令和2年02月25日中野区議会予算特別委員会

.令和2年(2020年)2月25日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。

.出席委員(40名)

  1番  市  川  しんたろう       2番  竹  村  あきひろ

  3番  日  野  たかし         4番  渡  辺  たけし 

  6番  河  合  り  な        7番  斉  藤  ゆ  り

  8番  立  石  り  お        9番  羽  鳥  だいすけ

 10番  高  橋  かずちか       11番  加  藤  たくま

 12番  吉  田  康一郎        13番  木  村  広  一

 14番  甲  田  ゆり子        15番  内  野  大三郎

 16番  杉  山     司       17番  ひやま      隆

 18番  小宮山   たかし        19番  い  さ  哲  郎

 20番  小  杉  一  男       21番  若  林  しげお

 22番  内  川  和  久       23番  いでい   良  輔

 24番  小  林  ぜんいち       25番  白  井  ひでふみ

 26番  いながき  じゅん子       27番  山  本  たかし

 29番  石  坂  わたる        30番  近  藤  さえ子

 31番  浦  野  さとみ        32番  大  内  しんご

 33番  伊  藤  正  信       34番  高  橋  ちあき

 35番  平  山  英  明       36番  南     かつひこ

 37番  久  保  り  か       38番  森     たかゆき

 39番  酒  井  たくや        40番  むとう   有  子

 41番  長  沢  和  彦       42番  来  住  和  行

.欠席委員(2名)

  5番  間     ひとみ        28番  中  村  延  子

.出席説明員

 中野区長    酒井 直人

 副区長     白土 純

 副区長     横山 克人

 教育長     入野 貴美子

 企画部長    高橋 昭彦

 企画課長    杉本 兼太郎

 基本構想担当課長永見 英光

 財政課長    森 克久

 広聴・広報課長、業務改善課長      高村 和哉

 情報システム課長平田 祐子  

 総務部長    海老沢 憲一

 危機管理担当部長、新区役所整備担当部長 滝瀬 裕之

 総務課長    石濱 良行

 法務担当課長  尾関 信行

 職員課長    中谷 博

 施設課長    髙田 班

 防災担当課長  山田 健二

 区民部長    青山 敬一郎

 区民生活課長  古屋 勉 

 戸籍住民課長  辻本 将紀

 税務課長    矢島 久美子

 産業観光課長  堀越 恵美子

 観光・シティプロモーション担当課長   桜井 安名

 文化・国際交流課長           藤永 益次

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長  戸辺 眞   

 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子

 子ども・教育政策課長          永田 純一

 学校再編・地域連携担当課長       伊藤 廣昭

 保育園・幼稚園課長、保育施設利用調整担当課長 濵口 求

 教育委員会事務局指導室長        宮崎 宏明

 学校教育課長  石崎 公一

 子育て支援課長、子ども家庭支援センター所長 神谷 万美

 児童相談所設置調整担当課長       半田 浩之

 育成活動推進課長伊藤 正秀

 子ども特別支援課長           中村 誠

 地域支えあい推進部長          野村 建樹

 地域包括ケア推進担当部長        藤井 多希子

 地域活動推進課長伊藤 政子

 トータルケア調整担当課長、北部すこやか福祉センター所長 小山 真実

 アウトリーチ調整担当課長、南部すこやか福祉センター所長 石濱 照子

 地域保健福祉調整担当課長、中部すこやか福祉センター所長 志賀 聡

 システム活用調整担当課長、鷺宮すこやか福祉センター所長 鳥井 文哉

 区民活動推進担当課長          宇田川 直子

 地域包括ケア推進課長          高橋 英昭

 介護・高齢者支援課長、高齢者支援担当課長 葉山 義彦

 北部すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 滝浪 亜未

 鷺宮すこやか福祉センターアウトリーチ推進担当課長 大場 大輔

 健康福祉部長  朝井 めぐみ

 保健所長    向山 晴子

 福祉推進課長  長﨑 武史

 スポーツ振興課長古本 正士

 障害福祉課長  河村 陽子

 環境部長    岩浅 英樹

 環境課長    波多江 貴代美

 ごみゼロ推進課長伊東 知秀

 清掃事務所長  川本 将史

 都市基盤部長  奈良 浩二

 市計画課長、交通政策課長        安田 道孝

 公園緑地課長  細野 修一

 まちづくり推進部長           角 秀行

 中野駅周辺まちづくり担当部長      豊川 士朗

 まちづくり計画課長           千田 真史

 中野駅新北口駅前エリア担当課長     石井 大輔

 会計室長    浅川 靖

 監査事務局長  小谷松 弘市

.本会の書記は下記のとおりである。

 事務局長     吉村 恒治

 事務局次長    小堺 充

 議事調査担当係長 鳥居 誠

 書  記     立川 衛

 書  記     若見 元彦

 書  記     井田 裕之

 書  記     野村 理志

 書  記     鎌形 聡美

 書  記     遠藤 良太

 書  記     松丸 晃大

 書  記     高橋 万里

 書  記     山口 大輔

 書  記     有明 健人

 書  記     五十嵐 一生


      午前10時00分開議

○山本委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会します。

 第6号議案から第10号議案までの計5件を一括して議題に供します。

 総括質疑一覧がタブレット型携帯端末等で閲覧できますので、参考に御覧ください。

 

令和2年(2020)2月25日

     予算特別委員会

 

総 括 質 疑 一 覧

 

氏名・会派等

               

伊藤 正信

(自 民)

 

1 施政方針説明について

2 令和2年度当初予算(案)の概要について

3 今後の区有施設整備の考え方について

4 鍋横区民活動センター等整備について

5 新型コロナウイルス感染症に対する区の対応について

6 その他

酒井 たくや

(立 憲)

1 令和2年度当初予算(案)について

 (1)財政運営の考え方について

 (2)歳入について

 (3)歳出について

 (4)その他

2 その他

木村 広一

(公 明)

1 令和2年度予算案について

2 地域包括ケアシステムについて

3 教育行政について

4 区の通信環境の整備と活用について

5 その他

浦野 さとみ

(共 産)

1 一人ひとりに寄り添った区政について

 (1)特別支援教育の充実について

 (2)債権管理における生活困窮者支援・生活再建の支援のあり方について

 (3)ひきこもり支援のあり方について

 (4)その他

2 平和の森公園の運用について

3 その他

渡辺 たけし

(都ファ)

1 令和2年度予算について

2 児童相談所の設置について

3 インクルーシブ社会の実現について

4 コミュニティ・スクールについて

5 中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画について

6 その他

吉田 康一郎

(育 緑)

1 中野区基本構想・基本計画及び中野区男女平等基本条例等について

2 道路のバリアフリー化について

3 廃棄物処理について

4 生活保護について

5 子育て先進区について

6 国民健康保険について

7 その他

若林 しげお

(自 民)

1 区内交通環境整備について

2 受動喫煙防止対策について

3 公園再整備計画策定について

4 その他

ひやま 隆

(立 憲)

1 全世代向け地域包括ケアシステムについて

(1)地域包括ケアにかかわる区の現状について

(2)全世代向け地域包括ケアの課題と展望について

(3)その他

2 西武新宿線沿線まちづくりについて

 (1)連続立体交差事業の事業スケジュールについて

(2)「速効対策」の必要性について

(3)その他

3 感染症対策について

(1)健康危機管理体制について

(2)サーベイランスシステムについて

(3)その他

4 その他

小林 ぜんいち

(公 明)

1 令和2年度予算(案)について

 (1)財政運営の考え方について

 (2)中野区基本構想、中野区基本計画等の作成について

 (3)その他

2 教育施設整備について

 (1)学校施設整備について

 (2)平和の森小学校の移転及び供用開始について

 (3)その他

3 中野駅新北口駅前エリア再整備について

4 高齢者の健康づくり、見守り体制について

5 その他

10

長沢 和彦

(共 産)

1 特別区財政調整交付金について

2 ジェンダー平等について

3 中野駅新北口駅前エリアの再整備について

4 その他

11

市川 しんたろう

(自 民)

1 中野駅周辺のまちづくりとエリアマネジメントについて

2 森林環境譲与税について

3 旧中野刑務所の門について

4 その他

12

斉藤 ゆり

(立 憲)

 

1 子育て先進区における学校教育について

(1)学校教育費について

 (2)先生が子どもと向き合う時間を十分に確保する取組みについて

 (3)新教科等の対応について

 (4)幼児教育について

 (5)地域で支える学校について

 (6)その他

2 若者政策について

 (1)若者支援について

 (2)シチズンシップ教育について

 (3)その他

3 まちの風景を大事にしたみんなで取組むまちづくりについて

 (1)生産緑地、未利用地や学校跡地等について

 (2)景観まちづくりについて

 (3)その他

4 その他

13

甲田 ゆり子

(公 明)

          

1 令和2年度予算(案)について

 (1)予算の特徴について

 (2)その他

2 平和事業について

3 アール・ブリュットの振興について

4 動物愛護推進施策について

5 その他

14

来住 和行

(共 産)

 

1 被災者、弱者に寄り添う区行政について

2 精神障害者の居住支援について

3 パートナーシップ宣誓について

4 羽田空港増便計画の問題について

5 子育て施策の充実について

6 東中野駅東口のバリアフリー化について

7 その他

15

高橋 ちあき

(自 民)

 

1 令和2年度予算について

2 行政と議会との関係について

3 その他

16

森 たかゆき

(立 憲)

 

1 令和2年度予算案について

2 行政評価の改善と内部管理事務の効率化について

3 中野区男女平等基本条例の改正について

4 子育て支援について

 (1)子どもの安全を守る取り組みについて

 (2)保育の質と量の充実について

 (3)その他

5 その他

17

むとう 有子

(無所属)

1 公園等の公衆トイレにトイレットペーパーを設置することについて

2 清掃事業について

3 その他

18

近藤 さえ子

(無所属)

1 (仮称)中野区犯罪被害者等支援条例案について

2 中野区再犯防止推進計画(素案)について

3 スポーツ施設について

4 その他

19

いながき じゅん子

(無所属)

1 空家対策について

2 公園について

3 管理職育成について

4 その他

20

石坂 わたる

(無所属)

1 全ての人が安全・安心に協働・生活ができる地域の実現と個人の尊厳について

 (1)一人ひとりの尊厳や生活が護られる地域について

 (2)障がい児・者及びその家族の尊厳と活動・参加の保障について

 (3)性別及びSOGI(性的指向・性自認)に関する尊厳と活動・参加の保障について

 (4)感染症対策とパニックや中傷の防止について

 (5)その他

2 その他

21

小宮山 たかし

(無所属)

1 文化芸術について

2 まちめぐり博覧会について

3 みどりについて

4 その他

22

立石 りお

(無所属)

1 財政運営の考え方について

 (1)基金の積立・繰入計画と起債計画について

 (2)基本計画について

 (3)その他

2 情報政策推進について

3 その他

 

○山本委員長 本日は、総括質疑の1日目となります。1番目に伊藤正信委員、2番目に酒井たくや委員、3番目に木村広一委員、4番目に浦野さとみ委員、5番目に渡辺たけし委員の順で5名の総括質疑を行います。

 次に、要求資料についてですが、前回の委員会で要求した資料196件全ての資料が提出され、タブレット型携帯端末等で閲覧できるようになっております。

 資料作成に当たられた職員の皆さん、ありがとうございました。

 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いいたします。

 それでは、質疑に入ります。

 伊藤正信委員、質疑をどうぞ。

○伊藤委員 おはようございます。令和2年の定例会予算総括質疑、自由民主党のトップバッターとしてやらせていただきます。

 こうして見ますと、職員の方々、マスクが多いですね。酒井区長さんもマスクをされていて。御承知のとおり、この連休3日間、私もうちにいたり、また区役所のほうにも来たりしてテレビを見ますと、ほとんど毎日新型コロナウイルス感染のニュースが本当に取り沙汰されておりますけれども、今日時点で何か850人ぐらい感染しているそうですね。亡くなった方は4名なんですけども、それはまた後ほどやろうかなと思っていましたが、時間の関係もありますし、先に新型コロナウイルス感染症の区の対応について伺いたいと思いますが、よろしいでしょうかね。

 今言ったように、昨日までの時点で851名の感染があって、また4名の方が亡くなられました。罹患された方々の一日も早い回復をお祈りするとともに、亡くなられた方々の御親族へ謹んでお見舞いを申し上げたいと思います。

 そこで、いろんなイベントが中止になったり延期になったりされておりますけれども、中野区でもいろんなイベントが中止されていますよね。その辺通告していないんですけども、その状況はどうでしょうか。中野区の各事業、イベント、その辺から聞きたいと思いますが、どなたか答えられますか。

○長﨑福祉推進課長 お答え申し上げます。イベント等につきましては、先般、中野区健康危機管理対策本部会議を招集いたしまして、その中で主要である防災訓練ですとか、それからオリパラに関連するようなイベント、そういったものについてを中止するということで先般ホームページにも掲載をさせていただいたというところでございます。

○伊藤委員 特に屋内でのイベントを国のほうからもなるべくは避けてほしいという通達が来ていると思うんですけども、高齢者関連の事業なんかも、特に高齢者は感染しやすいですし、その辺はどうなっていますでしょうか。

○長﨑福祉推進課長 屋内におけるイベント、今、飛沫といったところでの感染が非常に多いというところもございます。会議の中でも、やはりその高齢者が中心になる会議、イベントですとか、それから職員同士であっても、多人数が飛沫感染するような対面形式でのイベント、会議だとか、そういったところについてはマスクをするなりという形については注視しながらやっていこうというところで協議を重ねているところでございます。

○伊藤委員 この新型コロナウイルス、国のほうではちょうど今初期ということで、これから1週間から2週間が拡大防止になるかならないかの瀬戸際だということも言われておりますけども、その辺どのように考えておりますでしょうか。

○長﨑福祉推進課長 まさに喫緊の危機の管理であるというふうに認識をしております。やはり高齢者を中心として重篤な患者が出ているというところで、行政といたしましても、会議ももちろんですけれども、イベント等についてもどのような形でしたらいいのか。また一方でマスクがなかなか手に入らないといったような状況もございます。そういったことにつきまして日々刻々と変わっていくという状況もありますので、この健康危機管理対策本部会議を開催いたしまして、しっかりとした体制を整えてまいりたいと、このように考えているところでございます。

○伊藤委員 ありがとうございます。これは通告していなかったんですけども、お答えいただいてありがとうございます。

 それで、中野区保健所の対策本部会議というのを、2月3日でしたっけ、区としては立ち上げられたと思うんですけども、中野区の保健所の帰国者・接触者相談の件数の推移と特徴はどのようなものがあるのか。2月中旬に国が相談、受診の目安、37度5分以上の発熱が4日以上続いた場合だとか、また高齢者、持病があれば、風邪の症状が2日程度だとか、そういった提示があると思うんですけども、相談件数なんかは増加していると思いますが、その辺の推移はお分かりでしょうか。

○向山保健所長 帰国者・接触者相談の電話相談センターへの相談件数の推移でございますが、今お話がございました目安の提示以前はおおむね10件程度で推移をしてございましたが、17日以降は相談件数が急増いたしまして、17日が39件、18日は43件、19日は66件、直近の数字は、申し訳ございませんが、現在集計中でございます。また、中身につきましても、従来は一般的な御相談、御不安というものが多かったところが、17日以降は非常に具体的な御自身の感冒症状をお持ちの方からの御相談や検査の希望、他の診断を受けたけれども不安であるという極めて個別、具体的な内容に推移をしてございます。

○伊藤委員 相談内容というのは大体似たり寄ったりだと思うんですけども、その相談を受けてどのような指導をしていったというのは、例えば一例何かあったら教えていただきたいんですけども、いかがでしょうか。

○向山保健所長 相談センターにおきます例が、まず御本人から、受診中ですとかもともと基礎疾患をお持ちかということで対応は変わってまいりますけれども、症状でございますとか経過、それから服用中の薬ですとか、あるいは除外診断と申しまして他の疾患との鑑別状況など御本人から具体的に詳細を聞いております。また、主治医の先生をお持ちの場合は主治医の先生ともお話をしまして、その結果、肺炎等が疑われる、あるいは濃厚接触者などの場合は何らかの症状があるといった一定の国の基準に照らし合わせながら助言をし、必要な方については検査につなげている、こういった対応状況でございます。ただ、なかなか肺炎症状と申しましても症状は非常に広く、また原因もございますので、一部対応に苦慮いたしましたり、私どものほうからその後の経過観察をお願いしているようなケースもございます。

○伊藤委員 多いときで60件あったと伺いました。まだまだこれから増えていくんだろうと思うんですけども、その辺どのようなお考えをお持ちでしょうか。

○向山保健所長 事態がやはり刻々と変化をしてございます。昨日は国の専門家会議、本日は国の対策本部の一定の指針が出るということで、今後は区民の方からの御不安といったことに併せて、事業所ですとか、あるいは施設関係、様々なところから感染拡大予防等についての御相談が急増するのではないかというふうに思ってございます。保健所につきましては、二、三週間ほど前から所内は災害対策モードということで連絡会を必ず朝持ちまして、こういった対応のノウハウや区民の方の状況をキャッチするようにしてございますので、体制を強化しながら何とか対応してまいりたいと思ってございます。

○伊藤委員 この新型コロナウイルスは新しいウイルス感染症であるんですけれども、今回横浜に停泊していたダイヤモンド・プリンセス号、クルーズ船の報道や既に市中感染に今なっているという様々な報道で区民の不安も強いと思います。2009年に当時の新型インフルエンザが流行したときの保健所として、その際の感染症対策と今回のコロナウイルス感染症対策との違い、または共通点というのをどのように感じているのか、お伺いいたします。

○向山保健所長 昨日、専門家会議の副座長でございましたか、尾身先生がコメントされておりましたが、私、現場の第一線におりまして、このウイルスは非常に手ごわいなという印象を持ってございます。俗な申し上げ方で大変恐縮でございますが、インフルエンザについては、少なくともAのタイプであれば、それを狙って可能性として、場合によったら予防投薬をしていくこともできる。治療法と迅速診断キット、既存のものが既に使えた中での対策ということでございました。今回はそういったこと、それから臨床的な知見、まだまだ疫学的な知見が十分ない中で非常に強い感染力を持って拡大が既に始まっているということでございます。

 ただ、対策の基本は、クラスターからクラスターと申しますが、一定の小集団から新たな小集団を生み出さないような、ピークを抑えていくような感染制御、これは区民一人ひとりの手洗いですとかせきエチケットをどこまでやっていただけるかということになってまいりますが、こういったものを作りながら、当時、新型インフルエンザは途中で一般医療機関での基本的な診療ということに変更して、最終的にはワクチンも出て収束をしておりますけれども、このときの検討をうまく生かして、これから国も出してまいりますが、地域単位の感染蔓延期というものを想定したような具体的な医療の準備、それから重症化対策、こういったところに特に重点的に取り組まなければいけないというふうに考えてございます。新型インフルエンザの経験を生かしつつ、このウイルスの特性に応じた柔軟な対応が必要だというふうに考えております。

○伊藤委員 報道なんかではそんなに重症―高齢者なんかは重症型があろうかと思うんですけども、ある評論家さんなんかはそんなに重症じゃない、軽く考えている方もいらっしゃると思うんですけれども、その辺の違いなんかは適切に対応していただきたいと思いますけども、検査体制には限りがあると思います。検査を希望したり風邪が長引いて不安を感じている方も多いと思われます。当初の武漢縛りはなくなったと言えますが、現在、相談センターではどのように検査対象の方を選定しているのか、対象とならない方にはどのようなアドバイスをしているのか伺います。

○向山保健所長 先ほど申し上げましたように、国のほうからは一定の検査の目安の基準がございます。例えば濃厚接触者の方でございましたら、経過観察中、曝露後と思われる14日間のうちに何らかの呼吸器症状ないし37.5度以上の発熱といったものもございます。また、中国の流行地からの帰国者、あるいは渡航者の方の健康観察中の発病の基準もございます。そのほかに国のほうから今柔軟に自治体の判断でと申しておりますのが、肺炎症状がある方、従来はICUなどに入室されている非常に重篤な方のみを対象としていたのですが、ここを医師の判断で場合によっては検査ができるようにということでございますので、この詳細を聞き取って、検査の実施は東京都の健康安全研究センター、都内1か所でございますので、こちらや東京都の感染症所管課と私どもで調整に入るということでございます。

 ただ、都内は肺炎の患者さんは非常に多くございますし、またそういった季節でございますので、なかなかにわかに件数を取り上げていただけないというふうな事例も現実にはございまして、この場合につきましては、かかりつけ医の方との相談でございますとか症状の詳細を聞き取った上で、受診先の紹介ですとか療養のアドバイス、こういったところを不安の解消に努めつつ実施をしているところでございます。

○伊藤委員 例えばどうしても検査してほしいという方がおられたらどのような対応をされるんでしょうか。

○向山保健所長 大変恐縮ですと申し上げながらなんですが、今のような状況、基準、メディアを御覧になって、場合によるとコメンテーターの発言と違うのではないかというお話がございます。これはもうリスクコミュニケーションの心を持って現状を御説明し、その方の健康に関してベターな方法をとっていただけるように一件一件お願いをしているような状況でございます。

○伊藤委員 ありがとうございます。相談センターの対応というのは待ったなしだと思うんですよね。そこで、夜間休日も開設していると聞いておりますけれども、改めて夜間休日の体制はどうなっているのか伺います。また、さらに感染が広がれば、相談もまた保健所が健康状態をフォローアップすべき接触者の移送などの法定業務もかなり増えてしまうのではないかなと思っておりますが、それに備えた準備状況というのはどのように考えているのか伺います。

○向山保健所長 夜間休日につきましては、保健所を設置しております東京都、特別区、八王子市、町田市が合同で電話相談センターを開設してございます。各自治体の保健師が輪番で、中野区からも派遣してございますが、2名、都職員事務担当が1名ということで現在対応してきておりますけれども、非常にこちらの相談も急増してございまして、今後、回線の増設等を検討しているというようにも聞いてございます。また、この相談センターの中で防疫対応、検査、相談の対応がにわかに必要であるという事例があった場合は、直ちに夜間休日を含めまして私ども該当区に引き継がれるというような仕組みが既に構築されてございます。

 次に、相談件数の増加についてのお尋ねでございましたが、健康観察者相談件数の増加に加えまして、引き続いての疫学調査、あるいは専門外来の受診の際の診察の立会い、検体確保など、いわゆる法定業務がお話のように今後急増してまいります。こういったことを見越しまして、区では本日より兼務によりまして、全庁の保健師に対しまして兼務を発令しまして人員体制の強化を図ったところでございます。また、検体の搬送、移送といったところでは非常に機動性が重視されることから、所内の監視職、事務職などの防護訓練を実施しまして対応できるようにする体制をしいてございます。また、大規模な接触者の健康調査が時に発生することが想定されますが、こちらにつきましても保健師を中心に実施をすることに加え、一定の感染症のノウハウを持つ監視指導職も従事できるよう訓練を既に進めているところでございます。

○伊藤委員 今回は高齢者が重症化しやすいということもありまして、医療が継続していくことは極めて大事なことだと思います。感染が拡大していけば地域で軽症の患者を診るべきという意見も聞きます。また、院内感染対策の問題もあろうかと思います。――――(発言取り消し)――――

○向山保健所長 ――――(発言取り消しに伴い削除)――――

○伊藤委員 ――――(発言取り消し)―――― 委員長、休憩してください。

○山本委員長 休憩します。

午前10時21分休憩

 

午前10時23分開議

○山本委員長 委員会を再開します。

○伊藤委員 ありがとうございます。ただ、いろんなうわさが流れていますものですから、そういうことなんだろうと思いました。

 それで、地域の感染症対策の第一線機関として区の保健所の地域医療に対する取り組みというのをどのようにされているのか。いろんな開業医なんかと連絡、特に中野区医師会さんとの連絡、連携、その辺を具体的にお聞かせ願えますか。

○向山保健所長 このコロナの関連では、実は1月の半ば、十四、五日という記憶がございますけれども、当時、疑似症サーベイランスという仕組みの通知が参りました。この段階で保健所のほうから医師会との連携というものを密接にしようということで連携を開始して、相互の情報交換等に努めてきたところでございます。また、医療機関の個々の先生が情報を御覧になりやすいように、最新の情報にアクセスできるようにということでこの間のホームページを改編いたしまして、医療機関向けの特設コーナーなども設けまして御活用いただいてございます。また、院内感染のお話もございましたけれども、現在、保健所の医師、保健師、医療監視員の3名でチームによって病院の巡回指導に回ってございまして、こういったところで救急対策の強化でございますとか院内感染の予防にも助言をさせていただいてございます。

 また、医師会のほうでも先週ちょうどございましたが、様々な研修、訓練というものをやっていただいてございますので、保健所のほうからも参加をさせていただいてございますが、今後、さきに申し上げた一般医療での対応ということも想定されることから、中野区医師会では近々新型コロナ対策本部というものを医師会としては設置をするというようなお話も伺ってございます。この中には当然私自身も参加をさせていただいて、公衆衛生の見地からの提案でございますとか地域医療の確保等に努めてまいりたいというふうに思ってございます。

○伊藤委員 ありがとうございます。いずれにしろ、これから拡大する可能性はあろうかと思うんですよね。そこで、保健所の業務というのは本当に24時間待ったなしの対応をしていかなければいけないと思うんですけれども、そしてまた、新型コロナウイルスのまだまだ不明な点はたくさんあろうかと思います。区は対策本部を立ち上げて的確に対応できるように全庁挙げて取り組んでいただきたいと思いますが、その辺はいかがでしょうか。

○向山保健所長 対策本部は指定感染症の指定直後の週明けに設置をしていただきました。ただ、区の中にはまだまだこういったことは何年かに1回は残念なことに起きてしまう時代なんですが、全庁体制というところで個々の職員がどれだけ意識を持っていただけるか。また、日頃事業所や施設を管理している方が区民の健康とともにやはり集団感染を起こさないようにしていく。そういった日ごろのやってきたことをうまくこの取り組みとつなげて、まさに全庁体制をしいていきたいというふうに考えております。

 また、今回、本日より保健所の予防課に兼務をかけていただきましたけれども、保健師は日頃様々な事業をしてございます。一方では公衆衛生看護師といったことで、こういった感染症などに際しては様々な能力あるいは知識を十分生かしてくれるものと思ってございます。これは職員が一定の長丁場になると思われますので、職員自身の職務感染の発生などがしないように細心の注意を払いながら全庁体制で取り組んでいきたいというふうに考えてございます。

○伊藤委員 そうですよね。クルーズ船なんかは厚生労働省の職員がかかったりしていますから、本当にそういう対応をする方々にも意識を持ってしていただきたいなと思っております。ありがとうございました。

 次に、施政方針説明について伺います。区長は今定例会の冒頭に行われた施政方針において、区の将来に向けた方向性と取組の中で、新しい基本構想、基本計画の策定、子どもたちの育ちを地域全体で支えるまちなど九つの視点からこれから区が目指すべきまちの姿を述べられました。また、令和2年度の区政の方向についてのお示しもされましたが、これを受けて一般質問においては同僚議員から数々の質問がされました。

 まず施政方針説明を取り上げたいと思いますが、区長が就任してから間もなく任期半ばを迎える6月ですよね。6月でちょうど2年になるんですけれども、施政方針説明にもかかわらず、いまだに抽象的であり、具体的なビジョンが描かれていないものであったと感じます。

 そこで、まず初めに、施政方針説明では、「人口減少・超高齢社会を迎えるとともに、外国人住民が増加し、区内の人口構成が大きく変化していく中で、地域の活力を維持・発展させていくためには、区が持つ特徴や強み、課題等を把握・分析した上で、区民と対話し、協働・協創しながら、限られた区の資源を最大限に活用していく区政運営が求められます」と述べられております。また、「世の中の流れに敏感でありつつ、中野区の特性を踏まえながら、これまで進めてきた区政の歩みをさらに加速させていきます」と述べられております。区が持つ特徴や強み、中野区の特性とはどのようなものを考えているのか伺います。

○永見基本構想担当課長 お答えいたします。中野区の特徴でございますけれども、まず人口構成におきましては、23区の中でも特徴的な傾向といたしまして人口密度が高いこと、それから年少人口が少ないこと、20代、30代の層が多く、流動性が高いこと、近年の外国人住民の転入者が多いこと、そういったことが挙げられるというふうに考えてございます。また、区の強みといたしまして、町会自治会の活動や商店街を初めとした地域における人と人とのつながりや温かみがあるまちであること、また、伝統文化やサブカルチャー、アール・ブリュットなどの特徴的な文化芸術活動が盛んであること、中野駅周辺まちづくりや西武新宿線沿線まちづくりといった区の大きな発展に資する事業が進展していることなどが挙げられると考えてございます。一方で、木造住宅密集地域や狭隘道路が多い地域があるなどといった都市基盤上の課題があると、そんなふうに考えてございます。

