平成19年10月01日中野区議会決算特別委員会
平成19年10月01日決算特別委員会(第4日)
1.平成19年(2007年)10月1日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(42名)
1番 内 川 和 久 2番 ひぐち 和 正
3番 白 井 秀 史 4番 平 山 英 明
5番 つぼい え み 6番 いながき じゅん子
7番 林 まさみ 8番 山 口 かおり
9番 せきと 進 10番 いでい 良 輔
11番 伊 東 しんじ 12番 佐 野 れいじ
13番 北 原 ともあき 14番 南 かつひこ
15番 小 林 秀 明 16番 の づ 恵 子
17番 奥 田 けんじ 18番 近 藤 さえ子
19番 牛 崎 のり子 20番 小 堤 勇
21番 吉 原 宏 22番 大 内 しんご
23番 伊 藤 正 信 24番 きたごう 秀 文
25番 久 保 り か 26番 やながわ 妙 子
27番 酒 井 たくや 28番 佐 伯 利 昭
29番 むとう 有 子 30番 長 沢 和 彦
31番 か せ 次 郎 32番 山 崎 芳 夫
33番 斉 藤 金 造 34番 篠 国 昭
35番 市 川 みのる 36番 岡 本 いさお
37番 飯 島 謹 一 38番 江 口 済三郎
39番 藤 本 やすたみ 40番 佐 藤 ひろこ
41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子
1.欠席委員
な し
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
副区長(経営室)石神 正義
副区長(管理会計室) 沼口 昌弘
副区長(政策室)西岡 誠治
教育長 菅野 泰一
計画財務担当課長長田 久雄
区民自治推進担当課長 小田 史子
調査研究担当課長(政策研究機構副所長) 区民自治推進担当課長兼務
情報化推進担当課長 白土 純
平和・人権・国際化担当課長 区民自治推進担当課長兼務
政策室特命担当課長 奈良 浩二
経営担当課長 川崎 亨
経営室契約担当課長 経営室特命担当課長兼務
報道・秘書担当課長 浅野 昭
人事担当課長 合川 昭
財産管理担当課長豊川 士朗
用地・管財担当課長 冨永 清
危機管理担当課長志賀 聡
防災担当課長 危機管理担当課長兼務
経営室特命担当課長 篠原 文彦
評価・改善推進担当課長 田中 政之
経営分析・公会計改革担当課長 相澤 明郎
税務担当課長 中井 豊
未収金対策担当課長 若槻 磐雄
管理会計室特命担当課長 伊東 知秀
管理会計室特命推進担当課長 管理会計室特命担当課長兼務
会計室長 村田 宏
区民生活部長 大沼 弘
区民生活部経営担当参事 服部 敏信
地域活動担当課長中部地域担当課長兼務
南地域担当課長 波多江 貴代美
中部地域担当課長遠藤 由紀夫
東地域担当課長 横山 俊
北地域担当課長 戸辺 眞
西地域担当課長 鳥井 文哉
戸籍住民担当参事奥山 功
産業振興担当参事鈴木 由美子
環境と暮らし担当課長 納谷 光和
ごみ減量・清掃事業担当参事 橋本 美文
清掃事務所長 斎木 正雄
車庫長 清掃事務所長兼務
子ども家庭部長 田辺 裕子
子ども家庭部経営担当参事 榎本 良男
子育て支援担当課長 馬神 祥子
子ども家庭支援センター所長 子育て支援担当課長兼務
子ども健康担当課長 原田 美江子
中部保健福祉センター所長(保健福祉部兼務)鈴木 郁也
北部保健福祉センター所長(保健福祉部兼務)中部保健福祉センター所長兼務
南部保健福祉センター所長(保健福祉部兼務)深山 紀子
鷺宮保健福祉センター所長(保健福祉部兼務)嶋﨑 江美
保育園・幼稚園担当課長 藤井 康弘
幼児研究センター所長 保育園・幼稚園担当課長兼務
幼児教育担当課長保育園・幼稚園担当課長兼務
子ども育成担当課長 野村 建樹
地域子ども施設連携担当課長 吉村 恒治
男女平等担当参事子ども家庭部経営担当参事兼務
保健福祉部長 金野 晃
保健所長 浦山 京子
保健福祉部経営担当参事 岩井 克英
保健予防担当参事本保 善樹
結核予防担当参事保健予防担当参事兼務
生活衛生担当課長飯塚 太郎
健康・高齢担当課長 尾﨑 孝
地域ケア担当参事保健福祉部経営担当課長兼務
中部保健福祉センター所長 鈴木 郁也
中野地域包括支援センター担当課長 中部保健福祉センター所長兼務
北部保健福祉センター所長 中部保健福祉センター所長兼務
南部保健福祉センター所長 深山 紀子
鷺宮保健福祉センター所長 嶋﨑 江美
障害福祉担当課長辻本 将紀
障害施設担当課長大橋 雄治
生活援護担当課長瀬田 敏幸
保険医療担当課長柿内 良之
介護保険担当課長今 恵里
都市整備部長 石井 正行
都市計画担当課長登 弘毅
南部地域まちづくり担当課長 角 秀行
中部地域まちづくり担当課長 上村 晃一
北部地域まちづくり担当課長 市川 求
土木・交通担当課長 遠山 幸雄
公園・道路担当課長 安部 秀康
建築担当参事 佐藤 幸一
住宅担当課長 都市計画担当課長兼務
拠点まちづくり推進室長 谷村 秀樹
拠点まちづくり担当参事 秋元 順一
中野駅周辺整備担当課長 松前 友香子
西武新宿線沿線まちづくり担当課長 都市整備部北部まちづくり担当課長兼務
教育委員会事務局次長 竹内 沖司
教育経営担当課長小谷松 弘市
教育改革担当課長青山 敬一郎
学校教育担当課長寺嶋 誠一郎
指導室長 入野 貴美子
教育センター所長指導室長兼務
生涯学習担当参事村木 誠
中央図書館長 倉光 美穂子
選挙管理委員会事務局長 柳澤 一平
監査事務局長 石﨑 新一
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 山下 清超
事務局次長 髙橋 信一
議事調査担当係長 大谷 良二
書 記 黒田 佳代子
書 記 永田 純一
書 記 荒井 勉
書 記 菅野 多身子
書 記 廣地 毅
書 記 松本 明彦
書 記 丸尾 明美
書 記 鳥居 誠
書 記 杉本 兼太郎
書 記 岡田 浩二
書 記 松本 桂治
午前10時00分開議
○吉原委員長 それでは、定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。
認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。
初めに、前回の委員会終了後に開かれた理事会について報告します。
1点目は、本日の委員会運営についてです。前回は久保りか委員の質疑まで終了しましたので、本日は1番目に岩永しほ子委員、2番目に奥田けんじ委員、3番目に山崎芳夫委員の順序で3名の質疑を行うことを確認しました。
2点目は、資料要求の追加についてです。お手元の「決算特別委員会資料要求一覧(追加分)」に記載されているとおり、資料要求することを確認しました。
追加分
◆総務分科会関係
106 各会計別収入未済額及び不納欠損額の推移(前年度までの10年間) <公>
107 「財政運営の考え方」における基金・起債を活用するまちづくりに関する事業一覧
<共>
○吉原委員長 なお、資料要求の追加分などについては、理事会で確認されたものを、その都度、全体会の席上で配付すること、資料要求一覧の最終版については、最終日に席上配付し、会議録の巻末に資料として添付すること、また、これらのデータをCD-Rにより各会派に配付することを確認しました。
以上が理事会についての報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員長 なければ、ただいまの報告のとおり行うことに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。
それでは、前回に引き続き、総括質疑を続行します。岩永しほ子委員、お願いします。
○岩永委員 おはようございます。2007年第3回定例会決算特別委員会において、日本共産党の立場から総括質疑をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
まず最初に、1番目の質問項目、06年度決算と区政運営についてお聞きをいたします。
まず、区民の暮らしを支える施策をということにつきまして、決算の観点からお尋ねをしていきたいと思います。
決算では、特別区民税の現年課税分が22億6,800万円の増収となり、そのうち定率減税の半減、老年者控除の廃止と公的年金等控除引き下げ、老年者非課税措置廃止が要因となって、区への増収は15億900万円になっています。実に68%にもなる状況です。さらに、今年度は住民税率のフラット化、定率減税の全廃などでの増税が行われました。
そこで、お聞きをいたします。05年度に非課税だった人は何人だったでしょうか。また、06年度決算では、非課税から新たに均等割課税になった人は何人、均等割と所得割の課税になった人は何人か。そして、非課税の方は何人だったのか、お答えください。
○中井税務担当課長 平成17年度の非課税者数でございますが、9万8,588人になります。また、平成18年度に新たに課税となった数につきましては、平成17年度決算の納税者数と増減の比較になりますが、均等割のみの方が11名の減、それから、均等割と所得割が8,883人の増になります。差し引きいたしまして、8,872の増となってございます。
また、平成18年度非課税者数でございますが、9万995名になってございます。
○岩永委員 それでは、06年度の予算では、老年者控除などの廃止によって、当初4億2,000万円の増収を見込んでおりましたが、決算ではどうなったでしょうか。あわせて、老年者非課税措置の廃止では、年度当初幾らを見込み、決算では幾らになったでしょうか。
○中井税務担当課長 まず最初のお答えでございますが、4億9,100万円で、7,100万円の増となってございます。また、経過措置の対象とならなかった人数が多く、3,000万円を見込んでいたところでございますが、1億5,800万円となってございます。
○岩永委員 本当に今の数字をお聞きしただけでも、高齢者への負担が大きかったということがうかがえますが、区民の平均所得は06年度は、その前の年05年度に比べて上がったでしょうか。それから、23区で比較をすると、中野区民の所得の状況はどうでしょうか。さらに、この5年間の推移はどうなっているでしょうか。
○中井税務担当課長 中野区の所得割課税者の平均で見ますと、平成17年度の397万8,000円に対しまして、平成18年度は388万2,000円となっており、額では9万6,000円、率で2.4%ほどの減となってございます。また、23区平均では、平成17年度の424万5,000円に対しまして、平成18年度は417万8,000円となっておりまして、額で6万7,000円、率で1.6%の減となっております。いずれも前年度に比べて減少しているのは、老年者非課税措置廃止に伴い、新たに課税となった65歳以上の方の影響があるというふうに考えてございます。
また、この5年間の状況といたしましては、中野区では毎年、前年より所得が下がっている状況にございます。23区平均では、平成14年度と平成17年度が若干前年に比べて上昇いたしましたが、その他の年度につきましては、前年に比べて減少をしているところでございます。
○岩永委員 やはり、今の状況をお聞きしても、中野区民の状況は23区の中でも一層世帯などの状況との反映もあろうかと思うんですが、高齢者への影響が大きいというふうに言えます。
厚生の資料51、53を見ますと、傷病を理由とした生活保護の受給がふえて、保護率は年々増加をしているということがわかります。国民健康保険では、保険証の一斉更新時の短期証発行は、国保加入者の1割を超えているという状況もあります。区民への増税や負担増は、所得が落ち続けている上に、特に高齢者には、かぶっている布団をはがすように取り立てて、痛みとなって襲ってきていることは明白です。区民は、暮らしを支えてほしい、新たな負担は苦しいという声を上げています。住民税が区民に知らされてから、昨年は900人を超え、ことしは1万3,000人を超える区民からの電話、来庁などなどでの苦情や問い合わせが殺到していると聞きました。そうした声はどのように受けとめておられるでしょうか。
○中井税務担当課長 今年度の税制改正つきましては、三位一体改革による所得税からの税源移譲による住民税の税率改正――定率減税の廃止と老年者非課税措置廃止に伴う経過措置による3分の2から3分の1の税額控除でありました。今回の改正は、多くの区民に影響がありました。例えば、前年度非課税、もしくは均等割4,000円だけであった方々が、年税額が例えば5万円から10万円になるなどの例も中にはございました。そのようなことからも、今回の改正は、低所得者層にかなりの影響・反響があったのかなというふうに考えてございます。
昨年来よりさまざまな広報媒体を活用しまして、税務としては周知に努めてまいりましたが、なおかつことし6月の通知前には、区内全戸配付ということで、改正の内容を案内させていただきましたものを配付いたしました。それでもなかなか理解が得られなかったというふうに考えてございます。また、委員おっしゃるような苦情というよりも、区民の方からは、「なぜ税額が前年度を大きく上回って請求が来てしまったのか」というような問い合わせが多かったのかなというふうに税務担当としては認識をしてございます。窓口や電話の御説明で多くの方の御理解をしていただき、また納付相談を受けていただきまして、納得して納付をしていただいたというようなところで、また分割納付などの手続もとっていただきながら、御納付の方に応じていただいたというようなところもございました。
○岩永委員 この人数というのはそれだけ大きくて、「この程度では我慢をするか」という範囲を越えていて、生活そのものを圧迫している。それがこういう数字となってあらわれてきた。そして、今課長がお答えになられたように、区民にとってはなかなか理解もできない、納得もできない。いきなりこういう金額が自分のところに来たという、ある意味では怒りもその中にあったということは十分にうかがえます。本来で言えば、こうした区民に対して、どういう施策を自治体として進めていくのかということがここで問われて、そして区として必要な施策をすべきだったのではないかというふうに思っています。そのことはまた後にしまして、続きまして、区は06決算年度において39億円の剰余金を出した上に、当初予算から約44億円も積み立てを行ったばかりか、ことしの1定の最終補正で約61億円も積み増しをしました。単年度で105億円、基金総額は年度末に280億円を超えました。私たちは、基金へのため込み主義を指摘してきましたが、区は適正な積み立てだったと言っています。歳出の1割以上が基金の積み立てになっている、果たしてこれが適正と言えるのでしょうか。仮に、06年度最終補正で約61億円も積まなかった場合、最終補正であるから時期的にも新たな事業を実施する経緯にすることにはなじまないし、難しいという状況もあります。一体、これを仮に61億円積まなかった場合には、結果的には39億円の剰余金がさらに大きくなったのではないかと思うんですが、いかがでしょう。
○長田計画財務担当課長 委員の御指摘のとおりでございます。
○岩永委員 そうしますと、積み立てなかった場合、区政史上最大と言われた05年度決算の約42億円の剰余金をやすやすと更新することになってしまったと、こういうことでしょうか。
○長田計画財務担当課長 計算上は、積立金を積まなければ剰余金ということになりますので、そのとおりでございます。
○岩永委員 課長は、事務的にお答えをいただいていますけれども、この剰余金というのは、区民の暮らしとまた大きくかかわってくるものです。剰余金と積立金は、そういう意味では表裏一体の関係にあります。05年度には最後に約16億円を積み増し、単年度で約52億円の基金積立額となりました。42億円の剰余金とあわせ、区の財政規模から見ても、途方もない余らせ方だったと思います。剰余金を新年度で基金に積み立てるために、区民のための仕事をどれだけしないか、どれだけ恣意的・意図的に余らせていくか。基金に積む財源を確保するために、どれだけつくり出していくのか。こういうことが財政安定化の名のもとに進められており、基金のふやし方は決して適正とは言われません。
関連して、実質収支比率についてお聞きいたします。財政指標、財政の健全性を見るには、経常収支比率だけではありません。区も盛んにこれまで実質収支比率を問題にしてきました。ところが、適正とされる3%~5%を超えた途端に、実質収支比率のことはあまり触れない、議会の中でもあまりこのことを取り上げない、こういう状況になってきているように思います。06年度決算の実質収支比率は、この適正と言われる3%~5%の範囲内でしょうか。いかがでしょう。
○相澤経営分析・公会計改革担当課長 平成18年度の実質収支比率は5.6%で、適正な範囲であるというように考えてございます。
○岩永委員 きょうは時間の限られた中での総括質疑ですので、あまり今のお答えにやりとりをする時間はありませんけれども、3%~5%が適正と言われているのに、それを超えて5.6%が適正というのは、これは中野区の独自の判断というふうなことになってしまうのではないかということを指摘したいと思います。
今定例会の先議で行われた今年度の補正予算においては、既に新たな積み立てを28億円も行っています。地方財政法で規定した剰余金の2分の1積み立てをゆがめて、06年度決算剰余金の39億円のほぼ4分の3もお金を積み立てたことになります。05年度は最大の余らせ過ぎ、06年度は最大の基金積み立て、そして今年度は区民生活が苦しいこの時期に、負担の軽減策などを何らすることもなく、早くも多額の基金積み立てを行っていると言わざるを得ません。
そこで、例えば06年度に創設をしましたまちづくり基金についてお聞きいたします。
当初の1億円に15億円もの積み増しをしています。これは、計画的な積み立てだったのでしょうか。だとすれば、その計画的な根拠はどこにあるのでしょうか。
○長田計画財務担当課長 平成19年1月に策定いたしました「財政運営の考え方」では、18年度中の15億円のまちづくり基金への積み立ても、これを見込んだ上で、19年度以降の基金の計画を策定してございます。まちづくり基金は今後の、例えば(仮称)南部防災公園などのまちづくり事業に必要な資金を積み立てるものでございます。計画的な行政を運営していくために必要なものと考えてございます。
○岩永委員 その財政運営の見込みですけれども、どのように私たちには説明いただいたでしょうか。
○長田計画財務担当課長 「財政運営の考え方」の中に「基金の積み立て計画」、それから「基金・起債を活用する事業一覧」ということで、今御質問の中にございますまちづくり関係の事業についても、事業費、それから起債の額、基金から繰入額をお示ししているものでございます。
○岩永委員 これまでまちづくり基金につきましては、今課長が触れられた「財政運営の考え方」で繰越金を原資として積み立てるというふうに私たちは説明を受けてきました。それで、今年度については、今言ったような金額が積み立てられている上ですが、今後、まちづくり基金への積み増しは行われるのでしょうか。
○長田計画財務担当課長 今年度においてということで申し上げれば、今年度中に繰越金を原資とした積み立ては行う考えはございません。
○岩永委員 それは、最終補正ということになるんでしょうか。
○長田計画財務担当課長 先ほどお答えいたしましたが、今年度中の補正によって積み立てを増額するということはございませんということでございます。
○岩永委員 この区の、例えばまちづくり基金が一番端的にあらわれていると思うんですけれども、やはりこれを積み立てるためにかなりの、私たちで言えば、一般会計の中での他の事業への影響が出てきているということを言わざるを得ませんし、そういう意味で言えば、区の積み立て方は御都合主義と言えると思います。
「10か年計画を支える財政運営の考え方」では、基金・起債を活用する八つのまちづくり事業で407億5,900万円を見込んでいます。そのうち警大跡地整備の公園整備に38億1,900万円、同道路整備に61億4,200万円、中野駅南口を除く地区整備で139億6,700万円と、この三つの事業の合計は239億2,800万円で、実に八つの事業の59%を占めています。もちろん中央中の建てかえ事業経費は計算に入っていません。
先日、本会議でのかせ議員の質問に、区長は「警察大学校跡での価格などについては協議をしている」などの御答弁がありました。この事業の費用は、計画どおりというふうに見込まれるんでしょうか。
○長田計画財務担当課長 現時点では、「財政運営の考え方」でも財政フレームをお示ししてございます。この計画に基づいて進めてまいりたいと考えております。
○岩永委員 おさまらなくなった場合は、どのようにされるのでしょうか。
○長田計画財務担当課長 「財政運営の考え方」でそもそもお示しをしているところでございますが、この財政フレームについては、毎年度状況の変化に応じて見直しをしていくということでございますので、今後の状況の変化を詳細に把握しながら整理をしていきたいと考えてございます。
○岩永委員 そうしますと、毎年度の見直しの中では、この今示されている状況では済まなくなるということも十分起こり得る、そういうことになるわけですね。
○長田計画財務担当課長 財政状況、諸般の要因によって変化をしてまいりますので、そういったものに柔軟に対応していくものとして、計画的に行政を進めてまいりたいと考えてございます。
○岩永委員 こうして質疑の中でお聞きをしていますと、区政の軸足が区民生活を守ることに定まっていれば、今の苦しい区民の生活を支えるために使える財源はあったと言えます。私たちは、国の制度改革や負担増から区民の暮らしを守るための防波堤になり、地方自治の本来の仕事として、地方自治法で定められている区民福祉の増進に努めるための取り組みを求めて、06年度予算案に対する修正などを提案しました。ことし3月末の区民の年金受給額は、国民年金で年平均61万4,000円弱です。これは、税務課の方にお願いをして調べていただきました。この方が65歳以上の場合に支払うものは、国民健康保険料の均等割と介護保険料になります。合わせますと約3万5,000円以上になるというような状況です。生活費に回せるのは月に4万8,000円ほどになります。ここから医療費などを払っていくということになります。こうした医療の改悪なども含めて、どうして暮らそうかという不安が生活を押しつぶす状況になってきています。こういう状況の中で、この決算を踏まえて、改めて区民を支える幾つかの施策の実施を求めていきたいと思います。
まず、介護保険の保険料・利用料の軽減についてお尋ねをいたします。
この年度は、介護保険料も見直しをされました。高齢者を襲った増税により、非課税から課税になった人がいます。高齢の障害者の方は、障害者自立支援法の導入によって、1割負担が導入され、福祉作業所へ通うのにも利用料を払わなければならなくなっています。区は、地域生活支援事業を原則無料、食事代補助を実施され、そのことは評価をいたします。しかし、こうした高齢者や障害者の方の本人や家族の負担が大変に大きくなってきています。介護保険において、本人が非課税から課税になり、保険料の段階が高くなった人は何人でしょうか。また、本人は非課税ですが、同居人が課税になって保険料の段階が上がった人は何人でしょうか。
○今介護保険担当課長 非課税から課税になり第5段階になった人が、19年3月末日で4,566人、それから、同居人が課税になって第4段階になった人が689人でございます。
○岩永委員 増税により、非課税から課税になり、さらに住民税額が上がったことで、保険料ランクが上がった人に対して、区は18年度、19年度に激変緩和策を講じられました。しかし、来年度は本則になるという状況です。現在、第4段階を三つに分けた軽減額の平均は約4万2,000円ですが、これが本則になれば6,500円ほど引き上がることになります。また、第5段階を四つに分けた軽減額の平均は約5万2,000円ですが、これも9,000円ほどの引き上げになります。この激変緩和を受けている方は何人でしょうか。このことは、課長には何人かということをお聞きするということを言っていなかったんですが、質問をする過程の中で、これはぜひ何人かわかればというふうに思いますので、後で構いません。私が質疑をしている間に、ぜひ教えてください。
それで、質問を続けます。
また、高額介護サービス費も激変緩和され、昨年度の受給は2万6,000件以上になっているとお聞きしています。今年度は昨年度の同時期に比べて、既に1,000件以上がふえています。親の介護保険料が月2万円、それを払えずに10カ月滞納し、今分納と利用制限で持ちこたえている息子さんがおられます。また、配食サービスの回数を減らしたり、1食を数回に分けて食べている人もおられます。来年は、後期高齢者医療制度により、すべての75歳以上の高齢者の方が保険料を徴収されようとしています。その保険料額は国の計算では月平均6,200円と言われてきましたが、東京はその倍以上になる可能性もあるとの試算もあります。これ以上の負担は、高齢者のみならず、扶養している家族にも深刻な生活圧迫をもたらします。今、中野区が行っている保険料の激変緩和策と負担限度額減額を来年も継続してほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○今介護保険担当課長 介護保険料の激変緩和措置につきましては、国の「保険料率の算定に関する基準の特例」、これにのっとって選択的に実施しているものでございます。これは、18年度、19年度の経過措置というふうにされておりますので、継続の考えは持ってございません。
○岩永委員 私は今、ずっといかに今回の、昨年度、今年度の増税が特に高齢者を襲ってきているのかということを、課長の皆さんのお答えの中で明らかになったと思います。そういう中で、国の施策が19年度で終わるから中野区も終わるという、そういう冷たいことを言っていたのでは、自治体としての役割がどこで発揮されるのかと、こういうことにつながります。ぜひ来年も継続するということを検討していただきたいと思うんですが、再度お答えください。
○今介護保険担当課長 介護保険につきましては、基本的な部分については全国統一的な考え方の中で運営されているというふうに思ってございます。この激変緩和措置につきましてもその一部というふうに考えてございまして、できるという、そういう基準の特例が示されたので、中野区はあえてそれを選んで2年間実施してきてございますが、19年度で一応それについては経過措置が終わるということでございますので、この部分につきましては国の基準にのっとって進めていきたいというふうに思ってございます。
○岩永委員 しつこいようですけれども、ぜひ来年度までにはまだ時間があります。中野区独自で実施継続をするという考えをぜひ検討していただきたいと思います。
あわせて、平成で言うと21年度、2009年3月までを期間にして、低所得者への保険料減額措置が実施されています。現在、何人の方がこの減額を利用されておられるでしょうか。
○今介護保険担当課長 9月現在で29人でございます。
○岩永委員 中野区は、この対象者の世帯の収入基準を、生活保護基準に基づいて計算しています。預貯金は200万円、一人ふえると50万円を加算するという計算の仕方で承認をしています。また、住宅地代や家賃の場合も、生活保護基準に基づいて加算をしています。港区では、この家賃・地代を上乗せして97万円を限度に控除しています。また、預貯金は一人世帯で300万円以下、一人ふえると100万円を加算して、非課税申告によって軽減をしています。中野区もこの家賃・地代の基準額や預貯金の対象額を増額して、低所得者への減額の対象を広げるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○今介護保険担当課長 この制度に関しましては、区の独自の施策といたしまして第3期の介護保険事業計画の中で検討し、定めたものでございます。第3期が20年度までありますので、その後の状況を見ながら考えていきたいと思います。
○岩永委員 ぜひ実態に沿うような形で、条件の緩和を含めて検討し、実施していただきたいと思います。
私たちは、所得税や住民税の控除が受けられる高齢者の障害者控除について、区民へのお知らせを繰り返し区に求めました。区は、申請を簡素化したり、銀のしおり、区報、税のお知らせなどにも記述をされています。こうした改善は評価をしたいと思います。
しかし、この障害者控除に自分が対象になるのかどうかわからない、まず対象になるかもしれない、だめかもしれないけれども相談をしてみようなどなど、いわゆるそのことで相談をする、そういうふうにもう少し身近なものとしてとらえられるように、ぜひこのお知らせの内容をもう少し改善していただきたいし、区のホームページに載せたり、申請書はホームページから入手できるようにするなどの改善をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○辻本障害福祉担当課長 障害者控除対象者の認定の取り扱いにつきましては、ただいま委員御指摘のとおり、さまざまな広報媒体を通じて案内しているところでございます。今後ともよりわかりやすいPR方法等、手続的な面につきましても検討してまいりたいと考えてございます。
○岩永委員 ぜひお願いをいたします。
