平成26年07月01日中野区議会本会議(第2回定例会) 平成26年07月01日第2回定例会(第3日)

.平成26年(2014年)7月1日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(42名)

  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか

  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子

  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子

  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之

  9番  石  川  直  行       10番  伊  東  しんじ

 11番  内  川  和  久       12番  ひぐち   和  正

 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明

 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき

 17番  いながき  じゅん子       18番  林     まさみ

 19番  小宮山   たかし        20番  浦  野  さとみ

 21番  佐  野  れいじ        22番  北  原  ともあき

 23番  吉  原      宏       24番  いでい   良  輔

 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か

 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ

 29番  近  藤  さえ子        30番  金  子     洋

 31番  長  沢  和  彦       32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  やながわ  妙  子       38番  佐  伯  利  昭

 39番  むとう   有  子       40番  か  せ  次  郎

 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  川 崎   亨

 副  区  長     直 彦      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  竹 内 沖 司      経 営 室 長  副区長事務取扱

都市政策推進室長 長 田 久 雄      地域支えあい推進室長 瀬 田 敏 幸

区民サービス管理部長 白 土   純    子ども教育部長、教育委員会事務局次長 髙 橋 信 一

健康福祉部長   野 村 建 樹      保 健 所 長   西   新

 環 境 部 長  小谷松 弘 市     都市基盤部長   尾 﨑   孝

 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一 経営室副参事(経営担当) 戸 辺  眞

  選挙管理委員会委員長   斉 藤 金 造

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  篠 原 文 彦      事務局次長    堀 越 恵美子

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  東   利司雄      書     記  土 屋 佳代子

 書     記  細 川 道 明      書     記  江 口 誠 人

 書     記  大 野 貴 子      書     記  鈴 木   均

 書     記  井 田 裕 之      書     記  田 中   寛

 書     記  遠 藤 良 太      書     記  香 月 俊 介

 

 議事日程(平成26年(2014年)7月1日午後1時開議)

日程第1 第31号議案 中野区基本構想審議会条例

 

      午後1時00分開議

○議長(伊東しんじ) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 大 内 しんご

 1 野方駅以西の西武新宿線の連続立体交差事業について

 2 中野区で実施している各種学力調査について

 3 教育委員会制度改革について

 4 中野区長選挙について

 5 その他

 

○議長(伊東しんじ) 最初に、大内しんご議員。

〔大内しんご議員登壇〕

○32番(大内しんご) 平成26年7月1日、中野区議会第2回定例会におきまして、自由民主党の一員として一般質問をいたします。

 最初に、野方駅以西の西武新宿線の連続立体交差事業の早期実現に向けた区の取り組みと沼袋第4号踏切の廃止に伴う横断対策についてお伺いをいたします。

 最初に、野方駅以西の西武新宿線の連続立体交差事業の実現に向けた取り組みについてお伺いいたします。西武新宿線沿線には多くの踏切があり、いわゆる、開かずの踏切のため、交通渋滞の発生や踏切事故の危険性、地域の分断など切実な問題を抱えています。特に踏切での無理な横断等による踏切事故が後を絶たず、昨年5月の期成同盟の決起大会当日には野方駅前の1号踏切で若い男性の死亡事故が発生するなど、今後も踏切がある限りこうした痛ましい死亡事故が発生することは明らかです。

 また、開かずの踏切による朝夕の通勤通学時間帯における交通渋滞が慢性的に起こっています。こうした交通渋滞は経済的な損失をもたらすだけでなく、救急車や消防車等の緊急車両の通行阻害や、区民の大切な足となっているバス交通の遅延を招くなど、さまざまな問題を引き起こしていることも事実です。このような20世紀の負の遺産とも言える踏切を一刻も早く解消するため、西武新宿線の連続立体交差化を実現していくことが急務となっております。

 西武新宿線の中井駅から野方駅間については、昨年4月に東京都が連続立体交差事業の事業認可を取得し、平成32年度の完成に向けて今年から本格的に工事が進められようとしており、大変喜ばしいことです。一方、連続立体交差化の事業候補区間に位置付けられている野方駅から井荻駅までの区間については、以前から連続立体交差事業の実施を望む地域の声が、以前より非常に高いものとなってきました。中野区内の全ての踏切の解消は中野区民の悲願でもあります。また、私たちは、野方駅から井荻駅までの区間についても、先行着手した中井駅から野方駅間の事業進捗にあわせて、切れ目なく一日も早く連続立体交差事業が実現できることを待ち望んでおります。

 昨年9月の第3回定例会での補正予算に、野方駅以西の区内の全ての踏切を除却するため、野方駅から井荻駅間の連続立体交差化の構造形式について検討を行う委託調査費を計上し、今年5月にその委託調査結果を区は公表しました。この調査結果を見ると、概算事業費では、野方駅から井荻駅まで全てを高架にした案では950億円に対し、全線地下化案は1,410億円となっております。高架案に比べ全線地下案の事業費が1.5倍と過大となっています。

 事業期間で見ると、高架案の場合が10年、全線地下案が11年と大差はなく、野方駅以西の中野区内の踏切は全て解消されます。総合評価としては、「比較条件や周辺まちづくりへの影響など総合的に判断した結果、高架案が最適である」という結果になっています。今後、高架案と地下案が考えられますが、この委託調査結果を受け、野方駅以西の連続立体交差化の実現に向け、区としてはどう進めていくのか、お伺いいたします。

 また、沿線3駅、野方、都立家政、鷺ノ宮のまちづくりについては、鉄道の構造方式により、駅前広場など将来のまちづくりの姿が大きく変わってくる可能性があります。特に、現認可区間との結節部である野方駅については、高架案では駅位置が150メートルほど西側に移動することになっています。いずれの方式をとったにしても、今後のまちづくりへの影響を把握していく必要があります。

 そこで、今回の委託調査結果を踏まえて、今後の野方駅周辺のまちづくりの検討をどのように進めていくつもりなのか、お伺いします。

 連続立体交差事業を実現するため、中野区民、区議会、区が一致団結して期成同盟を平成16年に結成し、これまで連続立体交差事業の早期実現を求める運動を行ってまいりました。その行動の成果が実を結び、中井駅から野方駅間の連続立体交差事業については事業化が実現いたしました。そこで、引き続き野方駅から井荻駅間の連続立体交差事業の早期実現化を図る上でも、中野区民、区議会、区が三位一体となった期成同盟による活動をさらに盛り上げるため決起大会により力を結集し、国をはじめ、東京都や西武鉄道にさらに要請活動を実施していくことが必要であります。今後、期成同盟の活動をどのように進めていく考えなのか、お伺いいたします。

 次に、野方三丁目と野方四丁目を結ぶ沼袋第4号踏切の廃止に伴う横断対策について質問します。現在の中井駅から野方駅間の連続立体交差事業が完成した場合、野方駅手前に位置する沼袋第4号踏切は掘割区間に位置するため廃止されることになり、平面での横断ができなくなる可能性があります。しかし、この踏切は、鉄道で分断されている野方三丁目と野方四丁目を結ぶ当該地域の南北方向の交通を処理する上で大変重要な役割を担っていることは、私は、今年度の第1回定例会の一般質問でも指摘をさせていただきました。

 このまま何の対策もせずに沼袋第4号踏切を廃止した場合、通勤や通学、業務等で日ごろから利用している地域の方々などの利便性が大きく損なわれることは明らかです。区として、地域への説明も含めて今後どのように対応していくのか、お伺いいたします。

 2番目に、中野区で実施している各種学力調査について質問をいたします。

 文部科学省が実施している全国学力・学習状況調査の結果については、これまで、学校間の序列や過度な競争が生じる恐れがあるなどの理由で、学校ごとの結果を公表することには否定的見解でしたが、平成26年度実施の全国学力・学習状況調査から、一定の配慮のもとに各自治体の判断で学校別の結果を公表することも可能としました。この取り扱いについて各教育委員会ではさまざまな議論もあると聞いています。そもそも、全国学力・学習状況調査とはどのような目的で行っている調査なのか。また、このほかにもこのような学力調査は実施されているのか、お伺いします。

 先般の教育委員会では、全国学力・学習状況調査の結果について学校ごとの公表は行わない方向で協議がされたと聞いております。しかし、学校の序列化や過度の競争を招く等の批判もありますが、公教育という立場にあっては、個人情報等について十分配慮した上で学校ごとの調査結果を公表することは、教育の成果を示す上で必要であるとも考えられます。学校ごとの公表を行わないと決定した教育委員会の見解をお伺いします。

 今回のような、国が実施している学力調査の内容は、実施学年は小学6年生と中学3年生、実施教科は国語、算数、中学校では数学といった一部の調査です。私は、教育の本質を考えると、学力調査の結果は学校教育の一つの側面であり、当然ですが、そのことのみで区立学校の教育活動を評価することはふさわしいとは思いません。部活動で頑張っている学校もあれば、防災教育や地域でのボランティア活動で活躍している学校もあります。各校の学力調査結果のみを公表することが、単純に学校教育の質の向上につながるとは言いがたい面もあります。

 このような点から考えると、教育の質の向上を図っていくためには、どの学校においてもそれぞれの授業やその他の教育活動を適切に評価し、さらにその改善に向けての取り組みへとつなげていくことが必要です。私は、学校での教育の実際の様子や、学校の取り組みや考えを保護者、地域に知らせることが、学校、家庭(保護者)、地域が一体となった子どもの育成を図るために大変重要なことだと思います。

 中野区では、毎月第2土曜日に学校公開を行っていると聞いております。ぜひ、各校においてこの学校公開などを通じて子どもたちの伸びていく姿をより具体的に示すとともに、学校教育の課題は何で、学校はどのような取り組みを行い、保護者は家庭で何をすべきなのかなどを説明して、学校、保護者、地域が一体となって教育の質を向上させていくよう、教育委員会として働きかけることが大切だと思います。

 そこで伺います。教育委員会としては、具体的にどのような対応策でこの教育の質の向上を図っているのか、お聞きをします。また、各校の取り組みやその取り組みによって成長した子どもの姿を区民、すなわち保護者、地域住民が「知る」ことも重要と考えます。学校では、どのような形でそれらを保護者、地域に説明し、示しているのか、お伺いをいたします。

 3番目に、教育委員会制度改革について質問します。

 先般、国会において、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改正法が成立し、いわゆる地方教育行政制度の抜本的改革が行われることになりました。教育委員会が意思決定を担っていたそれぞれの自治体の教育行政に対して、長の意見を反映しやすくし、片方で、教職員人事や教科書採択などの権限は今までどおり教育委員会に残しました。

 この制度改革は、大津市における生徒のいじめによる自殺といった、児童・生徒の生命、身体を脅かすような深刻な事案が発生する中で、教育委員会を代表する教育委員長と実務を統括する教育長がいることにより、責任の所在がはっきりせず、曖昧だとの問題が出てきました。非常勤の委員の合議体である教育委員会では、迅速な危機管理対応ができていないこと、民意を反映した首長と教育委員会との連携が十分にとれていないことなどが指摘され、地方教育行政制度の抜本的改革が不可欠であるとの認識のもとに検討されました。

 改正法は、教育委員長と教育長の権限を「新教育長」に一元化して、首長にその任免権を持たせることにより、責任の所在を明確にしました。このたびの制度改革によって具体的にどのような点が変更となったのか、詳しく伺います。

 また、教育委員会の新制度は来年4月から施行され、総合教育会議の設置や、教育の振興に関する施策の大綱の策定のための協議が行われることになります。この新制度を円滑に実施に移し、区長と教育委員会とが相互の連携を十分に図りながら、より一層、区民の意向を反映した教育行政が推進されていくことが重要です。今後、中野区では、これらの教育委員会制度の改革に向け、区と教育委員会はどのような対応を検討していくのか、お伺いをいたします。

 また、この制度改革においては、地域の民意を反映した首長の意向を教育行政に反映させるため、首長が主宰し、首長及び教育委員会らで構成する総合教育会議を各自治体で設置することや、教育の振興に関する施策の大綱、教育行政の基本方針を首長が策定することになっています。また、学校施設の整備や教員の定数増といった予算措置を伴う重要施策については、首長が教育委員会と協議する場と位置付けています。あわせて、総合教育会議で首長と教育委員会が激しく対立した場合など、教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保の問題が議論となっていました。この新制度の中で首長と連携強化が図られる一方で、政治的中立性、継続性、安定性の確保についてどのように担保されることとなるのか確認したいと思います。御見解をお伺いいたします。

 4番目に、中野区長選挙について質問をいたします。

 まず、今回の区長選挙について、適正かつ公正に執行されました選挙管理委員会委員長をはじめ、委員各位並びに選挙に従事された職員の皆さんが迅速に正確に対応されましたこと、敬意を表します。

 今回の選挙を振り返ると、田中現区長自らが制定した自治基本条例の多選自粛規定を削除しての4選出馬に対し、これを他の2人の候補が批判をしてきた選挙であったと思います。結果として田中区長が当選され、この12年間、区議会との両輪で着実に進めてきた区政運営の実績の評価、今まで進めてきた中野のまちづくり、そして、これから将来に向けた区政のかじ取りを、田中現区長に委ねることを区民が選択されたと考えます。

 今回の区長選挙の投票率は29.49%。前回、平成22年の区議補選と同時に執行された30.28%にはわずかに届かなかったわけでありますが、区長選挙単独に執行された平成18年の前々回27.73%を上回っている状況です。

 近隣区では、今年の4月の練馬区長選挙が区長の死去に伴い、統一地方選挙から外れる形で区の単独の選挙として執行されたわけですが、31.68%で、統一地方選挙と同時に行われた前回に比べて13%以上も投票率が落ちた例もあります。一昨日の杉並区長選挙でも28.79%という状況であり、ほかにも、最近では、単独の区長選挙としては、平成24年4月の目黒区長選挙では26.94%、同年6月の港区長選では22.13%といった投票率となっています。

 こうした選挙に際して、中野区選挙管理委員会として、多くの有権者に中野区長選挙の執行を周知し、また投票所へと足を運び投票することが民主主義の根幹であり、非常に大事なことであります。そのための選挙啓発をしっかりと行ってこられたと思いますが、最初に、投票率向上に向けた選挙啓発について具体的にどのように進めてきたのか、お伺いいたします。

 次に、期日前投票について質問いたします。私は、平成23年3月の予算特別委員会で、期日前投票所に関して、五つある地域事務所の中で野方地域事務所の位置だけ指定されていないのは大きな課題である。この件について選挙管理委員会に対し、有権者の利便性を第一に考え、投票率の向上にも寄与できるとして、野方地域事務所の位置に期日前投票所を設置するべきと、早期開設を強く求めてきました。

 その結果、選挙管理委員会の的確な判断により、昨年6月の東京都議会議員選挙から野方地域事務所に位置している野方区民活動センターも期日前投票所となりました。区役所以外での期日前投票所の投票者数の実績として、野方は開設して一年足らずですが、地域での周知も未熟の中、5カ所の期日前投票所の中では既に3番目に多くの期日前投票がされました。全体の投票率との関係も含め、期日前投票はどのように機能している状況でしょうか、お伺いいたします。

 区のフェイスブックによると、今年5月に大統領選挙の行われたエジプトや、改革が進むミャンマー、ほかにもパレスチナ、コートジボワール、チャドなど民主化が課題となっている国の選挙管理委員会の幹部職員が、国際協力機構(JICA)のセミナーの一環として、中野区長選挙を視察するために開票所の中野体育館を訪れていました。この中野区での視察では、民主的な選挙運営を学ぶ目的として、開票所だけではなく、投票所の設営や期日前投票や投票日の視察をしていたようです。

 こうした視察団の見守る中、6月9日の開票は午前8時に開始され、77分後の午前9時17分には確定し、終了しました。前回の確定、終了が10時26分であり、それに比べるとかなり早い時間で開票作業が終了できたこと、中野区での選挙事務が公正で正確かつ迅速に選挙運営がなされていたことが海外において認識され、非常に名誉なことであると思います。

 このセミナーに参加された海外の方々も、「日本はスムーズに投票するための準備や管理ができており、有権者が選挙に信頼を持っていると感じた」と話しているようです。今回、開票にかかる時間が前回に比べて1時間以上も短縮されたようですが、票の読み取り分類機を活用しているとはいえ、作業効率がかなり高められたと言えます。白紙票も前回の選挙に比べて少なかったと聞いております。今回の区長選挙は以前にも増して効率的な開票作業ができていると思いますが、見解をお伺いします。

 最後に、今後も引き続き、有権者に信頼される選挙運営を行っていただくようお願いして、区長選挙についての質問は終わります。

 その他で1点、中野区スポーツによる健康づくりの推進に関する条例についてお伺いいたします。

 施政方針説明の「生涯現役・健康長寿と地域支えあい」の項で、積極的な健康づくりの取り組みを充実させることが今後の社会保障経費の軽減や区内経済の活性化に資するものだとして、オリンピックの開催気運に合わせて、地域スポーツクラブの本格展開を急ぐと述べています。我が会派としても、健康づくりやスポーツの振興は今後、長寿社会の中でますます重要な取り組みとなるものと認識しています。

 しかし、本年第1回定例会に上程された「中野区スポーツによる健康づくりの推進に関する条例」案は、先の厚生委員会で、中野区地域スポーツクラブの組織については、法人化されていない段階で運営能力の判断をすることは難しいなどの理由により継続審議となりました。ここは、地域スポーツクラブの本格展開を急ぐよりも、議会などの意見を踏まえて拙速な提案を避けるべきと考えます。判断をお聞きいたしまして、質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 大内議員の御質問にお答えいたします。

 西武新宿線の野方以西の連続立体交差化についてであります。このたびの構造形式の調査は技術的な可能性の検証であって、調査により4通りの構造形式が可能であることが検証できました。踏切除却や地上部の空間活用の観点から地下化が最適として進めてきましたが、今回の調査では、4つの方式で区が求めている全ての踏切除却が可能になるほか、各方式でさまざまなメリット、デメリットがあることがわかっております。

 区といたしましては、そうした状況を総合的に勘案しながら、早期に効果が上げられるような事業の実現を東京都に働きかけてまいりたいと考えております。切れ目なく連立事業を推進していくため、現事業認可区間に引き続いて、野方以西が早急に事業化が図られるよう強く働きかけてまいります。

