平成20年10月03日中野区議会決算特別委員会 平成20年10月03日決算特別委員会(第5日) 1.平成20年(2008年)10月3日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(40名)
  1番  内  川  和  久        2番  ひぐち   和  正
  3番  白  井  秀  史        4番  平  山  英  明
  5番  つぼい   え  み        6番  いながき  じゅん子
  7番  林     まさみ         8番  山  口  かおり
  9番  せきと      進       10番  いでい   良  輔
 11番  伊  東  しんじ        12番  佐  野  れいじ
 13番  北  原  ともあき       14番  南     かつひこ
 15番  小  林  秀  明       16番  の  づ  恵  子
 17番  奥  田  けんじ        18番  近  藤  さえ子
 19番  牛  崎  のり子        21番  吉  原     宏
 22番  大  内  しんご        23番  伊  藤  正  信
 24番  きたごう  秀  文       25番  久  保  り  か
 26番  やながわ  妙  子       27番  酒  井  たくや
 28番  佐  伯  利  昭       29番  むとう   有  子
 30番  長  沢  和  彦       31番  か  せ  次  郎
 32番  山  崎  芳  夫       33番  斉  藤  金  造
 34番  篠     国  昭       35番  市  川  みのる
 36番  岡  本  いさお        37番  飯  島  謹  一
 38番  江  口  済三郎        40番  佐  藤  ひろこ
 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子
1.欠席委員
      な  し
1.出席説明員
 中野区長    田中 大輔
 副区長(経営室)石神 正義
 副区長(管理会計室)          沼口 昌弘
 副区長(政策室)西岡 誠治
 教育長     菅野 泰一
 計画財務担当課長長田 久雄
 区民の声担当課長(調査研究担当課長、平和・人権・国際化担当課長) 小田 史子
 情報政策担当課長平田 祐子
 情報化推進担当課長           藤井 康弘
 政策室特命担当課長(基本計画担当課長) 髙橋 信一
 危機管理担当部長清水 流作
 経営担当参事  川崎 亨
 広報担当課長  戸辺 眞
 人事担当課長  合川 昭
 健康管理担当課長村田 宏
 財産管理担当課長安部 秀康
 用地・管財担当課長           冨永 清
 危機管理担当課長(防災担当課長)    志賀 聡
 経営室特命担当課長(契約担当課長)   篠原 文彦
 評価改善担当課長田中 政之
 経営分析担当課長相澤 明郎
 税務担当課長  中井 豊
 会計室長    榎本 良男
 区民生活部長  大沼 弘
 区民生活部経営担当課長(里・まち連携推進担当課長、地域活動担当課長) 遠藤 由紀夫
 南地域担当課長 波多江 貴代美
 中部地域担当課長吉村 恒治
 東地域担当課長 横山 俊
 北地域担当課長 伊藤 政子
 西地域担当課長 鳥井 文哉
 戸籍住民担当課長今 恵里
 産業振興担当参事鈴木 由美子
 ごみ減量・清掃事業担当参事(環境と暮らし担当参事) 橋本 美文
 清掃事務所長  齊木 正雄
 子ども家庭部長 田辺 裕子
 子ども家庭部経営担当課長(育成活動支援担当課長、男女平等担当課長) 瀬田 敏幸
 子育て支援担当課長(子ども家庭支援センター所長、地域子ども施設連携担当課長) 浅野 昭
 子ども健康担当課長           原田 美江子
 保育園・幼稚園担当課長(幼児研究センター所長、幼児教育担当課長) 白土 純
 地域子ども家庭支援センター担当課長   野村 建樹
 保健福祉部長  金野 晃
 保健所長    浦山 京子
 保健福祉部経営担当参事         岩井 克英
 保健予防担当参事(結核予防担当参事)  本保 善樹
 生活衛生担当課長古屋 勉
 健康推進担当参事尾﨑 孝
 福祉推進担当課長伊東 知秀
 中部保健福祉センター所長
 (中野地域包括支援センター担当課長、北部保健福祉センター所長) 鈴木 郁也
 南部保健福祉センター所長        高里 紀子
 鷺宮保健福祉センター所長        大石 修
 障害福祉担当課長辻本 将紀
 障害施設担当課長大橋 雄治
 生活援護担当課長黒田 玲子
 保険医療担当課長柿内 良之
 介護保険担当課長飯塚 太郎
 都市整備部長  石井 正行
 都市計画担当課長(住宅担当課長)    登 弘毅
 都市計画調整担当課長          田中 正弥
 南部地域まちづくり担当課長       角 秀行
 中部地域まちづくり担当課長       上村 晃一
 北部地域まちづくり担当課長(西武新宿線沿線まちづくり担当課長) 萩原 清志
 土木・交通担当課長           遠山 幸雄
 公園・道路担当課長           石田 勝大
 建築担当課長  豊川 士朗
 拠点まちづくり推進室長         佐藤 幸一
 拠点まちづくり担当課長         松前 友香子
 中野駅周辺整備担当課長         秋元 順一
 教育委員会事務局次長          竹内 沖司
 教育経営担当課長小谷松 弘市
 学校再編担当課長青山 敬一郎
 学校教育担当課長寺嶋 誠一郎
 指導室長    入野 貴美子
 生涯学習担当参事村木 誠
 中央図書館長  倉光 美穂子
 選挙管理委員会事務局長         奥山 功
 監査事務局長  服部 敏信
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事務局長     山下 清超
 事務局次長    奈良 浩二
 議事調査担当係長 大谷 良二
 書  記     荒井  勉
 書  記     永田 純一
 書  記     菅野 多身子
 書  記     松本 明彦
 書  記     丸尾 明美
 書  記     河村 孝雄
 書  記     鳥居  誠
 書  記     土屋 佳代子
 書  記     杉本 兼太郎
 書  記     岡田 浩二
 書  記     竹内 賢三
1.委員長署名

      午前9時59分開議
○吉原委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。
 認定第1号から認定第5号までの計5件を一括して議題に供します。
 初めに、理事会の報告を行います。
 本日の委員会は、さきに御確認いただいておりました質疑者の割り振りを変更し、1番目にのづ恵子委員、2番目に伊東しんじ委員、3番目に久保りか委員、4番目にひぐち和正委員の順序で4名の質疑を行い、本日3日目に予定していた飯島謹一委員の質疑につきましては、4日目に行うことを確認いたしました。
 次に、追加の資料要求1件について、お手元に配付の資料要求一覧(追加分)のとおり整理しました。

平成20年(2008年)10月3日
決算特別委員会

決算特別委員会資料要求一覧(追加分)
追加分 
◆総務分科会関係
113 将来負担比率算出内訳(前年度) <無>


○吉原委員長  以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員長 ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。
 続いて、資料要求についてお諮りします。
 お手元に配付の資料要求一覧のとおり、資料要求することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。
 それでは、前回に引き続き総括質疑を行います。
 質疑に入ります。
 のづ恵子委員、お願いします。
○のづ委員 おはようございます。民主クラブののづ恵子です。総括質疑は2回目になりますので、よろしくお願いいたします。
 まず、平成20年の決算特別委員会におきましては、通告順に質疑をさせていただきます。1から6までありますけれども、6のその他はISO14001についてお伺いいたします。
 区の財政白書によると、区の財政状況は健全段階にあるということで、一応ほっとしております。これまでの世代負担比率は上昇傾向にあり、相対的に将来の世代負担比率は低下傾向になっていました。ただし、今後の老朽化に伴う施設の維持・更新費用がかかってくると将来の世代負担比率は上昇するとありましたから、民主クラブの予算要望にありました施設修繕基金の創設を考えるべきかとも思っております。
 それでは、初めに施設の改修について、1、耐震改修についてです。
 この項目は、きのう平山議員と佐野議員も同じような項目で質問しておりますので、重なるところがありましたお許しいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 区有施設の耐震補強の取り組みとして中野区耐震改修促進計画が示され、防災上重要な区有の建物の耐震化を明確にした中野区区有施設耐震改修計画も昨年12月に策定され、20年度中に着手、改修を打ち出しました。地震防災対策特別措置法の改正で、公立学校の耐震化経費の補助率が引き上げられ、都内の公立小・中学校では76.7%と耐震化の動きが広がる中、耐震化率58.8%と低い中野区は、補正予算を組んで、特に耐震性の低い15の体育館の改修を進めると決めています。
 そこで、お聞きします。改修の際には、例えば学校の施設改善要望がある場合、例えば屋根の塗装とか、これからの芝生のための雨水の散水の施設をつくるエコ改修とか、ほかのこともあわせて考えて修繕をするのでしょうか。お答えをお願いします。
○安部財産管理担当課長 お答えいたします。
 今の耐震改修計画で平成23年度までに進めるというものにつきましては、非常に短期間で耐震改修を行うということもありまして、全くやらないということではありませんけども、耐震改修に伴って大規模にほかの部分も改修するということはやっておりません。
○のづ委員 では、基本の耐震工事というのは、どういう形でやられるのでしょうか。
○安部財産管理担当課長 今回やっている体育館改修でございますと、体育館の梁と梁との間にブレースといいまして、木造なんかでいう筋交いですね。そういうようなものを入れるとか、あとは壁を増設するとか、そういう工事をやります。
 それから、今まで耐震改修というと学校が主なものですから、学校の場合に、一般の校舎の場合には非常に学校というのは壁の少ない、南北方向に対して採光を重視しておりますので、壁が少ない建物が多うございますので、そういう壁の足りないところに補強の骨材を入れるとか、壁をつくるとか、そういう工事が主でございます。
○のづ委員 一方で、都内の私立学校は耐震化率は7割に満たないと聞いております。幼稚園に至っては6割未満ということで、都の財政支援や相談は行っておりますけれども、具体的な策は地方自治体にゆだねられていると思っております。
 震災のときに利用することが見込まれる施設は、学校、幼稚園のほかにも保育園もあると思いますけれども、保育園での耐震性はどうなのか、中野区の全幼稚園、保育園の耐震化はどこまでされているか、教えていただきたいと思います。
○瀬田子ども家庭部経営担当課長 本年4月の時点で、区内のまず区立の保育園でございますが、27園中、耐震診断はすべて終わってございまして、現在補強が望ましいとされたBランク以上園、これが14園ございます。全体の52%ということでございます。それから、私立の幼稚園でございますが、認可外を含めまして区内で17園ございますが、そのうち私立においてはIS値0.6未満という形で、おおむねBランク以上園に相当する園が2園ございます。全体の12%ということでございます。
 こうした施設につきましては、区立につきましては23年度までに区有施設の耐震改修計画に基づきまして耐震改修を順次計画的に進めていく予定でございます。また、私立の保育園につきましては、原則といたしまして運営事業者において耐震診断のほか、国・都の補助制度などを活用して耐震改修を進めることとしております。
○のづ委員 民営化した保育園というのは、かなり古いところが多いと思いますけれども、30年たっているとか、有形の固定資産を見ると保育所の償還率70%というのは、近い将来に大規模な改修や改築が必要あるということだと思っていますけれども、そのところを考えても補助というのは必要と思いますが、私立などへの補助とか修繕の支援はされているのでしょうか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 私立保育園の耐震診断あるいは耐震化の工事のための設計工事費用などの経費でございますけれども、これは国の交付金、補助金を活用しながら、法人の意向も踏まえて、支援の方法や範囲について検討していきたいというふうに考えてございます。
○のづ委員 今は区立、私立と分かれておりますけれども、平山議員も同じようなことをおっしゃっていました。同じ区民ですので、大規模な地震が想定される東京では、校舎だけでなく非常時の地域の避難所にも当たりますので、公的な施設の耐震化はぜひ計画的にお願いをしていきたいと思います。
 次に、バリアフリー化のことでちょっとお尋ねします。
 地震との関連が言われる中で、施設を利用する方々の年齢も広くなってきました。65歳以上の方が中野の人口の約2割を占めるという昨今です。施設のバリアフリー化はどのぐらい進んでいるのか、教えていただけますでしょうか。また、その際はどういう設備のバリアフリー化ということもあわせて教えていただきたいと思います。
○安部財産管理担当課長 今、御質問の趣旨は、お年寄りの方がふえてきたということでございますので、いわゆるユニバーサル化なのかなというふうに思います。そういう観点からしますと、大変申しわけございませんが、どのぐらいという数は把握してございません。確かに、旧来の例えばトイレですと、和式が多くてなかなか使いにくいと、お年寄りの方には使いにくいというようなことがあります。そういうことから、老朽化したトイレなどを改修するときにつきましては洋式に変える、施設の大規模改修のときなども洋式に変えるということを進めております。
 また、高齢者会館のトイレなど、お年寄りが特に使うところについては、手すりの取りつけもやっております。今後もそういう改修などにあわせまして、手すりの取りつけ、洋式化とか、そういうユニバーサル化を進めていきたいというふうに考えております。
○のづ委員 今のトイレのことでちょっとお伺いしたいんですけれども、近くの地域センターの例でいいますと1階に多目的トイレがあります。3階に洋式トイレの御希望があるんですけれども、エレベーターが1階にある場合には、1階から3階まではエレベーターが通じているので、1階を使用してくださいということで対象にならないようなことをお聞きしました。そこの場合には、4階にはエレベーターが行っていないので、4階は階段を上がるわけですけれども、4階だったら設置が考えられるというようなこともお聞きしたんですけども、4階に設置では高齢者の方はわざわざ階段を上がるということになりますので、多分使いにくいことになると思うんですけれども、その辺の条件などが、規則に縛られない柔軟な対応ができないものでしょうか。
○安部財産管理担当課長 規則というよりは、いわゆる1階にあるのは、以前の言い方でいう障害用トイレ、最近は多目的トイレとか、だれでもトイレとか、そんな言い方をしておりますけども、そういうものがとりあえず1施設に1カ所というか、1施設にあって、そこまでバリアフリーで移動できればいいというのが東京都などの条例の考え方でございます。
 そういう考え方に基づいて、今設置しているわけですけども、多目的トイレを各階につけるとか、そういうのは非常に、スペースもとるものですからなかなか難しいのかなと思いますが、ユニバーサル化という観点からでは、ただ、洋式にした場合に和式のトイレよりブースの面積がどうしても必要になりますので、条件があるかとは思いますけども、どうしても必要なところについてはやるということも考えられます。
○のづ委員 どうしても必要というか、これから避難所なんかに使用したときにもその問題が出てくると思いますので、さっきZEROの西館ですか、ことぶき大学さんの使用が多いということで変わったように、ほかのところでも洋式が各階に一つということを考えていただければと思います。
 それから、洋式にできないときには、手すりとか、取りつけの場所によっては壁の補強が必要になりますから、それも困難かとも思いますけれども、ほかのそういうバリアフリーということの観点で対応をお願いしたいと思います。
 バリアフリーは多目的トイレという認識が、今、どこでもトイレとおっしゃいましたけれども、おふろとか、介助棒とか手すりはバリアフリーということに入ってきますので、洋式化というのもバリアフリーの中に入れていただきたいと思います。
 学校に関してですけれども、障害児用の車いすのトイレとか、段差スロープ、段差手すりについて、文教の21の区立小・中学校の移動円滑化対応状況というんですね。それを見ていただきたいんですが、文教24に特別支援学級の学級がどこにあるかというのがありましたので、突き合わせてみたんですけれども、別にこの特別支援学級があるから障害児用の車いすトイレがあるというわけではなさそうでした。ただ、まだまだ学校のバリアフリー化というのはできていないというのが、この文教19の資料を見るとわかると思いますけれども、特に自分の身内を言ってはなんですが、本郷小学校においては全く全部バツで、三つバツというのは本郷小学校だけなんですが、段差スロープも手すりもというところではまだ設備がなされていないように思います。学校は、やはり震災の避難所になりますので、いろいろな年代の方が身を寄せるということを考えますと、日常の行動に支障のないようにトイレ改修などをしていただきたいと思っております。
 もう一つ、文教の資料の19にありますように、小学校の洋式の割合は女子は28%で、中学校は22%ということになっていますけども、もう一度お伺いしますけれども、今後洋式というのを学校でふやしていく予定はあるのでしょうか。
○小谷松教育経営担当課長 トイレの洋式化につきましては、今後学校の必要に応じまして順次導入を図っていきたいというふうに思っております。まだ具体的な形で計画ということではないんですが、それぞれ各学校で改修等々にあわせまして、例えば学校再編であるとか、そういった改修を要するときなど、トイレの洋式化を積極的に図っていきたいと、そのように思っております。
○のづ委員 もう一つ、違う観点でちょっと洋式トイレの必要が学校にあるということをお話ししておきます。
 今の子どもたちは、ほとんど洋式のトイレの生活をしておりますので、学校に泊まる行事があった折に、子どもたちがプール用の外トイレを使う場合には、使えないので中の校舎内のトイレを使わせてくれという要望がすごく多くて、どういうことかなと思って、みんな子どもたちに聞き取りをしたんですね。確かに本郷小学校の外トイレは時代物で、鎖のついているレバーを引くというトイレなので、お母様方も初めて見る年代物が使用されているんです。しかも、和式を使ったことのない子どもたちなので、使い方さえわからないということで、外のトイレには入りたくないということで、みんな寝なさいと言っても、トイレに五、六人で行くんですけど、なかなか帰ってこないという事態が起こりました。
 学校ではどうしているのか聞いて見ましたら、各階に一つずつは洋式があるということでしたので、一つしかないトイレに並ぶということが、授業には時間ぎりぎりになってしまうということもわかりました。そんな実態もあるということを考えて、洋式化のことを考えていただければと思います。
 二つ目は、人材育成についてです。急速に変化する社会状況を踏まえて、区民のニーズに迅速に対応できるように人材マネジメントを進めるため、職員が成果を上げるための行動基準、コンピテンシーモデルを作成、活用とありましたけれども、このコンピテンシーモデルというものはどういうものか、また活用の方法を教えていただきたいと思いますが。
○合川人事担当課長 コンピテンシーモデルについてのお尋ねでございますけれども、コンピテンシーモデルにつきましては、職員が仕事の成果を高めるための重要な行動要素を集め、それを一覧表にしたもので、職員が中・長期的にみずからの職務能力を向上させる目標として活用するものでございます。具体的な活用方法でございますけれども、一つは職員がみずからの特性を生かし、みずからのキャリアデザインを描いて、それを実現するための指標として活用してもらう。また、職員の能力を十分把握をして、成果の高い職務分担を行えるよう、人事異動ですとか職員配置などに活用していきたいというふうに考えてございます。
○のづ委員 そのモデル活用した職員の適材配置と、区政の目標の、貢献力の高い職員育成を行う仕組みということも書いてありましたけれども、その成果をどういうふうに生かして、そしてまた今後の計画と展開を教えてください。
○合川人事担当課長 今後の展開でございますけれども、今年度中に職員にコンピテンシーモデルの周知を徹底する研修を行ってございます。その上で、コンピテンシーモデルに基づいた自己点検を行ってもらうというふうに考えてございます。この自己点検を職員が中・長期的な能力向上目標を設定することにつなげていきまして、自律的に職務を遂行する職員の育成や、職務意欲の向上に結びつけていきたいというふうに考えてございます。
○のづ委員 このモデルは中野区独自というふうにお伺いしたんですけど、その辺はどうですか。
○合川人事担当課長 コンピテンシーモデル、いろいろな自治体等で行ってございますけれども、今回このコンピテンシーモデルをつくるに当たりまして、実際に職員100人の聞き取り調査を行い、成果につながった行動を抽出いたしまして、今後求められる職員像もあわせて検討して、中野区の実情に合ったモデルということで作成をいたしました。
○のづ委員 よく地域の課題で、新しい展開がいろいろ今から多くなってきますけれども、いろんな地域に行って何かうまくいっているという自治体なんかを見ますと、言葉は違いますけど、キーマンがいるというようなことがありますけれども、そういうモデル活用した職員のイメージは、そのキーマンになるというようなことでよろしいんですか。
○合川人事担当課長 この六つの行動様式の中に、当然そういった区民とのかかわりの中での能力ということも含まれてございます。そういった意味では、その能力の高い職員はキーマンになれるというふうに考えてございます。
○のづ委員 キーマンというのは、自治体側だけではなくて、やっぱり区民側ということも必要だと思いますけれども、双方で協働できるというほうが効果的だと思いますけれども、そういう職員と区民とかかわるということも考えていらっしゃいますか。
○合川人事担当課長 当然、区民との協力ですとか、あるいは協働の目標に向けて仕事を進めていくということも、多々この区政運営を進める上ではあろうかと思います。そういったときに、そういった能力を発揮するということはあろうかと思います。
○のづ委員 そういう中で、1995年ですか、阪神・淡路のときに、中野区はいち早く多分職員を派遣して、そして戻ったときもいろいろな形で対話集会があったり、そのノウハウを生かすというようなことが多分あったと思いますけれども、昨年の7月の中越沖とか、ことしの6月の岩手の内陸沖地震とか、そういうところに職員は派遣されたのでしょうか。
○合川人事担当課長 新潟の中越沖地震の際につきましては、被災建築物応急危険度判定員として1名の職員を派遣してございます。
○のづ委員 この間の岩手のときには派遣しないというのは、別に理由があったわけではない。
○合川人事担当課長 この中越沖地震のときには、一定、都のほうからそういった要請がございまして派遣をしたものでございます。この間の宮城沖地震のときには、そういった派遣もございませんし、そういったことで派遣をしなかったということでございます。
○のづ委員 いろいろなことが進歩したり、それから社会状況というのが変わっていますので、災害とかの実体験に基づくことというのは非常に重要だと思っておりますので、その辺もあわせて区としてのお考えをお聞かせください。
○合川人事担当課長 区が目指す小さな区役所につきましては、民間企業ですとか区民団体など、多様な主体とともに実現する必要がございます。そのためには、現場を知り、かつ高い専門知識を持った職員を育成する必要があるというふうに考えてございます。
 こういった人材育成というのは、大変重要だというふうに考えてございます。
○のづ委員 双方の人材育成の大事さというのはあると思います。このコンピテンシーモデルも、キャリアデザインを描くだけでなくて、気持ちもくみ取れるというところも含めてお願いをしたいと思います。ありがとうございます。
 3番目に、幼児研究センターについてお伺いします。
 子どもや家庭の状況を把握し、家庭や地域の子育て力の向上も含めた子育てや幼児教育全体を包括するという、課題研究する幼児研究センターが開設とありましたけれども、初めに、幼児研究センターはどこにあるのでしょうか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 本庁舎3階の保育園・幼稚園分野にございます。
○のづ委員 子育ての課題を調査とありますが、どのような内容になっていますか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 昨年度、幼児研究センターで行った調査でございますけれども、中野区の子どもの生活や遊びの状況と意識に関する調査を行いました。これについては、家庭における子どもの生活や遊びの状況の意識に関する調査を、保護者の方、それから幼児教育関連従事者である保育士や幼稚園教諭について、両方調査を行いました。
○のづ委員 調査対象は、公立・私立なくアンケートされたんでしょうか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 これは、保育園・幼稚園に通っているお子さんだけではなくて、住基のほうから抽出をいたしまして、お子さんをお持ちの保護者の方に調査をお願いしたということでございます。
○のづ委員 私は、たまたま3歳未満の子どもたちを見る機会が多いんですけれども、外遊びをしたがらないのは子どもではなくて保護者の方に多いのではないかと思っております。外は大変ということで、汚れるし、動き回るし、大人の事情がかなり優先されている結果に、一人で遊ぶということに周りの方たちはなっているように思いました。
 また、子どもの就寝時間の遅さが生活を乱しているということが、このアンケートからもすごくよく見てとれるんですけれども、21時から22時の就寝が大半でありました。ゼロ歳から6歳の子どもが、ゼロ歳も含めてですよ。ゼロ歳も21時から22時ということで、結果、機嫌が悪かったり朝食が食べられなかったりという、この就寝時間の遅さと食の乱れは大人も一緒だと思っております。アンケートの結果は、本当に見事に今の子どもたちの事情をあらわしていました。保護者も、この結果を見て客観的に日常を振り返るようになればよいかなと思っているんですが、この調査に協力をした保護者の方たちにこの結果というのはどういうふうに反映されるのでしょうか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 委員御指摘のように、いろいろな課題が見えてきたということでございまして、そのような結果につきましては調査書をホームページあるいは図書館、区役所1階の区政資料センターで公開するほか、本年4月には調査報告会を実施いたしまして、幼児教育関係者あるいは区民を対象に調査の結果見えてきた課題について報告をいたしました。このほか、幼児教育、保育の従事者が調査結果を踏まえて日常の保育の中で、あるいは教育の中でフィードバックしていくことによって、調査の成果を保護者のほうに還元していきたいというふうに考えてございます。
○のづ委員 区としては、そのアンケートの分析の中で、結果見えてきたものをこれからの活用としてどういうふうにされるんですか。今の報告会を開いたとか以上のものはどういうことになりますか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 昨年度実施した調査の結果、見えてきたものといたしまして、先ほど委員御指摘があったように、家庭では室内で遊ぶ子どもが多い、戸外遊びをしない子どもがいるということ、それから保育士、幼稚園教諭は子どもの身のこなし、敏捷性とか平衡感覚とかいうものでございますけれども、そういったものに対して大変心配しているのに、保護者はそれに対して心配をしていないというような認識のギャップが見えてまいりました。
 今年度は、このような課題についてさらに掘り下げて調査研究を行いたいというふうに考えておりまして、身体能力測定、これは区内の保育園・幼稚園に通うお子さん、4・5歳児各500名、合計1,000名について、身体能力測定を実施いたしたいというふうに考えてございます。そのほか、生活や遊びに課題のあるお子さんについて、さらに詳細な調査を進めて、その結果を分析いたしまして課題解決の手だてを探っていきたいというふうに考えてございます。
○のづ委員 このほかに、合同研究というのが年に10回とありましたけども、参加園は9園になっていました。この9園というのは、どういうところですか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 幼児研究センターでは合同研究を行っておりまして、これには公立・私立の保育士、それから幼稚園教諭に参加していただいております。昨年度は、就学前教育をテーマに、今年度はこれに加えまして乳幼児、3歳未満児の保育、これをテーマにした研究を行ってございます。
