1.令和6年(2024年)6月14日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(40名)
1番 山 内 あきひろ 2番 武 井 まさき
4番 日 野 たかし 5番 木 村 広 一
6番 斉 藤 けいた 7番 井 関 源 二
8番 黒 沢 ゆ か 9番 大 沢 ひろゆき
10番 武 田 やよい 11番 広 川 まさのり
12番 いのつめ 正 太 13番 間 ひとみ
14番 河 合 り な 15番 加 藤 たくま
16番 高 橋 かずちか 17番 甲 田 ゆり子
18番 小 林 ぜんいち 19番 白 井 ひでふみ
20番 吉 田 康一郎 21番 立 石 り お
22番 小宮山 たかし 23番 内 野 大三郎
24番 い さ 哲 郎 25番 細 野 かよこ
26番 斉 藤 ゆ り 27番 杉 山 司
28番 ひやま 隆 29番 大 内 しんご
30番 伊 藤 正 信 32番 平 山 英 明
33番 南 かつひこ 34番 久 保 り か
35番 石 坂 わたる 36番 むとう 有 子
37番 羽 鳥 だいすけ 38番 浦 野 さとみ
39番 山 本 たかし 40番 中 村 延 子
41番 森 たかゆき 42番 酒 井 たくや
1.欠席議員(2名)
3番 市 川 しんたろう 31番 高 橋 ちあき
1.出席説明員
中 野 区 長 酒 井 直 人 副 区 長 青 山 敬一郎
副 区 長 栗 田 泰 正 教 育 長 田 代 雅 規
企 画 部 長 岩 浅 英 樹 総 務 部 長 濵 口 求
防災危機管理担当部長 吉 沢 健 一 DX推進室長 滝 瀬 裕 之
区民部長、新区役所窓口サービス担当部長 高 橋 昭 彦 文化・産業振興担当部長 高 村 和 哉
子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石 崎 公 一 地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石 井 大 輔
健康福祉部長 杉 本 兼太郎 環 境 部 長 浅 川 靖
都市基盤部長 松 前 友香子 まちづくり推進部長 角 秀 行
中野駅周辺まちづくり担当部長 千 田 真 史 企画部企画課長 中 谷 博
総務部総務課長 永 見 英 光
1.本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 堀 越 恵美子 事 務 局 次 長 林 健
議事調査担当係長 鈴 木 均 書 記 若 見 元 彦
書 記 田 村 優 書 記 細 井 翔 太
書 記 森 園 悠 書 記 梅 田 絵里子
書 記 川 辺 翔 斗 書 記 志 賀 優 一
書 記 早 尾 尚 也 書 記 堀 井 翔 平
書 記 金 木 崇 太 書 記 砂 橋 琉 斗
議事日程(令和6年(2024年)6月14日午後1時開議)
日程第1 第50号議案 令和6年度中野区一般会計補正予算
午後1時00分開議
○副議長(木村広一) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 山 内 あきひろ
1 子どもの健康施策について
2 介護人材について
3 防災訓練について
4 その他
○副議長(木村広一) 最初に、山内あきひろ議員。
〔山内あきひろ議員登壇〕
○1番(山内あきひろ) 令和6年第2回定例会におきまして、自由民主党議員団の立場から一般質問を行います。
質問は通告のとおりで、4番、その他で、相続登記の周知について伺います。
1、子どもの健康施策について。
本年第1回定例会の子ども文教委員会にて、「令和5年度中野区体力にかかわる調査の結果と体力向上に向けた取組について」の報告を受けました。
この調査は、中野区立小・中学校に在籍する全児童・生徒を対象に例年5月から6月まで行われ、調査項目として、体力・運動能力に関する調査、朝食を食べているか、睡眠を8時間以上取っているかなどの生活、運動習慣などの実態に関する調査などが行われます。
結果の分析、活用については、体力向上のプログラムの改善や新たな施策に生かすとされていますので、まずは、これまで体力向上や生活、運動習慣などの改善に向けてどのような取組をしてきたか、お聞かせください。
また、今年度より我が会派が進めてきた中野区内にある幼稚園、認定こども園などの案内パンフレットがようやく形になり、各地域のすこやか福祉センター、地域事務所、児童館などで配布されました。
こういった幼稚園などに対しても、保幼小中連携の観点から、この報告にも本結果を提供し各園において幼児の体力向上に関わる課題を把握し、改善に努めるとあるので、例えば、体力向上に資する園庭改修などを行った園に補助金を検討してみてはいかがでしょうか。
この調査結果は、福祉関連、次に質問いたします健康診断などとは関連付けされておりません。例えば、朝食を食べる割合や睡眠時間が高学年になるにつれ減っているのは、口のトラブルや孤食が原因、ヤングケアラーで食べる時間、寝る時間が取れないのかもしれません。また、睡眠時間の減少は成長の遅れ、集中力の低下に影響がありますが、十分な睡眠時間が取れないのは肥満や痩せ過ぎが原因の可能性もあります。
こういったように、個々に取っているデータを関連付け、新たな施策につなげ、原因を早期に発見し改善することで、子どもたちの健康な体づくり、暮らしやすい生活に寄与していくと考えますが、区の考えをお聞かせください。
次に、児童・生徒の健康診断についてお聞きします。
学校での健康診断については、毎年4月から6月の時期に年1回行われ、検査項目としては、身長及び体重、栄養状態、脊柱及び胸隔の疾病及び異常の有無並びに四肢の状態、歯及び口腔の疾病及び異常の有無など、多岐にわたります。
文部科学省によると、健康診断の目的としては、学校教育の円滑な実施とその成果の確保に資することを目的とし、子どもの健康の保持増進を図るために実施するもの、また、個人を対象とした確定診断を行うものではなく、子どもが健康か否か、疾病や異常の疑いがあるかという視点で選び出すスクリーニングの性格を持つとされています。健康診断を受けることで早期に問題を発見し、適切な治療やケアを受けることが可能になります。
子どもたちにとって、健康な体は学習や日常生活における活動性を高め、生活の質を向上させます。そういったことから、まずは、中野区にとって学校での健康診断の重要性をどのように認識しているか、お聞かせください。
学校での健康診断は当然学校内で受けるので、学校に行けない不登校の子どもたちは健康診断を受けることができません。先日の報道では、小学3年生から中学3年生まで不登校だった方が、長年健康診断を受けることができず、10本以上が虫歯になり、今もその影響があるそうです。さらに、早期に発見できなかったため、側弯症にもなってしまい、不自由な生活を余儀なくされているとのことです。
このように、不登校の子どもたちには、健康診断を受けることができないケースもあるため、病気の発見や治療が遅れる可能性があります。そのため、学校以外でも健康診断を受けられるようにする取組が必要だと考えます。区内にあるフリーステップルームなどで学校での健康診断と同じ項目の健診を受けられるようにするべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。
また、フリーステップルームなどへも通うことが難しい場合は、近くの学校医の診療所でも健診を受けられるようにし、いずれの場合も費用は児童・生徒、保護者の負担にならないようにするべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。
中野区内には400人以上の不登校児がいるとされていますので、不登校児や保護者に対して柔軟な対応ができるように、区は医師会、歯科医師会など医療機関と連携して取り組んでいただくことを要望し、次の質問に移ります。
次に、子どもの歯科健診についてお聞きします。
毎年、文部科学省では学校保健統計調査の結果を公表しており、それによると、園児から高校生までを対象に行った健康調査で、虫歯の割合は全学校種で過去最低を記録したとのことです。ですが、その一方で、最近では口腔機能発達不全症が増加傾向にあり、その予防や対策が重要視されています。
口腔機能発達不全症は、18歳未満の子どもにおいて食べる、話すなどが十分に発達していない状態を指し、新潟大学が行った全国調査では、30%以上の子どもたちがこの可能性があるという結果が出ました。
口腔機能発達不全症は放っておくと様々なリスクを引き起こす要因にもなると言われておりますので、子どもたちの健やかな成長のためにも、乳幼児歯科健診や学校歯科健診に口腔機能発達不全症に関する質問や項目を入れるべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。
2、介護人材について。
次に、介護人材についてお聞きします。
前回の予算特別委員会でも介護人材について質疑させていただきましたが、今回は、ケアマネジャーや介護職員などの人材確保の観点から質疑させていただきます。
厚生労働省は、日本総研とともに本年3月に介護支援専門員の養成に関する調査研究事業の報告書を公表しました。それによると、ケアマネジャー1人当たりの担当件数などが今と変わらないことを前提に2022年度と比べると、全国で2025年度は約2万8,000人、2040年度には8万3,000人以上のケアマネジャーがさらに必要となるとのことです。報告書では、今後の体制整備に向けて新たな人材の確保や離職の防止、処遇の改善、より長く安心して働ける環境の整備などに向けた施策を総合的に推進していくべきと提言しております。
そうしたことから、中野区でも介護職員の確保などに向けて解決策を推進していくべきと考えます。特に、居宅介護支援事業所の管理者は主任ケアマネジャーでなければならないため、人材確保が困難である主任ケアマネジャーに適正な評価の資格手当てをするべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。
ケアマネジャーたちの業務は、利用者の状態に合わせた介護サービス計画書を作成することが主な業務ですが、介護の要として、医療機関や利用者の御家族との連絡調整などを行うことも重要な仕事とされています。私自身も、祖父母の介護に従事している際に、起立介助や起き上がり介助を教えていただき、祖父母の心のケアだけでなく、ケアラーとして介護に悩む私の相談にも乗っていただいたことで、精神的にも支えられました。
多岐にわたる業務ですので、業務負担軽減、改善の視点から、少しでもケアマネジャーの事務作業の煩雑さ軽減や、効率化するためにも、ICTの活用などを早期に導入すべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。
また、葛飾区では今年度から、介護職員の就労環境を改善し、定着を目的として、23区で初めて介護職員のカスタマーハラスメント窓口を新設いたしました。この窓口は、産業カウンセラーや臨床心理士、社会福祉士らの資格を有する職員が電話や対面、オンラインのほかLINEでも相談に応じ、区内の福祉施設に勤務する介護職員であれば正規、非正規、派遣を問わず相談を受け付けるとのことです。
中野区でも、介護職員の確保や定着だけでなく、抱え込んでいる悩みに寄り添うためにも同様の相談窓口を新設するべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。
3、防災訓練について。
次に、防災訓練についてお聞きします。
1月1日に能登半島地震が発生し、6月4日現在、人的被害は災害関連死30人を含む死者260人、住家被害は全壊、半壊、一部破損など8万1,712棟に及び、いまだ2,854人の方が避難所での生活を余儀なくされています。また、直近では6月3日早朝に石川県能登地方に震度5強の地震があり、東京でもスマートフォンが鳴り響き、驚かれた方も多いのではないでしょうか。
そういったことから、改めて災害への備え、日頃の訓練の重要性を再認識したところですが、中野区は防災訓練などの重要性についてどのように考えているか、お聞かせください。
中野区では、地震に備えて地域防災訓練や総合防災訓練など様々な取組をしておりますが、他の自治体では参加型、体験型の実践的な防災訓練などを行っております。例えば、福井県大野市では、若者世代に対して防災意識の醸成や能動的な行動を促し、地域防災力の向上を図る目的の防災キャンプ、福島県郡山市では、閉店した商業施設で実際に建物を解体するなどして救助活動を行う実践的な訓練などが行われております。
区内では、開発や建て替えで取り壊す予定の建物や閉鎖管理中の建物などございますので、現在行われている防災訓練に加えて、閉鎖管理中を含む区有施設において避難所を想定した宿泊体験訓練や実践的な訓練を実施し、消防団員の方々にも参加してもらい、活動する姿を子どもたちや区民に見ていただき、安全面に配慮しながらも一緒に参加していただくことで、消防団員の増員を図るとともに、さらなる防災意識の向上を図るべきと考えますが、区の考えをお聞かせください。
4、その他、相続登記の周知について。
次に、その他で、相続登記の周知についてお聞きします。
長年にわたり相続登記がされていないことで不動産の売却が行えない、遺産分割が困難化するなど、全国的に所有者不明の土地が増え、周辺の環境悪化や快適なまちづくりに阻害が生じるなど、社会問題化してきました。
これにより、令和3年に法律が改正され、本年4月1日から相続登記が義務化されました。義務化の内容としましては、相続によって不動産を取得した相続人は、所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記をすること、遺産分割が成立した場合には、遺産分割が成立した日から3年以内に相続登記をすることとされています。また、義務化される以前に相続が開始している場合も、3年の猶予期間がありますが、義務化の対象になります。
特に、区民の皆様に知っていただきたいのは、いずれの場合も、正当な理由がなく義務に違反した場合は10万円以下の過料の適用対象になるとのことです。
過料の適用もある相続登記義務化ですが、周知はまだ十分ではなく、日本司法書士会連合会が本年1月に調査を行った結果、いまだに2人に1人は知らない状態でした。中野区としても、認知度を上げるために区役所での相談会や区報、ホームページでの通知をしておりますが、新庁舎になり、今後どのような周知方法をしていく予定か、お聞かせください。
また、周知の時期ですが、東京都の場合、固定資産税の納税通知書は毎年6月1日に発送されますので、その時期前後に合わせた情報発信をするなど、工夫した取組が必要だと考えますが、区の考えをお聞かせください。
相続登記などは複雑であるため、今後も司法書士やその他の専門家の団体と連携して情報発信や相談対応に取り組んでいただくことを要望して、私の全ての質問を終えます。御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 山内議員の御質問にお答えいたします。
私からは、子どもの健康施策についての、まず初めに口腔機能発達不全症についてでございます。
口腔機能発達不全症は、先天性の疾患などがなく、食べる、話す、呼吸などの機能が十分に発達していない、もしくは正常な機能を獲得できていない状態を指しておりまして、早期発見、早期対応が重要であると考えられています。健診や治療、その後の生活指導の在り方などについて、歯科医師会と意見交換しながら検討してまいります。
次に、介護人材についてで、主任ケアマネジャー支援についてでございます。
介護人材の定着、確保の支援については、介護サービス事業所の職員を対象とした研修や資格取得の補助、借り上げ住宅の補助などを行ってまいりましたが、昨今、主任ケアマネジャーの確保が難しい等の声も聞いております。今後、国や都との役割分担も踏まえながら、区としての支援策を検討してまいります。
続きまして、ICTを活用した事務改善についてでございます。
今年度は、順次、ケアマネジャー等が利用する介護認定進捗状況照会システムの導入や、介護サービス事業所の指定申請等の電子申請届出システムの利用開始を予定しております。今後も、ICTを活用し、介護保険に関する事務の効率化や負担軽減に取り組んでまいります。
次に、利用者等からのハラスメントの相談窓口についてでございます。
カスタマーハラスメントの防止につきましては、事業主が雇用管理上の配慮として行うことが望ましい取組とされておりまして、区の事業者の運営指導における助言や研修を行っているところであります。利用者や家族からのハラスメントに関する相談窓口としては、東京都が介護職員と介護サービス事業所の管理者等を対象とした相談窓口をそれぞれ設置し、弁護士等に相談が可能となっており、情報提供を行っているところでございます。
〔教育長田代雅規登壇〕
○教育長(田代雅規) それでは、私のほうから、子ども教育施策についての中から回答をさせていただきます。
まず最初に、体力向上等の取組についてですが、これまで、学校ごとに体力テストの結果を分析し、児童・生徒の実態に応じた体力向上の取組として、授業の中で投げ方教室や持久走などの取組を重点的に行ってまいりました。
二つ目の就学前教育、保育施設に対する体力調査の結果の提供についてですが、保幼小中連携の観点から、就学前教育、保育施設に対しても体力調査の結果を提供し、保幼小連携教育協議会や幼稚園教育研究会等を通して各園で行える健康増進や体力向上の取組を協議し、実施してまいります。教育委員会としても、各園の取組に対する支援の在り方を研究してまいります。
続きまして、各健康調査に関するデータを関連付けた施策の検討についてですが、個々のデータの結果には様々な要因が複雑に関連しているため、調査データについて関連付けて検証や分析をすることは難しい面があります。それぞれのデータを関連付けた活用方法については、今後研究してまいりたいと考えております。
続きまして、学校における健康診断の重要性についてですが、学校での健康診断は、児童・生徒の健康状態を把握するという役割と、学校における健康課題を明らかにして健康教育に役立てるものであり、大変重要なものと認識しております。
次に、不登校の子どもたちへの健康診断についてですが、不登校の子どもに限らず学校で健康診断を受けることができない児童・生徒については、現在も近くの学校医の診療所で費用負担なしで健診を受けられるようになっております。なお、学校医以外の場所で健康診断を受診する場合の対応については、今後改めて研究してまいりたいと考えております。
〔防災危機管理担当部長吉沢健一登壇〕
○防災危機管理担当部長(吉沢健一) 私からは、防災訓練につきましてお答えいたします。
初めに、防災訓練などの重要性の認識についてでございます。
区では、総合防災訓練をはじめとしまして、様々な地域防災訓練を実施しているところでございます。防災訓練の重要性につきまして、区民が気づいて自らが実際に行動へ移すことが必要だと考えてございます。今後も、防災関係機関と連携を密にしまして、実効性のある防災訓練を継続して実施していくことによりまして、区民意識の向上を図っていきたいと考えてございます。
次に、区有施設での防災訓練についてでございます。
区は、これまでも閉鎖管理中でありました区有施設を活用しました訓練の実施がございます。今後も、区有施設の状況を確認しながら、警察や消防などの関係機関と協議をしまして、訓練の実施に向けて調整をしてまいります。
〔区民部長高橋昭彦登壇〕
○区民部長(高橋昭彦) 私からは、その他の御質問で、新庁舎移転後の相続登記義務化等の周知についてお答えさせていただきます。
相続登記手続の義務化につきましては、新庁舎移転後も引き続き司法書士による相続登記手続相談を行うほか、庁舎内で相談イベントを行うなど、周知徹底を図っていく予定でございます。また、新たに開設したおくやみ窓口でも、不動産の相続手続を行う予定の方に新たな制度を案内するなど、周知に努めておるところでございます。
また、納税通知発送に時期を合わせた周知など、今後も着実にお伝えできるよう、発信方法等についても研究してまいりたい、そのように考えてございます。
○副議長(木村広一) 以上で山内あきひろ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 平 山 英 明
1 持続可能な区政運営について
(1)内部統制について
(2)PDCAサイクルについて
(3)その他
2 公教育の充実について
(1)小1の壁について
(2)多様な学びの環境整備について
(3)ウェリントン市との教育交流について
(4)その他
3 気候変動対策について
(1)水害対策について
(2)緑化推進について
(3)2030年LED照明化100%について
(4)その他
4 若宮・大和町のまちづくりについて
(1)大和町中央通りの拡幅について
(2)洗心寮跡地について
(3)ドッグランについて
(4)その他
5 その他
○副議長(木村広一) 次に、平山英明議員。
〔平山英明議員登壇〕
○32番(平山英明) 令和6年第2回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問を行います。
少々耳が痛い問いもあるかと思いますが、区政を前進させるために伺わせていただきますので、どうか区長、教育長並びに理事者におかれては、誠実で簡潔な答弁をお願いいたします。
初めに、持続可能な区政運営について伺います。
近代日本経済の父と言われる渋沢栄一氏は、商売をする上で重要なのは競争しながらでも道徳を守ることだとの言葉を残しました。いわゆる道徳経済合一説です。