○伊藤委員 強みと今弱みも言われたようなんですけども、強みというと利便性だとかいろいろあるんでしょうけども、逆に中野区の持っている弱みは、先ほど言いましたように、私はやっぱりまちづくりが遅れていると、42%の狭隘道路、そして住宅密集地でありますから人口密度が全国でも一、二番を争うまちだと。それから無電柱化率、340キロの区道に対して0.7%しか無電柱化になってない。それから、先ほど言ったように若者が多いんですけれども、転入転出も多い。少子高齢化も進んでいる。そしてファミリー世帯が少ない。それから、中野の名物というか、お土産品みたいなものもないですよね。以前は中野区は住みたいまちランキングに載りましたよね。1位になったのかな。1位はなっていないんだよね。私は住み続けたいまちナンバーワンだともちろん思っておりますけども、そんな弱みをどのようにして補っていくのか、その辺はどう考えていますか。

○永見基本構想担当課長 今いろいろと挙げていただいたところがあろうかと思いますけれども、中野区の持つ強みとして、先ほど町会自治会や商店街を初めとした人と人とのつながり温かみがあるということを申し上げたところでございます。そういったつながりであったり人の活力といいますか、そういったところを十分に発揮していく中で、現在持っている弱みの部分というものも補っていけるような工夫をしていく必要があると考えてございます。

○伊藤委員 それから、新しい基本構想の策定に向けて検討素案として取りまとめましたが、検討素案には理念の記載がありません。本会議の答弁でもありましたけれども、三つのキーワードを踏まえて大切にすること4点が挙げられております。基本理念のようなことで言葉としては表現しておりませんけれども、基本理念に該当するとしたものとなっているという答弁がありました。検討素案としてなぜこのような形になったのか、また、いつ、どのようにして誰が判断したのか伺います。

○永見基本構想担当課長 基本構想の検討素案におきましては基本理念という言葉は使用しておりませんが、より分かりやすい言葉として大切にすることとして表現をしたものでございます。その理由といたしましては、基本構想の策定の方針におきまして、区民が親しみや共感を持つことができ、分かりやすく伝わる内容や構成、そういった方針を示しているほか、基本構想審議会のほうからも、構成内容及び表現等について区民にとってより一層分かりやすいものにするよう努めること、そういった答申をいただいているところも踏まえたものでございます。検討素案の作成に当たりましては、基本構想担当で作成した案を基に、基本構想等策定本部会議を通じて全庁的な調整を行った後、政策企画会議において方向性を明らかにした上で、1月17日に区長決定をしたものでございます。

○伊藤委員 また、この定例会において我が会派の内川議員が基本計画の策定予定を当初から半年遅らせた理由をただしましたけれども、新しい基本計画は新しい基本構想で描くまちの姿を実現するための計画であることから、令和2年6月に策定を予定している基本構想の検討内容をしっかりと反映していく必要があると。基本計画の策定過程においては丁寧に区民意見を聴取し、反映していく必要があることから、基本計画素案を策定する前に、基本計画の概要を作成し、その概要について区民意見を伺う機会を設けるとされましたが、いまだ財政見通しや施設配置も示されておりません。こういうことでこのスケジュールがさらに遅れるのではないかと私は懸念しておりますけれども、その辺はいかがでしょうか。

○永見基本構想担当課長 基本計画につきましては、現在、政策や施策の体系、また課題を解決するための取組内容などについて整理をしているところでございます。また、今後10年の施設の配置を定める区有施設整備計画につきましても基本計画と併せて検討を進めているところでございます。こうした検討を踏まえた財政見通しも含めまして基本計画の概要として6月にお示しできるよう現在準備を進めているところでございます。

○伊藤委員 今ちょうど基本構想の検討素案の意見交換会を開催される時期ですよね。2月から3月にかけて意見交換会、たしか2月23日かな、桃園活動センターでおやりになると号外版に出ていたんですが、これはおやりになりましたか。

○永見基本構想担当課長 一昨日、桃園区民活動センターで実施をいたしました。

○伊藤委員 それはコロナウイルス関係なくおやりになったんですね。

○永見基本構想担当課長 現在の新型コロナウイルスの状況を鑑みまして、入り口において体調不良の方がいらっしゃった場合には参加を御遠慮いただくことであったり、消毒を徹底すること、また、グループディスカッション形式ということで予定をしてございましたが、一問一答形式というような形である程度一定間隔を置いた上で実施をすること、またマイクを使用しない、また換気を徹底する、そのような対策を行った上で実施をしたものでございます。

○伊藤委員 どのような意見が出されましたか。永見さんももちろん担当ですから出ていたんですか、どうでしょうか。

○永見基本構想担当課長 私も参加をしておりました。意見に関してはかなり多岐にわたる御意見をいただいたものでございまして、基本構想の検討素案の文面に対する御意見も含めまして、今後、具体的な取組であったりとか現状区が抱えている課題、また個人的に気になっていらっしゃること、そういったところも含めて様々な御意見をいただいたところでございます。

○伊藤委員 これから各センターとか区役所とかで意見交換をされると思うんですけども、そういった区民の意見、また議会からの意見、素案に対して意見がいろいろ出ると思うんですけども、その辺を集約して案になるのはいつごろなんでしょうか。

○永見基本構想担当課長 案としての報告でございますけれども、意見交換会等の意見を踏まえて4月の中旬ということで委員会報告をさせていただきたいというふうに考えてございます。

○伊藤委員 それから、案が示されて、6月の区議会のほうに議案として提出されるということでよろしいんでしょうか。

○永見基本構想担当課長 委員のおっしゃるようなスケジュールで考えてございます。

○伊藤委員 それと同時に、基本計画の策定も、構想が議会で通過されたとしても、もう今個別の計画なんかも様々やられると思うんですよね。計画されていると思うんですよ。恐らく同時並行していかなければいけないと思うんですが、その辺の考えはどうでしょうか。

○永見基本構想担当課長 基本計画につきましては来年の3月の策定に向けて準備を進めているところでございます。基本計画の策定に伴う個別の計画につきましても、新しい基本計画の策定を見据えて併せて検討を進めているところでございまして、そのあたり、全庁的な調整を図っていく必要があると考えております。

○伊藤委員 基本計画が3月、これはたしか半年遅れたわけですよね。基本構想は予定どおりでしたっけ。区長が就任されてちょうど本当に2年後に構想がつくられる。基本計画は3月、そうすると、区長の任期は僅かもう1年ちょっとですよね。非常に遅くなりはしないかなと思いますし、実施されてももう僅か1年で実施、この4年間、酒井区長さんが何をしたのかという実績が見えてこないと思うんですよね。その辺いかがでしょうか。通告はしていないですけども、どうでしょうか。

○永見基本構想担当課長 スケジュールにつきましては、基本構想は第2回定例会ということで議案を提案したいというふうに思っているところでございます。今回の基本構想、また基本計画につきましては、多くの区民の皆様の御意見を伺いながら、ある程度の時間をかけて策定をしていきたいというふうに考えているものでございまして、このような形のスケジュールで組ませていただいているものでございます。

○伊藤委員 私は、基本計画が来年の3月に示されて、そこから実施されると、それで、区長さんの任期も1年ちょっとしかないわけですよ。酒井区長、計画だけつくっておいて、また選挙で信任されるかどうかはまた選挙になればなんですけども、実績が全然見えないなと思うんですよね。ですから、基本構想、基本計画、やっぱりもっと早く策定するべきだと思ったんですけども、その辺いかがでしょうか。区長、どうでしょうか。

○酒井区長 基本構想につきましては、新たな次の10年間、状況がたくさん変わった中での10年間をしっかりと区民の皆様と合意を持ってつくる基本構想ということでございますので、じっくりと対話を用いて中身についても吟味するところでございます。

○伊藤委員 ある程度やっぱり自分の考えも入れながら、あまり区民の意見、区民の意見、いいですよ。でも、時間がかかり過ぎてはいませんかということなんですよ。やっぱり自分の意見を述べて、それでこうしたいんだというものがあって区の計画、構想をつくっていくべきだと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。

○酒井区長 私としては、子育て先進区として地域包括ケアの実現等を区の課題、こうしたいということをしっかりとお示しした上で皆さんに議論をお願いするということでございます。

○伊藤委員 子育て先進区、地域包括ケア等と言いましたけど、等とはほかにはどのような内容があるんでしょうか。

○酒井区長 先ほど答弁でも申し上げましたけども、防災のまちづくりなど区の課題というのはたくさんあると考えております。

○伊藤委員 いずれにしろ、私はもっと早く基本計画をつくるべきだと思っていました。それで実施計画をされる、これがやっぱり区長、足らなかったと思いますよ。その辺を指摘させていただいて、次に移りますけども、時間があれですよね。

 次に、子どもと子育て家庭の満足度が高く、多くの子どもと子育て家庭から選ばれる、先ほど言いました子育て先進区の実現に向けた基礎づくりを着実に進めていくと述べられておりますが、この子育て先進区の実現に向けた基礎づくりとは何なのかお伺いいたします。

○永田子ども・教育政策課長 子育て先進区を実現するためには、区の特徴を生かした子育て環境の整備が必要であり、その前段として、中野区全体での子育て先進区の理念の共有や既存事業の改善や見直し、地域において子育てを支える団体の育成やネットワークづくりなどの取組が重要であると考えておりまして、これらの取組を子育て先進区の実現に向けた基礎づくりと位置付けているものでございます。

○伊藤委員 子どもが多いまちというのは私はまちの活性化につながると思っています。子育て世代が中野区に多くいるということは将来の中野区の持続可能な区政運営につながっていくことだとは思います。そのためには、中野区で育った子どもたちがこの中野に愛着を持って住み続けて暮らしていけるような魅力のある子育て先進区にしなければいけないと思っています。

 そこで、子育てしやすい環境をつくことは待ったなしだと思いますが、子育て先進区実現に向けた基本方針の策定はスピーディーに進めていかなければならないと思いますが、その辺はどのように考えていますでしょうか。

○永田子ども・教育政策課長 子育て先進区実現に向けた基本方針につきましては、この間、骨子の検討をいたしたところでございます。そして、この後、子育て先進区実現に向けた基本方針の案を議会に御報告をさせていただきました後に決定をしてまいりたいというふうに考えてございます。

○伊藤委員 何か統一性がないなと思っています。本当にやるんだったらスピーディーに、今頃本当は子育て先進区に向けた取組の実現というのをできてなきゃいけないんじゃないですか。もう最初からうたっているんですから、ましてやこれは区長の一丁目一番の施策だと思うんですけども、その辺いかがですか。

○永田子ども・教育政策課長 この方針の策定に当たりましては、区民と区長のタウンミーティングやインターネットを利用したアンケートの実施などを行いまして区の課題やニーズの把握に努めたところでございます。こうした御意見等を踏まえまして方針の検討を進めてきているということでございます。

○伊藤委員 子育て先進区、中野区を1番にしたい。他区との比較というんでしょうか、どこが違うようなものを基本方針に盛り込むのか。例えば近隣でいうと渋谷区、杉並区、新宿区がありますけれども、その辺の考えなんかはいかがでしょうか。

○永田子ども・教育政策課長 この基本方針におきましては中野区の課題ということで、例えば子どもたちの遊びや憩いの場という環境、それから保育などでの定期的あるいは一時的な預かりの場が不足をしているといったような御意見をいただいておりますので、そうしたような課題について具体的な対応をしっかりと講じていくということが大切であるということで考えておりまして、そうした取組を進めていく中で中野区の魅力ある子育てしやすいまちづくりを進めていきたいというふうに考えてございます。

○伊藤委員 ですから、中野区は近隣と違って本当に魅力ある子育てができるんだということをしっかりと明示しなければいけないと思うんですけども、その辺やっぱりぼわっとしちゃうと、中野で子育てしたいなという気持ちができなくなったり、また子どもがある程度の年齢になったらもう他区へ引っ越しされるということもあろうかと思うんですよね。その辺の考えというのをもう少し具体的に進めていかなければいけないと思うんですが、いかがでしょうか。

○永田子ども・教育政策課長 今、区ではこの子育て先進区実現に向けた基本方針を検討しているところでございますけれども、この方針を踏まえまして、今後具体的な取組につきましては、新しい基本計画を検討していく中で重点プロジェクト等に位置付けるなど一体的に検討を進めていきたいというふうに考えてございます。

○伊藤委員 ぜひスピーディーに取り組んでいただきたいと思います。ありがとうございました。

 次に、東京オリンピック・パラリンピック開催を一つの契機として、まちの多様性をさらに息づかせていきたいと考えていると述べられておりますけども、具体的にどのような取組を行っていくのか伺います。

○古本スポーツ振興課長 区では、東京2020大会の開催を契機といたしまして、障害の有無、年齢、性別等に関わらず多様性を尊重するまちの実現を目指したいと考えてございます。具体的に来年度におきましては、障害者スポーツ指導者の養成やパブリックビューイング、聖火リレー関連の事業などの実施を予定してございます。

○伊藤委員 中野区はオリンピックの競技場はないんですけども、中野区立総合体育館が新しくできたら卓球の練習場になるというふうに言われておりますけれども、その辺も踏まえて、オリンピック・パラリンピックの開催を一つの契機として中野区がどうなっていくのか、一つの練習場として、その辺の考えというのはどうでしょうか。

○古本スポーツ振興課長 新体育館が卓球の公式練習会場になりますことに伴いまして、区としましてはこの体育館が使われたということを後世に残るような、それをレガシーとして残すような取組をしていきたいというふうに考えてございます。

○伊藤委員 これを本当のきっかけとして、中野区の魅力、またスポーツに対しての意識が深まっていけばいいなと思うんですけども、ぜひその辺はお願いしたいなと思っております。ありがとうございます。

 また、区長はこれまでに地域に飛び出す職員というフレーズを述べられておりました。私たちは地域で様々な活動に携わっておりますが、いまだにあの地域に飛び出している職員を見かけたことがないんですけども、アウトリーチは別にしてね。アウトリーチの方もちょっと活動が薄いんじゃないかなと思いますけども、職員の皆さんに地域に飛び出しているという意識が根付いていないんじゃないかなと思っています。基本計画、基本構想でうたってはいますけども、その職員が地域に飛び出していく、様々な課題解決に向けていくんだということなんですけども、その辺の意識、職員さんの意識というのがまだ本当に見えてこないなと思うんですけど、その辺はどのように考えていますでしょうか。

○高村業務改善課長 昨年の4月に中野区の職員行動指針を作成しまして、職員がまちに出ることを指針の一つとしています。それから委員のほうからもお話があったように、基本構想の検討素案の中でも、区政運営の原則として職員が地域に飛び出すということを示しています。徐々にではありますけれども、一定の認識が得られつつあるかなというふうに考えてございます。

○伊藤委員 そもそも職員2,000人体制の下、職員が地域に飛び出していける環境が整っているか、私は疑問に思っていますけども、職員の皆さんはいつからどのようにして地域に飛び出していくのか、その辺はどうなんでしょうか。

○高村業務改善課長 職員が地域に飛び出していくためには、職員自身の意識はもちろんなんですけれども、地域に出る時間を生み出すことが必要だと考えております。そのためには環境整備の一つとして業務の効率化に取り組み、ICTの活用などによる組織的な業務改善を進めていく必要があると考えてございます。これらによって地域に飛び出して、区民の皆さんや関係者との対話、協働を通じて課題を解決に導いていく職員の行動を実現したいと考えてございます。

○伊藤委員 以前、区の税金を滞納している方々に臨戸徴収というのがありましたでしょう。田中区政のときに行っていた臨戸徴収、区の管理職の方と新人の職員の方が組んで各地域に出向いて、目的は滞納の収入の向上に向けてやるんですけども、それをたしか酒井区政になってから中止されましたよね。目的は区の滞納税金を収入するのが目的なんですけども、やっぱり新しい職員、新人の職員がまちに出て、中野のまちの様子、また区民の暮らし、そういうものを見るのも一つじゃないかなと思っていたんですけども、その辺いかがお考えでしょうか。通告はしていないんですけども、やっぱりそういったことが区の職員がまちに飛び出すきっかけになろうかと思うんですけども、その辺の考えというのはどのように考えますか。

○高村業務改善課長 業務改善のほうでは、いわゆる改善運動の委員会を開いていまして、若い職員が中心であるんですが、できるだけそういう中でも現場に行こうというような話をしています。それは自治体もありますし、地域に出るということもあります。そういう中で、いわゆる若い人だけではなくて、先ほど委員がお話しになったように、ベテランだったり中堅の人が一緒になってやると、よりそういう効果が上がるというふうには実感していますので、業務改善だけではなくて、研修だったりOJTだったり、いろんなことが関連すると思いますけれども、そういった中でそういうことを意識していきたいと考えてございます。

○伊藤委員 ぜひそういうきっかけを持ってほしいなと思います。いろんな担当部署で違うとは思うんですけども、その辺をしっかりと見極めて、また、地域に行けばいろんな町会の活動をされていますけども、社会福祉協議会の担当の方々だとか、地域包括支援センターの職員だとか、いろんな方々がいるわけですよね。やっぱり一緒になって職員が地域の課題解決に向けて取り組んでいただきたいなとは思っております。ありがとうございました。

 区長は、施政方針説明について、人口減少社会において地域の原動力となるのは単なる人口ではなく、活動人口であり、活動者同士のつながりによる連鎖的な活動の広がりがまちの底力を高めていくものと考え、地域活動や文化芸術活動など、多様な主体同士の連携の推進等に力を注ぎ、まちの活力の核となる活動の担い手づくりを推進していくことを述べられております。確かに新たなことに取り組んでいく姿勢は大切です。推進すべきであると考えます。しかし、これまで地域コミュニティの中核としての重要な役割は、町会自治会を初め、民生児童委員、青少年育成地区委員会、赤十字奉仕団などが果たしてきました。しっかりと足元を見据えた町会自治会などの団体の活動の現状や課題を認識し、課題解決を図るとともに、団体活動のさらなる充実に向けた行政としての取組を行っていただきたいと考えております。これらの団体は、地域社会の高齢化に伴う活動の担い手不足や住民参加の低下などの課題を抱え、様々な取組を行っておりますが、活動の担い手不足の解消にはまだ至っておりません。区民の町会自治会活動への参加の促進に関する検討からもう2年がたっておりますけれども、今後はどのように考えているのか伺います。

○伊藤地域活動推進課長 お答えします。検討会の結果を受けまして、町会連合会自ら中野Loversウォークというイベントを企画しまして、昨年実施した第2回目におきましては、1,000人以上の参加者が、まちの掲示板巡りですとか、またクイズ大会を楽しみ、町会自治会活動のPRに大いにつながったというふうに考えてございます。区としても、町会自治会の広報活動への支援のために、掲示板の設置や修繕の助成を今実施しているところでございます。なかなか担い手不足の解消という点で即効的な解決策は難しいところでございますが、区としては、単位町会自治会の皆様、連合会の皆様の取組を支援するとともに、若い方たちを取り込んでいるような活動事例などを収集いたしまして、広報、周知し、横展開できるように取り組んでいきたいと考えております。

 また、今後の少子高齢社会の進行というものを踏まえますと、多くの区民に公益活動の重要性、また一方で楽しさというものも知っていただきまして、担い手として活動していただけますよう、仕組みづくりや啓発、環境整備など取り組んでいきたいというふうに考えてございます。

○伊藤委員 先ほども言いましたように、町会連合会、取組をやっておりますけれども、いま一つ加入促進にはつながっていないような感じもします。また、先ほど言った町会自治会は高齢化になっていてなかなか役員の担い手もおりません。また、やっぱり町会自治会が足腰が強くてそれぞれの強い活動を続けることが地域社会のために欠かせないことだと思います。それで、いろんな地域には問題だとか課題があろうかと思うんですけども、その辺を町会自治会が活発にできるような支援をぜひお願いしたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

○伊藤地域活動推進課長 地域の課題解決というところでは、地域ケア会議というものを地域に立ち上げておりまして、様々な活動の中から見えてくる課題を区の職員、また地域の皆様と一緒に検討して解決していくというふうな仕組みもできております。町会の皆様にもここの重要な参加メンバーとして加入していただいておりまして、そういう保健、福祉、地域の課題という非常に様々な切り口があるわけですけれども、そういうものを区と地域の皆様と一緒に検討して具体的な解決策、施策につなげていくという取組をしっかりとやっていきたいというふうに考えてございます。

○伊藤委員 ぜひお願いしたいと思います。ありがとうございました。

 それで、この項の最後に、今定例会における一般質問においても我が会派の大内幹事長からも質問したように、令和2年度には今後の区政の方向性を左右する重要な課題が山積いたしております。そこで、最後に区長さんに聞きたいんですけども、執行機関である首長と議決機関である私ら区議会は共に区民の信託を得て区民に対する責任を負っております。議会への適宜適切な情報提供がなされて十分に腰を据えた議論を行った上で、相互理解に基づいた区政運営を進めていかなければならないと思いますが、最近情報が本当に不足しているような気もいたします。―――(発言取り消し)―――議会への情報提供、その辺はどのように考えていますでしょうか、お願いします。

○酒井区長 一般質問でもお答えしましたけども、適時適切な情報提供に努めてまいりたいと考えております。

○伊藤委員 それはもう当たり前だと思うんですけども、ぜひその辺は、車の両輪という話もありますので、よろしくお願いしたいと思います。この辺は後の高橋委員も質疑すると思いますが、よろしくお願いします。

 次に、令和2年度の予算編成について伺います。令和2年度予算は、新しい基本計画や区政の転換につなげていくため、これまで進めてきたまちづくりに引き続き取り組むとともに、喫緊の課題に対応し、妊娠、出産、子育て、トータルケアの事業の推進、区立学校の体育館冷暖房化などの教育施設環境の改善、英語教育やICT教育環境の充実、地域の防災、安全の推進などに幅広く取り組む予算とされております。予算編成に当たっては10か年計画を踏襲すると言われておりましたが、幅広く取り組む予算にしたのはなぜなのか伺います。

○森財政課長 今ちょっと少し委員にも触れていただきましたが、課題が様々あると、子育て、地域包括ケア、またまちづくりですとか施設整備といったようなことで、そういう課題も様々山積しているというようなこともございますので、それに向けて適時適切な対応をとっていくといったようなことで予算を組んだものでございます。

○伊藤委員 令和2年度の一般会計予算は1,468億2,300万円、過去最大の前年度に比べて53億4,900万円、3.5%の減となっております。

 そこで、まず、歳入予算について伺います。特別区税については351億1,400万円余りですね。また前年度と比べ1.7%の伸びを見込み、5億8,600万円の増となっております。法人住民税の一部国税化やふるさと納税の影響もありますが、納税義務者数の増加により税収増を見込んだとされておりますが、特別区民税が具体的にどのくらいの納税義務者が増え、どのくらいの税収増を見込んだのかお伺いいたします。

○矢島税務課長 特別区民税の納税義務者は令和元年度決算見込みと比べ4,636人の増の20万2,164人と見込みました。現年度当初課税所得割納税義務者数の見込みにつきましては、区の1月1日現在の15歳から64歳までの生産年齢者数に過去5年の生産年齢課税率の平均値を乗じまして推計し、令和元年度当初課税所得割納税義務者と比べ1,898人の増、19万3,259人と見込みました。税収増の見込みにつきましては、主な要因といたしまして、現年度当初課税所得割納税義務者数に1人当たりの総所得金額を乗じたものから所得控除及び税額控除を差し引き、税率を乗じ、調定額に対しまして現年度目標収納率99%を乗じまして推計し、令和元年度当初予算と比較いたしまして4億2,700万円余の税収増の見込みを行いました。

○伊藤委員 今後、税収の見込み、区民税の見込みというのは予測では上がっていくだろうと見ているんですけども、その辺どのようにお考えでしょうか。

○矢島税務課長 令和2年度につきましても納税義務者数の増というところで税収増を見込んでおりますので、納税義務者数の増が今後も生じます場合につきましては税収増につながっていくのかなと考えてございます。

○伊藤委員 歳入の確保というのは本当に大事なことでありますから、ぜひ担保していただきたいなと思っております。

 それから、来年度の取組で特別区民税収納率向上の対策というのを主な取組にうたっていますけども、その内容を教えていただけますか。

○矢島税務課長 令和2年度の新たな収納率向上策は、訪問による納税案内の対象地域を拡大しますこと、滞納額30万円未満の滞納者全件の財産調査を実施すること、SMSを活用いたしました納付勧奨を実施いたしますこと、区外滞納者に対します状況調査を拡大することなどの取組でございます。

○伊藤委員 SMS、ショートメッセージサービスを活用した納付勧奨を実施するということなんですけども、今いろいろと還付金詐欺だとかそういうのでいろんな問題になっていますけども、こういったことをやると、ショートメッセージサービス、勘違いする方もいるんじゃないですかね。その辺どのように考えていますでしょうか。

○矢島税務課長 来年度取り組みますショートメールにおきます納付勧奨の御案内につきましては、委員御指摘のとおり、還付金詐欺などが生じないように、先行自治体等の取組も参考にしながら安全対策を講じてまいりたいと考えております。

○伊藤委員 ぜひお願いしたいと思います。ありがとうございます。

 大丈夫です。ちょっと順番いろいろと時間がないもんですから変えていきますけども、一般財源規模についてお伺いいたします。今回、一般財源規模を710億円から750億円にされました。区長はスクラップ・アンド・ビルドをしっかりと進めていくとしておりましたが、施政方針説明においてはそのフレーズは消え、今後新しい基本構想で描く中野のまちの実現に向けて、これまでの財政運営手法を検証し、持続可能な区政運営の考え方について新しい基本計画において明らかにしたいと考えていますとしております。財政運営の手法についてはこれから示していくこととしておりますが、当初予算案の概要51ページにも示しておりますが、行財政運営の基本方針は、新しい中野をつくる10か年計画(第三次)に基づいて進めていくということですが、その考え方には間違いはありませんか、お伺いいたします。

○森財政課長 現時点においてはそのように考えております。

○伊藤委員 これから少子高齢化による歳入の減少、歳出の増加などが懸念される中、区有施設の建てかえ費用を捻出していかなければならない大変厳しい時代でありますが、中長期的な戦略に基づく持続可能な財政運営が求められていると思いますが、図、これ、ちょっと委員長に御理解いただいたんでちょっと見ていただきたいんですけども、この図は平成30年度の財政白書と今年度の当初予算案の概要に掲載の値を使って製作をいたしました。我が党の委員が作ったんです。見えますかね。財政の今までの基金と起債を書いたんですけども、区営住宅基金や平和基金、環境基金については大きな変動がないために過去の数値から推定いたしました。この青色の棒グラフが基金合計金額で、オレンジの実線が起債残高です。それと基金と起債残高の差額が区の実質的な借金になるわけです。これが赤。例えば平成11年度は基金が49億円、それに対して借金、いわゆる起債が631億円、その差がマイナス582億円なんですね。このようにこれを見ていただければ分かりますが、ちょうど平成24年には、起債と基金がちょうど一緒になって大体77億ぐらいの差かな。過去には600億円近くの借金を抱えておりました。中野サンプラザを買収しようとしたときには、実質の借金が500億円あったために、相場からすれば高い53億円の物件を区単独で購入することができず、民間企業との共同で購入し、その後様々な問題が生じております。区の借金が多いことは民間企業に付け入る隙を見せてしまう最悪の状態を招きかねません。今の基金、起債の計画はそのような事態、そしてその先には夕張市のように財政破綻を招きかねない状況であります。田中区政の16年間は財政破綻寸前の中野区のリストラを敢行することが命題でありました。平成13年に田中区政が誕生して、貯金と起債がちょうど500億円近く差があったんですね。そこで、マイナスの456億円だった資産はプラス553億円まで回復し、およそ1,000億円の貯金に成功しました。いわゆる借金と基金の差が1,000億円ですね。また、酒井区政における基金、起債計画を見ますと、令和6年度までに実質の資産が一気に553億円からマイナス41億円で、600億円ほど湯水のようにお金を使っていくわけです。この線を見ればすぐ分かるように減っていっているでしょう。単年度ごとに経常経費を抑え込み、基金、起債に余裕を持つことが重要だと思います。こういった過去の経緯と将来予測があるわけですが、先ほども言ったように、区は、当初予算案の概要13ページに、基準となる一般財源規模を今年度710億円から来年度は750億円と40億円も規模を拡大するということはどういった理由からでしょうか、お伺いいたします。

