平成16年11月25日中野区議会本会議(第4回定例会)
平成16年第4回定例会本会議第2日(11月25日)
1.平成16年(2004年)11月25日、中野区議会議事堂において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 いでい 良 輔 2番 伊 東 しんじ
3番 佐 野 れいじ 4番 北 原 奉 昭
5番 久 保 り か 6番 酒 井 たくや
7番 奥 田 けんじ 8番 近 藤 さえ子
9番 小 堤 勇 10番 大 内 しんご
11番 伊 藤 正 信 12番 きたごう 秀 文
13番 吉 原 宏 14番 高 倉 良 生
15番 やながわ 妙 子 16番 平 島 好 人
17番 むとう 有 子 18番 はっとり 幸 子
19番 長 沢 和 彦 20番 か せ 次 郎
21番 山 崎 芳 夫 22番 小 串 まさのり
23番 高 橋 ちあき 25番 岡 本 いさお
26番 こしみず 敏 明 27番 飯 島 きんいち
28番 佐 伯 利 昭 29番 佐 藤 ひろこ
30番 来 住 和 行 31番 岩 永 しほ子
32番 若 林 ふくぞう 33番 篠 国 昭
34番 伊 藤 岩 男 35番 斉 藤 金 造
36番 大 泉 正 勝 37番 斉 藤 高 輝
38番 江 口 済三郎 39番 藤 本 やすたみ
40番 昆 まさ子 41番 江 田 とおる
42番 池 田 一 雄
1.欠席議員(1名)
24番 市 川 みのる
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 助 役 内 田 司 郎
収 入 役 山 岸 隆 一 教 育 長 沼 口 昌 弘
区 長 室 長 田 辺 裕 子 まちづくり総合調整担当部長 那須井 幸一
総 務 部 長 石 神 正 義 総務部担当参事 橋 本 美 文
区民生活部長 本 橋 一 夫 子ども家庭部長 柳 澤 一 平
保健福祉部長 菅 野 泰 一 保 健 所 長 清 水 裕 幸
都市整備部長 石 井 正 行 教育委員会事務局次長 金 野 晃
政策計画担当課長 鈴 木 由美子
本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 正 木 洋 介 事務局次長 飯 塚 太 郎
議事調査担当係長 大 谷 良 二 書 記 黒 田 佳代子
書 記 巣 山 和 孝 書 記 永 田 純 一
書 記 荒 井 勉 書 記 廣 地 毅
書 記 西 田 健 書 記 岩 浅 英 樹
書 記 鳥 居 誠 書 記 杉 本 兼太郎
書 記 松 本 桂 治 書 記 吉 田 哲 郎
議事日程(平成16年(2004年)11月25日午後1時開議)
日程第1 第52号議案 平成16年度中野区一般会計補正予算
午後1時01分開議
○議長(山崎芳夫) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 平 島 好 人
1 中野区サンプラザ取得・運営について
2 エレベーター保守契約について
3 放置自転車及び放置バイク対策について
4 チルドレン・コートについて
5 その他
○議長(山崎芳夫) 最初に、平島好人議員。
〔平島好人議員登壇〕
○16番(平島好人) 平成16年第4回定例会に当たりまして、民主クラブの立場から質問させていただきます。
質問に先立ちまして、「新潟中越地震」災害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
中野区におきましても、救援に携われた方々に敬意を表するとともに、1日も早い復旧がなされることを期待し、お祈りいたします。また、これらの苦難の経験を将来の糧とし、役立てられますよう切望いたします。
それでは通告順に従いまして、質問に入らせていただきます。
初めに、中野サンプラザ取得・運営についてお尋ねいたします。
去る11月12日に「中野サンプラザ取得・運営等事業の進捗状況について」の報告がありました。その内容に関連して、区の考え方をお伺いいたします。
その報告及びその後に確認した内容によりますと、事業運営強化のため、新たに3社を加え、運営会社である株式会社中野サンプラザの議決権割合を変更したいとの申し出があり、区としては承認する予定であるとのことでありました。それに伴い、資本金を2億円から12億円へ大きく増額し、出資割合についても大幅な変更が予定されております。当初の計画と変更後では、「中野サンプラザ運営研究会グループ」を構成する5社の株式会社ビジネスバンクコンサルティングが50%から42%及び代表者個人分として26%の合計68%、宮園オート株式会社が12.5%から4%、株式会社東京アスレティッククラブが12.5%から2%、日本閣観光株式会社及び株式会社スペースがそれぞれ12.5%から1%となり、新たに参加予定の株式会社モック、株式会社ニナファームジャポン、エーティーティー総研株式会社がそれぞれ8%となるとのことであります。概略で以上のような報告があり、それに伴い幾つかの疑問な点及び確認の意味を含めお伺いいたします。
まず、取得のための判断当初からの重要な要素として、中野区の将来の姿を念頭に置いていたことは既にご承知のとおりであります。当然、その延長上の判断から、中野区内企業4社を含む株式会社ビジネスバンクコンサルティングを代表企業とした「中野サンプラザ運営研究会グループ」が選ばれたと認識しておりますが、まず、その点についていかがでしょうか、改めてお伺いいたします。
次に、事業運営強化として新たに参加する企業の業務内容を見ますと、婚礼関係などについては、結婚式そのものの形式・スタイル及び経費のかけ方など、時代の趨勢からも多様化の必要性から見て、理解できる内容もありますが、他については資本金が当初の6倍、12億円に増額された理由とあわせ、資本金出資率とのバランスを考え合わせると疑問を感じざるを得ません。
庁内審査会で、合格レベルに達したと判断された本年7月に「中野サンプラザ運営研究会グループ」から提出された「再提案書」の中にも経営計画として、「私たちは、地元代表の企業グループとして、地元一体となり、地域の誇りとシンボルである中野サンプラザの現機能を活かし、現職員の雇用確保を前提とした安定事業運営を目指します」とあり、また、いろいろな部分において「地元を代表する企業」であるとか、「地元中野とともに生きる企業グループとして」であるとかの表現があるとおり、これまでのいろいろな場面における答弁、発言からも、最終的な判断をする要素として重要であったと想像するにかたくありません。
区民も区議会としても、そのことが一定の安定感と安心感を感じていたことも事実であります。しかし、今回の変更内容は企業割合こそ1対1ですが、資本金出資割合では9対1で、区外企業が圧倒的に多く、企業経営の常識から見ても、その発言力に大きな影響が出ることは容易に考えられます。とすると、本変更内容は、単に「議決権割合の変更」というだけにとどまらず、計画全体にも影響することと考えられます。このような大きな状況変化に対して、中野区としてはどのように判断しているのでしょうか。区内企業の比率の減少、出資率の変更、増額の理由及びそのバランスについてとその影響の大きさなどを含め、承認する予定との判断に至った経緯や、その理由をお伺いいたします。
また、本年5月でしたか、運営会社として名乗りを上げた「中野サンプラザ運営研究会グループ」を含む2社の提案内容について、いわゆる有識者委員会では、当初、該当なしとして判断されましたが、その後の再提案を受けて中野区の庁内会議において、2社とも合格レベルに達するという判断に至り、その結果、当企業グループが第一交渉権を得て契約に至ったことは、既に御存じのとおりです。しかし、このたび本議決権割合変更の申し出がありましたことについては、そのときの庁内審査会の判断の甘さを指摘せざるを得ません。
当初の5社体制、資本金2億円という提案について、庁内審査会の判断では妥当であるとの判断で了承していたにもかかわらず、協定書にあるような「安定的・継続的に遂行される為に、業務状態が悪化した場合」云々とあるその事業開始前から、資本金の大幅増資及び新たな企業を加える判断をしたことなど、新たな提案にも等しいのではないかと感じられます。
そこでお伺いいたしますが、中野区として当初の判断はどうであったのか、想定した状況との違いはなかったのか、この新たな申し出についてどのような感想をお持ちなのか。また、今後このような大幅な変更の有無についての可能性、対応をどのように考えておられるのか、以上、お伺いいたします。
次に、エレベーター保守契約についてお伺いいたします。
民間、公共を問わず、経費の効率的節減を進めている社会状況において、我が中野区におきましても、いろいろな角度から努力されていることと思います。そのような中で、他の状況からかんがみて検討していただきたい事項として、中野区内における各施設のエレベーターのメンテナンス契約についてお伺いいたします。
現在、中野区における各施設エレベーター設置総数は72基あり、かみさぎ特別養護老人ホーム及び特別養護老人ホーム小淀ホームの2カ所、8基がPOG契約であるほかは、あとの64基すべてがフルメンテナンス契約となっています。その契約について、簡単に説明させていただきますと、POG契約とは、単年度単位で必要な物品、箇所のみの点検保守を行うもので、例えば、耐用年数が10年の部品などについては、該当年でなければ点検保守を行わないというものであります。また、フルメンテナンス契約とは、耐用年数などに関係なく、点検保守を行うもので、おのずとコスト高となります。ただし、期間中の責任を伴うために、保険的要素を含む意味合いもあるというものです。そこで、いろいろと調査してみますと、保守点検委託業務の委託金額について、幾つかの疑問点が出てまいりましたので、何点かお伺いいたします。
現在、エレベーター保守委託契約の相手先は、一部を除き系列会社が行っている特命随意契約となっているようであり、私も単純に責任分担の不明確さに加えて、技術面や管理保守、緊急時対応の観点からも何かと都合がよいのかと考えておりました。しかし、近年の状況を見てみますと、保守点検業務を行う独立系の企業が数多く設立されており、請け負う業界にも大きな変化が出てきたとお伺いしております。
実際に、指名競争入札による独立系企業で点検保守の委託を行っている千葉県庁の例では、エレベーター故障の際に、部品がなかなかそろわず1週間程度の停止を余儀なくされたとの事例もあったようですが、先ほど申しましたとおり、その大きな変化の中で、多くのリスクに対しても対応ができる企業が多数存在しているとのことであります。
また、以前はいろいろな理由から、さきの例のように、系列外の企業の部品の入手に時間がかかるなどというお話もお聞きしました。昨年にはある系列会社が部品の提供について告訴され、行政指導がなされ、改善されたとお伺いしております。公正取引委員会においても、そのようなところには特に目を光らせているとのことです。
これらの状況を踏まえ、現在の中野区の契約状況に照らし合わせてみますと、いただきました資料では、指名競争入札を行っているのは、歴史民俗資料館及び東部地域センターの2カ所であり、その他はすべて特命随意契約でありました。指名競争入札における保守点検業務委託先は独立系企業となっております。そこで、エレベーター1台当たりの契約金額を比較してみますと、指名競争入札ではいずれも同一企業によるフルメンテナンス契約で、年額54万1,800円、月額にすると4万5,150円でありました。一方、特命随意契約では、各施設エレベーター設備の新旧の差があるなど、階数、請負企業も異なっているので一概には言えませんが、年額で75万6,000円から127万2,600円、月額にすると6万3,000円から10万6,050円となっており、これからもおわかりいただけるように、大変に高コストとなっております。例えば、同じメーカー同レベルのエレベーターの点検保守契約であり、その上、当然コスト高になると考えられる設備そのものが古い型式であるにもかかわらず、指名競争入札による独立系企業が請け負った方が低金額であったりしております。もちろん肝心の事故発生頻度などの安全性の面からも、ほとんど違いがないという話であります。
そこで、例えば、大変に大ざっぱな計算ですが、最も差の少ないと思われるケースで考えてみますと、特命随意契約の一番安い契約金額と、指名競争入札の差額で、エレベーター総数分を換算したとして、最低と思われる金額としても、その差の総額は1,542万2,400円となり、中野区の財政状況からも決して無視できない金額と言えます。また、聞くところによりますと、契約金額の算定方法の基準は、エレベーター設備購入価格の5%程度が相場だということですが、その購入価格についても同じ規模であるにもかかわらず、ほぼ定価格で購入する公官庁と民間との導入金額の差は、大きいところでは4倍近い金額になっているところもあるようで、ある役所に約2,000万円で導入されたエレベーター設備が、ある大手の建設会社では約500万円であったというお話もお聞きいたしました。中野区についてはいかがなのでしょうか。必ずしもすべて指名競争入札がよいとは申しませんが、このような状況は御存じなのでしょうか。また、認識はいかがなのでしょうか。東京都を初め他の自治体においても、指名競争入札が徐々に導入されている現状からも、今後指名競争入札をさらに拡充していく考えはありますでしょうか、お伺いいたします。
また、さきにお話しいたしました中野区の2施設において行われているPOG契約は、いずれも特別養護老人ホームですが、先ほどにも申し上げましたとおり、保険的要素を考慮いたしますと、フルメンテナンス契約の方が適しているとも考えられるのですが、どのような判断の相違から異なるのか、その意味するところをお伺いいたします。
三つ目に、放置自転車及び放置バイク対策についてお伺いいたします。
言うまでもなく、中野区では、放置自転車について長年にわたり努力をいたしてまいりました。その結果、駅前などを主として、大変に広くかつきれいとなり、また、高齢者や足などの不自由な方にも好評であるとお伺いしております。このことについては、今後もさらに維持・改善に努めていただきたいと思いますが、そのかわりといっては何ですが、発生している問題についてお伺いいたします。
初めに、撤去対象地域ではないところの放置自転車についてですが、私有地などにおいて何件かお話をお伺いいたしました。中野区としては早稲田通りの一部など、かなりの範囲までを対象としてくださっていることは存じており、場所や状況においてもケース・バイ・ケースですが、例えば、病院などの準公共施設のような場所や、スーパーなどのような多くの人の出入りが激しいところなど、もちろん短時間であれば仕方のないことかもしれませんが、その中に紛れて、盗難車や、ごみ状のものなどが放置されているなどであるとか、夜間など当該店舗が既に閉まっている時間帯や、もしくは営業していない日時に、当たり前のように駐車しているなど、場所によっては人一人も通れないような状況のところもあります。また、公共施設、マンションやアパートなどの集合住宅の駐輪場にも放置されているものもあるらしいという状況があるようです。これらの状況に対し、中野区としてはどのような対応をしているのか、また、将来のあるべき姿としてどのように考えているのか、お伺いいたします。
次に、放置バイクについてですが、大別すると、撤去可能なものとそうでないものがあり、昨年の実績では、陳情件数175件に対して、143件が実際に撤去され、残りは他の所管が対応しているとのことであります。中野区としては、処理対応する流れとして、初めに陳情を受け付けた後現場調査をし、経済的価値のないごみ状のものには警告シールを張りつけ、約1カ月経過後に撤去、それ以外のナンバーのあるものは、調査・連絡し、引き取っていただき、ナンバーのないもの及び所有者不明の場合は、3カ月から6カ月の経過観察期間後に撤去しているとのことでありますが、これらはあくまでも、区道、認定外道路、区有道路、河川、水路敷などに放置されている撤去可能なものであり、それ以外の撤去できないものの中には、都道では東京都第三建設事務所道路監察係が担当し、違法駐車に関しては、警察署交通執行第1係に連絡、対処しております。
ここで問題になるものとして、私道・私有地に放置されているバイクについては、管理権がないために撤去することができず、場合によってはその所有者が処分するとお伺いいたしました。さらにこのような場合、時によっては、私道・私有地の所有者が実費負担することもあるとのことで、まさに踏んだりけったりと言えます。このようなケースの場合、その周囲の状況も関係しているかもしれませんが、何度も繰り返される可能性もあり、特定の地域・住宅・私有地の所有者に負担を強いることになる現状はいかがなものでしょうか。また、可燃物であるという面からも、災害時の危険性、放火等の事件の誘因要素拡大・助長などにならないようにすることが肝要ではないでしょうか。
