1.平成28年(2016年)3月1日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 加 藤 たくま 2番 若 林 しげお
3番 日 野 たかし 4番 木 村 広 一
5番 ひやま 隆 6番 山 本 たかし
7番 渡 辺 たけし 8番 内 野 大三郎
9番 羽 鳥 だいすけ 10番 北 原 ともあき
11番 高 橋 かずちか 12番 内 川 和 久
13番 甲 田 ゆり子 15番 白 井 ひでふみ
16番 中 村 延 子 17番 細 野 かよこ
18番 小宮山 たかし 19番 広 川 まさのり
20番 い さ 哲 郎 21番 佐 野 れいじ
22番 いでい 良 輔 23番 伊 東 しんじ
24番 平 山 英 明 25番 南 かつひこ
26番 小 林 秀 明 27番 森 たかゆき
28番 石 坂 わたる 29番 いながき じゅん子
30番 小 杉 一 男 31番 浦 野 さとみ
32番 伊 藤 正 信 33番 高 橋 ちあき
34番 大 内 しんご 35番 市 川 みのる
36番 篠 国 昭 37番 久 保 り か
38番 酒 井 たくや 39番 近 藤 さえ子
40番 むとう 有 子 41番 長 沢 和 彦
42番 来 住 和 行
1.欠席議員
14番 小 林 ぜんいち
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
副区長 川崎 亨
副区長 本田 武志
教育長 田辺 裕子
政策室長 髙橋 信一
政策室副参事(基本計画担当) 森 克久
政策室副参事(予算担当) 黒田 玲子
政策室副参事(広報担当) 酒井 直人
政策室副参事(業務改善担当) 中谷 博
経営室長 篠原 文彦
危機管理担当部長 小田原 弦
経営室副参事(経営担当) 朝井 めぐみ
経営室副参事(人事担当) 伊藤 政子
経営室副参事(施設担当) 宮崎 勇一郎
経営室副参事(行政監理担当) 田中 謙一
経営室副参事(経理担当) 伊藤 廣昭
都市政策推進室長長田 久雄
西武新宿線沿線まちづくり担当部長 角 秀行
都市政策推進室副参事(産業振興担当) 青山 敬一郎
都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当、中野駅周辺計画担当) 石井 大輔
都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 藤永 益次
都市政策推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 松前 友香子
都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 吉田 陽市
都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 立原 英里雄
都市政策推進室副参事(中野駅地区都市施設整備担当) 小幡 一隆
地域支えあい推進室長 野村 建樹
地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 高橋 昭彦
地域支えあい推進室副参事(区民活動センター調整担当)、
中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 只野 孝子
中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 波多江 貴代美
北部すこやか福祉センター所長、
北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 田中 政之
北部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 吉沢 健一
北部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 天野 秀幸
南部すこやか福祉センター所長、
南部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 相澤 明郎
南部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 宇田川 直子
鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 松本 麻子
鷺宮すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 石崎 公一
区民サービス管理部長 白土 純
区民サービス管理部副参事(区民サービス担当) 吉村 恒治
区民サービス管理部副参事(情報システム担当) 平田 祐子
区民サービス管理部副参事(戸籍住民担当) 伊藤 正秀
区民サービス管理部副参事(税務担当) 杉本 兼太郎
区民サービス管理部副参事(保険医療担当) 古本 正士
区民サービス管理部副参事(介護保険担当) 小山 真実
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 奈良 浩二
子ども教育部副参事(子ども教育経営担当)、
教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 辻本 将紀
子ども教育部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長、
教育委員会事務局副参事(特別支援教育等連携担当) 永田 純一
子ども教育部副参事(子ども教育施設担当)、
教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 浅野 昭
教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 板垣 淑子
教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 石濱 良行
教育委員会事務局指導室長 杉山 勇
健康福祉部長 瀬田 敏幸
保健所長 寺西 新
健康福祉部副参事(福祉推進担当) 藤井 康弘
健康福祉部副参事(障害福祉担当) 岩浅 英樹
健康福祉部副参事(生活援護担当) 鈴木 宣広
環境部長 戸辺 眞
環境部副参事(地球温暖化対策担当) 鳥井 文哉
環境部副参事(生活環境担当) 浅川 靖
都市基盤部長 尾﨑 孝
都市基盤部参事(都市計画担当) 豊川 士朗
都市基盤部副参事(地域まちづくり担当、大和町まちづくり担当) 荒井 弘巳
都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 安田 道孝
都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 千田 真史
都市基盤部副参事(建築担当) 小山内 秀樹
都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 鈴木 崇
都市基盤部副参事(生活安全担当、自転車対策担当) 伊東 知秀
会計室長 古屋 勉
選挙管理委員会事務局長 長﨑 武史
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 小田 史子
事務局次長 堀越 恵美子
議事調査担当係長 佐藤 肇
書 記 関村 英希
書 記 東 利司雄
書 記 大野 貴子
書 記 細川 道明
書 記 江口 誠人
書 記 井田 裕之
書 記 田中 寛
書 記 福島 ルミ
書 記 遠藤 良太
書 記 香月 俊介
書 記 亀井 久徳
1.委員長署名
午前10時00分開議
○若林委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会します。
第6号議案から第10号議案までの計5件を一括して議題に供します。
きのうの理事会の報告を行います。
初めに、本日の委員会運営について、総括質疑3日目は、1番目に日野たかし委員、2番目にいさ哲郎委員、3番目に佐野れいじ委員、4番目に大内しんご委員、5番目に高橋ちあき委員の順で、5名の総括質疑を行うことを確認しました。
次に、要求資料の配付について、お手元に配付の資料要求一覧(追加分)のとおり、新たに3件の資料要求について整理しました。
以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○若林委員長 ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○若林委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。
次に、資料要求についてお諮りします。
お手元の資料要求一覧(追加分)のとおり、資料を要求することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○若林委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。
資料はお昼休みに配付いたします。
平成28年(2016年)3月1日
予算特別委員会
予算特別委員会資料要求一覧(追加分)
追加分
◆子ども文教分科会関係
45 区立小中学校における特別教室冷房化工事の年次計画(平成28年度から平成32年度まで)<自>
46 区立小中学校におけるトイレの洋式化工事の年次計画(平成28年度から平成32年度まで)<自>
47 区立小中学校における水飲栓直結給水化工事の年次計画(平成28年度から平成32年度まで)<自>
○若林委員長 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いいたします。
それでは、質疑に入ります。
日野たかし委員、質疑をどうぞ。
○日野委員 おはようございます。平成28年第1回定例会予算特別委員会において、公明党議員団の立場で総括質疑を行います。
質問は、通告どおり、1、平成28年度予算(案)について、2、弥生町のまちづくりについて、3、子どもの読書推進について、4、情報セキュリティ対策について、5、学校再編と跡地活用について、6、南部地域での乳幼児親子の居場所について伺っていきます。7のその他はありません。
既に他の委員が質問した内容と若干重なる部分がありますが、改めて質問させていただきます。御了承を願います。
初めての予算審議であり、また初めての総括質疑ですので、理事者の皆様には、どうか大きな声でわかりやすい答弁をお願いいたします。
それでは、初めに、平成28年度予算案について伺います。
予算関係の資料を読んでいく中で、起債と基金についてわからないことがあり、調べてみました。そこで、今回は、平成28年度予算と財政運営の考え方の中から、起債と基金について勉強したことの確認も兼ねて伺っていきますので、よろしくお願いいたします。
財政運営の考え方、59ページ、行財政運営の基本方針に、起債や基金の活用について示されています。まず、平成28年度予算の中での起債について伺います。
行財政運営の基本方針の中で、起債の活用については、「原則として後年度にわたる世代間の負担を公平にする観点から公共施設の建設整備・除却、防災基盤の整備及び公共用地の取得に限定します」とあります。平成28年度予算での特別区債発行については、一般会計については、予算説明書48ページに六つの事業が示されていますが、行財政運営の基本方針どおりの活用と考えてよろしいでしょうか。
○黒田政策室副参事(予算担当) 基本方針どおりの活用をしております。
○日野委員 用地特別会計では、平成28年度予算説明書補助資料の282ページに、特別区債17億5,500万円と示されていますが、この内容を教えてください。
○黒田政策室副参事(予算担当) 用地特別会計の歳入予算、17億5,500万円の御質問でございますが、これは平和の森公園の拡張用地購入のために、本事業に先立って公共用地先行事業取得債により財源を確保する起債となっております。
○日野委員 起債の活用についての初めに、「原則として」とありますが、この原則以外の例外はどのようなものが考えられるのでしょうか。地方財政法第5条の中から、中野区に該当するもので例外的に活用が考えられるものを教えてください。
○黒田政策室副参事(予算担当) 地方財政法第5条では、地方債をもってその財源とすることができる事業として、第1号から第5号まで定められております。そのうち、中野区に該当するもので例外的に活用が考えられるものとしましては、第4号に規定する災害復旧等のために要する経費の財源として起債を活用することなどが考えられるところでございます。
○日野委員 ありがとうございます。
次に、平成28年度予算で繰り入れるとされている基金について伺います。
基金活用の考え方では、財政調整基金は、「毎年度の一般財源の歳入が基準となる一般財源規模に満たない場合は、その不足分を財政調整基金から繰り入れます」とあります。そして、減債基金については、「起債の償還のための財源は、計画的に減災基金に積み立てます」とあります。特定目的基金については、「歳出(事業)に連動させ、特定目的基金の計画的な積立、繰入を行い、区民生活に必要な財源を縮小させることなく事業を実施します。施設の建設や建て替え、大規模な維持補修、道路・公園の維持は各計画に基づいて、特定目的基金を活用します。特定目的基金の積立財源は、予算で計画的に一般財源を使うほか、土地の売却による収入及び毎年度の剰余金で行います」と示されています。
財政調整基金の施設改修分と、特定目的基金である社会福祉施設整備基金、義務教育施設整備基金、区営住宅整備基金について、それぞれの活用の目的を教えてください。
○黒田政策室副参事(予算担当) まず、財政調整基金の施設改修分ということになりますが、本来、財政調整基金は、委員御指摘のように、経済事情の変動等により財源が著しく不足する場合など、年度間の財源の調整を図り、中野区の財政の健全な運営とするために基金を積み立てることを目標としております。こういった目的に加えまして、毎年度、施設の老朽化対策や長期保全の財源としても積み立てており、区有施設の大規模改修や改築等についても活用をしているところでございます。
また、社会福祉施設整備基金でございますが、区の社会福祉施設の整備に必要とする財源を確保するための基金となっております。
義務教育施設整備基金ですが、区の義務教育施設の整備に必要とする財源を確保するための基金となっております。
区営住宅の整備基金は、区営住宅の整備に必要とする財源を確保するための基金というふうになっております。
○日野委員 もう一つ伺いますが、ここで言う整備というのは、建設と保全の両方を含んでいるものなのでしょうか。
○黒田政策室副参事(予算担当) 建設と保全、両方を含み、施設の建設や建てかえ、大規模な維持補修などの投資的な事業に活用することとしているところでございます。
○日野委員 財政運営の考え方、60ページ、61ページに、起債、基金を活用する事業一覧として、平成32年度までの5年間の計画が示されています。予算説明書40ページには、平成28年度の基金繰入金が示されていますが、起債、基金を活用する事業一覧の平成28年度に示されている部分で、基金繰入とされている事業にそれぞれどの基金が繰り入れられるのか、一つひとつ教えてください。
○黒田政策室副参事(予算担当) 起債、基金を活用する事業の一覧のうち、中野駅地区、また中野三丁目地区土地区画整理事業、中野四季の森公園拡張整備の三つの事業につきましては、まちづくり基金から繰り入れております。
第六中学校跡地周辺道路整備工事、道路舗装改良補修工事、橋梁長寿命化修繕工事の三つの事業につきましては、道路・公園整備基金から繰り入れを行っております。
また、区民活動センター等整備、文化・スポーツ施設改修、軽井沢少年自然の家、清掃事務所車庫整備、施設保全の五つの事業につきましては、財政調整基金から繰り入れを行い、学校再編、学校施設の計画改修の二つの事業につきましては、義務教育施設整備基金からの繰り入れを行っております。
○日野委員 区民施設等の五つの事業で4億、6億、1億、1億、13億、合わせて25億というのが財政調整基金の施設改修分から繰り入れるということはわかりました。区民施設等というカテゴリーの中で、平成26年、27年度は、施設の長寿命化(計画保全)という事業名だったのですが、平成28年度は、施設保全(長期保全計画)という事業名に変わっています。長期保全計画に基づいて施設保全を行うという意味と思いますが、長期保全計画を策定されているのでしょうか。
○宮崎経営室副参事(施設担当) 長期保全計画を区といたしましては具体的にお示しをしておりません。しかし、保全のため、区有施設の定期点検、いわゆる法12条点検や、性能点検を実施しております。その結果と機器の耐用年数を考慮したものに基づいて、緊急性の高い施設から修繕をするために積み上げた結果がこちらの事業費となっております。
○日野委員 建築基準法12条点検や性能点検による結果と、耐用年数を考慮して緊急性の高いものからという答弁でしたけども、それでは、長期保全計画に基づく保全とは言えないと思います。長期保全計画と示されていることに矛盾を感じます。施設保全については、5年間で63億円の事業費に対し、59億円を基金からの繰り入れとしています。しかし、計画が示されなければ、これら施設保全がどのように行われるのか、我々は判断することができません。これまでの、壊れたら修繕するという発想から、建物のライフサイクルコストを見込んだ計画策定が必要だと思います。
改めて伺います。区有施設の長期保全計画を策定すべきではありませんか、伺います。
○宮崎経営室副参事(施設担当) そのことにつきましては、今後、公共施設総合管理計画(建物編)の策定が予定されております。その計画に基づきまして、長期保全の計画について検討してまいりたいと思います。
○日野委員 公共施設総合管理計画に基づくと答弁されましたが、財政運営の考え方には、長期保全計画という表現は区民施設等にしか示されていません。策定を検討するとおっしゃった長期保全計画には、福祉施設や学校施設も当然含まれるのでしょうか。
○黒田政策室副参事(予算担当) 学校施設、福祉施設ということでございますが、長期保全計画の中では、全体的にそういった施設も含めて計画がなされるべきというふうに考えております。ただ、こちらのほうに充てます基金につきましては、それぞれ義務教育施設整備基金、社会福祉施設整備基金、ございますので、そういったところの計画の中でまたお示しをすることになるかというふうに考えております。
○日野委員 施設保全の5年間の計画では、一般財源や特定財源をほぼ活用することなく、基金の活用で賄われるようですが、ここで活用される基金はどの基金になるのでしょうか。
○黒田政策室副参事(予算担当) 施設の大規模改修を実施するに当たり、学校や社会福祉といった明確な区分ができないものにつきましては、特定目的基金を活用するのではなく、施設保全を目的に一定の積み立てをしております財政調整基金の活用を想定したところでございます。
○日野委員 施設の長寿命化のためには、計画とともに新たな基金を設置するなど、保全のための基金残高や繰り入れの見える化を図るべきと考えます。区は、以前、施設整備や維持補修のための基金を設置していたと聞きますが、基金が設置された目的と廃止年度及び廃止となった経緯を伺います。
○黒田政策室副参事(予算担当) 中野区は、昭和40年に将来の多額な財源が必要となる施設建設等に備え、施設建設基金を設置したところでございます。その後、平成12年度策定の中野区行財政5カ年計画の中で、今後計画的な財政運営に資するため、各特定目的基金の再構成を行うなど整理をいたしました。その結果、当該基金は、その計画に基づき、当面大きな施設建設など使途がないものとして、平成13年度に廃止し、全額財政調整基金に積み立てを行ったところでございます。
○日野委員 平成13年度に廃止したということですけども、財政調整基金の施設改修分は、独立した基金として、現行の施設整備基金も含め、施設建設と保全に充てるべき財源を明確に分けるべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、例えばエコ改修などを行うと、将来的なライフサイクルコストの軽減にもつながります。その削減でできた費用は保全のための基金に積み立てるなど、施設整備のための新たな基金のあり方について検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○黒田政策室副参事(予算担当) 先ほども御説明いたしましたが、財政調整基金の施設改修分については、学校や社会福祉といった区分が明確でなく、特定目的基金に対応できない区有施設の長期保全などについて、施設改修区分としまして一定の積み立てを行っているものでございます。新たな基金のあり方ということでしたら、特定目的基金を除きまして、今後区有施設の保全のためには財政調整基金の中で施設改修分を示すことにより、施設保全のための基金残高や繰り入れの見える化を図っていきたいというふうに考えております。
○日野委員 今、財政調整基金については見える化を図ると答えられましたが、その他の施設整備のための特定目的基金についての見える化というのも行うべきではないでしょうか。
○黒田政策室副参事(予算担当) 特定目的基金の、基金の繰り入れや起債積み立てにつきましては、大まかに当初予算の概要の中でお示しはしているところでございますが、不足する点があるというふうにも――十分な表記の仕方とは思っておりませんので、またそういった工夫ができるか、検討してまいりたいと思っております。
○日野委員 ぜひともよろしくお願いします。施設の長寿命化は、全庁的な取り組みが必要であると思います。計画策定と実行に当たっては、これまでのように各所管が施設担当に執行委任をするのではなくて、全ての区有施設のマネジメントを行う体制づくりも必要と考えます。特に、学校や体育館、そして区役所など、ここ数年の間に新たな施設建設が行われる今こそ、取り組まなければならない課題だと思います。前向きな検討を期待して、この項の質問を終わります。
次に、弥生町のまちづくりについて伺います。
初めに、私の前任者であるやながわ議員の地盤を引き継いで、昨年初当選しましたので、これまで地元に貢献してきた先輩を見習って頑張りたいという思いから質問させていただきます。
弥生町三丁目周辺地区防災まちづくり事業は、平成26年度から平成32年度までの7年間、不燃化特区として国及び都からの補助金を受けて行う事業として現在進められております。東日本大震災以降、災害に強い安心・安全なまちづくりは、誰もが関心のある重要なことであると思います。そして、私は今回の防災まちづくりを通して、単に防災に強い建物があるとか、避難道路がしっかり整備されているということだけではなく、再びまちを活性化させる、ずっと住み続けたいまちをつくるということも大切だと思います。この思いから、事業の状況について何点か質問させていただきます。
まず、弥生町の不燃化特区制度について伺います。
平成28年度予算説明書補助資料の262ページを確認すると、弥生町まちづくり費として2億8,450万円計上されております。平成27年度当初予算と比較すると、7億2,686万円の減となっていますが、予算の減額になった理由についてお聞かせください。
○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 予算減額の主な要因は、都営川島町跡地道路公園相当分約2,600平米の用地取得を昨年度は計上しておりましたが、これが取得できたため、来年度はこれを皆減したものでございます。
○日野委員 同じところで、用地取得費が1,737万8,000円とありますけども、これはどこの路線の用地費でしょうか。
○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) こちらにつきましては、平成28年度の予算に計上の用地取得ですけれども、今年度、土地開発公社で取得した避難道路5号用地の買い戻し分の経費でございます。
○日野委員 そうすると、平成28年度の予算では、これ以外に用地取得というのは行われないんでしょうか。
○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 平成28年度は、土地開発公社において用地取得をすることとしており、これらについては、原則として翌年度に国費、都費の補助金等を確保し、予算計上の上、区が買い戻すこととしています。
○日野委員 弥生町三丁目周辺地区防災まちづくり計画は、平成32年度までの事業となっております。事業計画では、平成32年度までに不燃領域率を70%にするという目標になっており、事業開始前の不燃領域率59.5%に対して、避難道路ネットワーク等の整備でプラス1.6%、都営川島町アパート跡地活用事業でプラス1.8%、建物不燃化促進でプラス3.7%、建物の自然更新を含む地区計画等の導入でプラス3.4%、合わせて10.5%の不燃領域率を達成すれば、目標の70%になると説明しています。
そこで、お伺いします。避難道路ネットワーク等の整備でプラス1.6%とありますが、避難道路の整備には公共整備型と建てかえ連動型の2種類で整備を行うというふうになっています。ここで言うプラス1.6%というのは、どの避難道路の整備ができれば達成する数値なのでしょうか。
○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 避難道路ネットワーク形成のプラス1.6%は、公共整備型の道路3路線の整備による道路空間の確保と、沿道建築物の建てかえ促進によるものでございます。
○日野委員 そうすると、次に、建物の自然更新を含む地区計画等の導入というところでは、プラス3.4%という目標値になっていますが、これは建物の自然更新を含むということで、区が積極的に進めにくいものだと思います。この目標値を平成32年度までに達成することは可能なのでしょうか。
○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 不燃領域率70%の達成は、建物の自然更新をベースとしながらも、避難道路の整備や都営川島町アパート跡地の活用、不燃化特区の補助による老朽建築物の除却や建てかえ促進等と合わせた一体的な取り組みであり、これらにより目標は十分達成できるものと考えております。
○日野委員 この数値を聞いて安心しました。当事業計画における避難道路用地の買収に当たって、対象は高齢者も多いと聞いています。都営川島町アパート跡地を代替地としていても、こうした高齢の方々にとって、建てかえをしたり、住みなれた地域を離れて新しい場所で一から生活をスタートすることに戸惑いを感じている方も多いのではないでしょうか。地区外への引っ越しを望まない高齢者に対し、同じ地域で暮らせるよう、例えば既存の都営住宅を活用したり、サービス付き高齢者住宅や従前居住者用住宅を民間主導で地区内に整備するなど、この地域で暮らしていた方が安心して生活ができるための取り組みを行ってはいかがでしょうか。
○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 避難道路用地買収に当たっては、対象敷地上の人や、あるいはアパートの居住者など、高齢者の方々がいらっしゃる状況は十分把握してございます。区では、既存の南台のまちづくり事業住宅をはじめ、例えば区営住宅などの活用可能性や今後の状況を見ながら、UR都市機構や民間事業者などの主導による権利者用賃貸住宅などの確保等を検討してまいりたいと考えてございます。
○日野委員 ぜひ住みやすいまちづくりのために前向きに検討をお願いいたします。
次に、不燃化特区の期間終了となる平成33年以降のまちづくりについて伺います。
建てかえ連動型の避難道路の整備について、平成32年度以降も事業が続く見通しですが、不燃化特区制度による事業期間が終わった後、この地域の木密事業はどのような補助事業で進められるのでしょうか。また、いつまでを見込んだ計画なのでしょうか、伺います。
○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 本地区におきましては、不燃化特区の補助事業以外に国や都の木密事業、弥生町三丁目周辺地区では、密集市街地総合防災事業という国費の補助金も導入してございます。これらの木密事業は、南台一、二丁目地区や平和の森公園周辺地区と同様、一定の要件を満たせば事業の延伸は可能とされる補助事業でございます。本地区においても、整備状況を踏まえながら、平成33年度以降も継続していく予定でございます。
○日野委員 そうすると、期間というのは特に限定されずに、今後も継続されていくということでよろしいでしょうか。
○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 国庫補助事業は、おおむね大体5年ごとの延伸ということで、南台や平和の森の事業も考えてございます。これ、弥生町三丁目周辺地区におきましても、この事業、既にもう入っておりますので、5年ごとの国の評価を受けながら延伸していくことは可能でございます。
○日野委員 では、同じくこの地域内にある接道不良敷地、行きどまり道路の解消について、事業スキームはどのようなものでしょうか。
○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 接道不良敷地や行きどまり道路等の解消に向けては、あらかじめ特定の事業を決めているわけではございません。不燃化特区の建てかえ補助や老朽建築物除却や建てかえ促進事業ですけれども、これらの補助や、UR都市機構による代替地等を活用した用地取得や共同化支援などにより、対象地区の権利者等の要望を伺いつつ、権利者が主体となった事業を誘導することで、解消に向けた取り組みや支援策を進めてまいりたいと考えてございます。
○日野委員 わかりました。
次に、道路整備に伴う交通安全対策について伺います。
このエリアには、4メートル未満の道路も多く、これまで車があまり通らないようなエリアでした。しかし、道路の拡幅により交通量がふえることが考えられます。商店街や通学路もあるため、道路拡張に合わせた交通安全対策が必須です。区は、このエリアの安全対策について、具体的にどのようにお考えでしょうか、伺います。
○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 本地区の避難道路計画は、周辺幹線道路からのいわゆるバイパス的な機能を持った避難道路計画ではございません。したがって、住宅地内の一般的な道路拡幅や新設等であり、地区内に通過交通が急にふえることはないと考えてございます。しかしながら、道路の拡幅等により車の走行速度が増すなど、そういったことが想定されるため、交通管理者である警察とも連携し、必要な対応を検討してまいりたいと考えてございます。
○日野委員 ぜひとも安全なまちづくりのためにも、こうした交通安全についても取り組んでいただければと思います。道路幅を安全に確保するためには、電線の地中化というのも有効な手段の一つだと思います。平成28年度予算には、電線地中化検討用地測量委託として1,096万4,000円が計上されていますが、これはどのようなことを行うのか、具体的に教えてください。
○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) これらにつきましては、本年度の大和町まちづくりにおける検討成果を踏まえて、弥生町三丁目周辺地区において幹線道路のような歩道のない、一般的な住宅地の避難道路において、どのように整備すれば具体的に実現が可能かなど、技術的、制度的な面から検討を行う予定でございます。
○日野委員 わかりました。
次に、都営川島町アパート跡地に新設される公園について伺います。
都営川島町アパート跡地に新設される公園は、弥生町三丁目周辺地区防災まちづくりのちょうど中心に位置します。このエリアには、これだけの広さがある公園はありませんでしたので、今後地域のシンボル的な公園になります。
そこで、防災まちづくりによって生まれたこの公園を地域の防災としてもシンボルとしてはいかがでしょうか。防災専用の掲示板を設置し、このエリア一体の防災情報やスタンドパイプ等消火栓の位置が一目でわかる地図などを掲示してはいかがでしょうか。災害に対する地域の防災意識を高めることにもつながります。御見解を伺います。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 区は、地域ごとの避難所、広域避難場所、消火栓、防火水槽、防災資機材倉庫の位置などを掲載した地域防災地図を作成し、区のホームページなどで公開しております。まずは、区民の方々がこの地図を確認し、防災資機材の配置場所を把握することが大切と考えております。防災専用の掲示板につきましては、そのあり方や掲示について検討していきたいと考えております。
○日野委員 やっとできるまちづくり、また公園ですので、しっかりと防災の観点からしても、地域の皆さんが安心して使えるように検討をお願いいたします。
続きまして、弥生町防災まちづくり計画の中心を横断する川島商店街の活性化について伺います。
川島商店街に限らず、商店街は人が生活するまちの目であり、顔であり、地域内外の人々の重要なコミュニケーションの場であると私は思います。さらに、商店街は、地域の防犯のための大切な機能を持っています。まちづくりに合わせて、川島商店街の活性化についても同時に行うべきと考えますが、区は川島商店街の活性化についてどのようにお考えでしょうか。
○安田都市基盤部副参事(弥生町まちづくり担当) 商店街の活性化に向けては、商店街の主体的な取り組みがまず重要と考えており、またそうした御意見もまちづくり協議会の中で出ているところでございます。
ただし、防災まちづくりの推進により、安全・安心なまちへ変えることで、環境的な側面で商店街の活性化に一定の寄与ができるものと考えております。これらとあわせて、区や都が行っているさまざまな商店街活性化支援策の情報等を適宜、積極的に提供し、防災まちづくりという側面からも支援してまいりたいと考えてございます。
○日野委員 現在の弥生町まちづくり協議会は、地区計画策定後は終息していくことになると思います。しかしながら、これまで伺ったように、交通を含む安全対策や地域の防災力向上、また商店街の活性化や、何より地域の方々にとって、今後さらに安全で安心して暮らしていけるまちづくりのための課題はまだまだあります。まちづくり協議会が一たん役目を終えた後、引き続き地域の町会、防災会、商店街関係の多様なメンバーによるまちづくり協議体として活動できるような支援があってもよいと思います。
最後に、これは要望として、以上でこの項の質問を終わります。
次に、子どもの読書推進について伺います。
予算説明書補助資料180ページに、図書館運営指定管理として6億3,984万4,000円が計上されています。指定管理については、来年度以降もこれまでと同じ事業者が運営することになっています。平成27年第2回定例会の一般質問において、私は子ども読書推進のために読書通帳を導入してはどうかと質問しました。その際の答弁では、図書館探検隊の事業の中で、図書館探検隊ノートの取り組みを拡充していくということでした。この図書館探検隊ノートの取り組みは拡充されたのでしょうか。昨年度と今年度の実績を教えてください。
