平成21年12月03日中野区議会本会議(第4回定例会) 平成21年第4回定例会本会議第3日(12月3日)

.平成21年(2009年)12月3日、中野区議会議事堂において開会された。

.出席議員(40名)

  1番  内  川  和  久        2番  ひぐち   和  正

  3番  白  井  秀  史        4番  平  山  英  明

  5番  つぼい   え  み        6番  いながき  じゅん子

  7番  林     まさみ         8番  山  口  かおり

  9番  せきと      進       10番  いでい   良  輔

 11番  伊  東  しんじ        12番  佐  野  れいじ

 13番  北  原  ともあき       14番  南     かつひこ

 15番  小  林  秀  明       16番  の  づ  恵  子

 17番  奥  田  けんじ        18番  近  藤  さえ子

 19番  牛  崎  のり子        20番     欠  員

 21番  吉  原     宏       22番  大  内  しんご

 23番  きたごう  秀  文       24番  伊  藤  正  信

 25番  久  保  り  か       26番  やながわ  妙  子

 27番  酒  井  たくや        28番  佐  伯  利  昭

 29番  むとう   有  子       30番  長  沢  和  彦

 31番  か  せ  次  郎       32番  山  崎  芳  夫

 33番  市  川  みのる        34番  斉  藤  金  造

 35番  篠     国  昭       36番  岡  本  いさお

 37番  飯  島  謹  一       38番  江  口  済三郎

 39番     欠  員          40番  佐  藤  ひろこ

 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子

.欠席議員

      な  し

.出席説明員

 中 野 区 長  田 中 大 輔      副区長(経営室) 石 神 正 義

 副区長(管理会計室) 沼 口 昌 弘    副区長(政策室) 西 岡 誠 治

 教  育  長  菅 野 泰 一       区民生活部長   鈴 木 由美子

 子ども家庭部長  竹 内 沖 司      保健福祉部長   金 野   晃

 保 健 所 長  田 原 なるみ      都市整備部長   石 井 正 行

 まちづくり推進室長 川 崎   亨     教育委員会事務局次長 田 辺 裕 子

 政策室副参事(企画調整担当) 田 中 政 之 経営室参事(経営担当) 長 田 久 雄

.本会の書記は下記のとおりである。

 事 務 局 長  山 下 清 超      事務局次長    奈 良 浩 二

 議事調査担当係長 大 谷 良 二      書     記  長 﨑 武 史

 書     記  荒 井   勉      書     記  河 村 孝 雄

 書     記  菅 野 多身子      書     記  丸 尾 明 美

 書     記  土 屋 佳代子      書     記  鳥 居   誠

 書     記  杉 本 兼太郎      書     記  鈴 木   均

 書     記  岡 田 浩 二      書     記  竹 内 賢 三

 

 議事日程(平成21年(2009年)12月3日午後1時開議)

日程第1 第79号議案 中野区基本構想の改定について

     第80号議案 訴えの提起について

     第81号議案 地上デジタル放送対応テレビの買入れについて

     第82号議案 地上デジタル放送対応テレビの買入れについて

     第91号議案 平成21年度中野区一般会計補正予算

日程第2 第83号議案 中野区地域センター条例の一部を改正する条例

日程第3 第84号議案 中野区立児童デイサービス施設条例の一部を改正する条例

     第85号議案 中野区立高齢者会館条例の一部を改正する条例

日程第4 第86号議案 中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例

     第87号議案 中野区営住宅条例の一部を改正する条例

     第88号議案 特別区道路線の認定について

日程第5 第89号議案 中野区母子生活支援施設条例の一部を改正する条例

     第90号議案 中野区保育所条例の一部を改正する条例

     第92号議案 中野区立少年自然の家条例の一部を改正する条例

 

      午後1時15分開議

○議長(伊藤正信) 定足数に達しましたので、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程は、お手元に配付の議事日程表のとおりでありますので、さよう御了承願います。

 昨日の会議に引き続き、一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 きたごう 秀 文

 1 区政運営について

  (1)10か年計画で定めた「4つの戦略」について

  (2)その他

 2 今後の我が国の社会保障制度について

 3 防災問題について

  (1)南部地域の防災まちづくりについて

  (2)(仮称)南部防災公園整備の進捗状況について

  (3)南台地域の不燃化促進事業について

  (4)その他

 4 消防団の訓練場所について

 5 その他

 

○議長(伊藤正信) 最初に、きたごう秀文議員。

     〔きたごう秀文議員登壇〕

○23番(きたごう秀文) 平成21年度第4回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場で一般質問をいたします。

 次の項目についてお尋ねいたします。1番目に区政運営について、2番目に今後の我が国の社会保障制度について、3番目に防災問題について、4番目に消防団の訓練場所について、5番目にその他で2点ございます。

 それでは最初に、区政運営について。

 最初に、10か年計画で定めた「4つの戦略」について、お伺いいたします。

 区長は、本年第1回定例会の冒頭の所信表明の中で、平成21年度の区政の方向について、次のように述べております。

 「今回の経済の急激な悪化に伴い、今後区税収入や特別区交付金などの交付金も大きく減少することは必至で、今後数年間は厳しい財政運営が予想されます。そうした歳入の減少にも耐えられるよう、歳出を可能な限り削減することが必要な一方で、緊急経済・雇用対策のためには、今回のような機をとらえた投資も積極的に行っていく必要があります。また、そのような中にあっても、未来を見据えた区政の取り組みは着実に進展させることが欠かせません。基本構想で描くまちの将来像の実現に向けた「新しい中野をつくる10か年計画」の着実な展開をすることが、将来も安心して住み続けられる中野をつくっていくために欠かせないと考えています。

 当面の支出削減と臨時的な投資の両立と、さらに将来を見据えた計画的な事業展開という難しい区政運営が求められるわけで、まさにこの6年間に進めてきた区の経営改革の真価が問われる胸突き八丁に差しかかっているというのが現在の状況です。しかし、この時期を乗り越え、基本構想と10か年計画が目指すあすの中野の姿を具現化することができれば、多彩なまちの魅力と支え合う区民の力に彩られた未来の自治体、中野へと大きく歩みを進められるものと確信しています。」と述べていらっしゃいます。ことしで5年目を迎える10か年計画を区長は着実に進めてきたことを私は高く評価いたしております。また、成果もあったかと思います。

