平成14年06月28日中野区議会本会議(第2回定例会)

1.平成14年(2002年)6月28日、中野区議会議事堂において開会された。

1.出席議員(41名)

  1番  吉  原     宏        2番  伊  藤  正  信

  3番  きたごう  秀  文        4番  高  倉  良  生

  5番  やながわ  妙  子        6番  鈴  木  光  子

  7番  佐  伯  利  昭        8番  平  島  好  人

  9番  むとう   有  子       10番  長  沢  和  彦

 11番  牛  崎  のり子        12番  山  崎  芳  夫

 13番  高  橋  ちあき        14番  市  川  みのる

 15番  岡  本  いさお        16番  こしみず  敏  明

 17番  飯  島  きんいち       18番  小  串  まさのり

 19番  はっとり  幸  子       20番  佐  藤  ひろこ

 21番  来  住  和  行       22番  樋  口  きこう

 23番  若  林  ふくぞう       25番    欠    員  

26番  斉  藤  金  造       27番  斉  藤  高  輝

28番  大  泉  正  勝       29番  柿  沼  秀  光

30番  木  村  勝  昭       31番  細  野  たいじ

32番  岩  永  しほ子        33番  昆     まさ子

34番  小  池  ひろし        36番  伊  藤  岩  男

37番  西  村  孝  雄       38番  江  口  済三郎

39番  藤  本  やすたみ       40番  川  上     進

41番  近  藤  正  二       42番  江  田     徹

43番  池  田  一  雄       44番  小  沢  哲  雄

 

1.欠席議員(2名)

 24番  古  木  謙市郎        35番  岩  田  みつる

 

1.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      収  入  役  藤 原 惠 一

 教  育  長  沼 口 昌 弘      政策経営部長   渡 辺 征 夫

 企 画 課 長  金 野   晃      総 務 部 長  山 岸 隆 一

 総 務 課 長  田 辺 裕 子      区 民 部 長  鈴 木 勝 明

 地域センター部長 柳 澤 一 平      環 境 部 長  西 條 十喜和

 保健福祉部長   石 神 正 義      保健担当部長   青 山 キヨミ

 都市整備部長   宮 村 光 雄      土木担当部長   石 井 正 行

 教育委員会事務局次長 山 下 清 超

本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  正 木 洋 介      事務局次長    佐 藤 栄 時

 書     記  大 谷 良 二      書     記  大 石 紀 久

 書     記  巣 山 和 孝      書     記  永 田 純 一

 書     記  長 崎 武 史      書     記  松 原 弘 宜

 書     記  西 田   健      書     記  岩 浅 英 樹

 書     記  飯 田 浩 一      書     記  佐 藤 雅 俊

 書     記  松 本 桂 治      書     記  吉 田 哲 郎

 

 議事日程(平成14年(2002年)6月28日午後1時開議)

日程第1

常任委員の所属変更について

 

     午後1時02分開議

○議長(斉藤金造) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 昨日の会議に引き続き一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 藤 本 やすたみ

 1 区長の所信表明について

 2 財政の建て直しについて

 3 地域課題の解決について

  (1)上鷺宮地区等交通不便地域の足の確保について

  (2)野方駅北口改札口の開設について

 4 学校5日制に対応する教育委員会の方針について

 5 その他

  (1)放置自転車撤去手数料について

  (2)その他

 

○議長(斉藤金造) 最初に、藤本やすたみ議員。

    〔藤本やすたみ議員登壇〕

○39番(藤本やすたみ) 平成14年第2回定例会に当たりまして、民主クラブを代表して質問をさせていただきます。

 最初に、区長の所信表明についてお尋ねをしたいと思います。

 6月の9日に中野の区長選挙が行われました。既に何回も述べられていますように、前回の投票率25.21%よりは上回りまして、33.42%ということですけれども、現在行われているサッカーのワールドカップの熱気に比べますと、大変に低い投票率だなということで、何か寂しいような、極めて残念な気持ちがしております。

 この問題は、いずれにしても、行政、議員、区民、ともに真剣に考えなければならない大きな課題だと思っております。

 私たちも、田中新区長とは違う候補者を、今回の選挙戦では全力で支援をしておりました。変革を求めていたという点では、同じような気持ちでもあったのかと思ってはおります。いずれにしても、選挙という区民の信託を受けて、これから4年間の中野区政を担うわけでありますから、ぜひ区民の期待にこたえられるよう、中野区政に全力を投入していただければと思っております。

 そこで、まず最初にお伺いしたいのは、対議会との関係についてでございます。所信表明の中でも、「はじめに」ということで「区民の信託に応えるため、区議会との密接な連携のもと、区政運営に全力を傾注したいと考えております。」と述べられ、質問に対しても、議会と行政とを車の両輪というようなことで述べられております。それに続いて、自治の原点として住民参加を上げられております。区民と区が情報を共有し、議論をし、そして、その説明責任があるということを述べられております。31万区民の立場に立って、必要な施策を行政が責任を持って実施をする場合、ある意味では、それは当然のことであろうと思っております。

 さて、民主主義制度における議会の果たす役割について考えてみたいと思いますけれども、私はこれは極めて大きいと思いますし、ある意味では住民参加の最たるものではないかと思っております。住民を代表する議員で構成された議会における議論こそ、最も重要な住民参加、そういった場ではないかというふうに私自身は思っております。

 議会と行政との関係について、言うならば、従来は、議会のこのような議論、あるいは提言に、必ずしも行政側が率直に真剣に耳を傾けていたとは言いがたいと思っております。例えば現在のこの厳しい財政状況について、議会では早い時期から多くの議員がその警鐘を鳴らし続けてきたと思っておりますし、その厳しい財政状況を区民に明らかにしていくべきだということも、多くの議員の方々が提言をしてきたと思っております。そういう点では、区長を初めとして行政の取り組みというのは、議会のそういう提言に率直に対応するというようなことはなかったのではないか。それが、本当にぎりぎりのところに行って、財政破綻寸前になって重い腰を上げてつくられたのが行財政5か年計画ではなかったかというふうに思っております。ですから、議会での十分な議論もやはり行われなかった。あるいは住民の意見を聞く機会も、十分な時間的なゆとりもなかったということになってきたのではないかというふうに私は考えております。

 住民を代表する議会での議論に、私はもっと率直に真剣に行政としては耳を傾けてほしいと思います。そのことは、区長選挙を通じて、恐らく新しい区長さんも感じていると思っておりますけれども、私たち自身も、それぞれの議員が選挙を通じて区民のいろいろな考え方、そういったものを感じて、議会で質問をし、討議に臨んでいるわけでありますから、そのことをもっと真剣に受けとめていただきたい。そういった議会との関係についてのお考えをお聞きしたいと思っております。

 それから、2番目に、所信表明の中で、財政を建て直していく姿勢について、区長給与の削減について触れられておりますが、私はやはりこの厳しい財政状況の中で区民とともに痛みを分かち合うという中では、区長がみずからそのような姿勢を示すということは必要なことであると思っておりますし、まだ内容について具体的な提案がありませんので、その段階でまた判断をしていきたいと思いますけれども、それが言われるようなパフォーマンスではなくして、本当に厳しい財政状況を区民とともに立て直しをしていくんだということでは、一過性ではなくして、一定の期間そういう姿勢を貫いていただきたいと思っておりますけれども、その点についてもお伺いをしたいと思っております。

 続きまして、財政の立て直しについてお尋ねをしたいと思っております。

 財政の立て直しが緊急の課題であるという認識については、恐らく区長も、あるいはすべての議員も同じような認識を持っているのではないかと思っております。先ほども述べましたとおり、行財政5か年計画は、このような厳しいぎりぎりの状況の中でつくられた計画であります。ですから、その中にさまざまな問題は内包していると思いますけれども、基本的には、区民税を大幅に超える職員給与、歳出予算の35%を人件費が占める、そういった点では、やはり職員削減等の内部努力は、私はこれは当然のことだと思っておりますけれども、その点については区長も同じような認識だと思っておりますけれども、再度確認をさせていただきたいと思っております。

 昨日来、担当課長として行財政5か年計画をつくられた当事者ではないかという厳しい意見もありますけれども、そのような意見も意見として受けとめながら、新しい区長として、田中区政の中で取り組もうとしている財政立て直しの計画と、現在の行財政5か年計画との最大の相違は何なのか、その点をぜひお聞かせをしていただきたいと思っております。

 次いで、上野原スポーツ・学習施設建設につきましては、選挙の公約としても、あるいは記者会見の中でもその基本的な考え方を述べられています。その点については、私たちが長く主張してきた考え方でありますので、評価をしたいと思っております。

 それに続きまして、区内の未利用地についても言及をしております。一つのハコモノ行政というか、そのような形の中で、例えば南部の区民ホールとか鍋横の消防署跡地、あるいは東中野の複合施設用地、こういったことについても、見直す、白紙にしていくというようなことを述べられておりますけれども、その中身が少し不明確な形になっているのではないかと思いますので、お尋ねをしたいと思っております。

 南部の区民ホールに関して言えば、現在、例えば南中野の地域センターは民間のビルを年間1億円近い賃貸料を払って借りておりますし、先日、見に行く機会がありましたけれども、かなり傷んでおります。そういったことを考えれば、あと7、8年後には契約が切れる。そういったものをにらんでいったときに、この土地の活用というのは十分区としては考えていかなければならない課題ではないかと思っておりますし、私の住んでいる野方には区民ホールというホールがあります。それから、中野の駅の周辺では、なかの芸能小劇場というホールがありますけれども、その利用度は大変に高くて、抽選でもなかなか当たらないというぐらい区民の利用度が大変に高い。区民の交流の広場として活用されている。それを南部地区にもぜひつくってほしいという、この地域の願いというのは、私は十分に受けとめていくべきではないかと。これは、一律にハコモノ行政という形の中で片づけていいことではないと思っております。

 ただ、区民ホールをつくるに当たっての問題点というのは、つくるときにさまざまな意見が出て、ある意味での住民参加というか、そういう中でのその声を余りに取り入れ過ぎて、これが膨らんでしまったということがあると思いますので、そういった点での施設内容の検討というのは十分見直しをしなければいけないし、本当に今の時代にどのような施設が必要かということは十分に検討すべきだと思っておりますけれども、そのほかの土地、鍋横の消防署跡地についても、鍋横商店街の、まさにど真ん中にある土地でありまして、これは商店街のにぎわいとか、地域の人たちにとって、買おうと思っても買えるような土地ではありません。やはりそういったきちっとした目的を持って買った土地については、売却というようなことではなくして、そこに区民のニーズにこたえられるような、どのような施設をつくっていくかということを、もう一度検討していく。当然、東中野の複合施設用地についても、そうだと思っておりますけれども、その辺が、ハコモノ行政という形の中で、何か売却をしてしまうのかなというような感じすら抱かせられるんですけれども、その辺についてのお考えをより明確にしておく必要があるのではないかと思っております。

 もちろん、未利用地について、当然売却をすべき土地もあると思います。恐らく行政としても考えて、あるいは区長としても考えておられるとは思いますけれども、10年以上、ある意味では、はっきりとした行政目的化しないまま購入した土地もあります。そういった土地については売却をして、その費用を今の中野区政の中に生かしていくということは必要だと思います。その辺のめりはりについてのお考えをお聞きしたいと思っております。

 続きまして、地域課題の解決について質問をさせていただきます。

 私が言う地域課題というのは、昨日、今日起きてきた課題ではなくして、その地域にとっては10年、あるいは20年という非常に長い間の課題で、解決をしてほしい、恐らくそういう課題というのは、各地域が抱えていると思います。新しく区長になられた田中区長も、この選挙戦を通じてかなり各地域の中でそういったことをお聞きをし、また、肌で感じることができたのではないかと思っております。中野の区役所の中にいたときは感じないような、実際に地域に出て、初めて実感として感じる地域課題というのがあると思います。私たちは、ある意味では、地域でそういったものを常に感じながら、いろいろな中野区政の問題に取り組んでいるわけであります。

 具体的に二つの課題についてお聞きをしたいと思います。

 一つは、上鷺宮地域など交通の不便地域の足の確保についてであります。この課題につきましても、昭和54年、私は第2回の定例会で、上鷺宮、鷺宮地域に区営の巡回バスを実現をという提言をさせていただきました。ちょうど千代田区が同じように、このような巡回バスを実現をしたときでありますけれども、その後、区としてはかなりの検討をしていただいたわけですけれども、検討していただいて、昭和58年には区の第2次中期計画に具体化し、60年までに実現をするというところまでいったんですけれども、しかし、実際にはいろいろな調査等をしたら財政負担がかなりあるということでとんざをした。それで、そのままの形になっております。

 しかし、その後も、やはり地域課題としては、ぜひ何としても実現をしてほしい、そういったことで、私も時折、その問題について質問をさせていただきましたし、多くの議員の方も質問をしましたけれども、区の姿勢というのは極めて消極的でありました。

 その間、練馬、あるいは武蔵野市--武蔵野市ではムーバスが運行され、非常にこれは成功したというか、非常に地域の人の足の確保としてうまく運行されているわけです。そういったときにも、具体例を挙げて提言をしましたけれども、区はなかなか動いてくれませんでした。

 最近では、杉並区がすぎ丸君というコミュニティバスを、御存じのとおり、阿佐ケ谷と浜田山間を走らせております。先日も私、ちょっと乗ってきたんですけれども、午前8時から午後8時の間、15分間隔でこれが地域を走っておりまして、従来のバスとは当然違って住宅街を縫うように走っております。料金は100円ということで、大体4台が走っています。それで、4台バスがすれ違うんですけれども、ほぼ満席というか、立っている人はいませんでしたけれども、座席はほぼ埋まってというような形で、地域のコミュニティバスとして本当に活用されている。駅から乗って途中でおりる。そうすると、そこからまた乗ってくるというような形で、これが運行されている。また、東中野、高田馬場という、行政区間を越えてケービーバスが運行されております。これは20分間隔で、朝7時から20時30分まで。こちらの料金が200円ということで、それぞれ、すぎ丸君は京王バス、ケービーバスは関東バスが運行されている。

 このように、各区が地域の足を確保していく。それは高齢化社会を迎えて、あるいは交通弱者、そういった人たちのために、何としてもそういう足を確保していこうという、行政の、強いというか、それを受けとめていくという姿勢があったからだと思っております。そういった点では、やはり行政のトップの判断、決断というのは非常に重要なポイントだろうと思っております。

 今回の選挙戦を通じて、地域の課題をどれだけ切実に感じているか、そういったことについて、これを何とかして解決をしてほしいという住民の願いをどのように受けとめられているか、お聞きをしたいと思っております。

 バス路線については、たしか13年からですか、規制が緩和して、かなりの形でいろいろなスタイルのバス路線が、今、いろいろな地域を走っております。これは新聞で見たんですけれども、岐阜市では、朝夕は最寄りの駅のシャトルバスを通勤の足として、昼間の間はコミュニティバスということで、団地や地域施設を回っていく。それから、ディマンドバスという、要望に応じて路線変更という、地域密着型の交通も考えられているということで、各自治体がそれぞれ市民の足の確保について真剣に考えている。そういった点について、中野区もぜひそういう地域の本当に切実な要望というものを受けとめ、解決をしていく、そういうことについてのお考えを、まずお聞かせしていただきいと思っております。

 2番目には、野方駅北口の改札口の開設についてであります。

 御存じのとおり、中野を走る西武線は、最初に鷺宮が南北の改札口ということで通路ができました。それから新井薬師の北口が開設され、それから、都立家政のやはり北口が通勤客のために開設され、この前、沼袋の南口が開設をされて、残されたのは野方駅の北口の開設ということになりました。これも地域にとって本当に切実な課題でありまして、都市計画マスタープランが作成されるとき、地域で一番の要望としては、これを何としても解決してほしいというのが圧倒的な声でありました。

 このことは、朝夕の、あるいは朝のラッシュ時に1時間でも2時間でも踏切に立っていれば、どれだけ切実な課題であるかということがわかると思います。それが365日続く。それが10年、20年と続くということを考えてもらえれば、いかに切実な課題であるかということがわかるのではないか。確かに野方の駅の北口というのは困難な条件がありますけれども、しかし、何としても解決をしなければならない課題だという受けとめ方をして、取り組んでみる、研究をしてみる、検討をしてみる、そういう姿勢があれば、恐らく必ずどこかに解決できる道があるのではないかというふうに思っております。

 そういった点で、行政のトップ、あるいは担当のところでも、本当に地域の課題というものを切実に受けとめていただきたい。そして、そうした課題に、あらゆる角度から研究し、検討し、取り組んでいただきたい。そのことをぜひお願いをしたいと思っておりますので、地域課題については二つの問題についての区長の御見解をお伺いをしたいと思っております。

 それから、学校の5日制に対応する教育委員会の方針についてということでお尋ねをしたいと思っております。

 週5日制が実施をされて3か月がたちます。学校や子どもたちにも恐らくさまざまな変化があるのではないかと思っておりますし、公立や私立の格差等、保護者の心配も、当時いろいろと心配をされておりました。各区や各市もこの週5日制に対応して独自の取り組み方をしているわけであります。23区で見ても、10区が、教育分野における計画・プランを立てております。杉並区では教育改革アクションプラン、品川区では、品川の教育改革プラン21というような計画を立てて、新しい時代、週5日制といったものに対応する教育委員会としての基本的な方針を立てております。また、土曜スクール等、いろいろな区で、そういう工夫の中で実施をし、大きな成果を上げているところもあります。

 昨日も木村議員が取り上げておりました。中野区でも、第四中学校など大変に意欲的にそうした週5日制に対応するものを、地域の教育力というか、ボランティア、そういったものを生かしながら取り組んでいる学校もあります。

 しかし、中野区全体としては教育委員会としての基本的なプランというのが示されていない。どっちかというと、各学校にそれぞれやってくださいというだけの形しか、今は見えてきておりません。その点について、中野区の教育委員会が、きちっとした基本的な方針、プランというのを立てるべきだと思っておりますけれども、その点についてのお考えをお聞きしたいと思っております。

 それから、2番目に、今現在、学校の適正配置とか統廃合、こういった問題にも中野区は取り組んでおりますけれども、長い時間をかけた割には、依然としてその計画、プランというのが、まだ見えてきておりませんし、そういう中で、各区、市においては、学校の選択制というようなことを実施している区もあります。

 中野区でも、学校の教育現場に行って見ますと、以前のように、学区域を越えて就学をするというのは難しい状況ではなくなって、むしろ教育現場ではかなり自由化しているというか、希望すれば、ほとんどその学校に入れるというような状況、実際には選択制が実施をされているという状況が私はあると思っております。けれども、区としてはそういう方針は何も示していない。その点については、教育委員会としてどのような基本的な考え方で取り組んでいくのがいいのかということを、きちっと示していくべきではないかと思っております。もともと学区域というのは、ずっと50年来、環七ができようが、新青梅ができようが、環六が広がろうが、変わらないということがおかしいのであって、それこそ、その時代に沿った形での学区域というのを考えていくべきだし、今の時代から考えれば、むしろそういったものも取り払って、保護者、あるいは子どもたちがそれぞれ選択をしていくというような考え方に立っていいのではないかと思っておりますけれども、教育委員会の考え方をお聞かせを願いたいと思います。

 その他について、1点お伺いをしたいと思っております。

 放置自転車の撤去手数料の早期改定についてであります。

 現在、中野区は、中野駅前の放置自転車、あるいは各駅の放置自転車に、私たちもそれを随分主張してまいりましたけれども、緊急雇用対策というようなことも含めて全力で取り組んでおります。ですから、以前のように中野駅前にめちゃくちゃに放置自転車が置いてあるという状況は、だんだん少なくなりつつあるように思っておりますけれども、本当に区民が安心して歩道を歩けるような、そのような形で、放置自転車ゼロを、ぜひ目指していただきたいと思っております。