○森財政課長 基準となる一般財源規模につきましては、中期的スパンの中で一般財源の実態と大きな差がないことが前提となってくるだろうと考えております。平成26年度以降、一般財源は増加傾向でございまして、予算編成時には基準となる一般財源規模を超過し、決算時においても伸びが著しい状況になっているところということで、このあたり、実態とかなり乖離が出ているといったようなところで課題であったというふうに思っておるところでございます。また、令和2年度につきましては、一般財源のうち、消費税増税に伴います地方消費税交付金の増額が予算編成の当初から見込まれていたということでございまして、こういった状況から今後5年間の歳入状況を見極めつつ、過去5年間の歳入決算値を踏まえるとともに、地方消費税交付金の増額見込みを加味した上で令和2年度予算編成における基準となる一般財源規模というのを定めたところでございます。

○伊藤委員 今年度ですよね。平成31年度、今の予算は、一般財源の歳入は774億円、基準となる一般財源規模が710億円であったために、64億円を基金に積み立て、歳出は759億円となるために、49億円の財調基金の繰入れを行いました。49億円必要な理由としては、待機児童対策が16億2,000万円、中野区立総合体育館整備14億6,400万円など必要な理由が明記されております。令和2年度予算においては、基準となる一般財源規模は750億円で、歳出はたまたまちょうどの750億円で、財調基金の繰入れなどをしないことになっております。先ほど行財政運営の基本方針は、新しい中野をつくる10か年計画(第三次)に基づいて進めていこうということですが、これまでの考え方が同じだということは、もし来年度、基準となる一般財源規模750億円で、今年度のように49億円程度の臨時的経費が必要だった場合は合計で799億円の歳出になるわけですよね。今年の一般財源歳入の784億円を簡単に超過しておりますが、この場合はどのようにするのでしょうか。

○森財政課長 基準となる一般財源規模は歳入見合いで身の丈に合った財政運営を行うために設定をしているところでございます。それで、まずは予算編成においては基準となる一般財源規模の範囲内で一般財源充当事業費を抑えていくといったことで予算編成を進めるわけでございまして、今回でいいますと750億円を設定したものでございますので、まずスタート段階としては750億円に収めていくといったようなことで必要な事業見直しなども取り組んできたといったところでございます。

○伊藤委員 では、昨年まで710億円でやりくりできたことが、今年から750億円ないとできないといったことなんでしょうか。ましてこの40億円の増やした事業というのは、ご説明いただけますか。分かりますか。

○森財政課長 今年度予算は710億円で設定したと。当然スタートの段階では710億円に収める形で昨年度も予算編成をしたといったようなところでございます。その査定の段階においては710億円を超過した部分については臨時的経費だというところで、そういうことで説明をしたところでございます。今回の40億円を上げたというのは、必要な経費が40億円必要だったということではなくて、先ほども少し触れましたが、基準となる一般財源規模を上回る歳入がここ数年続いていたと。また歳出についてもそれに同じくして増えてきたといったようなことで、実態を踏まえた基準となる一般財源規模の設定が必要であるといったようなところで判断をいたしまして様々検討した結果、今回の設定というふうになったものでございます。

○伊藤委員 今回は繰入れはしないと。でも、もし臨時的経費が生じた場合はどのようにされるんですか。

○森財政課長 臨時的経費は、当然今回、令和2年度予算にも様々施設整備の関係ですとか生じているところでございますが、繰り返しになるんですけれども、当然まずは基準となる一般財源規模の中に収めていく、そういったことで必要な経常経費の削減等、そういうふうに取り組んでいくといったところでの予算編成の考え方でございます。

○伊藤委員 そもそもの710億円という数字は厳しい数字かもしれませんけども、こういった目標を定めることによって各所管から上がってくる予算要望を厳しく精査するのが財政課の仕事なのではないかなと思いますが、歳出と基準額が同額であることからそのあたりの努力を全くしていないように感じるわけですけれども、その辺どのように感じていますか。

○森財政課長 今回750億円に設定をして、当然各部に対しては必要な見直しをした上で要求限度額も設定をしておりますので、その範囲内で経常経費を削減して収めてくるようにといったようなことで予算編成方針において指示をしたというところでございます。750億円、今回歳出、ちょっと予算案の概要で13ページにおいてはぴったりのような形で図を作っておりますが、実際のところで言いますと、今、一般財源充当事業費は744億円ですので、6億円は750億円から下回っているといったことで、その6億円については基金に積立てをしているところでございます。

○伊藤委員 いずれにしろ、私は750億円は非常に高い規模だと思っています。2月17日にも発表された昨年10月から12月期のGDPはマイナス1.6なんですね。それで、台風の影響だとか増税に伴う影響、そういったこともあって、これから新型コロナウイルス、先ほども申し上げましたように、拡大が予想されると国内経済にも影響があると思うんですけども、そもそも40億上げる必要があったんでしょうか、伺います。

○森財政課長 まず、先ほどの答弁とも重なるところはございますが、最近5年間については歳入については基準となる一般財源規模を上回っている状況が続いていたと。また、歳出も基準となる一般財源規模を上回るような状況もあって、逆に基金からの繰入れもしていたといったようなことで、実態を踏まえた基準となる一般財源規模の設定が必要であると判断をして変更をしたところでございます。

 今、委員御指摘のございました経済状況の推移ということについては当然注視をする必要があると考えておるところでございまして、これから財政運営を行っていく中でもしっかりそこは注視していくと考えているところでございます。

○伊藤委員 710億円という数字に抑え込む目標値がなくなることによって、各所管からいわゆるいろんな要望を全てかなえているようにも見えてしまいます。区長がしっかりとリーダーシップを図らないことによって、役人天国と言われかねない今回の予算全体に対しては我々はちょっともろ手を挙げて賛成するということには疑問が生じます。どうでしょうか。

○山本委員長 質問を明確にお願いします。

○伊藤委員 と私は思うんですけども、ちょっと言い過ぎたかな。

 それで、急な質問になりますけども、会計年度任用職員の内容業務について伺います。来年度から会計年度任用職員を取り入れるということで、この制度というのは今までの非常勤職員、アルバイト職員のことを言うんでしょうか。

○中谷職員課長 お答えします。会計年度任用職員制度は、現在の非常勤職員の一部と臨時職員が移行するような制度でございます。

○伊藤委員 ちょっとこれは計算しましたら約9億円になっているんですよね。人件費はたしか6億円ぐらい昨年度より上がっていますけども、職員課に2億円計上となっているのはなぜでしょうか。資料、総務68、会計年度任用職員の職務内容及び予算額一覧の7ページ、職員課に2億円計上、2億456万6,000円、これは何でしょうか。

○中谷職員課長 職員課に計上しております会計年度任用職員の人件費としましては、期末手当の部分を一括計上している部分と、それから、欠員代替に伴う臨時的な業務を行う職員の会計年度職員の人件費相当部分になってございます。

○伊藤委員 この職員費の総務の予算には一般会計分の補助職の期末手当及び会計年度任用職員全体の社会保険料を一括計上しておりますよね。期末手当額が3,886万4,000円、社会保険料が8,578万4,000円となっております。先ほどの2億円からのこの分を差し引くと7,991万8,000円、およそ8,000万円は総務の人件費となるが、総務だけでのこの人件費は使われているとは考えられません。この内訳は何なんでしょうか。

○中谷職員課長 全庁的に生じた欠員補充のための臨時的な補助職の人件費をまとめて計上しているものでございます。

○伊藤委員 さらにその内訳というのは分かりますか。

○中谷職員課長 その都度欠員が生じたところで、アルバイトといいますか、臨時的な職員、補助職を配置しているので、特に明確な内訳といったものがあるというものではございません。

○伊藤委員 8,000万円という総務の人件費というのはかなり大きいですよね。何か見え隠れしてならないですけども、その辺具体的に御説明いただけますか。

○中谷職員課長 これまでもその部分につきましてはアルバイトの時代から同様の金額を計上していまして、全庁的に、繰り返しになりますけれども、欠員等が生じた場合の補助的な業務として従事する職員の人件費となってございます。

○伊藤委員 昨年度の非常勤アルバイトの経費というのはたしか物件費に入っていて、これを見ると見づらいですよね。全然対比が違うんですけどもね。昨年度とどう違うのか御説明いただけますか。

○中谷職員課長 今回の制度の移行に伴って予算の計上の仕方も異なることから、実質的な比較が非常に困難な状況になっておりまして、大変そこは申し訳なく思ってございます。実質的な増としましては、期末手当や共済費等で約1億7,000万円の増となってございますけれども、その他の部分につきましては、物件費と人件費の入替えに伴って大きく増に見えてしまう部分ですとか、特別職、非常勤の内訳が非常に分かりにくいといったことから実質的な比較が困難な状況になっているというものでございます。ただ、実質的にはあくまで期末手当や共済費等の増1億7,000万円分が実質的な会計年度任用職員の制度導入に伴う増というところでございます。

○伊藤委員 何かはっきりしないので人件費が見え隠れして分からないんですよね。その辺やっぱり私はちょっと疑問に思っています。時間がないのであれですけども。

 次に、大分削ってしまうんですけども、予算概要の中の主な取組で、見直し、新規、拡充、いろいろあるんですけども、シティプロモーションの事業についてちょっと伺います。シティプロモーション事業の取組についてですが、その目的を改めて伺いたいと思います。

○桜井観光・シティプロモーション担当課長 シティプロモーション事業の目的でございますけれども、シティプロモーション事業では、区民の区への愛着と区内外の人々の区の推奨機運の醸成、定住人口、昼間人口の増加によりまちの活力を高めていくことを目指して推進してございます。

○伊藤委員 シティプロモーション事業は3か年、来年度で計画が終わると聞いておりますけども、平成30年度から取り組んでいる事業の1年目の決算及び2年目の予算というのをお示しいただけますか。

○桜井観光・シティプロモーション担当課長 平成30年度の決算額は3,075万5,000円でございます。また、平成31年度の予算額は7,797万7,000円となってございます。

○伊藤委員 そのうち「中野大好き ナカノさん」のお人形さんにかけている金額は幾らぐらいでしょうか、伺います。

○桜井観光・シティプロモーション担当課長 シティプロモーション事業のうち、「中野大好き ナカノさん」の関連経費でございますけれども、平成30年度決算においては約2,041万円、平成31年度予算においては約2,573万円でございます。

○伊藤委員 来年度の事業の概要とその予算の内訳はどうなっているんでしょうか、伺います。

○桜井観光・シティプロモーション担当課長 来年度のナカノさんの関連経費でございますけども、まず来年度の事業につきましては取組内容を精査しながら予算積算を行ったところでございますけども、区としてはナカノさんを通したSNS発信、また製作物として880万円を想定して予算積算したところではございますけども、来年度は委託事業者をプロポーザル方式で公募したいと考えてございますので、一応区の予算積算上の数字としては880万円を想定してございます。

 そのほかの経費でございますけれども、そのナカノさんの経費も含めて情報発信事業に1,487万円余、また、今までやってございます「ナカノミライプロジェクト」でございますけども、そちらは区の直営で基本的にはやる予定ではございますけども、講師謝礼として48万円を見込んでいます。そのほか、事務費等と、あと助成事業、今年度予算では300万円でございましたけども、来年度は実績を踏まえて精査しておりまして200万円を予定してございます。その他は事務費となっています。

○伊藤委員 先ほど言ったシティプロモーション事業、これは委託業者は博報堂さんですよね。間違いないですか。

○桜井観光・シティプロモーション担当課長 そのとおり、株式会社博報堂に委託してございます。

○伊藤委員 ちょうど昨年の2月に「中野大好き ナカノさん」が突然現れて1年がたちますけれども、これまでの効果はあったんでしょうか。またその効果というのを検証されたんですか。いかがでしょうか。

○桜井観光・シティプロモーション担当課長 ナカノさん関連の情報発信のところでございますけれども、これまでの効果としましては、事業に参加した区民等による自発的なプロモーション活動や事業者や商店街等の連携が生まれ、区民等による情報発信が着実に広がっていると認識してございます。取組効果の検証結果につきましては、次の決算の時期にしっかりお示ししたいと考えてございます。

○伊藤委員 ここ最近、新聞や雑誌で、ナカノさんに多額の費用を使っている効果が見えない、区民に浸透していないという記事を見かけます。この読売新聞さんですよね。御覧になったと思いますけども、2月8日の都民版に、中野区が約4,600万円を投入して売り出している人形のキャラクターナカノさんが費用に見合った効果を上げていないなどと我々区議会からも問題視されております。昨年2月の登場以来、SNSなどを通じて存在をアピールしていると思いますけども、注目度は低調であります。知名度アップに向けて広くアイデアを募りたいとしておりますが、フォロワー数などもインスタグラムでは2,501人、ツイッターが3,358人といずれも伸び悩んでいる。先ほど言った店舗ですよね。20店舗しかないんですよね。だって、店舗はかなりあるまちで、ある町会長さんは、町会で知っている人はいないんじゃないかなと首をかしげている人もいるようです。

 この事業は、博報堂さんの、人形を使った壮大なる社会実験に中野区の税金が使われているんじゃないかなというふうに見ている人もいるんですね。この事業が何をやりたいのか、区として中野区を売り出したいのか、ナカノさんを売り出したいのか、どっちなんでしょうね。そもそもナカノさんPRができたとしても、中野区に愛着度が増すという理論にはならないと思います。中野区のプロモーションではなく、ナカノさんのプロモーションになっているような感じがいたします。手段が目的化している本末転倒な事業となっているのではないでしょうか。もうこの事業は見直しというか、見直しして減額したんですけども、はっきり言って休止されたほうがいいんじゃないですかね。どうでしょうか。

○桜井観光・シティプロモーション担当課長 シティプロモーション事業でございますけども、区では「中野大好き ナカノさん」を通した区の魅力の発信を行ってございます。ナカノさんを売り出したいというような認識ではなく、そのシティプロモーション事業の目的は、区をPRして区民等に区の魅力を認識していただいて、区への愛着や誇り、区への参加意識を醸成することというふうに考えてございます。

○伊藤委員 やっぱりこの事業は考えたほうがいいと思います。一応予算が計上されていますけども、ぜひ検討というか、もう組んでいるんですからね。お願いしたいと思います。

 次に、広報の充実について伺います。広報を充実するための取組がかなり拡充をされ、4,000万円近くの予算が組まれておりますが、広報のこれまでの取組を検証し、見直しをして改善した上での予算となっているのか伺います。

○高村広聴・広報課長 区政情報の発信につきましては、区に寄せられる意見などを踏まえ、日頃から工夫には努めているところでありますが、いろいろと課題があると認識しているところでございます。今般これまでの取組を検証し、特に台風の接近時などの有事における情報発信が十分でないこと、あと多言語やユニバーサル対応が十分でないこと、情報発信ツールをより活用する余地があること、また、区の情報資産を充実して活用する、そういうニーズがあるというようなことなどが明らかになったことを踏まえまして、スクラップ・アンド・ビルドに努めながら取組を見直し、予算を計上させていただいたところでございます。

○伊藤委員 通告していた質問をちょっと割愛させていただきますけども、外部人材として広報アドバイザーを導入するということですけども、2月2日に区のホームページで広報アドバイザーの募集をしておりました。これも会計年度任用職員の人件費150万1,000円、これはこのアドバイザーの人件費でしょうか。

○高村広聴・広報課長 そのとおりでございます。

○伊藤委員 募集にはどのような方が何人応募され、選考されるに足りる能力とは何なのかお伺いいたします。

○高村広聴・広報課長 まず募集の前提として、1月31日の総務委員会でも御報告させていただきましたが、いわゆる民間の広報の経験があって技術力が高い方、あと広報マインドを持っている方、加えて自治体の広報経験がある方というのを条件としています。応募については今まだ選考の結果をまとめているところでありますが、4名の方の応募がありました。

○伊藤委員 いつごろ選考されるんでしょうか。

○高村広聴・広報課長 2月1日から10日の間が募集期間でして、そこで書類をお送りいただいて論文等があったんですけども、書類審査、それから面接まで今実施したところでございます。まだ選考結果については調整しているところでございます。

○伊藤委員 かなり進んでいるなという感じがしますけども、この広報アドバイザーはたしか週に1回しか来ないと聞いております。そこで、区の情報収集力や発信力、訴求力を向上、職員の広報マインドの醸成やデザインなどのスキルアップを図るため、今言ったように民間、自治体双方の広報経験と高いスキルを有する外部人材を登用するということなんですけども、この民間、自治体双方の広報の経験となっている、そのような方がもう決まっていたかのように伺いますけども、どうでしょうか。

○高村広聴・広報課長 そういったことは全くございません。実際にそういった両方の経験を持っている方というのは我々が事前に調べている中でもかなりいるなという印象でして、実際に今回の応募に当たっても、応募者は4名でしたけれども、前半戦のほうで7人の方の問合せ等がありました。また、この実際の選考に当たってはかなり厳しい選考をしておりますので、技術力と、やはり広報マインドを有した方を採用できるのではないかと期待しております。

○伊藤委員 非常にすごいアドバイザーだなと思っておりますけども、そんなに広報に力を入れていくのかなと思って、高村さんが大分やっているんじゃないの。職員でできないんですか。無理じゃないでしょう。ちゃんと職員がやれば。アドバイザーに頼り過ぎな感じがしますけどね。どうでしょうか。

○高村広聴・広報課長 先ほども申しましたが、日頃からできるだけスタッフを含めて学習することは努めているんですけども、特に台風の接近時の情報発信、それからこの間のシステム障害、かなりそれも工夫はしたんですけども、後手に回ったというところもあります。実際に他自治体と比べてもまだ至らないなというところもありますし、そういった区民の方の声もありますので、できるだけそういう方を効率的に使わせていただいて効率的に広報のレベルを上げていきたいと考えてございます。

○伊藤委員 先ほども言ったシティプロモーションでも、大手企業さんにお願いしてもうまくいかなかったと思っておりますし、また、かなりの広報のプロが来ても、アドバイザーさん、うまくいかないような感じもするんですよね。いったとしても、それだけの見合ったことができるのかな。その1週間に1回しか来なくて。だから、どういうことでアドバイザーを採用しようという、これはボトムアップですか、トップダウンですか、どうなんですか。

○高村広聴・広報課長 繰り返しになって恐縮ですが、先ほどの有事のときの情報発信のことや区民の方からの日頃受けているお話を聞く中でそういう技術力のある方が必要だというふうに感じているところでございます。実際週に1回というのも、いろんな情報を集めまして、区に常駐ではなくて、ほかに広報のプロとして仕事をしていたり、あるいはほかの自治体の情報を持っている方のほうがより最新の技術を確かに伝えてもらえるということがあるというふうに考えて、また、年間で50日以上の勤務ができると考えていますので、それで十分期待する効果が上げられると考えてございます。

○伊藤委員 今回かなり広報アドバイザーだけじゃなくて、かなりの支援業務委託、外注が非常に多く見えるんですよね。だって、職員さんで今までみんなやってきたんじゃないの。本当は各個別の質問をしようと思ったんですけど、もう時間がなくて、例えば基本計画の策定の支援業務委託、これだって今まで職員の皆さんがやってきたことじゃないですか。それをまた外部委託したり、コンサルタントに委託したり、施設マネジメントもそうですし、専門の知識も必要だとは思いますけども、ちょっと今回そういったことが多いと思いますが、高村課長さんは広報だけですけども、その辺はなぜそんなになっちゃったんですかね。職員が足りないんですか。2,000人じゃ足りないということ、それとも仕事が増えたということ、どうなんでしょうか。

○高村業務改善課長 業務改善の立場でも実感しているんですけども、先ほど委員がおっしゃっていたように、かなり高度化したりとか難しくなっているものが増えているというふうに感じております。特に広報に関して言えば、いわゆる最新の高い技術というのはなかなか自分たちで持てませんので、そういったところを外部のプロの人材をシェアという形で活用させていただくことが効率的で、かつ本来職員が丁寧に対応することですとか調整するということに充てられるというふうに業務改善の立場で感じているところでありまして、そういった経費を計上しているというふうにお考えいただければと思います。

○伊藤委員 ちょっと今回来年度予算に対してはいろんな人件費をかけ過ぎているなと思います。そこで、本当に広報アドバイザー、今、高村課長さんが言ったように、高度な技術が必要だとか、そうしたら、職員さんも学んでスキルアップを図ったらいいじゃないですか。研修したりとか、そういう努力というのはないんですか。

○高村広聴・広報課長 委員のお話のとおりで日頃からそれには努めているところです。まさに底上げをするという意味でも外部のアドバイザーの力をかりたいと考えているところでございます。

○伊藤委員 先ほどのナカノさんにしろ、広報にしろ、また基本計画の策定のパンフレットだとか、あと本当に様々コンサルティングの量というのは増えているなと思いますので、その辺はぜひ指摘しておきたいと思っておりますので、お願いいたします。

 私の持ち時間は120分、もう8分しかありませんけども、今、会派からもお許しをいただいて、ほとんどできていないので。

 さっき個別で基本構想の改定並びに新たな基本計画の策定で、先ほども言いましたけども、基本構想の改定及び新たな基本計画の策定に向けて区民意見交換会やパブリックコメント手続などを行い、改定後に区民等への周知を図るため、冊子の作成やシンポジウムの開催などを行うようですが、民間活力の活用を検討しているというところで策定支援を行う事業者の募集が行われているようですが、区の根幹である基本計画の策定は区民意見交換会などを通じて区民の意見を反映して、職員自ら策定しなければならないと思いますが、なぜ外部に委託する必要があるのでしょうか。また、どのような内容の業務を委託しようとしているのか伺います。

○永見基本構想担当課長 基本計画につきましては区の職員が作成をするものでございまして、今回の策定に当たりましても、現在、政策や施策の体系、また取組内容等について全庁的な調整を行いながら検討を進めているところでございます。今回の基本計画の策定につきましては基本構想の大幅な改定を踏まえた内容となるものでございまして、補助的な業務を委託することにより円滑に策定作業を進めたいというふうに考えてございます。

 また、業務内容でございますけれども、社会全体の潮流や他自治体の事例等に関する情報収集、また、計画の実効性を高めるための指標設定に関する検討材料の提供、区民意見の聴取に関する運営や取りまとめ、基本計画の冊子の構成やデザイン、図表データの各種の資料作成等を想定してございます。

○伊藤委員 これは構想と基本計画をつくる上に当たっては業務の支援委託というのは最初から考えていなかったんでしょう。その辺どうなんでしょうか。

○永見基本構想担当課長 この委託につきましては、当初基本構想、基本計画を策定する、改定するというときに、他の自治体の事例なども見ながら委託という可能性について検討したということはございます。

○伊藤委員 だって、構想が6月に策定されて、計画が3月に、だって、今まで前の10か年計画(第3次)なんかは職員さんでつくられたという話を聞いていますよ。自ら職員がつくるべきだと思います。印刷とかそういうのは別にしても。どういう基本構想、基本計画、そんなにすごいものをつくるんですか。どうでしょうか。

○永見基本構想担当課長 先ほどの繰り返しの部分もございますけれども、基本計画につきましては区の職員が作成するものでございます。現在、様々基本計画の作成に向けて検討を進めているところでございまして、それに対する補助的な業務であったり基本計画の冊子、デザイン、読みやすいものであったりとか区民意見聴取に関する補助、そういったところで委託を考えているところでございます。

○山本委員長 伊藤委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。午後1時まで委員会を休憩します。

午前11時59分休憩

 

午後0時59分開議

○山本委員長 委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。

○伊藤委員 すみません、予定外でお昼に差しかかっちゃって申し訳ないなと思うんですけども、会派のお許しもいただきまして、ということでありがとうございます。

 高村課長、ちょっと取材で広報と同時にユニバーサルデザインフォントのライセンスのことで伺いたいんですけども、2款4項1目の業務改善費、事務事業2、業務改善のうち、UDフォントライセンス料160万3,000円となっていますけども、この内容というのは何なんでしょうか、伺います。

○高村業務改善課長 各学校へユニバーサルデザインフォントを入れるためのライセンス料と区のホームページにユニバーサルデザインフォントを入れるライセンス料でございます。

○伊藤委員 インターネットで見ると、ユニバーサルデザインフォントを検索すると、モリサワという事業者がライセンスを所持するフォントがよく目につくんですけども、一般ユーザーであればライセンスの使用料というのは月300円なんですね。企業、団体が使うと使用料が大きく変わるかもしれませんけれども、160万円もかかるとは到底思えないんですけども、また、先日、区議会の広報委員会で区議会だよりのUDフォントを変更すると費用は無料ということを聞いているんですよ。ライセンス一つにこの費用というのは大変疑問を持つんですけれども、新庁舎ができたときには対応すればいいのかなと思うんですよね。その辺いかがでしょうか。

○高村業務改善課長 委員御指摘のとおり、ユニバーサルデザインフォントというものにはかなり幅がありまして、実際にディスレクシアの子にも効果があるですとか、そういったエビデンスのあるものというのは事業者が限られてございます。それから、実はユニバーサルデザインフォントでも例えばウインドウズ10のようなものでも入っているんですけれども、フォントもいろいろ、例えばゴシックから何からたくさんありまして、人によって好みとかも違うので、ある程度の幅で、いわゆるエビデンスのあるものをパッケージとして入れるということで一定の金額がかかっているということでございます。

○伊藤委員 急いでやるものなのかなとも思いますけれども。また、先ほど言った学校経営支援費の事務事業2のユニバーサルデザインフォント、先ほど言っていましたよね。各学校のパソコンにもユニバーサルデザインフォントを使用すると。これの導入委託が547万8,000円ですよね。これは何を委託するのか、具体的な内容を教えてくれますか。

○高村業務改善課長 先ほどのはライセンス料でして、各学校についてはそれぞれサーバーを持っていますので、いわゆるそこに対する設定委託というような内容になってございます。

○伊藤委員 そこまでして導入する必要はあるのかなと思いますけど、いかがでしょうか。

○高村業務改善課長 区ではユニバーサルデザイン推進条例をつくりましたし、また、いわゆるガイドラインみたいなことで表示ということでも進めてございます。今年度、なかの区報におきましてもユニバーサルデザインフォントを導入していますので、その一環の中で段階的に入れていくという考えでございます。

○伊藤委員 そういうことなんでしょうけれども、いずれにしても、何かいいのかなと思うんですよ。

 それで、先ほどの広報アドバイザーに戻るんですけども、広報アドバイザーはいろんな仕事をあるわけでしょう。本当に150万円でできるのかというのもあるんですよ。本当に専門家だったら、もっと専門的な料金というのはあるんじゃないかなと思うんですけども。さっきシティプロモーションで申し上げました大手企業でプロがやっても広報活動というのは失敗していますよね。私は失敗だと思っています。それで、この広報のプロがうまくできなかった事業をここでまた150万円も使って中野区のことを多分あまり知らないでしょう。このアドバイザーを予定する方々というのは知っているんですか。これから決めるんでしょうけども、そういう人に150万円も使って中野区のことをあまり存じ上げていない方に任せてうまくいくとは私は到底思いませんけども、その広報アドバイザーが広報のプロよりすばらしい能力というのは何なんでしょうか、お伺いします。

○高村広聴・広報課長 まずはやはり広報に関するあらゆる技術力と、あとマインドだと思います。いかに人に伝えていくかとか、そういったことをすごく持っている方、それが経験に裏打ちされた技術だというふうに考えてございます。

○伊藤委員 その大手企業、博報堂さんより、博報堂といったらやっぱり一流企業ですよね。そこよりも勝る人というのはいるんでしょうか。

○高村広聴・広報課長 シティプロモーションも来年度関連してくると思っているんですけども、今おっしゃっているところの技術だとか対象が少し違うのかなと思います。実際には情報発信に関してどういうツールがいいかとか、どういうデザインがいいかとか、あるいはちょっとした、我々行政マンであれば非常に文書が多いですから、それが区民の方に分かりやすく伝わるだとか、そういったところの技術というのといわゆるシティプロモーションでの委託の内容とは異なるのかなというふうに考えてございます。

○伊藤委員 いずれ、先ほどのユニバーサルデザインフォントにしろ、シティプロモーション事業にしろ、広報の充実にしろ、ちょっと私は疑問に思っていますので、これ以上質疑はしませんけども、それを申し上げたいと思います。ありがとうございます。

 次に、各項目でいろんな取材を受けていただいたんですけども、大変申し訳ないんですけども、時間の都合で何点か割愛させていただきます。

 犯罪被害者等支援事業について伺いたいんですが、犯罪被害者等の様々な事情や状況の変化に応じた支援を行うとともに、理解促進に向けた普及啓発事業を実施されるとしておりますが、具体的にどのような内容なのかお伺いをいたします。

○長﨑福祉推進課長 お答え申し上げます。新たに経済的な負担軽減のための支援金であるとか、また、法律相談、法律問題の解決に向けての弁護士費用の助成、また、精神的被害の回復への支援としてのカウンセリング費用、そうした様々な助成などの事業を考えているところでございます。

○伊藤委員 区では、平成20年4月に犯罪被害者等相談支援窓口を設置され、犯罪被害者の方々やその家族が直面する問題解決のため、相談、情報提供、各種手続の付き添いだとか、また関係機関支援調整などを総合的に行っております。今回の経費が大分上がりましたよね。予算計上されていますけども、この経費の内訳というのはどうなっていますでしょうか。