 そこで、お尋ねいたしますが、今日まで進めてきた「4つの戦略」の成果を具体的にお示しいただきたいと思います。そして、現在、改定作業を行っていると思いますが、いつの時点までに改定の素案を取りまとめ、成案を得ていくのかをお聞かせください。

 2番目に、(仮称)区民活動センターについてお伺いをいたします。

 「基本構想で描く真に豊かで持続可能な地域社会を目指すためには、それぞれの地域の課題に対する区民みずからの話し合いや行動を生かしながら、地域自治を推進することが求められています。持続可能な区財政の確立に向けて進めている職員2,000人体制に向けた職務執行体制のスリム化という観点も避けて通れないと考えています。」と、区長は(仮称)区民活動センターについてこう述べられています。各地域においては、町会・自治会が中心となって運営委員会を立ち上げ、準備を進めていると聞いておりますが、なかなか進まない地域もあるようです。

 一昨日の我が会派の大内議員の質問の答弁で、三ないし四箇所の地域が先行して実施していくということですが、先行する目的は何なのか。また、先行することによって地域間でサービスの差が出るのではないでしょうか、メリットはあるのでしょうか。私は、各地域がしっかりと準備され、平成23年7月に一斉に開設されたほうがベターだと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。

 2番目に、今後の我が国の社会保障制度について伺います。

 このたびの総選挙の結果、自民党政権から民主党への政権交代となり、このほど廃止とか予算削減とか、政治ショー的なパフォーマンスにもとれる大がかりな事業仕分けがなされました。子ども手当の支給をはじめ、高速道路の無料化や農業の戸別所得補償制度の創設など、民主党が打ち出した政策は選挙期間内から多くの話題を集めておりました。国・地方ともに借金が膨らみ、財政が悪化しており、新政権は政策実現に向けて、予算の組みかえを行うという限られた予算の中で効率的に政策を進めていかなければなりません。社会保障制度についても、年金制度の一元化や後期高齢者医療制度の廃止など、注目度が高くなっています。高齢化率も平成20年に22.1%となり、予想を上回る早さで超高齢化社会に入ってきており、社会保障の給付と負担が経済成長率を上回ってふえ続けております。年金、介護など、我が国の社会保障制度が抱える課題は山積しているのが実状であります。

 そこで、伺います。区長は、民主党が進めるこの社会保障制度の改正にどのようなお考えをお持ちなのか、お聞かせください。

 また、このほど読売新聞社の全国世論調査によると、社会保障制度を維持するため、消費税率引き上げはやむを得ないと思う人は61%で、そうは思わない37%を大きく上回っているという結果が出ています。ふえ続ける社会保障費の財源として引き上げは欠かせないという認識が広まっているようです。今後4年間は消費税を引き上げないという鳩山内閣の方針に区長はどういうお考えをお持ちなのか、お聞かせください。

 3番目に、防災問題についてお伺いをいたします。

 最初に、南部地域の防災まちづくりについてお尋ねいたします。

 南台一・二丁目地区においては、平成11年度末に防災街区整備地区計画として都市計画に決めることとなり、平成12年2月に都市計画決定され、その後事業が開始されております。地域住民の協力、そして区の御努力により、平成19年11月には東大附属の西側道路が7メートルから9.5メートルに拡幅整備され相互通行となるなど、一定の成果も上がっております。さらに、現在、東京大学教育学部附属中等教育学校一帯を中心とした防災拠点の形成と避難場所の防災機能の向上を図ることを目指した防災まちづくり、密集事業でございますけれども、それが進められております。

 そこで、お伺いいたしますが、密集事業の事業期間はいつまでなのか。また、中野通りから東大附属に向かって3本の地区計画道路、いわゆる避難道路になりますけれども、その整備は進んでいるのでしょうか、現状をお聞かせください。また、今後の見込みについてお聞かせください。

 2番目に、(仮称)南部防災公園整備の進捗状況について伺います。

 区は、本年3月に、東京大学と(仮称)南部防災公園並びに東京大学教育学部附属中等教育学校周辺道路及び東京大学海洋研究所周辺道路の整備に関する基本協定を結び、今年度中に公園の都市計画決定や事業認可の手続を進めると聞いていますが、現在の進捗状況をお聞かせください。さらに、確認のために伺いますが、海洋研究所の移転、また建物の解体作業はいつごろになるのでしょうか。おわかりでしたらお聞かせください。

 3番目に、南台地域の不燃化促進事業について伺います。

 広域避難場所である東京大学教育学部附属中等教育学校一帯の有効面積を広げるため、本年4月から周辺地区の不燃化促進事業を開始していると聞いております。6カ月経過していますが、事業の実績はどうなんでしょうか。またあわせて、これまでどのような事業のPRを行っているのか、お伺いいたします。また、事業期間はいつまでなのか、教えていただきたいと思います。

 いずれにいたしましても、防災まちづくりは一朝一夕には進まないものと認識しておりますが、この地域の安心・安全のためにも区の御努力をぜひともお願いしたいと思います。

 4番目に、消防団の訓練場所についてお伺いをいたします。

 多様化する災害や救急、火災予防活動に適切に対応するために、消防団員の知識習得と技術向上が不可欠であります。そのため、消防団員は日ごろから訓練に励んでいるところであります。しかしながら、中野消防団の各分団とも訓練場所確保に大変苦慮している状況であります。区内においては、今後数年の間に大規模公園整備の計画があります。特に、(仮称)南部防災公園にはポンプ操法大会を開催することができるスペースが確保できると考えます。ぜひ整備していただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。

 5番目、その他で2点伺います。

 最初に、二輪車(バイク等)の駐車場の確保について伺います。

 二輪車は、多くの市民に親しまれている便利な移動手段であります。通勤・通学、買い物など生活全般の足として役立っており、そして、都市交通の低炭素化に貢献する乗り物として期待されております。近年、二輪車の駐車場不足はまち中での二輪車利用を大変不便なものにしています。日常生活を支えている交通機関の機能低下は社会経済への影響も大きく、地域の活性化の面からもマイナスです。二輪車の駐車場整備を求める市民の声は大きく高まっています。2006年6月1日以降の駐車違反取り締まりの強化によって二輪車の駐車場不足が一層顕在化しています。このほど、二輪車の駐車場整備を促進してほしいと求める要望書に100万人を超える署名が集まったと聞いております。

