平成15年06月30日中野区議会本会議(第2回定例会)

1.平成15年(2003年)6月30日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
  1番  いでい   良  輔        2番  伊  東  しんじ
  3番  佐  野  れいじ         4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か        6番  酒  井  たくや
  7番  奥  田  けんじ         8番  近  藤  さえ子
  9番  小  堤     勇       10番  大  内  しんご
 11番  伊  藤  正  信       12番  きたごう  秀  文
 13番  高  橋  ちあき        14番  高  倉  良  生
 15番  やながわ  妙  子       16番  平  島  好  人
 17番  むとう   有  子       18番  はっとり  幸  子
 19番  長  沢  和  彦       20番  か  せ  次  郎
 21番  山  崎  芳  夫       22番  小  串  まさのり
 23番  若  林  ふくぞう       24番  市  川  みのる
 25番  岡  本  いさお        26番  こしみず  敏  明
 27番  飯  島  きんいち       28番  佐  伯  利  昭
 29番  佐  藤  ひろこ        30番  来  住  和  行
 31番  岩  永  しほ子        32番  篠     国  昭
 33番  柿  沼  秀  光       34番  伊  藤  岩  男
 35番  斉  藤  金  造       36番  大  泉  正  勝
 37番  斉  藤  高  輝       38番  江  口   済三郎
 39番  藤  本  やすたみ       40番  昆     まさ子
 41番  江  田  とおる        42番  池  田  一  雄
1.欠席議員
      な  し
1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔      助     役  内 田 司 郎
 収  入  役  山 岸 隆 一      教  育  長  沼 口 昌 弘
 区 長 室 長  金 野   晃      政策担当課長   鈴 木 由美子
 総 務 部 長  石 神 正 義      総 務 課 長  田 辺 裕 子
 区 民 部 長  本 橋 一 夫      地域センター部長 柳 澤 一 平
 環 境 部 長  寺 部 守 芳      保健福祉部長   菅 野 泰 一
 保 健 所 長  清 水 裕 幸      都市整備部長   石 井 正 行
 まちづくり調整担当部長 那須井 幸 一   教育委員会事務局次長 山 下 清 超
 選挙管理委員会
本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  正 木 洋 介      事務局次長    飯 塚 太 郎
 議事調査担当係長 大 谷 良 二      書     記  黒 田 佳代子
 書     記  巣 山 和 孝      書     記  永 田 純 一
 書     記  長 崎 武 史      書     記  荒 井   勉
 書     記  西 田   健      書     記  岩 浅 英 樹
 書     記  鳥 居   誠      書     記  佐 藤 雅 俊
 書     記  松 本 桂 治      書     記  吉 田 哲 郎

 議事日程(平成15年(2003年)6月30日午後1時開議)
日程第1 第39号議案 中野区区政情報の公開に関する条例の一部を改正する条例

      午後1時03分開議
議長(山崎芳夫) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 6月27日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 北 原 奉 昭
 1 中野の活性化に必要な都市基盤の整備とまちづくりについて
 2 少子高齢化社会、学校施設の活用による学校教育と社会教育の融合について

議長(山崎芳夫) 最初に、北原奉昭議員。
      〔北原奉昭議員登壇〕
4番(北原奉昭) TOKYO自民党中野区議団の北原奉昭です。さきの区議選において初当選させていただきました。区議会の一員として、初心を忘れず、その責務を果たしてまいります。よろしくお願いいたします。
 新たな時代、政治不信を払拭し、区民の負託にこたえ、停滞した中野を再生し、活力ある30万都市中野を創出するために、今、議会に求められているものは、二元代表制の中での区と議会との活発な意見交換、情報交換による信頼関係の構築であり、緊張の持続であります。
 去る4月27日の中野区議会議員選挙で、第19期中野区議会が誕生しました。私はこの選挙を通じ、改めて1票の重さというものを痛感いたしました。1票に笑い、1票に泣く、選挙の厳しさを痛感した次第であります。
 選挙直後の5月1日、開票結果の一部を無効とする不服申し立てが中野区選挙管理委員会に提出され、中野区選挙管理委員会は5月27日にこの不服申し立てを棄却する決定を行いました。その後、東京都選挙管理委員会に対し、中野区の決定を不服として、6月4日に審査申し立てが提出されました。東京都選挙管理委員会において不服が認められ、職権により、中野区選挙管理委員会が保管している本件選挙の全投票用紙の提出が求められ、6月14日、すべての票について開披点検が行われました。その結果、東京都選挙管理委員会は6月25日、中野区の行った棄却決定を取り消し、当選人を無効とする裁決を下しました。東京都選挙管理委員会におきましても、1955年以来の無効裁決でありました。
 選挙事務につきましては、申し上げるまでもなく、選挙管理委員会が担当するわけですが、行う仕事が大変幅広く、公職選挙法関係、地方自治法関係、政治資金規正法など多くの法律が関係し、職員の方々においても、専門性や特殊性などが要求される重要な仕事であると思います。当然、職務に従事する職員の方々及び選挙管理委員の皆様が日夜大変御努力、御苦労されていることは重々承知しております。それゆえに、その業務をつかさどる選挙管理委員会、ひいては事務局は、専門性がより一層必要な職場であると私は考えております。区民の1票、そして区民の意思、さらには候補者の4年間の人生をも左右してしまうことになるわけですから、大変重要で、慎重に行わなければならない仕事であると思っております。
 昨今、特に今回の選挙を振り返ってみても、選挙施行について、全体を通し、事務的な面を含め、選挙管理委員会として、選挙民から御指摘を受けるような不手際はなかったのでしょうか。また、今回の異議申し立てについては、中野区選挙管理委員会としてどのような審査を行い、そして、なぜ、どのような理由により棄却決定を下したのか、大きく問われるところであります。
 東京都選挙管理委員会の裁決は、中野区にとって大変不名誉なことであり、現時点で中野区選挙管理委員会の開票結果に誤りがあったことは、中野区選挙民の投票に対する信頼を大きく失墜させたことになります。信用失墜という行為は、公務員にとって重大な失態であると私は思います。今後は一日も早く中野区民に信頼される選挙管理行政をつくっていかなくてはならないと考えます。そのためには、区及び選挙管理委員会だけではなくて、議会も一丸となって選挙管理行政の改革を行わなければなりません。中野区の行政改革を積極的に進めていく中で、避けては通れない課題であると考え、意見を述べさせていただきました。
 それでは、質問に入ります。
 まず初めに、中野の活性化に必要な都市基盤の整備とまちづくりについてであります。
 中野の都市基盤の現状は、都市計画道路整備率、道路率、区民1人当たりの公園面積など、いずれも23区の中で最下位近くにあります。この結果、交通網の拡大や他の自治体が都市基盤の整備を進める中で、まちづくりに不熱心だった中野は、新宿副都心に隣接する好条件を有しながら、生活の利便性が失われ、快適性や安全性にも多くの問題を抱えています。中野の産業の90%を占める商業、サービス業は低迷し、人口構成比率に占める20代の割合が23区の中でも際立って高く、人口定着率は居住年数5年以内が30%を超えています。
 中野区は今後の区財政について、長期的に歳入の伸びが期待できず、極めて厳しい状況が続く。行財政の構造改革を進め、行政のスリム化で財源を生み出し、区民のニーズにこたえる施策を展開していくことが必要だと述べております。しかしながら、急速に進む少子・高齢化社会への財源としては不十分だと言わざるを得ません。北欧の福祉先進国では、十分な福祉を実現するために、常に産業の振興策を政策の重点に掲げ、財源の確保に努めております。中野の地場産業が元気を回復し、新たな産業が起き、成長する。そして、同時に次世代人口の定着率を高めることが必要であります。それにより、中野の活力を回復し、さらなる財源の確保を図らなければなりません。そのためには、中野の都市基盤の整備とまちづくりが緊急の課題であります。
 そこでお尋ねいたします。都市計画道路整備率、道路率、1人当たりの公園面積など、都市基盤水準が23区の中で低い位置にある現状をどう認識しているのか。また、その原因は何か。今後どうしていくのか、考えをお聞きしたい。
 次に、西武新宿線沿線のまちづくりについてであります。
 中野区が平成12年に策定した都市計画マスタープランは、西武新宿線の踏切による交通渋滞を緩和するために、急行線地下化の早期実現を鉄道事業者に要請するとなっております。しかし、昨年秋、東京都と西武鉄道による西武新宿線検討会の報告で、立体交差化4案が中野区に提示され、踏切問題は新たな段階に入りました。交通渋滞は時間の損失を初め、渋滞車両の排ガスによる深刻な環境汚染、さらに中野区の南北交通の障害となっております。私は、交通渋滞に伴う環境が改善するとともに、線路により分断された地域力の回復、生活の心(しん)としての駅前の基盤整備など、新たな町を形成し、西武新宿線沿線の活力を回復しなければなりません。中野区は早期に地下化の実現に向けた作業に着手すべきであると考えます。
 そこでお聞きいたします。検討会から示された立体化4案について、野方駅以西の対応を含め、中野区はどういう認識にあり、東京都や西武鉄道とどう調整していくのか。また、地下化に合わせた新たな沿線まちづくりプランの策定についてどう考えているのか、お答えください。
 次に、中野駅周辺のまちづくりについてであります。
 中野駅周辺は、まさに中野区の中心街として、現在から未来にかけてその機能を有しています。警察大学校等の跡地利用については、清掃工場の建設などを含め、不確実かつ検討課題が多い。また、区は中野サンプラザの取得に前向きであります。
 そこで、私は土地利用の観点からお聞きいたします。中野区はサンプラザを取得の後、用地を将来どのように活用するのか。また、サンプラザを含め、警察大学校等跡地の土地利用の転換について、どのようなビジョンを持っているのかお聞きいたします。
 次に、少子・高齢化、学校施設の活用による学校教育と社会教育の融合についてであります。
 21世紀を担う子どもたち。教育は日本の将来にとって重要な課題です。子どもたちの社会性、国際性、そして、豊かな心をはぐくむために、少子・高齢化社会の中での新たな学校づくりが今求められています。
 そこでお尋ねいたします。
 第1点は、少子化の進行と学力問題などで、区立学校に対し不安を抱く保護者や区民がふえております。これからは、中野の公教育でしかなし得ない、特色ある生きた学校教育を推進すべきであると思いますが、教育委員会の見解をお聞きしたい。
 第2点は、地域一体型の学校を目指すために、学校の空きスペースを地域における生涯学習の拠点として活用し、子どもと大人が交流し、子どもたちの社会参加が促進されるような新しい取り組みを行うべきだと思うが、考えをお聞きしたい。
 第3点は、子どもたちの読書力の向上と生涯学習のために、地域に眠っている蔵書や資料を幅広く活用し、学校図書室の充実を図り、開館日や開館時間など工夫して、子どもから高齢者までが気軽に利用できる、地域開放型の図書室にしてはどうかと思うが、考えをお聞きしたい。
 以上の関連の質問として、最後に、田中区長にお尋ねいたします。
 マニフェスト(政策綱領)についてであります。マニフェストは一般的に、政党・政治家が選挙の際に有権者に示す約束であり、達成期限、数値目標、財源を明らかにします。最近、政治の世界で注目されているわけですが、その背景には、選挙公約の実効性が薄れてきたため、有権者が政治への期待感を失い、政治離れを招く一つの原因になっているものだと思われます。自治体と国とでは異なる事情があると思いますが、区政の中でも、個別の政策に対し、こうした考えを取り入れることが可能だと思います。自治体の責任者として、区長の考えをお聞きしたい。
 再質問の必要がないよう、誠意ある御答弁をお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 北原議員の御質問にお答えをいたします。私からは、マニフェストの考え方についてという項目についてお答えを申し上げます。
 北原議員の御質問の前段の御意見の中で、新しい19期の議会として、執行側と十分意見交換、また情報交換をしながら、自治の進展に努めていかれるといった決意表明をいただきました。このことについて私も強く共感をしたものでございます。そうした意味からも、マニフェスト、自治体運営の中で、このマニフェストという考え方についてどう思うかという御質問について、私もマニフェストという考え方、非常に共感を覚えているものであります。政治家として、あるいは候補者として、有権者に実現する政策目標、また実現時期、また、それに要する財源の確保といったことについて明示をして、約束したことに責任を持つという考え方は、民主政治の発展というものをこれからの時代考えていく上で、非常に重要なのではないかと思っているところであります。
 区政の分野におきましても、具体的な政策目標などを区民に対してお示しをして、その実現を図るというようなことでは、マニフェストと同様の考え方が必要ではないかというふうに思っております。基本構想やその実現に向けた10か年計画の策定につきましても、そうした考え方に基づいて進めていきたいというふうに考えているところであります。そうした考えから、区の組織におきましても、現在、区政の目標を明確にして、その目標と成果による区政運営という組織運営ができるような取り組みを進めているところであります。
 私からは以上でございます。その他の質問につきましては、担当部長の方からお答えをいたします。
〔まちづくり調整担当部長那須井幸一登壇〕
まちづくり調整担当部長(那須井幸一) 私の方からは、中野の活性化に必要な都市基盤の整備とまちづくりについて、3点ほどの御質問にお答えをさせていただきます。
 まず、都市基盤整備とまちづくりの考え方について、都市基盤施設の水準が低いとの御質問でございます。
 中野区は、高度経済成長期に道路や公園などの都市基盤施設が十分整備されないまま、急激な人口集中の受け皿となってまいりました。また、その後も町の活性化やにぎわいの創出に向けた都市基盤施設の整備について、区全体としても積極的な議論が十分なされないまま今日に至っております。区民にそうした議論をしていただく上で、区の努力が十分であったかどうか、検証すべきと思っているところでございますが、このような結果といたしまして、密集住宅市街地が広がり、都市基盤整備のおくれにつながった面があるのではないかと認識をしているところでございます。今後、現在策定中の基本構想や10か年計画で目標を定めまして、中野駅周辺及び西武新宿線沿線のまちづくりや、危険災害度の高い地域での防災まちづくりなどを進める中で、必要な都市基盤施設の整備を図っていきたいと考えております。
 次に、西武新宿線の地下化と沿線まちづくりについてでございます。
 都から提示されました4案は、中野通りを中心とした西武新宿線の踏切渋滞対策であります。区といたしましては、区内全線の鉄道地下化による道路との連続立体交差化の実現を目指していきたいと考えているところでございます。連続立体交差化は地域全体のまちづくりを目指し、その一環として実施されるものでございます。したがいまして、その動きに合わせまして、区民生活の向上、地域や商店街の活性化、防災性の向上などを促進する沿線のまちづくりを行うことが不可欠の条件となります。このため区は、駅前広場や都市計画道路の整備、建築物の共同化など、地域のまちづくりについて、沿線住民の皆様との意見交換などを十分行いながら、調査検討を行っていきたいと考えてございます。また、中野区、東京都、西武鉄道株式会社で設置いたしました「西武新宿線沿線まちづくり及び踏切対策検討会」におきまして、立体交差化実現のあり方等について協議調整を行ってまいります。
 3点目でございますけれども、中野駅周辺まちづくりについてでございます。
 既に着手しております調査検討の中で、区民参加を図らせていただきながら、具体的なビジョンを描いていく予定でございますが、中野駅周辺は、都市計画マスタープランで描く「にぎわいの心(しん)」として、また30万都市中野の顔として、住機能に加えまして、働き、学び、楽しむなど、多くの機能を備えた活力と魅力ある町の形成を目指していきたいと考えております。このうち、サンプラザを含む警察大学校跡地、区役所及び北口広場等の地域につきましては、防災公園などの公共施設だけでなく、商業業務施設や住宅などの導入も検討してまいりたいと考えております。また、道路、公園等の都市基盤施設につきましては、開発者負担による整備の手法を追求していきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
     〔教育長沼口昌弘登壇〕
教育長(沼口昌弘) 学校施設の活用によります学校教育と社会教育の融合についてということで御質問でございます。
 まず、公教育について不安を抱く保護者がいる中で、中野の公教育でなければなし得ない、特色ある生きた学校教育を推進すべきということからの御質問でございます。
 区立学校におきます教育の役割といいますのは、小・中学校という義務教育を担っていることを基本にいたしまして、すべての子どもたち一人ひとりの実態に応じて、みずから学び、みずから考え、主体的に判断し、行動していく「生きる力」、これを育成したり、あるいはきめ細かな指導を推進いたしまして、確かな学力を身につけさせて、そして、社会人として立派に生きていけるように、そうしていくことが重要であると認識しております。また、区立学校の特色の一つといたしまして、地域との連携を深めることがございます。このため、子どもたちが地域の行事に参加し、体験を深めたり、あるいは地域の人材を学校で活用するなど、交流を深めながら特色ある教育を行ってまいります。
 また、次に、学校の空きスペース等を利用いたしまして、生涯学習の拠点として活用すべき、あるいは学校の図書室を地域に開放してはどうかということでございます。学校がより一層地域に開放されることは、非常に大切なことと認識しております。これまでも取り組んできていますけれども、今後とも、子どもや高齢者、交流できるように最大限の活用を考えてまいりたいと思います。あわせて学校図書館の開放につきましても、一部では行っていますけれども、それぞれの学校の特色を生かしながら、地域への開放を考えてまいりたいと思います。
 以上でございます。
議長(山崎芳夫) 以上で北原奉昭議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 佐 伯 利 昭
 1 二年目の田中区政の課題について
