令和7年09月25日中野区議会決算特別委員会 23.09.30 中野区議会決算特別委員会(第1日)

.令和7年(2025年)9月25日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。

.出席委員(39名)

  2番  山  内  あきひろ        3番  武  井  まさき

  4番  日  野  たかし         5番  木  村  広  一

  6番  斉  藤  けいた         7番  井  関  源  二

  8番  黒  沢  ゆ  か        9番  大  沢  ひろゆき

 10番  武  田  やよい        11番  広  川  まさのり

 12番  いのつめ  正  太       13番  間     ひとみ

 14番  河  合  り  な       15番  市  川  しんたろう

 16番  加  藤  たくま        17番  甲  田  ゆり子

 18番  小  林  ぜんいち       19番  白  井  ひでふみ

 20番  吉  田  康一郎        21番  立  石  り  お

 22番  小宮山   たかし        23番  内  野  大三郎

 24番  い  さ  哲  郎       25番  細  野  かよこ

 26番  斉  藤  ゆ  り       27番  杉  山     司

 28番  ひやま      隆       29番  高  橋  かずちか

 30番  大  内  しんご        32番  平  山  英  明

 33番  南     かつひこ       34番     欠  員

 35番  石  坂  わたる        36番  むとう   有  子

 37番  羽  鳥  だいすけ       38番  浦  野  さとみ

 39番  山  本  たかし        40番  中  村  延  子

 41番  酒  井  たくや        42番  森     たかゆき

.欠席委員(2名)

  1番  高  橋  ちあき        31番  伊  藤  正  信

.出席説明員

 中野区長    酒井 直人

 副区長     青山 敬一郎

 副区長     栗田 泰正

 教育長     田代 雅規

 企画部長    岩浅 英樹

 企画課長    中谷 博

 資産管理活用課長半田 浩之

 財政課長    竹内 賢三

 広聴・広報課長 矢澤 岳

 総務部長    濵口 求

 防災危機管理担当部長          吉沢 健一

 DX推進室長  滝瀬 裕之

 総務課長    永見 英光

 職員課長    中村 洋

 施設課長    大須賀 亮

 防災担当課長  吉田 暁

 生活・交通安全担当課長         久保 貴

 デジタル政策課長瀬谷 泰祐

 庁舎管理担当課長増子 英宏

 区民部長、窓口サービス担当部長     高橋 昭彦

 文化・産業振興担当部長         高村 和哉

 区民サービス課長、窓口サービス担当課長 小堺 充

 税務課長    栗栖 康幸

 保険医療課長  宮脇 正治

 産業振興課長  国分 雄樹

 文化振興・多文化共生推進課長      冨士縄 篤

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長  石崎 公一

 子ども家庭支援担当部長、教育委員会事務局参事(子ども家庭支援担当) 森 克久

 地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 石井 大輔

 健康福祉部長  杉本 兼太郎

 保健所長    水口 千寿

 スポーツ振興課長原 拓也

 生活援護課長  葉山 義彦

 生活保護担当課長網野 和弥

 保健予防課長  宮下 奈緒

 環境部長    浅川 靖

 環境課長    伊東 知秀

 ごみゼロ推進課長鈴木 康正

 都市基盤部長  松前 友香子

 都市計画課長  塚本 剛史

 道路管理課長  長沼 美春

 道路建設課長  髙田 班

 公園課長    宮澤 晋史

 交通政策課長  村田 賢佑

 住宅課長    會田 智浩

 まちづくり推進部長           角 秀行

 中野駅周辺まちづくり担当部長      千田 真史

 中野駅周辺まちづくり課長、中野駅新北口駅前エリア担当課長 近江 淳一

 中野駅地区・周辺基盤整備担当課長、中野駅周辺エリアマネジメント担当 井上 雄城

 中野駅周辺地区担当課長         大南 隆司

 会計室長    古本 正士

.本会の書記は下記のとおりである。

 事務局長     堀越 恵美子

 事務局次長    分藤 憲

 議事調査担当係長 鈴木 均

 書  記     田村 優

 書  記     細井 翔太

 書  記     森園 悠

 書  記     北村 勇人

 書  記     梅田 絵里子

 書  記     川辺 翔斗

 書  記     志賀 優一

 書  記     竹中 雅人

 書  記     堀井 翔平

 書  記     稲葉 悠介

 書  記     砂橋 琉斗

.委員長署名


午前10時00分開議

○河合りな委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会いたします。

 傍聴者の方から当委員会の様子をビデオ撮影、録音したい旨の許可願がありましたので、御相談のため委員会を暫時休憩します。

午前10時0分休憩

 

午前10時0分開議

○河合りな委員長 では、委員会を再開します。

 傍聴者(報道関係者)からのビデオ撮影、録音の許可を求める申出については、これを許可するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○河合りな委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。

 傍聴者の方に申し上げます。許可の申出の際にお示しいただいた目的以外に撮影、録音したものを使用しないこと、また、休憩中の撮影、録音は認められておりませんので、休憩になりましたら撮影、録音は止めてください。

 それでは、認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。

 初めに、9月24日(水曜日)の理事会の報告を行います。

 委員会運営についてです。本日の総括質疑の順番は、1番目に浦野さとみ委員、2番目に内野大三郎委員、3番目に杉山司委員、4番目に市川しんたろう委員、5番目に木村広一委員、6番目にいさ哲郎委員の順で、6名の総括質疑を行うことを確認しました。

 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○河合りな委員長 なければ、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○河合りな委員長 御異議ありませんので、そのように運営いたします。

 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようにお願いします。

 それでは、質疑に入ります。

 浦野さとみ委員、質疑をどうぞ。

○浦野さとみ委員 おはようございます。2025年第3回定例会決算特別委員会におきまして、日本共産党議員団を代表し総括質疑を行います。質問項目は通告どおりで、その他はありません。

 初めに決算について伺いますが、昨日の3人の委員の方と重なるところが複数ありますので、端的に絞って伺っていきたいと思います。

 2024年度決算と今後の施策展開などについて、初めに、決算の特徴について伺います。2024年度は、5月に新庁舎移転というとても大きなことがありました。同時に、基本計画の後期2年目として、その取組を具体化する年度、また、さらに、長引く物価高騰対策への対応が求められた年度でした。まず初めに、区としてこの決算年度はどういう姿勢で臨んだのか、また、何に重点を置いて区政運営を行ったのか、伺います。

○竹内財政課長 お答えいたします。令和6年度は、予算編成方針におきまして、円安や物価高騰により生じた社会不安から、区民が安心して生活できる環境を充実させることが区の責務であり、区民生活に基軸を置いたサービスを展開することとしたところでございます。

○浦野さとみ委員 今御説明いただいた中身だったのですけども、じゃあ、実際はどうであったかというところで、少し伺っていきたいと思います。

 まず、新庁舎についてです。決算において、物件費の中で35億円、14.3%増となっております。物件費のうち、光熱水費や消耗品などの需用費が約12億円、委託料が約18億円の伸びとなっています。この中身についてまず伺います。

○竹内財政課長 まず、需用費の主な増要因でございますが、こちらは新庁舎の椅子や机などの初度調弁による経費となってございます。また、委託費の増でございますが、新庁舎移転に係る委託経費、デジタル地域通貨事業経費、戸籍窓口フロアマネージャー業務委託経費の計上、そういったものが増要因となっていると考えてございます。

○浦野さとみ委員 今御説明いただいた中で、今後経常経費となっていくのはどの程度、どういった中身になるのか、伺います。

○竹内財政課長 経常経費となるものでございますが、デジタル地域通貨事業経費、戸籍窓口フロアマネージャー業務委託経費などは経常経費となるものでございます。

○浦野さとみ委員 すみません。今御説明いただいた中で、費用としてはどれぐらいになるか、お答えできますか。

○竹内財政課長 デジタル地域通貨事業とか、あと、戸籍窓口フロアマネージャー業務委託の経費でございますが、こちらのほうは数億円単位です。これからになりますので、どうなるかは分からないですけども、そういった事業規模となるものと想定しているところでございます。

○浦野さとみ委員 令和6年度(2024年度)の「当初予算(案)の概要」の中では「新庁舎移転や新たな行政需要に応じた効率的かつ効果的なサービス展開を図る年となる」というふうに記されています。昨年の11月、総務委員会の中で新庁舎整備事業の主な取組状況について報告をされ、今年の8月の区民委員会では窓口来庁者アンケート実施報告について報告をされました。決算年度は5月からなので、通年での決算としては今の令和7年度(2025年度)となると思いますけれども、財政面とともに、費用対効果や新庁舎移転に関して、窓口や庁内システムなどについて、評価や課題、今後の取組についてはどのようになっているのか、伺います。

○小堺窓口サービス担当課長 6月末に実施させていただきました窓口来庁者アンケートでは、約8割の方から満足との結果が得られておりましたが、残り2割の方の回答傾向や、別に実施した職員アンケートの結果なども含め改善に向けた分析を進め、改善策の検討を進めているところでございます。今後は、複数の手続が必要な来庁者に対する利便性を高める窓口間の手続の連携により、手続が簡単・短時間で済むワンスオンリーの実現など、さらなる窓口サービスの向上、最適化を図ってまいりたいと考えています。

○瀬谷デジタル政策課長 新庁舎移転に伴い導入した多機能ユニファイドコミュニケーションシステムにより職員の業務効率化が図られておりまして、そうした事例も相当数出てきております。さらに有効活用できるよう、職員のデジタルスキルの底上げを継続的に行っていきたいと考えております。また、今後のDX推進としては、手続などの情報が検索しにくいことや、電話や来庁による問合せなどの区民負担を改善していく必要があると考えております。区民の探す、聞く、知る、解決するといった一連の行政手続や情報収集などが速やかに行えるよう支援することを目的として、デジタル技術を活用したサービス体制整備に向けた取組を検討していきたいと考えております。

○浦野さとみ委員 新庁舎の効果検証をすると。監査意見書でも指摘がされています。また、昨日、他の委員の質疑でもありましたけど、なかなか単年度だけでは評価しづらいかなというふうにも思っています。例えば残業代が減ったとか、そういう何か指標があるか。でも、そこはやっぱりちょっと増えていて、開庁の年度というところであって、なので、先ほど質疑した、この年度にかかった最初の初期投資のところ、この後、経常的にかかっていく費用、そこがどうなっていくのかということはもう少し見極めが必要なのかなと思うんですけれども、とはいえ、何も検証しないということはできないと思うので、いろんな角度からそこをきちんと見ていくことはやっぱり必要なのかなというふうに思っています。

 それで、ぜひその観点で検証していただきたいと同時に、今定例会の本会議で、武田議員からも案内表示や駐輪場に関して質問をいたしました。区自身が作成しているユニバーサルデザイン導入ガイドラインに照らして、改善が必要なところは適宜見直しをして、そこを区民の方の利用のしやすさ、利便性の向上などにつなげていくという即時的な対応も必要かなと思うんですけれども、その点についても確認をいたします。

○増子庁舎管理担当課長 昨年の開庁以降、主に区民利用が多いフロアについて、利用者にとって分かりやすい表示となるよう、案内サインを追加設置してきたところでございます。今後も利用状況を見極め、改善が必要と判断した場合は、ユニバーサルデザイン導入ガイドラインに照らして適切な対応を講じてまいります。

○浦野さとみ委員 今は適切に対応してきているということなんですけど、ただ、それでもまだこういう問題がありますよと具体的に指摘もさせていただいているので、そこはきちんと議会側の意見も聞きながら、また、利用者の方の意見も聞きながら、ここはぜひ機敏に対応いただきたいなということを重ねて要望したいと思います。ありがとうございます。

 次に、物件費と並んで大きな伸びがあったのは扶助費のところです。扶助費の中で児童福祉費が19億円の増となっていますけれども、この理由について伺います。

○竹内財政課長 児童福祉費の増要因でございますが、保育施設給付の約8億1,000万円の増、教育施設給付の約6億2,000万円の増、及び児童手当の約5億7,000万円の増、こういったところが主要因と考えてございます。

○浦野さとみ委員 今御説明いただいた扶助費の中で、区独自の施策として実施したものには何がありますでしょうか。

○竹内財政課長 中野区におきましての扶助費の伸びは、給付金事業があるのですけども、価格高騰支援給付金事業のうち、区独自施策としましては、住民税均等割のみの課税世帯や課税所得150万円未満世帯への給付事業、こういったものが区の独自施策となってございます。

○浦野さとみ委員 給付金のところで、区独自でやったということは評価をしております。

 同時に、この年度に新規事業として、例えば高齢者の補聴器購入費助成や、外国人相談窓口や、おくやみ窓口の開設、拡充事業としては、子どもの貧困対策、ひとり親家庭への住宅支援、再生エネルギーの補助などを実施してきたと思うんですけれども、区としてこの年度の新規事業や拡充事業についての評価というのはどのようにされているのか、伺います。

○竹内財政課長 令和6年度におきましては、高齢者への適切な助成や、困り事を抱える方々への負担軽減を図る窓口開設、支援を必要としている子どもと子育て家庭への支援拡充など、課題に対し的確な対応を行い、区民サービス、福祉の向上に資することができたと考えてございます。

○浦野さとみ委員 今、大体この時期に次の年度の予算編成方針について示されて、令和8年度に向けての予算編成方針も示されています。その中で、既存事業については上限額を超えないように努めるということがあります。もちろん際限がないわけではないので、より精度を高めてということは、もちろんそうだと思うんですけれども、例えば、既存事業の中でも長年見直しがされていないものや、前区政時代に事業見直しとして行ったものがそのままになっているというものも幾つかやっぱりあります。現状況を鑑みて、事業内容の見直しが必要なものなど、改めて既存事業についても見直して、昨日、物価高騰のやり取りもありましたけれども、改めて今の既存事業に対しても点検をして、必要な見直しというのは、区民の福祉向上という立場での見直しということは随時やっぱり行っていくべきではないかなと思うんですが、その点はいかがでしょうか。

○竹内財政課長 令和8年度予算編成方針におきまして、予算をかけるだけの効果が得られるかどうかなど、統計や業務データ等の収集、分析から客観的な論拠を見いだし、エビデンスベースでの計画作成を必須とするよう全庁に通知したところでございまして、予算編成過程におきまして確認をしていく考えてございます。また、予算編成と併せて見直し対象となる事業を指定するなど、年間を通じて見直しに取り組んでございまして、今後とも全庁を挙げて見直しに取り組んでいく考えでございます。

○浦野さとみ委員 そこはぜひ引き続きお願いをいたします。

 1点、経常収支比率について、これは昨日も質疑がありました。私からも1点だけ。財政の弾力性を示す経常収支比率ですけれども、ここは前年度比で10.1ポイント増の81.3%となりました。この要因について改めて確認をさせてください。

○竹内財政課長 経常収支比率の増でございますが、こちらは、退職手当などの人件費や、新庁舎整備債の返還に伴う公債費の増によりまして、分子である経常経費充当一般財源等が増加したことが主な要因と考えでございます。

○浦野さとみ委員 そうすると、やっぱりこの年度の特異的な事情があったということだろうというふうに思います。今後、重点プログラムでの大事な点や、また、これからの5年間の来年度からの基本計画をまさに今議論しているところですけれども、これまで、環境施策の気候危機対策のところも繰り返し会派としては取り上げてきました。ここは本当にこれからの大事な一つの大きなテーマになっていくと思いますので、ぜひここは前向きな、今日は質疑はこの場ではしませんけれども、改めて求めたいと思います。基本計画に係る全体の基本姿勢の部分は後段で取り上げたいと思います。

 歳入について、私からも何点か確認をさせてください。この決算年度には、特別区税における歳入総額、納税義務者数はどのようになったか、数年の傾向と併せて伺いたいと思います。

○栗栖税務課長 お答えいたします。令和6年度決算における特別区税、軽自動車税、特別区たばこ税を含む収入額は約382億円であり、前年度から0.7%減少しました。特別区税収入額は令和4年度、5年度と増加しましたが、令和6年度は定額減税などの影響により減となっています。令和6年度決算時の納税義務者数は20万7,575人であり、前年度から3,800人増加しました。納税義務者数は令和3年度に減少し、令和4年度は横ばい、令和5年度、6年度は増加しています。

○浦野さとみ委員 納税義務者1人当たりの所得額については推移としてどうなっているか、それぞれ階層ごとに、傾向と全体として伺いたいと思います。

○栗栖税務課長 当初課税時の所得割納税義務者1人当たりの総所得金額は、令和5年度は約432万9,000円、令和6年度は約456万5,000円となっております。所得額から所得控除額を差し引いた課税標準額で見ますと、令和6年度当初課税時の状況は、課税標準額300万円以下の納税義務者数は減少し、300万円超えの納税義務者数は増加しています。

○浦野さとみ委員 全階層が共に上がっているということだと思います。

 先ほど、特別区税のところが前年度比で0.7%の減ということでしたけれども、これは昨日も質疑がありましたが、定額減税による影響が大きいということです。定額減税がなかった場合はどうなのか、私からも改めて確認をさせてください。

○栗栖税務課長 令和6年度決算における特別区民税の現年度分の収入額は、前年度と比べまして約1億9,000万円の減となりました。当初課税時における定額減税による影響額は約15億円です。定額減税がなかった場合、12億円から13億円程度の増となります。

○浦野さとみ委員 これは、今、12億円から13億円ということでしたけれども、当初予算案の段階として比較すると、決算の数値というのはどのようになっているでしょうか。

○栗栖税務課長 当初予算との比較についてお答えいたします。特別区税の決算額は当初予算額と比較して19億700万円、5.3%の増でした。この主な要因ですが、特別区民税における納税義務者数、1人当たりの所得金額及び土地や株式等の譲渡分離課税分の税額、こちらが当初予算積算時の見込みに対して増となったことによるものです。

○浦野さとみ委員 今御説明いただいたように、傾向としては、納税義務者数、また、1人当たりの所得額も伸びて、全階層が共に上がっていて、当初予算案の段階よりもかなり伸びているということが分かったかと思います。ありがとうございます。

 もう一つの歳入、普通交付金と特別区交付金が共に、ここは減になっているのですけれども、これはどういった理由なのか、伺います。

○竹内財政課長 まず、普通交付金でございますが、こちらは歳入が堅調だったことから、基準財政需要額の伸びよりも基準財政収入額の伸びが大きかったため、減少しているものでございます。また、特別区交付金につきましては、災害用食料の購入などの増要因がある一方で、新区役所整備事業に対する交付金の減が大きく、結果として減少したものでございます。

○浦野さとみ委員 これは、今後の見込みについてはどのようになっているでしょうか。

○竹内財政課長 特別区交付金の今後の見込みでございますが、特別区交付金の原資となる調整税等は増加傾向が続いている状況でございます。堅調な企業業績等が続けば特別区交付金も増加していくと考えてございます。

○浦野さとみ委員 そうすると、今、御答弁あったように、特別区交付金のところも、特別区税のところも、基本的には今後も伸びていく見込みということで、歳入が好調であるということを確認できたかと思います。

 次に、くらしを守る施策について、物価高騰対策について伺います。物価高騰による住民の生活の大変さ、また、そこの困難は、やっぱり今は終わりが見えない状況になっていると思います。食料品の値上げラッシュも止まらず、賃金も物価高騰には追いついておらず、実質賃金は3年連続マイナス、今年も連続でマイナスが続いています。年金についても、給付額の改定率がありましたけれども、物価の上昇率は、これも下回って、実質では削減となっています。この決算年度で物価高騰対策として実施した事業の決算総額はどの程度だったのか、伺います。

○中谷企画課長 令和6年度に物価高騰対策として実施した事業の決算額は、総額で約39億4,000万円でございます。

○浦野さとみ委員 今、39億4,000万円と。このうち、物価高騰対策の臨時交付金を充当した事業と、区の一般財源を充当した事業の内訳について伺います。

○中谷企画課長 令和6年度に物価高騰対策の臨時交付金を充当した事業と充当額の内訳としましては、価格高騰支援給付金の追加給付に約2億9,300万円、低所得者支援及び定額減税補足調整給付金に約19億1,200万円、低所得世帯支援給付金に約14億9,000万円でありました。区独自で実施した物価高騰対策と一般財源を充当した額の内訳としましては、低所得世帯支援給付金の対象拡充に約1億4,300万円、私立幼稚園・保育所等物価高騰対策に約400万円、民間学童クラブ物価高騰対策に約100万円、介護サービス事業所物価高騰対策に約6,100万円でございました。

○浦野さとみ委員 一般財源として、決算の数値を見ると、やっぱりもっと区独自の策ができたのではないかなということもうかがえるかと思います。令和5年度も、実は区独自は、やったものはあったのですけど、結果的に交付金対象となって、一般財源としては、補正予算の中でも2億4,000万円ぐらいだったかと思いますので、そこまで大きくなかったと思います。

 2024年度(令和6年度)の「当初予算(案)の概要」の中では、食料品等価格の高騰により、区民ニーズを捉えた様々な施策を展開しということも予算(案)の段階では記されていたかと思います。御担当として、決算の状況を見て、今、実際、一般財源がどれだけ使われているか、全体がどれだけかを伺いましたけれども、「当初予算(案)の概要」で掲げていた中で、この立場で区政運営としてどうだったのか、十分であったのかという点の評価について伺います。

○中谷企画課長 令和6年度に実施した物価高騰対策では、国の臨時交付金を最大限活用し、特に負担の大きい低所得の世帯を対象として区独自の給付金を支給したほか、公平性の観点から東京都の補助対象外となる事業所に対して区独自の補助を行ったところであり、区民ニーズを捉えた施策を展開したものと考えてございます。

○浦野さとみ委員 できていなかったとはなかなか言えないと思うので。ただ、決算の数値から見たら、もちろん区独自でやったこと、そこは評価をするのですけれども、やっぱり、何かもう少しできたのではないかなという点もあります。今の長引く状況を見ると、なかなか1自治体だけでこれを解決していくということは非常に難しい状況で、根本的には、やっぱり国での対策が必要であると思います。ただ、とはいえ、やっぱり自治体独自での支援できることは行っていく、それは当然のことでもあると思います。

 例えば、この間、23区では、台東区の区内全世帯へのお米券の配布であったり、豊島区は一部世帯、18歳以下の子どもがいる非課税世帯ということに限定していますけれども、ということがあったり、例えば米の小売店への支援や、また、今、高騰している家賃の支援であったり、あと、教育費の負担軽減というところも、やっぱり考えていく選択肢としてはあるのではないかなというふうに思っています。低所得者支援、事業者支援なども含めて、区としての物価高騰対策、これをぜひ積極的に実施してほしいと思いますけれども、その点について伺います。

○中谷企画課長 今年度の物価高騰対策につきましては、国や都の動向を見極め、区として実施する必要がある対策を適切な時期に実施できるように検討していきたいと考えてございます。

○浦野さとみ委員 随分あっさりした御答弁でしたけど。物価高騰の中で、給食の質を維持していくこともそうですし、私どももこの夏、いろんな団体の皆さんとも懇談をさせていただいて、友愛クラブや、例えば町会の助成運営が物価高騰に見合ったものになっていないということであったり、あと、この後ちょっと取り上げますけれども、先ほど、歳入は好調で、全体も階層として上がっているということは確認をしたのですが、この後で取り上げる生活相談のところを見ると、結構二極化をしているなというふうに感じ取れるところもあります。地方自治法の「地方公共団体は住民の福祉の増進を図る」、この基本の立場で、ぜひいろんな角度で、対象を狭めずに、いろんなところを再点検しながら臨機応変に対応していってほしいなということを最後に重ねて求めたいと思います。

 次に、エアコン購入費助成について伺います。会派として繰り返し求めてきました。今年度、ようやく検討の具体化がされたことは評価をいたします。現在の検討状況についてまず伺います。

○葉山生活援護課長 お答えします。エアコン購入費助成については、助成対象とする要件や助成上限額など、他区の実施状況を参考にしながら区としての支援の検討を進めております。

○浦野さとみ委員 検討を今、進めているということなんですけれども、東京都が8月末から、高齢者と障害者がエアコンを購入した場合に8万円を補助することを開始していました。既に申請した方からも喜びの声が届いています。東京都の対応も踏まえて、例えば北区では、今定例会の中で補正予算を組み、都の補助に独自で4万円の上乗せをして、非課税世帯は7万円としています。補正予算案全体としては、北区では約1億円という規模のようです。今回の異常気象や猛暑を考えれば、北区のように、今年度は検討中ということではありますけれども、前倒しでの補正対応も検討すべき、必要であったのではないかなと思いますが、その点について伺います。

○葉山生活援護課長 令和8年度の事業開始に向けて検討を進めており、今年の夏を迎える前に補正予算で対応することは難しかったところでございます。

○浦野さとみ委員 検討してきているということは承知の上で今、申し上げたのですけれども、今は検討しているということなんですが、今はまだ検討をしているということで、中身については多分具体的に示せない状況なのかなというふうに思ったのですけれども、例えば、来年度に向けた主な取組などは、どの段階で具体的にその検討状況が明らかにできるか。今の段階ではどのような状況なんでしょうか。

○葉山生活援護課長 エアコン購入費助成に係る検討状況につきましては、第4回定例会において報告するよう準備を進めております。

○浦野さとみ委員 先ほど申し上げたように、できれば少しでも早くということがありましたけれど、今は第4回定例会に向けて準備をしてくださっているということなので、東京都のこの補助があったことは非常に大きいと思うんですね。ぜひその上乗せをして、実質負担ゼロに近い形で実施できるのではないかなと思いますので、より充実した内容での制度となるように、これも重ねて要望したいと思います。

 次に、生活保護制度の周知などについて伺います。安倍政権の下で2013年から3年間連続で引き下げられてきた生活保護費、約670億円になりますけれども、今年6月27日、最高裁判所は、引下げは違法との判決を下しました。長年にわたり生存権を守るために声を上げて闘ってこられた原告の方々、また、弁護団や全ての関係者の方に改めて敬意を表したいと思います。まさにこれはいのちのとりで裁判とも言われていますが、区として、まず、この判決を受けて、今後どのような対応になっていくのか、伺います。

○網野生活保護担当課長 本年6月、生活保護基準引下げ処分取消等請求訴訟の最高裁判決を受け、国において専門委員会を設置し、今後の対応について検討しているところでございます。実施機関でございます区においては国の動向を注視し、対応方針が決まり次第遅滞なく対応を図っていきたいと考えているところでございます。

○浦野さとみ委員 国がまだ謝罪もしていませんし、本当に一日も早い謝罪とともに、やはり奪われた保護費の復元、そして、今、本当に物価高騰でほとんど変わっていない保護費自身の引上げも求められると思います。土台が沈めばみんなが沈むと言われているように、生活保護の基準は47制度とも連動をしています。例えば就学援助でも、要保護者は生活保護法に規定する要保護者に準ずる程度に困窮しているということで、生活保護の基準のところが基準になりますから、連動する制度、ここが沈めば本当にみんなの生活が苦しくなっていくという関係にありますから、ぜひここは、まずは本当に、国がこの判決を受けての対応を一刻も早くというところが求められます。先日、9月1日ですかね。東京都福祉局生活福祉部保護課長なども含む大都市生活保護主管課長会議で、全21都市共同要望として、厚生労働省宛てに今回の最高裁判決を受けた対応に関する要望を提出しています。内容は、対応を自治体任せにしないでほしい、国が判決の趣旨も踏まえてきちんと責任を持って行うべきだという中身にもなっているかと思います。課長のところでも御承知かと思います。国での本当に一刻も早い対応が求められると思います。

 今、中野区の生活援護課に寄せられている生活相談の数がかなり増えているというふうに思います。私も実感として、寄せられる相談との関係でも、増えているなというふうに思うんですけれども、生活保護の申請件数はコロナ禍以降、高止まりをしていることは、これまでの質疑でも確認をしてきました。このスライドのところに2019年度からの6年分の件数を記しておりますけれども、今年度上半期、4月から9月の状況は、昨年度の同時期と比較して、今はどうなっているのか、伺います。

○葉山生活援護課長 お答えします。昨年度と今年度の4月から、現在は9月ですので、8月までの生活相談件数及び生活保護申請件数は、相談件数は令和6年度が1,987件、令和7年度が2,182件、申請件数は令和6年度が347件、令和7年度が428件でございます。

○浦野さとみ委員 今の数値を見ると、相談自体が1割ぐらい増えていて、生活保護の申請が2割以上、昨年度の同時期と比べても増加しているということになります。現状を今どのように担当として分析しているのか、伺います。

○葉山生活援護課長 相談や申請の件数が増加しているのは、生活困窮にある方が増えていることが主な原因であると捉えております。

○浦野さとみ委員 やっぱりここも、長引く物価高騰の影響や、何とかぎりぎりで生活されてきた方も限界に達しているという表れかなと思います。先ほど確認させていただいたように、納税義務者や納税義務者1人当たりの所得額は増えていますけれども、相談の状況や生活保護の申請の状況を見ると、高額所得のところと二極化してきているということが言えるのではないかと思います。

 この間、相談は丁寧に中野区としてはやってきていると思うんですけれども、以前、これまで4年間続けて作ってきたポスターの作成の背景を語った当時の担当課長は、制度は使われてこそ意味があるというふうにおっしゃっていました。私は同時に、生活保護制度がもっとポジティブなものになるべきだというふうにも思います。区としては、支援を必要とする方に制度を届けるために、さらにどのような工夫や取組をしているのか、伺います。

○葉山生活援護課長 区のホームページや区報、ポスター掲示などを活用して、制度や相談窓口の案内などの周知に努めております。

○浦野さとみ委員 今でもいろんな形でやっていただいていると思うんですけれども、これだけ相談の状況を見ても、多いというところを見ると、もっと周知も充実させていく必要があるというふうに思います。やっぱり、バッシングが繰り返されてきて、すごく生活保護自体が悪とか恥とかと捉えている人もたくさんいます。また、この間相談があった方は20代から40代の方が非常に増えているのですけれども、個人事業や正社員として働いてきた方も多く、また、コロナの後遺症や、コロナと物価高騰で事業継続が困難になっているということもあります。どれも本人の責任ではありません。やはり、制度は使われてこそ意味があるという立場で、これからもぜひ取り組んでほしいと思います。

 それで、その姿勢の一つとして年末年始の対応を求めてきました。昨年から今年にかけても9連休になりましたけれども、今年の年末年始もまた9連休になります。国立市は今回、民間と連携しながらの年末年始の数日間の相談窓口を設けましたけれども、ぜひ区としても検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○葉山生活援護課長 昨年度の年末年始期間には、東京都、特別区人事厚生事務組合及び各区が連携し、相談窓口の臨時開所や自立を支援する施設の特別対応など、相談から宿泊場所の提供、期間終了後の支援までの仕組みを整えながら対応いたしました。今年度も都と特別区等が連携し、生活困窮に関する相談等の支援に努めてまいります。

○浦野さとみ委員 今の御答弁だと、これまでの従来どおりということなのかなと思うんですけれども、ただ、もちろん、東京都のところにつなぐこと、それはそれで大事ですし、区として早めに相談に来てほしいというような周知ももちろん大事で、それも私は分かっています。ただ、長くなる中で、また、行政の姿勢として、本当に誰一人取り残さないのだという姿勢を示していく上でも、私はぜひ実施してほしいし、前向きに検討してほしいなと思います。また御答弁を伺っても、多分同じ答弁になるかと思いますけれども、ぜひここは検討を改めて求めたいと思います。

