平成26年09月16日中野区議会本会議(第3回定例会) 25.12.05 中野区議会第4回定例会(第4号)

.平成26年(2014年)9月16日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(41名)

  1番  若  林  しげお         2番  高  橋  かずちか

  3番  木  村  広  一        4番  甲  田  ゆり子

  5番  小  林  ぜんいち        6番  中  村  延  子

  7番  石  坂  わたる         8番  後  藤  英  之

  9番  石  川  直  行       10番  伊  東  しんじ

 11番  内  川  和  久       12番  ひぐち   和  正

 13番  白  井  ひでふみ       14番  平  山  英  明

 15番  南     かつひこ       16番  森     たかゆき

 17番  いながき  じゅん子       18番  林     まさみ

 19番  小宮山   たかし        20番  浦  野  さとみ

 21番  佐  野  れいじ        22番  北  原  ともあき

 23番  吉  原      宏       24番  いでい   良  輔

 25番  小  林  秀  明       26番  久  保  り  か

 27番  酒  井  たくや        28番  奥  田  けんじ

 29番  近  藤  さえ子        30番     欠  員

 31番  長  沢  和  彦       32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  市  川  みのる        36番  篠     国  昭

 37番  やながわ  妙  子       38番  佐  伯  利  昭

 39番  むとう   有  子       40番  か  せ  次  郎

 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副  区  長  川 崎   亨

 副  区  長  英   直 彦      教  育  長  田 辺 裕 子

 政 策 室 長  髙 橋 信 一      経 営 室 長  竹 内 沖 司

 都市政策推進室長 長 田 久 雄      地域支えあい推進室長 瀬 田 敏 幸

 区民サービス管理部長 白 土   純    子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈 良 浩 二

 健康福祉部長   野 村 建 樹      保 健 所 長  寺 西   新

 環 境 部 長  小谷松 弘 市      都市基盤部長   尾 﨑   孝

 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一  経営室副参事(経営担当) 戸 辺   眞

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  篠 原 文 彦      事務局次長    堀 越 恵美子

 議事調査担当係長 佐 藤   肇      書     記  関 村 英 希

 書     記  東   利司雄      書     記  土 屋 佳代子

 書     記  細 川 道 明      書     記  江 口 誠 人

 書     記  大 野 貴 子      書     記  鈴 木   均

 書     記  井 田 裕 之      書     記  田 中   寛

 書     記  遠 藤 良 太      書     記  香 月 俊 介

 

 議事日程(平成26年(2014年)9月16日午後1時開議)

日程第1 第39号議案 平成26年度中野区一般会計補正予算

     第40号議案 平成26年度中野区介護保険特別会計補正予算

     第44号議案 南部すこやか福祉センター等新築工事請負契約

日程第2 認定第1号 平成25年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

     認定第2号 平成25年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第3号 平成25年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第4号 平成25年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第5号 平成25年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

日程第3 中野区の財政の健全化判断比率について

 

午後1時00分開議

○副議長(やながわ妙子) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 9月12日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 甲 田 ゆり子

 1 地域包括ケアシステムについて

 2 切れ目ない子育て支援について

 3 安全・安心対策について

 4 平和事業について

 5 その他

 

○副議長(やながわ妙子) 初めに、甲田ゆり子議員。

〔甲田ゆり子議員登壇〕

○4番(甲田ゆり子) 平成26年第3回定例会に当たり、公明党議員団の立場で一般質問を行います。

 質問順は通告どおりです。その他はありません。

 まず初めに、1番、地域包括ケアシステムについて伺います。

 初めに、地域包括ケアシステム構築の意義・目的について伺います。

 ここ1年ほど、私は、先進自治体への視察や勉強会に参加するなどして、専門家の話を聞き、地域包括ケアシステムのあり方を自分なりに考えてまいりました。そこで、今、私が最も感じていることは、地域包括ケアシステムの構築に当たり、見失ってはならない観点があるということです。それは、どこまでも介護を受ける一人ひとりの「本人の尊厳」と「健康寿命の延伸」、いつまでも元気であるための「予防」、そして、年齢を重ねても常に「生きがい・張り合いを持てる生き方」が主眼であり、そのために介護保険があると考えます。また、看取りの時期に至るまで本人、家族が「老いる」ことや「死」というものに対する心構えを持ち、介護に関する「情報の共有」がなされ、必要に応じて自由に「選択ができる」社会のシステムづくりをしなければならないと思います。

 しかし、今後ますます高齢化が進んでいく中で、これまでの施設入所や生活援助中心のサービスから、リハビリや地域密着型のサービスへと内容の配分を変えていかざるを得ない現実があると思います。また、本来、要介護認定が下がることは本人にとってよいことであるにもかかわらず、どちらかというと、要介護認定は上がったほうが、施設入所も可能になり、より多くのサービスを入れられるという考え方が根づいている状況があるのも事実です。その一方で「本人の意思や尊厳」が置き去りにされているケースも少なからず見受けられます。

 医療関係者・介護事業者及び介護する側とされる側で目的意識が違っていたり、利用するサービスなどの選択肢の幅が今までと同じようであれば、今後の持続可能な社会保障の基盤として成り立つシステムとはなり得ないと考えます。

 そこで、伺います。私は、地域包括ケアシステム構築に当たっては、介護と医療などが単に連携すれはよいのではなく、行政、医療・介護事業に携わる全ての人、さらに区民までもが共通の認識を持つということが欠かせないと思いますが、この大転換期に当たって、区の認識と決意をお聞かせください。

 そして、地域包括ケアシステム構築の概念・理念をもとにした中野区の明確な目標を掲げ、まずは区の関係する三つの各部が同じ目的意識を持って取り組んでいくことが非常に重要と考えますが、その点について行政のトップに立つ区長の御見解をお伺いいたします。

 次に、区民や医療・介護関係者などに、区の取り組みの共通理解を図っていくことが大事ですが、その際の課題について伺います。

 意識調査の結果を見ると、介護する家族の負担が大きいことから、特養施設に入りたいと答える人が圧倒的に多い現状です。

 しかし、それとは裏腹に、在宅ケアは病院や施設ではでき得ない手厚い介護が受けられる場合も多く、患者・家族双方にとって負担が軽減されている実態があるとの専門家の指摘もあります。

 全ての高齢者のニーズ調査を徹底的に行っている和光市の保健福祉部長は、現在の課題として、在宅にケアができる資源が少ないことに加え、「本人・家族がそういう選択肢を知らないので、施設に入るしかないと思っている人が多い。本当のニーズは、モデルを見せてみなければわからないのです」と話されていました。現在の中野区で行っているアンケート調査は、高齢者の一部を抽出したサンプリング調査でしかありません。結果、本当の社会資源の必要量が明確にはなりません。また、高齢者のアンケートや実態調査は、回答のないところにこそ課題があります。

 今後のアンケート、ニーズ調査は、時間がかかっても全対象者にすべきと考えます。また、区民の意識啓発と共通理解のためにも、丁寧な調査をすべきではないでしょうか。伺います。

 次に、現時点で、今後、在宅ケアを推進していく場合、中野区に必要な資源で大きく不足しているものは何と考えていますでしょうか。

 私は、特に挙げるとすれば、在宅ケアで医療と介護をつなげる接着剤とも言うべき老健施設、訪問看護が今後は不足すると考えます。また、急にショートステイが必要になった場合に調整しやすい小規模多機能の施設も十分とは言えない状況です。さらに、定期巡回・随時対応型訪問サービスも不足しております。このような必要な資源をふやすためにどのようなお考えがあるのかお聞かせください。

 次に、健康寿命を延ばす施策について伺います。

 長寿大国である日本の平均寿命は延びたとは言え、健康寿命との差、いわゆる不健康な期間は10歳前後あると言われております。厚生労働省のデータによれば、国民一人当たりの生涯医療費は、平成23年度推計で平均約2,500万円となっており、75歳以上で一人が約1,000万円を使っている計算となります。健康寿命をできるだけ延ばすために、区民が予防に関する意識をより強く持てるような支援策について、行政が積極的に取り組むべきではないでしょうか。私は、意識を持った区民の裾野を広げるための方策の一つとして、思い切って介護認定を受けない人に対するインセンティブを検討してみてはどうかと考えます。健康で介護サービスを受けない人の貢献度ははかり知れません。

 例えば、75歳以上で介護認定を受けていない、なおかつ健康診断を受けている、さらに、区の健康に関する講座等に参加したという条件をクリアした区民に対して、区内商品券などを差し上げれば、区から健康な自分に対して何か表彰を受けたような張り合いを感じることができ、さらに健康のために努力をしようと思うことができるのではないでしょうか。そうしたことの普及啓発も含めて検討してはいかがでしょうか。伺います。

 次に、健康でいるためには、生きがいと張り合いを持ち、人の役に立つ活動や働くことが一番という観点から、高齢者が働き続けることができる仕組みづくりについて伺います。

 私が、以前質問で取り上げた長野県佐久市の岩村田本町商店街では、ライフサポートビジネスを推進しています。特長は、イベントのときだけでなく、日常的に取り組みが図られていることです。若者や女性、年配の方が、そのまちのニーズに合った事業を空き店舗をうまく活用して行っています。

 みんなが少しずつでも働くことのできる社会づくりが、地域包括ケアシステムをしっかりと支えることになりますが、高齢者の起業は難しい面もあります。区は、そのために現在、ライフサポートビジネス創造塾のセミナー等を開催しています。私も何度か参加しましたが、とてもよい内容で参考になります。ぜひこの内容を蓄積し、区民に還元して、高齢者の起業についての潜在的なニーズを掘り起こすことが必要と考えます。例えば、セミナーで講師の方から教えていただいた事例を紹介しながら、「高齢者起業相談デー」を開催したり、地域のイベントに出向いて起業に当たっての困りごと相談を受けるなど、積極的に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 この項の最後に、介護、医療、地域資源、多職種の連携について伺います。

 包括的な支援をするためには、行政、医療、介護事業、社会福祉協議会、成年後見センター、民間のサービス、町会・自治会などのボランティア団体の連携強化が重要であると考えます。現在のすこやか福祉センターや地域包括支援センターだけでは、民間サービスまでは十分な連携はできないと考えます。相互に連携し、補い合うためにも、各機関、サービスの情報が集結される連携の中心拠点が必要ではないでしょうか。その場所で研修や連携会議などが行えるとさらによいと思います。今後、地域ごとの連携を中野区全体として包括する「在宅介護・医療等連携拠点」をつくるべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

 最近、地域内の介護を考える会を発足させ、介護の悩みを解決するための講演会などを開催している団体も活躍し始めています。連携拠点は、そういった地域のモデルケースを紹介したり、ボランティア活動をする方々の情報を得る場、認知症カフェなどの開催もできる場としてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問を終わります。

 次に、2番、切れ目ない子育て応援体制について。

 この項の初めに、産前産後ケアについて伺います。

 1点目に、「産前産後ケア」の必要性について伺います。

 出産直後1カ月は、良好な母子の愛着形成をする最も大事な時期と言われています。ホルモンバランスの急激な変化により、精神的にも不安定になり、十分な休養、家族のサポートが必要な時期です。しかし、近年、核家族化、晩婚、晩産が進み、親の高齢化や就労によりサポートが受けられず、孤立した育児により不安が広がっています。どんな人にも起こり得る「産後うつ」や「虐待」の予防、早期発見の観点から、母親の心身のケアが大変に重要であります。産前・産後ケアの重要性は、各地で見直され始め、国も支援に乗り出しています。これまで、妊娠出産を中心とした子育て支援の施策は数々つくられてきましたが、この出産直後の期間における支援に大きな切れ目があると考えますが、区はどのような御見解でしょうか。伺います。

 あわせて、この期間において、助産院を活用した出産直後の産後ケア入院など、より手厚い支援を行うことにより、母親の心身のケアが行われ、健全な子育てがスタートできる大きな意義があると考えますが、あわせて伺います。

 2点目に、助産師の活用について伺います。

 私は、ことし地元の松が丘助産院をはじめ、埼玉県和光市のわこう助産院、大阪府高石市の母子健康センターを視察してまいりました。共通して言えるのは、助産師が産前から丁寧に相談に乗ってくれることで、妊産婦さんの不安が解消され、安心して周産期を過ごせることです。妊娠・出産・産褥の各時期に母子に必要な指導、ケア、助言を行うことのできる数少ない有資格者である助産師の活用をさらに促進すべきと思いますが、見解を伺います。

 新たな活用方法としては、産後入院に加え、産後の助産師外来の助成、柔軟な対応ができるデイケアなども検討すべきと考えますが、あわせて伺います。

 3点目に、専門性を持ったサポーターの活用について伺います。

 現在、区で行っている育児支援ヘルパーの派遣事業があります。これは、どちらかというと、家事支援、沐浴などの子どもに対する支援にとどまり、この時期に大切な母親の心身のケアについては充足しているとは言えない場合があります。産後の母親は、自分が大切にされてこそ、子どもに対する愛着形成、さらには夫に対しても理解してもらえる精神状態を保つことができます。その意味で、母親に寄り添ったケアが必要です。

 例えば、第1回定例会でも取り上げました、産後ドゥーラ協会のドゥーラは、子育て経験があれば誰でも可能ですが、資格を取るための専門的な講習、実習は約50時間あり、その中では、食育や母親の気持ちに寄り添うこと、母体のケアなどに力が注がれています。

 私の妹の例ですが、ちょうどこの夏、出産をした際、母も私も手伝いに行ってあげられず、上の子も小さくて体調が戻るまで家事が大変でした。おためしでドゥーラに来てもらったところ、母乳に優しい野菜中心のおいしい料理を短時間でさっとつくりながら、他の家事もやってくれて、本当にありがたかったと言っておりました。このような出産直後の専門性を持った安心して依頼ができるサポーターを区として紹介をして、ニーズによって選択できるようにする仕組みを検討する必要があると考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 子育て支援の中で取り組みが十分でなかった産前・産後ケア体制を大きく確立することにより、「もう一人生み育てたい」という御夫婦の思いをさらに支援することにつながり、今後の少子化対策の有効な施策になると考えます。その意味で前向きに検討していただきたいことを要望して、この質問を終わります。

 次に、在宅子育て、応援体制の強化について伺います。

 三つ子の魂百までとはよく言ったもので、3歳までの間は親子ともに社会から大事にされることでその後の人生が大きく違ってくるほど大切な時期です。この期間は、孤独な育児で負担を感じる親への支援がまだまだ必要と考えます。在宅で子どもを育てている、もしくは保育園入園前までの安心の子育てサービスは、あまりにも少ないと考えます。やはり、保育園に入ることができた家庭と入れなかった家庭との負担の格差があり、さらに母親が専業主婦をしているような家庭と比べると、サービスの差が厳然とあると言えます。その差を埋める親子のためのサービス、支援を確立すべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。

 例えば、在宅保育応援の仕組みの一つに、杉並区の子育て応援クーポン券があります。このクーポン券のよさは、子育て家庭への財政的支援とともに、地域の子育てに有効なサービス提供事業が自然に育成された結果、選択肢が広がり、ニーズに応じたマッチングが容易にでき、まちの活性化が進んだことです。この成功事例を中野らしく発展させ、例えば、まずは産後ケア期間に特化した応援クーポン、さらには保育園に預けていない、0、1、2歳の子どもの親が使える親子リフレッシュクーポンで、上手な子育ての応援体制を強化してはいかがでしょうか。

 さらに、その中で、複数の子どもを保育園に預けずに頑張って育児をしているお母さんの支援も必要と考えますが、いかがでしょうか。

 なかのZEROで、民間団体が集結して先日開催された「育フェス」というイベントに参加してきましたが、多くの親子連れが嬉々として集い、大変好評でありました。このようなイベントは、年に一度だけでなく、もっと頻繁に開催されることが非常に大切であると思いました。しかし、中野にはそのような子育ての交流スペースが十分にありません。

 愛知県の尾張一宮市では、中心駅の駅ビルが交流、育成、支援、創造、集客を目的として整備をされました。公共と民間の複合的施設となっており、民間部分には商業、事務所、ホテルなどが入っています。公共部分には、図書館、市民活動支援センター、ビジネス支援センター、社会福祉協議会のほか、子どものための施設が入っています。一時預かりや子ども事故防止センターなどがあり、楽しい遊びの広場では、駅ナカという立地のよさもあり、毎日、市内全域から親子連れや祖父母の孫連れが多く利用していました。区として、各地域ごとの子育て広場も大事ですが、点在している各事業が、時には中心拠点に集結できるような施設や、異世代間交流のできる施設が必要と考えます。ここに行けば、いつでも安心して親子で楽しめるという場所があれば、孤独な育児をしている人にとっても、リフレッシュと学びの場になると考えます。まちづくりや施設再編の機会などを捉えて、将来的にこのような機能を果たす場を開設し、在宅保育の家庭を支援すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 この項の最後に、子どもの権利条例について伺います。

 国連総会で採択された子どもの権利条約を日本が批准してからことしで20年となります。子どもの権利に関する水準は向上したと言えますが、日本ではまだまだという声があります。子どもの権利に関する条例は、都内では、世田谷区、目黒区、豊島区などが制定をしています。また、川崎市においては、教育委員会が声を上げて制定をしたとのことです。

 先日、会派で視察した世田谷区では、平成14年に施行された子ども条例があります。平成24年に条例改正され、子どもの人権擁護委員を第三者機関と位置付けました。そして、子どもの最善の利益を保障するために「せたがやホッと子どもサポート」という夜間や土曜も対応できる相談センターが設置されました。また、発達障害の相談についても、中心拠点のほかに五つの地域ごとの相談室があるなど、条例の趣旨が施策の隅々に浸透して、重層的な子育て施策が整っていると感じました。中野区には、子どもの権利に関する条例はありませんが、この20年の間に子どもの権利を守る条例を策定するような動きはなかったのでしようか。まず伺います。

 昨年度の児童虐待の相談・通報件数は、過去最悪の7万3,000件になったと報道されました。児童虐待の中には、親が子どもの面前で配偶者に暴力を振るうDVも多くなっています。小・中学生などが自宅で虐待を受けたり、学校の中でいじめられていて、誰にも相談ができないときに、親でも先生でもなく必ず秘密を守ってくれるアドバイザーに相談できる権利もあるはずです。また、教育格差も問題になっています。子どもの権利を確保することは、人間尊敬の社会、支えあう社会をつくることにほかならないと考えます。特に自治体の施策においては、全ての子どもを幸せにする、権利を守るとの方向づけが重要と考えます。今後のさらなる健全な子どもの育成のためにも、子どもの権利に関する条例をつくるべきと考えますが、区の御見解を伺って、この項の質問を終わります。

 次に、3番、安全・安心対策について。

 この項の初めに、女性の視点からの防災対策について伺います。

 私は、この8月、岩手県花巻市の助産師による東日本大震災の復興支援団体を訪ね、支援をする助産師と、当時妊婦で被災したママたちとの意見交換をさせていただきました。避難所生活において、妊婦は、病人ではないのだからと我慢し、自分が妊婦であることを声にできなかったそうです。声を出したときには早産の危険性があり、救急車で搬送された女性もいました。妊婦は災害弱者という位置付けはありますが、対策はまだ十分とは言えません。避難所の開設に当たり、災害弱者を確認する際、妊婦がいるかどうか、まず運営側から積極的に確認をすることを徹底しておくことや、適切な対応策を決めておくことが重要であると考えますが、区の御見解はいかがでしょうか。

 その際、女性の体や食についての専門家である助産師や栄養士の意見を取り入れた対策が必要です。岩手県の助産師会では、被災の経験を生かし、このような妊婦と子育てママ用の防災ブックを作成いたしました。この防災ブックには、「こんなことに困った」「もしも起こったら」というテーマ別に記載をされ、備えておくべきものなど、細やかな情報が満載です。かわいいイラストが入って、小さくまとまり、携帯にも便利です。

 災害は、知っていることで被害を少なくするための行動がとれます。その意味から、中野区としても、妊婦や小さな子どものいる家庭向けにこのような防災ブックを作成し、活用してはいかがでしょうか。伺います。

 女性が避難所において、着替えや授乳のスペースがない、洗濯した下着を干す場所がないなど、さまざまな不便や精神的な苦痛があったことは、阪神淡路・東日本の大震災で周知されました。平成23年第3回定例会等で我が会派のやながわ議員がこのことを訴え、その結果、中野区においては、女性に配慮した防災計画の作成がなされてきました。その後、避難所の備蓄物資、運営についてどのような変更があったのか、確認のため伺います。

 防災計画作成に重要な役割を果たす防災会議や、防災対策連絡協議会の中に女性の視点が入るよう、人選に当たっては区長をはじめ防災分野の担当が努力されていることを高く評価いたします。しかし、依然として、この両会議体ともに、委員は団体からの充て職が多く、男性が大半を占めています。一定割合の女性が入ることに継続性を担保することができるよう、毎回、区としての目標を持って取り組むようにしてはいかがでしょうか。

 女性の目線とは生活者の視点です。生活者の視点が計画に入ることは、災害弱者をはじめ男性にとってもプラスになることが多くあります。その意味で、例えば女性の多い専門職である看護師、保健師、保育士、栄養士、女性ドクターなどの枠組みを入れてはどうかと思います。あわせて検討してみてはいかがでしょうか。伺います。

 また、最近ふえているアレルギーを持つ子どもに対応できる備蓄用食品も数多く出ているようです。例えば、アレルギーを起こす可能性のある27品目を除いてつくった子どもの大好きなカレーのレトルトというものがあります。こういった食品を備蓄の中に準備しておくことも検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、薬物乱用防止対策について伺います。