 野方駅周辺のまちづくりについて、連続立体交差事業は、いずれの方式をとったとしても、交差する道路交通を円滑化するだけでなく、鉄道によって分断されていた沿線地域の一体化が図られ、新たな魅力あるまちづくりが推進されるなど、沿線地域の発展に極めて高い効果が期待できる事業であります。

 御指摘のように、野方駅については現認可区間との結節点であることから、鉄道の構造形式によって環7とのアクセスや駅前広場の位置など、将来の野方駅周辺のまちづくりに影響を与えることが想定をされます。このため、区といたしましては今年度、野方駅、都立家政駅、鷺ノ宮駅の各駅の駅前広場の交通基盤やまちづくりについて、いずれの方式をとったとしても対応できるように、鉄道の構造形式ごと影響等を調査・検証してまいります。

 期成同盟の進め方についてであります。中井駅から野方駅の連続立体交差事業の着実な推進と野方駅から井荻駅間の連続立体交差事業の早期実現を目指す上では、中野区民、区議会、区が三位一体となった期成同盟による活動を引き続き実施していくことが重要であります。このため、現在、期成同盟による決起大会を8月に開催するための準備を進めており、決起大会を開催した後には、国土交通省、財務省、東京都、西武鉄道に対して要請活動を実施していく予定であります。

 沼袋第4号踏切の廃止に伴う横断対策についてであります。沼袋第4号踏切は連続立体交差事業の掘割区間に位置するため、工事完成後は廃止されるとともに平面での横断ができなくなります。このため、歩行者や自転車の横断については立体横断施設を新たに整備する予定であり、今後、高齢者や障害者など誰もが利用しやすい施設となるよう、東京都や西武鉄道と協議を行いながら具体的に検討を進めてまいります。また、自動車への対応については、連続立体交差事業の完成後も現在の交通機能を確保できるように今後区で調査・検討を行い、東京都及び西武鉄道とも具体的な対応策について協議していくとともに、整理ができ次第、地元町会等へも御説明する機会をつくってまいりたい、このように考えております。

 次に、条例案が継続審議となった中野区スポーツによる健康づくりの推進に関する条例に関しての御質問であります。区民の誰もが身近で気軽に参加できる地域スポーツクラブの展開は、スポーツ健康づくりムーブメントの定着のためにも重要な取り組みと考えております。区といたしましては、第1回定例会での審議の中でいただいた御意見や御指摘を重く受けとめ、この間、区民の方々への周知活動や地域スポーツクラブ団体への支援を積極的に進めてきたところであります。

 中部地域の拠点施設のほか、今後は南部地区への施設整備も控え、区民が主体となって運営する地域スポーツクラブの本格展開のためには、さらに議会や区民の御意見を拝聴し、真摯に対応していきたいと考えております。条例案につきましては、本定例会での審議を踏まえた上で適切に対応してまいりたいと考えております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 中野区で実施している各種学力調査についての御質問です。

 まず、全国学力・学習状況調査の目的及びその他の調査についての御質問でした。全国学力・学習状況調査は、国が教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、平成19年度から全国規模で実施している調査でございます。小学6年生と中学3年生を対象として、学力や学習状況を把握分析し、教育施策の成果と課題を検証してその改善を図るために行っており、各学校における児童・生徒への教育指導の充実や、学習状況の改善等に役立てることも目的として実施をしております。また、このほかにも東京都の学力調査と区の学力調査を実施しております。どちらの調査におきましても、実施主体、東京都、区の教育施策に対する検証と改善、学校における教育指導の質の向上につなげることを目的としてございます。

 次に、全国学力・学習状況調査の結果を公表しない決定をした教育委員会の見解は、という御質問でした。文部科学省が国全体の教育施策の成果と課題の検証、改善を行うことを主たる目的として全国学力調査を行っております。そのため、一部の教科及び学年での実施であるというふうに理解をしております。

 一方、中野区では毎年、小学1年生を除く全ての児童・生徒を対象にした区独自の学力調査を実施しておりまして、各学校では調査結果を受け、自校の課題を明らかにし、具体的な指導方法を授業改善推進プランに取りまとめ、保護者、地域に周知を図ってございます。加えて、個人面談等を活用して児童・生徒とその保護者に通知し、家庭での学習の指導にも生かしてございます。中野区の児童・生徒の学力に関する説明責任は区の学力調査で十分果たしていると考え、全国学力・学習状況調査の結果は公表しないものとしたところでございます。

 次に、教育の質の向上や保護者、地域への説明についてです。区としては、確実に身につけさせるべき学習内容を定めた中野ミニマムスタンダード、授業での約束事をまとめた授業規律の手引、家庭での学習習慣の定着を目指した家庭学習の手引きなどを作成することで各学校における指導の充実を図っているところでございます。

 また、各学校に対して、学力調査のほか、保護者アンケート、地域の方を含めた学校評議員等による学校関係者評価により、学校の教育活動全般について保護者から評価を得て、教育活動の改善、質の向上につなげるよう指導してございます。

 このほか、各学校では、学力向上や体力向上、心の教育の充実についての取り組みや、児童・生徒の日々の成長の様子について、第2土曜日の学校公開を活用して、学校の目指す姿を具体的に広く保護者、地域に示してございます。今後とも教育だよりや区のホームページ、学校だよりでも広く発信してまいります。

 続きまして、教育委員会制度改革についての御質問です。まず制度改革の内容でございますが、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正内容ですが、その目的は、教育行政における責任の明確化、危機管理体制の整備、首長との連携の強化を図ることなどが目的でございます。具体的な主な改正内容としては、教育委員長と教育長を一本化し、教育委員会を代表する新たな責任者として新教育長を置くことになりました。

 また、現在、教育長の任命につきましては、首長が議会の同意を得て任命した教育委員のうちから教育委員会が任命してございます。教育長の罷免につきましては、首長が議会の同意を得て教育委員としての職を罷免した場合に失職をするとされてございます。新制度では、首長が議会の同意を得て直接教育長を任命及び罷免を行うことができることとなりました。

 また、首長が主宰し、首長と教育委員会により構成される総合教育会議が設置され、首長と教育委員会による連携が図られることになりました。首長が策定する教育の振興に関する施策の大綱や教育条件の整備等重点的に講ずべき施策、緊急の場合に講ずべき施策等について協議、調整が行われることなどが主な変更点でございます。

 次に、今後、教育委員会の制度が変わることについて、区と教育委員会の対応についての御質問でした。来年4月までには新たに設置されることになった総合教育会議の運営方法や教育の振興に関する施策の大綱の策定の手順づくり等の準備を行う必要がございます。そのため、政策室、経営室を含めた区長部局と教育委員会が十分連携を図りながら、新制度への円滑な移行に向けて検討を進めることになります。

 最後に、教育における政治的中立、継続性、安定性の確保についての御質問です。新制度におきましても、教育委員会は引き続き首長から独立した教育行政における執行機関として位置付けられるとともに、教育委員の任期や学校の設置・管理、職員の人事、教科書の採択などの職務権限については変更がなく現行制度が維持され、教育における政治的中立、継続性、安定性については担保されるものと考えてございます。

〔選挙管理委員会委員長斉藤金造登壇〕

○選挙管理委員会委員長(斉藤金造) 大内議員の中野区長選挙についての御質問についてお答えをいたします。

 まず最初に、投票率向上に向けた選挙啓発についてでございますが、今回の区長選挙については、国政選挙や統一地方選挙に比べてマスコミによる報道や特集記事が期待できない状況にありましたが、選挙管理委員会としても多くの有権者の周知に努め、投票行動へとつながる選挙啓発を実施してまいりました。

 具体的には、区内316カ所に設置したポスター掲示板に、23区で初めてQRコードを掲載し、選挙情報を簡単に得ることができるようにいたしました。また、区内コンビニのレジ画面に期日日などのお知らせを表示したり、区のフェイスブックでの投票周知や、区立中学生が明るい選挙推進委員、選挙管理委員とともに中野駅前において投票の呼びかけなどをしてまいりました。こうした結果、一部マスコミで取り上げられるなど一層の投票の周知を図ることができたと認識をしております。

 次に、期日前投票についての御質問についてお答えをいたします。全体の投票率については、当日の天候、候補者の数や争点などさまざまな要因が総合的に影響するものと考えております。また、期日前投票所における投票者数は選挙の種類によって異なりますが、今回の区長選挙では前回の同じ選挙に比べて2,000人ほど増えております。投票者総数に占める期日前投票者数の割合でも15.21%から18.33%と上がっております。また、議員御指摘の野方区民活動センターに期日前投票所を増設した後に執行された四つの選挙の平均では、同様に20%を超えている状況となっております。

 こうしたことからも、期日前投票所での投票については、多くの有権者の利便性に寄与しているとともに有権者に浸透しているものと認識をしております。引き続き選挙期日の投票周知とあわせて、期日前投票所における投票の周知にも一層努めてまいりたいと考えております。

 最後に、開票作業についての御質問にお答えをいたします。今回の開票作業については、正確かつ効率的に行うため、投票用紙の読み取り分類機の活用と職員による1票1票の点検を経て進めてまいりましたが、事務従事者への事前の打ち合わせや作業確認などを綿密に行った結果として、開票開始から77分後には終了することができたものと評価しております。

 また、民主化を積極的に進めている国々の選挙管理委員会の幹部職員10人が、開票作業だけでなく、投票所の設営作業や期日前及び投票日当日の投票の状況も視察されたわけですが、あらゆる場面で選挙の運営に当たって公正、適正かつ迅速に各業務が行われている様子を見ていただけたことは非常に良かったと考えております。今後、こうした中野区での視察が各国での民主化への一助になればと期待しているところでございます。

 以上で答弁を終了いたします。

〔大内しんご議員登壇〕

○32番(大内しんご) 教育問題で2点ほど。

 制度改革によって具体的にどのような点が変更になったかということをお聞きしました。御答弁をいただくと、ほとんど私が質問の中で述べていることを言っておられただけで、特段それ以上のことには触れられていなかったように思うんですけれども、私が先に述べてしまったので、もうほとんどそれでおしまいだということであれば答弁できないでしょうけれども、もし何かありましたら。要は、責任の所在をひとつ明確にするということが大きな柱だと思うんですけれども、まだ法改正がなされたばかりなので、なかなか今の時点ではこれ以上具体的なことはまだ答えられないということであれば、そういうふうに答えていただいて結構です。

 あともう1点、教育の成果を示す上で学校ごとの公表は行わないと決定した教育委員会の見解をお聞きしたんですけれども、その答弁の中で、区の学力調査をやっているから公表しない。では、区の学力調査は公表しているんですか。区の学力調査を公表しているので、国のほうのやっている学力調査については公表しないということなのか、ちょっとその辺のところが不明確だったのでよろしくお願いいたします。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 大内議員の再質問にお答えをいたします。

 地教行法の改正につきまして、直接区の教育委員会にかかわる改正というのは先ほど御答弁で申し上げたことが大筋でございますが、そのほかに、国の地方公共団体への関与の見直しというようなことで、文部科学省が直接いじめ等で重大な事案について教育委員会に指示ができるというような改正もございました。それが1点でございます。

 それから、2点目として、中野区の学力調査と国の学力調査の公表の御質問でございますが、中野区の学力調査結果につきましては、区全体の調査結果を教育委員会のホームページや教育だより等で公表をしておりますし、それぞれの各学校の学力調査の状況について各学校のホームページや学校だよりでお知らせをしているということで公表させていただいています。そういうことを勘案しまして、今回、全国の学力調査については公表しないというふうにしたものでございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 平 山 英 明

 1 施政方針説明について

  (1)区有施設の今後について

  (2)大和町のまちづくりについて

  (3)産業振興と区内事業者の育成について

  (4)高齢化社会を見据えた施策とまちづくりについて

  (5)その他

 2 事前防災対策について

 3 学校教育の諸課題について

 4 成人用肺炎球菌ワクチンの定期接種化について

 5 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、平山英明議員。

〔平山英明議員登壇〕

○14番(平山英明) 平成26年第2回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問を行います。

 質問は通告どおりです。区長並びに理事者におかれましては、明快かつ誠実な御答弁をお願いいたします。

 それでは初めに、施政方針説明について。

 まず区有施設の今後について伺います。区長は、施政方針説明の中で、過去からのストックについて、「人口増加時代に建設された区有施設や道路、橋梁などのインフラ資産について維持更新する必要に迫られており、将来負担を的確に把握し、効率的・効果的な対策を計画的に進めていく必要があると考えています」と述べられましたが、対策についての具体的な言及はありませんでした。

 ストック全体の現状分析と今後の方針作成の必要性については、我が会派がこれまで何度も述べてきましたので、今回はストックの中でも、そこに生活が存在する区営住宅について伺います。私は、平成22年第3回定例会の一般質問で、区営住宅について、公営住宅長寿命化計画とバリアフリー計画をあわせて策定することを求めました。平成24年度に公営住宅長寿命化計画は策定されましたが、役所内の資料であり、議会や区民に内容は示されていません。また、バリアフリー化計画についてはいまだ策定されていません。

 区営住宅の中には建築後50年近いものもあり、区の今後の区営住宅についての考え方が示されないことへの住民の不安の声をお聞きします。建て替えなのか、補強なのか、あるいは集約化が図られるのか。補強であれば何年間維持されるのか。高齢化が進む区営住宅にあって、今後の維持についての考え方は住民の将来の生活に大きな影響を及ぼす重要なものです。策定した公営住宅長寿命化計画に基づき、区営住宅について今後の計画を示すべきです。あわせて、改めてバリアフリー化計画の策定も求めますが、いかがでしょうか、伺います。

 新体育館についても伺います。平成25年3月に「新しい区役所整備基本方針(たたき台)」と「新・中野体育館整備基本方針(たたき台)」がそれぞれ示されました。その中にある想定する整備スケジュールでは両施設とも平成25年11月に基本方針が決定される予定でしたが、新しい区役所については平成26年1月に基本方針が定められたものの、新体育館については定まっていません。区役所が先行し、体育館が後に続くことによって、体育館に必要とされる規模や設備が確保されにくくなることを懸念します。新体育館の検討はどうなっているのでしょうか。基本方針を早期に示すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 新体育館は、さまざまな競技の全国大会の会場となるようにすべきと考えます。基本方針策定段階から体育協会など区内スポーツ団体との協議の場を設け、意見交換を行うべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 次に、大和町のまちづくりについて伺います。「東京都の不燃化特区制度などを活用しながら、弥生町三丁目や大和町などでの防災まちづくりを着実に進める」と施政方針説明にはありました。住民と協議を重ねながら防災まちづくりを進めていくことは重要な取り組みですが、まちは生活の場、暮らしの場であることを考えると、最終的にはより住みよい魅力的なまちづくりを目指すことが大切です。

 大和町まちづくりの会の活動には、「災害に強い安全・安心のまちづくりに関すること。」のほかに、「住環境や地域の魅力の向上に関すること。」、「大和町中央通り沿道など、地区ごとの特性に応じたまちづくりに関すること。」とあります。これまでは主に災害に強いまちづくりに特化した内容で進められていますが、次のステップへと踏み出すべきではないでしょうか。現在の協議と並行して大和町の魅力的なまちづくりのための協議が行われるよう、会のメンバーもさらに増強するなど、区がイニシアチブをとり進めるべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 平成25年第1回定例会の一般質問で、私は新たに中野に進出した3大学の力を借りることを求めましたが、その後、大学との協議は進んだのでしょうか。区長は答弁の中で、「新たに中野に立地してくる大学の教授陣の中には、我が国における都市研究、都市整備に関するすぐれた知見を有する人材が多くいると聞いているところであります」と述べられていました。大和町のまちづくりについて、それらの教授陣や学生とまちづくりの会との協働をスタートすべきです。伺います。

 大和町中央通りの拡張の北端は川北橋です。道路が16メートルに拡張された場合、川北橋の幅員と道路の幅員差は10メートルとなります。仮に安全確保のために途中からカラーコ一ンなどで道路幅を狭めていくことになると、その姿は美しい景観とは言えません。一定期間の余剰地の有効活用などを含め地域からアイデアを募るなど、北からの大和町の入り口を魅力あるものとしてはいかがでしょうか、伺います。

 中野区自転車利用総合計画の中で、区は自転車走行レーンなどの整備が可能な路線を抽出し、整備を進めることとしています。大和町中央通りについても整備を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。また、その際、大和町は高齢者や小さな子どもを含む歩行者を最優先するまちとして、自転車走行専用レーンを車道に整備すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 拡張後の道路には、歩行者の横断のためや、大きく分断される大和町の東西をつなぐ貴重な機能としての信号及び横断歩道が必要となります。これらの設置場所については、商業集積を踏まえたまちづくりの検討に合わせ、都と区と地域と警察とで十分な協議を重ねた上で決定すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 大和町のまちづくりに当たっては、地域全体、また中央通り沿道のまちづくりを進めるためのシンボルとなる公共施設の整備を検討すべきではないでしょうか。大和町のほぼ中央にある区民活動センターの建て替えを視野に入れ、後背地の木密地域の改善や、地域に必要な公共機能の設置を可能とする施設整備について検討してはいかがでしょうか、伺います。

 大和町には交番がなく、地域住民から交番設置を強く求める声があります。また、道路整備に伴い、野方消防団第5分団本部の移転の検討も必要となります。まちづくりに当たり、地震災害だけでなく、防犯や身近な防災機能の強化にも配慮をすべきであり、これらの設置・移転について区も検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。交番については周辺地域の交番との統合も考慮に入れ、地域や警察と協議を進めてはいかがでしょぅか、伺います。

 次に、産業振興と区内事業者の育成について伺います。トヨタ自動車の豊田章男社長は「国内生産はトヨタがトヨタであるための礎」とし、トヨタは国内生産300万台を死守すると明言し、実行されています。そして、この国内生産の維持こそが熟練工の維持につながり、トヨタの強さを支えていると言われています。

