平成21年09月16日中野区議会本会議(第3回定例会) 平成21年第3回定例会本会議第1日(9月16日)

.平成21年(2009年)9月16日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(40名)

  1番  内  川  和  久        2番  ひぐち   和  正

  3番  白  井  秀  史        4番  平  山  英  明

  5番  つぼい   え  み        6番  いながき  じゅん子

  7番  林     まさみ         8番  山  口  かおり

  9番  せきと      進       10番  いでい   良  輔

 11番  伊  東  しんじ        12番  佐  野  れいじ

 13番  北  原  ともあき       14番  南     かつひこ

 15番  小  林  秀  明       16番  の  づ  恵  子

 17番  奥  田  けんじ        18番  近  藤  さえ子

 19番  牛  崎  のり子        20番     欠  員

 21番  吉  原     宏       22番  大  内  しんご

 23番  きたごう  秀  文       24番  伊  藤  正  信

 25番  久  保  り  か       26番  やながわ  妙  子

 27番  酒  井  たくや        28番  佐  伯  利  昭

 29番  むとう   有  子       30番  長  沢  和  彦

 31番  か  せ  次  郎       32番  山  崎  芳  夫

 33番  市  川  みのる        34番  斉  藤  金  造

 35番  篠     国  昭       36番  岡  本  いさお

 37番  飯  島  謹  一       38番  江  口  済三郎

 39番     欠  員          40番  佐  藤  ひろこ

 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副区長(経営室) 石 神 正 義

 副区長(管理会計室) 沼 口 昌 弘    副区長(政策室) 西 岡 誠 治

 教  育  長  菅 野 泰 一       区民生活部長   鈴 木 由美子

 子ども家庭部長  竹 内 沖 司      保健福祉部長   金 野   晃

 保 健 所 長  田 原 なるみ      都市整備部長   石 井 正 行

 まちづくり推進室長 川 崎   亨     教育委員会事務局次長 田 辺 裕 子

 政策室副参事(企画調整担当) 田 中 政 之 経営室参事(経営担当) 長 田 久 雄

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  山 下 清 超      事務局次長    奈 良 浩 二

 議事調査担当係長 大 谷 良 二      書     記  長 﨑 武 史

 書     記  荒 井   勉      書     記  河 村 孝 雄

 書     記  菅 野 多身子      書     記  丸 尾 明 美

 書     記  土 屋 佳代子      書     記  鳥 居   誠

 書     記  杉 本 兼太郎      書     記  鈴 木   均

 書     記  岡 田 浩 二      書     記  竹 内 賢 三

 

 議事日程(平成21年(2009年)9月16日午後1時開議)

日程第1 第54号議案 平成21年度中野区一般会計補正予算

     第55号議案 平成21年度中野区介護保険特別会計補正予算

     第57号議案 桃花小学校体育館等改築工事請負契約

     第58号議案 桃花小学校体育館等改築に伴う電気設備工事請負契約

     第59号議案 桃花小学校体育館等改築に伴う機械設備工事請負契約

     第60号議案 仮称杉山公園自転車駐車場整備工事請負契約

日程第2 認定第1号 平成20年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について

 

      午後1時00分開会

○議長(伊藤正信) ただいまから平成21年第3回中野区議会定例会を開会いたします。

 本日の会議を開きます。

 会議録署名員は、会議規則第121条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。15番小林秀明議員、28番佐伯利昭議員にお願いいたします。

 次に、会期についてお諮りいたします。

 本定例会の会期は、本日から10月22日までの37日間といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 この際、申し上げます。本定例会の会期中、略装を許します。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 この際、一般質問の時期の変更についてお諮りいたします。

 一般質問は、議事に先立って行うことになっておりますが、別な時期に変更し、質問を許可いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、さよう進行いたします。

 これより日程に入ります。

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 第54号議案 平成21年度中野区一般会計補正予算

 第55号議案 平成21年度中野区介護保険特別会計補正予算

 第57号議案 桃花小学校体育館等改築工事請負契約

 第58号議案 桃花小学校体育館等改築に伴う電気設備工事請負契約

 第59号議案 桃花小学校体育館等改築に伴う機械設備工事請負契約

 第60号議案 仮称杉山公園自転車駐車場整備工事請負契約

 

○議長(伊藤正信) 日程第1、第54号議案、第55号議案及び第57号議案から第60号議案までの計6件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

     〔副区長石神正義登壇〕

○副区長(石神正義) ただいま上程されました第54号議案、第55号議案及び第57号議案から第60号議案までの6議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第54号議案、平成21年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ20億1,932万9,000円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は1,052億3,957万7,000円となります。

 初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。

 まず、政策費ですが、ハンガリー共和国から寄贈される彫刻の設置工事費及び記念行事の実施に係る経費1,541万7,000円を計上するものです。

 次に、経営費ですが、本年1月に弥生町五丁目で発見された特殊地下壕の埋め戻し工事費663万4,000円を計上するものです。

 次に、産業振興費ですが、勤労福祉会館に太陽光発電装置を設置する経費1,935万4,000円を計上するものです。

 次に、環境と暮らし費ですが、緊急雇用創出として実施する歩行喫煙及びポイ捨て防止の街頭啓発活動に要する経費1,698万3,000円を計上するものです。

 次に、区民生活部経営費ですが、定額給付金及び子育て応援特別手当について、自己の責任によらず期限内に申請できなかった者に対し、それらに相当する額の特例給付金を中野区独自に給付する経費275万2,000円を計上するものです。

 次に、子育て支援費ですが、上高田小学校におけるキッズ・プラザと学童クラブの整備に係る工事設計費230万円及び子育て応援特別手当の支給に要する経費1億9,627万円を計上するものです。

 次に、障害福祉費ですが、通所サービス利用促進事業の継続実施などに要する経費466万9,000円を計上するものです。

 次に、保健福祉部経営費ですが、(仮称)すこやか福祉センターに太陽光発電装置を設置する経費及び堀江高齢者福祉センターに太陽熱利用装置を設置する経費5,791万3,000円を計上するものです。

 次に、交通・道路管理費ですが、新井薬師北自転車駐車場の拡張に要する経費365万2,000円、及び、緊急雇用創出として実施する自転車の適正利用の啓発活動などに要する経費1,867万3,000円を計上するものです。

 次に、建築費ですが、緊急雇用創出として実施する特定建築物台帳の整備に要する経費1,988万3,000円を計上するものです。

 次に、まちづくり推進費ですが、中野駅地区整備の事業化を検討するための事業規模の調査等に要する経費3,349万5,000円を計上するものです。

 次に、学校教育費ですが、緊急雇用創出として実施するICT教育支援員の派遣に要する経費1,281万円並びに上高田小学校及び若宮小学校における特別支援学級の整備に係る工事設計費560万円を計上するものです。

 次に、教育経営費ですが、上鷺宮小学校及び江原小学校に太陽光発電装置を設置する経費及び屋上防水工事費7,050万8,000円を計上するものです。

 最後に、積立金ですが、財政調整基金積立金12億3,241万6,000円及びまちづくり基金積立金3億円を追加計上するものです。

 この補正の歳入予算といたしましては、国庫支出金2億4,665万7,000円、都支出金7,185万円、繰入金1億4,365万3,000円、繰越金15億3,241万6,000円及び諸収入2,475万3,000円を追加計上するものです。

 次に、繰越明許費について説明いたします。これは、区立施設に太陽光発電装置及び太陽熱利用装置を設置する経費7,726万7,000円並びに子育て応援特別手当の支給に要する経費1億9,627万円について、今年度内にそれらの支出が終わらない見込みであるため、翌年度に繰り越しを行うものです。

 次に、債務負担行為の補正について説明いたします。これは、(仮称)本町四丁目住宅建設工事整備費補助及び区営新井住宅建替え工事整備費補助につきまして、債務負担行為の限度額を変更するものです。

 第55号議案、平成21年度中野区介護保険特別会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ3億693万8,000円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は172億8,693万8,000円となります。

 歳出予算の内容は、介護給付費及び地域支援事業費として交付を受けた国庫支出金、都支出金及び支払基金交付金の超過額を返還する経費3億693万8,000円を追加計上するものです。

 歳入予算といたしましては、平成20年度からの繰越金3億693万8,000円を追加計上するものです。

 第57号議案、桃花小学校体育館等改築工事請負契約は、桃花小学校の体育館、倉庫等の改築工事を行うため、契約を締結するに当たり、議会の議決をお願いするものです。契約の方法は一般競争入札、契約の金額は10億800万円、契約の相手方は協永・武蔵野・稲葉建設共同企業体です。この工事の完了予定は平成23年4月です。

 第58号議案、桃花小学校体育館等改築に伴う電気設備工事請負契約は、桃花小学校の体育館等の改築に伴う電気設備工事を行うため、契約を締結するに当たり、議会の議決をお願いするものです。契約の方法は一般競争入札、契約の金額は1億5,739万5,000円、契約の相手方は成瀬・加藤・東新建設共同企業体です。この工事の完了予定は平成23年4月です。

 第59号議案、桃花小学校体育館等改築に伴う機械設備工事請負契約は、桃花小学校の体育館等の改築に伴う機械設備工事を行うため、契約を締結するに当たり、議会の議決をお願いするものです。契約の方法は一般競争入札、契約の金額は1億8,321万4,500円、契約の相手方は富士熱・横山建設共同企業体です。この工事の完了予定は平成23年4月です。

 第60号議案、仮称杉山公園自転車駐車場整備工事請負契約は、杉山公園の地下に設置する自転車駐車場の整備工事を行うため、契約を締結するに当たり、議会の議決をお願いするものです。契約の方法は一般競争入札、契約の金額は2億9,400万円、契約の相手方は株式会社会川組です。この工事の完了予定は平成22年3月です。

 以上6議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(伊藤正信) 本件について御質疑ありませんか。

     〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊藤正信) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。

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○議長(伊藤正信) この際、お手元に配付の一般質問一覧表のとおり、斉藤金造議員、岡本いさお議員、来住和行議員、酒井たくや議員、伊東しんじ議員、久保りか議員、かせ次郎議員、内川和久議員、白井秀史議員、牛崎のり子議員、ひぐち和正議員、むとう有子議員、近藤さえ子議員、つぼいえみ議員、林まさみ議員より質問の通告がありますので、これを順次許します。

 

 中野区議会議員 斉 藤 金 造

 1 政権交代による区政への影響について

 2 10か年計画改定について

 3 成年後見制度の充実について

 4 その他

 

○議長(伊藤正信) 最初に、斉藤金造議員。

      〔斉藤金造議員登壇〕

○34番(斉藤金造) 平成21年第3回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場より一般質問いたします。質問は通告順に行いますので、区長、理事者の皆様には簡潔明瞭な答弁をお願いいたします。

 質問は、政権交代による区政への影響について、2番目に、10か年計画改定について、3番目に、成年後見制度の充実について質問いたします。

 まず最初に、政権交代による区政への影響についてお尋ねいたします。

 去る8月30日に施行されました衆議院総選挙におきまして、自由民主党が大敗を喫し、国民の選択が民主党に政権交代をなし遂げさせました。これから政権を担う民主党には、ぜひマニフェストで公約した政策を遂行していただき、国民の信託と期待に十二分にこたえていただきたいと思っております。

 昨年来、米国のサブプライム、リーマンショックによる世界金融危機は日本経済にも大きな影響をもたらしました。私は、今回の金融危機、経済不況は、今までのような公共事業を中心に内需を拡大し雇用をふやすだけの政策では解決できない、いろいろな問題を含んだ構造不況だと思っております。

 この危機に際し、日本政府は国会においてあらゆる政策手段を瞬時に講じ、幾度にも及ぶ緊急補正予算を組み直し、世界不況の中からいち早く日本経済の立て直しに努力をいたしました。その経済効果が、わずかずつではありますが、昨今出始めております。

