1.平成28年(2016年)2月19日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 加 藤 たくま 2番 若 林 しげお
3番 日 野 たかし 4番 木 村 広 一
5番 ひやま 隆 6番 山 本 たかし
7番 渡 辺 たけし 8番 内 野 大三郎
9番 羽 鳥 だいすけ 10番 北 原 ともあき
11番 高 橋 かずちか 12番 内 川 和 久
13番 甲 田 ゆり子 14番 小 林 ぜんいち
15番 白 井 ひでふみ 17番 細 野 かよこ
18番 小宮山 たかし 19番 広 川 まさのり
20番 い さ 哲 郎 21番 佐 野 れいじ
22番 いでい 良 輔 23番 伊 東 しんじ
24番 平 山 英 明 25番 南 かつひこ
26番 小 林 秀 明 27番 森 たかゆき
28番 石 坂 わたる 29番 いながき じゅん子
30番 小 杉 一 男 31番 浦 野 さとみ
32番 伊 藤 正 信 33番 高 橋 ちあき
34番 大 内 しんご 35番 市 川 みのる
36番 篠 国 昭 37番 久 保 り か
38番 酒 井 たくや 39番 近 藤 さえ子
40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦
42番 来 住 和 行
1.欠席議員
16番 中 村 延 子
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 副 区 長 川 崎 亨
副 区 長 本 田 武 志 教 育 長 田 辺 裕 子
政 策 室 長 髙 橋 信 一 経 営 室 長 篠 原 文 彦
都市政策推進室長 長 田 久 雄 西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角 秀 行
地域支えあい推進室長 野 村 建 樹 区民サービス管理部長 白 土 純
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈 良 浩 二 健康福祉部長 瀬 田 敏 幸
保 健 所 長 寺 西 新 環 境 部 長 戸 辺 眞
都市基盤部長 尾 﨑 孝 政策室副参事(企画担当) 海老沢 憲 一
経営室副参事(経営担当) 朝 井 めぐみ
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 小 田 史 子 事務局次長 堀 越 恵美子
議事調査担当係長 佐 藤 肇 書 記 関 村 英 希
書 記 東 利司雄 書 記 大 野 貴 子
書 記 細 川 道 明 書 記 江 口 誠 人
書 記 井 田 裕 之 書 記 田 中 寛
書 記 福 島 ル ミ 書 記 遠 藤 良 太
書 記 香 月 俊 介 書 記 亀 井 久 徳
議事日程(平成28年(2016年)2月19日午後1時開議)
日程第1 第6号議案 平成28年度中野区一般会計予算
午後1時00分開議
○議長(北原ともあき) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、大内しんご議員、南かつひこ議員、長沢和彦議員、森たかゆき議員、篠国昭議員、小林ぜんいち議員、広川まさのり議員、ひやま隆議員、伊藤正信議員、甲田ゆり子議員、高橋かずちか議員、若林しげお議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、いながきじゅん子議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員、渡辺たけし議員、内野大三郎議員、細野かよこ議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 大 内 しんご
1 所信表明について
2 新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)について
3 18歳選挙権引下げに伴う主権者教育充実について
4 大和町のまちづくりについて
5 平和の森公園再整備構想(案)における多目的広場について
6 その他
○議長(北原ともあき) 最初に、大内しんご議員。
〔大内しんご議員登壇〕
○34番(大内しんご) 平成28年2月19日、第1回定例会に当たりまして、自由民主党議員団の立場から質問を行います。
私の質問は、通告どおり、1、所信表明について、2、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)について、3、18歳選挙権引下げに伴う主権者教育充実について、4、大和町のまちづくりについて、5、平和の森公園再整備構想(案)における多目的広場について、その他、1点、ふるさと納税について、御質問をいたします。
まずは、所信表明について。
ことしの1月22日に閣議決定された平成28年度の経済見通しによりますと、我が国の経済は昨年9月に示されたアベノミクスの第2ステージにおいて、第1の矢である「希望を生み出す強い経済」を推進することを掲げ、これにより雇用、所得環境が引き続き改善し、経済の好循環がさらに発展して、堅調な民需に支えられ、景気回復が見込まれ、この結果として平成28年度の実質GDP成長比率は1.7%程度見込まれるとしています。とまらぬデフレにより危機的状況にあった我が国の経済が、今、デフレ脱却への道を確実に進んでいることはこれまでのアベノミクスの成果であると思います。この成果の上に立ち、中国をはじめとする新興国の景気下振れ等の影響にも揺るぎのない足腰の強い経済基盤をつくり出していくために、さらに大胆な経済政策が求められていると思います。
また、アベノミクス第2、第3の矢では、この成長の果実を「夢を紡ぐ子育て支援」、「安心につながる社会保障」につなげるとしており、一億総活躍社会の実現を図るとともに、希望出生率1.8、介護離職ゼロを数値目標として掲げています。さらに、高齢化、生産年齢人口の減少に直面している我が国としては、この政策展開は待ったなしの状況にあると言わざるを得ません。区が現在置かれている状況も同様であります。
区長は、所信表明の中で、一つ目に、この社会の趨勢を捉えると、あらゆる人が個性と能力を生かして社会貢献できる「全員参加型社会の実現」、二つ目に、誰もが生き生きと暮らし、医療介護の負担を軽減できる「健康寿命の延伸」、三つ目に、ICTコンテンツを駆使しての人の暮らしを豊かにする「生産性の向上」、四つ目に、絆を強め、支援が必要な人を社会全体が支える「コミュニティの再生」が成長の鍵であると述べております。また、そうした社会の実現は、それぞれの自治体が地域の実情に即して適切な政策を講じつつ、互いに競争し、必要な場面で協調・連携し合う真の地方分権を実現することが必要とも述べています。
区は、これら四つの課題に正面から向き合い、明確な目標を定めて、中野の実情に合ったさまざまな政策をあらわし、他の自治体をもリードしていく自立した取り組みが求められると思います。課題に対する中野の将来に向けた展望は現在策定中の基本構想と10か年計画において示されており、区民と行政がともに汗をかき、新しい中野のまちをつくり出していくための計画書として区民と十分な共有を図っていくことを求めたいと思います。
区は、中野区版まち・ひと・しごと創生総合戦略(案)の中で区の将来人口の展望を行いました。2020年以降の全国的な人口移動の減少傾向を反映し、2014年の合計特殊出生率0.99を基本とすると、今後10年間の区の人口はほぼ横ばいですが、今後40年間では19.8%のマイナスであり、約25万人強まで人口が縮小すると予測しています。区は、持続可能な地域社会をつくるため、合計特殊出生率を2040年までに1.65にまで高めることによって、将来の少子化、人口減少をできる限り食いとめる目標を設定し、その結果として、40年後も現在の人口をおおむね維持したいとしています。これを実現するためには、区長が所信表明で挙げた、さきの四つの課題に対応していくとともに、中野区の魅力をさらに発掘し、付加価値の増加を図り、住みよいまちとして23区の中でさらに選ばれるようになっていかなければなりません。
そこで、質問いたします。区は、時代の転換期にあっても、先頭に立って地域の実情に即した適切な政策を講じていく、力強い政策推進が求められていると思います。さきに挙げた四つの課題にどのように対応し、新しい基本構想案にもどのように盛り込んでいくのか。中野のまちの将来像をどのように実現していこうと考えているのか、お聞きをいたします。
次に、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)について伺います。
区長は、所信表明で、新たな基本構想、10か年計画がスタートすることしを区民全体が共有したビジョンに基づいて将来に向けて力強い歩みを踏み出す年としていかなければならないとしています。平成18年1月に、新しい中野をつくる10か年計画を策定し取り組んでまいりましたが、それから10年、この間の社会的経済状況の変化や国・都及び関連する民間サービス等の動向、区のさまざまな施策の進捗状況を踏まえるとともに、これから先の長期的な社会的動向等を見据えて基本構想を改定するわけですが、今回の改定の目玉である重点事項、すなわち大きく改定される新たな試み、これからの10年間の取り組みについてお聞きをします。
また、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の中で、「基本構想は、人々が力をあわせてお互いの暮らしやまちの豊かさを高めていくための区民の共通目標であると同時に、区が区民の信託に基づき行政を進める上で、もっとも基本的な指針となる」と述べています。ここでいう基本構想における共通目標とは何なのか、具体的にお聞きをいたします。
今回の新しい中野をつくる10か年計画(第3次)でとりわけ目を引いたのは、「戦略Ⅰ まち活性化戦略」の中で「世界に開かれた経済活動とにぎわいの拠点」を目指していくということです。これまでは東京の新たなエネルギーを生み出す活動拠点という言葉がよく使われていましたが、これからは世界の中の中野を目指していくということであります。まさに力強い歩みを踏み出したことになります。
そこで伺います。グローバル都市戦略の検討の中でもグローバル都市NAKANOを目指すとしていますが、改めて世界に開かれた経済活動とにぎわいの拠点を目指す意義についてお伺いします。
次に、世界に開かれた経済活動とにぎわいの拠点として、世界から注目され選ばれる都市となるために、具体的にどのように取り組んでいこうとしているのか、伺います。
また、グローバルや世界と一言で言っても一般の区民の方にはなじみにくい部分もあるかと思います。「世界に開かれた経済活動とにぎわいの拠点の実現」により区民にどのようなメリットがあるのでしょうか。見解をお伺いします。
3番目に、18歳選挙権引下げに伴う主権者教育充実についてお伺いいたします。
昨年6月19日に公職選挙法が改正され、選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられることになり、ことしの参議院議員選挙では新たに満18歳以上の方の投票が実現する見込みとなっています。この改正は、我が国の選挙制度において選挙権の拡大という点では実に70年ぶりの大きな改正であり、18歳及び19歳の新たな有権者が全国で約240万人増加するそうです。我が中野区においては約5,000人程度の若者が新たに選挙権を持つことになると伺っています。こうしたことからも、これまで以上に若年層を中心とした政治参加への取り組みが大変重要な課題になってくると思います。御承知のとおり、近年の選挙における投票率は低迷傾向にあり、とりわけ若年層の投票率は他の年代に比べても大変低い状況にあります。こうした点からも、ことしの参議院議員選挙は新たな若い有権者に対しさまざまな注目が集まることと思われ、これを契機とし、選挙管理委員会や教育機関では選挙に対する関心を高めるための取り組みが重要になってくると考えています。
そこで、選挙管理委員会にお尋ねをいたします。
選挙管理委員会ではこれまでもさまざまな啓発事業を実施してきたと思いますが、昨今の若い年齢の方たちの低投票率についてはどのような認識をお持ちなのでしょうか。また、将来を担っていく若い人々にそういった政治や選挙への関心を高めてもらうために、選挙管理委員会ではこれまでどのような取り組みを行ってきたのでしょうか。そして、選挙権年齢の引き下げに伴い、今後若い人たちへの選挙啓発は大いに注目を集めることになりますが、どのような事業展開を考えているのでしょうか。御見解をお聞きします。
一方、18歳の選挙権が実現すると、多くの高校3年生が有権者ということになります。これは高校における政治教育、主権者教育を促進させる大きなチャンスとなります。しかし、その一方で、学校の中に有権者と非有権者が一緒にいるという状況が生じ、教育現場では気を遣わなければならないといった問題も既にあらわれているようです。選挙権年齢が引き下げられることにより、中野区においても、数年後には有権者となる中学生が、みずから考え主権者として主体的に投票に行くことができるよう、学校生活の中でも選挙、政治への知識、判断力を育むような取り組みが求められていると思います。この選挙権年齢の引き下げが政治教育を推進させるための契機と捉え、各学校においても民主主義の根幹をなす参政権についての意識向上、政治教育を推進すべきと考えます。
そこで、質問をさせていただきます。これまで各学校の授業では、中学生に向けどのような政治、選挙に関する学習を行ってきたのでしょうか。また、生徒一人ひとりの選挙、政治への関心を高め、政治参加の重要性について考えを深めるような取り組みを区内の中学校で新たに実施していく考えはあるのでしょうか。御見解をお伺いいたします。
さらにまた、その一方、学校現場においては、選挙や政治参加への教育を進める上で、それが偏った内容とならないよう、いわゆる政治教育の中立性の確保が求められると思います。そうした点についてどのような認識をお持ちなのでしょうか。あわせて御見解をお伺いいたします。
今回の選挙権年齢の引き下げを契機に、今後は教育現場において生徒が政治や選挙に関する理解をより深める取り組みを充実させながら、政治的な教養を育む教育の推進が求められます。それと同様に、選挙管理委員会においても今回の法改正は大きな転換点であり、その役割はさらに重要性を増しております。今回、選挙管理委員の改選が行われ、3月からは新たな期の選挙管理委員となりますが、選挙管理委員は、地方自治法にうたわれているとおり、「人格が高潔で、政治および選挙に対し公正な職権を有するもの」となっております。
そこで最後に、選挙管理委員長に伺います。
選挙管理委員は、各種選挙の公正・適正な執行はもとより、若い人たちを中心とした選挙啓発など、その活動内容は多岐にわたると思いますが、その職責を果たす上での責務や心構えをお伺いしたいと思います。
今後とも、選挙管理委員会、教育委員会、各学校等がしっかりと連携しながら、次の世代を担う若い人たちへ主権者教育を積極的に推進していくことが重要であることをもう一度申し上げて、この項の質問を終わります。
4番目に、大和町のまちづくりについてお伺いいたします。
大和町の災害に強いまちづくりについては、平成24年12月に東京都が木密地域不燃化10年プロジェクトに基づく特定整備路線として大和町中央通りの拡幅整備を進めるための説明会を開催し、これを皮切りにスタートしました。この大和町中央通りの拡幅整備は、平成31年度、平成32年3月までを事業期間として東京都が進めているものであり、くしくも平成32年、2020年に開催される東京オリンピックまでには完成される予定となっています。
一方、区は、この拡幅整備後の沿道を含む大和町全体のまちづくりに取り組んでおり、地域では、区と地域住民が協働で災害に強いまちづくりの検討を進めるため、地域の町会・自治会、商店会から推薦された方や公募の方で構成する大和町まちづくりの会が平成25年8月に立ち上がりました。この会は、ことし1月までに18回にも及ぶ会合を開き、真剣な議論を重ねており、毎回申し上げますが、本当に頭が下がる思いであります。
この間、区は、平成26年4月に東京都の木密地域不燃化10年プロジェクトに基づく不燃化特区の指定を受け、老朽建築物の建てかえへの支援などを展開するとともに、まちづくりの会での検討、地域からの意見を踏まえ、素案、案を経て、昨年5月に大和町まちづくり方針を策定しています。区は、現在、この大和町まちづくり方針をもとに、大和町中央通りの拡幅整備に伴いまちづくりの緊急度が高い中央通り沿道において、まちづくりのルールである地区計画の導入とそれに伴う都市計画の見直しや建てかえ促進のための事業の導入準備を、昨年からことしにかけて地域への説明が必要な都市計画の手続きを経て進めています。大和町中央通りの整備とともに、このような動きに対して、いよいよ目に見える形で本格的にまちづくりが進んでいく様子を地域にお住まいの方々も実感しているであろうと思います。
また、来年度以降は、まちづくりの起点としての大和町中央通りの先行的な取り組みを地区全体に拡大していくため、地区内の避難経路のネットワークの整備を含めた地区全体の地区計画の素案の策定や木密事業の導入準備などを行っていくと聞いており、このように着々と災害に強いまちづくりが進められていることに、引き続き我が自民党としても応援をしていきたいと考えております。
一方、不燃化特区については、平成32年まで期限を区切った取り組みですが、他区や区内の事例を見てもわかりますが、このようなまちづくりには10年を超える年月が必要なことも明らかです。現在、大和町のまちづくりの会においては、災害に強いまちづくりはもとより、今後、大和町をどのようなまちにしていくべきかの議論を行い、それをまとめて地域へ説明していくと聞いております。この取り組みを通して、地域住民のまちづくりへの意識を高める努力を地域住民が進めていく一つのきっかけにしていきたいとも聞いております。今後、まちづくりへの住民の意識の高さを継続させるとともに、ひいては地区内のさまざまな整備を加速させるためにも、このような住民自身の活動は長丁場となるまちづくりにおいては欠かせないもので、高く評価しております。
そこで、まちづくりの起点として進められている大和町中央通り沿道に導入準備が進められている内容とともに、大和町まちづくりの会によって取りまとめられている内容についてお聞きをします。
今回、大和町中央通り沿道に適用されることになるまちづくりのルールである地区計画と、地区計画の策定に伴い変更される都市計画の内容についてどのようにお考えになるのか、お聞きをいたします。
次に、地区計画の策定や都市計画の変更による、いわゆる沿道のまちづくりを進めるための誘導策とともに、中央通りを安全な避難路として、また災害時の延焼を食いとめる遮断帯として沿道の整備を促進させるため支援策を同時に施行すると聞いていますが、それはどのようなものかをお聞きします。
最後に、大和町まちづくりの会では大和町全体をどのようなまちにしていくべきかの議論を重ねていますが、内容はどのようなものか、今後どのように地域の方々に内容をお知らせしていくのかをお聞きしまして、この項の質問を終わります。
5番目、平和の森公園再整備構想(案)における多目的広場について質問させていただきます。
区は、高齢化社会が進む中、区民の健康づくりが喫緊の課題であるとし、その受け皿づくりのために、老朽化した中野体育館を平和の森公園内に移転させ、あわせて公園の運動機能の拡充について整備する方針を示し、検討を進めてきたところです。4年後に東京オリンピック・パラリンピックを控えて、必然的に区民のスポーツや健康づくりに対する意欲が盛り上がることが予想される中で、よりスポーツに対する関心を高め、取り組みを促すための施設整備を急ぐ必要があります。そのためにも、最新の設備を備えた体育館がオリンピックと時期を同じくして開設することは意味の大きいものと考えております。
区は、オリンピックの開催前までに平和の森公園を再整備するとのスケジュールを示しておりますが、4年間という短い間に進めていく必要があります。さらに、新体育館をできるだけ早期に開設することができれば、その分、現中野体育館の閉鎖期間を短くすることにもつながります。今後、再整備に当たって区民の理解や都との調整を進めていくことになりますが、開設に向けた区の方針をお伺いします。
また、オリンピック・パラリンピックの開催に際し、大会組織委員会は海外チームの事前キャンプの候補地募集を進めているところであり、既に200以上の自治体が名乗りを上げていると聞いています。区も既に名乗りを上げているとのことですが、いずれかの国のオリンピックチームが中野で事前キャンプを行うことになれば、区民が身近にオリンピックを感じる契機となり、健康づくりへの意欲も高められると同時に、子どもたちの国際化にも貢献することになります。さらに、パラリンピック競技の事前キャンプが行われることとなれば、障害者などに対する意識の向上など、これからの中野のまちづくりにもよい影響がもたらされると考えます。
そこで質問いたしますが、平和の森公園内に新しく整備される中野体育館等を活用して、いずれかの国が事前キャンプができるように今後アピールとしていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
区がこのたび発表した平和の森公園再整備構想(案)では、都有地である公園未開園部分を活用し、地下下水道施設の建設の前に体育館を建設し、あわせて草地広場の拡張も行われるというプランになっています。これまでも、未開園部分1ヘクタールの活用によって平和の森公園の機能がさらに拡充され価値の高い公園になっていくとし、東京都へ早期開設の要請を強めるよう求めてまいりました。この整備構想(案)を進めることによって公園の全面開園の時期が明確になり、草地広場の拡張とともに、体育館の屋内の大きな空間が整備されることによって周辺地域への防災機能の向上にも貢献できるものとなります。31年度中の開設に当たっては綿密なスケジュール調整が必要と思われますが、再整備構想(案)で示されたスケジュールでは、今年度から来年度にかけて整備基本計画を策定し、平成28年度には基本設計、実施設計を行うこととなっております。平成27年度当初においては、下水施設上部を活用するために、東京都下水道局に対し、換気塔など既存の施設の改修設計を依頼する必要があるとし、補正予算を編成し進めてまいりましたが、未開園部分への新体育館建設について合意がなされれば当初の状況から大きく変更されていきます。平成27年度予算はどのように執行されているのか。また、この状況を踏まえて、平成28年度にはどのような取り組みが必要になるのでしょうか。そのための経費について新年度予算にどのように盛り込まれているのでしょうか、お伺いします。
また、整備構想(案)のうち、陸上競技にも利用できる広場を整備することについても必要性を含めさまざまな意見が出されているところです。区内に思いっ切り走れる場所は少なく、例えば、小・中学校の校庭においても競技として100メートルを直線で走ることが行われていない現状を考えますと、平和の森公園の大きな敷地を活用してそのような機能も設置することについてはある程度理解できますが、一方で既存利用者との共存の方法など課題もあることは事実です。改めて、陸上競技機能の必要性と既存利用者との共存をどのように図っていくのかについて、お伺いします。
平和の森公園の既存開園部分についても、開設からおよそ30年が経過し、うっそうとした森が形成されております。中野には少ないまとまった自然環境を提供している一方で、少年スポーツ広場の周りには木が密集して周囲から見えづらくなっており、夜間の防犯上問題があるとの声も聞いております。公園内の樹木については、再整備にあわせて一定の剪定整備を行い、快適かつ安全な公園空間をつくることが利用する上で求められると思います。
整備構想(案)では、少年スポーツ広場を拡張し、大人の利用可能な野球やフットサルなどが行える多目的広場を整備するとしています。少年野球を行う環境については、白鷺せせらぎ広場の開園や(仮称)本町五丁目公園の開設によって場所が増加し改善が進んでいると思いますが、大人が野球やその他スポーツを行える環境についてはまだまだ場所が不足している状況であります。その受け皿づくりが求められております。構想(案)によると公園全体を改修することになっておりますが、全面改修によって公園を閉鎖するということになると、区民の憩いの場としての機能が長期にわたって失われることになりかねません。
