1.平成27年(2015年)9月18日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 加 藤 たくま 2番 若 林 しげお
3番 日 野 たかし 4番 木 村 広 一
5番 ひやま 隆 6番 山 本 たかし
7番 渡 辺 たけし 8番 内 野 大三郎
9番 羽 鳥 だいすけ 11番 高 橋 かずちか
12番 内 川 和 久 13番 甲 田 ゆり子
14番 小 林 ぜんいち 15番 白 井 ひでふみ
16番 中 村 延 子 17番 細 野 かよこ
18番 小宮山 たかし 19番 広 川 まさのり
20番 い さ 哲 郎 21番 佐 野 れいじ
22番 いでい 良 輔 23番 伊 東 しんじ
24番 平 山 英 明 25番 南 かつひこ
26番 小 林 秀 明 27番 森 たかゆき
28番 石 坂 わたる 29番 いながき じゅん子
30番 小 杉 一 男 31番 浦 野 さとみ
32番 伊 藤 正 信 33番 高 橋 ちあき
34番 大 内 しんご 35番 市 川 みのる
36番 篠 国 昭 37番 久 保 り か
38番 酒 井 たくや 39番 近 藤 さえ子
40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦
42番 来 住 和 行
1.欠席議員(1名)
10番 北 原 ともあき
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
副区長 川崎 亨
副区長 本田 武志
教育長 田辺 裕子
政策室長 髙橋 信一
政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲一
政策室副参事(基本計画担当) 森 克久
政策室副参事(予算担当) 黒田 玲子
政策室副参事(広報担当) 酒井 直人
経営室長 篠原 文彦
危機管理担当部長 小田原 弦
経営室副参事(経営担当) 朝井 めぐみ
経営室副参事(人事担当) 伊藤 政子
経営室副参事(行政監理担当) 田中 謙一
経営室副参事(経理担当) 伊藤 廣昭
都市政策推進室長長田 久雄
西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角 秀行
都市政策推進室副参事(産業振興担当) 青山 敬一郎
都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当、都市観光推進担当、都市魅力創出担当) 藤永 益次
都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 立原 英里雄
地域支えあい推進室長 野村 建樹
地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 高橋 昭彦
中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 只野 孝子
鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 松本 麻子
区民サービス管理部長 白土 純
区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 吉村 恒治
区民サービス管理部副参事(税務担当) 杉本 兼太郎
区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 古本 正士
区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 小山 真実
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈良 浩二
子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、
教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 辻本 将紀
子ども教育部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長、
教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) 永田 純一
子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当)、
教育委員会事務局副参事(就学前教育連携担当) 古川 康司
子ども教育部副参事(幼児施策整備担当)、
教育委員会事務局副参事(幼児施策調整担当) 濵口 求
子ども教育部副参事(子ども教育施設担当)、
教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 浅野 昭
教育委員会事務局指導室長 杉山 勇
健康福祉部長 瀬田 敏幸
保健所長 寺西 新
健康福祉部副参事(福祉推進担当) 藤井 康弘
健康福祉部副参事(保健予防担当) 水口 都季
健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 石濱 照子
健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 永見 英光
健康福祉部副参事(障害福祉担当) 岩浅 英樹
健康福祉部副参事(生活援護担当) 鈴木 宣広
環境部長 戸辺 眞
環境部副参事(地球温暖化対策担当) 鳥井 文哉
環境部副参事(生活環境担当) 浅川 靖
都市基盤部長 尾﨑 孝
都市基盤部参事(都市計画担当) 豊川 士朗
都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 志賀 聡
都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 鈴木 崇
都市基盤部副参事(生活安全担当、交通対策担当) 伊東 知秀
会計室長 古屋 勉
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 小田 史子
事務局次長 堀越 恵美子
議事調査担当係長 佐藤 肇
書 記 関村 英希
書 記 東 利司雄
書 記 大野 貴子
書 記 細川 道明
書 記 江口 誠人
書 記 井田 裕之
書 記 田中 寛
書 記 福島 ルミ
書 記 遠藤 良太
書 記 香月 俊介
書 記 亀井 久徳
1.委員長署名
午前10時00分開議
○若林委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。
認定第1号から認定第5号まで計5件を一括して議題に供します。
前回、9月17日理事会の報告を行います。
本日の委員会運営について、本日の総括質疑は、1番、来住和行委員、2番、森たかゆき委員、3番、高橋かずちか委員、4番、木村広一委員、5番、羽鳥だいすけ委員、6番、中村延子委員の順に6名の質疑を行うことを確認しました。
以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○若林委員長 ただいまの報告のとおり委員会の運営をすることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○若林委員長 御異議ありませんので、そのように運営します。
ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願い申し上げます。
それでは、質疑に入ります。来住和行委員、質疑をどうぞ。
○来住委員 おはようございます。昨日に引き続き質疑をさせていただきます。
きのうの質疑の中で、下水道局に対する区としての要請、要望はどのようになさったのかということをお聞きしました。それに対して、口頭、そして文書での要望がされているということであります。文書による要望とは、下水道事業、正確に言いますと、下水道事業促進に関する特別区要望に係る取り組み状況等についてということの中で要望を毎年出されているということだと思いますが、それに回答が来ていると思いますけども、どのような回答になっているんでしょうか。
○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 東京都の下水処理施設からは、中野水再生センターについては、現在、4万立方メートルの水処理施設が稼働していますが、今後これを拡大していく予定ですと。今回の稼働は既設部分だけなので、公園の拡大には結びつきません。このことについては引き続き検討していきますという文章になってございます。
○来住委員 ありがとうございます。結局、ことしの1月30日に下水道局からの回答は、今答弁いただきましたように、今後さらにこれを拡大していく予定だと、処理施設を。したがって、このことについては引き続き検討をしていきますという、こういう回答が来ていると。しかも文書での要望というのは、中野区がこの下水道処理施設について、そのことだけで要望しているわけじゃないわけですね。23区一斉に年度の中で要望する項目、中野区はこの年には、浸水対策、下水処理施設、そして、合流改善という3項目の要望の中の1項目でしかないわけですね。したがって、下水処理施設の新たな未開園部分についての要望を例えば区長名で出したとか、そういうことになっているわけじゃなくて、幾つかの要望の中の一つでしかないということが文書による要望としてははっきりしたというふうに思います。
といいますのは、そもそも刑務所跡地を開放する、きのう、歴史を追って御紹介しました。その長い年月の中で、特に当初の段階では、当時の歴史の書をひもときますと、当時の国会議員、名前が出ているのは粕谷茂さん、大久保直彦さん、和田耕作さん、金子みつさん、松本善明衆議院議員ですね。国政、衆議院に関係する人たちがそろって中野区と一体となって、国に対して重ねて要求をし、要望して、まさに中野区を挙げての、これは4区の国会議員の皆さんですから、4区の国会議員の皆さんの力もかりて、この刑務所の跡地を区民の手にできたという、こういうすばらしい歴史を持った公園なんだなということを私は改めて深く感激しました。
そういう点で、未開園の部分の要求をするのであれば、こういう幾つかの要望の中の一つとして挙げて要望するという程度では済まないんじゃないかと。いずれにしてもあそこは何とかしてほしいという思いは長くあるわけですから、そういう点でも、やっぱり本格的に腰を据えてこの要求を東京都にしていくというのであれば、それぞれの会派、そろっている都議会議員の皆さんもいらっしゃるわけですから、区長が一緒に東京都に、下水道局に行って、何とかしてくれというぐらいのことをやらないと、やはり中野区民のための未開部分の利用は追いつかないだろうということを申し上げておきます。
続きまして、防災機能について伺います。
区の説明は、大規模災害時の体育館を帰宅困難者の一時滞在、公園全体を救援物資の保管、警察、消防、自衛隊、各種支援団体、災害ボランティアなどの活動拠点として活用するというふうに言われております。まず聞きますが、中野区のこの平和の森公園への広域避難場所への避難人口というのは何人を想定されているんでしょうか。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 平和の森公園の避難計画人口は3万7,513人でございます。
○来住委員 同時に、この今度建てられようとしている体育館については、これまで地域防災計画によって、体育館は遺体安置所という位置付けがあったかと思うんですが、これは変更はないということですか、今後も。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 中野体育館は、中野区地域防災計画で遺体収容所と位置付けております。新体育館につきましても、これを継続する前提で、ほかの災害対策に活用できる検討を行ってまいります。
○来住委員 そうしますと、大規模災害時には、体育館は遺体安置の確保が必要になる。そして、公園を含めて、さらに物資の保管、救援の拠点として活用していくということになります。そうなりますと、地域の方々、広域避難されてこられる3万7,000人余の方々の避難できるスペースが確保できるのかということが一方では大問題になってきます。平和の森公園はもともと最大の特徴とするのは、誰でも、どこからでも逃げ込めるようにつくられているんですよ、おわかりだと思うんですが。今の未開部分の道路の塀は別として、将来あそこは利用できるようになるわけですけども、全体見渡していただければ、どこにも柵がなく、若干勾配がありますけども、駆け上がれば上れるように、公園の中に入れるようになっている。そういうつくりが当初から計画されたんですね。ですから、火災を防止するための樹林、そして、それを囲む防災機能。地域住民が広域避難場所として保障されなくなるんじゃないか、今の計画でいけば。逃げ込めなくなるという結果を招かざるを得ないということが出てきます。これはお答えはいいです。そういう事態になるということですね。お聞きします。お答えいただけますか。防災で大丈夫ですか。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 広域避難場所は東京都が指定するものでございます。そして、広域避難場所を基準といたしまして、避難者1人当たり1平方メートルの面積を確保するという基準がございます。平和の森公園の再整備につきましても、この基準を維持するように検討し、行っていく予定でございます。
○来住委員 基準は存じています、そういう基準を持っているというのは。しかし、今問題になっている駅をはじめ、帰宅困難者の皆さんは、新たに帰宅困難者を受け入れようとしているわけでしょう。その想定は、じゃあ、何人ですか。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 平成27年3月に示しました中野区災害時帰宅困難者対策行動計画におきまして、沼袋駅及び新井薬師前駅の帰宅困難者想定数は約2,600名でございます。
○来住委員 新たな避難者を受け入れると。一方で、建物が建つと。そういう事態が生まれるんですよ。あそこはもともと、お聞きしますけども、第1開園部、すなわち、体育館を建てようとしている公園には、樹木を何本植えて、そして、植樹の考え方というのはどこにあったんでしょうか。
○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 平和の森公園の第1期整備の工事、昭和60年当時でございますが、植樹いたしましたものといたしまして、ケヤキ、シイノキ、イチョウ、ヒマラヤスギ、ソメイヨシノ、ヤマモモなど695本となってございます。また、その植樹の意義としては、防火林ということでの考え方もありました。
○来住委員 関東大震災の教訓なども踏まえて、火炎旋風からの避難者を守るということの想定も含めて、あれだけの樹木が周りを囲むように、公園を囲むように植樹されたということで、しかも第2期開園部の広場のほうも、いろいろ下水道施設の関係で制限はありますけども、417本植えられて、文字どおり平和の森公園全体を囲むように想定をされたと。今でも平和の森小学校の入り口にも大木がしっかり残されておりますし、住宅地から公園を樹木で囲むように植林をされているということです。
私が建設委員会でお聞きした際には、樹木の移植で残すという答弁でした。体育館を建てて、どこに移植するんですかという問題が当然出てきます。防災樹林の伐採によって、広域避難場所としての本来持っていた機能が喪失するということを申し上げておきたいと思います。
それでは次に、関連しまして、現在の公園の利用についてどのように区としては捉えておられるでしょうか。
○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 現在の公園の利用状況といたしましては、少年スポーツ広場では野球やサッカー、グラウンドゴルフ、ラジオ体操、お祭りなどに利用されております。また、水辺広場では、子どもたちが水遊びをしているところでございます。また、草地広場では、たこ揚げや親子連れなど憩いの場となっておりまして、園路ではジョギングや散歩など広く利用されているところでございます。
○来住委員 答弁いただいた状況は委員の皆さんも認識できると思うんですが、もともとあの今おっしゃった少年広場、ここは野球場としなかったのは、この議論の経過の中で、特定の野球という種目だけがそこで活用するということにしないで、ゲートボールや、それからサッカーや、子どもたちがどんな競技でもここでできるようにと、そういう広場として、名称も野球場という名称はやめようという議論の結果、広場という位置付けであの野球のコートがそういう位置付けになったということもわかりました。そういう議論を踏まえて、今、草地の広場も、おっしゃったように、グループで遊ぶ、楽しむだけではなくて、幼稚園や保育園の遠足でも使われておりますし、早朝からはラジオ体操、ウオーキングも盛んです。同時に、季節になりますけども、中高生の陸上の駅伝のチームなども練習に来ております。そして、オープンスペースだということ、このことによって、幼稚園や中高生、大人まで、それぞれの目的に応じて同時に、同じ時期、同じ時間にそれぞれの目標やその達成ができると、こういう広場としての機能が発揮されているというふうに思います。本来この公園をつくる際に目的としたものが、今の現状の活用で十分それにふさわしい利用がされているというふうに考えます。
伺いますけども、今度予定されているあの広場に陸上トラックをつくられる、そういう予定があります。そうしますと、トラックの中心部の広場で子どもが遊べるからいいでしょうというような、テレビでの取材に対して、区長でしたかね、そういうお答えになっていましたけども、試合や練習しているところで、当然、子どもが中に入ることは不可能です。同時に競技者も、子どもたちや区民の方がトラックを行き来することによって、レベルアップをする保障は、トラックとしての機能としては保障されないということになります。あの広場そのものが自由に今遊べて、自由にウオーキングできて、自由に走れるというところにこの公園の機能が発揮されていると思います。さらに、高野進さんというオリンピックに関係する方もテレビで取材をされて、そういう状態では大変危険だと。地域の皆さんが決めていくのが一番いいのではないかと、そういう趣旨の発言をされております。
そういうトラックをつくることで、子どもや区民の皆さんの安全、そして利用が確保されるというふうにお考えなんでしょうか。トラックについてお聞きします。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 陸上トラックについて今後検討していくわけでございますけれども、トラック内におきまして試合や練習が行われる際には、一時的な専用扱いとするなど、一般の方と陸上競技を行う方の交差はないようにということで、適切な配慮をする必要があると考えておりまして、今後、運用についても検討していきたいというふうに考えております。
○来住委員 公式のトラックができる、そして使えるということになりますと、今、23区で五つの区ですかね、トラックを持っているのは。したがって、ここにもし公式のトラックができることになりますと、クラブチームだとか、学生の陸上のかなり専門的にやっている学校であるとか、中学校、高校の部活であるとか、いわゆる陸上に関係するチームや団体が当然利用すると。しかもそれは時間も制限ができませんので、子どもたちの遊びの中で同時に競技者が練習をする、そういう事態が想定されます。したがって、この広場に公式のトラックをつくるという危険性、そういう意味での安全性は、もちろん遊びを奪われる、区民の場所を奪われるだけではなくて、もともとここには、きのう紹介させていただいたように、陳情で出されていた300メートルのトラック、それをつくってほしいという陳情が出された、PTAの方から。しかし、それは採択もなく、取り下げる結果になったというのは、議論の過程が、もうそういうものはつくらないということを陳情者も理解された上での取り下げという流れになったということをきちんと踏まえて、そういう歴史を持って今の形になっているんだということをきちんと踏まえて検討していただきたいと、すべきだというふうに思います。結構です。お答えはいいです。
この平和の森について最後にしますけども、区民の知恵と努力で築き、愛され、親しまれ、活用されている、この緑と防災の平和の森公園を壊してはならない。オリンピック・パラリンピックを盛り上げていくというならば、まず計画を白紙に戻して、体育館建てかえについては、1年間のブランクが起きないように、場所を含めて再検討をすべきだと。旧第九中学校の跡地を含め、区民参加、区民と区議会、中野区、スポーツ関係団体が参加して、議論をして、体育館の建てかえについては決定をしていくと、それが区の今まで述べてまいりました平和の森公園の歴史を踏まえて再検討をすべきだと、このことについてお答えください。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 区民のスポーツへの参加を高めていくためには、体育館とともに屋外スポーツの機能をあわせ持つことが相乗効果を高めまして、スポーツ機能の向上に対して有効であるというふうに考えてございます。これが実現できる大規模な敷地を持ちまして、かつ、区内から一定のアクセスのよさを備えている平和の森公園を選定いたしまして、第2回定例会において基本方針を出させていただいたというところでございます。体育館の工期につきましては、現在進めている整備基本構想の中で技術的検討も含めまして検討していくということになりますが、現在の想定スケジュールによりますと、現体育館を撤去する時期と新体育館を建設、竣工する間には約1年の閉鎖期間が生じるということになってございます。閉鎖期間が生じる場合にありましては、他の施設を利用するなど、利用者の一定の活動が行えるように工夫をいたしまして、理解に努めてまいりたいというふうに考えております。いずれにいたしましても、平和の森公園の再整備の検討に当たりましては、区民の理解を得ながら検討を進めていく考えでございます。
○来住委員 今でさえ学校を含むスポーツ施設の利用はいっぱいな状況で、体育館がなくなる1年間をそういうところに割り振って、そういう、その場で言葉でやり過ごす、それはやっぱりやめていただきたいと思います。体育スポーツ団体も、1年間のブランクは、これは何としてもできないと。その間の体育館を閉めるということは許せないという声にもなっていますので、そのことを申し上げておきます。結構です。
時間の関係もありまして、次に行きますが、通告をしました順番を若干変えて、同時に、私の発言時間を若干延ばして次に進みたいと思います。
まず、次に、学校教育について伺いますので、よろしいでしょうか。学校教育については、通級指導学級について、そして、人権教育について伺いたいと思います。
東京都教育委員会は、2016年度より通級指導学級の指導を巡回指導に変更しようとしています。通級指導学級は、中野区内の小学校の通常の学級に在籍し、おおむね学習や活動に参加できるものの、コミュニケーションや学習の一部につまずきがあり、個別の課題を克服するための特別な指導を必要とする児童が通う場所とされています。具体的にはどのような課題を持つ児童を言うのでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 通級指導学級並びに来年度から導入されます特別支援教室の対象の児童でございますが、今、委員がお話しされたように、一部に特別な指導を必要とする自閉症児、情緒障害児、学習障害児、注意欠陥・多動性障害児が対象となっております。具体的には、情緒的に選択性緘黙があるものや、また、知的発達のおくれはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、または推論する能力のうち、特定のものの習得が非常に困難な児童等が対象となっております。
○来住委員 これまでの通級指導学級の特徴は、他校に通級することで気持ちを切りかえることができ、配慮された小集団の個別指導、安心できる居場所と仲間の保障、学習だけでなく、生活や行事、運動、遊びを通した社会性を育むことができたと言われています。さらに、いつでも先生が学級にいるので、児童も保護者も常に相談ができたということですが、お聞きしますけども、特別支援教室になることで、先生が各学校を巡回するということで、保護者による送迎はなくなる。児童も移動にかかる時間はなくなる。しかし、個別学習による教科学習が主となるのではないかと言われていますけども、いかがでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 特別支援教室での指導は、コミュニケーションスキルの習得など、個別の指導を中心に行うこととしております。その中で、児童の状況に応じて、教科の補充的な内容を取り扱うこととしております。
○来住委員 これまでは、先ほど紹介したように、学習だけではなく、生活にかかわることも含め、相談も含めて行われてきたということが大事な点だということを指摘しておきます。
今度、拠点校グループの学校を、学校数、要するに、週当たりの時間数、それから、その点については区市町村に任せるということになる。この制度そのものは東京都の制度でありますから、したがって、教育条件が全都同様にならなくなるのではないか。施設の設備についても、これまでの通級指導学級では、プレイルーム、小集団と個別指導教室、調理室、教材室、運動用具やゲーム、調理器具、図書、パソコンなども設置されてきたということですが、特別支援教室ではどのように今後なるのか。例えば平和の森小学校なども年々児童数が多くなって、今でさえ教室の確保が大変になっていると。そういった中に、各学校に施設面で十分な教室の確保ができるのか、可能なのかということも問われていますけども、いかがでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 各校の実情に合わせながら、特別支援教室に当たる教室を確保することとしまして、巡回指導に必要な設備、物品については、本年度中に全校に整備していく予定でございます。
○来住委員 備品については用意をすると。そして、これまでと違って、空き教室、図書館、図書室、特別支援学級などの既存のスペースを活用してもいいと。巡回指導の日に使用する兼用の教室でもいいと。スペース的には2分の1、3分の1のスペースでも可能だと、こういうふうになっています。これではとても不安定な施設・設備ということになりませんか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 児童の状況、学校の状況に合わせて対応していきたいと考えております。
○来住委員 もう来年4月からということですからね。しかも、先ほど申し上げた学校それぞれの、全ての学校になるということになると、大変時間もなく、保障されるという保証、可能性はないというふうなことを危惧します。
2010年11月の東京都特別支援教育推進計画第3次実施計画では、新たに特別支援教室が加わって、選択肢が広がる。今までの通級指導学級は残って、従来どおりの教育機能も維持すると明確にしていたのではありませんか。どうですか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 東京都の計画にありますように、拠点校における通級指導は維持しながら、特別支援教室での個別の指導を巡回指導で行うということでございます。
○来住委員 そうすると、今までと変わらなく、通級の教室も残るということでよろしいんですか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 拠点校における小集団指導に必要な施設・設備については維持してまいります。
○来住委員 ところが、2015年5月の教育委員会のホームページの「保護者の皆さんへ」というのがあります。小学校の情緒障害児等通級指導学級が特別支援教室に変わりますと。しかし、この中では、これまでの通級指導学級の課題と特別支援教室の成果だけが書いてあって、これまでのような拠点校での小集団には触れられていません。また、4月に出たガイドラインには書いてあった教員配置、10名に1名巡回指導の事例など全く触れられていないんですね。第3次の実施計画でなぜこれは変えられたんでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 先ほども申しましたとおり、第3次計画にもその点についてはございますし、また、本区で実施する特別支援教室を含めた巡回指導、拠点校における通級指導というのは実施いたします。
○来住委員 これまでの状況と東京都教育委員会がホームページに出している「保護者の皆さんへ」というのがあります。小学校の情緒障害通級指導学級が特別支援教室に変わりますと。その図によりますと、通級の拠点から先生が巡回に各小学校に行くことになっています。しかし、小学校から今までの……
○若林委員長 ちょっと休憩をお願いします。
午前10時34分休憩
午前10時34分開議
○若林委員長 委員会を再開します。
○来住委員 ホームページの打ち出したものから見ますと、今後の新しく変わる方向として、学校から小学校に行く。しかし、小学校から学校のほうにいわゆる通級するという、そういう2方向の形のものになっていない。だから、保護者の皆さんが不安にされている、心配をされているということですけども、もう一度確認しますが、今までのように通級もあります、巡回もあります、両方の選択ができるんですということでよろしいんですね。
○杉山教育委員会事務局指導室長 児童の状況によりまして、個別の指導、または小集団での指導、その支援体制によって適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○来住委員 指導室長はそうおっしゃいますが、きのうの都議会の文教委員会で、日本共産党の里吉議員の質問に対して、松川桂子特別支援教育推進担当部長がこのことでお答えになっています。今年度の通級学級の児童数は7,190人、教員数は1,061人であり、これが新しい教員配置基準では──いわゆるこれから、来年ですね。教員配置基準では748人になる。したがって、313人が減りますということで、きのうの議会での答弁なんですよ。そうしますと、おっしゃるように、通級もあります、巡回もありますと。3分の1の教員が、東京都のこれ、制度ですから、減らされて、同じことが保護者の皆さん、児童が希望する形で保障されるんですかということをお聞きしているんです。
○杉山教育委員会事務局指導室長 東京都が示しています10人に1人という教員配置基準につきましては、5年間の移行措置がまずございまして、その中で、本年度最初の児童数を上回った場合には、本年度の教員配置数、本区で言いますと16名ですが、16名を確保するという形になっております。また、そういうような方向性、見通しもございますので、現在の人員は確保できるという見通しを教育委員会としては持っております。
○来住委員 通級に通った生徒の感想をちょっと紹介します。小学校時代通級に通っていた当事者は、通級指導学級がなくなってしまうのは非常に残念。僕は小学校1年生のときにとてつもなく学校が嫌いだった。わがままで強引だった自分は、それを学校のせいにし、どなっては脱走し、先生に多大な迷惑をかけた。そんなとき、通級指導学級に行けるようになった僕は、週1回とても楽しい時間を過ごして、学校もだんだんスムーズに、そして楽しくなった。あのまま通級に行かなかったらと思うと、今、自分は恵まれていると強く感じます。多くの人に通級の指導が届いてほしい。僕の支えと救いになった情緒学級をどうか残してください。お願いしますという感想をいただいております。
今おしゃられたように、中野は少なくともこれまでの通級、そして巡回、来年4月からも基本的には変わらず、保護者、利用者が、児童が指導を受けられるということが確認できました。そういうことでいいのか。最後にお聞きしますけれども、学校の先生が、先ほど紹介した、今後減らされると。とにかく3分の1を減らしますよときのう答弁しているんですから。やっぱり中野として、教育委員会として、そういう事態にならないように、東京都にきちんと、教育委員会に要求していくと。通級指導が学級としてきちんと残せるように、東京都に要求していくということが同時にないと、今の機能が守れないということになると思いますが、いかがでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 来年度の運用を踏まえながら、適切に対応していきたいというふうに考えております。
○来住委員 しっかり取り組んでいただきたいということを申し上げておきます。
次に、人権教育について伺います。
私は2014年の一般質問で、性的少数者、LGBTの権利保障について質問をいたしました。私たちの日常の中にこのことへの関心は高まりつつあります。このような機会を捉えて、学校教育においても、人権教育や啓発、人権課題として捉え直していくときではないかということを感じます。そこで、現在、学校ではどのように、どの時間でこの問題、人権のことを教えていらっしゃるのでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 人権教育における人権課題の一つとして取り組むこととしてございます。
○来住委員 具体的にはどういう時間でこのことに触れて指導をされている、教育をされているのでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 人権教育の人権課題につきましては、学校の状況、地域の状況を踏まえながら、各学校で取り上げる人権課題を示しております。この性的マイノリティー、LGBTにつきましては、日常的な指導において、差別的な言動等に留意しながら指導が行われているものと承知しています。