  (1)区が目指す方向
  (2)構造改革特区
  (3)マニフェスト
  (4)経営戦略塾
  (5)特別職の退職手当
  (6)区長の地域センター巡回
  (7)職員の名刺の活用
 2 ITの推進について
  (1)レントゲンのコンピューター化
  (2)建築確認のFD申請
  (3)集会室等の利用受付
 3 用途地域の見直し案について
 4 中野体育館における横領事件について
 5 その他
  (1)地域センターの事務機能
  (2)政治活動等のポスター
  (3)その他

議長(山崎芳夫) 次に、佐伯利昭議員。
      〔佐伯利昭議員登壇〕
28番(佐伯利昭) 2003年、平成15年第2回定例会におきまして、民主クラブの一員として一般質問をいたします。
 田中区長誕生から1年が経過しました。財政再建への取り組み、基本構想改定への着手、経営改革指針など、田中カラーを打ち出そうとする姿勢は随所に見えます。ただ、1年を経過した今、区長自身がどういう中野のまちづくりを描いているのか、いま一歩物足りないように私には思えます。
 例えば、23区のホームページを開けば、「やすらぎのある世界都心 港区」、「中小企業のまち 墨田」、「伝統と未来が息づく水彩都市 江東」、「環境先進都市をめざして マイバッグ&エコシールのまち 杉並」、「未来へひびきあう人・まち 豊島」、「北区 少しずつ、いい顔になる」、「水と緑豊かな快適環境都市 江戸川」、それぞれの区が思いや区の持つ特性、あるいは目指すべく方向を一言で示しています。自治体改革の先端だった三重県では、サービス、わかりやすさ、やる気、改革の頭文字をとった「さわやか運動」が職員提案から提唱されました。
 区では現在、基本構想の改定作業中でありますが、区民に議論の投げかけをするとき、やはりトップである区長の目指すべき中野の都市像を示すネーミング、キャッチフレーズ、キャッチコピーは重要だと思います。区長自身のお考えを一言であらわしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、構造改革特区について伺います。
 地方公共団体や民間事業者等の自発的立案により、地域の特性に応じた規制の特例を導入する特定の区域を設け、当該地域において地域が自発性を持って構造改革を進める、構造改革特区の認定がこの4月から始まりました。この構造改革特区の導入により、特定の地域における構造改革の成功事例を示すこととなり、十分な評価を通じ、全国的な構造改革へと波及し、我が国全体の経済の活性化が実現するとともに、地域の特性が顕在化し、その特性に応じた産業の集積や新規産業の創出等により、地域経済の活性化にもつながる、自治体における最大の景気対策と言えます。
 これまで4月の第1弾の認定では、129件の申請のうち57件が、5月の第2弾認定では60件が認定されています。23区でも、荒川区では国際都市荒川の形成を掲げ、小中一貫の英語教育に取り組み、2010年度開通予定の成田新高速鉄道の利用により区を訪れるであろう外国人を温かく迎え、活気あふれるまちづくりを目指しています。景気対策を国任せばかりにしていてはいけません。今月は第3次の集中受け付け期間となっていますが、区長として、この構造改革特区に関する考え、その検討状況についてお尋ねいたします。
 次に、先ほどの北原議員の質問にもありましたけれども、マニフェストについてお聞きいたします。
 経済・労働界の有志や学識者でつくる「新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)」が、「脱無党派」「脱官僚」「脱中央集権」を掲げ、数値、期限、財源の入った具体的な公約「マニフェスト」の実践による政党本位の政治実現を提言しました。
 これまでの日本の選挙公約は、やりたいことを羅列したウイッシュ・リスト(おねだり集)にすぎないと評されていることも少なくありません。有権者から見れば全く当てにできない政策であり、候補者自身も本気で実施できるとは思っていないことが多い。また、財源も考えない無責任な公約。こうしたことにより、有権者の政治離れが起き、政策よりも候補者個人の人柄、利害関係、地縁・血縁関係による争いとなっていることも多々あるようです。こうした状況に対し、マニフェストは、政党、候補者がそれぞれ期限、財源、数値を示した公約をあらわすことで、有権者によりわかりやすい選択の機会をつくり、その実現の経過を評価の対象とすることで、次第に政治への関心が高まり、また信頼の回復につながっていくことが期待されます。
 そこで区長にお聞きしますが、現在高まりつつあるマニフェスト導入への動きに対するお考え、また、もし今後、区長が選挙にお出になるとすれば、このマニフェストを実践するおつもりがあるかどうか、お聞かせください。
 今年度から始まりました経営戦略塾、すべての管理職の参加する経営改革に向けた学習会ということで、期待を持てるものです。先進的な自治体の取り組みを学び、大いに区の活性化を図ってもらいたいと思いますが、この経営戦略塾の目的、今後予定する講師、最終的到達点についてお考えをお聞かせください。
 次に、板橋区の石塚輝雄区長が今期の退職手当を廃止する条例を制定し、結果として退職金返上という状況になりました。私も前区長時代、藤本議員、川上前議員のアドバイスを受けながら、区の特別職の高額な退職金問題を取り上げ、その後、23区初めての減額につながらせることになりました。それでも、在職4年間の勤めに対する退職金としては、一般の感覚から見れば、まだまだ高額過ぎるものと思われます。板橋区長の場合、一度引退を宣言してからの再選という特別な事情もあったにせよ、家族ですら「もらい過ぎなのではないか」という声が上がったというのもうなずけるところです。
 今回の条例提案に当たり、板橋区長は、「全国の首長にも影響することだから、悩みに悩んだ」と話したということですが、全国の人が疑問に思い、全国の首長に及ぶことだからこそ、改革を志す長が率先して手をつけていかなくてはいけない問題なのではないでしょうか。このたび公明党さんも、次期選挙のマニフェストに自治体の長の退職金の半減を掲げるということが新聞報道されておりました。今回の板橋区の場合は、みずからの任期に限定する時限的なものですが、田中区長、この際、全国に先駆けて、恒久的にこれを見直す条例案を制定してみてはいかがと思いますが、お考えをお聞かせください。
 次に、手ごたえのある区民参加を掲げる区長は、月2回のペースで区民対話集会を行い、多くの区民の皆さんの声を聞き、実施に移しているようです。6月1日付区報にその意見と対応が掲載されていました。
 ところで、区民の皆さんはこうした集会に顔を出せる人ばかりではありません。一方、地域センターには日々、地域の皆さんからの要望が寄せられています。そこで提案ですが、区長自身が地域の区長室である地域センターに出向き、一日所長として地域の様子や意見を伺い、また、職員の激励をしてみてはいかがでしょうか。インターネットを駆使すれば、地域センターでも区長の仕事を同時にこなすこともできるはずです。ぜひ御検討いただきたいと思います。
 次に、職員の名刺の活用について伺います。
 私たちが区民の方をいろいろなセクションにお連れしたとき、区民がわざわざ名刺を渡したのに対し、「今、名刺を切らしていて」とか、複数の区民が来ているのに、「手持ちの名刺が1枚しかないので」と言われることがよくあります。また、窓口などで相談事をして、再びその職員に何か尋ねようとしても、名刺をもらっていないため、相手の名前を覚えていないなどということもよくあります。
 聞くところによれば、職員の名刺は私費でつくられ、その理由について、私的に使う場合があるからということです。かつて旧自治省からの通達もあったようですが、こうした状況について三重県の北川前知事は、まことにお役人的発想であり、自分には「仕事をするな」ということだと映ったと述べています。名刺を私費で払っていたら、名刺を出せば出すほど職員は損をしてしまうわけで、だから出さなくてもよいということになってしまうわけです。
 三重県では、例えば松尾芭蕉、これまで松尾芭蕉が三重県伊賀の出身とは知らない人が多かったものの、それをアピールするために、あるいは松阪牛、伊勢神宮などの絵入り名刺をつくり、6カ月間にわたる自治省との対立の後、公費負担としました。そして、その名刺を出すことにより、県も自分も売り込む、そうした取り組みをしてきたそうです。ほかにも、今では職場での個人のメールアドレスまで入った名刺を手渡す自治体も出てきています。
 名刺は初対面の相手に対しての最低限の礼儀だと思います。行政は最大のサービス業と言いながら、名刺も渡さないサービス業などあり得ません。電話に出たら名前を名乗る。ネームプレートも大きくした。その延長線上で、例えば哲学堂の桜や中野サンプラザなどの絵も入った名刺を公費でつくり、中野という町とみずからの氏名を職員が積極的に売り込む、そういう区役所にしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、ITの推進について3点お伺いし、提案をいたします。
 私は平成13年第4回定例会において、レントゲン写真のコンピュータ化について質問をしました。現在、都内でも、既にレントゲンの撮影、医師による読影、データの管理が機械化されている区が幾つかあります。
 私は去る6月17日、中野の医療行政の改革に熱心な同僚の酒井議員とともに、目黒区保健所、目黒保健センターを視察しました。目黒区では、ことし1月の庁舎の移転とともに保健所を併設、そこでレントゲンのIT化を開始しました。撮った写真が現像なしですぐに見られること、現像液を使わないため、その処理も要らず、環境に対してもよいこと、検索が容易なこと、1画面に3枚の写真を並べることにより、過去の写真と見比べが可能なこと、さらに、1本のDVDに4,000件のデータが収録でき、これまでレントゲンフィルムの保管に多くのスペースを必要としていたものが要らなくなったことなどの話を聞きました。さらに、画面での読影は部分的な拡大なども可能となり、結核予防にも効果があると言われておりました。ランニングコストの軽減もあるとのことです。
 区民の健康管理の向上とコスト削減という観点から、当区においてもぜひ推進すべきものと考えます。今回、私が強くこの点を主張する背景には、この4月に中野区保健所に着任された清水所長は、大田区でこのシステムを経験し、目黒ではこれを立ち上げた仕掛け人ともお聞きしてきました。システム開始には絶好の機会と考えます。
 そこでお聞きしますが、このレントゲンをコンピュータ化した場合の想定される初期投資額、どのような部分のランニングコストの軽減があるのか、健康管理へのメリットなど御説明ください。さらに、このシステム導入に向けての所長の意欲もお聞かせいただければと思います。
 次に、建築の確認申請のFD化についてお聞きをいたします。
 建築行政の情報化を実施に移すため、建築基準法施行規則が改正され、特定行政庁が指定した区域内においては、FDによる建築確認申請を受けた建築主事は、FDに記録されたデータをコンピュータに直接読み込み、当該データを用いて審査の支援を行うことにより、審査の合理化が図られることになりました。
 建築行政の高度情報化の目的は、単に事務処理を効率化するにとどまらず、建築行政を現在の書類審査に偏っているものから、現場審査とバランスのとれたものへと転換し、工事完了検査の的確な実施による工事監理責任の明確化によって、法に適合しない建築物を減少させ、あわせて、建築確認にかかわる膨大な情報ストックを活用して、誘導的建築行政によってまちづくりを推進し、良好な市街地環境の形成を図ることにあります。
 さらに、さまざまな台帳管理、照会や閲覧等公共サービス的な業務についても、対応の迅速化が図られます。例えば現在、建物を新築した区民が住居表示の何番何号という小さなプレートをわずか1枚もらうのに、既にすべての図面を建築課に提出しているにもかかわらず、土地の案内図、配置図、1階の平面図を指導課に届けなければならないなどということ、区長、助役は御存じでしょうか。こうしたことも、コンピュータでデータを管理していれば、それらを検索することにより、区民が二度も三度も区役所に図面を届ける必要もなくなるわけです。平成5年から始まったこの制度も、ことし3月現在、全国の約74%の特定行政庁においてFD申請が実施されていますが、当区における現在の進捗状況、今後の予定などについてお聞かせください。
 杉並区報6月21日号1面には、「9月から杉並区公共施設予約ネット さざんかねっとが始まります」との見出しが躍っておりました。これは集会施設などの区民施設を、インターネットや電話などで直接申し込みができるシステムです。現在、当区では、集会施設等の申し込みは、その施設あるいは管轄の地域センターに足を運び、手書きの予定表を確認の上、利用申し込みを書くという、極めて原始的な方法がとられています。幅広い区民サービスを目指すには、施設利用申し込みのIT化が急務です。現在の検討状況、導入の目途についてお聞かせください。
 次に、用途地域の見直し案について伺います。
 平成16年度の用途地域の変更に向け、現在、準備作業が進められています。5年ごとに行われるこの変更に、昭和44年以来、区画整理を施行すべき地域の都市計画の網がかけられ、厳しい建ぺい率、容積率の規制がかけられてきた区内北部地域では、その緩和に向け大きな期待を寄せ、私もこの機会こそということで議会の質問を繰り返してきました。
 ところが、2月23日に出された区報臨時号では、区内の変更箇所4カ所が示されましたが、地域の根強い要望に対する区の積極的姿勢、意欲は残念ながら見えませんでした。そもそも地域の声を聞いて案をつくるはずだったものが、最初に地域に説明があったのは本年3月であり、既にさきに述べた区報臨時号で素案が示された後でした。
 これでは、地域から行政に対する不信と失望の声が上がっても当然だと思います。要望の強い地域という認識があるなら、案を出す前にしっかり地域の声を聞くべきだったと思いますが、それをしなかったのはなぜかお答えください。今回示された4カ所の変更案は、都営住宅の建てかえにかかわり合いのあるものなど、極めて行政側の都合のものばかりです。4案の中に住民要望からの提案となったものがあるのか、これについてもお答えください。
 また、今回の案決定に関する手続についても、いささか区の独走が感じられます。本来であれば、都市計画審議会を開いて、その場で区長に答申を手渡すのが通常の手法だったにもかかわらず、既に答申は区長に届けられ、7月4日までには都に案を提出するとのことです。しかし、都の都市計画局の話によれば、この7月4日の期限に固執するものではなく、既に幾つかの自治体から遅延の申し出があることもお聞きしました。なぜこれまでにないスピードでこれだけを進めていくのか。そこには、さきに述べたように、今回の変更が都営住宅の建てかえに伴い必要などという、行政側の都合があるからなのではないでしょうか。7月4日に提出される案について、議会、とりわけ建設委員会の意思はどこで諮られるのかお聞かせください。
 3月13日、上鷺宮地域センターで行われた地域説明会では、当時の計画課長から、都市計画の見直し、建ぺい率、容積率の緩和について、新年度早々から地域に入り、働きかけをしたい。さらに、建ぺい率、容積率の緩和の時期について、早ければ来年の用途地域の変更に合わせてとの説明もありました。新年度早々というのは、民間では4月上旬、遅くとも4月中にと理解されるところですが、既にあすは7月を迎えるというのに、一向に動きが見えないのはいかなる理由からなのでしょうか。ここでもまた、役所の動きの鈍さばかりが目につきます。本当に地域にとって深刻な問題になっているという認識はあるのでしょうか。新年度早々と言っていたもの、いつから地域での働きかけを行うのかお答えください。そして、いつまでに、どの程度の緩和を行うのか、しっかりと期限、数値をお示しください。
 中野体育館における横領事件について伺います。
 この事件については、これまで全員協議会あるいは会派への説明など受けてきました。この中で常に感じられるのが、行政のお金を取られたということに対する認識の甘さです。その背景には、どうせ最後は税金で補てんすればいいという、役人特有の意識があるのではないでしょうか。今、区民の一番の関心事は、再発防止がどうか、原因がどうかということよりも、この2,300万円余のお金をだれがどう弁償するのかということです。
 民間の会社であれば、社員の犯した不祥事により損害の賠償を請求されたときには、当然、経営者がその賠償をしなくてはなりません。財団法人とて同じ認識に立つべきものと考えます。今回の事件を受け、区民が今一番思っていることは何だと思うか。そして、最優先に取り組まなくてはいけないことは何とお考えになるかお聞かせください。また、事件の1次報告書ではさまざまな原因が掲載されていますが、中でも最大の原因となっているものは何だと考えるかお聞かせください。
 本年1月、「財団法人中野区文化スポーツ振興公社のあり方について」という報告が、公社職員で構成するあり方検討会から教育委員会に提出されています。その中では、区の第1次事件報告書の中で挙げられている利用料金減免や申し込み時期の複雑さを指摘し、減免制度等を大幅に見直して、利用料金体系を単純化する必要があるとしています。そうしたことがわかっていても変えられない、それはなぜだとお考えでしょうか。私はこれこそ役所の体質そのものと思いますが、反論があれば、どうぞお述べください。
 また、事件第1次報告書では、私が常々指摘してきたことも述べられています。公社経営陣が区職員OBや派遣職員であることから、公社設立の本来の目的が達成できず、当初期待していた自主性や独自性などの機能が阻害される結果となり、危惧されていた問題が現実となった。つまり経営陣が幹部職員やOBであっては、仲間意識ばかりが働き、なれ合いになり、そして、今回の事件に見られるように、何かあれば税金で補てんされるという体質が蔓延し、一方で監督すべく区教育委員会では、その団体幹部にかつての上司がいたのでは、問題に気がついていても物を言うこともできないという構造的な問題から、こうしてずるずる5年間も犯罪を許してしまったということなのではないでしょうか。ましてや昨年は常務理事、事務局長のポストをわざわざ分けていたにもかかわらず、その時点ですらこれらの問題に気がつかなかったというのは、いかにぬるま湯体質であるかを物語っています。改めて幹部職員やOBの採用はやめ、経営感覚のある民間人の登用を求めます。また、さらに、文・スポ自体を民間の法人に委託することも検討すべき時期と思いますが、いかがでしょうか。
 その他で2点お伺いします。
 地域センターの事務機能についてお聞きします。
 地域センターでは、住民票や戸籍謄本、印鑑証明等が直接発行されています。一方で、行為能力者であることを示す身分証明書、さらには、昨今ふえつつある相続の際に必要な除籍謄本、改正原戸籍、戸籍の付票などは、いまだ区役所本庁まで来ないと発行してもらえません。このため、中野までの交通不便な地域からは、これらを地域センターでの発行を望む声がふえています。とりわけ事業の免許関係に必要な身分証明書を必要とする人は、平日の昼間というのは、区役所まで来る時間でも貴重な時間であり、極めて不公平感を感じています。これら書類の地域センターでの発行を早急に実現していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 最後に、政治活動等のポスターについてお聞きします。
 公職選挙法の規定では、当該選挙に係る議員の任期満了の6カ月前からは、個人の政治活動を示すポスターの掲示は禁止されているはずです。そのため、6カ月前直前には選挙管理委員会から、議会の会派や新人の候補予定者には直接その旨が通告されています。ところが、この4月に行われた中野区議会議員選挙では、選挙直前あるいは選挙中にもかかわらず、多くのいわゆる個人ポスターを掲示していたものがあったことを目にしたのは、私だけではなかったと思います。こうした行為は選挙の公平性を欠くもので、選挙の結果にも影響を及ぼす可能性もあるので、選挙管理委員会は毅然とした態度を示すべきです。同様の事例で、江東区選挙管理委員会では、当選した候補者を告発、逮捕、起訴にまで及んでいます。