 平成19年度の合同研究の参加園につきましては、区立・私立の保育園・幼稚園、61園中9園ということでございましたけれども、これはそれぞれの団体で研究会があり、毎年研究活動を行っているということで、この合同研究に多くの人数を参加させるのは困難であるというような事情があったためでございます。
 ちなみに、今年度につきましては、区内の保育園・幼稚園のほか、認証保育所3園からも参加の申し込みがございまして、16園が参加している状況でございます。
○のづ委員 多くの参加があるということで、うれしいと思いますけれども、区立とか私立とかという差はなく、研修を受けたことでの格差ということはないと思いますけれども、皆さんが参加する機会を設けていただくとありがたいと思っています。
 また、研究センターの今後の展開というのはどういうふうになっていくんですか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 今後の展開でございますけれども、大きく四つの点で展開していきたいというふうに考えてございます。
 まず第1に、区立・私立保育園・幼稚園、これに区立の小学校の意見を聞きながら、日本あるいは中野の未来を担う子どもたちの実態を科学的に明らかにいたしまして、幼児教育、保育所の重要な課題、または緊急な課題、これをテーマにいたしまして調査研究活動を行います。この研究成果に基づきまして、新たな施策展開を図っていくということを考えてございます。
 第2には、今後の地域の育成者なども視野に入れまして地域の養育力の向上を図っていきたい。
 三つ目には、合同研究などを通じて中野の幼児教育、保育に従事する保育士、幼稚園教諭のネットワーク、これをつくりまして、それを幼児教育、保育の課題の解決に生かしていきたい。
 四つ目には、保幼小連絡協議会というものがございますけれども、そのような活動を通じまして保育園、幼稚園、小学校の連携・協力体制を構築していきたいというふうに考えてございます。
○のづ委員 結果をいろいろな団体で共有して、子どもたちを見守っていきたいと思います。ありがとうございました。
 4番目は、(仮称)区民活動センターについてお伺いいたします。
 地域センターを地域住民の意思に基づき運営される多様な地域活動の拠点となる(仮称)区民センターについて転換するというために、運営委員会の準備会の設立に努めたとありました。主要施策の成果には、予算執行率は3.1%とありましたので、この理由についてお伺いをいたします。
○遠藤区民生活部経営担当課長 (仮称)区民活動センターへの転換に向けた取り組みの予算執行率が3.1%と低いということですけれども、その理由といたしまして、この(仮称)区民活動センターへの転換は15地域一斉転換を目指し、運営委員会委員の中核と想定しております地区町会と意見交換を重ねてきたところでございます。この3.1%の執行率といいますのは、運営委員会によります運営の受託につきまして、15の地区町会連合会すべての合意が得られなかったということから、運営に向けた準備業務委託を執行しなかったことによります。
○のづ委員 19年度の実績としては、6地域で世話人会ですが、立ち上がっていると思いますけれども、全地域にない理由というのは今のことですか。
○遠藤区民生活部経営担当課長 全地域で合意が得られなかった、そのためでございます。
○のづ委員 (仮称)区民活動センターの運営を運営委員会に委託するという考えで業務を担うということを事務局は考えていると思いますけれども、地域の中で私が聞いたところに、幾つかのところでは土曜とか夜間にいる管理人さんのイメージを持っているところがあります。それでは自治というところからは遠くなって、地域センターがただの部屋貸しになってしまうような思いがありますけれども、準備会が立ち上がっても運営をどこまで意識しているかということを把握していらっしゃいますでしょうか。
○遠藤区民生活部経営担当課長 この(仮称)区民活動センターにつきましては、区が委託する業務内容といたしましては集会室等の提供に関する業務だけではございません。地域の自治活動や公益活動の支援に関する業務、地域団体の連携の促進に関する業務と、こういったものも想定してございます。運営委員会につきましては、こうした業務をゆだねまして、(仮称)区民活動センターは地域自治を推進する拠点としての機能というものを発揮させていきたいというふうに考えておりますので、そういった内容につきまして地域で十分御理解いただくように努力しているところでございます。
○のづ委員 地域の方々がいろいろ誤解をされるのは、まだ一部の方にしか説明がないということだと思うんですけれども、来年の7月をめどにというふうになっておりますので、これからの説明会というのはどういうふうにやるんでしょうか。
○遠藤区民生活部経営担当課長 現在、地区町会連合会の皆さん方と、この運営につきまして話し合っておりますので、こういった中で全地域におきまして運営委員会の準備会というものが立ち上がった段階で、区民の皆さんへの説明というものを行っていきたいというふうに考えてございます。
○のづ委員 もう一つ、自分たちの中でそういう準備会ができれば、そこにお任せでいいというような考え方が地域の中に多分あると思うんですけれども、そういうわからないということで、いろいろな皆さんが協力できるとか、できないとかという表示もできないんだと思っております。
 ここの96ページにあります地域活動の分野の目標のところにいろいろ書いてありましたけれども、私、一つここでお聞きしたいんですが、目標の成果として地域活動を活性化し、地域自治を一層発展させる拠点準備に向けた土台が築かれつつとありましたけど、その準備会ができているということで多分築かれつつあるという表現になっているんだと思います。
 それから、事業の見直しのところで、「区民の行う公益活動は多様な活動領域で行われており、区における助成金の交付等の支援もさまざまな分野で実施しているが」というところがあるんですけれども、地域センターとか、公益の助成を取っているところが必ずしも、その助成を取っているから地域の活発と何か結びつかないというようなことを思っているんですけど、その辺はどうでしょうか。
○遠藤区民生活部経営担当課長 この地域を活性化するということにつきましては、活動の拠点や、また団体活動への支援、その中で助成金というものもあるかなというふうに思っております。そういったことで、地域の活動が活発になっていくということをねらいとして持っておりますので、そういったことで総合的に推進するということが地域の活性化に結びつくというふうに考えております。
○のづ委員 区民のほうの資料の27の子ども関係という部分がありましたけれども、そこで見ると団体数77で、支給額1,000万になっています。このほかに、さまざまな分野というところでは、そういう資料的なもの、地域の活発な活動に結びつくという活動がどういうふうにあると把握していらっしゃいますか。
○遠藤区民生活部経営担当課長 地域活動は、さまざまな分野で行われているというふうに考えております。そういった形で、さまざまな領域で助成を受け、活動するということが、地域の活性化に結びついているというふうに認識しております。
○のづ委員 区は、来年7月の一斉転換ということを予定していらっしゃいますけれども、行政評価の外部評価の結果にも書いてありましたけれども、一斉の転換というのは7月というめどでは難しいのではないかなということを思っております。町会自治会に限定することなく、準備会を設置してとありましたけれども、例えば地域の実態を把握したとしても、推進できるかどうかというのに疑問が残ります。見切り発車せずに、条件の整ったところから転換すべきということも考えますけど、お考えはいかがですか。
○遠藤区民生活部経営担当課長 (仮称)区民活動センターへの転換につきましては、既に受託のために体制ができ上がりつつある地域もございます。そうした動きに水をささないように留意しながら、今後対応を検討いたしまして、開設時期までに運営委員会の設立が難しい地域への対応に配慮しまして、説明を十分に行って理解が得られるよう努力してまいりたいというふうに考えてございます。
○のづ委員 ありがとうございました。
 5番目の文化財調査についてお伺いいたします。
 別冊の主要施策の成果に、区内に残る大正・昭和前期建造物調査とありましたけれども、この調査対象の建造物はどういうものかを説明願いたいと思います。
○村木生涯学習担当参事 大正・昭和前期の建造物の調査対象としておりますのは、原則として神社仏閣、公の施設を除く店舗、一般家屋でございまして、区の歴史的景観に寄与しているもの、造形のモデルになっているもの、再現することが容易でない建造物でございます。中野区では、この時期の建造物が急速に失われつつあることから、平成18年7月、中野区文化財保護審議会の意見具申を受けまして、これらの所在と、その中から国の文化財候補となり得る歴史的に重要な建造物を把握することを目的といたしまして、区内全域を対象に悉皆調査を行うこととしたものでございます。
○のづ委員 その今の悉皆調査をするに当たってですけれども、それに基づく資料というものはどういうものだったんでしょうか。
○村木生涯学習担当参事 調査に際しましては、委託先である古建造物の調査と評価の専門家集団がございまして、この集団が昭和23年の区内の戦災地域地図、これは東京都戦災地図と申します。それから、昭和20年、終戦直後に米軍が撮影をいたしました航空写真、これらをもとに情報を住宅地図に記入いたしまして、区内全域を実地踏査しながら、建造物の外観調査を進めているものでございます。
○のづ委員 それは、期間としては今も続いているんですか。
○村木生涯学習担当参事 建造物調査につきましては、平成19年度から3年間を予定してございまして、本年度も2年目ということで、この外観の悉皆調査を続けてございます。
○のづ委員 その後の活用の方法というのは、どういうことになるんですか。
○村木生涯学習担当参事 活用につきましてですが、その前に、19年度、実は中央線の沿線を基本に区全域の調査、50区画ほど定めまして、そのうち15区画の調査を完了しております。この15区画のうち、対象建造物が232棟見つかりまして、このうちから重要建造物ないしはこれに準ずるものという、外観でございますけれども、そういう判断をしたものが161棟ございました。本年は、残りの35区画を現在調査中ということでございます。
 こうした調査結果につきましては、その後詳細調査を行いまして、報告書をつくるということになります。その後の活用につきましては、所有者等の理解と協力をいただきまして、例えば見学会を実施したり、建物写真パネル展示ですとか、広報紙、私どもの「NICES」などでの紹介など、さまざま活用は考えていきたい、このように考えております。
○のづ委員 今の調査を本にまとめたりとか、ホームページということが、あとそのまま今後に残していく保存の方法としては、そういうことということですね。
○村木生涯学習担当参事 調査結果につきましては、成果品として平面図、写真、それから専門家による所見を記載しました、言ってみれば書籍という形で基本的には保存していく考えを持ってございます。
○のづ委員 歩いてそういう中野を知るというのは、区民が地域に愛着を持つということの原点だと思っております。みずから歩いて、中野の中での宝の再発見ということが郷土意識を深めるということと、それを生かしたまちづくりということがあると思います。まちの活性化を求めるんでしたら、新しいものの中からでなくても、今ある資源ということを大事にして、環境、教育すべてに共通しますけれども、産業振興というところの結びつけもできると思いますけれども、そういうことも考えてらっしゃいますか。
○村木生涯学習担当参事 大正・昭和前期の重要建造物につきましては、今後、中野の貴重な財産として、また例えば一定のエリア内に建造物が複数集中しているような場合などにつきましては、中野のまちづくりにも寄与する可能性を秘めていると、そういったことも考えられますので、今後所有者等の理解と御協力をいただきながら、産業振興等も含みます関係各部と連携した取り組みも検討してまいりたい、このように考えてございます。
○のづ委員 こういう歴史を通してだったり、物を介してコミュニケーションを図るということが話のきっかけになったり、地域の連帯感というものを深めることになると思いますので、その本が刊行されることを楽しみにしております。ありがとうございました。
 その他のISO14001についてお伺いいたします。
 平成19年3月に認証取得をしたISO14001に基づく環境マネジメントシステムについてお伺いいたします。初めに、中野区役所が取り組んでいるこのISO14001について、簡単に説明をしていただけますでしょうか。
○田中評価改善担当課長 お答えをいたします。
 環境の保全あるいは負荷の低減のために、組織が目標などを定めて取り組むための仕組みを環境マネジメントシステムと言ってございます。中野区におきましては、本庁舎につきまして国際標準化機構が定める環境に関する国際規格でございますISO14001の認証を取得して取り組んでいるところでございます。現在、PDCAサイクルによりまして、このシステムを運用しているところでございます。
 各職場におきまして環境目標を策定し、達成を目指すほか、昼休みの消灯ですとか、そういった全庁的なエコオフィス活動について取り組んでいるところでございます。
○のづ委員 ISO14001を取得するということは、ちゃんと環境問題に取り組んでいるということを第三者の審査機関が証明してくれることですよね。1年たって、環境負荷による取り組みの審査機関の定期審査があったと思いますけれども、どんなぐあいだったでしょうか。修正箇所などはあったんでしょうか。
○田中評価改善担当課長 定期審査の結果でございますけれども、ISO14001に基づく環境マネジメントシステムが継続して有効であるということが確認をされてございます。したがいまして、システム上、改善を必要とする指摘はございませんでした。
 ただ、システムをさらによいものにしていくために、マニュアルの記載の仕方でありますとか、そういったことにつきまして助言を受けましたので、継続的な運用に生かしているところでございます。
○のづ委員 多分そのマニュアルの記載というのが、どこでも続けていくことが割と困難なところはマニュアルが大変ということもお聞きしております。ただ、費用がかかるという印象だけでなく、継続してということが大事だと思っておりますけれども、その継続というのは、中野区としてはかたい決意のもとにあるんでしょうか。
○田中評価改善担当課長 環境問題への取り組み、非常に重要だというふうに認識をしてございますので、継続して取り組むということがこのマネジメントシステムの肝要なところでございますので、継続してさらに努力していきたいと考えてございます。
○のづ委員 イメージアップで信用が向上したり、お客様の満足度というのが上がったり、組織内が活発化されるということがISO14001の重要なことだと思っております。責任の所在を明確にして楽に運用ができないと、やはり継続ということが困難になっていくと思いますけれども、お昼に中野区役所はISO14001に取り組んでということで、消灯はということが流れることは皆さん御存じだと思いますけれども、それがないとそうだと知る機会がなかなかなく、区役所のイメージアップにつながっているというのはなかなか感じることがないように思いますけれども、ほかの分野の取り組みとか、共通の目標というのが見えてこないというのがちょっと感じられると思います。
 もっと区役所はISO14001を取得、認証したということで、環境負荷に取り組んでいますということをアピールするには、10月から、きょうもごみが混乱しておりましたけれども、ごみの収集が変わって、自分のうちの家庭ごみのごみ箱をどうするかというのを多分皆さん一番身近に感じていると思いますけれども、もっと区役所でも見えるところのごみ箱の置き方とか表示の仕方とかで、もっとアピールができるのではないかと思っています。三鷹の市役所に行ったときに、汚いものを隠すではなく、本当にごみ箱の分け方でどんと全部並んで置いてありましたけれども、このごろはごみの管理は自分でということがかなり行き届いてはいると思います。区民にも浸透していると思いますので、役所にもそういうアピールの必要があるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○安部財産管理担当課長 お答えいたします。
 確かに、ISO14001を本庁舎で取得しているというのは、先ほど委員からお話がありましたとおり、昼の消灯のときに流している程度かと思います。
 それで、本庁舎では、ISO14001を取得する前からリサイクルボックスを置いてリサイクルを進めてもきているわけですけども、ごみ箱に何らかの表示をしてというようなことまではやっておりませんでした。
 その環境マネジメントシステムに取り組んでいるということを、確かに区民にアピールするためには、そういうごみ箱のところにISO14001に取り組んでいるのでこういう分別をしましょうというようなものを表示するとか、いろんなことを含めて、確かにアピールすることを考えるということは必要だろうと思います。
 ごみ箱については、実はあれは今、清掃を委託している会社がごみ箱を置いていまして、区のものじゃないものですから、そういうのを清掃を委託している会社側と調整しながら、おっしゃるような何らかの、ISO14001の取り組みをアピールできるように工夫してまいりたいと思います。
○のづ委員 今、委託しているということで、朝になると部屋は多分ごみがなくなってきれいになっていると思いますけれども、委託していると、例えば自分たちでちゃんと分別されていなくても、持っていってくれたんだという意識になってしまいますけど、きょうの街角を見ていますとみんなシールが張ってあって、このごみは捨てちゃいけないよとか、あれを、でもどういうふうに御自分たちで戻せるのかな、3日ぐらい置いておいて、次の回収日まで置いてあるのかなというふうに思っておりましたけれども、本当に混乱をしております。
 そういう中で、区役所が見本になるような、ここに来たら、あっ、ごみってこういうふうに分ければいいんだというようなことがわかるような、見本になるような形でしていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それで私のすべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○吉原委員長 以上でのづ恵子委員の質疑を終了いたします。
 次に、伊東しんじ委員、お願いします。
○伊東委員 おはようございます。自由民主党の伊東しんじでございます。本日は、自由民主党の一員として総括質疑をさせていただきたいと思います。
 現在、国におきましては、麻生総理陣頭に広い視野、長期的な視点に立って、なおかつ現実の課題に丁寧に丁寧に取り組んでおります。私もそうした姿勢で質疑をしてまいりたいと思っております。理事者の皆様につきましては、同じ姿勢で御答弁いただけると、中野の未来はどんどんよくなっていくのかなと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 項目につきましては、1点目、中野サンプラザについて、2点目、新学習指導要領について、3点目、施設白書について、そしてその他につきましては、防災について1点質問させていただきます。
 それでは、中野サンプラザについて質問させていただきますけれど、平成16年、中野区は、出資2億いたしまして、中野区内の事業者数社によります1億の出資と、合わせて3億で会社をつくりまして、中野サンプラザを取得、運営していこうということで、議会のほうにも報告がありました。また、その2億分の出資につきましては、議会のほうの議決を得たわけですけれど、実際の取得のための資金53億、これは全額、当時は融資でというお話だったんですけれど、実際ふたを開けてみましたらば増資プラス融資という形に形が変わってしまいました。その点につきましては、その時期、ちょうど12月のあたりですか、総務委員会等でさんざ議論されたわけですけれど、その枠組みの変更につきましては区も十分な説明がなされていなかったということで、謝罪があったと思います。
 それ以来ずっと、4年ですか、経過してきているわけですけれど、私、その間もどうも腑に落ちない部分がありまして、疑問を抱いてまいりました。中野区は、終始一貫して3分の2の議決権は確保しているので、大きな枠組みの変更はないと言っていたんですけれど、民間の感覚でいきますと出資するということは共益権とともに受益権というものが発生するんじゃないのかなと。3分の2の議決権というのは、共益権、要するに総会等での発言、運営についての方針について意見をするという部分だと思うんですけれど、片や受益権、これは出資に対しての配当や残余財産の分配、これを確保すると。それが民間の感覚ですと当たり前なんですが、どうも自治体としてはその受益権という部分は考えが至っていないんじゃないのかなという気持ちでずっとおりました。そして、昨年ですか、ここへ来て、運営会社のほうの会計ソフトのリースにつきまして疑義が生じているということで、再び本特別委員会でも2人の委員の方がサンプラザについて質疑をされているわけです。ですので、今までの議会あるいはそれぞれの委員会での議論を蒸し返すつもりはございませんけれど、いま一度確認の意味で質問させていただけたらと思っております。
 最初に、枠組み全体を理解するための確認ということでお聞きしたいと思いますけれど、中野サンプラザの取得の目的は何だったでしょうか。
○川崎経営室経営担当参事 お答えをいたします。
 中野サンプラザは、中野駅直近に位置しておりまして、中野駅周辺のまちづくりにとって大変重要な位置にあるということで、このサンプラザを区が出資をする株式会社が取得をすることによりまして、駅周辺のまちづくり、そしてそれによるまちの活性化に寄与するというようなことから、この取得に区が関与したものでございます。
○伊東委員 確かに、中野区役所、この庁舎の建つ土地とサンプラザの土地というのは、ちょうど地型もほとんど一緒で、まるで双子のような土地、そして駅前に直接面しているというような土地で、中野駅周辺のまちづくりに対しては非常に重要な位置を占めると思っております。それについての中野区の姿勢というのを理解するところなんですけれど、実際に雇用・能力開発機構、こちらからサンプラザの土地建物を取得する際に、雇用・能力開発機構から付された条件について再確認したいと思います。
○川崎経営室経営担当参事 このサンプラザを取得するに当たりまして、大きく二つの条件がございました。一つは、当時の運営事業者でありました勤労者福祉振興財団の職員を雇用するということ、もう一つは、取得後10年間は公共性のある事業を行うということで、具体的にはホール機能でありますとか宿泊機能といった、幅広く人々の利用に供するというようなこと、あるいはサンプラザ前広場をオープンスペースとして活用することなどが条件として付されておりました。
○伊東委員 ただいま付された条件は、現状のところ保たれていますか。
○川崎経営室経営担当参事 その条件につきましては、毎年度機構に報告をすることになっておりますが、その条件に従って現在運営をされております。
○伊東委員 中野サンプラザの敷地、それから建物の面積、当時の取得価格について御説明ください。
○川崎経営室経営担当参事 土地面積は、約9,500平米、建物の延べ床面積でございますが、約5万平米でございます。
 なお、取得価格につきましては、約52億9,500万円でございました。
○伊東委員 サンプラザの建物なんですけれど、これはたしか私の知るところではSRシールド、鉄骨鉄筋コンクリート造と認識していますけれど、築年数は何年たちますでしょうか。
○川崎経営室経営担当参事 このサンプラザ、昭和48年の4月に竣工しておりますので、ことしで築35年となります。
○伊東委員 以上、取得時の条件等々お聞きしてまいりました。
 それで、先ほど冒頭にお話ししましたけれど、実際の取得に当たっては枠組みが大きく変わってしまったということで、現在の、取得時から変わっていないはずなんですけれど、所有会社ですね。株式会社まちづくり中野21、この株式の構成と発行時の価格を御説明ください。
○川崎経営室経営担当参事 所有会社の株式構成でございますけれども、まず中野区が普通株2億円を所有しております。また、運営会社が1億円の出資でございます。これが当初でございます。その後、追加出資という形で、都市再生ファンドからA種株として15億円、B種株として2億7,000万、さらに運営会社からC種優先株として6億7,200万円の出資がされております。
○伊東委員 今、御答弁にありました各種株式、これの配当の仕組みはどうなっていますか。
○川崎経営室経営担当参事 まず、都市再生ファンドから出ておりますA種優先株でございますが、これは出資の9%までを他の株式に優先して配当するということで、不足額は累積をしていくというものになっております。B種株につきましては、A種配当後の配当残額につきまして15%、C種につきましてはさらにその残りの72%、普通株、区の持っております甲種優先株につきましては、今申し上げましたABCの配当後の残額に株式数に応じて配当されるという枠組みとなっております。
○伊東委員 これ、甲種優先株、それから普通株式のほかに、3種類ですか、優先株が設定されたと。優先の順位としては、A種株ということが筆頭だと思うんですけれど、その次はBになるんですか。で、C。で、甲種、普通という、そういう認識でよろしいですか。
○川崎経営室経営担当参事 はい、そのとおりでございます。
○伊東委員 融資プラス増資ということで、これはこういう仕組みが最近は多々とられているようなんですけれど、大体こんなパターンが多用されているわけですか。
○川崎経営室経営担当参事 この当時としては、こういう優先株の仕組みというのはまだできて間もなかったというふうに聞いておりますが、今現在、どの程度活用されているかということにつきましては、申しわけございません、詳細は承知をしておりません。
○伊東委員 ありがとうございました。今、増資分、株式の部分について出資について御答弁いただきましたけれど、一方で、まだ融資もあるはずです。その融資の内容についてお尋ねしたいと思いますけれど、いろいろな資料によりますと、シニア、劣後、ありますけれど、そのそれぞれの融資額と、それから年間、それぞれの年の返済額について、これは利率でも結構なんですけれど、元本はどうなのかですとか、利息分はどうなるのか、それについてお答えいただきたいと思います。
○川崎経営室経営担当参事 今、委員おっしゃいましたように、融資につきましてはシニアローンと劣後ローンというものがございまして、シニアローンというものは20億円でございます。これにつきましては、10年間は利払いのみということになっております。年間の利率は約2.14%ということでございます。劣後につきましては13億4,000万でございますが、これは元利を毎年払っていくという形になっております。これにつきましては、当初の利率は2.85%となっております。
○伊東委員 取得時の価格がたしか約53億ということで、今の融資額、合計しますと33.4億ということで、その差、大体20億ぐらいあるわけですけれど、その差額というものは増資分、出資金を充てたという認識でよろしいんでしょうか。
○川崎経営室経営担当参事 この事業の当初、土地の購入代ほか諸経費を入れて61億円の資金調達をしております。このうち、融資によりまして、今申し上げた33億4,000万、そのほか出資という形で27億4,000万の資金調達を行ったというものでございます。
○伊東委員 ですから、実際に雇用・能力開発機構のほうには53億支払ったわけですよね。そのうち、融資は33.4億と、差額20億ありますよね。それは、出資額のほうから資本算入しないで支払ったということですか。
○川崎経営室経営担当参事 はい、そのとおりでございます。
○伊東委員 突然の枠組みの変更だったわけですけれど、この枠組みの変更自体、そしてこの枠組み自体に大きくかかわっている劣後レンダー、金融団、こうした提案をしたのはどこですか。
○川崎経営室経営担当参事 この事業におきましては、この事業の提案募集をいたしました、そこに応募してきた団体が資金調達の責任を持つということになっておりました。この提案グループが運営会社を設立して資金調達をするということになっていたわけですけれども、その資金調達について金融団と相談をする中で、全額融資ということでは経営が成り立てるのは難しいというようなことから、新たなる出資も含めた資金調達の仕組みを提案してきたものでございます。
○伊東委員 政策投資銀行を連れてきたのもそうですか。
○川崎経営室経営担当参事 政策投資銀行が加わりましたのは、この事業提案を行った際に、この当時、中野サンプラザ運営研究会グループと申していましたが、このグループが資金調達について相談をして、再提案をした、この段階で日本政策投資銀行が金融団の一員として加わってきたということでございます。その後、その政策投資銀行とみずほ銀行と、地元西武信用金庫、この金融団とその資金調達について協議をし、最終的に平成16年10月の段階で全体の資金調達の枠組みを区に提案をしてきたというものでございます。
○伊東委員 その過程で、金融団、要するに劣後レンダー、政策投資銀行あるいはみずほ銀行、西武信用金庫、融資、増資、組み合わせてもまだ不足すると。で、出資株6億7,200万、これをC種優先株として設定して、運営会社が増資したという認識でよろしいですか。
○川崎経営室経営担当参事 一般の融資では資金調達がし切れないということで、そのC種優先株、あるいはA種優先株というものを導入したということでございます。