 先日、区民のバイク利用者から駐車場の設置を何とかしてほしいという要望がありました。この問題に対する国や自治体の対応に関心が集まっています。当区においてはそれなりの対策、取り組みをされており、大変厳しい状況は十分承知しております。駐車場を確保できる何か方策はないものなのか、東京都との連携はどうなっているのでしょうか、お伺いをいたします。

 その他、2番目の子どもの見守り運動について伺います。

 先日も、小学生だったかと思いますが、下校時に刺されるという痛ましい事件が起こりました。こういった事件が後を絶ちません。ますます進む少子化、将来この日本を担う子どもたちの安心・安全のため守ってあげなければならないと思います。

 先日、区民の方から、「犬の散歩をしている方に子どもたちの登下校に合わせて散歩をしてもらったらどうでしょう。そうすれば、そういう方の目があるから犯罪が減るのではないでしょうか」と聞かされました。すばらしい発案と思いますけれども、散歩する方にはいろいろ時間帯等御都合があろうかと思います。愛犬家の皆さんにぜひ御協力いただけるよう、町会・自治会に協力のお願いをしてみてはいかがでしょうか。また、区報等でそういったことを発信してみてはいかがでしょうか、お考えをお聞かせください。

 以上ですべての質問を終わりますけれども、いつもながら区長並びに理事者の皆様にはわかりやすい答弁をいただきますようよろしくお願い申し上げます。以上で終わります。ありがとうございました。(拍手)

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) きたごう議員の御質問にお答えをいたします。

 新しい中野をつくる10か年計画の進展状況ということについての御質問がありました。「4つの戦略」の戦略ごとに沿って少しお話をさせていただきます。

 まず、まち活性化戦略であります。

 警察大学校等跡地地区において、区は道路や公園等の都市基盤に関する整備に着手をしております。また、先行する開発事業者についても区との覚書に基づくまちづくりを進めているところであります。また、中野駅周辺まちづくりグランドデザインの改定と中野駅地区整備構想の策定を行いまして、中野駅周辺全体の将来像をより具体化してきた、そういったところであります。

 西武新宿線におきましては、連続立体交差化に向けて、中井・野方駅間が国の新規着工準備箇所に採択され、野方・井荻駅間も東京都の事業候補区間に位置付けられてきているところであります。これらの沿線について、地域の中で沿線まちづくりの検討も進められております。さらに、野方駅の南北自由通路でありますとか、東中野駅西口駅前広場及びその広場につながります線路の上空活用、また南部防災公園の整備着手など、安全で快適なまちづくりを大きく展開させてきたと、こう考えております。

 次に、地球温暖化防止戦略であります。

 古紙について、区内全域で町会・自治会などによる集団回収を行い、これは町会・自治会の皆様の御協力、御努力が大変大きいわけですけれども、このことによりまして行政回収を廃止することができました。また、ペットボトルの集積所回収やプラスチック製容器包装の回収を区内全域で展開するなどいたしまして、23区の中でもトップクラスというふうに言える資源化率になったと、資源化率が高まったと、このように実績が上がってきていると考えております。

 そのほか、区役所本庁舎について、環境マネジメントシステムを導入いたしましたほか、校庭の芝生化やみどりのカーテンなど、地球温暖化防止の取り組みを着実に進めてまいりました。

 また、元気いっぱい子育て戦略では、桃花小学校、白桜小学校、緑野中学校、南中野中学校の四つの統合新校が地域の皆様の御協力、御理解を得ながら実現し、集団活動の活性化や多様な形態の授業の実施など、教育環境をよりよいものにすることができてきたと、こう考えております。

 また、4カ所の地域子ども家庭支援センターや塔山小をはじめとしたキッズ・プラザの開設、U18プラザ事業の展開など、地域での子育て支援の取り組みや育成活動の充実、子どもたちの安全・安心な放課後の遊び場の整備を進めてきたところであります。

 健康・生きがい戦略につきましては、地域包括支援センターや権利擁護センターの運営、また成年後見支援センターの設立など、高齢者の在宅生活の継続を支援する窓口等の充実を行ってきたところであります。また、江古田の森保健福祉施設の開設でありますとか、障害者雇用に資する特例子会社の誘致、またグループホームの誘導など、要介護高齢者や障害者が地域の中で自立した生活を営んで行くための基盤整備を進めてまいりました。

 こうした10か年計画の歩みをさらに着実に進展させていくということで、10か年計画の第2次改定案をつくっているところであります。現在、区議会や意見交換会での素案に対する御意見を踏まえて、計画案の作成を行っております。今定例会で中野区基本構想の改定案を議決していただければということですけれども、その後、今後の財政見通しが大変厳しいということも踏まえた上で計画案を議会にお示しする予定であります。その後、パブリックコメントを経て、年度内には成案として御報告をしてまいりたいと、このような考え方であります。

 (仮称)区民活動センターについてのお尋ねがありました。(仮称)区民活動センターへの転換に向けた取り組みは、平成18年から町会・自治会の皆様と意見交換を行いながら準備を進めてきたものであります。平成23年7月の一斉転換を待つのではなく、地域活動の拠点となる(仮称)区民活動センターの運営を担っていきたいといった機運が醸成されてきた地域の意向を受けとめ、先行実施をしていくというものであります。先行実施は地域センター業務の一部業務を委託する方法で行うため、先行実施しているところとしていないところでサービスの差が出るということはないと考えております。

 また、先行実施のメリットでありますけれども、地域センターの職員がいて、地域センターとしての業務がこれまでどおり運営されている、その中での移行ということでありますので、安心した中で運営や業務の開始ができるということ、引き継ぎがスムーズに行えるということで、先行実施していただくところにもメリットがあるだろうと思っております。

 一方、先行実施をしない地域のほうから見ていただきましても、先行実施をしているところの状況を見て、自分たちにもできるか、あるいは問題点がこういうふうにあるから改善するべきだとかいうようなことでの御意見は検討していただく上での具体的な材料にもなると、このように思っておりますので、そういう意味で先行実施のメリットはあると考えております。