 そこでお聞きしますが、今回の区議会議員選挙では、こうしたいわゆる個人ポスターに対しての撤去命令は何件あったのでしょうか。また、選挙直前、選挙中にこうしたポスターがあることを、選挙管理委員会は認識していなかったのか。さらに、警告をしたにもかかわらず、これに従わない場合には、どういう措置がとられるのか。警察とはどういう協議をしていたのかお答えください。
 あす7月1日から、我が中野区で長年の懸案と課題であったタイムレコーダーが稼働を始めます。これも田中区政における大きな前進だと考えています。これからも既得権や前例にとらわれない改革を田中区長が一つひとつなし遂げていくことを期待し、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 佐伯議員の御質問にお答えをいたします。私の方からは、区が目指す方向、あるいは2年目の区政の課題についてといった内容についてお答えをいたします。その他の質問については、それぞれ所管の部長の方からお答えを申し上げます。
 まず、私、今の中野区政が考えているビジョン、そうしたものを的確に、キャッチフレーズのようなもので示すべきではないかというようなお考えでありました。私もいろいろな形で、中野区のこれからの形、姿といったことについてお話しをしているところでありますけれども、そうした私の考え方と、また今回の基本構想改定に当たって、そういった区民参加をしていただいているという中で、さまざまに議論をしていただいている、そうした区民の皆さんの描いていらっしゃるビジョン、そうしたものと組み合わせた形で、求心力のある一つのキャッチフレーズといったようなものに結びつけていく、そうしたことは必要なのかなというふうに考えているところでございます。今後、区民参加の中で、既存の枠組みにとらわれることなく、町の将来像を描いていただくということでやっているわけでありますので、そうした話し合いの中で生まれてきた方向性、そうしたものを深め、広げていくプロセスを通じながら、区民全体の思いを反映した将来像という形でのキャッチフレーズに結びつけていきたいというふうに思っております。
 それから、マニフェストについてであります。どういうような考えを持っているかという御質問でありました。先ほどの北原議員からの御質問にお答えしましたように、マニフェストについては私も共感をしているところであります。政治家として、候補者として、実現するべき政策目標とその時期、また、そのための財源といったようなことをきちんと提示して議論をするということが、実現性や、あるいはその裏付けのないままに、あるべき姿であるとか、バラ色の公約だけを描き出して議論をしてきたという政治のあり方から、民主政治を一歩前に進めるという上では、私は大きな意義を持っているのではないかと思っているわけであります。そうした意味で、今度選挙に出るとしたら、マニフェストを実践するのかという御質問については、私としてもできる限りそうした方向でやっていきたいというふうにお答えを申し上げます。
 それから、特別職の退職手当についてであります。中野区で恒久的に見直すつもりはないかという御質問でありました。特別職というのは、行政運営の中心を担う重要な職務でありまして、その職務に専念して、その期の4年間というものを仕事に全力を尽くすというわけであります。その後の問題、あるいはそうした、その期間の職務に専念をしているといったような状況、考え合わせまして、人材確保という観点から、現在の退職手当の制度は必要なものというふうに私は考えております。
 それから、地域センターを巡回して、区民の生の声を聞いてはどうかというお話でありました。区民に直接接して、その生の声を聞いて、その立場で区政に反映をしていくということは、私の姿勢の基本だというふうに考えています。対話集会という手法のほかにも、いろいろな形で区民の声を聞くということが必要と思っておりますので、さまざまな方法を検討していきたいというふうに思っております。
 それから、体育館における横領事件に関してであります。区民が一番望んでいることは、損害を受けた金額がどう補てんされるかといったようなことであると。また、最大の原因は何だという御質問であります。今回の事件は、公社と生涯学習課という二重のチェック体制がありながら、それぞれのチェック機能が働かなかった。つまり実際の事務を行っている職員や管理監督者が、仕事の進め方について常に問題がないかを意識しながら、緊張感を持って業務に当たっている、ここの部分が欠けていたことが最大の原因であるというふうに私は考えております。
 損害賠償の請求の問題ですけれども、基本的には当事者であります元職員本人に請求をするということであります。しかしながら、本人の支払い能力などの問題から、損害額を確保するということの困難さを今、懸念しているところであります。本人が損害補償できないという場合であっても、区民の負担に期さない何らかの方法を検討していきたい、こう考えているところであります。
 私からのお答えは以上でございまして、その他の御質問については、それぞれの担当部長の方からお答えをいたします。
     〔区長室長金野晃登壇〕
区長室長(金野晃) 私からは、構造改革特区についてのお尋ねにお答えいたします。
 第3次提案募集について、中野区での検討はどうなったのかというようなお尋ねでございます。今回の第3次の募集に当たりまして、他の自治体の事例なども参考にいたしまして、全庁的に検討を行いました。しかしながら、今回は、中野区としての提案は見送るということにいたしました。私どもの方では、特区があるからとにかく提案をする、特区先にありきという発想ではなくて、町の活性化や自治の発展をどうつくり出していくかという視点から検討したいというように考えております。今後、新しい中野の姿を描き、区が目指すべき道筋を明らかにしていくという検討の中で、特区の活用を視野に入れて考えていきたいというように思っております。
     〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 私からは、佐伯議員の質問のうち、経営戦略塾、また職員の名刺の活用、集会室のIT推進、それから、外郭団体の人事といった視点からの御質問にお答えしたいと思います。
 まず、経営戦略塾でございますが、経営戦略塾につきましては、現在、さまざまな形で、経営理念が本になったりして出ているわけですけれども、実際にそういうことを実践している企業、また先進自治体、こういったところでの改革の動きというのを学びまして、管理職が相互にみずから研修し、また研さんするという、そういう場として、またそういうことを通して、経営者としての各部長の経営能力を高めるということを目的に設置、実施しているものでございます。
 講師ということですけれども、各部長が持ち回りで、みずからの部の課題、あるいは研究していること、こういったことを発表しているということでございます。過去3回行っているわけでございますが、過去3回の状況でいいますと、区民部長によります福岡DNA運動、これは実際に見に行ってもらいまして、その状況等、こういったことを発表してもらっております。また、私が行いましたのは、昨今問題になっておりますリスクマネジメントという視点から、みずからがどういうふうに取り組んでいるかといった点を発表させていただきました。また、この研修に当たりましては、民間からのいろいろな考え方も聞くということから、これまで経営コンサルタントによります戦略的思考ということから、講義を行ってもらっております。また、7月にはNPO問題の講義、これを予定しているところでございます。
 また、こういう研修を通じまして、先ほども言いましたように、経営改革についての理解を深めると、また、経営能力を向上させるということを図っていきたいというふうに思っています。将来的には、こういったことがさらに職員へだんだん広まって、庁内に幾つかの区政課題の研究グループ、こういったものがつくられていくことを期待しているところでございます。
 次に、職員の名刺の活用についてでございます。職務上、職員が名刺を使用していくということは、非常にそういった場面が多くなっているということについては認識してございます。先進自治体の中でも見ていきますと、先ほど御質問の中でも言っておりましたように、自治体のPRやスローガン、こういったものを印刷して、広報活動の一端、こういったものを担いながら、いろいろな活用が行われている事例が出ております。中野区の職員であることを誇りに思って仕事に取り組むという視点からも必要かというふうに思っております。そういうことから、職務上必要な職員に対しては支給していくということを考えていきたいというふうに思っております。
 それから、集会室等の公共施設の利用受け付けにITの活用ということでの御質問でございました。現在、中野区では、電子区役所推進本部、このもとに、区民の方が自宅からインターネット等を使って、区立の施設の集会室、こういったものを申し込める仕組み、また、空き情報を照会できる仕組みということを検討しております。新たな公共施設予約システムの導入ということで検討しているところでございます。この検討につきましては、16年度を目途に実施していきたいということで取り組んでいるところでございます。
 次に、外郭団体の人事についての御意見がございました。外郭団体の人事につきましては、外郭団体から要請があったとき、その要請に基づいて適切な人材を推薦しているというところでございます。受け入れ側も送り出し側も、適切に現在のところは運用されているのではないかというふうに考えております。しかし、昨今のいろいろな経営的なことからいいますと、今後の外郭団体の運営につきましては、経営能力が重要なものになってきているというふうに認識してございます。既に外郭団体によりましては、民間からの採用の取り組みも行っているところでございます。処遇のためのOBの派遣ということについては、既に実体はなくなってきているのではないかというふうに認識しているところでございます。
 以上でございます。
     〔保健所長清水裕幸登壇〕
保健所長(清水裕幸) 私からは、保健所、保健福祉センターで現在使用しておりますエックス線装置、レントゲン装置とも言いますが、これのコンピュータ化についての4点についてのお尋ねに順次お答え申し上げます。
 いわゆるレントゲン装置のコンピュータ化したもの、これを通常、CR装置と申します。これは標準的な仕様でお尋ねの初期投資額でございますが、大略2,500万円程度ということを聞いてございます。
 それから、2点目の導入によってどんな部分が削除できるか、あるいはランニングコストはどうかというお尋ねでございますが、いわゆるデジタル画像として処理するために、まず、フィルム化が必要ございません。こういったことで、自動現像機やフィルム用のチェンジャー等が不要となります。それから、当然のことながら、フィルム代も削減できるということになります。それから、スペースとしては、暗室や、いわゆるフィルムの保管のためのスペースが必要がなくなるということになるわけでございます。
 ランニングコストでございますが、これはさまざまな実は試算がございまして、結論から申しますと、現行のシステムとそう差はないというふうに今は判断されるところでございます。これは一つは、CR装置が、ランニングコストが若干割高に設定されているところに原因がございます。
 それから、肝心の区民の健康管理上のメリットは何かというお尋ねでございますけれども、これは、いわゆる診断精度の向上、こういったことがすぐにもたらされるということでございます。一つは、鮮明な画像がモニター上で得られるということ。それからもう1点は、先ほど議員の指摘にもございましたように、当該の本人の前年度のフィルムがすぐに呼び出せるということで、比較読影が極めて容易に行えるという、この2点で診断精度の向上が図られます。それから、1回の被曝線量というのが平均で約2割程度減少するというふうにメーカー側は主張してございます。こういったことも健康管理上のメリットかと思ってございます。
 こういったかなり大きなメリットがございます。今後、機器更新をする場合には、CR装置の導入について十分検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
    〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 私からは、IT推進についてのうち、建築確認のフロッピーディスク申請、この件と、それから用途地域の見直し案、この御質問についてお答えをさせていただきます。
 まず、フロッピーディスク申請の関係でございますけれども、現在のフロッピーディスクによる確認申請は、申請図書の一部のみが対象とされておりまして、図面ですとか、あるいは計算書等の設計図書については認められていないと。また、その内容が台帳整理程度ということでございまして、必ずしも申請者にとりましてメリットのある制度となっていない状況でございます。こうしたことから、区といたしましては、いましばらくはシステムの開発動向に注目をし、研究をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 次に、用途の御質問でございますけれども、今回の用途地域地区見直しの素案策定につきましては、これまで区報、それからホームページ等を通じながら、見直しの経過について情報提供を行いながら、区民からの意見等の収集に努めてまいったところでございます。お尋ねの今回、住民要望で、素案といいますか、案に盛り込まれた事例はあるのかという御質問がございました。これにつきましては、今回の住民要望では地区計画という原則を打ち出してございまして、たまたま今回の原案には、住民からの要望の件につきましては盛り込まれておりません。
 あと、区案の都への送付期限が7月4日ということでございます。議会にはどこで示されて、議会の意思はどう諮られるのかといった御質問でございました。用途地域地区見直しの原案の作成につきましては、事務の性質上、法律によりまして、都市計画審議会に諮って、区で決定すると定められております。そうした趣旨を受けまして、当審議会には、区議会からも委員の推薦をいただいているということでございます。見直し原案につきましては、今定例会の常任委員会に報告をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 それから、上鷺宮地域におきます土地区画整理を施行すべき区域ということで現在なってございますが、ここの地域への働きかけ、いつごろから始めるのか、あるいはいつまでに進めるのかといったような御質問がございました。用途地域地区の見直しに関する地域説明会では、建ぺい率、容積率の見直しを含む新たな用途地域地区の見直しにつきましては、地域住民の合意を前提に、地区計画によりまして進めていく原則を示したところでございます。上鷺宮地域に関しましては、土地区画整理事業を施行すべき区域となってございまして、必要な都市施設整備率を定めた東京都のガイドライン、これを踏まえまして、地区計画等によって進めていくことが必要であるというふうに考えてございます。そのため昨年度は、道路整備率、それから都市施設の整備率、こういったものの調査を行ったところでございます。現在、上鷺宮地域につきましては、地元の地域センター等とも協議しながら、地域に入る段階でございます。今後も東京都と協議をしながら、地域にとって望ましい住環境につきまして、住民相互で議論をしていただき、その合意をもとに、今後3年程度をめどに、地区計画策定に向けたまちづくりを進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
  〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕
教育委員会事務局次長(山下清超) 私からは、体育館の横領事件について、2点のお尋ねにお答えをいたします。
 一つは、体育館の使用料金体系の複雑な点の改善が必要だという認識を持ちながら、なぜ行わなかったのかというお尋ねでございます。「中野区文化・スポーツ振興公社のあり方について」という文書の中でこうしたことが述べられてございますが、これは利用料金制への移行を前提として、その効果を高めるために、簡素化の必要性が述べられたものでございます。この実現には、料金体系や減免措置の内容などを抜本的に改めることが必要だと考えてございます。私ども、できる限り簡素化は必要でございますが、やはり一定の体系あるいは減免制度は必要だというふうに認識しているところでございます。
 それから、施設の運営等を民間に委託する方向を検討すべきではないかというお尋ねでございますが、これにつきましては、法体系の現状も踏まえながら、総合的、抜本的に検討したいと考えているところでございます。
 以上でございます。
   〔地域センター部長柳澤一平登壇〕
地域センター部長(柳澤一平) 除籍謄本と身分証明書等につきまして、地域センターでの取り扱いができないかという御質問でございました。
 除籍謄本、身分証明書等の取り扱いにつきましては、専門的な職務知識を必要とするため、実務研修と所管課のバックアップ体制の整備が必要となるわけでございますが、窓口サービスの充実、それから、区民の利便性を高める視点から、地域センター窓口での取り扱いに向けて検討してまいりたいというふうに考えてございます。
  〔選挙管理委員会委員長岡山茂雄登壇〕
選挙管理委員会委員長(岡山茂雄) 佐伯議員の政治活動等のポスターについて、御質問にお答えいたします。
 御指摘の政治活動用個人ポスターにつきましては、平成14年10月30日から選挙期日まで、掲示が禁止された期間でありましたので、調査いたしました。したがって、掲示されていたことは認識しており、当委員会としては、中野、野方、両警察とお互いに現場確認をするなど、密接な連絡をとりながら、全体で122枚について撤去命令を発し、両警察署長に通報いたしました。その後につきましては、基本的には警察の対応に任せることになりますが、はがし残し等が見受けられれば、候補者へ連絡をとり、はがしてもらっております。
 江東区の場合は、当該候補者が大量の数のポスターを貼付し、かつ再三の選挙管理委員会の撤去命令、警告等を無視し、選挙期日まで貼付し続け、「選挙管理委員会の撤去命令など今後一切無視する」と言うなどの、他に例を見ない悪質なものであったことを聞き及んでおります。当委員会においても、江東区の例のように、区民の選挙に対する信頼を損ない、選挙の公正が確保されないと判断した場合には、取り締まり機関とも十分に協議をしながら臨みたいと考えております。
 以上でございます。
      〔佐伯利昭議員登壇〕
28番(佐伯利昭) 2点ほど再質問させてください。
 まず、政治活動用ポスターの件のところで、選挙直前、選挙期間中においても、いわゆる個人ポスター、こういったものがあることを選挙管理委員会では認識なさっていたのかどうかということをお聞きしたんですけれども、122件の撤去命令は出したと。その後は警察の対応ということの御答弁だったんですけれども、選挙管理委員会として、私たちの目から見ると、選挙直前、選挙中にもかかわらず、個人ポスターが張ってあったというものをかなり目撃しております。そういった現状は私だけではないかと思うんですけれども、そのあたりの選管の認識についてお聞かせいただきたいと思います。
 もう1点、用途地域の見直しの項目で、地区計画を3年をめどにという話がありました。これまでの答弁の中でも、当該地域から建ぺい率、容積率の緩和を求める声が大きいことはわかっている、認識があるということを答弁していたわけですから、区としては当然、そういった声を踏まえた方向で導いていくべきなのではないかと考えています。これから議論を始めるといいましても、当然、賛成・反対出てくるわけですから、これまでのように、1人でも反対があったら現状のままというようなことでは、地域では絶対に納得はできません。
