平成15年06月27日中野区議会本会議(第2回定例会)

1.平成15年(2003年)6月27日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(42名)
  1番  いでい   良  輔        2番  伊  東  しんじ
  3番  佐  野  れいじ         4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か        6番  酒  井  たくや
  7番  奥  田  けんじ         8番  近  藤  さえ子
  9番  小  堤     勇       10番  大  内  しんご
 11番  伊  藤  正  信       12番  きたごう  秀  文
 13番  高  橋  ちあき        14番  高  倉  良  生
 15番  やながわ  妙  子       16番  平  島  好  人
 17番  むとう   有  子       18番  はっとり  幸  子
 19番  長  沢  和  彦       20番  か  せ  次  郎
 21番  山  崎  芳  夫       22番  小  串  まさのり
 23番  若  林  ふくぞう       24番  市  川  みのる
 25番  岡  本  いさお        26番  こしみず  敏  明
 27番  飯  島  きんいち       28番  佐  伯  利  昭
 29番  佐  藤  ひろこ        30番  来  住  和  行
 31番  岩  永  しほ子        32番  篠     国  昭
 33番  柿  沼  秀  光       34番  伊  藤  岩  男
 35番  斉  藤  金  造       36番  大  泉  正  勝
 37番  斉  藤  高  輝       38番  江  口  済三郎
 39番  藤  本  やすたみ       40番  昆     まさ子
 41番  江  田  とおる        42番  池  田  一  雄
1.欠席議員
      な  し
1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔      助     役  内 田 司 郎
 収  入  役  山 岸 隆 一      教 育  長   沼 口 昌 弘
 総 務 部 長  石 神 正 義      区 長 室 長  金 野   晃
 区 民 部 長  本 橋 一 夫      都市整備部長   石 井 正 行
 地域センター部長 柳 澤 一 平      保健福祉部長   菅 野 泰 一
 教育委員会事務局次長  山 下 清 超   環 境 部 長  寺 部 守 芳
本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  正 木 洋 介      事務局次長    飯 塚 太 郎
 書     記  大 谷 良 二      書     記  黒 田 佳代子
 書     記  巣 山 和 孝      書     記  永 田 純 一
 書     記  長 崎 武 史      書     記  荒 井   勉
 書     記  西 田   健      書     記  岩 浅 英 樹
 書     記  鳥 居   誠      書     記  佐 藤 雅 俊
 書     記  松 本 桂 治      書     記  吉 田 哲 郎

 議事日程(平成15年(2003年)6月27日午後1時開議)
日程第1 第43号議案 中野区特別区税条例の一部を改正する条例
日程第2 第39号議案 中野区区政情報の公開に関する条例の一部を改正する条例
 追加議事日程
日程第3 同意第4号 中野区収入役選任の同意について
日程第4 同意第5号 中野区教育委員会委員任命の同意について
日程第5 第43号議案 中野区特別区税条例の一部を改正する条例

     午後1時02分開会
議長(山崎芳夫) ただいまから平成15年第2回中野区議会定例会を開会いたします。
 本日の会議を開きます。
 会議録署名員は、会議規則第121条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。
 2番伊東しんじ議員、41番江田とおる議員にお願いいたします。
 次に、会期についてお諮りいたします。本定例会の会期は、本日から7月10日までの14日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 この際申し上げます。本定例会の会期中、略装を許します。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 この際、御紹介申し上げます。去る3月14日の本会議において、本区教育委員会委員に任命の同意をいたしました、大塚孝子さんを御紹介申し上げます。
 大塚孝子さん。
教員委員(大塚孝子) ただいま御紹介をいただきました教育委員の大塚孝子でございます。今、議長からお話ありましたように、3月の議会で御同意いただきまして教育委員に再任されました。どうぞよろしくお願いいたします。
 今、教育委員会はたくさんの課題を抱えておりまして、教育委員それから事務局一体になりまして一生懸命検討を重ねておりますが、議員の皆様におかれましても御指導・御助言をいただきまして、さらに一層審議を深めていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
議長(山崎芳夫) 以上で、紹介を終わります。
 さらに、御紹介申し上げます。5月27日付で本区の監査委員に就任されました、長沢和彦議員、佐伯利昭議員を御紹介申し上げます。
 初めに、長沢和彦議員。
〔長沢和彦議員登壇〕
19番(長沢和彦) ただいま御紹介にあずかりました長沢和彦でございます。折しも中野区では区職員による横領事件が発覚をいたしました。それだけに区民の目も大変厳しいものがある、このように認識をしている次第です。監査に当たりましては適正、公正な監査に努めたい、全力で頑張ってまいりたい、このように考えている次第です。どうぞよろしくお願いをいたします。ありがとうございました。
議長(山崎芳夫) 次に、佐伯利昭議員を御紹介申し上げます。
 佐伯利昭議員。
〔佐伯利昭議員登壇〕
28番(佐伯利昭) 先般の議会におきまして、監査委員の選任に御同意いただきました佐伯利昭でございます。さまざまなことが起こり、監査の重要性、いろいろなところで叫ばれる時代になりました。常に緊張感を持ち、そして区民の皆様方の期待にこたえられるべく監査を行ってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
議長(山崎芳夫) 以上で、紹介を終わります。
 さらに、御紹介申し上げます。6月24日付をもちまして、本区収入役を退任されました藤原惠一さんを御紹介申し上げます。
 藤原惠一さん。
     〔前収入役藤原惠一登壇〕
前収入役(藤原惠一) 御紹介いただきました藤原惠一でございます。去る6月24日、当区収入役の任期満了をもちまして、39年3か月に及ぶ公務員生活にピリオドを打ちました。その大半、4半世紀近い年月を中野区政の一員として精いっぱい働くことができ、何とか元気に卒業させていただき、しかもこのようなごあいさつの機会までいただくことは身に余る光栄でございます。区議会議員の皆様に改めて厚く御礼を申し上げます。
 また、この機会をおかりしまして、冒頭おわびをさせていただきたいと思いますが、公金を預かる身という立場で、今回の公金横領事件については非常に痛恨の極みでございます。このようなことがないように全庁にて取り組んでおりますので、よろしくまた御指導等お願いしたいと思います。
 貴重なお時間でございますが、せっかく場をいただきましたので、中野区政と地方自治について私の体験を若干述べさせていただいて、お別れの言葉にかえさせていただきたいと思います。
 私は昭和39年‐‐東京オリンピックの年でございました。それから富士山レーダーができたとか、科学技術も相当な勢いで発展する、そういう時期に、東京都に入都いたしました。最初に配属されたのは、隣の練馬区でございます。当時、練馬区は人口も職員も予算規模も、中野よりはるかに小さい、面積だけは大きいけれども、そういう区でございました。23番目にできた新しい、まだ経験未熟な区ということでございましたけれども、そこから見ますと中野はまさに輝ける星といいますか、規模も大きいし、元気にいろいろやっている、何かあれば中野に聞けば大体答えが出てくるということでございました。新米予算係員として,中野区には随分御世話になった記憶がございます。ほどなくして東京都に移って、23区全体の行財政あるいは事務改善、そういったことを見渡すような仕事に移りました。その際にもやはり練馬の、言葉はあれですけれども、本当に片田舎という感じから出てきた、そういう立場で23区全体を見渡すということになったわけですけれども、その立場になってもやはり中野の状況というのは一歩先んじてる。時々早とちりということもあったかもしれませんけれども、しかし常に先駆的、先進的に仕事に取り組む、全国にも特別区という認識はあまりない時代に中野区という名前はいろいろな意味で知られていたような、そういう感じを持ちました。
 そういった中で、ちょっと気になりましたのは、次第に中野区は都区財調上、納付区だった時代があるんですが、昭和40年の制度改正によりまして交付区に転じ、以後財政的には目に見えて先細っていく、そういう感じを持って見ておりました。心配だなという感じはありました。そんな感じを持ちながら、くしくも昭和53年12月、中野区に副収入役として着任いたしました。そして、すぐに資金繰りですとか財政を見る立場になるわけですけれども、中に入ってみたら、本当に外で見ているよりなお際どい、厳しい状況ということがよくわかりました。当時23区では一時借入金ということは、長期の運用をして、利益がほかで上がるから一借をするということはあったんですけれども、普通は考えられない。そういう状況で、私が収入役の時代にやむを得ず国保会計でしたけれども、一借をせざるを得ない、したことがございます。恐らく中野区のこの二十数年の歴史の中では一借の当事者として経験をしたのは私ぐらいではないかと思いますけれども、そんな経験がございます。そういった中で、税務行政あるいは財政、そういった仕事を次々にやらせていただいて、特に税務については税収が非常に落ち込んできている時期でございましたので、何とか中野の税務体制を強化したいということで、元気な職員がたくさんおりましたので、職員ともども悪戦苦闘しながら新しい税務組織をつくり上げた、あるいはシステムをつくり上げた、そういう経験もさせていただきました。今、基金はやっと100億の大台に近づいてきております。当時はまだ1けたでございました。よそが3けたになろうとしているときに、中野はまだ1けたの基金しか‐‐億円台で1けたでございますけれども‐‐という状況でした。それから見ますと、今やそれに10倍するような基金を持つようになってきた。ピークから見るとまだまだ低いわけですけれども、私が初めて資金繰りをお預かりしたときに比べれば、一借の心配はほとんどない。きちんとした運用をしていけば、こんなゼロ金利の時代ですけれども、若干の利子も稼げるというふうになってまいりました。これも議員の皆様を初め、大勢の職員のいろいろな意味での努力のたまものではないかと思っております。
 ちょっと長々申し上げましたけれども、こういった中で私は4代の区長にお仕えしました。大内区長、青山区長、神山区長、そして現在の田中区長でございます。それぞれの時代の背景、特徴があるわけですけれども、田中区長、田中区政は、新しい区政をつくっていかなければと、今、持続可能な中野という自治体、まちにするんだということで、さまざまな試み、あるいは区政の推進・改革を行っております。1年ですけれども、ある面では財政的に非常に疲弊しながら何とか区政を運営してきたそういう時代から、反転攻勢といいますか、新しい区政に向けて戦いの姿勢を今築きつつある。区議会の皆さんとともに、そういう意味ではこれからが正念場だという状況に立ち至ったことをきちんと自分の目で確かめて去ることができる、そういった意味ではよかったなという、ある意味では幸せだなというふうにも思っております。
 私は昭和60年に、当時は予算課長が本会議参与でございましたので、初めて本会議参与として議場に座らせていただきました。それから18年、当時は定数48名の議員さんがいらっしゃって、席が全部埋まっておりました。ある大先輩がこの議場のいわれを、退任に当たってかなり詳しくお話をしていただいたことがございます。それは私もこの参与としての席でお伺いしました。今、天井がありますけれども、工夫した天井ですが、これは大空を意味するそうでございます。そして、48の星が輝いている。定数でございます。ということから見ると、現在、時代の背景によりまして、6つ星はあるけれども、議席は空いているということになってございますが、しかし、議員定数が減れば、あるいは区の人口が減れば、ピークから見ると6万、7万と減少しているわけですけれども、それで自治体というものが輝きを失うのかというと決してそんなことはございません。自治体も独立した国家ではなくて、国の中の一つ、大都市の中の一つということで、それぞれの時代の背景を受けながら脱皮を繰り返していく。そして、区民生活に責任を持つということであろうと思います。とはいいながら、感無量という面もあるわけですけれども、ぜひ少数精鋭の先生方がこれからの区政を支える--中野区民の生活、あるいは中野区政の将来に責任を持てる議会というのは、中野区議会だけでございます。そういった意味で、あるいは車の両輪である行政を叱咤激励していただきながら、よりよい中野区全体の自治をつくり上げていくということで、よろしくお願いしたいと思います。何かちょっとお願いばかりになって恐縮なんですけれども、ぜひ意のあるところをお酌みとりいただきたいと思います。
 最後でございますが、区議会議員各位におかれましては、ますます御健勝で御活躍なされること、それから中野区議会、そして中野区政の発展を心からお祈り申し上げて、私のお別れのごあいさつとさせていただきます。本当にありがとうございました。
議長(山崎芳夫) 以上で、紹介を終わります。
 さらに、御紹介申し上げます。6月24日付をもちまして、本区監査委員を退任されました吉武伯文さんを御紹介申し上げます。
 吉武伯文さん。
〔前監査委員吉武伯文登壇〕
前監査委員(吉武伯文) 久しぶりに、そして私としては最後の機会という今日、この壇上に登らせていただきました。やはり緊張いたします。この本会議場で、また各委員会室におきまして、議員の皆様から御質問、御指摘、あるいは御鞭撻をいただきまして、むきになって反論したり、反省したり、あるいは苦し紛れの答弁したことを今さらながら懐かしく思う次第でございます。中野区にお世話になって14年余り、微力ではございましたが、いろいろな仕事をさせていただきました。中でもこの10年ほどは区の厳しい財政状況との戦いでございました。おかげで監査委員としての4年間はとうとう一度も満額の給料はもらえないというおまけがつきましたけれども、私としては大変やりがいのある、そして思い出の深い仕事をさせていただいて、幸福に思ってございます。まだまだ厳しい状況が続きますけれども、自治に対する限りない情熱と良識を脈々と受け継ぐ中野区議会でございます。新しい時代に、新しい体制のもと、車の両輪としてのお働きで財政も必ずや再建され、区民の期待にこたえていかれることを確信いたしております。
 最後になりましたが、皆様の御健勝と中野区のさらなる発展を祈念申し上げまして、簡単ではございますが、御礼のあいさつにかえさせていただきます。ありがとうございました。
議長(山崎芳夫) 以上で、紹介を終わります。
 次に、平成15年6月16日付をもちまして、お手元に配付の文書のとおり、委員会参与に人事異動がありましたので、念のため御報告いたします。

人  事  異  動
(平成15年6月16日)総務部人事課
[課長級]
発    令
氏 名
         旧
備考
環境部資源循環推進課長
大杉 規子
(東京都都市計画局総務部総務課課長補佐)
転入
昇任    
清掃事務所長
遠山 幸雄
環境部資源循環推進課長


 備  考
1  前清掃事務所長 宮本 明は、東京都総務局総合防災部副参事(震災対策担当)となるため
   平成15年6月15日付をもって退職。

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議長(山崎芳夫) 次に、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。
 一般質問は議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し、質問を許可いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。
 これより日程に入ります。
 お諮りいたします。この際、本日の日程を追加し、日程第3、同意第4号、中野区収入役選任の同意についてを先議するに、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。
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 同意第4号 中野区収入役選任の同意について

議長(山崎芳夫) 日程第3、同意第4号、中野区収入役選任の同意についてを上程いたします。
 区長の説明を求めます。
〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) ただいま上程されました同意第4号、中野区収入役選任の同意につきまして、御説明申し上げます。
 この同意案は、収入役の藤原惠一さんが任期満了により退職をされましたので、その後任者として山岸隆一さんを選任いたしたく、議会の同意をお願いするものでございます。
 山岸さんは、昭和42年に東京都に入り、板橋区、財務局、企画報道室勤務を経て、昭和59年から平成15年3月に退職されるまで19年にわたり中野区に勤務され、本年4月からは社団法人中野区シルバー人材センター常務理事を務めておられます。
 本区においては、選挙管理委員会事務局長、江古田地域センター所長、計画課長、職員課長、総務部参事、教育委員会事務局次長、企画部長、区議会事務局長、総務部長など数々の要職を歴任されました。
 このように、山岸さんは東京都と本区において、財務を初めさまざまな行政分野を幅広く経験され、豊富な行政経験を培われるとともに、広い視野から区政の改革にも積極的に取り組んでこられました。
 職員の不祥事によって、区政に対する区民の信頼が大きく揺らいでいる今日、区民の信頼を回復するためには、今後、区政全般にわたって財務会計事務のあり方を徹底して見直し、適正な体制を早急に確立することが望まれます。
 そのためには、広い視野と豊富な行政経験を生かし、徹底して改革に取り組むことができる山岸さんが収入役として適任であると考えた次第です。
 本件につきまして、何とぞ御同意くださいますようお願い申し上げます。
議長(山崎芳夫) 本件につきましては、質疑、委員会付託、討論を省略し、直ちに採決いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、これより起立により採決いたします。
 上程中の同意第4号を同意するに賛成の方は御起立願います。
〔賛成者起立〕
議長(山崎芳夫) 起立多数。よって、同意第4号はこれを同意するに決しました。
 お諮りいたします。この際、本日の日程をさらに追加し、日程第4、同意第5号、中野区教育委員会委員任命の同意についてを先議するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。
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 同意第5号 中野区教育委員会委員任命の同意について

議長(山崎芳夫) 日程第4、同意第5号、中野区教育委員会委員任命の同意についてを上程いたします。
 区長の説明を求めます。
〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) ただいま上程されました同意第5号、中野区教育委員会委員任命の同意につきまして御説明申し上げます。
 この同意案は、小池麒一郎委員が3月14日に辞職されましたので、その後任者として山田正興さんを任命いたしたく、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第1項の規定に基づき、議会の同意をお願いするものでございます。
 山田さんは、昭和54年川崎医科大学を卒業後、日本医科大学大学院医学研究科で医学博士を授与され、昭和62年から中野区中野二丁目で山田医院を開業されて以来、今日まで同院の院長として地域の医療活動に活躍されています。この間、平成7年から平成14年まで中野区医師会総務担当理事などを歴任されたほか、現在、中野区医師会副会長、東京都医師会代議員、同医師会学校医会理事を務められるなど、医師会活動にも活躍されておられます。
 また、中野区においては、平成9年から中野区文化・スポーツ振興公社理事を、平成13年からは中野区立谷戸小学校の学校医を務められ、さらに本年2月からは中野区基本構想審議会委員も務めておられます。
 このように、豊富な経験と中野区の教育に対する優れた識見を備えておられる山田さんは、教育委員としてふさわしい方であり、この際、教育委員として御尽力いただきたいと考えた次第でございます。
 本件につきまして、何とぞ御同意くださいますようお願い申し上げます。
議長(山崎芳夫) 本件については、質疑、委員会付託、討論を省略し、直ちに採決いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、これより起立により採決いたします。
 上程中の同意第5号を同意するに賛成の方は御起立願います。
〔賛成者起立〕
議長(山崎芳夫) 起立多数。よって、同意第5号はこれを同意するに決しました。
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 第43号議案 中野区特別区税条例の一部を改正する条例