○伊東委員 そうした提案を投げかけられた時点、要するにC種優先株、これは明らかに金融団の枠組みとは別のものだと私は認識しているんです。不足分を運営会社が6億7,200万ぐらい、どうしてもつくらなきゃしようがないということで、急遽そういう増資に踏み切ったんだろうと思うんですけれど、その時点で中野区は増資を考えなかったんですか。
○川崎経営室経営担当参事 この当時は、区としては2億円以上の出資は行わないと、資金調達の責任はすべて運営会社の責任によって資金調達を行うということを基本としておりました。したがいまして、その当時、その提案があった中で、それにより確実に資金調達が図られるということと、あとこの事業の目的そのものを損ねることではないのではないかということで、その提案を受け入れているものでございます。
○伊東委員 自治体としては、公共の福祉、そして何よりも貴重な皆さんから預かっている税金、それを高いリスクにさらすわけにはいかないという当時の判断だったと思うんですけれど、その点につきまして、ちょっと我々議員団も、民間の区民の方々も少し疑問を持っているんじゃないのかな。もうちょっと、その時点で判断をするに当たっても、区民の、議会の考え方を聞いてもよかったのではないかと思うんですけれど、いかがでしょう。
○川崎経営室経営担当参事 この点につきましては、委員、質問の冒頭にもおっしゃっていましたように、中野区としてはこの提案を受け入れるに当たって、区議会に事前に御報告をせず決めたということで、当時、大変厳しい御批判をいただいたところでございます。また、本会議でも区長がその経緯についておわびを申し上げたところでございますが、今、委員がおっしゃったように、しっかり議会にも御報告をして御意見を伺った上で確定していくべきだったというふうに考えております。
○伊東委員 ありがとうございます。枠組み変更につきまして伺ってまいりましたけれど、続いてまちづくり中野21の運営状況についてお伺いしてまいりたいと思います。
 直近ですと第4期の決算を迎えて、今5期目に入っていると思うんですけれど、現在の運営状況、第4期のまちづくり中野21の売上高、要するに固定賃料ですとか、歩合賃料は幾らだったでしょう。
○川崎経営室経営担当参事 第4期の売上高、まず一つ、固定賃料、これは4億5,600万円で毎年変わりませんが、これに加えて歩合賃料が6,500万円ほど入っておりまして、全体の売上高が約5億2,100万円となっております。
○伊東委員 これはどこで定められていたか、ちょっと定かでないんですけれど、歩合賃料について運営会社の純利益の30%分を所有会社のほうに配分するということが書かれていたと思うんですけど、その認識でよろしいですか。
○川崎経営室経営担当参事 歩合賃料の計算の仕方なんですけれども、これは運営会社の税引き前利益、しかもその時点ではまだ固定賃料を払わない。固定賃料を払わない段階の税引き前利益、これが4億9,000万円を超えた場合に、その超えた部分の30%、これが歩合賃料ということで納められることになっております。
○伊東委員 税引き前と、それから固定賃料を引く前ということなんですね。そうすると、ちょっとその辺がもうちょっと冷静に判断してみないとわからないんですけれど、一般的に30%所有会社のほうに支払ったんであれば、残りの70%は運営会社のほうに利益として保留されている、そういう認識でよろしいんですか。
○川崎経営室経営担当参事 簡単に言うと、税引き前利益として運営会社に残るということでよろしいと思います。
○伊東委員 6,500万円、30%の歩合賃料ということで逆算すると、1億5,000万円ぐらいが税引き前利益として運営会社のほうにあったということ、そうすると、そこから税金引かれてどのぐらい運営会社のほうに残っているか、これは区が関与する部分ではないのかもしれないんですけど、御答弁いただけますか。
○川崎経営室経営担当参事 運営会社の第4期の税引き後の利益でございますが、約1億円となっております。
○伊東委員 ありがとうございます。
 ところで、まちづくり中野21、そうした賃料が入ってきた状態で、いろいろな経費等支払った状態で、第4期の純利益は幾らになっておりますか。
○川崎経営室経営担当参事 約6,900万円となっております。
○伊東委員 先ほどの優先株の御説明の折に、A種優先株の出資分、15億の9%ですか、毎年純利益のほうから支払っていくということですけれど、幾ら、そのまま今の数字がA種のほうに行ったんですか。
○川崎経営室経営担当参事 A種につきましては、15億円の9%、1億3,500万円は優先的に配当するということになっておりますので、先ほど申し上げました6,900万円、これについてはA種の配当としてされているものでございます。
○伊東委員 1億3,500万円から6,900万円、約7,000万引きますと、6,500万ぐらい未払いが発生しているということでよろしいんですか。
○川崎経営室経営担当参事 はい、そのとおりでございます。
○伊東委員 こういうことが毎年繰り返されていると思うんですけれど、第4期末時点のA種、累積未払い配当金、これは幾らになっていますか。
○川崎経営室経営担当参事 第4期の末で1億6,200万円となっております。
○伊東委員 これからは予測の部分なので、正確な数字は出せないと思うんですけれど、5期以降ですね。ことし以降の純利益、要するに所有会社の純利益の予想と、それをA種配当に充てていったとしたときに、第10期末、この事業の一応のくくりとなっている10期末において、A種累積未払い配当金の予測額は幾らになりますか。要するに、1億6,500万からどれくらいふえそうなのか。
○川崎経営室経営担当参事 この間の純利益が、2期目が7,500万、次が9,800万、4期が6,900万というようなことで推移をしております。これを少しかために見積もって5,000万とした場合に、10年間ということで考えますと最終では6億円程度かというふうに考えています。
 当初、この事業がスタートした時点でお示しをしていた運営計画の中では、10年後に11億余の累積未配当金が生ずるというふうに見ていたわけですけれども、歩合賃料が予想以上に出たということなどから、今申し上げましたように10年後では6億円程度の未払い配当金が生ずるものというふうに考えております。
○伊東委員 ありがとうございます。
 確かに、当初の計画ですと歩合賃料のほうは見込んでいなかったと思いますので、ましてや運営会社、中野サンプラザの業績が好調であったためにうれしい誤算であったと思っておりますけれど。今までいろいろ枠組み、それから所有会社の運営状況、それに関連する運営財産の運営状況についてお聞きしてきたんですけれど、どうも今までこうした説明の中に、定款が重要視されてみたり、いろんな契約が結ばれております。また、協定も幾つか、基本協定、それから運営に関する協定というようなものがあると思うんですけれど、それをつらつらっと見させていただいて、どうもこの枠組みですね、事業の枠組みを形づくっているのは、事業に関する協定書というのがありますよね。それじゃないかなと思っているんですけれど、本協定、事業に関する協定書の目的は何だったんでしょうか。
○川崎経営室経営担当参事 この事業に関する協定書でございますが、これは金融団が所有会社に長期の資金を提供するにあたり締結をしたものでございますが、その内容といたしましては、まず第1にこの本事業の意義を確認した上で事業の安定継続を図る仕組みでありますとか、再整備事業への移行の仕組みについて規定をしたものでございます。
○伊東委員 この事業に関する協定書、協定を結んでいらっしゃる方々、これはもうこの事業、参画者すべてということですよね。それでよろしいですか。
○川崎経営室経営担当参事 はい、そのとおりでございます。
○伊東委員 この協定書、見ますと、非常に細かく内容が多岐にわたっております。それこそ枠組みのつくり方から、それぞれの権利、それから再整備に至る流れまで記載されているんですけれど、これ自身が、この協定書自身がこの事業の核じゃないかと、私、読めば読むほどそういうふうに感じるんですけれど、いかがでしょう。
○川崎経営室経営担当参事 この事業の一番基本的な事項を定めているもの、これにつきましてはやはり基本協定ということがいえるかと思います。その上で、先ほど申し上げましたこの事業契約でございますが、その基本協定でうたっていることを確認をした上で、この事業が安定的に継続するため、そして金融団も融資、投資を含めて50億の資金を提供しているものですから、その資金提供についてしっかり確保していく、そういった意味合いから事業の安定性についてより詳しく記述をされているものというふうに理解をしております。
○伊東委員 定款によりますと、甲種株、3分の2の議決権ということで、これがすべてでありますと、ほかにも、他の増資分の株式については、重要な財産の処分等については拒否権があるとかいうことも書かれていますけれど、この協定書によりますと、それにフィルターがかけられるように、常に劣後レンダーにお伺いを立てなさいと書かれているように感じられるんですけど、いかがですか。
○川崎経営室経営担当参事 先ほど申し上げました金融団の債権を保全するということが金融団としては非常に重要になってきますので、そういった意味では大事な部分ではレンダーの確認ということになっておりますが、一方、レンダーもその債権保全のために何でも思いどおりにできるということではなくて、必ず区のほうと協議をするというようなことで、お互いにチェックをしながらこの事業の安定性を高めていくという、そのような内容になっていると理解をしております。
○伊東委員 そういう意味では、常に中野区――中野区じゃないですね、失礼しました。所有会社は、この劣後レンダーに対して常時連絡を取り合って、重要事項については協議を進めているという認識でよろしいですか。
○川崎経営室経営担当参事 はい、そのようにしております。
○伊東委員 大変難しい言葉も多々多用されていて、ぜひこういうものというのは平たく説明していただいたほうが本当はいいんですけれど、例えば第3条、事業の安定化を図るための劣後レンダーが講じることができるとされている措置なんですけど、具体的には何を指していますか。
○川崎経営室経営担当参事 これは、この事業、大変当時リスクが高いと見られていましたので、先ほど来申し上げましたようにその融資、債権者として事業の安定化を図ると、そのためにこの事業については運営会社の経営が順調にいくということが一番第1でございますので、運営会社の経営が順調でなくなった場合には運営改善計画の提出を求めるというようなこと、あるいは場合によっては役員を送り込むというような、そういったことも具体的に定めたものでございます。
○伊東委員 同等の権利は所有会社も持っているわけですよね。要するに、運営会社に対して経営改善の提案ができる権利を持っているわけですよね。
○川崎経営室経営担当参事 はい、そのとおりでございます。
○伊東委員 それと4条、4条も本当にこれ、私は経済は本当は疎いんです。だから、わかりづらいんですけど、これは何について書いてあるんですか。
○川崎経営室経営担当参事 これは、運営状況が悪化をした、いわば非常事態という場面かと思いますけども、不動産信託ができるというようなことでございます。ここで信託受託権というような言葉も出てくるんですけれども、所有会社から信託銀行へ信託譲渡することによって、所有権そのものは信託銀行へ移転するわけですけれども、所有会社についてはそのまま建物を使用できる権利は生まれると。建物を使用する、それを信託取得することによって資金を返済していくという、そのような仕組みでございます。
○伊東委員 ありがとうございます。本当に財界人でもなければ投資家でもない私なので、信託なんていう部分はなかなか理解できない、ちょっと後で勉強させていただきます。
 続いて、再整備の部分についてお尋ねしてまいりたいと思うんですけれど、この協定書には、後段の部分、再整備への移行ですから第10条ですか、10条以降、再整備について触れられているんですけれど、所有会社は、10年経過した後、要するにこの事業の一区切りする融資の期限ですとか、A種優先株の償還期が10年後に設定されていたと思うんですけれど、この時点で区としてこの土地建物を中野駅周辺のまちづくりにどのように活用していきたいと考えていらっしゃいますか。
○川崎経営室経営担当参事 この活用につきましては、この事業の当初目的であります中野駅周辺の活性化に役立てるというようなことから、この所有会社が土地を所有するサンプラザ地区、さらにはこの中野駅周辺のまちづくりをリードしていく、そのような形で活用を図っていければというふうに考えております。
○伊東委員 今の御答弁の中で、土地を所有しつつということをおっしゃっていました。私なんか、当初取得したときは、10年後には都市計画、まちづくりのフィルター、枠組みをかぶせて再開発者の募集をするのかなと。要するに、土地建物は所有会社がその時点で開発者に譲渡するのかなと考えていたんですけれど、今のお話ですと、土地はあくまでも所有会社が所有し続けるということでよろしいんですか。
○川崎経営室経営担当参事 現在、区としてはそのような方向で進めたいというふうに考えております。
○伊東委員 ということは、所有会社といってもこの協定にあるように枠組みというのは非常に複雑ですよね。金融団の中にも劣後レンダーあり、運営会社もありという状況で、その枠組み、再開発をかけるということになれば当然建物がなくなるわけですから、運用会社というのがどうなるかわかりませんけれど、今の枠組みを維持したまま再開発につなげていくというふうな解釈でよろしいんですか。
○川崎経営室経営担当参事 再整備を進めるに当たりましては、今申し上げたように所有会社がそのまま土地を持ったまま再整備に向かうのか、また新たな事業体にゆだねるかといった、一つは整備主体の選択があるかと思います。その中で、もし所有会社が土地を所有したまま実施をするということになれば、その再整備に向けての資金調達、あるいは事業手法についてもさまざまな選択肢が出てくるかと思います。10年後には一たん現在の資金調達の仕組みを組みかえる必要がございますので、そのための資金を調達するには融資であるとか、出資を新たに組み立てるというようなこと、あるいは土地活用を具体的に図ると、いろいろな方法があろうかと思います。そういった意味で、現在の枠組み、所有会社と運営会社という枠組みがそのままの形でいくのか、あるいは違う形になるのかということについては、今申し上げた幾つかの選択肢を慎重に検討する中で判断をしていきたいというふうに考えています。
○伊東委員 確認しておきたいんですけど、今御答弁いただいた内容というのは、区が考えている方針で、場合によってはほかの選択肢がないわけじゃないですよね。今考えている、現時点での想定としてこういう考え方を持っていますということでよろしいんですよね。まるっきりほかの考え方は一切ないということはないですよね。
○川崎経営室経営担当参事 このサンプラザ地区をどのように整備していくかということにつきましては、区として整備方針を定めて今後進めていくことになります。この整備方針については、区議会での御審議をいただいた上で定めるということになりますので、将来に向かって具体的な事業に当たってどの選択肢を取るかというのは、今後決めていくことだというふうに考えております。
○伊東委員 そうした御答弁を踏まえた上で、さらに聞いてまいりますけれど、金融団は今の区の考え方というのは了承されているのでしょうか。
○川崎経営室経営担当参事 委員おっしゃるのは、所有会社が土地を保有し続けるということについてかと思いますけれど、この事業を立ち上げるときも、10年後に必ずしも土地を売却ということが前提としていたわけではございませんで、リファイナンス、融資を改めて組み立て直すというようなことも選択肢として金融団は想定しておりますので、そういった意味では、先ほど委員がおっしゃったようにいろいろな選択肢がある中で今後決めていくということ、これについては金融団も了承している中身でございます。
○伊東委員 現在の中野区の方針にのっとってすれば、定款等に定められている残余財産の分配等は想定していない。その上で、10年を経過したらば、融資のこともあるし、A種株のこともあるので、リファイナンス、要するに再融資を考えていかなければならないんじゃないか、そういう認識でよろしいですか。
○川崎経営室経営担当参事 はい、そのとおりでございます。
○伊東委員 そうしますと、10年後、一応の区切りを迎えたときに、融資の残債について、どれくらい残っていることになりますか。
○川崎経営室経営担当参事 10年後の融資の残債でございますけれども、先ほど申し上げましたシニアの20億円については利払いだけですので、丸々20億円残ります。そして、劣後ローンのほうが2億4,600万ほど残りますので、融資の残債といたしましては22億4,600万円ということになります。
○伊東委員 そのほかに、一度事業を締めくくるとなるとA種優先株の償還というのは、定款にも書かれていますけれど、ありますよね。15億でしたっけ。累積未払い金、先ほど6億を超える額になるんじゃないか。都合しますと、ほかに21億ぐらいは一度それらの資金を調達しなければならないという考え方でよろしいんですか。
○川崎経営室経営担当参事 基本的には、そういった考え方で資金調達を改めて行うということになると思います。
○伊東委員 合計しますと、シニアが20億、それから劣後の融資が2億4,600万、A種優先株の償還に約21億、そうすると、約44億ぐらいの資金が一時的に必要になるということでよろしいですか。
○川崎経営室経営担当参事 はい、計算上そのようになります。
○伊東委員 土地を所有したまま再整備をかけていくとおっしゃられましたけれど、どのような方法が想定されますか。
○川崎経営室経営担当参事 まだ具体的にその整備手法を想定しているわけではございませんけれども、一般的な話といたしましては、その土地、所有権を維持したまま土地活用を図るということでは、定期借地権の設定でありますとか土地信託、こういった手法があるかと思います。他の自治体においても、そのようなことで都市の再整備を図っている事例がございますので、そういったことも参考にしながら今後考えていくということになるかと思います。
○伊東委員 これ以上先のことは、まだ随分、昨今もアメリカの金融情勢によって日本の金融会社あるいは証券会社、投資会社等がどういう枠組みになっていくかも不透明な時代ですから、あまり突っ込んだ話をしてもしようがないのかなと思うんですけれど、ただ、一つ確認しておきたいのは、日本政策投資銀行、これは前身は北海道開発銀行だとか、二つぐらい政府系の金融機関が合わさったもので、それが国の法律によって民営化がもう定められていると。それで、それがことしの10月1日、おとといですか、要するに完全に民間になったと。株はそのまま政府が所有しているということで、ただ5年から7年後にはその株も手放すと、完全な民営化を目指すというように聞いているんですけれど、そうした政策投資銀行、今は株式会社政策投資銀行のはずですけれど、そういう向こうの、劣後レンダーの相手先の変更は本事業には影響はないんですか。
○川崎経営室経営担当参事 今、委員おっしゃったように10月1日に株式会社化をして、5年から7年の間に完全民営化、今の株式は政府所有ですが、それが売却されるというようなことでございます。そういった過程の中で、政府の関与の仕方でありますとか、銀行としての資金調達の仕方が変わってくるということに当然なってくるかと思いますが、機能面では従来の政策投資銀行の機能を継承するというようなこともありまして、それによりも何よりも、本件融資につきましてはもうすべて協定でしっかり定められているものでございますので、今後の事業について何の影響もないというふうに説明を受けております。
○伊東委員 先ほども言いましたように、アメリカの金融不況、日本の金融団がどうなっていくのかわからない状況の中で、株式会社政策投資銀行といえどもその例外ではないと思います。区として、所有会社として、そういった情報には常に敏感であってほしいなと思っております。常に先を、先を、情報を入手して読んで、先手先手を打つような心構えが必要だと思います。そうしないと、民間と対等に伍して自治体が事業を運営していくということは難しいんじゃないのかなと思っております。
 同時に、これから先もいろんな展開、再整備に向けての展開が進んでいくと思いますけれど、そうしたときに、所有会社に取締役を、ここへ来て2人になったんですよね。派遣している中野区としての議会に対する都度都度の御報告、それから今言ったように情報を常に敏感にとらえるということについての御覚悟をお伺いしたいと思いますが、いかがですか。責任ある方、御答弁をお願いします。
○石神副区長 今回のこの事業につきまして、中心的に果たさなければいけない役割というのはまちづくり21が持っていくということについては、今質疑の中で出てきたわけでございますが、経営という面から見まして、また先行きの資金計画、こういったことをやるに当たりましては、いろいろな形での経営状況、これにあわせて経済状況をよく把握していきませんと誤った方向になってしまう。特に制約条件の多い中でやっていく中では、まちづくり21自身が資金計画をしっかり持って、調達体力をどういうふうにつくるかということをさらに詰めていかなければいけないというふうに思っております。そういう中で、月々の資金計画、それから決算状況、こういったものを常に見ながら、またレンダーとの調整をしながら進めていきたいというふうに思っております。
○伊東委員 区民が大変期待している事業であります。また、注目も注がれている事業ではあります。今、副区長のほうからレンダーとよく協議しながら、決して2億円しか出資していないからということではなく、この土地は中野区民の将来がかかっているんだぐらいの気概を持って、これから事業にあたっていただきたいと思いまして、本項の質疑を終えさせてもらいます。ありがとうございました。
 続きまして、新学習指導要領について質問させていただきたいと思います。12時まであと15分程度、質問項目途中になってしまうかもしれません。その点につきましてはお許しいただけたらと思っています。
 教育基本法が改正されました。学習指導要領も改定されて、小学校では平成23年度、中学校では24年度から本格実施、全面実施が予定されていると思うんですけれど、既に来年度、21年度からは移行期として先行実施が始まると聞いております。
 今回の改定なんですけれど、基礎基本、これは大切に決定すると同時に、それを踏まえての応用力をつけていきたいと、培っていきたいということ。それから、徳育、要するに道徳教育に重点を置いていきたいと。それから体力、体力低下に歯どめをかけたいということ、そうした基本にのっとった改定だと承知しているわけですけれど、一方で文部科学省も発表しておりますけれど、各種調査によりますと日本の子どもたちは、3点ほど挙げてあったんですけれど、思考力、判断力、表現力等を問う、読解力や記述式問題、知識、技能を活用する問題に課題がある。2点目は、読解力で成績分布の分散が拡大しており、その背景には家庭での学習時間などの学習意欲、学習習慣、生活習慣に課題がある。そして3点目、自分への自信の欠如やみずからの将来への不安、体力の低下といった課題が見られるとの指摘があるようです。どれを見ましても、ある一定程度理解できるな、うなずけるなという部分はあるんですけれど、そこで、新学習指導要領移行について、いろいろとお尋ねしてまいりたいと思っております。
 まず、授業時数、指導内容について、どう変わっていくのかお尋ねしたいと思います。
○入野指導室長 まず、小学校でございますが、指導時数については小学校で21年、22年度の2年間の移行期間におきまして、全学年で週1時間分、45分ということでございますが、時間が増加いたします。それと完全実施になります23年度には、それに加えましてさらに1・2年生におきまして週1時間増加することになっております。そうしますと、小学校1年生から6年生までの総時数は、現在授業をしております総時数よりも278時間増加するという形になってまいります。
○伊東委員 今回の改定、大変時数がふえたということだけではなく、特に小学校低学年は国語の時間が最終的には35時間ぐらいふえて、それも内容としてはやっぱり聞く、話す、あと何だったっけな、理解するだとかあったと思うんですけれど、そのほかに古典に親しむというわけじゃないんですけれど、伝記ですとか、そういうものもたしか方針の中に新たに柱として盛り込まれたような気がするんですけれど、小学校、中学校、本改定で授業内容はどう変わっていくんでしょうか。
○入野指導室長 先ほど申しわけありません、中学校のほうの授業時間についてのお話をするのを漏らしてしまいました。中学校におきましては、21年度から、例えば数学の1年生が1時間増加するとか、3年生の理科が増加して総合の時間が減るなどということで、3年間の移行期間を経まして完全実施されます24年度には全学年で週1時間、中学校の場合は50分を基本としておりますが、増加いたします。中1から中3までの総計では、現在よりも105時間、授業時間が増加することになります。
 今の指導内容についてのお問い合わせでございますが、小学校におきましては、基本的なものからお話をしますと、新学習指導要領になりましても生きる力ということをはぐくむという理念は変わりません。そして、基本的な考え方としまして改善事項が六つ挙がっております。
 一つは、言語活動の充実というものでございます。知的な活動ですとか、コミュニケーションとか、感性、それから感情の基礎になるのが言語であるということで、言語活動にウエートが置かれます。特に具体的に言いますと、国語においては読み書きなどの基本的な力を定着させた上で、他の教科で記録ですとか、説明ですとか、論述ですとか、討論といった学習活動を充実していくという方向性が一つでございます。
 そして、理数の教育の充実が挙がります。算数や理科におきましては、新しい単元がそれぞれの学年で設けられたり、内容が充実されたりということが行われるということでございます。
 三つ目でございますが、伝統や文化に関する教育が充実されるということ、四つ目は道徳教育の充実、五つ目は体験活動の充実、そして小学校の外国語活動、英語活動ということで言われておりますが、外国語活動の充実を中心としました、中学校におきましても外国語活動を充実していくということでの内容の変更がございます。今の外国語活動におきましては、5・6年生において実施されることになってまいります。実際、内容としましては、反面、総合的な学習の時間が削減されるという状況に小学校はございます。
○伊東委員 中学校は。
○入野指導室長 あわせて中学校でございますが、中学校におきましては特に数学、理科、外国語を中心に、国語、社会、保健体育が内容の変更と充実が行われてまいります。また、新しい単元が理科においても増設される形になってきます。
 反面、小学校と同様に総合的な学習の時間が縮減されてまいりまして、中学校の選択教科は段階的に廃止されてまいります。
 以上でございます。
○伊東委員 ありがとうございます。小学校でいえば総合的な時間、一昔前に相当もてはやされて、どんな内容で取り組んでいくかさまざまに議論されてきた内容が減っていく、中学においてもそういうことだということで、一方で小学校の5・6年とおっしゃいましたね、今。外国語活動が新たに35時間、年間で。35時数というんですか、入ってくるということなんですけれど、我が会派、文教のリーダー、教育のリーダー、篠委員に言わせると、国語教育もまともにできないのに何が外国語だと、この間も控室で指摘されたんですけれど、小学校においても中学校においても、母国語、日本語の指導の徹底、要するにコミュニケーション能力を高めるとともに、伝統文化についても古典に触れ親しんでいくという理解でよろしいんですか。
○入野指導室長 我が区におきましては、教育ビジョンがつくられましたときからコミュニケーション能力、特に国語力を中心としたコミュニケーション能力に重点を置いてまいりますので、あわせて今後も重点を置いてまいりたいと思います。
 さらに、今お話がありましたように、先ほど挙げました6点の中にもございますように、伝統文化に関する教育の充実と道徳教育の充実というものが今回の学習指導要領の大きな改善点でございます。
○伊東委員 そうした意味では、さきの総括質疑、篠委員の総括質疑にもありましたけれど、伝記、偉人の方が残された業績について、そうしたもの、それは道徳や伝統文化に親しむ、造詣を深めていくという中で、十分にこれからも教育に生かされていくんじゃないかなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それで、支援策について伺ってお昼にさせていただきたいと思うんですけれど、こうした改定が教育現場に与える影響というのは大きいと思うんです。先日、文教委員会では来年度の小学校教科書の検定が終わったという御報告をいただきまして、何ら変更はないということなんですけれど、もう来年度から教育内容が若干変わっていく、移行していくということなんですけれど、そうした補助的な資料なんかも含めて国の支援策というのはどうなっていますか。
○入野指導室長 国におきましては、今、お話の教科書でございますが、今年度、すべての教科書で検定替えがございませんでしたので、つまり新しい教育指導要領にのっとった教科書はないということで、その部分の移行期対応につきましては、国のほうが責任を持って教科書会社に補助教材等をつくることを言ってございます。そういうふうな対応が一つございます。
 さらに国としましては、全教職員に学習指導要領の中身がわかるような関係資料を配布するとともに、今、説明会を開いているところでございます。そして、予算的なことにつきましては、理科とか武道の備品の充実や時間数増に伴う人的配置等について予算化を図る、という文部科学省の方針がまだ示されていないという段階でございます。