 さらに、3年をめどというのではなく、先ほどマニフェストのところの議論でもありましたけれども、3年以内という期限を切って、さらに私が質問の中で期限、数値と言いましたのは、どういった数字にいつまでにするんだという姿勢を出していただきたいと思います。そして、それを出すと、当然、3年間ということが見えますと、今度は逆に、この3年間というのは、じゃあ、3年待てば、建ぺい率、容積率が緩和されるのだからということで、建築事業が大幅に減ってくる危険性があります。そうしますと、建築産業にとっても大きな打撃になりますので、そこで構造改革特区。今、全然なかったということですけれども、そこで構造改革特区のようなことを利用して、その3年間の時限措置として、この3年間は建ぺい率、容積率の緩和に向けて動いているわけですから、その3年間については、構造改革特区ということで、その数値と同様の建築を認める。それには一定の条件を付することとして、その中には当然、FD申請であるとか、そういったことでしっかりデータ管理をしていて、3年たった時点で、既存不適格ではなくて、いわゆる既存適格という言葉が、既存適合建築となってくるわけですから、そういったデータをしっかりと把握しておくことによって、問題が体系できて、体系的な議論ができていくということなのではないでしょうか。
 結局、その一つひとつのことを、きょうは幾つか質問をしてきましたけれども、構造改革特区のこと、FD申請のこと、そういったものの一連の流れの中で、この用途地域の見直し、建ぺい率、容積率の緩和、そういった手法について、ぜひ前向きな御答弁をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  〔選挙管理委員会委員長岡山茂雄登壇〕
選挙管理委員会委員長(岡山茂雄) 佐伯議員の御質問に答えさせていただきます。
 先ほど答弁をさせていただきましたが、何分につきましても、選挙管理委員会の事務局の数が少のうございます。毎回、全区内を見守るわけにもいきません。もしそのようなお気づきの点があれば、どしどしと御連絡をいただき、私たちも対応していきたいと思っております。ぜひとも御協力のほどよろしくお願いをいたします。
    〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 先ほど、上鷺地域におきます地区計画、これの策定に向けて、3年程度というふうに御答弁を申し上げました。私ども、そのぐらいの年限で何とかまとめていきたいと、こういうふうに考えておるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、地区計画、この制度は、住民同士の合意、これがあくまでも前提でございますので、当然、我々も一生懸命努力をしていくわけでございますが、どうか地域の皆様方におかれましても、この趣旨を十分認識していただいた上で、御協議をいただければというふうに思っておるところでございます。
 なお、構造改革特区でございますが、これにつきましては、区または東京都がみずからの権限でこの決定ができるわけでございますので、特区に該当する事業にはならないというふうに考えております。
      〔佐伯利昭議員登壇〕
28番(佐伯利昭) 再々質問ですので、簡単にお話しをさせていただきたいと思いますけれども。
 3年程度で何とかまとめていきたいではなくて、やはり区として3年以内に何とかするんだという決意が私は必要だと思います。何とかまとめていきたいでは、3年たった時点で、まとまりませんでしたで、これはやはり34年間、ずっとこの問題を引きずっているわけですから、この際、ここで、例えば部長が、絶対におれのときにこれはやるんだというような、そういう決意というのをやはり示していただかないと、議事録だけこれを読んだら、何とかまとめていきたいじゃあ、本当にどこまで真剣さがあるのか、どこまで本気でやっていこうという意志があるのか、やはりそこでは強い決意というものをお聞かせいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
    〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 再々質問にお答えをしたいと思います。
 私が先ほど何とかという表現を用いたわけでございますが、何とかという表現の中には、一生懸命、最大限努力をしてまとめたいという決意を述べたつもりでございますので、お酌み取りをいただきたいと思います。
議長(山崎芳夫) 以上で佐伯利昭議員の質問は終わります。
 議事の都合により暫時休憩いたします。
      午後3時17分休憩

      午後3時41分開議
議長(山崎芳夫) 会議を再開いたします。
 一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 奥 田 けんじ
 1 財政について
 2 子どもたちの問題について
 3 その他

議長(山崎芳夫) 奥田けんじ議員。
     〔奥田けんじ議員登壇〕
7番(奥田けんじ) ただいま指名いただきました、第19期の中野区議会議員、奥田けんじでございます。無所属の会を代表いたしまして、一般質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
 まず、一般質問に先立ちまして、今後の議会活動の所信の表明という形で、簡単な宣言の方をさせていただきます。こちらなんですが、「わかりやすい議会活動宣言」、ちょっと見づらいんですが、今後、もっともっと大きくしてまいります。
 まず、一つ目、区民の皆様に向けたわかりやすい発言。これは、傍聴に来ていただいている皆様に、この議会の発言内容、非常にセレモニー化してわかりづらいという御意見をたくさんちょうだいいたしております。こういった現状を少しでもなくしていきたい。まさに主権者の皆様に対して説明責任を果たしていくという意味で、まずはわかりやすいというところをしっかりとやっていきたいと思います。
 それから、二つ目、明瞭かつ端的な発言。これは、装飾的な表現が非常に多くなりますと、内容が非常に伝わりにくい、こういった現状が発生してくると思いますので、まずは明瞭、端的、こういった表現に心がけたいと思います。
 それから、3点目、テーマ性を持った長期的な視点。これはまず、私が議員として区民の皆様に選んでいただく際に、自分自身がテーマとして挙げておりました財政の問題、それから、子どもたちの問題、これを1回ごとの議会で完結するのではなく、長期的な視点で取り組んでいきたいということです。これはまさに選んでいただいている方に対しての責任を果たしていくという意味でも、重要な点だというふうに思っております。
 そして最後、これが当然、皆さんやられていることなんですが、説明責任を議会内外で徹底していくということです。
 こういった4点を踏まえまして、諸先輩方の皆様に御指導いただきながら、この議会活動を4年間しっかりと取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、一般質問に入らせていただきます。
 今回のテーマは三つでございます。一つが財政について。それから、二つ目が子どもたちの問題について。そして、その他です。その他というのは、時事的な問題について、これを扱わせていただきます。
 まず、財政の問題についてなんですが、今回はバランスシートの問題について取り扱わせていただきます。バランスシートでも、皆さん御承知のことかと思うんですけれども、左側に資産、右側上に負債、下側に資本という形、こういった形になっております。中野区はバランスシート、平成13年にも発表しているわけですが、この中で非常に欠落している部分がたくさんあるんですね。施設白書や財政白書で非常に重要な検討課題だというふうに述べられておりますが、実際に資産項目でいいますと、土地が簿価で表現されている点。それから、減価償却の問題。これは行政コスト計算書の面ではもちろん減価償却されておりますが、資産への反映がされておりません。本来であれば、資産のマイナス項目としてこういった減価償却したものは計上していかなければ、今後、学校の老朽化問題、施設の老朽化問題、買いかえの時期に、いざ買いかえようと思ったときに予算がない。これはどうしてでしょうか。これは資産の認識、これがだんだん減っていっても構わない、もしくは減っていっても黙認しているという現状をこのバランスシート上で放置しているから。そういう現状を今のバランスシートはあらわしていると思います。ですから、まず、このバランスシート上の資産の項目におきまして、土地の時価評価、これに関してはまだそれほど火急的な問題ではないと思うんですが、少なくとも資産項目に関しては、減価償却費のバランスシートへの反映、マイナス項目として資産へ計上するということですね。
 それから、負債項目。この負債項目、ここの中で一番大きいのが退職給付の引当金です。平成15年から平成19年にかけて約100億円ですね。それから、平成20年から25年にかけて135億円の退職金が予定されております。これがまさに負債として認識されていない現状で、行財政の改革、どのように行っていくのかということですね。財源を何かに使おうと思ったときに、「あ、これは実は退職金に要るんだったんだ」というのが、今の財政の運営のあり方ですね。これをこの負債の項目の中の退職給付引当金項目として、現在価値に引き直した形で計上するというのが、本来あるべき姿ですね。
 まず、この資産の項目でいいますと、減価償却のマイナス計上を行う。それから、負債に関しましては、退職給付の引当金を計上していくと、こういったことをしっかりとやっていただきたい。まず、このバランスシートに関しての問題は、このように認識をいたしております。
 こういった状況の中で、現在のとり行われております基本構想の問題、行財政5か年計画で、平成13年から17年度までの5カ年で解決するべき行財政の再建の考え方と筋道、これが明らかにされております。今、その行財政改革、先ほど述べましたようなバランスシートの認識をしっかりと行った場合に、これが17年度で完結するとはとても思えませんね。例えば、施設の開設・改修に関しては、既に800億円近い金額が必要になっております。それから、土地の問題。これは先ほど、時価会計にというような話をさせていただきましたが、これを仮に時価に引き直した場合にも、数百億円の負債が発生してくると思います。そして、退職給付の引当金。これが、少なくともここ10年、20年の間で数百億円生まれてくる。ということは、今後の財政運営上で既に、このバランスシート上で見えていない1,000億円以上の負債が、この区政運営の中で明らかになっているということですね。
 こういったものが区民の皆様に対してわからないような説明の仕方では、区民の皆様が、財政が非常に厳しい、厳しいと言ったところで、具体的にわからないですから。例えば中野サンプラザの買い取りをします。「厳しいけれども、いいんじゃないの」ということがあり得るんですね。例えば、今、中野区の区民の方、30万人いらっしゃいます。1億円の予算を使う場合に、区民の方は、じゃあ、幾ら使うんですか。330円ぐらいですね。要は、一つの事業をするのに、区民の皆さんは一体幾ら出すんだという認識がしっかりとできるような、そういった財政に対しての説明責任を果たしていかなければ、区民の方は、厳しい、厳しいと言われても、判断できないんですね。
 ですから、そういった説明責任を十分に果たすためにも、今度は行政コストの計算書の話になりますが、全体のではなく、個別の行政コストの計算書、こういったものをつくっていく必要が今後あるのではないかと思っております。例えば、先ほども申しました中野サンプラザの問題、これが、人件費がもし削減できなかった場合には、毎年4億円の赤字が出る。こういった試算が出されておりますが、4億円ということは、1人当たりの負担が1,000円以上かかるわけですね。3人家族であれば4,000円かかるわけです。こういった目に見える形での議論ができるような最低限の資料を、まずは行政側としてそろえていく必要があるのではないですか。これが私からの提案であり、今後の区政のあり方に対する質問です。
 それから、2点目……(「質問がわかりづらいぞ」と呼ぶ者あり)もう一度整理させていただきます。財政の問題に関して一つ目の質問を整理させていただきます。一つ目の質問は、バランスシートの問題に関しては、抜けている項目、これを補うべきだ。それからもう一つ、行政コスト計算書に関して、個別につくっていくべきだ。これに関して、今後の区としての方針を教えていただきたい、こういったことでございます。
 二つ目の質問に行かせていただきます。二つ目は子どもたちの問題です。これはちょっと見づらいんですが、今後の検討課題とさせていただきたいんですけれども……(「私たちに見せたってしようがないんだよ、そんなもの」と呼ぶ者あり)傍聴に来られている方がいらっしゃいますので。申しわけございません。今後の検討課題にさせてください。現状、日本全国の平均の合計特殊出生率が今、1.32になっております。中野に関しては、平成13年度0.77です。こういった状況の中で、子育て支援という方策、これをとっていかなければ、人口問題ということ、それから、財政を支える将来の働き手、こういった視線でも今後の大きな問題になってまいります。
 しかしながら、先ほど指摘させていただきました財政状況の中で、具体的な施策を多くのコストをかけて行っていくのは非常に難しいと思っております。その中で、まず最低限、この中野区として行っていけること、それはまずは、区としての子育て支援を今後しっかりとやっていくんだという姿勢の表明、これを行っていくのが重要だと思っております。例えば、国が行っておりますファミリー・フレンドリー企業表彰、こういった施策。これは、国に関しては、ファミリー・フレンドリーな企業に関して表彰を行うだけではなく、加えて助成というような形で資金出動をもちろんしているわけですが、必ずしもこれが資金出動が必要なものかどうか。こういったものを検討に加えながら、ファミリー・フレンドリーな企業を応援していく。これは官と民がともに手を携えながら、子どもたちを育てていける環境を整えていくという取り組みです。
 それから、厚生労働省が次世代育成支援対策推進法案を検討しておりますが、これは中野区がまず率先してファミリー・フレンドリーな企業である、こういった姿勢を目指すためにも、こういった国の方針にのっとりまして、中野区としても、中野区内の、中野区の行政内、区役所内の子育て支援体制、これを整えていく、こういったことが必要ではないでしょうか。今後、こういった中野区役所としての区職員の育児休業の体制、男女共同参画の体制、こういった問題、取得目標値など、具体的にどのように取り組まれていくのでしょうか。
 また、子育て支援に関しましては、世界的には4種類の支援方法がございます。一つが、出生を促進していくフランス、カナダのタイプですね。それから、もう一つが男女共同参画型、これは北欧がやっているタイプです。もう一つが伝統家族型、ドイツ、オーストリアがとっている形です。そして不介入型、これがアメリカ、イギリス、オーストラリアといった諸外国がやっております。この中で最も大きな効果を生んでおりますのが、2番目に申し上げました男女共同参画型。これは、先ほど申し上げました厚生労働省の今後の子育て支援の方針とも合致するものであります。まさにこの結果の出ている男女共同参画型の子育て支援のスタイルを、中野区としてもしっかりととっていくんだという、こういった姿勢を区の中で明確に示していく。こういった方法、これが区職員に対してどのような育児休暇の目標値をとっていくのか、男女共同参画の方法をとっていくのか。そして、男女共同参画というからには、女性管理職の目標値であるとか、そういった具体的なところまで踏み込んで検討されるようなことを行っていくのか。こういった区の御見解、子育て支援に関して教えていただきたい、このように思っております。
 それから、最後になりますが、その他の項目です。その他の項目としましては、時事的な問題を扱ってまいります。一つ目が、文化・スポーツ振興公社について。それから、二つ目が危機管理について。そして、三つ目が住基ネットについてです。
 まず一つ目、文・スポの問題に関してですが、区民の皆様の税金から運営されておりますこの文・スポの収納金が、2,000万円以上に及ぶ着服、これが行われたわけですが、この体制、事件の原因は、まさに仕組みの問題です。モラルであるとか、意識であるとか、そういった、働いていらっしゃる方の規律とか精神の問題ではないんですね。これは仕組みを変えない限り、必ずまた発生する、こういった問題です。
 これはどういうことかといいますと、事件の原因は、中野区が行っておりますのが調定事務ですね。公社側が行っておりますのが収納義務。これは別々にやっているからこそ発生する。企業にお勤めの経験がある方であれば、当然おわかりかとは思うんですけれども、例えば企業で売掛金の回収をするとします。売掛金を発生させた部署と回収をする部署が仮に別だったら、これは認識することはできないですね。それと同じようなことが、この文・スポ問題には仕組みとしてあるんですね。こういった仕組みを今後、公社を初め、収納義務の発生する中野区内の施設で改めていくおつもりがあるのかどうか。
 それから、もし今後、このような収納事務と調定事務を別々に運営していく業務をお続けになるのであれば、区と公社で二重にチェックする体制が必要になりますね。今回、こういった着服の事件があってから、事件の全容が明らかになるまでに相当な日数を要しました。これはなぜだと思いますか。これはまさに先ほどの事務的な部署が分かれている問題です。要は区役所の方が、実際に幾ら入るべきだったかという金額を確認するために、予約券を1枚1枚再度数えるという事務が必要だったから、だからこそこれだけの時間がかかってしまったんですね。
 これが同じところでやっていれば、リアルタイムでこういったことは解決していきますし、今後そういった問題は発生しづらくなるんです。もしこのまま二重の体制を続けるのであれば、非常に業務効率は失われますし、リスクも当然残ったままになってまいります。こういった二つに分かれている事務を今後なくしていくのか、温存するのか。もし温存するのであれば、こういったリスクが残ったままになっている、効率性が落ちるという点に関して、どのようにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
 それから、次に、危機管理について質問させていただきます。昨今、この国際化、グローバル化が進む日本におきまして、この中野区は東京都の中核を担う重要な自治体となっております。危機管理といいますと、非常に国家的なレベルでの対応が求められる。これは当然のことですが、9・11の問題、そしてSARSの問題、こういったさまざまな問題が今後、東京都の一部である中野区近辺で発生するということは、可能性として十分考えられることです。それから、SARSの問題をとってみますと、仮にSARSの問題がアジア圏で発生した場合には、直行便が東京とアジアで多く結ばれているわけですから、これはテロの問題以上に危機的な状況だ、このように認識しております。世界的な企業がこういった危機管理の体制、専門部署を置き、どのように迅速な対応、人命を守っていくのか。中野区にあっては、区民の皆様の安全をどのように確保していくのかということになりますが、こういった危機管理に対する専門性をいかに高めていくのか。こういった区の危機管理体制をどのように考えていらっしゃるのか教えてください。