○来住委員 東京都の人権教育プログラム(学校教育編)というのが平成27年の3月に出されています。この指導事例の活用についてということで出されている人権課題、これが9課題示されております。その9課題掲げられている中で、しかし、性的マイノリティーの課題はそこにも、この9の人権課題にも含まれていません。お答えいただけますか、どこにこの位置付けがされているのか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 その他の人権課題でございます。
○来住委員 その他の人権課題として別になっているんですね。性的マイノリティー、性同一性障害、性的指向など、刑を終えて出所した人、路上生活者(ホームレス)、プライバシーの侵害や名誉棄損、こういうその他の人権問題として別扱いにされております。今日の社会環境の変化の中で、性的マイノリティーについてはまさに人権問題としての位置付けが高まっているわけですけども、発達・成長段階に応じた教育の体制が必要だと思います。
あわせてお答えいただきたいんですが、指導室長として、人権教育プログラムの人権課題の中にも入らず、その他の位置付けに東京都がしていることについてどうお考えなのか、そして、今申し上げた今後の中野における教育の体制、今後の位置付けについてあわせてお答えください。
○杉山教育委員会事務局指導室長 まず、その他の人権課題として取り上げているということについては、人権課題として取り上げられてきた経緯の歴史があるもの、また、学習指導要領に示されている内容としての関連の深いものがそれぞれ独立した人権課題として取り上げられているものでございます。その上で、その他の人権課題については、今後取り組むべき課題として取り上げられてきております。この人権課題につきましては、当該児童・生徒の人権が損なわれないように、慎重に対応する内容であるべきと考えておりまして、その取り扱いについては、発達段階に応じて適切に行うものと認識しております。
○来住委員 やはりかなり社会性も高まっておりますので、教育の中での位置付けをしっかりとしていただいて、取り組んでいただきたいと思うんです。
セクシュアルマイノリティーの生徒へのアンケートでは、64%が自殺を考えたことがあると答えておりますし、そのうち14%が自殺未遂をしたと答えています。クラスには1名ないし2名がいると言われている当事者です。教師の対応も重要になります。これは参考ですけれども、およそ6,000人の教師を対象とした調べでは、性同一性障害について学んだことがあるというのはわずか8.1%だという調査もあります。
お聞きしますけども、教師の中にある誤解や偏見、教え方への迷いなどがあるとすれば、子どもたちにどのように教え、どう向き合っていくのか、専門家を交えた研修などが必要だと思いますけども、その取り組みについてはいかがでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 これまでも教員の人権感覚を養うために、東京都人権施策推進指針に示された人権課題を取り上げ、教員に対する人権教育の研修を行ってきてございます。今後も性的マイノリティーを含めた人権課題に対応すべく、研修を進めてまいります。
○来住委員 積極的な対応と研修を積極的に取り組んでいただきたいということを申し上げておきます。
次に、子育て支援についてお聞きします。よろしいでしょうか。順番が変わりまして、よろしくお願いします。子育て支援については、少子化対策、そして、待機児、家庭的支援保育事業について伺います。
これまで政府は、エンゼルプランや次世代育成支援地域行動計画の策定など少子化対策を進めてきたということですけども、なかなか効果は上がっておりません。総務省の推計人口、子ども、15歳未満で言いますと、日本は総人口に占める子どもの割合は13.5%と、34年連続低下ということが続いております。言うならば、これまでの少子化対策というレベルではなかなか効果が上がっていないということだと思います。
私は、少子化対策の抜本的な支援策の柱に、やはり労働政策、家庭政策、これらの組み合わせが重要だというふうに考えます。労働政策では、家族、親が親としての責任を果たすことのできるような労働環境、労働時間の短縮、これが大事です。そして、一方で、家族政策としては、安心して子ども育てができる環境ですね。これは児童手当であるとか、児童扶養手当であるとか。子ども育てにお金がかかり過ぎるという、そういう思いは子育て世代に非常に強くあると思います。いろいろ区もやられておりますけども、クーポン券や商品券、そういう制度も大事ではありますけども、子育ての先が見通せるような制度がどうしても必要だというふうに思います。
フランスなどは、30種類の手当が家族関連で用意されていると。子どもの人口の中で占める割合も18%。イギリスも18%。アメリカは20%近いという状況で、先進国ではそういう対応がかなりできつつありますし、解決の方向が見えているのではないかというふうに思います。同時に、男女の平等が進んでいる国、女性の労働力率が高い国は、出生率が高いということも国際的にも言われております。
そこで、子育て支援についての調査や実態把握、これは総合的に行う必要があるのではないか。労働時間や労働環境、賃金や子育ての施策、こういう世代から実態を把握して、中野区としてこれをもとに政策的な提言を発信していくと。こういう、少子化に対しては総合的な捉え方と、その根本に迫る打ち出しをしていかないと、この34年も連続低下している日本の少子化の問題というのはなかなか見えてこないというふうに思います。調査や実態の把握についてお聞きをいたします。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 少子化対策に取り組むためには、子育ての施策のみならず、全員参加型の社会をつくり、経済成長を図ることや、あるいは住宅施策に取り組むこと、ワーク・ライフ・バランスの推進など、総合的な対応が必要であるというふうに考えてございます。子育て家庭のやはり実態把握にも努めながら、総合的に少子化対策に効果の高い施策となるように、連携を図ってまいりたいというふうに考えております。
○来住委員 中野区としてのできることをやっぱりしっかりと、実態をまず把握しながらこの少子化対策に腰を据えて取り組んでいくということだと思います。
政府も、エンゼルプランの後も待機児童ゼロ作戦、そして、保育園や放課後児童クラブの施策を推進してきました。しかし、保育園、学童クラブとも、待機児童のゼロは実現するのはまだ課題と。むしろ今の施策の中身が問題になってきております。質の問題です。保育園においても、子どもを詰め込んで定員を超過し、そのことによる子どもの権利の尊重が問題になる。施設の運営でも、最低賃金の改善が必要ですし、保育士や指導員の労働条件が向上していかなければならない。この2面での取り組みがどうしても必要だと思います。認可園もふやしてきましたけども、保育環境や、園庭がないと。施設の問題が解決が迫られます。
そこで伺いますが、中野区の認可保育園の待機児数は、昨年4月とことしの4月でどのようになっているでしょうか。
○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 中野区の平成27年4月の保育施設の待機児童数は172人でございます。昨年は241人でございます。
○来住委員 待機児をなくす努力というのは私たちも評価をしております。問題はその中身について、私たちはその都度問題を明らかにしていくという立場で取り組んでいるところです。そこで、学童クラブについては、厚生14の資料で出していただいていますけども、学童クラブも平成24年で14人の待機者、その翌年が38人、26年が53人、平成27年、ことしの4月1日73人と、待機児が毎年ふえ続けております。したがって、子育ての皆さんにとって、先を見通すという点では大変不安が一方にあるわけです。
保育園のことで伺いますが、年齢制限、保育園によっては2歳まで、3歳までという園が中野区としてできています。同時に家庭的保育事業もあります。この年齢制限の保育園の状況について伺います。
○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 年齢制限のある認可保育施設の2歳児クラスの保育定員はおおむね79人、3歳児クラスは31人でございます。
○来住委員 今、2歳児で79人、3歳児で31人、これらの園児は、卒園と同時に次の保育園に行くことになります。一般質問の広川議員の質問に、連携をしながら解決をしていくという答弁だったと思います。次の保育園にまた行けるだろうか、入園できるだろうか、今後の保障はあるのだろうか、行き先についての不安があるわけです。陽だまりの丘保育園の分園からは陳情、これは区長にも陳情という形で出されたと思うんですが、どういう中身で、これについてどのように区としてはお答えになったんでしょうか。
○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 陽だまりの丘保育園の分園からの要望の内容でございますが、陽だまりの丘保育園分園の3歳児クラスの希望者全員が陽だまりの丘保育園に転園できるよう、陽だまりの丘保育園、4歳児クラスの定員をその人数分確保してほしいという要望がございました。それに対しまして、区といたしましては、保育園の定員増につきましては、施設面積、それから、人員配置の基準を満たす必要がございまして、現在の受け入れも限界に近いと考えていること。それから、今回の御要望に関しましては、陽だまりの丘保育園を運営する法人に御要望としてお伝えすること。また、転園に関しましては、利用調整によりまして転園を行っていくといったように回答してございます。
○来住委員 先ほど紹介した、新たなふえていく保育園、ふやしてきた保育園、2歳、3歳で100人を超える110人。そして、認証保育所ももちろん、次に行く先を探さなきゃいけない制限を持つ保育園もあります。ここで、この陽だまりの丘の保護者の皆さんも、少なくとも本園に戻してくれということでありますけども、同時に、保育の条件、園庭がないと、プールがないと、そういう条件の中に次の行き先を探さざるを得ないということも不安の一つになって挙げられております。園庭問題は、賃貸物件でもオーケーだということになってきた認可保育所で、園庭についてお聞きしますけども、何園に園庭がないのか、その園庭の状況について答弁を求めます。
○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 賃貸物件を活用いたしまして整備いたしました認可保育所、平成26年4月から平成28年4月までに開設または開設予定の保育所、13園ございました。この13園のうち、7園が屋外、屋上に園庭スペースを確保してございまして、園内でも一定の屋外活動が可能であるというふうに考えてございます。
○来住委員 時間の声がかかりましたので、この項の最後にいたしますけども、ゼロ歳から6歳までのいわゆる園を新たにつくる必要があると。東中野小学校の跡地をはじめ、学校の跡地の売却や児童館の廃止などは中止して、区有地、都有地も含めて、保育園をゼロ歳から5歳まで、園庭やプールがある施設を認可園として増設することを求めたいと思いますけども、答弁を下さい。
○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 公有地等を活用いたしました保育施設整備につきましては、さまざまな角度から検討してございます。保育施設の形態につきましては、それぞれ特徴がございまして、今後も認可保育所に限らず、保護者の生活環境などのニーズに合わせまして、多様な保育施設を提示してまいりたいと考えてございます。
○来住委員 しっかりと取り組んでいただきたいということを申し上げて、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。
○若林委員長 以上で来住和行委員の質疑を終了します。
次に、森たかゆき委員、質疑をどうぞ。
○森委員 おはようございます。第3回定例会決算特別委員会におきまして、民主党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。持ち時間75分ということで、午前中に終わるかなと思っていたら、ちょっと無理そうですね。理事者の皆さんには簡潔な御答弁をお願いしたいなというふうに思っております。
質問については通告のとおりでございますが、1の決算についてのその他、4番のところで幾つか気になるところをお伺いしたいなというふうに思っております。内容につきましては、既に同僚議員の皆さんから質疑が出ている部分もあります。簡潔に聞く部分もあるかと思いますので、よろしくお願いをいたします。
まずは26年度決算についてお伺いをいたします。
特徴についてということでお伺いをしますが、26年度の決算、歳入で言うと1,324億円、歳出で言うと1,274億円、過去最大規模になっております。さまざまな要因があろうかと思いますが、一つ、消費税率が5%から8%へ引き上げだった、こういったこともございました。区の歳入歳出にも影響があったんじゃないかと思いますが、今回、この消費税の増税、区の収入にどのような影響がありましたでしょうか。また、予算編成時の歳出の見込みはどのようになっていたでしょうか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 平成26年決算におきます地方消費税交付金の決算額でございますが、前年度と比較しまして8億7,300万円余、27%増の41億1,200万となってございます。このうちの社会保障財源分、これにつきましては8億4,500万円余となってございます。
また、平成26年度予算編成時における消費税増税に伴う歳出増の見込み額でございますけれども、約7億円というふうに見込んでございました。
○森委員 決算の主要施策の成果の4ページに、この増収分、充てられた社会保障施策ということで一覧を出していただいております。目的税ではないので、一般財源の中に入っているわけですが、考え方としてはここに充当されているということだと思います。8.7億の増で、歳出は恐らく7億円ぐらいは区も払っている消費税がふえているということで、入った分、丸々社会保障費に、本当に住民サービスが充実できる、そういったような状況でもないのかなというふうに聞いていて思いました。
それで、国や東京都についても当然消費税の増収分というのがあるはずです。それも社会保障施策に充てられているはずなんですけれども、この消費税の増税に伴って、国や都の事業として、補助金として区の歳入に入ってきている、そういったものはあるんでしょうか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 消費税の引き上げに伴います国の新たな補助制度といたしまして、臨時福祉給付金、それから、子育て世帯臨時特例給付金がございます。
○森委員 今、御答弁いただいた臨時給付金というのは、別に継続的な事業じゃなくて、昨年度、そして今年度のとりあえずは限定の措置だというふうに理解をしております。これについてはちょっと後ほどお伺いをしますけれども。当然これ、区民の方にとっては、消費税の増税というのはそれなりの負担増になっているわけで、とはいえ、区の歳入歳出も状況を見ると、社会保障費がどんとふえて、サービスをどんとふやせる状況でもない。国や東京都から大きく補助金がおりてきている、そういう状況でもないということだと思います。これまで以上の事業の効率性、そして、本当に求められている福祉サービスをやっていかないといけない、こういう状況なんだろうなというふうに思っております。
続いて、経済動向の影響についてお伺いをいたします。26年度の年間の経済成長率は、名目で1.6%、実質でマイナス0.9%でした。名目のほうが高いという、20数年ぶりのインフレの状況にあったわけですが、これが区の財政に何か影響を与えている部分はあるんでしょうか。
○黒田政策室副参事(予算担当) 整備経費などに係る原材料費等の上昇などは見られるものの、直ちに区の予算に大きく影響するものはないというふうに考えております。
○森委員 財政白書の6ページには、納税者1人当たり所得額の推移、グラフを毎年度載せていただいております。25年度が372.3万円から26年度376.1万円と、わずか1%ではありますけれども、上昇しています。この中身の動きなんですが、所得階層別に何か異なる動きをしているというようなことはあるんでしょうか。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 平成26年度は特に株式譲渡等分離課税分につきまして、高額の納税者の方がいらっしゃいました。その一方で、譲渡分離課税分を除く所得金額から所得控除額を差し引いた課税標準額は、おおむね全ての階層で納税義務者数が増加してございます。
○森委員 26年度を振り返ってみますと、株価が多分年度当初に1万4,000円台だったのが1万7,500円ぐらいに年度末になったんじゃないかなというふうに思います。こうやって株価が上がる一方で、実質賃金というのは年間を通じてマイナスが続いた年でありました。所得の上昇、1%あって、とはいえ、それが実質的な賃金の増、さらには可処分所得のプラスになっているのかというと、なかなか、普通に考えると、消費税だけで3%上がっているわけですから、そういったことにはなっていないんだろうなというふうに思います。
インフレの局面というのは20何年ぶりですから、名目の金額が大きくなっても、それが実質使えるお金がふえるということを意味しない状況になっているわけであります。この26年度のインフレ傾向って、このまま続くのかどうかというのはよくまだわからないわけで、最近の状況を見ると、ちょっと怪しいなという気もしておりますけれども、この点はいろんな、区政の全体に影響してくる話だと思いますので、注視していっていただきたいというふうに思っております。
続いて、積立基金などの資産運用、この点についてお伺いしたいと思います。26年度決算における積立基金など区の資産の運用状況はどのようになっていますか。また、資金運用の収入について、株高の影響というのはあるんでしょうか。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 平成26年度の積立基金の運用益は約8,000万円、運用利回りは0.91%でございました。また、区は、定期性預金及び債券で運用を行っており、直接に株高の影響を受けるということはございません。
○森委員 ありがとうございます。主要施策(別冊)の62ページのところに資金管理の施策目標が載っています。項目として、区民の財産を守る資金管理と出ていて、そこに今の利回りの目標とかも載っているわけでありますが、ここには、区はより高い利回りで積立基金を運用することが求められている、こういった記載があります。利率が高いほうがいいというのは当然の話でありますが、一方で、区民の財産でありますので、元本割れは絶対に避けなければいけないと。これは当然のことだろうというふうに思っております。
国においては、安倍総理がダボス会議で示した方針により、公的年金の積立金を運用する公的積立金管理運用独立行政法人、いわゆるGPIFと言われる組織ですが、ここが国内債、国外債に振り分けていた資金の一部を株式に回していく、こういったことをやりました。GPIFが動かしている資金というのは130兆円と言われています。世界最大の機関投資家というような言い方を元運用委員の方がされていたりもするぐらい、大規模のお金を動かすところであります。これが株式に流れるということで、これだけでそれなりの株価の上昇につながるわけであって、GPIF過去最高の運用利回りになったような報道もありました。
ところが、その直後に中国で株価が暴落して、日本もその影響を受けて、今度は数兆円の評価損が計上された。こういったことが続いた。多分、これはわずか3カ月ぐらいの間にこういった状況になったわけであります。株式投資の不安定さというんですか、そういうのを改めて感じるところでありました。そういう状況なんですが、一方で、東京都でも舛添さんがこの動きを見て、東京都の公金も株式に入れたいと、こういうような話をしているわけであります。大変ちょっと危ういというか、危険な兆候だなというふうに思っています。
そこで伺いたいんですが、区の積立基金の運用の方針、さっき言った、より高い利回りでというようなことが目標として掲げられているわけでありますけれども、これ、元本保証を前提にするというのは、当然だから書いていないというふうに私は理解しています。その中で、より高い利回りを獲得していく、そういった方針、これは今後も変わりがないというふうに思ってよろしいでしょうか。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 区は、これまでも元本保証を前提として、安全かつ高い利回りが期待できる商品を選択して運用を行ってきており、今後もその考え方で運用してまいりたいと思っております。
○森委員 ありがとうございます。御答弁を聞いて安心をしました。この中で、元本保証の原則の中で、また利回り、上げていただきたいなというふうに思います。ありがとうございました。
続いて、2番の未収金対策のほうについてお伺いをいたします。
26年度決算にもいろんな数字を出していただいております。特別区民税の現年度分の徴収率97.5%、相変わらず23区平均には及ばないものの、23区平均の伸び率よりは伸びているという状況でございました。国保は現年度分85.3%、一昨年大きく伸びたわけですが、今回は横ばいということで、23区平均85%を辛うじて超えている状況でありました。目を引くのが区民税の滞納繰越分です。22.8%から30.8%、これが大幅に伸びておりますけれども、26年度、税分野、国保分野の収納率向上の取り組み、どのようなことを行ったのか、御説明をお願いします。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 特別区民税の収納率向上対策といたしましては、催告書の送付後に納付の確認を促す後追いはがきの送付ですとか、給与差し押さえを中心とした滞納処分の強化、全庁挙げての臨戸徴収などの取り組みを行いました。
○古本区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 国民健康保険料につきましてお答えします。平成26年度における国民健康保険料の収入率は、現年度分で85.6%、滞納繰越分が23.3%となりまして、23区における収納率の順位は、前年度に引き続き10位でございました。収納率向上対策では、平成26年度に10位以内を目指すという目標を掲げましたが、国民健康保険料に関しましては、平成25年度に10位となりまして、1年前倒しで達成することができております。
平成26年度の取り組みでございますけれども、区に転入する際など、国民健康保険に加入される時点での口座振替の手続を強化いたしまして、結果として口座振替加入率は40%を超えております。また、区から他の自治体へ転出される際に保険料の未納がある場合には、滞納者の方との納付相談を行うということについても努めてまいりました。
収納率向上に向けてのこれまでの取り組み等が国から認められまして、平成26年度には特別調整交付金といたしまして1億7,400万円が交付されました。これは平成25年度から引き続き2年連続の交付となっております。
○森委員 ありがとうございます。この収納率向上って、会派問わず、いろんな方から質疑が出ていて、それも含めていろんな取り組みをしていただいている成果が出てきている部分なのかなと思っています。
税については23区平均を上回る伸び率だったわけですが、これによってどのくらいの収入がふえましたか。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 平成26年度の調定額ベースで収納率向上による財政効果を比較しますと、現年課税分につきましては約1億8,000万円、滞納繰越分につきましては約2億3,000万円、特別区民税合計で約4億1,000万円でございます。
○森委員 ありがとうございます。4億ということで相当な金額で、取れたのはいいんですけれども、一方で言うと、これまで取り組みが弱くて、相当な金額を収入として逃してきた、こういうような面もあるんじゃないかなと思います。
今の収納率向上対策というのは、今の決算の26年度までなわけです。今年度以降の中期目標の検討状況はどのようになっていますか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 今後の収納率向上対策についてでございますけれども、これまでの取り組み内容を検証の上、さらなる収納率の向上を目指すとともに、平成29年度の目標を定めた収納率向上対策の改定作業を行っているところでございます。改定に当たりましては、滞納繰越に移行させないためのいわゆる現年度対策、これの強化、また、滞納繰越分のさらなる圧縮、こういう取り組みについて強化をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○森委員 これ、3年間の取り組みの中で、そうすると、今もまさにそうなわけですが、切り替えの時期というのは中期目標がないまま、切り替えの年度の前半というのが動くことになっているわけですよね。PDCAを回すという意味では、26年度の決算の状況を見て、それからプランを立てていくというのは一つのやり方としてあるんだと思うんですが、この中期目標がないまま動いている半年の間どうしていくのか、ここは一つ課題なのかなというふうに思っています。これはちょっと引き続き課題として私どもも考えていきたいというふうに思っております。
それで、監査意見書の5ページ、これに今の中期目標の達成状況というのが表で載せていただいております。収納率は達成をしているものの、23区内での順位というのが、税の現年度分、滞納繰越分、合わせて10位以内という目標だったのが22位という結果でありました。収納率は達成しているんだけれども、順位は上がらなかった。これはどういう要因だったんでしょうか。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 特別区民税、収納率につきましては、先ほど御紹介いただきましたように、この3カ年で23区平均を上回る収納率を達成してございます。しかしながら、区民税全体の調定額に占める滞納繰越分の調定額の割合が高く、これが全体の収納率を押し下げる要因となっているため、23区における総合順位につきましては22位にとどまったというものでございます。
○森委員 やっぱりこれまでたまっちゃっている分というのがいっぱいあるということなんだと思うんです。この調定額を減らす取り組みというのも進めないといけないんですが、これ、調定額を減らしていくというのは、一番簡単なやり方というのは、不納欠損に回しちゃえば分母は減るわけでありまして、そういうやり方ではない方向でやっていくべき話だと思うんですが、そのあたりはどうなんでしょうか。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 昨年度効果を上げました後追いはがきですとか、給与照会、給与差し押さえを中心とした滞納処分の強化、電話催告や訪問送達の委託によりまして、滞納案件に早期に着手し、現年度分の滞納繰越をできる限り抑制していくということ、また、滞納繰越分につきましても、さらに適正に滞納整理を進めることにより、滞納繰越分を圧縮し、滞納に対して早期に滞納処分に着手できる体制を整えてまいりたいと思います。
○森委員 本当に影響額が大きい話なので、努力していっていただきたいと思います。
それから、研修についてちょっとお伺いをしたいんですが、決算説明書の138ページの債権管理のところに、徴収対策研修講師謝礼、1回、参加人数24人というのがあります。これの内容について説明ください。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 徴収対策研修についてでございますけれども、こちらは税務分野、それから保険医療分野、いわゆる未収金対策に携わる分野の職員を対象に、専門的な取り組みとしまして、収納率の向上につながる効果的な滞納整理を推進するための納付相談、それから、滞納整理のコツであるとかノウハウの習得、または徴収に関する法的知識の学習等、職員の意欲向上及びスキルアップのための研修を行ってございます。この研修を契機としまして、徴収事務に携わる職員の意識改革、能力向上が促進されているというふうに考えてございます。
○森委員 要するに、専門で取り組む職員さんの意識を高めるですとか、具体的な技術の向上ですとか、そういったところの研修なのかなというふうに思っております。先ほど来御答弁いただいているとおり、臨戸徴収で多くの職員が徴収に携わっているものだというふうに思います。ちょっといろいろ調べていたら、5年ぐらい前に、静岡県の国保連の機関紙に中野区の取り組みというのが紹介されていて、そこで、厚労省の収納率向上アドバイザーの堀さんという方の研修を受けて、職員さんが支払いっている人との公平性を今までより強く意識するようになりましたというような感想が紹介されています。今になると、これ、当然そこは意識していただかないといけない話だと思うんですけど、当時はそういう感覚だったのかなと、これを読んで思いました。
今も、特にここにいる管理職の職員の皆さん、そんなこと百も承知だと思うんですが、臨戸徴収を実際に回られている職員さん、特に新人さんとか、そういった人たちにも、こういう税や保険料の負担の公平性をしっかり意識した上で臨戸徴収等に当たっていただかないといけないというふうに思っているんですが、そういった方々への働きかけというのはどのようになっているんでしょうか。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 一斉臨戸徴収の実施に当たりましては、部長会をはじめとする庁内会議、そして、従事する職員を対象としました説明会を開催しまして、その中で、区民の生活実態を知るとともに、区の財源となる税等の徴収を行うことにより、コスト意識を高めるという、臨戸徴収の意義について十分に説明してございます。
○森委員 外部の講師を呼んでやるというあれではなくて、内部でしっかりと意識付けしていただけるということで理解をしました。引き続き御努力いただきたいというふうに思います。ありがとうございました。
続いて、平和事業についてお伺いをいたします。もう何度も出ているとおり、ことし戦後70年の節目であります。ことし、私は会派の視察で長崎に行って、その後、党の青年委員会の全国大会というイベントがあって広島に行って、この70年の節目に広島、長崎、二つの被爆地を回ってきました。改めて核兵器の残酷さ、大戦の悲惨さというものを感じてきたところであります。改めてこの中野区としても平和事業を積極的に取り組んでいっていただきたいというふうに感じてきたところでございます。長崎の視察の成果に関しましては、中村議員のほうから、戦争体験、被爆の体験を継承していく事業ということで後ほど質疑をさせていただきたいと思います。私のほうからはもう少し全体的な話をしたいというふうに思っております。
これも予算のとき、その前から多くの同僚議員から、戦後70年の取り組み、しっかりやらないといけないということで質疑があったかと思いますが、今年度の事業概要、どのようになっていますか。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 今年度、戦後70周年記念事業といたしまして、若い世代に対する平和の意義継承を行うため、区立中学校全校11校に対しまして、平和の語り部を派遣しているところでございます。期間といたしましては、ことしの12月までを予定してございます。また、全校終了後、生徒が書いた感想文につきまして、文集としてまとめるということを予定してございます。
また、8月2日でございますが、「平和のつどい For Youth」というものを開催いたしまして、平和の語り部の体験談を聞いた中学生による感想発表と演劇の上演ということで、来場者との意見交換を行ってございます。
さらに、「中野の戦災記録写真集」や「平和への祈りを次代へ」という区が過去に発行いたしました書籍等を電子書籍化いたしまして、アーカイブとしてホームページにも掲載をするということを予定してございます。
○森委員 ありがとうございます。さまざま取り組んでいただいていると思うんですが、一方で、きのうの来住議員の質疑の中で、非核宣言自治体協議会、入っていることになっているものだと、いろんな話がありましたけれども、私もホームページで非核平和事業の取り組みをいろいろ見ていると、「中野区非核・平和事業の主な取り組み(年表)」というページが区のホームページにあるんですが、これが2012年のまま更新がとまっておりました。情報を渡したら、きのうの段階では既に2015年まで早速対応していただいて、3年分一気に更新をしていただいたのかなと思うんですが、今見ると、2015年までの取り組みが載っているんですが、相変わらず最終更新日が2012年11月1日と書いてあって、ちょっとこれ、仕事として雑過ぎるんじゃないかなというふうに思います。特にこれ、区の公式の情報発信でこういうことをやっていると、せっかくいろんな事業をやっていても、中野区、何をやっているのということになりかねないので。これは答弁は結構ですけど、しっかりやっていっていただきたいなというふうに思います。