持続可能な区政運営を問うとき、とかく財政面からのアプローチが目立ちますが、内部統制とは組織を効率的かつ健全に運営するために必要な仕組みのことであり、さきの言葉とも合致する、持続可能性を目指すものです。新庁舎となり、過分な環境となった今、改めて足元を見詰め直す必要があると考え、まず、当区の内部統制について伺います。
平成23年2月に定めた中野区内部統制に関する規則が平成31年3月に大幅改正されていることが分かり、大変驚いております。
そもそも当区が内部統制の取組を本格化したきっかけは、平成23年度に教師用指導書を必要な議決を経ることなく購入したことによるもので、当時の区長はその責任を取るため自らに減給処分を課し、区は同年10月、内部統制のしくみ再構築に係る基本方針を定め、翌年2月に中野区内部統制に関する規則を定めました。
その後、平成29年に地方自治法の一部改正が行われ、第150条に内部統制に関することが規定されました。この時点では、同条が示す方針の公開や報告書の作成などを除き、当区の取組が総務省の示すガイドラインに沿ったものとなっています。重大な過失が要因とはいえ、その後の当区の取組は非常に先進的だったと言えます。
にもかかわらず、法改正が成立し、令和2年度からの施行までの間に当区の規則が取組を大きく後退させるかのように見える改正がなされたことには疑問でなりません。
改正の内容は、第4条3の内部統制責任者の所掌事務で、長期的な観点から財政分析を行い、必要があると認めるときは、当該部署の責任者に対し意見を述べることと、事業の見直し、改善に資するため、発生主義会計による財務情報等により行政評価、費用対効果の分析を行うことの二つが削除されたことです。肝とも言えるこの二つの条文が削除された状態で、同規則による内部統制の基本方針推進の担保はできるのでしょうか。
そこで、伺います。規則改正された目的と理由、そして、議会への報告がなかった理由を伺います。
仮に部を超えた推進体制となっているのであれば、規則に明記すべきです。内部統制の目的の一つは透明性であり、現在の推進体制や手法が見えない状態は解消すべきと考えますが、いかがでしょうか。あわせて、内部統制についての現状を議会へ御報告いただきたいと思いますが、御見解を伺います。
本来であれば、内部統制の先進的な取組を行ってきたはずですから、令和2年の改正法施行に合わせ、法に基づいた方針や規則とすべきでした。
監査からの繰り返しの指摘が続いていることはもちろん、テレワークシステムの契約で議会に報告がないままのCIO変更や、調達ガイドラインを適用しなかったこと、OneUp↑チャレンジ発表会での人事評価に法令遵守審査会から明らかに違法とまでは指摘できないものと思慮されるがとの厳しい報告があったこと、さらには、中野二丁目権利床活用においては公有財産規則に抵触しかねない契約が結ばれたことなどが規則改正後に発生したことを鑑みれば、今からでも地方自治法第150条に基づく内部統制へと前進を図るべきです。
現在、当区は内部統制制度に準ずる取組をしている団体との立場ですが、法にある方針公開や報告書の作成の必要についてどのようにお考えでしょうか。私は、どちらも必要であり、そのために法に基づく内部統制制度とすべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
次に、PDCAサイクルについて伺います。
内部統制の規則改正と同時期に、PDCAサイクルに関わることも大きく変化しました。予算と決算、評価と改善の一連化、PDCAサイクル、行政評価の見直しが行われ、組織体制も大幅に変更されました。そこから5年が経過し、一度検証の時期を迎えていると思います。
さきの総括質疑で、予算と決算を一連の中で位置付ける体制の成果について伺いましたが、提案される予算からはその成果は伺えず、毎年のように議会から意見が付され、執行変更される事業が散見されます。
行政評価についても、今年度の改正で、この6年間で大きなものだけで4度目となる行政評価の見直しが行われました。しかし、今年度の改定による行政評価の外部評価は企画部が選定した4事業のみと、学識経験者や公認会計士を委員としながら、チェックできるのはほんの一部の事業のみです。また、業務改善についても、新庁舎移転に伴うペーパーレスに絞り取り組まれましたが、紙を減らす以外の成果が全く見えません。
さらに、組織編成では、企画、予算と決算、資産管理、そして行政評価までが企画部に集まり、区政全体のPDCAを回す主要業務や権限が一つの部局に集中している状態はとても健全とは思えません。
そこで、伺います。行政評価は、区政全体について外部からの目が行き届くよう、外部評価委員が対象事業を選定できる制度に見直されてはいかがでしょうか、伺います。
成果が見られない業務改善とDX推進の一体的な取組は見直し、DX推進はさらなる区民の利便性の向上と事務の効率化を目指し、業務改善は、区財政の安定と強化すべき業務への配分、新しい取組への配分に充当するための既存事業の不断の見直しを進めるべきと考えます。DX推進のみによらない業務改善の在り方の改善を図るべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
さきに伺った内部統制の推進の側面からも、また、企画部に権限が集中する現在の体制を改める側面からも、PDCAサイクルの推進体制についての見直しが必要です。この5年の取組を総括の上で、企画や予算と、評価改善や資産管理、そして決算を、違う部局など、抜本的な組織体制の見直しを行うべきと考えますが、いかがでしょうか、伺って、この項の質問を終わります。
次に、公教育の充実について。
まず、小1の壁対策について伺います。
小1の壁とは、主に共働き家庭において、保育園の預かり時間と小学校の登園時間のギャップにより生じる課題です。
解決策として、全国的に登校より1時間近く前に校庭や体育館を開放する取組を進める自治体が増えてきており、保護者や児童にも喜ばれていると聞きます。昨年11月から公立の全小学校で午前7時30分からの校庭開放を始めた三鷹市は、運営をシルバー人材センターに委託し、校庭内でのルールは学校ごとに任せています。教育委員会も以前より校門の前で待つ児童の姿を見ており、また体力向上にも資するとの理由で、補正予算での対応としたようです。
東京では、ほかでも、八王子市や府中市などが一部の学校での早朝開放を実施していますが、23区内を調査したところ、当区を含めまだ実施の区はありません。子育て先進区として23区を牽引するために、ぜひ中野がモデルとなる仕組みをスタートしてはいかがでしょうか。教育委員会として、早朝の校庭開放の方針を定め、来年度からの実施を行ってはいかがでしょうか、お伺いをいたします。
次に、多様な学びの場の設置について伺います。
今年度から、多様な学びの場として中野中学校にN組が設置されました。スタートしたばかりではありますが、現状と課題について認識をお伺いいたします。
先日、我が会派の同僚議員とともに名古屋市にある学びの多様化学校、星槎中学校を視察いたしました。同校は、名古屋市の廃校となった公立小学校跡地を活用した不登校特例校設置のための公募で選定され、平成24年4月に開校しました。母体である星槎グループは昭和46年、今から53年前から多様な学びの場としてスタートしており、名古屋校も12年の歴史を刻みます。
中学1年生から3年生まで各3クラス、学びや理解のスピードが異なったり地域の学校になじめないなど様々な個性を持つ子どもたちに、学びの定着や学校生活が楽しくなるための配慮が至るところで見られました。また、地域に根差す努力と、保護者の間に強いネットワークが構築されているなど、多くの学びがありました。
公教育が近年になり多様な学びの場の必要性を訴え、環境整備を急速に始めたのに対し、不登校の子どもたちの存在が大きな課題とされる前から、あるいは発達障害という言葉がまだない頃から、私立では、学校に子どもを合わせるのではなく、一人ひとりの子どもに学校が合わせるような教育を実践するなど、経営やスキルについては公立のはるか先を行く学校も見られます。
そこで、伺います。多様な学びの場について、公立、私立それぞれの存在や役割についての教育長の御認識を伺います。
中野の子どもたちに日本一の教育をと思っております。中野はどんな子どもの学びも支える、中野ではどんな子どもも自分に合った学びができる区であるべきと考えます。区内に学びの多様化学校の設置を目指すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、設置については、名古屋市の例なども参考に、子どもたちにとって現状における最良の手法を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
中野だけでなく広範囲から生徒が集まることを考えると、本来は広域の役割であるとも思いますが、あえて中野の教育に対する姿勢を示すために区が先導して行うべきと考えます。御見解をお伺いいたします。
この項の最後に、ウェリントン市との教育交流について伺います。
まず、これまでの交流について、教育長の評価を伺います。
オンラインの活用や自宅に受け入れる環境がない生徒への配慮など、全ての生徒に交流の機会が与えられる仕組みを構築すべきと考えます。いかがでしょうか、お伺いをいたします。
長年のウェリントン市との交流対象は、中野区側は区立中学校の生徒であり、長年にわたりお世話になってきました。さきの予算特別委員会の際、ウェリントン市への訪問の予算が区長及び議長と同行メンバーで予定されていることに対し、教育長こそ行くべきと申し上げ、御担当からは、教育長の訪問も含め検討するとの回答でした。
やり取りの中では、先方の行政組織に教育委員会がないとの発言がありましたが、先方の市長の権限の中に教育も含まれているのであれば、なおのこと教育長が同席されなくては、中野の公教育についての具体的な議論を交わすことができません。
今年度予定されているウェリントン市への訪問は、今後の教育交流協定の締結を目指して教育長が行かれるべきと思いますが、いかがお考えでしょうか、教育長の御見解を伺って、この項の質問を終わります。
次に、気候変動対策について3点伺います。
まずは、水害対策について伺います。
この質問の取材に当たり、内水氾濫への対策について担当課がどこなのか庁内でもはっきりせず、危機管理の空白になっているのではと懸念をしましたので、先に申し述べさせていただきます。
区内でも、河川氾濫だけでなく、河川から離れたエリアにおいても内水氾濫による被害が見られます。平成17年の記録的集中豪雨の際は、当時私が住んでいた住居の前の大久保通りは膝上までの浸水がありました。
そこで、伺います。区が把握している内水氾濫の危険性があるエリアがあれば教えていただければと思います。お伺いをいたします。
磐田市が行っている国土交通省のワンコイン浸水センサ実証実験を視察してきました。同市は、2022年9月の台風15号に伴う豪雨の際、建物の浸水被害や道路冠水が多発し、被害が夜間の発生だったため、市では被害情報の収集が思うように進められなかったという体験から、国の実証実験への参加を決めたと聞きます。
ワンコイン浸水センサは縦5センチ、横3センチほどの箱型で、本体に附属する通信装置からのアラート信号をウェブ上で確認する仕組みとなっており、道路の側溝などへの設置が可能で、ピンポイントの浸水情報を得ることができます。同市の御説明からは、現状で即戦力となるものではなく、今後さらに国土交通省やメーカーによる機器の性能や運転手法の改良が必要と感じましたが、世田谷区をはじめ全国135の自治体が実証実験に参加しており、今後の進化も期待をされます。
当区も、来年度からの実証実験の参加を検討してはいかがでしょうか。参加自治体となることで、当区にとって望ましいシステムとするための改良点を積極的に国土交通省に伝えてはいかがでしょうか、伺います。
次に、緑化推進について伺います。
昨年第3回定例会での日野議員の質問に対し、街路樹の管理について、複数年で管理することについて、単年度の管理よりも効果的で管理ができるか、モデル的な取組に適した路線の選定も含め検討してまいりますとの答弁がありました。
今回、23区全ての道路、河川の樹木維持管理コストを調査したところ、各区によってあまりにも金額の開きがあることに驚きました。令和5年度予算ベースでの23区平均は2億2,400万円余、最大は世田谷区の10億1,600万円余、最小は荒川区の3,000万円余で、中野区は5,600万円余の20位でした。もちろん、算出方法や発注方法に各区違いがあると思われ、同条件での比較とは思われませんし、目指すものは効率的で効果的な手法でありますが、他区の取組はそれにしても気になるところです。
みどりの基本計画には「街路樹の計画的な保全と充実」とありますが、現在の手法では景観や樹木の特性に配慮したものとはなっておらず、樹木の持つ本来の価値を最大限に引き出すような手法の検討が必要と考えます。
街路樹の剪定について、他区の効果的な取組の調査などは行われているのでしょうか。また、街路樹について、専門家の知見や地域住民の声を踏まえた樹木剪定の基準と、3年ごとの剪定計画を策定してはいかがでしょうか、伺います。
この項の最後に、2030年LED照明化100%について伺います。
水銀に関する水俣条約において、蛍光灯の製造と輸出入を2027年度までに禁止することが合意され、政府も2030年度までに100%LED化推進を示しています。
区として、学校を含む区有施設についてLED化の具体的計画を示すべきと考えます。御見解を伺い、この項の質問を終わります。
最後に、若宮・大和町のまちづくりについて。
まず、大和町中央通りの拡幅について伺います。
令和4年第3回定例会一般質問で、補助第227号線大和町中央通りについて、早稲田通りへの出口付近など特に危険が多く、沿道全体の収用完了を待たず部分的な工事開始などを都に要請すべきと求めました。その後、早稲田通り入り口付近を中心に都の工事が進んできています。
補助第227号線について、現在区が把握している現状と、今後の整備内容及びスケジュールをお伺いします。
また、拡幅の残地を活用したベンチなどの設置を求めてきましたが、具体的にどの程度検討が進んでいるのでしょうか、伺います。
次に、洗心寮跡地について伺います。
洗心寮跡地について、昨年度2度の不調となった解体設計は契約に至ったのでしょうか。また、後の解体工事や跡地活用について早期に実施していくことができるのでしょうか、伺います。
今年度中に策定予定の活用方針ですが、若宮地域の防災機能の向上とともに、道路拡幅に伴う移転対象者への代替地の提供などについても検討されているのでしょうか、伺います。
次に、若宮・大和町地域へのドッグラン設置について伺います。
令和3年第2回定例会本会議で、既存公園での曜日や時間を指定したドッグラン事業や、区内4か所への常設ドッグランの整備を求めたことに対し、ドッグラン事業の可能性を探るとともに、常設ドッグランについても策定中の公園再整備計画の中で整備の可能性について検討しますとの答弁がありました。
その後策定された中野区公園再整備計画には、常設のドッグランの記載はないものの、ドッグランイベントについては加えられています。半歩ぐらいの前進かなと思っておりますが、前に進めていただいたことには感謝をいたします。
大規模公園の整備が終わり、今から既存公園へのドッグラン設置はハードルが低くないことも理解します。しかし、求める声が高いことも事実です。
以前、保育園建て替えの代替地として活用した明和中横の都有地は現在も更地で、都にはまだ具体的な活用計画がないと聞きます。この土地を活用し、期間は限定となる可能性もありますが、ドッグラン整備ができないかと思います。
区として、暫定広場の目的で都から借り受け、ドッグランとしての活用を検討してはいかがでしょうか。初年度は、近隣の理解と協力を得ながら中野区公園再整備計画にあるドッグランイベントからスタートをし、近隣と利用者の協力による区内2か所目のドッグラン設置を目指してはいかがでしょうか、伺いまして、私の全ての質問を終わります。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 平山議員の御質問にお答えいたします。
初めに、持続可能な区政運営についてで、内部統制に関する規則の改正の目的の御質問です。
平成31年3月の内部統制に関する規則の改正については、行政評価や決算分析等の事務について効果的な運用を図る目的から企画部へ移管した組織改正であったため、議会への報告を行っていないということでございます。
次に、内部統制の透明性の確保等についての御質問です。
区は、平成23年度に内部統制の仕組み再構築に係る基本方針及び内部統制に関する規則を策定し、取り組んでまいりましたが、内部統制の目的でもある業務の有効性や効率性の向上など、方法も含めて透明性が確保できるよう努めてまいります。内部統制の運用状況は区ホームページで公表しておりますが、内部統制の現状に係る議会への報告について今後検討してまいります。
次に、内部統制の公開や報告書の作成についてです。
地方自治法第150条における公開や報告書の作成の必要性は必ずしも区に義務付けられていないことから、今後どのような対応が適当であるか、方法も含めて、他区の状況も参考に検討してまいります。
続きまして、PDCAサイクルについてで、外部評価対象事業の選定方法についてでございます。
今年度の行政評価において、外部評価対象事業は区の事業全体の中から企画部が選定しておりまして、事業課題等を踏まえ抽出したものであります。対象事業の選定に当たっては、区の事業全般について、政策的な位置付けや制度的な仕組み、事業課題等を把握している必要があり、外部評価者の負担も大きく、実施するのは難しいと考えております。
次に、業務改善とDX推進の在り方についての御質問です。
業務改善は、DXの推進を含めた業務の執行方法の工夫や見直しにより、さらなる区民サービスの向上や行政の効率化を進めるものであると認識をしております。
この間、新庁舎への移転を契機とした業務改善とDXの推進は、親和性が高いということで、これまで一体的に進めてきたところであります。新庁舎移転に伴う業務改善は着実に実施されている状況を踏まえ、さらなる業務改善や事業見直し、DXの推進を効率的かつ効果的に推進していくための組織や制度の在り方については検討していきたいと考えております。
次に、PDCAサイクル推進体制の見直しについてです。
次期基本計画の策定に向けた検討を今年度から来年度にかけて実施する予定でありまして、その検討に合わせて、基本計画を着実に実現するための組織体制についても検討を行っていく予定であります。区政運営のPDCAサイクルをより適正かつ効率的に運用できる体制についても、その中で検討してまいります。
そして最後に、私から、若宮・大和町のまちづくりについて、明和中横の都有地へのドッグランの設置についての御質問にお答えいたします。
暫定的なドッグラン利用として無償で借り受けられる可能性があるかを東京都には確認しようと考えております。
〔教育長田代雅規登壇〕
○教育長(田代雅規) それでは、私のほうから、公教育の充実についてという中から回答をしていきたいと思っております。
まず一つ目の、小1の壁対策についてですが、小学校における早朝登校については、各学校、家庭、地域の事情や実態体制等を考慮し、検討していきたいと考えております。
続きまして、チャレンジクラスN組の現状と課題についてでございます。
N組の現状としては、入級者数は着実に増えており、これまで登校できなかった生徒が登校できるようになっております。担当の教職員を中心に、一人ひとりの特性や習熟を把握した上で、生徒に合わせた学びが進められております。中野中学校内に設置したことで、通常学級の生徒と同じ給食を食べたり、校外学習や学校行事に参加するなど、体験的な活動を行ったりできております。
一方で、今後入級者が増加したときに、一人ひとりの生徒に合わせた学習環境が同じように提供できるかが課題だと思われます。
その次の質問で、公立学校、私立学校のそれぞれの存在や役割についてでございます。
公立学校は義務教育として地域の多様な子どもに対して平等に一定水準の教育を保障し、私立学校は独自の教育理念に基づいて教育活動を提供しております。その面で、私立学校の中には不登校に特化した学校もあると聞いております。
中野区では、不登校の子どもたちの特性に合わせて学べる環境を整えることで、誰一人取り残さない学びを保障していくことが役割と認識しております。
その続きの、独立した学びの多様化学校の設置についてでございますが、学びの多様化学校については既に他区市の事例の視察を行ったところです。
中野区では、今年度4月より東京都の指定を受けて一人ひとりの状況に応じた柔軟な学びを実現するチャレンジクラスN組を開設したところであり、今後の取組についてはさらに研究を続けていきたいと考えております。
続きまして、ウェリントン市との友好子ども交流の評価についてでございます。
中野・ウェリントン友好子ども交流は、双方の子どもたちが異文化体験を通してお互いの都市の文化や歴史、言語を知り理解し合う、国際的な視野を広げる機会であると認識しております。
より多くの生徒の交流機会の創出についてでございますが、現在は、限られた子どもたちがホームステイできる仕組みになっていると理解しております。オンラインでの交流やホームステイを前提としない参加など、より多くの子どもたちが参加できる事業に工夫していくことが望ましいと考えております。
最後に、今年度のウェリントン市への訪問についてですが、今後は、これまでの友好子ども交流を踏まえつつ、教育、文化、芸術、スポーツなど広い分野で自治体間の交流が行われることが望ましいと考えています。
