平成17年06月03日中野区議会本会議(第2回定例会)
平成17年第2回定例会本会議第2日(6月3日)
1.平成17年(2005年)6月3日、中野区議会本会議場において開会された。
1.出席議員(41名)
1番 いでい 良 輔 2番 伊 東 しんじ
3番 佐 野 れいじ 4番 北 原 奉 昭
5番 久 保 り か 6番 酒 井 たくや
7番 奥 田 けんじ 8番 近 藤 さえ子
9番 小 堤 勇 10番 大 内 しんご
11番 伊 藤 正 信 12番 きたごう 秀 文
13番 吉 原 宏 14番 高 倉 良 生
15番 やながわ 妙 子 16番 平 島 好 人
17番 むとう 有 子 18番 はっとり 幸 子
19番 長 沢 和 彦 20番 か せ 次 郎
21番 山 崎 芳 夫 22番 小 串 まさのり
23番 高 橋 ちあき 25番 岡 本 いさお
26番 こしみず 敏 明 27番 飯 島 きんいち
28番 佐 伯 利 昭 29番 佐 藤 ひろこ
30番 来 住 和 行 31番 岩 永 しほ子
32番 若 林 ふくぞう 33番 篠 国 昭
34番 伊 藤 岩 男 35番 斉 藤 金 造
36番 大 泉 正 勝 37番 斉 藤 高 輝
38番 江 口 済三郎 39番 藤 本 やすたみ
40番 昆 まさ子 41番 江 田 とおる
42番 池 田 一 雄
1.欠席議員(1名)
24番 市 川 みのる
1.出席説明員
中 野 区 長 田 中 大 輔 助 役 内 田 司 郎
収 入 役 山 岸 隆 一 教 育 長 沼 口 昌 弘
区 長 室 長 寺 部 守 芳 政策計画担当課長 川 崎 亨
まちづくり総合調整担当部長 那須井 幸 一 総 務 部 長 石 神 正 義
総務担当参事 橋 本 美 文 区民生活部長 本 橋 一 夫
子ども家庭部長 田 辺 裕 子 保健福祉部長 菅 野 泰 一
保 健 所 長 清 水 裕 幸 都市整備部長 石 井 正 行
教育委員会事務局次長 金 野 晃
本会の書記は下記のとおりである。
事 務 局 長 山 下 清 超 事務局次長 高 橋 信 一
議事調査担当係長 大 谷 良 二 書 記 黒 田 佳代子
書 記 永 田 純 一 書 記 荒 井 勉
書 記 岩 浅 英 樹 書 記 菅 野 多身子
書 記 廣 地 毅 書 記 西 田 健
書 記 鳥 居 誠 書 記 杉 本 兼太郎
書 記 松 本 桂 治 書 記 吉 田 哲 郎
議事日程(平成17年(2005年)6月3日午後1時開議)
日程第1 第41号議案 中野区行政手続条例の一部を改正する条例
午後1時03分開議
○議長(高橋ちあき) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。
昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。
中野区議会議員 大 内 しんご
1 小中学校の再編計画について
2 小中学校の安全対策について
3 小中学校の学力向上に向けた取り組みについて
4 (仮称)区民活動センターについて
5 野方駅北口整備の進捗状況について
6 10か年計画の財政フレームについて
7 その他
○議長(高橋ちあき) 最初に、大内しんご議員。
〔大内しんご議員登壇〕
○10番(大内しんご) 平成17年第2回定例会におきまして、自由民主党・民社クラブの一員として質問をさせていただきます。
1番目に、小中学校の再編計画について何点かお聞きします。2番目に、同じく小中学校の今度は安全対策についてお聞きします。3番目に、小中学校の学力向上に向けた取り組みについてをお尋ねいたします。4番目に、(仮称)区民活動センターについて今後の方針、今までの説明等をお聞きしたいと思います。5番目に、野方駅北口整備及びバリアフリー化についてお尋ねをいたします。6番目に、10か年計画の財政フレームについてお聞きをします。
それでは、質問に入らせていただきます。
最初に、区立小中学校の再編計画についてお聞きします。
教育委員会は昨年10月に区立小中学校再編計画(案)を発表し、その説明会を、計画にある小中学校はもとより、教育委員会との対話集会など、数多くの説明会や対話集会を実施したと聞いております。私は、教育委員会が連日連夜に及ぶ説明会を開催し、保護者や地域住民の理解を得ようしてきた努力に感謝申し上げます。
説明会では参加者からさまざまな意見や要望が数多く出されたことと思います。それら一つひとつは小さな声かもしれませんが、いずれも保護者や地域住民の切実な声であることを忘れずに、学校再編計画に取り組んでほしいと思います。
そこで、再編計画に関連して幾つかお伺いいたします。
まず、再編計画による学校の跡地利用についてお伺いします。
昨年、発表された中野区立小中学校再編計画(案)では、跡地利用については全く触れられておりませんが、学校の施設は子どもたちの教育の場という目的だけではなく、地域の人たちがスポーツを楽しんだり学習したりする生涯教育の施設としても、数多く利用されているのが現実です。学校の跡地の活用については、そのような実態を把握した上で検討が進められていると思いますが、どのように検討されているのかお伺いします。
また、再編計画では、すべての計画が完了するまで15年間と、非常に長期間にわたる計画になっていますが、再編計画を発表したことによる子どもたちや保護者への影響を考えると、計画を前倒しして、期間を短縮して実施するようなことはできないのかお伺いいたします。
2番目に、学校の安全対策についてお伺いします。
子どもの安全対策として、中野区では、さすまたや警棒などを各学校に配備し、取り組みを進めていますが、他区では校門に警備員を配置したり、あるいは防犯カメラを設置するなど、さまざまな安全対策を講じています。私も区立の学校に子どもを通わせている保護者の一人として、子どもたちが安心して学校生活を送れることは、必要最低限のことと考えております。今まで学校の安全な環境は当然のことのように受けとめてまいりましたが、これからは学校と教育委員会、そして地域が一体となってつくり上げていくものであると考えております。
そこで、安全対策について幾つかお伺いします。
学校は校門や通用門など出入口が何か所もあり、学校の教職員だけではそのすべてを管理することは難しいと感じています。校門に民間の警備員を配置するなど、学校への不審者の侵入を防ぐような対策は検討されていないのかお伺いします。さらに出入口にインターホンを取りつけたり、かぎをオートロックにするとかフェンスを高くするなど、施設的な面での安全対策についてもあわせてお伺いします。また、同じく児童館あるいは区立保育園の29園についても、同じようにどのような安全対策を行っているのかをお尋ねいたします。
さらに、学校再編計画により、子どもたちの通学距離が今よりも遠くなることは明らかです。通学路の安全確保についてどのように考えているのかお伺いいたします。
3番目に、学力向上に向けた取り組みについてお伺いいたします。
最近の新聞に、日本PTA全国協議会の調査結果が報道されていました。それによると、保護者の約4分の3が学力低下を心配し、約4割が学校の週5日制について否定的な考えを持っているとの記事でした。また、他の自治体では授業時間数をふやすなど、学力向上に向けたさまざまな取り組みが行われています。
そこでお伺いします。他区では学力向上に向けた取り組みとして、希望者を対象とした土曜補習を実施している例がありますが、中野区では学力向上に向け、どのように取り組みを進めているのかお伺いいたします。
4番目に、(仮称)区民活動センターについてお聞きいたします。
最近、地域センターにかわる、(仮称)区民活動センターについての考え方の説明会を、各地域センターや町会・自治会等で行っています。私も先日、野方地区町会連合会の勉強会にこの説明を聞きに参りました。その説明を聞いていると、基本構想・新しい中野をつくる10か年計画検討素材ナンバー5の資料を用いて説明がなされていました。
しかしながら、3か月前の予算特別委員会において、4ブロック構想や運営についての、地域が行う区民活動センターといった考え方について、私が質疑し、確認した内容と若干違う説明がなされていたように思います。そのときの答弁では、少なくとも10か年計画の中身については、基本構想が定まったからといって自動的に内容が定まるわけではない。区民活動センターへの転換ということを含め、今後、十分に意見を聞いた上で決めていくと述べています。
区の職員を現在の2,800人から2,000人にするためには、区民サービスの方法を変えていかざるを得ないのは当然ですが、区は予算がない、だから職員をとりあえず減らしていこうといった単純な話ではないと思います。現在は15か所の地域センターで110人の常勤職員がいるそうですが、例えば、地域センターの職員を現状のままとし、目標を2,000人体制から2,100人体制に変更することは考えられないのでしょうか。あるいは地域センターの仕事を、将来は一部を委託などを行い、残りの仕事を今の50人で行うようなことは考えられないのでしょうか。あるいは、地域センターの窓口や地域活動とのつながりを大胆に再編し、職員を減らしていくなど、さまざまな方法が考えられると思います。本来、このような区民と密接に関係している地域センターについて、現在の区の財政状況を十分に踏まえながら、これからの区民ニーズにこたえられるような運営について意見交換していくべきだと思います。行政がつくったものを議会の反対を押し切り、一方的に区民活動センターに転換し、住民による自主管理にしていく。地域センターの四、五年後の姿は区民活動センターに変わっていますというのは、余りにも強引だと思います。第1回定例会で修正し、議決された中野区自治基本条例にも、区が計画を立案する段階での区民の参加が保障されているはずです。今後の進め方についてお聞きします。
次に、住区協議会についてお聞きします。
3月の第1回定例会において区長は、「住区協議会は20年余りの経過の中で、メンバーの固定化や認知度の伸び悩みといったこともあり、結果としてだれもが認め、有効に機能する地域団体の合意の場とはなり得なかった。今後は住区協議会についてはこれまでのような区のかかわりを改め、区民の自主的な協議の場という原点の活動に期待していく。また、一方、町会・自治会など地縁団体として、その公益的かつ自主的活動が、今後の区の自治や地域社会の発展に欠かせないという認識を持って基本構想を策定した」と述べています。
今後は住区協議会について、地域の1団体として考えていく中で、今までのように地域センターの職員が住区協議会の事務局を担うということはないと理解しています。しかし、以前と現在を比べ、地域センターのかかわり合いについては余り変化が見られません。今後、区と住区協議会はどのような関係になるのかお聞きします。また、今後、町会・自治会などについて、どのような関係を維持していくつもりなのかもあわせてお尋ねいたします。
5番目に、野方駅北口整備の進捗状況について質問をいたします。
この問題につきましては、エスカレーター設置やバリアフリー化など、地域住民の長年の願いであり、また今後の野方のまちの発展にも大きく左右してきます。
私はこれまで一般質問や決算あるいは予算特別委員会での総括質疑を通じ、たびたび質問させていただきました。区は野方駅の北口開設と駅舎のバリアフリー整備について、平成17年度当初予算の説明の中で、平成16年度の事業手法に関する調査結果をもとに、北口利用者の需要予測など、事業化に向けた準備調査を行い、西武鉄道とより具体的な協議を進めるとしています。また、さきの第1回定例会の私の質問に対し、区長からは「区の重要課題と考えており、早期の実現に向け努力をしてまいりたい」との答弁をいただいております。もちろん地域住民の生活、商業の発展や地域の交流などを分断している踏切問題の根本的な解決は、鉄道と道路の立体交差化しかないと思っております。区長や区議会、町会連合会、PTAなどで昨年1月に結成した、西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟としては、区内全線地下化の推進を表明していますが、私はこの野方駅の当面の解決策として、北口開設及びバリアフリーの早期設置は極めて重要であると認識しています。
そこでお伺いします。野方駅北口の開設と駅舎の南北からのバリアフリー化に向けて、区が努力していることは十分承知していますが、西武鉄道との協議や北口の開設位置の検討、用地確保の取り組みなど、現時点の進捗状況について、できる限り具体的にお聞きします。また、10か年計画や来年度の予算編成等をにらんだ場合、区としてはいつごろをめどに着工時期や完成時期などの考え方を示す予定なのか、あわせてお伺いします。
また、この問題については、私は区議会の一員として可能な限りの協力を惜しまないつもりであり、一刻も早い解決を願っていることを、この場をかりて表明させていただくものであります。
6番目に、10か年計画の財政フレームについてお聞きします。
中野区基本構想は、ことし3月に議会の承認を得て決定いたしました。それに伴い、本年秋に10か年計画が策定される予定です。10か年計画におけるすべての計画を完成するのに要する費用は、約1,000億円と言われており、1年間で100億円の予算が必要になります。財政的な裏付けを持った計画にするためには、しっかりとした歳入の見通しを立てなければなりません。
財調制度に関する検討は、都と区の間で考え方の隔たりが大きく開いていると聞いています。また、三位一体改革もいまだ全体像は明らかにされず、不透明なままです。素案を公表する8月までには、これらの影響を見込むのは難しいのではないでしょうか。歳入の計画がしっかりと見通せない状態では、10か年計画を策定しても、すぐに見直さなければならないのではないでしょうか。税の財政制度は大きく変わり、経済の見通しを持つことすら難しい時期です。そもそも10年間の基本計画に中長期の実施計画的な要素を盛り込むのは、時代に合ってはいないと考えられます。これまでの基本計画のように、事業ごとに事業量や事業費をあらかじめ決めてしまうような計画ではないと思います。もっと柔軟に対応できる新しい基本計画の姿を描くことはできないのでしょうか。
10か年計画は、財政的な裏付けを持った計画と説明していますが、8月に素案が公表されるときには、財政フレームも同時に示されるのでしょうか。示されるとしたら、どのような考えに基づいているのかお聞きします。
また、10か年計画では、持続可能な行財政の実現に向け、職員を10年間で2,000人に削減すると言っていますが、2,000人という数字だけが最近ひとり歩きしているのではないでしょうか。2,000人の職員体制は数値目標なのか。それとも、これから先の財政運営を考える中での一つの目安ととらえているのでしょうか。
そこでお聞きします。区民サービスをできる限り低下させずに、民営化や指定管理者制度の活用、施設配置の見直しを行いながら、職員の削減をする結果として、おおよそ2,000人規模の職員数になるということではないでしょうか。これからの新しい事業などに見合う職員体制の確保について、どのように考えているでしょうか。また、2,000人という職員数の目標の中で、区民サービスをどのように維持・向上させていくのかをお聞きしまして、質問を終わらせていただきます。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 大内議員の御質問にお答えをいたします。
学校再編による跡地のスポーツ利用ということですけれども、学校再編後の学校跡地ですけれども、この活用方法については、区全体の施設配置の見直しの中で、今後の施設事業等を踏まえて検討しているところであります。
スポーツは趣味としての楽しみだけではなく、子どもの体力向上や高齢者の健康づくり、区民の健康づくり全般にも大変有効なことですので、大きなテーマと考えています。それは学校跡地活用にあっても重要なテーマと認識をしています。
そこでお尋ねの、現在、利用している区民のスポーツの機会ということなんですけれども、現在、利用されている方のスポーツの機会の確保という点についても視点に加えつつ、検討を行っているところであります。
それから、区民活動センターと住区協議会についての御質問であります。(仮称)区民活動センターといったような言い方で、御提案をさせていただいていた内容ですけれども、地域における区民の活動拠点は、地域の方々の意思に基づいて運営されるべきであると、運営されることが望ましいというふうに考えているところでありまして、その具体的なあり方等について、議会での御意見や地域での意見交換等を十分に踏まえながら、検討を進めていく考えであります。
御意見をお聞きするに当たって、決まったことのようにとられるような説明があったとすれば、これは遺憾なことでありまして、適切な説明をするようにしていきたいというふうに思っております。
区民の活動の場所、地域センターの将来ということについては、先ほど幾つかの例というか、考え方を示されながらの御質問でありましたが、そういったことも含めて、これから検討していくというふうに御理解いただければと思っております。
それから、住区協議会の関連であります。区といたしましては、今後、住区協議会が地域の課題について、地域の方々が主体的に協議をする場であるという原点に立ち返って、地域センターのこれまでのかかわり方を見直していく考え方であります。しかし、設置から今日まで区が運営に関与してきた経緯も踏まえ、もう既に定着した住区協議会で活動されている区民の皆さんに、無用の混乱を起こしたり御迷惑をかけることのないよう、関与の根拠となっている住区協議会事務取扱要領という決まりを廃止するまでの間には、一定の経過的な対応は必要であるというふうに考えているところであります。一定の経過的な対応をした後、この要領の廃止を行い、関与の形を、事務局としての関与をするといったようなことを取りやめていくということにしていきたいと思っています。
