令和8年09月09日中野区議会本会議(第3回定例会)

1.令和8年(2026年)9月9日、中野区議会議事堂において開会された。

1.出席議員(41名)

  1番  高  橋  ちあき         2番  山  内  あきひろ

  3番  武  井  まさき         4番  日  野  たかし

  5番  木  村  広  一        6番  斉  藤  けいた

  7番  井  関  源  二        8番  黒  沢  ゆ  か

  9番  大  沢  ひろゆき       10番  武  田  やよい

 11番  大  塚  けいじゅ       12番  いのつめ  正  太

 13番  間     ひとみ        14番  河  合  り  な

 15番  市  川  しんたろう      16番  加  藤  たくま

 17番  甲  田  ゆり子        18番  小  林  ぜんいち

 19番  白  井  ひでふみ       20番  立  石  り  お

 21番  小宮山   たかし        22番  内  野  大三郎

 23番  広  川  まさのり       24番  い  さ  哲  郎

 25番  細  野  かよこ        26番  斉  藤  ゆ  り

 27番  杉  山     司       28番  ひやま      隆

 29番  高  橋  かずちか       30番  大  内  しんご

 31番  伊  藤  正  信       32番  平  山  英  明

 33番  南     かつひこ       34番     欠  員

 35番  石  坂  わたる        36番  むとう   有  子

 37番  羽  鳥  だいすけ       38番  浦  野  さとみ

 39番  山  本  たかし        40番  中  村  延  子

 41番  酒  井  たくや        42番  森     たかゆき

1.欠席議員

      な  し

1.出席説明員

 中 野 区 長  酒 井 直 人      副  区  長  青 山 敬一郎

 副  区  長  栗 田 泰 正      教  育  長  田 代 雅 規

 企 画 部 長  岩 浅 英 樹      総 務 部 長  濵 口   求

 防災危機管理担当部長 千 田 真 史    DX推進室長  中 谷   博

 区民部長、窓口サービス担当部長 高 橋 昭 彦    文化・産業振興担当部長 吉 沢 健 一

 子ども教育部長、教育委員会事務局次長 石 崎 公 一   地域支えあい推進部長、地域包括ケア推進担当部長 滝 瀬 裕 之

 健康福祉部長  杉 本 兼太郎      環 境 部 長  石 井 大 輔

 都市基盤部長  浅 川   靖      まちづくり推進部長  松 前 友香子

 中野駅周辺まちづくり担当部長 小 幡 一 隆  企画部企画課長  神 谷 万 美

 総務部総務課長  古 本 正 士

 

1.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  永 見 英 光      事 務 局 次 長  分 藤   憲

 議事調査担当係長 鈴 木   均      書     記  田 村   優

 書     記  森 園   悠      書     記  志 賀 優 一

 書     記  村 松 紀 香      書     記  梅 田 絵里子

 書     記  川 辺 翔 斗      書     記  竹 中 雅 人

 書     記  堀 井 翔 平      書     記  稲 葉 悠 介

 書     記  浅 見 航 輝      書     記  小 鮒 貴 仁

 

 議事日程(令和8年(2026年)9月9日午後1時開議)

日程第1 第63号議案 令和8年度中野区一般会計補正予算

日程第2 認定第1号 令和7年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

     認定第2号 令和7年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第3号 令和7年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第4号 令和7年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について

     認定第5号 令和7年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

日程第3 中野区の財政の健全化判断比率について

 

午後1時00分開会

○議長(森たかゆき) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 大 内 しんご

 1 自動車のご当地ナンバープレート導入について

 2 屋外運動施設の酷暑対策について

 3 旧北部教育相談室(旧野方ベビー保育園)・旧鷺宮すこやか福祉センターまちづくり事業用地

   の暫定活用について

 4 その他

 

○議長(森たかゆき) 最初に、大内しんご議員。

〔大内しんご議員登壇〕

○30番(大内しんご) 令和8年第3回中野区議会定例会において一般質問をさせていただきます。自由民主党の大内しんごでございます。

 最初に、1、自動車のご当地ナンバープレート導入について、質問をいたします。

 現在、中野区を使用の本拠としている自動車ナンバープレートは、練馬ナンバーとなっています。ナンバープレートは、自動車を登録するための行政上の表示である一方、その地域の名称を日常的に目にすることから、地域の知名度やイメージ、さらに地域ブランドを発信する一つのツールにもなり得るものと考えます。

 現在、国土交通省では、地域振興や観光振興にも活用できるご当地ナンバーの制度を設けています。新たな地域名等によるご当地ナンバーと図柄入りナンバープレートを導入する地域の募集が行われています。今回の制度改正では、ご当地ナンバーの導入要件について、単独の市区町村の場合、登録車両の台数要件が従来の10万台超から7万台超へと緩和されました。さらに複数の市区町村が一つの対象地域で導入する場合には、登録車が5万台程度または登録車と軽自動車の合計が8万5千台程度という基準が示されています。つまり今回の制度改正によって、今まで以上に近隣自治体と連携した新たなご当地ナンバーを導入できる可能性が広がりました。

 港区のご当地ナンバー取得の取組では、2026年4月の国の制度改正によって、現在の登録台数約8万1,000台を根拠として単独で港ナンバーを導入できるとして、区が主体となってご当地ナンバー導入に向けた18歳から74歳の区民1万人と8,200の区内事業者に対し意向調査を9月下旬から実施するなど、具体的な動きを始めています。港区は、国の制度改正を受けて、単に情報収集するだけでなく、区として導入の可能性を確認し、区民・事業者の意向を調査するところまで具体的に動いています。

 走る広告塔として地域の魅力を全国に発信することができ、区民や事業者の一体感、地域への愛着の醸成にもつながるとしています。ご当地ナンバーでは、例えば伊豆、富士山、湘南ナンバーが有名です。練馬ナンバーから近隣区の変更では、既に杉並区、板橋区はご当地ナンバーに変わりました。中野区もこうした他区の先行事例を参考にしながら、ご当地ナンバーの導入の可能性について検討してはどうでしょうか。

 中野ナンバーに、例えば、今でも中野の象徴である中野サンプラザや中野通りの桜並木をモチーフにした絵柄を入れる図柄入りナンバープレートとかが考えられますが、中野区の場合、そもそもが令和6年度時点のデータから見ると、登録自動車は4万3,000台ですので、残念ながら単独要件である7万台以上の条件を満たしていないと聞いています。

 ちなみに、お隣の新宿区、渋谷区の登録自動車台数はそれぞれ約5万台で、中野区と同様に単独では要件を満たさないようです。仮に中野区と登録自動車台数を合わせると、合計はそれぞれ約9万台を超え、ご当地ナンバー取得の条件をクリアすると思います。渋谷区は、以前、長く衆議院議員の選挙区が同じだったこともあり、現在も様々な人的つながりや地域との交流が残っています。また、新宿区とはJR中央線、総武線、東京メトロ丸ノ内線、東西線、都営大江戸線、西武新宿線など、交通ネットワークによって強く結ばれています。

 このご当地ナンバー取得の取組は、単に練馬という地名のナンバーを別の名称に変更するという話ではありません。中野区と近隣区が協働して新たなご当地ナンバーを発信することによって、地域ブランドを高め、商業・観光、文化・シティプロモーションなど、幅広い分野に活用できる可能性があります。現在、単独ではご当地ナンバーの条件を満たすことのできない中野区では、近隣区を一つの対象地域として新たな名称によるご当地ナンバーを導入することを提案いたします。

 国土交通省は、走る広告塔として地域の魅力を全国に発信する図柄ナンバープレートについて、平成30年10月に40地域で交付を開始して以降、順次拡大し、現在は78地域で導入されています。第5弾及び第6弾のこの募集を令和8年4月24日から開始しました。今回の第6弾の募集制度は2026年12月28日までが導入意向表明の期限で、2029年5月頃から新たなナンバープレートの交付が開始を予定されています。今回の募集には時間的に無理があると思いますが、来年度以降、次回の国土交通省の第7弾の募集をにらんで、中野区は将来的に検討するという時期ではなく、具体的な検討に着手する絶好のタイミングだと思います。

 そこで、幾つか質問をいたします。

 まず、最新情報として、中野区では国土交通省がご当地ナンバーの導入要件としている登録車の台数は、現在、何台となっているのか。中野区は単独でご当地ナンバーの取得の条件を現在満たしているのか、改めて伺います。

 次に、中野区と新宿区、あるいは渋谷区と登録台数を合わせた場合は、このご当地ナンバーの取得について、最新のデータから現在の制度上の要件を満たしているのか、これも改めて伺います。

 また、中野区の立地条件を考えると、新宿区や渋谷区以外で対象地域として考える自治体はほかにあるのか、伺います。

 最後に、国土交通省の新たなご当地ナンバーの次回募集、第7弾に向けて、中野区から近隣区に向けて一つの対象地域とした新たなご当地ナンバー協議を働きかけ、制度上の要件、地域名、名称、住民・事業者の意向、図柄などについて、具体的な検討を進めてはどうでしょうか。区長の見解を伺います。

 次に、スポーツを愛する区民・子どもたちが安心して屋外でスポーツができる屋外運動施設の酷暑対策について、伺います。

 中野区には上高田運動施設・哲学堂運動施設に野球場とテニスコートがあります。また、子どもたちが主に運動する施設として、平和の森公園の多目的運動場、本五ふれあい公園、白鷺せせらぎ公園の運動場などがあります。近年の夏は屋外で運動すること自体が大きなリスクとなるほど厳しい暑さが続いています。屋外でスポーツをする場合、グラウンドの予約や参加者への連絡など、暑いからといって簡単に活動時間をずらしたり、練習場を変更したりすることができません。もちろん熱中症警戒情報などにより、活動を中止することはあります。

 しかし、私は、暑ければ中止をするという対策だけではなく、施設側がスポーツをする人たちの酷暑対策として、体を冷やすことができる環境を整えることも重要だと思います。今後さらに気温が上昇することを想定した場合、施設ごとに必要な対策を検討していくべきと考えます。例えばミスト設備の導入については、中野区では、今年3月に開園した上高田の上五こもれび公園にミストポールを備えた水の広場を整備されています。つまり区としても屋外空間におけるミストの活用について、既に実績があります。

 例えば港区では、東京都の補助金を積極的に活用し、令和7年度から移動式のミスト扇風機を設置しています。今後さらに気温が上昇することを想定した場合、ミストや日陰、休憩スペースの充実など、施設ごとに必要な対策を検討していくべきだと思います。

 最初に、子育て先進区として来年の夏に向けて子どもたちが多く利用する少年スポーツ施設である平和の森公園、本五ふれあい公園、白鷺せせらぎ公園の多目的運動場などでは、酷暑の対策を講じるべきだと思います。区の考えを伺います。

 二つ目に、上高田運動施設・哲学堂運動施設には野球場とテニスコートがあります。現在の暑さ対策はどのようになっているのか、伺います。

 三つ目に、上高田運動施設の野球場では、中野区軟式野球連盟や中野区ソフトボール連盟が4月、8月に夏の大会を行っています。公式の試合であり、1日の日程が詰まっていることもあり、試合途中に水分補給などは可能ですが、夏の高校野球で行っているクーリングタイムを設けるなどの措置は取れていません。試合の合間にグラウンドに水まきを行いますが、酷暑対策としてまずグラウンドベンチに移動式スポットクーラーや扇風機などを設置してはどうでしょうか。

 四つ目に、上高田運動施設更衣室の休憩用ベンチは屋根がなく、真夏は大変な暑さになります。日陰をつくるための対策として、現在、中野四季の森公園に歩きたくなるまちづくりのために設置しているようなテント等の設置、ミストシャワーなどを設置するなど、暑さ対策を検討してみてはいかがでしょうか。今後の取組について伺います。

 次に、旧北部教育相談室(旧野方ベビー保育園)・旧鷺宮すこやか福祉センターまちづくり事業用地の暫定活用について、質問いたします。

 先月8月27日に、野方区民ホールにおきまして西部新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟決起大会が開催されました。西武新宿線野方駅から井荻駅までの鉄道連続立体交差事業については、最近の調査結果でこれまで大きな課題の一つであった、野方1号踏切の除却を含んだ連立事業が技術的には可能とされました。しかし、具体的な調査結果が出るのは令和10年3月です。その事業化にはまだ長い時間がかかると考えられます。

 連続立体交差事業のまちづくり用地として予定されている旧北部教育相談室は、平成12年度(2000年度)末に保育園が廃止された後、北部教育相談室に活用されていましたが、平成27年度(2015年度)末に北部教育相談室を廃止して以降、アール・ブリュット作品の保管庫や隣接者の工事ヤードとして貸し付ける程度で、基本的に10年以上閉鎖管理されています。

 また、同様にまちづくり用地とされている旧鷺宮すこやか福祉センターは、平成26年に閉鎖し、平成30年まで社会福祉法人へ賃貸しており、毎年、地区祭りの駐輪場に使用しているものの、こちらも10年近く閉鎖管理されています。

 私は、令和6年の第4回定例会でも旧北部教育相談室跡地活用について質問し、当該用地は鉄道立体化に伴い創出される空間などと合わせ、まちづくり用地としての活用を検討しているとの回答がありました。

 そこで伺います。旧北部教育相談室と旧鷺宮すこやか福祉センターの跡地活用について、二つの施設とも空き家となっております。維持管理費だけがかかっている状況であるならば、建物を解体し、暫定的に時間貸し駐車場に活用すれば、地域の方々も利用でき、また、区の歳入にもなると思います。連続立体交差事業のまちづくりが動き始めるまでの暫定活用について、現状どのような検討を行っているのか、お伺いいたします。

 最後に、最近の大雨で被災をされている皆様方にお見舞いを申し上げます。中野区としても防災対策をしっかりと取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 大内議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、自動車のご当地ナンバープレート導入についての御質問で、自動車登録車数と制度上の要件についてであります。令和7年度自動車登録車数は、中野区が4万3,553台でありまして、単独ではご当地ナンバーの取得要件は満たしておりません。新宿区(5万879台)、渋谷区(5万2,194台)と合わせた場合には、制度上の要件を満たすことになります。対象地域として挙げられるのは、中野区と同様に練馬ナンバーを使用する行政区は、練馬区、新宿区、文京区、豊島区、北区となっております。隣接する地域と捉えると、豊島区も対象地域としては可能性があると考えられます。

 次に、次回募集に向けた検討・協議の働きかけです。単独での導入は不可能な状況でございます。近隣区と連携するとしても、区としてご当地ナンバー導入という手段が区の施策に及ぼす影響、費用対効果、また、住民意識などに配慮し、慎重な考察が必要であると考えております。応募に向けては、区としての考えを整理した上で、地域名、図柄などの具体的な内容についての他自治体との協議、それから、住民の一定の合意形成等を行い、東京都へ要望を行う必要があると認識をしております。次期応募に向け、他区の動きも注視しながら協議や区としての導入可能性について検討は進めてまいります。

 次に、屋外運動施設の酷暑対策についての御質問で、初めに、公園内運動場の暑熱対策についてです。現在、平和の森公園多目的運動広場、本五ふれあい公園、白鷺せせらぎ公園、南台いちょう公園の多目的運動場では、暑熱対策として、涼しい時間帯に活動できるよう、これまで午前9時からだった開始時間を午前7時からに早めるなど、夏季期間の早朝開放に取り組んでいるところでございます。御指摘の早朝開放以外の対策についても、それぞれの運動施設にふさわしい暑熱対策は何かを考慮しながら検討してまいります。

 次に、上高田・哲学堂運動施設の暑熱対策についてです。上高田・哲学堂の運動施設につきましては、暑さが予想される場合に利用者へ注意喚起をしているほか、暑さ指数が31以上と示された際の施設利用のキャンセルに対して、利用料金を徴収しないなどの対応を行っているところであります。また、利用中の熱中症リスクの低減のため、哲学堂運動施設を中心に順次、ミスト設備や日よけの設置を進めているところであります。

 次に、上高田運動施設の暑熱対策についてです。年々深刻化する夏季の暑さに鑑み、野球場をはじめ、屋外運動場の利用における熱中症のリスクを低減させられるよう、区としても対策を進めているところであります。上高田運動施設野球場のグラウンドベンチや休憩用ベンチへの暑さ対策につきましては、議員御提案の対策や利用者からの声を踏まえ、場所や設備、管理上の制約等も考慮した上で、さらなる暑熱対策を検討してまいります。

 次に、旧北部教育相談室(旧野方ベビー保育園)・旧鷺宮すこやか福祉センターまちづくり事業用地の暫定活用についての御質問でございます。旧北部教育相談室及び旧鷺宮すこやか福祉センターにつきましては、にぎわい創出や交流拠点としての暫定活用を図るべく、民間貸付等での事業成立性を検討してきたところであります。現施設を活用する場合、建物自体の改修経費がかさむことなどから、投資回収期間が長期にわたるなど、暫定活用には大きな課題がございます。今後は将来のまちづくり事業用地としての活用に支障がないよう留意しつつ、地域や区にとって有益なものとなるよう、建物を除却した土地の暫定活用についても検討を進めてまいります。

〔大内しんご議員登壇〕

○30番(大内しんご) 再質問させていただきます。最初のご当地ナンバーのところなんですけれども、研究をするだとか、今後、他区との話合いに持っていくのか、話しかけるというか、協議を中野区自らが積極的に動くといった考え方をお持ちなのか。相手の先方のほうからお声がけをされるのを待つのではなくて、中野区自らが主体となって近隣区、まだご当地ナンバーを取り入れていない区に対して働きかけをしてみてはといったところは、ちょっと御答弁がはっきりしていなかったので、再度お聞きをしたいと思います。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 先ほどの御答弁のとおり、様々な検討をしなければいけないという前提の下ですけれども、区としては近隣区との協議、私のほうから声をかけて相談をしてみたいとは考えております。

○議長(森たかゆき) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 杉 山 司

 1 中野区周辺の継続的なデータ取得に基づいたまちづくりについて

 2 中野区と台北市中山区を舞台としたアニメ制作について

 3 転入した表現者を応援する「はじまりの街」中野について

 4 その他

 

○議長(森たかゆき) 次に、杉山司議員。

〔杉山司議員登壇〕

○27番(杉山司) 令和8年第3回定例会におきまして、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場で一般質問を行います。

 まず初めに、中野駅周辺の継続的なデータ取得に基づいたまちづくりについて、伺います。

 一般的にまちづくりは新たなにぎわいを創出する、不便なことを改善するなど、そのエリアの課題を解決しつつ、新しい街を構築していくことを目的としています。行政は、区民や地域、有識者などの声を聞きながら、ある程度仮説を立てコンセプトや狙い、目的を持って設計し、施工していきます。その後、想定した効果は狙いどおりのものだったのか、何が生まれたのか、何が予想外だったのかなどを検証し、想定どおりにいかなかった場合では、何かしらの手を打って是正しなければなりません。

 そのために何が必要なのか、ずばりデータです。場所、動き、時間、気温、水位など、様々です。中野区は、今、中野駅周辺のまちづくりを複数エリアで動かしています。例えば、今まで中野駅周辺は南北の行き来が中野駅ガード下の中野通りのみだったことに対し、12月6日に中野駅西改札が開業して、改札前の南北通路が使えるようになることで、バリアフリー化などの課題解決などはもちろん、中野駅ガード下の中野通りとその南北通路のスクエアエリアを軸とした街の回遊が実現できるという仮説の下でまちづくりが進んでいます。

 中野駅南口改札前周辺に目を向けますと、朝8時前後は中野通りのセブンイレブン前から、駅前仮設交番前から、そして、ロータリー南側のファミリーロード側から、さらには千光前通りから南口改札に向かう通勤・通学の方が一遍になだれ込む危険な時間帯となっています。西改札が開業した後の南口付近は、平日の朝、中野三丁目側から中野通りを横断してくる方はほとんどおらず、新南口(桃園口)から南北通路を通って、西改札に入っていく人ばかりでしょう。

 朝の南口改札の混雑は、西改札の開業をもってして分散できて解消できると予想できますが、それは西改札開業前のデータと開業後のデータを比較して初めて分かることです。夜の人流や経済活動もそうです。中野区が仮説を立てて狙った中野駅周辺の回遊性が実現された、または、いまいちだ、などを把握するには、様々なデータを本来まちづくりが始まる前から取り、まちが完成したとき、その数年後などのデータをデータサイエンティストなどの力を借りながら比較し検証を進め、仮説が正しかったのか、是正する必要があるのかなどを判断し、手を打ちます。日々のスマホから収集されるポイント型人流データや中野区のデジタル地域通貨ナカペイの利用データはいつでも取得できるはずです。

 今からでも必要なデータを分析し、新北口のペデストリアンデッキや新南口(桃園口)の桃園広場も含む西改札の開業、アトレの開業、新交番完成を含む南口ロータリー周辺再整備の完成、桃丘小学校跡地の拠点施設や囲町西側跨線橋の整備、その先には中野サンプラザ部分にもつながりますが、そのタイミングタイミングでそのまちづくりが狙いどおりになっているかを見極めることが重要です。手元でかちかちする街角通行量調査は実施していると聞きますが、それだけですとそのノード、いわゆる接続点の人の通過人数しか分かりません。

 そこで伺います。中野区はこれまでスマホの位置データや人流データ、ナカペイ利用データなどのデジタルデータやビッグデータを分析し、まちづくりに生かしておりますでしょうか、伺います。