 今回の自民党大敗は、昨今政府が施行した国民の目線に合わない幾つかの政策も原因の一つであると考えられますが、同時に、長年続いた自民党の体質怠慢、内閣、閣僚の不祥事、総理総裁の資質等、幾つもの問題があったことも事実であります。今回の選挙では、政党の政策に対する評価よりも、長年積もった国民の政府、自民党に対する不満が一気に爆発した結果、民主党を大勝利に導いたと考えられます。私自身じくじたる思いであります。

 私の質問は、政権交代により民主党が選挙公約に掲げた政策を実行するに当たり、国の大きな方向転換が今後地方自治体にどのような影響を与えるのか、特に、我が中野区の施策、財政に与える影響はどのようなことが推測できるのか、順次質問をしたいと思います。

 昨年4月にも、揮発油税(ガソリン税)の暫定税率、租税特別措置法案の継続審議に際し、民主党の反対により審議が大幅におくれ、1カ月間、税の減収と同時に、予算執行に大きな影響を与えました。道路特定財源を原資に計画が進められている我が区の最重点施策の一つ、西武新宿線連続立体交差事業も大きな影響を受けました。多くの区民の皆様から心配の声が区長にも寄せられたことと思います。

 そこで、最初に質問をさせていただきますが、今回、民主党の公約政策が実行に移された場合、中野区にどのような影響が想定されるのかをお尋ねしたいと思います。

 民主党は政策遂行に向け、財源についても、自民党政府が決定した緊急補正予算も含め、1カ月程度ですべてを洗い直すと言っております。各省庁が提出した来年度の概算要求も白紙に戻し精査すると明言いたしております。民主党の政策を2010年から実行する場合、2010年に7兆1,000億円の財源が必要になってきます。剰余金や積立金など、いわゆる霞が関埋蔵金を活用し、1年で4兆3,000億円の財源を確保する計画を挙げております。特に、毎年数兆円の剰余金を生み出してきた財政投融資資金、外国為替資金の特別会計を活用すると言われております。ことし2009年は、財政投融資特別会計が1兆3,000億円、外国為替資金特別会計が1兆8,000億円と、2008年度に比べてもほぼ半減する見込みです。積立金も、財政投融資特別会計の残り3兆4,000億円は既に予算の執行が決まっており、この資金を使うには非常に厳しい状況にあると報道されています。民主党は、さきに述べたように、2009年度補正予算の一部を執行停止にして予算を組み替えると明言をいたしておりますが、都道府県などに設置する基金の場合、既に6月の地方議会で成立し、補正予算に組み込まれたケースが多く、46ある基金のうち19基金、約1兆7,000億円分が既に振り込まれております。中でも、緊急人材育成・就職支援基金7,000億円、グリーン家電普及促進基金2,946億円、建設・金融円滑化基金96億円などは振り込み済みとのことです。基金を凍結しても、振り込み済みの基金については政府が強制的に取り戻すことは難しく、自主返納を求めていくしか方法がないと言われております。振り込み先が都道府県の場合、返納に議会の承認手続等が必要になると言われております。

 そこでお尋ねいたしますが、区への影響と、影響がある場合、どのように対応されるのか、区長にお尋ねをいたします。

 次に、社会保障の充実政策についてお尋ねいたします。

 民主党の社会保障政策は区にどのような影響を与えるか、お聞きをいたします。

 月額7万円の最低保障年金、後期高齢者医療制度の廃止、医師1.5倍増の充実施策等が挙げられておりますが、高齢化要因の一つをとっても、社会保障費は年間1兆円近いペースでふえ続けております。一方、国の税収は1990年度の60兆円をピークに落ち始め、2010年度には40兆円以下に落ち込むだろうとの見込みであります。2025年度の医療給付予想額は48兆円、2006年度の1.7倍、介護給付は17兆円、2006年度の2.6倍になると試算されております。今後、膨れ上がる医療、介護の財源をどのように捻出していくのか、国民にとっても大きな政治課題であります。民主党の政策では、子ども手当に5.3兆円、後期高齢者医療制度の廃止で8,500億円、介護賃金引き上げに8,000億円等の財源が必要になると言われております。このような社会保障費の増大が地方自治体である中野区の財政面にどのように影響するのか。特に、国保特別会計、介護保険特別会計、一般会計に対する影響を詳しくお答えいただきたいと思います。

 なお、後期高齢者医療制度が廃止された場合、区民の皆様、また、現場の皆様が混乱しないよう、区は適切な対応と取り組みが求められると思いますが、区長のお考えをお聞かせください。

 次に、さきに述べたガソリン税の暫定税率廃止、高速道路無料化、批判のある地方の有料道路、群馬県八ッ場ダム等の公共事業の延期、廃止は、我が中野区においても中野駅周辺整備事業、西武新宿線連続立体交差事業、河川改修事業、電柱の地中化、公園の整備事業等さまざまな事業に大きな影響が出てくるものと考えられます。安全・安心で便利な中野のまちづくりを目指す中野区にも大変な影響をもたらすものと思われます。区としてしっかりとした計画のもと、事業を推し進めなければならないと思いますが、区長の決意をお聞かせください。

 この項の最後になりますが、財政政策、景気対策、環境対策、学校の整備計画、社会保障政策等、また、今行われている中野区の10か年計画への影響も多くあり、計画の見直し、変更を余儀なくされる場合も想定されますが、区長はどのようにお考えかをお聞かせください。

 次の項に移ります。次に、10か年計画の改定についてお伺いをいたします。

 10か年計画は、基本構想の描く10年後の中野のまちの姿を実現する道筋と施策の展開を明らかにするとともに、実現への財政運営を示す計画であると説明されてきました。今回の改定は、構想、計画が策定された平成17年度以降の警察大学校等跡地の事業展開、西武新宿線の連続立体交差事業の進展、地球温暖化問題に対する取り組みなど施策の進展度合いとともに、社会経済状況の大きな変化を受けて、後期5か年計画の改定だけでなく、さらに10年後の着実な目標を定める必要が生じたことから、基本構想の目標を平成22年度から10年後を見据えたものに改定し、あわせて10か年計画も改定するとの説明でした。

 私は、今回の見直しは区政運営にとって非常に大きな意味合いを持つものと思っております。田中区政2期の総括を根底にした改定でなければならないからです。田中区長が取り組んできたさまざまな改革が目標どおりの成果を上げてきたのか、目標に向かって着実に進んでいるのか、私たち議員は区政運営の車の両輪の一輪として評価をし、見直し、改善をしなければならない責務があるからです。

 田中区長は中野区政の財政再建のただ中に区長となり、行財政5か年計画を引き継いで改革を推進してきました。この計画は、財政状況を歳入規模に見合った歳出規模にすることが目的でした。しかし、トップダウンで推進された行財政5か年計画は職員の意識改革までは及ばず、民間の戦略経営を行政運営に取り入れる行政経営への改革には多くの課題を残していました。田中区長は多少性急の感がありましたが、財政再建にあわせ、行政運営の改革にも着手いたしました。この着手した改革が事業部制であり、目標と成果による区政運営でした。10か年計画はこれを受けて行政革新の項目を設定し、三つの改革と八つの取り組みを示しました。10か年計画を実現するための柔軟で強い経営体質をつくる取り組みということでしたが、このたびの見直しでは、これらの取り組みは一定の成果を上げ、ほぼでき上がってきました。今後の行政革新は、組織運営の革新の取り組みから、行政活動によって生み出すサービスの質や行政活動を担う職員・組織の動きそのものの改善に一層注力するとして、この項目を削除したとしています。

 私は、10か年計画を改定するに当たり、行政改革の三つの改革と八つの取り組みをチェックしてみました。その結果、目標どおり改革が進んでいるようには思えません。旧態依然とした経営体質は残り、区長の目指す事業部制の利点が発揮されている状況にあるとは言えないのではないかと思います。公会計への改革も進展しておらず、発生主義会計の理解も十分にされているようには思えません。単に款項目節の読みかえという手段が目的化しているように見えます。複数年型予算の導入を見ても、緊急経済・雇用対策の財政投入の際には機能したかのように見えましたが、事業の短・中期的な計画が明らかにされないまま実施されたため、総事業量があいまいになってしまい、何年度分の事業が前倒しされたのかを改めて調整しなければならない課題を残してしまっております。

 業務改革も同様な状況にあります。コストと効率性の分析は、活動基準原価計算などを導入して、行政活動のコストと効率性を民間の活動と比較することによって業務改革を行うということでしたが、民間で行われている経費分類の公会計への適用が十分にできず、思ったような効果が得られておりません。市場化テストもしかりであります。条例が取り下げられた後は動きさえも見えてきません。政策の科学的研究の強化も、政策研究機構の立ち上げ後は、成果らしい成果は報告されておりません。

 人事システムの改革については、仕組みは用意されましたが、活用する管理職の経営能力がいま一つ追い付かず、管理職の育成計画が改めて必要ではないかとさえ思う状況が見受けられます。

 このように改めて三つの改革と八つの取り組みをチェックしてみると、行政革新は説明されたようには進展していないと思います。経営体質の改革にはいまだ課題が多くあると思います。私は、経営体力の強化を十分にしないままでは、10か年計画の取り組みどころか、経常的な行政事務にさえ十分な取り組みができるのかと疑いたくなります。このところ続いて起きている単純ミスの多さに、区政運営に対して不安さえ覚えております。

 区長に改めてお伺いいたしますが、区長の取り組んできた改革は目標どおり成果が得られたのでしょうか。10か年計画を実現するための柔軟で強い経営体質はつくられたのでしょうか。10か年計画から削除した行政革新の三つの改革と八つの取り組みで残された課題は今後どのように取り組んでいくのでしょうか。また、その取り組みはどのような形で区民に示されるのか、お考えをお聞かせください。

 10か年計画の改定素案は、その実現を担保する財政フレームが示されていません。現在の経済環境や政権交代の状況から、非常に難しい財政運営を行わなければならないことはお察しします。しかし、区長はこうした状況を背景にした上で素案をお示ししたのですから、裏付けとなる財政運営については十分なお考えを持っていることと思います。区長の考えている財政運営についてお聞かせください。また、財政フレームはいつどのような形でお示しされるのかをあわせてお答えください。

 次に、前回の一般質問で、高齢化の急速な進展により、ひとり暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯がふえ、高齢者をねらった悪徳商法により不当な契約を締結されたり、振り込め詐欺の被害は増大したり、判断能力が十分でない高齢者については、成年後見制度が平成12年度よりスタートし、後見人の選任により本人にかわって財産管理や契約行為が行われ、区でも平成20年10月に成年後見支援センターを開設し、より一層の周知と利用の促進に努めるべきとの質問に、区長も、認知症や障害などのため判断能力が不十分な方が安心して生活できるよう援助者を選任することで法的に支える制度で、成年後見制度を利用するまでもない高齢者の方には、社会福祉協議会での権利養護センター「アシストなかの」で金銭管理や書類等預かりサービスを提供し、その上で、地域包括支援センターでも申請に係る相談を受け、このサービスの周知も努めていくとのお答えがありました。

 そこで、先般、中野区障害者の福祉団体連合会の皆様との懇談の中で、親亡き後または入院時による親が不在のとき、支援者にスムーズに移行できるよう、出産時から高齢期までのライフノート「生涯支援ノート」を何らかの工夫をして区で作成していただけないかとの要望がありました。詳しく聞くと、親御さんが亡くなられた後、成年後見制度を家庭裁判所に申請したところ、補佐人でよいか、後見人でなければならないかと審議している中、借りていた土地の期限が来て、借地を返さなければならなくなったとのことです。生涯支援ノートがあれば、このような問題にも迅速、確実な対応がとれたのではないかと思われますとのことです。そこで、中野区でも生涯支援ノートを作成して、この制度が必要な人々への安心を図れないものでしょうか。区長にお尋ねいたします。