○伊東委員 午前中の最後にしたいと思います。
 今、おっしゃられたように、国の支援策というのが早めに打ち出されていただかないと、現場も大変なのかなと思っているんですけれど、一方では、ここへ来て臨時国会が開催されていますけれど、先行きが見えないと、国の予算のほうはなかなか煮詰まっていかない。国民の生活の不安解消も大切です。ただ、実際に世の中、システムとして回っている部分、着実に決めることは決めていかなければいけないと思っております。その辺は我々自民党、与党、声を上げて頑張ってまいりたいと思います。区におきましては、そうした部分、こういうものが必要だという部分はちゃんと東京都を通じて国のほうに発言していっていただけるようにお願いを申し上げます。
○吉原委員長 質疑の途中ですが、この時点でお昼休憩をとります。
      午前11時57分休憩

      午後0時59分開議
○吉原委員長 委員会を再開します。
 お手元に、先ほど要求しました資料1件を配付しましたので、御確認ください。
 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。
 伊東しんじ委員、お願いします。
○伊東委員 午前中に引き続いて、新学習指導要領について伺ってまいります。
 午前中の最後は、新学習指導要領移行に向けての国の支援策について伺いましたが、続いて午後の最初は、1番目は移行に際しての中野区教育委員会としてはどんな準備を進めているのか、あるいは支援をしていくのか、そしてスケジュールはどうなっているのか、伺いたいと思います。
○入野指導室長 中野区教育委員会としましては、まず新学習指導要領の内容ですとか、国が決めております移行期間に取り組む内容につきまして、今月中に教員を対象とした説明会を小・中別に実施いたします。あわせて、各学校への指導訪問や説明会を通じて周知徹底を図ってまいります。また、今後指導に必要な資料の作成ですとか、教材、整備の充実を行うことによって、学校支援もしてまいります。
 さらに、この日程でございますが、新学習指導要領の実施に向けて平成23年度までには準備を整える予定でございます。
○伊東委員 今の御答弁の中に、移行に向けて指導資料の作成とおっしゃられていましたけれど、これは中野区教育委員会で作成するんですか。国のほうから何らかの基準みたいなものが示されるんですか。
○入野指導室長 中野区教育委員会として、例えば今後外国語指導をどう行っていくかですとかという問題が出てまいるかというふうに思いますので、それに必要な教育委員会としての指導資料を作成してまいりたいというふうに考えております。
○伊東委員 先日の一般質問、たしか伊藤正信議員の一般質問に対して、移行に際しては学校の意見を聴取しているというふうな御答弁をいただいたかと思うんですけれど、実際にそういうことを行われた。その中で、何か課題のようなものは出てきたんですか。
○入野指導室長 各学校の現状ですとか、増加する授業時数をどのように生み出していくですとか、新しく入ってくる指導内容等の基本的な取り組み方ですとかにつきまして、校長会等、学校管理職の意見を聞いたところでございます。今のところ、聞いたところということで、今後どのようにしていくかは検討に入るところでございます。
○伊東委員 十分に検討を重ねていってください。学校管理者としての校長先生の立場もわかりますけれど、何より教える先生も多くの不安を抱えているのではないかなと感じておりますし、またそういう声もちらほら聞こえてきております。
 それで、学校の、移行に際しての取り組みについて伺ってまいりたいと思います。
 特に今回、基本教科については充実を深めていく、充実させていくということなんですけれど、学校の指導体制は十分でしょうか。
○入野指導室長 基本的には、現在の学校の指導体制で対応できるというふうには考えております。
○伊東委員 そうでしょうね。ただ、例えば理科の教員ですと、小学校の理科なんかはクラス数減に伴って理科の先生が常に学校にいないというような状況もあるかと思います。そうした中で、理科も学習を深めていかなければならないというような実情があるかと思うんですけれど、その辺はどうなるんですか。
○入野指導室長 都の基本的な教員の配置方針としましては、6学級から16学級には専科の教員を2人という形になっております。それも、音楽と図工という形になっておりまして、小学校でございますが。17学級以上になりますと3人目を置けますが、これについても家庭科ということでございますので、理科の専科というものは小学校においては置ける状況にはございません。
 ただ、中野区におきましては、都の加配等を受けまして、理科をTTで行っている小学校があるという実情はございます。
○伊東委員 これからの充実を進めていく中で東京都の支援というのも欠かせないかと、今の御答弁でも察するんですけれど、一般の教員の方について、先日学校の現場から、今、教員が少ないんだよ、実は。特に新卒の先生、新たに赴任されてきて、いろんなことで悩まれて離職してしまうという方がいらっしゃると。そうすると、後を見つけるのが容易なことじゃないんだと。学校のほうになるべくやめさせないでくれというような教育委員会からの話も届いているというふうに伺ったんですけど、実際そうなんですか。
○入野指導室長 教員の大量退職の時代に入りまして、教員採用試験の倍率も実は下がっておりまして、東京都におきましてですね。新規採用教員の確保が難しくなってきております。
 東京都におきましては、講師についても配置が非常に難しくなっている状況が実はございます。中野区におきましても、年々新規採用教員の割合がふえておりますし、離職、退職した後の補充という部分に関しましては都で認められた講師等を充てるということになっておりまして、実はそういう流れからいいまして確保が難しい状況になってございます。
 やめさせないようにしてくれということではなくて、新規採用教員を立派な教員として育成を図ってほしいということは、教育委員会としてもお願いをしているところでございます。
○伊東委員 確かにね、若くて学校に配置された先生、私からしても実の娘みたいな年の先生が入ってこられる、保護者もその辺は理解していただいて、子どもとともに教員も一緒に育てていくというようなことが本当はできればいいのかなと思っているんですけれど、それで、そうした現状の中で中野区は教育マイスターですとか、学力向上アシスタントですか、名前も変わっているんですよね、時々。あと、学校スタッフというような制度を用意されていると思うんですけれど、これらの方を移行期、どう活用されていくおつもりでしょうか。
○入野指導室長 まず、学力向上アシスタントでございますけれども、学力向上アシスタントということは、昨年度からそういう名前で配置をしております。教科指導の充実ということで、昨年度は算数、数学、そして今年度からは理科、英語に拡大をしまして、全小・中学校で少人数指導を行えるように、ということで配置をしてきております。今後とも、その学習指導要領の方向性等も学ばせまして、趣旨に合った指導を充実できるように活用してまいりたいというふうに思っております。
 教育マイスターでございますが、今年度末には21名のマイスターが認定される予定でございまして、現在、主任者研修ですとか、2年目、3年目の研修の模範になる授業ですとか、指導にあたってもらっているところでございます。これからの新しい学習の指導法について、先駆的に身につけている教員でございますので、新学習指導要領の実施においてもリーダー的な役割を果たしてもらおうかというふうに思っております。
 学校スタッフにつきましては、教員を目指している学生を配置しているということでございまして、配置といいますか、協力を得ているという形になりまして、授業の補助ですとか、放課後の補修ですとか、特別な支援が必要な児童・生徒への支援ですとかということで活用してきているところでございます。
 ただ、10校10名程度ということで今のところ私どもは考えておりまして、学校現場を知るということで、教員を目指している学生ですので、今後の教育の充実というところには将来的な貴重な経験となっていってくれるだろうというふうに思っております。
○伊東委員 そうですね。そういう学生さんがいい先生になってくれることを期待しております。
 続いて、やっぱり求められるものは家庭での教育、先ほどの課題という点で3項目ほど、午前中には触れさせていただいたんですけれど、一般質問、これも伊藤正信議員だったと思いますけれど、家庭にはリーフレットは、「学習指導要領が変わります-生きる力」と、これは私も前に目にしていたんですけど、このことだと思わなかったんですけれど、国から直接配布されたということで、先ほど言った家庭での教育、読解力の成績分布の分散が拡大していると。その背景に、家庭学習の時間だとか、学習意欲、学習習慣、生活習慣が課題だということを指摘させていただいたんですけど、そういう報告があるということ。
 ただ、このリーフレット、せっかく各家庭、保護者の方に配られた割には、そういう部分で家庭への訴えかけが少ないような気がします。最後のほうに、今の子どもたちのデータについて2ページほど割かれていまして、裏表紙のほう、最後のところに「皆さんの家庭ではいかがですか」と、8項目ばかりチェック項目があるんですけど、この程度なんですけれど、教育委員会として家庭教育の部分に関してどう働きかけていくおつもりですか。
○入野指導室長 具体的なお話をいたしますと、このたび教育委員会では先日の教育だよりに掲載いたしましたんですが、「学校・家庭・地域の協力でいじめ問題の解決を」という中で、家庭に対しまして子どもの悩みを聞くなど十分な会話に努めること、それから人のつながりや命、自然の大切さを教える機会を持つこと、他人を思いやる心や社会のルールやマナーを守ることの大切さを教えること、そして早寝・早起き・朝御飯など正しい生活習慣を身につけさせること、体を使って遊ぶ機会をふやすことなどを家庭に対して提言をしたところでございます。
 今後も、このような提言を通じて学校と教育委員会が連携して家庭教育の充実の実現に向けて努力してまいりたいというふうに考えております。
○伊東委員 家庭教育ということは、今の分野でいえば本当は子ども家庭部なのかもしれませんけれど、目指すところは一緒じゃないかと思います。本来でしたら、子ども家庭部のほうにも同様の質問を投げかけたいところですけど、きょうのところはやめておきまして、また後日、次の機会に質問させていただけたらと思っております。
 それで、外国語活動について質問を移らせていただきたいと思います。
 小学校高学年、5年生、6年生に新たに外国語活動、実質的には英語活動だと思うんですけれど――が始まってくるということで、ただ、中野区としては以前に国際理解教育ということで先駆的に取り組んでいたのではないでしょうか。その実態について御説明いただきたいんですが。
○入野指導室長 中野区では、平成15年度から18年度まで、幾つかの小学校を国際理解教育推進校に指定しまして予算措置をしてまいりました。実践研究に取り組んできたところでございます。指定校の中には、国際理解教育を推進する上で、外国語に堪能な保護者や地域の方々、それから外国人の指導助手を活用して指導を行った例もございます。
 内容は、異文化理解ですとか自国理解でありまして、世界のいろいろな国々の言語ですとか文化を学ぶ活動を行っている中で、中には英語に触れる活動を行っている学校もございました。
 平成19年度以降、この指定を行いませんでしたが、平成19年度以降は国際理解教育ということを主題としまして特色ある教育活動重点校の指定を受けて実践している学校がございます。
○伊東委員 既に取り組んでいる学校もある、片や、そういうことには取り組まないでここまで来てしまっている学校もあるということで、学校の先生、特に英語活動というのは初めてのこと、教員の採用条件の中にも英語を教えてくださいということは今の先生方はなかったかと思います。そうした困難な課題に――困難なのか、新しい課題に立ち向かっていかなければならない先生の不安というのは多々あるかと思います。
 そして、片や先駆的に取り組んだところでも、ALT、外国人の先生ですね。導入したということなんですけれど、年間の35時数ですか、そのうちALTを活用する予定というのはありますか。
○入野指導室長 今度の学習指導要領の中の外国語活動の中に、指導計画や事業の実施については学級担任、または外国語活動を担当する教師が行うこととしまして、事業の実施に当たってはネイティブスピーカーの活用に努めるというふうに書かれてございます。中野区の外国語活動の取り組みとあわせて、その活用等も今後とも検討の必要があるかというふうに思っております。
○伊東委員 努めるということは、つまり予算的な裏付け、文科省からの裏付けがないということでよろしいんですか。
○入野指導室長 先ほどお話をいたしましたように、文科省のほうの予算については、今のところ結論がまだ出ていない状況でございますので、予算がついてこないということがあるということだというふうに思っております。
○伊東委員 そうしますと、中野区が来年度以降ALTを積極的に導入を図っていくんでしたらば、区独自の財源、今のところはですね、国のほうで予算がつけば別なんでしょうけれど――を考えていかなきゃならないんでしょうか。大変心もとない気がするんですけれど、一保護者、一区民としては、どうせだったらばネイティブスピーカー、外国の先生も積極的に導入していただきたいと思うんですけれど、いかがでしょう。
○入野指導室長 外国語指導の人材確保ということにつきましては、まだ検討していないところでございます。ネイティブスピーカーといいましても、いろいろな状況の方がいらっしゃるというふうには思っておりますので、その人材の確保とか導入について、その方法についてもしっかりと検討はしてまいりたいというふうに思っております。
○伊東委員 まだ人材確保、聞いてないの。
 確かに人材の確保も問題だと思います。そんなにやたらに指導に対しての経験のある外国人の方が周りにいるわけじゃないと思います。やっぱり導入するんでしたらば、そういう方の積極的な確保が必要だと思うんですけれど。それを導入していくんだったらば、区は独自の財源なのか、独自の財源を確保してまでそういうことに取り組んでいく気持ちがあるのかどうか、お聞きしているんですが。
○入野指導室長 ネイティブスピーカーを含めた人材確保という意味でお話をいたしましたが、ネイティブスピーカーという部分につきましても、いわゆるALTとしてしっかりとした計画を、指導力を持った人を確保するには予算が必要になってくる部分もあるかというふうに思います。
 ただ、あくまでも担任を中心としたネイティブスピーカーの導入ということでございますので、その辺のことも含めて、どのようなネイティブスピーカーを区として導入していけばよいのかということも含めまして検討していくことで、予算のことについても必要性が出てくるかというふうに思います。
○伊東委員 ある調査によりますと、保護者の方はやはり日本の発音もしっかりしていないような先生よりは、外国の先生のほうが望ましいという声もあります。また、現場の声、学校としてもほかの、一般の日本の教員の方がそこから学び取る、ALTを導入することによって得られる部分も多いかと思います。ですから、そういう意味では教育委員会として、教育長はじめ皆さん一丸となって区長部局のほうにそうした事情をよく伝えた上で予算を確保していただけるように頑張っていただけたらと思います。
 続いて、中学校の武道指導について伺いたいと思います。
 必要な施設なんですけれど、武道、想像できるのは柔道ですとか剣道なんですけれど、そうした施設は中野区には体育館に若干ある程度じゃないかと思うんですけれど、学校には皆無だと思うんですけれど、その辺はいかがなんでしょう。
○入野指導室長 中野区には、武道場という形のものでしっかりとできているところはないかというふうに思いますが、第2体育館がありますことで、それを現在の、必修化はしておりませんが授業はございますので、武道場として使っている学校。それから、今使っていない教室を改良しまして、そのように畳を敷いて使っているような学校がある実情でございます。
○伊東委員 ありがとうございます。いずれにしても、整備にはお金と時間のかかるものだと思いますし、各学校すべてにそれを整備していくことがいいのかどうか、また別の問題だと私は思っております。そういう意味では、既存の施設ですとかいうものの活用も大切なんじゃないのかな、ここへ来て教育委員会の所管で地域スポーツクラブというのが区内4カ所に展開していく予定になっていますけれど、そうしたものの活用、あるいは既存の中野体育館にもたしか地下には武道場があったと思うんですけれど、そうしたものを活用することについての管理は教育委員会だと思いますので、御答弁をお願いします。
○村木生涯学習担当参事 現在の仲町小学校跡施設に第1番目の拠点施設としての準備を進めております地域スポーツクラブについて、設立支援を受けておりますスポーツ関連企業から現在さまざまな提案をいただいている途中です。その提案の一つに、具体的な実施可能な種目というものがございまして、体育館を活用した武道の種目として、50畳の畳を利用して柔道、合気道、空手、タイド-が、また、床を利用して剣道、太極拳、なぎなた、少林寺拳法などが御提案いただいているところでございます。
 学校の授業として、例えば仲町小学校跡に出向いてその授業を行うということになりますと、それなりの工夫が必要であるというふうに考えております。そういう意味では、なかなか難しいとは思いますけれども、例えば放課後の利用ですとか、指導者の学校への派遣など、地域スポーツクラブを学校が利用することは可能であり、そういった方向に向けてさらに検討を進めていきたい、このように考えております。
 なお、中野体育館等での柔道場等の利用につきましては、ここにはいろいろとこれまでのルールがございますので、そういったルールを例えば改めるとかいったような中で、改めて検討する必要があるというふうに考えております。
○伊東委員 いろいろな課題もあるでしょう。でも、中学生ですからね、武道を導入されるのは。ですから、例えば1限目、2限目、集中的に出向いていってそこを活用してやるとか、集中的にやることによって、窮屈な設備も十分でないところで武道を教えて、逆に武道を嫌いになられても困ると思いますので、その辺は工夫していただけたらと思います。
 いろいろありがとうございました。これをもちまして新学習指導要領移行についての質問を閉じさせていただきます。
 続いて、施設白書について御質問させていただきます。
 今回、施設白書、5年前か6年前にもたしか施設白書、何年前だったかちょっと正確に覚えていないんですけど、出されましたけれど、ここへ来て新たに出された目的なんですけれど、その目的とともに、ここに出された非常に衝撃的な数字、今後20年間で1,050億円余の改修、改築経費が必要ということなんですけれど、その算定根拠も一緒にお答えいただけますか。
○長田計画財務担当課長 お答えいたします。
 まず、目的でございますが、これからの区政運営をかんがみまして、できるだけ最適な状態で区の施設群を維持していくと、トータルコストをきちんと踏まえながら、最適な状態で施設群を維持していくと、そのための前提となる課題等の整理をするものでございます。
 それから、この経費の算出の方法でございますが、全体で20年間で1,050億円余の改修、改築経費を要するというふうに御提示をさせていただきましたが、施設の耐用年数につきましては、延命策をとることを前提として60年とまず設定をいたしまして、改修費としては建築設備、耐震工事関係等について各施設ごとに試算したものを積み上げたものでございます。
 また、改築費につきましては、現状規模で改築をした場合という前提を置きまして、直近の、最近の公共施設の建築費の実績を用いまして積算をしたものでございます。
○伊東委員 建築、電気、機械設備について試算したということなんですけれど、これは別に各施設、それぞれ回ってというわけではないかと思うんですけど、いかがですか。
○長田計画財務担当課長 財産管理のほうで各施設の状況については把握をしてございますので、先ほど申し上げましたような方法を用いて積算をしているものでございます。
○伊東委員 わかりました。それで、20年で1,050億余ということは、単年度にならせば50億を超えるわけです。いきなり降ってわいた話で、今までこんな話はあまり出ていなかった。まあ、頭の中には入っていたんでしょうけれど、改めて提示されたと、それも額がふえてということなんですけれど、それに対する財源対策はどのように講じていくつもりですか。長期計画等に既に盛り込まれていますか。
○長田計画財務担当課長 平成20年1月に財政運営の考え方を改定させていただきました。ここで基金、それから起債等を用いる事業なども含めまして、全体の財政運営の計画に資する内容の対応をお示しさせていただいておりました。ここでは、平成26年度までの財政フレームとしては、学校の再編、施設整備の関係、学校の耐震補強工事をはじめ主な施設改築、それから改修についての内容については盛り込んでいるところでございます。
 ただし、今後のそうした改修及び改築の需要というものがございますので、今後も施設改修のために財政調整基金の積み立てを行っていくということが必要だと考えてございます。また、特に学校の再編につきましては、義務教育施設整備基金への積極的な積み立てを行うということも同時にしなければならないと考えてございます。
 さらに、今後のことでございますが、財源を確保するという意味から施設の売却等をそれぞれの基金に積み立てていくということも積極的に図っていきたいと考えているところでございます。
○伊東委員 財政運営の考え方というのは、26年度までということでお話なんですけど、これは多分10か年計画の最後は26年度、その関係で今のところ26年度ということなんでしょうけれど、片や財政白書では20年間というスパンをお示しいただきました。ですから、もっとさらに長期的な視野で今後整備について検討を重ねていっていただきたいなと思っております。
 それで、実際には20年間の財源を確保していく、あるいは1,050億余というものをいかに圧縮していくかが重要なのではないのかな、それも根拠、裏付けがあってということなんですけれど、ここへ来て建築基準法が改正になりまして、12条、今まで民間建築物が対象であった建築物の定期点検、3年ごとに行われている。それが自治体の建物にも及ぶようになったはずですけれど、その辺についてはどれくらいの施設数が対象になっていますでしょうか。
○安部財産管理担当課長 お答えいたします。
 委員おっしゃるとおり、建築基準法の改正によりまして、12条で点検が義務付けられております。それで、中野区の建物でございますけども、本庁はじめ地域センター、保育園、児童館、特別養護老人ホーム、高齢者会館、学校、図書館など、全部で187施設対象になっております。
○伊東委員 施設全体の数としては二百六十幾つか、266だったかな、百八十幾つも対象になっていると。実際点検するとなると、外観目視が中心になるんでしょうけれど、それには設備類も若干含まれているはずですし、そうしたものと実際の今財産管理のほうで持たれているそれぞれの施設の改修についての台帳というんですか、管理ノートみたいなもの、それとの連動はどうなっていますか。
○安部財産管理担当課長 この建築基準法の12条の点検義務が出る前から、もう20年ぐらい前からになるかと思いますが、中野区、当時営繕課と言っておりましたが――の時代から安全点検というものをやっておりました。これは中野区の当時の営繕課の技術者が5人ぐらいで1グループをつくって、それで全施設を回って何か危険箇所はないか、傷んでいるところはないかとか、そういうものを見て回るという作業をやっておりました。それで、見て回って傷んでいるものを、ある基準をつくりまして、Aランク、Bランク、Cランクというふうに分けて、それを所管課に伝えて、緊急なものは当然すぐに直す。それで、Aランク、Bランク、Cランクのようなものについて、これは来年度予算要求しよう、このAランクのものは5年ぐらい様子を見ようとか、そういうような区別をしながら建物の管理をしてまいりました。
 それで、今の12条点検につきましても、当然すぐに修理の必要なものは同じ中で修理をしていきますし、それほど緊急ではないものについては時間を見ながら修理をするというような形で、今までの安全点検の経験を生かしながら修理をしていくというような考え方でおります。
○伊東委員 安全点検、それから12条点検含めて、これからの修理に当たっていくということなんですけれど、そうしますと、各施設ごとに長期の保全計画というのはまだ作成されているんですか、それともされていないんですか。施設ごとです。
○安部財産管理担当課長 施設ごとということになりますと、例えばかみさぎ特養ホームとか障害者会館とか、ある程度大規模なもので老朽化しているものについては、所管部と我々財産管理分野とで協議をして、毎年度、本年度はここを改修していこう、ここを改修していこうというような形で改修計画をつくってやっておりますが、全施設についてはつくっておりません。
○伊東委員 そのようなお話ですと、毎年ふたを開けてみないとどれくらい改修費がふくらむのか、区の財政運営の中でならしていく、決してまっ平にすることはできないと思います。その分、基金で積み立てて調整していかなければならないと思うんですけれど、そうした長期的な中野区の施設全部を考えて、その施設ごとの改修計画の調整を図っていくという部分は考えられているのかな。どこが御担当になるんです。
○長田計画財務担当課長 お答え申し上げます。
 まず、総合的な全体を視野に入れた施設群の長期保全計画につきましては、委員御提示いただきました中野区施設白書の次の段階の取り組みということで、今、10か年の見直しが行われておりますので、この中で施設再編についても見直しが行われました。これとの調整を図りながら、機能を維持する、存続する施設を中心に全体的な保全計画を立ててまいりたいというふうに考えているところでございます。
 この担当セクションといたしましては、計画財務分野が中心に当たりまして、実際の施設の管理を実施しております財産管理分野とも連携、調整しながら進めていきたいと考えているところでございます。
○伊東委員 わかりました。いずれにしても、先ほど申し上げましたように確かな計画を策定していく上では、財産管理分野で仕事をされているそれぞれの技術職の方、建築、機械、電気、そうした方が現場をしっかりした目で見ていただかないことにはしようがないのかなと。2,000人を目指す中で、先ほどの御答弁の中にもありましたけれど、技術の確保というのはやっぱりこれからもどんどん必要になってくる。逆にますます必要になってくるんだというお話だったんですけれど、そうしたものの人材育成にしっかり取り組んでいただいて、なるべくだったらば、1,050億余を圧縮できるような長期計画も工夫していただけたらと思って、この項の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
 最後のその他の項で、防災対策について伺ってまいりたいと思います。
 この夏、大変集中豪雨、夕立ですよね、昔で言う。多うございまして、メールのほうにもしょっちゅう注意報発令、あるいは注意報解除、警報発令というものが飛び込んで、連日のように飛び込んできていたわけなんですけれど、実際にはどうだったのか、私も資料要求させていただいたんですけれど、本年度発表された注意報、警報についてお伺いいたします。
○志賀危機管理担当課長 お答えいたします。
 委員御案内のとおり、ことしの8月は例年になく大変雨の多い年でございました。大雨洪水注意報と警報の発表につきましてですけれども、4月からきょう現在まででございます。大雨注意報の発表が38回、警報が12回、それから昨年では大雨洪水注意報が18回、警報が8回、比較いたしますと注意報は20回、警報は4回ほど多くなっております。昨年からいたしますと約8倍の警報の数、量が多かったという形になっております。
○伊東委員 確かにそうですね。総務の資料でいきますと、104番、105番、これ105番のほうは被害状況、不幸にもことしは2回被害が出てしまっているんですけれど、確かに多うございます。特に8月なんかは昨年の6倍というような状況、注意報でいえば15日間、警報でいえば9日、これはダブってもいるんでしょうけれど、注意報だけ見ても15日ということは、月の半分、1日おきに注意報が発令されていたということじゃないかと思うんですけれど、こんな状況、要するに異常気象なのか、確実に地球温暖化、ヒートアイランド現象というのが進行している中で、こうした課題は避けて通れないのかなと思っているわけなんですけれど、また一説によりますと、ちょうど中野、練馬、杉並、板橋のあたりは東京湾からの海風、それから相模湾からの海風、それと日本海側の冷気がぶつかって局地的な豪雨が発生しやすい場所だなんていうものも、話も聞かれてきますけれど、そうした不幸な場所にある自治体として、積極的にその対策を講じていかなければならない。基本的な対策というのは、治水対策、これは一般質問、総括質疑通じて多くの議員の皆さんがされてきたわけですけれど、私、ちょっと視点を変えさせていただきたいと思います。
 確かにそういう根本対策は必要だと思うんですけれど、中野区は3年前の大水害を契機に、注意報発令とともに夜間緊急配備体制を敷くようになりましたよね。そうした人的な備えというのも大変重要だと思います。いくら根本対策をやっても、早急にできるものもないでしょうし、いざとなったらば人の力ということだと思うんですけれど、実際に今年、こういう異常な回数の中で敷かれた緊急配備体制はいかがだったんでしょう。
○志賀危機管理担当課長 大雨洪水注意報が発表されましたときの風水害の体制でございますけれども、今年の体制といたしましては夜間休日連絡体制が23回、情報連絡体制が10回、初動配備体制が3回、計36回の水防の体制を敷いてございます。