 施政方針説明では、地域経済の活性化として、ICTコンテンツ関連産業やライフサポートビジネスを中心に区内産業の振興策を推進するとありましたが、あわせて、これまで区内で頑張り続けてきた地元企業の発展も区内産業振興にとって欠かせません。現在、全国の自治体で職人不足により入札不調が相次ぐ事態が生じています。今後、東京オリンピックにまつわる工事案件が増え、さらに職人や重機が不足していくことも懸念されます。区のこれからのまちづくりなどの施策の実行を考えれば、まずは区内事業者の技術力、施工力の維持向上のため、これまで以上の育成支援を行うべきではないでしょうか。

 そこで伺います。区の発注案件のうち工事案件については工事成績評定が行われていますが、委託案件では評価の制度がありません。委託も評価制度をつくるべきではありませんか。各社が仕事の質を競い合うようになれば、良質な仕事の結果はそのまま区民サービスの向上へもつながります。いかがでしょうか、伺います。

 中野区は最低制限価格が低いとの声を耳にします。過度なコストダウンや価格競争は仕事の質の低下が懸念されるとともに、区内産業育成の観点からは決してよい結果を生むことにはなりません。国や都が定める基準を踏まえ、見直しを行うべきではないでしょうか、伺います。

 次に、高齢化社会を見据えた施策とまちづくりについて伺います。施政方針での高齢化社会への対応は、主に健康づくりと地域支えあいでした。ここでは角度を変え、区内の高齢者の人口分布から見える区の姿をもとに、何点か伺っていきます。

 戸籍分野からデータをいただき、平成26年1月現在の中野区内の人口に対する65歳以上と75歳以上の高齢者の人口比率を調べてみましたところ、65歳以上が20.6%、75歳以上は10.5%でした。男女別でみると、65歳以上の比率は男性が17.1%、女性が24.4%であり、75歳以上の比率は男性が7.6%、女性が13.4%となりました。年齢が高くなるにつれて男性よりも女性の比率が高いとの結果は興味深いものであり、このことについては機会を改めて伺います。

 町丁別の分析では、65歳以上の比率が高い地域は、白鷺が25.5%、江古田24.7%、江原町、若宮ともに23.9%の順番で、低い順では、新井17.6%、東中野18.3%、中央19%でした。75歳以上では、やはり白鷺14.4%、江古田13.5%、江原町12.4%が高く、新井8.5%、東中野、中央ともに9.4%が低い結果となっていました。

 地域特性を考えると、江古田は江古田の森の高齢者施設が影響しているともとれますが、高齢化比率が高い地域は、ほぼ大型の公共住宅を擁する地域であり、低い地域は単身者やファミリー向けのマンションが多い地域と見て取ることができます。高齢化は決して中野区全体で同時に起きているわけではなく、区内でも住環境などの特性によりその比率は大きく変化することがわかります。今後の区の高齢者施策などの検討に当たっては、これらのエリア特性も踏まえるべきと考えます。

 そこで伺います。特に高齢化が進む大型公共住宅への対応が急がれます。地域コミュニティ維持のためには、これらの住宅や周辺へ若いファミリー世帯を誘導できるような住宅やまちづくりの施策が必要ではないでしょうか、伺います。

 ライフサポートビジネスは、公共住宅に住む高齢者への買い物や日常支援を促すようなビジネスモデルの構築を区が積極的に誘導・支援すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。現在進められている中野区交通バリアフリー整備構想の改定についても、協議に当たりエリアごとの高齢者比率を参考とすべきと考えますが、いかがでしょうか、伺って、この項の質問を終わります。

 次に、2項目めとして事前防災対策について伺います。

 全国、全世界で相次ぐ災害の中、事前防災の考え方は、いや増して重要となっています。区も事前防災、事前復興を計画的に進めるべきと考えますが、事前復興計画については震災対策特別委員会の議論に譲り、今回はまず風水害の対策としての事前行動計画、中野区版タイムライン策定について伺います。

 タイムラインとは、ハリケ一ンなどの風水害に対する対策としてアメリカで大きな減災効果を上げているプログラムです。アメリカの気象庁に当たる大気海洋局(NOAA)の予報をもとに、浸水など被害の発生を前提として、発災前から関係機関が実施すべき対策を時系列でプログラム化したものです。発災時をゼロアワーとし、そこから逆算した時系列の行動計画を行政、消防、警察、交通機関、学校、企業、地域などが共同して作成し、災害が予想される事態が発生した際はおのおのが連携し合い、時系列ごとに計画どおりの対応、行動をとります。その結果、発災時、いわゆるゼロアワーまでに防災担当者や消防団みずからも安全に避難が完了するとされています。

 国土交通省・防災関連学会合同調査団は、平成24年10月にアメリカ・ニュージャージー州に上陸し、隣州の大都市ニューヨークを直撃して高潮災害を引き起こしたハリケーン・サンディについての現地調査を行い、昨年10月9日、太田昭宏国土交通大臣に対し調査報告を行いました。

 報告には、日本におけるタイムライン策定の必要性が強く示されており、また、「東日本大震災前にゼロアワーの考え方が我が国に浸透していたら、あれだけの消防団員の津波犠牲は出なかったのではないかと思わせる」との大変胸に迫る記述もありました。国土交通省もこの調査報告を受け、国土交通省水災害に関する防災・減災対策本部を設置し、防災行動計画ワーキンググループによる中間取りまとめを発表しました。また、自治体としては、三重県紀宝町が既にタイムラインを策定し実行に移しており、ほかにも全国の多くの自治体でタイムライン導入の検討が進められております。

 区も、気象情報に関して、現在は気象庁や民間からの精度の高い予測情報を得られる体制ができています。昨今、全国で発生する記録的な風水害被害の現状から考えれば、区としても河川の氾濫や暴風雨による被害を想定した中野区版タイムラインを、区、消防、警察、学校、そして住民などとの協議によって策定してはいかがでしょうか。伺います。

 ゲリラ豪雨への対策についても伺います。ここ数日だけでも中野区防災メールを通しての警報、注意報、また河川が警戒水域を超えたとの情報が相次ぎました。この中野区防災情報メールについて、河川の氾濫被害が想定されるエリアの住民の登録状況を区は把握されているのでしょうか。同エリアの住民に対し個別に登録推奨を行うべきではありませんか。伺います。

 LED化が完了した区有街路灯の支柱についても伺います。今年度、道路ストック総点検の中で、LED化が完了した区有街路灯のうち、独立柱についての安全点検が行われます。対象となる3,574本の独立柱のうち、道路管理システムで設置年度が記されていないもの、また、記されてはいるが2000年以前に設置されたものは3,101本です。

 支柱の寿命は約15年とも言われる中、年度が明記されていない支柱のほとんどは昭和30年、40年代に設置をされたものと推測されます。設置年度が記されていないもの、また2000年以前に設置された支柱については、点検結果を踏まえ、優先順位を決めながら5年計画で全て更新すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 老朽化していると思われます3,101本について、設置されている本数を町丁別の分布で見ると、本数が多い地域は野方二丁目、上高田一丁目、大和町一丁目、四丁目と、私道の多い木造住宅密集地域に多くあります。また、特に妙正寺川沿いの河川管理通路にも多く存在をします。この結果を見れば、支柱の更新も防災対策と一緒に行うことが効果的と考えます。現在、防災まちづくりに取り組んでいる地域については、停電時も明かりを維持できる太陽光パネル設置型の街路灯を計画的に配置してはいかがでしょうか、伺います。

 防災対策には情報伝達手段の確保も欠かせません。支柱の更新の際、河川管理通路や避難路、また学校や消防団の分団本部などの公共施設周辺に、民間の協力を得るなどして支柱へのWiFiアンテナ設置を行ってはいかがでしょうか、伺います。

 6月23日付の朝日新聞の一面には、「日本観光『ネット不便』」「WiFi整備、海外に比べ遅れ」との記事がありました。防災のみならず、区の進める観光や産業振興などの施策の観点からも必要です。我が会派としてもこれまで何度も求めてきたところですが、ご見解を伺ってこの項の質問を終わります。

 次に、学校教育の諸課題について伺います。本年は中野区教育ビジョン(第2次)の折り返し地点となる5年目です。教育ビジョンの改定はどのようなスケジュールで行われるのでしょうか。前回は改定が実質1年遅れ、平成22年度からスタートの教育ビジョンの改定がされたのは同年度末でした。次の改定はスタート時に合わせたものとなるのでしょうか、伺います。

 確かな学力の定着と学校支援ボランティア制度について伺います。平成23年9月21日付で中野区学校支援ボランティア制度実施要綱が設置され、同制度がスタートいたしました。中野区教育ビジョン(第2次)の中でも、今後5年間で重点的に進める取り組みとして、地域の教育力の向上や確かな学力の定着のため学校支援ボランティアなど地域の人材活用、またその基盤づくりを行うとしています。

 しかしながら、同制度のその後の取り組み状況について、子ども文教委員会での報告が見受けられません。各学校ではそれぞれ特色を持って区内や地域の人材を活用し、工夫を凝らした講座などを実施していますが、「中野区学校支援ボランティアの考え方について」や「学校支援ボランティア制度の創設等について(案)」で示した教育委員会の役割については十分果たされているようには見えず、教育ビジョンの狙いどおりに確かな学力の定着に資するもとしての取り組みが行われているのか疑問に思います。

 そこで、改めて教育委員会が担うべき役割について伺います。各学校やコーディネー夕ーと協議の上、学校支援ボランティアの登録者について、分野、必要とされる人材ごとの人数目標を教育委員会が定めてはいかがでしょうか、伺います。

 ボランティアやコーディネーター育成のための研修や講習は、年間計画だけでなく少なくとも3カ年の実施計画を作成し、実施してはいかがでしょうか、伺います。

 先日、同僚議員と豊後高田市の「学びの21世紀塾」を視察いたしましたが、文部科学省も土曜日授業のあり方について豊後高田方式の導入を検討していると聞きます。中野区も、学校支援ボランティア制度による土曜日を活用した学力定着への取り組みを、教育委員会がモデルエリアやモデル校を設定し行ってはいかがでしょうか。その際必要となる区内の大学や教員OBなど優秀な人材については、教育委員会が学校支援ボランティアとして確保すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 最後に、成人用肺炎球菌ワクチンの定期接種化について伺います。

 区は我が会派の求めを受け、平成24年度より、成人用肺炎球菌ワクチンについて75歳以上を対象に、1回を限度とした2,000円の接種助成を行っていますが、厚生労働省は、同ワクチンについて本年10月より定期接種化を予定し、政省令改正手続を進めています。

 第4回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の資料によると、接種対象者は、①65歳以上の者(経過措置終了後の平成31年度より実施)。②60歳以上65歳未満の者であって、心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能、またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害を有する者としていますが、経過措置として、平成26年度から30年度までの間は各当該年度に65歳から5歳刻みで100歳となる方、26年度だけは101歳以上の方も対象に行われる予定です。一言で言うと高齢者にとって非常にわかりづらい内容です。

 しかも、現在行われている区の助成とは違い、対象期間を逃すと、今後、公費助成によるワクチン接種の機会はもう二度とないことになります。また、厚生労働省は、「既に肺炎球菌ワクチン(ポリサッカライド)の接種を受けたことがある者は対象外とする。ただし、接種対象者のうち②の者を除く。」としており、今後、今回の改正を知らず、現在の区の助成を受け接種した方、また、75歳未満などの理由により助成を受けずに接種した方なども、同様に公費接種の機会をなくすことになります。複雑な内容のため、10月からの定期接種化に向け丁寧な告知が必要です。

 そこで伺います。いつごろの告知を予定しているのでしょうか。告知の際は、ワクチンの有効性なども含め、文字だけではなくイラストなどを多用した、高齢者にわかりやすい形での案内を行うべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 経過措置期間は対象がわかりにくいため、対象者には個別通知を行うべきではないでしょうか。また、個別通知の際は予診票も同封してはいかがでしょうか、伺います。

 接種費用の自己負担額について23区内での調整はあるのでしょうか。現在、各区で実施している接種助成制度にはばらつきがあります。23区内で調整を行い、同額となるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか、伺って、私の全ての質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 平山議員の御質問にお答えをいたします。

 区営住宅の今後の計画についてであります。区営住宅は、東京都から移管を受けた時点で既に30年程度経過していたものもあるなど老朽化の著しいものがあることは認識をしております。そこで、今後の区の住宅政策における公的賃貸住宅等の方向性や区営住宅等のあり方を検討して、維持保全やバリアフリー化等の具体的な計画を策定していきたい、このように考えております。

 新体育館に関する整備基本方針の策定時期について、であります。新体育館の整備基本方針については策定に向けて検討を進めているところでありまして、できるだけ速やかにお示しできるようにしていきたいと考えております。新体育館におきましては、さまざまな競技が実施可能となり、全区レベルの大会に対応できる規模の施設整備について検討することが重要であると認識をしております。基本方針の策定に当たっては、スポーツ団体等からも適切な形で意見聴取を行ってまいりたいと考えております。

 大和町のまちづくりについてであります。住環境や地域の魅力の向上に関する検討について、であります。大和町まちづくりの会は、区と協働して災害に強いまちづくりの実現を図ることを目的に、住環境や地域の魅力の向上、大和町中央通り沿道のまちづくりについても検討を行っております。このたび取りまとめた大和町まちづくり方針素案において、まちづくりの基本方針として、まちの魅力の向上や沿道のまちづくりについても、その基本的な考え方を示しているわけでありますが、今後、まちづくりの会においてより具体的な検討を進める予定となっております。メンバーの増員につきましては、まちづくりの会における検討の進捗に合わせ、必要に応じてまちづくりの会の中で検討していきたいと考えております。

 大和町まちづくりに関連して、大学との連携を進めるべきではないか、ということであります。本年3月に、区と明治大学及び帝京平成大学の間で包括的な相互協力に関する基本協定を締結したところであります。区は既に一定の分野において連携を図っておりますが、より効果的な連携を進めていくために、まず手始めとして明治大学との間で今後の連携内容について調整する場を持ちたいと考えております。今後、こうした場を通して大和町などまちづくりを含む協力事項についても協力を得られ、相互に価値のある連携が図られるよう調整をしていきたいと考えております。

 道路整備に伴う余剰地の有効活用についてであります。川北橋と整備される大和町中央通りの道路幅が大きく違っておりますので、幅員の違いによって生じる土地の活用について安全性の確保を図る観点から何らかの措置をとる必要があると、このように考えております。大和町まちづくり方針素案においては、大和町中央通りを歩きやすく、親しみやすい地域の顔として整備をするという基本方針を掲げておりますことから、地域の意見を聞きながら、都や交通管理者の調整も図ってまいりたいと考えております。

 自転車走行レーン等の整備についてであります。自転車走行レーンの整備については、歩行者や自転車利用者の安全性、快適性が損なわれないように自転車走行空間の整備を推進することが必要であります。交通管理者などの関係機関や地域団体と連携・協力し、良好な道路環境を確保する必要があると考えております。大和町中央通りの拡幅整備の際には、地域の意向も踏まえながら、自転車走行レーンの整備についても東京都や交通管理者と協議をしていきたいと考えております。

 横断歩道や信号機の設置位置についてであります。大和町中央通りの整備に当たり、車両の走行速度の抑制や中央通りを境とした東西の行き来のしやすさを確保するため、横断歩道や信号機の設置箇所は重要な要素であると考えております。また、今後具体化する大和町中央通り沿道を含めた大和町全体のまちづくりの中で、横断歩道や信号の設置箇所がどのような影響を及ぼすかについても検討し、地域の要望を聞きながら、道路を整備する都、交通管理者である警察署と設置について協議をしていきたいと考えております。

 まちのシンボルとなる施設の整備についてであります。地域のシンボルとなる施設整備については、要所要所に民間の商業集積を誘導したり、ポケットパークなどの公共の憩いの空間を配置していくなど、さまざまな観点から検討していきたいと考えております。こうした検討の中では、将来的に生じる可能性の大きい区民活動センターの建て替えなども一つの要素としてまちづくりに生かせるよう配慮していきたいと考えております。

 それから、防犯・防災機能の設置等についてであります。現在、交番の設置に当たっては、昼夜の人口、世帯数、面積、行政区画及び事件または事故の発生状況等の治安情勢を総合的に勘案して設置していると聞いているわけであります。こうしたことを考慮した上で、周辺地域の交番との統合・移転なども視野に入れて、区としても警察と協議をしていきたいと考えております。また、消防団施設の移転につきましては、消防庁からの要請に基づいて検討をしてまいります。

 私からは以上であります。

〔副区長川崎亨登壇〕

○副区長(川崎亨) 私からは、産業振興と区内事業者の育成についてお答えをいたします。

 初めに、委託における評価制度の導入について、でございます。区におきまして、工事については国や都が定めた統一基準に基づき工事成績評定を行っておりますが、委託については御質問があったようにその工事のような基準がございません。工事は、工事成績評定に基づき工程ごとに監督員が評定し、検査員が完了検査・評定を行っております。委託につきましては、監督員による成果物等の確認と検査員の完了検査を行っているところでございます。

 他の委託につきましては、建物清掃やまちづくり、コンサルタント業務などさまざまな業務があり、評価基準を一律に定めて評価することは難しいと考えております。他の自治体の例も参考にしながら、それぞれの業務の特質に応じた客観的な評価のあり方について研究してみたいと考えております。

 次に、最低制限価格の見直しについて、でございます。区は、最低制限価格の算定方法及び最低制限価格の公表は行っておりません。区の入札におきましては、過度な価格競争にならないよう最低制限価格を設定しているところでございますが、国や都の制度につきましては引き続き研究をしていきたいと考えております。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 学校教育の諸課題につきまして、まず初めに教育ビジョンの改定についての御質問です。中野区教育ビジョン(第2次)は教育基本法に基づく教育振興基本計画として平成23年2月に策定をいたしました。平成22年度から平成31年度までの10年間を計画期間とし、おおむね5年を目途に、その間の教育をめぐる状況の変化や事業の実施状況を踏まえ、必要な改定を行うこととしてございます。本年度で5年目を迎えることから、平成27年度中に改定が予定されてございます基本構想や10か年計画、区長が策定をするとされております教育の振興に関する施策の大綱などの策定と調整を図り、改定スケジュールを定めていきたいと考えてございます。