 各地域が(仮称)区民活動センターの開設に向けて体制を整えられるようにこれからも引き続き支援を行い、また問題点が明らかになってくれば改善をしながら進めていきたいと、このように思っております。

 我が国の社会保障制度についての問題がありました。社会保障制度と国民負担の問題、これは大変重要な課題であると、繰り返し私も申し上げております。

 民主党が示している年金制度の一元化でありますとか、長寿医療制度、また障害者自立支援法等の廃止・見直し等につきましてはその具体的な内容が現時点ではほとんど明らかでない、こういう段階でありますので、今その内容について私どもが論評するということは難しいと考えております。

 一方、高齢化が非常に進んでいる、また就労年齢人口の減少も大きく進んでいると、こういう中で私たち国民が安心して暮らし続けていくということを考えていく上で、社会保障の財源というものをしっかりと将来にわたって確保できているという形をつくり上げていくということは大変重要な課題であるし、現在もう既に待ったなしのところに来ていると、そんな課題だと思っております。そういう意味では、社会保障と国民負担の関連を今後4年間議論を封じてしまうと、こういったようなことについては、私はせんだっての御質問でもお答えいたしましたけれども、私たちのこの国に4年間その議論を封じてしまうだけの余裕はないのではないかと、そんなふうな印象を持っております。そういった議論がない中であまり詳しく物事を申し上げてもいけないと思いますけれども、制度変更によって私ども地方自治体の負担が不合理にふえていくと、こういうようなことも場合によっては心配されるわけでありまして、自治の観点から地方自治の負担が不合理にふえるというようなことのないようにしっかりと声を上げていかなければならないと、こんなふうに考えているところであります。

 また、これらの制度の見直しについてでありますけれども、地方との協議体の問題も今出ておりますけれども、多くの部分で実務においては地方自治体が担う部分というものが多いわけであります。したがいまして、この制度見直しに当たっても、私ども特別区長会をはじめ地方自治体との十分な協議を行って、その協議に基づいて取り組んでいっていただきたいと、このように考えているところであります。

 それから、子どもの見守りについての皆様の御協力を依頼する内容についてであります。

 子どもの見守り運動については、PTAや町会・自治会の方々が組織をしておられます防犯パトロール団体に対して登下校時にパトロールをすることや、また、組織的なパトロールでなくても、庭の水やりでありますとか、玄関先の掃除、また買い物なども含めてですけれども、そういったことでお子さんたちの登下校時に外に出ていただくといったようなことをお願いをし、推奨をさせていただいているところであります。また、こういった団体のパトロールだけでなく、ワンワンパトロールという形で愛犬家の方たちのパトロールが行われている地域もございます。そういった方たちなども含めて登下校時における散歩などについての御協力も呼びかけているところであります。区報におきましても暮らしの安心・安全について、るる情報発信をしているところでありますので、今後ともそうしたチャンネルを活用しながら情報発信に努めていきたいと、こう考えております。

 私からは以上です。

   〔まちづくり推進室長川崎亨登壇〕

○まちづくり推進室長(川崎亨) 防災問題につきましてお答えをいたします。

 初めに、南台一・二丁目の木造住宅密集地域整備事業、いわゆる密集事業についてでございますが、この事業は平成24年までの事業期間となっております。この地区で中野通りから東大附属に向かう3本の新設の地区施設道路でございますが、この新設部分につきましては当初10軒の民有地がございました。これまで5件の用地を取得済みで、残りの5件につきましては代替地の確保や移転の時期などをめぐりまして合意が得られていない状況となっております。密集事業の期限でございます平成24年度を目途に用地を取得し、道路整備を完了させたいと考えております。

 次に、(仮称)南部防災公園整備の進捗状況でございますが、同公園につきましては、これまで区の都市計画審議会への諮問・答申を経まして、9月4日に都市計画決定を行いました。現在は事業認可に向けて作業を進めており、来年1月ころには認可がおりる見込みとなっております。

 関連して、海洋研究所の移転予定でございますが、海洋研究所は今年度末までに移転をし、建物の解体作業は平成22年度中を予定している旨、東京大学からは聞いているところでございます。解体作業の日程等が決まれば、近隣の皆様への説明などを東京大学へ要請をしていきたいと考えております。

 3点目といたしまして、南台地域の不燃化促進事業の取り組み状況についてお答えをいたします。

 これまでの事業実績につきましては、助成が完了したものが1件、申請中の案件が1件、申請の相談が5件となっております。なお、10月現在の不燃化率はこの地域約50.7%となっております。

 この事業のPRにつきましては、ことしの3月にまちづくりニュースを全戸配布し、その後、該当する町会へ出向き、チラシの回覧などの御協力をお願いしているところでございます。また、11月からは戸別訪問を行い、制度のPR活動とあわせまして建て替え意向の調査を行っております。問い合わせ等も徐々にふえてきておりまして、これらの取り組みを通して実績へと結びつけていきたいと考えております。

 なお、本事業の期間は、ことし4月から平成31年3月までの10年間となっております。

 以上でございます。

    〔都市整備部長石井正行登壇〕

○都市整備部長(石井正行) 私からは、(仮称)南部防災公園における消防団の訓練につきまして、まずお答えを申し上げたいと思います。

 (仮称)南部防災公園は、区民の憩いの場や軽スポーツ活動の場など多目的に利用できる広場を整備する予定でございます。お尋ねの消防団の活動の場も視野に入れた幅広い利用が可能となるよう検討してまいりたいと考えてございます。

 それから、バイクの駐車場、これを確保する考えはないかというお尋ねでございます。バイクは、自転車と異なりまして、目的地が遠距離であっても直接目的地まで到達ができるという非常に機動性の高い乗り物でございます。したがいまして、駅近くに駐車場をつくるということになりますと、これを呼び込むということになってしまうわけでございます。そうしたことで、バイクでの利用が想定される施設の設置者が需要に見合ったバイク駐車場を設置すべきものというふうに考えてございます。この中野区役所におきましても来所者用にバイク駐車場を設けてございますけれども、こういった考え方から、区が積極的にバイク駐車場を区内に整備していくという考えはございません。