 小項目の最後の多様な生き方を支える行政の基本姿勢について、ここでは1点だけ伺いたいと思います。中野区の基本計画の骨子が先日、全常任委員会にも報告されました。策定の背景のところで、区を取り巻く社会状況等の変化ということがあって、その中で、ライフスタイルの変化や孤独、孤立についての記述があります。ライフスタイルというのは生活様式や生き方のことを指すと思いますけれども、個人の人生観や価値観、習慣や暮らし方、ここのライフスタイルの捉え方をどうするのかということは、私はすごく大事だなというふうに思っています。まさに個人の生き方や、パートナーとの関わり方、家族の在り方、これも様々な選択肢があります。制度自体をアップデートさせていくということも私は必要だと思っていますし、例えば、恋愛や結婚や、子どもを持ち、育てることなども、ジェンダーにまつわるこうあるべきとか、こうすべきという世間の風潮にはすごく違和感がありますし、やはり、一人ひとりが自分らしい生き方を目指せる社会、選択できる社会であるべきだと思います。今後の基本計画の全体として、そういった理念であってほしいというふうに思うんですけれども、この1点を確認させてください。

○中谷企画課長 区民のライフスタイルの多様化が進む中、必要な支援の内容も多様化していると認識をしてございます。区民一人ひとりが誰一人取り残されることなく自分らしく生きていくことができるように、区民のニーズを的確に捉え、必要な支援を提供していく必要があると考えてございます。

○浦野さとみ委員 これは、委員会で質疑をしたときに少し不安になる部分があったので、あえてこの場で確認をさせていただきましたけれども、それぞれの多様な生き方というところを行政として、例えば子育て支援も、ひとり親支援とか、お子さんがいる方に、それはそれでもちろん大事なことなんですが、ただ、子どもを産まないという選択もした中で、でも、その方が当然大変な、例えばシングル女性の方であったり、制度自体をいろんな側面から捉えていく、構築していくということがやっぱり大事だなと思うので、そこの枠を狭く見ないというか、今、一人ひとりがその方らしくということをおっしゃってもらったので、ぜひその立場で当たっていただきたいと思います。ありがとうございます。

 次に、外国籍の方に関するデマや事実誤認について伺います。私たちは社会の中で様々な方と共生をしています。昨日、中村委員の質疑にもありましたし、本会議で我が会派の羽鳥議員も取り上げました。特に、近年強まっている外国籍の方への排他的な主張や、意図的に流される虚偽の情報、事実に基づかない内容での印象操作が横行していることに大きな危機感を持っています。今年の参議院議員選挙の中でも、外国人は健康保険にただ乗りしている、外国人が高額療養費制度を悪用している、生活保護は外国人が優遇されているなどのデマも流されました。今回は決算なので、国民健康保険と生活保護について、決算上、事実としてどうなっているのか、確認をしたいと思います。

 まず、国民健康保険についてです。さきに紹介したデマについては、厚生労働大臣が今年の7月15日、これは参議院議員選挙後になりますけれども、記者会見の中で、医療費や高額療養費制度において、外国人の割合が高いということはないと答弁をしています。中野区の状況について確認をします。決算年度である2024年(令和6年)5月末現在、国民健康保険に加入していた世帯数、そして、その中に占める外国籍の方の世帯数の割合について伺います。

○宮脇保険医療課長 令和6年5月末現在で、中野区の国民健康保険加入世帯数は5万8,733世帯、このうち外国人世帯数は1万792世帯であり、その割合は18.4%であります。

○浦野さとみ委員 国で厚生労働大臣が、国民健康保険の加入者全体の4%が外国籍と。中野区は、昨日の質疑でもあったように、登録者が増えていますので、多分ほかの自治体に比べると多い傾向にあるのかなというふうに思います。

 国民健康保険に加入している外国籍の方の世帯において、今、18.4%とありましたけど、年齢層の傾向とかを、国民健康保険加入者全体の年齢層の特徴と併せて伺いたいと思います。

○宮脇保険医療課長 被保険者ごとの年齢層の傾向としましては、加入者全体では65歳以上の割合の方々が最も高く、次に20代の割合が高い状況でございます。外国籍の方におきましては、20代の割合が最も高く、半数以上を占めております。

○浦野さとみ委員 全体では65歳が多いけれども、外国籍の方については20代の割合が半数を超えていると。

 決算年度における医療費の大半を占める療養給付費の総額は、これは全体ですが、どうなっているのか、伺います。

○宮脇保険医療課長 163億2,500万円余でございます。

○浦野さとみ委員 今御答弁いただいた療養給付費163億2,500万円余の中で、外国籍の方の療養給付費はどの程度になるのか、全体に占める割合と併せて伺います。

○宮脇保険医療課長 6億700万円余で、療養給付費全体に占める割合は3.7%でございます。

○浦野さとみ委員 国民健康保険加入世帯は、先ほどの御答弁にあったように、18.4%が外国籍の方という世帯である一方、今御答弁いただいたように、療養給付費は約3.7%です。

 国民健康保険加入の外国籍の方は、先ほど、20代が半数以上という御答弁でしたけども、稼働年齢層もそうすると多いということになるので、医療機関にかかる方も少ない傾向にあると考えられますが、外国籍の方の割合が高いとか、優遇されているということはないという認識でよいのか、伺います。

○宮脇保険医療課長 外国籍の方の国民健康保険加入率及び療養給付費の給付割合から鑑みまして、外国籍の方の医療費が高いという認識はございません。また、外国籍であるか否によって医療費を優遇しているということもないと認識してございます。

○浦野さとみ委員 ありがとうございます。

 では次に、生活保護について伺います。こちらも決算年度である2024年度の数字で伺いたいと思います。2024年3月1日現在、中野区内での生活保護世帯数と、その中での外国籍の方の世帯はどうだったのか、割合とともに伺います。

○網野生活保護担当課長 2024年3月現在の生活保護世帯数は6,784世帯、そのうち外国人世帯は175世帯であり、割合は2.58%でございます。

○浦野さとみ委員 これは2020年度の同日と比較してどうなのか。総世帯のうち、その割合について伺います。

○網野生活保護担当課長 2020年3月現在における生活保護世帯は6,657世帯、そのうち外国人世帯は172世帯であり、割合は2.58%、2020年と2024年の比較をいたしますと、世帯数、割合は共にほぼ横ばいでございます。

○浦野さとみ委員 世帯数、割合は共にほぼ横ばいということでした。一方で、住民登録世帯に占める外国籍の方のみの世帯は1万5,000世帯、決算年度の同日では1万5,771世帯となっていますので、700世帯以上増えております。外国籍の方の生活保護利用者は、人口増の割合からすると、横ばいなので、減っているということも言えると思います。厚生労働省が公表している調査では、世帯主が外国籍の方の生活保護利用者はこの10年間で約1万人減少しているというふうにも言われています。

 先ほど触れた、中野区が4年連続で作成し、区内に貼り出している「生活保護の申請は国民の権利です」というポスターにおいて、この2年間については、外国籍の方は在留資格によって生活保護に準じた援助を受けられる場合もありますという記述が加わっています。外国籍の方について触れているということは、私はすごく大事なことだと思います。改めて確認しますが、外国籍の方の生活保護についてはどういった運用になっているのか、確認の意味で伺います。

○網野生活保護担当課長 適法に日本に滞在し、活動に制限を受けない永住、定住等の在留資格を有する外国人につきましては、人道上の観点から、昭和29年に厚生省社会局長から通知のあった「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」に基づき、生活保護法の取扱いに準じた保護を行っているところでございます。

○浦野さとみ委員 今御答弁いただいたとおりです。

 例えば、先ほどの流れているデマのところで、生活保護は外国籍の方が優遇されているということもありましたけれども、申請から審査の過程の中で、外国籍の方だから優遇されているということはないという理解でよろしいですか。

○葉山生活援護課長 お答えします。生活保護の申請から調査、決定に際しては法令等に基づいて行っており、外国籍の方を優遇することはございません。

○浦野さとみ委員 審査は同じで、国籍にかかわらず行われますから、優遇されていることはないということで御答弁いただきました。

 さきに触れたように、中野区のこのポスターで、外国籍の方は対象になるということも触れていることは大事だと思います。これを、ポスター同様に、ホームページ上にもきちんと明記をすべきではないかなというふうに思いますけれども、その点はいかがでしょうか。

○葉山生活援護課長 ポスターについては、国や東京都、他の自治体などの表現を参考に作成したものであり、ホームページについても工夫してまいります。

○浦野さとみ委員 ぜひ工夫していただきたいと思います。

 例えば、ちょっと見にくい、小さいですけども、東京都国立市のホームページには、「生活保護は生きるための権利です」ということと併せて、生活保護に対する差別は許されませんということを明確に表記しています。冒頭で述べたように、意図的に流される虚偽の情報や事実に基づかない内容での印象操作が横行している中で、中野区もその姿勢を示すべきだと思いますけれども、この点はいかがでしょうか。

○葉山生活援護課長 生活保護における差別についても、ポスターと同様、今後、工夫に努めてまいります。

○浦野さとみ委員 ぜひそこは、今はこういう状況だからこそ、検討して対応いただきたいと思います。今の本当に排他的な排外主義の中で、恐怖でおびえている方もたくさんいます。さきにも触れたバッシングもあって、やっぱり、行政が明確な姿勢を示すことが本当に大事だというふうに思います。そういう意味では、中野区では、中野区人権及び多様性を尊重するまちづくり条例の中で、本当に全ての人をということでありますから、この姿勢での区政運営がより一層大事になってくると思いますので、今、検討するという御答弁でしたので、ぜひそこも併せてお願いをしたいと思います。ありがとうございます。

 次に、2番、安心して住み続けられる区営住宅について伺います。住まいの問題は会派としても繰り返し取り上げてきました。長寿命化計画が平成24年以降、改定されておらず、指摘を繰り返す中、ようやく今年度、予算化されたことはよかったというふうに思います。ただ、実際、その期間はどうだったかということは問われなければいけないと思います。本来であれば、計画が改定され、年次計画に基づき対応をすることもできたと思いますけれども、今回は区営住宅における修繕の負担区分、浴槽や風呂釜などの設置、あと、使用料滞納からの生活再建、この三つの観点で伺いたいと思います。

 まず、修繕の負担区分についてです。区営住宅管理運営、これは指定管理に今はなっていますけれども、決算年度である2024年度当初予算額と決算額について、まず伺います。

○會田住宅課長 お答えいたします。2024年度の当初予算額は1億4,079万7,000円、決算額は1億590万9,000円となってございます。

○浦野さとみ委員 指定管理者による事業報告書がありますけれども、この中で住宅維持管理業務実績報告書が掲載をされています。この中に修繕に係る費用も記載されていますけれども、修繕には幾つか種類があると思います。計画修繕と一般修繕、まず、それぞれについて簡単に御説明をお願いいたします。

○會田住宅課長 計画修繕は、経年等による部位、部材の劣化及び機器の性能低下を考慮し、建設年度や恒久度等を勘案して劣化診断等を行った上で計画的に施工するものでございます。一般修繕については、住宅使用者からの依頼に基づき実施する、計画修繕以外の比較的小規模の修繕でございます。

○浦野さとみ委員 今御説明いただいた計画修繕と一般修繕のそれぞれの決算年度での金額はどうだったのか、計画修繕と一般修繕のそれぞれの金額を確認いたします。

○會田住宅課長 福祉住宅を含む計画修繕の2024年度の決算額は6,607万3,000円、一般修繕の決算額は1,188万5,000円となります。

○浦野さとみ委員 先ほど触れた指定管理者からの事業報告書の中では、修繕依頼等の受付業務件数というものが月ごとに記されています。ここに記されている区営住宅、福祉住宅の修繕依頼は、先ほど計画修繕、一般修繕とありましたけれども、区分けとしては一般修繕ということでよいでしょうか。

○會田住宅課長 委員のおっしゃるとおり、報告書に記載の修繕依頼件数につきましては一般修繕の件数でございます。

○浦野さとみ委員 今、このスライドに、これも小さくて申し訳ありませんが、決算年度を含めた修繕の依頼件数、これは事業報告書からの抜粋になりますけれども、決算年度を含めた過去3年間の修繕依頼の件数はどのようになっているのか、伺います。

○會田住宅課長 過去3年間の修繕依頼受付件数は、令和4年度は297件、令和5年度は251件、令和6年度は281件となってございます。

○浦野さとみ委員 250件から300件ぐらいで毎年推移をしていると。

 修繕依頼の主な内容というのはどういう中身があるのでしょうか。

○會田住宅課長 修繕依頼の主な内容につきましては、水漏れ等の給排水設備不良や電気設備関係、玄関やサッシ等の開閉不良等が件数として多い内容となってございます。

○浦野さとみ委員 これは令和6年度の修繕申込みの内容です。御答弁いただいたように、雨漏りとか玄関、サッシの不具合とか、給水管の水漏れとかということがあるかなと思うんですけれども、修繕依頼があった場合、区としては今、どのように対応しているのか、伺います。

○會田住宅課長 修繕依頼は指定管理者が24時間、365日、随時受け付け、依頼内容によって区負担の修繕で行うか、居住者負担で行うかを判断した上で、指定管理者が施工業者に対し修繕を実施しているところでございます。

○浦野さとみ委員 問合せがあって、その中身を見て判断しているということなんだろうと思うんですけれども、一方で、入居者の方に配布される区営住宅の「すまいのしおり」というものがあります。これには居住者が負担する修繕の主な範囲ということが後段のページのほうに記されているのですけれども、例えば、換気扇の修繕や取替え、窓ガラスの取替えはどちらの負担になりますでしょうか。

○會田住宅課長 換気扇の修繕及び取替え、窓ガラスの取替えにつきましては、原則居住者の負担としているところでございますが、修繕や取替えが必要になった原因や経緯等の状況を都度確認させていただき、必要に応じて事前に現地調査を行った上で負担区分を判断しております。なお、換気扇につきましては、居住者自身で設置いただく住宅がほとんどのため、修繕や取替えにつきましても設置した居住者に行っていただくこととなっております。

○浦野さとみ委員 トイレの便器や便座、鏡や畳の取替えはどちらの負担でしょうか。

○會田住宅課長 トイレの便座や鏡、畳につきましても、取替えが必要になった場合は原則居住者の負担としておりますが、個別の状況により判断する場合がございます。

○浦野さとみ委員 あと、炊事の流し台、カーテンレール、網戸、これはどちらの負担になりますか。

○會田住宅課長 炊事の流し台、カーテンレール、網戸につきましても、原則居住者の負担としてございますが、個別の状況により判断する場合がございます。

○浦野さとみ委員 今、それぞれで個別の状況というふうにありましたけども、原則は居住者です。民間賃貸で、果たして換気扇や窓ガラス、トイレの便座や便器、畳や炊事の流し台、カーテンレール、網戸などを全て入居者負担で行うところがあるかなといったら、なかなかそれはないと思います。細かな点ではもちろん現場でのケース・バイ・ケースもあるかもしれませんけれども、この負担の在り方については、都から移管されたときから変更されていないというふうにも聞いています。

 このスライドは江古田二丁目にある区営住宅、江古田二丁目アパートになります。ここは昭和51年の建築で、間もなく築50年になります。今確認した修繕負担区分の中で、例えば換気扇についてですけれども、御答弁であったように、ついていないんですよね。だから、ようやく当選して入居したAさんから御了解いただいて写真を撮らせていただいて掲載しておりますけれども、ガスコンロの上、窓の横におおむね正方形の板があります。ここは換気扇が設置される場所で、入居時には換気扇はないと。入居者が自分で設置するから、修繕も入居者ということで先ほど御答弁があったかと思いますけれども、民間賃貸で換気扇を自分でつけるところがあるかといったら、なかなか古いアパートでも、家主の責任でというところが多いのではないかなと思います。公社の賃貸住宅では、2019年8月までは、多くて34項目にわたって入居者の負担だったのですけれども、同年の9月からは11項目に減り、ガラスサッシや便座、鏡などが公社負担となりました。区営住宅においても、まずはこの修繕負担区分を、都から移管されてからずっと変わっていないということですから、まずは総点検をし、入居者の負担の軽減を図るべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○會田住宅課長 修繕負担分につきましては、日常使う軽微の修繕や居住者自身が設置した設備の修繕、居住者の故意、過失による破損等につきましては居住者負担、建物の主要構造部の修繕や共用部分の修繕、給排水・電気設備の主要部分の修繕等につきましては区の負担を原則としております。他自治体や公社の事例を参考にしながら現行の修繕負担区分につきましては点検を行い、必要に応じて見直しを検討してまいります。

○浦野さとみ委員 今、必要に応じて見直しをと。これはやはり、長寿命化計画がなかったからこういうふうになってきたという部分も大きいのではないかなというふうに思います。ぜひ点検をして、少しでも負担の軽減を図れるように、また、家主としての責任というところを鑑みて、ぜひお願いをしたいと思います。

 次に、関連をしますけれども、浴槽や風呂釜などの設置について伺います。これも修繕負担区分を見れば居住者負担となっていますけれども、さきに触れた換気扇と同様、修繕以前の問題として、そもそもの設置について伺います。区営住宅の募集が先日もありましたけれども、この募集の中には、募集に当たって浴槽設置の有無ということが住宅の一覧の一番右端に記載されています。これはなぜなのか、伺います。

○會田住宅課長 区営住宅は一部を除きほとんどの住宅が東京都から移管を受けた住宅でございますため、移管当初から浴槽のある住宅とない住宅がございます。区営住宅の募集の際に配布してございます冊子に浴槽の有無を記載してございますが、これは、入居を希望する方に対しあらかじめ居室の設備状況を把握していただき、設置費用の必要性等を理解した上で申し込んでいただくためでございます。

○浦野さとみ委員 移管後そのままなので、設置していないところがあるから、その把握をしていただくためということなんですけども、移管後に区として設置したことというのはあるのでしょうか。

○會田住宅課長 これまで区の負担で設置した実績はございません。

○浦野さとみ委員 移管後、区として設置したことはないということでした。

 区営住宅は現在、14団地、25棟、453戸あると思います。このうち、浴槽や風呂釜などの設備が整備されていない住居というのは全体でどの程度になるのか、伺います。

○會田住宅課長 区営住宅の453戸のうち、浴槽や風呂釜が整備されている住戸は101戸、整備されていない居住者自身で設置していただく必要のある住戸は352戸となってございます。

○浦野さとみ委員 設置されている箇所は453戸のうちの101戸なので、全体の多分23%弱ですかね。設置されているのはそれぐらい。未整備のところが78%弱ということになると思います。これは、伺いませんけれども、お聞きしたところによると、未整備のうち、その後は入居者の方がそれぞれ自分で設置するので、その方が設置したのかどうか、または設置していないのかどうかというところまでは把握をしていないということでした。

 これも先ほどの御相談の方からの許可を頂いて掲載をしています。先日、区営住宅の江古田二丁目アパートに入居されたAさん宅の浴室です。Aさんが当選したこのアパート内、この区営住宅は、募集上は浴槽なしということになっているんですね。なしです。そのため、御覧のとおり、浴槽、風呂釜がない状態になっています。Aさんは本来、入居に併せて浴槽も風呂釜も設置をしたかったとのことですが、引っ越し費用は、どんなに安くてもやっぱり20万円ぐらいかかる。これを工面するのもやっとの思いでした。そのため、入居時に浴槽、風呂釜を購入することは諦めざるを得ませんでした。区として、先ほど、約78%が整備されていないということでしたけれども、浴槽、風呂釜なしのこうした公営住宅が存在することに対して、現在どのような問題意識を持っているのか、伺います。

○會田住宅課長 浴槽等の設置が入居者の自己負担となっている現状は、経済的に困難な状況にある方々にとって、入居そのものを断念せざるを得ない要因となる可能性があることから、問題であると十分に認識してございます。

○浦野さとみ委員 問題があると十分に認識しているということであれば、やっぱり対応が必要だなというふうに思います。

 以前に御相談が寄せられた方は、社会福祉協議会へ応急資金の申請をして、ただ、これも審査に2か月近くかかるのですけども、その方は何とか工面をしました。ただ、これは当然給付ではないので、返すお金になります。そもそも区営住宅や都営住宅は、住宅に困っている低所得者の方を対象としています。家賃、使用料は月額1万5,200円から6万5,600円、これは所得に応じてということですけれども、浴槽がないところに浴槽と風呂釜を設置しようとしたら、間違いなく家賃よりも、使用料よりも高くなるわけです。民間賃貸住宅において、浴槽や風呂釜を自分で一から用意するところが果たしてあるか。浴槽はやっぱり、今は一般的な附属設備になっていると思います。さきに紹介した公社住宅の修繕負担について、2017年からは浴槽設置は公社の負担となっています。また、都営住宅でも、建て替え時、または空き家となった住戸については都が設置するように、今、改善が図られているところです。区営住宅においても、浴槽、風呂釜がない住戸については、現在、策定に向け検討を進めている公営住宅等長寿命化計画の中にしっかりと位置付けて、計画的な整備をすべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○會田住宅課長 浴室整備につきましては、既存入居者への支援の在り方や公平性も考慮しつつ、現在策定に向け検討中の公営住宅等長寿命化計画の中で整理してまいります。

○浦野さとみ委員 すみません。最後のところをもう一回言っていただいていいですか。

○會田住宅課長 失礼いたしました。現在、策定に向け検討中の公営住宅等長寿命化計画の中で整理してまいります。

○浦野さとみ委員 整理というのはどういう意味ですか。

○會田住宅課長 公営住宅等長寿命化計画の中で検討してまいります。

○浦野さとみ委員 先ほど課長に、今のないことへの問題意識を伺ったら、十分問題だと認識しているということでした。そうであれば、今、検討していくという中で、ぜひここは本当に。中野区住生活の基本に関する条例の第1条には、これは公営住宅に限ったわけではないですけれども、「この条例は、住宅が区民の健康で文化的な生活にとって不可欠な生活の基盤であることから、中野区の住宅政策について基本的な事項を定めることにより、全ての区民の住生活の安定の確保及び向上を図り」というふうに明記をされています。また、公営住宅法の中でもやっぱり、ここは公営住宅ですけれども、低所得者に対して低廉な家賃で住宅を提供し、生活の安定と社会福祉の増進を目的とする中で、ここにも「健康で文化的な生活を」ということがきちんと記されています。さきに触れた網戸、風呂だけでなく、先ほどは修繕負担の割合のことで網戸のことに触れましたけれども、住宅の中の部屋の中のそれぞれの物品のところを改めて点検しながら、修繕負担の区分の見直しも含めて、しっかりこの計画の中で位置付けて検討していただくことを重ねて最後に要望したいと思います。

 この項の最後に、使用料滞納からの生活再建について伺います。さきに触れた指定管理者による事業報告書の中には、区営住宅における使用料の滞納者への督促件数というものも記されています。これも令和6年度、決算年度の事業報告書からですけれども、ここには電話による督促ということと、訪問による督促ということがあります。それぞれの電話督促件数について、決算年度も含む過去4年間の状況について伺います。

○會田住宅課長 指定管理者による使用料滞納者への電話督促の件数は、令和3年度は123件、令和4年度は176件、令和5年度は184件、令和6年度は191件となってございます。

○浦野さとみ委員 今、数字がどんどん増えている状況ですね。これは、例えばお一人の方に3回とか5回の督促をしても、カウントとしては1件というふうに伺いましたので、そのため、1人の方への回数が増えているとかではなくて、件数自体が増えているということだと思います。

 今御答弁いただいた年々増えているという要因というのはどのようなところにあると認識されているのか、伺います。

○會田住宅課長 令和3年度以降、指定管理者による使用料滞納者への電話督促件数は微増傾向でございますが、その背景には、物価上昇等による生活困窮の深刻化、居住者の高齢化や単身化、病気や介護等、複合的な要因があると考えてございます。

○浦野さとみ委員 今、複合的な要因とありましたけれども、督促の電話をしたりする中で、滞納している理由の丁寧な聞き取りということは行っているのでしょうか。

○會田住宅課長 指定管理者による電話督促におきましては、使用料の支払いが確認できない旨の通達や支払いの督促、納付書での支払いの依頼を主としており、個別の生活状況等の聞き取りは行ってございません。使用料の納付につきまして、居住者から区へ直接相談があった場合には詳しく状況を伺い、必要に応じて福祉部門へのつなぎを行っているところでございます。

○浦野さとみ委員 今のことだと、相談があった場合ということで、こちらからの聞き取りは細かくしていないということでした。

 例えば、やっぱり増えている傾向にあって、この方たちは使用料、家賃だけを滞納しているという状況ではないということも考えられると思います。国民健康保険や税とか、ほかにも何か未納であることがある可能性も高いのではないかなというふうに思うわけですけれども、今、相談があった場合にはつないだりということがありましたが、そういうつないだ件数とかというのは、何か統計的に取っていたり、把握はしているのでしょうか。

○會田住宅課長 居住者からの御相談を受けまして福祉部門へつないだ事例はございますが、件数等につきましてはカウントをしておりません。

○浦野さとみ委員 カウントをしていないということなんですけれども、増えてきている中で、それをちゃんと聞き取って、つないでいくということ、つないだ上で、それがどういう状況にあるのかということは、やっぱり細かく見ていく必要があるというふうに思います。

 今年、前期の少子化対策・地域包括ケア調査特別委員会で愛知県岡崎市を視察させていただきました。住まい支援の在り方については1定の本会議の中でも取り上げましたけれども、この取組の中で、岡崎市の取組として大事だなと思ったのは、家賃の滞納者が多いという現状から出発をして、家賃、使用料以外にも滞納があるのではないかという下で調査をしていったら、そこが多いという課題があったということでした。そこから生活再建型の債権管理に取り組んだということを、視察の中でお話をお聞かせいただきました。これは切り口としてはすごく大事な視点だというふうに思うんですね。やっぱり、ここから見えてくる課題も当然あると思います。今後は、今、増えてきている状況の中で、やっぱり区としても住宅部門としても積極的に聞いて、福祉部門との連携の在り方も強化をしていく、きちんと状況も把握をしていくということが必要ではないかなというふうに思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。

○會田住宅課長 愛知県岡崎市の生活再建型の債権管理の取組につきましては、家賃滞納者の背景にある生活困窮や社会的課題に着目し、単なる債権回収にとどまらず、福祉的支援との連携を図ることで入居者の生活再建を支援するという先進的な事例であることは認識しております。区において、家賃滞納者に対しては早期状況把握と丁寧な納付指導を行うとともに、必要に応じて福祉部局との連携を図り、生活保護や納付制度などの活用など、生活の安定に向けた支援を行っているところでございます。他自治体の先進事例を参考にし、福祉、住宅の各部門がより一層連携を強化し、入居者の生活状況に寄り添った支援を図っていきたいと考えてございます。

○浦野さとみ委員 まず、今あったように、実態の把握ということがすごく大事だと思います。その上での分析や連携の在り方ということになると思います。生活再建型の債権管理は重点プロジェクトにも位置付けながら実施できていないという状況に今はなっていますけれども、今回は公営住宅の使用料の滞納という観点から取り上げさせていただきましたが、やっぱり区として必要な施策だというふうに思いますし、本当にその方からただ徴収すればいいとかということだけではなくて、公としてその方の生活を再建する、支えていくのだということでのすごく大事な観点だと思いますから、そこはもちろん住宅部門だけで解決することではないですが、でも、そこから見えてくる課題の中で区として取り組んでいくべき方向ということも見えますし、御紹介した岡崎市の取組なども現にありますから、ぜひそこは検討を重ねていくということを強く最後に重ねて、これは御答弁は結構ですが、要望したいと思います。ありがとうございます。

 次に、3番、区立公園の管理のあり方について伺います。公園に関する声は、遊具やルールの在り方、トイレ清掃やごみなど、本当に多岐にわたって寄せられます。昨日、伊藤委員の質疑のところでも樹木の剪定がありましたけれども、今回は、私のほうでは公園の日常的な清掃、除草管理について取り上げたいと思います。現在、指定管理となっている公園は七つありますけれども、まず、直営管理の公園について先に伺います。決算年度の2024年度当初予算案では、公園清掃等維持管理委託等として8億2,000万円余が計上されています。この中には公衆トイレの清掃委託であったり、じゃぶじゃぶ池の管理委託など、いろんなものが含まれての公園清掃等維持管理委託等ということになっていると思うんですけども、公園の日常的な清掃、除草に関する部分だけで見たときに、委託費はどの程度なのか、伺います。

○宮澤公園課長 お答えいたします。公園の清掃、除草に関しては、エリア等を分けて四つの委託を出しており、令和6年度の決算額としましては合計で約2億円となっております。

○浦野さとみ委員 エリアを四つに分けて、約2億円ということでした。

 これは、公園課が所管する都市公園やポケットパークなどが公園等清掃除草委託の対象になっているということで捉えてよいでしょうか。

○宮澤公園課長 御質問の内容のとおりであり、指定管理者が清掃、除草を行っている公園を除きまして、都市公園やポケットパーク等の約170か所が対象となってございます。

○浦野さとみ委員 決算特別委員会総務分科会の要求資料98の中に「施設別、業種別業務委託一覧」というものがあります。この中に公園等清掃除草委託というものがあって、その1からその3という形で区分けがされているのですけれども、先ほど四つのエリアに分けてということだったのですが、これはどういう区分けとしてその1とか、その2とかと表記されているのか、伺います。

○宮澤公園課長 公園等清掃除草委託(その1-1)、(その1-2)は、区内を二つの区域に分割しまして、その区域内の公園について民間事業者に委託してございます。また、公園等清掃除草委託(その2)は公益社団法人中野区シルバー人材センターに、公園等清掃除草委託(その3)は中野区障害者福祉事業団にそれぞれ委託しており、それぞれの団体が実施可能な公園を対象として清掃及び除草を行ってもらっております。なお、その2、その3で発生する廃棄物の処理については、その1-1及びその1-2の民間事業者の委託の中で実施しているところでございます。

○浦野さとみ委員 エリアと、委託先、受けてくれている先のところで分けてあって、シルバー人材センターさんと中野区障害者福祉事業団の廃棄のところはその1のところの二つのところでやっていただいているということで、その1が二つあるわけですけれども、全部で四つとなっているのですが、それぞれ、委託先によって、除草の回数は年何回、何月を目安に行っているのか、伺います。

○宮澤公園課長 公園等清掃除草委託(その1-1)、(その1-2)につきましては6月から7月に1回と9月から10月に1回の年2回、公園等清掃除草委託(その2)、(その3)は5月、7月、9月の各1回の年3回実施してございます。

○浦野さとみ委員 年間の作業回数の違いというのは、2回と3回のところがあるということはどういうことなんでしょうか。

○宮澤公園課長 清掃、除草に係る予算の範囲において、各委託事業者が対応すべき公園数と除草に適する期間中に実施可能な作業量を勘案して回数を決めているため、作業回数に違いが出ております。その2、その3につきましては、対象とする公園数がその1-1、その1-2と比べて少ないため、3回に分けて実施することとしてございます。

○浦野さとみ委員 そうすると、170か所あるうち、その1のところは、公園数が、そもそも委託している公園が多いので、年に2回。シルバー人材センターさんと中野区障害者福祉事業団のところは、委託している公園数としてはその1に比べると少ないので、年3回ということだと思います。

 2019年度から2023年度の過去5年間の委託費の決算を確認しました。そうすると、ほぼこの委託費というのは横ばいになっていて、2023年度(令和5年度)のみ僅かに増えていたのですけれども、その理由はどういった理由でしょうか。

○宮澤公園課長 徐々に人件費が上昇している中、令和5年度においては、公契約条例に対応したことによる影響で委託費が微増していると分析してございます。

○浦野さとみ委員 公契約が適用されたことで、令和5年度のところは増えているということでした。

 今年に入って、公園内のベンチを草木が覆っている、草が伸び過ぎて公園の入り口を塞いでいるなどの声が少なくない件数で寄せられました。この写真は中野六丁目にあるさくら公園なんですけども、ベンチを覆うように枝葉が伸びていて、実際にベンチに座ることができない状況に、これは7月の末ですが、なっていました。所管でも定期的に巡回をしていると思うんですけれども、その中で、今年度の状況というのはどのように把握をされているのか、伺います。

○宮澤公園課長 区立公園等は委託事業者によりまして順次点検等を行っておりまして、雑草等が、草木が生い茂っているという報告もございます。一方で、成長が早いということや、伸び過ぎているといったことを定量的には把握していないといったところでございます。