 また、昨今の温暖化が進む中で、温度を計測するサーモグラフィーや雨量計測、浸水や冠水などのデータも定期的に取得すれば、まちづくり検討時と施工後で比較し、適切な是正ができます。これら新たな種類のデータも今から定期的に取得し、まちづくりの検証に役立てる必要があります。

 中野駅周辺や中野坂上駅周辺にはビル風が強いときがあります。そもそも建物を建てる際の環境アセスメントと風の強さは、周辺地域への風害やイベントなどの影響も予測するのに深く結びついていて、ビル風のアセスメントも行われ、それをクリアした上で個々の建物ができていると思いますが、ビル風がとんでもなく強いときがあるのは、クリア条件が低いのか、それともそもそも予測不可能なのか、個々はクリアしているが、別の建物と合わさると想定外のことが起きるのか、区の見解を伺います。

 また、危険度が増すなどの事象に対して、風力データなども取得しつつ、行政が俯瞰してデータを検証し、指導するなり、是正するなりが必要と考えますが、いかがでしょうか。

 仮説でまちづくりをした以上、データを取得し、検証し、是正していくことでよりよいまちづくりができると考えております。仮説と検証にデータ取得と分析は当たり前の話だと思いますので、ぜひ前向きに検討ください。

 次に、中野区と台北市中山区を舞台としたアニメ制作について、伺います。

 先日、日台友好促進中野区議会議員連盟(日台議連)の有志で台北市中山区を訪れました。昨年11月にアニメをはじめとする文化芸術、食文化、教育、スポーツ、健康、子どもの交流など、幅広い分野で連携を進めるという内容の協定を中山区と締結しており、台北市で開催された漫画博覧会を見て、台北市におけるアニメや漫画、そして、日本文化に触れてきました。日本の同様の展覧会と同じくアニメやゲームなどのコンテンツブースがたくさん出展され、参加者はそれぞれの推しのキャラクターやコンテンツブースに立ち寄ってグッズを買い、同じ趣味と見られる仲間同士で床に座りながらグッズを見せ合ったり、写真を撮り合ったりしている、まさに日本におけるニコニコ超会議やコミックマーケットでよく見る光景でした。

 黄鳴鴻中山区長と酒井区長や森議長らとの意見交換会では、中野ブロードウェイをこのようなイベントに出展させよう、台湾コンテンツを中野に紹介しようなどと、交流案が幾つか出ておりましたが、そのレベルの交流では何も生まれないのではと感じました。既に中野と台北には、アニメや漫画、ポップカルチャーを愛する人たちがいて、中野には中野ブロードウェイを含む独自のサブカル文化があります。台北市中山区にも歴史、街並み、食文化、若者文化など、非常に魅力的な地域資源があります。であれば、中野区と台北市中山区を舞台としたアニメ制作を両区のクロスライセンスコンテンツとして実現すべきと考えます。単なるイベント交流などではなく、両地域そのものを一つの作品の舞台にしてしまうのです。

 物語の主人公は、日本と台湾、それぞれの街で暮らす若者2人が何らかのきっかけで出会い、東京都中野区と台北市中山区を行き来しながら友情や恋愛、家族、夢などを育んでいく。ポイントは、単なる架空の背景として中野区と中山区を描くのではなく、茨城県大洗町の「ガールズ&パンツァー(通称ガルパン)」や新宿区周辺や岐阜県飛騨地方、そして、長野県の諏訪湖周辺など、広域的な聖地化を実現した映画「君の名は。」など、実際の街を徹底的に作品の中に登場させることです。

 さらに現在の街だけでなく、昔の街を描いてほしいとも思っています。例えば物語の中に戦前の台湾や中野などの回想シーンを取り入れ、主人公の祖父母や親世代の思い出を通して昔の中野や台北を描くことで、若い人にとっては新鮮な世界となり、高齢者にとっては懐かしいと感じる作品になり、世代を超えて楽しめる国際共同コンテンツにするのです。こうした共同コンテンツ制作の可能性について、台北市中山区や中野区のアニメ制作会社など、民間事業者を交え、まずは区主導で実現の可能性を協議してみてはいかがでしょうか。

 例えば東京中野文学賞などと連携し、中野と台北を舞台とした物語、中野と中山区の記憶などをテーマとして、シナリオや小説、原作を募集する、そして、その作品の中から優秀な作品を選び、中野区側と台北市側の制作会社、クリエイターなどが共同でアニメ化する。こうすれば、作家、クリエイター、企業、行政が一緒になってつくる作品になりますし、区民らを巻き込んだクラウドファンディングなどで制作費を募ってもよいと思います。

 あくまで最初は区が企画立案をするということが重要です。その取組で私が最も期待しているのは、完成した作品を観光資源化することです。アニメ作品の舞台となった場所を訪れる聖地巡礼は、国内だけではなく、海外からの観光客を呼び込む大きなコンテンツになっています。航空、ホテル、飲食、交通、小売、イベント、グッズ販売など、様々な経済波及効果が期待できます。

 区として台北市中山区との共同コンテンツ制作を将来的なインバウンド誘客や観光振興、地域経済の活性化につなげていけるはずです。中野区観光協会などと連携し、中野ツーリズムや台湾ツーリズムの環境をあらかじめ道筋程度は整えておくべきではないでしょうか、伺います。

 さらに私はここに体験を加えたいと思っています。アニメの舞台を訪れるだけでなく、自分もアニメをつくってみるという体験です。例えば中野を訪れた台湾の観光客に、先日、中野区がMAPPAさんや声優さんとコラボして実施したアニメーター体験のようなセル画制作体験、背景ドロー画体験、アフレコ体験など、アニメ制作企業やクリエイターと連携したワークショップ、さらに台湾を訪れた日本人観光客にも同様の体験を用意することで、単なる観光ではなく、文化体験にできます。子どもたちにとっては教育的な体験にもなりますし、アニメ産業を目指す若者にとっては職業体験にもなります。

 まずはアニメをテーマとしたイベントや体験企画を高校生年代が自ら考え、アニメ関係企業のプロと一緒に形にしていく中野区つながるアニメラボで、台湾を一つのテーマとして内容検討の項目に挙げていただきたいと思っておりますが、区の見解を伺います。

 ここまで進めば、友好協定に書かれているアニメをはじめとした文化芸術交流が具体的な産業、観光、人材交流へと発展していくのではないでしょうか。世界とアニメをつくる街中野、そして、中野と台北をつなぐ一つの物語を中野から生み出していくことを強く願い、この項の質問を終わります。

 最後に、転入した表現者を応援する「はじまりの街」中野について、伺います。

 先日の区長選挙で酒井直人区長が3期目の当選を果たし、中野区は引き続き子育て先進区の実現を中心軸に子どもたちが安心して育ち、保護者が安心して子育てできる環境づくりを進めています。ランク外からスタートして、現在は上位にランクインするまでになったことも含め、この政策や戦略は間違っていなかったと実感をしております。ですので、そろそろ子育てだけじゃないところも戦略的に底上げし、全体的に豊かにしていかなければなりません。

 高齢者や障害者福祉、経済対策や飲食店支援、文化芸術振興などがそれに当たります。その中から一つ、中野区には子育て政策と同じぐらい大切にすべき別の人づくりの財産があると考えています。それは夢を追って地方から上京してくる若者たちを受け入れ、育て、そして、全国へ羽ばたかせてきた「はじまりの街」としての歴史です。

 昔から芸人、俳優、落語家、ミュージシャン、漫画家、写真家、ダンサーなど、多くの表現者が集まってきました。特にお笑いの世界では、今でも若手にまずは中野に住めと勧めることがあると聞きます。

 カンニング竹山さんは、上京後、一時的に西荻窪に住んだものの、すぐに中野区へ移り、約20年間、中野区内で引っ越しをしながら下積み時代を過ごし、芸を磨いたそうです。

 元お笑いの方、我が会派の酒井たくや前議長も、1999年に上京して初めて住んだのは中野区野方一丁目だったそうです。

 また、狩野英孝さんは、上京して東中野駅近くに住み、アルバイトをしながら芸を磨き、現在では人気芸人となりました。

 スギちゃんも南海キャンディーズ山ちゃんも、そして、事故物件に住んでいたというカズレーザーさんも、竹山さんや狩野さんにとっても、中野は売れた街ではなく、始めた街、始まった街だったのです。

 また、1995年頃からはたけし軍団も中野新橋辺りに多く住まわれていたそうです。そして、おととい亡くなられたグレート義太夫さんの御冥福をお祈りします。

 中野区立なかの芸能小劇場は、1995年2月、地域における芸能の振興及び文化の向上をコンセプトに開館しました。その「げいしょう」や「TWL」といった小さな劇場・ライブスペースは、売れっ子芸人の下積み時代を語る際にも度々登場します。「げいしょう」で20年も続いているお笑いライブ「TEPPEN」は、今でも若手芸人の登竜門となっています。

 中野は単身世帯に優しい家賃、都心へのアクセス、そして、表現を磨く仲間や場所、そうした環境が自然と表現者を中野へ引き寄せたのかもしれません。例えば沖縄返還前の1970年に中野区がつくった沖縄郷土の家は、集団就職などで上京した沖縄の若者たちが心のよりどころや相談場所を持てるように中野区青少年課によって開設されました。今の中野駅周辺の沖縄文化は、この施設によって始まり、形成され、醸成され、沖縄料理店の集積やチャランケ祭、チャンプルーフェスタやエイサーまつりなどにつながっています。行政が現在その文化形成に深く関わっているわけではないと思いますが、行政がきっかけを与えたことでこのような文化が生まれることもあります。

 そして、中野に来た卵の人たち全ての人が成功するわけではありません。元お笑い芸人の新中野のつけ麺「澤神」や野方の油そば「六伍郎」の店主のように、中野で新たな夢ややりがいを見つけ、今もこの街で頑張っている人もいます。私はこの「はじまりの街」という価値は、偶然生まれたものであったとしても、中野区だけが持つ大きなブランドであり、未来へ引き継ぐべき文化的資産だと考えています。そして、これまで行政が十分に関わってこなかったことは非常にもったいないことだと思っています。

 先日、野方ではお笑い総選挙が開催されました。優勝した兄弟コンビ、旧姓田中のお二人、おめでとうございます。お笑い芸人の卵たちが街をPRしながら活動し、まさに「お笑いの街・野方」らしく、街と芸人の双方にメリットが生まれる取組です。一方、中野区も中野サンプラザ前でパフォーマーを募集し、活動の場を提供していますが、現状ではパフォーマーと街の双方にとってまだ十分な相乗効果を生み出せていないように感じます。

 そこで、東京で最初に選ばれる行政として中野を選んで上京する表現者の卵を支援しながら、同時に中野区が抱える様々な課題の解決にもつなげていくという視点から、以下、質問をいたします。

 我が会派では、ここ数週間で多くの区内団体様から課題などをヒアリングさせていただきましたが、中小企業、福祉、保育、清掃、飲食など、様々な分野で働き手不足、人材不足が深刻な課題となっているとのことでした。であれば、上京したばかりで働きたい表現者と中野で働き手を必要としている企業や店舗、この二つを結びつけることで、表現者支援であると同時に、産業振興、雇用対策にもなるのではと考えています。

 そこで、中野区表現者の卵データベースを構築し、かつて行政が運営していた「ぐっJOBなかの」とはまた違った、そこに登録した表現者と区内事業者をつなぐ「表現者の卵・ワークシステム」の構築ができないかを考えます。

 例えば「当日のシフト相談可」、「オーディション優先」、「まかないあり」、「店内に出演告知を掲示可能」といった、一般の求人サイトでは見えにくい表現者にとって働きやすい条件を可視化します。さらに区や商店街が表現者ウェルカム店として認定し、ステッカーなどを掲示できるようにします。店舗には夢を応援する店というブランド価値が生まれ、表現者にとっては働きながら夢が追える環境になります。また、表現者同士がシフトを融通し合うワークシェアや民間のスポットワークサービスとの連携も考えられます。

 重要なのは、飲食店などを単なるアルバイト先ではなく、その人の最初のファンに変えていくことです。まさに野方お笑い総選挙のように、店頭にライブや舞台のチラシを掲示し、店主や常連客が応援、その地域の人たちもその人を応援する。そのまま地域と連携したり、将来引っ越してしまっても、その人が成功したときにあの店は下積み時代にお世話になったと中野に戻ってくる。これは単なる雇用対策ではなく、人と人とのつながりを生み出す地域経済対策です。

 そこで伺います。「中野区表現者の卵・データベース」を構築し、商店街、産業団体、民間事業者と連携して、表現者の柔軟な就労ニーズと区内事業者の人手不足をつなぐ「表現者の卵・ワークシステム」を民間企業の協力の下で構築し、運営すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、これをシティプロモーションと連動させ、「表現者が最初に働く街・中野」として情報発信などをしてはいかがでしょうか、伺います。

 次に、空き家対策に関連して提案させていただきたいのが、若手表現者のためのコミュニティ型住宅です。イメージは、かつて漫画家の卵だった大御所たちが集まっていた、御存じ「トキワ荘」です。若手芸人、役者、漫画家、音楽家、クリエイターなどが比較的安価に住み、住まいと仲間と活動場所を一体として得られる仕組みです。

 空き家ではないですが、高齢者が1人で住んでいるような大きな家などを含め、区が所有者と民間事業者をつなぎ、一定期間、若手クリエイターが活用できる住宅として選定や空き家再生をします。さらに地域住民との交流や地域イベントなどへの出演などを組み合わせれば、地域コミュニティの活性化を同時に進めることができます。

 中野区の空き家対策などにおいて、若手表現者やクリエイターの活動拠点となるコミュニティ型住宅を民間と連携して創出することについて、区の考えを伺います。

 表現者を育てるという政策は、若者だけを対象にする必要はありません。中野区には豊かな人生経験を持つシニア世代が多く暮らしています。例えば表現者の卵データベースにシルバー枠を設け、60歳以上の区民が演じる側として舞台に立つ機会をつくります。コーチには表現者の卵にも参加していただきます。

 これは単なる趣味の講座ではなく、高齢者の生きがい、健康長寿、孤立防止、そして、若手表現者の仕事づくりにもつながります。若手とシニアが同じ舞台に立てば、中野ならではの新しい文化が生まれる可能性もあります。

 そこで伺います。高齢者を支えられる側と捉えるのではなく、地域の文化や課題解決の担い手と位置付け、シニア劇団や落語、演芸などの表現活動を支援してはいかがでしょうか。また、防犯啓発、区のPR、商店街イベントなどにシニア世代の表現力や人生経験を活用する仕組みを検討してはいかがでしょうか。

 転入してきた表現者が「表現者の卵・データベース」に登録し、区内のイベント、商店街、文化施設などで活動する機会が得られ、まず中野に住めば芸を磨ける舞台があるという環境をつくるのです。中野駅周辺エリアプラットフォームとも連携し、一定のルールと認定の下で選ばれた新人パフォーマーが公共空間や広場など、あらかじめ指定された中野区公認ストリートステージでパフォーマンスできる制度を設けてはいかがでしょうか。

 その舞台には宝仙寺や宗清寺など、年間を通して様々なイベントが行われている寺院の境内や本堂なども含めて検討してよいと思っています。制度は区がつくり、運営は当初中野駅周辺エリアプラットフォームなどと連携する形が考えられます。

 そして、最も重要なのが売れた後、あるいは夢が変わった後です。将来的には観光やシティプロモーション、ふるさと納税の返礼品制作やPRなどにも協力していただき、その成果を次世代の表現者支援につなげる、つまり中野で始める、中野で育つ、中野から羽ばたく、成功したら中野に恩返しする、次の若者を応援するという循環をつくるのです。

 また、夢を追う中で別の道を見つけた、ほかの仕事にやりがいを感じたという人には、元表現者の卵としてその経験を活かしながら引き続き中野で暮らし、地域を支えてもらうという発想もあってもよいのではと思います。

 一方、夢を追う人には華やかさの裏側には生活上の不安や孤立、孤独があります。個人事業主やフリーランスとして活動する表現者は、確定申告、契約、仕事上のトラブルなどを自ら抱えています。そこで、データベース登録者が区の相談窓口や行政書士会、税理士会などと連携し、税務、契約、仕事上のトラブルなどについて相談できる情報提供・相談体制を整えてはいかがでしょうか。

 これは夢を追うという理由で社会から孤立させないための仕組みです。子育て先進区として孤立する子育て家庭を支えてきた中野区だからこそ、次は夢を追う若者の孤立にも目を向けていただきたいと思います。

 中野区が一体的な表現者支援の仕組みを構築し、それをPRすることは、必ずや全国でも話題になるはずです。子育て先進区からさらに一歩進んで人を育てる先進区へ、そして、まちづくりがどんどん進むにつれて地価や住宅価格がどんどん上がっていく中でも、今まで以上に表現者の卵が「最初に選ぶ街・中野」へ発展させていただきたいところです。

 ワンルーム条例なども弊害となりそうではありますが、ドラクエのまだ強くなっていない勇者の卵たちが冒険を始めるような中野が持つ「はじまりの街」という、唯一無二の価値を行政の力でさらに磨き上げ、次の世代へ引き継いでいくことについて、区のお考えを伺い、全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 杉山議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、中野駅周辺の継続的なデータ取得に基づいたまちづくりについての御質問で、まちづくりの進捗に伴う回遊性向上の検証についてです。中野駅周辺まちづくりは、歩行者の回遊性の向上を目的としており、歩行者動線の変化を把握するために継続的に交通量調査を実施しております。今年度、西改札の開業後に交通量調査を実施する予定でございます。このデータと過年度調査データを比較することで、整備による変化を検証することを考えております。今後も交通量調査は継続的に行うこととしておりまして、実地調査に加え、スマホのデータ等のビッグデータの有用性についても研究をしてまいります。

 次に、ビル風の予測について。東京都環境影響評価条例に基づく環境アセスメント手続では、一定規模以上の建築物について、事前の風環境の予測に基づき環境の保全に関して必要な措置を行い、竣工後の事後評価に基づきさらに必要な措置を講じる制度となっております。制度に基づく風環境の影響評価は、一定の条件に基づく風の強さの予想でございます。現実的にはそれを上回る強風が吹く場合があります。建築後に強風が頻発するような場合は、建物所有者に対し情報を共有するとともに、必要に応じ対策を促していきたいと考えております。

 次に、中野区と台北市中山区を舞台としたアニメ制作についての御質問で、その可能性についてです。御提案の企画は、両地域の魅力を国内外に発信するシティプロモーションとして興味深く受け止めております。今後、中山区との交流を進める中で、区内のアニメ関連事業者などの意見を聞きながら、その可能性を探ってまいります。

 次に、アニメ作品の舞台を活かした観光振興についてです。アニメ作品が制作された場合、その舞台を観光資源として活用することは、インバウンド誘客や地域経済の活性化に加え、両地域の魅力発信や持続的な交流の促進にもつながると考えております。今後、両区の交流の進展を踏まえ、必要に応じて中野区観光協会や区内事業者、中山区の関係者などと連携をし、中野ツーリズムや台湾ツーリズムを含め、観光振興につながる取組を検討してまいります。

 最後に、つながるアニメラボにおける台湾の活用です。つながるアニメラボは、中高生年代がアニメに関する企画を考え、区内のアニメ関係企業とともに形にしていく取組であります。台湾をテーマの一つとすることは、アニメを通じて台湾の文化や魅力に触れ、中山区との交流を深める契機になると考えております。今後、中山区との交流の進展を踏まえ、参加者やアニメ関係企業の意見を聞きながら、企画の可能性を検討してまいります。

〔文化・産業振興担当部長吉沢健一登壇〕

○文化・産業振興担当部長(吉沢健一) 私からは、転入した表現者を応援する「はじまりの街」中野についての御質問にお答えいたします。

 初めに、表現者の就労支援とシティプロモーションについてです。区内事業者の人材確保は重要な課題であり、雇用就労支援は表現者に限定せず、幅広く取り組むべきものと考えております。このため、表現者に特化した仕組みを構築する考えはありませんが、コミュニティアプリを活用したマッチングの仕組みを検討しています。シティプロモーションでは、中野の文化的な魅力や多様な人材が活躍する街の姿について、効果的な情報発信に努めてまいります。

 次に、空き家等を活用した若手表現者の活動拠点についてです。若手の表現者やクリエイターの活動拠点として空き家等を活用することは、地域の魅力向上やコミュニティ活性化の観点から意義のある取組と認識しております。今後、文化芸術活動に空き家等を活用している事例を踏まえ、地域との交流を含め、区内での実現可能性を研究してまいります。

 次に、シニア世代の表現活動に対する支援について。豊かな経験や知識を持つシニア世代の表現活動は、生きがいづくりや世代間交流、地域の活性化につながるものであると認識しており、区としても活動機会の充実に取り組んでおります。まずはそうした活動を行っている団体等を把握し、防犯啓発や地域イベント、まちの魅力発信などにおいてシニア世代が表現力や経験を生かせる機会の創出に努めてまいります。

 次に、公認ストリートステージの実現可能性について。ストリートパフォーマンスはまちににぎわいや活気を生み出し、中野らしい魅力を育む取組の一つであると認識しております。公認ストリートステージの実施には、公共空間の活用や安全面への配慮、運営主体の在り方などについて、関係団体との連携が重要であると考えています。今後、中野駅周辺エリアプラットフォームなどの意見を踏まえ、実現可能性を検討してまいります。