 今後は、民間のバイク駐車場の整備、これを促進していくことといたしまして、東京都道路整備保全公社、この助成制度のPRですとか、バイク駐車場の整備を進めるために規制・誘導など、国の積極的な施策展開についても大いに求めてまいりたいと考えてございます。

 以上でございます。

○議長(伊藤正信) 以上できたごう秀文議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 伊 東 しんじ

 1 区民提案型まちづくりについて

 2 西武新宿線連続立体交差事業について

 3 その他

 

○議長(伊藤正信) 次に、伊東しんじ議員。

     〔伊東しんじ議員登壇〕

○11番(伊東しんじ) 平成21年第4回定例会に当たり、自由民主党議員団の立場で質問をさせていただきます。質問項目は、1、区民提案型まちづくり、2、西武新宿線連続立体交差事業の進捗状況についてでございます。そのほかはございません。区長をはじめ、理事者の皆様におかれましては、わかりやすく、そして前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。

 さて、去る10月16日、区長のもとに「安全で快適なまちを目指して」と題したまちづくり提言書が提出されました。こちらがそれですけれども、この概要ですが、上高田一・二・三丁目地区の木造密集市街地のまちづくりに関して重点目標を「震災や火災に強い防災まちづくり」とし、住民・地域・行政が連携し具体的なまちづくりの推進を提案するものです。提出者は、新井薬師前駅周辺まちづくりの会災害に強いまちづくり部会の皆さんと地域の町会代表者の方々でした。このことに触れながら、区の「区民提案型で進めるまちづくり」について質問をしてまいります。

 最初に、中野区都市計画マスタープランについて伺います。

 この春、都市計画マスタープランが改定されました。社会、経済状況の変化への対応や中野駅周辺まちづくり、西武新宿線連続立体交差化並びに沿線まちづくりへの対応、大規模用地の適切な土地利用などを踏まえた改定でした。この改定では、こうした喫緊の課題に対する対応とともに、旧都市マスで残された「災害に対する安全性の確保」、「まちの活力の向上」、「まちづくりに向けての合意形成の促進」といった主要課題への取り組みの強化・推進が目的とされています。この3課題は区内全域が抱える課題であり、何よりも区民・事業者・行政がそれぞれの役割を踏まえ、連携して取り組まなければ進捗は見込めない課題であります。そのために新たな都市マスではまちづくりについて区民・事業者・行政が担う役割と進め方について示されております。また、まちづくりの進め方については、「区民主体で進めるまちづくり」、「区民提案型で進めるまちづくり」、「区民参加のもと区の主導ですすめるまちづくり」と明確に定義されています。

 そこで、このまちづくりの進め方の定義について、改めて区の御所見をお尋ねいたします。御答弁をお願いいたします。

 まちづくりは、かつてはいずれの自治体でも行政主導、区民参加型が主流でありました。しかし、近年では行政の支援のもと、区民がより主体的に検討し、具体的な提案に至るまちづくりの手法が目指されています。中野区でも、西武新宿線連続立体交差化に向けた沿線各駅の住民勉強会、中野駅周辺まちづくりなどがこうした取り組みと考えます。こうした取り組みも都市整備事業の進捗に起因し、行政による積極的関与があって区民の主体的取り組みが生まれていると思います。いわば都市マスで言う「区民参加のもと区の主導ですすめるまちづくり」に軸足を置いた手法であり、区民みずからの発意による「区民提案型で進めるまちづくり」はまだ少ないと考えております。そこで、まちづくりに関する区民の主体的取り組みの現状について、区の御見解をお尋ねいたします。

 続いて、この「区民提案型で進めるまちづくり」についてお伺いいたします。

 御承知のように、平成14年都市計画法の改正により、土地所有者など民間からの都市計画の提案が認められました。旧都市マスでも提案・協議型で進めるまちづくりの重要性が示されておりましたが、法的根拠はありませんでした。新しい都市マスでは、都市計画法を根拠として、土地所有者などによる都市計画に対する提案制度、住民による地区計画等の案の申し出制度と制度の明確な位置付けがなされました。

 そこで、この都市計画提案制度についてお伺いいたします。都市計画法第21条の2から5並びに同法第16条について、新たな都市マスの協働のまちづくりの進め方、プロセスにおける位置付けと都市計画手続のわかりやすい説明を求めます。御答弁をお願いいたします。

 さて、国土交通省では、密集市街地などの整備改善を進めるには、当該地域の特性を熟知した土地所有者など、地域住民、いわゆるまちづくりの担い手が都市計画提案制度を活用し、みずから地区計画等の提案を行うことが有効とされています。提案に際しては、地域の現状把握や課題の分析、目指すべき防災性や住環境の検討などを行い、地区計画等の都市計画の素案を作成することが求められています。しかし、こうした調査・分析を行い、かつ上位に位置する都市計画の方針等に反さず、さまざまなまちづくりの事業手法を踏まえながら実現性の高い素案をつくるには専門家の支援などが必要となります。そのため、国土交通省では、こうした専門家の支援に必要な経費を補助する制度として、「まちづくり計画策定担い手支援事業」を平成19年度創設いたしました。

 そこで、お尋ねいたします。この支援事業の概要について御説明をいただくとともに、この事業に対する区の御所見をお聞きいたします。

 このまちづくり計画策定担い手支援事業では、平成19年度に全国21地区で助成が実施され、うち6地区が都内、さらにそのうちの2地区が中野区内となっております。そのうちの一つが新井薬師前駅周辺地区の新井薬師前駅周辺まちづくりの会への助成です。もう一つは、弥生町三丁目地区の南中野まちづくり協議会への助成です。いずれもことし提案ないし提言が中野区に提出されており、冒頭に触れさせていただいた新井薬師前駅周辺まちづくりの会のまちづくり提言書がその一つです。この提言をまとめるに当たっては、地域の実態調査や住民アンケートを行うなど、専門的な協力支援を早稲田大学都市・地域研究所にいただいております。このように、住民が都市計画の提案制度を活用し、素案を提案するには専門家や技術的な支援が必要です。しかし、中野区では、旧都市マスに位置付けられておりながら、NPOの活用やまちづくりの専門家の派遣といった具体的支援策は進まず、新たな都市マスでも施策強化を目指していますが、現時点では具体策が示されておりません。