○浦野さとみ委員 随時届いた声には対応をしているけれども、定量的にはと。これは分からないですけども、猛暑や異常気象の影響も一つの可能性としては考えられるかもしれません。また、現場の委託先のシルバー人材センターさんや中野区障害者福祉事業団の方からは、猛暑の中での作業が大変になっているというふうにも伺っています。

 委託費が微増しているとはいえ、先ほど御答弁があったように、人件費自体も上がっているということなので、作業の回数とか委託費が妥当かどうかということ、これも再検証していくということが今後必要ではないかなと思うんですけども、その点はいかがでしょうか。

○宮澤公園課長 公園等の清掃、除草の頻度は適切な回数を設定して取り組んできたと考えてございますが、昨今、地域からは清掃や除草を増やしてほしいといった要望ももらっているところでございます。一方で、猛暑の影響により、作業者にとっては過酷な労働環境となってきているということも認識してございます。今後は様々な状況を鑑みながら適切な公園管理が実現できるよう、作業回数や委託費について継続して検討してまいりたいと思います。

○浦野さとみ委員 本当に公園課のほうにいろんな要望が日々届いているというふうに聞いているので、本当に大変だと思うんですけれども、今、検討していきたいということだったので、ぜひお願いしたいと思います。

 公園を地域行事で使用するときに、その行事の前に除草をしてほしいという声も多いというふうに聞いています。そのことによって、本来、先ほど何月にやると教えていただきましたけれども、地域からの行事との関係によって、当初予定していた月よりも早く実際に実施をするということがあるということも聞いています。そのことで、年間で立てていた予定の期間から、実際は間が空いてしまうということもあるのではないかというふうに思います。例えば、地域との連携の在り方も一つの検討の要素かもしれないと思いますし、ただ、公園はやっぱり誰にとっても憩える場所であるべきだというふうに思いますので、ぜひ検証の上での検討を求めたいというふうに思います。

 次に、指定管理のところについても併せて伺うのですけれども、今回は平和の森公園について伺います。平和の森公園については公園部分と総合体育館が一体管理となっており、公園利用者、そして総合体育館の利用者からも、やはりこれも様々な声が届いているというふうに聞いていますが、今回は植栽管理に限定して伺います。植栽管理に関して、区で把握している声というのはどのようなものがあるのか、伺います。

○宮澤公園課長 植栽管理に関する意見としましては、除草が不十分な箇所がある、園路通行時に葉が当たる、枯れた木がそのままであるなどの御意見を頂いているところでございます。

○浦野さとみ委員 今、そういう声が届いているということなんですけども、私のところにも、草の伸びが激しくて、園路にはみ出て歩きにくいとか、全体の樹木の剪定が雑になっているというような声も伺っています。

 今年度からの5年間は新たな指定期間になって、選定の結果、これまでとは違う事業者が選定をされました。事業者の変更に伴い、樹木の管理に関して、特に何か仕様書などには変更があったのでしょうか。

○宮澤公園課長 今年度から指定管理者は代わってございますが、植栽管理に関する仕様書については変更してございません。

○浦野さとみ委員 仕様書の変更はないということなんですけども、樹木や除草に関して、明らかに今までと違うという声が届いていて、事業者側に何か体制の変化などがあったのでしょうか。事業者自体が代わっているわけですけれども、中身のところで何か変化があったのか、伺います。

○宮澤公園課長 指定管理者自体は代わっているので、共同体に参加している事業者は代わってございますが、植栽管理については、専門の造園業者へ再委託し維持管理を行うといった体制自体は変わってございません。

○浦野さとみ委員 造園業者のところにそこは委託をしているということですね。

 8月末に平和の森公園内では樹木剪定、芝刈り作業、除草作業などの植栽管理が行われました。こういう貼り紙がされて、3日間ぐらいされていましたけれども、ただ、この作業が終わった後にも除草管理に関する改善の要望の声が届いています。この間、区に寄せられているその声に対して、今、区としてはどのような対応を検討しているのか、伺います。

○宮澤公園課長 頂いた御意見や御要望につきましては、都度指定管理者に伝え、実態等を踏まえながら解消を依頼しているところでございます。今年度に入ってから頂いた御意見の状況を踏まえてサービスの向上が図られるよう、9月中に指定管理者と改善に向けた話合いを行う予定としております。

○浦野さとみ委員 9月中には指定管理者との話合いということです。ここも本当にいろんな声が寄せられて、大変だというふうにも思いますし、ただ、なかなか日常対応で、全体管理に手が回りにくいという現状もあるというふうに伺っています。区としてはこの間、ルールの見直しや、再整備に当たって利用者、住民の声を聞くということも大事にしてきたと思いますし、ここは新たな取組としても評価をしています。ただ、今、こういった直営のところも、指定管理のところも、区にもそういう声が届いている、状況としては把握しているということですので、ここは、委託費であったり、作業回数というところもぜひ検討していただきたいと思います。

 一つだけ御紹介すると、2021年度(令和3年度)の特別区長会調査研究機構で、公共施設の樹木の効果的なマネジメント手法というものが調査研究のテーマとして報告をされていました。ここでは23区における樹木の維持管理の現状と課題があって、行政としての方針、質の高い緑の必要性や区民との関係性、日常的な点検、維持管理の課題などを私も見させていただいて、参考になる点も多いなというふうに感じました。これは公園だけに限ったことではないですけれども、ただ、緑が大事にされていて、公園が誰にとっても憩いの場である、安らげるということがやっぱり大事だと思うので、今日はこの樹木の剪定に関してに限って取り上げましたが、ぜひ適切な維持管理、公園管理に努めていただきたいということを重ねて要望したいと思います。ありがとうございます。

 それでは、最後の項で、上高田地域のコミュニティ交通について伺います。区では公共交通ネットワークの充実に向け、2022年10月から今年の9月までの3年間、若宮・大和町地域での実証運行を行ってきました。路線バスとしての実証運行を終了し、来月、10月以降は区が運行経費を補助する中野区コミュニティ交通として運行を継続することが8月末の建設委員会で報告されています。長年取り組まれてきた地域の方々や担当所管の皆さんの御尽力に改めて敬意を表したいと思います。この報告の中では今後の他地域での展開についても記されていました。鉄道や路線バスのネットワーク構築が特に難しく公共交通サービスレベルが低い地域において、新たな公共交通の導入に向けた地域住民の主体的で段階的な活動を区としてサポートしていくということが明記されていたかと思います。そこで、この中にもあった、鉄道や路線バスのネットワーク構築が特に難しく、公共交通サービスレベルが低い地域というのはどのような地域なのか、確認をいたします。

○村田交通政策課長 公共交通サービスレベルは、鉄道駅においては、1日乗降客数が10万人以上の駅は半径1キロメートル、3~10万人の駅は半径750メートル、3万人未満の駅は半径500メートル、路線バスにおきましては全てのバス停から半径300メートルをサービス圏域といたしまして、これらを重ね合わせて公共交通サービスレベルを1から6までのレベルで定めまして、数字が低いほどレベルが低いものとしてございます。

○浦野さとみ委員 数字の低いところがレベルが低いと。

 レベル1というのはどういった地域になるのか、伺います。

○村田交通政策課長 公共交通サービスレベル1は、サービス圏域により示された円が重なり合わない圏域外地域としてございます。

○浦野さとみ委員 今御説明いただいたレベル1というのは、中野区内で言うと具体的にはどのエリア、丁目になるのか、伺います。

○村田交通政策課長 円の重なり合わない地域を点としてではなくて、一定の範囲として捉えた場合、上高田地域、若宮・大和町地域、白鷺地域、上鷺宮地域のそれぞれ一部が対象となっておりまして、そのうち若宮・大和町地域におきましては、今回、コミュニティ交通を導入したことにより解消されたこととなってございます。

○浦野さとみ委員 当議員団では、定期的に住民アンケートを実施する中で、また、日々地域を回る中でも、上高田地域の方から要望が多く寄せられています。報告の中では、コミュニティ交通を導入・運行するには、地域住民で構成される地域組織の立ち上げが必要になるというふうにも記されています。これはどういった理由なのか、この中身について伺います。

○村田交通政策課長 地域交通の課題解決には、地域の実情を最も理解している地域住民の主体的で積極的な活動の取組が不可欠であると考えているためでございます。地域住民の活動内容といたしましては、コミュニティ交通導入の検討や計画作成、停留所の地先交渉、事業継続のための利用促進等を想定しておりまして、区はその活動をサポートしていくことで考えてございます。

○浦野さとみ委員 行政が一方的に主導するのではなくて、地域が実際にどのような状況であるのかを把握しながら、それを支援していくということだと思います。

 この資料の中で、地域組織のことと、あと、コミュニティ交通を導入するまでのステップということも記されています。住民主体で行うということはすごく大事なことだと思っております。住民への支援の在り方というものも進めていく上では大事な要素かと思うんですけれども、地域組織の立ち上げであったり、その支援の在り方というのはどんなイメージなのか、具体的に御説明いただきたいと思います。

○村田交通政策課長 現時点で想定しているものといたしまして、地域組織の立ち上げにつきましては、地域内で同じ思いを持つ方や町会などをつなぎ合わせることで地域組織を形成できるようなサポートをしていきたいと考えてございます。また、具体的なコミュニティ交通の検討段階では、地域との話合いの中で関連情報の提供や検討をサポートするほか、交通管理者などとの関係機関協議などを行うことで、最終的にはその地域に適したコミュニティ交通の運行に向けた実証等につなげていくことを考えております。

○浦野さとみ委員 今後のスケジュールなんですけれども、今回の他地域での支援、今、御説明いただいた地域組織への支援というのは、スケジュールとしては、まず、今、検討している中では年内なのか、年度内なのか、そのスケジュール感はどのような感じなのか、伺います。

○村田交通政策課長 年内にガイドライン等を示しまして、運用を始めていけるよう進めていきたいと考えてございます。

○浦野さとみ委員 年内にガイドラインで分かりました。

 それで、例えば上高田地域で言うと、隣接する新宿区とのコミュニティ交通のエリアやルートの拡大ということも可能性としては探っていくことがあるかもしれません。隣接する自治体との連携についてはどのような可能性があるのか、今、区としてどのように考えているのか、伺います。

○村田交通政策課長 地域との話合いを進めていく中で、検討するエリアと隣接する自治体との連携を行ったほうがよいということになれば、その可能性も考えていきたいと考えてございます。

○浦野さとみ委員 可能性があれば考えていくということでした。

 活動の具体例で、この間、大和町と若宮の地域は実証実験を経てとあるのですけども、その中で区としても得た課題であったり、ここが今後、他地域に展開していく、検討の中でポイントになってくる、また、教訓的なことをそこに十分生かしていくということも同時に大事かなというふうに思うんですが、その点についてはどのようなお考えなのか、伺います。

○村田交通政策課長 地域との話合いを進めるに当たりまして、若宮・大和町地域の実証運行で得られた知見などを地域の方と共有いたしまして、最適なコミュニティ交通を考えていけるようにしてまいりたいと思っております。

○浦野さとみ委員 区がこれまで取り組んできたことを十分に他地域にも生かしながら、また、行政だけが一方的にするのではなくて、住民主体で進めていくことが大事だと。そこはすごく非常に重要なところだというふうにも思うので、地域の方は多分、どんなふうに関わっていくのかということは、まだ少しイメージが湧きにくいというところもあるので、声が寄せられたときなどには、そこも含めてぜひ対応していっていただきたいなというふうに思います。ありがとうございます。

 それでは、これで全ての総括質疑を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

○河合りな委員長 以上で浦野委員の質疑を終了いたします。

 次に、内野委員、質疑をどうぞ。

 暫時休憩いたします。

午前11時42分休憩

 

午前11時46分開議

○河合りな委員長 再開いたします。

 内野委員、質疑をどうぞ。

○内野大三郎委員 令和7年第3回定例会におきまして、都民ファーストの会中野区議団の立場から総括質疑をさせていただきます。3年ぶりで、そして、新庁舎で新しく初めての総括質疑で、少し緊張をしております。先輩議員を含め、同僚議員、後輩議員と比べて、やはり幾ら勉強してもまだまだ足りないと思っておりますけれども、理事者におかれましては、我々の質疑の答弁に当たっては、区民の皆様方の生活、暮らし、御事業、そうしたものに想像力を働かせて、できるだけよい答弁をしていただければと思います。

 質問は通告どおりなんですけれども、5番のところだけは、少し私の認識が足りず、この部分だけは取下げをさせていただきます。

 まず初めに、令和6年度決算について、5点質問をさせていただきます。

 不用額についてです。令和5年度は115億円から82億円へ減少し、執行率も92.7%から94.8%へ改善しました。一定の評価をしたいと思います。しかし、令和6年度においても不用額は依然大きく、特に経常的経費に削減余地が残っていると考えます。区としてさらに精度を高め、不用額を最小化する具体的取組をどう進めるのか、伺います。

○竹内財政課長 お答えいたします。予算編成方針におきまして、エビデンスを基にした分析により適切な需要推計を行い、決算時の見込差残額の縮減に努めることとしてございます。また、事業実績が目標を大きく下回るものや、執行率が一定の水準に達していない事業など、さらなる見直しを必要な事業については、関連する既存事業等の廃止、統合、縮小についても、検討や進捗状況を踏まえた予算要求を行うこととしており、歳出の抑制を徹底していく考えでございます。今後も分析を続け、経費の性質によらず、不用額の縮減に向け予算編成及び執行に努めてまいりたいと考えてございます。

○内野大三郎委員 去年も同じような話だったと思うんですけども、言ったとおりに実行していただければと思います。

 次に、扶助費などの義務的経費の執行についてです。昨年度、大沢委員が、給付対象者に確実に行き渡らせるため、執行率を高める努力が必要と指摘しました。令和6年度は扶助費が541億円、3%増となっています。対象者に適切に給付が届いているのか、給付率向上のための管理指標をどう設定しているのか、伺います。

○竹内財政課長 給付事業につきましては、関係所管の状況に応じて進捗管理を行い、常に給付実態を注視することとしてございます。予算積算の段階から過去の実績や今後の見込みを踏まえて予算編成を行うとともに、確実に給付が届くよう、必要に応じて事業の周知や勧奨の通知の送付など、給付率向上に努めているところでございます。

○内野大三郎委員 ありがとうございます。

 3点目はまちづくり関連経費の執行率です。令和5年度も低迷が問題視されましたが、令和6年度も街路整備や用地取得においての進捗の遅れが見受けられます。年度途中で執行困難と判明した場合に補正予算で減額する仕組みが十分機能していないのではないか。財政課と契約課、まちづくり部門の連携強化による改善策を伺います。

○竹内財政課長 一件一件事業の内容を分析した上で、補正する必要があると判断したものについては補正予算を計上し、基金、起債などの財源補正も行い、必要な執行管理を行っているところでございます。引き続き契約課、まちづくり部門などの関係部署と連携し、進捗管理を行った上で適切な対応を行っていきたいと考えてございます。

○内野大三郎委員 4点目は財政の弾力性です。実質収支は31億円と適正ですが、経常収支比率は81.3%と、前年度比10.1ポイント増で、23区平均を上回り、硬直化が進んでいます。教育、保育や高齢者施策など、将来世代への投資と硬直化の両立をどのように図るのか、区の方針を伺います。

○竹内財政課長 経常収支比率のポイント増につきましては、退職手当の増や新庁舎整備債の返還に伴う公債費の増が主な要因と捉えてございますが、今後も限られた財源の中で、区民サービスの向上と必要な投資のバランスを取りながら、持続可能な財政運営を図っていきたいと考えてございます。

○内野大三郎委員 最後に、基金と起債のバランスについてです。基金残高は754億円に減少し、特別区債残高は365億円に増加しました。基金が起債を上回っている点は評価できますが、将来負担額が基金を超える現状は看過できません。100年に1度の再開発を進める今こそ、都との連携を強化し、基金活用と起債抑制のバランスをどのように確保するのか、伺います。

○竹内財政課長 令和6年度におきましては、地方債現在高と債務負担行為額を足し合わせた将来負担額が基金残高を上回った状況にございます。都市計画交付金や特別区交付金の活用など、制度による歳入確保を確実に行い、その上で基金の活用と起債の抑制によるバランスの取れた財政運営を行ってまいりたいと考えてございます。

○内野大三郎委員 ありがとうございます。不用額削減と予算制度の改善は前進が見られましたが、依然として課題は残っています。都民ファーストの会として、子育て先進区と地域包括ケアの実現、住みたくなるまちづくりを支える堅実な財政運営を強く求め、この項の質問を終わります。

 次に、災害時の士業連携についてです。大規模災害時における被災者支援体制について伺います。先日、中野区役所で開催された大規模災害時の法律相談体制研修に行政書士として参加をしてきました。被災者生活再建カードを用いたワークショップを受講いたしました。講師の永野海弁護士から実際の被災地、能登半島沖地震の事例を交えた講義を受け、私は改めて、災害時に弁護士、司法書士、建築士、行政書士など、各士業の専門性が有機的に連携することこそ被災者の命と暮らしを支える大きな力になると痛感いたしました。特に、建物の損壊度合いによって補助金の額が大きく変わる現実を目の当たりにし、専門家の知見が被災者の生活再建を左右するという事実に強い危機感を抱いた次第です。私の初当選直後、平成27年第2回定例会の本会議一般質問においても士業連携の必要性を提起しました。その後、1度だけ区役所内で弁護士、司法書士、建築士、行政書士らが一堂に会する場が設けられましたが、継続的な仕組みとして根付くことなく今日に至っております。これでは災害が起きたときに顔の見える関係を即座に発揮することは困難です。災害は待ったなしに到来します。その瞬間、平時の準備の有無が被災者を救えるか否かを決定付けるのです。内閣府(防災担当)の「災害ケースマネジメント実施の手引き」でも士業連携研修は自治体に強く推奨されています。行政だけで全てを解決することは不可能であり、だからこそ多様な専門家と行政が一体となり、横断的な連携を確立する必要があります。中野区はこの重要性を真に認識して、過去1度きりに終わった取組を再び立ち上げ、息の長い会議体として根付かせるべきです。総務、防災、福祉、建築、税務、全ての関係部署を巻き込み、士業団体と定期的に顔合わせをし、災害に備える実効性ある体制につながる取組をしていただきたいと思います。区民の命と暮らしを守るため、災害に強い中野を実現するため、区の確固たる姿勢と具体的な取組を伺います。

○小堺区民サービス課長 区は地域防災計画におきまして、災害時に区の区域内における災害応急対策等の円滑な実施を期するため、様々な団体と協定を締結し、協力体制を確立しております。先般中野区法曹会主催で開催された大規模災害時の法律相談体制研修は、建築士や行政書士など多士業の方も参加したワークショップ形式で行われ、災害時相談支援の在り方を実動的にイメージできる有意義なものであったと認識してございます。区としましても、各種手続の責任所管として、各士業間の連携及び協力体制が実際に有機的かつ実効的に機能するよう、基礎づくりのための取組を検討してまいりたいと考えております。

○内野大三郎委員 現場でも私は提案いたしましたけれども、法曹会を中心とした士業のグループ、行政の部署横断的なグループ、これがそれぞれ1年おきでも半年おきでもいいから主催をして、こうした勉強会をすることによって、恐らくいざというときの体制がしっかり整う。しかも、法律家の人々は、災害発生後1週間から1か月ぐらいの間の罹災証明というものが非常に大事だということをお互いに学んだかと思います。それについてもまたさらに深掘りをして、お互いに切磋琢磨していきたいと思います。

○河合りな委員長 委員会を休憩いたします。

午前11時56分休憩

 

午後1時00分開議

○河合りな委員長 それでは、委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。

 内野委員、質疑をどうぞ。

○内野大三郎委員 午前中に引き続きよろしくお願いいたします。

 3番目、防災対策についてです。

 防災井戸について。災害時の断水に備え区内にも整備された防災井戸は、生活用水の確保において重要な役割を果たします。区の計画でも、避難所となる学校や防災広場に設置し、停電時には手押しポンプの活用を想定しています。また、小規模応急給水槽も3か所に設置されています。しかし、直近の公表資料では、区有防災井戸は66か所、協力井戸は163か所とされていますが、実際に稼働可能かどうか、維持管理が十分かどうかは不透明です。特に私が先日視察した中部すこやか福祉センター内の防災井戸は、点検整備が行き届いているとは言い難い状態であり、いざというときに本当に使えるのか大きな疑問を持ちました。

 そこで伺います。区有防災井戸及び協力井戸の最新の設置数、点検整備の実施状況を明らかにしてください。特に中部すこやか福祉センター内の井戸について、直近の点検整備履歴を示してください。

○吉田防災担当課長 お答えいたします。令和7年9月1日現在、区有の防災井戸は71基、民有の防災井戸は142基でございます。区有井戸は避難所運営会議等の際に点検を実施しており、民有井戸につきましては、協定により週3回以上のポンプ使用を定めております。いずれも異常があった場合は、防災危機管理課が随時修理対応をしております。中部すこやか福祉センター内の井戸につきましては、6月の点検時に電動ポンプの電源が停止していたことが確認されたため、速やかに復旧対応をいたしました。

○内野大三郎委員 6月に何で点検したか分からないですけれども、定期的にやっていただきたいと要望しておきます。

 次に、停電時の手動式ポンプの整備率について伺います。

○吉田防災担当課長 続きまして、手動ポンプの整備率についてお答えさせていただきます。区有井戸71基のうち64基は電動ポンプでございますが、配備している発電機を利用することで停電時にも使用可能でございます。なお、民有井戸につきましては全て手動ポンプを整備しております。

○内野大三郎委員 ありがとうございました。災害時に区民の命を守るため、防災井戸の実効性ある整備と管理を強く求めて次の質問に移ります。

 続いて、止水板設置助成についてです。近年、ゲリラ豪雨による浸水被害が区内でも深刻化しています。中央五丁目では半地下駐車場が一気に水没し、生活の基盤を直撃する事故がこの一、二年の間に発生しました。消防の初動対応の遅れも重なり、被害家屋は大きな被害を、損害を被ったにもかかわらず、災害弔慰金も固定資産税の減免も適用されず、制度の狭間に取り残されています。本来、環七の調整池整備以降は大規模な浸水被害は抑えられていました。しかし、近年の都道大久保通りのかさ上げ工事によって周辺の水の流れが変わり、その影響で再び浸水が発生しているようになったと見られます。住民の努力では防ぎようのない構造的問題が生じているのです。

 こうした中、他自治体では、既に公的助成による備えが進んでいます。東京都北区では止水板設置工事に対し費用の2分の1、上限50万円を助成、目黒区では工事費の4分の3、上限100万円と手厚い支援を実施し、千葉市でも上限75万円までの助成を行っています。いずれも区民の生命・財産を守るために踏み込んだ対応をしています。

 中野区には止水板設置助成制度がなく、区民は自助努力に頼らざるを得ない状況です。過去の実被害に加え、道路工事という行政の施策が背景にある以上、区として責任ある対応を講じる必要があります。中野区の対応は明らかに遅れていると言わざるを得ませんが、区民の安心を確保するため速やかに止水板設置助成制度を導入すべきですが、区の見解を伺います。

○長沼道路管理課長 区では建物等への浸水被害の防止、または軽減対策として、水防用土のうの配備と配布を行っております。止水板設置への助成制度については、他区の状況などを含め今後、研究してまいります。

○内野大三郎委員 研究ですよね。いろんな種類のものがあるし、安価に設置できるものもあると思いますので、ちょっと研究するにしても踏み込んでやっていただきたいと思います。

 運用として土のうをあらかじめ配布することになっているようですが、配備箇所数と配備実績をお尋ねします。

○長沼道路管理課長 区では年間の常時配備として、公園内などの水防倉庫27か所に1万2,660袋を配備しております。さらに、5月下旬から11月末の出水期には一時配備として、道路上など8か所に620袋を追加配備し、合計1万3,280袋の土のうの配備を行っております。

○内野大三郎委員 配布をして配備した後の処理についてはどうなっていますか。

○長沼道路管理課長 土のうは持ち出した方へ差し上げておりますので、区では原則として使用済み土のうの回収は行っておりません。土のうは再利用が可能なため、出水期が終わっても保管していただき、再度の利用について案内をしているところでございます。ただし、高齢者など特段の事情があり御本人での処分が難しい場合については、区で相談の受付を行っております。

○内野大三郎委員 あげるから自分で処分してねという考え方だと思います。これを例えば、貸すから返してねにすれば区も回収できるんじゃないかなと。制度の運用面で処分までしていただけるようなやり方を工夫していただきたいと要望して、次の質問に移ります。

 次に、私道整備助成についてです。

 現在中野区では、私道の整備に当たり区が9割を負担し、残り1割を私道の所有者などが負担する仕組みになっています。確かに区が大部分を担っていますけれども、1割といえども所有者などの方にとっては決して軽い負担ではなく、とりわけ高齢世帯や経済的に余裕のない家庭にとっては私道の整備の大きな障壁となっています。さらに、権利関係者が多い場合には僅か1割の負担でも合意形成が困難となり、結果的に整備が進まない現実があります。

 一方で、他区ではより踏み込んだ制度を導入しています。板橋区では、私道の整備や排水設備の整備費に対し行政が10割負担し、所有者等の経済的負担を一切なくしています。公共性の高い私道の整備を区の責任で進めるという姿勢が明確に表れています。

 ここで中野区の令和6年度決算書を見ますと、私道の整備助成事業において16件、延長総数883メートル、総額7,555万円余、さらに私道の排水設備助成で17件、総延長は721メートル、9,204万円余を執行し、両事業合わせて1億6,759万円を投じています。この数字から割り戻すと、所有者に求めている1割分は年間でおよそ1,800万円程度に過ぎません。区として既に相応の財源を確保していることを踏まえれば、この額を区が代わりに出すことは財政規模から見ても十分に可能ではないでしょうか。

 私道は住民の生活道路でありますけれども、災害時の避難路や緊急車両の通行経路として重要な公共インフラとなる私道もあります。所有者負担の存在が整備の遅れにつながり、住民の安全が確保されない現状は見過ごせません。中野区も板橋区に倣い助成割合を10割に引き上げ、区が責任を持って整備を進めるべきではないでしょうか。区の見解を伺います。

○髙田道路建設課長 不特定多数の方が利用する公共性の高い私道も存在することは認識していますが、私道は個人の財産であり、所有者等に維持管理の責任はあると考えています。区では、私道整備助成や私道排水・整備助成により9割を負担することで、今後も私道の管理と保全の支援を行っていきます。

○内野大三郎委員 長い私道で関係権利者がいっぱいいるときにはどうしたらいいですか。

○髙田道路建設課長 長い私道であっても、基本的には私道に関しては個人の財産でありますので、所有者等の方で維持管理を行っていただきたいと考えております。

○内野大三郎委員 区分を区切って権利者で合意形成できるところだけ進めていったらどうかという御提案もあったんですけれども、やっぱり排水設備も一緒にやるとなると一気にやっちゃったほうが効率がいいので、何メートルぐらいで権利者何人ぐらいだったら1割負担でいいけれども、長いときでやっぱり公衆用の道路に使っているものに関しては、ちょっと権利者調整が大変なのであと1割出しますよとか、うまい具合にできないかなと思うので。その辺は今後の仕組みづくりとして考えていただければと思います。これは要望にしておきます。ありがとうございます。

 続きまして、5番は取下げをいたしました。道路陥没については、かなり通報制度がちゃんとできているなど整備が進んでいるということで、取下げをいたしました。

 続いて、熱中症対策についてです。大沢議員の一般質問に続き、私も熱中症対策について質問いたします。

 まず、クーリングシェルターについて伺います。都内各区では熱中症特別警戒アラートの発令時に開放されるクーリングシェルターを積極的に整備しています。例えば世田谷区では、お休み処として約278施設を整備し、そのうち200を超える民間施設が協力しています。杉並区でも薬局チェーンなどが区と連携し、公共施設に加えて民間施設を涼み処(クーリングシェルター)として登録しています。これに比べ中野区は、区役所や区民活動センターなどごく限られた施設にとどまっており、数も少なく地域的なカバーも十分とは言えません。先日の大沢議員の質疑で、区は来年度は増やすと答弁されましたが、現状のままでは区民の安全を守る体制としては不十分だと考えています。

 そこで伺います。中野区に指定されているクーリングシェルターの数は何か所でしょうか。他区と比較して少ない現状をどう認識しておりますでしょうか。

○宮下保健予防課長 クーリングシェルターにつきましては、利用者を制限せずに解放するなど指定要件がございますことから、これまで区有施設の指定を優先しておりました。区役所本庁舎及び区民活動センター15か所とその分室のうち3か所の計19か所を指定してございます。指定している施設の数につきましては、区ごとに大きな差が生じているところではございますけれども、平均をやや下回る状況としては認識してございます。

○内野大三郎委員 来年度に具体的にどの程度まで増やす予定にされていますでしょうか。現状は空白エリアがないという御認識であると思いますが、きめ細かく地域バランスを踏まえた配置を検討しているのでしょうか、伺います。

○宮下保健予防課長 現在は、各区民活動センター等をクーリングシェルターとして指定してございますことから、一定の地域バランスは取れているものと考えております。一方で、今後も熱中症による死亡者や極端な高温の発生リスクの増加が見込まれることから、クーリングシェルター等を増やしていく必要があるとは認識してございます。このため、他自治体における事例を参考にしながら、民間事業者に対しても協力を求めていく考えでございます。

○内野大三郎委員 数値目標もしっかり加えていっていただきたいと思います。杉並区の薬局連携のように、民間施設を積極的に協力先として追加指定する予定はあるかということで、お答えいただいたという認識で、次の質問に移ります。

 次に、クールシェアスポットについて伺います。クールシェアスポットは東京都が管理する制度で、日常的に涼むことのできる拠点です。都全体では1,800か所以上が登録されていますが、中野区内の登録数はごく僅かにとどまり、他区と比べても極端に少ない状況です。例えば港区や千代田区では、オフィスビルや大型商業施設が協力し、日常的に多くの人が立ち寄れる環境を整えています。中野区の場合、公共施設が中心であり、民間店舗の登録はほとんど見られません。しかし、中野区は平成28年にセブン-イレブンと包括連携協定を締結しており、本来ならばこの協定を生かし、区内に数多く存在するコンビニエンスストアをクールシェアスポットとして登録していくことが可能ではないでしょうか。

 そこで伺います。東京都が管理するクールシェアスポットについて、中野区内に現在幾つあるのか、区として把握していらっしゃるでしょうか。

○伊東環境課長 お答えいたします。現在、中野区内には49施設が登録されてございます。具体的には、区役所本庁舎、区民活動センター、高齢者会館など45の区有施設、それと東京都の施設が中野一丁目にあります。第二市街地整備事務所があります。民間につきましては、薬局が3か所登録されている状況でございます。

○内野大三郎委員 ほかの区と比べると若干少なく感じますけれども、どのような御認識でしょうか。○伊東環境課長 中野区の登録数は、先ほども言いましたように49施設で、23区中15番目となってございます。ちなみに近隣における登録数の多い区でございますが、杉並区が116施設、板橋区が107施設、世田谷区が97施設などとなってございます。中野区の登録数を区の面積を加味して比較しますと、世田谷区よりも多く、杉並区や板橋区とほぼ同等であり、必ずしも他区と比べて登録数が少ないとは認識してございません。

○内野大三郎委員 区民への周知・利用促進を図るため、東京都とどのように連携していくのでしょうか。

○伊東環境課長 本制度は東京都に登録するということで、東京都のほうからまず区有施設について登録の意向があるかどうか、そういったことの調査が来ます。環境課で、クールシェアスポットについては、東京都としてはエコの観点で進めている事業でございますので、環境課が取りまとめて各所管に登録指定するかどうかの意向調査をしまして、上がってきた施設を東京都に報告して東京都が登録しているというものでございます。

○内野大三郎委員 セブン-イレブンとの包括連携協定を生かして、区として民間店舗を東京都のクールシェアスポットに登録するよう働きかける、強化する考えはございますでしょうか。