そこで質問いたしますが、多目的広場については、平成31年度の体育館竣工を待たず、できるだけ早期に開設し、先に区民の利用に供することはできないでしょうか。体育館とスポーツ広場を段階的に整備することによって公園の機能を一定程度維持し、区民の利用制限が少なくすむようなことになるとも思いますが、いかがでしょうか。お聞きをいたします。
最後に、その他で1点質問させていただきます。
歳入確保策に関連した質問になりますが、区長は、再三、調整三税のうち住民税法人分の一部国有化による区財政の影響について言及しております。特に消費税が10%になれば区の影響額は40億円を超えると試算され、不当の一言以外表現がないとも述べられております。また、特別区税においても、ふるさと納税の影響額を3億円の減収と見込むなど、中野区の財政は今後増大する行政需要に対応するためさまざまな工夫が求められると考えます。
区長は、平成20年の第3回定例会の決算特別委員会において、我が会派の同僚議員のふるさと納税制度の見解をお聞きした際、そもそも納税を義務としている制度の趣旨から考えれば、受益と負担の関係が一致しない制度は大反対していると答弁されました。さらに、区もふるさと納税を検討すべきであるとの質問には、納税義務の趣旨からも導入に当たっては悩んでいる状況にあると答弁されました。
そこでお伺いいたしますが、来年度からスタートする新しい中野をつくる10か年計画(第3次)で示されたさまざまな行政需要に対応するため、新たな歳入確保策が必須であると思いますが、ふるさと納税制度について現在もその考えに変化がないのかをお聞きいたします。
以上で全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 大内議員の御質問にお答えをいたします。
所信表明に関連して、区政課題への対応ということで四つの課題にどのように対応していくのかといったような御質問であります。
妊娠・出産・育児と切れ目ない子育て支援や、誰もが活動しやすいユニバーサルデザインのまちづくりを進め、幅広い就労機会の充実を図るなど、全員参加型社会づくりを進めていきたいと考えております。
また、健康寿命につきまして、地域スポーツクラブや平和の森公園の再整備などによる場所づくりを進め、介護予防事業や交流事業の充実、東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機としたスポーツ健康づくりムーブメントの展開を図ってまいりたいと考えております。
また、国家戦略特区の活用などを契機としたビジネスチャンスの拡大によりグローバルな都市づくりを進め、ICTコンテンツなどの重点産業の育成や、区のサービスにおいてもマイナンバーの活用等、産業の生産性や生活の質の向上につながる展開を行ってまいりたいと考えております。
また、地域コミュニティにつきましては、誰もが住みなれた地域で住み続けられるよう地域支えあいネットワークの充実を進め、十分に機能する地域包括ケア体制の構築を行うとともに、ライフステージ、ライフサイクルに応じた多様で質の高い住宅の供給を進めてまいりたいと考えております。さらに、中野のまちの将来像の実現に向け、出生率向上を目指した「育てやすいまち」から「生みたくなるまち」への取り組みを強化してまいります。
今回の改定の重点的な項目、どういったことが挙げられるかということであります。今回、将来を見据え、対応すべき社会状況として少子高齢化、人口減少社会への対応、グローバル化の進展への対応、情報通信技術の進展への対応、首都直下型地震への備え、地球温暖化への対応といった点を挙げ、区政の方向として八つの戦略を設けたところであります。その中で特に中野のまちの将来像に向けては、出生率向上に向けた妊娠・出産・育児と切れ目のない子育て支援や、多様で質の高い幼児教育・保育の提供といった子育て施策の充実、子どもや高齢者、障害者など、誰もが地域で自立した生活を続けられる地域包括ケア体制の構築、中野のまちの活性化に向けた中野駅周辺まちづくりや西武新宿線沿線まちづくりなどに取り組んでいきたいと考えております。
基本構想で掲げる目標、共通目標とは何なのかという御質問です。少子高齢化や生産年齢人口の減少、都市施設など多くの社会資本が老朽化していく現状、切迫感を増している大規模災害の懸念など、社会状況は今後も大きく変化を続けてまいります。こうした状況の中、これからは地域の課題は地域住民がみずから考え、みずから決定し、みずからの責任で未来を切り開いていくことが必要となってまいります。中野区に暮らし、自治体を築き上げている区民が、将来の中野区を多彩なまちの魅力に満ち、支えあう区民の力であふれるわがまちとしていくため、全ての区民が力を合わせて行動する道しるべとして基本構想の中での共通目標として定めたものであります。具体的には、「産業と人々の活力がみなぎるまち」、「快適・安全な魅力ある都市」など、八つの領域ごとにまちの将来像と10年後に実現するまちの姿を描いているところであります。
次に、世界に開かれた経済活動とにぎわいの拠点を目指す意義についての御質問です。経済や社会のグローバル化の進展に伴い、中小企業を中心とした区内産業においてもビジネス環境は変化し続けております。新たな業種、業態を生み出せるグローバル市場において企業が稼ぐ力を持つためのビジネス環境を整備するとともに、稼げるまちとして区内における経済循環を促進していくことが求められているわけであります。その方策として、中野駅周辺などにおける都市再生を軸としてグローバルビジネス拠点を形成することや、今後の基幹産業となり得る都市観光を通じて集客力と発信力を高めていくこと、また外国人にも暮らしやすい生活環境を整備していくことに取り組んでまいります。こうした世界に開かれた経済活動とにぎわいの拠点を目指し、地域経済の活性化を牽引することによって、持続可能な都市の成長モデルを描いていけるものと考えております。
そうした世界に開かれた経済活動とにぎわいの拠点への取り組み、具体的にどう取り組んでいこうとするのかといった御質問です。昨年2月に発足した中野区グローバル戦略推進協議会は、現在、50を超える企業や団体、大学、金融機関などの賛同団体を得て、グローバル都市戦略や国家戦略特区の活用などについての協議を行っているところであります。グローバル都市を実現するには、企業、団体などによる社会的なかかわりや取り組みが必要であります。検討中のグローバル都市戦略においてその方向性を示すとともに、産・学・公・金の連携に基づいた推進体制を構築してまいります。
こうした取り組みによる区民のメリットはどのようなものかということであります。世界に開かれた経済活動とにぎわいの拠点として世界から選ばれる都市となるため、ビジネス環境だけでなく余暇を楽しんだり学んだりする環境、また安全・快適に過ごせる生活環境を整備してまいります。また、中野の地域特性やこれまで培ってきた文化性をさらに増幅させ、職住近接による豊かなライフスタイルが実現できるまちづくりを着実に進めてまいります。こうして経済活動が活性化することによって区民の生活が潤い、区の財政基盤が強化されることは区民サービスの維持向上につながり、区民にとってのメリットとなるものと考えております。
大和町のまちづくりに関連しての御質問であります。地区計画等の内容についての御質問です。大和町中央通り沿道については、建物の不燃化促進による延焼遮断帯の形成とともに、生活利便施設の充実を図りながら住宅供給を促進することでにぎわいある複合市街地の形成を目指しております。地区計画の内容としては、健全なにぎわいが創出される建物利用を誘導するため、主に風俗営業に係るものを規制する建築物の用途の制限、敷地の細分化による建てづまり防止のための建築物の敷地の最低限度のほか、災害時のブロック塀等の倒壊の危険抑制のための垣または柵の構造の制限、調和のとれた良好なまち並みの形成を図るための建築物の色彩の制限からなっております。また、地区計画の目指すまちの実現を図るため、関連都市計画の変更として、沿道20メートルまでの近隣商業地域を30メートルまでに拡大するとともに、同範囲において防火地域及び第三種高度地区の指定を行うこととしており、加えて沿道から30メートルの全域において最低限高度7メートルの指定を新たに行うこととしております。
沿道整備促進の支援策についてであります。大和町中央通り沿道における建物更新への支援を積極的に行い、災害時の延焼遮断帯としての機能を早期に実現するため、沿道30メートルの範囲において都市防災不燃化促進事業を地区計画関連都市計画の決定にあわせ3月上旬に導入する予定となっております。また、不燃化促進事業は、一定の基準に適合した耐火建築物を建築する方に対して建築費等の一部を助成するものであります。これは現在、東京大学附属中等教育学校周辺地区において事業を推進しており、これまでにも方南通り地区、平和の森公園周辺地区、環状7号線中野地区で実施をしてきているものであります。
大和町をどのようなまちにしていくのかの検討についてであります。「災害に強く、安全で誰もが安心して住み続けられるまち 大和町」を将来像として掲げ、災害に強く、安全性の高いまちの実現はもとより、暮らし、魅力といった観点から子育て・教育・健康福祉・商い・交流などについても議論を重ね、それぞれについてまちづくりの目標とその実現に向けての方策を取りまとめたものと聞いております。大和町まちづくりの会では、地域の方々に説明を行う機会を設け、御意見をいただき、最終的な取りまとめを行うと聞いており、今後、地域が主体となってよりよいまちの実現に向けて活動を進める上で貴重な第一歩となることを期待しているところであります。
平和の森公園の再整備構想(案)における多目的広場についての御質問がありました。再整備開設に向けた決意についてであります。超高齢化社会に直面している現在、区民の健康づくり、スポーツ振興は区の喫緊の課題であります。新しい体育館と屋外でも運動ができる機能をあわせ持つ中野のスポーツの中心的な場所を整備していくことは大変重要なことであると考えております。このような環境を整備できる場所は平和の森公園以外になく、東京オリンピック・パラリンピックの開催にあわせて整備され活用されることによって機運の盛り上がり、区民の意識向上に大きく寄与するものと考えており、ぜひとも実現させたいと考えております。今後、区民説明会等を実施し、区民の理解を十分に得ていきたいと考えております。また、将来的に建設される下水施設建設に先行して上部に体育館を建設するため、工法の工夫やスケジュール管理など東京都下水道局との調整を十分に行い、できるだけ早期に開設していく努力を重ねてまいります。
事前キャンプ等の誘致を進める必要があるのではないかという御質問であります。平和の森公園に整備する新体育館は東京オリンピック・パラリンピック競技大会の前に開設する予定であり、大会の機運醸成のためにも、海外の選手団の事前キャンプ地や練習場等として活用したいと考えております。現在、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が募集している事前キャンプ候補地ガイドのサイトへの掲載など、事前キャンプの誘致に向けた検討を行ってまいります。事前キャンプや練習場の誘致等を実現するために個別の国との調整を行うなど、さまざまな可能性を追求していきたいと考えております。
28年度の取り組み、予算措置はどのようなことになっているかということであります。平成27年度は補正予算で、東京都への下水道施設改修調査委託及び平和の森公園改修検討に係る基本構想・基本計画策定委託経費として4,000万円を計上いたしました。このうち約1,200万円については基本構想・基本計画策定委託経費として年度内に支出予定でありますが、東京都への調査委託については体育館を未開園部分に整備する方向となったことから執行しないこととなります。28年度の取り組みとしては、年度当初に公園整備に係る基本計画を策定するとともに、下水道局との協議を継続しつつ、測量や基本設計、実施設計などを行うこととなります。また、公園拡張用地については、国から用地を取得するほか、既存の国家公務員宿舎の解体設計を行う予定であります。公園拡張用地に係る経費については、用地取得費、宿舎解体設計費、これらを28年度当初予算案に計上済みでありますが、公園再整備に係る経費につきましては、体育館の整備方法などを検討中でありますために当初予算案については計上をしておりません。今後、区民、また区議会の御意見も聞きながら、できる限り速やかに必要な予算措置を講じていきたいと考えております。
陸上競技機能の必要性と既存利用者との共存といったことについての御質問であります。平和の森公園の陸上競技機能については、区内に陸上に取り組むことができる環境が少ないことからも必要であると考えております。平和の森公園の陸上競技機能について区立中学校を対象にアンケート調査を行ったところ、中学校駅伝や陸上競技大会前の練習などに活用したいとの意向が11校中8校からあり、一定のニーズがあるものと考えております。日常的には広く区民に開かれる草地広場として利用していただき、陸上競技として活用するときには占用とすることを想定しております。具体的な運用につきまして今後さらに検討してまいります。
多目的広場の早期開設についてであります。新体育館建設工事と多目的広場、草地広場の工事など、いろいろな工事が錯綜することが予想されております。今後、基本計画段階で詳細なスケジュールを検討してまいります。工事工程の調整によって、31年度を待たずに多目的広場の開設が可能であると考えております。
それから、ふるさと納税についての御質問がありました。平成20年当時、東京一人勝ち論が取り沙汰をされておりました。その中でふるさと納税制度が導入されたという認識を持っております。そうしたことから、私は住民税によって行政サービスを支えるという受益と負担の関係から問題があるとの認識を持っていたところであります。しかしながら、そのような私どもの主張は顧みられることがなく、ふるさと納税は次々に拡大され、区財政への影響が増大をしております。平成27年度の改正によって、ワンストップ特例が創設されるとともに、寄附金控除の上限が2倍になりました。その結果、全国的にもふるさと納税による寄附額は大きく増加をしております。さらには、企業の法人税に対してもふるさと納税が拡大されることとなっております。地方交付税不交付団体である23区及び東京都にとって、法人住民税の一部国税化に加えて、さらなる一方的な財源移転の狙い撃ちとなっている状況であります。こうした事態を踏まえ、やむにやまれぬ財源確保の意味合いから、大都市自治体中野にふさわしい寄附のあり方について検討しているところであります。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 18歳選挙権引下げに伴う主権者教育充実につきまして、初めに学校教育における政治教育の推進についてお答えいたします。
現在、どのような学習を行ってきたのかということですが、中学校における主権者教育は、平和で民主的な国家社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養うことを目的として、社会科で国民主権選挙制度、民主主義の仕組みなどについて学習をしています。そのほか、選挙管理委員会の協力を得て、生徒会選挙の際に実際の選挙で使用する記載台や投票箱を使って投票したり、選挙の大切さや一票の重みなどについての講座も行っております。
今後、新たに実施していく考えはあるかということですが、こうした取り組みに加え、今後、選挙管理委員会等、関係機関の連携を深めながら、中学校卒業までに全生徒に模擬投票を経験させるなど、主権者教育の充実を図っていく考えでございます。
次に、政治教育の中立性の確保についてです。政治教育の中立性については、教育基本法第14条に定められているように、特定の政党を支持し、またはこれに反対するための政治教育その他政治的活動を行ってはならないとされており、さらに教育公務員特例法において公立学校の教員は政治的行為が一般の公務員よりも厳しく制限されてございます。これらのことを鑑み、今後も各学校の教員に対して政治的中立の確保について指導してまいる考えでございます。
〔選挙管理委員会委員長山崎芳夫登壇〕
○選挙管理委員会委員長(山崎芳夫) 初めに、選挙管理委員会の職務に対しまして、日ごろから議員各位の御理解と御協力はもとより、選挙執行や投開票作業の詳細にわたる貴重な御意見も賜りまして、改めてこの場をおかりいたしまして御礼を申し上げる次第であります。
それでは、大内議員の質問についてお答えをします。
18歳選挙権引下げに伴う主権者教育充実についての御質問にお答えをいたします。
まず最初に、若年層の低投票率についてでございます。近年いずれの選挙におきましても若年層の投票率は他の年代に比べ低い傾向となってございます。選挙管理委員会といたしましては、今回の18歳選挙権年齢の引き下げを契機としてより効果的な選挙啓発のあり方についての検討を進めながら、さらに積極的な働きかけを行っていくことが重要であると認識してございます。
次に、選挙管理委員会の取り組みについての御質問にお答えをします。選挙管理委員会では、これまでも選挙啓発のポスターコンクールや成人のつどいにおける啓発活動に加え、今年度は小・中・高等学校での模擬選挙を精力的に行うなど、児童・生徒が政治、選挙を身近に感じ、興味を引いてもらえるような取り組みを展開してまいりました。また、若年層の斬新な意見を取り入れるべく、区内の大学等との連携により若者との意見交換会も実施するなど、参加実践型の取り組みも推進してきたところでございます。今後に向けましては、これまで以上に教育委員会とも連携をいたしまして、児童・生徒の政治意識の向上につながるような授業をさらに充実していきたいと考えてございます。
最後に、選挙管理委員会の職責についての御質問にお答えをします。選挙は、区民一人ひとりの政治参加を保障する、まさに民主主義の基盤をなすものでございます。民主主義の健全な発達を期するためには公正・適正な選挙執行が不可欠であることはもちろんでございますが、同時に投票結果の公表につきましては迅速性も求められていると考えてございます。選挙管理委員会といたしましては、その職務を果たすべく、投票用紙の読み取り分類機などを導入し、正確かつ迅速な投票結果をお伝えすべく、これまでも努力をしてまいりました。今後とも選挙管理委員会職員や開票従事者のスキルアップを不可欠と考えております。
一方、有権者が投票しやすい環境整備や、よりわかりやすい情報発信のあり方につきましても改善を進めてきたところでございます。今後は、今回の選挙権年齢引き下げを好機と捉えて、選挙管理委員会における議論をさらに闊達に行い、既存の枠組みに捉われない新たな啓発活動を展開するとともに、投票環境の向上に向けた取り組みをより一層推進していくことが何より重要であると考えてございます。
私たち選管の任期はもうすぐ終了いたしますが、今後は選管委員としての経験を生かして日本の将来のために、微力ではございますが、残る人生をささげてまいりたいと考えております。長い間の御厚情に感謝し、私の全ての答弁を終わります。
○議長(北原ともあき) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。
中野区議会議員 南 かつひこ
1 区長の所信表明について
(1)新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)について
(2)平和の森公園の再整備について
(3)沼袋駅周辺まちづくりについて
(4)その他
2 成年後見制度の今後の課題について
3 学校施設の防火・防煙シャッターについて
4 災害対策について
5 公園整備について
6 その他
○議長(北原ともあき) 次に、南かつひこ議員。
〔南かつひこ議員登壇〕
○25番(南かつひこ) 平成28年第1回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問を行います。区長並びに理事者におかれましては、明快で前向きな御答弁をお願いいたします。質問は通告順に進めてまいります。
1番目に、区長の所信表明について伺います。
区長は、所信表明の中で、「今定例会中には基本構想の議会での御議論と議決をいただき、それに基づいて10か年計画を確定していきたいと考えています。この1年は、区民全体が区や地域社会の未来を見つめ、共有したビジョンに基づいてともに汗をかくことができる、確実にして力強い歩みを踏み出す年としていかなければならない」と述べられました。今後の中野区の方向性を決定づける10か年計画の策定には区と議会とが一丸となって、区民の皆様のため、暮らしやすい中野を築くために、ともに汗をかかなければならないと思っており、区長の言葉に共感を覚えるところでございます。
それでは、質問に入りたいと思います。初めに、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)について伺います。素案では示されていなかったことが改定素案で突然示された点について、幾つか伺いたいと思います。
最初に、第十中学校での公共機能施設の合築について伺います。ステップ3で、第三中学校と第十中学校の統合新校に図書館機能と子ども家庭教育センター機能及び教育センター機能を導入するとなっています。区は、平成27年10月26日の子ども文教委員会で、第十中学校の改築にあたって、子ども家庭教育センターや教育センター等の併設の理由として、教育相談、就学相談、適応指導を一体的に実施して不登校児童への多角的な相談支援を行い、育児不安、児童虐待、ひきこもりなど複雑化・多様化した家庭への支援を総合的に提供できる専門性の高い相談支援体制を確立するためと答弁されています。専門性の高い相談支援体制を確立することは重要であり、そのための多角的な機能を集約した施設整備は必要と考えます。それを踏まえた上で合築における課題について質問を行います。
まず、教育センター機能については、学校施設内に子どもたちの不登校などの適応指導機能をあわせ持つことには慎重さが求められると考えます。いじめ等による不登校の問題など、子どもたちの相談環境を考慮すれば、適応指導機能の分散を視野に入れてサテライト的な対応が必要と考えます。例えば、野方図書館などでのフリーステップルームの実施などを検討していくべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
現在、東京都と特別区で児童相談所の移管について協議がされています。移管が決定した場合には第十中学校での複合公共施設に移設することになるのかを伺うとともに、移設するとなれば児童相談所の機能については児童虐待などの難しいケースを取り扱うことになるため、相談機能ではプライバシーの保護対策が必要であり、一時保護の機能としても対策を講じる必要がありますが、区の見解を伺います。
今回示された第十中学校での複合公共施設に導入する機能として図書館機能がありますが、一般の図書館と学校図書館との連携を図ることによって、子どもたちの図書への関心、興味が醸成されていくと思われますが、学校図書館との連携について区の見解を伺います。
第十中学校での複合公共施設が10か年計画のステップ3で整備されたときには現在の教育センターはどのような方針となるのか。建てかえをされるのか、また売却をされるのか、今現在の検討状況を伺います。
次に、北部すこやか福祉センターの整備について伺います。10か年計画(第3次)の改定素案では、北部すこやか福祉センターがステップ3で整備されることになっています。旧沼袋小学校跡地を活用することになっていますが、高齢者や障害者にとって場所がわかりづらく、交通機関の利用にも不便さがあり、アクセス的な課題があります。中部すこやか福祉センターも同様の交通課題があります。高齢者や障害者にとって交通課題を解消するためにもオンデマンド交通の導入など対策が必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。
次に、U18プラザの廃止について伺います。このことも改定素案で突然示された一つであります。U18プラザは、乳幼児から中高生までを対象にして、乳幼児親子への支援や子どもたちの育成活動の充実を図る目的で運営されてきた施設です。現在ではU18プラザ中央など3カ所が開設されていますが、U18プラザを廃止するにあたっては区としてどのような検証をされてきたのか。また、3カ所のU18プラザは今後どのように展開されていくのか伺うとともに、U18プラザに転換していく計画であった6館の児童館についてもどのように展開されていくのか。また、それ以外の児童館についてもどのようにされるつもりなのかを伺います。