 このような状況下、区民からは先の提言のようにまちづくりへの提案が少しずつ行われるようになってまいりました。こうした現実を踏まえ、中野区も早急に仕組みづくりに着手すべきです。都市マスに示された身近な地区を単位とするまちづくりを進めるためには、「都市づくり推進のしくみづくり」に示されているまちづくりの支援策の充実と、都市計画法第16条第3項において定めることができるとされている提案内容・提出方法についての条例の策定などが急がれます。

 そこで、お伺いいたします。都市づくり推進の仕組みづくりについて、現時点での区の方針並びに策定のスケジュールはどうなっておりますか、御答弁をお願いいたします。

 さて、提出されたまちづくり提言書について具体的にお伺いしてまいります。

 この提言の対象区域は、冒頭にも触れましたが、上高田一・二・三丁目です。当該地域は木造住宅が密集し、震災時の建物の倒壊、火災による延焼の拡大が危惧されております。加えて、細街路や行きどまり道路が多く存在するなど、避難路の安全確保並びに緊急車両の進入が困難な地域でもあります。国土交通省により重点密集市街地に位置付けられ、東京都の防災都市づくり推進計画においても整備地域に指定されております。まず、当該地域について中野区の御所見をお伺いしたいと思います。御答弁をお願いいたします。

 続いて、この提言書の内容ですが、「まちづくり提言」、「まちづくり計画案」、「資料」から構成され、地域の実情を詳しく述べた上で、まちづくりの目標を示すとともに今後の活動の進め方や地域、個人の取り組みなどについて述べています。まちづくりの目標も「安全で快適なまちを目指して」の表題が示すとおり、防災まちづくりのみならず、福祉、コミュニティ、地域活性化、環境、協働といった内容にも及んでいます。こうしてまちづくりの自助・共助に触れる一方で、区に対し、当該地域を重点的に整備を進めるべき密集市街地と位置付け、地区計画や密集住宅市街地整備促進事業など着実なまちづくりの推進を求めています。

 そこでお尋ねいたします。こうした区民の求めに応じて事業を進めるに際し、活用できる事業メニューにはどのようなものがあるかをお尋ねいたします。具体的には、国の密集事業である密集住宅市街地整備促進事業や東京都の木造密集事業、地区計画制度などが想定されますが、こうした制度について概要、対象要件について具体的な説明をお願いいたします。

 この提言書は、新井薬師前駅周辺まちづくりの会が住民・町会関係者・商店主などとともに、19年度から2年間かけ、自発的に検討を重ねまとめあげたものです。提案者は、今後の活動を踏まえて、ことし5月には改めて「災害に強いまちづくり部会」を設立し、計画案をさらに検討し、計画へと高めていくと同時に、活動のPRを通じ、住民合意、みずからの取り組みを広げていこうと考えています。

 そこで、この項の最後に、提案を受けて中野区が今後どのようにまちづくりの協働を進めていくかについて、お尋ねいたします。具体的な御答弁をお願いいたします。

 都市計画マスタープランでは、「協働によるまちづくりの推進」、「身近な地区を単位とするまちづくりの推進」、「協働のまちづくりの進め方」、「区の取り組みの強化」と区の並々ならぬ決意を感じるところですが、一方で、まちづくりは住民への十分な支援と建て替えに資する刺激策などが用意されなければ、ただ個別建て替えを待つこととなり、参加区民の熱意をそぐことになりかねません。ぜひともこれを機会に中野のまちづくりの新たな展開につながる前向きな御答弁をお願いいたします。

 続いて、質問項目の二つ目、西武新宿線連続立体交差事業についてお伺いいたします。

 さきの定例会において事業の進捗状況について質問をさせていただきました。御答弁では、東京都と国とが構造形式の協議を進めているとのことでしたが、その後の進捗はありましたでしょうか。御答弁をお願いします。

 連立事業は大変な事業期間を要するものですが、区民の皆さんは一日も早い連続立体交差化を望んでいらっしゃいます。そのためには、東京都の事業進捗におくれることのないよう、区独自の取り組みを遅滞なく進めておくことが期待されます。

 そこで、お伺いいたします。区は沿線まちづくりの計画策定に取り組んでいらっしゃいますが、こうした沿線まちづくり計画並びに基盤施設の計画の進捗状況、今後の予定について、都の都市計画手続と関連してわかりやすく御説明ください。あわせて、そうした計画策定の検討体制について、いつごろどのような形で地域に入るのか、お考えをお聞きして、私のすべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 伊東議員の御質問にお答えをいたします。

 区民提案型まちづくりについての御質問がありました。都市計画マスタープランでは、三つのタイプのまちづくりの一つとして、まちづくりの主体である区民、土地所有者等が地区のルールづくりや地区計画づくりなどにみずから主体的に取り組むまちづくりを挙げているところです。二つ目のパターンといたしましては、都市計画法の改正により創設された都市計画の提案制度に代表されるような、区民、土地所有者等が行政に対して都市計画の決定を提案し、それを受けて進めるまちづくりというものであります。三つ目といたしましては、中野駅周辺整備や西武新宿線連続立体交差、都市計画道路の整備などのような、より広域的な観点から必要なまちづくりを行政が責任を持って主導して進めるまちづくりであります。さまざまな地域に置かれた環境でありますとか条件などによって、これらのまちづくりを合わせて、総合的に矛盾なく進めていくということが重要であると、このように感じているところであります。

 区民提案型で進めるまちづくりの区民の主体的な取り組みの現状についての御質問がありました。御質問にもありましたが、西武新宿線沿線まちづくりでは、四つのまちづくり勉強会が組織されております。多くの住民の皆さんが参加をし、地域独自の自主的な取り組みなども活発に行われているところです。また、中野駅周辺のまちづくりでも囲町地区でまちづくり協議会が発足し、熱心に協議が進められています。まだ地区計画の提案などに至っている例はありませんが、地域に芽生えたまちづくりの芽を大切にし、これら区民の皆様の主体性を大事にしながら支援していくことが必要だと、こう考えております。