 次に、表現者を支える相談体制について。表現活動を続ける中で生じる税務や契約、仕事上のトラブルについて、相談先の情報を得られることは重要であると認識しています。区では、税務相談など、複数の専門相談を実施しており、相談内容に応じて関係機関を案内しております。今後も行政書士会や税理士会などの関係機関と連携し、表現者を含む区民が適切な相談につながるよう努めてまいります。

 最後に、中野ならではの価値の継承について。中野の最大の財産である「人」には、文化芸術や創造的な活動を担う若者も含まれておりまして、その成長を支える環境づくりは重要であると認識しております。今後も文化芸術活動への支援や交流機会の充実を通じて、多様な人が育ち活躍する「つながる・はじまる・なかの」としての価値を高め、シティプロモーションに生かしながら次の世代へ引き継いでまいります。

○議長(森たかゆき) 以上で杉山司議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 武 井 まさき

 1 野方以西西武新宿線連続立体交差事業について

 2 区有施設の予約制度の柔軟化について

 3 防犯カメラ等の整備における地域団体の負担軽減について

 4 その他

 

○議長(森たかゆき) 次に、武井まさき議員。

〔武井まさき議員登壇〕

○3番(武井まさき) 令和8年第3回定例会におきまして、自由民主党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。

 まず野方以西西武新宿線連続立体交差事業について、伺います。

 8月27日、野方区民ホールにおいて、西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟による決起大会が開催されました。その中で酒井区長から「野方第1号踏切の除却については、中野区が事業主体となった連続立体交差事業として調査を進めることで関係者と合意に至った」との発言がありました。野方第1号踏切をはじめ、野方以西に残る踏切の除却は、交通渋滞の解消や踏切事故の防止、地域の安全性向上のためにも早期に実現すべき重要な課題です。

 これまで中野区では、東京都や西武鉄道など、関係機関と連携しながら野方以西の連続立体交差化に向けた検討を進めてきたものと認識しています。今回、野方第1号踏切の除却について、中野区が事業主体となった連続立体交差事業として調査を進める方向性が示されたことは、大きな前進であると考えます。

 そこで伺います。野方第1号踏切の除却について、中野区が事業主体となった連続立体交差事業として調査を進めることについて、今後どのような調査・検討を行っていくのでしょうか。また、今後の調査検討について、区としてどのようなスケジュールを考えているのか、伺います。

 次に、連続立体交差事業の構造形式について伺います。野方駅から井荻駅間の連続立体交差化については、これまで高架方式と地下方式の双方が検討されてきました。構造形式によって事業費、事業期間、用地取得、工事中の地域への影響、交通への影響などが大きく異なることから、今後のまちづくりを考える上でも早い段階で十分な比較検討を行うことが重要です。

 また、野方以西の連続立体交差化を1日も早く実現するためには、構造形式を決めるための調査・検討そのものをできるだけ早く進めていく必要があると考えます。特に地下化をする場合には、環状七号線と環七地下広域調節池の間にシールドトンネルを通すことが可能なのか、あるいは調節池の下を通すことになるのかなど、具体的な施工条件について検証する必要があると考えます。

 仮に環七地下広域調節池の下を通す場合、調節池は地下約40メートルに位置しているため、それよりさらに深い位置に線路や駅を整備することになれば、駅のホームも相当な深さになることが想定されます。都営大江戸線の東中野駅のホームが約38.8メートルの深さであることを考えても、利用者の利便性などへの影響も含め、十分な検証が必要だと考えます。

 そこで伺います。区としてこうした具体的な技術面や利用者の影響も含めた比較検証をいつ頃までに行い、構造形式の方向性を決定し、その結果を区民に示すことを考えているのでしょうか、伺います。

 次に、区有施設の予約制度の柔軟化について、伺います。

 本年5月から新しい区有施設の予約システムの運用が始まり、予約から支払いまでオンラインで手続できるようになるなど、利便性の向上が図られています。一方で、実際に利用する区民からは、新しい予約システムが使いにくいといった声も聞いています。例えばオンラインで予約しても、オンライン決済ではなく、現金で支払い、領収書を受け取りたい場合には、区民活動センターなどの窓口の営業時間内に支払いに行かなければなりません。夜間に施設を利用する団体にとっては、利用料を現金で支払うために日中に窓口へ出向く必要があります。オンライン決済やキャッシュレス決済の支払い状況の確認方法なども分かりやすく案内する必要があるのではないでしょうか。

 また、トップページではお知らせが最初に表示されるため、施設予約のページにたどり着くにはスクロールする必要があります。さらに施設の検索方法が6通りも用意されているため、初めて利用する方にとってはどこから検索すればよいのか分かりにくい構成になっているのではないでしょうか。

 オンラインで予約から決済まで完結できるこの予約システムは、区民にとって非常に便利なものだと思います。だからこそ実際に利用する区民の声を丁寧に聞きながら、より使いやすいシステムへと改善していただきたいと考えます。

 そこで伺います。新しい予約システムの導入後、予約方法や支払い方法、画面の操作方法などについて、区民や施設利用者からどのような意見・要望が寄せられているのか、区はどのように把握しているのでしょうか。また、こうした利用者の声を今後のシステム改修や運用改善にどのように反映していくのか、伺います。

 区長をはじめ理事者の皆様には、ぜひこの予約システムを実際に御利用していただいた上で御答弁いただきたいと思います。

 次に、施設の利用時間の区分について、伺います。現在、区民活動センターなどでは9時から12時、13時から17時、18時から22時というように、あらかじめ定められた時間枠で施設を利用する仕組みとなっています。しかし、実際の利用ではこの時間区分が必ずしも利用者のニーズと合っていない場合があります。

 例えば13時からイベントを開催する団体が準備に1時間必要な場合、13時からの利用枠だけでは準備ができないため、9時から12時の枠まで借りなければならないケースがあります。実際に必要なのは12時から13時までの1時間であるにもかかわらず、9時から12時の3時間を押さえることで、その時間帯に利用できたはずの別の団体が利用できなくなります。これは利用者にとっても負担であり、区としても施設を十分に有効活用できていないのではないでしょうか。

 例えば現在の固定された時間だけではなく、施設や部屋の特性に応じて12時から14時、あるいは1時間単位、2時間単位など、より柔軟な利用時間を設定することで利用者の選択肢が広がり、施設の利用向上にもつながると考えます。

 そこで伺います。区は現在の施設利用時間の区分について、利用者のニーズや施設の利用実態をどのように捉えているのでしょうか。また、区民活動センターなどについて、現在の固定的な時間枠にとらわれず、施設や時間帯に応じてより柔軟な利用時間を設定することを検討してはいかがでしょうか。お伺いいたします。

 さらに体育館などについても同じような課題があると考えます。例えば午前9時からイベントを開始する場合、準備のために7時から8時45分までの利用枠を確保しなければならない場合があります。しかし、準備だけのためにこの時間帯を借りるとなると、総合体育館などは利用料も比較的高額であり、利用者にとって大きな負担となります。また、朝7時からの時間帯をイベントの設営や準備だけに利用することは、施設の有効活用という点からも必ずしも効率的とはいえません。

 例えばイベント利用に限って朝8時から準備のために利用できる準備時間枠を設け、利用料金も1時間分とするなど、実際の利用実態に合わせた仕組みを検討してはいかがでしょうか。こうした柔軟な時間設定は利用者の負担軽減にもつながると考えますが、いかがでしょうか。お伺いします。

 また、健幸プラザについても、ほかの施設と同様に利用者の声を聞きながら、利用時間や運用方法をより利用しやすい仕組みに改善していくことを要望いたします。

 次に、防犯カメラ等の整備における地域団体の負担軽減について、お伺いいたします。

 先日、中野ブロードウェイにおいて高級腕時計が奪われる強盗事件が発生しました。この事件では、防犯カメラの映像が犯人の早期検挙につながるなど、防犯カメラが犯罪発生後の捜査において重要な役割を果たしていることが改めて示されたと考えています。また、防犯カメラは犯罪が発生した後の捜査に役立つだけではなく、設置されていること自体が犯罪を未然に防ぐ抑止力になるものと考えます。こうしたことからも地域の安全・安心を確保するためには、防犯カメラのさらなる整備を進めていくことが重要です。

 そこでまず現在の防犯カメラの設置状況について、お伺いいたします。現在、中野区内には区が設置している防犯カメラだけではなく、町会、自治会、商店街など、地域団体が設置している防犯カメラも数多く存在しています。区としてこうした地域団体が設置している防犯カメラについて、区内全体の設置状況をどのように把握しているのでしょうか。

 そこで伺います。区が把握している町会、自治会、商店街が設置している防犯カメラの台数を教えてください。また、前年度と比較して防犯カメラの設置台数にどの程度の増減があったのかを併せてお伺いいたします。

 以前、加藤議員の防犯カメラに関する質問の中で、警視庁が定める防犯カメラの目標台数についての議論がありました。こうした目標に対して、現在、中野区内にどの程度の防犯カメラが設置されているのかを区民に分かりやすく示していくことも、防犯意識を高め、犯罪抑止につながるものと考えます。

 次に、防犯カメラのさらなる設置促進について、お伺いいたします。現在、中野区では、町会、自治会等の地域団体に対して防犯設備の整備費用の助成をしています。一方で、実際に防犯カメラを設置する際には、補助金が交付されるまでの間、地域団体が設置費用を一旦全額支払う必要があります。例えば500万円の防犯カメラ設置事業であれば、最終的な自己負担額は補助制度によって大幅に軽減されるとしても、補助金が交付されるまでの間、地域団体が一時的に500万円を用意しなければならないことになります。

 町会や商店街にとってこの一時的な資金負担は決して小さいものではなく、実際に地域団体からもこうした立替払いが負担となっているとの声を聞いています。つまり現在の制度は最終的な負担額が問題なのではなく、補助金を受けるまでの一時的な資金負担が防犯カメラの設置を進める上での障壁になっているものと考えます。

 中野区では、町会・自治会公益活動推進助成制度で概算払いを導入しています。また、生ごみ処理機やコンポストでは、区が販売業者と協定を結び、割安で購入できるあっせん制度を実施しています。さらに北区では、防犯カメラの補助金について受領委任払いを導入し、地域団体は自己負担分のみを業者に支払い、補助金は区から業者へ直接支払う仕組みとなっています。

 そこでお伺いいたします。防犯カメラの助成制度について、概算払い、一括購入、あっせん、北区のような受領委任払いなど、地域団体が設置費用を全額立て替える必要のない仕組みを導入し、より利用しやすい制度に見直すべきと考えますが、区の見解をお伺いします。

 防犯カメラの設置を促進するためにも補助率だけではなく、地域団体が実際に利用しやすい制度となるよう制度の改善を求めます。

 そして、最後に、先ほど我が会派の大内議員からも大雨対策について触れさせていただきましたが、私からも6月6日の深夜の大雨の対応について、触れさせていただきます。

 当日は善福寺川の水位が警戒レベル4となり、神田川についても警戒が必要な水位となる中、区では担当の職員の皆様が役所に泊まり込み、警戒対応に当たられたと伺っております。さらに昨日も再び善福寺川に警戒レベル4が発令され、深夜に至るまで待機して警戒に当たってくださった職員の方々がいらっしゃると伺っています。区民の生命と安全を守るために、昼夜を問わず、御対応に当たっていただいた職員の皆様に心から感謝を申し上げます。

 以上で私の一般質問を終了させていただきます。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 武井議員の御質問にお答えいたします。

 私からは野方以西西武新宿線連続立体交差事業についての御質問にお答えいたします。

 初めに、今後の調査・検討等の考えについてでございます。このたび東京都が事業主体となる野方駅から井荻駅付近及び中野区が事業主体となる野方第1号踏切等を除却する野方駅付近の連続立体交差事業の調査を一体的に行うことについて、東京都、中野区、西武鉄道株式会社の三者で合意をし、協定を締結いたしました。今回の調査では、事業費、事業期間、構造形式、施工方法等の検討を令和10年3月までに行うものとしております。

 次に、構造形式の検討についてです。調査においては、構造形式についても検討を深めてまいります。結果は都市計画素案の説明会の際に御提示をさせていただきます。今後も地域住民に適切に周知を図りながら、都と区が一体となって野方以西の連続立体交差化の早期事業化を目指してまいります。

〔地域支えあい推進部長滝瀬裕之登壇〕

○地域支えあい推進部長(滝瀬裕之) 私からは区有施設の予約制度の柔軟化についての御質問で、まず施設予約システムに関する利用者からの声について、お答え申し上げます。

予約や支払い、操作に関する意見・要望は、様々な媒体を通じて把握してございます。昨年11月の利用者登録、本年2月の予約申請の開始当初は、基本的な操作に関する問合せが多かったところでございます。また、本年5月の利用開始以降は、抽選申込みなどの仕組みや手続に関する質問が中心となっており、こうした声を踏まえ、利用者ガイドの改定やシステムの設定変更など、随時、運用改善を行っております。引き続き、分かりやすい周知に取り組むとともに、改修については必要性や優先度、経費等を精査し、より使いやすいシステムとなるよう検討してまいります。

 続きまして、区民活動センターの利用実態及び柔軟な時間設定についてでございます。区民活動センターの利用時間につきましては、各施設の利用状況や利用者から寄せられる意見・要望などを通じて利用実態の把握に努めてございます。現時点では、区では利用時間区分の変更を求める具体的な要望は把握していないところでございます。利用時間区分変更に当たりましては、利用者のニーズや利用者の合意形成のほか、施設の管理運営、予約システムへの影響などを総合的に勘案する必要があると考えております。今後もこうした観点と合わせながら、施設ごとの利用実態や課題を踏まえ、施設の特性や時間帯に応じた柔軟な利用時間の設定について、研究してまいります。

〔健康福祉部長杉本兼太郎登壇〕

○健康福祉部長(杉本兼太郎) 私からは、区有施設の予約制度の柔軟化についての御質問のうち、総合体育館における準備時間の設定について、お答えいたします。条例で定める総合体育館の利用の単位時間については、1単位当たりでのスポーツ利用に係る標準的な時間を考慮し、おおむね2時間としています。特に総合体育館は、館内の複数の施設が組み合わせて利用される場合も多いことから、

単位時間については統一することが望ましいと考えています。一方で、早朝の時間帯において1時間単位での利用希望もあることから、利用者の声を聞きながら、より利便性の高い単位時間の在り方についても検討してまいります。

〔防災危機管理担当部長千田真史登壇〕

○防災危機管理担当部長(千田真史) 私からは防犯カメラ等の整備における地域団体の負担軽減についての御質問にお答えいたします。

 区の補助を受けて設置された防犯カメラの台数は、令和7年度末で900台を超えており、今年度も40台以上が増設される見込みです。現在の防犯カメラ設置助成は、地域団体が全額を支払った後に区が補助金を交付する運用をしており、一時的な資金負担が設置に踏み切れない要因の一つになっていると考えております。概算払いを行うことで、支払いの際に補助金を充当することが可能となり、地域団体の負担軽減につながることから、今後、補助金の交付手続として概算払いを行う方向で検討を進めてまいります。

○議長(森たかゆき) 以上で武井まさき議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 いのつめ 正太

 1 選ばれ続ける職場づくりについて

  (1)若手職員の定着について

  (2)健康経営について

  (3)職員体制について

  (4)その他

 2 デジタル政策について

  (1)生成AIの利活用について

  (2)政策立案DXについて

  (3)その他

 3 住宅政策について

  (1)住み替え支援について

  (2)空き家対策について

  (3)その他

 4 その他

 

○議長(森たかゆき) 次に、いのつめ正太議員。

〔いのつめ正太議員登壇〕

○12番(いのつめ正太) 令和8年第3回定例会に当たり、立憲・国民・ネット・無所属議員団の立場から一般質問を行います。質問は通告どおりで、その他はございません。

 最初に、1、選ばれ続ける職場づくりについて、伺います。

 日本全体において人口減少の局面を迎え、人材獲得の競争や人材の流動がさらに激化する中で区民サービスを維持・向上していくためには、人材マネジメントが必要不可欠です。中野区では新庁舎移転を契機に職員の働き方改革やワーク・ライフ・バランスの推進などの取組が進み、年次有給休暇、育児休暇の取得率向上をはじめとした成果が出てまいりました。また、中野区人材育成総合プランが策定され、「選ばれる・成長できる・活躍できる」職場づくりを目指し、今年度よりさらなる取組を進めているところです。こうした区の課題認識、また、姿勢を評価いたします。

 一方で、自己都合退職者数の増加、平均在職年数の低下は止まらず、職員の定着にはいまだ課題が散見される状況です。人材確保の先にある定着の観点、すなわち選ばれ続ける職場づくりについて、人材マネジメントも次のステップへと進める必要があります。

 (1)若手職員の定着について。

 総務省の「社会の変革に対応した地方公務員制度のあり方に関する検討会」では、入庁後のギャップ、特に入庁前の期待値と初期配属とのミスマッチが大きな課題として挙げられました。配属はどこに配置するかという職員配置の問題だけではなく、この職員をどう育てるかという人材育成のスタート地点です。

 一方で、採用時に描いていた仕事と実際の配属先との間にギャップが生じることや必ずしも本人の希望どおりに配属されないことは、組織である以上、やむを得ない部分もあります。だからこそ重要なのは、ミスマッチをゼロにすることだけではなく、ミスマッチが生じた際に職員がキャリアを軌道修正できる仕組みではないでしょうか。

 新人サポーター制度やOJTによる早期のフォローアップと並行して、庁内公募による期間限定の業務経験、庁内副業、短期派遣など、現在の所属に在籍しながら新たな分野に挑戦できる機会を設けることは、職員自身が自分は何がしたいのか、どのような仕事が向いているのか、再発見することにもつながります。こうした職員自身による主体的なキャリア形成に資する仕組みを今後の人材育成の中に位置付けていくべきと考えますが、区の見解を伺います。

 また、自治体職員には幅広い行政経験を積むことも求められます。中野区においても新規採用から10年目までの職員については、3~5年を基本に異なる部門の職務を経験するジョブローテーション型のゼネラリスト育成が主流です。しかし、DXや財政管理など、高度な専門性が求められる昨今、時代とのギャップも拡大する中で一定期間ごとに一律に異動することが必ずしも全ての職員にとって最適な育成方法とは限りません。職員の適正や専門性、本人のキャリア希望を踏まえ、ローテーションの期間や異動の在り方を柔軟に見直すことも必要ではないでしょうか。

 既にエキスパート職員認定制度がスタートし、キャリアの選択肢は広がってきたところですが、もう一歩踏み込んでゼネラリストの育成に限定しないジョブローテーションの仕組み及びゼネラリスト・スペシャリストの一層の複線化に取り組んではいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 (2)健康経営について。

 本年8月に健康経営宣言が行われ、中野区が目指す健康経営の在り方が示されました。中野の最大の財産である人、すなわち職員がパフォーマンスを最大限発揮するために、職員の健康づくりとそれを取り巻く環境づくりの双方向からの取組が求められています。特に病気休職者数が増加傾向にある中で、健康面での課題についても早急な分析と対応が必要です。

 先日、豊島区保健所に設置された「わたしメンテラボ」を視察させていただきました。楽しみながら自ら健康状態を把握できる健康チェック拠点として、平日のお昼でも多くの区民の方でにぎわっており、何よりも継続的に利用される方が多いということが印象的でした。

 中野区においても職員向けに健康チェック拠点を設置されるとのことですが、継続的に活用してもらうための動機付けとモチベーション維持の視点を盛り込んではいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 また、身体のみならず、心の健康、メンタルヘルスに関しても相談の強化が示されました。未然防止、早期発見、早期対応のためにも必要な取組であり、今回の拡充を歓迎いたします。一方で、環境の変化によってストレスリスクの高い新規採用職員は全員を対象としているのに対して、同じく高ストレスリスクが懸念される新任管理職については、希望者のみを対象としています。特に未然防止のためにも本人が自覚できていない段階から早期のアプローチが肝要です。

 新任管理職や係長級をはじめ、ストレスリスクの高い職員に関しては、希望者に限らず相談の対象とするなど、メンタルヘルス対策の強化を進めるべきと考えますが、区の見解を伺います。

 (3)職員体制について。

 人材確保の困難化や世代交代が進む中、職員一人ひとりが培ってきた知識や経験をいかに組織として継承していくかも重要です。行政実務ではマニュアルに書かれた手順だけではなく、経験の中で培われた判断の勘どころ、いわゆる暗黙知があります。こうした知見が個人に依存することで、異動や退職とともに失われてしまうことは、区としても大きな損失です。

 神奈川県横須賀市では、令和7年度から令和8年度にかけて会計課への庁内問合せを対象に電話対応を録音し、生成AIを活用して文字起こしを行った上で、職員が問合せに答える際の判断ポイントや切り分け、解決方法といった暗黙知をナレッジとして可視化する実証実験を行いました。整理されたナレッジの一部はFAQ化され、職員向けチャットボットにも取り込まれるなど、日常的に活用をされています。

 中野区人材育成総合プランにおいても「技術継承の強化」が掲げられていますが、従来型の継承に加えて、こうした職員の持つ知見を組織として蓄積・共有するナレッジマネジメントの視点が必要です。生成AIなどのデジタル技術も活用しながら、日々の業務や問合せ対応の中にある暗黙知を可視化し、組織として蓄積・共有する仕組みを構築してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 ここまで職員の配置については、ジョブローテーションなど、組織側から職員を配置する仕組みについて、伺ってまいりました。一方で、職員一人ひとりが持つ経験やスキル、また、こうした仕事に挑戦したいという意欲を組織の中で活かしていく視点も重要です。