しかし、現在は自治体間の交流とはなっていないことから、まずは中野区とウェリントン市での交流の礎を築くことが必要であると認識しており、礎が築けた際には、教育長として訪問も検討していきたいと考えております。
〔防災危機管理担当部長吉沢健一登壇〕
○防災危機管理担当部長(吉沢健一) 私からは、気候変動対策のうち、水害対策、初めに内水氾濫の危険性があるエリアについてお答えいたします。
中野区における台風や集中豪雨等による内水氾濫の危険性があるエリアにつきましては、区のハザードマップに記載させてございます。
なお、ハザードマップ上での内水が生じる可能性があるエリアにつきましては、桃園川緑道一帯や大久保通り周辺、大妻中野中学校・高等学校の北側、それから白桜小学校周辺の水路敷などでございます。
〔都市基盤部長松前友香子登壇〕
○都市基盤部長(松前友香子) 水害対策のうち、ワンコイン浸水センサ実証実験についてお答えいたします。
現在、区では、水位計や雨量計、河川監視カメラを設置するなど、河川の情報を収集するとともに、豪雨時には道路の冠水や河川の状況を巡回点検しております。浸水被害等の情報を迅速に収集、共有することは重要なことと考えておりまして、ワンコイン浸水センサにつきましては、他の自治体の例を参考に研究をしてまいりたいと考えております。
続きまして、緑化推進について、街路樹の管理についてでございます。
街路樹の管理においては、道路の建築限界や信号、道路標識等の視認性が確保されることを基本としつつも、景観形成の観点も含めた管理が望ましいものと考えております。
中野四季の都市(まち)の通称F字道路などは、中野四季の森公園の樹木と一体として景観形成をする目的で一括管理を行っております。また、千光前通りでは、連続した緑による景観形成のため、手をかけ過ぎないといった取組を進めてございます。
このような景観性を高める取組をさらに進められるよう、他の自治体での管理事例なども参考にしながら、中野区の道路環境を踏まえた管理手法等の検討を引き続き進めてまいります。
〔総務部長濵口求登壇〕
○総務部長(濵口求) 私からは、気候変動対策の御質問のうち、区有施設のLED照明化の計画についてお答えいたします。
小・中学校を含む区有施設の既存蛍光灯照明器具につきましては、2030年のLED照明化100%に向け、各施設の建て替えや保全の計画と整合を図りつつ、更新計画を検討してまいります。
〔まちづくり推進部長角秀行登壇〕
○まちづくり推進部長(角秀行) 私からは、若宮・大和町のまちづくりについてお答えさせていただきます。
初めに、大和町中央通りの整備内容及びスケジュールについてでございます。
事業施行者の東京都によれば、道路用地の取得はおおむね9割完了しており、道路整備につきましては、用地取得箇所から下水道管等の地下埋設物の工事を進めるとともに、早稲田通りとの交差点改良工事を進めていくと聞いております。
事業認可期間に関しましては、現時点では令和6年度末と聞いているところでございますが、今後も東京都と密に情報共有を図るとともに、早期事業完了に向けて東京都に対して働きかけていきたいと考えてございます。
次に、残地などを活用したベンチ等の設置についてでございます。
ベンチ等の設置を含めた残地などの活用可能性につきましては、東京都が進めている整備工事の進捗状況により、どのような場所が対象地として可能か、またどのような手法で行うことができるか、関係機関と相談しながら調整を進めているところでございます。
続きまして、洗心寮跡地についてでございます。
既存建物の解体設計につきましては、昨年度2回の契約不調により、今年度に入り改めて入札を行った結果、4月3日付で契約いたしました。今年度は、契約した解体設計を進めるとともに、洗心寮跡地が早期に活用できるよう令和7年度の解体工事の着手に向けて取り組んでまいります。
最後に、洗心寮跡地の活用方針についてでございます。
今年度、跡地の活用につきましては、補助第227号線の道路用地をはじめ、若宮地域の防災性向上や緑の創出のためのオープンスペース確保など、地域の課題やニーズについて検討することとしております。また、検討に当たりましては、地域のニーズをきめ細やかに把握するため、近隣住民の方や補助第227号線の権利者に対するオープンハウスやアンケート調査を実施する予定でございます。
今年度、地域から頂いた意見なども踏まえながら、跡地の在り方について検討を深度化し、今年度の活用方針の策定に向けて取組を進めてまいります。
〔平山英明議員登壇〕
○32番(平山英明) すみません、2点再質問をいたします。
1項目、全体的には厳しい言い回しでしたが、検討ということでしたので、そこはしっかりと御検討いただくということは感謝をしております。
その中で、1項目の規則改正された理由と目的と、併せて尋ねた議会への報告がなかった理由なんですが、企画部へ基本的には移管をしたためというお答えだったんですが、内部統制というのは、総務省の方針にも書いてある、当区の方針にも書いてあるんですけれども、どういうふうな組織体制で進めていくのかというのが非常に重要視をされていまして、その組織体制が変わるというのは私は大きな変化だと思っているんです。
そういうことでありながらも、内部統制の規則の変更――規則の変更というのはもともと議会への報告の義務はないわけなんですが、かなり大きな案件だったと思うんですけれども、どうして報告されなかったんですかということを伺ったわけなんですが、それについてもし御見解がありましたらお伺いをします。
もう1点は、教育長にウェリントンに行っていただきたいというので、礎をとおっしゃったんですが、これまで中野区として、確かに文化交流という位置付けではありますけれども、現実に交流をしているのは中野区の公立の子どもたちなんです。だから、子どもたちがお世話になったということで、そのお立場で御礼を言う立場にあるのは教育長なんですよ。
であるからこそ、教育長もまず御一緒に行っていただくというのが、先方にとって強いインパクトを与えて、中野区の真剣さが伝わるのではと思いましたので伺いましたが、改めて、どうでしょうか、御見解を伺います。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 平山議員の再質問にお答えします。
内部統制に関する規則の改正についての中で、企画部への移管が組織改正であったためということに対してのさらなる質問だったと認識しております。
私どもとして、企画部へ移管をしたということで、組織改正は、通常それについては議会への報告を行っていないということで、そのように申し上げましたが、内部統制に関する考え方として、どこの組織で担当するかということが重要だという御指摘については踏まえたいと思います。
〔教育長田代雅規登壇〕
○教育長(田代雅規) 改めまして回答させていただきます。
子どもたちがお世話になっていることは事実であり、認識しております。
あくまでも現在は市民交流という段階ですので、きちっとウェリントン市と中野区との交流ができた段階でウェリントン市を訪問することを検討したいと思っております。
○副議長(木村広一) 以上で平山英明議員の質問は終わります。
中野区議会議員 い さ 哲 郎
1 住まいの支援について
2 困難を抱えた女性の支援について
3 地域防災について
4 デジタル政策について
5 囲町地区のまちづくりについて
6 外国人相談窓口について
7 その他
○副議長(木村広一) 次に、いさ哲郎議員。
〔いさ哲郎議員登壇〕
○24番(いさ哲郎) 2024年第2回区議会定例会におきまして、日本共産党議員団の立場で一般質問いたします。
最初に、住まいの支援について伺います。
私たち日本共産党議員団は、住まいについて、健康で文化的な生活を営む上での権利だという立場でこれまでも質疑してまいりました。
改めて強調するまでもなく、日本経済は悪化の一途をたどっています。物価の高騰が続く中、実質賃金は25か月連続で減少しています。普通の暮らしが年々難しくなる中、安定した住まいを確保することがますます困難になっています。
賃貸住宅の家賃の目安は手取りの3割というのが通説のようになっていますが、実際は不動産業界でも資産運用業界でも20%から25%が妥当であると言われています。駅前再開発などの影響による中野区の地価の上昇はすさまじく、実質賃金の下落と相まって、手取りの2割でも住めない町になりつつあるのではないかとの大きな懸念があります。今まさに、中野区が基礎自治体として積極的な住まいの支援を拡充させていくことが求められています。
昨年、第4回定例会において、我が会派の浦野議員が住まいの権利について質問していますが、この質問に対し、住宅部門と福祉部門が連携した相談支援体制を推進していくことが必要であるとの答弁がありました。これは3月の少子化対策・地域包括ケア調査特別委員会での学習でも強調されています。この認識の下に、住宅部門と福祉部門の連携について調査や検討など進展があったのか、伺います。
第4次住宅マスタープランについてお聞きをします。
プランの施策4「住宅ストックの適正管理」の項目に、空き家の利活用についての記載があります。これまでも空き家の活用については様々な議論がされてきたところですが、もともと住宅なわけですから、利活用を検討するのであればそのまま住宅ストックとして考えていくのが本道ではないかと考えます。現在、空き家の利活用について検討は進んでいるのか、伺います。
また、管理不全の空き家を生み出さない取組も重要です。区は現在、空き家になる前に相談しましょうというビラを作成し、区民活動センターなどに設置をしています。せっかく作ったこのお知らせビラを広く活用することは検討できないでしょうか。地域のことをよく知っている民生委員や地域包括支援センターにもお知らせの協力や情報提供をしてもらう、町会などの地域団体にも協力をお願いするなど、周知を広げることについてお聞きをします。
第4次住宅マスタープランには、住生活基本法についての記載があります。住生活基本法は、その前身である住宅建設計画法が数量的な供給を増やすことを目的としていたことに対し、文字どおり住生活という質の部分の向上を目指しているものです。
この法律に基づき、国土交通省は住生活基本計画を定めていますが、この住生活基本計画は市区町村でも定めることができるとなっています。2021年7月の国土交通省調査では、全国の市区町村の30.8%、537の自治体が市区町村の住生活基本計画を策定しています。中野区は住生活基本計画を策定していませんが、住宅マスタープランを同等の計画として位置付けているのでしょうか、伺います。
また、住生活基本法の基本理念4には、住生活の安定の確保及び向上の促進に関する施策の推進は、住宅が国民の健康で文化的な生活にとって不可欠であることに鑑み、低額所得者、高齢者等の居住の安定の確保が図られていることを旨として行わなければならないものとすることと示されています。住まいが権利であること、この住まう権利を行政が支えるということが趣旨となっています。この基本理念4について、区の認識を伺います。
住居確保要配慮者支援事業についても伺います。ここには、課題が山積していると考えます。
3月の少子化対策・地域包括ケア調査特別委員会にて、「高齢者の住まいの確保など住宅確保要配慮者の支援について」という報告がされています。この事業の成果と現状の課題について改めて伺います。また、高齢者以外の住居確保要配慮者については現在検討は進んでいるのでしょうか。また、どのような課題があるのでしょうか。
住居確保要配慮者支援事業の一つとして、区内にセーフティーネット住宅が増えましたが、これは、住居確保要配慮者が入居したかどうかを調査しておらず、入居の条件としても要配慮者以外を認めていることから、要配慮者が住居を確保するための用をなしていないのではないかとこれまでも指摘をしてきました。
また、要配慮者だけが入居できるセーフティーネット専用住宅は、区内の軒数は現在でも1桁台と、これも需要を満たすには程遠いものとなっています。こうした実情に鑑み、思い切った政策の転換が必要ではないかと考えます。
住居確保要配慮者支援事業の枠を超えた実効的な居住政策として、改めて、家賃支援を求めます。家賃支援については過去に何度かただしてきましたが、ここ数年でさらに物価高騰と実質賃金の減少が進み、広く生活の困窮が拡大して、住まいの確保は困窮世帯だけの問題ではなくなってきています。
長く中野区に住んできた区民の皆さんからも、住み続けるのが困難であるとの御相談が相次いでいます。大学生や新社会人など若い世帯からも、中野区での居住は難しいとの声があります。今こそ家賃支援に踏み出すことを検討すべきではないでしょうか、お聞きをします。
次に、困難を抱えた女性の支援について伺います。
区は、子育て世帯が離婚に向けて転居する際にかかる費用の補助を6月から始めています。23区では初めての試みです。離婚に向け既に別居しているという状況は経済的にも大変厳しく、区がそうした具体的な困難の支援に取り組んだことを評価します。
本年第1回定例会の総務委員会にて、中野区男女共同参画基本計画(第5次)が策定されました。この計画の中には、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律、いわゆる女性支援新法についても記載があります。同法に基づく支援を強化するためには、横断的で切れ目のない施策が必要であると記されています。この事業を推進、拡充する立場で質問いたします。
最初に、DVなどの相談についてお聞きをします。
DV相談では、緊急避難先としてシェルターの存在が大変重要です。現在、シェルターは都の施設が区部と市部に一つずつ、それ以外は民間のシェルターを活用するということになっています。相談対応を経てシェルターへの入居が必要だと判断した場合のシェルターへの連絡や連携はどうなっているでしょうか、伺います。
先日、生活に困窮するAさんの相談に同行した際には、生活援護課での相談から速やかに女性相談担当に加わっていただき、大変ありがたかったとともに、頼れる窓口となっていることを実感できました。AさんのケースはDVではありませんでしたが、シェルターを活用できることとなりました。このシェルター利用については、条件などはあるのでしょうか、相談内容を個別に判断して対応するのでしょうか、お聞きをします。
DVなど深刻な相談は、夜間や休日などに緊急に連絡が入ることも少なくありません。こうした緊急の相談についてはNPOに協力を依頼することも間々ありますが、NPOが持っている施設は大体いつも満杯です。本来、こうした支援の取組は、休日や夜間であっても行政が負わなければいけない仕事であると私は考えます。将来的には時間外でも対応ができる部門が必要になるだろうということは述べておきます。
養育費も大きな問題の一つです。
女性の困難の根源は経済の問題です。生涯賃金の男女差は1億円近いと言われています。女性の半数以上が非正規雇用で、正社員であっても役職に就く機会が男性より少なく、昇給でも差がつきます。
こうした差別的待遇の中、離婚して独り親となった場合、子どもの養育費が支払われないと生活の困窮に陥ることになりかねません。親権は父親、母親どちらも取ることができますが、現実には母親が養育をするケースが圧倒的に多いことから、女性の問題としてお聞きをします。
区は、養育費確保支援事業を開始しています。この事業について、これまでの実績を伺います。
この事業は、養育費について公正証書や調停調書等で取決めを行ったことが前提で、その手続の経費について支援するものです。
大変重要な事業ではありますが、養育費についての取決めを行っても約束どおりの支払いがされないということが少なくありません。厚生労働省が2022年12月に公表した令和3年度全国ひとり親世帯等調査等の概要では、養育費が支払われているのは全体の28.1%です。取決めを行っても、実際には3割も履行されていないというのが現実です。
こうした中、埼玉県さいたま市で養育費立替えの事業が開始されます。これは、養育費が支払われないときに養育費を支払うべき義務者に対して市が働きかけをし、それでも支払いがされない場合に、養育費を受け取るべき人に対し最大3か月分、上限月額5万円の立替え払いをした上で、債務者に対して督促をするというものです。また、制度の立てつけに違いはありますが、お隣の杉並区にも養育費立替えの事業があります。中野区でも、養育費立替え事業については検討を始めてもいいのではないでしょうか、伺います。
この項の最後に、相談窓口について伺います。
先ほど述べた養育費確保支援事業の窓口は子育て支援課で、女性相談全般は生活援護課となっています。女性の抱える困難によっては、障害福祉課などほかの部門が関わる必要がある事案もあろうかと思います。これから先、女性相談に関わって新たな取組も検討の俎上に上がってくる、こうしたことも鑑み、相談と対応の窓口を一本化していくことを検討する必要があるのではないでしょうか。
この間、建屋を持った男女共同参画センターの設置も求めています。将来的にはこの男女共同参画センターでの集約を見据えることも大事かと思います。併せて伺います。
次に、地域防災に関わって伺います。
防災に関わる事業は政府や行政が責任を負うのが本来の在り方です。しかしながら、現状ではどうしても防災会など地域の皆さんの力をお借りせざるを得ない状況にあります。このことから、地域防災に関わってお聞きをします。
まず、防災会の倉庫について。
昨年、関東大震災100年町会・自治会防災力強化助成事業が実施されました。これは東京都の事業で、防災会で上限30万円で防災物資を購入できるという制度で、多くの防災会がこの制度を活用して防災備品を増強しています。しかし、もともと防災倉庫は手狭になっており、この物資の追加でどんな状況になったのか実態を調査する必要があるのではないでしょうか、お聞きをします。
区は、防災会の倉庫について、初期消火資機材を置くために貸し出していると規定し、正式な名称は防災資材倉庫であるとしています。しかし、実態としては、さきにも述べたような資材の追加が行われていることも多く、倉庫が手狭というのは地域の複数の防災会からも聞いているところです。
こうした実態のほうに合わせ、防災資材倉庫であるとする区の考え方も柔軟に変えていく必要があると私は考えます。そのような倉庫が手狭であり増やしたいという地域の声に対し、現在区が行っている対応について伺います。
次に、デジタル政策についてお聞きをします。
区は、施策においてデジタルトランスフォーメーションを推進するに当たり、デジタル人材の確保をするとしています。政府の方針であるDX推進そのものについては肯定できない部分も多々ありますが、一般論としてデジタル化は避けて通れない道であり、区民に役立つデジタル化推進のためにも、人材確保については重要な課題と考えます。この間、どのような部署でどれだけのデジタル人材の確保ができたのか、またそのデジタル人材がどのような役割を果たしてきたのか、お聞きをします。
岸田首相は5月23日の演説で、デジタル人材を10万人育成すると表明しています。しかしながら、これまでも様々な場面で指摘してきたように、ICTの世界は長年にわたり低賃金、長時間過密労働による労働者の使い捨てが続き、深刻な人材不足となっている業界の一つでもあります。
人材の育成には時間がかかることから、当面、現役の技術者の取り合いが生じることは必至です。他自治体や民間企業の中途採用など、人材の取り合いになることが想定されています。この先のデジタル人材の確保の見通しと、そのための努力について伺います。
この数年の間に、税務課でのシステムリプレースやコロナワクチン予約システムの導入などで様々な事案が発生し、都度、質疑をしてきました。システムの導入や更新の際には、各部とデジタル政策部門が連携を取っているとは聞いていますが、調達の部門も含め、実際に運用する所管部門とのコミュニケーションが十分であったのか疑問が残ります。
こうした事案ごとに次に生かすべき反省点があるはずで、その反省はナレッジデータベースとしてデジタル政策部を所管する部署で共有し、以後のシステム導入や更新に備え、事例として保持、活用していくことが肝要ではないでしょうか、ここでもお聞きをします。
ここ数年では、データセンターでのトラブルもありました。システムのトラブルについて、ゼロにすることや完全に予見することは困難です。だからこそ、トラブルに備えた冗長化や運用フローの準備はもとより、トラブルの場面、中長期的な対応、再発防止などにどちらがどう責任を負うのか、事前に明確にする必要があります。
しかし、幾ら事前に取決めを行ったとしても、トラブル事案では線引きが難しく、個別の交渉がどうしても避けがたくなります。こうした際には、契約の内容を把握しながら事業者側と交渉できる専門家がどうしても必要です。ここでデジタル政策課がその役割を発揮することになるのかと思いますが、デジタル政策課は具体的にどのような個別事案に関わり、どのように介入するのか、改めてお聞きをします。
この間、グリコ、HOYAなど大手民間企業で大規模なシステムトラブルが起きています。こうした事案について、専門家は、システムの改修を事業者に丸投げしたことが原因であると共通して述べています。中野区においても、事業者との折衝を言いなりにならずに主体的に粘り強く行うためには、相応のエキスパートが必要になるはずです。デジタル人材の確保についてはさらなる努力が必要であることを強調しておきます。
この項の最後に、施設予約システムについて伺います。
区民活動センターだけでなく、スポーツ施設や文化施設などでも統一的なシステムを導入するとの方針が示されています。区は、予約システムを構築するに当たり、今年3月に区民向けのアンケートを行っています。大事な取組だと思います。