 区として、今、私がお尋ねをしようとしているのは、これがどのような理由でアップしたのかというのがいまだにわからないんですけれども、従来、2,000円から2,500円、そして3,000円とアップしてきた撤去手数料を、5,000円にアップしました。そのときも私たちは反対をしました。アップをして実際に放置自転車がなくなるという形なら、それは一つの効果を上げたんだと思いますけれども、現実には放置自転車が減るということではなくて、荒川区が5,000円にアップをして返還率が大幅にダウンするというような、むしろ撤去の自転車を返還してもらう人が大幅に減ってきたという、施策としては失敗をした施策だと思いますけれども、それを中野区は実施をされた。

 現場でいろいろお聞きしたときには、かなり反対の声があったということですけれども、しかし、行政のトップの強い意志がそこにはあったというふうにお聞きをしております。中野区も3,000円を5,000円にアップをしましたけれども、案の定、返還率は60%から40%台へと大幅にダウンをしました。今のリサイクル社会からすると、違う形になっているのではないか。現実に5,000円から6,000円のリサイクル車が売られている時代に、こういう形で放置自転車を返還してもらうという人は当然減ってくると思います。

 お隣の杉並区では、ことしから返還手数料を3,000円にアップをしました。その看板には、撤去費用、保管費用が3,850円かかりますと書かれてあります。とすると、中野区の根拠にしていた、非常に撤去費用や保管費用が高くかかる、6,000円か、あるいは7,000円という説明も聞いたことがありますけれども、かかり過ぎるというか、その方が問題で、私は中野区が高い撤去費用をかけ過ぎていたというふうにも思いますし、今の時代に見合った形で、リサイクル社会、あるいは放置自転車、そういったこともすべて含めて、やはり、この撤去手数料というのは早期に改定をすべきだと思いますけれども、その辺についてのお考えをお聞かせ願いたいと思っております。

 最後になりましたけれども、区長は、経歴を見ますと、ホノルルマラソンを完走されたということが書かれてありました。体力にはかなり自信がおありだと思いますし、また、忍耐力もあるのだと思っております。しかし、区長になられてからは、競争で例えるならば、もはやマラソンということではなくして、競技で言えば、最もハードな400メートルか800メートル、走り抜くと、本当に精も根も尽き果てるというような状況、それがこれからの区政の4年間ではないか。そのことは、2期8年で退任をされた広島の宮沢知事が、10年間も毎日全力投球すれば、へとへとになってしまうというような言葉を述べておられますけれども、本当に全力投球で、ぜひ中野区政に取り組んでいただきたいと思って、希望しておきます。

 一番最初に述べましたとおり、ぜひ区長並びに理事者の方々に、形式的な、この場限りの答弁ではなくして、率直な、実のある答弁を期待して、私の質問を終了させていただきます。ありがとうございます。(拍手)

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 藤本議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、議会と行政、区長との関係ということでございます。昨日来お話し申し上げているように、議会と長は、自治において車の両輪ということにされていると、私自身、そのことを深く自覚をしているところでございます。

 御指摘にありましたように、議会でさまざまに御議論をされた、そこでの御意見が、議決事項、議決された結果そのものではなくて、そのことは、当然に、自治の仕組みの中では議決は議決として生きていくわけでございますが、議決以前の段階における議会でのさまざまな御議論というものを、行政がきちんと受けとめて、生かす努力をしてきたかといったような御質問だったというふうに受けとめております。そうした意味で、中野区の行政はこれまで議会の御意思、議会の御意見というものをきちんと受けとめる、そして的確にそれに反応をするという努力が必ずしも行えていなかったのではないかと、そのように考えております。

 例に挙げられました、財政が悪化をしている、その中で警鐘を乱打していたのは議会の方であった、議会の方からきちんと状況の説明、あるいは対応方についての意見があったにもかかわらず、取り組みがおくれてしまった。まさにそのとおりの事態であったと、私はそのように受けとめております。そうした意味で、議会と長の関係、議決機関と執行機関という重要な役割を互いに担っているわけでございますが、その互いの役割を果たしていく上で、きちんとかみ合った議論をしていくということが、結果として議決をいただく以前の長の動き、その中にもきちんと受けとめられていくことが重大である、重要なことであると、そのように、私、ただいまの御質問を受けとめましたので、私としてもまさに同感である、そのように努めてまいりたいというふうにお答えをさせていただきます。

 所信表明の中の区長の給与の削減というようなことについてのお尋ねがございました。継続的に削減する形をとるべきではないか、あるいは単なるパフォーマンスに終わってはならないというような御指摘でございました。

 現在の財政状況をきちっと私、受けとめて、姿勢をお示しするという意味で、今回給与の削減について提案をさせていただくところでございますが、今後もこうした状況、続くというふうに認識をしておりますので、当然、この状況が変わらない限り、一定の減額は続けていく、そのようなつもりでございます。しかし今後の状況の推移、そういったようなものを見ながら、区長としての対応についても、その場、その場、きちんと対応していくというようなことも必要かと考えております。そういった意味で、今回については1年間の条例という形での提案をさせていただきました。趣旨といたしましては、継続的に続けていくという所存であることには違いはございません。

 財政の立て直しについて、前区長が掲げた行財政5か年計画、とりもなおさず、私が課長の時代に担当をした行財政5か年計画と、私がこれから取り組もうとしている基本構想、そして、立て直しのための10か年の行財政計画、そういったものとがどう違うのか、違いを明らかにするべきであると、そのような御指摘でございました。

 行財政5か年計画は、御意見の中にもございましたように、本当に切羽詰まって、ぎりぎりの段階で、まともに議論をする時間もとれないような中で組み立ててきた、そうした経過のものでありました。歳出削減のための方策、当初の2年間にきちっと一定の方策を当てはめて、そこでの財政効果は一定出てきたものというふうに考えております。しかし、それから以降の削減の具体的な方策についても、きちんと方策を掲げることができておりません。まして、それ以降の中野区の行財政の動き、行政の展望、全く具体的なものを示すことができなかったのが行財政5か年計画であります。したがって、中野区民も、職員も、行財政5か年計画の中で、中野区がどこへ行こうとしているのか全く見えなかった、また、何を大事にしようとしているのか、どういう方向に向かおうとしているのか、そういったことが全く見えないというのが行財政5か年計画であって、行財政5か年計画をつくることによって、中野区の見通しが全く見えないものになってしまったと、そういった側面も持っているわけでございます。

 そうした意味で、中野区のこれからの10年間、財政的にも、地域社会の方向としても、政策的にもきちんと青写真を描けるような、そうした構想を描いていくということを想定して提案しているのが私の基本構想で、そして基本構想の財政的、行政的な裏付けをする行財政の計画ということでございます。そうした意味で、私がこれから取り組もうとしている計画づくり、御理解をいただければというふうに思っております。

 それから、財政の立て直しについて、未利用地の問題についての御質問がありました。上野原については、廃止、売却の方向ということで、私自身、はっきりと打ち出しをしているところでございますが、他の、例えば、今のままの計画を維持することは無理であろうと思われるような大型の計画についても、幾つか言及をしたところでありますが、他の多くの未利用地については、まだはっきりした方向性、私自身、打ち出せる内容を持っておりません。

 現在の未利用地の今後のあり方について、無理な計画については、もうできないということは、きちんとはっきりさせていくことが必要と考えております。しかし、その後、未利用地をどう活用をしていくのか、あるいは売却をしていくのか、転用をしていくのか、また、土地によっては何とか事業を実現させなければならない土地もあるわけでございます。そうした、その土地の活用方法や今後の方向について、きちんと具体的に区の施設全体のあり方を踏まえながら提案をしてまいりたい、そのように考えております。

 そのほか、地域課題の問題、学校の問題等につきまして、それぞれ担当部長の方からお答えをさせていただきます。

    〔土木担当部長石井正行登壇〕

○土木担当部長(石井正行) 私から、地域課題の解決についてのうち、上鷺地区など交通不便地域の足の確保についての御質問についてお答えをさせていただきます。

 交通の不便な地域、この課題の解決につきましては、区とバス事業者が互いに協力をして対応することが重要というふうに考えております。

 御質問の中にも御紹介がございましたように、ことしの3月に開設をされました高田馬場・東中野間、ミニバス、小さなバスですけれども、このバス路線のように、バス事業者側の提案がございまして、この提案につきまして、中野区と新宿区、両区、一部いろいろと協力をさせていただきました。こういった協力のもとに、新たな路線の開設をしたというケースもございます。交通不便地域から最寄り駅までの運行につきまして、バス事業者に検討を今後働きかけを行ってまいりたいというふうに考えております。

 次に、放置自転車の撤去手数料につきましての御質問にお答えをさせていただきます。

 放置自転車は通行の支障になるなどの迷惑をかけている上に、その対策には多くの経費がかかっております。このため、その経費については原因者にまず御負担をいただきたいということから、昨年の7月に撤去手数料の改定を行ってまいったものでございます。

 区といたしましては、当面は現行の手数料で対応をしていくことを考えておりますが、3年ごとの使用料手数料の見直しの中で、撤去自転車の返還率、それから放置の抑制効果などを含めまして総合的に検討をし、撤去手数料の改定について判断をしてまいりたいというふうに考えております。

    〔都市整備部長宮村光雄登壇〕

○都市整備部長(宮村光雄) 野方駅北口改札口の開設について、今後どう取り組むかとの御質問にお答えいたします。

 西武新宿線野方駅の北口改札口の開設につきましては、野方駅周辺の大きな課題の一つとして、これまでも西武鉄道に要請をしてきておりますが、西武鉄道は適切な用地提供の協力を区に求めてきております。

 区といたしましては、財政状況を考慮しながら、引き続き西武鉄道と協議しつつ検討をしてまいりたいと考えております。

     〔教育長沼口昌弘登壇〕

○教育長(沼口昌弘) 学校週5日制に関しての御質問でございます。

 この4月から学校週5日制、そして新しい教育課程が実施されました。これらにつきましては、いきなり実施したというわけではなくて、完全週5日制につきましては10年間の移行準備、新学習指導要領につきましては、2年間の準備期間を経て実施してきているものでございます。各学校では、その考え方についてPTAや保護者の方に示しているところでございますけれども、教育委員会といたしましても、基本的な考え方といたしましてアピールを出しました。これは全保護者、それから教育だより、ホームページ等にも掲載いたしました。さらに、これに基づきまして、もう少し詳しい内容のもの、ページが8ページからなるものでございますけれども、この中で、総合的な学習の時間の内容ですとか、あるいは指導方法の工夫、具体的には、2人の先生が一つのクラスを教えるチームティーチング、あるいは習熟度別授業、あるいはクラスの壁をとって教える少人数授業、こういったようなもので子どもたちの学力を高めていくと、そういう対応をしてございます。

 いずれにいたしましても、子どもたちの生きる力、そういうものを身につけていく学力というものは学校教育の中で十分対応できるということで、教育委員会としては基本方針としてございます。

 また、土曜日や日曜日の利用につきましては、家庭での親子の触れ合い、生活体験や自然体験、あるいは社会体験、文化、スポーツなどさまざまな活動や体験ができるように環境の整備を図ることが、教育委員会としても大切だと考えてございまして、現在、地域の方々の御協力を得ながら、いろいろな場所でそういう活動が行われている実態でございます。

 現在のところ、学校からは、教育現場や子どもたちの様子に特に変化はないとの報告を受けてございますけれども、一定の時期に、子どもたちの学習や暮らしぶりにつきまして、親の意向など実態調査を予定してございます。

 次に、学校選択制についてでございますが、通学区域の指定変更、これにつきましては、適用要件を緩和してきた経緯があり、一定の効果を上げていますが、要件を定めておりまして、親や子どもの自由意思によるものではございません。学校選択制度につきましては、これまで何度か教育委員会で議論してきましたけれども、慎重に対応すべきだということで、現在のところ結論は出ていません。しかし、区民の中にその実施を求める声もありまして、教育委員会といたしましても課題意識を持っていますので、引き続き先行事例の調査研究や、保護者、区民の意見を十分聞きながら議論をし、結論を出していきたいと、そのように考えてございます。

     〔藤本やすたみ議員登壇〕

○39番(藤本やすたみ) 教育問題については質問はいたしませんけれども、教育長が考えておられるような状況にはないというのは、データを調べれば、恐らくはっきりしてくると思いますので、それは次の機会に議論をしたいと思っております。かなりの大きな変化が教育現場では起きているということを、はっきりと認識をすべきだと思っております。

 そこで、区長に2点お尋ねをしたいのですけれども、一つは未利用地についてですけれども、これも、基本構想とか行財政何とか計画という中で考えていくのか、やはりその辺についてはもう少し明確に、早い時期にそういった考え方をまとめて出すべきではないか、その上に立って、また計画というのはあってもいいけれども、そういう中でやるんだからということではないと思いますので、その辺を一つは明確にしてほしい。

 それから、地域課題について、今回も質問をどうしようかなと思ったんですけれども、一刻も早くこの問題を質問したいということで今回質問をさせていただいたわけです。というのは、区長は選挙戦で6か月近く地域に入って、いろいろな人たちの声を聞き、いろいろな地域の課題を肌で感じてくることができたのではないかと思っているわけです。

 先ほどの部長さんの答弁ですと、例えば野方駅についても、西武と、また協議をしてという、従来と同じような答弁を繰り返されているんですけれども、そうではなくして、本当にこれが地域にとっては切実な課題であるというようなことを肌身で感じてほしいんですね、もし感じていないのなら。だから、感じていないなら、野方の駅に、ぜひラッシュ時に1時間でも2時間でも、区長さんでも部長さんでもいいから立ってほしいんですよ。そうすれば、どれだけこれが切実な問題かということがわかると思うんですよ。とすれば、何とかして解決しようと。私もそんなことでいろいろお話をしても、西武さんがというようなんじゃなくて、中野区がそういう意志を持たなければ西武は動いてくれないと思います。西武を動かしていくのは、やはり行政だと思いますし、行政がそういう強い意志を持つ--意志を持つというのは、地域の課題が本当に切実で、それを解決しなければいけないという、そういう気持ちを実際に感じてもらわない限り、従来と同じような形で終わってしまう。そうではなくして、本当にこれは解決しなければいけない。では、ありとあらゆる角度から、ありとあらゆる知恵を絞って、まず行政が考えてみる。それで、西武鉄道に、当然、働きかけをしなければいけないけれども、そういった取り組み方が必要なのではないかということで、この選挙戦を通じて区長さんは区役所の中から地域に飛び出したわけですから、それを本当に肌で感じたのか、感じていないのか、その辺をぜひお聞かせをしていただきたいということで質問をさせていただいてきましたので、最初の、議会との討議の仕方というのを、もっと実のあるものにしていきたいというのはそういうことで、従来とは違う取り組み方、そこでは、当然、行政内部の議論も必要でしょうし、しかし、行政のトップの意志というものも非常に大切な部分だと思いますし、それを肌身で感じてほしい。感じたのか感じていないのか、感じたのなら解決しよう。じゃあ、そういうことを各担当部長さんに、真剣に考えなさい、研究しなさいというような指示は出せるわけですね。そういう姿勢で、ぜひ。

 私が質問しているのは、この二つですけれども、それぞれの地域にはそれぞれの課題があります。そういった問題を本当に自分で現場で感じてほしいということで質問をしておりますので、ぜひ区長さんの御答弁をお願いをしたいと思っております。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) まず、未利用地の再検討の問題でございます。

 未利用地の再検討を、基本構想や10年間の計画のスパンの中で検討をしていくのかということでございました。私の御説明の仕方が悪かったと思います。基本構想や10か年の計画について一緒に計画をしてまいりますと、これから2年間かかってしまうということになってしまいます。12か所の未利用地の問題について早急に取り組まなければならない課題も当然出てまいりますし、時間のかかる課題も出てくるといったようなことがあります。したがって、そうした仕分けを含めまして、この12か所の未利用地の問題については、できるだけ早く、それぞれの未利用地についての方向性を出すという検討を行いたいと思っております。

 それから、地域課題でございます。今、藤本議員、御指摘されたのは野方の駅の問題でございます。野方の駅の横の踏切、私も本当に何度も何度も見てきたところでございます。最もラッシュ時の一番閉鎖時間の長いときには、1時間のうち50数分閉鎖をしているというようなのが西武線の踏切問題であるという認識は、現場で見ておりますと、本当につくづく実感をするものでございます。しかも、西武線の中では、両口が開設されていないのが野方駅一駅になってしまっているといったような状況等々を考えまして、野方駅のこの課題の大きさ、切実さということについては、私、十分認識をいたしましたし、今回、御指摘のように実感を深めたというふうに感じております。そうした意味で、中野区が区として取り組む課題なんだということについての認識を強く持っているということを申し上げておきたいと思います。

 今後どういう形で取り組めるのか、これについては、これからさまざま検討をしなければならないと思いますが、基本的な姿勢として、私が本当に取り組むんだということについて、ここで改めて表明をさせていただきたいと思います。

○議長(斉藤金造) 以上で、藤本やすたみ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 伊 藤 正 信

 1 新区長の所信表明について

 2 その他

 

○議長(斉藤金造) 次に、伊藤正信議員。

      〔伊藤正信議員登壇〕

○2番(伊藤正信) 平成14年第2回定例会に当たり、自由民主党議員団として一般質問をいたします。

 昨日より、我が会派の市川みのる議員から始まり、そして、先ほどの藤本議員の質問まで、ほとんどの方々が所信表明について行いましたが、重なる部分もあると思いますが、より明確な御答弁を期待して所信表明について質問をいたします。

 まず、「私の基本姿勢」の中から2点ほど伺います。

 1つ目に、「みんなの知恵で危機を希望へ」というが、中野の危機は財政難だけと考えているのでしょうか。

 次に、「一人ひとりの可能性をひらく」では、だれもが自由に活動し、達成感や、ともに成長する喜びを得られるよう、区民のさまざまな活動を結びつけ、支援しますと言っておりますが、中野区内に住んでいる中野区職員の選挙活動もその中に入っていて、自由なのでしょうか。

 次に、「主要な政策の柱」の中から8点ほど伺います。

 1つ目に、中野区基本構想を新たな理念で補強したり整理すべきと発言されていますが、現行基本構想のどこが問題で、どのような理念のもと、補強、整理するのか、具体的に述べてください。

 次に、区政に対する区民参加ということを選挙中からたびたび発言していますが、現行中野区基本構想の中でも、「中野のまちはみずから参加してつくる、中野のまちは、ほかから与えられ、押しつけられるのではなく、区民が主体となって自主的に考え、みずから参加してつくる、区は自治の力を高め、民主的で効率のよい区政を行って、ともにつくる人間のまちの実現を推し進める」と書かれています。このことと、どのように違うのでしょうか。今まで行ってきた住区協議会の活動を否定していくのでしょうか。中野区は、これまでも、住民参加、住民参加と言いながら時間稼ぎばかりをして、現在のような区政の停滞を招いたのではないでしょうか。区長の考えている住民参加の具体的な絵が見えないのですが、区長のお考えをお答えください。

 次に、行財政5か年計画については、区長御本人が中野区の管理職時代、担当課長としてつくり上げていったものではないでしょうか。これはいろいろな方々からも質問がありました。それにもかかわらず、不十分であるということを選挙中にもおっしゃっていましたし、先ほども藤本議員への御答弁の中でも、見えてこなかったなどおっしゃっていましたが、何か問題があったと考えているのではないでしょうか。また、その責任はだれにあると思っているのでしょうか。区長がおっしゃる区民参加をすると、もっとよいものができると考えているのでしょうか。

 次に、(仮称)自治基本条例の制定時期はいつを考えているのでしょうか。また、パブリックコメント制度の条例化についてはどのように考えているのでしょうか。

 次に、区民との対話の推進、基本構想の策定などについては、早急に組織体制の強化を行いたいとしていますが、組織づくりを、いつ、どのように行う考えなのでしょうか。組織条例の変更の提案がなされていないようですが、議会に対しては相談もしないつもりですか。