○伊東環境課長 23区の登録状況につきまして環境局のホームページを確認したところ、民間施設で登録されているのは、薬局ですとかドラッグストアなどが圧倒的に多くございました。このほかスーパーマーケットなど大規模店舗を登録している区もございました。コンビニエンスストアの登録につきましては、唯一足立区が4か所登録しているだけであったことから、何かしら登録が困難な事情があることも考えられますので、御提案のコンビニエンスストアも含めた民間施設のクールシェアスポットへの登録につきましては、他区における登録の経緯等も参考にしながら、どのような対応が可能か検討してまいりたいと考えてございます。

○内野大三郎委員 クーリングシェルターもクールシェアスポットも制度や所管、成り立ちは異なりますけれども、区民の目線からすれば、いずれも暑さをしのげる大切な場所という意味では変わりありません。やはり区民から見たときにどう見えるかというところを、行政が所管や制度をできるだけ分かりやすくするのが大事だと思っております。都内の他自治体と比べて数が少ないという認識はないのかもしれませんけれども、一体的に捉えて公共施設と民間施設を含めた拠点の数を増やし、暑さ対策を充実させることを要望して次の質問に移ります。

 続いて、ふるさと納税についてです。

 ふるさと納税制度は自治体間の税収の再配分という面が強く、中野区にとっても深刻な課題です。令和6年度の決算によれば、本区が受け入れたふるさと納税は2,716件、総額1億832万円にとどまる一方、区民が他自治体に寄附したことによる税収流出は約27億8,000万円に達しており、差引きで26億円程度のマイナスになっております。この状況は区の財政運営に大きな影響を与えております。

 

 もっとも近年の取組によって、中野区のふるさと納税受入額は、ここ1年で大きく伸びてきていることは評価する点であります。この成果を土台として、さらに区の強みを生かした施策を展開することが肝心です。

 他自治体の事例を見ますと、茨城県大洗町ではアニメ「ガールズ&パンツァー」とのコラボにより、2015年12月の寄附額が1か月で1億6,000万円に達しました。また、静岡県沼津市では「ラブライブ!サンシャイン?」との返礼品展開を通じ、2023年度上半期だけで23億4,500万円を集め、前年度1年分を上回る成果を上げています。いずれも地域資源と人気コンテンツを組み合わせた成功例であります。

 中野区には、東映アニメーション、MAPPA、マッドハウス、トムス・エンタテインメントといった世界的に著名なアニメ制作会社が拠点を構えています。返礼品開発に当たっては、制作会社と商品化を担うライセンス会社が別会社であるため、調整は容易ではありません。だからこそ区が間に入り独自の返礼品を企画すれば、新たな三方よしの関係を築けると考えます。

 具体的には、10万円以上の寄附に対する限定フィギュア、複製原画、さらにはスタジオ見学を組み合わせた体験型返礼品など、他自治体にはない高額限定型の商品が想定できます。在庫を抱えるリスクはあるものの、アニメ業界全体の市場規模やファン需要を踏まえれば、ふるさと納税以外の販路を通じて売り切ることも十分可能です。加えてロケふるの仕組みを活用し、区内の飲食店や中野ブロードウェイでの消費をふるさと納税と直結させれば、寄附獲得と地域経済の活性化を同時に進めることができます。区内のアニメ関連企業や商店街と連携し、限定性の高い高額返礼品やロケふる型返礼品を導入することについて、どのような検討を進めているのか、区の見解を伺います。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 世界に誇る区内のアニメ関連企業と連携しましたふるさと納税返礼品の開発につきましては、これまでも区から提案しまして一部実現しているものの、自社で管理しているコンテンツの権利関係などの理由から、実現に向けてはかなりハードルが高い状況であります。一方、区内にアニメ関連企業が集積しているというプロモーションにも資するものと考えておりまして、引き続きアニメを活用した返礼品について検討・調整に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

 また、ロケふるの導入につきましては、即時体験型ゆえの事務負担や、現地決済型であるため寄附控除の申請方法が複雑になるといった課題があると認識しております。ふるさと納税の返礼品としているナカペイへの影響も想定されることから、他自治体での実績やメリットを検証するなど、その有効性や実現可能性について検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○内野大三郎委員 ロケふるはよく研究してください。結構申請が手間だと言うけど、逆なんですよ。全部オンラインでできるようになっているので、その辺は多分、もう少しハードルが低いと思っていますので、他の自治体の様子を見るのではなくて、一歩先に進んでやっていただければと要望しておきます。

 続いて、千光前通り周辺地区まちづくりについてです。

 桃園公園(仮称)についてです。新しくなる公園の名前がまだついていないので仮称としましたけれども、かつて中野二丁目の桃園公園、ちょうど郵便局の東側にあった、じゃぶじゃぶ池のあった公園です。地域の子どもたちに親しまれたじゃぶじゃぶ池がありました。土地区画整理事業に伴い移転再整備が進められ、新しい公園が整備されようとしています。地域の町会やまちづくり協議会からは、この新たな公園に対して様々な声が寄せられています。現在は青写真を提示し、近隣の子どもたちにも見せながら、多世代から意見を集める準備段階にあります。こうした声を丁寧に取り入れ、よりよい公園を整備することが求められています。

 また、この新公園はナカノサウステラの丘の上のひろばと橋で結ばれ、さらに東側には産業振興センターとも動線がつながっています。連携したイベントの開催や地域のにぎわいを生み出す拠点として大きな可能性を秘めており、単なる移設ではなく、街の魅力を高める拠点となることが期待されています。

 そこで伺います。地域の声を踏まえ、多世代が安心して利用でき、ナカノサウステラや産業振興センターとも連携できるよりよい公園とするためには、一定の費用をかけることが必要ではないでしょうか。区としてこうした将来への投資を行うお考えはありますでしょうか。区の見解を伺います。

○大南中野駅周辺地区担当課長 御指摘の新公園につきましては、中野二丁目土地区画整理事業により整備いたします。区では、旧桃園公園にじゃぶじゃぶ池があったことを踏まえ、水施設の整備について検討する必要があると考えております。また、新公園は御指摘のとおり、各施設をつなぐ重要な公園であると認識しております。各施設の連携を図りながら子どもたちの御意見を伺いつつ、よりよい公園づくりを目指して中野二丁目土地区画整理組合と協力して整備を進め、必要な支援を行ってまいります。

○内野大三郎委員 よろしくお願いします。

 その他で1点お聞きします。先ほどまちづくり協議会について触れましたが、千光前通り周辺まちづくりについては時間をかけて丁寧に勉強会を進めてきました。これまでの経緯と今後のスケジュールについてお聞かせください。

○大南中野駅周辺地区担当課長 千光前通り周辺地区のまちづくりにつきましては、2016年度に地元意向調査を開始して以来、勉強会等を重ねながら地域の皆様の御意見を丁寧に伺いつつ取組を進めてまいりました。本年度は地域が主体となる協議会が設立されました。協議会では、本年度中にまちづくり基本方針の策定及び区への提出に向けた取組を進めており、今後、区は協議会からまちづくり基本方針の提出を受けた後、区としても千光前通り周辺地区まちづくり基本方針を策定するとともに、引き続き協議会の運営支援などを行ってまいります。

○内野大三郎委員 まだまだ課題山積でありますけれども、引き続き住みよい街、住みよい通りになるように御尽力をお願いいたします。

 続いて、自転車対策についてです。

 中野区の自転車事故の関与率は、都内でワースト3という深刻な状況にあります。その要因の一つが、違法駐輪によって歩行空間が阻害され、歩行者と自転車双方に危険が生じている点にあります。したがって、自転車対策の目的は単なる駐輪秩序の維持だけではなく、第1に区民の安全確保、第2に公共空間の快適性向上、第3に自転車の利便性と都市機能の両立を図ることにあります。違法駐輪という小さな違反を野放しにしていることが自転車事故関与率を引き上げているという認識を持たれたほうがよいと思っています。

 令和6年度決算による放置自転車撤去移送台数は6,127台に上り、関連事業費は約3億7,200万円に達しました。また、自転車駐車場運営にも約3億7,300万円を投じています。多額の費用をかけながら、事故率や環境改善には結びついていない点があります。

 そこで伺います。第1に、ナカノサウステラの公開空地で常態化している違法駐輪については、区単独の撤去指導だけでは限界があると考えます。公開空地の管理者である住友不動産と協働し、近隣の正規駐輪場への誘導看板や案内を大幅に増設するなど、利用者が自然に正しい場所へ駐輪できる環境を整えるべきではないでしょうか。

○村田交通政策課長 周辺の放置自転車対策につきましては、ナカノサウステラ管理者と情報の共有をするなどしておりまして、今後も自転車駐車場の位置を示した看板の設置や警告札の貼り付け、放置自転車の撤去など、足並みをそろえて対策を進めてまいりたいと考えてございます。

○内野大三郎委員 お祭りのときに、あそこの住友不動産のところにベタベタって、敷地に、祭礼のため駐輪禁止と置いたら、誰も置かないんですよね。なので、その日のためだけじゃなくても、何か置かない方法、禁止だけじゃなくてこっちというのも一緒につけてもらえればと思います。

 次に、今後新たに開発されるエリアについてです。例えば中野サンプラザ跡地などの再開発施設を整備する際には、利用者が使いやすい駐輪環境を初期段階からしっかりと確保することが極めて重要です。ナカノサウステラも一旦坂を降りて南側から建物の中に入れるという構造は、やはり千光前通りに自転車がいっぱい通るところで、そこから見えるようにしたほうがよかったんじゃないかなと個人的には思っています。そのためにも、区の対策課が事業者等に対して、駐輪場の利便性確保を強く要望していくべきではないでしょうか。

○村田交通政策課長 利用しやすい自転車駐車場が整備されることは、放置自転車対策にも有効であると考えてございます。今後進められる再開発などのまちづくりに対しましては、計画段階から関係部署や関係者との意見交換を増やしまして、よりよい駐輪環境を確保していくように努めてまいりたいと考えてございます。

○内野大三郎委員 よろしくお願いします。区民が安心して歩き、自転車も適切に利用できる安全で快適な都市空間の実現こそが中野の自転車対策の目的であると考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 続いて、スケートボードの公道規制についてです。

 近年、区内においてスケートボードを路上や公園で乗り回す行為が増加し、騒音や接触事故、施設損傷などの苦情が寄せられております。特に中野駅南口では、ナカノサウステラ東側の南北道路や線路沿いの坂などで輩がばっこしており、丘の上のひろば入口のオフィス等の手すりが破壊され、実害が出ています。

 区は令和元年以降、横断幕やプレートを累計34枚設置し注意喚起を行い、また四季の森公園においては、令和6年7月より全面禁止といたしました。修繕や看板交換も実施されておりますが、依然として区民の不安は解消されていない状況です。

 一方、スケートボードは東京オリンピックにおいて日本人選手が金メダルを獲得し、子どもたちの夢や憧れの対象となっております。中野からも将来のトップアスリートが育つ可能性を考慮すれば、単なる禁止にとどまらず、スポーツとしての健全な位置付けが求められるところであります。

 他区では、例えば渋谷区宮下公園においては、午前9時から午後10時まで利用可能な専用施設を整備し、定員制や利用料、レンタル用具をそろえることで若者の利用を促しております。また東京都の調査によれば、スケートボード利用者の54.9%が保護具を未着用であるとされ、安全対策の強化も急務です。

 そこで伺います。区として苦情や事故件数を把握していますでしょうか。

○久保生活・交通安全担当課長 事故件数につきましては、スケートボード利用者は歩行者に分類されるため、資料がなく把握してございません。区が区民の声として集計しているスケートボードに関する苦情件数は、令和2年度から現在までで19件でございます。

○内野大三郎委員 統計がないということですけれども、何が原因かというのも一応把握したほうがいいかなと思っています。公園や駅周辺での走行禁止を明確化し、夜間規制などを含め厳格に実施するべきではないでしょうか。

○久保生活・交通安全担当課長 区が管理する公園では、スケートボードの利用は原則として禁止されております。道路交通法により、交通量の多い道路においてはスケートボード等の利用が禁止されており、区は中野・野方両警察署と連携し情報共有を密にするとともに、危険なスケートボード利用者に対する警告や夜間の取締りの強化を要請してまいります。また、スケートボード禁止等の啓発幕の掲示についても、警察と連携して引き続き取り組んでまいります。

○内野大三郎委員 ありがとうございます。根本原因は恐らく、道路交通法上の交通の頻繁な場所というすごく曖昧な定義の部分があるというのが原因だと私は思っております。今後、条例で交通の頻繁な場所を指定するであるとか、新たな規制区域をきちんとつくって、人の集まりやすいところにはスケートボードは絶対駄目、ルールをきちんと守らせるということをしていただければと思います。

 最寄り施設、例えば中野から一番近いところで言えば新宿中央公園でしょうか。スケートボードのできる施設への案内板を駅や公園入口に設置して、区のホームページに利用可能施設を示すなど、誘導策を講じるべきではないでしょうか。

○宮澤公園課長 区内の公園では、原則としましてスケートボードの走行を禁止しているところでございます。公園ごとに状況が異なるため、実態や利用者のニーズを踏まえまして、公園利用者に対してどのようなことができるのか考えてまいりたいと思います。

○内野大三郎委員 区内でできないからこそ、区外のこの辺でできるよというのは設置してあげたらいいなと思います。特に苦情のあるようなところやスケートボードがやりやすそうな公園は恐らく分かると思うので、よろしくお願いいたします。

 最後に、将来的に中野からオリンピック選手を育てる視点に立ち、常設の練習拠点整備や体験教室の拡充を検討すべきではないでしょうか。

○原スポーツ振興課長 スケートボードにつきましては、近年のオリンピックをはじめとする国際大会での日本人選手の活躍によりまして、関心や人気が高まっているということは認識してございます。その一方で、騒音や事故の危険性などによりまして、中野区内では公園をはじめ公共の場においてスケートボードの競技や練習、教室を行うことは困難な状況にあるところでございます。区民の運動、スポーツに関するニーズを的確に捉えまして、スポーツの機会、環境を充実できるよう、都心部における先進事例などを研究してまいりたいと考えております。

○内野大三郎委員 どんな施設だったら、例えば床の強度だとか、広さだとか、高さだとかというのがある程度研究の成果で分かったら、具体的に区の施設にどういうところが使えるかもしれないという可能性も含めていろいろ研究して、検討して、実施していただければと思っております。

 区民の安心と子どもの夢の両立のため、中野区として前向きな対応を強く求めて全ての質疑を終わります。ありがとうございました。

○河合りな委員長 以上で内野委員の質疑を終了します。

 次に、杉山司委員、質疑をどうぞ。

○杉山司委員 令和7年第3回定例会におきまして、立憲・国民・ネット・無所属議員団の次鋒、2番手として決算総括質疑をさせていただきます。

 2のその他で、時間があれば、飲食店などのネズミ防除助成についての質疑をさせていただきます。

 5のその他はございません。どうぞよろしくお願いします。

 令和6年度決算についてのうち、人件費について、区民サービスのさらなる充実のために幾つか伺ってまいります。令和6年度決算では、人件費は約30億円増の221億円、我が会派の中村幹事長の質疑では、内訳は退職手当の16億円増、給与改定約7億円、会計年度任用職員費などの増で10億円増とのことでした。会計年度任用職員の人件費割合について、我が会派の河合委員の昨年の質疑では、令和5年度は他区より低い傾向との答弁でしたが、令和6年度の傾向を伺います。

○竹内財政課長 お答えいたします。会計年度任用職員全体の人件費が全人件費に占める割合でございますが、令和6年度においても約7%となってございまして、引き続き低い傾向にあると分析してございます。

○杉山司委員 会計年度任用職員はどのような業務を担っているのか。スポット的、定常的業務の例を教えてください。

○中村職員課長 会計年度任用職員には常勤職員の事務補助としまして、臨時の職員に充てる補助職と、専門的な資格や知識、経験等を有する専門職を採用してございます。各部で採用してございます専門職につきましては100近い職がございまして、例を挙げますと、障害者雇用支援員、防災行政無線情報連絡員、外国人相談員などがございます。

○杉山司委員 様々な幅があるということですけれども、正規職員補助、それから専門職として優秀な人材も多分多くて、正規採用に向けSPI試験受検を促すなど積極的に登用すべきだとは考えておりますけれども、いかがでしょうか。

○中村職員課長 優秀な人材を確保するためには、各部署の業務におきまして高い成果を上げてございます会計年度任用職員の正規職員への登用を促すため、今年度から実施が始まってございますSPI方式も含めまして、公務員試験や受験資格に関する周知を図っていくことも有効な手段であると考えてございます。

○杉山司委員 次に、財政全体との関係です。歳出決算額は1,852億円に占める人件費の割合は、前年が192億円、令和6年度の決算では221億円です。この変化をどう捉えているか伺います。

○竹内財政課長 決算総額に占める人件費の割合でございますが、令和6年度は昨年度と比較して2.3%増の12%となってございます。主な要因としては、退職手当等の増が大きいと考えているところでございます。

○杉山司委員 人件費の上昇は、財政の弾力性を損ねるおそれがあります。DX推進等への投資も中途半端になる懸念があります。今後の中期的財政運営への影響を伺います。

○竹内財政課長 人件費は、法令により支出が義務付けられている義務的経費でございまして、その割合が高まると、新規拡充等事業に充てる財源が圧迫される状況となるものでございます。中期的には業務の効率化などを通じて人件費を抑制しつつ、持続可能な財政運営をしていく必要があると考えてございます。

○杉山司委員 隠れ人件費についても伺っておきます。義務的経費の人件費は主に職員の人件費と考えますけれども、その他の経費の中にも、物件費にも、新区役所の窓口業務やフロアマネージャー業務なども本来は人件費的なものです。令和6年度の委託費は198億円、令和5年度は179億円で20億円近く増えています。

 この要因について、中村議員の質疑では、主に新庁舎移転経費、フロアマネージャー委託費、デジタル地域通貨、戸籍窓口などの増が要因とのことでした。平成27年度の委託費は100億円、職員数は1,873人から2,074人に増えております。委託費倍増の要因分析はされておりますか。伺います。

○竹内財政課長 平成27年度から現在に至るまで、例えばまちづくりや施設整備の進捗に伴い、令和6年度の歳出総額は約1.4倍となっており、また物価高騰等も併せまして委託費は増加していると分析してございます。この中に、人件費に相当する支出も含まれていると認識しているところでございますが、委託費の内訳は多岐にわたるため、詳細な分析までは行われていないものでございます。○杉山司委員 詳細は分からないということでしたけれども、隠れ人件費ともいえる委託費も合算して財政計画を検討すべきだと私は考えておりますけれども、見解を伺います。

○竹内財政課長 委託費の割合が増加している中、人的サービスの提供に資する経費につきまして、直営、委託、会計年度任用職員の活用の比較など分析を行い、歳出経費の精細を捉えることが重要と考えてございます。区の業務、サービスを一体的に捉え財政計画を検討することについては、他の自治体の事例も参考にするなど研究していきたいと考えてございます。

○杉山司委員 費用面だけでなく、実際にはその時々の行政ニーズにも合わせた人員の頭数や外注範囲の検討など、幅広い視野で物事を検討いただきたいと思っております。

 次に、退職手当と将来負担について伺います。今回の人件費30億円の増加において、増加分の半分以上を退職手当が占めていました。今後、本区としては、退職手当の支出がどのように推移すると見込んでおりますか。

○中村職員課長 令和5年度は定年退職者が発生せず、令和6年度は定年退職者が発生する年度であったことから、退職手当額が大幅な増となったものでございます。今後の見込みとしましては、段階的に定年を引き上げる令和14年度までは各年で増減が生じまして、その後しばらくは微減傾向になると想定してございます。

○杉山司委員 さきの予算特別委員会で我が会派の中村委員が質疑を行っておりますけれども、退職金の推移から、今後退職手当は令和6年度の21億円を超えない見込みとなっていますので、財政調整基金への積立ては行いません。積み立てない分、財政の組立てはそのことを踏まえた上で退職金の確実な確保を行っていかなければなりませんが、区の見解を伺います。

○竹内財政課長 財政調整基金の退職手当分につきまして、今後の退職手当が21億円を大きく上回ることがないことに加え、他区において基金対応ではなく一般財源で対応している状況を鑑み、今回廃止するとしたものでございます。財政フレームの中で退職手当分を適切に見込むなど、歳入と歳出のバランスを取れた財政運営を行っていきたいと考えてございます。

○杉山司委員 人件費増と行政サービスの質について伺います。DXや働き方改革を進めつつ、区民サービス向上が伴わなければ意味がありません。人件費見通しを踏まえた財政計画の考えを示してください。

○竹内財政課長 人件費につきましては、行政サービスの質の維持・向上に関わる重要な要素であり、DXや働き方改革を進める中で区民サービスの質が向上しなければ、財政支出の効果は十分に発揮されないと考えているところでございます。そのため、財政計画では業務の効率化や成果の見える化を通じて、限られた財源でも質の高いサービスを提供できるように努めていきたいと考えてございます。

○杉山司委員 職員は区民サービス向上を実感して意欲を高める循環が理想ですけれども、それだけでは優秀な人材は集まりません。若手流出の声もあり、職場環境の魅力強化が必要です。また、職場環境の魅力向上につきましても、新庁舎という最新で自慢の職場環境は、これから庁舎の建て替えなどが行われる他の自治体にインフラの質が追い越されてしまいます。魅力ある自治体、魅力ある職場を実現しつつ、さらに職員全体が大きな同じ目標を掲げ、未来を見据え、共に何かをやり遂げることが自治体の魅力を高めることにもなりますし、一体感はどんなチームにも大切であると考えます。

 今、中野区は新区役所のある中野駅新北口駅前エリアの再整備が見直されていますけれども、これから意味のあるビジョンが掲げられ、みるみる整っていく光景を共に見守っていけるような、中野区役所はそんなメリットがございます。まさに「つながる・はじまる・なかの」を展開している中野の街の魅力が多くの方に十分に伝わることを意識し、今後の採用戦略、採用PRを進めていっていただきたいと思いますが、最後に区長の見解を伺います。

○酒井区長 採用戦略の強化に向けた私の決意についてでございます。昨今の人材獲得競争の中であっても、「つながる・はじまる・なかの」の実現に向けた政策を着実に推進するために、地域に飛び出して区民と共に汗をかき、地域活動をコーディネートし、多様な経験を区政に還元できる人材を積極的に採用していきたいと考えております。

 区職員として求める人物像を私自身の言葉で積極的に発信するとともに、働きやすい職場環境として魅力を高めていくことによって、中野区が就職先としても選ばれ、勤務先として選ばれ続ける自治体となることを目指してまいります。

○杉山司委員 ぜひ様々な方策で優秀な人材を獲得していただきたく、その結果、さらなる区民サービスの向上につながっていきますので、ぜひとも御尽力いただきたいと思います。

 続きまして、中野駅周辺のまちづくりや経済対策についてのうち、(1)中野駅新北口駅前エリアのまちづくりについて伺います。

 区役所・サンプラザ一体再開発は見直しとなり、再考が始まっています。今こそどのような街にしたいかを区民に伝える必要があります。

 我が会派のひやま議員の今定例会本会議の質疑では、区長答弁は、集い・にぎわうホール、子育て支援施設などを考えているとのことでした。平凡な駅前では意味がなく、区民の声や市場調査を通じて新しい価値を創造すべきです。

 そこで、夢のある中野駅新北口駅前エリアのまちづくりを実現するために、幾つか質疑を進めてまいります。

 まず、サンプラザと区役所の一体的な再開発の見直しに伴い、サウンディング型市場調査はいつから開始しますか。また、既にヒアリング項目は決まっておりますでしょうか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 サウンディング型市場調査につきましては、民間事業者の対話等を通じて市場の動向や活用アイデアなどの情報収集を目的に行うもので、得られた情報につきましては、再整備事業計画の見直しや民間事業者の再公募に向けた条件整理に活用したいと考えてございます。

 また、サウンディング型市場調査の項目等につきましては、8月27日に開催された建設委員会と9月2日に開催された中野駅周辺整備・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会で報告したところでございますけれども、本定例会の所管委員会で再度報告した後に、速やかに実施したく考えているところでございます。

○杉山司委員 肝となる部分はずばり、事業スキームのところだと考えます。これまでの議論の中で言えば、例えば市街地再開発事業、定期借地など様々なものが想定されるところですが、前提として、それらのあらゆる選択肢を想定しながら検討を進めていくという理解でよろしいでしょうか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 令和2年1月に策定しました中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画におきましては、事業手法として市街地再開発事業を想定したところでございます。今後、再整備事業計画の見直しについては、昨今の市場動向、建設市況等の社会情勢を踏まえ、これまでの市街地再開発事業のほか、定期借地権の活用等も併せて検討してまいります。

○杉山司委員 今まで検討を進めてきたのは市街地再開発事業となります。これは、民間の活力を基盤整備や公共整備に使うというもので、国費や都費も含めてコスト的にもメリットのある事業となります。定期借地のメリットは、駅前の一等地を区が手放すことなく、後世のまちづくりに土地を残すことができるということだと思います。それぞれの事業スキームについてのメリットやデメリットを区はどのように考えますか。伺います。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 市街地再開発事業や定期借地などの制度運用によるメリットは委員の御認識とおおむね同様であると考えてございますが、加えて多目的ホールやにぎわい空間の創出などへの効果も期待されるところでございます。

 事業スキームの検討に際しましては、地権者の資産保全を図りながら、中野駅新北口駅前エリアのまちづくりに有効な市街地整備手法や定期借地制度等も検証し、それぞれの事業スキームに応じたメリット、デメリットも併せて検討してまいりたいと考えています。

○杉山司委員 今、メリット、デメリットを一緒に考えるということをおっしゃっていただきましたけれども、例えば市街地再開発事業と定期借地、それぞれのメリットを抱き合わせながら事業を進めるみたいな、そういう考えというのはできるんでしょうか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 都市開発法による市街地再開発事業の権利変換につきましては、原則型、特則型、全員同意型の三つの種類がございまして、全員同意型による場合については敷地に定期借地権を設定した市街地再開発事業も可能となるところでございます。

 また、市街地再開発事業は都市計画事業であることから、都市計画交付金の充当が見込めるといったメリット等もございますので、事業スキームの検討につきましてはメリット等を含めて総合的に判断してまいりたいと考えています。

○杉山司委員 いずれにしましても、大事なのは条件設定となります。例えば今回、旧区役所高層棟の解体につきましては、本来は再開発のスキームで解体予定でしたけれども、土地区画整理事業のスキームで行うこととなりました。中野サンプラザにつきましても同様に土地区画整理事業の中で解体を行うこととなれば、事業者の立場では解体から始めるのと更地から始めるとでは負担も大きく変わってきます。また、ホールのサイズにつきましても、これまでは7,000人以下という規模を進めてきましたけれども、コロナ禍も経て市場動向やニーズも変化している可能性があります。改めて適正規模を見極めていく必要もあると思います。

 こうした条件設定いかんによっては、事業スキームや成立性の検討にも大きく影響が出てくることと思います。ぜひサウンディング調査でその辺りもしっかりと見極めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 旧区役所高層棟の解体を土地区画整理事業で行うことを検討しているところでございますが、サウンディング型市場調査の実施におきましては、こういった条件等を明らかにしながら進めてまいりたいと考えています。また、サウンディング型市場調査では、事業性を向上させる方策等についても併せて意見を頂く予定でございます。

○杉山司委員 先日の区長の記者会見で、ネットを利用して区民の意見を幅広く募集する取組を紹介しておりました。ネットで区民意見募集を開始しておりますけれども、集めた意見はどの程度反映され、調査項目に組み込まれる可能性があるのかお聞きしておきます。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 これまで区民との意見交換会や団体との意見交換を通じまして、様々な御意見を頂いているところでございます。今後、インターネットを活用した意見募集を予定しているところでもございます。頂いた御意見につきましては、サウンディング型市場調査の参加事業者とも共有した上で、市場性等を把握しながら再整備事業計画の見直しに反映し、区民の期待に応えられるようなまちづくりを実現していきたいと考えています。

○杉山司委員 ちなみにですけれども、区役所・サンプラザ地区再整備基本構想が始まった平成26年から令和6年まで、中野区はその検討について幾ら投じてきたのか伺います。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 平成26年6月の区役所・サンプラザ地区再整備基本構想以降、中野駅新北口駅前エリアのまちづくり検討業務につきましては、事業委託費を中心としまして約1億6,000万円の経費を計上してきたところでございます。

○杉山司委員 1.6億円ということで、かなり多額のコンサルタント料などを費やして、それ以外にも実際には数字に見えないヒト・モノ・カネをたくさん投入していると思います。野村不動産も年間2,000万円などを支出してエリアマネジメントやイベントを進めてきたことなども含むと、流れてしまった時間と金は計り知れません。そのことについて、区はどのように考えているのか伺います。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 これまで要した経費につきましては、区役所・サンプラザ地区の整備検討業務をはじめとする様々な検討業務等に要したものでございまして、適切なものであったと認識しているところでございます。また、これまでまちづくりの検討に多くの時間を費やしてきたと認識しているところでもございますが、今後区民の期待に応えるためにも、一刻も早いまちづくりの実現に向けてスピード感を持って取り組んでまいりたいと考えています。

○杉山司委員 6月の下旬に、会派で大阪駅のうめきたエリアにできたグラングリーン大阪を視察してまいりました。広大な都市公園、うめきた公園は大きな芝生や水辺が広がって、多くの親子連れがこの空間を満喫していました。大きな屋根のイベントスペースやカフェもあり、にぎわっていて、別日に家族で大阪・関西万博に行ったんですけれども、家族でわざわざ再訪したほど感動するようなエリアでありました。巨大なオフィスビルに囲まれた緑豊かな空間は、きっと100年後もこのような光景が広がっているのだろうと胸が踊りました。

 中野駅新北口駅前エリアの再整備につきまして、心のどこかで何とか中野サンプラザを残せないものかと考えていた自分もおりますけれども、この光景を目の当たりにしたときに、未来の子どもたちに新しい環境をつくってあげたいと思うようにもなりました。中野駅北口の規模はグラングリーン大阪の大きな規模とは違いますけれども、グラングリーン大阪を超える感動をもしつくれるとしたら、このタイミングしかありません。

 中野区は今の中野サンプラザを残す考えはなく、これからの100年に向けて、中野駅前にありながら区民に開放され、新たなにぎわいや近隣との相乗効果を生み出し、緑豊かな空間や、子どもたちや、子育て世代にも愛される施設を新たに造るという考えでよろしいですね。再度伺います。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野駅新北口駅前エリアのまちづくりにつきましては、中野サンプラザのDNAの継承や、親子が楽しめる機会・空間、また区民が文化・芸術に触れ活動する機会などを生み出すとともに、緑のネットワークによる連続した潤いのある快適な空間の創出や、居心地がよく、歩きたくなるウォーカブルなまちづくりの実現なども含め、100年先も区民に愛される街の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えています。

○杉山司委員 次に、休館している中野サンプラザについて伺います。株式会社まちづくり中野21から、中野サンプラザの土地や建物が9月5日に中野区に寄附され、年間2億円以上もの固定資産税負担がなくなりました。このことは評価する一方、中野サンプラザの建物そのものの管理維持費は、引き続き発生いたします。この維持費には何が必要となるのか、年間幾らぐらい費用がかかるのか伺います。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野サンプラザの施設管理の経費といたしましては、地下の排水作業や巡回警備、清掃など、今年度約2,100万円を計上しているところでございます。来年度も同様の経費が必要となる見込みでございますが、詳細はまた来年度の予算編成の中で検討してまいりたいと考えています。