○長﨑福祉推進課長 今回予算では750万円ほど計上させていただいております。その主なものといたしましては、これまでも相談支援員の報酬というところで300万円ほどかかっておりました。それから、これまでもやっておりました社会福祉協議会にお願いしている緊急生活サポート事業とか、それから講演会等の啓発事業、これで50万円、それ以外、今回の部分が新たに支援金などの予算として約400万円を計上しているというものでございます。

○伊藤委員 この窓口を設置してから今度の予算を計上した750万円、この違いというのは御説明いただけますか。

○長﨑福祉推進課長 これまでは平成20年に、先ほど委員からも御説明がありました相談支援、これをスタートさせたわけでございますけれども、そういった相談支援を行う中で仮に犯罪被害に遭われた場合に、家事だとか育児だとか介護支援、こういったものがなかなか難しいといったような方には緊急一時サポート事業といったようなことにとどまっておりました。今回これだけの予算を加えることによりまして、具体的に支援する事業のメニューが様々支援金であるとか弁護士相談であるとかが増えるといったようなところで、被害に遭われる方々の様々な事情や状況の変化に応じた、そうした支援が可能になってくるかな、このように考えているところでございます。

○伊藤委員 これは今回議案として条例として提案されますよね。その内容というのはお分かりですか。

○長﨑福祉推進課長 今言いましたように相談ですとか、それから緊急一時的なものにとどまっておりましたけれども、今回の条例の中ではそうした今言ったような様々な支援、そうしたものを盛り込むという形を想定させていただいているところでございます。犯罪被害につきましては、これまでもなかなか相談に来られないような方もいらっしゃったと思いますけれども、条例を制定することによりまして、そうしたいわば犯罪に遭われてもなかなか言い出せないような、そんな方も啓発をすることによりまして救えるような、そんな形の条例になるものかなというふうに考えているところでございます。

○伊藤委員 例えば中野区で住んでいて犯罪に遭われた方が何日か後に転居されるといって地方に行ったりする例もあると思うんですけども、そういったときの支援というのはどのように考えておりますか。

○長﨑福祉推進課長 今回の様々な支援につきましては原則区民の方を対象ということで考えておりますが、今、委員から質問にありましたとおり、仮に犯罪被害に中野で遭われて転出をせざるを得ないような状況になった場合というのも当然出てくるかというふうに思っております。そうした転出される方についても、転出先の自治体において円滑に支援が受けられるような連携を図りたい。また、被害に遭われて逆に転入をされてくるといったような方も想定されます。様々な緊急生活のサポート事業ですとか、弁護士費用ですとか、カウンセリング費用、そうした助成については利用できるような、そんな支援を考えたいなというふうに考えているところでございます。

○伊藤委員 ちょっと具体的に心のケアの支援だとか必要だと思いますけども、しっかり取り組むときには取り組んでもらいたいなと思うんですが、少しまだ問題点もあるのかなということを指摘させていただきたいと思います。ありがとうございます。

 次に、今後の区有施設の整備の考え方についてお伺いしたいんですが、大分質問があったんですけども、割愛をさせていただいて、区有施設整備のマネジメント、いわゆる施設マネジメント、これは企画部が担っておりますけども、多くの施設は各部が所管して運営しておりますけれども、庁内の整合を図っていく必要があると考えますが、どのような調整を行っているのか伺います。

○杉本企画課長 現在、企画部では、区有施設整備計画の策定に向けまして、各施設の在り方や配置の考え方について取りまとめを行っているところでございます。取りまとめに当たりましては、各部での考えを調査票等を用いて集約するとともに、ヒアリングを行い、企画部としての考えを加えた上で検討案を作成しているところでございます。検討案につきましては、政策企画会議等の場で議論し、区としての方向性を確認していくということを考えているところでございます。

○伊藤委員 この施設マネジメント、これも新規事業は新たな基本計画の策定に向けて、施設の配置案を踏まえて専門的な見地からの調査及び検討の支援を受けることですけれども、具体的にはどのような内容なのか教えてください。

○杉本企画課長 施設配置計画等の策定支援業務委託では、区の職員が作成します施設の配置案を踏まえまして、跡地活用における建築可能規模の精査や区が作成する計画案に関する資料作成などについて専門的な知見を有する事業者から支援を受けることを考えているところでございます。

○伊藤委員 区の職員さん、先ほども言ったように施設課でもできるんじゃないかなと思うんですけど、専門的な要素として、その辺区の職員だけではできないんでしょうか。

○杉本企画課長 区有施設の整備に当たりましては、当然ではございますが、人口推計を踏まえた行政需要や施設の現状、今後の区財政への影響などの客観的なデータ、区民意向や地域事情、これまでの施設運営の経過など、総合的に判断していく必要がございます。そうした判断ができることは区の職員のみというところで考えてございますが、専門的な知見、こちらの部分につきましては事業者の支援を受けてまいりたいというふうに考えてございます。

○伊藤委員 今までも施設白書だとか区有施設の管理計画の中には、こういった専門的な支援、コンサルというのかな、そうした経緯というのはあるんでしょうか。

○杉本企画課長 従前作成しました施設白書ですとか公共施設総合管理計画等におきましてはこうした事業者の支援は受けてございません。しかしながら、今回新たな区有施設の整備計画の策定に当たりましては、近年区を取り巻く社会経済状況や区政の課題を踏まえて、区の職員だけでは不足している視点や新たに付加すべき要素など、こうした点につきまして専門的な知見を有する事業者から支援を受けたいというところで考えているところでございます。

○伊藤委員 でも、区役所には専門家はいるんでしょう。施設マネジメントというような施設課が。そういう人たちは技術を持っているんじゃないのかなと思うんですけど、いかがですか。

○杉本企画課長 当然区の施設課というところはございますが、今、新庁舎整備ですとか体育館、また区有施設の更新等様々な事業を行っている中で、なかなかこうした施設配置計画の策定、こうした部分まで割くマンパワーが不足しているような部分もございます。こうした部分も踏まえまして、専門的な事業者から専門的な知見を受けたいというところで考えているところでございます。

○伊藤委員 区有施設の整備の考え方で示された今後20年間の更新経費の推計というのを施設白書で示しておりますけども、この更新経費というのは施設白書と異なりますよね。この違いというのはどう生じていますか。

○山本委員長 委員会を休憩します。

午後1時17分休憩

 

午後1時17分開議

○山本委員長 委員会を再開します。

○杉本企画課長 施設白書では、総務省が公開しております公共施設等更新費用試算ソフトを活用して更新経費の推計を算出しているものでございます。一方で今後の区有施設整備の考え方につきましては、工事実施中の施設や新庁舎、小・中学校の建て替え経費につきまして実際の経費や想定額を反映したため、施設白書と違いが生じているところでございます。

○伊藤委員 それから、施設の今後の未利用地となる考え方というのをちょっとお伺いしたいんですが、区立学校の跡地活用の方策は大規模用地ですよね。いわゆる将来的に新たに確保することを見込むことができないため、活用方策として学校の建て替えの活用など六つの視点を示しております。私も大規模用地の活用は大変重要な課題だとは思っておりますけども、この活用方策の検討に当たっては、地域に必要な公共施設や公園用地など地域の住民の意見などを伺いながら進めていかなければならないと思いますが、その辺の考えはいかがでしょうか。

○杉本企画課長 未利用施設や今後未利用地となる施設につきましては、改築のための仮施設としての活用や高齢、介護等の福祉施設、その他区民利用施設等としての活用を検討しております。この活用方途の検討の過程におきましては、基本計画との整合を図りながら、施設配置の概要をお示しする段階からの区民意見の聴取ですとか、素案に対する区民意見交換会、パブリック・コメント手続の実施を考えております。個別施設の整備に当たりましては、より幅広い区民の声を反映できるように工夫をしてまいりたいというふうに考えてございます。

○伊藤委員 今後の区有施設の整備の考え方では整備計画を策定することとしておりますが、どのようなものを策定するのかお伺いいたします。

○杉本企画課長 区では、新たな基本計画の策定に当たりまして、今後10年間の施設の在り方及び配置につきまして検討しまして区有施設整備計画を定める予定でございます。限られた財源の中で計画的に建物、施設の更新等を進めるための区有施設整備の基本方針を整理し、今後の区有施設整備の在り方としてまとめてまいりたいというふうに考えてございます。

○伊藤委員 この区有施設整備の考え方は3月に区有施設の配置の考え方や更新経費の概要を示すとされております。どのような内容を考えているのか、また、6月には施設配置の概要では個別施設の設置、改築、廃止等が示されるんですけども、併せてお伺いします。

○杉本企画課長 3月にお示しします区有施設の配置の考え方につきましては、主な施設類型についての施設整備の方向性、配置の考え方、施設数等をお示しする予定でございます。また、更新経費の概要につきましては、その考え方を反映した施設更新経費を試算して改めてお示しすることを想定してございます。さらに、6月にお示しします施設配置の概要には、区有施設の具体的な改築、廃止等を含めた配置の考え方について記載する予定でございます。

○伊藤委員 この施設配置は区民生活に密接に関わることだと思います。また、区財政にも大きな影響を与えると思いますけれども、将来の区民ニーズに対応して財政見通しを見据えたものにしていかなければならないと思いますが、その辺はいかがお考えでしょうか、お伺いします。

○杉本企画課長 区有施設の整備に当たりましては、一部繰り返しになりますけれども、人口推計を踏まえた行政需要ですとか施設の現状、今後の区財政への影響など総合的に判断していく必要があるというふうに考えてございます。今後策定いたします基本構想ですとか基本計画、こうしたものとの整合を図りながら施設整備の計画としてまとめていきたいというふうに考えてございます。

○伊藤委員 いずれにしろ、これは5年でつくるということは基本計画とたしか同時ですよね。この施設配置の整備というのは、5年だけじゃなくて、長いスパンが必要じゃないかなと思うんですよ。これを5年で切ったというのはどういう考えなんでしょうか。

○杉本企画課長 基本計画の計画期間が5年であるということから計画本体としては5年というところでございますが、基本計画と区有施設整備計画につきましては、基本計画に盛り込む内容につきましては、今後10年間の施設整備の方向性、施設の在り方や配置の考え方、こうしたものと併せまして、今後5年間につきましては具体的な施設の新設、更新の内容を盛り込む考えとしてございまして、中長期的な視点に立った計画としてまいりたいというふうに考えてございます。

○伊藤委員 ぜひお願いしたいなと思いますけども、あまりにも抽象的で具体性がないと計画になっていないなと思うので、その辺はきちっと取り組んでいただきたいなと思っております。ありがとうございます。

 最後に、これは鍋横区民活動センターのことでお伺いしますけども、いろいろと質問項目はあったんですが、時間の関係で絞ってお伺いしますけれども、今年度の予算、5億7,104万円ございますけれども、この経費の内訳というのを教えていただけますか。

○伊藤地域活動推進課長 お答えします。この5億7,000万円余の予算計上でございますけれども、まず用地特別会計からの買い戻しによります用地購入費が約5億円でございます。その他が整備に係る基本設計、実施設計の委託料等でございます。

○伊藤委員 そうすると、今回の設計、基本計画案が示されましたよね。その設計は案ですから、今度案が取れて基本設計、実施設計ということでよろしいでしょうか。

○伊藤地域活動推進課長 そのとおりでございます。

○伊藤委員 この鍋横区民活動センターの整備については2月4日の厚生委員会で方向性、基本計画が示されたんですけども、その後、地域の建設検討委員会に説明されたり、また、地元の説明会にも報告されましたけども、地元からどんな意見が出ましたか。

○伊藤地域活動推進課長 様々御意見をいただいております。まず延べ床面積でございますけれども、それにつきまして、現在の鍋横区民活動センターよりやや狭いという状況になっておりますので、非常に広くなるということを想定しておられた皆様に非常に残念であるという御意見をたくさんいただいたところです。それから、誰でも気軽に立ち寄れる交流スペースという御希望がございまして、それを3階に配置したものでございますけれども、それに関しては、鍋屋横丁通りとの一体的な運営ということを非常に強く望まれておりますので、できれば1階のほうに広くとってほしいというふうな御意見、それから、商店街の皆様から、地元商店街の活性化に資するような施設の在り方というのが見受けられないということで非常に厳しい御意見もいただいております。あとは、駐車場をどこに整備するかというところで、基本方針の段階ではまだ決めておりませんでしたけれども、基本計画の案の段階では地下に整備するということでお示ししましたので、この件については非常によかったというふうな御意見もいただいているところでございます。

○伊藤委員 そういった地元の意見とかはこれからどのように反映されるのか伺います。

○伊藤地域活動推進課長 本施設は、区民活動センターと高齢者福祉施設、それから自転車駐車場の機能を持った複合施設ということで一定の限界もございますけれども、可能な範囲で地元の皆様、地域の皆様の御意見を反映させて基本計画をまとめていきたいというふうに考えてございます。

○伊藤委員 以前、建設検討委員会から要望が出ましたよね。鍋横らしさを一番に理念として掲げていきたいと。ですから、鍋横のど真ん中の立地条件のいい商店街の真ん中ですよ。鍋横地域の真ん中ですよ。買い物帰りのお客さんがすぐ立ち寄れるように地域交流スペースというのは本当に必要だなと思っていますし、それが鍋横のいろんな活動につながっていくかなと思いますので、ぜひ地元の意見を尊重していただいて、できる限りでお願いしたいなと思いますが、いかがでしょうか。

○伊藤地域活動推進課長 様々制約もございますが、できる限り御意見を伺って反映させる方向で対応したいというふうに思っております。

○伊藤委員 ありがとうございます。

 いろいろ述べさせていただいたり、また質疑もさせていただきました。もう私、時間を皆さんからいただいて、本当に申し訳ないなと思いますし、また、るる項目について取材をさせていただいた理事者の皆さん、本当にすみません。そんなことでお許しをいただいて、また、今回の一般質問、また総括質疑を通して様々な指摘があろうかと思います。その辺を申し上げまして、私の総括質疑を終了いたします。ありがとうございました。

○山本委員長 以上で伊藤正信の質疑を終了します。

 次に、酒井たくや委員、質疑をどうぞ。

○酒井委員 第1回定例会予算特別委員会におきまして、立憲民主党・無所属議員団の立場から総括質疑を行います。

 質問は通告のとおりですが、(2)の歳入については割愛いたします。そして(3)の歳出は東中野駅バリアフリー化のみお尋ねいたしますので、私は持ち時間45分ですけれども、ほとんど令和2年度予算の財政運営の考え方についてお尋ねしたいと思います。

 令和2年度当初予算案は、木造住宅耐震改修等助成事業の新設、公契約条例制定への取組、子どもの貧困対策への取組など、前区政ではなかなか進まなかった政策も盛り込まれており、高く評価するところであります。また、予算編成に鋭意取り組まれた職員の皆様にも心より感謝申し上げます。ありがとうございます。

 今回、財政運営の考え方についてお尋ねするのは、今後の基本計画において新しい財政運営の考え方を策定するとしており、これまでの財政運営についていま一度検証する必要があると考えたからであります。細かな点もお尋ねしますが、どうか御容赦いただければと思います。

 それで、基本計画が今策定予定でありますが、前区政の新しい中野をつくる10か年計画(第1次)というものは平成18年の1月に策定されているんですね。これは前区政の区長任期5カ月前に策定されております。17年度という表現で、策定されたのは18年1月です。それを考えると、やはり新区長が基本構想を改定されて、そして基本計画を策定されるというのは大変な御苦労と、そして時間を要するんだなというふうに改めて実感しておるところでもあります。

 それでは、質疑に入ります。最初の質問です。令和2年度当初予算案についてお尋ねします。

 まずは基準となる一般財源規模についてお尋ねします。令和元年度、今年度の基準となる一般財源規模は、過去5年間の歳入決算値を踏まえ710億円と設定しました。その際に来年度の令和2年度の基準となる一般財源規模は710億円を基本とするとし、今後の歳入動向を注視すると書いてあります。基本とした1年後に再び過去5年間の歳入決算値を踏まえ変更するのは少し厳しいのかなとも感じでおります。

 まずここでお尋ねします。710億円を基本とする基本とは何か、また、将来の歳入を見込まなければならないにもかかわらず、過去の歳入決算値で基準となる一般財源規模を750億円に変更した理由をお聞かせください。

○森財政課長 令和元年度の当初予算の概要においての基本というところなんですが、消費税増税が予定されていたりですとか、法人住民税の一部国税化も拡大されると、また、社会経済状況の動向についても絶えず視野に入れる必要がある。こういったような刻一刻変動が生じる歳入の状況を注視していく必要があるといったようなことで710億円を基本とするということでまず表現をしたところでございます。

 今回の変更の理由でございますが、基準となる一般財源規模については中期的スパンの中で一般財源の実態と大きな差がないということが前提になってくるわけですが、平成26年度以降、一般財源は増加傾向でございまして、予算編成時には基準となる一般財源を超過して決算時においても伸びが著しい状況になっていると、実態と見合っていないというような面で課題となっていたところでございます。また、令和2年度においては、一般財源のうち、消費税増税に伴う地方消費税交付金の増額が予算編成の当初から見込まれていたところでございまして、今後の歳入状況を見極めつつ、過去5年間の歳入決算値を踏まえるとともに、地方消費税交付金の増額見込みを加味した上で、令和2年度予算編成における基準となる一般財源規模を定めたといったところでございます。

○酒井委員 当然将来の歳入も見ているんですよというふうに今御答弁はされているんですけれども、それは理解しました。ただ、そうであるならば、変更理由として令和2年度当初予算概要にそれを記載しなければならないと思うんですよ。今年度の令和元年度当初予算の概要の財政運営の考え方と文章としてそごが出てきちゃうとやはり少し気になるので指摘をさせていただきました。中野区の新たな区政運営方針との比較についてはお尋ねしません。

 それでは、次に、過去5年間の決算値を踏まえて基準となる一般財源規模を変更したことはこれまでありますでしょうか。

○森財政課長 今年度予算、令和元年度予算において過去5年間の歳入決算値を根拠としまして基準額のほうを設定しているところでございます。

○酒井委員 これは過去にはないんですよね。2年連続で過去の歳入決算値を5年間遡ってて見ましたよということなんです。この基準となる一般財源規模は平成21年度から導入されました。平成12年度から26年度までの歳入一般財源規模の平均値を当初の平成21年度は採用したんです。過去10年間と未来5年間の平均値をとったと。それ以降は一応は制度改正によることを見極めつつ歳入状況の変化等により変更してきたんです。しかし、今回は2年連続で過去5年間の歳入決算値により変更しています。駄目とは言わないんです。総務の9の資料を見ても、主要一般財源が100億円10年間でも乖離が出ています。だから、どこかでこのように過去5年間の歳入決算値を見るのか、10年間を見るのかというふうな形で基準となる一般財源規模の変更をするというのは考え方としては僕は正しいと思うんです。

 ただ、2年連続で過去5年間の歳入決算値を採用しているというのがひっかかります。それからまた、基準となる一般財源規模の設定の考え方が、前区政でもそうだったんですけれども、明確でないところもあるんじゃないのかなとも思っております。

 先ほどのは御指摘にとどめます。

 次に、歳出面から基準となる一般財源規模を考えてみたいと思います。本会議でも指摘しましたが、令和2年度予算は、歳出の一般財源充当事業費を基準となる一般財源規模の中に収めることありきで基準となる一般財源規模を750億円に設定されたようにも見えるんですね。それなら歳出ありきで予算編成していることになりますので少し気になるところです。

 それでは、この考え方が導入され12年目なんですが、これまで予算編成時に一般財源充当事業費の歳出が基準となる一般財源規模の中に収まったことは過去にありますでしょうか。

○森財政課長 来年度予算を除き、基準となる一般財源規模で設定した金額に収まった年度はないと考えております。

○酒井委員 要するに来年度予算のみが基準となる一般財源規模の中に収まっていると。10か年計画にある財政運営の考え方にも、一般財源充当事業費の歳出を基準となる一般財源規模の範囲内にするという考えで予算編成を目指すとあるんです。あくまで目指すなんですね。

 それでは、決算値から見てみたいと思います。結果、決算値として歳出の一般財源充当事業費が基準となる一般財源規模内に収まったことはどの程度ありますでしょうか。

○森財政課長 平成21年度以降、過去10年度でございますが、そのうち5年度分が決算値で見て基準となる一般財源規模で設定した金額内に収まっているものでございます。

○酒井委員 平成21年度からこの考えは導入されておりますので、決算値を見るから平成30年度までなんですね。すなわち、この10年間の中で5年間は基準となる一般財源規模に歳出が収まっていると、そういうふうな状況でございます。これがこの基準となる一般財源規模の考え方の肝だとも私は思っております。まず予算編成時に基準となる一般財源規模に収めるよう努める。それができなければ執行方法の工夫、見直しを常に行い、国や都の補助金を獲得するなどして執行の中で歳出を抑制し、基準となる一般財源規模の中に一般財源充当事業費を収めていく、これだと思うんですね。歳入に応じて歳出を予算編成時と執行時にコントロールしていくこの考えは、これはよくできているなと学べば学ぶほど感じているところです。この時期、他区では来年度予算のプレス発表も行われております。ある区の区長さんが歳入以上の身の丈を超えた予算と会見されたそうです。私は大変驚きました。入りで予算編成をするとこのようなことにはならないのかなとも思います。当区のこの入りの部分を見て歳入見合いで身の丈に合った予算編成をする財政運営の考え方について担当さんの見解をお聞きします。

○森財政課長 歳入を適切に見込むということは予算編成の基本だと考えているところでございます。適切な歳入予測の下、事業の見直し、改善により歳出を抑制し、今後も身の丈に合った財政規模で予算編成を行っていくということが必要だと考えております。

○酒井委員 そして、この考え方を機能させるには、各部が予算編成時に基準となる一般財源規模内に収めるよう努める。収まらなければ、執行時に創意工夫されて歳出の抑制に取り組む必要があると思います。来年度予算の編成においての経常経費削減への取組は先ほど伊藤委員が触れられたと思います。消費税10%の影響により歳出が増となることを踏まえ、さらなる歳出抑制に努められた財務当局については高く評価するところであります。

 それでは、次に、予算編成、執行において国費、都費などの特定財源の獲得に関してお尋ねします。予算編成方針には、歳入の確保として全ての事業について充当可能な国や都の補助金を最大限活用することとあります。予算執行方針にはより詳細に特定財源の確保についての記述もあります。令和元年度一般会計第6次補正予算審査を行った際に国費の活用ができていなかった点がありました。国費の取り漏れですね。こちらについて簡単に説明いただけますでしょうか。

○森財政課長 厚生労働省が所管いたします地域共生社会の実現に向けた包括的支援体制構築事業といった事業があるんですが、こちらが区民活動センター運営委員会の事業に該当するということが分かりまして、1,800万円の補助金を獲得できるといったようなことになったところでございます。それでこの事業を第6次の補正予算に計上したところでございますが、この事業は29年度から現在の枠組みになっていたところでございますが、昨年度と一昨年度については申請はされなかったということでございます。

○酒井委員 2年間、29年度からスタートですから取り漏れがあったと。これは区民活動センターの運営費として1,800万円国費が使えるということですので非常に大きなものなのかなと思っているんですね。この補助制度に関しては国も自治体に使ってほしいから制度をつくるんですよね。自治体も国費、都費は使いたいと思っているにもかかわらずこういうふうな取り漏れが起こるのは単純に疑問が浮かぶんです。他の事業も大丈夫なのかなというのは率直に感じるところです。今回の国費の取り漏れの原因の分析、そしてどう改善されるかお聞きします。

○森財政課長 特財の確保につきましては、まず予算編成の方針におきまして国や都の政策動向を注視して情報収集に努めるといったようなことですとか、特定財源により執行してきた事業のうち、補助金等の廃止や縮小があるものについては代替となる新たな財源を調査して財源確保に努めるといったようなことで各部に対して示しているところでございますが、今回の件につきましては、国からの情報の把握が、そういう動向といったところについて不十分であったと考えているところでございます。改めて財源確保につきまして全庁に徹底するとともに、企画部財政課においても国や都の動向についてアンテナを張りまして、各部の取組と併せまして財源確保に努めてまいりたいと考えております。

○酒井委員 予算執行方針にも書いているとおりだと思うんですね。ある種それは今までのやり方なのかなとは思います。この国費、都費の活用ですね。補助金を獲得する精度を高めること、これは今回はお尋ねしませんが、また決算の場で、それは総括質疑なのか分科会なのか分かりませんが、やはり今まで以上の取組をまたお尋ねしますので、ぜひ検討していただきたいと思います。

 次に、予算執行についてお聞きします。重要なのは予算執行の統制だと思っております。予算執行の統制における配当保留についてどのようなものかお聞きします。

○森財政課長 平成30年度まででございますが、予算額の5%を目途に執行段階での工夫を促しながら節減を図るといったようなことを目的としまして、あらかじめ対象経費の予算の配当を保留するということを実施してきたところでございます。

○酒井委員 中野区予算執行方針の執行管理の予算配当において平成30年度と令和元年度を比較すると、配当保留の考え方がなくなっているんですね。これを紹介しますと、今年度より、賃金、報償費、旅費、需用費、役務費、使用料及び賃借料、備品購入費の5%の配当保留、それから時間外勤務手当における一部配当保留、これを今年度予算から取りやめているんですね。それぞれ理由をお聞きします。

○森財政課長 まず私のほうから前段のほうについてお答えをいたしますが、賃金や報償費、旅費、需用費などについてでございますが、執行段階での工夫を促す考えということには変わりはないところでございますが、予算編成段階におきまして各部に経常経費の見直しを促し、要求限度額の範囲内での積算を基本としまして経費の節減に取り組んでいるということでございますので、執行段階での配当保留ということは取りやめまして各部の取組に委ねたところでございます。

○中谷職員課長 私から超過勤務手当の配当保留についてお答えします。平成30年度は予算の執行段階においてさらなる縮減の努力を徹底するために配当保留を行ったというものでございます。しかしながら、実際に業務を行っていく中で必要な超過勤務を行い、配当を受けた予算で足りなくなった場合には配当保留を解除し、執行することになるというものでございました。超過勤務の縮減に向けた努力や工夫は常に全庁的に行っているところでございますので、そのための手法としての配当保留は行わないこととしたというものでございます。

○酒井委員 予算編成段階でしっかりと削減を促し、精緻に予算組みをしているので、執行段階においてまたそこで配当保留するのはという考え方もできます。また、チェックしなければならない財政課としても事務量が増加するのかもしれません。そういう中ではこの見直しは一定程度理解するんですが、それにより執行の工夫や歳出抑制の努力がなくなってはなりません。大切なのは、この配当保留を見直すからには、予算積算時の精度をより高める、また、事業の再構築やコストの削減などの執行においての工夫が今まで以上に求められます。どのようにお考えでしょうか、お聞きします。

○森財政課長 予算編成時におきまして、エビデンスベースでの積算や行政評価に基づく事業の見直し、また、予算執行段階における執行方法の工夫によるコスト削減など、歳出抑制に向けた取組をさらに推進していきたいと考えているところでございます。

○酒井委員 次に、細かなことかもしれませんが、来年度より物品名鑑における消耗品基準価格の変更が行われます。分かりやすく教えてください。

○浅川会計室長 お答えいたします。区が保有いたします物品については、中野区物品管理規則第6条によりまして会計管理者が物品名鑑を作成することになっております。この中で品名ごとに備品や消耗品等の区分に整理するとともに、備品に区分されている物品であっても、購入時決定価格が税込み3万円未満のものはこれを消耗品とすると定めております。このたびこの基準を見直し、令和2年4月1日からは10万円未満を消耗品とする。したがいまして、10万円以上を備品とするというものでございます。

○酒井委員 3万円から10万円にしますよということなんですけど、管理をする職員の負担の軽減という観点からは一定程度理解するところですが、ただ、平成31年度定期監査結果報告書にも物品の管理に関わることの指摘もありました。これまで3万円以上は備品台帳により管理されていたものが、10万円未満の物品は消耗品として管理されるとどうなるのか。また、どれくらいが物品管理から外れますでしょうか。

○浅川会計室長 物品の区分が備品から消耗品になりますと、所管が購入時に財務会計システムに入力し作成する物品出納簿への登録がなくなります。これによりまして、物品管理規則により年に1度実施する出納簿と現物との照合対象から外れることになるわけですが、年に1度物品の存在を確認するという管理から一歩進めまして、備品であれ消耗品であれ、実際に管理、使用している各所属におきまして、その有効性や効率性はどうか、事務スペース確保の障害になっていないか、また、省エネ性能など環境面ではどうか等々、使いながらその物品の現在的価値を総合的かつ精緻に判断していこうというのが今回の改定の趣旨でございます。現在、登録備品の約7割が10万円までの範囲に分布しておりまして、一つのボリュームゾーンを形成しております。所管による見極め、精査、これを最大限有効にするため、ここを新たな基準とするものでございます。今回の改正で備品から消耗品へと区分が切り替わる購入時価格、税込み3万円以上10万円未満の物品数は、令和2年2月21日現在の参考値ではございますが、4万6,752点でございます。

