかるべき行動を高等な種ほど、男の行動、女の行動ということをしっかりと教えないと、正しい行動をとってくれない、高等な動物になればなるほど、そうなんだそうです。
それで、少子化だ何だという流れは、そうではない流れ、やれ多様性だ何だ、いわゆる異性婚にこだわるんだとか、こういったのは、もう本当に少子化に対してまるで危機感のない御発言であろうと結んでいるわけですが、おまえ、そろそろ嫁に行く時期ではないかというように、世間がうるさくてしようがない流れ自体は日本にもあったわけですが、今は世間の目というのはうざいという感じになるんでしょうかね。要するに原理主義というと、うざいものは失せろ。こういうところに原理主義の弱点があるんだと思うんですが、こういう硬直した流れというのを最後に救ってくれるのは日本の思想だろうと言われているわけです。
どういう体系か。残念ながら施政方針演説も、憲法から始まって、あらゆるものは権利があると書いてくれればいい。権利があると書いてくれれば、権利があるんであれば、台風が来ないように書けば、台風がどこかへ行ってくれる。それとまるで同じで、やはり努力が必要だというのが日本の発想で、本当に平等です。しかしながら、努力をして、それで人の道をきわめなさいという体系を日本はつくってきたわけです。こういう思想が行き詰まったときは、世界を救うだろうと識者は言っているんですが、ですけれども、全然体系は違うんです。そういうのは下賤な人間なんて、権利があるから始まるんだ。労働についてだって、もうこんなに働かさせるな、もう5時が近いぞとか、そういう世界です。ところが、日本できわめた世界は、端が楽になるという世界、全然体系が違うんです。こういうふうに言われているんで、私はそのとおりだ、仏教の教えそのものだ、親孝行に徹すればすべて解決するという世界ではないかと思うんですが、区長の施政方針演説には、人権から始まって、書かざるを得ないのはよく理解しますけれども、それ一辺倒での行動は、その都度、ブレーキをかける世間の目、地域の目、親の目を結集する必要があります。
例えば、男女混合名簿から始まった、あの流れというのは、文部省の指導要領自体に、ふれあい、体ほぐし運動というところまで入ってしまっています。それについては、やはり地域の目でブレーキをかけなきゃいかん。ところが、日本全体的には、やれ、抱っこするといいとか、おんぶすると体がほぐれるとかという行動をとっている行き過ぎもあるわけです。中野区は、残念ながら男女混合騎馬戦は実施しています。しかし、体ほぐし運動については、私が調査したところには、そんなに困るような事例はないように思うんですけれども、指導室長、どうですか。
○小林指導室長 体ほぐし運動につきましては、小学校第5学年からすべての児童・生徒に指導すべき事項として学習指導要領に位置付けられており、本区においては、先ほどの性教育と同様にすべての学校で適正に実施をされているところでございます。今後、各学校が体力向上プログラムを作成し、体力づくりに取り組んでいくことから、体ほぐし運動を含め各種の運動が学習指導要領の趣旨を十分に踏まえ、適切に引き続き行われるように指導してまいりたいと思っております。
○篠委員 では、きっとそうではなくなったのかもしれないですけれども、実施している男女混合騎馬戦男女別の合戦10校、男女混合の合戦17校というのは、一応資料としてはいただいていますけれども、それをとやかく言うわけではありません。やはり指導要領自体にも、こういう流れも、残念ながら、ここ5年、10年の間に入ってくる流れになってしまっているので、それに対して、体力が落ちたなんていう前に、体力向上プログラム、今、室長がおっしゃった、すべてにおいて、それに対峙する項目の目標設定をして、しっかりと対応していただきたい。ついては、基本計画、次には行動プランという順序になると思うんですが、そのときに、くれぐれも、ただ中野の子どものために、中野の人のためにという方向で対応していただくように要望しておきます。
次に、男女平等基本条例の中で、苦情処理機関というのは、ときどき新聞で問題になるんですが、苦情処理機関で、皆さんで問題にされた例としては、埼玉県が1回行動を起こして、県民の声がその流れをとめたという事例として、男女共学、別学というのはおかしい、そうだ、そうだという判定を下したところ、やはり日本全体を巻き込んだ行動になった例があります。中野区においても、苦情処理機関というのがあるわけです。これについて、実績及び内容、そして今後の方向性、日本全体を見渡したときに注意すべき点、気がついたことをみんな言ってください。
○合川子ども家庭部経営担当課長 今、委員御指摘の男女共同参画に関する苦情処理制度でございますけれども、中野区の男女平等基本条例の第11条以下に規定をしてございます。区に寄せられる苦情ということで、苦情の内容を男女平等の視点から検討するということで設けたものでございます。実績でございますが、平成14年度から平等条例に基づきまして設置をいたしておりまして、14年度は3カ月でございましたけれども、申し出件数が1件、15年度につきましては4件、16年度につきましては1件ということでございます。内容でございますけれども、平成14年度の内容でございますが、区立中学校の女子体育着について申し出等がございました。それから15年度の4件でございますけれども、区立中学校の標準服について、また中野駅周辺まちづくり調査検討委員会の委員の性別構成について、また東中野駅前広場検討委員会委員の性別構成について、さらに中野駅周辺まちづくり調査検討委員会委員の性別構成についてということで、同じ内容で2件という形で、都合4件、内容的には3件ということでございました。16年度の中身につきましては、保育園図書館を民間委託する際の業者の選定についてということで申し出を受けてございます。
私ども、こういった制度を設けまして、男女共同参画、こういった視点に基づいた人権を尊重していく、あるいは申し出に基づいて対応していくという制度の中で、この制度については運営をしているということでございます。