 それから、3点目、住基ネットの問題です。これに関しましては、ちょうど先ほど、総務省からの回答が返ってきたばかりというところですので、私の質問からは、総務省の回答後という区長のお話があると思うんですが、総務省の回答後の御意見をちょうだいすることは、質問の内容からは難しいとは思いますが、まず、確認事項として質問させていただきます。
 まず、住基問題に関して、接続するために必要な4項目が担保された場合に再接続をするという区長のお話ですが、改めまして、この4条件というのは一体何でしょうか。再確認のためにお願いします。そして、仮にこの4条件が一応確保されたということになった場合に、私の認識としましては、制度上の問題がある程度担保されたのかなという認識をしております。しかしながら、システム上の安全性が担保されているという理由には一切なっていない、このように認識しております。長野県下の市町村で、非常にずさんな管理体制が行われておりますのが明らかになりました。こういった法制上の、制度上の問題、これをクリアしたからといって、区民の皆様の個人情報、これがシステム的に担保されるという理由はどこにもありませんが、仮に4条件が担保された場合に関して、今後のシステム上のリスクに関して、区長、どのように御認識でしょうか。
 以上、質問させていただきました。ありがとうございます。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 奥田議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、行財政5か年計画で区の財政の再建が完了するとは到底思えないといったような見解の披瀝がございました。まさにそのとおりでありまして、平成17年度以降も財政を取り巻く環境というのは悪化をし続けるということは、このままのことをそのままやっていたのではそうなるだろうというふうに思っています。固定的、義務的な財政支出は、先ほど御指摘のあった施設の維持補修経費、また退職手当の圧力、そういったようなことはむしろ増加傾向にあるということを大前提にして、基本構想の検討に当たっているわけであります。
 検討に当たってもこうした認識をしっかりとお示ししながら、また、基本構想の審議会でありますとか、区民ワークショップでありますとか、そうしたお話し合いの中では、当初から財政白書や施設白書のほか、さまざまなデータをお示ししながら議論をしていただいているというところです。これからも区民の皆さんに考えていただく素材として、随時、財政の実態、これからの見通しというものを明らかにしながら、財政の裏付けのある、実現可能な基本構想、10カ年の行政計画といったようなものをつくっていきたいというふうに思っております。
 それから、文化・スポーツ振興公社の公金横領事件について、二重にチェックをする仕組みであって、それが今回の事件の原因になったといったような指摘でありました。今回の事件の教訓を踏まえて、委託のあり方、公社のあり方を含めて、今、総合的に見直しをしているところであります。
 それから、危機管理についてということで、今後の区の危機管理体制をどう考えているかという御質問でした。現在、区では、危機管理対策会議など、事件・事故への対応、これを行うための組織を設けているわけですけれども、経営改革の取り組みの中で、危機管理の視点から、組織全般にかかわるリスクマネジメント、これを全面的に再構築していくということに取り組んでいるところであります。
 それから、住民基本台帳ネットワークの再接続について、再接続のための4条件というふうに私申し上げた記憶は余りないんですけれども、個人情報保護に関する5法が成立したという状況が一つあるということであります。それから、国の方に区が切断以降申し入れていた改善策がどうとられているのかということについて、照会を行っていたということであります。その照会に対する回答がきょう午前中にありました。一定の回答になっているだろうというふうに思っております。今後、その回答の内容というものをさらに分析していかなければならないだろうというふうに思っています。
 また、国の対策の改善、そうしたことだけではなく、区としてみずから情報の安全を守るという仕組みを完全なものにするという意味で、条例の制定を今、この議会で提案させていただいているというところであります。個人情報保護の5法ができているということ、それから、国の保護対策が一定確認できるということになれば、また、条例が制定されてくればというようなことで、改めて再接続をする条件は整うものというふうに考えているわけであります。
 システム上のセキュリティ対策というような御指摘もありました。大変大事なことだというふうに思っています。こうしたシステム面での安全対策を守るといったようなことについても、先ほど言いました法律、あるいは国の示しましたセキュリティ対策基準、そうした運用が厳密に行われているということが大事なのではないかと考えているところであります。
 私からは以上でございまして、今お答えしました以外については、それぞれ所管の部長の方からお答えをいたします。
     〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 私からは、財政について、バランスシートにかかわる御質問について2点ほどお答えします。また、子どもたちの問題についてということで、男女共同参画時代の実現ということから、3点ほどについて私からお答えさせていただきます。
 まず、財政について、今回の出されているバランスシートについて、区民に非常にわかりにくいと。貸方、借方について不十分ではないかという御質問でございました。しかし、このバランスシートの中では、貸方の部に固定負債として退職引当金、これは今回出している分について見ていただければ、285億円余りが引き当てとして出されております。また、施設の改築、また改修につきましても、普通建設事業の各区分ごとに耐用年数を設定して、毎年度、定額法ではございますが、減価償却を行い、明らかにしているところでございます。しかし、その中でいいますと、例えば固定負債で出しております退職引当金につきましては、それに対する対応について、財産部分では土地だとか、そういった資産で対応しているというような状況があります。
 こういった、このバランスシートからは見えてこないという、今後必要となる資金がございます。今後実際に必要となる、御質問にありました退職金であるとか、施設の改築・改修にかかわる資金の不足、こういったことについては事実でございます。今言いましたように、土地だとか何かの資産でバランスが合ってしまうというバランスシート上の問題がございます。こうした対応につきましては、基金で行うということがこの中では行われております。これは、区の財政の中ではそういった対応をしていくわけですけれども、中・長期的な観点から、計画的に基金の積み立て、これをしていく必要があるというふうに考えてございます。
 また、このようなバランスシートについて、総務省方式ということで、企業会計的な手法で行われているこのバランスシート、こういったものを補完するためには、現在、区では、財政白書だとか施設白書、こういったものを作成しまして公表してきております。今後も区民がより理解を深められるような工夫が必要だというふうに認識してございます。
 一つの提案といたしまして、コスト計算書のつくり方について提案いただきました。現在公表しております行政コスト計算書は、大まかな目的別、または性質別による行政コスト計算書を出してございますが、これでは実際の細かいコストがわかりにくいということは認識してございます。そこで、例えば保育園であるとか、在園児にかかわる個別の行政コスト、こういったものがわかるコスト計算書を作成していきたいということで、現在検討してございます。早いうちにこういう形で、区民の方にわかりやすい形で、また議論ができるような形でお示ししたいというふうに思っております。
 また、子どもたちの問題につきまして、男女共同参画社会の実現を目指しての御意見がございました。中野区の取り組みについて特にお尋ねがあったわけでございますが、中野区では、さまざま法整備に合わせまして、その都度整備をしてきてございます。現在、中野区で整備されている制度ですけれども、子どもが3歳になるまでの育児休業、また、分割取得できる介護休暇、子どもの看護のための休暇制度、こういったものが導入されております。育児休業期間中でも、それから、育児休業手当金の支給、こういった経済的な支援措置も現在つくっております。職員にとっては、こういった制度が一つずつできることによって、制度的には仕事と育児が両立しやすい環境にあるというふうに認識してございます。
 また、育児休業の取得目標値について御質問がございました。現在、中野区では、この取得目標値については定めてございません。しかし、今議論されております法整備の動向、この中では、取得目標値について設定していく、こういった議論がされているところでございます。こういった動きを見ながら、職員が育児休業をとりやすい職場環境づくりに努めていきたいというふうに思っております。
 また、区の中に女性管理職をもっとふやしたらどうかという御提案がございました。特別区の管理職の登用につきましては、制度上は男女に差を設けてはございません。同じ扱いで試験が受けられるということになってございます。しかし、女性職員が働きやすい環境、子どもがいるとか、そういったことでなかなか働けないと、働きにくいということではなくて、働きやすい職場環境整備を進めまして、女性管理職を希望する職員がふえるような、そういった取り組みをしていきたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
   〔地域センター部長柳澤一平登壇〕
地域センター部長(柳澤一平) 子どもたちの問題について1点お答えをいたします。
 ファミリー・フレンドリー企業というのを例に出されまして、中野区としても、中野区内の企業が社員の子育て支援に力を入れられるように、区としての関係について考えたらどうだろうかというような御質問でございました。仕事と家庭の両立を可能とする雇用環境を企業自身が整備することは、子育て支援を進めている区としても、大変望ましいというふうに考えてございます。今後、区内企業に対しどのような働きかけができるのかについて検討してまいりたいというふうに思っております。
 以上です。
議長(山崎芳夫) 以上で奥田けんじ議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 はっとり 幸 子
 1 区民との協働をすすめるための取り組みについて
  (1)NPOへの対応について
  (2)補助金の見直しについて
  (3)職員の意識変革への取り組みについて
 2 住民基本台帳ネットワークシステムについて
 3 その他

議長(山崎芳夫) 次に、はっとり幸子議員。
     〔はっとり幸子議員登壇〕
18番(はっとり幸子) 2003年第2回定例会におきまして一般質問をいたします。
 最初に、住民基本台帳ネットワークシステムについて伺います。
 昨年9月11日に区長が住基ネットを切断した後、第3回定例会、第4回定例会、また、ことしの第1回定例会において、さまざまな議論がありました。区長の判断根拠をわかりやすくする、審議会にかけるなどの手順を踏む、何かあったら切断すると明記する条例をつくる動きがあるが、区はどう考えているのかなどの質疑がありました。そして、条例をつくるべきという意見が出されていました。これらの質問を受けて、区は昨年から、個人情報保護条例を中心に改正の検討を始めようとしていると答弁をしていますので、何らかの区の検討はされていると思っておりました。住基ネットの問題に関しましては、各自治体は審議会に諮問したり、市民の意向を調査したり、第三者の意見を聞いたり、市民の意見を聞く手だてをさまざまな形で行っています。
 田中区長は、官から民への大転換をスローガンに掲げて区長選挙を戦いましたが、政策形成過程からの徹底した区民参加を図ることも大きな目標の一つでした。区長は、徹底した情報公開と手ごたえのある区民参加による区政運営を進めることを区民に公約され、区民との対話集会を初め、さまざまな場でそのことを話されています。昨年9月の住基ネット切断に関する議会での質問に対し、次のようにお答えになっています。「私は、自治の原点は住民参加であると考えています。情報提供、情報公開を徹底すること、そして、意見を交換する場が用意されること、これが参加の前提だと考えています。参加の過程で区政の現状を区民と区が共有し、十分に意見交換を行って合意を練り上げていくこと、これが大切だと考えています。その過程で住民の提案を入れたり、区の考えを変えたりすることは当然あり得るわけであります。参加の結果が反映されることが、私が考えている手ごたえのある参加につながる、そんなふうに考えています」とおっしゃっています。
 今定例会に提出される予定の議案の中に、「中野区住民基本台帳ネットワークシステムに係る本人確認情報等の保護に関する条例」があります。個人情報保護にかかわる5法が制定されたとはいえ、まだ解決されない問題も多くある状況の中で、住民基本台帳ネットワークシステムにかかわる区民の個人情報保護について、区長などの責務を定める条例を制定しようと考えている、その責任感と意気込みは評価します。前神山区政では、条例制定は必要なしと明言されていましたから。
 しかし、条例案作成に当たって、区長が日ごろから述べておられる区政運営にかかわる区民参加の考え方をどのように反映したのでしょうか。条例案の上程が予定されている今定例会開会までの過程で、議会への情報提供が十分であったとは言えず、区民に対しても、区長が考えておられるような区民参加の前提である情報提供、情報公開、意見交換の場づくり、そして、区民の参加による結果を施策へ反映させるという大事な手順が忘れられていないでしょうか。この点についてどのようにお考えなのかお尋ねします。
 6月27日に区長室長名で各会派に配付された第1回政策会議についての資料に、区が決定した住民基本台帳ネットワークシステム運用の今後の対応についての方針が3点にわたって書かれています。
 1点目は、区として独自の措置をとることによって、住基ネットシステムの運用上の個人情報を保護するための環境を整えるとありますが、区独自の措置とは具体的にどのようなものなのでしょうか、伺います。
 2点目に、法、区の条例、国の保護措置によって、区民の個人情報の安全性が図られたかどうか総合的に検証し、十分な対策が講じられているかという確認をするとあります。中野区が5月29日に、6月末日を回答期限として総務大臣にあてて照会した「住民基本台帳ネットワークシステムにおける本人確認情報の保護措置等について」は、きょうがその6月末日に当たりますが、総務省から回答は来たのでしょうかとお尋ねをする予定でしたが、先ほど休憩のときに、担当部長の方から回答の文書をいただきました。その回答は、私も読む時間もなかったので、読んでおりませんけれども、国などの保護措置等への区の懸念が払拭できると確認できるものだったのでしょうか。現段階の区の見解を伺います。
 住基ネットワークシステムでは、市民個人の情報の自己決定と自治体の自己決定が保障されていないことが最大の欠陥であり、自己情報のコントロール権確立が大きな課題です。区長は昨年の第3回定例会で、「自己情報コントロール権については、欠くことのできない基本的人権であるという立場から、今後の住基ネットへの対応を考えていく」とお答えになっています。自己情報コントロール権について、総務省、東京都の検討はどのように進んでいるのでしょうか。現段階における区の見解と今後の見通しについて伺います。
 3点目には、個人情報の安全の確認ができた場合、再接続に当たって、事前に区民や個人情報保護審議会の意見を聞くこととすると書かれています。住基ネットについては、区民の間で大変関心の高い問題でもありますし、区民の意見の聞き方については、区長の区民参加についての考え方に基づき、例えば対象を無差別で抽出して実施している区政アンケートなどのように、公平性を工夫した手法も必要だと思います。また、個人情報保護審議会については、単に報告をして委員から意見を聞くということではなく、区長から諮問をし、答申を得るようにすべきだと思います。どのようにお考えでしょうか。
 次に、横浜市、杉並区などがとっている「市民選択制」について、区の見解を伺います。
 全国的に「市民選択制」と呼ばれる横浜方式への関心が高まる中で、区民から、なぜ中野区がその選択をしないのかという疑問も出ています。6月4日に杉並区がこの方式を採用するという内容の住基ネット対応方針を発表しました。同じ日に中野区長は、市民選択制についての中野区の見解についてコメントを発表し、法の趣旨から、選択制が法的に可能であるとは考えていないと述べています。首長は法を守らなければならない立場です。しかし、この簡単なコメントだけでは、区民への説明として不十分だと思います。横浜市や杉並区などが採用している選択制の問題点も含め、中野区がなぜ選択制をとらないのかを区民にわかりやすく説明することが必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 区民との協働を進めるための取り組みについて伺います。
 私が市民活動にかかわる質問を始めたのは9年前の第2回定例会で、議員になって初めての一般質問の一項目でした。そのときからこれまでに、このテーマでの質問は毎年、また、年によっては予算・決算総括質疑も含め複数回行い、区の取り組みを求めてきました。しかし、区の取り組みは遅々として進まずという状況が続いていると言わざるを得ません。何が問題なのでしょうか。
 区は2001年9月から10月にかけて、各課のNPOとの協働事業調査を行い、その結果の報告書を2002年2月に作成しましたが、議会への報告はされていません。この調査はどのような目的で行われ、調査の内容について何にどのように生かされたのでしょうか。
 また、区は昨年11月にNPO・自主団体実態調査を行い、ことし2月に報告書としてまとめました。これは議会にも報告され、第1回定例会で質疑が行われています。調査の目的について、区内におけるNPO・自主団体の活動上の諸課題を把握することにより、これら団体の活動を推進するために必要な条件整備や活動支援のあり方を検討する基礎資料とするとしています。この調査によって、区内のNPO・自主団体の活動の現状と課題をどのように把握し、これらの団体への活動支援のあり方についてどのような検討をしているのでしょうか。現在の検討状況を伺います。
 4月にNPO・自主団体支援にかかわる所管課が区長室に移動しました。これを機に改めてNPO・自主活動団体と区が協働する意義を明らかにし、区民との協働を進めていくための施策の方向を示すことが必要だと思います。NPO・自主団体の活動を進めるために、活動のレベルに応じた財政支援も必要だと思います。現在区が実施している市民活動への助成を見直し、ゼロベースからの仕切り、助成対象の選考を開かれたものにすることや、新たな制度をつくることなどが考えられます。再度提案をいたします。
 今回、区は、ITを活用した先駆的、モデル的な取り組みとして、中野区IT活用地域活性化事業を始めましたが、こうした取り組みについても、分野を広げることも必要だと思います。どのようにお考えでしょうか。
 また、新しい時代に対応した区民との協働を進めるための職員の意識変革の研修を積極的に行うことが必要と思います。NPOなどの活動団体と共催、また委託することなども考えられますし、そこからお互いの意識の変革が期待できると思います。また、職員への意識啓発として昨年区が示した「接客六つの約束」は、一定の成果を見ていると思いますし、さらにレベルアップさせることなど必要な時期に来ているのではないでしょうか。その際、お客様としての区民の視点だけではなく、協働の主体としての区民も視野に入れたものをつくっていくことが重要だと思います。区のお考えを伺って、この項の質問を終わります。
 その他で伺います。
 1点目に、重症急性呼吸器症候群、新型肺炎、いわゆるSARSについて伺います。