○酒井委員 すみません、ありがとうございます。例えば高価なデジタルカメラやICレコーダー、教育現場では顕微鏡やミシンなども備品台帳による管理から外れ消耗品となるんですね。物品の紛失や職員の私的利用などのリスクも監査結果報告においても危惧されております。肝心なのは、10万円以下でも以上でも税金により購入したものは大切に使用し、しっかりと管理するということなんですが、本来なら本会議でも提案させていただきましたが、まずは内部統制の実効性を高める取組をしてから物品管理を見直すのが筋だったのかなとも考えます。内部統制については本会議場でお尋ねしたので、物品に関する事務を指導、統括する会計管理者さんはどのようにお考えでしょうか。

○浅川会計室長 私といたしましては、会計管理者の立場から、物品は備品であれ消耗品であれ区の大切な財産であるという認識を各職場、各職員に徹底させ、より一層適正な物品管理を進めていく所存であります。先ほど申したとおり、今回の基準改正は、物品を使用、保管する所管において使用実態や今後の事務事業の方向性等とも照らし合わせ、適切な保管からメンテナンス、場合によっては所属替えを含めた処分など、物品を手元で検査しながら、点検しながら生かして使うために行うものでございます。この趣旨が真に生きるよう、具体的には、全庁的に行う自己検査の重点項目に物品の適正な管理を指定すること、それから、現地に赴いて行う会計事務調査、指導を一層充実させること、また、庁内会議の場やグループウエア等を活用しまして、物品管理を適切に行うことの意義やポイントを分かりやすく各所管に発信していくことなど様々に取り組んでまいります。

○酒井委員 併せて内部統制の実効性を高める取組を期待します。配当保留、物品の管理の見直し、これらは現場の負担の軽減のため改善された取組なんだろうと評価はしております。ただ、それだけでは足らざるところもあるかなと思ったので、それと併せた執行の統制への取組について確認をさせていただきました。

 基準となる一般財源規模の2年連続過去5年間の決算値を引用した増額がありました。また、配当保留と物品の管理についての事例を出させていただきました。先ほども申し上げましたが、現状に即した形に柔軟かつ機動的に対応しているんでしょうが、少し心配なところもあります。財政出動が大きくならないのか。もちろん過度な緊縮財政になってはなりませんが、平成11年度の財政危機を忘れてはなりません。当時は経常収支比率が101.7%、公債費比率は15.5%、人件費比率は33.6%、区債残高は631億円、財政調整基金残高は何と176万円でありました。同じ轍を踏んではならず、持続可能で強固な財政基盤を構築しなければなりません。当然あの頃とは状況はまるで違い、今、財政状況はいいと言えるでしょう。しかし、現区政の方向性として、区立保育園、区立幼稚園、児童館の一定数の存続という考え方があります。民間でできることは全て民間にのこれまでの考え方を大転換し、区長が考える新しい公共への取組は高く評価しているところです。ただ、そのためには大きな財政出動も必要となり、実現のためには実はこれまで以上の行革を伴走してやっていく必要があるのかなとも感じております。そういう中で区長の目指す区政を実現し、持続可能なものとすること、そして行財政改革について区長はどのようにお考えでしょうか、お尋ねします。

○酒井区長 持続可能な行財政運営を確保するためには、社会経済情勢や将来にわたる区の歳入歳出状況を適切に見極めて、区民ニーズを的確に捉え、時期を逸することなく必要な事業に選択と集中を図ることが必要であると考えております。限られた一般財源により区民サービスを低下させることなく、不断の事業見直しを進め、新規・拡充事業の財源を生み出す必要があると考えております。今後もこうした改善の取組を進めて安定した持続可能な行財政運営を進めていくとともに、行財政改革にも着実に取り組み、全力で課題解決に取り組んでいきたいと考えております。

○酒井委員 ありがとうございます。今後は公債費比率も増加していきます。また、扶助費も高齢化により同様です。今は財政状況が好調ですが、コロナウイルスの影響も来年度どう出るか。それからオリンピック後の景気動向も不透明な中、気を抜くと一気に行っちゃうようなおそれもあるのかなとは思っておりますので、先ほど区長から力強いお言葉がございましたが、区長には持続可能で強固な財政基盤を構築していただきたいと存じます。

 それでは、次に、基金と起債についてお尋ねします。令和元年度一般会計第6次補正予算で教育債、土木債、総務債が起債を取りやめられました。教育債を取りやめた理由を簡単に御説明ください。

○森財政課長 教育債のうち、学校施設整備に係るものにつきましては利率の低い政府債による起債を予定していたところでございますが、利率の高い民間債に振り替えられたということになったことから起債を取りやめたものでございます。

○酒井委員 当初は政府債を見込んでいたが、政府債は恐らく枠の都合か何かで難しくなって民間債になりましたよと。そうすると、民間債は利率が高いので取りやめた。恐らく義務教育施設整備基金で対応されたのかなとは思いますが、それでは、今回の政府債、そしてまた民間債の利率、どの程度違うかお聞きできますか。

○森財政課長 政府債はおおむね0.1%以内、民間債は借入れ期間ですとか償還方法によって違いますが、おおむね0.5%から0.7%程度でございます。

○酒井委員 この補正時に当初予算から一般財源の伸びは3億円程度あったと思うんですけども、そちらに関しましては、区役所の庁舎の起債を取りやめた。それから歴史民俗資料館の整備の起債を取りやめたところが大体3億円程度なので、そこは相殺されているので、一般財源の当初予算からの伸びの影響ではなく、この利率というところで御判断された、そういう理解でよろしいですか。

○森財政課長 そのように考えております。

○酒井委員 これはやっぱりここが一つの基準となるんですよね。利率で今回起債を取りやめた。当然起債の抑制に関しては評価しているところであるんです。それで、学校の建て替えに関しては来年度予算でも3校が学校施設整備として教育債を約60億円程度、今年度以上見込んでいるんです。活用する予定なんです。こちらに関しては当然政府債を申請するんでしょうが、例えば政府債が利用できなくなった場合はどのようにお考えですか。

○森財政課長 おっしゃるように政府債を考えているところでございますが、政府債が利用できなくなった場合、今回の例になりますと、当然基金残高の状況を見る必要がありますし、先ほど少し触れられました一般財源の伸びですとか、また決算の執行率の状況などを踏まえまして、様々全体的に総合的に考えましてどう対応していくのかということで対応の方法は考えていく必要があると思っています。

○酒井委員 恐らく質疑をされると、総合的に判断するというふうにしかなかなかお答えできないのかなと思うんです。それは理解するんです。ただ、今回の6次補正においての起債を取りやめた理由というのは実は総合的じゃないところもあるんですね。ただ、決算時に起債を取りやめて見えないようにするよりも、この6次補正で一定程度見せなきゃならないとかそういう考えもあったのかなとも思うところでございます。

 それでは、例えば今後の民間債しか活用できない施設の整備に関しては、起債を抑制する考え方もできるんじゃないのかなとも思うんですけども、こちらはいかがでしょうか。

○森財政課長 起債については後年度に影響があるということですから、先ほども少し触れましたが、一般財源の状況ですとか基金の状況なども踏まえながら考えていくわけなんですが、利率の高い民間債については起債を控えるということも一つの選択肢として考えまして、起債発行を慎重に取り扱い、公債費が区民サービスに影響を及ぼさないよう取り組んでいきたいと考えております。

○酒井委員 ちなみに、民間債しか活用することができない事業というのはどのようなものがありますか。

○森財政課長 国の補助金が入らない事業など、今回の例に倣いますと、区役所庁舎ですとか体育館、あと文化施設などが挙げられます。

○酒井委員 ありがとうございます。るる細かな点を事例に出させていただきました。今回政府債を見込んでいたのが民間債になり、利率が高いということで起債を取りやめられました。起債の抑制については、先ほど来申し上げておりますが、高く評価しているんです。ただ、実は年度当初の予算編成時において起債の必要があるから歳入として特別区債を見込んでいたんですね。ですので、利率が高い低いということも大切ですが、やはり総合的に先ほど来御答弁いただいたとおり判断しなければならないのかなとも思っております。今後も起債に関しては多角的な観点から研究いただきたいと思います。

 次に、基金についてお聞きします。起債と基金のバランスある活用が持続可能な財政運営には不可欠であります。将来において基金がどの程度必要なのかを見極めれば、起債時の大きな判断基準となります。当初予算案の概要15ページ、主な基金の積立て計画についてお聞きしますが、財政調整基金については、基準となる一般財源規模を上回った歳入に関しては積み立てていると理解します。今回基準となる一般財源規模を大幅に増額したことによる財政調整基金への影響もあるのかなと少し感じております。

 それでは、今後の学校の改築が押し寄せる義務教育施設整備基金への積立ての考え方はあるでしょうか。

○森財政課長 区立学校再編整備の財源につきましても、今後の整備予定を踏まえながら計画的に起債と基金の繰入れで対応していくという考えでございます。一方で、先ほども少しございましたが、予定した政府債の民間債への振り替えですとか一般財源充足による基金取崩しの抑制など状況の変動が生じる可能性もございますので、その時点での状況や見通しを考慮しながら適切に基金残高を確保していきたいと考えているところでございます。

○酒井委員 過去もいろいろ見てみますと、義務教育施設整備基金に関しては取り崩した分をある種積み立てているようなところもあるのかなとも感じております。

 それでは、今後5年間の学校施設整備費用はどの程度とお考えでしょうか。

○森財政課長 令和2年度以降5年間でおよそ500億円と見込んでいるところでございます。

○酒井委員 それなら、例えば起債充当率がありますね。教育債の起債充当率についてお聞きします。

○森財政課長 国庫負担金が充当される事業ですとか、また義務教育の施設用地などについては90%の充当率、それ以外の事業については75%と定められております。

○酒井委員 90%もしくは75%、すなわち、今後の学校施設を整備する際に、借金をしたとしても最大25%は必ず一般財源を充当しなければならないということなんですね。例えば学校施設整備計画は令和9年まで学校の建て替えを計画していますね。今後、施設整備が明らかになっている学校施設に関してはそ、の一般財源充当費を積み立てるという考え方もできます。また、今後、全国的に学校の建て替え、更新が多数ある中、教育債を政府債で発行できなくなる可能性もあります。また、施設整備計画でも明らかになっておりますが、今後10年間で建築後50年を超える学校が12校現れますね。そう考えますと、中長期的な、そして計画的な義務教育施設整備基金への積立ての在り方も考えられるのかなと考えますが、いかがでしょうか。

○森財政課長 義務教育施設整備基金への積立てに限らず、特定目的基金への積立てについては、区民サービスを停滞させることなく、安定した持続可能な行財政運営を行うために各事業計画に基づいて必要経費を積み立てる必要があると考えているところでございます。基金への積立ての考え方も含めまして、今後の財政運営についてこれまでの手法を検証して基本計画の中で明らかにしていきたいと考えております。

○酒井委員 いずれにせよ、令和9年度以降、先ほど申し上げましたが、現計画以降も建設後50年を経過する学校が多数あるわけなんですね。教育債と義務教育施設整備基金の計画的な活用と学校施設の改築スケジュール、これが鍵になってくると思いますので鋭意取り組んでいただきたいと思います。

 次に、財政調整基金についてお尋ねします。当区としては、年度間調整分で50億円歳入が減少した場合に、2年から3年に備えるため、150億円程度が財政調整基金に必要と見込んでおります。現在高は年度間調整分で181億円でありますが、総務省が平成29年に全国自治体に対して行った基金の積立て状況等に関する調査結果の基金の積立ての考え方によると、都道府県、市町村共に標準財政規模の一定割合を財政調整基金として積み立てている、そういう答弁が多かったです。具体的な水準とは、都道府県では5%から10%、市町村では5%から10%、もしくは10%から20%の財政調整基金を積み立てていますよ、こういう答えが多かったそうです。5%から10%以下では少し心もとないので、例えば10%から20%以下の中間値の15%の数値を活用した場合は当区の標準財政規模で考えると財政調整基金はどの程度になりますでしょうか。

○森財政課長 今年度予算で見る標準財政規模については773億円程度ということでございますので、それで算出いたしますと、およそ116億円となります。

○酒井委員 これは約120億円程度と考えると、この財政調整基金の活用が起債抑制の鍵にもなりますし、現役世代に区民サービスとして還元もできると思います。すなわち、年度間調整分を120億円としたならば、より柔軟な財政運営ができるのではないか、一つの考えですよ。それに関しては担当さんはどうお考えですか。

○森財政課長 120億円とすると、残り30億円が事業経費として単純に計算すると活用できるということになるわけでございますが、国の不合理な税源偏在是正措置ですとかふるさと納税制度の影響による収入減ですとか、今後の経済状況についても不透明な状況もあるといったようなことで、歳入の状況については不透明な部分があって注視していく必要があると考えております。ですので、財政調整基金の年度間調整分についてはこれまでどおり150億円は確保したいと考えているところでございます。

○酒井委員 それでは、また、例えば財政調整基金には施設改修分として85億円が年度間調整分以外にも含まれております。施設改修分の計画的な積立て、これは行われておりますでしょうか。

○森財政課長 施設改修分は、特定目的基金で対象としていない施設建設や改修、補修に対して活用することを想定しているところでございます。積立ての考え方については、特定目的基金と同様、施設建設等の事業計画に合わせ、一時的な財政負担への対応を考慮して積立てをしているというところでございます。

○酒井委員 施設改修費用は、特別区交付金の基準財政需要額に投資的経費の中で毎年一定程度見込まれていると思うのですが、状況を確認させてください。

○森財政課長 今御紹介のありましたように、基準財政需要額の中の投資的経費というところで見込まれておりまして、工事費、または臨時的に改築工事費が算定される場合もあるわけですが、今年度については、先ほども委員も少し触れられましたが、84億円となっているところでございます。

○酒井委員 特別区交付金の中で交付される投資的経費を計画的に幾らかは積み立てる施設の保全につながるのではないかとも思っております。これは本会議で石坂議員が質問されたんでしょうかね。過去には施設建設基金というものがあり、平成11年度末には財政調整基金が底をついたので、その翌年に施設建設基金を廃止して残高を財政調整基金に繰り入れました。財政調整基金に施設改修分を含んでいるような取組というのは他の自治体ではあまり見られないんですよね。ですので、施設改修分を切り出して、施設建設基金もしくは施設改修基金として特別区交付金の基準財政需要額に算定される投資的経費の費用分を一定程度積んでいくのも一つの考えなのかなと思って質疑をさせていただきました。

 財政調整基金の年度間調整分は基準となる一般財源規模超過分を積み立てております。義務教育施設整備基金、それから財政調整基金の施設改修分は実は繰入れ部分を積み立てているだけのようにも感じます。基金の計画的な積立てというのは、将来の必要な財源がどの程度なのか見えないので非常に難しいのではないのかなとも考えています。しかし、将来の施設の更新経費や財政危機に陥った際の必要財源など、将来において基金がどの程度必要なのかを見極めれば起債時の大きな判断基準となり、現役世代にも区民サービスとして還元できます。今回、施設整備計画の考え方の報告によると、施設白書で想定した施設更新経費と実際の工事費用とは大きな乖離がありました。今後精緻な更新費用が示されることでしょうから、その際には改めて基金の在り方についてもしっかりと検討いただきたいと存じます。

 今回細かなところをいろいろとお聞かせいただいたのは、新たに策定される基本計画において新しい財政運営の考え方を明らかにするとしているんですね。これまで10数年、今の財政運営の考え方が当たり前だと、当然だとしてきたんだと思います。それはある種我々もそうですし、思考が硬直化していったところは否定できないのではないのかなと思うんです。そういう中で、基準となる一般財源規模や特定財源の確保、予算編成、執行の統制、基金、起債の在り方をいま一度検証したく質疑をさせていただきました。よい点は踏襲すればいいと思いますし、改める点は十分な検証をし、しっかりと議会に説明できるものにする、その一つのきっかけになればと思い質疑をさせていただきました。

 最後に、細かい点で申し訳ないのですが、今年度と比べ、令和2年度当初予算案の概要の財政運営の考え方のページに、土地開発公社の起債残高推計と減債基金の積立て、繰入れ計画の記載がなくなっております。土地開発公社の借入れは区の借入れと同じであり、このような記述を見直してしまうのはよくないのかなとも感じております。令和3年度以降、当初予算案の概要では改善していただくことを要望し、この項の質問を終わります。

 最後に、歳出について2点お尋ねします。来年度予算には東中野駅東口バリアフリー化について計上されておりますね。こちらについてお尋ねしたいと思います。東中野駅東口バリアフリー化は地元の長年の悲願でもあります。来年度予算でも東中野駅東口周辺まちづくり検討支援として400万円余計上されております。これまでの検討状況と来年度の取組についてお尋ねします。

○千田まちづくり計画課長 令和2年度は、本年度の委託調査で検討した短期的な方策に関する追加検証と民間開発の誘導を視野に入れたまちづくりの方向性について検討を行う予定でございます。

○酒井委員 これは平成27年度から様々調査をしているんですね。ずっと調査をしていて、我々としては何の調査をしたんだというのが本当に気になるところなんです。実はこの状況はこれまで報告されていないんですね。すなわち進捗状況がなかなか見えてこないんです。多額の費用を投じてこれまで調査してきた成果物をやはり早急に取りまとめ、区民にも地域にも議会にも報告するべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○千田まちづくり計画課長 本年度は、交通量調査と、過年度に実施した調査データを活用しながらバリアフリー対策などの検討を行っているところでございますが、調査結果、検討結果については、JR等関係者との調整の上で議会への報告を行っていきたいと考えております。

○酒井委員 しっかりよろしくお願いいたします。

 時間となりましたので、以上で私の質問を終了したいと思います。皆さん、御清聴、誠にありがとうございました。

○山本委員長 以上で酒井たくや委員の質疑を終了します。

 次に、木村広一委員、質疑をどうぞ。

○木村委員 令和2年第1回定例会予算特別委員会におきまして、公明党議員団の立場で総括質疑をさせていただきます。質問は通告のとおりで、その他はありません。質問数が多く、次も詰まっておりますので、理事者におかれましては、簡潔で明瞭な答弁と無理のない範囲で機敏な行動をお願いいたします。

 それでは、1、令和2年度予算案について、まず予算編成過程についてお伺いいたします。令和2年度中野区予算編成方針についての中に、3、事業の評価、改善、平成30年度決算の状況や2019年度行政評価結果、別途通知する令和2年度予算編成方針における改善の視点を十分に踏まえ、事業の評価、改善に取り組み、予算要求を行うこととあります。この予算編成方針における改善の視点は9月6日に各部に通知をされました。今回のように予算編成方針とは別に改めて視点を指示するようなことは従来あったのでしょうか、なぜこの時期に指示したのでしょうか、お伺いいたします。

○高村業務改善課長 委員のおっしゃった今の改善の視点については単独で今まで出したことはございませんでした。今回このような形でお示ししたのは、年度当初の4月に行政評価において事業の見直し、改善を検討するように指示したところですが、そこで指示をしたんですけども、事業の評価ということでシフトしていますのでしたんですが、その後、各部において行政評価を実施した結果を企画部で確認したところ、さらに各部で改善の視点を持って事業を検証し、予算編成に当たる必要があると判断したため、この予算編成方針時に改善の視点を示したところでございます。

○木村委員 では、従来であればこういった改善の視点を指示しないということでございます。

 では、ここに改善の視点の資料がありますけども、特に検証を要する事業ということがこの内容に書かれております。ここでは触れませんけども、9月の予算編成の段階でこの改善の視点を事業を挙げて具体的に示すというのは、ある意味では先ほどの話からするとちょっと遅かったのではないでしょうか、お伺いいたします。

○高村業務改善課長 一部繰り返しになりますが、4月の新たな行政評価の見直しの中で、事業の効果をはかって、それを見直し、改善につなげていくということを4月の時点で出しております。ですので、その時点で1回出したんですけれども、改めて予算編成のときに必要だったというふうに企画部のほうとして判断して、改めて提示したというところでございます。

○木村委員 4月の段階は考え方というか、改善の視点というものを示したと思うんですけども、私が今触れたのは具体的な事業を挙げてという話でした。もう少し9月、予算編成の段階ではなくて、後からまた触れますけども、結局結果はあまり見えてきていない。改善がどうされたかというのは結果が見えてきていないので、今回の予算編成でも、ある意味ではもう少し早い段階で改善の視点とも併せて、具体的な事業の指示も含めてやはり取り組んでいったほうがいいかなというふうに思います。そういったやり方を今後しっかりと検証していただければというふうに思っております。

 次に、予算編成方針における経常経費化した事業の見直しはどのように行われたのでしょうか、その内容と結果はどうだったでしょうか、お伺いします。

○森財政課長 事業の経常経費の見直しでございますが、来年度予算編成におきましては、消費税増税による増ですとか人件費の上昇による委託料の増などの増要素も見込まれたところでございますが、現年度の経常経費の予算額を基準にした要求限度額を部ごとに定め、経常経費の見直しを行い、要求限度額内に経常経費を収めるよう各部に指示をして予算編成作業を進めたところでございます。結果でございますが、令和元年度、今年度では759億円であった一般財源充当事業費が令和2年度においては744億円と15億円減少いたしまして、経常経費の一定の削減には取り組めたものと考えております。

○木村委員 総務の要求資料22に新規拡充事業における一般財源額とそれに伴う事業の見直しとございます。ここで大きな削減は書いていますけども、保育室の廃止に伴う15億円の減ということでございました。ここで令和2年度の歳出の一般財源を確認させていただきますけども、当初予算案の概要では744億円としており、後ほど触れる基準となる一般財源規模を下回ったため、財調からの繰入れはありませんでした。一方、今年度の当初予算では歳出が759億円とのことで、一見来年度の予算のほうが下がっているように見えますが、先ほどの保育室閉室15億円を今年度から引いた場合、744億円として同額になります。そして、昨年度は同じ区立保育室を含みながら741億円でございまして、仮に同額の15億円を引くと726億円となります。酒井区政となってからの予算編成である今年度、来年度よりも20億円近く少なかったということになります。当初予算の案の概要を見ると来年度は絞り込んだという印象を持ちますが、実態は、今年度、そして来年度と一般財源歳出の削減の努力は見られず、むしろ増加をしているというふうにも言えます。この経常経費化した事業の見直しの目標値は定めていたのでしょうか、十分な見直しがされたと思いますか、伺います。

○森財政課長 具体的な目標値は設定をしていないところでございますが、先ほども御答弁しましたように、経常経費につきましては、予算編成方針において各部の要求限度額を設定し、事業の見直しや精査を行い、その範囲の中で要求するよう求めたところでございます。しかしながら、予算編成方針において示した新規・拡充事業については、スクラップ・アンド・ビルドにより経費を生み出すことについては徹底が図られておらず、十分な見直しということでは予算案の概要で示した見直しの項目の4項目にとどまっておりまして、今後さらに事業の見直し、改善に取り組む必要があると考えております。

○木村委員 いろいろ答弁がありましたけども、先ほど紹介した総務の22の新規・拡充事業における一般財源額とそれに伴う事業の見直し、財政効果を見ても、やはり主な統合、見直し、廃止項目では事業が自然に終了したことに伴う事業ばかりで、見直しがされた形跡はあまり見られません。目標値や目安がなければ、その見直しが適正にされたのかが評価ができません。先ほど質疑がありましたけども、各部の取組に任せて削減を行ったというふうに言いましたけども、どのような見直しの方針があったのかはっきり見えてきません。今後の予算編成方針の中では見直しの目標値、基準をしっかりと示してはどうでしょうか、お伺いいたします。

○森財政課長 今後の財政運営の手法については基本計画の中で明らかにしていく考えでございまして、予算編成方針につきましても財政運営手法と連動してくる面もございますので、併せて検討していきたいと考えております。

○木村委員 事業の見直しは区民生活への影響を十分に踏まえなくてはなりませんが、特殊な要因を除けば、結果として一般財源規模が膨らんでしまっています。これでは経常経費化した事業の見直しがなされたとは言い難いと思います。令和2年度予算編成方針も、今年度同様、新規事業分による経費増加分については、既存の事業の統合、再編、見直し等、事業のスクラップ・アンド・ビルドによって実施経費を生み出していくとしながらも、2年連続実態が伴わないのが問題です。見直しに一歩深く踏み込むか、それとも新規事業を抑制するかを考えなくてはいけません。そうでないと、そのまま基準となる一般財源規模だけが増加していくのは、具体的な努力がないまま歳出規模を抑制したというふうに見せているようにしか取れません。しっかりとした検討をお願いいたします。

 次に、基準となる一般財源規模について伺います。これまでの質疑により、基準となる一般財源規模の変更の区側の理由は分かりました。今回の変更は来年度歳出の750億円のためだけの1年の変更とも見えます。基準となる一般財源の目的は、景気動向による歳入の増減に一喜一憂することなく安定した財政運営を行うために、財政調整基金等の積立てや取崩しによる財政調整を通じて歳入規模を一定に保つことですが、基準となる一般財源規模を2年連続で変更する事態をどのように認識しているのでしょうか、お伺いいたします。

○森財政課長 基準となる一般財源規模につきましては、中期的スパンの中で一般財源の実態と大きな差がないことが設定の前提となるものでございます。平成26年度以降、一般財源は増加傾向でございまして、予算編成時には基準となる一般財源を超過いたしまして、例えば平成30年度では52億円、令和元年度では64億円超過していると。一方で歳出の面について言えばそこまで至らないということで、逆に繰入れをしていると。30年度は51億円、元年度は49億円繰入れしているといったようなことで、実態に合っていないという面で課題となったというふうに認識しております。このため、実態を踏まえた基準となる一般財源規模の設定が必要であると判断をして今回変更したものでございます。適正な判断だと考えております。

○木村委員 最後になって適正な判断と言いましたけれどもね。今年度の財政運営の考え方には、新しい基本計画策定に際して財政運営の手法についても検証し、検討しますとあり、来年度の財政運営の考え方では、これまでの財政運営の手法を検証し、持続可能な区財政運営に向けた考え方について新しい基本計画において明らかにしたいとあります。新しい財政運営の手法を明らかにしたいとはどのような意味なのでしょうか。基準となる一般財源規模や公債費負担比率についても見直しを含めた再検討ということでしょうか。今回の基準となる一般財源規模の根拠が不明瞭な増額により、もはや基準として目的を失ったと考えていますが、見解をお伺いいたします。

○森財政課長 新しい基本構想で描きます10年後に実現するまちの姿と新しい基本計画の取組を着実に進めていくためには、対象とする期間において歳入と歳出のバランスが保たれ、数値目標等を踏まえて財政が秩序正しく運営される必要があると考えております。現在の区の財政は健全な状態であると考えておりますが、さらに堅実なものとしていくため、新しい基本計画に向けてこれまでの財政運営の考え方を検証し、必要な改善を行っていくということでございまして、基準となる一般財源規模や公債費負担比率も一つの財政運営手法でございますので検証は必要だろうと考えているところでございます。今回の、基準となる一般財源規模の増額につきましては、先ほども申し上げたとおり、中期スパンの実態を踏まえて内容変更を行ったもので、基準の適切性の向上を図ったものでございまして、一般財源規模の範囲内で予算を組んでいく、歳出を抑えていくという財政規律の基本として捉えまして令和2年度予算編成は進めてきたというところでございます。

○木村委員 さっきの持続可能な区財政運営に向けた考え方について明らかにするではなくて明らかにしたいというふうに言っているので、そこを確認しますけども、まだ決定していないようにも取れます。基本計画において明らかにするのか、また未定なのか、どちらかを明確にお答えください。また、基本計画において基本構想の議案提出の前には示されないのでしょうか。基本構想は財政見通しを踏まえての判断となるため、議決後にいきなり財政運営手法が変更となるのはいかがかと思います。明らかにされる場合の時期についても明確にお示しください。

○森財政課長 財政運営の考え方につきましては、先ほどと少し重なるところもありますが、新しい基本構想が踏まえるべき財政見通し及び新しい基本計画の取組を着実に進めていくために、歳入と歳出のバランスが保たれ、数値目標等を踏まえて財政が秩序正しく運営されている必要がございまして、お示しする時期については、基本構想の議案提出及び新しい基本計画の概要をお示しする6月というその段階で明らかにしたいと考えております。