このアンケート実施以前にも、様々な声が寄せられていました。同じような内容を何枚もの用紙に記載する必要があるのか、予約のために平日日中に施設に出向かなければいけないのでは利用が難しい、キャンセル料300円の返済が1か月後であったなど、質疑でも取り上げてきました。区民活動センターの空き状況が分からないという声がありましたが、これは既に改善されています。
システム化に向けた要件定義に当たり、利用者である区民のこうした声に応えることが大変重要です。今回実施したアンケートに寄せられた区民の声にはどのようなものがあったのか、システム化に当たってこの声をどのように生かしていくのか、お聞きをします。
次に、囲町地区のまちづくりについて伺います。
最初に、囲町西地区について。
2022年3月にはこの地域の地権者から区長宛てに要望書が提出されています。この要望書には地権者の皆さんの思いが刻まれています。丁寧な説明と言いながら、資料を読み上げ一方的にスケジュールを提示するのでは意味がない、地権者一人ひとりにしっかりと向き合ってほしい、拙速な都市計画決定をしないでほしい。いずれも地権者として当たり前の思いではないでしょうか。
この2022年3月時点で、地権者5名が準備組合から脱退し、準備組合の組織率が約50%となり、この時点では組合設立に必要な地権者3分の2を大きく割り込んでいました。西地区は本年5月15日に組合設立となりましたが、これは土地買収により反対住民の土地の所有がデベロッパーに置き換わったということで、事実上の地上げです。私はここに住民合意があるとは到底思えません。こうしたこの地域の再開発の住民合意について、区がどのように認識しているのか、伺います。
次に、囲町東地区について伺います。
2023年4月9日には、中野四丁目新北口地区及び囲町地区都市計画案の説明会が行われました。この場で囲町東地区の事業完了が2026年と説明されていたそうですが、三井不動産のホームページでは事業完了は2028年と記載されており、大きくずれがあります。この計画は延長されたのでしょうか、現在の正確なスケジュールをお聞きします。また、地権者に対し再度の説明会は行わないのでしょうか、こちらも伺います。
補助第221号線についても併せて伺います。
この道路計画は、中野駅から線路沿い北側を西に向かい、杉並区を経て環七に接続するもので、拡幅により杉並区の沿道の商店の立ち退きなど大きな影響があり、周辺の杉並区民からは明確に工事反対の声が上がっています。地域住民の理解と納得が得られていないと考えます。この点について、区はどのように認識しているでしょうか。
中野区と杉並区は2016年から囲町再開発と補助第221号線について協議を行っています。2019年12月に行われた杉並区側担当者との会議では、囲町西地区に隣接する区画道路2号の工事について、杉並区への影響があまりにも大きいことから、情報提供をしながら進めていきたいと中野区側担当から発言があったことが情報公開請求から明らかになりました。2019年12月時点でこのように打合せされている内容は、杉並区側沿道住民にはいつ、どのように説明されたのでしょうか。
この計画は中野区の計画によるもので、杉並側の道路計画についても中野区が一定の説明責任を負うものと考えます。これまで杉並区側の沿道住民には説明の機会があったのか、この先はどのように説明をしていくのか、また杉並区とはどのように協議をしていくのか、伺います。
最後に、外国人相談窓口について伺います。
新庁舎開設に合わせ、外国人の相談窓口の運用が始まっています。開始から1か月、この間の相談の実績や相談内容について伺います。
6月1日現在、中野区には2万2,000人を超える外国籍の方が居住しています。遠く海外からやってきて慣れない日本で暮らす皆さんの苦労は想像に難くありません。こうした外国人の皆さんに制度について相談ができる窓口を知らせるのは、安心して生活していただく上でとても大事なことではないでしょうか。
手続や制度など、知っておかないと困ることにもなります。例えば、日本人と結婚し婚姻ビザで永住されている方が離婚をした場合は、手続を忘れると永住権を失い、難民となってしまいます。離婚する前に窓口で相談いただければこうした事態を回避できるわけで、相談窓口が果たす役割が大きいと考えます。
中野区への転入時にお知らせをするなど、実効性のあるやり方で外国人相談窓口を周知する必要があるのではないでしょうか。
以上で全ての質問を終わります。ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) いさ議員の御質問にお答えいたします。
まず初めに、1番、住まいの支援についてで、住宅部門と福祉部門の連携についてでございます。
住宅部門と福祉部門の連携につきましては、令和3年に設立された中野区居住支援協議会を中心に、
住宅確保要配慮者への居住支援について検討が進められているところであります。
居住支援協議会では、行政及び民間の複数所管に関連する住まいの問題について、各関係機関の相談窓口が円滑に連携できるよう、居住支援ガイドの作成や学習会などを通じ課題検討や解決策の共有化を行い、包括的相談体制を推進しているところであります。
続きまして、空き家の利活用についてです。
第4次住宅マスタープランでは、空き家の利活用について専門的な内容に対応可能な相談体制を民間団体等との連携により推進するとしております。民間市場における空き家の利活用促進のため、区は、専門家に受託して無料で相談できる電話窓口を設置しておりまして、今後も相談窓口での情報提供をしっかり行ってまいります。
また、令和4年7月から、セーフティーネット住宅として戸建て住宅及び共同住宅の空き家等の改修費助成制度を設けておりまして、制度の活用によって空き家の利活用の促進にもつながるものと考えております。
次に、空き家を生み出さない取組についてでございます。
空き家を生み出さない取組につきましては、非常に重要であると考えております。啓発チラシについては、令和5年3月に初版を作成し、この間、2回すこやか福祉センター、区民活動センター、図書館に区民周知用として送付をしております。
今後は、これに加え、空き家になる可能性が高い戸建て住宅に居住する単身高齢者や高齢者のみの世帯に対して周知を拡充できるよう、地域で直接高齢者と関わりを持つ地域団体や福祉事業者との連携も深めていきたいと考えております。
次に、住生活基本計画の策定についてです。
中野区住宅マスタープランは、中野区基本計画や中野区都市計画マスタープランの上位計画及び中野区耐震改修促進計画などの関連計画と連携し、東京都住宅マスタープランとの整合も図った上で策定をしているところであります。住生活基本法に基づく住生活基本計画と同等の性格を併せ持つと考えております。
次に、住生活基本法の基本理念についての御質問です。
中野区住宅マスタープランでは、住宅政策の基本理念を「だれもが安全、安心に、そして健康に暮らし続けることができるまち・中野」としておりまして、これは住生活基本法で示されている基本理念4の趣旨に通じるものと捉えております。
区では、この基本理念の設定に当たって、誰もが共に暮らすことのできる多様な住まいの確保、住宅確保要配慮者が安心して暮らせるための住宅セーフティーネットの充実、健康で安全に暮らせる住環境の確保、暮らし続けるための質の高い住宅ストックの確保、この四つの考え方を示しているところでございます。
続きまして、住宅確保要配慮者支援事業の成果と課題についてです。
居住支援協議会と連携した見守りや入居等の支援を行うとともに、あんしんすまいパック事業や債務補償、緊急連絡先代行サービス等の支援事業を実施しております。事業成果として、民間賃貸住宅のオーナーや管理会社が抱える不安や負担が軽減され、住宅確保要配慮者が公的賃貸住宅だけでなく民間賃貸住宅へ入居しやすい環境整備が進んできているものと考えております。
一方で、住宅確保要配慮者の入居を拒まないセーフティーネット住宅の登録数増加に向けた専用住宅の改修費補助事業促進や、居住支援協議会を通じた不動産団体等との連携強化が課題であると考えております。
次に、高齢者以外の住宅確保要配慮者への取組です。
子育て世帯への取組として、独り親家庭及び実質独り親家庭の住まい確保を経済的に支援するためのひとり親家庭住宅支援補助金交付事業を5月から開始いたしました。今後事業を展開していく中で、福祉部門や住宅部門との連携を検討してまいります。
また、高齢者、障害者等についてもさらなる啓発周知が必要であると考えておりまして、居住支援協議会なども活用しながら検討してまいります。
家賃支援についてでございます。
区は、住宅部門と福祉部門が連携して、住宅確保要配慮者の住まいに関するきめ細かいサポート体制を整え、住まいの相談支援の取組を推進しております。家賃助成ではなく、きめ細かな相談支援体制の推進やセーフティーネット住宅の登録促進等による住宅確保要配慮者への住宅の供給促進に取り組んでまいります。
次に、困難を抱えた女性の支援についてで、相談体制とシェルター入所の条件についてでございます。
中野区女性相談では、専門の相談員が相談者の立場に寄り添い、意思を尊重しながら安全の確保やその後の生活、自立のための支援等を実施しております。また、シェルターへの入所を必要とする方に対しては、速やかに東京都や区が委託している事業者と連携を図り、入所の案内や状況に応じて入所同行などの支援を行っております。
シェルターは、困難な問題を抱える女性が一時的な避難場所を必要とする場合に、DVに限らず利用できる施設でございます。
次に、養育費確保支援事業の実績についてです。
区では、養育費確保支援事業として、養育費の取決めに関する公正証書等の作成手数料や家庭裁判所への申立てに係る費用、ADRの利用料に対して補助金を交付しております。実績としては、公正証書等の作成手数料の補助については令和4年度は5件、令和5年度は9件となっております。
次に、養育費立替え事業の検討についてです。
他自治体において、支払い義務者に対して養育費の支払いを促し、それでも支払いが行われない場合には養育費を立て替えるという養育費立替え支援の事業が行われていることは認識をしております。
区では、これまで独り親家庭からの相談において養育費の不払いに関する相談は寄せられておりませんが、今後も、相談の中でニーズを把握するとともに、他自治体の状況や実績等を参考に研究してまいります。
最後に、相談窓口の集約についてでございます。
生活援護課に配偶者暴力相談支援センターの機能を持たせることで、相談、保護及びその後の自立まで一貫した支援や、関係機関等との連携を行ってまいりました。
今後、中野区男女共同参画計画(第5次)の取組を進める中で、多様化する女性等に関する相談への対応や、民間団体との協働を進めるための拠点の在り方などについても検討してまいります。
〔防災危機管理担当部長吉沢健一登壇〕
○防災危機管理担当部長(吉沢健一) 私からは、地域防災のうち、まず初めに、防災資材倉庫の実態調査についてお答えいたします。
区は、例年8月下旬から始まる防災週間に合わせまして各防災会に依頼をして防災資材倉庫内の資機材調査を実施することで、資機材の適正管理を行っております。今年度の調査につきましては、区が交付した消火資機材や、それ以外の物品の格納量を調査項目に追加することによりまして、倉庫内の格納状況を把握しまして、より一層の適正管理を推進してまいります。
次に、防災資材倉庫に関する対応状況についてでございます。
区は、防災資材倉庫内の管理について、注意点や収納方法のポイントを地域防災住民組織連絡会にて周知させていただいております。また、地域防災住民組織助成金事業におきましては、倉庫内への棚の設置等により資機材収納に係る費用につきましても助成の対象となることを併せて周知させていただいているところでございます。
〔総務部長濵口求登壇〕
○総務部長(濵口求) 私からは、デジタル政策についての御質問のうち、まず、デジタル人材確保の見通しについてでございます。
デジタル人材は、民間企業でも公的機関でも需要が高いことは認識してございます。これまでも民間求人サイトの活用など、様々なツールを活用して確保しております。
これまでの人材確保の策に加え、今年度から運用を開始した自治体向けデジタル人材紹介サービスGovTech東京パートナーズも活用し、適切な人材確保を図ってまいります。
次に、デジタル人材の確保とその役割についてでございます。
必要に応じて、高度な専門知識を有する一般任期付き職員等を採用しているほか、今年度から特別区職員、ICT区分での職員を採用し、デジタル政策課、区民サービス課に配置しております。これらのデジタル人材は、MS365の環境構築や自治体情報システム標準化・共通化プロジェクトなどのリーダーとして中心的な役割を担っております。
また、昨年度からDXリーダーとなる職員を育成しており、各職場にて主体的にDXの視点を持って業務に当たることで、全庁的なDXマインドの浸透を図ってまいります。
〔DX推進室長滝瀬裕之登壇〕
○DX推進室長(滝瀬裕之) 私からは、デジタル政策についてのうち、まず、システムの導入についてお答え申し上げます。
調達ガイドラインにのっとりまして、各課は、要件定義の段階からデジタル政策課に所属するIT専門支援員の支援を受けながらシステム調達を行っているところでございます。また、システム運用開始後の事業者との定例会にも各課システム担当職員とともにIT専門支援員が参加するなど、伴走型の支援を行っておりまして、所管との緊密な連携を図るように努めているところでございます。
続きまして、システム導入に問題が生じた場合のナレッジの保持、活用についてのお尋ねです。
各課を支援するIT専門支援員やデジタル政策課職員間で過去の調達に係る資料などを基に情報を共有し、各課への支援の際に活用しているところでございます。
各所管におけるシステムの調達の適正化に当たりましては、こうした過去の事例の参照や、国や都の動向、企業などの情報収集を行いつつ、最新のデジタル技術などを踏まえた支援を行っておりまして、今後も適切に進めていきたいと考えております。
最後になりますが、システムのトラブルに関するデジタル政策課の関与についてでございます。
デジタル政策課は、要件定義からライフサイクル等運用に関しても各課に対しまして伴走型支援を行っているところでございます。また、保守契約の中で、事業者と区との責任の所在を明確に記載するようにしております。
なお、契約の中におきまして記載がない事項につきましては、別途協議となりますが、その際には、事業者と各課システム担当者だけでなく、専門的な知識を持つデジタル政策課のIT専門支援員が共に協議を行うなど支援を行っているところでございます。
〔地域支えあい推進部長石井大輔登壇〕
○地域支えあい推進部長(石井大輔) 私からは、デジタル政策についての御質問のうち、施設予約システムに関するアンケートについてお答えいたします。
施設予約システムに関するアンケート調査は今年の3月に行いまして、987件の回答があり、区民の関心の高さがうかがい知れたところでございます。全体として、団体登録手続のシステム化やオンライン決済などを望む声が多かった一方、デジタルデバイド対策をしっかりと行ってほしいといった意見もございました。
頂いた意見を参考に、より利便性の高い予約システムを構築するとともに、システム操作支援など、デジタルデバイド対策についても引き続き検討してまいります。
〔中野駅周辺まちづくり担当部長千田真史登壇〕
○中野駅周辺まちづくり担当部長(千田真史) 私からは、囲町地区のまちづくりについてお答えさせていただきます。
まず、市街地再開発事業の住民合意についてですが、区は準備組合に対して、拙速な都市計画決定を考え直してほしいと区へ要望書を提出した権利者に引き続き丁寧に説明するよう指導いたしました。
その後、2022年12月に区民へ都市計画素案の説明会を実施するとともに、2023年1月に権利者へ都市計画原案の説明会を実施いたしましたが、反対意見はございませんでした。また、意見書を提出できる機会も設けましたが、意見書の提出はございませんでした。
これらのことから、都市計画について権利者から一定の理解を得ていると認識しております。
○副議長(木村広一) 質問時間は終了しております。答弁は結構です。
以上でいさ哲郎議員の質問は終わります。
中野区議会議員 黒 沢 ゆ か
1 小学校就学前の子どもの多様な集団活動について
(1)自主保育について
(2)その他
2 重症心身障がい児および医療的なケアが必要な児童が地域で安心して療育が受けられる環境整
備について
(1)施設の指定について
(2)施設整備を含めた財政的支援および誘致について
(3)その他
3 生活介護における報酬改定後の運営状況把握と対策について
4 沼袋地域の商店街について
(1)区画街路第4号線の道路予定地について
(2)リノベーションスクールについて
(3)その他
5 その他
○副議長(木村広一) 次に、黒沢ゆか議員。
〔黒沢ゆか議員登壇〕
○8番(黒沢ゆか) 令和6年第2回定例会に当たり、都民ファーストの会中野区議団の立場で一般質問をいたします。
質問は通告のとおりで、その他はありません。
初めに、小学校就学前の子どもの多様な集団活動について伺います。
小学校就学前における子どもの日中の過ごし方は、幼稚園や保育園等のほかにも存在しています。中野区民の方からは、プレーパークに子どもが集まり、保護者同士が協力をして自主的な集団活動をしているというお声も伺っております。
幼児教育・保育の無償化がスタートして久しいですが、このような自主保育を利用する保護者に向けての補助は、中野区では現状実施しておりません。武蔵野市では、国の子ども・子育て支援新制度を活用し、武蔵野市独自の基準を設け、補助を行っています。
そこで、伺います。自主保育は多様な保育の一形態として評価されていますが、区としては今後の補助についてどのように考えているのでしょうか。中野区でも、実態に即した独自の基準を設けるなど、全ての小学校就学前の子どもたちが対象になる補助制度となるよう進めていただけたらと考えます。区の見解を伺います。
次に、重症心身障害児及び医療的ケアが必要な児童が地域で安心して療育が受けられる環境整備について伺います。
中野区は、令和4年度に児童相談所が開設されたことによって、東京都が行っていた業務が移管され、障害児施設の審査や指定をする役割を担うことになりました。そして、中野区に児童相談所が開設してから初めての民設民営の重症心身障害児、医療的ケア児向けのデイサービス施設が今月中野に開所しました。
担当部署の皆さんも初めての指定だったかと思いますが、他の障害児通所事業所の指定と比べ、追加された事項はあったのでしょうか。また、指定に係る実務においてスムーズに行うことができたのか、伺います。
また、これまで当事者の保護者の方からは、中野区内に通所できる施設が極端に少なく、区外に引っ越しをしたり他区のサービスを受けていたりなどのお話を伺ってきたこともあり、重症心身障害児及び医療的ケア児向けのデイサービス施設を中野区につくる取組は、医療的ケア児支援法の観点からも、本来は区の責務だと考えております。
そのような中、民間の事業者が民設で開所する際、区は審査や指定を行う役割と同時に、事業者に対して財政的支援をする必要があると考えています。しかし、現在の中野区では、開設に係る補助は実施されておりません。
品川区では、重症心身障害児及び医療的なケアが必要な児童を受け入れるために要した費用に対して、1事業所につき500万円を上限に補助しており、私が伺っているだけでも練馬区や大田区でも300万円の補助がございます。
また、中野区の継続的な運営補助制度においては、補助金の額が看護職員の人件費に相当する額のみとなっていることに加え、児童発達支援給付費または放課後等デイサービス給付費の支給を受けた場合には、当該給付費のうち補助事業に係る看護職員に対する看護職員加配加算に相当する額を除くとされています。一方で、他区ではその他の補助も含め制限を設けていないところもあるという声も届いております。
そこで、伺います。中野区では、重症心身障害児及び医療的ケア児向けのデイサービス施設への施設整備を含めた財政的支援や誘致についてどのように考えているのでしょうか。中野区の重症心身障害児及び医療的ケアが必要な児童が地域で安心して療育が受けられる環境整備を求め、この項の質問を終えます。
次に、生活介護事業における報酬改定後の運営状況把握と、対策について伺います。
令和6年2月6日に、厚生労働省により、令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容が示されました。処遇改善加算の一本化及び加算率の引上げのほか、地域生活支援拠点等の機能の充実、強度行動障害を有する障害者の受入体制強化などがうたわれており、処遇改善以外の改定事項は4月1日施行となりました。
改定に対し、全国の障害者の日中活動を支える生活介護事業所などからは、事業継続が困難になるとの理由で見直しを求める声が聞かれています。
昨年度までは、生活介護の事業所に対して営業時間に応じた報酬が支払われていましたが、改定ではより実態に即した報酬となるため、利用者がサービスを受けた時間に応じて支払うこととされました。しかし、日によって体調に差がある、車椅子に長く座っていることが難しい、強度行動障害のある方で通所に慣れていないことから長時間の滞在が難しいなど、障害上の特性から利用時間が短い利用者も多く、事業所によっては大幅な減収となることが予想されています。