 例えば群馬県伊勢崎市では、iマッチングという取組を進めています。各部署が求める人材と能力を発揮したい職員をマッチングするもので、庁内公募型の人事異動のほか、所属部署に籍を置いたまま他部署の業務やプロジェクトに参加できる仕組みも設けています。

 中野区においても職員のスキルや経験、挑戦したい業務と庁内の人材のニーズをマッチングし、自ら手を挙げて新たな仕事に挑戦できる庁内人材マッチングの仕組みを発展させてはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 最後に、職員定数管理について、伺います。

 中野区では、令和4年に職員定数の上限を2,100人とし、定数管理に取り組まれてきたところですが、行政需要の高まりによる業務量の増加や働き方の変化など、周辺環境は大きく移り変わっています。特に業務量の増加は著しく、DX推進等による業務効率化をもってしてもマンパワーの不足は補い切れておりません。

 さらに先般の総務委員会での報告にもあるとおり、年次有給休暇、育児休暇の取得率と反比例する形で職員一人当たりの総労働時間は減少の一途をたどっております。また、例えば育児休暇取得後の部分休業を利用する職員も、ほかの職員と変わらず1人とカウントされるなど、現在の定数管理の考え方においては、ワーク・ライフ・バランスの充実とは二律背反の様相を呈し、同じ定数でも総合的なマンパワーはむしろ減少しているとさえ言える状況です。

 職員の多様な働き方を推進する上では、一部の部署や職員への負担集中といった副作用への対応をするためにも、並行して弾力的な職員配置を検討すべきと考えます。今後、現状分析の結果を踏まえつつ、必要であれば定数上限増を含めた定数管理の考え方を整理・検討してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 2、デジタル政策について。

 (1)生成AIの利活用について。

 中野区では、300の有料ライセンスを含めたMicrosoft365Copilotを中心に生成AIの利活用を進めてきました。これまでの効果検証で作業時間の削減をはじめ、具体的な成果が確認されたほか、会議後の議事整理やタスク管理、メールの要約、文書の作成・要約、データ分析など、さらに応用的な活用ができることも示唆されました。

 こうした新たな活用可能性を発展させるためにも、手挙げ以外のユーザーへ対象を拡大するなど、さらなる利用促進を進めるべきと考えます。有料ライセンスの拡充を含め、来年度予算に向けた生成AIのさらなる利活用について、区の考えを伺います。

 一方で、生成AIを職員が必要に応じて個別に利用するだけでは、その効果は職員個人のスキルや利用頻度に左右されます。今後さらに活用を進めるのであれば、生成AIを単純な便利ツールとして配付する段階から、そもそもの業務の進め方に生成AIを組み込む段階へと進化が必要です。

 世田谷区の事例では、庁内で構築した生成AI基盤に議事録作成やQ&A生成など、具体的な業務に応じた機能をあらかじめ組み込み、職員がTeams上で簡単に利用できる仕組みを構築しています。さらに令和8年度よりDXロードマップにおいても生成AIの業務フローへの組み込み等による効率化や高度化を明確に位置付けています。

 中野区においても議事録作成、庁内問合せへの対応、文書作成、審査、情報整理など、生成AIとの親和性が高い業務を特定した上で業務フローそのものの見直しと並行し、生成AIを組み込んではいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 利活用の推進に当たり、利用する職員が増えれば、それだけ生成AIの特性を十分に理解しないまま利用することによるリスクも高まります。特に行政においては、個人情報や機密情報を扱う機会が多く、入力してはいけない情報を入力してしまうことは、生成AIの利便性とは別に区として看過できないリスクであると考えます。

 杉並区では、生成AIの試行導入に際して個人情報、機密情報を取り扱わないことや入力データが学習に利用されない仕組み、個人情報の入力を制御する機能を導入条件としています。

 中野区においても利用範囲を拡大していく中で何を入力してよいのか、何を入力してはいけないのか、職員が迷わず判断できる具体的なガイドラインやルールの整備、周知をさらに進める必要があると考えますが、区の見解を伺います。

 併せて、万が一、個人情報を誤って入力してしまった場合や生成AIが作成した誤情報を基に業務を進めてしまった場合など、実際に事故やインシデントが発生した際の報告、利用停止、事実確認、再発防止までの対応手順をあらかじめ明確にしておくことも重要です。従前のガイドラインに加え、事故が起きたときに速やかに被害を抑え、次の事故を防ぐ仕組みを含むガバナンスが必要と考えますが、区の取組を伺います。

 さらにこうしたルールをつくるだけでは、職員一人ひとりが適切に判断できるとは限りません。東京都では生成AIの仕組み、ハルシネーションやバイアス、個人情報・著作権などの注意点、効果的な活用方法を体系的に学ぶリテラシー教材を整備しています。

 中野区においても単に利用上の注意事項を周知するだけではなく、実際の業務を想定したケーススタディ型の研修やAIを使ってはいけないケースを職員が実践的に学ぶリテラシー教育を進めるべきと考えます。生成AIのリスク管理、そして、職員のリテラシー向上を一体的に進めるためにも実践的なリテラシー教育など、安全に使いこなすための仕組みを構築してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 (2)政策立案DXについて。

 これまで区ではタウンミーティングやパブリック・コメント、区民からの意見・要望など、様々な手法によって区民の声を把握してきました。一方で、以前の一般質問でも確認したとおり、寄せられた区民の声は事業ごと、部署ごとにアナログ的な手法によって管理されているのが実情であります。

 区民の声を単に記録するだけではなく、政策立案に活用できるデータとして蓄積・整理することで、例えばどの地域からどのような意見がどの時期に多く寄せられているのかといった傾向を把握することも可能となります。今後、区民の声を政策立案に活用できる行政データとして整備していく考えについて、区の考えを伺います。

 また、生成AIは文書作成や要約にとどまらず、膨大な行政データや区民の声を整理・分類し、複数の課題や意見の関連性を発見するなど、政策立案を支援するツールとして活用できる可能性があります。当然、生成AIの出力をそのまま政策判断に用いるのではなく、最終的な判断は職員が担うことを前提とした上で、生成AIを活用した政策立案の高度化について、区の考えを伺います。

 ここまで区民の声や行政データを収集し、分析し、生成AIなども活用しながら、政策立案につなげるという一連の流れについて、伺ってまいりました。その先にあるのが、「課題が発生してから対処する行政」から、「データを基に課題を予測し、先回りして対応する行政」への転換です。

 例えば人口動態や出生数、要介護認定者、空き家、災害リスクなど、行政が保有する様々なデータを組み合わせることで、将来的な行政需要を予測し、必要となる施策やリソースをあらかじめ準備することができます。限られた財源と人的資源の中で行政サービスを維持・向上させるためにも、これまでのEBPMをさらに一歩進め、データ分析やAIを活用した予測型行政・先回り型行政を中野区として目指してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 3、住宅政策について。

 (1)住み替え支援について。

 これまで中野区は子育て先進区を目指し、子育て世帯向けの政策に重点的に取り組んできましたが、未就学児を含む0歳から9歳年代、子育て世帯を含む30代から40代の転出超過はいまだ改善されておりません。全世代の転出理由でいずれも首位は住環境であることから、状況を打開するために住宅政策によるアプローチは必要不可欠と考えます。

 まず単純な分析として、該当の世代はライフステージの変化に伴う住み替え時に転出をしています。家賃などの諸問題もありますが、まずは住宅ストックの母数をいかにして増やすか、ファミリータイプの住宅ストックをどのようにして確保していくかが喫緊の課題です。

 東京都はこれまでの間、子育て世帯等を対象としたアフォーダブル住宅の供給や既存住宅を活用したリノベーションによる住宅供給、東京こどもすくすく住宅の整備など、住宅そのものの供給を促進する施策を進めてきました。

 一方で、いずれの取組も地域格差があり、中野区内の実績はアフォーダブル住宅・リノベーションによる住宅供給はなし、中野区内の東京こどもすくすく住宅は全1万1,657戸のうち229戸という状況です。特に区内の実績がなしとなっている2事業について実効性を高めるための改善、地域格差の是正が必要と考えますが、まずは他区との情報交換などを進め、基礎自治体で連携の下、都へ対応を求めてはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 また、東京こどもすくすく住宅については、一定の実績もあることから、さらに認定戸数を増やすためにも区独自の上乗せ補助など、区として実施できる住宅ストック確保の後押し策を検討してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 また、住宅政策を考える上では、住宅を新たに供給するとともに、既に区内に存在する住宅ストックを区民のライフステージや世帯構成の変化に応じて適切に循環させていくことも重要です。中野区では住宅確保要配慮者支援事業を通じて独自の住み替え支援を行っていますが、中間所得層以上の子育て世帯にはリーチできておりません。

 以前御紹介したとおり、子育て世帯向けの近居・同居助成や住み替え支援などの他区事例もあります。中野区においても住宅循環の視点をもって中間所得層以上の子育て世帯へ支援を拡充すべきと考えますが、区の見解を伺います。併せて、検討に当たっては、子育て世帯ら当事者の声を十分に捉えるよう求めますが、区の見解を伺います。

 (2)空き家対策について。

 今年度実施された空き家等実態調査を通じて、空き家についての現状把握・管理は大きく前に進んだ一方、空き家の予防、利活用の推進に関しては、具体的な施策を打ち出していない状況です。

 まず予防の観点では、先般の建設委員会で報告されたとおり、総合的かつ気軽に相談できる体制が求められているところですが、現在、相談体制は東京都の制度に一本化しています。今後、相談窓口の充実、施工業者や管理代行の紹介、借り手とのマッチングなど、体制整備に関しては、引き続き都の制度に任せるのか、区独自として対応するのか、区の見解を伺います。

 また、空き家を発生させないためには、所有者の方に状況の変化があり、家から空き家予備軍となるタイミングを逃さず察知する必要があります。既に中野区空家等対策審議会の構成員として、町会連合会、民生児童委員など、地域の高齢者と日頃から密接に関わる方々に参画頂いていますが、そういった方々に協力を求めるなど、空き家となる前に区が状況を把握し、アプローチができるような連携体制を構築してはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 今回の実態調査では、空き家に関する意向確認にとどまっていますが、現在の中野区空家等対策基本計画においても使用可能な空き家を住宅ストックとして活用するなど、利活用の方向性が示されています。現在の計画が作成された時点から家賃の上昇や住宅の供給不全はより深刻化しており、利活用の推進はさらに重要性を増してきました。

 また、大田区では空き家の所有者と利用希望者をそれぞれ登録し、行政が双方をマッチングすることで地域交流、福祉、子育てなどの公益目的での活用を進めており、単なる住宅ストックにとどまらない利活用の可能性が示されています。

 こうした事例や中野区の地域特性に応じた独自の活用可能性を研究した上で、次期計画においては方向性にとどまらず、具体の施策と紐づけながら空き家の利活用についてより明確に位置付けてはいかがでしょうか。区の見解を伺います。

 伺って、全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) いのつめ議員の御質問にお答えいたします。

 私からは、選ばれ続ける職場づくりについての御質問で、初めに、職員のキャリア形成についてです。職員一人ひとりが持てる能力を十分に発揮し活躍し続けていくためには、自らのキャリア形成を意識し、成長につなげる機会を創出することが重要だと考えております。区では、選ばれる・成長できる・活躍できる職場づくりに向けた施策を展開しておりまして、挑戦を応援する施策としてプロジェクトチームやタスクフォースの活用を推進しているところであります。職員のエンゲージメント向上に向け、出勤時間内に他所属の業務に従事できる制度の検討など、職員の主体的な挑戦を後押しし、柔軟で活力ある組織体制の構築に取り組んでまいります。

 次に、多様なキャリア形成の支援についてです。新規採用職員については、幅広い視野や能力の向上を図るため、入区後、ジョブローテーションを基本としつつ、職務意向や業務適正、キャリア志向を踏まえた配置に努めております。また、エキスパート職員制度等、本人が選択したキャリアや希望を尊重した人事異動・配置を行う仕組みを運用しているところであります。定期的に実施しているキャリアデザイン研修などの場を活用し、職員一人ひとりのキャリアを尊重する人事政策を引き続き推進をしてまいります。

 次に、健康チェック拠点を継続的に活用する取組についてです。職員の健康維持増進を進めるためには、職員一人ひとりが自己の健康に目を向け、気軽に取り組める方策が重要であると考えております。健康チェック拠点(通称H-BASE)は、職員自らが定期的に測定を行うことで自身の健康状態を把握し、健康づくりへの意識を高めるきっかけとなるものであります。職員が測定結果を健康づくりに生かし、自らの健康状態の変化を継続的に把握できるよう、効果的な仕組みづくりについて、検討を進めてまいります。

 次に、メンタルヘルス対策の充実についてです。職員が心身ともに健康でいきいきと働き続けるためには、安心して相談できるメンタルヘルス相談体制の充実を図っていくことが重要であると考えております。今年度は新規採用職員を対象とした保健師による悉皆面談を新たに実施し、一人ひとりの心身の状況把握や心理的安全性の確保につながる取組の強化を図っております。今後は係長や課長への昇格に伴い部下の育成や組織マネジメントなど、新たな職責を担う職員についても心理的な不安や負担の軽減につながる取組の検討を進めてまいります。

 次に、デジタル技術を活用した技術継承の強化についてです。職員が培った知識や経験を蓄積・共有し、活用しながら技術継承していくことは、安定した区民サービスを提供していく上で重要だと考えております。区では、マニュアル整備やOJTに加え、庁内コミュニケーションツール等を活用した情報共有を進めておりますが、今後は生成AIなどのデジタル技術の活用可能性も踏まえながら、職員の知見を組織的に蓄積・共有する仕組みも検討してまいります。

 次に、職員のスキルと職務をマッチングする仕組みについてです。職員一人ひとりが有する知識、経験、専門性を生かし、多様な業務やプロジェクトに参画する機会を創出することは、モチベーションの向上や成長の促進に加え、組織横断的な連携強化や新たな価値創出にもつながると認識をしております。区では専門知識や職務に強い意欲を有する職員を公募する異動制度を実施しているほか、庁内外での挑戦を応援する人事政策の充実を図っているところでありまして、他自治体の事例も参考としながら多様な人材が活躍できる組織づくりを検討してまいります。

 最後に、定数管理の考え方についてです。区民サービスを安定的に提供し続けるためには、職員のワーク・ライフ・バランスの推進による休暇・休業制度の活用に加え、一部の職場における長時間労働の常態化や病気休職者の増加などの課題に的確に対応していく必要があると考えております。エンゲージメントの高い職場づくりの推進に向け、行財政の持続可能性を考慮しつつ、職員の多様な働き方に応じた弾力的かつ冗長性のある定数管理の考え方を整理・検討してまいります。

〔DX推進室長中谷博登壇〕

○DX推進室長(中谷博) 私からはデジタル政策についての御質問のうち、生成AIの利活用についてで、まず、来年度予算に向けた生成AIの利活用についてでございます。

Microsoft365Copilotの有料ライセンスについては、本年6月からより多くの職員を対象に順次試用を実施しており、文書作成やデータ分析など、実際の業務における有用性や効率化の効果や課題を検証しているところでございます。こうした効果検証の結果を踏まえ、来年度に向け有料ライセンスの拡充を含め効果的な導入の在り方や活用方策を検討してまいります。

 次に、生成AIの業務フローへの組み込みについてでございます。中野区DX推進計画に基づき、具体的なBPRの取組をカリキュラムに含む実践型の研修などを通じて各所管課における業務フローの見直しを進めるとともに、その解決手段の一つとして、生成AIを含むデジタル技術の活用を支援してございます。今後は生成AIと親和性が高い業務について活用を進めるとともに、ナレッジ集の整備や活用事例の共有など、生成AIを業務に組み込みやすい環境づくりを進めてまいります。

 次に、生成AIガイドラインの整備と周知についてでございます。生成AIの活用に当たり、利用可能なサービスや入力してはならない情報、生成された内容を職員自ら確認することなどを中野区生成AI活用ガイドラインに定め、職員に周知をしてございます。今後は国が示した自治体向けガイドラインの内容も踏まえ、実際の利用場面に即して留意点をより分かりやすく整理するとともに、職員への周知を徹底してまいります。

 次に、生成AIに関する事故発生時のガバナンスについてでございます。生成AIの利用に伴うインシデントが発生した場合には、情報安全対策基準に基づいて速やかに所定の報告を行い、関係部署が連携して被害拡大の防止や原因の究明、再発防止に対応することとしてございます。今後は国が示したリスク事案への対応方法等も参考にして、生成AIに関する事故の対応手順を整理していきたいと考えてございます。

 最後に、職員の生成AIに関するリテラシーの向上についてでございます。生成AIの利活用を進めるためには、職員がその仕組みやリスクを理解し、適切に活用できる力を身につけることが重要でございます。今後は具体的な事例を用いた実践的な検証を行うなど、職員の生成AIに関するリテラシーの向上を進めてまいります。

〔企画部長岩浅英樹登壇〕

○企画部長(岩浅英樹) 私からはデジタル政策についての御質問のうち、政策立案DXについて、初めに、区民の声の効果的な活用についてお答えいたします。

 現在、区民の声は一元的に集約をしているものの、その活用は主に個別の事案への対応や所管部署での検討が中心となっております。今後はデジタル技術の活用を視野に入れながら、区民の意見をより効果的に蓄積・分析し、政策立案に生かせるよう全庁的な活用を見据えた意見集約の在り方について、検討をしてまいります。

 次に、生成AIの活用とEBPMの高度化についてでございます。生成AIの活用により、多様なデータや知見を踏まえた分析・検討の充実を図ることで、政策立案の質の向上につなげることができるものと認識をしております。課題の早期把握や将来予測に基づく予測型・先回り型の行政運営の実現に向けて、政策立案に寄与するエビデンスの蓄積や分析を進めるとともに、政策形成や施策の検証を進めるなど、データ分析や生成AIを活用したEBPMの高度化について、検討を進めてまいりたいと考えております。

〔都市基盤部長浅川靖登壇〕

○都市基盤部長(浅川靖) 私からは住宅政策についての御質問にお答えいたします。

 まず住み替え支援についてで、子育て世帯向け住宅供給の地域格差への対応についてでございます。こうした地域ごとの供給格差は、住宅市場や住宅ストックの状況等が影響していると認識してございます。一方で、子育て世帯が希望する地域で住まいを確保しやすい環境を整備していくことは重要であると考えてございます。他区と共通する課題について連携して対応していくことはもちろん、中野区内にこうした住宅が供給されるよう、区として東京都に積極的に求めてまいります。

 次に、子育て世帯向け住宅を増やすための支援についてでございます。区としても子育て世帯が安心して住み続けられる住環境の確保は重要であると考えてございます。東京こどもすくすく住宅は、都の施策ではございますが、その認定戸数の拡大については、区独自の支援策も織り交ぜながら検討してまいります。

 続きまして、子育て世帯に向けた住宅支援の充実についてでございます。子育て世帯が世帯構成や子どもの成長等、ライフステージの変化に応じた住まいを確保できる環境を区として整えることは重要であると認識しております。今後、中間所得層を含む子育て世帯がライフステージに応じて円滑に住み替えを行いながら中野区に住み続けられるよう、住宅循環の視点を取り入れた支援策について、他自治体の取組を参考にしつつ、検討しているところでございます。

 次に、子育て世帯のニーズ把握についてでございます。子育て世帯の定住促進や住環境の充実を図る上で当事者の声を把握することは重要であると認識してございます。区では庁内関係部署が連携し、各種調査や意見聴取の機会及びその結果等を共有しながら、子育て世帯の住環境に関するニーズや課題の把握に努めているところでございまして、引き続き把握に努めてまいります。

 続きまして、空き家対策についてで、まず空き家の相談体制についてでございます。

区では空き家対策を推進するため、専門団体等との協定締結を進め、相談対応や情報提供の体制整備に取り組んでおります。今後の空き家に関する相談体制につきましては、東京都空き家ワンストップ相談窓口を活用しながらも、区の地域事情や課題を踏まえまして協定締結団体と連携し、支援をさらに充実してまいります。

 次に、空き家を発生させない連携体制についてでございます。空き家の未然防止には所有者等の状況変化を早期に把握し、空き家となる前の段階で適切な支援につなげることが重要であると認識してございます。そのためには町会連合会や民生児童委員等、高齢者を日頃から見守る地域の関係者と協力していくことが必要でございます。それとともに福祉部門等による高齢者への支援と連携したアプローチとも連携するなどして、空き家の未然防止に向けた連携体制の構築を検討してまいります。

 最後に、空き家利活用の方向性についてでございます。空き家を住宅ストックとして捉えるだけでなく、様々な地域課題の解決に資する資源として利活用していく視点も重要だと認識してございます。審議会の答申も踏まえながら、公益目的に資する空き家の利活用に向け活動を行っている団体等との連携のあり方等についても計画の中で示してまいります。

〔いのつめ正太議員登壇〕

○12番(いのつめ正太) 空き家対策について、1点、再質問させていただきます。相談体制の今後の考えについて、引き続き都に任せるのか、区独自として対応するのかについてのお答えの中で、都に任せつつ既存の支援の充実というような答えでしたが、相談窓口は空き家の実態調査をするに当たって都のほうに一本化をした背景があって、区独自の相談窓口としてはなくした背景がある中で、今後どうしていくのかというふうに聞いておりますので、支援の充実ではなく、窓口をどうするかについて、お答えください。