 協働のまちづくりの進め方、プロセスにおける位置付けと都市計画手続などについての説明をと、こういうことであります。御指摘の都市計画法の条項は、都市計画提案のできる団体、提案方法、提案に対する行政の対応、地区計画等の案の申し出の方法などについて規定をしているものであります。これらは、行政が区民参加を得ながら都市計画を決定する従来のプロセスに加えて、住民が都市計画の素案を行政に提案して、それを受けて行政が都市計画の決定を行うと、こういう新たなプロセスを追加したものであります。

 都市計画手続といたしましては、都市計画の提案や地区計画の申し出があった場合に、行政が都市計画の必要があると認めた場合に案を作成して都市計画審議会や公聴会等の通常の都市計画の手続を経て決定していくことになります。

 まちづくり計画策定担い手支援事業の概要と区の考え方についての御質問もありました。この事業は、市街地の整備改善につながる都市計画の提案・促進を図ることを目的として、地権者組織など地域のまちづくり団体がみずから主体となって国に応募し、まちづくり計画策定に必要な経費について国から直接補助を受ける制度であります。対象エリアは、都市計画区域内の0.5ヘクタール以上の地区で、かつ国策として整備を進めるべき密集市街地などとされております。この制度を有効に活用するためには選定された段階からまちづくり団体と地元自治体の連携・協力が不可欠であると、こう考えております。

 まちづくり条例など、まちづくり推進の仕組みづくりについての方針やスケジュールについてということであります。まちづくりを推進する上で区民みずからが主体的にまちづくりに取り組むということが重要だということを認識しているわけですけれども、区としてはそうしたまちづくりを支援し育てていく、そうした立場に立って進めていきたいと、こう思っております。そのための仕組みづくりとして、まちづくり条例の制定を予定しているところです。現在、それに盛り込むべき内容の検討を行っております。22年度には区の考え方をお示ししながら意見交換会等によって区民の御意見を伺って取りまとめていきたいと、こう思っております。

 上高田地域のまちづくり提言書についての御質問もありました。上高田二・三丁目地区は中野区の中でも特に木造住宅が密集しておりまして、東京都が実施した地震に関する地域危険度調査において火災危険度が5ないし4の地域であります。こうした状況を背景に、地域の皆さんが防災まちづくり活動などを主体的に取り組まれている、そういった背景のある地域であります。以上の点から、この地域は防災まちづくりを進めるべき優先度の高い地域であると考えております。

 こうした地域であることを踏まえて、区民の求めに応じて事業を進める際活用できる事業メニューというものはどのようなものであるかといったようなことも御質問としてありました。

 木造住宅密集地域の改善を図り、災害に強い住宅地に改善する事業メニューの主なものといたしましては、国土交通省が所管をします住宅市街地総合整備事業、それから東京都の防災密集地域総合整備事業があります。なお、この住宅市街地総合整備事業などを導入するためには、国の要領に基づいて事業の費用対効果の検証が求められます。また、このために地域の建物状況や道路などの詳細な現況の調査・分析を行う必要がある、そうしたものであります。

 国の密集事業や東京都の事業、それから地区計画事業など、制度の概要や対象要件についての御質問もありました。国の事業については、今申し上げました住宅市街地総合整備事業の密集住宅市街地整備型を指して「国の密集事業」とこんなふうに言っていると思います。密集市街地において老朽住宅等の建て替えと公共施設の整備を促進し、住環境の改善、防災性の向上等を図る事業を行う地方自治体等に対して国が必要な助成を行うものであります。

 東京都の木造住宅密集地域整備促進事業は、国の密集事業を補完する助成制度で、採択要件は、木造建物の棟数率──木造建物の棟の数の割合です。それから、老朽木造建物棟数率、住宅戸数密度などの条件がありまして、基盤整備方針、老朽建築物等の建て替え方針などを示したガイドラインを策定して東京都知事の認可を得る必要があります。

 地区計画については、一定のまとまりを持った地区を対象に、その地区の特性に応じて良好な都市環境の形成を図るために必要な事項を定める地区レベルの都市計画ということであります。

 上高田地域でまとめていただきましたまちづくり提言書、この提言を受けて、区としてどのようにまちづくりの協働を進めていくかということであります。いただいたまちづくりの提言書は、地域で暮らす皆様ならではのさまざまな方策が盛り込まれているところであります。本当に皆様の熱意が感じられるところで、私としてもしっかり受けとめていかなければならないと、こう考えております。今後、災害に強いまちづくり部会、こういう部会も設けていらっしゃるわけですが、これに対して職員を派遣し、まちづくり情報の提供やアドバイスを行うなどの支援に努めたいと、こう考えております。それに、まちづくりの専門家派遣や地域における啓発普及活動など、地域協議の進度に合わせて具体的な支援をさらに行っていきたい、こう考えております。

 西武新宿線の連続立体交差事業の進捗についての御質問がありました。西武新宿線の連続立体交差事業については、事業主体であります東京都が構造形式などを含め国と協議中であると、このように聞いております。その進捗ということですけれども、こうした検討が東京都で行われておりますが、参考として、西武新宿線と同時期に着工準備採択を受けた京王線では、11月中旬に連続立体交差に係る都市計画素案並びに世田谷区の駅前広場構想に関する地元説明会が開催されております。西武新宿線につきましても年度内には何らかの動きがあるものと、こう考えております。区としては全線地下化を求めているわけでありますけれども、都に対して着実な検討を求めてまいりたい、こう思っております。

 それから、西武新宿線の、区が検討を進めております沿線まちづくりの進捗状況、そして今後の予定という御質問もありました。

 ことし11月に策定をいたしました西武新宿線沿線まちづくり計画に基づきまして、駅前広場や関連街路などの基盤施設についての基本的な整備の考え方を沿線まちづくりにおける基盤施設の整備方針と、こういった形で定めていく考えであります。沿線まちづくりの中でも特にまちづくりの核となります駅前広場や関連街路などの基盤施設については、東京都の連続立体交差計画と大変密接な関係にあるわけでありますので歩調を合わせて進めていかなければなりません。基盤施設の計画につきましては、関係機関と具体的協議を進めながら、各段階で地域の皆様へ区の案をお示しして意見交換などを行っていきたいと、こう考えております。

 以上です。

○議長(伊藤正信) 以上で伊東しんじ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 市 川 みのる

 1 中野区の組織について

  (1)事業部制について

  (2)組織のフラット化について

  (3)経営本部体制について

 2 その他

 