 次に、学校支援ボランティア制度についてです。まず制度の現状でございます。制度発足の初年度に137人だったボランティアの個人登録は平成25年度末には317人となり、企業や大学、地域団体などの団体登録は現在11団体でございます。活動者数は延べで平成24年度が1万3,793人、そして25年度が2万4,944人と着実に増えてございます。

 ボランティア活動の内容につきましては、教科指導補助や放課後の学習支援、環境整備、学校事業への支援、そしてクラブや部活動の指導、登下校の安全指導などさまざまな分野にわたっており、毎年度各学校から報告を受けてございます。議会へのボランティアの取り組み状況等についての報告は、今後できるだけ全体像がわかるような適切な時期、内容をもって行ってまいりたいと考えてございます。

 次に、ボランティア制度の目標設定についてです。学校支援ボランティアにつきましてはその活動者数について目標を定めており、平成25年度は年間で延べ1万6,000人という目標に対して、約2万5,000人という成果になり、大幅に目標を上回ったと認識をしております。ボランティアのニーズは学校によってさまざまであり、そのため必要とする人材も幅広い分野にわたります。教育委員会として教育活動の充実を図るため、学校のニーズを把握し、そのニーズに合う地域人材を発掘し、活動分野ごとの人数の目標を定めることを検討してまいりたいと考えてございます。

 次に、研修や講習についてです。これまで学校支援ボランティア研修を実施するとともに、東京都主催の学校支援コーディネーター研修も活用するなど、ボランティアやコーディネーターの育成に努めてきたところでございます。ボランティアやコーディネーターの育成のための研修は、より効果的に事業の推進が図られるよう必要な見直し、改善を行い、計画的に実施してまいりたいと考えてございます。

 最後に、ボランティアの活用による学力定着の取り組みです。学校が必要とするボランティアは、学校や地域、そして、子どもたちを取り巻く環境等によってもさまざまでございまして、学習の支援は多岐にわたるニーズのうちの一つだと認識しています。この学習の支援につきましては、現在、鷺宮小学校においては、平日の放課後に自主学習や音読等を行う鷺寺自習会、桃花小学校では、民生児童委員が中心となって算数や社会の授業の支援を行うなど、地域の状況に合わせた取り組みが行われており、このような地域が児童・生徒の学習を支援する取り組みを今後は区内全体に広げたいと考えてございます。こうした取り組みを教員OBも含め、地域のさまざまな立場の人がかかわることのできる仕組みづくりを考えていきたいと考えております。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、高齢化社会を見据えた施策とまちづくりについての御質問にまずお答えをいたします。

 若いファミリー世帯の誘導施策について、でございますが、現在、中野区では中野区集合住宅の建築及び管理に関する条例により、共同住宅のファミリー向け住戸を増やしていくことで地域コミュニティの活性化を目指しております。また、公営住宅に関しましても、都営住宅等の建て替えに当たってはさまざまな世帯が居住できるよう、若いファミリー向け住戸の建設を要望しているところでございます。

 次に、中野区交通バリアフリー構想の改定について、でございます。現在進めている中野区交通バリアフリー整備構想の改定に当たっては、ヒアリングやまち歩きを実施し、高齢者団体等の意見を取り入れるなどにより、地区の特性を十分に踏まえながら進めていく考えでございます。

 続きまして、事前防災対策についての御質問でございます。初めに、水害対策について。中野区版タイムラインの策定について、でございます。台風では規模や進路が予測されることから、事前に各行政機関、学校等が連携し情報を共有し、被害を最小限にとどめる取り組みを行っているところでございますが、そうした取り組みの精度を高める事前行動計画につきましても、区の地域の特性や実施可能性を含めて、今後、警察署、消防署等関係機関と検討してまいりたいと考えております。あわせて、ハザードマップ等により自分の住んでいる地域の洪水に対する危険性を知ってもらい、事前に備えてもらうための広報も進めてまいりたいと考えております。

 また、浸水区域の住民の防災情報メールマガジンの登録について、でございますが、中野区防災情報メールマガジンの配信を受けるための登録を行う際、個人情報の登録は行わないシステムのため、どこに居住されている方が登録されているか区は把握しておりません。また、このメールマガジンは風水害対策も含めて防災上有益な情報がタイムリーに得られる手段でもありますので、ハザードマップに示す浸水予想地域の居住者をはじめ、広く区民の方に登録していただけるよう広報を行っていく考えでおります。

 次に、街路灯の支柱についての御質問がございました。独立柱の更新に関してでございますが、今年度行う道路ストック総点検による点検結果を踏まえ、修繕計画を策定いたします。区道街路灯の安全性を確保するためにも、修繕と更新が必要な独立柱については損傷の程度に応じて一定の期間の中で平準化し、計画的に対応していきたいと考えております。

 また、太陽光パネル設置型の街路灯の御質問がございました。停電時の対策として太陽光パネル設置型の街路灯の設置につきましては、その条件として日照がよいことがあり、また、整備費用が多額になることも考慮する必要がございます。住宅密集地内ではこの日照確保が難しい場所も多いところですが、災害発生時や停電時などに街路灯の補助的な機能を果たすような整備ができるか検討をしていきたいと考えております。

 最後に、WiFiアンテナの設置に関して、でございます。WiFiアンテナにつきましては、さまざまな地点で設置の可能性が考えられます。御提案のような趣旨で設置もあり得ると思いますが、まずは多様な設置の考え方を整理して、その目的や効果、整備費用、優先順位などを研究してまいりたいと考えております。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 高齢化社会を見据えた施策とまちづくりについての御質問のうち、ライフサポートビジネスの振興についてお答えをいたします。

 少子・高齢化の進展に伴い、地域での生活をさまざまに支えるライフサポート関連サービスに対するニーズは、質、量とも高まっているというふうに考えているところでございます。今年度は、ライフサポート関連産業の中でも特にニーズが高いと思われる高齢者向けサービスと子育てサービスに重点を置き、これら二つのテーマに即した創業促進のための事業を実施しているところでございます。今後は、さらに中野の地域社会が持っている特性に着目した施策についても検討する必要があると考えているところでございます。

〔保健所長寺西新登壇〕

○保健所長(寺西新) 私からは、成人用肺炎球菌ワクチンについての御質問にお答えいたします。

 現時点ではまだ国の要綱が示されておりませんが、制度変更については8月から9月ごろの周知を予定しております。御提案のイラストの併用も含め、わかりやすい丁寧な周知に努めてまいりたいと考えております。個別通知や、さらに接種票を同封するかについては現在検討しているところでございます。自己負担額や接種経費については、特別区、東京都、東京都医師会から構成されるいわゆる三者協議会において現在調整を行っているところであります。

○議長(伊東しんじ) 以上で平山英明議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

 

午後2時26分休憩

 

午後2時45分開議

○議長(伊東しんじ) 会議を再開いたします。

 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 金 子 洋

 1 中野駅周辺の開発について

  (1)区役所・サンプラザ地区の一体開発と国家戦略特区について

  (2)開発工事と業務床増加による二酸化炭素排出量の増加について

  (3)西側橋上駅舎と駅ビルについて

 2 区内産業の振興と青年支援施策について

 (1)ライフサポートビジネスによる産業振興について

  (2)区内商店街の支援について

  (3)若者の生活と仕事への支援について

 3 業務委託・指定管理について

  (1)戸籍住民分野の入出力業務の委託について

  (2)受託業者・指定管理者選定の透明性について

 4 家庭ごみ有料化について

 5 太陽光発電機器設置の助成について

 6 高齢者福祉について

  (1)入浴難民について

  (2)特別養護老人ホームの増設について

 7 コミュニティバスの復活について

 8 その他

 

○議長(伊東しんじ) 金子洋議員。

〔金子洋議員登壇〕

○30番(金子洋) 2014年第2回定例会本会議において、一般質問を日本共産党議員団の立場から行います。

 まず第1に、駅周辺の開発について伺います。

 その1として、区役所・サンプラザ地区一体開発と国家戦略特区とのかかわりについて伺います。最初に、この一体開発に対して区民の皆さんが区長選挙で下した審判をどう見るかについて伺います。中野サンプラザには耐震構造上何の問題もなく、区庁舎も耐震補強が行われて安全は確保されていること、これらを今壊して建て替える必要はないことを私たちは訴え、区民の皆さんから大きな反響を呼びました。

 サンプラザはデザイン的にも高く評価され、区民から中野のシンボルとして愛されています。サンプラザホールでは、数々のミュージシャンが聴衆と一体となったコンサートを繰り広げてきました。こうしたサンプラザを取り壊す一体開発の計画に対して、「サンプラザを壊すな」という声が広がりました。その結果、一貫して大規模開発優先を批判した候補者と、また、最終的には一体開発には反対との立場を表明した候補者が合わせて6割近くの得票率を占めました。田中区長に投じられた票は有権者の11.8%にすぎません。

 そこで伺います。区長は所信表明で、区民の不支持や批判も常に念頭に置いて幅広く議論を受けとめていくとおっしゃいましたが、一体開発に対するこうした区民の声をどのように受けとめていかれるのでしょうか、答弁を求めます。

 次に、区役所・サンプラザ地区の一体開発と安倍政権の進める成長戦略や国家戦略特区とのかかわりについて伺います。駅周辺特別委員会への昨年12月の報告や、今年3月の再整備基本構想(案)は次のような考え方を示しています。「区役所・サンプラザ地区再整備では、国際ビジネス拠点、文化・学術創出拠点を形成し、東京のグローバル化を牽引していく。」「高品質かつ高容積を実現した、東京の新たなランドマークとなる多機能複合施設を公共と民間のパートナーシップ」に基づいて、つまり区が主体的に関与して整備する。そして国の成長戦略や都の政策の動向を踏まえて連携・調整を図り、国際競争力の強化や都市再生に係る諸制度の活用を検討すると言っています。そして、この5月から国家戦略特区が動き出しました。

 安倍首相は、世界で一番企業が活動しやすい都市をつくり、グローバル企業やマネーを呼び込むために、この特区を「岩盤規制を突破するドリル」と位置付け、建物の容積率や労働時間、雇用の規制緩和、そして医療・介護・福祉・教育・保育などの分野への株式会社の参入とイコール・フッティングを推進しようとしています。

 東京都では、舛添都知事の意向でこの特区の適用は当面都心・臨海部の九つの区の範囲に限定されましたが、竹中平蔵氏など特区諮問会議の民間議員は東京都全域への適用を強硬に要求し、板橋区、豊島区などこれに応えて適用拡大に名乗りを上げようとする区が出ています。そして、昨日の本会議では、区長もこの国家戦略特区の適用拡大を働きかけていく考えを明らかにされました。

 オフィスフロア、会議スペース、劇場型ホール、コンベンション施設、商業施設、宿泊・宴会・飲食施設、そして高機能な居住空間などの多機能複合施設を目指すこの国際ビジネス拠点が、現在の都市計画による容積率の基準600%を超えるものとなることは明らかです。容積率の規制緩和を進め、その規制緩和の適用範囲を広げることは巨大ビル建設の過当競争をもたらします。

 区長は「都市間競争に勝ち残る」と言いますが、区役所・サンプラザ地区再整備事業の着工は2024年度以降です。10年以上も先の経済状況の予想もつかない中、安倍首相が描く夢を追いかけ、このような競争に乗り出すのは無謀ではないでしょうか。開発業者とゼネコンばかりが利益を得て、空きフロアばかりのビルが東京中に乱立することになりかねません。仮に中野が競争に勝ち残ることができたとしても、その結果は地価の高騰であり、中野は庶民や若者には住めない街になってしまいます。

 そこで伺います。国家戦略特区の適用拡大に名乗りを上げ、区役所とサンプラザを壊して区有地を提供し、巨大ビル建設の競争に乗り出すべきではないと考えますが、いかがでしょうか、答弁を求めます。

 次に、この特区は、労働時間、雇用についても規制緩和を推進するものです。竹中平蔵氏など諮問会議の民間議員は、雇用・労働時間についても舛添知事の提案を極めて不十分と非難しています。外国企業、投資家なども注目する雇用・労働分野を含め、提案内容が抜本的に改善されることを求めています。

 ここで念頭に置かれているのは、規制改革会議が昨年12月に提案した労働時間の新たな適用除外制度やジョブ型正社員の制度です。残業手当をなくして成果主義賃金のもとで時間外労働を無制限にさせるのが労働時間の新たな適用除外です。また、部署や支店を廃止すれば、従業員を丸ごと解雇できるようにするのがジョブ型正社員です。これらを全国に先駆けて導入せよ、外国企業の外国人従業員だけでなく、全ての企業と労働者に拡大せよと竹中氏らは要求しているのです。

 こうした規制緩和が強行されると、中野区内で働く人や都心部に通勤する区民はタダ働きの長時間残業を強いられ、不要になれば物のように使い捨てられることになります。国家戦略特区はまさにブラック企業天国、首切り無法地帯です。中野区は、特区を活用した再開発によって、このような労働と雇用のルールの破壊に手をかすべきではないと考えますが、いかがでしょうか、答弁を求めます。

 次に、(2)として、開発工事と業務床増加によるCO排出量の増加について伺います。3月に「みどり東京62」が1990年度から2011年度までの都内の区市町村ごとの温室効果ガス排出量の推計結果を発表しました。そこからわかることは、2010年度着工の中野セントラルパーク南棟と東棟、帝京平成大学中野キャンパスの建設工事によって4万4,000トン、2011年度着工の明治大学中野キャンパスの建設工事で8,000トンの温室効果ガスが排出されたと見られることです。鋼鉄1トンの生産で2トンのCOが排出されると言われますが、この推計には鉄骨その他の建設資材の生産によるCO排出は含まれておりません。さらに、竣工後の業務床の増加による排出量増加も含めると、再開発がもたらす排出増はさらに大きなものとなります。

 私は、今後の再開発による排出増を見積もり、それに見合うカーボンオフセットや再生可能エネルギー利用拡大の計画を持ち、CO排出を削減することをたびたび求めてまいりました。しかし、区は、建物の高効率化やオフィスの省エネの推進、建設工法の改善などによって排出量増加を抑制すると言うばかりです。これは、例えば排出量が10増えるところを9や8に抑えるというだけの話であって、排出量を減らすものではありません。

 また、みなかみ町における植林事業も、それ自体は無意味ではありませんが、カーボンオフセットとしての吸収効果は5年目にして年間45.5トン。先ほど挙げた建設工事だけによる排出量の吸収にも1,100年余りを要するレベルです。既になされてしまったCO排出増加に見合うカーボンオフセットの展望さえ区は示せないのです。ゼネコンやテナント企業など事業者の責任も不問に付されており、焼け石に水のような植林事業への寄付をもってその免罪符とすることは許されません。

 そこで伺います。今後の再開発によるCOの排出増加を見積もることもなく、カーボンオフセットの裏付けもなく再開発を推進するのは無責任ではありませんか。また、COの排出増加を抑えるために、今後の新区役所と国際ビジネス拠点の建設をやめ、まだ使えるサンプラザと区役所は使い続けるのが一番だと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、(3)として、西側橋上駅舎と駅ビルについて伺います。5月14日の中野駅周辺整備特別委員会への報告で、中野駅西側南北通路・橋上駅舎事業については中野区が費用を負担することが明らかにされました。南北通路だけでなく駅舎も区が負担するのは、都市側の要請による工事だからということです。その費用について、区長は就任記者会見で、数年前に80億円と見積もったが、資材の高騰によりさらに膨らむ見通しを述べています。

 中野駅の乗降客が増加し、通勤通学時の混雑が危険なレベルとなり、西側橋上改札が必要となったのは、区民との約束を反故にして再開発をしたからです。橋上駅舎の費用負担は区民にそのツケを回すものです。区長は、国や都からの特定財源を確保するとおっしゃいますが、その財源も区民の納める都民税や国税です。しかも、消費税が増税される一方、四季の都市に入ってきた大企業をはじめ、企業の納める法人税は引き下げられています。橋上駅舎は現在の乗降客の安全確保に必要な最小限のものとし、これ以上乗客を増やすような再開発をさらに推進すべきではないと考えますが、いかがでしょうか。

 また、5月の駅周辺特別委員会と先日の区長就任記者会見では、巨大な駅ビル誘致の計画も明らかにされています。高さ30メートル、10階建て相当で、西側南北通路をまたいで東側にも延びるものです。中央線沿線は吉祥寺でさえデパートが撤退し、八王子では駅ビルからそごうが撤退しました。巨大な駅ビルは、最初流行っても長期的には成功するかどうか疑問です。区は、駅ビル自体の集客力に着目するとおっしゃいますが、駅ビルを目当てに他の地域から電車で来た人たちが、どの程度外の街に繰り出すでしょうか。むしろ中野だけでなく、新井薬師、沼袋、野方などの近隣商店街からも客を奪うのではないかと心配する声が実際に区民から寄せられています。このような駅ビルの誘致は中止すべきではありませんか。

 次に、第2項、区内産業の振興と青年、労働者の権利について伺います。

 その(1)として、ライフサポートビジネス産業振興について伺います。先ほど紹介した国家戦略特区は、医療・介護・福祉・保育・教育などの分野で株式会社の参入を進めようとしていますが、区は、産業振興ビジョンの中でこうした分野をライフサポートビジネスと呼び、ICTコンテンツ産業と並ぶ区内産業振興の柱の一つに位置付けています。

 区長は所信表明で、ライフサポートビジネスの分野ではサービスの付加価値の拡大や生産性向上が課題だとし、経済団体等と協力の上ライフサポートビジネスの振興を図り、区内の雇用を創出するとおっしゃいました。

 こうした中で、昨年度からライフサポートビジネス創業塾が開催されています。この講座の企画・運営は株式会社パソナに委託され、今年度から講座の回数、内容が拡大されました。パソナを含む共同事業体が指定管理者となった産業振興センターを会場とし、講師の選定をするのも、内容の問い合わせや受講の申し込みを受けるのもパソナです。ほぼ丸投げの事業と言ってよいでしょう。