〔都市基盤部長浅川靖登壇〕

○都市基盤部長(浅川靖) 再質問にお答えいたします。東京都のワンストップ窓口を活用するということがございますが、それについて、なお空き家というのが増えて減らないということがございますが、そこについては審議会の答申も踏まえつつ、新たに必要な体制を今後考えていくということでございます。

○議長(森たかゆき) 以上でいのつめ正太議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 むとう 有子

 1 平和事業について

 2 住宅リースバックの課題周知について

 3 その他

 

○議長(森たかゆき) 次に、むとう有子議員。

〔むとう有子議員登壇〕

○36番(むとう有子) 区民の方からお寄せいただきました御意見を基に質問をいたします。

 平和事業について、お尋ねをいたします。

 書籍「国家が戦争に向かうとき 昭和10年代に回帰する日本の現在地 いまの日本は確実に、戦時に近づいている」の売れ行きが好調だそうです。戦争体験者がほとんどいない国会議員の下で、今、確実に新しい戦前の時代に突入してきているのではないか、との危機感を抱く人たちが少なからずいらっしゃるということです。このような状況だからこそ、中野区は憲法擁護・非核都市宣言をしている自治体として堅実に平和事業に取り組む必要があると考えます。

 2024年第4回定例会一般質問での私の要求で、平和資料展示室の表記が体育館の外と平和の森公園案内板に記載されました。次いで、2025年第3回定例会決算特別委員会総括質疑での私の要求で改善されたことは、1、4本の寄贈被爆樹木の説明板が劣化して読めなかったのが読める説明板に取り替えられたこと、2、平和の森公園にある広島から寄贈された被爆石板の平和記念碑と憲法擁護・非核都市宣言碑が自転車置場で塞がれていましたが、記念碑前に駐輪禁止エリアができ、読むスペースができたことです。

 ただし、工事現場で見かける三角のカラーコーンとコーンバーで囲まれているため、読むために立ち入る人が入りにくいのが問題です。せめて自転車置場ではないことを強調し、記念碑を訪れた方々に敬意を払うようなスペースとなるよう、コーンではなく、季節の花を植えたプランターで囲うなどの配慮が必要ではないでしょうか。さらなる改善を求めます。区の見解をお答えください。

 次に、何度言っても改善できないこと、その1は平和資料展示室内の備品や資料の補充です。私が言った8月29日時点で、1、星型のポストイットがない、2、鉛筆が削られていない、3、寄贈被爆樹木の位置が書かれた公園の案内図のファイルはあるが、中身が0枚。いちいち言われなければできないことなのでしょうか。平和資料展示室内の備品の管理や資料の補充は誰の責任で行っているのか、現状の管理体制と改善策をお答えください。

 改善できないことその2、寄贈被爆樹木の記載されている紙の案内図に平和記念碑と宣言碑の位置の記載を求めます。併せて、公園入口近くに設置されている公園案内板に被爆寄贈樹木の位置及び平和記念碑と宣言碑の位置の記載を求めます。お答えください。

 改善できないことその3、2026年度平和事業について、区のホームページを見ても、2026年度は平和の旅のみの記載で、今年度の年間平和事業についてのお知らせがないことです。過去の事業報告のみの記載です。これでは今年度の平和事業は平和の旅だけと誤解されます。

 これについても以前から担当課長に指摘していましたが、いまだに改善されていません。今からでも今年度平和事業の一覧を記載するなど、平和事業についてのホームページの改善を求めます。お答えください。

 日本では、毎年夏、8月6日に広島、8月9日に長崎への原子爆弾投下、8月15日の終戦記念日を迎えます。この一連の出来事は、日本の歴史において非常に重要であり、夏は戦争と平和について改めて考える時期として深く認識されています。しかし、戦後80年の記念すべき昨年2025年度から、長年夏に開催していた平和のつどいが平和の旅報告と合わせて冬開催となりました。

 改善できないことその4、2025年第3回定例会決算特別委員会総括質疑で、歴史的背景を踏まえて平和のつどいは夏に開催するべきとの私の質問に、「在り方を検討する」との答弁でしたが、今年度も夏には行わず、1月に平和のつどいを行うということです。

 私がこの夏に参加した音楽フェスでも20代の若き音楽家が、「夏がこれからも平和な喜びにあふれた季節でありますように」とコメントしていました。このように夏は戦争と平和について考える時期として深く認識されているにもかかわらず、中野区は平和のつどいをあえて冬に開催する意義と判断根拠、歴史認識をお答えください。併せて、次年度は夏開催を求めます。区の見解をお答えください。

 平和資料展示室内の「平和資料展示室へようこそ」の看板にも「過去を伝承し、現在の世界の状況を認識し、未来を展望し、平和について考える場」と書かれています。しかし、相変わらず過去の展示しかありません。

 改善できないことその5、2024年第4回定例会一般質問で、過去、現在、未来をつなぐ展示内容となるよう求めた際には、「他自治体の取組も参考に検討してまいりたい」と答弁しました。2025年第3回定例会の決算特別委員会総括質疑でも「工夫を図る」との答弁でした。しかし、他自治体の取組を参考に検討した形跡もなければ、何ら工夫もなされていません。

 看板に偽りなく平和資料展示室が「過去を伝承し、現在の世界の状況を認識し、未来を展望し、平和について考える場」として機能していると評価しているのか、区の認識と併せて今後の具体的改善策をお答えください。

 改善できないことその6は、企画展の質の向上です。5月に実施された平和企画展「中野の空襲」を東部区民活動センターで御覧になった区民の方から以下のような感想が寄せられました。「説明不足」、「中学生以降の世代、戦争を知らない区民が理解できる丁寧な展示ではなかった」、「中野の空襲はいつどこでどれほどの被害があったのか、基本的な説明がなかった」、「この展示を見た後でさらに平和の森公園へ平和資料展示室へと誘う案内があれば、学びが深まるのではと思う」。また、「歴史民俗資料館に行けば、戦争と学童疎開に関する実物の展示をしたコーナーがある。中野の歴史を学ぶことができる関連施設の情報も紹介するべきではないか」、「地元東部地域にある塔の山公園では、江戸時代からの三重の塔が消失し、公園内の防空壕で亡くなった地元区民がたくさんいた。地元の戦災についても触れるべき」、「何十年も前からのものと思われる古くなった説明紙、セロテープの劣化、傾いた写真、角の部分が壊れかけたパネル、かけひもの劣化・汚れなどなど、これらの不都合は設置の際に見れば分かるはずだが、倉庫から出して点検もせずにそのまま掲示したものと思われた。中野区の平和行政への思い、熱意が伝わってこない。大変に残念な展示」。付け加えれば、2025年の原爆ポスター展の説明書にも誤りがありました。

 パネル展示についてこのような感想を区民から寄せられていますが、第2回定例会でのひやま議員の質疑に対してパネル展示や平和の集いを着実に進めてきたと答弁された区長にお尋ねいたします。このようなパネル展で何をもって着実に進めてきたと言えるのか、職員の力量ではできないのであれば、学芸員を配置するなど、平和事業のレベルアップについて区長の見解をお答えください。

 平和事業予算を増額し、平和の構築にリスペクトと愛を持って取り組んでいただくことを願い、次の質問に移ります。

 住宅リースバックの課題周知について、お尋ねをいたします。

 住宅リースバックとは、自宅を売却して現金を得て、売却後は毎月賃料を支払って引き続き住むことができるというサービスです。生活費の調達や老後の資金需要への対応など、住宅利活用の新たな選択肢として注目されています。しかし、その一方で、リースバック取引の契約内容を十分に理解しないまま、安易な資金調達のために契約に至るケースもあり、トラブル事例も発生し、中野区内でも裁判に至るケースが出ています。9月に発行された「中野区の消費者行政」の中でも、強引に進められる住宅リースバック契約に御注意との相談報告が記載されています。

 住宅リースバックのリスクは、1、安価で買い取られる、2、数年後に家賃が値上げになる、3、契約解除通知が届き、強制退去させられる、4、転売され、買い戻しができなくなるといった可能性があり、将来の居住が保証されているわけではないということです。

 物価高騰で生活が厳しい中で、資金調達のために終の棲家が奪われることがないよう、住宅リースバッグの課題の周知に取り組むよう求めます。区の見解をお答えください。

 以上、誠実な答弁を求め、質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) むとう議員の御質問にお答えします。

 平和事業についての御質問で、平和企画展示の内容についてでございます。地域で実施する平和企画展示につきましては、身近な場所で平和の尊さを考える大切な取組だと認識をしておりまして、平和の意義や重要性がより効果的に伝わる展示となるように展示内容の検討も進めてまいります。

〔企画部長岩浅英樹登壇〕

○企画部長(岩浅英樹) 私から平和事業の御質問のうち、初めに、平和記念碑前スペースの管理方法について、お答えをいたします。平和の森公園の平和記念碑につきましては、記念碑としての尊厳を保ちつつ、公園利用者の安全性や利便性にも配慮した管理が重要であると認識しております。引き続き適切な管理になるよう努めてまいりたいと考えております。

 次に、平和資料展示室の管理体制についてでございます。平和資料展示室の管理につきましては、中野区立総合体育館の指定管理事業者が日常的な見守りを行うとともに、区の担当職員が定期的に訪問確認を行う体制となっております。今後も平和資料展示室の利用者が快適に利用しやすいよう、指定管理者とよりきめ細かく連携を図りながら適切な維持管理に努めてまいります。

 次に、平和の森公園内の平和モニュメント等の案内についてでございます。平和資料展示室案内で配布している被爆樹木の案内図につきましては、平和記念碑の位置を追記し、利用者にとって分かりやすい案内となるよう工夫をしてまいります。公園内の案内板は、園内の広場や建物などの主な施設の位置を掲載するものでございます。被爆樹木や平和記念碑については、経過も含めた内容説明が必要と考えており、案内板への位置のみを記載することは考えておりません。

 次に、平和事業に関するホームページについてでございます。平和事業に関するホームページにつきましては、各事業の実施時期に合わせて情報発信を行っているところでございます。引き続き区民にとって分かりやすく利用しやすい情報発信に努めるとともに、様々な事業や機会を捉えながらどのような情報発信がより効果的であるか、検討してまいります。

 次に、平和のつどいの開催時期についてでございます。平和の旅は昨年度から日本において平和を祈念する時期である夏に実施することといたしました。その報告会を平和のつどいの中で行う形にしたことに伴い、平和のつどいについては冬に実施をしております。参加者からは実施時期や内容について評価する声も多くあったところであり、今年度も1月に実施を予定しております。平和のつどいを含めた平和事業全体の時期や在り方につきましては、参加状況や参加者の声を踏まえながら検討していく考えであり、当面は引き続き同時期での開催を基本として実施してまいりたいと考えております。

 次に、平和資料展示室の展示内容についてでございます。平和資料展示室では、戦争中の貴重な資料の展示とともに、平和に関する様々なテーマで毎年4回の企画展示を行っております。また、平和への願いを次世代へつなげる取組として折り鶴プロジェクトや平和メッセージの募集も行っております。平和に関して過去の事実を踏まえた上で現在を理解し、未来を展望することが重要であると認識しており、展示内容につきましては、他自治体の取組を参考にしながら検討を行ってまいります。

〔区民部長高橋昭彦登壇〕

○区民部長(高橋昭彦) 私からは、住宅リースバックの課題周知についての御質問に、お答えします。

 住宅リースバックについては、これまでも消費生活センターが発行しております「消費者相談の現場から」や「消費生活センター情報特急便」などにおいて継続的にトラブル事例や注意点を取り上げ、区民への注意喚起を行ってまいりました。今後もホームページや区公式LINE、消費生活講座等を活用しながら、住宅リースバックに係る課題や注意点について、周知啓発に努めてまいります。

○議長(森たかゆき) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

午後3時03分休憩

 

午後3時25分開議

○議長(森たかゆき) 会議を再開いたします。

 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 石 坂 わたる

 1 LGBT理解増進法(性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解

   の増進に関する法律)及び、女性支援法(困難な問題を抱える女性への支援に関する法律)を

   踏まえた、性別・性自認・性的指向を含むダイバーシティ&インクルージョンに関する取り組

   みについて

 2 障がい者等のダイバーシティ&インクルージョンについて

 3 その他

 

○議長(森たかゆき) 石坂わたる議員。

〔石坂わたる議員登壇〕

○35番(石坂わたる) 質問いたします。

 1、LGBT理解増進法(性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律)及び女性支援法(困難な問題を抱える女性への支援に関する法律)を踏まえた、性別・性自認・性的指向を含むダイバーシティ&インクルージョンに関する取り組みについて、伺います。

 これらの法律が施行されたことで、自治体には性別・性自認・性的指向を含むダイバーシティ&インクルージョンの推進が求められています。まずそれぞれの法律に関する取組で、区がその対象をどのように認識しているのかを伺います。

 法の対象を狭く捉えることなく、実際に支援を必要とする方に届く取組とすることが必要です。LGBT理解増進法の対象について、同法律第3条には、「全ての国民が、その性的指向又はジェンダーアイデンティティにかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重される」と定められています。

 区の取組も明確にLGBTであることを明らかにしている方だけではなく、カミングアウトが難しくて明らかにしていない方、既存の性規範に当てはまらないクィアや自身の性的指向や性自認について迷っているクエスチョニングの方、明確にいずれにも位置付けがされない方も対象であると考えてよろしいでしょうか。

 また、区が行う女性相談やその他女性支援法に関する取組には、レズビアン、バイセクシャル女性やトランス女性も相談対象として適切に対応されるという理解でよろしいでしょうか。併せて、困難な問題を抱える女性への支援にトランス女性やレズビアンカップルが含まれていることを区民に周知する必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか。

 そして、企画課が所管するLINE相談は、女性に限らず男性も含め、DVやハラスメントの相談が可能となっています。マジョリティの男女も含めDV支援・犯罪被害者相談窓口との連携をさらに強化するなど、複合的な困難に対応できる体制が必要と考えますが、いかがお考えでしょうか。

 次に、パートナーシップ制度について、伺います。医療機関で制度自体の認知は進む一方、備考欄・特記事項欄に子どもの名前が記載されることやその取扱いについては十分理解されておらず、制度利用者が現場で説明を求められるケースもあります。また、同性パートナーの親が認知症になった場合の意思決定支援や手続の課題も整理し、関係機関へ周知する必要があります。子どもの氏名の記載などを含め医療や学校、福祉を含む民間事業者等への効果的な周知を行うことが重要と考えますが、いかがでしょうか。

 次に、区職員人事について伺います。職員研修は啓発だけでなく、LGBT当事者職員等が抱える不安や困り事を把握し、具体的ケースを踏まえた実践的内容とすることで、理解と対応力を高めるべきと考えます。また、カミングアウトが難しい職員も多いため、個人が特定されやすいデジタル収集だけでなく、無記名かつ所属が伏せられる形でのアナログ的な方法も活用して、LGBT当事者職員の声を拾うことが有効です。

 会計年度任用職員や雇い上げ職員、委託職員を含め、区の行政機関で働く職員の声を人事や研修の改善に生かすことについて、区の考えを伺います。

 さらに学校や家庭について伺います。LGBT理解増進法に基づき2026年6月16日に閣議決定された「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する基本的な計画」では、児童・生徒への相談体制、教職員・行政職員への研修・普及啓発に加え、保護者へのSOGIの多様性に関する普及啓発が十分でないことで、子どもが家庭で悩みを打ち明けられず、孤独や孤立を招くとの指摘を踏まえ、保護者への学習・情報提供を進めることが示されました。

 中野区においても学校や幼稚園・保育園、子育て支援の現場で保護者に正確な情報を伝える保護者への啓発や保護者からの相談に対応できる教職員の対応力強化を進め、子どもが安心して自分らしく過ごせる環境をつくることが必要と考えますが、区の見解を伺います。

 最後に、災害時の避難所運営におけるLGBT当事者への対応について、伺います。性別区分のあるスペースの利用、プライバシー確保、職員の対応などについて事前に方針を明確化し、マニュアルや訓練に反映する必要があります。どのように取り組むのかを伺います。

 次に、2、障がい者等のダイバーシティ&インクルージョンについて、伺います。

 近年、企業では障害のある方が能力を発揮できる環境整備が進んでいます。例えばキリングループの特例子会社であるキリンオフィスサービス株式会社では、主に知的障害者を採用し、業務を細分化・集約するとともにチームにおけるリーダー育成も行っています。また、キリンホールディングス等のエリア職員については、知的障害者以外の障害者を分散配置する取組を進めています。

 区でも障害のある方が行いやすい業務を切り出して集約をし、事務サポートとしてチーム化していると伺っています。一般職員と同じ部署で働くことが適している方もいるため、個々の適性に応じた配置を前提としつつ選択肢を広げることが必要です。今後こうしたチーム内での適性を見極め、障害当事者の中のリーダー育成なども進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、区役所内で障害のある職員同士のネットワークを形成し、障害のある職員を抱える管理職同士が情報交換できる場を設けることは職場定着や支援の質向上につながると考えますが、いかがでしょうか。

 なお、既に会計年度任用職員の在宅勤務の例もあるようですが、例えば障害や疾病を抱え通院頻度が高い職員にとって在宅勤務は就労継続や職場定着の支えとなります。管理職同士の情報交換の機会において在宅勤務の好事例などについても情報共有を進めてもらえたらと思います。

 最後に、区内事業者への支援について、障害者雇用に積極的な企業を開拓し、特例子会社等の先進事例やノウハウを共有することは、区内全体の理解促進につながります。障害福祉課と産業振興課が連携し、企業支援を強化すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 3、その他の項目の中の1点目として、職員採用について伺います。

 中野区ではALT、特別支援教育支援員、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、非常勤講師、区長部局の専門職、窓口委託職員、障害者雇用を含む会計年度任用職員など、多くの役割を非正規職員が支えています。非正規での働き方は柔軟性がある一方で、離職率の高さや継続支援の途切れ、専門性の蓄積が難しいなどの課題があります。しかし、流動性が専門性や様々な現場での経験につながる場合もあり、専門職や短時間勤務を希望する人を含む全ての方の正規化も現実的ではないと思われます。

 そこで非正規でも継続しやすい待遇・研修環境を整備するとともに、優秀でリーダー性を発揮する職員は中途からの正規化を含む長期雇用を検討する二層構造の人事モデルの構築を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 2点目として、区有施設におけるコンセプトと施設の在り方について、伺います。

 2026年度から2035年度までの中野区区有施設整備計画がつくられましたが、最近の様々な施設等の検討状況を見ると、計画策定時の建築条件などの前提が変わってしまっている状況があるのではないかと懸念します。計画に柔軟性を持たせることは必要ですが、変更する場合やその理由、検討過程、代替案の比較などについて説明責任を果たすべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、建築コストの高騰や敷地条件の制約の中で施設の複合化を進める方針は理解しますが、旧鷺宮小学校移転跡地の複合施設など、何を優先し、どんなコンセプトで機能を集約するのか、入れなければならない機能、入れたい機能、入れざるを得ない機能の整理と全庁的な共有が十分と言えません。また、実現可能な案だけではなく、可能ならば実現したかった構想や諦めざるを得なかった点も示し、計画のストーリーを明らかにする必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 私の質問は以上です。明瞭な答弁をお願いいたします。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 石坂議員の御質問にお答えします。

 私からは障がい者等のダイバーシティ&インクルージョンについての御質問で、障害のある職員の定着支援の取組についてです。障害のある職員が安心して働き続け、その能力を十分に発揮できる職場環境を整備していくことは大変重要な取組であると考えております。事務アシストステーションにおける業務適正を踏まえたリーダー育成、障害のある職員同士のつながりづくりなど、働きやすい職場環境を整備する視点で先進事例の研究も進めてまいります。また、管理職及び係長級職員を対象とした障害者雇用理解促進研修では、意見交換の機会を設けており、引き続き管理監督者の理解促進を通じた職場環境の向上に努めてまいります。

 続きまして、障害者雇用における支援についてです。障害者雇用に関する支援は、中野区障害者福祉事業団が運営する中野区障害者就労支援センターで実施しております。助言や情報発信等を積極的に行うとともに、企業からの相談に対しても個々の希望等を聞きながら丁寧な就労支援を行っております。また、企業開拓として障害者雇用に関する様々な助成制度の案内や活用方法の周知を区内商工団体等に行っているところでございます。庁内連携を図りながら区内企業支援の強化をさらに進めてまいります。

〔教育長田代雅規登壇〕

○教育長(田代雅規) 私からはLGBT理解増進法及び女性支援法を踏まえた、性別・性自認・性的指向を含むダイバーシティ&インクルージョンに関する取組についての御質問にお答えします。

 学校における保護者への啓発についてでございます。児童・生徒が安心して自分らしく過ごせる環境整備には、保護者の正確な理解が不可欠であると認識しており、これまでも東京都が作成した資料等を活用し、保護者会や学校だより等を通して性的指向・性自認への理解促進を図っております。今後も学校と保護者が連携して子どもたちを温かく支える環境づくりに努めてまいります。

〔企画部長岩浅英樹登壇〕

○企画部長(岩浅英樹) 私からはLGBT理解増進法及び女性支援法を踏まえた、性別・性自認・性的指向を含むダイバーシティ&インクルージョンに関する取組についての御質問のうち、まず、区の事業のLGBT理解増進法を踏まえた対応について、お答えいたします。区の事業につきましては、当事者であるか否かにかかわらず、支援を必要とする方が利用できるよう対応しているところでございます。女性相談・女性支援の取組におきましては、相談者一人ひとりの事情や置かれている状況を踏まえ、トランスジェンダー女性をはじめ、多様な背景を持つ方々からの相談についても丁寧にお話を伺い、関係機関と連携しながら必要な支援につなげているところでございます。支援の内容につきましては、制度上の要件や個々の状況に応じて対応することとなりますが、多様な背景を持つ方々が相談につながることができるよう、分かりやすい周知に努めてまいりたいと考えております。