○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 昨年度、中央図書館で図書館探検隊事業の実施をいたしまして、その中で小学校3年生から6年生までの児童10名が図書館探検隊ノートを作成いたしました。今年度につきましては、今月でございますが、15日に中央図書館で実施をいたします乳幼児向けお話し会の中で、読んだ本のタイトルや作者名、貸出日、感想などを記入できる読書ノートを配布する予定でございます。
○日野委員 今年度は、図書館探検隊ノートの実績はまだないということで、それでは、図書館探検隊ノートのこの事業はいつから始められたのでしょうか。
○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 図書館探検隊ノートにつきましては、平成25、26年度に中央図書館で実施をいたしました図書館探検隊事業において、参加児童が手づくりで作成したものでございます。
○日野委員 平成25年度から開始されて、26年度、そして27年度はまだ実績がないという状況ということです。昨年度、この対象が10名ということでしたが、図書館探検隊の対象が5歳児から6年生、つまり12歳までとなっていますが、中野区において5歳児から12歳児までの人数というのは何人でしょうか。
○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 住民基本台帳の数でございますが、本年2月1日現在で1万3,523人でございます。
○日野委員 1万3,523人ということで、対象の児童数と図書館探検隊ノートを配布した児童数からすると、この事業の対象となった児童数は0.1%にも満たない数値になると思います。私は、この事業だけで子どもの読書推進ができるとは到底思えません。来年度、図書館探検隊ノートの、子どもの読書推進に向けた取り組みというのはどの程度拡大していく予定なのでしょうか。
○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 先ほど申しました今年度実施を予定してございます読書ノートの配布の実績等を勘案いたしまして、子どもの読書活動の推進に効果的な取り組みにつきまして検討したいと考えてございます。
○日野委員 効果的な読書推進を検討されるということですけども、一方、全国では子どもの読書率が大きく拡大されるこの読書通帳の普及が進んでいるようです。ことし1月4日付の朝日新聞の記事によると、大阪府八尾市では、2014年4月に市立図書館に読書通帳を導入し、市内の中学生以下の子どもに無料で通帳を配布したところ、児童図書の貸し出しが約2倍にふえたとのことです。また、2月11日の毎日新聞に掲載された記事には、茨城県結城市で、昨年9月に読書通帳を図書館に導入し、市内の小学生2,800人に通帳を配布したところ、5カ月間で本の貸し出し数が1万3,283冊となり、前年と比べて約3倍になったとのことです。読書通帳は、履歴を目に見える形にすることで読書意欲を促すものとして、読書推進に大いに役立つと考えます。また、高価であった通帳印字機械、ハードも現在ではさまざまな種類が販売されており、非常に安価なものが出ています。こういった実績が全国でもさまざま出ております。
そして、これから学校再編が中野区では行われていきますが、この中で、新校舎の中に地域図書館を編入していく計画もあります。例えば新設される図書館で読書通帳を導入するというのを検討してはいかがでしょうか。
○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 区では、子どもたちがより一層本に親しみ、読書を通じまして一人ひとりの可能性を伸ばし、未来を切り開く力を育むため、平成24年度に中野区子ども読書推進計画(第2次)を策定いたしまして、継続的に読書活動推進に取り組んでいるところでございます。この取り組みといたしまして、図書館職員が学校を訪問して本を紹介いたしますブックトークを実施いたしましたり、学校からの図書館見学会、あるいは体験学習の受け入れ、さらには読書感想文表彰等のさまざまな事業を行っているところでございます。今後ともこれらの取り組みを充実させるとともに、先ほど申しました読書ノートの取り組み等を工夫することによりまして、子どもの読書活動を広げていきたいと考えてございます。これらのことから、読書通帳及び印字機器の導入につきましては、今のところ考えてございません。
○日野委員 さまざま努力されていること、否定するわけではございませんが、実際にどうしたら読書推進が進むか、真剣に研さんをしていただきたいというふうにお願いします。
次に、乳幼児期の読み聞かせについて伺います。
前回の一般質問で、ブックスタートについても質問させていただきました。そのときは、本の読み聞かせは親子のコミュニケーションを育む手段として有効であるというふうに認識しているという答弁でした。区では、昨年10月より産後ケア事業がスタートし、子育て支援がさらに手厚くなりました。中野区がより子育てしやすい区となっていくよう、例えば乳児家庭全戸訪問事業――こんにちは赤ちゃん訪問ですね――などとあわせて、ブックスタート事業の実施を検討してはいかがでしょうか。ブックスタートは、少ない予算でも子育て支援ができる事業であると思います。区の見解を伺います。
○只野中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 本の読み聞かせに関しては、産後ケア事業と同時にスタートした産後サポート事業の中で、読み聞かせによる親子の触れ合いの大切さを伝えているほか、3カ月健診時にもリーフレットを配布しているところでございます。今後も啓発機会の拡大について検討してまいりたいと考えてございます。
○日野委員 こちらも今後、真剣に研さんをしていただければというふうに思います。本は、子どもたちの未来を開く道具であると私は思います。子どもたちの未来が開けるということは、中野区の未来が開けるということだと思います。行政がこうした読書推進の支援をしていくことが、結果として中野区の未来を開くということになると思いますので、ぜひとも真剣に検討していただくことをお願いして、この項の質問を終わります。
次に、区の情報セキュリティ対策について伺います。
私は、前職がシステムエンジニアであり、15年ほどシステム業界で働いておりました。今回、予算総括をするに当たり、先輩たちから、自分のスキルを生かした質問をするように言われましたので、仰せのとおりに質問させていただきます。
予算説明書補助資料97ページの情報政策推進費に、平成28年度の新規事業としてISMS認証取得支援委託費等として1,762万7,000円が計上されています。自治体全体としてISMSを取得すると、全国でただ一つの事例になるとのことですが、このISMS認証を中野区として取得することでどのような効果が期待できるのか、伺います。
○中谷政策室副参事(業務改善担当) 情報セキュリティ対策につきまして、PDCAサイクルで継続的に見直し改善を行っていく仕組みを確立することになります。特に内部監査の仕組みによりまして、職員のスキルアップが図られることや、リスクアセスメントに基づいて対応を定めていくことで、適切なリスクマネジメントが図られるといった効果がございます。また、国際水準に適合した対策を行うことについて第三者の認証を受けることで、区民の方々の信頼が高められるといった効果もございます。
○日野委員 初年度は、このISMS認証取得のためにコンサル料がほとんどというふうになると思いますが、認証取得後は、維持するため毎年どの程度費用がかかる見込みなのでしょうか、伺います。
○中谷政策室副参事(業務改善担当) ランニングコストとしましては、3年に1度の更新審査やその他の年の定期審査などに毎年200万から300万円程度必要となる見込みでございます。
○日野委員 中野区では、ICT投資や情報セキュリティを適正にコントロールするため、平成20年より最高情報統括責任者CIOを設置して、その下にCIO補佐官、CIOオフィスを整備してICTの活用を進めてきました。年々進歩する技術とともに、サイバー攻撃などのセキュリティ事故も年々深刻化しております。総務省は、地方自治体における情報セキュリティ強化のため、最高情報セキュリティ責任者、いわゆるCISOの設置について打ち出しました。そこで、中野区としては、このCISOの設置についてどのようにお考えか、見解をお伺いいたします。
○中谷政策室副参事(業務改善担当) CIOは、チーフ・インフォメーション・オフィサーの略で、情報政策の推進や情報システムの適正な調達などを統括する役割がございます。一方、CISOは、チーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサーの略で、情報セキュリティ対策を統括する役割がございます。総務省からは、情報セキュリティに関するインシデントが発生した場合に、被害拡大の防止や復旧、再発防止などを迅速かつ的確に行う観点からCISOを設置することが必要であるというふうに示されてございます。現在のところ、中野区では、CIOがCISOの役割も果たしてございますことから、具体的な体制につきましては、その有効性を踏まえて検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○日野委員 今後検討されるということですが、慎重に検討していただければと思います。総務省は、このCISOとともに、情報セキュリティインシデントが発生した際の対策として、発生した情報セキュリティインシデントを正確に把握、分析し、被害拡大防止、復旧、再発防止等を迅速かつ的確に行うことを可能とするための体制としてCSIRTの体制づくりについても打ち出しています。このCSIRTについても、区としてのお考えを伺います。
○中谷政策室副参事(業務改善担当) CSIRTといいますのは、コンピューター・セキュリティインシデント・レスポンスチームの略で、情報セキュリティに関するインシデントが発生した場合に、中心となって対策を行う体制のことでございます。CSIRTの担う役割や機能のうち、インシデントが発生した場合のネットワークからの切断や発見者への対応の指示など、具体的な措置は情報システム担当が中心となって対応しているところでございます。インシデントの報告を取りまとめ、国や都などに報告するのは、業務改善担当が行ってございまして、報道機関などへの公表につきましては、リスク管理の一環として、行政監理担当が中心となって対応してございます。情報システム担当と業務改善担当、行政監理担当から成るインシデント対応の体制を明確にしていきたいというふうに考えてございます。
○日野委員 既に体制が組まれた状態ではありますが、今後、またさらに明確にされるというふうに伺いました。
中野区が外部委託しているシステム運用について伺います。
昨今発生している情報セキュリティ事故には、外部委託事業者からの情報漏えいなども起きています。中野区では、こうした外部委託業者に対してのセキュリティ対策はどのように行っているのでしょうか。また、セキュリティレベルのチェックやセキュリティ教育の監査などは定期的に行われているのでしょうか。
○中谷政策室副参事(業務改善担当) 情報システムの開発や運用などの業務を外部委託する場合に必要となるセキュリティ対策を中野区情報システム外部委託標準安全対策として定めてございます。委託先の事業者による情報漏えいなどを防止するために、委託先に実施させるセキュリティ対策やセキュリティの管理体制を確認できる書類の提出、また従業者に対する教育カリキュラムの提出などを契約の仕様書に盛り込むこととしてございます。業務の履行確認に当たりましては、そうしたセキュリティ対策の遵守状況につきましても確認をし、委託業務の適切な履行を確保してございます。
○日野委員 外部事業者のセキュリティチェック、それからセキュリティ教育というのは非常に重要だと思いますので、今後もしっかりと対応していただければというふうに思います。
ICT技術は、さまざまな分野で利用され、その技術も日進月歩で開発が進められています。同様に、サイバー攻撃についても、さまざまな手法による脅威に対して対策をしていかなくてはなりません。区は、こうした最新のサイバー攻撃に関する情報共有と入手した情報を有効活用するための環境整備が行われているのでしょうか、伺います。
○中谷政策室副参事(業務改善担当) 最新のサイバー攻撃に対する注意喚起や対処方法などに関する情報につきましては、内閣サイバーセキュリティセンターから総務省や東京都、地方公共団体情報システム機構を通じて全国の自治体に対してきめ細かく情報共有がされてございます。庁内におきましては、CIOオフィスと情報システム分野が同時に情報を入手しまして、必要に応じて関係所管や全庁に周知をするほか、関係事業者にも連絡をして、タイムリーに必要な対応をとれるように入手した情報を活用しているところでございます。
○日野委員 今後も情報を受けた後の迅速なチェックと、それから該当する事象があった場合には迅速な対応をしていただければというふうに思います。
情報処理推進機構から出されているサイバーセキュリティのガイドラインには、実施すべき重要な対策が複数打ち出されています。区は、これらのガイドライン等を参照し、インシデントに対して的確な対応がとれるようなマニュアル整備や体制づくりなどをどのように取り組まれているのでしょうか、伺います。
○中谷政策室副参事(業務改善担当) ウイルスなどの不正なプログラムやサイバー攻撃など、情報セキュリティに関するインシデントが発生した場合の対応や体制につきましては、総務省のガイドラインなどを参考として情報安全対策基準に定めているほか、システムごとの情報安全対策実施手順に定めてございます。具体的な運用につきましては、情報安全対策委員会や研修などを通じて周知徹底を行っているところでございます。
○日野委員 区が管理する情報システムについては、これまで第三者の外部監査によるセキュリティチェックを行っていますが、ISMS認証取得に合わせて、内部監査への切りかえを検討していると聞きます。内部監査と外部監査、それぞれのメリットとデメリットはどのようなものがあるでしょうか、伺います。
○中谷政策室副参事(業務改善担当) 内部監査の場合には、職員を内部監査人として育成していくということから、情報セキュリティに対する職員のスキルや意識の向上が図れるといったメリットがある一方で、その分、職員の負担が大きくなるというデメリットがございます。外部監査の場合は、外部の専門家によるチェックを受けられるメリットがある一方で、全ての職場で実施するには、その分の委託料がかかるといったデメリットがございます。
○日野委員 平成28年度より、新たな国家資格として、情報セキュリティマネジメント試験が開始されることになりました。今後、内部監査によるセキュリティチェックをしていくのであれば、ここにかかわる人には、基本的な情報セキュリティの資格も積極的に取得させてはどうでしょうか。国家資格を取得していくということで、技術、知識としても人材育成に役立つことだと思います。いかがでしょうか、お伺いいたします。
○中谷政策室副参事(業務改善担当) 情報セキュリティマネジメント試験は、適切な情報管理や職員の意識向上といった人による管理面の対策を進めるために情報セキュリティマネジメントを担う人材の育成を推進することを目的として創設されたものというふうに認識をしてございます。
試験の具体的な内容や合格水準などを研究するとともに、他の国家資格との関係も踏まえて、区としての活用方策について検討してみたいというふうに考えてございます。
○日野委員 基本的な情報セキュリティの試験だというふうに思いますので、ぜひ検討をお願いいたします。
政府は、サイバーセキュリティ基本法及び情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案をことし2月2日に閣議決定し、今国会に提出しています。提案理由は、サイバーセキュリティに対する脅威の一層の深刻化に鑑み、サイバーセキュリティの確保のために国が行う情報システムに対する不正な活動の監視及び分析等の対象を独立行政法人等に拡大するとともに、サイバーセキュリティ戦略本部の事務の一部を独立行政法人情報処理推進機構等に委託することができることとし、あわせて当該委託にかかわる事務を同機構の業務とするほか、情報処理安全確保支援士制度を創設する等の必要があるというふうになっており、改正案の要綱第2の2に、情報処理安全確保支援士の創設が示されています。
そして、法案成立後は、この新たな国家資格のための試験を平成29年度にも開始し、企業などにサイバー防護の人材育成と対策の強化を促すために、平成32年度までに3万人超の資格取得者を目指すとしています。この資格については、どんな能力を図る試験となるか、自分で研究していきますが、区の御担当にも研究を進めてほしいと思います。これは要望です。
区長の施政方針説明では、今後インターネット上にバーチャル区役所を構築し、誰もが、いつでも、どこでも簡単に手続できる環境を整備していきますと言われておりました。ICTの発展により、世の中はますます便利になっていきますが、その分、技術的な脅威というものにも完全に対応しなくてはならない時代になりました。よいものをつくり上げるためにも、このセキュリティは万全にして、区民が安心して使えるようなシステムづくりをお願いして、この項の質問を終わります。
次に、学校再編と跡地の活用について伺います。
平成35年度までに、中野区内では小中学校合わせて8校が統合により、新築校舎が建設されます。私の地元では、平成29年度に現在の神明小学校と新山小学校、多田小学校と新山小学校が統合されます。現在の新山小学校は、新校舎ができるまでの仮校舎として、平成34年度まで使用される計画となっております。今回の10か年計画改定素案には、これまで計画に入っていなかった新山小学校の跡地活用について書かれています。このことを含めて、何点かお伺いいたします。
新山小学校と神明小学校の統合校、そして多田小学校と新山小学校の統合校は、当初は大規模改修で予定されていましたが、今回統合される全ての学校が全面改築に変わりました。これまで各統合対象校において、統合委員会が設置され、大規模改修を前提とした協議が行われてきたことと思います。それが全面改築となったことで、新校舎としての求める校舎の姿というのは、これまでと大きく変わるのではないかと思います。
そこで、伺います。既に新設された中野中学校について、校舎に求める姿、機能などは統合委員会でどのような意見が出され、どのように反映されたのでしょうか。
○板垣教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 統合委員会では、基本構想、基本計画(案)の策定に向けて、計7回にわたって協議をし、校舎に求める姿、機能などは、統合新校校舎建築の基本的な考え方としてまとめました。計画のコンセプトとして、教育の未来をつくる学校、健やかな体を育む学校、地域と共生する学校という三つを掲げました。具体的には、生徒が伸び伸び学べる学習環境ということで、教室のサイズを現状にとらわれることなく検討することや、屋内運動場とプールを重層化することで校庭を広く使えるようにすることなどがありました。こうした基本的な考え方に基づいて設計が行われ、教室のサイズが広くなり、校庭も広く使えるようになるなど、現在の校舎に反映されております。
○日野委員 それでは、第三中学校と第十中学校についてはどうでしょうか。
○板垣教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 第三中学校と第十中学校の統合につきましても、統合委員会において基本構想、基本計画(案)の策定に向けた協議を行い、意見を取りまとめていきたいと考えております。
○日野委員 他の統合校についても、統合委員会などで、新校舎に求める学校の姿についてはさまざまな意見が出ると思います。当然、ゼロから校舎をつくることになるので、いろんな方のさまざまな思いがあり、例えば充実した図書館をつくってほしいとか、木のぬくもりが感じられる校舎にしてほしいなど、多くの要望が出ると思います。しかし、実際には全ての意見を取り入れて校舎をつくるということは難しいのではないかとも思います。
そこで、これから基本構想、基本設計を行う新校舎については、どういう基準で計画を立てるのか、こちらについても伺います。
○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 平成26年10月に策定いたしました中野区立小・中学校施設整備計画におきまして、標準仕様を設けてございます。それに基づきまして、今後の学校施設として必要な教室や機能、またそれをもとにした延床面積等を示したところでございます。今後、相当数の学校施設の建設を予定しております。そうしたことについて、資材についても今後また標準的な考え方を示していきたいと思っております。
○日野委員 新校舎の場合は、どういう校舎にしていくかということをゼロから考えていくので、これは非常に大変なことと思いますが、しかし、すばらしい校舎をつくる、またとないチャンスでもあります。学校というのは、勉強するだけの場所ではなく、地域においても大切な避難場所にもなり、大切な施設になります。また、人生において最も濃い6年間、もしくは3年間を過ごす場所になります。私は、新校舎をつくる際には、ほかにはない特色ある学校にしてほしいと思います。
例えば、新山小学校の場合、30年前、当時屋上にプールがある学校がほかになかったそうなので、屋上にプールがあることが生徒の自慢だったそうです。そうしたことも、生徒の生涯の思い出になるのではないかと思います。この特色ある学校にすることについて、区はどのようにお考えでしょうか。
○浅野子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育施設担当) 統合新校の校舎につきましては、先ほど申しました標準仕様をもとに、限られた財源の中で今後整備していくことになります。ただ、各学校の敷地面積や形状によって、さまざまな工夫をしてまいりたいと思っております。
○日野委員 今後、しっかりと統合委員会の意見、また地域の意見等を聞いて、よい学校をつくっていただきたいというふうに思います。
次に、新山小学校跡地の活用について何点か伺います。
10か年計画改定素案に、今回、新山小学校跡地として公園整備、防災街区整備の推進となっています。これは南台エリアでも防災まちづくりを行うということでいいのでしょうか。
○荒井都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 南台地区におきましては、既に南台四丁目地区、これが平成4年度から、南台一、二丁目地区におきましては、平成11年度から地区計画をかけてございます。またいわゆる木密事業を導入いたしまして、防災まちづくりを推進しているところでございます。この間、広域避難場所でありますとか、周辺道路を含む避難道路、また建物の不燃化が促進されまして、災害に強いまちづくりは進んでいるものでございます。
一方、しかしながら、地震に関する地域危険度や不燃領域率等の指標、こういったものの改善が進んでいない地区もございます。このようなことから、新山小学校の活用を視野に入れながら、防災まちづくりの一層の推進を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○日野委員 防災まちづくりという観点では、非常に大事なことであり、今後も真剣に取り組んでいかなければならないことだと思います。
一方で、現在、南台四丁目のほとんどの地域が新山小学校を避難場所に指定しています。今後、新山小学校跡地が防災まちづくりの代替地や公園となった場合、かわりとなる避難所については、今後どのようにお考えでしょうか。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 学校再編により新山小学校が廃止になった場合、新山小学校を避難所として指定している防災会につきましては、収容人員等を勘案しながら、近隣の避難所へ指定変更を行うこととなります。
○日野委員 わかりました。
それでは、新山小学校跡地の活用を策定するに当たり、地域住民からのニーズ調査などは行われたのでしょうか。もしくは、これから行う予定というのはあるのでしょうか。
○髙橋政策室長 新山小の学校跡地につきましては、区全体として必要とされる機能や地域の価値向上につながる機能に活用していくこととし、地域の実情を踏まえたものとしたものでございます。今後、活用方法が具体的になったところで地域の意見を聞くことになります。
○日野委員 地域の要望をしっかりと聞いていただけるということで、よろしくお願いいたします。
施政方針説明の中で、弥生町、大和町以外の防災まちづくりについて、他の地域についても長期的な視点に立った防災まちづくりの展望をつくり上げると述べられました。ここで言う長期的な視点に立った展望というのはどのようなものでしょうか、伺います。
○荒井都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 10か年計画の改定素案の実現のステップの中にお示ししてございますが、その他の木密地域の防災まちづくりの検討、これの一環といたしまして、災害に対する地域危険度、これまで行ってまいりました防災まちづくりの実績でございますとか、また課題、今後行われます他の都市計画事業やまちづくりとの整合などを踏まえまして、今後の防災まちづくりの展開を明らかにするものというふうに考えてございます。
○日野委員 それでは、この展望の策定スケジュールというのはどういうふうになっているのでしょうか。
○荒井都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 今申し上げましたその他の木密地域の防災まちづくりの検討の中で、策定を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○日野委員 仮に実施となると、不燃化特区制度というのは平成32年度で終了する予定となっていますが、現在どのような整備手法が考えられているのか、伺います。
○荒井都市基盤部副参事(地域まちづくり担当) 不燃化特区制度におきましては、平成32年度までという期限を区切って、効果的、集中的に防災まちづくりを推進していくというものでございます。この制度のいかんにかかわらず、今後につきましても、さまざまな防災まちづくり推進のための事業制度を活用いたしまして、防災まちづくりを推進していくというような考え方でございます。
○日野委員 それでは、ステップ等で複数の防災まちづくりが並行して推進されていくというふうになると考えられます。このときに懸念されるのは、財源と人材であると思います。これらの課題に区はどのようにお考えか、伺います。
○髙橋政策室長 跡地の活用につきましては、それぞれの地域の実情を踏まえつつ、民間活力の積極的な利用を進めるとともに、国、都の補助制度の活用を図り、財政負担の軽減に努めていきたいと考えているところでございます。また、活用方法の検討や事業実施に当たっては、民間専門知識を活用するなど、効果的、効率的にマンパワーを確保しながら防災まちづくりとの関係を進めていきたいというふうに思っております。
○日野委員 災害に強い安全なまちづくりは当然必要であると思いますが、地域住民にとって今回のこの10か年計画改定素案は、この計画については突然の話だと思います。まずは地域住民の意向をよく聞くために話し合いの場が必要であると私は思いますが、これについてはどのようにお考えか、伺います。
○髙橋政策室長 改定素案は、学校跡地の活用の方向性を示したものであり、今後、より具体的な活用方法を検討していくことになるかと思います。学校ごとに跡地の活用時期が異なることから、それぞれの適切な時期を捉えて、住民等の声も受けとめ、跡地の具体的な活用策を進めていきたいと考えてございます。
○日野委員 わかりました。ぜひよろしくお願いいたします。
それで、一方で、公園というところに関して、今後、公園整備が行われるという場合、地域の方からも、大人がスポーツをするためのスペースがないという声を聞いております。区内全域を見渡しますと、例えば南部地域にはテニスコートがないとか、そういうスポーツ施設やスポーツのできる公園の配置などにも偏りがあるように見受けられます。もし、公園整備となった場合には、こうした地域の実情も含めて、しっかりと地域の声を受けとめていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○髙橋政策室長 仮に公園整備などの活用方法が具体的になった時点では、地域の意見を聞きながら進めていきたいと考えてございます。
○日野委員 ぜひ丁寧に、よろしくお願いいたします。
学校施設も、また学校跡地においても、地域の方にとっては非常に思い入れが深い場所であると思います。これからの施設整備や跡地整備においても、地域の皆様の声を聞き入れて、丁寧に計画を進めていただきたいことをお願いして、この項の質問を終わります。
最後の項になりますが、最後に南部地域での乳幼児親子の居場所について伺います。
私の地元の南中野中学校区域には、南中野児童館とみなみ児童館の二つの児童館があります。今後、学校再編に伴い、学童クラブはキッズ・プラザとして小学校内に移管され、その後の児童館については廃止されることになると聞いています。また、乳幼児親子の居場所としては、すこやか福祉センターの活用や、今回の10か年計画に子育てひろばとして、子育てしている保護者の孤立感や不安解消のため、乳幼児親子が交流し、相談を受けることができる場として身近な場所である商店街などを活用してふやしますとあります。
また、先日の酒井委員の質問の答弁でも、この数も具体的に20カ所というふうに言われていました。商店街での子育て支援事業については、我が会派の甲田議員から、今回の一般質問において、商店街の活性化支援についての中で質問しております。答弁では、区として、事業者と商店街のマッチングを行うような取り組みを検討するとの回答がありました。これは商店街活性化として有効な事業であると私も思います。
そこで、伺います。商店街を活用した子育てひろばの事業スキームとスケジュールはどうなっているのか、教えてください。
○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 商店街を活用した子育てひろばの開設につきましては、今後、子育てひろば全体の配置計画を検討する中で、関係部署や商店街と調整を図ってまいります。
○日野委員 スケジュールについてはどうでしょうか。
○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 先ほども御答弁を申し上げましたけども、今後、子育てひろば全体についての配置計画を検討してまいりますので、その中で考えを出していきたいと考えております。
○日野委員 この商店街の空き店舗を活用した事業となると、それほど広いスペースというのは確保することは難しいんではないかというふうに思うんですけども、例えば店舗の規模等の基準というのは設けられるのでしょうか。
○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 子育てひろばを行う店舗の規模等につきましては、今後検討してまいりますけども、広さや整備などは一律ではなく、多様な形態の広場が点在をするということを想定しているところでございます。なお、商店街の空き店舗だけでなく、保育所や区有施設などの活用も考えて整備をしてまいりたいと考えております。
○日野委員 空き店舗活用事業に限ってなんですけども、これに関しては、産業振興分野で行っていますが、子育てひろばを商店街の空き店舗で行う場合には、これはどちらの事業で行うことになるのでしょうか。仮に子育て支援事業として行う場合には、産業振興の施策としてはどういうふうにしていくお考えでしょうか。
○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 子育てひろば事業につきましては、地域支えあい推進室の所管ということで実施をしてまいります。商店街の空き店舗で行う場合につきましては、利用者と商店街とのマッチングを進めるという観点もございますので、商店街担当部署との連携を図ってまいります。
○日野委員 身近な地域において子育て支援事業が行われるということは、子育て世代にとっても、地域の活性化としても大事な事業になると思いますので、まだ具体的に決まっていない部分もあると思いますが、ぜひとも丁寧に進めていただきたいと思います。
これはこれとしまして、一方で、児童館廃止後、これまで児童館で行ってきた子育て支援事業というのはどうしていくのかということが問題だと思います。現在、児童館では、乳幼児親子向けの事業として、乳幼児が体を動かしたり、10人、20人規模での親子交流の支援事業を行うなど、児童館のスペースを活用して乳幼児親子が楽しく利用できる事業がさまざま行われています。仲間づくりや交流も大きな目的ですが、乳幼児が安心して伸び伸び遊べる場所というのは貴重であると思います。
そこで、伺いますが、今年度現在までと、昨年度1年間の南の地域に限ってなんですが、南中野児童館とみなみ児童館における乳幼児親子の利用者は延べ何人でしょうか。
○相澤南部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 子育てひろばの乳幼児親子の利用実績でございますが、南中野児童館、またみなみ児童館、合わせまして今年度、1月末現在でございますが、延べ利用者1万9,606人でございます。また、前年度は2万1,254人でございます。また、子育て仲間づくり支援事業、これは親子の交流の支援事業でございますが、その利用実績につきましては、今年度1月末現在で、延べ利用者7,634名、前年度は7,211名でございます。
○日野委員 年間2万人ぐらい利用されているということです。子育てひろばというのは、乳幼児親子が交流し、相談を受けることができる場であり、さらに商店街の空き店舗を活用することで産業振興にもつながる事業であると思います。児童館には児童館の役割があり、これまで利用していた乳幼児親子の数を見ても明らかなように、児童館での子育て支援事業を商店街での子育て支援事業やすこやかでの子育てひろばに置きかえるということではないと思います。これは先ほどの答弁の数を見ても明らかだと思います。
例えば、今後学校再編により、統合新校により、キッズ・プラザが新たにできます。この新しいキッズ・プラザを小学生が使わない時間帯に乳幼児親子が使えるようにすることはできないのでしょうか。新たに建設される施設ですので、校舎の入り口とキッズの入り口を分けることで、セキュリティ面での考慮もできると思うのですが、これについてはいかがでしょうか。
○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) キッズ・プラザにつきましては、小学生の居場所という性質がございますので、午前中の限られた時間に開放ということになります。また夏休み等の学校のお休みの期間には利用できないなど、必ずしも乳幼児親子のニーズにこたえていくのは難しいというふうに考えてございます。
○日野委員 それでは、現在建設中の南部すこやか福祉センターについてちょっと伺います。
ここには屋外の多目的スペースも開設されます。隣接する特養の入居者も利用されるというお話を伺っていますが、乳幼児親子にとっても安全なスペースであると思います。子育てひろばの際に屋外での事業を行うなど、子育て支援にもここを活用すべきだと思いますが、こちらについてはいかがでしょうか。