それから、これも来住議員からありました、中野区が日本非核宣言自治体協議会分担金、これを支払わなくなった、6万5,000円とかだったと思いますが、なので、今回の決算に載っていないわけですが、この経緯、改めて御説明ください。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 非核宣言自治体協議会から脱退した理由といたしましては、同会の活動としている被爆苗木の配布については、既に平和の森公園への植樹を行うなど、入会当初といたしましては活発に事業を行っていたものの、近年、活動が停滞しているということ、また、年1回長崎で行われている総会につきましても、遠隔地であるということから、区としての活動への参加がなかなか難しいということでございまして、脱会を判断したものということでございます。
○森委員 かつて植樹をしてもらったからもういいんだという話だと、サービスだけ受けて、受けた後はもう負担はしていきませんよという話だと、これは自治体のいろんな福祉政策とか考えるときには、フリーライダーをどう生まないかというのは非常に大きな課題で、多分区長もその辺は非常に重視して政策を考えていらっしゃるんじゃないかなと思うんですが、サービスは受けましたと。でも、もう活動があまり活発になっていないから、分担金は払わないです、脱退しますというんだと、ちょっと話が違うかなと思いますし、ここから脱退するというのは、中野区民に対してもそうですけど、区外に対してもそうですけど、核兵器を廃絶していかないといけないという中で、ちょっと誤った政治的なメッセージになりかねないんじゃないかなと非常に危惧をしております。再加入も検討するべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 区といたしましては、宣言自治体が互いに手を結び合い、核兵器の廃絶と恒久平和の実現を世界の自治体に呼びかけ、その輪を広げていくことに努力するといった、平和宣言自治体協議会の趣旨についても賛同しているというところでございますが、御指摘の研修会への参加ということも行っておりますけれども、非核平和宣言自治体、広く参加を呼びかけられているものでございまして、近隣で実施される際には参加をし、情報収集をしているところでございます。
一方で、先ほども答弁したとおりでございますが、総会等への参加ということで実質的な活動に参加することはなかなか困難である状況から、脱会を判断したということでございまして、中野区といたしましては、趣旨に沿って、これまでも独自かつ継続的に平和事業を進めてきているということでございまして、着実に成果を上げているという認識がございます。再加入については、現在のところ考えてございません。
○森委員 1980年代、昭和57年ですが、憲法擁護・非核都市宣言をした、そこの考え方が変わったとは私は思っていません。ただ、こういう脱退をすると、そう思われかねない、そういう要素があるんじゃないかということは改めて考えていただきたいというふうに思います。
もう1点、この項でお伺いをいたします。70年前の戦争、これを考えるというのは、平和を考える上での必要な条件だと思います。ただ、それだけではなくて、今、世界中で起きている問題というのは、テロの話、国際紛争の話、難民の問題、かつての戦争、国家対国家の戦争とは大分構図が変わってきている問題というのも起きてきています。これからの平和を考えるに当たっては、こういった問題についても取り上げる、考える機会を区民に提供していく、こういった取り組みが必要なんじゃないかと思うんですが、今の取り組みの状況を教えてください。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 本年度につきましては、戦後70周年に当たるということでございまして、これまでの戦争や原爆に関連した平和事業を実施してきたわけでございますが、これまでも紛争地域の問題をテーマにした平和のつどい等も実施をしてきているところでございます。
また、本年度でございますが、11月16日から20日まででございますが、区役所の1階区民ホールにおきまして開催される第3回の平和企画展示におきましては、フォトジャーナリストが撮影したアフガニスタンの難民キャンプやイラク、パレスチナの紛争といった、傷ついた子どもたちなどの写真を掲示して、平和の大切さを訴えるというものでございまして、そういったことを予定してございます。今後、広く平和を啓発する取り組みを続けてまいるというふうに考えてございます。
○森委員 ありがとうございます。つい先日も、シリアの難民の3歳の男の子の遺体の写真というのが世界中に配信されて、大きな反響を呼びました。今、ドイツに難民が押し寄せていて、メルケルが無条件で受け入れると言ったけれども、現実的には受け入れも限度もあるわけで、これは国際社会でというか、特に先進国は責任を持って負担を分担していかないといけない、そういう状況になってくるんだろうと思います。積極的平和主義と首相が言っているので、ここも、これまでの日本の難民政策って非難を受けがちでしたけれども、積極的な取り組みが行われていくんじゃないかなと期待をしているところですが、いずれにしても他人事ではなくなってくる話ですので、こういうタイミングを捉えて、こういった事業というのはやっていっていただきたいなと思います。
同じような、近年の紛争とか、難民とか、こういう問題について、教育現場についてはいかがでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 学校におきましては、児童会や生徒会が中心となって、ユニセフ募金の活動に取り組んでいるという例がございます。また、社会の学習においては、教科書に載っている内容を踏まえまして、国際紛争や難民問題について学習しているところでございます。
○森委員 ありがとうございます。幅広く区民にというところだと、タイミングを捉えてという話を申し上げました。ただ、教育の現場だと、政治的な中立性の話も出てきますし、もう少し、例えばさっきの3歳児の遺体の写真を子どもたちに見せていいのかどうかとか、いろんな問題が出てくるんだろうと思います。タイミングを捉えてというよりは、教科書等を活用してやっていっていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
その他で幾つか伺います。これも昨日、来住委員が触れられておりました、四季の森公園の管理費の話です。決算の資料を見ると、平和の森公園が3,350万円に対して、四季の森公園が6,000万円とかなり高額になっています。金額だけでも倍近いんですが、広さが全然違うわけでありまして、これ、1ヘクタール当たりに直すと、大体四季の森が4,000万円ぐらい、平和の森公園が610万円ぐらいということで、まさしく桁が違うわけであります。まずお伺いをしますが、これ、何にこれだけお金がかかるんでしょうか。
○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 四季の森公園の維持管理経費が他の公園に比べて高い要因といたしましては、園内清掃、トイレの清掃の回数の差でございます。また、他の公園にない特徴といたしまして、芝生や休憩施設の管理や、園内の隣接施設との一体警備や不法駐輪対策の警備員の配置によるものでございます。
○森委員 これ、気になったのは、高いだけじゃなくて、今の御答弁の中にもあった、芝生のところ、いつ見ても養生中で入れないんですね。使えない上にお金が高いというのは、なかなかこれ、納得しがたいわけでありまして。そこでお伺いしますが、全面利用可能な日数って365日のうちどのくらいあるんでしょうか。
○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 芝生を適正に管理いたしますために、夏芝、冬芝の種まきの時期ですとか、芝生の育成状況を判断しながら、閉鎖エリアを変えながら養生期間を設けて管理しているところでございます。そのため、年間の開放期間といたしましては、イベントの開催時期などに限定しておりまして、おおむね10日間程度となっております。
○森委員 6,000万円かけて年間10日しかここを使えないというのは、ちょっとやっぱりいかがなものかなと思います。もともとこれ、このくらい管理費用ってかかっていく、そういう見込みでつくったんですか。
○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 先ほど御答弁いたしましたように、他の公園との違いということで、管理経費が高くなることについては想定がされておりました。さらに、オープン後の状況を見ながら、追加の管理費が必要だと判断したものにつきましては、予算をさらに計上させていただいたものでございます。
○森委員 ある程度かかるのはしようがないかなと思うんですが、これ、年々高くなってきているわけです、ごらんのとおり。これはこのまま続くんじゃない、芝生が落ちついたりすると費用が減ったりとか、そういうことも考えられるんですか。
○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) この中野の顔として整備されました中野四季の都市(まち)の中にございます公園です。これだけのにぎわいをもたらしている公園は他に類を見ないということもございますので、維持管理経費につきましては、これからも同様の経費がかかるというふうに考えております。
○森委員 中野の顔のところ、芝生広場がいつ行っても養生中というのは、それはそれで問題あるんじゃないかなというふうに思います。平和の森公園については、広場のところ、やっぱり維持管理費がかかるということで、芝生じゃなくて草地化したというような経緯も伺っております。こういったことも含めて、抑制策というのも考えるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 芝生広場につきましては、これからもしっかりと維持管理をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○森委員 しっかりとということがよくわからないんですけど、いずれにしてもこれ、お金がかかり過ぎだと。しかも使えない、ほとんど全面使えていないという状況は認識していただきたいというふうに思います。
それから、ここに限らず、今後、大規模公園の整備が続いていきます。それ自体はありがたいことではあるんですが、こちらの管理費のほうも不安になってきます。対応はどのようになっていますか。
○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) ことし6月にオープンいたしました白鷺せせらぎ公園の管理経費が年間約1,100万でございますので、今年度開園を予定しております(仮称)本町五丁目公園、(仮称)南部防災公園につきましても、同程度の管理経費がかかるものと考えてございます。いずれにいたしましても、引き続き経費の節減のために取り組みは進めてまいりたいというふうに考えております。
○森委員 公園ができたのはいいんだけど、やっぱりランニングコストはかかってくるわけで、その辺はどの公園に限らず、抑制に努めていただきたいというふうに思います。ありがとうございました。
続いて、臨時給付金についてお伺いをします。これは予算の際に、26年度は1万円配ったというんですが、それの経費が2,500円かかるということで、非効率じゃないですかという話をさせていただいたんですが、決算の状況はどのようになっていますか。
○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 臨時福祉給付金について、26年度の実績につきましては、予算積算時に比べて実際の支給件数が少なかったということがございまして、支給者1人当たりの経費は約3,100円となっております。
○森委員 そうですよね。これ、要は、申請してくる人が少ないと、その分経費のほうが割合で高くなってしまうという状況だと思います。今年度はこれ、3,000円なんですよね。さらに支給請求が減ると思うんですが、今の状況はいかがですか。
○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 今年度は、現時点での見込みといたしましては、支給者1人当たり約2,400円程度になるというふうに見込んでおります。
○森委員 ありがとうございます。それは予算の状況でということだと思います。それも引き続き見ていきたいと思います。
消費税の申請対策とか負担軽減というような、今、財務省がよくわからない、マイナンバーにひもづけて、4,000円だか5,000円だか還付するとか、いろんな案が出て、迷走していて、臨時給付金も、これ、本来は26年度だけだったんですよね。それが27年度になって、来年度、まだ話は出ていないんですけど、どうなるかわからない。国が還付の給付措置といっても、自治体のほうは大変なんだというふうに思います。何か機会を捉えて、そういうところを伝えていくということも必要なんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当) 27年度の臨時福祉給付金の給付等については、現時点では、27年度の実施に当たっては、各区市の意見を都が取りまとめて、国へ改善要望を出しています。来年度以降の給付につきましては、現時点では未定でございます。今後実施される場合には、現場の実態を踏まえた要望を伝えていきたいというふうに考えております。
○森委員 よろしくお願いします。ありがとうございました。
最後に、これはあまり聞きたくないんですが、不明金についてお伺いをします。監査の意見書に、23年度、24年度に続いて、26年度も現金管理の中で不明金が発生したということが指摘をされています。区民の信頼を損なうもので、まことに遺憾と書いてあって、それは全くもってそのとおりなんですが、今回、この不明金が発生した要因、どういったものだったんでしょうか。
○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) この不明金につきましては、生活援護分野で発生をしたものでございます。生活保護の保護費につきましては、原則として口座振替払いを行っているところなんですけれども、一部につきましては窓口で保護費を支払いをしているところでございます。したがいまして、生活援護分野におきましては、毎日保護費の支出、残額の確認等の金銭管理を行っているところでございます。しかしながら、平成26年の5月に保護費を確認したところ、2万円不足していることが判明したものでございます。この点につきまして、さまざまな角度から調査・検討を行いましたが、不明金発生の原因については特定ができなかったものでございます。
○森委員 2万円どこか行っちゃって、原因がわからないというので、そうですかとなかなか言いがたいんですが、調査というのはどのようにされたんですか。
○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 不明金に関する調査でございますが、まず、現金の数え直し、現金出納簿等の確認、事務室内の点検及び関係職員の聞き取りなどを行うことによりまして、事実関係の把握と検証を行ったものでございます。
また、事務室内に設置されている防犯カメラ、これは生活援護分野の中の現金管理を行うスペースの近くに設置されているカメラなんですけれども、このカメラの映像につきましても、複数の職員による複数回の確認を行いましたが、支払い手順等の異変等は見当たらなかったもので、原因の特定はできなかったものでございます。
○森委員 当然、再発防止をしてもらわないと困るんですけれども、原因がわかって対策というのが本来あるものだと思うんですが、原因がわからないという中で、今後どういう取り組みをされていくんですか。
○鈴木健康福祉部副参事(生活援護担当) 再発防止策についてなんですけれども、今回の事故が起こりました平成26年の5月以前から、保護費の支払いにつきましては、職員3名で3回にわたる金銭の確認を行ってきたところでございます。しかしながら、返還金の受領など一部につきましては、職員1名で行ってきたものもございます。この点について、その後再発防止策をとりまして、支払いの手順や確認事項の見直しを行い、現金に関する取り扱いにつきましては、全て職員複数体制で行うようにしたものでございます。
また、従来は、職員が全て手作業で支払いの事務を行っていましたが、紙幣硬貨入出金機という機械を導入しまして、バーコードを端末に読み取らせることで、必要な金額を自動で出金できるようにいたしました。
今後、これらの再発防止策を徹底しまして、公金管理を的確に行っていきたいと考えております。
○森委員 考えられる、原因になりそうなところを潰していくというようなことだと思います。原因がわからないんじゃ、そうするしかないんだと思います。今後、気をつけて取り組んでいっていただきたいというふうに思います。ありがとうございました。
それでは、2番の子育て支援に移ります。
まず、出生率向上に向けた取り組みについてお伺いします。
区長の出生率向上に正面から取り組むというような発言を受けて、議会でも既に、こういう考え方でやるべきじゃないか、こういう施策をやるべきじゃないか、さまざま議論がされています。私も前回の一般質問で触れました。今回はあまり細かい話はしようとは思っていませんが、一つ、出生率向上に正面から取り組むと言った以上、いろいろ施策をとるにしてもお金がかかるわけです。来年度予算に向けて、子育て支援の予算、並びに教育の予算も含めてですけれども、増額される方向性であるというふうに理解してよろしいですか。
○黒田政策室副参事(予算担当) 予算を増額する意思があるかということでございますが、これまでも子育て支援についてはさまざまな事業を行ってきておりまして、今後も必要となる事業についての予算については計上していくということでございます。
○森委員 それは当たり前なんだと思います。子育て支援はばらまきじゃなくて投資なんだという話を以前、多分1年前の一般質問だったと思うんですが、私もさせていただきました。これ、キャッチフレーズ的に聞こえるんですけれども、教育経済学の分野なんかでは、やっぱり就学前教育、特にお金をかけると、その子どもたちの成績が上がり、犯罪率が下がり、収入もふえ、雇用も安定化し、いろんな本人のプラス、社会的コストの低減につながる、こういったことがわかってきております。ペリー幼稚園プログラムって、アメリカのシカゴ大学の実験が一番有名ですけれども、4歳のときに100円かけると、65歳のときにそれが最低でも6,000円ぐらいになって返ってくるというような意味で、年率7%の金融商品を探せといってもそうそうないわけでありまして、こういったところにしっかりと予算を回していっていただきたいと思います。すみません。御答弁は結構ですので、その方向で考えていただきたいなと思います。
ちょっと時間がないので、早く進めていきたいと思います。(2)の保育行政についてお伺いをいたします。
待機児童問題についてです。27年度に待機児ゼロ実現を目指すと言ったんですが、実際には待機児童数、先ほどもありました、172名発生をしてしまいました。原因としては、年度途中で大型の補正予算を組んだけれども、なかなか全部施設整備が進まなかったという状況でした。お伺いをしたいのは、予定していた施設整備、これが進んでいたら、待機児童の状況はゼロになっていたんでしょうか。
○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 保育需要につきましては、年齢による差、それから、地域偏在がございますので、開設予定地、それから、定員設定といった、事業者の具体的な提案がない中では、確定的な判断はお示しできません。
○森委員 大枠では、数字だけ追うと、多分ゼロに相当程度近づいていったんじゃないかなというふうに見ています。
今年度の施設状況、子ども文教委員会に随時御報告いただいておりますけれども、今年度は割と昨年と比べてもスムーズに進んできているんじゃないかなというふうに思います。来年度の見込みはどうなっているでしょうか。
○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 現在予定しております保育定員増の約98%は確保してございます。また、そのほか、既存施設の保育定員の弾力化なども対応をあわせて検討してございますので、平成28年4月につきましては、待機児が解消できるものと見込んでいるところでございます。
○森委員 ありがとうございます。それはぜひ期待をしたいんですが、28年度ゼロ、仮に実現をしたとしても、ニーズ調査の結果等を見ると、もう少し保育需要は伸びていくのかなと思います。今年度も小規模の受け付けは終了しましたということ、当然予算がもうないので、終了したということなんでしょうけれども、次に向けて、事業者とのコミュニケーションとか、そういう部分については継続していっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○濵口子ども教育部副参事(幼児施策整備担当) 認可小規模保育事業者につきましては、御指摘のとおり、予定した事業者選定が終了したものでございまして、現在募集は行ってございませんが、年々保育需要が増加しておりますことから、引き続き保育需要の増加を見きわめながら、民間小規模保育事業所に限らず、事業者へ区として可能な情報提供を行うなど、今後の施設整備に向けた調整を継続してまいりたいと考えてございます。
○森委員 引き続き積極的な取り組みをお願いしたいと思います。ありがとうございました。
引き続いて、保育の質に関連してお伺いをします。
まず、保育士さんの宿舎借り上げ支援事業、いわゆる家賃補助の話です。ことしの一般質問で酒井議員から取り上げさせていただきました。その後、子ども文教の分科会の中でも私のほうから要望いたしました。そのときはまだ検討事項の一つということでありましたが、やはり事業者さんからの要望もいただいている、なかなか保育士確保に苦慮している、こういったことを伺っております。改めてこの保育士宿舎借り上げ支援事業の活用を求めたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 宿舎借り上げの件でございますが、現在、各保育施設にアンケートを行い、保育士の確保の実態を調査しているところでございます。各区の実施状況や課題の把握など調査もあわせて行っておりますことから、その政策効果について検討を進めているところでございます。
○森委員 やっぱり今御答弁をいただいたとおり、使う自治体が広がってくれば、そこの間で取り合いになってくる状況とかも考えられます。酒井議員から取り上げたときは、区長の答弁の中に、保育士の確保が困難とは聞いていないというようなお話がありました。困難になってから対応するんじゃなくて、早め、早めに手を打っていただきたいというふうに思います。
もう1点、園庭のない保育園の遊び場の話です。これも多くの議員から出ているので、シンプルにお伺いしたいというふうに思います。なかなか遊び場の確保に苦労しているということで、いろんな保育園を回っても、園庭がない中で、環境が限られている中で、いろんな工夫をして、子どもたちに遊ぶ機会、体を動かす機会を提供していただいているというふうに理解をしています。
そんな中で、やっぱり公園や校庭、この中で水遊びをしたいというふうな話も来ております。公園については、なかなかいろんな課題があって難しいのかなというふうに理解をしておりますけれども、学校施設については、配慮があってしかるべきではないかと思いますが、いかがですか。
○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 園庭のない保育園の学校施設の利用につきましては、個々の保育施設の状況に合わせ、園児の安全管理など十分に配慮しながら、その実現について学校当局と調整を行っているところでございます。
○森委員 学校施設は、主要施策の成果(別冊)の中でも、地域資源としての活用が図れるようというような方針も出ています。区有施設、全てこれから維持していくというのは難しくなるようなところもあると思います。こういった、使えるものは使っていくという姿勢を見せていっていただきたいなと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。
○若林委員長 森たかゆき委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
午前11時56分休憩
午後1時00分開議
○若林委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。森たかゆき委員、質疑をどうぞ。
○森委員 午前中に引き続き質疑を続けさせていただきたいと思います。
妊娠・出産・子育てトータルケア事業についてお伺いをします。
8月28日の厚生委員会に御報告がありまして、さきの本会議で補正予算も可決をいたしました。実施に向けて期待したいところでありますけれども、幾つか気になる点を確認させていただきたいというふうに思います。
まず、この事業の中で、全妊婦さんに面接して、そして、支援プランを作成するということです。まず、これ、場所的にどこでやるのかという話と、支援プランの具体的な中身をお聞かせください。
○只野中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 全妊婦への面接でございますが、基本的にはすこやか福祉センターで実施いたします。面接時に一人ひとりに合った支援プランを作成してまいります。この支援プランは、妊娠・出産・育児に対するさまざまな不安の解消や、マタニティーブルー(産後鬱)の予防を目的としておりまして、具体的には妊娠期や産後期の目標、セルフケア、家族の方へのアドバイスを行い、個別に適切な支援サービス情報を提供するものでございます。妊娠中だけでなく、産後においても状況に応じた助言や適切な支援サービスを案内し、安心して出産・子育てに臨めるよう、妊産婦を切れ目なく支援してまいります。
○森委員 ありがとうございます。全妊婦対象にというところが非常に大きなポイントかなと思っているんですが、なかなかこういう施策って、妊婦さんって私もいろんな方とお話しすると、不安でいっぱいな方もいらっしゃれば、全然けろっとしていて、こういう役所のサービスには目を向けない方もいれば、いろんな方がいらっしゃると思うんですね。全妊婦さんに本当に来ていただくというのはそれなりの工夫が必要なのかなと。特に心身に問題があって、なかなかすこやか福祉センターまで来てくださいといっても来られない、こういった方もいらっしゃるんじゃないかなと思うんですが、そういったところの対応はどのように考えていますか。
○只野中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 全妊婦への面接ですが、妊娠期よりすこやか福祉センターとの密接な関係をつくりまして、切れ目ない支援へと結びつける狙いがございます。心身の状態などの事情によりすこやか福祉センターに来られない方につきましては、自宅への御訪問をいたします。
○森委員 基本はすこやか福祉センターだけれども、訪問等もしていただけるということで、少し安心をしました。
それで、面接とかをしていく中で、ハイリスク、要支援、それと一般という形で分けられていくというようなことであります。特にハイリスクですとか要支援というところに分けられる方々というのは、これ、プランを作成するのは一時点でプランを作成するんでしょうけど、でも、こういった方々というのは特に短時間で状況も変わるというようなこともあろうかと思います。1回支援プランをつくればいいという話ではなくて、随時、本当にケアしていくには見直しをしていくというようなことも必要になるんじゃないかと思うんですが、そのあたりはいかがですか。
○只野中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 支援が必要となった場合のケアについてお答えいたします。妊娠・出産・子育てトータルケア事業は、妊産婦の状況を把握し、ステージの変化や状況に応じて切れ目なく支援を行っていくものでございます。個別の相談や乳幼児健診のときなど、機会を捉えて常に状況を確認しながら、妊産婦をフォローしてまいります。
○森委員 ありがとうございます。特にハイリスクとか要支援とか一般とかって、面接なら面接の時点、アンケートが初めなんでしょうかね。アンケートを初めにして、面接。この時点で振り分けをしていくわけですけど、当然、ここに厚生委員会の資料がありますけれども、特にハイリスクから要支援、こうやって行き来するような方もいらっしゃれば、一般だったんだけれども、今回、酒井議員からダブルケアの話をさせていただきましたけれども、突然親が倒れて介護が必要になって、一般ということだったのがちょっと支援が必要になる、こういったことも、行き来をすることになろうかと思います。そういうときに、相談していいんだよと、すこやかがそういう存在なんだと思っていただけるということが必要なことなのかなというふうに思います。
10月からスタートということで、当然これも、事業が走り出してからいろんな試行錯誤をして、PDCAを回して、いい事業にしていっていただきたいんですけれども、やっぱりお母さん方の口コミってすごいので、一番初めにやってみて、ちょっといまいちだったみたいなうわさが立っちゃうのもちょっと怖いかなと思っています。1万円のギフト券がもらえるので、それがあればみんな来るのかななんて気もするんですが、面接を受ければ1万円もらえる事業というふうに区民の方に理解されちゃうと、それはそれでちょっと、制度の趣旨として違うのかなと思うので、スタートからいい事業にしていっていただきたいなというふうに思います。
もう1点、組織的なことについてお伺いをしたいんですが、これ、すこやか福祉センターが担当されているということで、地域支えあい推進室の所管になっています。なかなか子ども教育部との関係という部分でどうなのかな。例えば新しくなるメールマガジンにこういうのがちゃんと載っていくのかなというようなことも気になるわけでありますが、そういった部分については、連携の部分、どうやって取り組んでいかれるおつもりでしょうか。
○只野中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) すこやか福祉センターは、地域で妊産婦への個別的な相談支援を担当している組織でございますが、子ども教育部は全区的に一括して実施することが効率的な取り組みやセーフティーネットを担当してございます。トータルケア事業におきましても、妊娠・出産・子育て支援を切れ目なく行うため、子ども教育部との事業連携を図っており、子ども教育部が実施します子育て応援メールマガジンにおいても、トータルケア事業、ショートステイ、デイケアなどの情報を配信してまいります。
○森委員 ありがとうございます。なかなか、でも、区民の方から見ると、そこの区分けってちょっとよくわからなくて。今、基本構想、10か年計画の改定をしています。この後、また改めて組織のあり方というのもちょっと考えていかないといけないのかなというような気はしていますが、本日はそういった答弁ということで理解をしておきます。ありがとうございました。
冒頭申し上げようと思って忘れていました。少し押していて、昼に、優しい中村議員からちょっとオーバーしてもいいですよと言われたので、ちょっと10分ぐらいオーバーするかもしれません。すみません。
学校教育、教育についてお伺いをします。
まず、学校施設についてです。
小学校、中学校のPTA連合会から毎年度、施設の老朽化、改修の要望というのが出ています。多くの同僚議員が質疑をしていて、計画的に改修しているというんですが、なかなか全てに応えられていない状況であります。特別教室の冷房化なんか、お金のかかる事業も計画的に進めていただいているということは理解をするんですが、一方で、雨漏りですとか、非常扉のさびですとかというような状況が補修されずにいるというような話を聞いています。計画性というのももちろん必要なんですが、計画をスピードアップしていく、こういったことも考えるべきではないかと思いますが、いかがですか。
○浅野子ども教育部副参事、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 学校施設の改善に関しまして、小P連・中P連からの要望、これを受けまして、先ほど委員も触れられましたが、教育委員会では特別教室の冷房化ですとか、教育相談室への電話の設置など取り組んでいるところでございます。また、要望の中には個別の学校についてのものもございますので、それに対しては的確に対応しているところでございます。
一方、スピードアップについてのお話でございますが、来年度以降、第2次中野区立小中学校再編計画によりまして、学校の再編・統合校で仮校舎改修、あるいは大規模改修等が順次行われます。学校施設の改善につきましても同時に行いまして、計画のスピードアップを図り、教育環境の整備を努めていきたいというふうに考えております。
○森委員 今、統合校の話をしていただきましたけれども、統合されて、暫定利用される校舎のほうについては、直近で言えば三中が4年間使われる予定でありますけれども、これも前年度にわざわざする必要はなくて、もう1年度前倒しすれば、その期間、教育施設として使える期間というのも長くなると思うんですけど、そういったことも考えていただけることでよろしいんでしょうか。
○浅野子ども教育部副参事、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 統合対象校の仮校舎改修でございますが、一応統合実施の前年から始めるということではございませんで、校舎の状況に応じまして、適切な時期から改修を行い、統合新校として円滑に教育活動ができる環境づくりをしてまいります。既に平成29年度に統合する予定の中野神明小学校と新山小学校につきましては、新山小学校の仮校舎改修、今年度一部実施したところでございます。また、平成30年度に統合いたします第三中学校と第十中学校につきましても、第三中学校の改修、今年度からできる部分について取り組んでいく予定でございます。