○木村委員 では、検証結果も含めて早期にお示しいただけるようお願いいたします。

 次に、来年度からの新たな制度である会計年度任用職員について伺います。先ほど質疑がありましたが、当初予算案の概要の6ページを見ますと、来年度予算では一般会計歳出予算総額が今年度よりも大きく減少しているにもかかわらず、義務的経費が12億円余増の1.8%の伸び率となっています。その要因の一つには、待機児童対策の推進により教育、保育に係る給付費等が大幅に伸びたとあります。そしてもう一つは人件費の伸びです。今年度と比較して6億6,000万円余人件費が伸びたことになりますが、その理由は退職手当等、会計年度任用職員報酬等とその他職員手当等の増とされています。一般的には義務的経費の比率が増加することは望ましくなく、特に人件費の増は注意が必要ですが、来年度からは幼児教育の無償化が通年実施となることと新制度である会計年度任用職員が導入されたことにより歳出の性質別の割合に変化が起きる結果となりました。

 総務68資料を作成していただきまして、ありがとうございます。これによると、令和2年度の会計年度任用職員報酬総額は6億402万8,000円となります。まず会計年度任用職員の報酬分を除いた今年度と来年度の人件費の比較を金額と伸び率共にお伺いいたします。

○中谷職員課長 お答えします。今年度と来年度の一般会計と特別会計、全ての人件費から会計年度任用職員の人件費に相当する部分を除きますと、今年度の人件費が約220億2,200万円、来年度の人件費が約220億6,500万円で、今年度から約4,300万円、約0.2%の増となってございます。

○木村委員 性質別歳出予算では会計年度任用職員報酬分の増により人件費はふえましたが、その分主に物件費が減額したという認識でよろしいでしょうか、お伺いいたします。

○森財政課長 制度変更に伴う増減や対象となる事業の変動はあるところでございますが、大きな捉えといたしましては、現行の臨時職員賃金は物件費であることから、臨時職員から会計年度任用職員へと移行したことに伴い物件費が減額となっておりまして、約2億6,000万円の減となっているものでございます。

○木村委員 分かりました。

 次に、会計年度任用職員の採用について伺います。総務省が示した会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアルによれば、採用は新地方公務員法第22条の2第1項により競争試験によらず選考によることとし、その方法として面接や書類選考等による適宜の能力実証の方法によることができるとされています。ここにある適宜の能力実証とはどのようなことでしょうか、お伺いいたします。

○中谷職員課長 お答えします。履歴書や必要に応じて小論文などにより書類選考を行うほか、中野区では面接を必ず実施しているものでございます。

○木村委員 当区ではどのような採用方法を採っているのでしょうか。

○中谷職員課長 原則として公募を行うこととしておりますが、その職に必要な資格や経験などから公募により難い場合には例外的に公募によらないことができるということとしてございます。

○木村委員 応募条件や報酬、勤務形態等について担当課はそういった職員課との調整を行うのでしょうか、お伺いいたします。

○中谷職員課長 勤務形態につきましては要綱の制定時などに調整を行ってございます。また、応募条件につきましては、各課から相談があった場合に助言等を行っております。報酬につきましては、基本的には各課が予算編成時に積算したものを財政課が査定をしていくものでございますが、今回の制度移行時には新たに期末手当が支給されるといったこともございましたので、専門職の報酬につきましては職員課が各課のヒアリングなどを行ったものでございます。

○木村委員 基本は各所管に任せているということかと思いますけども、これから制度が変わって公務員に近い待遇を受けるようになりますのでもう少し人事が関わるべきというふうに思いますので、よろしくお願いします。

 それで、公募による場合、どこまで具体的な応募条件を付すことができるのでしょうか、お伺いいたします。

○中谷職員課長 募集に当たって必要な資格や経験などはそれぞれの職ごとに検討するということになりますが、均等な機会の付与や平等取り扱いの原則がありますので、性別や人種、信条、社会的身分などにより差別をしてはならないということとされてございます。

○木村委員 また、公募の場合、募集に当たって一定程度の周知期間が必要と考えますが、これまで公募による採用の場合、どれくらいの募集期間を設けていたのでしょうか、お伺いいたします。

○中谷職員課長 募集期間につきまして明確な基準があるわけではございませんが、できる限り広く募集するということが望ましいことから、所管課から相談があった場合には、少なくとも2週間から3週間は募集期間を設けるよう助言をしているところでございます。

○木村委員 相談がなかった場合、通常はおおむねどれくらいの期間が公募期間となりますか。

○中谷職員課長 基本的には相談があった場合には2週間か3週間で助言をしているところですので、その期間が妥当ではないかなというふうには考えてございます。

○木村委員 では、中野区のホームページのお知らせに会計年度任用職員として広報アドバイザーの募集が行われました。広聴・広報費中、広聴・広報関係人件費の会計年度任用職員の報酬等がこの予算かというふうに思われます。報酬等となっている150万1,000円の内訳を改めてお伺いいたします。

○高村広聴・広報課長 広報アドバイザーにつきましては、勤務日数月5日以内を想定して報酬として129万3,000円、交通費として20万円8,000円を計上してございます。

○木村委員 この報酬分も性質別では義務的経費に当たるのでしょうか。地方自治法177条に定める地方公共団体の義務に属する経費、いわゆる義務費に当たるのでしょうか、お伺いいたします。

○森財政課長 行政実例を踏まえますと、人件費として区分される報酬が即座に今お話がございました地方自治法第177条に定める義務費に当たるのではなく、個々の状況によって整理されるものであると考えておりまして、広報アドバイザーの報酬につきましては義務費には当たらないものと解しているところでございます。

○木村委員 義務費に当たらないということです。改めて広報アドバイザーの募集の開始日と申込み締切日をお伺いいたします。

○高村広聴・広報課長 募集期間は本年2月1日から2月10日までの10日間でございます。

○木村委員 先ほど職員課長の答弁では、相談があっても最低でも2、3週間と助言をしているとありました。募集に当たっては職員課にアドバイス、相談は受けましたか。

○高村広聴・広報課長 事前に原則2週間から3週間というのは存じ上げておりました。

○木村委員 相談をしたかどうかを聞いているんです。

○高村広聴・広報課長 内容について、いわゆる会計年度任用職員についての内容については相談しております。期間ですか。

○木村委員 いや、相談したかどうかです。

○高村広聴・広報課長 会計年度任用職員の内容については問合せをし、相談をしております。期間については2週間から3週間という原則のことを聞いてございます。

○木村委員 聞いているって、それはアドバイスを受けたということでよろしいですか。

○高村広聴・広報課長 原則2週間から3週間だという話は聞いてございます。

○木村委員 相談したかどうかを聞いているんです。

○高村広聴・広報課長 それについては具体的な相談はしておりません。広聴・広報課のほうで決定しております。

○木村委員 選考に当たっては、応募者の中に選考に関わる者と人間関係がある人がいた場合、選考が終わるまでの間、選考に関わる者が当該人物との接触を避けるなど公平性を期すための決まり事はあるのでしょうか、伺います。

○中谷職員課長 具体的な基準や規定があるわけではございませんが、公平かつ公正な選考を行う必要がありますので、選考に関わる職員は公正さを疑われるような行動は行わないように注意する必要があるというものでございます。

○木村委員 そのまま聞きますけども、採用に直接関与せずとも首長の場合はどうでしょうか、御見解を伺います。

○中谷職員課長 選考に関して公平かつ公正な選考に影響を及ぼすような関与は当然してはならないというふうに考えてございます。

○木村委員 さきに紹介したマニュアルには、選考による会計年度任用職員を採用する場合には、平等取扱いの原則や成績主義を踏まえてできる限り広く募集を行うなど適切な募集を行い、面接や書類選考等による適宜の実力実証の方法を得た上で行うともあります。広報アドバイザーはマニュアルに示されたとおりの募集及び選考が行われたとお考えでしょうか、お伺いします。

○高村広聴・広報課長 基本的にマニュアルに示された募集、選考ができたかと考えております。

 先ほどの募集期間につきましては原則2週間、3週間というのは存じ上げておりました。それを踏まえた上で、いわゆる広報に関しては情報の収集ですとか発信、拡散が短い時間で行われる世界であることを実感していたのと、勤務時間、日数が月5日以内……。

○木村委員 今の質問だけ答えてもらって。

○高村広聴・広報課長 はい。基本的にマニュアルに示す部分の募集と選考が行われたと考えてございます。

○木村委員 法改正された会計年度任用職員制度の趣旨を踏まえ、今後も公平公正な職員の採用が行われることを期待して次の質問に移ります。

 区政情報の発信について伺います。中野区シティプロモーションのホームページのトップには、「中野区への「愛着や誇り(シビックプライド)」向上のために、区民のみなさんに区の魅力の再認識を促していきます。同時に、集客力・発信力を強化する連携関係を築き、ひとりひとりの参画意欲を高めて、活力あふれるまちづくりを進めます。理解と共感に基づいた中野区応援熱を創り出し、区外からも注目される、愛される中野区を目指します。成長する新しいまちへの期待感を高めながら、受け入れ環境整備等の施策を通じて、定住人口・昼間人口の増加を目指していきます」とあります。この事業は、昨年、本年と日本を代表する広告代理店に依頼し、使った税の額は、今年度は予算ベースになりますが、2年間で1億円を超えています。そして、令和2年度は広聴・広報課に所管替えをし、さらに1,763万円が予算化をされています。もともとこの事業は3か年を予定しており、またすぐに成果が現れるのではないかもしれませんが、3年目となる来年度は見直し事業に位置付け、当初の計画から大幅に予算を縮小し、現在の代理店の活用も行わないことから区の自己評価がどうであったかは明らかです。1月31日に行われた総務委員会の区政情報の発信力強化の取組についての報告では、その目的を、区民の区政への関心と理解を高めるため、区政情報の発信力と訴求力を強化する取組を一体的に行うとしています。どのようなエビデンスに基づくものかが見えず、また同じ轍を踏もうとしているのではないかと危惧をしています。

 そこで、来年度予算の中で区政情報の発信について伺います。企画費中、政策の企画・調整に教育大綱パンフレット作成委託等として370万9,000円、基本構想冊子作成等として1,389万6,000円が計上されています。それぞれについて配布目的と対象、部数と金額を含む詳細な内容をお伺いいたします。

○杉本企画課長 教育大綱のパンフレットにつきましては令和2年度に改訂を予定しております。中野区教育大綱の内容につきまして子どもたちに分かりやすく説明するために配布するものでございます。配布対象は区立小・中学校の全児童・生徒及び教職員と部数は1万3,000部でございます。この経費が370万9,000円のうち、361万9,000円を占めてございまして、他に教育大綱の策定に係ります地域説明会に伴います一時保育者の謝礼、手話通訳の委託、こちらの予算を計上しているものでございます。

○永見基本構想担当課長 中野区基本構想の冊子につきましては、区民等への基本構想の周知を図り、より親しみや共感を持っていただけるよう作成をするものでございまして、区内小・中学校の児童・生徒にも未来の中の絵を描いてもらっておりまして冊子に掲載する予定でございます。作成した冊子につきましては、区民活動センターや図書館などの主な区有施設への設置、また学校や関係機関への配布などを想定しておりまして、部数は1,000部を予定してございます。基本構想冊子作成の内訳といたしましては、基本構想の冊子の作成が578万円余、基本構想の点字冊子の作成として10万円、基本構想手話動画の作成として50万円、基本構想シンポジウムの企画運営委託として298万円余、基本計画の冊子の印刷といたしまして453万円余ということで予定をしてございます。

○木村委員 基本構想について、平成17年度に行った同様のメニューについて、配布目的と対象部数と決算額を含む詳細についてお伺いします。

○永見基本構想担当課長 平成17年度に改定をした基本構想の冊子につきましては、広く区民に周知を図るとともに、区立中学校における副教材として活用することなどを目的として7,000部作成をしておりまして、印刷経費は72万300円でございました。

○木村委員 基本構想について平成17年度に作成した冊子の効果等については分析はどのようにされていますか。

○永見基本構想担当課長 平成17年度の冊子につきましては、当時大幅に改定をした基本構想とともに新たに策定をした自治基本条例を掲載してございまして、その策定のプロセスからも、当時の新たな区政の方向性を示すに当たって一定の効果があったものと考えてございます。

○木村委員 基本構想の冊子が1,000部で638万2,000円とのことでした。ページ数は何ページになりますか。また、平成17年の冊子とは何が大きく異なりますか、お伺いします。

○永見基本構想担当課長 ページといたしましては、現在の想定としては36ページということで想定をしてございます。先ほど申し上げました小中学生の絵を散りばめるようなデザイン性の一程度高い冊子を作成したいというふうに思っているほか、多言語の冊子ということで多様性を表すような、そのような冊子を作りたいと思っておりまして、そういったところが違うところかというふうに考えてございます。

○木村委員 様々工夫はあるにしても、平成17年度は7,000部で72万円で先ほど一定の効果があったというふうに答弁がありました。今回は1,000部で638万、36ページですね。そういったものでございます。そこまでなぜ内容と金額を大きく変える必要があるのかということになります。

 次、教育大綱について伺います。現在の大綱が平成29年度に策定されましたが、その際は特段パンフレット等の作成は行われておりませんでした。来年度新たに作成予定の教育大綱を区立小・中学校を中心に配布しようとされたのはなぜでしょうか、お伺いします。

○杉本企画課長 教育大綱で示す考え方を分かりやすく説明するパンフレットを作成し配布することで、中野の教育が目指す姿を教育の主役である子どもたちに共有したいと考えたためでございます。

○木村委員 文部科学省によると、教育大綱の定義は、地方公共団体の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策について、その目標や施策の根本となる方針を定めるものであるとされています。要するに教育大綱は、学校教育のみならず、生涯教育や文化、スポーツを含む。教育の概念は決して学校教育だけではありません。なぜそれを児童・生徒に配布するのかが理解できません。かつて基本構想を中学校で教材として活用した例はありますが、現在は「私たちの中野区」の教科書の中に掲載され活用されています。基本構想が中野区のまちの将来を描いたものであるのに対して、教育大綱は区長部局が定める教育方針です。それを児童・生徒に配布するというのは教育への行政の介入にもなりかねないということを指摘しておきます。

 では、次、質問します。総務資料69「区発行の広報物・情報誌等区民向けの主な冊子の予算額一覧」を作成していただきましてありがとうございました。全体を見ていくと、平成28年度は哲学堂in NAKANOに約500万円がかけられていますが、29年度以降は大きな額とはなっていません。29年度は中野区ウォーキングマップで1,000万円、30年度は中野区のユニバーサルデザインと中野区民防災ハンドブック、多言語ガイドブック及びパンフレットでおおむね2,200万円、今年度は、なかの区報と資源ごみとごみの分け方・出し方リーフレットの増額でおおむね1,000万円と、年度ごとに政策的な理由等により増減が見られます。しかし、来年度は危機管理のためのハザードマップ約1,000万円の増額を除いたとしても合計額が大きく伸びています。広聴・広報費中、区政情報提供のわたしの便利帳、子育て支援ハンドブックの作成2,645万1,000円が計上されています。予算の詳細をお伺いいたします。

○高村広聴・広報課長 経費の内訳は、便利帳がニーズの高い中野区全域の地図の作成を含めまして7万部想定で約2,100万円、子育て支援ハンドブックが2万部想定で約540万円でございます。

○木村委員 さきの総務委員会の報告で、わたしの便利帳及び子育て支援ハンドブック「おひるね」の発行方法、内容の見直しが、現在は広告収入による公費負担なしで発行するスキームであるが、紙の価格高騰によりページ数の確保が難しく、十分な情報提供ができていない。これを踏まえ、デジタル情報へのシフトをしていくことを視野に入れながら、わたしの便利帳と子育て支援ハンドブック「おひるね」の発行方法と内容見直しとありました。拡充、見直しの原因は、紙の価格高騰等によりページ数の確保が難しく、十分な情報提供ができていないこととされていますが、現在のスキームのままであればページ数がどの程度減ることとなるか、紙の質を落とすことなど等、現在の情報提供を維持できないのか等の検討はされたのでしょうか、詳細をお伺いします。

○高村広聴・広報課長 紙の質につきましては現在も裏写りするような紙なんですけれども、それについて、それから、本当に現在のスキームでできないかということを事業者と何度も協議したところです。実際には紙の価格高騰は区報のほうでも問題になっているんですが、その件に加えてアナログの広告収入ができないということで、いわゆる今の便利帳のページを仮に150ページ以下にしても今のスキームではできないということを確認しております。

○木村委員 発行方法を見直したわたしの便利帳と「おひるね」では広告収入は今回見込まないということでしょうか、伺います。

○高村広聴・広報課長 より見やすく利用しやすい便利帳と子育て支援ハンドブックを作成するため、今のところ、仮定ですが、企画提案の公募型事業者選定を想定はしていますが、広告掲載により作成経費全体を抑制することについても条件とできればと考えてございます。

○木村委員 中野区と同じ株式会社サイネックスの協定によってわたしの便利帳に当たる情報誌発行を行っているのが、渋谷区、練馬区、台東区、板橋区、葛飾区、文京区、新宿区、杉並区と中野区を含めて9区であり、「おひるね」に当たる子育て支援情報誌を発行しているのが板橋区と豊島区と中野区を含めて3区でございます。

 紙の価格高騰への対応を他区はどのように行っているか、お隣の杉並区に確認をしました。杉並区は今年度が改訂に当たる年ですが、やはり紙の価格高騰によって広告収入だけでは難しいとサイネックス側から話があって、紙の質やページ数等の工夫も含め業者と話し合った結果、紙の高騰分を杉並区が負担することと聞きました。負担分がおよそ280万円だったそうです。杉並区くらしの便利帳は総ページ数180ページと、現在発行中の中野区わたしの便利帳よりも8ページ多く、発行部数が38万5,000部、区が来年度予定している発行部数の7万部と比較すると、5倍以上の31万5,000部も多いことになります。当区が杉並区と同じ手法で発行する場合、あくまでも単純に部数とページ数の違いのみで試算すると、50万円未満の財政負担で済むのではないかと思われます。「おひるね」を含む紙の価格高騰への対応を考えると、スキームを変え、2,645万1,000円の財政負担を行うということが果たして適切な判断か、甚だ疑問でございます。

○山本委員長 木村委員の質疑の途中ですが、3時20分まで休憩にしたいと思います。委員会を休憩します。

午後2時56分休憩

 

午後3時20分開議

○山本委員長 委員会を再開します。休憩前に引き続き総括質疑を行います。

○木村委員 それでは、次に、広聴・広報費中、区政情報提供に計上されていますオーラルヒストリーの作成業務委託等364万7,000円について、この事業は単年度事業なのでしょうか、複数年度であれば何年間の事業となるか、事業と予算の詳細をお伺いいたします。

○高村広聴・広報課長 変わり行く中野のまちや人の様子などの映像や画像を地域の方との協働により記録、収集、発信したいと考えておりまして、令和2年度は今のところの想定としましては、連続立体交差事業が行われている西武新宿線沿線のまちの変化が大きいところなどを想定してございます。現在のところ単年度の事業と考えてございます。また、この事業の結果を踏まえまして、別のエリアでも同様の方法で実施していくべきかについてはそのとき考えたいと思っております。

○木村委員 西武新宿線沿線ということですけども、具体的にはどういったエリアを想定されていますか。

○高村広聴・広報課長 実際地下化の工事が進んでいるところが変化が大きいですので、その周辺を想定してございます。

○木村委員 具体的なエリアはどちらでしょうかというふうに伺っています。

○高村広聴・広報課長 明確には決まっておりませんが、新井薬師、沼袋、野方周辺というふうに想定してございます。

○木村委員 分かりました。

 次、広聴・広報費中、広聴一元管理システム導入に向けた試験的導入とは具体的にどのような内容なのか、本格導入の場合、およそ幾らぐらいの予算が必要となるのか、また、システムの維持管理費はどうなっているのでしょうか、お伺いいたします。

○高村広聴・広報課長 区に寄せられる意見や苦情などは、広聴・広報課に寄せられるものも含めて基本的に各所管課で対応しており、意見や対応を一元管理できていない状況となっているため、対応状況やノウハウを庁内で共有することができておらず、また十分な分析が行えていないことが長く課題となってございます。今回試験的に導入するシステムにつきましては、各課に寄せられた意見とその対応を各所管課で入力し、庁内で共有できるようにするとともに、対応力や効率性の向上につながる内容の分析を行えるようにするものでございます。

 システムの本格的な導入をした場合の経費や維持管理経費については、既にこういったシステムを導入する自治体をかなり調べたんですけれども、このシステムの内容、構築方法、運用方法などによりかなり異なり、導入経費は数百万から数千万円まで、運用経費も数十万から数百万とかなり幅がございます。中野区では来年度の試験的導入を通じて対象となる内容や規模、効果的な手法などを検討したいと考えておりまして、現時点では具体的な想定ができないため、金額をお示しすることは難しいと考えてございます。

○木村委員 分かりました。

これまで伺ってきた予算には同じく予算化されている広報アドバイザーによる関わりがあると思います。しかし、外部の力に頼る今回の区政情報の発信力強化については、冒頭申し上げたとおり、同じく外部の力に頼み、日本を代表する広告代理店に委託したシティプロモーションと同じ轍を踏まないとのエビデンスが見えてきません。予算化の前にまずシティプロモーションの効果検証を議会にも区民にも明らかにすべきではないでしょうか。その上で多額の費用をかけての新たな広報や情報発信のための取組についての費用と利便性の関係の検証などエビデンスを明確に示しての議論が必要ではないでしょうか。最後に区長にお考えを伺います。

○酒井区長 シティプロモーション事業は、令和2年度予算につきましては、これまでの取組を生かしながら実施方法の見直しなどを行ったところでございます。今後の取組の効果につきましては、今回見直しした新たな行政評価において検証して、決算時においてもお示ししたいと考えております。エビデンスに基づく議論をお願いしたいと考えております。

○木村委員 来年度、広報関係の予算が大きく増額していることについて様々疑問点を伺わせていただきました。新年度から広聴・広報課の仕事となるシティプロモーションについて議会や多くの区民から疑義を呈されていることにもかかわらず、その検証を行わないまま、さらなる区政情報の発信力強化に取り組まれることについては賛成いたしかねます。また、新たな取組内容も今すぐ区民生活に必要とも思えません。もう少し議論を重ねて再検討されるべきと申し上げてこの項の質問を終わります。

 次に、2、地域包括ケアシステムについてお伺いいたします。

 初めに、地域包括ケア推進プランについてお伺いいたします。令和元年9月11日、一般質問に対する区長の答弁では、令和3年まで仮称総合計画を策定したいと考えておりまして、庁内会議等において検討を進めているというところでございます。仮称総合計画の策定に当たっては、現行の地域包括ケアシステム推進プランと同様に、区と区内関係者等が一体となって策定する区と区民のアクションプランの形を取りたいと考えておりますとあります。これまでの議会での質疑を検証すると、推進プランは総合計画に統合され、総合計画が作成された後、推進プランというものはなくなるという認識でよろしいでしょうか、伺います。

○高橋地域包括ケア推進課長 お答えいたします。中野区地域包括ケアシステム推進プランでは、2019年度から2020年度のステップ2の期間に地域包括ケアの対象者を全世代、全区民に拡大し、プランについても発展、充実を図るとしております。これに基づき地域包括ケアシステム推進プランの見直しを行い、これを発展、充実させ、全区民に対象を拡大した仮称地域包括ケアシステム総合計画として策定していくものでございます。したがいまして、現在の地域包括ケアシステム推進プランは仮称総合計画に統合されることとなります。

○木村委員 分かりやすく言えば推進プランは発展解消するということですね。しかし、総合計画を単なる推進プランの対象を広げた計画としてはいけないと考えます。推進プランはアクションプランという特徴が強いです。総合計画では、地域包括ケアの都市型モデルとして、地域ケア会議も圏域ごとになっている地域が主体的に取り組むこともできますので、圏域ごとの計画も含めた中野区の特徴を生かした理念、体制、事業を確立する機会としてはどうでしょうか、伺います。

○高橋地域包括ケア推進課長 お答えいたします。地域包括ケアシステム構築の意義は、医療福祉施策の推進にとどまらず、中野区が誰にとっても住みやすいまちとなるよう総合的に地域づくりを推し進めることであると考えております。このような考えの下、仮称総合計画は、区や各地域の特徴を踏まえ、圏域の考え方も含めて今後の地域づくりの在り方を示すものとなるようにしていきたいと考えております。

○木村委員 それでは、ぜひよろしくお願いいたします。

 推進プランでは、策定の平成28年時点の実績、3年後、10年後の目標を三つの達成指標を随所で掲げており、2月4日の厚生委員会でその検証の報告がされています。たくさんの指標がありますが、その最も重要な指標は、プラン全体の達成指標としての長期療養が必要になったとき、自宅で過ごした人の割合と65歳以上の健康寿命です。推進プランがこの二つの指標が改善していくことを目標にするという指標になっています。65歳以上の健康寿命はこの3年で改善の結果は出ていますが、長期療養が必要になったときの自宅で過ごした人の割合は減少しており、減少は誤差の範囲ではありますが、改善はしておりません。その原因はどのように認識していますか。また、自宅療養に必要な地域で支える基盤整備、仕組みづくりがまだ整っていない状況であり、さらなる取組が必要と考えます。今後、具体的にはどのような取組をするのか、併せて伺います。

○高橋地域包括ケア推進課長 お答えいたします。長期療養が必要になったとき、自宅で過ごしたい人の割合は健康福祉に関する意識調査によるものでございます。その割合は横ばいで推移しておりますけども、同調査では日常的に介護を行っている人と行っていない人に分けた集計も行っております。それによりますと、日常的に介護を行っている人の自宅で過ごしたい人の割合は、平成28年度の28.2%から平成30年度の45%に増加しており、日常的に介護を行っている人の意識は変化してきているのではないかと思われます。このことを踏まえまして、区としては、介護経験者もそうでない方も住み慣れた環境で自分らしく過ごすことができるという在宅療養のメリットや仕組みにつきまして、これまで以上に積極的に周知していくことが必要だと考えております。また、在宅療養に関しましては医師会なども積極的に取り組んでいただいているところであり、訪問看護ステーションが増えるなど充実してきたものもあると考えておりますけれども、今後は、療養者本人の意思決定プロセスを支援する取組であるACP、アドバンス・ケア・プランニングの普及啓発に努めるほか、専門職・多職種間の連携強化、医療介護情報連携システム―「なかのメディ・ケアネット」でございますけれども、こちらの活用促進などに引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

○木村委員 推進プラン策定時、この長期療養の指標は突然出てきたもので、意識調査に基づく指標であり、恣意的でぶれがあり、指標としては適切かどうかを委員会で質疑した経緯があります。自宅療養は地域包括ケアシステム最終目標と言える大事な視点であり、健康長寿と併せて推進プランの第1の目標として、より客観性のある指標が望ましいと考えます。全体で取り組む指標であるため、進展が明確に分かる指標でなくてはいけないと考えます。例えば在宅療養率、医療介護レセプトによる被保険者の居所を特定した上で在宅で療養する者の割合を集計、もしくは看取り率、被保険者の死亡前6カ月の期間における在宅療養率などがあります。75歳以上の後期高齢者医療保険の対象者は在宅医療介護の対象の多くが含まれ、レセプトも活用できます。このような医療介護データを活用した指標を検討してはどうでしょうか。また、他の指標にもありますが、意向調査での評価には課題があります。全ての指標の見直しが必要と考えます。医療関係など近年活用できるようになった明確なエビデンスに基づく指標にすることを検討してはいかがでしょうか、併せて伺います。

○高橋地域包括ケア推進課長 お答えいたします。医療介護データの活用につきましては、国や都におきましても、区町村がより広くレセプト情報を活用することができる仕組みづくりを検討していることから、実態を正確に表すことができ、かつ継続的に活用できるデータがありましたら指標化することを検討してまいります。ほかの指標につきましても、今後、仮称地域包括ケアシステム総合計画策定に向けまして、より客観性があり、進展を図ることができる指標とするよう見直しを図ってまいります。

○木村委員 よろしくお願いいたします。地域包括ケア体制に子ども、障害者が対象となった場合、従来の高齢者対応が不足しないでしょうか。特にこれまで培った財産としての地域ケア会議の負担、在り方が懸念されます。子ども関連の地域での会議体もあります。対象を広げれば地域ケア会議の負担が大きくなると見込まれ、その強化が必要と考えます。例えばテレビ会議や情報共有のシステムをつくるなど、ハード面での強化を講じるなど具体的な強化手段を検討してはいかがでしょうか、お伺いします。

○高橋地域包括ケア推進課長 お答えいたします。高齢者の地域包括ケアにつきましては、今後ますますその重要性が増していくことを認識しております。中野区地域包括ケアシステム推進プランステップ1の検証を踏まえまして、関係団体、行政の取組の強化を進めまして、引き続き着実な展開を図ってまいります。地域ケア会議につきましては、その在り方について、他の会議体等との関係性や連携方法なども含め検討を進めているところでございます。また、地域包括ケアの対象拡大に対応しました情報共有の仕組みにつきましても工夫してまいりたいと考えております。