○相澤南部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 屋外に設けます多目的スペースにつきましては、乳幼児親子も安心して使えるように配慮された広場になってございます。芝生広場の芝生のスペースもございますし、日当たりもよいので、子育て支援にもさまざまな工夫をして活用していきたいと、そのように考えてございます。
○日野委員 ぜひ有効に活用していただきたいというふうに思います。
乳幼児親子の居場所を確保する上で、現状考えられる課題は二つ大きくあると思います。一つは、これまで行ってきた子育て支援事業を行うためのスペースが必要であるということ、先ほどキッズ・プラザはちょっと使えないということでしたけども、もう一つは、乳幼児親子が歩いていける身近な場所であるということだと思います。仮に現在の児童館を乳幼児親子が使えないとすると、南の地域においては、南部すこやか福祉センターまで、遠いところでは2キロほどの距離になってしまいます。
一方で、区は、地域のネットワーク強化と子育て支援の仕組みづくりとはどのような仕組みを考えているのでしょうか。また、その活動の場はどのような場所を考えているのでしょうか。
例えば、現在児童館を利用して乳幼児親子支援活動助成金で補助を受けている団体は、今後どういった場所で活動していくことになるのでしょうか、伺います。
○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 子育てひろばにつきましては、さまざまな場所、さまざまな施設を活用しながら、また多様な事業の展開を図って、子育て支援活動の場としていきたいというふうに考えているところでございます。
それから、地域のネットワークなど、これまで児童館が果たしてきた役割につきましては、すこやか福祉センターの職員が中心となって担っていきたいと考えてございます。
○日野委員 こうした問題を考えると、現状の児童館施設において、乳幼児親子が利用できるようにすることが地域で子育てをする親子にとって最もよい方法だと思います。いかがでしょうか、伺います。
○田中北部すこやか福祉センター副参事(地域子ども施設調整担当) 児童館の跡地利用につきましては、今後の行政需要を十分に踏まえまして、有効な活用の仕方を検討してまいりたいと思います。
○日野委員 さまざまな地域でも声が上がっておりますので、それをしっかりと聞いていただきたいというふうに思います。妊娠・出産・子育てトータルケア事業をはじめ、区はこれまで子育て世帯を支援する新たな施策に取り組んできました。また、同時に、今まで区民に必要とされてきたものや効果を上げてきたものについては、しっかりと評価をしていただき、区の資産を活用して、さらによい施策を行っていくべきだと考えます。今後、区民がより安心して子育てを行える環境を区が整えていただくことをお願いして、以上で私の全ての質問を終わります。
○若林委員長 以上で日野たかし委員の質疑を終了します。
次に、いさ哲郎委員、質疑をどうぞ。
○いさ委員 2016年、第1回定例会予算特別委員会におきまして、日本共産党区議団の立場で総括質疑を行わせていただきます。
まず最初に、区が新しい中野をつくる10か年計画(第3次)改定素案に掲げるユニバーサルデザインのまちづくりについて、何点かお聞きします。
中野区は、昨年4月バリアフリー基本構想の策定に当たって、障害者、高齢者など多くの当事者、区民の皆さんとともに区内の実態調査、まち歩き点検というのを行っています。実際に現場を見た区民の皆さんの意見も冊子の中にきちんとまとめられています。区民の声をもとにしてまちづくりを進めていくという方針、すばらしいなと思うんですけど、引き続き当事者参加、住民参加で進めていってほしいと思います。
たくさんの人の目で見ただけあって、解決すべき課題というのもふえたというふうに思うんですけれども、この冊子の中に入っている皆さんの意見というのは、今後このバリアフリー行政の中でどのように扱われるのでしょうか。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 今回の中野区バリアフリー基本構想策定に当たりまして、その内容の検討を行うために立ち上げました協議会が、一般の参加者も交えましてまち歩き点検を行ったものでございます。交通事業者や道路管理者など、各関係事業者の今後のバリアフリー化に向けた取り組み内容であります特定事業につきましては、このまち歩きで出された意見も参考にしながら、その協議会で検討して決定をしたものでございます。今後は、各事業者が計画的にこの特定事業の内容を進められるように適切な進行管理を行いたいと考えております。
○いさ委員 ぜひ、せっかく出た意見ですから生かしてほしいなというふうに思っています。
今回、ここから先は、中野駅周辺の問題について、視覚障害者の方の皆さんにかかわることを少し質問させていただこうと思います。
この間、中野駅の周辺、駅から区役所までというところで点字ブロックの整備というのが行われました。このことが視覚障害者の皆さんに大変喜ばれています。評価をしたいと思っています。その一方、視覚障害者の方が転倒するという事故が起きています。私も、中野駅の南口で2件、こういう事故を目撃しました。こういった障害者の事故について、区は把握されていますでしょうか。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 今、委員御指摘の、中野駅南口の事故2件についてでございますが、いずれもこれは区が管理を行っていない場所で発生をしておるため、区では詳細を把握しておりませんが、今後、当該事故発生の場所の管理者である東京都とJRに確認をとりまして対応を求めていきたいと考えております。
○いさ委員 視覚障害者の方々にとって点字ブロックというのが外出しよう、頑張ろうという気持ちになる、そういうものだそうです。点字ブロックがない場所を歩くときには、なれた道であっても激しく疲労すると、そういうふうにおっしゃっていました。まさしく命綱になっているんだと思います。
南口では、点字ブロックが摩耗している、そういう箇所が見受けられました。また、健常者が点字ブロックを意識しないで自転車をとめたり、荷物を置いたり、こういうことも散見されます。実は、この2点については、先ほどのバリアフリー基本構想の冊子の中で、まち歩きによる区民意見というところにいずれも記載があります。ここを歩かれた皆さんが気づいていらっしゃったということだと思うんですが、現状の点字ブロックの補修と一層の整備拡充、そして健常者の方の啓発や告知、この2点が視覚障害者の方の事故を防ぐのにどうしても必要になってくると思います。1点目、このハード面の整備拡充についてお聞きします。
点字ブロックの整備について、責任を負っているというのは一体どこになるんでしょうか。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 視覚障害者誘導用ブロックの設置につきましては、中野区バリアフリー基本構想における重点整備地区の特定事業として位置付けをしておりまして、実際の設置を担当するのは道路の種類により異なりますけども、設置については進行管理は都市計画担当が管理しております。
○いさ委員 これ、道路の所管で言うと、区道だったら区、都道だったら都ということでよろしいでしょうか。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) そのとおりでございます。
○いさ委員 それでは、続けてお聞きしますけれども、中野駅南口のロータリーについては、どこが責任を負っているのでしょうか。
○立原都市政策推進室副参事(中野駅周辺地区整備担当) 中野駅南口駅前広場につきましては、今後、中野二丁目のまちづくりの中で再整備を行うことになっておりまして、これにつきましては、中野駅周辺まちづくり分野の所管となります。視覚障害者用誘導ブロック設置につきましては、ユニバーサルデザインのまちづくりの視点から南口駅前広場再整備の一環として着実に進めてまいります。
○いさ委員 ぜひ進めてほしいと思います。
さて、中野駅周辺なんですけれども、視覚障害者の方の利用が多い施設というのがあります。一つが社会福祉協議会があるスマイル中野、もう一つが中野区視覚障害者福祉協会のある陽光園、もう一つが産業振興センター、この三つです。この三つなんですけれども、点字ブロックというのが整備されていないということなんです。特に、産業振興センターについては、千光前通りのところはあるんですけど、そこから一本入ったセンターの入り口、この道路にはないということなんですけれども。ここの3カ所の点字ブロックの整備については、これ、最優先で取り組む課題じゃないかと思っています。先ほど申し上げましたように、点字ブロックのありなしというのが視覚障害者の方にとっては命の問題になっているわけなんです。この3カ所への点字ブロックの整備、すぐに行うべきだと考えますが、お答えください。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 委員御指摘の三つの施設に至る道路のバリアフリー化の内容につきましては、いずれも中野区バリアフリー基本構想における特定事業として位置付けをしてございます。
まず、中野駅からスマイル中野及び陽光園に至る歩道につきましては、視覚障害者誘導用ブロックの設置を予定してございます。
次に、中野駅から産業振興センターへ至る千光前通りの歩道は、視覚障害者誘導用ブロックの設置を予定しておりますが、歩道のない道路につきましては、路側帯のカラー化などによる安全な舗装空間の確保を予定してございます。
それぞれ着実に整備を実現するように、適切な進行管理を行いたいと考えてございます。
○いさ委員 ぜひこれも進めてほしいと思います。
続けてお聞きします。この際ですから、点字ブロックについて、区内全域で総点検を進めてはいかがでしょうか。公共施設までの整備が、未整備であるというところがまだほかにもあるかもしれないし、補修が必要という場所もあるかもしれません。この点、どうでしょうか。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 区内の公共施設に至る道路の視覚障害者誘導用ブロックの総点検は、現状では予定はしておりませんが、そもそも道路管理者は、バリアフリー整備がされた道路についての適切な維持管理が法的に義務付けられておりますことから、日常の道路の点検等の際に、視覚障害者誘導用ブロックにふぐあい等を発見した場合には必要な対応を行っているところでございます。
○いさ委員 その都度、何かあったらそれは対応いただけると思うんですけど、ぜひ点検というのも検討いただきたいと思います。
次に、盲人用音響信号についてお聞きします。
この音響信号は、その存在を示すビープ音が常時なっているわけなんですけれども――常時というか、時間を区切ってですけどね。これ、駅前では実はほとんど聞こえないという感じなんですね。南口で言うと、中野通り沿いに歩道、駅のほうから渡って、不二家さんの前のところだとか、それを中野通りの向かい側、丸井さんの前の通り、特に聞こえづらいなというふうに思っています。この音響信号について、中野警察署に問い合わせをしましたけれども、音響については特に基準を設けているわけではないと、そういうふうにおっしゃっていました。現場での判断で決めているということなんですけれども。それでまた、訴えがあれば、現場に出向いて再検討する、こういうことも言っていました。この点なんですが、区としても申し入れを行って、音量については改善する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 音響式信号機でございますけども、区としまして警察のほうに改めて音量の確認をしてもらうように伝えたいというふうに考えてございます。
○いさ委員 音響信号のボタンについては、信号待ちの方がその前に密集していて、当の障害者の方がボタンを押せないということもあるというふうに私聞きました。長野県警では、バリアフリー型信号機、通称ピックス――PICSですけども、こういうものの設置が始まっているそうなんです。これは、障害者の方が持っている杖なんですけども、ここに反射シートを巻きつけて、これを信号がセンサーで感知すると、音声で状態を教えてくれる。「赤ですよ」、「青ですよ」と、こういうふうに教えてくれる。こういうものも今あるそうなんです。技術が進歩していますから、それに伴って障害者の対策というのもどんどん進歩しているということなんだと思います。中野区としても、こういう情報収集に努めて、最善の方法で解決をしていってほしいなと思います。これは要望です。
もう一つ、お聞きします。
南口の音響信号なんですけども、実はこの間、1カ所故障しているところがありました。たまたまそのとき、私が肩をかした障害者の方から訴えがあってわかったことなんですけれども。これ、すぐこの後警察のほうに連絡しまして、これ直ったんですね。でも、これ一体どれぐらいこの故障が放置されていたというのはわからないということだと思うんです。これは問題だと思うんですね。
警視庁のほうに、このメンテナンスのタイミングについて問い合わせをしたんですけれども、およそ年に1回だと、そういう回答がありました。これ、もう少し頻度を上げるべきじゃないかと思うんです。これ、事業者である警視庁に対して、区として申し入れを行うべきだと思うですが、いかがでしょうか。
○伊東都市基盤部副参事(交通対策担当) 音響式信号機につきましては、警察署のほうで適切に管理運用がなされているとは思いますけれども、御指摘の点につきましては、警察のほうに伝えたいというふうに考えてございます。
○いさ委員 バリアフリー対策で一番大事なのは、当事者参加ということにあると思います。基本構想の際に行ったような当事者参加、区民参加の仕組みをぜひ今後も継続させていただいて政策のほうに反映させてほしい、このことを要望しまして、この項の質問を終わります。
次に移ります。ユニバーサルデザインの二つ目、ヘイトスピーチの問題についてです。
そもそもヘイトスピーチというのは何でしょうか。日本語にするなら、憎悪表現、差別扇動などとなります。日本では、現実には、ほとんどが在日コリアンに対する差別です。このヘイトスピーチというのは、比較的新しい問題ですので、現場の実態を御存じない方というのはまだまだ多いかと思います。ヘイトスピーチの現場ではどんな言葉が使われているのか。「よい朝鮮人も、悪い朝鮮人も殺せ。調子に乗っていると鶴橋大虐殺を実行しますよ」などなど、「死ね」とか「殺せ」とか、こういう聞くにたえない言葉が普通に使われているわけなんです。これだけでも信じられない罵詈雑言なんですけれども、京都朝鮮学校襲撃事件など、言葉の暴力から現実の暴力、ヘイトクライムにまで発展してしまうという事案が既に生まれています。ヘイトスピーチは、単なる悪口や侮辱ではなくて、明確に排除の暴力であること、放置すると現実の暴力的な犯罪を招く可能性があること、まず、このことの認識をここで一致させておきたいと思います。
さて、この間ですけれども、国連人権委員会というところが、日本のヘイトスピーチ対策は甘いということで、もう何度も勧告を出しています。このヘイトスピーチの放置ということですね。世界からはかなり厳しい目で見られているということじゃないでしょうか。
ここでお聞きしたいんですけれども、実はここ中野区でも過去2回、ヘイト団体による街頭宣伝というのが中野駅の北口で行われています。この事実を認識されていますか。また、このことをどう受けとめていますか、お答えください。
○髙橋政策室長 中野北口広場でのヘイトスピーチと思われる行為が、最近2回あったことは把握しているところでございます。道路・公園管理分野が区民からの通報により、無許可状態での演説であったために排除を行ったというふうに聞いてございます。ヘイトスピーチにつきましては、1965年の第20回国連総会において採択されて、1969年に発効した人種差別撤廃条約において、人種差別の一形態として位置付けられていると理解しているところでございます。そのため、人権にかかわるものと認識しているところでございます。
○いさ委員 中止にはなったものの、実はことしの1月31日にももう一回計画されていたんです、第3回目ですね。北口で街宣の実績をつくってしまったことで、中野駅はこれ、できる場所なんだと思われてしまっているのかもしれません。現実に、ヘイト団体は同じ場所にあらわれる傾向というのがあります。札幌雪まつりでも、ここ数年、ヘイトの街頭宣伝というのが続けて行われて、行政のイメージダウンにつながる、これ、どうするかということがニュースになっていました。ヘイトスピーチが耳に入るということが、当事者でなくても当然不快になるわけです。これは観光地では大きな痛手になると思うんです。そして何より、外国からの観光客、こういう方にとってはもっと大きなダメージになります。ヘイトに対して、警察だとか行政が毅然と対応するというのが、これ、世界の当たり前だからです。
これ、ことしの1月なんですけれども、法務大臣が、ヘイトスピーチ問題に焦点を当てた啓発活動についての記者会見というのを行っています。法務省は、実はこんなポスター、「ヘイトスピーチ許さない」、こういうものを作成して配布する、こういう活動をやり始めているわけなんです。黄色地に黒、かなり目立つデザインだと思います。このことをちょっとお聞きします。
区役所内に、この法務省作成のポスターを張り出すということをやってみてはどうでしょうか。データは法務省のサイトに上がっていますから、これ、印刷すれば済みます。法務省にポスターを取り寄せてもいいと思います。それを区役所や区有施設の目に見えるところに張る、これはすぐにやれることだと思いますが、いかがでしょうか。
○髙橋政策室長 現在、3階にあります人権・男女協働参画担当の窓口前に掲示しているところでございます。区役所各施設の展示スペースにおきまして掲示することについては、考えていきたいと思います。
○いさ委員 ぜひこの掲示は、ほかの区有施設に広げてほしいなと思います。
ちょっと別の角度からまたお聞きします。最近、東京弁護士会が地方公共団体とヘイトスピーチというパンフレットを発行しまして、全国の自治体に配布したということがニュースになりました。このパンフレットはごらんになっていますか。
○髙橋政策室長 東京弁護士会のパンフレット、1冊ほど来てございます。この内容につきましては、ヘイトスピーチの最近の流れ、またはヘイトスピーチと人権の関係、人権差別の関係というふうな内容だと思っております。この内容につきましては、分野内で今共有を図っているところでございます。
○いさ委員 この中には、人種差別撤廃条約というのは、国内法的効力を有している。そして、法律や条例より上位にある、そういうふうに書いてあります。自治体にも、この条約を履行する、つまり差別を禁止して終了させる、そういう義務があるということだと思うんです。このパンフレットの中には、差別団体に対して、自治体の施設利用を断ることができるという、法的な根拠についても詳しく書いてあります。
今、現状ですが、中野区では、例えばヘイト団体が区民センターを借りに来たと、こんなケース、どういう対応になりますでしょうか。
○相澤南部すこやか福祉センター所長 区民活動センターの集会室でございますが、これは地域課題の解決に向けた地域住民の自主的かつ主体的な取り組みを促進するために設置しているものでございます。地域住民団体による利用、これが原則でございまして、お尋ねのような団体の利用は想定してございません。仮に利用承認の申し出があった場合でございますが、団体としての活動目的、表現の自由や人権、また他の利用者の妨げや迷惑といったような、施設管理上の問題などを総合的に勘案しまして、個々の事例ごとに判断することになると考えてございます。
○いさ委員 豊島区では、こういうヘイトスピーチをやっている団体に施設を貸し出してしまうということが実際にありました。こういう現状がありますから、中野区でも、施設の職員皆さんに対して、現実にヘイト団体というのが存在するんだということ、こういう人たちが来るんだということ、今までよりも一歩踏み込んだ注意喚起をするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○田中経営室副参事(行政監理担当) 区の施設利用に関しましては、公の秩序を乱し、または善良な風俗を害するおそれがあるとき、または管理上支障があると認めたときなど、使用を認めないということになってございまして、適切に対応されているというふうに認識をしているところでございます。
○いさ委員 昨年8月の国会で、ヘイトスピーチ対策ということが国会の場でも議論がされていましたけれども、与野党でヘイトスピーチは許さない、こういう認識、一致しています。自治体の動きとしても、全国24の自治体で国に対して、ヘイトスピーチ対策の法整備を求める意見書が採択されるということがありました。大阪市では、ヘイトスピーチの対処に関する条例というものが昨年可決されています。ここ中野区でも、条例も含めたヘイトスピーチ対策の具体的な議論を開始すべきではないでしょうか、お答えください。
○髙橋政策室長 10か年計画(第3次)改定素案におきましては、人権意識の向上と多様な人の参画の推進の項目の中で、人権課題に対する理解を深め、共生社会実現のため、差別などがない社会を目指した取り組みを進めていくこととしてございます。ユニバーサルデザインのまちづくりに取り組む中で検討していきたいと思っております。
○いさ委員 その法務省ですけれども、昨年、ヘイト団体に対して、サイト上にアップされた街宣動画の削除というのを命じています。いよいよ国もヘイト団体というものに対して具体策を講じ始めたということじゃないでしょうか。
また、東京都でも、舛添都知事が繰り返しヘイトスピーチはだめだと言っています。中野区としても、国や都と一体となって具体的なヘイトスピーチ対策に踏み出すように再度求めて、この項の質問を終わります。
さて、3番目、心のバリアフリーということについて少しお聞きします。
ついこの間、2月26日、アイヌ差別についての政府調査というのがニュースになりました。差別や偏見を感じた割合が、アイヌ自身では72%だったのに対して、国民全体では18%弱だと。この数字について日本政府は、アイヌの人たちは実際に差別や偏見を経験しているが、国民全体の理解が不足している、広報や教育などを通じて国民の理解を進めたいとしています。この数字のギャップこそが心のバリアではないでしょうか。
この心のバリアの根源には、無知と無理解があります。したがって、この心のバリアを乗り越えるためには、知るということが必要なわけです。このアイヌというところ、言葉を入れかえれば、ほかの事案でも事情は変わらないんじゃないかと思っています。
先ほど紹介した南口での視覚障害者の転倒事故ですね、原因の一つは、点字ブロックの上に旅行バッグを置いていて、それを気づかずに障害者の方がつまずいちゃったというものです。視覚障害者の方がそこを歩いているということだとか、そのために点字ブロックがあるということを意識せずにこちら側がいれば、当然こういうことが起きるんだと思います。想像力や共感の力、この心を養うには、まず学習です。小・中学生向けの学校教育については、昨日山本委員からの質問にもありました。私のほうからは、大人も含めた教育、いわゆる啓発についてお聞きします。
見えない、聞こえない、歩けないなど、身体的な障害については、健常者でも同じような条件を再現することが可能です。昨年2月13日に開催されたバリアフリー構想記念講演会の会場でも、目隠し、白杖での歩行体験というのが実施されました。こういう取り組みはぜひ広げてほしいと思っていますが、開催の仕方については、ぜひもう一工夫してほしいなと思っています。せっかくの貴重な体験学習ですから、多くの方に経験してほしい。そのために、例えば区のイベントだとか、地域の催し、大学の学園祭など、さまざまな場所でこういった取り組みをやってほしいと思っています。これもやり方も、区が主催するだとか、他団体がやっているものをバックアップするだとか、いろいろな手法があるかと思います。これを具体的な取り組みとして検討してほしいと思っていますが、その点はいかがでしょうか。
○岩浅健康福祉部副参事(障害福祉担当) 区民への障害者理解の啓発活動といたしましては、区でも障害者週間に合わせて、区役所ロビーへのパネル展示を行ったりですとか、あと、その時期も含めまして年3回、障害者就労施設でつくりました物品の販売会を行っております。ちょうど来週月曜日から1週間、1階のロビーで、9施設が参加をした販売会を開催する予定でございます。
また、障害者の通所施設におきましても、地区まつりと連携するなど、多くの方々に施設の中に入っていただいて、障害者のことを知っていただくというような機会をふやすことを取り組んでいるところでございます。
バリアフリー体験でございますけれども、委員御紹介のイベントもございましたけれども、2月25日も、中野区視覚障害者福祉協会が実施いたしましたサウンドテーブルテニスと白杖体験というものがございました。これにも区として後援を行ったところでございます。区としても、障害団体等と連携を図って、今後も行ってまいりたいと考えております。
また、差別解消法の施行を踏まえまして、障害者理解の促進につきましては、さらに充実をさせていく必要があるというふうに考えております。平成28年度には、区民を対象としたセミナーも開催を予定しておりまして、その中でも、障害当事者の方にも御協力いただけるようなことを検討しているところでございます。
○いさ委員 今まさにおっしゃっていました、当事者がどう感じるか、そのことを知っていただくということ、これも大事なことだと思っています。これは昨年もLGBTの問題で「みずいろ」というところと共催でやっていましたよね。区長と教育長も参加されていました。これ、既に実績があるわけなんですが、これも語ってもらう側の方を広げていくということができると思うんです。日本に来て苦労している外国人の方とか、身体障害を持っている方、こういう方、語ってもらう側を広げる。それから、先ほど申し上げたようなさまざまな場所、共催したりやっていく、これも広げてほしいなと思っています。このことはいかがでしょうか。
○髙橋政策室長 ユニバーサルデザインのまちづくりの推進におきましては、行政、区民、事業者等、多様な主体の取り組みによって、全ての区民が同様にサービスが受けられ、生き生きと活動できる環境を整備していくことを目指しているところでございます。この考え方を踏まえまして、さまざまな方々との意見交換を検討し、視点の取り入れを行ってまいりたいと思っております。
○いさ委員 教育という話も含めて、これまでの取り組みを質量ともに広げていくこと。それから、心のバリアフリーということについては、ぜひ具体的な事業に落とし込むということを要望しまして、この質問を終わります。
次に、地域図書館についてお聞きします。
中野区では、新しい10か年の中で、図書館の位置付けが大きく変わろうとしています。こういう中で、本町図書館、東中野図書館、この2館について、十中のところの建てかえに伴い併設される新しい図書館に統合するという予定になっているかと思います。これ、統合という言葉を使っていますが、地元にとっては図書館がなくなるということです。本町図書館、東中野図書館とも、50年という歴史があります。長年にわたって地域に根差してきたのですから、その果たした役割は小さくはありません。
最初にお聞きします。区は、地域図書館のあり方についてどのような認識でしょうか。
○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 区立図書館につきましては、図書や各資料を整理保存し、利用に供することで区民の皆様の生涯学習や自己実現を図る、そういった役割を果たしているものと考えてございます。
なお、これまでは全館で同じような蔵書構成としてきたところでございますが、今後につきましては、各館の専門性を高めるとともに、ネットワークの拡充によりまして、図書館サービスの全体の向上を図る考えでございます。
○いさ委員 地域図書館というのは、本の貸し出し以外にも、読み聞かせがあったりだとか、地域の方の交流があったりだとか、地域の中でコミュニティの核になっているという、そういう役割があるんじゃないかと思っています。
つい先日、この図書館の統廃合について、区民の皆さん向けの説明会というのがありました。集まった区民の皆さんは、いずれも皆さん、地域図書館の必要性を訴えて、残してほしいとおっしゃっていました。
そこで、何点かお聞きします。教育委員会では、この件は何回ぐらい議論されたでしょうか。
○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 今回の統合の件につきましては、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)改定素案についてということで報告をいたしまして、2月5日、12日、19日、3回にわたり議論したところでございます。
なお、教育委員会では、昨年4月にも、区立図書館の今後の取り組み、考え方につきまして、2回にわたり議論したところでございます。
○いさ委員 説明会で出たさまざまな意見あったと思うんですが、そういう意見、委員の方というのは、区民の皆さんの意見、集約したりそれを聞いたりする、その土台の上で議論なさったんでしょうか。
○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 区民の皆様から再検討を求める要請書なども提出されてございまして、事務局から、そういった情報につきましては教育委員会に報告をいたしまして、これを踏まえ議論されたものでございます。
○いさ委員 説明会の告知自体も直前だったりだとか、時間もなかったし、あまりこの地域の声というのは酌まれていないんじゃないかというふうに思っています。区は、図書館統廃合による区民へのメリットについてどのように考えていますか、簡潔にお願いします。
○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 統合によりまして、現在の課題に合った蔵書構成といたします。またあわせて、分別資源やグローバル化など専門性を高めるとともに、図書館から情報を発信しましたり、関係機関と連携した講座、事業を展開するなど、新しい時代にふさわしい図書館とすることができるものと考えております。また、学校と連携することによりまして、勉強がより幅広く展開できると考えてございます。子どもたちの読書環境を向上させるほか、調べ学習に関する支援、またレファレンスサービスを充実させるとともに、地域交流の活用などを図ることができるものと考えております。
○いさ委員 新しくつくられる施設ということで、きれいで便利でという、そういう期待感は持てると思うんですが、現実には、今地域図書館がある地域の方からは、遠くなるだとかいろいろ問題があるんだと思うんです。
ちょっと用意したんですけど、この地図の黄色い星の部分が今の地域図書館にあります。そこから接する円を引いてみました。それぞれの地域図書館の間、接する円、これが直径で1,200メートルということですね。あくまで目安です。実際にはお年寄りなんかは、こういう距離も歩けないという方もいらっしゃると思います。これを緑の星の位置、十中の跡地の図書館でくくろうというと、直径が2.5キロ、片道1,250メートル、こういう半径じゃないとくくれないということになっています。明らかにこれ、見るからに距離が遠くなる。この問題が、そこの地元の皆さんにとってのアクセスビリティが大きな問題になっているということじゃないでしょうか。
それともう1点、この問題に加えて、地理的な問題で言うと、本町の側から行こうと思うと、山手通りと青梅街道、2本の大通りを渡らなきゃいけない。そして、この地域が風害があるということがこの間も議会の中でさんざん議論されてきていると思うんです。こういうところについて、乳幼児親子や高齢者の方が歩いていけるのか、こういう距離の問題や地理的な条件について議論がなされたのか、そのことをお答えください。
○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 障害などの事情によりまして図書館に来られない方につきましては、職員によります宅配サービスを利用していただくほか、ICT技術を活用いたしました情報提供のあり方につきましても検討してまいりたいと考えております。
○いさ委員 今、宅配サービスというお話もありましたけども、そのことが近くに図書館があるということの代替になるとはとても思えません。近くにある、ふらっと寄れる、それが一番のアクセスビリティということじゃないでしょうか。
これ、かなり区民の皆さんに説明もないし、そもそも皆さん、「何だ、これは」という話になっているわけなんですよ。この計画、すごく拙速ではないかというふうに思っています。住民自治という観点から、今からでも地域住民としっかり話し合って、地域図書館、どうしていくのか、一緒に検討していくべきじゃないかと思っています。
ちょっと続けてお聞きしたいんですけれども。
続けて、地域開放型図書館ということについてもお聞きします。
これ、確認ですけれども、地域開放型図書館というのは、区内全ての学校で最終的に併設される計画だということでよろしいでしょうか。
○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 地域開放型学校図書館につきましては、設置の条件を整えながら、基本的に全ての学校に導入を図っていく考えでございます。
○いさ委員 もう1点お伺いします。地域開放型図書館というのは、基本的には、学校図書館であるということで間違いないでしょうか。
○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 地域開放型学校図書館は、学校図書館を安全管理面に十分配慮した上で地域に開放していくと、そういった事業でございます。
○いさ委員 蔵書の数についてお聞きします。今現在は、中央図書館で50万冊、本町図書館で5万冊程度ということになっています。これから展開される地域開放型図書館について、蔵書数はどのぐらいを見込んでいるんでしょうか。
○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 蔵書につきましては、学校図書を充実させるとともに、一般図書に加えまして、先ほど申しましたICTの活用によりまして、相当数のタイトル数を資料として整備をしていきたいと考えてございます。
○いさ委員 すみません、蔵書数についてはどうでしょうか。もう一度お願いします。
○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 学校図書、一般図書に加えまして、ICTの活用による相当数のタイトル数ということで、蔵書数につきましては充実をさせていく考えでございます。
○いさ委員 数はお示しいただけませんでしたが。じゃ、この地域開放型図書館の大人の利用、一般の利用についてはどうなるでしょうか。学校があいている時間というのも、一般が使えるようにするんでしょうか、お答えください。
