1.令和4年(2022年)9月26日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 生 藤 健 人 2番 竹 村 あきひろ
3番 日 野 たかし 4番 渡 辺 たけし
5番 間 ひとみ 6番 河 合 り な
7番 斉 藤 ゆ り 8番 立 石 り お
9番 羽 鳥 だいすけ 10番 市 川 しんたろう
11番 加 藤 たくま 12番 吉 田 康一郎
13番 木 村 広 一 14番 甲 田 ゆり子
15番 内 野 大三郎 16番 杉 山 司
17番 ひやま 隆 18番 小宮山 たかし
19番 い さ 哲 郎 20番 小 杉 一 男
21番 内 川 和 久 22番 若 林 しげお
23番 高 橋 かずちか 24番 小 林 ぜんいち
25番 白 井 ひでふみ 26番 欠 員
27番 山 本 たかし 28番 中 村 延 子
29番 石 坂 わたる 30番 近 藤 さえ子
31番 浦 野 さとみ 32番 大 内 しんご
33番 伊 藤 正 信 34番 高 橋 ちあき
35番 平 山 英 明 36番 南 かつひこ
37番 久 保 り か 38番 森 たかゆき
39番 酒 井 たくや 40番 むとう 有 子
41番 長 沢 和 彦 42番 来 住 和 行
1.欠席議員
な し
1.出席説明員
中野区長 酒井 直人
副区長 白土 純
副区長 横山 克人
教育長 入野 貴美子
企画部長 石井 大輔
企画課長 堀越 恵美子
構造改革担当課長瀬谷 泰祐
財政課長 森 克久
広聴・広報課長 高村 和哉
総務部長 海老沢 憲一
防災危機管理担当部長、総務部防災危機管理課長事務取扱 石崎 公一
DX推進室長 滝瀬 裕之
総務課長 浅川 靖
職員課長 吉沢 健一
経理課長 宮脇 正治
防災担当課長 吉澤 直樹
生活・交通安全担当課長 阿部 靖
区民部長 鳥井 文哉
文化・産業振興担当部長 高橋 昭彦
区民文化国際課長鈴木 宣広
文化国際交流担当課長 矢澤 岳
マイナンバーカード活用推進担当課長、産業振興課長 平田 祐子
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 青山 敬一郎
子ども家庭支援担当部長、子ども・若者支援センター所長、
教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小田 史子
子ども・教育政策課長、学校再編・地域連携担当課長 濵口 求
子ども政策担当課長 青木 大
保育園・幼稚園課長 渡邊 健治
保育施設利用調整担当課長、幼児施設整備担当課長 藤嶋 正彦
指導室長 齊藤 光司
子ども教育施設課長 藤永 益次
子育て支援課長 滝浪 亜未
育成活動推進課長細野 修一
子ども・若者支援センター子ども・若者相談課長 半田 浩之
地域支えあい推進部長 角 秀行
地域包括ケア推進担当部長 藤井 多希子
地域活動推進課長高橋 英昭
区民活動推進担当課長 池内 明日香
地域包括ケア推進課長 鈴木 康平
北部すこやか福祉センター地域ケア担当課長 原 拓也
健康福祉部長 岩浅 英樹
保健所次長 杉本 兼太郎
福祉推進課長 中谷 博
生活援護課長 葉山 義彦
生活保護担当課長只野 孝子
環境部長 朝井 めぐみ
環境課長 永見 英光
ごみゼロ推進課長、清掃事務所長 阿部 正宏
都市基盤部長 奈良 浩二
道路課長 井上 雄城
公園課長 村田 賢佑
交通政策課長 宮澤 晋史
住宅課長 落合 麻理子
まちづくり推進部長 豊川 士朗
中野駅周辺まちづくり担当部長 松前 友香子
まちづくり計画課長 千田 真史
まちづくり事業課長 小倉 芳則
まちづくり用地担当課長 酒井 雅勝
新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 近江 淳一
中野駅周辺まちづくり課長、中野駅新北口駅前エリア担当課長 小幡 一隆
中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 石原 千鶴
会計室長 吉村 恒治
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 長﨑 武史
事務局次長 林 健
議事調査担当係長 鳥居 誠
書 記 立川 衛
書 記 若見 元彦
書 記 髙田 英明
書 記 鎌形 聡美
書 記 田村 優
書 記 細井 翔太
書 記 有明 健人
書 記 早尾 尚也
書 記 髙橋 万里
書 記 川辺 翔斗
書 記 金木 崇太
1.委員長署名
午前10時00分開会
○ひやま委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。
認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。
総括質疑に入る前に、委員会運営について相談したいことがあります。委員会を一旦休憩し、理事会を開会したいと思います。
委員会を暫時休憩いたします。
午前10時00分休憩
午前10時05分開議
○ひやま委員長 委員会を再開します。
9月22日(木曜日)及び先ほどの理事会の報告を行います。
本日の委員会運営についてです。本日の総括質疑の順番は、1番目にいさ哲郎委員、2番目に間ひとみ委員、3番目に生藤健人委員、4番目に甲田ゆり子委員、5番目に斉藤ゆり委員、6番目に市川しんたろう委員の順で6名の総括質疑を行うことを確認いたしました。
次に、先ほどの理事会においてお手元の正誤表のとおり、子ども文教分科会40番、76番及び77番の要求資料について、理事者より訂正の申出があり、これを了承し、差し替え資料をタブレット型携帯端末等で閲覧できるようにすることを確認いたしました。差し替え資料につきましては、後ほどアップロードされますので御覧ください。
以上が理事会の報告ですが、御質疑ありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○ひやま委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○ひやま委員長 御異議ありませんので、そのように運営をいたします。
ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べられるようお願いします。
それでは、質疑に入ります。いさ哲郎委員、質疑をどうぞ。
○いさ委員 おはようございます。先週に引き続き質問させていただきます。質問に先立って、台風15号、静岡県などで大きな被害が出ています。被害に見舞われた方、お見舞い申し上げます。中野区では今のところ大きな被害はなかったというふうに報告を聞いていますけれども、やっぱり水害対策待ったなしだということかと思います。
今日の質問なんですけれども、時間の関係で順番を変えたり、ちょっと飛ばしたりということもあるかと思います。御協力をお願いいたします。
最初に、住宅についてお聞きをいたします。日本経済が行き詰まり、格差と貧困が拡大していることは言をまちません。ここにコロナ禍と物価高騰が拍車をかけ、区民生活を圧迫しているのが2022年の今の情勢です。今般の貧困問題の焦点は、子どもの貧困、そして住まいの貧困です。住まいの貧困の問題では、住まいは人権という言葉が表すように、居住の問題は憲法17条に規定される健康で文化的な最低限の生活をするための前提だという認識が社会的に共有されつつあるということです。この住まいは人権を念頭に置き、質問をいたします。
最初に、2020年、2021年の住居確保給付金の申請件数と支給件数はどうなっているでしょうか。
○葉山生活援護課長 お答えします。住居確保給付金の実績は、2020年度新規申請件数は2,358件、決定件数は2,149件、2021年度の新規申請件数は708件、決定件数は748件となります。なお、2021年度に決定件数が申請件数を上回っているのは、2020年度に申請を受け、2021年度に決定した件数を含めているためでございます。
○いさ委員 このコロナ禍の影響で家賃の支払いに困窮した世帯が急増したということを表している数字かと思います。生活の困窮が住まいの問題に直結しているということだと思います。それでは、区営住宅、福祉住宅の戸数、そして待ち状況はどうなっているでしょうか。
○落合住宅課長 区営住宅の管理戸数は14団地、453戸、福祉住宅は9棟、156戸でございます。令和3年度の募集において空き家が発生した場合にあっせんする補欠として登録された方は、区営住宅が51人、福祉住宅が21人となっており、入居した戸数は、区営住宅が18戸、福祉住宅が13戸でございました。
○いさ委員 都営も含めてとにかく全然入れないし、申込みの手前で諦めているという方もいますので、潜在的にはもっと大きな要望、ニーズがあるものと思っています。2021年の中野区住民意識実態調査では、中野区から転出する理由という項目があります。最も多いのが、自分の家・土地ではないから。これは、中野区における居住実態の多くが賃貸であるということです。2番目に多いのが、家賃が高いから。3番目が、家の広さなど居住環境がよくないからとなっています。3番目も、家の広さは支出できる家賃との関わりで決まりますから、これもやっぱり家賃の問題です。これらのことから、区民生活の喫緊の課題が家賃であることが明瞭です。中野駅周辺まちづくりの影響で区内賃貸物件の家賃が上昇していることも深刻です。中野区の住宅政策において家賃支援の問題は避けて通れないと考えます。区の認識はいかがでしょうか。また、家賃が高いことや都営など公的住宅が少ないことについて、この間の居住支援協議会ではどのような議論をしているでしょうか。
○落合住宅課長 住宅施策においては、住宅・住環境の供給誘導や住宅部門と福祉部門が連携し、住まいの相談体制を推進することにより、子育て世帯や高齢者、障害者など様々な世帯が暮らすことのできる住環境を整備すること、また公営住宅等の適切な管理運営及び民間賃貸住宅の利活用による居住の安定確保が求められていると考えています。住宅施策の様々な課題については総合的な取組が必要と考えております。また、居住支援協議会においては、住宅、福祉両部門の相互理解促進や連携強化を中心に取り組まれており、区内の民間賃貸住宅の家賃相場や公的住宅の現状については、居住支援協議会においても認識が共有されております。
○いさ委員 私たちの会派としては、住宅政策として本来やるべきは、都営を中心とした公的住宅の拡充と直接の家賃支援であると考えています。中野区においても、公的住宅の拡充をするという政策転換が求められているものと思いますが、それはそれとして、政府の示す方針の中でもできる努力はやるべきではないかと思っています。政府の住宅政策としては、住宅確保要配慮者支援事業の中にセーフティネット住宅の方針があります。現在、中野区でも居住支援協議会が設立され、セーフティネット住宅の施策が少しずつ始まっています。ここからはセーフティネット住宅について伺います。
セーフティネット住宅とは、住宅確保要配慮者支援事業のメニューの一つで、高齢者や障害者、子育て世帯など住まいを借りるのが難しい層があり、それを民間の力を借りてそうした方に住まいを供給していこうと。ざっくりとこんな制度かと思います。3月の建設委員会では、中野区内には622件のセーフティネット住宅が登録されたと聞いています。直近では何件のセーフティネット住宅が登録されましたか。また、実際の住宅確保要配慮者の居住の割合は分かりますか。
○落合住宅課長 セーフティネット住宅の登録戸数につきましては、令和4年9月16日現在603戸となっております。また、セーフティネット住宅のうち登録住宅につきましては、住宅確保要配慮者以外も入居できるもののため、住宅確保要配慮者が入居している割合について把握は行っておりません。
○いさ委員 なぜかちょっと件数が減っているのも気になりますけれど、統計を取っていない、分からないというのがちょっと大きな疑問です。これ、分からないとなると、せっかくのこのセーフティネット住宅の事業効果が計れないということになります。また、セーフティネット住宅の家賃が近傍価格で設定されているということも念頭に置いておきます。
本年の第2回定例会の建設委員会にて、セーフティネット専用住宅登録促進事業についての報告がされています。セーフティネット専用住宅というのは、住宅確保要配慮者だけが住むことができる住宅ということです。この報告では、改修費用の補助額について、対象工事に要する費用の3分の2、1戸当たり上限100万円と示されています。この100万円の財源の内訳をお示しください。
○落合住宅課長 財源としましては、国費が50%、都費が25%、区が25%でございます。
○いさ委員 ということは、100万円の25%として、中野区としては1戸当たり最大で25万円の負担ということになります。確認しておきます。委員会での質疑からも、現在の登録件数が2件、この方針での目標が今年度3件であると、そういうふうに報告されています。そもそもセーフティネット住宅とセーフティネット専用住宅で登録件数に大きな差があります。これはなぜでしょうか。
○落合住宅課長 セーフティネット専用住宅は、入居者が住宅確保要配慮者のみに限定されます。貸主にとっては住宅確保要配慮者と一般の入居者のどちらも入居できる登録住宅のほうが登録しやすいためと考えられます。
○いさ委員 そもそも住居を確保するのが困難な層というのが生まれているのが、大家さん側に少なくないリスクがあるというふうに、そういうものがあると考えているわけで、より具体的なメリットがないとセーフティネット専用住宅の登録は広がらないということかと思います。
ここで、先ほど質問したことにちょっと戻ります。区内に600件以上もあるセーフティネット住宅で、どれだけ住宅確保要配慮者が入居できたかその割合が分からない。この問題を考えなければいけないと思います。そもそもデータを取っていないということだと思うんですけど、つまり、肝心の住宅確保要配慮者が実は入れていないのではないかという大きな疑問が生じます。先ほどはさらっと事業効果という話をしましたけれど、これは大問題じゃないかと思います。幾ら件数が増えても、はっきり言えば、あまり役に立ってはいないと。事業の趣旨から考えて、やはり増やすべきはセーフティネット専用住宅になるかと思います。改めてこの事業が支援の対象としている住宅確保要配慮者の中に、低所得者というカテゴリーがあることを区がどう考えるか。ここが問われているんじゃないかと思います。国の示す住宅確保要配慮者支援事業の中には家賃低廉化補助制度というメニューも用意されています。この制度の概要について御説明いただきたいのと、中野区ではこの事業を実施していません。その理由もお示しください。
○落合住宅課長 家賃低廉化補助は、セーフティネット専用住宅として登録された物件のオーナーに住宅確保要配慮者の受入れに際して家賃を減額した場合に、減額前の家賃との差額を4万円を上限に補助する制度でございます。中野区ではセーフティネット専用住宅の登録戸数が少なく、他区の状況においても政策効果が明らかでないため、まずはセーフティネット専用住宅の改修費補助事業などにより住宅セーフティネット制度の普及促進を行い、専用住宅の登録促進を図っていくこととしております。
○いさ委員 そのセーフティネット住宅を増やしても、どれだけ住宅確保要配慮者の役に立ったか分からないわけです。だから、やっぱりそれは考え方をどこかで変えなきゃいけないと思うんです。今の事業というのは確認すると、月収15万8,000円以下の世帯に対し最大4万円の家賃支援を支払う事業だということです。これは賃借人ではなくて大家に対し支援をするということで、大家の滞納に対する不安を解消するものです。大家にとってメリットが明確ですので、このセーフティネット専用住宅を増やすという目的への直接の回答になるんじゃないかと思うんです。もちろん賃借人にとっても家賃が下がるので助かる制度でして、この点では明確に低所得者対策とも言えます。
ここでお聞きをします。この月収15万8,000円以下の世帯というのは、中野区ではどのぐらいの数になりますか。
○落合住宅課長 平成30年に総務省が実施した住宅・土地統計調査では、区内で民営の借家に居住する世帯のうち、年間の世帯収入が200万円未満の世帯は2万4,870世帯ございます。
○いさ委員 2018年の調査ですね。それで、賃借人が大体2万5,000人ぐらいいるということです。昨年7月30日の建設委員会で我が会派の小杉委員が質疑していますが、同じ質問で12万人と答弁されていますけれど、これはこの2万5,000人が正しい数字だということと認識しております。ただ、4年前の数字ということで、そこはちょっと気になります。統計が5年ごとということで仕方がないかと思いますけれども、この4年で増えている可能性が高いということは念頭に置いて、もう少し聞いていきます。
この事業を実施している自治体の一つである船橋市では、支給対象を家賃が5万円までの住宅と上限設定しています。中野区でもこうした上限を定めるなら、対象は2万5,000人ではなく絞られていくんじゃないでしょうか。
ここで用意したパネルを御覧ください。これは、とある賃貸サイトから借用した数字でして、中野区の家賃分布というグラフです。ちなみに、このサイトの件数はほかの大手のサイトと比べてもあまり変わらない数字となっています。9月12日時点のものです。これを見ると、ボリュームゾーンである6万円から8万円のところで4,120件、それ以下の物件数を合計しても7,000件に満たない物件数です。つまり、先ほど例示した船橋市に倣って、対象は家賃8万円以下というような上限設定をするならば、対象となる物件ベースで最大7,000件だということになるかと思います。そもそもですけれども、2021年度に日本全国で登録されたセーフティネット専用住宅の戸数は、21自治体で298戸です。1自治体当たりだと平均14戸ということになります。この事業を開始したことで例えば増えるのが30件だったとしても上出来じゃないかと思います。
この家賃低廉化の2万円、そしてこの事業における事業負担の話ですけれども、その2万円と先ほどの改修費用が最大25万円ということで、合わせて最大で27万円。それで、仮に登録が30件であったとすると、30掛ける27万円で合計810万円、倍の60件の登録があったとしても1,620万円という予算ということになるかと思います。こうやって検討してみると、予算的に見て十分可能なんじゃないかと思いますが、これはいかがでしょうか。
○落合住宅課長 家賃低廉化補助については、セーフティネット専用住宅として登録している物件であることが前提となります。オーナー側に対しても住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への入居支援への理解を深めていただくことが重要であり、セーフティネット専用住宅の登録促進に向けた、制度周知に向けた取組に引き続き注力してまいります。
○いさ委員 私、今、あくまで予算規模として現実的かどうかという話を聞いています。繰り返しになりますけど、30件の申込みで810万円、これは十分現実的だと思います。
ここでちょっと視点を変えて、制度を利用する区民の側から考えてみます。家賃の目安は一般的に手取りの30%と言われています。家賃低廉化支援事業を利用可能な条件は、収入の上限が月収15万8,000円、年収にすると189万円です。この年収での手取りは月収の80%程度ということで、月の手取りを約12万円と仮定します。ここから家賃に拠出できる費用はその30%ということで、3万6,000円です。4万円に届きません。つまり、およそ年収200万円の世帯では、生活費の全体から逆算すると、理屈の上では家賃に4万円程度しか割けないということになります。しかしながら、このフリップのとおり家賃4万円を下回る賃貸住宅そのものが少ないので、実際にはもっと高い物件で手取りの30%という家計支出の目安を超えて家賃を支払っているはずです。当然家計に占める家賃の割合が多くなり、生活費を圧迫することになります。食費や遊興費、ともすれば医療費を抑えるなど苦しい生活を強いられることになるだろうということが想像できます。区内2万5,000人の方の生活のつらさ、厳しさの原因が家賃負担の大きさにあるということがこうした数字から分かってきます。
ここで家賃低廉化補助制度の出番ということです。この制度で補助される4万円を足すと、家賃に8万円近くを充てることができるようになるということです。つまり、収入の多くの割合を家賃に支払って厳しい生活をしていた方が、中野区のボリュームゾーンとなっている賃貸住宅に住み続けて、かつ家賃に消えていたお金を生活のため、自分のために使うことができるようになるということです。大家さんにとっては滞納リスクの低減となり、同時に低所得者対策ともなるこの家賃低廉化補助制度について、中野区も実施を検討するべきではないでしょうか。
○落合住宅課長 住宅確保要配慮者の状況は様々であり、その抱える課題は家賃支援だけでは解決せず、居住支援には総合的な取組が求められています。住宅確保要配慮者に対するきめ細かな相談支援を行うために居住支援協議会が立ち上がり、居住支援に係る区内各種団体間の連携を図り、当事者支援における協力体制の構築を進めております。家賃低廉化補助については、その正確な効果を見極める必要があると考えております。
○いさ委員 その生活の困窮の大きな原因が家賃だということを今述べてきたと思っています。もし区が本当にセーフティネット専用住宅を増やそうとしているなら、この事業の実施は避けて通れません。今月20日に全国の地価基準が公表されましたけれども、中野区は地価の上昇率ナンバーワンだというふうにニュースがありました。当然家賃の上昇も連動していますので、これを喜んではいられないということだと思います。我が会派の長沢委員の質問でも、2021年には年収200万円以下世帯が1,925に増えていることが分かりました。早急に手を打つべきです。重ねて事業実施の検討を要望いたします。
それでもう一つ、このセーフティネット専用住宅の登録件数があまり増えないということについては、この事業であっても大家さんの理解や納得を得るのが難しいということを示していると思います。墨田区では成約したら5万円の謝礼金を大家さんに出すという仕組みもつくっています。こうした努力にも学ぶべきではないでしょうか。知恵を絞ってできる努力をしていただきたいなと思います。
次に、区内事業者の支援について伺います。まず、区内事業者における今般の物価高騰の影響をどう把握しているのか、そこでどんな声があったのか、どう施策に反映していくのかお聞きします。
○平田産業振興課長 区内事業者への物価高騰の影響と対策についてお答えいたします。
事業者の状況につきましては、東京商工会議所中野支部、中野区商店街連合会、中野区しんきん協議会の御協力によりまして、毎年度実施している事業者アンケートによって把握しているものでございます。そのほか、物価高騰に対する事業者の影響や現状につきましても、東京商工会議所中野支部から聞き取りを行い、把握に努めているところでございます。聞き取りからは、原材料価格の高騰や仕入れ困難な状況によりまして経営に影響が出ている事業者は多くあることが見て取れているところでございます。区としましても、産業経済融資の拡充などにより事業者支援の充実を図っているところでございます。
○いさ委員 これは一般質問で浦野委員も聞いていましたけれど、確認させてもらいました。すごく大事な取組だと思います。さらに聞き取り調査の対象を広げていくことが大事じゃないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○平田産業振興課長 聞き取り調査の対象につきましては、より多くの区内事業者の実態を把握しまして、それを施策に反映していくことは必要であると考えてございます。団体等に属さない個店等の状況把握方法についても工夫してまいりたいと思います。
○いさ委員 今お答えいただいたように商店会等に加盟していない店舗というのもありますから、そうした店舗のニーズを把握するためにもぜひ前向きに検討いただきたいなと思います。
次に、国の地方創生交付金の活用について伺います。コロナ対策や物価高騰対策に使える財源として、地方創生交付金の活用が課題となっています。西東京市では個人事業主に5万円を支給する制度を始めています。中野区もこうした自治体に倣って、区内事業者への直接支援メニューを早急に検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○平田産業振興課長 中野区としましても、これまで新型コロナの蔓延により影響を受けた事業者等への支援といたしまして、商店街感染症対策緊急支援事業、またデリバリーテイクアウト事業への支援などを行ってきたところでございます。今後も引き続き国や東京都における事業者支援の動向にも注視しつつ、必要に応じて区として新たな支援策の検討も行ってまいりたいと考えてございます。
○いさ委員 コロナ禍の中で廃業する店舗が相次いでいるということは、この間の議会でも指摘されてきたことかと思います。やっぱり今必要なのは直接支援じゃないかと思います。今般の物価高騰でも廃業を選択するお店が出始めています。ぜひ再考願いたいなというふうに思います。
次に、商店街支援をお聞きします。それぞれの地域の商店街でニーズが異なることは以前も質疑しています。商店会への聞き取りではその辺りの細かなニーズがつかめないのではというふうに懸念しています。改めて、商店街への聞き取りについても個別のニーズをつかむ手だてが必要と考えます。廃業した店舗を利用した商店街事務所の支援では、区費での上乗せが求められています。予算懇談の中でも商店会役員の後継者づくりというニーズがあることも知りました。地元の商店会長さんへの聞き取りから、商店街の照明や音響の操作機器が自宅にあり、後継者のためにも事務所を造って、そこに機能を集約させたいという声も聞いています。こういう声に一つひとつ応えていくためにも、個別の商店街への聞き取り調査をすべきと思いますが、いかがでしょうか。
○平田産業振興課長 個別商店に対する聞き取りでございますが、区の補助事業としまして、商店街連合会が毎年度実施しております商店街スクラム事業、さらには商店街実態調査におきまして各商店街の状況は把握できていると考えてございます。今後も、区が各商店街への様々な支援事業を実施していく中で、それら商店街の現状把握については努めてまいりたいと考えております。
○いさ委員 既に御尽力されていることかと思いますけれども、まだまだ隠れたニーズ、届いていないと思う商店会長さんの思いはあるかと思います。ぜひ努力を続けていただきたいなと思います。
もう一つ、区政におけるインボイス制度への影響についても伺います。昨年は第1回定例会だったと思うんですが、インボイス制度の中止を求める意見書案を提出しました。残念ながら、これは採択には至りませんでしたが、このときにシルバー人材センターが困ることになるということも指摘をしています。ほかにも区が関わりを持っている委託先などの事業者も含め、どのような影響が及ぶのか調査は行っているでしょうか。また、区内事業者に制度を知らせることも重要ですが、検討していますでしょうかまとめて伺います。
○宮脇経理課長 インボイス制度の委託事業者等への影響についてお答えいたします。インボイス制度が委託事業者等に対してどのような影響を及ぼしているのかについては、調査をしてございません。
○いさ委員 これ、どの部署が責任を負うのかというのはちょっと分からないんですけど、至るところで影響が出る可能性があると思います。フリーランスにも影響があるので、いろいろなところで影響が出ると思っています。早めに手を打たないといけないと思っています。まず、区側が制度を知ることが大事じゃないでしょうか。制度の仕組みを知る中で区政への影響が見えてくるかと思っています。
続けて、もう一つお聞きします。文化芸術に係る事業者の支援についてお聞きをいたします。2021年第1回定例会では、文化芸術分野の支援ということで質疑をいたしました。このときに区は、ライブハウスや劇場など民間の文化芸術施設であっても区の施策の対象であるというふうに答弁をしています。本年の第1回定例会区民委員会では、文化芸術に係る基本方針についてという考え方が報告されました。この中で、この4月から区内文化芸術団体への聞き取りというスケジュールも示されています。現在まで聞き取り調査はどんな団体に対してどのぐらい行っているでしょうか。また、その聞き取りの内容についても伺います。
○矢澤文化国際交流担当課長 区はこれまで、音楽関連団体3団体、舞踊関連2団体、演劇関連1団体、伝統文化関連1団体、芸能関連1団体、合計8団体の聞き取りを行っているところでございます。聞き取りでは、区の課題などについて説明しつつ、文化芸術活動の活性化や身近に文化芸術があふれるまちづくり、それから魅力ある文化芸術の発信、子どもの心の豊かさを育むための機会創出、伝統文化の継承活用などについて各団体の考えを伺っているところでございます。
○いさ委員 ぜひ具体的なやってほしい支援なんかも聞き取っていると思うので、それも踏まえてほしいんですけれども、ここで聞き取った内容をちゃんと踏まえて、民間施設、民間団体も対象とする施策を検討するということでよいですか。これは確認です。
○矢澤文化国際交流担当課長 聞き取った内容を踏まえまして、文化芸術活動を行う団体等への支援充実や区内の文化芸術施設などの方策について検討を進めているところでございまして、現在策定中の基本方針に盛り込んでいきたいと考えてございます。
○いさ委員 質問してから少し前に進んでいるようで安心しました。しかし、以前の質問で、コロナ禍で客足が激減していて、ライブハウスとか劇場が消滅の危機にあるということを訴えました。施策に民間の文化芸術施設や団体を包摂するというのはすごく大事なんですけれども、今このタイミングで支援をするということが必要なんじゃないかと重ねて訴えます。
伺います。文化芸術施設もしくは団体への直接支援に地方創生交付金を使うことは可能でしょうか。
○堀越企画課長 文化芸術施設や団体への直接支援についてでございます。新型コロナウイルス感染症対策地方創生臨時交付金は、感染拡大の防止とともに感染の影響を受けております地域経済や区民生活を支援し、区が地域の実情に応じて取り組むものが対象となってございます。この臨時交付金の使い道につきましては、感染症対策分、いわゆる通常分としての交付金については、例えば経済や地域での活動の活性化などの側面から考えた場合は、文化芸術活動自体が対象とならないということはございませんが、現在、物価高騰対策分の追加交付なども予定されている状況でございまして、まずは区民生活や子育て、介護等の現場環境を支える面からの活用から検討してまいりたいと考えているところでございます。
○いさ委員 優先順位は様々あるかと思いますが、早急に検討して実施いただくこともぜひ要望したいと思います。繰り返しになりますけれども、ライブハウスも劇場もばたばた今、倒れています。この分野には音響、照明、カメラマン、フリーランス、様々関わっています。こういう人たちが廃業を選ぶとなると、文化芸術分野そのものが先細りになります。この分野の民間支援となると、何よりまず集客をどうするかということが出てくるかと思います。世界規模の感染症が拡大しているという局面では、集客と公衆衛生、これは相反することになりますので、これをどう考えるのか難しいところがあります。しかし、行政が手を打たなければ、ライブハウスや劇場などで今後、感染症対策などの協力を得られなくなります。政治が、行政が何もしてくれないなら、自分たちでもう勝手にやるよと。こうなることが一番よくないと考えます。現在の検討状況であるとか、聞き取りを行っているというような途中経過についても積極的に発信をして、中野区が文化芸術分野の事業者さんたちを支えるんだという姿勢を伝えていくことが大事じゃないかと思いますが、区の認識はいかがでしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 文化芸術施策を展開していく上では、区の姿勢を区民や関連団体、また事業者に対しまして広く示していくことが重要だと考えておりまして、本定例会では本方針の骨子とともに、文化芸術団体の聞き取り内容につきまして委員会報告を行う予定でございます。文化芸術振興基本方針の策定に当たりましては、区の姿勢を発信する意味も含めまして、区のホームページ等で発信していきたいと考えております。
○いさ委員 ぜひよろしくお願いいたします。
次の質問に行きます。桃園橋、桃園緑道について伺います。桃園橋の工事に伴って撤去された桃園橋親柱について、地域の住民の会である桃園緑道をよくする会の皆さんが保存を求めて区に働きかけてきました。区長にも要望書を提出しています。独自にニュースを発行して、地域にも配布されています。それだけ地域住民の思いが強いということです。桃園橋の歴史は、これまでも言われてきましたが、とても古くて、お犬囲いを作った5代将軍綱吉の時代にも名前が登場します。これ、囲町の名前の由来になっていますね。8代将軍吉宗の時代には、桃園の地名の起源となる一大レジャーランド、桃園が中野区の地に、この場所の地に造られました。こうした歴史ある地名桃園が失われつつあるのではという懸念が地域の皆さんの中にあります。この桃園橋親柱の保存については、保管については、過去に杉山委員も取り上げています。そのときに区からは前向きな答弁があったと記憶していますが、現在の検討はどうなっているでしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 桃園橋の親柱につきましては現在、東京都が所有し、保管及び管理をしておりますが、意向を確認しましたところ、都として親柱を保存して活用する予定は今のところないと聞いてございます。今後、地域住民の意向も踏まえ、また東京都とも調整しつつ、例えば桃園橋が記載されているプレートのみを保存するなど、望ましい保存の在り方につきまして検討してまいりたいと考えております。