また、子ども・子育て支援新制度の地域子育て支援拠点事業を展開するにあたって、子育てひろばを身近な場所である商店街などを活用して増やしていくとありますが、乳幼児の居場所としては規模的にも不十分ではないかとの懸念がありますが、区の見解を伺います。
改定素案には、中・高生の社会参加の支援について、地域とのつながりや社会貢献に向けた事業を民間等を活用しながら実施するとありますが、具体的にどのようなことを考えているのか、伺います。
次に、幼児教育の充実のところでは、ステップ3の段階で、区立幼稚園の認定こども園への転換が示されています。幼児教育を行うにあたっては、区として幼児教育のスタンダードを示すこと、つまり、区としての幼児教育の基準を持つことが重要であり、そのためには区立幼稚園の存続は欠かせないのではないかと考えます。また、保幼小連携教育においても標準型の保幼小連携が重要であることを考えれば、区立幼稚園の存在は重要であると考えますが、区の見解を伺います。
認定こども園の整備は推進すべきものと考えますが、今回の区立幼稚園を認定こども園へ展開するにあたっては、民間での転換ではなく、区立としての認定こども園として転換していくことが区としてのスタンダードな幼児教育のあり方を示すことができると考えますが、いかがでしょうか。伺います。
次に、人口推計について伺います。基本推計では2020年以降下降傾向にあり、将来の少子化、人口減少をできる限り食いとめるために区が目指す将来推計を示されました。将来推計の維持に向けた施策を充実していくと改定素案には明記されていますが、具体的な施策をどのように考えられているのか、伺います。
また、合計特殊出生率の目標も2014年実績では0.99のところ、2020年には1.12、そして2030年には1.38、さらには2040年には1.65と示されています。この数値は非常にハードルが高いように思いますが、改定素案には子どもを産む世代の定着を図ることを目指すと明記されていますが、子育て支援策の具体策や誘導策が必要であります。所信表明でも、具体的な出生率の目標を立て、「育てやすい」から「生みたくなる」への取り組みの強化を図ると述べられておりますが、子育て支援の一つとして不妊治療への施策も重要であると考えます。私は、これまで何度も不妊治療の施策を訴えてまいりました。先月、国では、2015年度補正予算の成立を受けて不妊治療の助成内容が拡充しました。初回治療の助成額を現行の最大15万円から最大30万円に倍増し、男性の治療でも最大15万円を上乗せするというものです。現在、東京都の不妊治療助成制度に上乗せの助成をしている区は23区では半分近くの区が行っており、近隣区の杉並区や練馬区で実施されています。中野区でも不妊治療の区独自の上乗せ助成制度を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
次に、財政見通しについて伺います。改定素案では、中野区の基準となる一般財源規模を695億円に設定し、経常経費の削減に努め、財源調整を通じて歳入規模を一定に保つと示されました。基準となる一般財源規模については平成26年度では657億円に設定、次年度の平成27年度には672億円と設定されていましたが、今回大幅に695億円と基準となる一般財源規模を設定したのはどのような理由からなのか、伺います。
また、先日、総務委員会で所管報告された、中野区公共施設総合管理計画(建物編)では60年間の施設更新について一定の条件をもとに削減目標を定めたものですが、総合管理計画の目標値は現有施設の更新経費の試算から財政負担軽減の目標値を目安として明示したに過ぎず、実際の歳入予想と事業費をもとにした10か年計画の財政フレームとは一致しないということですが、将来的には整合性を図る計画としていくべきであると考えますが、区の見解を伺います。
次に、平和の森公園の再整備について伺います。
1月29日の総務委員会で平和の森公園再整備構想(案)が報告され、草地広場東側の公園未開園部分を活用して新体育館を整備することや、公園未開園部分にオープンスペースや草地広場を拡大することなどが示されました。公園未開園部分に体育館を整備するに当たっては、用途地域が準工業地域ということもあり、用途地域の変更や特例許可も必要ではなくなるという利点もありますが、東京都下水道局の下水処理施設予定地の地上部分に体育館を整備するに当たっての中野区としての利点にはどのようなことがあるのか、伺います。
体育館を整備するに当たっては東京都の所有地に整備することになりますが、財政負担については中野区にとって負担をできるだけ抑えるように東京都と協議していくべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
平和の森公園に新体育館を整備するに当たって、当初の計画では現在の中野区立体育館を閉鎖するための体育館としての閉鎖期間が1年間あるとされていましたが、公園の未開園部分に整備することで大幅に閉鎖期間が短縮すると考えますが、いかがでしょうか。伺います。
平和の森公園の東側に隣接する国家公務員宿舎跡地を取得して活用するとありますが、国家公務員宿舎を解体する財政負担についてはどのような対応となるのか、伺います。
また、平和の森公園再整備構想案では当該地は小広場とともに緊急車両スペースとしても整備することが示されていますが、公園利用者の駐輪場や自動車駐車場としても活用すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
次に、沼袋駅周辺のまちづくりについて伺います。
改定素案には、沼袋バス通りである区画街路第4号線の整備着手についてステップ1で示されておりますが、道路整備や商店街の活性化へ向けて一日も早い事業認可が求められているところです。具体的に事業認可はいつまでに取得するのか、伺います。
今後、区画街路第4号線の整備に合わせた沿道のまちづくりのルールづくりが重要になってまいります。つまり、地区計画の策定や用途地域の変更など、町会や商店会、地域団体との協議及び調整が重要であります。今後の地区計画や用途地域の変更に係るスケジュールはどのようになるのか、伺います。
区画街路第4号線の沿道とその周辺地域では木密地域があり、防災上の課題を抱えています。まちづくりの勉強会で、区は区画街路第4号線の沿道とその周辺地域での防災性の向上をどのようにしていこうとされているのか、区の見解を伺います。
区画街路第4号線が整備されると、現況6メートルの道幅が歩道を含めて14メートルに拡幅され、バスが双方通行できるようになりますが、その際、重要な課題の一つである商店街の活性化策を考えなくてはなりません。商店街内を通る自動車の速度抑制も検討すべきであります。区民の方が安心して買い物ができるように自動車の速度を抑制することで商店街の活性化にもつながると考えます。
今月の8日には、区として区画街路第4号線のあり方について、自動車の速度抑制の方策としてハンプの設置検討に伴う車両実験を中野四季の都市の外周道路で実施したと伺っておりますが、自動車の速度抑制を図るためにもハンプや、舗装の色や材料などを一部変えて凹凸があるように見せかけるイメージハンプ、さらには道幅を少し蛇行させるなどの工夫も必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。
現在、中野区では、フリーWi-Fiの整備が進んでおり、中野駅周辺をはじめ、鷺ノ宮駅、野方駅、東中野駅、中野坂上駅の周辺でも整備されています。西武新宿線連続立体交差事業に伴う沼袋駅周辺のまちづくりでも東京都の補助金などの活用を踏まえて商店街の活性化策の一つとしてフリーWi-Fiを整備していくべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問は終わります。
2番目として、成年後見制度の今後の課題について伺います。
成年後見制度は、介護保険制度とともに2000年にスタートしました。認知症、知的障害、精神障害などによって物事を判断する能力が十分でなくなり、自分一人では財産管理やさまざまな契約をすることが難しくなった人に対して、自分らしく安心した暮らしやその権利を守るために援助者を家庭裁判所が選任し、法律的に支援する制度です。特に最近では認知症と成年後見制度とのかかわりが大変重要であると考えられます。
厚生労働省は、昨年1月に、全国で認知症を患う人の数が2025年には700万人を超えるとの推計値を発表しました。65歳以上の高齢者のうち5人に1人が認知症に罹患する計算となります。認知症高齢者の数は2012年の時点で全国に約462万人と推計されており、約10年で1.5倍にもふえる見通しであり、厚生労働省は同結果を踏まえて認知症対策のための国家戦略を急ぎ策定することとしています。しかしながら、現在、中野区における認知症支援事業には成年後見制度の位置付けが十分になされているとは言いがたいものがあり、置き去りにされているような感があります。認知症事業の中に成年後見制度の周知をはじめ明確に取り上げることで認知症の方々の権利擁護につながっていくと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
中野区の認知症ケアパスへの取り組みと成年後見制度のかかわりについて伺います。認知症ケアパスとは、認知症の人とその家族が地域の中で本来の生活を営むために、認知症の人と家族及び地域、医療、介護の人々が目標を共有し、それを達成するための連携の仕組みであります。厚生労働省が平成24年9月に策定した認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)において各市町村が作成に取り組むこととされています。
認知症ケアパスについては、我が会派の木村議員が平成26年第3回定例会一般質問で取り上げています。その際の田中区長の答弁では、「認知症の懸念や気づきについての相談窓口を含め、問い合わせ先、対応機関等について案内したリーフレットなどを作成して区民に周知をしてまいりたい」とありました。認知症ケアパスのリーフレットの作成に当たっては成年後見支援センターとの連携を取り入れる必要があると考えますが、いかがでしょうか。伺います。
次に、2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住みなれた地域で暮らし続けられるように、医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるように地域包括ケアシステムの構築が重要となってきますが、その際に成年後見制度の位置付けが必要であると考えます。そのためには、権利擁護事業を手がけている成年後見支援センターと介護や福祉サービスを支援している地域包括支援センターとの役割分担をどのようにするのか。また、成年後見支援センターと地域包括支援センターとの連携強化が必要と考えますが、地域包括ケアシステムの構築における成年後見制度の位置付けについて、区の見解を伺います。
次に、市民後見人の養成について伺います。東京都で開催していた社会貢献型後見人の養成講座は平成25年度で廃止となり、平成26年度単年度に限って東京都社会福祉協議会が受け皿となって市民後見人の養成講座を実施してきましたが、現在は各自治体の対応に委ねられている状況です。いよいよ中野区独自での市民後見人養成講座を実施するときではないかと考えますが、いかがでしょうか。また、今後の養成に向けた計画はどのようになっているのかを伺って、この項の質問は終わります。
3番目として、学校施設の防火・防煙シャッターについて伺います。
昨年12月1日に、横浜市の小学校の校舎内で重さ300キログラムの防煙シャッターが落下して、小学6年生の女子児童が背中などを強く打って病院に搬送されるという事故が起きました。このとき小学校では防災訓練が行われており、火災を想定した避難訓練が行われました。女子児童が訓練後に教室に戻ろうとした際、教諭が訓練のために閉じられていた別のシャッターをあける作業を行った際に突然事故が起きたということです。その後の調査ではシャッターを上げ下げするためのワイヤーが切れていたことがわかり、報道では人的なミスも重なったのではないかともされています。この事故報道を受けて、中野区では小・中学校の防火・防煙シャッターの総点検を行ったのでしょうか。行ったとすれば、どのような点検結果であったのか。また、その点検結果からどのような対応を図られたのかを伺います。
横浜市の小学校で起きた防煙シャッターの事故は対岸の火事ではなく、中野区でも十分に起こり得ることであり、安全対策をとる必要があります。突然にシャッターが落下してきても挟まれ事故を防止する安全装置の設置は重要であります。区内の小・中学校の防火・防煙シャッターの安全装置の設置状況はどのようになっているのか。また、設置されていない箇所があるのならば早急に安全装置を設置すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
横浜市の小学校での事故では人的なミスの要因も指摘されていることを考えれば、教職員への安全確保に向けた研修の徹底及び防火・防煙シャッターのマニュアルの策定、さらには学校の防災計画などの見直しも必要と考えますが、いかがでしょうか。伺ってこの項の質問は終わります。
4番目として、災害対策について伺います。
まず、洪水ハザードマップについて伺います。現在中野区で使用されている洪水ハザードマップは、平成14年9月に策定されたもので14年が経とうとしています。洪水ハザードマップは自治体の各区市で作成、公表されておりますが、その基となるものが東京都の浸水予想区域図であります。また、昨年には水防法等の一部を改正する法律が施行されたことにより東京都は浸水予想区域図の見直しを進めており、特に神田川流域の浸水予想区域図は平成13年8月に作成されていることから、東京都としても見直しの検討に入っているところです。このことを踏まえて中野区の洪水ハザードマップを改訂すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
隣接区の新宿区では、洪水ハザードマップとあわせて地震ハザードマップを作成しています。平成25年に東京都が東京の液状化予測図を見直し、第7回地域危険度測定調査の結果公表を受けて見直しが行われ、平成26年7月に改訂されました。新宿区の地震ハザードマップには、急傾斜地崩壊危険区域・箇所や液状化の可能性がある地域などが盛り込まれており、さらにがけ・擁壁、急傾斜地等の分布状況図も示されています。ことしの3月から東京都ではがけ・擁壁、急傾斜地等の調査を行い分布図を見直すことになっており、それにあわせて中野区の防災地図も改訂すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
次に、災害の種別による避難経路の見直しについて伺います。水災害と地震災害のときでは避難所が異なる場合もあり、避難経路も災害の種類によって変更せざるを得ない状況にもなってきます。災害種別ごとに避難経路の見直しが必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。
次に、江古田川の水害対策について伺います。江古田川は河床も浅く、江古田の森公園調節池には水位が1メートル30センチを超えるだけで流入してしまいます。妙江合流地点で妙正寺川と江古田川の河床の落差が数メートルほどあり、江古田川の河床が高くなっています。江古田川の河床を掘削して水量の貯留機能を高めるように河川改修を東京都に要請すべきと考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項の質問は終わります。
5番目として、公園整備について伺います。
区として、今年度中に公園長寿命化計画が策定されると聞いています。そこで初めに、計画の策定に当たって公園内のトイレの改修やバリアフリー化について伺います。
江古田の森公園調節池にあるトイレでは、区民の利用者からは、「不衛生なトイレであり、特に夜などは怖くて利用できない」との苦情が寄せられているところです。さらに、江古田の森公園調節池の多目的広場では毎年、中野区合同水防訓練や消防操法大会が実施されていますが、その際にも「トイレの仕様が旧式であり、使いづらい」などの声も多く寄せられているところです。また、区内の公園では男女兼用の様式になっているトイレもあり、今の時代にはそぐわないとの声も寄せられております。このような状況を改善するために、公園長寿命化計画に基づいて今後どのように整備しようと考えているのか、区の見解を伺います。
また、トイレを改修する際に、バリアフリー法に則して、視覚障害者の方を安全に誘導するためにも点状ブロックを整備しバリアフリー化を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。伺います。
次に、みずのとう公園の整備について伺います。
補助第26号線(江古田)の事業が、中野通りから新青梅街道と交差する地点をそのまま北上させて、みずのとう公園を一部通過して再び中野通りに接道させる計画になっており、地域での行事などに支障を起こさないようにするためにも従来の公園面積を確保する必要があります。私はこのことについて、平成26年の第2回定例会で、隣接地には東京都の水道局野方公社がありますが、建物の老朽化などを考えれば、公園面積として確保するために都有地を活用することがみずのとう公園の再整備には必要との質問をいたしました。その質問に対し、田中区長は、「都有地の活用について、みずのとう公園の再整備に当たっては地域資源としての活用や利用者の安全確保なども考慮し、南側の都有地の活用も含め、どのような整備が必要か検討していきたい」と答弁をされていますが、現在での都有地の活用についての検討状況はどのようになっているのかを伺って、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 南議員の御質問にお答えいたします。
三中・十中統合新校への児童相談所の移管整備に関連してであります。当該校に併設をするということになっている子ども家庭支援センターに児童相談所を移すのかと、こういったようなことであります。児童相談所の移管につきましては都区間で協議を進めているところでありまして、移管が決定した場合には子ども家庭支援センターの機能については児童相談所に統合をしていくという考えであります。児童相談所につきましては、児童虐待に関する相談や支援のほか、里親制度、愛の手帳の交付などを行っておりますけれども、一時保護につきましては別の施設で行うということを考えているところであります。また、中学校への併設ということで施設利用者のプライバシーなどについても十分配慮をしてまいりたいと考えております。
それから、現在の教育センターの跡施設につきましては、他の未利用となる施設と同様、将来の行政需要の変化を踏まえ活用等を検討してまいります。
北部すこやか福祉センターの関連で、オンデマンド交通の導入を検討してはどうかということですが、交通弱者の移動改善につきましては、区内全域を対象とした検討とともに、日常生活圏域における移動の円滑化といったことも視野に入れながら幅広く検討してまいりたいと考えております。
それから、U18プラザの事業効果の検証についてであります。U18プラザでは、乳幼児等の交流促進や相談支援、あるいは幼児から18歳まで多様な子どもの年代に応じた多様な活動機会の提供や支援、地域における活動団体の連携促進や支援などを目指してまいりましたが、そうした機能について必ずしも十分には果たせていない実情と考えております。こうした実態を踏まえ、今後のあり方について検討を行ったものであり、多様化・複雑化する子どもや子育ての課題に対してさらなる対応の充実を図っていくためには、U18プラザという形にこだわることなく新しい展開が必要であると考えたものであります。
U18プラザ廃止後の活用策について、U18プラザ廃止後の施設活用については、他の児童館施設と同様、将来の行政需要に合わせて活用等を検討してまいります。なお、城山ふれあいの家につきましては中野区立ふれあいの家条例に位置付けられておりますので、その展開について今後検討してまいります。
U18プラザ廃止によって、U18プラザとなっている児童館が今後どうなるかということであります。小学生の安心・安全な活動場所であるキッズ・プラザを全ての小学校に整備するとともに、子育てひろばを区内に配置をして、児童館は廃止することとしているところであります。
それから、乳幼児の居場所についてであります。地域子育て支援拠点としての子育てひろばは、子育ての孤立化防止、子育ての不安や負担感の軽減などを目的として設置する子育て中の親子の交流・相談の場であります。今後、すこやか福祉センターの専門職と連携した子育てひろばを商店街や保育所、区有施設などを活用して展開していく考えであります。
民間等を活用する中高生の支援についてであります。中・高生や若者を取り巻く社会環境は大きく変化し複雑化する中、次の時代を担う若者が多様な交流や体験活動、ボランティア活動などを通じて社会性や人間性を育むとともに、地域社会の一員としての意識を醸成し、社会参加や社会貢献活動にかかわっていくことは重要なことと考えております。区内中・高生が参加するハイティーン会議などもそうした事業の一例と考えていますが、U18プラザでは児童館としての活動が引き続き行われたことから、そうした事業の展開はできていませんでした。若者の多様なニーズや興味・関心に応え魅力ある事業とするためには、地域の多様な資源や人材を活用するとともに、若者支援のノウハウを持つNPOなど民間団体の活用が有効と考えており、今後はさまざまな施設等を活用しながら多様な事業の展開を図っていきたいと考えております。
区立幼稚園の認定こども園化についてであります。中野区の幼児教育は私立幼稚園により行われてきました。しかし、児童数の急増期に近隣に私立幼稚園のない地域に区立幼稚園を設置してきたという経緯があります。子ども・子育て支援新制度が始まり、多様な幼児教育、保育施設が展開されていく中では区立幼稚園の役割は終了したものと考えております。なお、幼稚園における幼児教育の基本は幼稚園教育要領に基づくものとされており、公私立にかかわらず、この要領に則した幼児教育を実施するとともに、幼稚園独自の特色ある活動が展開されることで充実した幼児教育が行われると考えております。
保幼小の連携に関しては、公私立の教育・保育施設の区別なく、小学校と協力しながら進めてきており、今後とも区が中心となって連携の具体的な取り組みを推進し、小学校への円滑な接続を進めてまいります。
区立の認定こども園化という御提案であります。区内の私立の認定こども園では特色ある充実した幼児教育が展開されているほか、他の認定こども園を運営する法人においても着実に実績を積み上げてきているところであります。区立幼稚園の認定こども園への転換に当たっては、私立としての実績やノウハウを生かしていく中で子どもの教育・保育の充実を図っていきたいと考えております。
それから、人口の問題に関連して、将来推計に向けた具体策についてであります。将来推計は子どもを産む世代の定着、出生率の向上、これを目標としておりまして、具体的な数値目標として10年後には特殊合計出生率を現在の0.99から1.26まで上昇させることを目指しております。このため、10年後に向けた施策として、妊娠・出産・育児と切れ目のない子育て支援、多様で質の高い幼児教育・保育の提供といった子育て施策の充実のほか、ファミリー世帯が安心して居住できる住宅の誘導、ワークライフバランスの推進など、子どもを産み育てる人の希望がかなう環境づくりを多角的に進めていく必要があると考えております。
不妊治療助成制度に関連して、不妊治療への助成につきましては、その効果や国と他の自治体の実施状況等を勘案し、引き続き研究してまいります。