○篠委員 豊島区のように、苦情申し出はゼロというのが続いている区もあるわけです。また、鳥取県では、苦情審査システムがバランスを欠いているとの判断から条例の一部改正を昨年末に行った。そういう流れ自体も目が離せません。では、どういうふうに変えたのかというのは、担当としてはしっかりと読み取っておく必要があると私は思っています。大変危険な部分というのは、憲法でいう思想信条の自由を侵しかねないという部分が大変危険です。人権擁護の法律というのも、結局なかなか出しづらいというのも、実際に人権が侵された人を救済されるというとだれも反対できないんですが、しかしながら拡大解釈をされるおそれがあるのと、極端な言い方をしますと、苦情処理機関というのは、原理的には秘密警察と一緒のところが、どうしても最悪、暴走したときにはあるわけで、条例に規定している、想定されている処罰というのは、懲役何年なんていうのはないんですけれども、名前を公表する形にしますとかというのも立ち上げる可能性を持っています。もっと激しい、オンブズ・パーソン方式を導入した条例を高く評価している学者によれば、それに点数をつけて全国的に発信するといったような、大変危険な部分を秘めている。中野区の運用は、そんなところとはほど遠い。激しくないとテレビになかなか出られませんので、激しい方で一生懸命で担当しているのは、十文字学園の橋本ヒロ子さんですとか、斎藤文男九州大学名誉教授とか、この分野にかけては一頭抜きん出た発言をしているんですが、お聞きする限りでは、豊島区ほどではないけれども、中野区においては一切心配していないという様子ですが、さらに基本計画の中で、これにもしっかりと目を行き届かせた対応をするおつもりでございますか。
○合川子ども家庭部経営担当課長 この苦情処理制度でございますけれども、先ほど御答弁を申し上げましたように、中野区平等の基本条例の中に規定をしているものでございます。当然、基本計画の中にこういった趣旨というものは含まれると考えてございます。
○篠委員 それと、これからの中野区の流れとして、男女共同参画センターというのがあるわけです。男女共同参画基本計画、数値目標というのも入っています。数値目標、子育て部分については、中野区の対応ともう既に中野区が先取りした部分とかなり一致する部分があります。しかしながら、大変わかりづらいけれども、相当の妥協をしたけれども、しっかりとまた埋め込まれたという感じを私なりにしている部分が、「男女共同参画の視点に立った社会制度、慣行の見直し、意思改革」というところです。この意識改革という言葉自体がもう革命的なんですが、この部分について、中野区には直接関係ないといえば関係ないんですが、男女共同参画センターをつくるということに連動すれば、関係なくはない、こういう部分で、まず意識革命というのは、フランス革命みたいな言い方です。「高等教育機関において男女共同参画の正確な理解の浸透を図るため、女性学等を含む男女共同参画社会の形成に資する教育の充実を促す」、これは始末が悪い。どのぐらい始末が悪いかというのは、良識の面と大分かけ離れている、事実上、ジェンダー・フリーの流れをつくる研究に、国立女性会館などがしっかりと対応している。そして研究成果は、男女共同参画センターにしっかり流れてくる、こういう意味では、こういうことにも、議員として私は今後ともしっかりと目を通すつもりですけれども、ここで主催されたものの幾つかを挙げますと、ジェンダーからの開放をつくる子育て支援活動、フェミニズムと平和、コンドームに触ろう、母からの脱出、条例化をバッククラッシュ、研修だの研究の成果だのという言葉が恥ずかしくなるような研究なんです。しかしながら、この方々に言わせれば、そんなことない、研究だということなんでしょうが、女性学が今、選択科目です、大学で。必須科目になったときは、その教授が言ったのと同じ考えを書かないと大学を出られませんので、これは困ったもので、必須科目にすることは、体を張って自民党のプロジェクトチームは反対したはずなんですけれども、必須科目にはなっていないですか。
○合川子ども家庭部経営担当課長 私ども、どの大学でどういった形で必須科目になっているのかというデータというのは、なかなか得にくいと思ってございますが、文芸春秋の一部の記事で、全国の大学の中で女性学ということが必修科目になっている、あるいは選択必修科目になっているということにつきましては、3分の1程度あるという情報を得てございます。
○篠委員 しっかりと研究されて、敬服しますが、いずれにしましても、この調査結果は、政府の施策が男女共同参画社会の形成に及ぼす影響についての調査という項目で、計画の推進の中で、調査結果は広く国民に知らせる、また国民も我々議員も含めて、それに目を行き届かせ続けてほしいという部分で、先ほども申し上げましたが、男女共同参画センターということの使い勝手、内容についても、今回、東京都の事業で、国立市だかどこかで上野千鶴子さんが拒否されましたね。結局、東京都の目指す男女共同の理念と違うということで、新聞で大きく取り上げられましたけれども、人ごとではなく、我々も、これは5年続けたとしても、その後の改定というのもあります。やはり一部の学者の実験という形だけは避けなければなりません。そういう意味で、今後、男女共同基本計画をつくるに当たっては、しっかりとした対応を期待いたしまして、私の質問は終わります。
○斉藤(金)委員長 以上で総括質疑はすべて終了いたしました。
なお、ここで委員長から委員各位にお願いがあります。
御承知のとおり3月8日から各分科会に分かれて審査を行うことになります。したがいまして、会場設営の関係上、御持参なされている資料等につきましては、机の中のものも含め、すべてお持ち帰りいただきますようお願い申し上げます。
次回の委員会は、3月10日、午後1時から、当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。
以上で本日の予算特別委員会を散会いたします。
午後4時45分散会