○いさ委員 この桃園緑道をよくする会の皆さんからは具体的な提案をもらっていますので、ちょっと紹介させてください。パネルを用意しました。御覧ください。ちょっと見にくいんですけど、これ、地図ですね。桃園橋から東側のほうに向かっての地図となっています。青丸のところが現在工事中の桃園橋、その反対側、緑の丸のところが北畑橋、これは総合病院の角のところですけれども、その間の赤い線で示したスパンのところが緑道になっています。桃園緑道をよくする会のほうからは、この間の短いスパンについて先にこの緑道の整備をしてしまって、そこに展示をしたらいいんじゃないかと、こういう提案がありました。歴史に関わる遺構というのはその場所に近いことが望まれるというのは、これまでもほかの事業でも言われてきたことです。改めてこうした検討について考えていく余地はありますか。
○村田公園課長 桃園川緑道は都市公園であり、都市公園法の定めにより、親柱は公園施設にも占用の許可が受けられる施設にも該当しないものと認識しておりまして、設置を前提とした桃園川緑道の改修はできないものと考えてございます。
○いさ委員 今のお話って、その親柱というのが柱、橋の一部だということで道路施設だというお話かと思うんですけれども、それってあくまで橋の機能を果たしている、そのときに道路施設ということなんじゃないかと私は思うんですけど、ちょっとそこは疑問があります。役目を終えた柱について同じような扱いをするのかどうか。これは引き続き質疑をこの先に続けたいと思います。今日は時間がないので、これはやりません。
それで、少なくともこの地域の会からこういう具体的な提案が出ているということについて受け止めてほしいなというふうに思います。会のほうからほかの場所だとかも提案があったり、いろいろあちこち歩いて見て回って、あれはどうだ、これはどうだという具体的な提案が出ているんです。こういう保存に向けて、区は可能性を探る努力をしていくというのが求められているというふうに思います。
緑道の会の皆さんからはさらに提案があります。どんな工事をするにせよ、完了するまで時間がかかります。現在、親柱は東京都が保管していると聞きました。いつまでも東京都任せにできませんから、検討の間、親柱を保管する場所が必要になると思います。この保管については、会のほうからは九中跡地はどうだというような提案も出ています。そもそもこの九中跡地以外にも保管できる区有地は探せばあるんじゃないかと思います。区有地での保管となれば、検討する時間についてもゆとりが生まれるんじゃないでしょうか伺います。
○矢澤文化国際交流担当課長 東京都と親柱の保管期限につきまして調整しているところでございまして、現時点で区が区有地に一時保管をする考えはありません。
○いさ委員 私、申し上げたんです。探せば保管できる場所はほかにあるんじゃないですかということかと思うんです。例えば歴史民俗資料館の前の土地だとか、何となれば区役所の裏側、駐車場2台分ぐらい使うということだって検討の判断はあっていいと思うんです。東京都に負担をかけないためにも、ぜひ区有地での保管は検討してください。
ここで桃園第二幹線についてお聞きをします。以前もここで聞いたので、ちょっとお聞きをしますけれども、以前の議会で2本目の桃園川、桃園第二幹線を造る計画があって、これが地下40メートルの大深度であるということを示しました。実はこの工事では、2020年5月31日に杉並区側の工事区間で地下水があふれる事故が起きています。そもそも区はこの事故について情報をつかんでいますか。事故の調査報告書などは取り寄せているでしょうか。中野区の区間での懸念についての認識はいかがでしょうか。
○井上道路課長 第二桃園川幹線の整備工事についてですが、杉並区内の事故でありまして、東京都から情報提供は受けておりません。東京都としても同様の事故が発生しないよう再発防止策を講じるものと認識してございます。
○いさ委員 それは杉並区側だと思うんですけど、同じ工事を今度は中野区がやるわけなんです。これ、情報を取りに行かなきゃいけないんじゃないですか。僕は東京都の担当に連絡を取って、どんなだったという住民に示した概要を入手しています。当然ですけれども、住民側だって杉並区側で事故があったとなったら心配になると思うんですよ。そもそも東京の地下って掘ったらどこでも水が出ます。こと大久保通りとなると桃園川があった場所ですから、どこでも工事をやったら、例えばマンション建設なんかでも水が出たという話を結構聞いています。また、この事故はボーリングマシン自身のトラブルということで、再発防止についても本当に気になります。かつ、この事故発生については事業者が杉並区に連絡を入れていなかったというのも聞いています。ここも引っかかっています。事業者と区の連携を求められていると思います。
そこでお聞きしたいんですけれども、8月25日の建設委員会で中野駅周辺まちづくり事業間連絡調整会議についてという報告がありました。中野駅前の再開発について複数の事業者の連携を取るという報告です。桃園第二幹線の過去の質疑では、中野五差路の工事の収拾について誰が調整するのか情報収集に努めるべきではないかと私、聞いています。この工事は桃園橋が更新するということ、それから桃園第二幹線の新設、そして中野二丁目のまちづくりに関わって電力会社の電源の工事、この三つが重なっていました。こうした複数の事業者の工事が集中するような場所では、中野駅のこの報告にあったような同様のスキームが必要になるんではないでしょうか伺います。
○石原中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 複数の事業間の工事調整についてお答えいたします。複数のまちづくり事業が進行している中野駅周辺では、交通安全の確保と各事業の円滑な進捗を目指し、各まちづくり事業者と区が連携し、工事に関する情報の集積と事業進捗上の課題の共有や調整の場として中野駅周辺まちづくり事業間連絡調整会議を設置したものです。中野通り五差路改良事業についても本連絡調整会議の対象となっております。中野駅周辺以外のエリアでも複数のまちづくり事業が同時期に同一エリアで実施される場合は、同様の体制を取ることが望ましいと考えております。
○いさ委員 何かあったら中野区に連絡してもらうというのは当然のことだと思うんです。ぜひその同じ形で連絡を取れるように検討してほしいと思います。
それで、この桃園第二幹線の工事は、大久保通りに沿って神田川に合流する計画となっています。大久保通り沿いに南北それぞれ40メートルずつが工事の補償対象ということも聞き取っています。この範囲の世帯件数を把握しているでしょうか。東京都からは情報は来ていますか。
○井上道路課長 第二桃園川幹線工事の計画についてですが、第二桃園川幹線は、現在、杉並区の蚕糸の森公園から西側の杉並区内の工事を第1期工事として整備を行ってございます。東側の中野区内を整備する工事は第2期工事として、第1期工事が終了した後の着工になると東京都から聞いてございます。現在、東京都からは第2期工事の詳細な施工方法等について示されていないため、補償対象世帯件数も把握していないところでございますが、今後計画が固まり次第、東京都から情報提供がされる予定でございます。
○いさ委員 今お話があった中野区側の工事なんですけれども、来年の4月です。つまり、半年後です。もうそこで始まるんです。だから、情報収集といっても、もう情報はないといけない時期だと私は思っています。あまり時間がないので、情報収集に努めることを重ねて要望いたします。
ちょっと時間の関係で順序を変えます。その他の項目を2つ用意しています。こちらから先にお聞きをしようと思います。担当さん、お願いします。
その他の一つ目で、生活保護の扶養照会についてお聞きをします。扶養照会が生活保護利用の上で障害となっていること、また、中野区においても家族による扶養となったケースがほとんどなく、職員の業務負担と見合わないことなどを我が会派の浦野議員がただしてきました。ここに関わってお聞きをします。
この9月4日の東京新聞で23区の扶養照会の割合が報道されました。中野区は新宿に次いで2番目に少ない。ここには現場での努力もあることと思います。また、生活保護の手引の表記も変えています。これらの努力を評価いたします。扶養照会については世論も大きく動いています。この間、足立区と豊島区は、扶養照会は基本的に行わないとツイッターで発信しています。どちらも特別な事情があり、明らかに扶養が見込めない場合等は、基本的には扶養照会を行わないという同じ内容で、これは改定された中野区の生活保護の手引にある表現と基本的に同じです。であれば、中野区も同様の発信を行うことはやぶさかではないと考えます。生活保護利用の壁を取り払うためにも、当区もツイッターでの発信をしてみてはいかがでしょうか。
○葉山生活援護課長 お答えします。生活保護の扶養照会については、国の示す実施要領等を遵守し、個人の状況に応じて適切に判断しているところでございます。扶養照会を含めた生活保護制度に関する情報については、生活保護の手引を作成し、相談者への配布やホームページでの公開を行っております。引き続き、正確で適切な情報発信に努めてまいります。
○いさ委員 正確なって強調されたことはすごくよく分かるんですけれども、他区では既にツイッターで発信していまして、その内容は中野区と同じです。ですから、中野区だけが誤解されるみたいなことはないと思うんです。ぜひ再度御検討いただきたいなと思います。
生活保護についてもう一つ、外国人の生活保護利用について伺います。ネットを中心に、外国人には生活保護費を支給すべきでないとの人権感覚の欠如した主張が散見されます。先日は、ツイッターでも外国人に対する生活保護の金額を誇大に示して攻撃する大規模なバッシングがありました。多様性と多文化共生を掲げる中野区としては放置できない問題と考えますので、この点伺います。
外国人の生活保護利用については、1954年、厚生省社会局長から都道府県知事宛てに通知が出ています。この通知の内容について確認いたします。加えて、この通知の内容は現在でも有効かどうかもお尋ねをいたします。
○只野生活保護担当課長 1954年、昭和29年の国通知では、外国人は生活保護法の適用対象とならないが、当分の間、生活に困窮する外国人であって、永住者、定住者など一定の在留資格を有する者に対しては、一般国民に対する生活保護の決定実施の取扱いに準じて生活保護の措置を行うこととなっております。
○いさ委員 今御説明いただいたように、この問題で政府の態度は明らかです。加えて、日本は国際人権規約を批准している国ですので、政府の方針からも国際社会における責任という観点からも、生活保護の問題で排外主義の入り込む余地などないということを付け加えておきます。
2つ目をお聞きします。統一教会と中野区の関わりについて、政党や政治家と統一教会の関わりについて連日報道されていますけれども、全国の少なくない自治体で統一教会と関係を持ったとの報道もされています。これ、区民の大きな関心事になっています。自治体との関わりでは、統一教会関連団体に後援名義使用許可を出したり、補助金を出してしまうというケースがあります。お隣の練馬区では、ピースロードという関連団体の後援を出してしまいましたが、事実が発覚し、後に取り消しています。小平市や西東京市なども同様のケースがあったそうです。補助金については、新潟県新潟市、三重県四日市市など、ホームページで経緯を掲載しています。
お聞きをいたします。中野区はこれまで統一教会関連団体に後援名義使用許可を出したことはあるでしょうか、補助金を出したことはあるでしょうか。また、区や遠隔団体はどうなっているか分かりますか。
○浅川総務課長 私からは、後援名義の使用書についてお答えをいたします。宗教法人は、そもそも後援名義使用基準によりまして、団体要件外であります。また、旧統一教会と関連があるとされる団体につきましても、平成29年度以降、調べられる限りにおきまして承認はしてございません。
○いさ委員 ないということで安心しましたが、ちょっと1点だけ気になります。宗教法人だから貸さないということにしているということなんですが、実際に関わりがあったと認めている小平市では要綱の中で、事業が公序良俗に反するもの、その他社会的に非難をされるものであるときというのを理由にして取消しをしています。宗教法人だから別の項目にあって、そういうところを使っていないんですね。ここの認識は、僕は大事じゃないかと思っています。宗教法人として扱わないこと、反社会勢力であることという認識は大事だと思います。
もう少しお聞きをします。職員等による関連団体のイベント参加、それから、そうと分からず後援してしまったなど、後から発覚した場合についてはどんな対応になりますか。
○浅川総務課長 後援名義、その他の助成等いろいろな御質問がありましたけども、少なくとも後援名義については、そうしたことを事前にしっかり示してございますので、そういう事態はないと思っております。
○いさ委員 今この団体は様々名前を変えて活動しているわけです。ピースロードというのも後から分かったということなんです。なので、これはこの先についても大きく警戒しなきゃいけない。万が一あった場合のことも考えなきゃいけないというふうに思います。それで、今少なくとも調査をして、なかったというお話です。こうした調査をしたならば、区のホームページで公表すべきではないでしょうか。統一教会との関連が発覚した多くの自治体で調査報告を公表していますが、静岡県静岡市や愛知県犬山市のように調査したけれど、関係がなかったということを公表している自治体もあります。区民の安心と区政への信頼につながることと思いますので、検討をお願いしますが、いかがでしょうか。
○浅川総務課長 旧統一教会関連団体といいましても、どのような団体を関連団体と認め、区との関わりの有無をホームページに掲載すべきか判断は難しいと考えてございます。現時点におきまして、ホームページに掲載することは考えてございません。
○いさ委員 すみません。もう一度最後お願いします。
○浅川総務課長 現時点におきましては、ホームページに掲載することは考えてございません。
○いさ委員 今、判断が難しいというふうにおっしゃったんですけど、霊感商法対策弁護士連合会のホームページがあるんです。ここには団体のリストというものが出ています。少なくともこういうものは使えるんじゃないかというふうに思うんです。統一教会問題では、霊感商法など緊急の相談窓口を政府が開設していますが、今月いっぱいでの終了ということになります。区としても相談窓口を設けてもいいんじゃないかと思います。練馬区では、先ほどのピースロードという団体が公営掲示板に大量のポスターの貼り出しを行っていたということがあったそうなんですけど、その途中で区民からの通報があって中止させることができたそうです。中野区の相談窓口についてもぜひ開設して、現時点で相談が入ってくるであろう消費者生活センターとの連携というのも必要になってくるかと思います。そうした体制を整えて区民にアナウンスすることを提案しますが、いかがでしょうか。
○鈴木区民文化国際課長 お答えいたします。旧統一教会に関する案件につきましては、近年、相談実績がございませんが、消費生活相談や区民相談において対応可能であるため、別途相談窓口を開設することは考えていないものでございます。区としましても、今後も旧統一教会の関連を含む消費者被害の救済等につきましては、消費生活相談や弁護士による法律相談などの相談体制の中で適切に対応していくとともに、区民に対する消費者被害防止のための注意喚起等の取組を継続してまいります。
○いさ委員 どんなことでも相談はこちらというような窓口だと、区民にとってはすごく分かりにくいんだと思うんです。練馬区で現に区民の通報でポスターの貼り出しを中止させるということがあったわけですから、ぜひこういうところから学んでほしいというふうに思います。大学にも統一教会がつくったサークルがあることが分かっています。現在のところ、CARPというのと、UNITEという二つの名前で、サークルのふりをした勧誘活動をしているそうです。各大学で既に学生に対する注意喚起をしていると思うんですが、区内の大学などとも連携して情報共有をして、相談など必要な手だてを取るべきかと思います。伺います。
○鈴木区民文化国際課長 区内の大学との連携についてでございます。区はこれまで、区内の大学において消費生活に関する講座を開催するとともに、各大学に対してキャンパス内に消費者被害の防止を啓発するポスターの掲示を依頼するなど、各大学と連携をしまして様々な取組を行ってきたものでございます。今後も必要に応じて区内の大学に対して、旧統一教会の関連を含む消費者被害の防止の観点から、注意喚起や消費生活相談に関する窓口への案内等に努めてまいります。
○いさ委員 これは大学から情報をもらうという意味でもあります。大阪府箕面市では、関連団体の一つであるCARPが小学生を対象とした科学実験講座を開いていたということが判明しています。そのCARPはといえば、大学によっては名前を変えているそうです。大学名+SDGsというようなサークル名に名前を変えているという情報もあります。こういう情報が大事だから連携が必要なんじゃないかと思います。関連団体まで全部追い切れないというのは本当に分かるんですけど、その努力をしないといけないと思います。具体的な被害だとか手口みたいなものも霊感商法対策弁護士連合会のページに出ていますので、ぜひ区は情報収集に努めていただきたいなと思います。要望です。
残りが5分を切ったということで、地域施設についてお伺いいたします。これの1問目、今の産業振興センターの跡地活用について伺いますけれども、区は現在この跡地をどのように活用することを検討していますか。
○瀬谷構造改革担当課長 産業振興跡施設についてですが、公益活動を主体とした複合交流拠点に転用して、シルバー人材センター等の移転や中高生の交流活動支援の場として活用を検討しているところです。
○いさ委員 ここはかつて勤労福祉会館だった施設で、その時代には女性会館というのも併設されていました。前区長の時代、2014年に産業振興センターに変わったんですけれども、そのタイミングでこの女性会館もなくなっています。他区にあるような男女共同参画センターのような機能が中野区でも求められているんじゃないでしょうか。女性の差別的な待遇の問題、生理の貧困、痴漢、性暴力の問題など、今まで見えにくかった女性をめぐる課題は、現在では政治の中心課題となっています。また、多様な性の在り方を認め、社会的に包摂していくという取組も始まっています。今やこうした課題はジェンダー平等という一つの文脈の中で議論されています。これは多様性のまち中野区の中心課題でもあるのではないでしょうか。こうした時代の変化に合わせて、産業振興センター跡地にジェンダー平等センターのようなものを設置することは検討できないでしょうか。
○瀬谷構造改革担当課長 産業振興センター跡施設については、公益活動を主体としたものとする考えでございますが、その施設のコンセプトや具体的な機能の検討はこれからでして、現在の建物の面積や仕様も含めて検討してまいりたいと考えております。
○いさ委員 もしこの場所で難しいとなっても、ほかの場所でも構いません。これはぜひ検討していただくように強く要望いたします。
次に、鍋横区民活動センター移転に伴う跡地活用について伺います。この民間施設の誘致という方針になっていますけど、これに当たって地域のニーズをどうつかんでいくのかが改めて問われていることになるかと思います。この鍋横区民活動センターの移転の際には、区の提案と区民要求とがマッチせずに計画の見直しということにもなりました。この点、区の認識はいかがでしょうか。
○瀬谷構造改革担当課長 民間施設誘致に当たっては、民間事業者の参入可能性等についてヒアリングを行いまして、誘致する機能や施設の規模等を見定めていく考えでございます。誘致する機能や施設の規模等につきましては適宜地域に説明を行いまして、御意見を伺いながら進めていく考えでございます。
○いさ委員 ぜひその地域のニーズをつかむ努力をしていただきたいなと思います。
区民活動センターについてもお聞きをします。区民活動センターの予約について、デジタル化の方向で議論が始まったところなんですが、以前からこの質疑をしていますけど、現在はというと、団体登録するにも実際に予約をするにも複数の紙の書類を使っています。情報が重複していると。本当に全部必要なのか、整理できるんじゃないかということをただしてきました。しかしながら、これ、進んでいません。予約のシステムを導入するに当たって、当然要件定義が必要になります。一足飛びにシステムを導入というわけにはいきません。デジタル化の検討があるならば、そこに至るまでに書類を見直して減らすという取組が必要になるかと思いますが、この点、区はいかがでしょうか。
○高橋地域活動推進課長 お答えいたします。団体登録や予約の際の書類につきましては、様式の見直しなども含めて整理してまいります。なお、今年度から団体登録の際に必要な書類につきまして、様式をワード形式及びエクセル形式で区のホームページに掲載するようにいたしました。これによりまして、パソコン上で作成した書類をダウンロードして提出できるように改善したところでございます。
○いさ委員 それをやっているのは現在2か所だと思うんですけれども、公平性の観点からも、全ての区民活動センターでやるべきじゃないかと思うんです。やっていることは難しくないです。次回事業者に委託する際に、そうした作業を業務の要件として募集をかけることは可能なんじゃないでしょうか伺います。
○高橋地域活動推進課長 区民活動センターの空き情報の可視化の件だと思いますけれども、それにつきましては公開方法を今御指摘いただきましたように委託契約に盛り込むことなども含めまして、具体的な手法を検討してまいります。
○ひやま委員長 以上で、いさ哲郎委員の質疑を終了します。
次に、間ひとみ委員、質疑をどうぞ。
○間委員 令和4年第3回定例会決算総括質疑におきまして、立憲民主党・無所属議員団の立場から質疑させていただきます。内容は通告どおり、その他で保育行政についてと中野本郷小学校の改築における検討状況について伺います。久しぶりの総括質疑で大変緊張しております。内容が重なる部分もあるかもしれませんけれども、よろしくお願いいたします。
まず最初に、令和3年度決算について伺います。既に我が会派からは、中村委員、森委員からおおむねの決算質疑をしておりますので、私からは区営住宅について伺いたいと思います。中野区の財政白書82ページの施設別の財務書類を見ますと、対象施設は12施設となっていますが、その対象基準を教えてください。また、対象は今後も増えていくのでしょうか。
○森財政課長 施設別財務書類についてでございますが、こちらにつきましては平成30年度決算分、つまり令和元年度から子育てに関する7施設の作成を開始したところでございまして、その後得られる財務情報の有用性や作成に係る業務量などを踏まえまして、順次対象施設を追加してきているところでございます。今後の追加についてでございますが、施設使用料の見直しの検討を今後進めていくということでございまして、スポーツ施設の財務書類の件についても様々御意見、御指摘も頂いているところでございますので、スポーツ施設について今後対象に加えていく考えでございます。
○間委員 ありがとうございます。この中で区営住宅の固定資産減価償却率が91%と大変際立って高い数字となっています。こちらの積算根拠を伺います。
○森財政課長 まず区営住宅の耐用年数というのが出てくるわけですが、そちらについては総務省の基準で示されている耐用年数表に基づいて、コンクリートの建築物で47年というところでございまして、取得価格をその47年の耐用年数で割ると。取得価格を耐用年数で割ったものが単年度の減価償却費になると。それが計上していくと減価償却累計額となっていくものでございます。有形固定資産減価償却率の積算、計算ですが、この減価償却累計額が分子で、分母は土地等の非償却資産を除いた有形固定資産と減価償却累計額の合計ということになりまして、それで計算すると91%というふうになるものでございます。
○間委員 この91%という数字をどのように捉えていらっしゃいますか。
○森財政課長 区営住宅の有形固定資産減価償却率91%という数字は、区有施設全体の中でも非常に高い水準にあるということでございまして、近い将来、建て替えの費用ですとか、改修の費用などが多額に発生することと考えられるところでございます。今後、計画的な施設更新や改修などを検討していく必要があると考えております。
○間委員 昨年策定された中野区区有施設整備計画では財政負担の標準化を行うため、区立小・中学校と区営住宅は建築後70年で建て替えを基本とするとしています。このままいくと、近い将来100%に達成してしまうことになり、実態に合っていない数字になるのではないでしょうか。
○森財政課長 総務省の統一的な基準で示されている耐用年数に達しますと、御指摘のとおり有形固定資産減価償却率は100%になるものでございますが、これはあくまで財務書類上の指標であるということでございまして、実際の施設管理に当たっては建物の老朽化度合いなども考慮する必要があると考えております。施設の実態を踏まえた上で適切な維持管理をしていく必要があると捉えております。
○間委員 一部実態に合っていない部分が出てくることは否めないものの、例えば土地の資産が120億円余りであるですとか、行政コストの財政構成ですとか様々な数字が一目で分かるため有効な書類であり、また老朽化が進んでいる建物があることや、今後建て替え費用や改修費用などが多額に発生することへの備えが必要であるという事実に影響はないということですね。区営住宅の今後については、区有施設整備計画の中で具体的な方針は示されていません。施設更新経費の試算結果には、施設の再編及び財政負担の平準化を考慮した上で、今後20年間に必要となる施設更新経費は1,937億円、1年平均97億円となることが見込まれますと示されておりますが、この中に区営住宅の更新経費は含まれているのでしょうか。
○瀬谷構造改革担当課長 区有施設整備計画では、公営住宅について建築後70年で建て替えることを想定しておりまして、1平方メートル当たり28万円で施設更新経費を試算しているところです。
○間委員 基金のうち区営住宅整備基金は毎年微増で大きく変わっておらず、令和3年度決算では11億円余となっています。こちらの基金を積立てや活用に対しての考え方はどうなっていますか。区営住宅整備基金の活用計画はあるのでしょうか。
○森財政課長 区営住宅整備基金についてでございますが、こちらの基金は区営住宅の整備に要する財源を確保するために設置をしている基金でございます。基金には寄附金や基金利子、また新井四丁目区営住宅の貸付けの用地、こういったものを積立てをしているということでございまして、一方、繰入れの考え方ですが、現状、区営住宅整備に係る計画は未策定ということでございまして、毎年積立てはしておりますが、この区営住宅整備基金をどう活用していくかという活用計画については定めていないところでございます。
○間委員 せっかく令和2年度決算から区営住宅を対象施設に加えたわけですから、財政白書の82ページに示されているように財政の分析力が強化されるとともに、区政経営のマネジメントに活用していただくよう要望いたします。
次に、都営住宅から区営住宅へ移管された際、どのような条件を求められたのか伺います。
○落合住宅課長 区営住宅として移管された土地・建物等につきましては、東京都の規定により原則として20年間、公営住宅として使用するものとされています。また、移管後20年以内に建て替えなどの変更を行う場合には、事前に都と協議を行うこととなっております。
○間委員 都から移管を受けた区営住宅について、建て替えやほかの施設を併用した事例はありますか。
○落合住宅課長 区営新井住宅については平成12年度に都より移管を受けましたが、都と協議を行った上で平成21年度に民間活力を導入して、ファミリー向け民間賃貸住宅を併設し、整備及び建て替えを行いました。また、この新井住宅用地を活用して認知症高齢者グループホーム等も併せて整備を行いました。
○間委員 財政白書105ページの課題と今後の方向性についてには、今後の建て替え費用や改修費用等が多額に発生することが考えられるため、計画的な施設更新や改修などを検討することが重要となりますと書かれていますが、こちらをどのように認識されているのでしょうか。
○落合住宅課長 予防保全的な計画修繕を周期的に実施していくことにより、今後の改修費用が大幅に増加することはないように計画的に改修を行い、適正な維持管理を行っております。将来の建て替え等の検討に当たっては、民間活力の導入を図ることとしており、今後の検討の中で実施方法や費用等についても併せて検討してまいります。
○間委員 決算説明書によると、区営住宅の管理運営費は1億2,380万円余で、修繕費にかかる費用も指定管理料に含まれていますが、早い段階での予防的修繕や保全計画による延命などについてはどのように対策を行っているのでしょうか。
○落合住宅課長 区営住宅の維持管理に当たっては、国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインを踏まえ、建物の部位や設備に応じた修繕の周期を設定し、予防保全的な観点から修繕計画を立てるとともに、実際の劣化具合の状況を勘案しながら屋上防水の修繕や外壁補修などを実施しております。
○間委員 都からの移管後、既に20年を経過している区営住宅が多い中で、区有施設整備計画の中では2030年まで戸数を維持することが示されているものの、その後どうするかは検討する余地があるのではないでしょうか。70年で建て替え以外にも、複合施設化、別の施設への転用、売却など、本当にいろいろな方向性、可能性が考えられ、将来の区の財政にも、今お住まいの方にも大きく影響します。住宅施策としては、中野区居住支援協議会設立で広く住まいの課題を支援していける体制も整ったことから、区の住宅施策全体を進めていきながら将来の区営住宅に対する方針を検討していくべきではないでしょうか。
○落合住宅課長 区営住宅の今後の方向性については、住宅施策としての課題を踏まえるとともに、将来的な建て替え等の検討に当たっては、子育てしやすい機能の充実、環境共生、緑化推進、地域貢献、町並み景観等についても併せて検討してまいります。
○間委員 ありがとうございます。
次に、子ども・若者政策について伺います。
まず、子ども・若者支援センターについて伺います。昨年11月、みらいステップなかのが開設され、児童相談所については、先日、森委員が質疑したところです。子ども家庭支援センターもこちらへ移転し、支援対象を39歳までとした子ども・若者支援センターとなりました。決算説明書の子ども・若者支援センター運営費の中の子ども・若者支援センター維持管理経費8,200万円余のうち、2,450万円余が不用額となっており、運営費の執行率としては70.9%でした。こちらの要因について御説明ください。
○半田子ども・若者支援センター子ども・若者相談課長 お答えします。子ども・若者支援センター維持管理経費残のうち主なものといたしましては、光熱水費の残が1,500万円余、施設管理に係る委託経費等の残が600万円余でございます。この光熱水費につきましては、新規開設施設であることから見込み差が生じたものでございまして、また、施設管理経費につきましては、いわゆる契約落差等が主なものでございます。
○間委員 ありがとうございます。令和4年度版教育要覧によれば、新規相談件数は令和元年度から増加傾向にあり、令和2年度は前年度比5%増だったのに対し、令和3年度の新規相談件数は前年度より266件多い1,925件、約16%増となっています。こちらの増加要因はどのように分析されているのでしょうか。
○半田子ども・若者支援センター子ども・若者相談課長 子ども家庭相談のうち、虐待相談は一貫して増加しておりまして、令和元年度は884件、令和2年度は1,056件、令和3年度は1,173件となってございます。この虐待対応相談を種別ごとに見ますと、特に心理的虐待が増加しておりまして、令和元年度は322件、令和2年度は450件、令和3年度は705件となってございます。このことが全体の相談件数を押し上げているというふうに考えてございます。
○間委員 この中で関係機関からの相談件数が最も多く、昨年度は1,505件でした。関係機関との連携の工夫はどのようにされていますか。
○半田子ども・若者支援センター子ども・若者相談課長 地域の関係機関の協力なしに子ども家庭を支える仕組みを構築することはできないため、要保護児童対策地域協議会の連携強化を進めているところでございます。本年4月には児童相談所設置を機に中野区児童虐待防止マニュアルを改定し、関係機関のほうへ配布いたしました。また、実務者のための研修の実施回数を今年度から増やすとともに、会議の在り方につきましても随時見直すなどをして、連携強化に努めているところでございます。
○間委員 これまでも連携を密にされてきたことや、今できることを丁寧にやっていただいている結果だと思います。同じ建物内には中野東図書館がありますが、どのように連携をされているのでしょうか。
○半田子ども・若者支援センター子ども・若者相談課長 中野東図書館は7階が子どもフロアとなっておりまして、ティーンズルームも設置されているところでございます。また、来館者数も多いことから、どのような連携ができるかにつきまして協議を進めているところでございます。まず、中野東図書館には子ども・若者支援センターのパンフレット等を置きまして、相談窓口の周知に努めております。また、若者フリースペースの活動の一環として、中野東図書館のミーティングルームを利用するなど、複合施設であるメリットを生かしてございます。今後は、里親月間に係る展示を中野東図書館で行うなども検討してございまして、引き続き連携を進めてまいりたいと考えてございます。