 また、区民との対話集会を、公約どおり月2回と言っていますが、子どもたちの声や障害のある方たちの声、体の不自由なお年寄りたちの声、そして対話集会に出席したくても都合がつかず、出席できない方々の声などはどのようにして聞いていくのでしょうか。

 次に、障害者の地域での生活と就労についても支援を行うと言っていますが、どのような支援策を講じるつもりなのか、具体的にお答えください。

 次に、職員の定数削減、人事考課制度の導入や組織改正など、組合に大変厳しい話をしなければいけない場面が出てくると思いますが、今回の選挙では、職員労働組合の職員が、多く区長の選挙にかかわってきたようです。そのような状態で、しっかりした人事制度改革ができるのでしょうか。大幅な定数削減について組合の了解を得られるのでしょうか。組合の執行部もかなり区長の選挙に加担したようです。組合の協力は得られるはず、心配はないと考えておられるのでしょうか。

 次に、起業支援型の産業経済融資や相談を強化するほか、新たなニーズ把握や異業種交流などによってビジネスチャンスをつくり出すとしていますが、産業経済融資をふやしても、金融機関が貸してくれないのでは意味がない。実際、手続を踏んでも貸してもらえないといった状況があるようですが、そういったことに対する対策を考えているのでしょうか。また、異業種交流会と単純に言っても、具体的方策について何か案を持っているのでしょうか。

 次に、「その他の懸案事項」の中から6点ほど伺います。

 1つ目に、施設建設に関連する課題として、区政が困難と停滞に陥った原因の一つは、現在の財政能力では到底できないような施設建設計画を進めたことにあると考えていると言っていますが、そうなった責任はどこにあると考えているのでしょうか。区長は、自分自身、管理職としてこの区役所で過ごしてきたわけですから、区長自身も責任があるのではないでしょうか。

 次に、江古田の森への保健福祉施設整備について、PFI方式を導入するとのことですが、現在、調査研究費程度しか予算化されていないのに、今後どのように進めていくのでしょうか。補正予算の提案や組織体制づくりなど、いつまでにどのように行うつもりでしょうか。

 次に、区立の介護保険施設の民営化についても積極的に進める考えはあるのでしょうか。福祉サ-ビス事業団の廃止も視野に入れていくこととするのでしょうか。

 次に、区長は所信表明の中で施設建設計画の廃止をうたっておりますが、例えば南部区民ホールのように、施設建設計画に、多くの時間と労力を割いて携わってきた区民の皆さんに対する説明責任を、しっかりと果たさなければなりません。一つの事業を前に進めることに比べ、撤退することの難しさをどのようにお考えなのでしょうか、お答えください。

 次に、区長はこれまで西東京市に住んでいて、我々のように中野で生活をされていません。聞くところによると、今も通いのようですが、仕事として接してきた感覚と、実際に住むということとは、あらゆる面で違うと思います。中野のまちの様子を区民という立場で十分理解して、今後の区政運営を図ろうとしているのでしょうか。

 次に、所信表明の中で区長は「区民」という言葉を何度も使っています。幾つ使っているか、区長は御存じでしょうか。私はちょっと気になりまして数えてみました。区民という言葉が46ありました。「市民」という言葉も1つありました。それに引きかえ「議会」は最初と最後の2回だけです。われわれ区議会議員は、区民の代表でこの場にいることを御存じだと思います。それとも区長はわれわれ区議会議員を軽んじているのでしょうか。昨日の御答弁でも、先ほどの藤本議員への御答弁でも、行政と議会は車の両輪だと例えて言っておりましたが、一体どうお思いでしょうか。区長は、区民の代表である区議会とともに歩むことで、よりよい区政運営が実現できるのではないでしょうか。あれもこれも区長の権限でできるから区議会に相談をしない、結果報告だけしかない、そんなことでは、われわれも区長の目指す区政を実現することはできません。区長、あなたにとって区議会の存在はどのようなものでしょうか、いま一度、はっきりお答えください。

 この項の最後に、全体的に区長の所信表明は総花的に感じます。本当にこれらのことが2期8年、まあ2期は保証されているわけではないですから、通常なら1期4年と言うべきだと思います。まだ、選挙が終わってから1か月もたっていないのに、最初から2期目の出馬表明と当選予告も言われていますが、この間、あえて1期4年と申し上げましょう。これらのことが本当に実現できるのでしょうか。自信があるのですか。自信がないから、官僚的、総花的所信表明しか言うことができなかったのではないでしょうか。

 また、区長のこのような具体性のない所信表明を聞いた職員が、果たして区長のリーダーシップについてくると考えておりますか。

 第1回定例会の予算特別委員会で我が会派の山崎芳夫議員が、スピード感、透明性と、思い切った決断力が求められていると申し上げました。まさに、今、中野区が求められている現状ではないかと思いますが、区長の決意をお伺いいたします。

 その他の項で何点か質問をいたします。

 昨日、我が党の市川みのる議員が、警大跡地の土地利用転換計画について、住民参加のスケールと区長のリーダーシップと決断のかかわりについて質問をいたしました。私は別の角度からお尋ねします。区長が、選挙期間中、有権者の皆さんに公約していた土地利用転換計画案の廃止はどこに行ってしまったのでしょうか。昨日の答弁を伺っている限りでは、警察病院しかり、清掃関連施設しかり、跡地の骨格となる道路計画しかりではないですか。これでは前区長の土地利用転換計画案の踏襲としか思えません。公約と答弁のギャップをどのように受けとめればよいのでしょうか、伺います。

 昨日の清掃関連施設関連の質問に関する答弁で、区長は、区長会で発言していきたいとおっしゃっていましたが、まさか、中野区には清掃関連施設は要りませんなどと、施設のない区の区長が言ってはいけないことを発言するおつもりでしょうか。途端に中野区のごみは行き場を失うことぐらいは御存じだと思います。この点について確認をしておきます。お答えください。

 次に、区長の退職理由について伺います。

 われわれ自由民主党議員団に昨年の12月27日だったか28日だったか、定かではないんですけれども、当時の石神行政改革担当部長と、現在の区長の田中大輔行政改革課長お二人でお見えになりました。田中課長が一身上の都合により退職した旨のごあいさつをいただきました。恐らく皆さん方の会派にも見えたと思います。

 一身上の都合についてお聞きしたところ、大学院に戻って、もう一度地方自治について勉強し直したい、とのことを挨拶で受けたんですけれども、私どもはごあいさつをそのまま受け取ったところです。ですから、励ましの言葉をかけました。区長からも辞令を渡されるときに、頑張ってくださいと激励の言葉をいただいたと聞いております。

 私どもにごあいさつに来たときにも何か仰々しく、何かあるのかなと思いました。そうしたら、1月には区長選挙の準備とも受け取れるような政治活動をしていたように思います。大学院に戻って勉強し直したいというのは何だったのでしょうか。情報公開や説明責任を主張している区長ですので、退職した経緯と、立候補するに至る経緯について、詳しく日時を追って御説明をいただきたいと思います。お答えください。

 さて、今回の区長選挙における選挙運動についてお尋ねします。

 区長は御記憶にありますでしょうか、2002年4月10日付で我々区議会議員に出された文書を。その一部を御紹介しますと、「さて、このたび私は、本年6月に行われる区長選挙に向けて新たに政治活動を開始することとし、その意思を内外に明らかにすることといたしました。」と。さらには、「昨年末の退職以来、本格的に地方自治・行政研究を開始するための準備を行う一方で、中野区政の新たな展開に向け自分ができることは何かを考え、区長選も視野に入れながら活動をしてきました。多くの区民と出会い、区政の現状や将来について議論しました。その中で、中野区の進むべき方向やあるべき政策理念などを確認し、みずからの使命について確信するに至りました。そして、今回の決意となったものです。」と。

 新区長、あなたは4月に決意したのではなく、区の職員をおやめになるときには既に区長選挙に出るといったことを、あらゆるところでお話になっているのではないでしょうか。私も直接ではありませんが、いろいろな皆さんとお話をすると、必ずといっていいほど、そのお話を伺いました。多分、ここにおられる皆さん、ほとんどの方が聞いていることと思います。

 さらには、支持についての要請もあったように聞いております。職員に向けても、インターネットを通じて昨年のうちに意思表明をしたことも聞いております。

 そこで、区長にお伺いします。以上、これまで述べてきたような活動は、公職選挙法第129条、事前選挙活動に抵触するのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 タスキがけについても同様であります。新区長は告示前に街頭演説をしているときに「田中大輔」と名前が書いてあるタスキがけをして演説をしていました。これは事前活動と思いますが、いかがでしょうか。私たちも数多くの選挙に携わってこなしてきておりますが、あのようなことは禁止されている行為だと思います。いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。

 新区長の選挙事務所に区役所職員がたびたび出入りしていることを聞いておりますが、事実でしょうか。聞くところによると、職員労働組合の幹部があちらこちらに出没し、田中大輔の応援、よろしくお願いしますと回っていたとも聞いております。新区長は御存じないでしょうか。

 組合のある執行委員の選挙ビラに、「助役名の依命通達が出されていますが、地方公務員法も公職選挙法も特定の選挙活動や政治活動を制限し、かつ公務員としての地位利用を厳しく戒めているだけで、一般の職員が、一区民、また一国民として選挙活動や政治活動することのすべてを禁止しているわけでないはずです。それにもかかわらず、区長選挙のことを話題にすらできないような中野区役所の様子は、絶対おかしいと私は思います」と書いてありました。言うなれば、助役の依命通達は意味がない、無視せよ、選挙活動やって何が悪いと言っているわけです。このようなことが許されるのでしょうか。このような職員、文章を書いた者や発行協力者が処分もされずに存在する、さらには、この書面にかかわった者は係長級です。部下を持つような、責任を持つべき職員がこのようなことを言えるのでしょうか。

 区役所の職員にもお手伝いさせていたと聞いております。まだ選挙が始まる前に、事務所でビラ折りを手伝ってもらう。それも、以前、区長が課長時代に部下だった職員が手伝った。それも数名いたようです。ある組合幹部が積極的に職場を回って声をかけて歩いたそうです。官房系の職員もいたそうです。こうなると、公務員の守秘義務も何も信じられません。官房の機密も流れているのではないでしょうか。明らかに地方公務員法違反ではないでしょうか。ましてや、元部下を動員して選挙活動を行ったということは犯罪なのではないでしょうか。

 最後には、選挙活動最終日である6月8日の土曜日に、田中大輔さんの最後の演説があるから応援に行きましょうといったメモまで、前日の金曜日、6月7日、庁内で飛び交う始末でもあります。このようなことが許されるのでしょうか。事実関係を早急に調べて、関係者は処分すべきではないでしょうか。そして、新区長はどのように責任をとるおつもりでしょうか、お尋ねいたします。

 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 伊藤議員の御質問にお答えをいたします。

 まず第1番目、所信表明に関連いたしまして、「みんなの知恵で危機を希望へ」。危機は財政難だけかという御質問でございます。

 財政危機というのは財政だけの事情で起きてくるわけではなくて、行財政運営全体の中で起きてくるものでございます。また、財政が危機になっていくということと並行いたしまして、行政全体が停滞をしたり、あるいは、新しい事業に取り組めない、また、今行っている施策、サ-ビスがやせていく。そういったようなことが起きていくわけでございまして、そうした意味では、危機は行政全体の危機に及んでいる。したがって、その危機は区民生活全体にも及んでしまう、そうした危機であるというふうに認識をしているところでございます。そういう意味で、区民みんなの知恵を集めて、危機を新しい希望にかえていく、そうしたことが必要であるというふうに思っているものでございます。

 それから、市民の活動という中に、後段の方で御指摘もありましたけれども、職員の選挙の活動というのも市民の活動に入っているかという御指摘でございますが、あそこの段落で言っている市民の活動というのは、もちろん区民が自由に地域のためにさまざまな活動をして、お互いに支え合いをしたり、地域に役立つ、あるいはその中で自分たちが達成感を得られる、そうした活動をするという活動を指しているものでございまして、職員のことは全く念頭に入っておりません。

 それから、基本構想の問題でございます。これまでの基本構想をどういうふうに補強したり、整理していくのかといったようなことで御質問がございました。基本構想を制定した時期、その時期には想定をしていなかった状況というのは、概ねというか、ほぼ次の3点ほど、私としては今あげさせていただきたいと思っております。

 一つは、社会環境の変化ということであります。地球規模での環境問題、あるいは少子高齢化、それから、ITと言われる情報技術の進展、そうした社会環境が大きく変わってきている。経済の今の低成長の状態、そういったようなことも社会環境の変化の一つであろうかというふうに思っております。

 また、区政をめぐる環境の変化というのが、2点目であろうかと思っております。地方分権の進展でありますとか、市町村合併といった機運が盛り上がっているようなこと。それから、特別区制度の改革によりまして、区が基礎的地方公共団体となったこと。また、清掃事業が移管をされている。また、さまざまに自立した住民活動が進展をしてきた、そういったようなことも区政環境の変化というふうにとらえることができるだろうと考えております。介護保険の導入、社会福祉制度の改革といったようなことも、そうしたことであろうかと思っています。

 次の、第3点目としては、新たな理念。それまで決して芽のなかったものではありませんけれども、理念が新たに展開をしてきている。新たな理念の展開というようなことでは、男女共同参画社会といった考え方が進展をしてきている。それから、国際理解、国際交流というのも、かなり様相が異なってきている。それから、障害者の自立や社会参加に関する意識がどんどん進んできている。子どもの権利擁護といった考え方もどんどん進展をしてきている。そうした新たな理念の展開といったようなことも、基本構想制定時とは状況が変わってきていると、そんなことであろうというふうに思っています。

 そうしたことを踏まえながら、新たな基本構想には、区民との協働でありますとか、区の新たなサ-ビスのあり方でありますとか、新たな時代における行政と民間の役割、そうしたようなことを明らかにし、10年後に実現を目指す中野区の具体的な姿を明確に示してまいりたいと、そのように考えております。

 それから、住民参加というようなことについてでございます。住民参加については、基本構想の中でも基本的な姿勢として示されている。考え方として参加の理念が強くうたわれている。まことにそのとおりでございます。参加の理念そのもののことで、今の基本構想と、私が考えている考え方、決して違うものではございません。しかし、そうした基本構想が定められた時期から時代がどんどんたっていく中で、参加という行動が具体化をされていく。住民参加や住民の自治活動がどんどん進展をしていく。そうした中で、住民の参加をしたいという意欲、あるいは参加をする活動、それを受けとめる行政の側の受けとめ、そういったものが、きちんと住民参加を受けとめきれないような実態になってきているというようなことがあると考えています。そうしたことをきちんと制度として、仕組みとして住民参加を受けとめる、きちんと情報公開を行う、議論の場をきちんと補強する。さらに、一番大事なところだと思っていますが、決定についての説明責任を区が果たすというようなことについて明らかにしていくこと、これが新しい段階での、より進んだ住民参加を実現していくことにつながっていくのではないかと、そのように考えています。

 それから、5か年計画について何が問題だったのか、あるいは自分がつくった、私自身が作成にかかわったといったようなことですけれども、何が問題であったのか、あるいは、だれの責任なのか、また、区民参加をすればそれがよくなるのかというような御質問でございます。

 5か年計画については再三申し上げておりますように、5か年と言いながら、5か年の区政の歩みについてもきちんと書き込みきれていません。また、それから先の中野区の展望についても明らかにすることができていません。そうした意味で5か年計画が不十分であった。なぜそうしたことがきちんと計画化できなかったか。それは、財政悪化が本当に抜き差しならないところに至るまで、きちんとした、そうした改革に手をつけてこられなかった、そうした区政の流れが大きな問題であったというふうに考えています。責任があった、そのことの責任について言えば、区政全体の責任であり、区政の直接の担当者、区政担当者である区長の責任であり、その部下として携わっていた私ども、私も含めて職員の責任ということも、当然あるだろうというふうに考えています。そうしたことをきちんと踏まえ、きちんと評価、総括をした上で、新しい計画をつくっていくということが必要であろうというふうに考えております。

 また、区民参加でよくなるのかどうかと。区民参加をすれば、何かバラ色の未来が出てくるというようなことを区民参加に求めているのではなく、区長が区政運営案をつくっていく、そうした中において住民の意思を十分に反映をしていく。住民ときちんと議論をしていく。そのために住民にきちんと情報を提供する。また、その結果の判断を説明するという、このことが、手続としての正しさであります。そうした正しい手続に基づかない決定というのは、行政として行っていくべきでない、そのように考えております。そういう意味での区民参加というふうに受けとめていただければというふうに思っています。

 それから、自治基本条例については、いつごろ制定する予定なのか、またその中でパブリックコメントの制度についてどう取り上げていくのかということでございます。

 自治基本条例につきましては、新しい中野区の基本構想の検討、そうしたこととの、流れとしての同一性といったようなことも考慮に入れなければならないと考えております。今後の策定手続について、まだ日程的なことについて決め切れておりませんので、早急にその辺の日程を明らかにさせていただくことを申し上げておきます。

 パブリックコメント、さまざまな施策を行うに当たって、市民からのコメントをいただき、それに対してきちんとおこたえをしていくという制度は、私が申し上げている説明責任といったようなことにかかわる考え方でございます。自治基本条例の中で当然位置付けられていくものというふうに考えております。

 それから、基本構想やそうしたことで組織的な対応を強化するといったことについて、条例等の改正を考えているのかどうかということでございます。

 これについては、大きな組織改革については時間をかけて準備をしていくという必要があると考えております。当面、体制を強化するという中では、現在の組織、部課の組織を前提にして、その中での強化を行っていくということを想定しております。

 それから、対話集会についてであります。対話集会について、障害者や高齢者、また、行きたくてもなかなか行けない人もいるというようなことで、どういうふうにするのかということでございます。

 月2回の対話集会のほかにも、多様な形での対話を行うということが必要だと考えています。団体にお招きをいただいた場合に出て行くことであるとか、あるいはニューメディア、インターネットでありますとか、ホームページでありますとか、そういったようなことを活用した対話の方法、さまざまな手段を用いて対話を実現していきたいと、このように考えております。

 それから、障害者の地域での生活と就労についての支援、その具体的な内容はどういうことかということでございました。障害者の方の地域での生活、就労についての支援につきましては、さまざまな施策があるわけでございます。例えば福祉作業施設、あるいは生活実習事業、それからグループホーム、さまざまこれから支援を強めていかなければならない、そうした課題があるわけでございます。また、障害者の支援費制度の導入に関連いたしまして、その契約による利用の権利をどう擁護していくのか、あるいは、利用に当たっての相談等についてどう充実していくのか、といったようなことについても、こうしたところで対応をしていきたい、こうした考え方の中で検討をしていきたい、そのように考えております。

 それから、金融機関の貸し渋り、要するに制度融資はあっても貸してくれない。金融機関が、借りたくても貸してくれないといったような実態についての御指摘がありました。状況等を、私、把握ができていない部分がございますので、よく調査をしていきたいというふうに思っています。

 それから、異業種交流の具体策はあるのかというようなことであります。今後、中野区の地域を元気にしていく、ビジネスチャンスをふやす。そうしたことを検討していく上では、産業関係の団体でありますとか、経営者の皆さん、さまざまな声を、私自身一緒に伺いながら、ともに、どういった問題があるのか、どういう具体策があるのか検討をしてまいりたいというふうに思っております。そうした中で、異業種交流等につきましても具体的な策を検討してまいりたいと思っております。

 それから、定数削減等々に関しまして、職員の組合、職員に対しても厳しいことをこれからやっていかなければならないということでございます。協力を得られるのかということでございますが、協力ということもございますが、組合、あるいは職員といえども、中野区の区政を担っている一員でございます。私どもと一緒になって中野区をどうよくしていくのかということで、考え方をきちんと議論してまいりたい、そのように考えております。職員団体は職員の勤務条件等についての交渉をするという立場でございますが、そうした中でも、当然、中野区がこれから必要なことについて提案をし、きちんと議論をし、もらうべき協力を得ていきたいと、そのように考えております。

