1.令和5年(2023年)6月22日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 山 内 あきひろ 2番 武 井 まさき
3番 斉 藤 けいた 4番 井 関 源 二
5番 黒 沢 ゆ か 6番 大 沢 ひろゆき
7番 武 田 やよい 8番 いのつめ 正 太
9番 間 ひとみ 10番 市 川 しんたろう
11番 加 藤 たくま 12番 日 野 たかし
13番 木 村 広 一 14番 吉 田 康一郎
15番 立 石 り お 16番 内 野 大三郎
17番 広 川 まさのり 18番 河 合 り な
19番 細 野 かよこ 20番 斉 藤 ゆ り
21番 高 橋 かずちか 22番 大 内 しんご
23番 甲 田 ゆり子 24番 小 林 ぜんいち
25番 白 井 ひでふみ 26番 小宮山 たかし
27番 羽 鳥 だいすけ 28番 い さ 哲 郎
29番 杉 山 司 30番 ひやま 隆
31番 山 本 たかし 32番 伊 藤 正 信
33番 高 橋 ちあき 34番 平 山 英 明
35番 南 かつひこ 36番 久 保 り か
37番 石 坂 わたる 38番 むとう 有 子
40番 中 村 延 子 41番 森 たかゆき
42番 酒 井 たくや
1.欠席議員(1名)
39番 浦 野 さとみ
1.出席説明員
中 野 区 長 酒 井 直 人 副 区 長 青 山 敬一郎
副 区 長 横 山 克 人 教 育 長 入 野 貴美子
企 画 部 長 岩 浅 英 樹 総 務 部 長 海老沢 憲 一
防災危機管理担当部長 石 崎 公 一 DX推進室長 滝 瀬 裕 之
区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高 橋 昭 彦 文化・産業振興担当部長 高 村 和 哉
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 濵 口 求 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 小 田 史 子
地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石 井 大 輔 健康福祉部長 鳥 井 文 哉
保 健 所 長 佐 藤 壽志子 環 境 部 長 松 前 友香子
都市基盤部長 豊 川 士 朗 まちづくり推進部長 角 秀 行
中野駅周辺まちづくり担当部長 千 田 真 史 企画部企画課長(企画部参事事務取扱) 森 克 久
総務部総務課長 浅 川 靖
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 堀 越 恵美子 事 務 局 次 長 林 健
議事調査担当係長 鈴 木 均 書 記 立 川 衛
書 記 若 見 元 彦 書 記 髙 田 英 明
書 記 鎌 形 聡 美 書 記 田 村 優
書 記 細 井 翔 太 書 記 早 尾 尚 也
書 記 堀 井 翔 平 書 記 金 木 崇 太
書 記 髙 橋 万 里 書 記 川 辺 翔 斗
議事日程(令和5年(2023年)6月22日午後1時開議)
日程第1 第42号議案 令和5年度中野区一般会計補正予算
午後1時00分開会
○議長(酒井たくや) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
この際、御紹介申し上げます。令和5年3月28日付で本区教育委員会委員に就任されました伊藤亜矢子さんを御紹介申し上げます。
〔教育委員会委員伊藤亜矢子登壇〕
○教育委員会委員(伊藤亜矢子) このたび教育委員を拝命いたしました伊藤亜矢子でございます。
大学の授業期間中と重なってしまいまして御挨拶が大変遅れましたことを深くおわび申し上げます。
私のほうは、臨床心理士、公認心理士として、ふだん教育、研究、実践に携わっておりますが、子どもの心の成長は本当に一生に関わる課題だというふうに考えております。社会も学校も大きく変化してきてございますけれども、子どもたちが生き生きできる学校づくりを目指して、微力ではございますけれども、頑張りたいなというふうに思っております。どうぞ引き続き先生方の御指導よろしくお願いいたします。
○議長(酒井たくや) 以上で紹介を終わります。
この際、お手元の一般質問一覧表のとおり、森たかゆき議員、加藤たくま議員、小林ぜんいち議員、羽鳥だいすけ議員、内野大三郎議員、ひやま隆議員、山内あきひろ議員、日野たかし議員、大沢ひろゆき議員、杉山司議員、大内しんご議員、久保りか議員、黒沢ゆか議員、細野かよこ議員、武井まさき議員、間ひとみ議員、むとう有子議員、石坂わたる議員、小宮山たかし議員、吉田康一郎議員、立石りお議員、斉藤けいた議員、井関源二議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。
中野区議会議員 森 たかゆき
1 行政報告について
(1)区長の基本理念と区政の目指すべき姿について
(2)物価高騰対策について
(3)中野駅新北口駅前エリア再整備事業について
(4)中野区役所新庁舎整備について
(5)その他
2 子育て先進区実現に向けた取り組みについて
(1)学校給食費を含む義務教育課程における私費負担の軽減について
(2)学校教育環境整備について
(3)地域子ども施設のあり方について
(4)その他
3 その他
○議長(酒井たくや) 最初に、森たかゆき議員。
〔森たかゆき議員登壇〕
○41番(森たかゆき) 令和5年第2回定例会におきまして、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告のとおりです。
1、行政報告について、(1)区長の基本理念と区政の目指すべき姿についてお伺いをいたします。
改選後初の一般質問です。前期4年は、立憲民主党・無所属議員団として9名で活動してまいりましたが、区議会議員選挙を経まして、今期は、中野・生活者ネットワークの細野議員、国民民主党のいのつめ議員も加えまして、11名の会派、立憲・国民・ネット・無所属議員団として新たにスタートを切りました。どうぞよろしくお願いをいたします。
子育て先進区にふさわしい、子育て、教育環境の整ったまち、年を重ねても、障害があっても安心して暮らし続けられるまち、経済的にも文化的にも豊かなまち、至るところで地域活動が活発に展開されているまち、災害や感染症に強いまち、環境に優しい持続可能なまち、平和で差別や偏見のないまち等々、実現したいまちの姿はたくさんありますが、私たちの会派が目指すところを一言で言えば、それは誰一人取り残されることのないまちの実現です。これはSDGsの原則であるとともに、中野区基本構想の大切にすることにも、「誰一人取り残されることのない安心できる地域社会を築きます。」とあり、区長ともこの理念は共有できていると考えています。そこで、今期最初の質問としてお伺いをいたします。誰一人取り残されることのない安心できる地域社会の実現に向けた区長の思い、決意をお伺いいたします。
私たち区議会議員には、日々、区民から様々な相談が寄せられます。そうした中で実感するのは、誰一人取り残されることのないは、言うはやすし、行うは難しだということです。特に昨今では、複合的な困難を抱える人がこれまで以上に増えている印象もあります。そのことは、従来的な縦割り行政に変革を迫り、また、区職員には、相談者の抱える課題を総合的に解決しようとする姿勢が求められることになります。例えば、書類提出の場面一つ取ってみても、行政用語になじみのない人が書ける仕様となっているか、理解できるような説明が職員からされているか、同じ話を何度も窓口でしないといけない手続になっていないか等々を考えなくてはいけません。
先月末、我が会派では、こども家庭庁の有識者会議の構成員で、困難を抱える女性や若者の支援を長年行ってきている社会福祉士の辻由起子さんの話を伺ってまいりました。彼女が支援をしてきた事例の話を聞くにつけ、役所の対応が時に人の命を左右するのだということを痛切に感じました。
区長の行政報告にあったとおり、地域包括ケア総合アクションプランに基づく取組を中心に、区も様々取り組んでいるところですが、改めて誰一人取り残されることのない区政実現という観点から、組織体制や職員のマインド、業務、手続、そしてサービスの在り方まで総点検が必要ではと考えますが、いかがでしょうか。
(2)物価高騰対策について伺います。
区長も行政報告で言及されておりましたが、物価高騰の区民生活、地域経済への悪影響が続いています。先月の臨時会において議決した補正予算で実施する給付金事業は、対象が限定的であり、今後はより幅広く区民生活、地域経済を支えるための支援が必要であると考えますが、いかがでしょうか。
また、その対策の規模については、国の臨時交付金の範囲ありきではなく、一般財源の活用も含め、必要なところに必要なだけの財政支出を行うべきと考えますがいかがでしょうか。総務委員会の審査の中でも触れましたが、改めて区長の答弁を求めます。
区内事業者に対しては、これまで燃料費等高騰に対応するための支援を行ってきました。以前にも申し上げたとおり、急激な経営環境の変化に際しては必要な対応ですが、原則論で言えば、経営環境の変化に組織を適応させていくのは経営者の仕事です。いつまでも対症療法的に燃料費等の補助を続けているだけでは、区財政の負担になるだけでなく、地域経済の新たな経営環境への適応を遅らせかねません。燃料費等の補助ではなく、DX、GXの推進による変革を促すような形の補助を検討すべきと考えますがいかがでしょうか。区内事業者のDXが遅れると、例えば、区の事業の中にいつまでも往復はがきが残るといった形で、区民にも不便を強いることにつながります。
また、ゼロカーボンシティ宣言を行った自治体としての目標を達成するためには、区内事業者のGXも不可欠です。積極的な取組を期待いたします。
(3)中野駅新北口駅前エリア再整備事業について伺います。
中野サンプラザの閉館が間近に迫り、いよいよ中野駅北口エリアの姿が大きく変わる時期に入ってきましたが、経済環境の変化により事業としては難しい局面になっています。私は、特に区が取得する資産の活用と事業収支の関係の中で、区が事業者のマイナスを補填するような形になりはしないかということを懸念し、これまで質疑してまいりました。前定例会では、ゼロサムの議論ではなくて、生産性、収益性を高めるためにプランの見直しをしてもよいのではと提案したところ、基本的には提案内容を継承するよう求めているが、よりよいプランとなる場合には見直しが可能と答弁を頂きました。特に展望フロアの取得が区財政の負担と不安定要因になるのではと懸念していますが、事業者の当初の提案内容に展望スペースが含まれており、それをなくすことがよりよいプランになるとは言えないでしょう。少なくとも当初提案にあった形の展望施設については事業者が実現すべきものと考えられますが、いかがでしょうか。仮にそれができないのだとすると、施工能力を評価したという選定の根拠も揺らぐのではないか、また、協定上の問題も生じるのではないかと考えますがいかがでしょうか。
事業収支改善のためには、あらゆる可能性を探るべきです。例えば民設民営としてきたホールの床を区が取得すると、収支にはどのような影響が出るでしょうか。固定資産税の負担減など事業者にとってもメリットがあるのではないかと思います。募集要項や再整備事業計画では、ホールは民設民営としていますが、それは大規模集客施設を区が持つことのリスクを避けるためです。ホールを持たない代わりに展望フロアを持つのであれば、結局構図としては同じような話になってしまいます。展望フロアを公設民営とするなら、ほかでもよくあるように、ホールのほうを公設民営にすることは考えられないのかと思います。これはあくまでも一例、それも極端な例ですが、事業収支改善のためには聖域なき見直しを行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
(4)中野区役所新庁舎整備について伺います。
我が会派の控え室の窓からは新庁舎の工事の様子が見られます。日々眺めていますが、来年度の移転に向けて着々と工事が進んでいるようです。新庁舎が出来ることの区民のメリットを最大化すべく、最先端の窓口サービスの実現を求めてまいりましたが、進捗状況と今後の見通しを伺います。
区長は、行政報告の中で、最先端の窓口サービス、(仮称)なかのスマート窓口を実現するとおっしゃいましたが、そのために欠かせないツールがマイナンバーカードであるかと思います。しかし、マイナンバーカードを巡っては、別人の情報がひも付けられていたり、家族の口座が登録されていたりといった問題が次々に発覚し、区民、国民の信頼が著しく低下をしています。一昨日には総点検本部の設置を決めるなど、政府も対策に追われていますが、この問題が(仮称)なかのスマート窓口実現に向けても障害となるではないかと懸念します。区の見解を伺います。
以前から要望してきた、おくやみ窓口、外国人相談窓口について、行政報告で前向きに言及があったことを評価します。おくやみ窓口は、どの程度の利用を見込んでいて、どのような形で実現しようと考えているのか伺います。特に事前予約ができることと、その際に必要な情報を入力しておけることが負担軽減の点で重要と考えます。その点も含めて答弁を求めます。
外国人相談窓口については、まずは区役所に来たら相談ができるということをお伝えすることが重要です。メインエントランスの受付にタブレットを置くことで、最初のハードルを下げるなどの対応も必要と考えますが、いかがでしょうか。
また、外国人に関わる相談では、例えば入管に関わる相談などを含めて、全てを区職員で受けることは現実的には難しいと思われます。相談内容に応じて、区が委託している各種専門相談や国際交流協会、あるいは四谷にあるFRESCなど、適切な機関を紹介できるようにしていくことも重要と考えますがいかがでしょうか。
2、子育て先進区実現に向けた取り組みについて。
(1)学校給食費を含む義務教育課程における私費負担軽減について。
まずは、学校給食費について伺います。昨年の9月頃、葛飾区が区立小・中学校の給食費無償化方針を示したことを皮切りに、23区で急速に無償化の流れが広がっています。正直に言えば、これまでの私の政策の優先順位とは違うのですが、区の子育て支援や教育への姿勢の象徴のような意味合いも出てきてしまっている点はもはや無視できません。私も、区長がこれまで答弁してきたとおり、本来は国が実施すべきものと考えますが、国が実施するまでの間、時限的でも何でも、まずは無償化を決断すべきときではないかと考えますが、いかがでしょうか。
保護者からは無償化を求める声もある一方、財政負担を抑えようとして、食事の質が下がるのではないかと懸念する御意見も頂いています。自治体によっては、地産地消やオーガニックなど付加価値のある給食を実現しています。それに加えて、物価高騰等の影響を考慮すると、1食当たりにかけるコストは、むしろ上げていかないといけない状況ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
また、これまで無償化の前段として、給食費会計の公会計化を求めてきました。中野区立学校における働き方改革推進プランに盛り込まれ、2021年度には、公会計システムの設計に着手する計画でしたが、いまだ実現していません。今後、給食費に多額の税金を投入するのであれば、支出の適正性と透明性を確保するためにも、やはり公会計化すべきと考えますが、いかがでしょうか。
義務教育課程における私費負担について、これは広く取ればランドセルから卒業アルバムまでが含まれ、また、家庭により買う必要がある場合とない場合に分かれるものもあり、なかなか負担の全容がつかめません。しかし、年間数万円という無視できない規模の私費負担が発生していることは間違いありません。ある区立小学校が保護者に配布したプリントを見ると、6年生で、給食費を含め約9万円の負担が年間発生しています。中学校ではさらに多いでしょう。こうした課題に対して、例えば海老名市では、保護者負担経費検討委員会を立ち上げ対策を進めています。こうした事例を参考に、保護者の私費負担軽減や補助の在り方を検討すべきではないかと考えますがいかがでしょうか。
また、私費負担の実態を調査すると、学校間でかなりの負担の差があるようにも聞きます。こうした格差は是正していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
学校教育環境整備について、まずは人に関わる部分について伺います。
公教育の現場では、先生不足が深刻な問題となっています。東京都教育委員会が公表したところによると、今年4月7日時点で約80人の欠員が生じていて、これは前年同時期より約30人増とのことです。区立学校でも先生不足の状況を耳にしますが、実態はどのようになっているかお伺いをいたします。先生不足の大きな原因の一つとして指摘されるのが、「定額働かせ放題」とも言われる働き方であり、これを解消するためには、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法、いわゆる給特法の見直し、廃止が必要です。
また、正規職員の採用は、東京都教育委員会の所管です。区政だけで解決できる課題ではありませんが、その中でもできることとして、区立小学校では、昨年度の終わり頃から、保護者に対して「学校で働いてみませんか」と声かけをする取組を始めたと伺っています。学校からは一定の人材確保につながっているとも聞きますが、どのような効果が出ているか伺います。
先生方の働き方改革、負担軽減という観点で、今年度から我が会派が要望したスクールロイヤーを導入していただいています。先生方の精神面の負担軽減にも資するのではと期待しての導入提案でしたが、これまでの活用状況についてお伺いをいたします。
次に、ハード面に関連して伺います。先月、杉並区教育委員会が、児童のけがをきっかけに調査を行ったところ、杉並区内の学校の多くで大量のくぎ、フック等が見つかるということがありました。これを受けて調査を実施した別の区でも同様の事例があったそうです。中野区立学校の保護者からも、うちの学校は大丈夫かと不安の声が寄せられています。各学校で先生方が点検をしてくださっているようですが、目視では限界があります。区教育委員会として対応すべきではと考えますが、いかがでしょうか。
学校整備について、今後の財政負担が大きくなることから発注方法の見直しの改善策を提案し、前向きな答弁を頂いてきたところです。検討状況はどのようになっているでしょうか。次の対象は、北原小学校の基本構想及び基本計画策定支援業務の発注になるかと思われますが、そこに間に合わせるよう、スケジュール感を持って取り組んでいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
中野中学校跡施設代替校舎等整備について、かつて、10億円程度で中野中学校、旧第九中学校跡施設を、小学校の代替校舎として整備が可能との答弁がありました。しかし、いよいよ事業が動き出すという段になって、35億円ほどの経費がかかるとの話が出てきました。10億円程度で整備ができると言った、さらにその前の答弁では、中学校を小学校の代替として使うことはできないとの見解が示されていた時期もありました。こうしたかつての答弁の根拠は何だったのかなと思います。現計画のまま代替校舎としての暫定活用でいいのかという疑問もありますが、今後、そうした政策判断をするにしても、精度の高い情報は不可欠です。高い精度で先を見通せるよう、見積りや調査方法の改善をまずは求めたいと思いますがいかがでしょうか。
(3)地域の子ども施設について。
令和4年第4回定例会子ども文教委員会に、地域子ども施設の展開及び令和5年度の事業内容についての報告がありました。酒井区政となり、児童館の一定数存続を前提に検討してきた地域子ども施設の在り方の一つの到達点のような報告で、9館の児童館は地域見守り・ネットワーク支援機能の強化をしていくこと、1館は中高生居場所事業の強化をしていくこと、児童館としては閉館する施設は機能特化した子育て関連施設へと転換していくことなどが示されています。児童館閉館後も、引き続き地域の子育て支援に資する施設として活用される方向性が示されたことは歓迎していますが、移転後の施設の説明には、乳幼児向け事業を強化した施設、自由に外遊びができる施設といった文言があります。こうした施設に転換すると、確かにこれまでの中野の児童館とは異なる機能の施設になるでしょう。しかし、運営の在り方次第では、児童福祉法上の児童館、また、中野区立児童館条例上の児童館の要件は満たす施設となるのではないかと思われます。そうだとすると、必ずしも児童館条例の改正は必要ではないということになります。
こども家庭庁が発足し、地域の子どもの居場所づくりの議論も進む中、これまでほぼ区の独自財源で設置、運営してきた児童館にも、今後何らかの補助制度が創設されることも考えられます。そうなると、児童福祉法上の児童館としておいたほうが財政的なメリットも出てくることになります。行政報告の中で、区長から条例上の位置付けも検討していくとの御発言もありましたが、具体的にどのように考えているのか伺います。
ただし、仮に条例を改正せず、児童館のままとするとしても、機能転換する施設は、これまでの中野の児童館とは異なる機能の施設となることに変わりはありません。誤解が生じないよう、今のままの児童館が残るわけではないということは、引き続き区民に説明していかなければいけないと考えますが、いかがでしょうか。