○木村委員 他の指標の中で地域住民相互で見守りや支え合いの活動をしている割合の指標の検証として、住民相互で見守り、支え合いをしている割合がこの3年間で上下しながらも、やや低下する方向に推移している。平成30年度25.2%という結果は平成28年度の誤差の範囲を超えており、この3年間で見守り・支え合いの割合は低下していると考えられると評価しています。統計の問題はありますが、支え合い活動が向上している状況とは言えません。様々な取組をして関係者の努力が結果に結びついていないのは残念ですが、その原因と今後の対策はどのように考えているのでしょうか、お伺いします。

○伊藤地域活動推進課長 お答えします。見守り、支え合い活動等の低下の原因と対策ということでございます。健康福祉に関する意識調査で見守り・支え合い活動が必要であるというふうに回答していただいている方は3年間で約7割というところでは、微減ながらも一定程度の数値は保っている状況ですが、その中で継続的に活動している、また活動したことがあるという方のポイントが今委員の御質疑にございましたように4ポイント以上落としているというふうなことでございます。特に調査を見ますと、40代、50代、それから80歳以上という年代で大きくこの活動している方たちの割合が落ちているというふうな状況でございますが、具体的な理由という分析は非常に難しいと思っております。この調査で3年間の世帯状況などを見てみますと、全体に単身世帯が増えていること、また、80歳以上においてもまだ自営ですとか家族従事というふうなことで働いていらっしゃる方が増えているというふうなことが世帯状況の変化でございまして、これが何らかこのポイントを落としたことと相関関係があるのではないかというふうには考えているところでございます。

 今後の対策でございますけれども、この見守り・支え合い活動が必要だと回答した方で、活動していないという方にも聞いておりまして、その理由でございますが、時間的な余裕がない、きっかけがない、活動内容が分からない、これが非常に多い理由でございます。やはりここに着目しまして、今後、参加しやすいきっかけづくりですとか活動内容の具体的な広報、また短時間でも、また短期間でも未経験者が気軽に参加できるというふうな環境づくりなどが必要というふうに考えてございます。

○木村委員 今おっしゃるとおり、活動できない理由としては、時間的余裕がないは別として、きっかけが分からないとか活動内容が分からないといったものは区の取組が問われているというふうに思います。区の取組の中でその支え合い活動に取り組む可能性がある事業もございます。その一つになかの生涯学習大学があります。なかの生涯学習大学事業が予算補助資料では文化・国際交流課から地域活動推進課に所管が移動しております。その目的は何でしょうか、伺います。

○藤永文化・国際交流課長 なかの生涯学習大学の所管替えの目的についてでございますが、地域の担い手づくりの取組をより一層強化することを目的として所管替えを行うものでございます。

○木村委員 その方向性は評価したいと思いますが、進め方に唐突感があるというふうに思います。これまで生涯学習大学に関わってきた方も地域にはたくさんいらっしゃいますので、しっかりと理解を得て推進していくようにお願いいたします。

 なかの生涯学習大学を卒業した方、また、社会福祉協議会の地域活動担い手養成講座など、それらの人材を支え合いのネットワークにどのように関わってもらうか、いわゆる出口戦略が分かりにくいことが課題です。活動内容が分かりやすい、シニア世代も含めたボランティア制度の導入などを検討してはいかがでしょうか、お伺いします。

○宇田川区民活動推進担当課長 お答えいたします。なかの生涯学習大学を卒業した方や社会福祉協議会の地域活動担い手養成講座を受講した方たちなど、地域の様々な活動、支え合いネットワークにつなぐ出口戦略については、決して十分ではなかったというふうに認識をしているところでございます。こうした現状を踏まえ、来年度、中野区社会福祉協議会ですとか、それからアウトリーチチーム、区民活動センターなどと連携した区民公益活動の支援の仕組みについて検討を予定しているところでございます。この中で、地域の担い手となるボランティアを地域につなぐ支援策についても検討していきたいというふうに考えているところでございます。

○木村委員 そういった検討の中で、例えばボランティア活動などでインセンティブとなるポイント制度は何度か提案をさせていただいておりますが、検討状況はいかがでしょうか、お伺いいたします。

○宇田川区民活動推進担当課長 ボランティア活動のインセンティブとなるポイント制度につきましては、効果的な制度とするために、対象とするボランティアの範囲をどう定めるか、それからポイント管理の仕組み、それからインセンティブとしての効果など工夫が必要というふうに考えております。来年度予定している、地域の担い手となるボランティアを地域につなぐ支援策の検討の中で、ポイント制度についても情報収集等を行い、ボランティア活動のインセンティブについて検討していきたいと考えております。

○木村委員 ポイント制度はほかの自治体では、ちょっと分野は違いますけれども、健康ポイントなどを行っている事例がたくさんありますが、ぜひ積極的な検討をお願いし、この項の質問を終わります。

 次に、教育行政についてお伺いします。初めにGIGAスクール構想についてお伺いいたします。一般質問でGIGAスクール構想の質疑がありましたのでその説明は省かせていただきますが、中野区の小・中学校教育においてICTを基盤とした先進技術等の効果的な活用が必要です。私も、来年度の学習指導要領改訂に合わせた区立小・中学校のICT環境整備を何度か要望させていただきました。現在、区立小・中学校の教育用コンピュータ、小学校40台、中学校80台が設置されており、1台当たりの児童・生徒数は今年度で5.8人に1台、全国平均は5.4人に1台で、東京都平均は5.2人に1台で、中野区は全国や東京よりも後れているのが現状です。GIGAスクール構想の前に、現行の教育ICT化に向けた環境整備5か年計画に基づく、端末3クラスに1クラス分の配備計画を実施する必要があります。その費用は自治体負担となっています。3クラスに1クラスの端末を入れるにはどれぐらいの端末を調達することになるのでしょうか、お伺いいたします。

○石崎学校教育課長 3クラスに1クラス分の教育用コンピュータを整備するのに必要な端末台数でございます。今年度と同じクラス数ということを仮定いたしまして、小学校におきましては83クラス分3,320台、中学校では3クラス分120台、合計86クラス分3,440台でございます。

○木村委員 現在、120台を3,440台にするということですね。GIGAスクール構想を目指すには単に端末を購入すればいいというわけではありません。通信ネットワーク環境も含め総合的に進めなければならないと考えますが、整備を進める上での現在の課題は何だと考えているでしょうか、お伺いします。

○石崎学校教育課長 端末の導入が進み、多くの教室で同時に使用された場合、今のネットワーク環境であれば、つながりにくくなったり動作が遅くなったりすることが予想されます。今後、区のネットワーク環境を一括管理している区庁部局とも連携し、必要なネットワーク環境の整備を行っていくとともに、学校での教材の使用に最適な端末の選定や導入手順について計画的に進めていく必要があると認識してございます。

○木村委員 計画的に進めるということですけど、そのために来年度中はどうするのでしょうか。予算の中で計画していることをお示しください。

○石崎学校教育課長 ICT環境整備を計画的に進めるために、来年度GIGAスクール構想を踏まえて教育情報化推進計画を策定いたします。

○木村委員 答弁にあったとおり、学校のICT環境整備には区の通信環境の整備が必要と考えます。それは次の項で触れさせていただきます。

 次に、不就学・不登校への対応について伺います。昨年9月の我が会派の日野議員が外国人の不就学児の課題を取り上げ、区でも独自の調査を行うとしていました。中野区の外国人不就学児は現状想定されている人数は約330人と伺っています。予算補助資料にある外国籍児童・生徒就学状況調査委託はどのような調査を予定しているのでしょうか、また、どのような内容を確認するのでしょうか、お伺いします。

○石崎学校教育課長 外国籍児童・生徒就学状況調査は、外国籍の学齢児童の就学状況を把握し、また、就学に関する案内や情報提供等支援の改善につなげていくため、小学校・中学校年齢の児童・生徒のいる外国籍全世帯を対象に就学状況の現状と次年度以降の就学等の意向調査をするためのものでございます。

○木村委員 就学の意向を確認するだけでしょうか。その機会を就学に向けて有効に活用すべきと考えます。日本の学校に通う意向を示した児童・生徒に対するサポートも必要と考えます。日本語での様々な不安を感じるが、それが解決されたら学校に行きたいという児童・生徒がいた場合、どのようなサポート体制があるのでしょうか、お伺いいたします。

○宮崎教育委員会事務局指導室長 日本の学校への編入の意思があるにもかかわらず、日本語の習得や学習への不安によって編入をためらっている児童・生徒つきましては、適応指導教室にて多言語で書かれた冊子や自動翻訳機を活用し、日本の学校生活についての説明を行う支援や日本の学校に編入した後は日本語指導員を在籍校に派遣するとともに、適応指導教室において学習の補充を行う支援を行うことを予定しているところでございます。さらに、希望する児童・生徒につきましては、国際交流協会で実施しています日本語講座や子ども日本語クラスなども案内することもできます。以上でございます。

○木村委員 適応指導教室で外国籍の児童・生徒のサポートをするとのことです。そうなった場合の適応指導教室の定員も課題となってきます。その課題と併せて、不登校児童・生徒への対策としてICT整備を活用した遠隔教育の授業も近年増えてきております。まず確認ですが、中野区ではICT教材による学習を学校の出席扱いにするということはできるのでしょうか、お伺いします。

○宮崎教育委員会事務局指導室長 ICT機器を活用した学習活動が、円滑な学校復帰が可能であるような学習活動であり、当該児童・生徒の自立を助ける上で有効、適切であると校長が判断する場合に指導要録上出席扱いにすることはできます。この場合、ICT教材による学習が計画的な学習プログラムであることや、児童・生徒の学習状況を学校として十分把握する必要がございます。

○木村委員 学校の出席扱いにできるのであれば、不登校児童・生徒への対策としてICT活用の様々な可能性がございます。例えば民間での社会貢献として無償で自宅や適応指導教室等、教室とネットワークでつないで不登校の児童・生徒が学習に参加する機会を増やす事業もあります。それらの活用も含め遠隔教育による不登校対策を検討してみてはいかがでしょうか、お伺いいたします。

○宮崎教育委員会事務局指導室長 遠隔教育は不登校児童・生徒の学習を保障する上で有効な手段の一つであると考えておりますが、これを行うには、不登校児童・生徒の自宅や学校等でパソコンやパソコンで通信するために必要なサーバーや無線LAN、Wi-Fiなどの環境整備が必要となります。先ほどもありましたGIGAスクール構想の進捗に合わせて検討してまいりたいと思っております。

○木村委員 ぜひよろしくお願いいたします。これでこの項の質問を終わります。

 最後に、4、区の通信環境の整備と活用についてお伺いいたします。まず区有施設内の通信環境はどうなっているのでしょうか。通信量別にその費用をお示しください。

○平田情報システム課長 区有施設の通信環境でございます。まず区の本庁舎のフロア間の通信につきましては1ギガバイト、また、本庁舎のフロア内、また、学校を含む出先と本庁舎を結ぶ回線、出先施設内は100メガバイトでございます。費用でございますが、1ギガバイトの通信速度の場合は税別で年額175万6,800円、月額で14万6,400円、100メガバイトの場合は1回線当たり税別で年額17万8,800円、月額1万4,900円でございます。

○木村委員 学校内ICT環境整備は来年度、先ほど答弁がありましたけれども、教育情報化推進計画で策定されますが、GIGAスクール構想では来年度中に校内通信ネットワークの整備を進めなくてはいけないとしてあります。今、答弁のあったように、学校の通信量が100メガバイトとのことですが、今後のGIGAスクール構想を勘案すれば不十分ではないかと考えます。学校の通信量を区本庁舎と合わせ1ギガバイトにするよう検討してはいかがでしょうか、お伺いします。

○平田情報システム課長 学校の通信回線の増強につきましては、今後の学校での教材の使用状況ですとかICT環境充実の方向性などを踏まえまして検討してまいりたいと考えております。

○木村委員 よろしくお願いいたします。

 あと、区の通信環境には地域BWAもあります。平成30年に地域BWA事業がスタートしました。区に関わる事業として実施されたことは何でしょうか、また、今後予定されている事業はありますか、お伺いいたします。

○平田情報システム課長 地域BWAの活用でございますが、区では、罹災時の災害対策本部や地域拠点施設等における通信手段として活用することなどを目的といたしまして、平成30年に地域BWA事業者と協定を締結してございます。現在、避難所などでの活用につきまして危機管理担当と協議を行っているところでございます。また、来年度につきましては区民活動センターなどでの活用についての実験を予定しているところでございます。

○木村委員 情報セキュリティ保護のため、地域BWAをインターネットに接続をさせないイントラネット接続があります。様々な条件が求められるインターネット環境には、高速、従量料金のLTE、高速、価格を抑えた定額の地域BWA、超高速、定額のローカル5Gと環境条件、また費用対効果に合わせたハイブリッドをした体制がいいと考えます。検討してはいかがでしょうか。またローカル5Gと地域BWAを活用した様々な区民サービスに活用できます。学校ICT整備はもちろん、防災防犯カメラ、高齢者対策など従来の発想にはない新しいサービスが考えられますが、そのサービス活用を視野に入れて通信環境整備を検討してはいかがでしょうか、併せて伺います。

○平田情報システム課長 ハイブリッドでの通信環境整備についてのお尋ねでございますが、地域BWAやローカル5G、LTEなど多様な通信手段につきましては、それぞれの通信特性や費用対効果などを踏まえまして、来年度改定を予定しております中野区地域情報化推進計画の中で、区にとって最適なインフラ整備について検討してまいりたいと考えております。

○木村委員 大きな可能性がある通信環境整備です。しっかりと検討をお願いします。

 以上で私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

○山本委員長 以上で木村委員の質疑を終了します。

 次に、浦野さとみ委員、質疑をどうぞ。

○浦野委員 2020年第1回定例会予算特別委員会におきまして、日本共産党議員団の立場で総括質疑を行います。この場での質疑は4年ぶりとなりますが、日々お寄せいただく声をしっかり届けながら、改善、提案も含めて60分間行いたいと思います。よろしくお願いいたします。

 質問は通告どおりです。その他はありませんが、質疑に入る前に1点だけ、新型肺炎のコロナウイルスに関わって、現在、中野区でも健康管理対策本部を設置し、対応されていると思います。感染症の拡大防止のために、区内で行われる各イベントの中止や休止が先週末も広い範囲で発表されました。都内での感染や、また、先ほどもありましたが、お隣の杉並区の佼成病院に入院されていた方の感染が明らかになったことを受けて、中野区民の中にも不安が広がっております。加えて様々な情報がうわさも含めて飛び交っております。17日の本会議で党区議団として羽鳥区議が取り上げましたが、そのときとはまた状況も変わってきているというふうに思います。各自の健康管理、手洗いやうがい、アルコール消毒の徹底とともに、やはりこうしたときに公的機関である中野区自身が正確な情報を的確に発信することがより重要というふうに考えております。その際、国や東京都とも十分に連携、情報共有をしながら、また、感染者が差別されず、人権が守られるよう対策を強化する、ぜひその立場で引き続き対応を求めたいと思います。

 それでは、質疑に入ります。初めに、一人ひとりに寄り添った区政についてということで、1番目に特別支援教育の充実についてお伺いをいたします。

 2017年3月策定の中野区教育ビジョン(第3次)の中では、特別支援教育への理解促進、就学相談、発達段階に応じた支援体制の充実、また発達障害教育の推進などが明記をされております。新年度の予算案の中でも、予算補助資料の170ページに、新年度予算の主な事業の中で特別支援教育の充実として就学相談に対応する心理職の増員による相談体制の強化が示されています。これは評価をするものです。今回はこれに関わって就学相談と区立の特別支援学級の充実、この2点で伺いたいと思います。

 まず初めに、就学相談の充実、質の確保について伺います。今、区では、一人ひとりの幼児、児童・生徒の発達段階や障害の状態に応じた教育の場をどのようにしていくかを保護者の方と一緒に考え相談していくために、就学相談を実施していると思います。まずこの就学相談の流れを簡潔に説明をお願いいたします。

○中村子ども特別支援課長 就学相談の流れでございますが、毎年5月に実施する就学相談説明会の日以降、保護者からの相談申込みを受け付けております。予約いただいた日に教育センターにおきまして、保護者との面談ですとかお子さんの行動観察を行います。また、必要に応じて発達検査や医師による相談も実施いたします。その後に就学支援委員会でお子さんに最もふさわしい就学先を判断いたします。その後、就学支援委員会の判断を保護者に伝えまして、保護者の意向を踏まえ、区立小学校の特別支援学級ですとか都立特別支援学校での体験入級をしていただきます。その後、御本人や保護者の御意見も踏まえまして総合的に就学先を決定するというのが流れでございます。

○浦野委員 ありがとうございます。例えば新年度に小学校の1年生となるお子さんについては、今御説明いただいた就学相談の中で大きく三つ、一つは区立小学校の通常学級、二つ目、区立小学校の特別支援学級、三つ目、都立の特別支援学校ですね。転出や取下げを除いては大きくはこの三つにいずれかに就学先を決めるということになると思います。小学校においてこの就学相談の件数、この5年間、平成26年から平成30年度、どのように推移をしていますでしょうか。

○中村子ども特別支援課長 平成26年度には34件であったところ、平成27年度には51件、平成28年度には60件、平成29年度には77件、平成30年度には96件と増加しております。

○浦野委員 今御説明いただいたように年々増加をしている状況にあります。こうした背景も受けて新年度にこの就学相談に関わる就学相談専門員の方の増員が予算化されたというふうに思いますけれども、この就学相談に関わる就学相談専門員の方は何に基づいて定めているのでしょうか。

○中村子ども特別支援課長 中野区就学相談専門員設置要綱に基づいて任用しているものでございます。

○浦野委員 現在、この就学相談の専門員の方は何名いらっしゃるのか、元の職業と雇用形態も併せて伺います。

○中村子ども特別支援課長 本年度の人数でございますけれども、3人で、全員が教員経験者で非常勤職員でございます。3人のうち2人は特別支援学級設置校の校長経験者、1人は特別支援学校の教員経験者でございます。

○浦野委員 新年度はこの就学相談専門員の方は何名増員となる予定なのか、併せてその元の職業、雇用形態等も確認をいたします。

○中村子ども特別支援課長 現行の教員経験者3人に加えまして心理職1名を追加いたしまして4人体制とするものでございます。会計年度任用職員となります。

○浦野委員 3人が4人になるということですね。

 この就学相談によって決まる就学先というのは、御本人、そして御家族にとっては非常に大きなものとなると思います。相談件数が先ほど御答弁いただいたように年々増加をしている中で、やはり就学相談の質の向上、一人ひとりに寄り添いながら丁寧な関わりがより求められてくるというふうに思います。ある区内の保護者の方からこの区の就学相談の在り方について相談を受けました。この方は新年度小学校の1年生となる予定のお子さん、Aさんとしますが、Aさんのお母さんです。Aさんはダウン症です。大前提としてですけれども、この就学相談を経て最終的に決定をする就学先というのは保護者の意向が尊重されないということはあるのでしょうか。

○中村子ども特別支援課長 平成25年9月1日に施行された学校教育法の一部を改正する政令におきまして、就学基準に該当する障害のある子どもは特別支援学校に原則就学するという従来の就学先決定の仕組みを改めまして、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人、保護者の意見、教育学、医学、心理学等専門的見地からの意見、学校や地域の状況等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する仕組みとなっております。中野区の就学相談におきましても、御本人や保護者の意向を可能な限り尊重いたしまして、総合的に判断して就学先の決定を行っているものでございます。

○浦野委員 可能な限り尊重するということですね。このAさんの就学先については、この就学相談の結果、都立の特別支援学校という判断がされました。Aさんの保護者は居住地の学区内にある区立小学校の特別支援学級を希望されていました。Aさんに限らずですけれども、この就学相談によって就学支援委員会が出す判断、就学先というのは保護者の希望と一致しない、異なる判断が出るということはあると思います。

 そこで、伺いますが、教育要覧によりますと、例えば平成30年度、小学校での就学相談、先ほど御答弁があった96名でしたけれども、この中で就学支援委員会の判断で何名の方が都立特別支援学校の判断が出されたか、また、その判断と違うところに最終的に就学した児童は何名か伺います。

○中村子ども特別支援課長 平成30年度に都立特別支援学校が適切と判断されたのが18人でございました。そのうち3人は区立小学校の特別支援学級に就学いたしました。

○浦野委員 18名が出て3人は違うところだということですね。同じ年度で区立小学校の今度は特別支援学級の判断が出された児童は何名いらしたか、そしてその方々の最終的な就学先はどうであったか伺います。

○中村子ども特別支援課長 区立小学校の特別支援学級が適切と判断されたのは30人で、判定と同じ就学をしたのが15人、通常の学級に就学したのが12人、就学前に区外に転出した児童が3人でございました。

○浦野委員 今、御答弁にもあったように、就学支援委員会が判断した就学先と異なるところに就学するということは少なくはないわけです。この就学相談の過程で、早い方は就学する約半年前、前年の夏ごろに就学支援委員会の判断が出ると思いますけれども、その出た後、保護者の方とはどういうやりとりをしていくことになるんでしょうか。

○中村子ども特別支援課長 保護者と面談を行いまして就学支援委員会での判断をお伝えしております。保護者の御希望を確認した上で、都立特別支援学校や区立小学校の特別支援学級での体験入級をしていただき、御納得いただいてから教育委員会として就学先の決定を行っております。保護者が御納得いただけない場合やまだ迷われている場合には、情報提供をしたり見学をお勧めしたりしながら時間をかけて何度も丁寧に面談を行っております。また、就学後も相談を継続し、学年が上がるタイミングでの通常の学級から特別支援学級へ、または区立学校から都立の特別支援学校に転学することもございます。

○浦野委員 このAさんなんですけれども、最初は都立の特別支援学校の判断が出て、今言ったような面談を重ねる中で、最終的には希望していた居住地の学区内の区立小学校の特別支援学級への就学が決まりました。保護者の方はとても安堵されていました。しかし、この就学相談の中で、ある就学相談専門委員の方から、あなたのお子さんは愛の手帳を持っているから都立特別支援学校へ行くんだというふうに言われたとのことです。愛の手帳というのは知的障害のある方がいろいろな支援を受けるために東京都が交付している手帳で、1から4度に区分されているものですけれども、こうした愛の手帳や障害者手帳のあるなしが就学先の決定に影響するということはあるんでしょうか。

○中村子ども特別支援課長 愛の手帳ですとか手帳を所持していること、あるいはその記載内容は適切な就学先を検討する上での資料の一つではございますけれども、あくまで総合的に判断するものでございますので、手帳を所持していることだけをもって特別支援学校ですとかが適切というふうな判断をすることはございません。

○浦野委員 そうですよね。判断する際の一つの指標にはなるけれども、この愛の手帳を持っているからイコール特別支援学校ということではないはずです。お母さんはこう言われたときにやはりとてもショックを受けて、また大変怒っておられました。私たち両親の考えや思いが最初からシャットダウンしているように感じたと、毎回の面談で繰り返し伝えても聞いてもらえず、非常に傷ついた、これまでの努力や子ども、Aさんのために家族で行ってきたことを全否定されたような気持ちだったともおっしゃっていました。答弁いただいたように、手帳のあるなしが就学先の決定に直接的には関係はないです。一つの指標ということです。であれば、言葉の重さとかその保護者当事者に寄り添う姿勢があれば、その手帳があるから都立の特別支援学校へという言葉は出てこなかったのではないかと思いますけど、いかがでしょうか。

○中村子ども特別支援課長 就学相談専門員は公募により採用しており、子どもの将来を見据え、長期的にお子さん本人が幸せな人生を送ることができるための適切な就学先を検討する仕事に携わりたいと願って応募し採用された非常勤職員でございます。就学相談の重要性ですとかその場における言葉の重みが分かる人材を任用するよう努めてまいりました。しかしながら、お子様がより成長できる学びの場と考える就学先をお勧めし過ぎてしまったと思われるケースや説明の仕方が不十分だったと思われるケースもございました。必要に応じてほかの職員が対応をかわったり、適切な対応や言葉遣いについて職員同士で話し合ったり、管理職が職員と個別に面談するなどにより日々改善に向けた努力を行ってきたところでございます。

○浦野委員 今、御答弁の中でお勧めし過ぎたとあったんですけど、これってやっぱりお互いの共有の中で、さっきも繰り返し面談をしながら丁寧に関わっていくという中であれば、今の御答弁の言葉も私は出てこないんじゃないかなというふうに思います。

 また、ある保護者の、別の方ですけれども、就学相談の中で、都立特別支援学校のほうが手厚いサポートがあるからそっちへ行ったほうがいいんだと言われた方もいらっしゃいました。しかし、実際には区立特別支援学級のほうが特別支援教育支援員さんが配置されているため、人数としては特別支援学級のほうが多いと思うんですね。この支援員さんが十分かという議論はまた別ですけれども、これを受けて、ある専門家の方は、やっぱりこの就学相談の中で間違った情報を伝えないということが非常に大事だともおっしゃっていました。当然保護者の方が希望する判断が出ないことはあると思います。基準に基づいての客観的な判断はあると思います。また、実際に判断と異なるところに就学した後に、やっぱり通ってみて大変だから当初の判断のところに転学したという方がいることも承知しています。でも、その場合もやっぱり今後のことを考えて、転学相談のことで今後就学相談の専門員の方と関わっていくわけですから、やっぱりこの就学相談の中での信頼関係を築いておくということは大切だと思いますし、そういう意味では一人ひとりに寄り添う姿勢、大切な情報、正しい情報を伝えるということが求められると思います。ですので、人員を増やすことと併せてそういう観点が大事だと思いますけれども、このことについての認識を伺います。

○中村子ども特別支援課長 就学相談は、あくまでお子様御本人、そしてその保護者の方が主体でございますので、正しい情報の提供と寄り添う姿勢は相談の基本であると考えております。

○浦野委員 文部科学省の「就学相談・就学先決定の在り方について」の中では、本人、保護者と教育委員会、学校などが教育的ニーズと必要な支援について合意形成を図っていくことが重要だというふうに記されています。この合意形成を図る大前提としてやっぱりその姿勢や関係づくりが大切であると思っています。冒頭に伺った就学相談専門員の採用基準というのは今要綱の中ではどのように定めているんでしょうか。

○中村子ども特別支援課長 現在施行されております中野区就学相談専門員設置要綱第2条では、「教育職員免許法第4条第1項に規定する免許状を有する者で教育職員としての勤務経験があるもの又は臨床心理士若しくは臨床発達心理士の資格を有する者で教育分野における相談業務の経験があるもののうちから、中野区教育委員会が任用する」としてございます。

○浦野委員 今、御説明いただいた要綱の中では教育職員としての勤務経験とはなっているんですけれども、でも、教育現場が年々変化をしてきていて、10年前、5年前とも大きく異なってきていると思います。先ほど御紹介した専門家の方のお話では、この就学相談に当たる専門員さんは、できれば特別支援学校と区立学校の特別支援学級の両方を経験していて、それぞれの違いも知っている方が望ましいと。他区ではそれを採用の条件にしているところもあると伺いました。人員の確保自体がなかなか大変だということも承知はしていますが、採用の際にそうした点も考慮すべきではないでしょうか。

○中村子ども特別支援課長 様々な特別支援教育の現場をよく知っていることが望ましいというのは委員おっしゃるとおりでございます。現状といたしましては、特別支援学校と特別支援学級の両方の勤務経験を採用条件にするのは実態としては難しいところでございますけれども、今後そのような経験を考慮しつつ、人柄を見極めて採用を行ってまいりたいと存じます。現在は特別支援教育に関わった経験のある教員経験者を採用しておりまして、特別支援教育に関する知識などのベースはあると考えてございます。

○浦野委員 今後も就学相談はやっぱりふえていくと想定されます。保護者や御家族は様々な不安を抱えていますし、お子さんの将来を考えたときに、これでいいのか、自分の判断が間違っていなかったかという思いを非常に持たれていると思います。一方で、この選択をすれば100%大丈夫ということもないと思いますし、そのことは誰にも分からないわけですね。でも、そのときそのときで一生懸命考えて悩みながら判断をされているというふうに思います。特別支援学校に長年勤める先生がいかに寄り添えるか、親御さんは常に不安な気持ちがあって、迷いながらもその時々で判断をしながら前に進んでいますと。だからこそ今を一緒に共有し受け止めることを大事にしている、その上でまた一緒に悩み考え、相談をしていく、この姿勢を大事にしているということでした。これは本当にそのとおりだと思います。新年度、心理士さんが1名増員になる予定ですけれども、これでもまだ不足している状況だと思いますし、今述べました採用条件の考慮であったり関わる上での姿勢も含めて改めて要望をしたいと思います。