基準となる一般財源規模の695億円についてであります。10か年計画(第3次)の財政フレームにおきましては、区の人口推計、国の経済政策、地方消費税の税率改正、法人住民税のさらなる国税化の影響など、現時点で把握できる制度変更を考慮し推計を行ったところであります。歳入規模については、特別区税は毎年度1から2億円の増加を見込み、特別区交付金は経済対策の影響による伸びを一定見込んだものの、法人住民税の一部国税化の影響により、平成28年度には20億円、10年後には40億円の減少が出るため、ほぼ横ばいで推移していくものと推計をしたところであります。地方消費税交付金は、平成25年度の消費税5%のときに比較して平成28年度31億円、平成30年度からは52億円の歳入増を見込んで、歳入総額については平成29年度は717億円とし、10年後には730億円と緩やかな伸びを見込んだところです。歳出規模につきましては、平成28年度に子ども・子育て支援に係る経常的に増加した経費を含む社会保障の増額分約18億円や、消費税10%になった場合に区が支払う消費税増額分約5億円を見込みました。これによりまして、歳入歳出ともに平成29年度からは基準となる一般財源規模を695億円としたものであります。今後、少子高齢化等の影響などで歳出の増加圧力は高まってまいりますが、歳入につきましては、景気変動による影響が避けられないことから、安定的な財務基盤を確立するためには規律の遵守が重要になると考えております。なお、平成28年度につきましては、基準となる一般財源規模は672億円と据え置いているところです。
それから、公共施設総合管理計画(建物編)の目標値に関連してであります。この総合管理計画(建物編)で示す更新経費の削減目標は、今後個別の施設更新計画を進めるに当たり、10か年計画の財政フレームを踏まえつつ、財政負担軽減を図るための目安として活用したいと考えております。今後、10か年計画での事業の展開を図る中で整合性を図っていくこととしております。
平和の森公園の再整備についてであります。未開園部分への体育館建設の施工上あるいは財政上の利点についてであります。施工上の利点としては、体育館建設に伴う付帯工事が大幅に少なくなることや、工事用車両などの作業ヤードによる公園部分への影響、工事中の公園部分の閉鎖区域を最小限にとどめることができるといったことが見込まれるところであります。財政上の利点としては、未開園区域の整備については既存公園の改修ではなく新たな公園として扱われることになるため、新規の公園整備を対象とした社会資本整備総合交付金や都市計画交付金の活用が検討でき、一般財源への影響を抑えることが可能となると考えております。さらに、体育館を未開園区域に配置することで体育館と草地広場が隣接し、屋内・屋外スポーツ活動の総合連携が可能になり、スポーツ機能の拡充と公園機能の拡充を図ることができるほか、オープンスペースが広がり防災機能が向上することなど、効果は大きいと考えております。
東京都との財政負担の協議についてであります。都の下水道施設の整備に先立って体育館を建設することによって、基礎部分については相応の構造を持ったものでなければならないということになります。下水道施設に当面建設予定がない中で区が先行して整備を行うことから、下水施設のための明確な追加負担、これが生じた場合について都の負担を求めていく必要があるわけであります。しかし、未開園部分という場所で整備することによる工法的な制約に伴う経費の一定の増加はやむを得ないと考えております。経費の算定においては、工法と将来の運営を踏まえながら都との十分な協議によりさまざまな補助制度の活用も含め、経費削減に努めてまいります。
体育館の閉鎖期間の短縮についてであります。平和の森公園での体育館の竣工は平成31年度を目指しています。一方、新区役所の工事着手は平成31年度当初と想定をしており、現体育館の使用期間も同時期であるため、この場合の閉鎖期間は約1年となります。東京都下水道局として工法検討を行う際、工期短縮も視点に置いて調整をしてまいります。
拡張予定地の財政負担であります。拡張予定地は公園用地として取得するため、用地費については国費や都費、都市計画交付金ですね、これの活用が可能で、都区財政調整制度における需要額参入が見込まれております。また、既存建築物の解体費についても都市計画交付金の対象となると考えており、財政負担を極力抑えていく予定としております。
それから、拡張予定地の平常時の活用について、拡張予定地は災害時には避難経路となるとともに、警察や消防、自衛隊、あるいは救援物資輸送車両などの緊急車両の駐車スペースとしての活用を想定しております。平常時については、公園の利便性を向上させ、機能をより充実させるための活用方法について検討してまいります。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 第三中学校・第十中学校統合新校での公共施設機能の合築についてのうち、教育センター機能の整備についてお答えいたします。近年、不登校児童・生徒の不登校に至った経緯や状況、原因については複雑化・多様化しており、教育相談や子育て相談、適応指導等を扱う部署の連携をもとに包括的・一体的な支援が求められてございます。これらのことに対応した施設として第三中学校・第十中学校の統合新校において子ども家庭支援センターや教育センターの機能を盛り込んだところでございます。
なお、新たな複合施設につきましては、学校施設とは明確に区分するとともに、不登校児童・生徒が相談や指導を受けやすいよう、施設に入る動線や施設環境を工夫して十分な配慮を行ってまいります。また、効果的な適応指導のあり方については継続的に研究してまいります。
次に、図書館と学校図書館の連携です。新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)では、図書館について児童・生徒の学習環境の拡充、子ども読書活動の促進、地域交流の拡充などを目指し、各学校に地域開放型学校図書館を順次設置することとしてございます。また、各図書館の専門性を高めるとともに、地域固有の文化に関連した資料収集に力を入れた区立図書館を整備することとしてございます。第三中学校・第十中学校統合新校の建設に当たりましては、用地の有効活用を進め、本町図書館と東中野図書館を統合して機能を強化するとともに、学校図書館との連携をより充実したものとしてまいります。今後、区立図書館と地域開放型学校図書館との連携を進めることで、子どもたちの読書環境を向上させるほか、調べ学習に関する支援やレファレンスサービスを充実させるとともに、地域交流の拡充などを図りたいと考えてございます。第三中学校・第十中学校統合新校に併設することで連携がより幅広く展開できるものと考えてございます。
次に、学校施設の防火・防煙シャッターについてでございます。学校施設の防火・防煙シャッターについては、消防設備点検において年1回の法定点検と施設分野職員による安全点検を毎年行い、必要な対応を図っているところでございます。今年度におきましても年度内の対応を予定してございます。
なお、横浜市の事故後、施設分野職員が再度確認を行い、安全性を確認しているところでございます。防火・防煙シャッターにおいて下降中に何らかのものに接触を感知した場合に下降をとめる安全装置につきましては、平成17年以降、施設の新設、増築、大規模改修の際に設置が義務付けられ、中野区では5校に設置をしてございます。また、17年度以前に設置された学校では安全装置は設置されてございません。既に全校に防火シャッター安全管理の手引書、危険防止のためのマニュアルを配付しており、これに基づき、安全装置が設置されていない学校では児童・生徒への指導や安全対策を行ってございます。防火・防煙シャッターの取り扱い、危険防止のための取り組みについて教職員への指導をさらに徹底し、事故の未然防止に努めてまいります。
〔西武新宿線沿線まちづくり担当部長角秀行登壇〕
○西武新宿線沿線まちづくり担当部長(角秀行) 私からは、沼袋駅周辺まちづくりについてお答えさせていただきます。
まず、区画街路第4号線の事業認可の取得目標時期についてでございます。西武新宿線沿線まちづくり整備方針を策定する中で御説明申し上げましたとおり、区画街路第4号線は平成28年度末に事業認可を取得することを目標としてございます。
次に、沿道まちづくりの検討スケジュールについてです。沿道まちづくりの勉強会につきましては、ことし1月に立ち上げをしたところでございます。勉強会には地元の町会や商店街から推薦を受けたメンバーが参加しており、13名のメンバーで沿道まちづくりに関する勉強を行っております。スケジュールといたしましては、今年度末までに合計4回の勉強会を開催し、まちづくり整備方針で掲げる、新たな顔となる駅前の拠点空間の創出の検討と整合させながら、都市計画の変更や地区計画の策定に関するたたき台を取りまとめる予定です。なお、平成28年度におきましては、都市計画手続きを進めるため、協議会を立ち上げて、さらなる検討を行っていく予定でございます。
次に、勉強会における防災性向上の実現の考え方についてでございます。区画街路第4号線の沿道まちづくりにおいては、地区の防災性向上と沿道のにぎわい再生を図ることを目的としております。沼袋地区の防災性向上を図るため、区画街路第4号線を延焼遮断帯に位置付け、火災時の延焼防止や地区の避難路としての機能を持たせる考えでございます。この延焼遮断帯を実現させるため、用途地域の幅の変更や建物の不燃化に関する規制を導入する予定であり、これらに関する検討を勉強会において進めているところです。
最後に、区画街路第4号線自動車の速度抑制についてでございます。昨年9月に策定しました西武新宿線沿線まちづくり整備方針において区画街路第4号線における自動車の速度抑制方策を検討するなど、歩行者が対面に渡りやすく、安心して歩くことのできる交通環境の創出を掲げています。
2月6日に中野四季の都市外周道路において、乗用車、二輪車の走行やバス乗車時の影響、騒音、振動などを確認するため、ハンプ設置検討に伴う体験実験を行いました。今回、実験を行ったハンプはこれら方策の一つであり、今後もさまざまな速度抑制策を検討しながら、歩行者や自転車が安心して通行や買い物ができる空間の創出に向けた取り組みを進めてまいります。
〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕
○都市政策推進室長(長田久雄) 沼袋のまちづくりにおけるフリーWi-Fiの導入についての御質問にお答えをいたします。
中野フリーWi-Fiは、国籍等を問わず誰でも無料で利用できる公衆無線LANサービスであり、誘客や地域活性化につながるものとして今後も拡大を図っていきたいと考えているところでございます。区としてサービス提供している「Nakano Free Wi-Fi」は駅前広場などの公共空間を対象としており、沼袋駅や新井薬師前駅周辺においては駅前広場の整備にあわせて設置を検討してまいります。一方、民間連携によりサービス提供している「Nakano Free Wi-Fi」は商店街や店舗への参加協力を働きかけているところでありまして、沼袋をはじめ、区内全域での展開を目指しているものでございます。新年度予算においては、新・元気を出せ商店街事業の実施に当たり、区はフリーWi-Fi環境整備について上乗せ補助を計上しているところであり、積極的な展開を図っていく考えでございます。
〔健康福祉部長瀬田敏幸登壇〕
○健康福祉部長(瀬田敏幸) 私からは、成年後見制度の今後の課題に関連した3点の御質問にお答えをいたします。
まず、1点目といたしまして、認知症施策の一つとしての成年後見制度の周知・啓発強化、連携に係る作成リーフレットへの盛り込みについてでございます。既に社会福祉協議会と連携いたしまして、制度や相談窓口の周知に取り組んできております。今後も認知症の人が地域で安心して暮らせるための一つの方策といたしまして、認知症についての啓発活動を進める中で成年後見制度についても周知を図っていきたいと考えております。
また、ことし3月に発行を予定している医療・介護関係者向けの認知症ガイドブックの中では、相談先の一つといたしまして中野区成年後見支援センターも取り上げる予定でございます。
2点目といたしまして、地域包括ケアの取り組みに関連して地域包括支援センターと成年後見支援センターとの役割分担、連携についてでございます。現在、成年後見支援センターの運営委員会に委員として地域包括支援センターの職員も参画し、情報の共有や個別事案での連携を進めております。今後、さらに成年後見支援センターと地域包括支援センターが連携を強化いたしまして成年後見制度の活用を図ることは重要であると認識しております。成年後見支援センター及び地域包括支援センターにおいて成年後見制度の周知を行い、個別の事案についても相談者との連絡調整を連携して対応することで、成年後見支援センターにおける申立支援や後見人等の候補者の紹介などを円滑に行えるようにしていきたいと考えております。
最後に、3点目といたしまして、市民後見人の養成講座の実施予定についてでございます。来年度、社会福祉協議会に委託いたしまして社会貢献型後見人養成講座を行う予定でございます。6月から受講者の選考を行いまして、10月よりスタートし、専門的知識を学ぶ基礎講習や福祉施設での実地体験等による講座などを予定しております。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、災害対策についての御質問にまずお答えをいたします。
洪水ハザードマップの改訂についてでございます。東京都からは、水道法の改正に伴い、今後想定し得る最大規模の降雨を前提とした神田川等の浸水想定区域と内水による浸水想定区域が示される予定でございます。都から新しい浸水想定区域の指定があれば、それにあわせて内水を含む洪水ハザードマップを作成していきたいと考えております。
次に、防災地図への掲載内容についてでございます。東京都建設局では、土砂災害防止法に基づく基礎調査を中野区において平成28年3月から平成29年3月の間に予定しております。この調査の結果に基づき土砂災害に対する警戒区域等が指定されることになります。区では、この警戒区域等の指定状況に基づき中野区防災地図への土砂災害情報の記載について検討をしていきたいと考えております。
次に、災害種別ごとの避難経路の見直しについての御質問でございます。震災時は区立小・中学校などを避難所に指定しておりますが、水災時は区民活動センターを一時避難所として、大規模な洪水が見込まれる場合は浸水区域外の小・中学校などを水害時避難所に指定しております。災害種別によって避難所が異なることを区民に周知してまいりたいと考えております。
また、避難経路上に火災が発生している場合など、避難には臨機応変な対応が必要となるため、区としては震災、水害ともに避難経路を定めておりません。地域の防災活動として避難所への避難訓練や避難時に注意を要する場所を示した防災マップを作成しているところもあり、円滑な避難が図られるよう地域の防災活動に協力してまいりたいと考えております。
次に、江古田川の整備についてでございます。江古田川の河床の掘り下げにつきましては、これまでも東京都に対し要望してきたところであり、引き続き早期の整備を要望してまいります。
続きまして、公園整備についての御質問でございます。トイレの改修についてでございます。公園長寿命化計画により、トイレを改修するときには、東京都福祉のまちづくり条例に基づき、「だれでもトイレ」を設けバリアフリー化を図ってまいります。その際、視覚障害者を安全にトイレへ誘導するために視覚障害者用誘導ブロックも設置してまいります。また、トイレの改修につきましては、利用状況を見ながら設置場所や規模の検討を行い、清潔で誰でも快適に使用できるトイレの整備を計画的に進めてまいります。
江古田の森公園のトイレの改修につきましては平成35年ごろに予定しているところですが、前倒しして整備することも検討していきたいと考えております。
最後に、みずのとう公園についての整備についてでございます。みずのとう公園の整備につきましては、哲学堂公園周辺地区整備を進める中で現在検討をしているところでございます。また、隣接する東京都水道局用地の活用につきましては東京都水道局と協議を行ってまいります。
○議長(北原ともあき) 以上で南かつひこ議員の質問は終わります。
議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後2時52分休憩
午後3時15分開議
○議長(北原ともあき) 会議を再開いたします。
この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 長 沢 和 彦
1 所信表明と区長の政治姿勢について
(1)経済と暮らしについて
(2)憲法と平和について
(3)その他
2 中野区基本構想検討案及び新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)について
3 平和の森公園再整備構想(案)について
4 2016年度予算案について
(1)財政調整交付金について
(2)基金と大規模プロジェクトについて
(3)区民施策の充実について
(4)国民健康保険料について
(5)その他
5 介護保険と新総合事業について
6 都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)について
7 その他
○議長(北原ともあき) 長沢和彦議員。
〔長沢和彦議員登壇〕
○41番(長沢和彦) 2016年第1回定例会本会議に当たり、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。
初めに、所信表明と区長の政治姿勢について。経済と暮らしについて、伺います。
施政方針説明の中で、「緩やかな回復基調にあり、デフレ状態から脱したとされているものの、現時点で必ずしも強固な歩みとはなっていない。世界の政治経済の情勢を考えると、ことしの日本経済には決して楽観できない不透明感が横たわっている」と述べられています。世界経済の動きに目を向けることは当然としても、そこでの動向に左右されてしまう日本の経済構造が問題です。
内閣府が15日に発表した昨年10から12月期のGDP速報値は、前期比で0.4%減、年率に換算すると1.4%減とマイナス成長となりました。「アベノミクスというこれまでの常識を覆すような経済政策が一定の成果を上げ」と触れているのは、異次元の金融緩和による株のつり上げ、大企業の空前の収益を指しているのでしょうか。アベノミクスは、一部の大企業と富裕層に恩恵をもたらしていますが、多くの国民は受けていません。その「常識を覆すような経済政策」が今、円高・株安を招いてさえいます。出口が見えない誤った経済政策です。国民、区民の暮らし向きから見れば、多少賃金が上がっても消費物価に追いつかず、実質賃金は4年連続で低下しています。賃金上昇が物価を押し上げるという形でのデフレ脱却には成功していません。雇用の面でも非正規雇用は拡大されていますが、正規雇用は減少しています。家計消費は落ち込み、それゆえ企業は設備投資をふやせていない。これではGDPが下がるのも当たり前です。まともな経済の循環と発展がなされていないアベノミクスの破綻は明らかではないですか。見解を伺います。
消費税増税について伺います。
現在進められている税制改革の方向は、法人実効税率の引き下げの一方で、消費税を増税し、低所得者層の負担を増大させるものです。持続可能な社会保障制度の財源として消費税増税の必要性が強調されますが、増税によって社会保障が拡充される保障はありません。そもそも所得の少ない人にも重くのしかかる消費税は、所得の再配分により不公正をただす社会保障の理念に反し、社会保障財源としてふさわしくありません。政府の軽減税率はまやかしであり、また政府は10%増税以降も際限なく税率を上げる地ならしの発言もしています。深刻なのは貧困と格差を拡大させていることです。区長が消費税増税は必要だと考えていたとしても、家計消費が上向かないという御時世で増税することは景気を一層低迷させることになります。さらなる貧困と格差を拡大させることにもなります。消費税10%増税は中止すべきだと考えますが、見解を伺います。
二つ目に、憲法と平和について。安保法制における差し迫った危険について、伺います。
安保法制の一つ、改定されたPKO法によって、現在、南スーダンPKOに派遣されている自衛隊の任務が大きく拡大されました。「安全確保業務」、「駆け付け警護」という新任務を追加するとともに、任務遂行のための武器の使用を可能としました。安倍政権は南スーダンPKOの自衛隊に安保法制で拡大した任務を与えることを検討しています。憲法第9条が禁じる「海外での武力行使」、そのものにつながる危険は避けられません。
もう一つは、過激組織ISに対しアメリカをはじめとする有志連合が行っている軍事作戦に自衛隊が参加する危険です。軍事作戦を支援する法律的な条件が整い、政府が政策判断すれば、対IS軍事作戦への自衛隊の後方支援は可能になっています。アメリカから支援要請があっても断ると述べましたが、その理由は語られませんでした。これまでの政府の経験からも拒否を貫けるかどうかは疑わしく、「主体的かつ積極的に寄与する必要性があり」と言えば発動し得るというもので、この点でも危険性は明らかです。安保法制がもたらす、戦後初めて海外で自衛隊員が殺し殺される事態は何としても避けなければなりません。見解を伺います。
平和首長会議への加盟を求めて伺います。
ことし1月に日の出町、大島町が平和首長会議に加盟し、東京の自治体の加盟は50自治体となりました。23区での未加盟は中野区と品川区だけです。区長はこれまで平和首長会議について、国内外の数多くの自治体の意思をどのように確認していくのか、またどのように行動していくのかといったことが不明である、また、区の発言が宣言等の決定の中でどのように取り扱われるかなど疑問な点も多いことから参加しない、と言ってきました。平和首長会議では、2020年までの核兵器廃絶を目指す行動指針「2020ビジョン(核兵器廃絶のための緊急行動)」を掲げ、その実現に向けてさまざまな活動を行っています。その目標は、「全核兵器の実戦配備の即時解除」、「核兵器禁止条約締結に向けた具体的交渉の開始」、「核兵器禁止条約の締結」、「2020年目標とする全ての核兵器の解体」です。そして、その活動は、核兵器禁止条約の交渉開始等を求める署名行動、平和首長会議原爆ポスター展を各地で開催、北朝鮮の核実験への抗議など、その時々のメッセージ発信などを精力的に行っています。ビジョンと目標及び活動は明確です。これらに反対でないとしたら、参加しない理由は見当たらないのではないですか。加盟することを求めます。御答弁ください。
次に、中野区基本構想検討案及び新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)について伺います。
中野区公共施設総合管理計画(建物編)にかかわって伺います。
国は、地方自治体に対して公共施設等総合管理計画の策定に取り組むことを求めています。中野区公共施設総合管理計画(建物編)の考え方では、2014年9月に示した中野区施設白書とあわせて施設の状況や財政の見通しなどを示しながら、議会、住民に公共施設の再編が行財政効率的に見て不可避であると示唆しています。しかし、そのことが直ちに区民に理解されるわけではありません。公共施設の統廃合は、具体的な特定施設が再編の対象として俎上にのってこない限り、議論が顕在化することはありません。なぜそのような状況に置かれているのか、どうしてこれらの施設が統廃合の対象とならなければならないのか、施設には別の使い道がないのか、そもそも公共施設とは誰のものなのか、将来の地域まちづくりはどうあるべきか等々、住民にとって熟慮すべき事柄は非常に多いと考えます。計画を策定するのであれば、行政からのマネジメントに限らず区民参加による計画策定が必要となります。ところが、区の計画策定ではそのような手続きをとろうとしていません。しかも、10か年計画(第3次)にリンクしていない計画のようでもあります。区内の施設数を維持できないことや費用が膨大にかかるということを周知するためだけの計画であれば、つくる必要などないのではありませんか。伺います。
10か年計画(第3次)(改定素案)の参考資料2、施設整備の方向性の中で、未利用施設等として、商工会館や中野区保健所(移転後跡地)、温暖化対策推進オフィス、旧常葉少年自然の家の売却が記されています。どの施設も区民福祉の向上のため使用されてきた施設であり、これからの活用を含めて検証・検討することが大切です。
ここでは、温暖化対策推進オフィスを例示に伺います。
現行の10か年計画(第2次)においては、環境リサイクルプラザの機能転換として、環境関連企業等の民間活力を活用した太陽光・熱利用や燃料電池など自然エネルギー等に関する設備・技術の展示や実演、省エネに関する相談・支援等を通じて、より幅広い区民や事業者等にCO2削減の取り組みを実際に推し進める拠点としていました。貸し付ける事業者が変わったことで全く別な事業となり、計画で示されていた取り組みはほとんど行われていません。毎年約2,600万円の賃貸料を環境基金に積み立て、エコポイントの原資とすることでCO2削減に貢献したというのでしょうか。10か年計画(第3次)(改定素案)では、賃貸借契約終了後、ほかに借り手を見つけることなく売却するとしています。利用していた区民を追い出した挙句、掲げていた目標とその実現の取り組みも行わない、これが自治体行政の行う仕事なのかと憤りを隠せません。売却せずに区民施策の活用を検討したのでしょうか。少なくとも区民参加を経て、区民利用を図るべきです。答弁を求めます。