中野区の生活介護施設は、指定管理のかみさぎこぶし園や、障害者福祉会館、弥生福祉作業場をはじめ、区内には13の施設があります。私が幾つかの事業者にヒアリングをさせていただいたところ、20%程度の減収になるところや、職員体制を調整し、たまたま短時間利用の利用者が利用をやめられたため、どうにか赤字を防げたなどのお話がありました。
また、今回の報酬改定は、利用者となる当事者の方に不利益が生じてしまう可能性もあります。長時間利用のできる方と契約したほうが経営上豊かになる制度となっているため、先ほど申し上げたような短時間利用の方が利用しづらくなってしまうことが生じやすくなるためです。
そこで、伺います。中野区として、来年度、指定管理事業者及び民設民営の施設の運営状況においてどのように把握し、対策されるのでしょうか。また、ヒアリングを行い、区で解消できない問題があれば、国や都に対して制度と現場の狭間で起きている課題を伝え、必要な施策を区として提案する必要があるのではないでしょうか。
物価高騰による固定費の増加と慢性的な人手不足の続く障害福祉サービス事業所にとって、報酬改定による減収は事業所の存続を左右する死活問題となりかねません。事業所存続の危機は、すなわち利用者とその家族の日々の暮らしを揺るがす危機そのものです。早急な現状把握と対策を求め、次の項に移ります。
次に、沼袋の商店街の、(1)区画街路第4号線の道路予定地について伺います。
全国的に道路事業のために行政が買い取ったままの空地、道路予定区域が存在し、その多くは、事業上の都合から、全ての土地を買い取るまで数年間、時には数十年も使われることなく空地のままということがあるのが実情です。
そのような中、中野区では住民の方々と丁寧な話合いの場を持ち、信頼関係の下、前向きに活用を検討しているとのことで、高く評価しております。
今月行われた沼袋氷川神社の祭礼では、道路用地を使用する形で神酒所開きなどが行われていました。昨年の道路用地を活用した社会実験も地域の方々から好評であり、道路用地の活用に注目が集まってきていることもうかがえます。しかし、道路用地の利用方法について区から区民の皆様に広報が十分になされていないため、私のもとに相談が寄せられることもあります。
そこで、伺います。今後、道路用地を活用したイベントを行いたい場合にはどちらに相談をするとよいのか、お教えください。また、活用に当たって、どのような方が利用できるのでしょうか、利用者の制限などがあるのでしょうか、併せて確認させてください。
次に、リノベーションスクールについて伺います。
道路ができるまでの間、商店街に面した道路用地や空いている物件を最大限生かしながら、未来へつないでいただきたいと考えております。そうした意味で、中野区産業振興方針で示されたリノベーションスクールの実施には期待しております。
リノベーションスクールは、今年度予算に組み込まれ、新たにビジネスを始める方々へのスタートアップ支援であるとともに、沼袋地域の商店街の皆さんや空き店舗となっている物件、これから建て替えを行うオーナーと開業前からつながりを持つことができる取組であると理解しております。
そこで、伺います。リノベーションスクールはどのような目的で行われ、どのようなゴールを目指したものなのでしょうか。また、実施スケジュールについてもお聞かせください。
リノベーションスクールの募集に関する広報からマーケティングの観点が必要になると考えており、地域の特徴やニーズを事業者へ共有するなど、丁寧に関わりを持って当事業を進めていただくことを要望し、全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 黒沢議員の御質問にお答えいたします。
まず初めに、小学校就学前の子どもの多様な集団活動について、自主保育についてでございます。
他の自治体において自主保育の活動があるということは承知をしておりますが、区内における活動については現在把握していないところであります。今後は、区内での活動状況等について把握するよう努めてまいりたいと考えております。
次に、沼袋地域の商店街についての御質問で、区画街路第4号線の道路予定地のイベント活用についての御質問です。
道路予定地をイベント等の地域活性化に伴う取組で活用したい場合の道路占用許可申請対象は、公共公益性の観点から、原則、町会や商店街などの団体を対象としているところでございます。
地域の方が道路予定地をイベント等の地域活性化に伴う取組で活用したい場合の相談窓口は、まちづくり事業課ということでよろしくお願いします。
次に、リノベーションスクールの目的とゴールについての御質問です。
区は、沼袋地区のアピールと区画街路第4号線沿道商店街の活性化を図るため、遊休不動産などを活用したまちづくりを推進することを検討しておりまして、その手法の一つとしてリノベーションスクールの実施を予定しているところであります。
今年度は、ノウハウを有する事業者のサポートを受けながら、地域の特性と課題を分析するとともに、活用可能な遊休不動産などを調査、整理いたします。その上で、民間人、不動産オーナー、中野区の3者が介したエリアを再生するためのビジネスプランを検討する実践型のリノベーションスクールを実施し、新たな担い手の発掘につなげていきたいと考えております。
〔健康福祉部長杉本兼太郎登壇〕
○健康福祉部長(杉本兼太郎) 私からは、まず、重症心身障害児等の事業所指定についてお答えいたします。
今月開所しました障害児通所支援事業所につきましては、重症心身障害児等を対象とすることから、施設のバリアフリーについて事前に十分な打合せを行いましたが、指定手続につきましては、これまでに指定した事業所と大きな違いはなく、スムーズに行うことができたと認識してございます。
次に、重症心身障害児等の事業所に対する支援や誘致についてでございます。
重症心身障害児等を対象とした障害児通所支援事業所におきましては、送迎時に事業所と送迎車それぞれに看護師の配置が必要であることから、区では看護師の人件費に対する補助を行ってございます。
今後も、重症心身障害児や医療的ケア児を対象とした通所支援事業所の支援や誘致をしていく必要があると認識してございまして、他自治体の状況等の情報収集に努めてまいります。
次に、生活介護における報酬改定後の運営状況把握と対策についてでございます。
今年の報酬改定によりまして、これまで1日単位で算定していた給付費が個々の支援時間で算定することとなったため、事業所によっては減収があるということは認識してございます。区としては、全ての障害者施設について四半期ごとに収支報告書の提出により運営状況を把握してございますので、事業者の状況把握に努めながら適切に対応しております。
今後、生活介護事業者に対しまして、適宜ヒアリング等により情報収集も行いまして、必要に応じて国や都に対して要望してまいりたいと考えてございます。
○副議長(木村広一) 以上で黒沢ゆか議員の質問は終わります。
議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後2時55分休憩
午後3時15分開議
○議長(酒井たくや) 会議を再開いたします。
この際、申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。
一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 細 野 かよこ
1 水害対策について
(1)グリーンインフラを取り入れた流域治水について
(2)区民との取り組みの推進について
(3)その他
2 介護保険の持続可能性について
(1)訪問介護について
(2)地域支援事業について
(3)その他
3 放課後等デイサービスについて
4 その他
○議長(酒井たくや) 細野かよこ議員。
〔細野かよこ議員登壇〕
○25番(細野かよこ) 立憲・国民・ネット・無所属議員団の一員として、また中野・生活者ネットワークの一員として質問いたします。
質問は通告どおりですが、2の介護保険の持続可能性について(3)のその他で、ケアラーズカフェについて伺います。
1、水害対策について。
グリーンインフラを取り入れた流域治水について伺います。
市街化が進んだ都市部では、雨水は地面にしみ込まず、舗装された道路を流れて、河川や合流式下水道に集められます。降雨時に下水道の処理能力を超えると、河川に流入して増水し、水害が発生します。
流域治水は、流域全体の保水力を高めることで、雨水の下水道から河川への流出を抑制します。東京都の総合治水対策は、1時間当たり75ミリの降雨に対応することを目標にしており、その内訳は、河川への流入50ミリ、調節池での対応15ミリ、流域で10ミリとしています。
中野区は神田川の上流域に位置しています。この流域は、市街化率97%と国内で最も人口密度が高く、環境負荷の大きい一帯です。中野区で水害を防ぐには、流域の雨水を一気に下水道に流入させないことが肝要です。対策は、流域の下水道台帳にある排水溝、雨水ますとつながるそれぞれの敷地にミニダムを造り、雨水をためる、しみ込ませることです。
まず、ためるために有効なのが雨水タンクです。雨どいと雨水タンクをつなぐことで、屋根に降った雨を貯留できます。ためた雨水は散水、水やり、掃除、災害時にも役立ちます。
23区のうち15区で雨水タンク設置の助成制度があります。東京都には流域対策等強化・推進事業補助金等があり、自治体を通して雨水タンクへの補助を行っています。この事業を活用して、区内全域がミニダム機能を備えるように、雨水タンクの設置を推進してはいかがでしょうか。
次に、雨水をしみ込ませる施設としては、浸透ますがあります。一般に、直径25センチの浸透ます1個で1時間にお風呂1杯分の雨水を地中に浸透することができます。杉並区や練馬区など、一定の要件の下で浸透ますの工事費が助成対象となっている自治体もあります。
当区では、現在、民間建築物の場合、敷地面積300平方メートル以上の建築計画が浸透ますなど雨水流出抑制施設設置指導の対象となっています。2023年度の対象となる建築計画数は71件、うち届出数は48件で、約3分の1が未設置です。東京都流域対策等強化・推進事業補助金は、浸透ますも対象になっています。この補助金を活用して、浸透ます設置の推進を図ってはいかがでしょうか。
中野区は、これまでに1時間当たり100ミリを超える豪雨を経験しています。河川と調節池を増強しても合計65ミリでは万全な水害対策とは言えません。
そこで、私たち生活者ネットワークは、中野区全体で取り組める流域治水に可能性を見出しています。なぜなら、流域治水は、河川沿いの水害リスクのある地域だけではなく、河川から離れている高台でも雨水貯留、浸透に効果的に取り組めるからです。街路樹の育成、緑化・緑地化、レインガーデン、透水性舗装、緑溝など、ためるとしみ込ませるを同時に高める多様なグリーンインフラを適材適所に配置できるのです。
本来、雨は水害をもたらすとともに、自然の恵みでもありました。都市の近代化は、流域をグレーインフラで覆い、雨水を厄介者にしてしまいました。流域治水は、グリーンインフラを用いて水害を抑制し、雨水を再び自然の恵みとして生かす取組です。
中野区都市計画マスタープランでは、「まちを守り、うるおいを生み出すグリーンインフラ」の育成、強化を基本的な都市構造として位置付け、防災・減災、CO2の吸収、景観形成、雨水浸透機能など様々な機能を担っていることが明記されています。中野区でグリーンインフラを進めるためには、防災、まちづくり、環境など関係する部署を横断して取り組まなければなりません。
杉並区は5月20日、グリーンインフラを活用した流域治水を推進するため、専門家との連携協定を締結しました。今後は、学習会の開催やグリーンインフラ推進会議の設置を予定しているそうです。
都市計画マスタープランの方針を推進するためには、当区がまだ実施していないレインガーデンを導入したり、杉並区のグリーンインフラ推進会議のような会議体を設置するなど、グリーンインフラのポテンシャルを高めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
この項の最後に、区民との取組の推進について伺います。
流域治水は、誰もが日々の暮らしの中で取り組めます。例えば、降雨時にバケツなどで雨水をためる、ベランダなどに雨水を貯留する装置を取り付ける、降雨時に不要不急の洗濯や風呂掃除をしない、路上の雨水ますにごみを捨てないなど、いろいろあります。
流域治水は、バケツ1杯でも雨をためようとなるよう、私たちの意識を変え、ライフスタイルを変えることでもあります。一人ひとりにできる取組を周知することで、区民全員参加の治水対策が促されると考えます。流域治水への理解を深める広報や学習会の開催に積極的に取り組んではいかがでしょうか。
中野区は、ほぼ全域が神田川流域にあります。区民生活は、上流自治体の土地利用、暮らし方、水害対策の影響を受けます。同様に、中野区の在り方は、下流域の住民に影響を及ぼします。神田川流域の一員として責任のある雨水対策、流域治水を進めるように求めまして、次の質問に移ります。
2、介護保険の持続可能性について。
(1)訪問介護について伺います。
4月からの介護報酬の改定率はプラスではあるものの、訪問介護においてはマイナスとなりました。住み慣れた自宅で暮らし続けたいという願いを支えるサービスの訪問介護ですが、人材不足は深刻で、ヘルパーの有効求人倍率は15倍を超え、全産業平均との給与格差も開いています。厚生労働省の調査では、訪問介護事業者の4割弱が赤字経営であることも明らかになっており、2023年の訪問介護事業所の倒産は67件と過去最多を更新しました。
こうした中での訪問介護報酬の引下げに対しては、ヘルパーの離職、人手不足を悪化させ、訪問介護事業から撤退する事業者が増加するのではないかとの報道もあります。区内の事業者の方からも、小規模な事業者は潰れてもいいと思っているのではないかなど、厳しい御意見をお聞きしています。団塊の世代が75歳以上になる2025年が来年に迫り、介護ニーズは増えていくのに、このままでは制度はあってもサービスなしになることも懸念されます。
この項の初めに、在宅介護を支える訪問介護の報酬引下げに対する保険者としての区の認識を伺います。
そもそも、国は、施設から在宅へを推進してきました。今回の基本報酬の引下げはこの方針に逆行する政策です。
国は、基本報酬は下げるが処遇改善加算を手厚くするとしています。しかし、小規模事業所では加算要件を満たすのが難しく、加算ありきの介護報酬の設定は、賃金規定の見直しや配分方法の変更など、事業者の事務負担を生じさせます。基本報酬引下げの影響を軽減するためにも、処遇改善加算を取得しやすくするための訪問介護事業者への支援策について伺います。
訪問介護においては、ヘルパーの高齢化も課題です。介護労働安定センターの介護労働実態調査によると、2022年度の介護労働者の平均年齢は50歳で、中でも訪問介護員は54.7歳となっています。2023年に区内の介護事業者を対象に実施された介護人材実態調査の集計結果では、訪問介護を提供している職員を年齢別に見ると、身体介護では50歳代が最も多く、次いで60歳代、40歳代となっています。生活援助においては70歳以上が最も多く、次いで50歳代、60歳代となっており、ヘルパーの高齢化は当区においても例外ではありません。
また、ケアマネジャー不足も深刻です。厚生労働省のシミュレーションでは、2040年までに約8万3,000人の上積みが必要という結果が公表されています。
介護人材の不足が深刻な中で、区独自の施策の検討も視野に入れた人材確保策が必要だと考えます。区の見解を伺います。
3月に策定された第9期介護保険事業計画においては、サービス利用料2割負担の拡大、ケアプランの有料化、要介護1、2の地域支援事業への移行、福祉用具の買取りなど、次期改正に持ち越されたものがあります。私は、第10期の事業計画は、改正の内容によっては介護保険を大きく後退させるものになるのではないかと危惧しています。
介護保険事業計画改定に当たっては、これまで介護保険サービス意向調査、介護人材実態調査が実施されています。しかし、これまでと同じ調査では、人材不足など現状の課題、持ち越された制度改正に対する事業者の実態を把握するには十分ではありません。第10期介護保険事業計画の改定に向けて、これまでの調査では把握できない、より詳細な介護事業所の実態を把握する必要があると考えます。区の見解を伺います。
(2)地域支援事業について伺います。
市区町村が実施する地域支援事業は2005年の制度改正によって創設され、給付費の抑制を図る観点から介護予防事業が導入されました。その後、2011年、2014年の制度改正で、軽度者の介護予防・日常生活支援総合事業、在宅医療・介護連携事業、認知症総合支援事業など、事業が拡大されました。
地域支援事業は、地域包括ケアシステムを推進するために設計されています。地域包括ケアシステムとは、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができる地域の包括的な支援・サービス提供体制のことで、国は2025年の構築を目途にしています。その2025年が来年に迫っています。
まず、地域包括ケアシステムの要素である当区の地域支援事業の現在の到達点と課題について伺います。
地域支援事業は、地域包括ケアシステムの構築に向けて、地域づくりの役割も担っています。地域づくりの一つに、通いの場の活用があると考えます。地域の通いの場を通じて社会参加が促され、顔なじみの関係が生まれることで、見守りのネットワークになることもあるのではないでしょうか。
中野区は、あなたの近くの通いの場マップを作成し、フォーマル、インフォーマルな居場所や介護予防講座などを可視化しています。地域支援事業の対象者である要支援認定者の中には、サービスを利用していない人が要支援1で約4割、要支援2で2割弱います。要支援認定を受けながらサービスを利用していない方々へのフォローアップとして、こうした地域資源につなぐコーディネートを推進してはいかがでしょうか。
当区は、2017年度から介護予防・日常生活支援総合事業を開始しています。要支援1、2の方々へのホームヘルプサービス、通所型サービスはともに、緩和型サービスに比べ従前相当サービスの利用者が圧倒的に多い状況です。地域の多様な担い手を想定した住民主体サービスにおいては、事業を担っているのはシルバー人材センターと高齢者会館、住民団体4団体で、メニューはあるものの、多様な主体が実施しているとは言えない現状です。また、社会参加の促進に必要不可欠な移動支援についてはほとんどありません。
介護予防・日常生活支援総合事業のスタートから7年が経過しました。当初描いた姿に比べて、現状はどのような姿ですか。これまでの総合事業の評価を行い、これからの事業の在り方を利用者、関係機関、事業者とともに考えてみてはいかがでしょうか、伺います。
今や介護サービスを利用する理由の1位は認知症です。今年1月には認知症基本法が施行、3月には中野区認知症施策推進計画が策定され、認知症施策の推進が図られています。中野区が事業主体である地域支援事業を、認知症対応を強化したものに更新していく必要があると考えます。区の見解を伺います。
介護保険の本旨は認定者への介護給付のはずです。本来、必要なサービスを保険で給付するための介護保険に介護予防や総合事業が組み込まれたことには、私は疑問を感じています。制度がスタートしてからもうすぐ四半世紀になる介護保険制度を利用者の尊厳と選択を支える制度にしていけるよう、必要であれば自治体から国に意見を上げていただくことを要望します。
(3)その他で、ケアラーズカフェについて伺います。
先日、認知症の御家族の介護をされている方と一緒にオレンジカフェに参加させていただきました。参加者の中には初参加のケアラーもおられ、雑談などをしながら少し打ち解けてきた頃に、御自分の状況について堰を切ったように話されました。話しても話しても足りない感じで、その方の苦しさが伝わってきました。
ケアラーの参加者同士で対応への工夫などを話されていましたが、帰り際に、介護をしている方と話をしたくて来たんですとおっしゃっていたのが強く心に残っています。私が御一緒したケアラーの方も、経験や悩みを共有できるこうした場はよかったとおっしゃっていました。同じ立場にいるケアラー同士が安心して話ができる場は、今困っているケアラーに対してとても有効なのだと感じました。
オレンジカフェは、介護を受けている御家族と一緒に参加できます。このような場ももちろん必要ですが、御本人を目の前に話せないこともあります。ケアラー支援の一つのメニューとして、身近な地域にケアラーに特化したケアラーズカフェが必要だと考えます。区としての方向性を伺います。
放課後等デイサービスについて伺います。
2024年度は、介護報酬だけでなく障害福祉サービスの報酬改定もありました。全体の改定率はプラス1.2%とされていますが、サービスごとに詳細は異なり、制度の複雑さゆえに課題が見えにくくなっています。
処遇改善については、介護保険同様、加算による改善が前提になっており、これまで3種類あった処遇改善加算が一本化され、加算率が引き上げられています。しかし、サービス報酬への加算は非常に細かくなっており、事務負担の増加や事業計画の見直しが小規模な事業者に大きな負担となっている点は介護保険と同様です。
様々課題がある障害福祉サービスの報酬ですが、今回の改定で導入された時間区分制の影響が大きいのが、生活介護サービスと児童発達支援、放課後等デイサービスです。この中から、放課後等デイサービスについて取り上げ、3点質問します。
旧制度の基本報酬では、授業終了後と学校休業日という単位でしたが、新制度では30分以上という下限が設けられ、時間による3つの区分が設定されました。時間区分の細分化により、子どもの集中できる時間や状態を考慮して手厚い療育を行っていても、時間算定により減算される事業者も想定されます。2024年報酬改定による事業者への今後の影響と区の対応について伺います。