それから、町会・自治会に関連してでありますが、町会・自治会は唯一の地域団体、地縁団体として、地域社会で大きな役割を担っています。そのことを改めて明確に位置付けることが必要というふうに考えています。今後、町会・自治会の皆さんとお話し合いをさせていただきながら、その具体的な方策を検討するとともに、活動の支援や連携を深めていきたい、そう考えております。
それから、野方駅北口の進捗状況についてです。
野方駅北口開設については、長期的に区民全体の悲願である連続立体化とは別の問題として、今、差し迫った問題として重要な課題であると考えております。その北口開設については、歩行者動線や構造物の規模などから、その設置の候補地を区としては定めてきているところであります。その用地の確保に向けた検討を具体的に始めているという段階であります。また、西武鉄道とは、整備内容や整備手法に関する協議を行っております。
このように、具体的な検討や協議を始めたところでありますので、早期開設をもちろん目指しているわけですけれども、その開設の時期について、具体的なめどが立つ状況ではないということについて、御理解いただきたいというふうに思っております。
それから、10か年計画素案における財政フレームの考え方などであります。
新しい中野をつくる10か年計画素案では、その時点での三位一体改革などの最新状況を勘案して第一次の財政フレームをまとめ、議論の素材としてお示ししたいと考えています。素案の時点では、御指摘のように不透明な状況もあります。特に、歳入については不確定な要素を含む内容にならざるを得ないと考えております。今後、三位一体改革の進展状況や都区協議の進捗度などを勘案しながら、この財政フレームをさらに精査していき、11月には10か年計画を策定していくということであります。
財政的な不透明さは常にはらみつつ、この長期的な行政計画をつくるという形でありますので、御質問の中にありましたように、細かい事業ごとに事業量を決めたり時期を決めたりして、そのことによって行政運営を拘束するといったような考え方ではなく、目標と、それからそれに伴う指標を明確にして、それを実現する手法・方策としての事業については柔軟に評価しながら、より成果の上がる形で進展させていくといった新しい計画の形をつくっていきたい、そう思っております。
それから、職員2,000人体制の問題であります。
職員の採用の抑制とともに、任期付き職員や再任用、また経験者採用など、多様な雇用形態を組み合わせ、行政需要の変化に対応できるようにしていきたいと考えています。また、公共サービスの多くが、多様な民間活動によって供給されるという状況になってきています。民間に任せた方がより効率的でサービスを向上ができるもの、こうしたものについては積極的に事業を見直し、委託や民営化などを進めていく考えであります。
そうした中で、職種の枠にとらわれない配置、また柔軟な勤務時間の割り振りなども行いながら、さまざまな行政需要に対応できる職員2,000人体制をつくり上げていきたい、このように考えております。
私からは以上であります。その他については、それぞれの担当の方からお答え申し上げます。
〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 私からはまず、学校再編計画の短縮につきまして申し上げます。
学校を統合するに当たりましては、校舎の改築あるいは改修、あるいは校名の変更をはじめ、新校の教育課程の編成など、検討する項目が多岐にわたりますので、統合までには2年間程度の期間が必要だと、そのように今考えています。教育委員会としましては学校の再編、これは初めて取り組む課題でもございますので、着実に実施するということを基本に考えていきたいと思います。
なお、中長期計画につきましては、児童・生徒数の状況も踏まえまして、この計画改定の検討時期、これを早めることについても考えていきたいと、そのように思っています。
次に、学校の安全対策についてでございます。
教育委員会ではこれまでも警察への非常警報装置の設置、それから、さすまたや催涙スプレーの配備、それを行いながら、それにあわせて防犯訓練やあるいはセーフティー教室の実施、そういうものをやってきました。また、各学校での危機管理マニュアルを再点検いたしまして、門の施錠ですとか受け付けの徹底、あるいは警察署に対してのパトロール強化の要請など、ソフト・ハードの面から安全対策の強化に努めているところでございます。また、今現在、学校情報配信システム、この導入も進めていますが、ハード面での改善を含むこの安全対策について、さらに追加すべきものを検討しているところでございます。
次に、学校再編と通学路の安全対策でございますが、先般、発表いたしました学校再編計画の案では、この統合によって、できる限り通学距離が過度な負担にならないように配慮しているところでございます。現在、登校時の一定の区間に通学路の安全要員を置いておりますけれども、通学路の変更による幹線道路等の安全対策につきましては、そうしたことも含めまして、今後、統合校でつくります学校統合委員会の議論などを踏まえて検討していきたいと思っております。
最後に、学力向上の取り組みについてでございますが、多くの学校で夏休みの補習授業を実施しておりますし、一部の学校では、土曜日を活用した補習も行っていることになっております。また、2学期制の試行などにも今取り組んでいるところでございまして、授業時数の確保を図っているところです。こうした中で、昨年度から中野区独自の取り組みとして、学力調査も行っております。その結果をもとに、各学校において授業改善プランを作成しているところでございます。
加配教員あるいは学習指導補助要員を有効に活用いたしまして、少人数指導、習熟度別授業の充実に取り組んでいるところでございます。具体的には一人ひとりに応じた指導といいますか、読書の時間の拡充や、あるいは繰り返し学習や補習、発展学習の時間の確保など、計画的に行うことで、学力の向上に取り組んでいるところでございます。
〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 私からは、児童館、保育園の安全対策につきましてお答えをさせていただきます。
各施設に小・中学校と同様の警察への非常警報装置を設置しておりますほか、今年度より職員全員が催涙スプレーを常時携帯し、非常時に備えております。また、施設面では、保育園におきまして門扉の施錠を行いますほか、各園にインターホンを設置し、来訪者の確認を行っております。
今年度中に各児童館、保育園に警察の職員においでいただきまして、専門家の視点から、施設の安全点検等の個別指導を行っていただく予定でおります。
以上でございます。
〔大内しんご議員登壇〕
○10番(大内しんご) 先ほどの答弁の中で、答弁をお忘れになったのか、あるいは意識的にとぼけて言ったのか、ちょっとわからなかったところがありますので、もう一度お聞きします。
野方駅のことなんですけれども、10か年計画や来年度の予算編成等をにらんだ場合、区としてはいつごろをめどに着工時期や完成時期などの考えを示す予定なのか。この部分の答えがちょっとなかったように、早期にはできないというような言い方もしていましたし、早期というのは1年を言っているのか、2年を言っているのか、3年を言っているのか、4年を言っているのか。この問題はそもそも出始めてからもう何年もたっている。そういうことを踏まえて早期にはできない、簡単に早期にはできないという言葉を言うこと自体、何を考えているのかちょっとわかりませんけども、早期になるように努力するというのが姿勢なんではないですか。早期にできないというのは、もうやる気がないように見えますけども、その辺を口に出しておっしゃっていましたから、私としてはちょっと理解に苦しみますけども、せめて10か年計画の素案が発表される8月ぐらいまでにこのような目標といいますか、区としてはいつごろまでにやるかという方針、例えば学校の適正配置等も細かく、あるいは前期・後期、平成何年とかと決まっています。この問題については、全然そういったことを目標も何もなく、半年たっても答弁が変わらない、1年たっても答弁が変わらないということでは困りますので、もう一度、着工の時期、完成時期など、不確定かもしれませんけれども、考えを示す予定はないのか、そういったことをお聞きしたいと思います。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。
野方駅の北口については、早期に実現をするように努力しているということをまず前提で申し上げたつもりであります。そして、その着工あるいは完成といった時期の目標なんですけど、時期のめどの公表というか、それを立てる時期なんですけれども、10か年計画の中で当然、位置付けていくように検討しなければならない。そのつもりでいるわけですけれども、用地を選定したという段階でありまして、その用地で取得のための交渉手続といったようなことを今後やっていった場合に、そうしたことにどのくらい時間がかかるのかといったようなことが明らかになってきませんと、具体的に1年だ、2年だといったような形で、年限を明示した目標をつくるということにまだ行きませんので、10か年計画をお示しする際に、時期を明示できるようなところに行けるよう、検討やさまざまな作業を進めていきたいということであります。
○議長(高橋ちあき) 以上で大内しんご議員の質問は終わります。
中野区議会議員 酒 井 たくや
1 職員の給与と福利制度について
(1)特殊勤務手当について
(2)職員互助会について
2 生活保護について
3 ごみの問題について
4 区政への若者参画について
5 その他
○議長(高橋ちあき) 次に、酒井たくや議員。
〔酒井たくや議員登壇〕
○6番(酒井たくや) 平成17年度第2回定例会におきまして、民主クラブを代表させていただき、一般質問させていただきます。
ことしはプロ野球改革元年と言われ、新球団楽天の誕生、セ・パ交流戦の実施がなされました。中野区におきましても、今年度から10か年計画がスタートします。区政改革元年となるよう、区民の皆さんのため区長を筆頭に、職員の皆さんが区政運営に全力投球されることをお願いし、質問に入らせていただきます。
まず最初に、職員の給与と人事制度でございますが、初日の北原議員と重なる部分もございます。私なりの観点から質問させていただきますので、どうかよろしくお願いします。
先般、大阪市役所の職員の方々に対する厚遇問題がとどまるところを知らず、テレビ、新聞紙上をにぎわしていたのは記憶に新しいものであります。制服と称してのスーツ貸与、職場のボウリング大会を公費で助成、そして空残業、さらには互助組合連合会を通じたやみ年金・やみ退職金と、大阪市民の方々は憤りを感じずにはいられません。全国的に行政への不信感が募っているのは言うまでもなく、中野区民の皆さんも中野区はどうなんだろうか、中野区もそうではないかと不審に思われているかもしれません。しかし、中野区では今、話題となっております特殊勤務手当や中野区互助会への区の負担金の補助は、職員の皆さんの御理解と、区長、先輩議員の御努力によりかなり厳しく圧縮されており、大阪のような厚遇ではないのが現状であります。財政の厳しい状況下、区民の方々に傷みを伴わせるのであらば、みずからも傷みを共有する。この区の姿勢は評価できるものであります。
そこで、今、話題となっております大阪市の厚遇問題について区長はどのようにお考えなのか、御見解をお聞かせください。そして、中野区の現状はどうなっているのかもお尋ねします。
しかし、50年も前から存在する制度はやはり疲弊を起こし、時代に沿った、そしてより区民の方々の理解を得られる制度となるよう、見直していく必要が今迫られております。
総務省より見直しを求められております休日勤務、変則勤務、年末年始などの手当、それから税務事務、特定危険現場作業、放射線業務従事などの各種業務手当、いわゆる特殊勤務手当でありますが、大きく分類すると、中野区には12種類あります。
中野区職員給与に関する条例第12条によると、特殊勤務手当とは、著しく危険、不快、不健康、または困難な勤務、その他、著しく特殊な勤務で、給与上、特別の考慮を必要とし、かつその特殊性を給料で考慮することが適当でないと認められるものに従事する職員には、その勤務の特殊性に応じて特殊勤務手当を支給するとあります。
この特殊勤務手当は区長を初め、職員の皆さんの御理解により、ここ数年見直しがされているのは先ほども触れさせていただきましたが、この特殊勤務手当の定義が著しく危険、不快、不健康であるならば、12種類すべてが適切であるということは疑問が生じます。リストラ、倒産、失業の時代です。特殊勤務手当におきましても時代に沿った運用が必要であり、それが迫られているのが現状であります。
千代田区ではことし1月より、税金の滞納世帯への訪問手当や違反建築の取り締まり、検便などの業務手当を廃止、さらに4月には土・日や年末年始手当、公害調査などの業務手当の廃止も職員組合側に提案しております。この特殊勤務手当がすべて廃止となると、千代田区の特殊勤務手当の年間予算は約110万円となり、昨年度の40分の1となるそうです。
特殊勤務手当の見直しについては、昨日の区長の前向きな御答弁の中で、9手当について廃止の方向で検討を行っているとありました。12種類の特殊勤務手当を3種類にすることによる財政効果はどのくらいになるのか、お聞かせください。
次に、職員互助会についてお尋ねします。
大阪市に端を発し、全国に飛び火しております職員互助組合等のあり方でございますが、そもそも福利厚生という制度は民間企業にもございます。中野区の職員の方々にとっても、福利厚生制度はあってしかるべきであり、それによりリフレッシュし、区民の皆さんのため、鋭意、業務に取り組まれることができるはずです。しかし、そういった制度内容が時代に沿っているのか、また区民の皆さんの理解が得られるものなのかが大切であり、そうでなければ、区民の皆さんの目線に立って改革を断行していく必要があります。中野区の職員の方は、東京都職員共済組合、特別区職員互助組合、中野区職員互助会の三つの福利厚生団体に入っています。もちろん、どれも職員の方が掛金を払っております。同時にどの組織に対しても、中野区が負担金、補助金を支給しています。
以上のように、福利厚生の団体が2段重ねどころか3段重ねに存在し、それぞれ区から税金が投入されております。これでは中野区職員互助会への公費負担を年々削減されているとはいえ、民間企業と比べ、厚遇されていると言われても仕方がありません。
平成15年度決算の数字を見ますと、特別区職員互助組合に5,463万9,446円、中野区職員互助会に3,712万4,000円と、区の公費が投入されております。新聞紙上では福利厚生の二重取りと、区から互助会への補助金の見直し、全廃が叫ばれております。しかし、職員の方、そして区民の皆さんが来られる2階の食堂、売店も互助会が運営しておりますし、また、職員の方の健康増進、福祉の向上を図ることにより、区民サービスのアップにつながるのであらば、まずはこの互助会、互助組合の事業で重複する事業をしっかりと精査し、厳格に見直していく必要があると思います。区長は特別区職員互助組合と中野区職員互助会の事業の重なる部分はどのあたりにあるとお考えか、お聞かせください。
地方公務員法41条、42条には、職員の福祉及び利益の保護は適切であり、かつ公正でなければならない。地方公共団体は職員の保健、元気回復、その他厚生に関する事項について計画を樹立し、実施しなければならないとあります。すなわち、職員の方々の福利厚生は、事業主の中野区としてやる必要があると法律に定められております。そのとおりであると思いますが、何といっても事業主は区民の皆さんであります。よって、区民の皆さんの理解を得られる中野区職員互助会の福利厚生制度が求められ、区からの補助金も見直すべきであります。
財政が厳しい豊島区では、平成16年に6,200万円計上されていた豊島区職員互助会への助成金を、平成17年度にはゼロにするとの区長答弁が議会でなされました。文京区では平成13年度の包括外部監査により、文京区職員互助会への毎年決まった助成金は根拠がないとの監査結果を受け、現在、助成金も約800万円に抑えられております。現在、区長会では互助組合について廃止を含め、抜本的な見直しに着手されるそうでありますが、いつごろまでにされるのかお聞かせください。
最後に、労使交渉の情報公開についてお尋ねします。
透明性を求められ、今、あらゆる区の情報は公開されておりますが、労使交渉だけはされていないのが現状であります。るる述べました特殊勤務手当、中野区職員互助会の改革、こういった問題におきまして、必ず労使交渉が壁となってきます。労使の「使」は区であり、区民の方々であると私は考えます。よって、情報公開の観点からも、オープンにしていく必要があるのではないでしょうか。
時代のニーズからも区民の皆さんの目線に立って、太陽のもとでの交渉を進めるべきだと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。
最近の新聞、雑誌等の報道を見ますと、過剰な公務員バッシングと思われるようなものもあります。これでは職員の方々の士気も下がり、区政運営に支障を来すおそれがあります。区民の皆さんのため、日々業務に取り組まれている職員の方々が、意欲を持って仕事に臨めるような環境と制度を確立されることを区長に強く求め、この項の質問を終わります。
次に、生活保護制度についてお尋ねします。
中野区では現在、年間100億円以上の生活保護費を支給しています。その内訳は国が4分の3、地方が4分の1の負担をしております。現在、保護世帯数4,007世帯と、10年前と比べると約2倍になっております。この数字はバブル崩壊後から右肩上がりになっており、団塊の世代の方々が退職される三、四年後には、生活保護世帯はますます増加すると言われております。時代の流れが早く、すべてが電子化されるIT時代において、数年前では考えられなかった心の病を持たれた方や引きこもりの方の増加も目につきます。