議長(山崎芳夫) 日程第1、第43号議案、中野区特別区税条例の一部を改正する条例を上程いたします。
 理事者の説明を求めます。
〔内田司郎助役登壇〕
助役(内田司郎) ただいま上程されました第43号議案、中野区特別区税条例の一部を改正する条例につきまして、提案理由の説明をさせていただきます。
 第43号議案、中野区特別区税条例の一部を改正する条例は、次の5点について規定を改めるものです。
 第1点目は、特別区たばこ税の税率の引き上げを行い、当分の間、旧3級品以外の製造たばこについては1,000本につき2,977円の税率を、旧3級品の製造たばこについては1,000本につき1,412円の税率を適用するものです。
 第2点目は、都民税配当割及び都民税株式等譲渡所得割制度が創設されることに伴い、規定を整備するものです。
 第3点目は、株式等譲渡所得に係る課税の特例に関し、規定の整備を行うものです。
 第4点目は、商品先物取引に係る雑所得等に対する課税の特例に関し、規定を整備するものです。
 第5点目は、軽自動車税の申告書等の様式に係る規定整備を行うものです。
 この条例の施行時期は、第1点目は平成15年7月1日。第2点目から第4点目までは一部が公布の日、他は平成16年1月1日。第5点目は平成16年4月1日です。
 本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
議長(山崎芳夫) 本件について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御質疑なければ質疑を終結いたします。
 上程中の議案は会議規則に従い、区民委員会に付託いたします。
 この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
 議事の都合により、暫時休憩いたします。
      午後1時30分 休憩

      午後4時32分 再開
議長(山崎芳夫) 会議を再開いたします。
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議長(山崎芳夫) この際、御紹介申し上げます。
 本日の本会議において、本区収入役に選任の同意をいたしました山岸隆一さんを御紹介申し上げます。
 山岸隆一さん。
〔収入役山岸隆一登壇〕
収入役(山岸隆一) ただいま御紹介いただきました山岸隆一です。私の収入役選任に御同意いただきましたこと、身に余る光栄でございます。深く感謝申し上げます。
 先ほど、田中区長から辞令交付を受けました。区長からは、「職責を全うするだけじゃなく、新しい区政推進に努力を怠らぬように」と指示がございました。一生懸命努める所存でございます。従前と変わらぬ御指導・御鞭撻を皆様方によろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
議長(山崎芳夫) 以上で、紹介を終わります。
 さらに、御紹介申し上げます。
 本日の本会議において、本区教育委員会委員に任命の同意をいたしました山田正興さんを御紹介いたします。
 山田正興さん。
〔教育委員会委員山田正興登壇〕
教育委員会委員(山田正興) ただいま御紹介をいただきました山田正興と申します。議会の先生方におかれましては、御同意をいただきましてまことにありがとうございます。
 本日、区長より教育委員の任命を受けました。子どもたちの未来は、どのような時代でも明るくなくてはなりません。子どもたちの目の輝きが失われないように地域で育む必要があると思います。甚だ微力ではございますが、中野区の教育のために努力してまいります。議会の先生方におかれましては、今後ともよろしく御指導いただけますようお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。
 本日はどうもありがとうございました。
議長(山崎芳夫) 以上で、紹介を終わります。
 お諮りいたします。
 この際、本日の日程をさらに追加し、日程第5、第43号議案、中野区特別区税条例の一部を改正する条例を先議するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう議事を進行いたします。
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 第43号議案 中野区特別区税条例の一部を改正する条例
 (委員会報告)

議長(山崎芳夫) 日程第5、第43号議案、中野区特別区税条例の一部を改正する条例を議題に供します。

平成15年(2003年)6月27日


中野区議会議長 殿

区民委員長 高倉 良生

(公印省略)

 

議案の審査結果について


本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

議案番号

件    名

決定月日

43

中野区特別区税条例の一部を改正する条例

627


 区民委員会の審査の報告を求めます。高倉良生区民委員長。
      〔高倉良生議員登壇〕
14番(高倉良生) ただいま議題に供されました第43号議案、中野区特別区税条例の一部を改正する条例に関しまして、区民委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 本議案、中野区特別区税条例の一部を改正する条例は、次の5点について規定を改めるものです。
 第1点目は、特別区たばこ税の税率の引き上げを行い、当分の間、旧3級品以外の製造たばこについては、1,000本につき2,977円の税率を、旧3級品の製造たばこについては、1,000本につき1,412円の税率を適用するものです。
 第2点目は、都民税配当割及び都民税株式等譲渡所得割制度が創設されることに伴い、規定を整備するものです。
 第3点目は、株式等譲渡所得に係る課税の特例に関し、規定を整備するものです。
 第4点目は、商品先物取引に係る雑所得等に対する課税の特例に関し、規定を整備するものです。
 第5点は、軽自動車税の申告書等の様式に係る規定整備を行うものです。
 この条例の施行時期は、第1点目は平成15年7月1日、第2点目から第4点目までは一部が公布の日、ほかは平成16年1月1日、第5点目は、平成16年4月1日です。
 本議案は、本日6月27日の本会議において当委員会に付託され、直ちに区民委員会を開会し、審査を行いました。
 まず、審査の進め方として、本議案を議題に供した後、理事者から補足説明を受け、その後、質疑を行いました。
 その主な質疑応答の内容を紹介します。
 初めに、「たばこ税の税率引き上げによる税収は、どのように見込んでいるのか」との質疑に対し、「推定でおよそ1憶5,000万円程度の増収が見込まれる」との答弁がありました。
 さらに、「たばこ税の手持ち品課税については、実態としてどのようにして行うのか」との質疑に対し、「6月26日から7月10日までの間の各小売業者における仕入れや販売に係る帳簿によって、税務署及び都税事務所と分担して確認を行う」との答弁がありました。
 次に、「さまざまな税制改正があるが、そのたびごとに区民から、改正の中身がよくわからないという声がある。税制改正の内容をパンフレットなどにして周知を図る考えはないか」との質疑に対し、「現時点では、改正の概要等についてホームページや区報などを通じての手だてを考えている」との答弁がありました。
 次に、「今回の改正を通じての、国としての見込みや中野区への影響はどうか」との質疑に対し、「国の見込みについては、把握していない。中野区への影響としては、税率が引き下げられることなどから、税収としては減少する見込みである」との答弁がありました。
 さらに「商品先物取引については、一般に6~7割の人が損をしていると聞いている。中野区には、そのような相談はないのか」との質疑に対し、「価格を決めての取引なので危険性はあるが、税務事務の中ではそのような相談は受けていない」との答弁がありました。
 これに関連して、「これから3年間は損失が控除されるが、悪質な商品先物取引業者の宣伝に利用されるおそれはないか」との質疑に対し、「区の税務事務の中では考えていない」との答弁がありました。
 次に、「特別区たばこ税の税率に関しては、税率を上げれば禁煙効果が上がるとの意見もあるが、政策的な意図があるのではないか」との質疑に対し、「健康面からの配慮ではなく、あくまでも財源から意図した税率引き上げである」との答弁がありました。
 以上が主な質疑応答の内容です。
 さらに質疑を求めましたが、質疑はなく、質疑を終結しました。
 その後、意見の開陳を求めたところ、意見はなく、意見の開陳を終結しました。
 次に、討論を求めたところ、討論はなく、討論を終結しました。
 そして、挙手による採決を行ったところ、賛成多数で、本議案を可決すべきものと決した次第です。
 以上で、第43号議案に関する区民委員会における審査の経過並びに結果の報告を終了します。
議長(山崎芳夫) ただいまの報告について、御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。
 これより討論に入ります。
 池田一雄議員から討論通告書が提出されていますので、通告議員の討論を許します。池田一雄議員。
〔池田一雄議員登壇〕
42番(池田一雄) ただいま上程されました第43号議案、中野区特別区税条例の一部を改正する条例に対し、日本共産党を代表し反対討論を行います。
 改正案の内容に沿って反対する理由を申し上げます。まず一つ目は、配当所得及び株式などの譲渡所得に係る課税方式を見直し、特別徴収方式を実施し、申告不要とするものです。税率5%を3%に引き下げ、徴収した東京都より3分の2が特別区に交付されるものですが、同時に区においては住民税の減収にもつながるものです。確かにこれにより個人株式投資家の所得税・住民税の申告が不要となり、利便性が向上するのは事実です。しかし、政府のねらいは、これによって個人投資家の市場への参加をさらに活発化させようとの意図があります。日々下がっていく株価の下支えの一助に、個人投資家の預貯金を誘導しようとの政策的意図が動機でありますが、国民の証券投資への根強い不信があるもとでは、税制だけで投資を活性化しようということには限界があります。
 次に、先物取引に係る区民税の特例措置は、近年急増している先物取引にひっかかって大損をしている区民の損失金の控除を3年間にまたがって認めようというものです。先物取引で損害をこうむった方たちの国民生活センターに寄せられている相談件数は、2001年度6,000件を超しています。この制度改正は、被害者を救済するかに見えますが、税制がさらに優遇されましたよと業者の宣伝に結果的には利用され、さらに被害者をふやしかねない危ない改正といえます。
 たばこ税の税率アップは、小泉自・公・保政権の4兆円負担増の国民泣かせの一端を担うもので、景気回復にも逆行するものです。これは禁煙推進の立場からの政策的見地に立ったものではなく、税金を取りやすいところから取るというものでしかありません。中野区分でも二、三億円が見込まれる大衆課税であって、賛成できません。
 今回の地方税法改正では、配偶者特別控除の上乗せ部分の廃止など、庶民増税の重要な部分や、投機的土地取引を抑制するために設けられた特別土地保有税の課税停止など、大企業優遇の土地税収の大幅な減収を押しつけられることが今後の問題として残されていることにも配慮しなければなりません。
 以上により、上程中の特別区税条例改正案には反対いたします。
議長(山崎芳夫) 他に討論がなければ、討論を終結いたします。
 これより起立により採決いたします。
 上程中の議案を委員長報告どおり可決するに賛成の方は、御起立願います。
〔賛成者起立〕
議長(山崎芳夫) 起立多数。よって、上程中の議案は可決するに決しました。
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議長(山崎芳夫) この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、飯島きんいち議員、大内しんご議員、江田とおる議員、北原奉昭議員、佐伯利昭議員、奥田けんじ議員、はっとり幸子議員、久保りか議員、小堤勇議員、佐野れいじ議員、むとう有子議員、高倉良生議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 中野区議会議員 飯 島 きんいち
 1 田中区長の区政認識と政治姿勢について
 2 中野区経営改革指針について
  (1)顧客満足度の向上、ペットへの対応について
  (2)公益通報制度について
  (3)自治基本条例について
  (4)保育基本計画について
  (5)中小企業退職金共済金について
  (6)産業活性化について
  (7)その他
 3 中野区保健福祉総合推進計画について
  (1)20歳の検診について
  (2)シルバー人材センター支援について
  (3)その他
 4 バリアフリー地域基盤整備構想の策定について
 5 ヒートアイランド対策としての屋上緑化について
 6 安心、安全のまちづくりについて
  (1)地下鉄の安全対策について
  (2)桃園川幹線水位計データの運用について