○杉山司委員 今、頂きましたけれども、それ以外にも事業を再興するための費用と償還の延期による新庁舎債の利息分などが発生します。それを補うためにも、旧区役所の北側や中野サンプラザの一部を活用して収入を得るという方針が示されました。中野サンプラザの壁面やガラス面への広告掲載、1階エントランス部分や中野サンプラザの北側駐車場を暫定利用するという内容だと思いますけれども、その貸付ルールなどはどのように考えられているのか伺います。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野サンプラザの壁面やガラス面への広告掲載による事業者の選定につきましては、入札によることとなると考えてございます。利用ルールに関しましては、広告代理店等の事業者にヒアリングを実施し、その内容なども勘案した上でまとめていきたいと考えてございます。

 また、1階エントランスホール一部の暫定利活用や南側広場の事業者への貸付け等につきましては、令和7年度中にそれらの可能性を検証していきたいと考えています。また、北側の旧駐車場箇所につきましては、地域課題に対応するために、荷さばきや自動二輪車の駐車場も兼ねた時間貸駐車場の活用を検討しているところでございますが、駐車場の運営につきましては、民間事業者への有償貸付けとし、事業者選定については入札等を予定しているところでございます。

○杉山司委員 パフォーマンスできるエリアや壁面広告など、1年を通した貸付料見込みの検討はこれからだと思いますけれども、暫定利用の収入は何に充てられるのかを伺っておきます。つまり、中野サンプラザ関連の維持費に充てるためだけなのか、それとももっと大きな収入を得るつもりで事業を組み立てるのか伺います。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野サンプラザの旧駐車場北側の駐車場箇所や、南側広場の暫定活用で得た収入の充当先につきましては、今後具体的な貸付方法と併せて検討してまいりたいと考えています。

○杉山司委員 市場貸付価格との整合性などもある中で、貸付単価はどのように考えていく予定でしょうか、伺います。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野サンプラザの壁面、ガラス面等の広告媒体としての利活用に当たりましては、広告媒体としての価値やランニングコストなどについて、広告代理店等の事業者にヒアリングをしながら市場や近傍における貸付価格を勘案しながら、最低貸付価格を決めていく予定でございます。

 また、中野サンプラザの北側の駐車場貸付につきましても、近隣の民間駐車場の相場等を勘案しながら決めていく予定でございます。

○杉山司委員 貸付けによる収入は維持費に充てるかどうか、今から考えて決めていくとの先ほどの答弁でしたけれども、収入目標を高く据えて、維持費だけでなく、さらなる経済対策に回せるような考え方、戦略も必要があるかと考えますが、区の見解を伺います。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 今後、貸付けの検討を進めていくに際しまして、貸付けによる収入が大きくなるような場合につきましては、その活用について改めて検討してまいります。

○杉山司委員 暫定利用を終了させるタイミング、つまり、新たな方針を固めて暫定利用を終了させ、再整備計画を修正し、確定させ、次のステップに進むタイミングは、ずばりいつを想定しておりますか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 今後のスケジュールにつきましては、サウンディング型市場調査で得られる建設市況、あるいは不動産市況についての情報を踏まえまして、年度内で明示を目標にしています再整備事業計画の見直しの方向性に合わせて示してまいりたいと考えています。

○杉山司委員 リミットを切らないと、経済はだだ漏れとなってしまいます。当初の計画では、新たな拠点施設の竣工は2029年途中を予定していました。新たな拠点施設が整備されることによって生まれる来街者や住民増加による歳入増、権利床による収入増、新たなにぎわい創出による街の活性化など、様々なものがあります。それらを総体として俯瞰した際の経済的・財政的なインパクトを数字の面でお答えいただくことは可能でしょうか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 市街地再開発事業につきましては、補助金等の公的資金の投入が想定されるところから、社会的な側面からの事業評価として、費用便益分析を行うことが求められるところでございます。今後、事業を実施する際に、費用便益分析を再度行うことになりますが、その中で事業の実施によりもたらされる収益性の向上や利便性の向上、快適性向上など、社会全体にとっての利益を貨幣尺度で計測していくことを予定しているところでございます。

○杉山司委員 貨幣尺度ということは、お金に換算するということですね。中野駅周辺の基盤整備が着々と進む中、その中核をなす拠点施設だけが取り残され、本来区民の皆さんが得られるべきはずの大きな便益の損失が長期にわたって続くことだけは避けなければなりません。区民との対話、区議会との丁寧な対話を通じて、今後の方向性についての道筋を示し、中野駅北口駅前エリアのまちづくりが長期に停滞することはないよう、スピード感を持って取り組んでいただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 当地区のまちづくりにつきましては、区民の期待に応えるためにも、一刻も早いまちづくりの実現に向けて、スピード感を持って取り組んでまいりたいと考えています。

○杉山司委員 本当にこれは待ったなしなので、よろしくお願いします。中野駅周辺のデータ分析や経済対策について伺います。御承知のとおり、中野サンプラザはコンサートホールをはじめ、ホテル、バンケット会議室などを備えた複合施設として、長年にわたって中野区内外から人を呼び込み、にぎわいを創出してまいりました。とりわけ音楽イベントなどの大規模集客施設は、中野区にとって大きな財産であり、アーティストの言動によって繁盛した店舗や、聖地巡礼的な行動も含め、飲食店や小売業などの周辺の多様な業種に対する経済的な効果を、少なからず及ぼしてきたのではないかと個人的には認識しております。

 2023年7月に閉館を迎えて、長年培われてきたその役割が途絶えたことにより、近隣経済には少なからぬ影響が出ていると考えます。中野区内の事業規模は、中野サンプラザの閉館にはあまり影響しておらず、シュリンクしていないというデータもあるので、一概に影響が大きいというわけではないとは思いますけれども、実際、地元商店街や事業者からは「夜の客足が減った気がする」「週末のにぎわいが以前よりも弱まったのでは」などの声が聞かれるのも事実です。

 毎日違うジャンルの違う客層が中野に降り立つことで生まれる上乗せ経済が大きく発生したかどうかは分かりませんけれども、中野サンモール商店街などは、当日コンサートをするアーティストのBGMを流すなどしてコラボを図ってきたわけですから、応援してきた商店街の気持ちの落胆も大きいのではないかと思っております。

 中野サンプラザ閉館後の人流や、中野駅周辺の来街者数や人流の変化について、中野区としてデータを収集しているのか。収集しているのであれば、具体的にどのようなデータを収集し、分析しているのか。また、区が収集していないのであれば、民間データの活用などはあるのか。また活用し、分析し、データを通じてその変化をどのように把握しているのか、伺います。民間データや商店街からのヒアリングを活用するなど、私は今だからこそ手立てを講じるべきと考えますがいかがですか、伺います。

○国分産業振興課長 令和5年度に中野区商店街連合会で、商店街における人流データに関する調査を行っており、データの分析を行っているところでございます。具体的には、スマートフォンデータの位置情報を収集し、年代、性別ごと、時間帯別、曜日別などの来訪者の状況、リピーター率などの分析を行ったところでございます。さらに、商店街の一部店舗に対してヒアリングを行っているところでございます。

○杉山司委員 回遊性はそもそもあったのか、現在はどの辺りで人が回遊しているのか、回遊できていないのかなども把握すべきだと考えます。今まで中野通りのガード下しかなかったところに、2026年12月には中野駅西改札ができ、そこには南北連絡通路もでき、中野駅南口や北口の土地区画整理事業なども完了したら人流は大きく変わってきます。

 今後の中野駅周辺の人流データを基にした回遊戦略検討などのために、人の流れや規模を定期的に取得し、生かしていただきたいと考えますが、区の見解を伺います。

○国分産業振興課長 スマートフォンデータの位置情報による人流データは、過去のものが取得できるため、定期的に取得することは考えておらず、必要なときに取得するものと考えております。中野駅周辺のにぎわいを創出するための企画や仕掛けが必要であり、そのために人流データが必要と判断した際には取得・活用してまいりたいと考えております。

○杉山司委員 本当は日々検討していただきたい、見ていただきたいというのもありますけれども。

次に、経済的影響について伺います。周辺の飲食店や小売業にとって、待ち合わせするカフェ、反省会をする飲み屋さんなど、中野サンプラザ来訪者は安定した顧客層であったとも考えられます。零細企業や飲食店にとっては、その喪失は売上げや利用者数の減少を感じているはずですが、数値は確認できていません。区はこうした経済的影響をどのように調査し、把握しているのでしょうか、伺います。

○国分産業振興課長 経済的影響は算出しておりませんが、中野駅周辺商店街や経済団体、中野サンプラザ一部利用者へのヒアリングなどによると、総じて、中野サンプラザのコンサートやイベントの開催だけでは、中野駅周辺の消費行動に直結していなかったことが分かっております。これに対して中野サンプラザ閉館時の感謝祭や、プロジェクションマッピングの実施時には、複数イベントの実施や回遊を促す企画、さらには実施する時間帯を工夫したことで、人流データと店舗へのヒアリングから滞在者の増と消費行動につながったことが明らかになっております。こうした工夫が地域経済への効果を高めるものと考えております。

○杉山司委員 中野区は中野サンプラザ閉館が決まったときに、新区役所それから四季の森公園などで、大小様々なイベントをつくって、生み出して、ロングテール的な考えで、街全体の経済を保ってきたことはすばらしいことだと思っております。これは裏を返せば、しっかりと中野区が対策をしたことで、中野サンプラザが閉館したことによる、漸減した経済を穴埋めしてきたとも考えられますけれども、これに対して区の見解を伺います。

○国分産業振興課長 先ほど御答弁申し上げたとおり、経済的影響は算出しておりませんが、2022年度以降、JR中野駅の1日平均乗車人員や東京メトロ中野駅の1日平均の乗降人員が年々増加していること、また一部店舗へのヒアリングから中野サンプラザ閉館に伴う経済的なマイナスの影響はほぼないものと認識しております。新区役所1階や、四季の森公園でのイベントも、中野駅周辺の消費行動の一助となったと推察しており、今後も様々な取組を通じて、中野駅周辺のにぎわいの維持創出に取り組んでまいりたいと考えております。

○杉山司委員 乗降者数が変わっていないとか、増えているとか、イベントをつくったからとか、様々なところで第三者的なデータというのを拾っていると思うんですけれども、サンプラザ閉館による経済的な影響は少なかった、もしくはあまりなかった、もしくは穴埋めできたという区の見解であるならば、それはそれで新たな疑義が生じるわけであります。中野駅前の象徴であった中野サンプラザと、周辺の経済領域がインタラクティブ性に欠けるというか、作用していなかったということにはなりませんでしょうか。今後この場所をどのようにしていくのか、今から考えていかなければなりませんけれども、その際の課題として近隣経済圏、特に中野駅を取り囲む経済領域との相乗効果にも重きを置かなければならないと考えますけれども、区の見解をお聞かせください。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 現在中野駅周辺では、グランドデザインVer.3に基づきまして、中野二丁目、三丁目、四丁目、あるいは囲町の各地区で、土地区画整理事業や市街地再開発事業などを展開しているところでございます。今後、中野駅新北口駅前エリアのまちづくりを進めていく際には、駅周辺の各地区が相互に連携し合い、また相乗的に発展していけるよう取り組んでまいりたいと考えております。

○杉山司委員 中野駅新北口の新施設の完成、開業までには数年を要する見込みとなります。10年かかるかもしれません。その間に、今の対策が頭打ちとなり、商店街や事業者の体力が失われたりしたら、いざ新しい施設ができても、にぎわいの受皿が失われてしまい、街全体の活力を取り戻すことは難しくなります。したがって、この空白期間をどのように乗り切るのかが大きな課題です。

 中野サンプラザがない状態でも、周辺商店街の積極的な支援や、区独自の来街促進キャンペーン、音楽や文化・芸術イベントの誘致、さらには観光施策との連動など、多角的な取組が必要と考えますが、区としてこれからどのような経済対策を検討し、実行に移そうとしているのか伺います。

○国分産業振興課長 区は、これまでナカペイのプレミアムキャンペーンをはじめとした地域経済の循環や、にぎわい創出に係る事業の実施、団体等が行うイベントの後方支援などに取り組んできたところでございます。こうした取組を引き続き行っていくとともに、中野サンプラザ土地建物等の暫定利用、アニメロードの取組、それらと地元商店街と連動したイベントの実施など、地域経済への波及効果につながる取組を行ってまいりたいと考えております。

○杉山司委員 以前から何度もお話しさせていただいておりますけれども、サイバー上に今の中野サンプラザを配し、ステージではライブができたり、会場ではアバターで結婚式ができたり、1階ギャラリーでは常設の美術館のように文化芸術作品が展示できたりと、メタバース上に早くサイバー中野サンプラザを実現して、始まりのまち中野らしく、誰でもこの場所を使ってチャレンジできる場所にすべきだと考えますが、いかがでしょうか。民間実現ではなく、中野区が中野サンプラザをサイバー上に残すということが大事だと考えますが、いかがでしょうか伺います。

冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 区の財政負担のもと、委員御提案の空間を設置するためには区内への来街などの誘因による経済効果や費用対効果が担保できることが重要であるというふうに考えてございます。区では既に、中野サンプラザ3Dデータの構築と、その公開を行っておりまして、こうしたデータの民間レベルの活用実績を一定踏まえながら、そうした空間をインターネット上に整備することの有用性などを慎重に検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○杉山司委員 エリアマネジメントについても触れておきます。野村不動産を中心としていた中野駅周辺エリアマネジメント協議会からそのメンバーが抜け、エリアマネジメント検討も白紙とまではいかなくとも、方向性は大きく変わったはずです。中野サンプラザと中野区役所の一体的な整備は、現在再考中となりますので、サンプラザを中心にドーナツのような経済状態となっているわけですが、中野区が事務局を担っている中野駅周辺エリアマネジメント協議会では、これからどのような検討を進めていくおつもりですか、伺います。

○井上中野駅周辺エリアマネジメント担当課長 今後の中野駅周辺エリアマネジメントの展開についてですが、中野駅周辺エリアマネジメント協議会では、エリアプラットフォームの設立、社会実験の実施、活動財源の確保に向けた検討を行い、地域が主体的に活動できる推進体制の構築を進めてまいりたいと考えてございます。

○杉山司委員 ちなみにですけれども、中野サンプラザといえば、アイドルの聖地だと思います。ジュリーも秀樹もモー娘。も、みんなこの場所を通ってきたわけであります。自分はかつて建築家の安藤忠推さんが座長を務めていた渋谷駅周辺まちづくり協議会に、IT部門検討の一員として参加しておりました。そのときは渋谷駅が10年以上にわたって改修工事に入る関係で、渋谷駅周辺まちづくり協議会ではドーナツ化した渋谷の街を活性化するために、渋谷音楽祭というイベントを立ち上げました――といいましても、私は検討していたうちの1人で、ほとんどは東急のメディアプロデューサーが中心となって進めていたものでございますけれども、渋谷駅周辺のマークシティや西武、丸井、109などの1階エントランスなどで、同時多発的に渋谷のライブハウスで活動を続けているアーティストのたまごがライブを行い、渡り歩くというもので、2006年に第1回目を開催し、渋谷駅が出来上がるまで続けるという感じで、今年20周年の記念祭となっています。

 渋谷駅は皆さん御存じのとおり、まだまだ再開発は完了していません。渋谷音楽祭を模倣するというわけではありませんが、中野サンプラザのアイドルコンサートの聖地を後世に伝える、中野サンプラザのDNAを受け継ぐという意味でも、中野サンプラザ周辺でアイドルコンサートイベント、中野アイドルフェスティバル、通称NIFといいますけれども――を実施してみてはいかがでしょうか。中野四季の森公園をメイン会場とし、区役所、なかのZERO辺りを会場として、アイドルグループが数か所のライブ会場を渡り歩いてライブを行うというイベントです。ぜひ主催か共催での実現はいかがでしょうか伺います。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 旧中野サンプラザにおきましては、様々なジャンルのアーティストがライブを行っておりまして、アイドルによるライブも発信性の高い一つだというふうに認識しております。委員御提案の内容につきましては、現在のところ、区が主催ですとか共催することは考えてございませんが、民間主導のイベント開催の要請があれば、区として実施場所の紹介ですとか後援、ほかのイベントとのコラボレーションを図るなど、後方支援に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

○杉山司委員 主催、共催はしないという感じですけれども、もし誰かがやる際には、ぜひ後援を出していただけるとありがたいなと思いますので、よろしくお願いします。

 中野駅周辺のにぎわい創出は、中野区全体の活力に直結する重要な課題であります。中野サンプラザ閉館によって生じる経済的な減退を最小限に食い止めるために、区はどのような役割を果たし、どのような方針で臨むのか、中野サンプラザ閉館という区民生活や地域経済に直結する事態に対し、区長として自らのリーダーシップをどのように発揮していくのか、区長の見解を伺っておきます。

○酒井区長 にぎわいの創出として、アニメによるプロモーションをはじめとした中野サンプラザの暫定活用を行うことを通して、商店街や区内事業者、団体等、多様な主体と連携し、集客力・発信力のあるイベントの支援・誘導を進め、にぎわいが途切れないようにしてまいりたいと考えております。当地区のまちづくりにつきましては、区民の期待に応えるために、一刻も早いまちづくりの実現に向けて、スピード感を持って取り組んでいく考えでございます。

○杉山司委員 にぎわいの創出による税収減も懸念されますが、支援にかける経費は将来的に区財政を守る投資とも言えるのではないでしょうか。その辺りを踏まえて、予算をつけて施策を検討し、中野駅北口のまちづくりを進めていただきたく思います。

 次に、中野駅新南口側線路のり面の整備について伺います。中野駅南口や中野駅西改札の整備に関して、中野駅の中野三丁目側、線路ののり面整備について伺います。中野駅ガード下とともに、中野駅新南口(桃園口)と中野通りの間の線路ののり面が、街の再開発計画から取り残されていると何度も言ってまいりました。光の隣には闇ができる、暗くて汚くて整備計画もないJRののり面です。

 以前、ライティングで光を当て、プレートなどでお化粧直しする手法で整備はいかがですかと伺いましたけれども、前向きな答弁は頂けませんでした。間違いなく取り残されているこの部分を、中野区としてはどのように整備していくお考えなのか伺います。

○大南中野駅周辺地区担当課長 御指摘の線路のり面の状況につきましては、所有者であるJR東日本に対して改善の要望をお伝えしておりますが、現時点では具体的な整備案は示されておりません。区といたしましては、中野三丁目のまちづくりの進捗に合わせて、JR東日本に対し、区の施策と連携した整備の提案及び協議を行ってまいります。

○杉山司委員 中野二丁目の線路沿いに、NAKANOミューラル・アニメロード整備事業が動いていると思いますけれども、中野二丁目だけではなく、この場所や中野駅ガード下にも、延長して整備事業を検討していただきたい、行っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか伺います。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 御案内の線路のり面や中野駅のガード下につきましては、所有者のJR東日本の意向ですとか、整備計画が前提となるため、課題も多いと認識してございますが、JR東日本につきましては、アニメでつながる中野実行委員会にも参画しておりますことから、実施の可能性について協議してまいりたいというふうに考えてございます。また、ミューラル・アニメロードの千光前通り以外へのエリア展開など、面的な整備につきましては、今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○杉山司委員 相手がJR東日本さんとなりますので、ここは中野区がこの場所をどうしたいか、強い意志を持ってJRさんに交渉していただきたい、強く要望をしておきます。

 その他で、飲食店などのネズミ防除助成金について伺います。中野駅周辺の再開発で行き場を失ったネズミたちが、中野駅北口や南口の飲食店に分散してしまって、今、飲食店が大変迷惑を被っているという話をいろいろなお店で聞きました。

 飲食店応援団としては、ゆゆしき問題です。保健所に寄せられたネズミ防除の相談件数は、ほぼ毎年増えています。中央区では生ごみの管理など、環境改善を伴う取組を継続的に実施する町会、自治会、商店街及び地域団体に対して、自主的に実施するネズミ対策への補助と支援を行っています。

 中野駅周辺の再開発につきましては、中野区主導で行っているものであり、将来的なにぎわいで恩恵を被ることはありますけれども、今、ネズミ問題は深刻度を増しています。ネズミ防除や捕獲装置の購入をするなどを商店街全体で取り組むなど、商店街支援の一環として、費用を助成する制度を検討すべきだと考えますが、いかがでしょうか伺います。

○国分産業振興課長 中野駅周辺の商店街からは、ネズミの数が増えているという声もあれば、変わっていないという声も頂いているところでございます。現時点で費用を助成する制度は考えておりませんが、中野区商店街連合会を通じて、繁華街のネズミ対策に関する情報提供を行ってまいりたいと考えております。

○杉山司委員 ちゃんと情報を仕入れていただきたいなと思いますけれども、また、駅周辺の飲食店に限らず、古い建物の建て替えのときには、解体業者がネズミを駆除することが要綱で示されていますが、それも実態はまだまだされていないということも事実として付け加えさせていただき、以上で中野駅周辺のまちづくりや経済対策についての質問を終えます。

 3、デジタル地域通貨ナカペイについて伺います。当時、区はデジタル商品券やPayPayキャンペーンを進めていましたけれども、私は2022年9月に、岐阜飛騨地方のさるぼぼコインなどを例に、御当地通貨の可能性を提案し、中野区民と店舗に限定した(仮称)中野ペイを訴えました。その結果ですけれども、誰でも使える形になりまして、名称も公募でナカペイとなりまして、2024年9月にローンチを迎えております。店舗側の手数料がなくても導入も簡単で、プレミアム付きチャージで、物価高支援にもなり、区民や商店街から感謝の声を頂いております。

 ナカペイが立ち上がった今、その効果を正しく把握することが重要です。単に件数や総額だけでなく、利用者や店舗の利用特性を分析し改善につなげるべきです。監査意見書でも、本件について新規経常経費事業は効果を検証し、翌年度に反映せよと指摘をされています。まず今年3月までの利用者数、可能であれば現在の利用者数も教えてください。

○国分産業振興課長 3月末におけるアプリの登録者数は6万8,247人であり、9月19日時点では7万5,663人となっております。

○杉山司委員 次に、年齢層別の分布、特に高齢者や若年層の広がりを区がどのように把握しているのか伺います。

○国分産業振興課長 昨年度末時点でのアプリ登録者の年代別内訳は、20歳代以下が全体の11.7%、30歳代、40歳代、50歳代が21%から25%程度、60歳代が12.1%、70歳代以上が6.4%となってございます。20歳代よりも60歳代の利用が多くなっていることが特徴的であると認識してございます。

○杉山司委員 30代から50代が大体21%から25%、それから60代も結構使っているというお話だと思いますけれども、サービスの公平性や実効性に課題がある、これは偏っているということです、例えば70代以上とか20代とかですね、課題があると思いますけれども、区の見解を伺います。

○国分産業振興課長 経済力や消費行動から考えますと、40歳代、50歳代が多いのは、ある意味当然であると捉えておりますが、中野区の人口構成を鑑みると、20歳代の利用が伸びていないことが課題だと認識しておりまして、周知やアプローチについて工夫してまいりたいと考えております。

○杉山司委員 20代は多分知らないとか、そういうことかもしれないですけれども、先ほど70代も少ないということだったんですけれども、高齢者がナカペイを使えるようになるということは、サービスの公平性を担保するには不可欠で、まず、アプリのダウンロード支援、チャージ支援、利用支援が必要ですが、区として何か手を打ってきたのか、どのような手を打ってきたのか伺います。

○国分産業振興課長 高齢者会館等での操作説明会の実施、区役所1階における申込み、購入時におけるサポート窓口の開設、区民活動センターにおいてスマホカフェを実施しているボランティア団体と連携した周知等に取り組んできたところでございます。60歳代、70歳代以上の割合が比較的高いことは、こうした取組の効果があったものと考えておりまして、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

○杉山司委員 20代や高齢者など、未利用の方々への手立てをさらに強化しなければ、便利な人だけのサービスとなりかねません。誰一人取り残さないという視点が必要となります。

 次に、昨年度にチャージされた金額と区のプレミアム分、ダウンロードポイント分などの総額のうち、実際に使われた金額、決済まで至った金額の総額について伺います。

○国分産業振興課長 委員御案内の総額については約18.9億円となりますが、そのうち決済された金額は約15.4億円でございます。

○杉山司委員 また、昨年度末までが有効期限だったものについて、もし失効されたものがあるならば、本来の目的を果たせていないことになります。区は、その原因をどのように分析しているのか伺います。

○国分産業振興課長 令和7年度末が有効期限となっていたポイントについては約1,500万ポイント、全体に占める割合は約3%が使用されず失効となってございます。昨年度はプレミアム付ナカペイの販売が11月と1月であったことから、期限が短かったことで使用し切れず、失効となったケースが少なくなかったものと推察しているところでございます。

○杉山司委員 逆に、当選後にチャージしなかった割合を伺います。

○国分産業振興課長 プレミアム付ナカペイの販売は、昨年度に2回、今年度に1回実施したところでございますが、当選者のうち購入しなかった割合は、他自治体と同等かそれ以下の約7%から13%程度となってございます。

○杉山司委員 この辺りも、当選したかどうか分かりづらかったなどの意見も入ってきております。購入期限前にプッシュ通知だけではなくて、当選者かつチャージしていない人に対して、電話などをして、直接リーチして確認するなどの手間が必要だったのではと思いますけれども、いかがですか。

○国分産業振興課長 購入期間において、区報やホームページで周知を行ったほか、当選者のうち未購入者に対して、アプリのプッシュ通知を複数回実施したところでございます。先ほど申し上げました当選者のうち購入しなかった割合は、昨年度より今年度のほうが割合は縮小しているところでございます。周知の取組の効果が出ているものと考えておりまして、今後も同様に取り組んでまいりたいと考えてございます。

○杉山司委員 次に、利用者の年齢層について伺います。若年層は少額利用が中心なのか、高齢層はまとめて利用する傾向にあるのかなど、年齢層による利用額の特徴について伺います。

○国分産業振興課長 経済力や消費行動から想定していたとおり、1回当たりの決済額の平均値、中央値を年代別に分析いたしますと、60歳代や70歳代以上が高い傾向にございまして、20歳代が低い傾向にございます。

○杉山司委員 これを分析すると、日常使いなのか、高額商品を買うきっかけとなるのかなど、利用実態を丁寧に把握することが政策効果を評価する第一歩だと思います。そのデータは施策検討に限らず、区内経済対策のための重要なデータとなるはずですので、幅広く情報を取得して分析いただけますよう要望しておきます。ちなみにですけれども、区長はナカペイが使える店に行きたいので、人一倍チャージをしていると聞いたことがあります。私もそこそこチャージしておりますけれども、プレミアム付チャージの期間以外にチャージをした人数や金額があれば教えてください。

○国分産業振興課長 プレミアム付ナカペイの販売以外のチャージ、いわゆる通常チャージでございますが、8月末現在でチャージ金額は1,279万4,000円、チャージ回数は1,308回、チャージ人数は実人数で883人となってございます。

○杉山司委員 回答は、思っていたよりも数字が多い結果となっております。中野区としてはどの程度の数字を予測していたのか、これに関しては想定値より多かったのか、少なかったのかは分かりませんけれども、ただ全体の規模感からすれば、やはり少ないように感じます。もっと少ないかと思っていたんですけどね。区の見解を伺います。

○国分産業振興課長 通常チャージに対するインセンティブがない中で、想定以上の利用実績があったものと考えておりまして、何らかのインセンティブを設けた際には、さらなるアクティブユーザーの獲得が一定程度を見込めるものと考えております。

○杉山司委員 自宅近くのお気に入りの店、商店に対して、現金やナカペイを使ってあげれば手数料がかからないので、プレミアム付きでなくともチャージをして使っていただきたい、そうさせる施策など、もしあれば教えてください。

○国分産業振興課長 通常チャージにおけるインセンティブとして、チャージ時におけるポイント還元等を試行で実施することを検討しております。またナカペイは、民間のキャッシュレス決済と異なりまして、コミュニティポイントと連動している点が特徴であり、コミュニティポイントをナカペイに変換して区内店舗で利用することができ、それが区内事業者の応援につながることが魅力であると考えております。こうした地域通貨ならではの魅力を、工夫して広報してまいりたいと考えてございます。

○杉山司委員 私が御当地デジタル地域通貨を提案したときには、区民からの税金などを地域内経済循環の仕組みとして導入してほしいという形で提案しました。実際には、区外の方も利用できるという形になっております。区外利用者への流出がどの程度あるのかも把握しておきたいところでございますので、区内在住者の利用割合なども含めて、もし把握できたのであれば教えてください。

○国分産業振興課長 アプリ登録者のうち、区外在住者の割合は現時点で約2割となってございます。区外在住の方がナカペイを利用して、区内で消費していただくことがナカペイの主目的の一つである区内経済産業の活性化につながるものであり、望ましいと考えております。ナカペイをふるさと納税の返礼品にしているのも歳入確保とともに、そうした点を踏まえたものでございまして、今後も区内在勤者などの区外在住者に対してもアプローチを行っていく考えでございます。

○杉山司委員 今後ナカペイの利用者が拡大した場合、どこかのタイミングで区内在住者や区内に通う学生、区内で働く方など、区内に限定したサービスに切り替えるのか、現状のままなのか、中野区に関係なく誰もが自由にナカペイが使える形のサービスで進むのか、区の見解をお聞かせ願います。

○国分産業振興課長 中野区基本構想は、中野に住む人々のほか、中野の街で働き、学び、活動する人々の共通目標であることから、在勤者、在学者のほか、来街者にも中野区の地域通貨を利用いただきたいと考えております。一方、コミュニティポイントについては、区民を対象としたものであり、基本的にはこういった点で違いを図る考えでございます。

○杉山司委員 商店街応援のためには、より多くの人が使えるように制限をかけない形が望ましいとも思います。一方で、プレミアムチャージ分は区の財源を使っているわけですから、そのバランスをどのように考えていくのか、数字を基に仮説と検証を繰り返しながら政策立案をする必要があります。

 プレミアム付きチャージ発行時の当選確率やプレミアム割合など、区内在住の方と区外の方とのサービスの差をつけることについては、区の見解を伺います。

○国分産業振興課長 現時点では、そうしたサービスの差をつけることは考えていないところでございます。一方で、主目的ではございませんが、社会経済状況などを踏まえながら、物価高騰下の区民の生活応援的な視点でのナカペイの活用については、加盟店舗や経済団体等の意見も伺いながら、今後検討してまいりたいと考えております。

○杉山司委員 次に、ナカペイの実施によって、地域経済の活性化にどの程度つながったのかと評価する指標、KPIも必要です。効果を数値化し、改善につなげる方針を伺います。

○国分産業振興課長 昨年度は、還元原資約4.6億円に対して約15.4億円の経済効果があったところであり、これらが基本的な評価指標であると考えてございます。今後は、この還元原資である公費負担を軽減しながら経済効果を維持するなど、持続可能な事業運営を行うことが必要であると認識しております。こうした公費負担等経済効果を見ながら、事業の評価・検証することを想定しておりまして、その結果を踏まえ見直し改善を含め、その後の事業展開を考えてまいりたいと思っております。

○杉山司委員 次に、参加店舗について伺います。今年3月までの参加店舗数、可能であれば現在の参加店舗数もお教えください。

○国分産業振興課長 3月末時点での加盟店舗数は1,310店舗であり、8月末時点では1,354店舗となってございます。

○杉山司委員 想定参加店舗数、または目標参加店舗数との乖離はどの程度ありますか。

○国分産業振興課長 今年度末の加盟店舗数の目標を2,000店舗以上としたところであり、その目標との乖離は大きい状況にあると認識してございます。引き続き店舗数を増やすための取組に注力していくとともに、加盟店を増やすために効果的な手法や周知等について工夫してまいりたいと考えております。