そして、最近ではニートという言葉も出てきております。マスメディアを中心に話題となっているニートとは、Not in Employment Education or Trainingの略だそうで、職についていず、学校機関に所属もしていず、そして就労に向けた具体的な動きをしていない若者を指します。現在、日本のニートに分類される若者の数は、68万人と言われております。もしもニートの方が皆、生活保護になるようではと考えると、恐ろしい数字になってしまいます。このような状況下におきまして、区といたしましても、生活保護世帯数の増加と将来の予測をしっかりとお持ちでないといけないと思いますが、どのような見解をお持ちなのかお聞かせください。
また、三位一体改革では、今まで国が4分の3を負担、地方が4分の1の負担であったのが、国が3分の2、地方が3分の1の負担になるそうですが、この三位一体の改革による影響をどのようにお考えかもお聞かせください。
生活保護世帯への自立支援、就労支援も行政としてきっちりやっていかなければいけない反面、より適切な給付が求められます。生活保護を受けられている方が朝からパチンコ屋さんに並んでいる、ないしょで仕事をしているだとかを耳にすることがあります。また、聞いた話では、ある方が、老後に国民年金を数万円もらうために今から年金を払っていくと言うなら、老後の時点で一切資産を持たずに生活保護を受ければいいんじゃないかと。実際に年金が将来もらえるかどうかわからんからなという話をされたそうです。生活保護制度自体にも問題があって、これは国策としての制度が時代にそぐわないものになっているのではないかと私は思うんですが、こういった事例が雑誌で「不景気時代を生き抜くサバイバル」といったぐあいに紹介され、そしてこういう行動をとる人が多数派になってきたらと思うと、正直恐ろしいものがあります。
生活保護世帯はどんどんふえている。しかし、ケースワーカーは微増である。と、これでは無理が生じてくるのではないでしょうか。現在、区としてのケースワーカーの1人当たりの担当世帯数は、平均90世帯であります。ケースワーカーの配置基準については、社会福祉法第16条で被保護世帯80につき1人というふうになっておりますので、受け持ちが基準より10世帯も多くなっています。ケースワーカーの仕事は激務であると聞きます。これではかなり厳しいんじゃないかなと思います。ケースワーカーへのしっかりとしたケアも必要であります。ケースワーカーへのケア、そして配置基準と照らし合わせて、この現状をどのようにお考えになっているのか。また、今後の配置に関してのお考えもお聞かせください。
ケースワーカーが足りないのであらば非常勤の方、もしくは民間にゆだねる方法もあるはずです。港区においては、今年度より生活保護世帯への訪問・調査活動に民間スタッフを配置するそうです。資産調査だけにとどまらず、総合的な生活実態調査まで行うのは珍しいそうで、これにより、過剰給付を年間3,000万円も削減されるそうです。他区ではさまざまな工夫をされております。中野区といたしましてもより適切な給付が求められ、過剰給付や不正受給を見直していくのに何か工夫していく必要があります。何か取り組まれている、もしくはお考えをお持ちであらば、お聞かせください。
生活保護に関してはデリケートな問題であり、区で対応できる部分というのは限られてくると思うんですが、自立支援には労働環境の改善も必要であります。そのような問題も含んでいるので、都や国に対して、その辺の改善を求めていくということもお願いし、この項の質問を終わります。
次に、ごみの問題についてお尋ねします。
日々、発生し続けるごみは膨大な量となっており、その処理は地球環境の保全にも影響を与える重要な課題となり、従来にも増して自治体の環境改善活動は極めて重要であります。「ごみゼロ都市中野を目指して」と掲げられている中野区としても、より一層の取り組みが求められます。
中野区においては、警察大学校等跡地に清掃工場等の建設が計画されておりましたが、ごみ量の減少と現在の焼却施設で十分に賄えるのを理由に、計画が廃止されました。現在、中野区内で発生した可燃ごみは、世田谷区、目黒区などにある清掃工場で焼却処理をしてもらっています。中野区は焼却工場を持っていません。だからこそ中野区が先頭に立ち、ごみの問題に取り組んでいく必要があります。
先日、区長の審問機関である中野区廃棄物減量等推進審議会が答申を出されました。その中には、「プラスチック製容器包装の分別回収を促進する」と書かれています。私も同感であり、中野区では家庭用不燃ごみの26%がプラスチック製包装容器が占めており、これは科学原料やエネルギーとしてほぼ100%リサイクルすることができ、あと30数年でいっぱいになると言われている最終埋め立て処分場の延命や資源の有効活用のためにも、プラスチックの分別回収を進めていく必要は言うまでもありません。区内の南北の町会で実験的に行われたプラスチックの分別回収が、今後、拡充していくと言われましても、今年度、全く施策として反映されていないのはどうしてなのかお聞かせください。
戦後、急速に広まったプラスチック。このプラスチックを使わなくする、なくすということは、今や考えがたいのが現状です。それならば、プラスチックをリサイクルするのが大量消費・大量生産をやってきた我々の責務であります。プラスチックリサイクルに関するお考えと、今後は区内全域でやっていくのか、どのように展開されるのかお聞かせください。
循環型社会を形成していくため、中野区からごみゼロ都市理念を発信するとおっしゃられておりますが、中野区は焼却工場を持っておりません。中野区で発生したごみは他区にお願いしております。だからこそ中野区が23区の先頭に立ち、区民の皆さんと行政とが一緒になって三つのR、リデュース、リユース、リサイクルを徹底していき、ごみの問題は中野区が23区のモデル地区となるようでなければいけないと考えますが、いかがでしょうか。
この項の質問を終わります。
次に、区政への若者参画についてです。
角川書店が出版しております、20代をターゲットにした若者に大人気のタウン情報誌、東京ウォーカー5月24日号の「住みたい街ベスト20」という特集がありました。そこで中野区は6位でありました。6位という数字はそんなに上位じゃないのかもしれませんが、おしゃれなまちと言われる中目黒や代官山、恵比寿、三軒茶屋を押しのけての6位に、うれしさと驚きが入りまじってしまいました。ちなみに1位は吉祥寺、続いて自由ヶ丘、下北沢となっているんですが、中野に住みたい理由としては、商店街のにぎやかさやコアなショップや行列のできるラーメン屋、雑多な北口と落ちついた南口の雰囲気がいいことが例として挙げられています。
実際に、中野区には若い方々が多数在住されております。20代の人口は総人口の18.9%を占め、23区平均の数字が15.6%と、中野区は20代人口が比較的、多い区であると言えます。しかし、区民の方の居住期間を見てみると、居住期間が10年以下の人が全体の約47.6%と、半分が居住期間が10年未満であると言え、定着率が低いのが現状であります。1年間で1割が移り住み、4年間で約半分が中野区から転出されると言われており、このほとんどが若い世代であると考えられます。アパート、ワンルームマンションが多く、都心へのアクセスがいいことから、学生、会社員の単身世帯の方が多く住まれ、卒業、結婚などで移住されるのは仕方ありませんが、多くの方々が私たちのまち中野区に夢と希望を持って来られたにもかかわらず、出ていかれてしまうのは悲しいことであります。家庭や仕事の都合もあるでしょうか、何があっても中野区にずっと住みたいとなるような魅力あるまちづくりが求められていると思います。そうすることにより、税収の安定、地域力の強化、防犯・防災へとつながっていきます。こういった現状に対しての区の御見解をお聞かせください。
定着率を高めるという問題を解消するのはさまざまな要素が求められ、そして抽象的であり、なかなか難しいことだと思います。そこで私は、自治体としての個性を持つ、独自性をしっかりと打ち出すことにより、魅力的なまち中野が誕生するのではないかと考えます。そうすることにより若者を引きつけて、ひいては地域活性化につながり、中野のまちが元気になるはずです。
隣の杉並区はアニメのまち杉並として有名で、さまざまなことに取り組まれております。杉並区では区内にたくさんのアニメスタジオがあり、アニメ産業を重要な地場産業として、平成12年度から「アニメの杜すぎなみ構想」を掲げ、アニメ産業の発展支援に取り組まれ、「アニメーションフェスティバルIN杉並」、「杉並アニメ匠塾」等、商店街などと協力した関連イベントや講座を開催しております。
機動戦士ガンダムで活性化を図っている商店街、銭湯でアニメを上映した浴場組合など、地域の中でアニメを取り入れた活動も広がっており、また区内の小学校でも授業にアニメを取り入れております。こうした一連の動きは新聞、テレビにも取り上げられ、アニメ業界はもとより、国、都も杉並区の取り組みに注目しています。私は一連の動きを見て、「悔しい。なぜ中野区にはこういったものがないか」と寂しく思いました。
そこで一つの考えとしてお聞きしていただきたいんですが、今、空前のお笑いブームであります。昔、夢見た私自身にとってはうらやましい限りでありますが、中野区には若手お笑い芸人がたくさん住んでおられます。特に、野方と中野新橋にたくさん住んでおられるそうでありますが、そして区内には中野芸能小劇場や新井町のスタジオtwlがあり,連日のようにお笑いライブが行われ、出演者、それを観覧されるお客さん、たくさんの若者が中野区を訪れています。
中野ケーブルTVで放送され、中野芸能小劇場で定期的に行われている東京ビタミン寄席が先日100回目を迎え、中野ZERO小ホールで行われました。会場は満員で、大盛況で幕を閉じました。私もお邪魔したんですが、会場の一体感とたくさんの若い方々の熱気に驚きました。何か行政がリンクすることができないか。こういったたくさんの若者を、何とか区政に参画してもらうことはできないだろうかと感じさせられました。若者のエネルギーを区政に結び付けることにより、さまざまな可能性が広がると考えますが、区長のお考えをお聞かせください。
中野区はたくさんのお笑い芸人が住んでおり、中野芸能小劇場で行われているライブがケーブルTV中野で放送されている現状があります。笑いは一番の健康のもとであり、笑うことによりがんが治ったとも言われます。そこで中野区を「笑いのまち中野」といったぐあいにキャッチコピーを付け、自治体としての個性、独自性を打ち出すようなことはできないでしょうか、お聞かせください。
平成18年度より、中野芸能小劇場も指定管理者制度になります。従来ならばお正月三が日は休館日でありましたが、民間委託することで開館することもできるはずです。例えば、お正月三が日は「新春初笑い中野」といった寄席やライブを開催すれば、新井薬師大社に初もうでを行かれた後に皆さんが劇場に足を運ばれるのも想像でき、中野区のお正月の定番となれば、区民の皆さんに喜んでいただけるのではないでしょうか。
極端な例をお出しさせていただきましたが、自治体として個性をしっかりと打ち出していくことは必ずや魅力あるまちづくりにつながり、老いも若きも我がまちに誇りを持って、愛着もわくのではないでしょうか。
この項の質問を終わります。
次に、その他で2点お尋ねさせてください。
まず、休日・夜間等の緊急災害時について1点お尋ねします。
中野区では震度5弱を超える震災時には災害対策本部を設置し、震災初動配備体制を確立し、被害状況の把握、情報収集伝達を行われるそうであります。休日・夜間等の勤務時間外に災害が発生した場合は、庁舎に職員の方がおられないので、中野区及び隣接区に居住する管理職、防災課職員により緊急災害対策本部長室態勢を設置され、必要な応急処置をとられるそうであります。しかし、災害時には発生直後の災害情報の収集が非常に重要であり、災害状況を掌握することにより、被害を最小限にとどめられるといっても過言ではありません。よって、より迅速な対応が求められます。
緊急時の指揮をとらえる管理職の方の庁舎への交通手段を現在、規定はされておりません。車、電車を利用できない状況下、自転車、バイクでなら、近隣区でなくとも、多少離れたところにお住まいでも駆けつけられるはずです。災害時の管理職の皆さんの庁舎までの交通手段、それにかかる時間を把握していれば、緊急時の対応もより確かなものになるはずです。他区ではバイク隊を組織されているともお聞きします。このようなお考えはないのかお聞かせください。
最後に、住民基本台帳についてお尋ねします。
昨日のやながわ議員と重なる部分もございますが、住民基本台帳を悪用した卑劣な犯罪があり、二度とこのような事件が起こらないためにもお尋ねさせてください。
事件は元電話販売業の男が住民基本台帳を閲覧して、母子家庭を捜し当て、留守番をしていた女子中学生にわいせつな行為をしたという痛ましい事件です。
住民基本台帳は氏名、生年月日、性別、住所の4項目について、申請すればだれでも閲覧することができます。そして、住所順もしくは世帯順に並べられており、同居している家族構成が一目でわかるのが現状です。
犯人はDM送付目的として申請を行い、150件もの母子家庭リストを作成していたそうです。住民基本台帳を利用した、非常に悪質な犯罪であります。これはお年寄りだけの家庭を捜し当てることも可能で、訪問販売などの危険性もあり、そして世帯の丸ごとを見ることができることから、オレオレ詐欺にも活用される心配があります。
この事件を受けた札幌市や神戸市では、住民基本台帳の掲載順を世帯順から50音順に変更されたそうです。このような痛ましい事件が二度と起こらないようにするためにも、中野区でも何か工夫するべきではないかと考えますが、区としてのお考えをお聞かせください。
4月より個人情報保護法が制定されました。これは民間業者が対象であり、住民基本台帳に関しては自治体任せであります。個人情報の保護をするための取り組みが進められておりますが、一方で住民基本台帳により自治体に住民登録をすることが義務付けられ、知らず知らずのうちに個人情報が流出するおそれがあるのが現状です。
中野区でも、月に50件ある閲覧申請のうち、98%が業者関係者であります。これでは本来の住民サービスの趣旨にそぐわないのではないでしょうか。住民基本台帳は法律で閲覧を認められているため、中止することができません。区もさまざまな取り組みをなされております。閲覧1人当たりの手数料は、7月1日より1,000円から3,000円に引き上げられるそうですが、閲覧申請を抑制するため、まだまだ方法かあるはずです。例えば、閲覧できる曜日の限定や閲覧時間の短縮、月末月初や3月、4月の繁忙期を閲覧不可としたり、業者の閲覧回数の制限など、一層の審査の厳格化が必要であります。
このような痛ましい事件が起こりました。事態は待ったなしであり、早急な取り組みが必要です。どのようにお考えかお聞かせください。
以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 酒井議員の御質問にお答えをいたします。
大阪市役所の職員厚遇問題についての考えと中野区の現状であります。
報道などで知る限り、大阪市役所の職員の福利厚生に関する制度運営は、公務員の人事給与制度の枠を超えた過大なものと考えざるを得ないという印象を持っているところであります。中野区では、職員の人事、給与、福利に関する制度については財政事情を勘案するとともに、社会情勢の変化に適合するよう、常に厳しく見直ししているところでありますけれども、さらに適切な情報公開に努めて、適正で区民の理解を得られるような制度運営としていきたいというふうに考えております。
特殊勤務手当の見直しにかかわる財政効果についてということでありました。
9種類の特殊勤務手当を廃止することによりまして、17年度の予算ベースで、年間約5,000万円程度は経費節減が図れるのではないかといったように考えているところであります。
また、職員互助会の見直しに関連して幾つか御質問がありました。
福利厚生事業の実施に当たっては、共済組合は法律によって、また互助組合及び互助会については、それぞれ条例によって設置をしているところであります。それで、共済組合の方は、健康保健や年金、また健康増進のための事業を行っています。互助組合、互助会は、慶弔を初めとする各種の給付やレクリエーション活動助成などの事業を実施しているところです。互助組合と互助会については、これまでも役割分担を図って事業の見直しをしてきたということでありますけれども、給付事業、貸し付け事業など、事業としてはそれぞれ同種のものを実施しているような面がやはりあるというふうに考えております。
そこで、互助組合の給付事業と貸し付け事業について、平成18年4月から区互助会へ移管することというふうにしているところでありますが、現在、区長会ではさらに踏み込んで、互助組合について廃止を含めて抜本的な見直しをするということに着手いたしております。大変重要な問題でありますので、早急に結論を出していきたいと考えております。
それから、労使交渉についての御質問であります。地方公務員法上、職員団体というものが位置付けられておりまして、職員の勤務条件について、交渉する位置付けとなっています。その交渉の経緯については、可能な限り公開をしていくことが必要というふうに考えているところでありまして、職員団体とこのことについても協議していきたいと考えています。
生活保護の問題ですけれども、景気でありますとか雇用情勢がなかなか回復しない、また、高齢化の進展、さまざまな状況があると思っております。御質問の中にもありました、若い人の就労環境が悪化しているといったようなこと、そうしたようなことなども含め、被保護人員及び世帯数は今後とも増加傾向が続くものと考えなければならない、そう思っています。
その生活保護の国庫補助負担率の関連でありますけれども、生活保護制度は憲法の理念に基づいて、国がみずからの責任のもと、すべての国民に対して健康で文化的な最低限度の生活を保障する制度であります。生活保護の国庫負担金について、少なくとも現在の負担割合を国が堅持する。これは当然のことと考えておりまして、三位一体改革といった中でこうしたことが進まないよう、区としてもしっかり働きかけを行っていきたい、そう思っています。