議長(山崎芳夫) 最初に、飯島きんいち議員。
〔飯島きんいち議員登壇〕
27番(飯島きんいち) 公明党議員団の飯島きんいちでございます。公明党議員団の立場から区長並びに理事者の方々に19期の中野区議会最初の一般質問をさせていただきます。思いがけないことが続発しております今議会でございますけれども、同僚議員の皆様とともに区民のために頑張ってまいりたいと決意をいたしております。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 初めに、田中区長の政治姿勢、区政の認識について3点伺います。
 第1点は、財政についての認識と、中野サンプラザをめぐる問題です。
 区長は中野区の現在の財政状況について、財政運営の視点からどのように認識をされているのでしょうか。厳しいというような文学的な言葉だけでなくて、具体的にお答えいただきたいと思います。
 また、外部要因ではなく、区の内部要因から中野区の財政危機の構造をどのように把握されているのかについてもお聞かせください。
 次に伺います。中野サンプラザをめぐって、厚生労働省との交渉は現段階でどのようになっているのかお聞かせください。また、区長として、取得の方向に変化はないのかどうか、改めて伺います。
 あわせて、中野区の財政は厳しい、お金がない、こう言っているのに、中野サンプラザを買うというのはおかしいではないか、こういう疑問をお持ちの方がいらっしゃいます。区長の中野区の財政状況についての認識と、サンプラザ取得との財政的な整合性についてはどのようにお考えでしょうか、お答えいただきたいと思います。
 第2点は、住民基本台帳ネットワークシステムへの再接続についてであります。これについて、区長は現在の段階でどのような見通し、お考えをお持ちか伺います。
 第3点は、危機管理の問題について質問いたします。
 初めに、警察署、消防署などと学校、幼稚園、保育園などとの連絡体制の問題についてであります。最近もピストルの発砲事件が小学校の近くで発生しましたが、休日であったということから、学校長は知らなかったということがあったようであります。登下校時を初め、児童・生徒の安全の確保のために連絡体制を明確にするとともに、休日・夜間などの学校の危機管理体制を再構築すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次は、公金横領事件についてであります。あってはならない事件であり、事態の徹底解明と再発防止に万全の措置がとられることを、私たち公明党議員団は強く望んでおります。
 この間の中野区の対応には、区長のもとでの事態の掌握の体制は果たして万全であったのかどうか、こういう根本的な疑問を感じざるを得ないことがございました。事の詳細は、文教委員会で伺うとして、全体にわたる問題でありますので、ここで伺っておきたいと思います。
 全員協議会の場面で、区長みずからが何回も関係理事者等の答弁の修正とも受け取れる答弁をいたしておりました。官僚機構の体質を垣間見させる感じとともに、このあたりに事件発生の根っこや、区としての危機管理体制が不備なのではと推測されるものがあります。
 この際、危機管理担当は、区長部局は助役が、教育委員会は次長が担当するなど、責任を明確にして、今度はいわゆるマニュアルも文書化しておくなどの対応をしてはいかがでしょうか、お考えを伺います。
 関連していますので、ここでお聞きすることにいたしますが、公益通報対応制度の導入について伺います。公金横領事件の発生などにより、本来の趣旨から多少趣きを異にするかもしれませんが、本制度については関心も高まってきていると思います。千代田区では条例制定により制度化を図るとしています。
 中野区では、本年の6月9日に「中野区職員の公益通報に関する要綱」を登録、制度化を図っています。制度の本旨や中野区事案決定規定の定めるところからすると、要綱ではなく、むしろ千代田区のように条例で定めるべきと考えますが、いかがでしょうか、御見解を伺います。
 外郭団体の見直しについても、中野区経営改革指針のところで伺うつもりでしたが、ここで1点伺っておきます。
 文化・スポーツ振興公社については、「設立当時と社会状況や行政のあり方などが大きく変化してきていることを踏まえ、位置づけを再検討し、将来像を明確化する」という指針の見直し内容のままでいいのでしょうか、是非についてお答えください。
 次に、中野区経営改革指針について、その他を含めて10点質問をいたします。
 まず、指針冒頭の田中区長のあいさつの中で、基本構想の改定という言葉が使われておりますが、これは全面改定なのか、あるいは現在の基本構想をある程度引き継ぐ改定なのでしょうか。どの程度までの改定を想定して使用した言葉なのか、区長の考えていることを改めて伺います。
 また、この件に関連して、メールマガジンの発行が予定されておりましたが、これはどうなっているのでしょうか、あわせてお答えください。
 このあいさつの中で区長は、「中野区の行財政改革は行財政5か年計画によるほか、この経営改革指針で一層強力に進めていきます」と述べています。中野区行財政5か年計画は、結局のところ、厳として存在し、経営改革指針が補完的に機能しているということなのかと受け取れますが、それでよろしいのでしょうか、伺います。
 次に、顧客満足度の向上について伺います。顧客満足度の向上については、私も賛成です。しかし、そのためには役所サイドからではなく、顧客サイドからの視点と発想が必要です。
 例えば、国民健康保険証。カードになりましたが、利用しにくいという声が圧倒的ですし、ただの紙ではないかとも言われています。利便性を考えるならもっと工夫があってしかるべきではないでしょうか、いかがでしょうか。
 四つ示された改善点も、さらに工夫が必要です。例えば、中高層建築物に係る紛争予防条例におけるあっせんや調停については、現在の時間や場所では業者のサイドに有利になっているという指摘があってもやむを得ないと思います。平日の昼間、区役所でという現行の時間と場所では、参加できる人は限定されてしまいます。顧客満足度の次元からは改善の余地があるのではないでしょうか。
 また、時代とともに施設利用についても区民の意識は変化してきています。区民施設利用の改善として取り上げられていることは依然として区役所サイドの発想です。もちろん大事なことですが、さらに踏み込んで検討すべきことが時代の流れで生まれてきています。
 例えば、癒やしの時代と言われています。高齢者のみの世帯や単身の方がふえている流れを踏まえて、民間や都営住宅では既に取り組みが始まっていることですが、中野区でも区営住宅や高齢者福祉住宅においても、可能な範囲でペットを飼えるようにすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 区民サイドからの視点で改善を図ることについて、以上3点、事例を挙げて伺いましたが、具体的にお答えください。
 次に、(仮称)中野区職員白書について伺います。平成15年度に作成するとされていますが、進行状況と内容についてお答えください。特に注目されるのは、「今後の考えを示す」とされていることです。しかし、経営改革指針の中では職員の何についての今後の考えなのかが示されていません。お聞かせいただきたいと思います。
 次に、自治基本条例の制定について伺います。地方分権の流れの中で、ニセコ町を初め、宝塚市、多摩市など、多くの自治体に自治基本条例の制定の動きが広がっています。名称も、自治基本条例、まちづくり基本条例、行政基本条例等あり、ひとくちに自治基本条例といっても、規定されているところは一定ではないようです。
 研究グループや行政関係者の間では、例えば、条例中に議会に関する規定がない場合は、自治基本条例というよりは行政基本条例と判断されるなどということがあるようですが、田中区長の想定されているのはいかなる性格の条例なのでしょうか。内容によっては取り組み体制も議会としての検討を必要とするかもしれません。お答えいただきたいと思います。
 次に、保育基本計画について伺います。かねてより主張してきたことが実現することになって喜んでおります。国では次世代育成支援対策推進法の成立に向けた動きなど、子育て支援の環境の整備が進もうといたしております。こうした状況を受けて、保育基本計画も改めて総合的な取り組みの中に位置づけることが必要になっています。民営化の問題だけにとどまらない今後の区内の保育環境のあり方や、幼保の一元化の問題など、より広い次元での計画策定が求められますが、現在の取り組み状況についてお答えください。
 次に、未収金対策について伺います。平成14年度の特別区民税は、現年課税分は対調定収納率およそ97.2%と、未収金対策の目標98%に及びませんでした。平成15年度はさらに厳しいという感触も得ていますが、果たしてどうでしょうか。この点は経営改革指針の財政的現実性の担保の問題ともつながってくるおそれがあります。財政収支見通しがこの指針には付されていますが、特別区税等の一般財源については平成15年度と同額を見込んだとしています。しかし、この前提条件の中に未収金対策に示された収納率も含まれているのではないでしょうか。
 さらにいえば、財政見通しは、3年程度でも困難といわれる時代。財政の裏づけのある基本構想は、成立するのかどうか危ぶむ声もありますが、いかがでしょうか。これらについて見解を伺います。
 次に、外郭団体の見直しについて伺います。本定例会に外郭団体の決算報告書が提出されますが、中小企業退職金共済会の平成14年度の退職給付引当準備率は64.5%、不足額は何と10億4,900万円余に達しています。
 指針では中小企業退職金共済会について、「資産の運用状況に見合った給付のあり方など、破綻回避のための具体的方策を講じる」としています。この具体的方策を講じるのは、中野区ということなのでしょうか。
 中小企業退職金共済会は、中野区とは別の法人としての意思決定の問題もあるのではと考えられます。この点については、平成13年9月の区民委員会の資料にも示されているように、共済会自体で結論を出すことは困難であり、区の考え方を提示するように求められているとの経過報告により、当事者能力を喪失したので、中野区が方策を講じることにしたと考えていいのでしょうか、伺います。
 また、この区民委員会の資料の中では基本的考え方、方向が示されています。この考え方、方向は、そのまま継続・維持されているのでしょうか。
 特に、「退職給付引当金準備率の早急な改善が当面最大の課題であり、引当金の不足分については区が責任を持って解決する」との方向は維持されているのでしょうか。年々準備率は低下し、不足額は増加しているのが現実です。区が責任を持って解決するというのは、公的資金の投入ということだと思われますが、そうでしょうか、お答えください。その際、別の責任問題が発生しないのでしょうか。
 そこで、当面の対応として示された区の財政補てん、すなわち公的資金の投入と共済会の業務執行体制の見直しについて、区長としてはどのようなお考えをお持ちになっているのか、伺います。
 私は、中野区としては数少ない中小企業施策の一つであり、これに期待する区内経営者や従業員は決して少ないものではないと考えています。その意味では、ハードランディングではなく、ソフトランディングが求められると思います。
 そこで、給付のあり方も含めて、その他の具体的方策については、いつまでに講じるのか伺います。
 次に、平成15、16年度に優先的に取り組むべき事項で2点伺います。
 初めに、中野区の都市基盤づくりへの取り組みについて伺います。中野駅周辺の問題も重要ですが、中野区の緊急の課題としては、いつ発生してもおかしくないと言われている震災対策のまちづくりも挙げられるべきではないでしょうか。
 中野区は新耐震基準に満たない住宅が3万戸以上と言われているわけでありまして、これへの対応はどうしても取り組まなければならないまちづくりの課題と考えられます。
 民間住宅の簡易耐震補強への取り組みへの流れが各地で生まれつつありますが、中野区としても、後で述べます地方公共団体施策住宅特別加算制度の活用だけでなく、住宅金融公庫のリフォーム融資の耐震改修工事融資と民間住宅簡易耐震診断を組み合わせた制度などを検討、実施する時期が来ているのではないでしょうか、お考えを伺います。
 次に、30万都市中野にふさわしい産業活性化について伺います。産業活性化まちづくり懇談会の発足はいつでしょうか。ぜひ、これはというメンバーで発足していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 なお、区内産業の実態調査はどのような進行状況でしょうか。これまでの調査事業のやり方を変えて取り組んではいかがでしょうか。例えば、産業振興課の職員が聞き取り調査に出向くことや、調査の内容などについて官民のプロジェクトをつくって、協働して取り組むなど、新しいやり方を考えてはいかがでしょうか。そうした転換こそが中野区の産業活性化への取り組みの行政サイドの変化の第一歩ではないでしょうか、お考えを伺います。
 さらに、指針では、区立図書館のシステム整備が挙げられていますが、既に取り組みが東京商工会議所で始まっている「ビジネス支援図書館」の機能の導入をあわせて検討してはいかがでしょうか。田中区長には私はかつて「税金を使う図書館から税金をつくる図書館」という資料を渡したことがありますので、基本概念は御理解いただいていると思います。いかがでしょうか、お考えを伺います。
 次に、介護保険・支援費制度に対応した保健・福祉の基盤整備で、江古田の森保健福祉施設の整備について伺います。整備手法としてPFI方式を採用することについては、これからの行政の事業実施手法の一つとして期待いたしております。
 しかし、何点かの疑問がありますので、伺っておきます。
 実施方針に示された事業スキームは、社会福祉法人と建設事業者等の二つに分かれており、区が契約する選定事業者は社会福祉法人のみになっています。特別目的会社(SPC)の設立の規定がありません。ライフサイクルコストの総体としての軽減や、バリュー・フォー・マネーの観点、パフォーマンスモニタリニングの上からこのスキームで問題がないのか、疑問のあるところです。また、事業継続を担保するためと言われている、プロジェクトファイナンスを行う金融機関とのダイレクトアグリーメントについてはどうされるお考えなのでしょうか。
 このような実施方針のスキームになったのには、やむを得ない事情があったのではとも考えられますが、いかがでしょうか。以上の点について、お答えいただきたいと思います。
 この項の最後に、凍結した施設建設計画の今後について伺います。
 「行財政5か年計画で、事業を改めて評価した上で事業計画を見直すこととした次の事業は、これまでの事業計画を廃止する方向とする」と、いきなり計画廃止の方向が出されましたが、これらの事業は区民参加で計画を策定してきた経緯があります。廃止の方向を決定するに当たって、区民参加の推進をうたう指針の本旨は担保されるのでしょうか。見解を伺い、この項の質問を終わります。
 次に、中野区保健福祉総合推進計画について質問いたします。
 初めに、基本構想との関係について伺います。総合推進計画の根拠となる法律は、健康増進法、老人保健法、老人福祉法、障害者基本法、社会福祉法ですが、健康増進法を除いて、そのどれもが条文の中で、計画策定に当たり基本構想に基づき、とうたっています。一方、現在中野区では基本構想の改定作業に取り組んでいることは周知のところです。しかし、現在の基本構想ももちろん生きています。この辺のところを総合推進計画は次のように述べています。
 「区では、2005年度に中野区の新たな基本構想の策定を予定しており、本計画をその基本構想へ反映させるとともに、基本構想で示される新たな理念等の実現のために必要な見直しを行い、本計画の補強と充実を図ることとします」。
 この記述は、基本構想と個別計画との関係を逆立ちさせていると理解されかねないものを含んでいるのではないでしょうか、区長の見解を伺います。
 計画の見直しについては、計画に内在するローリングとは別に、基本構想の改定にあわせた時期を明確にすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、世代ごとの健やかで生き生きとした生活の項の青年期・成人期の施策展開の方向性について伺います。
 最近の若者の就業形態では、フリーターの急増が指摘されています。雇用問題としても重要な課題となっていますが、健康の面からも懸念する声が上がってきています。
 例えば、健診でも一般健診は35歳からであり、企業の健診は正社員が中心で、アルバイトやフリーターは対象とならない場合が多いようです。総合推進計画でもこの世代の施策メニューは乏しく、小規模企業勤労者健診があるくらいです。
 そこで、青年期・成人期の健康づくりとして就業形態にとらわれない、仮称「二十歳の区民健診」を実施してはいかがでしょうか。財源的な問題はあるでしょうが、結核予防法の胸部検診の活用など工夫をしている自治体もあると聞いています。中野区は二十歳の健診制度を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。これからの中野区のあり方を考えると、若者支援の施策整備が必要と考えます。お考えを伺います。
 次に、高齢者に対する施策についても伺います。総合推進計画の見通しでは、10年後は5人に1人が65歳以上の高齢者となることが予測されています。最近発表された高齢者白書のデータからすれば、恐らくこれは内輪の予測でしょう。
 高齢社会の今後の課題は、「介護、健康、生きがい」だと指摘されています。特に男性の場合、定年退職後に地域にかかわっていくためのソフトランディングの方法が重要になっています。総合推進計画には社団法人シルバー人材センターへの支援強化をうたっていますが、具体的な事業計画が記述されているわけではありません。現在、中野区としては支援強化についてどのようにお考えになっているのでしょうか、伺います。
 私は先日、高知県伊野町及び品川区のシルバー人材センターを視察してきました。いずれも活発な活動で知られたところです。品川区の場合、注目されるのは、社会福祉協議会と連携して実施している55歳からを対象とした無料職業紹介事業でしょう。生きがいと収入をあわせ目指す、現役とは異なる多様な働き方を実現するための就業支援サービスとして実施されていますが、ハローワークを上回る成果を上げているようです。対象が絞られているだけに効果的なようです。他の自治体でも追随する動きが出てきています。
 シルバー人材センターとしては、今後は年間就業率の向上や事業区分の公民の割合を3対7にすることを目指しているなど、意欲的な活動となっています。中野区でも無料職業紹介事業などへの取り組みを検討してはいかがでしょうか。
 さらに、支援強化の柱の一つはPR支援だと言われています。会員の方からはおさらい教室のPR記事を従来のように中野区報に掲載してもらいたいという声が出ていますが、対応すべきではないでしょうか。シルバー人材センター支援の強化策について、具体的にお聞かせください。