私たちは、これまで一貫して児童館の一定数の存続を求めてきましたが、その一方で、現在の児童館が、必ずしも今の子どもと子育て世代の要望に十分応え切れていないという課題も指摘してきました。先日も児童館職員に杓子定規な対応をされて閉口したという利用者の声を伺ったところです。子育てひろば、キッズ・プラザ、学童クラブなど児童館以外の地域子ども施設の整備が進み、児童館の利用実態に変化が見られる中、児童館も変わっていかなければいけません。
今、区が進めようとしている児童館の機能転換は、そもそも全廃するとしていた施設を残すことによる財政的な問題や、長年職員を採用してこなかったことによる担い手不足といったネガティブな課題に対応するためだけに行うものではありません。乳幼児親子の居場所や交流の場として、日常のちょっとした相談をする場として、学校内では賄い切れない放課後の居場所として、少し学校には居づらいなと感じる子どもの居場所として、U18プラザ廃止後、区立施設としては失われてしまった中高生の居場所として、これまでの区立施設では提供が難しかった自由に思い切り外遊びができる場所として、支援が必要な親子や児童虐待の兆候を発見するフロントとしてなど、複雑化、多様化する子どもと子育て世代のニーズに応え、課題解決に資する施設に転換するという、よりポジティブな意味合いがあります。そして、そうした地域子ども施設の在り方を考えるに当たって、私たちは、制度論や財源論に加えて、子育て当事者として、あるいは地域の一員として活動を支えてきた自分たちの経験、あるいは周りの保護者や子どもから頂いた意見を踏まえて様々な提案を行ってきましたし、これからも続けていきたいと考えています。
行政報告では、「これまでの議会や区民の意見を踏まえ検討を進める」とありましたが、これからも、特に保護者と子どもの意見をよく聞きながら検討を進めていっていただきたいと思います。そして、そのことによって親は子育てを楽しめ、子どもは自己肯定感を持って成長していくことができる、そんな地域社会を共につくり上げていきたいと考えております。そのことを申し上げて、私の一般質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 森議員の御質問にお答えいたします。
まず初めに、行政報告についてで、最初に誰一人取り残されることのない、安心できる地域社会の実現についての御質問です。区内の様々な人や団体がつながって、「オール中野」で多様なサービスが提供され、それぞれの人が望む形で必要な支援につながり、誰もが生き生きと安心して地域で暮らし続けられるまちに私はしたいと思っております。基本計画や地域包括ケア総合アクションプランに掲げる取組を着実に推進し、誰一人取り残されることのない、安心できる中野を実現させていく所存でございます。
次に、この誰一人取り残されることのないサービスの在り方についてでございます。サービスの在り方につきましては、時代のニーズに合わせて不断の改善が必要であり、その際、区民や利用者視点で一人ひとりの状況を意識して最適なサービスを提供する思考や仕組みが職員や組織に求められていると考えております。自治体DX推進の潮流の中にあっても、誰一人取り残されることのないというきめ細やかな区民や利用者の視点を持ち、サービスの内容や手続の方法を改善し、必要に応じて組織体制の見直しも行ってきたところであります。今後も、不断の改善を継続し、職員のスキルの向上にも努め、さらなるサービスの向上を図ってまいります。
次に、物価高騰対策についてでございます。生活者や事業者の状況をよく把握した上で、国や都の施策の状況、他区の対策の状況、物価の状況などを踏まえながら、区として必要な対策を検討してまいります。その際、地方創生臨時交付金の範囲ありきではなく、必要があれば一般財源を通して物価高騰対策にも取り組んでまいります。
次に、区内事業者の変革を促すDX、GX支援についてでございます。区内事業者のDX、GX、いわゆるグリーントランスフォーメーションですね──の推進につきましては、企業経営の持続、発展のために重要であると認識をしておりまして、国や都の取組と連動した支援の在り方を検討してまいります。
次に、中野駅新北口駅前エリア再整備事業についてのほうで、提案内容からの見直しについての御質問でございます。施行予定者からの当初提案につきましては、基本協定において提案内容の継承を規定しておりまして、区として当初提案内容の実現を求めることが基本となります。一方で、昨今の物価高騰等の影響で、提案時に比べ事業費の増加が見込まれていることから、対応策の検討が必要となっているところであります。検討に当たりましては、本地区のまちの将来像である再整備事業計画の内容を原則とし、施行予定者の変更提案の妥当性や有効性を検証しながら様々な方策を検討してまいります。
次に、中野区役所新庁舎整備についてで、マイナンバーカードに関わるトラブルの続発による影響についてでございます。区では書かないサービスとして、マイナンバーカードを活用した申請書自動交付機の導入を想定しておりますが、スタンドアローンでの運用でございます。一連のマイナンバー制度を巡るトラブルとは直接影響はしないものと考えております。マイナンバーカードの利用は、区民の利便性向上につながることから、引き続き内容を精査した上で活用を検討し、ニーズに合った活用を進めてまいります。
次に、おくやみ窓口の設置についてでございます。おくやみ窓口の需要につきましては、窓口を開設している近隣他区の傾向から、年間の死亡者数の15%から20%程度の利用があり、1日3件程度と見込んでおります。需要を踏まえ、区民に寄り添った対応ができるよう対応体制を検討しているところであります。
書かないサービスとの関係では、今後、システム導入を想定しておりまして、スマートフォンなどを利用して、遺族が事前に必要事項を入力し、来庁時には印字済みの申請書が出力できる予定でございます。
次に、外国人相談窓口についてでございます。外国人の方への相談対応につきましては、新庁舎1階の総合案内で用件を聞き取り、内容に応じた手続、相談先を御案内するほか、詳細な案内が必要な場合にも寄り添った対応ができるよう、4階に総合窓口を設けて対応する考えでございます。手続だけでなく、地域での交流を希望する場合には国際交流協会等を御案内するなど、区役所外の関係機関などとの連携も図っていきたいと考えております。
次に、子育て先進区実現に向けた取組についてで、給食費の無償化についてでございます。学校給食費については、義務教育であることから、本来国が負担すべきものとの認識の下、引き続き国に対して要望を行ってまいります。当初予算において、物価高騰による給食食材費の値上がりを踏まえ、質を落とすことなく給食提供するため、給食食材代金の一部を区が負担しているところであります。物価高騰対策として給食費を無償にすることにつきましては、子育て世帯への支援として、他自治体の事例を研究し、導入の手法と影響を精査していきたいと考えております。
続きまして、地域子ども施設の在り方についてでございます。児童館の条例上の取扱いについての御質問です。区は、子どもと子育て家庭のニーズ等を踏まえ、児童館の一部について乳幼児親子事業を主とした施設などに転用を図り、機能を強化し、運営していくこととしております。一方で、これらの児童館閉館後の子ども施設は18歳未満の全ての子どもを対象とするなど、児童福祉法上の児童館の要件を満たすものでございます。したがって、児童館条例に基づく施設の位置付けを継続し、これまで児童館が果たしてきた機能と役割を基礎とした上で、子どもと子育て家庭のニーズに応じた機能を強化し運営することも可能であると考えております。地域の子ども施設としてより効果的な運営ができるよう、条例上の取扱いについて検討を進めてまいります。
次に、今後の児童館運営と区民への周知でございます。今後の児童館運営は、これまでの児童館の機能、役割を基礎とした上で、福祉的課題への対応を図るソーシャルワーク機能、乳幼児親子への支援機能、中高生世代への支援機能などを強化した運営ができるよう検討を進めているところであります。児童館の機能強化や運営手法、施設の修繕、建て替えなどについては、計画を策定した上で進めていくことを考えております。計画の策定過程や児童館に関する施策の展開に当たっては、意見交換会等を開催し、児童館の機能等について周知を図るとともに、子どもを含む区民から広く意見を聴取し、子どもと子育て家庭のニーズを捉えた、より魅力的な施設となるよう運営に反映してまいります。
もう一点、先ほど新庁舎における最先端の窓口サービスの実現についての項でございます。区では、迷わない、待たない、動かない、書かないの四つのないと、キャッシュレス、タッチレスの二つのレスなど様々なサービス展開を検討してきておりまして、全ての来庁者をあまねく丁寧、かつ速やかに案内するといった方針の下、全庁共通発券機やフロアマネジャーを配置することや、各負担の軽減に向け申請書を自動出力できる仕組みを導入することとしております。また、各負担の軽減に向けた申請書を自動出力できる仕組みの導入や、セルフレジの設置によるキャッシュレス決済の拡充や、来庁者自身で納付を完結できる環境整備などを進めているところでございます。
新庁舎開設後にも、様々なサービス拡充等の導入をしていくための検討も進めておりまして、スマートフォンから必要な手続を選択できる手続案内ガイドやAIチャットなどの問合せサービスなどについても調査研究を進めているところでございます。
〔教育長入野貴美子登壇〕
○教育長(入野貴美子) 私からは、子育て先進区実現に向けた取組についてのうち、学校給食費を含む義務教育課程における私費負担の軽減についての御質問にお答えをいたします。
まず、給食費の1食当たりのコストについてでございます。中野区では、農林水産省が定める第4次食育推進基本計画を踏まえ、各学校において、給食食材には地場産物や国産食材を調達しておりまして、その上で一部の有機農産物を使用している学校もございます。給食費単価につきましては、毎年度の1年間、4月から3月に使用した食材等の使用料と購入金額から、中野区学校給食運営委員会におきまして算定しているところでございます。今後も、その結果を踏まえた1食当たりの単価を定めていく予定でございます。
次に、給食費の公会計化についてでございます。給食費無償化に当たり、公会計化を行っている自治体があることは認識しております。公会計化に当たっては、他自治体の事例を参考にし、導入の手法等につきまして、さらに研究を進めてまいりたいと思います。
次に、学校における私費負担についてです。学校間でも私費の徴収額に差があることは認識しております。その対応として、既に各学校間で情報共有の場を設ける等、協議するように助言しているところでございます。学校が徴収している私費以外については、学校ごと、家庭ごとに事情が異なるため、現在では実態を把握することが難しいと考えております。他自治体における事例を参考にし、区においてどのような取組が行えるかについて研究をしてまいります。
次の学校教育環境整備についてお答えをいたします。区立学校での教員不足の状況についてでございますが、中野区立学校でも教員不足の影響で少人数指導の加配教員を配置できなかったり、産育休の代替教員を見つけられなかったりする状況が続いてございます。現在、少人数指導の加配教員や専科教員を学級担任に充てる、時間講師を任用するなどの対応をしている学校は、小学校11校、中学校1校ございます。引き続き教育委員会といたしましては、東京都へ適正な教員の配置や教員不足解消の対応などを強く要望してまいります。
次に、人材確保の効果についてでございます。教員免許を持っている人材を確保することは、現在非常に困難でございます。そのため、学校運営や教員の負担軽減のため、教員免許を必要としない業務を担う人材配置の充実により支援をする必要があると考えております。そのような人材の確保につきましては、学校間が連携して、保護者の方などを紹介し合い配置ができた学校もございます。また、教育委員会では、ホームページや大学での募集案内に応募してきた方を学校に紹介してきております。さらに、今年度の採用は、職員課と連携いたしまして、柔軟に勤務できる採用に変更したことで人材確保が進んでおります。学校運営を支援する様々な人材を確保することは、教員が子どもたちに向き合う時間の確保や教育活動の充実に直結しておりますので、今後も教育委員会として学校と連携して対応してまいります。
次に、スクールロイヤーの活用状況についてでございます。スクールロイヤーを導入した4月からこれまでの3か月間で、小学校から2件、中学校から1件の相談があり、相談回数としては8回の実績がございます。それぞれのケースにおいて、スクールロイヤーからの的確な助言により、深刻化、長期化を防ぐことができております。スクールロイヤーは、学校だけでは判断することが難しい案件が発生した際に学校管理職がメールや電話で相談ができるもので、自信を持って判断や対応することができた、このような専門家の支援は大変心強いとの意見も聞いております。
次に、小・中学校校庭等のくぎ対応についてでございます。杉並区の小学校の校庭での事故を受けまして、中野区教育委員会では、小・中学校及び幼稚園における目視による点検は既にすぐ終えております。中野区教育委員会としましては、この学校による目視点検に加えまして、小・中学校、幼稚園における金属探知機を使用した専門業者による点検及びくぎ等を発見した場合の除去について実施を検討しております。
次に、学校改築に係る発注方式の見直しについてです。基本構想、基本計画、基本設計、実施設計の進め方について、工期の短縮やコスト低減、また地域意見の反映を目的として、他区の事例では、基本構想から実施設計まで一貫した業者に業務委託する方法を取っている区もございます。中野区教育委員会としましては、今年度から取り組む北原小学校の基本計画からこのような一貫した事業者に業務委託をできるよう、庁内調整や手続について検討しているところでございます。
最後に、今後の小・中学校施設整備についてでございます。旧中野中学校の代替校舎整備については、現在、代替校舎整備に約31億円程度の経費と見積もっておりまして、以前の想定と比べ差が生じております。今後、小・中学校施設整備を計画するに当たっては、建築などの専門的な知識、ノウハウ、経験を持つ職員体制を確保するとともに、他区の事例も参考としつつ、専門的な見地から建築コストや整備スケジュールを算出するなどを進めてまいりたいと存じます。
○議長(酒井たくや) 以上で森たかゆき議員の質問は終わります。
中野区議会議員 加 藤 たくま
1 行政報告について
2 中野サンプラザの今後について
3 中野区の子ども施設の今後の展望について
4 地域活動・地域経済の好循環を目的とした地域通貨の導入について
5 S-uiPSによるリアルタイム浸水予測システムについて
6 その他
○議長(酒井たくや) 次に、加藤たくま議員。
〔加藤たくま議員登壇〕
○11番(加藤たくま) 4月に行われた中野区議会議員選挙の後、初めての定例会となりますため一言御挨拶申し上げます。さきの選挙におきまして、自由民主党の公認候補者に約2万1,732票を賜り、多くの御支持を頂くことができました。御支持頂きました皆様の期待に応えるべく、中野区議会自由民主党議員団の議員が力を合わせ区政前進に向けて尽力していく決意であります。
それでは、令和5年第2回定例会において、自由民主党議員団を代表して一般質問させていただきます。
1、行政報告について。
定例会初日の区長の行政報告について質問いたします。当選に対するお祝いの言葉ありがとうございます。報告の中で、「議会におかれましては、公正な御審議と厳正なチェックに加え、建設的な御議論と御提案を賜りますようお願いいたします。」と発言されており、執行機関の皆様方には、我が会派の区政をよりよくするために打ち出す政策に御理解を頂くことをお願いさせていただきます。
それでは、報告の中身について伺います。新型コロナが5類感染症に移行され、今後は中野のにぎわいを取り戻し、さらに活性化させる取組が重要との御発言ですが、具体的にはどのような施策を講じられるか伺います。
続いて、物価高騰対策について。ウクライナ侵攻を起因として、1年以上連続して物価が上昇しております。中野区民、事業者が苦しい生活を余儀なくされる状況下で、中野区はいつでも手を差し伸べるという姿勢、メッセージを示すことは重要で、給付金及びそれに準ずる施策の必要性は理解します。一方、制度の対象外の方々からは不公平感が出るのは必定です。現在の厳しい社会状況下において理解を一定程度得られるでしょうが、制度のやめどきに関して出口戦略を考える必要もあります。例えば、報告で触れられている、実質賃金がウクライナ侵攻前の基準に戻ったときに物価高騰対策をやめるなど、明確な出口戦略を今のうちに検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。
続いて、三つの重点プロジェクトについて。そもそも重点プロジェクトは、縦割り行政において円滑に新たな事業を進めるために、様々な所管を集め、横の連携、部署間の調整をするためにできたと認識しておりました。しかし、昨年の第3回定例会において、中野区基本計画における重点プロジェクト等の取組状況について報告がなされましたが、横の連携が図られた形跡が見えません。また、今年の予算特別委員会の要求資料総務7、中野区基本計画(重点プロジェクト)に係る主な事業一覧では、横の連携があったからこそ予算化されたという事業はなかったように考えます。会議で報告、協議するたびに事業スピードが落ちるわけですから、横の連携が必要ない事業であれば重点プロジェクトに含めないほうがよいという判断もあります。この会議体がしっかりと運用されているのかが疑問です。そこで、重点プロジェクトの意義と、横の連携が図れた結果生まれたという具体的な成果として何が挙げられるのか伺います。
続いて、子育て先進区の実現について。子どもの意見を区政運営に反映する仕組みづくりとありますが、子どもの権利に関する条例が策定されて以降、具体的に子どもの意見をどのように聞くのか、これまでに報告はありません。中野区が描く子どもの意見聴取及び施策への反映についての具体的な方法について伺います。
また、学校現場として、条例制定を受けて、さらに子どもの意見を生かした学校運営や校則などにどのような効果があるのか伺います。
続いて、地域包括ケア体制の実現について。「中野区地域包括ケア総合アクションプランに基づき、包括的な相談支援、参加支援、地域づくりに向けた三つを柱として、相談支援の質を向上するとともに、区民・団体と連携した地域づくりや関係機関を巻き込んだ基盤づくりを進めています。」と報告がなされました。アクションプランが動き出しているにもかかわらず、いまだに基盤づくりを進めるという表現です。いつになったら本格稼働をするのでしょうか。
地域の方々から地域包括ケアに関する話を聞いたことがありません。地域包括ケアの担い手同士の連携が強化されている様子はうかがい知れますが、受け手側が置いてきぼりになっているのではないかと感じます。例えば、社会福祉協議会と無理やり役割分担を図るがゆえに無理やり縦割りをして、区民に対して窓口担当がばらばらになることを懸念します。中野区はマネジメントしやすい体制の構築を進め、受け手である区民の視点が欠けているように感じます。そこで、地域包括ケアの基盤づくりのネクストステージの目標と、それに向けた具体的な戦略について、区の見解について伺います。
続いて、活力ある持続可能なまちの実現について。持続可能なまちをつくるためには、中野駅周辺だけだけではなく、住居のまちづくりに力を注ぐ必要があります。コロナ禍で中野区への転入者の特徴の様相が変わってきました。中野区内の不動産事業者に話を伺いますと、現在、中野区の単身世帯用のワンルームマンションは供給過多となり、一方、ファミリー世帯用のマンションが不足しているという話です。ワンルームの部屋二つを一つにできたらいいのになと冗談が出るほど、これまでになくワンルームが余っているということです。中野区は、これまで新入社員、大学へ新たに進学する方々に人気ではありましたけれども、テレワークなどによる在宅ワーク、オンライン授業などで、必ずしも毎日会社、学校に通わずともいい社会環境になったためと推測されます。一方、ファミリー世帯用住居は、原材料の高騰が価格に転嫁されているにもかかわらず、中野区内においても非常に人気があるそうです。ファミリー世帯住居に住みたくても住めない状況になっております。このような状況について、区はどのような見解をお持ちか伺います。
中野区内の住居の仕様の転換を図るために大がかりな施策が必要だと考えます。今年の予算特別委員会総括質疑でも触れましたが、新・中野サンプラザの容積率を1,000%まで上げるのに使われた公共貢献の制度を中野区全域で活用すべきと考えます。他区では、大規模建築物に対し、子ども施設や福祉施設の整備等の公共貢献を条件として容積率を緩和する制度があり、中野区が戦略を持たないまま、まちづくりが進むのはもったいないことであります。民間企業による公共貢献を促していくためにも、そういった制度の整備が必要だと考えますが、区の見解を伺います。