 さらに、行政書士会成年後見センターでは、判断能力の不十分な方々本人や家族の保護・支援のための成年後見事業のほかに、成年後見制度に隣接する日常生活自立支援事業や介護等の福祉サービスについて相談できる体制を整えている行政書士の方が多数おいでになるということです。認知症のお年寄りや知的障害、精神障害のある方が、今は自分でできていることでも将来できなくなるのではないか、認知症高齢者がリフォーム詐欺などの被害者にならないか、知的障害者の子を残したまま先立つことへの不安など、さまざまな心配事をサポートするための制度であります。判断能力が低下していて、今すぐ支援を受けたい方の法定後見制度(成年後見人、補佐人、補助人の三つの類型を判断能力の程度により家庭裁判所が選任する制度)や、将来の判断能力の低下に備えるための任意後見制度があるものの、よりスムーズな制度の活用を進めるためにも、現在の中野区社会福祉協議会との連携をより一層充実する方向での検討を考えてもらえないかもお尋ねいたします。成年後見制度を利用されている方は中野区で今現在何人ぐらいいらっしゃるのかもお聞きしたいと思います。障害者の家族の皆様、ますます進む高齢者の方々のためにも、法定後見制度、任意後見制度の認知をより一層区として進められないかもお聞きいたします。

 これで私のすべての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 斉藤議員の御質問にお答えいたします。

 まず、政権交代によります区政への影響についてという御質問であります。

 2009年度の補正予算を国が執行停止した場合の区への影響についてでありますが、平成21年度に中野区で取り組んだ緊急経済対策事業は総額6億7,000万円余りであります。このうち国庫支出金5億8,000万円余りを財源として充当しているわけであります。仮に、国がそのすべてを執行停止するということになれば、大部分の事業が成り立たなくなってしまうわけであります。国の政策判断として国庫支出金が執行停止となった場合には、その時点において区の単独事業として執行すべき事案であるかどうかを改めて判断するわけでありますが、額の大きさから一般財源を充当するということは非常に難しくなると考えているわけであります。また、既に事業を開始したものにつきましては、当然国に負担を求めていかなければならないと、こう考えております。

 また、新たな政権によります政策の実施に伴って、社会保障費の増大といったようなことが想定されると。これらの各会計に対する影響についてであります。後期高齢者医療制度の廃止後の新たな制度はまだ明確にはなっておりません。仮に、後期高齢者医療制度の対象者が国民健康保険に加入すれば、国民健康保険の加入者に占める高齢者の割合がふえることによりまして、医療給付額の増加の要因となるわけであります。国民健康保険特別会計への影響については、公費負担がどのような形になるのか、これがわかっておりませんので、現状では不明であると言わざるを得ません。介護賃金の引き上げ、これは月額4万円相当というふうに言われているわけですが、これがどのような仕組みで実施されるかについても、これも不明であります。仮に、介護報酬に反映されるとすれば、国、都の負担金や区の負担、また、利用者の負担も増加することになるということであります。一般会計に及ぼす影響といたしましては、医療や介護の給付増に伴います特別会計への法定負担などの繰出金の増加も考えられるところとなると思います。

 この政権交代による影響ということですが、後期高齢者医療制度の廃止に伴って、区も適切に対応していかなければならないと、こういう立場からの御質問もありました。後期高齢者医療制度については、いつ廃止されるのか、どのような制度内容になるのかは不明であります。新たな制度の内容や理念などがどのようなものになるのか、注目をしていかなければならないと、こう思っております。現在の制度の運営の主体は自治体であります。これが自治体の頭越しに次から次に制度が変わってしまうというようなことは、決して私どもにとって本意とするところではありません。改正に当たっては自治体と十分に協議をして進めるように求めていきたいと、このように思っております。

 それから、中野駅周辺、あるいは、西武新宿線の連続立体交差、河川の改修など、さまざまな中野区関連の事業に影響が出るのではないかということで、区としての政権交代後の区政に当たっての区長、私の決意についての御質問がありました。政権が変わろうとも、区がこれまで進めてまいりました事業の必要性や意義が薄れるようなことは全くないと考えているところであります。したがいまして、区の事業を着実に推進していけるよう的確に対応していきたいと考えているところであります。政権交代によってさまざまな制度変更などがあったとしても、自治行政の自治ということについて、決して支障があってはならないと私は考えております。新政権におきまして、自治体の政策がさらに推進されるように、必要な対策と協議を求めていきたいと考えております。日本社会の新たな成長のかぎの一つは、地方がそれぞれに地域社会のあり方を選択し、地域の発展と住民の幸福に決定権と責任を持って取り組む地方分権であると、このように確信をしております。このような地方分権を積極的に推進していくよう、今後とも強く主張をしていきたいと考えております。

 政権交代によりましてさまざまな政策変更があった場合、10か年計画への影響もあるのではないかという御質問がありました。政権が変わっても、中野区の地方自治をどうしていくかという方向性は変わってはならないと考えているところであります。10か年計画に及ぼす影響も、そういう意味では限定的なものになると考えているところです。新政権が打ち出します政策による新たな制度等につきましても、方向が定まるまでの間は、今まである制度を適正に運用していくことが必要と考えているものでありまして、制度や仕組みが変わることがあれば、その都度適切に対応していきたいと、こう考えております。

 それから、10か年計画改定についての御質問がありました。

 これまで取り組んでまいりました行政革新の取り組みについての御質問であります。三つの取り組みを挙げての御質問でありました。

 公会計改革については、これまでの現金主義会計でありました区の会計処理に発生主義会計を導入し、試算やコスト、将来負担と、それに対します資金の準備、調達能力などの区の経営状況を把握することや、行政評価結果を反映して、業務改善の方向を示し、翌年度の予算編成に活用するなど、新たな区の財政規律の確立に努力をしているところであります。現在までに、そうした仕組みのあり方や発生主義会計の導入などについて、ほぼ準備を完了してきているところであります。

 また、業務改革では、民間でできることは民間にという基本方針のもと、区の業務の民間化業務への民間の力の活用を進め、一層のサービス向上を図ったほか、行政活動におきます法令遵守、コンプライアンス制度の整備によって、業務の公正性を確保する取り組みを進めたところであります。あわせて、民間からのサービス提供について苦情調整の仕組みをつくるなど、区民の権利・要望の強化も進めてきたところであります。

 人事システムの改革におきましては、成果主義の導入を着実に進め、資質の高い職員の育成に努めたほか、小さな区役所の実現に向けた職員の2,000人体制への道筋も明らかにしてまいりました。

 こうしたことから、前期5年の行政革新の取り組みでは、公会計制度や区政運営の改革のほか、職員の意識改革も着実に進み、四つの戦略を実現するための経営体質が確立できたと考えているところであります。

 今後でありますが、行政革新の取り組みは、今申し上げましたように、着実に実施をし、成果を上げてきたと認識をしております。今後ともその取り組みについてはさらに推進をしてまいりたい。このことはかねてから申し上げてきたとおりであります。取り組みの成果などにつきましては「主要施策の成果」や今後策定する予定の「(仮称)年次会計報告書」などの中で明らかにし、区民の皆様にお示しをしてまいりたいと、こう思っているところであります。

 それから、10か年計画の改定に当たっての財政運営についてのお尋ねもありました。財政運営については、毎年の予算の時期に合わせて「財政運営の考え方」でお示しをしてきているところであります。この中では、中野区の財政体力に見合った持続可能な財政運営を行うために、歳入確保を適切に行い、基金の適時適切な繰り入れや、償還能力に配慮しながら行う起債の活用などによって、計画的な財政運営を行うこととしております。また、事業の見直し、改善を行うことによって、適切な歳出に努めているところでもあります。計画案で示す財政フレームにつきましては、経済状況や政権交代の影響などを踏まえ、予算原案の策定までには示してまいりたいと考えているところであります。

 それから、成年後見制度の充実に関連する御質問がありました。

 この中で、ライフノート、生涯支援ノートの作成についてのお尋ねがありました。障害者の暮らしを支援するための生涯にわたる生活記録は、円滑なサービス利用や自立にとって有効であると考えているところであります。区は現在、子育て相談支援システムを活用して、児童の出生時からの生育支援の記録の作成を検討しているところであります。この検討をもとにして、生涯支援記録の作成と活用、このことについても今後検討していきたいと考えております。

 それから、成年後見制度の普及啓発に関連して、幾つかの御質問がありました。

 まず、数でありますが、成年後見制度の申し立てについては、管轄する裁判所ごとの件数のみが公表されております。東京都全体では約3,600件とされています。自治体ごとの件数が公表されていないために、区民の申し立て件数については区としては把握手段がないのですが、こうした件数から、恐らく毎年100件近くはあるのではないかと考えております。

 成年後見制度を一層普及啓発していくために、中野区社会福祉協議会に委託をして、昨年10月に中野区成年後見支援センターを開設したところであります。支援センターでは、任意後見等により既に後見人となっている区民や、これから後見人となる区民に対して、弁護士等の専門家による相談や後見業務説明会を実施するとともに、勉強会や情報交換会を開催するなどの支援を行っているところであります。成年後見制度の普及啓発は、支援センターの本来の役割として位置付けているところであります。区といたしましても、この支援センターの機能が遺憾なく発揮されるよう、今後とも状況を見ながら必要な検討を行っていきたいと考えております。

 以上です。

○議長(伊藤正信) 以上で斉藤金造議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 岡 本 いさお

 1 新型インフルエンザの対策について

  (1)これまでの対策とその検証について

  (2)流行期への対応について

  (3)その他

 2 障害福祉の充実について

  (1)相談事業の充実について

  (2)自立支援協議会について

  (3)アール・ブリュット作品の展示について

 3 図書館サービスの充実について

  (1)図書館の新しいあり方について

  (2)IT化によるサービスの向上について

 4 その他

  (1)学校のICT教育の推進について

  (2)その他

 

○議長(伊藤正信) 次に、岡本いさお議員。

     〔岡本いさお議員登壇〕

○36番(岡本いさお) 平成21年第3回定例会に当たり、公明党議員の立場から一般質問を行います。

 初めに、新型インフルエンザの対策について伺います。

 メキシコで発生した新型インフルエンザがアメリカ、カナダと渡り、グローバル化の波に乗って日本へ、そして全世界へと広がりました。その対応のために中野区は4月下旬に区長を中心に健康危機管理対策本部を立ち上げ、発熱相談センターでの電話対応や発熱外来を設置するなど、東京都と連携して対応してきました。公明党議員団は、5月20日、新型インフルエンザにスピードある対応を求める緊急要望を田中区長に行いました。8月に入り、児童生徒に新型インフルエンザ感染者がふえ、区の職員にも指定管理者の社員にも感染者が出ました。昨日9月15日の情報では、学級閉鎖が小中学校6校に及び、保育園、幼稚園などにも広がり、確実に第2波の流行到来の兆しがあらわれている現在、その対策について何点か質問いたします。

 まず、夏休みまでの中野区の健康危機管理対策本部の取り組みについて、周知方法、体制や対応方、課題、反省すべき点を踏まえた流行期への対応を進めなければならないと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、対応マニュアルについて伺います。昨年3月に保健所から「中野区新型インフルエンザ対応マニュアル」が出されました。細かい点にわたって大変よくまとめられていると思います。しかし、それはことし流行した新型の対応ではありません。今後のマニュアルの作成について、区のお考えを伺います。

 あらゆる場合を想定した区民への情報提供は必要ですが、初期段階で必要な要点を簡潔にわかりやすくカラー刷りの1枚ものにまとめた周知媒体が必要だと思います。それを各家庭の身近な場所に張って、必要な予防や対策方を日ごろから啓発していただくようにしてはいかがでしょうか。伺います。また、掲示板用の大判のポスターの作成もすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、感染防止策として、区民への周知について伺います。区報やホームページ、ケーブルテレビ、防災無線、掲示板などの活用も考えていると思います。私は、携帯電話からもアクセスできる簡易対応マニュアルもホームページにつくるべきだと思いますが、いかがでしょうか。伺います。さらに、高齢者に対しては、ケーブルテレビを通して中野区の新型インフルエンザの情報が得られるように、JCNと協議を行ってはいかがでしょうか。

