平成16年11月24日中野区議会本会議(第4回定例会) 平成16年第4回定例会本会議第1日(11月24日) 1.平成16年(2004年)11月24日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
  1番  いでい   良  輔        2番  伊  東   しんじ
  3番  佐  野   れいじ        4番  北  原  奉  昭
  5番  久  保  り  か        6番  酒  井   たくや
  7番  奥  田   けんじ        8番  近  藤   さえ子
  9番  小  堤     勇       10番  大  内   しんご
 11番  伊  藤  正  信       12番  きたごう  秀  文
 13番  吉  原     宏       14番  高  倉  良  生
 15番  やながわ  妙  子       16番  平  島  好  人
 17番  むとう   有  子       18番  はっとり  幸  子
 19番  長  沢  和  彦       20番  か  せ  次  郎
 21番  山  崎  芳  夫       22番  小  串  まさのり
 23番  高  橋   ちあき       25番  岡  本   いさお
 26番  こしみず  敏  明       27番  飯  島  きんいち
 28番  佐  伯  利  昭       29番  佐  藤   ひろこ
 30番  来  住  和  行       31番  岩  永   しほ子
 32番  若  林  ふくぞう       33番  篠     国  昭
 34番  伊  藤  岩  男       35番  斉  藤  金  造
 36番  大  泉  正  勝       37番  斉  藤  高  輝
 38番  江  口   済三郎       39番  藤  本  やすたみ
 40番  昆      まさ子       41番  江  田   とおる
 42番  池  田  一  雄
1.欠席議員(1名)
 24番  市  川   みのる
1.出席説明員
 中 野 区 長  田 中 大 輔      助     役  内 田 司 郎
 収  入  役  山 岸 隆 一      教  育  長  沼 口 昌 弘
 区 長 室 長  田 辺 裕 子      まちづくり総合調整担当部長 那須井 幸一
総 務 部 長  石 神 正 義      総務部担当参事  橋 本 美 文
区民生活部長   本 橋 一 夫      子ども家庭部長  柳 澤 一 平
保健福祉部長   菅 野 泰 一      保 健 所 長  清 水 裕 幸
都市整備部長   石 井 正 行      教育委員会事務局次長 金 野  晃
 政策計画担当課長 鈴 木 由美子
本会の書記は下記のとおりである。
 事 務 局 長  正 木 洋 介      事務局次長    飯 塚 太 郎
 議事調査担当係長 大 谷 良 二      書     記  黒 田 佳代子
 書     記  巣 山 和 孝      書     記  永 田 純 一
 書     記  荒 井   勉      書     記  廣 地   毅
 書     記  西 田   健      書     記  岩 浅 英 樹
 書     記  鳥 居   誠      書     記  杉 本 兼太郎
 書     記  松 本 桂 治      書     記  吉 田 哲 郎

 議事日程(平成16年(2004年)11月24日午後1時開議)
日程第1 第52号議案 平成16年度中野区一般会計補正予算

      午後1時02分開会
○議長(山崎芳夫) ただいまから平成16年第4回中野区議会定例会を開会いたします。
 本日の会議を開きます。
 会議録署名員は会議規則第121条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。
 8番小堤 勇議員、34番伊藤岩男議員にお願いいたします。
 次に、会期についてお諮りいたします。本定例会の会期は本日から12月7日までの14日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんのでさよう決定いたします。
 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
 この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、飯島きんいち議員、大内しんご議員、岩永しほ子議員、北原奉昭議員 平島好人議員、奥田けんじ議員、はっとり幸子議員、久保りか議員、伊藤正信議員、小堤勇議員、佐野れいじ議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 中野区議会議員 飯 島 きんいち
 1 地域防災計画と具体的対策について
 2 基本構想について
 3 交通バリアフリー整備構想と電線類地中化事業の推進について
 4 中野駅周辺まちづくりにおける道路交通基盤の整備について
 5 仮称「中野区産業振興条例」の制定について
 6 その他
  (1)元気でねっとの課題について
  (2)スポーツ少年団支援について
  (3)地下鉄丸の内線「中野坂上」駅西口について

○議長(山崎芳夫) 最初に、飯島きんいち議員。
    〔飯島きんいち議員登壇〕
○27番(飯島きんいち) 平成16年第4回定例会に当たり公明党の立場から一般質問をいたします。
 初めに、新潟県中越地震発生から1カ月、今なお6,500人を超える方が不自由な避難生活をされていらっしゃいます。地震により亡くなられた皆様の御冥福をお祈りするとともに、被害にあわれました方々には心よりお見舞いを申し上げます。
 それでは、通告に従い地域防災計画と具体的な対応について伺います。
 今月17日、中央防災会議の首都圏直下型地震対策専門調査会は、想定震源、震度分布などについて最終報告をまとめましたが、切迫性と想定される被害の甚大さから震災対策のより一層の取り組みにより、安全なまちづくりの強力な推進が求められております。
 中野区では、平成15年修正の中野区地域防災計画を本年の3月に取りまとめました。ここには中野区としての地域防災の取り組み、これが網羅的に示されております。そこで、本計画とその具体的な対応について質問をいたします。
 初めに、中野区の責務の明記と(仮称)中野区防災基本条例の制定について伺います。
 15年修正では、新規に総則第4章に「区民、事業所の責務とともに中野区の責務を明記した」と総務委員会での報告がございました。私はこれまで防災計画に区の責務を明記していなかった、そのことに驚きましたが、責務の記述は、区は災害対策のあらゆる施策を通じて、防災関係機関等の連携を図り、区民の生命、身体及び財産を震災から保護し、その安全を確保するとともに、発災後の区民生活の再建及び安定、並びに都市の復興を図るため最大の努力を払わなければならないというものであります。これは災害対策基本法の第5条に規定されている内容、市町村の責務を踏まえたもので、改めて新規に記述をするという性格のものではなく、当然、これまでに明記され、踏まえられているべきものと考えるのが普通です。これまで区の責務が明記されていなかったのはいかなる理由でしょうか、伺います。
 2001年の東京都震災対策条例の改正を受けて、自助、共助、公助という理念の上から行政の責任と役割を明確にしたということであるのであれば、区民の自助と共助の基盤になる区の責務の実行を担保する何らかの仕組みが必要だと考えます。この点について区長はどのようにお考えでしょうか。
 策定中の基本構想と10か年計画の中で明らかにするというお答えは、私はお答えにならない、このように考えておりますので、そのことをあらかじめ申し上げておきたいと思います。なぜならば、検討素材というのがナンバー4まで出ておりますけれども、その素材で見る限り、震災対策の指標は不燃化率だけであります。また、10か年計画に反映されるであろう区の施策と事業展開には、耐震補強などの支援メニューはあるものの、目標の明示はありません。この際、区の責務の実行を担保するものとして、予防対策、応急対策、復興対策、それらについて規定した(仮称)中野区防災基本条例を定めて、目標、理念の明確化、長期的な政策実施の法的担保とそれに伴う組織、予算、制度の根拠を明確にしてはいかがでしょうか。災害対策基本法の第5条には、計画の策定に続いて、法令に基づいて、これを実施することが市町村の責務であるとして規定がされております。条例制定について区長のお考えを伺います。
 次に、震災対策計画中の被害想定について伺います。
 被害想定については、今回は修正がなかったようであります。すなわち1997年の被害想定を踏襲していると読めますが、間違いはないのでしょうか。私もこれも不思議なことだと思います。この5年間、東京都も中野区も災害に強い安全なまちづくりを目指して対策を推進してきたはずです。それなのに被害想定が5年前のままだということは、この間、行政がさまざまな努力をしたにもかかわらず地震被害は軽減されなかったことになります。一体施策の有効性についてはどのように評価されているのでしょうか。この点についての見解を伺います。
 こうしたことになる要因は、地域防災計画に目標が設定されていないからだと指摘する防災の専門家もおりますが、いかがでしょうか、区の見解を伺います。
 中野区の地域危険度については、第4回の前回調査に比べて第5回調査の結果、地域危険度は改善されているのでしょうか。地域危険度調査は、建物倒壊危険度、火災危険度、避難危険度、総合危険度、危険度特定評価などにより、地域の地震に対する弱点、防災上の着眼点を把握することができるとされています。前回調査に比べて、中野区全域として地域危険度は改善されたのでしょうか。あわせてお答えください。
 次に、震災対策は、減災、つまり1件でも家屋の倒壊を減らし、一人でも犠牲になる人を減らす、被害を軽減する対策が重要との認識が一般的になりつつあります。そのためにも重要な施策とされる木造住宅の耐震補強助成事業について伺います。
 本計画に新規に書き込まれたとされる耐震助成等支援策ですが、耐震補強が必要と想定される区内の住宅数についてはどのくらいになるのでしょうか。目標、つまり耐震補強する、あるいはその診断をしなければならない目標と現在までの実績について伺います。
 耐震補強の必要性とその程度は診断してみなければわかりません。したがいまして、木造で新耐震基準以前の住宅を対象に診断が必要になります。先行して事業を実施している静岡市に同僚のこしみず、久保の両議員と視察に行ってまいりました。静岡市の場合、対象はおよそ7万棟、現在まで簡易耐震診断実績約5,000件、耐震補強工事助成事業実績はこの2年間で299棟に達し、本年度も既に10月31日現在で372棟になっているとのことでした。特徴的なことは、対象になっている7万棟の住宅に対して、全戸訪問というローラー作戦を展開していることです。結構実績が上がっていると私は思いましたけれども、しかし担当の課長さんは、簡易耐震診断事業の件数は、7万人の1割程度で頭打ちでしょうと語っていました。そこで、課長さんは、次に何をするかというと、さらに事業を推進するために、再度、事情を把握するために、その対応を検討する、つまりもう一度、全戸にローラーをかけようかとされていました。この辺の熱意は敬服に値すると思います。
 耐震診断助成実績を上げることは、安全なまちをつくることに直接つながり、被害を軽減して応急対策や復興のための税金投入を減少させる効果があります。特に阪神・淡路大震災で判明したように、家屋の倒壊を防ぐことが人命を守り、火災の発生を減少させることにつながるのですから、木造住宅が密集して火災の危険度が高い中野区にあっては、耐震補強による住宅倒壊を防ぐことの防災性向上、その効果は期待が高い事業だと思います。とすれば、耐震補強関連事業としては、中野区としての強力な取り組みが求められるのではないでしょうか。区長のお考えと取り組む決意をお聞かせください。
 なお、木造共同住宅対象の助成制度と耐震性能保証表示については未実施ですが、この事業の実施見通しはどのようになっているのか、担当部局に伺います。
 次に、効果的な応急対策について伺います。
 現在の震災対策は、中心が発災後の応急対応になっております。職員用のマニュアルもできていますが、いざというときに力を発揮するのは日常の訓練の成果によるとされています。災害対策での能力の発揮は、災害をいかにイメージすることができるか、そのことにかかっている、これが専門家の判断です。そのための有効化訓練として、最近では、図上訓練が取り入れられている、そしてまたそれを実施している自治体がふえています。
 中野区では、既に図上訓練を実施しているやに聞いていますが、そこではどのような訓練が実施されているのでしょうか。
 防災対策で最近注目されている板橋区では、図上訓練を実施してわかったことは、これにより管理職のマニュアル理解と災害イメージが格段に向上したということだそうでありまして、もう一つは、職員用のマニュアルだけでは区長の意思決定を十分にサポートできず、区長用のマニュアルが必要と考えられているということです。中野区では、図上訓練でどのような成果を得られたのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
 次に、避難の際に重要な避難道路と避難所確保に重要な施設構造物等の安全化について伺います。
 避難が必要でも、倒壊物によって道路がふさがっていては避難ができません。道路の確保は極めて重要になってきます。
 中野区では、ブロック塀の倒壊防止については、小学校通学路沿いと避難道路、避難誘導道路などに面したものについて安全点検調査を行って、特に危険と思われるものとについて補強・改善指導を行っていると聞いていますが、特に危険と思われる箇所は何カ所で、補強・改善された箇所はどのくらいなのでしょうか、お答えください。
 静岡市では、平成10年度からブロック塀等の耐震改修事業を行って、15年度までに撤去・改善が240件、16年度は10月31日現在で139件になっています。中野区のこれまでの実績をお答えください。
 建築物の安全では、避難所や災害対策の拠点になる区有施設の安全対策について、年次計画により耐震診断を実施し、その結果、必要な補強設計、工事を進めているとありますが、実際には、診断未実施施設が残されており、診断ランクCでも6施設が耐震改修未実施となっています。この施設について、どうされるのか、見解を伺います。
 学校再編と関連して気になるところは避難所の確保です。既に議会としては、文教委員会付託の陳情を採択する際に、避難所を現行の水準で確保する努力の必要性を明確にしているところであります。この方向で当然、努力をされると思いますが、いかがでしょうか。
 また、警察大学校等跡地、東大附属中学校一体での防災公園確保の取り組みはいつごろから具体化するのでしょうか、伺います。
 次に、ライフラインの対策について伺います。
 とりわけガスについては復旧までに時間がかかるとされていますが、今回の修正の内容としてガスのセンサー設置が記載されています。東京ガスでは、阪神・淡路大震災の教訓を受けて、超高密度新リアルタイム地震防災システムを稼働させているようです。地区ガバナーの自動作動によるガス漏れ防止システムに連動した被害関知想定システムですが、東京ガスでは、このシステムを使って、年に100回以上の防災訓練を行っているということです。自治体でも、このシステムでより詳細に被害状況の想定と対策を進めてはどうかとの意見もあります。東京ガスとの連携で活用を考えるなどは検討されているのでしょうか、伺います。
 震災対策の最後に、復興計画について伺います。
 災害後の中野区のまちをどのように復興して区民生活を回復していくのか、また災害に強いまちをつくっていくのかが応急対策と並んで極めて重要な課題です。しかし、復興は困難で長い道のりでございます。地震の破壊が一瞬であることに比べると、まさに破壊は一瞬、建設は死闘という鉄人の言葉どおりだと思われます。東京都も震災復興でグランドデザインを策定して、この問題に取り組んでいます。
 今回の修正でも、被災後、迅速かつ円滑に都市の復興と都民生活の再建を進める上で、事前に計画的な復興の進め方などについて検討準備をしておくことは重要としていますが、まさしくそのとおりであると思います。しかし、防災計画の中では、復興計画に関するページはわずか3ページにすぎません。震災復興マニュアルの作成や中野区都市復興基本方針の策定などの課題が述べられているだけであります。
 現在は、建築基準法の規定によって発災から2カ月間は一定規模の建築行為を制限することが可能ですが、復興事業の計画策定までに時間がかかった場合は特別措置法の規制になります。しかし、規制対象が300平方メートル以上となっており、木密地域などの現状に適合しないことが予想されています。都市計画上のさまざまな手法を活用し、また規定を踏まえ、復興事業を進めていくためには、区民の理解と参加が必要ですし、事前の取り組みが都市計画への合意形成をスムーズに進めるためにも不可欠です。
 そこで、担当部門として、都市復興について、都市復興についてマニュアルや方針の策定にどのように取り組むのか、お考えを伺います。
 都市復興と並んで重要なものは生活復興です。防災計画の記述では具体性を欠いたままであります。少なくとも被災住宅の応急修理、仮設住宅、住宅取得支援、雇用確保、金融支援、福祉サービス体制の整備、生活支援などについて計画を策定しておくことが必要です。これについても、今後の取り組みについて具体的にお答えください。
 この項の最後に、水害対策における交通規制の問題について伺います。
 本年の台風22号による被害は、床上、床下、小規模事業所で合計33件に上がっています。私の住んでいる宮下交差点付近では、桃園川下水道幹線改修の成果もあって甚大な被害とまでは行きませんでした。しかし、交差点に侵入してくる自動車による波により、こうむらなくてもいいはずの被害をこうむったケースがかなりの件数ありました。こうした際の交通規制のあり方など、工夫によって被害の軽減が図れると思います。警察との連携をより緊密にすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 以上を伺い、次の質問に移ります。
 次に、基本構想の策定について質問いたします。
 既に特別委員会等で議論が交わされていることにあるいは重なる部分もあるかとは思いますが、私は今回の全面的な見直しについて本格的に伺うのは初めてのこともあり、また区長の見解を伺うということもありますので、同僚各位の御理解をお願いしたいと思います。
 いよいよ基本構想の素案が12月3日に特別委員会の席上、示されるようです。時期の問題は置くとして、これまでの検討素材、特に第1稿と題されたものとの関係、また議案との関係はどのように整理されるのでしょうか。
 まず素案の位置付けについて伺います。
 次に、区民憲章の問題について伺います。この問題については陳情も提出されているところであります。
 検討素材の中では、区民憲章については、次のように述べられています。「真に豊かな地域社会をつくり上げていくために欠くことのできない普遍的な理念」というのがそれであります。議論のための議論はしたくないところですが、この区民憲章は現在作成中の基本構想の基本理念でしょうか。それとも現在策定中の基本構想を超えて普遍的な原理という、広辞苑、広辞林に載っているような言葉の意味を定義とするものなのでしょうか。区長はこの区民憲章について思い入れも強いと伺っています。区長の御見解をお尋ねします。
 私は、新たに策定される基本構想が限界的性格を有していること、そしてその限界性が構想の実効性につながるということで、区長みずからの性格付与であることを考えるならば、むしろ基本構想が持たされるであろう性格の一貫性の上からも、基本構想の理念とすることが十分ではないかと考えます。議論の筋としては、いわば10年間という賞味期限の基本構想に普遍的な原理を意味する憲章としての基本理念を置かれるのは、牛刀をもって鶏頭を割くのたぐいではないでしょうか。基本構想の期間設定との関係で憲章という形をとることもまた無理があるのではとも考えますが、いかがでしょうか。
 次に、中心部分を成す中野のまちの将来像について伺います。
 基本構想が想定する今後の10年間、中野区はどのようなまちへと変貌していくとお考えなのでしょうか。四つの領域に分けて将来像を描き、この実現を目指すとしていますが、この将来像はいつを目途に実現されるものなのでしょうか。10年後に実現するまちの姿も示されていて、将来像と必ずしも一致していないことから、この将来像は10年後ではなさそうです。おおむね何十年程度を見越して中野のまちを将来像を描いているのか、時系列的な整理をしたタイムテーブルをお答えください。
 目指すべき方向は、合意と意思決定の問題ですが、人の意思や考えとはかかわりなく進んでいく問題もあります。その意味で中野区の人口動向についてのデータが付されているのは当然のことだと思います。いよいよ人口減少と高齢社会の問題が日本や東京の問題として現実になってきます。中野区にとっても他人事ではないでしょう。10か年の人口推計が示され、年少人口の減少、高齢人口の増加、生産年齢人口の引き続いての減少が指摘されています。
 こうした前提に立つとき、果たして中野のまちの将来像として目指すべき方向は、それほど簡単に描くことが可能なのでしょうか。また、取り上げられている指標は適切でしょうか。検討素材の4では39の指標が挙げられていますが、中には首を傾げざるを得ないものもあります。また、人口推計は示されていますが、世帯数の動向もあわせて把握する必要があるのではないでしょうか。