それから、生活保護のケースワーカーの担当しているケース、それから民間の活力を活用してはという御質問です。
社会福祉法上の標準廃止の基準、これは直接のワーカーだけではなく、相談担当員を含めて算出をするものでありまして、そして計算いたしますと、区の職員配置は基準を満たしているということであります。被保護人員及び世帯数が増加傾向にある以上、それに見合った職員の配置は必要だと考えております。担当職員について個々の資質を高めるための研修、そうしたことを充実していく。それ以外にも、組織として各職員を支える体制づくりを行っていく考えであります。それぞれのケースワーカーが孤立をしてしまうというようなことが、職員の負担をふやすことにつながるということになりますので、組織として支える体制というものが重要だと考えております。
それから、民間活用に関連してですけれども、適切な保護の実施のためには、定期的な訪問による被保護世帯の状況把握や、関係機関との連携をもとにした調査活動などをさらに充実させていく必要があるというふうに考えています。さらに今年度から始まった自立支援プログラムなどを活用して、今後も保護の適正な実施に向けて努力していきたいというふうに考えているところであります。一部の業務の中に、民間の力をということも検討している向きもあるように聞いておりますけれども、現状で実施するといったようなところまで、中野区としては評価しているわけではないということであります。
それから、区政への若者参画ということであります。
基本構想では、中野のまちの将来像を多彩なまちの魅力と支え合う区民の力のあるまちと描いているところです。区民の若者の力も生かされ、若者にとっても魅力あるまちづくりを目指していきたいというふうに考えているところです。
若者の力、若者の魅力というのが発信され、中野のまちの魅力というふうにつながっていくということが期待をされているわけでありますが、まち全体としては、やはりそうしたことを通じて人々が中野区に注目し、中野区を訪れてくださる。あるいは中野区から新しい価値が発信されることを通じて、雇用であるとか、あるいはまちそのものへの活気がよみがえるといったようなことも期待されるところであります。そうしたことの一つのきっかけとして、お笑いの道を目指している若者が中野区にたくさん住んでいらっしゃる。あるいは芸能人、タレントの方でも、実際にそうした中野区に住んでいらっしゃる方がかなりたくさんいらっしゃるということも、実際にお会いをしたりする機会もありまして、実感しているところであります。中野区にとってのそうした力を、まちの一つの魅力を高める要素、資源として活用していくということも、今後、考えていく必要があるのかなというふうに思っております。
先ほどお話にありましたお笑い、笑うことが病気の回復でありますとか、免疫機能の向上といったようなことにつながるんだという研究成果があって、自治体で実際にそうしたことに取り組んでいるという事例があるような、そういうニュースなども私も見ているところでありまして、お笑いという身近な文化をもう一度、中野というまちの中で見直してみるということを進めていく必要があるのではないというふうに考えております。
私からは以上であります。
〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
○区民生活部長(本橋一夫) ごみ問題についてのお尋ねにお答えをさせていただきます。 まず、プラスチック製容器包装の回収についてですが、対象地域の拡大につきましては、現在、実施しております地域での回収状況等を検証して、財政状況も踏まえた計画的な拡大をしていく必要があると考えました。また、現在、自治体が負担しております回収、運搬、圧縮、こん包、保管費用の事業者負担等につきましても、容器包装リサイクル法の改正が検討されているところでもあります。その動向も見据えていく必要があるということから、今年度は地域拡大を見送ったものでございます。将来的には全区展開をしていく考えでおります。
次に、清掃工場が所在しない区としての取り組みについてですが、中野区といたしましては、先ほどお話ししましたプラスチック製容器包装分別回収につきましても、他区に先駆けまして平成15年度から開始しております。資源化施策に取り組んでいるところでございます。今後も他区に率先して、より一層の発生抑制、再使用及び再生利用を推し進め、ごみの減量を図るとともに、これまでの使い捨て文化を見直し、人にも地球にも優しい循環型社会を目指して、中野区からのごみゼロ都市の発信に努めてまいりたいと考えております。
それから、住民基本台帳の閲覧制限についてのお尋ねでございます。
区ではこれまでも不当目的の閲覧を抑止するため、さまざまな措置を講じてきたところでございます。御紹介のありました手数料の引き上げのほかにも、例えば昨年、中野区における証明書の交付等の請求及び届け出等にかかる本人確認等に関する条例を定めまして、閲覧申請の手続を厳しくし、それに応じない場合には閲覧を拒否できるようにしております。また、本年4月からは業者の閲覧申請につきまして、会社の登記簿謄本の提出を求めるなど、審査の厳格化を図っているところでございます。
今後の区の対応につきましては、現在、検討が進められております法改正がどの程度の閲覧制限になるのかを見ながら、区としての対応を検討していく予定でありますが、御提案のありました事柄につきましても、その検討の中で参考とさせていただきたいと考えております。
以上でございます。
〔総務部長石神正義登壇〕
○総務部長(石神正義) 私からは、災害時の参集及びバイク隊の結成についての御質問にお答えをさせていただきます。
緊急災害対策本部長室というのを、休日・夜間、こういった勤務時間外にも発生した災害対応について設置することにしております。これについては管理職と区内の職員、これによりまして体制を整えるわけですが、御質問にありましたように、実際に参集訓練というのは実施してございません。そういうことがありまして、自転車、それから徒歩、バイク、こういった形で参集訓練を実施していきたいと思いますし、また迅速性を高めていきたいというふうに思ってございます。
これまで3度ほど10キロ圏内の職員を対象に参集訓練をやってございます。その参集訓練の結果によりますと、最短で1分、これは集まる施設の隣に住んでいる方がいたわけですが、それから最長で4時間半、これだけかかっておりますが、大体30分以内には訓練者の60%、約600人くらいが集まってこれるということがわかりました。震災時の初期配備体制の要員というのは、ある程度確保できるのではないかなというふうには思っておりますか、訓練を続けまして、迅速性を高めていきたいというふうに考えてございます。
また、バイク隊の編成でございますが、他区の実態をちょっと聞いてみたところ、職員によるバイク隊というのは結成されているところはないわけでございます。しかし、消防庁であるとか、他区では消防団の方々が初期消火、応急手当て、こういったところに機動性を発揮することを目的に設置しているというふうに聞いてございますので、実態把握等をしてみたいというふうに思っております。
以上でございます。
○議長(高橋ちあき) 以上で酒井たくや議員の質問は終わります。
中野区議会議員 近 藤 さえ子
1 自治の担い手を育てることについて
2 野方駅の問題について
3 その他
○議長(高橋ちあき) 次に、近藤さえ子議員。
〔近藤さえ子議員登壇〕
○8番(近藤さえ子) 平成17年第2回定例会において、私に届いた区民の声を一般質問させていただきます。
まず、自治の担い手を育てることについてです。
中野区は新たに基本構想を策定しました。この基本構想では、区民それぞれが持つ力を発揮して、区民がみずから決定し、行動し、参加して、中野区の自治を担うことを理念に掲げています。民間業者ができること、民間業者が請け負った方が効率がよいことは民間に委託し、区民の力でできることは区民に任せ、役所自体を小さな区役所にしていく方向には私も賛成です。自治体の運営に、そこに住まう区民の意見が反映され、多くの区民が関心を持って参加するのならすばらしいことだと思います。ただ、私がいつも気がかりに思うのは、一体だれがどのように担っていくのかということです。例えば、地域センターを運営委員会が運営していくとして、具体的にだれが運営委員になり、運営委員会を担っていくのだろうと、現場にいる者は顔を見合わせて考えます。
先日、野方地域センターで行われた説明会に参加したのは、私を含めて8人でした。そして、参加される方は、実際に長く地域の活動をしてこられた大抵は顔なじみの方々です。
今、多くの地域活動で担い手不足が問題になっています。例えば、PTAも子どもの数が少ないのですから、参加する親も少なく、PTAの委員を決めることも大変な状況です。子どもの数は年々減り、一方お母さんたちの多くは外で働く女性です。幼い子どもや介護する老人を抱えて、平日、家にいる少ないお母様方と働いている保護者が時間をやりくりして、持ち回りで何とかPTA委員を引き受けているのが現実です。そのお母さんたちは言います。「本当に子どものためになることであれば、そのとき大変でも何とか頑張ろうと思うけど」。
例えば、町会の方の中で青少年育成の活動をされている方。かつて自分の子どもが青少年だったころから何十年も地域の青少年のために活動をしてこられ、今や孫たちも大きくなった方々が、そろそろ世代交代したいわねとおっしゃっていらっしゃるのを耳にします。けれど、次を引き継ぐ担い手はなかなかあらわれません。
例えば、高齢者を支える担い手。昨年、保健福祉部で立ち上げた「元気でねっと」では、高齢者の登録は16年度末で1,877人、その高齢者を支える協力員はわずか71名という現実です。この71名が協力員になってくださるまでにも、職員は人材集めに随分苦労された様子でした。これから急速に進む高齢化社会の中、高齢者を支える仕事はふえ続けていきます。人材を集めるということは大変なことです。以前から続いてきている住民がつくる地域活動でさえ、人が集まるのに苦労している現状で、これまで行政が担ってきた仕事を住民による自治によって担ってもらうと一概に言っても、その担い手はいるのでしょうか。団塊の世代が地域に戻ってくるときを一つの担い手がふえる時期と考えていらっしゃるようですが、具体的にその方たちがどんな形で地域に入って担い手となるのでしょうか。教えてください。
今、行政は計画をつくり、説明責任を果たす作業、皆さんの声を聞く作業に追われているようにも見受けられます。基本構想、自治基本条例と区民の方向性、かかわり方などを示す作業はしてきました。今度は自発的に運営に参加したいと思っている区民を動かし、育てることと、今まで地域のことに関心のなかった多くの区民がほんの少しでも中野区のことに関心が持てるように、そこから自発的に参加していける道をつくこと、それらが大事な仕事になってくると思います。そのために行政がしなくてはならないことはたくさんあります。補助金の有効な使い方もその一つです。
中野区はかつて補助金等の検討協議会をつくり、48年答申、中野区における補助金等のあり方についてと、49年辻答申とよばれる答申もつくりました。運営補助ではなく、事業に着目した形で補助金を出してきました。当時、大変先進的な答申であったと聞いております。
しかし、時代は変わりました。積極的な区政への参加や民主的な自治体運営というより、それらが行政に変わって私たちの生活を支える団体へと変わる可能性があります。財政難の中、同じパイで、よりよい仕事をしてくれる団体や事業を育てていかなければなりません。既存の団体に加えて、新たにNPOなど新しい団体も出てきました。さらにまた、他の新しい担い手が出てくることも考えられます。既存の団体、これから育とうとしている団体への補助の仕方は、真に区が補助するべき事業、活動であるかどうかを精査することが必要になってきます。
先日、平成16年度財政援助団体等監査結果報告が配られました。その中に、補助額の算定及び補助金の執行体制をも含めた運営状況等を精査した上での補助とすべきであるとの報告がありました。新たな担い手を育てるためには、運営の補助と事業のための補助をうまく使っていく必要もあると思います。中野区では補助金等の見直しがされていると聞きますが、どういう視点で見直されているか教えてください。
例えば、我孫子市では市の補助金を一たんすべて白紙に戻し、その補助金を希望する団体を公募します。募集があったものを市民の委員会、これは第三者機関ですが、審査をし、その結果に基づいて補助金を交付します。一度決まった補助金も最長3年間で白紙に戻し、応募があれば再度審査するという公募制をとっています。行政と市民の役割分担の中で、真に市が補助するべき事業、活動であること、団体等の決算における繰越金の額は、補助金の額を超えてはいけないことなどと厳しいものになっています。限りある財源の中で市民の自主的、自発的な活動を奨励する工夫がなされていると言えます。
また、この我孫子市の場合は、市の公募補助金を受けるに当たっては、「我孫子市の景観を育てる会」でしたら都市計画課、「老人クラブ連合会育成補助金」でしたら介護支援課というように、新しい事業も既存の事業も3年に1度の管轄事業部を通して提出された書類が一堂に集められ、公募審査を受けるという仕組みになっています。市の職員も現在どんなサービスが必要で、余り必要のないサービスを抱えてしまっていないかを見直す機会になっております。また、第三者のチェックを受けることで、事業や団体に透明性、成長性を見ることができます。時代に合った真に必要なサービスを手に入れる仕組みづくりがなされていると言えます。中野区の補助金の基準にも透明性や成長性など、新しい発想の基準を新たに加える必要があると思いますが、いかがですか。
先日、PTAの一員として、家庭教育学級の説明会に出席しました。家庭における教育のあり方を学習する、幼稚園、小学校、中学校で実施、PTAの自主活動を援助するとともに、身近な問題の解決についての学習に取り組むため、各PTAへ企画・運営を委託するという内容です。
講師を招いて話を聞くのですが、働いている保護者が多いため、当日の参加者を集めるのも一苦労です。電話連絡網を回して、ぜひ出席してくださいと言うのも毎年の恒例です。次の人に回しますが、この連絡さえなかなかつながらないのが現状です。
昨年この事業を担当した方が、「時代が変わっている中、インターネットも普及し、保護者は多くの情報の中にいるのに、忙しい時間を費やし、企画し、人集めをして講師の話を聞くこの事業が、本当に今の時代にふさわしいのかと思った」というような内容の感想を述べられていました。この事業に出されている補助金はわずかなもので、昨年と比べ金額も縮小し、2校共同開催などやり方も工夫されてきています。保護者の自主的な活動と言うにはかなり無理がありますが、これは身近な1例で、保護者の中ではPTAの交流の意味では楽しい事業という認識です。しかし、事業別に補助金がついているために、無理しても何とかこなしているという事業がほかにも少なからずあると思います。わずかな金額でもひもつき補助金のため、とりあえずやれば仕事は終わると、事業をこなすことに精いっぱいになってしまい、その人の新たな活動への参加を制限してしまうことも見受けられます。
財政難の中、担い手を民間、区民に移行する前に、真に区民が求めるサービスは何か。行政の責任で残さなければならないサービスは何か。子どもの健全育成など、決して採算性はない事業はどうやって維持するのかなど、区民の自己責任に任せる前の環境づくりが行政の大切な課題であると思います。補助金等以外にも事業の見直しなど、区民が動きやすい環境を整備するために、お考えがあればお聞かせください。小さな区役所でも、中身のきっちり詰まった区役所になることを切に願って、この項の質問を終わります。
次に、野方駅の問題です。
西武新宿線野方駅の問題は、野方地域の議員の皆様がたびたび質問されていますし、先ほども質問がありました。野方の地域の喫緊の課題です。やはり私のところにもたくさんの方から、どうして野方駅だけがバリアフリー化さえも実現しないのかという問い合わせが寄せられています。
区は昨年度から調査のために予算もつけ、交渉もしているのですが、一刻も早くバリアフリー化を実現してほしいと願っている方には、進捗状態が全然見えてきません。どのくらい野方駅の問題が深刻であるかを、私も少しお伝えさせていただきたいと思います。
もう半年以上前のことですが、野方駅の交番に私の身内の者がいました。そこに70歳代後半ぐらいの女性が入ってきて、都立家政駅はどうやって行くのですかと尋ねたそうです。野方から都立家政の駅は、踏切に立って見ればすぐ見えるぐらい近いのですが、普通の道を通っていくと70代の方にはちょっと道のりがあり、都立家政の駅の北口方面に用事があるのと、南口方面に用事があるのでは行き方が違うので、都立家政のどこに行きたいのかを交番の警察官は尋ねました。するとその方は電車に乗りたいとおっしゃったそうです。目の前が野方駅なのに、野方駅からは乗れないと言うのです。目の前に駅があるのに、わざわざ隣の駅まで歩いていかなければ電車に乗れないなど、何とも悲しいことです。とぼとぼと都立家政駅を目指すお年寄りの後ろ姿を見送り、警察官も私の身内も何とも言いようのない思いだったそうです。
この数年、野方駅から中野駅に行くバスの中で知り合いのお年寄りに会うと、中野駅から新宿に行くという方に何人もお会いしました。少し前までは、西武新宿線で新宿に行っていった方々です。やはり野方駅の階段が上がれないのです。車いすで出かけたい方も、野方駅さえクリアすればほとんどのところに行けるのにと残念そうでした。高齢者の皆さん、足の弱い方、ベビーカーを持っている方などの外出は皆さん大変不便しています。しかし、これほど不便なのにもかかわらず、野方駅だけが手つかずの状態で残されている理由がわからないまま、地域の皆さんは我慢して暮らしているのです。