 また、区政に協力いただいている町会、自治会、区商連、福祉連など、さらに、各種団体などにもお願いして、啓発、予防、感染した場合の措置など、中野区挙げて協力体制をつくって対応すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、インフルエンザ情報や感染者が出た場合の情報配信のあり方についてうかがいます。認証保育園には、インフルエンザに関する全く同じ情報が子ども家庭部や教育委員会などから3通来るそうです。一方、友愛クラブ代表の方には、これまで全く情報が来ないと言っています。また、小学校で感染者が出て学級閉鎖になったことを地元で全く知らなかったこともありました。区として過剰な反応が起こらないように配慮しつつも、情報格差が起こらないように配信方法を精査すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、ピーク時の対応について伺います。

 厚労省の試算によれば、10月の流行ピーク時には1日当たり約76万人の患者が新たに出て、入院患者は最大時で4万6,400人に上る可能性があるとしています。この数値から推測すると、中野区では1日1,800人以上が新たに患者となり、約110人が入院することになります。重症者への入院医療については、受け入れに支障を来すことのないよう、受け入れ調整を行う情報センターの設置等が必要との医療現場からの声もあります。今後の医療提供体制についてどのように考えているのでしょうか。

 次に、流行期に区の内外を問わず大勢の人が集まるイベント開催などに対して、新型インフルエンザ対策をどのように検討されているのでしょうか。伺います。

 次に、マスクとタミフル等の抗インフルエンザウイルス薬、新型インフルエンザワクチンなどについて伺います。

 まず、マスク不足が心配されています。マスクの備蓄についても、大人用、子ども用に分けて、現在の備蓄数と今後用意する目標数をお聞かせください。

 次に、流行期に入り、タミフル等、抗インフルエンザの供給はますます重要になり、不測の事態も懸念されます。都内における供給体制はどのようになっているのでしょうか。また、今後の新型インフルエンザワクチンの供給体制についてもあわせて伺います。

 また、保育園などへのマスクの配付はどのようになっているのでしょうか。特に、認証保育園では、マスクや手洗いジェルの補充を自己負担で行っているため、現在でも大きな経済的負担となっています。区として認証保育園に対してマスクやジェルの助成を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、区の財政支援について伺います。厚労省は9月8日に、10月下旬から始まる新型インフルエンザワクチン接種の具体的な方法を示しました。1人2回医療機関に予約して接種することを原則とし、必要な自己負担は6,000円から8,000円になると示しました。接種の優先順位は医療従事者、妊婦、基礎疾患のある人の順で、ワクチンが確保次第接種を始めるとしています。また、生活保護世帯など低所得者の負担軽減策として、自治体が助成するよう国が補助金を出すとしています。区として何らかの助成を入院費も含めて行う必要があると思いますが、区のお考えを伺います。

 最後に、医師会との連携について伺います。流行期に入り、医療の役割が今後ますます重要となる中、診療所と病院の連携を進める上でも医師会の役割は重要ですが、医師会との協力体制について伺って、この項の質問を終わります。

 次に、障害福祉の充実について伺います。

 ことしの6月、東中野のセミナーハウスで行われた障害者のセミナー「地域生活支援セミナー」に参加してきました。都内だけでなく全国各地からの参加があり、4時間にわたる熱心なセミナーでした。特に、相談支援事業に地域格差が生じていること、自立支援協議会に対する行政の理解が少ないこと、相談支援事業の個別支援データ集積に不備があること、個別支援会議の記録の問題と自立支援協議会への反映の課題、さらに、地域生活支援の重要性が指摘されました。これらの課題も含めて、中野区の障害福祉の充実について伺います。

 初めに、相談事業の充実についてお尋ねします。

 庁舎の1階には障害者などの保健福祉相談窓口があり、また、民間の法人に運営を委託している地域生活支援センター「せせらぎ」と地域自立生活支援センター「つむぎ」による相談窓口対応があります。また、これから4カ所に(仮称)すこやか福祉センターの設置が計画され、そこでも相談窓口体制がとられます。利用者本位の視点を持つとともに、それぞれの整合性や役割を明確にし、さらに、計画性ある相談支援事業を実施すべきであると思いますが、いかがでしょうか。

 また、総合的に連絡調整し、支援する相談窓口はどこになるのでしょうか。あわせて伺います。

 次に、相談事業と地域自立支援協議会との関係について伺います。

 私は、平成19年第1回定例会の一般質問で、障害者の自立支援協議会の目指すべき姿を示して、その充実を訴えました。相談事業は、現場からの声や相談を通して障害者一人ひとりの課題やプロセス、さらに、地域の課題を掌握し、新たなサービスの必要性や福祉計画への助言とつなげていくことが求められています。そのために、相談窓口事業が極めて重要となってきます。法人に委託している相談内容は毎月区との連絡調整会議で報告されます。また、一人ひとりの相談内容が数年分詳細にまとめられて区に報告される場合があります。区の担当分野としてそれを検討して、対応方などを相談担当者にお知らせするようにすれば、担当者のモチベーションが上がるとともに、相談窓口事業がよりよく機能し、充実してくると思いますが、いかがでしょうか。

 また、平成20年2月に設置した障害者自立支援協議会が私が指摘した協議会の姿になっているのでしょうか。特に、障害者の声が区に届き、新たな計画への適切な助言ができる仕組みになっているのでしょうか。伺います。

 自立支援協議会のもとに就労、相談支援、地域生活支援の三つの部会がありますが、災害時にかかわる要援護者に対する防災については事業者連絡会の中で検討されていますが、新たに防災の部会もつくって検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 相談支援事業の最後に、緊急時のコールセンター設置について伺います。障害者やその家族、さらに、グループホームやケアホーム等からのあらゆる相談や緊急に応じる(仮称)安心コールセンターが必要だと思います。このセンターは、基本的な役割として、24時間型緊急コール対応、緊急時支援、緊急時ステイ、一定期間体験のできるプリステイ、専門的ケアステイなどを兼ねるものです。この(仮称)安心コールセンターは、東京都の障害者を地域で支える体制づくりモデル事業の特別対策事業に当たります。交付金は900万円で、全額都が補助します。民間の社会資源やノウハウを活用して、(仮称)安心コールセンターの創設へ向けて積極的に検討してはいかがでしょうか。伺います。

 次に、地域生活支援事業について伺います。障害者の支援で特に重要とされるのが社会参加支援で、そのためには移動支援が欠かせません。第2期中野区障害福祉計画にも移動支援事業が盛り込まれ、「障害者等が円滑に外出することができるよう、移動を支援します。」と明記されています。しかし、総合相談支援が機能していないため、必要な支給が十分にされていません。例えば、1対1の対応については体制ができていますが、ニーズのある障害者が複数で外出するための支援策がありません。外出者数人に対して1人の行動支援者の体制ができれば、効率的かつ有効な支援策が図られると思います。検討されてはいかがでしょうか。さらに、計画性を持った社会参加支援を行うべきだと思いますが、あわせて伺います。

 次に、区単独の緊急一時事業の充実について伺います。区独自の緊急一時保護事業は、やよい荘とやまと荘と場所を特定し、レスパイトなど予約制によるサービス提供をしています。しかし、本来は緊急一時ですから、予約制ではなく、文字どおり緊急時の一時保護事業でなくてはならないと思います。高齢社会に入って、緊急一時保護事業を利用したい方が大勢いるとお聞きしています。区としてその実態を調査し、不足しているのであれば、事業者と利用場所を選べるような利用方法がとれるようにすべきだと思います。その際、民間の資源の活用も目線に入れて、中野区の単独事業として充実させるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 この項の最後に、アール・ブリュット作品の展示について伺います。

 アール・ブリュットとは、これまでの伝統的な美術史における評価の対象外であった専門教育を受けていない人の作品を芸術作品として評価する言葉です。私は、平成20年の予算特別委員会で、障害者とともに生き、はぐくむ文化・芸術の地域社会の実現のために、アール・ブリュット作品の展示を文化・芸術の拠点となる桃丘小学校跡地に設置してはどうかと提案いたしました。区は、今後はそういった視点も重視しながら検討すると答弁されました。アール・ブリュットの作品を展示することで、「アール・ブリュットのあるまち中野」として福祉のまち中野を大きくアピールすることができるとともに、障害者とそうでない人とのインクルージョン(統合)という思いが強く伝わる事業になると思います。これまでの検討状況と、今後積極的に桃丘小学校跡地などに展示をする検討を強く求めて、この項の質問を終わります。

 次に、図書館サービスの充実について伺います。

 私は、図書館が、単なる貸し出しサービスから、利用者の多様なニーズにこたえるような機能が求められてきていることをたびたび質問させていただきました。生涯学習館、情報の発信館や創造館、未来創造館、人が集まり地域に愛されるコミュニティ機能、人が運んでくる情報をブレンドして共有化する機能など、また、静かに読む場所や学習室、文化の拠点、展示コーナー、児童コーナー、ヤングアダルトサービス、ユビキタス図書館などを各地の図書館を視察して提案させていただきました。

 ここで、二つの自治体の図書館のあり方について、提言を紹介したいと思います。

 一つは、4年前に出された新宿区の「区立図書館サービスの基本的なあり方について」です。その中に、生涯学習の中核的施設、地域の情報拠点としての図書館、図書館機能の多様化などを挙げています。また、図書館は知的コミュニケーションの場である。例えば、図書館で絵画や音楽に出会えるような取り組みなど、従来の枠にとらわれない事業展開も必要であるとしています。サービスの拡充としてはヤングアダルトサービスを挙げています。現在既に、新宿区は中央館を含めて9館すべてにヤングアダルトコーナーが設置されています。

 もう一つは、2年前に出された長野県東御市の新しい図書館づくり研究報告書、サブタイトルが「将来における望ましい図書館の提言」です。高度情報社会に対応できる図書館として、電子メディア資料の収集・提供、紙媒体と電子媒体の組み合わせで利用できるハイブリッド図書館、いつでも、どこでも、だれでもの学習情報の拠点など、さらに、生涯学習の拠点施設、総合情報センター機能の図書館などが必要であると述べています。また、ICタグの導入による図書検索システムBDSや自動貸し出し返却システム等により利用の便を図ることも重要である。視聴覚資料やブラウジングコーナーの充実も挙げています。

 これらの提言は、私がこれまでたびたび提案してきた内容と同様な新しい図書館像を示していると思います。

 中野区も、ことしの7月に、中野区教育委員会事務局から図書館の新しいあり方(案)が出されました。21世紀に入って10年になろうとしている今日、どのような新しいあり方が示されるのかと、大きな期待を持って拝見いたしました。

 しかし、目指す図書館像は、課題解決型図書館とネットワーク型図書館だけです。地域の課題解決を支援するための図書館と各館が全体として一体的に機能するとともに、地域センターなどの施設も図書館機能の一部を担い、学校図書館も地域に開放するなど、ネットワーク型図書館が中野区の目指す図書館としています。これらは既に検討されてきた課題であり、あまりにも夢と希望が見えないあり方になっているのではないでしょうか。課題解決などは当然進めなければなりませんが、それがこれから中野区の大きな目玉となる図書館の新しいあり方なのでしょうか。お考えを伺います。

 次に、図書館サービスの向上について伺います。教育長は平成19年第1回定例会の私の質問の答弁で「通年開館を視野に、開館日の増を図りたい」と述べています。しかし、今回の案にはそのことが触れられていません。いつでも、どこでも、だれでものユビキタス図書館を目指すのが時代の流れですが、中野区は「どこでも図書館」だけに限っています。教育長が通年開館を目指すとおっしゃっているのですから、「どこでも図書館」だけではなく「いつでも図書館」も中野区の新しいあり方ではないでしょうか。お考えを伺います。