○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 児童・生徒の学習環境、あるいは安全面に十分配慮した施設配置、また管理体制を確保した上で、学校の授業時間帯につきましても、区民の皆様が利用できるようにしたいと考えてございます。
○いさ委員 今も確認しましたけど、この地域開放型図書館というのが、学校図書館の延長だということで、子どものための図書館なわけです。蔵書についても、今はっきりおっしゃられなかったですけれども、これ、ちょっとほかの区、調べてみましたところ、千代田区では2館あって、それぞれ2万6,000冊、2万9,000冊、3万に届いていないんですね。練馬区では、最小で509冊、最大で1万1,723冊、平均して6,322冊、こういうことになっています。今の地域図書館は5万冊ということですから、これ、ちょっと届かないわけですよね。
なおかつ、これ、学校に併設するということで、敷地の制限もあります。今の地域図書館のような規模の蔵書数だとかサービス、こういうものを同じようにクリアできるとはちょっと思えないわけなんです。これ、一般の利用についても、今オープンになさるというふうにおっしゃっていましたけれども、セキュリティの問題、大きな問題が出てきますよね。これらのことを総合するに、地域開放型図書館というのは、現在の地域図書館の代替にはならないということになると思うんですが、どうでしょう。
○辻本子ども教育部、教育委員会事務局副参事(子ども教育経営担当) 地域開放型学校図書館につきましては、学校図書館の諸条件を整えながら整備していく。また一方、区立図書館につきましては、先ほど申し上げました専門性を高めながら区民の皆様の利用にこたえていく、そういった考え方で、全体をネットワーク、強化をいたしまして、図書館サービス全体の向上を図っていくというのが基本的考え方ということでございます。
○いさ委員 今回のこの地域図書館、2館廃止の方針については、地域の中で果たす図書館の役割や、図書館を利用するという権利といい、区民の知を支えるという考え方が欠落しているように思えてなりません。区は図書館について、地域の課題解決のために必要と言っています。そうであるなら、地域に根差した図書館というのは欠かせないんじゃないでしょうか。
10か年の中には、地域開放型についての記述しかありません。今回のようにいきなり地域図書館廃止ということになってしまうと、これから先、地域図書館、どうなるのか、こういう懸念も多く区民の皆さんに広がっているということだと思うんです。行政責任として、区民本位の図書館という基本に立ち戻って、本町と東中野の地域図書館2館はそのままにすること、それ以外の地域図書館についても、これから先、統合や閉鎖をしないこと、そして地域住民と二人三脚で図書館を運営していく、このことを強く要望して、この質問を終わります。
○若林委員長 いさ哲郎委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。午後1時まで委員会を休憩します。
午前11時59分休憩
午後1時00分開議
○若林委員長 それでは、委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
いさ委員、質疑をどうぞ。
○いさ委員 次に、地域猫事業について幾つかお尋ねします。
この事業の一番の問題は、事業の内容について正確に理解が進んでいないことにあると感じています。猫をめぐっては、好き嫌いの問題を生じて、どこでも地域のトラブルになっています。猫好きにとっては、目の前の命をほっておけないという問題ですけど、猫嫌いからすれば、ふん尿の被害、餌の不衛生な放置、家屋への侵入、子どもを産んでふえてしまう、どれも捨て置けない、そういう問題です。猫は、人間が餌をやらなかったとしてもごみをあさる、家屋に侵入するなど、もっと困る、別の方法で食べ物を確保することになります。餌やりをとめたところで、猫問題は何ら解決しません。じゃ、殺すのか。保健所に持っていくのか。これもそういうわけにはいかないわけです。
2014年6月、環境省は、殺処分ゼロの方針を打ち出しました。命を奪う行為は行わないと、国もそういう方向にかじを切ることにしたわけです。
そこで、お聞きします。地域猫事業というのは一体どういう事業で、何を目指しているものでしょうか。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 飼い主のいない猫については、それをかわいい、あるいはかわいそうだと思い、餌やり等をする区民もいる一方で、ふんや尿、餌やりによる不衛生、鳴き声等により、地域で問題を生じさせていることがございます。このような背景がある中、地域猫活動とは、飼い主のいない猫を一たん捕獲し、不妊・去勢手術を行うということで、自然に数を減らしていくとともに、地域ごとに適切な餌やりやふん尿の処理など管理のルールを決め、地域の理解と協力のもと、飼い主のいない猫を見守っていこうとする取り組みでございます。区では、こうした地域での活動を援助するため、平成26年度から地域における愛護動物との共生及び飼い主のいない猫の管理事業助成を開始したものでございます。
○いさ委員 地域猫事業が目指しているというものが、野良猫の自然減、減らすということなんですね。まずはこの理解が大事なんじゃないかと思います。野良猫に去勢手術をして、地域で面倒を見る。餌場とトイレを教えれば、猫というのは覚えます。人間とともに生きるルールの中で、その命を全うするまで世話はする。つまり猫好きにも、猫嫌いにも、いいとこ取りになるのが地域猫事業だということだと思うんです。逆に言うと、これ以外に地域のトラブルになっている猫問題の解決の道はないということだと思います。
この事業の核になっているのが不妊・去勢手術だと思います。野良猫を捕まえては手術を行い、片耳をサインとしてカットするということですね。この繰り返しです。
そこで、お聞きします。中野区の地域猫活動への助成金というのはどうなっているんでしょうか。予算と執行率を教えてください。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 昨年度から始まった事業でございます。平成26年度の予算額は60万円であり、全額を執行いたしました。平成27年度の予算額は100万円であり、現在、助成協会により活動中でございますけれども、執行額は97万6,000円となる予定でございます。
○いさ委員 大体100%の執行ということですよね。この予算について、ほかの自治体にちょっと聞いてみたんですけれども、練馬区では、本年度592万円、杉並区は327万円、新宿区でおよそ1,000万円、隣近所がこういう予算になっているということなんです。中野区でも、この予算をもう少し思い切って増額してもいいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 前年度におけます活動状況や問い合わせ、あるいは相談等の状況を勘案し、次年度の予算案に反映させているものでございます。今は、希望する町会・自治会が地域猫活動の助成を受けられない状態にはなってございません。今後、地域猫活動の進捗度合いや効果を検証しつつ適切に対応していく考えでございます。
○いさ委員 現在、助成をしている対象というのが町会だということなんですけど、これまで手を挙げた町会というのは何町会あったでしょうか。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 26年度は4町会、27年度は7町会から申請があり、全てに助成しているものでございます。なお、両年度にわたり申請した町会が2団体ございますので、実数は合計9町会でございます。
○いさ委員 続けて、一つの町会に対する助成額というのは、上限20万と聞いていますけれども、これを増額するという考えはありますか。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 地域猫活動を広く理解し協力していただくため、多くの町会・自治会に申請をしていただきたいと考えてございまして、1団体20万円の上限額としているところでございます。現段階では、上限額を引き上げる状況ではございませんけれども、今後の地域の実情や事業展開を見ながら適切に対応していきたいと思っております。
○いさ委員 今、中野区の町会の数は120ぐらいあると思うんですが、その何で7町会とか9町会とか、ちょっと多いとは言えないと思うんですよね。野良猫が放置されているという今の現状からすると、ちょっと遠いという印象です。
この現状を何とかして取り組みを広げるためにも、思い切って、町会以外のところにも費用を助成すべきではないでしょうか。お隣の新宿区とか練馬区では、既に助成の対象が個人というふうになっています。中野区でも、個人や団体への助成を検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 飼い主のいない猫を減らす取り組みを効果的に行うためには、これら猫の捕獲、手術にとどまらず、地域猫活動への地域の理解、協力が不可欠でございまして、飼い猫の遺棄や放し飼いの防止、あるいは虐待防止など、地域内に広く動物愛護精神を浸透させることが必要でございます。そのため、地域でさまざまな問題に取り組んで解決の実績を持つ町会・自治会を地域猫活動においても、まさに地域的広がりが期待できる団体と考えまして、助成対象としているものでございます。
実際の町会・自治会の活動では、実績のあるボランティアと連携し、これらの方々のスキルを学び、活動に協力してもらっております。制度を立ち上げて2年目でございます。当面は、町会・自治会が主軸となり、実績あるボランティアの方と協力しながら、また獣医師会による専門的な見地からのアドバイスを受けながら地域猫活動を進めていく現在のスキームにより、地域における動物愛護精神の普及を図ってまいりたいと思っております。
○いさ委員 今、まさにおっしゃったように、不妊・去勢手術の活動をされている方々、何と言っているかというと、個人の方にしろ、団体にしろ、猫の問題を解決するためなら労力は惜しまないと。助成があればどんどんやりますよと、そういうふうに言ってくれているわけなんです。こういう人たちの力をかりない手はないと思うんです。
個人や団体には当面やらないという答弁でしたけど、その理由というのは何でしょうか。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 繰り返しになりますけれども、飼い主のいない猫を減らす取り組みを効果的に行うためには、地域の理解、協力が不可欠でございまして、町会・自治会が主軸となって、これらのボランティアの方と協力しながら、また獣医師会とも協力しながら行っていくということが趣旨であるからということでございます。
○いさ委員 公益財団法人どうぶつ基金という組織があります。殺処分ゼロを目指すという公益法人なんですが、こういう団体でも行政向けの不妊・去勢手術の仕組みをつくっています。この制度については御存じでしょうか。また、これから先、こういうものを検討されるでしょうか。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 公益財団法人どうぶつ基金において、飼い主のいない猫への不妊・去勢手術を援助するさくらねこ無料不妊手術事業を行っております。行政やボランティア団体から申請を受け、審査の上、無料チケットを配布するものであり、手術はあらかじめ指定された動物病院でチケットを提出して行う方式だと聞いているところでございます。
当該事業協力病院において、不妊・去勢手術を行うことになりますけれども、病院の数が限られており、本区においては、単に不妊・去勢手術だけでなく、地域の動物病院と連携した地域猫活動として、適切な餌やりやふん尿の管理などを行う地域合意の形成推進、さらには地域ぐるみで動物愛護精神を醸成させる取り組みの推進に重点を置いているところから、該当事業は利用していないというものでございます。
町会、ボランティアと、それから獣医師会との連携を推進させる必要がございまして、現在の事業スキームを今後も継続させていくつもりでございます。
○いさ委員 先日、地域の方から聞いたお話なんですけど、その地域で皆さんで手術して面倒を見ているという猫がいたそうなんですけれども、その猫の餌に漂白剤が入れられた、こういうことがあったそうなんです。この猫は手術していますから、当然、耳カットはしているんですけど、そういう目印があってもこういう目に遭う。やっぱりこの地域猫事業というものの周知、これ、急がなきゃいけないと思うんです。野良猫については、区内、いろんなところからもっとひどい話、聞いています。命を軽んじるという風潮が区内に広がってしまう前に、早急な猫問題の解決というのがやっぱり必要なんだと思います。ほっておいても猫は減りません。猫のためにも、それで困っている地域の皆さんのためにも、地域猫事業の予算の増額と、個人、団体への助成、そして事業そのものの周知徹底を重ねて要望して、この項の質問を終わります。
残り少ないので、ちょっと途中の質問、割愛させていただいて、その他の2番のところ、私道の補修のことについてちょっとお聞きいたします。
この私道の補修の問題ですが、補修するために地権者の合意をとらなきゃいけない、これが高いハードルになっているという話はこれまでも何度となく取り上げられてきたと思うんです。昨年、市川委員が質問していたように、地権者の8割、そこまで合意がとれればやってしまう、こういう仕組みに変えていくことが必要ではないかと私も思っています。
これでお聞きしたいんですけれども、8割なり一定の合意があることを条件に区が介入していく、反対の方に話し合いに行くとか、そういう余地があるんじゃないかと思いますが、この検討はいかがでしょうか。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 私道に関する合意形成は、私有地の利用など所有権にかかわる問題に及ぶため、区で調整できる範囲は限られております。また、不明土地所有者を確認するための他自治体への問い合わせなどについても、法令で定める事務の遂行に必要であるものに限定されていることから、区として調査、確認することは難しいところでございます。したがいまして、現在のところ、私道助成を受けるために必要な調整は、私道の関係者間の中で行っていただいているところです。
なお、区といたしましては、私道の助成制度につきまして、関係者の方に丁寧な説明を行うとともに、個別相談にも乗っているところでございます。
○若林委員長 総括質疑の途中ですが、質疑の時間を超過しておりますので、答弁は結構です。
以上でいさ哲郎委員の質疑を終了します。
次に、佐野れいじ委員、質疑をどうぞ。
○佐野委員 平成28年度予算の総括質疑におきまして、自由民主党の立場から御質問をさせていただきます。
質問は通告どおり、三つございます。一つは、区の職員の評価とその処遇についてでございます。もう一つは、空き家対策とその利活用につきまして。三つ目としましては、「哲学堂と中野のまちを楽しむ本」というのが先日発売されましたけど、これにつきまして御質問をさせていただきたい、そのように思っております。その他はございません。
今、1時間48分ございますけれども、1時間程度で終わらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、まず一番最初に、区職員の評価の方法と処遇について御質問をさせていただきます。
区の職員の評価はいろいろとございますけども、職員の評価の処遇への反映はどのように行っているんでしょうか。そしてまた、区の職員の評価は一体どういうふうにして行っているかということを御説明をいただきたいと思います。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 職員の勤務評定でございますけれども、年1回、定期的に行ってございます。第1次評定と第2次評定がございまして、第1次評定は、原則として、各分野の統括管理者が行っております。その内容は、目標管理によります業績の評価と、能力、態度の評価、それぞれを絶対評価の手法で5段階評価いたしまして、この二つの評価点を1対1の割合で算出した平均点が総合評価となります。第2次評定は、各部長が相対評価で行っております。第2次評定の結果が、翌年度の昇給と勤勉手当に反映するという仕組みでございます。
なお、保育園や児童館などは、園長や館長が評定補助者として、統括管理者の第1次評定を補助しております。
○佐野委員 今の御説明で、大体どのように中野区の職員に対する評価を行っているか、わかったわけですけども、私はこの問題について、3年前の25年にも同じような質問をさせていただいています。それはなぜかと言いますと、今現在、2,000名体制を、この間の質問の中でございますけれども、1,000名体制になった、そしてまた、1,000名をこれから補充していくということでございました。そういうことからすると、やはり新しい職員には新しい評価というものが必要ではないかというふうに思っております。
そういう意味で、この職員をどのようにこれから評価するか。評価という目的は、少なくともやりがいだとか、生きがいをその職員に与えることが主目的であります。評価をすることが目的ではありません。そういう意味からすると、やはり今の評価制度でいいものかどうかということがございます。そして、今お話しいただきましたように、第1次評価者は課長級の評価者、第2次評価者は部長級の評価者がおやりになっているということでございますけれども、そういったことで、相対評価と絶対評価でおやりになっていると私は聞いておりますけれども、それについても御説明をいただきたいと思います。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 絶対評価と相対評価の御説明でございますが、一般的な御説明になりますが、絶対評価は、他の職員との比較ではなく、ある基準に照らしまして、その職員の成績がどの程度なのかというものを評価するものでございます。
一方、相対評価は、集団の中で成績順に順位をつけまして、分布制限に合わせて評価を決定するという仕組みでございます。
○佐野委員 そうしますと、その相対評価の割合というものは決められているわけですね。それについても、詳しくちょっと御説明をお願いしたいと思います。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 中野区におきます人事評価の第2次評定におきます人数の割合の制限でございますけれども、最上位の上限を15%、上位の上限を10%としております。中位、下位、最下位につきましては、分布制限はございません。
○佐野委員 今のお話ですと、絶対評価が第1次で行われる。課長級で行われる。相対評価が2回目の部長級で行われるということですね。そうしますと、絶対評価と相対評価と二つでもってまず評価を行っているということですね。その辺の矛盾というのはありませんか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 絶対評価と相対評価は、目的が異なるものというふうに考えてございます。絶対評価では、現在の職務の遂行状況を一定の評価基準に照らしまして、各職員の業績と能力がどのようなものなのかを明らかにしまして、その結果を育成、教育、職務の改善などに生かすものと考えております。
なお、一方、相対評価は、分布制限を設けまして、集団内の職員を比較することで、優劣やランク付けを行いまして、処遇に反映するということを目的としております。そのため、必ずしも矛盾があるというふうには考えてございません。
○佐野委員 今、必ずしも矛盾があるとは考えておりませんというお答えでございましたけども、私は、やはり評価をするには、少なくとも統一的なものをしていかないとならない。例えば、絶対評価で1次評価をして、2次評価で相対評価をするとなると、相対評価というのは分布がございますよね。15%は最上位だと、今おっしゃいました。そうしますと、第1次評価者がその目標とか何かの設定によって、できばえによって評価をしていく。これは課長級でやっていったときに、少なくとも15%以上上がっていってしまうという現実が起きてきてしまったときに、第2次評価者である部長級がそれを下げざるを得ない、要するに人数的なものがありますので、15%という枠があるわけでしょう。そうしますと、下げざるを得ない。そういったところの矛盾がありはしませんかとお聞きしているんですけど、いかがでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 先ほど御答弁させていただきましたように、絶対評価の目的と相対評価の目的は違うものでございます。それぞれの手法で行うことにより、適正な評価が行われているというふうに考えてございます。
○佐野委員 目的が違うからこそ、違う評価でやることがおかしいんではないか。というのは、その評価によって、1年間その人の処遇が決まってしまうわけですよね。要するに金額に、その評価によって飛びつくわけですよね、号俸給に。そうした場合に、成果と、少なくともできばえによって決められたものが、そういった違いによる評価によって決められてしまうということ自体が私自身はおかしいんではないかと思うんですけど、いかがでしょうか。再度お伺いします。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 処遇に結びつくということで、それなりの競争も必要ですし、分布制限は当然必要というふうに考えておりますので、第2次評定者の相対評価は必要なものというふうに考えております。
ただし、評価の中では、適正な指導、教育も必要ですので、これにつきましては、直属の統括管理者が絶対評価で行っていくということが必要なんだというふうに考えてございます。
○佐野委員 今、これを論議していっても結局は交わらないと思うんですけども、私自身の考え方は、少なくとも評価というのは一つの方法論で用いなければならないのではないかというふうに思っております。特に原資との関係もあるんでしょうけども、相対評価を用いること自体がやはり僕は難しいんではないかというふうに思っております。それはこれからいろいろ論議していっても、これはこの時間の中では進みませんので、次に移らさせていただきます。
評定者における業績と能力、態度は1対1という割合で今行われているんでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) そのとおりでございます。
○佐野委員 その1対1の割合で行われている総合評価で、これから張りつけるわけですね、その1年間、その人の処遇が決まる。そしてお金が決まってくる。基本給が決まってくる。それが要するにまた反映されまして、ボーナスに反映してくる。したがって、その決められた人は、それによって、既に1年間決まってしまうわけです。だからこそ、評価は大切であると私は思っているわけです。
そういう意味で、能力とか態度はあいまいな評価になりがちではないかと、今現在思っているわけですけども、業績のほうが目標に対する結果であるため、より明確であるので、職員の評価においては業績のほうに重きを置くのではないか、それが要するに成果主義というふうになってきはしないかというふうに思うんですけども、いかがでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 勤務評定におきまして、1年間の仕事の成果、業績と、それに関連して発揮されました能力や態度は、ともに重要や評価の側面であると考えておりますので、現在1対1の割合で総合評価を行っているところでございます。しかしながら、御指摘のとおり、能力、態度の評価というのは非常に難しい側面もあり、評価者によってばらつきが出やすいというような課題も認識しております。そのため、毎年、第1次評価を行う管理職を対象としまして、全員に研修を実施しておりまして、評価項目ごとの評語の理解を深めるとともに、具体的な事例も用いまして、実際に評価を行い、確認し合うというふうな研修を行っているところでございます。
○佐野委員 今の相対評価の中で、ちょっと質問の順番が狂いますけども、能力、態度、評定要素、評価基準という一覧がございますけれども、これをもとに今の相対評価を部長級の方たちはおやりになっているということだと思いますけども――ちょっと待ってください。
それで、責任感、協調性というのは、これはどこでもやっていることですけど、責任感、協調性という欄がございます。その中で、責任感の中で読ませていただきますと、1番と2番というのが、一番悪いほうと、次のところですね、この違いが、はっきりこの文章ではわからないんです。一番悪い人じゃなくて、2番目の人につきましては、「責任に対する意識に欠けており、与えられた仕事の責任を回避してやり遂げないことがある」ということですね。それからもう一つ、一番悪い方につきましては、「責任に対する意識が著しく欠けており、与えられた仕事の責任を回避してやり遂げることがない」と書いてあるんですね。そう見ますと、どこが違うのかはっきり言ってわからない。「著しく」というのはわかりますが、「著しく」という表現は、それぞれの部長級の判断、あるいは課長級の判断でどう違うんでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 今、御質疑にございました能力、態度の評定の基準でございますが、これは第1次評定の統括管理者が能力、態度の評価を使う際の基準としているものでございます。ただいまの御質疑ですけども、「著しく」というものの表現が何をということですけれども、このようなことを研修でやっておりますが、いわゆる1年間の業務の状況を見て、そのような行動がどの程度あったか、頻度を統括管理者は見まして、そういう「やり遂げない」というふうな行動が何回あったか、どの程度の頻度であったかという中で、その「著しく」であるか、「著しく」ということではないかというふうな判断をしているところでございます。
○佐野委員 今の御説明によりますと、その「著しく」の表現ですら、やっぱり曖昧模糊としていて、非常にファジーだと私自身は思っているわけです。したがって、やはりこの基本となるこの表につきましては、もう一回手を入れる、あるいは考え方を変えるとか、そういう方法が必要ではないかと私自身は思っておりますが、いかがでしょう。
○伊藤経営室副参事(人事担当) この基準につきましては、現在のところ、毎年研修をして、この評語の意味ですとか、理解を深め、評価の適正度を上げているところでございますので、今すぐにこれを検討して見直すという考えはございません。
○佐野委員 今すぐにということではなくして、今後――やっぱりこれで決まってしまうんですよ、1年間が。それで、1年間の給料、あるいは――何回も言いますけど、給料がボーナスに反映されてしまうわけですよ。したがって、その職員について、やっぱりイメージ効果とか、それからエコー効果というのはありますけども、やはりそういった目で見た上司が部下に対して、果たしてこういった表現でいいのかどうかということをやっぱり非常に難しい面があろうかと思うんですけども、そういったことから、今お尋ねしたんです。それで、これを言っていっても仕方ありません。
矛盾点のもう一つとしてお尋ねしたいんですけど、評定者の管理する担当職員の差が大きいところと小さいところがあると思うんですけども、こういったところで大きいところ、小さいところという、人数の持ち分ですよね。要するに分野において、それぞれの分野が、それぞれの課長が評価するわけですよね。そのときに、人数が多いところ、人数が少ないところ、そういったところがあることは事実でしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 多いところは80人くらいおりますので、少ないところは数名という担当がございますので、事実でございます。
○佐野委員 そうしますと、大体1人について何分ぐらいの面接をおやりになっているんでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) そこの統括管理者の考えでさまざま工夫して取り組まれていることと思いますけれども、特に人事担当として調査をいたしまして、確実な数字、時間数を承知しているわけではございませんけれども、期間の中でやり遂げるというふうな中で、30分前後の中で工夫をされているというふうに承知しております。
○佐野委員 30分ぐらいの中で工夫をされて、それぞれの分野の長がおやりになっているというお話でございましたけども、そうしますと、仮に80人の場合は2,400分、割る60ですから、40時間ぐらいが必要だということになります。それからもう一つ、今少ない分野だと3人だというお話でございました。3人ですと、30分ずつだと、三三が九、90分、要するに1時間以内で――そうすると、今多く持っているところはルーチンワークもございますよね、日ごろの。それは役割だと言えば役割ですけども、そういった矛盾点というのをお感じになりませんか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 所管する職員の人数にかかわらず、評定者は適正な評価をしなければならないというふうに考えてございますが、特に多数の職員を所管する評定者は、より一層の心構え、努力、工夫などが必要なのだというふうに考えております。
○佐野委員 それは確かにそうなんですけども、たまたまそこの課に配属された上司がいた。それから、たまたまこちらのBのほうに配属された上司がいた。そして上司を見ると、1人が80人を持たなければならない、片方は3人しか持たなくていい。そういったことでの評価をせざるを得ないときに、80人に対する評価者と3人に対する評価者では、少なくとも矛盾点が起きはしませんかというお尋ねなんですけども、そういったことについてどうなんでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 現在は、所管する職員の多い少ないにかかわらず、適正な評価が行われているというふうに考えてございます。
○佐野委員 例えばですよ、ある所管においては2人の課長をふやすことによって――1人で100名以上を持っていたところがあるんですよ、過去に。それを2人の所管の課長を持つことによって、2人で手分けをして50人ずつにしたと、そういったことも一つの手だと思うんですけども、そういった方法論も考えないで、今のままで80人対3人というところがあるとすると、そのままでいくということでございますか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 所管する人数という側面のみで統括管理者の配置を考えているわけではございませんので、区の施策の目標と管理という中で、施策体系に合わせた組織編成の中で組織をつくっておりますので、今現在御質疑にございましたような、面接の人数の多い少ないというふうなことで課長の人数というふうなことでは考えておりません。
○佐野委員 もちろんその課長の質とか内容によると思うんですけども、少なくとも30分程度をかけて平均してやっていって、そのできばえ、そして目標の成果という管理をしたときに、そのできばえを見るときに、少なくともその人が評価のことについて話を聞く、こういうふうに直したほうがいいよというための面接だと思うんですけども、こうしたほうが来年はいいよというときに、80人を持つということは、えらい時間ですよ、これは。順番にやっていっても。そういったことの矛盾点というのはありませんかと何回もお聞きしているんですけども、その辺はどうなんでしょうかね。
1人、平均して30分というお話ですと、今の時間ですと、2,400分、割る60ですから、40時間。40時間というと、少なくとも24時間寝ずにやっても、3日や4日かかるわけですよね。これを何日間でやれというふうに指示をしているかわかりませんけども。そこで1年間の処遇が決まってしまうんですよ、その職員は。そういうことを考えたときに、少なくともゆったりした時間をとって、ゆっくりと話をし、そしてまた少なくとも、こういうふうな改善、改革がありますよということを上司は言わなければならないんではないかと思うんですけど、いかがでしょうか。もう一回お願いします。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 面接の期間というのは一定期間、1カ月前後の期間の中で、それぞれの調整をしながら設定しているところでございますので、二、三日の中でやらなければならないということではございません。
人数の多い評価者は、それなりに心構えをして、工夫をして、短い――たっぷりと時間がとれない中でも、適正に評価をするように取り組んでいるというふうに考えております。
○佐野委員 わかりました。この問題も、論議していても、結局またすれ違いで終わってしまいますので、この辺で終わらせていただきます。
次の質問に移りたいと思います。
平成25年度第2回定例会の一般質問で、私が人事評価について、分限ということについての質問をさせていただきました。区長は、勤務評定が最下位という事例が非常に少ないという状況に触れて、分限処分の適応は極めて厳密で慎重な取り扱いが必要であるが、目標と成果による管理の評価を厳密にやっていくことによって、下位、または最下位に位置付けられるというような場合も出てくる、こういうことをわかる形で運用するのが重要だと思っている、そういう意味で、現在のところ、まだ十分には行われていない実態があると思わざるを得ないので、今後改善を行っていきたいというふうに3年前にお答えになっております――これは議事録から収録させていただきました――との答弁があった。その後の改善がどのように行われたかを、まずお話をいただきたいと思います。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 区として、評価の方法そのものの変更ということはございません。毎年、研修を行いまして、評価者の評価する能力というものを高めてきているということでございます。
○佐野委員 もうちょっと詳しくお話しいただきたいんです。今まで、普通ですと、「今後検討したい」とか、「努力をしていきたい」という表現にとどまっていたんですけど、このときは、「改善を行いたい」というふうに区長は申しております。そういう意味で、人事課のほうに多分指示があったと思うんですけども、どのような改善を行ったかを御説明をいただきたいと思います。検討していきたいということと表現が違うと思います。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 区として、先ほどから御答弁させていただきました評価の手法については変えてきたということではございません。評価の仕方について、職員の能力を高めるという努力をしてまいっております。
○佐野委員 少なくともいろんな工夫をして、例えば23区の中で縛りがある中でも、こういうものをしたとか、条例を変えていきたいとか、そういったことの努力というのはされているんでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 今、御質疑ございました条例の改正というようなことでございますけれども、このたび、地方公務員法の改正がございました。その中で、改めて人事評価というものについて明確に位置付けられました。人事評価の結果を任用、給料、分限、その他の人事管理の基礎として活用するというふうに規定されたところでございます。これを受けまして、特別区として未整備だった分限処分による降級制度を各区ごとに条例で規定することとしておりまして、中野区におきましても、このたびの定例会で関係条例の改正を議案として提出させていただく予定でございます。区としての指針を定めまして、人事評価の結果に基づいた措置を的確に行ってまいりたいというふうに考えてございます。