これらのことを踏まえ、今後の処理方法や対応の改善、もしくは実費負担の免除や軽減などはできないものでしょうか。現在、何か検討されておりますでしょうか、また、検討していただけないでしょうか、お伺いいたします。
また、放置自転車が大幅に減少したことによりかえって目立っておりますが、自転車と異なり、重量のあるバイクなどが店先などに放置・駐車された場合には、簡単に移動させることさえできません。現在、他の地域・自治体におきましては、バイク・自動二輪車用の駐車場を設置しているところもあり、徐々にふえているともお聞きしておりますが、中野区としては何か計画や検討内容があれば、あわせてお伺いいたします。
4番目に、チルドレン・コートについてお伺いいたします。
ところによりティーン・コートと呼ばれることもあり、余り聞きなれない言葉かもしれませんが、最近試行される国・地域が出てきたそうです。コートといいますと裁判所ということになりますが、その内容はまちまちで、一概に説明できませんが、ここでお伺いしたいのは若干意味が異なるかもしれませんが、子どもの子どもによる子どものための協議の場の提供についてであります。
近年、ある日突然よい子から問題のある子に変貌し、「あんなにおとなしい子がなぜ」というような話を頻繁に耳にするようになったと思われる方は、少なからずいらっしゃると思います。不登校やいじめ、その他の数々の問題を目の当たりにすると、そのたびに何とかならないのかと痛感し、どこまで当該児童のおかれている状況を理解できたのかと思うと、子どもの直面するさまざまな問題の核心に触れることの難しさを認めざるを得ないことがしばしばあります。通常、何らかの問題や事件が発生してから、その原因が両親・兄弟との不和や学校でのいじめや、自分を取り巻く周囲とのコミュニケーションが苦手であるというようなことなど、事前に防ぐことが可能かもしれないと思われることが、事件・事故発生後に判明するということが少なくありません。現在のような社会・家庭環境では、子どもとの交流が十分できないという方もいらっしゃるかと思います。であるならば、少しでもその悩みを解消・解決する機会や場を、別の視点・角度から提供できないものでしょうか。そのための一助として、チルドレン・コートの設置の検討をお願いしたいと思います。その趣旨としては、直接的には子どもに対して、子ども自身が直接・間接に悩みを話し合い、お互いに解決の手助けをすること、同様の経験や知識を持つ子どもたちの話を聞き、現在その真っただ中にいる子どもに生かすことや、抱えている問題が1人だけではないことを知ることにより、疎外感や孤立感の解消、精神面での支えとなり、サポートすることが可能であると考えられます。もちろん、子ども自身の成長にも寄与すると思います。また、支援する側からすると、子どもの持つ本音の部分に触れることで、これからの教育と問題・事件発生防止に役立てる情報源としての活用など、いろいろと考えられると思います。そのような場を一定的に設けることで、子どもからもよりどころとしての意味を持ってくれればと考えます。当然、誹謗・中傷するような場にならないよう一定の規定は必要と思いますが、そこでお伺いいたします。いわゆるチルドレン・コートのような、子どもの子どもによる子どものための話し合い・情報交換の場の提供について可能でしょうか、お伺いいたします。また、あわせて現在のスクールカウンセラー制度の内容とあり方について、不十分を感じている点があれば、その改善検討内容を含め、お聞かせください。
最後に、その他で2点お伺いいたします。
初めに、防犯ブザーの活用状況についてお伺いいたします。
先ごろ、奈良県の小学1年生の女の子が誘拐され、無残にも殺されるという凶悪事件が発生いたしました。このような痛ましい事件は2度とあってはならないことであり、にもかかわらず先日も千葉県で連れ去り未遂事件が発生しているなど、中野区においても、さらに十分な注意をすることは言うまでもないことです。私たちも犯罪防止のため、可能な限り一層の努力をしなければなりません。
当区では既に防犯ブザーの導入配布をしてくださっており、大変感謝しております。しかしながら、その活用状況はどうでしょうか。何人かの保護者にお伺いいたしましたところ、自宅に置いたままの児童が少なからずいるという話をお聞きし、常に携帯しているとは言いがたいとのことでした。学校でも所持検査をしているようでもないようだとのことで、使用方法やいたずらに使わないようにという指示なども当初になされただけのようです。
このような凶悪事件が発生したことでもあり、模倣犯罪が起きないとも限りません。今回の事件では、所在のわかる携帯電話のGPS機能も防止には役立ちませんでした。やはり、最善は未然に防ぐことであり、そのためにも、例えば、学期末や学期初めなどの節目に指導を行うなどできないでしょうか、お伺いいたします。
最後に、地域公共施設の地域コミュニティについてお伺いいたします。
これまで地域コミュニティの担い手として、町会などは行政と区民のパイプ役として、重要な役割を果たしてまいりました。防災活動などよい例と言えます。また、各種の整備事業についても、説明会設定などについては、なくてはならないと言えます。これからの区政を考えていく場合においても、より一層連帯・協働の関係を構築しなければならないということは言うまでもありません。このような意味合いからも、各地域における各公共施設について、地域に根ざした仲間として手を携えていかなければならないと思います。
先ごろ、東京都議会、各会計決算特別委員会において、以下のような確認がなされました。「東京都の出先機関である事業所や営業所が、予算措置として、町会費を計上することは可能である」というものです。財政状況や各事業経費節減をしている中で、一概に中野区に当てはまるかどうかは別としても、直接的な経費的問題としてではなく、総合的な判断として考えた場合、例えば、応分の町会費負担をすることで地域密着性も高まり、活動のさらなる円滑化と信頼感の向上、働く職員への地域への愛着も増し、その結果として、意識の向上とともに、成果の向上につながるのではないかとも考えます。そこでお伺いいたしますが、中野区ではこの種の負担は可能なのか、該当すると考えられる施設はどのぐらいあるのか、また、現在何らかの取り組みを行っているのかお答えください。
以上で質問のすべてを終わります。簡潔明瞭な答弁をお願いいたします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 平島議員の質問にお答えいたします。
サンプラザの取得・運営に関する御質問です。事業者選定について、中野サンプラザ取得・運営等の事業の趣旨を十分理解をし、その実現への強いモチベーションを持った提案内容をいただいて、株式会社ビジネスバンクコンサルティングを代表企業とする中野サンプラザ運営研究会グループを優先交渉権者に選定して協議を重ね、8月31日に基本協定を締結したところであります。この基本協定の締結時点で、5社を事業パートナーとして選定をしたということが選定の経過でありました。今回、新たに出資者が加わった形で協定を締結していくということになっていくわけでありますけれども、今回の出資者の増加については、事業運営の安定性、継続性をより一層高めるために、各事業部門における専門的ノウハウを有する各社に運営参加を求めるとともに、さらに資本を充実させることが適当というふうに判断したということで、運営研究会グループがこのような枠組みを構築していったということであります。中野区といたしましては、事業運営のさらなる安定は望ましいことでありますし、それを否定する理由はないというふうに考えております。出資割合の変更などについては、基本協定の時点において、中野区が事前承諾を要するということになっているところであります。ビジネスバンクコンサルティング及びその関係企業等の出資比率が高まるといったようなことについても、運営会社の経営の安定につながるというふうに考えているところであります。
選定結果と出資者の増加といったこと、それから今後の見通しといったことについてであります。増資などの申し出については、事業を安定させるための枠組みがより強化されたものであるということでありまして、選定の過程での提案内容と矛盾するといったようなことではないというふうに考えております。今後とも運営会社がさまざまに経営資源を活用して、経営上の工夫を行っていく、そのことを期待をしているところであります。全体として、区として想定している枠組みの大きな変更はない、その中で中野区に新たなにぎわいをもたらす、そうした運営の工夫をこれからも大いにやっていただきたいというふうに思っております。
以上であります。
〔総務部長石神正義登壇〕
○総務部長(石神正義) 私からは、エレベーターの保守契約につきましてお答えさせていただきます。
区ではエレベーター設置を含む工事の積算に当たりましては、エレベーター設備の設備費について、同一仕様のもとにメーカー数社から見積もりを出させまして、適切に積算を行っているところでございます。また、エレベーター設備の設置等に関する工事請負契約に当たりましては、指名競争入札の方法により、公平に行っているというところでございます。
エレベーターの保守点検でございますが、これまでメーカーや機種の違いによりまして、点検方法、また修理の方法が異なるということ、また、機種固有の専門技術者による点検が必要だということでございました。しかし、近年メーカーや設置事業者にかかわらず保守点検のできる事業者が出てきております。こうしたことから、今年度から指名競争入札による対応をしていこうということで、可能なものから実施することといたしました。今後も可能な範囲で指名競争入札による契約に切りかえてまいりたいというふうに考えてございます。
また、POG契約とフルメンテナンス契約の違いはということでございますが、この両契約の保守につきましては、契約内容を示します仕様書のつくり方、こういったことを工夫することによりまして、基本的に差はないというふうに考えてございます。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは放置自転車、それから放置バイク対策につきましてお答えを申し上げたいと思います。
まず初めに、放置自転車の民有地の対応でございます。民有地等への放置の実態は、区も十分認識をしているところでございます。病院、スーパーマーケット、それからマンションなどの施設の管理者が警告文をつけるなど、私有地に置かれないよう努めている事例もございます。今後とも施設管理者と情報交換に努めまして、連携を強化して対応してまいりたいというふうに考えてございます。
次に、私道の対応とバイク用駐車場についてでございます。私道や私有地に置かれた放置自転車の処分経費につきましては、区として負担する方法は現在のところないというところでございますが、中野駅周辺など規制区域内で、一部私道上の放置自転車につきましては、地権者など土地権利所有者から撤去承諾書というものをいただいて、公道上と同じ扱いにして区が撤去しているという事例もございます。また、バイク用の駐車場でございますが、自転車駐車場の空きスペース、これを活用し併設を考えているところでございます。
以上でございます。
〔子ども家庭部長柳澤一平登壇〕
○子ども家庭部長(柳澤一平) いわゆるチルドレン・コートの設置という御質問でございました。
児童館では各種事業を通しまして、子ども同士の自由な交流により話し合いや情報交換などが行われているところでございますが、今後はこのような機能をより充実させまして、子どもたちがより主体的に自分たちで問題を発見し、解決を図っていくようなことにしてまいりたいというふうに考えてございます。
〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) スクールカウンセラー制度のあり方についての御質問にお答えいたします。
中学校については、スクールカウンセラーに加え、心の教室相談員が全校に配置され、相談活動の充実が図られているところでございます。また、今年度からは、小学校にも心の教室相談員が全校に配置され、問題の未然防止も含め、相談活動が定着してきているところでございます。今後の改善等を含めということでございますが、今後は中学校配置のスクールカウンセラーと、関係する小学校とのより一層の連携が図られるよう、各学校に指導、助言を図っていきたいと考えております。
次に、防犯ブザーの活用状況についてのお尋ねでございます。
小・中学校に防犯ブザーを導入したわけでございますが、導入する際に、教育委員会が児童・生徒向け、保護者・地域向けに防犯ブザーの使い方のリーフレットを作成し、配布するとともに、セーフティー教室を開催しております。セーフティー教室の中では、防犯ブザーの携帯の必要性、また使い方について指導してきております。今後とも月1回の安全指導の時間、また学期末、学期初めといった折に、防犯ブザーの携帯について指導するよう、各学校に指導・助言していくことにしております。
〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
○区民生活部長(本橋一夫) 区の施設の町会費負担のお尋ねがございました。
区の施設は、いずれも地域との密接な協力のもとに、所在地の町会だけではなく、地域のさまざまな団体やグループと連携・協力を視野に入れながら活動しているものであります。このため、当該施設の所在する町会、自治会に所属して、その会費を負担するという考えはございません。地域団体とは、事業によりまして、事務の委託ですとか共済などの形で負担しているものもございますが、町会費に類するような負担はしていないという状況にございます。
〔平島好人議員登壇〕
○16番(平島好人) 何点か再質問させていただきます。
初めに中野サンプラザ関係ですが、たくさん聞きたいことはあるんですけれども、ちょっと数があるんで限らせて、まず、質問の中でお伺いしました発言力の影響について、ちょっとまた御見解をいただきたいんですけれども、企業経営ということを考えた場合に、どうしてもその影響は大きくなってくるといった場合に、地元の企業としての意識がどのように持てるかという疑問がどうしても残るものですから、そういうことについて、中野区としては何か懸念がないのかというようなことをお伺いしたいということが1点。また、私だけかもしれませんが、こういったお話を聞きますと、どうしてもやっぱりそういう疑問を持つ方が、区民の方でもいらっしゃると私は思っておりますので、区民の方へ何らかのそういうわかりやすい説明というものをする必要があるのか、内容にもよりますが、そういった必要があるのではないかと思いますが、そういったことをどこかの場で言うことはないのか、それについてお伺いいたします。
それから、エレベーターの保守契約についてなんですが、POGとフルメンの違いは基本的にないという御答弁でしたが、私としては保険的要素というところが重要な要素だと思っていまして、その部分は明らかにPOGとしてはないと。耐用年数に達していないものは検査の対象外ですから、そういったものを、何かしらの不具合が起こった場合の不安というのがあるということで、また、どうして、両方とも特養でしたがPOGにしたところが2カ所だけあったのか、その判断の違いについてお伺いしているものですから、基本的に違いがあるとかそういう話ではないので、そこをお答えください。
それから、放置バイクのことですが、ちょっと正式名称は忘れましたが、店舗の撤去許可証でしたっけ、指示書でしたっけ、そういったものが一般住宅というものでも可能なんでしょうか。そこをちょっと確認させてください。例えば、集合住宅、マンション、アパート等からこういったものがあるから撤去してくださいというような指示があった場合に、そういう店舗ではなく、もしくは通りに面したところではない一般住宅でも可能であるのか。それを確認させていただきたいと思います。
それから最後に、チルドレン・コートなんですが、場の提供の可能性について、もう少し具体的に何か考えをお答え願えないかなと。検討するという言葉は、もう正直に飽きましたので、もう少し何か場の提供ですから、例えばどこかの地域センターだとか、そういったところでそういう場を1回設けてやるとか、そういったことも考えられるとか、もう少し具体的なお答えをいただければなと思いますので、よろしくお願いいたします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) サンプラザについての再質問にお答えいたします。