 次に、視聴覚資料についてお尋ねします。区の案には視聴覚資料について一言も触れていません。昭和25年に制定された図書館法が昨年6月に58年ぶりに改正されました。特に、図書館資料の中に電磁的記録を含むと追加されたことです。電磁的記録とは電子的方式、磁気的方式、その他、人の知覚によっては認識することができない方式でつくられた記録のことで、平たく言えばDVDやCDなどのことで、それらの視聴覚資料も図書館資料としてこれを収集して、一般公衆の利用に供することとされました。中野区の図書館も図書館法にのっとって資料を収集し、一般住民の利用に供していなければならないと思います。これまで、視聴覚資料については全く収集してきませんでした。私どもが言う視聴覚資料とは、レンタルショップで利用されているDVDなどではありません。文化的にも歴史的にも教育的にも学術的にも価値ある資源としての視聴覚資料を図書館で収集し、住民の利用に供するべきではないかと提案しているのです。これまでのことはさておいて、図書館法が改正になった以上、映像資料も他の資料と同様にきちんと収集すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 また、小中学校の教室に地デジ対応のテレビが配置されることになりますので、ICT教育が各教室で行われるようになり、学校現場では視聴覚資料の活用が多くなり、ますます必要になってくると思います。私は、区立図書館の視聴覚分野を充実して、学校で教材として使うDVDなどを提供するだけでなく、図書館で必要な視聴覚資料を作成・編集して、学校などに提供するようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、ICタグの導入について伺います。2年前の第4回定例会でもICタグによるBDSの導入について質問しました。ICタグが導入されれば蔵書管理が合理化され、蔵書点検が著しく簡素化されます。したがって、一挙に休館日を激減させることができ、図書館サービスが著しく向上することを指摘させていただきました。これに対して教育長は、導入に向けて検討している。区長も、ICタグについても積極的に取り組んでいきたいとお答えになっています。しかし、20年度のシステムリプレース時に、調達ガイドラインの適用によってリプレースが延期となり、ICタグの導入も見送られました。この間、23区で既にICタグを導入している区は7区、ことし秋の導入が1区、来年度または近々導入の検討を行っている区は4区。この結果、23区中、12区が導入または具体的な導入検討に入っています。中野区は導入時期がずるずると延びてきていますが、一体導入時期はいつになるのでしょうか。現在の図書管理システムの切りかえ時期には導入されるのでしょうか。伺います。

 また、学校図書館とのネットワークを目指しているのですから、学校図書もICタグを導入すべきだと思いますが、いかがでしょうか。そうすれば、システムに整合性がとれるとともに、ネットワークの移行がスムーズになると思います。また、学校図書館とのネットワークを充実させるのであれば、図書館運営協議会に学校長の代表が参画すべきだと思います。そうすれば、学校図書館の課題等が反映され、図書館サービスの向上やネットワークを構築する上で大事な情報源となるのではないでしょうか。教育委員会のお考えを伺って、この項の質問を終わります。

 その他、1点、学校のICT教育の推進について伺います。

 中野区は、20年度中に校内LANの整備、全教職員にパソコンの支給、ICT教育機器の配置など、学校を取り巻くIT環境は充実されました。これで、23区の中でも中野区のICT教育の環境や基盤整備はトップとなったと思います。私はICT教育の効果について幾度も指摘させていただきました。有効な活用をすれば、学力が著しく向上するとともに、児童生徒間、教師と児童生徒間との新たなコミュニケーションやスキンシップが一層図られると期待をしています。

 21年度の授業にICT機器が導入されて半年が経過しました。学校によっては、研修職員会議にメーカーのインストラクターを招いて研修を行い、さらに、教職員による研修などを4回行っています。さらに、ICT活用実践計画やレポートを提出させて、教科別に教職員の取り組みを具体的に行っているところもあります。教育委員会として、各学校でのICT活用の実態を把握されているのでしょうか。また、活用の取り組みについて、学校間の格差は出ていないのでしょうか。さらに、研究発表会等は予定されているのでしょうか。伺います。

 第2次の10か年計画(素案)には、ICTを活用した指導方法の開発・実施教育、指導の充実が挙げられています。また、今定例会で提出される補正予算案の中にも、東京都の緊急雇用創出事業を活用する区立学校ICT活用支援事業が含まれています。これまでメディアコーディネーターなどの人的支援が必要だと強く要望してきた立場から、この事業を大いに評価したいと思います。

 今回の事業で、ICT教育支援員が各学校に派遣されるのは15日間という短期間です。わずかな期間ですので、学校側の受け入れ体制がきちんとできていないと中途半端になってしまいます。例えば、各学校では、少なくともこの期間はICT機器を特別教室などに常設して、ICT教育支援をいつでも受けられるようにするとともに、常に学校でのOJTや、個人的にもICT機器に触れて、繰り返し活用のスキルアップを図るべきだと思います。私は、この期間にすべての教職員がICT機器を使った授業ができ、それも情熱を持って指導できるように集中して研修すべきだと思いますが、お考えを伺います。

 さらに、具体的に授業での教え方の研修も行うべきだと思います。教職員が児童生徒と一緒に教室で研修を受けるようにすれば、教職員にとって教え方の実践の研修となると思いますが、いかがでしょうか。

 また、今年度中に50インチの地デジ対応のテレビが各教室すべてに配置されます。このテレビはパソコンとも連動できるので、各教職員がパソコンを活用して、モニターとなるテレビ画面を使ったICT教育がすべての教室で同時にできるようになります。ICT機器の活用とあわせて、パソコン活用のIT教育の充実に向けて、指導室が中心になり、今回のICT教育支援員のアドバイスなども受け、中野区のICT計画を早急につくるべきだと思いますが、いかがでしょうか。お考えを伺います。将来的には、私は、ICT教育の基幹的な機能を教育センターに設置し、ICT教育の計画、推進、研修、また、新しい視聴覚資料作成、編集する資機材を備えた機能を持つ施設にすべきだと考えています。

 これで私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 岡本議員の御質問にお答えいたします。

 新型インフルエンザの対策についてであります。

 健康危機管理本部の取り組みとこれからの課題等についての御質問がありました。当初実施をした入国者の健康管理や発熱外来の仕組み、また、広い地域での一斉休校などは、新型インフルエンザの特性が全く不明な段階での取り組みでありました。強い毒性や伝染力を想定した対応から、次第に実態を把握し、現実的な対応に移行していくと、そういうプロセスであったとも思っております。こうした経験は、今後の別種の新型感染症対応にも参考になっていくというふうに考えております。今回の新型インフルエンザは、ウイルスが弱毒性であることや、感染力が強いといったようなことが判明してまいりました。7月中旬からは東京都内全域で流行期に入り、一人ひとりの感染予防への取り組みがより一層重要となる一方、重症化した場合の医療提供体制の確保でありますとか、円滑なワクチン接種等が課題でありまして、東京都や医師会、区内医療機関との連携のもと、流行期における対策を進めていきたいと、このように考えております。

 昨年つくりました新型インフルエンザ対応マニュアルについての御質問もありました。平成20年3月、昨年作成いたしました対応マニュアルについては、強毒性の鳥インフルエンザに対応したものであります。今回の新型インフルエンザ対応を踏まえ、改定を行っているところであります。今後、国のワクチン接種の方針、あるいは、計画でありますとか、入院医療機関への調査結果による医療体制の整備状況などを踏まえまして、今回のインフルエンザにも対応した内容を盛り込む、そういった改定を進めているところであります。

 それから、インフルエンザの対策に関連して、区民周知の方法についてという御質問がありました。新型インフルエンザの蔓延防止については、正しい予防知識に基づいた個人、家庭単位での感染防止策の徹底と、学校や事業所、各種団体と連携、協力した感染拡大の防止策が重要であります。区ではこれまでもホームページや学校、施設での文書配布を通じて感染予防に関する周知・啓発を行ってまいりましたが、流行期を迎えて、新たに区報9月20日号で特集記事を組むなど、啓発活動を一層徹底していきたいと、このように考えております。区民向けのリーフレットは早急に作成をして配布をしたいと、このように考えております。また、ポスター等の啓発媒体の作成についても検討してまいりたいと思っております。ケーブルテレビ等の媒体なども十分に活用できるよう、検討、連携を進めていきたいと、このように考えております。

 区民や地域への情報伝達についてであります。区民の不安を解消し、生活上の混乱を招かないためにも、正確な情報の迅速な伝達は不可欠と考えております。区では、新型インフルエンザ患者の発生状況や区の対応方針についてホームページに掲載するとともに、区立施設への掲示や文書配付のほか、所管部を通じて、福祉施設等の関係民間事業所へも要望伝達を行って、施設管理者として感染拡大防止への対応をお願いしてまいりました。こうした対応で情報格差が起こらないように緻密に行っていきたいと、こう思っております。

 区民の団体等につきましては、一般区民に対するせきエチケットやうがい、手洗い方法の周知について協力をお願いしていきたいと考えております。

 現在の携帯版の区のホームページは掲載文字等の制約もありますが、より多くの区民が新型インフルエンザ情報にアクセスできるよう工夫をしていきたいと考えております。

 それから、入院が必要な患者への対応策についてであります。流行期に入って、重症患者に対して適切な医療提供体制を整備することについては、広域的に対策を講じる必要があると考えております。このことについて、ことしの7月に、特別区長会から国及び東京都にそれぞれ要望をしているところであります。都や国においても医療体制の整備に取り組んでいるというふうに考えております。現在、東京都と連携し、医療機関に対して入院受け入れ等に関する調査を実施しているところでありまして、調査結果を踏まえ、国、都とも連携をし、取り組みを進めていきたいと考えております。

 それから、流行期のイベント等への対応についてであります。弱毒性であります今回の新型インフルエンザについては、季節性のインフルエンザの流行期と同様に、区としてイベント等の自粛要請は行わない考えであります。集会等の主催者へは、症状のある方の参加を自粛していただくこと、また、参加者へのせきエチケット等の注意喚起を行っていただくこと、また、会場へのアルコール性消毒薬の配備など、これら感染予防策の工夫を求めてまいりたいと、このように考えております。

 マスクの備蓄等についての御質問もありました。マスクの備蓄については、区立学校児童生徒用として1万3,000枚のほか、保育園や窓口職員用並びに発症した来客用として、各施設などに約9万7,000枚程度を配備済みであります。感染対策従事者用といたしましては、マスク、防護服等を別途備蓄しているところであります。

 認証保育所へのインフルエンザ対策の補助についての御質問もありました。区立保育園には、先ほど言いましたように、マスクは配付済みでありまして、手洗い用品も常備をしております。また、私立保育園でも、各園で新型インフルエンザ対策を実施しているところであります。認可保育所も認証保育所も、マスクや手洗い用品の経費等につきましては、通常の運営経費の中で対応は可能だと考えております。

 それから、新型インフルエンザワクチンの供給体制についてであります。抗インフルエンザ薬の都内の供給体制につきましては、これまでも東京都が流通卸業者の供給状況等を広域的に注視をしてきておりまして、抗インフルエンザウイルス薬の追加備蓄、これは、タミフル、リレンザ各100万人分を追加し、合計各300万人分を備蓄する、この追加備蓄を行ったところです。現時点で国の考えている感染者数は人口の2割程度ということでありますので、推計どおりであれば十分供給できるという状況だと考えております。区といたしましては、医師会や薬剤師会からの情報を随時都へ情報提供し、円滑な供給が図られるよう努めているところであります。一方、新型インフルエンザワクチンの供給についてでありますが、これについて、まだ詳細が明らかでありませんが、国が製造・販売業者から買い上げ、ワクチン接種医療機関をあらかじめ定めた上で、卸業者からワクチンを供給する予定と、このようにされているところであります。