○間委員 区民に非常に人気が高く、子どもフロアという強みを持つ中野東図書館との連携、特に効果が大きいのではないでしょうか。引き続き様々な連携を行いながら、相談しやすい窓口として事業を展開していただくようお願いいたします。
子ども・若者支援センターとなったことで、39歳までの若者の相談も受けられるようになりました。教育要覧によると、11月からの令和3年度の若者相談の実績は22件とのことで、新しい施設ができたことがきっかけで相談窓口の存在を知ったり、センターの名前に若者と分かりやすく入れたことで相談先として選ばれたこともあるかと推測します。若者相談の窓口を新たに開設したことで、区の相談支援体制においてどのような拡充ができたのでしょうか。
○半田子ども・若者支援センター子ども・若者相談課長 子ども家庭支援センターの支援対象につきましては、18歳未満の子どもとその家庭でございましたけれども、支援対象を39歳の若者まで広げたことによりまして、18歳以降も継続して支援を行うことができるようになったと考えてございます。また、若者相談ではどこに相談したらよいのか分からないですとか、相談内容がはっきりしないといった相談についても受け付けることができるようになりまして、より多くの方に御相談を頂くことができるようになったと考えてございます。
○間委員 対象年齢の拡充により、これまでは支援が途切れてしまうなど、制度のはざまに落ちていた子ども・若者を継続して支援できるようになったこと、本当にうれしいことです。こちらはオンラインで相談することも可能なのでしょうか。
○半田子ども・若者支援センター子ども・若者相談課長 若者相談では、電話または来所による相談を基本としてございまして、オンライン相談には対応してございません。今後、若者相談に対応していく中でオンライン相談に係る要望が多いようであれば、導入を検討してまいりたいと考えてございます。
○間委員 需要を踏まえ、多様な相談手段の検討をお願いいたします。
相談窓口と同時に若者のフリースペースが開設されました。こちらの設置目的を伺います。
○半田子ども・若者支援センター子ども・若者相談課長 若者相談事業の開始に当たりまして、若者がどのような支援を必要としているのか、他自治体の施設、また学識経験者、NPO等へのヒアリングなどを行いました。その結果、明らかに困り事を抱えている若者だけではなく、何となく困っているような若者につきましても継続的な支援が必要であるとの御意見を頂きました。そのような若者に継続的に来所していただくためには、若者が安心してゆっくりと過ごせる居場所が必要であるとの結論となりまして、若者フリースペースを設置することとなったものでございます。
○間委員 フリースペースの11月からの令和3年度の利用者数は29名とのことです。本年6月より委託を開始するまでは直営で週1日の開所でしたが、6月からは週5日の開所となり、毎日イベントを開催するなど広く若者に興味を持ってもらう工夫がなされています。現在の利用状況や利用者の声についてお聞かせください。
○半田子ども・若者支援センター子ども・若者相談課長 6月以降、若者フリースペースの利用者は毎月50名程度、1日平均で2名から3名程度でございます。利用者からは、スタッフの方に話を聞いてもらえるのがうれしいですとか、スペースが明るく、スタッフの方もみんな優しく接してくれるなどの御感想を頂いているところでございます。
○間委員 現状は利用者が少ない印象ですが、フリースペースは若者相談の支援が必要な状態の手前の方にも対応できる必要な機能だと思います。しかしながら、例えば就労を支援するという明確な目的のある若者サポートステーションなどと異なり、好きなように過ごしていいスペースであることは、逆に立ち寄りづらさを感じさせていないのかという点が気になります。周知の仕方には工夫が必要と感じますが、何か検討されていることはありますでしょうか。
○半田子ども・若者支援センター子ども・若者相談課長 若者フリースペースは、まずは通える場所、家庭や学校、職場などについて誰かに話せる場所として設置したものでございますけれども、委託開始後も利用者があまり増えておらず、周知が必要であることにつきましては認識してございます。子ども・若者支援センター開設前に行いました視察やヒアリングなどから、若者の誰かに話を聞いてほしいという需要につきましては一定程度あると考えてございまして、効果的な周知方法につきましては今後検討してまいりたいと考えてございます。
○間委員 開設してすぐに成果が見える事業ではないと思います。他自治体の取組も参考にしながら、ノウハウの蓄積や事業の分析を丁寧に行っていただき、より居心地のいい空間づくりに努めてください。
次に、若者育成支援について伺います。若者政策の目指すべきところは、悩みや困り事、困難を抱える若者を支援していく若者支援、いわゆる元気な若者の活動拠点づくりやチャレンジを支援する若者育成支援、主体的に地域に参加する若者を増やすための主権者教育、この三つの柱を整え、加えて若者の声を受け止め、区政に生かすことです。それぞれに対する施策と連携があってこそ、制度のはざまに落ちることのない網羅的な支援体制づくりが実現できます。これまで重ねて若者政策の必要性を訴えてきて、ようやくこの三つの柱が整ったことを本当にうれしく思っていますし、大切なのは、どうアップデートしていくかですので、引き続き拡充を求めてまいります。
令和3年度ハイティーン会議の見直しを行い、今年度からはNPOに運営を委託しての実施となりました。見直しの中でどのような課題を見出し、事業に生かされたのでしょうか。
○細野育成活動推進課長 これまでのハイティーン会議では、参加者の知識を深めることの成果にとどまっていたことや、中高生の自主的な活動、地域参加につながらないといった課題があったというふうに認識してございます。こうした課題を踏まえまして、意見表明の場であることに加えまして、ワークショップやフィールドワークを通じて知見を深めながら、中高生の自主的、自発的な活動や地域参加等の具体的な取組につながるように事業を構築してまいります。
○間委員 その見直しを生かして、今年度より新設された若者会議や新体制のハイティーン会議について進捗状況を伺います。
○細野育成活動推進課長 若者会議、ハイティーン会議の活動において、どのような声が上がっているか御紹介させていただきたいと思います。先日実施した若者会議では、若者会議の在り方を主に検討するチームと、主に中高生のメンター役を担うチームとに分かれて、それぞれ具体的な活動を始めたところでございます。若者会議の在り方検討チームからは、若い世代の声が届く区政になるように提言をしたいといったものや、メンター役チームからは、中高生のサポートをしながら若者の住みやすいまちをつくりたいといった発言がございました。また、ハイティーン会議では、それぞれが考える理想の中野を実現するためのチャレンジ案の発表などを行いました。チャレンジ実施に当たり、メンターがいてくれるので頑張れそう、こんなような声が上がっているところです。現状を報告させていただきました。
○間委員 まだまだ続きますので、引き続き様々な声をお聞きいただいて、来年度の事業に生かしていただきたいと思います。
一方で、広報面ではまだまだ課題があるように感じます。ホームページなど、まだ作られていないようですが、今後の広報の取組について伺います。
○細野育成活動推進課長 今後の広報の展開についてお答えいたします。現在、若者施策への認知度向上や事業参加者、関与する区民等の増加を目的として、若者向けツイッターアカウントを開設し、活動の報告を行っているところでございます。今後の展開につきましては、こうした取組の効果を踏まえながら、より効果的な広報となるように検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○間委員 ツイッターのほうを拝見していますけれども、インスタグラムとか若者に効果的な広報というところをしっかりと検討してください。ハイティーン会議の目的として中高生ならではの意見表明、若者会議の目的として若者ならではの視点を区政や地域に生かす若者と地域のつながりの構築があります。この目的が果たされるよう広報の充実を図ってください。
次に、中高生の交流、活動支援の場について伺います。若者会議の活動を生かすためにも、若者が活動するための拠点整備が必要です。区有施設整備計画では、産業振興センター跡施設を複合交流拠点へ転用し、その中で中高生の交流活動支援の場としての活用を検討するとしていますが、旧商工会館の活用スケジュールでは遅れが発生しており、それが進まないと産業振興センター跡施設の供用開始ができません。スケジュールの遅れはどのぐらい生じる見込みなのでしょうか。
○瀬谷構造改革担当課長 産業振興センター機能等の移転につきましては、商工会館跡地を活用する事業者の募集を現在停止しておりまして、地域への説明、意見聴取を行っているところです。地域の意見を踏まえまして、今後の進め方を検討することとしておりまして、現時点では未定となってございます。
○間委員 区長は、1期目に掲げた公約の中で中高生施設を2館つくるとされていますが、今の状況では1館目にすら着手できない状況です。ハイティーン会議に加え、若者会議も始まり、活動が活発になるにつれ、いよいよ拠点が必要になってきます。区内全ての若者のための交流活動の場を地域偏在もしっかりと考慮し、早期の2館整備を実現すべきではないでしょうか。若者相談やフリースペース等の連携もしっかりと図れるよう、スピード感を持って若者政策を一体的に進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○酒井区長 若者育成支援事業をさらに発展させていくためには、若者が活動するための拠点整備が必要だとは認識をしております。中高生の居場所につきましては、産業振興センター跡施設の活用以外にも整備を進めていく必要があると考えております。活動の拠点となる場の整備を早急に進めるとともに、若者相談、フリースペース等の事業と若者育成支援事業が連携をし、若者政策を一体的に進めてまいりたいと考えております。
○間委員 ぜひ2館の整備、しっかりと進めていただきたいと思います。ありがとうございます。
次に、地域共生社会の実現について伺います。令和4年3月、地域包括ケア総合アクションプランが策定されました。これまで対象を高齢者としていたところから全世代に広げ、制度のはざまに落ちてしまうことのないよう重層的な支援体制の構築もされてきました。新しいフェーズへと進んだ地域包括ケア体制のこれからの成果に期待するとともに、私が感じている課題について伺っていきます。
まず大前提となる地域共生社会や地域包括ケア、重層的支援の関係性について御説明ください。
○鈴木地域包括ケア推進課長 お答えいたします。区では地域共生社会実現のため、支援が必要な全ての人を対象とした地域包括ケア体制を構築することを目指しております。その手段の一つとして、包括的相談支援、社会への参加支援、地域づくり支援をアウトリーチを通じた継続的支援や多機関協働で行う重層的支援体制整備事業を進めているところでございます。
○間委員 何かもうちょっと違う御答弁を期待したんですけれども、これで進めていきたいと思います。地域共生社会の実現のために地域包括ケアがあり、その中の手段の一つとして重層的支援体制整備事業があり、支援が行われていくということですね。地域包括ケア総合アクションプランの着実な実施が求められる中で、地域共生社会や地域包括ケアの理念の共有は欠かせないことですが、決算説明書349ページ、地域包括ケア理念共有事業費は執行額19万3,760円で、不用額23万9,131円、執行率は約44%でした。こちらについて御説明ください。併せて今後の理念共有はどのようにされていくのか伺います。
○鈴木地域包括ケア推進課長 地域包括ケア理念共有事業として、意見交換会を兼ねたシンポジウムを開催した経費でありまして、執行額の大部分は会場使用料の13万7,000円でございます。また、不用額の主な理由は、企画内容の変更により不要となった学識経験者への謝礼額10万5,000円と、手話通訳、要約筆記の申込者がなかったことによる残額9万7,000円でございます。今後につきましては、意見交換会やシンポジウムの開催のほか、区民に効果的に周知を行うため、広報活動に注力してまいりたいと考えております。
○間委員 地域の多様な人々が世代や分野を超えて丸ごとつながっていくためにも、様々な切り口からの理念共有の徹底をお願いいたします。
次に、ヤングケアラー支援について伺います。国は今年度から3年間をヤングケアラー支援の集中取組期間としており、昨年の私の一般質問の中でもモデル事業への手挙げや国の支援メニューを活用してはどうかと伺いました。支援体制の現状について伺います。
○鈴木地域包括ケア推進課長 ヤングケアラーの支援の現状につきましては、NPO法人が実施する事業に協力しまして、南部すこやか福祉センター圏域において地域連携協議会を設置し、実態把握のための調査、支援の在り方等の検討を始めたところでございます。
○間委員 その協議会の中での区の役割は何でしょうか。また、どのような意見が出ているのでしょうか伺います。
○鈴木地域包括ケア推進課長 区は、すこやか福祉センター、区民活動センター、児童館、スクールソーシャルワーカー等の職員が委員やオブザーバーとしてこの地域連携協議会に参加しまして、他の委員とともに具体的な支援の検討を行い、地域におけるネットワークを構築しております。また、この地域連携協議会はこれまでに2回開催をしておりますが、実態調査の進め方、支援の方策、課題等について御意見を頂いております。
○間委員 委員やオブザーバーとして関わる中で、この取組を今後の区の施策にどのように生かそうとお考えでしょうか。
○鈴木地域包括ケア推進課長 地域連携協議会で行った実態把握、支援の在り方の検討内容を踏まえまして、全区的に取り組むべきことを整理しまして、次年度の施策展開に生かしてまいります。
○間委員 協議会の構成員の中からも地域包括ケア推進会議にヤングケアラー支援の部会をつくり、協議会メンバーにも入っていただいてはいかがでしょうか。
○鈴木地域包括ケア推進課長 ヤングケアラー支援につきまして、全区的に検討する場の設置を検討してまいりたいと考えております。その際は、この南部すこやか福祉センター圏域での活動実績を踏まえまして、現在の地域連携協議会の構成員にもメンバーに加わっていただくべきと考えております。
○間委員 ヤングケアラーに関して見つけていく役割は、日常的に子どもと接している学校の先生などの御協力が欠かせません。子ども・若者支援センターや学校現場との連携はどのようにされているのでしょうか伺います。
○鈴木地域包括ケア推進課長 現在でもヤングケアラーに関わらず、各機関で支援が必要な子どもの発見や相談があった場合、関係する機関とともにケースの検討会議を行うなど、連携を図っているところでございます。今後も重層的支援体制の中で地域の関係者などにも支援の輪を広げ、本人と家族の状況に応じた支援を行ってまいります。
○間委員 地域支えあい推進部の取組に加え、ヤングケアラーの発見から支援への接続は、学校での取組なくしてなし得ません。学校での取組の現状を伺います。
○齊藤指導室長 学校は今までも、子どもたちの生活指導上の課題や不登校傾向の背景として、ヤングケアラーのような状況があることを捉えてきております。子どもたちの家庭生活の状況については、服装や忘れ物、生活リズムの乱れなどによっても把握しております。教員が兆候を見つけた場合は校内で情報共有し、スクールカウンセラーとともに対応したり、学校からスクールソーシャルワーカーや子ども家庭支援センターなどの関係機関につないだりしてきております。
○間委員 教員をはじめ学校現場が子どもの変化にいち早く気づき、寄り添うことは、最初の一歩として本当に重要であると考えています。その上で適切な支援につなげていくためには、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー、教員など、学校現場で働く大人が研修等でまずヤングケアラーについて学ぶ機会をつくることや、支援機関と支援メニューの一覧表を作成し、配布するなども必要ではないでしょうか。そのほか、保護者や地域の大人を含め、大人が学ぶ機会の創出について昨年の第2回定例会でも求めてきました。今後の学校での取組、ヤングケアラーに対する取組についてお考えを伺います。
○齊藤指導室長 今年度は、東京都のヤングケアラーに関する教職員向けデジタルリーフレットや、相談専用ダイヤルを学校に周知したところです。今後、ヤングケアラーの概念等を学ぶ機会を設けてまいります。また、学校間で対応事例を共有してまいります。
○間委員 最も大切なのは、どんな小さな悩みでも、つらいとか、もやもやを感じたときは、いつでもSOSを出していいんだよ、これだけたくさんの相談相手や相談先があって、相談しやすいと感じる人に相談ができるんだよというメッセージを伝えることなのだと思います。その上で、ヤングケアラーであった場合に適切な支援につなげられるよう、学校現場等でも理解を深めていただきたいと思います。
自分がヤングケアラーであると認識していない当事者も多く、子どもたち自身がヤングケアラーの存在について知ったり、元ヤングケアラーの話を聞ける機会をつくることが重要です。ヤングケアラーの周知の際に、子ども・若者センターや子どもの権利救済相談調査専門員のいる子ども相談室に相談ができるということも併せて周知を行ってはいかがでしょうか。
○鈴木地域包括ケア推進課長 ヤングケアラーの周知についてお答えいたします。ヤングケアラーにつきまして多くの区民に認識してもらうため、子どものみではなく大人にも周知を行うべきというふうに考えております。また、周知の際は、相談ができる機関として、すこやか福祉センターなどとともに子ども・若者支援センターや子ども相談室のほか、民間支援団体など様々な機関で相談ができる旨の周知を行ってまいりたいと考えております。
○間委員 18歳未満のヤングケアラーだけでなく、若者ケアラー、ケアラーと、人生の様々なステージで家族などのケアをする全ての人が自分らしく生きられるためのケアラー支援条例の検討も視野に入れていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○鈴木地域包括ケア推進課長 ヤングケアラーを含むケアラー条例につきましては、先行して制定している他自治体の例も参考にしながら研究を進めてまいりたいと考えております。
○間委員 ありがとうございます。
次に、公益活動について伺います。令和3年度主要施策の成果によれば、令和2年度コロナの影響で半分近くまで落ち込んだ政策助成の交付件数が36.1%増となり、厚生委員会での報告では今年度もさらに増加し、令和元年度並みの数字を取り戻しつつあります。単純計算できませんが、1交付当たりの人件費と政策助成交付件数で見ると、令和3年度は人件費が800万円余で160万円ほど上がっていると思います。これは区民公益活動支援の拡充のためでしょうか。こちらの増の原因を伺います。
○池内区民活動推進担当課長 お答えします。令和2年度新型コロナウイルス感染症の影響により、事業の実施見送り等で活動が低迷し、前年度に比べ政策助成交付申請事業数が減少しておりました。令和3年度に人件費が増加した理由としましては、政策助成事業の合同説明会2回に加え、事前予約制オンライン面談など個別相談の実施や、前年度助成金申請を見送っていた団体に対し個別ヒアリングを行うなど、助成金の活用や事業の再開に向け、相談支援体制を強化・拡充したものでございます。人件費の増加につきましては、職員の業務増加見合いによるものでございます。
○間委員 1交付当たりの助成額に当たっては年々増加傾向にあり、令和元年度と令和3年度を比べると28.8%増加していますが、こちらをどう分析されていますか。
○池内区民活動推進担当課長 令和元年度までは、団体からの申請額が助成金事業の予算の範囲内で収まらず、申請額を割り落としして交付していた経緯がございます。令和2年度は公益助成、公益活動活性化の推進を強化するために予算の増額を行い、申請額の割り落としをなくし、交付したことが助成額の増加の要因と考えております。同時に、4月から1週間でございました申請期間を3か月に延長したほか、9月から約3か月間追加募集を行うなど、長期にわたる申請期間の間、団体から助成対象経費について等の相談を受け、団体に寄り添った支援ができたことも要因の一つであると考えております。令和3年度も令和2年度と同様の考え方により予算を計上し、申請期間を約2か月間に設定したほか、約2か月間また追加募集も行い、新たに個別相談を設けるなど、相談支援体制を強化したことも要因の一つだと考えております。
○間委員 次年度予算編成に向けた評価には、事業の効果の見える化が必要であり、今後、各地域の特性や地域課題などを明らかにし、その課題と事業による効果を客観的に評価する仕組みをつくっていくとあります。助成制度の在り方自体については、後ほど斉藤委員から質疑があると思いますので割愛しますが、使いやすい制度であるとともに助成事業の費用対効果も見た上で、適切な中間支援を行える体制づくりが必要であると考えます。
1問飛ばします。地域共生社会の実現に向けて、区民による公益活動による下支えは欠かせません。公益活動を行う個人や団体の中間支援の必要性については厚生委員会の中でも報告があり、議論されてきたところです。区有施設整備計画では、先ほども出ました産業振興センター跡施設の活用の考え方として、公益活動を主体とする複合交流拠点であることと、シルバー人材センターの事務所機能や中高生の交流活動支援の場としての活用が示されています。他方、本年6月30日の総務委員会の報告事項、新庁舎整備事業の検討状況についての中でも、地域活動推進機能として公益活動推進のための地域団体の相談や運営支援団体間の交流ができるスペースとして検討されていく旨が報告されています。限られた区有施設をどのように公益活動推進に生かすべきか一度整理をしたほうがいいのではと考えます。若者政策の狙いの一つには、若者と地域のつながりの構築があり、公益活動支援事業と方向性は一致しています。そういった点も考慮し、公益活動を行う団体や個人の活動支援と交流を図る拠点を構築していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○瀬谷構造改革担当課長 産業振興センター跡施設についてですが、公益活動を主体としたものとする考えでございます。その施設のコンセプトや具体的な機能の検討はこれからしてまいりまして、現在の建物の面積や仕様も含めて検討してまいりたいと考えております。
○間委員 よろしくお願いします。公益活動の支援においては、各地区における活動拠点の充実も必要です。地域において活動されている団体、特に子育て支援団体においては活動場所の確保に困っているという声を多く聞いており、令和4年度第1回定例会の私の質問に対し、具体的な支援を検討したいとの御答弁でした。区長は令和4年第2回定例会の施政方針において、高齢者会館における多世代交流や施設のシェア利用など、施設の有効活用の検討を進めていくと表明されました。地域における公益活動場所として区民活動センターがありますが、利用者の利便性の向上と、さらなる活動場所の充実に向けて併せて検討を進めていきたいと思います。区民活動センターの利便性向上についてはどのような検討をされているんでしょうか伺います。また、高齢者会館は、夜間、土日、祝日の利用者が少ないと聞いています。より多くの団体が利用しやすい施設となるよう利用者の利便性にも配慮し、区民活動センターと同様に受付管理人を配置するなど検討し、さらなる有効活用を図っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○高橋地域活動推進課長 お答えいたします。区民活動センターにつきましては、集会室予約方法や利用要件、空き情報の可視化などにつきまして検討を進め、利便性の向上を図ってまいります。高齢者会館も地域の様々な活動、交流の場として、より使いやすいものとしていく必要があると考えておりますが、現在、夜間、土日、祝日におきます集会室利用は団体による自主管理方式となっており、一般の団体が利用しづらい状況となっております。こうした状況を改善するため、貸出し業務についての委託化など利便性を高め、活用を推進する方策を講じることを検討してまいりたいと考えてございます。
○間委員 よろしくお願いします。すみません。次に研修や人事評価について伺う予定でしたけれども、こちらのほうは今回質問を取り下げてさせていただきます。
次に、脱炭素社会の実現について伺います。環境施策について伺います。区は昨年9月に基本計画を策定し、10月にはゼロカーボンシティ宣言を行いました。多くの自治体が宣言し、具体策を持って環境政策に取り組んでいる中、中野区はもっと環境政策を展開していくべきだと考え、これまでも質問を重ねてきました。今回も引き続き行っていきます。
期待した環境施策の新規の取組は蓄電システム導入支援のみでした。主要施策の評価132ページを見れば、蓄電システム導入支援の令和3年度の実績は47件、計画の37%にとどまり、補助金が使えることがきっかけで導入された方は53%とのことでした。導入が進んでいない理由をどう見ているのでしょうか。
○永見環境課長 お答えいたします。当初は、住宅の新築時における太陽光発電システムと併せての購入や、災害時における活用等の需要を見込みまして、125件分の予算を計上したところでございます。しかし、全国的な住宅着工件数の減少や、新型コロナウイルスの影響による在宅時間の増加等の電力需要の変化もあり、蓄電システムの導入件数が当初の想定をほとんど伸びなかったものと考えております。
○間委員 区の分析欄には環境意識や防災力の向上に寄与していると書かれていますが、実は蓄電システム自体にCO2の削減効果があるわけではありません。先日、羽鳥議員への一般質問に対し、太陽光パネル助成も含めて検討する旨の答弁をされていましたが、早急に事業のてこ入れ、拡充が必要と思います。太陽光パネルや蓄電システムの助成となると、条件の合う一部の人のみの活用となってしまうため、環境意識への向上の寄与という点では、生ごみ機、コンポスト助成などを行ったほうが、多くの区民が取り組むことができる上、環境負荷の軽減効果が高いのではないかと思います。区民が参加しやすい取組の検討を求めますが、いかがでしょうか。
○阿部ごみゼロ推進課長 生ごみ減量は環境負荷軽減につながる重要な課題と考えております。生ごみ処理機やコンポストについてはあっせんを行い、ホームページでPRしております。今後の取組の拡充については、御意見も踏まえて検討してまいります。
○間委員 御検討をよろしくお願いします。
1問飛ばします。SDGsへの日々の理解が広まりつつあり、経済成長だけではなく、自然豊かな環境で健康に暮らすことができる社会を求める価値観の多様化、転換が進む中、グリーンインフラは防災、減災、環境保全、地域振興等に関する多様な地域課題を同時解決する取組であり、多様化する地域課題の解決策として期待が高まっています。第2回定例会の区長の所信表明において、2050ゼロカーボンシティなかのの実現に向けては、高断熱窓・ドアへの改修施設など家庭での取組を推進する一方、区有施設において再生可能エネルギー100%の電力を進めます。また、グリーンインフラによる自然環境の保全と創出を図ってまいりますと発言されています。環境部はどのようにグリーンインフラに取り組むお考えでしょうか。
○永見環境課長 環境部におきましては、一定規模以上の建物の建築時における緑化計画の提出を通じまして、地上部の緑化、建築物上の緑化、接道部の緑化、こちらにつきまして認定及び指導を行っているところでございます。また、生け垣、植樹帯の設置や保護指定された樹木、樹林、生け垣の管理に対しまして、要した費用の一部を助成する制度を設けているほか、花と緑の祭典等の事業を通じて区民の緑への理解の促進に取り組んでおります。今後も区内の緑の推進に資する取組を進めてまいります。
○間委員 脱炭素社会の実現のためには、環境課が旗振り役となって全庁の環境への取組を後押ししていただきたいと思いますが、脱炭素ロードマップなど脱炭素社会の実現に向けた道筋を示されてはいかがでしょうか。今後の取組についてどのようにお考えか伺います。
○永見環境課長 脱炭素社会の実現につきましては、ゼロカーボンシティ宣言を行うとともに、中野区基本計画の重点プロジェクトにも位置付けておりまして、環境部が中心となって全庁を挙げて取り組むべき課題であると認識をしております。今定例会におきまして、脱炭素推進に係る検討方針の案をお示しする考えでございまして、脱炭素推進に係る考え方や目指すまちの姿、今後検討する事項の例などを示し、今後、地域特性の分析等も行いながら具体的な取組やその工程も描いて着実に推進していきたいと考えております。
○ひやま委員長 間委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
午後0時00分休憩
午後1時00分開議
○ひやま委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括を行います。間委員、質疑をどうぞ。
○間委員 次に、まちづくり分野について伺います。事業所や家庭、個人でできるCO2排出削減以外にも、区内で行われる工事や建築、建設などにおいても可能な限りCO2削減に努めるべきです。その他、再生可能エネルギーを創り出すことや緑の創出、ヒートアイランド対策など、まちづくりの中で環境配慮にどれだけ取り組めるかが、2050年のゼロカーボンの達成を決定づけると言えます。中野区の今後のまちづくりの中で、より環境に寄与するような取組手法としてどんなことが想定できるでしょうか。他自治体の事例などもありましたら併せてお示しください。
○千田まちづくり計画課長 現在、区では、上高田四丁目17番から19番地区地区計画に取り組んでおりますが、その中で環境への取組を意図して通常の緑化基準の2倍に相当する緑化量を求める規定の導入を進めております。しかし、その規定が及ぶのは当該地区計画区域内に限定されますが、世田谷区では緑化地域制度を区内全域に導入し、一定の規模を超える建築物について、より多くの緑を創出し、保全させる規定を導入しております。また、中野区では耐震改修促進事業や不燃化促進事業等により安全な建築物への更新を促進しておりますが、それらと連携した取組を行うことで、断熱性能など環境性能の高い建築物を小さな行政負担で誘導できる新たな手法を構築できる可能性もあると考えております。今後、他自治体の先駆的な事例を検証するとともに、中野区の既存の取組を環境視点で再検証し、中野区の市街地環境に有効な環境整備手法を求めていきたいと考えております。
○間委員 さすが世田谷区だなという事例も出していただき、ありがとうございます。規制や条件の緩和に当たっては環境への寄与を必須条件とするなど、区としての方針を持つべきではないでしょうか。
○千田まちづくり計画課長 地区計画等により建築物や土地利用に制限と緩和を行う際、緩和規定の適用要件として環境に資する建物性能を求めるなど、規制と緩和で環境への寄与を導く手法は有効であると考えております。また、市街地再開発事業などにおいて交付する補助金は、公共性、公益性の高い事業計画を導くためのツールでもあることから、補助金の全体額を算定するために必要な事業評価の視点に環境への寄与に関する定量的な評価指標を導入することの有効性も今後検証していきたいと考えております。
○間委員 容積率の上乗せを求められた際、上乗せの条件として環境への寄与を条件とすることもできると思いますが、いかがでしょうか。
○千田まちづくり計画課長 中野区や、中野坂上駅周辺で多く運用されている高度利用地区の運用基準では、整備する空地により多くの緑を創出することで指定容積からの割増しを認める規定が整備されております。中野区では高度利用地区のほか、再開発促進区を定める地区計画や総合設計など、容積率の割増しや高さ制限の緩和により市街地環境の向上に寄与する良好な都市開発の誘導を目的とする都市開発諸制度を各地区で運用しております。それらの制度を環境効果の視点で行政が主体的に活用すれば、環境に寄与する良好な都市開発を誘導できると考えております。
○間委員 これから開発に着手していく中野駅周辺まちづくりに焦点を当てます。環境への配慮はどのように取り組まれているのでしょうか。
○小幡中野駅周辺まちづくり課長 中野駅周辺のまちづくりの事業推進に当たっては、国、都、区の各環境関連施策にのっとって各事業者が省エネルギー性能や都市環境に配慮した施設を計画するなど、環境性向上に資する取組を進めているところでございます。
○間委員 区長のゼロカーボンシティ宣言後、施行事業者にさらなる環境への配慮は求めたのでしょうか。宣言の前と後で環境への配慮に関して何か変化はありますか。
○小幡中野駅周辺まちづくり課長 新北口駅前エリアでは、中野駅周辺まちづくり課と環境課で施行予定者と現状の計画に関する情報共有等を行い、事業者に環境に配慮した計画とするよう求めたところでございます。また、ゼロカーボンシティ宣言を掲げた区環境基本計画では、脱炭素社会の推進と気候変動への適応の実現に向けてアクションプログラムを定めており、中野駅周辺まちづくりの推進に当たっても、取組の方向性と整合を図りながら進めてまいりたいと考えてございます。
○間委員 具体的に取組をしていただかないと、重点プロジェクトの三つ目の中に脱炭素社会の実現を見据えたまちづくりを設定している意味がありません。環境への配慮とともに、まちの価値も高め、にぎわいの創出にもつながっていく、そんなまちづくりを通して脱炭素社会の実現を目指してください。ありがとうございます。