 それから、江古田の保健福祉施設の整備に関して予算がほとんどついていない、これからどうするのだ、また、組織はどうなるのだということでございます。これについて、私が就任して直ちに検討を急ぐということを指示してございます。補正予算の御提案をしなければならないというような場面もあろうかと思っておりますが、組織のことも含めて、今後、早急に検討をしてまいりたいというふうに思っております。

 それから、区営の介護保険施設の民営化、また、福祉サ-ビス事業団の解散という言葉だったんですけれども、今後の見通しについての御質問がございました。介護保険の施設につきましては、制度的に、これは民間の事業者であっても、区が行うことであっても、同じ条件で行っているという事業でございます。そうした意味で、民営化の方向というのは、方向として追求していくべき、民営化の方向でいくべきだというふうに考えております。福祉サ-ビス事業団につきましては、福祉サ-ビス事業団という独立した法人でございますが、事業団独特の成り立ちの問題がありまして、中野区との関係が強く、また、財政運営的にも問題がある、そういう状態にあるというふうに認識をしております。事業団の経営改善について早急に検討を行ってまいりたい、そのように考えております。

 それから、南部区民ホールに関連いたしまして、住民参加、区民の方が、計画に関して多くかかわられてきた。そうした区民に対して南部区民ホールの計画をやめるということになるならば、区民に対する対応、御説明、あるいは御理解いただくための話し合い、非常に重要な意味を持つという御指摘でございました。全く私もそのとおりだと考えております。計画を区民参加で、他の施設についても、何らかの形で区民参加を得ながら進めてきたもの、多くございます。そうした計画の改廃に関しまして、かかわった区民の皆さんに十分御説明をする、納得いただけるような話し合いを行っていく、そのことは当然であるというふうに考えております。

 次に、私が住まいをしておりますのが西東京市であるということでございます。私、家族を呼び寄せまして中野区に転居をする準備を今いたしておりまして、転居先は確定しておりますが、今住んでいる方の引っ越しの都合で、1か月間ほど、また西東京市に住所を戻しているという状況でございます。当然、中野区の区長でございますから、中野区民として区民の生活感覚に基づいて行政運営を行うということ、全くそのとおりでございます。中野区の住民感覚、自分の肌で感じられるような状況で進めてまいりたいと、そのように考えております。

 それから、区議会についてどう考えているのかと。再三、昨日以来、区議会との関係について申し上げてきましたが、区議会は議決機関であります。私どもは執行機関であります。執行機関が勝手に行政運営をしようとしても、議決機関がきちんと議決をするという権能を有していて、区民参加、住民に直接選挙をされて、議員の皆さんが議会の活動を行っているということでございまして、長の側と議会の側、まさに車の両輪として機能しなければ自治はあり得ないという制度でございます。そのことについて十分に私、認識をしているということと同時に、また、議決機関の活動と、私ども執行機関の活動、日ごろから情報交換を密にすること、また、行政側で考えていることについて、事前にきちんと情報提供をしていく必要があるということについて、議会のルールとか手続とか、さまざま守らなければいけないことは当然あるわけでございますが、そうしたことを踏まえながら、事前の情報提供といったようなことについても、できるだけ努めてまいりたい、そのように考えております。

 それから、2期8年というようなことが表現にあったということですが、もちろん所信表明で申し上げたこと、1期4年の中で私が行うということについて申し上げたことでございます。1期4年で私はきちんと仕事を仕上げ、その上で全くゼロから区民の皆さんに判断を仰がなければならないというふうに考えております。

 そうした意味で、1期4年でできるのか、言ったことをきちんとできるのかというようなことについてのお尋ねもございました。私としては、とにかく全身全霊、全力を持ちましてこの仕事を4年間でやってまいりたい、そのように考えております。スピード感、透明性、決断力、まさにすばらしい指摘だったと思っております。私、そのことを受けとめながら、区長のリーダーシップ、職員にも十分発揮していけるよう努めてまいりたいと思っています。

 それから、警大跡地等の土地利用計画案の見直しについてでございます。土地利用計画案については、まだまだ不十分な点、あるいは変更していかなければならない点等々ございますので、そうした意味での見直し、行っていかなければなりません。また、清掃工場の問題については、今、一部事務組合からの報告、区長会での議論、さまざまに状況が変化をしていくところでございます。そうした状況の変化について、私、着任早々でありますし、一部事務組合の報告を受けた区長会というのが6月14日、着任をする前日のことでございますので、そうした状況をまず把握に努めたいというふうに考えております。

 中野区が清掃を行う行政体として、23区の中で清掃事業についてきちんとした責任を負わなければならない、そのことについては十分、私自身、認識をしているところでございます。そうした認識を踏まえた上で、今後の見直しを行ってまいります。

 それから、退職をした経緯とか、それから、区長に立候補した経緯についてということでございました。

 退職をした時点で、私は、この中野区のあり方について大きな批判を持っておりました。この中野区を変えなければならないという思いから、私自身、退職の道を選んだ、そのことは一つございます。その一方、私自身の、退職をした時点における、それからの生き方、あり方の問題として、大学で勉強するというような道を一つ選びたいということは、事実、考えていたものでございます。退職をした時点で区長選挙への立候補が視野に入っていなかったかというと、視野に入れていたことは事実でございます。ただし、退職するまでの時点で、私は地方公務員でございますので、政治的な活動の制限もありましたし、私自身、行うべきでないと考えておりました。退職をしたその後に、私自身、そうしたことも視野に入れながら、中野区を変える活動を始めたということでございます。そうした活動をしながら、私自身が中野区のあり方、あるいは自治のあり方について区民の皆さんと話し合いをしながら、私自身の行動、立候補へ向けての実際にできるかどうかといった条件づくり、そういったようなことを私自身、活動の中で考えていったということでございます。結果として、この選挙に立候補に至ったというわけでございます。

 それから、選挙告示前のさまざまな政治活動についての御指摘がございました。私自身、選挙活動と政治活動というものについて、きちんと分けて考えなければいけない、選挙活動については、当然、選挙期間中しか行えないものであるというようなことについて認識をしているところでございます。そうした意味で、政治活動、さまざまに展開をしたわけでございますが、私が行っていた政治活動について、それが事前の選挙活動に当たらないかということについては、私自身、事前の選挙活動には当たらないものというふうに考えて活動してきたものでございます。

 それから、職員の活動ということでございます。職員の活動につきましては、4月の段階で、職員として疑われるようなことのないようにというような、助役の依命通達が出ていたと、それが徹底されていたということで聞いております。職員の活動の中で、そうした意味で法に触れる、あるいは、職員としてやってはならない活動があったというふうには、私、理解をしておりません。ただいま、さまざまな事例が御紹介されたということでございますので、そうしたことについては、私、調査を行うということで、調査の結果について、また改めて判断をさせていただきたいと、そのように思っております。

      〔伊藤正信議員登壇〕

○2番(伊藤正信) 再質問をいたします。

 所信表明への質問の項の中で何点か、私、答弁がなかったように思うのと、それから、付け加えての質問なんですけれども、施設建設に関する課題として区政が困難と停滞に陥った原因の一つは、現在の財政能力では到底できないような施設建設計画を進めたことにあると考えていると、所信表明の中では書いているんですね。そうなった責任というのはどこにあるかとお尋ねしたんですけれども、お答えがなかったように思いますので、いま一つお答えいただきたいと思います。

 それから、介護保険施設の民営化、これも、御答弁は検討するということだったんですけれども、福祉サ-ビス事業団の面からいっても、当然、派遣職員なんかもいるわけですよね。その辺はどのようにあれするのか......(「派遣は禁止されているんだよ」と呼ぶ者あり)禁止されているという声も出ましたけれども、そういうことも視野に入れて、どのように考えているのか、いま一つお伺いをいたします。

 それから、先ほど区長選挙での質問で、職員はかかわっていなかった、そのような認識はない、これからも調査するという御答弁だったんですけれども、これは私が区長さん、田中大輔さんからいただいた手紙ですね。これは皆さんもいただいていると思います。ましてや、ここにおられる部長さん、課長さん、恐らく職員の方々、かなり大勢、出ていると思いますけれども、6月に向けて新たに政治活動。これは文言が区長選挙と書いてあるんですよね。この辺はいかがかなと思いまして......(「出した数、聞け」と呼ぶ者あり)どのぐらいの数を出したのかという話も、今ありましたが、その辺もお伺いしたいのと、もう一つ、この手紙の中にこういうのが入っていました。これは私の地域、鍋横ですから、鍋横地域センターで4月20日土曜日、夜7時半から9時まで、田中大輔さんを囲んで中野のタウンミーティングと。これを見ますと、いろいろな地域センターでやっているんですよね。4月20日ですから、選挙の1か月ちょっと前ですよね。これはまだ告示されていない選挙で、ましてや区長になっていない者が、地域センターでこのようなタウンミーティングを行っていいのかなと思うんですけれども、政治活動に貸し出しすることができるのかなと。

 我々区議会議員というのは区政報告でよく地域センターなんか使わせてもらっていますけれども、恐らくそのような方向で、これは有料なのかどうか。私らが区政報告をやるときには無料ですよね。町会とか各団体なんかは無料で貸し出しはしていますけれども、その辺、地域センターもそうですけれども、勤労福祉会館でも何度か行っていますよね。こういった場合、当然、区の税金を使っているわけですから、その辺の自治法上の問題なんかどのように解釈できるのかなというのもあります。

 それから、たすきがけもそうでしたね、御答弁がなかったので・・・(「あった」と呼ぶ者あり)ありましたか。たすきがけは、私らも区議会議員選挙で、それぞれに、やっている方とやっていない方といると思うんですね。その辺のことなんかも、いま一度はっきり御答弁をいただきたい。

 以上で再質問を終わります。お願いします。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 現在の財政力で到底できないような計画を持ってしまった、そのことが現在の区政停滞の原因になってきたということについて、原因と責任はということでございます。

 計画行政の破綻といったようなことについても、さまざま申し上げているところでございますが、中野区は、バブルが弾ける前の計画というものを、バブルが弾けて収入が下がってからも、なかなか見直すことができなかった、そうした中に多くの施設建設があったということでございます。自分の財政力で持ちきれないような計画をいつまでも持ってしまったということについて、原因は、やはりきちんと財政について受けとめることができていなかった区政全体の責任、区政の運営の仕方に責任があったというふうに考えるわけでございます。そうした意味で、私も含めて、区政を動かす、そこに関連、関係をしております、さまざまな関係者全員にも責任があったというふうに考えております。

 それから、福祉サ-ビス事業団についてでございます。現在、職員が派遣をされていると。派遣が禁止というわけではないんですけれども、派遣について非常に難しい形になってきているということで、現在の福祉サ-ビス事業団については、研修派遣で行われているということでございます。できるだけ早期に、この派遣については解消をしていくべきであるというふうに考えております。

 それから、議員の皆様にあてまして、私がお配りをいたしました文書についてのお尋ねがございました。あの文書については、議員の皆様にお配りをしたものでございます。そうした意味で、私自身の思いをつづらせていただいたということでございまして、出した枚数というようなことでございますが、44人議員の方がいらっしゃるので、あれについては44枚であったということでございます。

 それから、タウンミーティングのチラシについてでございますが、タウンミーティングそのものは、地域の皆さんと地域の問題について話し合うという活動でございます。そうした意味で地域センターを使うことについて特段の支障があったというふうには、私自身認識をしておりません。

 それから、たすきがけについてということで御指摘がございました。これについても、私、もしかしたら認識が違っているのかもわかりませんが、違法というような認識は持たずにやっていたものでございます。

      〔伊藤正信議員登壇〕

○2番(伊藤正信) 再々質問をいたします。

 再質問でも伺うのを忘れましたので、もう一度、先ほどの退職理由について。恐らく記者会見でもお話が、聞いていたと思うんですけれども、今でも大学院に通っているということだと思うんですけれども、この退職理由については整合性があることなのか、退職する必要はなかったのではないかなと思うんですね。課長でいて大学に通えない者が、区長になってやれるというならば、区長の責任をどのように考えているのか、それこそ問題ではないかと思います。たしか、記者会見では、その辺聞かれていたようですよね。公務と大学通いをどのように考えるのかということの、記者会見であったと思いますけれども、その辺をお答えいただければと思います。

 それから、先ほどの、たすきの件とかいろいろ申し上げましたけれども、議長、選挙管理委員長をお呼びするのはどのようにしたらいいか、諮ってもらえればと思うんですけれども、休憩を入れていただいて、議運でも諮っていただければと思いますけれども、よろしいでしょうか。お願いいたします。今の御答弁では納得がいかないものですから、よろしくお願いします。

○議長(斉藤金造) 議事の都合により暫時休憩いたします。

      午後2時58分休憩

 

      午後4時46分開議

○議長(斉藤金造) 会議を再開いたします。

 議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 この際申し上げます。伊藤正信議員の2回目の再質問の途中ですが、議事の都合上、伊藤正信議員の質問の順番を繰り下げ、むとう有子議員の次に引き続き再質問を行っていただくこととし、西村孝雄議員から一般質問を続行したいと思いますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(斉藤金造) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 西 村 孝 雄

 1 新区長の所信表明について

 2 全世帯へのニーズ調査について

 3 福祉問題について

  (1)地域福祉総合推進計画の改定について

  (2)生活保護行政について

  (3)高齢者の住まいについて

 4 地域通貨の普及について

 5 再び「健康都市宣言」について

 6 その他

 

○議長(斉藤金造) 次に、西村孝雄議員。

      〔西村孝雄議員登壇〕

○37番(西村孝雄) 平成14年第2回定例会に当たり、私は、公明党区議団の立場から、質問通告に沿いまして質問をしたいと思います。

 質問に入る前に、一言申し上げたいと思います。

 神山前区長の勇退によりまして、過日の区長選におきましては、新人候補5人による選挙戦でしたが、接戦を制して見事当選した田中大輔区長にお祝いを申し上げたいと思います。何ごとも勝利するためには運が味方することが大事ですが、田中さんと2位の候補者との差はわずかでしたし、そのほかにも、もし何々だったらとか、こうであればなどという違った経過も考えられましたので、田中新区長はかなり強い運に恵まれたなという印象を受けました。

 いずれにいたしましても、当選した以上、30万区民のために粉骨砕身、奮闘していただきたいと思います。

 ただし、田中新区長の得票数は全体で約2万票そこそこで、有権者の7分の1にも達しておりませんし、人口の1割にも満たない数です。田中区長と違った考えや支持者の人たちの方が、むしろはるかに多かったことに思いをいたし、謙虚に区政運営に携わるべきだと思います。新区長としての区政運営に当たっていろいろ注文はありますが、個人的な意見ですが、私は、率直で柔軟な態度であってほしいと思います。きのうの答弁で自分の言葉で語りたいとおっしゃっておりましたから、それは歓迎したいと思いますが、誤りを認めることにも、ぜひ率直であってほしいと思います。一度言い出したら二度と引かないとか、修正、訂正はしないというのではなく、自分の意見はまず言っていただき、議論する中で、よりよい結論を出す、そうした意味で柔軟な態度であってほしいと強く要望しておきたいと思います。

 それでは、質問に移ります。行政のトップがかわったわけですから、あれやこれや、お聞きしたいことは山ほどあります。しかしながら、所信表明を中心に何点かに絞ってお伺いをしたいと思います。

 新区長の所信表明に関しては、我が党の岡本議員が党としての立場を踏まえて、既にかなりの項目について問いただしました。ここまで、ほかの議員からも既に質疑があり、答弁もありましたので、一部ダブるかもしれませんが、なるべくダブりは避けたいと思います。ただし、今までの答弁で、腑に落ちないというか、納得できなかった点について、まず伺いたいと思います。

 まず、きのうの岡本議員の質問に対する答弁漏れがありましたので、その点から伺います。ばらまき予算云々という件ですが、平成14年度の中野区の予算約935億円の中で、どの部分が一体ばらまきなのか、答弁がなかったので、具体的に示してください。

 次に、健全な収支構造について数値を示すべきであるという岡本議員の質問に対しまして、数値は示せない旨の答弁でしたが、ぴたりということではなくても、幅を持った数値は示せるのではないかと思いますが、再度伺います。

 もう一点、保育園を希望する待機児をなくすと言っておりますが、いつまでかという質問に対して、今の段階では言えないという答弁でしたが、これも納得しかねます。この程度のことは、たとえ予定でも、いつごろまで目標にと答弁すべきではないかと思います。

 次に、私の前に質問した方々の議論ではなかった観点について伺います。

 行財政5か年計画について、新区長は、策定についてのプロセスで間違いがあったと発言をしております。これは前区長に対しての思いでございましょうが、その言い分はわからないでもありません。先ほどちょっとその点、触れておりましたが、私もこの5か年計画の策定は余りにも時期が遅過ぎたと思います。私は神山前区長に対して早くから財政再建計画をつくるべきであると、本会議や予算特別委員会での総括質疑の中で繰り返し迫った場面がございましたが、財政健全化計画などと、小出しの改革のまま時が過ぎ、なかなか本腰を入れて財政再建に取り組んではこなかったと思います。追い詰められて、ようやく財政危機宣言をして、行財政5か年計画になったと、私もそのような認識をしております。

 そうした財政が大変窮屈になってから手がけた行財政5か年計画なだけに、もっと早く取り組んでいれば、迷惑をかけなくてもよかった人たちや事業に、大胆にメスを入れなければならなかったと思います。そのつらい計画をつくらなければならなかった中心的な立場で新区長は頑張ったわけでございますから、私はまことに御苦労なことだったと、労をねぎらいたいと思います。

 ところで、質問というのは、新区長が御苦労して取り組んだ、この行財政5か年計画に関して、私たち公明党の議員団といたしましては、それなりの成果が上がりつつあると評価をしておりますが、あなたはどう評価しているのでございましょうか。簡単に見直すとか、将来の構想としては弱いものだとか、平成16、17年の計画は明確でないなどという趣旨の発言もしておりましたが、苦労した挙げ句に、そんな軟弱なものをつくったのかという感をぬぐえませんが、その点に関しまして新区長に一切責任はなかったのかどうか伺いたいと思います。

 きのうの答弁の中で、所信表明にはなかった、基本構想を手直しをして、それとセットで10年間の基本計画を作成するかのような発言がありました。これは何でセットにしなければならないのでしょうか、よくわかりません。5か年計画にかわる計画と所信表明にありますが、これはきのうの発言にあった将来構想とセットの10年計画のことを指すのか、あるいは別の実施計画のようなことを考えているのか、つまり、3点セットなのか、2点セットなのか、よくその辺が明確でないので伺いたいと思います。

 そして、2年程度の期間をかけてと言っておりますが、平成14年度は前区長が組んだ予算が既にスタートをしております。したがって、2年というのは、今年度を除いて15、16の2年間を指すのか、今年度も含めて14、15年度なのか、明確にすべきだと思います。

 私は、基本構想の見直しはいいとしても、それと、基本計画や実施計画的なものを、何もセットにする必要はないと思います。計画は新しくつくりたいなら早急に意欲的に取り組み、期間をおかないで作成すべきだと思います。期間に関しましては、実施計画なら、なおさら10年というスパンは長過ぎると思います。大体、区長の任期は2期8年が限度と御自分で言い切っているのですから、10年計画をあなたが作成するという必要はないと思います。御見解を賜りたいと思います。

 次に、所信表明の冒頭の部分で、区長は、「区民の信託に応えるため、区議会との密接な連携のもと、区政運営に全力を傾注したい」と述べております。この点、しきりに区議会を重視するのに車の両輪という表現も使っております。これは当然のことだと思います。先ほどもしきりに強調しておりました。しかし、一般的に行政と議会との関係はそう言われているので、そう言っただけなのか、心の底からそう思って、決意として述べたのかによって対応は違ってくると思います。区長が言う密接な連携とは、具体的にどういうことをやろうとしているのか、従来のあり方とは何か違った対応を考えているのか、その点についてお聞かせ願いたいと思います。