 次に、SNS相談とDV支援・犯罪被害者相談窓口との連携強化についてでございます。様々な問題を抱える相談者を適切な支援につなげるため、DV相談・犯罪被害者相談窓口との連携強化は重要であると認識をしております。女性支援連絡会及び中野区DV防止連絡会などを通じて日頃から顔と顔が見える関係づくりを進めているところであり、今後も関係機関との連携を密にしながら相談者の状況に応じた切れ目のない支援を行えるよう取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、パートナーシップ制度の医療機関、福祉サービス事業者等への周知についてでございます。パートナーシップ制度に関して、制度を利用される方々が安心して様々な支援につながることができる環境を整備することが重要であると認識をしております。関係事業者等への情報提供や周知啓発に取り組み、制度への理解促進を進めてまいりたいと考えております。

 次に、その他の御質問のうち、区有施設におけるコンセプトと施設の在り方についてで、区有施設整備計画を変更する際の説明責任についてでございます。

 区有施設整備計画では、施設ごとに場所や整備時期を示しておりますが、計画策定時には想定しなかった状況が発生したことなどにより、計画の変更に及ぶことがございます。こうした場合には施設所管におきまして地域や利用者、区議会への説明などを通じ、その理由や変更内容などを丁寧にお示ししていきたいと考えております。

 最後に、複合施設のコンセプトや計画の明確化についてでございます。施設の複合化に当たりましては、各機能が目指す姿のほか、互いの機能が連携し合うことによるメリットなど、施設としてのコンセプトを明確に示すことが重要であると考えております。旧鷺宮小学校跡地の複合施設の整備におきましては、各施設所管が一堂に会し、複合施設ならではのメリットを共有することから検討を開始しております。今後も複合施設として実現したい姿などにつきまして、十分に説明できるようにしてまいりたいと考えております。

〔総務部長濵口求登壇〕

○総務部長(濵口求) 私からは、LGBT理解増進法及び、女性支援法を踏まえた、性別・性自認・性的指向を含むダイバーシティ&インクルージョンに関する取り組みについての御質問のうち、職員のLGBTへの理解と対応力の向上についてお答えいたします。

 LGBT等の多様性への理解を深め、全ての職員が安心して働ける職場環境を整備することが重要であると認識しており、多様性の理解に関する研修を定期的に実施しております。定期面談や匿名性に配慮した職員アンケートなど、様々な機会を通じて職員一人ひとりの声を丁寧に把握し、研修内容の充実や職場環境の改善につなげてまいります。

 次に、その他の御質問のうち、職員採用についてで、会計年度任用職員の活躍促進についてです。区では会計年度任用職員が安心して働き続けられるよう、公募によらない再度任用制度の導入や期末・勤勉手当の支給など、処遇の改善に取り組むとともに、職務に必要な知識や能力の向上を図るため、研修を実施しております。優れた実績を上げた会計年度任用職員については、その能力や経験を区政運営に生かせるよう、経験者採用選考の積極的な受験を促すなど、人材の確保・活用に取り組んでまいります。

〔防災危機管理担当部長千田真史登壇〕

○防災危機管理担当部長(千田真史) 私からは、LGBT理解増進法及び、女性支援法を踏まえた、性別・性自認・性的指向を含むダイバーシティ&インクルージョンに関する取り組みについての御質問のうち、災害時の避難所運営におけるLGBT当事者への対応について、お答えいたします。

区の避難所運営マニュアルでは、性的マイノリティの方への配慮事項を定めており、性的指向や性自認への理解促進、共用トイレや更衣室の確保、受付時の配慮などについて示しております。避難所運営に当たっては、マニュアルの内容を踏まえ、避難所運営会議や開設訓練等を通じて適切な対応が図られるよう取り組んでまいります。

○議長(森たかゆき) 以上で石坂わたる議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 小宮山 たかし

 1 中野の森について

 2 その他

 

○議長(森たかゆき) 次に、小宮山たかし議員。

〔小宮山たかし議員登壇〕

○21番(小宮山たかし) 中野の森について。今からちょうど5年前、私はレンタカーを借りて群馬県の山の中にある中野の森を目指したのですが、新車のカーナビに番地を入れても正確な場所が分からず、休日なので役所に問合せもできず、これ以上進んだら遭難しそうな山道に行く手を遮られ、泣く泣く撤退をしたことがありました。しかし、先月ついに私は中野の森に行くことができました。あの雪辱をついに5年ぶりに晴らすことができました。

 過去に植樹したエリアと、放置されているエリアがあり、放置されたエリアは草ぼうぼうで、その中からいつの間にか植えていないはずの樹木も自然と生えてきている。現在、新たな植樹はしていないそうですが、過去3年、連続して環境交流バスツアーを区が主催して、1年に約30人の区民がここに来て、約50本程度のセレモニー的な植樹をしている。ツアーの参加者は、保険料とリンゴ狩りの代金として1,700円を負担しているそうですが、区はこのバスツアーの運行委託として約50万円を負担している。つまり1人当たりにすると16,666円を区が負担する。税金で大盤振る舞いをする大名旅行になっているのです。

 どうも区は昔から1人当たりのコストという意識が低いんじゃないかと、2024年にニュージーランドの学生を受け入れたコストは1人当たり34万円、今年開催予定の(仮称)世界こども未来会議のコストは1人当たり4万4,000円、区の指標として参加者1人当たりのコストがどれだけかかっているのか、もっと検証をしていくべきです。

 話が逸れました。この中野の森は、もともとは牧草地だそうです。放置しているだけで草ぼうぼうになる。そして、植樹なんかしなくても樹木も自然と生えてくる。区が関わろうと関わるまいと一定数のCO2削減をしていたはずの場所なんです。砂漠を緑に変えたとか、コンクリートを緑に変えたとか、そういうわけではない。もともと緑豊かな場所に乗り込んで、中野区がCO2削減しました、私の手柄ですと主張するのは、選挙前の政治家がよくやるアレオレ詐欺みたいなものじゃないですか。

 私は5年前の令和3年第3回定例会の一般質問で、こんな自然豊かなところに木を植えるなんて頭がおかしいと指摘させていただきましたが、その思いは今も変わりません。環境交流バスツアーでたった30名の区民のために50万円をかけるのであれば、その50万円で花の苗でも買って、公園に植えればいいじゃないですか。チューリップ公園にはチューリップがありませんが、チューリップの球根は1個50円で買える。50万円あれば1万玉の球根が買えますよ。環境学習がしたければ、区民に区内の公園で花壇造りでもしてもらえばいいじゃないですか。中野の森は群馬県ではなく、中野区内につくるべきです。そして、環境交流バスツアーのような税金の無駄遣いはやめて、区内の緑化に力を注いでいくべきです。

 そして、もう一つ、区はカーボンオフセットと称して福島県喜多方市からJ-クレジットという実態のない、目には見えない概念上の何かを年間70万円購入していますが、私は空気に金を払っているようなものだと思っています。

 かつて平成時代の日本にはエコブームがありました。マイ箸、マイボトル、エコバッグ、エコポイント、そして、環境に配慮した封筒、環境に配慮した名刺など、エコをうたう商品や取組が次々と登場しました。エコバッグのように定着したものもありますが、環境にいいとうたうだけの見せかけの環境アピールは次第に見直され、マイ箸とか、環境にいい名刺や封筒は今ではほとんど姿を消してしまいました。

 当時のエコブームの最中、2008年頃からカーボンオフセットが世の中で大きな広がりを見せ、中野区もそのブームに乗って、2015年から福島県喜多方市のJ-クレジットを購入する事業を始めました。現在も中野区はCO2吸収量70トンを1トン当たり1万円、年間70万円で購入しています。喜多方市はその収入を森林整備に充てていると聞いていますが、お金に色がついているわけではありませんので、中野区の70万円があろうとなかろうと、必要な森林整備はされるはずだと思われます。つまり中野区の70万円が地球上のCO2削減に与える影響は実際にはほとんどない、典型的な見せかけだけの環境配慮、グリーンウォッシュだと私は理解しています。

 平成時代のエコブーム当時はカーボンオフセットの関心も高く、喜多方市のJ-クレジットも複数の企業が競って購入し、2014年から2018年頃まで喜多方市では年間に200、300万円程度の販売実績がありました。しかし、エコブームが去り、今、カーボンオフセットは見せかけだけの環境配慮、グリーンウォッシュだという批判も出てくるようになりました。過去に喜多方市とJ-クレジットの取引をしたことのある企業や団体は20以上ありますが、今、中野区以外の全ての企業・団体は、喜多方市とのカーボンオフセットをやめてしまいました。

 今年度、喜多方市が歳入として予定しているJ-クレジットは、中野区の70万円だけです。それでも中野区だけは、ただ、中野区だけはカーボンオフセットブームがあった10年前と同じ条件で購入を続けています。喜多方市との協定を全うすることは、自治体間の仁義として大切なことではありますが、この協定に購入価格や量に関する規定はありません。

 現在、J-クレジットは東京証券取引所でも取引されており、森林由来クレジットの平均価格は過去3年間で1トン約5,400円程度です。森林由来にこだわらなければ約3,000円程度でも取引されています。喜多方市のJ-クレジットは1トン1万円と市場価格の2、3倍でして、市場価格とは大きくかけ離れています。喜多方市のCO2は濃度が濃いとか、バラの香りがするとか、そういう何か市場価値を上回るような付加価値があるわけではないと思うんですね。ならば、70万円という予算を維持したまま購入量を増やす、あるいは量を維持して価格を見直すよう、喜多方市と協議してもいいのではないでしょうか。

 目には見えない、実態のない気体を概念上やり取りしているようなものですから、取引量が増えたところで喜多方市の負担が増えるようなものではありません。また、これまでに累計720万円を喜多方市に、累計5,600万円をみなかみ町に支出してきました。その累計6,320万円があれば、それを中野区内の緑化や植樹に充てることによって、もっと区内のCO2削減を果たすことができたのではないでしょうか。

 そもそもカーボンオフセットとは、本来自らの排出削減を最低限進めた上で、それでも避けられない排出を補うための最後の最後の手段と環境省が定めています。環境基金でも区内ではどうやっても削減できない、努力をしても減らせないCO2があるから区外で削減しますとうたっている。中野区内でもCO2を削減できないって本当ですか、区内の緑化はこれ以上できないって本当ですか、本当に限界ぎりぎりまで努力をしたんですか。ここはもっと緑化できませんか。あるいは中野区役所の真ん前をもっと緑化できませんか。

 そして、中野サンプラザの前は都道なので、東京都第三建設事務所の所管ですけれども、中野駅前の区の玄関口ですよ。チューリップ公園にチューリップが1本もない、れんげ公園にレンゲがない、区内に区が直接植えた一年草の花が1本もないのはいかがなものでしょうか。繰り返しますよ。区内の公園に区が植えた一年草の花が1本もないんです。キングオブフラワーズと呼ばれるバラの花も区が植えたものは1本もない、区はもう1本も街路樹を増やせない、もう1箇所も植栽を増やせない、もう1平方メートルも緑を増やせない、本当にそこまでやり尽くした上で、それでも足りないから喜多方市やみなかみ町に毎年お願いして、中野区民の税金や寄附金を使ってカーボンオフセットを行っていると言えるんでしょうか。

 質問します。中野区は本当の本当に区内での緑化を限界ぎりぎりまでやっている。もうこれ以上緑化する余地がないからカーボンオフセットしているんでしょうか。

 これらの群馬県と福島県にある中野の森の整備に当たっては、中野区の環境のために寄せられた善意の寄附金である環境基金が使われている。中野区環境基金に寄附をすると、群馬県や福島県の環境が改善されるなんてわけが分からない詐欺みたいなものじゃないですか。環境基金は中野区の環境のために使うべきです。みなかみ町や喜多方市との交流を否定するつもりはありませんが、自治体間交流のために環境基金を使うべきではありません。

 区はもうこれ以上の区内緑化はできないと言って、累計6,000万円以上かけて群馬県や福島県に中野の森をつくっていますが、諦めてはいけません。区内緑化の余地はまだまだあります。中野の森は中野区内につくるべきです。環境基金の在り方と中野の森プロジェクトの在り方を見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 その他で質問します。横浜市では、横浜駅と関内駅の周辺は業務・商業専用地区として住宅を原則として認めない「横浜都心機能誘導地区建築条例」を定めています。また、神戸市においても「神戸市民の住環境等をまもりそだてる条例」により三宮駅前では住宅等の建築を原則禁止しています。都心部で住宅開発が進み過ぎると、オフィスが減り、文化・商業施設が減り、昼間人口が減少して都心のにぎわいが弱まり、学校などの行政インフラが逼迫するために、都心には商業・文化機能を優先的に集積するというのが両市の考え方です。横浜市の担当は、住宅は街の発展に寄与しないと言い切っていました。

 一方、中野駅前では、近年、タワーマンションが増え、今後も増えていく見込みです。区は中野四丁目新北口地区まちづくり方針の中で、タワーマンションを職住近接を実現する高品質なレジデンスと位置付けています。しかし、何億円もするようなタワーマンションを購入する超富裕層が毎朝満員電車に揺られて通勤をする、職住近接を必要とする姿は、私にはあまりイメージできません。

 そこで伺います。中野区はタワーマンションありきのまちづくりを進めていますが、タワーマンションが街の発展にどのように寄与するとお考えなのか。恐らく億単位で取引される住戸には共働きの高所得世帯なのか、あるいは経営者や資産家なのか、あるいは投資目的の購入者なのか、さらには海外の購入者も含め一体どのようなプロフィールの方々が居住して、中野の商業、地域コミュニティ、昼間人口、にぎわい、税収などに具体的にどのような形で寄与をすると見込んでいるのか、お示しください。

 また、中野駅周辺には新たな住宅やタワーマンションを新築しないよう、神戸市や横浜市のように条例で規制をすべきではないでしょうか。

 以上で私の一般質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 小宮山議員の御質問にお答えします。

私からはその他の御質問で、中野駅新北口駅前エリアにおける住宅居住者の属性についてです。中野駅新北口駅前エリアにおいては、職住近接のまちづくりを目標としておりまして、高品質で多様な世帯が居住できる住宅の導入を目指しているところであります。一方で、市街地再開発事業の特性上、保留床の処分は事業者が行うため、区として新たな居住者の属性について誘導できるものではございませんが、持続可能なまちづくりの実現のために新たな居住者の継続的な定住を促すとともに、既存地域とのつながりを育む仕組みづくりが必要と考えているところでございます。

〔環境部長石井大輔登壇〕

○環境部長(石井大輔) 私からは中野の森についての御質問にお答えいたします。

 まずカーボンオフセットの考え方でございます。カーボンオフセット事業につきましては、中野区環境基本計画における区の率先行動施策の一つとして、CO2排出量の削減目標に向けて計画的に取り組んでいるものでございます。年間約152トンの削減量を見込んでおりますが、区内の緑化だけでは確保できない量であると認識をしております。

 次に、環境基金と中野の森プロジェクトの在り方についてでございます。環境基金は複数のコースから寄附先を選択できる仕組みとなっておりますが、より賛同が得られる施策展開が必要であると認識しております。コースにあります身近な緑を守り育てるための方策や中野の森プロジェクトの充実につきましても検討してまいります。

〔中野駅周辺まちづくり担当部長小幡一隆登壇〕

○中野駅周辺まちづくり担当部長(小幡一隆) 私からはその他の御質問のうち、住宅の規制についてお答えをいたします。

中野区都市計画マスタープランにおいては、中野駅周辺地区について、商業・業務機能の集積と住宅との調和を図る地区とされております。また、中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3においても、良質・多機能な住宅の供給として、「市街地再開発や共同化により、ファミリー層や高齢者など、各世代のニーズに合わせた良質・多機能な住宅を誘導し、地域のにぎわいや活力の継続を図る」とされております。こうしたことから中野駅周辺における住宅建設を条例で規制することは考えておりません。

○議長(森たかゆき) 以上で小宮山たかし議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 立 石 り お

 1 持続可能な財政運営について

 2 新しいすこやか福祉センターについて

 3 中野駅周辺のにぎわいと人流について

 4 その他

 

○議長(森たかゆき) 次に、立石りお議員。

〔立石りお議員登壇〕

○20番(立石りお) 令和8年第3回定例会において一般質問いたします。

 初めに、持続可能な財政運営についてです。

 飲食料品の消費税率を8%から1%へ引き下げる措置が閣議決定をされました。実施は令和9年度からであり、地方消費税交付金の減収として区財政に直接影響を与えます。中野区の地方消費税交付金は令和8年度予算で約100億円あり、重要な一般財源であります。飲食料品の消費税減税により、地方消費税交付金がどの年度にどの程度の減収となると試算しているのか、伺います。

 国は過去の税制改正で地方特例交付金により減収を補填してまいりましたが、その設計が交付税制度を前提とする場合、不交付団体は対象から外れる可能性があります。地方特例交付金により減収分が補填される見込みがあるのか、見解を伺います。

 現在、店内飲食は税率10%で、スーパー等での購入、持ち帰りは8%でありますが、その差は2ポイントです。仮に減税をした場合、飲食料品が1%となり、外食が10%に据え置かれれば、差は9ポイントまで開き、外食需要はその分だけ相対的不利になります。とりわけ客単価の低い日常利用の店ほど影響を受けます。

 また、事業者にはレジなどのシステム改修、仕入税額の控除の変更に伴う経理処理が同時に発生します。こうした制度変更のしわ寄せは、税理士などの専門家に日常的に頼ることが難しい小規模事業者や個人事業主ほど、重くのしかかります。区内事業者の動向を注視し、制度改正が具体化した際に速やかに情報提供と相談対応ができるよう、経営相談窓口の体制構築と周知を徹底すべきと考えます。区の見解を伺います。

 都の財政調整交付金の上振れや区税収入の増加、また、決算剰余金など、想定以上に一般財源が余ったまたは確保できた際の財源更正の考え方について、伺います。現状では、財政調整基金の年度間調整分は目標の150億円を超え、令和8年度予算ベースでは288億円に達しており、これ以上積み増す必要性はありません。

 施設の更新や整備に備える特定目的基金は、目標額に到達しておらず、近年の資材価格の高騰と建設労務単価の上昇により、施設整備に要する建設費用そのものが目標額の想定を上回っており、財源の配分に当たっては、現行の目標額との差額を埋めるという発想にとどまらず、実際の建設費用を踏まえた引上げを検討すべきです。

 一方、令和8年度における中野区の基金運用利回りの目標は今年から設定されましたが、0.7%です。これを上回る金利の起債については、繰上償還や新規発行の見送りを行うことで、運用の利息収入よりも支払い利息の削減額が大きくなり、確実に財政負担を軽減できます。特にまちづくり事業は利息を除く元金相当分が財産費として区に戻ってくることから、起債の取りやめを優先すべきです。財源に余裕が生じた場合、財政調整基金年度間調整分への積み増しよりも高利率債の繰上償還や起債抑制、また、不足している特定目的基金への積立てを優先してはどうか、見解を伺います。

 続いて、新しいすこやか福祉センターについてです。

 中部圏域を二分割し、区内5か所目となるすこやか福祉センターを新たに整備する方針が示されております。圏域再編によって区民の窓口や担当地域が変わるため、現場での混乱や不安が生じないよう万全を期す必要があります。

 町会・自治会や民生児童委員の関係団体、地域住民への説明会や現在相談や支援を利用されている方々に対し、担当の引継ぎを含め個別かつ丁寧に周知をし、支援の継続性を担保することが極めて重要と考えます。

 新しいすこやか福祉センターは、予定されている令和9年の開設に間に合うのか、現在の準備状況について、伺います。これまで関係団体にどのような説明を行い、どのような意見や懸念が寄せられているのか、伺います。併せて、地域全体への周知と既存支援者・対象者への説明を開設までにどのように進めるのか、伺います。

 新しいすこやか福祉センターの名称は、区民が相談先を認識する上で重要です。名称の決定に当たり、地域や利用者から幅広く意見を聞いた上で決定すべきと考えます。見解を伺います。

 すこやか福祉センターの真価はアウトリーチにあります。圏域が分割される中、これまでの信頼関係や地域見守り網の支援の質を維持するためには、専門職員の確実な確保が不可欠です。しかし、単に施設だけが増え、現場の職員が不足する事態を強く懸念します。保健師やコミュニティソーシャルワーカーなどの専門職が複雑化するケースを担えるようになるには相応の期間を要するため、開設年度の採用では間に合わず、前倒しの採用・育成が必要となります。

 すこやか福祉センター5館体制に必要な専門職をどう積算し、うち何人を純増として確保する考えか、併せて、定員要求や前倒し採用を含め開設に間に合う採用・育成計画について、伺います。

 続いて、中野駅周辺のにぎわいと人流についてです。

 中野区は人流ビッグデータとナカペイ決済データを大学に提供し、分析を委ねる連携事業を推進してまいりました。3年間の実証も今年度で締めを迎えます。決済データによる店舗間の回遊動線や人流データによる大まかな滞留状況など、それぞれの傾向も見えてきたはずです。しかし、委託による調査では、区が独自に分析・検証することができません。