10か年計画(第3次)(改定素案)では、「戦略Ⅰ まち活性化戦略」の「多様な経済活動で多くの就労の機会が生み出されているまち」の中でグローバルなビジネスや活動の形成として、外資系企業数、上場企業数の本社数、大規模企業数などの成果指標と目標値を挙げています。露骨な大企業呼び込み戦略というものです。「おもな取り組み」では、「都市再生を軸としたグローバルビジネス拠点の形成」を掲げ、選ばれる都市づくりを推進するとし、「集客力と発信力のあるグローバルな都市活動基盤の構築」は、中野の活力の源泉となるイベントや個性的な文化をはじめ、多様なコンテンツによって達成しようとしています。実現へのステップを見ると、グローバルビジネス拠点形成に向けた整備誘導に始まり事業展開へ、イベントの誘致、開催の推進体制の確立に始まり大規模国際イベントの開催へというものです。この実現のために、業務集積と大規模な集客交流の拠点を中野駅周辺につくろうとしているのでしょうか。グローバルビジネス拠点なる用語がやすやすと語られていますが、要は、政府の成長戦略と東京都の長期ビジョンで掲げられている「世界一の都市・東京」にあやかって一体的に進めていきたいということではないですか。足元がおぼつかない「まち活性化戦略」にしか思えません。しかも、地域経済の発展や循環の視点は欠けています。見解を伺います。
次に、10か年計画(第3次)に盛り込むべき課題と政策を何点かに絞って伺います。
一つ目に、子どもの貧困について。
10か年計画(第3次)(改定素案)では、「戦略Ⅳ 生きる力・担う力育成戦略」として子どもと教育についての課題と施策の方向が示されています。2013年の子どもの貧困対策法の制定も契機となり、子どもの貧困問題の克服が国だけでなく自治体にも求められているところです。10か年計画(第3次)(改定素案)の中で記されていないのは、行政における政策課題であるという認識が弱いのではないですか。これまでも区は、区内での子どもの貧困に係る実態調査の実施の求めに対して「やらない」と述べ、専門部署設置の求めに対しても「各部署が連携することで」と答えられてきました。しかし、この分野の政策課題は放置できません。区内の子どもの貧困の実態とニーズ把握を行うべきではないですか。伺います。
子どもの貧困については、自治体レベルでも実態調査の実施検討や施策展開が行われています。足立区では区独自の給付型や一部返還免除の新たな奨学金制度の創設を検討することに、荒川区では学習支援事業や子どもの居場所、孤立や育児不安を解消するための子育て訪問などを実施しています。他区では、少子化対策の一環として実施している子育て世帯向け家賃補助制度も子どもの貧困対策としての効果が期待されています。中野区でも、子どもの貧困という切り口から政策課題として掲げ、施策を実施検討することが必要ではないですか。伺います。
公契約の適正化(公契約条例の制定)について伺います。
公契約条例の制定が全国の自治体に広がっています。公共工事・公共サービスなどを民間事業者に発注する際に、低賃金を背景とするダンピング受注を排除し、公務・公共サービスの品質確保と事業者相互間と労働者相互間の公正競争を実現することを目的としているのが公契約条例です。最低賃金法などの強制法規ではなく、双方の合意という契約で成り立つ行政法です。約束が履行されない場合に行政法の範囲内でペナルティー等の対応を課すことができるという規定を設けられる根拠になっています。最低賃金法と矛盾するという論もありますが、公務・公共サービスの品質を確保するために適切な賃金を保障することと、最低生活を維持する賃金水準を保障する最低賃金法を同次元で議論することに無理があります。
中野区では、これまでに入札制度の見直し、総合評価方式などが取り組まれてきました。しかし、これらの手法をどんなに使っても労働者の賃金を規定することはできません。公契約条例は、公的サービスの質と地域住民の安心・安全を確保しつつ、労働者には住民から喜ばれる働きがいと人間らしい暮らしの確立を保障するものです。区では、公共工事はもちろん、民間委託・アウトソーシングがふえ続けています。区として公契約条例の制定を視野に検討会を立ち上げ、公契約適正化の課題に取り組むべきではないですか。伺います。
オンデマンド交通の導入についても伺います。
「安全で利便性の高い、住み続けられるまち」の10年後のまちの姿では、誰もが安全で円滑に移動できる、多様な交通環境が整っているとし、施策の方向で、利用しやすい交通環境の推進を掲げています。さらに、「おもな取り組み」のところで、交通弱者(高齢者や乳幼児連れの親子、障害者等)が区内を円滑に移動できるための対策等について総合的な検討・実証を行い、より快適な移動環境の整備を推進する。また、高齢化の進行を踏まえ、日常的な移動環境の整備を検討・推進していくとしています。現行の10か年計画(第2次)においては、地域交通の整備として新しい交通システムを誘導するとしていました。そのための調査等も行ってきたのではないですか。10か年計画(第2次)策定時より交通弱者はふえ、移動環境の整備は切実になっています。一体何を検討・実証するのでしょうか。オンデマンド交通の導入を決断すべきではないですか。伺います。
次に、平和の森公園再整備構想(案)について伺います。
平和の森公園の再整備構想(案)が各所管委員会で報告されました。公園未開園部分を活用し、新体育館の整備を行うこと、既存の少年スポーツ広場を拡張し、大人も利用可能な多目的広場にすること、既存の草地広場に全長300メートル、直線100メートルの陸上競技にも利用できる園路を設置するなどが配置図も含めて示されました。平和の森公園の再整備は昨年唐突に考え方が示され、この間、利用者、区民からは撤回、見直しが求められてきました。現在の平和の森公園は、刑務所跡地の解放運動と跡地の活用について長い間にわたって区民運動と議論が重ねられ、今日の公園の形になりました。区と区議会、区民の中で培われてきた公園整備の合意の点からも、今日求められている広域避難場所による防災機能の点からも、さらに温暖化防止等の環境維持向上の観点、そして乳幼児親子から高齢者までの自由に使える公園利用の点からも、この構想(案)が今後、計画策定、工事実施へと進んでいくことには問題があります。
ここでは、2点伺います。
構想(案)では、草地広場に「園路」という名のトラックが敷設される予定になっていますが、現在の利用者との共存は図られません。トラックでの競技練習などが行われれば危険であるという指摘があります。占用して競技大会や練習を行うことを想定しているようですが、利用を制約することは草地広場の本来の目的と現行の利用から見て理解は得られないのではないですか。伺います。
少年スポーツ広場の拡張は、ここで大人も野球等ができるようにするために再整備するようですが、子どもたちの利用、特に土日・祝日の少年野球、少年サッカーの利用とバッティングしてしまうことになるのではありませんか。少年スポーツ広場の砂ぼこりが立たぬように改修・改善を図ることはあっても、樹木・樹林帯を伐採して広場を広げることは見直すべきです。伺います。
構想(案)として何をどのように配置するかは、公には1月末に初めて示されたわけです。これまで区民参加を得て策定された平和の森公園の整備計画からの大きな変更です。短期間の中で手続きを踏み強引に進めるやり方は改めるべきであり、再整備については利用者、区民の意見をきちんと反映した計画とすることを強く求め、次の質問に移ります。
2016年予算案について。1番目に、財政調整交付金について伺います。
歳入のところで、財政調整交付金(特別区交付金)についてお聞きいたします。来年度予算案では、今年度と同額の350億円を計上しています。財政調整交付金の歳入に占める割合は27.3%と、これだけ大きな割合を占める財源が東京都との協議の結果で決まるという、極めて不安定な仕組みになっています。
例示的に伺います。本来、市町村の税金である都市計画税は、東京都が一度全部を持っていき、それを財源に東京都から23区に対して都市計画交付金が支給されています。ところが、23区に支給される都市計画交付金は都市計画税収の9%前後にしか過ぎません。23区での都市計画事業は直近5年の平均でも3割くらい行っています。しかし、都市計画税収入の3割も振り分けられていないのです。1月15日に、区長会は東京都に対して特別区都市計画交付金の増額を求める緊急要望を行ったことが新聞で報じられました。
そこで伺いますが、東京都に対して財政自治権の拡充を本気で求めていくこと、そのために議会や区民とともに運動していくことが必要ではないですか。答弁を求めます。
特別交付金についてもお聞きします。もともと財政調整交付金の2%分が災害対策の特別交付金でした。特別区は反対しましたが、東京都からの強い要望で5%に引き上げられました。およそ500億円が特別交付金として年度当初に交付されず、1年間寝かされて支給されています。災害などが発生しなかったら、東京都と当該区のやりとりで決まる1件算定です。どこの区にどういう理由で幾ら配られたのかはわかりません。東京都が推奨する事業をやってもらいたいなど、誘導策にも使われているようです。特別区はもとの2%に引き下げるよう要望していますが、なぜできないのでしょう。中野区では、当初予算で5億円、補正予算で5億円上乗せし10億円に、そして決算時には、2014年度で見ると16億円が入っています。毎年度これを繰り返しています。交付金が入っていることでよしとしているのであれば問題です。自治権をゆがめている東京都の対応は改善すべきです。見解を伺います。
2番目に、基金と大規模プロジェクトについて伺います。
来年度予算案では、年度当初から基金に94億円を積み立てることにしています。財政調整基金に24億円、減債基金に34億円、特定目的基金に約36億円の積み立てです。特定目的基金では、義務教育施設整備基金に10億円、道路・公園整備基金に12億円、まちづくり基金に13億円と進められている区内の大規模なプロジェクトに備えた積み立てというものです。10か年計画(第3次)(改定素案)の10年間の財政フレームでは、基金積立として財調基金に164億円、減債と特定目的基金に670億円、総額は834億円を積み立てる計画です。実態とは大きくかけ離れていますが、現行の10か年計画(第2次)で示していた458億円の1.8倍もの基金積立計画です。
10か年計画(第3次)(改定素案)で財政規模が膨らんでいる要因の一つは大規模なプロジェクトです。事業の是非は個別具体的な判断が必要であるとしても、同じ時期に大規模な事業を行っていく、そのために基金積立は膨大になるというものです。中でも突出しているのが、区役所・サンプラザ地区再整備、中野駅地区整備、中野二・三丁目、囲町などの都市開発を進める中野駅周辺都市再生プロジェクトです。まちづくり基金への原資は開発協力金がなくなったことで、大半が一般財源から入れられることになります。財政調整交付金で充当される財産費だけではありません。大規模な事業であるために長期間に及び費用も巨額です。来年度予算案で中野駅周辺のまちづくりで見てみると、中野駅周辺計画に4,300万円、中野駅地区都市施設整備20億円、中野駅周辺地区整備で12億5,000万円、中野駅周辺まちづくり費で35億円も計上しています。あまりにも偏った予算編成ではないですか。事業だけでなく、担当する職員さえもこの分野には手厚く配置されています。大規模開発に偏重した、それゆえ基金への巨額の積み立ても看過できません。改めるべきではないですか。見解を伺います。
三つ目に、区民施設の充実について。学校施設整備について伺います。
特別教室と体育館の冷房化、及びトイレの洋式化について伺います。来年度においても特別教室の冷房化工事とトイレ洋式化工事が予算計上されていることは多とするものです。しかし、このテンポでは不十分です。毎夏の猛暑が続く中で特別教室の冷房化工事は実施校をふやすこと、体育館についても統合校に限らず実施することが必要ではないですか。教育委員会は、冷房化工事と洋式トイレ工事の早期実施を求める質問に対して、「計画的に進めている」、「学校施設整備計画などと調整を図って」と応じていますが、そもそも計画自体を議会や区民に示していないのではないですか。示すべきと考えますが、答弁を求めます。
中野区の小・中学校では、普通教室、特別教室や図書館、体育館等、児童・生徒が使用する全ての教室をネットワークで結び無線LANによって接続し活用をしています。ICT機器の活用は、児童・生徒へのわかりやすい授業の実践、児童・生徒同士での学習内容の共有、学習活動への参加や学習意欲、思考力、判断力などの向上につながることが期待されています。現在は各校にノート型パソコンを整備し、また、プロジェクター、スクリーン、携帯型書画カメラ、携帯型電子黒板等を各3台配備していると聞きます。各教室間を移動して使用しているとのことですが、高学年児童や生徒においては授業で使用する頻度も高くなると思われます。拡充を図るべきではありませんか。伺います。
住宅の耐震化工事助成について伺います。木造住宅耐震補強工事助成の実施について、区長はこれまで、個人の財産形成につながることになるために実施しないとしてきました。しかし一方で、中野区でも実施していた高床助成や取り組んでいる建てかえ助成も個人の資産形成に資するのに実施しています。そもそも国や都で制度を持っていることが何ら問題になっていません。「個人財産への形成につながるからやらない」との理由は破綻しています。
中野区が助成をしていないのは木造住宅だけではありません。緊急輸送道路に指定されている沿道住宅以外は、マンションなど非木造住宅も同様に実施していません。沿道の住宅や建てかえへの助成は「地域安全性を向上させる公共的な目的に沿えば行う」というのがその理由です。しかし、住民の命と財産を守ることはもちろん、住宅がつぶれて避難路を塞ぐことを回避するために住宅の耐震化をすることは安全性を向上させる公共的な目的に合致していると考えます。答弁を求めます。
四つ目に、国民健康保険料について伺います。
特別区長会は、来年度の特別区国保料率の基準額を1月15日の区長会総会で確認しました。来年度の保険料率は、基礎分と支援金分を合わせた所得割率は前年度比0.45ポイント引き上げ8.8%に、均等割額は前年度比1,500円引き上げ46,200円にするというものです。その結果、一人当たりの平均保険料は11万1,189円となり、今年度比4,644円、4.36%の大幅値上げとなります。これで14年連続の値上げです。保険料を値上げすべきではありません。生活を支えるための社会保険制度である国保が毎年保険料の値上げを繰り返し、暮らしを圧迫しています。そのような認識はないのでしょうか。伺います。
今年度から実施されている保険者支援制度の拡充は、来年度も1,700億円で、合わせると3,400億円になります。法改正による2割・5割減免の拡大によって中野区の保険料が減収となります。質したいことは、一般財源からの法定外繰り入れを行っている区が法定外繰入額を減らすために使用してはいないでしょうか。保険料の引き下げに使うべきです。区長会や事務レベルでの保険料算定の検討ではこのことについての議論が行われなかったのですか。伺います。
次に、介護保険と新総合事業について。
介護施設整備について、最初に伺います。弥生町六丁目に新たに特養ホームが整備されることになります。しかし、高齢者人口がふえ続け、入所を希望し待っておられる方も多数いて、まだまだ不足しています。現在、第6期の計画が施行中ですが、第5期の計画目標にさえ届いていません。介護施設整備については、用地確保に関する助成制度が国と東京都で拡大されています。事業者負担を軽減する助成制度を活用して特養ホームと老健施設の整備を急ぐべきではないですか。その際、区が事業者任せにすることなく、きめ細かく情報提供と協議を行い、区独自の補助も検討して保険者としての責任を果たすことが必要と考えます。伺います。
新総合事業について伺います。
来年度からの新総合事業の実施は見送り、来年度は新総合事業への準備、特に担い手の育成に関する事業を予算化しています。我が党は、新総合事業に移っても訪問・通所とも現行相当サービスを保障することが必要であることを質してきました。
改めて伺います。新総合事業は、窓口においてチェックリスト25項目で振り分けることになります。要介護認定の申請やアセスメントの手前で振り分け、利用者の選択肢を狭めることがあってはなりません。介護保険制度の利用の仕組みは大変複雑です。どれだけの高齢者が明確にサービス利用種別の希望を持って相談窓口に訪れることができるのか、専門職によるサービスを利用するかどうかは利用者自身に選択権を保障すべきです。利用相談の際に、基本は要介護認定の申請受付を行い、チェックリストは希望者のみに実施する方法をとるべきだと考えます。チェックリストの活用・実施は、窓口においては必ずしも専門職でなくてもよいとされています。25項目で「はい・いいえ」で回答し、回答数により事業対象者が決定されます。簡易な方法ですが、専門職のアセスメントはこのような簡易な方法で行うものではなく、例えば、「15分ぐらい歩いていますか」という項目も、「歩く姿勢や歩幅」「息は上がらないか」「屋内外は歩きに適した環境か」「若いときから歩く習慣があったか」など複数の情報を得て判断していくことになります。また、認知症の初期段階や日によって心身の状態が大きく変動するような高齢者の場合、事務職員が相談窓口で簡易に判断することは難しいと思われます。利用者が選択できるように専門職による窓口対応を求めます。御答弁ください。
介護報酬の引き下げの影響や人材不足問題の実態把握が中野区においても欠かせません。他の自治体では、新総合事業が低いサービス単価の設定によって事業者が撤退する事態も起こっています。人件費を抑えれば、職員の離職、人手不足の悪循環に陥ることになります。そうなれば、サービスの充実からほど遠い結果となり、利用者の事業者選択の幅は狭まります。経営が安定し、労働者にとって賃金、労働条件が確保されることが利用者のために必要です。サービス単価の設定についてどのように検討をしているのでしょうか。質を確保する上でも事業費の支給は現行相当とするなど、サービスに見合ったものを保障すべきではないですか。伺います。
次に、都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)について伺います。
東京都は、昨年12月、都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)(案)を発表しました。方針案では、都市計画道路1,210キロメートルを今後整備し、そのうち223キロメートルを今後10年間で事業に着手する優先整備道路と位置付けています。都市計画道路の多くは日本経済の発展に伴う人口の増加や自動車交通量の激増などを前提として計画されたものであり、少子高齢化や人口減少社会になった今、これら都市計画道路全体が本当に必要なのか、抜本的に見直す必要があります。現に全国各地では過大な都市計画道路に対しての見直しが始まっています。ところが、今回示された第四次事業化計画案を見ると、都市計画道路の見直し候補路線はわずか9区間で延長は4.9キロメートルしかなく、全体のわずか0.4%でしかありません。低成長の時代にあって相変わらず膨大な費用を使って道路をつくるという、前時代的な発想に思えます。
そこで、補助227号線について伺います。補助227号線は、昭和41年に拡幅の都市計画決定がされており、拡幅部分の地下室禁止や3階建て以下等の建築制限はされていますが、決定後50年近く現状のままであり、沿道の人々は暮らしを営んできました。まず、現在、東京都により拡幅事業中の早稲田通りから妙正寺川までの区間、大和町中央通りについてですが、50年近く事業の動きが全くなく、また現行の第3次優先整備区間にも入っていません。それをいきなり、「特定整備路線ですから、至急に整備します」と施行者の東京都から言われても、沿道の住民は困惑するだけではないですか。現行の優先整備路線でもないこの区間が事業化に至った経緯や、沿道の住民の事業に対する理解について、伺います。
今回の第四次事業化計画の候補区間に妙正寺川から北側の補助227号線が入っています。区の説明によれば、西武新宿線の野方以西の連続立体交差化を推進するために都市計画道路の事業化が必要であるとのことですが、これだけでは、特に今後の低成長の時代にあってなぜ道路が必要なのか、説明が極めて不十分です。明確な説明を求めます。
また、この補助227号線では、現在の道路の拡幅はもちろんのこと、現在は道路がない場所に道路をつくる部分もあり、十分な住民合意が得られなければ事業を進めることはできません。この区間について住民の理解を得た上で事業化候補区間としたのですか。伺います。
以上で私の全ての質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 長沢議員の御質問にお答えをいたします。
所信表明と政治姿勢について、アベノミクスの破綻は明らかではないかといった御質問でした。持続的な経済成長を達成するためには経済成長戦略の力強い推進が不可欠である、こうした認識に変わりはありません。国の経済政策によって個人及び法人所得の増加や納税義務者数の増加などが反映された結果、平成26年度中野区決算における特別区税や特別区交付金等の一般財源が大幅に伸びるなど、金融政策や財政政策の成果があらわれた結果だと認識をしており、国の政策が破綻したとは考えておりません。
内閣府の四半期別GDP成長率において、平成27年1月から3月期で1.0%の成長となった以降、成長率の推移は上下している状況でありますが、今後の推移を注視していきたいと、こう考えております。
消費税増税についての御質問です。少子高齢化、人口減少社会に対応し、将来にわたって安心・安全、豊かな人々の生活を実現するためには社会保障の効率的な維持、また財源の確保が欠かせません。そのためには、経済の成長、一定の負担の増加、一定の給付の抑制、この三つが必要な要素であると考えており、区政もそれに基づいて対応してきているところであります。
安保法制に関する見解をという御質問でありました。安全保障政策は国の重要な責務であり、安全保障の確立にかかわる法整備としてこの法制が国会で審議され成立したものと考えております。執行に当たっては、立法の趣旨を踏まえながら政府が適切に執行していくものと考えております。
平和首長会議への加盟をという御質問でありました。さきの議会での御質問にもお答えしているように、国内外の数多くの自治体の意思をどのように確認していくのか、またどのように行動していくのか、そういったことが不明だと考えております。また、区の発言が宣言等の決定の中でどのように取り扱われるかなど疑問点も多いといったようなことから、参加することは考えておりません。
それから、公共施設総合管理計画に関連しての御質問です。現在策定を進めております中野区公共施設総合管理計画(建物編)は、今後、施設の保全・更新を適切に進めるに当たり、財政負担軽減の目標値を試算するとともに、これを実現するための施設管理の基本方針を示すものであります。今後、施設更新が増加していくに当たり、個々の施設更新は個別に判断をしていくことになりますが、総合管理計画はその検討に当たってのベースの考え方となるものと思っております。
それから、施設の売却ということについての御質問です。地球温暖化対策推進オフィスにつきましては、既に区としての用途を廃止し、民間事業者に貸し出しをする形で活用を行っているところです。現在の施設の維持管理経費、また将来的な更新経費などを踏まえて、民間事業者への貸し出し終了後の方向性として売却を検討していくとしたものであります。なお、売却代金は環境基金に積み立てることを検討していきたいと考えております。
まち活性化戦略についてであります。中野駅周辺における業務商業の集積や集客、交流空間を拡大し、グローバルな視点から都市機能を強化していくことは地域の経済発展を促す動力源となるものであります。中野四季の都市の開発によって大企業やグローバル企業が立地し中野のまちににぎわいと活力をもたらしたことは実証されており、さらに周辺の再開発を推進し、グローバルに展開するさまざまな都市活動が活発に行われているまちを目指していく考えであります。そうしたことを行っていく上で国や東京都と政策的に協調していくことも大変重要なことだと考えております。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 区民施策の充実についてのうち、特別教室や体育館の冷房化についての御質問です。特別教室の冷房化は来年度からおおむね5年間で整備する予定であり、計画に沿って進めてまいります。