介護保険では、不正申請による事業所指定取り消しが起きております。9月6日付、毎日新聞に、「高い志を持って介護の仕事に励むヘルパーの厳しい労働を正当に評価し、待遇改善を急がなければならない。そうしないと、国民は必要な介護が受けられなくなる」と報道されていました。介護職員の離職率は2割に達しています。給料が安く将来が見えない、募集しても応募がない、これは江古田の森の施設にも共通してあらわれたことでした。こうした中、サービス低下を防ぎ、介護のプロとしての自覚を持って働けるように、介護福祉士を目指せるようにと、ヘルパー不足と、そして質の向上を目指して奮闘している事業者も少なくありません。小規模事業者が多い介護の現場では、研修や養成講座を平日に開催するのは困難、休日に実施できればよい方で、こうした悩みを抱えながらも取り組みをさらに向上させていきたいという事業者などにこたえるために、区は事業所から参加ができるような研修や養成講座の支援をぜひ実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○今介護保険担当課長 中野区では、介護保険サービス提供事業者の質の向上を支援するため、年間15回の研修を実施しており、昨年度は延べ849事業所、1,035人が参加したという状況でございます。開催日時については、事業者の意見を考慮した曜日・時間帯をできるだけ設定しようとしておりまして、昨年度からは夜間開催も実施しているところでございます。
今後も引き続き事業者の状況を考慮して、休日開催等も視野に入れた参加しやすい設定をしていきたいというふうに思ってございます。
○岩永委員 ぜひ内容も含めて、本当に向上していきたいというヘルパーの方、ケアマネジャーの方、事業者の方などなどの声も反映して、ぜひさらなる改善と取り組みをお願いいたします。
では、次に、子育て世帯・母子世帯への支援についてお聞きをいたします。
06年度は、子ども医療費の助成を小学6年生までの入院に拡大され、いよいよきょう、今月10月から、中学3年生までが子ども医療費助成を受けられるようになりました。このことは大いに評価をしたいと思います。
内閣府「少子化社会対策に関する助成の意識調査」では、子どものいる20歳から49歳の女性の7割近くが、「少子化対策で重要なことは、経済的支援措置だ」と挙げています。また、厚生労働省が昨年11月に実施した「第5回21世紀出生児縦断調査結果」によると、4歳6カ月児の親の7割が「子育て費用を負担に感じている」との結果があります。子どもの成長に従って、子育て費用、特に教育費の負担が大きくなってきています。中野区では、就学援助は年度途中でも申請をできて、昨年度は小・中学で途中の申請は120件あったと聞いています。厚生資料の2によれば、23区の私立幼稚園に対して18の区が第2子への補助を実施されています。中野の保育料保護者補助の引き上げとともに、私立幼稚園への第2子への対応が必要だと思います。実施を求めたいと思いますが、いかがでしょう。
○馬神子育て支援担当課長 中野区では、現在、幼稚園・保育園も含めた幼児教育・保育の質の向上、それから負担の公平と申しまして、認証保育所への補助など、そうした施策を実施しております。私立幼稚園保護者補助金につきましては、現在、公私格差を是正するために、今後段階的な増額を計画しているところでございまして、今後もこの目的を達成すべく進めていきたいと考えております。
○岩永委員 区立幼稚園の保育料を上げて、そして私立幼稚園の保育料を、保護者補助を引き上げていくというやり方の公私格差には、私たちは賛成していません。子育ての視点から、やはり私立保育園の保育料の保護者補助の増額、これは必要なことだと思います。ぜひやっていただきたいと思います。
あわせて、この第2子への対応ですが、中野区は、1子・2子ということがなくて9,500円となっておりますが、他では第2子は1,000円とか、幾らか上がっております。中野ではこの第2子への軽減額をぜひ検討して、実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○馬神子育て支援担当課長 繰り返しになりますけれども、区では現在、段階的な全体の私立幼稚園保護者補助金額の増額を計画しておるところでございます。現在は、それをまず達成すべく、事業を進めていきたいと考えております。
○岩永委員 ぜひ私立幼稚園へのこうした取り組み、助成・支援を実施していただきたいと思います。
それで、児童手当支給年齢が拡大されました。前年度。区が予定していたほどに対象者がふえませんでした。見込み違いという説明を受けましたけれども、なぜこうした大きな見込み違いが起きたということになるんでしょうか。
○馬神子育て支援担当課長 児童手当の対象拡大につきましては、まず、国の方の試算で8割以上の方が対象になるであろうという試算がございました。それをもとにまずは当初予算を算定いたしました。しかしながら、23区状況を見てまいりますと、近隣区におきましてもおおむね60%程度、65%程度というところでございまして、中野区においても同様の結果であったということが言えると思います
○岩永委員 大きな見込み差を出して、残念ながら、見込んだほどに対象にならなかったという世帯が多かった。そういう中で、年少扶養控除がなくなり、かえって負担がふえたとの声もあります。今年度は、所得税の定率減税半減と税源移譲も行われています。国民生活基礎調査では、子どもがいる世帯の平均所得金額は、05年までの10年間で64万円近くが減収しているとなっています。本会議で長沢議員が、国民健康保険の資格証世帯への子どもに対する子ども医療費助成が受けられるようにと求めました。子育て支援策が保護者の経済事情で受けられず、事態をさらに深刻化することがないようにすることは、国の責任です。区は、資格証の世帯にはどのようにしているのでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 新たに国民健康保険の被保険者資格証明書の交付対象となる世帯につきましては、保険料が納められない特別な事情をお尋ねするため、事前に弁明書を送付いたしております。法令に定める公費負担医療を受けていただく場合は、その旨、弁明書に御記入いただき、提出と、国民健康保険料の納入についての相談をお願いしているところでございます。事前に手続と御相談をいただければ、法令に定めてございます公費負担医療を受けていただく方に関しては、国保の資格証明書は交付しないものでございます。
○岩永委員 その事前の相談ですね。弁明書を出すということですけれども、それは、資格証の世帯にはすべて事前に送る。それで、そこで出してもらうと、こういうことになるんですけれども、どの程度の反応、弁明書ですね、どの程度返ってくるものでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 特に弁明書の数については統計としてとってございません。
○岩永委員 きょうから中学3年生まで子ども医療費の対象者が広がりました。それに伴って、親の状況も範囲が広くなります。資格証になる保護者の範囲も広がったわけですから、今言われたような弁明書等への働きかけをぜひ強めていただきたいというふうに思います。やはり、子ども医療費の助成が受けられるように、国保課の方でもぜひ努力していただきたいと思うんですが、あわせてその弁明書を私もいただいて、見てみました。そうしましたら、こういうふうになっているんですね。法令に定めるものは委員ですけれども、マル福、マル障、マル乳――これは乳幼児医療費のことですね。マル幼、マル親――ひとり親ですね。こうした五つの、いわゆる中野区が独自でやっていたりしているものについては「法令医療給付に該当しません」と、こう書いてあるので、今言われた法令でない、乳幼児医療費や子ども医療費は法令ではありませんので、該当しないというふうに思ってしまう可能性が十分にあると思います。ですから、この「該当しません」というような、こういう書き方というのはもう少し、こういう方もぜひ出してくださいとか、お問い合わせくださいとか何とか、もう少し積極的に出せるような内容に改善していただきたいんですが、いかがでしょう。
○柿内保険医療担当課長 弁明書につきましては、医療費給付の有無にかかわらず送付しているものでございます。資格証明書の対象外となる法令医療給付等について一時的に記載しているものでございまして、弁明書の送付はその後の納付相談の機会につなげているものでございます。法令の定めのない公費負担の受給者証のみを理由に国保証の適用除外とすることはできませんけれども、納付相談の内容によりましては、国保証を交付することもできるということでございます。
○岩永委員 ですから、ぜひこの「該当しません」というように、はねつけられてしまうような、そういう印象を受けるわけですから、もう少し対象になる、出してみよう、そういうふうに前向きに出せるような内容として、ぜひ改善をしていただきたいと思います。これを出すのは、今後の納付にもどうつなげていくかということがあると先ほどおっしゃったわけですから、出していただいた方が区としてもいいわけですね。であれば、もっと積極的に身近に感じられるような内容としての改善を求めておきたいと思います。
年間所得230万円以下、1カ月20万円以下の貧困率は、OECDの子どもの平均12.1%ですが、日本は14.3%、貧困家庭のもとで暮らしている子どもの貧困がふえています。今、乳児院、児童養護施設、母子生活支援施設などは満ぱいです。子どもの貧困率増大の原因の一つが、母子家庭での貧困が広がり、母子家庭の6割が貧困ライン以下という生活状況です。05年の全国母子世帯調査では、月17万7,000円足らずの収入です。所得は、全世帯平均の4割にしかなっていません。中野区の母子家庭は約3,000と聞いています。厚生資料の79では、保育園でも母子世帯が231世帯となっています。母子家庭の母は83%が就業していますが、不安定雇用拡大策の影響をもろに受け、約半数は臨時やパート、仕事が続けられるか、求人がなくならないか、リストラや契約更新ができなくなるのではないかなどの不安を抱えながら就労し、経済的支援は切実だと指摘されています。
そうした状況の中で、中野区は母子世帯の休日・年末保育料を今年度から半額にしたとお聞きして、一歩前進を評価したいと思います。区は毎年2,000人からの利用者がいたひとり親家庭休養ホーム事業を今年度から廃止し、国の母子家庭への自立支援三つの事業の中から、母子家庭自立支援教育訓練給付金事業を実施しました。ところが、目標の25件に対し2件しか支給できていません。これはなぜでしょうか。
○馬神子育て支援担当課長 自立支援教育訓練給付金と申しますのは、母子家庭の就業につながる能力開発のために指定講座等を受講した場合に、受講料等の一部を給付する事業でございます。18年度開始いたしました。区報等で広報はいたしましたけれども、やはり対象者に対する周知が十分ではなかったと認識いたしております。今年度は、8月に児童扶養手当の現況届申請が窓口でございますが、そのときに個別にこの事業の御案内を申し上げましたところ、現在30件ほどの問い合わせがございました。今後、こうしたお問い合わせが申請に結びつくように、相談に応じていきたいと考えております。
○岩永委員 あわせて、国の常用雇用転換奨励金、これは雇用した企業に30万円が支払われます。区は、この制度を実施しておりません。不十分な側面がある事業だとは思いますが、少しでも常用の道を確保するために制度化して、他の実践をしているところなども検証して、改善の手立てをとっていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○馬神子育て支援担当課長 区といたしましても、母子家庭の経済的自立のためには安定した就労というのが重要であると認識しております。また、その場合、仕事と子育てを両立するための支援というのもあわせて行う必要があると考えております。委員御指摘の事業につきましては、既に実施している自治体においても、事実上実績が上がらないと、なかなか進まないというところもあると聞いてございます。このような状況の推移なども見きわめながら、実効性のある方法について今後検討していきたいと思います。
○岩永委員 それから、生活維持と子育て支援は大変重要なものです。育児のヘルパー派遣や子どもショートステイを実施されております。ショートステイの活用が広がっていますが、十分な予算措置の拡大が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○馬神子育て支援担当課長 ショートステイ事業につきましては、保護者の方が入院ですとか出張などの際に利用されております。宿泊を伴う保育を提供する事業といたしまして、現在も年間を通じて利用できるよう整備しておりますので、今後とも必要な方が利用できるよう、周知を十分図っていきたいと思います。
○岩永委員 さらに、緊急にお金が必要なときの無利子・無保証人の貸付制度、これを実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○瀬田生活援護担当課長 母子家庭向けの女性福祉資金制度などにおきましては、現在、生活資金、住宅資金、就職支度資金など、多くの母子世帯向けの貸付資金について無利子での制度運用を行っております。無利子に加えて、お尋ねの無保証人を要件とした貸付制度の新たな制度改正や創設につきましては、特に保証人について公金である貸付金の確実な返還を担保する意味で、最小限必要な条件として定めていることなどから、大変難しいと考えてございます。
母子家庭をめぐる大変厳しい状況をかんがみまして、今後ともさまざまな生活上の悩みを抱えて来所される母子家庭の方々には、その内容について十分にお聞きをした上で、活用し得る他の制度ですとか、類似の制度などへ御案内をさせていただくなど、できる限りの生活サポートに努めてまいりたいと考えてございます。
○岩永委員 現在ある母子福祉資金は、十分に活用されているとは言えません。今、無保証人というのは難しいというお話しでしたが、母子家庭にとってのこの保証人を準備するという、これも大変深刻な問題になってきます。ぜひ母子家庭がお金が緊急に必要なときに活用できるような制度を、ぜひ改善したり、つくっていったりしていただきたいと思います。
死別の場合や、また夫が生活費を入れない、夫の突然の行方不明など、母子家庭になる事情はさまざまです。私が受ける相談で共通していることに、深刻な住宅問題があります。子どもを抱えて、特に女の子と男の子がいる場合は、成長する過程でも一部屋で生活することはできません。母子家庭が抱える究極の問題として、経済的支援とともに住宅支援があります。この住宅支援の具体化をぜひお願いしたいと思います。例えば、母子家庭への住宅家賃補助や転宅資金の援助など、こうしたことを実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○登都市計画担当課長 現在のところ、家賃の助成は考えておりませんけれども、居住安定事業の充実をなどを図る中で対応してまいりたいと考えております。
○岩永委員 時間がありませんので進みますが、この住宅問題は本当に深刻です。切実な問題になってきております。ぜひ区も積極的に支援をする方向で検討していただきたいと思います。
次に、区民への健診を充実することについてお聞きいたします。
来年4月から、これまでの基本健診がなくなり、国保加入者は40歳から74歳までを対象に特定健診を受けることになります。その他各保険者が特定健診を実施していきます。75歳以上は、広域連合が行う後期高齢者健診になります。お尋ねいたしますが、今年度まで区が実施している成人健診、がん検診は、どのように変わるのでしょうか。
○尾﨑健康・高齢担当参事 平成20年度からの医療制度改革によりまして、区が実施してきました成人健診、これが医療保険者が行う特定健診に変わることになります。委員今お話しのとおり、医療保険者は、加入している被保険者と40歳から75歳未満の被保険者に対しまして、国が示した特定健診及び特定保健指導を実施することになります。また、75歳以上の後期高齢者につきましては、後期高齢者医療広域連合の努力義務となっておりますが、東京都の広域連合が健診を行うようになると聞いております。
そこで、区が行う基本健診といたしましては、医療保険者の対象外で区民健診では対象としている35歳から39歳までの区民や医療保険に加入していない生活保護受給者の健診を実施することを考えているところでございます。また、区民健診の中で、がん検診、あるいは成人歯科検診、眼科検診につきましては、引き続き区として実施する考えでございます。
○岩永委員 そうしますと、現在やっております、例えば大腸がん検診だとか、胃がん・子宮がん・乳がん・肺がん等々というがん検診がありますが、これらは引き続きそのまま受けられるというふうに考えていいんでしょうか。
○尾﨑健康・高齢担当参事 がん検診につきましては、基本的に大きな変更は考えておりません。ただ、がん検診の事業実績などの検証を行うことにしておりますので、そうした中で見直しする項目が出れば検討することも考えております。
○岩永委員 厚生42の資料で、この数年間の各成人健診、がん検診の結果が出ています。多くの方の受診がされておりますので、今検証するということでしたが、基本的には今のこの項目が予防的にも受けられていく必要があるだろうと思いますので、ぜひ現在のがん検診などが減らされることのないようにお願いをいたします。
それで、尿の潜血検査、胸部レントゲン、また現在は必須項目の心電図などは条件付きになります。血液の一般検査や血糖値などの検査、特定健診の4項目以外の眼底検査など、従来の身体状況の全体をチェックできるような区民健診を区としても全区的に受けられるようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○尾﨑健康・高齢担当参事 今回の保険者による健診につきましては、国が示した健診項目、必須項目、それから医師の判断に基づき選択的に実施する項目、そういったものが定まっております。そういった保険者の実施義務としてやられる特定健診、そういったものを見ながら、区として実施する健診項目について考えていきたいと思っております。
○岩永委員 メタボリックシンドロームを中心とした特定健診だけでは十分ではないということを指摘をされているところです。ぜひ全体的な状況がわかるような、これまでも取り組んできた、こうした特定健診の対象外になっているもの、また、詳細検診項目というふうに挙げられているもの以外でも、区としてぜひ実施をするようにしていただきたいと思います。
後期高齢者健診では、9月12日、埼玉・千葉・神奈川・東京の広域連合長連名で厚生労働大臣に緊急要望を提出しています。保険料軽減などのための6項目の要望です。国や都に健診事業の財政支援を求めるとともに、区としても他の自治体と共同して、75歳以上の健診は無料で実施できるような働きかけをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 健診事業の後期高齢者の自己負担につきましては、現在、東京都後期高齢者医療広域連合で検討中と聞いてございます。健診を受診する方と受診しない方との公平を図るといった観点から、一定の自己負担は必要と考えてございます。
○岩永委員 まだ自己負担については結論が出ていないと思っています。ぜひこうした高齢者の方に対する負担が発生しないような、そういう姿勢で臨んでいただきたいと思います。
区は、「健康福祉都市宣言」をしています。加入保険の種類にかかわらず、区民の健康を増進する責任があります。それは、その人は国保だとか、この人は社会保険だなどと言っていないで、区民全体を視野に入れた取り組みを進めていくことが大事だと思います。どのような体制で臨んでいくのでしょうか。
○尾﨑健康・高齢担当参事 平成20年度からの医療保険者が実施する特定健診、特定保健指導や区が行うがん検診をはじめとする区民健診、さらには、区民を対象とした健康づくりへの活動支援など、区民が健康づくりに主体的に取り組んでいけるように関係団体、区民等の連携により健康づくりを進めていく考えでございます。
○岩永委員 この特定健診がそれぞれの保険者ということになり、区としてもなかなか区民の全体がわかりにくくなってくるというふうにお聞きしています。ぜひ区として区民の状況がわかるような、そういう努力をしていただきながら、区民の健康増進に努めていただきたいというふうに思います。要望しておきます。
では、次に、区政に対する信頼の回復についての項目で、まず、中野サンプラザの問題についてお尋ねいたします。
区が出資して設立した所有会社の代表取締役が交代しました。この退任した方は、パートナーとして事業を運営する民間企業グループの中心的役割を果たした方です。有識者の選定が下した該当者なしの判断を、部課長の庁内検討で選定し、地元企業で決定したという事業体の代表者であります。この地元企業グループということについては、04年第4回定例会本会議の平島議員の質問に対し、区長は「ビジネスバンク・コンサルティングについては、その経営者の方については中野出身、中野での事業活動から発展してこうした企業を運営されているに至っている。そうした意味では、中野のまちということを強く意識した運営がこれからもなされていくことを区としては期待している」と答弁されています。区長の答弁は、サンプラザの事業パートナーをこのグループに決める上でのキーワードになっています。このたび、わずか2年半ほどでこのような運営会社の問題が起こり、代表取締役から失脚したことは、区長答弁に照らしてどのように説明されるのでしょうか。
○川崎経営担当課長 今、代表企業のお話がございましたが、この代表企業、法人としては存続をしてございますが、また、ただいまお話がありました御本人につきましても、運営会社、株式会社中野サンプラザの代表権のある会長ということで経営に携わっているということで、現時点ではその影響はないというふうに考えております。
○岩永委員 私は、この方が、ビジネスバンク・コンサルティングも名前が変わりましたね。そして、代表格、いわゆる取締役社長でもなくなった。そういう状況の中での今の状況をお聞きしたんですが、区としては問題がないととらえているということですね。
このサンプラザを購入するに当たり、事業の調査をして「適正評価報告書」を提出したのは東京建物株式会社です。この企業は、他の企業と共同して今回、囲町公園跡地を路線価より4倍の価格で購入していますが、これは偶然のことでしょうか。
○川崎経営担当課長 ただいま御質問の件につきましては、民間の企業活動の一環でございますので、区としてはコメントできる問題ではないというふうに考えております。
○岩永委員 サンプラザの出融資清算まであと7年です。10年後の清算や再整備への検討について、05年3月に「事業に関する協定書における規定の変更確認書」を区と出融資企業との間で取り交わしています。2012年までに交渉案をまとめるとしていますが、清算や整備などについてはどのような検討状況でしょうか。
○川崎経営担当課長 ただいまお尋ねの再整備の構想でございますけれども、これにつきましては、区がまちづくり整備の方針、これを区議会の議決をいただいた上で定めて、これに基づきまして運営会社が区と協議をしながら、平成24年6月までにその計画案、構想案をまとめるということになっております。
このまちづくりの整備方針でございますけれども、これは中野駅周辺のまちづくりの一環として定めていくことになりますので、現在進められております中野駅周辺まちづくりの検討がさらに具体的になった段階で、このサンプラザ地区についてどうするかという検討をさらに進めていく、そのように考えております。
○岩永委員 今のところ、そうしますと、区議会に報告していただけるような状況にはないと、こういうことでしょうか。
○川崎経営担当課長 昨年12月に策定いたしました中野駅周辺まちづくりのグランドデザインにおきましては、区役所とサンプラザ地区について、商業業務と文化・芸術の機能の導入を描いておりますけれども、これをいかに具体的なものにしていくかにつきましては、まだ現時点では御報告する段階にはございません。
○岩永委員 区の出資割合が小さくなり、区の監査が及ばなくなったことについて、私たちは対応を求め、その都度「国との協議で何らかの対応がとれるようにする」との答弁がありました。また、この事業が立ち上がるときの出資や融資などの変更に伴い、議会や区民への説明など不十分と大きな問題になりました。何か変更が起きる場合は、その都度きちんと報告をすると議会にも約束をされてきています。今回、まちづくり21の役員に区の副区長のうち一人は代表取締役に、一人は取締役に就任しました。もともと区からの役員は一人でいいと議会に報告がされてきています。その考え方が変わったことについての十分な説明がありません。第三セクターに関する指針の改定では、「役職員の選任については、職務権限や責任にふさわしい人材を、民間も含めて広く求めることが適当であり、民間の運営ノウハウを有する人材が積極的に登用されるよう努めること。当該第三セクターの事業内容、あるいは他の出資者との関係で、地方公共団体の長などが役員に就任する場合に当たっては、その職責を十分果たし得るよう検討した上で就任する必要がある」となっています。この第三セクターに関する指針などについても、区は遵守をすると言ってこられました。今回、どのように検討され、その内容を議会に報告されたのでしょうか。お聞きします。
○川崎経営担当課長 今回の所有会社の取締役3名のうち2名に副区長が就任したことにつきましては、本会議でも区長より御答弁を申し上げたとおり、今般起きています運営会社と所有会社との関係などについて、区の主導で明確に対応していくという、そういった必要性から、副区長2名を派遣し、その1名が代表権を持つ取締役となったということでございます。
また、このことにつきましては、所管委員会である総務委員会の方に御報告をさせていただいているところでございます。
○岩永委員 先ほど読み上げました指針の部分は、十分議会の理解も得られるような、単なる報告ではなくて、実質あるものにするというようなことが指摘をされているところだと思います。また、基本協定書の第14条に照らした報告の問題では、本会議で長沢議員も取り上げました。特に、14条の2項ですね。「項は、新会社における取締役1名を選任するものとし、当該取締役は新会社の代表権を有せず、無報酬とする」――これは区の出す役員のことを言っていますけれども、これは照らしては、議会にきちんと報告をするなど、議会との相談はあったのでしょうか。
○川崎経営担当課長 今委員が読み上げられた協定では、区が派遣をする取締役1名については無報酬とし、代表権を有しないということでございますけれども、その代表取締役を区が派遣する取締役が担わないという、そういった規定ではございませんので、この規定にのっとって協議をして、進めてきたところでございます。この内容については、総務委員会での事前の御相談ということではなく、報告ということでさせていただいたところでございます。
○岩永委員 私がお聞きしている総務委員会の報告は、二人の副区長がそれぞれの役に就いたという報告であって、この14条の2項に基づいて、今回中野区としてはこういう変更をして、こういう考え方で、このような方向で行きますという、この14条の2項に基づく報告だったというふうに聞いておりませんけれども、それはいかがでしょうか。
○川崎経営担当課長 総務委員会の報告の際に、確かにこの条文を引いての御説明は申し上げませんでしたが、所有会社の取締役会において、石神副区長が代表取締役に選任をされた旨の御報告をさせていただいたところでございます。
○岩永委員 大事なことは、こうした基本協定書などがあるわけですから、その変更は何によって行われたのか、どういうことでそれが保証されていくのかなど、基本のことに基づいて報告などが行われていくべきだと思います。こうした基本協定書に基づいて、区はどういう立場に立っていくのかということは、この事業が始まる当初から重大な関心事であったわけですから、ただ報告をすればいいということではないだろうというふうに思います。
当時の助役や政策室長は、「運営事業者のかかわりも含め、サンプラザ事業に議会や区民がかかわれる対応を具体化する」と説明されました。区の監査が及ばないことを承知しながら、その道を選んだのは区長です。外部監査を実施しているから問題ないでは、説明に筋が通りません。もともと、サンプラザを購入し、契約したときから、外部監査は導入されることになっておりました。監査が及ばない事態をつくったこの責任が区にある。そうしたサンプラザを購入するときから、区民と議会がかかわれる組織をつくると言ってきたわけですから、何らかの対応をすることが区民と議会への信頼を回復する一歩になると思います。どのように具体化されるでしょうか。
○川崎経営担当課長 ただいま委員が御紹介いただきましたこの当時の助役の発言などでございますが、当時、所有会社に関しまして、区の出資割合が減ったということによりまして、地方自治体としての関与ができなくなった。これについては、議会から厳しい御指摘をいただいたところでございます。これを受けまして、当時、区としても対応策を検討したいということでお答えをし、その後、議会の方に「議会の議決すべき事件等に関する条例」という形で御提案をさせていただきました。具体的には、サンプラザ地区にかかわるまちづくり整備の方針に関することでありますとか定款の変更、会社の合併、こういった重要事項について、区が意思決定をする場合には議会の議決を経ること。また、自治法によりまして報告等することとなっております経営状況の報告、これにつきましても、この条例により区議会に毎年報告をするという、そのような仕組みをつくりまして、条例という形で御提案をさせていただいたところでございます。
○岩永委員 問題は、今お答えのあった範囲にはとどまらない、そうした状況が最初からあったわけです。もう既に出融資を変更するという時点で、3月契約時点では区の監査が及ばないということがわかっていながら、そういう出融資の道を選んだわけですから、区としてはきちんとした説明責任だけではなくて、納得できる対応をとるべきではないでしょうか。そこのところをもう一度、地方自治法の上に立ってお答えください。