 世帯人口のデータとしては、現在は平成13年に都の総務局のまとめた東京都世帯数人口の予測があります。これによれば、中野区の一般世帯は増加を続け、平成27年には17万世帯を超えるとされています。また、単独世帯では9万1,000世帯、この時点の東京都の平均41%をはるかに超えて、およそ53%に達するというものです。中野区は、男性が横ばいないしは減少であるのに比べ、女性は一貫して増加を続けるという予測になっております。また、1世帯当たりの人員は既に二人を割っていて、東京都区部の平均をはるかに上回る早さで単独化が進んでいることを示しています。
 これは13年3月、つまり12年までのデータでつくったわけでありますから、中野区の現実はさらに進んでいるはずであります。目指すべきまちの将来像実現のためにも、こうした課題を認識した取り組みが必要ではないでしょうか。改めて、世帯数の動向から見えてくる課題について、10か年計画の策定時には明確にするとともに、課題への対応についても明らかにする必要があると考えますが、いかがでしょうか、区長の見解を伺います。
 10か年の財政運営の考え方について、1点、提案を含めて質問いたします。
 現段階で決着のついていない問題も多く、見通しを立てることの困難さは承知をいたしております。そこで、財政の裏付けのある基本構想というのであれば、都区協議の決着、三位一体改革の影響などが明確になってから、区の施策と事業展開という、いわゆる10か年計画の策定の際に、行財政改革の性格を有した財政見通しとして再構築してはいかがでしょうか。そこでは、区の財政的な負の部分の解消メニューを示して、文字どおり持続可能性を検証するものとして示すことをあわせて提案して、区長の見解を伺います。
 次に、(仮称)中野区産業振興条例の制定について、提案を含めて質問いたします。
 中野区商店街振興プランは、平成14年3月に取りまとめられましたが、中野区としての役割や施策についても触れられています。プラン策定の趣旨では、商店街、消費者、行政が連携して商店街の活性化に取り組み、まちづくりを推進していくための活動の提案や施策の方向を示すものとして策定されたとされています。また、第4章には、区の役割と施策と題して、情報の収集・提供から始まって創業支援まで6点にわたって中野区の支援の取り組みが記述されています。
 そこで伺います。このプランは現在も有効なのでしょうか。時期などが明示されているわけではありませんが、プランといえば計画なのではというのが商店街関係者の素直な受けとめ方だと思います。最近は何でも計画については基本構想と10か年計画の策定にあわせてというのが中野区の行政の姿勢ですので、これもまたそういうことなのか懸念がありますので、初めに伺っておきます。
 次に、基本条例の制定について伺います。区が積極的に取り組みを進めている自治基本条例ではありません。産業に関する条例制定についてであります。
 既に23区では10区が産業、あるいは中小企業振興基本条例を制定しています。古くは昭和54年3月の墨田区に始まり、新しいものでは目黒区の平成12年3月まであります。各区の条例を精査、検討しますと、盛り込まれているものは、目的、定義、基本方針、基本的施策など共通のものがほとんどで、何か準則に従ってこの案がつくられたのではとも思わせるところがあります。その中では、世田谷区の産業振興基本条例が他と際立って違っており、独自の産業活性化の方針と施策に沿って進められたことを伺わせるものがあります。
 そこで、中野区でも独自の産業振興施策と方向に基づいて(仮称)中野区産業振興基本条例を制定してはいかがでしょうか。区長の見解を伺います。
 中野区では、先ほども触れましたが、現在、基本構想の策定作業中であります。今回の基本構想の考え方、それはこれまでと違って中野のまちの活力、にぎわいに注目して、持続可能な地域社会の形成を目指そうとしているものであります。中野区にあって活力とにぎわいの中核を成すものは、実態調査からも明らかなように、これまで集積してきた商業、サービス業でありましょう。面的展開でいえば商店街、それも近隣買い回り商店街の再生が鍵を握っていることは論をまちません。そうであれば、空き店舗対策が10か年の事例に挙げられていますが、事業の根拠法規となる基本条例の制定が求められるのではないでしょうか。
 世田谷区の条例は、平成15年12月に一部改正をされ、第4条に商店会加入の努力義務規定が盛り込まれました。先日、中野区の商店街連合会の役員の皆さんと懇談した折に、中野区でも、商店会がこれまで地域の活性化のために果たしてきた役割や努力、その成果を無償で享受している、いわゆるフリーライダーの問題について困っているとの御相談を受けたところです。中野区の振興プランでも、チェーン店、大型店との連携を挙げて、商店街の部外者ではなく、ともに栄えていく地域の一員としてとらえていくことが必要だとされています。
 そこで、提案でありますが、条例制定をされるときには、商店会加入にかかわるまちづくりの規定を盛り込んではいかがでしょうか。担当事業部の見解を伺います。
 あわせて、次世代の後継者育成や商店街を核にしたまちづくりへの取り組み規定、悪徳詐欺まがい商法への対処などの規定についても検討されてはいかがでしょうか。
 以上の諸点について伺い、この項の質問を終わります。
 次に、中野区交通バリアフリー整備構想の策定と電線類の地中化事業の推進について伺います。この問題については、いわゆる交通バリアフリー法が施行される以前から何度も取り上げてまいりました。いよいよ策定の時期を迎えるということで感慨もひとしおであります。
 整備構想の策定については、今年度中の策定を目指して作業が進められているやに伺っていますが、今後の作業行程案についてはどのようになっているのでしょうか、具体的行程案について伺います。整備構想は、重点整備地区の指定をすることになっていますが、改めて指定予定地とその理由について伺います。
 また、整備構想が策定された後の取り組みについては、法で定めるところによれば、どのように進展していくのでしょうか。各公共交通事業者、交通管理者、道路管理者等が事業計画を策定することになり、2010年までに交通バリアフリー化を目指して事業を進めるということになっているようですが、具体的には2016年までが目途になるともされていますが、正確なところはどのようになっているのでしょうか、伺います。
 特に、中野駅の場合は、垂直移動の整備が必要ということで、JR東日本の取り組み意欲については既にお伝えをしたところであります。実は中野駅周辺のまちづくりの中の中野駅自体の改修整備に垂直移動の整備が無関係とは言い切れないところがあるのではないでしょうか。むしろ密接な関係が出てくることが考えられます。この点についての整理はどのようになっているのでしょうか。
 次に、バリアフリー整備構想と密接な関係を持っている電線等の地中化事業について伺います。この問題はかつて幹事長の大泉議員が取り上げたところでありますが、現状はどのようになっているのでしょうか。
 昨年10月に東京都は無電柱化推進計画策定のために各自治体に調査を実施しました。中野区も道路整備とあわせて防災対策などを考慮して5路線を選定したところですが、これの実施はどうなっているのでしょうか。また、区内都道の実施予定はどのようになっているのでしょうか。具体的に伺います。
 平成16年3月に決定した都市計画道路の第三次事業化路線、いわゆる優先整備路線についてはどうなっているのでしょうか。これも具体的にお答えください。その他の計画やまちづくり計画との関連の強い中野五差路や中杉通りなどについてはどうなっているのでしょうか。
 私は、電線類の地中化は、防災対策、バリアフリーの上からも極めて大事な都市基盤整備事業の一つであると考えています。ぜひ計画的にその後の道路整備などとあわせて、貧弱と言われる中野区の都市基盤整備推進を図る意味でも、積極的な取り組みを期待して、この項の質問を終わります。
 次に、中野駅周辺まちづくりにおける道路交通基盤整備について伺います。
 中野駅周辺のまちづくりの優先順位については、警察大学校等跡地の土地利用計画が第1番目の課題であることはだれしも認めるところであります。しかし、中野駅自体の改修計画と並んで周辺住民のみならず多くの区民に影響があると思われる課題が道路交通基盤の整備です。中野駅周辺まちづくり計画素案のたたき台ナンバーツーでは、この問題について、交通基盤整備とバス等の公共交通、歩行者ネットワークの3点からアプローチを示しています。今回は道路を中心に中野駅周辺の交通基盤整備の問題を取り上げて、中野区のお考えを伺います。
 初めに、中野駅南口五差路交差点について伺います。
 この交差点については、変則的な線形になってとり、大久保通り新宿方向から走行してきて、中野駅の右折が一般車両では禁止になっていることによる脇道からの右折などの危険な状態になっていることは、同僚議員の皆様もよく御承知のことと存じます。さらに、中野駅方向から青梅街道に向こう方向から環状7号線への右折は可能ですが、右折レーンがないため信号が赤になってからの右折となるなど極めて遺憾な状態であります。この付近は東京都市計画道路第三次事業化計画の優先路線に位置付けられています。既に第三建設事務所では、道路拡幅による交差点改良事業を行う段取について取り組みを始めていると言われています。たたき台では、中野駅周辺まちづくりにあわせて行おうとしていますが、いつの段階を想定して、このように述べているのでしょうか。第三建設事務所の準備状況とあわせて伺います。
 現在の都市計画は、交差点でありながら丁字路の都市計画決定になっています。可能であれば十文字の計画線形に修正を図ってはどうでしょうか。この点について東京都に働きかけてはいかがと考えますが、中野区の見解を伺います。
 次に、補助74号線、いわゆる早稲田通りの拡幅整備ですが、これも優先路線に位置付けられていますが、東京警察病院の建設も視野に入ってきている現在、どのような打ち合わせができているのでしょうか。拡幅範囲に樹木があるなどの問題もあり、今後の東京都との打ち合わせが必要と思われますし、現在の樹木については、雪で枝が折れることが多く適当ではないということを指摘する方もおります。先日、東京都の考えを伺う機会がありましたが、道路断面などの形状については、当然、地元地域からの相談も受けて検討するようでありました。中野区としての考えをまとめることが大事になってきます。早稲田通りのこの部分は、中野駅周辺のまちづくりにあわせてというよりは、東京警察病院の建設との関係が強いのではないかと考えますが、拡幅整備の計画についてはどのようになっているのでしょうか。中野区の考え方とあわせて伺います。
 この項の最後に、中野サンプラザ及び区役所前の都市計画地下駐車場での交通結節点機能の整備について伺います。
 先日、名古屋市のオアシス21のバスターミナルを視察してまいりました。中野区の当該場所に似た、そういう条件がたくさんありまして、大変参考になったところであります。たたき台では、交通基盤施設の確保と地上部には緑豊かな広場を整備するとしていますが、いわゆるバスターミナルの整備ということなのでしょうか。整備主体はどこを想定しているのでしょうか。中野区だけでなく東京都の関与も要請する必要があるのではないでしょうか。都道の付属施設としての広場ということになるのでしょうし、中野通りに設置されている現在のバス停留所もこの場所に整備するとなれば、東京都も関係があるといえます。中野区として東京都との調整を積極的に進めるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 なお、たたき台の中に記述されている「利用自由度の高い新たな公共交通機関」とはいかなるものを想定しているのでしょうか。この点を伺い、次に進みます。
 その他の初めに、高齢者見守り支援ネットワーク「元気でねっと」について伺います。
 この事業については、同僚議員が予算の総括質問で取り上げてきました。私も、高齢者が住みなれた地域で安心して自立生活が継続できるように支援することを目的とした、この事業の基本的な考え方に賛成です。しかし、これまで関心を持ってこの事業の推移を見守ってきましたが、現実には事業が順調に進んでいるとは言いがたいようであります。15年度の調査では、ひとり暮らし高齢者が8,172人、平成16年11月現在の緊急連絡カード兼元気でねっと登録申請者数、およそ420人、そのうち元気でねっと利用希望者2名というのが現状と聞いております。最近になって1名がふえそうで3名になりそうだという話も伺いました。一方、元気でねっと協力員は、当初の計画では500から1,000人を想定していましたが、やはり11月現在41人とのことです。民間協力機関は60事業所とのことですが、当初予定していた郵政公社は、元気でねっと協力機関の一覧表には載っていません。このデータで見る限り、事業開始からまだ時間もたっていないということも割り引いても、現状はうまく行っていないと言わざるを得ないと思います。
 そこで伺います。事業の組み立て、あるいは事業発足までの経過の中など、事業がうまく進まない原因があるのではないかと指摘する声もありますが、事業部としてはどのようにお考えでしょうか。私は、この事業の進展には、あの静岡市のような全対象者にわたる意向調査ともっと敷居を低くした組み立てで、利用者と協力員との心のこだわりをなくしていくことが必要だと考えています。事業の現状についての評価分析と今後の改善方について事業部の見解を伺います。
 また、こうした場合の検討は、事業部にとどまる問題なのでしょうか。予算執行も現状、利用希望者が2名だけではどうにもならない状況ではないでしょうか。執行管理部門があるのかどうかわかりませんけれども、事業部とは異なる視点からの評価分析と改善勧告を必要とすることもあるのではないでしょうか。こうした問題を担当する部門の責任者の見解を伺います。
 次に、スポーツ少年団支援について伺います。
 先日、体育協議会の方々と懇談する機会がありました。その際、来年度、スポーツ少年団の大会開催区に中野区がなるということを聞きました。かつてもスポーツ少年団の大会開催に当たって中野区の支援のあったことも思い出しましたが、今回は厳しい財政状況でも、何とか子どもたちのために区からの支援をお願いしたいという切実な声を伺いました。
 ときあたかも中野区は次世代育成行動計画を策定するということで、中間のまとめを明らかにしたところです。その中で、取り組みの内容5では「子どもの健康増進を図るため新規の取り組みとして体力向上プログラムを策定して子どもの体力向上を図る」としています。そうであるなら、スポーツ少年団への支援について中野区はもっと積極的であってもよいのではないかと思われます。近隣区と比較しますと、かなり中野区は低調との印象を否めません。スポーツ振興で健康づくりを進めることは、基本構想の指標には週に1回以上スポーツをする区民の割合が掲げられているのですから、具体的な支援を明年には検討すべきではないでしょうか。部門担当の見解を伺います。
 最後の地下鉄丸の内線中野坂上駅西側出口の設置については、先般、いでい議員からも質問がございましたが、時間の関係でこれは次の機会にしたいと思います。
 割愛をしたという事情をよくお考えいただいて、区長を初め理事者の皆さんは、的確、簡潔、そして明瞭なお答えをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
     〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 飯島議員の質問にお答えをいたします。
 地域防災計画と具体的な対策について。
 中野区の地域防災計画の平成15年度修正においては、自助、共助、公助という防災の基本理念から区民、事業者、行政の役割と責務、これをより明確にして連携を図るという考え方をできる限り反映させました。従来は、区の責務は、災害対策基本法において区市町村の役割が定められており、防災計画の中で業務として詳述をするということであって、あえて記載をしてこなかったと考えております。
 基本条例をという御質問ですけれども、区の本来的な責務と申しますか、自治体としての役割といったようなことの中に、防災についての基本的な役割ということが当然含まれていると考えております。そうした意味で、単独の条例として区の責務を担保するといったものについては、現在は考えておりません。しかし、防災の目標や理念の明確化という観点から、区民とともに防災のあり方についてよく検討していきたいと思っております。
 それから被害想定と計画の目標であります。被害想定が5年前のままであって、そうだとすると、これまで区が行ってきたまちづくり等のさまざまな施策の有効性はどうだったのかということでありますが、またそれぞれの施策分野における評価、行政評価、施策の評価といったことの中から、それらの施策の有効性といったことについては判断をしてきたものだと思っております。地域防災計画に目標が設定されていないということですけれども、地域防災計画は主に応急対策を定めたものでありまして、その大半については、将来実現を目指すということではなく、現時点で用意すべき事柄についてであります。具体的な目標や達成時期について明記するという考え方には必ずしもなじまないのではないかと考えております。まちづくりや道路整備など中・長期の課題については、別途の計画によるべきものと考えております。したがって、まちの防災力を高めるためのまちづくりなど、さまざまな計画については、10か年計画の中で明確に示していくべきと考えております。
 地域危険度が改善されたかということです。地震に関する地域危険度は、御質問にもありましたけれども、まちの被害の可能性を地域間で比較をしたというものであります。このことを前提にいいますと、第4回に比較して第5回の調査結果では、中野区は総体的に危険度が下がったという評価が多くなったものでありまして、やや改善をしてきているといえるのではないかと考えております。
 それから耐震補強のことについてであります。今年度を推計いたしますと、56年の新耐震基準以前に建てられた木造住宅、これが区内には約3万棟あるだろうと考えております。このうち新耐震基準を満たせるものは約7,000棟、耐震性を確保する必要があるのは2万7,000棟程度ではないかといったふうにおおよそ考えているところであります。一方、補強工事ではなく建てかえ促進等により耐震性を確保していく住宅、つまり建てかわりですけれども、これが約年間700棟程度ありますので、10年ぐらいの間には7,000棟が見込まれていくだろうと考えております。残りの2万棟のうち法に適合せず建てかえができない、あるいは老朽化が激しく構造的な補強が困難といった住宅も約2割、4,000棟程度あるだろうと思われます。そしたことを考えていきましても、区の中では1万6,000棟が耐震補強工事の対象となるというわけであります。ことしの事業については、今年度年度途中から開始をしたといったことでもありますので、今年度の実績を見ながら再度検討した上で数値目標をきちんと設定し、計画化をしていきたいと考えております。
 なお、実績でありますが、11月22日現在ですけれども、耐震診断の予約件数が225件であります。簡易耐震診断実施件数は174件あります。また、耐震診断士の派遣は73件行いまして、報告を受けた43件のうち補強工事を実施した件数が10件、補強工事予定件数が17件であります。家具転倒防止器具取り付け工事申し込みについては16件ありまして、9件が工事済みということであります。
 議員の御質問にありましたように、阪神・淡路大震災でも、死亡者6,400名のうち84%の方が家屋の倒壊、また家具の転倒に伴うことによって亡くなっていたわけであります。こうしたことから住宅の耐震化、あるいは住宅内での家具の転倒防止を推進するということが震災時の被害を減少させ、人命の安全や財産の確保につながるといったことは明らかであります。さらに、震災後の復旧などに伴うさまざまな経費負担も、耐震補強が進むことによって軽減されるということでありますので、財政的な面からも資すると考えるところであります。区としては、今年度から耐震補強、家具転倒防止などについて強化する事業を始めたところでありますが、こうした事業の普及をこれからも全力を上げて進めていくということが大事だと思っております。中野区の事業の場合には、区の登録施工業者でありますとか、区独自の耐震診断士の登録でありますとか、そういった民間の活動についても取り入れているということでございまして、これらの活用の方策、また御指摘のありました必要な家には1軒1軒訪問してお話をするといったことまで含めて、取り組みをさらに強化していかなければいけないと考えております。地震対策は減災であるというお話のとおりでありまして、地震は避けられないけれども、被害を軽減することはできるんだ、このことを肝に銘じて取り組んでいきたいと考えております。
 なお、現在、予定をしておりますが、未実施の事業について、共同住宅の耐震改修については、もう今年度は6件について耐震診断を実施したところであります。5件については耐震補強が必要だったわけでありますが、具体的な工事の相談というところまではまだ至っておりません。必要性は認識しても、改修費用の問題とか、資金の融資が受けにくいといったことから、なかなか実現に至らないといったこともあるようでありまして、こうした住宅資金の融資斡旋についての問題でありますとか、改修の必要な建築物の対象範囲の拡大といったことを含めて検討したいと思っております。