 本年6月24日、池袋で脱法ハーブ吸引者が自動車で暴走し、多数の人を死傷させ、泡を吹いたまま逮捕された事件は、日本全国に薬物の恐ろしさについて警鐘を鳴らしました。7月には、脱法ハーブから危険ドラッグへと改められました。私は、この事件の4日後に豊島区内で行われた薬物乱用防止デーにちなんだイベントに参加しました。このイベントでは、地元の都立高校生有志による劇が披露されました。高校生自身が脱法ハーブの恐ろしさを勉強し、リアルな演技で教えてくれました。私は、このイベントで衝撃を受けました。高校生で実際に脱法ハーブを吸引しようと先輩などから誘われたことのある生徒が、想像以上に多かったことがアンケート結果で報告されたことです。興味本位で使用した結果、抜けられなくなるのです。6月の事件後も、各地で次々と危険ドラッグによる事件が報道されています。豊島区では、事件直後の7月5日に脱法ドラッグ撲滅のための区民の集いやパレードも行い、また、周辺区である新宿区、渋谷区でも、危険ドラッグ撲滅キャンペーンを行っています。近接区である中野区においても、このようなキャンペーンを大々的に行うべきと考えます。毎年11月に行われている薬物乱用防止推進中野地区協議会主催の区民大会や、中学生からのポスター、標語の募集事業も、区からの予算は十分ではなく、都の助成金と協議会が集めた寄附や基金で行っていると伺っています。子どもたちの安全を守るため、さらなる啓発をしていくためにも大きく支援をすべきではないでしょうか。

 また、例えば、ハイティーン会議、成人の集いなど、あらゆる機会を通じて同年代による寸劇を行うなど、興味を引くような啓発の方法についても、区が主体となって検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 この項の最後に、ヘルプカードとヘルプマークの普及啓発について伺います。

 障害者の方の安全・安心対策は、周囲の人に障害を理解してもらうことが重要です。見た目にわかりにくい障害のある方は、周囲に気づかれず、交通機関で座席も譲ってもらえません。このヘルプカード、そして、このヘルプマークの誕生は、障害者の方々に大きな希望をもたらし、期待もされました。しかし、問題があります。ヘルプカードと同じマークがついているヘルプマークは、都営の交通機関で配布されており、赤い色がとても目立つのですが、多くの人が、これが何のマークなのか、理解普及が進んでいないため、わかってもらえないとの御意見をこのごろ多く耳にしています。

 ヘルプカードは、東京都の3年間の補助事業が今年度で終わろうとしています。普及が進まないまま手だてを講じなければ、いざというとき、災害時にも役立ちません。一般区民への普及はまだまだこれからであると思っています。障害者の権利を守る自治体の責務として、障害福祉分野に任せるだけでなく、他の分野も普及のための方策を講じるべきと考えます。

 さらに、区報、ホームページ、あらゆる広報手段を使い、継続的に普及啓発を行っていくべきと考えますが、現在の取り組みと今後の取り組みについて伺って、この項の質問を終わります。

 最後に、4番、平和事業について伺います。

 我が党は、これまで、国内外にわたって平和に関するさまざまな提案を行い、不戦のための活動を行ってまいりました。中野区も、これまで多くの平和事業を行ってきました。特に、毎年夏に終戦記念日を前にZERO西館ホールにて開催をしている「平和のつどい」は、24年目を迎えます。私もここ4年間は毎年参加してきました。年々参加者がふえ、ことしは昨年に比べ倍増の参加者であったと聞き、戦争と平和を考えようという区民の意識の高さを感じています。来年は終戦70年を迎えます。戦争を体験した人の語り部は確実に減ってきており、あと数年間がリアルな体験を聞く最後の期間となっていくと感じています。戦争を二度と起こしてはならないという思いは、絶対に風化させてはならないと考えます。区は、終戦60周年の際にも、例年以上に予算を取り、企画展示等を行いましたが、来年70周年は、先ほど申し上げたように、とどめておかなければならないことや次の世代に引き継がなければならないことに取り組む総仕上げとも言うべきときです。中野区ならではの平和の発信をぜひ行っていくべきと考えますが、区はどのように考えているのかお聞かせください。

 その上で、私は、中野が平和を語るとき、平和の森を忘れてはならないと考えます。平和の森公園は、以前、中野刑務所でしたが、その前身は豊多摩刑務所でした。ここは、戦争に反対し、平和をこいねがった人たちが、当時の治安維持法違反による思想犯として捕らえられていた場所です。今でこそ当然のことが、戦時中は許されなかったのです。こういった人々の思いを受けて、その跡地にできた公園には、「平和の森」という名前が冠されたのだと私は信じています。その刑務所の門は、今でも法務省の敷地内に移設され残されています。平和のシンボルとして、今後も大切にしていっていただきたいと思います。

 この平和の森公園には、平和資料展示室があり、戦時中の中野の子どもたちの疎開先での様子などがまとめられ、展示されています。このような記録を区民が身近に見ることができる貴重な資料室ですが、平成17年にリニューアルオープンされて以来、手をかけられた様子もなく、非常に悲惨な状況です。まずは、この展示室をもう一度リニューアルしてはいかがでしょうか。その際、多くの人が集ってくるように、平和のミニコンサートや平和の心を表現した作品も展示できるような、ホール性、ギャラリー性を持ったものにしてはいかがでしょうか。

 私は、常々、文化・芸術は平和につながるものと考えています。来年、平和月間を設けるなどして、平和への思いをつづった俳句や文章を区民から募り、展示をし、平和の森公園も使ってのイベント的な企画を行ってはいかがでしょうか。

 親子で平和への思いをつづることもよいと思います。私は、平和とは、戦争がないということだけなく、全ての人を尊敬できる心を育むこと、全ての人の命は等しく、尊く、重いものであるということを感じることが平和な世界に通じることだと考えます。小学生、中学生が、そんな自分なりの平和の心を日常の中で育んでいけるような企画として、教育委員会もぜひ協力をして行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

 区の御見解を伺い、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 甲田議員の御質問にお答えいたします。

 地域包括ケアシステムについての御質問でありました。中野区が、これからも区民が安心して将来的にも住み続けられる、そうした地域であるということの上において、地域包括ケアシステムの構築、これは大変大きな、欠くことのできない課題であると、このように考えております。この包括ケアシステムの構築に当たって、本人の尊厳あるいは健康寿命の延伸、予防、それから生きがい、張り合い持てる生き方といったようなことについて言及されたこと、私も同感に感じているところであります。

 地域包括ケアの推進については、医療、介護の専門職の連携のほか、地域や地域の高齢者との連携もまた重要であります。区民がみずから健康づくりや介護予防に取り組んで、健康長寿で、地域の見守りや日常生活支援サービスの担い手として活動している生涯現役の社会、これも目指していきたいと考えております。そのためには、地域ケア会議などで地域の課題を発見し、地域資源を開発するなど、区と区民とが共通の認識を持って地域づくり、まちづくりを進めていく必要があると、このように考えております。こうしたことも含めて、区として地域包括ケアシステムの全体像を取りまとめ、早急にお示しをしたいと考えております。

 関係部署における共通の目的意識について。介護保険制度の運営については区民サービス管理部が、また、地域における包括的なケア体制、地域包括支援センターや介護予防事業については地域支えあい推進室が、また、起業や働く場づくりについては都市政策推進室が、健康づくりと認知症対策、在宅療養推進では健康福祉部など、地域包括ケアシステムにかかわる課題の対応は幅広い部署にまたがっております。これらの部署が、そうした自分の担当にこだわって縦割りの仕事しかできないようでは、この地域包括ケアシステムは構築できないだろう、こう考えております。こうした地域包括ケアシステムという大きな課題に対して、各部署が同じ目的意識を持ち、目標に向けて取り組んでいけるよう、庁内での検討をしっかりと進めて、強固な連携をつくり出していきたいてと考えております。

 それから、全高齢者を対象とした調査についてであります。現在、区が行っておりますアンケート等の調査については、全体的なニーズの傾向を統計的に把握することを目的としております。個別のニーズ把握については、区民活動センター配置職員による訪問活動や民生委員による高齢者調査などを実施しているところであります。こうした取り組みをさらに強化をしながら、支援を必要とする高齢者のきめ細かな把握に努めていきたいと考えております。

 在宅ケアサービスの充実について。不足しているものは何かといったことについてであります。介護老人保健施設、訪問看護、小規模多機能型の居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、これらはケアマネジャーへのアンケート調査などからも不足感が大きいと認識をしております。地域包括ケアを推進していく、この介護の充実という意味では、こうした医療との連携が重要となってまいると思います。そうした医療との連携を支えていけるような、この介護サービスの充実が必要というふうに考えているところであります。

 それから、健康長寿へのインセンティブということで御質問がありました。介護認定を受けていない人へのインセンティブや健康づくり、介護予防に取り組む人へのインセンティブについては、その効果についての検証が必要だと考えております。他都市での取り組み状況なども踏まえながら検討していきたいと考えております。

 それから、高齢者の起業支援です。区としても、高齢者が起業によってさまざまなサービスの担い手となることは、高齢者がその能力を生かし、生きがいを持って働くことで健康寿命を延ばすという観点からも、非常に重要であると考えております。ライフサポートビジネスのセミナーやシンポジウムの内容については、今後、区内の高齢者に対してもさまざまな広報媒体を活用してお知らせをしていきたいと考えております。また、高齢者の起業相談に関する催しについても、産業振興センターの今後の事業計画の中で、実施に向けて検討していきたいと考えております。

 それから、全区的なコーディネート機能を持つ連携拠点が必要ではないかという御質問でありました。地域包括ケアシステムの構築においては、医療や介護の関係機関、その他地域の団体など、多職種の連携が重要であり、日常生活圏域単位、全区単位のケア会議によって、連携や情報の共有、必要となる調整機能を発揮していくことを考えております。現在は、すこやか福祉センターを連携の拠点として位置付け、今後も強化を図っていくことを検討しております。新たに中心的な拠点ということについては、現在の時点ではまだ考えておりません。

 切れ目ない子育て支援についての御質問もありました。産前・産後ケアの必要性あるいは専門性を持ったサポーターといったような御提案、御質問でありました。区では、乳児家庭全戸訪問などによって、相談支援を行って、母親への支援も含め必要な支援につなげる取り組みを進めてきているところであります。

 しかしながら、特に産後早期の不安やストレスが高まる期間において、安心を十分に確保するための継続的な取り組み、これが必ずしも十分ではない、このような認識を持っているところであります。そうした取り組みが必要であると考えているところです。母親の心身のケアについて、妊娠、出産期からの切れ目ない支援をより効果的に行う上で、助産師など産褥期の専門性を持つ支援者を活用することは、重要であると考えており、産後支援の仕組みを構築していく中で、今回御提案いただいたことなどについても含め検討していきたいと考えております。

 それから、在宅子育て応援体制の強化についてであります。在宅家庭への支援として、就学前の事業について、育児疲れの解消などに利用できる一時保育を実施しているほか、身近な地域で乳幼児親子事業や認可保育所における体験保育、子育て相談、園庭開放、園行事への参加など、在宅乳幼児親子も参加しやすい環境を整えている、こうした考え方で進めてきているところであります。しかしながら、必ずしもその利用が活発であるかというと、そうは言えないという実情もあるかと、このように考えております。こうした充実がより利用していただけるよう、さまざまな工夫を行っていきたい、このように考えております。

 親が使えるリフレッシュクーポンということについては、財政負担の関係もあって、すぐに取り入れるということはなかなか難しいかと思っておりますが、まずは、実際のサービスを充実、拡大するということが肝要であろうかと、このように考えております。

 それから、交流や遊びの場の開設についてであります。現在、区内各地域のさまざまな施設を活用して、子育てにかかわる自主的な活動が幅広く展開をされています。乳幼児を育てているという特殊性から、比較的自宅に近い場所が有効と考えております。全区的な交流や催し物などについては、ZEROホールなど、中心部の施設を活用できるものと考えております。子育てグループや子育て支援団体等が、交流や発表などをできる機会を確保する支援を行うことによって、乳幼児親子が安心して子育てできる環境を整えてまいります。

 子どもの権利に関する条例についての御質問がありました。子どもの権利条約の基本的な考え方には、生命、生存、発達への権利、子どもの意見の尊重、親等による虐待、放任、搾取からの保護があると考えております。こうした考え方については、基本構想をはじめ、新しい中野をつくる10か年計画、また、中野区次世代育成支援行動計画などに十分盛り込まれていると考えているところであります。現時点では、そうしたことから、新たな条例の制定といったようなことについては考えておりません。

 それから、平和事業についての御質問もありました。平和の発信についてということであります。平和を願う区民の思いを未来につなげていくには、戦争体験を語り継いでいくとともに、平和をとうとぶ心を育む取り組みや発信を続けていくことが重要であると考えております。来年は、終戦70年という節目の年になることなどを踏まえながら、取り組みを検討していきたいと考えております。

 平和資料展示室についてであります。平和資料展示室では、戦争中の区民の暮らしや学童疎開、空襲や原爆についての資料の常設展示を行っておりますが、展示スペースが狭いため、この場所をイベント等で活用することについてはなかなか難しいと考えております。平和資料展示室については、展示内容を工夫し、広報を強化するなど、より多くの区民が訪れ、平和についての意識を高める場になるよう引き続き努力をしてまいります。

 教育委員会の協力による平和記念事業の実施についてであります。平和の願いを次世代に継承していくことは重要であると考えており、例年行っております平和のつどいにおいては、学校にも呼びかけて親子の来場について広報を行って、今年度においては400人以上の参加を得たところであります。子どもたちが生活の中で平和の心を育むことができるよう、平和のつどいの持ち方などについても工夫をしながら、子どもたちの参加についても教育委員会と連携をしながら、終戦70周年を機会とした取り組みを検討してまいりたいと考えております。

 私からは以上です。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、安全・安心対策についての御質問のうち、女性の視点からの防災対策についての御質問にお答えをいたします。

 避難所における妊婦の確認方法についての御質問でございます。避難所において、周囲に妊娠していることをわかってもらえず、避難所で苦労された妊婦の方がいることは報道等を通して承知しております。避難所では、高齢者、障害者、妊婦の方などの要配慮者の方のスペース確保を進めているところであり、避難者の身体等の状況を確認した上で対応することとしております。妊婦の方も含めて、要配慮者の方への対応のあり方については、避難所の運営上の課題として捉え、取り組んでまいります。

 次に、妊婦と子育てママ用の防災ブック作成についての御質問でございます。妊婦の方や子育て家庭向けの防災に関する情報提供につきましては、庁内の関係分野が連携して検討していきたいと考えております。

 続きまして、避難所の備蓄物資や運営の変更点についての御質問でございます。紙おむつやサイズ別の哺乳瓶などの新生児、乳幼児用の物品、それから生理用品、目隠し用の間仕切り等の備蓄に加え、避難所での運営につきましては、男女別の更衣スペース、性別に配慮したトイレや洗濯物、物干し場の配置、授乳スペースの確保など、女性の視点を取り入れて取り組んでいるところでございます。

 次に、防災対策連絡協議会等への女性委員の参画目標の設定についての御質問がございました。男女共同参画基本計画では、女性委員の比率目標を4割以上としているところでございます。防災対策連絡協議会の委員は団体推薦でございますので、各団体の事情もあり、4割は難しいところでございます。今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。

 また、あわせまして、協議会等委員に女性が参画できる仕組みについての御質問もございました。ただいま申し上げたとおり、防災対策連絡協議会は設置要綱で定められた推薦団体から委員を推薦していただいており、結果的に男性が多い構成となっております。

 しかし、一方で、女性の視点を踏まえた防災対策が必要でありますので、委員構成のあり方について、これについても研究させていただきたいと考えております。

 最後に、備蓄用食品用のアレルギー対策についてでございます。中野区の備蓄食料品のうち、アレルギー27品目を除いた食品といたしましてはおかゆを備蓄しており、アレルギー25品目を除いた食品としてわかめ御飯を備蓄しております。今後とも、アレルギー対策を施した食品の備蓄につきましては、検討してまいりたいと考えております。

〔環境部長小谷松弘市登壇〕

○環境部長(小谷松弘市) 私からは、安全・安心対策に係る御質問のうち、薬物乱用防止対策につきましてお答えをさせていただきたいと思います。

 危険ドラッグ等の薬物乱用につきましては、東京都薬物乱用防止推進中野地区協議会、それと関係機関とも連携をとりまして、その根絶に向けて努力をしているところでございます。薬防協では、毎年区内中学生からポスターや標語を募集しておりますけれども、昨年度から帝京平成大学の学園祭でこれを展示し、学生にもPR活動に参加してもらうなど、新たな啓発活動を展開いたしまして、区としてもこれを積極的に支援しているところでございます。今後一層、若い世代にアピールするさらに有効なPR方法を考えてまいりたいと思ってございます。

〔健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) 障害者のヘルプカードの普及啓発についてお答えをいたします。

 ヘルプカードの普及啓発につきましては、昨年度、区内の町会・自治会の掲示板約1,000カ所へのポスター掲示、それから8,200枚ほどの回覧板のほか、民間バスの車内つり広告、それから、総合防災訓練での紹介などを実施してまいりました。今年度につきましては、10月から民間バスへのラッピング広告を予定してございます。今後も引き続き区報やホームページ、それからJCN中野の文字放送、本庁舎への横断幕の掲示など、継続的に普及啓発によって区民の理解促進を図っていく考えでございます。

○副議長(やながわ妙子) 以上で甲田ゆり子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 高 橋 かずちか

 1 江古田合同住宅跡地整備について

  (1)提供公園と公開緑地、歩行者通路における一体的管理について

  (2)南北街区内道路の管理について

  (3)小児救急医療施設等子育てに資する施設設備について

  (4)その他

 2 都市計画道路補助26号線整備を契機とした、地域文化・観光拠点等の整備のあり方について

 3 首都直下大震災等、災害時の備蓄について

 4 キャリア教育について

 5 その他

 

○副議長(やながわ妙子) 次に、高橋かずちか議員。

〔高橋かずちか議員登壇〕

○2番(高橋かずちか) 平成26年度第3回定例会に当たりまして、自由民主党の立場から一般質問をさせていただきます。

 質問内容は通告のとおり、また、その他の項目はございません。

 まず初めに、江古田合同住宅跡地整備について伺います。

 江古田三丁目のUR都市機構が、現在、基盤整備を行っています江古田合同住宅につきましては、一般質問や予算特別委員会総括質疑にて、その都度質問をさせていただいておりますが、UR都市機構による整備完了後の姿につきましてお聞きしたいと思います。

 土地利用計画図を見ますと、当該開発行為によって新たに公園や道路が整備されることとなります。公園については、豊かな保存樹林を抱え、防災公園として位置付けられ、また、保健福祉施設とも調和をしている江古田の森公園につながっています。道路については、地域コミュニティの活性化に大きく貢献する良好な生活空間であると同時に、災害時には地区周辺一体が指定されている広域避難場所に係る避難経路の役割も担うこととなる新設の南北通路等となります。これらは、いずれも見かけ上はそれぞれ同じ道路、公園でありますが、権原は中野区とUR都市機構から取得する事業者に分かれることとなります。

 そこで、それぞれについて伺いたいと思います。

 まず初めに、提供公園と公開緑地、歩行者通路における一体的管理についてお聞きします。

 当該開発に伴い、開発事業者が開発区域の一部を都市計画法の規定に基づき整備し、中野区に提供する約1,300平米の公園、いわゆる江古田の森公園拡張予定地においては、隣接地に設計上連続した景観として、利用者からすれば同じ公園ですが、位置付けの異なる同面積の公開緑地が存在します。

 そこで伺います。開発行為により区が取得した提供公園と開発事業者が整備する公開緑地について、清掃、樹木の管理、利用形態や治安上あるいは災害等の危機管理対応など、維持管理はどのようにするのでしょうか。

 また、移管された中野区の公園と同じように、区が積極的にかかわっていけるのか非常に気がかりであります。区はどのように対応するのか教えていただきたいと思います。

 次に、前述の公園や江古田の森の保存樹林につながる良好な自然空間を楽しみ、敷地内北側を通行できる区域内生活空間である歩行者通路の管理については、中野区はどのように管理していくのでしょうか。

 次に、2番目の南北街区内道路の管理について伺います。

 先ほど述べました防災上はもちろん、生活動線としても重要な総延長約255メートルの新設南北通路についてお聞きします。

 外観上は、車道幅員6メートル、その両側にそれぞれ幅員3メートルの歩道となっています。車道と東側の歩道の合計幅員9メートルは中野区の道路で、西側の3メートルの歩道は敷地内空地として事業者側の所有となっています。

 そこで伺います。幅員3メートルの歩道として、これは将来にわたって担保できるのでしょうか。中野区部分と同じ設計・仕様で維持管理できるのでしょうか。敷地内空地に、安全面を含め公共性の観点から中野区がカーブミラーなどの施設を設置する必要が生じた場合、できるのでしょうか。無償で設置できるのか、お示しいただきたいと思います。

 公園、歩行者通路、街区内道路といずれも良好な生活空間として、また、防災上重要な都市施設として、一体的に管理するべきであるし、環境と公共性両面からも適切な整備と維持管理においては、中野区が積極的に関与すべきと考えます。

 そこで伺います。中野区はこうしたことを考慮して、新たに取得する事業者と将来にわたって地域の核となる当該地の管理面や区の進める公共整備について関与するために、何らかの書面による取り交わしが必要と考えますが、いかがでしょうか。お示しください。

 次に、三つ目としまして、小児救急医療施設等子育てに資する施設整備について伺います。

 このUR都市機構による基盤整備後のまちづくりについては、区は「良好な居住環境を有する住宅地としての整備」として、良質なファミリー向け住宅の供給を目指し、指導しているところですけれども、本年第1回定例会、予算特別委員会総括質疑において、私は今後入居が見込まれるファミリー世帯、子育て世代に有益な子育て支援施設の検討も必要であると考え、UR都市機構に対しての区の姿勢を伺ったところであります。

 中野区は、UR都市機構に対して、当該敷地内における小児初期救急医療及び病児・病後児保育を備えた医療等施設の導入についての要請を行い、先月には、それを受けてUR都市機構による土地利用変更等についての地元説明会が開催されました。それまで敷地を2街区に分けて分譲・賃貸の住宅開発を進めるものでしたけれども、3街区とし、そのうちの1街区に小児初期救急、病児・病後児保育機能を備えた医療等施設を誘致する土地利用計画を変更するものであります。