○伊東委員 それぞれのランクがある、一番すごいのは3回の、何と言いましたっけ、何かだと思いますけれど、そのときは区長は防災センターに詰めるということ、ほかのときも区長は備えていたという状況なんでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 風水害体制の災害対策本部設置の条件といたしまして、初動配備体制から第1次非常配備体制、第2次非常配備体制、第3次非常配備体制までございます。この初動配備体制の段階から災害対策本部を敷くということになっております。このことから、区長は災害対策本部長でございますので、初動配備体制からの従事という形になってございます。
○伊東委員 そうですね。いろいろランクがあってしかるべきだと思います。特に今年の雨のように注意報、警報は発令されたんだけれど、実際には降らなかった――降らなかったことはないんでしょうけれど、降っていない地域もあったと、そういうことについて段階的に備えていく、それでも区長は3回体制をとられたということなんですけれど、でも、もっとすごいのは現場で備えられている職員の方だと思うんですけれど、緊急ですから、まして8月の末から9月にかけては毎週末、そういってたしか注意報が出ていたように記憶しているんですけれど、どうなんでしょう。やっぱり中野区にお住まいの職員の方、あるいは隣接区にお住まいの方が対象になって招集がかけられる状態ですか。
○志賀危機管理担当課長 先ほどの注意報が発令されて、雨が降らなかったこともあるのではないかということもございますけども、実際38回注意報が出ております。そのうち36回は体制を敷いておりますけど、2回は体制を敷いておりません。これは雨が降らなかったということが事例としてございます。
 その後の御質問でございます。初動期の体制は、おおむね1時間以内に参集できる職員で構成した情報連絡体制というものをとってございます。これは区内在住あるいは隣接区在住職員の123名の体制でございます。風水害体制の発令の回数は、先ほどお話ししたように36回発令しておりますので、このことによりまして一部の職員に参集命令が集中したということはあると思います。
○伊東委員 大変お気の毒というか、しようがないのかな。126名しかいない、逆に。その方が、これは一過性のものとしてとらえて済むんだったらまだしも、これから毎年夏にこういうことが起きるようでは、それに対しての備えというのが必要ではないかなと。中野区2,000人体制を目指すと、先ほど来質疑の中でも何回も言わせてもらいましたけれど、やはりこうした点についても根本的な対策を講じられていったほうがいいんじゃないのかなと、どういう対策になるかあれですけれど、ちょっとその辺についての御見解をいただけますでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 災害対策につきましては、より迅速で、初動期のより的確な対応が求められているところでございますので、また情報の収集、伝達、そういったことが大変重要になってくると思います。職員2,000人体制といった限られた人数の中で、どのような体制が効率的に機能するのか、十分に検討しながら工夫をしてまいりたいと、このように考えてございます。
○伊東委員 ありがとうございました。以上4項目にわたって、質疑をさせていただきました。この後、自民党、2人の委員が質疑を控えております。またそちらのほうでもすばらしい内容の質疑があるかと思いますので、この後もよろしくお願い申し上げて、総括を閉じさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○吉原委員長 以上で伊東しんじ委員の質疑を終了します。
 次に、久保りか委員、お願いします。
○久保委員 決算特別委員会にて総括質疑をさせていただきます。公明党の久保りかでございます。どうぞよろしくお願いいたします。大変欲張って質疑項目を出してしまいまして、時間の都合上、質疑内容を変更する場合もあるかと思いますが、どうぞお許しください。お願いします。
 初めに、介護保険特別会計について伺います。
 厚生労働省介護保険部介護保険料のあり方検討会では、第1号被保険者の保険料を定率制に見直す議論がされており、実施時期は次時期介護保険料改定の24年度が最も有力と言われております。国のこうした方向性を踏まえ、21年度から第4期介護保険制度について伺います。
 現在、中野区では保険料段階を8段階と定めており、その上で第4段階、第5段階に激変緩和措置を行っています。現実には、保険料額は14段階に区分をされている形になっています。
 そこで、伺います。この激変緩和により減額された保険料はどの程度だったのでしょうか。また、減額部分についてはどういった財源をもって補填措置をされていたんでしょうか。
○飯塚介護保険担当課長 お答えいたします。
 激変緩和の額でございます。19年度が3,300万円でございました。この補填ということではございませんで、保険料、介護保険特別会計全体の仕組みの中で対応しているということでございます。
○久保委員 3,300万円で、特にその部分で何か特別な措置をされたわけではないということですね。厚生労働省では、平成20年度に激変緩和措置を継続した保険者については、21年度になって急激に保険料が上昇することのないように、多段階保険料を導入して恒久的に負担増を緩和するよう周知をしていくというふうにしております。
 そこで、さらに保険料の段階区分を分け、より定率制に近く保険料の段階を変更すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○飯塚介護保険担当課長 介護保険料の多段階設定につきましては、現在中野区保健福祉審議会介護保険部会におきましてさまざまに議論をしているところでございます。こういったことを踏まえて、段階設定を行っていきたいと考えてございます。
○久保委員 今、現実には14段階というような形になっていると思うのですが、最低でも14段階の区分でということでお考えでしょうか。
○飯塚介護保険担当課長 段階区分を何段階にするかとまでは、ちょっとまだお答えはできません。
○久保委員 今の現状維持をする方向で何とか考えていただきたいと思っております。
 第4期では、第1号保険料は19%から20%へ、第2号保険料は31%から30%へと変更されます。第1号被保険者、第2号被保険者の保険料負担の構成が変わることにより、それぞれの保険料額についてはどのような影響があると思われますか。
○飯塚介護保険担当課長 ただいまの御指摘ですが、これは介護給付費に対する負担割合、第1号被保険者、第2号被保険者の割合ということだと思います。これは高齢者人口の増加に伴いまして、この人口比が変更したということによるものでございまして、この負担率を全国一律に定めなければならないということになっておりますので、特に自治体ごとに決められるものではございません。したがいまして、これは厚生労働省が負担率を決めれば、中野区においてもこの負担率で設定するということになると思います。
○久保委員 私は、それはわかった上で、区においてはどのような影響があるかということで伺っているんですね。1%、第1号被保険者の割合がふえるということになるわけだと思うんです。そこのところで、これはなぜこういうふうにされているかというと、第1号被保険者が人口割合にしてふえていくであろうということと、また介護給付費などの負担がふえていくだろうということで、こういった構成を3年おきに見直されていると思うので、そこら辺については中野区の人口の度合いによってどのように変わるというふうに、そういうふうに影響があるのではないかと思いまして伺っているのですが、そういった角度でもう一度お答えをお願いいたします。
○飯塚介護保険担当課長 どう影響があるかにつきまして、これは給付費に対する割合ですので、給付費全体がどのくらい上がるか、それと第1号被保険者がどのくらいふえるか、厚生労働省が想定しているような数字になるかどうか、そういったことに左右されると思いますので、そこのところは現在のところ何ともお答えしかねると思いますが。
○久保委員 第1号被保険者がどのぐらいの割合で伸びるかということは出されていないんですか。
○飯塚介護保険担当課長 中野区の第1号被保険者の伸びということであるとすれば、大体の数字というのは出しておるわけなんですが、まだ正確な数字ではございません。0.何%かということだと思います。
○久保委員 0.数%ということでございますと、1%には当然満たないわけで、その部分で1号保険者の負担が上がるのではないかというふうに考えられるのではないでしょうか。全体のバランスがあることなので、今と全く同じような保険料という仕組みになるわけではないかもしれないので、今、課長はそのようにお答えなのかもしれませんが、私が心配をしているようなことはないんでしょうか。
○飯塚介護保険担当課長 個々の保険料に直接影響が出るというようなことはないと考えてございます。
○久保委員 わかりました。舛添厚生労働大臣は、必ず介護の現場で働く人たちの処遇をよくする、そのためには介護保険料を引き上げる必要があると発言をされています。一方、経団連からは、高齢者医療、介護保険への公費の投入割合をふやすべきであるという意見も出ております。今後の介護保険制度の改正については、こうした意見などを含めてどのような報告を受けていらっしゃいますか。
○飯塚介護保険担当課長 職員の処遇改善のために介護報酬の引き上げ、これにつきましても国においての検討がされているというようなことは聞いてございます。具体的な決定とか指示ということはまだございません。
○久保委員 ということは、今後の介護保険制度においては、まだ具体的にはどういった方向性になるのか、また国の方向がどんな形になるのかということは、特には御報告を受けていないということですか。
○飯塚介護保険担当課長 ただいまの問題に対して、正式な指示なり報告なりは受けていないということでございます。
○久保委員 介護保険の第2期事業運営期間の最終年度に当たっては、介護保険料の上昇幅を抑えるために介護保険事業計画に基づいて介護給付基金を活用し、基金を取り崩しをしています。中野区介護保険の運営状況には、平成18年度から平成20年度の第3期事業運営期間に当たっても基金の活用を予定しているということが書かれております。介護給付準備基金の総額は、現在幾らになっているんでしょうか。また、基金の活用は予定をされているんでしょうか、伺います。
○飯塚介護保険担当課長 19年度現在、基金の額というのは11億9,588万5,257円でございます。これにつきまして、活用範囲につきましては保険料の改定とあわせまして介護保険の事業計画策定の検討の中で決めていきたいと考えてございます。
○久保委員 ということは、基金の活用、すなわち取り崩しを今、検討されているということでよろしいんですか。
○飯塚介護保険担当課長 そういうことも含めて検討しているということでございます。
○久保委員 前回は、介護保険料の上昇幅を抑えるために取り崩しを行っているんですね。今、検討されているということだと思うのですが、それはどういったことのためにこの基金を活用するということで検討されているんですか。
○飯塚介護保険担当課長 やはり、急激な負担増を抑えるとか、そういったことが議論の中に挙がってございます。
○久保委員 負担増を急激にならない、負担がかなり上がる見込みもあるというようなことを聞いておりますので、そういうことがないような工夫を今なされているということなのかなと思います。
 厚生78の資料をお出しいただきました。これを見ますと、第3期以降の差し引き額の上昇が非常に目立ちます。制度の複雑性ゆえのことかもしれないのですけれども、国でも特別会計のあり方にはさまざま今論じられているところだと思います。第4期の中身については、現在介護保険部会等で検討が進められているということを今、課長もおっしゃっておりましたが、次期保険料については保険料を据え置くことも視野に入れて、区民の負担を最小限にとどめるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○飯塚介護保険担当課長 保険料につきましては、できるだけ負担増を小さくするために努力をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○久保委員 こういった資料を拝見しますと、この差し引き額というのが非常に、これは先ほども複雑な仕組みのゆえということは、その部分は理解をしているんですが、この部分は大変むだな状況になっているのではないかというふうに思われる場合もあるかと思うんですね。なおかつ、ここの部分で補正を組みまして、返還金を、またその中から基金の積立金をというようなことになってございます。その中で、基金の積み立て残高というのはふえているわけです。先ほども課長は、とにかく上げ幅を狭くするためになるべくこの基金の活用等も工夫をしながら、その上で保険料を据え置くことも視野に入れて、据え置くかどうかという具体的なところまでは今論じられるかどうかわかりませんが、ともかく本当に負担を少なくしていく、その努力をしていただく、そのような御答弁というふうに思ってよろしいでしょうか。
○飯塚介護保険担当課長 先ほど申し上げましたように、できるだけ負担増を小さく抑えるために努力をしたいということでございます。
○久保委員 ありがとうございます。本当に、第4期に当たってはそういったことのないよう頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、成人健診、がん検診について伺います。
 本日の新聞にも、「がん対策発展途上」というような見出しでの報道がございました。3人に1人ががんで亡くなる時代に入りまして、がん対策の重要性を本当に感じているところでございます。
 中野区議会第2回定例会では、子宮頸がん予防に関する意見書が全会一致で採択をされております。20代、30代の若い女性の子宮頸がんの罹患率は増加をしていることから、受診率の向上を図ることは重要な課題です。中野区でも、20代からの子宮がん検診が平成18年度からスタートしています。子宮がん検診は、スタート年齢のみ申込書が送付をされているようですが、他の健診事業についてもスタート時点での受診票の送付はされているのでしょうか。
○尾﨑健康推進担当参事 子宮がん検診についてのお尋ねでございます。
 子宮がん検診につきましては、20歳から受診対象にしております。そこで、普及啓発とあわせ、初めて受診対象となる区民には申込書を送付しております。今年度からは、年度内に対象年齢になる方も受診対象といたしましたので、年度中に20歳もしくは21歳になる方に子宮がん検診の申込書を送付したものでございます。
 他の健診では、スタート時点ではございませんけども、19年度までは成人健診を普及する目的で40歳から5歳間隔で65歳までの節目ごとに申込書を送付してきました。今年度は、子宮がん検診のほか、50歳からの5歳間隔で65歳まで実施しております眼科検診の対象者の方にも申込書を送付しております。
○久保委員 19年度の事業実績では、子宮がん検診受診人員8,945人となっています。19年度に送付された子宮がん検診の申し込み数は何通だったんでしょうか。このうち、何人の方が子宮がん検診を受診されているんでしょうか。
○尾﨑健康推進担当参事 20代の方に申込書を送付しております。19年度は1万6,714人に申込書を送付し、申し込み者は2,725人、うち受診者数は1,341人でございました。
○久保委員 20年度には、子宮がん精密検査を受診した20歳から24歳の中に、子宮頸がんの疑い1人、その他の疾患2人が発見をされています。決算説明書には、健康診査、がん検診の郵便料などの残として95万4,165円の不用額が出ています。検診事業の初年度だけではなく、通知を行うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○尾﨑健康推進担当参事 受診勧奨のための通知につきましては、今後どのようにすれば効果的であるかということを検討してまいりたいと思っております。
○久保委員 いえ、私は今、そういうことを伺ったのではなくて、検診事業の初年だけではなくて、通知を行うべきではないかということで伺ったんですが。
○尾﨑健康推進担当参事 確かに初年度で申込書を送付しているという検診もございます。そのほかにも受診勧奨の通知、そういったこともあり得るかと思います。いろいろな方法を今後研究してみたいなというふうに思っております。
○久保委員 平成11年から、成人健診時に検診を同時に受診できるようなった大腸がんの受診者数は、がん検診の中で最も高く、4万3,986人です。大腸がん検診を同時に受診できるようにしたのは何のためでしょうか。
○尾﨑健康推進担当参事 大腸がん検診は、成人健診と同一の医療機関で検診ができます。対象年齢も同じということから、受診者の拡大を図るために同一の受診票で検診が可能になるようにしたものでございます。
○久保委員 受診率の向上を図るために一緒に通知をしているということですよね。
 東京大学医学部附属病院の放射線科准教授の中川恵一先生は、著作「がんの秘密」の中で、「大腸がん、子宮頸がん、乳がんは検診の有効性が国際的に証明されていて、受けないのは損です。検診の有効性がはっきりしているがんなのに受診率が低い、これは残念です。検診向き、つまり検診を受けることが有効ながんの受診率を上げる必要があります」というふうに言われております。
 検診対象者に向けて通知をするということは、受診率を上げる一番確実な方法ではないかというふうに考えますが、その点はいかがでしょうか。
○尾﨑健康推進担当参事 受診率を向上させるためには、個別に受診勧奨の通知を差し上げるというのも一つの方法かと思います。また、先ほど申し上げましたが、初めて受診の対象になった方には検診の申込書を送付する方法を一部でとっておりますが、申込書ではなく、受診票を送付するのも一つの方法かというふうに考えます。今後、いろいろと検討してまいりたいと思います。
○久保委員 がん対策基本法が施行され、東京都でもがん対策基本計画が策定をされました。基本計画の中には、予防の重要性や市町村との連携体制などか示されております。中野区でも、がんの予防事業やがん検診のあり方を明確にした健康都市なかのにふさわしいがん対策予防推進計画を策定すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○尾﨑健康推進担当参事 がんの予防対策につきましては、あらゆる機会を通じまして検診の受診勧奨に努めるとともに、私どもがやっております禁煙の推進講座や、乳がんの自己触診講習会を日曜日に開催するなどの取り組みもしておりますので、今後ともこうした講座の充実に努めてまいりたいと考えております。また、栄養や運動に関し、個人で取り組める健康づくりプログラムを作成したほか、健康づくりの事業も今年度充実に努めているところでございます。
 御提案のがん予防対策推進計画は、都の計画において区市町村に策定を求めているものでございますが、今後の課題として研究してみたいと思っております。
○久保委員 研究ということではなく、ぜひとも、本当にこの取り組みの推進を、今幾つも事例を挙げていらっしゃいましたよね。区でもいろんな事業をされているわけですから、それを一本化した形できちっとした予防推進計画を私は策定すべきであると思いますが、もう一度御答弁をお願いいたします。
○尾﨑健康推進担当参事 がん予防対策につきまして、健康づくりという中の一環としていろいろと取り組んでいるものでございます。こういった取り組みの中で、今御指摘のがん予防対策推進計画、そういったものについても考えてまいりたいと思っております。
○久保委員 ありがとうございました。
 次に、エイズ、性感染症検診について伺います。
 港区では、19年度よりエイズ、性感染症検査を匿名、無料で区内の医療機関でも受けられる事業を、AIチェックの名称で今年度よりスタートいたしております。こういったものです。AIチェックのネーミングというのは、都立六本木高校の生徒さんの提案によるもので、エイズと、ラブの愛、それから自分を指す意味のIの意味が込められているということです。AIチェックを事業化する以前から、エイズ、性感染症啓発事業として中学、高校、大学の教育機関との連携や、幾つもの取り組みがされております。
 AIチェックの課題として、ハイリスク層の検査勧奨、10代利用者の拡大、利用者への予防教育などが挙げられております。中野区としても、ハイリスク層への啓発や10代に対する予防教育など、具体的な取り組みを行っていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○本保保健予防担当参事 お答えいたします。
 中野区におけるHIV、エイズに関しての予防啓発についてのお尋ねの件でございます。
 中野区では、文部科学省の指定を受けまして、区内の小・中学校、都立高校と保健所等が連携いたしまして、エイズ教育推進地域事業を平成14年から16年にかけて行った経過がございます。その後も、全区立小・中学校では、エイズ、性感染症も含めました性教育の年間指導計画を立て、産婦人科医、学校医、保健所等と連携して指導を行っております。
 また、保健所単独では以下の普及啓発も行ってございます。まず、平成18年度以降ですけれども、成人式の日にHIV、エイズに関してのリーフレットなどの資料を配布しております。それから、平成20年につきましては、区内の専門学校の在学生に対しましてHIV、エイズに関してのアンケート調査を行いまして、関心の喚起を行っております。それから、毎年12月につきましては、世界エイズデーでございますけれども、これにつきまして平成20年からは6月のHIV検査促進月間において、区報、ホームページ上における感染予防に関する具体的な情報提供記事を掲載しているところでございます。
○久保委員 主要施策の成果には、エイズの知識の浸透度について目標に達していない点の評価が不十分との指摘があったと、部内での検証結果はなっております。十分な啓発事業が必要であるというふうに考えます。
 今、さまざま御紹介をいただきました。中学校や、また大学との連携を行った性教育も行っている、しかし、まだこれから課題に残っているのはハイリスク層への啓発ではないかと思います。その点についてはいかがお考えでしょうか。
○本保保健予防担当参事 確かに中野区という地域特性を考えますと、新宿に隣接する地域でございます。ですので、ハイリスクグループという表現から最近はターゲットグループというような表現に変更がなされているかと思いますけれども、そのような方々に対しての積極的な普及啓発というのが確かに必要なことであるというふうに考えております。
○久保委員 先進国でエイズ患者が増加しているのは、日本だけであると言われております。平成19年度の東京都と全国のHIV感染者、エイズ患者を合わせた報告数は、いずれも過去最多となる515件、1,448件に上っております。2007年版中野区保健福祉部事業概要によりますと、2006年のエイズ相談の件数は2005年の481から874に増加をしています。検査件数は86件から236件に増加をしています。エイズ相談、エイズ検査の増加は、どのような理由によるものでしょうか。
○本保保健予防担当参事 相談件数、検査件数の増加の要因についての御質問です。
 平成19年度につきまして、昨年度ですけれども、マスメディアでHIV、エイズの増加が報告されております。それから、検査受診を勧奨する公共広告機構を用いましたテレビコマーシャルが放送されたりするなど、非常に昨年は関心が高まり、検査や相談件数の増加につながったというふうに思われます。
 また、昨年12月1日におきまして、世界エイズデーでございますけれども、その日のうちに結果の出る迅速検査を中野区として初めて導入したこともございまして、前年までの受診者数の実績を上回る人員となったというふうに考えております。
○久保委員 検査を受ける機会がふえれば、相談や、また検査を受ける人が増加をするということではないかと思うんですね。中野区でも、区内の医療機関との連携を図って、保健所だけではなく、匿名、無料の検査を拡大すべきではないかと考えますが、その点はいかがでしょうか。
○本保保健予防担当参事 御指摘のように、港区においてそのような仕組みをつくっているということでもございますので、保健所単独で今までずっと行っておりましたけれども、そのような区内の医療機関においての無料のHIV検査が受けられることについて、他の先行する自治体の情報を収集してみたいというふうには考えております。
○久保委員 ぜひ研究して、また検討していただきたいと思っています。
 中野区では、現在エイズ、性感染症専門会議のような、そういった機関というのは設置をされてはおりません。こうした機関を設置して、取り組みを進めていくべきではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○本保保健予防担当参事 そこまで現時点においては積極的な検討を行っておりませんけれども、先ほど申し上げましたような他区の情報なども収集してみたいというふうに考えております。
○久保委員 ぜひとも取り組みを強化していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、狂犬病の予防・動物の適正飼養について伺います。
 日本では撲滅されたと言われている狂犬病が、アジアとアフリカを中心に世界で年間5万人以上の患者が出ています。フィリピンで感染した日本人が、帰国後死亡したというような事件もございました。中国では、経済発展に伴いペットとして犬を飼う家庭がふえる一方、予防接種が普及していないことから、この10年間で狂犬病感染者は20倍にふえています。日本でも年々犬を飼う家庭は増加の傾向にあり、特に少子化に伴って、子どもよりもペットというような家庭もふえているようです。厚生労働省の登録頭数は648万頭に増加ですが、実際には国内の犬猫飼育数は約2,168万頭で、人間の子ども人口は約1,860万人、ペットのほうがはるかに上回っているということになっております。登録頭数と実際に飼われている犬の数に大きな差が生じてきております。
 2006年度の区内での飼い犬の登録数は、8,095頭ということですけれども、登録をしていない犬というのは大変多いのではないかと考えます。実際には、区内で何頭の犬が飼われていると推測をされておりますでしょうか。
○古屋生活衛生担当課長 お答え申し上げます。
 区内で実際に飼育されている犬の頭数は不明でございます。
 なお、厚生労働省で集計しております全国の犬の登録数は、2006年度で663万5,807頭でございますが、実際は登録数の約2倍近くになるのではないかということが一般的に言われております。しかし、当区におきましては、未登録の犬の数はわかっておりません。
○久保委員 全くそういったことを、今までどれぐらいの犬が中野区内で飼われているかということを、その辺を調べてみようということはなかったんでしょうか。
○古屋生活衛生担当課長 犬の実際の飼育状況というのを把握することは、非常に難しいのが現実でございます。
○久保委員 私は、平成17年第3回定例会で、災害時のペット対策について質問をさせていただきました。そのときの御答弁では、獣医師会や関係団体と対策を協議し、地域防災計画に反映をしてまいりたいということだったんです。地域防災計画には、その点、どのように反映をされたんでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 お答えいたします。
 災害時のペット対策につきましては、現在その対応策につきまして獣医師会と検討を進めているところでございます。その検討内容の一つといたしまして、災害時のペットの同行避難ということがございます。この同行避難につきましては、避難所ごとの避難所運営会議といったところがありますけれども、この避難所運営会議の場におきまして同行避難の訓練を実施するかしないか、そういったことの協議も進めてきたところでございます。
 それで、今回、総合防災訓練におきまして、桃園第二小学校で実施する予定でございましたけれども、雨のために中止ということになってしまいましたので、今回できませんでした。
 ただ、この同行避難の訓練等につきましては、今後避難所運営会議で了解を得られたところから随時開催していきたいと、このように考えております。また、引き続き獣医師会と連携いたしまして、対応策については引き続き協議をしていきたいと、このように考えております。
○久保委員 今の同行避難ということをおっしゃいましたよね。災害時における区と獣医師会との協力に関する協定書によりますと、犬に対する狂犬病の予防注射の接種、区への登録がされていない場合、飼い主が一緒であっても避難所では受け入れてはもらえないということになっています。このことは、犬を飼っている人にはあまり知られていないのではないかと思います。災害時のペットの対策についてのこういった周知というのは、どのようになっているんでしょうか。
 今、同行避難というようなことを言われましたけれども、万が一全く登録をされていないような犬が飼い主と一緒に同行避難されてきた場合、どのようにされるんでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 現在、先ほどお話ししましたように中野区獣医師会とお話を進めている中、あるいは保健所のほうで実施しておりましたペットとの共生を考える懇談会の中におきましても、狂犬病の予防接種あるいは畜犬登録をしていない、こういった犬については避難所に入れないということの確認をしてきたところでございます。
 また、ペットの同行避難の条件として、これにつきましては重要な事項ということでございます。避難所における咬傷事故、こういったことがないように、あるいは同行避難を理解していただくためには、犬の嫌いな方もいらっしゃいまして、その方々も避難所に来るわけですので、そういった方々にも同行避難を理解していただくためには大変重要なことだと思います。