 また、耐震性能保証表示についても、シールを張ることによって耐震性の信頼や区民の意識啓発につながるということで、耐震改修への意識が高まるものでありまして、実施に向けてさらに準備を進めていきたいと思っております。
 図上訓練であります。図上訓練については、今回は震災初動期における災害対策本部の防災計画の習熟、検証を図るとともに、初動期の情報収集、意思決定能力の向上を図るという目的で、私を含めて主に幹部職員を対象に実施をしたものであります。
 訓練の方法ですが、さまざまな情報を付与して、またみずから収集をして、場面、場面での情報の分析、行動の判断を行うというロールプレイング方式の訓練を行ったものです。訓練の成果としては、あらかじめ計画やマニュアルを習熟するということはもちろんでありますが、実際の場面では混乱するであろうこと、あるいはもっと災害時のイメージを普段から持つようにしなくてはならないといったようなことを強く認識させられたということにありまして、このような訓練をこれからも続けていく必要性を強く感じたところであります。
 ブロック塀についてであります。小学校の通学路については、平成2年度に4,401カ所の調査を行いました。危険箇所、注意を要する箇所については344カ所でした。それが平成8年度に追跡調査を実施したところ、改善済みの箇所は210カ所でありました。それから避難道路、避難誘導道路等については、平成8年に1,115カ所の調査をし、危険と思われる箇所、50カ所でありました。これについては、その後の追跡調査は実施をしておりません。これまでも特に危険と思われるものについては、随時補強・改善の指導を行っているところではあります。しかし、平成8年から相当期間も経過をしていますので、調査を実施して改善の方策を考えていきたいと考えております。
 それから施設の耐震改修が未実施の区有施設についてであります。区有施設のうち耐震診断の未実施の施設は5施設、うち1施設は今年度中に実施をする予定であります。また、診断をしたところ、Cランクで耐震改修未実施という施設は6施設であります。これらの施設はいずれも建築年次が古いことなどから、今後、存続を含めて施設利用の方向を早急に見定めた上で、具体的な施設の安全対策を実施していきたいと考えております。
 学校再編と避難所の確保ということですが、避難所の指定については、現在、避難所として小・中学校を基本に学校再編や公共施設の配置を踏まえて適切に対応していきたいと考えております。指定に当たっては、地域住民の意見を十分に尊重するなど、地域の理解を得て取り組んでいきたいと考えております。再編後の配置のあり方について、現在の配置されている水準、これをできるだけ守っていくような形で進めていきたいと思っております。
 それから警察大学校等跡地、東大附属一体での防災公園確保の取り組みについてです。警察大学校等跡地については、まちづくりにあわせて災害時の避難場所としての空間や防災活動拠点として機能する空間を確保したいと考えております。また、南部地域に防災公園を整備することについては、そのあり方や候補地等について総合的に検討をしているところであります。両地区とも現在の段階では具体化の時期について明確化することは困難でありますので、御理解をお願いしたいと思っております。
 それから東京ガスの超高密度新リアルタイム地震防災システムについては、既にその一部のシステムを東京ガスから借り受けまして、実用性や活用の方途について東京ガスと検討することとしております。また、東京都では、最近、リアルタイム地震被害システムの導入を進めているところでありまして、今後、区とのネットワークの構成を考えているということであります。このシステムの構築、運用に協力をしていきたいと考えております。
 震災復興の取り組みについて、区としては、区民みずからが平常時から災害に強いまちづくりについて話し合いを行い、被災時には地域の復興協議を共同して取り組むことが可能となるような組織づくりが必要と考えております。なかなか難しい課題でありますが、組織づくりの検討を行っていきたいと思います。復興の取り組みについては、生活復興などを含めた復興の取り組みについてですけれども、職員の実務の手引として中野区震災復興マニュアルを策定したところですが、今後はこれをさらに充実させていきますとともに、復興本部の設置、あるいは復興の基本方針といった課題に取り組んでいきたいと考えております。
 それから水害時の交通規制ですが、水害時の宮下交差点付近の交通規制については、警察との連携を確保しているところです。緊急時にはすぐに対応できないといったことがありましたことから、警察とのより緊密な連携による交通規制とともに区や住民による規制といったことについても実施をするようにしているところであります。
 基本構想について。
 基本構想の素案については、これまでの検討素材をもとに、議会での議論や数多く開催をしてきました区民との意見交換会での意見等を踏まえまして、区の成案の原型となるものとして取りまとめるものであります。この素案は議会に報告をいたしますとともに、区報等で区民に周知をして、区民意見交換会等を行った上で、必要な場合には修正も加えて議案としていく考えであります。
 区民憲章についてですけれども、区民憲章は現在、お示ししているものは、区民一人ひとりが豊かな地域社会をつくっていく上で区民が共有する基本理念を示すものと考えているものであります。新しい基本構想はおおむね10年後の姿を中心としていますけれども、基本的な理念については期間にとらわれない普遍的な理念と考えているところであります。御意見のありました憲章という表現については、これまでの議会での御議論や区民意見交換会で出された御意見等を踏まえて現在、検討をしているところであります。
 それから新しい基本構想の時系列的なまちの将来像の整理ということですけれども、新しい基本構想は10年後に実現するまちの姿を具体的に描くことをねらいとしています。その前提として描いているのが中野のまちの将来像ということでありまして、およそ20年から30年後の姿として考えているところであります。
 それから人口構成の問題であります。地域コミュニティ形成といった面からファミリー世帯層の誘導を図ることが望ましいと考えているところでありますが、一方で、高齢者、単身世帯などを支える取り組みも不可欠であるということでありまして、10か年計画では、こうした世代構成といったことについての視点もしっかりと盛り込んでいきたいと考えております。
 それから財政的な負の部分の解消メニューも示して、持続可能な行財政計画をということであります。10か年計画では、財政の現状と今後の需要見通しを明らかにした上で、業務の委託、あるいは民営化など事業の見直し、また2,000人体制を目指した職員の削減、施設の再編、こうした行財政改革に向けて区が取り組む具体的な内容も示していきたいと考えております。そうした小さな区役所で、よりよい大きなサービスが得られるといったことを実現しながら、持続可能な財政運営を実現できる計画としていきたいと考えております。
 それから産業振興条例の制定についてということであります。
 まず産業振興プランについてですけれども、商店街の街路灯などの施設整備、また地域活性化のイベント事業支援、そういった商店街振興の基本的な部分では、このプランは現在も生きているものでございまして、このプランにのっとった形での事業を行っているということであります。
 しかし、現在の基本構想10か年計画では、商店街に限らず中野の産業全般についての将来像とその実現に向けた施策を検討しているところであります。産業振興条例ということについては、そうした検討の中で、条例制定の必要性、あるいは条例の有効生といったことについて検討をしていきたいと考えております。
 私からは以上であります。
   〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私から、交通バリアフリー整備構想、それから電線類地中化事業の推進ということにつきまして御答弁をさせていただきます。
 初めに、交通バリアフリー整備構想でございますが、交通バリアフリー整備構想の策定につきましては、年度内にまとめることとしてございます。現在、策定作業を行っている基本構想、並びに10か年計画、これとの整合も図る必要があるということで、一たんまとめるわけでございますが、その辺の整合も後ほど図らざるを得ないかと考えてございます。
 それから重点整備地区でございますが、新中野駅周辺、東中野、落合駅周辺、野方駅周辺、鷺宮駅周辺、それから中野駅周辺の5駅の周辺を想定してございます。指摘につきましては、平成13年度に実施をいたしました中野区バリアフリー実態調査の結果やその後の現況把握調査の結果によりまして、必要度が高いものを挙げまして、区内交通関係事業者、それから道路管理者等の取り組み状況等も勘案いたしまして、指定予定地としたものでございます。
 なお、策定後の取り組みについてでございますが、交通事業者、道路管理者が地区別に事業計画を作成し、総合的なバリアフリー化の推進を図っていく予定でございます。2010年、これは努力目標ということでございます。事業の規模等にもよりますので、2010年を努力目標といたしますけれども、最終的には2016年度というところをめどにしながら進めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、中野駅の整備改修と中野駅周辺のまちづくり、これの関係についてでございます。現行の中野駅の駅舎のバリアフリー化推進に関しましては、これまでもJRに対しまして改善を求めてきたところでございます。これにつきましては今後も継続をしてまいりたいと考えてございます。しかしながら、現行駅舎のバリアフリー化推進につきましては、駅舎の構造上の制約がございまして、一定の限界があることも事実でございます。そういうことから、中野駅につきましては現在、検討しております中野駅周辺まちづくり全体との整合性が十分に図られた形でバリアフリー化が実現するよう、駅舎の建てかえや駅周辺整備について、JR東日本を初め関係機関と協議を進めてまいりたいと考えてございます。
 次に、区道及び区内の都道の電線類地中化事業の実施計画についてでございます。東京都の無電柱化推進計画の中に位置付けられた区道といたしましては、第三次優先整備路線とした本郷通り、もみじ山通り、警大等跡地の区画街路1・2号と東大附属西側道路でございます。このうち東大附属西側道路につきましては、来年度から電線共同溝の整備工事に取りかかるという予定でございます。その他の道路につきましても、道路整備に当たっては無電柱化を進めてまいりたいと考えてございます。一方、都道の第三次優先整備路線につきましては、無電柱化を整備方針としてございます。このうち中野五差路、杉山交差点につきましては、無電柱化推進整備計画に位置付けられているというところでございます。また、優先整備路線以外の路線でございますが、宮下交差点、環状6号線、方南通り、新宿から中野通り間でございます、これにつきましては、無電柱化の事業中というところでございます。今後、地中化を図る路線といたしましては、環状7号線、早稲田通りから妙正寺川の間、もみじ山公園下交差点、それから区内目白通りを推進計画に位置付けているというところでございます。区といたしましては、今後、環七から中野通りまでの早稲田通りや中野五差路につきましては、中野駅周辺まちづくりとの整合を図るよう、また中杉通りにつきましても、都市計画事業とあわせ無電柱化するよう早期整備を東京都に働きかけをしてまいりたいと考えてございます。
 次に、中野駅周辺まちづくりにおける道路交通基盤の整備についてでございます。
 まず南口の五差路の交差点でございます。御指摘がございましたように、中野五差路交差点につきましては、事業を所管する東京都の第三建設事務所でスムーズな道路交通の流れや安全な交差点の実現のために、既に交通量調査など所要の準備作業に入っているというところでございます。今後、具体化に向け、さらに調査・検討に取り組むと聞いてございます。御指摘の線形計画につきましても、検討対象とするよう働きかけをしてまいります。
 次に、早稲田通りの拡幅でございます。環状7号線から中野通りまでの早稲田通りのうち東京警察病院沿いの道路拡幅につきましては、病院開設の時期が大きくずれないように調整をしてまいりたいと考えてございます。
 なお、既存樹木につきましては、道路拡幅部分、それから東京警察病院の敷地部分ともに、可能なものは残す方向で考えているというところでございますが、御指摘にもございましたように、樹種、その他いろいろと御希望も、地元からの声も聞いております。その辺を区として調整してまいりたいと考えてございます。
 それから中野駅の北口の都市計画地下駐車場でございます。駐車場を含む交通広場としての中野駅北口広場の整備につきましては、その整備、事業主体等も含めましてあり方を検討しているところでございます。検討に当たりましては、東京都の協力を得られるよう密接な連携をとりながら調整をしてまいりたいと考えてございます。
 次に、利用自由度の高い新たな公共交通機関につきましては、国内及び海外における研究成果などを踏まえ、今後、中野区としてふさわしいものの導入を検討してまいりたいと考えてございます。
 私からは以上でございます。
   〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
○区民生活部長(本橋一夫) 産業振興条例についての御質問でございます。
 まず商店会加入にかかわる規定についてのお尋ねがございました。自主的な組織であります商店街への加入に係る規定を条例で定めることにつきましては、個々の事業者の主体的な判断を尊重することが必要であることから慎重に考えていきたいと考えております。しかしながら、御指摘のありました、いわゆるフリーライダーの問題につきましては、その地域の環境づくりを進める上での大きな問題であると認識しております。どのような対応が可能、かつ有効か、引き続き検討してまいりたいと考えております。
 次に、後継者育成や商店街を核としたまちづくり、また悪徳詐欺まがいの商法についての規定のお尋ねでございます。条例を制定する場合には、さまざまな課題の中で条例で規定することが有効な事項と事務執行の中で弾力的に取り組むことが有効な事項などを整備いたしまして、条例の趣旨や対象、仕組み等をわかりやすく規定することが効果的であると考えております。御提案の内容につきましては、これらの観点を踏まえまして検討していきたいと考えております。
   〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
○保健福祉部長(菅野泰一) 元気でねっとにつきましてお答えいたします。
 元気でねっとへ登録済みのひとり暮らし高齢者につきましては、11月11日現在476名、協力員は41名、協力機関は約70機関であります。また、これまでに成立した協力員による声かけ、見守りにつきましては、希望する高齢者が少ないこともありまして、現在のところ3組となっております。登録高齢者数と協力機関数につきましては順調に伸びてきていると考えておりますけれども、協力員の確保につきましては、いまだ十分な数には至っていないと認識しております。協力員の確保につきましては、さらに広く公募を呼びかけるなど努力をしてまいりたいと思います。本事業につきましては、地域での支え合いを機軸に構築してまいりましたけれども、現にこうした活動をして進めて今までおります民生委員の方々や町会などとの協力、連携につきまして、もう少し調整をする必要があると考えております。また、高齢者と協力員の双方にとりまして、先ほど御提案がございましたけれども、負担感の少ない方法などにつきましても工夫・改善してまいりたいと思っております。今後、事業の充実に向けまして、さらに努力してまいりたいと思っております。
    〔区長室長田辺裕子登壇〕
○区長室長(田辺裕子) 元気でねっとにつきまして、全庁的な施策の改善や評価をする立場からということでございます。この事業につきましては、まだ事業開始間もないことから適切に評価できる段階とは言えませんが、行政評価等も行っておりますので、本事業の成果が十分に果たせるよう必要な改善などについて助言を行っていきたいと考えております。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) スポーツ少年団の大会、また青少年を含むスポーツの振興についてのお尋ねにお答えいたします。
 スポーツの振興につきましては、教育委員会といたしまして、関係団体と協力をして進めていきたいと思います。
    〔飯島きんいち議員登壇〕
○27番(飯島きんいち) 区長からは、震災対策について非常に強い取り組みの意向を伺いまして心強い思いをしたわけでありますけれども、条例について1点だけ申し上げておきたいと思います。それからもう一つ、スポーツ少年団ですけれども、これは改めて申し上げますが、今、検討されている自治基本条例が、いわば参加を中核とした、そういう条例として今検討されている。各地の条例は、それぞれ区の行う事業について編、章立てにして、これを規定しているところもあります。しかし、中野はそういう体制をとらないということであれば、個別分野にかかわる基本条例が必要になってくるのではないか、そこにやはり仕事の根拠というか、行政の根拠を定めてやっていこう、これが参加を当然、前提とするならば、なお一層必要なことではないかと思いますので、それぞれの分野の基本条例の制定、これはやはりどうしても、今の法体系、中野が目指している法体系からすると必要ではないか、このように考えております。区長はどうなのか。これは簡単にお答えください。
 それからスポーツ少年団でありますけれども、既に体協からも要望があると聞いておりますし、教育委員会としても、取り組む姿勢については一定のものがおありと伺っています。もう時間もありませんから、その辺のことを、もちろん検討されるのは当たり前ですけれども、スポーツ、あるいは健康を維持していくということが中野区の今後の課題の大きな部分になってくるだろう、これは子どもであろうとお年寄りであろうとかかわらない、そういう問題だと思っております。その辺のことについても、踏み込んでお答えできる範囲で結構ですから、きちんとしたお答えをいただきたい。
     〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えします。
 各施策分野ごとの基本条例をという御提案でありました。今の御意見の中には、なるほど、確かにそうした考え方があるだろうなということが私も思うところでございます。しかし、問題が大きい話にもなってまいりますので、条例として規制をしたり、規則、ルールを定めるといった形の条例と一定の状態をつくり出していく形成的な条例、そうした条例のあり方と基本構想のような行政計画のあり方、どういう体系で仕事を進めていく形をつくっていくのか、そうした問題として今後、検討課題とさせていただきたいと思います。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) スポーツ少年団の来年度、中野区で開かれる城西ブロック大会につきましては、予算を含めて支援を考えております。また、青少年を含むスポーツ振興につきましては、地域スポーツクラブの設立、また体力向上プログラム、地区体的な検討を進めてまいりたいと思います。
○議長(山崎芳夫) 以上で飯島きんいち議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 大 内 しんご
 1 北朝鮮による日本人拉致問題について
 2 野方駅北口開設・バリアフリーと周辺まちづくりについて
 3 これからの幼児教育について
 4 その他

○議長(山崎芳夫) 次に、大内しんご議員。
     〔大内しんご議員登壇〕
○10番(大内しんご) 平成16年11月24日、第4回定例会におきまして、自由民主党・民社クラブ議員団の立場から、1、北朝鮮による日本人拉致問題について、2、野方駅北口開設・バリアフリーの周辺まちづくりについて、3、これからの幼児教育について、その中で最初に今後の幼児教育の姿について、2番目に公立幼稚園の今後の運営について、3番目に私立幼稚園の保護者補助及び振興補助についてを質問いたします。
 今からちょうど27年前、11月15日に横田めぐみさんは北朝鮮に拉致をされました。当時中学1年生、学校の帰り道、任務を遂行し、北朝鮮へ帰ろうとしていた工作員がめぐみさんと自宅から数百メートルのところで遭遇し、拉致をされました。今月、第3回日朝実務者協議において提供された資料の中に、めぐみさんの写真がありました。3枚のうち1枚の写真は中学生ぐらいのめぐみさんで、ソファーに腰をかけながら不安そうな表情を浮かべている写真でありました。白いブラウスは拉致当時に通っていた中学校のものと見られ、撮影時期は拉致された当時より髪が伸びており、拉致から半年から1年前後ではないかと思われます。今月15日の夜、外務省から報告を受けた直後の横田めぐみさんの母親の会見では、早紀江さんは、他の被害者を思いやりながら、懐かしさで涙が出た、明るく元気そうな表情だったので声を詰まらせ、子どもたちがどこかで待っていて、お父さん、お母さん、ここにいるのよ、そんなの違うのと言っている気がしてならない、拉致問題が解決するまで一生懸命に頑張っていくと声を震わせました。また、弟の哲也さんは、横田家に情報や物証が集中している。北朝鮮は私たちの拉致のシンボルとして一本釣りをしていると切り捨てました。一夜明けた16日の会見で母親の早紀江さんは、めぐみちゃん、こんなところにいたのと泣いてしまった。泣きながら連れていかれ、知らないところで寂しいのを堪えた顔をしている、かわいそうでならない、父親の滋さんは、北朝鮮に来た直後だったから不安な生活をしていたのだろう、困ったなという顔をしていると改めて写真の感想を記者会見で伝えておりました。