 なお、健康ということでは、各自治体で高齢者いきいき事業という東京都の補助事業を活用して多彩な取り組みが行われています。注目されるのは、高齢者などの身分証明書発行事業をこれで行っていることです。中野区でも取り組んではいかがでしょうか。このカードをICカードとすることで、公衆浴場無料開放事業と結びつけるなど、多様な活用が考えられます。今後の情報社会をにらんで対応すべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。
 次に、バリアフリー地域基盤整備構想の策定について、総合推進計画と関連がありますので、ここで伺います。
 平成11年の決算特別委員会の総括質疑で、私は平成4年に実施された福祉のまちづくり重点整備地区調査の問題について指摘をさせていただきました。また、平成12年の第2回定例会で交通バリアフリー法に基づく整備基本構想の策定について提案させていただきました。今、整備の基本構想策定が見えてきました。そこで、今後の取り組みのスケジュールについてお知らせいただきたいと思います。
 一方、総合推進計画の中では、三つの目標の一つとして、「社会参加の障壁となる道路など、地域の生活環境を整備し、だれもが安心して暮らすことのできるバリアフリーのまちづくりを目指す」としています。バリアフリーのまちづくりでは、この整備構想策定の取り組みについて触れられていてもよかったのではないでしょうか、見解を伺います。
 この問題で、最後に提案を含めて伺います。平成3年の決算特別委員会の総括質疑で中野アメニティガイドについて、障害者対応施設については載せてはどうかということで提案いたしました。増刷するときは表示する工夫をするということでしたが、既にこれは絶版になっております。その後、平成6年に「中野区ふくしマップ」という冊子が障害者福祉事業団の企画作成で出されました。これは、障害者対応施設を中心としたガイドマップでした。しかし、これも絶版になって、今日では区政資料室にある2部と社会福祉協議会の何冊かになっているようです。整備構想策定を機会に、ガイドマップをつくってはいかがでしょうか。何も冊子の形でなくともデジタルデータの形で提供できれば、整備にあわせてリアルタイムでの情報提供ができるのではないでしょうか。御見解を伺い、この項の質問を終わります。
 次に、ヒートアイランド対策としての屋上緑化について伺います。最近効果について高いものがあるという国土交通省の発表もあったところです。これまで助成制度等について我が会派の斎藤(高)、こしみず両議員の質問・提案に対して、検討していくとお答えになってきました。既にかなりの時間が経過しています。そろそろ検討の結果が出ているころと聞いています。検討の結果、どのようになっているのでしょうか、実施の時期などお答えください。
 あわせて、住宅金融公庫の地方公共団体施策住宅特別加算制度についてもお答えください。
 中野区で考えているのはどのタイプのものなのでしょうか。また、屋上緑化にとどまらない、例えば、先ほどちょっと触れましたが、耐震性能向上型のものも中野区の場合は施策住宅としては重要なタイプではないかと考えますが、これも対象とするべきと考えますが、いかがでしょうか。
 今後の行政のキーワードは、安心・安全ということだそうです。私もそう思います。そこで最後に、安心・安全のまちづくりについて伺います。
 初めに、地下鉄の安全対策について伺います。2月18日に発生した韓国の地下鉄火災事故に際して、公明党議員団としていち早く田中区長に申し入れを行いました。その後、中野区としても3月12日、帝都高速度交通営団に申し入れをしたようです。特に、中野坂上駅、中野新橋駅、中野富士見町駅について、2方向避難通路の早急な確保を強く申し入れたと聞いています。申し入れの詳細をお聞かせください。
 中野坂上駅は、乗降客が多いにもかかわらず出口が一つしか、その意味ではありません。西口改札、その西口の出口の必要性は極めて高いものがあります。
 また、地域には西の出入り口を設置してほしいという強い要望もあります。バリアフリーの視点からも、交通安全対策上も西出口は必要だと思います。この際、都市計画課で地域の実情を把握して、西出口実現への取り組みを開始してはいかがでしょうか、お考えを伺います。
 この項の最後に、桃園川幹線の水位計データの運用について伺います。
 25日の午前中も集中豪雨で、宮下交差点付近では被害が発生しています。大久保通り宮下交差点付近の都市型水害対策の一環として、私は東京都下水道局に要望して設置を実現した水位計ですけれども、下水道局から中野区に提供されているデータの運用体制、活用の仕方を検討すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 下水の水位が警戒水位になったときには、注意情報を地域センターから関係住民に連絡するなど、きめ細かい対応ができるよう水位情報の運用を検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 また、水位情報提供の方法の一つとして、シティテレビ中野の5チャンネルを利用することのお願いもしておりますが、どのようになっているのか伺います。
 以上で私の質問を終わります。意欲的、明快なお答えを期待しております。
 また、お答えの次第によっては再質問をさせていただきますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 飯島議員の御質問にお答えいたします。
 私からは、私の区政認識と政治姿勢について、そのほかの御質問にお答えいたしまして、その余につきましては他の理事者の方から御答弁を申し上げることといたします。
 まず、財政についての認識ということです。危機的という区の財政状況について、具体的に財政運営の視点から、どういう認識を持っているのかということでありました。現在、平成14年度決算の取りまとめを行っているところであります。その作業の中での情報として私どもが得ている感触、そうしたことでお答えさせていただきます。
 平成14年度の実質収支については、9億7,900万円余りの黒字となる見込みでございます。しかし、前年度の実質収支に比べると、これが29億5,400万円余り落ち込む見通しとなっております。そうしたようなことからも、当然財政状況は依然として厳しいものがあるというふうに考えております。平成15年度予算をとりましても、財政調整基金5億6,000万円の活用でありますとか、用地売却4億円といった臨時的な財源対策を行わざるを得ない財政状況だったということであります。また、基金残高についても平成14年度末で約85億円でありますから、これは当然23区の中でも低い水準ということになっています。今後、退職金の増加、また施設の改修・改築といったような財政負担の圧力が増してくるわけでありますので、今後の財政需要の対応策として基金の積み立てといったようなことを早急に行っていかなければならないわけです。現状のままで推移していたのでは、非常に財政的な困難があるというふうに考えているわけであります。
 構造的な要因、区の内部要因としてどういうことかということでありますが、区の内部要因としては財政力の割に職員が多いという、人件費の圧力がやはり大きいと認識しているわけであります。こうしたことから、施設の配置のあり方でありますとか、事業の方法などを見直しながら、職員数を削減して人件費を圧縮するなど、柔軟な財政運営を可能とする環境を一日も早く構築する必要がある、そのように考えております。
 中野サンプラザの交渉状況、また取得の意向について変化ないのかという御質問であります。現在、譲渡条件に関する交渉を進めています。取得の方向で交渉を行っているところであります。
 交渉状況ということですが、取得に当たって私どもが考えております条件、また機構や国の方が提示しております条件について、双方とも基本的なことはまだ変化をしているといえる段階ではありません。今後とも取得に向けて交渉を続けてまいりたいということです。
 財政状況とサンプラザ取得との関係でありますが、財政状況は先ほど言いましたように非常に厳しい、これからも厳しい状況であります。サンプラザ取得に当たりましては、その後の経営手法を十分に検討して、独立採算が可能な方法をとる。運営に関して、一般会計からの補てんが行われない、そうした形での取得になるよう検討してくわけであります。
 それから、住民基本台帳ネットワークシステムの再接続についての見通しのお尋ねがありました。住民基本台帳ネットワークの再接続ということについては、条件が整ったら再接続するということで、既に予算化をしているところであります。個人情報保護5法の成立、この状況は住基ネットのセキュリティー対策の上で大きな前進となっている、そう受けとめています。また、国の機関等での保護対策が確認できるということになり、区の条例が制定されるということになれば、再接続に向けた条件が整うというふうに考えています。再接続するとすれば、できるだけ8月25日からの本格稼動に遅れないようにしていくことが区民の利便を図る上でも望ましいと考えております。
 それから、公金横領事件、危機管理、リスクマネジメントに関連いたしまして、公金横領事件に関する御質問がありました。私のもとでの事態の掌握体制が万全でなかったのではないか、また危機管理担当についてきちんと責任を明確化し、マニュアルをつくる、そうした対応をしてはどうかという御質問でありました。
 今回の事件で、全員協議会の開催の際の私の答弁の内容等についての御意見があったわけでありますが、事件の原因と問題点が十分に把握されていない状況だったとはいいながら、本来の責任の所在についてそれぞれ明確に御説明できていなかった点、このことについては十分に反省しなければならないというふうに考えておりますし、御指摘の当たっている部分があるのではないかというふうにも考えるわけであります。
 危機管理については、いかに事件・事故にかかわる損失を事前に想定し、それを最小限に食いとめるかということであります。そのための改善策と事前防止策を構築していくことが重要なわけであります。このため収納金取扱事務調査会の報告を踏まえまして、現在、収納金の取扱事務にかかわるマニュアル等を策定するといった当面の作業とあわせまして、組織全般にかかわるリスクマネジメント、危機管理体制の再構築に取り組んでいるところであります。
 それから、中野区経営改革指針に関する御質問の中で、基本構想の改定に当たってどの程度までの改定を想定しているのかという御質問がありました。
 基本構想については、全面的な改定を行うという考え方であります。これまでの基本構想では、あるべき姿という形で描かれていたわけでありますが、いつまでに何を実現するのかといった目標は示されておりませんでした。こうしたことから、今回の基本構想については実現し得る具体性を持った将来像と実現時期の目標を持つものにしていきたいと考えております。現在、幅広い区民参加のもとに検討を進めております。
 それから、自治基本条例についての考え方、いかなる性格の条例を考えているのかといったような御質問についてであります。
 自治基本条例の内容といたしましては、区民がみずから地域社会の方向を決定し、みずから課題を解決をしていくという中野区の自治の理念を明らかにし、地域の運営や地域での課題解決における区民のかかわり方や手続、そうした基本となる事項を定めることを考えております。
 区民の意思、区の意思の決定ということでは、区の意思の最高の決定機関は議会でありまして、議会の活動も重要な自治の営みなわけであります。そうしたことから自治基本条例の検討に当たりましては、議会の存在ということも当然視野に入れながら幅広い議論の中で進めていきたい、そう考えております。
 それから、中小企業退職金共済会について何点か御質問をいただきました。経営改革指針で示しました内容については、区の基本的な姿勢、方向を示したものであります。中退共については、破綻回避の具体的な方策について現在、中退共制度のあり方検討会を設けて、先ほど御指摘がありました平成13年9月の報告内容よりも、さらに踏み込んだ内容の検討が必要であるという認識のもとに検討を始めたところであります。検討の主体性というか、当事者能力が共済会にあるかないかといった御質問もありましたが、検討の主体はやはり共済会自身の主体性といったようなことを尊重しなければならないわけであります。しかしながら、この事業については昭和46年に中野区が設立をし、管理経費を区が全額補助するなどの財政支援を行ってきているわけでありまして、区のかかわりなしには破綻回避といったようなこともあり得ないというふうに思っておりますので、この検討会にも区の関係者が参加をしているわけであります。そうしたことで、検討会の中で中退共と協議しながら、必要かつ適切な対応を考えていきたいというふうに思っております。
 それから、財政支援、公的資金の投入といったようなことが発生するのではないかといったような御質問であります。
 退職金共済会については、先ほども申し上げましたように、中小企業の従業員の定着を図るために区の施策としてスタートしたものであります。制度の運営に対して区としては責任ある対応をしなければならない立場にあると考えております。しかし、財政的支援のあり方については、区民の納得が得られる内容であることが必要でありまして、まず共済会において給付のために不足している額をできる限り圧縮するという努力が前提として望まれると考えているわけであります。
 執行体制の問題につきましても、あり方検討会の結果を見ながら、中退共と協議をして対応していきたいと考えています。
 いずれにいたしましても、御質問にありましたように、多くの中小企業の従業員が加入している制度でありますので、ソフトランディングが求められているという御質問の趣旨はごもっともなことだと考えています。共済加入者に大きな混乱を及ぼさないように、破綻回避のための有効な方策を早く講じていく必要がある、そう考えております。あり方検討会の設置機関ですけれども、これについては年内までとしています。検討会でできるだけ早く報告をまとめるよう努力をするということにしておりますので、その結果を見て必要な措置を協議していきたいと考えております。
 私からの御答弁は以上であります。
〔教育長沼口昌弘登壇〕
教育長(沼口昌弘) 私からは、凶悪事件や事故等の発生時におけます警察、消防車などと学校、幼稚園などの連絡体制、とりわけ休日・夜間におけます学校の危機管理体制の問題についてお答え申し上げます。
 区内におきまして、凶悪事件があった場合や不審者が出没した場合などは、警察署等から通報を受けた部署におきまして状況を整理し、子どもが通学・通園している施設所に情報を提供することになってございます。しかし、休日・夜間につきましては、警察署等から通報を受ける部署や担当者について十分調整がされているというような状況ではございませんので、関係機関と協議し、早急に連絡体制を再編成したいと考えています。
 次に、公金横領事件に関連しまして、文化・スポーツ振興公社の見直しについて、経営改革指針に書いてある内容のままでいいのかというような御質問でございますけれども、今回の不祥事を受けまして、公社の運営体制、あるいは公社のあり方については抜本的に見直しを行うということで検討してまいりたいと、そのように考えています。
 次に、区立図書館のシステム整備に関連いたしまして、ビジネス支援図書館の機能の導入を検討してはどうかということでございますけれども、この12月に予定されています図書館の機能のリプレースにあわせまして、図書館が定額制で契約したビジネス支援に役立つデータベースを開放用のインターネット端末から区民が利用できるようにしていく考えでございます。
 以上でございます。
〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 私からは公益通報対策制度、また職員白書、桃園川幹線水位計データの運用の3点につきましてお答えさせていただきます。
 まず、公益通報制度についてでございます。この制度は職員による不正、違法、こういった行為を抑止することを目的とする制度でございます。これにより区の行政サービスの品質向上を目指すといったようなねらいでございます。この制度はまだ先行事例が非常に少ないということから、運用状況を見ながらよりよい制度になるよう、逐次改善をしていくということが望ましいんではないかというような判断から、要綱により設置したものでございます。運用を重ねていく中で、必要に応じまして条例化についても検討していきたいというふうに考えてございます。
 次に、職員白書についてのお尋ねでございます。この白書は、職員数や職員給与など、職員に関する正確な情報を公表することによりまして、区政につきまして議論するための基礎資料とすることをねらいとしております。また、将来へ向けて採用のあり方、今後の人事政策についても方向性を示したいというふうに考えてございます。人事課内にPTを設置しまして、作業を進めていますが、掲載項目について第1段階での検討を終えまして、現在データの収集等を行っております。10月策定を目途に取り組んでいるところでございます。
 次に、桃園川幹線水位計データの運用についての御質問でございます。大久保通りの宮下交差点付近の水害につきまして、これは桃園川下水幹線の水位の状況と関連性が強いというふうに考えてございます。桃園川幹線の水位計の設置につきましてはこの4月に行ったところでございます。今後、この下水幹線の水位計を、水位と桃園大久保通りの下水のみ込み状況との関連を十分に把握しまして、被害軽減に向けた水位計の活用を図っていたきいというふうに考えてございます。
 また、水位情報の提供につきましては、現在、シティテレビ中野の5チャンネルで、テロップによりまして、大雨洪水警報や河川水位が警戒水位を超えたときに情報を流しております。今後はさらにタイムリーで、より見やすいLEウインドー方式などをもちまして、災害情報の提供内容の充実を進めていきたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
〔区長室長金野 晃登壇〕
区長室長(金野 晃) 私からは基本構想、計画指針、それから凍結した施設建設の今後など、4点につきまして答弁させていただきます。
 まず、基本構想について、メールマガジンの発行はどうなっているのかというようなお尋ねでございます。基本構想改定に関する情報を提供し、区民の皆さんとともに考えていく素材としていただくため、この4月から、10年後の中野を描くメールマガジンを発行しております。発行は月1回で、区報や中野区のホームページで呼びかけて登録を受け付けております。このメールマガジンですが、基本構想改定に当たっての考え方、あるいは基本構想審議会や区民ワークショップの検討状況などを掲載しております。今後は審議会の委員やワークショップリーダーの皆さんにも執筆していただくというようなことも検討しております。