○杉山司委員 中期的な参加店舗の目標店舗数はどのように設定し、その数値に到達するための戦略はどのようにお考えなのか、区の見解を伺います。

○国分産業振興課長 目標店舗数は、他自治体での地域通貨の初動期の動向を踏まえつつ、地域経済効果を高めるため、上振れした店舗数を目標として設定しているところでございまして、まずは目標とした2,000店舗到達を目指したいと考えております。目標達成に向けては、加盟店側からアプリの操作性の向上を求める声があることを踏まえ、ユーザビリティー向上のためのアプリの改修等に取り組んでいくとともに、他自治体において実施している加盟店紹介キャンペーンなどを検討してまいりたいと考えております。中期的目標については、加盟店舗数や利用者数などの運用状況を見ながら、今後検討してまいりたいと考えております。

○杉山司委員 次に、加盟店のメリットとして、お客さんが増える、売上が増える中野区内で店舗を出したくなるような、さらなる施策も検討を進めていく必要があると思います。このナカペイを利点とした区外への情報発信も、先ほどのメリットの内容も含めて必要だと考えますが、いかがでしょうか。

○国分産業振興課長 中野区で出店する際のインセンティブの一助として、ナカペイの魅力や加盟店舗側の導入効果など、区内だけでなく区外へ発信していく手法について検討してまいりたいと考えております。

○杉山司委員 ちなみにですけれども、興味があるので数字だけ教えていただきたいんですけれども、ナカペイの利用場所について、飲食店、小売りなのか、サービスなのかなどの業種ごとの傾向というのはどのようになっておりますでしょうか。

○国分産業振興課長 店舗がナカペイに登録する際に、スーパー、コンビニといったカテゴリーを御登録いただいているところでございます。そのカテゴリー別の決済金額を見ると、スーパーでの利用金額が最も多く、全体の45%以上を占めております。次に、ドラッグストア、飲食料品小売・酒販店となってございまして、それぞれ全体の12%、5%となっている状況でございます。

○杉山司委員 また、ネット店でも利用できるとか、それから出張店舗や屋台営業などでも利用できるなど、参加店舗の拡大戦略も必要と考えますがいかがですか。

○国分産業振興課長 出張店舗や屋台営業なども利用可能となっておりまして、にぎわいフェスタやなかの里・まち連携自治体による合同物産店イベントに出展している事業者などに活用していただいているところでございます。また、町会の秋祭り等における屋台決済などでも活用いただく予定でございます。一方、ナカペイをネットでの買物で利用できるようにするには、加盟店のシステム対応が必要でコスト増となること、決済情報や個人情報の取扱いが伴い、さらなるセキュリティ対策が必須であり、情報漏えいや不正利用への対応・体制の担保が不可欠であるなど、課題が多いことから慎重に検討してまいりたいと考えております。

○杉山司委員 続きまして、機能についてお聞きいたします。昨年度または現在でも構いませんが、ナカペイの機能について、先ほどお話がありましたけれども使い勝手が悪い、機能改善希望などの意見はどの程度受けているでしょうか伺います。

○国分産業振興課長 操作性の改善を求める声として、利用者からは決済操作が分かりにくい、決済時の工数が多いといったお声を頂いているところでございます。また加盟店舗側からは管理画面の表示改善、決済操作の簡素化、決済完了メールの配信を希望する声を頂いております。一方で、ナカペイで初めてキャッシュレスポイントを利用する方や、御高齢の方にはシンプルで使いやすいという声も頂いているところでございます。これらの声とともに、店舗、利用者とともに民間の決済アプリより年齢層が幅広いことを踏まえながら、改善を図っていく考えでございます。

○杉山司委員 ちなみにですけれども、ローンチ以降に改善した機能があれば教えてください。

○国分産業振興課長 決済画面の操作性向上、加盟店一覧画面の表示改善を行ったほか、店舗宛て決済完了メール配信機能の追加などを行う予定でございます。

○杉山司委員 声として、友人へ送金できないとか、文字が小さいとか、QRの読み込み精度が悪いなどが挙げられておりますけれども、この辺りの改修というのを行っていただけますでしょうか、伺います。

○国分産業振興課長 地域通貨であるナカペイは、民間の決済アプリとは目的や性格が異なるとともに公費を投入して運営するため、区の財政負担を極力抑えるという前提があるなど、大きな違いがあるものと考えております。このことから一定制約はございますが、区に寄せられる意見や要望を踏まえながら技術的に対応可能なものについては、費用対効果や優先順位などを考慮した上で、順次改善してまいりたいと考えております。

○杉山司委員 次に、機能拡張について伺っておきます。現在、渋谷区ができなかった健幸ポイントなどが通貨になる連携機能、ペットボトル破砕機でのポイント加算、友人に通貨を送る機能、それから限定地域だけでのキャンペーン、発災時アラート機能、子育て家庭や高齢者などに限定できる各種給付金や支援金などの送付機能、それからFMラジオの防災ラジオ機能など、検討中の拡張機能や新たな使い方というのはありますでしょうか。

○国分産業振興課長 今年の10月から、地域支えあい推進部の健幸ポイントとの連動や、12月にはスタンプラリー機能を実装し、商店街において活用いただく予定でございます。来年度はアカウント認証をマイナンバー認証と連携するなどにより、通常チャージでクレジットカードを使用可能とすることや、利用者間の送金機能の導入などを検討してございます。

 ナカペイを活用した給付事業については、給付の対象となる方がナカペイの利用が困難でなく、かつ限定されている事業から活用していくことがよいと考えておりまして、今後機会を捉えて実施できるように検討を進めたいと考えております。

○杉山司委員 このナカペイですけれども、ランニングコストは別にして、システム関連経費は約3,000万円で実現したと聞いています。ちなみに、東京都の東京アプリは、開発・運営費用が約9億4,000万円、さらに都民へのポイント付与7,000ポイントで約790億円と聞いています。かなり予算をかけて事業を進めているようですけれども、なかなか苦戦中とも聞いています。

 そういう意味ですと、ナカペイはとても優秀なのではと思っております。ナカペイは令和6年度も、今年度も、東京都の地域産業活力創出支援事業を活用していますが、その金額を教えてください。

○国分産業振興課長 東京都の地域産業活力創出支援事業、計画事業費補助金のナカペイ分における令和6年度の歳入決算額は5,286万1,000円でございます。また、令和7年度の歳入の予算額は5,668万8,000円でございます。

○杉山司委員 5,000万円以上、2年連続でもらっているということですね。ちなみにですけれども、鹿児島県薩摩川内市などはデジタル田園都市国家構想交付金を活用して、デジタル地域通貨事業を進めています。デジ田交付金といいますけど、デジ田交付金を活用したデジタル地域通貨事業は、2022年には57件、2023年にはさらに33件の事例が報告されています。中野区としても国庫支出金を最大限活用し、取れるものは取っていくという方針を打ち出しているはずだと思いますので、都費を頂きつつ国の交付金も獲得できるという可能性というのはありますでしょうか、伺っておきます。

○国分産業振興課長 委員御案内の国の補助金については、対象となる経費が東京都の地域産業活力創出支援事業計画事業費補助金と同じとなっておりまして、また重複して申請することはできないため活用していないところでございます。当件については、ナカペイの企画立案時に検討し、都の補助金を優先したところでございまして、都の補助金を受けられる期間後の令和9年度以降に、国の補助金を活用する想定でございます。

○杉山司委員 令和9年度から活用できるかもというお話だったと思いますので、ぜひ獲得に動いていただきたいですし、今後システムも含めて国費・都費を積極的に確保して、機能改善・拡張を進めて、区民に広く利用される、日本に誇る御当地デジタル地域通貨に成長させていただきたいと強く願いまして、次の質問に移ります。

 最後になりましたけれども、「つけ麺」による街の活性化について伺います。中野区発祥のつけ麺による街の活性化について伺います。かつては、新たな中野駅新北口の拠点施設にも、つけ麺スタジアムをぜひ検討してほしいと本会議場でお話しして、前向きな答弁を頂いたような気がしますが、計画は見直しとなっていますから、立ち消えとなっています。残念ですね。

 一昨年に中野区観光協会が制作した中野つけ麺MAPは大変好評で、区長にもボランティアスタッフとして店舗の取材などもしていただきましたし、日本つけ麺学会の会長にも御就任いただきました。今年から新たな店舗の取材をはじめ、来年には改定版を出す予定ですので、引き続き区長にもお手伝いいただきますようよろしくお願いします。

 区長は昨日のMXテレビの堀潤さんの番組収録に、大勝軒の2代目坂口大将さんらとともに出演されておりました。つけ麺で中野区の地域活性化を図るという番組企画です。どのような内容でしたでしょうか。

○矢澤広報・広聴課長 堀潤さんが司会進行を務める「堀潤激論サミット」パブリックミーティングは、地域住民など様々な立場の方が集い、地域課題解決のためのアイデアを出し合っていく番組でございます。番組内で中野でのつけ麺に関するこれまでの取組や課題、他自治体のブランディング成功例、それからつけ麺文化発信のための提言などについて議論が交わされたところでございます。

○杉山司委員 区長が区長になる前から、そして私も区議になる前から、二人三脚でつけ麺は中野区発祥だと、つけ麺は中野の文化だと、新聞でも、雑誌でも、テレビでも、ラジオでも言い続けてきて、やっと認知されるようになってきました。10年以上かかったわけでございます。

 区長は、これだけ中野区においてつけ麺の活動をされているにもかかわらず、名刺にも、行政資料などにも、一切つけ麺という文字は出しておりません。そろそろ行政として、つけ麺による街の活性化にも行政で取り組んでいただきたいと個人的には思っています。うどん県のように、行政が全面的に地域の名産などをうたう形もある中で、中野区もつけ麺係などの部署を設置するとか、基本計画につけ麺の文字を踊らせるなど、思い切った切り口で、つけ麺を経済発展の起爆剤に据えていただきたいと思います。

 区報の最新号は、カレーなどのエスニック特集でありました。皆さんも見たと思いますけれども、まずは中野区とつけ麺の関係も含めて、区民にしっかりと伝えるために、せめて区報でつけ麺特集を組んでいただきたいのですが、区の見解を伺います。

○矢澤広報・広聴課長 区民の愛着を高め、地域資源を発信するという観点から、区報9月20日号におきまして、カレーを特集いたしましたが、今後も中野の食文化を特集する中で、中野が発祥の地であるつけ麺を掲載することにつきましても、検討課題としてまいりたいと思います。

○杉山司委員 検討いただけるということで、ありがとうございます。私のほうも何でもお手伝いいたしますので、ぜひとも御相談いただければと思います。区長も引き続き本件につきましては、精力的な活動をお願いいたします。

 以上で、私の全ての総括質疑を終了します。御清聴いただきましてありがとうございました。

○河合りな委員長 以上で杉山委員の質疑を終わります。

 次に、市川しんたろう委員、質疑をどうぞ。

○市川しんたろう委員 よろしくお願いいたします。残り5分でございます。先に、順番を変えて、自治体の担い手不足について伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 昨日、平山委員から質問がございました日本全体人手不足が深刻になっていて、自治体職員の担い手が不足していること、こちらについて伺わせていただきます。

 事務職もそうかもしれませんけれども、技術職については民間企業と待遇の差が大きくて、民間企業に流れていると。特に人材を確保することが難しくなってきている、そういったお話がございました。施設整備を行う経費が確保できたとしても、人員がいなければ進めることができない、そういうことが危惧されているところです。区有施設整備計画、とりわけ学校については60年から80年に建物寿命を延伸して対応するとのことでございましたけれども、将来的な施設整備については、相当厳しいシチュエーションになることが想定されると。

 ただ、昨日、平山委員から施設計画の部分は質問があったので、その辺は全部すっ飛ばして、いきなり人数について伺いたいと思います。区の技術職のうち建築職、電気職、機械職、土木職の人数、それぞれ教えてください。

○中村職員課長 令和7年9月1日現在でございますが、建築職80名、電気職13名、機械職13名、土木職103名でございます。

○市川しんたろう委員 これは再任用の短時間勤務されている職員の方も含まれていると思います。やはり人数的には、おおむね少ない印象を抱きます。特に電気職、機械職は、顕著にその傾向が出ているのかなと思います。ちなみに今、出た人数でございますけれども、行政規模にもよるかと思うんですけれども、23区の中で比較すると多いほうなのか少ないほうなのか、いかがでしょうか。

○中村職員課長 全職員に占めます技術職の割合でございますが、特別区全体と比較しまして、おおむね平均程度であると認識してございます。

○市川しんたろう委員 ほかの自治体ですよね、国とか東京都、都道府県とか、ほかの23区も皆さん技術職の職員が足りないと言っているわけです。中野区はとりわけ多いのか、昨日の話を聞いていたら多いのかなと思っていたら、平均的なところですよね。何で平均的なのに、中野区だけ足りているということになるのかということだと思うんですね。別に技術職員が足りないということは、区を責めているわけではないんです。これは全国的にそういう流れですので、どうやったら将来的に安定的に人材確保できるかということを聞いているだけですので、その辺を分かってください。今後、施設整備を着実に行うに当たり、技術職の人数が足りているのか。これを改めて確認させていただきます。昨日ありましたけど、認識について教えてください。

○中村職員課長 技術職につきましては、特別区職員採用試験・選考への申込者減によりまして、需要数を下回る採用数となっている状況が続いてございますが、最適な人材活用を行うことで、着実に事業を実施している認識でございます。

○市川しんたろう委員 足りているのか足りていないのかということで言うと、足りていないのかな、足りているのかな。今後の施設建築、また改修工事など着実に進めるために、現状の人員体制では綱渡りなんじゃないかなと思うんです。今もそうだと思うんですけど、今現時点で足りているということを言って、施設を60年から80年後ろに倒したわけですから、今、人数がそこまで多く必要ないのかもしれない。だから、もしかしたら70年でいいんじゃないかという議論も出たかもしれませんけれども、ただ離職率も高いというのが今、公務員の課題なんですね。途中で辞める職員がこの先ちらほら出た場合に、実施できなくなるのではないかということを心配しています。認識について教えてください。

○中村職員課長 退職者が出た場合につきましても、事業実施に影響が出ませんよう職員の配置調整や兼務等によりまして、人材を効果的に活用しながら着実に実施してまいります。

○市川しんたろう委員 配置の調整とか兼務ということになると、一人ひとりの業務量が増えるわけですよね。そうすると何で公務員の皆さんが定時に帰れないのかということで、業務が多いんじゃないかと、負担が多いんじゃないか、そういうことが課題になっているというのはあると思うんですよね。それは多分負の連鎖に入っていくような話だと思うんですけれども、これは非常に心配な現状において、採用できない、今後人員が確保できない、採用ができない可能性もあれば、離職してしまう可能性もあると。安定的な人材確保ということが、本当にこれでできると思いますか。

○中村職員課長 広く技術職に訴求できる採用活動や、インターンシップの実施、また現職職員の区へのエンゲージメントを向上・維持する取組などを検討実施していくことで、必要な人材確保に努めてまいります。

○市川しんたろう委員 インターンシップも当然、効果的だと思います。ほかの自治体で、公務員、スペース、技術職、スペース、足りないと調べると、めちゃくちゃいっぱいページが出てくるんですよ。そうすると、採用年齢枠の拡大とか、採用候補者の名簿の有効期間の延長とか、民間企業の志望者が受けやすい試験への変更とか、中野区だけでは進められない制度設計もあるかと思うんですけれども、こちらについては課長会など、そういったところで共有していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。これは要望です。

 今後の区政運営を考えると2040年、2050年、施設の更新が非常に、新築が多くなるところですね。長期的な視点で、職員の年齢構成も併せて考えていく必要があると思います。先ほど教えていただいた建築職、電気職、機械職、土木職について、現在の職員の年齢構成はどのようになっているのでしょうか。

○中村職員課長 いずれの職種におきましても、30代から50代の職員が多く在職してございます一方で、20代の職員が少ない状況でございます。

○市川しんたろう委員 やっぱり20代の方が少ないわけですよね。若い方がとにかく少ないということだと、2040年、2050年に向けて大変不安を駆られるわけです。行政における技術職の採用難というのは、ここ数年の話ではなくて、調べてみると20年以上前から低倍率が続いているというふうに聞いております。この要因はゼネコンやデベロッパー、コンサル等の民間企業と比較した場合に、先ほど冒頭申し上げた給与待遇や職の魅力とか大学との関係とか、簡単には解消されない、総合的に、そして構造的な問題が抱えられているわけです。新卒採用と今と同レベルの経験者採用では、もはや解消し切れないのではないかと思います。新たな人材マネジメント戦略が必要だと思います。民間企業との関係における技術分野についての区や職員の役割を見直した上で、例えばOB職員を活用した会計年度任用職員で、ルーティン業務のマンパワー不足を一定程度補うとともに、大規模プロジェクトに対しては、マネジメントクラスの任期付職員を採用して知識経験を確保する。こういった人材マネジメントの考え方が必要だと思いますけど、いかがでしょうか。

○中村職員課長 再開発などのまちづくり事業を推進する中で、専門的な知見や経験を区の事業推進に生かしていただくため、現在自治体などの管理職OBを管理監督職の任期付き職員として任用してございます。今後も技術職におけるマネジメントクラスの外部人材の任用につきまして、事業の進捗や必要性も踏まえて検討してまいります。

○市川しんたろう委員 今、会計年度任用職員についても触れられましたけれども、区は技術職が退職後、会計年度任用職員として雇っている事例がたくさんありますよね。給与面で民間企業との処遇の差が大きいのは仕方ないにしても、専門職の会計年度任用職員の処遇を高める。例えば、一般の職員の処遇というのは、中野区で勝手に上げることはできないわけです。だけど、会計年度任用職員の待遇というのは、任期は1年とか期間は短いんだけど、区が考えることができる、区が検討することができるということであれば、会計年度任用職員の処遇を高めることによって、優位な人材を中野区に選んでもらう、こういった取組について検討すべきではないでしょうか。

○中村職員課長 専門職の会計年度任用職員の報酬につきましては、各所属において職務の複雑性、特殊性、困難性等に応じまして、常勤職員の給与との権衡などを考慮しまして決定しているところでございます。御指摘の内容を踏まえまして、検討してまいります。

○市川しんたろう委員 新設、改修などを管理している施設は、小規模なものを含めると年間200件程度と聞いております。これだけ対象施設が増加していく中で、計画どおり進めていくことができるのか、これが非常に大きな課題です。現場の状況を把握している担当課、施設課だと思いますけど御認識はいかがでしょうか。

○大須賀施設課長 施設の新設や改修工事につきましては、実施体制を含め、庁内で調整を図りながら計画的に進めているところであります。引き続き関係所管と密に連携を図りながら、円滑に事業を推進してまいりたいと考えております。

○市川しんたろう委員 いずれにしても、区職員だけで全ての施設の建築、改修、修繕を行っていくことには限界がいずれ来ると思います。今は来ていないと言い張っていますけど、将来必ず来ます、今のまま行けば。今後は維持管理、保守点検、修繕の部分など、より一層公共施設のマネジメント、これは民間に委託をしていくべきではないか。我々だけでは、区ではできない、しきれないわけですから、そういった公共施設のマネジメントを民間に委託していくことを筆頭に、民間活用の観点が重要であると思いますけど、いかがでしょうか。

○大須賀施設課長 現在、区有施設の維持管理や保守点検、小破修繕につきましては、その内容や状況に応じて各施設所管や施設課で対応しております。今後、更新・保全が必要な施設の増加を見据え、維持管理や保守点検、小破修繕などについては、包括的な業務委託の手法の活用について、関係所管と連携しながら検討してまいりたいと考えております。また、他自治体の先行事例につきましても、調査研究を進め、区の実情に即した効果的な施設管理体制の構築に取り組んでまいりたいと考えております。

○市川しんたろう委員 いずれにしても、この後、区有施設整備計画が策定されたり検討が進められていきます。様々な計画が進めていかれるわけなので、施設とかお金だけじゃなくて、職員についても大変重要です。お金があっても人がいなきゃ施設整備できませんから。なので、こういった職員の考え方、技術職の人材確保の考え方については、適宜議会に報告していただきますよう心からお願い申し上げて、この項の質問を終了します。

○河合りな委員長 市川委員の質疑の途中ですが、ここで休憩したいと思います。

午後3時05分休憩

 

午後3時25分開議

○河合りな委員長 では、委員会を再開します。

 休憩前に引き続き総括質疑を行います。

 市川委員、質疑をどうぞ。

○市川しんたろう委員 引き続き質疑させていただきます。

 次に、令和6年度決算についてお伺いさせていただきます。

 昨日、我が会派の伊藤正信幹事長からも決算について伺わせていただきました。私からは、公債費負担比率と都区財政調整交付金についてお伺いしたいと思います。

 まず初めに、公債費負担比率について伺います。今回、令和6年度決算の説明資料、財政白書13ページの公債費の推移の中の普通会計の公債費負担比率を見てみると、令和6年度の比率は6.0%とございます。新庁舎建設分にかかるものが4.5%程度あるということなので、それを差し引けば23区平均とほぼ同じような状況にあるというのが、今の中野区の状況です。

 また、これまでほかの委員からの質問、それに対しての答弁にもありましたけれども、税収の増加はインフレの影響もあって増加をしていて、顕著であろうということでした。今後インフレが続くことを前提とすると、金利についても引き上がってくることが想定できると思います。

 まず、初めに伺いますが、固定金利である政府系金融機関の金利の直近の動向を教えてください。

○竹内財政課長 お答えいたします。

 固定金利で15年債での財政融資資金の借入利率でございますが、令和6年9月時点におきましては1.0%であったのに対しまして、令和7年9月時点では1.7%と上昇傾向にございます。

○市川しんたろう委員 やはりこちらも上昇傾向ということだと思います。今、固定金利で起債を組めば1.7%だけれども、今後、今の上昇傾向から見れば、さらに金利上昇も避けられない。昨日からいろいろな方からの質疑の中で、起債を抑制して基金にということで、大変恐縮なんですけれども、起債自体は今が実はしどきなんではないかと、こういうふうに思うんですけれども、区の認識はいかがでしょうか。

○竹内財政課長 この金利上昇局面におきまして、今後も起債の利率が上がることは想定しているところでございます。一方で、公債費の増は区民サービスへの影響を及ぼすおそれが大きくなるため、歳入歳出の決算状況等を鑑みながら起債発行を慎重に検討していく必要があると考えてございます。

○市川しんたろう委員 確かに、御指摘のとおり、起債自体が増加してしまうと一般需用費、義務的経費が膨らむことにもつながりかねない、こういう指摘が、とりわけ酒井区政にいろいろな方から指摘があると思います。ここは財政課をはじめとした皆さんの努力によって抑制できるものなのではないかなと思うんですけれども、この辺はいかがですか。

○竹内財政課長 起債が増加することにより公債費が増加しまして、財政の硬直化を招くことになりますと、区民サービスにも影響があると考えてございます。公債費負担比率など財政費用を意識しながら、社会情勢の変化に応じた柔軟な対応を研究するとともに、予算編成方針で示した経常経費の削減や内部管理コストの縮減、事業の見直しなどについて、全庁で取り組んでいくことが重要であると認識してございます。

○市川しんたろう委員 分かりました。

 一方で、基金の話ですけれども、財政白書の20ページを見てみると、こちらも同じように「近年、顕著である物価高騰や金利上昇などの社会情勢や、今後の区有施設整備計画や整備経費に対応した持続的な財政運営を実現するために、基金活用についての課題の整理や目標額の見直しを行う必要がある」と書いてあります。先ほど答弁していただいたこと、基金と起債と同じような話をされておられますけれども、これはいつまでに行うんですか、この検討というのは。

○竹内財政課長 基金の活用の考え方につきましては、このたび考え方の見直しを行ったところでございまして、今後の計画等を踏まえて対応していくことになってございます。見直し後の考え方に基づいて令和8年度予算編成を行いながら、今後の持続可能な財政運営を推進していく考えでございます。

○市川しんたろう委員 では、来年の予算特別委員会のときを楽しみにしております。

 目標額について検討を今後進めていく。この起債の話とか、基金について、目標額について、検討を今後進めていくのであれば、先ほど起債についてお伺いしましたけれども、公債費負担比率については、区が中野区方式、これにのっとって10%以内に収めるとしています。公債費の引上げについて先ほど御提案をしましたけれども、仮に5%から6%に引き上げた場合、これはバッファー、現在の中野区の財政規模で見ると40億円から50億円あるわけでございます。ここを必ず基金に積み立てるよということで、一般事業費、義務的経費の圧迫を一定抑えることができるのではないかと考えます。こういったことを一つの基金の基準として考えることはできないでしょうか。

○竹内財政課長 基金、起債の考え方の基準につきましてでございますが、施設整備と併せて区民サービスの向上も同時に行っていく必要があると考えてございます。財政負担の平準化と世代間負担の公平化を図る意味から、基金、起債は活用していきたいと考えてございまして、将来負担を適切に表す指標の在り方も含めて、実際の事例も参考にしながら研究していきたいと考えてございます。

○市川しんたろう委員 分かりました。では、ぜひよろしくお願いします。

 次に、都区財政調整交付金についてお伺いいたします。都区財政調整交付金の活用については、令和3年9月、約4年前でございますけれども、これも決算特別委員会でお伺いをさせていただきました。年月も経過して、財政の担当も竹内課長になられたので、改めてお伺いいたします。

 令和3年当時に、現行の区有施設整備計画に触れて、その中で都区財政調整交付金についてはどれだけ算定してもらえるのかと、現状と今後の見込みについてお伺いしたときは、義務教育施設整備事業のうち、統廃合のために新たに校地を取得する場合を除いた用地取得事業に係る地方債が対象になるが、現時点で対象となる区債を発行しておらず、また保有もしておらず、これについては算定をされない。また今後につきましても、現時点において対象となる起債の発行を予定していないことから、この算定の対象となることについての見込みをしていないと、答弁がありました。現行の区有施設整備計画の中には、都区財政調整交付金について見込んだ起債が組み込まれていない、こういうことですね。

 まず初めに、区有施設整備計画の御担当である資産管理活用課長にお伺いいたしますけれども、区有施設整備計画の改定に向けて、現在、様々検討されておられます。現状の検討段階で、都区財政調整交付金の活用について検討はされておりますでしょうか。

○半田資産管理活用課長 区有施設整備計画におきましては、効果的、効率的な施設整備の推進に当たりまして、国や東京都の補助金等の特定財源の活用を図ることといたしてございます。施設整備に当たりましては、国や東京都の補助金だけでなく、都区財政調整交付金の活用につきましても併せて検討しているところでございます。

○市川しんたろう委員 先ほど申し上げたように、令和3年9月の決算特別委員会において、今後はインフラ整備やまちづくり事業だけではなく、区有施設を更新する際には、都区財政調整交付金の活用をしていくべきではないかという質問をさせていただきました。対して、当時の構造改革担当課長、懐かしいですね、答弁の中で、「これまでに都市計画事業ですとかまちづくりの事業につきましては、都区財政調整交付金の算定ですとか、あるいは都市計画交付金の確保に向けた事業計画を仕立ててきたところでございます。そうしたインフラ整備以外の施設整備につきましても、都区財政調整交付金の算定を視野に入れながら計画をしていきたいと考えております」としております。視野に入れて検討していないんですか。

○半田資産管理活用課長 都区財政調整交付金につきましては、基本的には一般財源でございまして、都市計画事業以外の施設整備におきまして財源を確保できるメニューは少ないところでございます。

 一方で、都区財政調整交付金につきましては、算定内容が毎年見直しを行っておりまして、可能な限り確保することを視野に入れて検討を進めていく必要があると考えてございます。

○市川しんたろう委員 また、単独の施設更新だけでは財政調整算定されづらい、こういった特性があるようです。ほかのまちづくり等の面整備の中に施設更新の位置付けをすると算定の可能性が広がっていくことも、先ほど言った令和3年の決算特別委員会で確認をいたしました。そういったまちづくりの計画への位置付けをする検討を進めていくには、ほかの部署との組織横断的な計画が必要になっていくと思います。その検討状況はいかがでしょうか。

○半田資産管理活用課長 都区財政調整交付金につきましては、一般の行政需要につきましては普通交付金で算定されているところでございまして、特別交付金につきまして要求する際には特別な事情を説明する必要がございます。施設整備に係る検討につきましては、まちづくりに係る検討状況や進捗状況の確認の上、検討を進めているところでございます。区施設整備計画の策定後、特に複合施設の整備に当たっては、全庁的に情報を共有し、都区財政調整交付金の確保について検討を進めていきたいと考えてございます。

○市川しんたろう委員 ぜひ進めていただきたいと思います。今、中野区は特別な事情にあると思いますので、ぜひ前に進めていただきたいと思います。

 今後、中野区の施設更新の中には東京都から移管されてきた保健所や清掃事務所の施設更新もございます。東京都から移管されてきた施設、これについては財政調整算定がされやすい可能性、これは可能性が高い。これ、中野区の認識はいかがなのか。

 また、都区間協議の中で、事前にそれらの施設の算定について要望することが求められると思います。何も言わなければ算定してもらえないので。事前にそういうことを話し合っていくことが必要なのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○竹内財政課長 東京都から移管されました、例えば保健所や清掃事務所の施設などにつきましては、普通交付金算定におきまして、投資的経費の改築及び大規模改修経費として算定されているものでございます。財政調整協議において要望を行って、算定を目指していきたいと考えてございます。

○市川しんたろう委員 今、保健所と清掃事務所のことに触れました。保健所については、早稲田通りの教育センターがある場所に移転がされる予定です。清掃事務所について、令和4年第4回定例会の一般質問で、建替えについてお伺いしたので、少し清掃事務所の建替えについても質問させていただきます。

 この一般質問の中で、維持費をはじめとするコストダウンとか、業務の効率化などの課題を解決するために、民間活力の活用について検討を進めることが、大きな財政効果を得ることができるのではないかと伺いました。当時の環境部長の御答弁には、清掃事務所の建替え検討については早急に着手し、改築工事に取りかかりたいというものでしたと。関連することを今回聞いているので、こちらについてもその後どうなったか教えてください。

○鈴木ごみゼロ推進課長 清掃事務所の建替えについてお答えします。区有施設整備計画(骨子)では、築60年で大規模改修をした上で、80年で建替えとしています。大規模改修年次は令和10年ですが、改修の前に長寿命化が可能かなどの調査をすることになります。清掃事業は1日たりとも休止することができないため、その拠点となる施設も常時有効に機能していることが必要であり、また、女性職員を受け入れるための設備や区民の窓口もあるため、エレベーターの機能も必要だと考えていますが、施設上の制限もあることから、清掃事務所の施設については代替案も含めて今後さらに検討していきます。

○市川しんたろう委員 ぜひ検討を進めていただきたいと思います。清掃事務所のある場所というのは道路付けもよくて、中野区の区有施設の中でも非常にポテンシャルのある土地に建っているものでありますので、いろいろなものが出来上がる可能性が高いと、そういうこともあるので、検討を進めていただきたいと思います。

 保健所であれば健康福祉部、今言ったように清掃事務所であれば環境部と、それぞれ所管ごとにしっかり、どう施設計画を策定していくのかということと、その検討されている整備計画に財政効果をいかにもたらすのかという観点を持った財政課が共に協議を進めていくことが、今後控えている区有施設整備計画をさらに充実させていくことにつながるんだと思っています。資産管理活用課の担当として、庁内にこういった好循環を促していく必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。

○半田資産管理活用課長 委員、御指摘のとおり、次期区有施設整備計画の検討に当たりましては、全庁的な協議、調整が重要であると認識しているところでございます。企画部が中心となって全庁的な協議、調整を行いながら、次期計画に係る検討を進めているところでございます。

○市川しんたろう委員 もちろん施設更新をする際には、機能性、利便性を高めることが最大の目的であることは間違いないんですけれども、その目的が損なわれない範囲で財政調整算定がされるようなところ、施設計画であることも大変重要なのではないかなと思います。さらには、機能性、利便性の担保、担当部署との協議が必要不可欠です。先ほど触れた保健所や清掃事務所だけではなくて、ほかの施設整備の際にもしっかり組織横断で協議をしていただきたいと思います。