 2点目は、「区の組織をさらにスリム化し体質改善を行って活性化させる」と述べておりますが、スリム化すべき具体例はどんな部門だと考えているのか、体質改善と一口に言いますが、これは容易なことではないと思います。しかし、断行するというのなら期待をしたいと思いますが、どんな体質がどのようにいけないと今考えているのか、それを改善する具体的な手段として、どのようなことを考えているのか伺いたいと思います。

 3点目は、「区立小・中学校の教育環境を充実するために、学校の適正規模・適正配置を検討し、実施していきます」と述べておりますが、これは前区長時代から言われ続けて久しい問題ですが、御承知のとおり作業はなかなか進んでおりません。これを本気になって手がけようとの考えだと伺いますが、従来の経過に対して新区長はどのように評価をしているのか、どう今までと違った形で進めようとするのか、いつまで検討し実施するというおつもりなのか、教育委員会との調整をどのようにしながら結論を出そうというのかなど、この点に関しての考えを詳しく述べていただきたいと思います。

 以上で、所信表明についての質問は終わります。

 次の質問に移ります。全世帯に対するニーズ調査についてです。

 区政に対する区民のニーズがいかなるものか、この点は、区政に携わる者が最も意を用いなければならないことだと思います。あえてこうした提案をしたのは、区長がかわったのですから、区民が区政にどんなことを望んでいるのか、どんな点に不満なのかを、満遍なく改めて聞いてみるべきではないかと思うからでございます。サンプル調査も一つの調査方法ですが、あくまでこれは傾向性を知る参考にすぎないと思います。区民のニーズは、年齢、性別、所得、地域、生活環境、性格などで当然異なります。しかも、時とともに、時代とともに変化もいたします。したがって、私は、あくまでもサンプルではなく、全世帯を対象に、しかも家族の中のだれでもが、意見を、匿名、実名、どちらでも書けるような形のニーズ調査をしてはどうかと提案いたします。

 区長は所信表明の中で、区長選挙の投票率が史上2番目の低さであることに関連して、これからの区政運営に当たっては、適切な情報発信に努め、区民参加を実りあるものにし、常に区民とともにある区政としていくことが、ますます大切であると考えておりますと語っております。もっともなことでございます。この「区民参加を実りあるものにする」とか、「常に区民とともにある区政としていく」ためには、私は、この全世帯へのニーズ調査をぜひ実施すべきではないかと思います。

 この全世帯に対するニーズ調査の必要に関しまして、私は過去に2回議会で提案をしたことがあります。記憶に間違いがなければ、初めて提案したのは、たしか大内区長のときでございました。当時、神戸市は全国の地方自治体の中で、消費者行政を初め、何かと大変進んだ施策を実施しておりました。その神戸市で当時既に実施していたのが、この全世帯に対するニーズ調査なのです。しかも、神戸市では1回だけではなく、2年ないし3年置きにこれを繰り返し、市民のニーズの変化を的確に掌握し、市政運営に生かしておりました。私は心から感心をし、見習うべき神戸方式の幾つかを、当時、中野区議会で提案をした中の一つとして発言をいたしました。しかし採用はされませんでした。その後、もう一度、神山区長になってから提案をしたことがございますが、実施は今までしておりません。

 今、中野区政は確かに大きな曲がり角に立っていると思います。大きな懸案事項が多いのに、極めて財政事情が厳しいという中にあります。それなのに区長選挙での投票率が余りにも低過ぎるのは、なぜなのか、私も大勢の区民の意向がどこにあるのか、はかりかねます。それだけ幸せなのか、区政に対してあきらめて、投げやりなのか。いずれにいたしましても、区民参加とか、常に区民とともにと言っても、その区民が一部の限られた人たちだけでは、私は意味がないと思います。

 メールももちろん結構でございますが、これも、現在やっている人には限度があると思います。大方の、大半の区民が一体何を思い、何を考え、何を期待し、何に不満なのか、アイデアがあったら、自由にアイデアや建設的な意見を述べてもらうということも含めまして、この際、徹底的に区民全体のニーズを調査してみるべきではないかと再度主張いたしまして、この項は終わります。

 次に、この項目に関連しまして、ついでに伺います。それは、全職員に対しても、何らかの形でアンケート調査を行ってはどうかという提案です。これは、その他の項目で質問しようと思いましたが、ここで関連をしてお聞きいたします。

 新区長として、何といっても、職員のやる気と協力がなければ、区政運営がスムーズにいかないことは、これまた当然のことでございます。したがって、職員もまた何を思い、何に不満で、どうあるべきかについて、さまざまな意見や考え方を持っていると思いますので、これも匿名希望なら匿名、実名なら実名で、何も意見がない方はともかくといたしまして、全員を対象にアンケート調査をしてみてはいかがでございましょうかと提案いたします。

 そして、区民との対話集会も大事でしょうが、職員との対話も、いろいろ形式を工夫しながら精力的にやるべきではないかと、これは今までの議員の間でも同じような提案がありましたが、私も同感ですので提案をいたしますが、決意を伺いたいと思います。

 次の質問に移ります。福祉問題についてです。

 初めに、地域福祉総合推進計画の改定について伺います。

 この計画は、当区では通称「福祉プラン21」と言っております。この計画の改定問題については、平成13年の第1回定例会の予算特別委員会の総括質疑や、同年の第3回定例会で既に提案をした経過がございます。その際に答弁していただいておりますが、区長がかわったわけですので、新区長の考えを伺いながら確認をしたいと思います。

 所信表明の中で区政の各分野の課題について述べておりますが、その第1番目に、「健康づくりと安心できる福祉は大事な柱です」と田中区長は述べておりますが、これももっともなことだと思います。山ほどある区政の課題の中で、新区長に何を質問するか、私は所信表明を拝見する前に、私なりにいろいろ考えましたが、私が従来主張してきたことと、区民にとっても、区政としても、何が一番大切かに思いをはせますと、健康の問題と福祉の問題でないかとの結論に達しました。そして、これらの点については、ぜひ新区長の見解を確認しておきたいと思って質問項目とした次第でございます。

 中野区の福祉プラン21の改定を急ぐべきであると、私が主張してきた理由は、社会福祉基礎構造改革という大きな社会福祉の環境変化に、我が区の地域福祉総合推進計画は甚だおくれをとっていると思うからでございます。御承知のとおり、社会福祉事業法が社会福祉法に法改正されました。これは、何と半世紀ぶりの大改革と言われております。この背景になっているのが、社会福祉の基礎構造改革という、国レベルでの大変革作業なのでございます。

 このことによって何が大きく変わったかといえば、従来は、所得が低い方々を中心に、困っている人たちに対して行政が税金を投入して措置をする形でサ-ビスが提供されてきました。しかし、この変革によりまして、低所得に限らず、国民一人ひとりがみずから希望してサ-ビスを選択し、場合によっては契約によって利用するという形になりつつあるわけでございます。こうした大きな変化に対応するために、行政だけではなく、サ-ビス主体の多元化、サ-ビス利用に当たっての相談、情報サ-ビスの充実、判断能力の低い方々への利用援助、苦情解決事業などが、新たに社会福祉法に定められたわけでございます。つまり、行政の役割に対する力点の置き方が大きく変わらざるを得なくなってきたと私は思います。

 介護保険法もこうした流れの中で制定され、制度化されたわけでございますが、福祉だけではなく、保健に関しても同じような傾向があるわけで、保健と福祉の密接な連携が重要なことも含めて、我が区の地域福祉総合推進計画の大幅な改定が急がれると思います。

 そこで質問ですが、田中区長は、こうした社会福祉の基礎構造改革という大きなうねりと、福祉のあり方そのものの変革と、いかに、それに対する行政対応を変えるべきかという事態に対しまして、どのような認識をしているのか伺いたいと思います。

 次に、この福祉プラン21の改定問題に関しまして、以前、私が質問をした際、総括質疑の際ですが、これは当時の大沢福祉計画課長が答弁をしています。その要約は、「平成15年の改定を予定している。改定作業には平成13年度から着手し、14年度の作業完了を目指したい。計画策定に当たっては、精神障害者の保健福祉課題の権限が市町村に移譲するという問題もあり、保健計画との整合を図りたいし、介護保険事業計画とも同じく整合を図っていきたい」という内容の答弁でございました。

 その後、本会議でも私は再度この問題で質問をいたしましたが、答弁したのは、当時の本橋福祉担当部長でございます。本橋さんは、社会福祉基礎構造改革の視点に立ち、サ-ビスの利用者と提供者との対等な関係の確立や、利用者がみずから選択できるサ-ビス提供体制の確立など、新しい、公私協働による地域福祉体制の整備を目指したい。保健と福祉の組織統合をした趣旨を踏まえながら、地域で保健福祉を総合的に推進する計画とする。計画の策定に当たっては、第3期保健福祉審議会で議論してもらい、14年度末までに策定をしたいと答弁をしております。

 このように答弁した本橋さんもかわりまして、今は石神部長になりましたが、改定計画策定についてのその後の経過は、どんなぐあいに進んでいるのか、これらのスケジュールはどうなのか、御報告をしていただきたいと思います。

 次の項目で、生活保護行政についての質問です。この質問の項目は3点です。

 1点目は、ケースワーカーというか、職員によって生活保護受給者に対する対応が違い過ぎるというケースが現実にあります。親切な人ももちろん多いわけでございますが、中には、話を聞きますと、腹立たしい応対をしている方もあるようでございます。不親切な不遜な態度の職員は、この部門の仕事には向いていないと思いますし、一人たりとも、この部門にいてはいけないと私は思います。

 最近、思い余って私のところに訴えてきた話がございます。ある受給者の方が町医者に紹介されて大きな病院に行かなければならないので、医療券を生活援護課に送ってもらうようお願いをしたそうでございます。なかなか送っていただけない。それで、すぐ送ってほしいと催促の電話をしたそうですが、速達で送りますということなので、電話に出た人に名前をお聞きしたそうですが、あなたに言う必要はないというような言い方をされたそうでございます。その人は悔しくて、泣き泣き私のところに電話をしてまいりました。

 こうしたことは、ただの一件もあってはいけないと私は思います。そうでなくても、生活保護受給者の方は、日ごろから肩身の狭い思いをしている方が大半だと思います。ケースワーカーが親切に応対し過ぎるということはないと思います。このケースワーカーの教育というか、研修はどんなぐあいに行われているのかお伺いしたいと思います。また、このようなケースを防ぐための具体的な対策、これを何か考えているのかお伺いをしたいと思います。

 2点目は、それにしても、現在、一人当たりのケースワーカーが担当している世帯数が多過ぎるのではないかというふうに私は思います。ケースワーカーの数をもっとふやすべきではないかという提案です。

 この生活援護課の仕事は、心身ともに非常に大変だと思います。現在、職員一人当たりの担当ケース数は、3月末現在で85.8だそうですが、この4月からケースワーカーが、それでも3人ふえて、82.3に若干緩和されたとのことです。それでも国の基準にまだ達していないようでございますが、私は、福祉の最前線というか、区民が、最もつらい思いをして日夜生活苦と闘っているこの部門を担当しているケースワーカー・職員、この数はむしろ国基準をオーバーしてでも、思い切ってふやすべきではないかと思います。もちろん職員数の削減は、庁内全体として懸命に努力をするといたしましても、一律に削減するのではなく、職員の仕事の過重ぐあいとか施策内容をしっかり見きわめて、アクセントをつけるという判断をすべきであると思いますが、新区長の見解を伺いたいと思います。

 3点目は、昨今、失業者等が多くなっておりまして、何かと生活苦が目立っていると思います。そこで、生活保護を受けなくても済むような方策の一つといたしまして、応急資金を利用しやすくするため、貸し付け対象や条件を緩和すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 次の質問に移ります。高齢者の住まいに関する問題です。

 過日、野方六丁目に新設された高齢者福祉住宅20戸の募集に対しまして、何と445人が応募したそうでございます。約22倍という驚くべき倍率です。いかに、ひとり暮らしのお年寄りで、このようなケア付きの安い住宅を望んでいる人たちが多いかが証明をされました。

 私の日ごろの区民相談の中でも、近年、とみに多く、深刻だなと思われるのが、ひとり暮らしのお年寄りの住まいの問題です。古いアパートがどんどん取り壊される。そのために、安い家賃で気楽に住んでいたのが追い出されることになる。といって、安い都営住宅にはなかなか入れない。住みなれた界隈からは余り遠くに行きたくないが、新しい民間アパートの家賃は高い。高いだけではなくて、保証人がいないと、大家さんや不動産屋に貸してもらえない。こうした悩みに困っているお年寄りは案外多いのです。これらの人たちは、日ごろなかなか区に要望する手だても知らない人が多いのです。声を出すことも方法も知らなければ、パソコンも関係がありませんので、メールを送ることもできません。

 こうした、ひとり暮らしのお年寄りとともに、時折、お年寄り夫婦の場合で悩んでいる場合もあります。夫婦じゃ申し込めないんですか、どちらか死ななきゃあ申し込み資格もないんですか、西村さんと言われまして、言葉に詰まったこともございます。

 そして、お年寄りだけでなく、障害者の場合も同じように深刻な例がございます。

 今回の野方の高齢者福祉住宅の方式は、区の土地に供給公社がデイサ-ビスセンター併設の建物を建て、国・都から建設補助金が出るため、区の財政負担はかなり軽くなるというやり方ですが、こうした方式をもっと力を入れてやるべきではないかと、以前にも私は強く主張しましたが、高齢者の住まいの問題解決のため、その後どのように検討をしているのか伺いたいと思います。

 次の質問は、地域通貨の普及についてです。

 たしか再放送ですから、以前にごらんになった方もいると思いますが、過日の夜遅く、何気なしにテレビのチャンネルをひねりますと、坂本龍一さんが登場する、NHKの「ウィークエンドスペシャル」というシリーズ番組で「地域通貨の希望」という内容を放送しておりました。問題提起の大きさと新鮮さとに、思わず私は釘付けになりまして、最後まで見終わった後、静かな感動にひたりました。御承知の方も多いと思いますし、説明の仕方によっては相当時間がかかりますので、地域通貨のことを、ここで詳しく紹介することはいたしませんが、簡単に言えば、もちろんこの通貨は円やドル、ユーロなどの法定通貨とは違うお金です。そして、限られた範囲でしか使えませんが、大きな特色は利子がつかないことです。そして、サ-ビスや物の分配がスムーズに実現すれば、地域の活性化やコミュニティをつなぐ役割を果たす可能性があり、新しい市民社会のあり方に大きく寄与することが期待されるとされております。日本ではまだ始まったばかりでございますが、世界では既に多くの国で使われているそうでございます。

 この地域通貨を使用する範囲はいろいろあっていいそうですが、私は、中野区という自治体単位で大いに工夫してみる必要があり、ぜひ実施できるように真剣に取り組んでみてはどうかと提案いたします。区長の見解をお伺いいたします。

 次に、再び「健康都市宣言」についての項目で質問をいたします。この提案についても、私は既に2回発言をしております。そうした意味では、今回、再々提案ということになるかと思います。

 言うまでもなく、人生にとって何が一番大事かといえば、お金でもなく、物でもなく、健康であることが何よりと答える人は多いと思います。その際の健康とは、単に肉体だけではなく、心の健康も含まれるでしょう。そして、心身ともに健康であるための問題に関しては、所得の差や年齢を問わず、また、時代を問わず、すべての区民にとって、いつでも最大の関心事ではなかろうかと思われます。したがって、自分の健康はあくまでも自分で管理することが基本ではございましょうが、行政がその気になってサポートしようとすれば、あらゆる工夫の余地があると思います。今までも中野区として努力していることは承知しておりますが、区が改めて何らかの形でこの宣言をすれば、健康問題で行政が力を入れているなと感じた区民の一層の関心も高まり、健康の維持、促進などへの大きな成果も期待できると思います。何よりも中野区全体が明るく元気になっていくと、私は確信をいたしますが、いかがでございましょうか。新区長、保健担当部長もおかわりになりましたので、新保健担当部長の見解もお伺いしたいなと思います。

 最後に、その他で1点質問をいたします。

 それは、助役という制度を、当区としては廃止してはどうかという提案です。これは、私どもの議員団として議論したわけではございませんので、あくまでも個人的な提案でございます。

 先日のニュースで聞いた方も多いと思いますが、神奈川県大和市で実施したと報道されておりました。ほかの自治体でもあったようでございます。私の記憶によりますと、たしか、決裁がスピードアップしたとか、行政内部の意識改革につながったとか、約1,700万円削減できたなどと、いいことずくめの内容だったと思います。新区長の見解を承りまして私の質問をすべて終了いたします。

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 西村議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、第1番目、ばらまきについてということでございます。ばらまきということについてどういうふうに考えているのか、今年度、14年度の予算のうち、どの部分がばらまきなのかという御質問でございます。

 先日の岡本議員の御質問に対してもお答えをいたしましたが、ばらまきという表現は、現在の財政状況を踏まえて、区政のあり方として、今後行ってはならない選択ということを象徴的に述べたものでありまして、財政状況を踏まえずに、施策の意味や効果、そういったことを十分に検証することなく、過大に給付を行うような施策、そういうものを想定して、そういった選択は行うべきでないという主張として行ったものでございます。したがいまして、現在の予算の中でどれがというようなことで主張をしているものではございません。今後、計画づくりや予算編成の中で、あらゆる事業を見直していく中で、こうした要素があるかないか、きちんと検証をしながら進めてまいりたいと、そのように考えております。

 それから、健全な収支構造について目標となる数値を示すべきであるという御指摘でございました。幅があってもいいんだから、できるだけ示すべきではないかということでございます。経常収支比率、あるいは人件費比率、さまざまに数字のとり方があるわけでございます。多面的に目標を設定しながら、一番財政の姿をあらわしていくためにはどういう表現がいいのかということで研究を行っていくことが必要でございまして、もう少し時間をいただいて検討をさせていただきたいというふうに考えております。

 行財政5か年計画、既に実施をして2年になるのだが、その成果について区長はどう評価をしているかという御質問でございました。行財政5か年計画については、さまざま、私が批判をしている面もございますが、財政の危機的状況に対応するために、13、14年度の歳出削減策についてセットされている計画、策定されている計画でございます。この計画によって、財政の面ではまだ十分とは言えないわけですけれども、一定の成果は上がっていると、このように考えているところでございます。

 この行財政5か年計画について、さらに、将来の見通し、中野区の将来をどうつくっていくのかといった要素、また、財政的に、より長期間の見通しをきちんと持ちながら将来像をつくっていくというようなことで、基本構想の改定というふうになっているわけでございます。基本構想を見直すということについて、構想と計画について、10カ年の行財政計画というようなことを申し上げたわけですが、計画をセットする必要はないのではないかというような御意見ございました。中野区がどういう地域社会を目指すのかということが最も大事なことだと考えております。そして、中野区の目指す地域社会はどういうステップで、どういう財政的な裏付けを持っているから実現できるんだという、財政的な裏付けを持つことが必要というふうに考えております。10カ年でそんなに精緻な見通しが立つのかというような御議論も当然あるわけでございまして、基本構想と10カ年、それだけで実施計画ができるということもなかなか難しいかと考えておりますので、そうした実施計画的な位置付けの計画をセットしなければならないものなのかどうか、そういったことについても、今後検討をしてまいりたい、そのように考えております。

 それから、基本構想の策定の2年間は、いつからいつまでを指しているのかということでございました。基本構想の改定につきましては、早速、本年度から着手をいたしまして、16年度の早期には構想並びに計画をスタートをさせていきたい、そのように考えております。

 それから、区議会との密接な連携ということが出てきているけれども、具体的にはどういうことを考えているんだという御質問でございました。これも、これまでに何度かお答えをした内容に重なってまいりますが、議会が議決をしていただくこと、そうした議会での御議論、最終的な議決の段階ではなくて、もっとその前に、区側が提案をする前段階において、きちんと議会側に情報を提供していくということが重要であると考えています。そうした意味で、議会には議会のルールや手続というものがございますので、事前にどういった形で情報を提供できるのか、議会の方とも相談をさせていただきながら、事前の情報提供をきちんと充実をさせていくということが、私ども、必要なのではないかというふうに考えております。