 自分の子どもが行方不明になって、生きているのか、死んでしまったのかわからないまま離ればなれになって27年間、めぐみさんはもちろん、御両親の苦労もはかり知れないことだったと思います。私にも拉致された当時のめぐみさんと同じ年の中学1年生の娘がいます。勉強やスポーツに一生懸命に取り組んでいる自分の娘の姿を見ると、この子が忽然とこの世から消えたらと想像しただけで、とても言葉ではあらわすことのできない苦痛に見舞われます。
 さきの通常国会で改正外為法と特定船舶禁止法が成立をしましたが、さらに拉致事件の真相を徹底究明するため、引き続き経済制裁を考慮に入れ、北朝鮮に圧力をかけていかなければなりません。安否不明の拉致被害者10人はもちろん、拉致の可能性を排除できない特定失踪者も含めて、一刻も早く事実の究明を求めなければいけません。国は経済制裁の即時実施も辞さない強い姿勢で臨むべきです。
 今月、11月9日、前都議会議員松本文明さんのセミナーにおきまして、安倍晋三自民党幹事長代理の拉致問題に対する話を身近で聞く機会がありました。確固たる姿勢が必要であると改めて直にお考えをお聞きしたところであります。
 私たちは、拉致被害者への同情ということではなく、拉致は絶対に許さないという強い姿勢で取り組まなければなりません。平和的に対話をしていくだけでは解決できない状況の中、日本への挑戦に対して確固たる強い姿勢を示すときだと思います。
 2年前の10月、帰国した拉致被害者の一人蓮池薫さんは、拉致された当時、中野区に下宿をし、区長と同じ大学に同じごろ通っていたそうです。その下宿は野方にあり、以前私が住んでいたマンションから歩いて1分ほどの距離にあります。私たちの近所に住んでいた人が忽然と消え、北朝鮮に拉致をされていました。
 区長は区民の生命、財産を守る第一人者の責任ある立場です。拉致問題に対して区長の見解をお聞きします。
 2番目に、野方駅北口開設・バリアフリーと周辺まちづくりについて質問をいたします。
 西武新宿線野方駅北口の開設を求めることについては、この問題解決に取り組んでいる同僚議員はもちろん、私もたびたび質問をしているところであります。文字どおり30年以上にわたる長年の地域の切実な要望であります。私も朝の野方駅に関しては、高校時代から会社勤めをしている間も、この開かずの踏切でどれほど朝の大切な時間をむだにし、そして精神的に苦痛を強いられたかわかりません。そして現在でも依然として変わらず毎日多くの区民が我慢を強いられております。野方駅は区内の西武新宿線沿線の中でも利用者が大変多い駅であります。私が調べたところでは、1日に約2万3,000人が利用し、そのうち5割を超える1万2,000人以上の区民が野方駅北側より駅前の踏切を渡って駅を利用しています。数カ月前に駅前の踏切で1カ月の間に2件もの死亡事故が発生をしました。踏切を取り巻く課題は、地域に住んでいる区民にとって早急に解決すべき区政の最重要課題と考えております。地元の町会、自治会、商店街、毎朝通学をする児童・生徒はもちろんのこと、地域住民もこぞって北口の早期開設を求めています。
 先日、10月に行われました決算特別委員会の私の質疑の中で、北口開設の検討状況についてお聞きをしたとき、今の時点では北口の開設のめどをつけるべく検討を急いでいるとの答弁でありました。区が鋭意検討をしていることはわかりますが、いつまで検討していれば気が済むのでしょうか。長年にわたって、この検討をし続けているだけでは、もはや問題の解決にならないことは明白であります。今後はさらに本腰を入れて、野方駅周辺に住んでいる区民や駅を利用する大勢の方々が日々本当に困っている、非常に切迫している問題であることを、区長を初め全職員が強く認識しなければなりません。
 本年度、中野区では、野方駅北口開設に向け予算計上をし、調査委託を行いながら西武鉄道と協議を重ねています。長年の課題の解決のために積極的に動いていることは理解をし、評価をしているところでありますが、まず伺いたいことは、今年度の調査委託の概要と進歩状況についてです。また、調査結果を西武鉄道との協議にどう反映していくつもりなのか、お尋ねをします。
 また、北口開設に向けた検討の中で、バリアフリーによる駅舎改善、周辺まちづくりの視点が当然必要だと考えます。エスカレーターやエレベーターの設備がないために隣の駅を利用する人たちも大勢います。この問題も早急に解決する必要があります。区はバリアフリーについてどのように考え、どのように今現在、検討しているのか、お尋ねをします。
 先日、西武新宿線の下井草駅や西武池袋線の東長崎整備の取り組みについて取材をしてまいりました。この取り組みは今年度から始まった国土交通省の事業「駅まち一体改善事業」という新しい手法を使った事業です。交通の拠点を中心とし、都市の再生をさらに促進し、駅及び駅周辺整備の面的バリアフリー化等の推進をするため、地方公共団体などと鉄道事業者が連携して整備を推進するものです。事業概要によると、通常は駅舎整備と周辺まちづくりの事業をそれぞれ行うと5年程度の日数を要する整備手法が、この駅まち一体整備事業ではまさしく一体的に取り組むことにより3年程度で駅舎整備と自由通路など周辺のまちづくりが完成するというものであります。中野区としても検討をしてきていると思いますが、先日、こうした新しい事業手法を含めて川井しげお都議会議員と相談をし、区に対する技術的支援や事業展開のノウハウの提供など、東京都の協力を改めて取りつけていただいたところです。
 そこで、お尋ねいたしますが、野方駅北口開設の整備手法の検討に当たって、区は東京都や国の関係部局ときちんと相談や協議をしてきたのでしょうか、お尋ねをします。
 この項の最後の質問ですが、区が策定を進めている基本構想・新しい中野をつくる10か年計画の中でも、都市施設の着実な整備で、野方駅北口の開発はもちろんのこと、地域の拠点となる野方駅周辺まちづくりについても触れられています。便利で快適に移動できる交通環境づくりを進めるため西武鉄道と協力しながら北口の開設をすると書かれています。区のこうした考え方については大いに評価いたしますが、区政の最重要課題として、野方のまちにふさわしい野方駅の整備手法をできるだけ早く明確にするべきだと思います。区としては、一刻も早く北口開設の結論を出し、平成17年度においても必要な予算化をぜひとも行うべきではないでしょうか。きょうははっきりとこの点について区長から納得のするお答えをいただきたいと思います。区長の見解をお聞きします。
 次に、中野区の幼児教育についてお尋ねをいたします。
 最初に、中野区の幼児教育の今後についてをお聞きします。
 9月に発表された基本構想・新しい中野をつくる10か年計画、最近報告された中野区次世代育成支援行動計画(案)を見る限り、中野区としての一貫した幼児教育のビジョンが明確に示されておりません。基本構想(案)では、自立してともに成長する人づくりの10年後の姿として、子育ての支援などの中で、保育園や幼稚園など乳幼児のための施設の連携や一元化が進み、子どもにとって質の高いサービスが提供されるといった姿で書かれていますが、私立幼稚園や区立幼稚園、保育園で取り組まれる幼児教育の今後の姿が見えてきません。
 一方、教育委員会が10月に文教委員会に報告をした中野区教育ビジョンでは、家庭は子どもの教育の原点であり、よいこと、悪いこと、我慢しなければならないことなど、基本的な生活習慣を身につけていきます。変化の激しい時代に対応していくためには、今まで以上に家庭、地域、行政、学校がそれぞれの役割を果たし、相互に連携をして問題解決に当たると述べ、目標として、1番目に、人格形成の基礎となる幼児期の教育が充実し、子どもたちがすくすく育っているとし、すなわち幼児教育の重要性について、基本は家庭での教育を原点と位置付け、その役割を明確に示し、家庭や地域での教育力を高めていくと述べています。また、3歳から5歳児の約9割が通う幼稚園や保育園での幼児教育の環境整備に取り組む必要が述べられており、その取り組むべき方向も具体的に示されています。例を挙げれば、家庭での取り組み例や地域での子育て支援について触れ、幼稚園での身近な事柄への興味、関心や豊かな完成などをはぐくみ、社会性や道徳性の芽生えをさせる教育活動の推進や幼稚園と保育園の連携強化、幼児教育に関する調査、研究を行い、その成果を幼児教育の充実に生かすとし、すべての子どもが同じ中野の子どもとして適切な幼児教育を受けられることが重要としています。
 本来、基本構想・新しい中野をつくる10か年計画や中野区次世代育成支援行動計画(案)の中で、中野区教育ビジョンに示された基本的理念や目標をわかりやすく区民に示すべきであり、それを受けて教育ビジョンでさらに細かな施策を推進する必要があります。
 また、教育委員会が昨年の夏に報告した区立幼稚園の役割、機能及び配置のあり方では、中野区での幼児教育は沿革的に私立幼稚園が担ってきたとし、区立幼稚園は私立幼稚園の就園需要を補完する目的で設置をされ、需要数が減った現在では、その役割は終わったとしています。しかしながら、幼児教育に対する区の役割、あり方として、幼児教育センター的機能を持ち、幼稚園、保育園と小学校への円滑なつながりを支援するとともに、現区立幼稚園を幼児教育センターの研究実践園にするといった考え方も示されていますが、このことについては、教育ビジョンの中では明確に記載がありません。
 そして、このような考えは、中野区次世代育成支援行動計画(案)の中では、幼児教育、保育充実のための研究体制の整備をすると書かれています。これら幼児教育に対する考え方がそれぞれの部署で示されていますが、この考え方こそ本来、区と教育委員会は整合性のとれた一体感ある幼児教育の姿として区民に示すべきであり、基本構想・新しい中野をつくる10か年計画の中に明確にわかりやすく書き込む項目であると考えます。
 幼児教育の姿について区長の見解をお聞きします。
 次に、区立幼稚園の今後の運営についてをお聞きします。
 教育委員会の区立幼稚園の役割、機能及び配置のあり方では、先ほど述べましたが、区立幼稚園は幼稚園の役割は終わったとし、今後は民間で提供可能なサービスはできる限り民間に任せていくということが基本であるとしていますが、今後どうなるかは、現段階でははっきり言及はしておりません。中野区次世代育成支援行動計画(案)の中では、区立幼稚園の保育料を見直すとともに、私立幼稚園の保護者への補助を拡充し、負担の公平を図ると述べ、この文面から見ると、さも区立幼稚園は今後も存続するような表現に思われます。区長は平成14年2月に発表した経営改革指針の中で、公共的な事業は行政が単独で行うのではなく、民間の活力を生かした施策の展開を進め、民間事業者やNPOに区の業務を委託・移管していくとし、保育園の民営化や図書館の委託を行ってきましたし、今後の計画についても述べています。区立幼稚園がその役割を終えた今、区は経営改革指針や教育委員会の考えに基づき、区立幼稚園を委託していくのか、それとも廃止するのか、区立小・中学校の再編と同様に早期に区民に示すべきではないでしょうか。区長と教育委員会の見解を求めます。
 次に、私立幼稚園の保護者補助、私立幼稚園の振興補助について何点かお尋ねをいたします。
 先月、中野区の私立幼稚園連合会からの補助金に関する要望書を受け取りました。私自身も本年度の第1回定例会の予算特別委員会において、区立と私立幼稚園の間の公私間格差について質問をさせていただき、そのときの答弁の中で、公私間の格差の均衡を図っていくという答弁を受けました。また、中野区次世代育成支援行動計画(案)の中でも、私立幼稚園の保護者補助への補助を拡充し、区立幼稚園の保育料見直し、負担の公平を図るとしていますが、具体的に今後どのように是正をしていくお考えなのか、最初にお尋ねをします。
 次に、私立幼稚園の保護者補助金ですが、先日、我が会派で得た情報では、既に板橋区では現行の6,100円を来年度から毎年1,000円ずつ引き上げ、4年間かけて保育料を1万200円とすることになっており、最終的に引き上げ率は67%になるように聞いております。中野区としても早急に保育料の見直しをし、公私間格差を是正すべきであり、それができないのなら、来年度から私立幼稚園の保護者補助金を以前の1万円に引き上げるべきだと思いますが、どのようにお考えでしょうか、お尋ねをします。
 次に、私立幼稚園の振興補助についてお伺いをいたします。現在、東京都における私学助成事業として、私立幼稚園には、経営費の補助、障害児教育事業補助、そして教職員の共済費補助のほか、預かり保育推進事業補助などが各園に助成されていると聞いています。このほか区によっては独自に園外保育のバス代の補助や預かり保育推進モデル事業としての助成をしている区があるとも聞いております。東京都の補助金の中にも、預かり保育の助成はあるが、とても実態に合ったものではなく、長期休業中の保護者からの要望になかなか応じられないとのお話も聞いております。中野区次世代育成支援行動計画(案)の中でも、主要事業の中で私立幼稚園の預かり保育の充実について述べていますが、どのような施策の展開を考えているのでしょうか。区としても、民間でできることは民間にゆだねていくという方針があるのですから、こうした私立幼稚園の取り組みは積極的に支援していくべきではないでしょうか、いかがお考えでしょうか、お尋ねをいたします。
 以上で私の一般質問をすべて終了します。
     〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 大内議員の質問にお答えをします。
 北朝鮮による日本人拉致問題についてであります。
 北朝鮮が行った日本人の拉致問題は、国民の生命と安全にかかわる重大な問題であり、人権及び国の主権の重大な侵害であるというふうに認識をしているところです。帰国をした被害者5名の家族の帰国については実現をしたところですけれども、他の拉致された方のうち安否未確認の方、また拉致された可能性の高い行方不明の方についての情報提供は、いまだ十分ではない現状であります。本当に議員の御質問にもありましたように、被害者の御家族の心中、これを察するにつけ、本当に余りあるものがあると思っております。拉致問題について一日も早い解明がなされることが大切だと考えているところです。
 それから野方駅北口であります。
 委託調査の概要、進捗状況といったことですけれども、野方駅北口の開設に関して、今年度の調査委託では、北口の候補となる区域、あるいは整備手法の検討、また所要経費の算定といったようなことを行うこととしているものであります。現在、将来の連続立体化との関係でありますとか、鉄道事業者側の費用負担などの視点からも検討を行っております。今後、調査結果をもとに、さらに具体的な検討を行って、協議に反映をしていきたいと考えております。
 バリアフリー化についてですが、北口開設には一定の駅施設改修が伴うということですから、駅舎のバリアフリー化と一体となった施工が必要と考えているところです。そのため区及び鉄道事業者それぞれの役割や責務を明確にして、事業を行えるよう検討しているというところであります。
 都や国との協議というところですけれども、整備手法の検討に当たっては、駅舎改修に関する事業制度、あるいは鉄道事業者全般の動向を把握するといったことを行うために、都や国の関係部局とも相談をしているところであります。区として、区全体の強い意志として持っている連続立体化といったこととの関連も含めて、今後とも協力をしていきたいと考えております。
 それから17年度予算化に関する見解ということですけれども、できるだけ早期に事業化のめどをつけて、必要な対応を図っていきたいと考えております。
 それから幼児教育についてであります。区として今後の幼児教育について、どういう考え方をということであります。
 幼児期は人格を形成していく上で、その基礎を培う時期であります。家庭でのしつけや教育、これが基本なわけですけれども、これとあわせて、遊びやさまざまな活動を通じて他者と交わり、自然に触れ、環境認識力や情操を養うといった幼児教育は大きな意味を持っているものであります。この幼児教育については、家庭や保育園、幼稚園など教育に関係するさまざまな機関の相互の連携が重要ということであります。区としては、幼保、公民などの隔てがなく、他の関係機関も含めて、中野の子どもは地域全体が同じ視点で教育にかかわり、健全な成長を保障するという観点から総合的な協力体制をつくり上げていきたいと考えております。
 区立幼稚園の役割ということですけれども、区立幼稚園の役割を私立幼稚園の補完的なものととらえる見方からは、区立幼稚園の役割は終わったと考えているところです。今後のあり方についてですけれども、保育園、その他の事業とあわせて、幼児教育の取り組み、あるいは子育て支援、そうしたもの、全体を組み立てていく中で区立幼稚園のあり方についても明らかにしていきたいと考えております。
 それから保護者補助金、振興補助についてです。区立幼稚園として現在運営しているわけですし、これから運営していく場合には、応益負担の考え方から公私間の保育料格差、これを早い時期に是正をしていく必要があると考えております。また、私立幼稚園保護者補助については、負担の公平性という観点から区立幼稚園の見直し、これを考慮しながら対応していきたいと思っております。私立幼稚園に対しては、これまでも行事や研修等に対する補助を実施してきたところでありますけれども、預かり保育など今後、私立幼稚園に期待をしていきたい役割に対して、新たな支援のあり方といったことも検討をしていきたいと思っております。
 私からは以上であります。
     〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 区立幼稚園の今後のあり方についてでございます。
 現在の幼児人口、あるいは私立幼稚園の定員の充足率、そういうことを考えますと、当初、区が考えていました私立幼稚園を補完するといった意味での区立幼稚園の役割は終了したものと考えています。しかし、幼児期におけます教育というものは、社会性や豊かな感性など人格形成の基礎をはぐくむ上で非常に重要な意味を持っていると考えています。そういう意味では、区として一定の責務があると考えています。現在、教育委員会では、区立幼稚園のこれからのあり方について検討を行っていますが、その中で幼児教育のあり方、あるいは区立幼稚園が果たすべき役割、機能、配置等について明らかにしてまいりたいと思います。
     〔大内しんご議員登壇〕
○10番(大内しんご) まず西武新宿線野方駅の件でもう一度お聞きをします。区長は具体的にいろいろと今、施策、なかなか公には言えないでしょうけれども、細かい点についても検討を重ねているというふうに受けとめておりますけれども、西武新宿線の複々線の地下化と野方駅の北口の開設問題を一緒にすることは、非常に間違った考え方ではないのか。今現在使っている人たちはいいのか、今利用している人たちが非常に困っているという認識はないのでしょうか。20年、あるいは30年先に実現できればいい、当然そのために今から努力をしていかなければいけない話ですけれども、今利用している人たちが困っている、そういう人たちに対して、そういったことでは、やはり地域としては、とても区長のお考えに賛同することはできない。当然、現田中区長の区政における取り残されたといいますか、野方に関しては取り残された大きな課題、今までの中野の区政において、何で解決できなかった、やはりそういったことも大きな疑問ですし、やはり議会としても責任を感じるところでありますけれども、現区長として、やはり今現在、多くの方が野方駅を利用するに当たって非常に不便をこうむっている、将来、地下化によって解決をする、そういった話を私はしているのではなくて、今現在の人たちはどうするのか、今すぐに解決をしなければいけない事業ではないか。駅まち一体改善事業、現在もう下井草で実行され、今までは5年、整備手法でかかっていたものが約3年間で終了する、そういった新しいものが出てきている、そういったところになぜ中野区は手を挙げて参加をして、野方駅の問題について解決をしていこうとしないのか。やはり区として私たちは非常に歯がゆい態度だと思っております。区長として、この問題については、もっとはっきりと姿勢を打ち出していただきたいと思います。時間もたっぷりありますから、きっちり、区長、この問題については、今言った答弁ではなくて、やはり17年度の予算編成ももう間近に迫っている、そういった中で区としての姿勢をしっかりと明確に打ち出すべきではないでしょうか。
 それとあともう1点、子ども施策についてですけれども、はっきり御答弁がいただけなかったような気がするので、再度聞きますけれども、次世代育成支援行動計画(案)だとか、いろいろなところで幼児教育の今後について述べられている。ただ、それが各部でそれぞれに考え方を示されているのは結構ですけれども、やはり統一した施策、そういったものを今現在、策定中の基本構想・新しい中野をつくる10か年計画の中でわかりやすく示すべきではないか。いろいろな部署でいろいろな文書が出ておりますけれども、統一したものを出さないと、子ども、幼児教育、非常にわかりづらいものになっている。先ほども述べましたけれども、教育の原点は家庭にある、そういった我が会派の考え方と非常に賛同するところの意見もあります。そういったところを全面に押し出して、幼児教育について、いろいろなところで述べられていることを1カ所で集約し、そしてきっちりとわかるように述べていただきたい。