 区内の各種イベントなどにおける集客の規模などについては、主催者側の発表数値に頼らざるをえず、経済効果の測定など、区として客観的かつ横断的にエビデンスを検証する体制はできておりません。中野駅周辺をはじめとする大規模な再開発と動線の変化は今後10年近く続いてまいります。単発の委託調査ではなく、区自らが継続的にデータを持ち、時系列で比較できるような状況をつくる必要があります。

 人流データは産業振興策に限らず、防災や歩きたくなるまちづくりやエリアマネジメントにも共通して用いられるような基盤であり、区自らが継続的に保有・蓄積すべきものと考えます。連携事業で得られた知見と決済データ、人流データそれぞれの成果と今後の展望について、伺います。

 令和8年12月、西側の南北通路と橋上駅舎が供用を開始され、西改札の新設と中野三丁目、中野四丁目の直結により、駅利用者の行動パターンは大きく変わります。エリア内部の回遊性が高まることで、有事の際には滞留が1か所に集中することを防ぐことができます。

 令和6年5月改定の中野区災害時帰宅困難者対策行動計画と中野駅周辺エリア防災計画によると、発災後は帰宅困難者を四季の森公園へ、一時滞在施設の開設後は大学、都税事務所、トヨタモビリティ東京へ誘導し、さらに東中野駅、中野坂上駅など、近隣の駅周辺に収容困難な場合は、中野駅周辺の一時滞在施設へ誘導するという計画になっております。中野駅周辺は区内の帰宅困難者を最終的に受け止める場所として設計されております。

 帰宅困難者を誘導する情報ステーションの候補地は3か所で、いずれも旧来の改札口を前提としており、中野駅北口・南口の具体的な設置場所も曖昧です。西改札新設に伴う人の滞留や中野四季の森公園の誘導動線が十分に反映されておりません。また、災害対策本部が置かれ、同公園に隣接する新庁舎についても一時滞在施設や情報提供ステーションとしての明確な位置付けが見当たりません。さらに現場の運用は職員数名によるメガホンやホワイトボードなどの目視・手動頼みとされており、大規模イベントの開催時など、過密状態では群集事故という重大な二次被害すらも懸念されます。

 机上の想定だけで誘導ルートの通行容量や情報拠点の配置の妥当性も検証できません。新たな歩行者動線においてもどこに滞留が生じ、情報伝達や誘導にどのようなボトルネックが生まれるのか、実際の訓練を通じてデータを取得・分析して初めて明らかになります。発災時に的確な判断を下す備えとして実地検証を伴う避難訓練の実施が不可欠であります。

 南北通路の供用開始により、中野駅周辺及び四季の森公園周辺の滞留状況は大きく変わります。実際の動線に即して計画の実効性を検証するため、中野駅周辺を中心とした帰宅困難者避難訓練を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、中野区災害時帰宅困難者対策行動計画には、「駅周辺の環境の変化や一時滞在施設の確保等に応じて本計画を随時改正していくものとする」と記されております。情報提供ステーションの設置場所や駅からの避難誘導ルート、新庁舎の位置付けなど、訓練を踏まえ南北通路の供用開始に合わせて同計画を改定すべきと考えます。見解を伺います。

 以上で全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 立石議員の御質問にお答えいたします。

 私からは新しいすこやか福祉センターについての御質問で、初めに準備状況についてです。当初は令和9年度の開設を考えておりましたが、昭和区民活動センターの移転後に施設改修が必要でありまして、この改修に時間を要することなどから、開設時期を繰り延べる必要が生じました。開設時期は令和10年度中を予定しておりまして、具体的な内容については、本定例会中の厚生委員会で報告したいと考えております。

 次に、関係団体や地域全体への周知及び既に支援を受けている方への個別説明についてでございます。新しいすこやか福祉センターの設置につきましては、中野区区有施設整備計画に位置付けておりますが、これまでのところ具体的な地域や関係団体の説明、意見聴取などは行っておりません。今後、地域全体に対しては、区報や説明会など、複数の方法により周知を図るとともに、既に支援を受けている方々に対しては、個別に丁寧な案内を行うことを考えております。具体的な進め方については、今後の準備状況と併せて整理してまいります。

 次に、新しいすこやか福祉センターの名称についてです。新しいすこやか福祉センターの名称は、区民にとって親しみやすく、分かりやすいものであるべきと考えております。一方で、既存のすこやか福祉センターとの名称体系との整合も踏まえながら検討する必要があると考えておりまして、今後、検討を深めます。

 最後に、保健師などの専門職の確保についてです。新しいすこやか福祉センターの開設に向けて、現在、保健師、福祉、心理、栄養士などの各専門職の役割を含む執行体制について精査を行っております。開設時から適切な行政サービスを提供するためにも計画的に採用・育成していく必要があると考えておりまして、必要人数の確保と合わせてすこやか福祉センターの業務を学ぶOJT・専門的な知見を深めるOFF-JTを組み合わせた専門職の育成を図ってまいります。

〔企画部長岩浅英樹登壇〕

○企画部長(岩浅英樹) 私からは、持続可能な財政運営の御質問にお答えをいたします。

 初めに、消費税減税の影響額についてでございます。消費税が8%から1%に引き下げられた場合の影響額につきましては、精緻な試算は難しいところでございますが、令和9年度及び令和10年度の地方消費税交付金が10億円から20億円程度の減となることを見込んでおります。

 次に、消費税減税による減収の補填についてでございます。消費税減税による地方減収につきましては、国が補填を検討しているなどの報道がございますが、現時点で国からの正式な通知は来ていないというものでございます。

 最後に、一般財源が想定を上回った際の活用についてでございます。財政運営の考え方では、一般財源のほか、基金と起債をバランスよく活用することとしております。一方で、監査委員からは「将来の地方債残高をコントロールする視点を持って、起債発行等について慎重に検討する必要がある」との意見を頂いており、起債の抑制につきまして、総合的に検討してまいります。また、財政調整基金の年度間調整分につきましては、目標残高を確保していることから特定目的基金への積立てについても併せて検討してまいります。

〔文化・産業振興担当部長吉沢健一登壇〕

○文化・産業振興担当部長(吉沢健一) 私からは持続可能な財政運営についての御質問のうち、消費税制度の見直しに伴う相談対応についてでございます。消費税率や軽減税率の見直しについては、制度改正の内容によって区内事業者に様々な対応が必要となることが想定されます。区では本年10月から適切な支援機関等と連携して課題解決を図る伴走型中小企業経営支援事業を開始する予定でございます。制度改正が具体化した際には、その枠組みを活用しまして、事業者への情報提供や相談対応を行うなど、必要な支援につなげてまいります。

 続いて、中野駅周辺のにぎわいと人流についての御質問のうち、産学官連携事業の成果と今後の展望についてでございます。明治大学との産学官連携事業では、人流データやナカペイの決済データを活用し、経済施策の効果検証や産業振興施策の検討に取り組んでおります。人流データからは来街者の動向や滞留傾向を、また、ナカペイの決済データからは利用実態や地域ごとの消費動向を分析し、地域内における消費の広がりなどを確認したところでございます。今後は各商店街の課題やニーズを踏まえた分析に加えまして、中野駅西改札の開業など、駅周辺の環境変化に着目しました人流分析を進め、その成果を産業振興やにぎわい創出につなげてまいります。

〔防災危機管理担当部長千田真史登壇〕

○防災危機管理担当部長(千田真史) 私からは中野駅周辺のにぎわいと人流に関する御質問のうち、防災関連についてお答えいたします。

 まず、中野駅周辺での帰宅困難者対応訓練の実施についてです。これまで区は中野駅周辺をはじめとする帰宅困難者対策について、防災関係機関や駅周辺事業者等と連携して帰宅困難者の受入れや誘導、情報提供などに関する訓練を実施してまいりました。一方で、中野駅周辺の整備により、人流や滞留状況が段階的に変化することが想定されるため、今後、駅周辺の整備状況に合わせて関係機関や事業者等と調整を図り、中野駅周辺を中心とした帰宅困難者対応訓練の実施を検討してまいります。

 最後に、中野駅周辺エリア防災計画の改定についてです。中野駅周辺整備により、駅利用者や来街者の動線が大きく変化することが想定されるため、中野駅周辺エリア防災計画については、情報提供ステーションの設置場所や駅からの避難誘導ルートなど、新たな人の流れや駅周辺の空間構成の変化を踏まえた見直しが必要であると考えております。今後、中野駅周辺の整備状況を踏まえ、中野区帰宅困難者対策協議会において中野駅周辺エリア防災計画の改定に向けた検討を進めてまいります。

○議長(森たかゆき) 以上で立石りお議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 斉 藤 けいた

 1 災害時におけるペットの避難体制について

 2 高齢者の生活動線について

 3 主体性を育む学びについて

 4 その他

 

○議長(森たかゆき) 次に、斉藤けいた議員。

〔斉藤けいた議員登壇〕

○6番(斉藤けいた) 令和8年第3回定例会、日本維新の会の立場から一般質問を行います。質問は通告どおり、その他はございません。

 1、災害時におけるペットの避難体制について。

 7月28日の令和8年熊本地震では、熊本市内の九州動物学院などにペットの同伴避難所が開設されました。外傷や避難生活によるストレス、熱中症、慢性疾患の薬不足、脱走、迷子なども課題となりました。こうした事例を踏まえ、暑さや寒さへの対策、避難先への移動、情報提供など、必要な体制を平時から整えておくことが重要です。

 中野区は全ての避難所でペットの同伴避難を受け入れ、避難スペースは原則、屋外としています。今年の2月16日の一般質問で活用を求めた東京愛犬専門学校については、3月13日の防災対策調査特別委員会で、まず地域の避難所へ避難し、必要に応じて同校へ移動する運用が示されました。受入れ規模は犬猫それぞれ40匹程度と想定され、4月15日に協定が締結されました。

 そこで4点伺います。

 第1に、同校の役割と利用方法です。3月13日の特別委員会で示された運用は協定締結後も同様なのか、伺います。また、東京愛犬専門学校へ直接避難できるのか、開設基準と地域の避難所から同校へ移動する際の判断について、伺います。併せて、受け入れる動物の種類、飼い主の滞在や宿泊、同室避難の可否を伺います。さらに同校の位置付けや基本的な利用の流れを地域防災計画や避難所運営マニュアルなどに明記する考えを伺います。

 第2に、協定の運用体制です。夜間や休日、通信障害時に備え、区、避難所運営組織、同校、東京都獣医師会中野支部の役割を明確にする必要があります。その上で同校への移動や受入れ、動物の救護に関する手順を定め、関係者で共有する考えを伺います。また、合同訓練を行い、実効性や課題を検証し、改善につなげる考えを伺います。

 第3に、既存避難所の暑さ・寒さ対策です。各避難所について屋内の候補スペースや空調の有無、停電時に使用できるかを事前に把握する考えを伺います。併せて、気温や気象状況、ペットの健康状態に応じて屋外から屋内へ移動する際の判断について、区の考えを伺います。

 第4に、区民への情報提供です。ペット避難の基本的な考え方をまとめたガイドラインを作成し、周知する考えを伺います。その上で令和9年度の避難所運営アプリへの反映を待たず、各避難所の受入れに必要な情報や東京愛犬専門学校の利用方法を区のホームページで順次公表する考えを伺います。併せて、掲載した情報を定期的に更新する考えを伺います。

 私自身、2匹の愛犬と暮らす中で災害時のペット避難は身近な課題だと感じています。また、区民の方からもペットとの避難について不安の声を伺ってきました。災害時に飼い主が迷わず行動でき、人とペットの命を守る体制を求め、この項の質問を終わります。

 2、高齢者の生活動線について。

 高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けるには、買物や通院など、日常の外出を支える環境が欠かせません。歩くきっかけがあり、安全に移動でき、途中で休める。そして、必要に応じて公共交通も利用できる。こうした環境を整えることが重要です。このような生活動線を一体的に整える視点から2点伺います。

 第1に、歩くきっかけづくりです。令和7年10月17日のスマートウェルネスシティ調査特別委員会で、区は高齢の参加者に活動量計やFitbitの操作、アプリのダウンロードを個別に説明し、75歳以上の参加割合や継続状況を分析する考えを示しました。令和8年4月13日の同委員会では、令和7年度の歩数データを基に事業全体の継続率は81.3%で、目標の80%以上を達成したと報告されました。一方、新規参加者1,000人のうち75歳以上は103人、割合は10.3%で、目標である40%以上には届きませんでした。

 活動量計やアプリなど、デジタル機器への不慣れが75歳以上の参加に影響していると考えますが、区の認識を伺います。また、75歳以上の新規参加者103人のうち開始前の歩数データを取得できた人数と割合、そのうち3か月後も歩数データを取得できた人数と割合を伺います。その上でこれらの実績と分析を踏まえ、令和9年度の75歳以上の新規参加者について、目標とする人数と割合を伺います。併せて、周知、申込み、参加後の継続、それぞれの段階でどのような支援を行うか、伺います。

 第2に、身近な地域での移動環境です。区は令和8年度版「あなたの近くの通い場マップ」で高齢者の活動場所を紹介しています。しかし、歩くきっかけや行き先があっても、安全に移動でき途中で休める環境がなければ、日常の外出にはつながりません。

 先日視察した札幌市の「チ・カ・ホ」では、約520メートルの地下歩行空間に椅子やテーブルを備えた憩いの空間が設けられていました。休める場所も移動環境の一部として捉える視点は参考になると考えます。

 そこで令和9年度に住宅地の1地区をモデル地区とし、生活支援コーディネーターなどと連携し、高齢者とともに通いの場や買物先、医療機関などへの道のりを点検する考えを伺います。その際、坂や段差などの歩行上の課題、ベンチなどの休める場所、バス停までの経路や待合環境を把握し、福祉、道路、交通などの関係部署で共有する考えを伺います。また、点検結果を踏まえ令和9年度中に改善すべき項目と優先順位を整理し、令和10年度以降の具体的な改善につなげる考えを伺います。

 こうした「歩く」、「休む」、「乗る」を一つの生活動線と捉え、高齢になっても安心して買物や通院ができる中野の実現を求め、この項の質問を終わります。

 3、主体性を育む学びについて。

 ICTや生成AIが普及する中、子どもには自ら問い、考え、判断し、自分の言葉で表現する力が求められます。こうした主体性を育む視点から3点伺います。

 第1に、ICT活用の成果検証についてです。令和7年10月15日の子ども文教委員会では、ICT機器を週3回以上使う割合は小学6年生で80.1%、中学3年生で92.3%と報告されました。また、ICT機器で情報を整理できると思う割合はそれぞれ75.9%、69.3%でした。いずれも国・都の平均を上回っています。しかし、中学3年生ではICT機器を使う頻度と情報を整理できると思う割合には23ポイントの差がありました。

 本年9月1日付の中野東中だよりでは、東北大学と仙台市教育委員会によるスマートフォンの使用時間や勉強時間、睡眠時間と学力との関係を分析した調査が紹介されていました。ICTの活用についても利用頻度や自己評価だけではなく、複数のデータを組み合わせ、学習への効果を検証することが重要です。

 そこでICTの活用を児童・生徒が自ら問い、考え、判断し、自分の言葉で表現する力にどのようにつながっているのか、先行事例や学識経験者の知見を活かし、検証する考えを伺います。

 第2に、国際的な共同学習についてです。台北市教育局は、「My Global  Classroom(MGC)」として海外の生徒とオンラインで交流し、共に学ぶ取組を進めています。昨日も大塚議員が質問されました。こうした学びを通じて国際的な視野や自分の考えを伝える力を育んでいます。

 本年の台北市中山区への視察では、MGCについて説明を受けました。参加校には中山区の濱江中学校も含まれています。また、中野区と中山区は昨年11月に友好交流協力覚書を締結しています。こうした交流の基盤を活かし、MGCを通じた中野区と台北市の学校によるオンライン共同学習について、令和8年度中に中山区へ提案し、台北市教育局や関係校との協議をはじめ、令和9年度にモデル校で試行する考えを伺います。

 第3に、生成AIの活用についてです。中野区では、令和8年度から中学生による生成AIの学習活動を進めています。令和8年8月末現在、生徒が授業中に生成AIを直接利用している区立中学校の数を伺います。

 また、中野区基本計画では、生成AIについて令和8年度と令和9年度に全校導入を検討し、令和10年度以降に全校導入するとしています。そこで全ての区立中学校生徒が生成AIの利用を開始する具体的な年度を伺います。併せて、生成AIを適切に活用するための区独自のガイドラインについて、検討状況と作成・公表時期を伺います。

 ICTや生成AIは、子どもたちの思考を代替するものではなく、学びを深めるための手段です。その成果をしっかりと検証し、国際的な共同学習など、学びの幅を広げる取組を進めることが重要です。子どもたちが自ら問い、考え、判断し、自分の言葉で表現する力を育む教育を求め、私の全ての質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 斉藤けいた議員の御質問にお答えします。

 まず、災害時におけるペットの避難体制についての御質問で、初めに、東京愛犬専門学校の役割と利用方法について、まず避難所へ避難し、その後、必要に応じて東京愛犬専門学校へ移動する運用については、協定締結後も同様でございます。東京愛犬専門学校の開設基準は、建物の安全性が確認され、学校職員の常駐が可能で、区が開設の必要性を認めるときになります。また、避難所からの移動判断基準は、避難所の管理責任者または獣医師が当該場所での生活または管理が困難と判断した場合を想定しており、受入れ規模の関係から直接避難は考えておりません。受入対象動物の種類は、犬、猫、学校で飼育している動物の一部で、受入可能頭数は、犬、猫ともに各40頭程度を設定しております。また、飼い主の滞在・宿泊も可能であり、当該施設の収容状況に応じてペットと飼い主が同室避難できる方向で検討しております。なお、東京愛犬専門学校の位置付けや基本的な利用の流れについては、次期地域防災計画や避難所運営マニュアルの修正時に明記する予定でございます。

 次に、協定の運用体制についてです。夜間・休日や通信障害時における対応を含め、それぞれの役割分担や運用体制、各種対応手順については、今後、関係機関と協議を重ねながら具体的に定めます。また、ペット等の受入れに関する合同訓練を実施し、その実効性や課題を検証するとともに、必要な改善を図ってまいります。

 次に、ペットの受入れ環境の整理についてです。各避難所においては停電時の暑さ・寒さ対策を含め環境整備を進めておりますが、受入れ場所については、避難所の状況等を踏まえ避難所運営組織等と調整しながら対応していく考えです。また、気温や気象条件などによってはペットの飼育環境に配慮した措置が必要となる場合もありますので、獣医師会の意見も踏まえながら運用について整理してまいります。

 次に、ペット避難に関する情報の公表等についてです。現在、ペット避難の基本的な考え方や飼い主、避難所運営組織及び区の役割を整理したガイドラインの策定を進めているところで、策定後は区民への周知とともに飼い主や避難所運営組織との共有にも活用してまいります。また、ペット避難に関する情報については、飼い主が災害発生時に適切な行動を取ることができるよう、避難所ごとの受入れ環境や協定の具体的内容をまとめ、広く区民に情報発信を行ってまいります。

 次に、高齢者の生活動線についての御質問で、健幸ポイント事業における令和7年度の実績についてです。健幸ポイント事業はデジタルデバイスを活用することから、75歳以上の方にとっては参加方法が分かりにくいなどにより、参加のハードルが比較的高かったことが要因の一つと捉えております。一方、75歳以上の新規参加者103人のうち開始前の歩数データを取得できた方は100人、97%であり、そのうち3か月目以降も歩数データを取得できた方は93人、93%でございました。

 最後に、健幸ポイント事業における75歳以上参加者への支援策についてです。令和8年度は募集時から個々の相談を受け付けるなど、窓口等で申込みのサポート体制を強化したことで、75歳以上の参加者率は23%と、令和7年度より増加しました。令和9年度の事業内容につきましては、目標人数と割合などを含め検討中ですが、75歳以上の参加者率の向上に向け、高齢者が楽しみながら継続して取り組めるよう支援策を講じてまいります。

〔教育長田代雅規登壇〕

○教育長(田代雅規) 私のほうからは主体性を育む学びについての御質問にお答えいたします。

 最初に、児童・生徒のICT活用の効果検証方法についてでございます。教育委員会におきましては、全国学力・学習状況調査及び区の学力調査の結果と児童・生徒のICTの活用頻度をクロス集計することで、その影響等を把握しているところでございます。今後、国や大学等の専門機関が発信する情報を注視し、ICT活用について効果の検証方法を研究してまいります。

 次に、中山区とのオンライン共同学習の試行についてでございます。「My Global  Classroom」の実施に向けましては、教育委員会が台北市教育局との関係を構築した上で参加条件の確認をはじめ、教育的意義や交流の目的について共通理解を図ることが必要であると考えております。試行に向けましては、本区の学校の教員体制や教育課程への位置付けなどについて確認するとともに、学校の意向も踏まえながらモデル校を選定し、実施に向けて検討してまいります。

 次に、生成AIの利用中学校数についてでございます。現在、生徒自身が生成AIを利用しているのは、研究モデル校である第二中学校の1校でございます。

 次に、中学校における生成AIの全校導入年度についてでございます。今年度、ガイドラインを作成するとともに、全中学校におきまして生徒の実態等に応じて段階的に利用を開始し、令和10年度以降、全中学校に導入していく予定でございます。