 この地域は、豊かな緑に恵まれていると同時に、既に医療機関や福祉・介護の施設が整備された医療ゾーンを形成しております。小児初期救急診療及び病児・病後児保育を備えた医療施設ができることになれば、新たに開発されるおよそ900世帯にも及ぶ中心となるファミリー層に対する子育て支援機能の充実につながりますし、中野区の小児初期救急医療施策の北部での展開、そして、初の病児・病後児保育を備えた医療施設として注目するものとなります。このことは、子育て支援の最重要課題の一つとして小児医療の充実を訴えてきた我が会派といたしましても、大いに歓迎するところであります。

 そこで、こうした施設を子育て支援の施策として確実に展開するための区の考え方についてお聞きしたいと思います。

 まずは、中野区の小児救急医療及び病児・病後児保育の現状、区民の利用状況はどのようになっているのでしょうか。また、区はその現状を捉え、どのように考えているのでしょうか。お示しください。

 平成19年度から中野総合病院に委託実施している小児初期救急医療体制は、中野方式とも呼ばれ、準夜間、中野区医師会の協力のもと行っております。この準夜間救急は極めて重要な施策であり、利用率も高く、利用者の評価も高いと聞いています。

 そこで伺います。現在、中野総合病院で行っている準夜間小児救急医療事業を今後も引き続き継続していくということでよろしいのでしょうか。確認をしておきたいと思います。

 また、当該地での新たな展開を進めていく中で、地域医療を担う現場である中野区医師会とはどのような連携をとっていくつもりなのでしょうか。現在の小児救急医療体制で定期的に行われている協議会ではどのような議論がされているのでしょうか、教えていただきたいと思います。

 また、整備が見込まれる小児救急医療及び病児・病後児保育についてどの程度の規模を想定しているのでしょうか。

 次に、小児科医の不足問題など、小児救急医療には高度な専門性が求められると同時に、採算性から、将来にわたって継続して医療サービスを提供してくれるのか、事業者側の質と信頼性が問われることになると考えますが、区はどのように考えているのでしょうか。

 また、UR都市機構から公募によって医療事業者が決定するわけですけれども、区の小児初期救急医療及び病児・病後児保育施策の展開を確実なものとするために、区はどのように今後かかわっていくのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。

 以上でこの項の質問を終わります。

 次に、二つ目の項目としまして、都市計画道路補助26号線整備を契機とした、地域文化・観光拠点等の整備のあり方について伺います。

 中野通りが突き当たりとなっている新青梅街道以北の都市計画道路補助26号線が、去る8月に国土交通省より都市計画事業の認可を得て、事業着手となりました。幅員20メートル、総延長490メートルのこの事業による効果は、環状道路ネットワークの強化はもちろんですけれども、歩道及び自転車走行空間の整備による歩行者・自転車の通行の安全性・快適性の向上、電線類の地中化や街路樹の植栽による良好な都市景観の創出、また、緊急輸送道路としての機能強化など、地域の安全性・防災性向上が見込まれるところであります。

 一方、この事業によって多くの区民が影響を受けるわけで、そのことにつきましては、都の事業とはいえ、都との緊密な連携のもと、必要な情報収集と提供、また、関係権利者の意向を反映させる努力や地域活動に支障が出ないよう都との調整にも努めると、さきの予算特別委員会総括質疑でも確認をとったところであります。

 また、地域住民の活動拠点となっております区立公園「みずのとう公園」の敷地の一部を東京都が道路用地として取得することになります。東京都と中野区との間で、当事者としての調整が必要であるということだと考えます。そこで、中野区は、この都市計画事業に際して、この地域をどのように捉え位置付けていくのかという観点からお聞きしたいと思います。

 ことし3月の建設委員会資料では、歴史・旧跡、自然・景観など、多様な地域資源を「中野区認定観光資源」として129施設が決定した旨の報告がありました。区はこうした地域資源を、区が持つPRツールで情報提供し、人を呼び込み、観光事業につなげていくとのことであります。当該都市計画事業に直接係る施設で、この中野区認定観光資源として登録されているものとしては、「蓮華寺」「井上円了の墓」「野方配水塔」「みずのとう公園」「江古田獅子舞」があります。また、平成21年に東京都の名勝指定を受けた「哲学堂公園」も隣接をしており、中野区では東京都文化財保護条例の趣旨を踏まえ、哲学堂公園保存計画を策定し、短期、中期としては平成33年まで、長期としては平成34年以降にわたって事業計画を定め整備することとなっています。

 中野区は、都市観光ビジョンを策定し、都市観光専門部局をつくり、都市観光を推進しております。中野駅周辺を起点として来街者を呼び込み、にぎわいをつくり出そうとしています。また、「なかのまちめぐり博覧会」のように、商業拠点や観光拠点を結び、区民や来街者が区内を回遊するように進めています。

 そこでお聞きいたします。この補助26号線整備事業がきっかけとなって、まちの姿が大きく変わることをむしろチャンスとして捉え、みずのとう公園を中心としたエリアについては、その地域性・特性・価値を整理し、歴史・景観・地域文化の視点から、都市観光拠点として位置付けるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、先ほど述べたように、地元町会や地域住民の交流・活動拠点としてばかりでなく、防災上重要な拠点となっている中野区立みずのとう公園の敷地の一部を東京都に道路用地として提供しなければなりません。道路用地として提供することにより、公園敷地が大きく削られ、地域拠点としての活用は難しくなります。これを解決するためには、例えば隣接地を含めた周辺の土地利用状況を十分調査をし、地元町会や地域住民の交流・活動拠点、防災拠点としての機能が十分発揮できるように、みずのとう公園を再整備することも検討すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

 補助26号線の整備スケジュールがある程度固まっているのであれば、そのスケジュールと連動して取り組むことも重要ですので、再整備するとした場合のスケジュールについてもあわせてお聞きいたします。

 都市計画事業は、長い年月がかかります。同時に、そこに長年暮らしてきた区民の生活を一変させることになります。そうした犠牲の上に事業が進められていくということを深く認識しなければなりません。

 そこでお聞きします。都市計画事業によってまちの様子は大きく変化するわけですから、こうした機会に、周辺地域の地域文化を守り、新たな活力を生み出すまちづくりとして取り組むべきと考えます。そこには区の強いリーダーシップが不可欠と考えますが、いかがお考えでしょうか。

 以上でこの項の質問を終わります。

 三つ目の項目としまして、首都直下大震災等、災害時の備蓄に関連して幾つかお聞きしたいと思います。

 いつ発災してもおかしくない首都直下大地震に備えた対応は、幾度もの自然災害による教訓から常に進化するべきものと考えております。

 まず初めに、幼稚園、保育園など、未就学児に対する備蓄についてお聞きします。

 過去の私の備蓄に関連する質疑の回答としては、備蓄の食料は都と区で3日分備蓄する。都と区の役割分担に基づき、区は一般の区民用として1日分、災害時要援護者用としては2日分、粉ミルク等については3日分を備蓄調達をする。それ以降の備蓄については、都が広域的な見地から必要量を備蓄調達する。同時に、区民に対する自助の取り組みとして、各御家庭で3日分以上の水や食料の備えを呼びかける。こうした回答でありました。

 災害対策基本法第8条では、高齢者、障害者、乳幼児その他に配慮を要する者を「要配慮者」とし、要配慮者に対する防災上必要な措置に関する事項が述べられています。また、消防救護の現場で実際に進められている要配慮者としては、高齢者、障害者、外国人、乳幼児、妊産婦、病人等が位置付けられています。しかし、中野区の施策にかかわってくる施策の対象となる要配慮者としては、現在のところ、高齢者、身体障害者等を中心とした対象者となっています。幼稚園や保育園の園児が在園中に大災害に被災した場合、どのような扱いになるのか非常に不安であります。

 次に、帰宅困難者について、中野区地域防災計画第39次修正を見ますと、被害想定のところには、避難者数約7万7,000人、そのうち避難所に避難する人は約5万人、避難所以外に避難する人は約2万7,000人、また、区外から中野区へ来ている来訪者で、職場、学校などの帰属がない人たちが屋外滞留者数として約1万7,000人、また、中野区に滞留している方々のうち自宅までの距離が10キロを超える徒歩帰宅困難者が約5万8,000人となっています。この被災パターンと被災後の状況について整理してみますと、自宅で被災した場合は、住宅に危険がなくとどまれば自宅でその自宅の備蓄を使う。また、自宅にとどまれない場合は避難所へ避難し、避難所の備蓄を使うことになります。区内民間事業者の従業員の場合は、平成24年に制定された東京都帰宅困難者対策条例によりますと、事業者には、一斉帰宅の抑制とそのための一時滞在施設と備蓄の確保等を義務付けています。

 区内の区立小・中学校の生徒が学校にいる際に被災した場合は、平成24年2月に出された大地震発生時の区立学校対応指針によりますと、震度5以上の地震の場合、原則、保護者等による引き取りにより下校。その間、学校は児童・生徒の安全に努め、その間、備蓄用品を積極的に利用するということになっています。区立の幼稚園や保育園も、十分とはいかないまでも、中野区による一定程度の備蓄が進んでいます。何を申し上げたいかといいますと、災害備蓄品については、私立の幼稚園、保育園への対応がなされていないということであります。園児を親が引き取りに来るまでの間、各園が園児の安全を守るということは当然のことではありますけれども、先ほど示した被災パターンと、被災後の状況については、現状では私立の幼稚園、保育園の子どもたちは、民間事業者の従業員と同じ帰宅困難者の扱いになっているのではないでしょうか。

 そこでお聞きをいたします。まず、確認として、帰宅困難者に対する備蓄について、区はどのように対応しているのでしょうか。ある程度備蓄をしているのでしょうか。備蓄をしているとしたら、どこに備蓄をしているのか。また、本来東京都が行う帰宅困難者対策との関係もあわせてお示しをいただきたいと思います。

 次に、私立の幼稚園、保育園の園児など、未就学児が園にいるときに被災した場合、この子どもたちは区の防災施策の分類ではどういう扱いになるのでしょうか。私立の幼稚園や保育園など、未就学児の現場での防災備蓄品に関しましては、その装備の有無や充実度、またメンテナンスなど非常に気がかりであります。私立幼稚園では、3.11の後、各園で防災備蓄用品をそろえてきたということでありますけれども、備蓄食料飲料水の中には、消費期限を迎えるものも出てきております。また、幼児であるゆえ恐怖心も大人が抱くものとは比較にならないのではないでしょうか。そのためには、照明関係のランタンなどは通常より充実させるなど、幼児ならではの装備の基準もあるのではないでしょうか。

 大災害が起きたときは、皆同じ被災者であります。しかし、大人は歩いて帰宅する、距離が遠ければ帰宅困難者として事業所にとどまる、応援が来るまで、あるいは復旧するまで我慢するということがある程度は可能でありますけれども、未就学児は幼児であります。親から離れている、それだけで大きな不安を抱えているわけですから、子育て支援施策を強力に進める中野区としては、何らかの手を打つべきではないでしょうか。

 私立幼稚園の中には、広い園庭を抱え、周りが森に囲まれている園もあります。首都直下大震災のような万が一の大災害時には、延焼遮断帯として、また一時滞在施設としての機能も持っているはずです。災害時には防災拠点にもなり得ます。一方、園としては、近隣の地域住民、区立学校等と連携をとっていかなければなりません。

 そこで質問をいたします。中野区が主導し、地域での共助が円滑に進むように、私立幼稚園の総合防災訓練への参加や防災訓練の実施など、平時から行うようにコーディネートをし、地域防災力の向上とともに、そうした事業を通して防災安全対策の補助金のような助成を出して、園の防災活動が維持進展するようにしてはいかがでしょうか。

 あわせて、このような活動に不可欠な連絡体制、情報通信手段の確保のために、防災無線の設置を進めてはいかがでしょうか。お答えください。

 災害時の備蓄物資・防災資機材について、関連して幾つか伺います。

 まず、ことしも9月28日に中野区災害医療救護訓練が行われます。しかし、中野区総合防災訓練を含め中野区災害医療救護訓練にも、医療の現場になくてはならない看護師の方々の参加が非常に少ない状況が見られます。

 そこでお聞きします。中野区が行う中野区総合防災訓練、また、中野区災害医療救護訓練に医療の現場に不可欠な看護師の方々の参加を働きかけ、訓練をより実態に即したものとするとともに、その位置付けを周知すると同時に、活動がスムーズにいくように、新たに医療従事者用の汎用ベストを装備すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、区立中学校における防災用品として、生徒にヘルメットがありません。これはなぜなのでしょうか。

 幼稚園、小学校には生徒全員に防災頭巾が装備されています。中学生が学校にいるときに被災した場合、生徒の身を守る防災ヘルメットは不可欠ではないでしょうか。これは単に避難する、身を守るという視点だけではありません。中学生は、発災後一定時間が過ぎ、自分たちの安全が確保された後は、避難所となっている学校では有力な災害対応要員になり得るからであります。それは、区が行う各種防災訓練等での活躍を見ても一目瞭然のことであります。もちろん装備する場合については、誰が負担をするのか、また、もし区が負担する場合、どこの予算なのか等、課題は多いとは思いますけれども、早急に対応すべきではないでしょうか。区立中学校の生徒の防災ヘルメットを、生徒の安全確保と防災・災害対応活動のために整備すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 この項の最後に、医療用医薬品について伺います。

 東日本大震災発災後の無償提供の医薬品合計80トンのうち、被災地に送られたのは44トン、そのうち使用されたのは32.5トンというのが、厚生労働省の資料で出ておりました。医薬品等についての災害時の供給体制、備蓄の考え方がこうしたことから見直されました。医薬品等の支援物資を自治体が仕分けして供給する体制から、平時と同様、卸売販売業者が供給する体制とし、医療機関、自治体は発災後、卸売販売業者の物流が復旧するまでの間、目安として3日間に必要となる医薬品等の備蓄をすることとなりました。

 中野区では、これまで15カ所の拠点医療救護所に救急用7点セットと言われる救急用の医療器具とあわせて医薬品の備蓄はありました。主に救急外来で使用される医薬品です。平成25年に東京都で示された災害用の医療用医薬品備品リスト(案)で示された備蓄医薬品は、救急用のほか、高血圧、糖尿病等の疾患のための常用の医薬品まで拡大されました。

 そこでお伺いします。中野区では、東京都の動きを受け、医薬品備蓄をどのように考えているのでしょうか。お示しください。

 自治体である中野区が、医薬品備蓄を行う場合、収容する土地、建物、あるいは空調、電気代、セキュリティーなど、その維持管理には相当のコストがかかる上、消費期限が来たら無駄になってしまいますし、さらに、新たに購入する必要も生まれてきます。

 そこでお聞きします。災害時に多くの需要がある常用の医薬品を含めて、薬剤師会の協力のもと、災害用備蓄医薬品保管場所として指定し、平時は日常稼働している薬局の医薬品として活用することで消費期限問題を解決し、区独自で行う管理負担コストの低減を図る、いわゆるローリング・ストック方式を検討されてはいかがでしょうか。

 以上でこの項の質問を終わります。

 4番目といたしまして、キャリア教育について伺います。

 次世代を担う子どもたちは、現在、大きな社会環境の変化にさらされ、産業経済の構造的変化や雇用の多様化・流動化は、子どもたちのみずからの将来の捉え方にも大きな変化をもたらしています。

 人間関係をうまく築くことができない、自分で意思決定ができない、自己肯定感を持てない、将来に希望を持つことができないといった子どもの増加がこれまでも指摘されているところであります。

 キャリア教育とは、自分たちの生きていく道を発達段階に応じて考えていけるようにするための教育、社会に向けて主体的に進んでいけるようにするための教育であります。子どもたちが主体的に活動し、役割を知り、ほかの人たちの役に立つことを学ぶことが大切であり、地域の子どもは地域が育てるという環境の中、社会が間近に感じられることで、学ぶ意欲や学力も向上していくことです。

 こうした子どもたちの成長に重要な小・中学校期におけるキャリア教育についてお聞きします。

 中野区で現在行われているキャリア教育は、区立中学校では、総合的な学習の時間に各校の現場の特性やチャンネルを生かして実施しています。

 一方、小学校では、社会科の体験授業の中で「お店屋さん調べ」といったものが行われていますが、キャリア教育として取り組まれているものはないようです。ほかの自治体の事例でも、仕事の種類を教えるというところにとどまっているようであります。「キャリア教育」という用語が平成11年に初めて中央教育審議会答申において登場したときから、小学校段階から発達の段階に応じてキャリア教育を実施する必要があると提言をされています。また、平成20年に閣議決定された「教育振興基本計画」でも、取り組むべき施策の一つとして、行政の連携により小学校段階からのキャリア教育を推進することが挙げられています。

 小学校段階から発達段階に応じて社会の仕組みや自己と他者、あるいは社会の関係を理解できるようにするとともに、自分の力で自分の人生をつくるのだという意識を持たせたり、仕事に対する責任感や強い意思を持つようになるなど、将来の精神的、経済的自立を促したりするための取り組みを積極的に進めていく必要があるのではないでしょうか。

 そこでお聞きします。社会人として必要な自立性や社会性を育て、一人ひとりの子どもたちがそれぞれの進路を探索、選択できる力を養う上で重要な基盤を形成する大切な時期である小学校段階から、年次にわたるキャリア教育の取り組みが必要ではないでしょうか。区のお考えをお示しください。

 また、キャリア教育の評価は、育てたい資質や能力、態度を意識しながら「子どもの変容・成長」を評価すること、それに基づいて「活動そのもの」を評価することとなっています。実践を振り返り、キャリア教育の取り組みをPDCAサイクルの中で改善していくことが必要であります。

 そこでお聞きします。評価による効果を子どもの成長につなげるためには、教育の現場が一人ひとりの育ちをしっかりと見取っていくことが大切であるということから、小学校から中学校卒業まで、各年次、成長に合わせて、一貫したキャリア教育の取り組みを行うべきと考えます。小・中連携、小・中一貫ということにもなじむ考えと思いますが、区の見解をお聞かせください。

 最後に、現在行われているキャリア教育について伺います。

 区立中学各校で行っている内容は、職場体験関連、職業調べ、ゲストティーチャー等、子どもたちにとって非常に有益であることは疑いがありません。このように人間力をつける、社会性を高めることなどが本来のキャリア教育なのですが、全国の中学校でも同様に、キャリア教育として実施されているものは、職業や就職といったものに偏っているようなのが現状です。子どもたちが社会に活躍する時代には、ワールドワイドで考える必要もあります。世界で通用させるためには、自国の文化、日本の文化にも通じていかなくてはならないと考えます。

 行政でキャリア教育を実践する場合、地域との連携、コミュニケーション能力・人間力向上、情操教育に効果、といったことはわかりやすい表現ではありますけれども、ともすると、単なる職業観、コミュニケーション力向上ということだけにとらわれて、クローズアップされるおそれがあります。キャリア教育には、きちんとした理論とプログラムがあり、それを軸に、区として子どもをどう育てていくのか、家庭を一つの単位とした場合、どのような家族をつくっていくのか、どういう中野区民であってほしいのか、どういう社会人になってほしいのか、そういうことを議論し、プログラムをつくっていく専門的な知識も必要だと考えます。

 そこで最後にお聞きします。学校の現場で個々に行われているさまざまな個別キャリア教育ももちろん重要ですが、キャリア教育はプログラムの構築と評価など体系的に取り組むことが重要であり、キャリア教育に見識のある専門家による参画、検証も必要ではないでしょうか。区のお考えをお示しいただきたいと思います。

 以上で私の全ての質問を終わります。御静聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 高橋議員の御質問にお答えいたします。

 江古田合同住宅跡地整備についての御質問であります。

 まず、公開緑地と歩行者管理についてであります。区に移管される提供公園と開発事業者が提供する公開緑地については、それぞれの責任において維持管理していくこととなるわけですが、両敷地は境目のない空間であるため、一体的な緑地空間として確保できるよう、区と開発事業者が互いに協力しなから適切な維持管理をしていく考えであります。区は、一体的な管理を適切かつ円滑に進めるため、開発事業者との間で年度ごとに管理計画について協議をし、管理作業の時期等について調整を図る予定であります。

 また、公開緑地と南北道路を結ぶ歩行者通路についてですが、これについては江古田の森公園一体における良好な歩行者ネットワークを確保するために、開発事業者が提供するものであります。通路は、区に帰属しないため、区が直接維持管理にかかわることはありませんが、その管理計画については、年度ごとに協議をすることを予定しております。

 それから、南北道路の西側の歩道上空地の管理についてであります。南北道路西側に開発事業者が整備をいたします敷地内歩道上空地、これにつきましては、地域コミュニティへの良好な環境の提供、また、災害時の避難経路確保のため、開発事業者が提供するものであり、将来にわたって確保されることとなっております。この歩道上空地の舗装材、植栽等については、中野区道部分と同じ設計、仕様の内容となっているところであります。道路の保全上及び管理上、歩道上空地にカーブミラー等の施設が必要となった場合には、開発事業者に通知をした後に設置できることを確認しているわけであります。その場合の占用料は無償とすることとなっております。

 提供公園と公開緑地の一体的管理、公開緑地と南北通路を結ぶ歩行者通路及び南北道路西側の歩道上空地の適切な維持管理を将来にわたって確保するため、区と開発事業者の間で維持管理、必要な整備、管理主体が変更になった場合の管理の継承などについて、書面によって取り交わしをする予定であります。

 この江古田合同住宅の跡地整備に関連して、小児初期救急医療体制等の現状についての御質問もありました。

 小児初期救急医療は、午後7時から午後10時まで、原則として満15歳以下の子どもを対象に中野区医師会の協力のもと中野総合病院で通年実施をしております。1日平均四、五人が受診をしているほか、年間1,500件以上の電話照会もあり、区民にとって有効なサービスと考えております。

 病後児保育についてですが、生後6カ月から小学校就学前を対象として、2施設で実施をしております。病児保育については、ファミリーサポートの病児対応によって、ゼロ歳から小学生までを対象として実施をしております。平成25年度におきましては、病後児保育は244人、病児保育は292人の利用がありました。より多くのニーズに対応するため、この数年、定員や利用時間の拡充を図ってきているところであります。