○川崎経営担当課長 地方自治法で定められています何件かのことにつきまして、この出資割合が変更されたことによって及ばなくなった、今お話があった監査などもそうでございますけれども、これにつきまして、厳しい御意見をいただきながら区としても検討を進めてきたわけですが、先ほど申し上げた条例という形で御提案をし、その後、自治体の監査についていかに及ぼすことができるかというようなことで、都を通じ国などに見解を求めてきたということについては議会でも御説明をしてきたところですが、残念ながら、今この時点では具体的にその打開する策というものは見出しておりませんけれども、先ほど委員からもありましたように、監査役による監査でありますとか、監査法人によります会計監査人の監査、こういったものを十分発揮しながら、適正な関与を保っていきたいというふうに考えております。
○岩永委員 とても納得ができません。もう既に2年以上たちます。先ほどから何度か言いましたけど、当初からもう及ばないということがわかる道を選んだ出融資のサンプラザの事業でした。ですから、地方自治法の立場に立ってどうするのかということが、区は今でも問われています。このまま10年間振り切っていくというわけにはいかない、そういう状況ですから、ぜひ議会や区民への説明と約束は守るようにしていただきたいと思いますので、今後ともこの問題についてはお聞きしていきたいと思います。
以上でサンプラザの問題については終わります。
続きまして、幹部職員の不正打刻についてお聞きをいたします。
区の服務規定などでは、事前に休暇申請が出せない場合、また休暇決定期間が過ぎた後も本人と連絡がつかない場合は、どのような対応をして事務的な処理をするのでしょうか。お聞きします。
○合川人事担当課長 職員の有給休暇等の申請につきましては、勤務時間規則、これは中野区職員の勤務時間あるいは休日、休暇等に関する条例施行規則でございますけれども、この27条第3項で、事前に承認を得るということになってございます。ただ、同項後段のただし書きでございますけれども、「病気、災害、その他やむを得ない事由の場合については、事後において承認を求めることがでる」ということでございますので、そういった場合は事後の手続という形になります。
○岩永委員 この事後の手続ですが、当時、総務委員会では、約五日程度、五日か1週間を経過した場合には、再度連絡をとる。場合によっては、自宅まで訪ねるというような答弁がありましたが、それは今も同じですか。
○合川人事担当課長 今も同じでございます。
○岩永委員 今回のこの幹部職員による打刻事件では、当時の総務課長と部長との間で、休んでいる参事のタイムカードを打刻する相談があったとのことをお聞きしています。課長が管理監督をする責任のない部長に報告し、上司である助役に報告をしていなかったこと。また、相談を受けた部長は、助役への報告の指導や上申をしていないことなども明らかになっています。総務委員会で欠席していることを承知している助役は、けがでの1週間の休暇を認める決裁はしていますが、その後のことについて報告は求めていない。こうしたことが、今回の問題へと大きくつながっていったということが言えます。先ほど御紹介いただいたような、当たり前に処理されなければならなかった手続について、職員には徹底されているのでしょうか。
○合川人事担当課長 職員の服務規律の徹底につきましては、例えば選挙の機会ですとか、あるいは年末年始の機会、またそれぞれの機会、あるいは職員の服務の手引きということで個々に徹底をしてございます。適宜適切に服務規律については徹底をしているところでございます。
○岩永委員 参事のけがの休暇が切れる2月16日に本人から電話があり、「しばらく出勤できない」とのこと。しかし、その後に連絡がついたのは3月の下旬。総務課長は、タイムカードの打刻をしていること、休暇の手続が必要なことを本人に伝えています。その後、手続がされていません。ようやく4月下旬に本人との再度の連絡がつき、5月6日に提出されたとする申請をもとに、2カ月もさかのぼる手続を、人事課など関係する多くの職員がかかわって処理をしています。区では、五日以上連絡のない職員は、自宅訪問などの確認をし、必要な手続をとるとのことですから、課長は忙しかったことを理由にその手配をしていませんでしたが、「しばらく休む」との電話があったにしても、その後に申請が出ていないのですから、職員を派遣すべきでした。区は、「参事は重篤だったが、必要な連絡がとれていたので欠勤ではなかった。そこで、5月6日に出された休暇申請を2カ月も遡及して許可したことに問題はない」と主張しています。しかし、区の監査でも、また裁判の第1審でも、区の処置は認められていません。全国の自治体でもいまだにその例はありません。この裁判では、区の情報公開審査会会長が区の求めに応じて区を擁護する陳述書を提出しています。情報公開審査会は区長の諮問機関ではありますが、この条例に基づく公平な取り組みなどをするという、そうしたことを具体的に進めるための審査会としての役割を持っています。第三者的存在であることが必要です。さらに、この方は、全国の住民自治を励ましてきた人でもあります。その人を裁判に巻き込んでしまったことになるのではないでしょうか。区としてとるべきではなかったと思いますが、見解をお聞きします。
○川崎経営担当課長 今、委員会から御紹介ありましたように、区の主張を補強するために御依頼をしたものでございます。これについては適切であるというふうに考えております。
○岩永委員 中野区の情報公開に関する条例では、この第1条目的ですね。「区民の知る権利を保障し、区民と区との情報の共有を図ることにより、住民自治と開かれた区政運営を推進することを目的とする」となっています。また、「審査会は、この条例の公正な運営を確保するため、区長の附属機関として設置する」となっていますが、大事なことは「公正な運営を確保する」ということではないでしょうか。そういう意味では、今、区としてその手続が適正であったというこの答弁は大変残念でなりません。当たり前の手続を怠り、やってはならない欠勤の参事のタイムカードを打刻して起きた事件です。控訴を取り下げ、真摯に自浄能力を発揮することを区民は求めています。区が控訴して、一体何が区民の利益を守ることになるのでしょうか。お答えください。
○川崎経営担当課長 今回の控訴審におきまして、区としては一定の主張をしております。これにつきまして、十分な審理を尽くしていただくことが必要だというふうに考えております。
○岩永委員 以上でこの問題は終わります。
続きまして、施設使用料の問題についてお聞きをいたします。
区は、団体の活動に着目して有料・無料の対応をこれまでしてきました。この活動内容で区が振り分けることは困難であり、区民の自主的活動に混乱をもたらすと私たちは指摘してきました。区も区民の自主申告で対応するとの方針で臨んできましたが、今回の見直しは区側の対応に統一性がないことをあらわしたものであり、もともと活動内容を振り分けたことに無理がありました。それを今さら透明性や公平性を口実に減免制度をなくし、その活動内容によって使用する施設に異なる負担割合を持ち込むことは、区の都合を区民に押しつけるだけです。自治活動や区民の文化・スポーツへの支援より減額・免除制を廃止し、できるだけ使用料として徴収するためとしか思えません。
そこでお聞きいたします。目的外使用での使用料、指定管理者の施設での使用料は、どのような扱いになるのでしょうか。
○相澤経営分析・公会計改革担当課長 行政財産使用料条例に基づく目的外使用につきましては、使用料として区の歳入となることでございます。
○岩永委員 時間が迫ってきましたので、飛ばします。事務所機能以外、減価償却費、人件費、施設維持費も使用料の算定基準に含むとしています。例えば、今後、地域センターを区民活動センターに転換し、運営を民間に任せるようにしています。かみさぎこぶし園や文化・スポーツ施設を指定管理者にしています。こうした施設では、独自の事業活動も展開します。そうした場合の施設コストは決算額に反映して、それも見直し金額に含まれ、使用料に反映するのでしょうか。お聞きします。
○相澤経営分析・公会計改革担当課長 指定管理者が管理している施設の目的外使用、そういった場合については、目的外の使用に分けられる、人件費など分けられるものにつきましては、目的外施設利用にかかわる経費部分を積算してございます。ただ、施設の維持管理のために必要な清掃などの施設全体の維持管理費、減価償却費もそうですけれども、それにつきましては、現実問題としまして、独自のコストだけを分けるというのは非常に難しいということでございます。総コストを、利用が100%稼働としたとして割り返して、一こま当たりのコストを積算しているということでございます。
○岩永委員 そこには大きな問題があります。施設の性質別に負担割合を設定しておりますが、文化・スポーツを嗜好性の高い活動とすることには大きな問題があります。文化・スポーツ施設の区民負担割合は70%となっています。嗜好性が高いという、こうした位置付けでは、区の文化・スポーツ活動への考え方が後退になってしまいます。
さらに、こうした施設は、青少年が多く使っています。青年館を廃止するとき、その活動場所は地域センターなどにあると説明してきましたが、今度こうした負担を求めることは、青少年の活動場所を奪うことになります。区には、区民の文化・スポーツへの取り組み高める責任があります。総務資料95では、引き上げ率を算出するための使用料収入予定額というものがあります。この額次第で原価が変わり、改定予定額が決まるという恣意的な、客観性のないものと言わざるを得ません。これで使用料を決めることも問題です。区民の文化・スポーツの取り組みを高め、青少年への支援も充実させる、こうしたことも必要です。このような負担割合の導入は見直すべきです。いかがでしょうか。
○相澤経営分析・公会計改革担当課長 文化・スポーツ振興、これは区民の健康・生きがいの視点から重要な施策だというふうに考えてございます。そのため、原価100%を利用者負担ではなく、税で負担する割合を設け、7割の利用者負担割合を設定したものでございます。
○岩永委員 先ほども言いました。区が本当にこうした文化・スポーツが政策として必要だというのであれば、7割というのは余りにも払えない。特に、青少年にとっては払えない、そうした状況も生み出すことになり、決して適正な額とは言えません。見直しを強く求めて、この質問は終わりたいと思います。
続きまして、地域センターの問題についてお聞きをいたします。
現在、地域センターを区民活動センターに転換するという計画の検討はどのようになっているのでしょうか。
○遠藤中部地域担当課長 現在、(仮称)区民活動センターの運営の委託を想定しております運営委員会のあり方や、運営委員会の実務を担う事務局スタッフ確保の方策について検討を行っているところでございます。
○岩永委員 ことしの1定でも、この検討はどうなっているのかということについてはなかなか明かしてもらえませんでした。そういう中で、地域との話し合いの中で出てきた問題点などについて検討して、早急に考え方をまとめていきたいというようなことが言われていました。そういう中で、自動交付機活用という話も出てきています。この自動交付機を設置するとなれば、1台幾らぐらいになるんでしょうか。
○奥山戸籍住民担当参事 自動交付機の価格というお尋ねでございますが、自動交付機つきましては、その使用などによりまして価格に幅がございます。例えば、簡易なものであれば1台七、八百万とか、あと、かなり高機能のものであれば1台1,500万から2,000万とか、そういった価格の差がございます。それと、この自動交付機については、これをコントロールするコンピューターが必要になりますので、それらの開発、こういったことも費用としては必要になるわけでございます。
○岩永委員 具体的な金額がわかりませんでしたけれども、少なくても今のお答えからいけば、相当の経費が見込まれるのではないかと思います。地域センターのオンラインシステムなどにどれくらいの経費がかかったのかを調べてみました。地域センターの第1次・第2次オンラインシステムの設置費用3億3,800万円、戸籍用ファクシミリ初期投資1,380万円余、リース料の単年度が448万円などです。ことしの予算特別委員会で来住議員がこの問題を取り上げ、職員の複数配置を活用してこのシステムを活用する、むだのない検討を求めました。それに対して、区では、「現在検討しているところであります。その具体的な方法としましては、オンラインを活用するかどうかという形で手渡しをするかなども検討している」という、こういう答弁でした。こうしたシステムや機器を生かして、15カ所のセンターで諸証明の発行ができるようにすることは、新たな投資をしなくても、引き続き区民サービスが提供できることとなります。むだのない使い方をすべきですが、どのように構築するでしょうか。
○遠藤中部地域担当課長 職員につきましては、地域と区のパイプ役としての配置を検討しているところであります。諸証明の交付につきましては、自動交付機により区民の利便性を高めていきたいというふうに考えております。
○岩永委員 ぜひ今あるこうした財産、これは区民の税金で買った財産ですから、むだになることがないように活用のしっかりとしたことを検討していただきたいと思います。
以上でこの項の質問は終わります。
では、続きまして、図書館行政についてお聞きをいたします。
文教資料58、59に図書館利用や登録状況が示されていますが、登録者は減少しています。図書館では、利用者や登録者の増加を目指しております。図書館に足を運んでもらうには、魅力がある、役に立つなどのサービス提供が欠かせません。その根幹を成す蔵書・資料サービスでは、視聴覚資料の購入希望が大変多くなっています。図書館だよりにも、前年度も、今年度も視聴覚資料の購入については「購入できない」と載っており、さらに、寄贈などをお願いしています。5か年計画で17年度まで休止しておりました本やCDの寄贈は私も賛成ですが、図書館として図書費の増額と、来年度からは視聴覚資料の購入を再開すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
倉光中央図書館長 視聴覚資料の購入につきましては、メディアの提供方法や、あるいは利用形態の変化等、さまざまな角度から検討してまいりたいと考えております。
○岩永委員 今の館長のお答えは、この間、一貫して変わりません。もう何年もそういうふうなお答えをいただいていて、いつになったら検討結果が出るのか。もう既に17年度が終わって、2年目ですね。区民の間では「一体どうなっているのか」という声が、やはり月日がたてばたつほど大きくなっているわけですね。ぜひ図書費の増額、これも当然実施をしていただきたいし、視聴覚資料の購入再開のための検討をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
○倉光中央図書館長 これまで図書館では、図書資料の整備を限られた財源の中で最優先してまいりました。おかげさまで、今年度はようやく図書資料費として1億円を確保できたところでございますが、視聴覚資料につきましては、残念ながら、本格的に再開購入するまでには至っていないのが現状でございます。このような現状を踏まえて、また昨今のメディアの変化状況等も踏まえまして、さまざまな角度から検討してまいりたいと、こういうふうに考えております。
○岩永委員 ぜひ購入再開のための検討をしていただきたいと思います。
18年度の不明図書は、8館平均0.6%、6,075冊になっています。特に、中央図書館が多い状況です。区民の貴重な財産がなくならないようにしている努力は認めますが、どう対処していくのかが課題です。教育委員会ではブックディテクションの導入などの検討もしているというふうに聞いておりますが、図書館を利用したことが私もありますけれども、なかなかなじみにくい。また、図書館の側も人を配置して協力を求めるというような人手をかけています。積極的なレファレンス活動、親切でその場で質問にも答えられ、図書館は、そして蔵書はみんなの財産との意識啓発を進めることが不明本解消の手立てになると思います。そうしたことにも役に立つフロアサービスや館内サービスの実施をしてはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。
○倉光中央図書館長 不明図書の防止策についてのお尋ねだと思いますが、この防止策といたしましては、IDタグを活用したブックディテクションシステムの導入が有効な手段でなると考えており、できるだけ早期に導入できるよう検討してまいりたいと考えております。
○岩永委員 今言いましたが、ブックディテクションというのはなかなか図書館にはなじみにくいものです。ぜひ館を挙げて、人としてこの問題を解決する手立てをとっていただきたいと思います。
川島商店街の元気村で、商店街や中央図書館、区民の方、ボランティアの読み聞かせ会などが協力した取り組みがありました。子どもたちへの働きかけと図書館の宣伝になったと私は思っています。区民の声を生かしながら、今後も図書館の宣伝を積極的に進めていくことが大事ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○倉光中央図書館長 昨年度の川島商店街への事業協力に際しましては、おはなし会の運営などに地域のボランティアの方の協力を得るなどして取り組んだところでございます。今後も引き続き地域と連携した子ども読書活動、図書館のPRを推進してまいりたいと考えております。
○岩永委員 子どもの読書推進活動計画が2003年度までを計画期間として策定されて、その具体化が重要視されてきています。特に、子どもたちとの関係で、どうした具体化を進めていくのかということなども関心の高いところです。中野区では、ブックスタートなどに際しては、乳幼児健診のときなどに実施をしているということで、そういう場所でこのような絵本のある子育てとか、「ねえ、絵本読んで」とか、「どの本、読もうかな」などという、本当に子どもに向けたこうしたことが配られていて、関心が高める取り組みもしています。同時に、こうしたブックスタートとあわせて、学校の都合はあると思いますが、ブックトークの働きかけをさらに進めることが大事ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○倉光中央図書館長 ブックトークについての各学校への働きかけでございますが、学校関係者向けに、区立図書館では、利用案内を作成・配付してございます。ブックトークについてもこの中で案内するなど、希望の掘り起こしに努めているところでございます。
○岩永委員 今、朝の読書会だとか、読み聞かせ会だとか、本当に子どもたちの読書についての関心が高くなってきています。質のよい働きかけをできるのは図書館です。ぜひそういった立場でさらに取り組んでいただきたいと思います。
学校図書館は、読書活動推進計画の具体化に重要な役割を担うものです。文教資料の9を見ますと、まだ文部科学省が示した基準に達していない学校が残されています。昨年の総括質疑でもこの改善を求めました。教育委員会として、必要な予算を措置すべきです。児童・生徒の長期休み期間だとか、地域の開放なども視野に入れるとなると、一層図書館の蔵書の充実、そして施設設備の整備が求められてきますが、いかがでしょうか。
○小谷松教育経営担当課長 学校図書館の充実ということでございます。今、委員お話がございましたとおり、文部科学省の方で示しております図書標準、これを一つの目安と、目標といたしまして、各学校での蔵書の充実を図っているというところでございます。現在、中野区小・中学校で全体として70%の学校がその基準を満たしているわけでございます。これから各学校ごとにこの基準達成に目標といたしました学校ごとの計画書、これを策定いたしまして、財源的にも限りがあるわけでございますけれども、各学校の方で段階的にその基準の達成を目指して努力をしているという状況でございます。
○岩永委員 同じくこの文教7の資料で、小・中学校の図書購入費一覧がありますが、こうしてまだ未達成の学校と照らし合わせて見ますと、前年度よりも増額をしている学校の方が少ないんですね。減額をしている学校があります。必要なことは、やっぱり教育委員会として必要な予算を確保して、予算を措置して、この達成に取り組んでいくことではないかと思いますので、もう一度、教育委員会として、もちろん学校との相談は必要ですが、こうした予算の配置なども含めての手立てを求めたいと思うんですが、もう一度お答えください。
○小谷松教育経営担当課長 学校の図書・蔵書の充実ということで言いますと、学校自身が本を購入するお金、これは基本的に校割予算の中で一定の額を学校の方に割り当てております。当然、学校の学級数だとか、それから児童数とか、そういったものに応じて柔軟に対応できるような形をとってございます。学校全体として、その学校の経営を行う中で、もちろん図書の充実もそうでございますけれども、全体としてそれぞれ予算の執行を行っているというところでございます。
それからまた、この目標値というものにつきましては、文科省の基準値というものが学級数をベースとして算定しているわけでございます。したがいまして、例えば昨年度目標値を達成したけれども、少し児童・生徒の数がふえて学級数がふえたといったようなときには、翌年度その数値を割るというような、そういった現象もございます。それに特別支援学級等も含めた全体の学級数の中でその数値を出してございますので、これだけが一つの目標ということではございませんけれども、これからの学校図書の充実ということでは一つの目標ということでそれを掲げてございます。もちろん、このほかにも図書館の充実、いろんな角度でやっていく必要があろうかというふうに思います。地域利用の促進であるとか、あるいは地域図書館との連携によります団体貸し出しの活用、そういったいろんな方向でこれからの学校図書の充実を図っていくということも必要だと思ってございますので、もちろん、個々の学校の蔵書を充実するということにつきましても、今後なお学校と連携をとりながら、その充実に努めてまいりたいと思っております。
○岩永委員 私は教育委員会としての予算化ということを求めたのは、校割予算の中だけではなかなか大変ということがあって、教育委員会としての特段の予算措置を求めました。引き続き改善を求めていきたいと思います。
学校図書館指導員の役割は、本当に大きな成果を生み出しています。配置できる時間の延長をしてほしい、また今後統合になる桃花小学校や緑野中学校など、統合による新しい学校ができていきます。廃校になる学校、受け入れる学校などの整理は一人の指導員では大変です。必要な指導員の配置などをするべきだということを要望して、このことについての質疑は終わります。
○岩永委員 最後になります。山手通り問題と地域課題についてお聞きいたします。
ことし8月31日に、地域の皆さんと山手通りの地下高速道路の見学をいたしました。本町出入り口になるところから入り、南の方に向かって神田川の下を通り、渋谷区境にある換気塔の下まで歩きました。首都高からは火災などの事故に対する大がかりな設備の説明を受け、もし事故が起きれば、一体この付近一帯はどうなるのかと参加者は不安に思ったものです。山手通りに関係する五つの区の住民が共同して、45メートルの高さになる換気塔に排気ガスなどの大気情報を提供する電光掲示板の設置を求めています。また、降った雨が中野坂上交差点から下り坂になっている神田川に流れ込んでしまう状況がもう既に起きています。40メートルに広がった車道の雨がしみ込むこともなく、川に流れ込むのは、水害の不安を大きくします。車道に降った雨がじかに流れ込まず、一時貯留できるようにすることが必要だと求めています。繰り返しこのことについても区にぜひ求めていただきたいとしてきましたが、区としても住民の生活を守る立場に立ち、首都高と東京都にその対策を求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○登都市計画担当課長 自動車排ガスの測定につきましては、既に山手通り沿道で行われて、公表されております。したがいまして、新たな電光掲示板の設置までは必要ないと考えております。
また、山手通りに降った雨の件でございますけれども、山手通りの車道部につきましては、降雨時の安全な走行の確保と騒音を軽減するというために排水性の舗装を予定しております。一定程度道路下にしみ込みまして、雨水ますに流れ込んで、下水管へ流れ込むと、こういう構造でございます。したがいまして、直ちに川に流れていくということではございませんけれども、今後下水道事業で和田弥生幹線への取水設備の整備も予定されておりますので、そういったものの早期の整備の促進をお願いしたいというふうに思っております。
○岩永委員 課長も山手通りにいらしたから、今の状況は御存じなのでは――いらしたかどうかわかりませんけど、御存じなのではないかと思うんですが、道路の真ん中に45メートルの細長い煙突が建つわけですね。そこから排気ガスが排出される。脱硝装置や集じん装置も住民運動で設置させることができましたけれども、それでもやっぱり排気ガスが出てくる。特に、本町のあそこは出入り口もできるわけですね。どういうふうな大気状況になっていくのかというのは、住民にとっては生活そのものと密着した問題なので、大気状況がわかるようにしてほしいということを区の方からも求めていただきたいと思ったわけです。電光掲示板が不要だというのは首都高からたびたび言われていますから、区からもそういうふうに言われると、何だ首都高と同じなのかと、こういうことにもなってしまっていけませんので、ぜひ区民のなぜそういうことを要望しているのかということなどにも関心を払って、ぜひ実施できるような立場を区としてもとっていただきたいと思います。
さらに、12月には、この高速道路の供用が開始されます。そして、上の山手通りの整備も進んでいきます。中野坂上交差点から南北に坂になっており、横断歩道で信号待ちをしている人の安全確保が必要です。同時に、バス停の屋根の設置や坂上交差点などでの風害から利用者を守るための改善が必要です。住民は京王バスや東京都にもそうした取り組みを求めてきているところですが、区としてもぜひ歩行者の安全や、また住民の安全確保などへの対応として求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○登都市計画担当課長 山手通りで新たに自転車道等が整備されるということから、仮に歩行者の安全を確保するために一定程度問題があるというような場合につきましては、首都高や東京都に対して、より安全な確保ができるようなさまざまな工夫をお願いしたいと思っております。
○岩永委員 ぜひ安全の確保ができるように取り組んでいただきたいと思います。ここの地域は、本当に大きく変わりました。坂上交差点を中心にして、まちの様子が変わりました。先ほど雨のことも言いましたけれども、本郷通りの地下の和田弥生幹線ができても、神田川の50ミリ対応は完全ではないという状況もありまして、あの山手通りに降る雨が川に同じように降っているときに流れてくるということに対しては何とかしてほしいというような要求が地域としては切実です。ぜひそうした地域の声を理解して、やはり区民のそうした立場に立ってこの山手通りの問題にぜひ区としても取り組んでいただきたいということを要望しておきます。
○今介護保険担当課長 先ほどお尋ねいただいてお答えしなかったことでございます。激変緩和の人数ということでございますが、5,255人で、これは増税により課税になって、保険料段階が上がった人すべてでございます。
○岩永委員 ありがとうございました。長いことあれしていたものですから、うっかり失礼して、ありがとうございます。本当にこれだけの人たちへの影響がここでも見られるということで、ぜひ区は今制度改革や増税などで痛めつけられるような状況に中に置かれている区民を支えるという、自治体としての本来の役割を発揮していただくよう、再度改めてお願いして、私のすべての質問を終わります。
○吉原委員長 以上をもちまして、岩永しほ子委員の質疑を終了いたします。
休憩にいたします。
午前11時57分休憩
午後1時00分開議
○吉原委員長 委員会を再開します。
午前中に追加要求を確認しました資料2件について、提出を受けましたので、お手元に配付しています。御確認ください。
それでは、休憩前に引き続き、総括質疑を行います。奥田けんじ委員、お願いします。
○奥田委員 第3回の定例会に当たりまして、民主クラブの立場から総括質疑をさせていただきます。
戦後の社会状況を見ますと、社会の制度設計自体が大きく変わろうとしておりますけれども、なかなか行政においての制度が変わることなく、現行のままで行われていることが多くあるように見受けられるというふうな立場でおります。経済成長が続く中、あるいは人口増加を前提とした社会制度をこれまではとってきておりますけれども、終身雇用の制度も崩れ、あるいは年功序列といった制度も崩れつつあります。年金の賦課方式についても現在は見直しを行っているところだというふうに認識をしております。成長を前提にしているために、この時々の頑張りの程度、つまり経営で言いますと経営成績、フローの状態を判断するということに注目されているような状況が続いてきたように認識をしております。経営の立場からすれば、本来であれば健康状態、つまり資産の評価、ストックの状況がどうなのか、こういったこともあわせて見ていく必要があるわけですけれども、この行政の見方というのが、これまでは頑張りの程度ですね、経営成績を主に見てきたというところがあるというふうに思っております。これは、先ほども申しましたとおり、右肩上がりの状況の中においては、現状の成績がよければ、つまり現行の帳尻が合っていれば、将来的なものについては、成長を前提としておりますので、破綻しないというような状況があったからだというふうに認識しております。