 質問を1問飛ばして、今、検討を進めるべき施設も相当数出てきております。改めて財政調整算定の内容とか方向性を確認して、都区財政調整交付金活用に向けて、財政課、資産管理活用課を中心に庁内で議論を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

○半田資産管理活用課長 区有施設整備の検討に当たりましては、組織横断的な協議が必要だというふうに考えているところでございます。施設整備に当たりましては、都区財政調整交付金も活用できるよう、企画部が中心となって庁内での議論を進めてまいりたいと考えてございます。

○市川しんたろう委員 これまで普通交付金のほうのお話をしてまいりましたけれども、交付金には普通交付金と特別交付金、先ほどあるという話の中で、財政課長から答弁を頂いたと。特別交付金については想定をしていない支出が出た場合に申請するもので、災害対策とか単発的な事業が対象となります。特別交付金への申請についても、23区の中で陣取り合戦みたいな様相がありますので、日頃から各所管の抱えている事業を申請できるか、できないか、財政課は確認しなくてはならないと思いますが、現状そういったことができているでしょうか、教えてください。

○竹内財政課長 特別交付金につきましては、令和7年度予算では18億円増額してございまして、貴重な財源であると認識してございまして、積極的な獲得を目指しているところでございます。こちら、財政調整協議の状況を確認しながら、各所管と連携しつつ特別交付金の申請に注力していきたいと考えてございます。

○市川しんたろう委員 分かりました。税収が好調で財政状況がいいというのは、中野区だけではなくて東京都も当然そうです。悪くなったときのためにどうやって備えるのかということだと思いますけれども、過去には、バブルのときに中野区の財政が非常に傷んだと。過去の事例もしっかり見なくてはならないと思いますので、財源を意識した財政運営を行うことは、どんなに税収をはじめとする歳入の調子がよくても、常にトライしていかなくてはならないと思いますので、ぜひ検討を進めていただきたいと思います。

 以上でこの項の質問を終了します。

 次に、中野駅周辺のまちづくりについてお伺いいたします。

 まず初めに、サンプラザ・区役所地区の今後についてお伺いいたします。こちらは、先日の特別委員会とか常任委員会で報告がされましたけれども、今後、再整備事業計画を一部修正して、来年の3月以降に見直しを図ることとしております。改めて伺いますけれども、先日の建設委員会、中野駅周辺整備・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会を経た上で、再整備事業計画の修正について区が想定しているスケジュールや想定内容について改めて教えてください。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 再整備事業計画の見直しにつきましては、今年度、区民との意見交換会やサウンディング型市場調査を踏まえた見直しを行う予定でございまして、今年度末に再整備事業計画の見直しの方向性を示した後に、令和8年度に再整備事業計画の改定を目指してまいりたいと考えています。

○市川しんたろう委員 その再整備事業計画なんですけれども、我が会派の加藤たくま議員から、一般質問で指摘があったようですけれども、再整備事業計画は途中で変更されてしまっているのではないか、計画として意義があるのか、疑問が残ると。再整備事業計画は、あくまでコンセプトや中野区が掲げるビジョンを実現させるための手法に関する計画と考えていますけれども、中野区の見解はいかがですか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 平成30年3月に策定しました中野四丁目新北口地区まちづくり方針におきまして、目指すべき将来像、土地利用や公共基盤整備などの方針を示しているところでございますが、再整備事業計画につきましては、当該まちづくり方針を踏まえ、中野駅新北口駅前エリアのまちづくりにおいて、区として求める都市機能や、事業化に向けた基本方針を示したものでございます。

○市川しんたろう委員 やはりまちづくり方針とか、その上位の計画を踏まえてつくったものだと思います。

 先ほどの加藤議員の一般質問の答弁の中で、区長は、スピード感を持ってまちづくりを進めると答弁しております。本当にスピード感を持って行うことが求められているのかということです。100年に一度のまちづくり、これは中野駅周辺でいう最後のピースにして本丸だと思いますけれども、このエリアの事業に関して言えば、じっくりと社会情勢とか区民とかから求められるもの、区としてこれらを踏まえて、まちづくりに対するビジョン、誘導すべき機能を明らかにして、検討を行っていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野駅新北口駅前エリアのまちづくりにつきましては、中野サンプラザのDNAの継承、親子が楽しめる機会と空間、区民が文化芸術に触れ活動する機会などを着実に創出して、100年先も中野区の顔として区民に愛される施設の実現に向けて取り組んでいるところでございます。再整備事業計画の見直しに当たりましては、中野サンプラザが培ってきたポピュラー音楽の発展や、中野の文化醸成への寄与、また、昨今注目されていますアニメや漫画などのサブカルチャーといった中野の特性を反映した検討を行ってまいりたいと考えています。

○市川しんたろう委員 今、ポピュラー音楽とか文化という文言が出てきました。これは、再整備事業計画にも記載されています。コンセプトとかそういったところです。ただ、アニメや漫画などのサブカルチャーという文言は、計画には入っていないと思うんです。当然、このアニメとか漫画というものは中野区と親和性が高い、これは否定しません。それも別にいいと思います。ただ、今の答弁で聞いているポピュラー音楽とか文化に並ぶほどの位置付けかのような答弁だったですよね。これ、計画の根幹でもあるコンセプト自体も、これ、新たに加わったものなのではないかなと考えます。コンセプト自体も変容していないでしょうか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 再整備事業計画では、新たな文化とか芸術等の発信拠点は、多目的ホールを中心とした文化芸術等の形成に寄与するその他の施設あるいは機能、そういったもので構成されるものとしてございます。中野サンプラザのDNAというのは、ホール、バンケット、そこから文化を発信していく場と捉えてございまして、アニメ等についても親和性が高いものと考えているところでございます。

○市川しんたろう委員 親和性があるのは、そうなんです。それは私も認めています。ただ、それまでのコンセプトにあったかどうかを聞いているんです。ありましたか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 先ほどもちょっと答弁しましたけれども、新たな文化芸術等の発信拠点は、多目的広場を中心とした、新たな文化芸術の形成に寄与するその他の施設や機能で構成されるというふうな中でございまして、その中で、具体的にアニメというふうには書いていませんけれども、芸術だとか、文化だとか、そういったところの交流、そういった利用活動イメージというものを規定しているところでございますので、そういったところとの親和性は高いものかなと考えているところでございます。

○市川しんたろう委員 分かりました。これをあまり長くやってもしようがないので。ただ、アニメとか漫画のサブカルチャーが入っているというのは、あまり私は認識なかったんです。ちょっと、今、森議長の顔を見ていて思い出したんですけれども、私、一期生のときに森議長が区民委員会で一緒だったときに、サブカルチャーというのはサブであることが誇りなんだとおっしゃっていました。それだと、サブであることが誇りなんです。そういうことをおっしゃっていました。これ、本当にそのサブカルチャーが、メインのところに入っていたのかどうかって、ちょっと疑問ですけれども、長くなるので次へ行きます。

 あともう一つ、この再整備事業計画がちょっと問題なのかなと思っているのは、いろいろな報告をしているときに、必ず今後のスケジュールというところが最後にくっついているんです。これを見てみると、6月10日の建設委員会のときは、令和8年3月、再整備事業計画修正素案、事業スキームの方向性の報告、8月27日の建設委員会、令和8年3月以降、再整備事業計画の見直し、9月16日、一般質問、加藤議員の答弁、令和8年3月、再整備事業計画の見直しの方向を示すと、表現が後退しているような気がするんですけれども、どうでしょうか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 これまで様々な検討をしていく中で、スケジュール感についても適宜検討しているところでございます。先ほどちょっと御答弁しましたとおり、今年度末に再整備事業計画の見直しの方向性を示した後に、令和8年度に再整備事業計画の改定を目指してまいるということで御答弁申し上げましたけれども、そういったところにつきましては大きく変わっていないという認識でございます。

○市川しんたろう委員 ここについては、来週月曜日、大内委員がしっかりやってくれますので、楽しみにしましょう。

 何が言いたいかというと、コンセプトも期限もぶれていないですかということが言いたいんです。こんな状態では、そもそも再整備事業計画の一部修正すらままならないと思うんでけれども、区の認識はいかがでしょうか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 再整備事業計画の見直しに当たりましては、これまで再整備事業計画で示していますコンセプトといったものを大切にしながらも、区民の意見等を頂きながら、必要な見直しを図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。また、見直しに当たっての期間につきましても、令和8年度に改定等を目指してまいりたいと考えています。

○市川しんたろう委員 分かりました。あと、修正一部とおっしゃっていますけれども、一部というのは、辞書で調べてみたら半分以下ですから、全面とかじゃないですから、その辺はちょっと心に留めておいてください。

 ほかにも、アリーナ部分についても、全国的に整備ラッシュが顕著です。今後イベントの熾烈な誘致合戦になることも様々なメディアで取り上げられているんです。そこで考えると、再整備事業計画の中では、アリーナ部分の――これはアリーナという表現でいいのか分からないんですけれども、アリーナ部分の上限人数や用途については、区長が言うように再整備事業計画を生かして検討を進めると。これは、時代のニーズを捉えたものが本当に整備できるのでしょうか。既存の再整備事業計画を生かして、一部修正した計画で今後まちづくりを進めることが最善であると、本当に中野区が認識しているのか、教えてください。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野駅周辺の各地区では、中野駅周辺まちづくりグランドデザインに基づきまして様々な事業が進められていること、また、再整備事業計画はこれまで複数の区民会議での議論を経て作成されたものであることなどを踏まえれば、再整備事業計画のコンセプトを生かして進めていくことが適切であると考えているところでございます。

 一方で、意見交換会等で寄せられた区民意見あるいはサウンディング型市場調査による民間市場の情報などを踏まえ、区民ニーズや社会情勢を反映した見直しを行ってまいりたいと考えています。

○市川しんたろう委員 ずっとこのサンプラザの話をしていると、区民ニーズの話と社会情勢という話が出てくるんです。区民ニーズは、多分、意見交換会で区民の皆さんから出された意見というのは当然分かるんです。社会情勢というのは一体何のことを言っているんですか、改めて教えてください。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 社会情勢と我々申してございますが、そちらにつきましては、昨今の物価高騰、建設市況あるいは不動産市況の変化というふうに捉えているところでございます。

○市川しんたろう委員 だから、物価高騰のこととか市況の話であれば、これまで再整備事業計画で目指していた一棟型ですよね、高層タワー、こういったものはできないと思うんです、絶対に。今のまま行けばですよ。どういう事業スキームを組むかによりますけれども、今まで描いていたものはほぼ実現不可能なのではないかと思うんです。もちろん、ホールの位置付けとか、その特許が絡んでいるとかは当然あると思うので、一概には言えないと思うんですけれども、これ、非常に難しいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 再整備事業計画では、区が求める機能だとか、施設だとかというところを示しているものでございまして、施設の具体的な規模、大きさ、あるいは都市計画的な位置付け、そういったものは今後公募していく事業者等の中で、民間事業の中で考えていくべきものと捉えているところでございます。

○市川しんたろう委員 そうすると、事業者と考えたことが先にあって、その計画に合わせたものを後から魂を入れ込むみたいな格好になりませんか。少なくとも私が求めているのは、どういう街にしたいのかとか、どういう機能を誘致したいのかとかということが先にあるべきではないかという、多分、様々ほかの委員の方々の指摘だと思うので、こちらについてはまた再度検討していただきたいと思います。

 今まで言っていた再整備事業計画なんですけれども、ほかの計画との整合性はどうなっているのか。そもそもこの当該エリアに関して記載されている計画が幾つかございます。また、それぞれの計画の位置付け、どの計画が上位計画になるのか。一応、上下関係についても改めてお示しください。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野駅周辺まちづくりデザインVer.3では、中野駅周辺のまちづくりの展望を区民・民間事業者・行政が共有しまして、公民協働でまちづくりを推進するため、ハード・ソフト両面の街の将来像のほか、整備に係る基本的な考え方、位置付けに向けた取組を、指針として示したものでございます。

 また、中野四丁目新北口地区まちづくり方針につきましては、中野四丁目のうち東側の地区を中野四丁目新北口地区と位置付けまして、当該地区における目指すべき都市像や都市利用、空間形成、公共基盤整備などの方針、その実現に向けた都市計画及び市街地開発事業の考え方を示しているものでございます。

 上位計画は各地区の特性を踏まえまして、それぞれのまちづくりを整合性を持って進めるために必要な方向性を示したものでございまして、旧区役所・サンプラザ地区をはじめとし、中野の二丁目、三丁目、囲町の各地区で、上位計画に沿いましてこれまで事業を展開しているところでございます。○市川しんたろう委員 グランドデザインについては、昨日、平山委員からも、そして一般質問のときには日野議員からも御指摘があったので、私からは都市計画マスタープランについて伺わせていただきたいと思います。1問飛ばします。

 最上位計画である都市計画マスタープランを見てみると、野村不動産の案がそのまま記載されています。都市計画マスタープランは、法律でも位置付けられている少ない計画の一つであって、中野区の基本計画、住宅マスタープラン、地域防災計画、みどりの基本計画、環境基本計画など、多くの関連計画との関与がある、中野区において重要な計画であります。そこに実際に行う、整備される街の姿が誤りなく記載されているべきだと思いますが、区の見解はいかがでしょうか。

○塚本都市計画課長 都市計画マスタープランといいますのは、いわゆる都市計画に関する基本的な方針を定めるものとしてございます。現行の都市計画マスタープランには、将来の街の姿として、一部イメージパースなども記載してございますけれども、実際に整備される内容の詳細について、これを都市計画マスタープランで定めるものではないというふうに考えてございます。

○市川しんたろう委員 分かりました。ただ、もちろん細かい計画を定めるのが都市計画マスタープランではないというのは、私も分かっているんですけれども、向かっている先が全然違うと思うので、そこぐらいはちょっと考えを改めていただいてもいいのかなと思います。この都市計画マスタープランですけれども、本来10年に一度の改定が定められていて、前回の改定からまだ3年余りしか経過していない。これは十分承知をしています。3年前に計画された都市計画マスタープランの前の、その一つ前の都市計画マスタープランは、実は警察大学校の跡地に関する記載に関して変更を行ったということもございました。警察大学校の跡地に関して計画が定められたからだと思いますけれども、中野区には、そういった大きな変更があれば、都市計画マスタープランの変更を行ってきたという前例があります。その前例を踏まえれば、今回のサンプラザに関しても、中野区にとっては警察大学校跡地に匹敵、もしくはそれ以上の大きな事象であると思いますので、現行の都市計画マスタープランがまちづくりに関する大本の計画である以上、今回のような大きなまちづくり上の変更があれば、改定も踏まえて再度見直しの検討をすべきだと思いますが、区の見解はいかがでしょうか。

○塚本都市計画課長 中野駅周辺地区のまちづくりに関しまして、今後の検討の中で都市計画上の基本的な方針そのものについて変更が必要となってきた場合におきましては、併せて都市計画マスタープランの見直しについても、必要に応じて検討する必要があるというふうに考えてございます。

○市川しんたろう委員 これは上位計画との関連の中で、再整備計画を拙速に策定をしないほうがいいのではないかと申し上げているんです。つまり、末端の再整備事業計画を先に修正して、それに合わせるように上位計画、グランドデザインだったり、ひいては都市計画マスタープランだったり、そういった大きな計画が、末端の計画に合わせて改定するというのは、行政の基本としてもどうなのかなと思っています。

 また、周辺街区の今後のまちづくりの進行によっても、サンプラザ地区のまちづくりの様相は大きく変わるかもしれません。例えば、サンプラザ地区の北側、隣の中野四丁目西地区などは、もともとデッキがつながる予定でしたし、こちらの用途地域、第一種住居地域ということもあって、サンプラザ地区の拠点施設には影の規制がかかるんです。要するに、影がかかっちゃいけない。つまり、サンプラザ地区の施設の形や配置についても大きな影響が今後生まれる可能性があるということです。ちなみに、中野四丁目西地区の現状はどういう形でしょうか。中野四丁目西地区の今後の都市計画の在り方によっては、施設の位置付けの自由度も上がることが想定されますと。そうすると、再整備事業計画自体にも影響があると思いますが、いかがでしょうか。

○近江中野駅周辺まちづくり課長 中野四丁目西地区におきましては、現在、地権者が中心となりまして、市街地再開発事業の準備組合を設立し、市街地再開発事業についての計画検討や合意形成活動を行っているところでございます。

 再整備事業計画は、区として求める都市機能や事業化に向けた基本方針というものを示してございまして、当該計画に基づいて民間活力を導入し、具体的な施設計画を検討していくものでございます。中野四丁目西地区の都市計画につきましては、当然、上位計画に沿って定められることから、地区間の事業調整は必要となりますが、同様に、上位計画に沿って作成する再整備事業計画そのものには大きな影響は生じないというふうに考えてございます。

○市川しんたろう委員 施設配置に関する制限がなくなること自体が、影響がないと言えるんですか。影響があまりないと言えるんですか。中野四丁目西地区の都市計画が上位計画に沿って定められているのであれば、その上位計画の中で調整をしていくのが、面整備とかそういうことも入ってくるわけです、上位計画の中には。このサンプラザ地区の整備だけ、そこの拠点だけを見て考えるべきではないのではないかということも併せて視点で持つべきだと思います。

 いずれにせよ、こちらの地区の再開発事業について、最近報告はなかったわけでありますが、断念をされているわけではないので、今後大きな変更があるかもしれないと。だとするならば、周辺街区のまちづくりとの整合性を取ってから計画の変更を行ったっていいと思います。それだけ時間をかけるべき事業だと思っていますし、委員会のときにも聞いたんですけれども、これ、白紙になった前の計画を策定するまでに5年以上の時間を割いているわけです、中野区というのは。だけど、今回、半年ぐらいで何とか仕上げようみたいな、そういうことなんですよね。これは拙速に前に進めるのではなくて、先ほどおっしゃられる社会情勢とか区民の意見を鑑みて、区長が何を区に誘導して、どんな中野駅新北口駅前エリアを実現するのか、しっかり表明をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、中野駅周辺整備・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会の閉会中審査で、サウンディング型市場調査に関する報告というか何というか、話がありました。委員会の際の資料の中にもありましたけれども、ヒアリング事項について、まちづくりに関する見解とか事業スキームだとか、様々な項目が設けられておりました。その中には、従前資産についてもヒアリングするとございました。9月初めにサンプラザはまちづくり中野21から中野区に寄附をされ、今後は中野区の財産として存在すると。しかし、先日の報告の資料の中において、今後行うとされているサウンディング型の調査の参加対象者、相手の事業者、これを見てみると、「複合用途(事務所、店舗、住宅、ホテル、ホール等)の拠点施設整備の事業に関して実績を有する事業者(企業・法人又は企業・法人グループ、開発規模1ha以上)」とございます。これまで議会からも、多くの区民の皆さんからも、サンプラザを再利用できないかと質問や要望が届いているわけですけれども、先ほど参加対象の文面を見てみると、従前資産に関することをヒアリング項目に入れているにもかかわらず、再利用に関する実績に関しては有している事業者、これは対象外に読み取れるんですけれども、再利用についてのサウンディングは行うのでしょうか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野サンプラザの建物を残した場合に、街の課題を解消し、新たな街の価値の創出や目指すべき街の将来像を実現することができないため、大規模改修による建物全体の再利用というものは考えているところではございません。したがいまして、全体の大規模改修を伴う長期的な再利用に関するようなサウンディング型市場調査については、行わない予定でございます。

 一方で、中野サンプラザの南側広場に面する建物の一部の暫定利用につきましては、現在、各種法令と照らして、その可能性を検証しているところでございますが、当該検証結果に応じまして、民間事業者への意見聴取については検討してまいりたいと考えています。

○市川しんたろう委員 サンプラザ利用について、今後、何年で計画が定まって、何年で着工できるかよく分からないわけじゃないですか。結構な年数がかかるんじゃないかということもあり得る。そうすると、広場とエントランスに入る部分、今、利用していくという話ですけれども、5年間とか、10年間とか、長い時間かかった場合に、5年使用であれば何ができるとか、10年の場合は何ができるとか、年数ごとに何ができるかとか、どんなノウハウを持った事業者がいるのかとか、調べていくのも重要なんじゃないですか。そこで出てきた選択肢が、今後まちづくりを進めていく上で密接な関わりを持っていく。こういうものに密接な関わりを持っていくのではないかと。どちらにせよ、中野サンプラザ地区の今後についていまだ未定で、全く白紙であると。新たに拠点施設を整備するということになったとしても、今後何年かけて計画になるのか不透明なんですよ。であるならば、全体の再利用は難しいと判断して、暫定活用の可能性について、さらに模索すればいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野サンプラザにつきましては、本年9月に土地建物の寄附を受けまして、普通財産として管理して行っていくということになってございますが、南側広場においては、文化芸術振興や若者のチャレンジ支援を目的とした暫定活用についての検討や、北側の駐車場の活用についての検討をしているところでございます。

 先ほども御答弁申し上げましたけれども、サンプラザの南側広場に面する建物の一部の暫定的な利用についても、現在、検討しているところでございますので、その可能性を現在、検証しているところでございます。

○市川しんたろう委員 広場だけではなくて、もしかしたらほかも使えるかもしれない。全体的な再利用ではなくても、5年間とか、10年間とか、スポット的に何が使えるか、使えないかというのを調べておくというのは、これを区民の皆さんに情報として与えて、それを見ていただいて、それで、できないのであればできない。それはちゃんと理由付けになるかと思うので、しっかりやっていただきたいと思います。

 今お話があったように、区民の皆さんから、このサンプラザについては全面リニューアルできないかとかそういった声も出ています。これまでも議会、我が会派の加藤たくま議員とか、高橋かずちか議員から、再利用についてどれぐらい費用がかかるんだと、調査すべきなんじゃないかと質問してきました。その際の答弁では、そういった調査は行わないというふうに言っていましたよね。ですけど、先日の朝日新聞で170億円かかりますと書いてあったんです。これが関係者への取材で分かったという報道がありました。これは一体何なんですか。事実と違うのかどうかなんですけれども、議会が求めていることに対してやらないと言って、実際のところ、100億円から170億円に変わったと、金額が変わったものが、メディアを通じて我々の目に触れるというのは一体何なんですか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 中野サンプラザ全体を再利用するために必要な概算経費につきましては、地方公共団体の財政分析等に関する調査研究会報告書を基に算定しますと、100億円以上かかるというふうにこれまで説明しているところではございますが、先に開催しました区民との意見交換会で、物価高騰でもっとかかるのではないかといった質問がございまして、物価上昇分を考慮すると170億円以上の規模が想定されるというふうに答えたものでございます。

○市川しんたろう委員 これ、170億円という数字は、今お話しありましたけれども、国土交通省が示している建設物価の上昇指数、これに合わせて掛けたものだと。そもそも誰がこんなことを言ったんですか。誰が言ったんですか、これ。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 区民との意見交換会における質疑応答の際に、区民からの質問に答えるために、答弁を当日担ってございました私か担当部長のほうで答えたというふうに記憶してございます。

○市川しんたろう委員 それは二人で答えたんですか、それとも片方、どちらかですか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 私か担当部長が答えたものというふうに記憶してございます。

○市川しんたろう委員 議事録あるでしょう。どちらが答えたか分からないですか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 今時点で議事録をちょっと確認できる状態ではないので、先ほど来答弁していますように、私か担当部長のほうで答弁したものというふうに考えてございます。

○市川しんたろう委員 だって、どんな質問があって、それに対してこういう答えをしましたというところまで分かったけれども、誰が言ったか覚えていないなんていうことがあり得るんですか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 私か担当部長かというふうに思います。

○市川しんたろう委員 近江課長が言ったんですか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 私ないし担当部長かと思います。

○市川しんたろう委員 申し訳ないんですけれども、その170億円という数字が先走るんですよ。朝日新聞の中には、こういう理由で答えたとかということは書いていないんです。170億円というところだけが先走って出ているんです。今まで100億円と言っていたのが170億円に変わったら、区民の皆さん、そういうふうに思うじゃないですか。議会のほうだって、求めてきたものに対してやってもらっていないということなんですよ。何で調べてもらえないんですかって、随分たくさんの議員が聞いているはずですよね。それは覚えていますか。覚えていますよね。そういったことを置いといて、区民に聞かれたから答えたって、それはあるかもしれないけれども、そこで170億円と聞いたら、区民の皆さんは170億円を基準で物事を考えるようになるんですよ。あまりにも無責任じゃないですか、発言が。それを言ったのは、課長ですか、部長ですか。

○千田中野駅周辺まちづくり担当部長 先ほどから委員の御質問に対して近江のほうで答えさせていただいていますが、当日、私か、近江課長のほうでお答えさせていただいていたというところです。私が答えた可能性も大いにありますので、ぜひ私のほうから答えさせていただきますと、これまで、先ほど申しました算定の中で、100億円以上かかるというのも公にさせていただいております。また、今回、区民の方から、昨今の、近年の物価高騰の中でもっと高くなるのではないかと、どのぐらいなのかというところに対して、我々、それについても、公にされている数字を基に、それを掛けると170億円ぐらいになりますねというようなお答えをさせていただいているところです。

 したがいまして、二つの公の数字を出すこと、これが区民の質問に対して答えられるなら、我々としては積極的に答えていきたいというところで行ったものでございます。

○市川しんたろう委員 では、何で議会の話には積極的に答えてくれないんですか。だから、区民の皆さんの質問に対して積極的に答える、それはいいですよ。議会が、調べてくださいとか、幾らぐらいなんですかということで、調べません、分かりませんの一点張りじゃないですか。そこは積極的に答えていただけないんですか。

○千田中野駅周辺まちづくり担当部長 もちろん同様に、その100億円が、物価高騰でどのぐらい影響を受けるでしょうという御質問がされれば、国土交通省の建設デフレーターを基に示すのが妥当と考えておりますので、昨今のフレームでいえば170億円規模になりますねということで、同じお答えをすると思います。

○市川しんたろう委員 では、聞き方を変えますけれども、区民との意見交換会でやって、いろいろなことを聞かれてどういう答えをしたかという表を作りましたよね。それを委員会で報告しましたよね。その中に、物価上昇分を聞かれたから170億円でしたって書いてありますか。

○千田中野駅周辺まちづくり担当部長 そこら辺は、代表的な質問を記載させていただいておりまして、一般論として、今、近年の物価高騰でどのぐらいの影響が出るかという質問に対して答えたものをそこに抽出したかどうかというところでございますが、委員が記載していないということであれば、記載していなかったかなというところでございます。

○市川しんたろう委員 ごめんなさい。私、今、聞き方を変えただけなので、記載がされているかどうかは、私も今分からないんですよ――ない。代表的な質問だということ、代表的な質問を載せたとおっしゃいましたよね。これ、随分このことについて時間かけてきたんじゃないですか、議会は。十分、これ、代表的な質問、区民意見交換会の中で代表的な質問だったかどうかは分からないけれども、議会にはしっかり与えるべき、情報として伝えるべき、共有すべき代表的な質問なんじゃないですか。そういう認識はないんですか。

○千田中野駅周辺まちづくり担当部長 委員会等で寄せられていた意見に関しまして私の理解は、概算額、そういった地方公共団体の財政状況の分析に関するこの研究会、そこの報告書の大概算ではなく、もっと詳細な概算を出したほうがいいのではないのかという意見を頂戴していたと思っております。それに関しましては、多額の経費がかかるので、我々としてはもう既に100億円以上かかるという段階で、全体を改修して再利用すると、全体の再利用をするということは、もう既にこの大概算の段階で考えておりませんという答えをさせていただいたと思っております。

○市川しんたろう委員 いずれにしても、その認識が違ったということだと思いますけれども、我々はそこが大事だと思っているんです。幾らかかるのか。それによってどれぐらい使えるのかとか、はたまた使えないのかとか、建てたほうが安いなとか、いろいろなことを考えるわけじゃないですか。それって、170億円と思うんだったら170億円と、今、精緻には答えられないけれども、170億円かかる可能性がありますとかって答えようがあると思うんです。それって、何ていうのかな、誠実じゃないというふうに私は思うんです、答え方として。区民意見交換会でそういうことを答えたと。その170億円がメディアに報じられたと。それを見た方が、170億円は思った以上にかからないよねと思う方か、思った以上にかかるよねという方、いろいろいると思うんですけれども、それが本当に170億円になるかどうか分からないじゃないですか。170億円以上と答えたかもしれないですよ。そういったことは慎んでいただきたいと思いますけれども、いかがですか。

○千田中野駅周辺まちづくり担当部長 繰り返しになりますが、まず、私の認識といたしましては、公になっている数字をお示ししたと。また、委員会等で寄せられていたのは、そのような地方公共団体の財政分析の報告書に基づく大概算ではなく、もうちょっと精緻な概算を出すべきということで、委員会からはそういう要請を頂いていたと。それに関して我々としては、多額の経費がかかるので考えていないというお話をさせていただいたという、二つでございます。もし仮に100億円が、今の物価相当で考えたときにどのぐらいになるのかということを我々答えているということで御認識され、もし我々がそれを答えなかったということでお考えであるなら、それは私の説明が悪かったというところなのでお詫びいたします。

○市川しんたろう委員 分かりました。ありがとうございます。もしかしたら、私たちの聞き方も悪かったのかもしれませんね。聞き方が悪かった。そういうことでしょう。きっとそういうことなんだと思います。以後気をつけます。

 次へ行きます。ヒアリング項目の中には不動産についても触れられております。ここで少し住宅についても伺いますけれども、これ、中野駅周辺では新北口駅前エリアだけではなくて、ほかにも多数の事業が同時に進行していて、マンションの建設も進んでおります。最近問題になっているのは、国外の投機目的のマンション取引の増加、これは外国人だけではないかもしれませんけれども、投機目的のマンション取引増加によって、中野駅周辺の路線価、地価というものが現在も上がっていて、マンション価格も賃貸価格も上昇していて、中野駅周辺に住みたい方へのハードルが高くなっているのではないかと懸念されるところなんです。今後、仮に再開発事業によって新北口エリアが整備される場合、その中でも住宅が整備される可能性が高いかもしれませんけれども、先日の一般質問で我が会派の大内議員からも指摘がありましたが、今後、中野区も投機目的のマンション転売規制について検討を進めることが必要であると思っているんです。

 先日の定例の区長の記者会見において、千代田区がマンション開発等の事業者に対して投機目的でのマンション取引についての要請を行ったことに関して、千代田区の政策を見定めた上で今後検討していく必要があると言及されておられました。もちろん千代田区をはじめとした他区の取組について調査検討を行う、これは思いますけれども、この民間が抱える財産への規制というのはそもそも成立しないわけです、区が直接というのは。そこでどう工夫していくのか、投機目的のマンション取引についての対策を講じることができるのか、中野区の見解をお示しください。

○會田住宅課長 区において、投機目的でのマンション取引について注視していく必要がございます。今後、他区の取組を見定めて、必要に応じて対策を検討してまいります。

○市川しんたろう委員 まだ検討段階にないということだから、これから実情に合わせて検討を進めていくことだと解釈はしておきますので、よろしくお願いします。

 これも中野駅周辺のほうに求めていただきたいんですけれども、新北口駅前エリアのサウンディング調査、先ほど話がありましたが、これも転売規制条項というか、投機目的のマンションの転売禁止について対策を講じることができないのか。こういうことを調査項目にして、事業者へのヒアリングをするべきと考えますけれども、住宅課としてどう思いますか。ごめんなさい、住宅課じゃない。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 投機目的のマンション販売につきましては、近隣の不動産相場への影響等もあり、課題としては認識しているところでございます。