今回の改定では、加算の仕組みも大きく変わっています。報酬改定に伴う事業者からの問合せについてお尋ねしたところ、改定が施行される4月以前から加算の算定の仕方についての問合せなどが入っているということでした。
放課後等デイサービスは改定ごとに制度改正が大きく、事業者はその影響を受けています。子どもたちが安心してサービスを受けられるためにも、事業者の安定した事業の継続は大事な要件です。報酬改定の仕組みや加算項目の内容など、複雑で分かりにくい加算を事業者が取得しやすくするための区の支援について伺います。
今回の改定では、強度行動障害を有する児童への支援の充実も大きなテーマとなっており、これまでの加算の見直しや、新設された加算もあります。
強度行動障害は、自傷行動や他害、物損、危険な場所に飛び出す、登る、大声で叫ぶなど、周囲の人に影響を及ぼす行動が高い頻度で起きるため、専門的な支援が求められます。
当区では、現在、強度行動障害の加算を取っている事業者、申請中の事業者はなく、受給者証を取得しているお子さんもいないと聞いていますが、区内の事業者の方からは、強度行動障害のお子さんの受入れ先がなく大変お困りの保護者の方から相談を受けましたというお話を聞きました。
困っているのに福祉サービスにつながっていない子どもたちを早期に発見し、必要な支援につなぐために、学校や様々な相談窓口、関係機関との連携の強化とともに、事業者が強度行動障害の子どもを受け入れるための環境整備が必要だと考えます。区の見解を伺いまして、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 細野議員の御質問にお答えいたします。
私からは、水害対策について。
初めに、都補助を活用した雨水タンク設置の推進についてでございます。
雨水タンクを設置することによって、建物の屋根に降る雨を集めて、ためた雨水を樹木への散水、トイレの洗浄水などに利用できるほか、災害時の雨水利用にも役立てることができ、貴重な水資源の節約になります。また、雨水タンクの設置が進むことによって、多量の雨水を一時的にタンクにためておくことができ、ゲリラ豪雨による都市型洪水の発生防止にも寄与できます。
このように、雨水タンクの設置は環境に優しく、水害リスクの軽減にもつながるため、都からの補助の活用も含め、補助メニューの一つに加えることを検討したいと考えております。
次に、雨水流出抑制施設の補助金活用についてです。
雨水流出抑制施設に関しては、指導要綱に基づいて、建築主に対し雨水を貯留する施設や地下に浸透させる施設を設置するよう協力を求めていることで、一定の効果が上がっていると認識をしております。より一層の雨水流出抑制施設設置に向け、今後も建築主への情報提供及び指導を積極的に働きかけるとともに、補助金等の活用についても検討してまいります。
次に、グリーンインフラの取組推進についてです。
中野区都市計画マスタープランでは、中野区の基本的な都市構造として、「まちを守り、うるおいを生み出すグリーンインフラ」の育成、強化を図ることとしております。他自治体の事例等も参考にしつつ、中野の町に適したグリーンインフラの取組を推進してまいります。
最後に、区民一人ひとりの取組についてでございます。
区は、ホームページや中野区民防災ハンドブック等において、各家庭での浸水対策を周知しているほか、水防訓練の際にも住宅浸水対策広報を展示して啓発を行っております。今後も、各種防災訓練や水防訓練等において、流域治水に対する取組を区民一人ひとりが理解し、行動に移せるように働きかけてまいります。
〔地域包括ケア推進担当部長石井大輔登壇〕
○地域包括ケア推進担当部長(石井大輔) 私からは、介護保険の持続可能性についての御質問にお答えいたします。
まず、訪問介護についてでございます。
訪問介護の報酬改定について。
今回の報酬改定においては、介護職員の処遇改善に係る加算が一本化され、加算率の引上げが図られております。また、訪問介護サービスについては基本報酬が下がった一方で、処遇改善加算については高い加算率が設定をされております。新たな処遇改善加算により、介護職員の処遇改善が図られ、人材確保や事業所の運営にも資するものと認識しております。
次に、処遇改善加算の取得支援についてでございます。
新たな処遇改善加算では、加算の一本化、申請様式の簡素化、運用の柔軟化が図られており、国、都で動画作成、都による無料電話相談、訪問アドバイスなども実施されております。区では、ホームページや区内介護サービス事業所専用サイト等による周知や説明、情報提供を行っているほか、区の指定事業所に対し、今後、申請状況に応じて個別に状況把握、情報提供を行ってまいります。
次に、人材確保策についてでございます。
人材の育成、定着や確保を支援するため、介護サービス事業所の職員を対象とした研修や資格取得の補助、借り上げ住宅の補助などを行っております。また、介護人材の裾野を広げ、事業所とマッチングを行うため、介護に関する入門的研修及び区内事業所の就職相談会を実施しております。今後、国や都との役割分担も踏まえながら、区としての支援策を検討してまいります。
次に、第10期介護保険事業計画に向けた実態把握についてでございます。
介護保険事業計画の策定に向けた各種調査は、介護需要、サービス量の見込み、保険料水準等の推計のため、また、国の制度改正等に反映されるため、国から示される指針等も踏まえて実施をしております。各種調査による実態把握とともに、健康福祉審議会や意見交換など様々な機会を通じて事業所の状況の把握を行ってまいります。
次に、地域支援事業の質問にお答えいたします。
地域支援事業の現状と課題でございます。
地域支援事業は、住み慣れた地域で自立した生活を継続することを目標に、高齢者会館における一般介護予防事業など、多くの高齢者が利用し、高齢期の生きがい、健康づくりを支えてきたところでございます。一方、健康への関心が薄かったり、虚弱であるためにサービス利用に結びつかない人もいることから、事業やアプローチ方法の見直しを行っていく考えでございます。
次に、要支援認定でサービス利用がない人への支援についてでございます。
要支援認定は受けておりますけれども介護サービスを利用していない状態の人に対して、地域包括支援センター職員が介護予防ケアマネジメントを行っております。個人のニーズに応じて、介護予防事業の利用や地域の通いの場につながるようコーディネートしており、今後も推進してまいります。
次に、介護予防・日常生活支援総合事業でございます。
介護予防・日常生活支援事業は多くの利用者がつながっておりますけれども、虚弱の人が通える場が少ないと認識しております。要介護への移行を防ぎ、自立した生活への有効な支援となるよう、利用者、ケアマネジャー、事業者の声を聞きながら事業の在り方を検討してまいります。
次に、認知症に対応した地域支援事業についてでございます。
地域支援事業は、認知症予防や軽度認知障害の人に対応するプログラムを増やし、展開してきたところでございまして、今後も、利用者のニーズをつかみながら事業改善に取り組んでまいります。
次に、その他、ケアラーズカフェについての御質問です。
身近な地域でケアラー同士が経験や悩みを共有できる場は、ケアラー支援において必要であると考えております。現在活動しているケアラーズカフェの状況を集約し、必要とする人への情報提供、カフェ間のネットワークづくり、立ち上げ支援を検討してまいります。
〔健康福祉部長杉本兼太郎登壇〕
○健康福祉部長(杉本兼太郎) 私からは、放課後等デイサービスについての御質問にお答えいたします。
まず、報酬改定による事業所への影響と対応についてでございます。
今年の障害福祉サービスの報酬改定では、事業所への評価を適切に行うための加算の新設や見直しが図られてきましたが、これまでに事業所から報酬改定によって事業継続に大きな影響があるといった報告や相談は受けておりません。
今後、事業者から報酬改定による影響について聞き取り等を行うとともに、問合せや相談にも適宜対応し、適切に指導してまいります。
次に、改定の仕組みや加算内容の周知についてでございます。
区はこれまでも、強度行動障害の加算に関する事業者からの問合せに対応してまいりましたが、今後も分かりやすく説明し、有益な情報提供を行っていくとともに、障害児通所支援事業所研修会等も活用し、周知に努めてまいります。
現在、区立施設では強度行動障害の子どもを受け入れる体制が整っておりますが、引き続き民間事業所の受入れ先の確保に努めてまいります。
次に、関係機関との連携強化と環境整備についてでございます。
障害福祉サービスにつながっていない子どもたちや強度行動障害の子どもたちを発見した機関が、身近な相談窓口であるすこやか福祉センターや学校等の関係機関と連携し、適切な支援に結びつけ、子どもの障害や特性に応じた総合的な支援を行っていく必要があると考えております。
今後は、さらに各関係機関が強度行動障害への理解を深め、情報共有することで、地域で子どもを支援するための環境整備に努めてまいります。
○議長(酒井たくや) 以上で細野かよこ議員の質問は終わります。
中野区議会議員 大 内 しんご
1 西武新宿線連続立体交差事業と沼袋区画街路第4号線沿道まちづくりの進捗状況について
2 小中学校の改築について
(1)建設費について
(2)北原小学校の建て替え計画について
3 旧沼袋小学校プールを活用した釣り堀、「みんなのぬまぼり」について
4 地域包括ケアについて
(1)医療・介護提供体制について
(2)在宅医療の体制について
(3)認知症総合支援事業について
(4)孤独・孤立対策推進法について
5 その他
○議長(酒井たくや) 次に、大内しんご議員。
〔大内しんご議員登壇〕
○29番(大内しんご) 令和6年6月14日定例会におきまして、自由民主党議員団の立場から質問をいたします。
最初に、西武新宿線連続立体交差事業と沼袋区画街路第4号線沿道まちづくりの進捗状況について質問をいたします。
西武新宿線連続立体交差事業は、東京都が事業主体となり、中野区と西武鉄道が連携し、西武新宿線の中井駅付近から野方駅付近までの約2.4キロについて、鉄道を地下化し、道路と鉄道を連続に立体化する計画です。
この事業は、平成23年8月に都市計画を決定し、平成25年4月に事業認可を受け、令和2年完成を目途に工事を進めていましたが、令和2年4月の事業認可変更により工事完了期間を延長し、令和8年度末までとしました。
しかし、現段階では、連立事業の進捗、また関連する区の事業の進捗がなかなか見えません。連立事業は東京都が事業主体でありますが、区としても事業の工事等の進捗状況については東京都と共有し、連立事業と区が進めている駅周辺のまちづくりを連携させながら事業を実施していく必要があります。
そこで、改めて、中井駅―野方駅区間の連立事業の令和8年度末完了予定の見通しと、現在の連立事業に関する用地取得状況や工事の実施状況を含めた事業の進捗について伺います。
次に、区画街路第4号線整備及び沼袋駅前地区まちづくりの進捗状況についてもお聞きをいたします。
区は、連立事業と連携しながら関連する事業を推進しています。沼袋駅では、区画街路第4号線の街路整備に向けた用地取得及び駅北側の駅前地区まちづくりを進めています。地域の方からも整備に対する関心が高い事業ですが、区画街路第4号線整備における現在の用地取得状況及び沼袋駅前地区まちづくりの進捗状況について伺います。
次に、野方以西の連立事業の都への働きかけについてですが、区長は昨年11月の知事との意見交換の場において、現在整備中の中井駅―野方駅間の連続立体交差事業の着実な事業推進と、野方以西の早期事業化について要望し、本年1月には期成同盟とともに東京都への要請活動を実施しています。また、本年3月には西武鉄道に対して同じく要請活動を行いました。
西武新宿線野方以西の連立事業を推進していくためには、期成同盟や区議会とともに令和6年度もこの活動を継続し、早期完成に向けて都知事を含め都議会各会派にも要請活動を実施していく必要があると考えます。区長の認識を伺います。
次に、小・中学校の改築について質問をいたします。
最初に、建設費についてお尋ねをいたします。
中野区においては、現在、第2次中野区立小中学校施設整備計画を策定し、学校の改築を進めていますが、近年、区が改築している小・中学校は延べ床面積が8,000平米を上回ることが多く、区有施設の中では大規模施設であり、その建設費も多額になり、区財政に与える影響も大きいと思います。
そこで、伺います。現在の区の区有施設整備計画において、1校当たりの平均建設費を幾らと計算しているのか、お聞きをいたします。
また、区有施設整備計画は令和3年の計画であり、それから毎年のように建築経費が上昇していますが、令和6年度予算から建築工事費を計上している平和の森小学校のトータルの建設工事費は幾らになっていますか、お聞きをいたします。
このような状況の中、建築工事費が毎年増加していますが、区の継続的な財政には基金の活用が必要です。しかし、令和6年度予算を見ると、約70億円という多額の建築工事費が計上されていますが、義務教育施設整備基金の積立ては僅かです。義務教育施設整備基金の令和6年度末の残高は幾らになっているのでしょうか。また、区として、今後の建設費についての考えを伺います。
令和6年度予算で計上している小・中学校改築校は、実に南台小学校、明和中学校、中野本郷小学校、平和の森小学校の4校であり、計画や設計中の学校も北原小学校、桃園第二小学校、第七中学校の3校が進行中であります。今後も改築校が続いていくと思われますが、区は今後10年間で何校の建設を行う予定でしょうか。
小・中学校の改築に関し、普通教室や特別教室の大きさ、部屋数など、中野区としての学校改築の基準となる仕様があると思います。もちろん、区内の学校でも学校用地の広さや形、様々な立地条件にも違いが見られ、一概には同じ基準が当てはまらないと思います。
例えば、先日見学した鷺の杜小学校では、子どもたちが学習する1教室分はあろうかという校長室がありました。今後も改築予定の学校では一律同じ広さを確保するのでしょうか。建設する学校の条件が様々違う中、教室や校庭を一律同じようにしようとしていますが、区はどのような考えをお持ちなのか、伺います。
また、改築校に関して、人工芝、一足制になぜ固執しているのでしょうか。真夏の人工芝は物すごく熱くなり、遊ぶことができないなどの報告は来ていないでしょうか。問題となっていることへの区の対策などを伺います。
2、北原小学校の建て替え計画について伺います。
区は、学校改築に際し、町会やPTAの方々を委員とし改築推進委員会をつくり、改築の準備を進めています。
私の地元、北原小学校でも改築推進委員会がつくられ、今、基本計画が進んでいます。当然、地域からは新しい学校について様々な考えや意見が出ています。夏季のプール授業について、昨今の気温上昇についてプールの日射対策を行ってほしいなどといった意見も出ています。
北原小学校の校庭は、地域で唯一災害時に指定されている避難場所であり、様々なイベントができる大きなスペースです。町会と商店街で開催する盆踊りや防災訓練、今年は地区まつりの開会式を行う予定です。このように地域のイベント、地域の催しが開催できる貴重なスペースです。
改築後の校庭について、現在、区は人工芝を予定しているということですが、地域と子どもたちとつながりをつくる地域のイベントが、開催に支障が出るなら、人工芝にこだわらなくてもよいのではないかと地域の方々は心配しています。
昨日の本会議でも、教育長は、学校は地域とともにあると述べています。地域の方たちも、学校は地域とともにある、地域で子どもを守ると話合いをしています。北原小学校改築について、教育委員会は、当然、保護者や先生方、地域からの意見をよく聞いて、立地条件を考え改築を進めていく考えであると思いますが、改めて伺います。
その他の項で、ここで質問をいたします。
昨年の夏は暑い日が続き、通学時間が長い小・中学校に通う児童・生徒にとっては大変な思いだったと思います。学校に早く行き、クールダウンしてから授業に臨めばよいと口で言うのは簡単だと思います。再編になり、通学時間が大幅に伸び、新たに4月から約1.6キロの道のりを通学する児童、特に小学校低学年の児童にとっては、保護者の方からも心配の声が届いています。
今日も猛暑日になりました。教育委員会として、緊急の課題としてどのような対策を考えているのでしょうか、お尋ねをいたします。
次に、学校再編計画の検証ですが、今年度、966万円余の委託費が予算に計上されています。昨年度の第4回定例会常任委員会において様々な意見を申し上げたところですが、現在、検証委託はどのような内容で進められているのでしょうか、お尋ねをいたします。
三つ目に、「みんなのぬまぼり」の質問をいたします。
平成29年から、旧沼袋小学校のプールを利用した釣堀がオープンしました。沼袋小学校と丸山小学校が統合された後、沼袋小学校跡地にあったプールを活用した釣堀です。東京都の補助金を活用して、魚や釣り具、餌、エアーポンプ、子ども用の救命具などを購入して始まりました。運営は地元町会である沼袋区民活動センターと野方区民活動センター管内の町会が持ち回りで担当し、主に6月から10月頃までの日曜日の午前中に開園をしていました。
子どもと70歳以上の方は無料で参加できます。当初から人気があり、あっという間に会場の定員100人がいっぱいになり、時間で入替え制にするなど、大勢の皆さんに愛されてきました。先日の4月に行われた中野区新庁舎の落成式のビデオ映像にも、中野区のイベントの一つとして取り上げられていました。これだけ多くの方が利用し、楽しんでいただける「みんなのぬまぼり」を、今後、旧沼袋小学校の改築でプールがなくなるまで大切にしていきたいと考えています。
しかし、ここ数年は新型コロナの影響から、以前のように開催、実施できていません。過去に3回ほどのプールの水の入替えを行っていただき、感謝を申し上げますが、今年は、春から開設の予定が、昨年夏の猛暑による水質の悪化や、鳥が魚を食べてしまうなどの被害により、冬の間に多くの魚が減ってしまい、秋からの短い期間の開園予定となっております。
小さいお子さんがお父さんやお母さん、おじいちゃんと一緒に釣りをしている姿はすばらしいものです。区も新庁舎の落成式において、先ほども述べましたけれども、PR動画に使用するほど、面白い有意義なイベントと認めています。
水質浄化や、鳥から魚を守る工夫など、町会活動のボランティア活動だけでは対応できない部分も出てきました。今後、区として、この事業が続けられるよう何かしら手助けできると思います。区のお考えをお聞きいたします。
四つ目に、地域包括ケアについて質問をいたします。
区では、平成29年、2017年3月、団塊の世代が後期高齢者となる令和7年、2025年を見据え、将来にわたり持続可能な地域包括ケアシステムの構築を目指し、中野区地域包括ケアシステム推進プランを策定しました。10年という計画期間の前半で、まず、喫緊の課題である高齢者への対策を行い、後半では、子どもと子育て家庭、障害のある方など全ての人に対するプランを策定するものでした。
しかし、令和元年、新型コロナウイルス感染拡大により、地域包括ケアの多くの取組も中止、縮小、延期などを余儀なくされ、地域活動の再開と継続が大きな課題となったほか、雇用情勢も大きく変化し、社会的孤立や孤独に苦しむ人が増えたりするなど、新たな課題に対する支援も求められています。
最初に、医療・介護提供体制についてお聞きをいたします。
高齢者人口の増加に伴い、医療・介護サービスの需要が高まるが、資源には限りがあります。医療と介護の資源が有効に活用できるよう、多職種連携の推進が必要です。そのような状況から、在宅医療を今後進める必要があります。
2022年健康福祉に関する意識調査から、「長期療養が必要になった場合の生活」の質問に、「医療機関や施設に入院・入所したい」と回答した人が38.4%。「可能な限り自宅や実家で過ごしたい」と回答した人の36.4%より上回っているなど、区民の在宅療養に対する周知や理解の促進は十分でないと推測されます。
団塊ジュニア世代が65歳以上となる令和22年には、高齢者人口、特に85歳以上の人口の割合が上昇し、医療・介護サービスの需要がさらに高まっていくことが予想されています。病院、施設の定員数の増加が見込めない中で、医療や介護が必要な状態になっても住み慣れた地域で尊厳を保って最後まで生活できるよう、医療・介護の体制づくりに中野区ではどのように取り組んでいるのか、お尋ねをいたします。
二番目に、在宅医療の体制について質問いたします。
在宅医療を継続するためには、急な病状悪化のときに対応できる医療体制が必要です。地域の医療機関がかかりつけ医の場合、受入れ病院の確保に難航する場合があります。
区民が安心して在宅医療を選択できるように、身近な地域で必要な医療を受けられる医療体制が必要と考えますが、在宅医療を必要とする高齢者や家族等の介護者が安心して療養生活を送ることができるよう、状態の変化に応じ、24時間365日切れ目なく適切な医療を受けられるように、区はどのような体制をしいているのか、伺います。
三番目に、認知症総合支援事業について伺います。
認知症有病者の推計は、2014年には9,363人であった有病者数が、2030年には1万3,174人となると予測され、20年間で約4,000人が増加することが見込まれています。
認知症に関する相談体制の充実が認知症の人やその家族支援への大切な基盤であり、地域包括支援センター等の認知症の相談窓口の周知、支援者の対応力の向上、医療や介護など多様な関係機関との連携を充実させていくことが必要であり、区の認知症相談支援体制の強化が必要です。区の取組や今後の方向性についてお聞きをいたします。