 中野総合病院における小児初期救急の今後ということですが、区といたしましては、小児初期救急医療体制の充実を目指しているところでありまして、中野総合病院における救急診療については、従来どおり実施をしていくことと考えております。

 小児救急医療施設と子育てに資する施設整備に関連して、中野区医師会との連携、それから小児初期救急医療事業推進協議会に関連する御質問であります。小児初期救急医療事業推進協議会は、中野区医師会、中野総合病院、消防署、区職員で構成され、東京都医療政策部救急災害医療課小児救急医療担当者もオブザーバー参加して、年2回開催をしております。協議内容は、小児初期救急医療事業の実績とその分析、課題への対応を協議するとともに、小児科医療の現状や子育て支援に関する区の取り組みなどについての情報交換を行っているところであります。この江古田におきます新たな小児初期救急医療機関も、協議会のメンバーとすることを想定をしております。医師会へは適宜情報提供を行いながら連携をとってまいります。小児救急医療、病児・病後児保育に関する具体的な規模によりましては、提案によるとしておりますが、不足している現状を打開することを期待をしているところであります。

 URによる公募事業の質、信頼性の確保と区の関与についてであります。参入事業者の質の確保に関しては、区の求めに応じてURが行う公募に際しては、既に医療機関の運営実績を持つ法人が、当該用地においてみずから医療機関等を開設し、運営することを入札申込資格しております。

 さらに、土地譲渡契約においては、譲り受け人に対して中野区との協定締結状況にかかわるURへの報告義務を課しております。区と参入事業者との間で締結する協定事項には、医療機関の開設時期や小児初期救急に従事する医師等の資格及び診療体制、診療日、診療時間、医師会との地域医療連携の確保などを盛り込むこととしております。

 病児・病後児保育につきましては、東京都病児・病後児保育事業実施要綱の規定に基づく、施設、職員配置等による区の委託事業とすることとしております。今度とも、事業の進捗に合わせて報告を受け、協議を行うなど、委託事業が適切に実施されるよう、区としても適時適切に対応してまいります。

 次に、都市計画道路補助26号線整備を契機とした、地域文化活動拠点等の整備のあり方についてという質問がありました。

 整備事業に合わせた具体的な取り組みについてであります。みずのとう公園のある地域については、中野区都市計画マスタープランにおいて、景観まちづくりに取り組むべき景観上重要な地区の一つとしております。具体的には、哲学堂公園など地域に根差した歴史的、文化的資源を生かした景観の形成、また、観光、買い物客の回遊の誘導などを示しております。また、中野区都市観光ビジョンにおいても、魅力ある地域資源にあふれるまちを実現するための取り組みの一つとして、同様の取り組みを示しているところであります。区といたしましては、これらの方針を踏まえ、補助26号線の整備事業によるまちの変化に合わせて、今後具体的に取り組む必要があるとものと考えております。

 みずのとう公園の再整備についてであります。補助26号線の整備事業実施に伴うみずのとう公園の面積の減少については、今後、東京都の事業の進捗を見据えながら整備のあり方を検討したいと考えております。

 また、整備事業を契機としたまちづくりについてであります。道路や公園の整備にとどまることなく、区が示している歴史・文化資源を生かしたまちづくりを区がしっかりとしたリーダーシップを発揮しながら進めてまいりたいと考えております。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 初めに、首都直下大震災等災害時の備蓄についての御質問のうち、中学生のための防災ヘルメットの配備についてお答えをいたします。

 中学生には、みずから危険を回避し、適切な行動をとることができる判断力、実践力が身についていると考え、現在のところ、中学校では生徒一人ひとりに防災ヘルメットは持たせていない状況でございます。防災ヘルメットにつきましては、中学生の防災対応要員としての災害時の行動のあり方とあわせて、今後検討すべき課題であると認識をしてございます。

 続きまして、キャリア教育について何点か御質問がございました。

 初めに、小学校段階からの年次にわたるキャリア教育の取り組みについてです。キャリア教育の狙いから考えると、小学校段階では身近な人から集団へと人とのかかわりを広げながらみんなのために働くことを理解し、自分の役割を果たそうとする態度を育成する時期であると考えてございます。実際の教育活動では、御質問にもございましたけれども、全学年に共通する当番活動をはじめとして、1、2年生では、家族や身近な人の仕事調べや手伝い、3、4年生では、商店街の見学やお店体験、5、6年生では、産業や社会の仕組みなどの学習を通して取り組んできています。これらの活動を発達段階に応じて計画的に実施することで、キャリア教育が目指す、児童・生徒みずからがみずからの進路を切り開くことのできる社会性、自主性、自立性、関心、意欲等を養うことが必要であると考えてございます。

 次に、小学校から中学校卒業まで一貫したキャリア教育の取り組みを行うべきという御質問でした。小中学校の教育課程の接続を図る上で、キャリア教育の視点を生かすことは有効であると考えてございます。現在、学校と教育委員会とで構成する小中連携教育推進協議会において、キャリア教育に関する小中連携教育の視点で実践事例の研究を行っており、今後の展開について検討しているところでございます。

 最後に、キャリア教育に見識のある専門家による参画、検証も必要ではないかという御質問でした。各学校がキャリア教育について、見識のある専門家を活用することは、キャリア教育を充実させていく上で有効であると考えております。今後、キャリア教育に関する教員研修等の場で、その知見を活用したり、専門家からの助言を得たりするなどの方法により、学校におけるキャリア教育のさらなる充実を図ってまいりたいと考えてございます。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、首都直下大震災等、災害時の備蓄についての御質問にお答えをいたします。

 まず、帰宅困難者に対する備蓄についての御質問です。帰宅困難者に対して、おおむね1日分の水、食料等を備蓄しており、多くは中野四季の森周辺に備蓄しております。帰宅困難者に対する備蓄につきましては、都の備蓄とともに、事業者においては従業員の帰宅抑制をすることから、備蓄をすることになっているところでございますが、来街者等の滞留者について、安全な帰宅支援、一時滞在施設の提供等の観点から、区としても一定の備蓄を行っているところでございます。

 続きまして、私立幼稚園、保育園児などへの対応についての御質問がございました。私立幼稚園、保育園の園児につきましては、幼稚園、保育園の施設管理者において、必要な応急対策をしていただくことになっているところでございます。

 また、私立幼稚園の地域内での防災活動についてに関連する御質問がございました。各幼稚園においては、独自に避難訓練、自衛消防訓練を行っており、防災訓練への参加はまれなところでございます。地域の防災訓練に私立幼稚園が参加し、地域連携を図ることにつきましては、今後、私立幼稚園の意向を十分に把握するとともに、幼稚園が地域での防災上の役割を果たす場合には、区として必要な支援を検討してまいりたいと、そのように考えております。

 また、防災無線の設置につきましては、戸別受信機の配置を考えているところでございます。

 次に、訓練への看護師の参加や医療従事者用ベストの装備についての御質問でございます。今後、地域で勤務する看護師にも参加を呼びかけ、中野区の医療救護所での活動について周知を図り、災害時の対応力を強化してまいりたいと考えております。汎用ベストにつきましては、災害時に円滑な活動を実施するための装備として、その配備について検討してまいります。

 次に、災害時の医療品備蓄についてでございます。災害時に使用する医療品の備蓄につきましては、都が示した災害用医薬品備蓄リストを参考に、現在、医師会、薬剤師会等が参加している中野区災害医療連携会議の中で検討しているところでございます。

 あわせまして、災害用医薬品の備蓄方法についての御質問がございました。現在、災害発生直後の急性期に使用する医薬品等につきましては、拠点医療救護所を中心に配備しておりますが、今後、慢性的な疾患に対する医薬品につきましても、適切に提供できるように、備蓄調達方法についても検討しているところでございます。

〔高橋かずちか議員登壇〕

○2番(高橋かずちか) 今の都市基盤部長からの幼稚園児に関係する備蓄についてのことで再質問させていただきます。

 避難訓練等をサポートして、コーディネートしてくれという話については、その要請があれば対応するというような趣旨の御答弁をいただいたんですけれども、その前段のお話ですと、いわゆる私立の幼稚園、保育園の園児の備蓄については園がやる。これは、いわゆる民間企業が企業者責任と社会性のことで、自分たちできちっと備蓄せいという話と同じ論理だと思うんです。だけれども、中野区は昔から、教育、幼児教育というものを私立幼稚園連合会に託し、一緒に進んできたという流れもありますし、先ほど私も長い語りの中で言いましたけれども、大きな空間を持っているところもあって、延焼遮断帯あるいは本当に大災時のときの一時避難所という形で、大きく地域への防災に貢献する場合も出てくると思うんです。

 片や区立の保育園、区立の幼稚園には、区が、区立ということであるから当然といえばそれまでなんですけれども、子どもたちのための備蓄をしているというお話もあります。そうしたときに、私立の幼稚園の園児たちが、民間事業者と同じ範疇で企業家責任のような形で備蓄をするということで本当によろしいのかどうかというところを、今子育てを一生懸命強力に推進している中野区の防災部局としてどう考えるのか。もう一度答弁をお願いしたいと思います。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私立幼稚園、保育園の園児が在園しているときに被災した場合ということで、私のほうから、施設を管理するその管理者として応急対策をしていただくというようなお話をさせていただきました。

 もう1点は、地域の中で、私立幼稚園、保育園の役割、そういったものが具体的な防災活動の中で検討されるということであれば、それは地域に開かれた施設というふうになりますので、区としても一定の支援をしていく必要があるだろうと、そういった場合については検討をしてまいりたい、そのように考えております。

○副議長(やながわ妙子) 以上で高橋かずちか議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 若 林 しげお

 1 小中学校の教育環境について

  (1)スポーツ環境について

  (2)中野区立小中学校施設整備計画(案)について

  (3)その他

 2 南台地区の防災まちづくりについて

 3 その他

 

○副議長(やながわ妙子) 次に、若林しげお議員。

〔若林しげお議員登壇〕

○1番(若林しげお) 平成26年第3回定例会において、自由民主党議員団の立場から質問をさせていただきます。

 質問は通告のとおり、1番、小中学校の教育環境について、2番、南台地区の防災まちづくりについて、3番、その他はありません。よろしくお願いいたします。

 2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まり、目に見えるさまざまな取り組みが進み出し、機運が高まってまいりました。9月9日の産経新聞によると、東京都教育庁のオリンピック教育施策を挙げてありました。

 一つは、オリンピック・パラリンピックを教える講師や、オリンピアンを授業に派遣するプロジェクトを用意しているということです。

 もう一つは、オリンピック学習読本を作成し、来年から都内の小学校、中学校、高校に配布する予定ということでした。

 ほかにも、オリンピック教育の中核として、1998年の長野冬季大会で実施された「一校一国運動」といって、それぞれの学校が大会参加国地域から一つ選び、その国、地域の歴史や文化、生活ぶりなどを学び、交流し、応援する運動で検討が進められているようです。教育問題に限っても、国、東京都に問わず、自治体、競技団体、教育機関や民間組織など、2020年に向けてさまざまな動きが出るとしてありました。もちろん中野区においてもオリンピック・パラリンピックを意識した取り組みを始めていかなければなりません。中野区の子どもたちがスポーツの関心を一層高めていくためにも、区のスポーツに対する取り組みは大変重要と考えます。オリンピック・パラリンピックまであと6年という期間があります。誰もが代表選手になれる。特に年齢的にも今の中野区の子どもたち、小学生、中学生の世代が日本代表に選ばれる可能性があることになります。その子どもたちの夢を実現させるとてもいい機会であり、そんな環境づくりを私たちはつくっていかなければなりません。

 そんな中、今の中野区の小学生、中学生の現状の体力はどのくらいなのでしょうか。中野区立小学校、中学校、全生徒で実施した、中野区25年度体力テストでは、全国平均に近づきつつある東京都の体力平均を上回る項目が年々減ってきております。特にソフトボール投げの記録が著しく低下しております。区内に体を思いっきり動かせる施設が少ないというのが原因の一つではないかと思われます。

 そこで、今後できる大規模公園において、区民は期待を寄せているところであります。南中野の人たちは特に待ち望んでおります。南中野に大規模公園、スポーツ施設がなく、スポーツをするために北部まで通っていた南中野の子どもたちが、これからはもっと身近にスポーツをすることができるようになります。

 平成28年度開園予定の(仮称)南部防災公園には、フットサル兼用のグラウンドができる予定です。どのようなグラウンド整備をする予定になっているか、詳しくお聞かせください。

 同僚の吉原議員からも質問がありました。同じく平成28年度開園予定の(仮称)本町五丁目公園には、少年野球ができる施設になります。ほかにどのようなスポーツができるグラウンド整備になるか、詳しくお聞かせください。

 大規模公園ではありませんが、中野富士見中学校跡地には、平成28年開設予定の(仮称)南部地域スポーツ施設が建設される予定です。どのようなスポーツ施設ができる予定か、お聞かせください。

 このように南中野の子どもたちにとってスポーツが身近にできる、思いっきり体を動かせる環境が整っていくことに大いに期待するとともに、くれぐれも工期がおくれないよう、細部にわたって進捗状況を報告することが重要です。よろしくお願いいたします。

 小学生、中学生が自分の好きなスポーツに本格的に触れていくことができる機会は、やはり日ごろ学業をともに過ごしている仲間同士で行われる学校のクラブ活動になると思います。区立小学校、区立中学校のクラブ活動の現状についてお聞かせください。

 そこで、気になっていることは、クラブ活動の指導者の状況です。子どもたちがスポーツに取り組む姿勢、精神を方向づけ、確立させていくのがコーチや監督、先生であると考えます。指導に当たっている方々、先生のボランティア、地域のボランティア、外部指導員と聞いておりますが、指導者が置かれている現状をお聞かせください。

 子どもたちがのびのびと向上心を持ってスポーツに接していくために、指導に当たっている方々のスキルアップやそのための環境づくりが必要になると考えます。子どもたちのスポーツに対する姿勢を生み出す最も重要な役割を果たす指導者の方々が活動しやすい環境をつくることも重要と考えます。そのための行政のバックアップは欠かせないものと考えますが、今後、どのような支援をしていく考えがあるのか、区の見解をお聞かせください。

 日ごろ、仲間同士が切磋琢磨してスポーツに打ち込んでいる成果が一番見えることが、各スポーツの大会になります。大会に勝つために汗を流し、努力をし、それが冒頭に触れさせていただいたオリンピック・パラリンピックという大きな夢や希望につながっていくと思います。それが2020年、6年後に、身近に感じられる東京で行われます。中野区として、ぜひこのタイミングで、子どもたちの夢につながるさまざま環境づくり、区民の機運づくりに力を入れていただきたいと思います。

 中学校において、毎年総合体育大会で陸上競技が各学校の代表選手で行われております。中野区の中学校の陸上部にとって、実力を試すいい機会となっております。現在は、選手と引率者に交通費が出ていると伺っています。主役である選手の子どもたちが、元気に大会に臨むために、当日はもちろん、日ごろから指導者の方々、一番下支えの家族の方々、そして応援してくれる仲間たち、みんなでそろって大会に臨み、盛り上げを見せていくことがいい成績をおさめられる一つの条件と考えております。平成16年までは、応援団による応援が行われており、選手や引率者同様に交通費も公費負担でしたが、その応援団も現在は廃止されています。子どもたちにとっても、友達の応援があればやりがいが見出せるし、応援に行った子どもたちも、目標を持つことにつながると思います。

 そこでお伺いします。どのような理由で応援団が廃止になったのかお聞かせください。そして、応援団の復活が必要だと思いますが、区の見解をお聞かせください。

 また、各スポーツ部門において、関東大会、全国大会に出場する選手が中野区においてもたくさんいらっしゃると聞いております。その選手の子どもたちの功績をたたえ、中野区全体で盛り上げていく、そんな中野区であってほしいと思います。

 学校の代表として、また、中野区の代表として、関東大会や全国大会といった大きな大会に出場する際、平成16年度までは、選手と引率者の交通費と宿泊費が公費負担となっておりました。しかし、現在は交通費のみが公費負担となり、宿泊費は認められておりません。代表として行く選手に対し、他区と同様に、日帰りすることが困難な場所での大会に対し、宿泊費の公費負担復活を要望します。また、応援に行く子どもたちについても公費負担を検討すべきと考えます。区の見解をお聞かせください。

 また、関東大会、全国大会に出場する際、学校で盛り上げを見せるために、大々的に垂れ幕を掲げたりしております。これは大いに学校の評価並びにPRにもつながっております。入学してくる子どもたちの目標にもなり、子どもたちに夢や希望を持たせることができる一つのアイテムだと考えます。しかし、その垂れ幕は学校、PTAの方々の自前でつくられているのが現状です。子どもたちの気分を高め、学校全体で盛り上がることはとても重要なことであり、中野区が率先して後押ししてほしいと考えます。いかがでしょうか。区の見解をお聞かせください。

 中野区の小中学校がさまざまな大会で盛り上がりを見せる環境が整っていけば、子どもたちもやりがいが出てくる。それこそ夢や希望を持ってもらえると思います。ぜひとも御検討をよろしくお願いいたします。

 関東大会、全国大会につながる東京都大会、中野区大会も子どもたちにとって成果を見るいい機会だと考えます。地区大会何位、県大会何位、全国大会何位というのは、自分の誇りになり、将来の自信にもつながると思います。経験した成果を発揮できる場を一つでも多くつくっていくべきと考えます。しかし、ここ数年でなくなった大会があります。駅伝と水泳大会です。どのような理由で中止になったのかお聞かせください。また、中野区大会の復活は今後必要であると考えます。区の見解をお聞かせください。

 小学校においては、自分が好きなこと、自分に合ったことを選ぶような時期と考えます。いろいろなことが体験できる、そんな環境づくりを私たちは考えていかなければなりません。そのためには、専門の指導者が必要になり、指導者を探すのに苦労している学校もあると聞いております。中野区の体育協会の協力や地域の方々の情報収集など、区として学校のバックアップをしていく必要があります。今、小学校のクラブ活動の指導者の現状はどのようになっていますか。お聞かせください。

 さまざまな体験が子どもたちの心も体もたくましく育てると思います。現在、小学校では軽井沢や日光、みなかみなどの移動教室で、体験を重視した活動に取り組んでおります。具体的には、登山や自然観察、歴史学習、その土地に合った体験学習、何より仲間と寝食をともにする体験がその内容になりますが、これらは山を中心としたものが多く、海での体験がないように思います。区では、海での体験事業を実施することで、子どもたちに実際の海とはどのようなものかを実感、体験できる機会を設けております。しかしながら、ことしで3年目となる事業ですが、参加人数が少なく、年々減ってきています。この3年間の内容や周知方法等について、検証は毎回されているのでしょうか。再三質問させていただいておりますが、より多くの子どもたちが、小学校時代に海でのさまざまな経験ができるようにしていただきたいと考えます。今後、どのような対策をお考えか、区の見解をお聞かせください。

 肉体的に精神的にもしっかりしている。そして、誇りを持てる子どもたちが、成長しているという区にしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 次に、小中学校施設についてお伺いします。

 中野区立小中学校再編計画(第2次)もいよいよ進み出し、中野区立小中学校施設整備計画(案)もつくり上げられました。これら各地で統合委員会が立ち上げられ、統合に向かい話し合いが進められていくことになります。前期計画で既に統合された中野中学校が、仮校舎から新校舎に移り変わりました。見学も行きましたが、まさに先端的な学校になっています。しかし、いざ使ってみるといろいろな問題が出てきたようです。黒板ではなくプロジェクターを意識したホワイトボードを使用しているため、表面がでこぼこしていてマーカー消しでは消えず、雑巾を使って消しているということです。水道の蛇口が低く、バケツに水がためられないことや、危険なのでベランダに生徒を出せない。図書館のらせん階段は危険なので使用させない。窓が大き過ぎて業者でしか掃除できない。窓が開くのも少ない。さまざまな問題があるようです。また、自分も見に行きましたが、障害者の中野中学校のプールを使用する際、スロープの床がでこぼこして転びそうになるということでした。早急に改善する必要があります。区の見解をお聞かせください。

 また、中野区立小中学校施設整備計画(案)で示されたように、これら大規模改修・改築が進められていくわけですが、この新設校のメリット、デメリットを検証し、これからの計画に反映されることが大事であると考えます。

 今後、再編を迎える南中野中通学区域である新山小学校と中野神明小学校、新山小学校と多田小学校の統合委員会がそれぞれ立ち上がることになります。今までの再編の検証結果を生かした統合委員会を構築するよう希望いたします。

 また、統合委員会の中で話される通学路を中心とした子どもたちの安全確保の件や、地域活動のかかわり方なども大事な内容と考えます。新校が新たなる地域との関係をつくっていくためには、必ず地域で活動している方々の協力が不可欠であります。このことも怠ることのないよう進めることを希望いたします。

 中野区立小中学校施設整備計画(案)のスケジュールを見ると、年度によっては大規模改修・改築が集中し、重なることがあります。そこで不安に感じることが、予算が間に合うのか、基金が足りるのかということです。改修・改築工事を進めるのは、学校施設だけでなく、他の区有施設も修繕が必要であると考えます。このスケジュールどおりできるのか、今後の状況をお聞かせください。

 また、桃が丘小学校跡地は、現在、中野マンガ・アートコートに貸しつけております。この土地は、中野駅周辺まちづくりVer.3では、土地区画整理事業用地として活用していくことになっておりますが、土地が広いため、事業用地に活用する以外にも土地が残ると思いますが、その土地を有効活用していくことが大切と考えます。地域の方々の意見を聞き、有効活用していただきたいと考えますが、区の見解をお聞かせください。

 学校跡地については、例えば新山小学校ですが、地域にとって災害時の重要な避難場所となっています。区民の安心・安全を守る、生命、財産を守ることを踏まえ、地元の思いを酌み取っていただき、地域のための有効活用を切に望みます。見解をお聞かせください。