 先ほど区立幼稚園の問題もありました。私たちは区立幼稚園をただ廃止しろと言っているのではなく、民間に委託をするなら委託をする、あるいは教育センターのそういった考え方で、幼児教育の試験的なそういった取り組みを区立幼稚園に残す、それならそれで結構です。今までの考え方、私立幼稚園の補完的立場であるという条件はもう十分に満たしたわけですから、そういったことも含めて、もう基本構想、今策定中ですから、その中でしっかりと区民にわかりやすく盛り込むときだと思います。
 よろしくお願いいたします。
     〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えします。
 まず先に幼児教育の方から。
 再質問でありましたように、やはり基本構想、10か年計画というところでは、統一的なものの見方をきちんと整理してお示しをするということが必要だと思っております。また、そうした考え方ときちんと整合をとった上で、次世代育成支援計画でありますとか、教育ビジョンといったものも定められていくという形で進めていくことが必要と考えておりますので、そういった意味で御理解をいただければと思います。
 それから野方駅のことですけれども、20年、30年後に地下化することを目指しているんだから、今、手をつけないということを申し上げたことは、私は一度もないわけでありまして、とにかくこれまでの積み残された課題、手をつけてこなかった大きな課題として野方駅の北口の問題に踏み込んで、対策を講じていきたいということで現在、調査に着手をしている、その整備の手法を検討しているということですので、そのことをまず御理解いただきたいと思っております。地下化があるからどうこうという問題ではなくて、今、困っている、この問題をどう解決するかという視点からの検討を行っているということを御理解いただきたいと思っております。その面での御指摘のあった事業手法等々が、そうした事業手法をとったときに、仮に長い目で見たときの地下化、連続立体交差化との関係で整合しないということになるとすれば、そうでない手法をとらなければならないといったことはあると思っておりますけれども、実際に対策を講じていく場合の手法のあり方というのは、私はさまざま考えていくべきだと思っております。さまざまな考え方をとりながら、もっとも早い時期に解決ができて、しかも連続立体交差化とも決して整合性のとれない形にはならないといった方向で検討を進めていかなければならないと考えているところであります。
 以上です。
○議長(山崎芳夫) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。
 議事の都合により暫時休憩いたします。
      午後2時57分休憩

      午後3時22分開議
○議長(山崎芳夫) 会議を再開いたします。
 一般質問を続行いたします。

 中野区議会議員 岩 永 しほ子
 1 区長の憲法9条改憲発言について
 2 防災対策について
  (1)震災対策について
  (2)各消防団分団格納庫・詰め所整備について
 3 基本構想と10か年計画について
  (1)「構想」と「計画」の全体について
  (2)学校統廃合について
 4 サンプラザと警大跡地等の問題について
 5 子育て支援について
  (1)次世代育成支援について
  (2)乳幼児医療費助成の年齢引き上げについて
 6 中野区自治基本条例について
 7 山手通り問題と東京メトロの施設改善について
 8 その他

○議長(山崎芳夫) 岩永しほ子議員。
     〔岩永しほ子議員登壇〕
○31番(岩永しほ子) 2004年第4回定例区議会において日本共産党議員団の立場から代表質問を行います。
 区長の憲法9条改憲発言についてお聞きをいたします。
 自衛隊の撤退を求めたイラクのテロ勢力によって日本の青年が犠牲になりました。テロ行為はどんな理由であれ絶対に許されません。しかし、同時に日本が自衛隊を派兵していることが原因だということは明らかです。撤退すべきです。
 今、イラクは米軍によるファルージャへの総攻撃で市内は破壊しつくされ、子どもを含む2,000人以上の市民が無差別殺りくの犠牲になっています。民間人に対する攻撃は国際法で禁止されており、戦争犯罪との批判が強まっています。
 ところが、このアメリカの武力弾圧路線を、小泉首相は治安回復のため成功させなければならないと支持しました。日本共産党は民主党、社民党と共同し、イラクから自衛隊の即時撤退を求めるためイラク特措法の廃止法案を衆院に提出しました。各種世論調査でも6割以上の国民が自衛隊の派兵延長に反対しています。区長は、このような国際人道法に反し、明らかな戦争犯罪を重ねるアメリカの戦争を支援した自衛隊派兵の延長を中止するよう国に求めるべきです。見解をお聞きします。
 区長は、先の決算総括において、政治家としては憲法9条の2項は変えてもよいと考える旨の発言をしました。9条は国権の発動たる戦争と武力による威嚇、または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄するとし、2項はその目的を達成するため陸、海、空軍、その他の戦力はこれを保持しない、国の交戦権はこれを認めないというものです。今日、小泉内閣と一部政党、財界などが改憲に総力を上げ、すさまじい改憲策動を展開しているにもかかわらず、国民世論は、護憲、9条改憲反対が過半数を占めています。4月の読売の調査でさえも、9条については同じような傾向です。環境権やプライバシー権などを持ち出して改憲の必要性を主張していますが、本当のねらいは、9条を変え、戦争をする国、日本にしようというものです。
 17日に自民党は、外国でも武力行使が可能になる自衛軍の創設と集団的自衛権の行使、国民の国を守る責務などを盛り込んだ新憲法草案大綱を発表しましたが、まさに戦争ができるようにする内容です。そもそも1項を実現するために2項があり、1項はそのままで2項は変えてもよいというのは誤りです。2項を変えることは9条を否定することになります。区長の発言は、憲法を守るとともに尊重と擁護の義務が課せられている憲法99条に違反します。特に憲法擁護の宣言をし、区庁舎に「憲法をくらしに生かそう中野のまちに」のスローガンを掲げる中野区の区長が政治家としてもこの発言は許されません。発言の撤回を求めます。
 今、憲法9条を激動する世界に輝かせたいと、井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、澤地久枝、三木睦子さんなど、日本の知性と良心を代表する9人が九条の会を結成し、その生涯をかけた活動を開始されました。私たちも連帯し、9条の立場で世界平和を築くことを呼びかけて、次に移ります。
 防災対策についてお聞きします。
 最初に、震災対策についてお聞きします。
 中越地震から1カ月がたち、きょうから仮設住宅への入居が始まりましたが、いまだに多くの方々が避難所生活をしています。被災された方々は、これからどうしたらいいのか不安でたまらない毎日だと思います。日本共産党は、全国で取り組んだ1億5,800万円の救援募金を被災地に届けました。また、長岡や川口町など4カ所で救援センターを開設し、全国から救援に出かけています。中野からは植木こうじ前都議会議員や議員なども参加しました。現地では行政自身が被災していることもあり、被災された方々の要望を聞く手段が弱く、我が党の御用聞き隊や片づけ隊が歓迎されているそうです。寄せられる切実な声から住宅再建ができる公的支援、避難所ごとに医療、保健のスタッフを配置することなど、5点にわたって政府に申し入れました。被災された方々の生活が一日も早く復興されることを願うばかりです。
 今月17日、中央防災会議は、首都圏に直下型の地震が起きれば、23区の多くは震度6強になるとのシミュレーションを発表しました。東京消防庁は、震度6強では家具の転倒や落下物で6万5,000人がけがをすると試算しています。改めて区の防災機能を高め、震災対策の強化が問われてきます。介護が必要な人が多くなること、精神的ケアが必要なことなど、中越地震などの教訓から引き出されることに照らし、区の防災計画を総点検することが必要です。見解をお聞きします。
 地震の被害で共通していることは、家具の転倒、ガラスなど落下物による負傷が多いということです。都消防庁では、家具類の転倒、落下防止推進対策委員会を設置し、防止策の普及策を検討するとのことで、区の防災課長も出席されています。区民への意識啓発の大切さを実感していると思います。
 そこで、防止策をどうしたらよいか、面倒くさそうという区民も気軽に実施できるように、日常的な相談ができる窓口を設置することが大事です。加えて、区の耐震診断や家具転倒防止の助成を利用するには、行政の窓口まで行かなければなりませんから、高齢者や障害者の方には、介護保険や支援費制度などで区が把握できる機会を生かすことが考えられます。また、区民が近所の畳屋さんとか工務店など建築関係の人に相談して区につなげてもらうなどの体制を考えることも効果があると思います。いかがでしょうか。
 避難生活にとってトイレの確保と給水体制の整備をどうするかが大問題です。トイレは区の施設、設備のほかに、避難所配備資機材として仮設トイレが5組あります。可能な限り水洗トイレを使用する計画になっていますが、水の確保が問題であり、下水道直結のマンホールトイレの整備も重要です。給水体制については、06年度にはみずの塔の1,500トンを廃止し、区内3カ所に分散し、300トンを確保するとのことです。近隣区に給水タンクがあり、都の計画によって供給できるとのことですが、本当に大丈夫なのか、不安が募ります。区立施設の受水槽とトイレ使用の計画は、10か年計画で施設が統廃合されれば確保が困難になります。区民が心配するトイレや給水の確保をどうするのか、お聞きします。
 計画では、公園、緑地は延焼防止等、被害の抑止や緩和、発災後の救援、復旧などの活動の拠点として重要と位置付け、面積の拡大、防災機能を備えた地区公園の配置を計画するとしています。現在、各防災会の活動拠点として公園に防災資機材倉庫が設置されています。身近な公園に防災機能を備えることは重要です。あわせて、防災公園の中核として大規模な公園を警大跡地や東大附属一帯を整備する計画の推進は、区民の命と安全を確保するためにも重要なことです。
 さて、区は19カ所の公園を応急・仮設住宅の建設地として指定していますが、線路から南側は4カ所しか指定されていません。指定できるような公園がないということですが、数だけ合わせればいいというものではなく、被災した地域のコミュニティを壊さない仮設住宅の建設は、メンタルな面からも必要と指摘されています。どのように整備するのか、お聞きします。
 区の防災計画には、年次ごとの達成目標が示されていません。当然、計画がどこまで進んでいるのか、区民にはわかりにくいものです。現状を示すだけでなく、計画の目標を持ち、その達成時期、進捗状況がわかるようにすることが大事です。お答えください。
 中野・野方消防団の各分団の資機材格納庫の整備についてお聞きします。
 区内に16の分団があります。資機材格納庫は分団本部施設、詰め所としての役割が果たせるよう、都消防庁が順次整備するとのことですが、なかなか進まず、歳末警戒や台風などで出動したときは、可搬動力ポンプを外に出し、それでも座れずに立ったままとか、トイレがないなどの状況です。町会会館などを借りている分団がかなりあります。中野第8分団では、最近トイレがついて格納庫はさらに狭くなったそうです。日本共産党都議団は、さまざまな手段を講じて全分団に本部機能を持つ施設の目標年次を明記して整備計画をつくるべきと求め、都は緊急の課題であると答弁しました。
 ことしは台風の上陸が多く、川の溢水が心配され、消防団が出動しています。中野消防団第7分団は、待機している場所がなく、まちづくり用住宅の1階を借りたそうです。出動のたびに待機する場所を探すのは大変です。集合場所がなく自宅待機の消防団もあります。消防庁は80㎡格納庫整備構想を持ち、現在、野方第6分団が施設建設中です。都に整備計画をもって取り組むよう求め、未整備の分団が整備できるよう消防団の意見を聞き、学校や都市整備部などと相談し、提供できる用地を区としてあらかじめ確保しておくことを求めます。決意をお聞きします。
 また、整備されるまでの間は、出動し、待機が必要なときに使える場所として、例えば格納庫のある学校の一部とか、地域センターなど、区の施設を提供できるように、分団と相談して確保しておく必要があります。いかがですか。
 消防庁では、可搬ポンプを搭載する軽自動車を各分団に1台ずつ配備するとしています。配備されれば機動力が高まります。置く場所を確保し、早急な配備を求めていただきたいと思います。お答えください。
 次に、基本構想と10か年計画についてお聞きします。
 11月8日、私たちは区長に対し基本構想と10か年計画についての申し入れを行いました。ナンバー4までに示された基本構想の根本に一貫してあるものは、新たな時代に向けて、みずからのことは主体的に決定し、同時にその責任も負う自己決定、自己責任と自立と相互の支え合いの自助、共助の考え方です。この自己決定、自己責任論や自助、共助の考え方は、区民の責任と負担を重くし、行政の仕事は限定したものに狭め、その責任を軽くしようとするものです。住民主体、住民の意思尊重、地域が決めるといっても、区民が自己決定できるように条件を整えるのは行政の役割です。また、自治体行政の基本になる基本構想で区民への責任を求めるのは間違いです。区政運営の責任は行政にあります。区長は行政のあらゆる基本になるはずの基本構想で区民に自己決定、自己責任を押し付ける考えを改めるべきです。見解をお聞きします。
 また、行政計画になじまない区民憲章は別次元で検討することも申し入れました。自治法は、基本構想は議会の議決を経て、その地位における総合的、かつ計画的な行政の運営を図るためのものと定め、行政がつくるすべての計画の基本になるものです。それに対し、憲章は期間に定めのない区民が共有する普遍的な決め事であり、区民の自発的な行動意欲を喚起するものです。それぞれの役割が違うものを一体化することは無理があります。区民憲章を定めるのであれば、基本構想とは別に検討すべきです。見解をお聞きします。
 10か年計画は、基本構想をもとに来年の夏ごろには策定するとのことですが、区民から出されるさまざまな質問や意見に、区は検討中などとして区民が本当に知りたいことに答えていません。そればかりか、区の意図する方向に持っていこうと、説明内容がその場を取り繕っていたり、説明内容が不十分であったり、区の考えに矛盾が出ています。例えば、住区協議会はさまざまな団体や活動主体の一つとして当然、想定し、期待しているとしながら、区民の認知度が上がらず、地域の総意をまとめていく基盤としては十分ではなかったと住区協議会の役割を否定しています。町会・自治会については、自治基本条例の審議会では、自分たちで決めた活動をしていただくというのがあるべき姿と説明しています。地域図書館については、区民に必要な図書を確保した上で特色を持たせるという一方で、同じ蔵書となっているので内容や役割を見直すと言います。認識のひどさでは、このような形で何回も説明会を持ったのは初めて、区民と協働して一緒につくっているという感じがするというものです。説明会への参加は、最初のナンバー2のときは173人、ナンバー3では317人、そして今回303人、参加者には、区の職員もいますから決して多くありません。まして、これほど重要なことなのに、関係する施設利用者を対象にした説明会は、要望があれば行うというだけで、みずから開く計画はありません。関係する施設利用者への説明会を実施すべきです。見解をお聞きします。
 10か年計画については、学校統廃合は教育的配慮と住民合意を基本とすること、児童館は1小学校に1館を基本にすること、学童クラブは児童館事業にすること、地域センターは存続すること、区立保育園の民営化計画の撤回など、13点にわたって申し入れました。計画の施策の冒頭にある活気とにぎわいあふれる中野の顔づくりで、大規模再開発の中野駅周辺のまちづくりに乗り出すことにしています。一方、子どもたちが伸び伸びと遊び、交流する場の形成では、児童館の再編と遊びの機能や学童クラブを学校に移し、校庭が広いから伸び伸びと遊べるとごまかし、学童クラブの民間委託も計画しています。多様で選択できる保育サービスの充実では、区立保育園の全園民営化や待機児童の解消を主目的にした認証保育所の誘導を進めることを掲げ、子育ての行政責任を民間に投げ出そうとしています。未来を展望した教育改革では、区民の希望と逆行する区立幼稚園の配置見直しや私立幼稚園並みの負担にし、ますます子育てを困難にしようとしています。また、魅力ある図書館運営としながら地域図書館を削減し、区民を図書館から遠ざけようとしています。さらに、区民が発想し、区民が選択する新しい自治では、町会・自治会などの支援を推進するが、住区協議会への支援はしない、地域センターは職員を引き上げ貸し会場施設にするなど、住民自治を高めてきた取り組みを交代させようとしています。
 10か年計画の前提が基本構想です。今の基本構想は、こんな中野にしたいという行政と区民の取り組む方向がわかりやすく描かれていますが、検討中のものは、抽象的で区民の理解しがたいものになっていて、1カ所の説明を聞いただけではわからないという区民の声もあります。区民生活の実態を踏まえ、住民の福祉の増進を図る自治体本来の役割を果たす基本構想にすること、区民から見れば、基本構想に掲げる目標と重大な問題を盛り込んでいる10か年計画には大きな乖離があり、今のような進め方は乱暴です。見直しを求めます。お答えください。
 学校再編は教育委員会内部の秘密会でつくられて提案されました。15年の計画期間の前期5年間に再編を予定している学校を中心にした説明会が行われました。計画は学校適正規模適正配置審議会答申を無視していないと言いながら、答申で望ましいとした12学級を超えた18学級にし、通学区域の変更をしています。そのため直線で1.6キロ、実際の距離は2キロ以上という通学距離まで考えています。説明会では、通学距離が遠く、子どもたちのことを考えれば、富士見と一中と二中も含めた3校を2校にという対案がありました。それに対し、通学距離の遠い子どもは再編を指定校変更の理由にできると返事するなど、教育委員会は中野の学校教育の展望もなく、教育的配慮もなく、まちのコミュニティ壊しを進めようとしています。幹線道路は越えないといいながら、東中野と昭和小では40メートルに広がる山手通りを挟んだ通学区域だと指摘されています。こうした意見や要望をどうするのですか。この計画の初めにでは、区民から意見をいただきながら、さらに検討を進めると言っているのですから、計画の修正も考えるべきです。さらに、学校保護者への案内だけでなく、保育園や幼稚園などの保護者にも計画内容のお知らせをし、地域の人も加えた話し合いの場を開く必要があります。
 学級規模については、全国的には1クラスを少人数にして成果を上げているという意見に対し、客観的な検討がされていないとか、調査結果は信頼できないと答え、国際的にも少人数教育が行われていることを否定する主観的立場で、現行40人のまま少人数指導を基本に学校規模を考えています。そのため沼袋小はプレハブの教室ができます。学級規模について、東京が少人数学級を始めるのは時間の問題だと思います。今のようなかたくなな姿勢では、中野の教育は取り残されてしまいます。少人数学級に対応できるゆとりある学校にすべきです。
 防災計画では、震災時に各学校での避難収容人数を計画に入れています。さまざまな視点から区民にとって重要な学校再編です。いずれの問題についても検討期間が短過ぎます。先に計画ありきではなくて、地域合意を得ない統廃合を強行すべきではありません。見解をお聞きします。
 教育行政における区民参加条例は、区民の意志が教育行政に適正に反映されるべきであるとの認識で制定されました。4条には権利の主体としての子どもの参加と意見表明の機会が保障されることになっています。また、この条例で言う区民とは在住者だけを指すものではありません。3条では、区民参加は事柄により適切な形態や方法をとるものとしています。区民説明会だけに解消せず、子どもたちの意見、校長だけでなく、現場の教職員の意見を直接聞くべきです。お答えください。
 サンプラザと警大跡地等の問題についてお聞きします。
 まずサンプラザについてお聞きします。
 区と一緒にサンプラザを買収するまちづくり中野21の運営事業者5社が持ち株を分割して、新たに区外に会社を持つ3社が参入することになりました。それぞれの持ち株は代表格の会社が56%、新規参入会社がそれぞれ11%、区内の1社が6%、3社がそれぞれ1%です。新規参入事業者が区内の事業者4社よりはるかに大きい株を持つことになりました。運営事業者内のことではありますが、区内5社で運営会社をつくるとの議会への説明は始める前から崩れてきて、区民からは、持ち株が1%ではやる気があるとも思えず、最初からの予定だったのではないかという声が出ています。また、銀行の事業介入も明文化され、サンプラザ購入費のほとんどを融資で始めるこの事業への銀行支配が明らかになりました。区は出資金の3分の2の権利を保有することで、区でなければできない事業があると主張してきました。しかし、実際は経営のノウハウがない区が協定書を取り交わした銀行の采配に従うようになり、銀行中心の事業にならざるを得ません。つまるところ、サンプラザの購入は、10年後のまちづくりのためであり、区が買わず、都市計画事業として民間で取り組んでも同じようなものだということです。どんなに区が買わなければならないと説明されても、この現象は、企業の開発事業を区が手助けしているだけに見えます。どこに2億円もの税金を投入するほどの公共性があるのでしょう。見解をお聞きします。
 警察大学校等跡地整備についてお伺いします。