 次に、この項の中で特別支援学級について伺います。現在、区内には六つの小学校と三つの中学校に知的障害の特別支援学級があります。それぞれ学級数は異なりますが、例えば新井小学校―新年度、令和小学校になりますが、こだま学級があります。こだま学級は2019年5月現在、教育要覧によりますと、28名の児童が在籍し、4学級となっています。こだま学級は5年前には21名で3学級で、2015年度からは4学級となっています。また江原小学校のわかば学級も、2016年5月現在では7名で1学級だったものが、3年後、2019年5月現在では17名の3学級になっています。特別支援学級の1学級の定員は基本は何人となっていますでしょうか。

○中村子ども特別支援課長 特別支援学級1学級当たりの人数の上限といたしましては8人まででございます。

○浦野委員 この8人というのは何か根拠法などはあるんでしょうか。

○中村子ども特別支援課長 こちらは東京都の教員配置基準によって配属される教員の数が定められてございます。児童・生徒の人数により教員の数が決まり、学級数が決まることになります。

○浦野委員 2019年5月現在、美鳩小学校のあおぞら学級は24人の児童数で3学級、新年度、この学級数の増加が想定されますけれども、新年度の見込みはどのようになっていますでしょうか。

○中村子ども特別支援課長 年度当初の在籍児童数によって確定いたします。例年、年度末の転出入等もございますので現時点では確定してございません。

○浦野委員 不足をしてくる可能性もあると思うんですね。特別支援学級を新たに学級数を増やすことと併せて、新たに今ないところに開級をする際は、設置する基準は条例や規則での定めはあるんでしょうか。

○中村子ども特別支援課長 条例や規則に定めはございません。

○浦野委員 ないですね。必要と判断すれば設置できることになっています。特別支援学級の設置は自治体の判断でできるわけですけれども、区内で6番目に開級した当時の中野神明小学校神明学級――今はみなみの小学校ですけれども――は2013年4月、2人からスタートをしました。このときはどういう判断で開級することに至ったんでしょうか。

○中村子ども特別支援課長 当時、区の南部に設置されていました知的障害の特別支援学級は桃園小学校のひまわり学級のみでございました。区の南部にお住まいの児童にとっては遠くて通うのが困難なため、その地域に特別支援学級を新設してほしいという声がございました。教育委員会といたしましても、児童の通学を考慮すると、区の南部地域に設置する必要があり、学校の位置や教室の空き状況から当時の中野神明小学校に設置するのが適切と判断したものでございます。

○浦野委員 特別支援学級は地域指定がありませんね。知的障害の特別支援学級、現在、小学校、北側に4校、南側に今の神明学級を入れて2校ということですけども、南側の児童が北側の学校に通っている子もいらっしゃいます。自ら選択をしてそうしている方もいることは承知をしていますが、学校統合の影響などで通学距離の問題も出てきているというふうに伺っています。6校ある現在の知的障害の特別支援学級の数や配置についてはどのように考えていますでしょうか。

○中村子ども特別支援課長 特別支援学級に就学するのが適切であり、御本人や保護者も希望していらっしゃる方を既に満員であるということでお断りする状況は発生していないことから、数につきましては現在のところ不足している状況ではないと考えております。しかしながら、現在の設置校の位置を考えますと、地域によって通学に距離や時間の面で差が生じていることは認識しております。

○浦野委員 知的障害の特別支援学級の新たな設置を求めたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○中村子ども特別支援課長 特別支援学級の新設には、設置する学校の位置、開設した場合に在籍が見込まれる児童・生徒数、道路や交通の状況、そのほか地域の状況を勘案する必要がございます。そういったことを踏まえまして、今後、適切な配置については調査してまいりたいと存じます。

○浦野委員 障害者の権利条約であったりインクルーシブ教育の中の観点でやっぱり進めていくということが大切だと思います。かつて区立小学校の特別支援学級に通っていて、今は成人したお子さん、知的障害と自閉症のお子さんを持っておられたお母さんですけれども、地域の支援学級に通っていたから身についた経験がたくさんあったと、通学時間帯にすれ違う人や商店街の人、バスの運転手さんなどみんなで育ててもらいました、障害があっても一人ひとり教育に平等に参加する権利があるし、障害があってもなくてもその地域の中で一緒に育っていく上で、区立の学校の特別支援学級の役割は非常に大事だということを自らのお子さんの経験を通じてもそういうふうにおっしゃっていました。今後ぜひ状況を丁寧に把握をしながら、新たな特別支援学級の設置も含めて特別支援教育の充実を要望したいと思います。

 次に、この項で債権管理における生活困窮者の支援、生活再建の支援の在り方について伺います。区では、中野区の債権の管理に関する条例の規定に基づいて債権管理と収納率の向上に向けた取組を行ってきました。昨年の第2回定例会の中で、平成30年度までの区の債権の状況と今年度における収納率向上の取組がそれぞれ所管委員会に報告されました。特別区民税、国民健康保険料、介護保険料の主要3債権以外にも保育園の保育料や区営住宅の使用料などの債権があります。当然納められる方が納めることは大前提、大原則ですし、悪意を持って納めない方も一部いると聞いています。そうした方々はきちんと納めていただくべき、これは当然のことだというふうに思います。でも、納めたくても納められない、払いたくても払えない方がいることも直視する重要な課題だと日々の生活相談などを通じても強く感じています。国民健康保険料は収納率の目標に追いついていない状況がずっと続いております。現在、区では、この条例施行規則の中で債権管理対策会議を設置し、開催をしていると思いますけれども、今年度の開催状況と、またその中での主な議題、内容について簡潔に御答弁をお願いいたします。

○高村業務改善課長 今年度はこれまでに4回開催しまして、3月末にさらに1回開催する予定で年5回開催する見込みです。主な議題は、先ほど委員からもお話のあった区民税、国民健康保険料、介護保険料の主要3債権を中心とした各債権における前年度の状況報告や今年度の徴収計画、また、徴収計画に基づく各債権の進捗状況の確認と課題についての検討、さらに私債権の放棄案件の審議などでございます。

○浦野委員 今この開催されている御説明のあった対策会議の中で様々なケースがあると思うんですけれども、区民の方の置かれている状況など課題として今認識されていることがあれば伺います。

○高村業務改善課長 今年度特に課題として取り上げている内容としましては、国民健康保険料の、先ほどもお話がありましたが、収納率低下の要因として挙げられている外国人、また若年者への対応について、さらに複数債権の滞納者となっている可能性がある生活困窮者の対応についてでございます。また、区民税、国民健康保険料などの支払い手段の拡大ですとか効果的で効率的な督促方法などの検討も行っているところでございます。

○浦野委員 特別区の区長会が特別区長会調査研究機構を昨年度設置をしました。これは、大学その他の研究機構、国及び地方自治体と連携をして調査研究を行うことにより、特別区長会における諸課題の検討や特別区の発信力を高めるということを目的として設置をされております。今年度からこの調査研究が始まっていて、初年度の今年度は八つの自治体が手を挙げて八つのテーマ、調査研究がチームを組んで行われたというふうに伺っています。この特別区長会調査研究機構では、新年度も新たな調査研究に向けて各区から調査研究テーマを募っておりましたけれども、この応募の期限が昨年の夏でしたけれども、中野区は手を挙げたのでしょうか。

○高村業務改善課長 中野区は応募しまして、先ほど課題として挙げたことをテーマとして応募しております。令和2年度の特別区長会調査研究機構に応募し、研究が実施できる見込みとなっております。テーマは「債権管理業務における生活困窮者支援・外国人対応」でございます。

○浦野委員 この研究機構のテーマの募集の範囲というのは、保健、福祉とか、教育、コミュニティ、まちづくり、防災、人材育成など多岐にわたっています。各自治体の解決のみならず、国などに対しても政策提言につながるようなものも含めてかなり幅広く設定されていると思うんですね。様々なテーマが考えられる中で、中野区として今御答弁いただいた「債権管理業務における生活困窮者支援・外国人対応」をテーマに設定をした、この応募をしたという意図はどういったものがあるでしょうか。

○高村業務改善課長 本定例会でも一貫して出ているお話ですが、持続可能な区政を運営していくためには自主財源の確保が大変重要であると考えてございます。少子高齢化が一層進み、歳入減と歳出増が見込まれる中で、区の債権に係る収納率の向上は喫緊の課題であると認識してございます。一方で、非正規雇用勤労者の増加による所得の低下ですとか重複滞納者の問題など新たな社会的な課題により、これまで徴収または不納欠損という債権管理対策だけでは対応困難な状況が生じていることを実感しております。納税者の担税力を確保した上で債権管理手法を確立していく必要があること、また、国民健康保険料における外国人対応の充実を図っていく必要性を認識していることから本テーマで応募したところでございます。

○浦野委員 昨年秋に共産党の区議団として滋賀県の野洲市を視察させていただきました。ここは毎年各自治体議会から視察が相次いでいて、私たちも何年越しかに伺うことができたんですけれども、この野洲市では債権管理と同時に生活再建を行うことに主眼を置いています。「ようこそ滞納していただきました条例」として、滞納を市民からのSOSとして何らかの事情でそうした状態になった市民に、行政としてこれが逆に手を差し伸べるチャンスだというふうに捉えておりました。この視点はとても大事なことだというふうに思いました。

 野洲の市長さん、また担当の課長さんは、税金を納めてもらう以前に市民の生活が健全でなければならない、市民生活を壊してまで滞納整理をするのでは本末顛倒というふうにもおっしゃっていました。生活実態を背景から捉えて把握することが安定した収納にもつながるし、市民生活を支える自治体としての本来の役割はここにあるのではないかというふうにも述べておりました。今回この中野区が研究テーマ、先ほど御説明いただいたテーマを上げたということですけども、この中にこの生活再建への支援という視点は入っているんでしょうか。

○高村業務改善課長 現在も債権管理担当におきまして、御紹介のあった野洲市を初め、生活再建支援の視点で総務省が先進的取組として取り上げている自治体について考察しているところでございます。今回の研究テーマにおきましても、生活困窮者自立支援法に基づく自立支援事業との連携などを視野に入れて検討したいと考えてございます。

○浦野委員 検討していきたいと今御答弁をいただきました。この税や保険料を滞納しているということは、これ自体を把握していても、なぜ滞納しているのかというところまでを把握しないと、やっぱり生活再建のための必要な支援は行えないというふうに思います。これは簡単なことではないと思いますけれども、やっぱり一人ひとりの困難に寄り添って一緒に解決を図っていくという姿勢が大事だと思います。一時的な差し押さえでその場は何とか納めてもらうことができたとしても、継続して税や保険料を納めていただくことはできないというふうに思います。

 この支援を進めていく上で、税や国保、介護、保育の窓口がばらばらではなくて、この野洲市では市民生活相談課を設置して、ワンストップ型での体制が有効であるというふうにも考えてそういうふうに実施をされているわけですけれども、そうした認識というか、この一元管理の必要性については御担当さんのほうでどのように考えているのか。また、新年度の1年間、調査研究を進めていくことになりますけれども、こうした視点でもぜひワンストップ型のことも含めて考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○高村業務改善課長 現在考察している中でも、特に重複滞納者への支援を行う場合に、御指摘のあった区民税や国民健康保険料などの債権を一元的に管理することで、滞納整理に係るコストの削減やノウハウの共有という点で有効であるとの仮説が立つというふうには思っております。また、生活再建支援における一元管理の有効性についても着目しているところでございまして、それぞれにつきまして研究の中で検証したいと考えてございます。

○浦野委員 ぜひお願いいたします。

 野洲市の担当課長さんはその際に、職員の方々の意識として、何でこの取組を行政が行っていくのか、必要なのかということを庁内で共有することがとても大変だったというふうに言っていました。そこを共有しないと、開始をしたとしてもうまくいかないというふうにもおっしゃっておりました。やっぱりその方一人を丸ごと捉えるという横、斜めの関わりが課題共有としても大事だというふうに考えますけれども、新年度の調査研究の内容でこの生活再建への支援が何で必要なのかというふうには庁内でどのように共有をしていくつもりでおられるのか、現時点でその考えがあれば認識を伺いたいのと、あと、新年度の予算説明書補助資料110ページの中で債権管理の研修経費が今年度と比べても増額をされておりますけれども、そのこととは関係があるのか、併せて伺います。

○高村業務改善課長 今、冒頭に御指摘のありました、規則で債権管理対策会議を開催しております。研究経過につきましてはその対策会議で適宜報告して会議の場でも議論していくとともに、債権管理研修などを活用して庁内での意識共有を図っていきたいと考えてございます。債権管理研修につきましては、内容の充実と実施回数の増を図り、予算を増額したものでございますが、担当する職員の理解と対応力の向上を目的として、先ほどお話のあった債権管理支援に関することのほか、また、別に課題として認識しております私債権の管理についても事例研究を基本としたグループワークも併せて実施したいと考えてございます。

○浦野委員 職員さんの中でこの課題共有とか認識共有というのがとても大事だと思います。これは私たちも一緒に考えて取り組んでいきたいと思いますし、そのためにも、ぜひその研修の様子であったりとか新年度調査研究をする中身について適宜議会にも報告していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○高村業務改善課長 調査研究結果につきましては年度末に報告書を作成することになってございますので、その内容については必ず議会へ御報告し、御意見をいただきたいと考えてございます。

○浦野委員 ぜひお願いいたします。

 最後に、また野洲の市長さんの言葉を紹介しますが、一人への支援が社会のためになる、まずは徹底的に一人を支援する、これが成功すれば、それを制度に変えていけばいい、それが社会のためになるということをおっしゃっておりました。今、中野区で子どもの貧困対策、調査をしたり今後施策がありますけれども、ひきこもり支援とか子どもの貧困対策というところにもこれはつながっていく課題だというふうに思っています。ぜひ新年度での積極的な検討を重ねて要望したいと思います。

 次、ひきこもり支援の在り方を取り上げる予定でしたが、時間の関係でこれは特別委員会に所属しておりますので取り上げたいと思いますので、2番の平和の森公園の運用について次に伺いたいと思います。平和の森公園に対する願い、在り方についてはこれまで繰り返し述べてきたとおりです。昨年の第4回定例会で指定管理者の指定、議決がされました。指定期間は今年の6月1日から4年9カ月、約5年ということになります。これからこの指定管理による管理運営が始まっていくことになりますけれども、今までの平和の森公園とは大きく様変わりをすることになると思います。

 まず初めに、新年度の予算案で示されている2020年度の平和の森公園全体の年間の指定管理料について、体育館部分と公園部分とそれぞれお答えをお願いいたします。

○古本スポーツ振興課長 総合体育館の部分につきましてお答えをいたします。指定管理者に支払う経費の総合体育館の部分でございます。こちらは約1億3,600万円余でございます。

○細野公園緑地課長 では、引き続き、体育館を除いた公園部分の予算は6,200万円ほどでございます。

○浦野委員 体育館部分1億3,600万、公園が約6,200万、合わせて約2億円ということになります。加えて東京都下水道局へ支払う賃借料があると思いますけれども、これは幾らになっていますでしょうか。

○古本スポーツ振興課長 下水道局の土地の賃借料でございます。こちらは年額約1,700万円余でございます。

○浦野委員 1,700万円ですね。この年度は指定管理の開始が6月からとなるため、この指定管理料も賃借料もいずれも10カ月分ということになっていると思います。そのため、1年間に換算すると、合わせて約2億5,000万ぐらいになるかなというふうに思います。これが経常経費となると思います。

 それで、これからこの指定管理者による管理運営か始まるに当たってですけれども、この指定管理者の指定の議案審査の際に所管の厚生委員会で会派としても幾つか確認をさせていただきましたが、課長さんはそのときに、今後、指定管理者と協定を結んでいくに際しては、基本的には指定管理者のほうが提案してきた内容について区と協議を行って中身を確定していきますと御答弁されています。この指定管理者と区が結ぶ協定は、指定期間、今回でいうと約5年間の全期間を対象とする基本協定というものと1年単位での年度協定、この二つを結ぶことになると思います。指定管理者の指定の議決後、この業務の計画や協定の記載事項について具体的に今協議をしていると思いますけれども、協定の締結に向けた話し合いの現段階での状況はどういうふうになっていますでしょうか。

○古本スポーツ振興課長 令和元年第4回定例会で指定管理の議決をいただきました後、指定管理者との協議を開始してございます。これまで基本協定につきましては全体に関わる総則の部分、年度協定につきましては、当該年度の指定管理料のほか、指定管理者が行う事業等につきまして協議を行っている状況でございます。

○浦野委員 これは締結時期はいつぐらいになる予定でしょうか。

○古本スポーツ振興課長 遅くとも令和2年5月末までに行いたいというふうに考えてございます。

○浦野委員 公園利用者や近隣住民の懸念、不安の声として、トラックの設置によってこれまでの草地広場とは異なることになる、また、バーベキューサイトの設置によって臭いやごみ、公園全体の環境が変わる、これまでになかった体育館や駐車場ができることにより車や人の往来が増える、また、体育館の開館時間帯が早朝7時前から夜10時半までになることで音や照明設置による影響、周辺環境が変わることへの不安など多岐にわたっております。こうした懸念や今出されている不安事項について担当課として把握をされていますでしょうか。

○古本スポーツ振興課長 体育館に関する部分につきましてお答えをいたします。昨年11月には総合体育館の管理及び運営に関する説明会を実施させていただきまして、その際、交通上の安全に関することや駐車場の音への懸念等の御意見をいただいたところでございます。

○細野公園緑地課長 では、引き続き、公園部分、トラックやバーベキューサイトについてですが、これまでの意見交換会や説明会、あと寄せられた意見などからそのような懸念を持たれている方もいらっしゃることは承知しております。

○浦野委員 今既に出されている懸念や不安事項については、これから結んでいくことになる基本協定や年度協定の中ではどのように反映されていくんでしょうか。

○古本スポーツ振興課長 お答えをいたします。協定の中には指定管理業務を行うに当たっての注意事項等を盛り込みますことから、利用者や近隣への配慮がなされるものと考えてございます。

○細野公園緑地課長 協定締結の内容でございますが、そういったこれまでの議論も踏まえて区で考え方をお示しして、それで協議を行っているところでございますので、これまで寄せられた声などについては生かせるところは生かした上で協定締結に向けて事務を進めているところでございます。

○浦野委員 今既に開始前でもこうした懸念が出されているわけですから、今御答弁の中にあった反映できる部分については反映をぜひしていただきたいというふうに思います。

 公園の利用ルールについて何点か伺いますが、トラックについては区が作成をするルールに基づいて運営していくということを委員会で答弁されておりますが、そのルール、考え方というのは現時点ではどうなっているんでしょうか。

○細野公園緑地課長 平和の森公園の整備のコンセプトは、スポーツと緑で健康、交流を育む中野の中心にふさわしい公園づくりでございます。皆さんに親しんでいただけるように管理運営を行っていきたいと考えております。利用ルールについては、他の公園と同様に、誰でも安心して利用できるものというふうにしていきたいと考えています。詳細については指定管理者とも協議を行った上で区が考え方を取りまとめてお示ししていく予定でございます。

○浦野委員 では、今の時点で例えば専用の利用というのはどういうふうに考えているんでしょうか。

○細野公園緑地課長 新しくできるトラックやバーベキューサイト、それから小広場についての専用利用については指定管理者導入までは専用利用を考えてございません。指定管理者導入後、一定のルールをつくって専用利用を開始していく考えでございます。

○浦野委員 トラックのスパイクの使用というのは今どういうふうに考えているんでしょうか。

○細野公園緑地課長 鋭利な靴の使用については、施設の保護をする観点から御遠慮いただく方向で考えているところでございます。

○浦野委員 今までの草地広場はやっぱり誰でもいつでも自由にということだったと思います。トラックができたことによって当然思い切り走る方もいらっしゃると思います。ここはこれまで複数の保育園の方がお散歩に来たり、たこ揚げなど、今までと同じような使い方ができなくなる、安全面での懸念はこれまでも繰り返し述べてきたところですけども、ぜひ今後の中で最大限こうした利用ができるように確保していただきたいと思いますので、ぜひ丁寧な声を聞いて最大限反映をしていただきたいと思います。

 バーベキューサイトについても伺いますが、このバーベキューサイトについては、平和の森公園の再整備(第二工区)についての区長同席での平和の森公園再整備を語る会や区民説明会で出た意見に対する区の回答がその後の建設委員会にも報告をされています。その中で、バーベキューサイトについては園路への煙の流入等課題があるのでさらに検討を行いたいというふうに回答をしています。その後、委員会にもまだ報告されていないと思いますけれども、この課題について実験など実施をしたのか、何か具体的な検討をされたのか伺います。

○細野公園緑地課長 バーベキューサイトには煙を抑えた無煙ロースターという施設の導入を予定してございます。煙の流入等の課題については施設開設より事前に確認をしていく予定でございます。

○浦野委員 事前に確認という今御答弁がありましたが、語る会の際、区長が専門家を入れて検討するというふうにも言っておりました。きちんとやっぱりそれはされるべきだと思いますし、たくさんの懸念がある中で検証されずに開始されることがあってはならないと思いますが、いかがでしょうか。

○細野公園緑地課長 指定管理者は他の施設においてもバーベキューサイトの運営の実績もございます。そして、そのような専門的知見を有しているというふうに認識してございます。無煙ロースターの効果等の事前の検証は行っていく考えでございますので、問題なく施設利用はしていただけるというふうに考えてございます。

○浦野委員 このバーベキューサイトからウォーキング・ジョギングコースまでは僅か10メートルぐらいです。すぐ横に滑り台があって、子どもたちが走ってくることでの安全面とか、周辺住民にとっては煙や臭いなど懸念される事項はたくさんあります。周辺の民家までは約50メートルぐらいです。こうした課題解決をしないまま、そして検証をしないままバーベキューサイトの利用開始は絶対にさせないということを改めて確認したいと思いますが、いかがでしょうか。

○細野公園緑地課長 繰り返しの部分がございますが、指定管理者については他の施設においてバーベキューサイトの運営等の実績があり、専門的知見は有しているものというふうに考えております。周辺にお住まいの方、バーベキュー施設周辺の利用者の方を初め、皆様に安心して楽しんでいただけるというふうに考えてございます。また、バーベキューサイトの使用機材や運用ルールを定めた後、事前の検証は行ってまいりますので、施設の運用については問題なく進められるというふうに考えてございます。

○浦野委員 体育館についても併せて伺いますが、公園の利用者はもちろん、周辺環境が変わることへの影響があります。現在の体育館でもやっぱり利用者は開館前の時間帯から来ますし、入り口で待機をしますし、また閉館後も体育館の前にいることが多いと思います。冒頭でも述べたとおり、これまでになかった体育館と駐車場ができることによって人や車での往来は間違いなく増えることになります。そこのことへの対策、ルールづくりというのは今どのように考えているんでしょうか。

○古本スポーツ振興課長 体育館利用者への注意喚起を徹底いたしまして標識の設置等の対策を行う予定でございます。そのほか必要な対策につきましては指定管理者と協議を行いたいというふうに考えてございます。

○浦野委員 このときの4定での議案審査のときに、一定のルールについては区民の方の意見も聞きながら策定してというふうに述べておられました。トラック、バーベキューサイト、体育館など、こうした懸念、不安に対して、やっぱり指定管理者での運営が始まる前にまずは今検討しているという区の考え方、ルールについて説明をする場を、そしてその上でその声を聞く場をしっかり設けてほしいと思うんですね。その説明会とか意見を聞く場の担保については今どのように考えているんでしょうか。

○細野公園緑地課長 利用ルールについては、区の考え方を取りまとめ、意見交換会等の場を設ける考えでございます。

○浦野委員 今、意見交換会を設けるということでしたけれども、その意見交換の場をせめて複数回、平和の森公園に近い新井区民活動センターでは時間や曜日を分けて開催していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○細野公園緑地課長 平和の森公園は区内全域から利用をいただく施設であるというふうに認識してございます。意見交換会等の開催回数や開催場所については今後検討してまいりますが、会場の規模や多くの区民の方が来られる場所であることも踏まえて詳細を決めていきたいというふうに考えてございます。

○浦野委員 ここだけで実施をしてくれというわけではなくて、もちろん区役所とか体育館は全区民的な、公園もそうですから。ですけど、地元の区活センターでぜひ、区役所まで足を運べない方もいらっしゃると思うので、そこの開催の仕方についてはぜひ検討していただきたいと思います。同時に、こういう場で出された意見とか声を十分に受け止めて、聞き置くだけにせず、その協定締結までの運用ルール検討の中で最大限反映をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○細野公園緑地課長 指定管理者による管理運営を行っている広町みらい公園では、区が利用ルールを定めて、利用者の声を適宜反映しながら柔軟な管理を行っているところでございます。平和の森公園においても広町みらい公園と同様に、利用者の声を反映した管理運営となるように指定管理者と協議を行ってまいりたいと考えてございます。

○浦野委員 ぜひお願いいたします。

 今度は指定管理者による管理が始まった後について何点か伺いますが、実際に供用を開始してから今指摘をしていること以上にまた新たな様々なことが出てくることも予測をされます。中野区の指定管理者制度のガイドラインがありますけれども、この26ページの9、協定の締結(2)の中で、指定期間内において特に必要があると認めるときは、指定管理者と協議の上、基本協定を改めることができるとあります。また、これらの協定の具体的な内容は指定管理者の提案内容をもとに区と協議を定めることとするというふうに記されています。安全管理や周辺環境に与える影響など、供用開始後に起こる様々な問題についても、この協定締結以降、指定管理者による運営管理が始まった以降でも運営方法を見直すことは可能でしょうか。

○細野公園緑地課長 始まった後であっても、運営方法を見直す必要があると判断した事項については見直しに向けた協議を行っていく考えでございます。

○浦野委員 ぜひそれはお願いしたいと思います。

 この議案の審査のときに、担当課長さんは、実際事業を行っていって、例えばこういうところを工夫してほしいとか、いろいろ区民の要望がございましたら、それは順次工夫して改善していけるというふうに考えているというふうに答弁をされています。バーベキューサイトについては先ほど利用開始前の検証をお願いしましたが、仮にスタートとなった以降、新たな問題が発生した場合でもこの協議事項に含むという理解でよろしいでしょうか。

○細野公園緑地課長 問題があった場合にはバーベキューサイトについても適宜運営方法の見直しについては行ってまいりたいと考えてございます。

○浦野委員 同じくこのガイドラインの中で9の協定締結3というところで、基本協定、年度協定のそれぞれについて、協議事項(協定に定めない事項や疑義発生時等)の対応について記載がされています。これは今述べたこと以外でも供用開始後にここはやはり改善が必要ではないか、また、何らか不測の事態が発生したときには、公園利用者や近隣にお住まいの方などからの意見や要望も含めて区と指定管理業者の双方で協議をしていくという意味で間違いないか、最後に確認をさせてください。

○細野公園緑地課長 指定管理者には定期的に公園利用者の声を把握することを求めております。協定は区と指定管理者が締結するものであり、協議についても区と指定管理者の間で行うものでございますが、協議の内容については公園利用者等の要望や意見等も踏まえたものとなるというふうに考えてございます。

○浦野委員 これまで、繰り返しになりますが、いつでも誰でも自由に使える草地広場であって、また、緑と広場の防災公園としての平和の森公園でした。地域に親しまれて、憩い、愛されている公園が今後様変わりする中で、今出されていることや、また今後出される懸念や不安事項について最大限配慮、検討を重ねて要望をしたいと思います。

 1番のひきこもり支援のところは時間の関係で別の機会に改めさせていただきたいと思いますが、前半のところは一人ひとりに寄り添った区政をということで、特別支援教育の充実や債権管理における生活再建を挙げさせていただきました。

 定例会の初日の区長の所信表明の中でも、区民一人ひとりに寄り添う行政サービスを展開していくという言葉がありました。この一人ひとりに寄り添うという姿勢を区政運営としての大切な姿勢として、また、この質疑させていただきました各施策、改善、充実されていくことを重ねて要望しまして、私の総括質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○山本委員長 以上で浦野委員の質疑を終了します。

 浦野委員の質疑が終わったところですが、5時目前となりましたので、渡辺委員の質疑について今後の委員会運営を協議したいと思いますので、理事会を開会します。委員会を暫時休憩します。関係者は第三委員会室にお集まり願います。委員及び理事者の皆さんはこのまま自席でお待ちください。

午後4時53分休憩

 

午後4時56分開議

○山本委員長 委員会を再開します。

 理事会の報告をします。渡辺委員の質疑の前ですが、本日の質疑は終了し、明日、渡辺委員の質疑から始めることを確認しました。

 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○山本委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山本委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、本日の総括質疑を終了します。

 次回の委員会は、明日2月26日(水曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。

 以上で本日の予算特別委員会を散会します。

午後4時57分散会