○森委員 ありがとうございます。なるべくこういったものもスピードアップしてやっていっていただきたいなと思います。ありがとうございました。
それから、次、食育についてお伺いをします。
平成17年に食育基本法ができて10年がたちました。言葉としては随分定着してきたのかなと思います。食育、当然対象はもちろん全年齢でありまして、中野区内で言えばやっぱりひとり暮らしの20代、30代の方の状況とか、さっきも話がありましたけど、妊産婦さんの話とか、その辺も気になるところではあるんですが、今回はちょっと教育という観点からお伺いをしたいと思います。学校教育の中で食育、具体的にどういったことをされているんでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 学校では、保健体育や家庭科、社会科、学級活動などの各教科等を通して、総合的に指導してございます。具体的には、保健体育では、栄養の偏りのない食事や望ましい生活習慣、家庭科では、調和のとれた食事や生活の中での食事の役割、小学校社会科では、さまざまな食料生産が国民の食生活を支えていることなどでございます。
○森委員 児童・生徒の家庭への働きかけというのは何かあるんでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 例えば学校から出している給食の献立表に、季節の郷土料理や栄養について記事を載せたりしてございます。また、保護者会などで食育について話題にするなどして、保護者への情報提供や啓発を行ってございます。
○森委員 主要施策の成果(別冊)の155ページに、中学1年生のお子さん、朝食の毎日摂取している生徒の割合ということで、目標と実績が載せてあります。目標が95%、実績が91%ということでして、目標の達成は至っていないんですけれども、家庭環境が多様化、労働形態も多様化、複雑化している中で、なかなかこれ、100%を求めるというのは酷というか、多分、このくらいが限度なんじゃないかなというふうに思っています。「家族で食卓を囲む日」なんていうのもやっていますけれども、最近の食育という話を聞いていると、朝食を食べると成績がよくなるみたいな、偽科学みたいな話とか、家族と食卓をとるのがいいことだという、ちょっと栄養学に基づく科学というよりも、道徳みたいな話に偏ってきていないかなというのが気になる部分です。
そういう部分とか、食文化の継承とか、そういった話も大事なんですけれども、子どもの体の発達とかというのを考えたときに、不足しがちな栄養素というのはどういうものがあって、それをどうやって補うのがいいのかとか、化学調味料とか、添加物とか、どういうものを気をつけるべきなのかとか、そういうところを家庭とも連携して、できる範囲での実践を促していく、そういったことが必要なんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 学校には栄養等について専門的な知識を有する栄養士が配置されてございます。この栄養士を活用しながら、学校保健委員会などでは、保護者に対して栄養や食習慣の形成などの話題を取り上げ、啓発を進めてまいりたいと考えております。
○森委員 ありがとうございます。本当に科学的にやっていただきたいなというのが要望であります。
もう1点、子どもの体力向上についてお伺いをします。
さきの酒井議員の一般質問で、横断的なプロジェクトチームをつくって解消に臨んでいただきたいというお話をさせていただきました。必要に応じて教育委員会と各部との連携を行っているという御答弁でしたが、具体的には何をされているんでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 体力向上における他部署との連携については、フラッグフットボール大会を実施してございます。教育委員会と健康・スポーツ分野の職員、中野区スポーツ推進委員が協力してこの大会の運営に当たってございます。
○森委員 それは大会の話ですよね。酒井議員から申し上げたのは、ふだんから子どもたちが体を動かすのが楽しい、こういうことが感じられる環境づくりというのを求めたわけで、日常的な連携というのはちょっと不十分なのかなと思います。主要施策の成果(別冊)151ページを見ると、公園でボール投げを禁止されているなど、子どもたちが運動できる環境が整っていない。これが施策の指標の中で、外部要因として取り上げられているんですよね。公園でキャッチボールできるできないというのは区政の話なので、これを外部要因と言われちゃうとなかなか納得しがたいわけですが、子どもたちが日常的にスポーツに親しむ、体を動かす、こういう環境づくり、改めて分野を横断しての取り組みを求めたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 主要施策の成果については、所管をしている項目の中で記載しているため、外部要因の扱いとさせていただきました。子どもたちが日常的にスポーツに親しむ環境づくりについては、学校ではマラソン月間や縄跳び月間などの重点的に取り組む期間を設け、それに合わせて用具等を設置したり、鉄棒カードや縄跳びカードなどを配布したりするなど、意欲的に取り組める環境となるよう工夫しているところでございます。学校外の環境につきましては、引き続き担当部署と連携を図ってまいりたいと考えております。
○森委員 外部要因ってほかにも、生産年齢人口が減少していますねとか、子ども・子育て支援新制度が始まりましたねとか、そういう話も入っているわけで、それと公園でキャッチボールができないルールになっているというのが同じ仕分けでいいのかというのは、これは行政評価のほうの課題にもなるのかなと思います。
それで、公園の利用ルールのほうについてお伺いをしたいと思います。これは検討しているという話がずっとあるんですが、結論はいつごろ出るんでしょうか。
○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 現在もキャッチボールのできます公園は10カ所ほどございまして、今年度オープンいたしました白鷺せせらぎ公園や、今年度の完成を目指しております南部防災公園と本町五丁目公園を含め、年々増加しているところでございます。一般質問におきまして区長が御答弁いたしましたとおり、防球ネットが設置できる公園については数カ所の候補地を選定しているところでございます。また、既存の中小規模の公園でのキャッチボールやサッカーの利用につきましては、他の利用者への事故、それから、隣地・道路への飛び出しによる人的・物的な被害を及ぼす危険性があり、難しい状況にありますことから、引き続き公園でのキャッチボールやサッカーの利用のあり方、それから、仕組みづくりについて検討してまいります。
○森委員 ちっちゃい子がボール遊びをしていて、飛び出すと危ないというのはそのとおりなんですが、でも、じゃあ、禁止していて子どもたちがどうしているかって、場合によっては団地の駐車場みたいなところで子どもたちはキャッチボールしていたりするわけです。そっちのほうが危ないんじゃないかなという気もするわけです。そういった部分も含めて考えていっていただきたいなというふうに要望しておきます。ありがとうございました。
新体育館の話をお伺いします。
いろいろな議論があって、私たちも賛否を尋ねられる機会というのがふえているんですが、なかなか細かい話が決まっていない中で賛否になって、ちょっと戸惑っているところでもあります。とはいえ、こういうのができたらいいなという話とか、こうなっちゃうとちょっと難しいんじゃないかなとか、いろいろ我々なりの考えもあるので、それに従ってお伺いをしていきたいと思います。歴史的な経緯については、さきのひやま議員の一般質問で確認させていただきました。その他の部分で質疑をいたします。
まず、改めて、これまでの新体育館の検討の経緯を御説明ください。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 体育館につきましては、当初、旧第九中学校跡につくることを計画していたわけでございますが、東日本大震災の経験を踏まえまして、中野四季の都市(まち)を含む中野区役所一帯の防火拠点機能につきまして、新たな観点から拡充していくということで、オープンスペースに接した一定の規模の屋内空間を確保することによりまして防災機能の向上を図るため、区域3区有地を新体育館の建設候補地として検討してきたところでございます。
こうした中、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が決まるなど、スポーツニーズの高まりに合わせまして、懸案でございます区民スポーツへの参加を高めていくということを進めるためには、体育館とともに屋外スポーツ機能をあわせ持つことが効果的であるという考えに至りまして、これが実現できる大規模な敷地面積を持ちまして、かつ、区内から一定のアクセスのよさを兼ね備えているという部分で、平和の森公園が最適な条件を備えているということから、体育館の建設予定地として選定しているということでございます。
平和の森公園の再整備につきましては、スポーツ機能の充実を図るとともに、全体の再整備をすることによって、既存機能である防災機能や区民の憩いの場の機能、平和継承等を向上させていくということを目的としてございます。
○森委員 機能的に充実していただけるのは本当にいいと思うんですが、ただ、全部やろうとすると、やっぱり1ヘクタールのところはあけていただかないとなかなか難しいのかなと思っています。区としてこれまで働きかけをしてきて、まだあいていないということで、地元で大きいプロジェクトがあるとなると動かしやすいという面もあるのかなと思うんですが、実際のところその見込みというのはどうなっているんでしょうか。
○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) これまでも中野区は、東京都下水道局に対しまして早期の全面完成を要望してきたところでございます。今後さらに、今年度策定いたします平和の森公園の整備構想や整備計画ができました段階で、再度、東京都下水道局のほうに伺いまして、早期の整備完成に向け、働きかけを行ってまいりたいというふうに思ってございます。
○森委員 働きかけを行っていきたいということで、見込みそのものについては答えられない状態なのかなというふうに理解をいたしました。
それから、陸上トラックができるということで、これと今の広場の自由利用のところ、ここが共存できるのかというところが多分大きな区民の不安になっているんだと思います。まずお伺いをしたいのは、この陸上トラックのニーズ、どのように見ていらっしゃるんでしょうか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 現在、区内には公式記録をとることができる陸上トラックが存在せず、中学生や区民の陸上大会等が区外で実施されている、そういったような状況がございます。区といたしまして、中学校の陸上部の生徒などがよりよい環境で練習等に取り組むことができる、そういった場が必要であると考えているところでございます。
○森委員 もちろん区内にあればいいんですけど、施設というのはこれからどんどんふやしていくわけにはいかないわけでありまして、なかなかニーズがあるものを全部つくっていくというのも難しくなっていくのかなと思います。これ、利用頻度をどう考えるかってなかなか複雑で、たくさん使われるとすると、やっぱり自由利用との関係が問題になってくると思いますし、逆に、利用頻度が少ないのだったら、じゃあ、そんなつくる必要ないんじゃないのという話にもなるわけで、ちょっとここは、どう考えるかというのはそんな単純じゃないとは思うんですが、いずれにしても自由利用との共存というところを考えていかないといけないと思います。当然そうした方向で検討されていると思いますが、いかがですか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 草地広場につきましては、陸上トラックが整備されましても、引き続き自由な利用ができるような形に配慮しながら検討してまいりたいと考えているところでございます。
○森委員 まだ検討の段階ということで、具体的にどうなるかというのはこれから状況を見ていかないといけないと思っているんですが。場合によっては体育館のみ移転とか、今の外周のランニングロードというんですか、あそこをプラス、もうちょっときれいにするとかというくらいの整備という可能性も、選択肢としては考えていいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○永見健康福祉部副参事(地域スポーツ推進担当) 平和の森公園のスポーツ機能につきましては、今後、整備構想案を作成していく段階で具体的な検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○森委員 きょうの段階はそれで承っておきます。ありがとうございました。
最後、自殺対策についてお伺いをいたします。
5年前に初めて一般質問をしたときから取り上げてきました。当時はまだ自殺対策って、自殺って自己責任じゃないかみたいな議論もかなりあったところだったと思うんですが、この5年ぐらいですごく理解が進んで、社会で取り組むべき課題という認識も大分広がってきたように思います。それに合わせて予算もついて、施策も進んできて、全国的に見れば自殺者数というのは2009年ぐらいからずっと落ちてきて、3万人を切り、平成25年には2万6,000人程度まで来た。これは、この自殺の問題って、意識を持って取り組めば効果が出ると、こういうことのあらわれなんだろうというふうに思います。一方で、いまだに毎日70人の方がみずから命を絶っている状況は続いているわけでございまして、さらなる取り組みが求められているところだというふうに思います。
そこで幾つかお伺いをします。全国的には自殺者数、減少傾向でありますが、区内の状況はいかがでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 中野区でも全国同様、2009年ごろから低下傾向が始まっていると捉えております。
○森委員 数字、見させていただいているんですけど、母数が少ないので、どうしても上下しちゃうんですが、長期で見ると下がってきているというような状況なのかなというふうに思います。全国的に言っても、取り組みをしている自治体、そうでない自治体で地域間格差が開いているというようなことも言われている中で、それに合わせてというか、同じような傾向で減ってきているというようなところは評価をしたいなというふうに思っていますが、これまでどういった取り組みがされてきたんでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) これまで自殺対策としては、ゲートキーパー研修や鬱や依存症などの相談、9月と3月の自殺強化月間に合わせての講演会や啓発事業などを行ってきております。
○森委員 全国的に減っている。中野でもいろんな取り組みをしていただいて、ある程度成果が出ているところだと思うんですが、これも全国の話で言えば、なかなか若年層の自殺が減っていかないというようなことが一つ課題として挙げられています。中野も20代、30代が多い地域でありますし、これ、きょう朝いただいた保健福祉部の事業概要を見ても、やっぱり20代、30代の死因のトップが自殺という状況であります。特に30代前半、私が直接該当するんですが、17人年間で亡くなられている中で13人が自殺、こういう状況であります。こういったところが課題になってくるんじゃないかというふうに思いますが、その辺はいかがでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 自殺者は減少してはおりますが、先進国の中では依然として高い水準にあり、特に中高年に比べて若年層の自殺が減少しておりません。若者に向けた対策は重要であると認識しておりまして、講演会のテーマや大学との連携等、若者に向けた対策を現在も実施しており、これからも取り組んでまいります。
○森委員 ありがとうございます。これ、社会的な意識が高まっていく中で、いろんな情報もデータも出るようになってきました。初めは警察が地域別の統計を出すのにも相当苦労したというような話を聞いていますが、いろんなことが出てきている数字の中でわかってきて、アルコール依存の方、LGBTの方、それから自殺者の遺族の方、当然ですけど、自殺未遂の経験のある方、こういった方々がハイリスクだというようなこともわかってきております。また、この夏に大きく報道されたのは、子どもの自殺が夏休み明けに非常に多くなる、こういうような話でありました。こういった情報、データの分析が進めば、随時出てくるんだと思います。時期を捉えた対応を進めていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 情報を的確に捉えて対策を実施してまいりたいと考えております。
○森委員 ありがとうございます。9月1日の神戸新聞、神戸市教育委員会は、こうした発表、夏休み明けに自殺が多いという発表を受けて、小・中学校や高校に対し、子どもが発信するSOSを捉えて支援をする、宿題提出の取り扱いに一定配慮をすることなどを通知、兵庫県教育委員会も、県内各市町教育委員会に自殺予防への取り組みを通知で求めた、こういったような報道もありました。こういった形で適宜対応していっていただきたいと思います。
それから、これも組織との話があって、明確には自殺対策という話ではありませんが、関連する事業として、精神保健相談、こころのクリニック、あと、支給金の相談なんかもそうなんですけど、自殺対策、メンタルの問題等社会的な課題になる中、利用者がふえているのかなと思って見てみると、大体50人台から60人台で、ほぼ横ばいの状況でございます。担当として、この制度の周知、どのように行っているんでしょうか。
○松本鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 精神保健相談、いわゆるこころのクリニックは、すこやか福祉センターで行っております精神科の専門医によります個別相談であります。これについては、区報、ホームページ、チラシ等を利用して周知をしているところであります。そのほか、日々の保健師の地域保健活動や関係機関で受けました相談をこころのクリニックにつないでいるところでございますが、今後、さらに一層の周知を図っていきたいと考えております。
○森委員 ずっと経年で見ていくと、多い年もあって、そのときはやっぱり取り組みが結構多かったのかなというふうに見えます。多分、やれば成果が出る部分だというふうに思いますので、予算付けというところも含めて、今後考えていっていただきたいなというふうに思います。ありがとうございます。
もう1点、こころのクリニックはすこやか福祉センターのほうでやっていて、自殺対策という枠だと保健予防のほうでやられている。要するに、現場を見ているところと全体の政策を考えているところが別の部署という形になっているわけです。現場を理解した上での施策展開というのが必要なんじゃないかというふうに思うんですが、その辺の連携というのはどうなっているんでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) すこやか福祉センターと保健予防分野は、定期的に精神保健についての連絡会を持つなど、日ごろから連携に努めております。これからも連携して自殺予防に取り組んでまいりたいと考えております。
○森委員 時間がないのか、シンプルな御答弁で、ありがとうございます。連携してやっていっていただきたいというふうに思います。
以上で私の質問を全て終わります。ありがとうございました。
○若林委員長 以上で森たかゆき委員の質疑を終了します。
次に、高橋かずちか委員、質疑をどうぞ。
○高橋(か)委員 27年第3回定例会の決算特別委員会総括質疑におきまして、自民党の立場で質疑をさせていただきます。
まず初めに、中身については通告のとおりでございます。また、その他はございません。なお、2と3と4の項目は建てかえに関連する項目ではありますけれども、時間の関係がありますので、3番、4番については最後に回しまして、その扱いについては進行に従って決めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、まず初めに、26年度決算についてお聞きしたいと思います。
財政指標、財政白書からの質問をさせていただきます。まず、指標の中での実質収支比率についてお聞きします。平成25年18億円、平成26年は44億円ということで、大幅に上昇していると。この歳入増の理由云々というところがもう話に出てきておりますけれども、この大幅な増の理由というのが、歳入の大幅な増だけか、多額な不用額があったのかどうか、その辺はいかがでしょうか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 実質収支比率の増加した主な理由でございます。普通会計決算におきます歳入総額から歳出総額、これを差し引きました形式収支につきましては、平成25年度は28億9,100万円余、平成26年度は49億4,700万円余と、20億5,500万円余の増となってございます。こちらは歳出総額が13.3%の増であったのに対しまして、歳入総額の増が14.7%と、歳入の増加率が歳出の増加率を上回ったということでございます。また、翌年度へ繰り越す財源につきましては、対前年度比で5億2,700万円余の減となったことによりまして、実質収支額、こちらにつきましては25億8,200万円余の増の44億600万円余という結果でございます。これらの結果、実質収支比率が大幅に上昇したというものでございます。
○高橋(か)委員 実質収支比率の数字については、3から5%ぐらいが適正範囲というような話も聞いたことがございますけれども、一般的な適正範囲、これは今、この現状を踏まえた上で、どうお考えでしょうか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 財政運営上どの程度実質収支が適度であるかにつきましては、各地方公共団体の財政規模等により異なるということでございますけれども、おおむね3から5%が適度であるというふうに言われているところでございます。
○高橋(か)委員 その適正規模よりも大きな形で率が出ているということですけれども、こうした場合、財政運営上、適宜こうした状況を把握しながら、補正予算による財源の活用であったりとか、新たな課題への対応だったり、あるいは次年度以降の財政運営のための積み立てを行うとか、基金の積み立てとか、区債の繰上償還とか、そういう必要な措置をとることが大切だと思うんですけれども、その辺はどのようにお考えでしょうか。
○黒田政策室副参事(予算担当) 実質収支で出ました剰余金の扱いということであるかと思います。剰余金につきましては、年度間調整分として財政調整基金に積み立て、翌年度以降のやむを得ず不足する財源について対応しているところでございます。補正予算の財源の活用の例ということでございますが、国や都による年度途中に創設された補助事業など、当初予算では対応できないものの財源というようなことをしております。また、剰余金の積み立てでございますが、一般財源が減少した際にも、社会保障にかかわるサービスや新たなニーズに着実に対応するために、一定程度の財政調整基金の積み立ての措置が必要だというふうに考えております。
○高橋(か)委員 繰り返しになっちゃうといけないんですけども、そうしますと、26年度については大幅に、44億円という形の数字で出ていますけれども、この26年度決算においては、途中からも適正にきちっと処理をしてきた、適正に対応してきたということでよろしいんですか、もう一度確認を。
○黒田政策室副参事(予算担当) 26年度途中も、予算の財源でありますとか、そういったことをしてまいりました。結果的には財調基金を繰り入れることなく、さまざまな基金を積み立てるというような状況になったところでございます。
○高橋(か)委員 機動的に対応していただいたということで承っておきます。
次に、経常収支比率について伺います。せんだっての総括説明の中で、26年度85.1%ということで、歳入による改善があったと。しかし、まだ高い水準。この理由として、公共用地の先行取得等の事業費、要は、土地の取得に係る事業費を経常経費に上げなきゃいけないということでの統計上の話という話があったんですけども、ちょっと伺いたいんですけども、一般的な経常収支比率の適正範囲が70%から80%ということにされているようですけれども、今申し上げた特殊要因を差っ引いた場合の数字というのはどの程度の数字になるのでしょうか。また、23区比較としてどうなるのか、ちょっとお示しをいただきたいと思います。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 経常収支比率でございますけれども、先ほど委員からのお話がございましたとおり、普通会計上のルールということで85.1%と高い数字になってございますけれども、公共用地先行取得事業債、これの償還分の公債費を臨時的経費というふうに計算をし直した経常収支比率につきましては78.7%でございます。こちら、23区平均が80.7%でございますので、それを結果は下回っていると。適正範囲である70%から80%の範囲内というふうに認識をしてございます。
○高橋(か)委員 そうしますと、いわゆる差っ引いた数字ということを、財政の指標を判断する上で基準にしていいと。いわゆる統計上のあくまで話であって、トリックではないということでよろしいんですか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) そのとおりで認識してございます。
○高橋(か)委員 続いて、歳出について一つお聞きします。社会保障関係費として、扶助費、また繰出金、生活保護費や児童福祉費などの扶助費と同時に、一般会計からの国保や介護保険、また、後期高齢者医療保険事業などの会計への繰出金という、合わせた社会保障関係費ですけれども、扶助費全体で6.2%増、繰出金は5.6%増というふうになっております。こうした社会保障関係費の近年の推移というのはどのようになっているんでしょうか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 社会保障関係経費につきましては、まず、扶助費についてでございますけれども、過去5年間の平均、これが平均7.8%の伸びとなってございます。平成26年度決算額を仮に平成22年度の決算額、これと比較をさせていただきますと、53億4,200万円余の増となってございます。また、国民健康保険事業等の繰出金でございますけれども、こちらは過去5年間の平均で2.8%の伸びでございまして、こちらも平成22年度と平成26年度の決算を比較いたしますと、3億7,400万円余の増となっているところでございます。扶助費、繰出金、いわゆる社会保障関係経費については、今後も増加傾向であるというふうには考えているところでございます。
○高橋(か)委員 ありがとうございました。今、最後にちょっと触れられましたけれども、地域の実体経済がなかなか、まだ不安を払拭し切れないという中で、今後は少子・高齢化のさらなる進展だったり、介護・医療費の増大、また、子育て支援、こういうことを考えてきたときに、対象者の適正な判断、あるいは受益者負担の考え方とか、福祉施策の重要性というのは当然十分に認識した上での話ですけれども、既存の福祉施策のあり方を総点検しなきゃいけない。要は、無駄があっちゃいけないし、不正もあってもいけないですし、そうしたことは財政を維持する上で非常に重要だというふうに考えているんですけど、この辺どうお考えでしょうか。
○黒田政策室副参事(予算担当) 社会保障費の増額というようなことでの対応ということの御質問だと思います。国は高齢者の介護予防や子ども・子育て支援の新制度などを打ち出す中で、社会保障の増加の対策としまして、地方消費税の交付金を増額するということをやっております。そういった中で財源を確保する方針を出しているわけでございます。こういった動きに連動しながら、区の社会保障に係る経費の確保も必要となるというふうに考えております。こういったことから、将来の社会保障費の増加に対応するためにも、基準となる一般財源につきましては、財務比率を通しまして財政運営を進めたいというふうに考えております。
○高橋(か)委員 ありがとうございました。
あと一つ、今定例会で自民党が地方税財源の拡充に関する意見書ということを提出いたします予定で、この地方法人課税の区政への影響ということについてお聞きする予定でしたけれども、昨日、同僚議員から質疑がされましたので、省略をさせていただきたいと思います。
決算については以上にとどめさせていただきまして、次に、2番目の建てかえ促進策についてお聞きをいたします。
建てかえ促進策、平成26年の第2定例会一般質問において、東京都の都市計画マスタープラン及び3方針の見直しということを申し上げました。その問いに対しまして、都市計画制度を活用した老朽マンションの建てかえ、木密10年プロジェクトとそれに連携した建築物の共同化推進、大和町中央通り特定整備路線の整備に合わせた沿道の用途地域等の機動的な見直し等による建てかえ促進、このような建てかえ促進に係る項目を挙げていただいたんですけれども、これらのうち、中野区内で具体的に実現したものはあるのでしょうか、伺います。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 実際実現したものといたしましては、不燃化特区内における老朽建築物の建てかえ支援の要綱を整備したことでございます。共同化ではございませんでしたが、具体的に建てかえが行われた事例もございました。それから、現在進行中ではございますけれども、特定整備路線の整備に合わせた沿道の用途地域等の機動的な見直しにつきましても、現在、東京都などと調整中でございます。
○高橋(か)委員 まちの防災性向上に資する建てかえ促進について、有効かつ現実的な方法、ルールづくり、こうしたことを東京都と協議を重ねていきたいということでしたけれども、こうした東京都との協議はどのように進展しているのでしょうか。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 具体的な場所におけます具体的な建てかえの方法などにつきまして、東京都と協議を行っておりますが、まだ具体化には至っていないという状況でございます。
○高橋(か)委員 現在、中野区内で2カ所取り組まれている不燃化特区の区域であったり、不燃化促進事業では、建てかえの一層促進によって、まちの安全、快適性を高めるというのは当然だとしましても、区内ではそれ以外の地域でも木密地域が大変たくさん広がっていますし、これらにおいても老朽化した木造住宅の建てかえを促進する必要があると考えています。だから、建てかえ促進を位置付けているんですけれども、特定の区域以外での建てかえ促進策について、区としてお考えがあればお聞きしたいんですが。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 区内の多くの部分を占めます木造住宅密集地域におけます建てかえの方向性ですとか、建てかえの促進策につきましては、今後取りまとめいたしたいと考えております。
○高橋(か)委員 伺ってみると、大きな東京都からのプロジェクトであったり、面開発であったり、そうした面的な整備の中で建てかえ促進が進んでいくというところがあって、実際の私どもの生活の中での老朽化したものであったり、防災上危険なところ──危険という言い方はあれですが、都市基盤上脆弱であるようなところが建てかえ促進につながっていくというところが、まだ区民目線では見えてこないと思うんですけども。必要性がうたわれている中で、現実問題、今申し上げたように、なかなか見込めないという中で、やはり容積を例えば乗せてフルに活用しても、具体的には市場原理でなかなか容積を使い切れないであったりとか、そうした現実の問題もあると思うんですね。そうした中で、今後、3番、4番にうたっているんですけども、新しい社会情勢を踏まえての新たな考え方であったり、都市づくりのもっとマスタープラン的なところからの建てかえ方針というか、中野のモデルをつくっていかなければいけないんじゃないかというようなストーリー展開をしていきたいと思っております。その先の3と4については、また後日か、ちょっときょうの時間の様子を見て、改めてお聞きしたいと思います。ありがとうございました。
それでは、5番として挙げております温暖化対策についてお聞きします。
中野区においても基本構想及び10か年計画の改定が進んで、また、中野区環境基本計画の改定も並行して進められていくということだと思いますが、さきの同僚、加藤たくま議員の質疑に対して環境部長もお答えされていましたけれども、改めて、区の新たなCO2削減目標、また、その目標設定やその後の展開について、簡潔にお話をお願いしたいと思います。
○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) お尋ねの区の削減目標の設定につきましては、23年3月にございました大震災、原子力発電所の事故以来、電気のCO2の排出係数が大きく増加している状況がございます。こうしたことから、区民、事業者の努力が見えにくいという状況がございます。
こうした中で、これまで削減目標としてまいりましたCO2の排出量、これに加えまして、区民や事業者の省エネ、節電努力の成果が明確な数値としてあらわれるエネルギー消費量による目標設定を検討しているところでございます。その数値目標につきましては、まず、国がCO2削減につきましては、ことし7月に、温室効果ガス全体の目標でございますが、平成42年度には25年度比で26%減という目標を示してございますので、これを踏まえてまいります。