次に、その他の一つ目、保育行政について伺います。保育の質を担保していくために作成された保育の質ガイドラインですが、重立って活用していくのは保育園や保育士ですが、保護者もステークホルダーとしてその内容を知り、共に見守る必要があります。令和3年度は保護者宛てに概要版のパンフレットを配布しました。こちらのパンフレットの周知はどの程度効果があったと分析しているのでしょうか。また、こちらの中で概要版のパンフレットを配布するだけではなくて、保育の質の向上に区と保育園と保護者に責任があり、保護者にも一緒に一員となって関わってもらいたいという区の保護者に対するメッセージが伝わりません。改めてメッセージを通知するなど周知の工夫をしてはいかがでしょうか。また、今年度の保育の質ガイドラインの改定、その後の活用方法に当たっては、どのような工夫をされていくおつもりなのか今後の課題認識と対策を伺います。
○渡邊保育園・幼稚園課長 区内保育施設の保護者を対象とするアンケート調査において、ガイドラインを知っていると回答した保護者の割合は、令和2年度は17.7%にとどまっておりましたが、パンフレットを配布した令和3年度には41.1%にまで増加しております。このことから、保護者への周知が進んでいると考えております。また、知っていると回答した保護者のうち、ガイドラインが教育保育に役立てられていると感じる保護者の割合は、令和2年度で80.6%、令和3年度では80.9%と増加しております。また、中野区保育の質ガイドラインは策定して間もないため、教育保育施設への周知や活用、実践を積極的に進めてきたところでございます。今後は、教育保育の質の維持向上に向けて、就学前教育保育施設だけでなく、保護者、地域、中野区が共に手を携えて取り組んでいくというメッセージを様々な機会を通して伝えていきたいと考えております。さらに、保育施設を対象としたアンケートの意見を参考に、分かりやすく見やすい内容に改定をする。また、就学前教育保育施設の実践記録を新たに掲載することで、保育現場がより活用しやすく、保護者にとっても保育の専門性を理解することにつながるガイドラインにしていくため、検討を進めているところでございます。今後は、保育現場でのさらなる活用が課題と考えております。園長や保育士向けの保育の質ガイドラインの研修などの実施を通し、各保育施設で活用を促していきたいと考えております。
○間委員 保育の質の担保のためには、保育園の経営、運営が適切になされていなければなりません。昨年の決算特別委員会で株式会社の保育園の人件費率の低い園、区としては人件費率50%以下の園を公表するとした方針について伺いました。最も多い4月入園の申請時期を考慮して、なるべく早く公表していただくようお願いしたところですが、あれから1年、令和4年度になっても公表されていない状況です。進捗状況と今後の対策について伺います。
○渡邊保育園・幼稚園課長 私立保育園の運営費の人件費比率につきましては、現時点では公表に至っておりません。また、各保育所の保育士の給与水準は、必ずしも人件費率とは一致していないため、保育所の保育士の採用活動に影響しないよう慎重に検討しております。今後、私立保育所に十分説明した上で、単に人件費比率を公表するのではなく、東京都が把握、公表している情報も含め、適切な方法を検討してまいりたいと考えております。
○間委員 東京都の情報を公開するだけでは何も意味がないと思います。区としてちゃんと区内の人件費率の部分をしっかりと公表できるというところまで進めていただきたいと思いますが、いかがお考えですか。
○渡邊保育園・幼稚園課長 効果的な方法につきまして検討を進めてまいりたいと考えております。
○間委員 すみません。時間がないので次に行きます。待機児童ゼロを達成したことは喜ばしいことです。一方で、経営をする立場としては、今後の経営、運営を不安視する声も高まっています。その中で安定した経営、運営のために、認定こども園化を検討したいという園のお話も聞きます。まず、幼稚園型、保育所型、幼保連携型それぞれの違い、そして認定こども園に移行することによるメリット、デメリットがあれば、どのようなものがあるかお答えください。
○藤嶋幼児施設整備担当課長 まず類型のほうでございますけれども、幼稚園型認定こども園は、認可幼稚園が保育が必要な子どものために保育時間を確保するなど、保育所的な機能を備えた教育施設で、設置主体は幼稚園と同じく国、自治体、学校法人等となります。保育所型認定こども園は、認可保育所が保育が必要な子ども以外の子どもも受け入れるなど、幼稚園的な機能を備えた児童福祉施設で、設置主体の制限はございません。幼保連携認定こども園は、幼稚園的機能と保育所機能の両方の機能を併せ持つ単一の施設となります。設置主体は国、自治体、学校法人、社会福祉法人等となります。
また、認定こども園には保育認定の有無に関わらず入園できるので、保護者の就労形態が多様化する中で、就労中断または再開した場合にも同一の施設を継続的に利用できるメリットがございます。また、就学前の子どもに対する質の高い教育保育を一体的に提供し、併せて子育て相談や親子の集いの場などを設置することで、地域の子育て支援の拠点となることが期待できます。
○間委員 移行するに当たっては、幼稚園型、保育所型は国の認定、幼保連携型こども園は認可が必要になるため、区として手続面やスケジュール面、支援の方策など整理しておくべきこともあると思いますが、いかがでしょうか。
○藤嶋幼児施設整備担当課長 児童相談所設置市となったことに伴いまして、認定こども園について認定や認可の権限が区に移譲されており、手続等について規定を整備したところでございます。今後、事業者の意向確認や認定こども園のニーズ分析などを行い、設置や支援について検討してまいりたいと考えております。
○間委員 既に認定こども園化が進んでいる区もあります。認可保育園から相談があった場合、こども園化がさらなる保育の質の向上となるよう区としても事例を研究し、適切な支援をしていただきたいと思います。
最後に、中野本郷小学校の改築における検討状況について一つだけ伺います。我が会派の酒井議員が、中野本郷小学校改築に当たって安全対策や負担軽減としてスクールバスの導入を求めたのは、平成30年第1回定例会でした。建て替えスケジュールを遅らせたとはいえ、そこから4年半、その間も検討はできたであろうに、先日の改築推進委員会においていまだ検討に至らず、検討中との答えに地域は落胆しています。デジタル教科書の導入がまだ英語のみということで、重いランドセルの問題の状況は変わらないでしょうから、主に本町六丁目の児童を中心に、低学年があんな重いものを背負って最大2キロ近く歩くのは無理であること、そして、在籍生徒が多い状態の桃花小学校への指定校変更という選択肢はほぼないに等しいということから、一刻も早い判断を求める声を多く聞きました。どのような課題がいまだ判断に至らない足かせとなっているのでしょうか。また、区はいつ導入の判断を地域住民にお示しになるのでしょうか伺います。
○濵口学校再編・地域連携担当課長 中野本郷小学校校舎建て替えに伴いますスクールバスの導入でございますが、利用対象者の範囲のほか、乗降場所の確保や周辺住民等からの了解、それから運行の経路、時間、便数、経費などについて精査が必要であるとともに、待合場所での児童の安全対策などの課題も踏まえ、判断していきたいと考えてございます。通学路の安全対策につきましては、スクールバスの運行も含め、どのような取組が考えられるか検討を進めているところでございまして、できるだけ早期に保護者、地域住民の方に方針を明らかにしていきたいと考えてございます。
○間委員 地域の住民の皆さんからは、一刻も早くというお声を頂いております。大変なことを承知はしておりますけれども、ぜひとも早期に検討結果を公表していただきますようによろしくお願い申し上げます。
以上で私の全ての総括質疑を終了します。御清聴ありがとうございました。
○ひやま委員長 以上で、間ひとみ委員の質疑を終了します。
次に、生藤健人委員、質疑をどうぞ。
○生藤委員 自由民主党の生藤健人です。令和4年第3回定例会決算特別委員会において、自由民主党議員団の立場から総括質疑をさせていただきます。質問は通告のとおり、その他で電動キックボードに関する法整備と公共交通政策における位置付けについてお伺いをさせていただきます。補欠選挙にて当選をさせていただきましてから初めての総括質疑となります。不慣れな点、お聞き苦しい点があるかと思いますが、何とぞ御容赦を頂きますようお願いいたします。
質問に先立ちまして、台風14号、15号において被災をされた方や、お亡くなりになられた方に心からお見舞いと御冥福をお祈りいたします。また、去る7月8日に事実誤認、言われなき動機によって暗殺をされました安倍晋三元総理へ心から御冥福をお祈りいたします。明日は国葬儀でございます。私は議会で献花ができませんが、総理との幾つもの思い出を胸に抱きながら精進してまいります。
では、質問させていただきます。先の第2回定例会一般質問において取り上げました沼袋の皆様の関心が高い区画街路第4号線の再整備事業に関連をして、幾つかお伺いをさせていただきます。
先の第2回定例会の答弁において、令和7年度までに事業完了を引き続き目指していくとの答弁がありました。まちづくり推進部をはじめとした関係部署の皆様の地域の皆様への本当にきめ細かい丁寧な対応により、地域の関わりのある方々の事業への理解はとても高く、新しく生まれ変わるまちへの期待は日に日に高まっています。しかし一方で、街並みを見て、事業進捗が事業計画との乖離を感じ、本当に本事業が完了するのかと不安を持ち始めている方もいらっしゃいます。
そこでお伺いをいたします。現在、現状の事業進捗は計画どおり進んでいますか。また、事業を進めていく中で地域の方々から本事業について御意見等は出ていますか。
○小倉まちづくり事業課長 区画街路第4号線の事業についてですが、現在、全線約560メートルで用地取得交渉を進めているところでございます。交渉している権利者の意向に沿いながら進める必要がある中、計画的に実施していると認識しております。今後の用地取得の状況及び西武新宿線の進捗状況等を踏まえまして、令和7年度末の事業完了を目指し、引き続き事業を推進していきたいと思っております。また、地域の声につきましては、商店街のにぎわいを保ちながらも、早く事業を進めてほしい方の声を多く聞いている一方で、事業に関してまだまだ御理解いただくべく努力は必要と考えてございます。引き続き事業推進に向け丁寧な対応を心がけつつ、尽力していきたいと考えてございます。
○生藤委員 ありがとうございます。地権者の皆さんが代々受け継いできた土地を、まちの発展のためとはいえ断腸の思いで手放す。だからこそできることでございます。今も関係各部署の皆様には納得と共感を得られるように丁寧な対応を引き続きお願いいたします。事業期間については、引き続き予定どおりの完了ができるように不断の努力を続けていただければ幸いです。
続いて、区画街路第4号線の新たなにぎわいの創出施策についてお伺いをいたします。第2回定例会にてお伺いをいたしました国土交通省の歩行者利便増進制度、通称ほこみちの活用について、どのようなことが可能か検討してまいりたいと考えていますとの答弁がありましたが、この新たなにぎわいの創出についてお伺いをいたします。本事業によって新たに形成されるまちに合う新たな形のにぎわいの創出に向けて、現在も様々な施策を検討されていると聞き及んでおりますが、ほこみち制度は20年間の道路占有許可を認められる類似する幾つかの制度では最大5年間というものがほとんどであり、ほこみち制度の活用をできた場合、ほかの制度の追随を許さない有益性があると考えています。しかし、本制度の申請において指定道路の構造基準に合わせる改築を行わなければならない等の様々な課題がありますが、区として、ほこみち制度の申請が可能になるように前向きな検討をぜひ早い段階から行っていただきたいのですが、検討の中で、ほかのほこみち制度以外の類似制度の活用、また、区独自の新たなにぎわいの創出に向けた取組の検討はされていますか。
○小倉まちづくり事業課長 現在、事業期間中の商店街の活性化やにぎわい創出のために、道路用地の一時的な活用の可否も確認しながら事業を進めているところでございます。道路拡幅後の道路空間の利用につきましては、商店街の活性化や新たなにぎわいの創出に向け、歩行者利便性増進制度も含めどのようなことが可能か、引き続き関係課と連携し、検討してまいりたいと考えております。
○生藤委員 ありがとうございます。本事業によって都市空間設計が大きく変更を生じる課題として、商業地区のにぎわいの変化は重要な課題です。沼袋地域に住まう方々の生活、事業に再整備前よりも不便、不都合が生じないような取組を引き続きお願いいたします。
次に、沼袋駅前交通広場についてお伺いをいたします。こちらも先の第2回定例会の一般質問においてお伺いをさせていただきましたが、区長答弁にて、交通広場部について、今年度は交通管理者との協議を行うための基本設計を予定しておりますとの答弁を頂きました。以後、現在までに何か進捗はありましたか。
○小倉まちづくり事業課長 7月に業務委託を契約し、現在、基本設計を実施中でございます。今年度中に交通管理者との協議を実施予定で考えてございます。
○生藤委員 交通広場予定地の一部を西武新宿線沿線連続立体交差事業の工事ヤードとして利用していることから、第2回定例会の一般質問で、交通広場部の着手時期については連続立体交差事業工事の進捗を踏まえつつ、西武鉄道と協議の上、見極めていきたいとの答弁がありました。ということは、交通広場の完成時期は連続立体交差事業と関係なく、こちらの事業の用地取得が終わり次第、交通広場の整備を進めることが難しいということでしょうか。
○小倉まちづくり事業課長 交通広場部については、連続立体交差事業の円滑化を図る目的として、東京都及び西武鉄道株式会社へ既に連立事業工事ヤードとして貸し出しておりまして、終了後に整備に着手することとなります。広場の整備着手の時期につきましては第2回定例会で申し上げたとおり、連続立体交差工事の進捗を踏まえつつ、東京都と西武鉄道と協議の上、見極めたいと考えてございます。
○生藤委員 連続立体交差事業が終わってからということなんですが、地域住民は交通広場の早期完成をすごく期待しています。これは御承知のとおり4号線が一通であるために、中野駅周辺に外出をするとき、行きは路線バスで行けるんです。でも、帰りは練馬駅行きのバスに乗って、新青梅街道近くの江古田四丁目バス停で降りて4号線を下ってくるか、バスで新井薬師駅前バス停まで行って、西武新宿線に乗って帰るか、もしくは徒歩、タクシーでしか沼袋駅周辺に帰ってこられない。沼袋駅・中野駅間は近いといえば近い距離ですが、この不便性を解消する一つの手段としての交通広場の早期完成を地域住民は強く期待しているものであります。当初の地域住民向けの説明資料に、交通広場部分の用地取得を先行する理由として、新体育館整備による新たな来訪者に対応するため、交通結節機能を早期に発現する必要があるとの記載があります。ということは、区として沼袋地域における交通広場部の区民の公共交通移動における重要性を認識している中で、先の第2回定例会一般質問において、地域の方々の広場の利用につきましては、平成29年5月に策定の西武新宿線沿線まちづくり推進プラン沼袋駅周辺地区編、こちらに示したとおり、ゆとりとにぎわいの感じられる空間の創出に向け、検討を進めてまいりたいとの答弁がありました。地域からは、交通広場部に災害防災倉庫の設置や地域の行事で利用することもできる空間の確保をしてほしいとの声も多く聞かれます。区は皆様から同様の御意見を聞いていますか。また、そうした空間の確保について具体的な検討をされていますでしょうか。
○小倉まちづくり事業課長 広場の利用につきましては、同様の意見は区でも聞いているところでございます。広場の利用については、交通管理者等々の関係機関との協議状況等を踏まえまして、今後関係課と連携し、ゆとりとにぎわいが感じられる空間の創出を目指してまいりたいと考えてございます。
○生藤委員 ぜひともですね、地域住民の皆さんの強い期待でありますので、それに応えられるようにお願いをいたします。
次に、一昨年から開設をされている中野区画街路第4号線沿道権利者等支援・相談窓口についてお伺いをいたします。まちの中核となる道路の再整備ですから、周辺住民の関心も高く、まちづくり計画や事業内容について話を聞きたいという声を多く聞きますが、そういった関係権利者の方々以外の地域の皆様が利用することは可能でしょうか。
○小倉まちづくり事業課長 生活再建窓口では、主に沿道権利者に対し生活再建プランの提案、補償金や土地・建物に関わる税金に関すること、営業補償に関すること、移転先の物件情報の提供などを実施しておりますが、沿道権利者以外の方へも事業説明等を実施している状況でございまして、利用は可能でございます。
○生藤委員 ありがとうございます。地域からは、関係権利者以外の方が話を聞きたいけれど、入りづらいという声を伺っておりますので、ぜひ地域の皆さんが利用しやすい窓口業務をお願いいたします。
次に、新たな商店街の安全・安心についてお伺いをいたします。新たに形成される商店街において、安全・安心をより一層確保するためには、新しく生まれ変わる区画街路第4号線の防犯環境設計をしっかりと形成していかなければならないと考えています。防犯環境設計において大切なのは、人的な防犯活動に併せて対象物の強化、接近の制御、監視性の確保、領域性の確保、この4点を総合的に組み合わせて、犯罪が発生しにくい環境をつくることが大切になってきます。特に新たな商店街の形成に関連をしてくるものとして、監視性の確保、これが重要と考えます。例えば照明環境の整備、周辺の見通しの確保、防犯カメラの設置等によって街路の見通しの確保、人の目が周囲に行き届く環境をつくることで犯罪発生を未然に防ぐことが可能となります。特に防犯カメラの設置は、現代社会における安全・安心に必要不可欠なものとなってきています。
そこでお伺いをいたします。現在、区内での防犯カメラ設置は町会、商店街、また教育委員会、清掃事務所など、様々な設置目的がありますが、全体として危機管理の観点から防犯環境設計について他部署との意見交換等はなされていますでしょうか。
○阿部生活・交通安全担当課長 回答いたします。他部署の防犯カメラ設置場所等については、情報提供を受けて当課においても把握しており、事件、事故があった際に警察等から問合せがあった際には迅速に対応できるようにしております。また、町会や商店街等から防犯カメラの設置に関する相談があった際には、設置場所等に関する助言もしており、重複や空白地帯が生じないように努めております。
○生藤委員 ありがとうございます。また、この町会、商店街の防犯カメラ設置については、防犯設備の整備に関する補助金、これを東京都の補助金と併せて活用している中で制度設計を変えることは大変難しいわけでありますが、この設置機器について仕様の最低基準等を盛り込むべきだと私は考えています。例えば最低画素数、最低赤外線照射距離、耐衝撃設計、また録画方式についても問題は山積みです。こうしたことを決めないと、時代遅れな機器や赤外線照射設計が雑で、容疑者の顔が赤外線反射によって見えない。いざというときに映像記憶媒体が焼けて録画をされていない。こういった機器の設置の問題が起きると思いますので、そのようなことがないように御指導を引き続きしていただければと切に要望して、この質問を終わります。
次に、北部すこやか福祉センターの旧沼袋小学校跡地の移転についてお伺いをいたします。先の第2回定例会一般質問において我が会派の加藤議員の質問に対し、本整備につきましては、まちづくりのほか、避難所機能の整備も関連することから、今後も引き続き庁内の関連所管と緊密に連携を図り、検討を進めていきたいと考えてございますとの答弁がありましたが、整備には用途地域変更もしくは建築基準法の特例措置が必要になると考えられますが、いかがでしょうか。
○高橋地域活動推進課長 お答えいたします。沼袋小学校跡地は、用途地域、第一種低層住居専用地域の中にございまして、定められた規制の中では、すこやか福祉センターの用途では床面積に制限がございます。ほかのすこやか福祉センターの例からも床面積を制限内に収めることは難しく、制限以上の床面積で建築許可を受けるに当たりましては、個別に特例措置を受けることを想定してございます。
○生藤委員 ありがとうございます。ということは、整備には用途地域変更もしくは建築基準法の特例措置が必要になるわけです。これはどちらも期間を要するものと考えられます。令和3年10月に策定の中野区区有施設整備計画では、2026年から2030年に新設と記載をされています。これは完了時期となるのでしょうか。
○高橋地域活動推進課長 区有施設整備計画におきまして、2026年度から2030年度の間に整備を完了いたしまして、開設することとしているものでございます。
○生藤委員 完了ということですが、この新しく設置をされる北部すこやか福祉センターの建築、これはするとなると、そうすると基本計画と実施計画、そして地域住民への説明というのが多分必要になる。どんなに最短で進めても3年はかかると聞き及んでいますが、どれくらいの期間で完成をすると考えていますか。
○高橋地域活動推進課長 御指摘ございましたように整備用地に係る法的規制の関係から、通常の施設建設と比較いたしまして、完成までには時間を要することもあり得ると考えてございます。詳細なスケジュールにつきましては、今後検討していくために現時点では未定でございますが、区有施設整備計画で定めた予定年度内に開設するよう準備を進めてまいります。
○生藤委員 いや、整備計画では2030年までに新設と書かれている中で、今も未定というのはちょっと問題だと思いますので、ぜひとも御検討をしていただきたいと思います。この施設は、北部すこやか福祉センターと併せて避難所機能、これが追加をされているわけであります。避難所としても利用される施設になります。その点もしっかりと考慮をされて、ほかの避難所と同等の施設配置、これを御検討いただいて、この早期実現、これをお願いいたします。令和新時代に中野区が誇ることのできるすてきなまちづくりを引き続き御尽力いただけますようにお願いを申し上げて、この項の質問を終わります。
次に、中野の歴史と伝統文化に関する資料の収集整理についてお伺いをいたします。温故知新、故きを温ねて新しきを知るという言葉もあるように、歴史から新しいことをひもといていくことはとても大切です。歴史や伝統文化は記録がないと人々から忘れ去られ、消えてなくなってしまうものです。例えば沼袋の実相院では過去に、年末に毎年餅つきが行われていた。このときに檀家の間で代々受け継がれてきた沼袋餅つき歌という餅つき歌があります。これは歌い継いできたものだったわけです。これがいつの間にか、だんだん年を重ねるごとに歌える人がいなくなっていった。今は歌える方、歌詞が分かる人は一人もいないんです。これも中野の一つの文化が消失をしてしまっているということだと思います。こういったものなどもしっかりと文化保存をしていく。歴史保存の支援も行政の役割であると考えております。
では、お伺いをいたします。現在、古書と言われる史料や郷土資料はどのように収集されているでしょうか。また、寄贈制度というものはどんなものになっておりますでしょうか。今、区立図書館では、寄贈申出資料の受付に関するガイドラインというものがあり、受け取れない資料の例として、破損、汚損、書き込み等のある資料、変色をしたり、カビが発生している資料とあります。歴史民俗資料館の寄贈制度も同様である場合、歴史的価値のある重要な資料を逃してしまっていると考えられますが、どのような制度になっていますでしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 まず古書、郷土資料の収集についてでございますが、中野区歴史民俗資料館におきまして、区民や区外の方からの寄贈により古書や郷土資料を収集しているところでございます。
続きまして、歴史民俗資料館における寄贈制度についてでございますが、こちらは過去の区民生活を示すもの、区域の歴史に関わるもの、学術上貴重と判断されるもの、そうした考古資料、公文書等に該当するものにつきましては受領するという制度となってございます。
続きまして、中野区歴史民俗資料館における損傷資料の受入れについてでございますが、歴史民俗資料館におきましては、損傷があり、原形を復することができないものは受領しないとしておりますが、資料の持つ歴史的価値を重視し、取扱いを判断しているところでございます。
○生藤委員 ぜひですね、数多い、いろんな資料を収集していただければと思います。また、平成20年の決算特別委員会において我が会派に所属しておりました北原ともあき前区議が、古い資料などが現在死蔵してしまっているんではないかという危機感がある。家の代替わりや家の建て替え、転居によって我がまちの歴史的資料が失われていくとの危険性を指摘しております。現在は当時よりもより一層この危険性が高まっていると感じられますが、区としてより積極的な収集活動をすることによって、区民の歴史的財産が失われずに後世に受け継がれていくと考えますが、現在取り組んでいる事例や、今後、積極的資料収集を行う考えはありますか。
○矢澤文化国際交流担当課長 歴史民俗資料館では寄贈を待つだけではなく、中野に関わる古い写真、古写真につきまして、区民に提供をお願いする取組も行ってございます。今後も貴重な資料が散逸しないよう、積極的に資料収集に働きかけてまいりたいと考えてございます。
○生藤委員 写真の収集は進んでいるということですが、区民の中では自分で自費出版で、世の中に20冊しかないような地域の郷土歴史を書いているような文献がいっぱいあるわけです。そういったものをぜひ収集していただけるように引き続きお願いいたします。
また現在、区立学校の再編が進んでいますが、閉校していく学校の校歌、校章、こういったものを含む学校をまちの歴史としてしっかり保存していくべきと考えています。これは学校の統合委員会において話合いがなされて、決定をする事柄であると聞いておりますが、区として学校ごとに電子化保存を含めて、こういったものを保存していく体制をつくることを検討されていますか。
○濵口学校再編・地域連携担当課長 学校再編におきましては、閉校となる各学校の伝統、歴史などを統合新校に引き継いでいくため、新校舎にメモリアルコーナーを設置して、校旗、校歌、校名板、外壁、校章、記念冊子などを保管しているところでございます。今後統合を予定しております鷺宮小学校、西中野小学校につきましても、現在、統合委員会で協議しているところでございますが、デジタル化による保存方法も選択肢の一つとして、統合委員会や学校等と意向を確認してまいりたいと考えてございます。
○生藤委員 検討ということですが、しっかりとこういうことを統合委員会の皆さんに周知をして、積極的に進めていただければと思います。
ほかにも中野区が保有をしている歴史写真を区民ボランティアの御協力を頂いて分類整理され、順次、中央図書館にて電子化保存事業としてホームページで公開をされていくと聞いております。この分類仕分けがどのような分類でなされているのかをお伺いいたします。
○高村広聴・広報課長 広聴・広報課が保管している約1万5,000枚の写真は、3分の1をボランティアの皆さんと整理したところでございまして、中央図書館の助言に基づき、大分類としてはテーマ、場所、時代の三つで分けてございます。さらにテーマについては、人物、風景、政治、経済、社会、教育、文化、生活、風俗をはじめ15分類しているところでございます。
○生藤委員 ありがとうございます。この資料の電子化保存というのでしっかり進めていっていただきたいなと思います。資料の電子化保存による一般公開については、平成27年第3回定例会において石坂わたる議員の質問に対して、情報提供のスキームについては今後の課題としてまいりますとの区長答弁がありました。その後どのような検討がなされていますでしょうかお伺いいたします。
○矢澤文化国際交流担当課長 電子化資料の一般公開についてでございますが、歴史民俗資料館で所蔵する貴重な歴史資料、区内の登録指定文化財などについて電子データ化し、オンライン上で広く提供していくことは重要なことと考えてございます。一方、資料の電子データ化や公開サイトの構築には多大な経費を要するなどの課題もあることから、他自治体の取組も参考に今現在研究しているところでございます。
○生藤委員 ぜひ引き続き実現に向けて取り組んでいただければと思います。こういうものは区単独で歴史保存というものを実行していくのは限界があると考えております。我がまちの歴史を後世にしっかりと引き継いでいけるような民間活力を取り入れながら、ぜひ取組を進めていっていただきたいなと思います。
最後に、歴史民俗資料館に来館される方の多くは区民であると思いますが、区民と区外来訪者の割合を教えてください。
○矢澤文化国際交流担当課長 令和3年度歴史民俗資料館の入館者アンケートによりますと、全体の41%が区外、残る59%が区内の来訪者でございます。
○生藤委員 区外の方が4割近くいらっしゃるということですね。これはやはり歴史というものが、まちの魅力なんではないかなと思っております。現状、中野駅周辺で事業計画をされているものを含めて多数の再開発がされております。今後、来街者はより増加をすることが予測されます。新しい来街者の皆さんに新しい中野だけではなくて、中野の歴史文化を知っていただきたいと考えております。例えば先ほど電子化保存についてお伺いをしましたが、こういった電子化保存されたものなどを中野駅周辺の今後整備された施設で公開することはできないのか検討していただきたいのですが、いかがでしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 歴史民俗資料館の資料のデジタルアーカイブ化につきましては実現までに時間がかかりますが、来街者にも区の歴史や文化を知ってもらえるよう、中野駅周辺の整備される施設における資料の発信の方策を今後検討してまいりたいと考えてございます。
○生藤委員 併せて検討していただきたいのですが、工事の際に仮設の壁、これに歴史民俗資料館にある中野駅周辺にまつわる資料を掲示すること、新しい中野と古きよき中野が同時に発信できる、よい機会ではないかと考えております。これを担当課としていかがお考えでしょうか。
○矢澤文化国際交流担当課長 委員御指摘のとおり新しい中野、それから古きよき中野、こういった中野の歴史を広く知らしめていくことは意義のあることだと考えてございます。変わりゆくまち中野にありまして、機会を捉えながら中野駅周辺にまつわる歴史も併せて発信してまいりたいと考えてございます。
○生藤委員 中野の歴史や伝統文化をしっかりと後世に継承することができる体制が確立されることを祈って、この質問を終わります。
次に、キャッシュレス化導入支援推進事業についてお伺いをいたします。キャッシュレス化推進の有効性というものは、諸外国において導入が早かった最たる理由として偽造通貨対策が第一目的であると言われています。しかしながら、我が国においては世界に誇る紙幣作成技術があり、ニュージーランド、スリランカ、バングラデシュ、カンボジア、ブルネイ、ミャンマーから紙幣製造の受注、これを受けるほどの技術力を保持しております。では、なぜ我が国においてキャッシュレス化が推進をされているのか。一般的にはインバウンド対策と言われています。換金の手間を省き、来日外国人の皆さんに日本国内で多く消費をしていただくことが目的となっています。また、次に挙げられるのがレジ現金残高の確認作業、俗にレジ締め作業と言われる作業の簡略化であります。私も学生の時分にアルバイトとして大手量販店で働いている際にこのレジ締めを行っておりましたが、皆様の中にも経験をされたことがある方は多いのではないでしょうか。この作業時間は、野村総合研究所の調査データでは、一つのレジで1日に平均で153分もの時間を要している。この時間を短縮することによって生産性の向上も一つの目的として挙げられております。それ以外にも、普及していくことで現金をあまり持たなくなっていくことで、ひったくりや強盗といった犯罪が減少していくことも期待をされております。しかしながら、まだまだ理解と普及が十分ではないと考えております。
そこでお伺いをいたします。現在、非接触型決済の普及促進に向けて、総務省、経産省が令和2年から推進をしている複数のQRコード決済を一つのQRコードにまとめて利用することができる統一規格、JPQRというものがあります。区内における非接触型決済の普及促進に際して、事業者、利用者の利便性向上に向けて、JPQRの普及に区として取り組んではいかがですか。
○平田産業振興課長 JPQRの普及の件でございます。JPQRは、複数のコード決済を単一のコードにまとめて受け付けられる規格でございます。これから複数のQRコード決済事業者と契約しようとする商店などには便利な制度と言えると考えております。現在、区では東京都の補助を活用した商店街キャッシュレス化導入支援事業におきまして、QRコードのみではなく電子マネーやクレジットカードにも対応できる仕組みであることから、Airペイを導入しているところでございます。今後区内のキャッシュレス化を進めていくに当たりましては、事業者、利用者の利便性向上に向けまして、情報収集を図りながら工夫をしてまいりたいと考えております。
○生藤委員 Airペイはやっぱり初期投資もありますから、それがなるべくかからないJPQRの検討をぜひともお願いいたします。
また、区内事業者支援として4億9,439万7,000円のキャッシュレス推進事業を実施したわけでありますが、この課題として、一つの決済事業者のみを使ったことによって、特定の決済事業利用者のみの使用となり、区民への還元という観点では公平性に欠けていたのではないかと考えられますが、区としてどのように考えていますでしょうか。