 そういったことで、区といたしましては、ペットの飼い主の方々にこの間そういった啓発のパンフレットを作成いたしまして、配布を始めているところでございます。また、獣医師会も受診に来た皆様方にそういった啓発のパンフレットを配布しているところでございます。
○久保委員 19年度の事業実績によれば、予防注射は6,028件しか受けられていません。なるほど、中野区の保健福祉によると、飼い犬の登録数に対する狂犬病予防注射実施率は、2004年度73.4%、2005年度70.9%、2006年度69.8%と年々低下をしています。中野区におけるペットと共生のための提言には、狂犬病への理解の普及を通じて、犬の登録率、狂犬病予防接種率の向上を図ると、課題についての意見が付されています。まずは区内の犬の飼育の実態把握をするとともに、登録数、予防接種率などの明確な目標を示すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○古屋生活衛生担当課長 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、登録していない犬を把握する手だてというのが現在はありませんで、全体の実態把握というのは困難です。したがいまして、犬の登録と予防接種の啓発に努めていきたいと、このように考えております。
 なお、登録数に対する予防接種率は、目標として設定しているところでございます。
○久保委員 今、目標として設定されているということだったんですけれども、登録率に対して何%の目標を立てていらっしゃいますか。
○古屋生活衛生担当課長 WHOで一つの標準を出していまして、狂犬病が蔓延しない例としては、70%とあります。したがって、一応70%を目安に考えております。
○久保委員 登録されていない犬は倍以上いるんですよね。登録されているうちの70%が目標ということになると、35%の目標ということにならないですか。
○古屋生活衛生担当課長 実際の飼育されている頭数というのは、かなり不明な部分がありますので、したがって何%を目標にするかということは今後もう少し研究していかなければいけないというふうに考えております。
○久保委員 私は、これを100%を目標にするべきだと思うんですね。それは、すべての犬のうちの70%ということがWHOの言っていることであると思います。狂犬病予防法第4条、第5条には、登録、予防注射における市町村の責務というのが定められております。犬の登録義務を怠っている飼い主に対し、区として今後どのような具体的な普及啓発を行っていくのか、また、今もございましたけれども、登録率、また予防接種率、それを本当に最大限に高めていく努力をしていただきたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○古屋生活衛生担当課長 今後は、獣医師会や区内ペット関係業者など関係団体の協力をいただきながら、動物病院やペットショップへの啓発用のポスターを張っていただくとか、あるいは区報やホームページ、あるいは区内掲示板などの広報媒体を利用して普及啓発に努めていきたいと思います。
 また、狂犬病の予防注射というのを毎年春に行っておりますが、これにつきましてももう少し参加しやすい工夫を図っていくことで、予防接種率の向上を図っていきたいと、このように考えております。
○久保委員 予防接種率の目標は100%にしていただけるんでしょうか。
○古屋生活衛生担当課長 狂犬病の危険というのは、もう少し皆さん認識を高めていかなければいけないと思います。したがいまして、少なくとも登録している犬に関しましては必ず接種していただくように、この部分については100%を目指して努力していきたいと思います。
○久保委員 ぜひよろしくお願いいたします。本当に国内では撲滅をされたと言われておりますけれども、非常に海外では伸びております。日本では、結核においても全くもうなくなったのではないかと思われていたところ、ここのところ結核についても非常に患者数が伸びているというようなこともございますので、全くなくなったというような、そういった認識は私はいろいろな点について誤りだと思いますので、きちっと改めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、災害対策について伺います。
 初めに、妙正寺川の水害対策について伺います。
 平成17年8月、9月の記録的な雨量による妙正寺川の被害より3年が経過をいたしました。ことしもゲリラ雷雨が都心部を襲い、甚大な被害があったことは記憶に新しいところでございます。平成17年の9月4日には、時間117ミリに相当する豪雨が杉並区下井草と鷺宮で観測をされました。妙正寺川の流下能力を超えて、下流の中野区内であふれ、広範囲にわたっての被害がありました。現在進められている国の激特事業は、鷺宮を含めた環七以西の上流エリアの氾濫などの水害対策に対してはどのような効果が期待できるんでしょうか。
○遠山土木・交通担当課長 お答えいたします。
 現在、東京都が実施してございます激特事業でございますが、環七より下流域を時間50ミリの降雨に対応できるようにする事業ということで、上流域への効果は及ばないものでございます。
○久保委員 激特事業の効果というのは、上流へは全く期待ができないということですよね。今は、下流についてしか対策が行われていないということですね。
 妙正寺川のこの環七上流への対策として、区は今、東京都に対し都営鷺宮アパートの建てかえ時に調節池の設置を求めています。これについては、水害直後の平成17年第3回定例会でも私も質問をさせていただきました。また、地域の方たちからも調節池の設置を求める要望書が区長に提出をされております。
 再び17年と同量の豪雨に鷺宮地域が見舞われたとき、妙正寺川の氾濫を防ぐためには、この調節池はどの程度の規模が必要だと考えられるでしょうか。
○遠山土木・交通担当課長 平成17年と同量の豪雨が生じたときに、どの程度の規模の調節池が必要かということについては把握してございませんが、予定されている調節池については環七から都営鷺宮アパートまでの約1.3キロメートルでございますが、これについて時間50ミリの降雨に対応するものと東京都から聞いてございます。
○久保委員 ということは、調節池ができたとしても時間50ミリに対応ということで、117ミリのような、前回のような集中豪雨があったときには、それにも調節池のこのキャパでは対応ができないということですか。
○遠山土木・交通担当課長 そのように理解してございます。時間50ミリ対応であるというふうに伺ってございます。
○久保委員 鷺宮団地の建てかえについては、既に都市計画の決定がされています。調節池の規模や整備手法については、この点ではどのようになっているんでしょうか。
 また、この建てかえ時期に合わせましたスケジュールの中では、調節池の整備計画はいつまでに決定をされなくてはいけないんでしょうか、伺います。
○遠山土木・交通担当課長 東京都によりますと、調整池は掘り込み式で、面積は1万平方メートル、貯留量は約3万5,000立方メートルを想定していると聞いてございます。
 なお、整備計画の決定時期については、現在のところ明確にされてはございません。
○久保委員 まだこの決定はされていないということでしょうか。
 東京都の方では、堀り込み式ということで言われておりますけれども、区では調節池にふたがけをするということを要望されています。このふたがけを要望されている理由というのは、どういったことでしょうか。
○遠山土木・交通担当課長 ふたがけにつきましては、区といたしまして地上部をオープンスペースとして、避難場所や日常の憩いの場として活用できるようにと、こういう理由から調整池にふたがけを希望してございます。
○久保委員 この鷺宮団地の都市計画におきましては、当初の計画では防災空地というのが調節池の位置には予定をされておりました。ふたがけをしない場合も、調節池というのは防災空地という役割を担うことができるんでしょうか。
○遠山土木・交通担当課長 ここが、当該地が広域避難場所ということでございますので、仮にふたがけをしない場合、想定いたしますと、例えば震災と水災害が重なった場合に、調節池内に洪水が貯留されております。ということは、避難場所ということでは利用ができないだろうと思ってございます。
 また、震災時に限らず、洪水が貯留された後は流れ込んだ汚物等の清掃を要します。これについても、一定の期間は避難場所としては使用できない、よって、ふたがけは必要であると、区としては考えてございます。
○久保委員 区としては、そういったお考えをお持ちなんですね。
 また、ことし7月28日に小学生ら5人が濁流にのみ込まれて亡くなるという事故が兵庫県で発生いたしました。国土交通省での緊急調査の結果では、親水空間のある河川は全国で2,967河川、過去に急な増水による事故が発生する危険が認められた河川は、全国で25河川であったということです。今後は、地球温暖化に伴う局地的集中豪雨の発生が高まる可能性があり、必要に応じ、急な水位上昇などの詳細な実態把握を行っていきたいという報告がございます。
 地域からは、この妙正寺川の水害対策としての調節池に対しまして、水と親しむ空間をというようなことも望まれている声もございます。しかし、この親水機能については非常に難しいように私は考えているんですが、親水機能については区としてはどのような御見解をお持ちでしょうか。
○遠山土木・交通担当課長 今、委員のお話にもございました都市河川におきましては、河川と一体となった親水施設というのは、河川の増水に伴う危険性を持っているということは承知してございます。こういったことも念頭に置きながら、今後東京都と協議してまいりたい、こう思ってございます。
○久保委員 これもきょうの新聞なんですけれども、国交省の河川管理調査の実態ということで、防災意識の甘さというのが浮き彫りになっています。
 最後に、区民の生命と財産を守るために万全を期すという、そういった区長の御決意を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○田中区長 特に妙正寺川の環七以西の部分につきましては、地域の皆さんも大変心配されているということでもありますし、こうした調節池の整備ができる条件もあるということでありますので、この調節池の整備についてできるだけ早く、また区が望む形で実現できるように全力を尽くしてまいりたい、こう思っております。
○久保委員 よろしくお願いいたします。
 地域の方の中には、この激特事業によりまして鷺宮地域、妙正寺川の上流についても対策ができているということを、そういうふうに思っていらっしゃる方もいらっしゃいます。そういった意味でも、本当に早急に対策が急がれると思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、災害要援護者支援体制の推進について伺います。
 9月12日付の都政新報には、「各区の防災課題は要援護者対策」の見出しで、防災訓練を通じて見えてきた課題が掲載されています。課題であるとの指摘が最も多かったのが要援護者対策で、千代田、渋谷、豊島などの8区が挙げております。中野区においても、要援護者対策は災害時における重要な課題であると考えております。非常災害時救援の対象者の実態把握は現在されているんでしょうか。平成19年度、非常災害時救援希望登録者数、こちらは決算説明書に出てございますが、890人ということですね。この人数については、どのように思われていらっしゃいますか。
○志賀危機管理担当課長 お答えいたします。
 まず、重要な課題であるというところの点からお答えいたします。
 大規模な自然災害が発生したときに犠牲になる多くの方々が、いわゆる災害弱者と呼ばれる方でございます。一人暮らしや寝たきりのお年寄り、あるいは障害をお持ちの方、難病患者の方など災害時において支援を必要とする災害時要援護者の方々の安全の確保ですとか、救援救護の活動、あるいは避難誘導、こういったところが大変難しいと言われております。また、避難所でいかにこの方々が安心して過ごせるかといったことも課題だということでございます。
 このように、いろいろな災害時要援護者に対しては問題点といいますか、課題が多いというふうに十分認識しているところでございます。
 また、現在中野区で実施しております災害時要援護者の登録制度、手挙げ方式でございますけれども、現在890人ということで、この災害時要援護者の対象となり得るであろう中野区の福祉のデータを見ますと、そのデータではおおむね3万人おります。さらに、65歳以上の方々を合わせますと約9万人ということでございます。すべての方がこの災害時要援護者の対象者になるわけではございませんけれども、それだけの数字の中で現在登録されている890人という数字は、現実とかなり差があるというふうに認識しております。
○久保委員 890人ですから、3万人とか9万人という数が出てまいりましたので、非常にかけ離れているなというふうに私も思いました。8月20日の区報には、この非常災害時救援希望者登録の、それについての記事がありましたが、この記事を見て申し込みをされた方はどれぐらいいらっしゃったんでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 登録の申し込みに当たりまして、区報をごらんになって登録していただくかどうか、そういったお問い合わせはしておりませんので、直接的に何人ということではお答えできませんけれども、区報発行後に電話あるいは窓口での御相談、そういったものがふえております。区報を発行いたしました8月で11件の申し込み、翌月9月で4件の申し込みでございます。そして現在、これは10月1日付の数字でございますが、登録申し込み者数985人というふうになってございます。
○久保委員 こういった区報などが出た場合には、こういうことをわかって、理解をされて申し込みをしてきたり、問い合わせがあったりすると思うんです。こういう仕組みをそもそも知らない方が非常に多いのではないかなというふうに思います。港区では、災害時の要援護者の基準に当てはまる2万8,000人に通知を行い、登録を推進するということになっています。災害時の要援護者という、事業を知らせるという意味からも全対象者への通知をすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 まず初めに、現行の災害救援希望者登録制度、この制度について地域防災会あるいは福祉施設の事業所に働きかけまして、まずこの登録制度を御理解いただいて、積極的に御登録をしていただきたいと考えております。また、その上で、今、委員が御提案ございましたことを含めまして、今後考えていきたいというふうに思っております。
○久保委員 なかなかこの理解をされないと、申し込み者というのは伸びないと思うんですね。19年度の一人暮らし高齢者確認調査によりますと、対象者数1万4,405人、一人暮らし高齢者数6,709人となっております。この方たちは、災害要援護者に該当されるのではないかと思います。要援護者の情報提供先として、一人暮らし調査などを通し地域の高齢者の状況を最も理解をされている民生委員の方、現在はこの方たちが入っておりません。民生委員の方たちをこうした情報提供先として加えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 お一人暮らしの高齢者の方々、この中にはとても元気な方もいらっしゃるということも事実だと思いますので、すべてがこの災害時要援護者になるとは考えておりません。ただし、次の災害時要援護者の救援希望者登録制度について、民生委員の方々に情報が行っていないということでございますが、先ほど、この10月までにかなりの人数、御登録いただいているのも事実です。これは結果としましては、民生委員協議会のほうにお願いをしまして、民生委員の方々が一人暮らし調査を行っているときにこの登録制度の申込み書を持って歩いていただいて、この結果としてふえているといったことも事実でございます。
 こういったことからも踏まえまして、これまでは民生委員の方々にはこの情報提供をしてこなかったところでございますけれども、今後は民生委員の方々とも連携いたしまして、制度がよりうまく運営できるようにしていきたい、このように考えております。必要である情報であれば、提供できる仕組みをつくっていきたい、このように考えております。
○久保委員 この要援護者対策については、たびたび議会でも質問があったところではないかと思うんですが、あまり進捗状況が芳しくないように思われますね、今までの御答弁ですと。
 墨田区では、本年7月、75歳以上の単身世帯や要介護度3以上の在宅者など、約1万6,000人の名簿をつくって、地元の警察署や消防署との情報共有を始めました。墨田区は昨年、情報公開制度や個人情報保護制度に関する審議会に諮問、福祉目的で管理する区民情報を要援護者名簿に活用する了承を得て、名簿づくりが可能になったということです。中野区でも、災害要援護者に対してのこういった個人情報保護審議会に諮問をするなどして、この課題の解決に向けて本格的に取り組むべきではないかと思うのですが、その点はいかがお考えでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 中野区では、現在、高齢者の見守り支援ネットワーク、あるいは一人暮らしの高齢者名簿、また障害者の名簿、70歳以上の高齢者の名簿、それから先ほどお話しした非常災害時登録制度、こういったような名簿につきましては警察署に提供できるもの、消防署に提供できるもの、それぞれ仕組みが既にございます。
 また、ことしに入りまして、警察署のほうからは65歳以上の高齢者の名簿の提供を求められておりまして、また東京消防庁からは東京都を通じまして高齢者、障害者、要介護者等の名簿の提供を依頼するといった調査、こういったことも来ております。これを受けまして、現在区では災害時要援護者の名簿の作成のために庁内調整を行いまして、警察署、消防署へ情報提供ができるような取り組みを進めているところでございます。
○久保委員 ぜひともそういう取り組みを進めていただきたいとともに、先ほどは消防と警察だけですね。地域の防災会でございますとか町会自治会、またこれから加えられるかもしれない民生委員の方たち、そういったやはり地域の見守りがなくては、こういった非常時に対して見守りを本当に行っていくということはできないと思います。その辺の仕組みづくりをきちっと行っていくことを求めまして、この項の質問を終わらせていただきます。
 次に、教育ビジョンについて伺います。
 教育ビジョンでは、幼児教育について伺います。
 中野区教育ビジョンでは、幼児教育の責務について、「区には幼児期の教育の質を高め、すべての中野の子どもたちが幼児期に適切な教育を受けられるようにする責務があります」と示されております。現在、中野区では、未就学児童について大半の事業は子ども家庭部が担っています。決算書で見る限り、教育委員会の幼児教育へのかかわりは区立幼稚園4園のみです。今後、2園が認定こども園に転換をされると、幼児教育における教育委員会の関与はますます少なくなってまいります。中野区教育ビジョンは、教育振興基本計画の内容を兼ね備えたものにするということです。教育振興基本計画の中には、幼児教育に対する取り組みの施策というのがたくさん盛り込まれてあります。幼児教育の具体的な施策について、教育委員会としてはどのように取り組まれるのでしょうか、お答えください。
○小谷松教育経営担当課長 幼児教育への取り組みの教育委員会としての考え方ということでございます。今、委員のほうからお話がございました教育ビジョンの改定に向けて、取り組みを始めたいと思ってございます。その教育ビジョンですが、教育基本法に規定されてございます教育振興基本計画、これの性格を合わせ持つということで、当然国の幼児教育に向けた施策、これも踏まえまして、参酌した上で幼児教育への取り組み、それを教育ビジョンの中で明らかにしていきたいと思っております。
○久保委員 教育ビジョンの中で明らかにしていきたい、既に教育ビジョンはありますね。それで、これから新たに見直しを行っていくと、さらに幼児教育への取り組みというのはふえていくわけですが、現在でも、私先ほど申し上げましたように教育委員会が幼児教育に関与しているところというのは、区立幼稚園の2園にこれからはなってしまうと思うんですが、そういった状況を踏まえてどのようにお考えなんでしょうか。
○小谷松教育経営担当課長 教育委員会が教育課程など直接幼児教育に関与できるということにつきましては、これは区立幼稚園だけでございます。ただ、実際には区内の幼児の多くは私立幼稚園や、それから保育園に通っているというわけでございます。そのために、公立・私立あるいは幼稚園・保育園の区別なく、すべての子どもたちが同じ中野の子どもといたしまして適切な幼児教育を受けられると、そういった環境を整備していくということが非常に大切であろうというふうに考えております。
 そういった意味で、例えば幼児研究センターといったような取り組みというものがますます重要になってくるというふうに思っております。教育委員会といたしましては、子ども家庭部とも十分連携を図りながら、区全体としての幼児教育の充実に取り組んでいきたいと、そのような基本的な考え方を持っております。
○久保委員 基本的な考え方はお持ちなんですけれども、実行するのは子ども家庭部というようなことでしょうかね。
 私は、一番懸念しているのは、幼児期から就学への学びの継続、連携教育なんですね。特に、特別支援教育においては、幼児期からのかかわりは非常に重要であると考えております。障害児を持つ保護者にとって小学校への入学は、新しい環境へ子どもが対応していけるのか、また受け入れてもらえるのか、理解をしてもらえるのかなど、さまざまな不安がつきまとっていくものです。入学時において就学相談が大きな役割を担っていると思います。19年度の障害児就学相談の件数は何件でしょうか。また、相談内容としてはどのような内容が多かったんでしょうか、伺います。
○寺嶋学校教育担当課長 お答えいたします。
 19年度の相談件数は41件でございます。就学相談は、適切な就学を推進するためという目的のものでございまして、相談内容といたしましては、お子さんの障害の種類とか程度、あるいは小学校での教育内容、それからお子さんにとって最もふさわしい教育の場は何かといったようなことでございます。
○久保委員 今、課長、41件とお答えになられましたでしょうか。主要施策の成果なんですが、障害児就学相談の件数46件、達成度102%となっていますけれども、これはどういったことでしょうか。
○寺嶋学校教育担当課長 私が把握しているところでは、19年度の新小学1年生の相談件数が41件ということでございます。
○久保委員 ここには、中学校に進学する児童・生徒ということで入っていますので、中学校の数が46件の中に入っているということでしょうか。それで、41件ということは、5件は中学校ということですか。
○寺嶋学校教育担当課長 さようでございます。
○久保委員 わかりました。ここの就学相談なんですけれども、就学指導委員会の判断と一致する就学件数46件、達成度102%となっておりまして、今のお話でございますと就学相談のあった件数はすべて判断と一致するということになりますけれども、そうなんでしょうか。
○寺嶋学校教育担当課長 すみません、ちょっと資料が手元にございませんので、それに基づいて答弁申し上げます。
 就学の一致率というのは、19年度では79.3%ということで、この主要施策の成果の275ページではそういうふうになってございます。
○久保委員 申しわけありません。私、見ているところが違いますでしょうか。275ページ、主な取り組みで、一致する就学件数46、達成度102%ですが。
○寺嶋学校教育担当課長 すみません、275ページの、委員がごらんになっているところは、件数ということでございまして、率といたしましては同じページの上のほうの79.3%ということでございます。
○久保委員 先ほど、すみません、私ここで別に疑問を持っていたわけじゃないんですけど、おっしゃっている件数とこのパーセントが違うように思うので、ここのところが、41件小学校においては御相談があったんですよね。これはどういうことなんでしょうか。先ほど御相談件数41件とおっしゃったかと思うんですけれど、そのすべてがここに、46件のうちに入っていらっしゃるというようにお答えになられたかと思うんですが。
○寺嶋学校教育担当課長 申しわけありませんでした。46件というのは一致した件数で、先ほど46件がすべての件数だというふうにおっしゃいましたけど、それは誤りでございまして、すべての件数は58件でございます。そのうちの一致した件数が46件ということで、一致した率が79.3%ということでございます。どうも申しわけありませんでした。
○久保委員 わかりました。この就学の相談については、保育園とか幼稚園からの情報提供というのが十分にされているんでしょうか。小学校での児童の生活にこれを生かしていくべきではないかと考えますけれども、その点はどのような工夫がされていますでしょうか。
○寺嶋学校教育担当課長 まず、就学相談の場面と就学が決まった後の二つがあります。就学相談の場面では、療育センターアポロ園とか保育園、幼稚園からの情報に基づいて適切な就学相談、また判断をさせていただいているところでございます。
 その結果、就学先が決まってからは、発達支援担当、それから学校、それから教育委員会、それから保育園、幼稚園等が申し送り連絡会というところで集まりまして、そこで情報を受け取っているというところでございます。
○久保委員 教育振興基本計画では、幼稚園から高等学校までを通じて発達障害を含む障害のある子ども一人ひとりの教育的ニーズを把握し、適切な支援を行うために、特に特別支援教育支援員の配置を促すとともに、障害のある児童・生徒の在籍するすべての公立小・中学校において必要に応じて個別の指導計画が作成されるよう促す、そのように体制整備を推進するというふうになっております。
 私は、この就学以前からの個別のこういった指導計画というのが必要ではないかと考えておりますけれども、一人ひとりにそういった形で手厚く対応されていくべきではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○寺嶋学校教育担当課長 就学前に療育センターアポロ園では個別に指導計画がつくられてございます。先ほど申し上げました申し送り連絡会を通して、そういう就学前の情報を得ています。それで、小学校におきましては個別の指導計画をつくっているところでございます。その後、ライフステージに応じて一貫した支援をするためには、関係の子ども家庭部や保健福祉部等の関係機関とも連携をとりながら、必要な支援をしていきたいというふうに思います。
○久保委員 なぜこのようなことを伺うかといいますと、今、アポロ園のお話もありましたけれども、就学前の子ども家庭部で行っている個別の指導計画と、就学以降の学校で行っているところ、本当にスムーズな連携というのが図られているんだろうかというような、私はそういった心配を持っております。
 就学前の事業をすべて子ども家庭部がもし担うとしても、今まで中野区立の幼稚園では非常に質の高い幼児教育を行ってきたというふうに私は思っています。こういった点で、中野の区立幼稚園で培ってきたノウハウというのを区内の子どもたちすべてに還元をしていくべきではないかと思います。
 19年度、区内の子育てと幼児教育の質の向上を目指して開設された幼児研究センターでは、教育委員会と子ども家庭部との連携は図られているのでしょうか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 平成19年度に幼児研究センターが幼児教育、保育の質の向上、これを目的に設置されました。この幼児研究センターが中野の幼児教育、保育の核として機能していくためには、委員御指摘のように教育、保育の施設のハード面だけでなく、今まで区立幼稚園をはじめ区内の幼稚園、保育園が培ってきたもの、教育、保育の実践であるとか、あるいは研究の成果、こういったもの、それから幼小連絡協議会などの人的なネットワーク、これらすべての資源を最大限に活用して、子ども家庭部と、それから教育委員会とが車の両輪としてこれまで以上に連携し合いながら進めていく必要があるというふうに考えてございます。
○久保委員 課長は幼児研究センター長を兼務されているんでしょうか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 兼務をしております。
○久保委員 私は、今言われたような幼稚園とか保育園、また小学校へのスムーズな学びの継続を図るためにも、教育委員会と子ども家庭部がそれぞれの立場で本当に全力を出して、中野の子どもたちのために今ある資源を最大限に生かしていく、そういうことが必要ではないかと思っています。
 そのための仕組みとして、幼児研究センター、今おっしゃっておりますけれども、この幼児研究センターを兼務というような形ではなくて、独立した組織として機能させていくべきではないかというふうに考えておりますが、その点はいかがでしょうか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 その点につきまして、私は今の立場で最大限努力をしてまいりたいと思いますけれども、今後、区立幼稚園が私立の認定こども園に転換すると、また私立幼稚園が認定こども園に転換するというような流れになっていくものと思われますので、その点については庁内で議論を尽くしていくべきであろうというふうに思っております。
○久保委員 認定こども園への転換というようなことがあって、今この幼児研究センターというのが課長の手元にあるというような御発言なのかなと思うのですけれども、そういった受けとめ方でよろしいんですか。