また、CO2削減目標の前提となるのがエネルギー消費量ということでございますが、これにつきましては、同じく平成42年度には25年度比で9.7%程度削減をする見通しを示してございますので、こうしたことも踏まえて検討を進めているところでございます。
今後の地球温暖化対策の展開といたしましては、こうした動きをきちっと踏まえて、現在、10か年計画や中野区環境基本計画の改定で検討を進めてございまして、低炭素なまちづくりなどを盛り込むことを検討しているという状況でございます。
○高橋(か)委員 ありがとうございました。
では、ちょっとこれからは緑化に関連することについて伺っていきたいと思います。カーボンオフセット事業について。区では温暖化対策事業として、26年度からカーボンオフセット事業ということで、里・まち連携のみなかみ町において、植林ですけれども、行っております。この群馬県みなかみ町における緑化について、その実績や今後の経費の見込みについて教えてください。
○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 区は平成26年の4月に、なかの里・まち連携自治体でございます群馬県みなかみ町及び土地の所有者と5年間の協定を締結してございます。これにより、牧場跡地でございますが、約15ヘクタールに「中野の森」、これを設けまして、5年間で約3万本の植林を行う予定といたしました。平成26年度でございますが、約3ヘクタールに6,000本の植林を行ったところでございます。
また、これに関連しまして、26年の7月から、区民や事業者の皆様が「中野の森」支援ということで地球温暖化の防止に貢献していただけるよう、環境基金への寄附募集も開始してございます。平成26年度は58件、17万円の御寄附をいただいてございます。この寄附分につきましては、27年度に上乗せをいたしまして、6,200本の植林を行ったところでございます。
これによりますCO2の吸収量でございますけれども、平成26年度の植林の際、群馬県から森林整備による吸収量、26年度は9.1トン、5年間では136.5トンの計画認証を受けたところでございます。
それから、お尋ねの総経費の見込みでございますが、5年間にかかる総経費は4,200万円程度を見込んでございます。
○高橋(か)委員 そうした活動ですけども、いわゆる区民への周知であったり、あるいは実績の広報であったり、その辺はきっちりやっていらっしゃるんですかね。確認ですけども。
○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) こうしたことにつきましては、逐次、区のホームページあるいは区報等でお知らせをしているところでございます。
○高橋(か)委員 里・まち連携、たしか五つの自治体ですか。里・まち連携のメーン事業としてこのカーボンオフセットがたしか位置付けられていると記憶していますけれども、ほかの連携自治体との間はどのように展開しているんでしょうか。
○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) これは里・まち連携の3本の柱でございます、人の交流、経済の交流、そして環境の交流ということがございますが、その3本柱の一つでございます。里・まち連携自治体は5自治体ございますが、現在こういった形で進めておりますのは、みなかみ町、それから喜多方市でございます。喜多方市につきましては、ことしの7月に5年間の協定を締結してございまして、喜多方市の進めております喜多方市森林整備加速化プロジェクト、これによります間伐等の森林整備を支援ということで、間伐した森林のCO2吸収箇所分のオフセット・クレジット(J-VER)を購入することといたしまして、今年度につきましては、CO2吸収箇所50トン分を購入したというところでございます。
今後につきましては、現時点ではみなかみ町、喜多方市以外との新たなカーボンオフセットにつきましては、現時点では予定はございませんけれども、今後、環境交流あるいは地区間連携のあり方等も含めまして、それぞれの自治体の意向や状況も踏まえて検討してまいります。
○高橋(か)委員 それでは、区内の緑化推進について伺います。区は、区外だけじゃなく、区内にも緑化推進の行政ということで考えていらっしゃると思うんですけれども、中野区の花と緑の祭典、こうした区内の緑化推進事業の近年の実績、また、今後の取り組み方針について手短にお願いいたします。
○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 花と緑の祭典につきましては、25年度で申し上げますと、2日間、春秋4日間開催してございまして、延べ1万2,450人に来ていただいてございます。また、その際、苗木の配布を700本、年間で行ってございます。26年度につきましては、同じく春秋開催4日間いたしまして、延べ1万7,338人の御来場をいただいてございます。この際の苗木の配布でございますが、前年度同様、まず、東京都から供給されたもの計700本の配布をしてございますが、これとは別に新規で、区で購入をいたしましたものを同じく700本、これを新たに配布いたしまして、その結果、25年度の2倍、合計1,400本を配布したところでございます。
○高橋(か)委員 私の委員会の質疑でもカーボンオフセットのお話を伺ったりしている中で、緑化を積極的に区内でもしっかり進めていくのかと、こういうような話の中で、区が果たすべき役割は、まず区内のCO2削減であり、区内の緑化であると。今後、区内の緑化推進は、温暖化分野のきちっとしたメーンとして取り組んでいくという、こういうお話を伺っておるんですけれども。こうしたことを踏まえて、今後の区内緑化の推進事業、これをどのように展開していくのか、また同時に、財源も当然くっついてくるわけで、現在の主な財源はどこから持ってくるのか、その辺をちょっと教えてください。
○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 区では中野区みどりの基本計画といったものを定めまして、区内におきまして、公園整備などの公共緑化を推進するとともに、身近な緑につきましては、条例に基づく建物の建築時におけます緑化計画書制度による指導を行い、また、樹木や樹林等の保護指定も行ってございます。また、御紹介の花と緑の祭典の開催ですとか、苗木の無料配布などを行いまして、身近な緑の保護・育成に努めまして、緑化政策を推進してございます。近時の充実の例といたしましては、苗木の無料配布の倍増のほか、保護樹木等の管理、経費の助成、この充実を図ったところでございます。今後も身近な緑の育成に総合的に取り組んでまいります。
○高橋(か)委員 もう一度、財源について。
○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 失礼いたしました。緑化推進事業の主な財源でございますが、中野区環境基金からの繰入金でございます。
○高橋(か)委員 今おっしゃった財源ですけれども、中野区環境基金、これは積み立てとかはどのように進めているんですか。
○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 平成26年度で申し上げますと、2,600万円ほどの積み立てを行ってございます。この内訳でございますが、中野区温暖化対策推進オフィスの貸し付けによります賃料が1,800万円余、それから、区民の皆様からいただきました寄附が116万余でございまして、残りが一般財源という状況でございます。
○高橋(か)委員 わかりました。
それでは、今度は区有施設の緑化推進について伺います。今、こうして区内での緑化推進が重要だというお話がありましたけれども、身近なところでは小・中学校の緑化とか、そういうものをよく耳にし、目にしますけれども、区立小・中学校の屋上や壁面緑化、この状況は今どのようになっているでしょうか。
○浅野子ども教育部副参事、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 区立小・中学校では、塔山小学校、北原小学校、第二中学校、中野中学校で屋上緑化を行っております。また、壁面緑化は全部の小・中学校で行っております。
○高橋(か)委員 屋上を実施していないところというのは、構造の問題であったり、物理的な問題というのもあるんですか。その辺の理由はどういうのでしょうか。
○浅野子ども教育部副参事、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 今御指摘のように、屋上にいろんな機械類を置いてある学校がかなりありますので、なかなか全ての学校にという形ではまいりません。
○高橋(か)委員 区が率先して区内での緑化を進めていかなきゃいけないというのは当然あると思いますので、今後、区の施設、そうした構造であったり、付設物の関係で、既存のやつがやるのが難しいということであるのであれば、今後、施設を新たに建設する場合なんかは、ぜひ屋上緑化など、その辺を最初からきちっと計画を入れて進めていくように、これは要望として申し上げておきたいと思います。
続いて、区営住宅、この屋上緑化という件なんですけど、私の地元の江原町にも区営住宅が幾つかありまして、その住民からも屋上緑化できないの、というような話をいただいているところであります。居住者が屋上に入れるようにして緑化、これは区民の緑化意識の向上、環境部も目指しているところですし、あるいは昨今の猛暑対策にもなると考えますので、あわせて、屋上緑化だけじゃなくて、敷地の中の緑化の充実と、こういうものも含めて、ぜひ前向きな検討を要望として挙げておきますので、御検討をお願いいたします。
それでは次に、区の道路工事等におけるエコセメントの利用について伺います。中野が進める基盤整備とか都市施設整備において、CO2排出を抑制するエコセメント、これを、要は石灰石の一部を、いわゆるごみですね。ごみで変えてつくるということで、その分のCO2削減に寄与するということで、1トン当たり130グラムのCO2削減が可能というふうになっておりますけれども、こうした二次製品、これを用いたコンクリートなどの二次製品などは、都の建設リサイクルガイドプランであったり、環境物品等の調達方針の中で、優先的に調達する品目に指定されているようであります。産廃処理に伴う副産物の有効利用を図る品目に位置付けられていることなんですけども、これは家庭ごみ、あるいは都市ごみの焼却灰でつくるということになるので、コンクリート製品、生コンになったときに、インフラに活用されることで、資源の循環化ということにも寄与すると思うんですが。
ここでお聞きしたいんですが、区の実施するインフラ整備、例えば道路工事、側溝とかU字溝だと思いますが、あるいは今後進めていくべき電柱の地中化に伴うコンクリート部材、それから、まちづくりなどでの都市基盤施設など、こうしたもののところにエコセメントを活用するということはどうなんでしょうか。率先して取り組むべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) エコセメントの区における利用でございますが、今後の環境審議会の答申でありますとか、あるいは環境基本計画で示される内容、これを踏まえまして、エコセメントの利用をはじめ、大規模事業者としての区の環境配慮を具体的に検討すべきと考えております。
○高橋(か)委員 ありがとうございました。結構でございます。
次に、にぎわい・都市観光施策について伺います。
公民協働による都市観光情報発信事業について、平成26年度決算説明書によりますと、公民協働による都市観光情報発信事業負担金345万4,000円と出ておりますけれども、3年間の協定ということでしたけれども、これは当初3年で1,000万というような話も聞いていたと記憶しておりますけれども、このコストはどうだったんでしょうか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 都市観光情報発信事業の負担金につきましては、初年度の平成24年度は予算額550万、決算額としては約532万円でございます。平成25年度は180万円、平成26年度は約345万円と、この2カ年は予算どおりの決算をしてございます。
○高橋(か)委員 来年度から新たに展開するということで、また新たに公募をしたということなんですけれども。ちょっとお聞きしたいんですけども、新たな3年についての公募について、選定方法であったり、選定メンバーはどういう形だったのか。例えば学識経験者を入れたとか、外部の有識者を入れたとか、その辺をどのように進めたのか教えてください。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 公募につきましては、区のホームページに公募期間と公募要領を上げまして公募を募ってございます。選定方法は企画提案方式。選定委員会を組織してございます。外部の学識経験者や有識者は入ってございませんが、我々都市政策推進室だけでなく、ホームページやシステム、観光関係にかかわる担当といった庁内の各専門部署からメンバーを選び、委員会を組織してございます。
○高橋(か)委員 外部の有識者はなかったけれども、区内の有識者で選定をしたと、そういうことですね。
お聞きしますけれども、公募に当たって、区内の事業者、可能性のある事業者なり、活動しているところへの声かけというのはどのように行ったんでしょうか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) ホームページにより公募を行いまして、広くお呼びかけしております。区内事業者についても情報を得ることができ、応募の機会は区内・区外かかわらずあったというふうに認識してございます。
地域の事業者、地域の方々とのかかわり合いなんですけれども、どれだけ多くの地域の情報を発信できるかというのが都市観光のホームページの閲覧件数に直結してくるというふうに思ってございます。地域の方々、事業者の方々の御協力は重要であるというふうに思っていまして、今後、協力や連携を努めていきたいと思っています。
○高橋(か)委員 そうなんですけど、平成25年の予算特別委員会でも、私、最初の3年間を立ち上げるときに、何で地元を使わないんだという話を質疑したんですよ。そのときの私の話も、答弁も、地域の経済団体、そうした知見を生かして今後も連携していくという話で。前回はそういう、公募ですから、もちろん、オープンなんですけれども、オープンとはいいながらも、私は、まず、地元でそういう活動をしているところにきちっと、ふだんからお付き合いしているわけだから、話をして、そして、参加意欲を募って、そして、ほかとも一緒に公正な、オープンな形で、プロポーザルなのか、企画提案方式なのか、コンペなのか、よくわかりませんけども、そういうのをやるべきだということで、25年の予特で申し上げているんですよね。
今回、3年終わって、また新たな3年だと。その3年のきちっとした検証は、多分実績として報告をされているんでしょうけども、でも、100%そこの外部の、いわゆるプロというか、ところでやらないにしても、何で区の業者さんを、区で活動している、そういう経済、あるいは観光、あるいはウエブでやっているようなところを使わないのかなと。少なくともオープンで公募する前に、きちっと声をかけるべきじゃないかなというふうに思うんですよね。隣には、区内の産業振興を担当する人たちがいるわけでしょう。その隣には、創業支援をするチームもあるわけでしょう。だったら、やるときにそういうので、ちゃんと横の串刺しをして、きちっとやれば、中野の産業をやる人たちの育成にもなるし、なおかつ、中野に住んでいたり、そこで事業を展開している人たちであれば、様子を目の当たりにして、ウエブでやるイベントの一つひとつ、その人たちが絡んでいるのであれば、本当にその広報の仕方であったり、PDCAがきちっと回るんじゃないかと思うんですよね。それを25年のときに申し上げて、今後きちっと地域の経済団体とやっていくと言っていて、例えば中野に商店街の人たちがいるじゃないですか。そういう人たちがウエブをやったり、新しい情報であったり、いろんな日本中のネットワークを持っているわけですよ。あるいは、観光協会はまた独自の活動もしているし、区内にはケーブルテレビのすごいオーソリティーもあるわけで。そういう人たちをあなたがたきつけて、新しいプロジェクトとして育成をする。そして、きちっとPDCAを回す。そういう形をとらないといかんと思うんですけど、その辺どうですかね。また3年前に言った、今度は何か少し変わるのかなと思ったら、また同じような形でやって。公募がいけないと言っているんじゃないですよ。だけど、きちっとそういう工夫もしなきゃいかんのじゃないかなと思っているんですけど、その辺どうでしょうか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 公民協働の情報発信につきましては、ホームページや、その後の効果促進事業ということで、ホームページの最新性だとか、システムの運用性なども重視しているところもございます。ただ、地域の事業者の方々との連携というのは大変重要だと思っています。新年度の協定の中でも、地域の方々との活動や情報発信ということは、特に気をつけて今後やっていきたいと思っています。
○高橋(か)委員 都市政策推進室にそうした中野の活性化と区のチャンネルがつながるポジションがいっぱいあるわけですから、今後はぜひ、常にその辺を目線に置きながら、新しい事業展開であったり、今の事業推進を進めていってほしいと思います。これは要望にしておきます。
次に、にぎわいイベントについて伺います。にぎわいフェスタについて、今回7回目ということでありますけれども、区の助成というか、試験的なサポートがどのように推移してきたのか、簡潔に教えてください。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 中野にぎわいフェスタにつきましては、実行委員会の統括のもと、会場ごとに企画運営される個別イベントの集合体として開催されております。区は、この実行委員会が行う全体運営や全体広報に支援しておりまして、平成26年度は200万円を補助しているところです。
主催方式としましては、平成21年度は、第1回につきましては区が主催してございます。22年度の2回目から25年度の5回目までは、区と実行委員会によるダブル主催というか、そういう形で実施しております。26年度につきましては実行委員会が主催となり、後方に回り、補助金を実行委員会に対し補助しております。
区の支出につきましては、初年度約1,100万円支出しておりまして、2回目以降のダブル主催につきましては、約200万円から225万円の間で推移してございます。
○高橋(か)委員 ちょっとここでお聞きしたいんですけども、ことしやる四季の森公園、ある意味一つの中野のメーンステージであって、メーンプロジェクトだと思うんですよね。商店街、南口、サンプラ前、それぞれあると思うんですけど。ここの四季の森公園については、ことし、いつも参加をしていた区内の参加団体が、出店料が高くて、残念ながら撤退するというような話を幾つか耳にしたんですよ。そうすると、せっかく今まで、企業なら別にいいけども、地元の区民の人たちが参加して、一緒にそれこそにぎわいフェスティバルをやろうとしている中で、それはちょっと悲しいことだなと思ったときに、もともと区が立ち上げたイベントなので、何とかサポートする、補助する形というのはないんですか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 中野にぎわいフェスタにつきましては、各個別イベントの集合体で、商店街が主体となって行っている個別イベント、四季の森もそういうものだったんですけど、知恵を絞って補助金を獲得して実施しているという特徴がございます。毎年の区からの全体に対する補助金のほかに、区としては個別イベントに対してこのような、具体的に言うと、新・元気を出せ!商店街事業などの補助金の誘導や、補助要件を満たしていなかった場合、その場合は、四季の森もそうだったんですけども、補助金が入らないという状況になる場合は、その条件整備のサポート、協力をしてございます。そのようなサポートを行って、イベントの今後の計画実施を行うことが重要だと考えてございます。
○高橋(か)委員 要は、区が補助金を出すとなると、公平に出さなきゃいけないと。そうすると、ここの地区に、出店料が高くなるんじゃあれだからどんと出すというわけに多分いかないと思うんですよ。そうすると、倍額出したとしても、パンフレットの作成費とか、薄く広がる形でしか出せないと思うんだけども、ただ、現実問題としては、四季の森公園は、いわゆる東京都の大きな商店街の振興資金で元気を出せ!が出てこないとなると、その分、収入がなくなった分、当然、出店料にかかわってくるということで高くなったと思うんですよね。だから、そういうのであれば、区が、東京都の商店街補助金が四季の森にもおりるように、例えば、ほかはみんな商店街だから、商店街資金が出ているんでしょうけども、早稲田通りだか、何かストーリーをつくって、商店街の位置付けにする手助けをするとか、そんな形でね。とにかく今は何とかやっているんでしょうけど、例えばどんどん実行委員会の人たちも人がかわってきたときに、じゃあ、収支合わないなら無理だねという話になったときに、にぎわいフェスタが急にしぼんでいっちゃいけないので、その辺はきちっとサポートをしてもらえるように、ぜひこれは再度要望しておきます。
それと、通告していないんですけど、東北復興大祭典ね。25年3月には大内議員が、26年3月にはいでい議員が、中野区の人たちにもっと広めて、中野区民の祭りにしていかなきゃだめだよという話の質疑を総括でされたんですよ。それで、ことしのパンフレットを見ると、協賛企業に中野の企業が随分出てきていて、これはまた変わってきたな、違う、新しい段階を迎えたなと思ったんですよ。そうすると、高橋ちあき議員も質疑をやっぱり予特でしているんですけど、担当部局を今までの──今の部局がだめということじゃないですよ。もっと発展的にいく形でやらないといけないんじゃないのかな。さっきから言っているように、隣には商店街を担当しているチームもあれば、いわゆる企業、中野の経済団体を所管というか、担当するというのがあるわけだから、そうした形で協賛を募る、あるいは動員する、参加をさせる、そういう形でやっぱり考えてもらいたいなというふうに、答えられないので、要望にしておきます。
続いて、都市観光ビジョンについて。ちょっと手短にします。都市観光ビジョンの中で、都市観光推進協議会というのが必須の条件であるというのがビジョンにうたわれていました。交流会を進めながらしてきたということなんですけども、実際にはこの協議会は開かれていないんですよね。その辺についてどうお考えでしょうか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 都市観光推進事業者交流会につきましては、区内の企業、団体等を中心としまして、都市観光の推進をしていくという趣旨のもと、平成24年度末になりますが、交流会が発足したところです。平成24年度、25年度実施しまして、平成26年度につきましては、グローバル戦略推進協議会が発足しまして、中野の観光に関するものもここで議論されることになり、議論の集中ということも考えまして、交流会は25年度で終了してございます。
産学公連携につきましては、26年度の取り組みとしましては、なかのまちめぐり博覧会の実施に係る実行委員会というものがございます。委員としましては、区商連や企業や大学といった、先ほどの交流会と同じメンバーの方も多く参加しております。1年間で全4回会合を持ちまして、博覧会実施や都市観光について情報交換をしたところです。
○高橋(か)委員 グローバルの立ち上げ、私も自民党議員団の皆さんと一緒に参加をさせてもらいました。すばらしいことだし、これは特区にも絡んでくる話で、その3本の柱の中に観光というのも位置付けているというのは聞いております。ただ、そうはいっても、やはり特区でやったり、グローバルというのがメーンに出てきて、私がなぜ協議会をと言うかというと、やっぱり平場の、都市観光あるいはにぎわいであったり、この中野の地域の活動をしている現場の人たちと、それを誘導する区の行政の人たちや関係の団体の人たちが一堂に会して、平場のところでいろんな中野の活性化であったり、にぎわいであったりを語って、新しい形にしていく、あるいは、やったことについての検証をするというのが大事かなと思っていて。実行委員会があって、メンバーがダブるとおっしゃるけども、実行委員会はあくまでもそこの完結した実行委員会であって、それはそこの話題で多分終始しちゃうというかね。やっぱり中野のにぎわいづくり、都市観光ということで、観光にかかわる交流をきちっと協議会に格上げして、そして、中野の都市観光について、そういう民の英知をしっかりといただくというスタイルをとったほうがいいと思うんですけども、その辺どうでしょう。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 交流会の趣旨でございます。区内の企業、団体を中心としまして都市観光を推進していこう、議論していこうという考え方に変わりはございません。都市観光にかかわる関係者の皆様と議論の場の設定を行い、今後の方向性に係る議論を進めることによって、さまざまな施策ということが見えてくるというふうに思っています。また、関係者間の連携強化が進むことで、政策推進の機運が醸成されていくというふうに考えています。都市観光推進協議会の設立のタイミングにつきましては、グローバル戦略推進協議会の議論の進展を見つつ、図っていきたいというふうに考えています。
○高橋(か)委員 ぜひお願いをいたします。
それでは、次の項に移らせていただきます。中野駅周辺まちづくりについて。
ここについては、1期整備、そして、今、2期の南北自由通路という形で、中野通りとJRとで分断されている四つのブロックがだんだんつながっていくという中で、一つお聞きしたいことがあるんですけれども。グランドデザインVer.3には、ユニバーサルデザインの重要性が強く何度も、いろんなところでうたわれているんですけれども、例えば駅から中野二丁目地区へのアクセスであったり、囲町へのアクセス、動線に関して、駅からダイレクトに、バリアフリーで入っていくというのは当たり前なんですけども、ダイレクトにつながっていない。要は、すごい雨が降っちゃったら濡れちゃうという、その辺のことを何とかもうちょっと改善できないのかというところなんですけど、その辺はどうでしょうか。
○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) ユニバーサルデザインに配慮した歩行者動線、空間の確保といったものは、中野駅周辺地区整備に当たっての動線計画の基本となっておりまして、具体的な施設計画整備に当たっては、この方針に基づき実施していくものとなります。雨に濡れずにアクセスできる歩行者動線の確保、これにつきましても、今後の具体的な施設の計画整備の中で、可能な限り実現していきたいというふうに考えてございます。
○高橋(か)委員 過去、平成26年の第2回定例会で、一般質問で私、申し上げたんですけど、三丁目と二丁目の動線とか、あるいは将来は五丁目、二丁目の動線、要はJRを介してのことになると思うんです。影響してくると思うんですけども、そうした動線を確保すべきじゃないかということなんですよね。JRは、南北通路、駅ビル、橋上駅舎というところで、常に協定を結んで進めているということなので、そういう日ごろのつながりの中でしっかりと対応して、きっちりとしたユニバーサルデザインにつながっていく動きをしてほしいと思うんですよ。今言った話については、区長からも前向きな答弁をいただいていまして、それをぜひ具現化すべく努力していただきたいんですけど、その辺はどうでしょうか。
○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 中野駅周辺グランドデザインVer.3、まちづくりグランドデザインVer.3及び中野駅地区整備基本計画では、二丁目と五丁目、これをつなぐ中野駅の東側南北通路、こういったものを構想してございます。当然この動線の確保につきましても、今後の実現に向けて、JR、東京都と調整してまいりたいと考えております。これらの協議につきましても、密に協議・調整の場を設けることで、今後のアクセス動線の確保など、区のまちづくりへの協力を得てまいりたいと考えてございます。
また、JRとの協議・調整につきましては、現在進行中の事業であります中野駅地区第2期整備、現在はそれに関するものが中心となってございます。ただ、区としては、中野二、三、四、五丁目、それぞれを結ぶ4本の連絡路につきましては、重要なネットワークであると認識しておりまして、今後とも継続して、駅を起点とする回遊性の確保に関する協議・調整につきましては進めてまいりたいと考えてございます。
○高橋(か)委員 とにかくまちが、開発が終わった後利用されるかどうかというのは、そこにかかっていると思うので、ぜひしっかりと進めていただきたいと思うんですけども。今申し上げた回遊性確保というのが非常に重要であるということで、今後の駅を起点とした周辺のまちづくりに、駅との動線であったり、4方向へのいわゆるユニバーサルデザインのアクセスであったり、それをきちっと、最重要与条件というんですか、いろんな、URさんだったり、デベであったり、開発事業者というところにバトンを一時預けるんだと思うんですけども、そのときに必ずきちっとした与条件として出していただけるように、これはどうでしょうか。
○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 委員御指摘のとおり、中野駅周辺地区は中野駅を中心として発展してきたまちでありまして、区としても中野駅から各駅前広場、さらに、周辺の市街地へとつながる歩行動線、互いの回遊性の確保、こういったものが中野駅周辺まちづくりの整備には重要な要因であると認識しております。こういったようなことは今後とも打ち出していきたいと考えてございます。
○高橋(か)委員 ぜひ4方向から囲町、そして、新しい最終形であるサンプラ・区役所跡地のメーンのところについても、まさか雨に濡れてそこの施設に入るようなことがないように、きちっとしたアクセスが入るようにぜひ検討してください。以上で要望にしておきますので。
次に、平面交通についてお聞きをします。
少子・高齢化社会の中で、今言ったユニバーサルデザインじゃないですけども、老若男女、子育てのバギーの御家庭であったり、キャスターバッグを持ったビジネスマンも含めて、今後、平面交通というのは重要性を地域社会として増していくと思うんですけれども、区内の南北交通について、また、交通空白地区と言われているところについて、ここへの交通問題、平面交通問題をどのようにお考えでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 中野区内でそういった広域的な交通網が整備されますと、区民の利便性が向上するとともに、中野区を訪れます来街者の増加もまたさらに見込まれまして、まちのにぎわい活性化、さらには中野区の魅力を広く発信することもできるというふうに考えてございます。これまでは特に交通弱者対策としての公共交通機関が必ずしも十分でない地域における新たな交通網の整備について検討を行ってきましたが、それとあわせまして、今後はそういった南北交通ですとか、今後始まります西武新宿線の連続立体交差化に伴います広域的な交通網の整備、そういった視点からも、区内全域を視点に入れました体系的な交通網という観点を引き続き、他の自治体におけます導入事例などを調査研究するとともに、交通事業者とも意見交換ですとか情報共有をしながら、円滑な移動が可能となる交通網の整備について、さらに検討を続けていきたいというふうに考えてございます。
○高橋(か)委員 私どものいる江原、江古田は関東バスさんの便が結構あるので、いいんですけど、例えばなかったりした場合は、練馬が生活圏である部分もあるんですよ。例えば大和町なんかは高円寺が近いし、白鷺なんかは阿佐ヶ谷が近いしね。バス、平面交通をきちっと考えていただかないと、みんなそっちへ行っちゃいますよ。そっちで消費しちゃうから、中野の活性化につながらないと思うので、ぜひ平面交通で、中野の中心地であったり、いろんな拠点にお金を落としてもらえるような、そういうのをぜひ、交通弱者対策とともにお願いしたいなと。それには、バス事業者が、よほどの路線のにぎわいがない限り、収支が合うわけがないので、やはり区のきちっとした交通対策の施策として位置付けていただかないと、とてもバス事業者だけでは回っていかないと思うので、その辺は要望にしておきますので、よろしくお願いいたします。
続いて、拠点整備であったり、新体育館の予定地だったり、こうした新たににぎわいや、その集客や移動が考えられる、そうした地区についてのアクセスについてはどのようにお考えでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 先ほどの御答弁と重なるところはございますが、広く区内を広域的に、南北だけではなくて、そういった新たな施設等も今後整備されますので、そういったところの行き来、地域と地域との行き来、新しい施設と施設への行き来、そういった新たな交通網の整備を、中野区内の広域的な観点で引き続き検討していきたいというふうに考えてございます。
○高橋(か)委員 ぜひお願いをいたします。
それでは、北口部分について二つお聞きします。今、暫定広場で計画されているバスロータリーに関してですけども、例えば1路線、話によると、1路線持ってくるだけで160回以上のバスの進入、いわゆる転回が出るというような話も聞いているんですけども、そうした場合の運行業務と、歩行者であったり、一般の人たちとの錯綜であったり、安全対策というのはどのようになるのか教えてください。