○平田産業振興課長 昨年度1社のみで実施しましたキャッシュレス決済推進事業におきましては、区としましても分析のための情報が十分得られないなど課題があることは認識してございます。今後同様の事業を実施する際には、利用者の利便性向上及び公平性確保の観点から、複数社を組み合わせて行う手法も検討してまいりたいと考えております。
○生藤委員 ぜひお願いをいたします。また、地域経済活性化ということであれば、区内事業者、区民双方に還元できる手法にて実施をするべきと考えております。区としてほかに何か検討されていますでしょうか。
○平田産業振興課長 区としましては、区民と事業者双方にメリットがあると考えておりますことから、区内商品券の発行につきまして、早期に電子商品券への切替えを促していきたいと考えているところでございます。
○生藤委員 区独自に区民生活支援、区内事業者支援の手法として、今、電子商品券の導入を検討されているとお伺いしました。これは各支援事業以外の活用方法というのは何か想定されていますでしょうか。
○平田産業振興課長 電子商品券化につきましては、地域商業の活性化だけではなく、将来的には地域ポイントとの連携なども視野に入れていく必要があると考えているところでございます。
○生藤委員 ありがとうございます。様々な事業者から聴取をされていると思いますが、電子商品券、これを以降の区の様々な施策において長期的に活用を視野に入れて、事業者選定等をしていただきたいと考えております。例えば区外から来訪された方への食事券、観光券としての活用、子育て世帯への支援支給、健康寿命の延伸に向けたスポーツイベント、こういったものの参加者への健康ポイントの活用、区内行事等での有償ボランティアへのポイント給付など、様々な活用ができる仕様にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○平田産業振興課長 電子商品券への切替えに当たりましては、将来的な地域通貨や自治体ポイントの活用等を視野に入れまして、プラットフォームの導入、仕様の設定等が必要だと考えているところでございます。
○生藤委員 ぜひこの長期的な視野で検討していただければと思います。以上でこの項の質問を終わります。
次に、中野区国民保護計画についてお伺いをいたします。昨日も午前6時52分頃に北朝鮮から弾道ミサイルが日本海側に発射をされました。本年に入って19回目のミサイル発射です。過去にない頻度で、かつていない頻度で行われております。北朝鮮による弾道ミサイル等の違法な開発計画によって、東亜地域の国際情勢はより不安定化をしていくことが懸念をされています。そうした中で、地域で区民の皆さんに中野区国民保護計画についてお伺いをすると、そもそも保護計画を知っている方がほとんどいらっしゃらない。しかし、本保護計画は武力攻撃事態、緊急対処事態を想定して、中野区として国民保護をどのような体制で実施するのか、関係機関とどのように連携をするのか、有事発生時に区民及び区内来訪者の安全な避難、警報の伝達、区民の権利利益の救済を定めている重要な計画であります。あってはならない武力攻撃、なくてはならない国民保護であります。
現在、2014年から続くロシア連邦とウクライナ国間の紛争がロシアの全面的侵略行動へと発展をしています。ロシアは我が国とも国境を接しております。戦後約70年続いているロシア軍機による我が国の領空侵犯のおそれがあると判断した飛行、これに対して航空自衛隊の戦闘機が緊急発進をした回数は、防衛省発表では直近5年間で年平均305回もあり、昨年度は2回の領空侵犯が公表されました。こうした中で本年7月14日の日本経済新聞の記事では、中ロ、日本周辺で軍事行動2.5倍、ウクライナ侵攻後増加と題し、ロシアがウクライナに侵攻した2月24日を起点に前後4か月間の活動数を比べてみると、侵攻後に2.5倍に増えたとの記述がありました。
さらに中華人民共和国と中華民国間の争いも深化しています。本年8月4日には、我が国の排他的経済水域に中国人民解放軍が発射をした弾道ミサイル9発のうち、5発が着弾をしました。安倍晋三元総理は、昨年の12月1日に行われた台湾でのシンポジウムにおいて、台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもあると述べられ、また、アメリカ合衆国のバイデン大統領も、本年9月18日にCBSテレビでの独占インタビューにおいて、中国の台湾への武力侵攻があった場合は、アメリカ軍が台湾を守るとの明言もありました。こうした我が国を取り巻く国際情勢が大きく変化しつつある中で、有事に備えた区民を守るための中野区国民保護計画は大変重要な計画であるとの思いで、中野区国民保護計画についてお尋ねをいたします。
中野区国民保護計画は、平成18年に中野区国民保護協議会条例、中野区国民保護対策本部及び中野区緊急対処事態対策本部条例制定後、平成19年に中野区国民保護計画の策定と、議会への報告、平成21年と平成28年に改定をし、本日にまで至っております。こうした中で策定時、また改定時は区民への周知がなされておりますが、約6年が経過をしている中で、これまでと現在区民への保護計画の周知はどのように実施をされていますか。
○石崎総務部防災危機管理課長事務取扱 中野区国民保護計画につきましては、区ホームページに掲載するとともに区民活動センターや図書館等に閲覧用の冊子を配置し、継続的に周知を行っているところでございます。
○生藤委員 今、ホームページの掲載とありましたが、この中野区ホームページでは、防災・防犯というところをクリックして、緊急時の行動・問合せというところが表示をされて、そこに表示をされているわけであります。この表現では、このことについて知りたいと思った区民も、なかなかたどり着くことが難しいのではないかと考えます。近いうちにホームページの再構築をすると聞いておりますが、その際にもう少し改善してはいかがでしょうか。
○石崎総務部防災危機管理課長事務取扱 有事の際の行動につきましては、「弾道ミサイル落下時の行動について」といたしまして、中野区ホームページで周知しているところでございます。一方、御指摘のとおり分かりづらい部分もございます。今後、ホームページの再構築の際に改善してまいりたいと考えてございます。
○生藤委員 ぜひよろしくお願いいたします。
次に、全国瞬時警報システム、通称Jアラートでの国民保護警報についてお伺いをいたします。このJアラートが一般になじみましたのは東日本大震災のときであります。Jアラートといいますと、緊急地震速報、津波警報をほうふつさせるわけであるわけでありますが、これは武力攻撃事態等の発生を住民に知らせる役割も担っているわけであります。そして、このJアラートの警報音は3種類あります。緊急地震速報の警報音、津波警報の警報音、そして弾道ミサイル攻撃、航空攻撃、ゲリラ等の攻撃、大規模テロの発生を知らせる有事サイレンであります。全ての鳴り方が異なるわけでありますが、この有事サイレンを聞いたことがあるという方はとても少ないわけであります。国内でも発報されたのは、北朝鮮による弾道ミサイル発射があった平成28年、平成29年の計3回のみであり、東京都が警報対象地域になったことはまだ一度もない中で、この有事サイレンの警報音を区民へ周知をする必要性があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○石崎総務部防災危機管理課長事務取扱 有事の際は、Jアラートの警報音とともに、「ミサイル発射情報。当地域に着弾する可能性があります。屋内に避難し、テレビ、ラジオをつけてください」というアナウンスが流れることになってございます。有事には一刻を争う状況でございます。区民が警報音について理解していることは大変有用なことであると存じてございます。一方で、現在の区ホームページは音声を流すことはできないため、音声音が認識できる内閣官房国民保護ポータルサイト等にリンクを貼るなど、区民に広く周知をできる方法について検討していきたいというふうに考えてございます。
○生藤委員 ぜひですね、これもリンクを貼るということですが、ホームページ改編の際に1クリックで聞けるような状況をお願いしたいと思います。
次に、その中野区のホームページでも掲載をされている弾道ミサイル落下時の行動についてお伺いをいたします。有事避難の初動は、災害発生を想定した避難訓練と同様に習慣化しなければならないと考えています。例えば内閣官房が示しているように、屋外にいる場合は近くの建物の中か、地下へ避難。建物がない場合は物陰に身を隠すか、地面に伏せて頭部を守る。屋内にいる場合は、窓から離れるか、窓のない部屋に移動するということが示されていますが、こういったことを区民へ周知と訓練を行う。訓練をしっかりと取り組んでいくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○石崎総務部防災危機管理課長事務取扱 弾道ミサイル落下時の行動につきましては、区ホームページで内閣官房国民保護ポータルサイトの「弾道ミサイル落下時の行動」へ飛ぶようリンクを貼り、周知しているところでございます。また、四半期ごとに防災行政無線でミサイル発射に係るJアラートのテスト放送を通じて、国民への意識啓発に努めてございます。国民保護関連の訓練につきましては、他自治体の実施状況なども含め、必要な情報収集を行ってまいります。
○生藤委員 ぜひ引き続き御努力いただければと思います。
次に、避難施設の指定についてお伺いをいたします。保護計画が最後に改定をされた平成28年の翌年、平成29年12月19日の閣議において、国民の保護に関する基本指針の一部変更並びに指定行政機関及び都道府県の国民保護計画の変更について異議がない旨を決定しています。この基本指針変更に合わせて中野区国民保護計画は改定をされていませんが、問題はないのでしょうか。また、この基本指針変更の中で避難施設の指定に関して、都市部に限らず地下施設等を避難施設に指定するように配慮すること、及び避難施設の収容人数を把握し、地域的偏りなく、より多くの避難施設を指定するように配慮することとなっていますが、現在、武力攻撃事態等において区が指定している避難所施設をお教えください。
○石崎総務部防災危機管理課長事務取扱 平成29年12月19日に閣議決定された国民保護に関する基本指針の主な変更内容につきましては、避難に当たって配慮すべき事項、避難施設の指定及び訓練の箇所の一部訂正でございます。中野区国民保護計画に反映されていないことが直ちに何かに違反するわけではございませんが、今後、中野区国民保護計画を変更する際に併せて修正をしてまいります。
次に、区内における武力攻撃事態の避難場所についてでございます。武力攻撃事態等があった場合の避難施設といたしまして中野区で指定されているのは、地下駅舎を有する駅をはじめ、学校、福祉施設等、区の地域防災計画で示されている避難所、二次避難所など85か所でございます。
○生藤委員 85か所の避難施設が指定をされているということですが、弾道ミサイルの落下を想定した場合の地下施設を有する施設への避難を推奨しております。区内に地下施設を有する指定の避難施設は幾つありますか。
○石崎総務部防災危機管理課長事務取扱 現在、区内で指定されている避難施設のうち、地下避難施設を有する施設は12か所でございます。
○生藤委員 まだまだ少ないという認識であります。そうした中で、中野区では地下施設を有する施設というのはまだまだ少ない中で、これは提案ですが、環状7号線の地下広域調整池があります。これはトンネル型の調整池で、大きくて地下にある。そして、人も十分収容することのできる広さがあります。例えば武力攻撃事態の航空機による攻撃、俗に空襲ですが、この空襲の際等に、これは弾道ミサイル攻撃と異なり、その兆候を察することが容易になるわけでありますが、そういったときに、この環七地下広域調整池を防空壕的な使用をすることができるのでしょうか。そうすることによって周辺地域の区民を相当人数避難させることができると考えますが、いかがでしょうか。
○石崎総務部防災危機管理課長事務取扱 環状7号線地下には54万立方メートルの貯水池があり、深さは約40メートルで、地下貯水池へは階段で行く構造になってございます。また、神田川の水位が上昇し、一定の水位を超えると流入を開始する構造になってございます。この管理につきましては、東京都第三建設事務所であるため、現時点で明確に回答することはできない状況でございます。
○生藤委員 ぜひですね、引き続き調整をしていただいて、国民保護の最前線での行動指標であるこの保護計画をより充実したものにしていただきたいと要望して、この項の質問を終わります。
その他の項目の電動キックボードに関する法整備と、公共交通政策における位置付けについてお伺いをさせていただきます。まず電動キックボードは、本年4月に道路交通法の改正がされ、2年以内に16歳以上の方であれば、免許なしに電動キックボードを運転、車道での走行ができるようになります。こういった電動キックボードをはじめとした次世代小型モビリティと呼ばれる移動手段は、日常生活の移動の利便性を高め、公共交通機関の不便地帯が介在する我が中野区においても今後普及がされていく可能性が非常に高い新たな交通手段であり、全国各地でも注目がされております。しかし、先ほど申し上げた本年4月の道路交通法改正では、免許が不要になったということ、新たな車両区分ができたという大きな変更点がありますが、それ以外のところについては改正道路法が施行され、本格的運用は遅くとも令和6年内の運用開始が予定をされており、現在のシェアリング事業における実証実験特区内では所有しているか、シェアリングかによって走行が許されている箇所などについては限定的で、法規が分かりにくくなっている現状もあり、利用者や歩行者への安全性について不安視する声が上がっています。それはこの中野区においても同様で、安全協会の皆さん、商店街の皆さんからも危険ではないかとの声が上がっており、無秩序に電動キックボードの利用が増えれば、安全・安心な交通環境を確保できなくなってしまうということを懸念しております。だからこそ中野区内における利用増加をする前に、区民に対して主体性を持ち、安全性に関する運用の在り方やマナー、モラルについても検討を進めておく必要性があると考えています。
そこでお伺いをいたします。中野区内の狭い道路状況の中で、電動キックボードについてはどのように走行することが求められるのか担当課の認識を教えてください。
○阿部生活・交通安全担当課長 今後普及が予想される電動キックボードは、道路交通法上の車両に該当します。よって、事故を防ぐためには利用者が走行方法を正しく理解し、交通ルールとマナーを遵守することが求められていると認識しております。
○生藤委員 ありがとうございます。中野区内で電動キックボードが普及するために、先ほども申し上げたように安全性に関する課題を解消していく必要があると考えていますが、警視庁や事業者と連携をして、区としても安全に対する周知活動を実施していくのかを教えてください。
○阿部生活・交通安全担当課長 区では現在、ホームページで電動キックボードの利用に関する留意事項について区民に周知を図っております。また過日、中野警察署主催で開催された交通安全キャンペーンには電動キックボードのシェアリング事業者も参加して、事故防止に向けた啓発活動を実施し、区も連携しているところです。今後も警察や関係機関等と協力した周知活動を推進していきたいと考えております。
○生藤委員 ありがとうございます。電動キックボードが普及することに対する住民の安全性の懸念を払拭することや、区民の理解を深めるために具体的に実施をしていくことは何かありますでしょうか。
○阿部生活・交通安全担当課長 区民の安全上の懸念を払拭するためには、電動キックボードによる交通事故やマナー違反をなくすことが必要であると考えており、区としても積極的に情報発信していくことにより、安全上の懸念を払拭できるよう努めてまいりたいと思います。
○生藤委員 ありがとうございます。現在、区では地域公共交通に関する計画の検討も進めていると聞いております。電動キックボードを含む新しい移動様式が開発されていく中で、このような小型モビリティについて計画での位置付けはどのようにしていくのか、また、今後中野区はどういった関わりを持っていくのか、また検討されているのかをお伺いします。
○宮澤交通政策課長 中野区交通政策基本方針では、小型モビリティなどの新技術に関して、事業者による取組状況や導入に向けた課題、社会実験の実施等について関係者間で共有し、適切な役割分担の下、円滑な普及に向けた取組を推進していくこととしております。また、現在検討中の地域公共交通計画における位置付けや区の関わり方などについては、有識者、警視庁、交通事業者等で構成される中野区交通政策推進協議会の中で協議を進めているところでございます。
○生藤委員 ありがとうございます。キックボードが走行することが増えても安全性のある道路基盤が必要なので、そういった設備も併せてされることを要望して、この項の質問を終わります。
以上で私の全ての質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。
○ひやま委員長 以上で生藤健人委員の質疑を終了します。
次に、甲田ゆり子委員、質疑をどうぞ。
○甲田委員 令和4年第3回定例会におきまして決算総括質疑を行わせていただきます。公明党議員団3番目でございます。66分ということで時間内に終わらせたいと思います。早口になるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
質問は通告のとおりですが、その他で1点、子育て支援ハンドブックについて伺います。
1、高齢者・障がい者・生活困窮者の支援について。初めに、住宅確保要配慮者の住まい確保支援について伺います。賃貸住宅に住む高齢者や障害者の方から、急に立ち退きを迫られた。また、収入の減少により住み替えをしなくてはならないが、見合った物件が見つけられないとの御相談が後を絶ちません。中野区では居住支援協議会が立ち上がったことについて地域包括ケアの成果にもしているようですが、まだまだ取り残されている人たちがたくさんいらっしゃると考えます。その原因の一つとして、住宅確保要配慮者の物件がまだまだ少ないということが挙げられると感じています。そこで何点か伺います。
東京都は、高齢者や障がい者、子育て世帯などの住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居促進を図る目的で、入居を拒まない賃貸住宅、いわゆるセーフティネット住宅を制度化し、中野区はこれを平成29年、2017年から事業化しました。さらに今年6月30日の建設委員会の報告によると、住宅確保要配慮者のみが入居可能なセーフティネット専用住宅として登録される場合、住宅の所有者等に対し、改修費用の一部を補助する事業を始めました。そこで、令和3年度における中野区内のセーフティネット住宅とセーフティネット専用住宅の登録戸数を教えてください。
○落合住宅課長 令和3年度末、令和4年3月31日現在の住宅確保要配慮者の入居を拒まないセーフティネット住宅の登録戸数は、登録住宅が620戸、専用住宅が2戸でございます。
○甲田委員 セーフティネット住宅の空き戸数はかなり少ない現状だと聞いております。タイムリーには、区は把握できないものだと思いますので聞きませんけれども、そして、あくまでも入居を拒まないとうたっていますが、逆に言いますと住宅確保要配慮者以外の人も拒まない物件でもあります。
一方、セーフティネット専用住宅については、今のところまだ2件しかないとのことです。これでは結局、焼け石に水です。住宅確保要配慮者が住み替えできる物件を増やすことについて、区としてどのようなことをしてこられたか、これまでの取組をお答えください。
○落合住宅課長 令和3年度にはセーフティネット住宅の家主等を対象として、60歳以上の単身者を入居させた場合に加入する少額保険料の補助を開始し、また、令和4年度にはセーフティネット専用住宅の家主等を対象とし、改修工事費の補助を開始いたしました。また、居住支援協議会において住宅セーフティネット制度の普及啓発や補助制度などのセーフティネット住宅登録促進の取組の周知を行っているほか、居住支援法人と連携し、地域包括支援センターや社会福祉協議会、アウトリーチチームを対象にした勉強会、協力不動産店へのヒアリングなどを行い、セーフティネット住宅などの登録促進に取り組んでいるところでございます。
○甲田委員 ありがとうございます。平成31年、2019年1月から制度を開始され、昨年度改定をされましたあんしんすまいパックをはじめとする入居支援事業と、令和3年3月に立ち上がった居住支援協議会の現状と課題についてお伺いいたします。
○落合住宅課長 居住支援協議会の設立と入居支援事業の拡充を契機としまして、民生児童委員や地域包括支援センターなどへの住み替え相談や入居支援事業の周知を強化したことで、地域から相談につながるケースが増加しております。住宅確保要配慮者の入居に関する理解促進を図るため、住宅部門と福祉部門の各団体と行政の多職種で構成される居住支援協議会と連携して、入居者ごとの課題に応じた支援や、入居者と民間賃貸住宅の家主や管理会社の双方に対する入居支援事業の周知などを行っていくことが必要と考えております。
○甲田委員 区は以前より、住み替えシートを活用して協力不動産店に対し情報提供をし、物件探しの支援をしてきました。昨年7月からは、情報量を大幅に増やしたシートに改定をされたと聞いています。決算資料の建設20に住み替え支援の相談件数が載っております。令和3年度は、相談件数26件を分母として、成約件数については10件、これは38.5%ということで、依然として6割以上の方は成約できていないということです。成約できなかった人たちがその後どうされているのか、区は把握されているのか伺います。
○落合住宅課長 令和3年度住み替え支援として協力不動産店への物件の情報提供依頼を行った方について、成約に至らなかった方のその後の状況は把握しておりまして、自己都合による取りやめが約6割、次に自分で探した方などという結果でございました。取りやめの理由は、提供された物件と立地や設備等の希望が合わない、住み替えの必要がなくなったなどがあり、相談の段階で御本人の希望とともに、情報提供を受ける物件の条件などを丁寧に説明し、相談に応じることとしております。
○甲田委員 その後の状況を把握しているということで、誰も取り残さないとの観点から、その後の把握は大切だと思っており、住宅課だけの施策になっていないか危惧をしておりました。今聞きますと、住宅課から適切な部署につなぐ取組をされているということで、その点について前進していることについては評価したいと思います。居住支援協議会を中心として事例の積み上げをすることは画期的なことだと感じています。しかしながら、一面では、関係者同士がつながったというだけで、ここが居住支援の窓口ですというような看板を出しているわけではないため、まだまだ行政や関係者の方、支援する側だけの施策となっており、一般の区民の方はこのような仕組みがあることは御存じないのが実態です。居住支援の取組は広く周知されなければ、取り残されている要配慮者のもとに届かないと思います。豊島区では、支援側にも一般の人にも分かるような豊島居住支援ガイドブックというのを出されていまして、この中に相談先の名称や電話番号等を記載しております。中野区も今後は一般にも分かりやすく、広く周知を強化することが必要ではないでしょうか伺います。
○落合住宅課長 中野区居住支援協議会では、令和3年度に専用ホームページを立ち上げるとともに、居住支援に関する様々なサービスや相談・問合せ先を掲載した居住支援ガイドブックを作成し、構成団体である民生児童委員、地域包括支援センター等の福祉団体や、行政、それぞれの生活支援の窓口や訪問などで活用されています。居住支援協議会の構成団体を通じた情報共有や居住支援協議会のセミナーや合同相談会などの活動の情報発信を支援することにより、今後も地域や居住支援を必要とする方に居住支援の情報が届くように工夫して取り組んでまいります。
○甲田委員 ぜひお願いします。また、そのほかの課題として、福祉関係の方に聞きますと、単身の高齢者や障害者等の場合、緊急連絡先になる人がいないということなどが挙げられています。さらに精神障害者の方の条件が厳しく、物件が見つかっても債務保証会社における審査が通りづらく、契約に至ることが困難であると考えます。このことを区はどのように考えていますでしょうか伺います。
○落合住宅課長 精神障害者も住宅の確保が困難で、配慮が必要な方であると認識しております。居住支援協議会においても、構成団体として障害者相談支援事業所や地域生活支援センター、すこやか福祉センター、障害福祉課なども参加し、セミナーや勉強会において精神障害者を含む住宅確保要配慮者について事例検討などが実施されております。区としましても入居支援事業の充実を図りつつ、居住支援協議会と連携し、不動産会社や賃貸住宅のオーナーに対する支援や情報提供を行い、住宅確保要配慮者の入居者に関する理解促進を図ることにより、精神障害者の円滑な入居が促進されるように取り組んでまいります。
○甲田委員 ぜひそのようにやっていただきたいと思います。精神障害の方は、ある意味高齢者よりも審査が通りづらいという困難さがあります。また、私は今年に入ってから特に精神の方の住み替え相談をかなり受けまして、本当にいろいろ手を尽くしました。その際に、不動産会社の方にも随分お聞きをしましたが、大家さんや不動産会社としては住宅確保要配慮者に住宅のマッチングをしたくても、要配慮者以外の方に比べ、入居後の近隣とのトラブル、苦情等のリスクもあり、説明や対応に時間がかかるため非常に困難度が高い。不動産会社に対する情報提供やインセンティブをさらに強化してもらわないと、前向きになる不動産会社は増えないのではないかとも話されていました。物件を紹介する不動産会社が、その後のリスクにおいての解決ノウハウを持っていないため、結局は断っているというケースが多くあるようです。そのようなことも踏まえまして、区としてさらなる住宅確保要配慮者向けの住宅の確保策の底上げを検討していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○落合住宅課長 入居者自身が安心して暮らせるよう、また民間賃貸住宅のオーナーや不動産事業者が安心して住宅を貸すことができるように、様々なニーズに応じた入居支援事業の拡充や、住宅部門と福祉部門とが連携した相談支援体制を推進していくことが必要であると認識しております。不動産団体が参加する居住支援協議会とも連携して取組を行ってまいります。
○甲田委員 よろしくお願いします。要は、セーフティネット住宅を増やして関係者が顔つなぎをしたとしても、結局、実は物件が空いているんだけれども、様々な事情を見て、不動産屋さんや大家さんが入居を拒んでいる結果、実際に困っている人たちがいるという実態がまだまだ多くあるという現状をぜひ把握していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、主に生活困窮かつ単身高齢者の生活の支援について伺います。生活保護受給の条件にはまだ至っていないものの、困窮している高齢者の相談をよく受けます。ぎりぎり受給のラインにはならない年金生活者や、預貯金がまだ少しだけある就労ができなくなった高齢者、また障害がある、もしくは微妙な方で、もともと仕事があまりなく、これまでは親の資産等で生活をしていたものの、限界が近づいてきている等々です。コロナ禍の支援金とか給付金を当然駆使はしても、ここに来て限界が近づいているにもかかわらず、なかなか以前の生活習慣を変えられず、家計が破綻しかけている、健康を害しているなどで生活の立て直しが必要な方が多くなっていると考えます。そのような方がくらしサポートに相談にこられた場合、区ではどのような支援サービスがあるのかお答えください。
○葉山生活援護課長 お答えします。「中野くらしサポート」では、生活困窮者からの相談に応じ、必要な情報提供や助言を行っております。生活困窮者自立支援制度として、相談と一体的に実施している住居確保給付金事業、家計改善支援事業、就労準備支援事業につなぐことも多い状況です。
○甲田委員 相談と住居確保給付金と家計改善相談支援と就労支援と今おっしゃったんですけども、それぞれ年間実績を教えてください。
○葉山生活援護課長 令和3年度の実績でございます。「中野くらしサポート」の新規相談が1,514件、住居確保給付金事業の新規支給決定が748件、家計改善支援事業の新規プラン作成が2件、また、就労準備支援事業を含む生活困窮者への就労支援プログラムでは、新規支援者92件でございます。
○甲田委員 ありがとうございます。ちょっとこれ、一つひとつ聞いていると時間がなくなってしまいますので、相談に関しては、私も生活保護受給の申請窓口に何度となく同行したりしていますが、最近、中野くらしサポートの相談員さんはどの方も非常に丁寧かつ分かりやすく、寄り添った対応をしてくださり、この場を借りて評価し、感謝をしたいと思います。しかし、それでも現時点で条件が当てはまらないということになれば、これ以上の手だてはありませんということになる場合がよくあります。例えば就労が難しく、自分の家計状態を把握していなかったり、車や保険など若干の資産や現金があるが、借金や家族のことなど複合的な問題を抱えている場合、また、債務整理とか生活保護受給にはすぐ結びつかず、受給申請前に片づけなくてはならない様々な手続を結局本人が諦めてしまい、破綻を待つのみというケースがあると思います。そういった方は、家計の把握や整理と並行しまして、まずはとにかく出費を減らすことが重要です。生活保護を受給したとしても、この点は大事であると思います。私がよく遭遇するのは、単身男性の方で自炊する習慣がないために、毎食外食か、またはコンビニとかのお弁当購入ということで、かなり食費にお金がかかってしまっています。もしくは食べられずに健康を害している方も少なくありません。多少の自炊ができなければ、生活保護を受給したとしても生活費をやりくりできないという方も多くなっているような気がします。現状では社会福祉協議会やフードバンク等で食料支援というのはありますけれども、それだけでは厳しい状況です。さらに具体的で有効な生活支援、主に単身男性等を対象とした居場所を兼ねたような食事づくりを教える家事などの自立支援メニューがあるとよいのではないでしょうか。区の見解を伺います。
○鈴木地域包括ケア推進課長 地域包括ケア体制においては、民間団体が行っている家事支援サービスへつなぐなど、地域の社会資源の創出、活用を図りながら、御本人の要望や状況に沿った支援を行ってまいりたいと考えております。
○甲田委員 そうすると、今、地域包括ケア推進の担当さんが答えられたので、そちらのほうにつなぐと、そういったメニューにつないでいただけるということでよろしいでしょうか。
○鈴木地域包括ケア推進課長 地域包括ケア体制の中で行っている複合的、複雑化した課題を抱えている区民の方に対しまして、御相談があった場合には地域の方、また多くの機関の方と連携して支援を行ってまいりたいというふうに考えます。
○甲田委員 御相談があった場合にはということで、今、中野くらしサポートのほうに御相談が行っていた方、また、地域包括ケア推進の担当のほうに相談が行く場合があると思いますけれども、いろんな切り口があると思うんですけれども、結局その御相談が来ないと行かない。また、窓口が分かれていますので、そこを本当に包括的にケアしていただけるような体制を取っていただきたいと思います。生活保護受給に至る前の支援には、就労や給付金に該当しない場合も自立支援、また孤立防止が必要ですけれども、取組はまだまだ不十分であると思いますので、さらに包括的支援のつなぎ方を深化させていただくことを望みまして、次の項に移ります。
2番、地域の防災行動力の向上について伺います。最近、まちの防災に対する意識は変化してきていることが感じられます。大震災が起きたら、まず避難所に行くとの意識というよりは、自宅が壊れていないのであれば、できる限り在宅で避難しようという意識を持たれている方の割合が多くなっています。コロナ禍で避難所での避難生活への不安が強まったことや、高齢化で物理的にも自分は避難所まで歩いていけないと感じている方も多くなったような気がします。首都直下地震の被害想定が10年ぶりに変わったとの発表があったことも影響しているかと思います。そこで不安となるのが備蓄物資です。区は指定避難所において1日分、すなわち3食分の食料、備蓄物資を配備しています。地域防災会及び町会では防災訓練を行っていますが、いざ災害が起きた場合に指定避難所まで行かれない在宅避難者要支援者へ配布を想定し、備蓄物資を購入しておきたいという声を伺っています。私の地元町会でもそんな考えがあるようです。安否確認をしながら、物資を少しでも要配慮者に届けたいとの地域の思いは大切にすべきと考えます。本来は、自宅での食料や簡易トイレなどを準備しておくことが望ましいのですが、なかなか意識して用意している人は少ないため、啓発も必要です。
そこで伺います。まず、令和3年度の決算説明書175ページ、地域防災住民組織活動助成金は執行残が半分ぐらいあります。この助成金の活用条件と併せて令和3年度に半分以上利用されなかった理由はどのように見ているか教えてください。
○吉澤防災担当課長 区では、自分たちのまちは自分たちで守るという主体的な活動を支援し、活動を通して地域の結束力と防災力を高めてもらう目的で助成制度を設けてございます。対象となる活動は、防災訓練、講演会または座談会、広報紙の発行、地域内の安全点検等となっております。
次に、令和3年度の助成金の執行率が48.3%と低い数字であった理由につきましてですが、新型コロナウイルス感染症拡大前の平成30年度の執行率が88.9%であったことを鑑みますと、感染症拡大のため、地域の活動が自粛されていたことが大きく影響していると推察されます。