区は北口開設に向けて動いていること、昨年1月には区民、区議会、区の3者で期成同盟を結成したこと、今春には沿線まちづくり勉強会が立ち上がったことなど、野方駅にまつわる課題、取り組み、現在の進捗状態を、状況もわからないまま我慢している区民に対して、区報や説明会等で伝えるべきではないでしょうか。
北口開設や連続立体化などを検討されていますが、どちらも交渉にも時間を要し、費用が莫大にかかる事業です。今、野方駅を使えずにつらい思いをしている人たちのために、当面の策として西武鉄道側にリフト(階段昇降機)の設置を要請することはできないのでしょうか。今、目の前にいる、困っている人を何とか助ける手段はないのでしょうか。一刻も早い野方駅のバリアフリー化と北口開設を切望して、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 近藤議員の質問にお答えをいたします。
補助金など、自治の担い手の育成支援についてということであります。
区民の皆さんが地域の活動をそれぞれに担っていただいている。その担い手がこれからも継続的にあらわれてくれるのか。また、もっと多くのことを担っていただくことを期待することができる状況なのかといった問題意識については、私も同じように考えているところです。そうした中での区民活動団体への補助のあり方、どういう見直しを行っているのかということでありますが、先ほど言いましたように、区民の公共公益活動への期待も高まっているという中であります。補助金の考え方そのものについて、団体の運営補助をするのではなく、事業を補助するといった考え方については、基本的に同じように考えているというところであります。そうした中で、公共公益の概念あるいはその領域といったようなことについて、これまでの既成概念にとらわれることなく、どういった領域、どういった活動に対して補助をしていけるのかといったようなことについて、検討するべきだというふうに考えております。
団体は自主・自律を原則としておりますから、こうしたことを基本として、公平・公正な補助のあり方というものを追求していきたいということであります。補助金は公金でありますので、透明性といったようなことについては当然、重視をするということになると考えております。
また、補助金の適用について、第三者機関に全面的にゆだねるといった、我孫子市の例を挙げていただきました。客観性や公正性、透明性を確保するという意味では、そうした第三者機関のあり方というものは参考にするに値するというふうに考えているところであります。しかしながら、全面的にゆだねられるかというと、予算というものは長が編成をして議会が議決する。その議決に基づいて執行されるということでありますので、その使い道について、どこまでその第三者機関というものに責任をゆだねるのかということについては、一定の議論が必要なんだろうというふうに思っております。
それから、区の役割といったようなことです。やはり、区民の活動に期待するというだけではなく、区側も行政として行うべきことについてしっかりやっていくということ。また、区民団体、区民の活動が発展するためのさまざまな方策をするということも大事なことだと考えています。区民団体の活動が発展していくためには、資金面だけでなく、活動の場や情報の提供、またネットワークづくりなどへの支援も重要な要素だというふうに考えております。また、区民の活動における、活動のノウハウを提供していく、人材育成というのでしょうか、そういったようなことについても、区として取り組んでいく必要があるのではないかといったようなことを考えています。
また、団塊の世代についても言及がありました。団塊の世代の人々の特徴として、これまでの高齢者の方に比べてということですけれども、既成の人間関係に縛られない、幅広いネットワークを志向し、また地域での新しい人間関係を求める人も多い。そんな印象を持っています。区としては団塊の世代も含め、新しいシニアの人々が持っている多様な能力が地域で生かせる機会をつくる、そうした形で支援していきたいと考えています。
野方駅の北口の問題であります。
野方駅北口というのは、当然、西武線の踏切問題と密接に関連をしているということであります。西武線に関連しては3者の期成同盟というのが、これは踏切問題全体について、とにかく解決策をつくっていく。そして、長期的には全線地下化ということを目指して結成されたところであります。また、連続立体化の推進も含め、長期のまちづくりを検討するということで、沿線まちづくりの勉強会が立ち上げられたということであります。そうした取り組みとは別に、北口開設については、差し迫っている踏切問題解決のための短期的な取り組みということであります。こうしたことをわかりやすく区民に説明するように努めているところであります。
なお、リフトの設置を要請するかということでありますが、北口改札とバリアフリー化の実現に向けて、西武鉄道と具体的な協議を進めているところでもありまして、区として具体的な検討を進めているわけでありますので、リフトの設置を要請するという考えはございません。
〔近藤さえ子議員登壇〕
○8番(近藤さえ子) 再質問させていただきます。
西武線のことなんですけれど、区報で説明をしていただけるということはできないですか。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 区民にお知らせをしたり説明したりということの中で、区報が最も重要な媒体の一つでありますので、区報の活用ということも当然、視野に入れているということであります。
○議長(高橋ちあき) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。
議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後2時44分休憩
午後3時08分開議
○副議長(江口済三郎) 会議を再開いたします。
一般質問を続行いたします。
中野議会議員 はっとり 幸 子
1 「新しい中野をつくる10か年計画」策定の基本的な考え方について
2 介護保険制度改正に伴う課題について
3 「ごみゼロ都市・中野」をめざす取り組みについて
4 国勢調査について
5 スクールソーシャルワーカー導入について
6 その他
○副議長(江口済三郎) はっとり幸子議員。
〔はっとり幸子議員登壇〕
○18番(はっとり幸子) 2005年第2回定例会におきまして一般質問をいたします。
最初に、新しい中野をつくる10か年計画におきまして、10か年計画策定の基本的な考え方についてお尋ねをいたします。
約20年前につくられた、これまでの基本構想のもとで計画された第2次長期計画は、1997年から来年度2006年までの10年間の計画でした。策定当時の人口推計では、2006年の住民基本台帳ベースで約26万人に減少するとの予測でした。策定時、既にバブル経済崩壊後でありましたが、行政運営の姿は変わらず、箱物建設のオンパレード計画でした。福祉の分野でも行政が建物をつくり、そこに配置する人も区の職員の公設公営、介護保険制度導入前でヘルパーも区の雇用、すべて税金で賄われる計画でした。長期計画期間中の財政収支の想定は1兆円を超え、計画事業費で約1,760億円を見積もっていました。
公共サービスは、すべて行政が税金を投入して行うことが当たり前に考えられていた時代でしたが、税収が減り続ける今、財政難からそうした公共サービスのつくり方ができなくなり、さらに区民の多様なニーズに行政だけではこたえられない時代となりました。少子化、高齢化が急速に進む中、例えば保健福祉センター機能の必要性は失われるどころか、より多様なサービスの必要性を含めてますます高まっています。子育て支援センターは保健福祉センターなどを含む総合公共サービスセンターへと移行する考え方は、まさにそうした必要性から検討されているものだと思います。
高齢者福祉においては介護保険制度が導入され、市民活動団体を含む民間の事業者の参入によって、官民一体となった新しい福祉サービスの展開が求められています。そうした社会状況を踏まえ、持続可能な地域社会づくりに向けた行政を進めるための中野区の基本計画が、これから策定される新しい中野をつくる10か年計画であるのだと思います。
10か年計画は従来の長期計画のように、建物建設や職員配置による人件費などの計画事業費を積み上げ、それを示す計画ではないと思います。区民の新しい価値観に基づいた目標をきちんと定め、その目標を達成するために民間の資金や力の活用、区民の力を生かすことなど、さまざまな手法や資金の組み立てが柔軟に行える計画にすることが、新しい公共サービスを広げていくことにつながります。今、中野区においても、従来型ではない基本計画づくりが求められていると思います。
5月半ばに佐藤議員や他の自治体議会の議員5人で岐阜県多治見市を訪ね、西寺市長を初め、職員の方々から昨年12月に改定された市の総合計画についてお話を伺いました。総合計画といえば、30年前の武蔵野市計画と言われてきたそうですが、多治見市の計画はそれを超えたと評価する研究者もいます。西寺市長は「どの自治体でも総合計画は飾り物で機能しないと言われている。計画づくりの段階から実現可能性を考えることなくつくられ、夢物語や絵そらごとであっても、それを承知でつくられていることが多い」と言います。
多治見市では2001年から10年間を期間として策定されている第5次総合計画の後期計画を、1年間かけて見直し作業を行い、昨年12月議会で基本構想と合わせて可決・成立しました。多治見市の総合計画の見直しのテーマは、中野区とも共通する持続可能な地域社会づくりでした。今後、市の税収は確実に減り、国や県の財政危機によって加速されることが危惧される中で、なお地域が元気を持ち続けるために何をなすべきか。市民が生き生きと暮らしていくためにこれから何をする必要があるのかということを、市政の中心に据えた計画だとしています。
多治見市は改定総合計画策定に入る際、計画は拡大的ではなく、行財政改革を重視する。行政と市民の役割をできる限り明らかにし、行政の仕事をスクラップする。施策の優先順位付けを行うなどを踏まえ、市の経営規模を縮小する自治体ダウンサイジングに挑戦する計画づくりをしています。一般財源の大幅な減少を予測した財政推計をもとに、職員は事務事業のスクラップ、延期、縮減など、極めて厳しい作業を強いられたようです。
多治見市は総合計画を行政運営の根幹に据え、人事考課である目標管理制度でも、組織目標の設定にそのセクションにおける総合計画、行政改革の課題や市長の指示を目標のメーンとして組み込んでいるかどうかが厳しくチェックされる体制が組まれ、総合計画が人事考課の面でも中心的な役割を果たしているということです。
ことし2月、区長は所信表明の中で10か年計画について、「基本構想で示した将来像を実現していくためには、財政的にも事業の効果から見ても、その実現可能性を裏付ける目標の設定と事業の計画が必要となります。区ではこれまでの議論を踏まえ、持てる資源をすべて検証した上で、新しい中野をつくる10か年計画を、この秋には区議会や区民の議論をいただいて策定していきたいと考えています」と述べています。
そこでお伺いしますが、現在、秋の策定に向け、検討が行われている新しい中野をつくる10か年計画と、これまでの長期計画とはどのように違うとお考えでしょうか。また、計画の性格、計画の特色など、どのようにお考えでしょうか。策定に当たっての区民参加の手続をどのようにお考えでしょうか。現在、実施されている行政評価制度は、10か年計画にはどのように位置付けられるのでしょうか。策定に当たっての基本的な考え方について、具体的にわかりやすくお答えいただきたいと思います。
新しい中野をつくる10か年計画策定については、まだ庁内の理解が十分とは言えないのではないでしょうか。ぜひ、職員間の議論を活発にし、自治体の総合計画のあり方を大きく変える試みに挑戦していただきたいということを要望して、この項の質問は終わります。
2番目に、介護保険制度改正に伴う課題についてお伺いします。
介護保険法の改正案は6月には成立の見通しのようです。今回の改正の最大の柱は、介護予防を重視する新予防給付導入で、介護の必要度が低い高齢者に筋力向上トレーニングなどをしてもらい、身体機能の低下を防いで、介護給付費を抑えることが期待されているようです。調理など、従来の家事援助サービスが制限されると、今まで受けていたサービスが受けられなくなるのではと、利用者から不安の声が上がっています。
掃除、洗濯、買い物、食事づくりなど、ヘルパーに支えられているから要介護度も上がらず生活ができているのにとか、どうしても筋トレをさせられるのか、気が重いと訴える人など、区内でも法の改正に不安の声が出ています。軽い介護者への給付が、予防に重点を置いた新予防給付に変わるとされていますが、その内容がわからないため、サービスを減らされるだけなのではないかと不安が大きいようです。さまざまな不安は国の情報提供が不足していて、いつまでも詳しいことがわからないためだとは思いますが、不安に感じている受給者への対応について、区はどのような対応をお考えでしょうか。
「診察待ちの患者のケアをするスタッフを置いている病院はごく少数なのに、制度改正案では通院する際の待ち時間の給付は廃止になる。介護給付は受けられないが、ヘルパーを拘束するので、事業所は対価を支払うことになる」と事業者は言います。また、「創設される新予防給付や地域密着型サービスなど、新規事業への参入が必要となるが、改正後の介護報酬の予測ができないので、参入への準備ができない。要支援、要介護1などの軽度の利用者が半数を占める弱小事業所としては、事業を継続していけるのだろうか」と不安を隠せない様子です。介護保険の創設時の目標の介護の社会化は同居家族対応化へ、サービスの自己決定の範囲は狭められ、キーパーソンとなる新しい職種のケアマネジャーの質のばらつきが依然として大きい状態で、利用者の生活を左右している。今回の改正では、給付への不正請求が多いから適正化を図ろうとしているが、制度設計に不備があり、抜け穴があるから起こる。こういう状態を見直すのが本当の制度改正ではないのかと怒っています。小さくても良心的で、きめ細かな活動を行っている事業所に対し、区として何らかの対応は考えられないでしょうか。お伺いします。
また、虚弱高齢者への介護予防を初めとする地域支援事業を始めることについては、十分なサービスを提供できるのでしょうか。新たに設置する地域包括支援センターなどについての検討など、現在の準備状況を伺います。また、今回の改正で事業者への指導など、保険者としての権限が強化されると聞いていますが、課題は大きいと思います。十分な体制がつくれるのでしょうか。お考えを伺います。
法が改正され、これまで利用してきたサービスが使えず、生活に困る場合、何のための保険料支払いかと不満が生じ、制度への不信感につながることが心配されます。介護給付費を抑えるのに最も効果的なのは、在宅で暮らせる期間を長くすることであり、そのためには在宅介護への安心感を高めるケアマネジメントが大変重要になってきます。
6月に改正法が成立後、7月ごろには恐らく政省令が出され、改正の内容が具体的になるのだと思います。今回の制度改正を中野区の将来に向けた期待につなげるための取り組みを進めることは、保険者としての区にとって大変重要なことだと思います。どのようにお考えでしょうか。改めて区長のお考えを伺います。
三つ目に、「ごみゼロ都市・なかの」を目指す取り組みについて伺います。
ことし3月、中野区廃棄物減量等推進審議会は、区長から諮問を受けた「ごみゼロ都市・なかの」を目指す具体的な戦略についての答申をまとめています。ごみゼロとは、まずごみそのものを出さない。繰り返し使い、有効活用する。それでも出たごみは、徹底的に資源として有効に活用する。さらにごみを燃やすことによって出たエネルギーの回収に一層努めながら、残った灰を資源として有効に利用し、最終的に埋め立てざるを得ないごみをゼロにしようというものです。
中野区内には焼却工場などの処理施設がなく、私たちが出したごみは他区の施設で処理されていることが答申で繰り返し述べられ、私たち区民の暮らしや事業者の活動にごみを出さないという視点が欠かせないこと、ごみゼロに向けた区民、事業者、行政の果敢な挑戦が期待されると書かれています。
2003年度の中野区のリサイクル経費も含む清掃事業費は51億2,800万円、区民1人当たり平均約1万6,622円にもなります。道路やビルなどの建設費に比べて、生活になくてはならない費用だと多くの人が考えていました。しかし、国も自治体も巨額の借金を抱える中、ごみ処理の費用も聖域扱いではなく、環境負荷の少ない社会を目指して納税者負担、すなわち税の投入から生産者、消費者負担へ転換していくことが必要です。答申に示された具体的な戦略から、4項目について区のお考えを伺います。
1点目、ごみ処理・リサイクル費用がどれだけかかっているか。区の廃棄物リサイクル会計を作成することについてです。私も以前からその必要性を主張してきました。各自治体の比較が可能な算定基準を設けることなど課題はありますが、積極的にコスト情報を区民に公開していくことが必要だと思います。答申には区民の払った税金をペットボトルの処理に使うか、教育や少子・高齢化対策のために使うかという投げかけを行うと理解されやすいと、大変具体的に書かれています。どのようにお考えでしょうか。伺います。
2点目に、家庭ごみの有料化についてです。
答申では区民に対し、一般会計に占める清掃リサイクル費率を示し、福祉や教育など、他の行政分野との間での税の有効利用という観点からの訴えを区民に行い、ごみを出さない工夫をするか、ごみを出してその費用を負担するかを一人ひとりが選択できるようにするために、いわゆる有料化の議論が必要だとしています。有料化によってごみ減量へのきっかけづくりや、ごみの減量に取り組む人とそうでない人との不公平感をなくせるという意見、さらに有料化を出発点にごみ問題の議論ができるようになり、行政もごみ減量や資源化のための制度や環境整備をより一層、推し進めることができるという積極的な意見と、一方で有料化して一時的にごみの量は減っても、数年で増加に転じる場合もあるという意見が併記され、また有料化が目的ではないので、まずは徹底したごみ減量の仕組みを導入することが大切などの意見もあったようです。