 子どもたちの安全確保上で、スクールゾーンについてお伺いいたします。

 皆様、御承知のとおり、以前は全ての土曜日で授業をしていたものが、平成4年9月に第1土曜日が休みになり、平成7年4月に第2・第4土曜日が休みになりました。この時点までスクールゾーンになっておりました。平成14年4月に全ての土曜日が休みになり、それと同時に、土曜日のスクールゾーンがなくなってしまいました。

 現在、中野区は独自で、各学校第2土曜日を利用して、地域の方々、父兄の方々とのつながりを深めるために、学校公開授業を行っております。中野区の子どもたちは、第2土曜日、スクールゾーンなしで登下校しているのが現状です。昨年、教育委員会として、中野警察署、野方警察署に要望しているとは聞いておりますが、第2土曜日だけ規制をかけると、ドライバーの方々が困るということで難しいとされているようです。中野区独自の試みで行っている事業であり、安全も確保しなければならないと考えます。ドライバーの方々に迷惑がかからない、また、今後を見据え、土曜日の授業を考え、全ての土曜日をスクールゾーンにして子どもの安全を守ることが必要であると考えます。ぜひとも早急に対応していただきたいと思います。区の見解をお聞かせください。

 次に、南台地区防災まちづくりについてお伺いします。

 皆さん、御承知のとおり、マグニチュード7クラスの首都直下地震が、今後30年以内に70%の確率で発生するとの指摘がなされております。平成24年4月の東京都防災会議地震部会での最近の被害想定によると、中野区では、最大死者数が約200人、建築物全壊が約2,200棟、火災延焼による焼失も約7,000棟に及ぶと想定されています。このように、いつ大災害が起きてもおかしくない状況の中、地域危険度が高く、老朽化した木造建築物が集積するなどの災害時に大きな被害が想定される木造住宅密集地域の防災性の向上を図る防災まちづくりの推進は、国をはじめ東京都においても最重要課題とされているところであります。区は、これまで防災まちづくりを進めており、中でも南台地区については、昭和60年前後から取り組みを始めています。住民合意のもと、地区計画を策定し、災害時に主要な避難道路となる地区施設道路の整備や、公園整備によるオープンスペースの確保を図るとともに、東京大学附属中等教育学校一帯の広域避難場所周辺の南台一・二丁目、弥生町一・三・四丁目の一部の安全の向上のため、平成21年度から建築物不燃化促進事業が導入されています。

 さらに、隣接する弥生町三丁目周辺地区の防災まちづくりにも着手しており、この新たな取り組みを含め、南台地区の防災性の向上を図る上で、効果の高い取り組みが行われていることは評価いたします。

 しかしながら、こういった取り組みを評価しつつも、昨年9月に公表された地区危険度を見ると、一定の改善は見られるものの、木造密集地域が解消され、これで安全といった段階には至っておりません。いつ大災害が起きてもおかしくない状況を踏まえると、安心・安全で住み続けられるまちの実現に向け、さらに取り組みを促進させていく必要があると考えます。地域危険度マップで隣接区を見てみますと、南台一・二丁目地区は、すぐ隣の渋谷区の本町二・五・六丁目、幡ヶ谷三丁目も危険度4、5の地区になります。中野区だけを見るのではなく、隣接区とも相談しながら進めていくことが今後必要であると考えますが、この項では、まず、現在の南台地区の防災まちづくりの推進とともに、区全体の防災まちづくりの今後の展開についてお伺いします。

 まず、広域避難場所である東京大学附属中等教育学校一帯を含む南台一・二丁目地区の地区施設道路の整備についてお伺いいたします。

 広域避難場所内の学校の整備や周辺道路の整備が進み、一角には防災公園整備も進んでいますが、この避難場所等に安全に避難するため、極めて重要な動線となる周辺の地区施設道路の整備状況はどのようになっていますか。また、首都直下地震の切迫性などを踏まえ、さらに整備を促進していく必要があると考えますが、区の見解をお聞かせください。

 次に、広域避難場所の安全性の向上を図るため、建築物の不燃化促進事業を南台一・二丁目、弥生町一・三・四丁目の一部で実施していますが、この実施状況についてお伺いします。

 また、この建築物の不燃化促進事業は、地区施設道路整備とともに、燃えない、燃え広がらないまちを実現していくために有効であると考えます。より一層、建築物不燃化促進をする必要があると考えます。区の見解をお聞かせください。

 次に、中野区全体の防災まちづくりの推進についてお伺いいたします。

 区は、現在、南台地区、平和の森公園周辺において防災まちづくりを進めております。また、弥生町三丁目周辺、大和町においても防災まちづくりに着手しています。しかしながら、区内には、ほかにも今後防災まちづくりに取り組むべき木造密集地区があると思われますが、このような地区に対する取り組みの見通しを明らかにしていく必要があると考えます。区の見解をお聞かせください。

 以上で私の全ての質問を終わります。御静聴ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 若林議員の御質問にお答えいたします。

 まず、小中学校の教育環境についての御質問の中で、(仮称)南部防災公園のグラウンドについてであります。この南部防災公園については、少年サッカーやフットサルができる高さ7メートルの防球ネットに囲われた人工芝のグラウンドに必要なラインを引くなどの整備をすることになっております。サッカーゴールなどの関係備品等も備えていく予定としております。整備は、平成27年度の第2期整備工事で行いますが、防球ネットは開閉式としており、ふだんは開放し、サッカー等を行う際に閉じて利用できるようにしていきたいと考えております。

 同じく、(仮称)本町五丁目公園のグラウンドについてであります。こちらについては、少年野球を主体として、少年野球やフットサルなど多目的に利用できるように、高さ15メートルの防球ネットに囲まれた両翼約62メートルの人工芝のグラウンドに必要なラインを引くなどの整備をすることになっており、野球のベースやサッカーゴールなどの関係備品等も備えていく予定であります。グラウンドの整備工事については、平成26年度、27年度の2カ年に分けて行う予定でありまして、この少年野球などの利用がないときには自由に利用できるようにしているところであります。

 また、(仮称)南部地域スポーツ施設の概要であります。(仮称)南部地域スポーツ施設には、屋内運動場、多目的ルーム、トレーニングルームのほか、プールを設置する予定であります。

 次に、小中学校の教育環境に関連して、区立小中学校の大規模改修・改築の経費についての御質問です。中野区立小中学校整備計画の案、これは平成28年度からは校舎の大規模改修や改築など、複数校において実施することを予定をしております。これに備えて、これまでも義務教育施設整備基金には積み立てを行い、対応を図っているところであります。引き続きこの基金の積み立てに努めてまいります。

 また、他の区有施設につきましても、計画的に基金を積み立てるとともに、メンテナンスを効率的に行って、メンテナンスのコストを削減にするとともに、改修に当たってもコスト削減を図り、トータルコストを圧縮するようマネジメントをしていく、そうした考えであります。

 それから、桃丘小学校跡地の有効活用についてであります。現在、中野三丁目駅前広場から桃丘小学校跡地にかけての約1ヘクタールの範囲について、中野三丁目駅前広場はあくまでも予定の案ですけれども、約1ヘクタールの範囲については、土地区画整理事業の検討を行っておりまして、平成26年度末の都市計画決定を目指しております。その中で、桃丘小学校の跡地利用につきましても検討を行っているところであり、その検討に当たっては、議会や区民の意見も受けとめながら丁寧に進めてまいりたいと考えております。

 学校跡地の災害時の有効活用についてであります。特に新山小学校という例示がありました。学校再編により跡地となる学校のあり方については、地域に必要な機能を精査するとともに、区全体にとって最適な活用方法について検討していく予定であります。今年度から改定作業を行っております10か年計画との整合性を図りながら明らかにしていく考えであります。

 また、南台地区の防災まちづくりについての御質問がありました。地区施設道路の整備について、南台一・二丁目地区における地区施設道路の平成25年度までの整備実績は、面積で約3,200平方メートル、整備率にして約58%であります。今後は、避難道路としての重要性に鑑み、特に整備が緊急を要する箇所につきましては、現在の建てかえに連動した整備手法から、路線ごとに公共整備型の整備手法への転換を検討していく必要もあると考えております。

 建物の不燃化の促進についてであります。区は、平成12年度に南台一・二丁目地区の地区計画を決定し、平成20年度には東京大学と(仮称)南部防災公園等の整備に関する協定を締結いたしました。これを契機として、より一層の防災性の向上を図るために、平成21年度から周辺地域に不燃化促進事業を導入しております。不燃化促進事業は、事業区域内で耐火建築物を建築する際、その建築費の一部を助成するものでありまして、平成25年度までの助成実績は32件、不燃化率は4.4ポイント向上しております。これによりまして、47.5%から51.9%に向上したというものです。今後、より一層の不燃化促進を図るため、国や東京都が効果促進のために行った制度改正を踏まえ、区の助成制度の改正を今定例会において提案をする考えでございます。

 区全体の防災まちづくりの推進についてであります。現在、防災まちづくりに取り組んでいる地域、地区以外においても、木造密集地域の解消を図り、安全・安心で住み続けられるまちの実現に向けて、防災まちづくりに取り組むべき地区、これがあることについて、十分認識をしているところです。今後、区全体の防災性を高めていく観点から、都市計画道路などの基盤整備や地震に関する地域危険度等を勘案しつつ、優先度を見きわめ、順次、継続的に防災まちづくりが進められるよう検討を行っているところであります。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 小中学校の教育環境についての幾つかの御質問にお答えをいたします。

 初めに、中野区の小学生、中学生の体力に現状についての御質問です。平成25年度に実施した中野区体力にかかわる調査では、区の平均値は都の平均値を若干下回っている現状でございます。その中でも、御質問にもありましたが、ソフトボール投げにつきましては、ここ数年にわたって中野区で定めている目標値を全学年で下回っているため、課題として受けとめているところでございます。

 次に、クラブ活動の指導者の現状やスキルアップなどについての御質問でした。小中学校の部活動等は、教員が顧問として対応しており、必要に応じて地域の外部指導員、ボランティア等による指導を行ってございます。指導者のスキルアップとしては、教員については東京都が実施する研修会や中学校体育連名(中体連)等の実技講習会等の場で、指導技術の向上を図ってございます。ボランティアや外部指導員につきましては、地域における当該スポーツ等の専門家に依頼をしているところでございまして、一定の指導技術を有している者という認識でございます。

 続きまして、総体陸上での応援団の廃止の理由と復活についての御質問がございました。中学校総合体育大会連合陸上競技大会、いわゆる総体陸上に参加しない応援団につきましては、生徒の学習にかける授業時数の確保のため、参加をとりやめたという経緯がございます。今後も全体的に授業時数を確保するという点で、生徒による応援のみの参加は難しいと考えてございます。

 次に、全国大会等に出場する際の宿泊費についての御質問でした。全国大会などについては、遠方で実施をされる場合もあり、宿泊しなければ大会に参加できない場合もあるため、宿泊費の必要性につきましては今後検討してまいりたいと考えてございます。

 また、応援の際の交通費についても質問がございました。全国大会等に選手として出場する生徒については、交通費を公費負担としてございますが、応援は個人の選択によるものであり、応援に行く生徒と行かない生徒との公平性の観点からも、各自が負担すべきものというふうに考えてございます。

 また、全国大会に出場する場合の垂れ幕等についての御質問がございました。全国大会等に出場する生徒を応援する方法につきましては、垂れ幕を掲示する学校もございますが、学校だよりへの掲載や校内での掲示などによって応援する気持ちをあらわしている学校もございます。各学校において工夫して行っているところでございます。

 続きまして、駅伝と水泳大会が中止になった理由及び大会の復活についてです。中学生による駅伝大会と水泳大会につきましては、平成12年度から順次、縮小、中止されたところでございます。これは、平成10年度改定の学習指導要領において、授業時数が削減されたこともあり、行事の精選という理由で実施を取りやめることとしたものでございます。また、平成20年度改定の現行の学習指導要領では、授業時数は増加いたしましたが、その目的は基礎的、基本的な学習内容の確実な定着と思考力、判断力、表現等を育むことにあります。新たに加わった教育内容等もある中、これらの大会の復活は、教育課程上難しいと考えてございます。

 小学校のクラブ活動の指導者の現状についての御質問でした。小学校におきましては、クラブ活動は授業として行われているものであり、原則として教員が指導に当たってございます。一部課外クラブとして吹奏楽部などの指導において外部指導員やボランティア等を活用している学校がございます。

 海での体験事業についての御質問がございました。毎年実施後に児童と保護者にそれぞれアンケートを実施し、プールでの事前指導や海合宿当日の持久泳など、プログラムごとの感想や意見をいただいており、それによって事業の効果の検証を行うとともに、次年度の事業内容の改善等に生かしてございます。また、周知方法につきましては、区報やホームページへの掲載、対象児童へのチラシの配布、小学校PTA連合会への説明、児童館、キッズ・プラザ、U18へのチラシの配布など、さまざまな方法により周知を図ってございますが、今後とも、より効果的な周知方法について検討していきたいと考えております。

 また、海での体験事業について、今後はより多くの子どもたちが海でのさまざまな貴重な体験を通じて自分の可能性を伸ばし、生きる力を育むことができるよう、周知方法の改善やプログラムの工夫等により、参加者をふやすよう努力をしてまいりたいと考えてございます。

 肉体的にも精神的にも、子どもたちがしっかり成長している区であってほしいということでございましたが、今後とも、さまざまな体験や教育活動の工夫により、子どもたちの学力向上、体力向上、心の教育の充実を図り、子どもたちに生きる力を身につけさせ、知・徳・体の調和のとれたよりよい成長を促す教育活動を展開していく所存でございます。

 次に、中野中学校の新校舎の改善についての御質問がございました。中野中学校の新校舎につきましては、統合委員会や生徒、教職員などから意見を聞いて建設を進めてまいりました。御質問の中にもありましたように、新校舎の使用に関し、さまざまな意見があることは承知をしてございます。現在、必要な改善や運用の中で工夫するなど、対応策を検討しているところでございます。

 第2土曜日の授業に関連して、土曜日の交通規制についての御質問がございました。第2土曜日の交通規制につきましては、私も昨年度、両警察に要請を行い、中野・野方両警察からは、第2土曜日に限っての交通規制は難しいという回答をいただいたところでございますが、引き続き何らか対応がとれないか、警察と相談をしていきたいというふうに考えてございます。

 第2土曜日の授業における児童の安全確保については、地域住民やドライバーに対して、中野区では、第2土曜費は授業があり、子どもたちが通学しているということを認識していただくことも重要だと考えており、そのため、これまでも教育だよりやホームページで周知に努めてきたところでございますが、今後とも引き続き周知をしてまいりたいと考えてございます。

○副議長(やながわ妙子) 以上で若林しげお議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

午後3時32分休憩

 

午後3時55分開議

○議長(伊東しんじ) 会議を再開いたします。

 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 むとう 有 子

 1 富山型デイサービスの実施について

 2 出前講座の実施について

 3 災害対策について

 4 その他

 

○議長(伊東しんじ) むとう有子議員。

〔むとう有子議員登壇〕

○39番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見をもとに質疑いたします。

 1番目、富山型デイサービスの実施についてお尋ねいたします。

 8月に、全国から高い評価を受けている富山型デイサービスを視察してまいりました。富山型デイサービスは、1993年に3人の看護師さんが、法制度で分けるのではなく、ケアを必要とする全ての人たちを対象とする富山県内初の民間デイサービス事業所「このゆびとーまれ」を創業したことにより誕生しました。民家を改修した小規模な建物で、年齢や障がいの有無などで対象者を限定せず、地域の身近な場所で、誰もにデイサービスを提供した「このゆびとーまれ」は、既存の縦割り福祉にはない、多機能で柔軟なケアサービスの形として、開設当初から全国的な注目を集めました。小規模ゆえに家庭的な雰囲気の中で、利用者が自然体で過ごせることや個々の状況に合わせたきめ細かい介護が受けられること、利用者を限定しないため、お年寄りが小さな子どもを見守り、障がいのある方がスタッフのお手伝いをするなど、日常の生活がそこにはあります。また、徘徊を繰り返していた高齢者が、毎日来る赤ちゃんを見て、徐々に落ち着き、会話も自然に出てくるなど、さまざまな相乗効果を生み出し、地域に根づいた利用者本位のサービスが実現しています。富山型デイサービスは、8月末現在、県内で111事業所に広がっています。さらなる拡充を図るために、富山型デイサービス企業家育成講座も実施されています。

 運営面では、国の構造改革特区制度を活用し、2003年「富山型デイサービス推進特区」の認定を受け、介護保険法による指定通所介護事業所での知的障がい児及び障がい者の受け入れや身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法による指定デイサービス事業所での障がい児の受け入れが可能となりました。さらに、2006年、富山型福祉サービス推進特区の認定を受け、介護保険の小規模多機能型居宅介護事業所における障がい児及び障がい者の生活介護、自立訓練、児童デイサービスなどの通所サービスと短期入所の宿泊サービスが可能となりました。この二つの特例措置により、高齢者と同じ空間で家庭的なサービスを受ける障がい児及び障がい者にも公的制度が適用されることになり、身近な地域で区別なく福祉サービスを提供する「富山型地域共生福祉」が、県内に広く普及しました。その成果を鑑み、富山型デイサービス推進特区の特例措置は2006年から、また、富山型福祉サービス推進特区の中の通所サービスは2010年から、宿泊サービスは2011年から、児童発達支援放課後等デイサービスは2013年から、全国で実施が可能となりました。

 さらに、2013年度からは「とやま地域共生型福祉推進特区」の特例措置により、富山型デイサービス事業所を活用した障がい者の就労支援事業や共生型グループホームの開設を進めるなど、富山県の福祉は発展し続けています。年齢や障がいの有無に関係なく、ともに暮らせるまちづくりを積極的に進める富山県の姿勢に深い感銘を受けました。

 さて、2012年6月、23区で初めて江戸川区が場を無料提供し、富山型デイサービス事業をNPO法人が実施しています。赤ちゃんからお年寄りまで、障がいのある人もない人も、さまざまな人たちが集まり、大家族のような楽しいデイサービス事業が実施されているようです。中野区でも過去に、富山県の取り組みを紹介された議員の方がおられ、高齢者施設での障がい児及び障がい者のショートステイがささやかながら実現されています。しかし、その後、富山型デイサービスに近づく事業展開はなされていません。富山型デイサービスについて、区はどのような認識をお持ちなのでしょうか。お答えください。

 ぜひ、これまでの福祉行政の枠にとらわれず、富山型デイサービス事業の実施に向けた検討を始められてはいかがでしょうか。区の見解をお答えください。

 次に、出前講座の実施についてお尋ねいたします。

 富山市では、出前講座も視察してまいりました。出前講座は、市民団体の要請に基づき、市職員を派遣し、各種講座を行い、市政への理解を深め、市民の学習活動の支援を図るとともに、市民の意見を市政に反映させることを目的に2002年に開始されました。それまで、消費者講座や防災講座など部分的に行っていたものを、各部を網羅し、市役所出前講座として一つの事業にまとめたものです。講座内容は、毎年市民の意見を聞きつつ検討し、講座数は年々増加し、2014年度は146に及んでいます。

 講座名を少し御紹介いたします。議会の仕組み、暮らしと市税、障がい福祉、介護保険、子育て支援、ごみの分け方出し方、救命講座など、市役所らしい講座から、健康的なお酒の飲み方、かさかさお肌のスキンケア、富山競輪の楽しみ方などまで、バラエティーに富んでいます。開催日は、年末年始の休日を除く、毎日午前9時から午後9時までの中で受け付けています。2013年度の開催数は、1,218講座、受講者数3万6,591人と、年々増加しています。講座の実施により、職員自身も知識が身につき、説明力が高まり、市民との信頼関係も深められたとのことです。通常の仕事の合間に積極的に市民の要請に応える職員の姿勢がすばらしいと思いました。富山市も財政は厳しく、職員数に余裕があるわけではないと伺いました。区が日時を決めて行う説明会とは違い、区民の要望に合わせた内容と日時に職員が出向くという出前講座は、市民にとって市役所行政が身近になる有意義な事業であると思いました。中野区においても、消費者センターやすこやか福祉センター、ごみゼロ推進分野や選挙管理委員会、企画分野などで出前講座を行っているようですが、区全体での出前講座の実施状況を把握し、取りまとめを行っている部署はあるのでしょうか、お答えください。

 それぞれが行っている出前講座を富山市のように各部を網羅する一つの事業としてまとめ上げ、システム化した区役所出前講座を実施してはいかがでしょうか、見解をお答えください。

 最後に、災害対策についてお尋ねいたします。

 8月20日に広島市で発生した豪雨による大規模な土砂災害で73人のとうとい命が失われました。中野区においても集中豪雨が発生する可能性は十分あり、洪水ハザードマップを再度配布されることは注意喚起となり、よいことです。

 さて、中野区には約1万2,000人の外国人が暮らしています。総務省は、多文化共生の推進に関する研究会報告2007年の中で、2012年東京都も「災害時における外国人への情報提供~東日本大震災の経験を踏まえて~」の中で、災害情報の伝達方法として、「やさしい日本語」を提案しています。豊橋市では、災害情報をやさしい日本語で言いかえるワークショップを実施するなど、さまざまな自治体でこの動きが活発化しています。このたび再配布するマップは、2002年に作成されたものであるため、状況の変化もあり、説明文を添付されるそうですが、その際、障がい者や高齢者、外国人の方々にもわかりやすく読みやすい説明文となるよう、やさしい日本語を使用するなど、工夫されるよう求めます。いかがでしょうか、お答えください。

 さて、中野区には、山はありませんが、地域防災計画別冊資料によりますと、急傾斜地崩壊危険箇所として、自然斜面3カ所、人工斜面11カ所が挙げられています。上高田四・五丁目、中央一丁目、南台五丁目、弥生町五・六丁目、本町五丁目、東中野五丁目、松が丘一・二丁目に、その崩壊危険箇所があります。何かの折に点検はしているものの、定期的な点検調査は行われていないと伺いました。広島土砂災害を教訓にし、区が急傾斜地崩壊危険箇所と認識している14カ所については、定期的な点検調査をするべきではないでしょうか、区の見解をお答えください。