○甲田委員 地域の活動が自粛されていて、令和4年度戻ってくるのかもしれませんけれども、この助成金は、防災訓練、防災講習会、地域内の安全点検など、あくまでも活動を行った場合の活動経費としての助成金であるということです。であるならば、これまでは避難所開設訓練などが主流でありましたけれども、今後さらに在宅避難者への安否確認と物資配布を想定した訓練のためということであれば、物資購入も可能でしょうか伺います。
○吉澤防災担当課長 助成制度の趣旨から、活動を伴わない備蓄品の購入は助成対象外とさせていただいておりますが、安否確認訓練等の際、備蓄推奨品としてアルファ化米や簡易トイレを配布し、在宅避難を普及啓発する目的での物資購入であれば、助成の対象とさせていただいております。
○甲田委員 備蓄ということは目的としないということですけれども、いざというときに訓練の成果を出すためには、備蓄品を持つこと自体はいいのではないかと思っております。助成金の目的を明確にした上で、在宅避難者への普及啓発のための地域防災力向上に資する物資の購入が可能であることについては柔軟に捉えるべきではないかと思います。また、地域内の世帯数に応じて上限額が決められていますけれども、全体的に金額が低過ぎるという声もあります。実績に応じて助成金額を全体的に引き上げることも検討すべきと考えますが、見解を伺います。
○吉澤防災担当課長 訓練に基づく普及啓発品の配布が助成の対象となることにつきましては、防災会に配布している助成金申請の手引や防災会連絡会における助成金説明時に推奨される取組として紹介してまいりたいと考えております。また、今年度は防災会の訓練等の活動も回復傾向にあり、併せて助成金の申請も回復することが見込まれることから、助成金申請の際や説明実施時の際に丁寧な説明と助成金活用実態の聴取を心がけ、防災会の意向を酌み取り、さらなる活動の活性化につながるよう検討してまいりたいと考えております。
○甲田委員 どうぞよろしくお願いいたします。以上でこの項目を終わります。
次に3番、妊産婦の支援について伺います。
初めに、産後ケアの拡充について伺います。2015年のトータルケア事業開始以来、多くの改善を重ねていただきました。家事・育児支援事業は東京都の補助事業での実施に変わり、いわゆる産後ケア事業とは区別をされました。現在は、アウトリーチ事業というのは助産師の訪問事業となりました。令和3年度には大幅に利用数も増えているようです。この産後ケア事業のうち、ショートステイやデイケアも人気のサービスですが、いまだ課題は年の近い多子世帯における上のお子さんの預かり問題です。特に2019年度に中部・南部すこやか福祉センターでの集団型デイケアは、上の子の預かりもできるように拡充をしていただきましたが、2020年度からは、デイケア事業は個別の助産院のみでの実施となったことによりまして、残念なことにたった1年で上の子の預かり事業というものは消滅をしてしまいました。現在、助産院のデイケアは何か所で行われているのでしょうか。また、令和3年度利用実績をお答えください。
○原北部すこやか福祉センター地域ケア担当課長 令和3年度のデイケアにつきましては、中野区内、中野区外、合計で9か所の医療機関や助産院などに委託して実施したものでございます。年間の利用実績としましては、延べ日数で1,630日でございます。
○甲田委員 それで、その方々から、その方々というか利用していない方も含めてですけれども、上の子がいるためにこの産後ケアが利用できない、利用しづらいという声があると思うんですが、その声は区に届いていますでしょうか。
○原北部すこやか福祉センター地域ケア担当課長 1歳になられましたお子様のいる世帯を対象としたファーストバースデーサポート事業のアンケートなど、利用者の声ですとか受入れ先の助産院などから、御指摘のようなお声を頂いているところでございます。
○甲田委員 届いているということです。一時保育の考え方にもつながると思いますが、一番大変なのが、年の近い2人目、3人目の子のいる母親をケアする場合の上の子の預かりだと思います。多子世帯の産後ケア支援についてはしっかりと考えていただきたいと思いますが、区の見解を伺います。
○原北部すこやか福祉センター地域ケア担当課長 デイケアにつきましては、委託先の助産院などの受入れ状況によっては、未就学児の兄弟とともに利用することができまして、受入れがあった場合、区からの委託料を加算しているところでございます。令和3年度の実績によりますと、デイケアの延べ利用日数1,630日のうち、23日分が未就学児の兄弟ともに利用できたところでございます。このような仕組みの改善など、2人目、3人目以降のお子様を育てる家庭がより事業を利用しやすくなるよう検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○甲田委員 デイケアの助産院さんに上の子の預かりをする場合、加算をしているということですけれども、助産院さんだと助産師さんは保育士ではないですし、また加算も本当に少ない金額であるため、その上の子の保育というところでは、やはりちょっと難しいということで断っていらっしゃる助産院も多いと思いますし、なかなかこれでは進まないかなと思いますので、この辺り加算ではなく、しっかり預かり事業として考えていただきたいと思います。また、一時保育と併せても全区的に考えていただきたいと思っております。
次に、トータルケア事業の中で支援をしている多胎児のサービスの現状を伺います。
○原北部すこやか福祉センター地域ケア担当課長 多胎児家庭支援事業と称して実施している事業には、外出に関わる移動経費補助事業、家事・育児支援の利用時間数の加算された多胎児家庭サポーター事業、多胎妊産婦の交流の場である多胎ピアサポート事業の三つがございます。また、産後ケア事業におきましては、委託先の医療機関や助産院が多胎児家庭を受け入れる場合、委託費を加算しているほか、一般の方であれば合計15日としている利用日数を合計21日としているところでございます。さらに、令和3年度途中からは、産後ケア事業や多胎児家庭サポーター事業の利用者負担金の一部を無料とするなど、多胎児家庭の支援を拡大してきているところでございます。
○甲田委員 多胎児についてはたくさん拡大をしていただきまして、また最後に言われました利用負担金について、上限2万1,000円まで補助していることについては評価をいたします。ですが、以前より多胎児家庭の産後育児は単胎児の2倍の大変さではなく、何倍にも大変であることを鑑み、せめて産後ケアの利用可能上限を2倍にすべきと訴えてまいりました。特にショートステイについては、上限が単胎児と同じ7日となっています。これを2倍にすることを検討すべきと考えますが、見解を伺います。
○原北部すこやか福祉センター地域ケア担当課長 現在、産後ケア事業につきましては、多胎児家庭の場合、デイケア、ショートステイ、アウトリーチの3事業の合計で21日まで利用可能としておりまして、単胎児の家庭に比べまして加算しておるところでございますけれども、ショートステイのみ7日を上限としているものでございます。これは、国、都の補助要綱などでこのショートステイのみ利用日数が7日までとされていることを踏まえまして、区で設定しているものでございます。区といたしましては、国や都の動向を注視するとともに、実績や実態を分析しながら適切な利用回数の設定について検討してまいりたいと考えております。
○甲田委員 ぜひよろしくお願いします。児童虐待の芽を摘むのは、お子さんが生まれた直後、産後が極めて大事です。多子世帯、多胎児の対策は本当に重要ですので、ぜひそこをしっかりと押さえながら、一歩一歩の改善、前進を望みます。以上でこの項目を終わります。
次に、助産院での妊婦健診の立替え償還払いをなくすことについて伺います。第2回定例会の一般質問で小林議員が質問をいたしましたが、重ねて伺います。
妊婦健診の受診は14回まで無料ですが、東京都の場合、妊婦健診の受診券は医療機関でのみ利用でき、助産院では妊婦健診を受けられますが、受診券が利用できない仕組みとなっており、利用者による立替え償還払いとしています。1回当たり利用者が立て替える受診料はどの程度でしょうか。また、中野区の助産院で妊婦健診を受けている区民の数は月にどのぐらいいるのでしょうか伺います。
○滝浪子育て支援課長 妊婦健診1回当たり5,070円を請求可能額としており、同額程度の立替えが想定されております。令和4年1月から3月までの実績によりますと、月平均16件程度ですが、人数にすると二、三人となっております。
○甲田委員 利用者が毎回の健診で5,070円は立て替えているということで、その負担はやはり大変だと思います。また、月二、三人ということですけれども、助産院での出産は今年大変伸びていると伺っております。八王子市と東村山市では助産院と直接契約を結び、市民の利便性を向上させていると聞いております。中野区も助産院と個別契約を結んで、償還払いではない形にすることを助産院も望まれており、助産師会では度々東京都に要望をしています。今回、中野区にも要望を出されたと伺っています。何よりも区民のために立替え払いをなくす方策を検討してはいかがでしょうか伺います。
○滝浪子育て支援課長 妊婦の方の利便性向上のためには、各区が個別に助産院と契約するのではなく、医療機関と同様に都内全域で受診票を利用した費用助成を行うことが望ましいと考えております。助産院との個別契約につきましては、他区の動向を踏まえながら研究してまいりたいと考えております。
○甲田委員 本来は、東京都で受診票を使えるように一律に行うのが望ましいのですけれども、23区ではまだどこも実施をしておりませんが、出産できる助産院が複数ある中野区だからこそ、先陣を切って突破口となっていただきたいと思っております。併せて東京都へ区長からも強く要請をしていただきたいと考えます。再度見解を伺います。
○滝浪子育て支援課長 重ねての答弁にはなりますが、助産院との個別契約につきましては動向を踏まえながら研究してまいるとともに、必要性については十分検討してまいりたいと考えております。
○甲田委員 これは承知で質問していますけれども、でも、お子さんを産んでいただく区民のために、助産院の方々も煩雑になることを承知で御協力くださろうとしています。区も真剣に検討していただくよう重ねてお願いいたします。これでこの項目を終わります。
次に4番、新井薬師前駅周辺まちづくりについて伺います。
1点目に、新井薬師前駅周辺のまちづくりの進捗状況について何点か伺います。初めに、区画街路第3号線、いわゆる駅前交通広場の現段階での進捗を伺います。まずは事業全体としてどのような状況か伺います。
○小倉まちづくり事業課長 区画街路第3号線の事業全体としましては、主に用地取得交渉を進めておりますが、今後の西武新宿線連続立体事業の作業ヤードの活用を見据え、現在、交通広場の大きな部分を占める新井薬師前駅前協同ビルの解体設計を実施しており、速やかに解体、連立事業への貸出しができるように準備を進めているところでございます。
○甲田委員 また、現在の用地取得の状況と、その薬師の駅前協同ビルにおける区分所有の取得及び契約状況について伺います。
○酒井まちづくり用地担当課長 9月1日現在の区画街路第3号線交通広場の用地取得における進捗率は、面積ベースで約16%であり、画地ベースでは約46%となっております。また、薬師駅前協同ビルの取得状況は、土地22筆のうち8筆を取得し、進捗率約36%、部屋数については67部屋のうち40部屋を取得し、約59%でございます。テナント47名のうち26名と契約済みであり、約55%の進捗率でございます。
○甲田委員 ありがとうございます。次に、現在検討が進んでいる新井薬師前駅前拠点整備について伺います。これは区画街路第3号線交通広場に隣接する区域であり、土地・建物を所有している方々が市街地再開発事業を検討し、中野区も支援しています。この事業は駅前の新たな顔となるだけでなく、駅前広場と一体的なにぎわいの中心となり、新たな駅と一体となった空間づくりなど、現在の駅前の環境を大きく変える事業として期待をされています。一方で、区域の中にお住まいの方や事業を営んでいる方々の生活を一変させることから、丁寧な進め方、取組も重要と考えておりますが、現在の駅前拠点整備の検討の進捗状況を伺います。
○近江新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 新井薬師前駅地区では、区画街路第3号線交通広場に隣接する街区の権利者を対象に、平成28年度より市街地再開発等の共同化についての勉強会を実施し、機運の醸成を図ってきたところでございます。その結果、令和2年8月には市街地再開発事業推進を目的とした権利者主体の新井薬師前駅地区再開発協議会が設立されてございます。その後、新型コロナウイルス感染拡大により協議会の活動にも制限がございましたが、現在は次のステップとなる準備組合の設立に向けて検討しているとのことでございます。
○甲田委員 着々と進んでいるということで、ぜひよろしくお願いします。
次に、鉄道の地下化に伴う線路の上部活用について、鍵を握る西武鉄道との協議がようやく始まったと聞いていますが、その後、協議は順調に進んでいるのか伺います。
○千田まちづくり計画課長 鉄道上部空間の活用については、鉄道事業者はもとより事業主体である東京都を含めた3者による協議調整が重要となります。当面の目標は、中野区と東京都、西武鉄道株式会社で鉄道上部空間の活用検討に必要な協議調整事項と進め方を特定し、共有することにありますが、担当課長として年度当初に想定したスケジュールよりも遅れておりますので、東京都、西武鉄道株式会社の協力の下、ピッチを上げていきたいと考えております。
○甲田委員 地域の方たちは、令和8年度末に事業延伸されたことについてとても落胆されています。特に令和小学校新校舎が開設をしたことで、松が丘や上高田五丁目など、今まで以上に多くの子どもたちが踏切を渡らなければ通学ができません。工事の影響で道路車線が少なくなり、自転車の歩道通行が多くなる危険もあり、保護者の皆さんはとても心配をし、連続立体交差事業の完成時期を何とか早めることはできないかとの声も聞かれます。一方で、逆に再延伸もあるのではとの疑念の声も聞かれるところです。考えたくはないですが、連続立体交差事業の延伸を再度行うということもあるのでしょうか。事業の現在の状況とともに伺います。
○近江新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 西武新宿線中井駅・野方駅間の連続立体交差事業につきましては、東京都が事業主体となり、事業を進めていますが、用地取得が難航したことにより、令和9年3月31日まで事業を延伸してございます。現在は用地取得率も9割を超え、新井薬師前駅、沼袋駅部においては地下構造物の構築に向けた掘削工事等を行っているほか、地下へのアプローチとなる中井方、野方方の取付け部分の掘削工事等を行っております。今後は、シールド工法による駅間のトンネル構築に着手し、新たな地下駅の構築と併せ、事業期間内の完成を目指すと聞いているところでございます。
○甲田委員 聞いているということで、再度延びることがないよう、しっかり区から東京都に対して強く要望していただきたいと思っております。
次に、新井薬師前駅周辺まちづくりのビジョンについて伺います。平成29年に策定をされた西武新宿線沿線まちづくり推進プラン(新井薬師前駅周辺地区編)の中には、新井薬師前駅は、中野駅と哲学堂公園との中間に位置することから、哲学堂公園及び哲学堂公園周辺都市観光拠点整備計画に基づき、案内誘導サイン整備などにより、まち歩き、回遊性を誘導するための環境を整備していくと記載されています。一方で、この哲学堂公園周辺都市観光拠点整備計画は、酒井区長誕生後、平成30年10月をもって廃案とされました。ということは、現在まちづくり推進プランに記載されていることは他の諸計画と整合が取れていない状況になっていますが、担当所管はそのような認識を持たれていたのかどうか伺います。
○近江新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 西武新宿線沿線まちづくり推進プランでは、自然や歴史文化資源を活用したまちづくりを進めるために、道路等の整備に合わせた緑化や歴史文化資源への案内表示を推進することで、まちの回遊を誘導するための環境整備を行うこととしてございます。こういった取組は、他の計画の見直しに限らず必要なことと考えておりますので、交通広場整備等のタイミングを見ながら進めていくものと考えてございます。
○甲田委員 哲学堂公園周辺都市観光拠点整備計画は、中野駅から哲学堂公園までの間の波及効果も期待をでき、その中間である新井薬師前や沼袋の商店街にも大きく影響するものとなっていたと認識しております。この計画の廃案は非常に残念に感じています。令和2年に哲学堂が国の名勝指定を取得した後、少なくとも2年は放置状態でした。ようやく今年度、令和4年6月30日区民委員会にて、哲学堂公園保存活用計画の策定予定が報告をされましたが、この計画は周辺一帯のまちに回遊性を持たせるなどというものではありません。中野区は以前の都市観光ビジョンも廃止し、今ある中野の資源のPRを中心とした観光方針をつくるとしていますが、その中には哲学堂公園や新井薬師公園、平和の森公園等の北東部一帯のことはあまり触れられていないように思います。ということは、まちづくり推進プランに記載されているような哲学の道はもちろんのこと、自然や歴史文化を活用したまちづくりという概念すらもなく、ただ今あるものを案内誘導サインに落とし込むだけで道路や緑化の整備等が本当に進むのでしょうか。区の諸計画が変更されたことで、まちづくり推進プランの内容や進捗に影響があるのではないでしょうか伺います。
○近江新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 西武新宿線沿線まちづくり推進プランは、進めていくべきまちづくりの具体的な取組内容を示しているものでございます。まちづくり推進プランを進めていく上では、関連する計画の状況を見ながら進めていく必要がありますが、取組内容が大きく変わることはないとの認識であり、引き続きまちづくり推進プランに基づき、まちづくりを進めてまいります。
○甲田委員 観光拠点整備計画が廃案になったとしても、少なくとも駅からの動線や回遊性を意識するとともに、地域の方々の願いを基につくられたまちづくり推進プランの実現に努めてほしいと思います。私も平成23年の初質問で歩きたくなる道構想ということを提案しましたが、目的地として多くの人を集めるというよりも、散策を楽しめることがまちの魅力につながると思います。新井薬師前駅周辺には哲学堂公園のみならず、平和の森公園、桜並木の中野通り、新井薬師梅照院、「たきび」の家など、地域資源が点在をしています。また、中野駅周辺から唯一連続している商店街があり、哲学堂公園へとつながっており、にぎわう中野駅からのコントラストを意識した商店街形成により、おしゃれでシックなまちとすることが期待をされています。一方で、家庭的で温かみのあるお店も多くあり、ふるさとのようなコミュニティがあることは、まちの特色であると思います。そのような自然や歴史文化と合わせた地域資源を活用し、意識的な回遊ルートの整備で「居心地が良く歩きたくなる」まちにすることが大切であると考えます。中野区は、国土交通省が進めているウォーカブル推進都市にも登録をしていることから、新井薬師前駅周辺でも「居心地が良く歩きたくなる」まちなかの形成を目指していくべきであると考えますが、いかがでしょうか。
○近江新井薬師前・沼袋駅周辺まちづくり担当課長 まちづくり推進プランでは、交通基盤の整備の中で、駅前拠点整備や都市計画道路事業等と併せて、自転車、歩行者を中心とした安全で快適な道路空間の創出を目指しております。まちの回遊性を高める取組と併せて、「居心地が良く歩きたくなる」まちの実現を図ってまいりたいと考えてございます。
○甲田委員 ぜひよろしくお願いします。ますますの高齢化もあり、新井薬師のまちは現状の狭く歩道のない商店街バス通りを安全で歩きやすくしなければなりませんし、子育て世代を呼び込むには工夫や仕掛けが必要だという御意見も頂いています。一方で、地域住民の方々の声は、まちづくりの将来像が見えてこないことにより諦めに変わってきている感も否めません。いずれにしても、私は今後さらに中野駅をはじめ、中野区を訪れる来街者が引き込まれていくようなまちの魅力をデザインし、まちを活性化させていくことと、地域住民が生活しやすいまちであるということとは同じことではないかと思っています。連続立体交差事業という千載一遇のチャンスを生かし、今後も丁寧な地域への情報発信や説明を繰り返しながら地域の声を聞き、それを生かせるようリードし、区が最大限の知恵を出していただきたいと思います。一連の質疑を通じての区長の所感と、西武新宿線沿線のまちづくりに対する御決意をお願いしたいと思います。
○酒井区長 甲田委員の御指摘のとおり、新井薬師前のまちのポテンシャルというのは非常に高くて、これを中野駅との連続性も含めて考えることによって、その魅力が引き出せるというふうにこのまちづくりについては考えております。今後も区民に対する情報発信を丁寧に行いながら対話を重ねて、回遊性の向上といった取組のほか、中野駅周辺に新たに創出されるにぎわいを区内全体に広げていくことも含めて、「居心地が良く歩きたくなる」まちなか、この形成に資するように西武新宿線沿線のまちづくりに努めていきたいと考えております。
○甲田委員 今後もということではなくて、これからはということで地域の声をしっかりと聞いていただいて、このチャンスを生かしたまちづくりをお願いしたいと思います。以上でこの項を終わります。
○ひやま委員長 甲田委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
午後2時58分休憩
午後3時20分開議
○ひやま委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。甲田委員、質疑をどうぞ。
○甲田委員 それでは5番、子ども相談室について伺います。今年4月1日に施行された中野区子どもの権利に関する条例に基づき、子どもの権利に応えるための機関として、9月1日に教育センター分室の3階に子ども相談室がオープンをしました。私は早速9月7日に見学させていただきました。経験や専門性のある3名の子どもの権利救済委員と、どんな相談にも対応できる相談の専門員さんも配置をし、必要な様式類をしっかりと準備していただいたことで人材としての頼もしさを感じました。一方で、施設の雰囲気づくりについてはまだ十分ではないと感じました。その理由は、施設がかなり古いこともありますが、内装だけでなく、まず1階にはウェルカム感が全くなく、大人でも入りづらい雰囲気です。思い切って3階に上がってみると、一応ボードにかわいく書かれた「子ども相談室」という文字が目に入ります。担当職員がせめてもとのことで、相談室受付の部屋の周りだけペンキでモスグリーンに塗っていただいたようですけれども、それ以外の廊下、また相談のお部屋、トイレ、給湯室は薄暗く、昭和の時代のまま。使用中という電気がつく表示板は古い病院のようで、少し怖い気がします。そもそも施設にあまり人気がなく、手入れをしていないとこうもなるものかと愕然としました。トイレは和式から洋式に替えるそうですが、やはりさすがは、つい昨年まで様々な経緯があり、廃止する予定だった施設だと感じました。救済委員の先生も、もうちょっと手を入れる必要があるのではと苦笑いされていました。このような施設では、子どもたちが行きたいと思うでしょうか。ただでさえ知らない大人に相談するというのはハードルが高いものです。早急に相談しやすい雰囲気づくりを進める必要があると思いますが、いかがでしょうか伺います。
○青木子ども政策担当課長 教育センター分室全体に関わる工事としまして、今年度、トイレの洋式化のほか、照明器具のLED化工事を予定しているところです。子ども相談室につきまして、児童館などの協力を得て、子どもたちの描いた絵などを館内に掲示するなど、相談しやすい雰囲気づくりを進めてまいります。
○甲田委員 私は、子ども相談室があるのですから、思い切って子どもの権利を発信する拠点にしてはどうかと考えています。よりよい場所にするためには、まず当事者である子どもの意見を聞くことが必須だと思います。区内の子育て世代のお話をお伺いしていると、子どもは悩みを抱えても大人に話すことをちゅうちょすることがあるといいます。そこで、子どもに施設を見てもらう機会を工夫してつくり、感想を聞いて、運営にフィードバックしてはいかがでしょうか。子どもは大人にない視点を持っています。子どもの意見を聞いて、相談室の愛称やキャラクターをつくることも大切だと思います。子どもの権利に関する条例の趣旨を踏まえても、子どもの相談室というのは、ユーザーである子どもを蚊帳の外に置いて、大人だけでつくるものではないと思いますが、その辺りの区の今のお考えをお聞かせください。
○青木子ども政策担当課長 子ども相談室の場所や、実際に対応する救済委員などを子ども自身に知ってもらうことは、子どもに寄り添った相談対応等を行っていく上で重要であると認識してございます。今後、学校や児童館への出前授業などを実施していくことを考えておりますが、子どもたちにより相談室を知ってもらえるよう工夫してまいりたいと考えております。また、そういった子どもの意見や感想を子ども相談室の運営の改善に生かす取組についても行うということと、子ども相談室の愛称やキャラクターなどの募集、それを活用した普及啓発などの取組を検討していきたいと考えてございます。
○甲田委員 そうですね。こちらから、出前事業という言葉もありましたけど、出ていって知っていただくということも必要ではないかと思います。
また、子どもが子ども相談室に相談しやすい手法についてお伺いします。子ども相談室では、メールでの相談も受け付けていますが、近年報道で見られるようになった教育虐待のケースでは、電子機器による通信が保護者によって厳しく監視されているというケースもしばしばあるそうです。来訪した子どもに直接話を聞いたほうがいいのか、またはタブレットや紙に気持ちを書くのか。それを子ども自身に選んでもらうというやり方のほうが、より一層子どもの気持ちに寄り添えるのではないかと思います。そういった工夫の検討というのはされていますか伺います。
○青木子ども政策担当課長 子ども相談室では、子どもが相談しやすいよう、フリーダイヤル、電子メール、来所、手紙というような多様な相談方法を設けているところでございます。一方で、子どもが置かれている状況は様々でありますので、他自治体の事例も参考にしながら、効果的な相談方法を検討していきたいと考えてございます。
○甲田委員 昨年策定した区有施設整備計画では、施設の今後については、将来的には跡地に保健所を主体とした合同庁舎を整備するとしており、合同庁舎に保健所以外の何を入れるのか、また建て替え時期も未定であり、現状は利用されていないスペースもあるようです。まだしばらくは現在のまま使うのであれば、子どもたちが親しみを持っていくことのできる場所にすれば、今ある学習スペースも、隣接する公園ももっと生きてくるのではないでしょうか。例えば施設の一角に子どもが行けるカフェや子ども食堂、遊びを教えてくれる異世代交流など、常時何かしら面白いことがあるような仕掛けをつくってみてはどうでしょうか。いつも言っている楽しい場所の別の階に、ふっと気づけば相談できる場所がある。ほっとする、温かみのある相談室があるということが大切なのではと考えます。教育センター分室の使途目的にも関わっていくことかもしれませんが、子どもの権利に関する条例に基づく子どものための相談室ができたからには、この施設を子どもたちのために存分に開放できる施設として検討されてはいかがでしょうか。このような取組は、子どもの権利に関する条例をつくった自治体の中では先進的な取組になろうかと思いますが、区の見解を伺います。
○齊藤指導室長 旧教育センターは、令和3年度より当分の間、教育センターの分室として、不登校や外国籍の子どもたちの支援に活用しているほか、教職員の研修室として活用しております。現在、3階を子どもの権利に関する条例に関わる子どものための相談室として活用しているほか、1階部分は自習スペースとして子ども向けに開放しているところです。教育センター分室の本来の目的を踏まえた上で、子どもたちにとって利用しやすい施設となるよう検討してまいります。
○甲田委員 いろいろと検討していただくことだと思いますけれども、将来的には子どもの意見が生かされた施設への転換がされることを期待したいと思います。これは要望といたします。この項を終わります。
最後に1点、その他で子育て支援ハンドブック「おひるね」の復活の可能性について伺います。子育てのメニューは、ホームページ、子育てナビ等で検索ができますが、孫育てをしている方や子育てのサポートをしている方から、区の子育て支援の全体像が分かるハンドブックがあるとよいと言われています。子育ての相談支援機関が多岐にわたっていることから、一覧の冊子になっていたことは効果的であったと感じます。「おひるね」は隔年で作成されていたものが、財政状況の悪化を理由に平成30年に広告収入での作成となりましたが、その後、令和2年度に広告が集まらないことにより停止をされました。積極的な施策転換ではなかったと思います。代替手段も特にありません。子育て支援の充実に向けて、子育て支援ハンドブックの復活の可能性はないのでしょうか見解を伺います。
○濵口子ども・教育政策課長 「おひるね」につきましては、妊娠・出産期から子どもの中学校卒業までの期間、区の子育て支援サービスや、役に立つ子育て情報を掲載するハンドブックでございます。子育て支援に係るハンドブックの作成につきましては、電子媒体への転換や費用対効果を踏まえながら、区民にとってどのような形の情報提供が便利であるのか、区の子育て支援事業全体の中で今後検討してまいりたいと考えてございます。
○甲田委員 電子媒体というのもいいと思うんですけれども、新たに子ども・若者支援センターができたこともありますし、産後ケアも充実しています。他区でもこの部分を削っている区はあまりないと思います。印刷冊数は少なくてもいいと思いますので、PDFで更新をしておけば活用ができると思っていますので、ぜひ現場の意見を聞いて前向きな検討をお願いしたいと思います。
以上で私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。
○ひやま委員長 以上で、甲田ゆり子委員の質疑を終了します。
次に、斉藤ゆり委員、質疑をどうぞ。
○斉藤委員 令和4年第3回決算特別委員会にて、立憲民主党・無所属議員団の立場から総括質疑を行います。質問は通告のとおりで、その他はございません。地域で長いこと、長い間活動してまいりました。皆様の声をお聞きし、また私自身が感じてきた課題をこうして質疑できること、本当に感謝をいたしますし、責任も感じているところです。どうぞよろしくお願いをいたします。
まず、令和3年度決算について伺います。会派4番手、全体で12番目ということで、既に各委員からの質疑が続いておりますので、私からは学校施設整備に係る経費についての考え方について伺います。令和3年度はコロナ禍で厳しい財政となることを予想し、当初一般財源の約68億円の減を見込みましたが、蓋を開けてみると872億円、前年度比7.7%増となりました。令和2年度は、コロナによる財政の先行き不透明さから、中野本郷小学校と桃園第二小学校の施設整備の時期を遅らせる決断をしました。基金も十分あったことから、その判断は残念でした。昨年の質疑でも申し上げましたが、子どもたちの教育環境を守るため、学校施設整備は財政状況にできるだけ影響なく進められることが望まれます。施設整備は金額も規模も大きいため、通常、財政負担の平準化と世代間負担の公平化を図るため、起債を活用します。令和3年度は、当初予算では中野東中学校、令和小学校の改築のため59億円の起債を予定していましたが、取りやめています。この理由は何でしょう。教えてください。
○森財政課長 令和3年度起債の取りやめにつきましての御質問でございます。歳入状況によりまして、特別区税や特別交付金、地方消費税交付金など一般財源の充足が見込まれたことから、利子を含めた後年度を考慮いたしまして、起債を取りやめて一般財源に振り替えたというところでございます。
○斉藤委員 ありがとうございます。起債を予定していたとき、それをやめるときの決断の時期はいつになりますか。また、判断のための歳入増、また、そのほかの基準はあるでしょうか。
○森財政課長 起債発行の取りやめはどうかという判断につきましては、まず第1回定例会に提案する補正予算案の編成時期であります1月上旬、この辺りでの一つ判断の時期がございます。もう一つは、起債発行の最終的な事務手続上の期限となる出納整理期間中の4月の段階、この辺り、ここが判断の時期ということになります。起債発行の取りやめについては、その時々の歳入の見込みの状況ですとか基金の状況、実際に適用される利率等を勘案して判断しているところでございますが、歳入の増については、起債の発行予定額と比較してどのくらい増加するのかといったようなところが判断基準の一つとしているところでございます。
○斉藤委員 歳入の増が起債の予定額を上回るというようなことだと理解いたしました。もう一方、今ちょっと借入れの利率のことをおっしゃっていましたけれども、それについての判断も同じような時期ということでよろしいでしょうか。
○森財政課長 同じような時期でということになります。一般的に民間債、銀行から借り入れる場合のほうが利率が高くて、政府系のところから借りる利率のほうが安いというようなことがございますので、その事業の内容によってどういう利率が適用されるかということも一つの判断になろうかと思います。