○佐野委員 ありがとうございました。そうしますと、少なくとも今期の会期中にそういった条例が出る、要するに改定を含めた条例が出ると――内容はちょっとわかりませんけども、そんなことで理解してよろしいんでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) その予定でございます。
○佐野委員 私が常々思っているんですけども、職員という方と、一般の会社にお勤めの社員とは大きく違うのは、少なくとも一般の会社は労基法によって守られているわけですよね。それは就業規則という形で出ているわけです。就業規則という形はどうもないみたいですけども、行政のほうにおいては、少なくとも地公法という形で守られているような気がするんですけども、その辺についてはどうでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 今御質疑の就業規則というふうな意味合いでは、地公法ですとか、各区でもっております条例で定めております。
○佐野委員 わかりました。それでは、時間もあれですけども、そのほかにもう1点お伺いします。矛盾点の中でです、先ほど出ました。
保育園、児童館などでは、補助評定者というものがあるということでございましたけども、その補助評定者については、課長以外の補助評定者ということで、それが面接をしていると、そのように理解してよろしいんでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 評定補助者というふうな名称でございますけれども、係長級の職員が統括管理者が行う第1次評定の補助をしているということでございます。
○佐野委員 それは課長としての試験、免許を持たずに、補助評定者として評価をしているということですか、部下に対して。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 評価を決めるのは統括管理者でございますので、職場における状況を統括管理者に伝えるということでございます。
○佐野委員 それは人数が多いからそうせざるを得ない、そういうことでございますか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 人数が多いということではございませんで、評価を行う第1次評定者と職員の職場が離れているという場合に評定補助者を設定しております。
○佐野委員 離れている場合というのがありますけども、少なくとも評価を受ける側はそこの職員ですよね、その分野の職員ですよね。したがって、私自身考えるのは、その長たる者、課長級の人たちは、少なくとも全てを把握しなければならない役割だと思うんです。それは人数が多いとか少ないとか、先ほどおっしゃったように別問題として。そういうことから考えますと、少なくともその評定者は――何ていうんですかね、評定補助者というのは、少なくとも課長級の職員でない人たちが判定を下すということについては、私は、受ける側の立場としては、やはり自分としてはそういったことについて、課長から受けるならまだ話はわかる、こうしなさい、ああしなさい。そして、これからこうやっていくべきですよと言われればわかりますけれども、少なくとも、臨時の評定者に対して言われることについてはどう思いますか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 先ほども御答弁させていただきましたが、評定、評価を補助者はしておりません。身近に職場に直属の係長としているというところで、日常の様子を統括管理者に伝えるということの役割でございます。
○佐野委員 日常の統括をその評定者に伝えるということですけど、日常の統括というのを把握するのは、少なくともその長じゃありませんか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) そのとおりでございますが、職場が離れているという物理的な状況がございまして、評定補助者という仕組みを取り入れております。適正な評価をするためには必要な仕組みかなというふうに考えております。
○佐野委員 また、この問題も矛盾点の一つとして、今御指摘させていただいたんですけども、これも論議していても、いつも解決できないと思いますので。わかりました。そういうことで、今までの評価の全体を考えると、そういった形で評価をして、そして1年間の処遇が決まってしまう、決まるということですよね。わかりました。
それで、私が言いましたような改善、改革を今後やっぱりやる措置というか、余裕というか、そういったものは、今23区の中での縛りもありますし、いろんなことがあると思います。それで、23区の中では、今度は中野区としては条例を出して、先ほどの改善を図っていきたい、そういうふうに思っているわけですよね。したがって、それについては問題ないと思うんですけども。
最後にちょっとお尋ねします。これは今までの評価とは別問題かもしれませんけども、課長と、女性が私は少ないような気がするんですが、評価者ですね。評価者が女性が少ないような気がするんですけども、今現在の割合はどうなっておりますでしょうか。職制の割合です。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 行政系職員の管理職の割合でございますけれども、男性が81.5%、女性が18.5%でございます。
○佐野委員 女性が18.5%というと、少ないほうではないんでしょうか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 平成25年の特別区の女性管理職の割合の数字では、11.5%というデータがございます。ですので、それと比べると、やや多いかというふうな状況でございます。
○佐野委員 女性管理職が少ない理由というのは、どのようにお考えですか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 区独自で、その御質疑にぴったりの調査をしたことはございませんけれども、平成22年度の特別区人事委員会で調査がございました。その中で、係長級職員が管理職を受験しない理由の上位は、男女とも同じでございまして、「責任が重くなる職責を全うできるか不安である」というものと、「仕事に拘束され、プライベート面で影響が大きい」というのが、男女ともに係長級職員が管理職を受けないという理由でございましたが、一方、女性のほうには、その背景に出産から子育て、家事などの負担から、係長級にとどまるという選択をする状況もあるのではないかというふうに考えております。
○佐野委員 そうしますと、女性管理職をどのようにしてふやしていったらいい――またふやすべきだとお思いですよね、今。どのようにしてふやしていったらいいと思いますか。
○伊藤経営室副参事(人事担当) 非常に大きな課題だというふうに捉えております。さまざま取り組みをしていきたいというふうに考えておりますけれども、まずはライフイベント、出産、結婚等経ても管理職になっている女性管理職もおりますので、そのようなロールモデルを明らかにして、まず示して、具体的に考えていただくというふうなこと。それから、相談窓口なども人事担当でつくっていきたいというふうに考えておりますし、懇談会などの実施もしていきたいというふうに考えているところでございます。
○佐野委員 私がいろいろ質問させていただきましたことは、少なくとも、何回も言うようですけども、上司によって部下が、その1年間の処遇が決まってしまうということを実に大切に思っていただきたいということがまず1点。
それから2点目としましては、少なくともその上司が評価をするに当たって、やっぱり一定のルールに従ってちゃんと行う、これがやっぱり正しいことではないか。そして、最終的な目的は、評価をする目的というのは、何回も言うようですけども、少なくともやる気を起こさせて、そして成績をアップさせる、それがやっぱり一つの目的だということを切に、忘れないようにしていただきたいというふうに思います。特に先日のお話ですと、2,000名体制がこれからどんどん減っていってしまって、90名ぐらい新しい人になってくる。そういう中で、やっぱり新しい人たちこそ、こういった意識を常に持たしていくことがやっぱり職制の役割ではないかというふうに思う次第でございます。
そういう意味で質問させていただきましたので、いろいろありがとうございました。そんなことでございますので、最終的にちょっとお尋ねしたいんですけど、今後のやっぱり人事としての課題は、今あるというふうにおっしゃいましたけども、どのようにお考えでしょうか、人事として。
○伊藤経営室副参事(人事担当) ただいまの御発言のとおり、適正な評価というのは非常に大事なことだというふうに思っておりますので、引き続き評価者の能力向上ということには努めてまいりたいと思っております。
○佐野委員 ありがとうございました。
それでは、2番目のほうに移らせていただきます。
2番目は、空き家対策とその利活用につきまして。これまでこの問題につきましては、多くの同僚委員が一般質問等々で行ってきておりました。昨年の区議会第4回定例議会におきまして、区は空き家に対する対応としての区の方針を示させていただきました。その中で、予定しているスケジュールとしては、平成28年2月には、特定空き家の地域情報の収集と指導、そして、及び住宅総合相談の充実と広報、5月には実態空き家調査の実施、8月には専門家も交えた協議会の設置などが示されました。さらに、空き家対策の所管につきましては、都市基盤整備部で行うということも区長のほうで発言をしていただきました。これはありがたいことだと思っております。
このようにして、この空き家問題に関しては、国でも昨年5月には、空き家対策推進に関する特別措置法ということで、この5月には空き家対策、各自治体においてより取り組みやすくなるように、この特別措置法によってなったというふうに理解をさせていただいている次第です。
私は、この問題につきまして、以前から、かなり前から取り組みをさせていただきました。ようやく国も区も取り組みが進むようになってきております。さらに、中野区においては、平成28年度予算の補助資料を見ますと、合計で約2,400万円の空き家対策費用が盛り込まれております。これも予算として組まれていたことに感謝したいと思います。
まず、そこでお伺いしたいんですけども、先ほど説明しました区が予定している今後のスケジュールと、この予算案に対しての費用とはどのようにリンクして、どのような関係をしていくのか、お尋ねをさせていただきたいと思います。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 今回提出させていただきました予算案につきましては、まず5月以降に実施する空き家の実態調査に関する調査委託費用、それから8月以降に開催予定の(仮称)空き家等対策協議会の運営に必要な経費について予算計上してございます。
なお、住宅総合相談につきましては、既存の相談体制の活用で対応したいと考えておりますので、予算計上はしておらないところでございます。
○佐野委員 まだ新しい組織ができておらず、都市基盤整備部で所管としておやりになっていただくということの発表があった限りでございますので、豊川参事も、自分がそういう所管の長になるかどうかもまだ決まっていないと、そういうことで理解してよろしいんでしょうか。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 来年度の体制等はまだ未定でございます。
○佐野委員 そこで、お伺いしたいんですけど、先ほど説明しました区が予定している今後のスケジュール、どのような関係になる――これはもう先ほど言いました。すみません。また、先ほど紹介した区が示したスケジュールの中で、2月に実施するとしていた特定空き家の地域情報の収集と指導の実施についてですけども、これは少なくとも2月末までに、中野区町会連合会を通してやっていただくというふうになっていると思うんですけど、その辺についてはまずどうでしょうか。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 今回依頼いたしましたのは、区内の各町会・自治会で課題となっております空き家の場所について情報の提供をお願いしたものでございます。
その内容でございますが、そのまま放置すれば倒壊等の危険がある空き家、または衛生上の問題があったり、地域の景観を損なっている空き家、こういったものの情報提供を対象としているところでございます。
○佐野委員 そうしますと、2月末までに各町会から出てきたものを整理整頓し、そして実態調査にこれから区としての予算を含めて移っていくと、そのように理解してよろしいんでしょうか。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 実態調査につきましては、むしろ利活用可能な空き家、こういったものを中心に行いたいと考えております。今申しました空き家の情報でございますが、こういった課題のある空き家の情報は集約をいたしまして、都市基盤部職員が現地確認を順次実施をいたしまして、所有者の特定ですとか、適切な管理のための指導を随時実施する予定でございます。
○佐野委員 私も以前から申しておりますけども、利活用が私はこの空き家対策では必要であるというふうに思っております。利活用というのは、非常に幅が広うございます。そういう意味で、利活用を具体的にどうしていくかということを含めて、例えば、学校統廃合によって空いてしまった学校をこういうふうな利活用をする。それからまた、いろんなことでの利活用を考えていく。こうした具体的なものをどんどんこの2月末にはある程度示していただきたい、そのように思っている次第ですけど、どうでしょうか。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 利活用につきましては、今後、来年度設置いたします(仮称)空き家対策協議会、これによって具体的な方法等の検討を行いたいと考えております。
○佐野委員 それは8月に協議会を設置するということ、専門家から成る、そういうことで理解してよろしいんでしょうか。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) そのとおりでございます。
○佐野委員 空き家の問題は、非常にこれ難しいと思うんです。例えば税収の問題、固定資産税の問題、それから相続の問題、そういったさまざまな問題が複雑に絡み合って空き家というものが発生しているということですね。解決のほうが難しいと言われています。私は、以前にも言いましたけど、この問題は空き家対策だけでなくて、その利活用も含めて解決をしていかなければならないんではないかというふうに思っております。
空き家対策特別措置法が成立した以上、幾ら行政がこうあるべきだ、こうしたいと思っても、やっぱり相手があることですから、相手に対してどのようにしていくかということを考えていかなきゃならない。この両者のマッチングがなければならないというふうに考えています。そのための体制づくりをどう進めていくのか、今後のことにつきましても、お話をいただきたいと思います。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 今、委員御指摘がありましたとおり、空き家を所有する人と空き家の利用を希望する人、このマッチングについては、現在適当な仕組みがないことから、極めて重要な課題であると認識はしております。先ほども申しましたが、今後設置予定の(仮称)空き家対策協議会、これにおいても十分協議をいたしまして、その内容を踏まえて、区として効果的な仕組みづくりや体制づくりに取り組みたいと考えております。
○佐野委員 さらに、私はマッチング以上に重要なことがあると思います。それは、空き家問題をまちづくりに結びつけること。例えば危険な老朽化空き家があれば、それを特定空き家として撤去するだけではなくて、その空き家も含めて、周辺の建物と共同化して、土地の高度利用を図り、移住者をふやしたり、立地条件によってそこに新たな産業を呼び込むなどして、地区の活性化を図り、それらのことにより地域の価値を高めていく、そのようなことはやっぱり考えていくべきだと思います。空き家という、いわば地域にとってのマイナスをゼロにするのではなくて、地域にとって大きなプラスとなるようなきっかけをつくること、これが空き家対策ではないかというふうに思っております。これから求められる空き家対策ではないかと考えますが、区の考え方はそれについてはどうでしょうか。
○豊川都市基盤部参事(都市計画担当) 今、委員の御指摘のとおりでございまして、空き家の利活用のみにとどまることなく、地域のまちづくりに資するものとなるよう、今後取り組んでいきたいと考えております。
○佐野委員 これで最後になりますけども――この項のですね――空き家対策は今後の中野のまちづくりの重要なキーワードであるということです。当然、今後の推移を見きわめながら進んでいきたいというふうに思っておりますけれども、私自身も推移を見極めながら進んでいきたいと思っていますけども、ぜひこの空き家対策と利活用について、よろしくお願いしたいと思います。
以上です。ありがとうございました。
続きまして、3番目の問題に移らせていただきます。3番目は、「東京人」について御質問をさせていただきたいと思います。
「哲学堂と中野のまちを楽しむ本」というものが、この28年の1月18日に刊行されました。これについてお伺いをさせていただきたいと思います。
まず1番目、この「哲学堂と中野のまちを楽しむ本」をお出しになった趣旨、目的というのは、まず何でしょうか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 来街者の増加に向けまして、哲学堂公園や周辺資源など、区の歴史・文化の魅力の周知のために民間発行物を活用しましてPRしていくことを目的としたものでございます。
○佐野委員 要するに、哲学堂の近辺だけをやったのではなくて、今後についてもいろいろな地域がございます。南も北もございますので、そういう意味でお願いしたいと思うんですけど、いかがでしょうか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 今回、哲学堂公園周辺をPRした理由なんですけれども、哲学堂公園周辺には、中野の北部地域として、みずのとうや中野新井薬師、名勝旧跡など、地元商店街など、さまざまな地域資源がございまして、そこに着目したものでございます。
○佐野委員 この質問に対しての企画とか、どこに依頼をして、この本をおつくりになったか。そしてまた、部数はどうだったか。その売れ行きはどうだったかということも含めて、ちょっとお答えをいただきたいと思います。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 企画編集として委託しましたのは、都市出版株式会社、雑誌名は「東京人」でございます。出荷部数については、総部数3万5,000部、書籍雑誌販売の卸に当たる取次への出荷分は、そのうち1万5,000部でございます。
売れ行きにつきましては、現在集計中でして、逐次把握をしていく予定でございます、今後。
○佐野委員 売れ行きにつきましては、少なくとも1カ月たっていますよね。1月の、これいつでしたっけ、発売が。18日ですよね。1カ月たてば、各書店で配属された分は、少なくとも出てくるんですよ、取次に対して。そういったことから考えると、もう出ていなきゃおかしいわけ。もう今、きょう、3月でしょう。もう出てなきゃおかしいんですよ。それをこれから逐次御報告しますという言い方は、ちょっと担当として、所管としておかしいんじゃないかなと思います。それはどうでしょうか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 「東京人」の都市出版社に確認しておりますところ、返本の数がそれぞれまちまちでございまして、まだ数字が出てきていないというところが現状のところでございます。
○佐野委員 数字が出るのはいつごろだというふうにお考えですか、担当として。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 1週間、2週間ぐらい後には、全て出てくるというふうに確認してございます。
○佐野委員 そうしますと、所管でそれを発表すると、要するにこれだけの売り上げがあったというふうに、所管のところで発表して、それで皆さんにはどのように発表するつもりですか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 部数については、ちょっと把握しまして、発表等どうするかについてはまだ検討中でございます。
○佐野委員 少なくとも、今、分科会に出してくれという要望もありましたけども、分科会に出すとか、何らかの形でみんなに知ってもらう必要がある。なぜなら、予算について、ことしは900万でしたっけ、500万でしたっけ、とっているんですよね。それから、来年も500万とっているんですよね。ということになると、今、予算審議ですから、その範囲内でどのように効果を上げていくか。費用対効果を含めてということが大切ではないかと思いますので、ぜひその売り上げ等にも皆さん関心があると思いますので、今出ていないということであれば、出たところで、分科会でも何でも、何らかの方法で皆さんに周知徹底を図っていく、これが必要ではないかと思う。これが区民に対する、要するに税金の使い方はこうですよ、そしてこのようなことで効果があったんですよということを言う一つの道ではないかと思うんですけど、いかがでしょうか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 予算を使いまして「東京人」を発行しました。その売れ行き状況については、委員おっしゃったとおり、その状況について皆様方にお知らせしなければいけないということも考えてございます。今後、集計が上がってきた時点で対応のほう、考えさせていただきたいと思います。
○佐野委員 庁内での販売はどうなっていますか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 庁内でも、1階の福祉売店のところには御協力いただきまして、「東京人」のほうを置かせていただいてございます。
○佐野委員 そうすると、PRにつきましても、販売とあわせて、こういう趣旨、目的で、中野にはこういった魅力がありますよということを発表しつつある、そういうことでよろしいんでしょうか、庁内において。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 庁内についても、庁内の職員向けのIPKやそれぞれの媒体によって「東京人」の発行については周知をしております。また、「東京人」の発行の委託業務の中でも、新聞社のほうにも広告を出していただいていますので、それを紙面においても報告をしているところでございます。
○佐野委員 哲学堂周辺にかかわる以外のところ、ありますよね、南とか北とか、まだまだ。そういったところについては、今後どうしていくつもりですか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 今年度については「東京人」の発行がございます。来年度につきましては、中野区全体の見どころを紹介した、平成26年度につくりました「びじっと中野」というガイドマップがございます。それを来年度増刷して、区全体の紹介には推進していきたいと思っています。
○佐野委員 平成27年度は、たしか900万以上のお金の予算をとって、これを刊行したというふうに理解しているんですけども、それでまず間違いないですよね。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 今年度は、予算額約928万円で「東京人」の発行事業を行ってございます。
○佐野委員 そうしますと、「東京人」との契約書の中で――契約書を見ていないからわからないんですけども――契約書の中で、少なくとも今までの出版に利益が出ない場合、この売り上げが――まだわかりませんけども――売り上げが出てきていないとなって、赤字になってしまった、そういったものについては、どのように請求を起こすつもりですか。それはないんですか。区に対する損害はないということですか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 区は、契約上、ページの買い取り契約という形で契約しておりまして、出版社に書籍分の利益が出なくても、区が補償する必要はないという契約になってございます。
○佐野委員 そうしますと、少なくとも、これが売り上げが伸びようが、伸びまいが、結果ですけども、契約が伸びた場合、伸びなかった場合についても、「東京人」に対しては何ら責任を負わなくていい、そういうことですね。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) そのとおりでございます。
○佐野委員 としますと、少なくとも今後のことにつきましての打ち合わせですけども、「東京人」との契約の打ち合わせや編集の内容の打ち合わせというのはどのように進めるつもりですか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 「東京人」の発行につきまして、記事の作成につきましては、「東京人」、都市出版株式会社と中野区と東洋大学の三者で編集会議を持ちまして、その中で打ち合わせをしたところでございます。台割と呼ばれる冊子全体からの記事の構成や記事の執筆者、出演してもらう著名人の先生などについて、区の意思を十分伝えて打ち合わせをして作成したところでございます。
○佐野委員 今後についてもう一回お尋ねしますけども、もう一回ちょっと今後について、例えば南と北がございますけども、どのようなものでどのような企画を次の企画は練っているんですか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 先ほど申し上げたとおり、中野区全体のガイドマップの作成もやってございます。また現在、都市観光サイトのリニューアル作業をしておりまして、その中で、中野区全体の歴史とか、名所だったりとか、あといろいろな観光資源についてのページを作成してつくっているところでございます。そのような情報発信を通じまして、中野区の観光施策を進めていきたいと思っております。
○佐野委員 としますと、今後「東京人」につきまして、今言ったような趣旨、目的というのは、刊行されたときに達成されるとお思いですか、今のやり方で。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 「東京人」の今年度の取り組みにつきましては、契約上、著作権が中野区に帰属することになってございます。2次利用が可能ということになってございます。来年度につきまして、約529万円の哲学堂周辺のガイドブックの作成ということもございます。また、それに付随しまして、都市観光サイトの哲学堂の専用ページということをまた考えてございます。また、それにあわせて、リニューアルのところでも、いろいろな資源については情報発信というのをしていきたいと思っております。
○佐野委員 著作権については、確かに「東京人」ではなくて中野区のほうに戻ってくる、それはいいんですけども、そうじゃなくて、それ以外のもの、哲学堂以外のものについての観光について、これからもやっていってPRをやっていきたいということであれば、これは少なくとも、そういった趣旨、目的があるわけですね。それから考えたとき、哲学堂以外の部分で、中野区の歴史・文化を訴えたい、そういったときに、今の500何万の予算の中でやっていくと、そのように理解してよろしいんでしょうか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) すみません。530万円のほうは、哲学堂周辺ガイドでございまして、中野区全体はその「びじっと中野」という、中野区の全体の紹介マップの発行で紹介していきたいというふうに思っております。
○佐野委員 そうしますと、そのほかの地域の宣伝とか、あるいはPRはどのようにやっていくつもりですか、予算的にも。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 繰り返しになるんですが、「びじっと中野」というガイドブックが、中野区全体を全て取り上げて紹介するものですので、そちらのほうでやっていきたいと思います。すみません。
○佐野委員 わかりました。いずれにしても、予算というのも税金ですし、その決算をしなきゃいけない、その部分も税金でございます。そういう意味で、いずれにしても費用対効果というものの意識をしっかりと持っていただいて、現場のほうは、これに対応できるようなものをつくっていただく、そしてPRをどのようにしていったらいいか、こういったものを考える必要があると思いますけど、いかがでしょうか。
○藤永都市政策推進室副参事(都市観光・地域活性化担当) 費用対効果の問題、ございました。本年度の「東京人」の発行につきまして例をとりますと、やはり「東京人」発行につきましては、東洋大や都市出版社の協力をおかりしまして、哲学堂の成り立ちやその歴史についてかなり深く取材し、整理することができました。そういうところで、観光資源とか、そういう地域資源の深い取材とか、掘り下げということが重要だと思っています。また、「東京人」に関しては、民間出版社の流通ルートを活用することができました。なかなか中野区の施策で言うと、中野区内に情報発信がとどまることというのが多いですけれども、今回は東京都内や関東や中部と、全国的な出荷が行われております。哲学堂をはじめ、そういう中野区のまちの魅力を幅広い地域に今回は情報発信できたと思っています。そういう意味では、ほかの資源についても、情報発信をどれだけできるのかということについて検討していきたいと思います。
○佐野委員 最後になりますけども、たびたび言って申しわけございません。少なくとも、これは区民の税金を扱っているわけですので、ぜひそういった意識のもとに中野区の歴史・文化をPRしていただくための企画を「東京人」とも相談をしながらやっていっていただきたいと、そのように思います。
以上でございます。ありがとうございました。
ちょっと早いんでございますけれども、私の総括質疑は全て終わらせて――1時間以内ということでございましたので、終わらせていただきたいと思います。
以上でございます。ありがとうございました。
○若林委員長 以上で佐野れいじ委員の質疑を終了します。
次に、大内しんご委員、質疑をどうぞ。
○大内委員 自民党の大内しんごでございます。よろしくお願いします。
最初に、平和の森公園再整備構想についてお聞きをいたしたいと思います。
一般質問に引き続いて、平和の森公園のこの再整備計画をお聞きしますけれども、今回の平和の森公園、区民の健康づくりムーブメントをつくり出していく、あるいは高齢化社会に進む中で、区の喫緊の課題である東京オリンピックあるいはパラリンピックの開催と時期を同じくして平和の森公園を再整備し、体育館の建設や屋外スポーツ機能の充実を図るということで重要だと思います。
そこで、東京オリンピック・パラリンピックまでに開設し、なおも東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプ地等としてもぜひ活用していただければということは、一般質問でも質疑いたしましたけれども、平成32年度の初めまでに開設するということになると、オリンピック直前になると思います。そういったことではなくて、なるべく早くこの整備を進めていけないかということをちょっとお聞きをしていきたいと思います。
まず、この整備構想(案)、できたばかりですけれども、今後4年間のスケジュールを簡単に説明してください。
○髙橋政策室長 6月までに体育館の内容、屋外スポーツ機能の規模等の基本計画を策定し、その後、28年、29年には基本設計、実施設計を行い、工事につきましては、29年から31年までを予定しているところでございます。
○大内委員 一般質問の答弁の中でも、平成28年度当初予算には、体育館の整備方法などが検討中であるため、関連費用を計上していない、しかし、できるだけ速やかに必要な予算措置をしたいということでありました。東京都下水道局との一定の協議が調った折には今後提案があると思いますが、平成28年度の予算は、補正も含めてどのような費用になるんでしょう。
○髙橋政策室長 基本計画を策定した後、28年度中には基本設計等を行いたいと考えてございます。現在、関連予算につきましては、なるべく早期に御提案したいと考えてございます。
○大内委員 この基本計画、実施設計もできることなら早くやってほしいというか、体育館ともう一つのこれで言うと、広域広場と言えばいいんですか。屋外スポーツ機能を持った広場か。これについては、基本計画は一体でも、実際の実施計画はばらばらにやったらいいのかなと思います。
そこで、体育館のことなんですけれども、先行して地上部分に建設、地下に下水処理施設ができる前ですね。開設し、後に体育館の地下に下水道施設の設置工事を行うということですけれども、通常は一体的につくるか、あるいは地下部分の下水処理施設を先につくって、その後体育館を建設するということが普通だと思いますけれども、今回の上部だけ先につくるということはあまり事例がないということで、体育館は特殊な構造になるのか。また、後で地下に下水道施設を設置するときに体育館が使用できなくなるようなことはないんでしょうか。大丈夫でしょうか。
○宮崎経営室副参事(施設担当) 地下部分が後に工事ができるような構造にする必要がございます。そのため、現在東京都と協議しながら、体育館の基礎構造の設計を進めてまいります。また、地下構造物の工事期間中も体育館が使用できるような設計を考えてまいります。
○大内委員 体育館は、将来的に、後で工事をする地下下水施設と合築のような形になる特殊な建設工事ということであります。工事に時間がかかるのではないか。32年度初めまでに間に合うのか、若干心配に思っておりますけど、一方で、現在の中野体育館の閉鎖期間をできる限り短くするために、この基本設計、実施設計をできるだけ早く終えて、早期に開設することが望まれると思いますが、そのための工夫というものはありますか。
○宮崎経営室副参事(施設担当) 体育館の基礎につきましては、通常とは形状が異なるものになります。そのため、技術的な面から通常よりも設計、施工に時間がかかることも予想されております。したがいまして、工期の短縮に当たりましては、例えば実施設計と施工を一括発注するなど、契約の手法についても研究し、適切な工事ができるだけ早く、早期に行えるように工夫してまいりたいと考えております。