 また、転売を禁止する対策を講じることにつきまして、事業者に対してヒアリングすることを検討してまいります。

○市川しんたろう委員 分かりました。ぜひ検討を進めていただきたいと思います。

 このサウンディングについて最後に伺いますけれども、先日、区議会に報告された内容に、暫定利用に関する基本的な考え方として、今後、中野駅新北口駅前エリアのまちづくりに寄与する、つながるものとするとございます。今回示された暫定利用の目的と事業の方向性では、アニメによるプロモーションや文化芸術振興が大きく打ち出されております。これでは、今後、中野駅新北口駅前エリアのまちづくりの中心がアニメであると、こういうふうに受け止めますが、これまで区長が説明をしてきた中野サンプラザのDNAの継承は一体どこに行ってしまったのか。中野サンプラザのDNAがアニメになり得ると区は考えているのか、見解をお伺いします。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 暫定利用に当たりましては、新北口駅前エリア再整備を検討している間のにぎわい創出を図り、これまでの経過や背景を踏まえまして、今後の中野駅新北口駅前エリアのまちづくりにつながるものとしまして、また、アニメによるプロモーションに資するとともに文化芸術の裾野を広げ、子ども・若者のチャレンジに寄与するものとするという方向性をお示ししたところでございます。

 中野サンプラザのDNAというのは、基本的には多様な人々の交流の場としてのホールあるいはバンケット、地域文化の発信の場であると捉えてございますが、アイドルをはじめとした若者文化の発信地という機能もその一つであるというふうに認識しているところでございます。また、アニメやコンテンツについては、その点で親和性が高いものというふうに考えてございます。さらに、中野らしい新たなシンボル拠点の整備や、にぎわいと交流に満ちた街の実現に寄与するものと認識しているところでございます。

○市川しんたろう委員 では、伺いますけれども、再整備事業の完了が何年先になるか分からないんですが、この広場の暫定利用の――広場だけじゃないですね、暫定利用の終了後も、アニメは新北口駅前地区における重要なコンテンツの一つとして残していく、そういうお考えなのか。アニメを暫定的なものではなくて、将来的にも新北口駅前地区の大事な取組にしていくということであれば、今回のサウンディング調査には、当然アニメによるプロモーションについてもヒアリングするべきなのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 近年、駅周辺におきまして、中野区にアニメーション産業等で世界的にも有名な企業が集積してございまして、国内最大級のアニメの生産地となっているところでございます。区としましては、アニメーション産業が中野の魅力として国内外でさらに認識され、来街者による地域経済の活性化や、区民のシビックプライド醸成につながるための取組を進めていくこととしてございます。こういった状況を踏まえまして、サウンディング型市場調査におきましても、中野の特性を踏まえたにぎわい等について意見、提案を頂くことを予定しているところでございます。

○市川しんたろう委員 同様に、事業者との協定解除に至った理由として、区長が一番残念に感じたのはどこなのかということで、子どもの遊び場確保について、これも大きなテーマだと思うんです。これについても当然ヒアリングすることになると思いますけれども、念のため確認させてください。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 今回実施するサウンディング型市場調査におきまして、子育て先進区に関することとしまして、子どもの遊び場や安心して過ごせる居場所、そういったことも意見、提案を頂く予定でございます。

○市川しんたろう委員 それぞれ意見をもらうと言っているわけですけれども、それを聞くのは誰になるんですか。担当課としては、シティプロモーションだったりとか子育て部門の方たちですよね、担当というか、そういう考え方、子育て先進区のこととか。これは中野駅周辺まちづくり課の方が聞いても、ちゃんと内容が精緻に詰まるとは限らないじゃないですか。それは庁内の中で、例えばこういうシティプロモーションの方に来ていただくとか、子育ての方に来ていただくとか、ヒアリングするときに誰を連れていくかということにもつながりかねないと思うんですけれども、これは中野駅周辺まちづくり課だけでやるんですか。

○近江中野駅新北口駅前エリア担当課長 サウンディング型市場調査につきましては、まず、まちづくりの所管である中野駅周辺まちづくり課が担うものというふうに想定しているところでございますが、必要に応じまして、関係所管とも共有しながら進めてまいりたいと考えています。

○市川しんたろう委員 ぜひ関係所管の方も呼んで、そこに来ていただいて、実際に話をしていただくのがいいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、中野駅新北口の呼称、呼び名についてお伺いさせていただきます。いろいろ書いてあるんですけれども、ちょっと飛ばしまして、この新北口の反対側に新南口というものがあります。これ、「(桃園口)」という呼称なんですけれども、これが決定するまでの過程について改めて教えてください。

○井上中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 中野駅西側南北通路の出口の名称決定の経緯についてですが、令和8年の新改札開業に向けて、このほど出口名称をJRと調整の上、決定をいたしました。東西南北の4方位を入れること、出口の名称と駅前の代表的施設である駅前広場の名称とそろえることで、地元、駅利用者、来訪者にとって行き先が分かりやすく迷わない名称としたところでございます。桃園広場につきましては、令和3年に公募で決定したものでございます。

○市川しんたろう委員 その広場の呼称については、地域からの要望もあって公募という形が取られて、選考委員会が立ち上がって選定がされた。それ自体は大変すばらしいことだと思います。たしか杉山委員も熱心に取り組まれておられたので。簡単に言えば、新南口という、「(桃園口)」という名前をいきなりつけたわけではなくて、目の前に桃園広場という名前がついた広場があって、その名前から取ったということですね。その地域住民にあった要望とか、意見とか、この広場の名前を決めてとか、新南口の呼称を決定するという一連のプロセスなんですけれども、これ、新北口の周辺の地域住民にはそういう機会を設けたんでしょうか、教えてください。

○井上中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 中野駅新北口駅前広場の名称につきましては、今後の中野四丁目各地区のまちづくりの事業の進捗に合わせて公募等による名称募集も検討してまいりたいと考えてございます。

○市川しんたろう委員 まちづくりの進捗状況に合わせてと言いますけれども、これ何年かかるか分からないですよ。いつになったら、呼称について検討を進めるんですか。

○井上中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 中野駅新北口駅前広場の名称募集の時期については、令和11年度の完成に向けて募集時期を検討していきたいと考えてございます。

○市川しんたろう委員 その募集をしていくと。した後に、これ、サンプラザ・区役所の地区に何ができるか分からない。例えば、このままサンプラザシティというものができれば、もしかしたらそこの名前をつけようとしていたのかもしれませんけれども、これありきで名称をつけようとしていないですよね。その計画が定まって、中野サンプラザの跡地に何ができるのか、そのまま残るのかはまだ分かりませんけれども、それに合わせてつけようとしていないですよね。区は、新北口のまちづくりの進捗が見えた段階で、改めて名称についての意見を地域に伺って検討したいと話をされておられますけれども、議会報告資料にはそのような考えは全く明記されていないんです。その時期が来たとしても、そのまま議論されない、意見も聞かれないのではないかと地域の方々は危惧しているんです。特に囲町という町です。中野四丁目というのはもともと囲町という町で、中野サンプラザがあった囲町2番地で、囲町の再開発しているのが3番地、4番地、これは昭和37年だったと思いますけれども、それまでは囲町という町だったんです、ここは。まさにここも。そういった歴史を残してほしいと地域の方々が言っているんですけれども、そういう方々の危惧に対してどうですか。

○井上中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 公募による名称募集についてですが、中野駅新北口駅前広場の名称募集は、広場の完成時期を見据えて行う予定でございますので、旧区役所・サンプラザ地区の再開発事業だけに偏ったものとはならないものと考えてございます。

○市川しんたろう委員 分かりました。偏らないんですね。今、公募ということもおっしゃられましたけれども、公募というのは、桃園広場に対して公募を行ったのと同じようなプロセスで進めるということでよろしいですよね。

○井上中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 駅前広場の名称募集の方法につきましては、駅前広場の名称を公募するための手続を定める規定がないため、ケース・バイ・ケースの対応になると考えてございます。

○市川しんたろう委員 分かりました、ケース・バイ・ケース。では、南口のときはどうだったんですか。

 ごめんなさい。南口の広場の名前を決めるときの選考委員会の人選とか、そういうことはどうだったんですか。

○井上中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 名称選定の検討会の人選につきましては、広場や公園、橋などの名称検討の際には、地縁団体の代表として近隣町会の会長にお願いしている例が多くございます。

○市川しんたろう委員 これ、地元の代表に入ってもらうことになるということですよね。この桃園広場のときも、今おっしゃられたのは桃園広場のときの話ですか。これ、桃園広場の選考会というか、選考委員会のメンバーが、今おっしゃられた……。メンバーはどういうメンバーですか。もう一度教えてください。

○井上中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 桃園広場や、最近できた大規模公園あるいは無名橋だった橋などの名称募集の際に、地縁団体の代表として近隣町会の会長にお願いしているということでございます。

○市川しんたろう委員 分かりました。つまり町会に関係する人たち、町会長とか。分かりました。すみません、ありがとうございます。

 ここで気になるのが、この町会である囲町という町会は、今、町会連合会を脱退しているんです。再開発によって、町会として今機能していないと、そういう事情があるんです。もし交通広場の名称の公募をかけたときに、町会が活動していない状況であったときに、どのように地域住民に入ってもらうかということを検討しておかなければいけないと思うんです。囲町で行われている東地区、西地区それぞれ再開発されていますけれども、この再開発組合を町会と同様に見なしてもらえないのか。これ、かつて住んでいた住民の80%ぐらいの方が当該地区に戻ってくるというふうに聞いています。お住まいになる地域の方たちがまた戻ってくるということを考えたら、町会に準ずる組織になり得ると考えますけれども、いかがでしょうか。

○井上中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 選定の検討会における地域の意見を反映する方法についてですが、名称募集に関する規定がないため、名称募集の時期における地域の状況に応じて検討してまいりたいと考えてございます。

○市川しんたろう委員 ぜひ進めていただきたいと思います。これ、囲町というのは、代表的な施設とか分かりやすいものがとおっしゃっていますけれども、やはり町の歴史とかそういうことは踏まえていただきたいと思います。よろしくお願いします。

 囲町という名前は、中野の歴史の中でも徳川第5代将軍が犬屋敷を造ったという、教科書にも載っているような重要な史実の舞台なんです。歴史の記憶を土地に根差した形で、そのエッセンスを改めて残す必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。改めて伺います。

○井上中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 歴史的な地名と出口の名称についてですが、囲町の名前は、囲町広場や再開発の都市計画事業の地区名にも冠してございます。歴史的な地名は大切ですが、駅の出口名称につきましては、駅の利用者や来街者にとって分かりやすいものである必要があると考えてございます。

○市川しんたろう委員 その、分かりやすい。例えば、サンプラザとかって、目の前じゃないですか。だから、別にわざわざ書かなくても分かると思うし。例えば、中野四季の森公園とかもあるじゃないですか。中野四季の森公園だって、今だっていろいろなイベントが行われていますけれども、皆さん、何ら困難なく、どこにも、中野駅に中野四季の森公園はこちらとかって、代表的にやっていないけれども、みんないらっしゃっているわけです。今、スマホでみんな見て来るから。その駅のところ、何口だとかということってあまり、もちろん名前は重要ですけれども、だからこそ囲町を残してほしいと言っているんですが、そういうことも考えていただきたいと思います。

 出口の名称だけではなくて、こういう囲町という町がここにあったんだということを後世に残す手段、ほかにも考えられないかと思うんです。例えば、モニュメントとかを造って広場に設置するとか、何なら区役所の外庭にいる犬も一緒に連れていっちゃうみたいな、そういうことは考えられないですか、いかがですか。

○井上中野駅地区・周辺基盤整備担当課長 歴史的モニュメントの設置についてですが、囲町の名を後世に伝える方策として、旧町名や歴史を記した銘板などの設置が考えられるというふうに考えてございます。

○市川しんたろう委員 銘板というものが考えられるのであれば、ぜひ検討していただきたいと思います。銘板に残すものは、例えば地図とか、その町の歴史とか、いろいろ文書とかで彫るんだと思いますけれども、これは地域の方々とぜひ話をして、進められるのであれば検討を進めていただきたいと思います。

 すみません、この後、エリアマネジメントの話を伺おうと思っていたんですけれども、時間がちょっと足りなくなったので、この項の質問はこれで終了とさせていただきます。

 最後に、住宅政策は間に合わないので、旧商工会館について、最後にさせていただきます。

 先日の総務委員会の中で報告がされました。中野区は、これまで旧商工会館跡地に中高生年代向けの交流活動支援の場をはじめとした複合交流拠点を整備することとしていたと。しかし、今年1月から3月にかけてサウンディング型市場調査を行って、民間活力の導入により財政負担なしで造ることはなかなか難しいのではないかということで、旧商工会館跡地の部分については、全て定期借地で民間に貸付けを行うという方針が、大きく変わったわけです。平和の森小学校に旧商工会館に設置しようとしていた機能が移った経緯については、またほかの同会派の議員から伺ってもらいますので、よろしくお願いします。

 私からは、旧商工会館跡地は、本当に定期借地で全て民間に貸付けをする方向でいいのか。新井地域の皆さんがそれを求めているのか、求められているのか。こういう観点でお伺いします。これまでの経緯を確認しますが、令和4年の予算特別委員会のときに、跡地整備について予算案に附帯意見がついて、住民の意見をよく聞いて整備するよう議会から求めがあったと思いますが、地域住民との意見交換はどの程度行ったのか教えてください。

○半田資産管理活用課長 旧商工会館跡地の活用方針につきましては、新井区民活動センター運営委員会に令和6年度に3回、また、令和7年度に1回検討状況のほうを報告してございます。

 またあわせて、薬師あいロード商店街のほうにも令和7年1月以降2回ほど検討状況等を報告しているところでございます。

○市川しんたろう委員 その中で、地域から跡地整備について、要望に関する書面が届いているかと思いますが、そちらへの対応はどうなっていますか。

○半田資産管理活用課長 正式な要望書ではございませんけれども、新井南町会のほうから令和4年12月に、旧商工会館跡地に係る要望の書類が提出されてございます。これまで新井南町会に対して文書等での回答は行ってございませんけれども、要望を踏まえて、これまで検討を進めてきたところでございます。

○市川しんたろう委員 意見交換も行ってきたし、書面も出ていたと。それに対しては返答していないと。地域住民の方から時間をもらって何ら返答もしないまま今回の報告がされてしまったというふうに映ると思うんです、地域の方たちからすると。議会からついた附帯意見とか、地域の住民の意思というのはどこに行ってしまったんですか、この報告に対して。

○半田資産管理活用課長 区では、これまで地域からの要望を踏まえて検討を進めてきたところでございますけれども、平和の森小学校跡地を有効活用するという観点から方針を変更したところでございます。区は、旧商工会館跡地の活用につきましては、8月21日の総務委員会の報告を改めて地域のほうには御説明に伺ったところでございます。これまで地域と意見交換をしながら進めてまいりましたけれども、今後も地域からの要望を踏まえて、検討を進める必要があると考えてございます。

○市川しんたろう委員 今、答弁の中にあった先日、町会長をはじめとした新井地域の役員の皆さんのもとに、冒頭話した総務委員会でなされた報告内容について説明に行かれたんですよね。皆さん、何て言っていましたか。

○半田資産管理活用課長 地域交流スペースにつきましては、平和の森小学校は野方地域でありまして、新井在住の区民の方は使用しない。また、新井地域のほうに整備してほしいといった御意見がございました。また、平和の森小学校を売却する必要がなくなったのに商工会館跡地を貸付けする理由はないのではないか、そういった御意見もございました。

○市川しんたろう委員 今、答弁しているからか分からないですけれども、口調はもっと強かったでしょう、きっとね、多分。皆さん、かなりお怒りだったと思います。昨日うちの会派から幹事長が最後に門の話をしていましたけれども、門で小学校がなかなか進まないという話を地域の人たちが言っているわけです。そういったことも皆さん我慢して、区がやっていることだからしようがないと言って、そういう善良な新井地域を皆さんをつかまえて何をやっているんだという話なんだけれども、このままでは黙っていられないと言っていました、言われたか分からないけれども。黙っていられないというのはどういう意味か分かりませんけれども。結果的に、新井地域の人からすると、これまで長い時間かけて話し合ってきたにもかかわらず、地域交流スペースまで取り上げられてしまって、野方地域の権益とも言っていいような、平和の森小学校に全部行ってしまったと。そこにマンションなのか何なのかよく分からないけれども、全面的に民間の利益誘導の施設のみ出来上がってしまう。これは、児童館とか高齢者会館を持たない新井地域の皆さんにとって、みんなで使えるような公共的な交流スペースの創出を求めてきただけなんです、新井地域の人たちにというのは。決して高望みしているわけではなくて、皆さんで集まるスペースが欲しいと、ただ、それだけ言っていただけですよ。それが唯一にして最大の希望ですから、新井地域の人たちは。同時に、ほかの地域と施設の数だったり、広さだったり、床の広さだったり、地域格差が生まれないように努力をしてほしいと言っているだけです。その区有施設の不足とか、公共的な交流スペースの不足という地域格差が生んでいる弊害として、新井区民活動センターの施設の利用率が高いことは認識されていますか。使っているのは町会だけではないので、地域の皆さんが利用しづらくなっているのが現状で、一般の方も団体も使っていて、地域活動をする場所が明らかに足りていないという状況が間違いなくそこにはあるんです。そういった現状を把握しているのか教えてください。

○半田資産管理活用課長 新井区民活動センターにつきましては、令和6年度の稼働率が59.6%となってございまして、15区民活動センターのうち、上から2番目の稼働率となっているところでございます。ほかの区民活動センターと比較して稼働率が比較的高いことにつきましては、承知をしているところでございます。

○市川しんたろう委員 比較的ではなくて高いです。茶道室とか、そういう和室とかの稼働率は高くないんです。一般的に使いやすいテーブルとか椅子とかを置いて、みんなで会議するような洋室の稼働率でいったら、もっと高いかもしれませんから、しっかり調べていただきたいと思います。

 新井地域の区域施設が少ないという問題も、これまではサンプラザという存在が飲み込んできたんです。サンプラザが近かったから、そこで宴会やったりとか、お金払ってみんなやっていたんです。だけど、サンプラザもあんなことになってしまって、現状期待できないというのがあるから、せめて今後、定期借地に関するプロポーザルを行うのであれば、100から150平米程度の地域交流スペースを組み込んだ案はできないのかと。これについては総務委員会で、立石委員からすばらしい指摘がありました。あくまで1,500平米の床面積を求めることによって、先日の方向につながったような費用負担を求められるということになるわけですから、民間事業者に向けて条件付きの定期借地に向けて検討していただきたいんですが、どうでしょうか。

○半田資産管理活用課長 旧商工会館跡地の活用につきましては、地域の意見を聞きながら検討することが必要であると考えているところでございます。定期借地に係る今後の検討の中で、仮にプロポーザルを行う場合の検討を進めるに当たっては、地域交流スペースの確保も含めて検討していきたいと考えているところでございます。

○市川しんたろう委員 先ほどから地域の意見を聞いてという答弁がございます。旧商工会館跡地は、中野駅から徒歩圏内であって、また早稲田通りにも面している商業的に非常に価値の高い土地だと思います。恐らく、もっと地域の方の意見を聞いていただければ、様々な御要望も出てくるかと思います。仮に定期借地権による貸付けを行うとしても、地域の要望を踏まえた跡地活用を検討していただくようにお願い申し上げて、私の全ての質問を終了します。

 御静聴ありがとうございました。

○河合りな委員長 以上で市川委員の質疑を終了します。

 次に、木村広一委員、質疑をどうぞ。

○木村広一委員 令和7年第3回定例会の決算特別委員会におきまして、公明党議員団の立場で総括質疑を行わせていただきます。

 昨日、平山幹事長が最後に13の質問を3分で終わっていただきましたが、残り時間、5時前に終わらせるためにちょっとペースを上げて質問させていただきますので、よろしくお願いします。

 まず、令和6年度決算についてお伺いいたします。

 先ほど金利の質疑がちょっとございましたが、私は金利政策に絞ってお伺いいたします。日本銀行がマイナス金利を解除、政策金利を0.0から0.1%に決定したのは令和6年3月19日、適用は3月21日からです。ここから日本も金利がある環境へと戻りました。令和6年度はまさに年度開始から金利のある世界になったことになります。金利上昇が続く世界は、地方自治体でも従来と同じ考え方で対応することはできなくなってくると考えます。まず、利子額の確認ですが、令和6年度と令和5年度の特別区債の残高と利子償還金の総額をお伺いいたします。

○竹内財政課長 お答えいたします。令和5年度末における特別区債残高は360億4,253万円、令和6年度末における特別区債残高は365億405万6,000円でございます。

 また、利子償還金でございますが、令和5年度が1億6,197万円、令和6年度が2億8,014万3,000円となっているものでございます。

○木村広一委員 区債残高が1年で5億円の差ですけれども、利子償還額が1億2,000万円の差となっております。令和6年度の追加債権もありますけれども、単純に計算できませんが、この1年の変動金利での金利上昇の分の影響は大きいと思います。具体的に債権の内容を確認しますが、令和6年度の区債発行それぞれの事業内容と発行額、また、借入先と償還方式及び償還期間、そして利率についてお伺いいたします。

○竹内財政課長 令和6年度に発行した起債でございますが、まず、区画街路第4号線のものに関しまして、借入先が東京都区市町村振興基金のものが3億8,300万円、元利均等でございまして5年間、利率が1%、みずほ銀行から6億8,700万円で元金均等で5年間、1.558%の利率、財政融資資金が6,300万円が元利均等5年間で1%となってございます。

 続きまして、明和中学校が、財政融資資金でございまして、26億5,700万円で元利均等、20年間の償還期間で1.7%、1.8%の利率になってございます。

 同じく南台小学校が、財政融資資金で25億3,300万円、元利均等で20年間、1.7%、1.8%となってございます。

 最後に、公共用地先行取得債がみずほ銀行から5億7,600万円で、元金均等で10年間、利率は1.21%となっているものでございます。

○木村広一委員 借入先が政府融資資金と東京都区市町村振興基金など、政府系と民間銀行の二つがありますけれども、これをそれぞれ振り分ける基準についてお伺いいたします。

○竹内財政課長 国が示している基準の中で財政融資資金を借り入れることができる起債の事業内容が定められているものでございます。例えば、小・中学校施設整備に係る国庫負担事業や社会福祉施設整備事業につきましては財政融資資金での借入れが可能となってございます。それ以外につきましては、基本民間からの借入れになるものでございます。

○木村広一委員 区画街路第4号線に関しては、借入先が3か所に分かれていましたが、その理由をお伺いいたします。

○竹内財政課長 こちらに関しましては、財政融資資金から借り入れる6,300万円につきましては、国の無電柱化推進計画事業補助金を受けて行う補助事業として、国土強靭化緊急対応事業債での借入れが行われたものでございます。その他の単独事業につきましては、3億8,300万円につきましては東京都区市町村振興基金からの借入れが認められ、残りの6億8,700万円につきましては民間資金から借り入れたもので3か所となっているものでございます。

○木村広一委員 いわゆる政府融資資金のほうの枠がなかったというところで、民間を使ったというところもあります。一般的に政府融資資金や東京都区市町村振興基金など政府系のほうが、金利は低くて償還年限が長いものが多いですが、それは幾らでも借りられるということでしょうか。今後の傾向性というものはありますか、お伺いいたします。

○竹内財政課長 起債の償還期間につきましては、国との協議によって定められておりますが、例えば、施設整備に係る起債につきましては、その施設の耐用年数を超えた償還期間は設定できないところとされているものでございます。

 また、国の資金の状況によりまして、財政融資資金の借入れができず民間資金の借入れとなることもございます。

○木村広一委員 今後の傾向性を伺ったんですけれども、そこはいかがですか。

○竹内財政課長 こちら、全国の起債の状況がございまして、その枠があるもので、23区などは、財政的に豊かなところは先細りする可能性もございます。

○木村広一委員 そういった意味では、今言った政府系が、今後どこまで使えるか分からないということであれば、民間銀行のほうも当然これから使っていかなくてはいけない。政府系と比べてどのような特徴がございますか、お伺いいたします。

○竹内財政課長 一般的に民間資金につきましては、財政融資資金と比べて金利が高くなる傾向がございます。

○木村広一委員 金利の今後の傾向性でございますが、先ほどもちょっとありましたけれども、数年間、この国のほうの長期国債の利率というものはどのように変化しているのか、概略をお伺いいたします。

○竹内財政課長 こちら、固定金利かつ15年債での財政融資資金借入利率が、令和6年9月時点におきましては1.0%であったのに対しまして、令和7年9月時点では1.7%と上昇傾向にございます。

○木村広一委員 金利が上がる、今、金利がある世界という話をしたんですけれども、その前、令和5年はどうだったんですか。

○竹内財政課長 令和5年9月時点では0.7%でございます。

○木村広一委員 では、令和5年から令和7年まで上昇傾向ということで、この令和6年から7年で、1年間で0.7%金利が上がったということですが、中野区で、この令和5年度と令和6年度の起債の最高利率をお伺いいたします。

○竹内財政課長 令和5年度の起債の最高利率は、鷺宮小学校・西中野小学校統合新校の1.2%、令和6年度の起債の最高利率は、明和中学校及び南台小学校の1.8%でございます。

○木村広一委員 改めて、この金利の上昇傾向というのは、先ほど1年間で0.6%上がったということですけれども、これは当面続くと見ているのか、見解をお伺いいたします。

○竹内財政課長 現時点におきましては、金利の上昇傾向は今後も当面続くものと考えてございます。引き続き社会情勢を注視していきたいと考えてございます。

○木村広一委員 金利が上昇して政府融資資金も使いにくくなる中で、利息負担をどこまで軽くするかというのは、今後の財政負担に大きな影響を与えます。金利が上昇した場合の区への影響ですが、借入金利や基金利回りの二つがあるかと思います。基金運用は大きな課題ですが、かつて私も取り上げたり、最近他の議員も取り上げたので、今日は借入れの金利に絞って質疑いたします。

 利子負担額を軽くするためには、借入金額をより安く、金利をより低く、借入期間をより短くすることになりますが、金利が上昇する世界ではこれまでと違う細かい取組が必要と思います。中野区では、区債の発行は通常どのタイミングで、どのような理由によるものでしょうか、お伺いします。

○竹内財政課長 原則として、出納整理期間におきまして歳入歳出の決算状況等を総合的に判断し、必要最小限の額で区債発行を行っているものでございます。

○木村広一委員 例えば、先ほど紹介がありましたように、1年間で金利が0.6%上がる状況であれば、年度の始めの借入れと年度末の借入れで、同じ年度でも金利が0.6%異なるということになります。となると、年度内での起債のタイミングで利子が変わるということでしょうか、お伺いいたします。

○竹内財政課長 金利に関しましては、景気、物価、為替や金融政策により日々変動するものでございまして、この金利上昇局面におきましては、年度当初の金利と比較して年度末の金利のほうが高いと推測されるものでございます。

○木村広一委員 例えば、1年で0.6%金利が上がるのであれば、月にすれば大体0.05%、例えば、20億円を起債するのであれば、月にすれば100万円ぐらい利子が変わると、積み上げていくということになります。この金利上昇という局面においては、こういった発行時期というのは少しでも早めるという努力が必要ではないでしょうか、お伺いいたします。

○竹内財政課長 金利上昇局面におきましては、早期に起債を行ったほうが、将来負担については下がることは認識してございます。

 一方で、公債費の増は、区民サービスに影響を及ぼすおそれが大きくなるため、歳入歳出の決算状況等を鑑みながら起債発行を慎重に検討していく必要があると考えてございます。

○木村広一委員 そういった固定化も含めて、逆に関していえば、利子が上がるというリスクも伴っているということもちゃんと認識した上で、少なくとも財政課だけではなくて各所管も、こういった起債のタイミングで利率というか、利子が変わるということも認識しながら、起債ということを考えていただければというふうに思っております。

 元金の償還方法にも工夫が必要ではないかというふうに思います。可能な限り元金を早く償還することによって、利子負担額を軽くすることもこれまで以上に重要と考えます。世代間の公平性によって、特に学校施設などの長期期間の区債を発行することが多いですが、金利のある世界では利子負担が増えることを考えれば、世代間の公平性よりも負担軽減を優先することも考える必要があるのではないでしょうか、お伺いいたします。

○竹内財政課長 早期に元金を償還し、後年度の公債費負担を軽減することは重要であると考えてございます。年当たりの元金負担が増加した場合、財政フレームへどのような影響を及ぼすかを加味しながら、慎重に検討していく必要があると考えてございます。

○木村広一委員 現在の区債残高に対しても、将来の利子も払う余裕があるか見定める必要があります。昨日も質疑がありましたが、将来の利率が上がる見込みであれば、繰上償還も積極的に検討すべきではないでしょうか、お伺いいたします。

○竹内財政課長 繰上償還に関しましてでございますが、想定以上の歳入が確保できた場合には、基金の繰入金の減額や区債発行を取りやめる運用を行っているところでございますが、この金利上昇局面におきましては、繰上償還も一つの選択として、今後検討していく必要があると考えてございます。

○木村広一委員 よろしくお願いします。

 あと、借入期間による影響という事例で、債券の据置期間について、簡単に御説明をお願いします。

○竹内財政課長 債券の据置期間についてでございますが、一般的に据置期間というものは元金の償還による先送りをする目的で設定されるものでございます。一方で、据置期間中も利子は発生しますので、償還総額は増加することになるというものでございます。

○木村広一委員 中野区では、こういった据置期間というものはどのように設定されているのでしょうか。基準はあるのでしょうか、お伺いいたします。

○竹内財政課長 中野区では、主に公共用地先行取得債につきまして、一般会計の買戻し時期に元金償還を行うために据置期間を設定しているものでございます。

○木村広一委員 では、据置期間をゼロにした場合は、利子はどうなるのでしょうか。近年の実例で御紹介していただければと思います。

○竹内財政課長 令和6年度発行の起債に関しましては、鷺宮小学校跡地区複合施設用地に係る公共用地先行取得債以外の全ての起債で据置期間は設定してございません。こちらの公共用地先行取得債につきましては、据置9年と設定しているところでございます。こちらの利子額総額は約6,900万円となってございまして、仮に据置期間を設定しなかった場合は、想定利子総額は約3,800万円となるものでございます。

○木村広一委員 今言ったように償還期間というものは、自治体のほうで短くしたり、利子支払額を少なくするということは可能でしょうか、お伺いいたします。

○竹内財政課長 償還期間を短くすることは可能でございまして、その場合、利子総額が削減されることとなりますが、一方、年度の元金償還額が増加することになります。そのため財政フレームへの影響などを総合的に勘案した上で、償還期間については設定しているものでございまして、その検討は慎重に行っていく必要があると考えてございます。

○木村広一委員 利子を減らす工夫と考え方を幾つか質疑しましたが、やり方次第では、数億円の負担がかかったり軽減する可能性もあります。金利のある世界というのは十数年ぶりと言われていますので、理事者も私たち議員も経験のない、あまり経験のない世界でございます。様々な事例を踏まえながら、区としても金利対策の考え方を整理する必要があるのではないでしょうか、お伺いいたします。

○竹内財政課長 現在の金利上昇局面におきましては、起債することが公債費の将来負担を増加させるリスクがあることは認識してございます。公債費の将来負担や基金、起債のバランスなどを総合的に考案しながら、今後も持続可能な財政運営を進めていく考えでございます。

○木村広一委員 現段階では、区としては特に金利に対する考え方というのはまだまとまっていないような感じがしますので、ぜひ検討していただくようによろしくお願いいたします。

○河合りな委員長 木村委員の質疑の途中ですが、5時になりますので、今後の運営について協議するため理事会を開会します。

 委員会を休憩します。

午後4時55分休憩

 

午後4時59分開議

○河合りな委員長 委員会を再開します。

 ただいまの理事会の報告をします。

 木村委員の質疑の途中ですが、本日は終了し、次回、木村委員から始めることを確認しました。

 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○河合りな委員長 なければ、只今の報告の通り、委員会を運営することにご異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○河合りな委員長 御異議ありませんので、そのように決定し、本日の総括質疑を終了します。

 次回の委員会は、9月26日(金曜日)午前10時から当委員会室で開会することを口頭をもって通告します。

 以上で本日の決算特別委員会を散会します。

午後5時00分散会