それと、北口の新しくでき上がった後、いわゆる新北口駅前広場、そこで、バスやタクシーや、そうした平面交通のプールというんですか、そういうものをどういうふうにしていくべきかというときの協議会というか、協議の場というか、そういうものはどのように考えているのかもあわせて教えてください。
○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 暫定広場の件ですけども、このたびバスロータリーをつくるに当たっては、歩行者動線と車両動線、これを横断防止柵のような構造物で明確に分離するなど、安全管理には十分努めてまいりたいと考えてございます。
新北口駅前広場の整備に当たっては、交通管理者に加えて、鉄道、バス、タクシー等交通事業者とも協議・連携の場を設けて、よりよい交通施設として計画設計を進めてまいりたいと考えてございます。
○高橋(か)委員 わかりました。ありがとうございます。
あと、いわゆる平面交通の確保、また拡充には、安全というものが大前提だと思うんですけども、区内で交通の安全に大変大きく貢献している中野・野方両交通安全協会、ここの支援拡充はどのようにお考えなのかというところであります。スケアード・ストレイトとか、そういう補助は出ているんですけども、それはそれで大いに歓迎するところであるんですけども、ちょっと今、バスの錯綜で安全とかいう話が出たので、そこのところに、区民の安全のことですから、大変重要なことだと思ってお聞きしますけれども。スケアード・ストレイトでやっていただくということで、大いに歓迎しますけども、他区に比べるとまだまだ支援策が至らないところもあるんですけど、その辺いかがでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 交通安全協会への補助金につきましては、今年度、委員紹介にございました、スケアード・ストレイト式の講習会の分を増額したところでございますが、さらなる支援につきましては、交通安全協会の活動内容を踏まえた上で、今後検討していきたいというふうに考えてございます。
○高橋(か)委員 毎年、春夏の交通安全運動、それだけじゃないんですよ。日ごろから地域の安全活動に努めていますので。また、そういう方たちの発信力というのは非常に強いものがありますので、区の安全に対する意気込みというものをやはり中野区以外にも伝えるためにも、ぜひ支援の拡充を積極的に検討していただけるように要望しておきます。ありがとうございました。
次に、安全対策、感染症対策についてお聞きします。
鳥インフルであったり、狂犬病であったり、数多くの感染症対策について、区として本体部署、関係部署間の連携、これはどのようになっているのか教えてください。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 感染症の初動の体制としましては、保健所として保健予防、生活環境の2分野で連携して対応しております。例えば患者発生に対して、一緒に患者の調査に行き、関係者の検査は保健予防、その他環境の調査は生活環境が行うなど、分担して行っております。
○高橋(か)委員 平時での対応についてですけれども、区役所とか区の機関であったり、あるいは小・中学校であったり、あるいは公立・私立の幼稚園・保育園であったり、そういうところへの対応はどのようにされているんでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 情報提供については、中野区の感染症の発生動向の週報を毎週関係部署に提供するなど、平時から情報共有を図っております。教育については、保健所長が学校保健委員会に出席し、専門的な立場からかかわり、公立・私立の保育園とは感染症の研修を行うなど、日ごろから関係各部署と連携を図っております。
○高橋(か)委員 初動時の対応についてですけども、患者さんが出たという場合の対応はどういう体制でいくのか。そのときの装備というか、備蓄というか、そういうものはどのように考えていますか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 感染症の種類によって対応の違いがありますが、基本的に初動時には、保健所の職員が調査に行き、感染拡大を防止する対応をとります。備蓄については、職員の感染を防ぐための防護衣、マスク、消毒薬等を保健所に備蓄しております。
○高橋(か)委員 パンデミックというか、流行時の対応についてはどうされるのか、また、備蓄とか装備についてはどうなんでしょうか。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 流行時には、新型インフルエンザ等重要な疾患につきましては、健康危機管理対策本部を設置し、全庁での対応になります。また、広域での対応が必要になるため、国や東京都とも連携を図ってまいります。備蓄については、専門外来等を開設するための用品などを保健所に備蓄しております。また、東京都から提供される予定の備蓄もあり、それらの流通も図っていきたいと考えております。
○高橋(か)委員 ちょっとお聞きしたいんですけど、装備とか、まずは先生方の、御自分たちの身を守るための装備をして、初動で行かれて、あるいは流行した場合は、そこに対応するということだと思うんですけど、備蓄、装備とか、あるいは装備する場所とか、その辺は十分、あるいは人が、今、お話だと、救急車、消防車が来たときには、先生方と職員が必ず行くわけでしょう。そうすると、人とか、その辺の装備についてというのは足りているんですかね。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) エボラ出血熱等1類のものに関しては、必ず保健所職員が移送に同行することとなっております。それらの装備品につきましては十分整えてはおりますが、有効期限等ありますので、その都度更新していく必要がございます。
○高橋(か)委員 区民のまた安全に直結していく話なので、その辺の安全装備については、ちょっと私もまた勉強して、再度質問させていただきたいと思います。ありがとうございました。
保健所としては、さまざまな専門職と連携をとっていることだと思うんですけども、公衆衛生の専門家というんですか、獣医師との連携についてちょっとお聞きしたいんですけども。近年の鳥インフルエンザだったり、狂犬病であったり、そうしたことについて、公衆衛生の見識のある区内の獣医師会の方々とは、区は日ごろから防災協定であったりとか、あるいは学校飼育であったり、動物であったり、そうしたことで連携をとっていると思うんですけども、こうした連携を平時からさらに強めたりしていくことで、区民の感染症対策への実効性があるというふうに考えますが、その辺はいかがでしょうか。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 獣医師会は、動物に関する生活衛生の向上、それから、動物愛護精神の啓発・普及等、高い公益の実現に向け活動している団体でございまして、区とは、災害時に負傷した動物の応急手当てに関する災害協定のほか、総合防災訓練におけるペットの同行避難訓練、それから、毎年春に行う狂犬病予防定期集合注射、また、この9月には獣医によるペット相談会を実施いたします。また、昨年度から開始いたしました、飼い主のいない猫の管理事業助成制度における助成町会へのアドバイス等、区と多方面で連携しているところでございます。動物由来の感染症の予防を含む動物に関する保健衛生の向上を図るためには、その専門的知識や区内におけるネットワークのみならず、公益性の高い獣医師会との連携が必要であると認識しているところでございます。
○高橋(か)委員 ぜひ今後も連携を深めて、平時、また、災害時の協定での同行避難等の話も出てきますので、区民の生活と近い動物というものとかかわってくることなので、ぜひその辺の連携を強めていただくように要望しておきます。ありがとうございました。
最後に、ゲリラ豪雨対策についてお聞きします。環七の貯留地下調節池、これについて、この効果が見られて、河川の溢水氾濫というのは近年非常に、大分改善されてきたというふうに聞いています。また、今後は、新たに10年後ですけれども、今で言う140万立米がさらに大きく、板橋のほうまで進んでいくということで、改善されると思うんですけど、逆に、内水氾濫については、私も質疑で何度か伺っていますけども、非常に危惧されるところだと思います。洪水対策としてのハザードマップの有効性が注目されていますけども、このハザードマップの有効性、どのように考えているのか、また、26年度決算でどのように反映されたのか教えてください。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 中野区で作成していますのは、平成12年9月の東海豪雨並みの大雨が降った場合を想定した洪水ハザードマップでございます。具体的にこの浸水の深さと範囲を地図で表示したものでございます。ハザードマップは、災害対策上、被害予測や応急対策などを行うために必要なものでございまして、区民の方にとりましても、これを活用することにより浸水の予測ができて、平時からの備えが可能となります。昨年度、平成26年8月に広島の土砂災害の発生を受けまして、記録的な豪雨により浸水が予想される地域の区民のために、水害の日ごろの備えを促すため、補正予算を組んでハザードマップを増刷し、配布してございます。
○高橋(か)委員 前の私の質疑でも、じゃあ、ハザードマップの有効性を考えれば、もっと地域限定のをつくったらという質疑をしたんですけど、これはなかなか物理的に難しいようなところもあるようなんですけども、それであれば、例えばインフラ整備とか、そういうのは当然やるにしても、新たなハザードマップのバージョンアップしたの、要は、河川氾濫が大前提だったのが、少し軽減されるのであれば、内水氾濫を主眼にした新しいハザードマップづくりであったり、そういうものをするべきだと思うんですけど、どうでしょうか。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 本年5月に水防法が改正されまして、新たに内水氾濫に関する浸水想定区域も示されることになりました。今後、国が内水氾濫の予想区域を計算する式を都道府県に示す予定でございます。東京都はこの計算式を受けて、都内で発生する内水氾濫の浸水想定区域の指定を行います。都が内水を含めた浸水想定区域の指定を行った場合は、区としてもハザードマップを変えていきたいと考えております。
○高橋(か)委員 現時点だと、その辺の、区が策定作業に入る、あるいはハザードマップができ上がるのは、めどとしてはどのぐらい先になるんでしょうか。いつごろになるとか、いつからスタートするとか。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 東京都が行いました区市町村の担当者説明会によりますと、国が計算式を示すのが今年度中となっていまして、現時点ではまだ計算式は示されておりません。したがいまして、それを受けての作業になりますので、今年度、もしくは来年度いっぱい、都のほうでは恐らく時間がかかってしまうということが予想されております。
○高橋(か)委員 ありがとうございました。ちょっと超過をいたしましたが、以上で私の全ての質問を終わります。また、建てかえ促進について残っていたものは、また次回、本会議、一般質問のほうでさせていただければと思っております。ありがとうございました。
○若林委員長 以上で高橋かずちか委員の質疑を終了します。
次に、木村広一委員、質疑をどうぞ。
○木村委員 平成27年第3回定例会決算特別委員会におきまして、公明党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。
質問は通告どおりで、1、平成26年度決算について、2、少子化対策について、3、介護施策について、4、自治体間交流について、5、障害者施策について、6、熱中症対策についてで、7のその他はありません。
初めに、平成26年度決算について伺います。
まず、公債費負担比率について伺います。区では、予算段階で一般財源に占める公債費の割合を中野区方式の公債費負担比率として算出し、10%程度を上限として公債費の抑制を図ってきました。26年度は区債元金償還金が減少したため、公債費が24億円の減となり、公債費負担比率も8.2%と昨年と変わりませんでした。平成17年からの過去10年間の公債費負担比率の推移を見ると、22年、23年は10.3%と10%を超えましたが、ほかは全て10%以下であり、公債費の抑制が適切に行われてきたことがわかります。まず、この10年間の推移をどのように評価するか伺います。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 起債活用に当たりましては、中野区方式による公債費負担比率、こちら、10%程度を上限とする目標、これを新しい中野をつくる10か年計画において定めてございます。この財務規律を遵守して、計画的な基金・起債計画のもと、着実な事業展開を図ってきたところでございます。この結果、区民の安全・快適かつ災害に強い都市基盤整備やまちづくりを計画的に取り組むとともに、公債費負担比率につきましても10%程度を維持しつつ、将来の財政事情も踏まえ、着実に基金を積み立てるなど、健全な財政運営を行っている、このように評価をしているところでございます。
○木村委員 それでは、この中野区方式の公債費負担比率、おおむね10%を上限にするというのは、前回の10か年計画で策定したということですけども、この10%という根拠はどこから算出されたのでしょうか、伺います。
○黒田政策室副参事(予算担当) 根拠ということでございますが、まず、財務規律として定めております基準となる一般財源の範囲で歳出を見込む一方、経常事業費、また、投資や臨時的などへの一般財源の充当の割合と、義務的経費となる公債費負担との適切な割合を考えて、また、一方で、特別区交付金の財産費や満期一括償還に係る起債の償還額を確実に減債基金へ積み立てる、こういったことを勘案しまして、中長期財政フレームの作成において、持続可能な財政運営を行っていくための公債費の負担の割合ということで、一般財源総額に対して10%と定めたものでございます。
○木村委員 10か年計画で策定したんですから、中長期的な視野でということですけども。この10年間、公債費は、大規模公園用地などの取得に伴う公共用地の先行取得などの財源に活用されてまいりましたが、特別区債は世代間の負担の公平化を図る側面がありますが、一般財源の圧迫を避けるために、一般会計において、国や都の補助金や基金、事業債を充てて、一般財源の影響を抑えてきました。しかし、今後想定されている事業としては、学校再編に伴う施設整備、まちづくり、地域包括ケアシステムの構築、子育て環境の充実などありますが、これまでのような公園整備などと異なり、特定財源の可能なものとないものがあります。国の歳入も減少し、交付金が当てにならず、区の負担となる特別区債の活用となる可能性が高くなります。そのような状況で、これまでと同じように公債費負担比率10%を上限にした場合、今後どのような変化が想定されるか伺います。
○黒田政策室副参事(予算担当) 公債費負担比率の変化ということでございますが、財政運営の考え方では、平成31年度までは7から8%台で推移するというふうに見込んでおります。また、公債費負担比率は一般財源の総額に占める割合ですので、例えば歳入の一般財源規模が大きくなれば、公債費負担比率の10%の上限額も大きくなるというような側面もございます。中野区では財務規律として基準となる一般財源を定めておりますので、それに基づいて予算編成を行うために、一定の財務規律が守られることになるため、ほぼ10%前後で公債費は今後も推移していくというふうに考えております。
○木村委員 今後は人口減少による歳入の減少や、少子・高齢化対策、施設整備などの歳出の増加傾向が見込まれ、長期的に見ると一般財源が縮小する可能性が想定されます。その中で、長期的な財源の見通しのもと、特別区債、基金のやりくりをしていかなくてはいけませんが、一般財源が圧迫されないよう、可能な限り特別区債は抑制する必要があるかと思っております。公債費負担比率10%は、前回の、先ほど答弁があったように、10か年計画で策定されたのであれば、今回の10か年計画の策定では、公債費の抑制の基準の方法をもう一度再検討してみてもいいかと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○黒田政策室副参事(予算担当) 新たな10か年計画の財政フレームの作成に当たりましては、一般財源の見込みや事業計画に合わせて、起債や基金の適切な活用を図っていくということを考えております。その中で、公債費負担比率につきましても、10%をめどに現在のところ維持していく予定でおります。
○木村委員 わかりました。財政見通しをまずしっかりとつくって、また、健全化をその中でも維持していただければと思っております。ありがとうございました。
○若林委員長 木村委員の質疑の途中ですが、ここで休憩したいと思います。
午後2時53分休憩
午後3時15分開議
○若林委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。木村広一委員、質疑をどうぞ。
○木村委員 引き続きまして、26年度決算について、復興特別税について伺います。これは我が会派の白井委員や平山委員も過去に質疑していますが、確認の意味を込めて伺います。
復興特別税、復興増税と言いますが、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法に基づいて課されることとなった税金で、復興特別法人税、復興特別所得税、住民税で構成されています。そのうちの住民税が2014年、平成26年度から平成35年度まで10年間にわたり、住民税の均等割に対し、都道府県民税、市町村民税を各500円課税されます。今回の26年度決算はその住民税の加算が始まった年になります。
そこで伺いますが、26年度の区の復興特別税の収入状況はいかがでしょうか、伺います。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 平成26年度決算におきます均等割の納税義務者数は17万9,173人であり、これに均等割額の加算分500円及び現年度分収入率97.6%を乗じますと、およそ8,700万円でございます。
○木村委員 単純に10年間で積算すると、約9億円になるかと思います。これから平成35年度まで区民から毎年500円、合計5,000円課税されます。この復興特別税は、各区がそれぞれの緊急的な防災や減災事業に活用する目的ですが、国からは平成27年度まで、つまり、ことしまで緊急性や即効性が高い防災・減災対策に用いて効果を発現するという方針が示されています。これまでどのような事業に活用しているか、また、今後、どのような事業に活用するのか伺います。
○黒田政策室副参事(予算担当) 復興特別税の活用事業でございますが、中野区では緊急防災事業としまして、この間、小・中学校等のガラス飛散防止対策や区有施設の耐震改修工事、また、防災公園の整備や備蓄物資の補充など、災害に強く、より安全な中野のまちを実現する事業に活用してきたところでございます。今後も防災公園の整備や木密地域の整備、不燃化事業をはじめとした災害に強いまちづくりを推進する事業に活用していきたいというふうに考えております。
○木村委員 とすると、内容からすると、増税分の9億円はかなり使い切っているという印象がありますけども、その事業はどのような基準で決定したのか伺います。
○黒田政策室副参事(予算担当) 復興特別財源は、緊急に地方公共団体が実施する防災のための施策に要する費用の財源を確保するための目的もありますことから、防災・減災、災害を減らす事業等に一般財源として広く活用しているところでございます。今後も防災対策全般に活用していきたいというふうに考えております。
○木村委員 歳入を前倒しして、今言った事業を行いましたので、平成28年度以降の継続性という点では問題がないか伺います。
○黒田政策室副参事(予算担当) 防災・減災事業は優先して実施する事業であり、区はこれまでも防災対策について継続的に取り組みを進めてきております。今後も復興特別住民税の趣旨を踏まえまして、防災公園の整備、木密不燃化事業、防災用備蓄物資の更新等対策について、区民の安心・安全に資するために、復興特別住民税のほか、一般財源等を活用し、継続的に取り組んでまいります。
○木村委員 区民の皆様からいただいた貴重な税金でございますので、しっかりと活用していただければと思いますけども、今回の決算書でも、歳入歳出どちらでも復興特別税という言葉は使われておりません。国の復興特別税の用途の扱いでは問題になったことはありますけども、区としても透明化を図るために、予算書や決算書でもしっかり明記すべきだったのではないでしょうか。他区では、事業項目に復興増税活用事業として明記している区もあります。復興特別税を活用している事業はほぼ、先ほどの話から言うと終わってきているので、今後、予算書や決算書の歳出で明記することはないかと思うんですけども、歳入は今後も続いてまいります。今後は住民税均等割の項目で、復興特別税分というのを明記していただくように要望しておきます。
続きまして、基金運用について伺います。基金運用については、2年前の総括質疑でも伺わせていただきました。先日の6月30日総務委員会で、平成26年度資金収支状況についての報告がありました。報告には、平成25年度4月に開始された大規模な金融緩和政策の継続によって、市場には大量の資金が供給されている。我が国の景気は、基調的には緩やかな回復を続けていると考えられるが、金融機関の定期性預金金利及び債券の利回りは低い水準で推移をしている。このような状況下、極力普通預金での保管を減らして、大口定期預金や債券によって運用を行った結果、平成26年度の運用益、中野区ですけども、8,000万円。運用利回りは0.19%となった。指定金融機関の2年定期預金金利は0.04%、普通預金金利は0.02%であると報告をされました。
平成17年から26年までの過去10年間で一番運用益があったのは、平成21年の約2億9,000万円でした。21年度以降の5年間、基金の運用年度末の残高というのは400億から420億円を推移しており、大きな変化はありませんが、運用益がこの5年間下がり続けており、26年度は21年度から比べて約72%ダウンの8,000万円、利回りも0.69%から0.5%ダウンの0.19%になっています。積立基金が400億円余というのは、利回りが0.1%違うと4,000万円の差額が生じることになります。この5年間で積立基金の残高はほぼ変わらないのに、運用益が2億1,000万円余りも減額したことに関して、その原因をどのように分析して、どのように評価しているのか伺います。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 委員会のほうでも報告させていただきましたように、国の大規模な金融緩和政策の影響により、銀行の預金金利、債券利回りともに低下していることが最大の原因と考えてございます。
○木村委員 26年度決算での利回りの23区での比較はどうなっているでしょうか。また、最も利回りを出している区の利回りの状況はどうなっているでしょうか、伺います。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 平成26年度の決算数字が出てございませんので、他区については速報数値ということでお答えさせていただくことになりますが、中野区の利回りにつきましては0.19%で、23区中8位でございます。最上位の区の利回りは0.31%でございます。
○木村委員 8位ということですが、2年前に伺ったときは中野区はたしか7位でしたので、当時の最上位の区の利回りが0.93%でしたので、26年度の最上位が0.31%であれば、23区全体が大幅に利回りを落としているということになります。
それでは、最上位の区の基金総額、また、運用益の額と、なぜそのように利回りが高いと分析されているか伺います。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 最上位の区の基金総額は673億円、運用益は2億900万円でございます。利回りが高い原因としましては、債券での運用の比率が高いことが原因と推察してございます。
○木村委員 運用の種別は普通預金と債券と定期預金の3種類でございますけども、2年前の質疑でも明らかになったように、先ほどお答えいただきましたが、利回りが最もいいのは債券が最もよくて、その中で5年以下、5年とか長い債券が最も運用益を出していました。その5年以下の債券が、中野区では25年度で終期を迎えるために、その後の対策が重要であるということは2年前に指摘をしております。24年度の債券総額が約115億円でしたが、26年度末は約21億円というふうに中野区では激減しています。なぜこの2年間で債券が激減したのか伺います。
○伊藤経営室副参事(経理担当) こちら、区の基金につきましては、臨時的な取り崩し等の可能性もございますので、基本的に1年以内の短期運用を中心に行ってございます。今回、債券が激減したのは、債券が償還された後、再投資する際に、1年以内の銀行預金に切りかえたケースが多かったということでございます。
○木村委員 ほとんど債券に回さなかったということでありますけども。仮に臨時的な基金の取り崩しがある可能性があったとしても、例えば義務教育基金などの目的が明確でやりくりの見通しが立てやすい基金というのが、少額でも5年債券や3年債券に活用するなど工夫ができるかと思いますけども、いかがでしょうか、伺います。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 御案内のとおり、大規模な金融緩和政策により、金融市場は数年前とさま変わりをしており、特に債券は日銀が買い入れを行っていることから、超低金利状況が続いております。3年以下の短期の国債の利回りは、マイナス金利となった時期もございます。このような状況ですので、債券の運用期間及び利回りと銀行預金に預け入れをする場合の運用期間及び金利などについて、総合的に比較検討した結果、現状では銀行預金のほうが区にとって有利であると判断し、債券から預金にシフトアップしたということでございます。今後につきましては、金融情勢が変化し、債券の利回りが上昇してまいりました場合には、各基金の状況に応じて、債券での運用を行っていきたいと考えてございます。
○木村委員 先ほど利回りトップという区が紹介されていますけども、そこは長期的な運用について、金利変動の影響を標準化するラダー型運用、つまり、債券の残存年数を極力均等に保有する運用型、また、可能な限り長期間運用することによって、高い利回りが期待できる運用、これは収益補完型運用といいますけども、それを効果的に組み合わせて運用しております。ほかの区ではそういうことができるというところで、利回りが倍ぐらい違っておりますけども。そういった意味で、今後、いろんな事情がございますけども、中長期的な財政見通しを踏まえた上で、それに適した手法を検討してはいかがでしょうか、伺います。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 債券運用の手法につきましては、区の財政状況及び基金の積み立て、取り崩しの時期等を踏まえ、専門家からの意見聴取なども行いながら研究することを検討していきたいと考えてございます。
○木村委員 ぜひ。また、利回りの影響は、毎年基金運用、トップだけでなくて、計画を作成していまして、公表もしております。区でもこういった基金運用の年次計画というか、そういうのを作成してはいかがでしょうか、伺います。
○伊藤経営室副参事(経理担当) 区は、資金運用の基本的な考え方を中野区公的資金の管理・運用に関する方針及び中野区公的資金の管理・運用に関する基準としてまとめ、これらに基づいて運用を行ってございます。その他、毎年度資金運用方針を定めてございます。これらの公表につきましては、今後検討したいと思ってございます。
○木村委員 計画は毎年つくっているということですけども、区でやはり公表しないと、どういう内容で進めているかというのは明らかになりませんので、ぜひ公表するよう検討していただければと思います。今後、やはり中野区も400億円という大きな基金を持っておりますし、これは今後ある程度維持しながら財政運営というのがされていくと思いますので、先ほど言ったように、0.1%違うと4,000万円の運用の差というふうになりますので、ぜひ基金の積極的な活用をお願いしたいと思っております。ありがとうございました。
次に、少子化対策について伺います。
区では、人口減少の克服と地方創生をあわせて行うことによって、将来にわたる活力ある日本社会を維持することを目的とする、まち・ひと・しごと創生法に基づき、区におけるまち・ひと・しごと創生に関する施策についての基本的な計画として、中野区まち・ひと・しごと創生総合戦略を平成28年3月に策定するとしています。その総合戦略策定に合わせて、区における人口動向などの現状を分析し、目指すべき将来の方向、人口の将来展望を人口ビジョンとして整理しているとしていますが、まず、その人口ビジョンについて伺います。
今回策定する人口ビジョンの将来展望の期間は、長期ビジョンの期間2060年を基本としていますが、国立社会保障・人口問題研究所の推計期間である2040年など、地域の実情に応じた期間の設定も可能とされています。その人口ビジョンの期間をどのように考えているのか伺います。
○森政策室副参事(基本計画担当) 人口ビジョンの期間でございますが、現在のところは2060年、国と同様の2060年までの期間を設定するということで検討しているところでございます。
○木村委員 2060年ということで、これから45年間を推計していくことになるんだと思うんですけども、人口ビジョンのもとデータになるのは住民基本台帳と国勢調査と思いますが、住民基本台帳と国勢調査のデータという意味でのメリット・デメリット、それを人口ビジョンのほうにどのように活用していくのか、また、来年度、国勢調査の新たな結果が公表されると思いますが、発表された後、どのように目標や計画に反映していくつもりなのか伺います。
○森政策室副参事(基本計画担当) 国勢調査につきましては、住民基本台帳への登録の有無にかかわらず、中野区に在住している方全てが調査対象になっているということで、実態に即したデータが得られるというようなメリットがあると考えているところでございます。一方、住民基本台帳につきましては、直近の移動の動向がしっかり反映できるというようなメリットがあるというふうに考えるところでございまして、そういったそれぞれの特徴を踏まえまして、現在、人口ビジョンにどういうふうに反映させていくかというところを検討しているというところでございます。現在、これから調査する国勢調査の結果につきましては、その傾向を分析いたしまして、必要に応じて、適切に計画の見直し等に反映していきたいというふうに考えています。
○木村委員 国勢調査というのは基本的に、かなり長期的ビジョンのデータのときに使うと思うんですけども、住民基本台帳はここ3年、5年とか、短いスパンで使うかと思うんですが、それを両方やるとかなり誤差が出たりとかしますので、うまく、分析の内容によってしっかりとデータを活用していただければと思います。
人口ビジョンでは、出生率や将来人口目標の具体的な数値を設定することになっているかと思います。将来人口の目標の設定には、希望出生率に伴う自然増減と希望移動率に伴う社会増減の二つの検証が必要です。中野区は合計特殊出生率が23区で下位にあるため、出生率に関しては注目度が高く、結婚から子育てまでの事業の実施により効果が得やすい面がございます。一方で、希望移動率、つまり、区内への転出入に関しては、居住や利便性、まちづくりなど、さまざまな要因が考えられ、施策に対する費用対効果みたいなのがかなり不透明な部分がございます。その要因を明らかにするデータとして、性別、年齢、階層別の地域間の人口移動の状況をどのように分析するのか伺います。
○森政策室副参事(基本計画担当) 地域間の人口移動の状況につきまして、それぞれ明確な個々の移動の目的というのはなかなか判明しづらいところがありますが、どの年齢層に移動が多いですとか、どの自治体からの転入、あるいはどの自治体への転出、そういったものがどういう状況にあるのかというものを把握しまして、政策の立案に当たりましては、そういう移動の状況を分析するということにつきましては、必要な部分もあるというふうに考えているところでございます。さまざまな角度から、統計資料等々を使いまして、こうした状況の分析を行って、施策の検討ということについても生かしていきたいというふうに考えております。
○木村委員 ちょっと具体的なデータの活用の紹介になるかもしれませんけども、一般質問でも提案がありました、まち・ひと・しごと創生本部が作成しましたRESAS(地域経済分析システム)は、経済産業省が開発を行ってきた地域経済分析システム、いわゆるビッグデータを活用した地域経済の見える化システムを経済分野に限らず、さまざまなデータを公開することで、地方自治体が地方版総合戦略の立案などをする際に役立てることを目的としたシステムであります。産業マップや観光マップ、人口マップ、自治体比較マップがあり、さまざまな有益な情報が掲載されております。