中野区ゼロカーボンシティは、区のCO2排出量削減目標を、2030年に2013年度比46%、2050年には100%削減としており、このことは環境省ホームページにも明記され、言わば中野区が国に示した公約でございます。オール東京62市区町村共同事業、みどり東京・温暖化防止プロジェクトによる中野区における二酸化炭素排出量構成比を見ますと、家庭内の活動を示す民生家庭部門が51.7%、第3次産業であるサービス業の活動を示す民生業務部門が27.8%でありまして、これを合わせると79.5%となります。つまり、中野区内の室内を中心とした活動で約8割がCO2の発生の原因となっているわけです。当面の目標である46%削減を考えたときに、まず行うべきは、この民生家庭・業務部門の排出量を抑えることが重要となってきます。建物ごとにケースは異なりますが、環境配慮型住宅などにすることで断熱効果は高まりまして、一般的には光熱費は半分以下になると試算されております。光熱費の基本料金を考慮すれば、二酸化炭素排出量はそれ以上に削減されるわけであります。
そこで、令和4年第2回定例会で伺いましたが、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)を導入して、中野区が高環境性能である住居に太鼓判を押して、多少家賃は上がるかもしれませんが、光熱費を抑制することで結果的にランニングコスト全体を下げるというようなことを区民に理解してもらうことが必要なのではないかと訴えました。当時の答弁といたしましては、事業者との連携も視野に入れ、環境配慮型のまちづくりを進めるための施策等を検討していくということでしたが現在の検討状況について伺います。
また、重点プロジェクトとして、まちづくりを進めるというのであれば、例えば、再開発事業における公共貢献の確保、環境配慮型住宅、そしてファミリー世帯用住宅への誘導の推進、これらが一つの形となるような議論をしていただけないかと考えますが、可能かどうか伺います。
続いて、人材育成について。人材育成を計画的・戦略的に進めるため、(仮称)中野区人材育成計画を今年度策定する予定とのことです。行政報告でもあったとおり、この肝となるのがDX人材の育成かと思われます。3月の総務委員会でもDX推進に資する人材の確保・育成等の考え方が示され、今後、日本マイクロソフト社とも連携をしながらDX人材の育成の取組を強化していくことは、時勢に遅れている感はありますが、適切な判断だと考えます。
一方で、さらなる取組の推進が求められる状況にありながら危機感が感じられないのが、EBPMの機能の強化、そしてその中核となる人材の育成だと考えており、これまでも何度となくその必要性を訴えてまいりました。昨年の第3回定例会決算特別委員会の総括質疑で、区職員のEBPMに関する能力をどう捉えているかとの問いに、高いレベルではないとの答弁がありました。このような認識にあるのであれば、区の政策形成手法の柱に位置付けられ、目指すべき職員像、行動指針の重要な要素であるEBPMのスキル強化こそ、DX推進の中で今まさに手をつけなければならない人材育成の最重要課題ではないかと考えます。今後、どのようにそれらについて取り組んでいくのか、区の見解を伺います。
以上で、本項目の質問を終えます。
続きまして、2番、中野サンプラザの今後について。
今年の第1回定例会の委員会報告の際にはいろいろな意見が出ておりましたけれども、中野駅周辺まちづくりの目玉事業として進められている新北口駅前エリアの拠点施設において、区民や来街者が低層の5、6階までしか上がれないということはあり得ません。262メートルの建物高さに、中野サンプラザ付近の海抜は30メートル程度あり、合わせて300メートル弱から見ることができる景観は、公共物として非常に重要な財産であり、これを自ら手放すことは考えられません。新・中野サンプラザの262メートルの高さの話を区民とすれば、間違いなくすごい景色が見えると胸を躍らせます。高層階からの眺望を楽しめる展望施設は必須であると考えますが、民間事業者による所有、運営ができるのか伺います。
また、民間か区のどちらが所有、運用をするにせよ、新たな公共財産である景観を見ることができる展望施設の規模、レストラン機能の要否などについて、実現可能なパターンを整理して、早期に検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。
議会では、展望施設について結論が見いだせていない状況であり、今後の整備スケジュールに不安が残ります。万が一、整備スケジュールが遅れた場合に想定される財政面における影響について伺います。
それでは、話を現中野サンプラザに移します。令和4年第4回定例会一般質問では、中野サンプラザのレガシーとにぎわいを生み出す取組として、中野サンプラザの外観を活用したプロジェクションマッピングの実施や、中野サンプラザの内観・外観を三次元データとして計測し、研究材料として活用する一方、オープンデータとして利用を促すことなどを検討していると答弁されました。オープンデータに関しましては、今年度予算で三次元の計測をいたしますが、そのデータが広く活用されるには様々なプラットフォームで活用できるようにデータを整理する必要があると考えます。例えば、3億人が楽しんでいるというメタバースのシューティングゲーム「フォートナイト」内で中野サンプラザが建設されれば、中野サンプラザの屋上にパラシュートで着地し、中野サンプラザ内で銃撃戦ができるようになります。また、中野サンプラザホールのライブもメタバース上でできます。しかし、事業者によって3Dデータに求めるクオリティ、仕様は異なるため、様々な事業者とのヒアリングの上、事業を進めるべきだと助言してきたところでありますけれども、現況について伺います。
また、中野サンプラザの3Dデータをくまモンのようにフリーライセンスにすることで、様々なメタバース空間での利用促進を図る一方、適切にライセンス管理し、中野サンプラザの文化的価値や中野区のシティプロモーションに資するように利用を担保するべきと考えますが、区の見解についてお伺いいたします。
また、中野サンプラザに関しましては、その建設に大きく関わったとされる田中角栄総理大臣が祝辞を述べている開館当時の動画や、現在、中野サンプラザに展示されているホールで行われた記録の資料、中野サンプラザを思い出させる残置物、最近ではドローンを活用した実験など歴史的価値がある様々な資料について、積極的に公開、活用を図っていくことが必要と考えますが、区の見解を伺いましてこの項の質問を終えます。
続きまして、3番、中野区の子ども施設の今後の展望について。
令和5年3月に策定された中野区子ども総合計画の14ページに掲載されている、令和3年度における区の転入者・転出者の状況によると、0歳から4歳の転入者割合が7%、転出者が12%で、差引き5%が転出していることが分かります。また、5歳から9歳では、転出3%、転入4%で、差引き1%の転入、10歳から14歳では、転出が3%、転入が2%で、差引き1%が転出となっております。
小・中学校に入ると転校を避けたい親御さんたちが、転入・転出を避けるではないかと推測されます。就学前に転出してしまうと、中野区に対しての愛着を抱かないために、子どもたちが大人になったとき、昔、中野に住んでいたみたいといった程度の関係性になってしまいます。中野区の小・中学校の出の私といたしましては、成人の集いで中野サンプラザに集まった同級生たちから中野愛を感じましたし、何らかの事情で中野区から転出したときに、「中野はよかった」と口々にしております。中野区に愛着を持った子どもたちは、大人になり中野へ恩返しをしようと考える人が少なからずいると考えます。中野のまちをつくる担い手として、次世代の若者たちを育てるのであれば、少なからず中野区立の小・中学校、中野区内で小学校時代を過ごしていただくことが、中野愛を育むことに重要だと考えます。
保育園の待機児童問題が解決しましたが、学童クラブの待機児童問題へとスライドしてきました。学童クラブの待機児童の解決は、中野区立の小・中学校に通わすかどうか、中野区に住み続けるかどうかの重要な岐路に立つ世帯もあることでしょう。学童クラブの拡充は子どもたちの未来を左右し、結果的に今後の区政運営に大きな影響を与える重要な課題と考えます。これまでにほかの会派の議員が、中野区立小中学校再編計画は、当時の人口推計を基に計画が立てられ、数ありきの議論は現状にそぐわないために検証が必要であるといった趣旨の質問をされてきております。児童館を含めた地域子ども施設についても、数ありきではなく、人口動態の変化やファミリー向け住宅の供給状況、共働き世帯の増加による学童クラブの需要の変化などにも目を向けて在り方を見直すべきと考えますが、区の見解を伺いまして、この項の質問を終えます。
4、地域活動・地域経済の好循環を目的とした地域通貨の導入について。
この項に関しましては、今年の予算特別委員会におきまして、我が会派の若林前議員が取り上げさせていただきましたけれども、改めてお伺いいたします。
新型コロナの拡大によって社会情勢が大きく変わりました。地域活動は中止、縮小を余儀なくされ、そのダメージは小さくなく、その果ては地域防災力の低下につながりかねません。今年度よりウィズコロナ、アフターコロナの中で地域活動が本格再開に向けて動き出しておりますが、3年、4年ぶりのフルスペックの開催となるところも多く、地域の方々からは、人が集まるのか、体力が持つのかなどの不安の声を聞きます。
一方、コロナ禍により、在宅勤務、早期帰宅などにより、中野区民の区内滞在時間が長期化していると考えられます。JR東日本が公開している中野駅1日平均乗車人数は、コロナ禍前の2019年の約15万人から、新型コロナ拡大の2020年、2021年は、約10万人、11万人となり、およそ3分の2に減少しました。今年に入り増加しているようにも感じますが、人の流れは大きく変わってきました。
令和5年5月8日に新型コロナ感染症の位置付けが5類に移行しましたけれども、新型コロナによって変化した在宅勤務、早期帰宅などのライフスタイルは、コロナ禍前のように戻ることはないでしょう。そしてライフスタイルの変化は、自宅や自宅近くの飲食店で飲食をする機会を増やしました。事実、コロナ禍前の令和元年度の燃やすごみは約5万4,000トンから、令和2年度は5万6,000トンと、3%増加いたしました。この間の人口は0.5%減少です。自宅で食事をすれば、商店街で買物に行く機会も増えます。また、飲食店に行く機会が増えれば、地域の方々同士の出会いが増えることも期待できます。裏付けとなるデータとして、リクルート社の調査があります。新型コロナ以降、新たななじみの外食店ができたという人は57.5%、新たにできたなじみの外食店の立地は自宅や最寄り駅の周辺が74.8%という結果でありました。不要不急の外出自粛が要請され、また、在宅勤務等も影響してか、なじみの外食店の場所も自宅近くに出来たという人が多いと分析されております。下品な言い方になるかもしれませんけれども、コロナ禍前、都心部で落とされたお金の一部がコロナ禍によって中野区で落とされるような形になったというわけであります。
国勢調査で中野区の昼間人口は、2015年度31万3,270人から、2020年度32万5,767人と、1万2,000人以上が増加しております。これは、日中どこに通勤通学しているかという調査結果であり、リモートワーク、オンライン授業が反映された結果とは考えづらいですが、一つの参考値にはなります。企業が多い中野駅周辺においては、リモートワークの影響で昼間人口が少なくなった可能性は高いですけれども、区内全体を考えますと昼間人口が増えていると想定されます。アフターコロナによる地域活動の不安ながらの復活、そして在宅勤務で中野区民の区内滞在時間の長期化、この二つの状況をどうにか絡められないかと考えるわけであります。
結論を先に言いますと、中野区版のデジタル地域通貨のプラットフォームをつくり、地域活動における地域活動ポイント制度を策定し、そのポイントをプラットフォーム上で運用できるようにすべきと提案させていただきます。地域活動ポイント制度により、中野区内にいる人材を地域デビューさせるための呼び水にできないかと考えるわけです。そして、地域活動で得られた地域活動ポイントは、中野区内限定での使用しかできないために、区内経済の好循環が期待できるわけです。
前置きが長くなりましたけれども、それではデジタル地域通貨の導入について伺っていきます。この件に関しましては、行政報告で、「商店街に対しては、キャッシュレス化への支援を進めるとともに、デジタル地域通貨導入に向けた検討に着手します」と触れられており、我々のこれまでの要望の実現に向けて、前進したと評価させていただきます。
ところで、令和4年度予算でも同様の事業があったかと思いますけど、その検討状況はどのようなものだったかお伺いします。
これまでの実績から、区内商品券は確実に区内消費の促進につながることから、商品券の電子化で紙の商品券よりも使い勝手がよくなることは理解します。しかし、単に商品券を電子化するだけではなく、中野区が地域通貨のプラットフォームをつくり、そのプラットフォームの上に商品券を組み込むなど、商品券と互換性を持たせたデジタル地域通貨の仕組みをつくるべきと考えますが、区の見解についてお伺いいたします。
もしそのプラットフォームが庁内全体、また商店街連合会などが利用できるデジタル地域通貨の仕組みが整備されれば、エコポイント、生活応援事業に関わるポイント還元事業、デジタル区内商品券などの既存サービスが一つのプラットフォームで運用が可能となります。貯まったポイントが地元で消費されれば、さらなる区内消費の活性化にもつながり、好循環が生まれます。各所管が地域通貨のプラットフォームを活用できるような整備をするべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。
ただし、このプラットフォームを管理する所管が執行委任を受けないような形は担保すべきと考えます。
次に、地域活動ポイントの導入について伺います。三鷹市では、ボランティアポイントとして、地域通貨の特徴を持ち合わせ、コミュニティ活動の参加者に対して市がポイントを付与し、コミュニティ活動への参加促進と地域のにぎわいを創出する、共に支え合う新しい地域社会の実現に向けた基盤として地域ポイントの取組を進めております。中野区においても、地域活動の活性化のテコ入れとして地域活動ポイントの導入を、時限的、サンセット方式でもいいので創設すべきと考えますが、区の見解についてお伺いいたします。
ところで、今年の予算特別委員会総括質疑におきまして、昨年、中野区生活応援事業、ポイント還元事業で利用が多かった業種を伺ったところ、第一弾の大規模チェーン等を除く区内中小加盟店を対象としたキャンペーンで一番利用が多かった業種は、飲食店、喫茶店、続いて居酒屋、パブ、バー、3番目が理容、美容ということでした。そして、第二弾のコンビニを除く大手チェーンを対象としたキャンペーンでは、一番多かったのが食品スーパー、続いて飲食店、喫茶、3番目が医薬品、化粧品、ドラッグストアとの答弁でした。
デジタル地域通貨の通常使用できる範囲は今後検討していくべきですが、大手チェーンを除くとすれば、飲食店などに大きな還元がされることが予想されます。デジタル地域通貨が整備されるのであれば、ターゲットは飲食店にすべきと考えます。地元飲食店を通じて地域デビューのきっかけをつくり、地域活動ポイントによりさらに呼び水としていく、このような地域活動の活性化モデルを設計すべきと考えますが、区の見解を伺いまして、この項の質問を終えます。
5番目、S-uiPSによるリアルタイム浸水予測システムについて。
本項目に関しましては今年の予算特別委員会の総括質疑で取り上げましたので、その後の進捗について伺います。
S-uiPSとは、早稲田大学理工学術院の関根正人教授らが開発したシステムで、雨雲レーダーの降雨予測値をインプットし、約20分先の河川氾濫・道路の浸水状況を動画にしてお知らせするアプリケーションです。河川、下水道の水の流れをシミュレーションし、河川・道路のどこで水があふれるか、水深5センチメートル程度の誤差まで表現できるように精度を高めてまいりました。無料でインターネット閲覧するだけで、災害情報の重要な拡充に資するわけです。ちなみにこのシステムは、6月12日のNHKクローズアップ現代でも取り上げられました。
このシステムのテスト配信ユーザーとして、中野区に参加してもらえないかという打診がありました。区は、「テスト配信を受けながら、今後の活用について研究してまいりたい」と答弁されました。6月2日の台風2号の影響により大雨洪水警報が発令されるとともに、区内の河川では、妙正寺川において氾濫危険水位に達しました。また、善福寺川上流の杉並区の西田端橋では一時氾濫発生水位を超え、道路冠水が発生しました。
気候変動、ヒートアイランド現象などにより、大規模な都市水害はいつ起こってもおかしくない状況です。このような状況において、水害の発生が予測できるシステムの必要性はますます重要となってまいります。このシステムを活用すれば、中野区防災担当、また消防団の方々が、水没することが予想されたアンダーパス、地下空間に対して事前に封鎖することも可能となります。「今後の活用について研究をしてまいりたい」という前回の答弁よりもさらに踏み込み、開発者と共同で新たな取組を進めるべきと考えますが、区の見解をお伺いしまして、全ての質問を終えます。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 加藤議員の御質問にお答えいたします。
まず初めに、行政報告についてで、今後の活動活性化に向けた取組についてでございます。小・中学生の豊かな感性、想像力、人間性などを育むための様々な文化芸術体験の機会を確保する取組、区民公益活動の活性化及び住民参加の促進を図るための地域団体活動情報発信ツールとしてのWebアプリの導入、商店街キャッシュレス普及キャンペーン事業などを着実に実施をしてまいる考えでございます。また、経済活性化策として、複数の決済事業者によるキャッシュレス決済ポイント還元事業の実施も検討しております。
続きまして、物価高騰対策の出口戦略についてでございます。生活者や事業者の状況、国や都の施策の状況、他区の対策の状況を踏まえながら、必要な物価高騰対策を行いつつ、出口戦略についても検討してまいります。
続きまして、重点プロジェクトの意義と成果についてでございます。重点プロジェクトは、基本計画に掲げる政策・施策を効果的かつ効率的に推進していくため、組織横断的、かつ重点的に対応する必要がある政策課題に対して設定したものであります。各部が重点プロジェクトに掲げる課題や方向性を共有し、それぞれ所管する取組、事業について、相互に関連性を持って進めていくことで成果につながっていくものと認識をしております。
子どもの意見を区政運営に反映させる仕組みづくりや、孤独・孤立対策、新庁舎における環境マネジメントシステムの推進に係る取組などは、重点プロジェクト推進会議においても議論を行ったところでありまして、着実な成果につながるよう組織横断的に対応してまいります。
続きまして、子どもの権利条例についてで、区政運営における子どもの意見表明・参加についてでございます。子どもが区政や地域の課題について考え、意見を表明し、主体的に参加するための機会を確保することが重要であると考えております。区政運営における子どもの意見聴取の場の設定や聴取の方法などを取りまとめた実践的な手引を作成をし、全庁で共有することで、子どもの意見表明、参加に関する取組を推進してまいります。
続きまして、地域包括ケアの今後の具体的戦略についてでございます。区では、医療と介護の連携を軸に、複雑化、複合化する生活課題に対応するため、全世代を対象とした重層的支援体制の構築に取り組んできたところであります。ヤングケアラーやひきこもり、社会的孤立など顕在化しにくい課題も多く、生きづらさの声を上げやすい場や環境づくりが求められております。こうした状況を踏まえ、今後さらに、ハイリスクアプローチの強化とともに、ポピュレーションアプローチを拡充していきたいと考えております。
次に、単身世帯用のワンルームマンションの質問のところで、ファミリー世帯住居についてでございます。区では、単身世帯やファミリー世帯など、世帯種別に応じた居住面積が確保された住宅の供給を誘導することが必要であると考えております。ファミリー世帯向け住居につきましては、中野区集合住宅の建築及び管理に関する条例におきまして、一定規模の集合住宅に対し、ファミリー世帯向け住戸の附置を義務付け、供給を誘導しているところでございます。
民間企業による公共貢献についてでございます。都内では、大規模建築や再開発事業等の計画において、都市開発諸制度の適用によって、諸条件を満たして容積率緩和を受ける場合、区との協議によって一定の公共貢献を促すことも可能であると考えております。今後のまちづくりの進捗や他区の事例等も参考にしながら、必要な方策等について研究してまいります。
次に、環境配慮型のまちづくりについてでございます。現在、脱炭素社会の実現に向けた分析調査として、各種データに基づく中野区の現状把握を進めているところであります。また、8月頃には、家庭や事業所の状況把握等を目的に、区民、事業者へのアンケート調査、これも実施し、これらの結果に基づいて今後取り組むべき施策について検討します。
住宅や事業所の脱炭素化の推進に向けては、今後、国による建築物省エネ法の改正や東京都による建築物環境報告書制度の創設等が予定されているほか、民間企業による新たな技術の開発等も進められているところであります。区としては、これらの動向も踏まえ、ZEHやZEBなどの環境配慮型建築物の推奨や再生エネルギー電力への切替え推進など、区民や事業者に対する意識啓発も含め、効果的な方策について検討してまいります。
続きまして、まちづくりの進め方についての御質問です。重点プロジェクトは、各関連分野が抱える課題を組織横断的に検討し、対応することが求められるものであります。区は今後、まちづくりが進められる中野駅周辺や西武新宿線沿線等のまちづくりにおいて、活力ある持続可能なまちの実現に向け、各部連携の下、取り組んでまいります。