 新型肺炎SARSは、昨年11月に中国・広東省で発生し、中国国内だけではなく、世界各地で多くの死者を出しています。WHOが5月14日に感染地域リストから外し、SARSを制圧したはずのトロントで、12日後に再び死者が出たことが報道され、さらに6月24日には、WHOが中国を感染地域リストから抜いたことが報道されましたが、その翌日の新聞に、中国でSARSによる死者が出たことが掲載されています。
 カナダでの再発にWHOのSARS対策専門家は、「SARSとそれ以外の肺炎を100%見分けることは難しく、感染症対策が進んでいるカナダでも制圧が困難な感染症であり、潜伏期間中に移動した場合、感染の把握はさらに困難である。いかに早く見つけて隔離するか、課題が多いことも明らかになり、大きな教訓を得た」とテレビのニュースで語っていました。前回のカナダでのSARS制圧が公衆衛生の勝利と見られていただけに、再発したことによる各国の衛生関係者に与えた衝撃は大きなものがあるということです。
 日本でも台湾医師の事件がありましたが、国内での発生はありません。なぜ発生しないのか不思議と言われているようです。しかし、現時点でも、国内に無症状感染者がいないとは断言できないと言う医師もいます。
 日本では、SARSの可能性があると認められた患者、いわゆるSARS疑い例が出た場合、病院は直ちに保健所に連絡し、保健所では、感染経路や立ち回り場所、接触した人などの追跡調査をするかどうかを判断し、患者の公表については、本人に確認し、都道府県が判断することになっているようです。
 WHO基準では、いわゆるSARS疑い例とは、急な発熱とせき、呼吸困難などの症状がある患者のうち、10日以内に流行地域に滞在していた人、また、SARSの疑いのある人と接触をした人としています。
 5月26日、国内で初めてのSARS患者発生かという出来事が中野区内の医療機関で発生しました。その医療機関から保健所に連絡があったのが午前9時半ごろだったようですが、私がこのことを知ったのは1時間半後の午前11時でした。その時点で、保健所以外には、区の関係者にはだれにも知らされていませんでした。疑い例にも当たらない普通の病気であったので、報告の必要はないと判断したからだということです。結果的には保健所の判断が正しかったのですが、患者が受診に訪れた病院では、保健所が指導した検査などは行わず、すぐに特別装備の救急車を要請し、防護服を着た救急隊員が、設備が整った厳重な感染病室のある病院に搬送しているのです。中野区の危機管理体制に問題はないのでしょうか。
 たまたまその日の夜に行われた中野区医師会と保健所とのSARS打ち合わせ会で、疑い例と判断した場合の対応、SARS疑い例や可能性例の診断基準を満たさない、いわばグレーゾーンの患者への対応など、どのようにしたらいいのか、医師会側から問題提起されたと聞いています。保健所は2日後の5月28日に打ち合わせ会を開き、問題提起されたSARSの対応についての文書を医師会に配付したということです。
 そこで質問いたしますが、SARS疑い例の患者、また、SARS疑い例や可能性例の診断基準を満たさない患者が区内で発生した場合の対応については、どのようにしているのでしょうか。また、区民のSARSへの対応をどのように周知しているのでしょうか。
 SARSはことしの冬に再流行する可能性が高いと言われています。板橋区や世田谷区は、発生した場合の対応マニュアルをつくっても、実際に実施してみないとわからないということで、ラッサー車を使ってSARS患者発症を想定した搬送訓練を行っています。細かいシナリオ設定をし、シミュレーションをしたそうですが、実施してみると、防護服の着方や、搬送してそれを脱いだ後どうするのかなど、思っていたことと違うことも多く、新しい発見が多かったと、世田谷の職員である医師の方から聞きました。
 中野区は、5月26日の事例で何を発見し、今後の対応にどのように生かしていくのか、お考えを伺います。
 その他の2点目で、セクシュアルハラスメントについて伺います。
 セクシュアルハラスメント--いわゆるセクハラと言われておりますが--にかかわっては、最近、国会議員の辞職、それから、青森県知事の辞職や、参議院事務局で職員11人の処分がありました。裁判なども多くなってきています。どんな行為がセクハラに当たるのか、線引きが難しく、わかりにくいことも、セクハラが絶えない一因に挙げられると言われます。「飲んでいた」という言いわけが通用しなくなっている現状もあります。
 中野区では、ことし4月から、中野区の職員を対象にした第三者機関のセクハラホットラインが設置されました。職員全員にセクハラホットラインカードが配付され、火曜日から金曜日の17時から21時、土曜日は9時から12時の間の対応で、匿名で相談できるということです。これは事務局の職員の方からちょっとお借りしたんですけれども、セクハラホットラインカードということで、こういうカードが職員全員に配られたそうです。この裏には、セクハラとは他の者を不快にさせる性的な行動をいいますとして例示が、性的な冗談・からかい、性的関係の強要、自宅等への執拗な電話、不必要に体にさわる、わいせつな文書・図面の配布・掲示、食事・デートへの執拗な誘いなどがセクハラであるというふうに書かれて、例示が挙げられています。
 この相談窓口での4月、5月の相談件数はゼロということのようですけれども、職員の話によれば、まだまだこの窓口へ相談するには抵抗感があり、相談しやすい環境をつくっていくことが必要だと話していました。庁内全体で気持ちよく働けるようにするために、相談する側の意識を変えることも大切です。また実際には、セクハラについての相談は職員のカウンセリングの場などでは出てくるようですし、私も、何人もの女性の職員から管理職のセクハラにかかわる話を聞きます。もちろんこの場の理事者の中にはいらっしゃいませんが、一番問題なのは本人が全く自覚していないことだと職員は困惑しています。窓口をつくっただけではなく、利用しやすくするための工夫をどのようにお考えでしょうか。お考えを伺って質問を終わります。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) はっとり議員からの御質問にお答えをいたします。私からは、住民基本台帳ネットワークの関連の御質問、その他について答弁をさせていただきます。
 まず、住基ネットの条例、今回提案をさせていただいているものですけれども、この条例づくりに向けて、区民、区議会に対してはどのように働きかけを行ったのか、区民の声をどう聞いてきたのかというような御質問でありました。住基ネットの問題については、住基の発足の時期、また切断を行って以降、さまざまな形で区民の皆さんから声を寄せていただいているところです。区民対話集会、あるいはさまざまな団体、区民の皆さんとのお集まり、そういう中でも、多くの区民の皆さんからさまざまな立場で御意見をいただいてきたところです。そうしたさまざまな、直接お話をお聞きするということ、また、区報やホームページなどで住基の運用、また区の対応についてのお知らせをしながら、御意見をいただくことに努めてきたというところです。議会に対しましては、主として区民委員会などで、国・都における取り組みでありますとか、区の検討状況などを御報告しながら、御意見を伺ってきたところであります。こうしたさまざまな方面からの御意見を踏まえて、区みずからが住基ネットにかかわる本人確認情報を最大限保護するための手だてを講ずるということで、今回、条例の制定を提案しているというところであります。
 政策会議で、区独自の措置をとる、十分な対策が講じられているか確認する、事前に区民や個人情報保護審議会の意見を聞くという方針が決定されたということで、具体的にどういうことかということであります。基本的に、個人情報保護の5法が成立したという事態を踏まえまして、今回、条例を制定する。区として最大限保護していく仕組みをつくるということでの条例をつくるということであります。また、国の対応策と、十分な対策が講じられているか確認をするというところでは、国に対して申し入れをしていましたことについての回答を求めているというのが、この政策会議の時点でのお話でありました。
 その総務省からの回答についてですけれども、区が昨年の9月に切断をいたしまして、それ以降、さまざま申し入れていた点があるわけであります。そうした区が申し入れてきたこと、要請してきたことに対して、一定の答えが得られているというふうに現時点では考えているわけでありますけれども、そうした内容がどう担保できるのかといったような回答の内容について、さらに詳細の検討を急いでまいりたいと思っております。
 それから、自己情報コントロール権に対してどういう検討がされているのか、その状況をということです。自己情報コントロール権については、幅広く個人情報保護5法の中で定めがされてきているというふうに考えています。特に行政機関の保有する情報に関しては、「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」という中で一定の定めができているというふうに考えています。自己情報コントロール権に関連いたしまして、自己情報の収集されている情報について開示、訂正、利用停止、あるいは不服申し立てといった規定が設けられているところであります。法施行に向けて各自治体の役割でありますとか、どういった整備をしていくかというようなことについて、引き続き国の方で検討が行われているというふうに認識をしているところであります。
 それから、個人情報保護審議会の意見ということについての御質問がありました。個人情報保護審議会について、報告をするということではなくて、諮問をするという形にするべきではないかという御質問でありました。自治事務でありますけれども、法律に定められた法定の事務、これが住基ネットの事務であります。そういう意味で、住基ネットの事務の施行そのものについては定められているというふうに考えています。個別の状況判断、運用といったことについての行政側の責任を持って行うべき対応の問題でございますので、そうした意味で、その万全を期すということから、個人情報保護審議会の御意見を求めるといったようなことにしているところであります。
 それから、いわゆる選択制についてどう思うかという御質問であります。どこの自治体が選択制を実施している、あるいはするというふうに言っているのか、私はよくわからないわけであります。横浜市の方式については、公式に選択制であるというふうにされているように私は認識をしておりません。総務省が言っておりますように、あくまでも全体としての接続に向けての段階的な措置であるというふうに私としては理解をしているところであります。
 住民基本台帳そのものについては、すべての人が登録をされている。そういう中で、個人の権利あるいは義務といったようなことがしっかりと確定をするということで法律ができている仕組みであります。その全員が登録されているという住民基本台帳をネットワークするのが、住民基本台帳ネットワークの仕組みでありますので、一部の人だけ参加をしている、あるいは参加が個人の意思にゆだねられているといったようなことでは、法の趣旨が生かされないというふうに考えておりますし、法的に可能な問題ではないというふうに考えているところであります。
 それから、セクシュアルハラスメントについての問題が1点御質問でありました。第三者機関を設置して、気軽に相談ができる条件をつくるという意味で、この4月から運用をしているというところであります。今後とも気軽に相談ができるような、そういった空気ができるよう、改善に努めていきたい、そのように考えております。
 私からは以上であります。その他の点につきまして、それぞれ担当の部長の方からお答えをいたします。
     〔区長室長金野晃登壇〕
区長室長(金野晃) 私の方からは、区民との協働を進めるための取り組みについて、NPOへの対応、あるいは職員の意識改革といった一連の御質問にお答えいたします。
 まず、NPOについて、全体的にどんなような位置付けで考えているのかということでございますが、人々の連携を強め、地域を豊かにしていく力、こうした力として、NPOや自主団体の公共性、公益性のある活動、こういったものは欠かせないと、中野の町を豊かにしていく上で欠かせない力であるというように考えております。特にNPOという形態は、責任を持った事業主体ともなり得るものでございますので、公共的なサービスの供給とNPOの力とを結びつけていくと、大変重要な課題であり、ぜひ必要なことであるというように思っております。
 次に、これまでやってきた調査についての御質問がございました。区の内部の調査、それから、NPO・自主団体の調査と順次やってきたわけでございますが、平成13年度に行いました区の内部の調査では、現に自主団体あるいはNPOとどんなような協力しての事業が行われているのかということ、それから、今後どういう協力の可能性があるかということを、それぞれの部署にヒアリング等行って調査をして、現状と今後の可能性を調べたというものでございます。
 また、昨年度行いました調査は、団体を対象にしまして、その団体の抱えている現状ですとか、問題点などをお聞きしたものでございます。その昨年の団体に対する調査の結果ですが、幅広い分野でNPO・自主団体が活動しているということがわかりました。ただ、情報、それから資金面、あるいは人手不足というようなところで、それぞれに問題を抱えているというようなお答えもございました。各団体とも課題を持ちながら活動されているということがわかったというところでございます。
 現在、こうしたこれまでの調査をもとに、区の各部署へのヒアリング、あるいは団体へのヒアリングということを順次しておりまして、これからの支援、あるいは協力のあり方という検討をしているところでございます。区とNPOとが、あるいは自主団体とが協力し合うためには、まず、対等な立場であること、お互いを尊重したルールに基づいて協力し合うということが必要であるというように思っております。したがって、団体等の自主性を損なうことのない支援のあり方ということで検討しております。
 次に、補助金等につきましても、現状を見直しして、新たな制度を考えられないかというようなお尋ねでございます。また、IT分野に関する、IT活用地域活性化事業などとの関連についても御質問がございました。基本的な考え方といたしましては、自主団体等の運営に対する財政的支援、これは区ではこれまで行ってきていなかったものでございます。今後もその考え方は基本としていきたいというように思っております。NPOや自主団体がさらに自主性を高め、さまざまな活動、特に公共性・公益性のある活動が展開できるような支援のあり方について、先ほど申し上げましたように、検討していくということでございます。そうした考え方に基づいて、補助金等の支出のあり方、これにつきましても、必要な検討をしていきたいというように思っております。さまざま現在の状況、あるいは新しい制度の考え方、幅広く検討してみたいというように思っております。
 次に、職員の意識改革、区民との協働を進める上での意識改革についての御質問がございました。先ほども答えがございましたが、職員研修の中でさまざまな取り組みをしたり、また、管理職を対象にしている経営戦略塾の中で取り組んでおります。職員研修の中では、協働型人材育成研修という位置付けを明確にいたしまして、その中で、NPO理解研修と、こういったことも実施する予定にしてございます。また、管理職を対象にした経営戦略塾では、来月、NPO研修情報センターの講師を招いて、NPO問題の講演を予定しているところでございます。
 また、区民との協働という点では、例えば基本構想の区民のワークショップにおいても、職員PTのメンバー、職員が一緒に話し合いに参加をして、中野区の将来像について議論を重ねているというようなこともしてございます。こうした取り組みを含め、各職場においても、区民との協働を進めるための意識改革に努めているところでございます。
 また、「接客六つの約束」についての御質問がございました。「接客六つの約束」、レベルアップをさせた取り組みにかかる時期ではないかというような御質問でございます。「接客六つの約束」につきましては、顧客の視点で仕事を進める、そのための第一歩として行ったものでございます。今後、顧客の価値、すなわち区民にとっての価値という視点から、職員の意識改革と組織の体質を改善するための運動を始めることにしてございます。その運動の中では、統一的なスローガンを決めたり、各職場ごとに主体的に、その職場の特性に合わせた運動に取り組めるようなことをしたいというように考えております。そういった中で、協働の視点についても取り組んでいきたいというように思ってございます。
 以上でございます。
     〔保健所長清水裕幸登壇〕
保健所長(清水裕幸) 私からは、重症急性呼吸器症候群、新型肺炎SARSについての幾つかの御質問にお答え申し上げます。
 まず、中野区のSARS対応としまして、割合早期に、4月10日には健康危機管理対策本部を区長をトップにいただきまして設置いたしました。これまで都合4回対策本部会議を開きまして、さまざまなSARS対策についての施策を講じてきたわけでございます。そのほか、当然のことながら、国や都からの通知文書の収受にとどまらず、積極的に情報収集に努めておりますし、さまざまな事例を通じて、都の感染症対策課とは常時コンタクトを持っているという状況がございます。
 この中で、先ほどの御質問にお答え申し上げますと、まず、委員から御指摘がございましたいわゆる疑い例、3兆候に当てはまる部分につきましては、問診でそれが確認できますと、患者にマスクを着用させて、救急車にて都指定の協力医療機関に移送し、適切な治療、あるいは医療管理下に置くということがございます。それから、2次感染を予防するために、当該患者の行動をまず調査いたします。これは疫学調査と申しますが、これを通して、まず、居住地区の部屋、あるいは家屋、それから立ち回り先、こういったところの消毒を計画的に行うと。それから、濃厚接触をしたいわゆる接触者に関しては、10日間の健康監視、こういったものを保健所職員が担当するということになってございます。
 さて、疑い例に当てはまらない例、いわゆる3兆候、3要件も満たさない例につきましては、原則としては一般医療機関で、一般の、通常の患者として治療を行っていただくということになりますが、さまざまな要件が考えられますので、そういう場合には、医療機関と保健所、あるいは都、国が協議をしながら、適切な医療を提供していくということになります。
 こういったものが前提になりますけれども、まず、区民への周知ということが1点ございますが、これは、区報あるいはホームページ、それからケーブルテレビを通じまして、区民への周知には適時適切に情報提供をやるように心がけてございます。それ以外に、いわゆる保健所予防課、あるいは保健福祉センター、都合区内では5カ所になりますが、いわゆる相談窓口を設置いたしまして、保健指導や情報提供を行っているところでございます。これまで約150件以上の相談件数がございました。
 次に、5月26日に発生した事例を通してのお尋ねでございますけれども、私ども、5月26日に発生した事例については、あくまでも疑い例にも当たらないという判断がございまして、これは中野区の保健所だけではございませんで、都の健康局の感染症対策課とも協議した上での判断でございました。ただ、こうした経過を踏まえまして、医療機関とのより一層の連携が必要ということもございまして、医師会等を通じまして、こういったSARSの疑い例、あるいはそういったものについての診療等の対応のルールを改めて確認をしたという、こういう経緯でございます。
 先ほど申しました健康危機管理対策本部の中で、いわゆるSARS患者が万が一発生した場合にどういった対応をとるか、こういったものをより組織的にやる必要があるということでございまして、いわゆる円滑な初動対応を図るための班組織を編成してございます。これは主に保健所職員を中心とした班組織編成ということになります。先ほど申し上げましたように、患者移送、あるいはSARSの確定診断のための検体搬送、それから消毒、疫学調査、こういったものを組織的に行っていくということになってございます。いわば万全の体制を今、中野区はとっているということで御理解いただければと思います。