例えば2013年の中野区への転出超過、つまり、転出数から転入数を引いた数が最も多い自治体、つまり、引っ越し先として中野区民が選ぶ場所ですけども、人をとられているところですけど、1位は練馬区、全体の16.7%であって、以下、港区、渋谷区、板橋区であって、8位には川崎市中原区というのもあります。逆に転入超過、つまり、中野区を選ぶ自治体が、1位は新宿区で3.3%、以下、八王子市、江戸川区、立川市、国分寺市など、6位に千葉県の市川市というのがございます。それから読み取れる傾向としては、ほとんどの特別区が中野区にとっては転出超過、つまり、出ていくほうが多いというのが読み取れますし、転入超過は多摩を中心とした全国からというふうに読み取ることができます。つまり、中野区というのは、特別区、この23区に最初に引っ越しをしてくる、最初のとまり木みたいな性格を持って、そこから特別区内に出ていくという傾向性が強いということでございます。
この人口動態というのを年齢や性別、年代別で分析をすることができます。RESASを含めて区民の意識調査などを活用して、移動要因を分析し、このとまり木の性格がある中野区を、他区に対して転出超過にならないように、人口がたまるダムのように転換をしていかなくてはいけません。中野区まち・ひと・しごと創生総合戦略でのKPI、重要業績評価指標には、子どもの数の増加と安心して出産に臨めた母親の割合の向上などの出生率にかかわる指標というのは予定をされておりますけども、移動率に係る指標というのは予定をされておりません。人口を維持・増加させていくためには、出生率とともに移動率でも基本目標や指標を掲げるべきと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○森政策室副参事(基本計画担当) 今お話がございました移動率、例えば社会増減の数というところで見ますと、2013年の状況でございますが、20代までは転入超過、それから、30代以降は転出超過というような状況もあるということでございます。例えば子育て世代の転入の増加というものは、区の子育て施策の評価にもつながるというふうに考えられるということもありますので、移動率に関する目標を設定するということについても検討していきたいというふうに考えています。
○木村委員 ぜひお願いいたします。
また、人口ビジョンでは、人口の変化が地域の将来に与える影響の分析や考察も推奨されており、具体的には公共施設の維持管理などの影響や生産年齢人口の減少による地方財政、中野区への財政の影響も考察するように求められております。昨年策定された施設白書には、現状の区有施設を全て維持すると仮定し、今後40年間の更新経費を試算すると2,641億8,000万円となって、年単位に換算すると年平均66億円の更新経費がかかると試算結果をされており、直近の5年間での施設の更新、新規整備に要した経費は年平均約46億2,000万円になることから、この差額20億円ぐらいありますけども、これを上回る経費が必要となると述べております。
人口ビジョンが明らかになった後に、今後の世代間の負担の公平化を図るために、長期的な財政の見通しが必要となるかと思っております。持続可能な行財政運営のために、人口ビジョンに合わせた財政の見通しをどのように示していくのか伺います。
○黒田政策室副参事(予算担当) 人口データは、歳入面における特別区税などの納税義務者の推移、また、歳出面では、社会保障経費の動向に大きく影響するものであるというふうに考えております。したがいまして、今後の財政見通しについても、人口ビジョンを踏まえたものでお示しをしたいというふうに考えております。
○木村委員 よろしくお願いします。
次に、中野区まち・ひと・しごと創生総合戦略の内容について伺います。総合戦略では、主な施策及び取り組みの方向性として、一貫した子育てケア体制の推進、仕事・生活の調和の推進、公益活動・地域支えあいの推進、国際的な視野で展開する技術基盤の整備、地域産業・商店街の振興、魅力あふれる都市観光、地方と都市の交流推進が掲げられ、ほぼ全ての部署がかかわるような内容となっております。そこで確認ですが、このまち・ひと・しごと創生総合戦略は、どの部署がどのように推進して、検証することになるんでしょうか、伺います。
○森政策室副参事(基本計画担当) まち・ひと・しごと創生総合戦略につきましては、戦略に係るさまざまな各部署と連携をとりながら、政策室企画分野が中心となりまして、推進、それから効果の検証等を行っていくというふうに考えております。
○木村委員 企画分野が担っていくということですけども。総合戦略の作成に当たっては、現在改定作業中の中野区基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画との整合性を図るとしております。もともと総合戦略というのは、その目的が人口減少の克服と地方創生ということで、そういう観点から基本構想と10か年計画を照らしたときに、それにかなう事業や施策を切り出して再編するということになるのでしょうか。その場合、総合戦略の切り口が人口減少の克服と地方創生というだけで、単なる10か年計画の縮小版になる可能性があるのではないでしょうか。10か年計画と異なる総合戦略がどのような効果があるというふうに期待しているでしょうか、伺います。
○森政策室副参事(基本計画担当) まち・ひと・しごと創生総合戦略、人口減少の克服や地方創生といった目標を掲げておるところでございますが、これにつきましては、10か年計画と異なりまして、全庁にまたがる横断的なプロジェクトということをまとめるという計画にしたいと考えております。5年間という計画期間を設定しておりますので、その間、集中して施策に取り組みまして、成果につなげていきたいというふうに考えています。
○木村委員 横断的なやはり取り組みというのは今後非常に大事になってきますので、ぜひ総合戦略でしかできないようなものをつくっていただければというふうに思っております。
まち・ひと・しごと創生総合戦略の具体的な取り組みとして、本年既にプレミアム付商品券発行などの支援、中野Free Wi-Fiの増設などが実施されております。総合戦略を推進するために、国の補助金活用は大変重要となってまいります。総合戦略に係る国の補助計画をどのように認識しているのか、また、現時点で総合戦略に係る補助計画のうち、中野区で活用できる可能性があると思われる補助金の計画は掌握しているでしょうか、伺います。
○黒田政策室副参事(予算担当) 補助計画には、仕事づくりなど地方が直面する構造的な課題や時代に合った地域をつくるといった目的があるというふうに認識しております。平成27年度においては、中野区は国の平成26年度補正予算により創設された地域住民生活等緊急支援交付金の上乗せ交付分として、区におけるグローバルビジネス環境の整備・拡充などといったグローバル戦略の推進や、哲学堂公園周辺地域の魅力や価値を紹介する冊子の発行について、補助金の申請を現在行ったところでございます。
○木村委員 ぜひ、これから多分5年間かけて国もさまざまなメニューを準備してくると思いますので、しっかりアンテナを張って、中野区で活用できるものをしっかりと使っていただければと思います。
次に、不妊治療について伺います。不妊治療に関しては、いでい委員が一般質問をしましたが、私も重ねて質問をさせていただきます。
区では、妊娠・出産・子育てトータルケア事業がスタートしております。しかし、まち・ひと・しごと創生総合戦略では、基本目標として、若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえると、結婚からの切れ目ない支援を求めております。一方で、区の総合戦略の基本目標は、安心して子どもを産み、育てるというふうに、国は結婚から言っておりますので、結婚から妊娠に関しての区の認識というか、基本目標での認識が欠落しているようにも読み取れます。区では、結婚から妊娠までの支援をどのように総合戦略に反映させていくのでしょうか、伺います。
○森政策室副参事(基本計画担当) 結婚への総合戦略の反映ということでございますが、結婚は個人の自由な選択が最優先されるというようなところもあると思いますが、ただ、少子化対策という観点からも、区として何らかの取り組みが必要ではないかというふうに考えているところでございます。区といたしましては、商店街などさまざまな民間の力と連携いたしまして、多様な若者同士が出会うような機会づくりなど、そういったものを検討して、総合戦略に反映するというようなことで考えていきたいと考えているところでございます。
○木村委員 結婚までのというところで今お話があったかと思います。その是非はいろいろあるかと思うんですけども、要は結婚から妊娠、結婚の話は今ですね。結婚から妊娠というところのやはりちょっと提案というか、考え方がまだ示されていないように見受けられます。現在、結婚からの課題になります、例えば不妊や不育などの区での相談体制はどのようになっているんでしょうか、伺います。
○只野中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 不妊・不育については、専門医療機関等の情報の提供など、個別的に相談に応じてまいります。なお、不妊などに起因するメンタル面のサポートについても対応しております。
○木村委員 東京都もいろいろやっていますので、そことの連携をしっかりと努めていただければと思っております。
一般質問で、不妊治療の助成というのは難度の高い治療で、リスクがあるということでしたけども、国では平成28年度、来年度から42歳以下という年齢制限を設定していまして、リスク回避をする動きがあります。また、23区では10区が東京都の助成への上乗せ助成を行っており、それ以外にも一般不妊治療にかかわる医療費助成、また、不妊治療にかかわる融資・補助など、さまざまな方法の支援が行われております。不妊治療は結婚からの具体的な支援として最も有効な手段であると思っております。上乗せ助成を中心に、中野区に合った支援をしっかりと検討すべきではないでしょうか、伺います。
○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 不妊治療につきまして、他の自治体においてさまざまに取り組まれております事業の実施状況や政策的な効果などにつきまして、情報収集を行うなど研究を進めてまいります。
○木村委員 研究もいいんですけども、先ほども伺っていましたように、やはり結婚から妊娠までという、じゃあ、具体的な支援の方法というのは、つまり、不妊治療にかわる案というのが特に中野区もまだ検討していないという状況でもありますので、不妊治療もしっかりとまた前向きに検討していただけるよう重ねて要望させていただきます。ありがとうございます。
少子化対策の最後に、保育園での地域子育て支援について伺います。保育園では、地域での交流や子育てに関する相談、援助、情報提供などを行う地域子育て支援が各園で行われております。しかし、子ども・子育て新制度導入に際し、東京都の補助の見直しがあり、この地域子育て支援の補助が減額された園があります。今年度から支援事業を中止したり、自力で行っている園が出ており、この地域に密着した支援の運営が困難になっている状況です。区ではこの地域子育て支援についてどのように認識をしているのか伺います。
○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 保育園の地域支援でございます。保育施設等におきまして、子育て相談や子育て教室など、育児のノウハウを在宅乳幼児の保護者に提供し、育児不安の解消等の子育て支援を行うことは進めていきたいと考えているものでございます。
○木村委員 国では地域子育て支援拠点事業という制度がございますが、中野区では中部すこやか福祉センターや児童館など19カ所で事業が展開されているというふうに伺っております。しかし、開催日を週3日から4日以上、また、1日5時間以上という制限があって、保育園としては大変ハードルが高い状況になっております。すこやか福祉センターなどその事業展開がされていますが、やはり地域に密着した保育園での地域子育て支援がなくなるのはどうかと思いますので、区としてもしっかり何らかの支援を検討してはいかがでしょうか、伺います。
○古川子ども教育部副参事(保育園・幼稚園担当) 保育園の地域支援に関する都の補助でございますけれども、それは社会福祉法人等の運営する認可保育所に限られているものでございまして、株式会社立の認可保育所をはじめといたしまして、認定こども園、それから認可小規模保育事業所等で行われている地域支援に係る基本的な取り組みに対しまして、区として補助を行っていくこととし、運営事業者によって差が生じないようにしているものでございます。また、保育施設における地域支援について、各施設での取り組みに差があるといったことから、その状況の把握に努めているものでございます。
○木村委員 ぜひ地域支援のほう、前向きに検討を進めていただければと思います。よろしくお願いします。
次、三つ目に介護施策について伺います。
平成27年3月に策定されました第6期中野区介護保険事業計画は、計画期間中の給付費を推定して保険料を算定するだけでなく、いわゆる団塊世代が後期高齢者となる2025年のサービス水準、給付費や保険料水準なども推計し、介護保険事業計画に記載し、2025年度までの間に各地域の実情に応じた地域包括ケアシステムを構築することを目標とすることが求められた事業計画です。介護施策は、被保険者へのサービスの充実はもちろんでございますが、持続可能な事業としていくために、財政面の健全性も重要です。
まず、保険料について伺います。保険料の基準額の算定に当たっては、介護給付費などの伸びによる保険料の増加、介護報酬のマイナス改定など、さまざまな要因があります。前期の第5期保険料との比較において、増額となった要因、また、減額、抑制となった要因は何が考えられるでしょうか、伺います。
○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 第6期の介護保険料が増額になった要因といたしましては、後期高齢者の伸びに伴う介護サービス給付量の増加や、施設や地域密着型サービス事業所の整備に伴う介護サービス給付費の増加、また、介護給付費等の費用に対する第1号被保険者の負担割合の上昇がございます。
減額、抑制となった要因といたしましては、先ほど議員のほうからもお話がありました介護報酬のマイナス改定、あと、一部の方の自己負担割合2割化による保険給付の一部の負担が8割になったこと、高額所得層の保険料の設定につきまして、料率を上昇させたこと、低所得者の保険料の段階区分につきまして、負担軽減の強化を目的とする交付金を充てたことが挙げられます。
○木村委員 増額要因がやはり後期高齢者の増加という、ある意味では自然現象がございますので、これはどこの区でも同じような増額の要因になっていくかと思います。
区の保険料の基準額というのが、今回、第6期が5,660円、第7期の平成32年度が7,220円、37年が8,800円と見込まれています。第6期計画では所得段階が15段階に設定されていますが、被保険者の負担は大変重いものになってきております。この負担をいかに軽減していくかというのは、私たち議員もしっかりと取り組んでいかなくてはいけないと思っております。同様に、区の負担も大きくなり、第6期計画では区の負担額は約31億円ということになっておりますけども、37年度では、現行制度として区の負担額はどのように試算されるでしょうか、伺います。
○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 平成37年度の区の負担は、被保険者数や要介護認定者数、介護サービス量等の推計に基づき算出をいたしました介護給付費、地域支援事業費に現在の区の法定負担割合を掛けることによって試算をいたしました。第6期介護保険事業計画を策定する時点では、平成37年度の一般財源から介護保険特別会計に繰り入れる区の法定負担分につきましては、約37億円と試算しております。
○木村委員 区の負担も大変重くなってくると思います。こういった軽減というのをどうするかということを考えていく上で、例えば第5期計画の初年の23年度から第6期初年の26年度まで、中野区の要介護認定率の推移というのは0.7ポイント上昇しておりますが、23区の平均は1.3ポイントということで、それを下回って、23区の全体では中野区は19位とかなり抑えることができているかと思います。この要因はどのように認識されているでしょうか。また、これによって保険料の算定に何らかの影響はありましたでしょうか、伺います。
○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 介護サービスを利用する予定はないけれども、将来の生活の不安から要介護認定を申請する方などに対して、地域包括支援センターや関係機関の協力を得て、丁寧な御説明を行った結果、認定申請件数の増加が穏やかになっております。また、介護予防事業等を推進することによって、要介護を要支援状態への改善が図られ、要介護認定率の上昇を抑えられたと認識しております。
保険料の算定への影響につきましては、まだまだ影響については少ないということで、高齢者の増のほうの影響が大きく影響しているというふうに思っております。
○木村委員 じゃあ、同様に、第6期の介護保険料では、荒川区では保険料が5期から6期でマイナス130円、墨田区ではゼロ円、5期と6期が一緒でありました。荒川区は要介護認定率が0.4ポイント、墨田区は要介護認定率上昇が中野区より多い1.2ポイント上昇しながらも、保険料をゼロ円に抑えております。その要因はどのように分析していますか、伺います。
○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 23区中、介護保険料の上昇を抑えられている区では、高齢者に占める65歳以上74歳までの前期高齢者の割合が多いことや、介護予防事業の推進により認定率も低くなっているということです。このことが介護保険料の上昇を抑える要因の一つになっているというふうに聞いております。
○木村委員 では、要介護認定率の上昇とあわせて、後期高齢者の人口も構成がそれぞれの区によって違いますので、その要因が大きいということかと思っております。
介護保険制度では、サービス支給によって重度化する傾向があることが指摘されております。重度化は保険料引き上げにつながります。その改善には、介護予防事業や要介護軽度化の一層の推進など、軽度化に取り組む必要があります。この3年間の計画ごとに要介護度の軽度化を目指した介護予防の評価をしっかりとすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 介護サービスの給付や介護予防事業では、効果を検証しつつ、心身機能の維持向上に資するマネジメントが重要だと考えております。アウトカム指標としては、介護度の改善者率など、他自治体における事例なども参考に、有効な評価項目を設定してまいりたいと考えております。
○木村委員 ぜひその評価を加えながら軽度化を進めていただくようお願いします。
また、品川区の要介護度改善ケア奨励事業というのがありますけども、成功報酬のような事業者にインセンティブを与えることによって、事業者側にも要介護度の維持改善に努めることを促し、結果的には介護保険料の抑制にもつながり、この制度を導入する区もふえてきております。区でも導入を検討してみてはいかがでしょうか。あわせて、介護職員の表彰制度など職員のインセンティブになるような制度も検討してみてはどうでしょうか、伺います。
○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 現在の制度においても、状態の維持改善の割合等によって加算が設けられておりますけれども、導入をしている区の実施状況を把握しながら、今後研究をしたいと考えております。
また、介護職員に対するインセンティブにつきましては、現在、国において2018年度の介護報酬改定に向けて、介護サービスの質を評価することにより、報酬に反映させる仕組みを検討しております。質の高い介護、効果的な介護を行うことへの職員のモチベーションにもつながることを期待されておりまして、区でもこの情報収集に努めていく予定でございます。
○木村委員 ぜひそれもよろしくお願いします。同様に、介護度を改善した被保険者に何かインセンティブが与えられるような取り組みも検討してはいかがでしょうか、伺います。
○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 介護度が改善することにより、サービスの利用料が下がったり、サービスの量も減ることが想定され、利用者への一定のインセンティブが働くと考えておりますけれども、それ以外のインセンティブにつきましては、他の自治体の事例等を研究したいと考えております。
○木村委員 中野区では28年度4月からスタートする介護予防日常生活支援総合事業について伺います。総合事業になった場合、区独自のサービス単価を設定することができ、介護保険給付費が抑えられる可能性もあります。23区では今年度から総合事業がスタートした区が5区ありますが、その途中経過から見ても削減効果が期待できるものなのかどうか、伺います。
○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 平成29年度末までの移行期間につきましては、円滑な移行に努めることから、現行相当サービス等が中心になるというふうに考えております。先行している5区は、削減効果は出ていないというふうに聞いております。
○木村委員 今、ことしはまだ初年度で、恐らく事業者というか、そのまま移行している状態が多いので、まだ効果というのは見られない状況かとは思っております。
地域支援事業費というのがありますけども、総合事業の前は介護給付費が3%に設定されていますけども、総合事業後はどのような計算になるのか伺います。
○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 原則、総合事業開始前年度の地域支援事業費を基準に、直近の3カ年は後期高齢者数の伸び率を上限とします。特例といたしまして、平成29年度までは開始年度のみ10%アップまでの上限が認められております。さらにそれを超える場合は、個別判断として国と協議を行うことになっております。
○木村委員 そういう意味では、来年からスタートするこの最初あたりをしっかりと検証して、中野区の制度をつくっていかなくてはいけないかと思っております。介護保険制度というのは複雑な計算が多い制度でございますので、また健全な運営をしっかりとお願いしたいと思っております。
今後における地域での高齢者の居場所づくりも重要です。中野区社会福祉協議会が行っているまちなかサロンのような活動が区全域で身近で行われている環境をつくっていく必要があります。その推進とともに、そのサロン的な居場所を地域の方に広報していく方法にサロン活動マップの作成があります。高齢者の居場所づくりを推進するとともに、サロン活動マップの作成を検討してはいかがでしょうか、伺います。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 現在、中野区社会福祉協議会におきまして、町会・自治会、友愛クラブにも協力を求めまして、区内にさまざまな形で展開いたします居場所、また、サロンの情報を広く収集して、この秋に一覧を発行する予定と聞いてございます。地域の身近にある居場所、サロン、それをわかりやすく提供しますことは、区民利用、また、活動の活性化にも資すると思われますので、わかりやすいマップづくりにつきまして、社協と相談してまいりたいと考えております。
○木村委員 ぜひよろしくお願いします。その作成に当たっては、高齢者の方が使うと思うので、できる限り大きな字で、場所や時間帯というのをわかりやすくして、身近に感じてもらえるように、登録件数というか、これからふえてくると思うんですけども、例えば区民活動センター単位とかでの作成も検討してみてはいかがでしょうか、伺います。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) わかりやすい情報の提供方法につきましては、社協とも相談しつつ検討してまいりたい、そのように考えてございます。
○木村委員 高齢者居場所づくりやその広報などは、地域包括ケアシステムの構築の上では大変に重要になってまいりますし、社会福祉協議会の活動はこれだけじゃなく、今後大変重要になってまいりますので、区は、この社会福祉協議会のこれらの活動に積極的にやはり関与すべきと思いますが、確認の意味で伺います、いかがでしょうか。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 社会福祉協議会でございますけれども、まちなかサロン事業をはじめまして、地域の区民や団体によるさまざまな活動の立ち上げを支援するなど、地域資源の開発と育成に取り組んでおります。今後の地域包括システム構築に向けまして、社会福祉協議会とは緊密な連携をとりながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。
○木村委員 ぜひよろしくお願いいたします。
介護施策で最後の質問でございますけども、事業者、最後に、介護従事者の処遇改善について伺います。平成27年度介護報酬改定では、加算の拡充によって、介護職員1人当たりの月額1万2,000円相当の処遇改善が国で予算化をされました。この処遇改善の加算を確実に給料アップへと結びつけるために、介護事業者は加算を取得する前後の賃金水準の計画書と実績報告書を提出することになっております。この実績報告書というのは提出は7月になっていましたけども、中野区ではどれくらいの事業者が給料アップを実施できたのでしょうか。区が指定している地域密着型サービス事業数の数と加算申請の届け出を出した事務所の数で、その報告を受けて、それがしっかりと改善されているかどうかを伺います。
○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当) この7月に実績報告を出した事業所ですけれども、加算を提出いたしました34事業所全てが提出をいたしました。また、27年度については、37の地域密着サービス事業所のうち、35事業所が加算の届け出を提出しております。改善状況につきましては、届け出をした全事業所が賃金アップをしていることを確認しております。
○木村委員 全ての事業所が改善しているということで、大変によかったと思います。介護事業者の処遇改善というのはまだまだ必要と思いますので、区でも独自でも改善を検討していただくように要望していきます。ありがとうございました。
次に、4番、自治体間交流について伺います。
10か年計画の骨子では、目指すべき姿に、連携都市との間の経済、体験等の交流が活性化して、長期滞在や2地域居住などが行われていますとあります。区はこれまで長期滞在や2地域居住への取り組みはありますか、伺います。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 現在、区では里・まち連携として5自治体との交流を深めているところでございます。具体的には連携都市の物産展などによる経済交流、収穫体験、宿泊体験などの体験交流事業などを進めているところです。今後は、このような交流事業から、その先の長期滞在や2地域居住など、相互の地域活性化と発展につながるような交流を段階的に進化させていくという方向性で考えてございます。ただ、現時点におきましては、長期滞在や2地域居住に関する具体的な取り組みということは検討中というところでございます。
○木村委員 検討中ということでございまして、里・まち連携を組んでいる自治体の中でも、例えばお試し居住の体験暮らしの取り組みとして、連携している喜多方市とか田村市が情報提供をしていますし、館山市では空き家バンクとか、移住体験ツアーとか、移住・定住を希望する方への相談をNPOが行っております。こういったまず連携自治体の取り組みを、ホームページなどを活用して区民に紹介してみてはいかがでしょうか、伺います。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 区の都市観光ホームページでは、共同の取り組みとしまして、今現在も里・まち連携自治体にID、パスワードを既にお渡ししてございます。直接自治体の方々が中野の都市観光のホームページに入力していただきまして掲載することができるように既になっており、さまざまな取り組みについて紹介しているところです。連携自治体から先日も、移住に係る事業について都市観光のホームページで掲載してほしい旨のお問い合わせもございました。このような取り組みについては、今後紹介していく予定でございます。今後も引き続き連携自治体の取り組みについては個々PRをしていきたいというふうに思っています。
○木村委員 東京と地方の関係で、移住の先を踏まえた議論というのはさまざまあると思うんですけども、そういうまだ議論する前の段階で、しっかりとまず連携を強めていかなければ、やはりその先も進まないし、その先はどうなるかわかりませんが、そういう意味では、しっかりと今できることを進めていければというふうに思っております。
自治体間交流がこれまで観光や物産販売など都市観光分野が担ってきましたが、まち・ひと・しごと創生総合戦略でも検討されている、移住を含めた交流となると、都市観光分野だけの対応では難しいのではないでしょうか。地方の自治体では、自治体間交流は総合的な部署の対応が多いようですが、区でも企画分野のような総合的な部署のかかわりが必要となってくると思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 区民が長期滞在や2地域居住などの選択が進むというためにはでございますが、先ほども答弁がありましたように、移動先の都市の状況、市民レベルの交流などによりまして、親近感が高まることによりまして、自身のライフステージやスタイルに応じた選択が進むであろうというふうに考えているところでございます。こうした動きを促進するためには、まずは連携自治体との間で、産業や商業団体や地域団体、あるいは住民間の交流ですとか、多様な連携交流の強化が必要だということでございまして、住民同士の交流を広げることが必要だというふうに考えてございまして、これを進めるため、中心となる所管をしっかりと定めまして、庁内の関係分野と連携を図り、総合的な自治体間交流を進めていくことが必要であるというふうに考えてございます。
○木村委員 ぜひ総合的な立場のかかわりを強めていただければと思っております。
区長が行政報告で触れたように、特別区区長会では特別区全国連携プロジェクトを立ち上げて、ことしの6月30日から専用のホームページを立ち上げ、23区と全国の自治体の交流を推進しています。このプロジェクトの効果というのはどのように考えているでしょうか、伺います。
○海老沢政策室副参事(企画担当) 特別区全国連携プロジェクトにつきましては、東京を含む各地域がともに発展・成長し、共存共栄を図るということを目的といたしまして、昨年9月に特別区区長会が立ち上げたプロジェクトでございます。参加自治体は9月16日現在で179団体ということでございまして、参加自治体の拡大に努力をしているというところでございます。中野区と青森市との交流がきっかけとなりまして実現した東北六魂祭への支援、協力、こうした一連の連携についてもこの一環ということでございまして、復興を支援するとともに、東北6県の自治体との連携・協力関係が深まったというふうに考えてございます。
現在、このプロジェクトのプラットフォームとなる専用のホームページを開設してございまして、このホームページを連携・協力の入り口として使用・活用いたしまして、自治体との新たな連携の実現を目指しているところでございます。中野区との交流自治体につきましても、現在参加を促しているというところでございます。東京と地方が連携と協調を進めていくというためには、双方の活性化と適切な人口移動を生み出すということで、互いにウイン・ウインの関係をつくっていくということが必要でございまして、必要かつ効果的な取り組みであるというふうに考えておりまして、特別区連携プロジェクトにつきましても進めてまいりたいと考えてございます。
○木村委員 交流については、やっぱりチャンネルがないと交流がなかなか進まないというところもありますので、そういうこともしっかりと生かしながらやっていただければと思います。里・まち連携だけじゃなくて、復興で職員を派遣している自治体とか、東北復興大祭典に参加している自治体など、中野区は多彩な自治体交流を持っております。先ほどの区長の行政報告でも、東京と地方が連携と協調を進めることで、双方の活性化と適切な人口移動を生み出し、お互いにウイン・ウインの関係を構築していくことが重要であるとありました。それを全庁挙げて、しっかりと積極的に進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
次に、5番、障害者施策について伺います。
区が障害者福祉事業団に雇用促進事業として委託している就労支援センターを通じた障害者の就職数が59人となっておりますけども、平成25年度の50名と比べて増加しております。ほかの、都の障害者雇用の状況はどのようになっているのか伺います。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 都内の就労支援センターがかかわりました障害者の就職数は、平成24年度は1,630人、平成25年度は1,743人、平成26年度は1,759人となっております。法定雇用率が上がりました平成25年度につきましては前年に比べ増加をしておりますけれども、平成26年度はほぼ横ばいという状況でございます。