 パソナは竹中平蔵氏が会長を務める大手人材派遣会社です。竹中氏は、国家戦略特区諮問会議以前にも産業競争力会議その他の諮問機関に参加をして、リストラ・転職支援金を2億円から300億円に拡大させたほか、国家公務員の再就職先紹介事業や子育て後の女性の再就職あっせんなどによって莫大な利益をパソナにもたらしました。パソナによる政官接待の問題をきっかけとして、このような利権あさりに対する批判が今広がっています。区内産業の振興の重要な施策をこのような利権追求の企業に丸投げするのではなく、区がしっかりとした方針のもとに管理運営すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 さて、このライフサポートビジネス創業塾は二つのコースに分かれ、そのうちの一つ、子育て・教育ビジネスコースの第1回のテーマは「元証券マンによるソーシャル・ベンチャー」です。講師は株式会社JPホールディングス代表取締役の山口洋氏です。山口氏は、大手証券会社で法人営業や会社の吸収合併で腕を振るった後、1993年に株式会社目本保育サービスを設立しました。公立保育園の指定管理者や民営保育園、学童クラブの運営などの分野で事業を拡大しながら、成長戦略検討会議、子ども・子育て新システム検討会議、規制改革会議などに加わり、株式会社参入を一貫して主張してきました。

 株主、投資家に対しては、会社のホームページで配当性向30%前後の業績連動型配当を約束し、市場規模3兆円以上はあると考えられる子育て支援業界でリーディングカンパニーを目指すと広報しています。横浜市では保育士に低賃金を強い、公金から会社本部に利益を引き上げる一方、横浜市の待機児解消策に倣って、賃貸物件利用で株式会社参入を進めることを安倍政権に要求し、待機児解消加速化プランを出させました。

 パソナのような企業が創業塾を運営し、山口氏のような人がその講師を務めるところに、区が丸投げしているライフサポートビジネス振興の本質があらわれているのではないでしょうか。それは、区内の事業者の育成にも、安定した雇用や保育士の待遇改善をはじめとした人間らしい労働にもつながるものとは思われません。医療・福祉・介護・保育・教育などの分野から公的責任を後退させ、この分野を自由競争の市場として大企業に売り渡すものではないでしょうか。

 そもそも、ライフサポートとは、命、暮らしの支援です。企業の営利追求にはなじみません。ビジネスにするべきものでもありません。民間の非営利組織に委ねる場合でも、国や自治体によるバックアップが必要な分野です。こうした点から、区内産業振興の考え方を根本的に見直す必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 次に、(2)として、区内商店街の支援について伺います。消費税が増税され、インフレ政策で物価が上がる一方、働く人の賃金は伸びず、消費の一層の冷え込みが予想されています。後継者がいないこととも結びついて、地域の商店街では店を畳むところが後を絶ちません。今、商店街と個々の商店に対する本格的な支援が求められています。

 そこで伺います。高崎市の施策を参考に、我が党議員団は第1回定例会の総括質疑で商店リニューアル助成を提案しました。区は研究していくとの答弁でしたが、その後の検討状況を伺います。

 また、区は、2003年度から3年間、商店街活性化・創業サポート「空き店舗活用事業」を公募、実施しました。その後、2009年度からは魅力ある店舗創出事業が続けられてきました。区が積極的に周知公募をしなかったため、昨年度の利用実績は1件で、今年度は予算措置もされていません。事業の実績と効果の検証に基づき拡充・復活するとともに、周知と積極的な公募をすることを求めます。そして、商店会が空き店舗を地域住民の自主活動や交流のスペースとして活用していくことも、商店街ににぎわいをもたらすと思います。新・元気を出せ!商店街事業の拡充を求めます。

 次に(3)として、若者の生活と労働、仕事への支援について伺います。中野区は若年層の単身者が多く、入れかわりが激しいこと。また、結婚し子どもが生まれるとほかへ移転していく人が多いこと、これが特徴です。他の区市から中野区内に通勤する若者の中にも、中野区に住むことができるなら住みたいという声があります。区は国際ビジネス拠点における高品質な住宅の整備で職住接近をうたっていますが、まずもって考えなければならないのは、現に中野区で働いている青年や子育て世代の職住接近です。先の第1回定例会に我が党議員団は予算組み替え動議を提出し、一定の所得基準を設けて、申請者の抽選により単身青年の家賃の補助を提案しました。この提案も参考に、単身青年及び子育て世帯への家賃補助を検討することを求めます。

 次に、ブラック企業の問題です。若者を使いつぶし、使い捨てるブラック企業は大企業と正社員に限った話ではありません。広告業界の下請企業や、区が推進するICTコンテンツ産業のベンチャー企業、あるいはライフサポートビジネスに含まれる飲食業界にもブラックな職場が多く、また、ブラック・バイトの問題も指摘されています。

 離れて住む息子がコンピュータプログラマーの仕事で鬱病を患い、退職、療養、再就職を何度も繰り返しているという話を区民の方から伺いました。また、私が相談を受けた40歳代の区民は、ラーメン店の仕事を続け、やはり解雇、退職と再就職を繰り返しています。相談の結果、生活保護と就職サポートを受け、幸い早期に再就職はできましたが、新規出店の店長を任され、開店から閉店まで長時間の勤務をこなしており、私としては心配しながら見守っているところです。

 この人の場合、1人でも入れるコミュニティ・ユニオンに加盟しているため、組合に相談することができますが、どこに相談してよいかわからず、一人で悩んでいる労働者がとりわけ若年層にたくさんいるのではないかと思います。中野区在住・在勤者の両方を対象に、ブラックな労働条件やパワーハラスメント、不安定雇用に苦しむ人たちが、気軽に労働相談のできる窓口を区役所内に設け、広く知らせることを求めます。

 第3に、業務委託・指定管理について伺います。

 その(1)として、戸籍住民分野の入出力業務の委託について伺います。足立区が戸籍住民窓口の全面的な業務委託について法務局から是正指導を受けました。その中心は、公権力の行使に当たる判断を委託職員が行っていることについてですが、区職員の指示を仰いで業務を行う場合には偽装請負の問題が出てくるとも指摘しています。

 中野区は、戸籍住民窓口内の入出力業務の業務委託をこの4月から開始しました。受託業者は人材派遣を中心業務とする会社です。この会社のホームページでは、SVと呼ばれる管理者のもとにスタッフが働く委託業務のスキームが示されています。区は職員から委託労働者へは直接指示をせず、SVを介してするものであるから偽装請負には当たらないと説明しています。

 しかし、管理職とは、賃金、労働条件の決定その他の労務管理について経営者と一体の立場にある人のことです。一般従業員と同じように賃金、労働時間の管理を会社から受ける立場ならば、実態は管理監督者ではなく、労働者です。SVがこのような名ばかり管理職であれば、区は委託労働者に指揮命令をするのであり、業務委託は偽装請負に該当します。

 委託労働者の雇用形態についても、賃金、労働条件についても区は把握していないということです。公務員と同様の守秘義務など厳しい責任を負わせる一方で、身分・労働条件の保証がありません。委託労働者の賃金・労働条件が引き下げられれば、区民へのサービスの質の低下にもつながりかねません。また、委託業者に任せることは区職員による経験の蓄積を阻害し、職員のスキルの低下をももたらしかねません。このような業務委託は見直すべきであり、これ以上広げるべきではないと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、(2)として、受託業者・指定管理者選定の透明性について伺います。大阪市の区役所の場合、今年2月からの戸籍住民窓口の業務委託について、区のホームページで2月1日より委託しますという形で受託事業者名を含めて事前に公表がされています。足立区の戸籍住民窓口の委託も事前に区長記者会見で発表されました。一方、中野区では4月からの受託業者はまだ公表されておりません。議会に対しては今定例会の委員会で初めて明らかにされる予定です。

 指定管理者の選定についても、中野区では議会の所管委員会に選定経過、応募者数、選定結果について概要が報告されるだけですが、練馬区の指定管理者の選定の場合、選定理由、評価項目ごとの背景などの詳細が区のホームページに公表されています。中野区も、区民に選定理由、評価について詳しい情報を公表するべきではありませんか。

 図書館の指定管理にかかわり、区は指定管理者の評価、検証の仕組みを整備するとしています。2008年度の事務監査結果報告書も管理運営状況の評価、公表を求めています。区は、情報改善分野が2013年度に指定管理者制度ガイドラインを策定する予定だと言ってきました。こうしたガイドラインの策定や評価、検証の仕組みの整備は現在どこまで進んでいるのでしょうか。

 次に、4として、家庭ごみ有料化の計画について伺います。

 家庭ごみ有料化の具体的検討が進められていることは区長選挙中も話題となり、区民の皆さんから「知らなかった。やめてほしい」との声が寄せられています。実施した自治体でも、一時的にごみの減量と資源化は進むが、その後徐々にもとに戻っていく例が見られ、長期的にごみの減量につながる保証はありません。他にも、税の二重取りであること、戸別収集が必要となること、区外の集積所やコンビニに出す不法投棄の恐れ、監視カメラによる区民のプライバシーの侵害などの問題があります。分別の徹底と資源化については意識の啓発こそ必要で、経済的負担や監視カメラによって強制するべきものではありません。よって、家庭ごみ有料化の中止を求めます。いかがでしょうか。

 5として、太陽光発電機器設置への助成について伺います。

 現在、電力の供給は火力発電のフル稼働によって支えられており、福島第一原発の事故以来、電力のCO排出係数が高くなっています。原発の再稼働と新・増設ではなく、再生可能エネルギー活用の急速な拡大が必要です。首都圏をはじめとする大都市でも過疎地に危険な原発を押しつけるのではなく、可能な限りの自然エネルギーの地産地消を進めることが求められます。住宅への太陽光発電機器設置の急速な普及がその鍵となっています。区は住民の自助努力に任せるのでなく、推進に公的な責任を果たすべきです。

 固定価格買い取り制度を理由に昨年度は東京都が助成をやめ、今年度は国もやめてしまいました。区独自の上乗せ助成を中野区は実施していませんが、太陽光発電機器の設置がある程度中野区でも進んでいるのは、金額の大きい都と国からの助成があったからです。現に東京都の助成廃止の影響で、昨年度、杉並区では助成実績が総額で3分の2程度に減ってしまいました。公的助成の必要性は何ら変わっておりません。他の区がやっている助成を中野区も実施すべきです。また、国と東京都に助成の復活を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、6として、高齢者福祉について伺います。

 その1、入浴難民についてです。公衆浴場の閉鎖が続き、遠くまで出歩くのが難しい高齢者の入浴難が深刻となっています。鷺宮地域には銭湯が一つもありません。その上、4月から鷺宮高齢者福祉センターが廃止され、風呂のないアパートに住む高齢者、公社住宅の自宅の風呂を使用できなくなった高齢者などは、隣の区までバスに乗って銭湯に通うことを強いられています。区はイベント風呂への助成を今年度から5万円に拡大し、燃料費の助成をするなど公衆浴場への支援を強化しており、この点は評価いたします。公衆浴場も仕事帰りに手ぶらで入浴できるように洗い場に入浴セットを備えるなど利用者増加の努力をしております。それでも閉鎖を予定する公衆浴場が生じており、新たな入浴難民が生み出されようとしています。

 そこで伺います。例えばいきいき入浴事業の毎週開催、現在月5枚の生活保護世帯への入浴券を増やすなど利用者拡大の諸方策を考えるとともに、東京都とも協議して、都の助成の拡大も含め、公衆浴場への総合的な支援の強化を考えるべきではありませんか。

 また、高齢者福祉センターの廃止と高齢者会館への機能転換によって、入浴事業と保健師、看護師による健康相談がなくなりました。自宅に風呂があっても入浴中の死亡事故が多い中で、1人で入浴することに不安を持つ高齢者が多い状況です。こうした高齢者にとって、血圧測定など健康チェックも受けながら、みんなで入れる高齢者福祉センターの入浴施設はかけがえのないものでした。高齢者が身近な場所で安心して入浴できる機会をどう確保していくか検討が必要と考えますが、いかがでしょうか。

 次に、特別養護老人ホームの増設について伺います。東京都の仲介で上鷺宮一丁目の民有地を事業者が借りて96床の特別養護老人ホームを整備する計画がありましたが、近隣住民の反対を受けて断念されました。この結果、今年度までの第5期事業計画期間中に100床分の整備、開設を目指すという区の約束は果たせなくなりました。期間内は困難としても、可能な限り早期に100床分の整備を実現するため公有地を活用すべきであると考えますが、いかがでしょうか。

 次に、7として、コミュニティバスの復活について伺います。

 現在は関東バスの1路線となっている旧「なかのん」は、昨年3月に1時間1本に減便されました。その後、地域住民や利用者からの強い要望に応え、時間帯によっては1時間2本の運行が回復されています。従来から、旧「なかのん」については、「新青梅街道だけを走るのではなく住宅地域にも入ってきてほしい」「鷺宮駅や区民活動センターに停まるようにできないか」、あるいは「他の多くの区のように100円バスにしてほしい」「運行間隔をもっと短くしてほしい」などの声があります。減便の理由となった利用者の伸び悩みと減少には地域全体の多様な住民にとって必ずしも利用しやすいものではなかったという背景もあります。

 100円バスにするとシルバーパスが使えなくなるという区の説明は、住民の間にシルバーパスか、100円バスかという対立さえ生んでいますが、この説明は正確ではありません。正確には、区が赤字分を全額補?するコミュニティバスを、東京都は区の委託事業とみなしてシルバーパスの対象から除外しているということです。運賃が幾らであるかは関係ありません。区の助成と都のシルバーパス補助を足して赤字を全額補?できるような仕組みをつくれば、運賃100円でシルバーパスも使えるコミュニティバスを事業者に負担をかけずに運行できます。

 バス事業者が路線を設定しない交通空白地帯に自治体の助成によって走らせるのがコミュニティバスです。区がオンデマンド交通の具体化を進めようとしないもとでは、住宅地の中を巡回するコミュニティバスの新ルートによって鷺宮、上鷺宮の交通空白地帯をなくしていくことが必要と考えます。「なかのん」創設のときにはスクールゾーンの問題もあり、上鷺宮の住宅地にミニバスが入ることに反対する声もあって、新青梅街道のみの運行となりましたが、もう一度区と区民及び住民との間での話し合いを重ね、合意形成を図るべきです。鷺宮三丁目から六丁目や上鷺宮の住宅地を巡回し、区民活動センターや鷺宮、富士見台駅近くを結び、中野に向かうような新ルートで、運賃100円、シルバーパス利用可のコミュニティバス新路線の開設に向けた検討を求めたいと思います。いかがでしょうか。

 以上をもちまして私の全ての質問といたします。御清聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 金子議員の御質問にお答えいたします。

 区役所・サンプラザ地区の一体開発についてであります。区役所・サンプラザ地区の一体的な再整備については、中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3などでも明らかにしているところであり、そうしたまちづくりの実績や成果について区民から支持されたと考えております。

 国家戦略特区について。区役所・サンプラザ地区再整備の事業化など中野駅周辺における国際ビジネス拠点の形成とともに、新たな産業の創出や雇用を拡大していくための仕掛けとして、区では国家戦略特区を活用したいと考えており、区域指定に向けて働きかけを行ってまいります。

 それから、CO排出量の増加についてという質問もありました。将来においても持続可能なまちであるためには、中野駅周辺まちづくりによる都市基盤、都市機能の整備は欠かせないものであります。温室効果ガス排出量の増加を低減させる取り組みを行いながら、今後もまちづくりを着実に進めてまいります。

 それから、サンプラザと区庁舎の継続使用についてであります。サンプラザや区庁舎は既に築40年を経過しており、建物の耐用年数や設備の経年劣化も考慮すべきであり、最新の環境配慮技術を生かした区庁舎の建設や区役所・サンプラザ地区の再整備を進めてまいります。

 それから、駅の乗降客を増やすべきではないという質問でありました。今後、中野駅周辺はグローバルな都市活動が活発に行われ、東京の新たなエネルギーを生み出す国際的なビジネス活動拠点として検討、整備を加速化させ、経済を活性化させるためのエンジンとして、そのにぎわいを区内全域に波及させていく考えであります。西口改札と南北自由通路の整備は、今後の中野駅周辺の整備で増加する就業者や来街者に安全で快適な歩行動線を提供し、利便性や回遊性を強化するためには必須の施設と考えており、整備を推進してまいります。

 それから、駅ビルの誘致を中止すべきという御質問であります。中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3にも示したとおり、駅ビルが民間商業施設として地元商店街との適切な役割分担のもと、地域商業のさらなる発展につながるよう働きかけをしてまいります。中野駅周辺の再整備や再開発によって、さらに就業者、学生、来街者が増大する予定であり、それらに対する商業、飲食、娯楽などの生活サービスの提供を地元商店街と駅ビルがそれぞれ分担していくことになると考えております。西側南北通路、橋上駅舎、駅ビルの一体的な整備を推進し、中野駅周辺のまちづくりをさらに進めることによって生まれる新たなにぎわいを区内各地域へと波及させるための取り組みを進めてまいります。

 私からは以上です。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 区内産業の御質問についてお答えをいたします。

 まず、ライフサポートビジネス創造塾の運営企業と講師についての御質問でございます。ライフサポートビジネス創造塾の運営につきましては、区の企画提案型公募に応募した事業者の中から審査を行い、最適であるとして株式会社パソナを選定したものでございます。また、同事業の講師につきましては、区が示しましたテーマや内容に基づき、同社から提案を受け、決定をしているところでございます。

 子育て・教育ビジネスコース第1回の講師については、社会のニーズに応えた子育て支援事業に取り組んでいる方であり、今後、ライフサポートビジネスの分野で起業を考えている方々が、そのやりがいやビジネス化のポイントなどを学ぶ上で非常に有益であると考え、依頼したものでございます。同事業については、既に子育て・教育ビジネス及びシニアビジネスの二つのコースについて、それぞれ第1回の講座を実施したところでございます。今後も引き続きライフサポートビジネスの振興に寄与するさまざまなテーマと講師により講座を実施してまいります。

 次に、商店リニューアル助成についての御質問についてお答えをいたします。御指摘の助成制度につきましては、高崎市の中心市街地の状況と中野区の地域特性などの相違がある中で、同じような制度の導入の必要性はないものというふうに考えているところでございます。