○白土保育園・幼稚園担当課長 そういった狭い受けとめではなくて、中野区内の幼児教育、保育、全体の質の向上ということで、今、私が幼児研究センターの所長ということを務めさせていただいているわけでございますので、そういったことも流れの一つの中にあると。要するに、幼稚園、保育園を一元的に考えていくという大きな流れの中にあって、幼児研究センターもスタートしたというふうに考えてございます。
○久保委員 私も狭い範囲ではなく、もっとさらに広い範囲でこの幼児教育を考えていただきたいと思いまして、幼児研究センターをきちっとした機能にすべきであるというふうに思っているんです。
 先ほどからの教育委員会の御答弁などによりますと、本当に教育ビジョンという形で、理念は教育委員会が持っているんだけれども、実際にやるのは子ども家庭部なんですよ、それでいいんですというような姿が私としては見受けられるんですね。そうではなくて、一貫したビジョンを持ちながら、やるのは子ども家庭部でやっていただいてもいいわけなんですが、きっちりとそこの両者の、先ほども車の両輪というようなことを課長もおっしゃっておりましたけれども、きちっと連携を図りながら、本当にこの中野区の子どもたちのためにという、その思いで一貫した形で幼児教育を行っていただきたいという思いで、このような質問をさせていただいております。
 これについては、課長が幼児研究センターを独立した機関にできるかどうかというようなことを御判断できる御立場ではもしかしたらないのかもしれませんので、もし、また区長に、大変申しわけないのですが、この点につきまして御発言いただければと思います。
○田中区長 教育委員会、区長部局でも、それぞれの取り組みがあると思います。公私それぞれの施設における取り組みもいろいろあると思います。そうした取り組みの経験や成果などを総合化しながら、中野区の幼児の実情をきちんと分析、把握をして、よりよい教育をつくっていく、教育・保育の関係をつくっていくというのが幼児研究センターの果たすべき役割だと、このように思っております。そういう意味で、幼児研究センターが教育委員会と区長部局とを結びつけていくという役割を果たすことも大いに期待されていると思っておりますし、教育委員会として教育全体をながめた上でのイニシアチブというものもしっかりとっていただきたいと、このように思っているわけであります。
 今、申し上げたような機能を果たしていく上で、現在の仕事の組み立て方、組織のあり方でいえば、幼稚園・保育園の担当課長が幼児研究センターを統括して仕事を進めていくというのが、実践に一番反映されやすいというような意味で、現在のあり方としてはよいのではないかと思っております。
 今後、研究センターの事業を展開していく中で、必要性が生じてくれば、また研究センターをもう少し別の位置付けに変えていくということもあり得るかと思っておりますけれども、現状はこのような形で進めていきたいと思っております。
○久保委員 ありがとうございます。子ども家庭部、教育委員会、両者にまたがってのことでございましたので、区長に御発言をしていただきました。
 今後、この幼児研究センターにつきましては、さらなる展望を望みまして、この項の質問を終わります。
 最後に、児童館の耐震について伺います。
 大変申しわけございませんが、文化芸術につきましてはまた何かの機会でさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 武蔵台児童館の耐震について伺います。
 現在の武蔵台児童館の耐震診断結果及び建物の状況はどのようになっているでしょうか。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 武蔵台児童館についてお答えいたします。
 昨年、先般発表いたしました中野区の区有施設の耐震計画の中でも表記をしてございますが、木造でございますので、耐震のランクのA、B、C、Dというようなランク付けはございませんが、新耐震基準には満たない建物であるというふうに思ってございます。
○久保委員 新耐震基準に満たない建物ということで、地域の方たちからはさまざま御心配の声も上がります。今後、学童クラブ機能がキッズプラザとして学校内に設置をされていくという予定がありますね。武蔵台小学校についても、このキッズプラザを設置するという方向になっているんでしょうか。また、そのための環境というのは整っているんでしょうか。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 中野区といたしましては、すべての小学校にキッズプラザ展開をするというのが、これが10か年の中でお示しをした計画でございます。ただ、個別、武蔵台小学校の中に今現在キッズプラザの展開ができるかというふうなことでのお尋ねというところでお答えいたしますが、これを5年あるいは10年のスパンの中ではなかなか難しいのかなというふうに存じてございます。
○久保委員 5年、10年の間には難しいというのは、それはどういった関係でしょうか。学校再編との関係ですか。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 学校再編の教育委員会サイドでの検討というのはもちろんございますが、武蔵台小学校の児童数の推移ということを想定いたしますと、キッズプラザを展開いたしますための余裕の教室というのが、なかなか確保できないのかなということが一つございます。
 もう一つは、小学校敷地内に新たに建物を増築するということも、理論的には可能でございますが、現在の建物自体でも既存不適格というような状態がございますので、そこに展開をするというのは現実的にはなかなか困難かというふうに思っております。
○久保委員 現在でも既存不適格で、そこに増設をするようなことはとてもできないということなんだと思うんですね。児童館を利用されている方たちからは、先ほど非常に老朽化をしているということで不安の声がたびたび聞かれているところなんですけれども、こうした建てかえを含めた今後の武蔵台児童館の経過ということをそろそろお示しになる時期ではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 先ほど触れましたけれども、中野区の区有施設の耐震計画、こちらにつきましては平成22年度中にということでお示しをしておりますが、それまでの間に何らかの対策を講じなければならない、そういうつもりで進めていきたいというふうに思っております。
○久保委員 現在では22年度までに、耐震なのか、もしくは建てかえなのかというようなことがまだ検討されていないということでしょうか。私は、先ほど木造のという御発言もございましたし、耐震というようなことでは済まないのではないかなと思うんですが、当然建てかえであるべきだと思いますが、そういった方向で今検討はなされているということですか。
○野村地域子ども家庭支援センター担当課長 委員御指摘のとおりでございます。現在の建物、1970年に建てた老朽化した木造の施設でございます。耐震の補強をするといたしましても、そのほかに雨漏りですとか、床のうねりですとか、あるいは御案内のとおりトイレも男女共用というような施設でございます。そういった設備面の補強も考えますと、現実的な選択肢といたしましては建てかえということになるのかなというふうに思ってございます。
○久保委員 今、非常に悲惨な施設の内容が課長のほうからありまして、びっくりしているところでございます。そういったところに、本当に武蔵台小学校の子どもたちは毎日利用しているわけでございまして、先ほどもさまざまな水害ですとか、震災とかということで御質問させていただきましたが、本当にそこに預けている保護者というのは不安でたまらないというふうに思っていると思います。とにかくこの22年までにきちっとした建てかえの計画を示していただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございます。
○吉原委員長 以上で久保りか委員の質疑を終了いたします。
 この時点で3時休憩をとります。
      午後3時05分休憩

      午後3時29分開議
○吉原委員長 委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き総括質疑を行います。
 ひぐち和正委員、お願いします。
○ひぐち委員 中野区議会議員になって初めの総括ですから、重複した内容や、理事者の皆様の気持ちを逆なですることなど、失礼のことがあるかと思いますが、また、欲張った項目になってしまいましたがお許しをいただき、よろしくお願いいたします。そして、質問に対しては誠意ある御答弁をお願いいたします。
 それでは、第3回定例会決算特別委員会総括質疑を自民党の一員として質問させていただきます。質問項目は通告どおりで、1番は中野駅周辺のまちづくりと商店街について、(1)にぎわいのある拠点整備について、2番は特徴あるまちづくりについて、3番は交通機関の充実について、4番は防災拠点について。2番として、住民税の納税について、(1)住民税の減収について、(2)中野区への寄付について。3番として、環境対策について、(1)環境に対する意識について、その他、東京ミュージックマラソンについて。4番、学校再編による避難施設のあり方について。5番、中野区の建築確認申請と工事請負契約について。6番、苦情やトラブル・悩み事の相談窓口について。7番、その他はございません。
 それでは、1番、中野駅周辺のまちづくりと商店街について御質問いたします。
 にぎわいのある拠点整備について、私は、建設委員会、交通対策・中野駅周辺まちづくり特別委員会、都市計画審議会に所属していて、いろいろな討議をしています。その中でも、中野駅周辺の再開発は、中央線沿線でも最後の駅再開発と言われるほど、区民の期待は大きいものがあります。そして、特別委員会では、中野駅周辺の未来ビジョンの実現として、「シンボル性やにぎわいのある拠点整備として」と題しています。また、都市計画マスタープランの改定に当たっては、「にぎわいとその環境が調和した持続可能なまちづくりとして、楽しさと出会い、交流にあふれた活気とにぎわいに満ちるとともに、緑などの潤い、安らぎ、環境負荷を少なくする環境配慮、脱温暖化への取り組みと調和させることによって、持続可能性のある都市をつくります」と説明しています。
 その中で、にぎわいのまちと言われる、にぎわいとは具体的にどんなことを言うのでしょうか。お尋ねします。
○田中都市計画調整担当課長 都市計画マスタープランの改定におきまして、中野駅周辺について多様な魅力あふれる都市機能の集積によるにぎわい、活気に満ちた中野の顔づくり、そういった方向付けをしようと予定してございます。
 中野駅周辺におけるにぎわいと申しますと、多くの人々が集い、交流し合う、あるいはそこで憩いの時間を過ごすでありますとか、ショッピングあるいはレジャー、あるいは文化といった目的を持って集まってくる、また多くの人が住み、働く、そのようないろいろな人々が多様な活動を展開する状態、それをあらわしているのでございます。
○ひぐち委員 ありがとうございました。活気、それから中野の顔、集いということで、にぎわいをつくり出すためには人の流れ、商店の活性化、車と人の分離、人の集客力、まちの景観、いろいろあると思います。にぎわうためには、商店街の発展が欠かせないことだと思いますが、中野駅の広場周辺は銀行や証券会社、消費者金融のATMばかりが軒を連ねて、商店の顔が見えない気がします。
 以前に交通対策中野駅周辺まちづくり特別委員会で視察したJR大崎駅は、橋梁によって駅周辺のオフィスビルとつながっていました。まちのにぎわいが感じられなかったのが印象的です。いわゆるオフィス街で、朝夕の通勤時とお昼休みだけがにぎわっている感じがいたしました。まだ中野駅のほうが生活感があって、同じJR駅でもにぎわいが感じられると思います。
 中野区は、区全体がベッドタウンと言えるほど生活圏であって、そこには生活に必要なほとんどのものがそろえられるまちです。そして、中野駅の北口には、特に居酒屋やラーメン屋等の飲食店が建ち並び密集していますが、今後の再開発にこの北側区域と、そして南口の商店街にはどのような取り組みを考えているのでしょうか、お答えください。
○秋元中野駅周辺整備担当課長 お答えを申し上げます。
 中野駅の北口及び南口の既存の商業の集積でございます。これは、まちの大きな資産でもございます。あるいはまた、中野駅周辺の大きな魅力ともなっているわけでございます。この駅の南と北が連携を図り、相互に影響し合いながら、その回遊性を図ることにより、既存商店街の活力の向上を図ってまいります。あわせまして、周辺の開発によりポテンシャルと魅力を高め、こういった開発を連鎖させていくことによりまして、成長を続けるまちづくりを実現してまいります。
○ひぐち委員 ありがとうございました。活力ある、そして開発をしていただきたい、そう思います。
 私は、中野駅周辺の再開発と並行して、駅周辺の商店街を視野に入れた開発をするべきと思いますが、いかがでしょうか、お答えください。
○秋元中野駅周辺整備担当課長 今申し上げましたように、既存の商店街の魅力をさらに高めていくこととあわせまして、新たな開発によりまして商業業務の集積を図り、集客力のある拠点開発を導入することなどを含めまして、めりはりのある土地利用を図りながら、中野の顔にふさわしいまちづくりを進めていく必要があるというふうに考えております。
○ひぐち委員 そして、2番に移りますけれども、特徴のあるまちづくりについてということで、以前にある大学の助教授が中野駅の北口をカリブ海のまち並みとか、アメリカのラスベガスのまち並みなど、まちの集客力を上げられる特徴のあるまちづくりをしたらどうかとの提案がありました。中野駅には特徴がないと言われる中で、一つの提案としてはいかがでしょうか。
○秋元中野駅周辺整備担当課長 中野駅周辺は、駅直近に位置してございます警察大学校等跡地に3ヘクタールを超える大きな広場を整備するといった開発が予定されておりまして、この環境と駅周辺のにぎわいが調和したまちづくりを目指すことが中野駅周辺まちづくりの大きな特徴の一つと考えているところでございます。
 こういった特徴を最大限に生かしながら、御提案の趣旨を踏まえ、中野区全体の活力をリードする持続可能な都市づくりといった大きな観点から、中野駅周辺のまちづくりを推進していきたいというふうに考えてございます。
○ひぐち委員 その中で、何か特徴のあるまちづくりというのはお考えなんでしょうか。
○秋元中野駅周辺整備担当課長 中野駅周辺のまちの将来像を書きましたグランドデザイン、これを一昨年、平成18年でございますが、12月に策定したところでございますが、警大跡地で開発を先行する3事業者と、まちのイメージアップにつながる施策の展開などにつきまして覚書を取り交わすことになったことなど、さまざまな事象の進展をとらえまして、現在区長の陣頭指揮のもと、グランドデザインの改定作業を進めているところでございます。
 委員の御心配のことも含めまして、年度内にはバージョン2といたしまして取りまとめ、お示ししていきたいというふうに思っております。
○ひぐち委員 ありがとうございます。前向きな御答弁で本当にうれしいと思います。
 特別委員会でも、中野駅駅舎の南北自由通路の図面を交えて説明をしてくれていますが、それから先につながる駅周辺とのつながり通路は考えているのでしょうか。
○秋元中野駅周辺整備担当課長 中野駅移築整備の将来イメージといたしまして、中野通りと中央線で分断されております四つの地区を結ぶ、その回遊性を高めることで中野駅周辺を一体的に発展させることを目指した歩行者系のネットワークのイメージを示したところでございます。
○ひぐち委員 中野駅の周辺は、銀行や証券会社などの企業がたくさん建ち並んでいます。この企業などの打ち合わせは済んでいるのでしょうか。
○秋元中野駅周辺整備担当課長 この歩行者系ネットワークを実現していくためには、ネットワーク形成の拠点的な広場スペースを確保しなければならない地区もあるわけでございます。例えば、三丁目あるいは五丁目地区といったところには、こういったスペースはございません。こういった地区では、歩行者系ネットワークづくりに向けまして、地元地権者の方との協議に入ったところでございます。
○ひぐち委員 それから、少し細かい話なんですが、今、丸井が新築しています。心配しているところは、2階の部分の高さと橋梁などのデッキのつながる高さが心配です。高さが合わないと、階段などのバリアができて、今後の再開発に支障を来すと思われます。橋梁やペデストリアンデッキなどは、人の動線と交通機関との分離によって安全で自由な空間ができます。その辺はいかがお考えでしょうか。
○秋元中野駅周辺整備担当課長 この歩行者系ネットワークの形成に当たりましては、地上部での交通環境の改善とあわせまして、自動車動線と立体的に分離したペデストリアンデッキによりまして、既存の地盤の高さを改修し、あるいは今、委員がおっしゃった周辺の建物、ちょっとこれは時期が先になるわけでございますが、周辺の建物とも十分調整を図りながら、ユニバーサルデザインに配慮した新たな東西南北の歩行者動線の整備を考えていきたいというふうに思っております。
○ひぐち委員 ありがとうございました。ぜひ、駅周辺の企業を交えた総合的な計画をしてほしいと思います。
 続きまして、3番、交通機関の充実についてお伺いします。
 大江戸線が中野駅でなくて、唯一JRの快速電車が停車する駅にもかかわらず、東中野駅に通ったことは、中野駅周辺の商店街にとっても大変残念なことだと私自身は思います。
 中野区内を横切って走る電車は、JR、西武新宿線、丸ノ内線で、すべて新宿駅に集中している交通網です。近年完成した明治通りの地下を走る副都心線、環状6号線の地下を走る大江戸線など、環状線の交通網が整備されています。商店街の活性化においても、このような交通機関の整備が大切と痛感します。中野駅に買い物に出かけるには、新宿に出かけるよりも、運賃は中野駅に行くバス代のほうが高く、そして乗車時間も渋滞がひどいため長くかかることがあり、新宿のほうに足が向いてしまいます。中野駅のにぎわいと商店街の活性化は、交通機関の充実が不可欠と思われます。中野区は南北に長く、中野駅に出かけるにはバスかタクシーしか交通機関がありません。
 そこで、中野駅までの交通を充実して、商店街の活性化とにぎわいを持たせるために、既に中野駅の南部方面、甲州街道を超えて渋谷方面まで拡幅されたことで、中野通りの未拡幅工事分を早期に着手することを提案いたしますが、いかがお考えでしょうか。
○登都市計画担当課長 中野通りは、中野区の中央を南北に貫く幹線道路であります。拡幅整備がまだ行われていない区間につきましては、これは都道でありますので、その早期着手に向けて東京都に働きかけたいと思います。
○ひぐち委員 ありがとうございました。ぜひ、東京都のほうに着手の早期実現をお願いしていただきたいと思います。
 また、警察病院がことしの4月に開業しました。しかし、中野駅より中野区の南部に住んでいる区民は、中野駅に近い警察病院に行くためにはさらに中野駅で乗りかえなくてはなりません。お年寄りが利用しやすい交通網のシステムとして、中野区南部から警察病院まで直接行けるバスを運行できないものでしょうか。お尋ねいたします。
○遠山土木・交通担当課長 お答えいたします。
 中野駅に関しましては、北口に20路線、南口は9路線、バスの路線がございますが、現在中野駅を挟んでの南部地域と北部地域を直接結んでいる路線はないという状況でございます。こういったことも踏まえまして、バスを運行する会社に御要望を伝えてまいりたい、このように考えてございます。
○ひぐち委員 ぜひ運行する会社のほうに、早期に実現できるような討議をしていただきたいなというふうに思います。
 また、交通システムとしてオンデマンド交通についてお伺いします。
 説明によりますと、オンデマンド交通はバスとタクシーの中間のものと言っておりますが、具体的にバス路線で手を挙げると乗車、降車ができることなんでしょうか。オンデマンド交通の進捗状況を教えてください。そして、そのオンデマンド交通を研究して、どのような運営方法などを考えているのか、お教えください。
○遠山土木・交通担当課長 現在検討中のオンデマンド交通についてでございます。
 現在、オンデマンド交通導入の可能性の調査検討を事業者に委託をしているというところでございます。オンデマンド交通は、需要のある箇所を結ぶ交通システムでございまして、路線やダイヤが定められた路線バスと、それから自由に運行するタクシーの中間的な機能を持つということ、今、委員の御指摘ございました。中身としては、原則は乗り合い制であること、それから事前予約が原則ということでございまして、したがってタクシーのように手を挙げて、その場でフリーに乗車はできないものと考えてございます。
 現在、検討の進捗状況でございますが、料金などのサービス水準の目標設定を行いまして、実際そのオンデマンド交通の担い手となる交通事業者へのヒアリングを委託調査の中で行っているというところでございます。事業スキームとしましては、民間主導を考えてございますので、区が直接担い手になることは考えてございません。
○ひぐち委員 ありがとうございます。警察病院に行く方法として、そのほかにシャトルバスやなかのんバスなどがありますが、その点はいかがでしょうか。
○遠山土木・交通担当課長 警察病院前のバス停を通るバスということでは、中野駅と野方間の関東バスが平日の昼間では7分間隔、またなかのんは30分間隔で運行してございます。運転本数も比較的多いということで、この路線を利用していただければと思ってございます。
○ひぐち委員 というのは、中野駅の商店街の活性化にはバスの利便性がよいことも影響していると考えます。そして、高齢化社会に対応するように、バスの利用はバス会社の都合で決めるのではなくて、区民とまちの活性化につながる考え方はいかがでしょうか。
○遠山土木・交通担当課長 今、委員のお話にもございましたが、バスの利便性がまちの活性化を促すだろうということは私どもも認識しているところでございます。バスの運行に関する要望につきましては、関係するバス運行会社に伝えてまいりたいと、このように考えてございます。
○ひぐち委員 ありがとうございました。さらに討議を深めていただいて、中野区の発展のために交通機関の充実をお願いいたします。
 続きまして、4番、防災拠点についてお伺いいたします。
 地元の商店街離れと言われていますが、災害時のときなどと、いざというときは地元の商店街に頼らざるを得ないと思います。中野区でも、自給自足の精神を植えつけ、商店が地域の協力者として身近な人と人、人と物が地域のつながりをお互いに持てるように、防災協定に参加している商店には協定シールなどの作成、配布をして商店街の活性化を考えてはいかがでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 お答えいたします。
 現在、中野区では、中野区商店街連合会をはじめ東京都米穀商小売業協同組合、またスーパーなどと災害協定を結んでいるところでございます。また、この災害協定の中で物資の供出、それから食料品の供出、そういったものをお願いしているところでございます。
 こういったところで、スーパー等で災害協定の締結後に防災コーナーの常設をお願いしたり、また一般の商品が防災用品として適用しているといったようなシールの添付をお願いしてきたところでございます。災害協定のシールの店頭での添付につきまして、今後関係団体の皆様方と話を進めていきたいと思います。
○ひぐち委員 ありがとうございました。商店が防災協定をしていることをアピールして、活性化に役立てていただければなと思います。
 そして、この項の最後になりますが、UR都市機構の覚書がことし5月にあり、私としては期待するところでございます。今、UR都市機構との連携はどのようになっているのか、お教えください。
○上村中部地域まちづくり担当課長 お答えいたします。
 去る5月22日に中野区とUR都市機構は、区内のまちづくりの推進に当たり、まちづくりにかかる情報の共有、人材育成、人的交流、さらに事業推進など幅広い連携・協力の関係を構築するため、覚書を交換したところでございます。
 それを受けまして、6月に区内全域のまちづくりの課題などにつきまして全体の情報交換会を行いました。その後、地域の課題に即しまして、現地への合同視察や木造密集地域の先行事例などの勉強会を行いながら、課題整理を行っているところでございます。
 緒についたばかりでございますけども、成果につながるよう今後とも実効性ある連携・協力の関係を築いてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○ひぐち委員 ありがとうございます。このUR都市機構が、ぜひ、ただ単なるデモンストレーションにならないように、さらなる中野の発展のために御尽力をお願いいたしたいと思います。
 以上で中野駅周辺まちづくりと商店街について終わります。
 2番目に、住民税の納税についてお尋ねします。
 (1)住民税の減収について。
 ここ数年来、住民税の一部を生まれ育ったふるさとにも納められることができるようにという議論が起こり、本年4月30日、地方公共団体への寄付金税額の見直し、いわゆるふるさと納税制度創設を盛り込んだ改正地方税法が衆議院で再可決されました。これは、現在住んでいる地方自治体に納めている住民税を、生まれ育ったふるさとや、ゆかりのある地域に寄付という形で税を納める制度でもあります。
 ふるさと納税の定義としては、個人の所得税の一定割合を個人が育ったふるさとに納税するという新制度です。ふるさとの定義は、個人が小学校、中学校の義務教育期間過ごした都道府県となっております。ところが、この寄付金を納めることによって住民税が控除されるというのは、中野区など都市部にとっては住民税の納税が減額となることではないかと懸念もあり、東京都知事も反対の立場を示しましたが、地方と都市部の税収格差是正の観点から、地方自治体への5,000円を超える寄付については、寄付金金額から5,000円を控除した金額を翌年の住民税から税額控除する制度として整備されました。
 これを踏まえ、各県自治体のホームページでは、既にふるさと納税のPR合戦を展開しています。春、夏の甲子園大会がそうでありますように、ふるさとの意識の強い日本人の心をとらえるがごとき、各自治体、その自治体出身者に対し寄付を呼びかけながら、その地の特産物などでのお礼をする形でふるさと納税を呼びかけています。特に地方の自治体でこのふるさと納税に取り組む力の入れ方、必死の姿勢から、地方法人税などの税収の少ない地方の実現も見えてきます。
 また、先日、9月25日の毎日新聞の朝刊には、ふるさと納税の記事が掲載されていました。それは、お笑いコンビ爆笑問題の2人とプロダクション社長の3人が、1,000万円をふるさと納税して大阪府に納めました。3人は個人名で、歴史的建造物や伝統的お祭りなどを展示品に見立てて、大阪ミュージアム構想の実現に使途を指定して寄付をしました。また、約8年前のことではありますが、プロ野球のイチロー選手が自分のふるさとへと5,000万円の寄付をしたそうです。ほかにも多数の芸能人が名前を連ね、増加している状況が見受けられます。
 このふるさと納税制度創設により、中野区に在住する地方出身者のところにも当然出身県から「寄付を」の声がかかっていると思われますが、この声がふえてきますと、中野区税がと心配になってまいります。資料によりますと、関東県以外の住民は31.6%いると記してあります。もし中野区の住民税の減収になるのならば、中野区としてもその対策を備える必要があるのではないかと思いますが、区長の御見解はいかがでしょうか。
 そして、(2)の中野区への寄付についても一括して御答弁をお願いしたいのですが、同時に区外に住んでいる中野区出身者に中野区をPRし、ふるさとの中野を訴え、寄付を募ることも必要ではないかと思います。それによる増収も考えられますが、このことも一緒に御見解をお聞かせください。
○田中区長 そもそも納税を義務としているという制度の趣旨から考えますと、受益と負担の関係が一致しないような、こうしたふるさと納税というようなものについては、私どもは大反対をしております。しかも、自分の払った税金について、自分が決められないという中で税を負担するというような制度そのものも、やはり日本の国の民主主義、財政にかかわる民主主義というもののあり方から考えて、大変好ましくないというふうに考えております。
 さらに、これが何ゆえ出てきたかというと、いわゆる東京一人勝ち論というようなことで、私どもの固有の財源を政府のほうが何の努力もせずに地方に移転させようという、そういった安易な考え方から出てきているということで、いまだに私としては容認するべきではないと、こう考えているところでありますけれども、それによって中野区から税収がよそに移転してしまうということについては、大変痛しかゆしという、困ったことだというふうにも思っております。
 そこで、中野区としても、中野区にふるさと納税していただくような対策を考えるのかというようなことにもなるかと思いますけれども、やはり先ほど言ったような趣旨から、あんまり悪のりしていろんな方に中野区に寄付をどうぞというふうなお話をするというのも、なかなか難しいのかなというところで、正直言ってやや悩んでいるという状況であります。
○ひぐち委員 ありがとうございました。ふるさと納税に対しては、いろいろと御議論があるとは思います。ただ、ふるさと納税を通して、できることがあるかな、今ふるさと納税を通して中野区の伝統や文化、そして中野まつり、中野区内の秋のお祭りなどが存続され、同時に医療や福祉の充実を図ることもできます。中野区出身の区外在住の方に語り、またインターネットなどで訴えることで、中野区をふるさととして育った人たちが中野区に誇りを持ち、中野区に寄付をしなければ、またしてみたい、そんなふるさと意識、ふるさとを守りたい気持ちになっていただけるのではないかな、そういうふうに考えます。