○木村委員 区が行っている障害者の雇用促進の施策の一つに、シティビルメン協同組合との障害者雇用に関する協定がありましたが、その状況について伺います。まず、協定の内容はどのようになっているのか伺います。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) シティビルメン協同組合との協定でございます。協同組合等の障害者雇用の支援についての基本方針に基づきまして、平成22年3月にシティビルメン協同組合の雇用促進事業における障害者雇用に関する協定書を締結しております。現在は、平成25年3月に平成28年3月までの3年間の協定を締結しており、主な内容といたしましては、区が施設の清掃業務の一部を発注し、協同組合の障害者雇用の円滑な運営を支援すること、協同組合は原則として中野区に住所のある障害者を法定雇用率以上に雇用すること、そのために障害者雇用の方針を定め、障害者雇用の理解促進を図ることというふうになっております。
○木村委員 その業務の発注実績はどういうふうになっているでしょうか、伺います。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 発注量は、障害者の雇用数に基づきまして算定をしております。平成27年度につきましては、障害の程度等を考慮いたしました算定総障害者数が18.5人で、約7,730万円、平成26年度は障害者数の算定が16.5人で、約6,720万円となっております。
○木村委員 じゃあ、そこで、中野区に住所のある障害者の雇用数はどうなっているでしょうか、伺います。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 平成27年度の発注の算定基礎としております平成27年1月1日時点の実数で、合計16人の障害のある方が雇用されております。うち、中野区民は7名ということになっております。法定雇用率に基づく人数5名を上回っているという状況でございます。
○木村委員 じゃあ、中野区民の雇用をふやすためにどのような取り組みを行っているでしょうか、伺います。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) これまでも中野区民の採用は行っておりますけど、定着等の問題がありまして、ことし1月時点では7名ということでございます。協同組合につきましても、増の必要があるということで取り組みの強化を求めております。ことしの6月には、来春の雇用に向けまして、中野・練馬両特別支援学校から2名の実習生を受け入れていただきました。この方が定着すると、次年度以降、両特別支援学校との連携がさらに進むというふうに考えております。また、年内に、区内の就労支援施設、就労移行支援事業所、就労継続支援事業所を対象にいたしまして、実際にシティビルメンで働いている現場を見ていただくという見学会を開催する予定でございます。これによりまして、福祉的就労から一般就労につなげていきたいというふうに考えております。
○木村委員 そのシティビルメン協同組合から、区からの受注施設では規模が小さく、障害者が働く現場には不向きという声もあるようでしたけども、どのように考えますか、伺います。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 障害のある方が働く場合には指導員が必要になります。できれば多人数で働ける場がありがたいというようなお話を伺っているところでございます。今年度発注いたしました14件でございます。その内容、規模、さまざまでございまして、その14件のうち、実際に障害者が働いている現場は4カ所というふうになっております。この制度につきましては、障害者雇用を進める協同組合の経営支援というのが主な目的となっておりまして、必ずしも働く場の確保を保障しているという制度ではないというものでございます。
○木村委員 現在の協定は今年度で期限を迎えますけども、今後の予定はどのように考えているんでしょうか、伺います。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 障害者雇用の取り組みにつきましては、これからもさらに強化をしていく必要があると考えております。その取り組みの一つといたしまして、このシティビルメンとの協定がございます。今後もさらなる中野区に住む障害者の方の雇用が進むように、協定のあり方、その内容を含め、検討してまいりたいと考えております。
○木村委員 ぜひ前向きに検討していただければと思います。
次に、障害者福祉手当について伺います。決算説明書371ページには、特別障害者手当、障害者福祉手当の実績が出ていますけども、この制度の概要について伺います。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 特別障害者手当でございます。こちら、国の制度になります。障害基礎年金1級程度の重度の障害の重複、または重度の精神障害等によりまして、常時特別な介護を必要な20歳以上の方を対象にしております。障害児福祉手当につきましては、身体・知的・精神の重度の障害がありまして、重度の介護を必要とする方。経過的福祉手当につきましては、昭和61年まで旧の制度がございましたが、その手当の対象者で年金の対象になっていない方が対象となっております。
障害者福祉手当でございます。こちらは区の制度になっております。その根拠は東京都心身障害者福祉手当に関する条例で定められておりまして、基準以上の知的障害や身体障害のある方、脳性麻痺、進行性の筋萎縮症の方に対しまして、東京都と東京都の区域内にあります市町村が一体となって、障害者の福祉手当支給制度実現を図るというものを目的としたものでございます。この都の基準によって支給しておりますのが中野区の障害者福祉手当・第1種手当、その補完をしておりますのが第2種手当というものでございます。
○木村委員 それ以外に、例えば障害を理由とした手当というのはあるんでしょうか、伺います。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 重度の知的障害と重度の身体障害をあわせ持つなどの重度心身障害者と言われる方に対しまして、東京都の重度心身障害者手当があるほか、身体・知的・精神の障害があり、20歳未満の方に対しましては、国の制度といたしまして、特別児童扶養手当というものがございます。
○木村委員 現在は3障害の同一サービスという考え方が広がっております。手当には身体障害、知的障害の方に比べ、精神障害の手当が少ないようにも思いますが、いかがでしょうか、伺います。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 総合支援法に基づきます障害福祉サービスにつきましては、3障害いずれも必要な支援の程度に応じたサービス、支援区分を認定いたしまして、同じようなサービスを適用できるようになっております。その他の支援策につきましては、手当ですとか医療費の助成など、各障害の特性に合った支援というものが必要であり、それぞれの制度が構築されているというものでございます。
○木村委員 ぜひ不公平感がないように取り組んでいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後に、6、熱中症対策について伺います。
今年度の区内での熱中症にかかった方、まだ9月の現在ですけども、患者数と死亡者数を伺います。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 熱中症に関しては、全ての患者数についてのデータはありませんが、傷病で救急車により搬送された患者数は、今年度85名です。また、死亡者についても、人口動態の死因にないため、全数はわかりませんが、東京都監察医務院での把握された中野区の死亡者数は7名と伺っております。
○木村委員 中野区での死亡者数は7名、熱中症に関してですけども。今言った監察医務院の調査で私もちょっと見させていただきましたけども、足立区では12名を最多としまして、練馬区が10名で、板橋区9名、大田区8名、世田谷区8名、杉並区7名ということで、中野区より規模の大きい区を比較しますと、中野区は人口の比較からすれば、被害のほうがどちらかといえば中野区は大きいというふうに読み取れると思います。
ことしの夏は例年にない暑さでした。熱中症というのは、平均気温はそれほど上がらなくても、極端に暑い日が増加すると、影響が非常に大きくなるそうで、厚生労働省の人口動態統計では、熱中症の患者は増加傾向と予測をしています。区ではこれまで熱中症対策をどのように行ってきたのか、また、どのような課題を抱えているのか伺います。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 区ではこれまで、区職員による訪問調査や民生・児童委員の高齢者調査の際に、熱中症予防についてのチラシやうちわなどを配布し、注意喚起を行ってきました。また、自宅ではあまりクーラーの利用を好まない高齢者も多いことから、クールシェアの観点も含めまして、高齢者会館等の公共施設を涼みどころとして提供いたしまして、あわせて、呼び込みのための講座などを企画しております。
課題といたしましては、ひとり暮らしの高齢者等が誘い合わせながら涼みどころを利用するなど、日ごろからの仲間づくり、孤立化防止が重要だと認識しているところでございます。
○木村委員 やはり同じように、地域で孤立している方とかをいかに高齢者会館等に引っ張っていくかということは、大変、どの施策でも大きな問題になってくるかと思います。
東京都の調査では、熱中症を起こすことによる死亡というのは夜間に多いことが明らかになっており、例えばコンクリートの住宅では外よりも室内の気温が高く、高齢者は危険な状態に気づきにくいという傾向にあります。練馬区ではその対策として、熱中症指標計配布事業を実施しました。熱中症指標計というのは、気温と湿度から熱中症の指標値を推測して、危険性を段階的に自動でライトとブザーで知らせる機器で、75歳以上のひとり暮らしで災害時要援護者、また、希望者約2万人に配布したそうです。1個440円、安価に聞きますけども、東京都の高齢者を熱中症等から守る区市町村支援事業が2分の1の補助を活用しています。つまり、1個220円ということになっております。中野区でも熱中症指標計配布を地域と接点のない高齢者に、高齢者会館に来てもらうインセンティブとして例えば活用するなど検討してみてはいかがでしょうか、伺います。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 熱中症予防グッズにつきましては、さまざま市販されておりますが、啓発効果、また、呼び寄せ効果、注意喚起効果などの観点で研究をしてまいりたいと思います。
○木村委員 また、高齢者だけでなく、子どもの熱中症対策も重要です。北区では、気温と湿度等から熱中症の危険が高いときは、北区防災気象情報メール配信サービスで熱中症予防情報を発信し、1時間ごとの熱中症ランクや気温の予報を見ることができます。中野区でもこういった配信サービスを検討してみてはいかがでしょうか、伺います。
○水口健康福祉部副参事(保健予防担当) 熱中症予防情報の発信につきましては、区報に2回掲載させていただいているほか、ホームページの掲載、7月からはトップページに注意喚起を掲載させていただいております。また、高温注意情報等へのリンクを張って、暑さ指数等確認ができるようにしております。今年度はそれに加えまして、学校教育や障害福祉、各すこやか福祉センターなどに、熱中症環境保健マニュアル、ポスター、リーフレット、パンフレットなどを配布して、普及啓発に活用いただいております。これからもさまざまな媒体を利用して、予防情報の発信に努めてまいりたいと考えております。
○木村委員 これから日本も暑い日がふえる夏が多くなってくると思いますが、ちょっとこの1年後の話ですけども、それに向けてしっかりと熱中症対策を進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。
以上で総括質疑を終了させていただきます。ありがとうございました。
○若林委員長 以上で木村広一委員の質疑を終了します。
次に、羽鳥だいすけ委員、質疑をどうぞ。
○羽鳥委員 2015年第3回定例会に当たって、日本共産党議員団の立場から総括質疑を行います。
初めに、残りの時間の関係で、通告から順番を変えまして、1、2番の前に3番、4番、6番をやっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
初めに、白鷺せせらぎ公園等の利用についてお尋ねをいたします。
白鷺せせらぎ公園がオープンしまして、私もオープニングセレモニーに行きました。多くの区民が公園を利用されていまして、また先日、公園のそばを通ったときも、子どもたちが遊具で遊んでいたりして、やっぱり区民に愛される公園になってほしいなというふうに思います。その上でですが、利用者の方々から幾つか訴えがありましたので、ちょっとその気になる点について質問をいたします。
初めに、ある少年野球チームのコーチをやられている方からお話があったんですけども、白鷺せせらぎ公園を利用した際に、コーチが見ていると、子どもが素振りをやっていたそうなんですよ。そのときに、管理人の人に、素振りはバッターボックス周辺じゃないとと注意されたというふうに言うんですね。試合をしているのに、バッターボックス付近でしか素振りできないというふうになってしまえば、練習にもならないじゃないかと。確かに利用ルールを見てみますと、バットはホームベース付近で振るものとしますと書いてはあるんです。ただ、そういった厳しいルールが何であるのかなというのをちょっとお尋ねしたいと思います。
○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 少年野球チームのバッティング練習ですとか、試合のとき、それから、指導者等のトスバッティング等につきまして、自由利用の一般の利用者と同様に禁止指導をしていたことにつきましては、管理委託をお願いしております自治会に対し、私どもの説明不足により生じたものでございます。施設利用を申請している少年野球団体への利用のルールにつきましては、現在改善し、団体利用時によって、バッターボックス周辺以外でもバットの使用と指導者のトスバッティング等も可としているところでございます。しかしながら、自由利用の時間帯におけます一般利用につきましては、引き続きバッターボックス周辺以外でのバットの使用は禁止とさせていただいているものでございます。
○羽鳥委員 改善をされたということで、よかったなというふうに思います。
また、白鷺せせらぎ公園には、ほかの運動施設にはないルールとして、原則として水以外による水分補給を除き、飲食は禁止です。水以外(スポーツドリンク等)の飲み物をとる場合は、人工芝部分以外でお願いしますというものがありますが、なぜこのようなルールがあるのでしょうか、お答えください。
○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 原則、多目的広場内への水以外の飲料水の持ち込みを制限しております理由といたしまして、人工芝上にジュース等をこぼした場合、水洗浄をせずに放置した場合、パイル間に充?されておりますゴムチップ同士がくっつきまして、そこからカビの発生源となり、劣化が進むということからでございます。これは同等の人工芝を導入しております他の自治体におきましても同様の利用形態となっております。より長く快適に御利用していただくためにも、御理解をいただきたい。また、ちなみに、上高田グラウンドにつきましては、パイル間に砂を充?する旧タイプの人工芝を使用しておりますことから、飲料の可となっているものでございます。
○羽鳥委員 そのように、これまでの人工芝とは違うタイプだということで、そういうルールがあるのだということだと思います。
今後も(仮称)本町五丁目公園や(仮称)南部防災公園にも運動施設がつくられていくということなんですけども、ここにもこの人工芝というのが導入されていくのでしょうか。
○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 新規開園いたします(仮称)本町五丁目公園と(仮称)南部防災公園におきましても、白鷺せせらぎ公園と同等のゴムチップを充?するロングパイル人工芝を導入することになってございます。
○羽鳥委員 ということは、これから新たに整備される運動施設も同じような、水以外禁止というルールがやっぱり課せられてしまうんでしょうか。
○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 今申し上げましたように、ロングパイルの人工芝を使用いたしますので、同様のルールということにさせていただきます。
○羽鳥委員 先ほど話に出しました野球チームのコーチからは、ふだんは小学校の校庭とかで練習をしているけれども、たまにはきれいなところを使わせてやりたいと、子どもたちにとってもそのほうが張り合いが出るんだと、楽しみにして利用したところ、素振りの話、これは改善をされたということなんですけども、水以外禁止ということを注意され、こんなに使いにくいのでは、もう二度と使わないというふうに言っていらっしゃいました。そして、同時に、夏などは、スポーツしているときのやはり熱中症を心配されるわけで、白鷺せせらぎ公園の多目的運動場では、スポーツドリンクとか、せめて麦茶とかを飲ませてあげたいというのは当然の要求なんじゃないかなというふうに思います。例えば一部にスポーツドリンクが飲める部分を設けることとか、そういった工夫はできないものでしょうか。
○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 先ほども御答弁いたしましたように、より長く快適に御利用していただくためにも、水以外のものにつきましては、多目的運動場外でお飲みいただくということを引き続きお願いしてまいります。
○羽鳥委員 わざわざ多目的運動場の外に行ったり、コンクリートの端っこのほうに行くというのは大変なことだし、全面禁止というふうにしているとやっぱり、どなたかおっしゃっていましたが、黙って飲んでしまうみたいなルール違反とかも発生してしまうんじゃないかなというふうな心配もあるわけです。そもそも子どもたちが遊ぶところでこんなに厳しいルールが必要な人工芝自体が必要だったのかなというのが問われてくるんじゃないかなと思います。今後の整備においても、利用する人にとってやっぱり使いやすい設備を整えるように求めたいというふうに思います。
白鷺せせらぎ公園の利用に関してなんですけれども、この公園では、施設予約で「ないせすネット」が使えないです。また別の少年スポーツチームの保護者の方からなんですけれども、予約の際にその都度やっぱり区役所に行かねばならず、とても負担だというふうな声が寄せられていまして、まず、なぜ白鷺せせらぎ公園では「ないせすネット」が使えないということになっているんでしょうか。
○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 白鷺せせらぎ公園の開設に向けて、多目的運動場の予約につきましても、「ないせすネット」の利用を検討してまいりましたけれども、システムの大幅な変更が必要になるため、「ないせすネット」には組み込めなかったというものでございます。
○羽鳥委員 多額の費用がかかるということなんですけれども、例えば、じゃあ、今後整備されていく本町五丁目公園であるだとか南部防災公園に付随する運動施設は、「ないせすネット」に接続をされていくんでしょうか。
○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) (仮称)本町五丁目公園と南部防災公園とも、本年度開設を予定してございますけども、開園時から「ないせすネット」を利用することができませんけれども、システムの更新がありますときに、白鷺せせらぎを含め、「ないせすネット」の利用ができるようにしていきたいというふうに考えているところです。
○羽鳥委員 そこでお尋ねするんですけども、「ないせすネット」に接続されている施設、区内の運動施設と、あと、接続されていない施設、これは今、現状では白鷺せせらぎ公園だけということなんですけども、それぞれ稼働率というのはどのように違いがあるのでしょうか、お答えください。
○志賀都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 私から白鷺せせらぎ公園の多目的運動場の稼働率について御答弁させていただきます。6月中旬の開園から8月末までの利用状況は、平日の利用は33件で14.2%、土・日・祝日の利用は68件で81%、全体で101件で31.9%となってございます。
○石濱健康福祉部副参事(健康・スポーツ担当) 「ないせすネット」に接続されている施設ですけれども、中野体育館、鷺宮体育館、上高田運動施設、哲学堂運動施設、妙正寺川公園運動広場でございまして、それぞれ利用率ですけれども、中野体育館が95.5%、鷺宮体育館が91.2%、上高田運動施設が81.6%、哲学堂運動施設が82.8%、妙正寺川公園運動広場が71.5%でございます。
○羽鳥委員 「ないせすネット」につながっていないことだけが原因ではないでしょうし、白鷺せせらぎ公園は開園したばかりで、認知度がまだ低いということとか、あとは、やっぱり鷺宮が遠いということもあるとは思うんですけれども、それを勘案しても、白鷺せせらぎ公園、「ないせすネット」につながっていない施設も、稼働率ってやっぱり低い数値なんじゃないのかなというふうに感じます。建設にも多額のお金が使われているわけですから、施設をつくったのになかなか利用されないというのは、区にとっても本意ではないと思います。区民に利用され、愛される公園にしていくためにも、施設のルールや設備の見直し、「ないせすネット」の早急な改善を求めて、この項の質問を終わりにしたいと思います。
続きまして、福祉住宅「昴館」についてお尋ねをいたします。
この障害者福祉住宅「昴館」は、1990年、平成2年に、区が中野区立身体障害者福祉住宅条例を制定し、つくったものです。条例を審議した委員会では、当時の福祉部長が、今回の障害者住宅が従来型の住宅と違うのは、区が責任を持って管理・運営していく点である。具体的には、管理人を置き、区費をもってエレベーター等の整備をする点が異なるというふうに述べています。2006年、平成18年に区営住宅全体が指定管理に移行しましたが、この福祉住宅の理念に照らしても、現在も中野区に相当の管理・運営などの責任はあるという考えに変わりはございませんでしょうか。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 福祉住宅ですが、これは区の事業でございますので、維持管理・運営についても、最終的に区に責任があると思います。
○羽鳥委員 この間、昴館の利用者の方からは、最初のほうは住み込みの管理人さんがいて、24時間、何かあったときには対応してもらえたが、現状では日曜日には管理人がいないと。また、平日いるときも、9時から5時というふうに制限があると。何かあったときにはやっぱり不安だという声が上がっています。区として、このような声を把握はしているでしょうか。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 一部の居住者の方から住み込みの管理人配置の御要望があることは承知をしております。
○羽鳥委員 現在は、生活援助員(LSA)は区が配置をしてやっていらっしゃるということなんですけども、住んでいる人の高齢化や、あるいは障害の進行、それと、当初想定されていなかった知的障害者の方の入居などがある中で、やっぱり以前のような住み込みも含めて、24時間の対応が可能な体制をとっていく必要があるのではないでしょうか、お尋ねをいたします。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) こういったLSAの配置につきましては、国あるいは東京都においても、管理人からLSAへの転換、そういったことを奨励しておるところでございます。したがいまして、区といたしましては、こういった対応をしていきたいと考えております。
○羽鳥委員 また、現在やっぱりそもそも福祉住宅がもっと欲しいということ、そういうことも今の時代とても求められているというふうに思います。障害者福祉住宅には、2012年から2014年の3年間に1戸も空きがありませんでしたが、毎年希望者がいらっしゃいます。また、区内にある高齢者福祉住宅では、補欠で当選した人を除いた実質の入居の申し込み倍率は70倍に達することもあります。区としてこのような状況を見て、増設に足を踏み出すべきではないでしょうか、お尋ねをいたします。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 福祉住宅でございますけども、これは住宅セーフティーネット、こういった観点から、住宅に困窮する高齢者や障害者等への対応のために、今後も一定数の維持は必要ではないかと考えております。しかしながら、基本的に住宅の確保といいますのは、民間のストックを活用して行われるべきでございまして、今後、戸数の増加ではなくて、民間と適切に連携しながら進めていきたいと考えております。
○羽鳥委員 昴館の隣には都営住宅、白鷺一丁目第3アパートをはじめ、たくさんの都営住宅が建ち並んでいます。こういったところを一部でもシルバーピアへの指定をしてもらって、昴館とともによりきめ細やかな生活指導員であるだとかによる援助ができるのではないでしょうか、お尋ねをいたします。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 都営住宅ですとか、東京都住宅供給公社の賃貸住宅の建て替えに当たりましては、今、委員御指摘のシルバーピアをはじめ、さまざまな世帯が居住できるよう、東京都に対して要望を行っているところでございます。
○羽鳥委員 衣食住と言われるように、やっぱり住む場所が確保されるということは、生きる上での基礎だというふうに思います。住宅の政策というのは、やっぱり民間だけに任せておけばいいというふうになかなかいかないものだというふうに思います。やっぱり今後の高齢化の進展でありますだとか、そういう状況を見て、区のほうには福祉住宅の増設ということを改めて求めておきたいと思います。そして、この項の質問を終わりにさせていただきます。
続きまして、区内交通の充実についてお伺いをいたします。
私、鷺宮でいろいろと住んでいまして、その地域の住民の方々の声を聞きますと、本当に多くの方が、コミュニティバスの「なかのん」のことについて今も触れられます。「なかのん」は、多くの区民の方が何とか実現できないかというふうに運動を広げ、実現をしたものです。中野駅方面に出にくい鷺宮の地域の住民にとっては、まさに悲願であったというふうに思います。しかし、中野区はわずか3年間の補助で打ち切ってしまい、「なかのん」はなくなってしまい、関東バスの一路線になってしまいました。今も、何で補助を打ち切ってしまったのかと、1時間に1本のバスは使いにくいと、終バスもせめて7時台までならないものかというふうな声が寄せられていて、本当にささやかな願いだなというふうに思います。
初めに伺いますが、区が補助を行っていたときの運行状況はどうだったのでしょうか。また、3年間でどのくらいの補助額だったのでしょうか、お答えください。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 旧「なかのん」でございますが、平成17年の11月30日から運行してございます。当初3年間の運行状況でございますが、中野駅から鷺宮、上鷺宮を経由しまして、杉並区の八成小学校までの路線でございました。1日に往復で51便を運行してございました。
区の補助でございます。3年間ですが、まず、初期投資ということで、車両の購入費約3,400万、それと、バス停の整備費が320万、そして、運行経費でございますが、こちらが3年間で合計で4,500万円を補助したというものでございます。
○羽鳥委員 この3年間の間の「なかのん」の利用実績というのは、当初の予想と比べてどうだったのでしょうか、お尋ねをいたします。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 当初の予測では、1便当たり平均で9.4人ということで予測をしてございました。実際、実績としましては、平成17年でございますが、11月からでございますけども、年度末までが1便当たり約8人、18年度は約11人、19年度は約13人、そして、20年度でございますが、補助は途中まででございますが、20年度は約14人でございました。
○羽鳥委員 当初の予想よりは上回ったということで、この地域からはやっぱり「なかのん」、コミュニティバスが求められていたのかなというあかしだというふうに思います。しかし、そうした利用実績があっても、やはり黒字にはなっていなかったと思います。そこでお尋ねをしますが、コミュニティバスが黒字になっている自治体、いろんな自治体がコミュニティバスをやられていますが、そういう自治体はあるのでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 調べた23区内におきましては、区の補助を除いて、黒字で運営されているというコミュニティバスはございません。
○羽鳥委員 やはりしっかりと運営をしていくためには、コミュニティバスには区費など、いろんな行政からの補助が必要なんだということだと思います。中野区のほかにコミュニティバスをなくした23区の自治体はあるのでしょうか、お答えください。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) そのような例はございません。
○羽鳥委員 ないというふうなことで、中野区だけがなくしてしまったということにも驚きをちょっと感じます。先日、障害者団体の方からお話を伺いました。中野駅周辺には、スマイルなかのであるだとか、さまざまな公共施設が集中している現状があります。野方あたりに住んでいれば、まだ中野駅に出るバスというのはたくさんありますけども、鷺宮や上鷺宮周辺に住んでいると、中野駅周辺に出るのは本当に不便だということでした。「なかのん」については、国の補助金など活用できるものはないかなど検討して、区費の投入を行って、改めて実施していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 当初は区の補助によりコミュニティバスとして運行を開始しましたが、現在は民間バス事業者が運営するバス路線の一つとして運行してございまして、区が補助金を支出するということは考えてございません。
○羽鳥委員 もう一つ、オンデマンド交通についてお尋ねをしていきます。オンデマンド交通について、中野区は2008年に中野区オンデマンド交通検討報告書というものを出して以降、それ以降ずっと検討しているというふうに繰り返していらっしゃいます。この報告書では最後に、オンデマンド交通を導入する意義は高いという総合評価を下すとともに、同時に、交通事業者の努力によって収支が大きく改善する余地は小さいため、区が継続的に財政支援することが事業者が参入する条件として述べられています。一体この7年間、何をどう検討していたのでしょうか、お答えください。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) オンデマンド交通につきましては、利用者のニーズですとか、運行方法、それに伴う経費、さまざまな課題がございまして、そういったことを中心にこの間検討を行ってきてございました。また、オンデマンド交通を含めましたさまざまな交通手段につきましても、例えば国が主催する研修会ですとか、そういったところに職員が参加をしたり、他市区町村の導入事例等の情報、そういったものを参考にする、そして、交通事業者とも情報の共有や意見交換をこの間行ってきたというところでございます。
○羽鳥委員 情報収集などをいろいろ行ってきたり、検討してきたという答えなんですけども、そろそろ検討を前に進めて、オンデマンド交通を実施をしていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 実現に向けましては、解決しなくてはならないさまざまな課題がございます。そういった課題を解決しなければならないこともございますので、引き続き検討していきたいというふうに考えてございます。
○羽鳥委員 地域の公共交通というのは、区民の交通権を保障する大事な手段だというふうに思います。交通権が保障されないと、憲法で述べられている基本的人権というものにアクセスできなくなり、絵に描いた餅となってしまうと思います。中野区は、区民が自由に安心・安全に移動できる権利である交通権を基本的人権として保障する責務を負っていると思います。今後、高齢化や格差の拡大などに伴って、移動制約者というものはますますふえていくでしょう。そのときにコミュニティバスやオンデマンド交通などの手段があることが、区民の健康づくり、また、生活の質向上にも役立っていくと思います。中野区においては、そのような大きな視点に立ってこの問題に当たっていってもらいたいと申し上げまして、この項目の質問としたいと思います。
○若林委員長 羽鳥委員の質疑の途中ですが、5時になりますので、今後の運営について協議するため、理事会を開会します。委員会を休憩します。
午後4時52分休憩
午後5時00分開議
○若林委員長 委員会を再開します。
理事会の報告をします。
羽鳥委員の質疑の途中ですが、本日は終了し、次回、羽鳥委員から始めることを確認しました。
以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○若林委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○若林委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、本日の総括質疑を終了します。
次回の委員会は、9月24日(木曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
以上で本日の決算特別委員会を散会します。
午後5時00分散会