次に、EBPMに係る機能強化、スキル向上の取組についてでございます。客観的な事実やデータを基に政策形成を行うといったEBPMは、区政運営における政策形成の基本的な視点であり、職員にも職務に当たって意識すべき思考の基本プロセスとして理解と実践を強く求めているところであります。職員のEBPMに関わるスキル向上は、人材育成の重点項目として、これまで政策形成におけるデータ活用の在り方やオープンデータ、統合型GISの有効活用といった研修に取り組んでまいりました。今後も、DX人材育成の取組の一環として、協定を締結している日本マイクロソフト社等と連携をしながら、職員のEBPMに対する理解度、活用度のレベルを上げる取組を充実させてまいります。また、必要に応じて外部の高度専門人材の活用も検討し、区のEBPMの強化を図ってまいります。
次に、中野サンプラザの今後についてで、民間事業者による展望施設の所有・運営についての御質問です。展望施設について、施行予定者に対し、民間事業者での所有、運営を求めてきたところでありますが、昨今の物価高騰の影響で、所有、運営は難しい旨の回答があったところであります。
次に、展望施設を含む拠点施設の在り方についてでございます。展望施設を含む拠点施設のさらなるにぎわいの創出や魅力の向上等につながる施設の在り方について再検討を行っているところでありまして、整理ができ次第お示しする考えでございます。
次に、整備スケジュールの遅延による財政面の影響についてでございます。中野サンプラザに関しては、株式会社まちづくり中野21は、借入金利子や固定資産税等で毎月3,000万円程度の経費を負担しておりますが、その経費負担の期間が長くなるという影響がございます。そして、現庁舎につきましては、新区役所移転後の閉鎖管理に伴う維持管理経費等の負担増が考えられます。また、転出補償金の収入時期が遅れますと、新区役所整備費の起債の償還時期が遅れ、年1億円程度の追加利払いが発生する可能性がございます。
次に、中野サンプラザ三次元データのクオリティ確保でございます。中野サンプラザの三次元データ化は、実績のある複数の事業者から意見を伺いながら、保存するデータの一定程度の質と利活用しやすさを担保することを前提として進めているところであります。来年度早々にオープンデータとして公開できるようにしたいと考えております。
そして、中野サンプラザ三次元データのライセンス管理についてでございます。三次元化した中野サンプラザのデータは、広く利活用してもらうためオープンデータとして公開しますが、一方で、それらの利活用が文化的価値の保持やシティプロモーションに資するとともに適正に行われるよう、使用に当たってのガイドラインを定め運用していく考えでございます。
次に、中野サンプラザに関する歴史的価値がある資料の活用でございます。中野サンプラザに関する歴史的価値を有する資料につきましては、株式会社中野サンプラザから区が譲り受け、歴史民俗資料館で保管する方向で調整をしているところであります。中野サンプラザの歴史や功績がレガシーとして継承されるよう、権利関係にも十分配慮しながら資料の公開と活用を図ってまいります。
最後に、中野区の子ども施設の今後の展望についてで、子ども施設の整備・運営方針についてのお尋ねです。子どもと子育て家庭を取り巻く現状として、孤独・孤立への不安や児童虐待、不登校、いじめ、貧困など様々な課題が複雑かつ複合化しているとともに、共働き世帯の増加による学童クラブ需要が年々増加傾向にあります。こうしたことを踏まえ、これまでの児童館の機能、役割を基礎とした上で、それぞれの施設の機能、役割に応じて、福祉的課題に対応を図るソーシャルワーク機能、乳幼児親子への支援機能、中高生世代への支援機能などを強化した運営ができるよう検討を進めているところであります。まちづくりの進展による都市構造の変化や、共働き世帯の増加などの社会状況の変化なども踏まえた上で、地域子ども施設の整備など多様な居場所づくりを進めていく考えでございます。
〔教育長入野貴美子登壇〕
○教育長(入野貴美子) 私からは、行政報告についての御質問のうち、中野区子どもの権利に関する条例を受けた学校づくりについてお答えをいたします。
昨年度から、区立小・中学校では、中野区子どもの権利に関する条例を改めて柱の一つに置いて、教育課程全般の見直しを図ってきたところでございます。小・中学校は、主に学級活動や生徒会活動、学校行事や学校生活等において、児童・生徒の意見や考え、思いを安心して表明できる場をより増やすための取組を行ってきております。子どもたち自身が考えた学校生活の決まりや運動会の企画運営などの実践が多く報告されてきております。引き続き、学習活動も含めて、子どもたちを主体とした学校づくりに向けて指導、助言をしてまいります。
〔文化・産業振興担当部長高村和哉登壇〕
○文化・産業振興担当部長(高村和哉) 私からは、地域活動・地域経済の好循環を目的とした地域通貨の導入についての中から2点お答えいたします。
まず、区内商店街キャッシュレス化の検討状況でございます。昨年度、中野区商店街連合会及び中野区商店街振興組合連合会では、専門家の助言を受けながら、区内共通商品券の電子化に向けた調査と検討を行ったところでございます。具体的には、商品券の電子化に関する勉強会の開催、商店街へのヒアリング、先進事例の視察、システム事業者へのヒアリングを実施し、商品券の電子化に係るコストの算出やスケジュールの検討を行ったところでございます。
次に、区内商品券と連携したデジタル地域通貨の検討についてでございます。他自治体では、デジタル地域通貨に区内共通商品券や区の事業を連携させ、コミュニティ通貨として運用しているところがございます。先行実施しているデジタル地域通貨の例を参考にしつつ、中野区商店街振興組合連合会と協議しながら、有効なキャッシュレス型の地域通貨のシステム構築に向けて検討してまいります。
〔企画部長岩浅英樹登壇〕
○企画部長(岩浅英樹) それでは、地域通貨の導入についての御質問のうち、全庁的な地域ポイントの検討についてお答えをいたします。キャッシュレス化のさらなる進展や区民のデジタル機器の活用状況等を踏まえ、他自治体の先進事例も参考にしながら、デジタルによるポイント活用につきまして、商店街や地域に新たなつながりを生み出すような仕組みにつきまして、全庁的な検討を進めてまいります。
〔地域支えあい推進部長石井大輔登壇〕
○地域支えあい推進部長(石井大輔) 私からは、地域通貨の導入についての御質問のうち、地域活動ポイントについてお答えいたします。地域活動に対するポイント付与につきましては、地域活動の活性化に向けた仕掛けとして有効であると認識しておりますけれども、デジタル地域通貨の導入に合わせて組み込んでいくのが効率的かつ効果的であると考えております。
次に、地域活動活性化モデルの設計についての御質問にお答えいたします。地域活動に対するポイント付与は、活動のインセンティブとなることから、ポイントの受渡しが繰り返されることによって地域全体の活性化につながると考えております。こうした取組の参加者となり得る地域団体や事業者などとともに意見交換しながらモデルを検討してまいります。
〔防災危機管理担当部長石崎公一登壇〕
○防災危機管理担当部長(石崎公一) 私からは、S-uiPSによるリアルタイム浸水予測システムについての御質問についてお答えいたします。区では、S-uiPS、リアルタイム浸水予測システムのテスト配信サイトの利用者登録を行い、浸水予測システムの活用について検討を始めたところでございます。また、先日、開発者とも意見交換をしたところであり、今後、開発者との共同の取組についても、併せて検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○議長(酒井たくや) 以上で加藤たくま議員の質問は終わります。
中野区議会議員 小 林 ぜんいち
1 行政報告について
2 物価高騰に対する区民への支援について
3 中野区立小中学校施設整備計画について
4 避難所について
5 その他
○議長(酒井たくや) 次に、小林ぜんいち議員。
〔小林ぜんいち議員登壇〕
○24番(小林ぜんいち) 令和5年第2回定例会におきまして、公明党議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告のとおりで、5番、その他で2問お伺いいたします。
4月に行われました中野区議会議員選挙に際し、私ども公明党は公認8人全員を当選させていただきました。私たちは日々地域を歩く中で、区民の皆様の生活の中で懸念される多くのお声を聞いております。生活者の立場に立って、公明党のネットワークを生かし、御支持を頂いた多くの皆様への感謝の思いを忘れず、「真に区民のためになる区政を」と、政策実現でお応えしてまいります。
初めに、1、行政報告について伺います。
基本計画の検証について伺います。区長は先日、4月の区議会選挙後、初の議会ということもあり、行政報告を行いました。その中で、令和2年から3年3か月に及ぶ新型コロナウイルスの感染拡大や物価高騰の波を経験し、区政は新たな局面を迎え、コロナ禍以前にも増して区政運営に取り組んでまいりたいと語られています。
中野区基本構想は、コロナ禍の令和3年3月に改定されてから2年3か月、中野区基本計画は、令和3年9月に策定されてから1年9か月が過ぎようとしています。区長は、この間の取組について、基本計画の前期の取組として、三つの重点プロジェクトの実現に向けて取組を進めてきたところです。また、後期の取組を具現化するため実施計画を策定すると述べています。実施計画を策定するに当たり、これまでの検証をどのように行い、議会に報告をしているのでしょうか伺います。
2番目に、構造改革実行プログラムについて伺います。区は、着実な事業実施を図るため、進捗状況の管理をどのように行っているのか伺います。
区長は、「新たな行政需要に応じた効率的かつ効果的なサービス展開を図るため」と述べていますが、効率的かつ効果的なサービス展開とは何か、また、それを行うためには正確な現状把握が必要と考えますが、どのように行ってきたのか伺います。
3番目に、新たな財政フレームについて伺います。基本計画策定時から2年弱しか経ていないにもかかわらず、「策定時の想定から変化した財政見通し」と述べていますが、どのように財政見通しに変化が生じたのか伺います。
昨年、今年度の予算編成で基準となる一般財源規模を廃止したばかりですが、今回の新たな財政フレームの導入はどういった経緯からか伺います。
また、毎回毎回財政の根幹をなす財政運営の基軸の変更をどのように考えているのか伺います。
前年度の歳入により事業計画を変更するのか、また、経常化する経費をどのように考えているのか伺います。
4番目に、子育て先進区に向けて伺います。区長は、依然として子育て先進区の実現と述べていますが、その中身が伴っているのか疑問があります。子育て先進区とは何なのか。行政報告の中では、子どもと子育て家庭の満足度、多くの子どもと子育て家庭から選ばれる子どもにやさしいまちとのことですが、喫緊の課題に本当に真剣に取り組もうとされているのか、お気持ちが伝わってこないと感じます。
区長がおっしゃるように、子どもと子育て家庭を取り巻く現状は、孤独・孤立への不安や児童の虐待、不登校、いじめ、貧困など複雑な問題や、共働き世帯などがお子さんを安心して預ける場所がないまま不安な生活を送っている現状があります。にもかかわらず、子ども子育て家庭にとって身近な地域の居場所である児童館等についても、廃止条例否決から迷走を続けてきたまま、どのように取り組むのか見えていません。
保育園の待機児がゼロになっても、今度は学童クラブが、行き場を失っている子どもがいることを真剣かつ早急に考えなければならないと考えます。
公明党は、「こどもの幸せを最優先する社会」の実現を目指し、昨年11月に子育て応援トータルプランを策定し、ライフステージに応じた切れ目ない子育て政策を政府に提言しました。その後、今年4月1日に発足したこども家庭庁では、子ども・若者の居場所づくりについて、「居たい」「行きたい」「やってみたい」、多様な居場所をつくろうとしています。
中野区としても、児童館等は多様な子どもの居場所として、誰一人取り残さないための子どもの安全な居場所として、ますます大きく発展させていくべきです。区長が言う「児童館等の在り方について、子どもと子育て家庭を取り巻く課題やニーズに的確に対応できるようにする」とは、どのような課題にどのように対応するのか伺います。
また、子育て先進区というからには、先進的な目玉事業や多くの子育て家庭から喜ばれる施策があってもよいと考えます。今後、区長の考える子育て先進区の目玉施策は何か伺います。
5番目に、新庁舎へ導入予定の発券機、職員周知機等の導入計画について伺います。区長は、区役所新庁舎における質の高い区民サービスの提供について、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進により、区民サービスの質を向上させ、最先端の窓口サービス、「(仮称)なかのスマート窓口」を実現しますと述べています。
私は、新庁舎へ導入予定の発券機、職員周知機等について、令和5年第1回定例会予算特別委員会の総括質疑でも取り上げさせていただきました。そして、第1回定例会では賛成多数で、「新区役所整備事業の全庁共通発券機、職員周知機、フルセルフレジ等の導入にあたっては、関連する全ての委員会へ報告を行い、最小の経費で最大の効果となるよう努められたい。」と、付帯意見が付されました。
現庁舎1階・2階へ、予定より遅れて本年2月に先行導入をされた発券機、職員周知機の導入後の業務改善について検証をどのように行ったのでしょうか。また、その機器導入が最小の経費で最大の効果となる優良性、優位性の検証をどのように新庁舎システムに生かしているのか見えていません。第1回定例会以降の検討状況を全ての委員会に報告が必要と考えますが、いつするのでしょうか伺います。
区は、議会の付帯意見がついた場合、その取扱いをどのように考え、扱っているのでしょうか伺います。
新庁舎への機器導入に際して、システムの構築等の契約は、先行導入した現庁舎とは仕様が異なるので、新庁舎へ導入をする事業者は、本来は入札となる案件と思いますが、現庁舎へ導入した事業者1社だけに、よもや随意契約をするのではないでしょうね、伺います。
また、機器とフロアマネジャーも一括の契約となるのでしょうか、伺います。
発券機、職員周知機の導入で、呼出し機能など諸機能はフロアマネジャーを全ての階に置くとしていますが、電話で呼出し対応することで済むのではないでしょうか。また、電話を活用しない、その費用対効果には大きな疑問があります。付帯意見にあるように、最小の経費で最大の効果に見合った検討をしてから導入を図るものと考えます。
新庁舎の7、8、9階のフロアは2、3、4階とは異なり窓口主体のフロアでもなく、かつ、利用者も専ら目的が明確な区民、事業者で、フロアマネジャーによってさばかなければならない必然性が見えません。あえて導入の必要はあるのでしょうか。
フロアマネジャーと機器の配置、電話での対応について、区が目指すデジタルトランスフォーメーションの推進により、区民サービスの質の向上、最先端の窓口サービス、「(仮称)なかのスマート窓口」とは逆を行っているように思われます。導入ありきではなく、さらなる工夫が必要ではないでしょうか伺います。
議会で付帯意見がついたにもかかわらず、意見を踏まえた対応として時間的制約がある案件だけに、今まで何らかの検討状況の報告がないのは不誠実です。時間的制約があるだけに、閉会中でも報告が必要だったのではないかと考えます。
2、物価高騰に対する区民への支援について伺います。
物価高騰に伴う、いまだ逼迫している区民の暮らしを支えるための支援に、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した支援策があります。先ほども触れましたが、区民の生活状況は必ずしも改善されているとはいえません。これまで会派として度々、交付金を活用し区民生活支援を行うことを提案してきました。
初めに、キャッシュレス決済ポイント還元事業について伺います。昨年行い、区民生活に効果のあったキャッシュレス決済ポイント還元について、昨年とは異なり、様々なペイが普及、利用されている中で、区民の利便性、幅広い還元を考えるならば、今年度は利用勝手のよい複数のペイで行ってはいかがでしょうか、伺います。
二つ目に、子育て世帯への支援の一つとして給食費の無償化について伺います。公明党として、物価高騰による区民生活の負担軽減を昨年来求めてきています。小・中学校の給食費の無償化の動きは大きく広がり、23区中、現在17区で始まっています。子育て先進区として、物価高騰により影響を受けている家庭への支援の観点から、子育て世帯である小中学生の保護者の区民生活への負担軽減へ、中野区として給食費の無償化を行うべきではないでしょうか。また、財政的制約があるならば、一部軽減策の導入もあるのではないでしょうか、伺います。
3番目に、緊急小口資金等特例貸付の返済免除等について伺います。コロナ禍で困窮した世帯に無利子、保証人なしでお金を貸した緊急小口資金等特例貸付について、公明党の提言を踏まえ、国は住民税非課税世帯でなくても、返済が困難と判断されれば免除するなどの支援をするよう、5月に自治体宛てに通知を出しました。コロナ禍における特例貸付については、国は、まず猶予などを積極的に活用できることとし、その後、猶予の後に免除の仕組みがなかったところ、猶予の免除の仕組みをつくりました。また、生活再建の難しい方には相談支援を行うことも有効であるとしています。中野区内で返済免除の対象となる方々はどのくらいいるのでしょうか。償還猶予等は周知されているのでしょうか。また、生活相談支援体制はできているのでしょうか、伺います。
3、中野区立小中学校施設整備計画について伺います。
学区域別の児童・生徒数の推計について伺います。私の住む地域では、桃花小学校と、また新校舎への改築予定が大幅に遅れている平和の森小学校では、この数年、児童数の急増により普通教室の不足が特に深刻です。中野駅周辺でのまちづくりが進み、人口の増加とともに児童数もさらに増加することが予想される中野駅周辺の小・中学校では、教室数の不足について保護者の間でも懸念が増しています。再編後の小・中学校の児童・生徒数を、何に基づきどのように算出してきているのでしょうか伺います。
児童・生徒の推計は、将来の学校施設の改築改修計画の根拠となる重要な指標であると考えるため、推計値にまちづくりによる急激な増加を見込むなど、算出方法を見直してはいかがでしょうか、伺います。
世田谷区では、学校適正規模に係る施策について、指定校変更の制限の実施、通学区域の見直しなどの組合せを行い適正化を図っています。中野区は、児童数の算出に当たって、児童の偏りのある学校への指定校変更による転入学をどのように考えているのでしょうか、伺います。
2番目に、児童数の算定と教室数の今後の施設計画について伺います。児童数の増加した小学校では、少人数教室などが普通教室に転用されています。本来英語や算数、少人数指導の教室を確保すべきと考えます。区の見解を伺います。
3番目に、旧中野中学校(旧第九中学校)跡地の活用について伺います。旧第九中学校用地は、当初計画では地域医療機関の誘致としていましたが、令和3年10月に策定された区有施設整備計画には、小学校等改築中の代替校舎として活用するとしています。旧第九中学校用地を、小学校等の改築代替の期間中の校舎とすることを決めた経緯について、いつどのように決めたのでしょうか伺います。
これまで耐震工事を行わなかった旧第九中学校校舎を、大規模な耐震工事を行った上で改築を行う計画となっていると聞きますが、費用対効果を考えると、仮設校舎としてプレハブや全面新築による建て替え等の比較検討、検証を行うべきと考えますが、行ったのでしょうか、伺います。
大規模改修による費用を当初どの程度と見込み、現在費用はどのくらいになるのでしょうか、伺います。
旧第九中学校跡地を代替地として活用した学校改築計画は、いつまでかかり、何校を予定しているのでしょうか、伺います。
4番目に、区立小中学校施設整備計画の課題について伺います。近年、物価高騰などによる建設コストの増大があり、改築工事予算は膨らむ一方です。加えて、週40時間労働などによる影響から、建築スケジュールの長期化も予想されます。これを考慮すると、現在のスケジュールを今後見直すべきではないかと考えます。区の見解を伺います。
小・中学校施設整備工事費の増大による、今後の財政フレームに対する影響をどのように考えているのでしょうか、伺います。
5番目に、旧中野中学校(旧第九中学校)跡地を活用した地域医療機関誘致計画について伺います。保健企画で位置付ける超高齢社会に対応する地域医療体制の充実とともに、地域包括ケアシステムに資する地域医療の拠点となる医療機関の整備計画が不明瞭です。今後、どの場所でどのようなスケジュールで誘致していくのでしょうか、区の見解を伺います。
4、避難所について伺います。
区立学校整備工事に伴う避難所の変更について伺います。今月も千葉、北海道などで台風や地震が相次ぎ、また、豪雨による災害が懸念される季節となってきました。いつ発生するか予測のつかない災害に備え、避難所の整備は喫緊の課題です。