 このほど出された中野区自治基本条例に関する審議会からの答申を読むにつけ、警察大学校等跡地の整備計画について、いかに区民の声が反映されていないかということを思い知らされます。10年余りの月日をかけ、区民参加のもとでつくられた01年警大跡地利用転換計画や中野区のまちづくりの最高方針であるマスタープラン、あるいは緑の基本計画も地域防災計画も無視して計画づくりが進められています。新都市建設公社に委託されたまちづくり計画の策定の中では、公社の計画策定期間の一つとして調査検討委員会がつくられ、区民も参加しました。しかし、それは区民参加を装うためであって、その証拠に委員会には最初から公社の考え方が押し付けられ、それに反発する委員からの発言も随分なされましたが、結論は最初に提案された公社案を基本としたものでまとめられたことにあらわれています。
 さて、新潟中越地震は当初予測された以上の被害をもたらしていることがわかりました。とりわけ多数の被災住民が当分の間、仮設住宅で暮らさなければならなくなったこともその一つです。中央防災会議から発表された東京都の震度予測から、中野区でも予想以上の家屋の倒壊が見込まれます。これまでの東京都の被害想定をはるかに上回る被害が発生するのではとの心配が区民の間でされています。警大跡地には、最低でも4ヘクタール以上の防災公園をとの区民の声はますます強まってきています。倒壊したり焼け出されたりした区民の避難生活の場所としての役割も必要だとの声もあります。ビルとビルの谷間の公開空地では、その役割は果たせないと陳情者からも指摘されています。さらに、議会各会派からも2ヘクタールから4ヘクタールに至る防災公園の設置要求が出されています。新潟中越地震の実態にかんがみ、警大跡地への防災公園設置について、今の区の考えをお聞きします。
 私たちは、区民の防災公園を設置せよとの声にこたえられる有力な手法として、都市再生機構が行うところの防災公園街区整備事業を取り入れるよう提案してきました。心配する区の負担も大きく軽減されることが、北区や杉並区の事例で証明されています。当面、問題になっている道路整備の負担についても、区議会、区民の一体となった働きかけによって、かつて刑務所跡地取得で道が開けたように、また北区が難しいと言われていた国有地をこの制度に適用させたように、さらに杉並区がこの制度に初めて都市計画交付金を対象とさせたように、必ず解決の道は見出されると確信します。そのためには、まず区がこの制度を取り入れるとの決断を下さなければなりません。かねてから検討中と答弁されているこの方式を取り入れるとの決断をしていただきたいと思います。区民の声がまちづくりに本当の意味で反映されるよう、一歩踏み出してください。お答えください。
 次に、少子化対策と子育て支援についてお聞きします。
 ことしの区政世論調査では、今後、特に力を入れてほしい施策は何かとの26項目の問に対して、子育て支援が6位に上がっています。国の少子化対策は、少子化対応は行うものの、少子化打開、つまり、本当の意味での少子化対策になっていません。そのため合計特殊出生率が1.29にまで下がり大きな衝撃になっています。中野は0.77ということですから深刻で、その対策が急務です。
 区は、基本構想の説明会で、少子化の原因は晩婚化、未婚化、結婚後の生き方などを挙げていますが、なぜそうなるのかを見きわめ、必要な対策を立てなければなりません。02年の第12回出生動向基本調査では、女性が理想の数の子どもを持とうとしない理由として、子育てや教育にお金がかかり過ぎるを挙げています。ことし行われた都の職員の仕事と子育てに関するアンケートでは、子どもの理想人数は2.45人だが、産むつもりは1.77人、その理由を子育てや教育の金銭的負担とした人が51%を超えています。育児休業を取得したことがあると答えた男性は3.4%にとどまり、57%以上が取得したいと答えています。420万人にもなるフリーターと言われる青年の7割が正社員を希望しており、85%が年収200万円未満という中で、とても結婚できないという現実です。こうしたことに対する現実的な施策が必要です。大事なことは、結婚し、安心して子育てができる条件と環境が整えられれば、結果として出生率が上がるという関係があることです。区はこうした現状をどのようにとらえているのか、お聞きします。
 次世代育成支援行動計画案についてお聞きします。
 区は、次世代育成支援行動計画案の中間のまとめを出しました。来年度から2014年度までの時限立法である次世代育成支援対策推進法の第8条に基づいた中野区の行動計画です。第8条は、子育て支援、母性や乳幼児の健康増進、教育環境の整備、良質で良好な住居環境の確保、職業と家庭の両立などを推進、実施する計画にするというものです。しかし、支援の責任主体が行政にあることがあいまいにされていると指摘されていました。その影響が区の子どもと子どもを育てる家庭を地域全体で支援していくことという考えにあらわれ、計画の基本理念にしようとしています。衆院厚生労働委員会において、法11条の必要な助言、その他の援助の実施とは、財政的な援助、支援が含まれるとの答弁があります。行政の責任を果たすためにも必要な財源確保を国に求めることは重要です。見解をお聞きします。
 この計画は、なかの子どもプランにかわるものにし、実施期間があと4年残っている子どもプランを廃止することにしています。ところが、子どもプランの基本理念である子どもの権利条約を遵守し、最善の利益を確保するということが継承されていません。事業には、権利条約副読本の配布などありますが、子どもの権利条約と子どもの最善の利益を考える社会を実現するという精神を継承することを明確に位置付けた計画にすべきです。見解をお聞きします。
 行動計画は、可能な限り具体的な目標事業量を設定することになっています。しかし、中間のまとめでは、取り組みの量が示されていません。前期5年までには、これだけという具体的な計画でなければ検証することができません。重点施策を明確にした目標事業量を設定する必要があります。また、行動計画を推進するための具体案も明示することが必要です。法では措置について協議する地域協議会を組織できることになっています。計画を成功させる上で推進体制は重要です。見解をお聞きします。
 この計画には、新規拡充ということで、区が区民に説明を始めたばかりの児童館統廃合や学童クラブの学校への移行、全園民営化を意図する保育園民営化、学校統廃合などが主要事業になっています。まだ区民合意もなく決定もしていないものを計画化すべきではありません。この計画から除外すべきです。見解をお聞きします。
 子育て支援の乳幼児医療費助成の年齢引き上げについてお聞きします。
 このことについては何度も実施を求めてきました。しかし、次世代育成支援行動計画に盛り込んでいません。区が行った子育て支援アンケート調査では、子育て費用の助成、児童手の助成を7割から8割以上の区民が望んでいます。全国的に見ると、通院、入院とも小学校卒業から高校卒業まで助成している自治体は合わせて70、入院のみを加えると115自治体になります。23区では北区が小・中学生の入院費無料、来年は品川区が小学校卒業まで、港区と台東区が中学校卒業までを完全無料化にするそうです。入院食事費の標準負担額助成は14区になります。中野区も助成年齢の引き上げに踏み出すこと、あわせて都の所得制限廃止を求めるべきです。見解をお聞きします。
 自治基本条例についてお聞きします。
 自治基本条例に関する審議会が、中野の自治の発展の方向と条例に盛り込むべき内容についての答申を出しました。区民による参加を基調とした自治体運営、課題設定から企画立案、実施、評価、見直しというすべての段階における参加の強化を提言しています。区が提出した検討素材で自治の基本原則に含まれていた補完性の原理は審議会の審議の中で否定されています。区長の任期については、意見が分かれ、別な条例や区長の姿勢として示すとの意見が紹介されています。自治基本条例の枠組みに入らない事柄としては当然です。今後、条例化に当たっては、中野の憲法擁護・非核都市宣言に基づく立場をぜひ盛り込んでいただきたいと思います。条例は住民自治を高め、住民の福祉の増進を図る自治体としての立場で検討されるものと思います。区の基本的姿勢をお聞きします。
 答申には、住民投票は事案ごとの条例を制定するとか、特定の地域や課題についての区民合意事項や地域規約など、区民の十分な話し合いが必要になることが盛り込まれています。まして、区は基本構想の実現に必要な条例という位置付けにしようということですから、十分な検討期間が必要です。自治基本条例は事前に区民議論が高まることが自治を高めることにつながります。そうであれば、区民は区報程度の情報しかない現状では検討期間が短過ぎます。特に今は基本構想と10か年計画、学校再編など重大なことが議論されているときです。もともと区はこの条例の提案を来年度としていましたから、なぜ急ぐのか疑問です。ことしの区民世論調査では、区民の意見、要望が区政に反映されているかとの問に、反映されていると答えた区民より反映されていないと答えた区民が2倍います。区民意識を重視するならなおのこと、1定での上程には無理があります。先に延ばし、十分な検討期間を保障すべきです。お答えください。
 最後に、山手通りと東京メトロの丸ノ内線改善についてお聞きします。
 山手通りの拡幅整備についてお聞きします。
 地下高速道路と山手通りの拡幅整備の工事完成までにあと2年余りとなりました。9月に地域の人たちと一緒に、坂上交差点から神田川の下をくぐって弥生町の換気塔を予定しているところまで地下の工事見学を実施しました。巨大な工事状況に、参加者は将来の山手通りの地下の様子を想像して排気ガスなどの心配を新たにしました。引き続き環境と生活を守る取り組みを進めます。
 さて、山手通りの整備について、具体的な調整に入る時期になってきました。現在、歩道整備についての検討会が開かれています。坂上から南側は、都が予定している歩道幅は5.75メートルしかないため、植栽や自転車帯を整備すると人が歩く幅は2メートルにしかなりません。少しでも歩道幅を広く確保できるよう走行車線や高速の出入り口の工夫が必要です。将来、山手通りの整備では、区道や民地との境界に段差ができます。坂上交差点から渋谷区境のところまでにできる区間での段差は、10センチ程度のところから2メートル以上のところまであると推測されています。現在でも接道部分が階段になったりしていますが、急な坂や階段が多くなるのでは、高齢者や障害者にとって山手通りは危険な道になります。都道とはいえ、民地も含め、バリアフリーの道にするために区はどのように対応するのか、お聞きします。
 丸ノ内線の駅改善についてお聞きします。
 丸ノ内線中野坂上、中野新橋、富士見町、方南町の各駅は、ホームからの避難口は1カ所しかなく、バリアフリー対策もおくれていることから、私たちは住民や杉並の議員団と共同し、ことし3月に4回目の申し入れを旧営団に行いました。ホームの排煙対策と国基準を満たしていない2方向への避難出口の確保、エスカレーターやエレベーターの接地、中野新橋駅の段差解消などを求めました。中野新橋駅は改修予定があり、08年には駅舎改修工事を着工したいということです。2方向への避難出口は確保したいと表明するものの、国交省がまだ基準を示さないため具体化できないとのことです。それではいつになっても利用者の安全確保はおくれるばかりです。事故がないのを幸いに先延ばしにするのは問題です。バリアフリー対策とあわせ、用地の確保を急ぎ、国からの指示を待つのではなく、国に積極的に働きかけるよう区から要請をしていただきたいと思います。お答えください。

 以上で私の質問を終わります。
     〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 岩永議員の質問にお答えをいたします。
 自衛隊のイラク派遣延長についての御質問であります。
 イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法、これに基づく自衛隊の派遣については、政府が法律に基づく手続に従って国会の承認を得て行っているところです。期間延長といった問題が今後、生じるとして、イラク復興の状況でありますとか現地の治安状況、それらを踏まえて政府が適切に判断をするべきものと認識をしているところでありまして、その是非について私が論じるといったことについては控えたいと思っております。
 それから憲法改正、憲法についての発言についてということであります。
 第3回定例会の中での特別委員会での発言の趣旨、これについては、私たちは国民としてこの国をどういうふうにしていきたいのかという議論をしていく、そういう時期に来ているということをまず認識として申し上げたところです。そうした本当に必要な議論の中で憲法の議論も当然していくべきであろうということを、求めに応じて私の見解として述べたものであります。憲法をめぐる議論そのものが活発に行われるということ自体は、タブー視してはならないと思っております。そういう意味で私の発言を撤回する必要は全くないと思っております。
 憲法を守るべき立場といったことについてでありますけれども、定められている法律、あるいは憲法、これを遵守するのは、公務員であったり、民間人であったり、国民の努め、義務、これは当然のことであります。そのことと定められている法律をよりよくしていくということ、これは全く別の問題だと思っております。法律は守るのが当たり前、そしてよりよい法律、よりよい世の中にしていくために普段に議論を重ねていく、これも当たり前のことだと思っております。
 地域防災計画の総点検ということであります。新潟県中越地震では、情報収集や被害生活上、多くの問題が指摘されたところです。また、中央防災会議の震度予想も発表されたところであります。地域防災計画は毎年修正を行っているところでありまして、今回の経験を踏まえて、その修正に反映をしていくこととしているところです。
 それから家具の転倒、落下防止対策の推進ということです。家具類の転倒防止器具については、自分で取り付けが困難な高齢者や障害者等の方を対象に、登録施工業者を派遣するといったことを行っているところです。事業のPRについて、区報への掲載、また高齢者や障害者が利用される区の窓口等に案内を配布しているというところであります。先ほどの飯島議員の御質問でもお答えしましたけれども、住宅の耐震補強、また家具の転倒防止といったようなことは、命を守る本当に重要な取り組みと考えているところであります。区内の登録施工業者をより活用する方向、そうしたことも含めながら、この事業の強化・推進を図っていきたいと思っております。
 それから給水対策とトイレ対策ということです。みずの塔の応急給水槽が廃止されるということになったといたしましても、周辺の地域の応急給水槽で全体として需要を賄うことができるというのが今回の考え方であります。それに加えて、新規の応急給水槽を3機整備するということで、よりきめの細かな供給ができると考えております。トイレについてですけれども、震災時にはマンホールなど下水道機能の有効活用を図るということを基本にしまして、可能な限り水洗トイレを使用することとしております。これが支障が生じた場合には、各避難所に配備をしております仮設トイレなどを利用することとしております。
 仮設住宅用地の確保であります。応急仮設住宅建設用地は、接道や用地整備、またライフラインの状況、他の応急活動の利用計画等を勘案した上で指定をしているところです。仮設住宅の建設に当たっては、避難生活から住宅での生活への早期の切りかえをしてもらうというものでありまして、既存の地域コミュニティに配慮することも必要だと認識をしているところです。しかし、中野区の現状から利用可能なオープンスペースの確保、これと見合せながら対応していくことが必要であると考えております。
 それから地域防災計画の達成目標の考え方についてです。地域防災計画では、各施策や事業の目指すべきところは記述をしているところです。地域防災計画というものは主に応急対策を定めたものでありまして、その大半は将来実現を目指すというものではなく、現時点で用意をするべき事柄であります。具体的な目標や達成時期について明記するという考え方には必ずしもなじまないということであります。まちづくりや道路整備など中・長期の課題については、別途の計画によるべきものと考えております。
 それから消防団の分団格納庫の用地確保と整備などについての質問です。消防団の分団格納庫の用地整備については、従来から用地確保の依頼があれば区有地を提供するなど協力をしているところです。今後とも分団格納庫の整備用地の確保については積極的に協力をしていきたいと考えています。分団格納庫の整備や可搬ポンプ積載車の配備など、消防団の活動環境の整備については、区長、私を委員長とする消防団運営委員会におきまして、都知事の諮問に対して活動環境の一層の整備を答申するなど、東京都に求めてきているところであります。災害時等に消防団の方々が参集をし、待機をする場所がない分団があるといった問題については、承知をしているところでありまして、消防団とも求めに応じて協議を行うということとしているところであります。
 私からは以上です。
    〔区長室長田辺裕子登壇〕
○区長室長(田辺裕子) 私から基本構想と10か年計画についてお答えをいたします。
 まず自己決定、自己責任の考え方ということでございますが、自己決定、自己責任につきましては、みずからのことは主体的に決定し、責任を持って取り組むという主体性と自立性を重んじることで、自助、共助、公助とともに豊かな地域社会づくりのための必要な基本的な考え方だと考えております。基本構想は区民が目指す中野の将来像を描くものでありまして、区民の決定や行動などについても基本的な考え方を示す必要があると考えてございます。
 また、区民憲章についてお尋ねがございました。区民一人ひとりがともに豊かな地域社会をつくり上げていくために、基本構想の中に区民が共有する基本理念を定めることも必要なことだと考えてございます。憲章という表現につきましては、先ほど飯島議員にもお答えいたしましたが、これまでの議会での議論ですとか、区民の意見交換会で出された御意見等を踏まえまして、現在、検討しているところでございます。
 次に、施設利用者との意見交換会の御質問がございました。これにつきましては、地域での意見交換会のほか、学校ですとか、児童館、地域センターなどでも意見交換会を行ってございます。今後も個別の事業や施設の再編につきまして情報提供を十分に行いながら十分に意見をくみ上げていきたいと考えてございます。
 また、さまざまな事例を挙げられまして見直しをという御質問もございました。これまで意見交換会のほか、町会連合会、医師会、民生委員、障害者団体など、各分野で活動する団体に対して個別にも説明を行い、意見交換会を重ねいてまいり、必要な修正を加えた上でナンバー4というところまで進めてまいりました。今後、発表予定の基本構想素案につきましても、区報で広く区民の方々に周知をするほか、関係団体に対して説明を行い、意見を求めた上で、来年第1回定例会に議案として提案をしていきたいと考えております。また、議決を踏まえまして10か年計画の策定作業に引き続き入りたいと考えてございます。
 続きまして、サンプラザ取得のための2億円出資の公共性ということでした。サンプラザにつきましては、運営の確実性や事業全体のリスクの回避が強化され、安定した枠組みができ上がっていると考えてございます。区と民間事業者が共同して出資し、行います、この事業の枠組みにつきましては、中野区の活性化と駅周辺のまちづくりの推進に資するものとしてつくり上げてきたものでございます。2億円の出資につきましては、議決権の3分の2を区が確保するというものでございまして、まちづくりに当たりまして十分に公共性が担保されていると考えてございます。
 最後に、自治基本条例につきましての御質問でございます。基本的なスタンスということでございますが、自治基本条例は、基本構想で描きます将来像を実現するに当たりまして、区民が自治の主役となるよう、中野区の目指す自治の姿を明らかにし、自治体として責任ある行政運営の実施や区民の参加の権利を保障する規定をしていくものと考えております。この条例の検討に当たりましては、基本構想を描く区民ワークショップですとか、中野区基本構想審議会の中で提案されたことを含めまして検討を初めてきております。中野区の自治の発展の方向につきましては、こうした取り組みの中で区民の論議を十分にいただいてきたものと考えてございます。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 私からは、学校再編案に関するお尋ねにお答えいたします。
 教育委員会で中野区立小・中学校再編計画案を取りまとめ、発表しておりますので、現在、計画案に基づきまして対象となる学校を中心に意見交換会を開催しております。そこではさまざまな御意見が出されております。今後とも幅広い区民の御意見を伺っていきたいと考えております。
 教育委員会では、学校訪問や児童・生徒との対話集会といった事業を通じまして、日ごろから子どもの声を聞くように努めております。ただ、学校再編の計画案という具体的なテーマを直接取り上げて子どもの声を直接聞く場をつくるという考えは持っておりません。学校再編の計画案につきましては、その内容を教育だよりに載せたほか、ホームページにも掲載しておりますので、子どもの意見を含めて幅広く声を寄せていただきたいと考えております。また、教職員につきましては、学校で話し合っていただき、その意見を把握していきたいと思っております。
   〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、警大跡地に防災公園をという御質問でございますが、警大跡地を含む中野区役所一帯は広域避難場所に指定をされております。そういうことから災害時の避難場所としての空間や防災活動の拠点として機能する空間を確保してまいりたいと考えております。