 以上でございます。
     〔はっとり幸子議員登壇〕
18番(はっとり幸子) 今回の条例づくりへの参加ということで、区長がお答えくださいましたけれども、区長の区民に対する責任感の強さというのはすごくよくわかるんですけれども、やはり条例にどういうものを盛り込むべきかという点では、区民の意見を聞かれておりませんし、その点での参加が私は必要だったんじゃないかということを言いたいんです。これまで新しい、この条例がちょっと違うという認識もあるのかもしれませんけれども、これまでの例えば区の男女平等基本条例、それから、環境基本条例におきましても、やはり大綱ですとか、あるいは盛り込むべき内容といったものをつくった上で区民の意見を聞き、そして、議会の中でも議論をし、条例をつくっているというような状況がありますし、そういう観点から、条例づくりへの区民参加がちょっと欠けていたんじゃないかということを私は言いたかったわけです。それはお答えは結構ですけれども。
 それから、対策会議ということで、先ほど保健所長からお話がありました。班組織をつくって、搬送ということ、もし疑い例があった場合に、班組織をつくって、万全の体制を整えているというふうにお話がありましたけれども、実際に26日に私がマスコミ関係者から情報を受けたのが11時で、その時点で区長も、それから保健福祉部長も御存じなかったんですね。私もそれにはとても驚きまして、ただ、その後のやりとりでは、疑い例にも当たらない普通の病気だということだったんですけれども、でも、中野区では初めての、医療機関からの要請によって、特別仕立ての救急車と防護服を着た救急隊員が、実際に新宿の医療機関に運んでいるというような事実があるわけですし、そうしたことがこの対策会議のトップにすぐに伝えられないということが、私はやはり、先ほどお話ししましたけれども、危機管理体制ということに問題がないのかなということをお尋ねしたかったわけです。
 それからもう一つ、住基ネットの市民選択制についてなんですけれども、区長がおっしゃることはそのとおりです。ただ、先ほど私が区民への説明として不十分ではないかというふうに申し上げたのは、いわゆる市民選択制、横浜方式と言われて、今、全国から注目を浴びている一つの方式がありますけれども、ことし4月に横浜市は、住基ネットへの通知希望者261万人、これは申し出をしなかった市民も含めての261万人、そのデータ送信を始めているそうです。そして、このことによって、6月9日から、住基ネットへは通知したくないと、非通知を希望している市民84万人分も含めて、市民全員の本人確認情報が住基ネットで取り扱われることになってしまっているということがあります。このシステムは、全員参加の枠組みは変わっていませんから、このようになるのだろうと思います。
 詳細は省きますけれども、データ送信を開始することを伝えている横浜市のホームページを見ますと、全国及び県のサーバーにある本人確認情報に非通知の申し出をしなかった市民261万人分の更新データ、及び非通知を希望した市民84万人分の更新されていないというデータを送信すると説明をしています。現段階までの横浜市の対応では、非通知を希望した市民約84万人に対して、市民選択制で保障したはずの自己情報コントロール権としてのプライバシーを侵害していることになると、プライバシーの問題に詳しい奥津茂樹さんなどが話しておられます。
 これから選択制を始めようとするということで、6月4日に杉並区でもそういう発表がありましたけれども、杉並区でも同じような問題が生じてくる可能性を否定できないのではないかということで、私は、区長がおっしゃっていることだけではなくて、区民に対して問題点、なぜ選択制をとらないのかということを区民に対してわかりやすく説明していただきたいなということで、この間の簡単なコメントだけではなくということをお願いしたわけです。
 以上についてお答えをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) はっとり議員の再質問にお答えをいたします。
 条例に盛り込むべき内容について、区民の皆さんからの意見を聞いていないという御指摘でありました。一般的に何かを創出していくというタイプの条例ではなくて、この事務の中でどういう安全性を担保していくかというようなことについての定めの条例ということであります。区民の皆さんがこの住基ネットの運用に関して求めていられること、本人確認情報がしっかりと守られていくべきであるということ、また、区民の方によっては選択制をしてほしいという方もいらっしゃるようでもありました。そうしたさまざまの区民の皆さんの要望は、私としては十分お聞きをしていると、把握をしているというつもりであります。そういう意味で、そういう御要望のうち、条例の中に反映するべき部分について、きちんと反映をしたという条例でありますので、そういう意味では、条例に盛り込むべき内容についても、区民の御意見は、私としては十分把握をしているつもりであるということであります。
 それから、選択制について、今、御指摘のありました横浜市の問題点について、私は詳細には承知をしておりません。私の立場としては、選択式と、選択制という考え方そのものが、住民基本台帳法、それから、住基ネットを定めた改正住基法の法律の趣旨から見て、とり得ない形になっていくということを申し上げています。そうした意味での、私が申し上げているこの考え方について、区民の皆さんにもっとしっかりと御説明をし、理解をしていただくように努力をするべきであるという御意見について、確かにそのとおりであると思いますので、これからもよくお知らせをする、あるいは情報提供していくというようなことに努めていきたいというふうに思っております。
 それから、せんだっての話題になりました、疑い例にもならない事例に当たって、発生をした時点で、あるいははっとり議員がお知りになった時点で、まだ私あるいは部長のところに連絡がなかったといったことでありますけれども、そういう意味では、疑い例にも到達していない、つまり、これは今でも通用しているわけですけれども、取り扱い、対応する方針、基準の中で対応するという意味では、疑い例に当てはまらない例の対応でありまして、その対応といたしまして、現場がきちんと判断をして対応した、そういう内容になっていると思いますので、その時点で私が知って、私の指示に基づいて現場が判断するというような内容ではなかったのではないかというふうに思っております。そういう意味では、事後に可及的速やかに私の方に報告もありましたので、私としては、現場の対応が決して間違っていたものだというふうには思っておりません。
 以上であります。
議長(山崎芳夫) 以上ではっとり幸子議員の質問は終わります。
 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
 議事の都合により暫時休憩いたします。
      午後4時14分休憩

      午後4時36分開議
副議長(やながわ妙子) 会議を再開いたします。
 一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 久 保 り か
 1 介護予防について
 2 防災教育について
 3 清掃事業について
 4 西武新宿線下井草駅北口開設について

副議長(やながわ妙子) 久保りか議員。
      〔久保りか議員登壇〕
5番(久保りか) 平成15年第2回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問いたします。議員として初めての質問になりますが、区長並びに理事者の皆さんの簡潔でわかりやすい答弁をよろしくお願い申し上げます。
 初めに、介護予防について伺います。
 介護保険制度がスタートして4年目に入り、この制度が社会の中に定着しつつあります。これから高齢化がますます進む中で、介護の充実はさらに必要になってきます。しかし、私は、最も大切な課題は「介護を必要としない一生を送る」ということだと考えています。元気なお年寄りがいつまでも元気で過ごしていただくためにも、要介護率を低下させるためにも、介護予防は区の福祉施策の重要な柱だと思います。
 第2期中野区介護保険事業計画には、介護予防に触れているページがあります。これを読んでみて、私は正直なところがっかりしました。介護予防が大事であるという言葉の意味が先行し、言葉が並んでいるだけです。これから高齢化がますます進む中にあって、介護を必要とする人の発生を抑えることの重要さについて、区はどこまで認識しているのでしょうか。私には全く伝わってきません。
 この介護予防について事業計画では、「新しく策定した中野区保健福祉総合推進計画との一体的な推進の中で充実を図っていく」と書かれています。しかし、保健福祉総合推進計画の考え方には、もともと介護予防の重要性の記述や積極的な取り組みが示されていないように感じます。第一、介護予防が重要であるというのであれば、保健福祉推進計画の目次に介護予防の項目が当然あるべきです。しかし、目次にも索引にもありません。介護予防に関する中身についての記述も、わずか半ページ程度の説明にとどまっています。今回の第2期介護保険事業計画や保健福祉総合推進計画での介護予防の扱いは、とりあえず記述しただけのものではないかと疑ってしまいます。
 高齢社会の将来を見据えると、介護予防は極めて重要な政策であると思います。中野区は、我が党の西村議員の3年越しの提案を受け、健康福祉都市宣言を行うと平成14年第2回定例会で答えています。介護予防について真剣に検討し、発想し直すいい機会です。区長のお考えをお聞かせください。
 健康福祉都市宣言を行うのであれば、区内の児童公園に宣言を掲げ、健康公園として、区民の健康促進に役立つ公園に改善してみるのもよいと思います。
 東京都では、介護予防緊急対策室を開設し、介護予防への新たな取り組みを始めました。私は、中野区の介護予防の施策は大変おくれていると思います。現状では、個別に介護予防事業を保健福祉センターなどで行っています。しかし、これでは介護予防の事業が中途半端になってしまいます。私は、保健福祉部の中に介護予防を組織的に検討する体制を整えて、本格的に推し進めるべきと思いますが、いかがでしょうか。
 その中で、介護予防プログラムなども具体的に策定する必要性があるのではないでしょうか、あわせてお伺いします。そのプログラムの中に、私は、新しい介護予防のメニューとして、マシントレーニングなどを活用した「パワーリハビリ」の導入をし、取り組んでみるべきと思います。また、音楽に合わせて水中で歩いたり飛んだりする「アクアビクス」も積極的に導入してはどうでしょうか。区のお考えを伺います。
 次に、介護予防に関連して2点伺います。
 この4月の選挙戦で私は初当選をさせていただきましたが、選挙中に私のもとにもさまざまな相談や不安を訴える声が入ってきました。私の住む地域の団地の中でひとり暮らしの高齢者が亡くなり、数日間発見されなかったということがありました。団地に住む高齢者の皆さんが、何か手だてがなかったのだろうかと心を痛めていらっしゃる声を聞き、私は高齢者の皆さんが安心して暮らせる方法はないのだろうかと真剣に考えてきました。
 家族の中で虐待を受けている高齢者の方が、新聞の集金に来た人にその悩みを打ち明けたのをきっかけに、民生・児童委員が訪問を始めたという話もありました。
 私のもとに声をかけてくださる方は、地域にもお友達や親戚がいて、自分でネットワークをつくることができる人たちでしたが、その一方で、1人で寂しい思いをしている高齢者の方もたくさんいることを感じました。ひとり暮らしではなくても、日中独居となってしまう高齢者の方、また、高齢者のみの世帯の御家庭も、さまざまな不安を持っている方がいらっしゃいます。
 高齢者がますますふえる中で、地域の方たちのかかわりができ、連携がとれるようになるまで、行政が手助けをしてネットワークづくりをしてあげなくてはならないとの思いを強くしています。この地域ネットワークを通した迅速な対応が、介護の予防にもつながっていくと思います。また、さまざまな行政サービスへの住民の協力体制をつくるきっかけとなるのではないでしょうか。
 私は、江戸川区と練馬区で取り組んでいる、高齢者のためのネットワークに関する事業を視察してまいりました。江戸川区は、「安心生活応援ネットワーク」として、区と在宅介護支援センター、民生・児童委員との連携システムをつくり、高齢者を取り巻くさまざまな団体、事業所、区民の方々に協力をいただき、その通報に即座に対応・対処する「人的ネット」と、最新の緊急通報システムなどによる「物的ネット」とで、長く住みなれた地域で安心・安全に生活できるよう支援していくという事業を推進しています。
 また、練馬区はこの4月から、地域の各機関組織のネットワークによって見守りを日常的に行うことができるように、在宅介護支援センターがネットワーク形成の仕掛けをしていく拠点となり、活動を進めています。それ以前にも、必要な方に必要なサービスをお届けするために、高齢者のお宅に在宅介護支援センターの職員が出向いて、援助の必要性を見きわめ、介護保険サービスや区の高齢者サービスなどを紹介する「ご用聞き福祉」を行っています。
 両区とも、高齢者の見守りや支え合いの施策に熱心に取り組み、急速に進む高齢化への対応や介護予防についても非常に細やかに、かつ迅速な取り組みをしていることに感動いたしました。中野区はこうした施策におくれをとっているようで、残念でなりません。
 中野区保健福祉総合推進計画には、高齢者の地域生活を支援する地域ネットワークづくりという項目があり、支えあいネットワークづくりを全地域で展開する計画になっています。これには南中野地域がモデル地区になっています。
 ところが、このモデル事業が進んでいないように伺いました。モデル事業の現状はどうなっているのでしょうか。また、今後どのようなスケジュールで区の全地域で支えあいネットワークを実施するおつもりなのでしょうか。私は、今年度じゅうには必ず支えあいネットワークシステムを構築させるという強い姿勢がなくては、この事業を実施することはできないと思います。この事業に対する区の御決意をお聞かせください。
 もう1点、高齢者の訪問事業について伺います。
 高齢者の中には、受けられるべきサービスの存在すら知らない方、サービスの名前は知っていても、申請方法がわからないままになっているという方が多くいらっしゃいます。
 一昨年、中野区では、100歳以下の方の敬老祝い品は廃止となりました。そのときにも数人の方より、「楽しみにしていたのに、区報になくなるという知らせが載ったことを知らなかった」という声を耳にいたしました。こうした高齢者の方々には、さらにきめ細やかなお知らせが必要であると思いますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。
 私は、敬老祝い品に関して言えば、敬老を祝うために品物を差し上げるということが大事なわけではないと思います。品物でなくても、心を通わすことはできるのではないでしょうか。例えば、区長からのメッセージを添えたカードを持って、「お元気ですか」「何かお変わりはありませんか」という声かけをしてはいかがでしょうか。
 民生・児童委員による毎年1回のひとり暮らし調査も、調査の意味がわからず、拒絶される場合もあり、民生・児童委員の方も困っているというお話も伺いました。区長からの高齢者の方へのメッセージカードをお届けすれば、訪問する側もされる側も安心してスムーズに調査を行うことができるのではないでしょうか。
 訪問については、ひとり住まいの高齢者の方だけではなく、高齢者のみの世帯の方や、日中お一人になってしまう方も含めて、新たな体制による敬老訪問を私は検討すべきと思います。この場合、敬老の日に合わせて敬老訪問を行ってはいかがでしょうか。区のお考えをお聞かせください。
 区長は区民との対話を重視しておられますが、区長御自身が高齢者の皆さんを訪問して、お一人おひとりと対話を行うというようなお考えはお持ちでしょうか。また、区長御自身のメッセージや高齢者の方への感謝の言葉を皆さんにお届けしてはいかがでしょうか。区長のお考えをお伺いし、この項の質問を終わります。
 次に、新たな視点における防災教育について伺います。
 私は現在、高校1年生と中学2年生の子育て中の母親です。昨年まで、中学校のPTA会長として地域の子どもたちともかかわってきました。その間、中学生の持つ無限の可能性とヤングパワーに感動し、期待をして子どもたちを見詰めてまいりました。その上で、地域におけるコミュニティとしての学校の役割や、地域の避難所としての学校についても関心を持ってまいりました。今日でも、さまざまな避難訓練を通して防災教育を行われていることとは思いますが、私はさらに別の観点から、この防災教育を見直すべきではないのかと考えております。
 児童・生徒は、訓練の場では常に保護される立場として扱われてきております。私は、ずっと彼らと接してきて、大人以上の体力と知識や決断力を持ち、思いやりの心も十分に持っていると感じています。防災教育を通して地域の実情を知り、地域の中での自分たちの役割を認識し、最大限に自分たちの力を人のために生かすことの大切さ、命を守るという行動のとうとさを学ぶ、生きた教育のよい機会になると思います。中野区教育委員会の防災教育に関する基本的なお考えをお聞かせください。
 地域では、町会の防災会を中心に防災訓練が開催され、学校でも定期的に避難訓練が行われています。防災訓練は、地域の方が少しでも多く参加できることを考え、日曜日などの休日の昼に行われることが多いと思います。しかし、休日に災害があるとは限りません。平日の日中、災害が起きたことを想定すると、地域には仕事などで大半の大人がいない状況です。高齢者の方や小さな子どもたちのためには、多くの救援の力が必要です。避難所である中学校にいる生徒が避難の手助けを担っていくことができると思います。
 教育委員会でまとめた「中野区立学校・園における防災計画」は、阪神・淡路大震災よりも以前に作成されたものです。既に9年たっていますので、改訂する必要があると思いますが、いかがでしょうか。この防災計画を改める際、私は、地域貢献やボランティアという視点の項目を加えるべきと思いますがいかがでしょうか、お伺いいたします。
 次に、防災教育の体験学習について伺います。
 防災教育の中で、中学校を中心とした、中学生がボランティアとして地域住民の手助けを行い、地域貢献できる体験学習を行ってはいかがでしょうか。体験を通し、人の命を守ることは自分の命を救うことだということに気づくような学習が必要ではないでしょうか。避難所である中学校に集まってきた地域の高齢者の方やお子さん連れの方を誘導したり、手当てしたり、車いすの方の介助をしたり、炊き出しをしたりする。このような体験学習を行うことはできないでしょうか、お考えをお聞かせください。
 また、避難所である学校施設には多くの防災資機材があり、取り扱うのに知識や力を要すると思われるものがあります。これらの取り扱い方法を身につけておくことが、いざというときに大事であると思います。少なくとも年に一度、防災課と連携をとり合いながら、実際に使ってみてはいかがでしょうか、区のお考えをお聞かせください。
 次に、救急救命法の講習について伺います。
 地元の第八中学校では、総合学習の時間の取り組みとして、昨年度、卒業記念に救急救命法を学習しました。救急救命法を学んだ中学生からは、「人命救助の大切さを知ることができた」、「何かあったときに人の助けになることができたらよいと思った」などの感想を聞くこともでき、提案した1人として本当によかったと思いました。