旧中野中学校(旧第九中学校)では改修工事に伴い、この7月1日から令和7年3月までの1年半、中部すこやか福祉センターと桃花小学校へ、それぞれ1町会の避難所が変更となります。しかしながら、避難所変更の区民への周知や説明、備蓄品の移動などが遅れています。地元の避難所となる関係町会や区民等への周知時期についてどのように考えているのでしょうか。また、学校改築計画の発表とともに、避難所変更について地域へ余裕を持って丁寧な説明を行うべきではないでしょうか、伺います。
2番目に、区有施設等での避難所代替施設について伺います。学校の再編により学校が減少していく中、建物の耐震性が優れた自宅が避難所の代わりになったとしても、それは一部の区民であって、避難所は依然として一般区民や帰宅困難者、そして一時滞在施設として必要となる施設であると考えます。区立小・中学校施設以外の区有施設を避難所として活用すべきではないでしょうか、伺います。
また、堀越学園の改築に当たって、旧中野中学校(旧第九中学校)を貸し出した折に結ばれた堀越学園を避難所として設置することについて、その後どのような状況になっているのでしょうか、伺います。今後は、近くて安心のできる民間施設も含めた避難所の在り方の検討を行うことが必要と考えます。
3番目に、避難所の1人当たりの面積の考え方について伺います。先日、私が避難所運営本部長を務める中部すこやか福祉センターの避難所開設訓練を4年ぶりに開催させていただきました。この間、新たな避難所資機材も数多く導入され、プライバシーを確保することのできる、令和3年に導入した布間仕切りのスペースは、1区画当たり2メートル四方の4平方メートルで、1区画には2人から3人の家族などが収容できる広さがあります。
避難所の1人当たりの基準面積は、現在1.65平方メートル、畳1畳に相当します。避難所運営マニュアルのとおりに、通路をはじめ物置スペース、個人のプライバシー確保のできる布間仕切りやテントを設置した場合、この面積では収容人数の算定として面積が不足するのではないでしょうか、伺います。
また、中野区地域防災計画の改定に合わせ、体育館、教室等の避難人数の算定見直しを行うべきと考えます。区の見解を伺います。
5、その他。初めに、自転車用ヘルメット購入費用助成について伺います。
本年4月1日から改正道路交通法の施行により、自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化されました。区民の方から、「ヘルメットをかぶりたいが高額のため購入をためらってしまう。少しでも区が補助をしていただけるならば、この際ぜひ購入したい」とのお声を数多く頂きました。会派として、5月1日に、区民のお声を基に購入補助を求める緊急要望をさせていただいたところです。
東京都は、自転車利用者のヘルメットを購入する区民へ補助をする自治体へ、自治体の補助額の半額1,000円を上限に補助するとしています。着用率を高めるとともに、区民の命、頭部を守るための施策として、自動車専用ヘルメット購入費用助成を、区内の事業者と協力して行うべきではないでしょうか、伺います。
最後に、重度障害者グループホーム建設について伺います。平成28年(2016年)から4回の公募がいずれも不調になり、整備が先送りされてきた江古田三丁目旧療育センターアポロ園跡地を活用した重度障害者グループホーム等の施設の建設と、その事業の実施が早期に実現されることを、障害を持つ方の家族の皆さんが強く要望されています。
令和4年第3回定例会で、重度障害者のグループホーム施設の早期建設及び同施設事業の早期実施と、区長、区の担当者の障害者宅への早期訪問と相互理解を深める定期的な懇談会開催について、「重度障害者グループホーム建設の早期実現を願う会」の皆さんから陳情が出され、全会一致で採択されています。
令和5年4月には、緊急一時入所をはじめ、短期入所、長期入所等の利用しやすい施設整備についてプロポーザルで運営事業者が選定されたと思いますが、今後どのようなスケジュールで計画、建設、運営へ向けて進めていくのでしょうか、伺います。
また、令和4年第3回定例会で採択された陳情にあった、区の担当者の障害者宅への早期訪問の実現と、実情を理解するための懇談の進捗状況と、「重度障害者グループホーム建設の早期実施を願う会」と中野区との定期的な進捗状況等情報交換懇談会の開催状況について伺います。
区内の知的障害をお持ちの施設入所を待つ御家族の方々の中には、親が90歳、そしてその障害のあるお子さんが60歳となるような高齢の御家族もいらっしゃいます。一日も早く重度障害者グループホームが運営されることを望む方々へ丁寧な説明と情報提供、そして意見交換を強く望み、私の全ての一般質問を終了します。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 小林議員の御質問にお答えいたします。
まず、最初に行政報告についてで、基本計画の検証についてでございます。令和4年度末までの各施策の指標の状況と主な事業の進捗状況について、重点プロジェクト推進会議において確認をしておりまして、その内容につきましては、本定例会の全常任委員会で報告を予定しております。
次に、構造改革実行プログラムの進捗管理についてでございます。令和3年8月の策定以降、令和4年度までは、構造改革推進本部会議において各個別プログラムの進捗管理を行ってまいりました。令和5年度は、実施計画策定に向けた検討と併せて、構造改革実行プログラムの進捗確認等を行っていく必要があるため、構造改革推進本部会議を廃止し、重点プロジェクト推進会議において実施計画の検討、構造改革実行プログラムの進捗管理等を一体的に行っているところであります。
次に、効率的・効果的なサービス展開と、そのための現状把握についてでございます。効率的・効果的なサービス展開とは、急速に進むデジタル化や多様化・複雑化する地域課題などの行政需要への対応に当たって、限られた経営資源を有効に活用するため、必要とするものには集中して投入し、それ以外のものは徹底的に効率化を図るというものでございます。こうした展開を図るため、構造改革実行プログラムの個別プログラムの進捗管理において適切に現状把握を行って取組を進めてきたと認識をしております。
続きまして、財政見通しの変化についてでございます。新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ大幅な減を見込んでいた歳入について上振れが見られた一方、ウクライナ危機をはじめとした国際紛争や深刻さを増している気候変動、伸び悩む経済成長など先行き不透明な状況が挙げられます。さらに、今後も続くと予想される物価高騰や、それに伴う人件費の増、実質賃金の減少なども考慮する必要がありまして、引き続き社会経済状況や国との動向の把握に努めてまいります。
新たな財政運営の考え方についてでございます。基準となる一般財源規模は、歳入が上振れする状況が続き、歳出にあっては過去5年間を見ても、令和2年度を除き基準額に収まることがなく、財務規律として十分機能しているとはいえない状態が続いたことを踏まえ、新たな考え方を示したものであります。持続可能な区政運営を確立する必要があると考えておりまして、どのような状況においても区民サービスを滞ることなく推進していくため、将来世代の負担にならないよう基金残高を意識した考え方を盛り込んだものでございます。
次に、歳入と事業計画及び経常経費の関連性についてでございます。実施計画策定における財政フレームについては、今後の歳入見通しを見定めて検討し、新規事業と既存事業の見直しを一体的に行うビルド・アンド・スクラップによる事業展開及びPDCAサイクルの徹底による経常経費の削減を推進してまいります。
次に、子育て先進区に向けてについてで、児童館等の在り方についてでございます。子どもと子育て家庭を取り巻く現状として、孤独・孤立への不安や児童虐待、不登校、いじめ、貧困など様々な課題が複雑かつ複合化しているとともに、共働き世帯の増加による学童クラブ需要が年々増加傾向にあります。こうしたことを踏まえ、これまでの児童館の機能、役割を基礎とした上で、それぞれの施設の機能、役割に応じて、福祉的課題に対応を図るソーシャルワーク機能、乳幼児親子へ支援機能、中高生世代への支援機能などを強化した運営ができるよう検討を進めているところであります。
また、学童クラブの需要増加への対応を図るために児童館の有効活用を進めるなど、放課後に安全に過ごせる居場所を充実させていく考えでございます。
次に、子育て先進区の目玉政策についての質問でございます。基本計画の後期におきましては、これまで進めてきた、子ども子育て家庭に対するセーフティーネットの強化、この取組をさらに進めるとともに、子育て・子育ち環境の整備などに重点を置いて取組を進めていくことを考えております。
多くの子ども子育て家庭が利用できるという視点も重要であると考えておりまして、子育て・子育ち環境の整備として児童館やキッズ・プラザなどの地域子ども施設の充実を図るほか、常設プレーパークの設置など多様な居場所づくりに力を入れて取り組んでまいります。
続きまして、物価高騰に対する区民への支援についてで、複数のキャッシュレス決済事業者によるポイント還元事業の実施についてでございます。昨年度、物価高騰対策及び生活支援事業として、PayPayによるポイント還元事業を実施し、一定の効果があったと認識をしております。今年度は、物価高騰対策として、より多くの事業者や区民に還元できるよう複数の決済事業者によるキャッシュレス決済ポイント還元事業の実施を検討しているところであります。
次に、子育て世代支援としての給食費無償化についてでございます。学校給食費につきましては、義務教育であることから本来国が負担すべきものとの認識の下、引き続き国に対して要望を行ってまいります。当初予算において物価高騰による給食食材費の値上がりを踏まえ、質を落とすことなく給食提供するため、給食食材代金の一部を区が負担しているところであります。物価高騰対策として給食費を無償にすることにつきましては、子育て世帯への支援として、他自治体の事例も研究し、導入手法と影響を精査していきたいと考えておりまして、状況に応じて、さらに給食費の一部軽減することについても考えてまいります。
次に、緊急小口資金等の特例貸付の返済免除についてでございます。国からの通知によりますと、緊急小口資金等の特例貸付を受けた方が返済免除の対象となるのは、借受人と世帯主が住民税非課税になった場合のほか、生活保護受給など返済困難な状況の場合でございますが、特例貸付を受けた方のうちどのくらいの方が返済免除の対象となるのか、区としては把握はできておりません。返済免除の周知につきましては、貸付けの実施主体である東京都社会福祉協議会から全ての借受人に対して返済免除の要件や手続を通知しておりまして、該当する場合には申請するよう周知をしていると聞いております。返済が困難となった方への相談支援につきましては、特例貸付の窓口である中野区社会福祉協議会のほか、生活援護課の自立相談支援窓口で、生活再建に向けた支援を行っているところであります。
次に、中野区立小中学校施設整備計画についての項で、工事費高騰による財政フレームへの影響についてでございます。今後も物価高騰は続いていくことが想定され、人件費の増も予想されます。財政フレームへの影響も考えられることから、令和4年度や令和5年度の執行状況や物価高騰の状況などについて注視をしてまいるところでございます。
最後に、医療機関の誘致についてでございます。区が地域医療機関を誘致する上で基礎となる医療計画について、国は本年5月に新型コロナウイルス感染症の感染拡大により浮彫りとなった地域医療の様々な課題に対応できるよう基本方針を示しました。現在、都は国の方針を踏まえた第8次保健医療計画の検討を進めておりまして、今年度中にこれを策定することとしております。区は、都が医療計画を示した後に、改めて医師会等と調整しながら候補地の選定を含めた必要な機能等について検討していく考えでございます。
〔教育長入野貴美子登壇〕
○教育長(入野貴美子) 私からは、中野区立小中学校施設整備計画についての御質問にお答えをいたします。
まず、学区別の児童・生徒数の推計値についてでございます。児童・生徒数の推計方法につきましては、コーホート法により算出しております。5月1日現在の児童・生徒数及び4月1日現在の住民登録者数を基礎数値として、年齢進行率、就学率、社会増減率という変数を使用し推計しております。
なお、住民登録者数につきましては、3年先までの完成予定の一定規模以上の集合住宅のうち、区が情報を取得している児童・生徒数等の出現率を用いて補正を行っております。
児童・生徒数の推計方法の見直しについてでございます。児童・生徒数の推計値の算出に当たっては、区が情報を取得することができる、1戸当たり40平方メートル以上で、住戸数25戸以上の集合住宅について考慮しております。再開発事業などまちづくりによる影響については、住戸数やファミリー向けの住戸がどのくらい建設されるかなど不確定要素が多い場合もございまして、精緻に推計することは困難でございます。関係部署からの情報も得ながら、可能な限り考慮していきたいと考えております。
次に、児童・生徒数が多い学校への指定校変更の制限についてでございます。教育委員会におきましては、各学校の空き教室数について現状を把握し、一部の学校において既に空き教室等が少なくなっていることを認識しております。児童数が増加傾向にあり空き教室が少ない、増築のスペースがない、改築が予定されていない、これらの学校や近年の指定校変更による転入者数が多い学校につきましては、令和6年度から対応を行う必要があるため、早急に指定校変更の制限の実施について方向性を示す予定でございます。
少人数教育に係る教室確保についてでございます。現在中野区では、児童数増加に伴い一部の学校において少人数教室や特別教室を普通教室に転用して確保しております。このような学校では、少人数指導を他の諸室を使用するなどの工夫を図り、校舎内で活用可能なスペースを探し、改修工事を行うことで教室を確保しているところでございます。今後につきましては、引き続き教室確保のための対応を行ってまいります。
また、新築工事に際しましては、限られた校舎面積の中で各学校の教育状況に対応できるよう、フレキシブルに使えるような諸室を整備してまいります。
次に、旧中野中学校跡地の利用についてでございます。旧中野中学校代替校舎の経緯についてでございます。桃園第二小学校の校舎建て替えに当たっては、中野区立小中学校施設整備計画に基づき上高田小学校を仮校舎として使用する計画でございました。その後、区における検討を経て、令和2年12月、子ども文教委員会での区有施設配置の考え方についての報告において、代替校舎につきましては、旧中野中学校を使用することに変更したところでございます。
次に、代替校舎に係る比較検討についての御質問です。昨年度、令和5年度予算編成に向け、桃園第二小学校の代替校舎につきましては、現在の旧中野中学校を改修する場合、旧中野中学校にプレハブ校舎を建築する場合、新築校舎を建築する場合について、それぞれの経費と整備期間について比較検討を行い、結果として、現在、旧中野中学校の改修に向けた設計業務及び耐震補強工事の入札手続を行っているところでございます。
旧中野中学校改修経費の当初と現在の見込みについてでございます。令和3年3月の予算特別委員会及び子ども文教委員会の質疑において、区としては旧中野中学校の改修について、数億円から10億円程度と見込んでいたところでございます。現在内装工事の設計中でございますが、現在のところ耐震補強工事と内装工事を合わせて約31億円と見積もっております。
旧中野中学校を代替校舎として使用する学校と期間についてでございます。令和3年10月策定の中野区立小中学校施設整備計画(改定版)において、旧中野中学校につきましては、桃園第二小学校及び桃花小学校の2校を代替校舎として使用する予定でございまして、期間については5年を予定しております。ただし、桃園第二小学校の改築期間の延長等の関係から、最終的な使用期間につきましては未定でございます。
最後に、小・中学校施設整備の今後についてでございます。小・中学校の建築コストにつきましては、現在の物価上昇の影響を受け、近年上昇しているところでございます。また、整備スケジュールにつきましても、労働時間の問題等もあり、各学校の整備スケジュールは中野区立小中学校施設整備計画(改定版)で予定しているものから長期化する可能性がございます。個別の学校の整備スケジュールについては、中野区立小中学校施設整備計画(改定版)から変更となる場合には、当該校に係る基本計画や基本設計等がまとまる段階において明らかにしてまいりたいと思います。
〔新区役所窓口サービス担当部長高橋昭彦登壇〕
○新区役所窓口サービス担当部長(高橋昭彦) それでは、行政報告についての御質問のうち、新庁舎への導入予定の発券機、職員周知機等の導入計画についてお答えをいたします。
初めに、先行導入した発券機等の検証についてでございます。令和5年2月に現庁舎1階の戸籍住民課、2階の保険医療課の窓口におきまして発券機等を設置しまして、フロアマネジャーによる発券、案内表示機による待ち状況の表示、職員周知機による職員の呼出しなどについて検証を行っているところでございます。その結果、来庁者に番号札を発行し付番することで来庁者を順番に整理ができること、また混雑状況を可視化できることなど、区民の利便性に資することを改めて確認しております。
この間、付帯意見を踏まえ、先行導入の実績などを鑑み、様々な観点から検討を重ねてきてございます。検討の詳細内容につきましては、今定例会の全常任委員会にて報告をさせていただく予定でございます。
続きまして、区が、付帯意見がついた場合その取扱いをどのように考え扱っているかということでございます。付帯意見につきましては、当初予算について、執行上の要望、留意事項等を議会の意思としてまとめたものであると解してございます。執行機関は議会の意思を尊重すべきことと認識しているところでございます。
続きまして、全庁共通発券機等の契約についてでございます。全庁共通発券機につきましては、令和3年度に導入する方針を決定し、その後、新庁舎での運用を見据え、令和4年度に先行導入として企画提案公募型事業者選定により事業者を選定しまして、システム構築を行ったところでございます。
また、機器等の調達に係る事業者については、別途入札により選定したところでございます。今般、先行導入の結果を検証し、当初の予定どおり新庁舎での利用には問題なく、優良性が確認できたため、今年度の新庁舎の発券機に係るシステム構築委託契約につきましては、当該システムを開発した事業者を指定して契約手続を進めているところでございます。
機器の使用数量については、別途入札により購入や賃貸契約を想定してございます。
発券機の機器の賃貸借契約、またフロアマネジャーの契約については、それぞれ別に契約を締結する予定でございます。
続きまして、新庁舎7階、8階における職員の呼出し対応についてでございます。全庁発券機などの導入により、全ての来庁者をあまねく丁寧かつ速やかに案内し、可能な限りお待ちいただくことなく御用件を速やかに済ませていただけることを新庁舎窓口サービスの根幹と据え、全庁共通基盤として整備することを考えてございます。新庁舎7階、8階につきましては、共用窓口を設置するレイアウトとしていること、また、要件が多種多様であり、来庁者が要件別に混在する可能性もあることなどから、手続ごとに順番を進捗管理するといった体系的な管理が必要でございます。それには発券機による管理が適していると捉えてございます。発券機を導入せず、フロアマネジャーによる人的対応のみとした場合、またMS365を活用した場合、さらには電話のみを配置した場合など様々に比較、協議をしてまいりましたが、費用対効果も含め発券機の導入が有効だと考えているところでございます。
〔防災危機管理担当部長石崎公一登壇〕
○防災危機管理担当部長(石崎公一) 私からは、初めに避難所についての御質問についてお答えいたします。
避難所変更に伴う周知時期についてでございます。区立学校整備工事に伴う避難所の変更についての町会、防災会への周知時期につきましては、工事の具体的な日程等が決まり次第、できるだけ早く地区町会連合会で周知するよう努めてございます。
周知方法につきましては、地区町会連合会で説明した上で、区報をはじめ区ホームページ、避難所が変更となる町会、防災会に居住している全世帯に対して周知チラシを各戸配布しているものでございます。今後は、町会防災会の皆様と意見交換を行いながら、避難所変更について混乱なく移っていただけるよう、早期の説明に努めてまいりたいと考えてございます。
続きまして、避難所代替施設についてでございます。震災時の避難所に指定する施設は、一定程度の規模が必要であり、学校施設以外の区有施設で一定のスペースを有している施設については、災害時には避難所以外の活用が決まっていることから、直ちに活用することは難しいと考えてございます。
また、堀越学園の避難所指定につきましては話合いを継続してございますが、学校の事情により指定するに至ってございません。今後も同学園に対し、避難所として協力が得られるよう引き続き働きかけをしていきたいと考えてございます。
続きまして、1人当たりの避難スペースについてでございます。避難所における避難者1人当たりの面積につきましては、東京都地域防災計画での基準によるものでございます。各避難所において可能な限り余裕を持った避難スペースが確保できるよう努めているところでございます。
区では、今年度、中野区地域防災計画を修正する予定であり、避難所の収容人数についても改めて検討してまいりたいと考えてございます。