しかし、残念ながら、成長というのがここのところとまっておりまして、財政の運営についてもこうした成長を前提とした、あるいは人口がふえていくというのを前提とした制度設計を持続することは、これは行政においても、あるいは企業においても、あるいは個人においても、家計においてもこれは難しい状況になっているんだというふうに思っております。まず、こうした状況の中におきまして、行政について今後どうあるべきかについての質疑をさせていただきたいと思います。
まず、主な財政分析の状況、これが今行政においてどのようになっているのか、確認をさせていただきたいと思います。主な財政分析の状況、現在は私の認識では、お金の出入りに関する管理を主に行っているというふうに認識しております。この分析だけでは、経営状態を判断するには十分とは言えないというふうに考えておりますが、どのようにお考えでしょうか。
○相澤経営分析・公会計改革担当課長 経営分析につきましては、経常収支比率でありますとか、実質収支比率でありますとか、公債費率でありますとか、さまざまなそういう指標を使いまして、多面的に中野区の財政状況、あるいは経営状況というのを分析しているところでございます。また、今公会計改革に取り組むということで進めておりますが、そういった発生主義的会計から指標なども勘案して多面的に区の状況を分析していきたいと考えてございます。
○奥田委員 今お答えいただいとおり、現状としては主立った指標として、例えば経常収支比率、あるいは義務的経費比率というような数字をもとに、区民の皆さんにも報告活動をされておりますし、分析にも使われているというふうな認識をしておりまして、例えば、17年度から18年度の推移を見ますと、経常収支比率で80.1%から78.8%、あるいは義務的経費比率で58.6%から56%というような形で、数字の上では「改善」と読み取ることができるような形になっております。
しかし、これを「改善」というふうに果たしてとらえることができるのかどうかということに私は疑問を持っているわけでございます。あるいは、公債費比率についても同様でありまして、昨年、17年度が7.4%、これが8.3%になっている。これを従来の指標の評価で言うと「悪化している」というふうにとらえてきたかと思うんですが、果たしてこれを「悪化」という形で位置付けることが適切なのかどうかということについて疑問を持ってございます。つまり、それぞれの指標が、既に御承知のこととは思いますけれども、先ほど申しましたように、それぞれの指標が分母・分子にストックの情報とフローの情報が両方まざっている状況があるわけでございます。そうすると、本来はストック、つまり資産の状況から健康状態、経営の健康状態を図っていく、あるいはフローの情報から経営成績、つまり今年度、どのような形で行政が頑張ったのか、頑張りの程度を判断する、いずれかに本来であれば峻別するべきところが、情報としてこれが混在している状況にあって、これを判別することがなかなかできない状況だというふうに認識しております。この状況について、担当としてどのように認識をされているのか、御見解をお述べください。
○相澤経営分析・公会計改革担当課長 今、委員の御指摘のように、現在ある指標、それぞれ長所・短所があって、一つの指標だけですべてを判断できるというふうには思ってございません。ただ、経常収支比率であるとか、公債費比率とか、そういう比率においては、日本全国、同じ指標で比べられるという意味では、一定の効果がある。そういったものを参考にして、自分たちの財政状況や経営分析を行うという意味では意味があるというふうに考えてございます。
○奥田委員 今おっしゃっていただいたとおり、自治体間の比較という意味においては、総務省が示しているような形で、同じ指標を使っていくということは、一定の価値があるというふうには考えているわけですけれども、これを自治体の経営という立場から見たときに、数字がどういった価値を持つものかということがあいまいな状況で使われているのはあまり好ましい状況でないなというふうな印象を持っているわけです。私、5年前からこの問題については繰り返し指摘をさせていただきながら改善を繰り返し求めてきた立場ではありますけれども、なかなか状況として厳しいなというような印象を持っております。つまり、公会計の改革をしていく際に、本質的に積み上げの形で、何を幾ら買って、どういうような形で資産化されたか、あるいは費用となったかということを積み上げの形でやっていこうとしますと、かなりの労力と、あるいはコストといったものがかかってくるというふうに考えております。現状、5年前から、あるいはそれ以前から、この公会計の改革についての部署の人員がそれほど変わっていないんじゃないかというふうに認識をしているところなんですけれども、この公会計の改革についての人員の変化を教えていただきたいんですが。
○相澤経営分析・公会計改革担当課長 具体的な人員の変化というのはなかなかちょっとここで申し上げられないんですけれども、御存じのとおり、4月にこういった経営分析・公会計改革分野というのを設置しまして、組織として推進する体制を組んだところでございます。
また、本会議でも御答弁させていただきましたが、全庁的体制で公会計改革は進める必要があるということで、区長を本部長とする本部会議などを設置しまして、各課題・重要事項を確認しながら取り組む体制も講じてきているところでございます。
○奥田委員 そうした全庁的なというスローガン、あるいはお気持ちは十分に伝わってきているところではあるんですけれども、例えば、行財政改革5か年計画の中でも、この改革については実施していくという旨が盛り込まれていたんですけれども、現状はほとんど変化がなくて、バランスシートを総務省方式で作成する、あるいは連結ベースでも作成をされておりますけれども、これについては自治体の中では率先してされているというところについては評価をいたしておりますが、残念ながら、これをどのように生かしていくかというところまで踏み込んだ考え方をしないと、単につくっているだけでは、これは逆にコストのむだになっているというような考え方もできるわけであります。これを実際の積み上げ方式に切りかわるまで継続することの価値がなかなか見えてこないという状況になってしまうなというふうに考えているわけです。
ですから、一足飛びに、例えば東京都がやっているような形で、積み上げ方式を実施できる体制をとるのか、あるいは現状の延長線の中で経営分析として使えるような指標を持つという考え方を経過的にとるのか、いずれか意味のある動き方をしていただかないと、この公会計の推進についてはなかなか実のあるものになってこないんじゃないかというふうに考えているわけであります。
そこで、現在の区のバランスシートの作成についての現状をお伺いさせていただきたいと思っているんですけれども、現在、中野区がバランスシートを作成しております。積み上げ方式という形で、何を買って幾ら資産化されたか、あるいは費用との収支関係どうなっているのか、積み上げた形での計上をしているわけではないというふうに認識をしているんですけれども、現状、どのような形でこの積算、あるいは積み上げをされているのかというのを御答弁いただけますでしょうか。
○相澤経営分析・公会計改革担当課長 平成12年度からバランスシートを作成しまして、公表しておりますけれども、現在の方式は総務省方式により作成しているものでございます。具体的に言いますと、資産で申しますと、実際の資産の額を積み上げているものではなく、昭和44年度以降の決算統計上の普通建設事業費を積み上げまして、それを一定のルールにより減価償却しながら積算しているものでございます。
○奥田委員 つまり、昭和44年以前の資産については算入がされていないということでよろしいですか。
○相澤経営分析・公会計改革担当課長 取得金額という点では入ってございませんが、昭和44年以降の大規模修繕等、かなり古い施設はそういったものもございます。その部分についてはそういった金額も反映されてございます。
○奥田委員 ちょっと細かいんですけれども、つまり、資産的にさらに積み増しをしたときの分については入っているけれども、44年以前の資産形成をした部分で、資産価値としてまだ残っているものも当然あるわけですけれども、その分に関しては計上がされていないということでよろしいですね。
○相澤経営分析・公会計改革担当課長 先ほども申し上げたとおり、取得金額という意味では入ってございません。
○奥田委員 それから、土地に関しての評価はどのようになっているでしょうか。
○相澤経営分析・公会計改革担当課長 取得金額をもとに、そういった台帳もつけて管理しているところでございます。
○奥田委員 土地に関しては、これは減価しないという考え方で、取得金額、つまり簿価の評価が現在まで載っているという理解でよろしいですか。
○相澤経営分析・公会計改革担当課長 土地については減価償却という考えはございませんので、委員御指摘のとおりでございます。なお、簿価、取得金額ということで管理してございます。
○奥田委員 そうしますと、資産の中で、現状として未認識の部分、あるいは評価として不十分な部分、どのような項目があるというふうに所管としては御理解されているでしょうか。
○相澤経営分析・公会計改革担当課長 まず、流動資産とか負債、そういったものはある程度積み上げておりますけれども、有形固定資産につきましては、先ほど申し上げたとおり、官庁会計方式による決算統計の数字を積み上げたものであるということで、積み上げという意味から、一定の限度があるというふうに考えてございますが、現時点ではやむを得ないというふうに考えてございます。
○奥田委員 人的配置についてお伺いしたいんですけれども、先ほどもお伺いしたんですが、こうした公会計改革の担当ということで明確に名前がついたのが、まだついたばかりという状況ではありますけれども、公会計の担当者というレベルであれば、ここ何年かずっと担当者がいたという状況だと思うんですね。その推移がおわかりであればで結構ですけれども、例えば、当初数人という形でやられてきて、現在はどの程度の規模になっている。あるいは、専門性の程度で、こういった陣容で、職員だけでやっていたものが現状はどうなっている。こうした推移・変化について、人員について教えていただきたいと思います。
○相澤経営分析・公会計改革担当課長 すみません、人員については答弁保留させていただきます。
○奥田委員 この公会計の改革、あるいは財政的な分析については、これまでの公会計がなぜ機能しなくなったかというところをしっかりと認識した上で事を進めなければ、ほとんど意味がございません。つまり、今までなぜ公会計の現状で機能したかということの認識が重要なわけであります。それは、先ほども申し上げましたように、これまでの経営が右肩上がり、あるいは人口がふえていく、こうした前提がありましたので、今期の経営成績が回っているという状況であれば、来年度、あるいは将来的にさらに税収がふえる、あるいは経営成績としては今期多少は赤字になったとしても、行く行くは回収できる、こういった前提のもとで設計されていたから、資産的な把握についてはそれほど重要でなかったというのがこれまでの公会計の制度設計を許していた背景にあるわけです。そうした意味において、現状、既にそういった前提が崩れておりますので、こうした人的な体制が不十分な中で、今できることをしっかりとやっていかなければ、持続可能性を行政として把握することも十分にできませんし、一方で、区民の皆さんに対して説明力を持つことができないというふうに理解しております。これまでの指標を示したところでは、十分に中野区の経営状況を示すことはできません。例えば、一方では、基金の積み上げ残高が非常にふえているというようなお声を区民の皆さんからちょうだいすることもあるわけですけれども、これについても、従来型の分析をしているだけでは確かに現金の積み上げ状況が多いという、そうした結果になってしまうわけですけれども、具体的に公会計の中で把握するべき数字、つまりストックですね。資産としての数字の指標を持つことで、これについてまだまだ十分じゃないんだということへの説明力を持つことができるというふうに考えております。
例えば、私は試算をさせていただいたんですけれども、この考え方としては、基本は企業分析の考え方で言うと、基本に置くのが健康状態、資産の状況、つまりストックの状況をストック情報同士を比較し、この比率を出すことで資産の状況、あるいは財政の健康状態を見ることができるものだと理解しております。一方で、経営成績、これはフローに当たる部分です。中野区の1年間の経営成績、頑張りの程度が反映される数字になるんですが、これについては、フロー同士の情報の比較が基本になります。つまり、税収であるとか、人件費であるとかいったようなフローの情報の比較がこの際には重要になってくるわけであります。まず、経営成績につながるこうした要素の分解をフローの情報とストックの情報に峻別をする、これが必要ではないかというふうに考えておりますけれども、いかがでしょうか。
○相澤経営分析・公会計改革担当課長 委員御指摘のとおり、そういったストック情報、フロー情報分けて分析するということも一つは大事な要素だと思っております。そのために公会計の取り組みを推進しまして、現在の総務省方式ではなく、正確な資産の積算に基づいて財務諸表の作成をするように検討を進めているところでございます。
○奥田委員 そうなんですね。具体的にそうした取り組みをしていく中で、正確な財務情報があってそれを分析するというのがやはり望ましい体制ではあるんですが、今御質問させていただきましたように、現状としてはそうした本当に正確な数字の積み上げから分析をするというところまで持っていくのがなかなか厳しいという状況にございます。そんな中で、総務省の方式が一定程度意味を持つものにするために、ある程度こうした概数的なものであるという理解を前提として、これを分析するということに使わなければ意味がないというふうに考えているわけです。正確な情報を得るというところに今後注力されていくという方針が出ているんですけれども、残念ながら、正確な、あるいは細かい情報が出てきても、それを分析して経営に生かすという態度がなければ、非常に労力とコスト、時間、こうしたものがかかるばかりで、現状の総務省方式さえ生かすことができない状況の中では、非常にもったいない話になってしまいます。少なくとも、現状である総務省方式の持つ情報から一定程度意味のある分析をされないと、現状やっている分析については何も分析をしないのであれば必要ございませんし、あるいは今後そうした正確な情報が出てきても、今の数字を分析できないという状況であれば、正しい数字が出てきても、それをどのように生かしていいのかという方針が見えてこないという状況になると考えております。
そこで、16年度から18年度の会計報告の資料、具体的には「主要施策の成果」、あるいは総務の64、65といった資料を拝見させていただきまして、私なりに分析をさせていただいたんですけれども、例えば、企業で言いますと、流動比率という比率を経営の安全性の指標として持ってございます。これは、バランスシートの中で、流動性の資産と流動性の負債を比較するものです。これは、短期的に返さなければいけないお金が既に用意されている状況にあるかどうか、この程度を把握するための指標で、短期の安全性を示す指標になっております。例えば、これを17年度から19年度末という数字を当てはめて比率に直しますと、17年度末で294%、これが18年度末で456%、そして19年度末で461%という形で、比率の改善がされているというふうに理解できるわけです。あるいは、負債比率というような指標もございます。これは、企業で言えば、自己資本に対して負債がどの程度であるかという比率を分析するものになるんですが、これは安定性の中でも中長期の財政的な安定性を把握するための指標になっております。17年度末から18年度末、19年度末という分析をいたしますと、これに関しては0.4倍から0.35倍という形で、数値的に改善をしてきている、このような理解ができるわけです。こうしたまずは経営的には長期の安定性について、行政としては持続可能性をしっかりと把握する意味でこの理解を進めていく必要があると考えております。
一方で、経営成績について把握するのにどのようにしたらいいかということなんですけれども、これにつきましては、民間企業の場合には、先ほど申し上げましたように、フローの情報の比較、あるいは比率を出すことによって把握ができると申し上げましたが、残念ながら、行政の場合は、売り上げという概念がございません。したがいまして、売り上げからコストを引いた利益という概念もなかなか把握しにくいという理解をしております。したがいまして、このフローの情報の比較の中で経営成績を把握していくというのは、なかなか適切な指標ではないというふうに私は考えております。
その中で、ただ経営成績を出すことはなかなか簡単ではございませんけれども、経営効率というものを把握する指標は、民間企業の方法でも参考になるのではないかというふうに考えております。具体的には、企業の指標ではROAというような指標でございます。リターン・オン・アセットでございます。つまり、企業で言えば、最終的な利益に対して総資産がどれぐらいのボリュームになっているのか。要するに、全体の資産の効率がどの程度であるかというのを把握するための指標がROAという指標でございます。この際に、バランスシート上、あるいは行政コスト計算書上でこれに相当するものを当てはめるとどのようになるかといいますと、この際用いることが可能だと考えられるのが、行政コスト計算書の中の「差引一般財源等」という部分が企業会計で言うところの最終的な利益に該当するんだというふうに理解できます。しかし、残念ながら、これが多ければいいという概念ではないということは十分に承知している中で、経営の効率という立場からこれを分析する価値を私はある程度行政として参考にされてはいかがかというふうに考えているわけです。
それで、これについて具体的な試算をいたしてまいりました。16年度末においては、このROAの指標が1.52%、17年度について3.22%、18年度末において4.33%、つまり資産効率が少しずつ改善してきているということでございます。こうした具体的な安全性の指標、あるいは経営効率の指標がどのような推移になっているのか。あるいは、適切な数値という目標値等を設定できるのであれば、それに対して現状どうなのかという把握をされるのが重要というふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
○相澤経営分析・公会計改革担当課長 経営分析といいますのは、民間企業でも、行政でも、大きく把握して、問題意識を持って、中身を詳細に見ていくことが必要だというふうに考えてございます。先ほど委員御指摘の指標については、ROA、総資産利益率、流動比率などにはよく民間の企業の経営分析、安全性・効率性をはかるために使われている指標だというふうに理解してございます。御指摘のような指標も含めて、行政の財政運営の効率性や安全性をはかる面で有効な指標、こういったものについては幅広く研究して、今後の経営の改善、財政運営の方に活用していきたいというふうに考えてございます。
○奥田委員 これで財政についての質問は終わらせていただくんですけれども、この経営をこれから公会計の改革をした上でその指標をもとに分析をされていくという方向性をお出しになっているわけですから、数字がつまびらかになるまでなかなか分析の答えが出てこないということでは、実際に数字が出てきた後の体制としておくれをとるといふうに考えております。つまり、東京都も同じような状況なんです。実際につまびらかな数字を出しても、じゃあそれをどうするかというところで現場も非常に困っておりますし、議会の中でもなかなかそれを生かした議論がされていないという状況があるわけです。そうしたことを踏まえて、今後の考え方について、できましたら区長に御答弁願えればというふうに思います。
○田中区長 公会計改革というのは、完全にでき上がった財務諸表をつくるということが自己目的なのではなくて、どの段階においても得られる最も適切な経営分析を行っていくという、その姿勢そのものから始まらなければいけないというものだと思っております。そういう意味で、ただいたずらに財務諸表を組み立てるだけの作業をするということが経営分析であったり、公会計改革であるのではなく、今の中野区の経営状況というものを持てる数値をきちんと使いながら、適切に分析を行っていくと。その経験をさらに生かしながら、よりよい会計システムをつくり出していくということだと考えているわけであります。
○奥田委員 ありがとうございました。
次に、教育についての御質問をさせていただきたいと思います。
これについても、実を申しますと、こうしたストック概念とフロー概念についての問題意識から、この金融教育については質問を構成させていただいているわけでございます。と申しますのも、私が区議会議員に当選させていただきましてから、若年層の若い方からさまざまな、就労についてもそうなんですけれども、金銭的な問題についての相談を受けることが非常に多くなってまいりました。社会的な背景としては、雇用状況が厳しいというのもございますけれども、なかなか先ほど申しましたような社会状況の変化に教育が追いついていない、金融教育が追いついていないという状況も、これは看過できないのではないかというふうに考えた次第なんです。つまり、社会的に一たん就職をして、そのままずっと続けていく。あるいは、事業を開始してそのまま経営が順調に行くということであれば、先ほど申しましたような今期の経営成績という意識、つまり家計で言えば給料がどうか――ふえたか、減ったか、あるいは今期の収支――幾らもらって、幾ら残ったかということについての意識を持っていれば、右肩上がりでしたから、給料がふえて、あるいは立場が上がっていくというようなことで生産面で、経済の中で言うと生産の過程において再配分がされてきたんだというふうに理解しておりますけれども、現状は残念ながらそうなってございません。一たん社会の一定の枠組みから外れてしまうとなかなか社会復帰が困難な状況にあって、これは就労の支援という側面だけでは十分にきかない状況がある。端的な例を申し上げれば、最近メディア等で話題になっておりますネットカフェ難民というような方々、あるいは長期のフリーターをされている方にとっては、就労の支援以上に金銭的な理解の程度を深めていただくことに重要性があるなというような認識を、この間、さまざまな方から御相談を受けている中で持ったわけでございます。つまり、ある方が借金をする。借金をしたときに、現金として数万円、あるいは数十万円手元に残ったとする場合に、理解としてそれを幾ら使って大丈夫なのか。あるいは、学費、あるいは長期的な返済について、いつまでにどれぐらいの用意をしなければいけないのか。これは常識的な考え方なのかもしれませんけれども、それは資産形成が進んでくる中、あるいは住宅購入、あるいは子どもを育てる中で教育費の捻出といった直面する課題が出てきて、中高年になって初めて形成されてくるような概念だなというふうに認識をしておりまして、ある程度の方は若いうちからそういった概念を持つことはできるんですけれども、残念ながら、そうした社会的に一たんレールから外れてしまった状況の中でアルバイトをして、あるいは借金をしてキャッシュ、現金が一定手に入っても、それをどのように運用していいか把握できないという、残念ながらそういう状況があるように考えております。私は、こうした状況を行政として教育の側面から、あるいは就労の支援の立場から何らかの対策をしていくべきだろうというふうに考えております。
その中で、まずは義務教育のレベルでお伺いをさせていただきたたいと思いますけれども、現状の金融教育について、どのような現状になっておりますでしょうか。
○入野指導室長 義務教育におきましても金融教育を実施することは極めて重要なことというふうになっておりまして、学習指導要領上も位置付けられております。主として、小学校の家庭科の中で、「身の回りのものや金銭の計画的な使い方ができるようにする」というねらいで授業が組まれておりますし、中学校においては、社会科・家庭科で学んでいるのが現状でございます。特に、中学校の社会科の公民の内容におきましては、現代の生産のあらましや金融の働きについて理解させることになってございます。
○奥田委員 そうした着実な社会への理解ということへの学びがまず前提として必要だろうというふうな理解をしているんですけれども、義務教育を修了した後にこうした社会状況に変化に対応できる金銭的な理解を深める機会というのがなかなか持てないという状況がございます。その中で、例えば、御存じかもしれませんけれども、キャッシュフローゲームというような、そうした認識を深めるためのシミュレーションのゲームがございます。そうしたものを活用するなど行う中で、教育の現場で子どもたちへの理解を深めるということも一定可能だというふうに理解しておりますけれども、そうしたことへの対応が可能かどうか、お答えいただければというふうに思います。
○入野指導室長 中野区の各中学校におきましては、先ほどお話しのようなことで学習をしておりまして、教科書、または金融庁がつくっております副教材等を使いまして、金融の役割について学んでいるところでございます。具体的に体験を通してということでは、会社組織づくりから商品企画、製作、販売を模擬体験とするというような企業体験を学習するような実践も学校によっては行われておりまして、体験を通していろいろな形で子どもたち自身に金融のあり方についても学んでいるところでございます。
○奥田委員 義務教育の課程の中で、こうした理解を実質的なものにしていくということはかなり難しいというような理解も一方では私としてもしているところではありますけれども、少なくとも教育の現場においても、若年層がこうした課題に直面する可能性を非常に現在は持っている。こうした状況をぜひ御理解いただく中で、金融教育について義務教育の中で実践を深めていただきたいというふうに思います。
そして、この問題については、義務教育課程において終了するものではないと理解をしておりまして、生涯学習というような立場からもこの支援をぜひしていただきたいというふうな考えを持っているんですが、生涯学習の立場で現状はどのような形になっているのかお教えいただけますでしょうか。
○鈴木産業振興担当参事 金融教育というのは、株式運用だとか貯蓄のノウハウを学ぶというより、やはり生き抜く力をつけるということにそのねらいがあるんではないかなと思っています。収入をわきまえながら支出を考えて、将来を展望した家計管理だとか生活設計ができることを基本の骨格としているものというふうに認識しております。生涯学習の場面ではというふうなお尋ねでございますけれども、私ども産業振興では、就労支援というふうな窓口で一つこれにかかわる側面支援ができるかなというふうに考えてございます。特に、働く、就労が比較的困難な人たちに対する支援をこれからも重点的に行っていきたいなというふうに思っているんですけれども、今般9月に就労求人支援サイトを中野区で開設いたしました。区内で働くことを考えたい人に、こういう募集があるよというふうなことをお知らせするウェブ上のサイトでございますけれども、そこにやはりこういった金融教育、働くこと、あるいはどういうふうに先ほど来出ていましたフローとストックの関係だとか、そのあたりも成人向け、比較的若い人向けに、民間のこういった金融教育をサポートする機関からさまざまなプログラムの情報提供がございますので、私どものサイトの中にもリンクを張るとか、そういう形で就労支援の中で効果的な情報提供ができればというふうに現在考えているところでございます。
○奥田委員 そうした就労支援との連携が恐らく効果的でありますし、必要になってくるんだろうというふうに私も考えているところでございます。これはもう現に迫っている問題をどのように解決していくかという、差し迫った状況にある方が非常に多くいらっしゃるという状況を十分に御認識いただいた上で、この問題については取り組みを進めていただきたいというふうに考えているわけです。
そうした中で、従前にとられていた制度でこうした就労の支援について支度金というような制度を持っていた時期があったというふうに理解しておりますけれども、現状どのような形になっているでしょうか。
○瀬田生活援護担当課長 今のお尋ねのいわゆる支度金というような形での制度・仕組みについては、現在持ってございませんが、私どもの方としましては、生活全般の相談窓口ということで、ネットカフェ等から御来所される方々につきましては、例えば借金ですとか多重債務、そういった問題についての相談について、ハローワークとの連携によってつなげさせていただいたりとか、その他の対応等で今取り組みを図っているところでございます。
○奥田委員 こうした支度金の制度については、なかなか返済が滞ってしまうというようなことで課題が多かったんだろうというふうに理解をしております。そんな中で、制度的な見直しを進めて、現状では直接のお金についての支援ではなくて、側面的な支援を進めていくというような制度設計に移ってきたんだろうというふうな理解をしているんですけれども、その中で、残念ながら、そうした側面的な支援の中では、一たん復帰すればそのまま軌道に乗っていくというような社会状況では残念ながらございませんで、例えば、定期的な仕事が決まったときに、引っ越しをしなければならないというときに、ある程度敷金・礼金といったところでまとまったお金が必要になる。あるいは、給料が入ってくるのが日払いのものでないという体制になると、1カ月後になるんですね。そうすると、引っ越しをするときに一定程度必要になる。それで1カ月後にしかまとまった形で入ってこないとなると、ここのギャップがどうしても埋められないという中で、なかなかそういった状況を脱出できないということが続いてしまうというようなケースを複数私見させていただく中で、行政としてこの支度金の制度について、これがしっかりと戻ってくる、持続可能な仕組みとして再設計される必要があるというふうに私は考えておりまして、その中で、私先ほど申し上げましたような金融教育、あるいは金銭教育をあわせた形で、そうした理解を十分された方に対して支援をするという、教育と組み合わせた形での制度設計ができないかというふうに考えているんですけれども、いかがでしょうか。