 次に、行財政5か年計画に関連しまして、中野区の行財政改革、行財政5か年計画と経営改革指針と両方なのかと。経営改革指針が補完的に機能しているということかというようなお尋ねでございます。
 行財政5か年計画は、平成13年度から17年度までの区の計画でございまして、現在も区政運営の指針となってございます。経営改革指針は、新しい経営の考え方のもとに改革をより強力に進めていくという目的で策定したものでございます。こちらの方は、平成15年度と平成16年度の取り組みをまとめたものでございます。現在、区政の行財政改革いうものは、行財政5か年計画と経営改革指針とによって進めているというところでございます。
 次に、基本構成についての財政的な見通しというような御質問でございます。なかなか財政見通しが困難ではないかということでございますが、新たな基本構想は実現可能性を踏まえた将来の中野の姿が具体的に描けるようなものにするということで考えております。限られた資源の中で何を維持し、何を縮小するのか。また新たに取り組むのは何かというようなことを考えるためには、財政の見通しを持つことが不可欠だというように考えております。そのため、今後の人口の推移や国が進めている各種の構造改革の効果、地方財政制度の改革の動向等踏まえて、可能な限り正確な財政の予測をしていきたいというように考えております。
 次に、凍結した施設建設計画の今後についてでございます。今回、凍結していた施設建設計画につきまして廃止をする方向といたしましたのは、区の施設全体についてゼロベースで区民とともに議論をしていくという考え方に立ったものでございます。経営改革指針で、廃止の方向として掲げました5つの施設につきましては、これまでさまざまな形での区民参加の論議を経て計画をつくってきたということについては認識しております。これらの施設建設を凍結したということは、区の財政状況が厳しい状況にある中で、行財政を進める中でやむを得ず決定したものでございます。しかし、今後もそのままの形で建設できるという見通しはないというものでございます。現在、ゼロベースで施設を議論していくという区の方針につきまして、建設委員会などでかかわっていただいた方々を中心に説明の場をつくっていただいているという状況でございます。
〔区民部長本橋一夫登壇〕
区民部長(本橋一夫) 私からは国民健康保険証カード、経営改革指針における区民税の収納目標、産業活性化、それと高齢者のICカードについての御質問にお答えいたします。
 まず、顧客満足度の向上についての御質問の中での、国民健康保険証はもっと工夫すべきではないかとの御質問についてであります。
 国民健康保険証につきましては、加入者一人ひとりが携帯できるようにカード化を導入するという法令改正の趣旨を踏まえまして、中野区では本年4月の保険証の一斉更新の期にあわせてカード化をしたところでございます。このカード化に際しましては、コスト面等を考慮して、現行の紙加工のものを採用いたしましたが、御指摘のように、加入者の方々からさまざまな御意見もいただいているところでございます。次の更新期にはより使いやすい保険証カードにできるよう、利用者や医療関係者等の意見も聞きながら工夫してまいりたいと考えております。
 次に、経営改革指針における特別区民税の収納目標に関する御質問についてであります。低迷する経済環境の中でありますが、収納対策の強化や納付機会、納付相談の拡大などさらに工夫し、98%という目標達成に向け努力をしていきたいと考えております。
 経営改革指針の財政収支見通しにおける平成16年度の税収につきましては、引き続き収納対策を強化していくということも含めまして、収納率も平成15年度と同率と見込んでいるところでございます。
 次に、産業活性化についての御質問であります。まず、産業まちづくり調査会ですが、ここでは理論的な検討というよりも、実態を踏まえながらグローバルな視点から中野の産業振興の方向性を検討していただきたいと考えております。委員については、地域産業の振興にかかわられた経験のある方や、さまざまな取り組み事例を通じている方にお願いしようと、現在交渉を進めているところでございます。7月中には調査会を発足される予定でおります。
 次に、調査事業者についてですが、プロポーザルによりまして、実績や姿勢を持った事業者を選定したところでございます。現在、具体的な契約内容を調整しておりまして、近々契約締結の予定であります。中野区の全体的な傾向を把握するために、まずアンケート調査を8月に行う予定であります。その上で、さらに特徴ある事業所等を抽出して、具体的な内容につきましてヒアリング調査を行う予定ですが、このヒアリング調査には事業所の取り組みの状況など、直接目で見、肌で感じるということも大事だと考えておりまして、職員が同行することも検討しているところでございます。
 最後に、高齢者の身分証明ともなるICカードの発行についてのお尋ねですが、高齢者を含めた区民の身分証明書につきましては、今後、住民基本台帳カードに身分証明機能を持たせることも検討してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 私からは顧客満足度の向上についての中の、中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整、これのあっせんや調停につきましての御質問、以下、何点かの御質問にお答えさせていただきます。
 まず、あっせん調停についてでございますが、あっせん調停につきましては、住民と建築主がともに話し合いの場に着くということが必要であろうということでございます。そのことを踏まえまして、当事者同士が出席しやすいよう、今後も工夫してまいりたいというふうに考えてございます。
 次に、高齢者の癒やしの対象といいますか、ペットが区営住宅、それから福祉住宅、これらの中で飼えるようにすべきではないかという御質問がございました。東京都では既存の団地で飼育のための特別な仕様や設備を設けることなく、ペットの飼育を希望する世帯に飼育を認めて、適正な飼育が可能かどうか検証するモデル事業を開始しているところでございます。区といたしましては、このモデル事業の動向を見ながら、区営住宅などの入居者にペットの飼育規模や問題点等のアンケート調査を実施して、ペット飼育の可能性を探ってまいりたいというふうに考えてございます。
 次に、区の緊急の課題としては、震災対策は必要ではないかというお尋ねと、それから地方公共団体施策住宅特別加算での指定だけではなくて、住宅金融公庫の融資と民間住宅の簡易診断、こういったものを組み合わせた制度を検討する時期ではないかという御質問でございました。区ではこれまで災害に強い安全なまちを構築するために地区計画に基づきます道路整備や建築物の耐震不燃化の促進等による災害時の危険性が高い地域の改善、防災公園の整備、それから学校施設の耐震補強など、防災まちづくりを着実に推進してまいってきているところでございます。つい最近も、宮城県沖を震源といたします大きな地震が発生してございます。地震に強い安全なまちづくりを進める上では、住宅の耐震補強は緊急な課題であるというふうに認識しておるところでございます。現在、区は木造住宅の診断及び耐震補強に対する支援策につきまして検討を進めているところでございます。
 次に、バリアフリーについてのお尋ねがございました。平成13年度に実施いたしました交通バリアフリー実態調査、この結果を踏まえまして、道路管理者としての東京都及び公共交通機関等との協議を行ってまいってきております。平成15年度につきまして、こうした協議をもとに区内及び隣接地域のうち、いわゆる重点整備地域の選定を行っていく予定でございます。平成16年度には、選定いたしました重点整備地区についての整備構想を策定いたしまして、平成17年度から計画的に整備に入ってまいりたいというふうに考えてございます。
 それから、保健福祉総合推進計画を策定する段階では、バリアフリー地域基盤整備構想の取り組みの詳細について、まだ具体化していなかったために、事業計画に盛り込めなかったということでございます。
 次に、ヒートアイランド対策。この屋上緑化についての助成制度の検討ということでございますが、現在、民間建築物の屋上緑化に対する助成策を検討中でございまして、来年度のできるだけ早い時期には実施してまいりたいというふうに考えてございます。
 また、助成の対象でございますけれども、既存及び新築の建築物で、屋上を初めベランダ、壁面、こういったところの緑化を考えてございます。それから、区で考えております住宅金融公庫の地方公共団体施策住宅特別加算制度、これはどういったタイプのものかというお尋ねでございます。住宅金融公庫の地方公共団体施策住宅特別加算制度を活用するには、まず自然条件等に対応しました住宅、それから環境に配慮した住宅、これの基準を区が独自に定めているということが要件ということでございます。そこで、現在既に基準のある雨水流出抑制型、また、まちづくり推進型や緑化推進型などにつきまして、活用の可能性を住宅金融公庫と打ち合わせをしてございます。住宅等の屋上緑化、それから耐震性向上型住宅につきましては、それぞれ誘導のための新たな基準づくりを進めてございます。これらにつきましても、特別加算制度が活用できるよう住宅金融公庫と協議を進めてまいります。
 それから、安心・安全のまちづくりにつきまして、御質問がございました。
 営団丸の内線の坂上駅、それから新中野、中野富士見町駅と、この2方向避難ができていないというようなお尋ねでございました。営団に対して申し入れをしたが、その内容についてということでございます。
 本年2月に韓国の地下鉄火災が大惨事になった原因といたしまして、地下鉄駅舎の避難通路、排煙設備など、安全施設の整備に問題があったと指摘されております。区内の地下鉄の駅で、2方向避難路が確保されていない、また排煙設備がないなど、国土交通省で定める基準に適合していない駅が、営団地下鉄の中野坂上駅を初め、中野新橋、それから中野富士見町駅、落合駅、この4駅ということでございます。そこで、帝都高速度交通営団に対しまして、区民及び地下鉄利用者の安全を確保する観点から、当該4駅の避難通路の確保や車両及び駅の設備や構造などの安全確保対策の推進につきまして、要望を行ったところでございます。
 それから、この2方向避難ということで、出入り口を宝仙寺側に設けるべきではないかというような御質問がございました。営団丸の内線中野坂上駅におけます駅舎の課題につきまして、営団は鉄道利用者の安全と利便性を考慮して、2方向出入り口確保について現在検討しているというふうに聞いてございます。
 今後といたしましては、地域住民の意向、それから駅舎の利用実態等を把握するとともに、営団に対しまして所要な要請をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
〔地域センター部長柳澤一平登壇〕
地域センター部長(柳沢一平) 保育基本計画に関しての御質問にお答えいたします。
 国の次世代育成支援対策推進法案では、すべての区市町村及び都道府県に対しまして、平成17年度を初年度として、5年を1期とする行動計画の策定を義務づけることとしてございます。こうした国の動きや子どもにかかわる諸課題について、全庁を挙げて総合的に取り組むため、5月に関係部長で構成いたします人材育成支援対策検討会を立ち上げているところでございます。
 御指摘の保育の基本計画につきましても、この法案に基づいて策定を予定しております総合的な子育て支援のための行動計画の中にきちっと位置づけまして、定めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
保健福祉部長(菅野泰一) 私からは、江古田の森保健福祉施設の整備、中野区保健福祉総合推進計画にかかります数点の御質問、障害者ガイドマップの作成に関する御質問にお答えいたします。
 まず、江古田の森保健福祉施設の整備の手法につきまして、区の示したスキームは、バリュー・フォー・マネーの観点やパフォーマンスモニタリングの上から問題はないのかという点でございます。区といたしましては、民間事業者であります社会福祉法人に設計概要、それから工事費見積書、また事業運営の考え方など提出させまして、選定するものでございます。現在のスキームでも問題はないというふうに考えております。
 続きまして、プロジェクトファイナンスを行う金融機関とのダイレクトアグリーメントにつきましての御質問がございました。今回の事業スキームでは、事業資金は社会福祉医療事業団からの融資を想定しております。当該PFI事業のみを行うSPCを設立することは考えておりませんので、プロジェクトファイナンスによります資金調達は想定しておりません。したがいまして、金融機関とのダイレクトアグリーメントは考えておりません。お尋ねの課題がございますが、そういった課題につきましては、リスク分担の中で検討していきたいというふうに考えております。
 では、なぜこのようなスキームの実施方針になったのかというお尋ねでございますが、当初区といたしましては、社会福祉法人に建設事業者等を含めた共同提案を想定しておりました。しかし、国及び都との協議の結果、補助を受ける場合には、社会福祉法人が提案者にならなければならないという結論が示されまして、現在のスキームに変更されたものでございます。なお、法人側が建設業者を選定する際には競争入札によるものとされてございます。
 次に、中野区保健福祉総合推進計画と基本構想の関係等につきましてのお尋ねがございます。
 保健福祉総合推進計画は新たに策定される基本構想に即した内容とすべく、改定作業を行う予定でございます。
 次に、20歳の健診についてというような御質問がございました。
 若者の健診につきまして、いろいろと御意見があると思います。今後こういった若者の健康、健診につきます実態調査を含めまして研究してみたいというふうに考えております。
 それから、シルバー人材センターの支援について3点ばかり御質問がございました。
 まず、具体的な支援策ということについて区はどう考えているかということでございますが、シルバー人材センターは設立25周年を迎えまして、着実な発展を遂げております。区は活動場所の提供や財政支援を行ってまいりました。今後もその自主性を尊重しつつ、会員募集や事業開拓などにつきまして、側面的な支援をしていきたいというふうに考えております。
 それから、品川区などで無料職業紹介事業などをやっているということにつきまして、区としてはどうかということでございました。
 品川区につきまして、御指摘のようなきめ細かな対応によります工夫で、職業紹介などをやっております。成果が上がっているというふうに聞いております。これにつきましても、関係団体の意向を聞きながら、今後区としても検討してまいりたいと思います。
 また、シルバー人材センターの講座のPRでございますが、区報に出してはいるわけですけれども、その内容につきまして若干足りないのではないかという御指摘がございます。今後、PRの方法につきまして、さらに充実するよう努めてまいりたいと思います。
 それから最後に、障害者のガイドマップの質問がございました。障害者や高齢者などを含めましたすべての区民の社会参加を促す上で、ガイドマップというのは役立つものというふうに考えております。マップに盛り込むべき内容や調査・編集方法などにつきましては、そのマップを必要とする方々の意見も十分いただきながら、検討してまいりたいと思います。
 さらに、情報のデジタル化につきましては、更新が容易であるなど利点も多いので、今後区が開発いたしますGISシステムのの活用なども視野に入れまして、検討してまいりたいと思います。
 以上でございます。
〔飯島きんいち議員登壇〕
27番(飯島きんいち) 時間もございますので、2点だけ伺わせていただきます。
 区長の御答弁、それから関係する理事者の御答弁を伺って、かなり落差があるな、ここにまだ中野区の改革が滞っている理由があるのではないか、こんなことが率直な感じとしてありました。
 それぞれ関係しているところにつきましては、本当にたくさん聞きたいところがございますが、それぞれの場所で改めて聞いてもらうことにいたしまして、また私もそういう場面でさらに伺うことにしまして、2点だけ伺います。
 一つは、メルマガを発行されているということですが、これ、何人の人が購読しているのかなということをお答えいただきたいと思います。あわせて議員の人にはインビテーションメールというのが実はありまして、「こういうのを発行したので、おとりになりませんか」ということを、むしろ積極的に働きかける、こういうことがあるわけですが、私はされたような記憶がございません。メールアドレスは公開しているんですが、どうなのかな。多分同僚の皆さん、自分のところにそういう案内メールが来たかどうか、感じている方いらっしゃらないかもしれませんので、どんなふうになっているのか。もし本当に、この区民の参加、あるいは区民の皆さんの議論を想定しているならば、もっと積極的にこういうものを活用されるべきだろうと思いますので、今、何人の人が購読しているのか、そして、そういう働きかけをどの程度したのか、これについてまずお答えいただきたいと思います。
 それからもう一つは、この凍結した施設について、廃止の方向の質問をさせていただきました。そういうことについて、説明の場を設けて説明しているということですが、説明の場というのはどういうものなのか。また、何回ぐらいそれぞれの施設についておやりになったのか、お答えをいただきたいと思います。
 その他、伺いたいこと、たくさんございますが、条例と要綱の問題等、エキスパートが我が会派にはいらっしゃいますので、恐らくそれはその場で伺っていただけると思いますので、以上2点、お答えをいただきたいと思います。
〔区長室長金野 晃登壇〕
区長室長(金野 晃) 基本構想に関するメールマガジンの発行のお尋ねでございますが、現在の配信数は約70人ということでございます。まだ少ないというふうに思っております。呼びかけとしましては、区報に掲載しましたり、あるいはホームページで呼びかけている、また基本構想の審議会の委員やワークショップのメンバーなどには呼びかけをしているということでございます。今後、今議員の皆さんへの周知などについても御意見がありましたので、さらに工夫をしたいというように思っております。
 それから、凍結した施設建設に関する説明の場ということでございますが、建設委員会というようなものが、もうなくなっていましたり、長い時間の凍結の中でメンバーが既にかわったといいますか、古いメンバーのまま随分開催されていないと。何年も開催されていないというようなことでございますので、その地域の協議会であるとか、あるいは建設のメンバーが集まるような場で説明をするということで現在始めております。まだ全部終わっておりませんで、現在2か所について説明したということでございまして、これからやっていくというところが大分残っているというように思っております。
議長(山崎芳夫) 以上で飯島きんいち議員の質問は終わります。