 商店街の支援策の拡充についての御質問がございました。御指摘の空き店舗活用事業は、平成15年度より3カ年の限定で実施した区単独の事業であり、店舗賃借料の一部助成を1年間行うものでございました。これにつきましては、公募により助成希望者を募って実施したものでございます。その後、平成20年度から内容を拡充し、店舗賃借料や改装経費並びに宣伝経費の一部を2カ年にわたり助成する制度として、魅力ある店舗創出事業を創設したものでございます。

 この事業は、商店会や関係団体等への前年度のニーズ把握調査等を踏まえ、翌年度予算措置を行うものであり、これまでなかの里・まち連携のアンテナショップ開設などに活用されてきたところでございます。今年度は、平成25年度のニーズ把握調査において助成希望者がなかったため予算措置を行わなかったものでございますが、このたび、さらに周知PRを強化するなど活用を促進していきたいと考えているところでございます。

 最後に、区内商店街の拡充策の中でのコミュニティの関係の施設整備についての御質問がございました。商店街が実施する空き店舗対策事業は、都・区の補助事業である新元気を出せ!商店街事業において、区独自に補助率を上乗せするなど商店街における地域コミュニティ機能を図っているところでございます。この制度につきましても、区内商店街等に対して今後さらに情報提供し、活用を促していきたいと考えております。

 私からは以上でございます。

〔政策室長竹内沖司登壇〕

○政策室長(竹内沖司) 私からは、まず若者への支援についての御質問にお答えいたします。

 若者に限らず、定住促進策として家賃助成を行う考えはございません。また、若者に対する相談窓口といたしまして、すこやか福祉センターにおいて心理相談、生活援護担当において生活困窮者自立支援、それから、ぐっJOBなかのでの就職情報支援などを行っております。必要な取り組みはニーズにおいて適宜行っていると考えてございます。

 それから、指定管理者の選定理由等の公表についての御質問にお答えをいたします。中野区においては、指定管理者の指定手続に関する条例施行規則の規定に基づき、指定手続の経過と指定結果を区民に公表しているところでございます。指定手続の経過と指定結果の具体的な内容としては、このたび策定をいたしました指定管理者制度ガイドラインの中で、応募団体ごとの評価や選定理由などを含めることと定めたところでございます。

〔区民サービス管理部長白土純登壇〕

○区民サービス管理部長(白土純) 私からは、戸籍住民分野の入出力業務の委託についてお答えをいたします。

 入出力業務の委託に当たっては適正な価格で契約しており、委託化が区民サービスの低下につながるとは考えておりません。また、委託化によってコスト削減を図るとともに、職員は窓口審査業務に専念するなど安定した窓口業務が遂行され、区民サービスの向上が図られていると考えております。このため、委託化を見直す考えはございません。今後も、区民満足度の向上や業務の効率化、コスト削減等の視点から有効な業務については委託化を進めていきたいと考えております。

〔環境部長小谷松弘市登壇〕

○環境部長(小谷松弘市) 私からは、家庭ごみの有料化について及び太陽光発電機器設置の助成につきましてお答えをいたします。

 まず、家庭ごみの有料化を中止すべきでは、というお尋ねでございますが、区は本年3月、ごみ減量と資源化推進の今後の進め方を示しまして、資源化を推進するための施策やごみの適正排出促進に係る具体的な方策及び家庭ごみにおける費用負担の導入に向けた検討の方向性を明らかにいたしました。今後、着実にこれらごみ減量と資源化推進に向けた総合的な取り組みを進めてまいります。

 それから、太陽光発電機器設置の助成について、でございますが、中野区でも助成を行うべきということでございますが、区といたしましては、太陽光発電機器の設置そのものへの助成は考えてございません。なかのエコポイント制度を通じまして、太陽光発電機器を含む省エネルギー機器や自然エネルギー活用機器等の普及につながるインセンティブづくりに努めてまいります。

 それからまた、国や都の助成制度の復活を求めるべきではないかということでございますが、国や都の助成制度につきましては、太陽光発電機器設置価格の大幅な低下や、また、平成24年7月から再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度がスタートしたことによりまして、それぞれ国、都の立場で助成の必要性について判断したものでございまして、区としてその復活を求める考えはございません。

○議長(伊東しんじ) 質問時間は終了しております。答弁は結構です。

 以上で金子洋議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 中 村 延 子

 

 1 男女共同参画施策について

  (1)ワーク・ライフ・バランスについて

  (2)少子化対策について

  (3)女性の健康施策について

  (4)その他

 2 その他

  (1)グローバル人材を育てるための教育について

  (2)その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、中村延子議員。

〔中村延子議員登壇〕

○6番(中村延子) 平成26年第2回定例会に当たり、民主党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。

 質問は通告のとおりですが、その他の二つ目として、粗大ごみ収集のネット申し込みシステムについてお伺いをいたします。

 まず初めに、男女共同参画施策についてお尋ねをいたします。

 先週、6月23日から29日までの1週間は「男女共同参画週間」でした。中野区では、男女がともに生き生き平等に暮らし、参画してつくる男女共同参画社会を目指し、平成19年に男女共同参画基本計画を策定、5年経過した平成24年に社会の情勢の変化や10か年計画第2次との整合性を図る必要が生じたことで計画の見直しを行い、男女共同参画基本計画2012を策定しています。中野区が目指す全員参加型社会をつくっていくためには、区民一人ひとりの仕事と生活の調和、ワーク・ライフ・バランスが必要不可欠になります。

 ワーク・ライフ・バランスを実現した社会の定義は、「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」です。その社会の実現のために、行政はあらゆる障害を排除していくよう、努力をしていかなければいけないと思います。

 我が国では、法制度等の整備は一定程度進んだものの、休暇の取得率、いわゆるM字カーブやガラスの天井問題もいまだ解決をしていません。制度があってもなかなか変わらない現状に対してはトップの強い決断が必要であり、意識・風土改革を進めることが必要です。このような状況を踏まえ、中野区においても企業における女性の活躍を進めるとともに、女性も男性も仕事と家庭生活との両立が可能な社会の実現に向け、一層の取り組みが求められていると考えますが、区の見解をお伺いいたします。

 平成19年にワーク・ライフ・バランス推進官民トップ会議において決定された「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」では、企業と働く者、国民、国、地方公共団体のそれぞれの役割が明示され、この中で地方公共団体の役割として、「仕事と生活の調和の現状や必要性は地域によって異なることから、その推進に際しては、地方公共団体がみずからの創意工夫のもとに地域の実情に応じた展開を図る」こととされています。

 これに基づき、全国各地でさまざまな取り組みがされています。お隣の新宿区ではワーク・ライフ・バランス推進企業認定を行っています。これは、ワーク・ライフ・バランスや男女雇用機会均等を推進している企業を認定し、取り組み事例を紹介し、また、意欲はあるけれども認定には至らない企業に対してはコンサルタントの派遣等を行い、取り組みを支援する事業を行っています。

 品川区では、中小企業2社にコンサルを派遣し、6カ月かけモデル企業の現状を把握し、ワーク・ライフ・バランス導入の計画、運用のサポートを実施。また、ワーク・ライフ・バランス導入マニュアルを作成し、ほかの中小企業に普及を図り、合わせて3回の講座を開催する事業をしています。このほか、さまざまな自治体で啓発事業、講演会、事例調査等々が行われています。中野区でも啓発事業等は行われていますが、このようなもう一歩踏み込んだワーク・ライフ・バランス推進に関わる事業を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、ワーク・ライフ・バランスの観点からも、希望する女性が仕事を続けるためには、会社が妊娠、出産を温かく見守る環境づくりも必要です。例えばマタニティハラスメント、いわゆるマタハラを、妊娠、出産での解雇、雇い止め、精神的、肉体的なハラスメントと定義して行った連合の調査では、4人に1人が「経験した」との結果が出ています。また、妊娠、出産による解雇などに関する労働局への相談は、平成16年度の875件から平成23年度3,429件へと、4倍に増えています。そこで、このような実態に対する区の認識をお伺いいたします。

 産みたいと願う人がいつでも産める社会にしていくことが今後の女性のキャリアモデルを変えていくことになりますし、本当の意味でのワーク・ライフ・バランスの推進と呼べることになると思いますが、区の見解をお聞かせください。

 職場での3大ハラスメントは、セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、マタニティハラスメントと言われています。非常に残念なことに、6月18日の東京都議会の本会議一般質問にて、女性都議の一般質問の際にセクハラととれる不規則発言、いわゆるやじが投げかけられました。これは品位を欠くというだけのものではなく、国際的にも日本の性差別に対する意識の低さを露呈する結果になってしまいました。オリンピック・パラリンピックを6年後に控える東京でこのようなことが起きてしまったことは大変遺憾であり、国際社会への信頼回復が急務です。

 ワーク・ライフ・バランスの観点からも、セクハラを根絶していく姿勢が必要です。これは議会で起きたことではありますが、日本社会の根深い性差別意識を変えていくには社会全体で取り組まなければいけない課題だと考えます。区の見解をお聞かせください。

 この項の二つ目として、少子化対策についてお伺いをいたします。平成26年5月8日の日本創成会議人口減少問題検討分科会「ストップ少子化・地方元気戦略」にて、このまま人口減少が進み、かつ大都市への人口移動が収束しなければ、2040年には、再生産力の指標となる20歳から39歳の若年女性が全体の市町村の49.8%に上る896市町村で5割以上が減少することとなり、将来的には市町村として消滅するおそれが高いとの指摘がされました。東京都23区でも豊島区がこれに該当し、消滅の可能性があると報告されています。まず、中野区ではどのような傾向になっているのか教えてください。

 もし現在の人口減少傾向が続けば、2060年には人口が約8,700万人まで減少するという検証結果も出ています。また、2030年に合計特殊出生率が2.1程度に回復する場合においても、2090年代まで人口減少が続きます。少子化対策は急務であり、当面は人口減少が続くことから、人口減少に対応した経済社会づくりが必要になってきます。一方、国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査」での平均理想子ども数と平均予定子ども数の推移を見ると、夫婦の理想とする子どもの数、予定する子どもの数はともに2人以上を保っているのに対し、実際には平均現存子ども数が2人未満となっており、希望と現実にギャップが存在していることがわかります。

 5月末に、民主党少子化・人口減少問題検討チームの少子化・人口減少問題に関する意見交換会に出席をさせていただき、NPO法人ピルコン及び国際医学生連盟の方々と意見交換をする機会をいただきました。若い世代の意識で子どもを早くに持たない理由で最も多かったのは漠然とした不安でした。その不安を取り除いていくのが制度であり、保育施設の拡充などこれまでも進められてきています。

 一方、国では、安倍内閣で女性の力の活用や社会参画の促進が日本の強い経済を取り戻すために不可欠との認識に基づき、全ての女性が生き方に自信と誇りを持ち、輝けるような国づくりを目指しているとしています。女性の誰もがスーパーウーマンなわけでもなく、女性だけが家事や育児を行いながら社会でも活躍するということは不可能です。少子化対策においては男性の育児参加が必要不可欠になってきています。

 そこで、幾つかお尋ねいたします。男性にも育児休業を取得する権利がありますが、平成24年度において1.89%とかなり低い水準にとどまっています。女性の育児休業取得率が83.6%であるのに比べると大きな差があります。また、取得期間も約4割が5日未満と非常に短くなっています。まずは区役所で働く職員の育休取得状況を教えてください。同時に、男性職員の育休取得の状況もあわせてお答えください。

 現在、男性の労働者が育休をとる制度は整っているものの、育休取得の日数は1日から5日が4割、5日から2週間が2割など、2週間未満が6割を占めています。雇用保険から月に20日以上育休取得する育児休業給付金を受給した男性はわずか0.38%しかいませんでした。これは男性社員が育児休業を取得したり、育児のための短時間勤務やフレックス勤務することを妨げる行為、パタニティ・ハラスメントも生じており、制度ではなく風土の問題が原因と言えます。この風土を変えていかなければいけないと考えますが、区の見解を教えてください。

 次に、女性の健康施策についてお伺いをいたします。近年は社会保障費の増加が深刻化しており、健康寿命と平均寿命の差は女性では12.68年もあり、健康な生活が妨げられ、医療費、介護費の負担になっています。これらの課題について、労働環境の改革やワーク・ライフ・バランスの実現には着手がされ、医療・介護制度についても改革が進められてきていますが、一人ひとりの女性が社会参画できるための基盤である女性の健康についての対策は遅れています。

 女性の健康については、これまで個別の法律や制度によって対応はされてきましたが、包括的な法制度がなく、性差を踏まえた包括的な健康支援はいまだ不十分と言えます。女性の健康問題には、働く世代に多い子宮内膜症や不妊、産前産後の心身のケア、思春期の健康、虐待や性暴力、女性のがん検診やがん予防、更年期、老年期の認知症や骨粗鬆症予防などが含まれ、かつこれらは一人の女性の一生涯の健康問題としてつながっているため、継続的で包括的な支援が必要だと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 現代の女性の生涯の月経回数は約500回と、戦前の女性(約50回)に比べ、およそ10倍にもなると言われています。つまり、現代の女性はそれだけホルモンとつき合っていかなければいけません。さらに、食事の欧米化、さまざまな添加物、大気汚染など体を取り巻く環境が大きく変化しています。加えて、先行きの見えない社会的、経済的不安や育児、仕事に関する精神的ストレスなど、現代の女性は目に見えない多くのものと戦いながら社会参画していかなければいけません。もちろんセルフマネジメントも必要ですが、それぞれのステージでの制度的な支援も求められています。

 先の国会へ、「女性の健康の包括的支援に関する法律(案)」が議員立法として提案され、継続審議となっています。法律案の中には国及び地方公共団体が講ずべき施策等が盛り込まれており、この法案が通った場合、基礎自治体である中野区にも少なからず影響が出てきます。今後、国の動きを注視し、必要に応じて整備を進めていただきたいとお願いをいたします。

 次に、女性の健康施策の中で子宮頸がん対策についてお聞きをいたします。毎年4月9日は「子宮の日」とされ、毎年4月にはさまざまな子宮頸がん検診への啓発活動が全国的に行われています。中野区でも、JR中野駅北口にて東京細胞検査士会の方々がリーフレットを配布するなど啓発活動を行いました。区も検診率向上のためいろいろな取り組みをしてきていますし、さまざまな民間団体も取り組んできているところですが、検診率はなかなか上がりません。

 毎年4月中旬、20代から30代の若者が集まる日本最大級の環境イベントであるアースデー東京が代々木公園にて行われ、子宮頸がん予防啓発もブースを出し、行われています。今年は受診率向上の啓発イベントだけではなく、その場に検診バスを呼び、検診事業も行われました。このバス検診では、20代は細胞診のみ、30歳以上は細胞診とHPV検査の併用検診を行いました。2日間で137人が受診し、そのうち細胞診のみが48人、併用検診は89人受診をしました。

 受診者のうち、細胞診で異常なしが116名、何らかの異常が見つかった方が21名。HPV判定は、対象者89名のうち陽性が8名でした。子宮頸がん検診自体が初めての方が58名おり、頸部細胞診所見は52名が異常なしでした。

 アンケートの結果を見ると、「行こうと思っていたけれど、なかなか行く機会がなく、ちょうどよかった」という受診動機の回答が多く、子宮頸がん検診に対して全く無知ということではなく、ちょっとしたきっかけが必要だったのではないかと予想ができます。こういったきっかけづくりをすることで、今まで行こうとは思いつつも検診を受診して来なかった世代への環境をつくってあげることも必要だと考えます。中野区にも年間を通し区民の方々が集う大きなイベントは幾つかあります。中野区では現在集団検診は行っていませんが、このようなイベント型バス検診の導入を検討してみてはいかがでしょうか。区の見解をお聞きし、次の質問に移ります。

 次に、その他の一つ目として、グローバル人材を育てるための教育についてお伺いいたします。

 区長は所信表明の中で、学校教育の中でグローバル人材としての資質の強化・育成に努めると述べられています。以前も一般質問で述べさせていただきましたが、近年グローバル化が急激に進み、民間企業では、外国人労働者が働くことや日本企業が海外に支社を持つのが当たり前の状況になってきています。日本で働くにしても、これからの世代は世界との競争がさらに激しくなっていくと思います。グローバル人材を育てる上で、一つは言語を習得するというところ、そしてもう一つは日本について客観的な目を持つことに加え、自分とは違う物の見方や考え方をする人がいるという多様性を理解し、また、それを尊重できるということも大切ではないかと考えます。

 一方で、今までの中野区の教育の中ではなかなか外国人の方々と触れ合う機会がなかったように思います。中野区国際交流協会の事業として、友好都市である中国北京市西城区との野球交流がありますが、2年連続で国家間の情勢や環境などの影響により子どもたちが集まらず、中止になっています。姉妹都市である韓国ソウル市ヤンチョン区とはいまだ交流内容が決まっていない状況です。唯一、中野・ウェリントン子ども交流事業で、中野区とウェリントンの中学生が年に1回行き来をしている事業があります。今年は中野区の中学生がウェリントンへ行く予定になっていると伺っています。しかし、訪問団に参加できる子どもも、ホームステイの受け入れをする子どもたちも限定的です。

 こういった子どものころに外国人との交流を持つという事業はグローバル人材を育てる上で非常に価値のある経験になりますし、多様性の理解や外国文化に触れることにより自国の文化を学ぼうとする意欲にもつながります。昨年の明治大学、帝京平成大学、今年の早稲田大学国際コミュニティプラザの四季の都市への進出などにより、中野駅周辺及び中野区内の外国人人口は昼夜問わず増加しています。これまでもたびたび質疑の中でこの大学に通う外国人留学生の人材を教育現場に生かすことを提案してきました。

 現在、中野区の小学校では、今年2月14日に緑野小学校で明治大学国際日本学部の留学生7名が訪問し、交流事業を実施。また、塔山小学校では、6月2日及び14日に明治大学の留学生12名が生徒との交流をしています。7月7日には第3回目が行われるとも伺っています。また、今年の3月からは明治大学国際日本学部の学生ボランティアが、四季の都市周辺に暮らす外国籍の子どもや帰国子女の小学校4年から6年生を対象に学習支援を行う「なかのハウス」を明治大学キャンパス内の教室で行っていると伺っています。