○瀬田生活援護担当課長 私ども生活援護の立場の部分での御答弁になりますけれども、現在、ホームレス等を中心にいたしまして、一時的な期間、短期間ですが、緊急一時の保護センター、あるいは自立支援のためのセンターにつなげてさしあげて、生活の自立への取り組みを進めています。その中で、若者の方々も実際には対象になりまして、また御本人の御希望ですとか御意向を踏まえて、短期間ではありますが、そういったところの中で職業教育への訓練ですとかトレーニング、それから就職の具体的なあっせん等につきましてはハローワーク等の機関とも連携いたしまして、そういった形での支援をさせていただいております。
その中でですが、具体的な就職先等が決まった前後におきまして、一定の助成といったような形での手立てが現在、ホームレスの対策の中ではございますが、そういった中でも一部該当があれば支援をさせていただいている状況がございます。
○鈴木産業振興担当参事 困難を脱出する一つのチャンスとして将来設計のノウハウについて学ぶ。その学んだことを担保に支度金を用立てる。一つの御提案として受けとめさせていただきますが、なかなか研究課題として重いものがあるなというふうに認識しております。今後研究してまいりたいというふうに考えております。
○奥田委員 制度設計としては非常に難しいところがあると思います。財政的な問題が非常にまだまだ課題が山積している中で、この就労支援についてのみ現物の支給をという考え方をとるのは難しいだろうなというふうには私自身も認識はいたしておるところでございますけれども、この問題については、中野区としてくくりでは十分に申し上げることはできませんけれども、区の資産といった考え方をとったときには、社会復帰がおくれればおくれるほど、社会資本としての人材の活力を失うということにもなりますし、将来的な扶助という立場からすると、そうした社会的に十分でない状況の方がふえるということが行政として非常に負担感が増してくることになるだろうというふうに思います。これは入り口の対応なのか、出口の対応かで言えば、入り口に近い。人材という立場で言えば、若い立場のうちになるべく復帰ができやすいような環境をつくっていくということは非常に財政的にも将来を考えると負担感を減らす実践になるだろうというふうに考えておりますので、ぜひそうしたことを踏まえて研究等進めていただきまして、できたらそういった実践までつなげていただければというふうに考えております。
この学びについて、教育についてというところで、金融教育を先に御質問させていただいたんですけれども、こうしたさまざまな分野の認識について、子どもたちが現状どのような学びに行っているかについても、やはりこうした問題を個別で見てくる中で、問題意識としては持つようになるわけでございます。具体的には、つまりこうした金銭の問題について、自己での解決能力をどのように身につけるかというのが、この金融教育については個別の課題として今申し上げたんですけれども、本来は教育のあり方の中で学び方を学ぶ、つまり自己で獲得していくという能力をしっかりとつけていかなければならない、このような認識を持ってございますけれども、現状、教育政策の動向を見ますと、残念ながら、質から量への回帰と申しますか、そうした現象も見られる状況でございます。そんな中で、現行の指導要領の中では、こうした学び方を学ぶということについての位置付けはどのようになっているでしょうか。
○入野指導室長 「みずから学び、みずから考える力を育成する」ということが現行の教育課程の中の大きな目標でございます。つまり、子どもたちがみずからの力で学び方や見方・考え方を身につけることも大きな生きる力の一つであるというふうに位置付けられているということでございます。
○奥田委員 その中で、恐らく「総合的な学習」というものが課程の中に位置付けられてきたというふうな理解をしているんですけれども、現状、どのような形でそれが生かされているのかというと、なかなか厳しいものがあるだろうと。それは、指導的な立場の方が、従来型の教育方針を十分に習熟している一方で、新しい取り組みについてなかなか困難であるというような状況はある。あるいは、若年層についても、なかなか人材的に不足してきているという状況もございます。
そんな中で、こうした時代背景が変わっている中で、今は金融、あるいは金銭的な問題について時代背景が変わってきたというような認識で申し上げさせていただきましたけれども、実際は、時代背景としては、そうした高度経済成長の中で、獲得するというものについて、与えられる立場でそれを持続する、与えられた課題を正確にこなすということで持続できた社会が、経済活動だけではなくて社会活動全体において機能していたわけなんですが、現状ではそうした生活全般において、自分で獲得できなければ与えられたゴール、例えば高学歴、あるいは一流企業に入る、そうした与えられたゴールをこなしていくことが一定の成果が得られたというような時代ではない中で、みずから答えを見つけ出していくということができなければ、実際には教育としての目的は果たせないというふうに考えているわけです。
その中で、指導要領の中での位置付けは十分されているんですが、現場において人的なフォローというのはどのようになっているんでしょうか。
○入野指導室長 今、子どもたちがこの時代に生きる力としては非常に大事な部分としましては、今お話しのように、自分自身で学ぶことができる力、その前提としての基礎・基本的な知識・理解も大事なものでありますし、学習を意欲的に行うというような態度・意欲の部分も大変大事な部分であるかというふうに思います。さらにそれが一人ひとりに応じて行われることが今大事なことだと思われますので、私どもとしましては、その子の学びに応じたきめ細かな指導を展開できるようにということで、今学力向上アシスタント等で個別指導や習熟に応じた指導を中心に行ってきているところでございます。
○奥田委員 実際にこうした教育指導要領等で掲げたものについて、背景として社会構造が大きく転換してきたものについて十分に対応していくというような、本当に生活に差し迫った状況がある中で教育政策自体も転換を迫られているんだろうというふうに思います。
その中で、人材が十分に措置されておりませんと、なかなかこうしたものが現場レベルでは機能しませんので、そうした意味で、先ほどそういった人的な補償を少しずつ厚くしていくというような御答弁ございましたけれども、現場の不足感というのがまだまだ聞こえてくる状況がございます。そんな中で、人的に補うことが可能であれば、さらなる補充を考えていただきたいというふうに考えておりますけれども、いかがでしょうか。
○入野指導室長 人的な補償という意味では、いろいろな形で新しい教育を受けている学生の力をかりるなどのことも今導入しておりますし、教育マイスターの研修の中で新しい動向をとらえて、新しい教育を行える教員の育成というところにも取り組んでいるところでございます。さらに充実してまいりたいというふうに思っております。
○奥田委員 そうですね。財政的に厳しい状況ですから、人的なフォローという中でも、なかなか直接的な人的な投資ができないという状況があります。そんな中で、民主党としてコミュニティースクールの取り組みを含めて地域の力、あるいは外部の人材、あるいは専門性の高い方の力も含めての取り組みを強力に推進していただきたいという立場にございますけれども、今回においてそうした御答弁をいただきましたので、このことを踏まえて、ぜひ強力な実践をしていただきたいと思います。
続きまして、広報戦略についてお伺いをさせていただきます。
特に今回は、ホームページ等について、インターネット活用等についてお尋ねをさせていただきます。従前、広報戦略については7,000万円以上費用としてかけている中で、区民の皆さんに情報が的確、あるいは迅速に伝わっている状況なのかということについて疑問を呈させていただいた中で、区報の改善という形で改革をしていただいたことについては非常に評価をしている立場でございます。新しい区報については、区民の皆さんも非常に情報として読みやすい、そして蓄積もしやすいというようなお声をいただいているところでございます。しかし、一方で、残念ながらインターネットを活用した情報の取得については、まだまだ不十分な状況が続いているように理解をしております。資料にございますけれども、総務の24の資料においては、ホームページの18年度の広告収入という実績が出ております。これに関連したものについて、まずお尋ねをさせていただきたいと思います。
この広告収入については、さまざまなお立場からこれを推進していくべきだというような御主張もございます。私も、こうした行政財産を有効活用していくという立場において、これに何ら反対するものではございませんし、そうした地元業者の方の広報のお手伝いをするというような立場においても、これは不必要なものだというふうに考えているわけではありませんけれども、一義的にこのホームページを持っているそもそもの目的が何であるのかというところに立ち返って、まずは考えるべきではないかというふうに考えております。このホームページの存在の一義的な意味というのはどこにあるのかということを、まずは教えていただけますでしょうか。
○浅野報道・秘書担当課長 ホームページという非常に多くの方が同時に検索できるという、いわゆる広がりのある情報提供という形で、区のいろいろさまざまな情報を非常に区報という限られた以上の、もっと区以外の広い形での伝達方法ということで、まずそれを第一義的に考えてございます。
○奥田委員 一義的には、そうした区民の方への伝達が目的で存在するんだろうというふうに私も理解しているところでございます。担当のお立場でも既に御認識なのかもしれませんけれども、ホームページを見ますと、今言及させていただきましたバナー広告がたくさん掲載されているということについては、政策的には目的にかなっているということなのかもしれませんけれども、残念ながら、区民の立場で中野区の情報を調べようという意識でホームページを見たときには、非常にそのバナー広告が目立っているという状況があるように見えます。具体的には、全体のトーンとしては緑色――黄緑ですかね――で統一している中で、赤であるとか青といった非常に発色の強い色彩でバナー広告が右端につながっておりますと、重要な情報がどこにあるのかという意識でホームページを見たときに、バナー広告がまず目に行って、その他の項目がなかなか目につかないというような状況になっているように、私個人としては印象を受けているんです。それについて、担当のお立場でどのような御見解でしょうか。
○浅野報道・秘書担当課長 バナー広告自体は、つくり方としてあのようなつくり方で掲載するのが一般的でございます。一つには、広告という側面から考えれば、やはりある程度目立つ形にせざるを得ないだろうなと。そういう形で掲載するのはやむを得ない部分があるかなというふうに思ってございます。ただ、先ほど委員御指摘のように、私どものホームページのトップページにつきましては、やはりまだ文字が中心であるとか、あるいは項目の整理がもうひとつ十分ではないなというふうな認識を持っておりますので、そういう中で、より区民の方々が見やすいトップページという形で工夫をしていきたいというふうに考えてございます
○奥田委員 そうなんですね。ホームページに関しては、昨年度も100万円程度ですか、幾らかまとまった金額での予算措置がされたというふうに記憶しているんですが、その中で、本来の目的にかなっているかどうかという視点からすると、少しずつ情報をふやしていく中で、十分な整理がされづらいような状況が出てきているような印象を持っております。例えば左の端の情報の欄のところに行きますと、組織という分類と募集という分類が混在しているような箇所、具体的には教育委員会とか選挙管理委員会というような組織についての項目がつながっている中で、人材の募集というものが同じようなところにあったり、内部的な情報として、図書館の情報とその他の情報の重さで十分なバランスがとれていないというような状況など、見ていますと、コストをかけている中においては、初期投資をしたもののメンテナンスの部分で維持管理という部分においてやや不十分ではないかという印象を受けているんですが、それについてはいかがでしょうか。
○浅野報道・秘書担当課長 今委員が御指摘のあったような部分につきましては、やはりそういった意見もございますので、内部の方でいろいろ検討させていただいて、よりどういう形が一番ふさわしいものか、検討させていただきたいと思います。
○奥田委員 昨今、インターネット上での情報を調べる際に、検索エンジンというサービスにおいて情報を、検索窓に情報を入れまして調べるというようなことを中心にされる方が非常にふえております。それは中野区の情報においても同じで、中野区の例えば図書館、あるいは中野区の就労支援というような形で複数のキーワードをもとに、具体的な形で場所を知っていて見に来るというやり方よりも、検索をした結果、その場所にたどり着くというような形で情報をとらえる方が非常にふえております。そんな中で、そうした検索エンジンに対しての対応についてお伺いをさせていただきたいんですが、具体的にはSEO対策というような形で、サーチエンジン・オプテマィゼーション(Search Engine Optimization)というような形で、サーチエンジンにどのように対応するかという対策というような形で理解をさせていただいておりますけれども、この現状、皆さんがインターネット上で調べる、その方法にあわせていくという考え方は、私は一定程度していく必要があるだろうと考えておりますけれども、これについて御見解はどのような形でしょうか。
○浅野報道・秘書担当課長 今のところ、現状としましては区の施策の名前を中心に、ホームページを作成する場合にワードを掲載してございます。ただ、先ほど御指摘のありましたように、検索の仕方というのは、いわゆるいろんな形で検索をされますので、やはりそれにある程度対応できるような形で、作成の段階でそういったキーワードを想定した形でつくりまして、検索してもヒットがしやすいような形に改善していきたいというふうに考えております。
○奥田委員 そうですね。予算的な措置が十分にできない中でも、できることはたくさんございまして、例えば先ほど就労支援についての質問の中で、答弁の中で、そうした情報サイトを立ち上げましたというようなことでの御答弁をいただいたかと思うんですが、残念ながら、「グッJob中野」という言葉、この言葉を検索いたしましても出てまいりません。と申しますのは、正確に片仮名で「グ」と小さい「ッ」とアルファベットで「Job」というふうに書いて「中野」というふうな形で、正確な入力をしますと初めて出てまいりますけれども、例えば耳で「グッジョブナカノ」と聞いて、その言葉をもとに検索をしますと、残念ながらこれが出てこない。中野区を含む民間の就労支援についての情報が出てくるばかりで、残念ながらそうした情報が出てこないというような状況があるんですね。これについては必ずしも専門性がそんなに高くなくても、関連する用語について幾つか複数の項目を持って、あるいは職員の中でも構いませんので、どういった言葉でそうした情報について調べるだろうかということをある程度把握された上でホームページの構築をされると、調べる立場からいたしますと全然違ってくるんですね。
それについて、まずは用語について、複数の項目、あるいは関連する用語でしっかりと反応するような形での設計を、できる範囲でまずは結構ですからやっていただきたいというふうに考えるんですけれども、いかがでしょうか。
○浅野報道・秘書担当課長 今御指摘のあったようなことにつきましては、確かにそういった状況がございました。いろんな言葉をすべて載せるということは難しいと思いますが、やはり区民にとって関心の高い項目、そういったものについてはいろんな形を使いまして、できるだけ検索がスムーズにいくよう努めてまいりたいと考えております。
○奥田委員 ありがとうございます。これでSEO対策、広報戦略についてということについては、質問としては終わらせていただきますけれども、ぜひこうした中野区の情報を区民の立場、あるいは中野区の情報を調べたいというお立場の方にとってより調べやすい情報の窓口であるということを一義的な目的として位置付けをした上で、ホームページの構築をしていただきたいというふうに思っております。その中で、例えば中野区の環境、あるいは中野区の環境の条例という形でやったら、それについて網羅的に調べられるような状況であるとか、そうした、今後より検索性の高いホームページの構築を目指していただければというふうに思います。この項の質問については以上でございます。
地域のネコに関する課題についてお伺いをさせていただきます。
まずは、現状について教えていただきたいと思います。資料で、厚生の77「猫に関する苦情件数(前年度までの5年間)及び代表的苦情例」という形で資料をお出しいただいたんですけれども、傾向としては、17年度までは150件から180件ぐらいという形で推移していた中で、18年度は320件というような形で、ややふえているのかなという印象は受けてございます。まず、現状としてこの動向をどのような形で御理解されているでしょうか。
○飯塚生活衛生担当課長 17年度から18年度にふえた理由でございますが、これはさまざまな項目の、ここに代表的苦情例がありますけれども、こういったものが少しずつふえているということはありますが、特に飼い主のいない猫にえさをやるという、そういった苦情がかなり多いと。これについては苦情受付件数でございますので、同じ苦情について何度も苦情が入るとか、そういった傾向もあるかと思います。
○奥田委員 なかなかこうした苦情に関する分析というのがしづらいという側面もあるんだろうというふうには思いますけれども、まず、こうした現状について分析をしていかなければ対策が出てこないだろうというふうに理解しているんですね。感覚としてつかんでいる部分も一定程度あるだろうというふうには思いますけれども、まずはできる範囲での把握というのをしていただきたいというような立場で御質問をさせていただきますけれども、この出していただいた資料が非常に雑駁と申し上げると失礼なんですけれども、苦情全般という形で一くくりでのお示しという形になってはいるんですけれども、これが、例えば2番の項目で出していただいたような形で性質別で分析というのはされているんでしょうか。
○飯塚生活衛生担当課長 これまではそのようなデータはとってございませんでしたので、現在のところはしてございません。
○奥田委員 一方で、こうした分析については、地域的な傾向というのもあるいは出てくる可能性もございます。そんな中で、どのような切り分けになるかはわかりませんけれども、そうした地域的な分析というものはいかがでしょうか。
○飯塚生活衛生担当課長 これも特に地域別のデータというのはとってございません。
○奥田委員 現在のネコ対策に関して、人材としてはどのような構成になっているんでしょうか。
○飯塚生活衛生担当課長 ネコ対策担当という職員はおりませんが、庁舎管理、あるいは総合的な生活衛生スタッフとともに動物全般を担当している職員、これが6人おります。
○奥田委員 6人の中で政策的な業務を行っている方というのは、つまり事務職ですね――の立場の方は何人でしょうか。
○飯塚生活衛生担当課長 3人でございます。
○奥田委員 事務職の異動頻度、これはどうなっていますか。
○飯塚生活衛生担当課長 事務職の場合、3年から長くて5年くらいで異動するのが普通でございます。
○奥田委員 この異動頻度がある程度高い状況の中で、まずは性質別、あるいは地域別の把握ができるような形で苦情の取り扱いの組織を整備していただく。つまり、形式値に落としていくような取り組みをしていただきたいというふうに考えているんですが、いかがでしょうか。
○飯塚生活衛生担当課長 ネコ問題の解決のためにどのようなデータ、あるいは分析が必要か検討した上で、今後の問題として考えていきたいと思います。
○奥田委員 例えばこうした分析を情報収集をして進めていく際に、ある程度現場で分析を進めていただくということが必要になってくると思うんですけれども、現在の状況、現在の職員の担当のレベルで、パソコン等を使って分析をすることが可能な職員というのはいるんでしょうか。
○飯塚生活衛生担当課長 職員は、パソコンについて基礎的な能力というのは身につけているわけでございますが、分析ということになるとわからないところがございます。一般的な職員が対応できるのは、エクセルの初歩程度というふうに考えてございます。
○奥田委員 そうしたエクセルの初歩程度から少し習熟をしていただければ、こうした分析は可能になりますので、どの程度の精度を持つかということにもよりますけれども、一定程度、こうした資料をもとに分析をするということはしていただきませんと、なかなか現状が見えてまいりませんので、そうした対応も可能な形での習熟も進めていただきたいというふうに思っております。その中で、現状の対策はどのようにされているんでしょうか。
○飯塚生活衛生担当課長 猫についての現状の対策ということでございますけれども、例えば区民から苦情が入ったという場合、この苦情の対象者というのがはっきりすれば、保健所の職員がこの方に苦情の内容を伝えまして、改善を願うということはやっております。
○奥田委員 そうした個別の対応というのはもちろんあると思うんですけれども、中野区としての全体的な政策として位置付けられているものというのはあるんでしょうか。
○飯塚生活衛生担当課長 現在、ペットとの共生を考える懇談会というのを開いてございまして、さまざまな立場からの御議論をお願いしているという段階でございます。その結論を踏まえた上で、区としての方向性を明らかにしていくということになるだろうと考えてございます。
○奥田委員 ネコ問題の対策について、今ちょうど懇談会等を持ってさまざまな立場からの御意見をいただいているところだという御答弁をいただいたわけなんですけれども、そうした方向性を今決めるための俎上を整えている段階だというような理解でよろしいんでしょうか。
○飯塚生活衛生担当課長 そのとおりでございます。
○奥田委員 その方向性というのはいつごろまでに、あるいはどのような形で定まってくるというような形で理解されているんでしょうか。
○飯塚生活衛生担当課長 現在のスケジュールですと、10月、あるいは11月に懇談会の論議を終えまして、それから報告をつくると。それを踏まえた上で区としての方針を出していくと、そのように考えてございます。
○奥田委員 方針をいつまでに。
○飯塚生活衛生担当課長 現在のスケジュールでは、1月、あるいは2月ぐらいには出したいというふうに考えております。
○奥田委員 その全体的な方向性について、恐らく政策的にやる、やらないの決定であるとか、今後の検討課題として申し送るようなもの、いろいろある程度の政策的な力点というのが分かれてくるだろうというふうに思うんですが、その中で、例えば対応が決まってくる、決まってこないというものについて、現在行政としてはお答えとして、この方針を決めている中で、これから明らかになってくるという御答弁をいただいているんですが、この方針が決定された後においては、それについてはどうなっているという形で明確なお答えをいただけるようになると理解してよろしいでしょうか。
○飯塚生活衛生担当課長 全体的な方向というのは出るだろうと思います。ただ、個々の問題について明らかな方針が出るかどうかは、ちょっと現在のところは申し上げかねます。
○奥田委員 その方向性を理解する中で、現状で法的なものも含めてできることというのは何があるのかということについての御質問をさせていただきたいんですけれども、地域での協力という意味において、モデル地域を指定して地域ネコという取り組みをしていくということは、現状の法的な問題等を含めて可能か不可能かというところでお答えいただければと思います。
○飯塚生活衛生担当課長 懇談会で御論議をお願いしている段階ですので、可能性について明確にというのはなかなかできないんですが、他の区ではこれは例がございます。
○奥田委員 事例があるということですので、実施ができないという法的な問題は特になく、地域的な状況次第だということの理解でよろしいでしょうか。
○飯塚生活衛生担当課長 そういうことであろうと考えております。
○奥田委員 もう一度、答弁をお願いします。
○飯塚生活衛生担当課長 そういうことであろうと考えております。
○奥田委員 つまり、地域的な状況が整っている中においては実施も可能だということだと理解させていただくわけなんですけれども、そうした地域的な取り組みには、地域の力が非常に必要になってくるわけでございます。地域的な力が十分育っていかない中においては、発生抑制ということについても行っていく必要があるわけなんですけれども、例えば他区において実施されているような不妊治療助成というようなことについて、これについては方針等ではなく、法的な問題は特にないわけですね。実施について障害になるようなことは特にないという理解でよろしいですか。
○飯塚生活衛生担当課長 これも同じようなお答えになってしまうんですけれども、他の区では実施している例がございます。
○奥田委員 同じく発生抑制についてですけれども、現状でえさやりについての抑制をするということについても、なかなか現在ではとられていないというような状況でありますけれども、このえさやりの抑制についてはどのような形になっているんでしょうか。
○飯塚生活衛生担当課長 これは他の自治体にもあんまり例がないので、難しいことかなと思いますけれども、あくまで一般論として申し上げれば、可能であろうというふうに考えてございます。
○奥田委員 一般的に可能であろうというのは、法的に、例えば罰則規制を設けることも含めて可能だということなのか。あるいはそういったことは含まない中で、スローガン的なもののような掲げ方が可能だということなんでしょうか。
○飯塚生活衛生担当課長 罰則を持った条例を制定するというようなことは、一般論としては可能だと思います。
○奥田委員 一般的には可能というのはどういう意味でしょうか。
○飯塚生活衛生担当課長 これは実際にこういう罰則を持った条例というものを制定したという話を私は聞いていないものですから、今の段階では確実にできるというようなお答えはできないんですが、法的には可能であると。
○奥田委員 現状では法的な問題については、他の自治体ではかなり苦労されている。区民の方、あるいはほかの立場の方にとってはなかなか法的な争いもあるというような形の報告も聞いているわけなんですけれども、中野区の立場としては、これについても一般論の中で可能だというような理解をされているということでよろしいわけですね。
○飯塚生活衛生担当課長 一般論として可能か可能でないかということであれば、可能だろうという考えを持っています。
○奥田委員 わかりました。まず、こうした対策についての整理が現状ではまだ不十分な中で、具体的にどうなっていくということがこれから10月の中で内容が明らかになり、1月、2月までに具体的な方針が出てくるということであるというふうに理解させていただきましたが、ぜひこうした対策について何ができる、あるいは何ができないということについて、現状非常に不明確な状況のまま個別の対応がされているというようなことが続いておりますので、こうした方針を示す際に、ぜひこの区別の具体策について、具体的な形でお示しをしていただきたいというふうに思ってございます。
○浦山保健所長 現在、ペットとの共生を考える懇談会におきまして、使用する動物に関するマナーの問題その他を非常に幅広く論議しております。その中におきましてアンケートなども一部やっておりまして、中野区内のいわゆるペット動物に関する苦情に対するアンケートの地域的な分類、どのような苦情が多いかということも分析しております。
先ほどお尋ねの、いわゆるえさやりのことに関する一定の罰則でございますが、基本的には私たちがペットとの共生における懇談会で根拠法令といたしておりますのは、動物の愛護及び管理に関する法律という法律でございます。これではいわゆる飼育動物を殺したり、ペット業者が遺棄したりした場合においては過料その他罰則規定がございますが、えさやりなどの一般的なことに関しては、やはりマナーの部分に入ることでありますので、なかなか罰則というのは難しいと考えております。
○吉原委員長 先ほど、項目1、財政についてのところで人員についての答弁保留がありました。答弁が用意されましたので、指名いたします。
○相澤経営分析・公会計改革担当課長 人員の推移についての件でございます。昨年度までは財務担当でそれぞれ公会計改革に関するところと連携し、検討を進めてきたところでございます。今年度は専任の担当部署を設けまして、経営分析・公会計改革担当の職員のうち専任担当3名を中心に、関連する部署と調整しながら進めているところでございます。
○奥田委員 ありがとうございました。そうした人的な措置については、恐らく抜本的な改革というところまで持っていく陣容としては不十分だろうというふうに思っておりますが、その中で、現状のわかっている範囲の中でできることを強力に推進していただければというふうに期待させていただきまして、私のすべての質疑を終わらせていただきます。その他については割愛をさせていただきます。すべて終了させていただきます。ありがとうございました。
○吉原委員長 以上をもちまして、奥田けんじ委員の質疑を終了いたします。
引き続き、総括質疑を行います。山崎芳夫委員、お願いいたします。山崎芳夫委員。
○山崎委員 自民党の立場で幾つか質問をさせていただきたいと思います。私の質問は、とてもわかりやすい質問でありますので、わかりやすく答弁をしていただきますと、持ち時間は2時間ということでありますけれども、1時間ぐらいでいくかなというふうに思っておりますので、ぜひよろしくお願いします。