 ワクチンの予防接種と入院費の助成についての御質問がありました。ワクチン接種に関する低所得者への負担軽減策の具体的実施内容については、国からも詳細な内容が示されていない状況であります。今後、国の方針を受け、対応策の必要を判断してまいります。区として入院費について単独で助成をするということは考えておりません。

 それから、医師会、東京都との協力体制についてであります。中野区医師会、関係医療機関とは、新型インフルエンザ発生当初から連絡会を開催し、医療体制についての検討を行っているところです。常日ごろから区内医療機関で把握した患者発生状況の共有や、医療機関における院内感染予防対策の講習会の実施など、連携体制を築いてきているところでありまして、国や都の情報についても、必要があれば即時に提供をしているところであります。

 続いて、障害福祉の充実についての御質問がありました。

 相談の総合窓口についての御質問がありました。現在、障害者の相談窓口は、区役所1階の障害福祉担当、それから、保健福祉センターのほか、社会福祉会館にあります障害者地域自立生活支援センター「つむぎ」、地域生活支援センター「せせらぎ」となっております。(仮称)すこやか福祉センターの開設後は、障害者の個別の状況に応じて、行政の施策の紹介や適応などを含め、総合的に相談支援を行う窓口はすこやか福祉センターの相談支援事業が機能することとなります。つむぎ、せせらぎについては、すこやか福祉センターの窓口運営状況などを見ながら、より適切な今後のあり方を検討していくことになると考えております。

 それから、自立支援協議会についての御質問がありました。

 この自立支援協議会で、つむぎなどでも相談内容が共有できるようにといったような御質問であったわけであります。平成20年度から、毎月定期的に障害者地域生活自立支援センター「つむぎ」と区の相談支援担当の間で連絡会を開催し、報告のあった相談者の対応方について区から助言を行っているところであります。今後ともきめ細かく連携をとっていきたいと考えております。

 自立支援協議会は、これまでさまざまな相談事例をもとに、関係者の間での情報の共有と地域課題の抽出、改善を行って、相談支援機能の強化の役割を果たしていると考えております。また、障害当事者も参加をしておりますこの自立支援協議会を通じて、地域課題や障害者福祉へのさまざまな関係者からの御意見をいただき、区の障害者福祉計画に反映をしてきているところであります。

 それから、障害者の防災対策についての御質問がありました。障害者にとっての防災対策は重要な課題であると、このように考えております。このことについて自立支援協議会でも検討していきたいと考えております。地域生活の支援という観点から考えれば、事業者連絡会の中で検討されていくだけということでは、やはり不十分なのではないかと、このように考えております。そこで、どの部会で行っていくのか、あるいは、専門の部会を新たに設置するのかといったようなことについて、今後、協議会の中で話し合いをしていきたいと考えております。

 それから、(仮称)安心コールセンターという考え方についての御質問がありました。御指摘のサポート体制につきましては、緊急対応ができる施設と一体となった24時間対応の仕組みと考えられます。他の自治体でもまだ開設例がないということもありまして、実際に運用する上での問題点やニーズの状況などについて、同種のサービス事例などをもとに調べていきたいと、こう考えております。

 それから、移動支援の充実についての御質問もありました。移動支援において、グループによる外出への対応については、障害者の安全確保などに配慮しながら検討をしていきたいと、このように考えております。また、移動支援を推進するに当たりましては、障害者の社会参加の視点から、支援する範囲などについても検討をしていきたいと、このように考えております。

 それから、緊急一時保護事業の利用状況、また、充実をさせていくべきだという御質問がありました。現在、緊急性の高い場合については、短期入所サービスの活用などによって対応ができていると、このように考えているところであります。今後とも、短期入所サービスの拡充などにあわせながら、緊急対応のより充実した対応を図っていきたいと考えております。

 それから、障害者の方の芸術作品、アール・ブリュット作品の桃丘小跡施設への展示についての御質問であります。桃丘小跡施設は、若者等の豊かで柔軟な創造性やエネルギーを生かした表現活動の拠点になるように検討を進めております。表現活動の練習、あるいは、作品制作の場を提供するとともに、作品の展示や発表の機会を活動の中で行えるようにしたいといったような検討を行っているところです。常設的な展示というのはこういった中では難しいと思いますが、アール・ブリュット作品につきましても展示の可能性は十分にあると考えているところであります。

 私からは以上であります。

     〔教育長菅野泰一登壇〕

○教育長(菅野泰一) 図書館サービスの充実についてお答えいたします。

 まず、目指す図書館像に夢がないという御質問でございました。今回、図書館の新しいあり方(案)で示しました目指す図書館像のどこでも図書館、ネットワーク型図書館につきましては、身近なところで図書館サービスに接することができるという中野区独自の取り組みでありまして、夢はあるものと考えております。なお、ICタグ導入によりますBDSや自動貸し出し返却システムなども今後整備を図っていくこととしております。

 それから、図書館開館日の増加、いつでも図書館についてでございます。どこでも図書館構想につきましては、どこでもだけということではなくて、だれでも、いつでもという発想も含むものでございます。サービスポイントとして、身近な施設を利用すること、自宅にいながら予約し、受け取れる有料宅配サービスの実施、また、開館日、時間の延長、障害者・高齢者サービスの一層の向上も含めまして、だれもが気軽に身近でいつでも図書館サービスを利用できることを目指すものでございます。

 それから、視聴覚資料についてでございます。一般的な意味で、文化的に価値のあるものでも、既に民間におきまして数多くレンタル供給されている視聴覚資料を収集していくという予定はございません。

 学校教育での視聴覚資料の活用ということでございますが、これらはインターネット配信、コンテンツ配信などが主流となっておりますことから、図書館で整備するのではなく、学校教育の中で対応を考えていきたいと考えております。映像資料を含みますデジタルアーカイブの機能を図書館に求めるということは、利用形態とか、あるいは、技術特性などから、必ずしも最良の方向とは考えておりません。今後、区全体で情報化を進める中で検討すべき課題だろうというふうに考えております。

 それから、ICタグの導入でございます。図書館システムのリプレースにつきましては優先的に進めて実施してまいります。ICタグの導入につきましては、今後、財政状況も踏まえまして、図書館の新たな管理運営体制の構築に向け、その基盤を整備する中で対応してまいりたいと思います。

 それから、学校図書館とのネットワークでございます。地域開放型学校図書館、就学前の幼児や子育て中の親を対象に地域での親子図書館としての活用を図るものでございまして、こうした区民対象の利用を考えますと、学校図書館へのICタグの導入は将来的には検討が必要になるだろうと思います。それから、図書館協議会への学校長の代表参加ということでございますが、今後、学校図書館の地域開放などの課題もありまして、参加を予定しているところでございます。

 それから、その他の項で、学校のICT教育についての御質問にお答えいたします。

 各学校のICT活用の実態を把握しているかということでございます。今年度の利用の概況につきましては、指導主事の学校訪問とか教育委員会訪問、学校公開などで把握しているところでございますけども、年度末には全校調査を実施する予定でございます。

 それから、ICT活用におきます学校間格差はあるかということでございます。全校で積極的に活用している学校、あるいは、一部の教員が活用している学校等、格差があることは否めないというふうに考えております。

 それから、研究発表会は予定されているかということでございます。ICT教育推進校であります新井小学校が今年度既に授業公開を重ねておりまして、2月には研究発表会等を予定しているところでございます。

 それから、ICT教育支援員を活用し、すべての教職員がICT活用による授業ができるよう集中して研修すべきではないかという御質問でございました。校内LAN導入時には全教員に研修を行っているところでございます。さらに、ICT教育支援員の導入によりまして学校ごとの研修も可能となりますので、活用を図ってまいりたいと思います。

 ICT教育支援員を実際の授業の支援に活用すべきではないかということでございますが、ICT教育支援員につきましては授業においても活用いたしまして、授業改善を図ってまいりたいと思います。

 それから、指導室が中心となってICT計画を早急につくるべきということでございますが、校内LANの整備に加えまして、地デジ対応に伴い、大型ディスプレイによりましてさまざまな映像データが表示できるようになります。こうした状況を踏まえまして、学校のICT教育推進の今後のあり方につきましては、その方向性を検討してまいりたいと思います。

 以上でございます。

○議長(伊藤正信) 以上で岡本いさお議員の質問は終わります。

 議事の都合により、暫時休憩いたします。

      午後2時44分休憩

 

      午後3時05分開議

○議長(伊藤正信) 会議を再開いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 来 住 和 行

 1 区長の政治姿勢と2008年度決算について

 2 介護保険サービスの改善と高齢者福祉について

 3 震災からいのちを守る施策について

 4 保育園待機児を早期に解消することについて

 5 ぜんそく、肺がんの原因となる「PM2.5」対策について

 6 飼い主のいない猫の不妊・去勢手術代の助成について

 7 その他

 

○議長(伊藤正信) 来住和行議員。

      〔来住和行議員登壇〕

○41番(来住和行) 2009年第3回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。

 区長の政治姿勢と2008年度決算について。

 8月30日に投開票が行われた衆議院選挙の結果について、まずお聞きします。

 国民の審判は、暮らしや平和を壊してきた自民・公明政権が国民の厳しい批判を受け、歴史的大敗を喫し、退場することになり、今日、新しい政権にとって変わりました。日本共産党は、今度の選挙では自公政権を退場させようと訴え続け、民主党中心の政権に対して、良いことには協力、悪いことにはきっぱり反対、問題点はただすという立場で、どんな問題でも国民の利益に立って積極的に働きかけ、建設的野党として現実政治を前に動かすために奮闘します。同時に、財界中心、軍事同盟中心という旧来の政治の問題点を根本から正し、国民が主人公の新しい日本へとさらに政治を前進させるために力を尽くします。劇的な結果をもたらした大もとには、後期高齢者医療制度、障害者自立支援法などの高齢者、弱者への差別と負担への怒り、完全失業率が5.7%と過去最高となるなど、雇用や社会保障を破壊してきた10年来の自公政権の規制緩和と構造改革路線に下された厳しい審判です。区長は、これまで国のありようとして、構造改革や規制緩和の一層の推進が必要との立場を表明し、区政運営で先取りすることを政治手法としてこられたのではないでしょうか。今回の選挙結果はまさに弱肉強食の改革に国民の審判が下されたと思いますが、区長はどのような認識をお持ちか、お聞かせください。

 新政権が国民に約束した後期高齢者医療制度廃止、障害者自立支援法の見直し、高校授業料無償化、労働者派遣法改正、生活保護の母子加算復活など、区民生活を直接応援することとなるこれらの施策が今後実現の方向で進んでいくことになりますが、区長はこのことをどのようにお考えか、お聞かせください。

 2008年度決算についてお聞きします。

 この年度は、米国発の世界金融危機と世界同時不況で日本経済と産業が死活問題に直面し、銀行の貸し渋り、貸しはがしによる中小企業の倒産、非正規雇用労働者の大量解雇、大失業が大きな政治・社会問題となりました。年収200万円以下の給与所得者が1,000万人を超え、区内の若者、20~30代の55%が200万円以下となり、10年前より年間10万円以上も給与所得が低くなり、貧困と格差が拡大しました。特別区民税は、納税義務者数は増加したものの、納入率は前年度と比べ0.5ポイント下回り、国民健康保険料も、後期高齢者医療制度で75歳以上の方が移行したこともあり、収入率が低下しました。決算では、中野駅周辺調査委託費で2億400万円余。04年度からの中野駅・サンプラザ周辺の調査委託費総額だけで4億2,000万円余と、規模も対象地域も、我々が指摘してきたとおり、年ごとに膨らんできました。これに加え、株式会社まちづくり中野21の株式取得及び追加出資13億7,000万円余が出資金として執行されました。改定中の基本構想、10か年計画も今後の大規模開発を誘導する方向で改正することから、とめどもない財政負担とならざるを得ないでしょう。財政運営の考え方で、中野駅周辺、警大跡、東中野駅周辺などで246億円の負担を見込んできましたが、これ以上の負担になるのか、さらに、その額はどこまで膨れていくのか、お聞きします。