次に、学校のICT機器拡充についてです。各学校に対しては、児童・生徒の主体的な学習活動につながるようなICT機器の活用事例を示し、現在配置しているさまざまな機器のさらなる有効活用を促しているところでございます。機器の拡充につきましては、学校の活用状況を勘案しながら計画的に進めているところでございます。
〔子ども教育部長奈良浩二登壇〕
○子ども教育部長(奈良浩二) 私からは、子どもの貧困についての御質問にお答えいたします。
全ての子どもたちがのびのびと健やかに成長し、安心して子育てができるよう、区では子ども・子育て支援事業計画を策定し、地域全体で力を合わせて子どもの育ちと子育てを支援するとともに、妊娠・出産期からの切れ目のない多様な支援を進めてきているところでございます。子育て支援サービスをはじめとするさまざまな領域での支援の拡充や所得に配慮した利用者負担とすることなどによりまして、さまざまな課題を抱える家庭の状況を把握した上で必要な支援が適切に行われていると考えてございます。今後もこうした取り組みの充実を図ることによりまして、安心して子育てができる環境を整備していきたいと考えてございます。
〔経営室長篠原文彦登壇〕
○経営室長(篠原文彦) 公契約条例についての御質問にお答えをいたします。労働者が適正な労働条件で働き、賃金の支払いが保障されるということは労働基準法や最低賃金法などの法定義によって守られるべきものと考えてございます。区では総合評価方式の取り組みに加えまして、本年4月から入札参加資格の審査の際に事業者の社会保険加入を必須条件とすることとしてございます。こうしたことから、労働者の賃金等を規定することを目的としました公契約に関する条例の制定について取り組む考えはございません。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、まず、10か年計画(第3次)(改定素案)の御質問のうち、オンデマンド交通の導入についてお答えをいたします。交通弱者の移動環境改善につきましては、今後のまちづくりの進展等を踏まえ、利用者のニーズ把握や運行の手法、そして経費面などを総合的に検討・検証していく考えでございます。
次に、28年度予算案に関連いたしまして、住宅の耐震化工事の助成についての御質問でございます。助成している不燃化促進事業や木造住宅密集地域整備事業は、区内でも地域危険度の高い区域であり、不燃化及び耐震化した建物に建てかえ促進することで地域の安全を向上させるという公共的視点から助成を実施しております。また、緊急輸送道路沿道建築物につきましても耐震改修助成を行っているところでございます。それ以外の地域では、耐震診断までを区が実施いたしますが、設計及び耐震改修につきましては建物所有者によって行われることが基本であり、この考えを変えるつもりはございません。
次に、都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)についての御質問にお答えをいたします。
まず、特定整備路線の整備につきましての御質問です。都市計画道路補助227号線、大和町中央通りの早稲田通りから妙正寺川までの区間につきましては、平成25年度に東京都の木密地域不燃化10年プロジェクトの一環として特定整備路線の指定を受け、東京都が事業主体となって拡幅整備を行っているものでございます。大和町中央通りの整備により延焼遮断帯が形成されて大規模な市街地火災が防げることや震災時の安全な避難路が確保されることなど、整備事業の効果は非常に大きいものであると考えております。なお、東京都の生活再建に係る関係住民との話し合いや、沿道を含めた地域全体の災害に強いまちづくりに関する区の地域への説明などを通じて、沿道住民の道路整備に関する理解は進んでいるものと考えております。
次に、妙正寺川以北の補助227号線の整備の必要性についてお答えをいたします。妙正寺川以北の補助227号線沿道地区におきましても、大和町と同様に延焼遮断帯の形成や避難路の確保の観点から補助227号線を妙正寺川以南から連続して整備することが必須であると考えております。また、鉄道の連続立体交差事業は、単に交通問題の解消を図るだけでなく、一体的で総合的なまちづくりの推進にも寄与する事業であることから、野方以西の西武新宿線の連続立体交差事業の推進にあわせて妙正寺川以北の補助227号線につきましても第四次優先整備路線の候補とし、今後10年間で整備することとしたものでございます。
次に、優先整備路線候補区間と住民への周知についての御質問でございます。今回は今後整備すべき路線としての候補路線の案を示したものであり、特段の住民への説明は行っておりませんが、都市計画決定は既に行われており、都市計画道路の存在につきましては十分な理解がされているところであると認識しております。今後、事業の具体化に当たっては関係する住民等には十分な説明を行い、事業への協力を求めていく考えでございます。
〔健康福祉部長瀬田敏幸登壇〕
○健康福祉部長(瀬田敏幸) 私からは、まず平和の森公園の再整備構想(案)に関連いたしまして、陸上競技機能の必要性と既存利用者との共存についての御質問にお答えをいたします。
平和の森公園の陸上競技機能につきましては、区内に陸上競技に取り組むことができる環境が少ないことからも必要であると考えております。陸上競技機能として活用をするときには安全性の観点からも占用とすることを想定しております。日常的には広く区民に開かれた草地広場として御利用いただくものでございまして、公園利用者にとって大きな制約になるものとは考えてございません。
次に、少年スポーツ広場の拡張とそれに伴う既存樹木の伐採についてでございます。区内には大人が使用できる屋外スポーツ施設が不足しており、少年スポーツ広場を拡張し、多目的に活用できる広場を整備することは必要であると考えております。多目的広場の具体的な運用につきましては、今後検討してまいります。また、必要な施設整備に係る既存樹木につきましては、可能な限り移植での活用を図ってまいりたいと考えております。
次に、介護保険の新総合事業に関連いたしまして、介護施設整備の区独自の補助につきましての御質問にお答えをいたします。介護施設地域密着型サービスの整備誘導につきましては、第6期介護保険事業計画の施設整備目標の達成に向けまして公有地、民間用地の活用を図りながら国や東京都で拡大された助成制度を活用するとともに、区有地を活用したケースの場合には土地貸付料を減額するなど支援を進めてまいりたいと考えております。
〔政策室長髙橋信一登壇〕
○政策室長(髙橋信一) 私からは、財政調整交付金、また基金と大規模プロジェクトについてお答えいたします。
初めに、財政調整交付金の中の財政自治権の拡充についてお答えいたします。特別区は、都区財政調整協議会などにおいて財政調整制度や都市計画交付金の割合について毎年協議を行い、特別区の要望の内容について議論を行っているところであり、今年度につきましても財政調整制度におけます子ども・子育て支援新制度の反映などを行っているところでございます。都市計画交付金の財源でございます都市計画税は、本来基礎自治体の行う都市計画事業や土地区画整理事業に充てるための市町村目的税でございます。このため、特別区が実施する都市計画事業などの実施割合に合わせて本来は交付されるべきでありまして、区長会にしても毎年強力に働きかけを行っているところでございます。今後も特別区として都市計画交付金などについて要望を行っていくつもりでございます。
次に、特別交付金の配分比率についてお答えいたします。特別交付金の割合は、都区財政調整の協議において議論を進めているところであり、特別区としては区長会の協議結果に基づき特別交付金を2%に引き下げる提案を行っているところでございます。
次に、基金と大規模プロジェクトについてお答えいたします。各特定目的基金はそれぞれの計画に基づき積み立てを行っているところであり、まちづくり基金の活用により中野駅周辺のまちづくりやまちの活性化によって区民の暮らしを豊かにするものにつながると考えてございます。また、財政調整基金では、財政運営が厳しい状況になった場合など、区民の福祉サービスを継続的に行うため財政調整基金などからの繰り入れを行うことも想定しており、必要な積み立てであると考えてございます。
〔区民サービス管理部長白土純登壇〕
○区民サービス管理部長(白土純) 私からは、国民健康保険料と介護保険の新総合事業のサービス単価についてお答えをいたします。
まず、国民健康保険料についてでございます。国民健康保険料については、法令に基づき適正な負担を求めているところであり、加入者の暮らしを圧迫しているとは考えてございません。保険者支援制度の拡充は、将来の国保の広域化を見据え、財政基盤を強化し、法定外繰り入れの解消を目指すものでございます。区長会や区の内部において、制度の拡充による歳入の増加分を保険料軽減に用いるべきという議論はございませんでした。
次に、介護保険の新総合事業のサービス単価の検討状況等についてお答えをいたします。新総合事業のサービス単価設定については、現行のサービスの利用実態を踏まえて、要支援1・2の方が利用可能や訪問型・通所型サービスの内容や量の基準を定め、それをもとにサービス提供のコストに見合った介護報酬となるよう検討を進めているところでございます。新総合事業の現行相当サービスについても、サービス提供のコストに見合った適正な単価を設定し、必要な方へ必要なサービスが提供できるよう準備を進めていきたいと考えてございます。
〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕
○地域支えあい推進室長(野村建樹) 私からは、基本チェックリストについての御質問にお答えをいたします。基本チェックリストの導入は、要介護認定の申請を希望される方に対してそれを抑制するものではございません。基本チェックリストにつきましては、保健師、社会福祉士等の専門職を配置いたします地域包括支援センターにおいて、高齢者の状況を総合的に勘案しながら活用する介護予防のためのツールとして取り扱うものでございます。
○議長(北原ともあき) 以上で長沢和彦議員の質問は終わります。
中野区議会議員 森 たかゆき
1 区長の施政方針説明と平成28年度予算案について
2 中野区基本構想検討案と新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)について
3 子育て支援について
(1)子どもの居場所作りについて
(2)子どもの安全を守る施策について
(3)その他
4 その他
○議長(北原ともあき) 次に、森たかゆき議員。
〔森たかゆき議員登壇〕
○27番(森たかゆき) 平成28年第1回定例会に当たりまして、民主党議員団の立場から一般質問をいたします。
質問は通告のとおりですが、3、子育て支援についての(3)その他で子どもの貧困対策に関連して1点お伺いをいたします。よろしくお願いいたします。
初めに、1、区長の施政方針説明と平成28年度予算案について伺います。
区長は、先日の施政方針の中で、自治体が互いに競争し、また必要に応じて協調・連携し合う真の地方分権の実現の必要性を述べられました。
まずは、この点について伺います。
自治体間競争、あるいは都市間競争や地域間競争といった表現がされることもありますが、そうしたことが言われるようになってしばらくが経ちます。こうした時代にあるということは間違いないのでしょうが、しかし、その競争が区民に何をもたらすのか、その帰結は必ずしも明確ではありません。一般的に競争はそれに参加する主体の切磋琢磨を促し、その結果として全体の質の向上が実現する、こうしたことが期待されますが、実際にそううまく機能することばかりではありません。市場においては、一時期、大手牛丼チェーンが価格競争の激化で業界全体が疲弊してしまうということがありました。自治体間の競争で考えても、例えば、住民から望まれる行政サービスを単に量的に拡大していく、そうした競争を続けていれば、いずれ財政的に立ち行かなくなる自治体が続出するであろうと考えられます。こうしたいわば消耗戦のような競争を避けるためには、それぞれの競争主体が独自性を発揮し、付加価値を生めるようにならなければなりません。そして、そのためには、まずみずからを知り、勝負のしどころを見極める、そうした戦略性を持つことが必要です。例えば、民間企業の戦略立案などに使われるSWOT分析という手法があります。SWOTと書いてスウォットですが、これは自分たちの置かれた状況を内部環境による強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、外部環境による機会(Opportunities)、脅威(Threats)の4事象に分けて客観的に整理し、クロス分析することにより戦略の方向性を定める手法です。SWOT分析は一つのフレームワークの例ですが、中野区ではこうした自分たちが置かれた状況を客観的に把握する手法は取り入れているのでしょうか。されているとすれば、特に弱みや脅威などネガティブな部分についてはどのように理解されているのでしょうか。お伺いをいたします。
また、これまで述べてきたような点を踏まえ、自治体間競争の中で中野区は自分たちの付加価値をどう高めていくべきとお考えか、お聞かせください。
続いて、年金生活者等支援臨時福祉給付金についてお伺いをいたします。
この給付金は、低所得高齢者に一人当たり3万円、全国で総額約3,600億円を支給するものです。この給付金については国会でもさまざまな議論がされておりましたが、国と地方自治体の関係という観点からも見過ごせない問題があります。この給付金には根拠法がありません。改めて確認するまでもなく、国と地方は対等の関係です。根拠法のないまま、国が自治体に強制力を持った指導をすることはできません。したがって、この年金生活者等支援臨時福祉給付金の支給についてもあくまで国から自治体へのお願いにとどまります。国会においても支給する・しないの判断や支給期間、差し押さえの是非について、「実施するようお願いする」、「期間は平成28年6月までの支給を念頭に設定するよう伝えている」、「差し押さえないようお願いする」との答弁がされています。この中でも特に重要なのが差し押さえの是非です。自治体が滞納処分を行うことは地方税法上の義務です。しかし、国は、この給付金については差し押さえをしないようにお願いをするというのです。自治体による差し押さえを認めたくないのであれば、支給に関する根拠法をつくり、差押禁止財産と定めるべきです。今回と同じ枠組みで実施された定額給付金の支給の際には、滞納処分を行うとした自治体に国から指導が入り、自治体が方針を撤回、首長が謝罪をするという出来事がありました。ここに至っては、もはや地方自治法に定められた関与の法定主義の原則の形骸化としか言いようがありません。区長は真の地方分権の実現を訴えるのであれば、国が法的根拠もなく、自治体の事業に事実上の強制力を持って介入してくるかのような、こうしたやり方には抗議をするべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、今回は低所得者が対象とのことですから実際の滞納処分は個別の生活実態への配慮が必要ですが、一方、法律上の義務と単なるお願いのどちらを優先すべきかは明白ですので、その実施の検討をすべきと考えます。あわせてお答えください。
次に、出生率の向上に関連してお伺いをいたします。
区長は、この点について、具体的な出生率の目標を立て、「育てやすい」から「生みたくなる」への取り組みの強化を図ると述べられました。出生率の数値目標の設定は私も求めたことがあり、その点は歓迎したいと思いますが、後段の「育てやすい」から「生みたくなる」という発言には率直に言って違和感を禁じ得ません。詳細は以前にもこの場で申し上げたことがあるので省略をいたしますが、既婚者でいえば理想の子どもの数と実際の子どもの数にギャップがあり、そこには経済的な要因があります。少子化の主要因とされる未婚化、晩婚化についても、例えば、非正規雇用男性の配偶者のいる割合は正社員の半分に満たないなど、こちらも経済的な要因が大きいと考えられます。いずれも生みたくないから生まないのではありません。行政は、「生みたくなる」と個人の内面の動機に働きかけようとするのではなく、生みたいと思ったときに安心して生める環境整備に注力すべきです。出生率の向上に向けた取り組みに必要なことは、子育てにかかわる負担を広く社会化していくことに尽きるのではないでしょうか。
国においては、先進国最低レベルにある子育て・教育に係る費用の公的支出割合の増加が必要です。自治体においては、妊娠・出産期の不安に対応した相談体制の確立、地域での乳幼児親子の居場所の整備、質の高い幼児教育、保育の機会の保障、保育園や学童クラブの待機児童解消など、要するに、施策の方向性としては、これまで区が進めてきた施策を着実に進め、妊娠、出産、子育てにかかわる不安や負担を一つひとつ取り除く、こういったことこそが求められているのだと考えます。当然、最小の経費で最大の効果を生み出すための工夫や施策のスピード感を上げていくことは常に必要であるにしても、「生みたくなる」を目指して何か目新しい施策が必要、こういう状況ではないのではないでしょうか。この点についての区長の見解をお伺いいたします。
関連して、来年度の新規事業として予定されている妊娠出産講座についてお伺いをいたします。産婦人科医が中学生などを対象に妊娠や出産に関する講座を行う事業とのことです。
少子化対策の中で、若い世代に妊娠や出産に関する正しい知識の普及啓発を図ろうとする発想は、国においても自治体においても見られます。しかし、晩婚化やそれに伴う高齢出産の増加の要因に当事者の知識不足があるということを明確に示す根拠を私はあまり見たことがありません。例えば、性教育といった観点や若者にライフプランを考えてもらう機会を提供する、こういった点ではこうした講座にも意味があるのかなとは思いますが、少子化対策の効果には疑問を感じます。この事業に活用が予定されている地域少子化対策強化交付金は子育て支援や少子化対策に関わるかなり広い分野で活用が可能なものです。男性の育児参加促進を目指したさんきゅうパパプロジェクトに関連した事業や地域で子育て支援活動を行う人材育成などにも使えます。少子化対策という点では、妊娠出産講座よりもこうした事業のほうが優先順位が高いのではないかと思われますが、今回、妊娠出産講座を新規事業として開始するとの判断に至った根拠はどこにあるのか、お答えください。
また、この事業は10分の10の補助金を見込んでいるとのことですが、昨年6月の内閣府の事業レビューの結果を見ると、さんきゅうパパプロジェクトに関するものや結婚支援に関するもの等を重点事業とし、これらについては補助率10分の10を維持、その他は3分の2にするとされています。また、最近になってさらに補助率が下がることになった、こういった話も聞いています。果たして本当に補助金10分の10は確保できるのでしょうか。また、できなかった場合、事業の執行はどうするおつもりなのか、あわせてお伺いいたします。
生活困窮者世帯の中学3年生を対象とした学習支援事業についてもお伺いをいたします。
親の所得格差と子どもの学力・学歴格差がかなり明確な相関関係を描いてしまっている中で、低所得世帯のお子さんを対象とした学習支援事業を行うことは大変に意味のある事業だと考えます。しかし、なぜ対象が中学3年生なのでしょうか。所得格差と学力格差の相関がどのような要因によってもたらされているのかさまざまな研究がされていますが、その中でも大きな要因の一つとして挙げられているのが学習習慣を含む生活習慣が身についているかということです。習慣付けというのは早いころからのほうがより効果的であると考えられます。例えば、一部中学1年生にも開放し、その効果を検証するなどのステップを踏み、今後より早い段階からの支援の実施についても考えていただきたいと思いますが、この点についてのお考えをお聞かせください。
中野体育館の移転を含む平和の森公園再整備についてお伺いをいたします。
閉会中の総務委員会に平和の森公園再整備構想(案)と再整備のイメージ図が提出をされました。これらを見ると、現在の下水道処理施設上部地上部に体育館が建つということになっています。これまでさまざま伺ってきた説明では、この部分には上物はなかなか建てるのが難しいというふうに理解していましたので、今回この場に建てるというイメージ図が出てきたということで率直に言って驚いております。
そこでお伺いをいたしますが、この下水道処理施設上部に体育館を建てるという構想になるまでの検討の経緯はどのようなものだったのでしょうか。お答えください。
費用面についても伺います。今回示された構造ですと、素人目には相当程度費用がかかるのではないかと思われるのですが、現時点で費用についてはどのように見込んでいるのか、この点をお伺いして、この項の質問を終わります。
続いて、2番、中野区基本構想検討案と新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)についてお伺いをいたします。
まずは、手続き的な面についてお伺いをいたします。このたび示された10か年計画(第3次)(改定素案)には、素案に含まれていなかった財政見通しや施設整備の方向性、個別施策のステップ等が追加されたほか、U18プラザの廃止、区立幼稚園の認定こども園の転換などの施策が盛り込まれました。
前定例会での我が会派中村議員の一般質問においては、「この素案では具体性に乏しく、基本計画の体をなしていない。より具体的にしたものを作成した上で、再度意見交換会も開催するべきだ」と指摘をいたしました。今回、より具体的な改定素案を示し、再度の意見交換会も開催するとのことで、その点についてはよかったと思うのですが、一方で、今回の改定素案には単なる具体化にとどまらず、大きな施策が追加をされています。これを見ると、正直なところ、素案の議論に費やした時間は何だったのか、本当にこれからの10年の区政の動きを決めるだけの計画性を持っているのかと疑問に感じてしまいます。U18プラザの廃止にしても区立幼稚園の認定こども園への転換にしても、この間に議会から提案があったり、意見交換会で区民から要望があったものではなく、区が必要だと判断して盛り込んだものだと理解しています。そうであれば、10か年計画にいきなり盛り込むのではなく、どういった考え方があってこうした施策を進めようとしているのか、事前に議会などに説明し、議論があってから盛り込む、こうしたこともできたのではないでしょうか。この点についてどのように認識をしているのか、お伺いをいたします。
財政見通しについてお伺いをいたします。
今回示された一般財源のこれからの見通しによると、一般財源は来年度からの10年間で717億円から730億円まで、緩やかにではありますが一貫して上昇する想定となっています。現行の10か年計画の期間中の2008年にはリーマンショックがありました。これは大変に大きな世界的な経済危機ではありましたが、過去に全く例がないといったものでもありませんでした。リーマンショックの約10年前、1997年にはアジア通貨危機、さらに10年さかのぼると1987年のブラックマンデー、1970年代には2度のオイルショックなど、おおむね10年に1度は世界規模の大きな経済危機が発生しています。金融の世界では、こうした景気サイクルを踏まえ、10年に一度は大きな経済危機が来る、そのことを前提に商品開発を行うということもあるそうです。区の一般財源の推移についても、こうしたことも想定した上での見通しも持っておくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
続いて、施設整備の方向性に関連してお伺いをいたします。
ここでは、学校跡地の活用など、個別の施設についてこの施設はこのようにしていきますという整備内容が示されています。しかし、区有施設はここで示されたものが全てではありません。先日の総務委員会には中野区公共施設総合管理計画(建物編)が提出されましたが、こちらは主に財政的なやりくりをどうしていくのかを示すものであって、どちらを見ても今後の区有施設の全体像は見えてきません。こうした状況では、個別にはよい計画に見えたとしても、区内全体を見たときに本当にその場所にその施設が必要なのか、または売却の必要があるのかないのか、なかなか判断がつきません。まずは、大枠ではあっても全体の施設配置の考え方があり、その上で個別の計画があるべきではないでしょうか。この点について見解を伺います。