次に、その他のうち、自転車用ヘルメット購入費用助成についての御質問でございます。自転車用ヘルメット着用の重要性につきましては、区でも認識しているところでございます。区では、区民が区内の事業協力店でヘルメットを購入する際、店頭販売価格から上限2,000円を割り引いた価格で購入できるよう、今定例会で提案する予定でございます。
〔健康福祉部長鳥井文哉登壇〕
○健康福祉部長(鳥井文哉) 私からは、その他のうち、重度障害者グループホーム建設についての御質問にお答えをいたします。
江古田三丁目重度障害者グループホーム等の整備スケジュールでございます。江古田三丁目重度障害者グループホーム等の運営を行う事業者を公募いたしまして、令和5年4月にヒアリング審査を行い、5月31日に運営事業者を選定したところでございます。
今後のスケジュールでございますが、今年度に基本計画の策定、令和6年度から令和7年度にかけて基本設計及び実施設計の策定、令和7年度に着工いたしまして、令和7年度から令和8年度にかけて施設整備を行い、令和9年度中の開設を予定してございます。
基本計画や基本設計、実施設計策定だけではなく、施設の運営方法も含めまして、当事者の御家族や運営事業者等の意見も踏まえまして、利用しやすい施設整備を行ってまいります。
次に、区の担当者によります障害者のお宅の訪問等の進捗状況、また、情報交換会の開催についての御質問でございます。区の担当者によります障害者宅への訪問につきましては、一旦決定した日程が延期となってございます。現在、再調整を図っているところでございまして、早期に実現したいと考えております。
基本計画の策定に向けまして、6月13日でございますが、「重度障害者グループホーム建設の早期実現を願う会」の皆様を含めた当事者の御家族と情報交換会を実施したところでございます。今後も、区と運営事業者と当事者の御家族によります情報交換の場を設けまして、適宜開催していく所存でございます。
○議長(酒井たくや) 以上で小林ぜんいち議員の質問を終わります。
議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後3時08分休憩
午後3時31分開議
○議長(酒井たくや) 会議を再開いたします。
この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 羽 鳥 だいすけ
1 新型コロナウイルス感染症対策について
2 地域の交通対策について
3 環境問題について
4 子ども施策について
5 公園について
6 その他
○議長(酒井たくや) 羽鳥だいすけ議員。
〔羽鳥だいすけ議員登壇〕
○27番(羽鳥だいすけ) 2023年第2回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表し、一般質問を行います。
質問に先立ち、4月の区議会議員選挙では、日本共産党議員団は5名を当選させていただきました。公約実現へ力を尽くすとともに、住民の暮らしと命を守り、苦難軽減のために公の役割を果たす政治へ、引き続き全力で取り組む決意です。
質問の順番を入れ替えまして、まず、その他の部分から質問をいたします。
行政報告と区長の政治姿勢について伺います。
まず、物価高騰対策について3点伺います。昨年からの急激な物価高騰により、区民生活や事業者の方々の困難さが増しています。今年値上げされた食品は2万品目を超え、この6月も、さらに3,500品目が値上がりとなり、年間では3万品目を超える可能性もあります。電気料金もさらなる値上がりとなっています。会派として、今月1日に区長への要望書も提出させていただきました。
先月の臨時会に続き、今定例会でもさらなる補正予算を提案するとのことです。そのこと自体は評価をするものです。しかし、区民生活の切実な実態を鑑みれば、区独自のさらなる対策が必要です。23区では6月に入り、新たに江東区や文京区、豊島区、港区などで学校給食無償化を実施する表明がされるなど、23区中17区に大きく広がっています。中野区としての実施検討を改めて求めます。見解を伺います。
コロナ禍、そして物価高騰が襲いかかる事業者にとってさらに追い討ちをかけるのが、消費税インボイス制度です。何とか踏ん張って事業を続けてきた方々に増税というとどめを刺すことになり、廃業を選択せざるを得ないという声が多く届いています。昨年、このインボイス制度に関して区長に認識を伺った際、「中野区は区内事業者の9割超が中小業者で、その影響は深刻」と区長自らも述べています。行政報告の中で、物価高騰が区民生活や事業者の運営に影響を与えている点に触れられていることは重要ですが、そうであれば、中野区独自の財源も使い、個人・中小業者への支援を行うべきです。答弁を求めます。
先月の補正予算で可決した低所得者向けなどの給付金については、新宿区など自治体独自に対象を広げて給付している区もあります。中野区でも検討をすべきです。また、区内子ども関連、介護、障害者施設などへの食材費、光熱費補助も昨年に続き実施すべきです。さらに、在宅酸素や人工呼吸器など命綱としてこれらが不可欠な方にとって、電気代の値上げはまさに命にも関わる問題です。区独自の補助について検討すべきです。併せて見解を伺います。
補正予算審査の際にも述べましたが、国や都の補助金内で行う、他区の様子を見て行うという姿勢ではなく、区として公の責任を果たす立場で、区民の生活と事業者を支える積極的な検討を改めて求めます。
続いて、誰一人取り残さない区政の実現に関わって12点伺います。
医療については、皆保険制度自体を揺るがしかねない事態の一つとして、保険証廃止を含むマイナンバー法改定案が、今月2日、自由民主党や公明党、維新の会、国民民主党の賛成で可決をしました。この間、他人の医療情報が誤ってひも付けされたり、無保険扱いの方が出たりするなど、制度の根幹に関わる致命的な問題が連日のように明らかになる中での採決強行は、絶対に許されるものではありません。強く抗議いたします。そもそもマイナンバーカードは任意であるにもかかわらず、実質的に強制し、窓口負担にも差をつけるということまで行われています。少なくとも今、トラブルが続出する中、保険証とマイナンバーカードの一体化は停止をすべきです。
マイナンバーカードを持たない場合、持っていても保険証とひも付けていない場合などは、保険証の代わりとなる資格確認書を発行するとされています。しかも、これは1年間の期限で自動更新ができない見通しで、保険者の事務は増えることが懸念されます。現在想定される被保険者への影響、保険者事務への影響について伺います。
また、現在、公金口座やマイナポータルなど様々な情報のひも付けによるトラブルの発生が大きく報道されています。中野区ではこうしたトラブルは起きていないのか伺います。
介護について伺います。この間、コロナ禍において、臨時的な扱いとして、要介護認定及び要支援認定の有効期限の延長が認められてきました。しかし、今年4月1日以降に有効期限の満了日を迎える方は、原則通常どおりの更新認定を実施していくことになりました。そのため、この4月や5月に有効期限となった方が、期限内に審査が終わらず、暫定のケアプランを組まざるを得ない状況が多数発生をしています。
当議員団にも複数の方から相談が寄せられています。ある方は要介護1の認定であり、5月末で有効期限が切れるにもかかわらず、当初の予定では審査会が6月中旬以降の予定となっていました。特に要介護と要支援ではサービスにも大きな違いがあることから、御本人も御家族もケアマネジャーさんも不安を抱えた状況でした。現在、1回の審査会で35人から40人、1日2回の実施により、70人から80人の審査が行われていますが、追いついていない状況と伺っています。実際、4月もしくは5月が有効期限となっていた方で、期限内に審査結果が出なかった方がどの程度いたのか伺います。
こうした事態について早急な改善が必要です。医師会とも相談するなど、事態改善のための具体的な対応策について答弁を求めます。
聞こえの支援に関しては、今年度の予算で、高齢者の補聴器購入費用助成に係る検討会設置のための費用が予算化をされています。予算審査での質疑では、検討会は3回を予定しているとのことでしたが、現在の開催状況、検討状況について伺います。23区では、既に助成制度を実施している区が多数となっています。早急な実現を改めて求めます。
子どもの施策に関わって何点かお尋ねいたします。子どもの権利に関する条例制定から1年余りが経ちました。後に触れる人権に関する条例と併せ、理念のみに終わらせず、どう根付かせ、多くの方と共有し、区政の中で生きたものとしていくかが求められます。
条例制定からこれまでの期間、この条例が区政の中にどのような変化を生み出したか、また、子どもが一人の人間として尊重され、意見表明や参加の機会でどういう変化があったか、具体的な事例を基に答弁を求めます。
また、今後どのようにこの条例を生きたものとしていくのか、その上では、子どもたちに関わる大人側の研修なども重要と考えますが、併せて伺います。
区内のある学校では、今後、子どもたちに意見を聞きながら校則を見直していこうという提案が校長先生からされたと伺っています。大事な変化だと思います。区としても、こうした学校ごとの状況を把握し、共有していくことも大切と考えます。見解を伺います。
行政報告では、今後、児童館の条例上の位置付けや展開の在り方について触れられています。子どもの居場所については、同条例の第19条でも、子どもが安心して過ごすことができる居場所づくりに努めることが記されています。今後の検討の中では、子どもたちの意見を聞く機会を十分に確保すること、場の設定の工夫も含めて行うことが大切と考えますが、認識を伺います。
子どもの多様な居場所づくりは大切であると同時に、現在、学校現場で起きている様々な課題の根本には学校再編計画の失敗があることは、会派としてこれまで指摘をしてきました。安易な統廃合が子どもたちの学びや遊びの環境に影響を及ぼしていることは、前区政で決められたこととはいえ、区として早急に検証することが求められます。
加えて、現平和の森小学校の跡地における売却方針は撤回、見直しをし、区民にとっても大事な財産である学校などの区有施設跡地は、住民参加での丁寧な議論が必要です。見解を伺います。
人権について伺います。この世に生きる全ての人は、性別、性自認、性的指向、国籍、年齢などを問わず、一人ひとりがかけがえのない存在として価値を持っています。同時に、一人ひとりが人間らしく生きる権利を持っています。言うまでもなく、この権利は平等であり、社会全体で守り、互いに尊重し合うことが重要です。中野区では、人権及び多様性を尊重するまちづくり条例施行から1年が経過をしました。しかし、2022年中野区区民意識・実態調査でも分かるように、条例の認知度は1割未満であり、人権侵害に関する相談体制の認知度も2割弱となっています。人権に関する認識を区民の方々と広く共有し育んでいくことは、これからの大きな課題と言えます。その大前提として、庁内、行政職員の方々の中での課題意識を深めることが大切と感じます。行政職員と来庁される区民の方の間には平等とは言えない状況が生まれがちです。例えば、生活保護ケースワーカーと生活保護利用者、保育士と子ども、教職員と児童・生徒も同様です。もちろん行政職員自身の人権が守られることも大切です。だからこそ互いに人権について学び合っていくことが重要です。人権の尊重は、区政運営の最も基本的かつ重要な思想であり、多文化共生社会の実現に向けては一層重要となります。行政報告の中では、職員の人材育成に触れられていますが、区として職員への人権教育をどう進めていくかについて認識を伺います。
人権尊重のためには、あらゆるハラスメントをなくしていくことが不可欠です。今年の第1回定例会で、中野区において、区職員等を対象としたハラスメントに関する実態把握のためのアンケート調査を求めた際、検討していくとの答弁でした。6月に開始されたと伺っていますが、今回のアンケートの対象者及び対象者数、現在の状況、また、その結果をどのように分析し、今後に生かしていくのか伺います。
今回のアンケートの対象に、会計年度任用職員が含まれていないのであれば、追加しての実施も検討すべきです。また、窓口の受付など委託事業者の職員についても対象とする必要があると考えます。今後、全体で行う際には対象を広げることも含め検討すべきです。見解を伺います。
これまで日本共産党議員団としてジェンダー問題について、パートナーシップ宣誓や生理の貧困、痴漢被害をなくすこと、性教育の在り方、避難所におけるジェンダー平等など様々なテーマで取り組んできました。学べば学ぶほど、自分自身、過去の自身の認識に反省することも多く、常に自己改革と認識の発展が求められる分野と実感をしています。共に学び合いながら、条例の理念が広く共有され、包括的に議論が発展できるよう高め合いたいと思います。
平和行政について、3点伺います。
行政報告において、先月の広島でのG7サミットについて触れられています。被爆地広島での開催に期待が高まりましたが、参加した核保有国から核廃絶に向けどのような努力を具体的にしていくかという姿勢が示されなかったこと、また、日本政府も核兵器禁止条約には一切触れなかったことなどについては、被爆者などから落胆の声が多く出されています。一日も早く日本が核兵器禁止条約を批准することを改めて求めます。
ロシアによるウクライナ侵略が1年を超え、東アジアの平和を巡っても緊張が高まっています。今政治に求められている役割は、戦争をあおることではなく、戦争を起こさないために対話による外交に力を尽くすことです。それゆえに、各自治体での取組も一層重要となります。中野区では昨年、憲法擁護・非核都市の宣言から40周年となり、行政報告の中でも、平和行政を推進する中野区として、区としてできる平和への取組をしっかり考え、実行し、発信していかなければと触れられていることは大切なことです。
改めて区長の平和行政推進への決意を伺います。平和行政の推進には、あらゆる機会を通じて真実を学び続け継承することが大切です。区立総合体育館内の平和資料展示室の充実、平和マップの普及を改めて進めるべきです。見解を伺います。
現在、区役所正面には、「憲法を生かそう くらしに 中野のまちに」と記した横断幕が掲げられています。新庁舎でも継続すべきと考えますが、見解を伺います。
また、昨年の第3回定例会で平和記念碑等の増設について伺った際、新庁舎の移転整備に際し、憲法擁護・非核都市の宣言を刻んだオブジェの設置を検討しているとの答弁がありましたが、その後の検討状況についても併せて伺います。
この項目の最後に、生活保護行政の改善、拡充について1点伺います。昨年度、生活援護課で受けた相談件数は4,354件、生活保護の申請件数は796件と伺っています。相談件数は、コロナ禍前の2019年度から2020年度は約20%増となりましたが、その2020年度の件数も上回る数となっており、この数字からも、区民の方々の大変な状況が見て取れます。中野区が2年連続で作成し、広く周知した「生活保護の申請は権利です」というポスターには大きな反響が届いています。制度を必要とする方にきちんと制度を利用していただく上でも、引き続きの周知と丁寧な対応が求められます。今年度も引き続き、区のお知らせ板などへのポスター掲示やSNSなどでの繰り返しの周知を求めます。見解を伺います。
初めに戻りまして、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
5月8日、政府は新型コロナウイルス感染症の分類を、従来の2類相当から季節性インフルエンザと同等の5類に引き下げました。これにより行動制限がなくなったり、検査や医療にかかる費用に自己負担が発生したり、全数把握が中止され、定点医療機関による発生動向把握になったりと、様々な点で対応が変わりました。
ワクチンの普及、ウイルスの変異により重症化リスクは下がってきたものの、基礎疾患のある方、高齢者、ワクチン未接種者にはまだまだ脅威となり得る疾患です。ワクチンにも副反応、長期副反応など改善が求められる課題があり、ワクチンが接種できない方、接種しない選択をしている方も少なくありません。また、新型コロナは、発症する前からウイルスを排出し周囲に感染させるという、インフルエンザなどにはない特徴を持っており、ウイルスを排出していることを自分では認識できません。5類になったからといっても新型コロナの性質が変わったわけではなく、感染力とともに引き続き警戒しなければならない感染症であるにもかかわらず、新型コロナは収まったなどという人が多いことには危惧を覚えます。中野区感染症発生動向調査週報を見ますと、定点報告となって以降、新型コロナウイルス感染症の発生報告数は一貫して増え続けています。この状況の中で、特に重症化リスクの高い方々への感染拡大や、こうした施設でのクラスターの発生は何としても防がなければなりません。5類移行後、区としては、介護・高齢者施設や障害者施設において感染拡大を防ぐためにどのような取組を行ってきたでしょうか、お答えください。
感染症を広げないためには、感染者をまず把握しなければなりません。そのためには検査が重要ですが、5類移行によって発熱外来での検査費用が有料になり、自覚症状があるにもかかわらず新型コロナの検査を受けない方がいるそうです。こうしたところから新たな感染が広がることも十分想定されます。新型コロナの感染が疑われる有症状の方には、お金の心配なく検査を受けられる体制を整えるべきではないでしょうか、見解を伺います。
新型コロナの重症化を防ぐためには、ワクチンの接種とともに抗ウイルス薬の服用が重要です。しかし、抗ウイルス薬の公費負担は9月末で終了する見込みとなっています。そのため、新型コロナには重症化を防ぐための安価な治療薬がなくなってしまいます。10月以降も重症化リスクがある方などに安価に治療薬が行き渡るよう対策を講じるべきではないでしょうか、お答えください。
この間、区内の医療機関から新型コロナに関係して必要な対応と求められている支援についてお話を伺いました。2点質問をいたします。
まずは、院内クラスター発生時の対応についてです。クラスターが発生すると、現在は保健所が検査の対象を決め行政検査を行うことになります。その際に、保健所が直接やる方法もありますが、医療機関に委託をする方法もあります。クラスター対応では、一刻も早く陽性者を特定し隔離することが必要です。素早い対応が可能となるよう、行政検査の手法について、委託によるやり方も積極的に活用すべきではないでしょうか、お答えください。
区が行った感染対策物品の支給は大変喜ばれています。先ほども述べたとおり、新型コロナが5類になったからといってウイルスの性質が変わるわけではありませんし、現在も感染者は増え続けています。そうした下で、感染対策費用は出続けています。物価高騰も重なり、医療機関には大きな負担となっています。感染対策に係る物品の支給を実施をすべきではないでしょうか、お答えください。
日本共産党参議院議員、吉良よし子事務所が行ったコロナ後遺症アンケートには、1,000人を超える方から回答がありました。多くの人が後遺症で苦しんでおり、仕事ができなくなるなどの重い後遺症の方も少なくありません。アンケートでは、86%もの方が、日常生活、社会生活に影響があると回答し、そのうち7割は休業、休職、3割は退職、失業したと答えています。休学したという回答も多く、ある高校生は、30分勉強しただけで半日寝込む状態となり、人生が変わってしまったと訴えています。基礎疾患もなく、元気な若い方にとっても、かかっても平気な病気とはまだ言えない状況です。コロナ後遺症の周知について、区ホームページには、後遺症の症状がごく簡単に載っているほかは、東京都と厚生労働省の関連するホームページへのリンクが貼られているだけになっています。このような閲覧性が低い状態にしておくのではなく、区のホームページとして必要な情報が分かるように完結している必要があります。コロナ後遺症について、ページの改善をしていくべきではないでしょうか、お答えください。
この項目の最後に、学校における空気清浄機の設置についてお尋ねします。第1回定例会でもお尋ねしましたが、国のほうで、感染症流行下における学校教育活動体制整備事業が予算化されており、空気清浄機の設置などの補助金がつきます。新型コロナの感染が拡大する下で、手洗い、マスクとともに換気が非常に重要です。学校に対して、こうした補助金について情報提供を行うべきではないでしょうか。伺って、この項目の質問を終えます。
次に、地域の交通対策について伺います。
昨年度は、若宮・大和町地域においてコミュニティバスの実証実験が行われました。運行自体は地域の方から歓迎されましたが、利用実績の中間報告では、乗車人数0人の便が1日の運行便数の約6割、収支率は約7%と大変厳しい結果となり、3月に運賃引下げや便数削減を主な中身とする短期的な取組を行ったと聞いています。
この間、地域でコミュニティバスの運行を求めて活動してきた若宮・大和ミニバスの会の方から頂いたニュースでは、実証実験についてのアンケートの結果が紹介をされています。この中では、バス停の数、位置について、少ない、造ってほしいところがあるという意見が多く寄せられるとともに、200円の運賃についても高いとの回答が多数となっています。アンケートからも利用のしづらさを多くの人が感じていることが伺えます。今年度は、昨年度の取組を受け、運行ルート等の見直しをすることが議会報告されていました。しかし、今紹介したような声も受け止める必要があるのではないでしょうか。今年度の実証実験に当たり、区はどのような見直しを考えているのでしょうか。また、運賃については、シルバーパスの適用、もしくは100円とすること、バス停についても、よりきめ細かく設置する必要があるのではないでしょうか。併せてお答えください。