○大内委員 体育館の工事は、未開園部分で行われるため、既存の利用には影響なく、すぐに工事に着手できると考えられます。一方で、屋外スポーツ機能の改修を含めた既存の公園部分の改修は、少なくとも工事による公園の全面的な閉鎖がないように工夫をしていただき、既存の利用に配慮しながら、段階的に行う必要があると思います。工事の進め方が異なるため、公園全体の整備を一体的に進めるよりも、この未開園部分、体育館の部分、既存の公園部分、広場の部分ですね、スポーツ広場の部分、分離して工事を進めていく方法が合理的であると思いますけど、どうでしょう。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 現時点ではございますが、未開園部分の主体工事は建築、既存公園部分は造園と想定されますので、今後、工事別に分割するなど、合理的な工事の進め方を検討してまいりたいと考えております。
○大内委員 そうすると、基本設計が終わった時点で、実施設計はそれぞれ別個に行うという、発注もそれぞれ行うということだと思うんですけれども、多目的広場の工事は、工事工程の調整により、31年度体育館と同時にということじゃなくてね、その前に開設が可能ではないかと思います。少年野球を行う環境としては、白鷺せせらぎ広場、あるいは本町五丁目公園の開設によって場所が増加しております。大人が野球やその他スポーツを行える環境については、まだまだ場所が不足しているということで、体育館建設と既存の公園部分の改修を別々に進めることによって、多目的広場を体育館より先に設計、工事を行い、開設することができるのではないかと思います。改めてお聞きしますけども、どうでしょう。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 今後、基本計画、基本設計の段階で、多目的広場の規模や舗装の種類など、具体的に検討することになりますが、既存公園部分を分割施工することや、建築部分と分割することなどで早目に開園することも検討できると考えております。
○大内委員 そこでもう1点、この本町五丁目、本五ふれあい公園に名前が決まったということですけども、この工事の事例から考えると、多目的広場の工事にあまり、体育館に比べると時間がかからない。基本計画ができれば、多目的広場についてはすぐに設計、工事に着手し、例えばもう29年度初頭から工事に入っていただく。そうすれば、本町五丁目の工事期間から考えれば、30年度には開設ができるんではないかと思いますけど、どうでしょう。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 若干繰り返しになりますが、既存公園部分を多目的広場、草地広場などで、施工範囲を分割することで30年度というのを目標に検討することも可能ではないかと思っております。
○大内委員 可能ではないかじゃなくて、そういうふうにしてくださいとお願いしているので。体育館と一緒に、同時に開設する必要はなくて、体育館より先に工事に入れるものなら入っていただいて、開設を1年でも、1年半でも早くやることが大切だというか、いいことだと思いますので、やっていただけないかなとお願いしているんですけども、どうでしょうか。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 公園工事に当たりまして、全面閉鎖しないためにも、今、委員からの御意見も踏まえまして、30年度というところも視野に入れながら進めていきたいと思います。
○大内委員 ありがとうございます。ぜひ広場、スポーツ広場のほうでも、早期開設をお願いしたいと思います。
それとあと、多目的広場の拡張によって樹木の周辺、今回も他の会派の議員からちょっと出ていましたけども、樹木を一定程度整理する必要があると思います。というのは、今あるこの少年スポーツ広場の外野部分、木がうっそうとしていて、防犯上あまり好ましくないといったことも地域で話が出ております。樹木をただやみくもに切れとは言いませんけども、ある程度整理する必要があると思います。夜間の防犯上の問題も指摘されております。安全な公園空間をつくっていただきたいと思います。
そこで、外部から見通しがよくて、明るい空間として野球の試合、あるいは他の少年サッカーのときに観覧者が応援できるようなスペースを設ける、そのように改修していくことも必要ではないかと思います。未開園部分、1ヘクタールが広がることによって、たとえ一定の樹木を整理することになっても、それを補うため、また新しい植栽を行う。あるいは今ある外野のやつも、できるものは移植をするといった方法で行っていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 夜間の防災上の問題を懸念する声があることは認識しております。今後、基本計画、基本設計の段階で、快適かつ安全な公園空間とするために、多目的広場の向上も含め、どのような施設整備が必要か、また防犯対策としてどの樹木を剪定、または移植する必要があるのか。未開園部分も活用しながら、具体的に検討してまいります。
○大内委員 ありがとうございます。ぜひとも、もう28年度になりますので、検討、どんどんやってください。とめないでね、どんどん。
次に、税収向上の取り組みについて質問します。
これは平成25年度11月、あるいは平成26年度9月、また平成26年の11月でも再三質問をしておりますけれども、税収の収納率の向上のためにいろんな提案をさせていただきました。平成28年度の一般会計の1,283億円、そのうちの特別区民税が296億円、構成比の4分の1を占めておりますけれども、28年度予算案では、現年度分の収納率が今年度よりも0.5%増の、97.7%、過年度分の前年度比3.7%増の80.4%、滞納繰越分が6%増の32%といずれも上昇を見込んでおりますけれども、これはなぜこのような見込みができたのか、最初にお聞きします。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 景気が回復基調にあるということ、また納税も電話催告等委託、こういったものの成果が着実に出ているものというふうに考えてございます。
○大内委員 電話催告等提案したのは私なんですけれども、これがまだ年度の途中ですけれども、かなり効果を上げているというふうに聞いております。そのほか、また催促、督促状のこともこれから質問しますけれども、とりあえずコールセンターを今、民間に委託をして行っているということですけれども、これの効果はどのぐらい出ていますか。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 効果としましては、先例事例を参考に、委託料およそ2,200万円の5倍となります1億1,000万円の特別区民税・都民税収入を目標として、私たち取り組んでまいりました。センター開設が昨年の7月でございましたが、半年間で既に目標を上回る約1億2,000万円の税収効果がございました。今後も受託事業者との協議を行い、より効率的、効果的な活用を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
○大内委員 多分、そうすると、今年度約2億円ぐらい効果が出るのかな、最終的にね、3月までやれば。そのぐらい効果が出るのかなと期待しておりますけれども、それと同時に、色つき封筒や後追いはがきについても提案をさせていただきました。堺市では、送付する封筒や催告書にも工夫を凝らし、電話による呼びかけや督促状でも納めていただけない場合には、滞納者には、緑色、黄色、ピンク、青色と4段階の色に変えて催告書を送付しておりますけれども、昨年10月に策定された収納率向上対策では、中野区でも色つき封筒や後追いはがきによる成果を上げたとの記載がありますが、具体的にどのような方法で、この催告書の工夫を行っているのでしょう。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 平成26年度からは、催告書の封筒を滞納年数に応じて、黄色、オレンジの2色に色分けし、より目につきやすいものといたしました。また、催告書送付後に納付確認を促すはがき、後追いはがきというものを送付してございます。
○大内委員 その効果というのを簡単に説明していただけますか。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 色つき封筒や後追いはがきに関する効果といたしましては、従前5%前後でありました催告書発付に対する収納率が、色つき封筒送付後には10%程度ということで、倍近い伸びを示しております。大幅に向上しているという状況でございます。
○大内委員 これも私たちが視察の堺市に行った、ただ見に行っているんではなくて、ちゃんとしっかり勉強してきた成果だということだと思います。ほかの皆さんも、ぜひちゃんと視察に行ったら勉強して、新しい提案をしていただきたいなと思いますけれども。
私が提案した取り組み、いろんな工夫として成果が上がっている。私ひとりじゃありませんけども、他の会派の方も当然、こういったこと自体言っていますので、その辺は誤解がないように言っておきます。
ただ、この収納率を向上させるために、税務分野独自の工夫といいますか、私たちの提案だけではなく、そちら側もやはり他区を23区のそれぞれ収納率のいいところを回ったりして、収納率アップのためにいろいろやっていると思うんですけども、どんなものをこれからやっていこうと思っていますか。
○杉本区民サービス管理部副参事(税務担当) 特別徴収の推進ですとか、あとは今年度の取り組みとしましては、納税しやすい環境を充実させるため、昨年10月からネットバンキングを利用して税の納付ができるモバイルレジというものを開始いたしました。また、徴収事務に係る職員体制を改善しまして、財産調査、納税相談、滞納処分といった業務ごとに分業化をいたしました。これによりまして、より効率的、効果的な滞納処分を進めることができ、きめ細かな納税相談を行うとともに、給与を中心とした差し押さえの対象者を昨年度までの30万円以上の滞納者から10万円以上の滞納者に基準を引き下げ、前年度を上回るペースで差し押さえを行っております。これまでに効果を上げました催告の工夫、全庁職員を挙げての臨戸徴収に加えまして、特別徴収推進など、新たな取り組みにより税収確保に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○大内委員 きのうの夕方、テレビで、数年前の住民税の滞納が全国で1兆6,000億円というのをやっていました。何というんですか、あれ、何とかGメン、滞納者に対して物納をやるのをテレビでやっていましたけども、あれは裁判所の令状も要らない、そういった差し押さえをするGメンの人たちがいるということで、きのうテレビでやっていました。当然いろいろ、督促状を送ったり、いろんなことで、当然役所のほうにはいろんな電話がかかってくると思います。以前は、これで頭に来て、役所に灯油か何かまいたこともありました。それで、中野区でも警察が来て訓練をやったこともありましたけども、こういったことはやはりしっかり国民の義務ですから、それを説明して、収納率を上げていただきたいと思います。
昨年度決算で、この収納率目標を達成したものの、中野区は23区中、順位は22位、また特別区民税、現年課税分の収納についても、23区の平均にまだ届いておりませんでした。平成27年度の状況については、年度途中であり、変動しますけども、今回はまだ途中だから聞きませんけども、これから収納率アップ、期待しております。行政サービスを行うための基幹財源である特別区民税の税収向上のために、管理職の方も全員一致になって頑張っていただきたいと思います。
これでこの項の質疑は終わります。
次に、中野区役所とサンプラザの一体再開発についてお聞きをいたします。
時間がありますので、区政50年史でちょうどこの区役所が新しくできた昭和42年、その当時、あそこの今で言う中野郵便局の跡地の問題で大きく議会が混乱したということが書いてありました。そのちょっと文を読ませていただきますと、「跡地処分をめぐる反対運動が大きく燃え上がった。反対運動は、本会議場入り口のピケによる時間切れ流会や、議決時の警察官導入を引き起こし、住民の監査請求、区を相手取った行政訴訟まで発展し、区政最大の争点となって、長く尾を引いた」と記載されております。
特に、昭和43年12月27日の本会議、本会議場は本来なら鍵がかかっている議場の扉がそのとき既に何者かに蹴破られていて、ここから入り込んだ傍聴者16人が議員席に座り込んだままだったと。再三再四の議長の退去命令を無視して、一向に退場しようとせず、なぜ議場にかぎをかけたのかと叫び続けていたと。議場を占拠されて、議員たちは座ることもできず、そばに立ったままであったと。そのうち、満員の傍聴者から若い傍聴者が飛び降りたと。もはや議場ではなかった。議場の秩序は、まずこの段階で破られていたと。しかし、開会20分後、この占拠者たちは演説して、傍聴者の一斉の拍手を受けた後、議場を去ったと。20数人が傍聴席から飛び降り、議長席に突進、議長を取り巻いて、激しく採決反対を詰め寄ったと。もはや傍聴でなく、採決反対の強要であった。審議は完全にとまったままであったと。
また、当時、警察も、5時半、議場を占拠している傍聴人を議場の外へ退去させるよう、警察官の出動を要請しますと放送されるや、満員の傍聴席は一層いきり立ち、足を踏み鳴らして騒ぎ出した。5時50分、「ただいまから警察官が導入して待機させます。傍聴人は直ちに退去しなさい」と繰り返し放送したと。野方署から椎名署長以下80名の警官が出動し、スクラムを組んで議長席周辺を固めていた20数人の傍聴者を排除したと。中野区議会始まって以来の緊迫した本会議であったと。
これは42年、43年当時ですから、もうここにいられる方はまずいないですね、経験者はいないと思います。
要は、何が言いたかったかと言うと、この区役所・サンプラザ跡地の問題ももめると大変なことになりますよと。こういうことにならないように、しっかり合意をとりながら進めていただきたいなということでこの質問をさせていただきますので。
それでは、この区役所・サンプラザの一体再開発についてですけれども、検討についてまだ具体的なものが示されておりません。一般質問のエントリーぐらいで、事業構築パートナーを選定し、意見交換をしているということですが、まず確認の意味で、選定の経緯を伺います。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 区役所・サンプラザ地区再整備基本構想を示しましたのが、平成26年の6月のことでございます。民間活力を活用する考えを示したところから、平成26年12月に事業構築パートナーの公募を開始いたしまして、平成27年2月には、5グループ応募があった中から2グループを選定いたしました。
○大内委員 その2グループとは、どういった企業体の集まりでしょう。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 公募の段階で開発事業の実績がある事業者と指示いたしましたので、デベロッパーとゼネコン、大きくは二つのグループでございます。一つは、三菱地所を代表企業とする業者のグループ、もう一つは野村不動産を代表とする業者のグループでございます。
○大内委員 意見交換を行ったということですけれども、何回ぐらい、またどのような内容で行われたんでしょう。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) いずれのグループも3回、意見交換を行ってまいりました。1回目につきましては、応募時点の提案をベースとしたプレゼンでございまして、公表した提案概要書の内容の説明でございます。2回目につきましては、ホール、コンベンション機能を中心とした交流拠点のあり方をテーマとしたブレーンストーミング型の意見交換として行ったものでございます。3回目につきましては、それまでの内容を踏まえた、今後の検討につながる提案としてプレゼンを受けたところでございます。
○大内委員 こういったものは基本、非公開なんでしょうか。それとも時期が来たら表に出てくる話なんですか。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) この意見交換につきましては、公開予定はございません。
○大内委員 では、その2回目について、ホールのあり方ということでいろいろ御相談されたそうですけども、区長が最近の答弁を見ると、アリーナというものの言葉が、あるいは一般質問でも出てまいりました。我が会派の同僚議員からもそうしたアリーナについての質問がありましたけれども、いささか唐突感といいますか、アリーナという言葉、あまり聞きなれていないものですから、そのアリーナが出てきた理由は何ででしょう。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 中野サンプラザのホールでございますが、これまでの実績や今後の役割を考慮いたしまして、ホール機能を再整備するという考えを持ってございます。そのホール機能を中心とした再整備を行う際に、これまで以上の集客と情報発信を行う、多目的に使える施設としてアリーナの形状のホールの可能性を検討してきたところでございます。
○大内委員 まだ決定でも何でもなくて、いろいろなことを検討するということは必要だと思いますから、それについてとやかく言うつもりはありませんけども、2回目にアリーナの機能についてはどうかという提案があったということでよろしいんですか。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 2回目の意見交換会でございますが、両グループとも、国内のホール、アリーナ、スタジアムなどの事例の紹介がございました。この立地での可能性、また音楽やスポーツ産業の動向といったものが示されたところでございます。
○大内委員 実際に提案のあったアリーナというものは可能な図面というか、可能な提案があったんですか。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 2回目の意見交換の中では、さまざまな事例の紹介ということでございましたが、その中での課題がいろいろ示されたところでございます。建物ということであったり、また運営面、そういったものも含めて、さらなる詳細なる調査や検証の作業が必要であると考えております。
○大内委員 まだ当然、提案されているということです。今後、どのようなを出されるんですか、これについては。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 現在、この検討を進めているところではございますが、またさらに民間事業者の協力を得て、計画検討を進めて、全体の事業や運営の計画が定まった時点でお示ししたいと考えております。
○大内委員 それと、今まで事業構築パートナー、たしか今年度いっぱいで終わるということですけれども、この民間事業者の協力を今後どのように生かしていくのか、あるいはこの二つのグループから来年4月以降パートナーを選んでいく、それはどうなっているんでしょう。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) この二つのグループを絞るということではなくて、改めまして事業協力者を公募するということを検討しているところでございます。
○大内委員 事業協力者と言っても、今まで事業パートナーでやってきて、いろんなシミュレーションをやってきて、急に区長の提案は無理だから、参加しないということはあるかもしれないけど、普通はあれですね、多分この2グループを中心としたところから、また公募で入ってきて、まあ他に入ってくるかもしれないけど、そうした新しい人たちも含めて、もう一度4月以降、正式な事業パートナーと言うんですか、共同事業者を選定していく、そういったことでよろしいんですか。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 事業協力者ということで公募をしたいと考えておりますけれども、これにつきましては、改めて公募でございますので、この2グループがそのまま応募してくるかもしれませんし、あるいはそのほかの事業者、こうした、ほかの方々も応募してくるものと考えてございます。
○大内委員 また4月以降、大変だと思いますけれども。これに関連して、他の方も聞いておりますけれども、中野駅の南北通路、あるいは新北口広場の整備の関係についてですけれども、南北通路整備の遅延についてはさまざま議論があったところであります。これについてはもう聞きませんけれども、新北口広場と区役所・サンプラザ地区、当然隣接しております。これ、この街区、どうやって整備していこうと提案がされているんでしょう。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) この事業構築パートナーの提案のベースになっていますのは、我々が今検討しております再整備の基本構想がベースになっておりまして、それで検討しているところでございますが、この中でも、新北口駅前広場と区役所・サンプラザ地区、これについては一体的整備を行うということで考えております。よりよい広場配置をしていくことで利便性や周辺地区への回遊性を向上させたいと考えているところでございます。
○大内委員 となると、事業パートナーの提案の中にも、以前あったかもしれませんけど、北口、そして現在のサンプラザ、中野区役所の位置を考えると、一体的にもう一度動線、一からとは言いませんけど、ある程度見直していく。また、それに伴って南北自由通路、それの動線もかなり変わってくると思うんですけれども、そういったことを今後、当然提案していただくというか、区としてはそういった考え方を示してもらうということになってくるんですか。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 今の事業構築パートナーの提案の中で、さまざまな配置の提案があったところであります。今後もさまざまな可能性を追求していきたいと考えております。これによって、より利便性、周辺部への回遊性、向上させるような配置、そうしたものを考えていきたいと思います。
○大内委員 一つの、東京オリンピックまでにはちょっと完成がなかなか難しいこと、この間、もう言ってしまったので、それまでにとか言っても仕方ないんであれですけれども、とにかくこれもずっと中野の北口については、私が議員になった20年前から提案されていました。当時は本橋さんか何かが提案されていたんだけど、とにかくかなり前から何回も何回も、1,000万、2,000万かけて調査して、またやり直しですかということがあったんで、今回はきっちり決めていっていただきたいなと思いますけれども、将来的にやはりしっかりしたものをつくっていただきたいと思います。この事業の進捗状況は、これからどのような形で、もう一度聞きますけれども、北口、あるいは自由通路も含めた影響というものはどういうふうになっていくんでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 区役所・サンプラザ地区の再整備につきましては、庁舎移転後になります平成34年度以降に事業、整備を着手するということになろうかと思っております。そこを目標に、これから計画を詰めてまいりたいと思いますし、また関連する駅の整備、そうしたものとの整合を図ってまいりたいと考えてございます。
○大内委員 それと、中野四季の都市(まち)の開発に伴って、開発協力金をもらっていると思いますけども、それについては、今回事業が、南北自由通路といいますか、新北口といいますか、おくれていますけれども、それは大丈夫なんですか。
○石井都市政策推進室副参事(中野駅周辺計画担当) 開発協力金につきましては、中野駅周辺地区の都市基盤施設等の整備促進のための財源として処分するというふうにしておりまして、これまでも適正に活用しているところでございまして、問題はございません。
○大内委員 問題ないんですか。とにかくこの跡地については、問題があると言う人もいます。これは基金にしっかり残しておいていただいて、将来、この跡地問題で議会が混乱しないように、新しい本会議場でいきなりそういったことでもめたりなんてことはしないように、しっかりと進めていただきたいと思います。
それと、次のところで、10か年計画で出てきたんですけれども、東京西部都市圏という、この言葉ですけれども、これはどういった構想というか、聞こえはいいんですよ。格好いいから聞いているんだけど、よくこういう格好いい言葉を持ってきたなと。ただ、実態が伴っているのかなということでちょっとお聞きしますが、まず、これどういった構想で出したんですか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 中央線沿線を軸とした東京西部都市圏における自治体間の文化・産業連携を構築いたしまして、圏域経済の活性化を図るとともに、海外の訪日外国人に向けたプロモーション、関連ビジネスのグローバル化を促進する考えでございます。
○大内委員 そういう答えだと、そういうことだと、別に西部都市圏のあまりオリジナリティがないというか、日本全国どこでもその言葉を使えば都市圏構想になってしまうんじゃないのかなと思いますよ。もうちょっと中野の立地というものと結ぶということを、そのための都市圏なんでしょうから、日本どこ行っても使えるような文句で答えられてもちょっとあれですけど。
では、この東京西部都市圏、どのあたりのことを指しているんでしょう。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 東京を大きく東と西に分けましたときに、中野はその間、その中間に位置するということでございますので、中野以西、そうしたものを東京の西部都市圏というような捉えをしているところでございます。また、鉄道網を考慮いたしますと、中央線沿線を軸としたイメージを持っているところでございます。
○大内委員 区長がよく渋谷のところに行っても、中野が東京都の中心だと言っちゃったりして、何言っているのかなと、私、苦情が来たんですけども。これから中野が東京の中心になると、ちょっと何で中野が中心なのかと。それは多摩も含めればという意味であれなんでしょうけども。そのぐらいの気概を持っているということなんですけれども。
具体的に西部都市圏構想、この連携といいますか、近隣といろいろな、今最初にお答えになったもくろみを進めるための何か連携はやっているんですか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 現時点では、考え方を示したものでございます。ただ、産業振興ですとか、都市観光におきましては、杉並区と連携した事業や検討を行うといった取り組みも始まっておりまして、そうしたものを足がかりとして、今後の連携を進めていきたいというふうに思っております。
○大内委員 西部都市圏、中野で発信をしていこうということで、多分考えているんでしょうけど、このメリットといいますか、なぜそのように、中野がなぜやらなきゃいけないんだということではなくて、中野がなぜ手を挙げてやっていこうかなと気概を持っているのかな、多摩等含めて、この中野が一つの拠点になるというか、中野の乗降客数も吉祥寺を抜いたということで、すごい多いんですけども、その辺はどのようなメリットというか、何をしたいんでしょうかね、もっとわかりやすく。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 現在、地方創生におきましても、広域連携、そういったものがキーワードになっているところでございます。産業振興ですとか、都市観光にいたしましても、行政区域だけで捉えるのではなく、広域に捉えることでより広いネットワーク、それからビジネスチャンス、観光客の誘致、そうしたものにつながるというふうに考えているところでございます。
○大内委員 今言った、地域包括ケアもそうですけれども、中野だけではなくて近隣区、あるいは近隣市含めて、いろんなものを考えていかなければいけないときになっていますので、名前だけで終わらず、いつの間にか名前が消えちゃったよなんてこと、あるいは名称が変わっちゃったみたいにならないように。中野で一生懸命話していても仕方ない話ですから、近隣としっかり話し合いをして、相手のほうもメリットがなければ参加しませんから、その辺のところ、よく考えて進めなきゃいけない。
それと同時に、やはり話は戻りますけど、中野駅があまりにも今の貧困さじゃ、そんなことをしても、改札が1個ずつしかないじゃないかと言われちゃうと、なかなかやはりつらいものがあるというか、まだ中野の整備が整っていないと言われないように早く進めていただきたいなと思います。それは要望としておきます。
結構です。ありがとうございます。
それでは、その他で1点、ふるさと納税についてお聞きをいたします。
このふるさと納税、一般質問でちょっとさわりをやらせていただきました。また、今回の総括質疑も今まで他の同僚議員の方から多く質問がされておりましたけれども、違ったら言ってください。来年度の予算において、約3億円の減収といいますか、このふるさと納税の影響で減額されると、そういったことでいいんですか。
○黒田政策室副参事(予算担当) 試算としては3億円の減収というふうに見込んでおります。
○大内委員 それで、財調で85%見てもらえるので、純粋には、今の計算で行くと約4,500万円ほどの税収が減るだろうという予算立てになっているんですか。
○黒田政策室副参事(予算担当) 財調のところにつきましては、財調の調整3税等の伸び等で試算をしておりまして、直接には、この3億が財調部分の4,500万が減額するというような試算はしておりません。
○大内委員 してないの。
○黒田政策室副参事(予算担当) 今回直接、予算案の中では4,500万の減という形では試算をしておりません。
○大内委員 それでは、幾らの減でしているのか。3億丸ごと。
○黒田政策室副参事(予算担当) 区民税のところの一般財源の中で3億丸ごと減をしておりますが、財調につきましては、景気の動向ですとか、23区が出している調整3税の動向を見て計算しておりますので、直接には反映はしていないところでございます。
○大内委員 要は、まだ年度も明けていないので、どういう財政調整だかまだはっきりとはわからない。ただ、今までずっと85%は見てもらえるということでいいわけですよね。
それで、これ、多分そちらの資料なんですけども、この中野区民が中野区に100万円寄附した場合は、財政効果は100万円だと。中野区が他の自治体に100万円寄附した場合、財政効果でマイナス10万円と。ごめん、他の自治体の住民が中野区に寄附した場合ですね、100万円効果があると。中野区が他の自治体に100万円寄附すると、財政効果がマイナス10万円と。中野区民が中野区に100万円寄附した場合、財政効果が90万円だといった、これは間違いないですか。
○黒田政策室副参事(予算担当) これにつきましては、間違いはございません。基準財政収入額に算入されないというようなことから、財調交付金に影響を与えずに純粋に100万円になるといったようなことは、他の自治体が中野区に100万円を寄附した場合でございます。それ以外に、今、委員の御指摘のありました、中野区民が他の自治体に100万円寄附した場合につきましては、財調の交付金により50万円補われることになりますので、60万円が減少するといったようなことで、中野区民が中野区に100万円寄附した場合には、税分が60万円減少しますが、財調交付金により50万円補われることになりますので、結果的には差し引き90万円が中野区の収入分になるということになっております。
○大内委員 こうやって示されていれば、マイナス3億じゃなくて、マイナス2億5,500万でいいんじゃないのか、この計算式を当てはめるとね。マイナス4,500万でいいわけですよね。でも、あえて中野ではそれを載っけていないと、今回は。多分この例でいくと、中野区民が他の自治体に100万円寄附した場合は、そのほかにもありますけども、そのまま丸ごとマイナスになるわけではないというか、中野区に寄附する場合もあるし、他の自治体に寄附する場合もある。あるいは他の自治体から中野区。ふるさと納税、まだ中野やっていませんから、入ることないんですけど、そういうのをもろもろ考えると、今回はとりあえず、この85%という一つの数字ありますけれども、そういったものを抜きにして、ただ単純にマイナス3億円という予算編成になっているということなんですか。
○黒田政策室副参事(予算担当) そのとおりでございます。
○大内委員 それで、仮に、仮という話で進めていかないとどうしようもないので。財調で今のところ、大体85%を見てもらえると単純に計算しましょう。そうした場合に、中野の3億が外に出ていってしまったと。それで4,500万の想定で赤字になった、赤字じゃないな。今の予算にしてもマイナス3億ですからあれですけども、85%、中野区民が外に3億円出ていってしまったということで想定をした場合に、考えた場合にマイナス3億円になるのかな。大体で結構です。仮の話ですから。
それで、仮に中野が4,500万、あるいは5,000万というものを、税収をその分ふるさと納税というものを行って、もとに戻したいと考えた場合に、当然、ふるさと納税はもらうだけではなくて、何かをまた物をあげるといいますか、品物を提供するという返礼品ですね、ということが考えられるんですけれども、他区の状況で言えばいいのか、中野がまだどこまで考えているかわかりませんけれども、4,500万というものを税で残すとすると、幾らぐらい、根本的にふるさと納税というものを例えば中野にしてもらわなければ残らないんですか。
○黒田政策室副参事(予算担当) 財調の部分の数字は少し複雑ですので、簡単に申しますと、事務経費や返礼品の代金となりますが、返礼品はおおむね他区では3割程度を予定しているところが多くございます。そういった意味では、4,500万円の収入を財調等、ちょっと加味しないで残そうとした場合につきましては、およそ4割から5割というふうに言われておりますので、1億円相当の寄附があった場合には4,500万円相当は残るかというふうに考えられます。
○大内委員 あくまでも仮定の話ですから、4,500万の税収をふやすとすると、約1億円程度のふるさと納税がないと賄えないということだと思います。
そこで、このふるさと納税、23区、他の状況をちょっと若干調べさせていただきましたけれども、これは経産省の資料かどうかわかりませんけども、23区、返礼品を行っている自治体、大きなところはどこがありますか。金額ね、ふるさと納税してもらっている。
○黒田政策室副参事(予算担当) 例えば文京区でございますと、森鴎外の肖像の記章ということで、5万円以上の方に差し上げている。また、墨田区では、スカイツリーのランチ券ということで、5万円以上の方にそういったものを差し上げているというような例がございます。
○大内委員 じゃ、ちょっと3時なので持ち帰って、もうちょっと質問を考えます。
○若林委員長 大内委員の質疑の途中ですが、ここで休憩したいと思います。15時20分まで委員会を休憩します。
午後2時57分休憩
午後3時20分開議
○若林委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
大内しんご委員、質疑をどうぞ。
○大内委員 それでは引き続き、まだ時間たっぷりありますので。
ふるさと納税自体を否定しているとかではなくて、やるに当たってはかなりいろいろな課題があるなということをしっかりわかった上で実施をしなければいけないと思いますので、それを聞きたいと思います。
先ほど墨田区のふるさと納税の件ありました。もう一度答弁いいですか。ここ、近々のどの程度のふるさと納税があったかということ。