 中野区議会議員 大 内 しんご
 1 中野サンプラザ取得について
 2 住民基本台帳ネットワークシステムについて
 3 業務上横領事件について
 4 教育改革について
 5 西武新宿線野方駅について
 6 その他

議長(山崎芳夫) 次に、大内しんご議員。
〔大内しんご議員登壇〕
10番(大内しんご) 平成15年第2回定例会に当たり、自由民主党・民社クラブ議員団の立場から質問いたします。
 私も久しぶりの質問ということでございます。若干緊張しております。区長を初め、理事者の皆様には明快、そして誠意ある御答弁をお願いいたします。
 中野区の財政状況は、依然として厳しい状態が続いております。区長の行財政改革に取り組む姿勢は、経営改革指針等を見る限り、強く踏み込んでいることがわかります。行財政改革は、行財政5か年計画によるほか、経営改革指針で一層強力に進めていくと述べています。平成17年度からスタートする基本構想と10か年計画で、21世紀に臨む中野区の姿勢を明確に打ち出していただきたいと思います。中野区議会としても、30万区民の代表として中野の将来のため、責任ある政策を提言していく必要があります。しっかりとした見識を持ち、現在の大変厳しい財政状況の中においてこそ、中野の将来を責任を持って決めていく責任があると大変強く痛感しております。
 それでは、1番目の中野サンプラザ取得について質問いたします。
 中野サンプラザは、昭和48年に勤労青少年の雇用の安定と福祉の増進を図ることを目的として建てられ、厚生労働省所管の特殊法人である雇用・能力開発機構が所有する全国的な福祉施設です。今回、国の行政改革の中で雇用・能力開発機構が所有しているサンプラザの福祉施設をすべて譲渡、あるいは廃止するという方針が出され、このことに伴い、平成14年8月に地元自治体である中野区に対して譲渡の打診があったと認識しています。区がこの間、どのような検討をしてきたかを区報に示された限りで確認しますと、取得の可能性を民間不動産会社に調査委託をし、その結果を参考に、考えられる取得の方法を区民に示し、意見を求めるなどしてまいりました。
 中野区では将来このサンプラザ周辺の整備事業に関して、中野駅前の一等地にあるということで、北口まちづくりの拠点になると位置付けています。区報には「10年以上運営した後に事業を終了した場合、土地については再開発など、何らかの形でまちづくりに活用する」と述べています。将来、どのような計画をお持ちなのか。サンプラザを購入するに当たって、現在でも中野駅北口には、北口広場、清掃車車庫、中野区役所、中野体育館、警察大学校跡地など、多くの区が関係する大きな土地がありますが、中野駅周辺一帯の整備をどうしていくのか、しっかりとした計画が見えてきません。最近、施設の建設計画を凍結した産業情報センター等の複合施設、上野原スポーツ・学習施設、南部区民ホール等複合施設、上鷺宮五丁目冒険遊び場などと同じような結果になるのではないかと危惧をいたしております。区は、サンプラザの立地に着目をし、将来の中野駅周辺のまちづくりに大きな影響を及ぼすと位置付けて、取得をする主な理由にしておりますが、お尋ねします。
 現在、サンプラザの土地に予定をする具体的なまちづくりのプランはお持ちなのでしょうか。具体的でないにしても、青写真などお持ちなのでしょうか、お聞かせをください。また、サンプラザを保有する意義、ねらい、また具体的にどのように生かすのかがはっきり見えてきません。区が関与しなければならない必然性とあわせてお聞きをします。
 次に、5月4日付の区報では、「区が直接取得することは財政負担が大き過ぎて困難であるため、区が第3セクターを設立して、そこがサンプラザを取得することを基本に考える」とし、「サンプラザの運営は独立採算で行い、職員の雇用の確保も独立採算が成り立つ範囲で最大限努力する」と言っています。取得に当たっては、雇用・能力開発機構との交渉で経常経費をいかにして削減するかが一番重要な課題だと考えられます。しっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、現在のサンプラザの運営に占める人件費の割合は、民間会社の試算からすると相当高いと考えられますが、区はこの人件費について、どのぐらいの圧縮があれば独立採算が可能な範囲なのか、どのように考えているのかお聞きします。さらに、他のどのような経費の削減を検討しているのかお聞かせください。
 また、この交渉がうまくいかない場合は、当然取得を断念することも考えられるのでしょうか。あわせてお尋ねをします。
 また、サンプラザの購入費用を全額借り入れるわけですが、その経費の返済は本当にできるのでしょうか。赤字経営にならない保証はどこにもないわけで、返済方法を具体的にどのようにお考えなのでしょうか、お尋ねします。
 そもそもサンプラザは、国が赤字の施設を面倒を見きれずに手放した施設です。東京都は、購入を拒否した経過もあります。もし収益が赤字の場合でも、当然区の一般財源からの持ち出しはないといえるのでしょうか。持ち出した場合は、平成17年度より始まります中野区の基本構想に及ぼす影響も大きく出てくると思います。中野区の財政責任について、区長のお考えをお尋ねします。
 次に、住民基本台帳ネットワークについて質問いたします。
 区は昨年9月、本人確認情報の提供を受ける国の機関等における個人情報の保護措置に懸念があることや、地方自治体として国のセキュリティーに対して確かめる方法がないとし、住民基本台帳ネットワークシステムの接続を切断をしました。このシステムは、住民基本台帳法に基づいて、氏名、生年月日、性別、住所の4情報と住民票コードなどにより全国共通の本人確認を行う区市町村と都道府県の共同による仕組みです。これまで本人確認情報の利用は恩給や共済年金の受給者の確認などにとどまっていましたが、東京都では6月1日からパスポートの新規発給の申請にも使われるなど、区民の身近な事務に利用が拡大をされています。
 また、本年8月25日からは2次サービスが開始され、区民の身分証明書として活用ができる住民基本台帳カードの交付や、カードを利用した転入・転出の届け出の簡素化、さらにはどこの区市町村でも住民票の写しが受け取れる住民票の広域交付サービスも始まります。このように、住基ネットが運用されることで、区民サービスの一層の向上と行政のさらなる効率化が図れると思います。住基ネットの整備に向けて、国や関係団体、区市町村など地方自治体は、システムの開発、整備、セキュリティー対策など、さまざまな取り組みと検討を重ねてまいりました。現在まで特に大きな問題を生じることなく円滑に運用されていることは、制度面・技術面・運用面で適切に運用されているからだと考えています。
 そこでお尋ねをします。現在のネットワークからの接続を切断している区としては、住基ネットについて基本的にどのような認識を持っているのか、区長の御見解をお聞きします。
 次に、現在、公的個人認証サービスの検討が進められています。このサービスにより、電子証明書の発行を受けた区民は、各種の申請や届け出等の手続を自宅のパソコンで容易にできるようになり、区民サービスの向上と行政の効率化が飛躍的に進展することは疑う余地がありません。手続を行う際にはその都度住基ネットの本人確認情報により、証明内容の確認が必要です。このように住基ネットは公的個人認証サービスと密接に連携しているもので、電子政府・電子自治体実現の基礎となるものと考えていますが、区長はいかがお考えでしょうか。
 次に、区長は切断に当たり、その理由として、まず個人情報保護に関する法制が未整備なことを上げられました。二つ目として、個人情報の取り扱い上のセキュリティー不安が残ること。三つ目に、個人情報保護に関する基本法が成立していない状況のもとで行うべき個人情報の保護への配慮に欠ける点があるとの考えを示されました。個人情報保護法や行政機関が保有する個人情報保護法などが既に成立したことは、法制度が未整備であるとか、法が成立していない状況での個人情報保護への配慮といった切断の理由にこたえるものだと思いますが、区長はどのようにお考えなのでしょうか。
 また、個人情報保護法などの法整備が整備された状況のもとで、区長は本人確認情報などを保護するための条例案を提案されると聞いています。今回、条例案を提案するのはどのようなお考えからなのでしょうか。条例案の提案や本人確認情報の保護対策に関する国への照会など、さまざまな取り組みを進めていることは、住基ネットの今後の対応についてお考えをお持ちだと受けとめています。この際、住基ネットの再接続に対する区長の基本的な姿勢をお示しいただきたいと思います。8月の本格的なサービスまで時間は足りないと思いますが、今後のスケジュールも含めて決意をお伺いします。
 三つ目に、業務上横領事件についてお尋ねいたします。
 今回の横領事件は、結果として5年間、区は発見できませんでした。その原因についてはさまざま質疑があるところでございますが、私は第1に区の認識についてお尋ねします。
 区職員の業務上横領事件ということで、個人の犯罪ですが、犯罪を放置してしまった点でいえば、二つの罪があるように思われます。一つ目は、あってはならないが、しかし一方では仕方がないことかもしれない。むしろそのミスを5年間も発見できなかった区の責任は重たいのではないでしょうか。二つ目は、民間企業でこのように長い間、横領が発覚しなかった例は珍しいと思います。幹部クラスや組織ぐるみの事件に近いといえるのではないでしょうか。だとすると、組織の責任は非常に重たいと思っています。区はいろいろな場面で告訴をしたと言っておりますが、「横領事件を起こした職員を見つけ、即刻告訴をしました。悪いのは職員です」と言っているようにしか聞こえてなりません。私は雪印や三菱自動車製品の不買運動のときと同じように、区民の区に対する信用は大きく落ちていると思います。ただ、区のサービスを受けられるのは区役所しかございません。他の民間の会社では代用ができません。仕方なく区民は不買運動を起こさずに来ているんだと思います。区長はこのことを重く受けとめているのでしょうか。山一証券倒産のテレビ報道を思い出してなりません。
 次に、損害賠償についてお尋ねします。
 私たち会派に届く区民からの意見で一番多かったのは、「なくなった2,300万円はだれが、どのようにして賠償するのか」というものでした。青森の同様の事件でも、損害賠償についてはなかなか結論が出ないと聞いていますが、区民の税金で損害を補てんすることは許されるべきではありません。区は損害賠償を、だれに、いつまでに、どのような方法でさせようとしているのかお尋ねします。刑事上の賠償責任だけではなく、民法上といいますか、道義上、つまり現職の幹部職員でない方々まで含めて見解を述べていただきたいと思います。
 最後に、今後の対応について、再発防止策が報告書に書かれてありますが、対策はいつまでに、具体的にどのように行うのでしょうか。的確に、かつスピーディーに行っていただきたいと思います。再発防止策はこれで完璧というものなどありません。犯罪は残念ながら進歩してまいります。考えられないような手口が出てまいります。コンピュータのウイルスバスターではありませんが、進化する犯罪に対してどう対処する仕組みをつくるのかも大変重要な課題だと思います。その点についてもお答えいただきたいと思います。
 四つ目に、教育施策について質問いたします。
 最近、それぞれの自治体で教育施策についていろいろな特色を打ち出しています。23区を例にとってみても、品川区では他に先駆けて学校選択制を導入し、小中一貫教育の取り組みも決めています。また、幾つかの企業の協力を得て、実際に近い街と店舗を再現し、経済活動を体験する学習の場として、小学校のあいている教室を利用してスチューデント・シティという体験活動ができる学校も設けております。千代田区では都から高校を譲り受けて、中高一貫校をつくるなど、新しい教育改革に取り組んでいます。お隣の杉並区では、民間企業出身者を中学校の校長に据えるなど、積極的に改革に取り組んでいます。足立区では、地域の方々が校長先生の人選や学校経営に携わるコミュニティスクールの実験的な取り組みを始めました。先日は、荒川区が全校一斉に実施した学力試験の結果を公表したりしています。
 こうした各区の取り組みに比べると、中野区の教育施策には、区民に対して熱心に教育改革に取り組んでいる姿が見えてこないのは残念です。もちろん、本年度で終了します阪神・淡路大震災にも耐え得ることができるよう耐震補強工事も行っていることや、厳しい財政状況にもかかわらず、この夏に間に合わせるように小・中学校普通教室に冷房設備を設置したことは高く評価しております。図書館指導員を全校に配置するなど、地道な努力を続けていることも認めております。ただ、いま一歩踏み込んだ中野区独自の新しい施策が見えてきません。これまで教育の中野と言われた時代もあったと聞いております。教育施策についてはその是非はともかくとして、全国から注目を浴びた教育委員の準公選制以来、特に中野区独自の特色ある教育というものが見えてきません。
 この4月、教育委員会事務局に教育改革推進担当課長なるポストが新しく設置されました。私としては、ようやく中野区の地域性などを十分踏まえた独自の教育を目指す気持ちのあらわれだと思って、期待をしております。次長の事務取り扱いでありますが、ぜひ成果が上がるよう御期待を申し上げます。
 そこで、質問をいたします。新しくできた教育改革推進担当課長を配してまで教育改革に取り組もうとしているのでありますから、具体的に何をどのような改革に取り組んでいきたいのか、また、今までの取り組みとは違う意気込みと申しましょうか、中野区の教育改革に取り組む強い信念をお聞かせをください。
 次に、先ほども触れましたが、学校選択制についてお尋ねをします。23区では、ここ一、二年の間に半数を超える区がこの学校選択制を取り入れてきています。国も、今年の3月に教育委員会の判断で選択制の導入ができることなどを関係法令の中に明文化しております。これまで教育委員会は、指定校変更の仕組みをかなり弾力的に運用していることもあってか、選択性を取り入れることには消極的であるように見えております。クラブ活動や学校の特色などから自由に学校を選択するなど、指定校の仕組みを考えてみたりしてはいかがでしょうか。さらに、他の自治体で実施状況を見ますと、それぞれの区で課題もあるように見えますが、保護者や児童・生徒の意向で通学する学校を選ぶことができるようにすることは、もはや時代の流れだと思っております。小中一貫教育など含め、新しい教育改革に取り組んでみてはいかがでしょうか。教育改革推進担当課長もできましたことですし、ぜひ積極的に教育委員会でもこの中野区の改革に取り組んでいただき、新しい取り組みにしっかりとチャレンジしていただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 5番目に、西武新宿線野方駅について質問いたします。
 野方駅では毎日何千人もの通勤者が利用に当たって不便を強いられていることは、今までの議会での質問や地域からの話により、多くの方が認識しているところだと思います。区内を走る西武新宿線の中で乗降客が一番多い野方駅に対して、幾つかの大きな課題を解決できないで現在に至った責任は、西武鉄道だけの責任と言っていても何の解決にもならないと思います。特に、野方駅北口開設に関しては、区はこれまでも「西武鉄道に要請はしてきているが、西武は適切な用地提供を求めており、財政事情を考慮しながら検討したい」との答弁にとどまっていますが、この用地取得の問題をどうしていくのか、大変に重要な課題だと思います。
 お隣の沼袋駅については、区が多額の財政負担をし、用地を購入して南口開設までこぎつけました。沼袋駅以上に利用者の多い野方駅に関しては、今のままでは区は地域に対して何もしてこなかったと言われても説明ができない状態だと思います。区は、区内を走る西武線において南北の改札がないのは野方駅だけである現状をきちんと把握しているのでしょうか。「サンプラザの50億円の土地は購入するが、現在多くの区民が望んでいる野方のまちづくりにかかわる大切な土地の取得は考えていないのか」といった声も地域では出ております。西武新宿線に関しては、踏切渋滞解消のため、連続立体化に向けた検討が始まっていると聞いていますが、10年あるいは20年先の話をされても、現在の野方駅が抱える課題の解決には決してつながるものではありません。今、この時点で区が取り組むべきことを明らかにする必要があると思います。中野区の北の拠点の一つである野方のまちづくりにとっても、大変重要である野方駅北口改札口の開設に取り組む区の姿勢をお伺いします。
 次に、関連して野方駅のエレベーターもしくはエスカレーターの設置についてお聞きをします。
 この問題も議会では何回か取り上げられています。区の補助要綱では、これらの設置については鉄道事業者が3分の1、国が3分の1、東京都と中野区が残り3分の1を二分するといいます。すなわち、区は6分の1の財政負担で設置ができるわけであり、高齢者や障害者などの公共交通機関を利用した移動の円滑化を促進するという交通バリアフリー法の趣旨からして、もっと積極的に取り組む必要があると思います。野方駅の場合、階段の上り下りが大変なお年寄りや障害者の方は、わざわざ隣の都立家政駅や沼袋駅まで行って、また歩いて戻ってくるといったような状況であります。高齢者や障害者を初め、すべての区民が安全に安心に交通機関を利用でき、日常生活においても同じように安全に安心に心豊かに生活が送れることができるよう、区として早急に設置に向けた取り組みをするべきだと考えますが、いかがでしょう。
 その他の項で、一つだけ質問をさせていただきます。カラス対策についてであります。
 都内では東京都の取り組みが功を奏して、カラスの総数が減少しているとのことでございますが、中野区内、私たちが住んでいる地域では、依然として相当数のカラスがごみ集積場所でごみ袋をつついたり、屋根や木の上にとまっていたりします。ごみ集積場所へのネットの貸し出しや、公共施設にあるカラスの巣撤去など、これまで区が取り組んできた対策については一定の効果はあったと思いますが、カラスの巣が相当あると思われる私有地の取り扱いについても、何らかの対策が必要ではないでしょうか。私有地について、例えば、公共施設や小学校の通学路などに接するところについては、カラスの巣を撤去するため特例的に区で何らかの対策を講じるべきだと思いますが、区のお考えをお聞きします。
 以上で、質問を終わらせていただきます。
〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 大内議員の御質問にお答えをいたします。
 私からは、住民基本台帳ネットワークシステムについての何点かの御質問、それから業務上横領事件についての御質問にお答えさせていただきます。
 まず、住民基本台帳ネットワークシステムについて、基本的な認識をということでありました。住民基本台帳ネットワークシステムは区民サービスの向上と行政の効率化というふうにいっているわけですけれども、今後のIT社会、電子社会を支える基盤となるシステムの一つであるというふうに考えているわけであります。
 また、公的個人認証サービスとも連携をする、公的個人認証サービスについての認識もという御質問であります。公的個人認証サービスについても、これからの電子社会が進んでいく中で、それぞれの個人が電子上での契約とか申請をしていく上で、非常に重要になっていく基幹的なシステムであるというふうに考えています。その公的な個人認証が住基ネットの4情報により確認するといったようなことが今言われているわけでありまして、住基ネットと密接に関連しているというふうに考えております。
 住基ネットを切断する際に、個人情報保護に関する基本法がないといったようなことが理由となっていたけれども、現在法律が成立した、この状況を踏まえてどうかという御質問であります。
 個人情報保護の5法が成立したことは、住基ネットの基本的な条件ということでは大きな前進であると考えています。現在、国の機関での本人確認情報の取り扱いについて、区が申し入れていることについて、国としてどういう手だてを講じているのかといったようなことについて照会しているところであります。
 条例案についての考え方でありますが、本人確認情報を保護するために、国等の措置だけではなくて、区みずからが最大限、区民の個人情報を保護する手だてを講じる必要があるというふうに考えておりまして、条例を定めるものとしたものであります。
 再接続に向けての姿勢についてですが、先ほどの飯島議員の御質問にもお答えいたしましたように、国等の機関での保護対策が確認ができ、条例が制定される。さらにその前提として、個人情報保護の5法が成立しているといったようなことがあるわけですけれども、こうした条件が整うということになれば、再接続に向けての条件が整ったというふうに考えるべきだと考えています。再接続をするに当たりましては、再接続ができるという環境になったとすれば、8月25日の第2次稼働にできるだけ遅れないように、2次稼働後、直ちにできるかどうかは現在はなかなか難しいと思っておりますが、できるだけ遅れないように接続をするということが必要であるというふうに考えています。
 それから、業務上横領事件についての幾つかの御指摘であります。まさに御指摘にありましたように、今回の事件は長年にわたってこの事実が発見できなかったということであります。組織そのものの問題、あるいは管理監督をする立場にある職員の管理不足、怠慢といったようなことも当然考えなければいけないというふうに思っております。こうしたことが区のサービスや組織全体への不信や信頼の喪失になっているというようなことは重く受けとめなければならないと考えております。具体的な再発防止策に取り組みますとともに、職員一人ひとりが自分の仕事に責任を持って、また組織や業務の意味、目的というものを十分に理解して、把握して仕事を進め、区民サービスの向上に向けて真摯な姿勢を区民の皆さんに示すということ以外に、失った信頼を回復する手だてはないと考えています。職員に対しまして、信頼回復のための明確な目標、あるいは適切な指示をするとともに、区長としてできる限りの努力をしてまいりたい、そう考えています。
 また、区民の税金で損害を補てんするといったことはどうなのかということであります。損害賠償につきましては、請求は基本的に全額元職員本人にすることとしております。ただし、本人の支払能力等の問題から、損害額を確保するというのは困難なのではないかという懸念もあります。本人が損害賠償できない場合であっても、区民の負担に帰さない何らかの方法を検討していきたい、そのように考えています。
 私からは以上でございます。そのほかの質問につきましては、それぞれ担当部長の方からお答えをいたします。
〔区長室長金野 晃登壇〕
区長室長(金野 晃) 私からは、中野サンプラザの取得についての何点かの質問にお答えいたします。
 まず、サンプラザの土地を将来的にはまちづくりに活用するというふうに言っているが、どういうようなことかというようなお尋ねでございます。
 中野駅周辺は、都市計画マスタープランにおきまして「にぎわいの心」と位置づけております。その中野駅前に位置するサンプラザの文化的な機能あるいは集客機能といったものは、中野のまちのにぎわいにとって重要なものだというような考えております。また、サンプラザの用地は、将来の警察大学校等の移転跡地や、中野駅北口広場の整備などとあわせまして、中野駅周辺のまちづくりに極めて大きな影響を及ぼすと考えております。青写真があるのかということでございますが、調査もすることにしておりますので、今後明らかにしていくというように考えております。
 それから、サンプラザを保有する意義は何かというようなことでございますが、サンプラザを区の公共施設として位置付けるというような考え方はとっておりません。現在のような施設として、最低10年以上は運営をし、その後は中野駅周辺のまちづくりに活用していくというような考え方をとっております。
 次に、職員の雇用確保に関連して、独立採算が可能な範囲の経費圧縮等についてどう考えるのかというお尋ねでございます。
 今年1月にサンプラザの取得の検討のために委託して調査を行いましたが、その試算によりますと、人件費の比率を、例えば民間並みに圧縮すれば、独立採算が可能であるというような試算が出ております。今後、採算の成り立つ水準について、さらに調査をしていきたいと考えております。
 また、交渉がうまくいかない場合は、取得を断念することもあるのかというようなお尋ねでございます。
 国との交渉の中で、区の考えている条件にどうしても合わないという場合は、断念せざるを得ないという場合もあり得るというように思っております。
 次に、経費の返済についてのお尋ねでございます。
 サンプラザの取得というものは、区が直接取得をする、買い取るということではなくて、区の出資する第3セクターによる取得という形で想定しております。この第3セクターの取得の費用は、金融機関からの借り入れによって賄うというように考えられます。この借入金の返済についてですが、サンプラザの運営を改善する中で、経営の健全化を行い、返済の資金を生み出すような形をとろうということで検討しております。仮に施設の運営が終了し、まちづくり事業などが行われるということになった場合は、その土地を活用する中で残ったお金、残債を清算するという形になるというように想定しております。
 次に、仮に赤字になった場合、一般財源を投入しないといえるのかというようなお尋ねでございます。
 サンプラザの運営には一般財源を投入しない、その点で区の財政に影響を及ぼさない枠組みができるということが、サンプラザを区が取得する前提だというように考えております。
〔総務部長石神正義登壇〕
総務部長(石神正義) 私からは、今回の業務上横領事件につきまして、報告書で書きました再発防止策についてお答えさせていただきます。
 大内議員が言いますように、再発防止に当たりましては、今回の事件の報告書で原因や対策を書いても、実際にそれが対策が立たなければ何の意味がないということでございます。
 今回、報告書により指摘した対策につきましては、これは6月11日に報告を出したわけですけれども、その時点で6月中に解決をするということで、総務部がこの進行管理をするということにいたしました。現在進めているところでございます。この中で、既に収入役室におきましては会計事務規則を見直しいたしまして、要綱やマニュアルの整備を行ってございます。また、財務課では契約事務規則の見直しを行いまして、仕様書の基準を明確にするというような取り組みを行っています。また、教育委員会では具体的に収納金の取り扱いやチェック体制といった整備を行いました。また、公印につきましては、既に体育館から引き揚げるというようなことで、新たに公印による領収書の発行について実行しているというところでございます。今回、この報告によりまして、さらに予約のシステムであるとか、そういった検討も指摘しているわけでございますが、こういった点につきましても、現在教育委員会では早い時期に改正すべく検討しているところでございます。
 また、今回の体育館の事件、ここで起きた内容が報告されたわけですけれども、この報告に基づきまして、現金の収納事務にかかわる全庁的な事務につきまして、新たなリスクマネジメントという視点から、現在調査を行っております。これにつきましては、第2次報告というような形で、既に今月末ということで、何日もないわけですけれども、これをめどにまとめるということを約束したところでございます。これにつきましてはまとめ次第、報告させていただきたいというふうに思います。
 これにつきまして、今回の反省に立ちまして、起きてから対策を立てるのではなくて、事故や損失の発生はどういったときに発生するのか、またこの仕組みでいいのかどうか、こういった視点から見ております。また、どういうときにそういうものが発生してしまうのかということを含めて検討していまして、そのために発生抑制の対策を含めた予防対策をしっかり検討する。また、発生した場合には、損失を最小限にするという事後対策までを含めた形で、現在対策をまとめているということでございます。
 そういったことで、今回の業務上横領事件に基づきまして、さまざまな形での御指摘をいただいている内容につきまして、今後再発しないように、この体育館事件にかかわるものだけではなく、全庁にかかわるこういった事務につきましての見直しを行ったということでございます。
 以上でございます。
〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕
教育委員会事務局次長(山下清超) 私からは、教育改革についてのお尋ねにお答えさせていただきます。
 教育に関する改革を積極的に進めるため、今年の4月に専任の組織を設置したところでございます。具体的には、今後の区の教育行政の指針となります教育行政ビジョンの策定、区立学校を初めといたします教育施設の再編、学校選択制、学期の定め方、さらには小中、中高の連携などの課題について検討を始めたところでございます。
 少子高齢化、経済の低成長、国におけます地方財政改革など、社会環境は大きく変化しております。こうした中で、すべての子どもたちが人間として尊ばれ、社会の一員として自立し、命の大切さや尊さを理解し、心身ともに健やかに成長すること、あるいは区民一人ひとりが主体的な学習や文化・スポーツ・芸術活動を通して自己実現を図るとともに、区民みずからが築く地域社会を形成することを支援するというようなこと、こういったことが教育行政の使命であるというふうに考えておりまして、改革に積極的に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
 また、選択制についてのお尋ねでございますけれども、現在、指定校変更を行っておりますが、これは友人関係や通学のしやすさなどといったことを理由にして、1件ずつ事情を確認させていただいた上で行ってございます。御質問の中にございましたクラブ活動や学校の特色というようなことで選択を行いたいといった場合には、学校の特色や個性を基準にして保護者や児童・生徒が主体的に学校を選ぶという趣旨の学校選択制により対応することがふさわしいのではないかというふうに考えておりまして、現在、既に導入している自治体での課題等を検証しながら、検討しているところでございます。できるだけ早い時期に結論を出していただくよう、私どもも事務方として努めていきたいと思っております。
 また、小中、中高の連携のあり方などにつきましても、一貫教育の課題の一つとして認識をしてございまして、幅広い観点から検討していきたいというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 私から、野方駅北口改札の開設に関します御質問にお答えさせていただきます。
 野方駅北口改札の開設につきましては、地域の大きな課題というふうに認識しておるところでございます。今後も西武と協議をしながら、設置のあらゆる可能性につきまして探ってまいりたいというふうに考えてございます。
 またエレベーターにつきましては、現在設置の方向で西武鉄道と協議を重ねておるところでございます。
 以上でございます。
〔環境部長寺部守芳登壇〕
環境部長(寺部守芳) カラス対策についての御質問にお答えいたします。
 民有地内のカラスの巣につきましては、基本的に民有地の所有者の責任で撤去を行うことになってございます。しかしながら、親鳥から威嚇や攻撃を受けているような状況があり、児童・生徒等の安全を守るために緊急の対応が必要なケースなどにつきましては、区で対応してまいりたいと考えております。
〔大内しんご議員登壇〕
10番(大内しんご) 若干不満の残る答弁もございました。それはまた後日、委員会等でやっていただくとして、1点だけ、私の聞き方が悪かったのか、サンプラザの問題について中野区の財政責任について区長のお考えをお尋ねすると、そういったところで区長室長が答えてしまったと。あくまでも区長に答えていただきたい。というのは、この財政的責任と申しますのは、例えば、上野原スポーツ・学習施設、当時だれが買ったんだと、当時買った区長の責任はどうなっているんだと。今回の私たちの選挙の中でも大きく一つ取り上げられたことだと思います。そういったことで、中野サンプラザも、やはり区長がしっかりとこのサンプラザについて強い責任を持って、中野が取得をし、そして運営していく。区長の公約からいきますと、10年後にはもうその席には座っておりませんが、やはり後の区長がそういったことで周りの方から叱責を受けないよう‐‐新しく、そのとき座っている方はだれかわかりませんが、その区長が「何でサンプラザを買ったんだ」と、そういったことを言われないように、しっかりと見識を持って、認識を持って、このサンプラザの取得の問題については取り組んでいただきたい。やはり後世に残る大切な土地でございます。購入に当たっては、やはり区長のしっかりとした考え方、そして立場というものをしっかりともう一度お聞きしたいと思います。
〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 大内議員の再質問にお答えします。
 区長の責任ということであります。区長の任期というのは4年間でありまして、4年間の任期の中で50年、100年先の中野区の将来といったようなことをしっかり考えながら、見据えながら、責任を持って行政運営を行っていくという責任を有しているわけであります。そうした見方に立って、この中野駅前の中野サンプラザの土地を区民のために取得していくことが、50年後、100年後の中野区にとって大きな意味を持つという判断に立って、現在の決断をしたわけであります。しかしながら、財政運営といったようなことも当然区長の責任として行っていかなければならないわけでありますので、現在の財政状況の中で過剰な財政負担にならないように、サンプラザの取得のスキームというものを責任持ってつくっていくのも私の務めであるというふうに考えているところであります。
 以上でございます。
議長(山崎芳夫) 以上で、大内しんご議員の質問は終わります。
 議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後6時49分 休憩