予定をした時間が3時までにございませんので、質問通告を少し順番を変えさせていただいて、3時の休憩のところでうまく切りがいいような質問にしたい。こう思いまして、質問の順番を変えさせていただきます。4番目の中野まつりと無形文化財についてをまず最初に、できれば3時までに上げたいなと、こう思っておりますので、よろしくお願いします。
まず、江古田の獅子舞について、その歴史だとか内容について、恐らく知らない方が多いんだろう、こう思っておりますので、短く概略御説明いただけますでしょうか。
○村木生涯学習担当参事 江古田の獅子舞につきましては、私どもが発行しております「ないせす」の10月号の一面で御紹介させていただいておりますので、後ほどごらんをということで、まず、中野区文化祭保護条例に基づきまして、獅子舞の保持団体でございます江古田獅子舞保存会の同意を得て、昭和57年、区の指定無形民族文化財に指定をされております古式の獅子舞でございます。毎年10月の第1日曜日に行われ、3匹の獅子を中心に、四隅を守る四神、朱雀・青竜・玄武・白虎、それから人々が行列を組み、旧村名主の家を出発いたしまして、巡行して氷川神社へと向かう。そして、夜遅くまで豪壮な舞が続くというものでございます。この獅子舞につきましては、旧江古田村に古くから伝わるもので、その起源は明らかではございませんが、一説には鎌倉時代にさかのぼるということも言われております。記録に残されているところでは、徳川の3代将軍家光が鷹狩りに訪れた際、上覧に供したとされる歴史ある獅子舞ということでございます。
○山崎委員 今、参事の方からも四神という四つの神様が配されて、大変珍しい獅子舞であるというようなことの御紹介もいただきました。そして、この獅子舞は、今の御紹介のほかに、御用提灯が実はつくんです。祭礼で御用、あるいは御用の高張提灯がつくというのは非常に珍しいことなんだそうです。私も地元に生まれて地元に育ちましたので、この起源について調べましたら、村木さんが今お話しになったように、将軍や大名がしばしば上覧をしたということであります。雑司ヶ谷の大行院へ出向いたときには、用具を唐櫃、しょっていくやつですね――に入れて担いで行きましたが、御用の木札をつけ、祭礼には「御用」と書いた高張提灯を掲げることを許された格式の高いものであったと、こういうことでございますので、ぜひとも皆さん、この辺のところを覚えていっていただきたいと思います。
それから、我田引水になって大変申しわけないんですが、こうした四神や御用提灯を祭って行事が古くから行われることは、当時は国王だとか、あるいは天皇が元旦の朝賀式や即位のとき、儀式を厳正に行い、国家や民族の幸せを願った、こういうものなんだそうであります。なぜこのような高貴な四神、四つの神様を獅子舞に移入し、伝承されたかはっきりしませんが、その当時、江古田には都の高い文化を身につけた人がたくさんいただろうと、こう書いてありまして、私もそういう地域に古くから住んでおりまして、大変誇りが高いなと、こう思っています。
それで、今参事の方から御紹介がありましたけれども、文化財保護条例に基づいてということでございますが、この文化財保護条例に基づいての指定というのは中野区にはどんなものがございますでしょうか。
○村木生涯学習担当参事 区の無形民族文化財ということに限ってお話をさせていただきますと、ほかに鷺宮囃子、これが登録無形民族文化財に指定をされております。指定の時期は、江古田の獅子舞と同様に昭和57年でございます。
○山崎委員 同様のものが鷺宮の方にもあるということなんですが、これは条例規定されているんですね。きょう条例集を持ってきませんでしたけれども、たしか後ろの方で千何ページだったと思いますが、この条例の中で区や区民についてどのような定めになっているのでしょうか。
○村木生涯学習担当参事 中野区文化財保護条例に規定がございますが、その前に、第1条の目的というところから御紹介をさせていただきます。「この条例は、文化財が郷土の歴史及び文化を正しく理解するために欠くことのできない貴重な財産であることにかんがみ、中野区の区域内に存する文化財について、その保存及び活用のため、必要な措置を講ずることにより、郷土文化の発展に資することを目的とする。」という第1条がございます。
その下の下、第3条に、区の責務という条項がございます。「区は、文化財が歴史及び文化の正しい理解のため欠くことのできないものであり、かつ将来の文化の向上、発展の基礎をなすものであることを認識し、その保存と活用が適切に行われるよう努めなければならない。」また、第4条には、区民等の責務といたしまして、その1項で「区民は、区がこの条例の目的を達成するために行う措置に協力するとともに、みずから文化財の保護に努めなければならない。」このような規定でございます。
○山崎委員 条例を要約しますと、大切な文化財なので、区民も区も大切に実はしていきましょうねと、こういうことが書いてあるんだろうと、僕は思っています。東京23区の中で、このような同様な条例を持っている区はありますか。
○村木生涯学習担当参事 当区を含めまして、東京23区はすべてでこのような保護条例は持っております。私どもの区の条例は、その中でも昭和56年に施行ということで、3番目か4番目に古い条例というふうに言われております。
○山崎委員 当区は大変古くから条例化をしているということで、そういう意味では伝統の継承という観点に立つと地元ではうれしいなと、こう思いますけれども、江古田の獅子舞は、現在は10月の第1土曜日、日曜日にやっております。この祭礼は、町内を練り歩いて優雅な絵巻ものを繰り広げたような、大変何というんでしょうか、奥ゆかしさのある祭礼であります。遠い遠い私の親戚なんですが、山崎家の所蔵の古い書物の中に、獅子舞行列が今も残っております。江古田資料館に寄贈されておりますので、そこのところは見ていただければと、こう思いますが、実は、この日にちの問題を問題にしているんです。
私が調べたところによりますと、江古田の獅子舞の時期は、昔は何曜日ということじゃなかったようなんです。霜月の28日というのがこの本で記されているんですが、今の暦でいうと、霜月というのは霜の降るころで11月なんですが、これは陰暦だろうと思いますので、太陽暦に直すと、10月28日と、こう読めるわけなんですが、その日に行っていたと。この日が何曜日であろうと、祭礼は行っていたんだそうです。昔のことですから、昔の行事というのはこういう形でやられているのが大変多うございますけれども、この江古田の獅子舞についても、曜日ではなく日にちでやっていた。これが昭和27年の法改正で、10月の第1日曜日に変更された。このようにこの本には記載をされているんです。農家が少なくなって農閑期にやらなくちゃいけない根拠もなくなってきたし、10月の終わりということになりますと浴衣1枚では少し難しいというような、最近の事情がございまして、昭和27年に現在の10月の第1日曜日になったと、こう聞いておりますが、中野まつりも現在10月の第1土曜日に開催をされると。土・日に開催をされると、こういうことになっておるみたいですが、中野まつりの開催についての経緯について、お知らせいただけますでしょうか。
○川崎経営担当課長 中野まつりでございますが、第1回が開かれましたは昭和51年、このときは11月に開かれております。それからしばらく9月下旬に開催をされておりましたけれども、その後、昭和59年から、現在のように10月の第1土曜日を初日として開催されるようになりまして、今日までそのようなことで定着をしてきているところでございます。
○山崎委員 そうすると、江古田の獅子舞の行例が先に10月の第1日曜日にあって――補足しておきますが、私は中野まつりを否定しているおるわけではありませんので――しかし、そうした中野のまつり、これは中央まつりだと思いますけれども、後に10月の第1土・日になったと、このようなことでいいんでしょうか。
○川崎経営担当課長 はい、そのとおりでございます。先ほど委員から御紹介ありましたように、江古田の祭りが昭和27年からというお話ですので、中野まつりは昭和51年からでございますので、後になってから、しかも、先ほど申し上げましたように、実際に第1土曜日を初日とすることになったのは、昭和59年からということになっております。
○山崎委員 昭和59年から第1の土日ということで、改めて言いにくいんですが申し上げておきますけれども、この祭礼の歴史は、参事の方からも御紹介がありましたけれども、鎌倉時代、そういう時代からずっとやってきて、時期については一番近い昭和27年に変わられたということで、実は何でこのことを私が質問させていただいておるかといいますと、地元に斉藤金造さんという私の大先輩がおりますが、長いこと、私は区議会議員をさせていただいて13年たちますが、当選をした当初から、この中野まつりと江古田の獅子舞行列がバッティングをしているんです。何とかならないだろうか、何とかならないだろうかと、それぞれ委員会で、あるいはこうした総括質疑の場あるいは本会議の場ではございませんが、議運等々で申し上げてきたんですが、区側当局の答えは、実行委員会組織がやっているんです、私たちがやっているわけではございません、申し上げておきますが、なかなか実行委員会の方で変更ができない、こういう答弁なんです。大変残念でなりません。江古田に住む人は、江古田地域の文化を守りたい、参加をしたい、同時に中野まつりについても参加をしたい、こう思う人が同じ区民であり、都民であり、国民なんです。ぜひこの辺のところ改革をしていただきたいなと思っておりますが、いかがでしょうか。
○川崎経営担当課長 初めに、その江古田の祭りが700有余年の歴史を持つお祭りであるということは、私も十分認識をしております。先ほど申し上げました、当初は9月ごろ開かれていたということ、9月下旬。この当時は、江古田の獅子舞も中野まつりの方においでいただきまして御疲労していただいております。その当時のパンフレットを見ますと、江古田に伝わる郷土の宝というようなことで、毎年紹介をされていたんですが、その後10月の第1土・日に開かれるようになって、そういったこともかなわなくなったというようなことでございます。
今、委員がおっしゃったようなことにつきましては……(「4年に一遍は行ってるの」と呼ぶ者あり)失礼しました。その後も平成8年から4年に一遍、平成8年、12年、最近では平成16年に中央まつりの方にもおいでいただいております。
そして、今、委員がおっしゃったようなことにつきましては、中野まつりの実行委員の皆さんの耳にも届いておりますし、また、我々区側といたしましても、そのような御意見があることをお伝えをしてきたところでございます。そういった中で、来年度の日程につきましては、第2の土曜日を初日とする日程でやろうということで、実行委員会の方でお話がまとまっております。少し補足をさせていただきますと、この中野まつりの日程というのは、規約などであらかじめ定まっているものではございませんで、毎年、実行委員会で定めることになっております。具体的には、会場を予約する、そんな関係がございますので、この時期に来年度分を決めるということなんですが、先ほど開かれた実行委員会の方で、今、委員が御紹介されたような御意見もあることを踏まえまして、来年度につきましては、第2の土曜日を初日とする土・日ということで開催をされることが内定をしております。
○山崎委員 御配慮いただいて大変私もうれしいですし、また、中野区民の皆さんも両方参加ができるしということでよかったなと、ありがとうございます。
地元の伝統文化を伝えることが私も非常に大切だと思っている一人でございます。ちなみに、私たち議員や地元の皆さん、斉藤金造議員も含めてですが、祭礼の日は、昔、土曜日、半分学校があったんですが、お休みになる。こういうこともあったんです。昔ですから、今の教育行政とは違いますけれども、獅子舞に出る子どもたちは夜遅くまで練習をせにゃならん、こういうことで、午後は学校を早退をして私たちは授業を受けた。獅子舞に出る子どもまで。こんな時代があるぐらい、こういう経過を聞いて、地元に伝統が受け継がれていくと、こういうことをぜひとも覚えていただきたいなと思います。
それで、今も中野のことをちょっと申し上げましたけれども、そういう条例規定をされていて大変重要なんだと、こういう認識を皆さんが持っていただいているにもかかわらず、地元の学校や教育機関、これはどういうふうな取り扱いをしているか、こういうことで調べてみました。地元の保育園、幼稚園。保育園は、南江古田、松が丘、江原町、それから幼稚園につきましては、みずのとう幼稚園、こういうところを調べてみましたが、お祭りの江古田の獅子舞のときに、同日に運動会をやっている。こういうことから、この辺については私の調べ間違いもあるでしょうから、直近の18年の前の年17年、そして18年に決算をやっておりますので18年と、そしてことしどうなっているか、この3カ年についてどうなっていますか。
○藤井保育園・幼稚園担当課長 私の方から、保育園について開催状況についてお答えいたします。2005年については、南江古田と松が丘保育園が10月1日(土曜日)に運動会を実施しております。2006年、昨年につきましては、南江古田保育園が10月7日(土曜日)に運動会を実施しています。今年度につきましては、南江古田と松が丘が10月6日(土曜日)に実施する予定でいます。江原保育園についてはすべて15日、21日、13日と、第2もしくは第3土曜日になっています。南江古田と松が丘については、もともとは10月1日、土曜日に限らず1日に実施していたようなんですが、保護者の方から土曜日に実施してほしいという声が大きくて、第1土曜日周辺に実施するようになったというふうに聞いています。
○入野指導室長 区立のみずのとう幼稚園の日程についてお答えいたします。みずのとう幼稚園につきましては、平成17年度は10月8日(土曜日)に行われておりまして、18年度におきましては10月7日(土曜日)、今年度におきましては10月13日(土曜日)に予定されております。
○山崎委員 私が調べたのとちょっと違いまして、必ずしも全部運動会がバッティングしていたということの事実はなさそうですが、重なっているときもあったように思うんですが、いかがでしょうか。
○藤井保育園・幼稚園担当課長 確かに、第1土曜日に重なるということが、年によって生じています。これにつきましては、運動会というのはどうしても事前に多少の練習をするというようなことがありまして、保護者の方等も含めて夏休みをとられた後ということで、9月の終わりごろから10月の初めごろに運動会を実施することが多い。10月の終わりごろになると、遠足等でなかなか運動会を実施できないというふうな事情から、土曜日に運動会を実施してほしいという保護者の方の御要望におこたえすると、10月の第1土曜日に実施している園が多いという状態になっています。
○山崎委員 保護者の方の御要望と700年の歴史とどっちが重いでしょうか。
○藤井保育園・幼稚園担当課長 保育園では、いろいろな伝承行事につきましては、年間を通じていろいろと取り入れるようにしております。これは、子どもたちの生活に変化や潤いを持たせるというふうなことからもそういうふうな努力をしております。行事によりましては、地域へ参加を呼びかけたり、逆に地域のお祭りなどの催しに招待されて参加したり、地域とのかかわりについては大事にしているところです。ただ、この江古田の獅子舞については、なかなか時期的に難しい場合があるということで、重ならないようにしているところもあるんですが、たまたま重なってしまうときがあるという状態です。
○山崎委員 もう終わったことですから、終わってしまったことをどうかと言うのは私も嫌なんですが、一緒にどうしてもというところはたまたまやっちゃったということは仕方がないにしても、伝統を伝えていくというお気持ちがあって、条例で規定をされていて、その条例も、東京都の中でも23区の中でも非常に早い時期に条例規定をされていると、こういう現実があって、現場は運動会をやっていると。私はとてもおかしいなと。地域のお母さん方に要望があった場合に、こういうようなものが非常に地域として、民族の誇りとして、日本人の心として、こういう行事があるんですと、なぜそういうことがはっきり保護者の人に言えないんですか。
○藤井保育園・幼稚園担当課長 保育園の運動会につきましては、大体午前中に終わるというのが通常のものでして、実は、土曜日、確かに全く重ならないというふうには申し上げませんけれども、逆に家族そろって、次に江古田の獅子舞を見に行くというふうなきっかけにもなっているのかもしれないというふうに思っています。
○山崎委員 それはそういうふうにおっしゃられると、私はこれやめようと思ったんだけど、地元の子どもは、こんなに小さい子どもが幼稚園、保育園に行っていて、それで地域の祭礼は大変――あなた見たことないのかな、大変疲れるの、あれ。子どもの御神輿担いだり、山車を引っ張ったり、そういうことに参加をするんです。午前中に運動会をやっていて、午後にそんなことできやしないんですよ。架空の理論だ、そんなのは。へりくつだ。どうですか。責任ある人の御答弁をいただけますか。
○田辺子ども家庭部長 保育園は地域の施設でございまして、地域の方々との交流ということも子どもたちの生活にとってはとても大事だというふうに承知をしておりますし、そういう御協力もお願いをしているところでございます。さまざまな行事の中で、日程は工夫させていただいておりますけれども、保育園の運営の中でも、こうした地域の伝統文化について伝えるというふうなことを常々行っていきたいというふうに思っておりますし、保護者の方々にも、こうしたことを周知していきたいというふうに思っております。
○山崎委員 初めからそういうお答えがいただければ、私もこんなに大きな声を出さなくて済むかなと思っています。3時までということなので、ちょっと難しいんですが。そういうことが、区会議員の中でもなかなか南の方の方は知られていない方もいらっしゃいますでしょうし、特に職員の方も知られていないと思いますので、いい機会ですから、先ほど参事が言っていた「ないせす」という情報紙に写真が載っていますので、後で配っておいていただきたいなと思います。
それで、区長は、中野まつりとバッティングをしていたと、こういう経緯の中で、非常に日程がタイトな中で難しかろうとは思いますけれども、区長になられて、そういう意味では、ことしで6年目になられますでしょうか、地元の重要無形文化財というものの認識と、そうしたものを一緒に見たり、あるいは参加をしたり、こういう機会も6回あったわけですが、見られたことはございますでしょうか。
○田中区長 中野まつりとちょうど日にちがぶつかっておりますので、祭礼の日に江古田の獅子舞を拝見するという機会は結局得ることはありませんでした。会合の機会ですとか、式典とか、いろいろな形で江古田の獅子舞の一部になるのでしょうけれども、獅子舞を見学させていただくという機会はこれまで何度かございました。
それから、ケーブルテレビで、保存会の皆さんが保存のためにいろいろな活動をされているという様子が放映されていたのがありまして、そういったようなものを見ながら、保存会の皆さんも大変頑張っていただいているなと、地域がこういうふうに守られていくということが本当にいいことだなというふうにも思っております。来年はぜひ行かせていただきたいと思っております。
○山崎委員 来年はということで、今でも、それこそ私も前に言いましたが、少し残念だなと。これだけ古い伝統の祭礼があるのに、区長は、言い方変えれば1回も来ていなかったと、こういうことなので、テレビで見たらわかるだろうと、こういうような御答弁だったと思いますが、私は全くわからないと思います。特に獅子が獅子の宿に帰る夜中の12時の近辺については、先ほども御紹介しましたけれども、高張提灯が迎えに来て、獅子を送っていくんですが、こうした祭礼というのは、中野まつりのような派手さはないんです。高円寺の何とか祭りだとかいろいろ派手なお祭り、フェスティバル等々のものが東京23区ではたくさん浅草の方にもあるようですが、少し性格を異にしているんです。本当に農耕民族の心の支えみたいな、そういうようなお祭りなので、ぜひ見に来ていただきたい。ことしはいかがですか。
○田中区長 ことしについては、中野まつりを含めてさまざま日程を入れてしまいましたので、来年、ぜひ行かせていただきたいと思います。
○山崎区長 区長は日程がタイトですので、もう今週ですので難しいということは理解をしました。それでは、教育長はいかがでしょうか。
○菅野教育長 今度の土曜日でございますか。時間がありましたら行きたいと思っております。
○山崎委員 せっかく教育長、土曜日ということなのですが、ことしは影まつりなんです。獅子舞の舞う姿は見ることができない。カラオケをやっておりますので、できれば江古田四丁目の方に来ていただければ町内回りをやっておりますが、夜来ていただくとそういうことで、カラオケをやっておりますので、できれば日曜日の遅い時間に来ていただきたいなと。副区長はいかがでしょうか。
○石神副区長 中野まつりの当日については、ほかの自治体との交流だとかそういったものが予定されております。日曜日についてどういう形になるのか、その後の話し合いというのも言われていますので、そういった状況を見ながら、行ければ見せていただきたいと思います。
○沼口副区長 日程をやり繰りして、何とか参加したいと思います。
○山崎委員 副区長がもう一人いらっしゃるんですが、まだ本会議でのごあいさつが終わっていませんので、ぜひ要望しておきますが、副区長もいい機会ですから来ていただいて、味わっていただきたいと思います。一区切りなので、委員長、ここで。
○吉原委員長 山崎委員の質疑の途中でありますが、委員会を暫時休憩いたします。
午後2時51分休憩
午後3時14分開議
○吉原委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、総括質疑を行います。
○山崎委員 3時の休憩前に、4番の中野まつりと無形文化財については終わったと申し上げたんですが、区長が来年来てくれるということで舞い上がりまして、質問を二つほど忘れまして、4項目めの質問をちょっとだけさせていただきたいと思います。
いろいろ経緯がありましたけれども、文化財の保護については当局とも連携をして、大変地元の祭礼委員会も含めて氏子会も感謝を申し上げているところですが、今まで、中野のこの無形文化財、特に江古田の獅子舞についてどのような御支援をいただいたでしょうか。
○村木生涯学習担当参事 江古田の獅子舞につきましては、文化財保護条例、先ほどちょっと申し上げましたけれども、文化財保護事業に関する補助金交付要綱等に基づきまして、文化財の保持団体でございます江古田獅子舞保存会の申請により、必要な道具等の補修整備、伝承者の養成等保存事業といたしまして、前年度経費の3分の2以内の額、19年度につきましては25万円でございますが、補助をさせていただいてございます。
○山崎委員 伝統だとか文化の継承について、お金の問題はあまり持ち上げたくないんですが、今までは3分の2以内、25万円以内で補助金を出していた、こういうことですけれども、これは本会議で公明党さんの方からも伝統や文化の継承という意味で質問があったかのように思うんです。そういう部分については、お金の支援だけではなくて制度として、20年度、文化だとか伝統、そういうものの継承について制度の設計として考えていきたいと、こういうような御答弁があったかと思うんですが、その点も含めて確認をいたしますが、いかがでしょうか。
○村木生涯学習担当参事 区民の日常生活への文化・芸術の浸透や伝統文化の保存、継承など、本来の文化・芸術の振興に関する具体策の検討ということで、教育長から一般質問の際、御答弁を申し上げてございます。これらを受けまして、伝統文化の保存、継承を通じたさまざまな取り組みを目にし、参加することのできることによりまして、区民の共同意識の向上ですとか、中野への愛着、あるいは慈しみの心が育つ、こういったことは、区民活動とか町の活性化にもつながることと私どもでは期待をしてございます。こうした観点から、20年度の策定を目途に、こうした具体策の検討を始めたところということで御理解をいただきたいと思います。
○山崎委員 地元の伝統だとか文化というのは、お金ができたからデパートへ行って買ってくるというわけにはいかないんです。経済的にいろいろな変革を経ながら、その都度その都度、経済状況に合わせて地元の人たちが自分たちの生活として守ってくるものなんです。
したがって、今、参事がおっしゃったような姿勢に立って、ぜひともそういうともしびが消えないような御努力を永続的にしていっていただきたい。特に20年度にはそうした枠組みを考えていただく、こういうことですので、よろしくお願いを申し上げます。
○村木生涯学習担当参事 承りました。
なお、NICESの10月号は議員諸氏の皆様方にも既に配付済みでございますので、一度ごらんをいただきたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。
○山崎委員 それでは、質問項目の1番に戻りまして、18年度の決算の財政分析についてお伺いをしたいと思います。
この財政分析、細かくやっておりますと大分時間もかかりますので、きょうは歳入の大きな項目、特別区民税、特別区税の中のたばこ税、軽自動車税を除いた特別区民税、それから大きな収入の一部、財政調整交付金についてお聞かせをいただきたいなと思います。
歳出については、人件費、扶助費、公債費というものが、御存じのとおりありますけれども、人件費、扶助費については御質問がありましたので、きょうは公債費について触れてみたいなと、こう思っています。
それから、特別会計については、それぞれありますが、一番繰出金ということを考えれば、国民健康保険特別会計、この点についてお聞かせをいただきたい、こう思いますので、順次、御答弁の方よろしくお願いを申し上げます。
まず、特別区民税についてですが、せんだって公明党の久保りか委員の方から御質問がありましたけれども、中野区の特別区民税が上がっていると、この分析をということで御質問がありましたけれども、この上がっている率あるいはその額については、23区と比較してどうだったんだろうかと、こう思いますので、改めて中野区の特別区民税の総額、そして23区と比べてどうだったのかということをお聞きをいたします。
○中井税務担当課長 23区平均に比べまして、納税義務者の伸びや、また一人当たりの住民税額の伸びがともに低かったと認識をしております。また、老年者非課税措置廃止によりまして、非課税から課税になった影響で、これはまた各区ともに、納税義務者一人当たりの平均所得が前年に比べまして落ち込んでございます。また、中野区は23区平均よりもさらに落ち方が大きかったというふうに認識してございます。
また、土地や株式等の譲渡分離課税分も、伸び率で見ますと23区平均が同程度に伸びました。しかし、増額分につきましては、23区平均の6割程度にとどまったというところでございます。
○山崎委員 株式の方はともかくとして、納税義務者の人数は減った。そして、一人当たりの納税額が下がったと。こういうことが理由のようですが、定率減税が廃止をされたと、こういうことで22億何千万円でしょうか、増額になったと、こういうことでよろしいんですね。
○中井税務担当課長 そのとおりでございます。
○山崎委員 そうすると、定率減税が行われなかったらどうなったでしょうか。
○中井税務担当課長 定率減税が行われなかった場合につきましては、これにつきましてはやはりそれなりの伸びを示したのではないかと思います。
○山崎委員 特別区民税は22億8,875万9,000円、現年分伸びているんですよね。これは皆さんが書いた、この主要施策の成果に書いてあるんです。その中で、しかし、定率減税がなくなったことによって、減税というのがなくなったので、税率が上がったのでこれだけになったと、こう書かれているんですよ。それで、23区平均して同じように伸びていければいいんだけれども、23区はたしか11.4%の伸びだったと思うんです。しかし、中野区は8.何%かな、8.4%の伸びであったと、23区に比べると低かったんだけれど、どういう分析なんだと、こう聞いたんです。そうしたら、あなたは、納税者数と納税する一人当たりの税金の額が少なくなったんだと、こう答えられたんですが、それでは、特別減税がなかったら、物すごく税収は落ち込んだんでしょうか。
○中井税務担当課長 やはり特別減税がなければ、非常に落ち込んだのかと思います。
○山崎委員 おおむねで結構ですから、22億円ふえたよと、こう書かれているんですね、主要施策の成果には。しかし、ちょっと言い方は悪いかもしれませんが、神風が吹いて、税収が22億8,800万円ほど上がったんだよ。しかし、本当であれば、中野区の体力としてこれだけではなかったんだということであれば、大体どのぐらい入ってこなかったんでしょうか。
○中井税務担当課長 すみません。ちょっと答弁保留させていただければと思います。
○山崎委員 詳しい数字はともかくとして、後ほど御答弁いただきますけれども、定率減税があってやっと22億円伸びたので、実際にはそれがなかったらマイナスであったという御見解をお持ちのようなので、その御見解の上に立って質問を続けさせていただきます。先ほども触れましたけれども、納税者数と、そして納税者の人たちの担税力というのかな、税金をどれだけ支えられるかという力によって、この特別区民税が決まると思うんですが、この理屈についてはいかがでしょうか。
○中井税務担当課長 その辺につきましては、納税者の方一人ひとりの担税力がやはり上がってきませんと、納付資力というものは上がりません。そういった場面では、やはり担税力というものは必要なことだというふうに思ってございます。