○黒田政策室副参事(予算担当) 墨田区の例をとりますと、平成25年ですが、716万4,000円の金額でふるさと納税がありまして、件数としては31件、1件平均は23万1,000円となります。平成26年につきましては、7,418万円、件数は424件で、1件当たり17万5,000円。27年ですが、9月までの数字といたしまして、4,681万5,000円、件数は970件で、1件当たり4万8,000円の平均額となっております。
○大内委員 これは多分墨田区、私も持っている資料が同じであれば、ふるさと納税の額が多いところだと思います。ただ、少ないところは、かなり少ない。1,000万いかないところが結構あります。例えば北区、あるいは豊島区でもいいです。どこか言っていただけますか。
○黒田政策室副参事(予算担当) それでは、豊島区の例でございますが、平成25年度ですけれども、37万1,000円で、23件、1件当たりは1万6,000円が平成25年度でございます。26年度は4万2,000円で、7件で、1件当たり6,000円。27年4月から9月の金額でございますが、全体で6万5,000円で、5件のふるさと納税がございまして、1件当たり1万3,000円という数字になってございます。
○大内委員 ということは、多いところは、先ほど墨田区は平成26年度実績で言うと、7,400万余、今言った豊島区は4万2,000円と。やはり返礼品によってと言えばいいのかな、あるいはシステムがどこか違うのかなという気もするんですよね、そのふるさと納税の。やはりやり方によって、先ほど中野の4,500万円を単純に、あの数字は仮の数字ですから、あれを埋めるためには1億円というもののふるさと納税してもらわないとというと、かなり大変な目玉がないともらえないのかなと思います。
そこで、もう一つ、中野区の最近の寄附というんですかね、ふるさと納税じゃなくて、中野区に寄附をしていただいている金額というのを教えていただけますか。
○黒田政策室副参事(予算担当) 平成25年度でございますが、寄附額としましては4,535万8,000円ございました。件数は15件で、1件当たり302万4,000円ということになっております。平成26年度でございますが、566万2,000円、件数としては、67件で、1件平均当たりが8万5,000円となっております。今年度の上半期でございますが、119万6,000円の寄附額がございまして、37件で、1件当たり3万2,000円という数字になっております。
○大内委員 今、先ほど、ちょっと都市のあれですけど、墨田区平均は平成25年度で23万円、平成26年度約17万円。足立区においては、平成25年度で9万5,000円、平成26年、21万7,000円。この金額というのは、1件の平均ですからね。個人の人が、ただ単にその区を思って寄附する金額としては結構大きい。広く浅くというよりもかなり大きな金額だと思う。
そこで、私が普通に考えると、この中野区、平成25年度に4,500万円、平均で300万円。平成26年度で560万円、平均85万円。やはりこういった方たちが、この寄附に関しては、色がないという言い方は変ですけど、100%中野の寄附として、財源として充てられるわけですよね。これがもし、ふるさと納税になってしまうと、この金額が減っちゃうわけですよね。金額というか、財政的効果が。例えば平成26年度、566万2,000円寄附していただいているけれども、そのまま同じような寄附してくれればいいけど、仮にこれが、じゃ、ふるさと納税あるからそっちにしちゃおうと言った場合に、560万円だけども、実際中野区の、先ほどの換算でいくと、約50%、280万ぐらいの財政効果になってしまう。そういうことでいいんですか。
○黒田政策室副参事(予算担当) 簡単に考えますと、そういったことになるかと思います。
○大内委員 簡単にというか、普通に中野区に100万円、いろいろある、相続したりなんかで100万円寄附しますよと。でも、ふるさと納税というシステムがあるから、そっちを使ったらどうですかと言った時点で、中野としては100万円もらえたのに、100万円自由に使える金だったんでけど、ふるさと納税というものを創設した関係で、ふるさと納税ということでやられてしまうと、財政的効果が半分になってしまう。そういったことも十分起こり得るわけですよね。ですから、ふるさと納税つくるに当たって、その辺をよく考えないと。ただ、ほかの区を見ると、やっぱり平均20万とか30万寄附というのを見ると、やはり何かでお金が入った、一時的に。そういった方たちが単なる寄附をするよりもふるさと納税ということで、控除を受けられる。今、控除の額も変わってきたのでね。そういったことになっていくと、簡単にふるさと納税やったからといって財政効果がどこまで見込めるのかなというのは、非常に不確定な部分がある。だから、やらないほうがいいと言っているんじゃないんですよ。やるに当たっては、その辺のところを慎重に考えていかなければいけないと思います。
それで、実際問題として、中野区として、ふるさと納税、最近いろいろ出てきて。私たちのほうから言っているんですけど、やるとしたら、何か計画あるんですか。でも、まだ今のところないんでしょう。
○黒田政策室副参事(予算担当) 現在のところ、ふるさと納税について検討して、できれば28年度中に実施をしたいというふうな考え方で検討を進めているところでございます。
○大内委員 繰り返しになりますけれども、ふるさと納税をやると必ずプラスになるというだけではなくて、場合によっては、中野に普通に寄附をすればいいかなと思っていた人たちが、じゃ、ふるさと納税にしようと思った時点で、若干今度はマイナス効果という言い方はよくないですけどね、100%ではなくて、中野区に入ってくるお金が半分になってしまうということも想定できますから、その辺のこともよく考えて。あるいは返礼品目当てとは言いませんけども、これだけ区によって違う、先ほど言った豊島区は37万、あるいは42万といった数字。多分、これ、文京区が一番多いのかも知らぬけれども、文京区は約1億900万ほどありますけども、あるいは1億600万ほど文京区の場合ありますけど、これは特殊な例なのかな。
ただ、これもあまり中身についてはよく吟味していないからわかりませんけれども、とにかくいろいろクラウドファンディングもありますけども、ネットでいろいろ申し込める、入金できるとかいろいろあるけども、とにかくその辺のところよく考えて、ふるさと納税を導入しないと、本来中野に100%寄附金が入ったのかなというのが、ふるさと納税を進められちゃうと、ふるさと納税した時点で、中野の入ってくる寄附金の額が自由に使えるお金が半分ぐらいになってしまうということもあり得るんで、慎重にやっていただきたいなと思います。
そこで、最後に、ふるさと納税、私たち区議会議員は中野区に、中野区議会議員はできるんですか。
○長﨑選挙管理委員会事務局長 いわゆるふるさと納税でございますが、あくまでも自治体に対する寄附という該当になります。公職選挙法では、公職にある者は、自身の選挙区内にあるものに対し、いかなる名義をもってしても寄附をすることができないという形にされているところでございます。この選挙区内にあるものの中には、企業や団体、また自治体なども含まれるというふうに解されております。したがいまして、公職にある者が中野区に対し、ふるさと納税という寄附を行うことについては問題があるだろうと判断されるところでございます。
○大内委員 ということは、私たちはできないと。じゃ、あなたはできるのか。あなたが区民じゃなければできるのか。あなたの場合は別に公務員でもできるんですか。
○長﨑選挙管理委員会事務局長 我々行政の者は公務員という立場ですので、公職にある者とはまた別ですので、私どもはふるさと納税することについては問題がないというふうに判断します。
○大内委員 これと関連して、例えば参議院の全国比例で出ているような人、こういった人たちはどうなってしまうか。対象としては、日本全国。全国比例だから、全国でできないんですか。
○長﨑選挙管理委員会事務局長 いわゆる参議院の場合には、全国でも、比例代表の場合は全国に網羅されている、選挙区が全国に広がっているというところもありますので、当該比例の選挙の候補者については、全国の自治体に対して寄附することができないといったような国会の答弁があるというのを認識しております。
○大内委員 ありがとうございます。そういうことで、私たち、協力はしたいんですけれども、なかなかちょっとできないということで。頑張って職員の人にしてもらえるように、上げていただきたいと思います。
では、全て終わります。ありがとうございました。
○若林委員長 以上で大内しんご委員の質疑を終了します。
次に、高橋ちあき委員、質疑をどうぞ。
○高橋(ち)委員 お疲れさまでございます。今、元気のいいうちの幹事長、大内幹事長の後の質問でございますけれども、私も負けないようにやりたいなと思いますけど、きょうは本日最後の質問でございますので、理事者の皆さんも大変お疲れかと思います。また、自民党の議員団としても最後の質問者となりますので、どうか極力5時前には終わるように頑張りますので、わかりやすい御答弁をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、質問は通告どおりでありますけれども、1番目のその他に、もしかして聞いちゃうかもしれないことがありますので、準備をしておいていただければと思います。
まず1番目に、施政方針説明の中において、出生率向上についてということがうたってありました。「中野では、この二、三年、出生数や合計特殊出生率が増加に転じています。しかし、東京都や23区全体に比べると、依然低い水準にあります。子どもの笑い声が聞こえる、次の時代を担う子どもたちが健全に育っている地域をつくっていくことが求められています」と言っておられます。
私は、つい最近、この「23区格差」という本を――読んだ方もいらっしゃるかと思いますけれども、目にしまして、内容が大変気になり、購読しました。そして、東京23区を分析しておりまして、ABCのランクづけがあります。中野区はBランクに入っているんですけれども、中野区は未婚者の割合が男性3位、女性が4位の独身天国であるというふうに書かれておりました。東京西部地域で、老舗の住宅地域というふうに褒めてあるんですけれども、いわゆるシニア層の人口が多いので、そのため幼児の人口比率も23区中最低となっているというふうに書かれております。私が言っているんじゃなくて、この本が言っておりますから。
それで、でも、悪いことばかりではなくて、中野四季の都市(まち)を含めた再開発には好評な評価がありまして、「弱みを埋めて強みを伸ばす、果敢に多くのことにチャレンジしている中野を期待している」というふうにも書かれてありました。
ちょっと話、それましたけど、区として、なぜ他区より低い水準にあるのか。その要因は何なのか、調査したことはあるのでしょうか、まずお伺いいたします。
○森政策室副参事(基本計画担当) 今、委員御指摘の幼児の人口の比率が低いということの原因でございますが、明確なデータということについては調査しているところではございませんが、交通の便がいいことによりまして、単身者向けの住宅状況が多いというようなことから、初婚年齢、若い世代ですね、そういった世代が比較的多く住んでいるということが要因の一つではないかというふうに捉えているところでございます。
○高橋(ち)委員 本当に単身者が多いということは昔から言われているところでありますけれども、それは状況はよくわかりました。
また、区は、これまでも子育てしやすい環境づくりということについて、極めて優先順位の高い施策として取り組んできましたとのことですが、「極めて高い施策」ということですが、具体的に何であったのかを教えてください。
○森政策室副参事(基本計画担当) 区は、これまで保育所の待機児対策、あるいは就学児童の放課後対策、また昨年の10月からでございますが、保健師等による全妊婦を対象とした妊娠期プランの作成や面接の実施など、妊娠・出産・育児と切れ目のない支援を行うための施策というのを展開してきた。このような子育てしやすい環境づくりに努めてきたというふうに考えているところでございます。
○高橋(ち)委員 そういうふうにうたっているだけですけれども、目に見えてわかっているかどうかはちょっと不安であります。さらに、検討中の10か年計画や、中野区まち・ひと・しごと創生総合戦略では、これをさらに一歩進めて具体的な出生率の目標を立てて、「育てやすい」から「産みたくなる」への取り組みの強化を図ることとしています。何をどうするのか、区民がさっと聞いて理解できるような施策を示さないと、全く理解できないんじゃないかなと私は思うんですけども、現在区民の方々が育てやすい中野と感じているのか、現実、どのように把握されているのかを教えてほしいと思います。また、産みたくなるという感じを持ってもらうには、どう対応されていくのでしょうか。
先ほども「23区格差」という本でのお話をしましたけれども、独身天国と言われる中野で産みたくなるという思いを持ってもらうのは、かなりの労力と知恵が必要と感じますが、いかがお考えですか。
○森政策室副参事(基本計画担当) 子育てのしやすさということにつきましては、乳幼児の相談支援ですとか、子育ての困難性や戸惑い等、そういったものについて、保護者に対してのアンケートをとっておるところでございます。そのアンケートによりますと、8割程度が大きな不安もなく、子育てに取り組んでいるというような結果が出ているというところでございます。
子どもを産みたくなるという環境づくりにつきましては、子育て、教育の充実に加えまして、住宅の誘導ですとか、ワーク・ライフ・バランスの推進など、さまざま施策を横断的に展開していく必要がある、多角的な取り組みが必要であるというふうに考えているところでございます。
○高橋(ち)委員 まさしくそのとおりだと思います。産みたくなる場所ですよと口で言っているだけでは全然そういうふうに感じ取れないので、努力が大変必要かと思います。
先日、特別区協議会が行っている議員の講演会の冊子をもらって、その講演内容を見たところ、「少子化対策の可能性、若者への支援をめぐって」というふうな題でありました。そして、なぜ少子化になっているのかという現状を根本から探って、最も必要な対策は何かというような講演内容だったんですけれども、少子化の原因は、そこに書いてあるのは、1は結婚の減少にあって、2は結婚したくてもできないことが主因、3は若者をめぐる環境――この環境というのは、雇用とか男女交際が激変しているのに、結婚してからの生活意識とか体系が、今までの私たちが結婚してからの生活と今の若い人の思いが変わっていないというギャップだそうです。近年、未婚化の理由としては、経済的な不安、出会いの減少、恋愛へのあこがれの喪失というのがあって、これは何とも寂しい問題だなと思いますけど。あと、親と同居している安定感も理由の中にあると書かれていました。まあ、そうなんだろうなと。いろいろな方が質問されていて、何というんですか、晩産、晩婚と言われていますけれども、出産年齢が、初めての出産する歳が30代過ぎて半ばになっているとか、結婚も30代と。それを聞いていて、ああ、いわゆるそういうことなのかというふうにちょっと納得しちゃったんですけども。
子どもを産むということは、普通に考えれば、結婚、そして出産ということになるんですけれども、結婚する人たちが減少しちゃっている現状、出生率を上げるということは本当に大変なことだと思うんですよ。
それで、きょういただいた全国市議会旬報ですか、ここに石破茂大臣の何か文章が載っているんですけれども、これから先は日本は、世界人類誰も経験したことのない、恐ろしいスピードで人口減が進みます。今、日本人は1億2,700万人でありますが、このままの出生率、死亡率が続くと、たった200年後に今の10分の1になり、1,391万人、300年後には423万人、どんどんいっちゃって、私たちなんてはるかにもういないんですけど、西暦3000年には1,000人になってしまうというようなことがここに書かれていました。それほど出生率を上げていかないと大変なんだというふうに思うんですけれども、そのような認識を持って今後対応されていくんでしょうか。
そして、最良の施策であるということが考えられているのであれば、お示しください。
○森政策室副参事(基本計画担当) 先ほども御答弁いたしましたが、中野区につきましては、初婚年齢に届こうとしない、若い世代が比較的多く住んでいるというようなことが、一つ出生率に対しての、向上に対しての一つの大きな課題であるというふうに認識しておるところでございます。
少子化の要因についてもさまざまあるところでございますが、先ほどの御答弁とも重なりますが、子育て、教育環境を充実する、住宅状況等、多様にさまざまありますので、個々の施策というよりは、施策を横断した多角的な、多面的な取り組みによりまして、目標に掲げております出生率の向上というのを目指していきたいというふうに考えているところでございます。
○高橋(ち)委員 1部署でやるよりかは、多くの部署でいろいろと知恵を出し合ってやっていかないと難しいだろうということだと思います。
この項の中に、妊娠・出産・育児と切れ目のない子育て支援、多様で質の高い幼児教育、保育の提供、学校教育では、グローバル社会の進展を見据えた云々といろいろ書かれておりまして、真正面から出生率の向上に取り組んでいきたいと考えていますと言っておられます。今、いろいろな部署でやっていかなくちゃいけないというような御答弁がありましたけれども、本当に連携が上手にとっていかれなければ達成することが困難と私は思うんですけれども、どんな体制でやろうとしているんでしょうか。
また、施策に取り組む場合に、中心となる部署が本当に重要になると思います。この内容を見ると、地域支えあい推進室、子ども教育部などが中心で行うんでしょうけれども、今現在でも、キッズ・プラザ、児童館、地区懇、またそれぞれは支えあい推進室、子育て支援に関しても支えあい推進室と、子ども教育部と分散されている状況で、私たちでさえ混乱してしまうことが多くあるんですね。ですから、書面上の言葉だけでなく、本当にそのように進められるのか、心配になっちゃうんですけど、きちんと取り組みがされていく自信をお持ちであるか、その点をしっかりとお示しください。
○森政策室副参事(基本計画担当) 委員御指摘のとおり、少子化対策にかかわる部署につきましては、多岐にわたるところでございます。出生率向上という大きな目標を掲げておりますので、施策を横断した取り組みが不可欠であるということでございます。全庁的な推進体制、出生率向上に向けた効果的な少子化対策の推進体制につきまして、今後検討して、しっかりとした形で取り組んでいきたいと考えております。
○高橋(ち)委員 しっかりした形で取り組んでいきたいことを示されるのは、いつごろなんですか。
○森政策室副参事(基本計画担当) なるべく早く、しっかり体制を整理して取り組んでいきたいと考えています。
○高橋(ち)委員 大変なことはわかっておりますけれども、やっぱりこうやって、要は区長の施政方針の中に入っているわけですから、それなりにこうやってやっていくんですよと、時期はこれまでには何とか示したいんですというところまで進んでいってくれないと、これからどうなるんですかって、予算のこの議会の中において、心配になってしまいますので、副参事のお言葉どおり、しっかりやりますということですから、そのお言葉を信じて、これ以上は聞きません。ありがとうございます。
次に、地域見守り・支えあいについて何点かお伺いをしたいと思います。
きょう最後なんで、さまざま、大勢の方たちがいろんな質問をされたから重複しちゃうこともあるかもしれませんけど、一応お伺いさせていただきたいと思います。
今後、ますます進む超高齢化社会にあって、誰もが住みなれた地域で必要な見守りや医療・介護・福祉のサービスを受けながら、住み続けることのできる地域包括ケア体制をつくり上げていくことが大きな課題となっていますと言っていらっしゃいます。
その課題は、医療・介護の各職種の関係団体、町会・自治会、民生児童委員やその他の関係機関と連携し、必要な支援を必要な方に着実に届けていける体制をつくるということですともうたっております。
地域包括ケア体制をつくり上げることはとても大変な作業だと考えますけれども、区では、地域包括ケアシステムの充実を自助・互助・共助・公助の役割分担に基づく関係する主体がそれぞれに取り組みを進めていくものと言っています。関係者間では、意識が高まってきているものと思いますが、地域の人はまだまだというか、ほとんど関心を持っていないように感じています。地域包括ケアについては、この動きを地域全体が理解して、共有して進めていくことが大事なことだと思うんですね。
そこで、幾つか区の考えをお伺いいたしますけど、区は、地域包括ケア体制の土台として、町会・自治会の見守り・支えあい活動を挙げていますけれども、110の町会・自治会のうち81団体が名簿の活用をしているということです。とても高い割合になったんだなというふうに思いますけど、今後はこの名簿をいかに活用するかということと、町会・自治会の活動を地域の人に広く浸透させていくことが大切じゃないかと思うんです。区は、今後のこの名簿活用、そして広く地域の人への支えあいの意識と行動の浸透をどう図っていこうと考えているのか、まず教えてください。
○波多江中部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 町会・自治会の中では、見守り名簿を積極的に活用して高齢者訪問を行うなど、先駆的な取り組みをしている町会・自治会がございます。その一方、これからそれぞれの地域の実情に合った、負担の少ない、参加しやすい支えあい活動を始めていこうとしている町会・自治会さんもございます。
今後、それぞれの町会・自治会の実情に合わせ、先進的な取り組みや、誰でもできる取り組みの実践例を各区民活動センターでのネットワーク会議やすこやか福祉センターでの地域ケア会議などの話し合いの場で取り上げ、広く支えあいの意識と行動を浸透させるよう取り組んでいきたいと考えてございます。
○高橋(ち)委員 すごく一生懸命やっている町会さんと、まだまだできていない町会さん――言い方は失礼かもしれませんけれども、すごい差があると思うんですね。だから、ぜひとも浸透できるようにしてもらいたいと思います。
また、区は、介護予防の日常生活支援総合事業の開始時期を慎重に検討していくとのことで、29年の4月に延期をしたんですけれども、介護予防ということは、制度の変更ももちろんですが、区民の意識の中に介護予防をいかに植えつけて、実際に取り組んでもらうかにかかっているんだと思います。ですので、中野では、高齢者会館を16カ所設置して、介護予防を進めるための地域の身近な拠点として位置付けているようでございますが、南の地域でも本一高齢者会館やしんやまの家などが頑張っていらっしゃいますが、一方で、利用者については固定的であるという話も聞きます。これから先、地域包括ケアシステムを充実していく上で、高齢者会館の果たす役割はもっと大きくなっていくものと考えますが、区は高齢者会館の現状をどのように捉えて、今後どのように発展させようと思っているのか、お示しください。
○宇田川南部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 現在、各高齢者会館では、委託している地域の団体の皆さんが利用者のニーズにこたえながら、さまざま工夫を凝らして多様な事業を展開してくださっております。高齢者会館の延べ利用者総数も年々ふえておりまして、平成26年度は24万9,322人となっております。平成21年度の約1.3倍という状況でございます。平成27年度は、12月末現在で、19万9,617人ということで、さらに利用者がふえているという状況でございます。
今後につきましては、地域の高齢者の健康づくり、それから生きがいづくり、介護予防の拠点として、すこやか福祉センターの医療専門職による支援を強化し、さらに効果的な事業展開ができるよう、機能充実を図っていくことが必要というふうに考えております。
○高橋(ち)委員 利用者がふえたということは、それはいいことだとは思いますよ。だけど、利用者がふえたんですよ、だから介護予防も認識していますという理解ではいけないと思うんです。だから、使ってくださる多くの方がいらっしゃるわけですから、これからの介護予防について、区がどういうふうに考えていって進めていくのかというのが一番大事じゃないかなというふうに思っておりますので、そのようなことをしっかりと取り組んでいってもらいたいと思います。
二つの例を挙げましたけれども、地域包括ケア体制の充実については、ぜひ土台となる地域の動きにも着目して推進を図ってもらいたいというふうに思います。こうした動きをつくっていくのは、すこやか福祉センターの所管となると思いますけれども、見守り・支えあいは地域支援分野、高齢者会館も地域支援分野、高齢者会館での介護予防ということだと保健師さんも関係してくるかと思いますが、保健師さんは地域ケア分野だと思います。地域で、地域包括ケアを進める体制が支援とケアにまたがっているように思えますが、これは本当に大丈夫なんですか、念のためにお伺いいたします。
○宇田川南部すこやか福祉センター副参事(地域支援担当) 地域包括ケア体制の推進は、地域支援分野と地域ケア分野で組織するすこやか福祉センター全体の本来業務でございます。保健師をはじめとする医療の専門職につきましては、両分野を兼務して、高齢者の健康づくり、介護予防も担っております。
○高橋(ち)委員 同じ支えあい推進室ですから、分野が分かれていようが同じですと言われればそれまでかもしれませんけれども、担当者がそれぞれ違っている分野に行って連携がとれるのかなというのは心配ですから、しっかりやってもらいたいと思います。
ここで改めて、地域包括体制について、所管するところはどこなのかを確認させていただきます。
所管は、地域支えあい推進室と健康福祉部、区民サービス管理部ということでいいんでしょうか。地域包括ケアシステムについては、一つの部署で行う事業ではないので、連携がここもまた、出生率と同じように、ここも大変になってくるんじゃないかと思います。
伊藤正信委員の一般質問でも、新しい分野を新設するという答弁がありましたけれども、どのような体制をお考えなんですか。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 総合事業の準備と円滑な移行に向けた体制を強化することを目的といたしまして、地域支えあい推進室に地域包括ケア推進を担当する分野を新設いたします。現在、健康福祉部で所管しております医療・介護の連携推進、認知症対策の事務を地域支えあい推進室に移しまして、地域包括支援センターの運営や介護予防、生活支援サービスなどの事務とともに、新しい分野で一括して担当してまいります。
○高橋(ち)委員 そうすると、確認ですけれども、28年度からは、健康福祉部にあったものが支えあい推進室のこの新しい推進担当分野に移るという理解でよろしいんですか。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) そのとおりでございます。
○高橋(ち)委員 わかりました。では、新しい体制になったときに、また改めてお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、しっかりとやってもらいたいかなというふうに思います。
次に移ります。
ここで、その他のところなんですけれども、ここも何かちょっと心配なことがありまして、1点だけ伺います。
妊娠期から出産期までの切れ目のない多様な支援においてもという云々があるんですけれども、妊娠の届け出は子育て支援分野で届け出を行って、母子手帳、母と子の保健バッグなどをもらうわけですが、この後の対応や支援はすこやか福祉センターで対応するという理解でいいんでしょうか。
子ども総合相談窓口を今まで以上に充実するという新規事業に対しては、本当によかったなと思っているんですけれども、地域ケア分野の目標の中にも、保健、福祉及び子育てに関する情報提供や相談支援を行う総合相談機関として、すこやか福祉センターが活発に利用されることによって区民は住みなれた地域で安心して暮らしていけると書かれています。ここにおいても、「えっ」というふうに感じてしまうんですけれども、いわゆる区民は、妊娠・出産を控えて、子ども相談窓口に行きます。そして、母と子の保健バッグをもらいます。そうすると、その後は、すこやか福祉センターへ行ってくださいというふうになるんですか。
そうなると、ワンストップ対応と言っているのに、全くワンストップじゃないんじゃないのかなというふうに私は感じてしまいました。区民に不便をかけることになると思いますけれども、ここでは、すこやか福祉センターとしてはどう考えているのかをお示ししていただきたいと思います。
○只野中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 妊娠の届け出、母子手帳の交付については、すこやか福祉センターでも受け付けており、7月の南部すこやか福祉センターの移転後は、就労中の妊婦のため、全てのすこやか福祉センターで夜間、土曜日も対応してまいります。
区役所の子ども総合相談窓口は、区内のどこからでもアクセスが容易な立地であり、また他からの転入手続に合わせて利用できるなど、ワンストップとしての利点があると考えております。すこやか福祉センターでは、母子手帳を交付した者に対して、プレママコールという、妊婦への架電を行いまして、来所していただいた上で、面接とプラン作成を行うことで妊娠期の一貫した支援を行ってまいります。
○高橋(ち)委員 プランをつくってあげるとか、そういう届け出もできるんですよという話ですけど、確認ですけど、すこやか福祉センターでさっき私が言った母と子の保健バッグというのはもらえるんですね。
○只野中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) そのとおりでございます。
○高橋(ち)委員 それは、もらえるのはやっとわかりましたよ。だけど、区民の人がどれだけ知っているか。はっきり言って、私は知識不足だったのかもしれませんけれども、3階の総合相談窓口に行って、それから何かいろいろ相談がある場合はすこやかに行くのかなという理解でした。なので、ほとんどの区民の人が知っているかどうかはこれは定かではありませんけれども、やっぱり上手に広報するべきだと思います。
切れ目のない、そういう多様な対応をされていくんであれば、きちんと3階の子ども総合相談窓口であろうと、四つのすこやか福祉センターであろうと、どんなことでも対応ができるんですというふうにきちんと区民というか、これから相談する人ね――でも、区民の方に知ってもらうことが、まず大事だと思いますけど、どういう広報をしたんですか。
○只野中部すこやか福祉センター副参事(地域ケア担当) 区報、ホームページ等を使って、広報をしてございますが、今後も工夫を図っていきたいと考えてございます。
○高橋(ち)委員 区報を見ればわかるんですよとか、ホームページを見ればわかるんですよといつも言われちゃいますけど、たまたま見なかったとか――見ない人がいけないんだと言われちゃえばそれまでですけれども、やっぱり応援していく体制をつくるわけですから、どんなところでも、見れば、「ああ、ここでもできるんだな」というわかりやすいサインを出していただきたいと思います。これは要望にしておきます。
いろいろとこれから課題がたくさんあるんだと思うんですけれども、次に、新しい中野をつくる10か年計画の中の何点かというか、二つなんですけれども、子どもの育ちを支える地域づくりについて、気になったことを伺います。
新しい中野をつくる10か年計画の中で、子どもの育ちを支える地域づくりという項目では、目標とする姿に、地域の中で育成活動のネットワークが広がり、社会全体で子どもたちの育ちを支えています。その中で、次代の担い手である子どもたちがさまざまな世代の人との交流や、豊かな体験を通じて成長していきます。さらに、子どもの安全を守る活動が充実していますと書かれています。
その中で、地域の育成活動等の充実と育成者支援とあり、地域の子育てや育成活動を支えるために地域の育成の中核となる人材を育てるほか、ボランティアの機会を紹介するなどにより、新たな人材の育成につなげていきますなどとうたわれております。
私は、今、青少年育成地区委員会というところに所属しているんですけれども、現在、このような団体があることはわかっていらっしゃるとは思いますけれども、この青少年育成地区委員会は、昭和31年に青少年問題協議会の下部機関として、区内11出張所を単位とする青少年対策地区委員会として設置をされました。その後、昭和50年に青少年地区委員会と名称を変えまして、自主的な活動団体として今日まで活動を続けてきているというふうに私は思っているんですけれども、この間、さまざまな制度改正や社会状況の変化があった中、行政や地域にかかわる関係は、町会活動と同様とも考えて私は言い過ぎではないと思っているんです。
10か年計画の中で、子どもの育ち、地域、社会全体で支えていくというのであれば、青少年育成地区委員会はとても大切なパートナーだと考えるんですけど、どのようにお考えですか。
○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 青少年育成地区委員会は、長年にわたり自主的団体として子どもたちの健全育成に取り組まれており、区では、そうした区民が主体となった活動に側面から援助を行うとともに、地域における子どもや子育てにかかわるさまざまな団体のネットワークの強化に努めてきたところでございます。今後とも、地域における健全育成の中核を担う存在として、一層の連携協力を進めてまいりたいと考えてございます。
○高橋(ち)委員 本当に大事なパートナーだと思ってくださることはわかっているんですけれども、何かあまりにもちょっと随分置いてきぼりを食っているかなというような気もしないでもないんですけれども。平成18年に区民公益活動推進条例が施行されて、それまでは独自に補助金を支給されていたものが、助成という制度に変わりました。その後、交付額は年々減ってきているように聞いております。地区委員会を別に特別扱いしてほしいということではないんですよ。区と共通の目標に向かって、中野区の子どもたちの育成にボランティアで取り組んでいる団体に対して、もう少し目を向けていくべきじゃないかなというふうに思います。
時代の変化とともに、子どもたちの行動もだんだん変わってきていまして、参加する子どもたちが少なくなったり、育成者の協力や理解を得るのも大変だったりという現状です。それでも、地域、PTA、町会などのサポートを大変ありがたくいただいて活動しているところなんですね。それで、バスハイクもしなくちゃいけないとか、現在、バス代もとても高くなっているということで、企画することすらが困難な状況にあるというふうに聞いています。知恵と努力で運営しているんですけれども、それにも限界があるという話もあります。
政策助成制度の中では、こうした活動は、活動領域4、子どもと子育て家庭を支援するための活動に区分されているようです。しかしながら、申請する団体が事業の数がふえてきているからなのか、各団体の持ち出しなどの負担が年々ふえてきて大変だという声も伺っております。
そこで、伺いますが、この子育て支援に係る活動領域4についての政策助成の申請件数と交付決定件数は、26年度と27年度ではどのようになっていらっしゃるんでしょうか。