最後に、孤独・孤立対策推進法について質問いたします。
日常生活もしくは社会生活において孤独を覚えることにより、または社会から孤立していることにより心身に有害な影響を受けている状態にある人への支援などに対する取組も大切です。
単身高齢者の増加や、新型コロナウイルスの感染拡大などにより、孤独・孤立の状態は顕在化しており、大きな社会問題となっています。令和6年4月、孤独・孤立対策推進法が施行されました。区としての現在の孤独・孤立対策と今後の取組の方向性について伺います。
以上で全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 大内議員の御質問にお答えいたします。
私からは、まず、西武新宿線連続立体交差事業と沼袋区画街路第4号線沿道まちづくりの進捗状況についてで、初めに、現認可区間、中井駅―野方駅間の連立事業の進捗についてでございます。
西武新宿線中井駅から野方駅間の連続立体交差事業は、事業主体である東京都が国の認可を受け、中野区及び西武鉄道株式会社と連携の下、事業を進めております。
用地の取得率は令和6年2月現在において、面積ベースで約99%に達しております。また、工事の実施状況につきましては、新井薬師前、沼袋の各駅部や中井駅、野方駅への取付け部において、主に掘削工事や土留め工事を行っているほか、妙正寺川との交差部において、主に地盤改良工事等を実施している状況であります。東京都からは、事業期間である令和9年3月までの完了に向けて現在取り組んでいると聞いております。
次に、区画街路第4号線及び沼袋駅前地区まちづくりの進捗についてです。
区画街路第4号線の3月末時点における用地取得の進捗率は、面積ベースでは約40%でありまして、画地ベースでは約32%となっております。
また、沼袋駅前地区のまちづくりについては、生活拠点にふさわしい機能を持つ新たな駅前拠点空間を創出するため、地元地権者等により組成された勉強会において、区画街路第4号線沿道のにぎわい再生と連携したまちづくり整備方針の検討を進めているところであります。
次に、野方以西の連立事業の都への働きかけについてでございます。
西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟、この決起大会につきましては、開かずの踏切の一日も早い解消とよりよいまちづくりを推進するため、本年も8月26日に開催するとともに、引き続き、国や東京都、鉄道事業者に対して要請活動を実施していくこととしております。また、要請活動につきましては、これからもあらゆる機会を活用し、東京都や都議会、各関係機関等に対して働きかけを行ってまいります。
続きまして、小・中学校の改築についてで、まず、小・中学校1校当たりの更新経費についてでございます。
中野区区有施設整備計画において、小・中学校1校当たりの建て替えに係る更新経費は52億円として試算をしているところでございます。
続きまして、義務教育施設整備基金、現在高と建設費の見込みについてです。
令和6年度当初予算における義務教育施設整備基金の令和6年度末見込み額は約126億円となっております。学校施設の整備費用については年々高騰しておりまして、今後もこの状況は続くと想定をしているところであります。
次に、旧沼袋小学校プールを活用した釣り堀「みんなのぬまぼり」への支援についてでございます。
旧沼袋小学校プールを活用した「みんなのぬまぼり」は、町会をはじめ地域住民によって支えられ、有意義な事業として継続的に実施されてきたと認識をしているところであります。まずは、実施上の課題を把握し、どのような支援が可能であるか検討してまいります。
〔教育長田代雅規登壇〕
○教育長(田代雅規) 私のほうからは、御質問の中から、小中学校の改築について回答させていただきます。
まず最初の、平和の森小学校の建設費についてですが、平和の森小学校建設については、建築、電気、機械工事等合わせておよそ90億円を見込んでおります。
続きまして、今後10年間で予定している改築校についてですが、現中野区立小中学校施設整備計画において予定している今後の10年間の改築校については、9校を予定してございます。
三つ目の御質問です。学校建設の標準仕様についてです。
良質な教育環境を全ての学校に確実に確保していくため、学校間における教育環境の格差をできる限り生じさせないようにすることが重要であると考えており、一定の施設規模と教室や管理諸室の構成等を標準仕様として設定し、設計を進めているところであります。
四つ目の、人工芝の課題と対策についてです。
人工芝の校庭については、真夏の時期について校庭表面が熱くなることや、火気の使用が難しいことから、地域のイベントに制約が出るとの意見が寄せられております。対策として、メーカーからは散水による対応が推奨されており、現在、スプリンクラーなどの設置を検討しております。地域イベントの開催については、火気の使用を想定したスペースを校庭の周囲に確保することなど検討しているところでございます。
次に、北原小学校改築に係る地域意見の尊重についてでございます。
学校改築に関しては、可能な限り地域の意見を尊重しつつ、よりよい教育環境を実現していきたいと考えております。
続きまして、登下校時の熱中症対策についてでございます。
学校においては、水筒の持参、帽子や涼しい服装の着用を推奨するとともに、日傘やネッククーラーなどの熱中症対策グッズの利用を認めております。また、学校によっては、コンビニ等の施設などの地域の協力を得て、困ったときに立ち寄れる施設の場所を設けております。今後、さらなる熱中症対策の取組を進めていきたいと考えております。
最後の質問ですけれども、再編検証の進捗状況についてでございます。
区立小・中学校の再編の検証は、再編計画で示した基本的な考え方の達成状況や教育効果、学校運営の視点などから、再編による効果、課題を明らかにすることを目的にしております。このため、再編検証の委託には、再編計画の達成度を図るため、再編前後のデータ調査や教育効果などを図るためのアンケート調査を予定しており、検証事項やアンケート概要については定例会で報告することを考えております。
〔地域包括ケア推進担当部長石井大輔登壇〕
○地域包括ケア推進担当部長(石井大輔) 私からは、地域包括ケアについての御質問にお答えいたします。
まず、医療・介護の体制づくりについての御質問です。
地域包括ケアシステムは、医療・介護の連携体制によって高齢者の在宅生活を支える仕組みでございまして、これまでに地域ケア会議や現場レベルでの連携、協働を通じて体制づくりに取り組んでまいりました。
現場レベルの例として、高齢者が在宅療養する際には、医療機関や地域包括支援センター、介護事業所などの間でそれぞれの役割を確認し、よりよい在宅生活となるよう調整を図るといった取組を行っております。
次に、在宅医療の体制についての御質問です。
在宅で療養する区民の容体の悪化または急変により主治医が緊急入院を必要と判断した場合、円滑に入院治療が受けられるよう、緊急一時入院病床確保事業により区内の医療機関と連携し、病床を確保しております。また、在宅療養相談窓口では、24時間対応の在宅医療を提供している地域の在宅療養支援診療所についての情報提供や利用調整を行っております。
次に、認知症総合支援事業についての御質問です。
認知症や軽度認知障害は早期発見、早期対応が必要であり、区では、認知症初期集中支援チームを設置し、認知症疾患医療センターや認知症アドバイザー医と連携し、認知症の早期診断、必要な支援につながるよう働きかけております。
また、令和4年度から物忘れ検診を開始し、受診者も増えておりますけれども、受診後のフォロー体制が課題となっており、相談支援体制の強化に向けた検討を進めてまいります。
次に、区の孤独・孤立対策と今後についての御質問です。
区では、内閣府の孤独・孤立対策に関する地域連携推進モデル調査事業に採択されたことから、国の伴走支援を受けながら孤独・孤立対策官民連携プラットフォームの整備や、孤独・孤立対策に取り組む考えでございます。
これまで単身世帯の高齢者の見守りやひきこもり支援などに取り組んでまいりましたが、今後は、この事業を活用しながら、望まない孤独や社会的孤立にある人への支援施策の検討を進めてまいります。
〔大内しんご議員登壇〕
○29番(大内しんご) 再質問させていただきます。
教育長が各学校を標準化することをいつも強調している。しかし、標準化するには、全ての学校を同じ広さ、同じ容積率、ある程度そういった面積がないと同じものはできないと思います。
先ほど述べたように、鷺の杜小学校は中学校の跡地ということで非常に広い容積率、建蔽率が取れたということで、校長室も立派な部屋が取れて、それはそれでいいと思うんですけれども、必ずしもそれが全ての標準かというと、子どもたちの教室が逆に狭くなってしまうのではないかと心配もします。
ですから、むしろそれをするんだったら、学校の用地をどんどん取得していくんですか、土地を。広げていくんですか。隣接地が出た場合は、先日桃園第二小学校で買ったという例はありますけれども、そういって買っていく気はあるんですか。多分それはないと思うんですよね。そんなお金はない。その答えは聞きませんけれども、それは難しいと思います。
そうなると、各学校に合った、特色に合った、地域性に合ったものをつくっていくということが次の課題になっていく。何でもかんでも同じものを持っていくということではないと思います。ですので、それをもう一度、地域性に合ったものをつくっていく。それはもう、立地条件あるいは地域性によって仕方ない話であって、同じものを全部、全てつくっていくというよりも、地域に合ったものを。
教育と地域のつながりを大切にしていきたい、これは教育長の言葉ですから。その言葉から考えると、やはり何でもかんでも同じものを押しつけるということ、これから10年、20年ずっと今の教育委員会の考え方が続くとは思えませんし、もう一度そこのところを新しく教育長になられた田代さんに、地域に合った学校をこれから建設していく、それぞれの特性を生かしたものをつくっていくという考えがもしおありでしたら、改めてお答えを聞きたいと思いますので、よろしくお願いします。
〔教育長田代雅規登壇〕
○教育長(田代雅規) 改めまして、回答させていただきます。
当然、学校用地の広さも違いますし、置かれた環境、それから生徒数等も関係してくると思いますので、そういう学校の状況も踏まえながら、ただ、学校として必要な施設等はあると思いますので、その大きさ等を全て同じにするということはなかなか厳しいものがあると思いますので、その学校の特色も考慮しながら考えていきたいと思っております。
○議長(酒井たくや) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。
中野区議会議員 久 保 り か
1 資源回収事業について
2 包括連携協定について
3 鷺ノ宮駅周辺のまちづくりについて
(1)鷺宮小学校跡地活用について
(2)公社鷺宮西住宅一帯のまちづくりについて
4 保育事業の充実について
5 困難な問題を抱える女性支援について
6 ケアラー支援について
7 その他
○議長(酒井たくや) 次に、久保りか議員。
〔久保りか議員登壇〕
○34番(久保りか) 令和6年第2回定例会に当たり、公明党議員団の立場で一般質問を行います。
区長、教育長、理事者の皆様には明快な御答弁をお願いいたします。質問は、通告どおり、その他で1点伺います。
1番、資源回収事業について伺います。
令和6年4月より、中野区では、これまで回収していたプラスチック製容器包装にプラスチックだけでできた製品を加え、資源プラスチックとして回収することに事業が見直されました。
公明党議員団として、4月30日、資源回収の状況を視察させていただきました。その際、現場で課題であると認識した事柄を中心に質問させていただきます。
初めに、資源回収時に混入する危険物についてお聞きします。
近年、リチウムイオン電池は多くの電気製品に使われており、日常生活に欠かせないものとなっています。一方で、粗大ごみ、不燃ごみを処理する一般廃棄物処理施設やリサイクル施設での火災等の影響を及ぼしています。公明党議員団がプラスチック資源回収事業を視察した際にも、リチウムイオン電池の混入が多くあることを確認しました。
しかし、燃やすごみ、資源プラスチック回収時のリチウムイオン電池混入による被害や危険性は、区民にはあまり知られていません。イヤホンや電子タバコ機器など、区民にとって身近な小型家電にもリチウムイオン電池は使用されており、製品をそのまま燃やすごみや資源回収時に捨てることが出火の原因にもなり得ることを広く区民に周知すべきではないかと考えます。お考えを伺います。
区では、令和6年度からリチウムイオン電池の回収を試行的に実施されているとのことです。リチウムイオン電池の回収に当たっては、東京都の財政支援であるリチウムイオン電池等の再資源化・適正処理推進、区市町村への補助制度を活用すべきと考えます。区の見解を求めます。
中野区新庁舎では、区民向けエレベーター前に新たにリサイクルステーションが設置されています。リサイクルステーションの利用状況や設置の効果についてどのように評価をされているのか、また、他の区有施設にもリサイクルステーションを計画的に設置していくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
次に、ペットの糖尿病インシュリン注射針の混入について伺います。
近年、ペットの高齢化などに伴い、糖尿病治療のためのペット用インシュリン注射の注射針が混入し、針刺し事故が起きている事例が増加していることを視察時にも確認しました。作業員が針刺しの被害に遭い、3年間検査を受けなければならないケースもあります。
ペットの治療のための注射針混入について、実態を調査し、獣医師会などと連携し、的確な回収方法を示す必要があります。お考えをお聞きします。
また、ペットの飼い主に対しても、注射針をごみ収集や資源回収時に排出することのないよう、注意喚起を行う必要があると考えます。御見解を伺います。
次に、区内で暮らす外国人への資源回収の周知について伺います。
中野区内で暮らす外国人は増加傾向にあります。外国人が地域住民とトラブルなく暮らしていくためにも、ごみや資源の回収ルールに理解を求めることは非常に重要であると考えます。また、この点にフォーカスし、地域住民とのコミュニティの促進や多文化共生に取り組む必要があるのではないでしょうか。
転入時の手続の際に、資源とごみの分け方、出し方の多言語版のリーフレットをお渡ししています。例えば、易しい日本語による分かりやすい動画を作成し、リーフレットに反映し、ごみの捨て方や資源回収についてお知らせすべきと考えます。いかがでしょうか、伺います。
鷺宮都営住宅、公社鷺宮西住宅など外国人が多く居住する大規模な集合住宅を対象に、自治会にも協力を依頼し、コミュニティを重視した分別対策を実施すべきではないでしょうか。保育園などで行っている易しい日本語による説明を行い、清掃職員の指導によるごみ分別作業を一緒に行うことも検討してはどうかと考えます。また、その際、住民への周知に中野区国際交流協会やインクルーシブ社会を目指し活動している団体の協力を仰ぎ、多言語による周知を行うことも効果的であると考えます。コミュニティを重視した外国人のごみ分別を推進することについて、区の見解を求めます。
多文化共生の担当、ごみゼロ推進担当が協力し、資源の回収を通じてお互いの生活習慣や文化の違いを知る機会として、ワークショップなどを開催すべきではないでしょうか。資源回収という事業を軸に中野で暮らす外国人との関わりを考えることで、多文化共生が大きく進むと考えます。区の見解を求めます。
2番、包括連携協定について伺います。
令和6年4月より、中野区内のセブン‐イレブン47店舗にAEDが設置されました。セブン‐イレブン・ジャパンと中野区との包括連携協定に基づくもので、区民の命を守るための観点から、非常に効果的な事業であると考えます。
セブン‐イレブンにAEDがあり、いざというときには活用できることは、地域住民にとって非常に心強いことです。しかし、区民への周知は十分ではありません。直ちに区報、ホームページ等での区民に対する積極的な周知を行うべきと考えます。伺います。
一方、AEDが活用できたとしても、心肺蘇生が実施されなければ人命救助につながらないおそれがあります。いざというときにAEDをスムーズに利用できるように、AEDの利用と心肺蘇生を理解するための応急手当指導を受講することをセブン‐イレブン側に協力を求めるとともに、区民に対して応急手当指導の重要性を訴え、機会を増やしていくことも必要ではないでしょうか。区役所新庁舎内での区民向け普通救命講習会の実施なども検討されてはいかがでしょうか、伺います。
これまで中野区では、セブン‐イレブン・ジャパンとの包括連携協定をはじめ、多様な企業との包括連携協定を進めています。区民サービスの向上に資する包括連携協定には今後も期待が持てます。既に、夏の熱中症対策として、学校関係者への講習や高齢者会館の涼みどころでのアドバイザー講座などに協力をしている企業もあると聞いています。
ほかにも、災害時や非常時の栄養食供給、女性の健康支援など、区民の健康や生活を守る多様な視点での協力に期待が持てます。区民の健康維持、増進に資する活動に取り組む企業との包括連携協定の締結を急ぐべきではないかと考えます。御所見を伺います。
この項の最後に、包括連携協定のガイドライン策定について伺います。
区では、部を横断的にまたがる事業を視野に入れた包括連携協定、部ごとの特性を生かしたパートナーシップ協定などが締結されています。
これまで、「民間事業者等との包括的な連携の推進に係る考え方」は示されましたが、協定を締結する際の基準などを明確にするためにも、包括連携協定ガイドラインを策定すべきではないかと考えます。
見解を求めます。
3番、鷺宮地域のまちづくりについて伺います。
初めに、鷺宮小学校跡地活用について伺います。
令和5年度末に鷺宮小学校、西中野小学校が統合し、中野区学校再編計画としては最後の統合新校となる鷺の杜小学校が開校しました。
閉校後、鷺宮小学校の跡地については、東京都立中野特別支援学校が建て替え時の体育施設として使用することになっていましたが、その計画は見直され、現在は区立かみさぎ幼稚園の建て替え仮園舎の計画のみとなっています。
これまでも度々確認してきたところですが、鷺宮小学校跡地の地域利用についての基本的な考え方を伺います。
地域の主要行事である鷺宮商明会主催の盆踊り、町会の餅つき、避難所運営、地域スポーツ団体による校庭、体育館の利用など、これまで地域団体の利用が認められている事業について、継続的に利用できるようにすべきと考えます。お考えを伺います。
鷺宮小学校跡地の活用については、すこやか福祉センター、地域事務所、区民活動センター、図書館機能などの複合施設との方針が示されています。加えて、地域要望でもある子育て関連施設、地域スポーツ利用などの多機能な複合施設として建設されることが望ましいと考えます。
鷺宮小学校跡地複合施設内には、近隣の鷺宮児童館を移転させた上で、ゼロ歳から18歳までの世代の子どもたちが遊び、学び、集える機能を充実させることが望ましいと考えます。鷺宮児童館が複合施設に入ることにより、多世代の地域住民が幅広く交流できる施設として開設されるのではないでしょうか。区のお考えを伺います。
次に、かみさぎ幼稚園の建て替え仮園舎使用のスケジュールと、今後の鷺宮小学校跡地活用のスケジュールについて伺います。
かみさぎ幼稚園仮園舎使用後は、直ちに複合施設の建設に着手すべきと考えますが、スケジュールについてはどのような検討がされているのか、伺います。
私はこれまで、鷺宮地域においては、西武新宿線野方以西の連立事業、中杉通り補助第136号線の拡幅整備、近隣敷地の都市計画の見直しなど、様々な課題が山積していることを指摘してきました。
現在の地域の区有施設の状況を考えると、鷺宮小学校跡地活用を進めることが先決であると考えます。その上で、将来のまちづくりを視野に入れ、鷺宮小学校跡地敷地内を東西に横断可能とする歩行者動線を設けることなどを検討すべきではないでしょうか。地域のまちづくりを視野に入れた鷺宮小学校跡地の敷地活用について、区の見解を求めます。
次に、公社鷺宮西住宅建て替えと地区計画について伺います。
5月24日、25日、東京都住宅供給公社により開催された白鷺二・三丁目地区都市計画提案に係る説明会に参加し、地区内の道路や公園などの配置、建て替えのルール、まちづくりの提案に関する説明を受けました。建て替えに向けた取組の第一歩として、都市計画法における都市計画提案を行うこととし、提案するまちづくりのルール、地区計画などの案を取りまとめたので、中野区地区まちづくり条例に基づき、その内容について鷺宮西住宅や近隣にお住まいの皆様へ周知を図るため説明会を開催したとのことです。
今後、公社は区に対して都市計画の提案を行い、区がその手続を進めていくとの説明でありましたが、現在、この提案は公社から区に提出があったのか、また、提出があったのであれば、今後どのような手続が進められるのか、伺います。
また、地区計画のエリアに隣接する鷺宮スポーツ・コミュニティプラザについても、建て替え時期を視野に入れ、鷺宮コミュニティプラザの接道も含めた計画を示すべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
あわせて、鷺の杜小学校通学路の安全対策に資する跨線橋などの設置と位置についてお聞きします。