家庭ごみの有料化実施については、区民の議論の場を整えることが提案されています。いつごろの設置をお考えでしょうか。伺います。
3点目、ペットボトルの分別回収については、現在の拠点回収制度を維持しながら、まだ設置されていない店舗や学校などの公共施設に回収ボックスを設置することなど、回収拠点をふやすことについて、区の今後のお考えを伺います。
4点目は、リサイクル経費の節減を図るために、プラスチック製容器包装を回収・運搬した後の選別や一時保管などを行うストックヤードを区内に整備することについては、どのような検討をされているのでしょうか。伺います。
4点目に、国勢調査について伺います。
ことしは5年に1度の国勢調査が実施されます。個人情報保護法の施行などによって、今回の調査は前回までの調査とは社会状況が変わり、個人情報保護に対する市民の意識の高まりはかつてない状況にあります。総務省も今回は調査員向けに、世帯のプライバシーを守るためにという個人情報保護マニュアルを配付し、調査表が封入された封筒は絶対にあけないということを徹底するとのことです。国は調査員や指導員の報酬、事務費、人件費など、各自治体への委託金は一律の算定をしていますが、全世帯が封入提出したか、そうでなかったかによって報酬に差をつけるなどの自治体もあり、調査員報酬は自治体によって異なるようです。
9月20日から実施される国勢調査に向けて、実際に調査を行うのは区であり、調査員に対する指導を行うのも区です。これまでの調査方法などをめぐり、区民から寄せられた意見、苦情などを踏まえ、区民に不安や懸念を抱かせないよう、個人情報保護に配慮する観点からの取り組みが必要だと思います。全世帯封入提出など、ぜひ検討すべきと思います。今回の国勢調査にどのように取り組むお考えでしょうか。伺います。
時間の関係で、その他の項の住民基本台帳大量閲覧の規制について質問をいたします。
佐藤議員がことし第1回定例会で、個人情報保護の観点から住民基本台帳の大量閲覧規制強化について、区における取り組みを厳しく求めたところです。その後、御承知にように、名古屋市で住民基本台帳から写し取った情報が犯罪に悪用されるという事件が、ことし1月に起きていたことが明らかになり、新たな課題が突きつけられました。他の自治体同様、中野区においても閲覧しているのは98%が民間事業者で、ほとんどがダイレクトメール発送などに使われていると見られ、振り込め詐欺やストーカー行為にも利用されているのではとの指摘もあります。規制を強化する自治体がふえる中、国においても法の改正に向けた検討が行われているようです。
中野区は昨年、独自に中野区における証明書の交付等の請求及び届け出にかかわる本人確認等に関する条例を制定し、その9条で区長は不当目的の閲覧請求を拒否することができるよう規定しました。また、今年度、新たに幾つかの閲覧事務の変更も行うなど、大量閲覧を抑止する対策をさまざまに工夫していると聞いています。具体的にどのような取り組みをされているのかお答えください。
条例改正などの新たな規制強化については、昨日のやながわ議員の御質問に国の動向を見ながら対応されるお考えを示されましたが、区民の不安にこたえるためにも、改めて今後の区の取り組み姿勢について伺っておきたいと思います。
きょう、たまたま日曜日に配られる区報が会派の控え室に届けられました。この中で、1ページの区長が書かれている「小径・より道」に、「一方、だれもがほっておいてもらえないのが住民基本台帳の閲覧です。大量閲覧など、首をかしげたくなりますし、犯罪に使われた例もありました。公開を原則とする制度のあり方が問われています。住民の権利や義務のもととなる公正な記録として一定の公開制は必要ですが、個人情報の持つ意味が大きく変化している今、時代に即応していくことも重要です」と述べておられます。区長の決意を含め、御見解を改めて伺いたいと思います。
ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) はっとり議員の質問にお答えをいたします。
10か年計画の策定について。今回の計画では基本構想の中で、区民の暮らしや活動から分けた四つの領域と、その柱ごとにそれぞれ10年後に実現するべきまちの姿を目指した具体的な施策の方向と、主な取り組みを示していくということを考えているわけであります。今回の計画においては、将来像がどれだけ実現されていくかを図るための具体的な成果指標と目標値を設定して、事業のPDCAサイクル、計画、実施、評価、改善のサイクルが機能するようにしていきたい、こう考えております。
行政評価制度はどのように位置付けられるかという御質問でありますが、各年ごとの事業の成果について評価をして改善していくという、10か年の計画を動かしていく上で、非常に重要な意味を持つのが行政評価ということになるわけであります。
これまでの長期計画との違いということでありますが、施策ごとに指標と目標値を設定し、その取り組みの成果を明確に示すということ。また、その目標体系に向けた取り組みを示す戦略的な計画であって、柔軟な施策展開を図っていく。つまり、事業をあらかじめ事業の羅列のような形で計画をつくり、事業が自己目的化されるといったような計画ではなく、目標をきちんと設定して、それに向けて成果を確認しながら改善を加えつつ展開していくといったようなところが、これまでの長期計画の考え方とは違っているというふうに考えています。
また、10年間の財政運営について一定の見通しを立て、その財政運営の中で可能な範囲で新しい事業に取り組む。そのためには事業を縮小したり廃止したりする見直しというものも同じように取り組んでいくといったようなことで、財政運営の見通しを立てて、実現可能な計画としていくといったような点でも、今回の10か年計画はかつての長期計画とは異なっているというふうに考えています。
介護保険制度の改正に関連した御質問です。弱小事業者への対応ということですけれども、介護保険サービス事業者に対して制度改正の内容など、事業運営上、必要な情報については、区として提供していくことに努力をするということであります。また、新しい制度に合わせて、サービス事業者の連絡会などを通じて研修を行うといった支援をするなど、事業者が安心してサービスの提供に努められるような環境をつくっていくということは重要だと考えているところです。
それから、地域支援事業についてであります。地域支援事業に含まれますのは、筋力トレーニング等の介護予防事業、それから相談支援、マネジメント等の包括的支援事業、その他権利擁護事業等であります。
地域支援事業は、区の責任において実施する事業でありまして、必要なサービスの提供が図れるように準備をしていかなければならないというふうに考えております。現在、国の制度の動向などを見据えながら、区としての具体的な計画というものをつくる上での分析等を行っているというところであります。
新予防給付についてですけれども、新予防給付は改善の可能性の高い廃用症候群の方が多い軽度の方を対象に、重度化を防ぐことを目的として導入されるものであります。要支援や要介護1の方のうち、新予防給付の対象となった方について、本人の機能の維持・回復に役立つという視点からつくられた、適切なケアマネジメントに基づき、提供される訪問介護については認められるとされているところです。新予防給付の内容について、ケアマネジャーを初め、事業者や介護サービス従事者、それらに十分周知を図るとともに、サービス利用者が不安を感じないような方策を講じていきたいと考えております。
保険者機能が強化をされるということが、この改正の一つの趣旨ということもあります。制度改正によって保険者としての権限が強化をされ、またその責任もこれまで以上に重くなっているというふうに受けとめているところです。保険者として十分な体制を整え、区民が安心して介護サービスを利用できる環境を整えたいと考えています。今後、制度改正の内容が確定していくのに合わせて、情報提供も充実していきたい、こう考えています。
国勢調査についてであります。国勢調査の調査方法については、区が現在、着々と準備を進めているというところであります。
調査方法につきましては、調査世帯の情報が外部に漏れることのないよう、調査員への指導の徹底を図るとともに、調査表についてはすべて封入形式で回収することを考えているところであります。
私からは以上であります。
〔区民生活部長本橋一夫登壇〕
○区民生活部長(本橋一夫) 「ごみゼロ都市・なかの」の目指す取り組みについての御質問がありました。
まず、ごみ処理やリサイクルなどのコストの情報の提供などについてですが、区といたしましては、区民にごみ量ですとか処理・処分のコストなど、ごみに関する問題、現状やリサイクルの状況、最終処分場の延命等々の課題につきまして説明し、理解、協力を得られるよう努力していくことが重要であると考えております。
また、家庭ごみの有料化につきましても、区長会としても検討しているところであります。区といたしましては、ごみ処理やリサイクルにかかる経費などの情報を区民、事業者にわかりやすい形で提供していくことを考えております。御提案のあった事項につきましても、工夫をしてまいりたいと考えております。このわかりやすい資料をもとに、区民や事業者にごみ問題の現状や減量、有料化などのねらい等につきまして、さまざまな機会をとらえて話し合いを重ね、有料化についての合意形成を図ってまいりたいと考えております。
ペットボトルの回収についてですが、回収拠点の少ない地域を重点的に、販売店舗に対して回収拠点となるよう働きかけてまいりたいと考えております。また、効率的なペットボトル回収を目指しまして、今年度、試験的に区内2か所にペットボトルをチップ化して回収する機械を設置する予定であります。
回収資源の一時的保管・積みかえ施設についてですが、このあり方については、資源回収事業の安定的、継続的な推進や運搬等のコスト節減などの観点から、現在、検討をしているところでございます。
それから、住民基本台帳の閲覧制限についてでございます。区としての取り組みについてですが、昨年3月に、中野区における証明書の交付等の請求及び届け出にかかる本人確認等に関する条例を定めました。閲覧請求を受ける際、閲覧目的に関する書類を提示できない場合には不当目的とみなしまして、閲覧を拒否することができるように定めております。また、本年4月からは、区が大量閲覧を抑制するために新たに講じた対策といたしまして、閲覧席を縮小したほか、会社の登記簿謄本の提出、日本情報処理開発協会のプライバシーマークなどの取得の有無の確認、消費者生活条例に基づく行政処分の有無の確認、閲覧後の転記内容等の確認などがあります。
今後、国におきます改正の動向を見ながら、それがどのような制限になるか、これらを見ながら、ただいまいただいた御提案なども含めまして、区としての対応を検討してまいりたいと考えております。
○副議長(江口済三郎) 以上ではっとり幸子議員の質問は終わります。
中野区議会議員 斉 藤 高 輝
1 中野駅周辺まちづくりについて
2 歩いて暮らせるまちづくりについて
3 図書館行政について
4 次世代育成支援行動計画について
5 地震対策について
6 その他
○副議長(江口済三郎) 次に、斉藤高輝議員。
〔斉藤高輝議員登壇〕
○37番(斉藤高輝) 第2回定例会に当たり、質問通告に基づき順次、質問をいたします。
それでは初めに、中野駅周辺まちづくりについて質問をいたします。
中野駅周辺まちづくり計画が区長の決定により策定されました。特別委員会にも報告のあったところであり、これを受けて特別委員会は警察大学校等跡地を除くという調査事項の一部変更を行い、今後の中野駅周辺のまちづくりについて継続して調査することになり、先般、議会の議決と委員の補充も行われたところです。
私たちは、計画はおよそ50ヘクタールの計画対象地域のまちづくりの方針と手法の概略が定められたもので、詳細と具体化はこれからという内容のものと考えています。特に、中野駅そのものや駅前広場の改善、アクセス道路の整備等は、今後の中野区全体のまちづくりにも関係してくる、極めて重要な課題だと認識しています。
そこで先日、区長にもお届けしましたが、この5月、公明党中野総支部の青年局のまちづくりプロジェクトのメンバーが中野駅とその周辺のまちづくりについて、区民の皆様の御意見を伺うアンケート調査を行い、公明党議員団のまちづくり委員会と協力して中間報告を取りまとめました。そこでこの調査の内容も踏まえて、特に中野駅の問題を中心に、まちづくりについて質問いたします。
アンケート調査の中野駅とその周辺地域について、最も改善してほしい点は何ですかとの質問には143名、全体の25.6%の人が駅前ロータリー、南口、北口の混雑解消を挙げています。また、ガード下以外の南北通路の確保についてが69名、西口、東口の開設を増設が45名で、両方合わせて20.4%の人が中野駅を利用したりする上での歩行者アクセスの改善を望んでいます。駅構内のトイレや段差等のバリアフリーは88名、15.7%の人が望んでいます。この点については、私もずっと指摘をしてきたところですので、やっぱりとの感想を持ちました。
区のまちづくり計画でも、これらの点について、例えば北口、南口とも歩行者、バス利用者の安全性に問題があることは指摘されています。しかし、早急な改善が必要とされる北口については、短期的整備の対象とはしていますが、暫定整備をするとしているだけで、いつまでにどのような本格整備を想定した上で、暫定的に何を整備するのかについては明確になっていません。
計画の中で、中野駅地区の整備目標に掲げられている歩行者の東西南北方向の回遊性の確保を目指すことについても、新たな歩行者ネットワークの動線の確保と述べるにとどまっています。さらにアンケート調査でもその他と答えた人が140名、25%もいたことに注目すべきであると、まちづくり委員会のメンバーは分析しています。それは、中野駅から遠くない地域を調査対象として選んだにもかかわらず、その他と答えた人の多くが野方駅や沼袋駅の改善、あるいは中野駅は使わないということを理由に挙げているからです。
中野駅が中野区内に居住する人にとって、必ず利用する駅ではないということを踏まえて考えると、中野の顔としては魅力ある駅及びその周辺空間を形成するという計画の整備目標は、かなりハードルの高い目標であると言えます。最も改善してほしいものとして、駅ビルの開発を74名、13.2%の人が挙げています。このこととあわせて、アンケートの2番目の質問で、中野駅周辺まちづくりのプランで関心のあるエリアはと質問していますが、サンモール・ブロードウェイと答えた人が108名、およそ20%に達しています。これは警察大学校跡地の次に多い答えでした。
この二つの解答から言えることは、中野駅周辺のにぎわいに関する環境と施設整備は、他の東京圏の魅力ある地域が競争相手になるということでしょう。これまでとは違った地域性や、他に見られない都市の魅力が存在する空間、自然と都市施設の見事な調和や、我が会派が提案しているように、ホタルの里などを考えてまちづくりしなければ、都内どころか中野区内からも、交流人口を中野駅周辺の地域に引きつけることは困難ではないでしょうか。特に、食事や音楽にかかわる魅力的な施設の集積を、駅を中心とした既存商業集積地域、北口や南口の商店街などの中で目指していかなければならないと考えられます。
そこで伺います。中野区では、中野駅とその周辺駅前広場等の開発のために、16年度に調査を委託して実施したはずですが、その成果はどのようなものでしょうか。いつごろ明確にお示しいただけるのでしょうか。また、短期的な整備として、計画に示された駅及び駅周辺の施設について重点的にバリアフリー化を図る、特に、新たな医療施設の開設等の環境も考慮し、歩行者環境の整備を最重点とする、駅前の人だまりや安全性を改善するため、コンコースや北口広場などの安全対策を行うというものは、いつまでにどのような内容で整備するのか。具体的整備計画の策定と整備手法も含めて、その整備への基本的取り組みの考え方を区長に伺います。あわせて、具体的問題については、いつまでに明らかにする考えでいるのかを、関係理事者にも伺いたいと思います。
また、その他のまちづくりの課題をアンケートでは質問していますが、放置自転車対策を含めて、道路の狭さや危険さを挙げる意見が多いことが注目されます。中野区の道路等の都市基盤の未整備の状態が明確になるお答えでした。
そこで伺います。この際、中野区の道路を中心として、公園等の都市基盤整備の考え方をまとめてはいかがでしょうか。中野駅周辺のまちづくりが全区的な広がりを持って、中野のまちが災害に強い、安全で住みやすいまちになるような計画を策定すべきであると考えます。基本構想は策定されました。基本計画も策定されるでしょう。しかし、まちづくりの分野は明確に、それと同時に計画を持たなければならないと考えます。東京都段階での取り組みの動きも見られる現在、強力な取り組みを進めてはいかがでしょうか。田中区長のお考えを伺って、この項の質問は終わります。
次に、歩いて暮らせるまちづくりの取り組みの一つとして、まちづくり、商店街活性化、障害者の就労まで展開が考えられるという、高齢者のお休み処の設置について伺います。
NHKの人気番組に、「難問解決、ご近所の底力」という番組があります。5月12日に「わが家でいつまでも暮らしたい、まちのお茶の間に出かけよう」というタイトルの内容の放送がありました。ここで取り上げられた我孫子市の高齢者のお休み処に早速、同僚の飯島、こしみず議員が出かけてきた調査の報告を伺い、これは中野区でも実施が可能な高齢社会のまちづくりの一つではないかと思い、私は提案を含めて質問いたします。