いずれにしても現有の区有施設を今後も全て抱えていくことは難しく、施設の統合や廃止、縮充を進める必要がある、このように考えますが、その際、特に廃止、統合になる場合、施設利用者のアクセスをどう保障していくのかもあわせて検討する必要があるのではないかと考えます。区では、区内公共交通のあり方についてオンデマンド交通の可能性なども含めてさまざまな検討をされています。こうした交通のあり方と施設のあり方をリンクして考える発想も必要ではないでしょうか。区の見解を伺います。
資産の有効活用という観点から、既存施設の新しい発想での活用ということも考えるべきです。例えば、区立学校の給食室は年に200日程度給食をつくるためだけにしか使われていません。最近では高齢者向けの配食サービスや子ども向けの無料食堂のような動きが広がってきています。こうした動きとの連携は考えられないか。夏季以外は利用されていないじゃぶじゃぶ池も、他の季節には何か活用の方策があるのではないか。区で考えるだけでなく民間からアイディアを募る方法もあろうかと考えますが、この既存施設の有効活用という点について区はどのように取り組むおつもりか、見解をお伺いいたします。
この項目の最後に、職員体制についてお伺いをいたします。
新しい中野をつくる10か年計画(第2次)には職員2000人体制実現に向けた計画が位置付けられていますが、第3次改定素案には職員定数についての計画は入っていません。現業職の方の退職不補充などがありつつも、基本は今後も2000人体制を維持していく方針と伺っています。しかし、これから10年は大きく職員が入れかわる時期でもあります。同じ2000人といってもベテラン職員の多い2,000人と若手職員の多い2,000人ではおのずから働いている仕事の質も変わってくるのではないでしょうか。この点をどのように認識し対応をしていくつもりなのか、お考えを伺います。
続いて、子育て支援について伺います。まずは、(1)子どもの居場所作りについて伺います。
まずは、先ほども述べた区立幼稚園、かみさぎ幼稚園とひがしなかの幼稚園の認定こども園への転換についてです。先ほどこの方針が示されたのが唐突だというふうに申し上げましたが、私たち議員がそう感じるのですから、当事者となる方々にとってはなおのこと強くそう感じていらっしゃるのではないかと思います。我が会派としては、認定こども園の必要性は理解するものの、そのために区立幼稚園を全てなくしてしまうことが本当によいことなのか、さまざまな角度から検討をしなければいけないと考えていますが、今回、私からは区の基本的な認識について2点だけ確認をさせていただきます。
まず、区は、これまで区立で幼稚園を持っていたことの意義をどのように考えていらっしゃるのでしょうか。また、平成22年の民営化により認定こども園に転換した2園について、区立幼稚園で行ってきた幼児教育のよさは現在引き継がれているとお考えでしょうか。この2点についてお答えください。
U18プラザの廃止に関連してお伺いをいたします。
改定素案で追加された記述には、「U18プラザを廃止し、中高生の社会参加の支援については地域とのつながりや社会貢献に向けた事業を民間等を活用しながら実施していきます」とあります。中高生の居場所を箱物も含めて整備する必要性がどこまであるのかについては疑問であり、この点については理解ができます。しかし、U18プラザは乳幼児親子の居場所としても活用されています。U18プラザを廃止するとした場合、乳幼児親子の居場所としての機能はどうなるのか、改定素案には示されていません。区は、出生率の向上に取り組む、子どもの数を増やしていくとしています。そうであれば、子どもの居場所についても拡充をしていく必要があるはずで、児童館廃止の方針もそのままで単にU18プラザも廃止してしまえばその流れに逆行してしまいます。
そこでお伺いをいたします。現在、U18プラザが担っている乳幼児親子の居場所機能については、U18プラザという名前を残すかどうかは別として、代替施設が確保されるまでは現状どおり使用可能としておくべきと考えますが、いかがでしょうか。区の考え方をお示しください。
保育施策に関連して2点お伺いをいたします。
中野区が待機児童解消に取り組む中で、区内に認可小規模保育施設など年齢制限のある園がふえています。こうした園では3歳以降の受け入れを確実にするため連携施設の設定が必要とされています。この連携施設の設定については、新制度スタートから5年、今からでもあと約4年の猶予があります。しかし、利用者の方は、3歳になったらどうなるのか、いわゆる3歳の壁への不安を感じております。こうした不安を取り除くためには、4年を待つのではなく、できる限り早く設定を進めるべきと考えますが、この点について区はどのように取り組んでいるのでしょうか。お伺いをいたします。
医療的ケアの必要な子どもの保育についてお伺いをいたします。
現在、区では認可居宅訪問型保育事業実施に向けて準備を進めており、来年度からスタートを予定していると聞いております。非常に意義のある事業ではありますが、当事者の方々からは集団保育の機会を求める声もいただいております。区は対応が可能であれば集団保育での受け入れもするとしていますが、実際にはなかなか受け入れが難しいという実態があります。川崎市では、来年度から、市立の保育園に専門の看護師を配置し、医療的ケアの必要なお子さんの受け入れ体制を整えるとのことです。市議会で陳情が趣旨採択されたことも背景の一つにあるそうです。23区を見ても、港区議会でも川崎市同様の請願が採択されていたり、世田谷区が実態調査を行っていたりといった動きが見られます。国のほうも動いてきており、昨年12月には医療的ケアが必要な子どもへの支援強化に向けた法改正の方向性が示されてきております。認可居宅訪問型保育事業の実現は大きな一歩ですが、そこにとどまらず、集団保育での受け入れの可能性についても追及をしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。見解をお伺いします。
次に、(2)子どもの安全確保についてお伺いをいたします。一口で子どもの安全確保といってもさまざまな課題がありますが、今回は主に学校現場における課題について2点お伺いをいたします。
一つ目は、体育や部活動または日常の場面も含めてですが、学校の管理下で児童・生徒が頭部を強打した際の対応についてです。平成24年度から学校において武道、ダンスが必修化されました。中でも柔道については、昭和58年から平成23年の29年間で118人もの死亡者を出していたことから、柔道事故の被害者やその御家族を中心に強い心配の声が聞かれておりました。こうした声を受けてさまざまな対策が打たれたことが功を奏してか、平成24年から平成26年の3年間死亡事故はゼロでしたが、残念ながら27年には複数の死亡事故が発生してしまいました。柔道事故の多くは投げ技などによって頭部を強打した結果、脳損傷によるものが圧倒的に多いということがわかっております。頭部に外部から強い力が加わると、脳が回転し、脳と硬膜をつなぐ橋静脈が破断する加速損傷という現象が起きます。加速損傷においては頭部に外傷がないことも多いとされています。また、そこまでは行かない脳震盪、軽度の外傷性脳損傷の場合であっても重篤な症状を引き起こす場合もございます。柔道に限らず、他のスポーツや、または学校生活の中ですから児童や生徒同士のじゃれあいの中でも頭部を強打してしまう、こうしたケースは幾ら注意をしていてもどうしても起こってしまうのではないかと思います。
そこでお伺いをいたしますが、学校生活の中で児童・生徒が頭部を強打した場合、どのような対応がとられているのでしょうか。外傷がない場合についても、よく様子を観察し判断を下すことが必要と考えますが、そうした対応はとられているのでしょうか。お伺いをいたします。
二つ目に、組体操についてお伺いをいたします。
学校の運動会でおなじみの組体操ですが、それに伴う事故も多く発生しております。平成26年度では全国の小・中学校を合わせて8,516件の事故が起きているとのことです。また、組体操の巨大化の傾向もあるようで、関西方面のある中学校では、高さ7メートルの10段ピラミッドに挑戦したものの、10段目の生徒が頂点に上ったところでピラミッドが崩れ、6人が重軽傷を負う事故が起きたとのことです。こうした状況を受けて、大阪市教育委員会は組体操のピラミッド、タワーを禁止する方針、柏市教育委員会では組体操そのものを廃止することを決定するといった動きが出てきています。また、これまで国としての規制に消極的であった文部科学省もここに来て規制に乗り出すことを検討し始めているようです。
そこでお伺いします。中野区内の小・中学校における組体操の実施状況はどのようになっているのでしょうか。また、柏市のような全面禁止が必要なのかは疑問があるにしても、実施に際しては児童・生徒の安全に最大限配慮すべきと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。
(3)その他で、最後に1点、子どもの貧困対策についてお伺いをいたします。
私は、昨年の第2回定例会の一般質問で子どもの貧困対策の意義について区長の見解を伺い、子どもの将来が生まれた環境によって左右されることのないよう支援することは、豊かな人生の実現や社会を支える人材育成にもつながる大きな意義を持つものと考えていると御答弁いただきました。一方、同僚議員が子どもの貧困の実態調査を求めた際には、独自に調査をするつもりはないとの御答弁でした。その後、内閣府が、「地域子供の未来応援交付金」という自治体向けの新たな交付金を創設しました。総額24億円、補助率は2分の1、上限400万円など、規模は十分とは言えませんが、こうした予算がつく方向で国が動いたことの意義は大きいと考えます。東京都においても来年度予算の中で貧困の連鎖を断ち切る取り組みとして総額約680億円を計上しているとのことです。先日は、この問題を考える都内地方議員の超党派の集まりが開催され、我が会派からも複数の議員が参加しました。子どもの貧困をどうにかしていかないといけないという機運はこの1年の間にもさらなる高まりを見せています。
そこでお伺いをいたします。効果的な対策を打つにはまず実態を把握することが必要です。区内の子どもの貧困の実態について調査を行うことを再度検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。この点を伺いまして、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 森議員の御質問にお答えをいたします。
まず、施政方針説明と28年度予算に関連しての御質問です。
区の客観的な情報把握と区の付加価値の育成についてという御質問であります。政策を策定していく過程にあっては、区全体の状況あるいは地域の状況、他の自治体の状況などを十分に把握をして、区の強み、弱み、あるいは御質問の中にあったような危機、脅威を踏まえたSWOT分析といったような比較を行い、区の実情に合った政策の立案を図っているところであります。そうした分析を行っていく上での客観的な統計としては、国が行う基幹統計のデータ、また区民意識調査を行っており、その経年的な変化などを把握するなど、さまざまな各種の調査によるもの、またさまざまな形で区の事業の現場で捉えてくる区民の状況や区民の意見、こういったようなことを総合的に把握に努めているところであります。そうしたところから、ネガティブな部分というふうに御指摘があったような、そういった側面に対してもしっかりと意を用いた上で、今回は「8つの戦略」という形で、弱みを抑え、そして強い部分を伸ばしていく、そのようなまちづくりを考えているというところであります。
それから、国が一方的にその自治体で実施する事業を決めている、そういうやり方はおかしいのではないかと、こういったようなことであります。自治体でありますから、一般的に自治体の政策を国が一方的に決めてしまっては地方自治にならない、そのとおりだと思います。しかしながら、社会経済状況の変化に即応して早期の取り組みであるとか、全国的な展開が効果的であり国民の利益となる政策、こうしたことについては地方自治体としても協力していくことが必要だと考えております。
一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策の一つとしての低年金受給者への支援、これについては、区としても消費を促す一助となると判断をして、年金生活者等支援臨時福祉給付金を予算案の中に計上したところであります。
それから、この給付金の支給対象者に滞納があった場合、直ちに差し押さえなどもするべきなのではないかと、そういったような御質問でありました。平成28年前半の個人消費の下支えにも資するよう実施する趣旨、これに照らしていきますと、区が給付金を強制的に区民税の滞納分に補てん・充当することは適当ではないと考えております。したがいまして、区が独自に給付方法の工夫などを検討することは考えておりません。滞納者への納付勧奨等は別途適切に力を入れて進めてまいります。
それから、基本構想検討案と新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)についての御質問であります。
改定素案についての御質問です。素案に対する御意見等を踏まえた検討の中で、施策の推進に必要となる施設整備などについてもより具体的に表すべきであると考え、盛り込んだところであります。今回、改定素案として位置付け、改めて議会で御議論をいただき、また意見交換会等により区民の皆様からも御意見をいただき、それらを踏まえて案を策定していきたいと考えております。
それから、一般財源の見通しについてであります。10年に一度ぐらいは経済危機が起きている、こうしたことを見通しの中で想定しているのかと、こういう御質問であります。10か年計画の財政フレームにおきましては、計画のスタートとなる平成28年度の予算原案を基軸として、過去の一般財源の推移などのほか、国の経済対策や中野区の人口推計、東京都の就業者数の推移、現在把握できる歳入・歳出における制度変更の影響などを取り入れて見通しを立てたものであります。区としては、安定的な区政運営を行うために基準となる一般財源規模、これを設定して財務規律の基本としているわけであります。基準となる一般財源規模を上回る歳入につきましては財政調整基金などへの積み立てを行い、歳入が大幅に減少した状況においては財政調整基金により対応することを基本としております。見通しの歳入と、また基準となる一般財源規模、これの関係から見ましても今回の財源の見通し、こうしたものは十分適切なものと考えております。過去のリーマンショックの際にも、一定の事業見直しとまた財政調整基金による繰り入れを行って区政運営を持続させてきたところであります。そうした経験も踏まえ、今回の10か年計画を策定してきております。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 学校の柔道や組体操の授業などにおける事故対応です。学校における授業等で頭を強打するなど、けがが起こった場合につきましては、当該事故の発生状況や当該児童・生徒の状況等を勘案し、保護者と連絡をとり合うなどした上で病院へ搬送し、医師の診断を受けるようにしてございます。外傷がない場合でも、事故後の児童・生徒の様子を継続的に十分観察し、適切な対応をとるよう判断してございます。
次に、組体操ですが、中野区内では小学校25校中24校が、中学校では11校中6校が運動会で組体操を演技として実施してございます。区としては、組体操の実施に当たり運動の狙いや安全性の確保について指導しており、今後、国や都の状況を参考にしながら対応を検討していきたいと考えてございます。
〔子ども教育部長奈良浩二登壇〕
○子ども教育部長(奈良浩二) 私からは、まず出生率の向上に関連しての御質問でございます。子育てへの支援といったことでございます。子育ての第一義的責任は父母等の保護者にあるわけでございますが、核家族化の進展などによりまして家庭の養育力が低下するなどの課題を抱えていることから、地域社会全体で子どもの育ちと子育てを支援することが大切であると考えてございます。区では、この考え方に立ちまして子ども・子育て支援事業計画を策定し、全ての子どもたちが健やかに成長し、安心して子育てができるまちを目指した取り組みを推進しているところでございます。今後ともこうした取り組みを通しまして子育てをしやすい環境整備を進めてまいりたいと考えてございます。
次に、若年層への妊娠・出産に関する講座の狙いといったことについての御質問がございました。現代はライフスタイルが多様化し、晩婚化や晩産化が進んでございます。そうした中で、不妊や妊娠率の低下など高齢化に伴うリスクなどについては十分に知られていないという課題がございます。このため、次の世代を担う若者が妊娠や出産について正しい知識を身につけた上でみずからのライフデザインを描いていけるようにすることで、子どもを産み育てることについてより明確に意識づけすることを目的としております。事業の執行に当たりましては、事業の趣旨を踏まえまして適切に実施をしていきたいと考えてございます。
次に、子育て支援についての御質問にお答えします。
まず、区立幼稚園の意義と認定こども園についてでございます。中野区の幼児教育は私立幼稚園により行われてきましたが、児童数の急増期に近隣に私立幼稚園のない地域に区立幼稚園を設置してきたといった経緯がございます。子ども・子育て支援新制度が始まり、多様な幼児教育、保育施設が展開されていく中では区立幼稚園の役割は終了したものと考えてございます。また、既に私立の認定こども園となった2園につきましては、区立幼稚園と同様に幼稚園教育要領に基づく幼児教育を行うとともに、特色ある充実した幼児教育が展開されていると考えてございます。
次に、U18プラザに関連して乳幼児親子の居場所といったことの御質問がございました。乳幼児親子の居場所につきましては、今後、乳幼児親子の交流促進や相談支援を行う地域子育て支援拠点事業として身近な場所に子育てひろばを整備していくこととしてございます。
次に、地域型保育事業の連携施設の設定についての御質問がございました。地域型保育事業の連携施設につきましては、区立保育所や私立保育所で設定が進むよう準備を進めておりまして、28年度予算案におきましても私立保育所において連携が促進されるよう補助制度をつくり、支援をしていきたいと考えてございます。
次に、医療的ケアを必要とする児童の保育に関連した質問がございました。現在、保育施設では医療的ケアの必要な児童はおりませんが、医療的ケアが必要な児童が保育を必要とする場合には保育サービスを提供することとしております。保育施設における医療的ケアの実施に当たりましては、集団保育が可能な場合であり、個々の児童に応じた専任スタッフの配置や育成など適切な保育体制や設備を十分整えてから実施することになってございます。
それから最後に、子どもの貧困対策についての調査といった御質問がございました。全ての子どもたちがのびのびと健やかに成長し、安心して子育てができるよう、区では子ども・子育て支援事業計画を策定し、地域全体で力を合わせて子どもの育ちと子育てを支援するとともに、妊娠・出産期から切れ目のない多様な支援を進めてきているところでございます。子育て支援サービスをはじめとするさまざまな領域での支援の拡充や所得に配慮した利用者負担とすることなどにより、さまざまな課題を抱える家庭の状況を把握した上で必要な支援が適切に行われていると考えてございます。今後もこうした取り組みの充実を図ることにより安心して子育てができる環境を整備していきたいと考えてございます。
〔健康福祉部長瀬田敏幸登壇〕
○健康福祉部長(瀬田敏幸) 私からは、生活困窮世帯の学習支援についての御質問にお答えをいたします。中学生の学習支援事業は、高校受験対策としての学習の機会を提供いたしまして全日制高校進学を目指す支援でございます。これまでにも経費や場所の確保などの側面からも検討を加えまして、来年度は希望した子ども全員が利用できる支援とするため中学3年生を対象としたものでございます。個々の学習進度に応じましてきめ細かな対応に努めていくこととしており、中学1、2年生時の学習の遅れにつきましてもフォローし取り組んでいく考えでございます。
〔政策室長髙橋信一登壇〕
○政策室長(髙橋信一) 私からは、平和の森体育館の整備と施設の活用についてお答えいたします。
初めに、平和の森体育館の整備、未開園部分の活用の経緯についてお答えいたします。既存の下水道施設の上部につきましては、荷重制限があるため、その上部に体育館を建設することは困難との認識のもと、平和の森公園の再整備に当たり公園機能向上を図るための最適な施設配置についてあらゆる検討を行ってきたところでございます。検討の過程で、区から下水道局に対しまして、未開園部分のうち、まだ下水道施設が建設されていない敷地を活用し、下水道施設と一体的に体育館整備が行えないかということについて共同検討の要請を行ったところ、地下に設置します下水道施設の建設に先行して、将来の下水道施設建設が可能になるよう技術的な工夫を行った上で上部に体育館を建設することにつきまして下水道局の協力を得られるということになりました。
次に、施設の活用についてです。初めに、施設配置の考え方でございます。10か年計画(第3次)(改定素案)におけます施設の配置につきましては、10か年計画で示されたさまざまな施策の展開に基づき、区全体や地域施設サービスの充実、地域の価値を高める活用など、区全体の考え方をまとめて示したものでございます。
次に、施設へのアクセスについてでございます。資産の有効活用に当たっては、統合や複合化によって区民サービスの向上や財源確保を図るという観点から考えていく必要があり、交通利便性や利用圏域の中心部からの距離、公共交通機関の近接度など、施設利用者のアクセス面についても検討の一つであると考えてございます。
次に、資産の有効活用についてでございます。区の施策展開におけます施設活用におきましては、区民サービスの向上を図るため、施設の複合化や集約化、複合利用、運営の効率化など、さまざまな視点を踏まえ区の保有する資産を有効活用していきたいと考えているところでございます。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、平和の森公園における体育館の整備経費についての御質問にお答えいたします。体育館を平地に建設するのに比べて、未開園部分では下水道局の将来の施設建設に配慮した構造とする必要があるため、コストはある程度高くなることが想定されますが、今後、工法等の協議に加え、明確な追加負担が生じる場合には下水道局と調整していく予定でございます。
〔経営室長篠原文彦登壇〕
○経営室長(篠原文彦) 職員体制の御質問にお答えをいたします。今後も2000人体制を基本といたしまして、退職者数と同程度の新規採用を行っていく予定でございます。このため、若年層の職員の割合がふえる状況となってございます。現在、各職場では、経験者の知識が確実に引き継がれるよう業務マニュアルを備えまして実務に則したOJTを行っているほか、メンターを配置しまして業務以外でもきめ細かい相談や支援ができる体制を整えているところでございます。
また、平成28年度におきましては、新たに区の職員に必要な基礎知識をまとめました実務基本書、こういったものの作成を行いまして新人職員やOJTの、それから自己研さんに役立てていく考えでございます。
○議長(北原ともあき) 以上で森たかゆき議員の質問は終わります。
中野区議会議員 篠 国 昭
1 災害時避難行動要支援者支援について
2 環境問題について
(1)事業系廃棄物収集届出制度について
(2)その他
3 教育問題について
(1)学力向上の具体的対策について
(2)体力向上の具体的対策について
(3)教科書謝礼問題について
(4)3学期制について
(5)その他
4 その他
○議長(北原ともあき) 次に、篠国昭議員。
〔篠国昭議員登壇〕
○36番(篠国昭) 自民党の2番目として、自由民主党の立場から質問をさせていただきます。
質問は、1番目に災害時避難行動要支援者支援について、2番目に環境問題について、その1番目として事業系廃棄物収集届出制度について、二つ目としてその他で1点お聞きいたします。3番目に教育問題について、学力向上の具体的対策について、体力向上の具体的対策について、3番目に教科書謝礼問題について、4番目に3学期制について、お伺いします。教育問題の5番目のその他はございません。大きな4番目として、その他で2点ほどお伺いさせていただきます。