 障がいがあってもなくても、年老いても、住み続けられる福祉の実現を目指し、誠意ある答弁を求め、質問を終わります。

〔区民サービス管理部長白土純登壇〕

○区民サービス管理部長(白土純) 私からは、富山型デイサービスの実施に関する御質問にお答えをいたします。

 高齢者、障害者、障害児が一緒に過ごす高齢者のデイサービス等の施設につきましては、今のところ事業者や利用者からのニーズもないことから、実施に向けた検討を行う予定はございません。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは、出前講座の実施等についてお答えいたします。

 出前講座でございますが、個別の所管で実施しています講座については把握してございますが、全体的な集計は行ってございません。

 次に、出前講座の実施についてでございますが、費用対効果など、各所管の判断になりますが、出前講座の周知につきましては、生涯学習スポーツガイドブック、もしくは区のホームページで一覧を掲載するなど、検討してまいりたいと思います。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

〇都市基盤部長(尾﨑孝) 防災対策についての御質問にお答えいたします。

 配布するハザードマップの説明文章についてでございますけれども、配布するハザードマップに添付する説明文につきましては、わかりやすい図面や用語を用いるなど工夫してまいりたいと考えております。

 次に、急傾斜地崩壊危険箇所の定期的な点検についての御質問でございます。急傾斜地崩壊危険箇所とは、国の定めにより、傾斜度30度以上、高さ5メートル以上の傾斜地であるものを言い、危険度の度合いをあらわすものではございません。点検につきましては、大雨時や道路点検時にあわせて、一定の頻度で行っているところでございます。

〔むとう有子議員登壇〕

〇39番(むとう有子) 再質問をさせていただきたいと思います。

 富山型デイサービスについてなんですけれども、ニーズがないので検討はしないというお答えでしたけれども、ニーズがあるのかないのかは、どのように調査されたのかなという疑問も残ります。

 私は、1問目で、区はこの富山型デイサービスについてどのような認識をお持ちですかと質問いたしましたけれども、それについての御答弁がございませんでした。再度お尋ねいたします。お答えください。

〔区民サービス管理部長白土純登壇〕

○区民サービス管理部長(白土純) 御質問の施設につきましては、メリットもある反面、課題もあり、今のところ中野区ではニーズはないものと認識しております。

〇議長(伊東しんじ) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 近 藤 さえ子

 1 青少年の健全育成について

  (1)社会を明るくする運動について

  (2)要保護児童対策地域協議会について

  (3)相談事業の充実について

 2 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、近藤さえ子議員。

〔近藤さえ子議員登壇〕

○29番(近藤さえ子) 無所属の近藤さえ子です。

 青少年の健全育成について伺います。

 まず、一番初めに、社会を明るくする運動について。

 社会を明るくする運動は、戦後間もない昭和24年につくられた更正保護制度と銀座の商店街の店主有志が保護少年更正のための資金集め活動(銀座フェアー)に代表される矯正保護キャンペーンとが一緒になった運動で、ことしで64回目、全ての国民が犯罪、非行の防止と、過ちを犯した人の更正について理解を深め、それぞれの立場で力を合わせ、犯罪や非行のない安全で安心な地域社会を築くための全国的な運動です。つまり、もとは非行や犯罪を犯した少年たちを更正させることを主体に置いた運動ということです。中野区でも、保護司の皆さんが中心になり、毎年行われ、私も毎年地元の活動に参加しています。

 ことしの地元の地区の社会を明るくする運動の集いでは、小学校の女性校長が、自身の子育て中の悩み、子どもが問題行動を起こしたときのかかわり方等について語られ、子育てはいつもうまくいくとは限らない、誰かが誰かを許すこと、子どもに我慢させること、褒めること、大人が落ち着いて対応することなど、大切なことを話されました。仕事をしながら子育てをする多くの母親たちが経験する子育ての一般的な話のようでもありますが、校長という社会的立場の女性が、自分たちと同じように子育てに悩み、苦労されたことを知り、参加者からは大変好評でした。

 このように、保護司の皆さんがPTAや地域の皆さんの心に響くよう、毎年この運動を企画されています。これまでも、かつての非行少年の話、被害者遺族の話等を通じ、運動の意義を理解してもらい、ともに安心で安全な社会を築いていくことを目指してきました。保護司の皆様は、大変な御苦労で、その一端がうかがえるのはアンケートの中に昨年から、「もし依頼があれば、あなたは保護司を務められますか」という趣旨の設問が設けられたことです。今後を引き継いでいく地域の保護司の育成という課題も見えてきました。

 さきにも述べましたが、そもそもこの運動は、加害者の更正を目的としています。法務省は、今回のキャンペーンも「おかえり」とし、罪を犯した人も刑が終わったときに地域で支えていく考え方を打ち出しています。しかし、ことしの社会を明るくする運動には、昨年とは大きく違う部分がありました。新作のビデオの中にも、保護司会だより「なかの」の東京保護観察所荒木所長の言葉の中にも、犯罪被害の現実に目を向け、そこから犯罪を起こさない社会をつくることが大事であることがうたわれていました。再犯を何としても食いとめたいという思いから、反省なくして更正なしということを国が声を大にして言い始めたのです。

 会の終わりに、中学生による元気なブラスバンドの演奏がありました。未来を夢見る子どもたちの希望に満ちた姿を見るたび、この子たちが被害者にも加害者にもならないよう、安全で安心して暮らせる社会をつくることが大人の責任であると感じます。インターネットを通じての犯罪、お母さん助けて詐欺、危険ハーブ等、たくさんの犯罪が今の子どもたちのすぐ隣にあります。加害者の低年齢化も目立ちます。まずは、親が自分の子どもを加害者にしない努力をしていくこと、子育てに困っている人がいれば、皆で支え合っていく。社会を明るくする運動は、何か特別なことをするのではなく、毎日の私たちの普通の暮らしの中にある活動を地域で確認していく運動ではないかと私は理解しています。法務省管轄の社会を明るくする運動が、中野区では子ども教育部管轄となっています。この運動を子ども教育部が所管している理由、意義を教えてください。

 2番目に、次に、要保護児童対策地域協議会について伺います。

 中野区次世代育成支援行動計画、平成25年度事業実績によれば、1年間に新たに発生した子どもの虐待の件数は60件と、前年度より30件の減少となっています。その要因の一つには、子ども家庭支援センターとすこやか福祉センターの連携強化、要保護児童対策地域協議会の充実等があるとなっています。虐待対応において要保護児童対策地域協議会のどのような取り組みが効果に結びついたのでしょうか。

 ことし7月、長崎県佐世保市で女子高校生が同級生を殺害する凄惨な事件がありました。マスコミや関係機関によれば、加害者の高校生は小学校のときから問題行動があり、事件の直前にも問題行動を起こし、保護者が入院の措置を考え、児童相談所に電話もかけていたと言います。虐待等を含む子どもたちが犠牲になる事件が起こるたびに、必ず周りの誰かが徴候を感じているケースが多く、なぜ防げなかったのかといつも悔やまれます。このような悲しい事件を防ぐために大事なことは、子どものサインを見逃さない組織をつくることであると言われます。そして現在、そのために活用されることを最も期待されている組織が要保護児童対策地域協議会です。この協議会は、児童虐待防止のためのネットワークから発展し、法制化され、10年が経過し、虐待だけではなく、非行等の要保護児童も対象となっています。子どもが出しているサインに対して、対応が後手に回らないためには、異なる機関が個別のケースについて協議の場を持つ必要があり、それぞれの機関のさらなる調整が必要です。中野区では、非行等の個別ケースに要保護児童対策地域協議会はどのように対応しているのでしょうか。

 少年犯罪と向き合ってきた方々は、地域での要保護児童への組織的な介入が虐待事案を防ぐだけではなく、他の要保護児童の成長過程においても大切であり、要保護児童対策地域協議会の重要性、果たすべき役割は大きいと言われています。中野区の方針、課題等があれば教えてください。

 次に、相談事業の充実について伺います。

 中学校PTA連合会から、教育環境及び施設・整備の改善要望書を毎年いただきます。その中には、繰り返し要求される同じ要望が幾つかあります。つまり、何度要望を出しても改善されないということです。その要望の一つは、教育相談室の外線着信可能な独立回線を求めるもので、何年も前から繰り返し繰り返し出されています。独立回線を受け入れられない理由について、教育委員会に伺うと、直接回線にすると別の相談中に外線が入ってきて相談が中断するなどの理由が挙げられています。

 しかし、学校の内線経由でかかってきた電話でも別の相談中であれば状況は同じです。学校側とは、相談活動が円滑に行われるよう、ルールを決めて、体制づくりがされているのに、保護者とはルールづくりができないのでしょうか。相談中は、他の電話がかかってきても速やかに切る等のルールを決めておけば、電話が内線だろうが外線だろうが、問題はクリアできるはずです。

 教育相談室が外線を受け入れられないとして挙げている他の理由も、保護者とカウンセラーとのルールづくりによって解決できるものが多くあります。毎年出されている外線着信可能な独立回線の設置を希望する保護者に対し、教育委員会は、誠意を持って答えているようには思えません。中P連は、教育委員会、学校、地域の皆さんとともに、全中野区の中学校のことや子どもたちのことを考え、一生懸命行動している方々です。中P連の協力なしにして、子どもたちの健全育成はないでしょう。その皆さんが悩みを抱え、直接カウンセラーに相談したいと要望しているのです。中P連の皆様が、納得する説明を求めます。なぜ外線着信可能な電話回線を引くことができないのでしょうか。

 また、どうしても直接外線での受け付けができないのであれば、学校を通さずに専門家に直接相談したいと希望する親たちに対し、別の相談機関の紹介をするなど、悩みを抱える保護者に寄り添う解決策を提案していただきたいと思います。

 例えば、練馬にある「ねりま青少年心理相談室」などでは、非行問題で悩む親に対して専門家が丁寧に相談に乗ってくれます。学校で何か問題が起こったとき、真っ先に動いていただくのはいつでもPTAの皆さんです。その皆さんが、カウンセラーへ直接、直通で悩みを相談したいとおっしゃっているのですから、外線着信可能な電話回線の設置をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 これで質問は終わります。ありがとうございます。

〔教育長田辺裕子登壇〕

〇教育長(田辺裕子) 青少年の健全育成について、教育相談室への直通電話についての御質問がございました。

 教育相談室への電話の御要望につきましては、電話については、相談の予約のためのもので、電話で相談を受けているわけではなく、あくまでも電話をして相談を受けることになってございます。現在、教育相談室への電話は、名乗らなくても電話を相談室へ取り次ぐ形で、相談者への匿名性を担保し、対応しているところでございます。

〔子ども教育部長奈良浩二登壇〕

〇子ども教育部長(奈良浩二) 私からは、社会を明るくする運動につきましてお答えをさせていただきます。

 子ども教育部が所管していることの意義といったことでございました。社会を明るくする運動につきましては、御質問にもございましたように、犯罪や非行防止、立ち直り支援に向けた地域社会の理解と協力を得るための全国的な運動でありまして、中野区においても関連団体、機関等から構成される中野区推進委員会がさまざまな取り組みにより地域社会への啓発を行っているところでございます。子ども教育部では、子どもの健やかな育ちを見守り、支援する地域づくりを目指しており、こうした観点からも、社会を明るくする運動による啓発活動は意義があるものと認識してございます。

 それから、要保護児童対策地域協議会に関連して御質問がございました。まず、虐待の対応についてでございます。子どもにかかわる関係機関で構成をされております中野区要保護児童対策地域協議会では、児童福祉法に基づき、虐待ケースや養育支援ケースにかかわる個人情報の共有を行い、構成員の間で必要な情報交換を行うとともに、支援の内容に関する協議を行っておりまして、中野区子ども家庭支援センターが事務局を担っているところでございます。虐待通告を受けた場合は、子ども家庭支援センターが虐待の状況を詳細に把握するため、協議会の構成員であります関係機関に対して関連情報の提供を求め、職員が被虐待児童の目視による確認を原則48時間以内に行うこととしてございます。その上で虐待者との面接によりまして事実確認を行い、その背景や原因と考えられる子育ての不安などを聞き取り、必要に応じて児童相談所への援助要請、送致を行っているところでございます。中野区要保護児童対策地域協議会の存在によりまして、関係機関の連携が図られ、虐待への対応が適切に行われていると認識してございます。

 また、同協議会に関連して、非行の対応ということでございましたが、非行につきましては、保護者からの相談があった場合、状況の確認とともに在籍校への相談の有無を確認し、助言内容を参考に、より専門性の高い新宿少年センターや児童相談所等を紹介しているところでございます。

 また、今後に向けましては、子ども家庭支援センターでは、虐待や非行などのケースの情報収集や子育て支援サービスを活用したケース対応などを行い、一時保護が必要な場合など、児童相談所につないでいるところでございます。

 年々虐待通告が増加しておりまして、中野区要保護児童対策地域協議会の役割はますます重要になっているところでございます。今後とも協議会を活用して関係機関の連携を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

〔近藤さえ子議員登壇〕

〇29番(近藤さえ子) 再質問させていただきます。

 中P連の皆様も、その匿名性を担保していることとかは重々わかっていますけれども、直接外線を受け付けていただきたい。なぜ外線着信可能な電話回線を引くことができないのかというところがお答えがなかったようなので、お願いいたします。

〔教育長田辺裕子登壇〕

〇教育長(田辺裕子) 教育相談室への直通電話の再質問にお答えいたします。

 各学校では、個別の部屋に直通電話というのをなかなか置いていないという状況がございます。全体の対応を見ながら、今後、その相談内容等についても検証しながら、使い勝手等を検証していきたいというふうに考えてございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 いながき じゅん子

 1 ふるさと納税について

 2 ひきこもり支援について

 3 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、いながきじゅん子議員。

〔いながきじゅん子議員登壇〕

○17番(いながきじゅん子) 無所属の、いながきじゅん子でございます。

 まず、ふるさと納税について伺います。

 公明党の白井議員も以前質問されていましたこの「ふるさと納税」は、その言葉のイメージからどうしても都市部に住む人が自分の生まれ故郷の地方の自治体に税金を納めることだと思われがちですが、実際は、生まれ故郷に限らず、自分が好きな都道府県や市区町村に寄附ができ、その結果、税金が控除されるという制度です。今現在は、このふるさと納税制度を利用して2,000円以上の寄附をした場合、所得税や住民税の控除を受けられることになっていますが、先月、政府が来年度からこの控除額をさらに拡充し、手続も簡素化する方針との報道がありました。これが予定どおりに実施され、税控除が住民税に一本化されて、上限額が2倍となり、これまで必要だった確定申告も不要となれば、利用者がさらに増えることが予想されます。

 さて、このふるさと納税制度が拡充され、利用者が増えた場合、中野区への影響はどのようになるのでしょうか。

 平成25年にこの制度を利用して区外に寄附をした中野区民の方はおよそ810人、結果、本来区民税としてカウントされるはずだった2,300万円程度が他の自治体に流出した形となっています。逆に、区外から中野区に対して寄附をしてくださった方は5名で、出て行った額のほうが多い状況です。既にインターネット上には、このふるさと納税関連の情報サイトがさまざま出ておりまして、各地方自治体がかなり積極的にPRを行っております。地域の特産品をはじめとした非常に豪華な特典をプレゼントしている自治体も多く、今後、税の控除額と特典を合わせた額が寄附額を余裕で超えるケースも増えてくると思われます。

 一方、中野区が現在どのような特典をつけているかといいますと、希望者に感謝状が送られるのみです。このままでは、他の自治体へ寄附する区民に比べて、区への寄附者はあまり増えず、区税の減収幅が拡大するだけになってしまうのではないでしょうか。寄附額を超えるような高価な特典を安易につけることがよいとも思えませんが、区は何もしないで手をこまねいているだけではなく、区への関心や寄附金を集める努力と工夫をすべきだと考えます。

 中野区は、入れ替りの激しい土地柄であり、出身者も含め一度は住んだことがあるという区外在住者の方の数はそれなりに多いはずです。さらに、「住んでよかった街ランキング」で1位をとったこともあるということは、中野を離れ、他の自治体に住んでいる今でも、区に対して好感を持ってくださっている方が一定数いるということであり、やり方次第でこういった層もうまく取り込んでいけるのではないでしょうか。

 ふるさと納税の主要ポータルサイトの中野区のページを見てみましたが、アピールポイントは、使い道が多少選べる程度であり、PR文も堅苦しく、残念ながらここに寄附したいと思えるような内容とはなっていないと思いました。船橋市では、有名キャラクター「ふなっしー」グッズを特典につけたところ、寄附金が大幅に増えたそうですが、キャラクターを使う、使わないはさておき、ふるさと納税制度の認知度が徐々に高まる中、来年度から税控除額が拡充される可能性も高いということで、区外からの寄附金を増やす方策を考え、早急に実行すべきだと考えます。

 特典の内容も大切かもしれませんが、いかにみんなが寄附したくなるような魅力的な施策、魅力的なまちづくりを打ち出し、それを効果的に情報発信できるかも鍵となるのではないでしょうか。これはまさに、区のシティセールス戦略そのものであり、その戦略の成果が区外からの寄附額の増加につながるとも考えます。もちろんその成果は区内にも波及し、区民からの寄附金も増える効果も期待できます。

 そこで改めて伺います。ふるさと納税制度における区の現状について、区はどのように認識されていますでしょうか。また、今後、何らかの対応策を考えていらっしゃるのかどうか、見解をお示しください。

 続きまして、「ひきこもり支援」について伺います。

 昨年の本会議の一般質問の際にも申し上げましたが、中野区の15歳から39歳までの青少年人口を国の推計による出現率1.79%で算出すると、区内のひきこもりの人数は、2,117名という推計値となっております。ただ、これは15歳から39歳までと年齢を限定していることもあり、それ以外の年齢の方々を加えますと、実際にはこれより多くのひきこもりの方が区内に存在していると推測できます。

 東京都町田市では、今年度よりひきこもり者支援体制推進事業というものを開始していますが、それに先駆け、昨年、若年者の自立に関する調査を行っています。市内在住の20歳から64歳までの市民2,000名を無作為に抽出して行ったこの調査によりますと、本人または家族がひきこもりであると答えた人が、回答者全体の5.5%だったそうです。20人に1人がひきこもりということで、これは決して少なくない数字だと言えます。

 なお、町田市の同調査で、近所の人、親戚、知人の中にひきこもり状態の人がいると回答した人は、23.7%にも上ります。これらの数字もあわせて考えますと、やはり中野区内にも潜在的にかなりの数のひきこもりの方がいらっしゃることが予測できます。

 この問題につきましては、国や東京都のほうでも取り組みを強化しており、都では今年度から東京都ひきこもりサポートネットの電話とメールによる相談に加え、訪問相談事業を開始しています。区の対応としては、区内4か所のすこやか福祉センターで相談を受け付け、この東京都のサポートネットをはじめとする各支援団体につなぐというのが基本だそうですが、それで十分なのでしょうか。場合によっては、同センターの保健師さんが家庭訪問する場合もあるそうですが、保健師さんは、どちらかといえば医療系の知識や技術を持ち、精神に障害があるわけではないグレーゾーンの方々が多いひきこもりの方やその御家族への対応については、専門家でないため十分なケアができるとは限りません。

 また、同すこやか福祉センターへの25年度の相談件数の実績は105件だったということですが、今年度からSTEPというひきこもり等支援事業を開始した文京区では、事業立ち上げから5か月間の相談件数が287件に上っています。また、平成20年から、東京都のモデル事業として、このひきこもり問題に取り組んできた足立区では、モデル事業終了後もNPOと連携し、この問題に対応していますが、平成25年度の相談件数は1,466件だったということでした。中野区の相談件数が少なめなのは、これらの区のように相談窓口が明確ではなく、相談したくともどこに行ってよいかわからない、区に相談してもどうにもならない、と思っている人やその御家族がまだまだいるということなのではないでしょうか。もちろん、家にひきこもっていても、経済面を含め特に問題がない世帯もあるでしょうし、区の相談窓口ではなく、専門の支援団体に直接相談している方々もいらっしゃるでしょうが、区の体制が現状のままでよいとは思えません。昨今は、ひきこもりの長期化と、それに伴う本人やその家族の高齢化による問題が徐々に顕在化してきています。例えば年老いた親を虐待したり、放置してしまったりというケースです。また、40代、50代になってからの自立、社会復帰は、かなり難しいため、早期支援の重要性が今後ますます高まってくると考えます。

 区は、誰もが安心して暮らすことのできる地域をつくるため、町会・自治会などの地域団体や民生・児童委員、事業者などの皆さんと協力し、地域での支えあい活動を進めていると言っています。高齢者や障害者、子どもだけではなく、そのはざまにあるひきもりの人たちやその家族も対象に加え、東京都にはできない現場の問題の把握と地域ぐるみの支援に取り組むべきではないでしょうか。

 また、ひきこもりの問題は、さまざまな部署にまたがる複合的なケースが多いため、4つのすこやか福祉センターがそれぞればらばらに相談を受けて終わりという現状を改め、ひきこもり支援を専門とするNPOなどの外郭団体との連携や、他部署とのコーディネートを担う事務局的役割を果たす担当分野を明確にし、事業化すべきだと考えます。これらについて区の見解をお示しください。

 区長は、今年6月の所信表明で、新たな時代を切り開くために必要なのは、全員参加型社会の実現であり、そのためには女性や高齢者、障害者、これまで働く場に参加できなかった若者など、全ての人々に意欲と能力に応じた多様な働きの場が用意され、あるいは社会貢献できる機会が得られる社会の構築が不可欠です、とおっしゃいました。このようなひきこもりの方々で、希望する人たちに対しても、ぜひそのような場に参加できる機会づくり、そして社会づくりの後押しをお願いし、私の質問を終了いたします。ありがとうございました。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(高橋信一) 私からは、ふるさと納税についてお答えいたします。