 最後に、生成AIの区独自のガイドラインの検討状況と策定・公表時期についてでございます。区独自のガイドラインにつきましては、現在、国・東京都の動向等を踏まえながら内容の検討を進めております。今後、内容の精査を進め、令和8年11月頃を目途に策定・公表をしてまいります。

〔地域包括ケア推進担当部長滝瀬裕之登壇〕

○地域包括ケア推進担当部長(滝瀬裕之) 私からは、高齢者の生活動線についての御質問のうち、身近な地域の移動環境についてで、まず高齢者の生活動線を点検する考えについてでございます。

介護予防や社会参加、歩きたくなるまちの実現の観点から、高齢者とともに移動経路を確認し、生活動線に関する課題や資源を把握・点検し、関係部署間で共有していくことは重要と考えてございます。これまでも地域ケア会議において住民の声を基に身近な休憩場所など、マップとして整理した例がございます。次年度から各地域包括支援センターに地域の資源やニーズの把握、地域の支援者との連携などの機能を有する生活支援コーディネーターの配置を検討しておりまして、御提案についても実現可能性を含め検討してまいります。

○議長(森たかゆき) 質問時間は終了しております。答弁は結構です。

 以上で斉藤けいた議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 井 関 源 二

 1 清掃従事者の夏季手当について

 2 軽井沢少年自然の家について

 3 中野四丁目西地区の再開発について

 4 その他

 

○議長(森たかゆき) 次に、井関源二議員。

〔井関源二議員登壇〕

○7番(井関源二) れいわ新選組改め、いのちの党の井関源二です。よろしくお願いいたします。

 まず初めに、令和8年熊本地震、令和8年千葉豪雨、また、ネパールで起こった土石流によってお亡くなりになった方にお悔やみを申し上げるとともに、被害に遭われた方にお見舞いを申し上げます。

 私は本年第2回定例会の一般質問の冒頭で、前石破政権の政策であり、いのちの党の政策でもある防災庁、防災省の設置を訴えました。本年第2回定例会に引き続き一刻も早い防災庁の設置を求め、質問に移ります。なお、質問は通告どおりで、その他の項目はございません。

 1、清掃従事者の夏季手当について。

 日本共産党の武田やよい議員からも一部同じ内容の質問がございましたが、武田議員から「かぶってもいいんだよ。みんなで同じ質問をしたほうがいいんだよ」と御了承を頂きました。そういうわけで遠慮なく同じ質問をさせていただきます。

 先日、東京清掃労働組合中野支部の方と懇談した際、夏季手当を1,000円程度に上げてほしいという要望がありました。現在の夏季手当が700円、こちらは平成11年、1999年に制定されたそうです。27年前です。20世紀です。

 皆さん御存じのとおり、日本の夏は平均気温が上がり続けております。私は、先日、日台議連で台湾の台北市に視察に行きましたが、正直東京のほうが暑かったです。日本の夏の暑さは変わってしまいました。命の危機があるほどです。先月8月26日(水曜日)に清掃作業中、職員が熱中症により体がつり、吐き気を催し、救急搬送されました。点滴を打ち回復し、入院にはいたらなかったということがあったそうです。

 そして、皆さん御存じのとおり、昨今の物価の上昇がうなぎ登りです。現在の夏季手当700円では、ほとんどが飲料水でなくなってしまうそうです。東京清掃労働組合中野支部の方は、「ほかの中野区職員(行政職等)と比べ不公平感も否めません」とおっしゃっていました。これは命を守るためにも、生活を守るためにも、何とか夏季手当を上げていただきたいものです。

 ちなみに、清掃従事者50人がいるとして夏季手当を各300円、夏の暑い期間90日に手当を出すと考えて試算してみますと135万円です。中野区の年間予算は2,000億円強です。135万円で実施できる施策であるなら、やらない理由はないと考えます。

 私は暑がりなので、夏季手当1,000円もらってもなかなかできる仕事ではないと思います。しかし、ごみの回収が止まってしまいますと、インフラ機能が止まってしまいます。エッセンシャルワーカーこそ待遇面で報われるべきだと考えます。

 中野区は他区に先駆けてやる施策がなく、いつも他区の動向を見てから実施するという話を耳にします。予算135万円でできる施策であれば、ぜひ先駆的に何とか来年の夏が始まる前に夏季手当の増額をお願いできないでしょうか。何とかお願いいたします。

 逆にもし区が清掃従業者の夏季手当の増額を行えないのであれば、武田議員も述べていらっしゃいましたが、区の職員の夏季の清掃業務を手当700円で、マストで実施するべきだと考えます。マストです。御列席の理事者の皆様、マストでやってください。武田議員の再々質問に対しては「話を聞く」というような趣旨の御答弁だったかと思いますが、話を聞くということは夏季手当をアップするということです。清掃従業者の夏季手当をアップするか、夏季の清掃業務に従事するか、二者択一です。区の見解をお伺いします。

 2、軽井沢少年自然の家について。

 先日、共産党の武田やよい議員、無所属のむとう有子議員、石坂わたる議員と私を含む4名で軽井沢少年自然の家を視察させていただきました。委託事業者の所長には大変御丁寧な御案内を、武田議員には移動中の大変御丁寧な全ての御運転をしていただきました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。

 ほかの議員も軽井沢少年自然の家について質問があるかと思いますが、私からは当該施設の災害時の受入れ体制について、お伺いします。令和になってから大規模災害が増えております。平時の準備が肝要と考えます。現地で備蓄について伺いましたところ、「食品の備蓄はないが、水の備蓄は始めた」という御回答でした。

 まず中野区から当該施設を利用した児童・生徒、そして、引率者が現地で被災したとき、帰宅困難になったとき、数日滞在可能な受入れ体制を整備するべきだと考えます。

 次に、浅間山の噴火など、現地の住民やスタッフが滞在可能な備蓄をしてはいかがでしょうか。中野区でも帰宅困難者が発生した場合、民間の施設での受入れを締結していると伺っております。そして、もし首都直下地震や富士山噴火などが起こった場合、二次避難所として中野区の被災者の受入れ、そういった想定をした整備をするべきだと考えますが、いかがでしょうか。改めて優先順位で申し上げますと、1に宿泊者、2に地元住民、3に中野区在住者になるかと考えます。区の見解をお伺いします。

 昨今、日本全国で熊の出没が増えております。軽井沢少年自然の家に視察に伺う前日、前出の武田議員、むとう議員、そして、無所属の小宮山たかし議員とみなかみ町の中野の森に視察に伺いました。私の頭の中は「もし熊が出たらどうしようと、俺のことはいい、みんな早く逃げろ」と、自分の身を犠牲にし、武田議員、むとう議員、小宮山議員を逃がすか、「俺はおいしくない」と、武田議員、むとう議員、小宮山議員の犠牲を気にせず、誰よりも早く車まで一目散に逃げるか、そういうことでいっぱいで、頭の中で何度もシミュレーションを繰り返しておりました。どこかしら気もそぞろでした。

 私の頭の中が熊のことでいっぱいでしたので、その流れで軽井沢少年自然の家で熊が出たことはあったのか伺ったところ、「まだ近隣で熊は出没していない。猿はたまに出る」という御説明を頂きました。まだ発生していない今だからこそ軽井沢少年自然の家近隣で熊が出没した際の準備やフローを検討すべきだと考えますが、いかがでしょうか。区の見解を伺います。

 3、中野四丁目西地区の再開発について。

 中野四丁目西地区を更地にして、地上180メートル、1,080戸のタワーマンションにするという計画がありますが、賛成・反対の議論が起こっております。私も先日区庁舎で実施された説明会を傍聴させていただきました。会場であった区役所庁舎6階会議室が区民の方々で満員で、私は今までここまで区民の方が集まる説明会を見たことがなく、区民の方々の関心の高さを伺わせました。侃侃諤諤、厳しい質問が飛び交っておりました。

 説明会に参加した区民の方からお寄せいただいた御意見を御紹介します。「中野四丁目西地区内にあるオフィスビル内に知的障害、発達障害のある子どもを対象とした児童発達支援の事業者や放課後デイサービスの事業者が入っておりまして、新しいタワーマンションが完成した際、そういった公共の福祉に寄与する事業者がそのまま入居があるのか」と、心配する声を伺いました。御心配はごもっともだと思います。今、中野四丁目西地区で事業、生活、利用されている方々、こういった方々が仮にタワーマンションの計画が実施されたとしても、完成後、同じ環境で事業、生活、利用ができることが最低条件だと考えます。

 そして、私が一番気になるのが、個人の特定を避けるためにぼやかして言いますが、仮に鳥のペットをたくさん飼っているお宅があるとします。そして、たくさんの鳥を調教しているとします。例えばこういったお宅、これが新しいタワーマンションに今までと同じ環境で入居できるのでしょうか。例えばタワーマンションの屋上で今までと同じどおり鳥の小屋を置き、鳥の調教ができるのでしょうか。仮にこれがなされない場合は行政による憲法違反ではないかと考えますが、いかがでしょうか。通常、民間と民間の再開発であれば、私もくちばしを挟まないですが、なぜか区も積極的に関わっている計画でございますので、御質問いたします。区の見解をお伺いいたします。

 以上で私の質問を終わります。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 井関議員の御質問にお答えします。

 私からは清掃従事者の夏季手当についての御質問で、夏季の清掃業務従事職員手当の増額についてです。

 近年の夏季における異常な高温は、清掃職員を含め屋外の現場で業務に当たる職員にとって大きな負担となっております。熱中症等の健康被害を防止するための取組が必要だと認識しているところであります。区では健康経営の取組を推進しておりまして、安全衛生委員会をはじめ、様々な機会を捉えて担当職員とも対話をし、職場環境の現状や必要な取組の把握にも努めております。現時点で夏季の清掃業務従事職員手当を増額する考えはありませんが、区においても清掃職員の安全確保のため、業務中の水分補給の徹底、空調作業服の貸与などの対応を進めておりまして、引き続き職員が安心して業務に従事できる環境整備に努めてまいります。

〔教育長田代雅規登壇〕

○教育長(田代雅規) 私のほうからは軽井沢少年自然の家についての御質問にお答えいたします。

 最初に、軽井沢少年自然の家における災害時の備蓄についてでございます。移動教室の実施期間中等は、指定管理者が調達する食材により約3日間の食事提供が可能と見込んでおります。現在、軽井沢町及び中野区において軽井沢少年自然の家を避難所としては指定しておらず、避難者受入れのための備蓄をすることは考えておりません。

 次に、軽井沢少年自然の家における熊対策についてでございます。現在、指定管理者からは施設内における熊の目撃情報は確認されていないと報告を受けておりますが、軽井沢少年自然の家よりも山間部側にある地域は生息エリアとして認識されており、現地の自治体でも安全対策を実施しているものと把握しております。区としても利用者の安全確保は重要であると認識しており、熊の出没情報の把握に努めるとともに、万が一、近隣で出没した場合には、軽井沢町と連携し、対応してまいります。

〔中野駅周辺まちづくり担当部長小幡一隆登壇〕

○中野駅周辺まちづくり担当部長(小幡一隆) 私からは中野四丁目西地区の再開発についての御質問で、再開発における生活再建について、お答えいたします。

 市街地再開発事業においては、土地所有者や借地権者といった権利者の意向や生活再建、営業の継続にも十分配慮しながら事業を進めることが基本となっております。従前の土地や建物等の権利については、都市再開発法に基づき、その価値に応じて再開発後の建物や敷地に権利返還することで、生活再建や営業継続を行っていただくものでございます。また、再開発後の建物への入居を希望しない場合には、補償を受けて地区外に移転することも可能となっております。こうしたことから地権者の意向によって様々な選択が可能となっているものでございます。

○議長(森たかゆき) 以上で井関源二議員の質問は終わります。

 以上をもって質問は終了いたしました。

 これより日程に入ります。

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 第63号議案 令和8年度中野区一般会計補正予算

(委員会報告)

 

○議長(森たかゆき) 日程第1、第63号議案、令和8年度中野区一般会計補正予算を議題に供します。

 

令和8年(2026年)9月7日

 

中野区議会議長 殿

 

総務委員長 河合 りな 

(公印省略)

 

議案の審査結果について

 

本委員会に付託された下記議案は、審査の結果、原案を可決すべきものと決定したので、中野区議会会議規則第78条の規定により報告します。

 

記

 

議案番号

件    名

決定月日

第63号

令和8年度中野区一般会計補正予算

9月7日

 

 

○議長(森たかゆき) お諮りいたします。上程中の議案に関する委員長報告は、会議規則第40条第3項の規定により省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(森たかゆき) 御異議ありませんので、委員長報告は省略いたします。

 本件については、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(森たかゆき) 御異議ありませんので、これより採決いたします。上程中の議案を委員会報告どおり可決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(森たかゆき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

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 認定第1号 令和7年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

 認定第2号 令和7年度中野区用地特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第3号 令和7年度中野区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第4号 令和7年度中野区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定について

 認定第5号 令和7年度中野区介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について

 

○議長(森たかゆき) 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

〔副区長青山敬一郎登壇〕

○副区長(青山敬一郎) ただいま上程されました認定第1号から認定第5号までの5件につきまして、一括して説明いたします。

 初めに、中野区一般会計決算について、説明いたします。令和7年度一般会計の歳入総額は2,070億7,872万7,370円、歳出総額は2,010億5,531万9,845円で、前年度と比較しますと、歳入で9.3%の増、歳出で8.5%の増となりました。歳入から歳出を差し引いた形式収支額は60億2,340万7,525円となり、翌年度へ繰り越すべき財源22億1,469万8,000円を差し引いた実質収支額は38億870万9,525円となりました。

 それでは、歳入につきまして、主な款について説明いたします。

 第1款特別区税は421億2,800万円余で、前年度と比較して39億6,000万円余、10.4%の増となりました。

 第2款特別区交付金は482億5,600万円余で、前年度と比較して19億7,400万円余、4.3%の増となりました。

 第7款地方消費税交付金は92億1,500万円余で、前年度と比較して6億8,100万円余、8.0%の増となりました。

 第14款都支出金は、中野駅周辺まちづくりの進捗などにより、前年度と比較して13億8,200万円余、6.4%増の228億8,900万円余となりました。

 第17款繰入金は、財政調整基金からの繰入金の増などにより、前年度と比較して120億7,600万円余、77.6%増の276億4,700万円余となりました。

 第20款特別区債は、囲町東地区第一種市街地再開発事業などの財源として起債を発行したことから、前年度と比較して15億7,100万円、24.8%増の78億9,400万円となりました。

 これらの結果、歳入決算額の予算現額に対する収入率は97.7%となり、前年度より0.9ポイント上がりました。

 次に、歳出につきまして、主な款について説明いたします。

 第3款総務費は、新庁舎開設に係る備品購入経費の減などにより、前年度と比較して8億100万円余、4.9%減の156億4,000万円余となりました。

 第5款子ども教育費は、学校施設整備費の減などにより、前年度と比較して22億6,000万円余、3.7%増の584億4,300万円余となりました。

 第10款まちづくり推進費は、中野駅新北口歩行者通路整備に係る経費の増などにより、前年度と比較して34億900万円余、18.7%増の216億3,000万円余となりました。

 第11款公債費は、新庁舎整備に係る特別区債の繰上償還などにより、前年度と比較して31億200万円余、46.3%増の97億9,800万円余となりました。

 第12款諸支出金は、財政調整基金積立金の増などにより、前年度と比較して70億8,100万円余、68.5%増の174億2,400万円余となりました。

 これらの結果、歳出決算額の予算現額に対する執行率は94.9%となり、前年度より0.2ポイント上がりました。

 この歳出決算額を性質別に見ますと、人件費、扶助費及び公債費を合わせた義務的経費は879億1,500万円余で、前年度と比較して5.9%の増となりました。

 また、投資的経費は401億9,200万円余で、前年度と比較して3.3%の減となりました。

 なお、令和7年度決算では、実質収支額が38億800万円余となり、前年度決算に比べ5億7,000万円余の増となりました。

 令和7年度は、区民ニーズを的確に把握し、時機を逸することなく、未来の中野につながる政策を計画的かつ着実に推進しました。また、円安や物価高騰による区民生活への影響を踏まえ、安心して暮らせる環境の充実に取り組むとともに、区民生活に基軸を置いた行政サービスを提供してきました。

 今後も子育てサービスの質の向上、中野駅周辺をはじめとしたまちづくり、公共施設の建て替えや大規模改修など、歳出の増加が見込まれます。「財政運営の考え方」を踏まえ、区民満足度の高い区政を維持するため、基金や起債をバランスよく活用し、将来を見据えた財政運営を行っていく必要があると考えています。

 以上が一般会計決算の説明です。

 続きまして、中野区用地特別会計決算について説明いたします。

 歳入歳出の決算額は同額で11億4,773万4,648円、前年度と比較しますと歳入歳出ともに3.9%の増となりました。

 歳入は、第1款財産収入が10億9,900万円余で、前年度と比較して5億9,300万円余、117.3%の増となりました。

 第2款繰入金が4,700万円余で、前年度と比較して2,500万円余、110.6%の増となりました。

 また、特別区債は皆減となりました。

 歳出は、第1款公債費が11億4,700万円余で、前年度と比較して11億2,400万円余の著しい増となりました。

 また、諸支出金及び用地費は皆減となりました。

 歳入総額及び歳出総額が増となった要因は、上五こもれび公園用地引取りに伴い特別区債の繰上償還を行ったことによるものです。

 次に、中野区国民健康保険事業特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は336億9,218万9,979円、歳出総額は333億7,853万9,979円で、前年度と比較しますと歳入歳出ともに0.6%の減となりました。

 歳入の主なものは、第1款国民健康保険料が95億9,200万円余で、前年度と比較して1億7,700万円余、1.9%の増、第4款都支出金が195億200万円余で、前年度と比較して4,200万円余、0.2%の減、第5款繰入金が41億8,900万円余で、前年度と比較して3億1,600万円余、7.0%の減となりました。

 歳出の主なものは、第1款国保運営費が9億8,200万円余で、前年度と比較して3,900万円余、4.1%の増となりました。

 第3款国保事業費納付金が125億6,800万円余で、前年度と比較して2億200万円余、1.6%の減となりました。

 次に、中野区後期高齢者医療特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は86億6,039万8,582円、歳出総額は85億8,214万982円で、前年度と比較しますと歳入で4.0%の増、歳出で3.8%の増となりました。

 歳入の主なものは、第1款後期高齢者医療保険料が50億5,200万円余で、前年度と比較して2億8,800万円余、6.0%の増、第2款繰入金が33億9,800万円余で、前年度と比較して8,800万円余、2.7%の増となりました。

 歳出の主なものは、第1款広域連合納付金が84億6,300万円余で、前年度と比較して3億2,300万円余、3.9%の増となりました。

 最後に、中野区介護保険特別会計決算について説明いたします。

 歳入総額は263億3,159万1,497円、歳出総額は258億5,389万92円で、前年度と比較しますと歳入で2.4%の増、歳出で2.1%の増となりました。

 歳入の主なものは、第1款介護保険料が54億8,800万円余で、前年度と比較して1億1,700万円余、2.2%の増、第3款国庫支出金が56億6,700万円余で、前年度と比較して1億900万円余、2.0%の増、第4款支払基金交付金が65億2,100万円余で、前年度と比較して3,900万円余、0.6%の増、第5款都支出金が35億1,800万円余で、前年度と比較して6,200万円余、1.8%の増となりました。

 歳出の主なものは、第1款制度運営費が9億8,900万円余で、前年度と比較して1億8,800万円余、23.6%の増、第2款保険給付費が232億5,700万円余で、前年度と比較して4億3,900万円余、1.9%の増、第3款地域支援事業費が10億8,300万円余で、前年度と比較して1,500万円余、1.4%の減となりました。

 以上、令和7年度の各会計決算について説明いたしました。

 なお、詳細につきましては、あらかじめ送付いたしました「中野区各会計歳入歳出決算書」、「各会計事項別明細書」及び「各調書」、「主要施策の成果」並びに「中野区各会計歳入歳出決算説明書」によりまして御確認いただきたいと思います。

 また、監査委員におかれましては、本決算につきまして慎重に審査を頂き、別冊のとおり、「中野区各会計歳入歳出決算審査意見書」の提出を頂きました。御指摘のあった点については、十分に対処していく所存です。

 最後になりましたが、ここに令和7年度決算につきまして議会の認定をお願いする運びになりましたことは、区議会の適切な御指導と御協力によるものと深く感謝を申し上げる次第です。

 以上、認定第1号から認定第5号までにつきまして、よろしく御審議の上、御認定くださいますようお願い申し上げ、令和7年度中野区各会計決算の説明とさせていただきます。

○議長(森たかゆき) 本件について御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(森たかゆき) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の認定第1号から認定第5号までの計5件は、議員全員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託いたしたいと思いますが、御異議はありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(森たかゆき) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

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 中野区の財政の健全化判断比率について

 

○議長(森たかゆき) 日程第3、中野区の財政の健全化判断比率について御報告いたします。

 本件については、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、区長から9月7日付のお手元の文書のとおり報告がありましたので、さよう御了承願います。

 

8中総総第1656号

令和8年(2026年)9月7日

 

中野区議会議長

 森 た か ゆ き 様

 

中野区長 酒 井 直 人

 

中野区の財政の健全化判断比率の報告について

 

地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定により、別添のとおり報告します。

 

○議長(森たかゆき) 本日はこれをもって散会いたします。

午後5時05分散会

 

 

 

会議録署名員 議 長 森 たかゆき

       議 員 山内 あきひろ

       議 員 内野 大三郎