出資比率が変わっていくことによって発言力のウエートが変わっていく、そのことによって地元企業としての意識が、その運営事業者の中から薄れていくのではないかといったような御懸念だったと思います。そもそも新たな出資参加者を選んだ、これがもともと5社によってつくられた事業グループであります。これらが地元の中野という町の活性化、そうしたことを目指して事業活動を行っていくという中で決めてきた出資参加者ということであります。また、大きな発言力を持つ株式の占有割合というんでしょうか、持ち株比率が高いBBCについては、基本的に経営者の方については、中野出身、中野での事業活動から発展して移行した企業を運営されているに至っているというようなことを聞いているところであります。そうした意味では、中野の町ということを強く意識した運営がこれからもなされていくということを、中野区としては期待をしていくことができるのではないかというふうに考えているところであります。こうした内容の基本的な変更、あるいは今回は協定そのものを結ぶわけでありますから、協定そのものの内容については、議会にも報告をさせていただくところですし、区民の皆様にも基本的な部分をおわかりいただくといったようなお知らせはしていくことが必要であるかというふうに思っております。もちろん求めがあれば、情報公開といったような形で、区民の皆さんがお知りになることは当然できるわけでありますから、必要な基本的な事柄等々について、お知らせをしていくといった努力をしていきたいというふうに思っております。
〔総務部長石神正義登壇〕
○総務部長(石神正義) エレベーターの保守契約についての再質問にお答えさせていただきます。
特別養護老人ホームにつきましては、現在その運営は、中野区社会福祉事業団、ここが自主運営を行っているところでございます。事業団といたしましては、将来の保守のあり方、またコスト面から見てPOGを採用したというふうに聞いてございます。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 再質問をいただきました。
放置バイク自転車等が私有地、道路上ではない場合に、先ほど御答弁申し上げた承諾書という形で撤去が区でできるのかという御質問でございました。基本的には、土地所有権者ということで考えておりますので、可能かというふうに考えております。ただ、状況もございますので、その辺を十分区で精査した上で、その対応方を考えてまいりたいというふうに考えてございます。
〔子ども家庭部長柳澤一平登壇〕
○子ども家庭部長(柳澤一平) チルドレン・コートを、どのように今後やっていこうかというお話でございました。
先ほど児童館のお話をしましたが、児童館では小学生の会議ですとか、子ども会議というのをやっています。ここでは小学生が集まって自由に意見交換をする場になっているんですね。ただ、今のところは、児童館のルールとか、遊びとか、そういうことを議題にしてやっています。しかし、先ほど御提案があったもう少し深く踏み込んだ子どもの悩み、そういうものをこういう場をかりながら、そういう方向にこの会議を持っていくというようなことも一つの方法だと思っているんです。先ほど言いましたように、その中で児童館で行われているこういう場を使いながら、御指摘のようなチルドレン・コートのような役割ができないかということで、今後検討をするということでございます。
〔平島好人議員登壇〕
○16番(平島好人) 1点だけ、再質問させていただきます。
先ほどのPOGとフルメンの判断の違いについて、コスト面からというお話がありましたが、POGかフルメンかという以前に、指名競争入札か特命随意かというそういう判断も個別にできたんでしょうか。もしできたとすると、コスト面からというのもちょっと何となくしっくりこないんですけれども、もしコスト面ということであれば、まず、POGかフルメンかという前に、指名競争入札なのか、随意契約なのかということがあって、それからPOG、フルメンというならまだわかるんですが、この2カ所とも随意契約ですから、随意契約のままPOGかフルメンがコスト面からというのは、どうしても先ほどの金額の例から見てもしっくりしないんですが、その辺の御説明をもう一度お願いいたします。
〔総務部長石神正義登壇〕
○総務部長(石神正義) 再質問にお答えさせていただきます。
先ほども申し上げましたとおり、この特別養護老人ホームにつきましては、中野区の契約ではなくて事業団契約になってございます。事業団の契約としてやっているところですが、私どもが確認しているところでは、先ほど言いましたように、将来の保守、それからコスト、こういった面から見て、POGを採用したというふうに言ってございます。POGについて言えば、本来的に言えば単年度契約、両方ともフルメンテについても単年度契約、これが原則でございますので、フルメンテだからリース契約のような形で同じ会社ということではございませんが、POGということで、今年度やる部分、来年度やる部分、そういうところは切り分けができるということから、POGを採用したということで聞いております。契約を随意契約でやるのか、それから競争入札でやるのかにつきましては、その契約の内容等によって変わってきます。今回も随意契約ではなく、競争入札でやった部分につきましても、結果的にこれが入札されずに随意契約になったというものもございます。今回のエレベーターの契約の中でもございますので、具体的にはちょっと聞いてございませんが、そういった内容から行ったというふうに確認をしているところでございます。
○議長(山崎芳夫) 以上で、平島好人議員の質問は終わります。
中野区議会議員 奥 田 けんじ
1 三位一体改革の今後を見据えた戦略について
2 父子家庭支援について
3 支援費について
4 その他
(1)震災対策について
(2)その他
○議長(山崎芳夫) 次に、奥田けんじ議員。
〔奥田けんじ議員登壇〕
○7番(奥田けんじ) 2004年第4回定例会に当たり、一般質問をいたします。
まず冒頭、新潟県中越地震の被災地のいち早い回復と、犠牲者の皆様の御冥福をお祈り申し上げます。
さて、今回は区政全体についての質問を一つと、個別のテーマを幾つか論点を分けて質問をさせていただきます。
まずは、1番目に区政全体について。三位一体改革の今後を見据えた戦略についてお伺いいたします。
これまで私は、区政全体の財政の現状がどうなっているのか、そういった財政の状況の顕在化、見えるようにしていく、それから健全化の具体的な手法、提案を含めた質問をさまざまな場をおかりしてさせていただいてまいりました。区としての取り組みも、歳出の削減が中心の取り組みがこれまで中心的に行われてきた、このように私は認識しております。これまで行われてきた歳出削減、健全化の動き、これは区として当然取り組むべきで、間違った方向性だというふうには思っておりません。しかし、これからただ削減していくというだけではなくて、プラスアルファ前に進んでいくには何をしたらいいのか、これを考えるのに当たりますと、歳入の確保、それから歳出の質的な転換を行っていかなければならない、このように私は考えております。そして今回は、特に歳入の項目に関して、自治体として今後どういった取り組みを行っていくべきなのか、方向性を示していただきたいと思います。そういった視点で御質問させていただきます。
まず、現行の税財政制度の枠組みの中では、歳入をふやしていく、取りこぼしをいかに減らしていくのか、こういった取り組み、現行の枠組みの中ではかなり難しいところがあると思います。他区の例を見ましても、法定外目的税など新税などの導入が抜本的な解決にはなっておりません。こういった中、区として歳入をどのように確保していくのか、区としての御見解がまずあれば、お答えいただきたいと思います。
また、現在は国債とほぼ同率で調達されている公債についてもお伺いさせていただきたいと思います。将来的に自治体が格付をされ、地方債の利率も自治体ごとに異なる事態が当然予想されます。例えば我孫子市では、沼の乱開発防止のための市民債2億円分を縁故債と同等のコストで発行したため、結果的には国債に比べて低い利率で発行した、こういったケースがありました。具体的には、当時国債が0.8%での発行、それに対してこの市民債が0.58%だったんですね。債権を購入する立場からすれば、だったら流通性も高くて、安全性もより高いと思われ、しかも利率の高い国債を買う方がよりいいんじゃないのか。普通に考えればそうなんですが、実際この市民債への問い合わせ、市民の方からの声は非常に多かったそうなんです。つまり、これはどういうことなのか。自治体として我孫子市が市民の方と対話をしながら、こういった目的で使っていくんだ、こういったメッセージが市民の方に伝わっているからこそ、必ずしも利率的に有利でなくとも、財政的な調達の源として市民の方が協力してくれているわけです。今後もちろん徴税という形で税金をいただくという入り口、これに関しても考えていかなければなりませんが、将来負担を考えたときには、当然債権の発行も必要になります。その際に縁故債だけではなくて、中野区民の皆様にどういった目的で、長期的にどういう形で使っていくのか、十分説明がされていけば、今後債権の発行の窓口として、あり方として多様性が持てるのではないか、私はこのように考えております。こういった市民債の発行、これを中野区としても、今後の事業に考えられてはいかがでしょうか。これは一つは調達コスト、これが今後上がっていくことが懸念されます。これに対する対応、それからもう一つは、市民との対話という意味での有効な手段になるわけです。この発行に対して市民が答えてくれるのかどうか、答えていただくためにはどういった長期的な視野を持った説明がされるべきなのか、区としても考えることができるようになると思うからです。ぜひ、御検討いただきたいと思います。いかがでしょうか。
そして、2番目の視点として、企業の誘致に関する問題です。これも現在の税制下では、地方消費税交付金、現在中野区では32億円程度ですけれども、これを除き区の直接の歳入増にはつながっておりません。しかし、十分に予想される今後の事態としては、三位一体改革が進み、税金は自分で何とかしてください、財源は渡します、こういったかけ声のもとで中野区が独自に何とかしなければならない、そのかわりに、例えば固定資産税や住民法人税分が直接区財政に反映されてくる、こういった事態も当然想定されるわけです。こういった事態を踏まえて、企業の呼び込みという新たな取り組みも今後重要になってくるのではないかと思います。特に、区は情報産業であるとか、ヒューマンビジネスに関して成長余地があるのではないか、そういった形で、さまざまな場で区長を初め区民の方に説明がされていると思います。例えば、こういった分野に特化するなど、特徴を出しながら、産・学・官の連携の中で、区内の関連企業や関係団体の支援策を具体的にとられてはいかがでしょうか。企業支援の一環として、例えば情報産業、ヒューマンビジネスに特徴を持たせたビジネス支援図書館の要素を中央図書館に持たせるといったことも可能だと思います。いかがでしょうか。それから産業育成の場の提供という意味では、先ほどの情報産業やヒューマンビジネスの場として、公的な場、例えば学校施設であるとか、高齢者の方々の施設、こういったものは十分に機能し得るものだと思います。こういったことを総合的に中野区として取り組むことが、今後必要になってくるのではないでしょうか。そして、このことがひいては中野区といえば、例えば情報産業だ、例えばヒューマンビジネスにおいては中野区でやるべきじゃないか、こんな声が産業の世界からも起こってくるようになる、こういったことが期待されると思います。こういった具体的な取り組み、総合的な取り組みをお考えがあればお答えいただきたいと思います。
そして最後に、これは長期的な展望になりますが、今現在広域的な自治ということでは、23区一部事務組合という形で、清掃に関する事業等行われております。しかし私は、足元の例えば豊島区であるとか、世田谷区といった近隣の自治体との連携、これは今後、可能ではないかと思っております。例えば事務処理であるとか、共同購入のシステム、同じような形で効率化することが可能な分野は当然あるはずです。23区というくくりを必ずしもいつまでも引きずらず、当然23区でやることが効率的なケースもありますが、二、三区集まっただけですぐに効果が出てくる、そういった連携のあり方、今後はあり得ると思います。東京以外の自治体、23区以外の多くの自治体では当然のように市町村合併というのが行われております。これは一つには、業務の効率化、無理、むだ、そういったものを省いていく、こういった視点から国が強力に進めている事業であります。自治体としてもちろん自立的な運営を目指していく、これは当然あるべきだと思いますが、合併等の強烈な動き方、そういった方向ではなくて、緩やかな形で近隣自治体との連携のあり方というのは模索する価値があると私は思います。いかがでしょうか、御見解をお伺いします。この項の質問は以上で終わらせていただきます。
次に、2番目の父子家庭の支援についてお伺いさせていただきます。
中野区は現在、男女共同参画時代に向けた中野区次世代育成支援行動計画の中間まとめを出しました。広くすべての子どもと家庭への支援という視点から書かれている、そのように私は読ませていただきました。全体の底上げも大切だと思います。しかし、雇用が流動化し、正社員がどんどん派遣社員化されていく、こういった実態が今まさに目の前で起こっている、こういった中で必ずしも男性であるから雇用が安定的だということは言えない、こういった事態が既に起こっていると思います。私は今ひとり親家庭、こういったくくりで世帯を見たときに、母親のいる家庭と父親のいる家庭で大きな格差がある、これについて区民の方から相談を受けたことがございます。まず、現状で母子によるひとり親家庭、それから父子によるひとり親家庭、格差はどのようになっていますでしょうか。国、自治体、それぞれの支援の体制をお答えいただきたいと思います。それから区単独で是正が可能なものもきっとあるんではないかと思っております。もしあるのであれば、教えていただきたいと思います。そして、今後の父子に対する支援策、どのような考え方をお持ちでしょうか。先ほど申し上げました次世代育成支援行動計画の中には、具体的な記述はされておりません。お考えがあればお答えいただきたいと思います。そして、もう一つには、国、東京都に対して、こういった格差、是正を求めていくということは、自治体の長として区長が求めていく、これは当然のことではないでしょうか。御見解をいただきたいと思います。そしてもう一つ、特に東京都に対しては、母子のみのケース、こういった助成が数多くございます。例えば、都営住宅使用料の特別減額、あるいは都営母子アパート、都営交通無料パス、上下水道の料金の減免といったさまざまな措置が母子に対してはなされているわけです。ところが父子家庭に対しては行われていない。先ほど申し上げましたように、ひとり親家庭ということに関して、性別による格差というものはもはや存在いたしません。そういった視点から、例えばこういった都基準で見たときに、中野区としてある一定部分、父子家庭に対して援助を行っていくということも可能性としては模索すべきではないかというふうに私は考えております。区としてどのような御見解をお持ちでしょうか、お答えをいただきたいと思います。この項の質問は終わらせていただきます。
三つ目に、支援費についての質問をさせていただきます。