私は、3月に関東バスのK01系統、もともとはコミュニティバスのなかのんであったこのルートの運行改善を求めて、関東バスの本社に申入れに伺いました。その際に、この実証実験についてもお話を伺いました。そこでは、車両の導入経費や赤字が膨らんだ際の費用が関東バスの負担となっていることを知りました。実証実験における赤字分は中野区が負担するなど、財政的な補償をしっかりとして実験をすべきではないでしょうか。
昨年の第3回定例会にも質問をいたしましたが、鷺ノ宮駅南口へのエレベーターやエスカレーターなどのバリアフリー設備の設置について伺います。中野区バリアフリー基本構想には、鉄道駅について、「バリアフリー経路は、乗降客が最も一般的に利用するルート(主動線)に確保することを基本とし、あわせて可能な限り、方面別など複数のルートの確保に努める。」としています。しかし、区はこれまで、鷺ノ宮駅南口へのエレベーター設置について、エレベーターを設置することは、地形上及び駅の構造上難しいと西武鉄道と確認をしていると、人ごとな答弁に終始しています。
2月から3月にかけて私は鷺ノ宮駅で、区民の方にシールアンケートで鷺ノ宮駅南口へのエレベーター設置について伺いました。そうしたところ、設置が必要と答えた方は211人、必要ないという方は15人と、圧倒的に設置が必要との答えでした。エレベーターの設置は、鷺宮地域の住民の総意といってもいいものです。4月には、こうした要求を携えて西武鉄道本社に申入れに伺いました。エレベーターとともに、エスカレーター設置の条件についても教えていただきました。そうした中で、エスカレーターを設置した場合に残る階段の幅が、円滑な通行のために僅かに足りないと試算していることなどを知りました。現在の敷地での実現を絶対条件とするのではなく、どのような方策ならば鷺ノ宮駅南口へのエレベーターないしエスカレーター設置が可能か、技術的な方策を検討してもよいのではないでしょうか。区の見解を伺って、この項の質問を終えます。
次に、環境問題について伺います。
地球温暖化は現在、気候危機とも言われる状況になっています。世界気象機関(WMO)の最新報告によると、2027年までに気温上昇が一時的にでも1.5度を超える可能性が66%もあるとのことです。様々な分野で地球温暖化がさらなる地球温暖化を招く事態にまで到達しつつあることが指摘をされています。気候危機の影響を少しでも抑えるために、私たちに残された時間は僅かとなっています。まず、こうした気候危機に対する区長の認識を伺います。
事態の緊急性に対して、区の施策からは、二酸化炭素排出量を2030年に2013年度比で46%減少させるという本気度が感じられません。区のあらゆる分野で二酸化炭素排出量の削減につながる様々な施策を展開する必要があります。
特別区長会調査研究機構が昨年度に出した調査研究報告書の一つ、ゼロカーボンシティ特別区に向けた取組は、中野区が取るべき施策を考える上で示唆に富む指摘が多くあります。報告書は、「研究報告にあたって」で、「特別区のこれまでの取組を踏まえCO2排出量の将来推計をしても、2030年推計値は2000年比11%削減、2050年は約23%削減にしかならず、ゼロカーボン実現には遠く及ばない」と厳しく指摘しています。そして、「2000年比で2030年カーボンハーフ、2050年ゼロカーボン実現という高い目標を掲げ、バックキャスト方式で対策を検討し実践することが必須となる」として、1、再生可能エネルギー電力利用の推進、2、中小企業の脱炭素化への支援、3、建物・住宅のZEB・ZEH普及の推進、4、森林整備の取組による吸収量の確保・効果の把握の4分野に当たって取るべき方策や課題などを分析をしています。
現在、中野区の二酸化炭素排出量の約50%を占める民生家庭部門については、再生可能エネルギーの導入政策がありますが、利用は低調にとどまっていますと伺っています。今年度から省エネ設備導入への設置補助の対象に中小企業も含まれることになりましたが、こうした制度の案内は行き渡っているのでしょうか。さきの報告書では求められる支援内容として、設備の改修補助だけでなく、専門家の派遣や電力の効率化が可能なソフト面の支援が求められるとしています。来年度に向け、中小企業の脱炭素化を支援する施策を充実すべきと考えますが、いかがでしょうか。
報告書でも述べられている建物のZEB化の推進は非常に重要です。現在、中野区地球温暖化対策実行計画(事務事業編)には、区有施設のZEB化についての記述はありませんが、中野区構造改革実行プログラムにおいて、区有施設の脱炭素化の項目を掲げました。杉並区では、3月に策定をした地球温暖化対策実行計画(事務事業編)において、「区立施設の新築・改築時における、原則ZEB化(ZEBオリエンテッド以上)」を掲げ、先日の補正予算では、区立公園管理棟の完全ZEB化を行うモデル事業を実施することが発表されました。担当の課長にお聞きをしたところ、管理棟の施設規模が適していたことや、市民への環境学習の効果も期待できることが選定の理由とのことでした。中野区でも、こうしたZEB化のモデル事業をやってみてはいかがでしょうか。
報告では、さきに紹介した四つの分野において、2050年ゼロカーボンシティ特別区の実現のために、23区が連携して取るべき方策を提言しています。例えば、再生可能エネルギーの共同購入事業などでの23区が一体となった事業者支援を促進することなど、具体的な施策も含まれています。こうした連携を実現するために、気候変動に関わる各区の部長を構成員とする会議体を組織し、各区が共同して行動できる施策を検討し実施することが提言をされており、検討すべき課題ではないでしょうか、見解をお伺いいたします。
地下水のPFAS(有機フッ素化合物)汚染について伺います。PFASとは、泡消火剤や塗料などに使われてきた化合物の総称です。人体や環境への残留性が高く、腎臓がんの発症やコレステロール値の上昇など健康に影響が出るおそれがあるため、代表的物質のPFOSやPFOAなどは国際的に規制が進んでいる状況にあります。日本では水道水1リットル当たり50ナノグラム以下という暫定目標値の設定のみです。環境省は2021年度に、都内の河川16か所、井戸81か所の合計97か所を調べ、暫定目標値を超えたのは、河川では0か所、井戸では24か所でした。しかし、アメリカでは、今年3月にPFOSとPFOAについて、1リットル当たりそれぞれ4ナノグラムとする規制値案を公表しました。このときのデータで、アメリカの規制値案を超えていたのは、河川で13か所、井戸で57か所と70か所となり、暫定目標値の場合より3倍近くまで増加をします。井戸水で規制値案を超えた地点は、17区20市1町に広がっています。この間、多摩地域では、民間団体が住民の血液検査を行ったところ、他地域よりもPFASの血中濃度が明確に高く、水道水から接種をしたと予想をされています。都水道局は、2019年以降、国分寺など7市の浄水施設で、PFASによる汚染が確認された井戸34か所の取水を停止する事態になっています。
汚染源として、メッキや半導体の工場のほか、PFASを含む泡消火剤を大量に使う横田基地が指摘をされています。東京の地下水は大きく西から東に流れており、それに沿って汚染が広がった可能性があります。23区でも、渋谷区でPFASの一種であるPFOSが330ナノグラムの濃度で見つかるとともに、中野区でもPFOSが22ナノグラムの濃度で検出をされています。区内の他の場所でも検出される可能性があります。区内の井戸には防災井戸として指定されているものもあり、住民がPFASの汚染にさらされるおそれがあります。区内の地下水のPFAS濃度を詳しく調査をする必要があるのではないでしょうか、お答えください。
羽田空港新飛行ルートに関して3点お伺いいたします。
この着陸ルートが設定されてから約3年が経ちました。間にコロナ禍を挟み、本来想定されていたより少ない便数での運用でしたが、今後増加していくことが予想されます。それに伴って当初から懸念をされていた騒音や落下物の危険は増すことになります。我が会派が昨年度に実施した区民アンケートでも、「日によってかなりうるさい。落下事故が起こる前に住宅地上空での飛行はやめてほしい」、「大変に迷惑しています。窓を開ける季節は騒音が大きくて耳触りです」など、新飛行ルートに関して不安や被害を訴える声が多く届いています。区は、こうした区民の声に耳を傾けるべきではないでしょうか。品川区では今年度、15歳以上の全区民を対象に、羽田新飛行ルートについてのアンケートを行います。中野区でも、羽田新飛行ルートに関する区民アンケートを実施して実態調査をしてはいかがでしょうか、お答えください。
この間、超党派国会議員による羽田低空飛行見直しのための議員連盟が、住民側と協力して、国土交通省に問題点を挙げ、納得のいく説明を求め奮闘しています。しかし、国土交通省の態度は、固定化回避のための検討会の検討内容を開示せず、海上ルートを検討しているのかさえ明らかにしない不誠実極まるものです。これでは問題の解決を先送りにしていると言われても仕方ありません。国土交通省に対して、固定化回避のための検討会の検討内容を明らかにするよう求めるべきではないでしょうか。このルートは、そもそも羽田空港拡張時の海から入って海から出るという約束を破って設定されたものです。増便は運用の改善で十分に行うことができ、重大な事故が発生する前に着陸ルートを元の海上ルートに変更すべきです。政府に対し、中野区上空を通るルートをやめるよう求めるべきではないでしょうか。伺ってこの項目の質問を終えます。
続いて、子ども施策について伺います。
中野区では、昨年に引き続き、今年も4月1日時点での国基準の保育園待機児童数が0人となる見込みです。子育てしやすい区になるためにも、いつでも子どもを保育園に預けられる体制を整えることは区の責務です。同時に今、そのことと表裏一体で、保育園における定員の空きが深刻な問題になっています。定員の空きは、私立保育園にとって経営の困難に直結します。中野区は現在、小規模保育事業所と認証保育所に対してのみ減収補填を行っていますが、私立保育園園長会からはこの間、認可保育園に対する減収補填制度の創設が要望されています。「年間数百万円の減収になっているところもある」、「園舎の建て替えのための積立てができなくなった」などの声は、この間、我が会派としても何度も取り上げてきました。改めて、認可保育園に対する減収補填制度の創設を求めますが、いかがでしょうか、お答えください。
こうした定員の空きというピンチを保育基準を引き上げるチャンスに生かすべきです。現行の保育士配置基準は、1、2歳の基準は50年以上、4、5歳の基準に至っては70年以上も改善されていません。国際的に比較しても日本の配置基準はあまりにも低く、子どもたちの豊かな育ちや安全な生活を保障する基準にはなっていません。政府は、3月に発表した少子化対策(試案)で保育基準の改善をするとしましたが、その直後に「配置基準自体を引き上げた場合は、全ての施設で新しい基準に見合うだけの保育士を確保する必要があるため、保育の現場に混乱が生じる可能性もある」と答弁をし、保育基準の改定自体には手をつけず、保育士を基準より手厚く配置した保育所の運営費を増額する加算という限定的な手法にとどまることが危惧をされています。また、子ども1人当たりの面積基準も世界的に見て低い水準にとどまっています。
奈良女子大学の中山徹教授は、保育所利用者の減少とともに段階的に保育基準を引き上げる改善を進める子どものための保育改革を提案をしています。働く環境を改善していくことで、保育士の人材確保にも大きな効果があると考えられます。中野区において、保育需要の減少に合わせて、保育士配置基準や面積基準の引上げを検討してはいかがでしょうか。
区立保育園においては保育士の欠員が多数発生していると伺っています。現場からは、きめ細かい保育をすることが困難などの声も寄せられています。今現在、何人の欠員が生じているのでしょうか。また、こうした欠員を埋めるために独自に採用活動を強化すべきではないでしょうか、お答えください。
児童館職員について伺います。児童館職員は現在、多くの方が50歳以上となっており、今後、長年の経験を蓄積された職員が次々に退職をしていきます。新たな世代への引き継ぎは急務です。児童福祉のケアと社会事業や介護、ケースワーカーなどではその専門性に大きな違いがあります。これまで区が培ってきた児童館のノウハウ等の継承と、これから求められる機能、役割を発展させていくためには、専門的知見を持つ職員の確保と育成がより重要になると考えますが、いかがでしょうか。伺って、この項目の質問を終わります。
最後に公園について伺います。
現在、区は、中野区公園再整備計画に基づいて遊具の更新やトイレの整備などを行っています。また、公園利用ルールの見直しも行い、大人にとっても子どもにとっても魅力的な公園となる努力をされています。トイレの整備について、計画的に改修や設置を進めているところだと伺っていますが、いまだに多くの公園で、和式であったり、外から丸見えのプライバシーのない状態であったりと、改善が必要なものが多々あると感じています。区は、トイレの老朽化度合いや利用頻度等の状況を踏まえて、洋式化やバリアフリー化を含む、親子連れに配慮したトイレへの整備を順次進めていきますと述べていますが、トイレについてどのような考えの下で整備を行っているのでしょうか、お答えください。
トイレの改修については、現状では年間2か所ずつ整備を進めている状況とお聞きをしています。改修を加速をしていくべきと考えますが、その方策についてお伺いをいたします。
以上で私の全ての質問を終わります。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 羽鳥議員の質問にお答えいたします。
初めに、給食費無償化についてでございます。学校給食費については、義務教育であることから本来国が負担すべきものとの認識の下、引き続き国に対して要望を行っていく考えでございます。当初予算において物価高騰による給食食材費の値上がりを踏まえ、質を落とすことなく給食提供するため、給食食材代金の一部を区は負担しているところであります。物価高騰対策として給食費を無償にすることについては、子育て世帯への支援として、他自治体の事例を研究し、導入の手法と影響を精査していきたいと考えております。
次に、中野区独自の財源による中小事業者への物価高騰対策についてでございます。長引く物価高騰により大きな影響を受けている区内中小事業者に対する支援は不可欠であると考えており、支援の一環として、複数の決済事業者によるキャッシュレス決済ポイント還元事業の実施を検討しております。今後もエネルギー、原材料価格や物流費の高騰、区内中小事業所の経営状況を注視しながら、国や都の動向も踏まえつつ必要な支援策を検討してまいります。
次に、区独自の補助事業についてでございます。生活者支援としての給付金や補助金の支給、子ども・介護・障害者施設等への支援については、当事者の状況をよく把握した上で、国や都の施策の状況、他区の対策の状況、物価の状況などを踏まえながら、区として必要な対策を検討してまいります。
次に、マイナポイント申請に関わる誤ったひも付けについてでございます。中野区では、マイナポイントの申請支援を行う臨時窓口を設置するとともに、電話での問合せを受け付けておりますが、区民から誤った口座の登録があった等の申出や問合せは受けておりません。
次に、健康保険証の資格確認書の発行についてでございます。健康保険証を一体化したマイナンバーカードを持っていない場合などに用いられる資格確認書の発行に際しては、被保険者には資格確認書の交付申請が必要となり、保険者には申請受付発行等に伴う事務が発生することになります。被保険者、保険者双方の負担を少なくするためにも、マイナンバーカードと健康保険証一体化に関して丁寧に周知をするとともに、前提となるマイナンバーカードの取得、保険証とのひも付けに係る勧奨を着実に進めてまいりたいと思います。
次に、要介護認定における有効期間経過後認定の割合についてでございます。令和5年4月末及び5月末までの認定期間であった被保険者のうち、有効期間の経過後の認定となった者の割合は、それぞれ60.6%、46.5%でございます。
迅速な要介護認定事務に向けた対応策についてでございます。主治医意見書や認定調査票の作成を行う認定調査では、医師や認定調査員との連絡調整を綿密に行い、できる限り早い対応を促してまいります。また、介護認定審査会では、事務の効率化に向けたICT活用を検討しておりまして、要介護認定一連の流れの迅速化に努めてまいります。
次に、高齢者の補聴器購入費用助成に係る検討についてでございます。高齢者の補聴器購入費助成に係る検討会は、医師会の耳鼻咽喉科医を委員として4月に設置をして、これまでに2回開催をし、対象者の要件やアフターフォローの在り方、医師の意見書の記載内容等の検討が行われているところであります。
次に、子どもの権利に関する条例制定に伴う区政の変化でございます。昨年4月に条例が施行され、この間、条例の理念を踏まえた区政運営を行ってきたことによって、様々な施策を進めていく中で、子どもの意見表明、参加に関する取組が進んできたものと考えております。例えば、子ども総合計画や教育ビジョンなど、子どもに関係する計画等の策定過程において子どもの意見を聞く機会を設けております。ハイティーン会議について、子どもの意見を区政や地域により生かせるよう実施内容の充実も図りました。こうした取組をさらに進めていくためには、子どもに関わる大人に対して研修を行うことは重要であると考えておりまして、区の職員等の研修のほか、地区懇談会などの地域の会合等において講習、講座などを実施しているところであります。
次に、子どもの意見表明参加に関する取組の共有です。子どもの意見表明参加に関する取組をさらに進めていくためには、区政や学校を含め教育委員会、地域等で行われている取組を共有し、理解を広げていくことが重要であると考えております。全庁における取組状況を把握し共有していくことで、子どもの意見表明参加に関する取組を推進してまいります。
次に、児童館に関する施策における子どもの意見聴取です。子どもの居場所づくりに当たって、子どもが意見を表明し、参加する機会を設けることは重要であると考えております。児童館に関する施策の検討や施設運営を行っていく中で、区民から意見を聴取していこうと考えておりまして、子どもの意見についても十分に聞き、反映できるよう工夫してまいります。
次に、平和の森小学校跡地についてでございます。平和の森小学校移転後の跡地については、新校の整備財源等に充当するため売却を検討することとしております。未利用の施設跡地については、今後の財政状況や行政需要、地域の御意見等を踏まえながら利活用について検討してまいります。
次に、職員の人権教育の取組強化です。職員の人権に対する意識を高める取組では、新人職員をはじめ職層ごとに、区及び特別区職員研修所において様々に研修を実施しているところでありまして、人権教育を職員育成の重要な要素として位置付けております。人権の分野は広範にわたっておりまして、課題も変化していることから、各部課と認識を共有し、個別の分野やテーマごとに最新の情報を取り入れて、研修内容を見直すなど取組を強化してまいります。
次に、職員のハラスメントアンケート対象者と今後の対応です。ハラスメントに関するアンケートの対象者は、常勤職員、再任用職員、短時間勤務を含め2,200人余に、そして育児休業代替任期付職員、任期付職員は、短時間勤務を含め200人余を加え、合計で2,400人余が対象となっております。今回対象外としたのは、会計年度任用職員の約700人でございます。今後、アンケートによって実態を把握するとともに、職場におけるハラスメントの防止に関する基本方針を見直し、ハラスメントを防止するための職員への啓発や相談窓口を周知していくことで、良好な職場環境づくりに努めてまいります。さらに、管理職員全員によるハラスメントゼロ宣言など、積極的な取組の実施についても検討してまいります。
今後、アンケートの対象を拡大することについてでございます。今回のハラスメントに関するアンケートにつきましては6月中の実施でございますが、相談窓口の周知やハラスメント防止の意識啓発をしていくためにも、今後も定期的にアンケートを実施することを考えております。その際、今回アンケートの対象外となった会計年度任用職員についても対象とすることを検討してまいります。委託事業者についても、職場全体の良好な関係を目指す上で必要なため、どのようなアンケートの実証が可能か研究をしてまいります。
次に、区長の平和行政推進への決意についての御質問です。平和行政を政策目的としている中野区では、平和への思いをはせながら、今、区としてできる平和への取組が何かを改めて考えるときが来たという認識でございます。終戦から78年を迎え、今後の平和事業では、これまでの語り継ぐ者としての平和事業の趣旨を尊重しつつ、次世代が自ら考えてつくるものとの考え方を加え、次世代の参加を増やし、より一層平和行政を推進してまいります。
平和資料展示室の充実、平和マップの普及についてでございます。平和資料展示室は、令和2年11月の開設以来、毎日100人以上の方に来室をいただいておりまして、戦争の実態や世界の紛争を伝える展示等、年4回の企画展示を実施しているところでありまして、今後も様々な展示を行ってまいります。また、2歳の時に被爆をした佐々木禎子さんの甥である佐々木祐滋さんから寄贈いただいた、G7広島サミットで各首脳に送られたものと同様の金属製の折り鶴を新たに展示をしたところであります。