 それから、区の組織のスリム化、体質改善について、例えばどんな部門がどんな体質をどういうふうに直していくんだといったようなことが御質問でございました。区の組織につきましては、よく言われるのが縦割り組織の弊害ということでございます。担当ごとに小さく組織を割っていく、そういうことからセクショナリズムが出てきたり、あるいは自分のところではその担当はないといったような対応が出てきたりという、そういった弊害が一つは言われているわけでございます。組織をスリム化していくという中では、組織の分掌を少しずつ大くくりにしていったり、あるいは、組織そのものの段階を短くしていくというような、フラット化といったような考え方も取り入れていく必要があろうかというふうに考えております。

 そうした柔軟な組織をつくっていくことによって、組織のスリム化につなげていくことができるというふうに考えております。そうしたことを行いながら、多様な適性と能力を持った職員を生かすことができる組織、また、わかりやすく簡素な組織、そうした中で職員が自由な議論ができる組織、そして、区民サ-ビスを第1に考える職員の創意工夫が生かせるような柔軟な組織であること、これが必要であると考えております。

 学校の再編について、いつまでにどう進めるつもりなのかという御質問でございました。学校の再編につきましては、建てかえの時期が迫ってきている学校、その建てかえの財源の問題等々を考えますと、できるだけ早い時期に方向性を定めていかなければならない、そう考えております。中野区の基本構想改定の作業2年間の中で、中野区の施設を含めたサ-ビス全体のあり方、大きく再構築、考え直していく、その作業を行うこととしたいと考えております。そうした意味で学校の再編についても、その基本構想の検討の中できちんと方向を出してまいりたい、そう考えております。その検討の中には、教育委員会の方もきちんとかかわっていただくという形で、今、教育委員会の事務局と事務的な検討を始めているというところでございます。

 それから、職員との対話が重要であると。今後大きな改革をしていく、中野区を新しく改革をしていく、そういうことの中にあって、職員との対話は、区民との対話同様重視するべきである、そのような御意見でございました。私も全く同感でございまして、直接的に職員とさまざまな場面で話し合うこと、それから、メールや庁内LANといった、そういったツールを使いまして意見交換をすること、さまざまな形で職員との対話を進めていくように、今後努めてまいりたいと思っております。

 それから、助役制度を廃止すべきと思うがどうかという御質問でございました。地方自治法上、原則として助役は置くものとされているわけでございます。30万都市でありまして、今後、住民参加による基本構想の策定ですとか、財政再建ですとか、大きな課題を抱えています当区でありまして、助役は必要であると考えております。

 私は今後、大きな課題に対応するために、国や他の機関とさまざまな交渉を行ったり、区民との対話をする、積極的に外に出て進めていきたいというふうに考えております。内にあって、組織や業務運営を支えていく役割を助役に期待している、そういうところでございます。

 私からのお答え、以上でございます。その他の御質問に関連いたしましては、担当部長の方からお答えをさせていただきます。以上でございます。

  〔地域センター部長柳澤一平登壇〕

○地域センター部長(柳澤一平) 待機児の解消の時期についてのお尋ねでございました。

 中野は、23区の中では待機児は少ない方に属しているのでございますが、子育て支援として待機児をなくすということは、保育行政の最重要課題だというふうに考えてございます。待機児解消の目標時期などにつきましては、これから策定を予定しております10カ年の新計画の中で明らかにしていきたいというふうに考えております。

   〔政策経営部長渡辺征夫登壇〕

○政策経営部長(渡辺征夫) 2点についてお答えをさせていただきます。

 最初に、全世帯へのニーズ調査についてでございます。

 区民の意識、意向を把握することにつきまして、区では世論調査を毎年行っているわけでございます。無作為抽出法で男女、個人、1,300人を抽出し調査を行っております。これは統計学上、区民の意識・意向を把握するのに十分な数とされております。したがいまして、個人へのサンプル調査で区民の意向は十分把握できると考えておりますので、現在のところ、全世帯への調査は考えておりません。

 なお、全職員へのアンケート調査についてのお尋ねございました。今後、職員の提案や意見発表が活発にできるようにしていきたいと考えておりますので、全職員へのアンケートについても、必要に応じて実施していきたいと考えております。

 2点目でございますが、地域通貨の普及でございます。地域通貨は最近幾つかの地域で、団体や住民によります実施例が出てきておりまして、エコマネーのように、環境や福祉などの活動の価値を交換するものや、商業振興のために、地域限定で通貨のような機能を持たせるなど、さまざまな形があると認識しております。人々の交流を広げ、コミュニティを活性化する上で有効な仕組みの一つであると考えておりますので、今後研究してまいりたいと、そのように考えております。

   〔保健福祉部長石神正義登壇〕

○保健福祉部長(石神正義) 私からは、福祉問題についてお答えいたします。

 まず、保健福祉の総合推進計画策定に当たっての考え方でございますけれども、この策定に当たりましては、利用者の立場に立ったサ-ビスの提供の仕組み、また、多様な事業主体の参入促進、こういった社会福祉基礎構造改革が目指す社会福祉の考え方を踏まえて進めていく考えでございます。

 次に、計画策定の手順等についての御質問でございますけれども、本年2月に設置しました第3期の保健福祉審議会は区民5名、学識経験者6名、保健・医療・福祉団体、こういった関係者9名、計20名で構成されております。この保健福祉審議会の設置に合わせまして、15年度を初年度といたします保健福祉総合推進計画策定についての諮問を行いました。

 この手順でございますけれども、この8月に中間答申をもらう予定でございます。本年12月には本答申をもらうということで、これから年度末までに5回の審議会の開催を予定してございます。

 区といたしましては、この推進計画の策定に当たりましては、審議会の中間答申を受けて、9月に計画素案の取りまとめを行いたいというふうに思います。区報の臨時号やホームページでこの素案を掲載し、地域、また関係団体との意見交換などを通じまして、広く区民の意見をいただき、こうした意見を十分反映させていきたいというふうに考えてございます。

 次に、生活保護行政についての御質問にお答えいたします。

 職員の研修についての御質問でございます。

 保健福祉の分野、この分野では、今も言いましたように、措置から契約・選択、こういったふうに変わるなど社会福祉基礎構造改革が進んでおります。こうしたことから、職員一人ひとりの意識改革が不可欠というふうに考えてございます。とりわけ、生活保護に関する事務につきましては、福祉の知識はもとより、保健や医療、こういった分野から税に至るまで、生活全般にわたる広範な知識が必要であるというふうに考えてございます。生活援護課に配属された職員の研修につきましては、部、課で行うOJTだけではなくて、東京都が実施します生活保護ケースワーカー研修、この受講を義務づけるということなど、基礎的な知識の習得に現在力を入れているところでございます。

 また、さまざまな問題を抱える保護受給者への対応能力を高めるために、係長やベテラン職員によりますサポート体制づくり、こういったことも進めております。さらに専門的な知識を養う場として、都福祉局等が行う専門研修への受講を計画的に行うよう、取り組みを行っているところでございます。

 また、ケースワーカーの配置についての御質問でございます。長引く不況の影響などによりまして生活保護受給世帯が増加しております。西村議員の御指摘のように、平成9年度末にはケースワーカー一人当たりの担当世帯数は102世帯ということでございました。その後、順次職員の増員を図りまして、現在職員の削減という中にありましても、必要なところには必要な職員を配置するという方針のもとに、本年4月には3名の増配置を行ったところでございます。ケースワーカー一人当たり、その結果、約82世帯となったところでございます。

 今後の職員の配置に当たりましても、事務量などを適切に把握しまして、引き続き適正配置に努めていきたいというふうに考えてございます。

 次に、応急資金の貸し付けについての御質問でございます。

 応急資金の貸し付けは、災害や病気などのやむを得ない事情によりまして応急的に資金を必要とする場合に、資金の償還が確実であるということを確認の上、貸し付けを行う制度でございます。応急資金の貸し付けとして、恒常的に困窮している方への生活費の貸し付けを要件に含めるということについては、償還をしていただくことを勘案しますと、難しいというふうに考えてございます。ただ、相談を受ける中で、失業から2年以内で、現在も求職活動を行っているなどの方に対しましては、社会福祉協議会の生活福祉資金、こういった資金を利用していただくなど、他の貸し付け制度への情報提供を行っているところでございます。

 最後になりますが、健康都市宣言についてお答えいたします。

 現在、中野区保健福祉総合推進計画の策定に取り組んでいるところでございます。この計画は乳幼児から高齢者まで、また、障害や病気の有無にかかわらず、だれもが健やかに生き生きと暮らせる健康福祉都市を目指し、区が行うべき保健福祉施策の方向性や区民の役割、支え合いなどのあり方について明らかにするものでございます。この計画策定に合わせまして、健康福祉都市の実現に向けた区民と区の行動指針となるような宣言を行うことを考えてございます。内容につきましては、区民の意見を十分に反映していきたいというふうに考えてございます。

   〔都市整備部長宮村光雄登壇〕

○都市整備部長(宮村光雄) 福祉問題のうち、高齢者の住まいについて、野方六丁目と同様な住宅の整備を思い切って進めるべきであるとの御質問にお答え申し上げます。

 区といたしましては、住宅問題は高齢者が抱える大きな問題の一つと認識しており、昨年策定いたしました第2次中野区住宅マスタープランにも盛り込んだところですが、区の役割や財政状況を考慮しながら、当面は、野方六丁目と同様の方法により、区有地を活用して高齢者福祉住宅を建設してまいりたいと考えております。

 また、高齢者の住宅確保につきましては、こうした取り組みのほかに、多様な主体による住宅の整備を誘導するほか、国や東京都の各種制度の活用による民間賃貸住宅への住居支援などを行い、対応をしてまいります。

     〔西村孝雄議員登壇〕

○37番(西村孝雄) 再質問をいたします。

 それこそ何点もありますけれども、何点もやってもしようがないので絞ってお伺いしますが、丁寧に答えてもらったこともあるんですが、区長に聞きたいと思って答弁がなかったこともありますので、それも含めまして。

 まず、行財政5か年計画の見直し云々のところですが、何か実施計画も検討したいという区長の一言がありました。これは、きのうの答弁からも聞いているんですが、何かよくわからない。つまり、構想と10カ年計画、これはあくまでも、どうしてもセットでなければいけないのでしょうか。セットの必要はないんじゃないかと思いますけれども、構想は構想で時間をかけてつくってもいいと思うんですけれども、10カ年計画なり、ましてや実施計画もつくるとなったら、実施計画なんかは、もっと早くつくらなければいけない、区長が新しく当選したわけですから。私はそう思うんですが。ですから、3点セットなのか2点セットなのかということに対しての答えもなかったように思います。つまり、10カ年計画は基本計画にするのか。じゃあ、実施計画ではないんですね、10カ年計画というのは。その辺の違いとか、その辺をもうちょっと。整理がまだできていないならできていないで結構ですから、いつごろまでにその辺のことをはっきりさせるとか。

 大体、こんな大事なことが所信表明の中にないんですから、この辺のことは活字として所信表明で最も早く整理して提示すべきじゃあなかったかと思いますが、質問に対して答弁する中で、何か10カ年計画もセットでというのも出てきたような感じですから、この辺、区長の中でまだ整理されていないのかなと思うんですが、整理されていないなら整理されていないということで、正直にその辺のことは、もっとわかりやすく、もう1回答弁をしていただきたいと思います。

 それから、全所帯に対する調査に関して、区の世論調査、サンプル1,300人と、今、部長の答弁でありました。統計学上意味があるとか、有益だみたいな話がありましたけれども、1,300でどうして有益かと。統計学上有益だなどという話は、大体余り信用ならないと思うんです。学問がどうであろうと、現実がどうなのかという、区民の実態を、ちゃんと心をしっかり開いて、大勢の区民から、区民、区民と、さっきも、何十回と区民という言葉を使っているなどという言葉がありましたが、区民参加とか自治、いろいろな区民という表現がありますけれども、結論としては、声も出せない人もいるんですから、どうであれ、全所帯を一度は対象にやってみる。それぐらいの大胆なことを、新しい区長なんですから、絶好の機会なので、ぜひ私はやってみるべきだと思うんです。学問上、有意義だからどうのこうのなどというのは、とんでもないことだと思います。

 それから、大体、集会だって、先ほども話がありましたけれども、幾ら区長が精力的に集会をやったとしても、そこに来れない人の方が多いんですから。来る人は非常に関心がある人で、それはそれでいいんですけれども、来られない人がどうなのかということの方が大事だと思うんです。ですから、さっき例に挙げた野方六丁目の福祉住宅、これは、何と20世帯に445人も応募しているんですよ。これだけ応募すると思いましたか。

 ついでにこのことも思い出して再質問しますが、この人たち、どうやって20人を選ぶのかということですね。これはポイント方式とも違うんですから、非常に困難な作業だと思うんですよ。担当者の人がまた頭を痛めると思いますが、私がちょっと聞いたところによりますと、どうやって決めるんですかと言ったら、全世帯の445人を全部お伺いして、一人ひとり状況を掌握するというようなことを、たしか担当の課長さん、言っていました。本当にそうするんですねというふうに念を押したいんですが、そして、それならそれで、この425人は入れないんですよ、445人の中で。この人たちがどう困っているのかということを、こんなのも統計とか何とかじゃあなくて、一人ひとりの状況を、それこそいい機会ですから、つぶさに聞いてあげるべきだと思うんですよ。本当に職員が400人も手分けしていくというんなら、本当に大変な作業ですよ。どうやって人をふやして、どうやって対応するのか。そう言ってはなんですけれども、手腕をぜひ拝見したいと思うんですが、ぜひ全世帯に行ってもらうべきだと思うんです。今お住まいになっている人の状況は全部違うわけですから、困っている状況も何も。ですから、その辺はぜひそうしてもらいたいと思いますが、全世帯を職員がどうやって手分けして、どうやって行って、どうやってやるのか、これはちょっと再質問で答弁をいただきたいと思うんです。

 それから、社会福祉基礎構造改革のことで、部長は部長でいいですけれども、区長の見解を聞きたいというふうに聞きましたが、区長の答弁がありませんでした。なぜ区長に聞いたかというと、このことを行政のトップがどういうふうに理解しているのかというのは非常に大事なことです。今、東京都の福祉改革推進プランなんか、このことに基づいて、かなり先行した福祉戦略というものが相当活字になっているわけです。これもこの前の議会で言いましたけれども。ですから、これは神山さんとやりとりしたときも、はっきり言って、どうもぴんとこなかった。ですけれども、新区長は介護保険担当の準備課長だったから、この点は恐らく承知しているんだろうなという意味で、区長の見解を聞きたいと言ったんです。これは区長が、福祉のあり方の大きな様変わり、この辺をどういうふうに理解するかによって、職員の中でも担当の部長とか課長だけ知っていればいいという問題じゃないんですよ、これは。大勢の職員がこのことを詳しく知っていなければいけない。そのためには、トップである区長がよく熟知して、庁内でもこのことを徹底していただくべきだと思いますので、この件に関しましては、ぜひ区長の認識の度合いといいますか、ついでに、庁内にどう徹底させていくのかということをお聞きしたいと思います。

 それから、生活保護のことに関してですが、これは、さっきのような例、一例挙げましたけれども、これは私に限らず、議員の皆さんも大勢こういう場面に会っていると思うんですよ。これは今に始まったことじゃあなくて、前からずっとあることです。このセクションが職員にとっても大変なことはわかります、さっき申し上げたように。ですけど、そういう応対のまずさがあってはいけない部門だと思います。さっき、いろいろ研修の話がありましたけれども、ケースワーカーとしての技術的なことを研修するのは当然のことですが、問題はハートですよ。このところに携わるハートのことに関しまして、職員の研修というのか、これは研修だけで済む問題じゃあないと思うんです。配置されるときから大事だと思うんですが、その辺のこと、ハートのことに関して、これは区内でしっかり研修といいますか、話し合いをすべきだと思うんです。

 一番苦労していると思う職員に対して、ぜひ新区長さんは、これらの職員の方とまず懇談をしてみていただいたらどうかと思うんです。最も大変なところで頑張っている、そこに一番早く激励をしてあげる、これは区長として当然の責務じゃないかと思いますので、この点、ぜひ区長の今の見解を承りたいと思います。

 そんなところにしておきます。

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔〕 再質問にお答えいたします。

 答弁漏れ等ございまして、失礼をいたしました。

 まず、構想と計画の関係でございます。私の想定をしている中にあるのは、10年スパンの基本構想と、それとスパンを同じくしている長期計画、そして、10年スパンの財政計画というのは、途中でやはりさまざま変動要素が出てまいりますので、それと、もう一つ別に、やはり一定の実施計画という、スパンの短い実施計画が必要ということでございます。例えば中野区でも、かつては、これは長いスパンのものでございますが、基本構想があって、10年の長期計画があって、5年の実施計画がある時期と、3年の実施計画がある時期とございました。5年のときは中期計画というふうに言っていた時期もございますけれども。そういった形で、基本構想も含めて3層の構造になるだろうということについては、私、現在想定をしているところでございます。

 それが、3層の実施計画部分が3年スパンなのか、それとも5年スパンで3年ローリングというような形になっていくのかといった詳細の点につきまして、今の時点で、御質問にございましたように整理できておりませんので、ここまでの私の認識ということでお答えをさせていただきます。

 それから、全世帯の調査についての御質問でございました。1,300でどうして有益なのかということでございます。発想が、要するに統計学的に大きな傾向を見るという調査で、1,300ということが統計学的に意味があるということになるのだと認識をしております。

 西村議員の御提案の調査というのは、そうした全体の傾向を知るというよりは、どういうレアケースがあるのかということも含めて、個々の事情を調べるというような意図の調査であるというふうに受けとめました。そういった意味では、お答えと御質問がかみ合っていなかったのではないかというような感じを持ちました。私といたしましては、御提案の全世帯調査について、経費的なこととか、期間的なこととか、人手のこととか、さまざま検討しなければなりませんので、直ちにできるできないというお約束ができるとは思いませんが、そうした御質問とお答えがかみ合っていなかったということを含めて、もう少し検討させていただきたいと思います。

 それから、社会福祉基礎構造改革の問題でございます。ここの部分が答弁漏れでございまして、大変失礼をいたしました。

 社会福祉基礎構造改革、措置から契約へという大きな流れ、つまり、福祉、サ-ビスを受ける方の権利をきちんと確保していく。権利を守りながら、選択と契約の中でサ-ビスを受けていく。そして、だれもがそのサ-ビスを受けられるように、基盤としてサ-ビスの基盤を用意していく。また、その契約の中で取り残される人が出てこないように、さまざまな支援を行っていく。サポートを行っていく。そうした新しい社会福祉の考え方、社会福祉基礎構造改革の考え方について、中野区としてこれからきちんと踏まえて、新しい福祉のあり方について考えてまいらなければならないというふうに思っております。選択契約型の新しい形のサ-ビス以外にも、措置型のサ-ビスという福祉の部分も、これからもまだ残っている部分等もございます。そうした意味で、福祉全体、行政が行うこと、どういう役割なのかというのをきちんと見据えながら進めてまいりたいというふうに思います。

 庁内的にも、保健福祉推進計画策定などの過程で職員参加等得ながら進めてまいりたい、そのように思っております。

 それから、ケースワーカーの対応のことでございます。大変問題というか、ケースワーカーとしてやってもらう職員というのは、本当に一番住民の気持ち、対する相手の方の気持ちをきちんと受けとめなければならない仕事だというふうに考えております。そういう受けとめができないような、余裕の持てない仕事の内容になっていたりといったようなことも、一因になったりする場合もあろうかと思います。仕事の体制の問題もきちんと考えていかなければならないと思っております。