 救急救命法は、人命にかかわる問題や命の大切さを直接学ぶことのできる教育であるとして、既に取り組んでいる学校もあります。必ずよい体験学習として子どもたちの心に残り、今後の地域での力にもなっていくことと思います。今後、中野の未来を担い行く中学校3年生の生徒全員に、卒業記念として救急救命法の講習を行ってはいかがでしょうか、お考えをお聞かせください。
 体験学習という視点から、もう1点お伺いいたします。
 これからの少子・高齢化社会を考えると、高齢者の介護や子育てにも児童・生徒が関心を持つことが大切です。
 茨城県美野里中学校では、「いたわりや思いやりの気持ちをはぐくみ、保護者や高齢者に今まで以上の感謝の気持ちを持てる生徒に育ってほしい」との校長先生の激励を受け、ホームヘルパー3級の資格取得講座を開催しました。この講座を受講した中学生には、「私の夢は病気にかかっている人を助けること」という子どももいて、この資格を取ることで夢に近づくという声もありました。こうした試みに対する教育委員会のお考えを伺って、この項の質問を終わります。
 次に、清掃事業についてお伺いいたします。
 平成12年度から清掃事業は東京都から各区に移管され、それぞれの自治体で新たな取り組みが展開されております。私たち公明党は、この事業が生活者にとって密着したものでなくてはならないとの視点から、たびたび本会議場で質問し、提案をしてきました。
 先日、足立区の清掃事業がテレビ、新聞で紹介され、話題となりました。足立区では、電話による粗大ごみの受け付けをし、指定された日に持ち込み場所にみずから持ち込みをするという事業が開始されました。自己持ち込みをした場合の処理手数料は無料となっています。区民に喜ばれている様子がテレビでは紹介されていました。もちろん従来から実施している方法による自宅前での粗大ごみ収集は行っています。この事業が始まったきっかけは、ごみの不法投棄が後を絶たず、そのための対策でもあるということです。
 私は、特にこの事業の「区民の方が持ち込む」という点に関心を持ちました。例えば自転車を粗大ごみとして出す場合は、直接持ち込み場所に乗ってきて、自転車を粗大ごみとして出していくこともできます。また、自分で車などにより粗大ごみを持ち込んだ場合は、係員の指示に従い、みずから荷おろしを行うシステムになっています。一番興味を持ったのは、決められた曜日にしか収集しないのではなく、基本的に出す側の希望の日に持ち込みできるようになっていることです。
 中野区では、地域ごと日にちが決められております。しかし、現実には、粗大ごみは引っ越しや家具の購入などのときに出るもので、そういった作業は、家庭では土・日に行うことが多いと思われます。住宅事情からも、大きなごみを保管しておくスペースがなく、不便を感じている人も少なくありません。現実に引っ越しなどで出た粗大ごみを、引き取りの日まで待てなくて放置しておく人もいると思われます。
 中野区の1日の粗大ごみの収集量は約200件、10トンと伺っています。一方、4月分の清掃事務所が収集した不法投棄などの粗大ごみ個数は、家電ごみも含めて257個に及びます。ごみ置き場に放置していく者や、自宅から離れた道路に放置していく人もいます。近隣の方が困って、区に通報してくる場合もあります。区道への不法投棄の通報を受けた際、道路課が警告シールを張り、何日かたっても引き取りに来ない場合は撤去し、丸山の中継所に運んでいます。こういった粗大ごみの確認・撤去作業などのために昨年度道路課が出動した回数は、年間304回にも及んでいます。
 現状として不法投棄の問題を抱えているという点では、足立区も中野区も同じではないでしょうか。区としては不法投棄の対策をどのようにしているのでしょうか、お伺いいたします。中野区も、従来どおりの粗大ごみの収集に加えて、土・日や夜間も受け付け可能な中継地点までの粗大ごみの自己持ち込みを受け付けてみてはいかがでしょうか、お伺いいたします。
 清掃事業に関連して、環境教育の立場から伺います。
 平成14年第4回定例会で、我が党のエコスクール、スーパーエコスクールに対する質問の際、学校と一緒に教育委員会も取り組んでいきたいという趣旨のお答えをされましたが、その後の取り組みはどうなっているのでしょうか、お聞かせください。
 中野区でも、子どものころからの環境に対する意識の啓蒙を行う取り組みとして、廃車する予定のプレス車両を改造したスケルトン車を新宿区から借り、教育に生かしている学校もあります。子どもが興味を持って環境を考えるために、とてもよい試みであると思います。各学校も環境教育のさまざまな取り組みを行っております。
 今年度は教育委員会でも環境教育を特に力を入れて推進しているということですから、さらに学校がやる気を持って取り組むことのできるように、中野区としての環境教育の発表の場を設け、すばらしい成果をおさめた学校に対し、中野版「環境教育賞」などという形で顕彰していくことはいかがでしょうか、お考えをお聞かせください。
 この項の最後に、学校ビオトープについて伺います。
 平成13年第4回定例会において、我が党のやながわ妙子議員が学校ビオトープの推進について質問いたしました。教育委員会は、技術的なアドバイスなど積極的に応援していきたいと答弁されています。それから1年半が過ぎましたが、中野区の学校ビオトープづくりはどのような状況でしょうか。着実にふえてきているのでしょうか、お聞かせ願います。
 ビオトープづくりは、環境の視点から、都市の中に身近な自然を持つという意味で極めて大切なことと思います。それぞれ学校で主体的に進めるという姿勢も大切かと思いますが、私はむしろ、積極的にビオトープづくりにかかわり、また先進的に取り組んでいるビオトープづくりの例を学んでいこうとする教育委員会の姿勢が今こそ大事ではないかと思っています。
 ビオトープの啓発・推進のため、全国学校ビオトープコンクールが隔年ごと開かれています。財団法人日本生態系協会主催で、ことしは3回目になります。今回のテーマは、「なぜ どうして 小鳥さんや虫さんもおしえてくれる学校」というものです。第2回のコンクールでは、既にやよい幼稚園が参加し、奨励賞を受賞しております。当幼稚園は、引き続き積極的にビオトープ事業を進めています。
 そこでお伺いいたします。教育委員会として、これらのコンクールや発表会に中野の多くの幼稚園や小学校が参加するよう働きかけてみてはいかがでしょうか。教育委員会のお考えを伺って、この項の質問を終わります。
 最後に、西武新宿線下井草駅北口開設などについてお伺いいたします。
 現在、交通バリアフリー法が実現したことにより、1日の平均利用者数が5,000人以上の駅では、車いすの人が補助者なしで利用できる、いわゆる三つ星駅が昨年より357駅ふえ、1,556駅、全体の42%にまで広がりました。
 下井草駅は杉並区内に位置しているため、余り議論の対象になっていませんし、中野区バリアフリー実態調査の対象地区にもなっていませんが、多くの中野区民が利用しております。下井草駅は、南側に改札が1カ所、エスカレーターやエレベーターは設置されていません。そのため、危険や不便を感じた駅を利用する中野区民からは、東京都や国土交通省に「駅をバリアフリー化していただきたい」、「北口を開設してほしい」という切実な陳情も出ております。
 中野区では、区外の駅であっても、多くの区民が利用している駅については、中野区のバリアフリーの実態調査の対象の指定をしています。中野区バリアフリー実態調査の対象地区にぜひ下井草駅を入れていただきたいと思います。御検討ください。
 杉並区では、今年度の実施計画に基づき、下井草駅周辺の交通問題に関する調査が行われます。この27日には、そのための補正予算も可決されました。西武鉄道の高架化、地下化の結論を待ちきれない住民がたくさんおります。どうか一日も早い解決のために、杉並区と話し合い、協力し合って、西武鉄道に対し強力な働きかけをお願いしたいと思います。中野区としてのお考えをお聞かせください。
 以上で私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
      〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 久保議員の御質問にお答えをいたします。私からは、介護予防の取り扱い、また、敬老祝い品のことといったようなことについてお答えをさせていただきます。
 介護予防の扱いが介護保険事業計画とか保健福祉総合推進計画の中では小さいのではないかという御指摘でありました。介護予防という言葉自体が、いささか据わりの悪い言葉、正確には要介護状態になることを予防する、介護が必要な状態になっていくことを予防するというような言葉だと思うんですけれども、介護予防というような、いささか据わりの悪い言葉で使われているということに、まだこうした概念がきちんと社会の中で取り扱われていない。行政の中でも、それほど十分には意識されてこなかったということのあらわれがあるのではないかと私は考えています。
 介護予防は当然、これからの社会の中にあって、高齢者が寝たきりの状態になることを防ぐとともに、要支援や要介護の状態、これを悪化させないという取り組みでありまして、本当に重要な柱になっていくものであるというふうに考えています。単に医学的な取り組みでありますとか、それから、リハビリということだけではなくて、今持っている力を社会の中で発揮できて、その中で生きがいを感じながら生き生きとしていくということまで、そうした生きがいづくりまで幅を広げて考えて、介護予防というような問題を取り組んでいく必要があるのではないかというふうに思っています。
 そうしたことも含めまして、保健福祉総合推進計画の中では、高齢者自立生活支援のほかに、若い世代からの健康づくりでありますとか、生活習慣病予防、また転倒予防事業の充実といったようなところを計画の中に含んでいるところであります。さらに、こうした取り組みに、今申し上げたような、幅の広がりといったようなものも考えていくことが必要なのではないかというようなことを考えておりまして、今後、施策体系の中で明確に位置付けをしていきたいというふうに考えております。
 それから、高齢者の、100歳以下の敬老祝い品が廃止になったんだけれども、ひとり暮らし調査の際に私、区長からのメッセージカードを届けるというのはどうなのかというような御質問でありました。今年度のひとり暮らし高齢者調査は既に終わってしまったわけですけれども、御指摘のメッセージカードで、私からのメッセージとか、それから、これまでの社会貢献に対する感謝の言葉であるとかいうようなことをお伝えするということについては、来年度の調査に向けて検討していきたいというふうに思っております。
 また、多くの高齢者の方に対して、できるだけ私が訪問をして、心を通い合わせるというような取り組みが必要なのではないかということであります。どのぐらいの数の方に訪問できるのかというようなことについても難しい面がありますけれども、そうしたことも大きな意味があると思いますので、どういう形でできるのか検討していきたいというふうに思っております。
 区のきめ細やかな対応というところでは、やはりひとり暮らしの方でありますとか、介護が必要な方を含めた高齢者だけの世帯の方といったような場合には、区側で十分に、本当にその区民の方の身になった対応、身になっての御説明、情報提供というようなことが必要であるというふうに考えておりますので、そうした区からの対応といったようなことを充実していくということも含めまして、高齢者の方へのメッセージをお届けするというようなことと、それから、高齢者への対応といったようなことを充実させていかなければいけないというふうに考えているところであります。
 以上でございます。
     〔保健福祉部長菅野泰一〕
保健福祉部長(菅野泰一) 介護予防につきまして何点かお答えいたします。
 介護予防の組織的に検討する体制を整えて推進すべきではないかという御質問がございました。ただいま区長からお答えさせていただきましたように、介護予防につきましては、区として今後、腰を据えて取り組んでいくべき課題だというふうに考えております。その検討体制の強化につきましても、努力していきたいと考えております。
 さらに、介護予防プログラムの充実につきまして、パワーリハビリとかアクアビクスの導入につきまして御提案がございました。介護予防の事業メニューを充実していくことは重要でございまして、東京都の介護予防緊急対策室などが紹介いたしますパワーリハビリなど、新しい方法につきましても、その効果等を検討の上、民間事業者の連携も視野に入れながら、可能なものから取り組んでまいりたいと思います。
 また、支えあいネットワークにつきまして、どうなっているかという御質問がございました。支えあいネットワークにつきましては、現在、職員PTによりまして検討を進めております。具体的にどのようにするかというところの検討をしているわけですけれども、手挙げ方式によりまして対象者を把握いたしまして、関係機関がその情報を共有する。それから、対象者には、民間事業者等が開発した通報システムなどを貸与いたしまして連絡網を整備し、いざというとき、早期の対応ができるようにしておく。また、さまざまな関係機関によります調整会議を設置いたしまして、十分な連携を確保しながら、日常的に支え合う仕組みづくりを行うというような枠組みを考えているところでございます。御質問にございましたように、早期に取り組む必要があるということから、検討結果につきましては早くまとめ、今年度中には立ち上げたいというふうに考えております。
 また、南中野地域でモデル事業的なものが始まっているのはどうなっているのかという御質問がございましたが、これにつきましては、南中野地域の中で何回か話し合いが持たれ、具体的な、日常的な支え合いのモデルというようなことをできないかというようなお話し合いがされているそうでございますが、まだ具体的にどういうようなことになるかということについては、はっきり定まっていない状況だそうでございます。私どもといたしましては、今回立ち上げますこの支えあいネットワークの中に、こうした地域での取り組みにつきましても取り組んで考えてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
  〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕
教育委員会事務局次長(山下清超) 私からは、防災教育と、それから環境教育についてのお尋ねにお答えをさせていただきます。
 まず、防災教育についての教育委員会の認識、それから、大震災発生を想定した応急教育計画についてのお尋ねがございました。学校における防災教育は、児童・生徒がみずからの身を守り、地域の安全に役立つ態度や能力を養うことをねらいとしてございます。重要な役割を担っているという認識を持っているところです。各学校におきましては、大震災発生を想定した応急教育計画等を踏まえまして、毎月、防災教育や安全教育、また児童・生徒が参加しての訓練を実施しているところでございます。
 なお、この応急教育計画でございますが、御質問にもありましたように、平成6年度に作成したものでございまして、その後、阪神・淡路大震災、それから、学校の職員体制の変更、それから、小規模化のさらなる進行などといった、学校を取り巻く状況にさまざまな変化が生じておりますので、各学校に内容の改善・充実を求めまして、新しいものにしていきたいというふうに考えているところでございます。
 次は、中学生の地域貢献でありますとか、学校に置いてあります備蓄倉庫の活用というようなことでお尋ね、御提案がございました。災害発生時においては、まず第一に、子どもたち一人ひとりがみずからの安全確保を図っていくことが何よりも重要であると思っております。その上で、中学生の発達段階を踏まえまして、周囲の友人や教職員とともに、災害避難所となります学校の敷地の中や、あるいは学校を取り巻く地域において貢献していくことが望まれると考えてございます。このため、体験を重視するとともに、地域と学校との連携をさらに深めていきたいというふうに考えております。
 学校に設置してあります備蓄倉庫でございますが、この用具等を活用した取り組みは、区内の中学校においても実践例が見られております。防災教育の視点から成果をおさめているというふうに認識をしてございます。
 次は、応急救命法や高齢者介護の体験学習等についてのお尋ね、御提案でございます。学校においては、生徒一人ひとりが将来の進路を見据えて、みずからふさわしい生き方を実現していくことができるよう支援していくことが大切だと考えているところです。そのための方法の一つとして、こうした救命講習や高齢者介護の体験学習などが考えられるところでございますが、各学校が生徒や地域の特性などを踏まえ、また保護者や関係者の御支援などもいただきながら、それぞれの判断で取り組むことが基本であると認識しているところでございます。
 次は、環境教育に関する基本姿勢、またビオトープについてのお尋ね、御提案でございます。教育委員会では、今年度は環境教育を重点課題の一つとして掲げ、ビオトープの設置や屋上緑化、コンポストによる肥料づくりなど、各学校・幼稚園の特色を生かした取り組みを支援しているところでございます。区内のビオトープ設置校は、平成12年度は5校でございましたが、昨年度は小学校が9校、中学校が2校、幼稚園2園、計13校・園となっておりまして、着実にふえているところでございます。今後、学校のすぐれた実践を紹介し、普及啓発を図るため、発表会等の開催を計画したいと考えております。なお、7月に予定しております夜の教育委員会では、環境教育をテーマに設定したところでございます。ここで先進的な取り組み例を発表していただくことになっているものでございます。
 以上でございます。
     〔環境部長寺部守芳登壇〕
環境部長(寺部守芳) 清掃事業についての御質問にお答えをいたします。
 粗大ごみについてでございますけれども、道路や公園、また、ごみ集積所に不法投棄された粗大ごみにつきましては、警告シールを張り、数時間経過してもなお放置されているものにつきましては、やむを得ず回収をしているところでございます。
 区民による粗大ごみの中継所への直接持ち込みについてでございますが、粗大ごみを収集日まで保管できないなどの住宅事情があることから、持ち込み希望日や品名を事前に申し込むなど、一定の手続を行うことで持ち込みができるように検討してまいります。
    〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 私からは、西武新宿線下井草駅北口開設につきましての御質問にお答えをしたいと思います。
 まず、バリアフリー実態調査につきましては、基本的に区内の駅を中心にいたしまして、半径500メートルの区域を対象としてございます。また、隣接する他区の駅につきましては、対象区域内に含まれます公共施設や高齢者施設等の配置状況、これらを考慮しながら決めたものでございます。当該下井草駅の場合でございますが、こうした公共施設が比較的少ないということから、中野区では調査対象としなかったものでございます。なお、杉並区では既に調査をしているというふうに聞いてございます。
 また、杉並区では、この下井草駅北口開設につきまして、今年度、調査費を計上し、開設に向け西武鉄道と交渉中というふうに聞いてございます。下井草駅は、鷺宮や上鷺宮などの地区からこの駅を利用する方が非常に多いという状況もございます。北口の開設が実現すれば、それらの方々の利便性、また、踏切を渡らなくて済むという安全性が一層向上するものと考えられます。そういうことから、区といたしましても、杉並区と連携をとりながら、北口開設に向けて西武鉄道に対し要望をしていきます。
副議長(やながわ妙子) 以上で久保りか議員の質問は終わります。
 お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
副議長(やながわ妙子) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
 本日はこれをもって延会いたします。
      午後5時18分散会