湖北台地区社会福祉協議会がこれまで取り組んできた、高齢者が歩いて健康になるために、出歩きやすくなるお休み処を我孫子市が取り込んで、商店街活性化と結びつけた施策として実施したというのが基本構造のようであります。成田線湖北台駅前商店街の空き店舗を市が借り上げ、そこを駅前お休み処として市の社会福祉協議会に委託して、運営を湖北台の地区社協にお願いしているというもので、費用は家賃と光熱水費、それにわずかの運営費を市が持って、人件費等は一切ないというもので、年末年始、お盆を除き、休みなしで10時から午後の4時まで行っております。
我孫子市の高齢者の行動調査では、出かけるのは買い物のときが一番多かったことから、当初から高齢者の外出と商店街活性化を結びつけての施策の発想だったようであります。
地区社協の会長さんからさまざまにお話を伺ったようですが、私が同僚議員から報告を受けて感激したのは、こうした取り組みが発端となって、この商店街の歩行者天国が地区社協に許可するという形で警察から認められ、浅草のサンバチームがやってきたり、電飾がついたり、桜のライトアップをしたりとか、立派に地域の活性化につながっているということであります。
地区社協の機関紙にも、「我孫子市がお休み処を設けた目的は、福祉施設であることをあわせて、お休み処の運営が商店街の活性化につながってほしいということであります。湖北台地区社協は、そういう目的を持ったお休み処の運営を市から委託されたという立場から、地区社協の従来の活動方針に商店街の活性化を目指して、地元商店街の活動に協力することをつけ加えました」と書かれております。また、それ以上に感激したのは、このお休み処が新しいサービスを開始していることで、高齢者の方が買い物で荷物が重くなったときに利用できるポーターサービス、荷物を運んでくれるサービスを、知的障害者の作業所と提携して実施していることです。市からの運営費およそ80万円のほとんどが、このサービスのために地区社協から作業所に寄附されているそうです。
我孫子市ではこのほかにも、空き教室を利用したふれあいサロン、個人の住宅を利用したつどいの家等の事業を実施していますが、湖北台地区の社協では、これらの施設にお休み処を開設して、地域の高齢者で歩き、サポートスポットにしています。気軽にお茶が飲めてトイレが利用できる。このトイレ利用も大事なポイントだそうです。
そこで伺います。高齢社会に突入して、まちづくりの基本の一つは歩いて暮らせるということになりつつあります。中野区でもこうした高齢者のまちのオアシスを整備して、今、住んでいる地域で安心して暮らしていける、ハードとソフトが融合したお休み処のような施設を、まちの人々の力を活用して整備してはいかがでしょうか。商店街の活性化にもつながります。新しい就業の機会ができるかもわかりません。いろんな人との出会いが健康で生き生き過ごすポイントのようです。
シルバー人材センターへ委託して、ボランティア組織との連携を図るとか、コミュニティビジネスとしての立ち上げも考えられます。お休み処は高齢者は無料でも、だれでも利用できるということでは、若い人は有料とか、いろいろと展開が考えられるのではないでしょうか。
平成16年度の駅前のお休み処の利用者は、午前が5,420人、午後が5,213人の、合計1万633人でした。限定された地域での利用としてはかなりのものです。毎年の行政評価でも効果ありと判断されているようです。歩いて暮らせるまちづくりについては、また高齢者の活動支援、商店街活性化、障害者の就労支援等、さまざまな視点からのまちづくりの取り組みについてどのようにお考えでしょうか。基本構想の将来像とも重なることが多いと思いますが、御見解を伺い、この項の質問は終わります。
次に、教育ビジョンの策定に関連して、区立図書館の問題について伺います。
「可能性を伸ばし、未来を切り拓く中野の教育」という表題がついた中野区教育ビジョンだけで、中野の教育が飛躍的に発展するとは考えにくいところです。大きく8点、掲げられた目標を達成していくためには、さらにそれぞれの分野における具体的な取り組みを明らかにした実施プログラムと、それを支える理念の明確化、共有化が不可欠と考えます。これまでも本会議や総括質疑、文教委員会等で同僚議員が同様の指摘を行ってきたと思います。私はここではそれらを踏まえて、目標の6にかかわって重要な役割を果たす区立図書館について質問をいたします。
中野区教育ビジョン(案)では図書館について、目標に対する取り組みの方向として次の4点を掲げています。1、区民の知的満足を高め、知る権利、学習する権利を保障し、交流や地域の文化を育む共有の場として、やすらぎや潤いが感じられる空間として図書館を整備する。2、図書館は地域館ごとに特色をもたせ、ITの活用による利便性の向上など、サービスの充実に努める。3、図書館は今日の社会的、経済的課題に対応した、生涯にわたる能力開発や人生をより豊かに有意義に過ごすために必要な情報を提供する。4、図書館と学校図書館との連携や就学前の子どもとその保護者を対象とした図書の充実などにより、学校図書館の地域利用の拡大を図る。
教育ビジョン(案)は整備する、充実に努める、情報を提供する、拡大を図るなど、情熱が余り感じられない言葉で締めくくられております。厳しく言えば、ここには中野区の区立図書館が何を目指して運営されているのか、理念や使命、目指すものの片りんもありません。
1994年に行われたユネスコ公共図書館宣言には、公共図書館の使命として12の項目が掲げられています。参考に幾つかを引用しますと、幼い時期から子どもたちの読書習慣を育成し、それを強化する。個人の創造的な発展のための機会を提供する。青少年の想像力と創造性に刺激を与える。市民がいかなる種類の地域情報をも入手することができるようにする等ですが、全部引用すると長くなるのでこの辺でとめておきますが、中野区の教育ビジョン(案)中の文言に比べて、いかにも力強い公共図書館の使命の表明があります。
静岡市立図書館は、使命として次の3点を掲げています。1、図書館の自由に関する宣言に基づき、知る自由を守ります。2、市民の暮らしや仕事やまちづくりに役立ちます。3、学びを通してさまざまな個性が育つことを助けます。
これらを実現するために職員の専門的能力を高め、市民本位のサービスを追求します。また、運営についての情報も積極的に公開し、市民と行政が協力し合うことで成長する、開かれた図書館を目指しますとしています。
浦安市立図書館は、浦安市立図書館の目指すものとして、図書館に働く私たちは本を読むこと、情報を得ることは人が生きる上で大きな力になることを信じています。私たちは読みたい、知りたいという希望に対し、それがどんなに小さなものであっても謙虚に受けとめ、専門職として培った経験を生かし、その実現への助力を惜しみません。私たちは社会の動きを敏感に察知し、一人でも多くの市民が読むこと、知ることを享受できる環境を守るため、最善の努力をします。私たちは市民の得た知ることの喜びを自分の喜びとし、図書館の仕事を誇りに、生き生きと働く図書館員を目指しますという言葉を掲げて、その後に運営指針、年度の重点目標を定めて図書館の業務に取り組んでいます。
このほか、日野市の図書館は図書館の自由に関する宣言を掲げ、町田市立図書館は理念と目標を明示して、調布市立書館は基本方針と運営方針を明確に示して図書館運営を行っています。
そこでお尋ねします。中野区の区立図書館でも、こうした図書館として目指すものを明文化して掲げ、図書館事業の推進を図っていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。ちょうど教育ビジョン案を策定中でもあります。また、図書館業務の委託を実施しているのですから、なおさら区立図書館として目指すものを明確にして、サービス向上に一貫性を持たせることを図ることが必要ではないでしょうか。図書館の設置者の見解をお尋ねいたします。また、教育長の見解も伺っておきます。
第2点としては、子どもの読書運動への取り組みについて伺います。
側聞するところ、文部科学省も中野区の子どもの読書に関する取り組みは高く評価しているようです。このほど文部科学省の関係する事業として、子どもの読書活動推進のための調査を、中野区立図書館として日本で唯一の市立の子どもの専門図書館で、中野区内にある財団法人東京子ども図書館と協力して実施されるようですが、その内容はどのようなものなのか、概略で結構ですが、お答えください。
私は学校のみならず、家庭、地域での取り組みについての調査・研究がぜひとも必要と考えていますが、この点については、いかがお考えでしょうか。質問いたします。
以上でこの項の質問は終わります。
次に、中野区次世代育成支援行動計画について伺います。これは説明を省きまして、質問に入らせていただきます。
まず第1点は、中野区次世代育成支援行動計画と新しい中野をつくる10か年計画の関係についてお聞きをしておきます。
中野区次世代育成支援行動計画には、取り組みの内容として四つの体系が示されているが、これから作成を予定している10か年計画にどのように具体化しようと考えているのか、お考えをお聞かせください。
第2点は、行動計画の中で子育てを社会全体で支える。そのために家庭、地域、学校関係機関の連携が示されておりますが、学校の統廃合や地域センター、児童館の見直しとは整合性はとれるのか、お聞きしたいと思います。
次に、関連して区役所の行動計画について伺います。
区内最大の事業者である区役所にも、当然この計画の策定が義務付けられており、この4月に特定事業主行動計画が策定されていることと思います。区の職員には区民の厳しい目や条例・規則等のさまざまな制約があることは承知しておりますが、この法の趣旨に沿って率先した取り組みが求められているのではないかと思います。
そこで、2点伺います。
第1点は、職員のための子育て支援対策を実効あるものとするためには、区長みずから職員の要望の反映やニーズ調査を行っていると思いますが、職員が納得し、協力できる取り組みを行う必要も重要と考えますが、職員の協力を得る方法をどう考えているかお聞きします。また、特定事業主として具体的な支援の取り組みを行うわけですが、例えば従来の制度を利用しやすく改善したもので期待されるものがあると思いますが、例を出して説明していただきたい。
第2点は、行動計画を具体化するに当たり、体制整備や職場環境整備を実現するための、区としての取り組み内容を実現していくための予算措置について考えているのかお聞きします。
この項の質問は終わります。
次に、地震対策ということで、第1点は耐震対策への取り組みについて伺います。
一瞬のうちにまちを破壊し、6,433人の命を奪った阪神・淡路大震災から丸10年が過ぎたわけであります。いつ起きてもおかしくない地震に備え、建物の耐震化は最も重要な地震対策の一つであります。
兵庫県の復興10年委員会がまとめられた報告書を拝見すると、一言で言えば、未解決で置き去りにされたままの問題の多いことに愕然とします。また、内閣府の調査によると、住宅の耐震性を高めた人は7%に満たないと言われています。阪神大震災のとき、亡くなった人の92%の方が発生から15分以内に亡くなったということであります。その原因は、建物や家具などの倒壊、転倒による圧死と言われております。備えあれば憂いなしのごとく、耐震補強に全力で取り組むときではないでしょうか。
そこで私は平成3年予算特別委員会で、小・中学校の耐震診断及び耐震補強について質問いたしました。中野区は昭和46年以前に建築された小・中学校37校を対象に診断した結果、5校に問題があると、初めてその実態を明らかにした答弁でありました。それから、平成7年に阪神・淡路大震災があったことから耐震診断についても話題になり、質問をさせていただきました。私はこの平成3年の質問で5校に問題があると答弁があったため、補強工事も終わっていたと思っていたところ、平成7年の阪神・淡路大震災までのこの4年間、耐震診断も耐震補強も実施した学校はありませんと。しかし、今後はこの大震災を教訓として、できるだけ早く対応していくとの驚いた、私の質問に対しての教育長の答弁でありました。その後、同僚議員の発言もあり、小・中学校の17校の耐震補強工事も、平成9年から平成15年までの7年にかけて工事が終わったということになります。冒頭にこの話をしたのは、小・中学校を除いたこれからの公共建築物の耐震診断について、真剣に取り組んでいただくためであります。
当区の昭和56年以前に建築された庁舎を初め、福祉施設、図書館、旧保健所など、耐震診断の結果、指摘された施設は全部補強工事は終了しているのか。あわせて診断並びに補強工事が終了していない場合、その施設名をお聞かせください。
次に、保育園と幼稚園の耐震診断について伺います。
私はこの件については平成8年第4回定例会で質問し、耐震診断の対象となる保育園は31園、幼稚園は4園、計35園であり、平成10年度までに保育園、幼稚園のすべての耐震診断を完了する予定であるとの答弁がありました。この答弁を信用してきましたが、耐震診断後の補強工事の実施状況はいかがなものでしょうか。あわせて耐震診断の結果、精密診断と言われた施設があるということならば、保育園等の名前をお聞かせください。
次に、耐震補強の質問の最後になりますが、もう1点伺います。
既に同僚の飯島議員が質問したことでありますが、中野区の耐震改修助成の中で実施されていないのが、一般の共同住宅への建物保証型と言われる制度であります。今後の震災対策の中心は、一般住宅の耐震補強をいかに推進していくかであることは、被害軽減戦略を柱とする中央防災会議の決定を見れば明らかです。一般住宅の耐震診断・補強の推進に欠かせないのが、耐震補強したことによるメリットを認識してもらうことだと言われています。東京大学生産技術研究所の目黒助教授は、「地震の前に、自分で耐震改修を行った人に万一、被害を受けたときの保証を約束することで、改修を促進することができる」と、「東京大震災は必ず起きる」という本の中で語っております。
中野区の建物保証型制度は、区の制度による改修工事を行った後、評価が1以上となった共同住宅を対象に、工事完了から10年間、震度6(中野区の震度)以下の地震で全損となった場合、区が改修工事し、改修工事費相当額を補償するという制度であります。改修をして被害に遭ったときの補償があることは、一見、地震保険のように見えますが、大きな違いが一つあります。それは、保険に入っても耐震性能は向上しませんが、耐震改修は住宅の安全性が高まり、生存の可能性が大きくなり、被害軽減につながるということであります。中野区の制度にもこうした効果は認められます。しかし、実施には高いハードルがあり、なかなか困難だろうと思います。既に行政と住民の双方に利益のあるシステムが、さきの目黒助教授等から提案されております。これらのシステムの提案を検討して、国や東京都と連携を強化して、新たな耐震改修システムの構築を目指すべきではないでしょうか。区の見解を伺います。
また、中野区の場合、耐震と耐火の両方の改修が重要です。この点についても検討を始めるべきではないでしょうか。お考えを伺います。
第2点目として、災害時に避難場所や防災活動の拠点になる、小・中学校の体育館の窓ガラス飛散防止対策について伺います。
教育経営分野の中に地震対策として、小・中学校体育館の窓ガラスの再点検を行い、窓ガラス飛散、落下防止工事の予算が計上されておりますが、窓ガラスには飛散防止フィルムを張るなどし、ガラスの飛散を防止することは大切なことだと私も思っております。窓ガラスには強化ガラスとか網ガラスとか普通ガラスに飛散防止フィルムがありますが、現在、窓ガラスはどのようなものを使用しているのか。また、中野区教育委員会は、区立小・中学校を減らす再編ということで考えなければならないことがあります。それは再編対象となる小・中学校の体育館の窓ガラス飛散について再点検を行い、その結果、飛散、落下防止工事を行うと考えてよろしいのでしょうか。
関連して、保育園の窓ガラスについても伺います。
私は昨年の第2回目定例会で区の保育園の安全度という立場から、保育園全園が飛散防止やフィルム措置がとられているのか、その実態について質問をいたしました。そのときの部長の答弁を紹介しますと、「保育園の窓ガラスの飛散防止策は、園児の避難経路に面する窓ガラスのうち、強化ガラス以外の普通ガラスに飛散防止フィルムを張る措置を、既に全園で実施済みです。なお、それ以外のすべての普通ガラスについても、飛散防止フィルムを張る措置を順次進めているところであります」と。
そこで理解できないことは、今まで中野区は全園で窓ガラスは実施済みだと思っていたわけですが、それ以外の普通ガラスに飛散防止フィルムを張る措置を順次進めていくということですから、例えば保育園の中で普通ガラスにフィルムを張っていない場所があるのでしょうか。あるとすれば、それはどの辺を指すのでしょうか。また、小・中学校の体育館のように、現在、窓ガラスの再点検を行い、順次、窓ガラス飛散防止工事を実施しているということで理解していいのでしょうか。全普通ガラスに飛散防止フィルムを張っていない園の名前を、この際お聞きしておきたいと思います。
この項の質問は終わります。
次に、その他の項目で2点質問いたします。
第1点は、内部障害者への支援について伺います。
内部障害は心臓機能、肝臓機能、呼吸器機能、膀胱、または直腸機能、ヒト免疫機能障害の六つの障害に分けられると言われております。厚生労働省の身体障害者・児の4年前の実態調査を見ても、423万5,000人いる身体障害者のうち、内部障害者は約85万人と、身体障害者の4人に1人を占めていることになります。内部障害者は外見からは障害がわからないわけであります。内部障害にとって共通の悩みは社会的認知が低く、その言葉すら知られていないということであります。