 また、職員の研修ということについても、当然考えていかなければならないと思っております。

 職員の意識を変えるという意味で、そうした現場の職員とトップが一体になって仕事をしているんだ、区の福祉実現のためにトップも現場も一体になって仕事をしているんだという実感、その体制をつくることも大切でございますので、職員との懇談、対話ということについて、御指摘の部門の職員との懇談、対話についても進めてまいりたい、そのように考えております。

   〔都市整備部長宮村光雄登壇〕

○都市整備部長(宮村光雄) 野方六丁目の高齢者福祉住宅に対する入居者についての再質問にお答え申し上げます。

 御質問にございましたとおり、野方六丁目を申し込まれた全世帯に対して、それぞれ伺って調査を行うこととしており、既に開始をしております。体制といたしましては、本来の係以外に、住宅課挙げて体制をとってやっております。

○議長(斉藤金造) 以上で、西村孝雄議員の質問は終わります。

 議事の都合上、暫時休憩いたします。

      午後5時57分休憩

 

      午後6時06分開議

○議長(斉藤金造) 会議を再開いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 佐 藤 ひろこ

 1 区民サ-ビス第一の区役所について

  (1)十分な説明責任を果たす職員の姿勢の確立

  (2)専門職員の配置と早期異動の弊害をなくす

  (3)窓口や電話での接遇態度の改善

  (4)議論ができる職場づくり

  (5)名札について

  (6)タイムカードの導入について

  (7)その他

 2 支援費制度について

  (1)支援費制度を支える体制について

  (2)区民への情報提供とパブリックコメントについて

  (3)基盤整備について

  (4)福祉プラン21の改定について

  (5)その他

 3 住民基本台帳ネットワークシステムについて

 4 区長の所信表明について

 

○議長(斉藤金造) 次に、佐藤ひろこ議員。

     〔佐藤ひろこ議員登壇〕

○20番(佐藤ひろこ) 第2回定例会に当たり、一般質問をさせていただきます。

 まず、区民サ-ビス第一の区役所について質問をさせていただきます。

 昨年9月の決算総括質疑のときに、自治体の長が大切にしなければならないことは、情報の共有と説明責任だと質問させていただきました。そのときに事例として、三重県の北川知事、大阪府阪南市の岩室市長を紹介させていただきました。率先して取り組んだことが、役所の体質改善でした。三重県庁に行って驚いたのが、大きな名札を首からぶら下げた職員が個人の机を持たず、引き出しとパソコンだけを持って自由にチームを組んで仕事をしている、縦割りでない、横割りのフラットな仕事のスタイルでした。阪南市では、職員の机のほとんどが市民の方を向いて並んでいるという状態をつくっておりました。自治体は最大のサ-ビス業、まず優先すべきは市民の満足度という姿勢を、そのときに学ばせていただきました。

 1点目、十分な説明責任を果たす職員の姿勢の確立について質問させていただきます。

 地方公務員法第30条に定められているように、区民のために、公共の利益のために仕事をするのが、本来の公務員のあり方です。しかし、お役所仕事、役人的、官僚的、話を聞いてくれない、説明してくれない、責任逃れをするなどなど、役人、公務員に対する区民の批判は大変厳しいものがあります。この半年、田中区長自身が身にしみて感じられてきたことだと思います。区民の話を聞いて、きちんと説明することは、区民と接するときの基本です。その基本に立ち返ること、区役所の職員がその基本に立ち返って変わろうとしていることを、区民にわかるように、見えるように、今こそ打ち出すことが大切です。区民にきちんと説明責任が果たせるように、仕事に関する研修をきちんと行うことはもちろんのこと、説明責任を果たすという姿勢を持つことが、しっかりと職員一人ひとりに入る、心がけるということが必要だと思います。

 杉並区では、目指せ五つ星の区役所運動を実行中です。

 区民の目に見える変化をつくり出す取り組みとして、区民の皆様へのお約束と書いたポスターの掲示--これ、いただいて持ってまいりましたけれども、こういったポスターが玄関、エレベーターのドアのところ、それから職員の仕事場、至るところに掲示をされております。目指します五つ星の区役所、そして五つの守るべきこれが、職員一同、杉並区職員ということで書かれております。1番、真心あふれるサ-ビスを提供します。2番、プロ意識を持って仕事をします。3番、時代の変化にチャレンジします。4番、区民の皆様とともに考え行動します。5番、お預かりした税金は大切に使います。本当に当たり前のことをこんなふうに掲示している。

 そして、新しい名札の着用。区役所へ来た人への声かけ運動などさまざまな取り組みを開始しております。職員提案の募集を行い、職員自身の知恵と工夫で区民の方々の満足度を高める方法を、しっかり1年かけて議論してまいりました。仕事の見直しチーム、接客向上チーム、広報チームとワーキンググループをつくって、職員の取り組み、また、区民満足度調査、区民満足度向上チェックリストなど、サ-ビス改善の自己診断をしてきました。満足度を決める項目として、窓口職員の対応が確実、正確である。対応が早い。待たされない。職員などの知識や専門性が十分ある。区民の言い分をよく聞く。説明がわかりやすいなどが上げられています。どこの自治体にも共通する区の職員、自治体の職員に求められている対応だと思います。

 ある区では、担当課が人材育成計画をつくり、職員の意識改革を促してきました。さまざまな自治体のそういった取り組みのお話を聞くと、一番効果を上げているやり方は、やはり各職場の職員の方自身が考え、発想や提案から計画を組み立てている、知恵や工夫を組み立てていく、そういった方法で本当に職員の気構え、熱意が違うような気がいたしました。実際にそういった計画を立て、実行しているところの区役所に行きますと、そういった空気が全く違う、ほかの区役所の空気と違うことを感じさせていただきました。

 3月の定例会での質問では、区長の人事政策について、私、質問させていただきました。中野区は人材育成計画がない状態です。人事政策を持っている首長は自治体改革もできると言われております。区役所の職員が変わった、変わろうとしていることが区民に伝わる取り組みを、区役所改革の計画づくりを職員の方々自身の手で始めてみてはいかがかと思いますが、御見解をお伺いいたします。

 2番目、専門職員の配置と早期異動の弊害をなくす。これは木村議員の方からも質問がございました。簡単に質問させていただきます。

 やっと仕事がわかったころには職員が異動してしまう。専門の相談員が廃止になり、相談がしにくいなど、区民の方々から、職員が数年で異動してしまうこと、職員の専門知識が不十分なことに対する苦情が大変多いところです。必要なところには専門職員の配置をする、異動を頻繁に行わず、その分野に詳しい職員を育てる、異動してもすぐ仕事ができるよう、研修やマニュアルの整備をきちんとするなどの改善が必要だと思いますが、中野区ではどのような取り組みをされているのか、お伺いいたします。

 3番目、窓口や電話での接遇態度の改善についてお伺いいたします。

 窓口対応が不親切、電話で職員が名前を名乗らない、態度やしゃべり方が横柄であるなど、これも大変苦情が尽きないところだろうと思います。

 先日、杉並区で、めざせ五つ星の区役所運動の一つとして、接客実地研修がありました。1日目は区民課、2日目は図書館、3日目は福祉事務所など、窓口職場が対象になっております。そのとき講師から指摘を受けたこと。電話で名前を名乗らない。言葉の終わりに、きちんと「です」と言う。笑顔が少ない。相手の目を見て話すなどです。かなり収穫が大きかったようで、お伺いした担当の職員の方たちが生き生きとそのときの模様を話してくださったのが、とても印象的でした。

 中野区も、接遇態度の改善のための実地研修などに取り組んでみてはいかがでしょうか。

 先日、区民の方が、ある件について各区の代表電話に電話をしてみました。担当課にたどり着くまでに一番時間がかかったのが、残念ながら中野区でした。仕事の中身と担当セクションの名称が一致せず、わかりにくいのか、交換の方に、仕事の中身についての情報が適切に行き渡っていないのか、原因を考えていただければと思います。名称がわかりにくければ、名称の改善も区民サ-ビス向上のために必要です。代表電話にかかってきたものを、時間をかける、たらい回しにしないことも、区民サ-ビスの一環です。改善すべきと思いますが、いかがでしょうか。

 どこの区にも負けない、区民にとって親切で気持ちのいい区役所を目指していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 4番目、議論ができる職場づくりについてお伺いいたします。

 職場でなかなか意見が言いにくいという声を以前は随分聞きました。現在はどうでしょうか。職員の方々が意見が出しやすい、議論がしやすい職場にすることは管理職の大事な仕事です。特に、女性職員が意見を出すと、まだ、生意気だという目で見る男性職員が多いというお話も聞きます。議論ができる職場づくりを、公務員の働き方の改善案を出し合うところから始めてはいかがでしょうか。

 現場の職員の声を吸い上げることができる仕組み、職員の上下の風通しがよくなる仕組みづくり、職員が能力を発揮していけるような職場にしていくことに区長は取り組んでほしいと、職員の方々の新しい区長にかける期待も大きく感じるところです。議論がしやすい職場づくり、職員のやる気を引き出す職場づくりにぜひ頑張っていただきたいと思いますが、どのような方策を考えていらっしゃるのかお伺いいたします。

 5番目、名札についてお伺いいたします。

 杉並区は区民満足向上運動の一つとして、4月に名札のリニューアルを行いました。区民から見てわかりやすく、親しみの持てる名札を職員提案で考えてきました。文字も大きくし、見やすくする。ストラップ、クリップ型、どちらかを選べる。写真があるもの、ないもの、これもどちらかを選べるということです。

 お隣の新宿区でも、この5月から、文字の大きなストラップ、クリップ、これもどちらも選べる名札を着用しております。職員であることがわかる。名前を確認しながら相手の方と話すことができる。責任を持ってきびきび働いている印象を受けました。

 スタイルから変えていくことも効果的です。やる気を持っているな、しっかり取り組もうとしているという印象を、まず職員からつくっていくことが大切ではないでしょうか。区民の方々にわかりやすく、職員にとっても着用しやすい名札を、ぜひ職員の皆さんの提案から考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 6番目、タイムカードの導入についてお伺いいたします。

 まだ導入している自治体は少ないと思います。タイムカードを既に導入している品川区では、導入のときには、組合などから管理の強化ということで反対があったそうです。今では普通のこととなり、特に不都合なことは起きていないそうです。時間の正確な把握、事務の省力化、職員の時間に関する意識の喚起には役立っているということです。

 大きな民間会社ではほとんど導入されているのに、役所にはタイムカードがないことが、区民から見れば、公務員の仕事のやり方が甘く見える一つの原因にもなっております。コストもかかります。費用対効果の問題など諸条件を見きわめながら導入の検討を進めてみてはいかがかと思いますが、なぜ今まで導入してこなかったのか、また、今後はなぜ必要になってくるのか、導入のスケジュールについてはどのようにお考えになっているのかお伺いいたします。

 2番目に、支援費制度についてお伺いいたします。

 支援費制度は障害者の自己決定を尊重し、利用者本位のサ-ビスの提供を基本とし、事業者との対等な関係に基づき、障害者みずからがサ-ビスを選択し、契約によりサ-ビスを利用する仕組みです。

 1番目、支援費制度を支える体制についてお伺いいたします。

 措置から選択と自己決定の福祉へと、考え方の大きな転換です。先ほど西村議員の方からも質問がございました。行政が行ってきた福祉サ-ビスの大きな変化、さまざまな問題が出てきており、利用者の戸惑いも大きいものがあります。情報収集、情報提供、意見の聞き取り、制度や事業の見直し、基盤整備、変更手続、利用者への個別支援など、細かいさまざまな対応が必要となってきます。しかし、支援費制度を支える職員体制は一体どうなっているのでしょうか。大変不十分な状況だと思います。近隣区もプラス1名の配置で、担当係長を置いた体制で大変苦労しているところが多いようです。

 中野区も保健福祉センターに2人増員、そして、保健福祉課に1人担当係長を置いて対応されておりますが、複数のスタッフによる支援費制度専従の係をつくり、この1年はしっかり取り組み、新たな制度への移行をきちんと果たす必要があると思いますが、いかがでしょうか。利用者の相談、制度の申請手続はケースワーカーの仕事ですが、本人にとってどのようなサ-ビスを選択し、組み立てればいいか、一緒に判断するケアマネージャーが、制度の趣旨を考えると必要です。

 板橋区では通所施設の職員がケアマネージャーの役割を担うそうです。他の区はケアマネージャーをどういう形で担わせていけばいいのか、まだ模索状態です。中野区もそうであろうと思いますが、中野区でもケアマネージメントを提供できる体制を早急にしっかりと考え、整える必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか。障害者地域生活支援センターの活用も含めて考えてみてはいかがでしょうか。

 2番目、区民への情報提供とパブリックコメントについてお伺いいたします。

 中野区では、早速、障害者団体やグループへの支援費制度の説明を始められていると聞いております。介護報酬など国がまだ細部にわたる決定を伝えてこない中で、住民説明をまだ行っていない区も多いところです。中野区は、今わかっていること、まだわからないこと、これから考えること、途中経過の情報も伝え、努めて制度の変更の趣旨について早目に区民に伝えている、これは大変大切なことだと思います。区民も行政もお互いに、制度変更により何が問題なのか、共通認識を持つことができます。どう対応していったらいいのか、お互いに考えることができます。

 先日の区報の記事、支援費制度についての記事です。中野区の区報はこれだけ小さい。最初に載せたのに、小さく大変わかりにくいものでした。杉並区は紙面の3分の1を使って説明しております。せめて、小さな記事でも、お声がかかればどこにでも説明に行きます--実際に今説明に行っていらっしゃるわけですから、そういったPRをするべきだと思いました。杉並区はまだ説明には入っておりませんが、今後説明してまいりますというふうなことを載せております。区報で、あらゆる場で、わかりやすい情報提供に努めていただきたいと思います。

 障害を持っている方への説明はわかりやすく、あらゆる情報媒体を通して行うべきです。新宿区に行きましたらば、既に支援費制度が始まりますというパンフレットをつくっておられました。まだ説明にはこれから回られるということですけれども、各窓口では、必要な方にはパンフレットを配っております。絵や図、それから平仮名をふったりして、できるだけ、障害を持っている方たちにわかりやすい情報提供をしていこうという工夫をされております。ぜひ中野区でもそういった工夫を持った情報提供のやり方を考えていただきたいと思います。関係職員の研修、情報公開もしっかり行い、制度について、障害者の事業にかかわる職員の方たちすべてがきちんと説明でき、相談に乗れる体制をぜひ準備してください。いかがでしょうか。

 新しく制度が変わるときには、情報提供とともに、区民の方からの意見を聞き、制度導入に当たっては生かしていくことが大切です。パブリックコメント的なやり方で区民の意見を集約するべきです。いつまでに、どのように意見募集を行う予定なのか、聞きっ放しではなく、区民の意見をどう生かしたか、説明や疑問への回答を中野区版Q&Aとして、区報など、あるいはパンフレットなどを通して伝えてみてはいかがかと思います。いかがでしょうか。

 3番目、基盤整備についてお伺いいたします。

 通所施設、グループホーム、生活寮、ヘルパー、中野区ではどれも不足している状況です。希望に沿ったサ-ビスを選ぶことができるようにすることが、支援費制度の目的の一つですから、サ-ビス量をふやすことは、取り組まなければならない緊急課題です。民間法人の力を生かして、通所施設やグループホームなどの計画を立てるべきです。来年改定する保健福祉総合推進計画にきちんと盛り込めるように、調査や関係者との協議を早急に始めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 在宅生活を支えるためには、ヘルパーの確保も大事な基盤整備の一つです。現在でも、重度の障害を持つ人へのヘルパーがなかなか見つからない状態です。措置制度の中では区が責任を持ってヘルパーの派遣を行わなければなりませんが、事業者との契約に基づく支援費制度になった場合でも、どの事業者からもヘルパーがいないと断られた人に対して、区が責任を持ってヘルパーの派遣を行える体制を準備しておくべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。

 4番目、保健福祉総合推進計画の改定についてお伺いいたします。西村議員もお伺いされたところです。答弁もいただいておりますので、重なる部分は省かせていただきます。

 今年度行われている保健福祉総合推進計画の改定の中心は、支援費制度への転換です。現在、保健福祉審議会で検討されているとのことですが、例えば部会を設けて、もっと多くの障害を持つ方たちの参加の場をつくるなど、障害を持つ当事者の方々の意見をもっと反映させるための方策を考えるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 5番目、その他のところで条例についてお伺いいたします。

 支援費制度は、介護保険と同じように事業者と契約によるサ-ビス提供になります。その中で利用者の権利を守り、行政の責務、事業者の責務などをしっかり定めておく必要があると思います。条例をつくるなどの検討が今後必要になってくると思いますが、いかがお考えでしょうか、お伺いいたします。

 3番目に、住民基本台帳ネットワークシステムについてお伺いいたします。

 住民基本台帳ネットワークシステムの8月5日の稼働に向け、各自治体の準備が厳しい状況だと聞いております。中野区の準備はどうなっているのでしょうか。問題点はないのでしょうか、お伺いいたします。

 改正住民基本台帳法の施行の前提条件である個人情報保護法が制定されず、防衛庁のリスト作成事件でも、ますます国に対する個人情報保護の信頼が大きく揺らぎ、また、各自治体でもシステムの準備が間に合わない状態のところが多くなり、一斉稼働した場合、みずほ銀行のようなトラブルも起きかねない状況であると言われております。こういう状況の中で、国分寺市長、小金井市長、国立市長など、個人情報を守る責任者としての立場から総務大臣に稼働延期を申し入れ、杉並区長も住基プライバシー条例を適用し、システムから離脱することも視野に入れた検討に入ったということです。

 野党4党による住民基本台帳ネットワークシステムの凍結法案の提出も準備されており、自民党の中でも延期を求める声が大きくなってきているところです。個人情報保護法が成立していないのに、住民基本台帳ネットワークシステムをスタートさせる状況について区長はいかにお考えでしょうか、お伺いいたします。

 先日の江田議員に対する答弁の中で、慎重に見定めていきたいというふうな御答弁があったと思います。住民の個人情報を預かり、守る立場から、稼働の延期を申し入れる。あるいは質問状を出す。意見書を出すなどさまざまな方法、チャンネルを使って、現在の国の進め方に対して自治体の長として意見を出すべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか、お伺いいたします。

 4番目、区長の所信表明についてお伺いいたします。

 まず最初に、基本構想の改定についてお伺いいたします。

 三鷹市は昨年秋、300人以上の市民参加でつくった「みたか市民プラン21」をもとに基本構想を改定し、同時期に基本計画を策定しました。基本構想改定に当たっての幅広い市民参加が全国から注目を浴びました。

 「みたか市民プラン21」の書き出しは、その市民参加がいかに内実を伴っていたかがあらわれております。少し読ませていただきます。「わたしたちがくらしたいまちを実現するため わたしたちは責任を持ち 力を尽くしたい わたしたちは市民として 行政と共に力をあわせて まちづくりを進めたい そのために このまちにくらす人が出会い 市民として参加し行政とも協働して自分のまちをつくり出すための 持続的なしくみを持つまちにしたい」と書き始められています。「みたか市民プラン21」をつくった「市民21会議」の活動過程は、市民みずからが調査研究をして、学びながら具体的な政策提言を提示していくというものであり、市民による行政への要望型参加から、政策提言型参加への変化であり、さらには、その実施に当たって市民の活動を担い手に含めるという意味で、市民参加から市民参画へと踏み込んだ活動になっております。

 中野区においても区民の意識は、要望要求型から政策提案型へと大きく変わってきています。また、地域でさまざまなNPOや自主活動団体が公益的な活動を多様に展開し始めております。その区民の力を生かして地域社会をつくっていくことが、基本構想の改定に求められる新しい重要な視点の一つだと私は思います。また、現在の基本構想ではきちんと記されていない、行政の責任、役割、目標を明らかにした基本構想に改定すべきだと思います。