午後7時13分 再開
議長(山崎芳夫) 会議を再開いたします。
 一般質問を続行いたします。


 中野区議会議員 江 田 とおる
 1 国政問題と区長の基本的立場について
 2 区職員の業務上横領事件について
 3 図書館の民間委託問題について
 4 小中学校の統廃合と30人以下学級のとりくみについて
 5 サンプラザの買収問題について
 6 江古田の森保健福祉施設の建設について
 7 その他
  (1)公営住宅におけるバリアフリーの推進について
  (2)非常勤職員の廃止問題について

議長(山崎芳夫) 江田とおる議員。
     〔江田とおる議員登壇〕
41番(江田とおる) 2003年第2回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表して質問を行います。
 4月の区議選を通じて、新しく19期の議会が構成されました。日本共産党議員団は、区民のさまざまな要求や意見をしっかり受けとめ、区民の立場に立って、生活と権利を守り、福祉の向上を目指して全力を尽くす決意を表明いたします。
 最初に、国政問題と区長の基本的な立場についてお聞きします。
 国の経済政策の失敗は、国民・区民の生活に深刻な影響を与え、小泉内閣が続けば続くほど、大きな打撃となって広がっていきます。政府は不況対策そっちのけで、医療費の値上げ、介護保険料の引き上げ、追い打ちをかける年金の引き下げなど、高齢者・障害者を初め、低所得世帯に耐えがたい苦痛を押しつけています。その上に国民の苦難をよそに、財界主導で消費税の2けた台への引き上げまでねらい始めています。大企業のリストラ応援策で、今年3月の完全失業率は5.4%、失業者は 384万人と戦後最悪に達しました。勤労世帯の所得の落ち込みは、対前年比マイナス7.5%で、年収に換算して平均46万円も所得減。実に一月分の所得が奪われている勘定で、これも史上最悪の事態になっています。その一方で、またまた大銀行への資金注入が2兆円も行われました。しかも、保険業法を改悪して、保険会社が破綻しそうになったら、予定利率を引き下げ、保険金をカットすることまでできるようにしました。これによって、もらえるはずの保険料が最大40%もカットされることになりました。
 今や、社会経済への大もとの信頼が揺らぎ始めています。すべての利益は大企業に、犠牲と負担は中小企業と国民に。これでは国民・区民の生活はますます疲弊し、将来への不安と不信ばかりが拡大していきます。このような国の政治のありようは、当然地方自治体にも大きな影を落とし、区の政策と区財政に大きな影響を与えることになります。
 さて、自治体は住民にとって一番身近な政府であり、最も頼りになる存在でなければなりません。田中区長はこのような国の経済政策と、国民生活、区民生活への影響をどのように見ておられますか。そして、区民生活を守るために、どのような取り組みをされるのかお聞きします。
 去る6月7日、有事3法が自民党、公明党、保守新党の与党3党と、民主党、自由党も加わって採決が強行されました。この法律の本質は、米軍が海外で戦争に乗り出したとき、日本の自衛隊が公然たる武力行使をもって参戦し、日本国民を罰則つきで強制動員するところにあります。憲法第9条を踏み破るこの歴史的な暴挙は、イラク戦争や北朝鮮問題で国民の不安をあおり立てる中で強行されたものであります。ブッシュ大統領やブレア首相が、戦争開始の口実に使ったイラクの大量破壊兵器はいまだに見つかっていない。そして、「大量破壊兵器は戦争開始の口実だった」との証言が、それぞれの側近の中から相次いでいます。今やイラク戦争の本質は、侵略戦争そのものであったことが明白です。このようなアメリカの戦争に日本が賛成することは、到底認められるものではありません。有事法案が国会を通過したとはいえ、この法律の発動を許さない、発動できないような大きな国民運動をつくることが重要です。日本共産党はそのために今後とも全力を尽くします。
 区長は、憲法を擁護し、区民生活を守る立場から、どのような立場で臨むのか、見解をお聞きします。
 政府はイラクへの自衛隊派兵を中心的な内容とするイラク支援特別措置法を、会期を延長して国会に提出いたしました。昨年9月、アメリカに「ショー・ザ・フラッグ」と言われて、自衛艦をインド洋に派遣し、今度は「ブーツ・オン・ザ・グランド」の指示に基づいて、イラクへの自衛隊派兵を強行しようとする。戦地への自衛隊派遣は、従来の日本政府の言明に反するものであり、何よりも憲法に反する絶対にやってはならないことです。無法な戦争によって、軍事占領を続ける米英軍の支援に自衛隊を派兵することは、国連の意思を踏みにじり、イラク国民の意思に基づく真の復興を阻害するものです。区長はこの事態をどのように見ておられるか、見解をお聞きします。
 次に、先ごろ発覚した職員の不祥事件についてお聞きします。
 この間、中野区は財政健全化推進プランや行財政5か年計画などで、区民サービスの根本的見直しと切り捨て、施設建設の見直しなどを強行してまいりました。財政の立て直しを旗印に、障害者や難病患者、原爆被爆者へのわずかな手当を削減して財政支出を抑えてきた中野区で、その同じ時期に職員による公金の横領が行われ、しかも5年間もの長期にわたって発見されないまま、年ごとに被害額が拡大するという異常な状態が放置されていました。これは区民の信頼を二重に裏切るものと言わざるを得ません。最も厳しく責任を問われ、批判されるべきは公金を横領した本人であり、公務員でありながら区民の信頼を裏切った責任は極めて重いものがあります。あわせて、区長並びに幹部職員の責任も極めて重いと言わなければなりません。区長の見解を改めてお聞きします。
 第1次報告書を読みますと、「生涯学習課は公社に対し、委託事務の具体的な処理内容について指示しておらず、実績報告についても契約書により正式に求めていない」との記述があります。公金の収納に関する具体的方法が指示されておらず、実績報告も行われていなかったということであります。さらに、「収納金の調定が適正に行われていないことが今回の事件を早期に発見できなかった要因の一つ」という記述も見られます。施設利用料等に係る見積もりを立てなかったため、年間500万円から1,000万円もの横領が行われていてもわからなかったということであります。これらは仕事のマニュアルづくり以前の基本ができていなかったということで、組織上の重大問題として改めて事務の総点検が求められます。どのように対応するのかお聞きいたします。
 昨年は、乳幼児に関する医療事故が2回も連続して発生し、区民から厳しい批判を受けたところであります。今回の事故とあわせ、問題点を深く掘り下げることが重要です。そして、不祥事を繰り返さないための真摯で具体的対策がとられなければなりません。公正で、民主的な行政を効率的に執行していく見地から、行政の機構や運営の改善を絶えず図ることは当然のことであります。しかし、今、中野区が進めようとしていることは、民営化、民間委託優先の安上がり行政であります。先人たちが立場を超えて大事に育ててきた福祉や教育の切り捨てであります。中野区政は、今や中野区らしい特色をなくし、国や東京都の枠内でしか仕事をしない自治体へと後退しています。自治体の本来の仕事は、住民の福祉の増進を図ることにあります。職員はみずからの仕事を通じて、住民に喜ばれ、感謝され、頼りにされることで成長し、自治体職員としての力量を高めていくことができます。一人ひとりの職員が積極的に能力を生かし、全体の奉仕者としての役割が自覚できるようにすること、中野区の職員としての誇りが持てるようにすることが重要なことではありませんか。区長の見解をお聞きします。
 次に、区立図書館について、特に地域図書館の問題に絞って、お聞きします。
 昨年11月に出された「区立図書館のあり方について(検討結果のまとめ)」では、1館の改築経費が11億3,600万円かかるので、7館を改築して運営するのは困難。半径1キロメートルに1館ということにすれば、中野区は5館でいいことになるから、中央館のほかに四つの地域館があればいいと述べていました。今月、教育委員会が確認した区立図書館のあり方については、「現在ある地域館は委託化などを進め、運営経費を削減し、当面存続を図っていく」と述べています。そういいながら、「建て替え時期が来たら、現行の図書館数の削減を検討していく」と述べています。この二つの文書は、表現をあれこれ変えておりますが、結局のところ、当面、地域図書館の7館を運営委託として残すが、建て替え時期が来たら削減するということではありませんか。これは中野区の図書館行政の重大な後退と言わざるを得ません。一体教育委員会は何を議論をしているのか、具体的な答弁を求めます。
 地域図書館の運営委託についてお聞きします。
 今年の予算特別委員会における岩永議員の質疑に対し、中央図書館長は、地域図書館7館を全面民間委託する方向で検討していることを認めています。図書館法第3条は、図書館の行う業務として、1.図書、記録、視覚、聴覚教育の資料、その他必要な資料を収集し、利用に供すること。2.資料の分類、配列を適切にし、その目録を整理すること。3.職員が図書館資料に十分な知識を持ち、利用のための相談に応ずること。4.他の図書館、学校に附属する図書館等と緊密に連絡し、協力し、図書館資料の相互貸借を行うこと。5.読書会、映写会、資料展示会等を主催し、その奨励を行うこと、などなど8点にわたって細かく定めています。
 2年前の2001年7月には文部科学省告示、「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準」が示されています。そこには運営の基本として、「住民のために資料や情報の提供等、直接的な援助を行う機関として住民の需要を把握するように努めるとともに、それに応じ、地域の実情に即した運営に努めるものとする」と述べられています。同じ年の12月、子どもの読書活動の推進に関する法律が制定されました。この法律でも、公立図書館の整備・充実と、司書の果たすべき役割等が詳細に述べられています。これらの法律や告示が求めている役割と機能は、当然のことながら地域図書館にも求められるものであります。地域図書館を全面民間委託化した場合、法律や告示で決められている図書館の仕事をだれが果たすことになるのか、具体的に答弁を求めます。
 もし地域図書館を全面民間委託した場合、資料の収集、提供、レファレンスサービスや学校図書館との協力や相互貸借など、図書館としてこれまで実施してきた仕事ができなくなってしまいます。そうなれば、実質的に図書館といえるものは中央館1館だけで、あとは閲覧と貸し出し、返却だけに特化したものにならざるを得ません。これは中野区の図書館行政のあり方を根本から変えるものであります。図書館本来の役割や機能をほうり出して、図書資料購入費がふえました、開館日がふえましたなどと宣伝しても、しょせん上辺を取り繕うだけのことで、中野区の図書館行政が内実の伴わないものに変質、後退していくことは必至であります。
 図書館は、文化と民主主義を育てる場であり、主権者である区民の知る権利、学ぶ権利を保障する大事な施設であります。子どもたちの健やかな成長、発達を支えていく重要な施設でもあります。そして、参加の区政の質を高め、自治の力を育てる重要な役割を果たす施設でもあります。財政効率を追い求めることによって、区と区民、図書館関係者が営々として築いてきた中野区の図書館行政の基本を崩すことはあってはならないことです。地域図書館の全面民間委託計画の撤回を強く求めます。
 教育委員会の答弁を求めます。
 小・中学校の統廃合問題と、30人以下学級実現の取り組みについてお聞きします。日本共産党議員団は、早い時期から繰り返し30人以下の少人数学級の必要性を、議会内外で訴えてまいりました。激しい受験競争と詰め込み教育が進む中で、子どもたちが過度のストレスにさらされ、授業についていけない子どもがつくり出され、いじめや不登校、授業妨害や学級崩壊などの事態が生ずるようになり、学校現場は多くの悩みと苦難を抱え込んでいます。
 こうした中で30人以下の少人数学級実現の取り組みが進んでいます。既に現在、長野県を初め29の道県が少人数学級に踏み出し、市町村独自で取り組む自治体も10を超えるようになっています。4月22日の朝日新聞に国立教育政策研究所が全国の小学校5年生1万5,000人を対象に学級規模別に健康度を調査した結果が報告されておりました。立ち歩く子どもや、教室に入らない子がいて、「あまりうまくいっていない」と答えた子どもが1クラス36人から40人では約30%もおりました。26人から30人では25%に減り、1クラス20人以下になりますと実に13%に下がっているとのことであります。国立教育政策研究所はこの結果を分析し、40人規模の学級より少人数学級、とりわけ20人以下の学級が教育効果が高いということを具体的な資料をもって述べています。中野区が学校再編のあり方を考えるのであれば、当然30人以下の少人数学級をも視野に入れた研究・検討を行うべきであります。ところが、教育委員会は、今もって40人学級をすべての前提に置き、少人数学級の可能性を無視しています。全く道理に合いません。中野区教育委員会は、少人数学級は教育上好ましくないとでも考えているのでしょうか。少人数学級に対する教育委員会の考え、評価をお聞きします。
 さて、教育委員会は、2000年1月の中野区立学校適正規模適正配置審議会の答申を尊重すると議会答弁で繰り返し述べております。去る6月13日、教育委員会は「区立小・中学校の適正規模適正配置について」と題する文書を教育委員会の意思として確認しております。この文書は、2000年審議会答申とはまるで考え方が異なっており、とても審議会答申を尊重しているとはいえません。
 その1、6月の文書には、「中野区立学校はほとんどすべてが小規模化しているため、個々の学校について個別に検討するのでなく、全体として白紙から考えるべきであるという認識を持った」との記述があります。区立学校適正規模適正配置審議会は、大学教授を会長、副会長に据え、学識経験者や町会、商店会、PTA連合会、子ども会等の関係団体、福祉連、区議会議員、区立学校の教職員など、各界の代表と公募委員35名で構成され、2年2カ月かけてこの答申をまとめております。6月の教育委員会の確認文書では、この審議会答申に対し、白紙から考えるべきであるという認識を持ったというだけで、その認識に至った理由も説明も行われていません。審議会答申を否定するのであるならば、否定するだけの論理がなければなりません。何の説明も行われておりません。
 その2、教育委員会の確認文書には、「改築には1校当たり30億円程度は必要と見込まれるため、教育環境を整備するに当たっては、適正な学校数の見通しをもって対応することが必要になる」と書かれています。
 これまで改築に伴う財政問題、あるいは財政効率の問題は論議されていません。ところが、ここに来て突然1校当たり30億円かかるから、適正な学校数の見通しが必要だと言い始めました。学校の建て替えにかかる財政問題や財政効率を検討するのであれば、それはそれで議論や検討の土俵が新たに設けられなければなりません。突然別の土俵をつくって、財政の見通しが重要な要素だと言い立てるのは、だれが考えてもおかしいのではないでしょうか。
 その3、審議会答申は、中野区における最小学校規模として、小学校6学級、児童数120人以上、中学校6学級、生徒数130人以上としています。そして、当面の考え方として、「中野区における最小学校規模を基準とする限り、小規模校を統廃合し、望ましい学校規模を確保しなければならない緊急性は見当たらない」との考えをまとめました。あわせて20人を下回る学年が複数存在しないことを条件にするなど、きめ細かな配慮がなされています。そしてまた、中・長期的規模での学校の統廃合を含めた校舎改築の考え方をも提案しています。ところが、教育委員会が確認した今回の文書は、小規模校のプラス面にはほとんど触れず、マイナス面を12項目にわたって並べ立て、中野区の望ましい学校規模は現行の40人学級を前提とした上で、小学校18学級、中学校15学級の、いわゆる大規模校でなければならないとしています。ここでも、なぜ大規模校でなければならないのか、大規模校を目指すのかの説明は全くありません。これでは財政効率優先で、教育的配慮がないと批判されても仕方がないのではありませんか。この三つの点だけを見ても、審議会答申を尊重するどころか、審議会答申を踏みにじるものと言わざるを得ません。審議会答申をどのように考えているのか、改めて見解をお聞きします。
 中野区経営改革指針は、「施設の統廃合や民間活力を活用した運営への転換」を求め、区立小・中学校や区立幼稚園、図書館を名指しで挙げています。教育条件の根本にかかわる問題をこのような無理無体なやり方で扱うことは到底認められません。教育委員会の対応を見ていますと、適正規模適正配置審議会の設置のねらいは、小・中学校の統廃合をいかにうまく進めるかにあったのではないかと思わされます。審議会答申が思いどおりにならず、学校統廃合の推進に役立つものとならなかったため、教育委員会内部で軌道修正をせざるを得なくなった。その結果、小・中学校の規模や配置にかかわる重要問題であるのに、教育的見地よりも財政効率優先で全体をまとめることになったのではないかと想像させられます。
 これからの学校はどうあるべきなのかについては、たくさんの意見や要望があります。IT化はさらに進んでいくだろうし、教育の内容も方法も変化していきます。40人学級も見直され、30人以下の少人数学級への移行をしなければなりません。何よりも管理中心の学校から、子ども中心の明るい学校に変えなければならない。施設の老朽化に伴う改築問題も当然出てくるし、統廃合も課題になります。それだけに、これからの学校はどうあるべきか、どのような学校をつくるのか、関係者の知恵と力を結集して論議を尽くす必要があります。ことは子どもたちの成長、発達と、地域社会のあり方にかかわる重要問題であり、中野区の未来と日本の未来にかかわる重要問題であります。それだけに、幅広く区民の意見を聞きながら区民合意をつくる必要があります。この確認文書を撤回し、改めて検討し直すことを強く求めます。教育長の答弁を求めます。
 教育問題の最後に、その他の項で知的障害学級に関して質問いたします。
 父母の障害学級増設の強い要望にこたえて、知的障害学級と情緒障害学級が増設されることになりました。この間の努力を多とするものですが、幾つかの問題が生じています。
 沼袋小学校の情緒障害学級はワンフロアにまとまっておりますが、場所が3階になっています。1階に確保できなかったことを大変残念に思っています。
 西中野小学校の知的障害学級の場合は、学習室と相談室、職員室が1階に置かれ、プレールームが2階に置かれています。1階と2階を結ぶ階段は職員室から離れています。既存の学校に増設するために、さまざまな制約条件があるのはやむを得ないことですが、せめてワンフロアにまとめる努力をすべきではありませんか。一定の限られた期間のやむを得ない措置ということであればともかく、障害児学級として定着させるわけですから、このまま工事を強行するわけにはいきません。せっかく父母の願いにこたえて学級を開くわけですから、父母や教職員とよく話し合い、納得のいく対策を講ずるべきです。教育委員会の今後の対応についてお聞きします。
 次に、サンプラザの買収問題について質問いたします。
 サンプラザ問題で、党議員団は国会議員団の協力を得て、厚生労働省との話し合いを二度行い、3月の段階で要望書を提出するなど、独自の取り組みと努力を行ってまいりました。国会議員と中野区議団が共同で出した要望書は、もともと国の政策判断で建設した施設ですから、国は最後までこの施設に責任を果たすべきだということ。どうしても国が維持できないというのであれば、図書館や相談センターなどの青少年関連事業の補助を今後とも継続するとともに、全体を負担付き贈与方式で中野区に渡すことなどを検討するよう求めております。
 さて、中野区はサンプラザを第3セクターで買い取り、運営を民間企業に委託することを基本方針としています。これまで全国の自治体が第3セクター方式で事業を行い、その結果多額の赤字を抱えて、償還のために大変な苦労をしているのが実態です。それだけに、価格交渉の問題を含め慎重な判断が必要ですが、どのような対応を検討されるのかお聞きします。
 二つ目は、中野区が取得した場合の、今後の方針にかかわる問題です。サンプラザ問題を報じた区報で、「取得後おおむね10年間は現状を維持するが、その後は取り壊して、まちづくりの用地として活用する」と書かれています。多くの区民がサンプラザを残してほしいと考えているというのは、大方の実感であろうと思います。しかし、みんながまちづくりの用地と考えているわけではありません。多くの区民は中野区のシンボルとしてのサンプラザを、できることならこれからも残したいと考えているのではないでしょうか。しかも、あの建物は実に堅牢な建造物で、今後20年や30年でだめになるようなものではないとのことです。つまり長期にわたる利用が可能とのことです。区はこのことをしっかり認識した上で、今後の方針を決めるべきであります。このことについての区の見解をお聞かせください。
 次に、江古田の森福祉施設についてお聞きします。
 地域住民と中野区民の長い間の要求であり、区民運動に支えられてきた江古田の森保健福祉構想が、いよいよ動き出そうとしています。江古田の森の区民運動は、1986年、当時の厚生省が国立病院療養所の統廃合計画を出したことがきっかけで、中野病院の敷地の一画に特養ホームをつくろうという機運が高まり、地域の高齢者を中心に、私たちも参加して現地調査や学習会を始めたのが始まりでありました。翌87年、国立中野病院の敷地を活用して、特別養護老人ホームをつくる会が立ち上げられ、署名運動が始まり、以来今日まで地域の住民はこの敷地と特養ホームなどの施設建設に強い関心と期待を寄せております。86年から数えて既に17年もの月日がたっています。この間に時代の変化とともに区の建設計画が変化し、事業主体も公設公営から公設民営、そしてPFI事業へと大きく変化いたしました。今回導入するPFI事業は、中野区として初めての経験であり、しかもこのような施設は全国的にも経験が少ない。それだけにあらゆる面からの慎重な検討を行い、区民の期待にこたえられるよう全力を尽くす必要があります。
 以下3点についてお聞きします。
 最初に、PFI事業においては、事業者が選定されてからの住民参加は難しいと言われています。しかし、施設の運営に当たっての住民参加は何らかの形で保証される必要があります。中野区としての考えをお聞きします。
 二つ目は、施設利用料についてであります。区が土地を提供して行われる事業である以上、少なくとも同種の民間施設以下でなければ区民の理解を得られません。介護保険で決められている施設利用料以外の利用料について、どのような設定が考えられるか、区は利用料の設定にどのように関与できるのか、お聞きします。
 三つ目は、樹林の保護と育成についてであります。中野区は事前に樹木調査を行うこととしています。この地域一体の自然の樹林を大事に保存するということは、地域住民の強い要求であり、時代の要請でもあります。区は樹林の保護のために最大限の努力を行うべきでありますが、決意をお聞きします。
 その他の項で、簡単に2点お聞きします。
 一つは、公営住宅におけるバリアフリーの推進についてであります。ごく最近、立て続けに都営住宅と区営住宅に住んでいる高齢者や障害者の方から、外から玄関までのスロープの設置及び室内の段差解消と手すり、トイレ、浴槽の改修などについて相談を受けました。早速都の住宅局や区の住宅課、介護保険課など、それぞれの部署で対応していただいているところであります。