平和マップは、区役所庁舎の移転に合わせて内容の更新を予定しておりまして、新たに整備するGISシステムによって、インターネットからも位置情報や解説が取得できるようにすることを考えております。
次に、横断幕及び憲法擁護・非核都市の宣言を刻んだオブジェについてでございます。新庁舎における横断幕の掲示の在り方について現在検討しているところでありまして、継続については改めて判断します。憲法擁護・非核都市の宣言を刻んだ新たなオブジェは、ステンレスの部材のものを新庁舎西側の植栽付近への設置を予定しておりまして、サイズ、デザインなどは、植栽等の整備と併せて決定していく予定でございます。
次に、生活保護制度の周知についてでございます。今年度も支援を必要としている方がためらわず御相談いただけるようにポスターを作成し、区の掲示板やSNSも活用しながら生活保護制度について周知を図っていく考えでございます。区のホームページでは、常時制度の案内とともにポスターも公開しているところであります。
続きまして、地域交通対策についての、新たな公共交通サービスの令和5年度の見直しについてでございます。昨年度の実証運行の利用実績や住民アンケート等の結果を踏まえ、公共交通としての成立を目指しつつ、より利用しやすい運行ルート、停留所位置、運賃などについて見直しを行っているところであります。
次に、新たな公共交通サービスに係る経費の事業者負担についてでございます。実証運行に係る経費は原則区が負担する考えで、事業者からの見積り等を参考にしながら予算化しておりますが、運賃収入が少なく経費が大きいと予算を超過をし、事業者の負担となる場合がございます。令和5年度は、実証運行の経費が区の予算を超過しないよう努めてまいります。
次に、鷺ノ宮駅南口におけるバリアフリー整備についてでございます。駅舎の構造や敷地形状からエレベーター、エスカレーターの設置は難しいものと西武鉄道と確認してきたところでございまして、今後の新たな検討も難しいものと考えているところでございます。
最後に、環境問題について、気候危機に対する私の認識についての御質問です。地球温暖化の影響による気候変動によって、猛暑日や熱帯夜が増加するほか、毎年のように各地で記録的な規模の台風や短時間集中豪雨が発生するなど、人々の生活に甚大な影響を及ぼしておりまして、国際社会全体で対策に取り組むべき課題であると考えております。地球の温暖化の主要因である二酸化炭素排出量の削減につきましては、区として全庁的に取り組むべき課題として捉えておりまして、現在、区、区民、事業者等が取り組むべき内容を示す脱炭素ロードマップの作成に向けて検討を進めているところでございます。
〔教育長入野貴美子登壇〕
○教育長(入野貴美子) 私からは、区立小中学校再編計画の検証について、まずお答えをしたいと思います。
教育委員会では平成17年、少子化の影響による児童・生徒数の減少とそれに伴う学校の小規模化の課題を解決し、子どもたちが適正規模の学校でコミュニケーション能力を高め、多様な子ども同士の触れ合いや友人関係をつくり、確かな学力、豊かな心、健康、体力などを身につけることができるよう中野区立小中学校再編計画を策定し、小・中学校の再編を進めてきました。学校再編計画において目指した、集団の活力や学校行事の活性化などを中心に検証に着手しておりまして、既に検証済みの学校もございます。令和6年度には、中野区立小中学校再編計画に基づく小・中学校の再編が終了することを踏まえ、今後、学力の向上、心の教育、教育環境の充実など様々な視点で検証を行う予定でございます。
最後に、学校における空気清浄機購入に対する国補助金の周知についてお答えをいたします。文部科学省からの令和5年度学校保健特別対策事業費補助金の通知につきましては、学校宛てに既に周知しているところでございます。補助金につきましては、学校規模に応じて各学校に配分しておりまして、各学校の判断で空気清浄機等の購入をしております。
〔保健所長佐藤壽志子登壇〕
○保健所長(佐藤壽志子) 私からは、新型コロナウイルス感染症対策についての御質問にお答えしたいと思います。
まず、5類移行後の介護高齢者施設等の感染拡大防止策についてですが、5類移行後も、介護高齢者施設や障害者施設において新型コロナウイルス感染症の集団発生の疑いが生じた場合には、保健所へお知らせいただくことになっております。介護高齢者施設等から新型コロナウイルス感染症の集団発生の報告を受けた場合には、発生の初期段階より疫学調査や感染拡大防止策等の支援を実施しております。
次に、有症状の方への検査費用についてですが、新型コロナウイルス感染症の感染症法の分類が2類相当であった期間は、公費負担により医療機関での病原体検査は無料で実施しておりました。しかしながら、5類移行後は、他の5類感染症と同様に保険診療として取り扱うことが適当であると考えております。
次に、抗ウイルス薬の公費負担についてですが、新型コロナウイルス感染症で使用されている抗ウイルス薬の取扱いについては、配薬や費用負担を含めて国の事業であることから、10月以降の取扱いについても国において決定すべきものと考えております。
次に、病院内におけるクラスター発生時の検査についてですが、医療機関での新型コロナウイルス感染症発生時には、当該医療機関の医療の中で検査を実施することが、最も迅速に感染者を特定し、治療に結びつく方法であると考えております。一方で、繰り返し集団感染が発生する場合など、保健所が公衆衛生上必要と認めた場合には行政検査を実施しております。今後も感染状況に応じて適切な対応を図ってまいります。
次に、感染対策物品の再支給についてですが、感染の急拡大によってマスクやアルコールなど物資が不足していた時期には緊急的な対応を実施いたしましたが、現在は物資の確保が可能であるため、再度の支給を実施することは考えておりません。
最後に、後遺症に関するホームページへの記載についてですが、新型コロナウイルス感染症の後遺症における症状は様々であり、その対応及び治療は個別に医療的な対応を要するものです。このため区では、東京都が取りまとめている都立病院の相談窓口と後遺症対応医療機関の掲載を中心に周知しているところでございます。
〔環境部長松前友香子登壇〕
○環境部長(松前友香子) 環境問題についてお答えいたします。
まず、中小企業の脱炭素化支援について。区内の二酸化炭素排出量は、民生家庭部門が約50%、民生業務部門が約30%を占めており、家庭だけでなく、事業者による排出抑制も重要であると考えております。区は、令和5年度から省エネルギー設備の設置補助の対象に事業者を追加し、事業者に対する支援を開始したところでございますが、今後、実施を予定している事業者を対象としたアンケート調査の結果等も踏まえ、さらに効果的な施策についても検討してまいります。
次に、ZEB化のモデル事業について。構造改革実行プログラムに位置付けた区有施設の脱炭素化については、本定例会において、新築・改築建築物の原則ZEB化、これを目指す考え方を示し、8月頃に方針として策定する考えでございます。今後、この方針に基づいて区有施設の整備を進めてまいりますが、施設の規模や用途、形状等によっては、より高い水準を目指すことについても検討をしてまいります。
次に、特別区の会議体の設置について。脱炭素社会の実現に向けては、中野区で取り組むだけではなく、東京都や特別区などより広範囲での取組を推進することによりスケールメリットを生かすことができ、より効果的な政策展開ができるものと考えております。特別区長会において気候変動対策を担う指定会議体の設置について提案されているところであり、積極的に参画していく考えでございます。
次に、PFASに関する調査について。環境省は、水質汚泥防止策の規定に基づき、都道府県知事からの報告による地下水質測定結果を公表しており、区は、都からの依頼に基づき都の調査対象とする井戸を毎年推薦しております。この地下水質測定では、有機フッ素化合物の総称であるPFASのうち、PFOS及びPFOAの2物質について要監視項目として測定を行っており、各測定値の合計に対して指針値が定められておりますが、中野区内の調査地点においてはこの指針値を下回っております。
なお、防災井戸につきましては、飲用として想定しているものではなく、今後も都が実施する調査結果について注視していくものとし、区独自での調査を実施する考えはございません。
次に、羽田新飛行ルートに関する実態調査について。国土交通省は、新飛行経路の運用に当たり、中野区内においても騒音測定を常時実施するほか、様々な騒音対策や落下物対策に取り組んでおります。また、羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会、これを実施するなど、最新の知見や技術に基づいた騒音対策の検討等を行っているところであり、区としてもその動向を注視していきたいと考えております。区独自に影響調査を実施することは考えておりません。
次に、固定化回避検討会の検討内容について。区は、令和2年1月に国土交通大臣に対して、国の取組状況等について、様々な媒体、形式による広報や説明会を国の責任において積極的に実施することを要望しております。今後も様々な機会を通じて検討状況等を速やかに情報提供するよう国に求めていく考えでございます。
最後に、羽田新飛行ルート中止に関する要望について。国は、新飛行経路の運用に当たって騒音の測定や落下物の防止など様々な対策に努めております。今後も、現在国が実施している羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会、これの動向等を注視していきたいと考えております。
〔子ども教育部長濵口求登壇〕
○子ども教育部長(濵口求) 私からは、子ども施策についてのうち、保育所に関する御質問にお答えいたします。
初めに、認可保育所に対する減収補填についてでございます。私立認可保育所の令和5年4月の入所率は約85%でございます。年度末までには入所率が上がっていく傾向にあるため、地域型保育事業所等と比較して運営への影響は少ないと考えているところでございます。認可保育所に対する減収補填につきましては現時点では予定しておりませんが、保育園の定員割れ対策については、機会を捉えて国や都に要望していきたいと考えてございます。
次に、保育士の配置基準等の段階的引上げについてでございます。保育の質を向上させていく上で、保育士を適切に配置することや保育施設の面積等を含む保育環境の充実を図ることが重要であると考えてございます。保育士の配置基準及び保育施設の面積基準の引上げにつきましては、国や都の動向も踏まえ検討してまいります。
最後に、区立保育園の保育士についてでございます。区立保育園におきましては、認可基準を満たす配置ができてございますが、保育の質を確保するため、国の基準に加えて区独自の基準で保育士を加配してございます。特別な支援を必要とする園児につきましては、在籍数に応じて職員を加配しておりますが、本年度は在籍数が想定以上に増加したため、加配を行うことができない園が生じてございます。加配ができなかった園につきましては、会計年度任用職員の採用や人材派遣などにより、順次対応しているところでございます。
〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕
○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、子ども施策についての御質問のうち、児童館職員の採用と育成についての質問にお答えさせていただきます。
今後の児童館は、福祉的課題に対応するため、ソーシャルワーク機能を強化した運営を行っていきたいと考えておりまして、福祉職を配置していく考えでございます。区全体の福祉職の採用の中で必要な職員数を確保いたしまして、児童福祉の現場の一つとして、専門性を持った職員を児童館に配置していくとともに、職員研修等を通じまして人材育成を進めてまいります。
〔都市基盤部長豊川士朗登壇〕
○都市基盤部長(豊川士朗) 公園のトイレについてお答えをいたします。
まず、公園トイレの整備の考え方についてでございますが、中野区バリアフリー基本構想の重点整備地区における特定事業や、駅から500メートル以内の公園トイレを優先的に行う考えの下、整備をしてございます。
次に、公園トイレ改修の加速についてでございますが、区では、公園トイレの改修等につきまして、設計と工事の年度を分けることで着実で効率的な整備ができるよう努めているところでございます。今後は、公園トイレ改修に係る他の自治体の取組事例も参考にしながら、効率的なトイレの改修方法等に関する検討を進めてまいります。
○議長(酒井たくや) 以上で羽鳥だいすけ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 内 野 大三郎
1 行政報告について
2 その他
○議長(酒井たくや) 次に、内野大三郎議員。
〔内野大三郎議員登壇〕
○16番(内野大三郎) 都民ファーストの会中野区議団の立場から質問いたします。
4月の選挙におきましては、4名の候補者の中から3名議員にならせていただきました。引き続き東京大改革を進め、都民一人ひとりが活躍できる、安心できる中野を目指してまいります。
それでは、質問は通告のとおりで、その他はございません。
6月20日に行われた区長の行政報告について幾つかお尋ねします。
基本計画後期の取組の具体化についてお尋ねします。区は、基本構想を策定後、新型コロナウイルス感染症が蔓延し、経済の停滞から立ち直るためや区有施設整備計画などの必要性から行財政改革を徹底したり、効率化を図る必要性から構造改革実行プログラムを策定したり、様々なアクションを取ってまいりました。しかし、感染症法上の取扱いが2類から5類に変更された今でも、これらのプログラムを実行し続けるのは、当初の目的から離れていってしまうのではないでしょうか。これからは、コロナ禍において定められた様々なプロジェクトの終期を定める時期になったのではないかと考えています。むしろ、東京都の小池知事は、6月6日の都議会本会議の所信表明において、反転攻勢への転機と捉え、東京がポストコロナを牽引するとして、積極的に新たな施策を打ち出す努力をしています。中野区も軸足をそろえ、新しい方向性を打ち出すべきではないでしょうか。基本計画の後期策定に当たっては、前期の総括を行うとともに、こうした積極的な行政運営を目指してはいかがでしょうか、区の見解を伺います。
また、昨年度にまとめた新たな財政運営の考え方を踏まえた新たな財政フレームとありますが、それはどのようなものになるのでしょうか。過去の議会での議論を前向きに捉え、多数の賛同を得られるような方向性を示していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
次に、活力ある持続可能なまちの実現に向けて、脱炭素社会実現について伺います。先ほど取り上げました小池都知事の所信表明では、新型コロナウイルス感染症が5類に位置付けられた大きな転換点を迎え、その節目を反転攻勢の転機にするとした上で、東京都が牽引役となり、成長の兆しを大きなうねりへと育てていくとしています。そして、所信表明で2番目に掲げているのが、持続可能なエネルギー基盤を有する安全・安心な東京をつくり上げるとして、脱炭素社会の構築に向けて力強く挑む姿勢を明確にしています。エネルギー政策は、国家安全保障政策に結びつくものです。だからこそ、私は環境政策の質問のたびに、東京都の動向をしっかり見極め、中野でできるエネルギー政策を積極的に取り入れるべきと主張し続けてきたのです。
また、来るべく首都直下型の地震による災害においても持続可能なまちを実現するためには、自前の電源確保は喫緊の課題です。現在建設中の中野区役所は、今年3月、省エネルギー性能表示制度において、市区町村の庁舎では日本で初めて最高評価の五つ星を獲得しました。また、国の省エネ基準を満たしたZEB Readyの認証も受けることができました。こうしたことをきっかけに、中野区で環境先進区を宣言してもいいのではないでしょうか。
今月7日の産経新聞にはペロブスカイト太陽電池の記事がありました。いわゆる折り曲げ可能な太陽光パネルで、設置についても柔軟性があり、主原料は世界産出量の3割を日本が占めているヨウ素です。民生部門でのCO2排出抑制には高い期待が持てる素材でもあります。再生可能エネルギー設備などへの導入支援に、こうした日の丸素材の技術を普及し、東京都の進めるエネルギー政策を後押ししていってはいかがでしょうか。
最後に、未来の中野を支える人材育成についての部分で3点お聞きします。
初めに、副業・兼業規定の充実についてです。職員が地域に飛び出すことを後押しするため兼業を推奨するとしていますが、兼業については、現在でも許可を受ければ可能であると聞いています。兼業を推奨する意図及びどのように兼業を推奨していこうと考えているのか伺います。
次に、DXを推進する人材を育成するに当たって、日本マイクロソフト社及び東京都などとは、それぞれどのような取組を考えているのか伺います。
最後に、未来の予測が困難な時代に求められる人材とは、具体的にどのような能力、資質を有した人材をイメージしているのか伺いまして、私の全ての質問を終わります。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 内野議員の御質問にお答えいたします。
まず、行政報告についてで、基本計画前期の総括と新たな施策の打ち出しについての御質問でございます。実施計画の策定に当たりましては、前期の総括をした上で、この間の社会経済状況の変化を踏まえ、基本構想の実現に向けて区政を前に進めていくという視点で新たな取組を検討してまいりたいと考えております。
次に、財政運営の考え方を踏まえた新たな財政フレームについての御質問です。実施計画の策定に当たって、新たな予算編成手法に基づきながら、直近の歳入の見通しや物価高騰に伴う区民生活への影響も考慮し、中長期的な視点を持って財政フレームを示すとともに丁寧な説明に努めてまいる所存でございます。
続きまして、活力ある持続可能なまちの実現に向けてで、ペロブスカイト太陽電池の普及についての御質問です。ペロブスカイト太陽電池は、現在太陽光パネルの主流となっているシリコン系太陽電池に比べて、薄くて、軽くて、フレキシブルであり、設置場所の可能性が広がるということから、脱炭素社会の実現に向けた施策を展開していく上で効果を期待できる機器の一つとして注目をしているところであります。
東京都は、国産技術であるペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた開発企業との共同研究を進めておりまして、令和5年5月には下水道施設に設置をし、検証を開始をしております。東京都の検証結果等も踏まえ、今後、区内における普及の可能性についても検討してまいります。
続きまして、未来の中野を支える人材育成についてで、まずは兼業推奨の意図、そして方策でございます。地方公務員法では、公務員が兼業する場合に任命権者の許可が必要とされておりまして、中野区では、職員の兼業許可等に関する事務取扱規程、これに基づいて許可の判断等を行っております。現状、兼業に係る申請は少なくて、どのようなものが認められるかなど制度内容について理解が不十分であることも原因ではないかと考えております。今後、兼業意向等の職員アンケートも実施をし、兼業許可に係る区のガイドラインを作成したいと考えております。職員が兼業に意欲を持つことは、職員の向上心や多様な能力の開発につながり、例えば消防団員としての活動など地域に貢献する手段としても有益であると考えておりまして、一定のルールの下で積極的に推奨したいと考えております。
続きまして、DX人材の育成についてでございます。DX推進に関する協定を締結した日本マイクロソフト社とは、管理職や全庁の一般職員から公募し育成していくDXリーダーに対して、同社の有識者を講師とした行政DXのマインド醸成研修や、様々なアプリケーションを活用した実践型のワークショップ等を連携、協力して実施をしてまいります。東京都とは、都が実施する区市町村支援事業を活用してDXリーダー向けの研修を共催で実施をするほか、本年秋には、都が設立する予定のGovTech東京、こちらにおいて都と区市町村が連携して行うこととされているデジタル人材の確保、共同活用について、見込まれる効果等を見極めながら検討に参加してまいります。
最後に、予測困難な時代に求められる人材についてでございます。区政を取り巻く環境は、変化の大きさや不確実性、複雑さなどの度合いが高まっておりまして、将来の予測が難しくなるとともに正解のない課題も多くなると考えております。そうした中では一人の職員や単独の部署で完結する事案、これは極めて少なく、それぞれが持つ知識や技術、資源を結集して課題解決に当たる必要があると考えております。「つながる はじまる なかの」を実現する人材には、異なる組織や職員と協力をし、行政と地域や企業等をつなぎ、様々な人や情報を結合して新しい価値を生み出すことが必要であると考えておりまして、自らがその起点となる意思と行動力を持つことが職員に求められていると考えております。
○議長(酒井たくや) 以上で内野大三郎議員の質問は終わります。
お諮りいたします。
議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、明日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後4時47分延会
会議録署名員 議 長 酒井 たくや
議 員 武井 まさき
議 員 中村 延子