ことしの7月、区内の基準該当居宅介護事業所で、事業所の連絡体制に不備があったためにヘルパーの方が死亡してしまったという大変痛ましい事件が発生いたしました。当時、事業所には連絡体制というものがとられておらず、事業所に1人もいないという事態が発生していたそうです。しかも、電話連絡をとっても転送されるという措置さえとられていなかったということだそうです。これは見方によっては労働基準の問題である、こういった視点もあり得るかと思います。しかし、全額税金を投入しての事業、そして登録を中野区が行っている、一義的に責任を中野区が持っているという視点からすれば、当然支援費の事業として、何らかの対応が行われるべきだと私は考えております。また、他の自治体の例では、24時間支援費の利用を必要とする方がいるという不正の申請によって、利用者1人当たり月に219万円もの不正受給をされているという内部からの告発の声も聞こえてきております。中野区は基準該当事業者の登録の規則を作成いたしました。しかし、あくまでこれは登録のための規則でしかありません。この規則の第3条の2項には「基準該当居宅支援に関する基準を満たし、当該基準に従って基準該当居宅支援の事業を継続的に運営することができると認めるときには登録を行うものとする」、こう書かれているんですね。つまり、中野区が書類上整えられた事業所に対して、機械的に登録を受け付けるのではなくて、継続的に運営することができると認めるかどうか、これをしっかりと担保することが前提となっている、こういった規則なわけです。これは厚労省が示したこの規則の作成例に基づいてつくられたものですから、厚労省の立場としても、このような継続的に運営できるかどうか、そういった体制づくりは各自治体に任されているというふうに考えるべきだと私は考えております。こういった継続的に運営できると認める、これについての区として明確な基準、ルールづくり、本来はなされるべきだったと思いますが、現在はまだ作成されておりません。不正受給や継続的な運営体制の確保、今後どう担保していくのか。不正受給に対しては監査基準であるとか、事業所に関しては運営ルール、事故の報告の体制など、今後十分検討されるべきだと思いますが、御見解はいかがでしょうか。そして、こうした体制がないまま、事故や不正が今後発生した場合、責任の所在は一体どこになるのでしょうか、お答えいただきたいと思います。そして、今厚生労働省が平成18年に向けてグランドデザインを作成中です。現状はまだ案という段階で最終の詰めには至っておりませんが、ケアマネジメントの仕組み、それから適正使用の体制、この二つの制度を新たに導入することで、制度の不備、補完を行っていこうという、こういった計画を立てております。しかし、平成18年ですから、まだまだ年月がございます。それまでの期間、任された自治体として少なくともやらなければならないことがあると思います。こういった先ほど申し上げましたような死亡事故であるとか、不正受給といったような事態、これに対して責任を問われる事態にもなりかねません。ぜひこういった平成18年までの経過的なこの時期に、区としてとるべき対応を示していただたきいと思います。以上で、この項の質問を終わらせていただきます。
そして、その他の項なんですが、震災対策について一言だけ申し上げさせていただきたいと思います。今回の新潟の中越地震後、中野区としては区報で震災に対する対応をいち早く区民の皆様にお知らせする、こういった対応をされてきたと思います。しかし、この区報という媒体は、即時性という意味、それから注意を喚起するという意味においては、迫力はもう一つ不十分だというふうに私は感じております。特に、私が住んでおります弥生町、それから南台の地域は木密地域、木造家屋が密集している地域ということで、全国的にも有数の震災に対しては弱い地域ということで指定されているわけです。私としては、今後中野区に対して、耐震診断、耐震補強の助成といったこと、中野区がやっているんだということを、特にこういった震災に対してとりわけ弱い地域に、例えば先日他の議員から紹介がありましたような個別のローラー作戦をとっていくというような、こういった特別な措置をとっていただきたいんです。といいますのは、なかなか自分のこととして感じていただけない、特に自分がどれだけ今危険な場所に住んでいるのか、この認識を持っていただくための注意の喚起を区として強力に押し進めていただきたいと思っております。これは全区的な取り組みと合わせて、ぜひ行っていただきたいと思っております。これに関しての御見解、ぜひお伺いさせていただければと思います。
以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。理事者の皆様におかれましては、簡潔明瞭で的確なお答えをいただきますことをお願いいたします。ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 奥田議員の御質問にお答えをいたします。
三位一体改革を見据えた今後の戦略ということですけれども、現行の税財政制度のもとで税収をふやしていくことは、なかなか難しいことであります。しかし、日本全体の人口は減少に向かうといった中で、中野区はこれからも新しい意味での豊かさを持続した、そうした社会であるためには、定住人口の確保や区内の産業や商業の活性化、そうしたことが課題となってくるというふうに思っております。中野の町の魅力を高めていくとともに、良質な住宅供給の誘導といった施策展開が重要だというふうに認識をしているところです。
それから、いわゆる住民参加型ミニ市場公募債についての御質問であります。実は特別区では23区として、この住民参加型ミニ公募債について、期間や償還方法、あるいは中途換金のあり方、購入限度額、販売区域、応募引き受け手数料、その他共通の取り扱い基準を設けているところであります。その中で、期間を5年というふうに定めているところであります。そういったような中で、期間が5年の区債といったようなものについては、償却期間の長い施設設備などに充当するような起債としてはなかなか使いにくいというようなこともありまして、実は区独自の公募債を発行するというようなことについては、まだ着手できないでいる状況であります。いずれにいたしましても、区民の参加意識、あるいは町をよくしていく、町をつくっていくということに対する参加意識を喚起するという意味ではいい仕組みなわけでありますけれども、なかなか23区として使いにくい取り組み、取り決めをしているような側面もありまして、現在のところその発行に見合う事業が見当たらないというような現状であります。
それから企業を呼び込んだり、またその企業に対してさまざまな支援を行っていくといったようなことについての御質問もありました。産業振興の要素としては、既存産業の成長とともに新たな産業を呼び込むということも大切だと考えています。区としては、事業者が事業所立地を考える上で必要な区内産業の状況や、地域状況に対する情報を提供するといった準備を進めております。また、新たに立地した事業者に対して経営相談やビジネスマッチングの支援なども行っていきたいというふうに考えています。昨年度実施しました産業実態調査によりますと区内事業者数が減少してきている、全体としてそういう中で、情報サービス通信業とヒューマンサービス業の事業所が大きな増加率を示してきているというところがありました。また、中野区が住宅地域である、そういう都市環境の面から考えても、これらの分野の産業が適しているというふうに考えているところです。今後とも中野が、情報産業やヒューマンサービス業などの都市型産業の事業所にとって、魅力のある地域となるように工夫をしていきたいと考えているところです。
また、中野区産業まちづくり調査会の検討報告「産業ラーニングシティなかの」、この報告を踏まえましてネットワークづくりの方向性を一つのテーマとして、区内産業関係者に参加していただく産業懇談会を始めているところです。意見交換の内容を踏まえながら、支援のあり方について検討をしていきたいというふうに考えています。事業活動が発展していくためには、販路の拡大や技術提携といった具体的な連携が大切であるといったようなことから、事務所同士の産業界内部にとどまらず、産学連携も視野に入れ、いわゆるビジネスフェアといったようなことを通した、事業者自身の連携づくりの取り組みといったようなことについても行っていきたいというふうに考えているところです。
それから、他区との共同事業についてどうなのかという御質問でした。区の独自性を発揮する余地のない業務、これも区の業務の中にはあるわけであります。そうした業務では、共同化によって経費削減を図ることができるといったようなこともあるわけでありまして、そうしたものについて、隣接区との共同処理などについても検討していきたいと考えているところです。従来23区では、一部事務組合の事業以外でもできる範囲での共同事業といったようなことには取り組んできたところです。最近の例ですけれども、電子申請の対応などでは、他の自治体と共同して研究開発や運用を行ってきているところであります。今後とも、そうしたことを通して、自治体としての力を高めていくことに努めていきたいと思っております。
私からは以上です。
〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 中央図書館へのビジネス関連図書の集積についてのお尋ねにお答えいたします。
公共図書館の性格上、幅広く一般の利用ができる図書を用意するというのが基本であるわけでございますが、ビジネスに関するものにつきましても、中野区の地域特性にあった創業の支援やインターネットによる商業ベース等の利用といったITなどを活用する方法によって資料を収集し、情報を提供していくことは図書館の役割の一つというように位置付けております。今後とも努力していきたいと思います。
〔子ども家庭部長柳澤一平登壇〕
○子ども家庭部長(柳澤一平) 父子家庭についての支援策について、どのように考えて区は行ってきたのかということでございます。
区はこれまで父子家庭と母子家庭と分けることなく、ひとり親家庭という視点に立って支援を行ってきております。児童育成手当ですとか、ひとり親家庭医療費助成ですとか、ホームヘルプサービスといった主な支援策も、父子家庭と母子家庭の双方を対象としたものでございます。一方、国や都の制度では母子家庭を対象としたものがございます。例えば、母子家庭の生活の安定、自立促進という目的・趣旨がある児童扶養手当等の事業がそれでございます。これに対して区の支援はという御質問でございましたが、今のところ、区独自に父子家庭まで拡大して実施するということは考えておりません。
それから、このような例えば都の姿勢について何か言うべきではないかというような御質問もございました。都は都なりにそれぞれの事業目的を持って行っているわけでございますが、タイミングを見ながら、そのようなことも考えていきたいというふうにも思ってございます。
〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
○保健福祉部長(菅野泰一) 支援費事業の基準該当事業者に対します指導につきましての質問にお答えいたします。
今回こういったお話がございました事件というんですか、事故がございまして、そういうことにつきましての区の指導でございますけれども、区といたしましては、当該基準該当事業者に対しまして緊急連絡体制の改善を促すとともに、他の事業者に対しましては注意を喚起したところでございます。また、東京都に対しまして情報提供いたしまして、都といたしましても、事業者に緊急時における連絡体制の整備について通知が出されたというふうなことをしていただいております。今回の事案でございますが、当該事業者間の契約に基づく業務中に起きたということでございまして、支援費制度そのものでいきますと、これは法に基づき全国一律に実施しているものでありまして、基準該当事業者についての要件等につきましては、厚生労働省令で定めているところでございます。したがいまして、区独自の基準を持ってルールをつくっていくということは考えておりません。事業者がよりよいサービスが提供できるよう、区と事業者との連絡、協力の充実を図るなどの仕組みづくりにつきまして、現行制度の中で考えていきたいというふうに考えているところでございます。区といたしましては、先ほども申しましたように、基準該当事業者に関します規則を設けております。今後とも、お尋ねがございました不正受給などの対応も含めまして、規則に基づききちんと対応してまいりたいというふうに考えております。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、南台地区での耐震診断、耐震改修の取り組みにつきまして御答弁させていただきます。
南台など重点整備地域と位置付けられている地区につきましては、地区計画などで不燃化促進を方針として定め、中・長期的な取り組みで着実に建物の建てかえによる耐震、不燃化などを推進することが基本というふうにまず考えているところでございます。しかしながら、それとは別に当面人命を守る防災対策といたしまして、耐震支援事業の対策を強力に進めることも重要であると考えているところでございます。事業推進のため、PRには十分力を入れてまいりたいというふうに考えてございます。以上でございます。
〔奥田けんじ議員登壇〕
○7番(奥田けんじ) 何点か再質問させていただきます。
まず、1番目の質問の中で、ミニ公募債に関して、かなり区長としての前向きな御見解をいただいたというふうには受けとめさせていただきました。しかし、23区の中での取り決めで5年という非常に短い期間設定がされている。確かに長期的な政策を判断する上では短いなというふうに私も考えておりますが、であれば、恐らく他の22区の自治体の長の方も、同じような感覚を持たれている方がきっといらっしゃると思います。こういった対話型の市民債に関しては、他区の方も5年と決まってしまっているからできない、本当はやりたいんだけれどもというじくじたる思いの方もきっといらっしゃると思いますので、ぜひ中野区長から23区に対して働きかけていくという姿勢を示していただければ、23区のあり方も変わってくるんじゃないかと思いますので、ぜひ御検討をいただければと思います。
それから2番目の質問の中で、ビジネス支援図書館に関して図書の集積等をしていただくということをおっしゃっていただいたんですが、ぜひビジネス支援といった考え方の中で、図書館を場の提供という機会も創出することが当然できるわけですから、例えばセミナーであるとか、そういったようなことを、可能な範囲で結構ですので、検討いただければというふうに思います。
それから、支援費の問題に関しましては1点、政令等で定められていて、中野区独自のルール等はつくれないといったようなお答えだったと思うんですが、あくまで全体の規則等を定めるようにという法令等は、登録に関してこれこれこういう規則をつくりなさいというところまでなんですね。規則をつくるに当たって、先ほども強調させていただいたつもりではあったんですけれども、継続的に運営することができると認めるかどうか、それが果たしてできているかどうかということは、中野区が判断しなければならない自治体としての責任だと思うんですね。こういった意味で考えますと、事故に関して中野区として規則にのっとってというところでは不足だと思うんですね。規則には適正かどうかの判断基準というのは載っていないわけですから、そういったものに関して、中野区としてつくっていくべきじゃないかというふうに考えるんですが、お答えいただきたいと思います。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 市民参加型ミニ公募債がもっと使いやすくできるように働きかけをしたり、動いていくべきではないかという御意見でありました。私もそのように思っております。毎年こういった取り決めについて改善をしているというような内容でもありますので、今後そのような働きかけをしていきたいというふうに思っております。
〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 図書館のビジネス支援に関して、場の提供という形でも進めるべきではないかという御質問でございます。
さまざまな有料のデータベースなどを使用できるようにしたり、また、図書館で持ち込んだパソコンからインターネットに接続できる環境を整えるなど、そういう場の提供についても力を入れていきたいというように考えております。
また、セミナーなどにつきましては、既に蔵書の検索、あるいはインターネットの利用などについて講習会等を実施しておりますが、具体的にどういうものかできるか、関係機関ともいろいろどういう協力ができるかというように研究してまいりたいと思います。
〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
○保健福祉部長(菅野泰一) 登録する、あるいは登録を抹消するにつきましての、行政としての判断をする際の基準が必要ではないかというお尋ねであったと思います。
これにつきましては、当然行政として判断する際に、さまざまなことを比較、考慮して判断いたします。その際規則の中にも書いてございますように、文書、物件の提出提示を求め、または質問、照会して判断することになるわけですけれども、そういった中ではさまざま事案があるわけです。そういう中で、一律に基準というものを設けるわけではなく、基本的には、やはりその時々の状況に応じて行政として判断するということになると思いますので、文書化して判断基準を設けるということについては、なかなか難しい面があるのかなというふうに考えております。
〔奥田けんじ議員登壇〕