 ところで、公営住宅の入居者の実情を見ますと、どこも高齢化が進み、住宅のバリアフリー化がひとしく必要になっています。要求のあったところだけ個別に対応するというのでは間に合わなくなっているし、公平の観点からも問題が生まれてまいります。全体的なバリアフリー化計画が必要ですが、個別に具体化できるところは早急に具体化すべきであります。区は、区営住宅の現状をどのように見ておられますか。バリアフリー化計画を計画的に進める必要性についての見解をお聞きします。
 さらに、東京都においても同様の計画があると聞きます。区内の都営住宅に早く適用できるように働きかけることを求めます。あわせてお考えをお聞きします。
 もう1点、非常勤職員の廃止にかかわる問題についてお聞きします。
 来年度から「学校栄養士、保育園、図書館の非常勤職員については、民間活力の活用により、今年度職の廃止を行う」ということが、突然出てまいりました。改めて言うまでもないことですが、非常勤職員については、それぞれ導入するに至った明確な要因があり、職務の内容もそれぞれの設置要綱で定められています。
 学校栄養士は96年導入され、栄養士の資格を有することが資格要件となっています。職務の内容は、学校給食の実施計画から、栄養、衛生、作業の管理、給食施設、設備の維持・改善、物資の管理及び給食費の徴収、支払いに関することなど、学校給食の運営全般に責任を持っており、正規の栄養士が配置されていない学校に配置をされています。
 保育園の非常勤保育士の場合、92年に導入され、保育資格保持者または育児経験者で、保育業務及び園長の指示する業務を行うことになっています。
 図書館奉仕員の場合は、司書、司書補、司書教諭、及び前記の資格者と同程度の学識を有することが資格要件となっており、資料の利用、案内、相談、整理及び館長が認める図書館業務となっています。
 これらの業務を進めるのに、非常勤職員は不可欠の存在でありました。にもかかわらず、中野区は突然三つの非常勤職を廃止すると言い出しました。しかも、職を廃止した後の対応策について、いまだに明らかにされたものは何もありません。なぜこのような乱暴なやり方をするのか、全く理解ができません。三つの非常勤職員が果たしてきた役割と必要性をどのように考えておられるのか、見解をお聞きします。
 区は、「民間活力の活用による執行方法の変更により、事業成果の向上が図れるものについて非常勤職員の職を廃止する」としています。学校栄養士、保育園、図書館の非常勤職員を継続するよりも、これを廃止して、民間活力を活用する方が事業成果が向上すると、だれが検証し、だれが認定したのですか。民間活力の何をどのように活用するのかが決まっていないのに、検証のしようがないではありませんか、答弁を求めます。
 職の廃止だけは先に決めておいて、その方法や対策については後から検討するというやり方は、現場職員と当該非常勤職員の不信と不満を助長するだけであります。このような拙速なやり方は、行政に不安と混乱をもたらし、結果として区民サービスの低下を招くことになります。再検討を強く求めます。見解をお聞かせください。
 以上で私の質問のすべてを終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
区長(田中大輔) 江田議員の御質問にお答えいたします。
 私からは、国政問題に関連した幾つかの御質問、それから職員の業務上横領事件、またサンプラザの買収等についてお答えをさせていただきます。そのほかの御質問についてはそれぞれの担当部長の方からお答えいたします。
 まず、国政問題と区長の基本的立場についてということであります。
 国の経済政策のしわ寄せが、区民生活に大変影響を及ぼしていると。こういう状況下で区がとるべき政策について、どのような考えを持っているかということでありました。
 構造的な経済不況が継続をする中、高い失業率などに表れております、多くの区民の生活は大変厳しいという実感を持っているところであります。こうした状況の中で執るべき区の政策というのは、区民の厳しい生活、厳しい状況の中での生活、今後も区がそうした区民の生活を守っていけるような、将来に向けて持続可能な区政運営をできる、そうした区政をつくっていくことがまず大事であるというふうに考えています。限られた資源をどう有効に使うべきなのか、どこに重点配分するべきなのか、区民とともに考え、民間の力を生かす工夫なども最大限に行っていきたいと考えております。
 それから、有事立法が成立したということで、憲法を守る、区民生活を守るという立場から、どう考えているかということです。憲法擁護・非核都市宣言を行い、核兵器の廃絶と世界平和を訴えてきた自治体の長として、区民生活の安全を守るため、引き続き平和行政の充実に取り組んでいきたい。そう考えています。
 それから、国はイラク復興特別措置法案の審議に入っているということでありまして、自衛隊の派遣より復興支援が大切だということです。区長はこの問題についてどう考えているかという御質問でありました。
 イラク戦争によって破壊されましたイラク国民の生活を早急に復興するために、我が国が果たすべき役割は重要だと考えています。この特別措置法案については、国家としての責務に関する内容でございますので、私の方から判断を申し述べることは差し控えたい、そう考えています。
 それから、区職員の業務上横領事件についてであります。5年間もそうした不祥事が発見されなかった。これは区の組織あるいは区長、幹部職員の責任が重いのではないかという御指摘であります。
 今回の業務上横領事件というのは、長年にわたって収納金横領の事実がわからなかった、組織や事務の流れの中で発見できなかったということでありまして、この責任は本当に重い。こう考えています。また、区のサービスや組織全体への不信、そうしたものの区民の不信感につながっているということで重く受けとめているところであります。具体的な再発防止策に取り組むとともに、職員一人ひとりが自分の仕事に責任を持ち、組織の業務の意味や目的を十分把握して仕事を進める。そうしたことの中で、区民サービスの向上に向けた真摯な姿勢を区民の皆さんに示すこと以外に、失った信頼を回復する手だてはない、そう考えております。職員に対して、信頼回復のための明確な目標、また適切な指示を行いながら、区長としてできる限りの努力をしていきたい、そう考えています。
 それから、横領事件の御質問の中で、民営化、民活事務事業の見直しなどの中で、職員の仕事への誇りが揺らいでいると。こういった時代だからこそ自覚を促すことが大事だというような御指摘でありました。こうした、さきに申し上げましたような経済状況、これからの区政といったようなことを考えていく上で、すべての職員が、区民のためにどういった成果を出すのか、自分自身の明確な目標を持って、そのことに自覚と誇りを持って働くことができるよう改革に取り組んでいるところであります。
 それから、サンプラザの買収問題についてという御質問の中で、第3セクターは失敗の例が数多い、どう考えているかという御質問でありました。
 第3セクターの失敗というのは、十分なリスクの検討やノウハウがないままに、行政が運営に携わってきた例が多い。そんなふうに感じています。経営手法について十分に検討をしていきたい。そう考えています。
 それから、10年後以降のことについてであります。中野のシンボル的な存在として区民の方が非常に大事だと思っているという御指摘がありまして、その点については同感であります。10年後以降、10年後以降という10年については、国の売却の申し入れに当たって、最低10年間は現在と基本的に同様の運営を継続してほしいという条件があるという10年間であります。その10年間が経過して以降のことについては、将来のまちづくりの問題を含めまして、今後検討していきたい、そう考えております。
 以上でございます。
〔教育長沼口昌弘登壇〕
教育長(沼口昌弘) 私からは、小・中学校の統廃合の問題について御答弁申し上げます。
 教育委員会では中野区立学校適正規模適正配置審議会答申を踏まえまして、少子化の影響で社会環境は大きく変化いたしまして、また財政環境も厳しさが続く中で、安定したサービスを継続的に提供していくために、真に必要な施設配置を検討することは急務であるという認識のもとに、さまざまな角度から再度検討を進めたものでございます。わずか数人の変動で、審議会答申でも言っていますこの存続を容認する再小規模を下回る学校が出る可能性があるなど、状況は大変緊迫していると考えています。今回、教育委員会がまとめた考え方は、区民の幅広い議論に役立ててもらう目的で、現時点での教育委員会の考え方を案として整理したものでございます。
 また、30人学級についてのお尋ねもございましたけれども、40人学級といいましても、実際には20人から40人までのパターンがございます。中野区の場合、小学校でいいますと1クラス平均今29人でございます。中学校で32人でございます。30人学級となりますと、1クラス15人の学級も出るということになってきます。望ましい学級規模の考え方はさまざまありまして、場面や教科によっても異なると認識しています。教育委員会では一定の条件を置かないと御提案ができないということもありまして、40人学級を前提としながら、学習効果が期待できる教科等につきましては、少人数学習による指導で対応していくことが望ましいと考えたところでございます。
〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕
教育委員会事務局次長(山下清超) 私からは、まず横領事件に関連しまして教育委員会の対応についてのお尋ね、それから図書館の問題、それから西中野小学校の知的障害学級の問題についてお答えさせていただきます。
 教育委員会事務局では、収納金取扱事務調査会の報告を踏まえまして、収納金の扱い、それからチェックの体制、公印管理等については既に見直しを行ってございます。また、施設予約システムによる処理でありますとか、優先予約のあり方等についても検討をしてございます。今後二度とこうした不祥事が起こらないような事務局あるいは文・スポ公社の組織、仕事の進め方などを見直すこと、それから職員の意識改革などにも一生懸命取り組んでまいりたいと思ってございます。
 それから、図書館の問題でございます。図書館のあり方ということで、最近取りまとめましたこの資料でございますが、これは区民に幅広い議論をしていただくということを目的としまして、図書館の再編の考え方、現時点での考え方、委員会の考え方をまとめたものでございます。図書館すべてを存続させるということは、財政上の理由などから困難ということがございまして、数の削減を検討する必要があるといったことになってございます。今後、基本構想の改定に向けた議論の中で、さらに検討を深めていくことになってございまして、地域間の具体的なあり方などについてもその中で検討を深めてまいりたいと思っております。
 それから、運営の委託についてでございますけれども、これも今検討を進めてございますが、委託に当たりましては、法律に基づいた図書館としての機能や役割がしっかり果たせるような、そういった条件や仕様を考えていきたいというふうに思ってございます。
 それから、知的障害学級の設置の問題でございますが、現在、区内の障害学級の設置校の校長並びに担任、それから西中野小学校との間で、学級の開設に向けた準備委員会を組織しまして、この問題を検討してございます。また、保護者の皆さんともこの間、話し合いの機会を持ってきてございます。そうした中で、既存の施設を使っていくというようなこともございまして、1階のフロアに障害学級のすべての機能を設置するということは、特別教室などの移設が必要になるというようなこともございまして、経費が多額にかかるというようなことから難しいと、そんなふうに考えているところでございます。
〔区長室長金野 晃登壇〕
区長室長(金野 晃) 私からは、非常勤の職の廃止問題についてお答えいたします。
 これからの区政運営の基本的な考え方といたしまして、新しい経営の発想のもとに積極的に民間の活力を生かした施策展開を図っていくということにしてございます。民間や区民の力を生かせるという部分につきましては、職員が業務を執行するという形でなく、柔軟な区民サービスの提供の可能性を探るということにしてございます。
 この保育士、学校栄養士、図書館奉仕員の職について廃止を検討していると、必要性をどう評価したか、またどういう検証をだれがしたかというようなことでございますが、この保育士、学校栄養士、図書館奉仕員によってなされている業務につきまして、さまざまな検討をした結果、民間活力の活用による執行方法の変更によって、事業成果の向上が見込まれるというような考え方を出したものでございます。具体的な執行の方法につきましては、現在関係者とも協議をしながら検討を進めているところでございます。
〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
保健福祉部長(菅野泰一) 江古田の森保健福祉施設の建設につきまして、3点の質問にお答えいたします。
 まず、事業者が決まってから、住民の意向が反映される方途はあるかという質問でございますが、施設の運営に当たってのサービス水準の監視につきましては、区が行うものでございます。そうした区の活動につきまして、区民の意見を取り入れるような工夫をしてまいりたいと思います。
 続きまして、利用料負担などについて抑えることは可能かどうか区の考えを聞きたいということでございました。介護老人保健施設の個室使用料などにつきましては、事業者が設定するものでございます。ただし、事業者を選定する際には、利用者負担に関する評価基準を設けまして、選定してく考えでございます。
 3点目でございますが、樹木の保存についての御質問でごさいました。江古田の森整備に関する基本方針に基づきまして、緑の重要性を十分考慮しつつ、施設整備を進めていきたいと、このように考えてございます。
 以上でございます。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
都市整備部長(石井正行) 私には、公営住宅におけるバリアフリーの推進の中で、区営住宅全体のバリアフリー化を計画的に推進すべきと。それからもう1点が、都営住宅についても強く要望すべきだという御質問がございました。
 まず、区営住宅の維持管理を適切に行い、延命化によります有効活用を図るために、区は今年度、各住宅ごとの改善について、年次別計画といたしまして、中野区公営住宅ストック総合活用計画を策定することとしてございます。この中で御指摘のバリアフリー化の推進についての検討をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 また、都営住宅につきましては、バリアフリー仕様住宅、それからスーパーリフォーム住宅など、バリアフリー化を進めておるところでございまして、今後も折に触れて促進方を要望してまいります。
 以上でございます。
〔江田とおる議員登壇〕
41番(江田とおる) 再質問させていただきます。
 国政問題に関して区長からお答えいただいたんですが、残念ながら中身はほとんど、どういうふうに考えておられるかわかりませんでした。それ自体、大変残念に思っております。
 幾つもあるんですが、時間の関係がございますので、教育委員会の関係で、教育長と次長にもう一度お尋ねします。
 私、学校の統廃合問題で、審議会答申をどのように考えているのかという質問をいたしました。それで、審議会答申があって、その後、6月に教育委員会が新たな考えをまとめたんだけれども、そこにはもう何の脈略もない、全く別のことを言っているではないかということを、象徴的な3点にわたって立証したつもりでございました。したがって、先ほど審議会答申を踏まえてという言葉を使われましたけれども、審議会答申そのものをどのように評価しているのかということを改めてお聞きしたいと思います。
 それから、これはあくまでも今後考えてもらう材料としてまとめているんだという御答弁でした。考えてもらう材料としていろんなことを資料としてお出しになるのは結構ですが、35名の中野区民を代表するような方々が参加した審議会答申が一応あるわけです。ですから、それよりも教育委員会がまとめたこちらの方がより現実的で、子どもたちのためにとっても、それから中野区のこれからの教育にとっても、こういう考えでいく方が望ましいんだというのであれば、それを立証しなければならないと思うんです。そこの部分がすっぽり抜けて、例えば大規模校が望ましいんだという断定の仕方をしておられますよね。もし今後、中野区は大規模校を目指していかなければならないということであれば、そういうことを教育委員会が考えた根拠が当然必要だし、それがあって初めて、なるほど審議会答申ではこう言っていたけれども、今回の教育委員会のこの考え方の方がより合理性が高いといういう議論になるんだろうと思うんです。そこですっぽり抜けてしまっている。ですから、私が繰り返しさきの質問の中で申し上げたのは、そこのところをあまりにも審議会答申とかけ離れて、審議会答申を踏みにじっているとしか言えないではないかと、この点について、もう一度教育委員会の考えをお聞きしたいと思います。
 それから、図書館の問題ですが、これもいろいろ申し上げたいんですが、1点だけお聞きします。
 法律に基づいた地域図書館の運営をどういうふうにやっていけるかを検討しているという御答弁だったと思います。それで、私が申し述べたのは、地域図書館を全面民間委託してしまった場合には、どの法律を見ても、図書館はこういうことをやらなければならないということが決められていて、それができなくなるわけだから、地域図書館は図書館としてのそういう法に決められた役割を果たせなくなるんではないかということを申し上げました。ですから、答弁としては、これは法に基づいた図書館として運営できるようにするということであれば、「民営化しても大丈夫です、このようにちゃんと法に基づいた運営ができるようになっています」ということをここで解明していただかなければ、答弁にならないんだと思いますので、その2点お願いします。
 最後、非常勤の問題で御答弁いただいたんですが、ほとんど中身が、私が質問したことにお答えいただきませんでした。時間の関係がありますので再質問しませんが、今後の課題として引き続き議論をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
〔教育長沼口昌弘登壇〕
教育長(沼口昌弘) 再質問にお答えいたします。
 審議会の答申に対する教育委員会の考え方でございますけれども、審議会の答申を尊重していくのは当然のことだと思います。ただ、それが答申そのものは教育委員会の考え方になるというのではなくて、行政としてそれを改めて検討するのは当然の責務だと思っています。その上で今回提案をしているわけでございます。
 適正規模につきましては、たしかこの審議会答申の中でも、正確な言葉は忘れましたけれども、学問的に言いましてもなかなか立証ができない難しい問題だということは言われていると思います。そういうことで、そういったような立証とかそうするような内容ではないんではないかなと、そのように考えています。今回も、ただ単に、何学級、何学級と言っているのではなくて、教育指導面あるいは教員の研修活動面、研究面、学校運営面について申し述べまして、望ましい学校規模を出しているということでございます。
〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕
教育委員会事務局次長(山下清超) 委託を進めるという場合の条件などを、現在いろいろと検討しているわけでございます。中央館と地域館との役割分担でありますとか、あるいはその連携のあり方、さまざまな体制の確保の問題等々、さまざまな条件があろうかと思ってございます。また、事業者にお願いをするといったところの条件でありますとか、仕様でありますとかといったところも詰めてまいりまして、図書館としての機能がしっかり果たせるように、そういった条件を確保していくという前提で詰めているというところでございます。そういったことで検討を深めてまいりたいというふうに思ってございます。
〔江田とおる議員登壇〕
41番(江田とおる) 教育長、それから次長と、私の考え方が違うというのは、止むを得ないことだと思うんです。それはあって当然だと思うんです。ただ私が申し上げているのは、審議会答申があって、それと全く違う教育委員会の考え方をまとめたわけですから、この考え方をまとめるに至った根拠、例えば、大規模校がふさわしいと考えたその根拠について述べなければ、討論の材料にならないのではないかというふうに言っているんです。審議会答申は、小規模校には小規模校のよさがあるということで、今の中野区の現状を維持していくということでよろしいと。だけど、いろんな条件のもとで20人以下の学級が複数出た場合には緊急に建て替える問題も出てくるだろうし、それから老朽化が進んでいけば、当然建て替えの問題が出てくるので、そのときには統廃合の問題もいろいろ出てくるという、そういういろんな可能性を幅広く認めた上で、どう対応していくかという議論がされているんですね。ですから、そういうものとの関係を、教育委員会がなぜこういう考え方をまとめたかということが我々にわかるようにしてもらわないと、それは討論の材料にならないんではないか。教育委員会が勝手に考えたことを、それしか区民の材料に供しないということになれば、それは議論を誘導していくことになりますから、それはフェアではないんではないかということを繰り返し申し上げています。
 それから、次長にもう一度お尋ねしますが、恐らく明確な答弁いただけないと思いますので、逆の聞き方をしますが、地域図書館を全面民間委託した場合に、図書館法、あるいは文部科学省告示、それから子どもの読書に関する法律がありますね。あそこで、図書館としてはこういう役割を果たさなければならないということが明確に書かれていますけれども、それらは今後とも地域図書館はクリアする、法律に基づいた図書館としてきっちりクリアしていくということをこの場で明言をしていただきたいと思います。
〔教育長沼口昌弘登壇〕
教育長(沼口昌弘) 小・中学校の適正規模適正配置のことについてお答え申し上げます。
 今議論になっております教育委員会の案でございますけれども、まだこれは正式には議会の方に報告していないものでございますので、今回この定例会の中で報告する予定にしております。それで我々の方は先ほど審議会の答申のあり方についての基本的認識も述べましたけれども、その上で、なお私たちの方ではその審議会の答申と全く異なっていると、全く別なものを提案しているというようには考えてございません。なおかつ、今回のまとめの中でも、どういう考え方でそうなったか、それも示しておりますし、それから審議会の答申の概要につきましても、資料として添付していると。区民の中でそういういろいろな議論ができるように、いろいろな資料を添付しながら、これから議論していきたいと、そのように考えています。
〔教育委員会事務局次長山下清超登壇〕
教育委員会事務局次長(山下清超) お答えさせていただきます。
 法律にのっとった仕事ができるような条件をクリアするように、現在検討を進めているということで、ぜひ御理解いただきたいと思っております。
議長(山崎芳夫) 以上で、江田とおる議員の質問は終わります。
 お諮りいたします。
 議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 次の会議は、6月30日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告をいたします。
 本日はこれをもって延会いたします。
      午後8時22分延会