 日本共産党議員団は、区長提案の予算案に対し、増税、負担増から区民生活を守るとの立場から、障害者や高齢者など弱者への負担軽減策、子育て世代と青年の暮らし応援と中小業者の営業支援などの48項目総額24億円の予算組み替え動議を提案するとともに、不要不急の開発優先を改めることを強く求めてきました。区政を区民生活第一に舵を切るべきではありませんか。

 一方、積立基金残高は、義務教育、財政調整、減債、まちづくりなどの取り崩しはあるものの、この年度、すなわち2008年度だけで70億円余を積み立て、区政史上最高となる400億9,000万円余を超える基金となりました。私たちは、暮らしに安心を与え、家計を温め、健康で文化的な生活を保障することを中心に区政運営を行うべきと考えますが、区長の考えをお聞きします。

 次に、平和行政を推進させることについて。

 戦後64周年の8月6日の平和記念式典で、広島の秋葉市長は、「ことし4月には米国のオバマ大統領がプラハで「アメリカは、核兵器を使った唯一の国として、核兵器のない世界実現のため努力する道義的責任がある」ことを明言しました。それにこたえて、私たちはオバマ大統領を支持し、核兵器廃絶のために活動する責任があります」と平和宣言をしました。9日には、田上長崎市長もオバマ演説を「核超大国アメリカが核兵器廃絶に向けてようやく一歩踏み出した歴史的な瞬間でした」と長崎平和宣言を行いました。

 この夏、全国の自治体の首長が核兵器廃絶の行動に立ち上がっています。宮崎県の都城市長は、関係団体代表と共同の呼びかけ人となって、来年5月に核不拡散条約(NPT)再検討会議を目標に核廃絶の大きな世論をつくろうと、核廃絶の署名の先頭に立っています。また、再検討会議に代表を送る自治体も出てくるなど、核廃絶の機運が大きな広がりと盛り上がりを見せています。核不拡散条約には既に190カ国が締結しており、再検討会議でいよいよ核廃絶の明確な約束が実現できるかが最大の課題です。それだけに世界が注目し、期待しているのです。憲法養護・非核都市の宣言の中野区がイニシアチブをとっていく時ではないでしょうか。新政権のもとで、日米核密約の真相も解明されることになるでしょう。世界中で核兵器廃絶の機運を盛り上げるためにも、田中区長が核廃絶の署名や運動に賛同を表明するとともに、核廃絶の区民の意思を世界に発信することなどを検討してみてはいかがでしょうか。お答えください。

 この項の最後に、幹部職員の不正打刻事件の判決について伺います。病気で欠勤中の幹部職員のタイムカードを当時の総務部長と総務課長が出勤していたかのように装いタイムカードを打刻し82万円余を不当に支出したとして、10名の区民が区を相手に争ってきたものです。区長にも責任ありとした高裁判決を中野区は不服として最高裁に上告の申し立てを行っていましたが、7月10日、最高裁は不受理を決定し、高裁判決が確定しました。確定後、田中区長は個人として102万円余を支払い、対応されたとのことです。本事件は、中野区監査委員の勧告に区長が従っておれば、4年以上も争うことはなかったのです。

 そこで伺います。本決定は区財政に損害を与えたことが確定した今、区長は区民に対してどのような形で謝罪をされるのか。この事件に係った2人の幹部職員も高裁判決が確定し、中野区に損害を与えた責任は免れません。高裁判決が確定した今、新たな処分は検討されないのか、お聞きします。

 次に、介護保険サービスの改善と高齢者福祉についてお聞きします。

 この項の最初に、70歳以上の健診を無料化することについてお聞きします。貧困と格差が広がる中、介護や医療を必要とする高齢者の抱える問題はますます深刻で複雑になっています。にもかかわらず、中野区は、後期高齢者健診で、23区で唯一自己負担させている自治体となっています。有料化の理由を、自らの健康管理を意識してもらうことから必要と繰り返しています。健康への自覚と意識は、健康、予防、病気に関する知識を持ち、自分自身の健康を健診などによって全身検査のデータで自覚し、それを理解することによって高まるものです。有料化は、その入り口となる受診の機会を妨げることにもつながるものです。住民の福祉の増進を図ると定める地方自治体の一番の仕事は、住民の生活を支え、健康を守る役割にあります。健診の無料化を直ちに実施すべきです。お答えください。

 次に、介護保険は、ことし4月に発足から10年目を迎えました。この間、再々改悪され、保険料だけを取り立てて介護なしと言われるように、家族介護の負担が非常に重くなってきました。この4月から要介護認定の基準が大幅に修正され、中野区内でも4月からの新基準認定で約500人が要介護度を軽く判定される状態が生まれるとともに、軽く判定され介護サービスを使えなくなる人が出るとの声が挙がっていました。厚労省も、希望すれば従来の認定を継続できる経過措置をとってきました。関係者の運動や日本共産党の国会での追及によって、厚労省も4月からの制度変更の誤りを認め、10月1日より調査基準を大幅に見直して認定を開始します。4月から9月までのこの間に新規に申請を行った方で非該当と判定された方は区内で32人となっており、この方々は再申請を行うことができることになります。この10月からの大幅な調査基準の見直しについてどのように知らせ、必要な介護が受けられるようにするのか、お聞きします。

 次に、在宅介護の問題です。在宅で進む介護取り上げは深刻です。06年の改悪で、介護ベッド、車いすなど福祉用具は、軽度者の利用は原則禁止されています。また、要支援の人が訪問介護を利用できるのは、本人や家族ができず、介護保険以外のサービス利用も困難な場合に限るという原則までつくられました。また、1時間を超える清掃、洗濯、調理などの生活援助については介護報酬の加算がなくなり、ホームヘルプは細切れになっています。今、在宅介護を支えるポイントは、介護保険で不足する生活支援サービスを補うことにあります。渋谷区、杉並区など14区で既に実施しているものです。特に、同居家族がいる要介護、要支援の方に対し、生活援助サービスや病院内の付き添いなどに欠かせないものです。これまで、区は、介護保険の対象とならないニーズには区独自には行わないとの立場を繰り返してきています。しかし、在宅の介護を支える重要な柱として、ホームヘルプサービスを区独自の施策として位置付けるべきではありませんか。答弁を求めます。

 さらに、在宅介護を支えるショートステイの整備も大変急がれる切実な課題です。希望してもなかなか確保できない、特に区内では困難な状態が続いています。家族介護の負担軽減、緊急一時保護などで要望の強いショートステイのベッド確保で、中野区はこの9月から新たな整備補助事業をスタートさせ、20床を確保する予定です。しかし、不足しているショートステイを充足するために、第4期計画、2012年までにショートステイをどこでどのように確保するのか、お聞きします。

 次に、区内で1,000人の待機者が入所を待ち望んでいる特養ホームの増設を急ぐことです。群馬県の無届け高齢者施設の火災事故に学び、一刻も早く整備しなくてはなりません。区の計画は100床程度の規模を整備目標としていますが、これでは現在でも3年から5年も待たされる現状の打開策とはなり得ません。東京都が打ち切った特養ホーム建設の用地取得費の補助の復活はどうしても必要です。区長会として要望している用地費補助の復活要望、国への施設整備の促進支援の強化などのため、具体的行動をとるべきではありませんか。お答えください。

 特養ホーム待機者をなくすため、区有地、区有施設の有効活用などによって、高齢者が住みなれた地域に20~30人の小規模特養ホームを新設するなど、特別の手だてが必要ではありませんか。東中野地域新設計画に加え、どこでどれだけの増設、新設を行うのか、具体的にお示しください。

 次に、震災からいのちを守る施策についてお聞きします。

 阪神・淡路大震災で亡くなった方の9割が倒れた建物などによる圧迫死でした。中越沖地震でも、家屋倒壊などによる死者11名、負傷者1,834名の大きな被害となりました。また、この8月11日には、静岡を中心に発生した地震で、7,000戸以上の家屋で屋根がわらが落ちるなどの被害となりました。

 中野区でも耐震診断、耐震改修支援を進め、区報で「地震への備え」特集を発行するなどの啓発を行っています。05年、06年度に3万9,000戸を対象に直接訪問を実施するなどして、耐震診断の戸数は大きく伸ばしてきました。しかし、それに伴う耐震補強改修は思うように進みません。08年度決算では、耐震補強設計費助成は、30件、150万円の予算に対し、執行は10件で50万円、執行率33%。耐震改修融資あっせんは利用はなく0件。何とも寂しい限りです。新しい制度を提供しても耐震診断から耐震補強改修に結び付かないのは、耐震補強改修工事に直接助成が必要ということではないでしょうか。墨田区では、昨年10月から、簡易改修工事助成限度額を指定地域によっては一般で80万円、高齢者世帯で100万円に引き上げたことで、耐震改修工事が3倍に増えています。家屋全体の改修ではなく、一部屋と逃げ道だけを耐震改修工事することで、少ない経費で命だけは守られるというものです。中野区も耐震改修工事助成に踏み出すべきではありませんか。答弁を求めます。また、これらの助成事業が区内事業者の振興にも結び付くよう、中野区耐震改修促進協議会などとよく連携して、耐震改修、リフォーム事業の成果が上がるように区として努力すべきであります。答弁を求めます。

 いのちを守る二つ目として、家具の転倒を防止する器具の取り付けを飛躍的に進めることです。しかし、助成も一向に進みません。08年度決算では、150件、225万円を見込みながら15件、37万円余と、16%の執行率です。04年度から5年間で193件にとどまっています。東京都の補助が2分の1あるのですから、取り付け器具も無料にして、家具転倒から区民の命を守る施策として位置付けるべきではありませんか。お答えください。

 次に、保育園待機児を早期に解消することについてお聞きします。

 ことし4月1日時点で、認可保育所に申し込みながら満員で入所できない待機児童が全国で2万5,000人を超え、過去最多となり、大きなニュースになっています。自民・公明政権が認可保育所の増設を怠り、定員を超えた子どもの詰め込みや認可外の保育サービス活用など、安上がりの対策に頼ってきたためです。中野区においても、327人が認可保育所を希望しながら入所できませんでした。不況の中で働きに出たいと望む女性がふえていること、この傾向は、昨年も260人の待機児となっていたもので、ことしになって突然ふえたわけではありません。中野区は、10か年計画で、待機児ゼロとすべき目標年度を21年度としていました。しかし、待機児が急増しているにもかかわらず二つの区立園を廃園にするなど、子育てとその支援に自治体としての責任を投げ出してきたとの批判は免れません。

 そこでお聞きします。認可保育園を希望しながら待機児がふえ続けている事態は、中野区が区立園廃園と民営化、定員の弾力化による子どもの詰め込み、認証保育所頼みで保育行政を進めてきたことに根本の原因があるのではないですか。お答えください。

 さらに、営利を目的にした保育園の参入は、昨年9月開園し2カ月で閉園したハッピースマイル東中野駅前園。区が交付した1,563万円の運営費補助金は返還させることができたのでしょうか。決算ではどのように処理されたのか、お答えください。

 中野区は、来年4月には新井保育園の民間園での建て替えや認定こども園の新設と認証保育所の誘致などによって265人の定員増を見込み、2014年には保育所待機者をゼロにするとしています。ここでも民間頼みです。それでも1歳児の待機児は解消される見込みはありません。計画では2014年には待機児ゼロを目標としていますが、今後の保育需要を年度ごとにどのように見ているのか、具体的数字でお答えください。