○7番(奥田けんじ) 1点だけ再々質問させていただきます。
先ほどの支援費に関してですが、一律に書面でつくることは難しいというお答えだったと思うんですが、例えば最低限、会計的な帳簿をつけなければならないとか、事業所に常駐1人いなければならないとか、事業所として公的なお金を使っていくわけですから、最低限の基準というものは設けることはできると思うんです。さまざまな事案によって、例えば言葉で会話することができなくて、目でしか会話ができない方がいて、なかなか通常の対応ができないとか、事案が幾つかあるというようなお話をいただきましたけれども、基準として最低限設けることができるものがあると思うんですね。そういったことを考えていただきたいと思います。お答えいただきたいと思います。
〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
○保健福祉部長(菅野泰一) まず、厚生労働省の基準でございますけれども、政令で定められておりまして、この基準にのっとって区で規則をつくっているという状況なんですけれども、厚生労働省の基準の中に、先ほど議員の言われました最低何人事務所に置けとか、あるいは帳簿をつくっておけとか、そういうものにつきましては書いてあるわけです。したがって、そういう面で最低限の基準はできているということでございます。それ以外にというか、それより細かく、詳しく中野区として基準を設けるということについては、なかなか難しいということを申し上げたことでございます。
○議長(山崎芳夫) 以上で、奥田けんじ議員の質問は終わります。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後2時33分休憩
午後2時56分開議
○副議長(やながわ妙子) 会議を再開いたします。
中野区議会議員 はっとり 幸 子
1 (仮称)自治基本条例について
2 都市型防災などへの対応について
3 小・中学校の再編計画案について
4 自然と共存のまちづくりについて
5 指定管理者制度について
○副議長(やながわ妙子) 一般質問を続行いたします。
はっとり幸子議員。
〔はっとり幸子議員登壇〕
○18番(はっとり幸子) 2004年第4回定例会におきまして一般質問をさせていただきます。
順番を変えまして、最初に(仮称)自治基本条例についてお伺いいたします。
三位一体改革の決着が大詰めを迎える中、地方分権の確立に向け、権限はもとより財源の委譲を求める全国自治体からのうねりはさらに大きくなっています。国にお任せだった政治から、これからは自治体が住民の暮らしにより大きく責任を持つ政治へと、大きな転換を図るときが来ています。先進自治体では既に、自治体の自治と自立、自己決定・自己責任を理念に据えた基本構想が策定され、自治の基本を定めた自治基本条例などが制定されています。
現在策定中の基本構想・新しい中野をつくる10か年計画と(仮称)中野区自治基本条例は、中野区が地方分権時代の自治体経営を行っていくための必須アイテムです。また、自治体の自立を促していくために、住民の政策決定過程への参加が欠かせない時代となり、(仮称)中野区自治基本条例と(仮称)中野区市民の行う公共・公益活動推進条例を同時に整備することは意味があると思います。いかがお考えでしょうか。
これまで自治と参加についての議論は中野区基本構想審議会で行われ、基本構想を描く区民ワークショップでは時間をかけて熱心に議論をしてきました。当然ながら、仮称中野区自治基本条例に関する審議会では、短期間ではありましたが、毎回予定時間を大幅に超え、審議回数も増やして、真摯な議論が行われました。私も基本構想区民ワークショップや自治基本条例審議会をたびたび傍聴し、大変多くのことを学ぶことができました。
今後、自治基本条例制定にあたっては、自治基本条例審議会の議論を踏まえ、答申を尊重した検討が必要だと思います。区はどのようにお考えでしょうか。
また、自治基本条例の考え方などについて、区民との意見交換会を開く際には、地方分権を進めるにあたっての条例の必要性、新しい仕組み、言葉の意味などをわかりやすく説明し、区民が共有できるよう工夫が必要だと思います。お考えを伺います。
2つ目に、都市型防災への対応について伺います。
有事立法が相次ぐ中、ことし6月衆参両院において、内容についての議論がほとんどないまま、国民総動員法と揶揄される、戦時中モデルのような、いわゆる国民保護法が成立しました。総務省消防庁は、地方自治体に対し、法の施行に向けての準備を要請する通知を出し、現在東京都は体制を整備する条例案を来年の第1回定例会に提出すべく準備中とのことです。条例案が通れば、2005年4月以降、都の国民保護計画策定が進められ、2006年には区市町村においての国民保護計画策定、国民保護協議会の設置などが行われることになります。
私たちの日常は、確かにテロ・ミサイルなどに脅かされる現実がありますが、一方で、身近なさまざまな犯罪や火事などの生活危機、また地震や台風などの自然災害に加え、現代的危機とも言うべきBSE・新型肺炎などの感染症や、有害食品、公害などの環境危機、そして交通事故、停電や通信・交通不能、危険物、都市型の出水・渇水などの都市災害、さらには地球環境問題にも絶えず脅かされています。しかし、有事法においては、都市型社会のこうした日常的な厳しい現実を想定していないだけでなく、国の従来の危機管理思想ではとても対応できなくなっています。有事だけで危機管理をとらえるのではなく、危機にもろい都市型社会における危機管理の発想が必要です。
地方自治体における国民保護計画の策定が法で規定され、2006年には区も策定することになりますが、区の保護計画は都市型社会の危機管理の観点に立って検討すべきだと思います。分権改革が進み、自治体の自立が求められる今、条例制定や計画策定などは、国の通達によるお仕着せではなく、国や都を超えた中野区独自の、区民が求める保護計画策定が望まれます。どのようにお考えでしょうか。
また、今定例会において、これまで経営改革推進担当と兼務となっていた危機管理担当を総務部へ移動する区の組織の改正案が上程される予定となっています。今後、区として危機管理室を設置することを考える必要があるのではないでしょうか。また、そこに配置する、専門的知識・能力のある監理者としての職員は、外部から求めるのではなく、区が養成することなど検討することが必要だと思います。あわせて見解を伺います。
災害は想定していることは起きず、想定していないことばかり起きると言われます。日ごろから区民へのさまざまな情報提供を徹底すること。常に職員が区民とつき合い、区民と接触する能力を高めること。町の中に国際条約で規定された危険物、あるいは文化財保護などの場所に標識を立て、区民がそのマークになれ親しみ、自分たちの町の構造についてわかるようにしておくこと。地域防災会のほかにも、市民団体などの活動を生かし、ボランティアを中心に専門性のある市民組織をつくることなども必要です。町は二、三年でどんどん変わっていきますし、世界の動静も変わります。自分たちで自分たちをどう守っていくのか。これまでの経験に学びながら、絶えず計画の見直しを行い、都市型社会における日常的な地域防災を進めていくことが求められます。区のお考えを伺います。
次に、小・中学校の再編計画案について伺います。
中野区の児童・生徒の人数が減り続け、現在はピーク時の約3分の1となり、8年前から学校の再編が議論されながら、問題は先送りされてきました。今や1学年で1クラスの学校が増え、古い校舎の改築期も迫ってくる中、心配する区民の声を受け、教育委員会はようやく再編計画案を公表しました。少子化が進む中、これからの子どもたちの教育環境をよくするために、小・中学校の再編は避けて通れない問題です。基本構想検討素材では、再編後の学校跡地を(仮称)総合公共サービスセンターに活用する案等が提案されており、現在、教育委員会は再編計画案の説明と意見交換会を開いています。
私の夫や子どもたちの卒業した地域の小学校と中学校両方が、再編計画案の前期に入っていて、中学校は廃校、小学校は名前を変えて統合とのことで、近隣の説明会、意見交換会5カ所に参加しました。学校によって、再編計画の発表後の対応はそれぞれ違います。区の計画案の資料の中から、自分の学校にかかわる部分をコピーして翌日全校生徒に配った中学校、すぐに生徒の保護者や、日ごろかかわりのある地域の人たちに説明会の案内を届けた中学校、また説明会前日に保護者に言われてようやく動いて、PTAの電話連絡網で知らせた小学校、意見交換会の会場で不安を訴える保護者の質問に答えて、新しい学校が開校する前日まで子どもたちのために教職員は頑張りますと答える学校長、計画案が出ても、廃校になるからといっても他の学校に行かないで、ぜひここへ来てくれることを待っていますと、意見交換の最後にマイクを握り、参加者に訴える学校長など、本当にさまざまです。保護者からも、うわさがひとり歩きし、どうなるのかと不安な声がありました。
学校の再編はどの自治体においても大変難しい問題だと思いますが、中野においても次代を担う子どもたちの未来を見据え、よりよい再編をしていくために知恵を集めていくことが、今私たち大人に求められています。
そこで2点お伺いいたします。
今回公表された再編計画案は、来年の夏ごろを目途に案をとり、計画の決定が行われると聞いています。計画決定後、具体的に、どのように計画を進めていくのか、教育委員会のお考えを伺います。
2点目、現在行われている説明・意見交換会で出された意見には、どのようなものがあるのでしょうか。主なものを伺いたいと思います。また、それらの意見を今後計画にどのように反映していくのでしょうか。お考えを伺います。
保護者の不安は、そのまま子どもたちへの不安へとつながります。ぜひ、今後とも誠実な対応、そしてしっかりとした計画の推進を求めたいと思います。
4点目に、自然と共存のまちづくりについて伺います。
中野区は5年ぶりに緑被率調査を行い、現在の緑被率は16%であることがわかりました。これまでは、92年(平成4年)で12.5%、98年(平成10年)で9.5%でした。中野区の環境基本計画や、みどりの基本計画などに使われているのは、98年(平成10年)の9.5%という割合の数値です。その割合と比べると、6年間で6.5%も増えたことになります。ところが、調査の方法が今回はこれまでの調査と異なり、調査のために飛ばす飛行機の回数が3回から12回になったこと、より解析能力があがって、これまでの10平方メートルから1平方メートルへと立体的に細かく見られるようになったこと。調査対象が樹木と草地だけでなく、新たに屋上緑地も含まれたことなどによって、過去2回と大きく違うため、データを単純に比較することが難しいと思います。また、調査方法の詳細がわからないため、他の自治体とも数値だけの比較はできません。
先日、環境NGOの日本生態系協会で、研究員の方にお話を伺う機会がありました。日本でも、これまでのように全国一律に数値を比較して、管理のしやすい、見栄えのよい樹木や草花を植えて何%増えたとか、みどりなら何でも増やせばいいというみどりの量の議論から、今は自然を取り戻そうと、その土地にもともとあった在来種のみどりを増やすなど、生態系を考え、みどりの質を議論する時代になっているのだと言います。外来種の芝生などは、管理の問題もあって農薬を多用せざるを得ないなど、環境面から考えると学校の校庭の芝生化も、逆に問題を生じさせてしまうことになりかねず、慎重な対応が必要だと話していました。
ことし6月に成立した景観緑三法の衆参両院国土交通委員会の採決にあたって、自然環境の保全や地域在来の植物等の活用による緑化の推進に努めることが附帯決議され、緑化のあり方がこれまでと大きく変わっていくと思われます。
近々、区役所の3階に屋上緑化の見本園がつくられます。生態系を考え、在来種による植樹など、ぜひ見本園としてふさわしいものをと考えますが、どのような設計でしょうか、伺います。
また、比較が難しい今回の緑被率調査の結果については、数値をどのようにとらえ、今後、区の環境・みどりにかかわる政策をつくる基礎データとして、どのように活用されるのか、お考えを伺いたいと思います。この項で、ビオトープをメインに質問を組み立てておりましたが、時間の関係で、またの機会にさせていただきたいと思います。
5点目に、指定管理者制度について伺います。
昨年9月の改正地方自治法の施行によって導入された指定管理者制度は公の施設について、これまでの管理委託制度から管理運営を議会の議決を通して、企業やNPOなどの団体が活動できるように制度を根本から改革したものです。中野区においても、既にこの制度で企業を含めた団体が区立保育園2園と障がい者施設の管理運営を行っているところです。
この夏、佐藤議員とともに、移行された保育園2園の見学をしました。園には保護者用のご意見箱も置かれ、保護者と管理者、行政の3者による運営協議会も持たれています。ある保護者は、園から「要望があったら、何でも言ってください」と言われ、直営だったときには考えられなかったことだと驚いています。ただ、基本的にはあくまでも区立ですから、民営化された保育園と違い、管理者は私立のよさを十分出せないというジレンマも抱えているように感じました。
現在は制度を導入したばかりで、中野区の場合はこれまで比較的質のいい事業者を指定管理者として選定してきていますし、まだ大きな問題はありません。しかし、今後さらにこの制度への移行を進めていくときに、例えば指定管理者が倒産したり、事業が継続できなかった場合など、万一の場合を考え、リスク回避の方法を考えておく必要があると思います。指定管理者とは、民間委託とは異なり、これまでのように委託契約ではなく、指定行為という行政処分となります。指定管理者制度は法で規定されていないことも多いので、区の指定管理者制度を万全なものにしていくために、あらゆる事態を想定し、条例や要綱の改正、協定などによる手だてを考えるなどの検討が必要です。区のお考えをお伺いいたしまして、質問を終わります。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) はっとり議員の質問にお考えをします。
(仮称)中野区自治基本条例については、基本構想の描く将来像を実現するにあたって、区民が自治の主役となるよう、中野区のめざす自治の姿を明らかにし、自治体として責任ある行政運営の実施や、区民の参加の権利の保障を規定するものとして考えているところです。また(仮称)中野区市民の行う公共・公益活動推進条例、これについては、基本構想の描く、さまざまな担い手によって多様なサービスが展開するまちの実現をめざして、市民が行う公共公益活動が推進されるよう、NPOなど市民団体や区の役割、その推進方法などを規定するものとしていきたいと考えています。この2つの条例については、基本構想を描く区民ワークショップでありますとか、中野区基本構想審議会の中で提案されたことを含めて検討を始めてきたところです。中野区の将来像を明確にする基本構想と、その具体化を図る大きな仕組みである、この2つの条例をあわせて制定することによって、区の方向性を明確にすることができるというふうに考えております。
自治基本条例の条例案づくりにあたっては、審議会における議論や答申を十分に尊重し、また議会や区民の皆さんからいただいた御意見を踏まえて、成案としていきたいというふうに考えているところです。いずれにいたしましても、区民の皆さんにとってわかりやすい、そうした内容とそうした御説明が必要だというふうに考えているところです。答申の内容の趣旨を生かして、区民にとってわかりやすい、運用しやすい制度が実現するよう、条例案と必要な規則づくり等の検討を進めていきたい、このように考えております。
それから、国民保護計画についてであります。
武力攻撃等への対処については、国民保護法に基づき、区は、区民の生命、身体及び財産への影響を最小限にとどめるため、国、東京都と適切な役割分担を行い、必要な措置を実施する責務に基づき、国民保護計画の策定を行うものとされています。現在、国において制度の詳細を検討している段階でありまして、区の危機管理体制の中における国民保護計画の位置づけについては、今後、国が出してくる制度の詳細、これを踏まえて十分に検討していきたいというふうに考えております。
それから、危機管理室の設置ということであります。