 ふるさと納税の制度でございますが、都市と地方の税収の格差を理由に導入された制度だと認識しているところでございます。

 一方で、ふるさと納税には、行政サービスを受ける住民が税を負担する受益者負担の原則から逸脱するという見方もあるところでございます。現在、進めてございますさまざまなまちづくりの取り組みや都市観光とか産業振興の事業等によって、一定のアピール効果があると考えているところでございます。

 また、地域支えあいの取り組みや安全・安心のまちづくりなど、持続可能な都市づくりの推進で区民、区政への信頼を強くしていくことが肝要というふうに考えてございます。

〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕

○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) 私からは、ひきこもり支援につきましての御質問にお答えをいたします。

 まず、東京都でできない現場の問題の把握といったお尋ねでございました。すこやか福祉センターの総合相談などで、さまざまな要因によりひきこもりとなった区民の方を適切に把握いたしまして、民生・児童委員や関係部署と連携しつつ対応しているところでございます。

 それから、ひきこもり対応の充実について、というお尋ねでございます。心理相談を行っているすこやか福祉センターにおきまして、まず、一時的な相談対応を行ってございます。東京都のひきこもりサポートネットが実施している訪問相談事業につきましても、すこやか福祉センター等で受け付けを行ってございます。

 それから、担当部署の明確化というようなお尋ねでございました。相談から得られた必要な取り組みに応じまして、例えばですが、生活困窮者の自立支援につきましては生活援護担当で行うなど、ニーズに応じ適切な対応をしてきております。また、ひきこもり相談の対応につきましては、関連部署や関係機関とも十分連携をいたしまして、円滑な対応に向けてさらに区民の方々にわかりやすいPRなど、周知を図ってまいりたいと考えてございます。

○議長(伊東しんじ) 以上でいながきじゅん子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 林   まさみ

 1 平成25年度決算について

 2 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、林まさみ議員。

〔林まさみ議員登壇〕

○18番(林まさみ) 平成26年第3回定例会に際しまして、一般質問いたします。

 まず、平成25年度決算について伺います。

 平成25年度決算については、決算特別委員会で詳細に質疑されますので、ここでは決算のうち将来世代への負担となる中野区の公債費の現状について伺います。

 平成25年の決算額は、歳入総額が1,153億8,300万円余、歳出総額が1,124億9,100万円余となっており、実質収支も18億2,300万円余の黒字となっています。この結果、実質単年度収支は、財政運営上の非常事態に陥った平成22年度以来、3年ぶりの黒字運営となり、一服した状況となりました。

 しかしながら、築50年、60年となる区有施設の建て替えや、少子高齢化による社会状況に対応しながら区民サービスを適切に執行しつつ、10年、20年先の将来を見越した財政運営を行わなければなりません。そのためにも、将来負担への適切な対応が必要と考えます。中野区では、厳格な財務規律を保持するとし、予算段階で一般財源に占める公債費の割合を公債費負担比率(中野区方式)として算出し、平成16年から10%程度に抑制しています。しかし、中野区独自の公債費負担比率を10%に抑制しても、地方公共団体の財政健全化に関する法律に基づく都内区市町村等の健全化判断比率のうち、実質公債費比率は近年増加傾向にあります。実質公債費比率とは、全会計と一部事務組合を合わせた公債費のうち、区が負担する部分が標準財政規模に占める割合で、早期健全化基準として25%としていますが、全国の全ての地方自治体が対象であるため、25%の基準ではなく、23区特別区で比較することが必要です。中野区の平成24年度の実質公債費比率は4.7%で、23区中一番高い状況です。一番低い江戸川区と杉並区はマイナス5.2%であることから、中野区との差は約10ポイントとなります。中野区の次に高いのは豊島区の3.6%、台東区と千代田区の2.7%であり、4%以上は中野区だけです。その上、25年度も中野区は5.8%と、1.1ポイントも増加しています。実質公債費比率の推移を見ると、例えば平成19年に10%を超えていた目黒区、豊島区ともに2.3%、3.6%とするなど、22区全てがこの6年間で毎年確実に縮小させていますが、中野区だけ平成23年から上昇傾向となっています。

 また、23区特別区の平均を見ると、平成23年には0.0%、24年にはマイナス0.7%と、23区中13区がマイナスの比率としています。東京都総務局にこのマイナスの要因を聞いたところ、公債費が各区減ってきているためであり、現在の経済状況であれば、今後も減少傾向にあると考えられるそうです。

 次に、中野区の数値を市町村と比較すると、市平均の2.2%の2倍以上であり、東久留米市の4.6%、檜原村の4.8%と同水準となっています。

 また、23年と比較して0.9ポイントも増えた自治体は、市町村にもなく、中野区の次に増加したのは0.7ポイント増の小笠原村となっています。

 そこで伺います。中野区では、(仮称)本町五丁目公園用地や南部防災公園用地取得など、区はこれまで、まちづくりの推進に必要な用地を区債を発行して取得してきた影響により、実質公債費比率は平成23年、24年と、23区で一番高くなっていること。また、実質公債費比率の23区平均はマイナス0.7%となっており、22区では平成19年から年々減少傾向にある中、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)改定後の平成23年から中野だけ増加に転じていること。これらの現状について、区としてどのように認識しているのでしょうか。

 中野区では、中野駅前開発事業や区庁舎建て替えなど、起債を活用した事業が次々予定されており、実質公債費比率が増える傾向にあると考えられますが、超少子高齢化社会の財政事情に備えるために、中野区でも将来世代に過度の負担となるようなことのないよう、実質公債費比率を減らしていくべきと考えます。区の見解を伺います。

 東京新聞2月5日、団塊の世代が75歳になる2025年問題についての記事がありました。記事によると、25年を境に75歳以上の人口は2,200万人超で高止まりします。現役世代が減少するため、60年には4人に1人が75歳以上という超高齢化社会になるため、現役世代の負担が急激に増えます。特に医療・介護リスクは深刻です。

 高齢になれば、疾病などにかかるリスクも高まります。生涯医療費の推移を見ると、75から79歳でピークを迎え、70歳以降に生涯の医療費の約半分がかかります。介護は要介護(要支援)になるリスクは75歳から上昇し、85から89歳では半数が要介護の認定を受けています。また、認知症高齢者も25年には470万人になると推計されています。社会保障と税の一体改革時の推計では、12年と25年(改革後)の給付費をGDPで見ると、年金は11.2%から9.9%に下落します。

 一方、医療は7.3%から8.9%へ上昇、介護は1.8%から3.2%へほぼ倍増する見込みで、介護・医療の負担と給付が大きな問題であることがわかります。このため、高齢者の保険料負担を見ても、後期高齢者医療は月5,400円から6,500円へ上昇します。また、介護では月約5,000円が8,200円になります。介護保険料は、月5,000円が負担の限界とも言われ、深刻な問題です。高齢世代だけではなく、現役世代の負担も重くなります。そこで、消費税率の引き上げが行われていますが、増税と給付削減は若年世代ほど負担が重く、高齢者になったときに給付が十分でないという結果にもなりかねません。

 また、2025年問題は、単年で終わる話ではありません。そのためにも、行政として長期的な財政計画等が必要となります。

 以上のことから、2025年に必ず到来する超高齢化社会、人口減少社会による75歳以上の高齢化人口の高止まりと、現役世代である生産年齢人口の減少から、歳入の減少、歳出の増加が予測できますが、それらの影響を区としてどの程度あると考えているのか伺います。

 第2回定例会の一般質問では、「10年後に必ず来る超少子高齢化時代による財政事情に備える必要がある」との質問に対して、「厳格な財務規律を保持しながら、しっかりとした財政運営に今後とも取り組んでまいります」という答弁をされましたが、10年後に必ず来る超少子高齢化社会での社会保障費等の財政需要に対する対策についての答弁はありませんでした。

 千代田区では、地方公共団体の財政が悪化すると、各種事業の縮小や廃止、利用料の値上げなど、行政サービスの質の低下を余儀なくされる、そのようなことのないように、少子高齢化時代の歳入や社会保障費の伸びによる歳出の予測を出し、対策を示した財政レポートが、平成25年3月に策定されました。そのレポートに示された今後の見通しを見ると、生産年齢人口の減少のため、千代田区の特別区税は、平成29年には平成25年の1割減であることを明らかにし、社会保障費の伸びや区有施設の老朽化対策などに触れています。そして、将来にわたる安定した行政サービスを行うためのこれまで対策として、少子高齢化の進展や国と地方の厳しい財政状況から、将来世代による負担を可能な限り減らす取り組みが求められるとし、経常収支比率85%、人件費比率25%を上限とする数値目標を定めた「千代田区行財政改革に関する基本条例」を制定し、その結果、平成12年から地方債を発行せず、後年度負担をできる限り少なくする取り組みを推進しているそうです。また、行財政構造改革推進大綱を平成14年に策定し、経営的視点を持ち、区有施設の廃止や民営化、PFI方式による庁舎等建設などを行い、10年間で10億円の維持管理料の削減を実現したそうです。東京都駅前開発、秋葉原駅前開発、有楽町駅前開発を成功させ、財政状況が健全な千代田区でさえ、将来に対して危機感を持ち、対策を立てています。

 中野区においても、10年後の超少子高齢化社会による財政事情に備えるため、どのような対策を立てていくのか、区の見解を伺い、全ての質問を終わります。

〔経営室長竹内沖司登壇〕

○経営室長(竹内沖司) 私からは、実質公債費比率が増加していることについてどのように認識しているのかという御質問にお答えをいたします。

 中野区では、一般財源に占める公債費の割合について、減債基金を活用した中野区方式による公債費負担比率10%程度を上限として公債費の抑制を図っており、平成25年度は8.2%でございました。都市計画公園の用地費などにつきましては、特別区交付金で、財産費として需要額算定されることから、交付されました財産費相当額を減債基金に積み立て、将来の償還財源として確保するという健全な財政運営の取り組みを続けてきているところでございます。

 地方公共団体の財政の健全化に関する法律の実質公債費比率は、年によって増減がございます。この3年間は、(仮称)本町五丁目公園用地の取得などの影響により増加をしております。しかし、平成25年度の実質公債費比率は5.8%であり、早期健全化基準の25%を大きく下回っていることからも、問題ないというふうに考えてございます。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

〇政策室長(髙橋信一) 私からは、2025年度の歳入の予測等と、超少子高齢化に向けた対応についてお答えいたします。

 初めに、2025年度歳入歳出の予測についてでございます。平成26年7月の内閣府、中長期の経済財政に関する試算では、国の経済政策が着実に実現された場合、2013年度から2022年度の平均経済成長率は、実質2%程度になると見てございます。

 一方で、厚生労働省が平成24年3月に作成しました社会保障に係る費用の将来推計、この中では、2025年度において、GDPは1.3倍を見込むが、おっしゃるとおり、介護保険の給付は2.4倍、医療費は1.5倍、年金経費は1.1倍になりまして、社会保障費は大きく増加すると予想しており、さまざまな施策が必要だとしているところでございます。中野区の歳入等についてでございますが、一般的に、人口減少が進んだ場合、生産年齢人口の減少が進みまして、納税義務者数の減少が予測されます。特別区民税も減少すると推測できますが、区の施策によります地域活性化などによる税収増も考えられます。

 いずれにしろ、歳入歳出につきましては、将来的な考え方を持ちまして、行財政運営の基本的な考え方を堅持しながら、安定的な財政運営を目指していきたいと考えてございます。

 続きまして、超少子高齢化に向けた対応でございます。区としましては、持続可能な区政運営を進めるために、財務規律を守るとともに、一般財源に大きな影響を及ぼさないよう、国や都の交付金を最大限活用いたしまして、区民サービス向上に努めているところでございます。

 一方で、今後の生産年齢人口の減少社会に対応するためには、先ほど申しましたように、地域経済を活性させ、雇用を生み出し、経済循環をつくり出すことによりまして、来街者や居住者を増加させ、一般財源を増加させていく必要があるというふうに考えます。

 また、区民の年齢構成の変化に伴います区民ニーズを的確に捉え、サービスの向上を図るとともに、施設の維持管理費の圧縮、規模の適正化などによりまして、経常的な経費の削減を進めていくことを考えてございます。

〔林まさみ議員登壇〕

〇18番(林まさみ) 公債費比率について再質問いたします。

 中野区独自の公債費負担比率10%を守っていても、23区の中で一番高い実質公債費比率であること、そして、6年間、平成19年からずっと22区は減少傾向の中、中野だけ増加しているこの現状についてどう認識しているか伺いましたので、お答えください。

 あと、2問目の実質公債費比率を減らしていくべきと考えるがということに対してのお答えがなかったんですが、25%であるから減らさないということなのでしょうか。

 二つ再質問いたします。

〔経営室長竹内沖司登壇〕

○経営室長(竹内沖司) 先ほども御答弁いたしましたとおり、中野区方式によります公債費負担比率ということで、我々、これまで公債費の抑制を図って、基準として持って、見てきております。

 それから、この実質公債費比率につきましても、早期健全化基準が25%ということでいえば、25年度、今年度、5.8%でございます。これは毎年度、多くなったり少なくなったり、その年によっていろいろでございますけれども、この25%から大きく下回っていることから考えれば、財政運営上、問題はないというふうに考えております。

○議長(伊東しんじ) 以上で林まさみ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 石 坂 わたる

 1 若年性認知症を含む認知症の方や家族の支援について

 2 高齢者の福祉・介護について

 3 公務員や福祉事業所などの職員の連携について

 4 女性・高齢者・障がい者が活躍するソーシャルビジネスへの支援について

 5 災害対策について

 6 その他

 

○議長(伊東しんじ) 次に、石坂わたる議員。

〔石坂わたる議員登壇〕

○7番(石坂わたる) 質問いたします。

 1、若年性認知症を含む認知症の方や家族の支援について伺います。

 NHKによると、一昨年の1年間で認知症による徘徊などでの行方不明者が全国で9,607人、うち亡くなった方が351人もいたとのことです。認知症のはずはないと思いつつも不安に感じていることを本人や家族が気軽に相談できる場や機会を増やしたり、認知症だけでなく体のことや生活面での相談の場で、機会を逃すことなく必要に応じてさりげなく認知症の相談のケアにつなげられる工夫をすること、いまだ医療や福祉のサービスと接点のない高齢者に対して、専門的な認知症のケアにつながるような働きかけをすることや、町会・自治会の支えあい、見守り活動を担う方々や民生委員等に対して認知症の早期発見やその後のアプローチにつながるよう、区が周知や研修をはじめ、今まで以上により一層の専門的なバックアップをしていくことが必要であると思いますが、いかがでしょうか。

 また、働き盛りの若年性認知症の場合、一家の働き手を失い、経済的に行き詰まってしまう場合があります。同じ認知症でも、若年性の場合は高齢者向けの認知症デイケアでは、年代的にも内容的にもなじめないという区民の声を耳にします。

 65歳以上の認知症、40歳から64歳の介護保険が適用される若年性認知症、39歳以下の介護保険が適用されない若年性認知症のそれぞれの住民に対して、年齢やニーズも踏まえた上で、いつどこの窓口を利用したほうがいいのか、どのようなサービスが利用できるのかということをしっかりと周知し、必要に応じて支援の強化をしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。

 2、高齢者の福祉・介護について伺います。

 認知症に限らず介護や支援が必要な方への高齢者向けのサービスとして、従来の介護予防に加え、介護保険の要支援1、2の方へのホームヘルプサービスやデイケアについて、来年の4月以降、移行期間を経て区が担うことになります。認知症の方を含めた要支援の方への支援のあり方を整理したり、ちょっとの手助けがあれば大丈夫という方には、社会福祉協議会のほほえみサービスや、シルバー人材センター、その他民間の介護保険以外の福祉サービスの仕組みを利用しやすく、かつ利用に当たる経済的な負担を軽減するなどの方法も進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。

 3では、行政の縦割りや区の職員と業務委託や指定管理あるいは関連する民間の事業所・団体との連携について伺います。

 特に福祉関連では、責任の所在が不明確なことが住民の生活に大きな影響を与える場合があります。例えば高齢者に関しては、心身の状態が障害者に準ずる程度の要介護状態の場合、最初に訪れた窓口が区役所の障害福祉や介護保険の窓口か、あるいは民間に委託をしている地域包括支援センターのいずれかによって得られる情報やつながるサービスが異なるという声や、地域包括支援センター職員が障害者福祉や税控除の知識が不足をしていて、後で改めて自分で調べたら、もっと使えるものがあることがわかったという声を聞きます。

 また、障害に関しては、区の保健師と生活保護のワーカーと相談支援事業所がかかわっているケースで、「きちんとケース会議を行ってほしい」とお願いをしても、「それをうちがやるんですか」というふうに嫌がられた。子育て支援でも、障害のあるお子さんについて、個別支援計画会議を実施し、個別の教育支援計画を作成する際に、入学前から卒業後の支援も行うすこやか福祉センターと、学齢期の支援を担う教育委員会の間で誰が責任を持つのかがはっきりしないなど、区民や支援者等から耳にします。

 キーマン、キーパーソンとなる責任の所在を明らかにし、必要に応じて適切なところにつなぐという役割が、公務員や民間の福祉関係の事業所の職員には求められます。また、とりわけ公務員には、委託事業所への指導や委託事業者への職員が行う業務範囲の区民にわかりやすい形での明確化、障害者で高齢者といったような重複する部分についての調整などが求められるのではないでしょうか、お答えください。

 4、女性・高齢者・障がい者が活躍するソーシャルビジネスへの支援について伺います。

 ライフサポートビジネスを含むソーシャルビジネスや、その他のNPO法人等は、非営利や社会性という言葉尻から、ともすると行政の下請け、安価な担い手と思われがちでした。また、女性や高齢者、障がい者が社会的起業家となる場合、先入観から安い仕事をお願いしやすい存在と見られてしまいがちです。しかし、生活をかけた生業としてのビジネスで、生活を成り立たせることができないと、希望は不安や絶望へと変わってしまい、ひいては、ライフサポートとビジネス全体のムードをしぼませてしまうことにもなりかねません。

 中野区では、ライフサポートビジネスを区内産業の一つの柱としていますが、そこで働く人がきちんと生計を成り立たせることができるようにすることが必要ですし、行政の仕事の下請けや隙間を埋める存在ではなく、みずからニーズを把握、発掘し、事業として成り立つものにすることが必要です。中野区では、ライフサポートビジネスの起業を考える方に、そのきっかけを与えるための創造塾やコンテストの実施、3,000万円までの低利の融資を行っています。しかし、創造塾を受講した人のその後の後追いの調査はできていますでしょうか。実際に、順調な起業に結びついていますでしょうか。また、区内のライフサポートビジネス事業者の把握や先進的な事例、うまくいかなかった事例の原因究明といったケーススタディ、ビジネスプランの具体化や金融機関からの融資の得方などのより実践的なノウハウを伝える支援などが必要ではないでしょうか。

 また、企業のワーク・ライフ・バランスの取り組み事例については、区の男女共同参画センター情報誌「アンサンブル」で紹介をしています。ライフサポートビジネスについても、区内企業を含めた先進的な取り組みをピックアップして紹介をしていくなどの取り組みが求められます。いかがお考えでしょうか。

 また、女性によるライフサポートビジネスという観点で、産業振興センターに保育室があることの意義を教えてください。

 なお、従来この保育室を乳幼児親子向けのイベントスペースなどに利用されている子育て支援団体等の方々からも、どちらかが一方的に保育室を占有するのではなく、新たな利用者と譲り合って場の共有や共存をしていきたい。自分たちも保育室の使い方やおもちゃの管理など、できることがあればむしろ協力をしたいという声を聞いています。今後も、今までの利用者と新たに利用を希望される方々が保育室を共存できるよい活用方法を考えていただけますよう要望し、次の質問に移ります。

 5、災害対策について伺います。

 中野区では、今後の震災を含む災害に関して、さまざまな団体等と協定を締結しています。医師会では、災害に備えたマニュアルが綿密に整備をされているようですが、他の協定先についてはどうでしょうか。ただ協定を結んでおしまいではなく、日ごろから物資の情報の確認や災害時にどのように動くのかなど、物資のチェックや手順のマニュアル化について区も関与し、マニュアルづくりの支援などを行うことが必要と思いますが、いかがでしょうか。

 次に、水害についてです。水害について、環七の地下にある貯水池などのおかげで、ことしも今のところ河川の大きな氾濫などがなく済んでいます。

 しかし、ここ数年、従来の想定以上の大雨が多くなり、下水道の水が地上に吹き出す内水氾濫への備えも重要となっています。町中に水があふれ出したときに、家を守る方法としては土のうがあります。しかし、区が用意をしている土のうの場所を知らないという方も多いようです。区のハザードマップで、土のうの位置がどこにあるのかを示しておくことが有効であると思われますが、いかがお考えでしょうか。

 私からの質問は以上です。御答弁のほどよろしくお願いいたします。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 石坂議員の御質問にお答えいたします。

 若年性認知症を含む認知症の方や家族の支援について。高齢者の相談については、地域包括支援センターが、それ以外の対象についてはすこやか福祉センターが窓口となって、相談に対応しております。今後実施を予定しております認知症早期発見、早期対応事業においても、誰もが気軽に相談しやすい窓口として、地域包括支援センター、すこやか福祉センターの積極的な周知や支援の強化に努めてまいります。

 見守り活動に取り組む町会では、認知症サポーター養成講座を受講し、認知症の方への対応方法について学ぶ動きが広がっていると聞いています。また、地域支えあいを行う町会や民生委員の専門的バックアップはすこやか福祉センターが実施をしており、今後とも継続をしてまいります。

 それから、要支援者への支援のあり方の整理であります。現行の訪問介護、通所介護サービスに加え、元気な高齢者を含む地域の方たちや多様な主体によるサービスを組み合わせた要支援者に必要なサービス提供体制の整備を図ってまいります。利用者の費用負担につきましては、多様なサービス内容ごとの費用負担を今後検討してまいります。

 職員の連携について。区職員と区の委託による相談機関の職員は、業務範囲にとらわれない幅広い知識を持って必要な情報を適切に提供しなければならないと考えております。区は、委託業者に対しても多岐にわたる制度改正や、事業内容を詳しく説明しつつ、適切な対応を求めていくとともに、個々の相談に対しても主たる担当部署を明確化し、責任ある対応を行ってまいります。