 それから防災街区整備事業についてでございますが、警大跡地におきますまちづくりにつきましては、公園等の整備でございます。これはこれまでも申し上げてきておりますように、開発者負担と区が行う公園の整備、これらを原則としておるところでございますが、防災公園街区整備事業についても、検討における一つの選択肢ととらえておるところでございます。
 それから山手通りと区道の段差の解消についてでございます。山手通り整備に伴う取り付け区道につきましては、平成10年3月に東京都と整備計画について協議を行っているところでございます。実務的には、都から委託をされております首都高速道路公団が窓口となって協議をしておるというところでございます。その中で、取り付け道路の整備に当たりましては、緩和曲線を採用し、縦断勾配の緩和に努めることや取り付け区道の沿道の民地及び建物への影響について関係地権者に十分説明をし、調整することなどを申し入れしてきておるところでございます。今後、区といたしましては、東京都及び公団と取り付け区道の設計協議に入るわけでございますが、区が定めた整備ガイドライン、それから都の福祉のまちづくり条例に沿った整備を求めてまいりたいと考えております。
 最後になりますが、東京メトロの施設改善でございます。区は韓国で発生した地下鉄火災を踏まえ、東京メトロに対しまして2方向避難確保などについて繰り返し要請をしてきたところでございます。今後とも早期に駅舎の安全対策が図れるよう要請を続けてまいります。
   〔子ども家庭部長柳澤一平登壇〕
○子ども家庭部長(柳澤一平) 子育て支援に関しまして何点かお答えを申し上げます。
 まず少子化の状況をどのように認識しているのかという御質問でございました。少子化の背景といたしましては、女性の社会参加や人々の結婚、出産、家庭に対する意識の変化など、さまざまな問題が絡み合っておりまして、その結果として未婚率の上昇、晩婚化、晩産化、子どもを望まない夫婦の増加などとしてあらわれていると考えてございます。
 次に、国への財源の要求というお話がございました。これまでも国として経費を負担すべきと考えている事業につきましては、財政負担を要望してきたところでございまして、今後もそのように考えているところでございます。
 それから次世代育成支援の計画について、子どもの権利条約を踏まえてきちんとつくるべきだというお話でございました。次世代育成支援行動計画におきましては、子どもの権利が尊重されること、子どもの幸せを第一に考え、子どもの利益が最大限に尊重されるよう配慮すること、子どもの意見表明や参画の機会が確保されるべきことなど、子どもの権利条約の考え方を取り入れて策定しているところでございます。
 それから事業量の明示をすべきだということでございました。行動計画につきましては、達成しようとする目標、次世代育成支援対策の内容及び実施時期をまず明らかにいたします。なお、事業量についても、できるだけ具体的に示してまいりたいと考えております。
 それから計画の進捗状況の管理についての御質問でございました。次世代育成支援行動計画の実現に向けては、区の重要施策として着実に推進をしていくということでございますが、次世代育成支援の推進について、区民を含めての協議する場ということでございますが、これにつきましては、行動計画の策定について意見を聞いてまいりました青少年問題協議会を予定しているところでございます。
 それから10か年計画事業との関係でございます。行動計画は10か年計画と整合を持ったものとして策定する考えでございます。また、財政フレームについては、10か年計画策定の中で明らかにすることになっておりますので、それとの関係で次世代の行動計画の内容を変更する必要が生じた場合は、上位計画でございます10か年の計画の内容を優先させるという考えでございます。
 最後に、乳幼児医療費助成の年齢引き上げについてでございました。まずは都への要望のお話がございました。乳幼児医療費助成の都制度における所得制限条項の撤廃については、特別区長会を通しまして、これまでも要望をしてきているところでございます。平成17年度に取り組む事項として、子ども家庭支援センター機能の充実、ショートステイ事業対象年齢の拡大や産後支援のためのヘルパー派遣事業の実施などについて検討してございまして、経済的支援のあり方についての今後、次世代育成支援行動計画の検討を深める中で総合的に整理していくこととしてございます。医療費助成の対象年齢引き上げについては、現時点では想定をしてございません。
     〔岩永しほ子議員登壇〕
○31番(岩永しほ子) 時間がありませんので、1点だけお聞きをします。
 次世代育成の答弁は余りにもひどいということを思いますが、これも別の機会にしたいと思います。
 それから区長の憲法発言につきましても、99条が規定をして守らなければならないのは区長なんです。区長の立場を99条が規定をしているわけです。このことについても、また後日、引き続き議論などをしていきたいと思います。
 1点お聞きをしたいんですが、教育行政、区民参加条例に基づき子どもたちの意見を聞く考えは持っていないということでした。これは余りにも教育委員会がつくった立場であるこの条例を教育委員会が否定をするということにつながります。果たして、この考えを持っていないというのは、教育委員の考えでもあるのか、そのことについてお尋ねをいたします。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 学校再編の計画案につきまして、子どもの意見を聞かないということではございません。さまざまな形で現に子どもがホームページなどを通じて意見を出せるような仕組みも用意しているわけでございますが、直接、このテーマを具体的に取り上げて教育委員会が意見を聞く場というものを今設定する予定は考えていないということでございます。これからいろいろな課題について全体的に子どもの声を聞く仕組み、そういう場については十分に確保していきたいと考えております。
○議長(山崎芳夫) 以上で岩永しほ子議員の質問は終わります。

 中野区議会議員 北 原 奉 昭
 1 基本構想・新しい中野をつくる10か年計画と財政運営の考え方について
 2 学校再編計画(案)について
 3 風水害対応時における情報提供方法について
 4 図書館機能と図書購入について
 5 西武新宿線沿線まちづくり勉強会の役割と今後について
 6 びん・缶の回収事業の見直しについて
 7 平和の森公園におけるホタルのビオトープについて
 8 中野区と研究機関の連携について
 9 その他

○議長(山崎芳夫) 次に、北原奉昭議員。
     〔北原奉昭議員登壇〕
○4番(北原奉昭) 第4回定例会に当たりましてTOKYO自民党中野区議団の立場から通告書に沿って質問いたします。
 まず初めに、基本構想・新しい中野をつくる10か年計画と財政運営の考え方についてであります。
 来年度からの3年間は、最近20年間の中野区政において最も揺れ動く3年間になります。この3年間は、基本構想・新しい中野をつくる10か年計画の入口として極めて重要な意味を持つものであります。
 国と地方の税財政を見直す三位一体改革に関する政府の基本方針が明らかにされたものの、内容や実施年度などは不確定な部分が多くあります。区が進める財政再建の道のりはいまだ険しくあります。こうした中で、この計画がスタートするのであれば、過去の教訓を生かし、早期に計画の見直しなどがあってはならないと思います。なぜなら、この計画は多くの区民と長い期間、貴重な時間を費やし検討を重ねた末、生まれるものであるからです。この計画に基づき確かな一歩が踏み出され、事業の持続的実現を可能にするための重要な要素は、安定した財政基盤の確立と組織改革、人的資源の活用であります。
 そこで、今回はこれらの最も重要な財政運営の考え方について質問いたします。
 第1点は、三位一体改革、とりわけ国庫補助負担金の見直しと地方への税源移譲に伴う区政運営の基本的スタンスと財政運営上の配慮について考えをお聞きしたい。
 第2点は、施策すなわち歳出の中心の計画策定・予算編成から実績、とりわけ歳入を中心とした計画策定への思考転換を図るべきだと思うが、どのように考えているか。
 第3点、中・長期的に健全で安定した行財政運営を可能にするためには、単年度型の財源対策による財政運営を改め、将来を見据えた計画的な財政運営にすべきだと思いますが、どのように考えているか。
 第4点、義務教育施設準備基金や既存の基金への計画的な積み立てのほか、道路整備やまちづくりなどのために新しい基金の創設が必要だと思うが、どのように考えているか。
 第5点、歳入・歳出決算をベースにした予算編成において毎年度多額の不用額が発生している事業は、そのこと自体が事業予算を圧迫しています。改めることはできないのか、お聞きしたい。
 第6点は、今後の財政運営において民間の経営手法に学ぶべき点も多いと思います。一時借入など従来の財政運営上のマイナス評価をプラス評価としてとらえ直す発想の転換が必要だと思いますが、どのように考えているでしょうか、お聞きしたい。
 以上でこの項の質問を終わります。
 次に、学校再編計画(案)についてであります。
 教育委員会は10月、おくれていた区立小・中学校再編計画(案)よりよい教育環境を目指して、を公表しました。児童・生徒数はピーク時に比べ3分の1以下に減少し、将来の増加も見込めません。また、学校施設も平成19年以降10年間で16校が築後50年を経過し、改築期を迎えます。学校再編を契機に21世紀、中野の公教育をソフト、ハードの両面からより充実・発展させ、教育の中野を再構築する必要があります。また、学校再編には、ときとして感情論がぶつかり合います。愛校心はだれにでもあり、特殊な個人事情も考えると無理からぬものもあります。しかしながら、私たちは21世紀を担う子どもたちのために、総論賛成、各論反対を乗り越え、この計画に真剣に取り組まなければなりません。
 そこで、質問いたします。
 第1点は、基本構想の意見交換会には、区長を初め区の幹部が多数出席しています。学校再編の意見交換会は、提案者である教育委員会にとって極めて重要な会議であります。地域の実情や意見に耳を傾けるのが教育委員の役割の一つであると思います。10月28日から11月17日まで計17回の意見交換会が開催されましたが、何人の教育委員が何回出席されたかお聞きしたい。
 第2点は、この案が公表されただけで、少なくとも前期再編対象校では、来年度、入学予定の児童・生徒の指定校変更が十分に予想され、急激な減少校や増加校が生まれ、さらに年を追って加速することすら考えられます。児童・生徒数の急激な変動は学校経営上、大きな支障となります。減少校は学校の活力を持続することが困難になります。また、増加校は急遽、学校施設の整備が必要になります。その結果、子どもたちは現行より不利な教育環境に置かれかねません。こうしたことが起きないよう、それぞれの学校が現在持ち得るすべての力を持続し、再編が行われるよう、総合的な支援が必要だと思いますが、考えをお聞きしたい。
 第3点は、学校再編と地域コミュニティの再構築であります。この再編で学区域は大きく拡大します。今日まで学校は、地域一体型の学校づくりや開かれた学校づくりを進める中で、地域のさまざまな活動の拠点として、社会教育や健全育成の核として、災害時の避難所として、地域社会との結び付きを深めてきました。地域の絆が希薄化する中で学校の果たしてきた役割は大きく、こうした機能が再編を機に低下することのないようにしなければなりません。新たなコミュニティづくりのために施設の活用についても検討を進めるべきだと思いますが、考えをお聞きしたい。
 この項の終わりに、どの自治体でも再編で最も苦労するのが新校名だそうです。計画案では学校統合委員会を設け検討することになっています。原則として統合校は新しい名称の新設校とする。千代田区では平成5年、再編が行われました。その再編で錦華・小川・西神田、3校の統合がありました。3小学校です。3校の中の1校、錦華小学校は明治6年開校、夏目漱石が学び、昭和天皇・皇后両陛下、また天皇・皇后両陛下--当時は皇太子・同妃殿下でありましたが--が来校されるなど屈指の伝統校で、平成4年創立120周年を迎えました。統合された新校の名称はお茶の水小学校で、早くも創立10周年を迎えています。
 次に、風水害対応時における情報提供方法についてであります。
 ことしは多くの台風が日本列島を直撃し、10月末の中越地震とともに自然災害に見舞われる1年となりました。被災者の皆さんに心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。災害対策の基本は、第1に人命を守ることであります。大雨なら気象庁が的確に警報を出し、自治体が住民の避難が必要かどうかを判断する、それを直ちに広報し、住民が速やかに安全な場所に避難するとされています。中野区でもことしは大雨により6回の警戒体制をとりました。この警戒の中、豪雨により河川の警戒水位を超えた日が3日あったと聞いています。10月9日の台風22号の際には、河川があふれることはありませんでしたが、短時間の集中降雨のため下水道が飲み込めず道路が冠水するなどにより、神田川、妙正寺川水系で33件もの床上・床下浸水などの被害が発生しています。台風22号のときには、溢水はなかったものの河川水位は妙正寺川で護岸最上部から13センチ、神田川でも36センチまで迫る危機一髪の状況でありました。また、10月20日の台風23号でも、両河川の水位は最上部から1メートルを切った状況でありました。台風22号の降雨量は時間当たり江古田で46.5ミリ、弥生で57.5ミリが観測されたと聞いております。過去には、今回の雨量を大幅に超えたこともしばしばあります。また、両河川の50ミリ対応事業や環7地下調整池への取水工事はいまだ完成を見ていません。11月5日発行の週間朝日は、頻発する集中豪雨の怖さとして東京都が選んだ浸水被害対策緊急重点地区、東京水害マップ、危ない25地点を掲載しました。中野区内では、東中野・中央地区と沼袋駅周辺の2カ所が含まれています。こうした状況を踏まえ、まだまだ川はあふれるものとして対応しなければなりません。区民の不安を少しでも軽減するために、今、区民が区に求めているものは風水害時における情報提供であります。河川水位が警戒水位を超えるとサイレンが鳴り、防災無線スピーカーで注意を呼びかけることになると思いますが、防災無線スピーカーは風雨の音に打ち消されほとんど聞き取れないのが現状であります。区がホームページやCTNなどで情報提供をしていることは承知していますが、高齢者世帯ではインターネットを使っている方は少なく、刻一刻と変化する情報を得る手段がないのが現状であります。このような情報弱者に対する十分な情報提供が極めて大切であります。台風のとき現場に出て様子を見ていましたが、区の職員が豪雨の中、懸命に対応していることは承知しています。しかし、車を使った広報や職員による広報など、まさに地域の中での直接的な情報提供が大変少ないと感じました。
 そこで、質問いたします。
 第1点は、防災無線スピーカーの性能向上は可能かどうか。
 第2点、河川沿いの区民や情報弱者に対する情報提供を区はどのように考えているのか。あるならば具体的に示していただきたい。
 以上でこの項の質問を終わります。
○議長(山崎芳夫) 一般質問の途中でありますけれども、この際、申し上げます。
 議事の都合上、会議時間を延長いたします。
 一般質問を続行いたします。
○4番(北原奉昭) 次に、図書館機能と図書購入についてであります。
 さきの議会で配付されました平成15年度主要施策の成果によると、図書館事業は、施策名、良質な知的資産が収集・保管され便利に利用できるまちとして施策の評価結果がAとなっております。
 図書館は知の宝島とも呼ばれ、活字離れが進む中でも多くの人々に利用され、教育、学術、文化の向上に大いに貢献し、民力を育ててきました。図書館の機能は、図書の購入、貸し出し、閲覧、資料収集、保存、研究及び展示、図書館関連の各種行事などがありますが、それらの機能を総合的に高める原動力となるのは、単に蔵書数の多さではなく良質な蔵書の蓄積にほかなりません。中野の図書館の蔵書数は、平成16年約97万冊、23区の中では13位であります。中野区の図書資料購入費を調べますと、平成10年を100とした指数で、平成13年、14年度にはともに34、15年度には42、目を覆うばかりの削減でありました。16年度には52、今年度は約7,000万円が計上され、指数も60台と改善されてきていますが、これでは長期にわたり区立図書館に備えられるべき良質な蔵書の蓄積は困難であったと思われます。その結果がここ数年の来館者数減少の一因にもなっています。情報化が進む中で、改めて区立図書館の機能の充実を図るべきであります。
 そこで、質問いたします。
 第1点、図書購入のための選書会議があると聞いていますが、どんなメンバー構成なのか、また購入基準は何なのか。
 第2点は、図書購入冊数と除籍冊数があります。最近5年間、中央図書館の購入冊数と除籍冊数はほぼ同数、地域図書館においては除籍冊数がかなり上回っている、この原因は何なのか。
 第3点、中央図書館に中野区ゆかりの宗教学者、例えば哲学堂の創始者であります井上円了や女流作家林扶美子のオリジナル本が一冊もない現状をどう考えるか、お聞きしたい。オリジナル本というのは、最初に刊行された書物の形態を持つものであります。また、資料、著作集などに含まれる前に刊行されたものであります。オリジナル本に比較するものとして復刻本があります。
 次に、第4点であります。最近、ベストセラーを多数購入して貸し出す図書館の貸本屋的運営方法が議論されておりますが、中野区のスタンスをお聞きしたい。
 以上でこの項の質問は終わります。
 次に、西武新宿線沿線まちづくり勉強会の役割と今後についてであります。
 早稲田大学都市地域研究所の佐藤教授は、まちづくりについてこう述べられています。「まちづくりに到達点はない。地域と行政の信頼関係を持続することが重要である」と。この春、本格的にスタートした沼袋駅周辺まちづくり勉強会を初めこの秋には新井薬師駅前周辺まちづくりの会が発足しました。今後、野方駅、都立家政、鷺宮駅にも同様の会の発足が予定されています。この勉強会は、中野区として新たな手法を取り入れ、地元区民、中野区、早稲田大学の三者、民・官・学の協働で続けられています。最初にスタートした沼袋駅周辺まちづくり勉強会は、早稲田大学の強力な支援を得て勉強会を重ね、今年度中には一定の成果を発表するやに聞いています。
 区は、平成17年度に取り組む主な事項の中で、重点事項として西武新宿線立体交差化と沿線まちづくりの推進を挙げ、沼袋駅周辺の整備のための基本構想づくりなど駅ごとの検討を進めるとしています。
 そこで、質問いたします。
 第1点は、沼袋駅周辺の整備のための基本構想づくりなど駅ごとの検討を進めるとしているが、区民を含めた検討会の設置などを考えているのかどうか。
 第2点は、この事業で勉強会の役割と今後についてどのように考えているか、お聞きしたい。
 以上でこの項の質問は終わります。
 次に、びん・缶の回収事業の見直しについてであります。
 区は、11月、平成17年度に取り組むべき優先事項として、びん・缶の回収事業の拡大及び報奨金の廃止の検討を明らかにしました。びん・缶の分別回収は、平成2年12月に一部の町会から開始し、区の強い働きかけもあり、平成11年には全区内で回収することとなりました。この間、町会・自治会などの大変な協力のもと、区民の高い意識に支えられて、ごみ減量と資源化が進められてまいりました。
 そこで、質問いたします。
 第1点は、現在の回収制度が町会・自治会を初め区民の協力のもと、うまく行っていると思うが、なぜ変更するのか。
 第2点、びん・缶の分別回収の方法の変更というが、どのような内容の変更なのか。
 第3点、変更によるメリットは何か。
 第4点、説明によれば、現在、区民が行っているコンテナの出し入れを回収業者が行うという。これではコストアップになるはずであります。回収拠点の増加、祝休日の回収を行っても現在の経費とほぼ同じだというけれども、その内容を明らかにされたい。また、事業の継続性から回収業者との協議が不可欠だと思うが、どのように対応しているのか。
 第5点、他の区のびん・缶回収事業はどのように行っているのか。
 以上でこの項の質問を終わります。
 次に、平和の森公園におけるホタルのビオトープについてであります。
 この質問は、さきの決算特別委員会で江口議員からもあり、過去において本会議でも質問されています。
 今から50年、妙正寺川の護岸整備が始まる前、この川で友禅流しが見られたころ、流域に飛び交うホタルを見に中野から親子連れで来るのが夏の一番の楽しみだったというお年寄りの話を聞きました。そこで、地元のグループは、中野区の中心部に近く、大勢の区民に親しまれ、妙正寺川にも隣接する平和の森公園でのホタルの自生は可能なのか、ホタルの研究が進んでいる民間の研究機関の協力を得て独自の調査・研究を進めてきました。そして10月、担当事業部に平和の森ホタルビオトープの概要を提出しました。
 この事業は、中野を初め杉並、練馬から集められる生活排水を浄化する施設、中野水再生センターの中間処理水の一部を取り入れ、幅1.5メートル、深さ15センチ、長さ10メートルのせせらぎをつくり、その中でホタルが自生するものであります。
 子どもに夢を、大人にやすらぎを与えてくれるホタル、平和や命の象徴とも言えるホタル、環境をテーマに半世紀ぶりに中野にホタルを蘇らせるこの事業は、区として積極的な検討に値するものだと思いますが、見解をお聞きしたい。