○山崎委員 だから、担税力だけではなくて、納税義務者の数も、課長、大切なんですよ。少ない人数で支えればそれだけ大変になるわけですから、だから、人口問題というのは非常に政府の予測として、いい悪いは別にして注目を浴びて予測が間違っていた、あるいは速報値として正しくないんだという批判を国会の方で浴びるんです。その根拠は、出生率は最終的には納税義務者に変わってくるんですよ。そういう意味で、もう少しちゃんとした御答弁をいただきたいと思いますが、それでは質問を続けていきます。
納税者数の現在の年代、税金を払っている人たち、10歳代は払っていませんね。20歳代、30歳代、40、50、60ぐらいまでの方々の人数で結構ですから教えていただけませんか。
○中井税務担当課長 失礼しました。所得割課税の対象者といたしましては、20代の方が約3万4,300人、30代の方が4万人、40代の方が2万5,800人、50代の方が2万3,600人、60代以上でまとめさせていただきますと、3万4,200人になられます。
○山崎委員 年代別の納税額、この人たちがどのぐらい税金を支えているか、この点についてはいかがですか。
○中井税務担当課長 20代でございますと、総まとめで19億8,000万円で、一人当たりに直しますと約5万7,700円、30代の方ですと54億3,400万円、一人当たり13万5,900円、40代になりますと60億8,100万円、一人当たり23万6,100円、50代になりますと62億5,300万円、一人当たり26万5,200円、60歳以上になりますと63億3,700万円、一人当たり18万5,400円になりまして、やはり一人当たりの負担額は50歳代の方が26万5,000円と最も高い数字というふうになってございます。
○山崎委員 こうした分布の率と、そして今課長がおっしゃったように、その年代年代の数をにらみながら、特別区民税というのは今後どういうふうに推移をするか、こういうことも一つの目安として必要なんだろうと思っているんです。もちろん景気の動向にも非常に左右されますけれども、特別区民税を分析するときに、こういう視点は非常に私は大切な視点ではないだろうかと、こういう思いで聞かせていただいたんですが。質問に戻りますけれども、今、課長がおっしゃったように、一人当たりの担税力という視点に立ちますと、50歳代が26万5,200円かな、私がこの部類に入りますけれども、こういうふうに50歳代が非常に高い数字を示していると。これは当然のことだろうなと思いますが、今後、団塊の世代が退職をする平成20年度以降の、この傾向を見ますと、少なくとも、60歳以上になりますと、年金やら、あるいは退職なさってということで、がくんと18万5,900円ということで、一人当たりの担税力は落ちるんですよね。
したがって、来年度から玉突きで、50歳代の人たちが60歳代になっていくと、担税力も含めて、人数も含めて、特別区民税はそんなには上がらないだろう、むしろ減っていく傾向に、傾向としてはあるだろうと。景気の回復はもちろんありますけれども、そういう外的な因子を除けば、分布的にはそういう傾向にあるのではなかろうかと、こう思っているんですが、いかがでしょうか。
○中井税務担当課長 人口の推計から30歳代後半から60歳代前半の納税者につきましては、平成20年代半ばまでは全体として若干増加すると見ております。団塊の世代の方の退職によります影響を補い、また現時点と同程度の税収で推移するのではないかというふうに私ども見ております。
ただ、委員がおっしゃるように、今後、景気や人口の動向、それから税制改正の影響など、不確定な要素もあると認識していかなければならないかなというふうに思ってございます。
○山崎委員 不確定な要素、私たちが及ばない力の部分については、ここで論じ合っても仕方がありませんので度外視をしていきますが、人数のところで、30歳代が4万何千人ということで一番多いんですよね、30歳代が。それで、担税力が13万5,900円ということで、それほどではないんです。50歳代の半分ぐらいなんですが、しかし、今お話をお聞きした範囲内では、だんだん担税力が実は上がってきて、50歳代にピークを迎えるんです。したがって、この分布はいきなり来ないんです。20歳代の人がいて30歳代の人がいる。移り住んでくる人もいれば、死んでしまう人もいますが、分布図としてはそういう考え方なんです。
したがって、30歳代の人が引き続いて4万人、あるいはそれ以上、この中野区にいていただいて所得がふえていくような施策をとらないと、30歳代の人が一番4万人として分布図の中で多くいらっしゃる。ちょうど子育てをするころなんですよ。そうした方々が、これから子どもを育てるときに、他区に、あるいは他の地域に行かれてしまうと、この一人当たりの担税力というのは、中野区はなかなか回復できないと、こういう思いで聞かせていただいたんです。その件については後ほど質問をしますので、結構です。
それで、特別区民税、これは額としてお幾らだったでしょうか。現年度分で結構です。
○中井税務担当課長 269億8,279万1,621円でございます。
○山崎委員 率にして何%でしょうか。
○中井税務担当課長 申しわけございません。ちょっと手元に今資料がございません。申しわけございません。
○山崎委員 皆さんがおつくりになった、私はこの主要施策の成果の2ページ目で聞いているんですが、ちょうど円グラフの横から特別区民税の徴収率は91.6%、対前年度費0.8ポイント上昇しました。このうち現年課税分は97.2%と書いてあるんですが、いかがでしょうか。
○中井税務担当課長 ここの収入率につきましては、97.5%となってございます。
○山崎委員 おっしゃったことがよくわからないんですが、このうち現年課税分は97.2%と書いてあるんですが、これがミスプリントで97.5%とおっしゃった。そういう意味なんでしょうか。
○中井税務担当課長 大変申しわけございませんでした。委員のおっしゃるとおりでございます。
○山崎委員 人間にはだれでも間違いがありますので、そのことについてとやかく申しませんが、できるだけ、頭をすみやかにして、そんなに難しい質問を私はしようと思っているわけではございませんので、肩の力を抜いて御答弁をいただければと思います。
それで、現年度分に比べると、97.2%で、この文章を読みますと、「前年度比較で現年課税分は変わらず」と書いてあるんです。変わらなかったと。一生懸命、調定の努力をしたり、それから人口の分布があったり、いろいろなことがあったけれども、現年課税分は変わらなかったと、これが主要施策の成果にちゃんと書かれているんです。
しかしながら、これも同じ区の皆さんが作成をした、これは19年1月、ことしの1月に出された財政運営の考え方という小冊子があって、私はこれはとてもわかりやすいし、こういう財政運営も、私も賛同もするし、そのための政策は自民党挙げて応援をしようと、いつもこう思っているので、これを見させていただいているんですが、この財政運営の考え方に照らしますと、これは7ページにこう書いてあります。「特別区民税は98%以上ある。20年度、21年度は各5%の収納率増を目指す」と書いてあるんですが、18年度は17年度に引き続き変わらず、97.2%であったと、このことについての御感想はいかがでしょうか。
○中井税務担当課長 平成19年度の状況は、税源移譲の影響により、住民税では所得の少ない層の負担がふえ、徴収に困難が増すと考えてございます。平成21年度に現年分、収入率98%以上確保することにつきましては、一層の努力をしていかなければいけないだろうなというふうに考えております。
○山崎委員 そうなんですよ。税制がそれこそフラット化になって、非常に人口の分布あるいは担税力、見ても厳しい中で、追い打ちをかけて、非常に住民税がフラット化になった。これは皆さんが悪いわけではないんです。しかし、そういう制度になったがゆえに厳しい状況になるだろうと、こう予測は私もしております。それで、その上で98%以上を目指せるかということなんですが、いかがでしょうか。
○中井税務担当課長 やはり、今申し上げましたとおり、一層の努力といったところで運営していかなければならないというふうに思ってございます。
○山崎委員 ぜひとも御努力をいただいて、私どもPRをしますので、頑張っていただきたい。しかし、頑張るだけでは収納率はなかなか上がらないので、具体的にどうやったら、皆さんが目指す0.5ポイントずつ、できれば98%以上を目指すという方向に実際に具体的に行けるのかと、こういう議論に行くわけですが、実際に収納率を上げていく方策として、今までどおりのことをやっていたら、今までどおりの収納率か、あるいは条件が、区が置かれている条件、今言ったようなフラット化だとか景気だとかいうことが厳しくなれば、今の収納率さえ確保できなくなると思いますが、いかがでしょうか。
○中井税務担当課長 現状のままでは、やはり委員がおっしゃるように、収納率は上がっていかないというふうに考えてございます。そういった場面では、いろいろな工夫をしていかなければいけないし、委員がおっしゃるように、区民の方々にどういったPRをしていかなければいけないかといったところもあわせて考えていかなければならないというふうに考えてございます。
○山崎委員 それで、具体的にはどうするか、こういうことなんですが、これはあくまで私の思いつきでお話をしますので、そんなこと無理だよということがあるかもしれませんが、初めから否定をしないで聞いてほしいんです。コンビニ収納ができないのだろうか。保険料はコンビニで払えるんだけれども、税金は払えない。どうしてなんですかと、こういうふうによく聞かれるんです。私も答えられないんです。したがって、コンビニでも払えるような仕組みに努力すればできるのではないかと、こう思いますがいかがでしょうか。
○中井税務担当課長 コンビニ収納に向けましては、今、実施に向けまして、委員がおっしゃるように検討をさせていただきまして、近い将来実施させていただければというふうに考えてございます。
○山崎委員 努力をしているということですので、それ以上のことはなかなか申し上げにくいんですが、私がこの質問席で申し上げることではありませんが、収納率を上げるにはやはりコスト意識というものも一方で必要なんです。100円徴収するのに110円かかったんじゃ意味がないんですよね。そうした部分も含めて御努力をいただきたいし、後ほど国民健康保険の収入未済額等々について御質問しますが、コスト意識もしっかり持って、なおかつ御検討いただきたい。これを要望しておきます。
それから、収納率向上の対策のもう一つとして、私たちは今、カード人間なんですね。カードで決済できないだろうか。これは非常に難しい問題かもしれません。しかし、今の若い人は多いんです。なぜなから、ポイントがたまるんです。ポイントがたまっていろいろ特典があるんです。税金もポイントがたまるということになりますと、これは若い人はかなり払ってくれるんじゃないのかなというふうに思うんですが、カードの決済は難しいでしょうか。何とかできないだろうか、いかがでしょうか。
○中井税務担当課長 クレジットカード収納ということで、収納窓口の拡充の一つの方法といたしまして、今、私どもの方も情報収集をさせていただいてございます。今後につきましては、やはり委員おっしゃるように、カード社会になってきてございますので、こういったものを取り入れていかれるような研究を今後もしてまいりたいというふうに考えてございます。
○山崎委員 ぜひよろしくお願いします。
それでは、先ほどもちょっと触れましたけれども、担税力、税金を区民の人たちが支える力について、若干御質疑をさせていただきたいと思います。
私はかねがね、区役所の会計は歳入と歳出、こういうことで組まれていて、歳入は歳入にどれだけ入ってくるだろうかと必死になり、歳出はむだ遣いがないだろうか、こういうことで必死になり、組まれている。私たちもそのために努力をしていると、こう思っているんですが、実は考えてみますと、歳入と歳出というのは一体なんですね。担税力を上げる、税金をたくさん払ってくださるような社会をつくる、そのために幾らかかるか。言い方を変えると、お金を使いっ放しではなくて、使った結果、中野が住みやすいまちになって、それで税金をたくさん納めてくれるような、間接的にはまちになるような政策を展開していく。そういう観点がないと、僕は経営的に難しいだろうな、こう思っているんですが、基本的に私の考えに賛同の方と反対の方と、御答弁いただけますでしょうか。
○長田計画財務担当課長 委員御指摘のとおり、社会全体の活力が増し、区民の方々が豊かな暮らしを築くことは、税収増加の要因になるというふうに考えてございます。10か年計画のまち活性化戦略や元気いっぱい子育て戦略など、四つの戦略で示すように、区民生活に影響を与える課題に戦略的に取り組み、中野のまちの活力を高めてまいりたいというふうに考えてございます。
○山崎委員 要は、私の考え方に御賛同いただくと、こういうふうなことだろうと思いますが、本当にそうなんです。ファミリー向けの所帯を用意して、そうしたファミリーの方々が引き続いて中野に暮らしやすい住宅の施策も、歳出としてこれは組まなければならぬのです。そのために基金の運用も必要でしょうし、必要があれば起債もしなくちゃならぬと思います。しかし、そういう努力をすることによって担税力が上がるんです。そういう意味では、子育て支援もそうなんです。篠委員が保育園の話をしていましたけれども、子どもさんを育てるのに大変費用がかかる。特にゼロ歳児は40万円以上かかる。これは出っ放しじゃないんです。その子たちが育つ、あるいはそのお母さん、お父さんがある程度の年齢になったときにこの区に住んでいてくれたら、引き続いて支えてくれる担税力であったら、これは税収が上がるんです。そういう経営者的な視点に立ってぜひとも取り組んでいただきたい、こう思います。
それから、歳入のもう一つの項目で、財政調整交付金というのがございます。これも調整3税が非常に伸びたことによって、思いがけなくたくさん入ってきた、こう思っていますが、いかがでしょうか。
○長田計画財務担当課長 18年度の決算におきましても、331億円を超える特別区交付金を得てございます。これはやはり景気の回復によるものというふうに考えてございます。
○山崎委員 それで、先ほどお示しをしました財政運営の基本的な考え方、これと照らして財政運営の基本的な考え方に基金、起債計画の基本的な考え方というのが書かれているんですね。これに照らして財政調整基金の積み立てについて、実はお聞きをしたいんです。先ほど共産党の岩永さんから、18年度の決算の分析について、私と全く意見が違うお考えの御質問があったように思います。17年度にて繰越金、決算譲与金について、区民の皆さんにため込まないでたくさん使ったらどうだろうか。これが区民の皆さんの要望でもあるのではないだろうか。こういうような趣旨の私は御質問だったように思います。私も真っ向から反論をするつもりはございません。しかし、財政的な運営の中で、この財政調整交付金、そしてその裏返しとして財政調整基金というものがあって、年度間安定的に中野の財政を支える仕組みとしてあるだろうと。財政調整交付金は、先ほど課長がおっしゃったように、330億円を超える金額が入ってきますけれども、調整3税によっては思ったほど入らないかもしれない。しかし、区の福祉施策はそうした状況を待ったなしで継続的に進めなければならない。そういうときに、財政調整基金に積み立てたお金を出動して安定的に区民の福祉に寄与するんだ。だから、17年度に譲与金が余ったら使うんだというようなことではなくて、今後の状況を考えてある程度の額を積んでいくべくだと、こう思いますが、いかがでしょうか。
○長田計画財務担当課長 全く委員の御指摘のとおりだというふうに考えております。特別区交付金の財源になるものも、市町村民税法人分ということで、景気の動向に大変左右されるものでございます。また、特別区民税も同じく所得に着目している税金でございますので、やはり景気の動向に左右される。そういった景気の動向に左右されない年度間の調整をするために、委員御指摘のように、財政調整基金を用いて今後の行政を計画的に実行してまいりたいと考えております。
○山崎委員 財政調整基金に積むことは、何か使っちゃわれるんだ。余ったお金が貯金に使われて区民に還元されない。そういうように誤解を僕はなさった質問じゃなかろうかと思ったんです、さっき岩永さんの質問を聞いて。単年度では使わないけれども、将来に向かって安定的に教育や福祉に使うんだ。これはどこかに使っちゃうわけではないでしょう、財政調整基金というのは。そういう意味で、しっかりそうした状況に備えてためて、あるいはその時期が来たら、そうしたお金でしっかり財政運営すると、こういう考え方に立てば、一つも区民いじめでもないし、むしろ区民の皆さんのためになる基金なんだ。私たちは14人そういう考えでいるんですが、いかがでしょうか。
○長田計画財務担当課長 財政運営の考え方に既に考え方をお示しさせていただいておりますように、基金計画につきましては、中長期的な歳出の見込みを立てて、これに必要な金額を積み立てていくと、そういう考え方でございます。
○山崎委員 この際、僕はどこかで申し上げておこうと思ったので、直接この質問とは関係ないんですが、理事者の皆さんとよく話をすると、財調で面倒を見てくれるんだから、一般会計で真水を使わないんだからとか、こういうようなことがよく聞かれるんです。財調だから、財調が来るからと。私は財調も区民税、区民の人の税金なんです。区長さんは苦しいんでいるけれども、東京都に行って、私たちの財源なんですと一生懸命汗を流して取ってきているお金で、当たり前のお金なんです。そういう意味では、財調から来るからいいんだ、そうじゃなくて、私たちの税金を大切に使うという視点に立って、この財政調整交付金という制度を、これはそこにいる理事者の皆さん全員にしっかり考えなおしていただきたいなと。これは要望をしておきます。
それで、財政調整交付金、これは二通りあって、普通交付金と特交、特交と言われる二種類ある。僕もよく知らなかったんですが、せんだって教えていただいて、18年には98%が普通交付金で2%だけ特交であったと、こういうようなことでありましたが、これでよろしいんでしょうか。
○長田計画財務担当課長 金額で申し上げますと、324億円余が普通交付金で、6億9,000万円余が特別交付金ということで、ほぼそういう割合になるかと思います。
○山崎委員 これは議長はきょうはいらっしゃらないけれども、議長さんからいろいろお聞きをしましたら、この普通交付金と特交の割合が変わるんだと。東京都の方では普通交付金が95%、特交については5%にしたいんだと、こういうような話があって、区長会では、なかなかこの特交というのは東京都の裁量権が効く、ある意味では交付金なので、中野区の裁量権を主張してもなかなか聞いてもらえない財源のようなので反対しているんだ、こういうふうに聞いているんですが、この点についてはいかがでしょうか。
○長田計画財務担当課長 まず、19年度から財政調整制度の都と区の配分割合が変更してございます。区の配分割合が55%になったということが大変大きな変革になってございます。このことも特別区交付金の額が増額になる。これは18年度決算ではございませんで、19年度の当初算定の内容がそういう内容を持っているものでございますが、こういう制度の改正がございます。これとあわせて、委員が御指摘のように、特別交付金、災害等の特別な事情に対して1件ずつ算定をして交付する特別交付金の支給割合を5%に引き上げるという提案がございました。これについては、23区区長会の中ではさまざまな議論がございましたが、最終的には都区の交付金の割合55%を確実なものとしてかち取るということを前提としながら、最終的な判断をしたものでございます。
○山崎委員 何となく今の御答弁だと、区長会としては55%を確保するために、ある意味では仕方がない判断であったかなというような内容だと、私はこんなふうに受け取ったんですが、いかがでしょうか。
○長田計画財務担当課長 現在、19年度、今年度、特別交付金の算定方法、交付のあり方について特別区側で検討し、これを都に提案をするという取り組みをしてございます。これは委員も御指摘のとおり、どちらかというと特別交付金が1件1件都側の査定によって交付される。その交付の内容が明らかでないということから、23区の中で透明性を確保しながら、しかも特別交付金の意義を高めていこう、そういう動きを都と区で今取り組んでいるところでございます。
○山崎委員 1件1件都に査定をされながら、こういう金額が決まるということであれば、そうした仕組みの中で、今後、中野区もこうした交付金をしっかり、中野区の主張をしていただいてこれるように、これは内部だけではなくて東京都に行ってかなりの努力をしていただきたいなと思いますが、いかがでしょうか。
○長田計画財務担当課長 もとより、都区制度の改革の一連の中で、こういった配分割合についても一定の到達点を見るということができました。さらに、23区の自治が拡充できる方向で、この都区財政調整制度の改善も図ってまいりたいと考えてございます。
○山崎委員 それから、18年度の基金の積立金について、若干お尋ねをします。
18年度現在の財調基金、あるいはまちづくり基金の残高は幾らになっているでしょうか。
○長田計画財務担当課長 財調基金の残高が138億円余でございます。それから、まちづくり基金が16億円余でございます。
○山崎委員 特目も入れて中野区が持っている基金の総額は幾らになるでしょうか。
○長田計画財務担当課長 280億円余でございます。
○山崎委員 東京都平均がたしか474億円と、こういうことだろうと思いますが、間違いありませんか。
○長田計画財務担当課長 そのとおりだと思います。
○山崎委員 これも先ほどの質問と類似をするんですが、基金を積み立ててたくさんたまってもっと使えと、こういう人たちもいますが、これは一つの考え方として、中野は現実に今、280億円、それでいて東京23区平均が470億円を超えると、こういうお話を聞きますと、中野はまだまだ、財調も含めて特目を含めて将来に向かって義務教育費やさまざま、耐震補強だとかいう需要に耐えていかなきゃならぬ。そういう意味では、基金を積まなきゃならないだろうと、こう思っているんですが、中野の280億円というのは東京23区の中で、財政力がすごく違いますから何位というのはおかしいんですが、何番目ぐらいに当たりますでしょうか。
○長田計画財務担当課長 19番目に当たると記憶しております。
○山崎委員 23区あって19番目ということは、そんなに豊かで基金を持ってこれから安心して財政運営が胸張ってやれると、こういう状況ではないんだと、こんなふうに見させていただきます。
それで、これは今年度の補正予算で財調に、あるいはまちづくり基金に、補正予算を組んで基金の方にいきますでしょう。私はそのこと自身は反対じゃないんですが、特目の基金にも積まないと。財調にどんと積んでいくんだと。そういう意味では、将来に向かって財政調整交付金に積んだ方が使いやすいことは使いやすい。しかし、目的があって小・中学校の建てかえだとか、あるいは耐震だとかいうものに向かって将来に備えるのであれば、しっかりとその目的に沿って、特定目的基金にしっかりと積めば、先ほど質疑のあったように、お金が余ったからもっと使えよというんじゃなくて、こうしたものにちゃんと使うんですと、こういうことになれば、共産党さんだってわかっていただけるんじゃないのかな、こう思いますが、いかがでしょうか。
○長田計画財務担当課長 委員御指摘のように、特定目的を持った基金も数多くございます。それぞれの基金の目的に即した必要な基金残高といったものを、私どもは現状としては基金残高はあるというふうに認識をしてございます。それに加えて必要なのは、委員の御指摘の中にもございましたが、やはり歳入の年度間の変動を柔軟に受けとめていくという意味での財政調整基金の役割が、やはり今後もなお大きいかというふうに考えているところでございます。
○山崎委員 将来の需要に備えてどこにどう積めとは、私は申し上げませんけれども、適時的確にしっかり将来に備えて積んでいっていただきたいと思います。
それで、歳出について、これもちょっと重なるんですが、先ほどお話ししたように、義務的経費の中の公債費について、ちょっとお尋ねをしたいなと。これは簡単にお聞きをいたしますが、18年度末の地方債の残高は幾らになりますか。
○長田計画財務担当課長 459億円余でございます。
○山崎委員 459億円の地方債が18年度現在であって、将来に向かってこれから中野区はさまざまにたくさんお金がかかる事業をしていかなければなりません。一方で、基金に積み立てをしてその需要に耐えられるような体力をつくる。一方で、必要があれば起債をしてそうした需要にもこたえていかなくちゃいけない。いわゆる基金に積み立てるのと基金を使うバランスというのが非常に問われることになるんだろうと、私はこう思っているんですが、いかがでしょうか。
○長田計画財務担当課長 委員御指摘のとおりだというふうに私も考えます。
○山崎委員 その上で、先ほどから出ている財政の基本的な考え方の中では、公債費比率10%を目指すんだと、こう書かれてあるんですね。現在は8.3%だったと思いますが、10%にならないと、こういう状況でいいんですが、特に18年度はたしか起債はかかっていなかったと思うのでいいんですが、今後予想される起債計画となると、やっぱり郵政公社跡地の問題だとか耐震補強の問題が多く控えていますよね。それから警大跡地の計画公園や、あるいは道路取得についても、後で国との話し合いで補助金という形で入ってくるにしても、これはやっぱり起債をかけて、そうしたものを前に前に進めていかなければならぬという現実がすぐ目の前に、僕はあると思うんです。そうすると、そういうものもろもろ計算をしますと、100億円をはるかに超えた金額になるかもしれないな。これは私、財政的なことがよくわかりませんので、何となくの感じなんですが、そうなったときに、起債は、公債費比率はどうなっちゃうだろうかなという思いがあるんですが、いかがでしょうか。
○長田計画財務担当課長 確かに委員御指摘のとおり、公債費の割合がふえていくということは、やはり中野区の財政にとっては決していいことではないというふうに考えます。ただし、委員のお考えの中にもお示ししていただいているように、世代間の調整をしながら必要な事業には打って出るというためには、やはり起債をかけていかなければなりません。そういう意味で、一定の公債費の率を抑制しながら、一定の数値に抑制をしながら、これをうまくコントロールして使っていきたいというのが私どもの考え方でございます。
○山崎委員 そうなんです。基本的に10%という数字を持っていらっしゃるけれども、それにあんまりこだわっちゃうと、基本的なこれから中野が向かうまちづくりにはいかないと。臨機応変に、そうしたものを基本的に考えていっていただきたいと、こう思います。
それで、歳出についてはこれで終わりで、国民健康保険について若干お尋ねをしたいので、もう時間が押しちゃってすみません。ぱっぱと聞きますので、よろしくお願いします。
○吉原委員長 先ほどの答弁保留の件で、税務担当課長を指名します。
○中井税務担当課長 先ほどは失礼いたしました。定率減税の縮減分といたしましては、8億6,000万円になります。
○山崎委員 そうすると、22億円ふえていて定率減税の分を8億円引けば、14億円税収は上がっているんじゃないでしょうか。先ほど下がっているというお話でしたが、いかがでしょうか。
○中井税務担当課長 定率減税だけではなくて、ほかに老年者控除廃止等々、老年者に係る分が約6億4,900万円ほどございます。
○山崎委員 そうすると、それを両方足すと14億円ですよね。8億円と6億円で……
○中井税務担当課長 全体を足し上げますと、端数まで入れますと15億9,000万円ほどになります。
○山崎委員 端数を切り捨てて大ざるの話をしますが、15億円でしょう、そのもろもろというのは。そうすると、22億円税収が上がっているというのなら、減っているんじゃないじゃないですか。上がっているんじゃないですか。区税収入は微増だけれども上がっているんだと、こういう認識じゃないんでしょうか。先ほどは下がっている。そういうものを引くと、担税力、あるいは課税対象者の人たちの人数も減る。だから下がっているんだと、こういうふうに僕は聞いたんですが、いかがでしょうか。
○吉原委員長 休憩します。
午後4時07分休憩
午後4時07分開議
○吉原委員長 再開します。
○沼口副区長 今の数字、約16億円ですが、それを差っ引きますと、約7億円近くは伸びているということでございます。
○山崎委員 それでは、改めて国民健康保険特別会計について幾つかお尋ねします。
質問通告して聞かなくちゃ悪いんですが、ちょっと飛ぶかもしれませんが、国民健康保険の歳入のうち、一般会計からの繰入金が18年度と17年度を比べると3.9%減少していると、こうなっているんですね。中野区一般会計からすると、これは繰出金ということになるんでしょうが、その主な要因は何なんでしょうか。
○柿内保健医療担当課長 一般会計から繰り入れの名目につきましては、保険基盤安定繰入金、職員給与等繰入金、出産一時金繰入金、その他一般会計繰入金等がございます。このうち、その他一般会計繰入金が1億3,000万円余減少していること並びに職員給与等繰入金が6,000万円余減少していることが主な要因でございます。
○山崎委員 17年度に比べて幾らになっているんでしょうか。額をおっしゃってください。私が調べた普通の数字なんですよね、これは。私、きょうは持ってくるのを忘れちゃったんだけれども、簡単にわかる数字なんですが、46億円だと思いますが、いかがでしょうか。
○柿内保健医療担当課長 46億円でございます。
○山崎委員 中野区の一般会計は繰り出しをして46億円国民健康保険に繰り出されている、国民健康保険特別会計は中野区の一般会計から46億円繰り入れていると、こういうことなんですよね、仕組みとしては。
○柿内保健医療担当課長 依然として46億円と、大きな金額となってございます。