 大学の誘致により外国人留学生という財産が中野区に増え、それを子どもたちの教育に生かせるということは、グローバル人材を育てるための教育につながります。人材に限りがあることも重々承知しておりますが、ぜひ、この二つの小学校や中野駅周辺の子どもたち限定的になるのではなく、できるだけ多くの子どもたちにこういった経験をさせてあげることができるよう区としてもマネージしていただきたいと思いますが、見解をお聞かせください。

 その他の二つ目に、粗大ごみ収集のインターネット申し込みについてお伺いをいたします。区のホームページから行うことができる粗大ごみのインターネット申し込みは、動作確認済みブラウザがインターネット・エクスプローラー6から11のみとなっています。調査会社スタットカウンターのデータによると、日本国内のインターネット・エクスプローラーのシェアは本年3月時点で約50%と、最も使われているブラウザです。

 しかしながら、その分、脆弱性を悪用したサイバー攻撃の対象にされやすく、本年だけでも複数回の脆弱性報告が挙がっています。明らかになった脆弱性へのマイクロソフト社の対応についても、5月に対応するはずのものが6月までずれ込むなど決して万全とは言えません。こうしたことから、インターネット・エクスプローラーは最も危険なウエブブラウザと言われており、利用を敬遠する方も多くいます。

 近年急速に普及しているスマートフォンやタブレット端末を含めると、利用されているブラウザはさらに多様化してきています。区が提供するサービスが専門家から「最も危険」とも言われるブラウザにしか対応していないのは問題だと考えます。シェア上位3位くらいまでのブラウザに対応させるべきではないでしょうか。区の見解をお聞かせください。

 以上で全ての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 中村議員の御質問にお答えいたします。

 男女共同参画施策について。企業での女性の活躍を促すこと等についてであります。仕事と家庭の両立の実現は、国と地方自治体、そして企業が総合的に取り組むべき課題であり、区としてはこれまでも行ってきた講座の開催などの啓発事業のほかに、ワーク・ライフ・バランスに取り組む企業の情報の紹介を拡充するなど取り組んでまいりたいと考えております。

 ワーク・ライフ・バランスの推進事業について。企業に対するワーク・ライフ・バランスの取り組みの啓発については、これまでも優良企業の事例紹介をホームページで行うなど取り組んできたところであります。ワーク・ライフ・バランス推進企業認定制度は、さらに取り組みを行う企業を増加させるために有効であると考えており、認定企業のPRや東京都の支援制度を活用した支援など制度内容についての検討を進めているところであります。

 いわゆるマタニティハラスメントについて、という質問がありました。子育てを女性だけの問題とはせず、社会全体で支えていくことについて広く啓発を図るとともに、相談・支援を充実させることが必要であると考えております。周産期を含む出産・育児支援を拡充するとともに、子ども・子育て支援新制度の本格実施とあわせた保育サービス、子育て支援の拡充、男性の育児参加の啓発など、安心して産み育てられるまちづくりを目指してまいります。

 いわゆるセクハラ――セクシャルハラスメントにかかわる問題についてであります。ワーク・ライフ・バランスを推進するためにも、男性、女性双方の意識改革について国全体で取り組んでいくべき課題であると考えております。区として積極的に正しい知識を発信するとともに、相談体制の充実が必要であると考えているところであります。

 私からは以上です。

〔副区長川崎亨登壇〕

○副区長(川崎亨) 中野区職員の育児休業の取得状況についてお答えをいたします。

 職員の育児休業取得者は、平成23年度30名、平成24年度38名、平成25年度32名でございました。そのうち、男性職員の育児休業取得者は平成23年度1名、平成24年度はゼロ、平成25年度は1名という状況でございました。

〔政策室長竹内沖司登壇〕

○政策室長(竹内沖司) 私からは、まず若年女性の減少率についての御質問にお答えをいたします。

 御質問の中でございました日本創生会議が行った御指摘の推計は一定の条件のもとに行われたものでございまして、直ちに中野区の状況に当てはめて議論することは難しいと考えております。中野区の20歳から39歳の女性の人口は、この6月1日現在、5万1,750人でございまして、2010年の同時期と比較をいたしますと1,000人強増加をしております。人口の推計につきましては、今後、基本構想の検討を行う中で推計をいたしてまいります。

 それから次に、パタニティハラスメントということについての御質問がございました。厚生労働省の今月の発表によれば、男性の育児休業取得率について、2013年度は前年度比で0.14ポイント上昇して2.03%になり、男性の育児参加は改善傾向にあるというふうに考えられます。しかし、2020年までに13%にするとの政府の目標には大きく下回っているところでございます。男性の育児参加を進めるために、妊娠期から両親学級等への参加を促進するなど、協働して育児を進めるための意識の醸成に進めるとともに、ワーク・ライフ・バランスを制度化している優良企業の紹介など、他の企業への波及を進めてまいりたいと考えてございます。

 それから、その他のところでグローバル人材の育成についての御質問がございました。区と明治大学、帝京平成大学とは今年の3月に包括連携協定を締結したところでございまして、この協定を踏まえて、今後、区と大学との連携事業として取り組みを広げていけるか検討してまいりたいと考えています。

〔健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) 私からは、女性の包括的な健康支援という御質問にお答えをいたします。

 女性の包括的な健康支援につきましては、現在、子宮頸がん検診の受診奨励、周産期医療の充実など女性特有の健康対策や、女性の相談支援などでの心の対策など、それぞれの担当所管で取り組みを進めているところでございます。女性が生き生きと活動できる環境の整備は、少子・高齢化や生産人口の減少に対応し、全員参加型の社会を築いていくために必要でございます。今後の法制定への動向を踏まえまして、必要な取り組みを進めてまいりたいというふうに思ってございます。

〔保健所長寺西新登壇〕

○保健所長(寺西新) 私からは、女性の健康施策についての質問のうち、検診バスによる子宮頸がん検診についてお答えいたします。

 区の子宮頸がんは医療機関で実施し、検診結果の説明や精密検査が必要な方への受診勧奨などを行っており、区の検診で検診バスを利用して集団検診を行うことは、現在実施中の検診との整合性の見地から困難であると考えております。

〔環境部長小谷松弘市登壇〕

○環境部長(小谷松弘市) 粗大ごみ収集のインターネット申し込みにつきましてお答え申し上げます。

 現在は、粗大ごみ収集のインターネット申し込みにつきましては、国内シェア率の最も高いインターネット・エクスプローラー6から11の環境下で確実な申し込みができるようにしてございますが、今後、パソコンを利用される方への対応に加えまして、スマートフォンやタブレット端末の急速な普及によりますブラウザの多様化への対応につきまして検討を行ってまいりたいと思います。

○議長(伊東しんじ) 以上で中村延子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 後 藤 英 之

 1 区長の所信表明について

 2 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、後藤英之議員。

〔後藤英之議員登壇〕

○8番(後藤英之) 平成26年第2回定例会に当たり、みんなの党の立場から一般質問をさせていただきます。

 区長の所信表明についてお尋ねいたします。

 まずは、所信表明の中で述べられた地域経済活性化と全員参加型の社会についてお尋ねいたします。区長は、所信表明の中でもこれまでも、現在が少子・高齢化と生産人口の減少に直面している転換期とし、また、そうした社会では社会保障のコストが著しく増加する一方で、国内のさまざまな需要を減少させ、総所得を下げるとし、「地域経済の活性化や支え合いの仕組みづくりなどをどうするか、自治体自らが自らの責任と創意工夫で取り組まなければならない」としています。

 そこで、女性や高齢者、障害者等も含めた全員参加型の社会形成や経済生産性の向上が必要とされてくるのだと考えます。そして、そのためには、従来より、より多様的な経済生産のあり方やキャリア形成への可能性を行政としても具体的に提示していくべきと考えます。御所見を伺います。

 例えば区長が提示された「地域の経済活性化のためには、女性や高齢者、若者などの雇用の創出も大切な課題」という一説は重要で、これは政府の成長戦略にも沿っているものと言えます。しかし、前回、第1回定例会でも私が質問させていただいたように、総務省発表の労働力調査や厚生労働省発表の毎月勤労統計調査では、雇用や賃金の伸びは堅調で上向きとはいえ、いまだ微増と言える状況です。これは成長戦略が効果を表す過渡期とも見え、女性や高齢者、障害者等を含む比較的就業に不利とされてきた層が経済生産過程に参加していくことは、現実的にはいまだ困難な状況と考えます。

 さらに、物価上昇圧力や消費税増税、そして今後、外形標準課税の中小企業への適用拡大等の影響等を可能性として考えたときに、経済に全員参加型の社会は必要ではあるが、市場原理だけでは、新たに生まれてくる負担に対し、経済生産性の向上やその大きな要件の一つでもある人材需給の最適化が追いつかない可能性があり、基礎自治体も国の成長戦略の進捗と同様以上のスピードできめ細かい地域経済の活性化を急がなければならないと考えています。

 そこで基礎自治体の雇用促進策が重要となってくると考えますが、そのためにも、大きく、新規事業の創出、産業競争力の底上げ、人材需給のマッチングの促進ということが急務と考えます。実際、アベノミクスは大まかに経済の成長を強力に促進するもので、それが結果、個別事業者へも早期に成長を実現する経営体質への転換を求めるといったプレッシャーを伴う施策も存在し、例えばその一つが外形標準課税の適用拡大等の施策の可能性で、それらのプレッシャーを克服するためにも、区内事業の活性化策、個別事業者の経営革新策、雇用対策は不可欠と考えますし、こうした対策を通して実際のトリクルダウン的な効果や全員参加型の社会を実現することを重要と考えますが、いかがですか、見解を伺います。

 具体的な産業振興策では、区の重点産業について区長は、「区内の雇用の拡大のためには、少子高齢化の進展に伴って、質・量ともにニーズが拡大するライフサポートビジネスの発展が大きな役割を果たし、また、この分野ではサービス付加価値の拡大や生産性の向上が大きな課題となる」としています。これは、ライフサポートビジネスをまず成長産業として捉え、そうであるがゆえにその産業を区内で振興するものと考えてよいのか。もしくは、将来的に地域支えあいの機能の新しい一つともなり得るものなので振興しているとお考えなのか。目的によって支援事業領域も成果のあり方も異なると考えますので、再度、中野区の重点産業とされるライフサポートビジネスの位置付けを確認いたします。

 また、この分野でのサービス付加価値の拡大や生産性をどのような計画をもって雇用に関連付け、雇用を生み出していくのか。産業振興審議会や産業振興センター等関連機関の将来も踏まえた活動進捗を含め、産業と雇用における事業計画をどう考えればよいのか、お尋ねいたします。

 また、本年1月の国の産業競争力強化法の施行は、働く環境への選択肢として、創業や事業転換ということを国として強く提示したと言えます。新成長戦略で強調された「稼ぐ力」についても同様と考えています。確かに起業家は、経済全体を活性化させると当時に、就業条件や就業形態に関しても極めて高い自由度を有しているので、創業支援には、例えば先ほど挙げた女性や高齢者、障害者、若者等が、たとえ一般の就職には不利でも、自らの強みやライフスタイルに合わせた環境下で所得をつくり出していく可能性があります。自ら求めるワーク・ライフ・バランスについても自らの意思で実現していける可能性があるのです。

 そうした意味でも、産業競争力強化法の施行や、その促進支援措置などには大変価値があると考えていますし、中野区でも、なかのライフサポートビジネス創造塾の実施や各種制度融資、補助金を用意するなど創業支援は着々とその支援メニューを実現させています。東京都も民間も合わせると、創業あるいは新規事業展開などへの支援環境は現在、誠実に整備をされつつあると感じます。

 そこで、これらの多彩な支援メニューを把握し、事業戦略や計画立案に活かす実務的な支援を行う専門家の存在こそがむしろ重要になると考えます。補助金や制度融資そのものは有用な場面がもちろんありますが、それを活かし、成長していくには戦略経営が根本的に必要だからです。しかし、実際には事業戦略や事業計画すら持たない事業者も多く、結果、せっかくの競争力を活かし切れない大きな一因となっていると考えます。

 そこで、現在、区ではどこでも出張相談をはじめとして、経営や創業に関し事業戦略や計画策定における実務的な支援を行うべきだと考えていますが、主にこうした行政を含む支援メニューについての包括的な把握と実務支援については具体的にどのように行われ、また何を成果としているのか、その実効性についてお尋ねいたします。同時に、戦略経営についてのノウハウを提供する行政サービスについて、簡易なビジネススクールのような体系的な経営教育メニューの提供が有用と考えていますが、実際はどんなものが用意され、また用意されていくのかお尋ねいたします。

 次に、行政改革の今後についてお尋ねいたします。所信表明でも述べられているように、区は職員2,000人体制をつくり上げ、小さな区役所を実現しています。それに伴い財政的にも大きな効果があったと評価しています。そこで、所信表明では、「3,082人の職員数を常勤職員ベースで2,000人にまで減少させながら、区民サービスは充実させてきた」とございましたが、ますます区民サービスを充実させるためにも、少数精鋭となるべく職員の生産性に関する課題が今後継続的に発生すると考えます。

 現在の人事評価は、自己採点、目標管理等の手法で行われ、能力開発ではコンピテンシーに着目した手法などが活用されています。これらの手法の一つひとつは多くの企業でも採用されており、そうした民間の手法を取り入れる姿勢については評価できますが、それぞれの手法の意義が管理職を中心としてどれだけの職員に浸透しているのかわかりづらくもあります。そうした手法を統合して簡素化するか、もしくは手法そのものに対する意義をさらに浸透させていく必要もあるのではないかと考えます。御所見を伺います。

 また、現在、そして今後、民間と行政が協力して区を支えていくに当たって、さらに民間への理解を深めていく必要性を感じます。2012年の第4回定例会でも質問をしましたが、職員の民間企業への人事派遣研修を行っていくべきと考えます。その後、大学院等への人事派遣を区は行っていますが、その成果をどう期待し、また、より現場を学べる民間企業派遣研修については今後どう展望しておられるのか、お尋ねいたします。

 以上で私の全ての質問を終了いたします。こ清聴ありがとうございました。(拍手)

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 後藤議員の御質問にお答えいたします。

 全員参加型の社会の形成ということで、女性や高齢者、障害者など全ての人々に意欲と能力に応じた多様な働きの場が用意され、あるいは社会貢献できる機会が得られる社会の構築が不可欠だと考えております。雇用や起業の機会が拡大し、女性や高齢者、障害者などがサービスの受け手としてだけでなく、サービスの担い手として、その知識や経験、視点などキャリアを生かして生き生きと働くことができる社会を構築していきたいと考えているところであります。

 いわゆるアベノミクス効果の区民、事業者への浸透についてであります。区は、産業振興ビジョンにおいて、ICT・コンテンツ及びライフサポート関連産業を重点分野と位置付け、産業振興のためのさまざまな施策を行っております。また、産業振興センターでは中小企業支援をワンストップで行っており、中野区産業振興推進機構では、ICT・コンテンツ関連産業の集積、振興などの事業を行っております。こうしたさまざまな取り組みによって、区内事業者にビジネスチャンスが拡大していくように図っていきたいと考えております。

 ライフサポートビジネス振興についてどのような位置付けで考えているのかということでありました。少子高齢化の進展に伴い、地域での生活をさまざまに支えるライフサポート関連サービスに対するニーズは質・量ともに高まると考えております。これに伴ってライフサポート関連産業における区内での雇用機会やビジネスチャンスが拡大すると、このように見込んでおりまして、これを重点分野と位置付けて振興しているものであります。また、その結果として地域における支え合いに寄与するサービスも創出されるものと考えております。

 それから、ライフサポートビジネスの振興計画についてであります。今後のライフサポート関連産業の振興については、区が設置をした産業振興審議会のライフサポート部会において検討していただいております。現在進めている具体的な取り組みとしては、産業振興センターにおいてライフサポート関連産業を対象とした優遇利率による融資斡旋を行っているほか、同センターを会場としたライフサポートビジネス創造塾などを実施しております。こうしてライフサポート関連産業を振興することによって、起業や雇用の促進につなげていきたいと考えております。

 それから、中小企業の経営や創業に関してどのような支援を行っているかということであります。中小企業に対しては、産業振興センターにおいて各種融資制度などとも連携した形で、専門家による経営相談を行っており、幅広く御利用いただいているところであります。また、中小企業診断士によるどこでも出張相談においては、行政の支援策についての情報提供や申請書類作成の助言なども行っており、平成25年度には相談事案の解決に役立ったという相談者の満足度が96.4%と非常に高く、大きな成果があったと考えております。

 なお、経営ノウハウの提供につきましては、今年度、産業振興センターにおいて経営者向けのセミナーを実施して、これを今後さらに充実させていきたいと考えているところであります。こうした事業の受講、あるいは利用者の方たちのお声などを聞きながら成果を確認し、さらに発展をさせていきたいというふうに考えております。

 それから、職員への人事評価、能力開発の手法の浸透についてであります。管理職を対象とする職員の評価・育成研修を毎年度実施しておりまして、制度の理解を深めるよう努めております。管理職は研修の成果を生かし、職員に対し目標設定面接や達成度評価面接のときに職員自身が理解を深めるよう指導を行っております。このように現行の仕組みは必ず有効に機能しているものと考えてはおりますが、よりよい制度となっていくように引き続き見直しを進めてまいります。

 大学及び民間企業への派遣についてであります。大学への派遣研修は、長期的な視点から地域住民の生活の向上に資する政策を立案、推進し、地域自治の発展を担い、進めていくことのできる人材を育成していくことを目的に実施をしております。民間企業への派遣につきましては、派遣先の選定や実施時期等、現在検討中であります。派遣研修は新たな価値創造や効率的な事業運営について民間のスキルやノウハウを直接学べる機会であり、職員の昇任時等キャリアの節目を捉えて実施をしていきたいと考えているところであります。

 以上です。

○議長(伊東しんじ) 以上で後藤英之議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 北 原 ともあき