○斉藤委員 学校施設の債権の償還期間は20年、借入れ先による借入れ利率もポイントになろうかと思います。小・中学校再編計画、第2次学校施設整備計画に基づく学校施設整備は、平成30年から本格的に始まりました。その平成30年、そしてその翌年、平成元年も起債をしていません。平成30年当時は、起債活用で進めると財政運営に大きく影響を及ぼすとして、起債を活用せずに基金からの繰入れ等で進めていく方針とし、当初より起債は予定しませんでした。さらに翌年、令和元年度は、みなみの小学校、美鳩小学校、中野第一小学校、中野東小学校の整備として起債を予定していましたが、基本的に起債を活用しない方針だったため、もちろん歳入増が見込まれたこともあったんでしょうが、この年度も起債はしませんでした。つまり、この平成30年、令和元年の2年は、もともとの考え方が起債を活用しないというものであったため、昨年度、令和3年度に起債をしなかった判断とは事情が異なるものであったということは確認しておきます。
さて一方で、令和3年度はコロナによる歳入減を見越し、当初、義務教育施設整備基金の積立てができませんでした。続く学校施設整備のため積立ては必要なのではないかと、昨年、決算特別委員会での質疑で申し上げたわけですが、令和2年度の決算剰余金の繰越金で2億6,000万円ではありますが、積み立てられたことは評価します。新たな財政運営の考え方におきまして、基金の積立てについては施設の減価償却費25%、余剰金の義務教育施設整備基金への優先積立てなど、基準を定められたことはよかったと思います。この基準と定められた減価償却費の25%とは、どのような根拠の数字でしょうか。
○森財政課長 新たな財政の運営の考え方で、減価償却費25%相当積立てをしていくということの考え方でございますが、施設整備に係る事業費の財源といたしましては、国や都の補助金などのほか、基金、起債の活用をしているというところでございまして、起債については総事業費から国や都の補助金などを控除した額のおおむね75%に充当できるといったものがございます。減価償却費の相当額の25%を毎年積み立てしていくという考え方は、耐用年数経過後、起債を75%充当すれば建設当時と同じ経費での施設更新が可能な財源確保はできているという、そのような考え方から25%ということで考え方を整理したところでございます。
○斉藤委員 といいますと、25%の計算の根拠となる取得原価は幾らで計算していらっしゃることになるんでしょうか。
○森財政課長 建設当時の取得価格ということになります。
○斉藤委員 ということは、建設当時の取得原価ということは、今よりも物価上昇分を考えると、ちょっと低くなっていると考えられます。今御説明がありましたけれども、その計算式で改築や改修が可能な額は積まれていくと考えてよいのでしょうか。
○森財政課長 今お話がありましたとおり、減価償却費については建設当時の取得価格ベースで計算しているということでございまして、40年ないし50年以前に建設された当時の物価と現在の物価とは当然異なっているということでございます。ですので、当時の建設費と実際に耐用年数経過後、新たに建設をする際、その際の建設費とは乖離が生じることは当然そのように想定しておりまして、積立額だけで十分な額が賄えるかということについては、その点については課題だというふうに認識しております。当然そのことをどう捉えていくかということについては検討が必要だと考えております。
○斉藤委員 分かりました。確認させていただきましたが、平成30年から学校施設整備が本格化する中、当初は起債をせずに基金運用での財政計画でした。また、基金の積立て予定額をこれまで幾らに設定して、どのように積んでいくかということについては年度ごとに考えが定まっていなかった。疑問を感じていました。さらに施設整備のスケジュール、平成26年に策定された計画は、令和9年度までにというか、2027年度までに14校改築するという大変なペースだったということも無理を感じていました。令和3年10月に学校施設整備計画が改定されて、整備のスケジュールが見直され、およそ1年に1校の整備となり、また財政負担についても今伺ったように基金と起債のバランスを取りながら、基金の積立てについても考え方を示されたことはよかったと考えます。とはいえ、基金の積立ての基準が今伺ったように物価上昇額などを加味していない減価償却費25%でよいのかという課題は残りました。今後この基準については検討いただきたいと思います。
別な課題から施設整備について伺います。学校再編は、各校を最適な学校規模にするために考えられたはずであったのに、児童数が増加して教室不足となるという事態が起きています。鷺宮小学校と谷戸小学校においては令和5年の教室不足を見越し、今年度予算にて改築の工事が行われました。一方で、新たに白桜小学校でも教室不足が発生することが分かったと聞きました。この理由を教えてください。
○藤永子ども教育施設課長 白桜小学校につきましては、来年度の学級増に伴う少人数教室の確保が必要でございます。このため今年度、この工事を準備しているところでございます。
○斉藤委員 今、必要な対応はされると聞いて、安心はいたしましたけれども、私が聞いているのは必要な普通教室の数は足りていたけれども、学校側がその普通教室を少人数など他の用途にも使いたかったため、活用する教室数が足りなくなったというふうに聞いています。それでよろしかったでしょうか。
○藤永子ども教育施設課長 そのとおりでございます。
○斉藤委員 教室の使い方にはそれぞれの学校の事情があって、そうした情報を共有しないと必要な教室数の正確な把握ができない場合もあると考えます。これについて学校との連携はいかがだったのでしょうか。
○藤永子ども教育施設課長 学校との連携でございます。今後の児童・生徒数の推計を踏まえまして、次年度の学級数増加について学校と日常的にコミュニケーションを取り、実際の学校運営における教室の使い方等を聞き取りまして、対応工事の実施の要否について検討しているところでございます。
○斉藤委員 現地を確認するなどして、しっかり対応していただきたいと思います。施設整備には相当額のお金がかかります。施設改修の計画がきちんと立てられるよう、個々の事情を丁寧に聞き取り、また同時に学校に対して学区域の人口推計情報の提供などもしてはどうかと考えますけれども、いかがでしょうか。
○藤永子ども教育施設課長 学校への人口推計情報の提供でございます。人口推計に係る情報につきましては、学校運営に影響があることから、学校へ情報提供しているというところでございます。
○斉藤委員 ありがとうございます。またちょっと別な質問です。中野区では、小・中学校施設の敷地の所有者が区以外である土地があります。施設の権利関係が複雑であることが改築スケジュールに影響することもあるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○藤永子ども教育施設課長 敷地の権利関係による改築スケジュールへの影響についてでございます。小・中学校敷地の中には区有地のほか、都有地や民地が含まれている場合があること。また、学校改築を行う際に境界の確定作業が必要になる場合があるなど、関係者との調整に一定の時間を要することがございます。
○斉藤委員 土地の権利関係を把握して、関係者と調整するには時間がかかるだろうということは容易に推察されます。現在の改築準備手続はどのように進められているのか状況を教えてください。
○藤永子ども教育施設課長 改築準備手続についてでございます。区では改築に係る基本計画が始まる数年前から、現況測量の実施や関係者との調整を進めているところでございます。
○斉藤委員 基本計画に係る数年前ということは、やっぱりそれなりに時間がかかると予想していらっしゃるということだと思います。そうであるならば、こうした土地の権利関係の調査などは建て替えの数年前と言わず、全区にて計画的に進められてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○藤永子ども教育施設課長 計画的な改築準備手続についてでございます。中野区立小・中学校施設整備計画におきまして、区では今後1年ごとに学校改築を予定してございます。毎年1校から2校の新たな測量とその手続を続けているところでございます。今後1年当たりの調査実施数を増やすなどして、全校調査していくことについては検討したいと考えてございます。
○斉藤委員 ぜひよろしくお願いいたします。学校施設の整備はこれから20年続いていきます。区にとっては大きな事業になりますので、いろいろな想定をして、事前に調査できることがあれば調査をして、精度の高い計画がつくられることを望みます。
森委員も触れましたけれども、予想できない社会情勢の変化による物価高、また資材不足の影響などもないとも限りません。新たな教育ニーズに対応するための設備が必要となり、整備単価が上がる可能性もあります。さらに改築校と改修校の差がないようなプラスアルファの工夫も必要です。子どもたちや保護者にとっては、学校施設整備のスケジュールは大きな問題です。将来を見越して基金積立てや繰入れ計画を考え、今後、中野本郷小学校や桃園第二小学校の事案のようなスケジュール変更はないようにしていただきたいと考えます。また、施設整備だけではなく、今後、通学区域の見直しなど柔軟な対応も必要かもしれないということは申し添えておきます。
では次に、地域学校協働活動について伺います。平成16年度に改正された地方教育行政組織及び運営に関する法律により、各学校に学校運営協議会が設置できることとなりました。その後、平成29年度に法律が一部改正され、教育委員会において学校運営協議会の設置が努力義務となりました。この学校運営協議会が置かれた学校をコミュニティ・スクールと呼びます。今年度から中野区においてもコミュニティ・スクールの構築を進めていくことになりました。この理由をお知らせください。
御説明が分かりやすくなるようにちょっとパネルを用意したので、それを見ながら御答弁を皆さん聞いていただければと思います。
○濵口学校再編・地域連携担当課長 コミュニティ・スクールの導入の理由でございますが、学校、家庭、地域が協働し、子どもたちの豊かな成長を支え、地域とともにある学校づくりを推進するため、導入するものでございます。
○斉藤委員 結構簡単なので、ちょっと私のほうから概略を話させていただきます。地域全体で子どもをどのように育てていこうかと考えることだなと私は思っています。中野区では、中学校区に一つ運営協議会が置かれます。ここで学校運営の基本方針を承認することになります。そして、この中野区で特徴的なのは、中学校区に一つ置くということです。この校区の小・中学校は全て同じ基本方針を基に教育活動を行うものになります。これが中野区のコミュニティ・スクールの概要になります。
9月から明和中学校区をモデル校区として整備し、全校導入に向けての構築を進めるもので、もう一つ中野区として独自な取組としては、この各学校に、中学校もですけど、小学校も各学校に、これはまだ仮称ですけれども、地域学校協働本部というものを置きまして、地域と連携して学校運営をしていくというものが中野区の一つの特徴になります。この中野区コミュニティ・スクールに設置される(仮称)学校運営協議会の参加者とその役割、いま一度御説明をお願いいたします。
○濵口学校再編・地域連携担当課長 (仮称)学校運営協議会の委員でございますが、学識経験者、学校管理職、地域住民、保護者、関係機関職員、地域コーディネーター、その他教育委員会が特に必要と認める方を想定してございます。学校運営協議会といたしましては、委員御指摘のとおり9年間を通した学校運営の基本方針の承認、それから教育活動についての熟議、評価、学校支援活動の企画調整といったものを役割としてお願いする予定でございます。
○斉藤委員 社会、地域に広く開かれた教育課程の実現ということなのだろうというふうに思います。ちょっと今聞き取れなかったんですけど、メンバーをもう一度御説明いただけますか。
○濵口学校再編・地域連携担当課長 想定をしております学校運営協議会の委員につきましては、学校の校長、管理職の方の推薦等を頂いて、教育委員会で承認をするというものでございます。
○斉藤委員 ありがとうございます。というと、今似たもので、各学期ごとに開催されている学校評議員制度とは何が違うのか御説明ください。
○濵口学校再編・地域連携担当課長 学校評議員制度は、学校評議員が校長の求めに応じて学校運営に関する意見を述べる制度でございます。学校運営協議会は、校長の求めに応じた意見聴取にとどまらず、委員が主体的に学校運営や教育活動について協議し、意見を述べることができる会議体と考えてございます。
○斉藤委員 ありがとうございます。評議員は合議制ではなく、学校から報告を受けて意見を申し述べるもの、この(仮称)学校運営協議会というのは、学校運営に関する方針を承認するものですから、明らかに役割が異なります。また、今後検討されていくと思うんですけども、一応文部科学省のほうでは教職員の任用についての意見も述べることができるというふうにされています。
もう一つ似た会議体があります。コロナにより2年間実施できていなかった校区が多いのですけれども、中学校単位で地区懇談会というものが実施されています。これはどのようなものでしょうか。
○細野育成活動推進課長 地区懇談会についてお答えいたします。各中学校区内の子どもや家庭をめぐる地域の課題や、家庭、地域、学校の連携に関する課題の解決に向けて協議をし、地域活動を促進するとともに連携を強化することを目的に設置された懇談会でございます。主な構成メンバーは、小・中学校長、PTAの関係者、青少年地区委員会、町会、子ども会、民生児童委員、保育園・幼稚園等の関係機関、育成団体、次世代育成委員でございます。
○斉藤委員 今お話があったように構成メンバーは重なる方も多い。とはいえ、学校運営協議会は学校の教育について扱う場、この地区懇談会は広く地区の子育て、広く子どもたちに関係する地域、家庭、学校の連携について協議する場ということで目的が違っているということが分かります。その目的も規模も異なったものであるということを今確認させてください。
中野区では、今説明されたように中学校区で(仮称)学校運営協議会を置くとしています。そこについて、その理由を教えてください。
○濵口学校再編・地域連携担当課長 中野区では学びの連続性を重視した教育を展開していることから、これまでの区立小・中学校における9年間を見通した学校間の連携を生かすため、中学校区単位に(仮称)学校運営協議会を設置することとしたものでございます。
○斉藤委員 保・幼・小・中連携、学びの連続性、そしてもう一つ、今、育成のほうから御説明があった地区懇談会が中学校区で行われているという、そういう単位がもともと中野区にあったということもなじみやすい区域だったと思います。中野区コミュニティ・スクールが効果あるものとして構築できるかどうかの一つのポイントが、私はここの中学校区において小・中連携がスムーズにいくかが挙げられるというふうに思います。学校運営協議会での協議の充実もさることながら、教育活動における学びの連続性、小・中連携の充実が特に求められると思います。先行する三鷹市でも小・中連携校が設置されていますが、互いのカリキュラムまで踏み込んだ連携があってこその小・中連携であるとレポートされていました。先週20日にオープンキャンパスとして小学生が中学校を訪問して、授業を体験するなどということが行われました。こうしたことも大事ですけれども、もう一歩踏み込んで、両校の教員がもっと交流を深めること、例えば中学校の先生方が小学校の授業を参観する、またその逆。そういうことも行っていただきたいと思いますが、各中学校区での連携体制の充実についてお考えをお知らせください。
○齊藤指導室長 小・中連携教育につきましては、令和2年度から保・幼・小・中連携教育として、各中学校区で一層の連携と取組の充実を図ってきております。15年間の学びの連続性に着目した各中学校区における保・幼・小・中のカリキュラムについての連携を推進しております。また、校種間の乗入れ指導についても充実してきております。
○斉藤委員 ちょっと私の経験なんですけれども、私が学校で講師を務めていた間、中学校の先生が小学校の授業を見に来たというケースはありませんでした。ぜひそういう時間を取っていただきたいというふうに、思います。
中野区コミュニティ・スクールにおいて、一つ目の特徴が中学校区である。そしてもう一つの特徴が、(仮称)地域学校協働本部を設置し、(仮称)学校運営協議会と一体的に整備をするという点です。これについてもう一言御説明をお願いします。
○濵口学校再編・地域連携担当課長 (仮称)地域学校協働活動と(仮称)学校運営協議会の一体的な整備でございますが、学校運営協議会は学校運営の課題等を協議する場であり、その課題解決のために学校支援を行う活動が地域学校協働活動であることから、双方向の連携協働が重要と考え、一体的に整備推進していくことといたしました。
○斉藤委員 今までも地域とともにある学校づくりということで、学校支援ボランティア制度がございます。これは(仮称)地域学校協働本部を設置した地域学校協働活動と異なるのでしょうか。
○濵口学校再編・地域連携担当課長 区立小・中学校において、学校支援ボランティア制度により学校行事の支援、子どもたちの見守りなど、地域、保護者等から協力、御支援を頂いている状況にございます。今後はコミュニティ・スクールを導入することによりまして、家庭、地域、学校の3者がさらに連携協力し、学校支援体制を組織的、継続的なものとしていきたいと考えているところでございます。
○斉藤委員 ということは、今までの学校支援ボランティア制度と異なるものではなく、発展させたものというふうに考えてよろしいでしょうか。
○濵口学校再編・地域連携担当課長 委員御指摘のとおりでございます。
○斉藤委員 つまり、この活動は中野区コミュニティ・スクールを進めていくに当たってのもう一つの肝になるということは先ほど申し上げたとおりでございますが、そこで教育活動を進め、その肝となるのはやはり地域コーディネーターの役割が大きいと思います。その方は教育活動を進めるに当たって様々なアイデアを出したり、地域から必要な人材を見つけてきたりといった役割を果たすのだと思いますが、どのような方が務めるのでしょうか。この方は有償なのでしょうか。
○濵口学校再編・地域連携担当課長 地域コーディネーターは、その役割が学校支援ボランティアの調整、地域人材の活用、様々な企画を学校と一緒に考えていくなどの役割がございます。こうした学校の教育活動にも理解があり、地域活動にも明るく、地域の方々をよく御存じで、学校と地域をつなげることができる方が望ましいというふうに考えてございます。地域コーディネーターの方につきましては、有償での活動ということを考えてございます。
○斉藤委員 今、私たちが皆で確認しなければいけないのは、この中野区コミュニティ・スクール導入の理由は、教育効果を高めるものになるべきだということです。このモデル校が設置された明和中学校区では、今多くの関係者が具体的な説明を求めています。鷺宮小学校、西中野小学校、美鳩小学校、啓明小学校が関連の校区の小学校となります。もう少し検討が進んでからモデル校を進めてほしかったというふうに個人的には思いますが、地域が期待を持って、地域とともにある学校づくりを進めていけるように、継続しての町会等、広い地域での丁寧な説明を進めていかれたいと考えますが、いかがでしょうか。
○濵口学校再編・地域連携担当課長 コミュニティ・スクールの概要やモデル校の選定につきましては、町会、PTAなど地域の方々に説明をしてきたところでございます。コミュニティ・スクールは、地域、保護者、学校の3者が協働によりまして推進していく取組で、地域、保護者の理解協力は不可欠であることから、今後も丁寧に説明を行うとともに、モデル校の活動についても学校と調整をしながら情報発信してまいりたいと考えてございます。
○斉藤委員 ぜひこのモデル校での検証もしっかりやって、効果がある、よき中野区コミュニティ・スクールが進められるように望みます。
もう一つ確認しておかなければならないのは、次世代育成委員についてです。次世代育成委員は区長により委嘱される特別職の非常勤職員で、中学校区ごとに置かれており、現在定員は28人。学校の支援をし、児童館や青少年育成地区委員会などで地域の子育て支援活動をし、子育てに困っている御家庭やお子さんを適切に支援につなげたりするような活動をしています。具体的には学校支援ボランティア制度のコーディネーター役をしたり、先ほどの地区懇談会の企画運営をしています。これまで次世代育成委員が務めていた、今お話があった学校支援ボランティアの地域コーディネーター役は、中野区コミュニティスクールにおいてはどうなるのでしょうか。
○細野育成活動推進課長 地域コーディネーター役の今後についてお答えいたします。現時点では、これまでどおり次世代育成委員の役割は変更しない想定でございます。今後、モデル校での実施結果を踏まえまして、どのような形にしていくかは検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○斉藤委員 モデル校におきまして、次世代育成委員は地域コーディネーターを務めることもできるのでしょうか。ちょっと確認させてください。
○細野育成活動推進課長 次世代育成委員さんの役割を変更しない想定なので、そういったことも可能というふうに考えております。
○斉藤委員 分かりました。全ていろいろ検討中ということなので、しっかり進めていただきたいと思います。学校再編はいよいよ終了となりますが、それなのに次世代育成委員の配置は再編による見直しがしっかりとされていません。もし中野区コミュニティ・スクールにて地域コーディネーターが各校に別途配置されれば、次世代育成委員さんが務めるのかどうか分かりませんけれども、別途配置されれば、その方々のほうが学校には近い存在になってしまいます。次世代育成委員が各学校と地域、家庭等をよりよく支援するために、現在定員は中学校区ごとに置かれていて、区内28人ですが、1人増やして1校に1人の配置としたほうが分かりやすいだろうというふうに考えます。これは今お答えできないと思いますので、どこかのタイミングで御検討いただきたいと思います。
といいますのは、現在ちょうど次世代育成委員は第6期の委嘱の推薦が始まっている状況にあります。次世代育成委員がスムーズに学校運営協議会制度の中で活動ができるよう、次世代育成委員の活動については配置も含め配慮をしつつ、整理をしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○細野育成活動推進課長 今後の次世代育成委員の活動についてでございますが、これまでの次世代育成委員の活動に配慮しつつ、より活動が円滑に行えるように配置についても今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○斉藤委員 ぜひよろしくお願いをいたします。
では、ちょっと下げまして、さらに地域で学校や児童館と連携しつつ、公的な次世代育成活動を行っているのが青少年育成地区委員会で、各区民活動センター管轄地域ごとに活動しておりまして、15の委員会があり、育成に関連する町会、自治体、育成団体、PTAなどの団体から推薦された委員で構成される協議体です。現在、青少年育成地区委員会へは、区はどのような支援をしているのか伺います。
○細野育成活動推進課長 地区委員会への支援でございますが、区としては全体会や研修会の実施をはじめとした側面的な支援と、啓発活動に係る経費を助成する経済的支援を行うとともに、公益活動助成金の仕組みの中で地区委員会における活動の経費の助成を行っているところでございます。
○斉藤委員 今年度予算において、コロナ禍、町会や高齢者団体には地域活動の再開、活性化支援として助成金が出ましたが、育成関連には何もありませんでした。多くの地区委員会がコロナ禍で工夫して、わずかでも活動しようと試み、トライし、また分担金は頂きにくくなり、資金も枯渇したという苦労をしました。公的な活動をしているのは同じです。何らかの支援の検討があってもよかったのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○細野育成活動推進課長 コロナ禍における地区委員会の支援でございますが、現在、地域住民の自主的団体として位置付けられている青少年地区委員会については、団体の自主的な活動を損なわないよう側面的な支援を行ってきたところであり、直接的な助成は行ってこなかったところでございます。今後は他の団体への助成制度の内容も参考にしながら、様々な支援策について検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○斉藤委員 では、支援の仕方について次に考えたいと思います。この質疑をするに当たって、全委員会の広報紙を集め、また多くの総会資料を拝見し、各委員会の方々に、区内の青少年育成地区委員会の方々にお話を伺いました。コロナの影響があり、活動に制限がある中、各委員会は本当にどのように活動するのか苦労をなさっていました。そこで聞いた意見の一つとして、委員会の存在をさらに周知したいとのお話がありました。活動の輪をもっと広げられるとよいと考えます。区報などを活用して、地区委員会の活動を広く広報してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
○細野育成活動推進課長 現在、広報紙の発行など啓発活動に対して助成を行っているところでございますが、今後について青少年地区委員会の活動を広く区民に知っていただく必要はあるというふうに考えておりますので、その方法について検討していきたいというふうに考えてございます。
○斉藤委員 ぜひいろいろ検討していただければと思います。地区委員会の運営資金は主に団体からの分担金と、先ほど御紹介がありました区からの助成金になります。今お話があったように多くの地区委員会は公益活動助成金を活用しています。私は以前、地区委員会の会計担当だったこともあり、この助成金については本当に苦労しました。必要経費の3分の2の金額しか助成がされないため、残り3分の1の金額をどこから捻出するのか、本当に大変無理なことがありまして苦労いたしました。今、地区委員会からこの助成金活用について何か課題をお聞きになっているのかどうか伺います。
○池内区民活動推進担当課長 お答えいたします。例年多くの青少年育成地区委員会から助成金の申請を受けております。活発な地域活動が行われていることを把握してございます。青少年育成地区委員会代表者会からは、申請書類の簡略化、助成金の交付率の引上げなどの意見が上がっているのは把握しているところでございます。
○斉藤委員 いろいろな課題を今聞いていらっしゃるということを御紹介いただきましたけれども、これは地区委員会だけの課題ではなく、公益活動助成金を活用している全ての団体に共通する意見ではないかと思います。この制度は平成19年からスタートし、もともとたくさんある助成金を整理し、一本化することが目的だったと聞いていますが、なかなか使いにくい部分もあり、今既にその気配はありますけれども、再び助成金が乱立するような状況になるのではないかと危惧をしております。公益活動助成金の制度については必要な改善を図るべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○池内区民活動推進担当課長 助成制度の有効的な活用により地域公益活動が活発になるよう、利用団体からの意見も踏まえ、活用しやすい制度の改善を図っていきたいと考えております。
○斉藤委員 先ほど間委員からも質疑をさせていただきましたけれども、この助成金に関してはまた別途しっかりと取り組ませていただこうと思います。
地区委員会は行政の組織ではありませんけれども、地域における公共的な健全育成活動を行っており、恐らく地域学校協働活動における学校の大切なプレーヤーにもなるのではないかと思います。区として必要な活動のサポートはぜひ行ってほしいと要望します。
次に、部活動の地域移行について伺います。スポーツ庁は、令和5年度から2年間を改革集中期間として、この期間に部活動の地域移行を進める方針を出しました。現在の区の検討状況について教えてください。
○齊藤指導室長 現在、中学校9校には、運動部が73部、文化部が45部あり、各部に2名程度の教員が顧問になっております。生徒への指導にやりがいを感じている教員も多い一方で、勤務時間外の指導時間が長くなっている現状がございます。教員の負担を軽減するため、部活動指導員を現在、各中学校に2名まで、年間で延べ192日配置できるようになっております。併せて区費の外部指導員も活用できるようになっております。また、部活動の地域移行に向けてスポーツ振興課と連携し、学校管理職や教職員、指導主事で検討委員会を立ち上げ、中野区としての部活動の地域移行の在り方や対応方針について協議をスタートしているところでございます。
○斉藤委員 この取組は、教員の働き方改革も目的の一つですけれども、今お話、御紹介がありましたように、引き続き部活の教育目的を大事に思って、指導を続けたいという教員がいらっしゃるということもあるのだとは思います。
杉並区では早くからモデル事業を行っておりまして、事業者へ指導を委託して、既に平日も支援員が指導しています。一方で、部活が地域移行すると一定の費用負担が生じることも考えられます。費用負担の財源確保として、稲城市では企業版ふるさと納税の活用も考えられたりしているようです。クリアしなければならない課題は山積みであります。検討に当たっては、地域の協力団体、今お話、検討委員会を立ち上げられたと御紹介がありましたけれども、学校区、そして家庭と子どもたちにも意見を出し合い、方針を決めていくプロセスが大事だと考えますが、検討のスケジュールについて教えてください。
○齊藤指導室長 国で定められている令和7年度末までに休日の部活動を地域に移行し、教員が指導に関わる必要がない環境を構築できるよう、検討委員会で中野区に合った部活動の在り方について検討を進めてまいります。その中で移行スケジュールについても検討してまいります。部活動の地域移行を実施していく際には、生徒、保護者、地域の理解を得ながら進めてまいります。
○斉藤委員 何度も出てきますけれども、地域とともにある学校をしっかりと進めていかれればと思います。
では次に、社会教育施策について伺います。生涯学習について伺います。教育基本法第3条に生涯学習の理念として、「国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない」とあります。生涯学習は、すなわち、学校教育、社会教育、そのほか、文化活動、スポーツ、趣味の活動など、様々な場や機会において生涯に行うあらゆる学習のことで、このうち、行政は、税金を使って組織的に学校教育、社会教育を進めていくことになります。現在の中野区の生涯学習の取組を教えてください。
○矢澤文化国際交流担当課長 お答えいたします。まず、区民部が実施している主な生涯学習事業につきましては、障害のある方に対する社会教育訪問学級、生涯学習事業の情報を掲載した冊子である「生涯学習&スポーツガイドブック」の発行、生涯学習情報誌「ないせす」の編集発行などがございます。また、東京工芸大学公開講座など、大学との共催による公開講座も実施しているところでございます。
○池内区民活動推進担当課長 地域支えあい推進部が実施している生涯学習事業は、なかの生涯学習大学の実施でございます。
○斉藤委員 中野区では、社会教育は、図書館以外は教育委員会から区に補助執行されています。組織上はどこにも生涯学習、社会教育を担当する課や係はありません。ここになかの生涯学習大学のパンフレットがあります。主催は、ここに中野区と教育委員会と書かれてありますが、これは教育委員会が支えあい推進部に補助執行している社会教育事業となります。中野区が昭和48年から実施しておりまして、令和3年度の主な取組で見直しの対象事業となり、これは陳情が出され、昨年度の大きなトピックでもありました。
この学びの講座ともう一つ、地域で活動するというハイブリッド型の生涯学習大学、大変生涯学習の在り方としては先駆的な取組だったのだと思います。だからこそ内外評価が高かったこの事業だと思います。現在、なかの生涯学習大学については、在校生や卒業生ほか、学識経験者をメンバーに加えて、運営についての検討を進めると報告されています。参加される方々が仲間と生き生きと楽しんで学ぶ場となり、主体性を持って地域で活躍するきっかけにもなるように区として取り組んでいかれたいと思います。
中野区が決して社会教育に取り組んでいないわけではない。それは今、御紹介があったとおりでございますけれども、23区で組織上、担当部署が見えないのは中野区だけです。この問題を取り上げるのは何回目かになりますが、生涯にわたる学びの環境を充実させる社会教育の担当部署について、昨年度の総括質疑で質問したときの答弁は、今後の社会教育施策の展開に向けましては、生涯にわたり学び続けることのできる環境を整備することが必要だと認識しております。学校教育とも連携、連動し、社会教育を効果的に推進していくための組織体制について今後検討してまいりたいと考えていますとのことでした。その後の検討状況はいかがでしょうかお伺いします。
○吉沢職員課長 改定後の新しい中野区教育大綱と、それを踏まえました社会教育の在り方に沿って、今後、具体的な事業の方向性が見えてきた後、必要に応じて組織的な対応を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○斉藤委員 今いろいろ動いている時期ですので、ぜひその今の皆様方の答弁を胸に留めて、検討していただければと思います。