それでは、災害時避難行動要支援者支援についてお伺いいたします。
災害時避難行動要支援者支援の取り組みにつきましては、平成27年第3回定例会の総括質疑で取り上げました。実際の防災活動や避難所運営は町会・自治会ないし防災会が担うものであり、その責任者の会長等に対してこの取り組みについて十分伝わってきていない状況が心配されたことから質問させていただいたわけです。
避難行動要支援者、この避難行動要支援者とはいかなる方々で何人くらいいらっしゃるのかなど、基本的なことから質問で明らかにしてもらったところでございます。御答弁では、その時点で既にこの要支援者約3万人うちの約1万人に対して職員等による訪問調査を始めているとのことでした。対象の方が随分多いように思いましたので、本当に全員を訪問するのか、お尋ねしました。それがどの程度進んでいるか、昨年12月の少子高齢化対策調査特別委員会に途中経過が報告されていたかと思いますが、その後、現在までの進捗状況についてお伺いしていきたいと思います。
また、避難所本部に新しく五つ目の部署を設置してほしいといったお話も出ていましたので、これについても質問をさせていただきました。実際に避難所の運営を担う町会・自治会あるいは防災会の具体的な役割はどのようになるのかよく知っておかなければなりませんので、伺ったわけです。その後、避難所運営会議の席で、防災分野から、この新しい部署、避難支援部というものを立ち上げてほしいといった説明がなされているようです。しかしながら、「避難支援をすべき対象者が何人いるのかなど具体的によくわからない。それでは、何をどこまで我々にせよと言っているのか考えようがない」といった声も出ているやにお聞きしております。このままでは実際に災害が起きたときに十分に動けなくなってしまいますので、この点についても改めて確認しておきたいと思います。
それではまず、1番目として、訪問調査の進捗状況について伺います。対象者のうち何人ぐらい訪問できたのか。そして、お一人おひとりの避難支援計画が何割くらいまで完成したのか。その中で、果たして安否確認をしていただけるような支援者はどの程度見つかっているのか、お伺いします。
たしか災害時避難行動要支援者の名簿は災害の発生する前には町会等へ提供できないことになっていたかと思いますが、訪問調査を通じて作成する一人ひとりの避難支援計画については事前に町会等へ情報提供してもよいという同意を確認しているとの御答弁だったと思いますので、この同意の状況もお答えください。
また、現在の進捗を踏まえて、今後の訪問調査、来年度以降の見込みはどうなるのでしょうか。予算案も3,553万円と前年度から1,100万円ほど伸びていますので、どのように進めていくのか、お伺いします。
2番目に、支援者が見つからなかった方々への対応について伺います。訪問調査をした結果、安否確認をしていただける支援者が御近所で見つかればいいのでしょうが、そうした支援者が見つからなかった方たちへの対応はどうなるのでしょうか。全て避難所本部の新しい部署、避難支援部の仕事、すなわち町会、防災会の負担ということになってしまうのでしょうか。大変重要なポイントですので、お伺いいたします。
3番目に、一方で、御自身が支援を必要としていることなど個別避難支援計画の情報を事前に町会・自治会や防災会へ提供してもよいと同意した方々への扱いはどうなるのでしょうか。「災害が起きてから名簿をもらっても対応できない」といった声もあるわけでして、どうお考えなのかをお伺いします。
最後に、こうした我々町会・自治会や防災会の避難支援に関する役割などについて、具体的に現実に即して十分に周知徹底を図っておかないと実際には役に立たないといったことになると思うんですが、地域の理解を得るようにしていただかないと困るわけで、どのように取り組んでいくお考えなのかについてもお伺いして、この項の質問を終わります。
次に、事業系廃棄物収集届出制度についてお伺いします。
区は、区の収集を利用する事業者に廃棄物の処理状況の届出を義務付ける事業系廃棄物収集届出制度を導入し、ことしの2月から実施されていると聞いています。2月5日の新聞報道では、区の収集を利用する際に必要な有料ごみ処理券を添付せずに排出する不適切な行為による区の収入への影響額が年間約5億円に及ぶこと、また悪質な不正を行った場合、事業者に最高5万円の過料を科すことなど、不正横行を許さぬという見出しを掲げ、23区でも初めての取り組みとして紹介しています。条例では、事業者は事業系廃棄物をみずからの責任において適正に処理しなければならないとされており、区の収集を利用できる事業者は就業人数や1日のごみ量の条件があり、区全体のごみ量の約3割が事業系廃棄物と推定しています。また、この中で事業者から区の収集に排出された事業系廃棄物のうち、有料ごみ処理券が適正に添付されている割合は26年度ベースで事業系ごみの3割に満たないとのことです。つまり、残り7割以上は有料ごみ券が添付されていないことになります。この7割以上のごみ量をごみ処理券の金額に換算すると約5億円近くに上ります。このことは、区の収集を利用せずに許可業者に委託している事業者や有料ごみ処理券を適正に添付している事業者に対する公平性を欠くことになっています。今回の制度導入により、こうした不適正な排出行為を根絶していくことが求められているところであります。また、事業者が排出する事業系廃棄物についても、家庭ごみと同様にごみの減量や資源化に努めることが求められています。しかしながら、長く有料ごみ処理券を添付せずに区の収集を利用してきた事業者に有料ごみ処理券を添付させることは並大抵のことではありません。区は、不退転の決意を持って臨むことが求められます。
そこでお伺いいたします。まず、事業者の届出により収集した情報を区はどのように活用しようと考えているのか、お示しください。
次に、今回、届け出制度の導入により有料ごみ処理券の金額に換算すると約5億円に上ると推計される事業者の不適正な排出行為をどのようにして根絶できると考えているのか、今後の見通しを教えていただきたいと思います。また、今後の取り組みにおいて区の指導に従おうとしない事業者への対応等にかなり困難な状況が予想されますが、どのような決意を持って臨むのか、お聞かせください。
環境問題の2番目として、第3次中野区環境基本計画案に掲げた目標達成に向けた取り組みについてお伺いいたします。
昨年11月、東京都が、パリで開かれた国連気候変動枠組条約の第21回締約国会議、いわゆるCOP21に向けて、都内の温室効果ガス削減目標を大幅に引き上げたとの新聞報道がなされました。それによりますと、新たな東京都の目標は、現在の国の目標と比較しますと、2030年度に2013年度比で26%削減という国の目標を大きく上回る38%削減に相当するという内容でした。一方、区は、ことし1月、第3次中野区環境基本計画案を策定し、現在パブリックコメントに付しているところです。今回の区の計画案では、エネルギー消費量削減目標について、10年後については東京都と同程度、5年後については東京都の目標を上回る目標を掲げたところです。しかし、その目標の実現は容易ではないと考えます。区は、この計画の目標実現に向けて実際にエネルギーを消費する区民や区内事業者にその必要性を十分理解してもらい、エネルギー消費量削減に取り組んでもらう必要がありますが、今後具体的にはどのように取り組んでいくのか、お考えをお伺いいたします。
次に、教育問題についてお伺いします。1番目に、学力向上の具体的対策についてお伺いいたします。
学力向上は、一人ひとりの子どもたちの可能性を伸ばし、自立した社会人となり、社会に貢献できる人材となるために大変重要であると考えます。区の学力調査においては若干向上しているようですが、さらなる向上を図る必要があります。来年度予算で特に重点化した取り組みと具体的な方法についてお伺いいたします。
2番目に、体力向上の具体的対策についてお伺いします。
体力調査は、スポーツ庁が全国の小5、中2を対象に実施しており、2015年度は都道府県別で都内の中2男子の成績が最下位、女子は43位だったと聞いております。都によると、調査が始まった2008年度以降、中2男子は44位から47位、中2女子は、2012年度33位以外は41位から45位と、全国的に最低水準が続いているとのことです。当初は水準が低かった小学校とともに、都が10年度から始業前の縄跳びや昼休みに全員が外遊びをするなど、1校1取り組み運動を展開してきました。その結果、小5男子は2008年度40位から2015年度22位、女子は37位から27位になりました。一方の中2は低水準のままです。東京都は、公立小・中学校に体力調査の目標値を設定させ、体力向上に取り組むよう示しています。中野区の体力調査結果は都の平均を少し下回ると聞いています。このような状況の中で中野区としてはどのような取り組みをするのか、お伺いします。特に中学校については特段の目標設定が求められると思いますので、この点についてもお答えください。
次に、教科書謝礼問題について。
公立小・中学校の教科書はそれぞれ4年ごとに検定が行われ、その翌年度に各地で採択される仕組みです。検定中の教科書は公正な選定のため外部に見せることが禁じられています。過去に検定中の教科書が流出し、内容を問題視した中国や韓国が日本政府に修正を求める事態も起きています。実際には誤報だったのですが、中・韓が強く反発して外交問題に発展し、沈静化を図ろうと検定基準につけ加えられたのがいわゆる近隣諸国条項です。これを機に自虐史観の記述が急増したと言われています。小・中学校の教科書を発行する会社の約半数は検定中の教科書の内容を校長らに見せ、謝礼を渡したことが判明しています。中でも占有率が上位を占める大手の違反が目立ちます。中野区でも採用している東京書籍、教育出版、光村図書出版などです。今回の調査では、白表紙をタブレット端末に保存し、それを教員に見せた会社も複数あったと言われています。白表紙を見ることをためらう教員もこれだと心理的負担が少ないそうです。教科書採択のいずれの段階においても学校現場の声が生かされることは大切な点ですが、我々自民党議員団が繰り返し主張してきた、それに先立つ大前提として、教育基本法に基づく学習指導要領にどの教科書が一番誠実かという観点での切り込みの欠如を感じずにはいられません。今回の問題の背景には少子化による教科書市場の縮小があります。営業が過熱した結果、不正が蔓延したと見られます。文部科学省は、各教科書発行会社を調査し、調査結果をもとに全国教育委員会に実態調査を行っていると聞きます。中野区の教員は調査対象になっているのか、お伺いします。教育委員会として今後どのように対応していくのかについてもお答えください。
次に、教育問題の最後で、3学期制についてお伺いします。
3学期制につきましては、今までに、私から始まり、伊藤正信議員、高橋ちあき議員と質問をさせていただいています。新たに3学期制に戻した自治体において、2学期制における成果と課題等きめ細かな検証がなされています。具体的には多くの成果がある中、課題として1学期と2学期の気持ちを切りかえづらいとか、通知表が年に2回だけなので学習の成果と課題がつかみづらい点、教員側から見ると、子どもに学期末や長期休業日前後の区切りを意識させづらい点や、中学校では2学期制だと進路相談で使う資料の作成時期が合致していない等の指摘がされています。
3学期制になると、子どもたちにとっては次のような取り組みが期待されています。一つ目として、自分の課題の克服に向け、目標を持って夏休み、冬休みの学習に取り組めます。二つ目として、学期ごとの気持ちを切りかえ、新たな目標を持って学習や行事に取り組めます。3番目に、定期テストの間隔が短くなるので、学んだ内容を振り返り、確かめながら学習に取り組めます。近年は塾や予備校に行くのが普通になっている学年もあります。民間は実績を残せないと淘汰される世界です。学力向上を公教育に期待されなくなった場合、最悪です。公教育においては、塾や予備校に行くことを前提とすることではなく、公教育の中で全ての子に義務教育を完結させる姿を求め続けるべきです。3学期制に向けた取り組みを進めるべきであると思います。御見解をお伺いします。
その他で一つ目として、法人住民税の一部国税化についてお伺いします。
法人住民税の一部国税化については、23区・特別区一体となって地方税の根本をゆがめるものだという主張を行ってきました。平成25年度総務省の地方法人課税のあり方等に関する検討会において、法人住民税を地方間の調整財源としかねない方向で議論が行われている時期に、要請を特別区区議会議長会、また区長会として行ってきました。平成26年度、国は、消費税の引き上げに伴い、都市と地方の税収格差を理由に法人住民税の一部を国税として吸い上げ、他の地方自治体に分配する改正を行いました。平成28年度の影響額は特別区で600億円から700億円の減収の影響が出ています。消費税が10%の段階ではこの国税化をさらに進めるとしており、特別区に与える影響は1,000億円から1,100億円の減収となる見込みと言われています。私たちは特別区区議会議長会でもさまざまな要請を行った結果、平成28年度税改正は10%時のさらなる国税化の緩和措置として法人事業税の一部を都道府県が市町村に交付する法人事業税の交付金を創設することができたところです。特別区に相当分は財調制度交付金の財源になると言われています。しかしながら、平成28年度における600億円から700億円の国税化による収入の減少という影響はそのままであり、今後も続いていくものです。国は、地方が担う権限と責任に見合う地方税財源の拡充という本質的な問題に取り組むよう強く要望する必要があります。都区制度改革のときのあの情熱の結集のような、特別区議会議長会や区長会での運動に任せること以上の行動は考えられないのか、区長の見解をお伺いしたいと思います。
その他の2点目として、中国北京市西城区との交流についてお伺いします。
中国北京市西城区とは、1986年に友好締結を結んで以来、ことしで30周年を迎えます。20周年に当たる2006年に行った周年行事においては、訪問団の招聘と派遣、及び西城区芸術団の訪日による西城区芸術祭等の実施など、さまざまな事業を行ったところです。今月23日には西城区代表団が中野区を表敬訪問することになっており、さまざまなお話が出ると思いますが、区として30周年記念行事についてはどのようにお考えになっているのでしょうか。お伺いして、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 篠議員の御質問にお答えいたします。
災害時避難行動要支援者の支援について、訪問調査の進捗状況であります。平成26年度に要介護認定者など約3万人を災害時避難行動要支援者名簿に登載いたしました。本年度はそのうちの約1万人を対象に訪問調査を進めているところであります。1月末時点におきます訪問調査の進捗率は7割弱、約6,800人であります。この調査におきまして、要支援者本人の入院・入所や同居家族がいることなどを理由に個別の避難支援計画の作成を要しないとするケースが一定割合存在しました。これらを除きました要支援者約3,700人のうち6割弱について避難支援計画を作成したところであります。そして、この個々の要支援者の方に対する支援者ですけれども、これにつきましては、避難支援計画作成者の9割で確保されているということであります。また、この避難支援計画をおつくりになった方のうちの9割の方が避難支援計画について町会等に事前に情報提供をするということに同意をしていただいているということであります。
今後の進め方ですが、来年度につきましては、本年度内に支援計画作成まで至らなかった方への訪問調査をまず優先させ、その後、残りの約2万人に着手をしていきたいと考えております。この2万人につきましては、一部民生委員による高齢者実態把握調査とも重なりがあることから、そちらとの十分な連携を図りながら効率的に進めていきたいと考えております。
支援者が見つからなかった方々への対応ということであります。来年度の訪問では単身高齢者等が主な対象となりますことから、支援者の確保について本年度とは状況が異なることも想定をされております。訪問調査によって早期に実態を把握し、町会・自治会や防災会とも相談をしながら支援体制の構築について具体化を図っていきたいと考えております。
なお、災害時の安否確認や避難支援については、避難所の避難支援部のほか、区の災対本部体制、区の体制の中に避難支援にかかわる組織、避難支援班という班を新設して対応することとして準備を進めているところであります。
それから、事前に町会等への情報提供を承諾している方についての対応であります。個別避難支援計画に関する事前提供を同意した方の情報については、町会・自治会、民生児童委員の方々に提供をしていきたいと考えております。町会・自治会等へ浸透させていただく、この取り組みというのが重要ではないか、どのように取り組むかということですが、避難行動支援に関しましては、これまで地区長連や防災会連絡会、民生児童委員協議会、避難所運営会議等の場で説明と意見交換を行ってまいりました。今後は、訪問調査結果等を踏まえた具体的な対応について地域の関係者の皆様との協議を十分に重ねながら周知と浸透を図ってまいりたいと考えております。
事業系廃棄物の収集届出制度についての御質問であります。届出情報の活用及び不適正排出の根絶についてです。区の収集を利用する事業者からごみの搬出量や排出場所等の情報を収集するとともに、民間の処理業者を利用する等、区の収集を利用していない事業者からもごみや資源の処理状況について情報提供をお願いすることとしております。こうした届出情報をデータとして整理することで個々の事業者ごとの資源化やごみの排出状況を把握することが可能となり、ごみ減量、資源化促進の啓発や指導をより効果的に行うことができると考えております。
事業系廃棄物収集届出制度については、ことし2月から事業者に対する届出の通知を出しているところであります。4月から届け出内容の確認及び有料ごみ処理券の添付指導に着手をし、5月以降、未届け事業者に対する訪問調査を実施する予定であります。有料ごみ処理券の添付徹底と適正排出に向けて全力で取り組んでいく考えであります。
区の指導に従わない事業者への対応ということです。個々の事業者に対しまして有料ごみ処理券の添付に向けて粘り強く指導を行い、事業者の理解と協力を求めていく考えであります。しかしながら、どうしても区の指導に従わない事業者につきましては有料ごみ処理券の未添付という事実を公表し、それでも従わない事業者には5万円以下の過料を科すこととしており、事業系ごみを適正排出している事業者との公正性を欠くことのないよう公正・厳格に対応していく考えであります。
それから、環境基本計画案の目標達成に向けた取り組みについてであります。第3次中野区環境基本計画案のアクションプログラムでは、中野区で消費されるエネルギーの約半分は家庭、約3割はオフィスや店舗において消費されている、そのことから区民、事業者に対する取り組みに重点を置いているところであります。今後、計画案に示したエネルギー削減目標を実現するため、地球温暖化のもたらす影響、電気やガスの使用量削減の目安、そのために家庭や事業所で可能な省エネの取り組みなどについて、区報、ホームページ、リーフレットなどによって区民や事業者にわかりやすい形で情報提供や働きかけを進めていく考えであります。具体的には、なかのエコポイントの登録手続きをスマートフォンに対応させるなど、利便性を向上させることで参加者の大幅な増加を図っていくとともに、なかのエコポイントを活用した家庭のエネルギー管理システム、いわゆるHEMSの導入促進、なかのエコポイントの環境商品コースへのPTAなどの参加促進を図ってまいります。特に子どもに対する環境学習の拡大が重要と考えておりまして、環境学習教材なかのエコチャレンジ(家庭版)の小・中学校での活用を広げてまいります。また、事業者に対しましては、省エネセミナーの参加や省エネ診断の実施を通じて環境に配慮した事業活動への転換を働きかけてまいります。
法人住民税の一部国税化についての御質問がありました。法人住民税の一部国税化、断じて私どもとしては容認できないと考えていることは施政方針説明の中でも強く申し上げたとおりであります。地方自治体間に生じている税源の偏在を是正するため、国は地方財源である法人住民税の一部を国税化し交付税の原資とするなど、地方税を地方自治体間の財源調整に用いる改正を行ってきているところであります。その影響額は、中野区においても平成28年度においては一般財源が約20億円の減少と見ているところであります。消費税が10%の段階になれば40億円を超える影響額になっていくというふうに見込んでいるところであります。
本来、国と地方の関係でいえば、国が集める税と地方が集める税の比率、それに対して国が行う仕事と地方が行う仕事、比率の関係が全く逆転しているという状況であります。こうしたことを是正していくのが本来の地方分権、地方の仕事と財源の適正化ということでありますので、本来の地方分権の考え方に立ち戻っていくよう、私ども特別区といたしましてもしっかりと活動をしていかなければならないと、このように思っているところであります。特別区や各区議会、区長会や議長会、また東京都、東京都議会などとしっかりと連携をしながら、これからも一丸となって地方財源の保障について主張をしていきたいと、このように考えておりますので特段の御理解・御協力をお願いしたいと、こう思っております。
それから、西城区との交流についてであります。区といたしましても、北京市西城区とのこれまでの交流の積み重ねを踏まえ、30周年を記念して訪問団派遣の予算を計上しているところであります。具体的な内容について、23日に行われます、西城区からの訪問団、この訪問団とのやりとりを踏まえて議会とも御相談をさせていただきながら詰めてまいりたいと、このように考えております。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 教育問題につきまして、初めに、学力向上の具体的な対策についてです。来年度は学力向上アシスタントにかわり学習指導支援員を配置し、放課後も学習支援ができるようにいたしました。これにより、授業中に加え放課後等の補充学習を充実させることができ、児童・生徒に学習指導支援員を活用した習熟度に応じた学習に取り組ませ、基礎的、基本的な内容のさらなる定着を図っていく考えでございます。
次に、体力向上の具体的な対策についてです。中野区におきましては、体力調査結果に一定の数値目標を定め中野スタンダードとして各学校に示してございます。これまでもそれを超える児童・生徒が70%以上になることを目標に取り組んでまいりました。来年度は、学校の体力調査の低い水準の項目を重点目標として各学校が目標を設定し計画的に取り組んでいくとともに、中学校におきましても1校1取り組みにより運動機会の少ない生徒にも運動の場を提供するなど、運動の日常化に向けた取り組みの充実を図ってまいります。さらに、全校をオリンピック・パラリンピック推進校として指定し、オリンピック・パラリンピック教育の中で体力向上の機運や取り組みを充実させていく考えでございます。
次に、教科書謝礼問題についてです。教科書発行会社と教員の不適切な接触につきましては、東京都教育委員会を通して調査の依頼が来てございまして、現在調査中でございます。教員に服務上法令等に違反する行為があった場合には懲戒権のある東京都教育委員会に報告するとともに、区としても厳正に対処する考えでございます。
3学期制についてです。平成17年から順次導入してきました2学期制ではありますが、10年を経過した現在、その成果等について保護者にアンケート調査を行ってございまして、その結果につきましては今定例会中の常任委員会で報告する考えでございます。今後、調査結果を含めて教育委員会として学期制や教育課程のあり方を検討していく考えでございます。
○議長(北原ともあき) 以上で篠国昭議員の質問は終わります。
お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(北原ともあき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、2月22日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後5時35分延会
会議録署名員 議 長 北原 ともあき
議 員 ひやま 隆
議 員 酒井 たくや