例えば、受けやすい誤解として、障害者用のスペースに駐車したら警備員に注意された。電車やバスの優先席に座ると冷たい目で見られたといった誤解が後を絶たないわけであります。こうした現状を打開しようと、内部障害と内部疾患者とその家族たちが内部障害者の存在を周囲に示すことからハート・プラスマークをつくり、公共施設や交通機関などに普及させる活動を始めたわけであります。これがそのマークであります。愛知の万博で公的な場所として初めてこのハート・プラスのマークの表示板が提示され、また国会で我が党の井上義久衆議院議員が、テレビ中継された予算特別委員会でハート・プラスマークの写真を提示し、内部障害者への理解と支援を訴えたことから、関係者から喜びの声が広がってきているわけであります。
そこで伺いますが、当区の身体障害者手帳を持っている人のうち、内部障害者、内部疾患者はどのくらいの率になるのでしょうか。また、ハート・プラスマークを区民の多くに区報、その他を通して啓発活動を行ってはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
この項の質問は終わります。
最後に、高齢者の認知症の予防対策について伺います。
このタイトルについては、仙台市と品川区を例にしてお聞きいたします。
仙台市は、高齢者が元気で長生きできる社会を目指し、東北大学未来科学技術共同研究センターの河島隆太教授が研究を進めております。これは簡単な文章の音読や単純な計算に取り組むことで脳の働きの活性化を、学習療法という手法を用いております。その結果、痴呆症状の改善や予防に効果を上げているほかに、世代間交流を進め、新たな地域づくり運動としても期待が高まっていると伺っております。また、品川区でも、東北大学の河島先生の学習療法をもとにした生き生き脳の健康教育を実施し、16年度の生き生き脳の健康教室の成果を見ても、痴呆の予防を一つとっても大きな効果を上げているということであります。
そこで、当区の考え方をお聞きしますが、学習療法がこの認知症予防、介護予防の対策はこれから極めて重要となってまいります。痴呆症状の改善や予防に効果があることがわかってきたということですから、当区としてもこの問題については具体的に検討してはどうか伺っておきます。
以上で私の質問は終わります。ありがとうございました。(拍手)
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 斉藤議員の御質問にお答えをいたします。
中野駅等の整備に関する委託調査についての質問であります。
実施をされた区民アンケート調査についての結果を、私もいただいたところであります。タイムリーな調査ということで貴重なデータをいただきましたので、このことについて感謝したいと思います。
平成16年度の委託調査におきましては、中野駅と駅前広場等の現在の問題点等について整理をし、整備の方向性を打ち出すために国土交通省、JR東日本、東京メトロ、東京都の関係者を交えた中野駅及び駅周辺整備構想検討会を設置して、調査・検討を重ねたわけであります。この調査・検討によって回遊性の確保、広場の改善、駅施設の機能向上など一定のまとめを行って、中野駅周辺まちづくり計画に反映させたところであります。
調査の内容については、御報告もしてきたところだと考えております。
今後はこれらの成果をもとに、短期的整備、長期的整備のそれぞれについて、具体的な整備に結びつく協議を関係方面と重ねていくということであります。
中野駅周辺まちづくりで示した中野駅等の整備に関する短期的な取り組みについては、本年度以降、関係方面と精力的に協議をして、実現を図りたいと考えております。具体的な整備内容につきましては、中野区交通バリアフリー整備構想に基づいて、上下移動の円滑化などについてJR東日本などと十分に連携をとり、早急に実現できるよう調整を図っていきたいと考えております。
コンコースや北口広場の安全対策などにつきましては、長期的な視点も必要でありまして、そうした長期的な視点も加味しながら、今後のまちづくりの中で実現を図っていくということになると考えております。今後のまちづくりのあり方について、現在、検討しているところでございます。
それから、道路を中心とした都市基盤整備について、一定の計画的な考え方を持つべきでないかということであります。
道路や公園等の都市基盤施設については、区の都市計画に関する基本方針であります、都市計画マスタープランに基づいた個別の計画によって整備を進めてきました。この都市計画マスタープランは、区の基本構想に則して定めることとされているわけでありまして、今回、策定をしました新しい基本構想に基づいて、一定の改定が必要になってくるものと考えています。この都市計画マスタープランの改定を行う際に、道路や公園など、都市基盤整備の考え方を明らかにしてまいりたい、そう考えております。
それから、歩いて暮らせるまちづくりのお休み処という御質問であります。我孫子市のお休み処についての例を挙げていただきました。
高齢者や障害を持った方の健康維持や社会参加に役立ち、また地域コミュニティの核にもなるような施設、こういうものが商店街にできるということは、今後のまちの活性化という観点からも望ましいというふうに考えております。御提案のような取り組みが、区の実施している空き店舗活用の事業の中でも一つの方向となり得るという認識を持っているところであります。そうした多様な観点から、お休み処といった事業のあり方、そうした発想なども取り入れて、今後、検討してまいりたい、そう考えております。
私からは以上であります。その他については、それぞれ担当の方からお答えをいたします。
〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 私からは、図書館の運営方針をきちんと明示したらどうかという点についてお答え申し上げます。
中野区の図書館につきましては、これは区民の知的な要求にこたえ、人生をより豊かに過ごすための情報提供をするなど、知識、情報の交流や地域文化をはぐくむ場となることを目指して、区民サービスに努めておるところでございまして、一定の評価を得ていると思っております。
具体的に図書館の目指すものをきちんと明示することで、サービスを提供する側も、また受ける側も、共通理解ができる安定した運営ができると考えられますので、わかりやすい明示方法を工夫していきたいと、そのように考えてございます。
〔教育委員会事務局次長金野 晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野 晃) 私からは、子どもの読書運動への取り組みと体育館の窓ガラスの飛散防止についてお答えいたします。
子どもの読書活動推進のための調査でございますが、この調査・研究事業というものは、教育関係機関や読書関係団体がつくる実行委員会が、文部科学省の委嘱を受けて実施するという形になっているものでございます。中野区におきましては、7月から実行委員会をつくろうということで、現在、関係者間で調整中でございまして、東京子ども図書館、ボランティア、学校、児童館、図書館が参加するというようなことで協議中でございます。
今、考えられております事業内容といたしましては、子ども読書の推進のための住民向けの講演会、また読み聞かせの実施、読み聞かせ指導者向けへの研修などということでございます。子どもの読書につきましては、今後、関係者間の連携を強め、推進を図っていきたいと考えております。
次に、体育館の窓ガラスの飛散、落下防止の工事についてのお尋ねでございます。
現在、小・中学校の体育館の窓ガラスにつきましては、強化ガラス、網ガラスのほか、一部は普通ガラスが使われております。今回の工事では小・中学校全校の体育館について調査を行い、飛散防止のフィルム工事を実施している学校を除き、落下、飛散の危険がないようにフィルムを張る工事を行うことにしているものでございます。
この調査と工事につきましては、すべての学校について行うということでございまして、学校再編の計画の対象になっている有無にかかわらず、実施をすることにしております。
〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 私からは、次世代育成支援行動計画につきましてお答えを申し上げます。
10か年計画との関係でございますけれども、本年3月末に決定いたしました中野区次世代育成支援行動計画につきましては、中野区基本構想の理念でありますとか、将来像に沿ったものとして策定をしております。その項目につきましては、10か年計画に先立って行うべきものとして策定をしておりまして、その後、策定する10か年計画と整合するものというふうに考えてございます。
また、家庭、学校、地域、関係機関との連携と、学校再編でありますとか地域センター、児童館の見直しとの整合性ということでございました。現在、地域の中で子育てにかかわります団体が、さまざまな活動に取り組んでいただいておりますが、こうした活動をさらに広げ、子どもたちの豊かな成長を地域全体で見守り、家庭、学校、地域、関係機関の連携をさらに強めるという観点から、子どもにかかわる施設の再編等の検討を行っているというところでございます。
続きまして、保育園の窓ガラスにつきまして、飛散防止対策の御質問がございました。
昨年、御質問にありましたように、お答えしたとおりでございますけれども、避難経路に面するガラス以外の部分につきましては、ベランダ等に面する窓ガラスで、普通ガラスのところがございます。これらにつきましては、中野、大和、あさひ、南台、野方など、未措置の園が11園ございます。これらにつきましても、飛散防止フィルムを張る措置を進めてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
〔総務部長石神正義登壇〕
○総務部長(石神正義) 私からは、事業主としての次世代育成支援行動計画について、また、区有施設の耐震補強工事についてお答えさせていただきます。
まず、事業主としての次世代育成支援行動計画でございますが、この4月1日から実施してございます。これを実効あるものとしていくためには、まず職員の理解を深めていく必要があるというふうに考えてございます。このために育児休業リーフレット、これを作成して職員に配付すること。また、研修やOJTでさまざまな機会をとらえて制度の周知を図るということ。また、職場の管理職が休暇・休業をとりやすい環境をつくっていくというようなことを考えてございます。
また、取り組みの状況でございますが、従来の制度を利用しやすくした改善例ですが、これは子どもの看護のための休暇、これを17年度から、1日単位での取得から時間単位で取得できるような、こんなような改善もしてございます。
また、予算の措置でございますが、制度を活用しやすくするということではいろんなことをやっているわけですが、特段、職員向けについては予算措置はしてございません。ただ、特定事業主として来客用の対策、これが求められているわけですが、17年度につきましては、乳幼児と一緒に利用できるトイレの改修、ベビーベッドの設置、こういったことについて予算措置をしているところでございます。
次に、区有施設の耐震工事でございますが、移転、除脚の計画のある商工会館等を除きまして、耐震補強工事について、耐震診断を実施した保育園及び幼稚園を含むすべて危険と判断されたものについては、補強工事は終わってございます。しかし、診断の結果、精密診断を要すると言われたものについては、現在その対応を検討しているところでございます。
その具体的な説明でございますが、沼袋地域センター、鷺宮地域センター、野方図書館、もみじ山文化センター西館及び南台三丁目アパートでございます。保育園では本郷保育園、南江古田保育園、新井保育園、桃が丘保育園及び野方保育園でございます。
以上でございます。
〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、震災対策につきましての2点の御質問にお答えをさせていただきます。
まず初めに、新たな耐震改修システムの構築につきましてでございます。
現在、目黒助教授が提唱されているような、耐震改修をした建物のメンテナンスを継続的に確認できるシステムを含めた保証型耐震改修助成の早期実現に向けた検討をしているところでございます。
2点目でございますか、耐震と耐火を前提とした改修につきましての御質問でございました。
耐震と耐火が同時に図れる施策としては、都条例に基づきます新防火規制区域、この区域内における木造住宅の建てかえ助成事業につきましては、既に実施をしておるところでございます。耐震改修を要する建物は、かなり築年数を経た木造建築物を想定しております。倒れないということで、火災の危険はある程度減少するものの、耐震改修をする際にあわせて十分な耐火性能まで持たせる改修を行うということは、なかなか難しいものと考えております。このため、まち全体の耐火性の向上につきましては、建てかえを促進するためのさまざまな方策により図るべきであると考えております。
以上でございます。
〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
○保健福祉部長(菅野泰一) 内部障害者の支援ということで、ハート・プラスマークの普及につきまして、御質問につきましてお答えいたします。
区内の身体障害者手帳所持者のうち、内部疾患者の割合につきましてはわかりませんけれども、内部障害者の割合につきましては、およそ26%でございます。
ハート・プラス活動の趣旨につきましては理解はできますけれども、まだ社会的認知度が低く、障害者のプライバシーにかかわることもございますので、もう少し普及の動向を見てまいりたいと思っております。
それから、高齢者の認知症の予防対策についての御質問についてでございます。
認知症予防につきましては、健康づくり、介護予防とあわせまして、区全体で体系的な取り組みを検討しております。学習療法につきましては、その中でどのように取り込んでいけるのか考えていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
〔斉藤高輝議員登壇〕
○37番(斉藤高輝) 再質問させていただきますが、初めに、区長が中野駅周辺まちづくりについて答弁していただきました。今、私も野方二丁目に住んでいることもありまして、このJR中野駅から三鷹方面に向かいますと、例えば阿佐ヶ谷駅は2003年5月に新しく駅が変わってきましたし、そしてその後に西荻窪駅と。そして今現在、高円寺駅が今新しく変わるということと同時に、その北側にホテルができるとか、またバリア設備としてもエレベーターが3基とか、清潔なトイレをここにつくるとか、非常に杉並区の方が喜んでおりますけども、私たち中野区にとりましては、これだけ計画を皆、特別委員会までつくってやってきたわけですけど、何の変化もないような形で来ていますので、ぜひもう一度、これはいろんな関係者と話し合いをしていくわけですけども、もう一歩、力を入れてお願いしたいと思いますけど、もう一回それは答弁してください。
それからもう1点は、今、耐震診断について、区役所、図書館とか保育園について名前まで教えてくれました。これは私もかつての小・中学校のとき教えてもらわなくて、それは失敗したなと思って、今回この園の名前を聞かせていただきました。そのくらいやらないと、区も一生懸命やらないとという意味で、園の名前をお願いしたわけですけれども、そこで今、話を聞いて、例えば診断の結果、精密診断を要するとか、また、状況等によって耐震診断を実施していないという、さっきの商工会館とか児童館とか、どこかの福祉センターとかと名前が出てきましたけども、これも名前を言っただけではなくして、今の決意で一体いつまでにこの問題について取り組んでいくかということについて、もう1点お聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えいたします。
他の中央線の駅、高円寺、阿佐ヶ谷、西荻窪といった駅に比べて、中野駅は全く動きがないということであります。私もそうした点で、中野駅についてもやはり何らかの形で周辺のまちと一体となって、より区民にとって誇れるような駅、また駅周辺にしていく必要があるというふうに考えているところであります。
中野駅の場合には、周辺の広場の問題でありますとか、駅の構造的な問題でありますとか、課題は大量にあるわけであります。その課題の中では区が実施をしなければならないもの、また民間の事業にゆだねるべきもの、またJRが投資をしなければならないこと、かかわるべき主体もさまざまなわけであります。
そうした中で全体を動かしていくということで、昨年の調査の中ではJRや国、都なども含めた検討に着手をしたということでありますので、そうした成果を一つひとつ積み上げながら、中野駅周辺の整備の計画を着実に具体的なものにしていくと。こういう中で、駅の改善といったようなことも具体化をしていくように取り組んでいきたい。このように考えているところであります。
〔総務部長石神正義登壇〕
○総務部長(石神正義) 区有施設につきましては、災害時に何らかの形で区民の方は避難をしたりということで、活用していかなくちゃいけないという使命がございます。そういう中で、先ほど言いましたように、前回の耐震補強の耐震診断の調査の中では、さらに精密な診断が必要ということを言われておりますので、その部分につきましては、今年度からできるものについては予算を組み、やっていくということにしてございます。
来年度以降、具体的に進む部分についてもその中で具体的に示して、この部分については、これまでは財政的な理由でなかなかできないということを言いましたが、一つずつ早期に解決できるようにしていきたいというふうに思っております。
○副議長(江口済三郎) 以上で斉藤高輝議員の質問は終わります。
お諮りいたします。
議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(江口済三郎) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。
次の会議は、6月6日午後1時より本会議場において開会することを口頭をもって通告いたします。
本日はこれをもって延会いたします。
午後4時36分延会