また、社会教育と学校についてですけれども、こちらも同じ質問をいたしました。中野区の社会教育で学んだ方々が世代を超えて学校で共に学び合い、学校教育活動に参加する取組の検討は意義のあることだと考えます。これから学校運営協議会制度が地域学校協働活動と一体的に構築されていくわけです。社会教育の取組と学校との連携はかなめになっていきます。ぜひとも連携の仕組みを考えていただきたい。社会教育で学んだ方々が学校教育の場で活動していただけるよう検討を進められたいと考えますが、いかがでしょうか。
○濵口学校再編・地域連携担当課長 地域の方々が持つ経験や技術、社会教育で得た知識や学んだことを学校支援の活動に生かしていただけるのであれば、学校支援のより充実が図れるとともに、地域とともにある学校づくりの推進にもつながると考えてございます。
○斉藤委員 今までお話ししてきたとおり、していただければじゃなくて、していただくことがこのコミュニティ・スクールの成功、よき形に結びつくのではないかと私は思います。ぜひこちらについてはしっかりと体制づくりを構築していただきたいと思います。
7月29日の中野区総合教育会議では、中野区教育大綱に盛り込むべき内容について検討がされました。方針2にて、誰もが自分らしく学べる教育を推進するの方向性に、学校教育及び社会教育、個性を生かした教育の推進等と書かれています。大切な方向性です。これからの検討に期待をいたします。
では次、最後になりますが、誰もが安心して暮らせるまちづくりについて。犯罪や非行のない安全で明るく住みやすいまちであるために、今の中野区の犯罪予防と犯罪被害者支援の取組について伺います。中野区の令和3年度刑法犯認知件数は何件で、どのような犯罪が多かったのでしょうか。
○中谷福祉推進課長 中野区における令和3年度の刑法犯の認知件数は1,843件で、そのうち空き巣や万引き、自転車などの窃盗が883件で全体の約48%となっており、最も多く発生してございます。そのほか、暴行や傷害、脅迫などの粗暴犯が152件、特殊詐欺が87件でありました。
○斉藤委員 窃盗が一番多いと今御報告いただきました。盗みというのはゲートウェイ犯罪とも呼ばれ、最初はあまり考えずに物を取る行為を繰り返していくうちに感覚がおかしくなってしまい、その後重い罪を犯すようになってしまう犯罪の入り口だというふうに言われているそうです。商品をきれいに並べるとか、街角からごみの不用物をなくすなど、犯罪が発生しにくい環境づくりに取り組むことが必要です。
傷害事件も多いようですが、今御紹介がありました特殊詐欺について伺います。特殊詐欺は今大きな社会問題となっておりますけれども、この特殊詐欺防止のために中野区が取り組んでいることがあったら教えてください。
○阿部生活・交通安全担当課長 区では、平成29年度から特殊詐欺対策に効果がある自動通話録音機を区内在住のおおむね65歳以上の方に無償で貸与する事業を開始し、これまでに3,000台以上を区民へ貸与しており、区民からは迷惑電話が一切なくなって安心したなどの感謝の意見を数多く頂いております。また、区民活動センターにおいて防犯パトロール団体等を対象とした団体交流会を開催し、中野・野方両警察署の防犯係員を招いて特殊詐欺等の防犯講話を実施したほか、警察署と合同での街頭キャンペーンを実施するなど、特殊詐欺の被害防止に向けた連携を強化しております。
○斉藤委員 ありがとうございます。本当に老後の資金を大事にしていた方々がお金を取られてしまう大変な事件だと思います。この特殊詐欺で被害者がだまし取られてしまうお金はどこに行くのでしょう。以前受け子をした若者に、君が渡したお金は誰が使ったと思うかと聞く機会がありました。海外旅行に行くのに使うのかなという答えで驚きました。お金は反社会的な活動に使われることが多い。社会全体でこのお金の行き先についても考える機会があるとよいのかなというふうに思います。
様々な犯罪があります。被害を受けた方に対して相談窓口が準備されています。多くの被害者は、思いもかけずに犯罪に巻き込まれ、財産や時には命が奪われてしまいます。全ての被害者の方に必要な相談の場や寄り添った支援がないとなりません。それは被害者当人だけではなく、家族に対しても同じです。中野区では令和2年に犯罪被害者等支援条例が策定されています。それ以前から区では支援に取り組んでいましたけれども、現在の支援の状況はいかがでしょうか。
○中谷福祉推進課長 犯罪被害者等相談支援の新規相談者の数は、令和元年度が22人、令和2年度が27人、令和3年度が29人で、3年間の合計では78人となってございます。この新規相談者の3年間の合計人数を犯罪の類型別に見ると、殺人、傷害、強盗などの被害者が23人、性犯罪の被害者が9人、交通事故の被害者が5人、虐待やDV、ストーカーの被害者が7人、詐欺などの被害者が6人、そのほかが28人となってございます。相談支援は中長期的に継続して行っていくことが多いので、相談支援などの延べ件数としましては、令和元年度が366件、令和2年度が403件、令和3年度が411件となってございます。
○斉藤委員 だんだんと相談される方の支援が充実されていくことを望んでおりますけれども、詐欺に関しての相談、もう少し上がったらどうかなというふうに思います。詐欺に遭われた方は自分を責めたり、時には家族にも責められ、行き場がないことが多く、課題です。殺人や性暴力、また傷害の相談も多かったようですけれども、それだけではなくて、詐欺被害でも相談してもよいというような周知を広めてはどうかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○中谷福祉推進課長 犯罪などの被害に遭われた方が必要な支援を着実に受けられるように、区のホームページなどを通じた広報や制度の普及啓発のためのイベントを行うほか、警察などの関係機関から相談支援の窓口を案内してもらうことなどによって周知を行ってきたところでございます。特殊詐欺の被害に遭われた方も含めて、支援を必要とする方に必要な情報が分かりやすく伝わるように今後も幅広く周知を行っていきたいと考えてございます。
○斉藤委員 現在、犯罪被害者相談を受ける常勤の保健師の配置がないというふうに聞いています。常勤職員配置は後任の職員に相談スキルを伝えていくことでもあります。こちらについての体制強化を望みますけれども、いかがでしょうか。
○中谷福祉推進課長 性犯罪の被害者への対応や、被害者の精神状態に配慮した心のケアなども適切に行っていくことができるように、現在、会計年度任用職員の保健師を1名配置して対応しているところでございます。今後の相談件数や専門性が要求される相談内容に対しても十分な支援を維持継続していくことができるように、将来的には常勤の保健師の配置も視野に入れた人員体制の強化を検討していく必要があるというふうに考えてございます。
○斉藤委員 犯罪被害者支援においては、そこに加害者がいることを忘れてはならず、二度と同じ犯罪が起こらないようにしないとなりません。平成16年から見ると、初犯者数は半数以下になりましたけれども、一方で、令和2年の再犯者率は49.1%と高くなっています。中野区では再犯防止推進計画が東京都で3番目と早期に策定されており、またこちら、地域包括ケアの考え方が示されているのが特徴的です。更生保護活動において地域での立ち直りを目指すために地域で連携していくことや、保護司が地域資源の情報を共有できることがよいかと思いますけれども、現在の取組状況を御紹介ください。
○池内区民活動推進担当課長 中野区再犯防止計画で掲げられております、地域で安定した生活を営む、誰もが安心して自分らしく健やかに暮らす、全ての子どもたちが安心・安全な環境で成長する、支援を必要とする人を孤立させることなく地域で立ち直りを支えるの四つの重点課題に取り組むため、関係機関等と必要な調整や連携を図って進めているところでございます。地域で更生保護活動を行う保護司には、令和4年度よりすこやか地域ケア会議にオブザーバーとして参加していただき、地域包括ケア体制の中で顔の見える関係づくりを構築するなど、地域資源の共有を促進しているところでございます。
○斉藤委員 更生保護活動においては、犯罪被害者の存在を忘れてはなりません。被害者理解の取組についても研究を進めてはどうかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○池内区民活動推進担当課長 区は、地域包括ケア体制において、生きづらさを抱える人たち全てが地域社会で孤立することなく、必要な支援サービスの提供等を受けながら安心して住み続けられる地域づくりを目指しているところでございます。再犯防止を推進する上で、生きづらさを抱える人の中に被害者の存在も忘れることなく、被害者理解の取組についても研究してまいりたいと考えております。
○斉藤委員 ぜひ御検討をお願いいたします。
最後になりますけれども、子どもを性暴力から防ぐことについて伺います。昨今、子どもへの性暴力事件に関する報道が続いています。こうした報道を耳にするのはとてもつらいことです。加害者は身近にいる指導的立場の者や、保育士が関わるケースが多くあります。性暴力は魂の殺人とも言われるほど一生残る傷を残します。決して許されるものではありません。
まず一つ目、性暴力が起こらないようにする取組、二つ目、被害の早期の気づき、三つ目、被害に遭ってしまった場合の適切なケアという3点をセットで考えるべきです。全ての大人は、子どもたちをどのようにして守るのか学ぶ必要があります。
本年4月に、教育職員等による児童・生徒性暴力等の防止等に関する法律が施行されました。教職員等による児童・生徒への性暴力は、以前は犯罪にならなかった行為についても性暴力として法律違反になるなど厳しい内容になりました。現在の学校での性暴力防止の取組について伺います。
○齊藤指導室長 性犯罪、性暴力の防止に向けては、学校では性教育の視点と安全教育の視点の両面から、加害者も被害者も生まない教育を進めてまいりました。また、今年度は教育職員等による児童・生徒性暴力等の防止等に関する法律が施行されたことを受け、各学校においては校長や養護教諭から児童・生徒へ性暴力は許されないこと、困ったことがあればすぐに相談することを趣旨とした講話を行った上で、児童・生徒向けの手紙、保護者宛て通知を配布しております。
○斉藤委員 区立幼稚園での対応はいかがでしょうか。
○齊藤指導室長 幼稚園の性に関する教育につきましては、自分や相手、一人ひとりを尊重する態度等を発達段階に応じて身につけていくことを狙いとして行っております。プライベートゾーンなどの指導につきましては、水遊びの時期等に行っております。
○斉藤委員 その他、幼児施設への指導を含めた対応の状況はいかがでしょうか。
○渡邊保育園・幼稚園課長 保育所保育指針には、子どもの最善の利益を考慮し、人権に配慮した保育を行うための職員一人ひとりの倫理観、人間性並びに保育所職員としての職務及び責任の理解と自覚が基盤となると示されております。中野区の保育の質ガイドラインにおきましても、子どもの権利や保育者等の保育の資質向上の取組の項目に、一人ひとりの子どもを尊重して保育に当たることを示しております。また、毎年、子どもの権利研修を実施し、学びを深めているところでございます。さらに私立保育園、区立保育園の看護師で構成する保健衛生研究会では、プライベートゾーン・性教育のグループ討議を行い、子どもの健康教育の取組の中で性に関わる教育についても進めております。
○斉藤委員 今回時間の関係で触れませんけれども、本当に包括的な性教育も必要ですけれども、継続しての取組をお願いします。子どもへの性暴力は許さない。全ての人がその思いを持ち、取り組んでいきたいものです。
以上で私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。
○ひやま委員長 以上で斉藤ゆり委員の質疑を終了します。
次に、市川しんたろう委員、質疑をどうぞ。
○市川委員 自民党の市川しんたろうでございます。見てのとおり時間もございませんので、早速質問に入らせていただきます。時間の関係上、質問の順番も変更し、また通告にない質問もございますが、理事者の皆様、また正副委員長のお二人におかれましては御差配のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
まず初めに、今後変化する区民生活に関する広報、こちらについて伺ってまいりたいと思います。ここでは特にインボイス制度についてお伺いをさせていただきたいと思います。2023年10月1日から適格請求書等保存方式、つまりインボイス制度が導入をされる予定となっております。この制度は、インボイスの発行、保存によって消費税の仕入れ額控除を受けることが可能になりますので、国も制度の周知に当たってCMを流すことや、インボイス制度専門ダイヤルを開設することなどによって大きな周知をしているところであります。このインボイス制度は、消費税において二つの税率が並行して運用している。そういった中で正しい形で課税確保するためにも重要な制度と承知をしております。導入されるに当たって、区民の皆様にも大きな影響が出ることが予想され、大きな混乱を招く可能性があると私は感じています。
本日の午前の質疑の中で他の委員からも御指摘があったところでございますが、ここでは区内産業を守る観点で産業振興課の観点を中心に伺ってまいりたいと思います。まず初めに伺いますが、このインボイス制度が導入された後に、区内事業者の皆様にどういった影響があるのか。産業振興課としてどういった想定をしているのか教えてください。
○平田産業振興課長 インボイス、適格請求書とは、売手が買手に対して正確な適用税率や消費税額を伝えるための請求書や納品書、領収書など一定の事項が記載された書類のことで、適格請求書発行事業者となるためには、あらかじめ国税庁に自社情報の登録を申請し、登録番号を発行してもらうことが必要となってございます。現在、免税事業者である場合、インボイス発行事業者への登録自体は任意でございますが、課税事業者が仕入れ控除を行うためには仕入れ先からインボイスを発行してもらう必要があることから、登録していない事業者との取引に影響が出る可能性が高いと考えてございます。中野区としましても、区内事業者の9割超が中小事業者であることから、その中にはこれまで消費税の免税事業者だった事業主も多くあると想定され、区内事業者への影響は大きいと考えているところでございます。
○市川委員 今お話があったように、このインボイス制度に対応しなかった場合、消費税免税事業者として継続できるんですよね、一応今までどおり消費税の納付免除となるんです。ただ、インボイスを発行しないと免税事業者との取引、いわゆる消費税の仕入れ額控除を受けることができないために、仕入れ額控除が受けられるインボイス制度に登録申請を行っている事業者、こういったものをはじめとした課税事業者は、同じく課税事業者との取引を選択するケースが増えると考えられる。つまり、大企業との取引を行っている二次請け、三次請けの中小企業や個人事業主がインボイス制度に登録をしなかったばかりに、大きな経済的なサークルからはじかれてしまうんじゃないか。こういったことが本当に心配な大きな懸念点だと思っているんです、私は。そんな大きな転換期とも言えるこの制度導入を区民の皆さんが本当に認識をし切れているのか私は疑問なんですね。そこで伺いますけど、産業振興課としてこのインボイス制度が区内にどの程度周知をされているのか、認識をしているのか教えてください。
○平田産業振興課長 インボイス制度の周知状況でございますが、今年の8月に民間事業者が全国の事業者約6,400社に向けて実施したアンケート調査でございますが、「よく知っている」が約20%あった一方で、「知らない」が8%、「少し知っている」が24%で、合わせて約32%の事業者が制度について十分理解していないものでございました。中野区におきましても同様の傾向にあると考えてございます。
○市川委員 中野区でも同様の傾向があるんではないかと思われるというお話だったんですけども、それは大企業も含まれるんですね。6,400社ぐらいのアンケートですので、これが例えば中小企業や個人事業主、またフリーランスですね。そういった方が非常に多くなるこの中野区では、さらに認識をしていない方のパーセンテージが増えるんじゃないかと思っております。そんな中で、中野区商店街連合会や法人会などの団体が会員に向けて講習会や広報を行っている。こういうことを耳にしております。そういった活動に区は関わってこられていますか。
○平田産業振興課長 説明会の開催でございますが、東京商工会議所中野支部や中野区商店街連合会が会員向けなどに自主的に行っているものでございますので、区は特に関与してございません。
○市川委員 この後またお伺いをしますけども、中野区としてこれまで関わってきていないというお話でした。今、区商連の団体名を挙げさせていただいたんですけど、こういう個店さんでやっていて、やはり制度の周知と同時に必要なのは、レジなどの機器の対応だと僕は思っているんですね。こういったところもサポートができると、より区内事業者に寄り添った形になるんじゃないかなと思っておりますので、ここら辺は要望しておきます。
また、飲食店をはじめとする消費者と直接やり取りするBtoCですね。BtoC事業者だけではなくて、建設業や、そういったものをはじめとするBtoB事業者に関していえば、影響はBtoC事業者よりも大きいんじゃないかと言われています。例えば建設業の中にいらっしゃる一人親方さんたちを取り巻く環境は、今後始まる公契約条例によって重層構造の解消が発生する可能性が出て、大手ゼネコンとの取引が継続的に行えるのか注視をしなければならない現状がもう既にあるんですね。そういったところで、一人親方さんたちがこのインボイス制度の登録申請を行わなかった場合、大手ゼネコンとの取引はさらに厳しい状況を生み出す可能性もあるということであります。そして、商店街の中にも飲食店だけではなくて、お店をテナントとして貸し出している皆さんのような不動産の賃貸に関するBtoB、そういったものもあるかもしれません。そういった事業形態によって想定される状況は少しずつ変わってくる中で、区として何ができるのか早急に検討を進めなくてはならないと考えます。中野区として今後どのように対応していくのか検討状況を教えてください。
○平田産業振興課長 BtoB事業者の場合は、インボイス発行事業者からの仕入れでないと、仕入れた側の事業者は仕入れ額税控除を受けられなくなりますので、消費税の税額負担が増加することになります。結果的に取引に影響が出る可能性が高いと考えております。来年10月の制度開始に向けまして、フリーランスの方など組織に所属していない方でも、誰もが参照できるよう区のホームページに周知用のページを設けるなど、制度の周知に努めてまいりたいと考えてございます。
○市川委員 今、対応してくれるという御答弁があったんですけども、先ほどもちょっとお話があったように商店街や法人会などの団体というのが自発的な啓発活動をされておられるということで、こういったところに講師派遣とか、そういう啓発活動に中野区が協力する。例えば東京税理士会中野支部ですね。税理士会の先生方にそういう講師派遣を依頼するとか、そういったことも中野区独自として行えるかなと思いますので、そういったところはしっかり行っていただきたいと思います。
インボイス制度が始まるのは令和5年10月1日、ちょうど1年後ですね。そこから、10月1日から登録を完了させるためには、登録申請の期限が令和5年3月31日、つまり半年後なんですね。つまり、期限が半年しかないということになると、期限が差し迫っている中で、必要な方に必要な情報が確実に届くようにするために、区として広報をはじめとした様々な取組を推進していく必要があると思いますが、いかがですか。
○平田産業振興課長 区内経済団体とも協力しながら、全ての事業者に必要な情報が行き渡りますよう、区報など区の広報媒体の活用も含めまして、早急に広報に努めてまいりたいと考えております。
○市川委員 早急にということでしたので、ぜひよろしくお願いいたします。約半年間という期限が、その先も登録することは可能なんですけども、ただ、最初に入るところではもう半年しかないので、これは広報課との調整になるかと思うんですが、一定の周知期間を経た上でどの程度認知度が上がったのかということも調査をする。実態把握をする必要があると思いますが、いかがですか。
○平田産業振興課長 区独自の調査は難しいと考えてございますが、周知の状況につきましては、国や民間の調査なども活用しながら把握に努めてまいりたいと考えてございます。
○市川委員 ぜひ早急に、そして確実に前に進めていただくために検討を進めていただきたいと思います。以上でこの項の質問を終わります。
次に、改定都市計画マスタープランと土地利用について伺おうと思っております。ここでは改定された都市計画マスタープランが示す今後20年間の中野区のまちづくり、都市基盤整備がどういったものなのか、そしてどうあるべきなのか。それを伺って、特にまちづくりが進んでいる中野駅周辺に隣接している新井地域、新井一丁目から新井薬師前駅周辺というエリアは、都市計画マスタープラン上、中野駅周辺と一体となって広域中心拠点と記されておりますので、その中身という都市計画上、該当地域がどうなっていくかを伺って、その上で商工会館の跡地の整備が新井一丁目地域のまちづくりの試金石となるような土地利用になっているのか伺おうと思っておりましたが、時間の関係上、直接商工会館跡地について、特に地域住民との意見交換のことについて伺ってまいりたいと思います。
商工会館跡地は区有地であって、公共施設があった土地で、いみじくも区が所有していた土地を活用するに当たって、地域の活性化や地域住民にとって公共・公益性のある土地利用が求められているのではないかと思っております。跡地に住宅・商業棟を建設するにしても、一定の公共的な空間づくりを併せて行う考えがあってもいいのではないかなと考えております。そのためには計画段階から地元町会や商店街、地域の住民の皆さんが納得するような土地利用、土地活用を行うべきと考えています。改めて本計画はどのようになっているのか教えてください。
○瀬谷構造改革担当課長 旧商工会館跡地の建て替えの計画でございますが、旧商工会館跡地の活用については、定期借地で土地を民間事業者へ貸し付け、建設された施設の一部を取得して産業振興センター機能を移転させる計画でございます。
○市川委員 その計画について、前回、半年前ぐらいになりますかね、私も予算特別委員会の総括質疑で聞いたと思うんですけど、そのときに議会から意見がついたと思います。その予算には賛成をしていませんけども、その意見を踏まえてどのような対応をしているのか教えてください。
○瀬谷構造改革担当課長 令和4年度当初予算議決に際しまして、近隣住民への十分な情報提供と意見聴取を終えるまでの間、事業の進行を止めることと意見が付されたことから事業者募集を停止いたしまして、町会等への意見を伺いながら検討をしているところでございます。
○市川委員 現在の商工会館の跡地の計画は、中野駅周辺からの回遊性の向上とか、周辺地域への活気づくりや、地域の魅力を高める考慮がされている計画とすることが本当に重要であると思っています。地域住民もそういった計画を求めているんじゃないかなと思うんですね。その町会等々の方たちと意見を伺っている中で、現在、地域住民の皆さんの反応はいかがですか。
○瀬谷構造改革担当課長 この間、地元の町会とは事前の打合せも含めまして、複数回にわたって意見交換を行ってきております。商工会館跡地の建設反対という声はほとんどないところですが、地元の町会や商店街からは、中野と新井をつなぐ立地を生かしたにぎわいや、買い物途中に寄れる場としてほしい、また、地域の交流の場としてほしい、会議室を貸してほしいなどの要望を頂いているところでございます。
○市川委員 様々な意見が寄せられている中で、これまでは説明会とか、そういうことをされてこられたというふうに聞いています。それで、私も地域住民の方たち、生まれたときから知っている方もいっぱいいらっしゃいますから、いろんな声が入ってきています。その中で、その反応を踏まえて、今後地域住民との話合いというのをどう進めていくべきなのか考えておりますか。
○瀬谷構造改革担当課長 今後の進め方につきましてですが、引き続き地元町会への意見聴取、地域住民向けの説明会と意見聴取を行いまして、今後の進め方を検討していきたいと考えております。
○市川委員 丁寧に進めていただきたいと思います。
また違う角度からお伺いしますけども、前回、先ほども申し上げたように総括質疑で伺ったときには、産業振興課、要するに産業振興センターが引っ越しをするということで、1,000平米というところで産業振興センターの引っ越しをするというふうに調整をした上で計画策定をしたのかと聞いたんですね。あの後、産業振興課とか、また拠点整備、回遊性とかいうお話が地域住民から出てくるわけですけども、そういった意味で言うと、まちづくり部隊であるまちづくり推進部ではほかの所管と調整を行ったのか、また今後調整する予定はありますか教えてください。
○瀬谷構造改革担当課長 庁内所管との調整につきましては、産業振興機能について産業振興課とも調整をしているところでございます。また、地域からの意見の対応につきましては、関係する所管とも調整しながら進めてまいりたいと考えております。
○市川委員 前回も申し上げたんですけども、全庁調整をすると。全庁調整をした上で、今後計画を着実に進めてまいりたいと当時の担当課長はおっしゃっておられたんですね。半年たった中で産業振興課とはお話をしたと。だけども、それ以外についてはこれから行うと。この半年間は一体何だったのかという話になると思うんですよ。だから、本当にそれが進んでいるのかちょっと疑問なんですね。本当に今後していってくれるのかな。そういうことが非常に疑問に感じるんですよ。半年間あったわけですからね。産業振興課だけではなくて、まちづくりとかそういったものと全庁調整というのは全庁なわけですから、そういう調整をしたんですか、するんですかと言ったら、しますと、あのとき答弁をされていたので、これをしっかり進めていただきたいと思います。今後必ずもう一度聞きますので、ぜひそのときまでにどういった検討状況になっているのか教えていただきたいと思います。
全庁調整は何で必要なのか。いろんな所管と何で調整するのが必要なのかというのを言うと、やっぱり地域住民から出ている御意見というのもいろいろ本当に多岐にわたっているんだと思うんです。例えば保育園とか、例えば交流施設だったりとか。それというのは、もちろんいろんなほかの施設の在り方とかを検討して、本当にそれができるのかできないのかといういろいろあると思うんですよ。それを担当所管としっかり議論をして、これはこれがこうだからできないとか、これはこうだからできるとかという話が振り分けられるんだと思う、そういうときに。そういった理由をつけて説明するということが地域住民の丁寧な情報提供と意見交換、こういったものにつながると思うんですね。ですので、そういった意味では全庁の調整というか、それは全庁になるかどうか分からないですけど、あらゆる所管としっかり調整をしていただきたいと思います。
最後にもう一度伺いますけど、そういった調整は必ずするということでよろしいですね。
○瀬谷構造改革担当課長 繰り返しになりますが、地域からの意見の対応につきましては、関係する所管としっかりと調整してまいりたいと考えております。
○市川委員 ぜひお願いします。
これ、通告していないんですけども、ちょっと気になったことがあって、商工会館とか新井一丁目とか、あの辺を歩いていると、ちょっと疑問が残ったことがあって、早稲田通りを歩いていると、中野五丁目側は中野駅周辺まちづくりというか、そういう中野駅周辺の部隊がつくっていて、一方、反対側の新井一丁目になるとまちづくり推進部がやっていて、通りを歩いている人たちは、あそこは一体だと思うんですけども、両サイド違う人たちがまちづくりを行っていると。これにちょっと違和感があって、中野駅周辺のまちづくりも進んできて、今後2029年にサンプラの跡地の拠点の整備が完了すれば、現在計画進行中の事業が一通り完了することになると。先ほど都市計画マスタープランの中で広域中心拠点が中野駅周辺のエリアに加えて、新井一丁目も含まれていることを申し上げた。そういった意味では中野駅周辺という枠組みはそろそろ拡大して、中長期的なまちづくりについて検討するためにも、中野駅周辺のまちづくりの取組のにじみ出しというのを行っていくべきではないかなと思うんですね。中野駅周辺のエリアって、これまで様々細かいエリアの変更がされてきたと思うんですけども、中野二丁目、三丁目、四丁目、五丁目の枠を出たことはないと思うんですね。この考え方って一体いつからなんだと考えると、ちょっと聞いてみたら、もう30年以上この考え方にとどまっているみたいなんですよ。30年て僕は生まれたばかりですから、本当にどれだけ長い期間変わっていないのかということだと思うんですね。通告していないので、まちづくり推進部長、現状の部長の御認識、こういったものを教えていただけないですかね。
○豊川まちづくり推進部長 まだまとまってうまく説明ができるかどうか分かりませんけども、ちょっと考えをお話ししますと、現在のまちづくりというのは中野区全域を対象とするわけではなくて、ある特定の地域を対象に、限られた地域を対象に具体的な事業を展開するというのがまちづくりでございます。例えばそれは西武新宿線の各駅周辺であったり、それから例えば弥生町周辺であったり、ちょっとエリアは広いですが、中野駅周辺であったりというふうな、ある一定の区域を定めて具体的な事業を展開するのがまちづくりというふうに考えています。都市計画マスタープランで先ほど委員のおっしゃった示されたエリア、これはまちづくりではなくて都市づくりですね。つまり、中野区全体をどういった都市構造にするかと。そういったことで表示をされているということです。今御指摘の広域中心拠点としての中野駅周辺については、これは現在行っている中野駅周辺のまちづくりのエリアに加えて、その周辺の事実上、都市機能が連担しているエリア、例えばそれは今おっしゃった新井一丁目もそうですが、そういったところと連携して都市づくりという観点から広域中心拠点を形成している。そんな構造になっています。そういった意味では、まだ具体的な新井一丁目まちづくり等の計画は未定ではございますが、今後そういった都市機能上の検討をする場合には、当然そういった都市構造上の機能も十分考慮しながら、新井一丁目についてもまちづくり等は検討していくことになると。そんなふうな考えをしているところでございます。
○市川委員 突然申し訳ございません。ただ、今、都市づくりというお話もあったんですね。その都市づくりという単位と、まちづくりという単位はどうなのかというのは私も今すぐ分かりませんので、また勉強して質問させていただきたいと思います。でも、いずれにせよ言えるのは、中野区がこれまで進めてきた歴史を遡ってみると、開発行為を行ってきた例えば中野坂上とか、野方ウィズとか、例えば僕が住んでいる中野四丁目東地区ですね。そういったところが再開発されたりとか開発をされたときに、その周辺街区の網かけを一切してこなかったわけですよ、中野区は。そういったことがまちづくりの進展をとどめているんじゃないかな、停滞させているんじゃないかなと僕は思うんです。だから、この商工会館の跡地の整備もつくっておしまいというんではなくて、つくって周りにどういう影響が出るのか。例えば中野駅周辺でやったまちづくりというのがどうやって新井一丁目、例えば南だったら中央になると思うんですけど、そういったところにどういう影響が広がっていくのかということを考えていくことが重要だと思ったから、僕は聞いてみたんですけど、そういう意味ではどうですかね。
○豊川まちづくり推進部長 今おっしゃったとおり、これまでのまちづくりがエリアと接するところについて、なかなか十分な対応をできてこなかったという反省もあります。ですけども、今後は具体的にまちづくりのエリアを拡大するということでは必ずしもありませんけども、周辺の影響には十分考慮して進める必要があるというふうに考えております。
○市川委員 分かりました。ぜひ今後の検討を進めていただきたいと思います。通告がない中、対応いただきましてありがとうございます。
時間も残りわずか1分となりましたので、最後の項目については要望にさせていただきますが、清掃事務所のことについて伺おうと思っていました。こちらは築50年経過しているので、区有施設整備計画を見てみると建て替え検討となっていると。この建て替え検討をするにおいて、清掃事務所のボリュームが本当に適正なボリュームなのかというのを今後検討していっていただいて、複合化したりとか、清掃事務所の場所を見ると中野通りに面していて、そして踏切の近くですから、西武新宿線ですね。これの立体交差化の事業が完了すれば踏切もなくなって、線路もなくなって、そういった非常にポテンシャルの高い土地なんじゃないかなと思います。こういったものの有効活用をするためには、環境部のほうでいろいろ計画を進めていただかなきゃいけない。こういう質疑をしようと思っていましたので、環境部長、ぜひ検討を進めていただきたいと思います。これは最後に要望とさせていただきます。
あと10秒。最後に私、9月19日に入籍をいたしましたので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げて質問を終わります。ありがとうございました。
○ひやま委員長 以上で市川しんたろう委員の質疑を終了します。
以上で本日の総括質疑を終了します。
次回の委員会は、9月27日(火曜日)午前10時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告します。
以上で本日の決算特別委員会を散会します。
午後4時58分散会