危機というのは、地震、水害などの自然災害だけでなく、大規模な爆発などの事故、テロ災害など多種多様であります。また、組織運営の中では、常に予期しない事件・事故によって損害が発生する危険性、リスクを持って運営をしているというものであります。このため組織条例の改正を行って、防災を含めた危機管理に統一的に対応する組織の整備を行う予定であります。こうした危機管理の組織や執行体制の整備によって、全庁的な取り組みを進めていくということを考えております。特に、危機管理室というものの設置を考えているところではありませんが、すべての職員が危機に対する能力を磨くことが必要というふうに考えております。日常的なリスクマネジメント、それから災害などが発生して、その被害が拡大し続けている、そういった場合における危機管理。日常的なリスクマネジメントと、それから危機における危機管理本部、そうした本部体制の設置といったようなことが二つの柱になるというふうに考えておりまして、危機管理本部の事務局となる危機管理の担当を置くということで対応していきたいというふうに考えております。
それから、都市型社会における地域防災についてであります。
地域防災の推進には、自助、共助を中心とした地域力が欠かせないわけであります。地域の中での防災活動などの取り組みは、防災会が中心になるものと考えているところです。しかし、事業所でありますとか、ボランティアでありますとか、さまざまな団体の多様な活動ということも当然欠かせないわけでありまして、これらの間の連携や活動の活性化に向けて、区としても支援していきたい、このように考えているところです。
私からは以上です。
〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 学校再編につきまして、計画確定後の進め方でございます。
再編計画を決定した以降につきましては、統合対象校について、なるべく早期に、例えば学校やPTA、あるいは地域の方々で構成する(仮称)学校統合委員会を立ち上げまして、校名あるいは新しい学校像など、必要な協議を進めていくほか、必要な改修あるいは改築を行って、最終的には学校の設置条例を改正して、円滑に統合していきたいと、そのように考えてございます。
次に、意見交換会で出されている主な意見でございますが、全体的には再編自体に反対する意見は余り多くは聞かれない、それで例えば統合が実施されるまでの過渡期の問題といたしまして、一層小規模化が進むのではないかという不安から、該当する学校への具体的な支援を求める意見や、あるいは再編の時期を早めるべきではないかという意見が出ております。また、指定校変更にかかわりまして、これから入学される児童・生徒の保護者を中心に、柔軟に認めてほしいという意見がある一方、在校生の保護者の方々は、教育活動は円滑に行われるように、指定校変更の厳格な運用を求めるべきだという意見も寄せられています。このほかに鉄道や幹線道路を横断する通学区域を設定したところや、通学距離が長くなるところからは、見直しを求める意見も寄せられています。いただきました意見につきましては、今後教育委員会で十分協議いたしまして、できる限り計画に反映してまいりたいと、そのように考えてございます。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私から緑被率調査について、まずお答えを申し上げたいと思います。
今回の緑被率調査の結果につきましては、基本構想におきます指標の策定、それから今後の緑化施策の基礎資料ということで活用を図ってまいりたいというふうに、まず考えております。
それから屋上緑化見本園でございます。見本園の整備では、できるだけ在来種を植えるようにしているというところでございます。
〔区長室長田辺裕子登壇〕
○区長室長(田辺裕子) 指定管理者制度におけます不測の事態等に備えたリスク分担や回避の仕組みについての御質問でございました。
指定管理者の事業者選定にあたりましては、指定が複数年に渡るため、事業計画に沿った管理運営を安定して行う経営基盤を有していることも、重要な選定基準として考えてございます。指定管理者制度導入後は、区は指定管理者に定期的に、料金収入の実績ですとか、施設管理に関する収支状況等を報告させるとともに必要な指示を行っていきます。また、事業報告書提出時には、指定管理者として引き続き安定的な執行能力を有するかどうかを確認するため、必要に応じて指定管理者本体の財務関係処理を徴するというようなことも考えてございます。指定管理者に管理を継続させることが適当でないと判断した場合は、指定を取り消し、指定管理者を公募するという場合もございます。その際、こうした不測の事態により、区民サービスの空白期間が生じることを回避するため、協定書等の中で、指定管理者が運営途中で倒産した場合の対応でありますとか、損害賠償など、リスク分担についても規定するよう、区として統一的に対応を図ってまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○副議長(やながわ妙子) 以上で、はっとり幸子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 久 保 り か
1 安心安全まちづくりについて
(1)防犯対策について
(2)防災対策について
(3)ユニバーサルデザインの表示について
2 次世代育成地域行動計画について
3 区民サービスの拡充について
4 その他
○副議長(やながわ妙子) 次に、久保りか議員。
〔久保りか議員登壇〕
○5番(久保りか) 平成16年第4回定例会に当たり、公明党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。
初めに、区民サービスの拡充について伺います。
ここでは、成人検診事業の改善、バス路線の新設、文化芸術振興、民間人の採用、地域センター集会室の利用の5点についてお伺いします。
まず、成人検診事業の改善について伺います。
現在、中野区の成人検診は、申し込み期間が6月1日から9月30日までです。1度登録をすると、毎年検診ごとに受診票を郵送しますが、連続して2回受診をしない場合は、登録が抹消され、再度受診を希望する場合は、新たに申し込みが必要になっています。
10月の半ば、成人病検診の受け付け期間が9月までであることを知らない区民の方からお問い合わせがありました。受け付け期間を過ぎたら、せっかく窓口を訪れても受け付けてくれないというのです。来年の6月以降に出直すことを勧められたそうですが、せっかく訪ねてきたのだから、せめて受け付けくらいしてくれてもよいのではないかという疑問が残ったというお話でした。
来年度に取り組む主な事項の中で、保健福祉部では、成人検診等の一部自己負担金導入を上げていますが、単なる有料化には賛成できないという声もあります。自己負担金導入を行うのであれば、当然サービスの拡充がされるべきではないでしょうか。ワンストップサービスからノンストップの区民サービスへと、区民サービスの質を高める必要があると思います。成人検診の受け付けは年間を通して行うべきだと考えます。そのための工夫をすべきです。いかがでしょうか。
次に、バス路線の新設について伺います。
平成16年第1回定例会の予算総括質疑で、私は上鷺宮・鷺宮地域からの中野駅までを直接結ぶバス路線の新設について提案を含めて質問いたしました。それは、いつまでも進まない方法にこだわるのではなく、まずは幹線道路を利用してのバス路線の開設を急ぎ、区民の皆さんの御要望に早急にこたえるべきであると考えたからです。その際、前向きの御答弁をいただきました。さらに、第3回定例会の江口議員の質問に対して、担当課長は「幹線道路のルートで、できれば17年度中の運行開始を目指し、準備を進めている」とお答えになっています。上鷺宮、鷺宮から中野駅周辺までのバス路線新設は、長年にわかる地域からの要望でもあり、ここまでこぎつけたことを本当にうれしく思っています。そこで伺いますが、このバス路線の新設の準備は、その後も順調に進んでいるのでしょうか。現在の状況をお聞かせください。また、バス停から遠い、交通渋滞が気になるという利用者の方のために、バスロケーションシステムの導入について、区は積極的に事業者に伝えていく意思はあるのでしょうか、お答えください。
バス路線の新設に合わせて、新青梅街道沿いに道の駅の開設を計画してみてはいかがでしょうか。地方の国道沿いにあるような大規模な道の駅ではなくても、バスを待ちながら買い物ができる、食事ができる、洗面所の利用ができるといった機能のある小規模な道の駅の開設です。上鷺エリアに開設されれば、下井草や富士見台まで買い物に出ている地域の方からも喜ばれるのではないでしょうか。区のお答えを伺います。
先日行われた上鷺住区協議会では「新青梅だけではなく、上鷺エリア内を走らせてほしい」、「上鷺四丁目などの交通不便地域の解消も行ってほしい」といった御意見もあったようです。こうした意見にこたえて、区内の交通不便地域の解消のために、どのような事業を進めるつもりかお考えを伺います。
次に、文化芸術振興について伺います。
先ごろ発表されました来年度予算編成の取り組み過程の中で、教育委員会としては「来年度の目標を区民の主体的な学習、スポーツ、文化・芸術活動を支援する」としています。しかし、主な取り組みには「文化・スポーツ施設の指定管理者制度への移行準備」と示されているだけです。指定管理者制度の導入は施設管理の問題であり、直接区民の活動の支援につながるとは思えません。それとも指定管理者制度の導入にあわせての活動支援策を検討されているのであれば、そのように示すべきです。検討していることがあればお答えください。これまで岡本議員、江口議員が続けて、文化・芸術振興条例の策定や、区民の方たちの活動支援のための窓口の開設などを質問してきております。条例の策定は検討されたのでしょうか。お答えください。
中野区は、若手芸人が多く住む町としても有名です。話題性のある取り組みとして、例えば「中野まるごとお笑いフェスタ」や「中野版オンエアバトル」など、区内の若手お笑い芸人を集結し、文化と芸術、そして笑いを提供する町として、まずは、中野区主催でフェスティバルの開催を企画してはいかがでしょうか。さらにそれを発展させて、中野区在住の芸術家、芸能関係者などで構成したアーティストバンクを設置して、メンバーによる文化芸術協議会を立ち上げ、その企画、運営を行い、区内企業や区内の賛助会員をスポンサーに、サンプラザやゼロホール、平和の森の特設ステージなどによる中野区じゅうが盛り上がるようなフェスティバルを計画してはいかがでしょうか。
次に、活動や支援の窓口ですが、中野サンプラザに文化庁や東京都生活文化局などの支援を案内する窓口を誘致してはいかがでしょうか。サンプラザの催し案内やプレイガイドともあわせて、ここに来れば全国の情報が入手できるデータベース(仮称)中野アートインデックスをつくって、文化・芸術発信基地、中野サンプラザとしてはいかがでしょうか。区長のお考えを伺います。
次に、IT関連などの民間人を中野区の職員として採用することについて伺います。
情報技術の専門知識を持った民間出身者が、県庁などの地方自治体で活躍するケースがふえてきています。以前総務委員会で、パソコンのリース料の膨大なことに驚き、質問をしたところ、システム開発費が含まれていることを知りました。長崎県では、2人の民間出身者を情報政策を担当する総務部に配置し、コンピュータのシステム開発を企業に発注する際、コストを抑えるための独自方法を編み出し、30億円以上かかると見込まれていた電子県庁の構築プロジェクトが18億円で達成できる見通しをつけたということです。また、三鷹市でも非常勤の特別職、三鷹市情報政策コーディネーターを設け、市役所内部のシステムだけでなく、三鷹市全域の情報化の助言、企業や大学との貴重なパイプ役として活用しているところです。
情報技術の発展は年々進歩し、専門的な技術や知識が必要とされるところです。個人情報の保護や情報の流出などを考えると、やたらにIT業者に丸投げするわけにもいかないものもあります。コストカットと業務の質の向上のために、システム関連予算の見直しや、情報管理などを任せられる十分な技術を持った民間人を採用することを検討してみてはいかがでしょうか。
次に、地域センター集会室の葬祭場としての利用について伺います。
上鷺宮地域センターの分室、二丁目集会室を葬儀などの目的として利用したいという声は、建設当初から上がっておりました。しかし、地域の住民の方の中には、反対をされる方もいて、現実には葬儀会場として利用されることはなく現在に至っております。しかし、同じ建物の中の都営住宅の集会室などでは、都営住宅の住民の方の葬儀が営まれていることから、地域の方からは集会室を葬儀場として利用できないかという声が根強くあります。この問題については、施設の見直しにあわせて検討するというお答えがありました。そろそろ検討結果を示すときが来ていると思いますが、いかがでしょうか。
以上で、区民サービスの拡充に関する質問を終わります。
次に、安全・安心のまちづくりについて伺います。
初めに、防犯体制について伺います。
今年度、区民の意識調査で、高齢福祉にかわり防犯が1位になりました。凶悪な犯罪の横行と、メディアの影響により、世相を反映して、東京都でもしきりに治安対策が叫ばれ、他の自治体でも防犯対策の強化が目立っています。中野区でも15年度から安心安全条例の施行や、区内の生徒・児童に防犯ブザーを配布、今年度は区民の防犯活動に関する防犯資器材の支援などを行い、防犯に対する安心のまちづくりの対応を進めています。さらに、17年度には、携帯電話のメールを活用した区内生徒・児童の保護者に対しての緊急の連絡も緊急課題に上げられています。
しかし、防犯の強化という点においては、警察官OBの採用やパトロールカーの導入、スーパー防犯灯の設置などを行っている隣接区の取り組みには、まだまだ及ばない点もあり、住民の皆さんからさまざまな要望が寄せられています。お隣の杉並、練馬で警察のパトカーと見間違うようなデザインの区のパトロールカーによる区内のパトロールを行っています。中野区でも実施してほしいという声があり、私は先日、練馬区役所の練馬区危機管理室を訪れ、担当課長のお話を伺ってきました。練馬区では、16年度安全・安心施策として、安全安心パトロールカーを4台購入し、夜間巡回パトロールの実施、地域団体の行うパトロールの支援を行っています。巡回パトロールでは、資源持ち去りパトロールも行われ、始めた当初から大きな成果を上げ、1日に何件もの持ち去り業者を摘発しています。PTAでは、子どもの安全を守るために、登下校にパトロールカーを走らせ、子どもをねらう犯罪への防止と、犯罪への抑止力の効果を発揮しています。同じく杉並区の青色回転灯が屋根に設置されているパトロールカーは、ツートンカラーのボディーだけでなく、回転灯が非常に目立つことでパトロールの効果を高めています。
一方、隣接区がこういった事業を実施することにより、犯罪者が中野区に逃げ込みやすくなるのではないか、また練馬や杉並では、防犯に力を入れているようで、単純にうらやましいといった声が、特に両区との境にある鷺宮の地域では聞かれております。
先日も、奈良県で学校帰りの児童が誘拐され、殺害されるという痛ましい事件が起こりました。子どもを持つ親からは、不安の声が相次いでいます。隣接区が行っているようなパトロールカーによる防犯パトロール事業の抑止効果は大きいものがあると思います。区民の不安解消、犯罪の抑止のために区有車でのパトロールと効果の上がる車体塗装を実施してはいかがでしょうか、お考えを伺います。
次に、防犯ということで、区民の方からの要望の多い防犯灯の設置について伺います。
私も街路灯設置の陳情をよくお受けしますし、町の安全確保のために、必要性も感じております。中野区では、東京都の街路灯の設置の基準に準じて、街路灯の設置を行っています。これは防犯灯という目的のものではありませんが、実際防犯灯という名称で設置されているものも街路灯と特に変わりはないようです。学校の周辺などは、夜間建物に人けのないことに加え、民家がない道路が続きます。こういった道路では、一律の基準ではなく、照度をアップしたり、高さを考慮する、本数をふやすなどの必要があると感じます。街路灯の設置基準だけではなく、防犯灯の設置基準を区独自で設けてはいかがでしょうか、お考えを伺います。
この際、安全点検として、道路や街路灯の総点検を行い、防犯上必要とされる場所には、照度や設置の間隔を変えて取りつけるなどの工夫をするべきです。また、暗くなりがちな私道の防犯を視野に入れた防犯灯の設置なども検討していく必要があるのではないでしょうか。
上鷺宮エリアは良好な住宅街で、学校が並ぶ文教地区ではありますが、夜間には人けがない場所も多く、幹線道路にしか24時間営業のコンビニエンスストアなどもないことから、被害に遭っても、すぐに駆け込む場所がないという心配もあります。広い地域に交番が1カ所、しかも無人の時間があり、地域住民の方から不安の声が上がっています。こうした現状から、上鷺宮地域には、スーパー防犯灯や緊急通報システムなどの設置が適していると考えます。むしろ積極的に設置をすることで、犯罪から良好な住宅地を守っていくべきであると思います。犯罪の抑止にも確実な成果をもたらすはずです。区のお考えを伺います。