 現在行われている10か年計画素案の地域説明会において、保育園待機児を何とかしてほしいとの要望は強く出されています。これに対し、すぐにでもゼロにできる状態、いつでもゼロの状態にしておくことが大切と答えておられます。保育園を希望しながら待機しているお父さん、お母さん、子どもの切実な願いにこたえ、認可保育所を増設することです。旧桃丘小跡で運営していた区立保育園を再開することです。すぐにでもできることではありませんか。お聞きします。

 東京都も08年度から3年間で1万5,000人分を整備する計画です。港区では補正予算で100名の保育室、江東区では2園開設し240名の確保など、各区とも待機児解消に直接乗り出しています。旧桃丘小学校跡の再開、分園方式や緊急的処置として本郷保育園を引き続き活用するなど、保育園待機児の解消に全庁挙げて対策をとるべきです。お答えください。

 次に、ぜんそくや肺がんを引き起こす微小粒子状物質「PM2.5」対策についてお聞きします。

 国は、9月9日、ぜんそくや肺がんの増加など健康に悪影響を与える微小粒子状物質「PM2.5」の環境基準を初めて告示しました。告示されたPM2.5の環境基準は、米国と同水準の年平均値が大気1立方メートル当たり15マイクログラム以下ということであります。PM2.5は主に自動車排ガスが発生源であります。粒子状の大気汚染物質は毒性が強く、肺の奥深くまで達し、循環器系の疾患や肺がんの原因とされています。区内小学校におけるぜんそく児童数は東京都平均よりもかなり高く、6年生では11%を占めています。大気汚染健康障害認定者数は、既に中野区で1,575人となりました。ぜんそく医療費助成もPM2.5基準告示も、各地で闘われてきた大気汚染公害裁判の和解で国や自治体、企業の責任が追及され、その和解条件で約束させたことを受けてのことです。08年2定での岩永議員の質問に対し、PM2.5は、国、東京都が対策を検討しているからと、区としては考えていないという答弁でした。

 そこで、中野区として東京都に対し、PM2.5の測定を、弥生、東部の測定局に東京都として測定器を設置すること、また、中央環状新宿線地下換気所の測定にPM2.5を加えること、さらに、来年予定されている中央環状新宿線の全区間で実施される環境アセスの調査対象項目に入れるべきではないでしょうか。必要なことは中野区独自でも測定場所を特定し、測定できる体制を検討すべきです。答弁を求めます。

 次に、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術代の助成についてお聞きします。

 中野区はペット等飼養に関する条例制定に向けた考え方を示し、来年3月を目途に罰則、罰金を科す条例を制定しようとしています。中野区がこの間行った関係団体との意見交換会においては、条例は必要でないとの意見が圧倒的です。区が条例制定の根拠にしているのは、ペットと共生を考える懇談会の提言を持ち出していますが、提言では条例については一言も触れていません。しかも、この懇談会は、要綱設置で8人の部課長がメンバーとして出席しており、飼い主のいない猫の数を減らすためには、不妊・去勢手術に対する自主的取り組みの推進と不妊・去勢手術に対する助成を行うというのが提言の中心で、08年3月に田中区長に提出しているものです。区議会も、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術に対する助成を行うとの陳情を、全会一致で昨年12月に趣旨採択しました。既に区民的合意ができ上がっているものを条例制定を口実にこれ以上の先送りは、動物愛護法の観点からも許されません。条例化の検討を中止し、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術の助成に直ちに踏み出すべきです。お答えください。

 以上ですべての質問を終わります。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 来住議員の御質問にお答えいたします。

 総選挙の結果と私の政治姿勢についての御質問がありました。弱肉強食の改革手法に国民の審判が下されたものだという来住議員の御意見でありました。その結果についてどう思うかと、こういうことであります。今後とも改革が必要なのかどうかといったような御質問でもあるのかと、こう思いました。少子高齢化や人口減少が進む中、グローバルな競争に国民一人ひとりがさらされているというのが現在の状況であります。このことは今後の長期的な流れとして変わらないと考えております。そういう中で、我が国が一定の豊かさや経済力を維持し続け、持続可能な国をつくり上げていくためには、社会の将来と国民の幸福を見通した構造改革が必要であると考えているところであります。

 それから、後期高齢者医療制度の廃止などの政策についての御質問がありました。後期高齢者医療制度の廃止など新政権がマニフェストに基づいて打ち出す新しい政策については、具体的な内容や財源構成、また、基本となる理念などが明らかになっているとは思っておりません。今後示される内容を見ながら的確に判断をしていきたいと思っております。

 それから、中野駅周辺のまちづくりに係る経費の額等についての御質問がありました。中野駅周辺整備に関連しまして、「財政運営の考え方」の中で示している経費は現時点における概算額であります。中野駅周辺整備の経費につきましては、今後の調査や詳細な設計を行うことにより段階的に明らかになっていくと考えております。国の補助金、交付金、都の負担など特定財源の確保に努めるとともに、基金や起債を活用するなど計画的な財政運営で対応すれば、過度な負担とならないよう進めていくことが可能だと考えているところであります。区政運営を担う者として、将来にわたって区民の暮らしの安全・安心などを確保していくためには、中野駅周辺などのまちづくりの推進によるまちの活性化や、その結果としての税収増などが欠かせないと考えて、取り組みを進めているところであります。

 核廃絶に関する取り組みという御質問で、米国、オバマ大統領の演説についての御質問がありました。オバマ大統領のプラハでの演説については、一国の指導者のこの発言の背景にはさまざまな要素もあるものであります。政治的に多様な意図が総合されているこうした他国の指導者の発言に対して、自治体の首長が賛意や反対を求めるような立場にあるとは考えておりません。中野区は、憲法擁護・非核都市の宣言を行った自治体として、毎年さまざまな平和事業に取り組んでおります。私としては、こうした日常的な活動を通じて平和に関する理念の表明、実現に努めていくのが適当であると考えております。

 それから、裁判での最高裁の結果が出て、高裁判決が確定したという件についてであります。裁判所の判決が区の見解と異なったということは誠に遺憾であります。私としては、その損害とされた額について支払いをし、区に納付をしたところであります。住民訴訟に係るこれまでの経過及び判決確定後の区の対応については、ホームページや区報に掲載し、説明責任を果たしてきていると考えております。また、当該幹部職員については、平成16年度に地方公務員法による懲戒処分を既に行っているため、同じ事案で新たな処分を行うことはありません。

 それから、高齢者の健診無料化についての御質問もありました。70歳以上の方の健診については自己負担金を500円いただいているところでありますが、金額について妥当なものと考えております。有料にすることは、自分の健康は自分で守るという意識を啓発することからも、意味があると考えております。70歳以上の方の健診を無料にする考えはありません。

 それから、要介護認定についての御質問がありました。平成21年10月から調査テキストについて改訂があり、調査項目の一部が変更されます。この内容については、既に地域包括支援センターなど、関係機関や事業者への情報提供を行っているところであります。区といたしましては、地域包括支援センターや居宅支援事業者のケアマネジャー等が今後適切な対応をとるよう指導をしていきたいと考えております。また、区独自のホームヘルプサービスについては、これまでも申し上げてきているとおり、実施することを考えておりません。

 それから、ショートステイの増設についてであります。ショートステイの整備については、これまでは特別養護老人ホームや老人保健施設との併設で整備を図ってまいりました。特養等への併設による整備も図ると同時に、敷地が広くなくても建設可能な小規模な単独ショートステイの整備なども促進していきたいと考えております。新井四丁目の区営住宅跡に認知症グループホームを誘致するに当たって、ショートステイも併設できるよう、新たに建設費補助を行う仕組みを創設したところです。

 それから、特養ホーム整備の具体策についてであります。現在策定中の10か年計画素案の中で、東中野地区の未利用地を活用した特別養護老人ホームの整備をお示ししているところであります。こうした区有地の活用も整備促進の手法として考えていきたいというふうに認識をしております。小規模の特養ホームの整備も予定をしているところでありますが、場所等についてはまだ定まっておりません。

 私からは以上です。

    〔都市整備部長石井正行登壇〕

○都市整備部長(石井正行) 私からは、震災からいのちを守る施策についての中で、まず、木造住宅の耐震改修補強工事費助成制度の創設についてのお尋ねがございました。区は、木造住宅の耐震診断の中で、施工方法等の補強設計までを含めて無料で実施をしておるところでございます。また、耐震改修補強設計費用については5万円の助成をし、耐震改修を促進しているというところでございます。耐震補強工事など、みずからの財産と命を守るというこの対策については、基本的には区民自らの責任でとるべきである、というふうに考えておるところでございます。今後、木造住宅の耐震化率の向上に向けまして、区登録の木造住宅耐震診断士の協力を得まして、戸別訪問、それから、耐震相談会を実施するなど、きめ細かい対応をしていく予定でございます。

 それから次に、家具転倒防止器具の助成についてでございますが、器具の取り付けは自分自身、独力では取り付けが困難な高齢者のみの世帯、あるいは、身体障害者のみの世帯等を対象として実施をしているところでございます。器具の代金は比較的安価で、個人負担の範囲内であるというふうに考えており、区民の負担を求めることにしているというものでございます。今後さらにこの普及啓発を図ってまいりたいというふうに考えております。

   〔子ども家庭部長竹内沖司登壇〕

○子ども家庭部長(竹内沖司) 保育園待機児を早期に解消することについての御質問にお答えをいたします。

 まず、待機児増加の原因ということでございますが、御質問の中にございました定員の弾力化や区立保育園の民営化は定員の拡大やサービスの向上を目指して行っているものでございまして、待機児童の増加の原因とは考えておりません。

 次に、ハッピースマイル東中野駅前園への運営費補助金の返還についてでございますが、現在、同園を運営していた会社が破産手続中でございまして、区が交付した運営費補助金については返還されておりません。平成20年度の決算上は、認証保育所に対する運営費補助金として支払った支出のみ決算額の中に含まれております。未返還金につきましては、破産管財人に対し破産債権として届け出を行ったところでございまして、破産手続の状況を見ながら適切に処理をしてまいります。

 次に、待機児解消対策についての御質問でございます。待機児の解消につきましては、区立保育園の建て替え、民営化における定員増や認証保育所の開設の誘致、家庭福祉員の増員など、さまざまな対策を組み合わせて総合的に行っていく考えでございまして、来年の4月までに大幅な定員増を見込んでいるところであり、待機児について大きく改善を図ることができると考えております。

   〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕

○区民生活部長(鈴木由美子) ぜんそく、肺がんの原因となる微小粒子状物質「PM2.5」の対策についてお答えいたします。

 これにつきましては、東京都は昨年度から独自の対策の検討を本格化させております。22年度にはこのPM2.5の濃度目標等を設定して、23年度から対策を開始すると聞いております。また、今般の環境基準につきましては、今後、国から測定方法等の処理基準が示されまして、これを受けて大気汚染防止法にかかわる事務を受託する都道府県の対応が決定されてくるものと承知しておりますので、区としてはこれらの動きを踏まえて対応してまいりたいと考えております。

    〔保健所長田原なるみ登壇〕

○保健所長(田原なるみ) 飼い主のいない猫の不妊・去勢手術代の助成についての御質問にお答えいたします。

 飼い主のいない猫に関する対策の考え方につきましては、現在、ペット等の飼養に関する区の考え方を取りまとめ、これを条例の形で明確にしようとしているところでございます。条例の考え方を定めた上で、不妊・去勢手術の費用助成の事業化について検討する考えでございます。

○議長(伊藤正信) 以上で来住和行議員の質問は終わります。

 お諮りいたします。

 議事の都合により、本日の会議はこれをもって延会したいと思いますが、これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊藤正信) 御異議ありませんので、さよう決定いたします。

 次の会議は明日午後1時より中野区議会本会議場にて開会することを口頭をもって通告いたします。

 本日はこれをもって延会いたします。

      午後3時46分延会