 中野区では、今後そのような対策をとっていただけるのでしょうか、お答えください。
○長田計画財務担当課長 お答えをいたします。
 まず、中野区にぜひふるさと納税の制度を使って寄付をしていただきたいという、そういう尊い志を持った方に対しての対策ということで私ども考えてございますのは、三つの側面から対応していきたいと考えてございます。
 一つは、この寄付制度をわかりやすくお知らせをすると、広報するということでございます。二つ目は、具体的な寄付の手続をできるだけ簡便にする、利便性を向上させるという対応をとるということがあると思います。三つ目でございますが、中野区の特定目的基金、例えば社会福祉施設整備基金といったような特定目的基金がございますが、そういった特定の使途を明らかにして、そこへ積み立てをさせていただくという意味で、御寄付をいただいた方の納得性を高めると、こういった三つの方策を対応していきたいと考えてございます。
 その中で、今年度、電子区役所推進の一環として、寄付について全国どこからでも中野区に寄付をしていただけるように、インターネットにより寄付ができるように対応してございます。また、今後はホームページを活用した広報などについても総合的に対策をとってまいりたいと考えているところでございます。
○ひぐち委員 ありがとうございました。既にインターネットでというふうにおっしゃっておりましたので、私としては安心をしました。本年度の内容を見ますと、都道府県や区市町村のほかに、区税条例で規定する公益法人への寄付も寄付金控除の対象となっています。区や公益法人への寄付金がふえれば、中野区の財政運営も楽になるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか、お答えください。
○長田計画財務担当課長 委員御指摘のとおり、今回のこういった地方税の改正をきっかけとして、区へ寄付をすると、そういう意識の高まりがありまして、区への寄付がふえることによって一般財源の確保につながり、そのことによって財政力の向上に寄与するというふうに考えているところでございます。
○ひぐち委員 ありがとうございました。今後ともふるさと納税に関しても目を離さないようにしていただきたいと思います。これでこの項について終わらせていただきます。
 3番の、次に環境対策について御質問いたします。環境に対する意識についてでございます。
 本年7月、北海道洞爺湖において先進国首脳会議、サミットが開催されました。11年前、京都に先進諸国が集まり、地球環境の劇的な変化に対応するために会議が開かれ、CO2排出量などの取り決めが話し合われました。いわゆる京都議定書です。この会議により、世界じゅうの人が環境をより考えることになりました。洞爺湖に先進国も途上国も集まり、CO2の排出量など地球温暖化対策などを話し合う重要な会議が開かれたのは御存じのとおりです。
 このサミットを通して、環境先進国日本の認識は高まったと思われますが、これにおごらず、私たちは環境保全のために努力しなくてはならないと考えます。
 地球規模での温暖化対策、国家間の話し合いも進んでいますが、各自治体でも中野区の持つ文化を生かし、地球温暖化対策、環境対策に力を入れていかなければならないと考えます。平成22年度より、東京都も環境確保条例を改正し、現行の地球温暖化対策の強化が図られます。
 私は、今年度で最後になる地域のおやじの会と子どもたちのふれあいになる中野富士見中学校のナイトウォークに参加してまいりました。子どもたちと歩きながら、昔の日本は環境問題さえ問題にならなかった話や、ごみの出し方など、いろいろ環境に関する話がありました。近い将来、事業所を対象として温室効果ガスの削減がより強化されると聞いていますし、自治体として中野区も何かしらの環境対策をする必要に迫られると思います。環境に対する意識を高めるため、子どもたちと環境を考える日を制定してはいかがでしょうか、御回答ください。
○橋本環境と暮らし担当参事 区では、毎年6月の環境月間に、中野環境まつりというのを実施してございます。環境まつりでは、子どもたちと一緒に環境を考える事業にも取り組んでいるところで、また子どもたちの環境学習につきましても地域や学校と連携しながら、講座や事業をさまざまに実施してございます。そうしたことから、今のところは改めて考える日などを設けることは考えてございません。
○ひぐち委員 環境を考える日だけではなくて、中野区の所有する江古田の森や、これから設置される防災公園などの土地に子どもたちと植林に行くとか、専門家を呼び環境に対する考え方、その木がもたらす環境の保全を親子で話し合うなど、若い世代に環境の意識をもっともっと持っていただくために、植林した樹木がこんなに大きくなりましたとホームページなどで広報することで、さらに環境に対する意識も高まり、身近にできる環境問題を提案しますが、御見解はいかがでしょうか。
○石田公園・道路担当課長 環境に対する意識の醸成ということだと思いますが、子どもたちが緑の大切さを学ぶ取り組みとしまして、本年春には江古田の森公園で小学生の皆様による記念植樹を実施しているところでもあります。委員から、先ほど御提案のありました、今後整備される防災公園などに、子どもさんたちと一緒になって木を植えるということについては、意義があると思いますので、今後どのような方法が可能であるかを検討してまいりたいと思っているところでございます。
○ひぐち委員 ありがとうございました。非常に前向きな御答弁で、非常にうれしく思います。
 続きまして、東京ミュージックマラソンについてお伺いします。
 開催年度の10月1日の都民の日をはさんで、東京ミュージックマラソンと称するイベントが東京国際フォーラムを起点として、23区はもちろん、多摩地区市町村全域に都の予算12億円を計上し、実施されています。ことしが初めての試みで、毎年この都民の日をはさむ土日を入れ、開催予定だということです。この時期、東京都内各地でジャズ、ポップス、シャンソン、ロックなど、いろいろなジャンルの音楽を演奏することで、都民に音楽に親しんでほしいと企画され、東京国際フォーラムをはじめ、区や市民会館、音楽ホールのみでなく、ライブハウス等でも開催され、東京都内どの地域を歩いても音楽を楽しみ、親しめる日として、東京のイメージアップにと期待されているイベントですが、同時に若手のミュージシャンの育成や、コーラス等音楽を楽しんでいる市民の日ごろの練習の成果を見せる場所にもと言われている音楽祭です。多くが無料で鑑賞できるイベントでもあり、まちづくりの観点からも注目を集めています。
 東京ミュージックマラソンのホームページで見られるように、演奏会場、演奏者をただいま募集中でございます。このイベント会場を中野区でも提供し、区民参加型の音楽祭にして、中野区のイメージアップにも結びつけることも一案かと思っています。沈滞化が問題になっている商店街のイベントとしても活用ができ、商店街にある駐車場や駅前広場の活用など、まちづくりの一環となるだけではなく、同時に参加者の門戸を広くし、プロ、アマ、国籍を問わず、だれでも参加可能で、区内の若手ミュージシャンや地域の音楽活動を行っている人たちには、実力を発揮、発表する場所にもなって、中野からアーティストを育てるきっかけにもなるかもしれません。
 中野区としても、ぜひ実行委員会と接点を持っていただいて、区民にも参加を呼びかけてはいかがでしょうか。同時に、区のイベントにかけるセンスを表に出す機会とも考えています。サンプラザ前などで中野区独自の音楽祭など企画して、東京に中野区ありと、中野のイメージアップを図るためにも開催してみてはいかがと思います。区としてのお考えをお聞かせください。
○鈴木産業振興担当参事 お答えいたします。
 今、委員のほうから御質問の紹介がありました東京ミュージックマラソンは、音楽を通じて人々が集い、ともに楽しみ、心のきずなを取り戻そうという趣旨に賛同する人たちが広く参加して、盛り上げていこうという事業というふうに認識しております。ことしが東京都初年度で、3年間、2010年の3年間にわたって実施をして、所管が生活文化局というふうに承知しているところです。
 また、10月1日は都民の日でもあるんですけれども、これが国際音楽の日というふうなことで、ここの日を中心に1週間前後で行おうというふうな枠組みだそうでございます。
 中野は、既に区にゆかりのあるアーティストたちと協力関係をして、中野のイメージアップ、それから中野のさまざまな文化、芸術の発信をしていこう、そういうような方向を持ってございます。こうした都のイベントを活用して、もちろん中野のにぎわいの仕掛けの一つとして生かしていくということも当然考えておりまして、実はこの実行委員会とも接点を持ってございます。なかなかことしはすぐにというわけにはいかなかったので、中野のこういった芸術関係の人たちとネットワークを組む中で、中野らしさの実施に向けて方策を検討してまいりたい、そのように考えてございます。
○村木生涯学習担当参事 サンプラザ前での音楽祭につきましては、私のほうからお答えをいたします。
 区独自の音楽祭ということになりますと、今のサンプラザ前で東京消防庁の音楽隊が定期的に演奏会を開いておりますが、こういったものとは異なりまして、規模、内容ともに大規模になってくると思われます。そうした関係で、関係する機関ですとか団体等も多岐にわたるということから、これを直ちに実行するということは考えておりません。
 ただし、教育委員会といたしましては、現在文化芸術振興に関する具体策を検討中ということもございまして、御提示のあった音楽祭などは今後の課題として検討対象の一つにはしてみたい、このようには考えております。
○ひぐち委員 ありがとうございます。実行委員会にも参加されているということで、一つ、一歩進んでいるなと。それから、具体策をほかにまた考えていただけるということで、前向きに考えていただければありがたいなと思います。
 続きまして、4番目の学校再編における避難施設のあり方について御質問いたします。
 学校再編によって環境がいろいろと変わっているんですが、廃校になってからの施設の利用方法として中野区でもいろいろな模索をしているところと思います。
 ところで、学校の校庭が避難場所になっていたところがなくなってしまう、その周りに住んでいる区民が災害時にはどこに避難するのかを心配していますが、区ではどのようにお考えでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 学校再編後の避難所についてお答えいたします。
 学校再編後の旧仲町小学校、桃ヶ丘小学校、第六中学校につきましては、暫定的な活用を図ることとしておりまして、引き続き避難所としての機能は維持しているところでございます。
 また、学校再編の結果、他の用途に使用することによりまして、校庭や体育館のスペースがなくなった場合、または用地の売却が行われた場合における避難所の確保につきましては、避難所としてまだ指定していない区内の学校や施設を新たに避難所として指定していきたい、このように考えております。
 この間、避難所の新たな指定ということでございますと、これまでの避難所の形態とはちょっと違うんですが、東京工芸大学と先月、避難所の協定を結んでおります。また、新たな避難所として国際短期大学とも協定の準備を今進めているところでございます。
○ひぐち委員 ありがとうございました。今、新しいやり方で、またその避難の場所を考えていただいているということで、非常に安心しました。
 それから、避難場所にあった備蓄倉庫、これには防災用品が入っていると思うんですけど、これはどういうふうになるんでしょうか。
○志賀危機管理担当課長 備蓄されております防災用品につきましては、まず避難所としての指定を解除する場合には、事前に新たな避難所を指定するということで先ほど御答弁差し上げましたけれども、その防災用品につきましてはその新たな避難所のほうに再配備するという形になるというふうに考えております。
○ひぐち委員 ありがとうございました。ぜひ区民のためにも考慮していただきたいと思います。
 続きまして、5番目、中野区の建築確認申請と建設請負契約について御質問させていただきます。
 建築設計業、建設業、不動産業は、姉歯建築士による偽装事件によって、これまでも厳しく苦しい運営をしていたところへ、この姉歯事件が発覚いたしました。この事件によって、建築設計はさらに厳しい設計条件が課せられ、とくに構造適合性判定によって建築確認申請の日程も予測のつかないくらい日数がかかっています。以前は21日間であった審査日程が、35日まで延びました。それでも、35日で確認申請がおりるケースは少ないと思われます。その後、改善されたとお聞きしました。その構造適合性判定とはどんな内容なんでしょうか、お教えください。
○豊川建築担当課長 ただいま委員御指摘の構造適合性判定でございます。これは、建築主事が建築確認申請の審査をする際に、例えば鉄筋コンクリート造であれば高さが20メートル以上、あるいは鉄骨造であれば階数が4階以上の、いわゆる構造計算の難易度が高いと、そういった構造計算書につきまして建築主事が行う法令審査とは別に、建築構造の知識、経験のあります専門家が別途審査を行う。いわゆるダブルチェックを行うと、そういった制度でございます。
 ただいま委員御指摘のように、平成17年11月に発覚いたしました姉歯建築士によります構造計算偽装事件、同様の発生を防ぐために建築基準法が改正になりまして、つけ加えられた規定でございます。
 なお、この制度は昨年の6月20日より施行されております。
○ひぐち委員 それで、日数がかかると言われているんですけれども、大体長い日程ではどのぐらいいかかっているものなんでしょうか。
○豊川建築担当課長 例えば、今申し上げた構造計算適合性判定対象の建築確認申請について申し上げますと、通常の審査日数、これは法定で35日でございますが、これに加えて中野区の場合ですと最も日数が短い事例では15日を超えた日数を要してございます。
○ひぐち委員 それから、今現在確認申請を受け付けている申請なんですが、木造と非木造、何件ぐらいあるのか教えてください。
○豊川建築担当課長 昨年6月20日以降の改正建築基準法施行以降について申し上げますと、昨年6月20日以降、平成20年3月末までの実績で申し上げますと、木造建築物で191件、それから非木造建築物、鉄骨や鉄筋ですけれども、これで74件、合計265件の受け付け件数でございました。また、本年4月以降、9月末の実績でございますが、木造で139件、非木造で41件、合計180件の建築確認申請を受け付けをしております。
 なお、改正建築基準法施行後の区の受け付け件数、これは合計で445件ございますが、この改正建築基準法施行前の同期間に比べまして43件増加をしております。
○ひぐち委員 確認申請の時間がかかることは、官製不況とも言われていますが、この時間のかかることは何か原因があるんでしょうか。もしも委託している判定委員に問題があるのならば、その改善策を考えなければならないと思いますが、どのように対処しているんでしょうか。
○豊川建築担当課長 ただいまお話がありましたように、この構造計算適合性判定、この制度が導入されたことによりまして、この構造計算適合性判定の対象物件、これの建築確認を要する物件が日数を多く要しているということだと思います。
 中野区の建築主事といたしましても、この構造計算適合性判定機関、これと常に密接な連携をとりながら、よりスムーズな建築確認に努めていきたいと考えております。
○ひぐち委員 ありがとうございました。建設業界にとっては、確認申請がスムーズに通ることで電気工事業、ガス工事業、水道工事、大工工事など、建設工事につながるすべての関連工事に関して中野区の経済にも波及することです。中野区として、今後ぜひスムーズに確認申請が通るような手法を考えていただきたいと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○豊川建築担当課長 今、委員御指摘ございましたが、今後も適切かつ迅速な建築確認申請の審査に努めてまいりまして、安全でにぎわいのある中野のまちづくりに貢献する、実効性のある建築行政の振興に心がけたいと考えております。
○ひぐち委員 ありがとうございました。
 次に、区発注の建設工事請負契約についてお伺いします。
 この件については、きのうの総括質疑でも多々やりとりがありましたけれども、取り下げようと思いましたが、きのうの質疑内容では大変不十分、かつ認識不足の質問でありましたので、一部趣旨を変えて質問をさせていただきます。
 現在、建設業界は、先ほど問題に取り上げた姉歯事件や中国の経済発展に伴う資材や鋼材の不足、また加えてオリンピック後の四川大地震の復興事業の本格化により、鉄鋼材などは上げどまりがないとも言われ、経済は大変困窮しています。特に区内の中小の建設会社では、鉄鋼材の調達に際して鋼材メーカーから現金支払いや月末決済を求められるなど、業界の置かれている立場は一層厳しいものとなっております。さらに、日本国内の最低賃金や、職人や下請け会社の雇用問題による賃金、手間賃の上昇によって、建設業界全体が危機に瀕しています。そして、来年の10月から、売り主、工事請負者に対し、瑕疵担保責任の費用を供託するか、保険に加入しなければなりません。
 現在、区内の建設や土木工事業は、区の公共事業を受注しても、区の前払い金の支払い率や限度額がほかの区に比べて低く、材料代や下請け事業者への支払いが工事完了検査後になることから、やむを得ず銀行から借り入れをする状況があります。昨日の担当課長の答弁から、区はこうした区内業者の実態を承知していることがわかり、私も安心したところです。
 さて、昨日も区建設工事などにおける前払い金の質問がありました。担当課長からも、23区ではほとんどの区が前払い金の支払い率が4割、限度額が1億という答弁がありました。しかし、中野区は1億2,500万円未満の工事は支払い率が4割、1億2,500万円以上2億5,000万円未満は5,000万円、2億5,000万円以上5億未満は契約金額の2割、5億円以上は1億円と、その適用が細かく定められています。この適用基準を、他区のように300万円以上の工事は一律契約金額の4割とすることはできないでしょうか。工事が完了すれば、どうせ支払う工事代金のうち4割を前払いで支払うだけで、業者は当然保証協会の履行保証をつけていることになっており、区のリスクはありません。特に、11月からは鉄鋼材を多く使用する小・中学校の耐震補強工事も始まります。現在、前払い金の拡充については検討しているとのお話がありましたが、早急に検討し、結論を出すべきではないでしょうか。改めてお聞きいたします。
○篠原経営室特命担当課長 お答えいたします。
 昨日も、この前払い金制度につきましては検討中であるということで答弁をさせていただいております。ただ、私どもといたしましては、こうした制度を頼ることなく、材料の調達、下請け業者への支払い、そういったことができる経営体力をつけていただくことが本来の姿であるというふうに考えております。
 ただ、昨今の経済状況、今、委員から御指摘がありましたように区内業者の置かれている状況等をかんがみまして、鋭意検討しているところでございますので、御理解をいただきたいというふうに考えております。
○ひぐち委員 ありがとうございます。その早急にということを私、質疑いたしました。早急にということで、いつごろその結果をいただけるのでしょうか。
○篠原経営室特命担当課長 なるべく早い時期に結論を出したいというふうに考えてございます。
○ひぐち委員 ことし11月から、先ほどもお話ししたとおり、体育館の改修、小・中学校の耐震工事補強、鉄骨、鋼材、たくさん使用します。そのことで、ぜひ早い結論を出していただきたい、そういう中でどのような、御答弁を再度お願いいたします。
○篠原経営室特命担当課長 繰り返しになりますが、そういった状況も勘案いたしまして、早急に結論を出したいというふうに考えてございます。
○ひぐち委員 耐震対策という内容でございます。早急に、このことに関しては中野区の経済発展に対しても、それから子どもたちの安全・安心に対しても、この結論を何とか早目に御検討願いたいのですが、いかがでしょうか。
○篠原経営室特命担当課長 委員の御意向もございますので、早急に結論を出したいというふうに考えております。
○ひぐち委員 再度になりますけれども、副区長に今の御答弁を繰り返しお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
○石神副区長 耐震その他の事業の進め方とは必ずしも一致しないと思いますが、区内の今中小企業の抱えている、そういう社会情勢を考えて、早急に結論を出したいと思います。
○ひぐち委員 ただいま副区長から早急にということで、前向きの答弁と判断させていただきます。よろしくお願いします。
 次に、区内のいろいろな業界団体が現在最も危惧をしている総合評価入札方式の見直しについてお伺いします。
 総合評価入札方式を導入しなければならない責務が区にあることは、私どもも業界の団体の方々も十分理解をしております。しかしながら、本年度の前半に行われた総合評価入札方式は、区内業者に一定の加点はあるものの、実際は価格を安くした業者が落札し、本来の品質を確保するという法の趣旨が生かされていないという業界の声があります。しかも、一般競争入札で行われるため、実績が欲しい区外の業者が群がってきて安い価格を入れているようです。いわゆる名刺がわりと言っております。
 きのうの担当課長の答弁でも、区内事業者への評価点については、今後準備を見直す中で加点のあり方を見直すといった答弁があり、安心しました。しかしながら、来年度からすべての案件にこの総合評価入札方式を導入することはいかがなものでしょうか。区は、前半の結果を踏まえ、一定の見直しを行い、後期に試行を行い、来年度からすべての案件を対象とするとしていますが、東京都は18年度からこの制度を導入し、いまだ試行で行っております。この総合評価方式は、地方自治体では取り組みがおくれており、23区でも2から3区で試行的に行われているようです。区でも、この総合評価の来年度からすべての案件に性急に導入するのではなく、時間をかけて検証するべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○篠原経営室特命担当課長 今、御紹介のありました東京都の実施状況でございますが、平成17年にその試行要綱を策定いたしまして、平成18年度から順次各局で取り組みが進められております。主なものとすれば、施行能力確認型でございますとか、提案型、審査型というような二つの種類で今回進めてございましたが、昨年の7月に新たに技術力評価型という三つ目の総合評価方式が加わってございます。そういったことで、東京都は現在でも試行要綱という形の中でやってございますが、既に一般案件につきましてはすべて本格的な導入が進められているというふうに聞いてございます。
 中野区におきましても、現在、今上半期の分が終わりまして、今後下半期の試行を行います。また、来年度から一般の委託案件につきましても、この総合評価方式の導入を進めていくという考えも持っておりますので、そういったことも踏まえまして、しかるべき時期に判断をしていきたいというふうに考えてございます。
○ひぐち委員 ありがとうございます。今、試行結果を見て判断していくとの答弁をいただきました。中野区は、この1年間でいろいろな工事案件を20件近く試行すると聞いております。結果についても、業界も大変注目しております。また、まだ実施していないほかの区も、中野区の動向を見ているようなので、ぜひよい総合評価方式にしていただくことを要望し、この項の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
 最後の項になります。次に、苦情やトラブル・悩み事の相談窓口についてお尋ねします。
 今、日本人は、心のケアが必要なほどストレスに押しつぶされている社会にいると言われています。会社を経営している人も、その会社で働く人の中にも、ストレスに押しつぶされそうになり、ケアが必要な人がたくさんいます。また、近隣関係でも人間関係のトラブルもふえています。そして、この状況は心身ともに根の深いものにつながり、近隣のトラブルなど後に戻れない心の傷が残ります。また、挫折や失敗がふえ、今後もっと深刻になっていき、そのために生じた傷ついた心を持った個人や家族を癒し、支えることが必要不可欠の時代となっていくと言われています。
 東京秋葉原で起こった事件など、理由もなく無差別に人を傷つけていく犯罪の増加や、先日の10月1日に起こった大阪の個室ビデオ火災で15人が亡くなった事件でも、容疑者は「生きるのが嫌になった」と言っていました。新聞やテレビでは、事件の発生を店舗の運営の方法や消防法の問題を取り上げてばかりいますが、この事件はストレス社会から生じているのかもしれません。
 今、企業では時代を反映し、心のケアを重要視するようになり、従業員の相談などを受け入れるシステムを積極的に取り入れる傾向になってきました。中野区においても、小・中学校の児童・生徒に対しては教育委員会が中心になって学校にスクールカウンセラーや巡回の臨床心理士による心の相談窓口が開設され、具体的な支援を実施し、実績を上げていると思われます。しかしながら、医療機関や専門機関がネットワークを組み、個々の事例に対応した取り組みが進む中で、高校中退、もしくは卒業後にも就労もせず、中には引きこもりと言われる若者がふえて、それらに対するケアの必要性を訴えています。このような若者をできる限り社会の弱者としてつくらない姿勢が大切だと思います。中野区として、どのようにこのことを受けとめているでしょうか、お聞かせください。
○大石鷺宮保健福祉センター所長 お答えさせていただきます。
 ストレス社会の中で、心の病を持った若者に対しては、保健福祉センターにおいて保健師等が相談に応じてまいります。相談に応じて、必要な場合は専門の医療機関と連携し、あるいは保健福祉センターで実施しているデイケアを活用し、対応してまいります。
○ひぐち委員 家族と一緒に食事をしながら、その日の出来事を話題にすることが心の健康をチェックする場となり、ありのままの自分を受け入れ、自己を見直す場所であると、ある評論家が述べていました。一人の家庭がふえ,仕事社会の現代では、家の中のこの風景は少なくなってしまったと思います。だからこそ、心のケアをしてくれるカウンセラーの存在が求められていると思います。競争社会やストレス社会の中で、失敗、挫折を味わい、自分の進路を定めることのできない区民のために、またそのことにどのように対応したらよいか悩んでいる家族のためにも、心の面から支えられる対策は必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○大石鷺宮保健福祉センター所長 区民から心の健康に関する相談が寄せられた場合は、保健福祉センターで保健師等が相談に応じています。また、本人ばかりでなく、家族からの相談も受け、家族等に対する助言も行ってまいります。
○ひぐち委員 ストレス社会のアメリカでは、近年NPOが心のケアの主役になって、アルコール依存症やうつ病などの問題を抱えた人々を受け入れています。これは、自治体や企業が多額の資金をNPOに提供し、支えているからできることだと言われています。日本でも、ピアノの音や、隣人の何気ない行動、日常生活のトラブルなど、訴訟問題になるだけでなく、事件にまで発展している現状を新聞やテレビのニュースで目にするなど、住民同士にもストレスのケアが必要な時代になり、行政が担い、幅広くサポートする窓口を設置する必要が出てきたのではないかと思います。
 東京都では、悩みを持つ10代の若者層や低所得者層が安定した生活を図れるように相談窓口を設けるとありますが、その窓口とはどこに置き、専門家のカウンセラーが常に配備されている窓口があるのでしょうか。
○黒田生活援護担当課長 お答えいたします。
 平成20年8月より、東京都が生活安定総合対策事業を行っておりまして、その受け付け窓口を生活援護担当の2階の窓口ですが、行っております。そこでは、低所得者で正規雇用についていらっしゃらない方等を対象に、正規雇用につくための職業訓練校に通っていただくための支援等、また低所得者の方たちのお子さまの受験費用の支援等をその窓口ではやっております。
○ひぐち委員 今の答弁は、東京都が専門のカウンセラーを配備しているということでございました。しかし、中野区でその東京都だけの部分については不十分ということで、引きこもりの人たちが外に出ることは大変エネルギーが要るということで、電車やバスに乗り、相談窓口まで出向くことは不可能ではないかと考えられます。
 そこで、電話での相談が重要となり、しかも専門家の対応が望まれると思います。時には、おうちまで足を運ばなければ解決できないこともあるかと思われます。朝から夜、夜中の時間も相談者にとって24時間体制を望むところですが、いかがお考えでしょうか。これらのことすべてを考慮して、相談窓口の設置を考えることはできないでしょうか、区長のお考えをお聞かせください。
○田中区長 さまざまな要因が複合した、さまざまな事象に対して、一つの窓口を設けて対応し切れるかという問題があると思いまして、区の行政として対応できることがどの辺にあるのか、検討してみたいと思います。
○ひぐち委員 ありがとうございました。いろいろの悩み事、相談事のある区民がたくさんいらっしゃいますので、そういう相談窓口ができればなと考えておりました。どうもありがとうございました。
 以上で私のすべての質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○吉原委員長 以上でひぐち和正委員の質疑を終了いたします。
 以上で本日の総括質疑を終了します。
 次回の委員会は、10月6日(月曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
 以上で本日の決算特別委員会を散会します。
      午後4時46分散会