 1 財政運営について

 2 地域支えあいについて

 3 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、北原ともあき議員。

〔北原ともあき議員登壇〕

○22番(北原ともあき) 平成26年第2回定例会にあたりまして、自由民主党議員団の立場から一般質問を行います。

 質問は、初めに財政運営について、次に地域支えあいについて、3番、その他で、統合型GISの導入と統計GISの活用についてお尋ねをいたします。

 それでは、初めに財政運営についてお伺いいたします。

 区長は、今回の区長選挙を通じて、これまでの3期12年の成果の一つとして財政基盤を強化したことを強く区民に訴えてきました。「厳しい財務規律を遵守しながら、不断の改善、改革によって区民サービスの向上に努め、財政面では就任当時60億円にも満たなかった基金が400億円に増加したこと、さらに、都市基盤の整備では、公債費負担比率を一定に保ちながら、総額660億円のインフラ資産を増加させたこと」などであります。

 強固で持続可能な財政基盤があればこそ、区民の暮らしを守るための施策を安定的かつ計画的に展開していくことができると考えます。その意味では、財政基盤を強化したことは大変大きな成果であったと思います。しかしながら、本定例会における施政方針説明では、今後の財政運営上の課題や財源の見通し、さらには社会経済状況が目まぐるしく変化する中で、今後の区財政のかじ取りをどのように行っていくのかといった基本的な考え方が示されておりませんでした。そこで、今後の財政運営にあたって区長の基本的な考えについて何点か御質問いたします。

 まず、基準となる一般財源規模実現に向けた取り組みについてであります。区は、これまで行財政運営の基本方針を定め、歳入歳出に基準となる一般財源規模を設定し、この基準に歳入歳出を均衡させていくための取り組みを進めてきました。毎年度、当初予算編成に合わせて財政運営の考え方を改定し、基金計画と起債計画とをともに明らかにするなど、計画的かつ堅実な財政運営に努めてきたと考えております。

 しかし、その取り組みもいまだ道半ばであると考えます。平成26年度当初予算においては、財政調整基金の年度間調整分からの繰り入れとして、14億円余りが計上されております。これは、歳出が区の設定する「基準となる一般財源規模」を超過しているためであり、今後、この超過している歳出の削減に取り組まなければならず、このことは大変大きな課題であると考えております。そのためには、区民にとって必要なサービスはむやみに削減することなく、安定的かつ確実に提供することはもちろん、効果の薄れた事業は徹底的に見直していくことが重要であると考えます。区が財政運営上の目標として設定する「基準となる一般財源規模」を実現するため、区長は今後どのように取り組んでいくおつもりか、お伺いいたします。

 次に、公共施設の維持管理・更新と基金の活用についてであります。区が定める「基準となる一般財源規模」を基準として、歳入歳出規模を一定に保ち、安定した財政運営を行っていくためには、財政調整基金やさまざまな特定目的基金の活用による財政調整が欠かせないと考えます。一定の基金があればこそ、歳入の想定外の減収があった場合にも、区民サービスを減少させることなく提供し続けることができ、また、単年度の一般財源に大きな負荷をかけることなく、投資的事業を計画的かつ安定的に行っていくことが可能となります。

 財政見通しや事業の進捗状況を勘案しながら、基金の積み立てと取り崩しを適切に行っていくことが、今後ますます重要となってきます。区政を取り巻く現状を見れば、公共施設の維持更新、道路、橋梁等のインフラ資産の更新、小・中学校再編計画に伴う学校施設の改築や大規模改修、西武新宿線連続立体交差化に伴う沿線まちづくりなど、新たな財政需要が多数見込まれております。

 特に、公共施設の維持更新や、道路、橋梁等のインフラ資産の更新は喫緊の課題です。今後、基本構想と10か年計画の改定の検討の中で本格的な議論が進められることと思いますが、その議論を進めるにあたっては、計画の実行性を確保するためにも、基金の有効な活用策を含め、財源の見通しも示していくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、御見解をお聞かせください。

 国は、平成26年4月に「公共施設等の総合的かつ計画的な管理の推進について」という通知を出し、各自治体に対し、公共施設等総合管理計画を策定するよう求めております。そして、この計画は公共施設の老朽化の状況や利用状況、総人口や年代別人口の今後の見通しを踏まえた計画とし、さらに維持管理、更新に係る中長期的な経費や、これらの経費に充当可能な財源の見通し、また、計画期間における公共施設等の数・延べ床面積等に関する目標、トータルコストの縮減、平準化に関する目標などについて、できる限り数値目標を設定することとしております。こうした国の求めに対して、区としてはどのように対応していくのか、現在の取り組み状況と今後の見通しをお聞かせください。

 次に、今後の学校施設のあり方についてであります。公共施設の維持管理、更新の中で最も大きな割合を占めているのが小・中学校の校舎などの学校施設であると思います。今後、多くの学校が建築後50年を迎える一方で、児童・生徒数の減少への対応、ICTの進展といった社会状況の変化に対応した教育環境を整えていかなければなりません。

 現在、区は、将来の小・中学校の改築需要に備え、義務教育施設整備基金への積み立ての充実を図るため、平成24年度予算編成から毎年度10億円の積み立てを行っています。しかし、この10億円の基金への積み立てで、今後の学校施設の改築需要等に十分対応できるかどうかはいまだ明らかになっていないと思います。

 この義務教育施設整備基金への積立額10億円という設定額をより確かなものとしていくためにも、早急によりよい教育環境の整備にあたっての方針を定め、時代の変化にマッチした学校施設の標準的な施設のあり方や、施設規模の考え方を明らかにすることが必要と考えます。そして、その方針の考え方を区民、議会としっかり共有することが大切であると考えます。現在の取り組み状況と今後の見通しをお聞かせください。

 次に、区民公益活動推進基金の活用について伺います。区は、平成18年3月に区民公益活動の推進に関する条例を制定し、区民の公益活動の推進を図り、豊かな地域社会を実現するため、区民の公益活動の推進に係る基本理念、団体、事業者、中野区の役割など公益活動に関する基本的事項を明らかにしました。

 この条例の中では、区民公益活動への支援策として、区の政策目的の実現に貢献する公益活動に対する助成と、区民公益活動推進基金からの助成が盛り込まれております。条例制定から8年余りが過ぎ、10か年計画の改定を控えた現在、一定の検証を行うことが必要であると考えます。条例制定以前と比べ、区民による公益活動は広がってきたのでしょうか。また、その質は高まっていると考えてよいのでしょうか、区としての取り組みの評価をお聞かせください。

 区民公益活動推進基金による助成は基金設置時から年々減り続け、ここ数年はほぼ横ばいの状況となっております。また、基金残高は多いときでも350万円余、26年度末ではわずか86万円程度と見込まれています。区民の公益活動が広がり、その質が高まっていくならば、この基金からの助成も当然増えるのではないかと思われますが、実態はそのような状況にはないと思われます。区は、区民公益活動推進基金からの助成制度を今後どのように展開し、区民による公益活動を高めていくおつもりか、見解をお聞かせください。

 現在、区は、ひとり暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯など支援を必要とする方々を地域の住民コミュニティ、行政、関係機関などが一体となって見守り支える、地域支えあいネットワークの構築を進めています。地域支えあいネットワークをより有効に機能させていくためには、区民公益活動推進基金の有効活用を含め、区民による公益活動のさらなる推進を求め、この項の質問は終わります。

 次に、地域支えあいについて伺います。中野区では、高齢化が進む中、誰もが地域で安心して暮らし続けられる地域づくりに向けて、平成23年4月、地域支えあい活動の推進に関する条例を施行しました。条例の施行にあわせて地域支えあい推進室をつくり、また、7月には15の区民活動センターを整備し、町会・自治会を中心とした見守り・支えあい活動を進めていくための組織整備と仕組みづくりを行いました。

 この先駆的な取り組みが注目され、区長は去る5月28日、参議院の消費者問題に関する特別委員会で参考人として意見陳述を行いました。高齢者の被害の多い消費者問題への取り組みにとっても、地域支えあいの力が欠かせないとの趣旨によるものと考えますが、区長は特別委員会でどのような意見を述べられたのか、お尋ねいたします。

 参議院で区長が説明された資料を見ると、「支えあい活動を推進するための会議」として、区民活動センター圏域の会議、すこやか福祉センター圏域の会議、中野区全域の会議など3層の会議として行われていることが説明されています。これらの3層の会議はよい仕組みであり、昨年度、町会・自治会の支えあい活動をまとめた事例集が作成されるなど、会議が機能し、一定の成果も出ています。しかし、真の支えあい活動を推進するためには、この会議をさらに活性化させることともに、区民活動センターに配置されている職員が一層、町会・自治会との連携を深めていくことが必要であると考えます。組織の活性化と人材の活用を図るべきだと考えますが、区の御見解をお示しください。

 次に、区長は、施政方針説明の中で、町会・自治会について、「地域コミュニティの主体であり、区民の支え合いの基礎となって活動していただいている。町会・自治会についてはこれからもさらなる活動の活性化と強化が求められています」と述べております。私は、見守り・支えあい活動の中核となっている町会・自治会が組織を強化することは大変重要なことだと考えます。地域支えあい活動を推進する上で、区は、町会・自治会への加入率を高めるなど、町会・自治会と連携したさまざまな形での支援を強化すべきであると考えますが、いかがでしょうか。区の御見解をお聞きして、この項の質問は終わります。

 その他で1点、統合型GISの導入と統計GISの活用について質問いたします。

 平成26年2月26日の予算特別委員会において、統合型GISの導入と統計GISの活用について質問したところ、区長から「統合型GISの導入や統計GISの活用は全庁にわたる横断的な課題であり、総務省で開発したことが生かせるような状況にもなってきたことから、力を入れて進めていかなければならない。政策室を中心として具体的な検討を行い、全庁的に関係所管部と連携して、積極的かつ強力に推進していきたい」との力強い答弁がありました。

 また、政策室からは「区が保有するデータにe-Statの統計GISの機能を利用できないか、それらを区の政策立案に活用できないか、区民や事業者の活動に活用できないか、そういったことを総務省統計局と協議、調整しながら、今後検討していく」との答弁がありました。現在の検討状況をお伺いして、私の全ての質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 北原議員の御質問にお答えいたします。

 財政運営について、「基準となる一般財源規模」実現に向けた取り組みは、というお尋ねでありました。今後も、「基準となる一般財源規模」の考え方をベースに厳格な財務規律を保持しながら、持続可能な財政運営を行っていくことが重要であると考えております。そのためには、区政運営のPDCAサイクルをしっかりと機能させ、事業内容や経費の徹底した見直しのほか、財源の確保や負担の公平化、職員数など引き続き全ての事業について検証、見直しを行い、歳出の規模について、平成30年度までに「基準となる一般財源規模」とほぼ合致できるよう取り組みを進めていくこととしております。

 持続可能な財政運営を行うためには、歳出を「基準となる一般財源規模」に近づける取り組みと同時に、さらに地域活力の創造による歳入増や新たな財源の確保などにも取り組み、「基準となる一般財源規模」そのものをもっと大きくしていくということも必要になってくると考えております。こうした取り組みを継続発展させ、中長期的に歳入と歳出の均衡を図り、安定的な財政基盤を構築することで、中野のまちの将来像の実現に向け、積極的な施策展開を行っていく考えであります。

 公共施設の維持管理における財源見通しについてであります。更新時期を迎えている区有の公共施設やインフラ資産を適切に更新、長寿命化していくことは、持続可能な区政運営を実現する上で極めて重要な課題であると認識をしています。また、基本構想や10か年計画の改定の中では、将来の区民サービスを適切に確保しつつ、財政負担を平準化、低減化させていかなければなりません。そのためには、土地、建物、基金など保有する資産を最大限有効に活用していく必要があり、そうしたことを含めた財政の裏付けのある計画づくりが重要であると考えております。

 そして、公共施設等総合管理計画についてのお尋ねもありました。国の要請は、公共施設の全体の状況を把握し、長期的視点を持って、更新、統廃合、長寿命化などを計画的に行うことを目的に、総合管理計画の策定に取り組まれたい、とするものであります。区有施設の更新等は、将来にわたって現有する施設全てを同じような形で保有し続けられるのかという、財政的な持続可能性にかかわる重要な課題であります。一方、新たな時代に即した区民サービスの拡充も図る必要があります。

 このような視点から、今後の区有施設のあるべき姿とそれに向けた最適な移行のプロセスを明らかにしていくためにも、総合管理計画の策定に取り組む考えであります。新しい中野をつくる10か年計画の改定との関係においてはその裏付けともなるものであり、整合性をとりながら策定を進めていく考えであります。

 区民公益活動への取り組みの評価についてであります。区は、平成18年3月に区民公益活動の推進に関する条例を制定して以来、区政目標の実現に貢献する政策助成制度や区民等からの寄附金を財源とする基金助成制度、また、区民団体からの提案により、区の事業を委託する業務委託提案制度をそれぞれ発足させ、区民公益活動を推進してまいりました。また、区内に主たる事務所を置くNPO法人数は、平成18年度153団体から平成25年度末には209団体と約1.4倍になっております。特に保健、医療または福祉の増進活動や子どもの健全育成活動、まちづくりの推進活動の領域でそれぞれ活動団体が伸びている状況であります。さらに、高齢者会館全館の運営や健康支援事業についてもNPO法人や区民団体への委託を推進するなど、区民団体の公益活動は着実に広がり、区との協働も進んできているものと認識をしております。

 区民公益活動推進基金からの助成制度の今後の展開であります。区民公益活動推進基金は、区民や企業からの寄附を積み立て、区民の公益活動を助成する原資とするものであります。先見性、創造性、発展性、継続性のある事業に助成する仕組みとして、毎年度、区民公益活動推進協議会の審査によって助成団体を決定しております。8年間で延べ60団体、約1,160万円の助成を行ったところであります。今後も区民に対して、助成の仕組みをわかりやすくPRして制度の周知を図ってまいります。区民公益活動推進協議会による基金活動の実績や評価・検証を踏まえつつ、さらに実効ある制度運営に努めてまいりたいと考えております。

 5月28日に行いました参議院特別委員会での参考人としての意見陳述に関してであります。中野区における地域支えあい活動の取り組み状況を説明し、消費者問題を含む多様な課題の解決に向けて区と地域の関係機関等が情報共有し、適切に支援や見守りを行うことが重要であるといったことについて述べてまいりました。中野区としては、地域の総合相談窓口であり、多くの機関の連携の拠点であるすこやか福祉センターを中心に体制づくりをしていることを説明してまいりました。

 区民活動センターの職員との連携についてであります。支えあい活動を推進するための会議においては、さまざまな地域課題を解決するために新たな連携をつくり、必要な地域資源の開拓なども行っていくなど活性化を図るべきと考えております。区民活動センター職員については、町会・自治会をはじめ、区民団体と日常的に情報共有しながら地域の実態を把握し、支えあい活動が有効に機能するよう、団体間の連携の促進や支援をしていく役割を担っております。今後、この役割を十分発揮できるようにしてまいります。

 町会・自治会への加入促進についてであります。町会・自治会への区民の加入を促進することについては、これまで不動産業界への協力依頼、転入者等へのチラシの配布等によって実施をしてまいりました。今後は、町会・自治会と連携しながら、より効果的な加入促進のための方策を早急に検討していきたいと考えております。

 統合型GISの導入と統計GISの活用の検討状況についてであります。総務省統計局のe-Statはインターネットで公開されており、国が公表している統計データを活用して表やグラフを作ったり、地図上に表示することができる統計GISでありますが、現時点では区が保有するデータを表示させて区民に提供すること等はまだできない状況にあります。このe-Statの活用について、統計データやGISを区の政策立案等に活用できるよう、引き続き総務省統計局と協議を行っているところであります。

 区としての統合型GISの導入については、区が導入している個別型のGISに関し、導入コストや入れ替え時期、必要な機能、システム構成等を調査し、統合型GISの移行対象を検討するとともに導入自治体の取り組み事例を研究し、統合型GISの導入に関する課題を整理したところであり、さらに費用対効果の検証や費用対効果の高い製品の開発動向等を見きわめてまいりたいと考えております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 財政運営の中で、今後の学校施設のあり方を早急に示すべきだとの御質問がございました。

 教育委員会では、学校再編計画において、統合新校となる学校や建築後50年を迎えた学校の施設整備の考え方を、今年3月、議会にお示ししたところでございます。これを踏まえ、現在、学校施設の標準的な仕様を盛り込んだ整備方針を検討しているところでございます。今後、この整備方針を議会や区民に示し、その意見を踏まえて、所要経費を勘案した施設整備計画を今年度中に策定していく予定でございます。この計画を策定した時点では、義務教育施設整備基金の積み立ての考え方を改めて見直すことも必要だというふうに考えてございます。

〔北原ともあき議員登壇〕

○22番(北原ともあき) 再質問させていただきます。

 2番目の質問の中の地域支えあいについてのところであります。これは区長の答弁をいただきまして、町会の加入率を高めることの支援を、ということでありましたけれども、地域支えあい活動を推進していく上では、当然加入率を高めるということは必須の条件でありますけれども、その後、町会・自治会と連携したさまざまな形での支援を強化すべきであると考えます。

 新たな取り組みとして地域支えあい活動がスタートしたわけでありますので、今以上に町会に対する支援体制を区のほうからとっていただきたい。そして、そのことが区民の皆さん方の中野に住んでよかったということに確実につながるだろうというふうに私は考えております。区長、町会加入率だけではなくて、その他の支援についてどんな形があるのかぜひ検討をしていただきたいと思いますので、もう一度答弁をいただきたいと思います。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 町会・自治会の活動につきましては、地域の防災活動や、あるいは地域福祉、子育て支援、またリサイクルなど、さまざまな面で地域全体の公益性にかかわる大変重要な仕事をしていただいていると、このように考えております。そうした町会・自治会への加入促進、また支援の強化といったようなことについては大変重要な課題と考えておりますけれども、現時点では次に新しい加入促進のための方策として具体的に御説明できるまでの検討が進んでいないこと、このことについては大変申し訳ないと思っておりますけれども、ぜひ早急に効果的な方策のあり方を検討してまいります。

○議長(伊東しんじ) 以上で北原ともあき議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

午後4時50分延会