 また、提出した報告書には予算額も明記されています。中野区の財政状況から区の単独事業としての早期の実現は困難かもしれません。しかし、この事業内容は水再生を通じて環境問題に取り組む下水道局、妙正寺川に2カ所の漁礁をつくり親水河川化を進めている第三建設事務所、既に親水河川化により江古田公園、下田橋付近の2カ所の漁礁には、ハゼ科の魚ヨシノボリや上流から流れてきたドジョウが住みついています。また、第一調整池にはホタルの幼虫のえさとなるカワニナが見られるようになりました。こうした下水道局、そして第三建設事務所などを管轄する東京都への財政的な働きかけが可能だと思うが、どのように考えているか、お聞きしたい。
 さらに、ビオトープづくりに研究機関や区内造園業者の協力を得る工夫をしたり、区民参加の仕組みを考えれば、予算の削減につながるとも思います。
 環境問題やホタルに関心の高い今日、この事業は、新たなにぎわいを生み、活力をも創出します。 この4月から事業部制が導入され、それぞれの事業部の力量が問われる時代になりました。担当事業部の熱意に期待して、この項の質問を終わります。
 最後に、中野区と研究機関との連携であります。
 今年度からすべての国立大学は独立行政法人となり、研究、調査、教育などを中心とした大学から新たに民間手法を導入した業績向上や社会貢献が求められることになりました。私はこの秋、長野県伊那谷にある信州大学農学部を訪れる機会を持ちました。信州大学農学部は幾重にも織りなす山並みの向こう、東に南アルプス、西に中央アルプスを望み、広大な自然林の中にキャンパスがあります。そこで私は学部長から信州大学農学部による信州自然大学構想の話を聞くことができました。専門教授の講義はもとより、大学施設、農学部が所有する大規模農場、アルプス山麓に点在する演習林、家畜などの資産を活用し、都市と農村を結ぶ自然、森林、環境などをテーマにした良質な体験的夏季セミナー計画であります。
 中野区と伊那地方とのかかわりは、戦時中の学童疎開までさかのぼります。中野区民生活史によれば、伊那地方に約2,000名、諏訪地方にも2,000名を超える児童が疎開したと記されています。中央自動車道で中野から200キロ余り、鉄道も中央本線と飯田線で結ばれ、利便性も高い地域であります。
 新たな時代、学校教育や生涯学習の充実、発展のために、こうした研究機関との連携は重要だと思いますが、区はどのように考えているでしょうか、考えをお聞きしたい。
 以上ですべての質問を終わりますが、理事者におかれましては、誠意ある御答弁をお願いいたします。どうもありがとうございました。
     〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 北原議員の御質問にお答えをいたします。
 三位一体改革を含む今後の動きの中での財政運営に関する基本的な考え方といったことです。
 三位一体改革は、自治体が国庫補助金、負担金、それから地方交付税などを通じた国のコントロールから脱却をして、真の地方自治を確立するために避けて通れない改革だと考えています。補助金、交付金の削減とそれに伴う税源移譲によって、地方自治体がみずからの意思と責任で施策を選択し、展開することによって、より活力のある地域社会と持続可能な新しい豊かさを持った日本をつくっていくべきであると考えているところです。そうした状況の中で、大規模な施設整備やまちづくりなど国庫補助金が見直され、税源移譲により一般財源化されるということになりますと、地方自治体としては今後ますます、みずからの将来の財政需要を想定し、長期的、経営的な視点に立った財務運営をすることが必要となってくるわけであります。歳入について、その年度の事業にすべて充当するのではなく、計画的な運用を行って財政運営の安定を図る必要があると考えております。
 10か年計画と財政運営であります。
 10か年計画には、基本構想が描く将来像の着実な実現とそれを可能にする持続可能な安定した財政運営という二つの命題があるわけであります。都区財政調整制度の検討や三位一体改革の動向を見極めるとともに、基金の計画的な運用や適正な公債費比率の維持を図るなど、歳入面のしっかりした財政見通しを立てて、財政の裏付けを持った計画の策定に努めていきたいと考えています。
 10か年計画を実現するためには、単年度型の臨時財源対策による財政運営から将来を見据えた健全で安定的な計画的財政運営が不可欠であります。年度により増減をする歳入の平準化を図っていくためには、年度間の財政調整や公債費支出と起債可能額との関係を踏まえた基金への積み立てといったようなものが、中・長期にわたって安定した財政基盤を築く上で必要なことと考えております。
 また、新たなまちづくり、あるいは道路整備といった新しい需要に対してこたえるために新しい基金を積み立てるべきではないかといった御質問であります。区立学校の再編に伴う大規模改修、増築等に要する多額の経費に充当するために、その財源確保に向けた義務教育施設整備基金への計画的な積み立て、これが必要だということを認識しています。さらに、道路、公園の計画的な維持補修が必要となりますので、こうした取り組みに備えた新たな基金の設置に向けても検討中でございます。また、新しいまちづくりといった課題にこたえていくためにも、そうした基金の活用といったことも検討すべきだと思っております。
 それから多額の不用額が生じている事業についてであります。中野区全体とすれば、毎年度の決算において執行率はおおむね、このところ97%前後ということでありまして、一部の事業を除けば不用額はそれほど多くないという状況だと思っています。しかし、その事業だけに着目をして、安定性を確保するために、当初から多額の不用額が生じるような、そういう歳出予算の組み方をするという事業があれば、他の事業を圧迫することにもなるわけでありまして、予算編成に当たって、そうしたことに対しても留意をしていきたいと思っております。
 それから一時借入金の活用ということであります。平成15年度には10日間、50億円の一時借入を行って、68万円の余りの借入利子を支払いました。これについては、ペイオフ対策等もありまして、積立基金を指定金融機関だけでなく、債権や他行の定期預金等で運用していたということで、繰替運用可能な基金が不足していたということも要因の一つであります。そういった際に、定期を解約したり債権を売却するといったことをして資金を繰替運用に充てるといったことと、そうではなくて一時借入をするといった選択肢があるわけでありますが、一時借入利率と債権運用利回りというものを比較考量して、いずれを選択するかという視点が財政運営上も必要となってくると考えているところです。ちなみに、昨年度の場合ですけれども、運用益、14年度が194万円だったのに対して15年度は579万円でありまして、債権運用を拡充した結果、約3倍になっております。一時借入の利子を差し引いても余りある運用実績であったと考えているところであります。
 私の方からは以上であります。その他は担当部長からお答えさせます。
     〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 学校再編につきまして、まず意見交換会の教育委員の出席についてであります。これまで開催した各学校における意見交換会につきましては、事務局で対応しておりまして、教育委員会は出席しておりません。別途、区民と教育委員との対話集会を開催し、意見交換会を行うこととしております。
 次に、再編が行われるまでの対応についてでございますが、再編によりまして統合するまで充実した学校教育が行われ、その上で円滑に統合が行われることが大切であります。したがいまして、それまでの間、できる限り子どもたちが指定された学校へ通えるよう、保護者の不安を取り除き、きちんと対応することがまず第一だと思います。仮に子どもの数がふえたり減ったりいたしましても、子どもたちが不利にならないように、これまでどおり十分な教育ができますように対応してまいる所存でございます。
 次に、地域活動の拠点としての学校のあり方についてでございます。学校はこれまで地域コミュニティの一つの核としての役割を担ってきているものと考えてございます。教育委員会といたしましては、区民の方が利用しやすい学校施設づくりや開かれた学校運営などによりまして、統合後の学校がより一層、地域コミュニティの核としての機能を高めていけるように努力していく考えでございます。
    〔総務部長石神正義登壇〕
○総務部長(石神正義) 風水害対応時の情報提供についてお答えさせていただきます。
 風雨が激しい状況の中で防災無線スピーカーによる広報については、聞き取れないという区民の方が多いということは承知しております。しかし、中野のまちの建物の状況、こういったことから機器での対応、音量だとか、到達範囲の向上を図るということについては、限界があり、困難であるということでございます。そこで、今後につきましては、気象状況、また河川水位の情報提供につきまして、CTNによります提供内容の拡充、また携帯電話による情報の発信など、提供体制の充実を図る、こうしたことの一方、地域の状況によりまして、広報車による広報、こういったことを行いまして地域の中での広報を徹底していきたいと考えてございます。より区民に状況が的確に伝わりますよう、きめの細かい地域内の広報に力を入れていきたいと考えてございます。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 私からは、図書館機能と図書購入について、また研究機関との連携についてお答えいたします。
 まず選書会議の構成についてのお尋ねですが、選書会議は区職員で構成しております。一般図書については選書担当の職員、児童書については児童担当の職員がメンバーとなっております。また、図書購入の選定基準でございますが、選定基準は、教養書、実用書、娯楽書等の一般図書を幅広く収集すること、また参考図書として辞典・辞書などの資料を収集すること、また子どもの豊かな成長に寄与する児童図書を収集することなどとなっております。
 次に、除籍と購入の図書の冊数についてのお尋ねでございます。本の除籍ということは、書籍の物理的、あるいは機能的な劣化などによって毎年一定の数、出現するわけでございます。地域の図書館では、除籍する本の数が除籍する本の数を上回っておりますが、これは購入するほか、寄贈や他の図書館からの所属の変更による受け入れが多いためでございます。蔵書の数という点では、ほぼ同数で推移しているものでございます。
 また、オリジナル本についてのお尋ねでございます。発刊行当時の書籍というものにつきましては、幅広い意味で資料的価値があると思っております。しかしながら、区民の本棚としての区立図書館においては、書籍の持つ情報ということを重視しておりますので、刊行当時の本の収集に重きを置く運営ということについては、なかなか難しいと考えております。
 次に、ベストセラーの本に関するお尋ねでございます。図書館のスタンスということでございますが、レファレンスサービス、あるいはITなどの情報の発信、収受ということは、これからの図書館の大きな機能の一つとして考えております。単なる貸し出しが図書館の役割ではないと考えております。そうした考え方をとっておりますので、ベストセラーを大量購入するといったやり方については、近年では改めているところでございます。
 次に、研究機関との連携についてのお尋ねでございます。大学などの教育機関、研究機関との連携については、今後、情報収集に努めながら、どんなことが可能か、具体的に検討していろいろな面で進めてまいりたいと思います。
   〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 西武新宿線まちづくり勉強会の役割と今後という御質問をいただきました。沼袋駅周辺地区を初め西武新宿線沿線の勉強会は、鉄道の立体化とあわせたまちづくりにつきまして、地域住民と具体的な検討を行うために、町会、住区協議会、商店会等に幅広くお呼びかけをし、構成されているものでございます。したがいまして、現在のところ、別途、区民検討会というものを設けることは考えておりません。
 今後、勉強会でございますが、西武新宿線の立体化と沿線まちづくりの具体化に向けた地域の合意づくり、これの核となるという位置付けでございますので、その役割につきましては、ますます重要になってくると考えております。その活動を継続していくことが必要と考えております。
 それから平和の森公園におきますホタルの御質問でございます。これまで難しいとされてきておりましたホタルの生育の事例も見学をさせていただきました。こういったことを踏まえまして、平和の森公園の中におきます適地を調査し、規模や整備方法を現在、検討をしているところでございます。なお、東京都の関係部署とも十分に連携をして進めてまいりたいと考えてございます。
   〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
○区民生活部長(本橋一夫) 私からは、びん・缶回収の事業の見直しについての御質問にお答えをさせていただきます。
 まず初めに、区民の皆さんの協力のもとにうまく行っている現在の回収の仕組みをなぜ変更するのかという点でございます。循環型社会を実現していくために、資源の回収につきましては、区民が主体となった集団回収をできる限り推進して、区の行う行政回収につきましては、集団回収が進みにくい領域を中心として、できるだけ効率的に取り組むということが必要であると考えております。びん・缶の回収につきましては、現在の仕組みは区が回収等を業者に委託いたしまして、町会・自治会単位で行っております。回収用のコンテナの出し入れは、町会・自治会を通じて区民にお願いをしております。この事業を奨励するため、またコンテナの出し入れ等のお願いをしているということも勘案しまして、回収量に応じて町会・自治会に報奨金を支払っております。回収場所は現在、約6,800カ所、また祝休日等の回収は行っておりません。現在のびん・缶の回収量ですが、年間約3,500トンほどあります。一方でごみとして出されるものも約2,600トンほどあると推計されております。持続可能な循環型社会の形成、特に清掃工場の建設計画がなくなった中野区といたしまして、一層のごみ減量に向けた取り組みを強化していく必要があると考えております。
 そこで、どのように変更するのかということでございますが、今回、提案をしている見直しの内容といたしましては、区内を五つのブロックに分けまして、火曜日から土曜日、それぞれのブロック単位で回収をし、回収場所も1,000カ所程度ふやすとともに、祝休日等の回収も行おうというものであります。回収方法といたしましては、区が委託しました業者がコンテナを回収日の前日に設置いたしまして、回収日にびん・缶が入ったコンテナごと回収をするというものを考えております。メリットは何かということでございますが、回収場所及び回収日の増によりまして資源としての回収がふえ、ごみ減量になるということ、またコンテナの出し入れ及び保管等を現在、区民の方々にお願いしておりますけれども、高齢等で負担が大きくなっているという声も多く寄せられております。この仕事を業者が行うということで負担が軽くなるということがあります。コストの面で、何で現在とほぼ同じ金額でできるのかということでありますが、回収経費につきましては、回収場所及び回収日の増はありますものの、一方で回収方法をブロック単位といたします。そうしますと、町会・自治会単位での回収、これはコースもそれなりに町会・自治会単位で回らなくてはならない、それから回収量の計量というのも町会・自治会単位ということになっておりますが、これをブロック単位でその日の量を計量するということになりますので、回収の効率化が図られる、このために1周当たりの収集車両の数も同じで経費もほぼ変わらないということになると想定しております。回収方法の変更につきましては、回収業者とも十分に協議を行ってきているものでございます。コンテナの出し入れにつきまして業者が行うこと、また回収量の計量がブロック単位で行うということから、現在、町会等にお支払いしております報奨金を廃止するということを考えておりますが、これにつきましては、古紙等の集団回収の一層の充実などにより報奨金の増額、また資源の有効活用と町会活動の資金源の確保等を図ってもらえればと考えているところでございます。
 他区のびん・缶の回収はどのようになっているかということのお尋ねでございますが、他区では回収方法で業者委託をしているところが8区、直営で職員が行っているところが3区、委託と直営の併用が11区という状況にあります。また、コンテナの設置につきましては、業者委託が8区、区民が行っている区が14区、コンテナを使用せずに袋出しをしているところが1区という状況であります。報奨金を支給している区は中野以外にはございません。
○議長(山崎芳夫) 北原奉昭議員。
     〔北原奉昭議員〕
○4番(北原奉昭議員) 2点について再質問させていただきます。
 まず図書館機能と図書購入についてでありますけれども、今、答弁の中で、実は図書館の機能という中で資料、収集、保存というのが大変重要な意味を持っている機能としてあるわけですが、今の御答弁の話ですと、どうしても、確かに貸し出されている本中心にならざるを得ないという話はわかりますけれども、例えば、中野の第三中学校にあります芹沢光治良資料館、これは当時の鈴木校長の献身的な御努力によって、芹沢光治良としては最大規模の資料を持っている地域図書館であります。こうしたことは、たとえ読まれないにしても、この書籍が中野区のここにあるということだけで十分な文化的資産であるわけであります。そうしたことを考えますと、先ほど私が申し上げたように、せめてゆかりのある人のオリジナル本、すべてとはいいませんし、初版本が高ければ、初版本ではなくてオリジナル本で結構ですから、ぜひともその当時の形態をした書物を、何冊でもいいですから、ぜひ集めていただいて、それらを中心とした展示会等を企画すれば、区民の皆さん方も必ず高い関心を持ってくると思っておりますので、ぜひ検討していただきたい。
 そして、収書会議のメンバーですけれども、ボランティアで中野の歴史に詳しい方、たくさんおられると思います。そういう人たちにお頼みをすれば、お金は払わなくても、十分に参考意見を聞かせてくれると思いますので、ぜひそうした方たちの意見も聞きながら、収書会議のメンバーを拡大していくような方向で考えていただきたいと思っております。ぜひ検討していただきたいと思います。
 それから6番目に質問しましたびん・缶の回収事業の見直しであります。これは11月に発表されたということでありまして、唐突な感じがしたわけであります。町会連合会の常任理事会のところで話されたようですけれども、まだまだ中野区にある100を超える町会、そこのところまで情報がしっかりと伝達をされていません。実際にびん・缶の回収事業をやってきたのは町会・自治会であるわけですので、ぜひともその方たちの意見を幅広く聞いていただいて、そして、改めるところは多くあると思いますので、このことを十分に検討して、そして新たな案を提案していただきたい、そのことをお願いします。
 以上で再質問を終わります。いかがでしょうか。
  〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 再質問にお答えいたします。
 オリジナルな本、刊行当時の書物を中心に集めると、なかなか予算の制約で難しいわけでございますが、その中で工夫できるもの、御例示のありました中野区にゆかりのある作家などについて、できるというものについては、少し工夫できる範囲で工夫してみたいと思っております。
 また、展示会等についての御例示もいただきましたが、展示会等につきましては、いろいろな工夫をして、所蔵している人の本を借り受けるなどの工夫をして進めてまいりたいと思っております。

 また、選書会議のメンバーでございますが、選書については、区民のリクエスト、あるいは書評などを広く参考にしてやっておりますが、そうした御提案についても研究してみたいと思います。
   〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
○区民生活部長(本橋一夫) びん・缶回収事業についての再質問にお答えをいたします。
 びん・缶の回収事業、清掃事業の移管前に、中野区独自のごみ減量、資源の有効活用の取り組みということで、町会・自治会の御協力のもとに開始されたということで、これは議員のお話のとおりであります。報奨金につきましても、分別回収事業を奨励するために設けられたという経緯がございます。一方で、平成14年の減量審の答申にも、びん・缶の奨励金につきましては、当初の制度徹底のための役割を終えたということで、区民自身が排出者としての取り組みをしていくということから、終了してもいいのではないかということでの答申もいただいているところでございます。現在の区のごみ減量への必要性などについて、十分に町会・自治会など関係者に御説明をいたしまして、御理解いただけるよう努めるとともに、町会等による集団回収への区の連携、協力等をさらに推進してまいりたいと考えているところでございます。
○議長(山崎芳夫) 以上で北原奉昭議員の質問は終わります。
 お諮りいたします。
 議事の都合により本日の会議はこれをもって延会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山崎芳夫) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
 次の会議は明日午後1時より本会議場において開会することを、口頭をもって通告いたします。
 本日はこれをもって延会いたします。
      午後5時22分延会