○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 区民公益活動政策助成の活動領域4におけます平成26年度の申請件数、交付決定件数は、いずれも74件でございまして、平成27年度につきましては、申請件数77件に対しまして、交付決定件数は74件でございます。
○高橋(ち)委員 大変多くの団体が積極的に活動していただいているということがよくわかるんですけれども、政策助成全体で約30件ほどというふうに聞いているんですけれども、全体の約6割が子どもの育成に係る事業ということになるんじゃないかなというふうに感じます。でも、申請額に対してどのぐらいの割合で助成されているのかが重要だと考えるんですね。申請額に対する交付額の割合について、26年度と27年度の実績を教えてください。
○永田子ども教育部副参事(子育て支援担当) 平成26年度の申請額は776万3,005円、交付額は531万2,960円で、申請額に対する交付額の割合は68.4%でございます。平成27年度につきましては、不交付となった事業を除きます申請額は840万599円、交付額は512万4,967円で、申請額に対する交付額の割合は61.0%でございます。
○高橋(ち)委員 何かどんどん下がっているような気がするんですけどね。交付額が下がってきているという、本当にそういう状況なんですけれども、これでは毎年同じ活動をしていても、年々自己負担がふえるばかりで、活動の継続性がすごく確保されなくなっていくような気がしてなりません。政策助成全体として見た場合、交付を決定した事業について、申請額に対する交付額の割合はどのようになっているのでしょうか、教えてください。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 平成25年度が69%、26年度が68%、27年度が61%となってございます。
○高橋(ち)委員 何かふえていくんじゃなくて、減ってきているんですけれども、本当に。はっきり言って、区民の方々の公益活動を活発化していこうというのであれば、当然それに見合った財源が必要となってくるんじゃないかなというふうに思うんですよ。だけど、予算はふやさないでいるのかなというふうに思うんですけど、予算額はどうなっているんでしょうか。これも推移をお願いします。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) 過去3年間でございますが、25年度、26年度、27年度の予算額は同額でございまして、1,022万4,000円でございます。
○高橋(ち)委員 同額で、それで申請する数がふえてきたらどんどん減ってきますよねという当たり前のことですよね。そう考えますけれども、区民の活動に対して区が本当に応援してくれているのかなというふうに考えちゃいますよね。そして、応援していきますというふうに、こうやってうたっているわけですよ。区の政策として、これからさらに子育て支援に力を入れるというのであれば、特にこの領域に重点的に予算を考えるということがあってもいいんじゃないのかなというふうに私は思います。少なくとも、政策助成全体として、区民の活動を支えられる申請額に見合う予算を確保していくことが必須だと思うんですけど、どのように考えますか。
○高橋地域支えあい推進室副参事(地域活動推進担当) この政策助成の制度が区民の公益活動を推進しまして、地域の課題の解決へとつながっていきますよう、PDCAにより改善を図っていきたいと考えてございます。予算の充実、重点化などについても、今後検討してまいりたいと思います。
○高橋(ち)委員 ぜひ検討してもらいたいと思います。多く出せばいいという問題でもないんですけれども、申請する団体がどんどんふえてきているわけですから、それを考えてほしいということです。よろしいですか。
この10か年の計画においても、子どもの育ちを地域全体で支えていくということであるのであれば、その仕組みがしっかりと機能するように行政として支援、特に財政面で支援をしっかりと考えていくべきと思います。これは、このことは強く要望をしておきます。あまり言うと、自分もその立場ですからあれですから、よろしくお願いしたいと思います。
次に、この項の中で、公園利用の方法の検討、方針策定についてと書いてありましたので、ここでこの件について幾つかお伺いします。
中野区は、この数年間、大規模公園の整備に取り組んでおり、昨年6月には、白鷺せせらぎ公園がオープンし、先月の27日、つい最近ですけど、南台いちょう公園がオープンをしました。そして今月の19日には本五ふれあい公園の開園式が行われる予定となっていると聞いております。
既にオープンしている白鷺せせらぎ公園の多目的運動広場では、自由利用の時間帯には、子どもたちがキャッチボールやサッカー、バドミントン、バレーボールなど、さまざまな運動や遊びの空間として利用していると聞いているところです。それぞれの地域に魅力ある大規模公園が次々と開園して、大変うれしいなというふうには感じているところでありますけれども、中野区は1人当たりの公園面積も少なくて、これまでは子どもたちがボール遊びをまともにできる公園も10カ所と少ない現状でありますから、このような魅力あふれる大規模な公園がさらに各地域に整備されていけばうれしいなというふうには思っております。
質問に入ります。
さて、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の中で、公園機能の重点的強化による利用者の増加という項目があり、「特定のスポーツ利用が可能な施設など、機能が特化した公園施設の整備を進めます。また利用者にとって利便性の高い公園の利用方法やルールを検討し、ペット同行の入園についても推進を図っていきます」と記されています。以前、同僚のいでい議員、または若林議員からも、公園利用については質問させていただきましたけれども、この実現への取り組みとしてのステップ1において、利用方法の検討、方針策定をされることになっているようですけれども、どのようなことを検討され、方針を作成していかれるのかをお伺いいたします。
○尾﨑都市基盤部長 公園利用の方法についてでございますけれども、まず平成28年度には、中野区内の公園数は165カ所となり、全体の約6割は開園から35年以上経過している現状でございます。この165公園のうち、大規模公園や運動機能に特化した公園、そして直近に整備する公園を除く中小規模の公園について再整備の対象としたいと考えております。
御質問の公園の利用方法の検討、方針策定につきましては、ボール遊びができる公園、四季を感じられる公園、健康づくり公園、乳幼児が集える公園等、各地域に特色のある、そして魅力ある公園づくりと配置のあり方について検討を進め、方針を定めてまいりたいと考えております。
○高橋(ち)委員 165カ所あるうちの6割以上が35年以上たっているという話ですけれども、本当にボール遊びや幼児が遊べるような公園をきちんと早く策定してもらいたいかなというふうに思います。これは要望にしておきますけど、とにかく早く示していただきたいと思います。
それでまた、本五ふれあい公園の基本設計のときに、小さくてもいいので、私はドッグランを加えてもらえないだろうかというふうに提案をしたんですけれども、検討してもらえるのかと期待していたら、そんなことは考えていないよと断られちゃって、がっくりしたんですけれども、公園は多くの人が利用するので、全ての人が犬好きとも考えられません。確かに万人が動物好きでないことは承知しています。けれども、ルールをつくれば利用できないこともないというふうに思います。
小さい公園でもそうだと思います。例えば、同行入園できる犬の登録制度を設けるとか、登録できる仕組みとしては、ちゃんとした区に登録しているとか、狂犬予防接種が確実にされているとか、犬のしつけ教室などにも参加したことがあるとか、そういう限定――限定というのは変ですけれども、そういうことに特化して考えたらどうかなというふうに思います。そうすれば、動物嫌いの区民の人たちにも理解が得られるのではないかと思います。このような取り組みについてはどのように考えているのか、まず伺います。
また、本五ふれあい公園の工事開始前まで行われていたペットのしつけ教室は再開されるのでしょうか。あわせて伺います。
○尾﨑都市基盤部長 犬の同行入園につきましては、一定のルールや仕組みの構築を考えてきたところでございますが、なかなか実現までに至っておりません。御提案がございましたような点、それから先ほど公園整備の方針作成の中で改めて考え方、ルールづくりをし、犬の同行入園可能な公園整備に向けて取り組んでまいりたい、そのように考えております。
あわせまして、また、愛犬のしつけ教室につきましては、江古田の森公園において、3月26日開催が予定されているところでございます。愛犬のしつけ教室の主催者に確認したところ、今後も江古田の森公園を利用したいという意向を伺っているところでございます。
○高橋(ち)委員 そうすると、本五ではやらないという理解でよろしいんですか。
○尾﨑都市基盤部長 本五ふれあい公園でございますけれども、そちらのほうで活動をするという申請がありましたらば対応してまいりたい、そのように考えております。
○高橋(ち)委員 申請があればじゃなくて、待ちの態勢じゃなくて、持っていく態勢にしてもらいたいんですけれども、それはそちらの都合でしょうからあれですけど、江古田の森でやるのは、それは本当にいいことだと思います。だけど、今、公園整備に入っちゃって、ずっと待っていた人たちもいるわけですから、しつけ教室をやる団体さんが、そこまで行くのは大変だよっていう話だったらあれですけれども、申請があったらではなくて、ぜひ再開してもらえるでしょうかねぐらいは聞いておいてもらいたいかなと思いますので、これは要望にしておきます。あまり無理は言うと失礼かなと思いますので、お願いいたします。
次に、平和の森公園についてもお尋ねします。先ほど幹事長からも公園の整備について伺っておりましたけれども、私はこの平和の森公園の犬の広場、いわゆるドッグランについて伺いたいと思います。
現在の犬の広場の利用状況はどのようになっているのでしょうか。年間を通しての人数なども把握されているのでしょうか。
また、平和の森公園は、中野区内で唯一のドッグランである公園であります。また、本当に他区にあまりないですけれども、中野に1個だけあるというのが自慢なんですけれども、駒沢オリンピック公園のドッグランでは、公園の周りにドッグカフェやドッグショップがたくさんあるんですね。そこで、平和の森公園の再整備の際には、犬の広場もリニューアルを多分されるんだと思うんですけれども、ウッドチップを使った広場や遊歩道なども整備したり、とにかく公園の周りの環境にも配慮をするべきだと思います。
平和の森公園の周辺のまちなみには、おしゃれなショップがあったり――これ希望ですからね――休憩できるカフェがあるなど、自然と平和の森公園に足が向くような、利用者が楽しめるような施策が大変必要だと考えますが、いかがお考えですか。
○尾﨑都市基盤部長 前半の部分について、まずお答えをさせていただきたいと思います。
平和の森公園の犬の広場、ドッグランにつきまして、利用者の把握についてはしておりません。ただ、年間を通して多くの愛犬家の方々に御利用いただいているところであるということは十分承知しております。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) では、後段の部分についてお答えさせていただきます。
平和の森公園の再整備に当たって、現在、基本構想(案)をまとめている段階でございますが、現在ある犬の広場をどの程度再整備するかは、今後の基本計画策定の段階で検討してまいりたいと考えております。
○高橋(ち)委員 基本計画の策定の中でということですけど、確認ですけど――確認しますよ。犬の広場はなくならないという理解でいいんですね。
○千田都市基盤部副参事(都市基盤整備担当) 先ほど委員からも中野区の唯一のドッグランというお言葉もいただいていますし、今回のこの平和の森公園につきましては再整備ということが基本になっておりますもので、その方向で進めてまいりたいと思っております。
○高橋(ち)委員 ぜひお願いしたいと思います。
では次に、地域での人と愛護動物の共生促進の中で聞きたいと思いますが、目標とする姿が、「ペットの正しい飼育方法等について、飼育者や地域の理解を深める取り組みにより、地域での人との愛護動物の共生が促進されています」とあります。これはもちろん東京都任せにするのではなく、区においても大いに取り組むべきことだと思いますけれども、先ほどもいさ委員かな、聞いていた、「地域猫として見守る町会などの取り組みを支援します」とも書かれています。これについては、現在も行っていることだと思いますけれども、猫の不妊・去勢手術をするときに、獣医さん、動物病院さんと地域、それから町会などの連携が大変重要になると思います。先ほど副参事も答弁の中では、大変連携が必要なんだというふうにお答えいたしておりましたけれども、いま一度確認をいたします。御答弁をお願いいたします。
○浅川環境部副参事(生活環境担当) 地域猫活動は、地域全体で取り組んでいただく必要があることから、区の助成制度におきましては、町会・自治会がこの活動の主軸となっていただきたいと考えたものでございます。新たに事業開始する町会・自治会さんは、猫の捕獲等について知識やスキルが不足しており、地域猫活動を実施することが困難なため、東京都から委嘱されている動物愛護推進員や地域で活動しているボランティアと連携することが不可欠でございます。
こうした町会・自治会が主体となって実施し、広めていく地域猫活動には、このような地域猫活動の趣旨を十分理解し、適切に支援できる地域の獣医師の存在がぜひとも必要でございます。このことから、区は公益社団法人東京都獣医師会中野支部に協力いただき、安全で衛生的な手術の実施はもちろん、専門の動物医学に加えまして、地域の動物愛護推進といった公益の実施にかなうアドバイスを受けられる協力動物病院のネットワークを構築したものでございます。現在、協力動物病院は15カ所ございます。
地域猫活動の助成制度をきっかけといたしまして、区内全域に人と愛護動物との共生の精神が行き渡るよう、町会、動物愛護推進員、ボランティア、協力動物病院の連携をさらに強固なものにしていきたいと思っております。
○高橋(ち)委員 ぜひ今の副参事の御答弁のように取り組んでいってもらいたいと思います。誤解のないような対応をぜひともお願いいたします。
次に、もう一つあるんですけれども、中野区には160の公園があるかと思います。さっき165と言っていましたよね、大きい公園入れて。
この新しい中野をつくる10か年の改定素案の中に盛り込んで、公園のイメージを変えていこうというお考えだと私は思っているんですけれども、先ほども言ったように、小さな公園から大きな公園まで、あれもだめ、これもだめという考えから改めていただきまして、あれも大丈夫、これも大丈夫という方向に進めてほしいなというふうに思っています。御答弁をお願いいたします。
○尾﨑都市基盤部長 区内の多くの公園は、同じような遊具や植栽であり、全体としてあまり規模が大きくないのが現状でございます。このような状況でのキャッチボールや花火の打ち上げ等が、ルールやマナーを守らない一部の利用者により行われ、苦情も多いことから、禁止事項を多く設けてきた、そういった経緯がございます。
公園の再整備に向けては、利用方法の検討をする中で、各地域に特色があり、魅力的な公園づくりを進めるとともに、あれもこれも大丈夫と、そこまではなかなかいかないかもしれませんけれども、多くの方にとって利用しやすい公園になるよう努めてまいります。
○高橋(ち)委員 きょうは、部長の御答弁をいただきましたから、「あれもこれも大丈夫というまではいかないでしょうけど」とおっしゃいましたけど、大丈夫のようにやっていただければありがたいなと思っています。部長の御答弁を信じて、この項は終わります。
それでは、男女共同参画推進についてさらっと伺います。
初日に久保委員が詳細にわたって質問をされておりましたので、私は簡単に伺いたいと思います。
男女共同参画推進については、10か年計画素案にも、当初予算の概要にも、これといって際立って表記はされておりませんが、予算説明書には、委員報酬や研修等の金額が示されております。毎回感じていながらも、気にもとめずに見過ごしてきてしまったのがいけなかったのかなと思うんですけれども、一体何を推進しているんだろうかというふうに疑問を感じます。男女共同参画に関する取り組みなどは、どのように公表をされているのか、確認を幾つかさせていただきます。
法律のもとでの施策であることを把握しておりますけれども、この予算書の中の専門委員会というのはどのような形態になっているのでしょうか、まず教えてください。
○髙橋政策室長 男女平等専門委員会でございますが、DVや虐待等の相談につきましては、区が専門相談を実施しているところでございます。その上で、さまざまな男女平等に関する侵害等の苦情に対して、第三者的立場で対応するために、男女平等専門委員会を設けているところでございます。
また、専門委員の委員につきましては、男女共同参画に関します現状や取り組みの展開に向けての意見もいただいているところでございます。
○高橋(ち)委員 委員さんが常時いるのかどうかということも何か聞きたいんですけど、それは飛ばしまして、講座とか研修も行っているようですが、専門委員の方々の指導のもとで行われているのでしょうか。また、その講座や研修はどのような方々が対象になっているんですか。
○髙橋政策室長 専門委員の方々からは、効果的な研修の成果を上げるための研修のテーマや実施方法について助言をいただいているところでございます。また、平成27年度は男女共同参画の視点による公開講座、ワーク・ライフ・バランス推進講座、女性のための再チャレンジ支援など、講座を区内の事業主、または女性、小学生や職員に対して行ってきたところでございます。
○高橋(ち)委員 啓発とか広報も行っているということですけれども、これはどこで行っているんでしょうか。
○髙橋政策室長 区役所の1階や3階窓口で、男女共同参画関連の啓発チラシ等を配布しているところでございます。また、区民編さん委員がかかわって作成してございます男女共同参画の取り組みを取り入れました冊子「アンサンブル」を年2回発行するなど、啓発に努めているところでございます。
また、各団体の会議に出向きまして、取り組みの周知や促進に向けての働きかけも行っているところでございます。小学校の児童・生徒に対しましては、学校への出前講座などを行い、広く周知、理解に努めているところでございます。
○高橋(ち)委員 そのようなことをやっているというのも、私たちが知らなかったのがいけないのかもしれませんけれども、参画意識、実態調査の委託というのもあるんですけれども、どのような委託形態で、この調査結果をどう活用しようとお考えなんですか。
○髙橋政策室長 平成28年度でございますが、男女共同参画の基本計画の改定の基礎資料とするため、男女共同参画に対します区民等の実態調査を実施することを予定してございます。対象は、区民、事業主、職員、中学生、そして専門業者への委託を考えているところでございます。
この調査結果を踏まえまして、区全体への男女共同参画に対する理解の周知、また事業主へのワーク・ライフ・バランスに対する理解と促進、職員につきましては、キャリアプランの構築への意識づけなどに結びつけたいと考えてございます。
○高橋(ち)委員 多くの方に広報活動しているんだとは思うんですけれども、もう少し目に見えてわかるようにしてもらいたいなというふうに私は思います。現状、調査や講座を行っているだけで、何か言い方は悪いんですけど、予算を消化しているだけにしか何か見えないという感じなんですけれども、今後、この施策をどう生かして、どのように推進していかれるのか、きちんとお示しください。
○髙橋政策室長 この参画計画の推進につきましては、啓発事業を継続的に進めていくことも必要でございます。また、より成果が見える形で進めていくことも必要であるというふうに考えてございます。区や区民だけでなく、事業者との連携を図るなどして、区全体に男女共同参画やワーク・ライフ・バランスなどの考え方を浸透していきたいなというふうに考えてございます。
今後の方向性の一つとしては、現在行っています事業主向けの講座をさらに発展させまして、ワーク・ライフ・バランスを推進する事業者の掘り起こしを進めるとともに、取り組もうとする事業者に対する支援等についても考えていきたいと思っております。
○高橋(ち)委員 ぜひ見えるような形で行ってもらいたいと思います。ありがとうございます。
では、最後になりますけれども、海での体験事業について、またしつこく伺わせていただきます。
まず初めに、平成27年度外部評価報告書において、教育委員会が3分野の評価が期待されておりますが、学校教育分野の中での施策目標として、さまざまな体験活動の場が用意され、各学校の学習計画に基づく独自の体験学習が行われているという目標が設定されているんです。
事業と実績の概要の中に、自然、産業、農業、歴史などとしか説明がなくて、海の体験については一言も触れていないんですけれども、これはどうしてなんでしょうか。
○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 海での体験事業につきましては、移動教室とともに、集団で宿泊して自然など、その地域の特性を生かした活動を体験することということで、主な事業の実績と概要の中で位置付けております。
○高橋(ち)委員 もう一回、移動教室なんですか、海での体験事業。
○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 移動教室とともに、同じ事業の実績の中に位置付けているということでございます。
○高橋(ち)委員 何だかよくわからないですけれども、移動教室とどうして一緒になっちゃうのかなというのがちょっと理解できないんですけど、予算書には、海での体験事業が980万円余が計上されているんですけれども、事業内容は、この28年度はどのようなことを考えているのでしょうか。昨年同様の体験事業なんですか。
○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 予算につきましては、プールでの事前指導、それから海での体験の委託料と事業者に支払う経費、それから平成29年度の学校単位での事業の実施に向けた調査費等が含まれております。28年度の海での体験事業の大枠は、今年度と変わりありませんが、これまでの実績を踏まえて新たなプログラムを取り入れたり、募集方法を変えての事業実施、そういったことを検討しております。
○高橋(ち)委員 ことしで、27年度で4回の実施となっているんだと思うんですけれども、毎回実施後、検証など行って、きちんと把握されているんですか。
○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 事業者の業務報告、それから事業者の自己評価、利用者へのアンケートの実施、それから担当職員の履行状況評価、それから事業者へのヒアリング、そういったことをもとにしまして、評価委員会を設置しまして、履行の評価を行っております。今年度の実施結果につきましても、同様の検証評価を行ってまいります。
○高橋(ち)委員 さっき、募集要項を変えるとかいう御答弁がありましたけど、28年度はどのような募集を考えているのか、お答えできますか。
○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 来年度につきましては、これまでの中野区全体に向けた募集のほか、学校単位での募集といったことも考えていきたいというふうに考えております。
○高橋(ち)委員 それは、小学校全校に向けた募集の依頼というふうに受け取っていいんですか。
○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 平成29年度から学校単位で実施をするということをお答えしております。それに向けまして、要件の整ったところ、そういったところから学校単位での事業を実施できるかどうかということについて現在検討しているところでございます。
○高橋(ち)委員 わかりました。じゃ、これは民間に委託しているんですけれども、教育委員会としては誰が一緒に行っているんですか。
○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) これは委託事業ですので、随行という形では行っておりません。業務の履行状況を評価するために、担当職員が現場に行って確認をしております。
○高橋(ち)委員 現場に行って確認をしているということは、泊まらないで、確認をして帰ってくるという理解でいいんですか。
○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 必要に応じて、宿泊もして確認をしております。
○高橋(ち)委員 それでは、教育委員の方々は参加したことはあるんですか。
○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 教育委員につきましても、視察という形で、事業について視察を行っていただいております。
○高橋(ち)委員 泊まったかどうかもあわせて、もう1個聞くんですけれども、現場の先生とか、それから校長先生、副校長先生方が行ったことがあるのかどうかということと、教育委員さんは泊まったことはあるんですか。
○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 教育委員につきましては、日帰りでの視察でございます。また、校長、副校長については、現場に行ったことはございません。
○高橋(ち)委員 教育委員さんは泊まれないにしても、現場を知らない校長、副校長とか先生方が、「はい、皆さん、募集していますから行きなさいよ」と言えるのかなと思うんですよ。これは確かに民間に委託して事業をしてもらっているものなんですけれども、現場ぐらい知っておいたほうがいいんじゃないかなというふうに私は感じます。これは私の愚痴と聞いておいてくだされば結構でございますけれども。校長会などで本当にそういう、何というかな、海の体験事業を「行きませんか」とか、そういうのを議題に載せたこととかないんですか。
○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 海での体験事業につきましては、毎年、定例校長会で事業の趣旨や内容を説明しております。そして、参加者の募集について協力をお願いしてきているところでございます。
○高橋(ち)委員 参加者の募集の協力は当然だと思うんですけれども、そのときに校長先生、または副校長先生、1度見に行ってみてはいただけないでしょうかと働きかけをするのが教育委員会の仕事じゃないかなというふうに私は思います。だから、ぜひとも来年度においては、一言、言っていただければと思います。(「来年度やらなかったら、再来年、本格実施できるわけないじゃないか」と呼ぶ者あり)そういうことですね。
さらに、以前は行っていた岩井臨海学園の体験学習を知っている先生は、何人ぐらいいるんですか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 現在、中野区立小学校に勤務する管理職も含めた教員のうち、中野区で行っていた岩井臨海学園を経験している教員の数は、教員数498名中88名でございます。
○高橋(ち)委員 ほらほら、いるじゃないですか、結構。そういう先生方も、やっぱり――大瀬ですか、今やっているのは、その民間委託している事業に、1度は見てもらいたいと私は思いますね。
毎回しつこく言っているから、すごい悪いと思うんですけれども、今、昔、岩井をやっていた時代の教員だった方が管理職になっている先生方が大変多いんですよ。その管理職になっている人たちを中野に戻ってきてもらえれば、私は絶対復活できると思いますけど、指導室長、どう思いますか。
○杉山教育委員会事務局指導室長 管理職も含めました教員の異動につきましては、東京都の広域人事の中で行っているもので、現状としてその要望が通るかどうかということについてはなかなか難しい現状でございます。
○高橋(ち)委員 これね、質問の中、あまり通告してなかったから余計なことは聞けないんですけれども、やはり気持ちとして、それは東京都の人事だから、中野がどうのこうのということはできないかもしれないけれども、希望が伝えられると私は思うんですよ。この体験事業を知っている、岩井臨海学園を知っている先生を独自で――こんなこと言うと怒られちゃうかもしれないけど、指導室長が独自にお願いしますよと頼んで、中野を希望してくださいよというぐらいは言えるんじゃないかと思うんですけれども、答弁は結構ですよ、言えないだろうからねと私は思うんです。
それで、毎回、このようにしつこく言うのは、子どもたちにとっては、家族じゃなくて、学校の先生やクラスメートと一緒に寝起きをして、先生方の献身的な対応を肌で感じて、それがありがたいなというぐらいの思い出になっていくんですよ。これはもう我が子が経験していることですから、絶対に間違いないと思って、胸を張って言えるんですけれども。民間に委託することも決して悪いこととは言えませんけれども、小学生のときに感じる体験学習をもっと大事な行事であると考えてほしいんです。
今後、教育委員会並びに校長会においても、議題として取り上げることを考えてもらいたいですけど、どうですか。
○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 体験学習の必要性、踏まえまして、事業内容の充実に向けまして、教育委員会、校長会においても議論をしていきたいというふうに考えております。
○高橋(ち)委員 ぜひお願いしたいと思いますよ。先ほどの副参事の答弁だと、平成29年からは各校に対応したいというお話ですからね。ですから、岩井を復活する前に、岩井臨海学園というのがあったんですよという話ぐらいはできると思うんですよ。そして、あの時代はこうでした、ああでしたと、雑談だってできると思うんですけど、かしこまった議題じゃなくてもいいから、そういう話を1度出してもらいたいと思いますけれど、しつこく聞きますけど、どうですか。
○石濱教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 先ほども答弁しましたけれども、事業内容の充実に向けまして議論をしていきたいというふうに考えております。
○高橋(ち)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。もうこれ以上聞くと、副参事も大変だなと思ってしまうでしょうけれども、私はやはり子どものときの思い出というのはすごく大事だと思うんです。そして、家族で過ごした時間も大事ですけれども、学校の友達、先生方と過ごしたことが本当に一つの大きな――大人になるまでの一つの力というか、そういうものになるんじゃないかなというふうに思っておりますので、ぜひとも教育長に答弁はいただきませんけれども、教育委員会もきちんと考えを改めていただきたいという、これは要望しておきます。
私の質問は、しつこいぐらいの海の体験で終わるわけでありますけれども、質問じゃないんですけれど、きのうの冒頭に市川委員から、中野区議会の歴史を学習するようにというふうに御指導がありました。私も新しい議会になりまして、大変気になることがあります。どんどん私たちみたいに年を重ねてまいりますと、一々気になることがふまえして、言わなくていいことまで言ってしまったりとかすることもあるんですけれども、最後、皆さんにやっぱり私も一言言わせてもらいたいかなというふうに思いましたので、ちょっとお時間をいただきます。
まず、それは、中野区議会とは何か。その構成員である区議会議員は、いかに振る舞うべきかということです。言うまでもなく、中野区議会は、中野区という自治体の最終意思決定機関だと思っております。区民の負託を受けて、区民を代表して中野区の進むべき道筋を選択、決定する役割を持っていると思います。そして、そうした重い役割を持つ機関である以上、当然権威が必要であり、また品格も求められるというふうに私は思います。
それで、区議会の構成員である議員もまた同様であると思います。私たちの先輩は、そうした事柄をとても大事にしてきた先輩が大勢いました。また、構成員がそうした素養を身につけることも心を砕いていらっしゃいました。私が初めて議席をいただいたときも、多くの先生方が、会派、党派を超えて、時に厳しく、時に温かく指導・助言をくださった、そういう思い出があります。私たちもそれを当然のこととして受けとめて、一日も早く先輩のようになりたいなというふうに思いながら、一生懸命精進してきたつもりであります。
私を導いてくださったのは、先輩だけでなくて、多くの理事者の皆さんや区議会事務局の皆さん、そしていろいろ御指導いただきました。区議会は、地方政治の場でもありますから、当然そこでの議論に議員の政治的な主張や立場の表明とか、政治的心情の吐露といいましょうか、いろいろなことが含まれることもあるでしょう。しかしながら、そもそもが区民の福祉の向上や区政の充実、発展をめぐって議論するべき場であることを考えるなら、おのずと節度を保ったものでなければいけないというふうに思います。議会の権威や品格を傷つけないような配慮が求められるというふうに感じますけど、いかが思うでしょうかね。
私たちは、そのように先輩方から、議会というものはこういうものだというふうに教えてきてもらったわけですよ。年とっちゃって、いろいろ言うのも本当に申しわけないなと思うんですけども、もう一度議会や議員のありようについて振り返ったほうがいいかなというふうに思っているところであります。1度皆さんでそういう懇談会を開くことも大事でしょうけれども、一々私が言うことではありませんけれども、議員というものはどういうものかというものをしっかりともう一度見つめ直してもらいたいと思います。
最近は、また特に議会と理事者の関係も何か事務的というか、気持ちの通い合いがないというか、悪く言うと打算的というか、昔とちょっと違ってきてしまったなというふうに思っております。二元代表制のもと、もう片方の旗頭である区長は、私のこのような話を聞いて、また一々文句を言っているんだろうなと思うでしょうけれども、どのようにお気持ちになったか、聞かせていただければありがたいかなというふうに思います。
○田中中野区長 何となく難しい質問のような気がしましたけれども。やはり二元代表制ということで、議会という場がまさに今、委員おっしゃったように、区民を代表して、区の意思を決めるという大切な場というふうに認識をしております。そうした大切な区民の代表の皆様と接する我々理事者の側も、きちんとそのことを改めて肝に銘じて対応させていただければと思っております。
○高橋(ち)委員 どうもありがとうございました。突然なお願いですみません。
一々うるさい私でありますけれども、5時前に質問が終われたということで、お許しをいただければと思います。御清聴ありがとうございました。これで終わります。
○若林委員長 以上で高橋ちあき委員の質疑を終了します。
以上で本日の総括質疑を終了します。
次回の委員会は、3月2日(水曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
以上で本日の予算特別委員会を散会します。
午後4時46分散会