 区長は、財政的裏付けを持たない現在の基本構想を、実現性や計画性を重視した形のものに改定したいと、基本構想改定の理由を述べていらっしゃいます。それも重要なことですが、基本構想改定の一番の主眼は、最初に述べられていますように、21世紀の区政の目指すべき新しい姿を改めて示すことだと思います。「区政運営の理念」の中で述べておられるところだと思いますが、区長は、区政の目指すべき新しい姿についてどうお考えなのか、お聞かせください。

 これからの中野の地域社会のあり方を、幅広い区民の力でつくっていく作業が基本構想の改定作業です。ワークショップ方式も含めた幅広い参加の方法や電子会議室の設置など新たな市民参加の手法を考えるべきだと思いますが、参加の方法についてはどのように考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。

 また、区民との議論が不可欠な、学校の適正規模・適正配置計画、区立保育園の民営化計画など事業別の課題については、基本構想改定の中で、中野区の施設配置の見直しとして総合的に議論するのか、個別に検討会などを設けて議論するのか、どうお考えなのかお伺いいたします。

 2番目に、パブリックコメントの制度化についてお伺いいたします。

 すぐ実行できる具体的な区民参加の手続として、まずパブリックコメントの制度化を図るべきだと思います。パブリックコメントは、行政運営の公正の確保と透明性の向上を図るために、計画や条例などの策定に当たり、計画案などを広く住民に公表し、政策立案過程から住民の意見を反映していく手法の一つです。パブリックコメント制度は、三重県、徳島県、名古屋市、横須賀市、堺市など、全国の自治体で昨年から今年にかけて、どんどん制度化されております。新宿区でもこの7月からパブリックコメント制度がスタートいたします。

 中野区は制度化はしておりませんが、計画策定に当たっては、従来から区民意見の募集を行ってきております。それを、さらに制度化することにより、住民との信頼を見える形でつくっていくことが必要なのではないでしょうか。これからも保健福祉総合推進計画の改定、基本構想の改定、警察大学校等跡地の土地利用計画の見直し、学校の適正規模・適正配置計画の策定など、大きな政策の転換、計画の改定がメジロ押しです。その実施に当たってパブリックコメントの手法は不可欠だと思います。区民に見える参加の仕組みづくりの一つとして、パブリックコメントの制度化を図ってはいかがかと思いますが、いかがお考えでしょうか。

 先ほど伊藤議員からも同じ趣旨の質問がございました。その答弁の中で、自治基本条例の制定の中でということでしたけれども、自治基本条例が、2年の基本構想の中で決まっていくという御答弁もありました。その中で、やはり条例化の前に、規則、あるいは要綱などで各自治体とも制度化をしております。これから大きな計画変更、改正があるときです。先にパブリックコメントの制度化を図ってみてはいかがかと思いますが、いかがお考えか、お伺いいたします。

 3番目に、男女平等社会の実現についてお伺いいたします。

 4月の下旬、中野区内で、会社員の夫に妻が足蹴りにされ、死亡する事件が起きました。暴力は何年にもわたって続いており、これまで妻は救急車で病院に運ばれたことが何度もあったそうです。中野区も一時保護するなど相談に応じていただけに、なぜ事件を防ぐことができなかったのか、悔いの残る思いで関係者の方々もいっぱいではないかと思います。なぜ防げなかったのか、どうすれば防ぐことができたのか、原因を究明し、今後、二度とこのような事件が起こらないように、行政としてでき得る限りの対応をとっていただきたいと思います。

 身近な夫からの暴力に傷ついている女性が大変多いなど、まだ女性差別がある現状です。それを解決するために、昨年、DV防止法が施行され、中野区男女平等基本条例もことし策定されました。区長が所信表明で言われている男女共同参画社会の推進を図るのはもちろんのことですが、条例に明記されているように、区長として男女平等社会の実現を目標とし、しっかり取り組むことを表明すべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。

 4番目に、上野原スポーツ・学習施設計画の廃止についてお伺いしようと思っておりました。これは既に他の議員の方からも、トーンダウンしたのはなぜなのかという御質問の中で、廃止と売却の考え方を区長の方からも再度表明されました。この質問については省かせていただきます。

 5番目に、警察大学校等跡地の計画案の見直しについてお伺いいたします。

 現在ある計画案の実現可能性を早急に検討するとのことです。清掃工場建設計画の見通しが不確かになってきた状況が、見直しの大きな理由ではないかと思います。一部事務組合の検討結果によれば、既設工場のみで全量焼却を維持し、さらに一定の焼却能力率を確保できることから、規定計画上の新たな工場を建設することは、23区全体としては、その必要性は極めて乏しいものと考える、したがって、現段階において新設工場の用地の取得など建設準備に着手する必要はないものと考えるとのことです。

 これに対して、計画どおりに清掃工場整備を進めるべきだとする区が、中野、新宿、荒川区を含めて8区、新たな工場建設は必要ないとする区が10区。意見は分かれております。今後、区長会で議論し、秋までには結論を出すとのことです。区長会での議論が大変重要になってきます。

 中野区は、一部事務組合に、昨年8月、清掃工場用地の早期取得を要請してしまっている立場から、経過からして、急な方向転換の発言が難しい状況にあるのではないかと思います。しかし、整備を要望し続けたままでは、財政面の負担はどうするのか、解決できない問題が横たわったままになってしまいます。清掃工場をつくるか、つくらないかの議論だけではない、23区の清掃事業を今後どうしていくのか、自区内処理の原則の再検討も含めた第三の道を考えていく必要があると思います。清掃工場を持たない中野区の清掃事業への責任の取り方も考える必要があります。

 区長は、区長会においてどのような考えで、この問題に臨まれるのかお伺いいたします。また、区民参加で計画案の見直しを行うとのことですが、その手法、時期についてもお伺いいたします。

 財政の危機的状況にある中野区、「危機を希望へ」変えるために、多くの区民の方たちが活動をしてきました。「23区で最低の財政状況と言われています。サ-ビスの切り下げが避けられないかもしれません。本当にそうなのか、しっかり調べて議論しようではありませんか。苦しい選択を迫られるかもしれません。納得できたら、苦しさに立ち向かおうではありませんか」。一人の区民の方の感想です。本当に大事なものを守るために、少しずつ痛みを分かち合おう。自分たちの責任として、区政を変えるために、一人ひとりができることをやろう。一人ひとりの区民の方たちの思いが芽生えてきております。区民とともに変えることを忘れず、今後とも区政の改革に取り組んでいただきたいと御要望申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)

     〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 佐藤議員の御質問にお答えをいたします。

 私の方からは、住民基本台帳ネットワークシステム、それから、所信表明についての御質問にお答えをさせていただきます。

 まず、住民基本台帳ネットワークシステム、現在の取り組みの状況はどうなっているのか、それから、個人情報保護法案の成立が危ぶまれているという状況の中でどうするのかといった御質問でございます。

 住民基本台帳ネットワークシステムの整備につきましては、データの整備やシステムテストなどはほぼ終了をしております。また、運用に係る規定等の整備に着手をするなど、8月5日の第1次稼働に向けて準備を進めているところでございます。しかしながら、改正住民基本台帳法の附則にございますように、法施行に当たって個人情報の保護に万全を期すため、速やかに所要の措置を講じるとの定め、ここで言う所要の措置が、個人情報保護法の制定を指すものだというふうに認識をしておりますところから、現時点では、個人情報保護法の成立の見通しが立たない、そうした新たな状況が生じているわけでございまして、これらの動き、現時点では慎重に対応を見定めてまいりたい、このように考えております。

 基本構想のイメージについてというところで御質問がございました。目指すべき新しい姿、どう考えているのかということでございます。

 新しい姿については、これから基本構想を検討する中で、区民の皆さんと十分に議論を重ねながら明らかにしていきたいというふうに考えております。今、私が漠然と持っているイメージとしては、基本的には、従来の基本構想が大切にしてきた理念を受け継ぐ。その上で、幅広い区民の力を生かした新たな支え合いの地域社会。また、だれもが力を発揮して活動し、達成感や、ともに活動する、成長する喜びが得られる地域社会。子どもたちが生き生き育ち、安心して子育てができる地域社会。緑と環境を大切にするまち、そういったようなイメージを描いているところでございます。これは、今の時点で私が申し上げるイメージにすぎません。新しい中野の姿、生き生きと描き出していくため、区民の皆さんと率直に議論を重ねていきたい、そのように考えています。

 基本構想改定に当たっての参加の手法についてでございます。ワークショップや電子会議、さまざまな手法を考えるべきだという御意見でございました。区民参加の方式については、これから具体的に考えていきたい、そういう段階でございます。ワークショップのような方法もございますし、メーリングリストや電子掲示板などITを活用する方法も当然あると思っております。幅広く多くの区民の意見を集められる方法、さまざまに検討をしてまいりたいと思っています。

 学校の適正配置、保育園の民営化、これらの課題について、基本構想見直しの議論の中で検討をしていくのか、それとも個別に検討をするのかということでございました。学校の配置などの公共施設のあり方については、これからの中野のまちを考える際の大きな課題であるというふうに認識をしています。施設配置全体をトータルで見直していくことが今後の見直しの中では必要というふうに考えております。したがって、施設配置、保育行政のあり方、これらについても、基本構想改定の話し合いの中でしっかり議論をしていきたい、そのように考えています。

 パブリックコメント制度についてでございます。パブリックコメントの制度、区民参加のための徹底した情報公開、情報の提供、それから区民参加のプロセスを、区が区民に約束するルールとして確立をしていきたい、そのように考えています。その一つとして、区が計画案の段階で広く公表をして区民の意見を求める、いわゆるパブリックコメントのような手法も、現在、既に中野区でも行われている部分もございまして、有効な手法というふうに考えております。しかし、制度化につきましては、自治基本条例、全体の姿の中で位置付けていくことが適当と考えていますので、自治基本条例の制定をする中で取り入れていきたい、そのように考えています。

 男女平等社会の実現に向けた決意についてということでございました。私は、中野区男女平等基本条例に基づき、これまで区が取り組んできた男女平等施策の成果を踏まえて、区、区民、事業者との協働による男女平等社会づくりを積極的に進めたい、そのように考えています。人権尊重の理念を社会に深く根づかせながら、男女共同参画を視野に入れて着実に各施策を進めてまいりたい、そう考えております。

 清掃工場の関係の御質問でございます。区長会ではどのように議論に立ち向かっていくのかということでございます。現時点で私自身の情報がまだ少ない、区長会の中での議論の状況を、まだ十分に把握できていないといったようなことも踏まえた上での御答弁となります。

 私は他区の意見にも率直に耳を傾け、23区のこれからの清掃事業のあり方を議論する中で、将来の中野区の清掃行政における責任と役割、このことを外すことはできないと思っております。将来の中野区の清掃行政における責任と役割に十分留意をしながら、積極的に発言をしてまいりたい、そのように考えています。

 なお、区民参加の手法については、清掃工場の整備に関する区長会での議論、こうしたものも見きわめながら、今後検討をしていきたい、そのように考えています。

 私の方からは以上でございます。その他の御質問については、それぞれ担当の部長の方からお答えを申し上げます。

    〔総務部長山岸隆一登壇〕

○総務部長(山岸隆一) 区民サ-ビス第一の区役所たれということで、何点か御質問がありました。

 まず、十分な説明責任を果たす職員の姿勢を確立するために、職員の議論を経て、人材育成計画の検討をしたらいかがということがあったと思います。

 行政は最大のサ-ビス業であるとおっしゃいました。顧客に当たる区民の皆さんの声に耳を傾けることは、我々が仕事を進めていく上で最も基本的なことと思っております。また、区民と区が情報を共有し、行政が説明責任を十分に果たしていくということも、今後、ますます重要になってくると思っております。説明責任を果たす姿勢を持つ職員を育てるという観点からも、人材育成の方針につきましては、今年度内の策定を目途に検討することにしております。当然、職員参加で検討し、職員の提案や発想なども組み入れる形も考えております。

 次に、職員の専門性の向上について区の取り組みのお尋ねがありました。

 職員の専門性の向上を図るには、まず、やはり研修がございます。日常の業務遂行に際して指導、訓練を行う、いわゆるOJTでやっていくということや、計画的な、体系的な研修を重ねていくことによって専門性の向上を図っていく。また、みずから自己研さんに励むということも研修の一つの内容かと思いますけれども、そういう研修が一つございます。

 また、触れられましたけれども、人事の異動や配置も重要と考えております。余りに短い人事異動があって、十分な専門性を習得する前に移ってしまうということの欠点、デメリットもあると思っておりますので、専門性を必要とする職場においては、職場の特性、また職員の資質、個性などを見きわめながら、適正な異動、また、専門性を有している職員の配置についても適正に行われるよう考えていきたいと思います。

 また、マニュアルの整備というお話がありましたけれども、先ほど申し上げました職場でのOJTでは、どの職場でもマニュアルを持っておりまして、特に、新人といいますか、異動したばかりの職員などには、それを有効に使って必ず研修を行っているというのが区役所の中で行われております。マニュアルそのものの充実といいますか、整備については一層取り組んでいく必要はあろうかと思っております。

 それから、接客実地研修に取り組んではどうかというお尋ねがございました。中野区でも外部の講師による職員の接遇態度のチェックをするというような内容を盛り込んだ接遇の研修は、部分的にですが実施してきております。接遇研修につきましては、区民へのサ-ビス提供を仕事とする区として、もっと力を入れることかと思っておりますので、今後もいろいろな工夫で、効果の上がる接遇研修の充実を図っていきたいと思っております。

 次に、代表電話の改善の指摘がございました。通常、代表電話にかかってくる電話は、ほとんどが内線番号や部課名を告げられます。所管部署に電話交換がつなぐわけですけれども、用件によりましては所管が不明、または特定できない、電話交換では判断できないというようなケースもございます。このような場合は、総務課、または広聴広報課で内容を聞いて所管のところにつなぐということをしておりますけれども、一層的確な対応に心がけていきたいと思っております。

 次に、議論ができる職場づくり、また、職員のやる気を出す取り組み、これらについてどのような方策を考えているかというお尋ねでございます。

 これからの区政を一層充実していくためには、これまで以上に職員の能力、やる気を引き出すことが求められております。自由に意見や提案ができ、上司や同僚がそれを受けとめるような職場づくりが必要と思っております。また、職員がやる気を出すためには、職員が職務を通じて自己実現ができ、区民生活の向上に役立っているという満足を感じるということが大切であると思います。そのためには、目標管理システムの導入など、各職場でそれぞれが持つ能力が最大に発揮でき、その成果が正当に評価され、処遇に反映されるというような評価の仕組みが機能される必要があると思います。そのような評価制度の充実にも努めていく必要があると思います。また、区長と職員の距離をなくして、職員の斬新なアイデアを大事にする組織風土づくりも必要と考えます。その点から、職員の提案や創意工夫を促進するような制度などを検討していきたいと思っております。

 それから、名札とタイムカードについてお尋ねがございました。

 名札は、窓口サ-ビスの向上並びに職員の意識改革を進めるという観点からも、現行よりも大きくて見やすい名札の導入を図りたいと考えております。できるだけ早期に実現できるよう努力いたします。

 タイムカードにつきましては、現在検討を進めております電子区役所構想の中で、平成15年度にはコンピュータ管理による出退勤管理システムとして、あわせて実現させていきたいと考えているところです。区民に信頼される職員、信頼される区役所となりますよう、一層努力していきたいと思います。

   〔保健福祉部長石神正義登壇〕

○保健福祉部長(石神正義) 私からは支援費制度についてお答えさせていただきます。支援費制度を支える体制づくりについての御質問でございます。

 支援費制度導入に関して、現在、保健福祉部内に課題ごとのPTを設け、また、関係課では課内検討体制、これをつくり、導入のための準備作業を進めているところでございます。支援費制度の導入に当たりまして、相談支援や窓口機能の充実、支援費支給事務、こういった事務が円滑に行われるよう体制をとらなければならないというふうに考えてございます。また、支援費制度を円滑にスタートさせるために、近々、区内の社会福祉法人、また団体と協議を予定しておりまして、相談や制度の周知などについて協力を求めていきたいというふうに考えてございます。

 こうした関係法人、団体との協議の結果を踏まえまして、相談支援体制のあり方について検討していくこととしてございます。

 次に、区民への情報提供、パブリックコメントについてでございます。

 障害のある方々は各種の情報入手が困難な状況にあるということから、支援費制度の周知に当たりましては、区報やホームページなどをわかりやすい内容にするということに気をつけていきたい、また、点字による情報提供なども今後とも工夫していきたいというふうに考えてございます。

 なお、7月上旬に、すべての手帳保持者に対しまして制度を紹介するパンフレットを配布する予定にしてございます。また、関係団体やグループからの説明、意見交換、この要請につきましては、先ほども言われますように、現在も積極的に対応してございます。こういったことは引き続き続けていきたいというふうに思ってございます。

 今後、区報やホームページ、こういったところへの掲載、また、制度に関する意見交換、こういったことの機会を多く取りまして、意見、要望等の把握に努めまして、区の仕組みづくりに反映していきたいというふうに考えてございます。

 次に、基盤整備についてでございます。支援費制度の運営に当たりまして、サ-ビスの基盤整備は極めて重要な課題であるというふうに考えてございます。特に施設サ-ビスにつきましては、今後の需要予測に基づき検討を現在進めております。保健福祉総合推進計画の中で明らかにしていくこととしてございます。

 支援費に係るホームヘルプサ-ビスにつきましては、現在区が行っております障害のある方へのホームヘルプ事業の受託者のほか、区内の介護保険指定訪問介護事業者等に対して事業参入の意向調査を行う予定としてございます。この結果を踏まえて、サ-ビスの供給体制について考えていきたいと思っております。

 次に、保健福祉総合推進計画の改定に当たって、障害をもつ当事者がかかわれるようにという御質問でございます。

 保健福祉総合推進計画につきましては、障害者団体の方も参加された保健福祉審議会でご議論をいただいているところでございます。また、計画策定に当たりましては、本年4月に身体の障害や知的障害のある方々を対象に保健福祉サ-ビスに関する意向を伺ったところでございます。こういった内容を基礎資料として計画に反映していくということにしてございます。また、さらに今後、計画素案をつくると、そういうことにしてございますけれども、そういう中で、障害者本人を含め障害者団体やグループ等から積極的に御意見をお聞きする機会を設けたいというふうに考えてございます。

 それから、区や事業者の責務などを明確にあらわしたらどうかという御質問でございます。

 支援費を初めといたしました、障害者サ-ビスに関する行政や事業者の役割、責務等につきましては、現在、社会福祉法や身体障害者福祉法で定められているほか、厚生労働省令で規定されております。しかし、今後検討する中で、事業者の登録の手続等、具体的な役割や責務、こういった取り扱いについては法的な整備をしていきたいというふうに考えているところでございます。

     〔佐藤ひろこ議員登壇〕

○20番(佐藤ひろこ) 私が聞き漏らしたのかもわからないんですけれども、答弁漏れが一つあったと思います。ケアマネージャーの役割を担う体制をどのように整備していくのかという部分について、はっきりとしたお答えを聞かなかったと思いますので、この点についてお伺いいたします。

   〔保健福祉部長石神正義登壇〕

○保健福祉部長(石神正義) 先ほどもお話ししましたけれども、この支援費制度につきましては、介護保険制度と違いましてケアマネージャー体制が制度化されていないものでございます。そういう意味で、最初の初動時の相談、これが非常に大事だということでございます。これが介護保険で言うケアマネージャー、それから、自分に合ったサ-ビスを選択する、それに対する支援、こういったものが必要だというふうに考えてございます。そこで、先ほど言いましたように、こういった相談、また、制度を十分知ってもらい協力を求めていきたいということから、社会福祉法人、また団体、こういったところと協議をして、どんなことができるのか、そういう話し合いをしてみたいというふうに思ってございます。区だけでやるのではなくて、さまざまの形で、障害者の方が心を開いて相談ができる体制をつくっていきたいということから、こういうものを考えているということでございます。

○議長(斉藤金造) 以上で、佐藤ひろこ議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。議事の都合により本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(斉藤金造) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は、7月1日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

      午後7時07分延会