ここで予定をしておりました学校の安全対策は、次の機会にさせていただきます。
次に、防災対策について伺います。
私は昨年の第2回定例会で、防災教育について質問を行いました。そこで伺った中野区立学校・園における防災計画について、大地震発生を想定した応急教育計画は、阪神・淡路大震災以前に作成したものであるので、各学校に内容の改善・充実を求め、新しいものにしていきたいというお答えでした。その後新しい計画は作成されたのでしょうか、お伺いします。
防災教育の質問を行った際にも、地域の防災資源として中学生の役割が重要であるということを申し上げました。昨年度五中では、防災課と連携をとりながら、総合学習の時間で防災教育を行っています。七中でも地域との合同の防災訓練を行うなど、中学生の防災教育が区内でも浸透してきています。地域との協働の防災訓練を9月1日の防災の日などを活用し、一斉に行ってみてはいかがでしょうか。地域の人も中学校に避難し、中学生と一緒に炊き出しや備蓄倉庫の点検、防災資機材の点検などを一緒に行う、こうした機会を持つことで、中学生にも地域社会とのかかわりや、防災に対する知識や意識を高めるよい機会になると思います。避難訓練の際に、近隣の小・中学校合同の帰宅訓練を行うのも、小・中学校の交流、他年齢の子どもが助け合う仕組みをつくるのにも効果的であると思います。教育委員会として、中野区独自の防災教育を推進してみてはいかがでしょうか。また、地域防災マップの作成も、子どもたちが地域の状況を知る上で大切なことです。これは地域安全マップとあわせて作成してみてはいかがでしょうか。
さらに、避難所としての学校の役割について伺います。
今回の新潟県中越地方の大地震の被害は甚大で、未だに避難所生活を送っておいでの方もいらっしゃいます。テレビ中継などにより、学校体育館の避難所風景が映るのを見た区民の方から、中野区の学校や体育館は大丈夫なのですかということを聞かれます。区の施設の中には、耐震診断が未実施の施設もあります。学校施設でも、校舎の耐震診断は実施されていても、体育館の診断はほとんどされていません。中には、昭和30年代建設のものも多く、老朽化が目立つ体育館もあります。体育館は倒壊しないという意見もあるようですが、本当に安全と言い切れるのでしょうか。ガラスの飛散防止や照明器具の落下防止などの対策は万全でしょうか。屋根の落下の心配はないのでしょうか。耐震補強を行うよりも、体育館は建てかえを行うというのが一般的な考え方ですが、学校再編計画の中で地域の防災拠点、避難場所としての学校施設を考えた上で、校舎、体育館の優先順位はどのようになるのでしょうか。
先日、文部科学省では、新潟県中越地震での被災地にある学校施設などの応急危険調査をまとめました。その結果、建築物の傾斜や鉄骨造の破断、柱の大きなひび割れの、危険と判定された学校施設は、12校で18棟、外壁モルタルの剥離、落下、天井材や証明器具の落下、本棚、実験棚の転倒のおそれといった落下転倒危険物は14校で31棟、要注意が17校、28棟という結果でした。果たして中野区の学校施設は、震度6強、7とも言われる今後発生が懸念される首都直下地震に耐えられるのでしょうか。再編の中での教育環境の整備とあわせて、耐震補強や改築、建てかえの計画などの耐震上の整備はどのような計画になっているのかお答えください。
11月14日に武蔵台小学校で、医療救急訓練が避難所単位で開催されました。地域防災会を中心に、中野区の呼びかけにより行われましたが、目標300名のところ出席者は150名弱でした。防災への関心が高まっている時期にしては、参加者が少ないように感じました。こうした訓練には、通常どのくらいの人が集まるのでしょうか。この医療救護訓練には、どのような目的があり、どれくらいの参加者を募る計画だったのでしょう。地域防災会を中心とした連絡は十分であったと思われますか、伺います。
避難訓練や防災訓練の連絡は、町会の回覧板や掲示板だけなのでしょうか。それでは知らされない人がたくさん出てきます。また、手元に案内チラシなどがなければ、忘れてしまうことも多いのではないでしょうか。案内告知の具体的な改善についてはどのように考えているか、伺います。
現在、防災会といっても、町会の中の組織になっているケースが多いのではないでしょうか。防災意識の高まりと、防災会への参加、活動への意識といったものが必ずしも比例しているわけではないと私は思います。特に、単身者で民間集合住宅に住んでいる人の町会への参加率は、非常に低いと思われます。区のデータによれば、現在中野区では、どの程度の方が防災組織に加入しているのでしょうか。また、加入しているという意識を持った人の割合はどのくらいいると予測されますか、お答えください。組織の単位や構成などは、住民に理解されているのでしょうか。災害から身を守り、財産を守るためには、住民一人ひとりが災害に備えて、日ごろから十分な準備をしておく自助ということが大切ですが、地域でともに助け合える共助という関係性が確立されるまでには、行政側の手助けが必要です。
16年度の行政評価報告でも、分野名「災害に強いまち」の施策名「いきのびるための備えのあるまち」では、評価結果はB、区民がみずから助け合う地域の評価はBマイナスで、もう少し区民意識を高揚する指標や、事業メニューを検討する必要があるといった指摘もあります。区は今後、町会や防災会に参加していない区民への情報伝達の方法を考え、実施する必要があります。地域センターニュースなどは、全戸配付を行っていますが、今年度から作成された防災ニュースの全戸配付や、全戸訪問などの徹底したローラー作戦を展開し、区民の意識を高める努力をしてはいかがでしょうか。
田中区長は、都市防災推進セミナーの席上「行政として、防災広報の充実、防災組織の強化・連携、防災リーダーの養成、職員マインドの徹底強化、危機管理体制の構築が大切だ」と述べ、まちづくりの課題や区の具体的な取り組みを報告されたということです。区長の考えを反映した取り組みについて伺います。
次に、防災リーダーの養成について伺います。
自主防災会のリーダーの役割として、各種台帳の点検・整備、自主防災組織台帳・世帯台帳・人材台帳・要介護者台帳、防災資機材の点検・整備、避難生活計画書の点検・整備、地域の安全点検、防災地図の整備・点検、自主防災組織の活動目標の設定と計画の策定などが上げられています。中野区でも防災リーダー研修などを開催していますが、どういった内容なのでしょうか。こうした役割が十分に果たせるだけの研修内容となっているのか伺います。
専門知識のある人材を活用し、防災組織の強化に役立てていくために、防災会のリーダー養成だけではなく、地域防災指導員の推進も大事であると考えます。静岡県では、消防団OB、消防・警察OB、災害ボランティア活動者などの防災経験者を区が選任し、避難所単位で地域防災指導員として任命、災害図上訓練(DIG)を中心とした実践的な訓練や、避難所の運営などの実施方法を研修しています。指導員は、研修で習得した防災活動の普及促進など、各々の地域において防災活動の指導や、防災会同士の連携などを行っています。地域防災指導員の任命を中野区でも行ってはいかがでしょうか。
以上で、防災対策についての質問を終わります。
安心・安全のまちづくりの中のユニバーサルデザインの標識、施設案内について伺います。
町のあちらこちらに設置されている紺色のポールに白い文字の中野区のサインですが、これはいつごろ、どのような目的、視点でデザインされ、設置されたものでしょうか。今まで、特に気にもとめていなかったサインですが、先日、区内のある施設を訪ねたとき、道に迷い、サインや現在位置を確認する地図を探しましたが、見当たらず、必要なときに必要な場所にはないものだということを実感しました。町の美観を損なうことはないが、目立たず余り役に立たないという意見もありますが、気をつけて見ていると、本当に情報を得たいときに役立つのだろうかという疑問がわいてきました。
現在、ユニバーサルデザインのまちづくりに取り組んでいる自治体がふえてきていますが、そうした自治体では、だれにでもわかりやすいユニバーサルデザインの標識を設置するように変わってきています。やさしさ、公平さ、安心、単純、安全、柔軟といったことが、ユニバーサルデザインの視点に立った発想ですが、こうした視点で中野区の標識・サインはデザインされているのでしょうか。さまざまな地域住民への公共サインとして、だれにでもわかりやすく、見やすい大きさや、取りつける場所の工夫はされているでしょうか。誘導案内のように、見落とせば迂回する、時間を浪費し、催しものに間に合わないなどの不利益をこうむることも考えられます。案内が不十分ということは、不親切な印象であり、サービスの低さを意味します。中野区のサインは住所表示以外は文字が小さく、ポールも紺地であるため、見にくいと思います。さらに、中野区のサインには、ピクトグラムという絵文字による表示も少なく、一目でわかる工夫がなされていません。
災害時に対応できるサインも少なく、避難所そのものに設置された看板には、3カ国語の表記がありますが、そこへたどり着くまでの案内には、外国語の表記が足りません。また、案内だけではなく、危険や注意を呼びかけるのにも、サインは重要な役割を示しています。自転車放置禁止、喫煙への注意、携帯電話の使用禁止など、声をかけて注意をしづらいことにもサインは役立ちます。こうした表示一つをとっても、その町の姿勢、区の考え方があらわれているのではないでしょうか。中野区は本当にだれにでも暮らしやすい、ユニバーサルなまちづくりを目指しているとは思えません。高齢者、子ども、障害者、外国人、さまざまな方の意見を伺いながら、1度中野区内のサインの総点検を行ってはいかがでしょうか。その際、施設や町のバリアフリー化も同時に総点検をしてみてはいかがでしょうか。施設の再配置や、中野駅周辺のまちづくりと並行して、検討をする必要もあると思います。区のお考えを伺います。
この項の最後に、危機管理室の設置について伺う予定でしたが、これはまた別の機会にさせていただきます。
次に、次世代育成地域行動計画について伺います。
厚生労働省の行動計画策定指針によれば、他の計画との関係として(1)保育計画等との調和、(2)市町村の基本構想との調和を上げています。特に基本構想との調和については、「市町村行動計画については、地方自治法第2条第4項の基本構想に即したものとすることが必要である」と述べています。そこで伺います。現在示されている行動計画中間まとめは、現在ある基本構想に即したものなのでしょうか。現にあるのですから、素直に考えれば現在ある基本構想ということになります。しかし、現在中野区は、新たな基本構想を策定中です。策定予定の基本構想を先取りして行動計画を策定することもあるのではないかとも考えられます。果たして、どちらなのでしょうか。現在の基本構想に即した場合は、新基本構想の策定と同時に、行動計画の改定作業が必要になることも考えられます。そのようなニュアンスの答弁もあったように感じました。どちらの基本構想に即して行動計画がつくられているのか、お答えください。
8つの視点と6つの分野に沿って事業メニューの構築が求められています。中間まとめはおおむね指針に沿ってメニューが検討されていますが、それでも踏み込みの足りないもの、頭出しができていないものが見受けられます。そこで幾つかの事業メニューについて、改めて提案を含めて質問いたします。
15年第3回定例会で、高倉良生議員は、子どもの医療費助成について検討すべきと提案しています。今回の計画では、体系2に健康な心と体がはぐくまれる子どもたちを掲げ、現状と課題には、医療機関の受診のしやすさ、健康管理を支援する環境を充実することも書かれております。しかし、主要事業には、子ども医療の助成は上げられてはおりません。子どもの健康増進を図るための取り組みとして、子ども医療の助成は必要ではないのでしょうか。児童・生徒を持つ家庭の医療費負担の軽減、子どもの入院などに対する不安を考慮した新しい医療費助成の創設を検討するべきではないのでしょうか、お伺いします。
住宅事情などからも、保育園、幼稚園の卒園時期に合わせて、中野区から他の自治体へと移り住んでいった私の友人も数多くおります。次世代育成地域行動計画の中でも、住環境については主要事業として掲げられています。現在、中野区が計画の中で示している住宅について、どのようなものが次世代育成の住宅としてふさわしいと思っているのでしょう。新たな住宅の建設予定などがあるのでしょうか、お答えください。
アンケート調査によると、就学前の乳幼児の家庭の住宅の所有形態として、持ち家が最も多く47%、小学生の家庭でも58%が持ち家となっています。中野に定住しようという子育て世代が意外に多いという印象を持ちました。両親と同居や2世帯住宅などで中野に戻ってくる子育て世代も多く見受けられます。子育て世代を対象とした建てかえや、リフォーム助成などの住宅支援があれば、大変喜ばれるのではないでしょうか。主要事業の住まいづくり支援というのは、どのようなものなのでしょうか、お答えください。
以上伺って、私のすべての質問を終わります。理事者の皆様には、誠意ある前向きで簡潔な御答弁をお願いいたします。大変にありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 久保議員の質問にお答えいたします。
成人検診の受け付け期間についてということであります。
成人検診は医療機関での受診が11月まででありまして、受診票の作成、送付にも時間を要するということから、当該年度の新規申し込みは9月30日までとしているところであります。御指摘のようなこともありまして、より利用しやすくするため、現在改善策について検討しているところであります。
それから、バス路線の新設についての幾つかの質問です。
バス路線については、中野-上鷺間のバス路線について、17年度実施に向けてバス事業者と必要な協議を行っているほか、交通管理者など関係機関に、路線新設について説明をしているところであります。バスロケーションシステムは、バスの接近情報を利用者に知らせるというものでありまして、有効な手段というふうに考えています。必要性を認識しているところでありまして、要望していきたいということで考えているところですが、この路線を提案しているバス事業者では、まだ一つも導入ができていないといったような状況もあることはお話をしておきたいと思っております。
それから道の駅なんですけれども、そもそも道の駅というのは、主に町村部における地域振興策の一つとして誕生した道路沿いの休憩施設ということであります。道を介して地域の交流や連携が図られるという効果があるわけでありますけれども、成り立ちからして中野という土地には、なかなかなじまないのではないかという考え方を持っております。
それから交通不便地域の解消策について、上鷺宮、鷺宮を初め区内においては、今後も区民の交通手段の確保を課題としなければならない地域が出てくるというふうに考えているところです。利用自由度の高い新たな交通システムということを、どうつくっていったらいいのか、中野としてふさわしいものを検討していきたいというふうに思っております。
それから、IT関連の民間人の採用ということであります。さまざまな自治体で中途採用というか経験者採用といったようなことが行われ、さまざまな実績を上げているということもあると思っています。東京都でも大変すばらしい人材を、経験者採用で得ているというような話もあるわけであります。特別区においては、民間人の採用について、専門職、任期付きで課長級以上の採用が可能であります。また、清掃工場においては、期間限定ですけれども、機械電気職種の経験者採用を実施しているというところです。こうした制度を、中野区においても必要に応じ活用していくといったような仕組みをつくっていきたいというふうに思っているところであります。さらに、業務の内容に応じて、専門能力の確保を行う必要があるわけでありまして、こうした採用の形の拡充に向けて、23区にも働きかけるなどさらに研究をしていきたいと思っております。
それから、上鷺宮集会場の葬祭場利用ということであります。
上鷺宮地域センターの分室、二丁目集会室ですね、この葬祭場利用については、現在地域の町会、自治会を中心に地域住民の関心が高まってきているということであります。一方で強い反対意見も残っているということもあるように聞いているわけでありまして、このような状況を踏まえた上で、今後、葬祭場利用の地域における合意形成の可能性、これを検討していきたいというふうに考えております。