 ライフサポートビジネス創造塾受講者の状況について。昨年度初めて実施したライフサポートビジネス創造塾は、区内での創業に向けた啓発や土壌づくりが中心であったため、個々の受講者の状況は把握していません。ちなみに、同創造塾の一環として実施した、ビジネスプランコンテストの参加者については、3者が区内で事業を開始しています。2年目を迎えた今年度の講座は、前半でさまざまな事例を学び、後半でビジネスプランの立て方を学ぶ連続的なものであり、講座終了後も起業に向けての支援策につなげて継続的なサポートを行ってまいります。

 ライフサポートビジネスの支援策について。昨年度実施した区内事業者調査の結果からは、回答事業所の約28%がライフサポートビジネスを行っていることが把握できました。今後、区の講座や支援策を利用した事業者の取り組み事例について研究し、支援策の構築に反映していく考えであります。また、ビジネスプランの具体化については、今年度のライフサポートビジネス創造塾によって、ビジネスプランの策定とブラッシュアップなどの実践的な講座を実施する予定であり、融資については産業振興センターにおいて、豊富な実務経験を有する相談員が申請に当たっての助言や相談を行っているところであります。

 先進的な起業の紹介ということです。先進的な事例については、これまでもライフサポートビジネス創造塾やシンポジウムなどで紹介をしてまいりました。今後も参考となる事例を紹介することで、区内で起業を志す事業者を支援していきたいと考えております。

 産業振興センター保育室の意義についてであります。産業振興センターは、区内中小企業の事業活動の活性化、創業や新たな産業の創出、勤労者の福祉向上、就労支援などを目的とした施設であります。保育室があることで、ライフサポートビジネスをはじめとして、産業振興センターにおけるさまざまな活動に参加する女性のお子さん連れでの施設利用が促進されると考えております。

 また、当該保育室は、施設内の他の部屋を利用する方が一時保育を必要とする場合に、その場所を提供するものでありますが、区が推進してきた子育て支援事業など、区の政策上必要と考える事業については、従来のような形での利用を認める方向で検討しているところであります。

 災害時の協定に基づくマニュアル作成について。災害時の協定については、協定団体等が訓練や各会議に参加したときに、相互に内容の確認を行うなど、実効性の確保に努めております。また、協定先のマニュアル作成についても、区として働きかけを行い、協力をしていきたいと考えております。

 ハザードマップの土のう位置の表示について。ハザードマップは、大規模な洪水発生時の区内の浸水状況を周知して、地域の危険性を認識していただくために作成しているため、情報を絞って掲載をしております。ホームページには、土のうの配備場所を掲載をしておりますので、ホームページ内でハザードマップとリンクして見ることができるよう改善をしていきたいと考えております。

〔石坂わたる議員登壇〕

〇7番(石坂わたる) 1点だけ確認をさせてください。

 若年性認知症につきまして、39歳以下の場合ですと、介護保険の適用対象外となってしまいますけれども、この場合もすこやか福祉センター等できちんと御支援をいただけるという理解でよろしいでしょうか。お伺いいたします。

〔区長田中大輔登壇〕

〇区長(田中大輔) すこやか福祉センターが区としての相談支援機関でありますので、若年性認知症の方にもぜひ御利用いただきたいと思っております。

○議長(伊東しんじ) 以上で石坂わたる議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 小宮山 たかし

 1 産業振興センターの保育室について

 2 子ども・子育て支援新制度における学童保育について

 3 病児保育について

 4 その他

 

〇議長(伊東しんじ) 次に、小宮山たかし議員。

〔小宮山たかし議員登壇〕

〇19番(小宮山たかし) 第3回定例会に当たり、小宮山たかしの一般質問をさせていただきます。通告した質問のうち、病児保育については、また別の機会に取り上げさせていただきます。

 ただいまの石坂議員の質問ともかぶる部分があるんですが、私なりの視点で質問させていただきたいと思います。

 中野区は、中央線を境に南北に分断されがちな区であります。鉄道路線のほとんどは、東西を貫いていますし、区内南北公共交通の大動脈とも言えるバスは、中野駅で一旦途切れてしまいます。その中野区において、なかのZEROや産業振興センター、あるいは社会福祉協議会など、中野駅の近くにある公共施設は、南北の中野区民の交流の拠点としてこれまで大きな役割を果たしてきました。中でも、乳幼児親子のためのイベントスペースとして活用されていたのが、現産業振興センターの保育室であります。この施設は、1、中野駅から徒歩圏内にある。2、適度な広さがある。3、乳幼児が床をハイハイしたり、寝たり座ったりできる。4、おもちゃが施設内に常備されている。5、ベビーベッドや子ども用トイレなどの設備がある。今挙げた五つのポイントにおいて、ほかのなかのZEROや児童館や区民活動センターでは代わり得ない、乳幼児親子にとってなくてはならない施設でありました。

 中野区の公式ホームページには、「公共施設などを利用して定期的・継続的に乳幼児親子の居場所づくりを行っている団体」の紹介ページがあります。区内各地、いろいろなところでいろいろな団体が活動していますが、産業振興センターをベースにして活動している団体は全23団体の約4分の1にも上り、これだけ乳幼児親子に利用され、愛されている施設は、区内にはほかに一つもありません。しかし、この保育室の利用がこの10月から制限され、そこに常備されていたおもちゃも処分されてしまうということで、区内の乳幼児保護者や子育て支援活動の主催者の間に動揺が広がっております。

 これまで、この保育室は施設利用者の一時保育スペースとして希望者に開放していたほか、区内の子育て支援団体や健全育成団体等がイベントスペースとして占用利用することができました。しかし、この10月からはイベント等で子育て支援団体等が占用することが許されず、施設利用者の一時保育スペースとしてのみ希望者に開放されることになります。

 一時保育スペースといっても、預かり機能があるわけではありませんから、子どもを一時保育するためには、ベビーシッターや保育者を個人や団体で確保しなければなりません。個人でベビーシッターや保育者を用意できるぐらいなら、何もわざわざ自宅から連れ出されず、自宅に子どもを置いてくれば済む話です。ここがポイントなので、もう一度繰り返します。個人でベビーシッターを雇えるぐらいなら、わざわざ子どもを連れ出して産業振興センターの保育室に押し込める必要なんてないんです。自宅やその周辺の児童館や公園でベビーシッターに子どもを預けたっていいんです。何だったら、産業振興センターの庭や紅葉山公園で遊んでもらったって構いませんし、雨が降ったら中央図書館に行って、腹が減ったらマクドナルドに行ってもらったっていいです。個人でベビーシッターや保育者を用意できるような場合は、産業振興センターの保育室の代替となるスペースは、民間の飲食店等も含めてしまえば幾らでもある。あの保育室のかわりになるようなスペースはごまんとあるんです。しかし、しかしですよ、私が先ほどから申し上げているように、乳幼児親子向けのイベントスペースというのは、中野駅周辺にはたったの一つ、産業振興センターの保育室しかないんです。にもかかわらず、これまで親子のためのイベントスペースとして有効に活用されてきた施設を事実上廃止してしまうのはいかがなものでしょうか。

 これまでも何度も議会で取り上げてきましたが、中野区はゼロから9歳の子ども人口の割合が23区で一番低い区であります。そして、児童館も23区で一番多く、年間4カ月も休んでいる。しかも、日曜日も祝日も子どもの日でさえも休んでいる。児童館が休みだからといって公園に行こうとしても、公園面積率は23区でも最低クラス、区民待望の四季の森公園と(仮称)本町五丁目公園には子どもたちのための遊具は一つも設置されず、そして、じゃぶじゃぶ池は年間のうちたった1カ月しかやっていない。あげくの果てに、今回の産業振興センターの保育室の利用制限、中野区は子どもたちを一体どうしたいんですか。産業振興のためには、子どもたちを犠牲にするのが中野区のやり方ですか。産業振興センターの保育室を今までどおり南北の区民が活用できる、ほかには代替のきかないイベントスペースとして利用できるよう、施設利用のあり方を再検討すべきではないでしょうか。

 今回、産業振興センターの保育室が事実上廃止されてしまった場合、代替施設となり得るのは桃園、新井のそれぞれの区民活動センターの和室ぐらいしかありません。しかし、いずれも駅から近いとは言えず、おもちゃの貸し出しもなく、ベビーベッドや子ども用トイレなどの子ども専用設備も十分とは言えず、貸し出しの競争倍率も高くて気軽には借りられないなど、代替施設と言うにはほど遠い施設です。とある区民活動センターでは、高齢者の迷惑になるので、子ども向けのイベントは控えてくれと言われてしまったという話も聞いております。そもそもこれまで、この中野区に、中野駅から近い場所に、児童館のような子どもやその保護者のための施設がほとんどなかったこと自体がけしからんのではないかと私は考えております。

 そこで、将来の区役所新設や区役所跡地とサンプラザの一体整備をもにらみつつ、新たな子育て支援のためのスペースを整備、もしくは新設することを検討されてはいかがでしょうか。

 産業振興センターの保育室の利用制限をしたところで、先ほど申し上げたように、ベビーシッターや保育者を確保できるのであれば、わざわざあそこで一時保育する必然性はほとんどなく、保育場所の選択肢は幾らでもあるために、それほど高い需要があるとはとても思えません。もし今後の利用率や利用実績が著しく低い場合は、将来の利用方法の見直しも検討する必要が出てくるでしょう。そのための参考とするべく、今後の需要実績をしっかりと調査、把握していくべきでありますが、いかがでしょうか。

 次に、子ども・子育て支援新制度における学童保育について質問いたします。

 厚生労働省のデータによりますと、学童クラブの利用者数は過去15年間右肩上がりにふえ続けています。中野区でも、今春、これまであまり目立たなかった学童の待機児童が発生し、その数は53人にも上りました。来年4月の子ども・子育て支援新制度のスタートに当たっては、学童保育の対象年齢が6年生までに引き上げられます。中野区では、区内4カ所に民間学童を誘致し、160人の定員増を目指すことを発表しました。本当にそれが実現するかどうかはまだわかりませんが、特色ある民間学童が新設されることで、保護者と児童の選択肢がふえることは歓迎したいと思います。

 しかし、厚生労働省のデータによりますと、都市部での4年生以上の学童の利用意向は12.5%となっており、中野区の現年度の児童数に照らし合わせると約500人の需要増となります。約500人の需要増が見込まれているのに、民間学童誘致による定員増は160人、この計算でいきますと来年度の学童待機児童数は、ことしの待機数53人も含めて約400人にも上る可能性がありますが、今後の学童拡充の見通しについてお聞かせください。

 以上で私の一般質問を終了させていただきます。御静聴ありがとうございました。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

〇都市政策推進室長(長田久雄) 小宮山たかし議員の御質問にお答えをいたします。

 産業振興センターの保育室について御質問をいただきました。産業振興センターは、区内中小企業の事業活動の活性化、創業や新たな産業の創出、勤労者の福祉向上、就労支援などを目的とした施設であり、当該保育室は施設内の他の部屋を利用する方が一時保育を必要とする場合にその場所を提供するものでございます。今申し上げたように、当該保育室は施設内の他の部屋を利用する方が一時保育を必要とする場合にその場所を提供するものではございますが、区が推進してきた子育て支援事業など、区の政策上必要と考える事業につきましては、従来のような形での利用を認める方向で検討しているところでございます。

 私からは以上でございます。

〔子ども教育部長奈良浩二登壇〕

〇子ども教育部長(奈良浩二) 私からは、産業振興センターの保育室と関連いたしまして、同様の施設が新設できないかといった御質問についてお答えいたします。

 乳幼児親子事業につきましては、地域の多様な施設を活用して事業展開をすることとしてございまして、中野駅周辺において施設を新たに整備する考えはございません。

 それから、子ども・子育て支援新制度につきまして、学童クラブの整備といった御質問がございました。学童クラブの需要数につきましては、国の数値を使った算定でも全体として確保できるという見込みでございます。今後も需要数を見きわめながら、必要な確保方策を講じていきたいと考えてございます。

〇議長(伊東しんじ) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。

 以上をもって質問は終了いたしました。

 これより日程に入ります。

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第39号議案 平成26年度中野区一般会計補正予算

第40号議案 平成26年度中野区介護保険特別会計補正予算

第44号議案 南部すこやか福祉センター等新築工事請負契約

(委員会報告)

 

平成26年(2014年)9月11日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 内川 和久

  (公印省略)

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

 

議案番号

件    名

決定月日

39

平成26年度中野区一般会計補正予算

9月11日

40

平成26年度中野区介護保険特別会計補正予算

9月11日

44

南部すこやか福祉センター等新築工事請負契約

9月11日

 

○議長(伊東しんじ) 日程第1、第39号議案、第40号議案及び第44号議案の計3件を一括議題に供します。

 お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、これより採決いたします。

 上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

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 認定第1号 平成25年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

 認定第2号 平成25年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第3号 平成25年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第4号 平成25年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第5号 平成25年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

 

○議長(伊東しんじ) 日程第2、認定第1号から認定第5号までの計5件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長川崎亨登壇〕

○副区長(川崎亨) ただいま上程されました認定第1号、平成25年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について、認定第2号、平成25年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第3号、平成25年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第4号、平成25年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について、認定第5号、平成25年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について、以上5件につきまして一括して説明いたします。

 初めに、中野区一般会計決算について説明いたします。

 平成25年度一般会計の歳入総額は1,168億4,402万9,097円、歳出総額は1,139億5,205万7,783円で、前年度と比較しますと、歳入で2.1%の増、歳出で1.4%の増となりました。歳入から歳出を差し引いた形式収支は28億9,197万1,314円となり、翌年度へ繰り越すべき財源10億6,864万8,000円を差し引いた実質収支は18億2,332万3,314円となりました。

 それでは、歳入につきまして、主な款について説明いたします。

 第1款特別区税は、総額304億8,300万円余で、前年度と比較して8億8,700万円余、3.0%の増となりました。これは主に特別区民税の納税義務者数の増などによるものです。

 第2款特別区交付金は、総額332億7,500万円余で、前年度と比較して4億9,900万円余、1.5%の増となりました。

 第13款国庫支出金は、生活保護費に係る負担金などの増により、前年度と比較して7億9,800万円余、4.1%増の総額203億4,500万円余となりました。

 第15款財産収入は、不動産の売払収入と有価証券の売払収入の減により、前年度と比較して5億5,000万円余、41.1%減の総額7億8,800万円余となりました。

 第16款寄附金は、中野駅周辺地区都市基盤施設等整備に係る開発協力金の減により、前年度と比較して16億5,400万円余、92.9%減の総額1億2,600万円余となりました。

 第20款特別区債は、中野中学校建設に係る教育債の増により、前年度と比較して14億5,800万円、41.7%増の総額49億5,200万円となりました。

 これらの結果、歳入決算額の予算現額に対する収入率は96.6%となりました。

 次に、歳出につきまして、主な款について説明いたします。

 第2款経営費は、土地開発公社への貸付金や退職手当の増により、前年度と比較して19億2,500万円余、28.1%増の総額87億6,600万円余となりました。

 第6款子ども教育費は、中野中学校の建設費や図書館の指定管理者制度の導入に係る経費、学童クラブの運営委託経費の増により、前年度と比較して21億5,800万円余、8.8%増の総額267億500万円余となりました。

 第7款健康福祉費は、生活保護費や自立支援給付費、定期予防接種委託経費の増により、前年度と比較して11億2,900万円余、4.4%増の総額270億500万円余となりました。

 第10款公債費は、都市整備債元金償還金の減により、前年度と比較して10億9,500万円余、14.3%減の総額65億7,700万円余となりました。

 第11款諸支出金は、義務教育施設整備基金積立金やまちづくり基金積立金の減により、前年度と比較して16億1,900万円余、17.8%減の総額74億8,800万円余となりました。

 これらの結果、歳出決算額の予算現額に対する執行率は94.2%となり、前年度より1.6ポイント下がりました。

 この歳出決算額を性質別に見ますと、人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費は587億4,000万円余で、前年度と比較して1.8%の減となりました。

 また、投資的経費は158億8,700万円余で、前年度と比較して9.0%の増となりました。

 なお、平成25年度決算では、実質収支が18億2,300万円余となり、前年度決算に比べ2億3,100万円余の増となりました。

 また、財政指標から区の財政状況を見ますと、前年度と比較して実質収支比率が0.2ポイント上がり2.7%に、経常収支比率が2.5ポイント下がり91.0%に、公債費比率が0.2ポイント上がり16.4%となっています。

 今後も社会保障費の伸びは続き、厳しい財政状況が続くことが想定される中、消費税率の引き上げなどの税制改正や国庫補助などの制度改正、子ども・子育て支援新制度の施行など、今後、歳入構造と歳出構造が大きく変化することが想定されることから、一層の事業の見直しと歳入確保に向けた取り組みが必要な状況にあります。

 一方、区は、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)に基づいた取り組みを着実に実行している中で、地域防災まちづくりや大規模公園の整備等のプロジェクトを進めるとともに、生活保護世帯への自立支援、待機児童対策、区有施設の耐震補強工事等の施設整備や改修も実施をしました。

 今後も新たな行政需要に的確に対応していくために、区としては財政健全化をさらに進め、強固な財政基盤を確立していくことが重要であると考えています。

 以上が一般会計決算の説明です。

 続きまして、中野区用地特別会計決算について説明いたします。

 歳入歳出の決算額は同額で65億6,959万1,713円、前年度と比較しますと、歳入歳出ともに18.4%の増となりました。

 歳入の主なものは、第1款財産収入が64億1,700万円余で、前年度より27億9,600万円余、77.2%の大幅な増となりました。

 歳出は、第1款公債費が65億6,900万円余で、前年度より27億5,700万円余、72.3%の大幅な増となりました。

 歳入、歳出総額が増となった主な原因は、中野四季の森公園拡張用地及び(仮称)南部防災公園用地の売払収入の増と、公共用地先行取得等事業債元金償還金の増によるものです。

 次に、中野区国民健康保険事業特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は334億5,495万652円、歳出総額は330億7,080万9,464円で、前年度と比較しますと歳入で0.7%の増、歳出で1.0%の増となりました。

 歳入の主なものは、第1款国民健康保険料が90億8,900万円余で、前年度より3億2,200万円余、3.7%の増、第5款前期高齢者交付金が41億4,500万円余で、前年度より6,900万円余、1.7%の増、第7款共同事業交付金が40億3,400万円余で、前年度より6,300万円余、1.6%の増、第8款繰入金が48億4,700万円余で、前年度より2億9,100万円余、5.7%の減となりました。

 歳出の主なものは、第2款国保給付費が207億7,900万円余で、前年度より4,900万円余、0.2%の増、第3款後期高齢者支援金が49億3,600万円余で、前年度より1億2,900万円余、2.7%の増、第6款介護納付金が20億6,600万円余で、前年度より7,900万円余、4.0%の増、第8款保健事業費が3億2,600万円余で、前年度より1,500万円余、4.5%の減となりました。

 次に、中野区後期高齢者医療特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は59億5,941万5,029円、歳出総額は59億1,735万5,029円となりました。前年度と比較しますと、歳入歳出ともに0.2%の増となりました。

 歳入の主なものは、第1款後期高齢者医療保険料が32億4,700万円余で、前年度より1,400万円余、0.5%の増、第2款繰入金が25億6,800万円余で、前年度より2,000万円余、0.8%の減となりました。

 歳出の主なものは、第1款広域連合納付金が58億2,300万円余で、前年度より700万円余、0.1%の増となりました。

 最後に、中野区介護保険特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は199億6,494万817円、歳出総額は198億772万948円で、前年度と比較しますと、歳入歳出ともに3.3%の増となりました。

 歳入の主なものは、第1款介護保険料が40億9,200万円余で、前年度より1億1,000万円余、2.8%の増、第3款国庫支出金が44億8,600万円余で、前年度より2億3,200万円余、5.5%の増、第5款都支出金が28億1,000万円余で、前年度より7,500万円余、2.6%の減、第7款繰入金が29億9,300万円余で、前年度より4,800万円余、1.6%の増となりました。

 歳出の主なものは、第2款保険給付費が187億3,100万円余で、前年度より8億8,900万円余、5.0%の増、第4款基金積立金が1億200万円余で、前年度より1億9,700万円余、65.8%の大幅な減となりました。

 以上、平成25年度の各会計決算について説明いたしました。

 なお、詳細につきましては、あらかじめ送付いたしました「中野区各会計歳入歳出決算書・各会計事項別明細書」及び「各調書」、「主要施策の成果」並びに「中野区各会計歳入歳出決算説明書」によりまして御確認いただきたいと思います。

 また、監査委員におかれましては、本決算につきまして、7月22日から8月5日までの間、慎重に審査をいただき、別冊のとおり「中野区各会計歳入歳出決算審査意見書」の提出をいただきました。御指摘のあった点については十分に対処していく所存です。

 最後になりましたが、ここに平成25年度の決算につきまして議会の認定をお願いする運びになりましたことは、区議会の適切な御指導と御協力によるものと深く感謝を申し上げる次第です。

 以上、認定第1号から認定第5号までにつきまして、よろしく御審議の上、御認定くださいますようお願い申し上げ、平成25年度中野区各会計決算の説明とさせていただきます。

〇議長(伊東しんじ) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(伊東しんじ) 御質疑なければ質疑を終結いたします。

 上程中の認定第1号から認定第5号までの計5件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(伊東しんじ) 御異議ありませんので、上程中の認定第1号から認定第5号までの計5件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託することに決しました。

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中野区の財政の健全化判断比率について

 

〇議長(伊東しんじ) 日程第3、中野区の財政の健全化判断比率について報告いたします。

 本件については、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、区長から9月11日付の配付文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。

 

     26中経経第1704号

     平成26年(2014年)9月11日

 中野区議会議長 伊 東 し ん じ 殿

         中野区長 田 中 大 輔

中野区の財政の健全化判断比率の報告について

 地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、別添のとおり報告します。

 

〇議長(伊東しんじ) 本日はこれをもって散会いたします。

午後5時41分散会