○山崎委員 質問に答えていただければいいんですが、依然として46億円という金額が中野の一般会計から繰り出されていると、こういう視点に立って御質問を御通告どおりするんですが、これは通告をちゃんとしているんですよね。その内訳は、46億円の内訳は幾らになっているんでしょうか。あんまり詳しくお話をいただいてもわかりにくいので、要は法定分、国民健康保険の中野区が持たなければならぬ法定分、それと責任収納率に足らないで国民健康保険に繰り出すお金と、一緒になっているはずなんですよね、この46億円の中に。法定分は幾らだったのかということですが、いかがですか。
○柿内保健医療担当課長 その他一般会計繰入金の占める割合が約6割ということで、約29億3,000万円となってございます。その内訳につきましては、一般被保険者の医療費の不足分として21億3,000万円余、老健拠出金の不足分として5億4,000万円、介護納付金の不足分として2億2,000万円余となってございます。その中で、一般会計被保険者医療分の21億円のうち6億円余につきましては、保険料を財源としていないため、区の負担となっているものでございます。
○山崎委員 じゃあ、聞き方を変えます。現年度分の収納率は何%だったでしょうか。責任収納率と比較をしてお答えください。
○柿内保健医療担当課長 現年度分の保険料の責任収納率は、91%でございます。これは一般被保険者の現年度分調定額の合算を分母といたしまして、一般被保険者現年度分の収納額を分子として算定されたもので、中野区の収納率をこれに当てはめますと、83.6%となり、残念ながら責任収納率には達してございません。
○山崎委員 責任収納率に達していない、小数点を切り下げると約91%から、今お話しの83.6%を引くと、7%近く達していませんが、これは額にすると幾らになりますでしょうか。
○柿内保健医療担当課長 答弁保留。後で計算しますので、すみません。
○山崎委員 収納率83.6%、こうなっていますが、23区平均的にはどのぐらいになっているでしょうか。他区と比較してお話しください。
○柿内保健医療担当課長 他区と比較は持ってございませんけれども、23区での18年度の保険料収納率の比較では、合計保険料は15位となってございます。
○山崎委員 23区の平均の保険料収納率ですよ。
○柿内保健医療担当課長 それについては、すみません、手元に資料がございませんので、答弁保留させていただきます。
○山崎委員 答弁保留が多過ぎて質疑になりませんので、理事会を開いていただけますでしょうか。
○吉原委員長 休憩します。
午後4時14分休憩
午後4時26分開議
○吉原委員長 委員会を再開します。
初めに、ただいま開かれました理事会について報告いたします。
理事会においては、全体会の運営が総括質疑が円滑に行われるよう、理事者にはたびたび答弁保留がないように事前準備を徹底していただくことを確認をいたしました。
以上が理事会についての報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員長 御異議ありませんので、さよう運営いたします。
それでは、休憩前に引き続き、総括質疑を続行いたします。
○柿内保険医療担当課長 先ほど答弁保留いたしましたものでございますが、不足分ということで現年分は約7億円、その他滞納分が7億円ということですので、約14億円が一般財源から投入されているということで不足分ということでございます。まことに申しわけございませんでした。
○山崎委員 15億円ということになりますと、聞き方を変えますと、責任収納率、現年度分は83.6%、責任収納率の91%を差し引くと、7.4%の差額は、この金額にすると15億円になると、こういう理解でよろしいんでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 約1%につき1億円ということでございますので、責任収納率と査定すると7億円ぐらいでございますけれども、100%と考えた場合は約14億円不足しているということでございます。全体として、私どもが調定を立てた中の100%に対してとすると、83.6%ですので、単純にしますと、14億円ほど足りないということでございます。
○山崎委員 わかりました。調定額をもとにするというところで、多分私の計算と違っていたんだろうと思いますが。それで質問を続きます。
不能欠損についてお伺いをします。
18年度は、不能欠損、これはどこから資料請求されたんでしょうか、総務の106、ちょっとこれを使わせていただいて……。これはとてもいい資料なので、総務の106、国民健康保険事業特別会計、18年度を拝見させていただきますと、不能欠損9億4,633万円1,711円ということなんですが、約10億円弱のお金が不能欠損ということなんですが、このお金はどうなってしまうのでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 不能欠損につきましては、時効が成立したということで、取れないということで、そのまま取れないというようなことでございます。
○山崎委員 たしか2年間の時効ということなんだと思いますが、違っていたら後でおっしゃっていただきたいと思います。9億4,000万円ほど足らなくて15億円ほど区から出ているということなんですが、これは18年度たまたま不能欠損額が9億4,000万円だったんですが、いきなり、経理上は不能欠損ということで出てこないんですよね。収入未済額ということで、まだ債権はあるけれども、払っていただいていないという金額があって、18年度は約30億円あるんです。これはある意味で、19年度の予備軍になっちゃうんです。そういうふうに思っているんですが、見方は間違っているでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 委員、御指摘の収入未済額、18年度は29億円ございますので、29億円のうちどれだけ過年度分としてとるかということでございますので、委員、御指摘のとおり、場合によってはその収入未済額の一部が不能欠損に回るということも可能性としてはございます。
○山崎委員 総務106の資料がすばらしいというのは、一般会計の収入未済額と不能欠損額と比較を実はすることができるんです。いわゆる税金の収納率と比べてどうだったんだろうか。国民健康保険はどうだったんだろうか。私はこの資料をそういうふうに見させていただいておりますが、一般会計の方の不能欠損額が3億9,000万円、半分弱なんですね。翻って、一般会計の分母はもっともっと大きいはずなんですね。そういう視点に立つと、国民健康保険の不能欠損額は非常に高いんだと。こう思うんですが、いかがでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 確かに、委員の御指摘のとおり、不能欠損額は全体の中で大きな比重を占めていると認識してございます。
○山崎委員 その理由は何なんでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 端的に申し上げますと、やはり収納率が低迷しているということだというふうに理解してございます。
○山崎委員 だから、なぜ収納率が区民税なんかと比べて非常に低いのかと、こういう質問なんです。
○柿内保険医療担当課長 国民健康保険というのは、制度的に、やはり他の保険に入れない方ということで、低所得者とか高齢者が多いということでございますので、その方たちがなかなか保険料を払っていただけないという部分が大きく占めている部分ではないかと思ってございます。
○山崎委員 幾つか、質問ももうできなくなってしまうんだけど、これはどうしても避けて通れないのでお話をしておきますが、低所得者の人たちの国民健康保険料というのは、減免や減額になっていると、私はこう思っているんです。生活保護の人たちについては、ある意味で、医療費扶助ということで払わなくて済む、あるいは、今、課長がおっしゃるように低所得者の人たちには7割減額、こういうものがちゃんと用意をされておりますし、不慮の事態で払えないという場合についても、たしか区長の決裁がいると思いますけれども、お話を聞いていただいて、ちゃんと納められる仕組みになっていると思っているんです。
したがって、基本的に払えない人はいないんだと、私はこういう感性でいるんですが、低所得者あるいは高齢者だから払えなくて当然なんだと、こう思われているんでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 そういうことは決して思っておりませんで、やはり皆様の所得等によって保険料というものはあるわけでございますけれども、委員、御指摘の減額制度なり申請減免というものを使われる方もいらっしゃいますけれども、やはりある一定の金額についてこちらで賦課した金額については収納したいということで思ってございます。
○山崎委員 あのね、国民健康保険の収納率が悪い、あるいは不能欠損額が多いというのは、私は被保険者の意識の問題だと思っている。払えるのに払わない意識の問題だと思う。保険というのはみんなで支え合える仕組みなんです。払わない人がいると、もう成り立たない仕組みなんです。その意識が足らないからこういう結果に私はなってしまっていると、こう思っているんですけれども、いかがですか。
○柿内保険医療担当課長 意識の問題というのは個々個人のものがありますけれども、私どもは、保険の制度ということなので、みんなで支える制度でございますので、払っていただきたいということでPRをしているということでございますので、それについては皆様の意識をやはり上げていかなければならないとは思ってございます。
○山崎委員 意識の改革というのはそう簡単には進みませんので、これから皆さんと一緒に私たちも頑張っていきたいと、こう思っているんですが、具体的に、この収納率を上げるのに意識の改革というのが基本的にございますけれども、その方法論として、こうやったら上がるんじゃないだろうか、こういうことが幾つかあると思うんですが、取材のときに、私たちはこんなこともやっています、あんなこともやっていますということで、一覧表を2枚見させていただいていますが、きょうはその一つひとつをやっている時間がございませんが、そうした皆さんの努力が成果としてあらわれているという御認識をお持ちでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 なかなか数字としてすぐに跳ね返ってくるというわけではございませんけれども、今年度から新たに取り組みましたことといたしまして、自動電話システムを利用した電話案内業務を業者委託にしたということでございます。それにつきましては、8月の本格実施以降、利用者からの問い合わせや職員からの折り返し連絡、納付書の送付など、効果が徐々にあらわれていると思ってございます。
○山崎委員 私はあまり電話によって収納率が上がるなとは実は思っていませんが、皆さんの御努力なので、そのことは否定しません。税金を払わない人、保険料を払えるのに払わない人、これをよく分析をすると、恐らく、推測ですが、かなりな人数が合致をするんだろうと。逆の意味からすると、名寄せをする。税金を払わない、あるいは保険料も払わないという人を名寄せをして、それを整理をして滞納の仕事をされるということになれば、非常に収納率が私は上がるんだろうなと、こう思っているんですが、具体的にはいかがでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 現在、税並びに未収金対策、国保の方で、税、国保の収納の重複案件というものを取り上げまして、それにつきまして、やはり委員、御指摘のように、国保が滞納されている方については税を滞納しているというケースが往々にしてございますので、そういうケースを取り上げまして、未収金対策の方で重点的に取り組んでいこうという取り組みを行っているものでございます。
○山崎委員 ぜひ、所管の違う課が重なると思いますけれども、名寄せをして収納率アップに努力をしていただきたいと思います。
もう1つだけ、国民健康保険についてお聞かせをいただきます。
収納率を向上させるために、職員の研修も必要だと思います。あるいは研修を積んだ、経験のある職員、都の課税対処をしていた方々なんかの応援もいただくというのも有効な手段かもしれませんが、民間事業者に債権回収機構、これを利用をして、そこでお願いをすると、こういうことは法的にできるでしょうか。
○柿内保険医療担当課長 現在ある債権回収機構のようなものについては難しいと思ってございます。ただ、サービサーというのがありますけれども、それは貸し金債権をやる、回収する部分でございますので、法律の改正等によってそれが可能になれば、私どもそれを利用していって、できる可能性はあるかと思ってございます。
○山崎委員 あらゆる方途を考えて、できるだけ収納率が上がるように御努力をしていただきたい。しつこくなりますけれども、一般会計から15億円繰り出されているんです。国民健康保険もまじめに払って、年金も払って、税金もまじめに払った人のお金が、払っていない人のお金に15億円も使われてしまうんです、1年間で。補助金の制度を考えれば、国が2分の1、都が4分の1、中野区が4分の1というような事業をもしこの15億円でやったとしたら、60億円以上の仕事が毎年パーになっているんです。そういう思いに立って、皆さんだけを私は責めているんじゃないんです。この問題を解決できるように、理事者の皆さん一丸となって御協力をいただきたい。お願いを申し上げます。
これで、この項の質問は終わりまして、(仮称)東中野区民活動センターについてお伺いをします。恐らくこれでいじめの問題ができなくなってしまうかもしれませんが、その問題については、大内委員や北原委員がしてくれるかもしれません。また、違う機会に質問させていただくことになるかもしれませんので、取材をいただいた方々には、前もって申しわけなかったなと、こう思って、できるだけしようと思います。
(仮称)東中野区民活動センターについてお伺いをします。
これは資料請求をさせていただいたんですが、総務の92という資料請求をさせていただきました。この(仮称)東中野区民活動センターについては、非常に長い間地域の皆さんの声もあり、なかなかそうはいっても財政的な危機もございまして、とんざをした時期もございまして、現在に至るまでには紆余曲折、計画等の変更がありましたので、出させていただきました。この総務92をもとに、できるだけ簡単に概要を説明していただけますでしょうか。
○長田計画財務担当課長 平成4年2月に策定をいたしました中野区長期計画及び実施計画では、東中野地域センターの改築及び新設の東中野児童館の併設を定めました。
次に、平成7年1月でございますが、第二次実施計画を策定をいたしまして、ここで住吉保育園の移転、改築も計画に加えることといたしました。同年3月に、この建設用地を取得したものでございます。
続きまして、平成9年1月でございますが、第二次中野区長期計画及び‘97実施計画の中でもこの3施設の位置付けは変更がなく、同年5月、東中野複合施設基本計画として基本計画を策定したものでございます。
しかし、平成10年12月に至りまして、財政健全化推進プランにおいて‘97実施計画事業のうち投資的事業である本建設事業を凍結することといたしたものでございます。
○山崎委員 私が早くと言ったので早く御説明をいただいたんですが、これは当時、私が区議会議員に当選したのが平成6年だったんですが、7年か8年にすぐこの問題で総括質疑をやらせていただいたんです。たしか、そのときの記憶ですと、当初の計画、平成4年の中期計画でしたか、長期計画の第二次実施計画でしたか、当時は11億円ちょっとの費用で予算がのって、計画にのって、用地委員会で認めて、区長の査定を受けて認めていただいたんですが、用地が見つからなかった。こういうことで計画が1年おくれて、平成7年に取得をしたと、こういうような記憶であります。残念ながら、このときに取得をした金額が20億円だったと、こういうようなおおむねの記憶なんですが、いかがでしょうか。
○長田計画財務担当課長 先ほど御報告申し上げました取得時の価格、約20億円、そのとおりでございます。
○山崎委員 そのときの話をもうここで持ち出すつもりはございませんけれども、これは三井造船株式会社がお持ちの土地であった。そのときの質疑の中で明らかになりました。それで、三井造船株式会社が中野区に買ってくださいと、こう来たんですかと聞きましたら、そうではございませんと。安田信託銀行の不動産部門から買ったらどうかと、こういうようなお話があったと聞いておりますが、信託銀行が区長部局のところに来て、不動産部門がこういう土地を買わないかと、こういうようなことが平常的にあるのでしょうか。
○石神副区長 大規模用地等について空く情報についてはありますが、年がら年じゅうではないですが、大規模な用地で民間で使わない用地がこういうところに出るようですよというような情報はありますが、買ったらどうかとかそういったことについては、そういったところからの情報提供はございません。
○山崎委員 それで、今までの経緯については概略を御説明いただきましたが、現在、当該用地はどうなっているんでしょうか。
○長田計画財務担当課長 結論から申し上げますと、平成18年1月策定の10か年計画におきましては、当該用地を(仮称)東中野区民活動センターのほか保育園、これは先ほども触れましたが住吉保育園、それからこれに加えまして東中野保育園あわせてでございますが、それの移転の整備用地として活用するということを定めているものでございます。
○山崎委員 区民活動センターとしての用地も入っているかのように私は思っているんですが、いかがでしょうか。
○長田計画財務担当課長 もう一度、繰り返しになりますが、(仮称)東中野区民活動センターと、その他の用途として保育園というものでございます。
○山崎委員 実は、現地を私も見てきました。それで、地図が皆さんにないのでわかりにくいかもしれませんが、南側のどのぐらいの部分かな、半分はないと思いますが、保育園用地については工事が始まっておりました。フェンスがしてあって工事をしておりました。そして、駐車場の部分については、20台ぐらい車が入っていたかな。それで、駐車場と保育園の建設用地の間には、仮設の家が建っていて、工事関係者の人たちがそこに入るような、そういう状況になっていると、こう思っているんです。
それで、これは18年度の最終補正で、今言ったような部分について、いわゆる擁壁工事をするんだとか、あるいはフェンスをつくるんだとかいうことで、補正予算を出されたと思っているんですが、私の間違いでしょうか。
○長田計画財務担当課長 答弁保留させていただきます。確認をとります。
○吉原委員長 休憩します。
午後4時46分休憩
午後4時47分開議
○吉原委員長 委員会を再開します。
○長田計画財務担当課長 答弁保留をいたしまして、大変申しわけございませんでした。
補正予算の対応はしてございません。
○山崎委員 では、擁壁とフェンスができているんですが、この財源はどこから出たんでしょうか。19年度の当初予算だったんでしょうか。あるいは、18年度の補正予算ではなくて、当初予算にのっていると、こういうことなんでしょうか。
○長田計画財務担当課長 18年度に計上してございます経常経費の中の執行方法の工夫の中でこれに対応したというふうに、そういう内容でございます。
○山崎委員 すみません。私が勘違いをして、18年度の当初予算に計上されていたと。その内容はどうなったんでしょうか、工事の内容。当初予算に計上してあったんでしょう。計上した内容を教えてください。
○長田計画財務担当課長 すみません。ちょっと答弁がわかりづらくて。当初予算に計上してあったのではなくて、当初予算の範囲の中で、執行計画を工夫をして対応させていただいたものでございます。
○山崎委員 それはわかりました。それで、その内容を教えていただけますか。
○長田計画財務担当課長 擁壁工事の内容といたしましては、既存の擁壁が大谷石積みの擁壁になっておりまして、かなり風化しておりました。落差が最高部分で約2メートル弱ございましたが、西側のマンションの安全性、それから保育園の安全性等を考えて、保育園の工事前に急遽擁壁の改築工事を行ったものでございます。
○山崎委員 擁壁に使ったということですね。周りのフェンスには使われませんでしたか。
○長田計画財務担当課長 失礼いたしました。擁壁プラス擁壁の上のフェンス等もあわせて施行いたしました。
○山崎委員 きのう、私、雨の中見てきたんですが、擁壁は擁壁で、西側がずっとこうなって、もうフェンスができていますので、中には入れませんでしたが、駐車場はさっき言ったように20台ぐらいあったんですが、その西側になるのかな、の土地の部分については、囲いがなっているんです。どんと物すごい高さで囲いがなっていて、どうなっているか見えないんです。何があるのか全く見えないんです。この部分について御説明していただけますでしょうか。
○横山東地域担当課長 ただいまお尋ねのありました駐車場の裏の部分につきましては、委員のお話にありました保育園の建設工事にかかります土砂の置き場ということで目的外使用許可をしてございます。
○山崎委員 土砂の置き場ということであれば、何も整備がなされていませんよね。
○横山東地域担当課長 整備はしてございません。
○山崎委員 話によるとダスト舗装をされたということですが、それはうそなんでしょうか。
○横山東地域担当課長 使用許可をする前にダスト舗装をしてございます。
○山崎委員 何ではっきり言わないのよ、初めから。何でダスト舗装するの。
○横山東地域担当課長 申しわけございませんでした。雑草ですとか、あるいは風が吹いたときの風塵、そういったことで近隣への迷惑ということも考えまして、そういった被害が出ないような原状復帰ということでダスト舗装をしたものでございます。
○山崎委員 工事の土砂を積み上げるんだと今言ったじゃんかよ。それでいて、今度はダスト舗装はしてあります。こういう理由でしましたと。どう考えてもおかしいんじゃないでしょうか。
○横山東地域担当課長 申しわけございません。スケジュール的に、当初保育園の建設土砂を置くということが、そのダスト舗装をして原状復帰する段階では把握してございませんで、決まっていなかったものですから、当面、そういった近隣被害が出ないようにということで、ダスト舗装をしたものでございます。
○山崎委員 だれが決定なさいましたか。
○横山東地域担当課長 私の方で営繕課の方にお願いしてやっていただきました。
○山崎委員 この土地を所管するのはどこですか。
○横山東地域担当課長 私のところ、区民生活部でございます。
○山崎委員 地域センター所長が決めると、こういうことだったんでしょうか。
○横山東地域担当課長 財産の管理権限としましては、区民生活部長になってございます。擁壁工事の後の原状復帰ということで、奥の用地の原状復帰の工事ということだったものですから、私の方で所管しておりましたので、営繕の方に原状を復帰してほしいと、その場合に近隣に迷惑がかからないようなダスト舗装を選択してほしいというふうにお願いしたものでございます。
○山崎委員 担当部長に御報告なさいましたか。
○横山東地域担当課長 してございます。
○山崎委員 部長の御見解はいかがですか。
○大沼区民生活部長 風塵等の最低限のダスト舗装をするということでしたので、それでしたら土地を維持するためには必要という判断で、報告を受け了承したものでございます。その後に、工事の利用のために土地を使うという経過になってございます。
○山崎委員 当該用地については陳情が出されておりますよね。これはおろされたんでしょうか。ということなんですが、その陳情はどういうものだったんでしょうか。概略をお伝えください。
○吉村地域子ども施設連携担当課長 ただいまの委員の御質問ですが、まず経過でございます。東中野地域では、当該用地の一部でございますが、先ほど委員がおっしゃいました南側、約750平米程度でございますが、そちらを活用した子どもの遊び場でございます。あるいは乳幼児親子事業を実施してまいりました。しかし、民間保育園の建設工事等が予定されてございましたので、平成18年度末で終了させていただいてございます。しかし、19年度からは、東中野小学校を活用した遊び場事業、あるいは公園、区立幼稚園を活用した乳幼児親子事業を継続的に実施しているところでございます。
なお、この陳情については、引き続き、この隣接地である区民活動センター用地の事業継続を要望されたものでございます。
○山崎委員 皆さんが出されたこの計画、平成4年から現在に至るまで計画が出されましたよね。こういう計画の中で、それぞれに残念ながら途中で実施計画まで立てたけれども、ちょっと待ってくださいだとか、そういう説明をなさってきたと思うんですよ。それで、やっと念願かなって、18年1月に、10か年を区長が出された中にこれが出てきたわけですよね。ということは、地元の皆さんの念願がやっとかなったんだというふうに私は思っていたんですが、時間がかかりましたので、暫定的に使われている方々の思いが陳情になったんだろうと、こう思いますが、基本的には、地域の声を大切にして、大変なお金で20億円、何年もかけて探して出てきた土地なんで、ちゃんと御説明をすれば私はわかるんだと、こう思っていたんですが、陳情なされている方々が、今おっしゃったような陳情を出されて、引き続いて使わせてくださいと、こういうことで、どういう説明をなさっているのかなと思いますが、いかがでしょうか。
○吉村地域子ども施設連携担当課長 陳情者の方に対しては、先ほど申し上げた東中野小学校での遊び場事業、あるいは公園、東中野幼稚園で実施してございます乳幼児親子実施事業について、これまでどおりも実施しており、多くの方たちの参加をいただいているということで、お話しさせていただいてございます。今後も、当該用地については、再開する考えがないということをあわせてお伝えさせていただいているところでございます。
また、この7月にも、東中野小学校の保護者の方、地域利用者、陳情者も含めまして、東中野地域の子どもの遊び場についての懇談会を開催させていただきました。その際には、現在学校などで実施している遊び場事業、あるいは乳幼児親子のさまざまや要望、御意見をいただきましたが、現在、学校長あるいは教育委員会と協議して、改善に向けた努力をさせていただいているということでございます。
○山崎委員 きめ細かに御説明をいただいて、地域の皆さんに愛される施設をと思って大変な思いをして、何遍も言いますが、買って、やっと施設ができてくるわけですよ。御理解をいただくように御努力をしていただきたい。
申し上げにくいんですが、この陳情が出た背景には、私の風評でなかなか申し上げにくいんですが、非常に区議会議員の選挙も近かったと、こういうこともございまして、非常に政争の具にされたような感があるんです。どっちを選ぶかということになりますと、まだスケジュール等々については本格整備するのには時間がある。その間使わせてほしいということの方が説得性があるんです、実は。しかし、そのところをできるだけ皆さんがわかっていただくような御努力をある意味で欠けていたので、そういうふうな方々が出てきて、政治の道具にされてしまったんだろうなと私は思っているんですが、その責任について重く受けとめられているでしょうか。
○田辺子ども家庭部長 東中野五丁目の用地でございますが、るる御説明をさせていただきましたように、経過がございまして、暫定的な利用を長く続けてきておりました。こうした活動につきましては、今、課長がお話ししましたように、別の場所できちんとした対応をさせていただいておりますし、大勢の利用者に御参加をいただいております。こうした私たちの考えをきちんと、これからも区民の方々にお伝えをしていきたいというふうに思っております。
○山崎委員 ぜひきちんと、丁寧にしていただきたいと思います。
あと、2分になりました。最後、この質問をさせていただきます。この(仮称)東中野区民活動センター用地のように、区内にはさまざまな土地がございます。10か年計画を拝見をいたしますと、用途がなくなって未利用地となる予定の土地、たしか10カ所ぐらいだったか、あると思います。それから、現在も未利用地となっている用地、この活用についても書かれていると思います。売却、さまざまな考え方が出されていますが、こうした未利用になっている土地や未利用になるであろう土地の今後の活用について、詳しく1件1件でなくても結構です。区長から、できるだけ総括をして、こういう物差しでこうした土地について処分をしていきたいんだ、あるいは活用をしていきたいんだ、こういうことがありましたら、区長の方から御答弁をいただきます。1分30秒でお願いします。
○田中区長 用途が決まっております土地、例えば、今話題になりました(仮称)東中野区民活動センターでありますとか、そういった土地については、やはり計画に沿ってしっかりと着実に事業を進めてまいりたい、こう思っております。用途が決まっていないというものにつきましても、10か年計画の中で、区としてどういう町を目指していくのか、さまざまな施策を展開をしているわけでありますので、そうした施策の中で有効に生かしていくということをまず第一に考えていきたいということであります。そういう中で、活用の方途がないということであれば、売却をして、また基金を積み立てる等の財政計画に反映をしていくといったようなことも含めて、計画的な対応を行ってまいりたい、こう思っております。
○山崎委員 以上ですべての質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
○吉原委員長 以上をもちまして山崎芳夫委員の総括質疑を終結いたします。
以上で本日の総括質疑をすべて終了いたしました。
次回の委員会は、10月2日(火曜日)午前10時から、当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。
以上で本日の決算特別委員会を散会します。
午後5時01分 散会