それから、庁有車でのパトロールの実施と車体塗装などについてであります。
区有車を使ったパトロールの実施ということなんですが、これはかなり多大な経費を要すると、また庁有車をパトロール仕様の塗装にするということについても、そうした場合に、その車を使える業務範囲に、かなり制約が生じるといったようなことから、そうした形での実施については、なかなか問題が多いと考えているところであります。犯罪の抑止については、一人ひとりの防犯意識の向上と、それから地域ぐるみでその地域の共同体が、住民同士がお互いに地域ぐるみで犯罪を起こしにくい、そうしたバリアを地域の中に築いていくということが、重要であるというふうに考えているわけでありまして、そうした地域の取り組み、これを促進していくといったことを、区としては取り組みを進めていきたいと考えております。区として、日常業務の中でも、地域での安全の見回りにつきまして、庁有車や庁有自転車に防犯ステッカーを張るといったようなこと、また、できるだけ目立つ工夫をして犯罪抑止の呼びかけをしていきたいというふうに考えております。
防犯灯についてであります。
街路灯については、防犯灯の役割も担っていると認識をしております。そこで、その街路灯の設置については、道路の状況によりまして照度を標準より高めたり、あるいは設置箇所の増設を図るといったような形で、柔軟に取り組んでいるところであります。そういった形での防犯上の必要性やそのための対策というのは、その地域であるとか、その地点によっても、さまざまに条件が違うというわけであります。したがいまして、防犯という観点から、一律に基準づくりをするということ自体が難しいというふうに考えておりますが、その地点、地点で柔軟に防犯上の対応を行っていきたいというふうに考えて、進めているところであります。今後とも、道路等の日常的なパトロールを行い、必要に応じて工夫をしていきたいと考えております。
それから、スーパー防犯灯や緊急通報システムということでございますが、スーパー防犯灯や緊急通報システムについては、警視庁が設置をし、運用をしているということであります。調査をしましたが、設置基準については特にないわけでありますが、単独で立てるということではなくて、かなり犯罪の多いところに、面的に設置をしていきながら効果が出てくるというふうに聞いているところであります。
それから、ユニバーサルデザインのまちづくりについてということです。
中野区が今地域に設置をしておりますサインなんですけれども、これは平成6年にその当時のふるさと創世事業ということで、各自治体に配られた1億円を活用して、周辺案内、施設案内を目的として、機能的なわかりやすさだけではなく、地域に親しみを持ってもらうという視点で区内全域に設置したものであります。10年たって、現在の評価がどうかといったようなところで、さまざまな御指摘があったところだというふうに考えております。今後、施設の統廃合などによりまして、施設名の変更が見込まれるということでもありますので、サインについても当然手直しや、再設置などが必要になるというふうに考えております。その際には、設置場所、道路条件、経費、そういった制約もあるわけでありますが、その中でよりわかりやすく、親しみの持てるサインとなるように工夫をしていきたいということであります。その際、当然必要なのがユニバーサルデザインの視点ということでありまして、新しい基本構想の中では、あらゆる人々にとって、障壁を生み出さないユニバーサルデザインの理念に基づくまちづくりを進めるということを、将来像にも掲げているところであります。その取り組みの一つとして、交通バリアフリー整備構想を推進していきたいとも考えているわけでありますが、今後のまちづくりや施設整備に当たっては、ユニバーサルデザインの視点を大切にしていきたいというふうに考えているところであります。
私からは以上です。
〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 文化芸術振興についてお答えいたします。
まず、指定管理者制度への移行との関係についての御質問でございますが、現在教育委員会では、文化芸術も含めた生涯学習施策のあり方について検討しているところでございます。指定管理者制度は、一義的には施設管理の代行を行うものでございますけれども、指定管理者に事業を区が委託したり、あるいは自主的に企画したりする場合に、区民の芸術文化活動支援について、どう取り組めるかについても、この中で検討しているところでございます。
次に、文化振興条例についてでございますが、他の自治体の条例内容、あるいはその検討状況、そういうものを調査し、研究を進めてございます。文化芸術振興のあり方を検討する中で、さらに研究を進めてまいりたいと、そのように思っています。
次に、若手芸人や若手芸術家等によるフェスティバルの開催についてでございます。
若手芸術家の育成、あるいは中野らしい文化芸術の発信、あるいは文化芸術を支える区民の仕組みづくりなどについて検討していきたいと考えているところでございますが、フェスティバルの開催や芸術家等による協議組織などにつきましては、区民主体の自主的な活動への支援の御提案として受けとめてまいりたいと思います。
次に、文化芸術に関する情報の区民への提供についてでございますが、これにつきましては、区の情報だけではなくて、大学等の民間情報も含めて提供できるように検討していきたいと考えていますが、区民等への情報発信の窓口をサンプラザに誘致することにつきましては、現在のところは考えてございません。
以上でございます。
〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 学校の防災対策に関連する質問にお答えいたします。
学校ごとにつくっている防災計画はどうなっているかということでございますが、御質問いただいて各学校の状況を改めて把握しておりますが、現在、各学校の防災計画につきましては、阪神・淡路大震災等を受け、学校ごとに見直し、各学校が詳細な防災計画を作成している現状でございます。また、この学校ごとの防災計画、毎年見直しをしているということでございまして、今回の中越地震を受けまして、改めて見直しの作業を始めているところでございます。
次に、防災対策について、小・中学生、地域との一緒の防災訓練をするということについてのお尋ねでございます。
地域の方と一緒の防災訓練をするというようなことにつきましては、防災面はもちろん教育の面、また交流の面からも、小・中学生が参加することの意義はあるというように考えております。既に行っている学校についても、事例を挙げて御質問をいただきましたが、各学校で工夫して地域との共同の訓練を行うよう、指導してまいりたいと思います。
次に、地域防災マップについてのお尋ねでございます。
学校では社会科の学習の時間、また総合的な学習の時間等で、地域の消火栓や防災倉庫などの位置を探し出すというようなことで、防災マップづくりを行っております。また、区で作成している地域防災マップの活用などを行っているところでございます。今後もこうした取り組みを各校に指導してまいりたいと思います。
次に、学校の施設の震災における安全性についての御質問でございます。
学校体育館につきましては、ガラス等の落下防止対策として、これまでサッシのアルミ化、強化ガラス化、また飛散防止フィルム張りなどを実施してきているところでありますが、一部に未実施の体育館が残っているところでございます。また、照明器具の落下防止は、全校で対策を講じているところでございます。この落下防止対策、平成8年度から実施しているところでございますが、経年の劣化状況も進んでいると思われますので、再点検を行ってまいります。
また、直下型地震における校舎の安全性についてのお尋ねでございます。
補強が必要とされるCランクの校舎17校については、補強工事を実施済みでございますが、この区立学校の耐震補強につきましては、震度6でも建物が倒壊しないということを想定して補強しているものでございます。今後の学校の改築につきましては、安全性のある新耐震基準で行うことになりますので、校舎、体育館の今後の改築については、計画的に進めてまいりたいと思います。
〔総務部長石神正義登壇〕
○総務部長(石神正義) 私からは防災対策について、4点にわたっての質問にお答えいたします。
まず、医療救護訓練の目的、また参加者数についてでございます。
災害医療救護訓練につきましては、避難場所や災害時の現場での応急手当や負傷者の搬送、負傷者の判定に応じた治療、重傷者の後方搬送、こういった訓練を実施するものでございます。今回の訓練も合わせてですが、こうした訓練につきましては、地域内の防災会と連携して実施してございます。これまでの実績でいいますと、地域ごとに差はありますが、150名から300名程度の参加を得ているということでございます。
また、防災会への参加ということでございますが、防災会というのは、町会や自治会のエリアを単位としまして、組織されている防災組織でございます。地域内のすべての住民が防災会の一員であるという考えのもとに取り組んでいただいており、防災会への加入率というとらえ方はしてございません。世論調査によりますと、防災会を認知している区民については24%程度というふうになっております。しかし、防災会が行う訓練などに参加してみたいという方の率について見ますと、75%近くの方が参加してみたいというふうに答えてございます。これが一つの目安になるのではないかというふうに考えてございます。
また、防災便りの全戸配付の件でございます。
防災便りにつきましては、区民や防災会の情報提供の充実を図るということから、日ごろからの情報共有を進めていく、防災意識の向上を図るということで始めた事業でございます。防災便りの全戸配付ということでございますが、現在は防災会の協力を得て、配付世帯を極力ふやそうということで話し合いをしてやっているところでございます。また、さらに商店や事業所などの協力を得て、区内各所で配付するなど、少しでも多くの区民の方に手のわたるような形での工夫はしていきたい、さらに全戸配付等についても、検討していきたいというふうに考えてございます。
それから、地域防災指導員の任命についての御提案でございます。
現在、防災リーダー養成講習会というのは、特に阪神・淡路大震災の被害と教訓を踏まえて、地域の防災のリーダーとしての心構え、地域での取り組み、避難所の運営など、こういったものを学習していただくほかに、実際に地域を歩いて、町の弱み、強み、また町の備えなど、こういったものを図上訓練も入れて実施しているところでございます。防災業務の経験のある人材を地域の中で活用していくということは、地域の防災力を高めるという観点からは、非常に効果があるというふうに考えてございます。御提案の仕組みを調査するなど研究をしてまいりたいというふうに思っております。
以上でございます。
〔子ども家庭部長柳澤一平登壇〕
○子ども家庭部長(柳澤一平) 次世代育成支援行動計画について、関連して2点お答え申し上げます。
今策定している次世代育成の行動計画は、今ある基本構想に基づくのか、それとも今策定準備をしている基本構想なのかという御質問でございました。
この次世代育成の行動計画は、17年度から5カ年の行動計画でございまして、現在策定作業を進めている基本構想に即して策定を進めているというところでございます。
次に、子育て支援としての医療費助成が必要ではないかという御質問でございます。
今、策定作業を進めている次世代の行動計画では、子育ての経済的負担の軽減の取り組みについて、さまざまに検討しているところでございますが、現在の乳幼児医療費の助成を直ちに拡大することについては、今のところ考えていないというところでございます。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私から、次世代育成地域行動計画につきましての二つの御質問にお答えをいたします。
まず初めに、良質なファミリー向け住宅の整備、誘導ということでございます。
これにつきましては、区有地の活用による民間住宅の整備、それから民間の土地利用による良質なファミリー住宅の誘導といったことを図ってまいりたいというふうに考えてございます。
次に、住まいづくり支援でございます。これにつきましては、住む人と住宅を供給する事業者が子どもの年齢や家族の暮らし方に応じた間取りの工夫、それから健康に配慮した家づくりなどに関しての互いのニーズや、それにこたえる供給などについての情報、これを共有化できて、相談に応じられる体制をつくってまいりたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
〔久保りか議員登壇〕
○5番(久保りか) 再質問をさせていただきます。
区内のパトロールカーの提案でございますけれども、私はステッカーを張るというのは、単なるついでとしか思えないのではないかと。このパトロールということが、余り回りからわかるものではありませんし、意欲を全く感じられないのではないかと思います。これは改めて既存の庁用車を塗装したりとか、また回転灯を設置するという、そういった方向で考え直していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
それから、学校の耐震の問題ですけれども、これは学校の耐震ということではなく、体育館のことを非常に心配している方もおいでになられます。学校校舎も3階部分は耐震補強をしていないということなどを考えますと、そういった点でも屋根のことなどは余り考えてはいないのだなと思うわけですけれども、最低限の建物の整備しか考えていないのではないか、そういったような御心配の声があります。今後の学校の改築に合わせて、これは再編とも合わせまして、どういった優先順位で残る学校、また新しく建てかえなどをする学校、どういった優先順位で校舎や体育館の整備を行っていくかということを、具体的に教えていただきたいと思います。
それから、先ほど区有地などを使っての集合住宅ということを考えていきたいということですけれども、次世代育成に載ってくるということは、具体的な計画なのだと思います。この辺のことも、いつまでに、大体中野区の幾つぐらいの戸数で、集合住宅を考えていきたいと思っているかということを伺いたいと思います。お願いいたします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。
庁用車を使ったパトロールについて、ステッカーでは意欲を感じられないということであります。地域の中での防犯意識の向上、地域ぐるみでの防犯の意識、体制づくりといったようなことを主眼に置いていきたいというふうに考えているところでありまして、パトロールについてもできる範囲での取り組みというのはやっていきたいというふうに考えているところであります。ステッカー、あるいはさまざまな工夫、そうしたようなことをできるだけしながら、意欲の感じられる取り組みをしていきたいというふうに思っております。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 再質問をいただきました。
区有地の活用による民間住宅の整備、これがいつまでにどのぐらい建てるんだと、こういう御質問でございました。
現在のところ、区有地の活用につきまして、いろいろと検討しているというところでございます。また、戸数につきましても、検討中ということでございます。できるだけ早い時期にお示しをしたいというふうに考えてございます。
〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 学校の校舎、それから体育館の改築等の計画につきましては、現在学校再編に関する計画案を出して意見を聞いているところでございますので、この計画案を進めて検討する中で、あわせて改築の計画というものについて考えていきたいと思っております。その優先度というものにつきましては、改築の時期に来ているかどうか、また再編する学校、しない学校も含めて考えていきたいと思いますが、耐震につきましては、これから行う点検結果などを踏まえ、あわせて検討していきたいというように考えます。
○副議長(やながわ妙子) 以上で、久保りか議員の質問は終わります。
お諮りいたします。
議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(やながわ妙子) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、明日、午後1時より本会議場において開会することを、口頭をもって通告いたします。
本日は、これをもって延会いたします。
午後4時21分延会