現在調査、検討が進められている通学路の横断施設について、鷺宮コミュニティプラザ敷地に隣接する公園敷地を利用し、校庭に向けた横断施設の設置をすることが現実的ではないかと考えます。
しかし、地区計画によるまちづくりの進捗を考えると、通学路として利用することが難しくなることも懸念されます。公園敷地を利用した横断施設を設置することが可能であるのか、お考えを伺います。
4番、保育事業の充実について伺います。
中学校区に1か所配置すると目標を掲げた地域子育て相談機関の制度が、こども家庭庁で今年度から予算化されています。保育園の安定的な運営を担保しつつ、子育て世帯が安心して保育園などを頼ることができる仕組みをつくることは重要であります。中野区の保育事業の充実のために、当該予算の活用も検討すべきと考えます。お考えを伺います。
中野区では、令和5年度より、国のこども誰でも通園制度のモデル事業を実施、引き続き令和6年度もモデル事業を実施しています。しかし、国のモデル事業が前年度とは大幅に変更され、事業内容も異なることから、新たに事業者を募っているとのことです。
前年度は、モデル事業として区立保育園での要支援家庭の保育を実施していましたが、今年度は、国の事業とは異なるスキームであるため、実施はされていません。しかし、要支援家庭における保育の必要性を考えると、区立保育園での事業を継続するべきではなかったのかと考えます。要支援家庭の保育について、区独自の事業として預かりの仕組みを構築すべきではないでしょうか。見解を求めます。
5番、困難な問題を抱える女性の支援について伺います。
3年前、困難な問題を抱える女性の支援の一助として、生理の貧困に関する支援が考えられることから、廃棄をしていた防災備蓄品の生理用品を必要な方にお渡しすることを公明党中野総支部として区に求めました。また、同時期に、庁舎内の女子トイレに生理用品配布機器を取り付けることを推進してきた経緯があります。
現在、防災備蓄の生理用品については、防災担当から各部に必要数を聞き、配布数を決定しているとのことです。防災備蓄の生理用品も、単なる配布にとどまらず、生理の貧困支援として政策的な観点から推進していくことが重要ではないかと考えます。
生理用品が必要でも購入することが大変である女性がどのような環境に置かれているのかを想像するに、支援を必要としている場合も考えられるのではないでしょうか。他の支援に結びつけていく仕組みとして生理用品の配布を位置付けていくべきではないかと考えます。お考えをお聞きします。
一方、新庁舎の移転に伴い、区役所庁舎内の女子トイレに設置された生理用品配布機器の管理については、子育て支援課からユニバーサルデザイン推進担当に担当が移ることになりました。せっかくの機会であり、配布機器を利用した女性から、アプリなどを活用し生理の貧困の実態調査に協力いただける仕組みも構築していくことが考えられるのではないでしょうか。区の見解を求めます。
あわせて、公立小・中学校における生理用品の配置について、これまで会派で提案をしてまいりました。必要な際は保健室で渡しているとのことでしたが、やはり必要なときに必要な場所に設置されていることが望ましいと考えます。区立学校の女子トイレに生理用品を設置することについて、教育長の見解を求めます。
これまでも、困難な問題を抱える女性の支援策として、女性相談支援員の配置については十分とは言えず、質、量ともの充実が求められていることを指摘してきました。また、相談者の深刻な問題に向き合うという重責を担いながら、支援員の雇用については不安定な状況であることも問題視しなければなりません。女性相談支援の充実のためにどのように対応するのか、御所見を伺います。
6番、ケアラー支援について伺います。
ケアラー支援については、ケアラーが単独で存在するのではないことから、その背景にある家族の介護、子育てなど様々な課題に対応した重層的、包括的な支援の重要性をこれまで訴えてきました。
すこやか福祉センターにおいて、現場の保健師、職員が幅広い連携を持ちながら解決策、支援体制を構築するために日々取り組んでいることを高く評価し、感謝しています。しかし、実際には、介護者であるケアラー自身を支える仕組みは乏しく、つなぎたいサービスそのものが充足しているとは言えないと感じています。
ヤングケアラーを含めたケアラーの相談から支援体制への具体的な取組や、医療、介護、家事支援など、すこやか福祉センターを軸とした家族を丸ごと支援できる重層的、包括的な支援体制をさらに進めていくべきと考えます。見解を求めます。
東京都では、NPO法人アラジンへの委託事業として、ヤングケアラー家庭への家事支援が行われています。しかし、こうした事業は僅かで、まだまだ充足しているとは言えません。ヤングケアラーのみならず、ケアラー支援のサービスが充実されていくべきと考えます。
これまで、区に対し、国の孤独・孤立対策モデル調査事業に手を挙げることを求めてきました。今年度、調査事項の対象となったとのことですが、この予算を活用し、中野区独自のケアラー支援を構築することはできないのでしょうか。お考えをお聞きします。
この項の最後に、ケアラー支援条例の策定について伺います。
ケアラーに対する支援に関して基本理念を定め、支援に関する施策の基本となる事項を定め、全てのケアラーが自分らしく健康で文化的な生活を営むことができる地域社会の実現に寄与することを目的としたケアラー支援条例を定める自治体が増えてきています。
支援体制を推進するに当たり、中野区ケアラー支援条例を策定する時期が来ているのではないかと考えます。ご所見を伺います。
その他で1点、HPVワクチンのキャッチアップ接種についてお聞きします。
この接種については、今年度末をもって終了となるため、その後は対象者の自費で接種を行うことになります。原則3回接種によるもので、3月末までに3回の接種を終えるためには、遅くても1回目の接種を9月までに受けることが望ましいとされています。
しかし、中野区が対象者に送付した勧奨はがきでは、そのことが分かりやすく記述されているとは言えません。ホームページ、SNSなどの広報、医師会と連携したポスター作成、あるいは改めての勧奨はがきによる通知など、対象者に接種時期や次年度以降の接種は有料になることなどが分かりやすく伝わるように手段を講じるべきではないでしょうか。お考えをお聞きします。
以上で私の質問は全て終了いたします。御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 久保議員の御質問にお答えいたします。
私からは、3、鷺ノ宮駅周辺のまちづくりについてで、初めに、地域開放に係る基本的な考え方についてでございます。
鷺宮小学校跡地は、校庭、体育館については、継続的にスポーツや催事等で鷺宮小学校を利用していた団体に対して、引き続き利用を認めているところであります。施設管理に関わる課題等について確認した上、今後も継続的な利用を認めていく予定でございます。
次に、鷺宮児童館の移転整備についてでございます。
令和6年3月に策定した児童館運営整備推進計画において、鷺宮児童館は、令和7年度に改修工事及び委託化を予定しておりますが、中長期的には、区有施設の建て替え目安である建築後60年を基本に施設を改築していく必要があると考えております。
鷺宮小学校跡地については、鷺宮児童館から近距離にあることや、ともに鷺の杜小学校区であり、将来的な改築に当たっては、他の施設との複合化を図ることによって利便性の向上や多世代交流につながる可能性があると認識をしているところであります。今後、鷺宮小学校跡地活用の検討を進めていく中で、総合的に判断してまいります。
次に、鷺宮小学校跡地活用のスケジュールについてです。
かみさぎ幼稚園の仮園舎のスケジュールについては、令和8年度から仮園舎の整備を行い、令和10年度から令和12年度まで仮園舎として鷺宮小学校跡地を活用する予定でございます。仮園舎の活用終了後、できるだけ早く既存施設の解体及び複合施設の整備に着手できるよう、複合施設の機能及び整備スケジュールの検討を進めてまいります。
次に、鷺宮小学校跡地の敷地活用についてでございます。
鷺宮小学校跡地及び周辺地区については、将来のまちづくりの方向性を示す西武新宿線沿線まちづくり整備方針において、鷺宮小学校跡地の周辺道路の改善を図り、アクセスを向上させることとしております。鷺宮小学校跡地の敷地活用に当たっては、地域の歩行者動線の向上も含めて検討してまいります。
今後の公社鷺宮西住宅一帯のまちづくりについてで、今後の手続についてでございます。
東京都住宅供給公社は、中野区地区まちづくり条例に定められている都市計画提案制度を活用し、区に都市計画提案を6月7日に提出しました。提出された提案については、条例に定められている基準に基づいて審査をし、その後、都市計画審議会から意見聴取を行うなど、条例に基づき手続を進めていくこととしております。今後、区として、一団地の住宅施設の廃止及び新たな地区計画を策定するなど、必要な手続を実施してまいります。
次に、鷺宮スポーツ・コミュニティプラザの接道についてです。
今回の鷺宮西住宅の建て替えに合わせ、地区周辺の道路や防災に資する公園、広場、安全な歩行空間などを再整備する計画としております。これにより、鷺宮西住宅に隣接する鷺宮スポーツ・コミュニティプラザへのアクセスや接道についても改善されるものと考えております。
次に、困難な問題を抱える女性支援についてで、防災備蓄の生理用品の配布についてでございます。
区では、災害時の対策として生理用品を備蓄しておりますが、入替えとなる生理用品については、区の事業等を通じ、希望する方へ配布をしております。こうした生理用品の配布などの機会を捉え、相談窓口の周知や困難な問題を抱える女性の実態の把握に努め、必要な支援につなげてまいります。
次に、生理用品配布機器を活用した実態把握についてでございます。
区では、生理用品を無料で配布する機器を庁舎女子トイレに設置することで、生理用品を購入する経済的負担の軽減、子育て家庭の母親の健康維持やジェンダーギャップの解消を図っているところであります。今後は、この配布機器を活用する女性に対してアンケートを実施するなど、生理の貧困の実態を把握する仕組みも検討してまいります。
最後に、女性相談支援員についてでございます。
女性相談支援員については、これまでも、職員数の増員や勤務日数の増加、連絡体制の強化など、体制の充実を図ってまいりました。女性相談支援員は、児童福祉や母子福祉、障害者福祉など、一人ひとりに寄り添い、支援対象者が抱える多岐にわたる課題について適切な支援につながる役割を有しているということから、今後も高い専門性が維持、充実できるよう、体制の整備に努めてまいります。
〔教育長田代雅規登壇〕
○教育長(田代雅規) 私のほうからは、まず最初に、鷺ノ宮駅周辺のまちづくりについての御質問のうち、立体横断施設の検討について回答させていただきます。
横断施設の整備については、鷺宮スポーツ・コミュニティプラザ周辺を含めた具体的な設置場所や施工方法などを調査し、設置に関わる課題や設置の可否について、教育委員会事務局と関係部署で検討を進めていきたいと考えております。
続きまして、2点目の、困難な問題を抱える女性支援についてです。
学校におけるトイレでの生理用品の配布についてです。
現状では、生理用品について、必要とする児童・生徒に対し、心身の状況などに配慮しつつ、保健室において渡しているところです。今後は、児童・生徒の健康面や指導面など様々な観点から、学校と相談しながら、学校のトイレに設置することも含めて、生理用品の配布について適切な対応を行ってまいりたいと思っております。
〔環境部長浅川靖登壇〕
○環境部長(浅川靖) 私からは、資源回収事業についてお答えをさせていただきます。
リチウムイオン電池混入防止のための周知についてでございます。
令和5年11月、リチウムイオン電池の発火によりまして、東京二十三区清掃一部事務組合の粗大ごみ破砕処理施設で火災が発生し、約3か月間稼働を停止する事態が発生しました。
収集運搬業務の安定的な事業遂行のためには、リチウムイオン電池を適正に分別し、運搬、処理の過程での発火を防止することが重要でございます。リチウムイオン電池の正しい出し方については、区報、出前講座、それから区のホームページ上のごみのん通信などを通して、区民に対する周知を一層強化してまいります。
続きまして、東京都の補助制度の活用についてでございます。
リチウムイオン電池等の適正処理、再資源化を推進する取組に対する補助は、リチウムイオン電池の回収や再資源化に係る処理について補助されるものと認識してございます。
今年度は、これまでのいわゆる一次電池とリチウムイオン電池を一体的に回収することで経費削減を図ったものでございますが、このスキームでは補助金の要件に該当しないところでございます。今年度のリチウムイオン電池回収の結果を見据え、今後の効果的な回収スキームを検討してまいります。
続きまして、新庁舎におきますリサイクルステーションの利用状況と、今後の計画についてでございます。
これまで区役所本庁舎では、使用済みの乾電池、蛍光管、小型家電の回収ボックスを単体で設置しておりました。新庁舎では、これにリチウムイオン電池を加え、一体型のリサイクルステーションとして、1階のエレベータホール前に設置したものでございます。これまでのところ、一体型にしたことによる回収量の変化は見られませんが、区民の利便性向上や資源回収促進の啓発効果は高いと認識してございます。
他の区有施設では、資源の種類ごとに回収ボックスが設置されておりますけれども、既存のボックスを有効活用しつつ、今後、各施設の整備の際には一体型のリサイクルステーションの設置も検討していきたいと思ってございます。
続きまして、ペット用インシュリン注射針の回収方法の周知についてでございます。
ペット用に限らず、注射針をごみ収集や資源回収に出すことは、収集する職員はもちろん、同じ集積所を利用する区民に対しても危険でございまして、絶対に避けていただきたい行為でございます。
ペット用の注射針のみを特定して実態調査するということは難しいものでございますけれども、ごみや資源に混入して排出されることが一部にあることは認識しております。
区のごみ収集、資源回収に出さず、処方した獣医師に返却するのがペット用注射針の適正な処分方法でございまして、このことを獣医師から飼い主に周知徹底してもらうことが大切でございます。東京都獣医師会中野支部とも連携しながら、事故の未然防止に努めてまいります。
次に、外国人への分別ルールの周知についてでございます。
外国人が区に転入する手続の際には、資源とごみの分け方、出し方の外国語版リーフレットを配付し、普及啓発を図っており、外国語対応のごみ分別アプリも紹介しているところでございます。
今後、中野区に転入する外国人がさらに増加すると考えられる中、易しい日本語の使用や、分かりやすい動画を活用するなども含め、より伝わりやすい方法を検討してまいります。
私から、最後に、コミュニティを重視したごみの分別対策についてでございます。
これまでも、清掃事務所では、資源とごみの正しい分別排出について、外国人が営む飲食店等に直接訪問するほか、保育園における易しい日本語による指導も行っております。
こうしたスキルを生かしまして、多くの外国人が居住する大規模な集合住宅等に清掃職員が赴いて、分別体験等も含めた分かりやすい講座等を行うことは、地域コミュニティの形成推進にも役立つものと考えております。
当該自治会のほか、中野区国際交流協会やインクルーシブ社会の実現を目指して活動する団体等とも協力いたしまして、コミュニティを重視した分別排出指導の在り方について検討してまいります。
〔文化・産業振興担当部長高村和哉登壇〕
○文化・産業振興担当部長(高村和哉) 私からは、資源回収をテーマとした多文化共生の取組についてお答えいたします。
生活習慣や文化が異なる者同士が身近な生活に関することをテーマに意見交換をすることは、多文化共生への理解に有益であると認識してございます。
資源回収をテーマに中野で暮らす日本を含めた様々な国の方が参加するワークショップなどを実施することは、環境への意識を高めるとともに、多文化共生に寄与すると考えており、中野区国際交流協会をはじめとした関係団体と連携して実現してまいります。
〔健康福祉部長杉本兼太郎登壇〕
○健康福祉部長(杉本兼太郎) 私からは、包括連携協定についての御質問のうち、まず、AED設置の区民周知についてお答えいたします。
区内のセブン‐イレブンへのAED設置につきましては、6月20日号の区報に掲載するとともに、区ホームページにおきましても、区立施設への設置場所も含めて設置場所が分かるようにリニューアルしたところでございます。今後も、様々な機会を捉え、コンビニエンスストアという身近な場所に24時間利用できるAEDを設置しているというメリットを積極的に周知してまいります。
次に、応急手当指導についてでございます。
本事業の実施におきまして、救護が必要な方が発生した場合に、AEDを使用した救命行為を各店舗の従業員の方に義務付けるものではございませんが、緊急時の円滑な使用のために、操作方法の動画を紹介する等の工夫を行っているところでございます。
AEDによる救護が必要な場合に、より多くの方々が救命処置を実施できるようにすることが重要であると認識してございまして、東京消防庁が実施しています救急救命講習の受講が進むよう、普及啓発に努めているところでございます。新庁舎における区民向けの普通救命講習会の実施につきましても、関係機関と協議を進め、検討してまいります。
次に、その他の御質問の、HPVワクチン接種の周知についてでございます。
HPVワクチン接種のキャッチアップ接種の対象者及び高校1年生相当の方が、公費負担のある期間内に接種を完了するためには、9月末までに1回目の接種を受ける必要がございますので、区ホームページやSNSなどを活用して分かりやすく広報してまいります。
〔企画部長岩浅英樹登壇〕
○企画部長(岩浅英樹) 私からは、包括連携協定の締結についてお答えいたします。
区民サービスの向上と区の活性化を目的として、民間事業者と幅広い領域における包括連携協定を締結し、双方の強みを生かした事業を実施してきたところでございます。
熱中症対策や災害時の備蓄物資、女性の健康支援など、広範囲の分野において連携が期待できる民間事業者とは包括連携協定を締結し、民間事業者のノウハウを生かした取組を推進してまいりたいと考えております。
ガイドラインの策定でございます。
区は、これまで、民間事業者等との包括的な連携の推進に係る考え方を定め、取組を進めてまいりました。今後は、具体的な基準等を定めるガイドラインの策定に向けまして、他の自治体の事例も参考に検討を進めてまいりたいと考えております。
〔子ども教育部長石崎公一登壇〕
○子ども教育部長(石崎公一) 私からは、保育事業の充実についてお答えいたします。
初めに、地域の保護者等に対する子育て支援についてでございます。
地域の保護者等に対して保育園の専門性を生かした子育て支援を積極的に行っていくことは、保育園の重要な役割の一つであると認識してございます。
区は、今後、地域子育て相談機関の体制整備を進めていくこととしてございます。保育園を相談機関として活用することも含め、検討してまいりたいと考えております。
次に、区独自事業としての要支援家庭の預かりの仕組みについてでございます。
昨年度は、保育所等の空き定員を活用した未就学児の定期的な預かりモデル事業において、区立保育園2園で要支援家庭の定期的な預かりを実施してまいりました。
今年度、要支援家庭については、児童相談所やすこやか福祉センターと連携を取った上で入園の利用調整を実施してございますが、入園に至らない要支援家庭もございます。定期的な預かりが実施できるよう、別途検討していきたいと考えてございます。
〔地域包括ケア推進担当部長石井大輔登壇〕
○地域包括ケア推進担当部長(石井大輔) 私からは、ケアラー支援の御質問にお答えいたします。
まず、ケアラー支援体制についてでございます。
ケアラー支援に当たりましては、家族全体を支える視点を持った多機関の連携協働体制を構築していくことが求められております。すこやか福祉センターが行う個別の支援会議等を通じ、医療機関、介護事業所、地域団体、NPO法人といった関係機関が連携し、ニーズに応じた包括的な相談支援体制を展開してまいります。
次に、孤独・孤立対策モデル調査事業の活用についてでございます。
区では、内閣府の孤独・孤立対策に関する地域連携推進モデル調査事業に採択をされたことから、国の伴走支援を受けながら、孤独・孤立対策官民連携プラットフォームの整備や、孤独・孤立対策に取り組む考えでございます。孤独・孤立の対象は幅広いものでございますが、この事業を活用しながら、ケアラーを含めた社会的孤立などへの支援施策の検討を進めてまいります。
最後に、ケアラー支援条例についてでございます。
ケアラー支援については、社会的認知も高まりつつあり、自治体としての基本姿勢を示す必要があると考えております。ケアラー支援については、孤独・孤立官民連携プラットフォームにおける検討テーマの一つとして取り上げ、条例化を含めた議論を進めてまいります。
○議長(酒井たくや) 以上で久保りか議員の質問は終わります。
お諮りいたします。議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(酒井たくや) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、6月17日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後4時52分延会
会議録署名員 議 長 酒井 たくや
副議長 木村 広一
議 員 井関 源二
議 員 石坂 わたる