○議長(伊藤正信) 次に、市川みのる議員。

     〔市川みのる議員登壇〕

○33番(市川みのる) 平成21年第4回定例会の一般質問をさせていただきます。きょうは自民党の質問が続いておりますが、今回の定例会では自民党の議員団から8名の一般質問者が登場しております。放送枠につきましては5名ということで、3名がこのテレビには映りませんが、8名が張り切って自民党議員団は質問を展開しております。国政は民主党が政権をとりましたが、地方、特に中野区議会は自民党が積極的にリーダーシップをとって中野区の明るい将来を築いていきたい、そんな視点に立って質問をさせていただいておりますので、どうぞ区民の皆さんの深い御理解をいただきたいと存じます。

 私は、きょうは、中野区の組織について、それも1番目に事業部制、2番目に組織のフラット化、3番目に経営本部体制、この3点について伺いたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 日ごろから機会があるたびにさまざまな立場の区民の方やさまざまな立場の職種の区の職員の皆さんからお話を伺うように私は心がけております。そうした折に皆さん方が一様におっしゃるのが、「中野区役所の組織運営がほかの区に例を見ない」ということであります。振り返ってみますと、田中大輔区長は就任後3年目の平成16年の春、区の組織を大きく変えました。すなわち、事業部制を導入して、あわせてフラット化にも取り組まれたわけであります。さらに、その3年後には、平成19年の春でしたが、経営本部を立ち上げまして副区長を3人配置する体制といたしました。これはほかの自治体と比べますと大胆とも思える組織の改革であります。私から見ますと、組織の改変──改めて変えると書いて「改変」と言っても言い過ぎではないかと思いますが、改変であります。組織を形づくる職員にとって、また区民にとっても大きな環境の変化ですから、これを定着させて、その成果を生むようになるには一定の時間が必要だと思います。しかし、私の印象では、一つひとつの取り組みについての成果をしっかり確認・検証しながら次の手を打つのではなくて、少し事を急ぐあまり検証を十二分にせずに進めてきた、そうした感が否めません。

 さて、区長の2期目の任期は残すところあと半年あまりとなりました。御自身でもこれまでの取り組みを振り返っていろいろとお考えになっていることと存じます。私どもの会派の山崎芳夫議員のほうからも今回の一般質問で既に指摘がありましたが、この2期8年にわたる区政の実績や成果を検証するべき時期を迎えたと考えております。検証という以上、区政のさまざまな領域について行うべきでありましょうが、時間の制約もありますので、私はきょう、関心の深い組織の改変という問題を、この課題を中心に検証という視点から区長にお尋ねをしたいと思います。

 まず、お尋ねいたしますが、これまで取り組まれた組織の改変について、その主な内容とねらいを時系列で示していただきたいと思います。また、区長御自身は、こうした改変によってどのような成果が上がったとお考えなのか、反省や改善が必要だと考えていることはないのか、あわせてお答えをいただきたいと存じます。

 中野区では、事業部制の採用と同時に「課」とか「係」という組織の単位がなくなり、「分野」とか「担当」という名称が使われるようになりました。長年「区民課」とか「福祉課」とか呼び習わし、どこの区役所、市役所へ行っても同じような呼び方をしているのでそれぞれの仕事の内容もおおむね想像がついたものが、例えば、「戸籍住民分野」とか「福祉推進分野」とか、初めて聞く名称が次々とつけられまして、しかも毎年のように担当業務や名称が変わり、果ては庁舎内の配置まで変わるとあって区民は大変戸惑ったことと思っております。私たち議員も区民の方々を御案内するのに大分戸惑ったものでありました。

 私は、製造メーカーの本社組織のように消費者にとって極めてかかわりの薄いものと違って、区役所の組織、自治体の組織というものは区民にとってわかりやすくなじみ深いものである必要があると思っております。説明責任ということを言われますが、多くの言葉を使わなくてもわかりやすい組織や事業を用意すること、そのことこそが何より説明責任を果たすことになるのではないでしょうか。この点について区長の考えをお聞かせいただきたいと存じます。

 東京都の組織は、各事業局に事業執行はもちろんのこと、予算や人事の面でも相当の役割を担わせ、各局長はとても大きな責任を負っていると伺っております。しかし、そうした実態であっても事業部制を採用しているなどといったことは聞いたことがありません。7兆円を超える年間予算、一般行政部門で約2万人、学校や警察・消防、公営企業まで合わせると16万7,000人余の職員を有する大組織であれば否応なしにこうした運営が求められるものだと思います。事業部制を採用し、部長にさまざまな権限を委譲したと言いますが、それは形式だけで実質的には責任だけ負わされているだけだという辛口の批判を私は伺ったことがあります。トップが部門長を心から信頼して仕事を任せるのでなければ権限の委譲にはなりませんし、職場の士気も上がらず、結果として成果も残せないという考えもあるようであります。今、申し述べたことなども踏まえた上で、中野区の組織運営に事業部制が必要とお考えになる原点は何なのか、お答えをいただきたいと思います。

 課や係の廃止は組織のフラット化ということであると考えておりますが、このフラット化の実施にあわせて、事務執行や会計処理に関して法規や財務規律に照らして誤りや逸脱がないか、予測される危機に備えているか等の点検・確認する役目を持った職を廃止してしまったと伺いました。また、例えば、事業に必要な物品の購入代金を支払おうとする際の手続に支出命令というものがあるそうでありますが、この権限も係長におろされたと聞きました。ここ数年監査委員の財務監査などで初歩的とも思われるミスや財務規律に照らして問題のある処理が行われているとの指摘をたびたび受けています。このことと組織の改変との間に因果関係がないのか、大変気になるところであります。

 また、決算特別委員会の先般の総括質疑で私どもの会派の大内しんご議員が流用の問題について指摘をいたしましたが、事業部制がうまく機能していないからではないでしょうか。流用の基本的な考えは、予算編成当時は予想できなかったような事情の変化に適応し、行政目的に向かって一層効率を高めるよう執行する必要が生まれた場合などを除き、流用は原則禁止としています。しかしながら、4月新年度に入ったとたん大幅な流用を許したことなどは大きな問題だと大内議員のほうからは指摘をさせていただいております。中野区では流用について自治法より厳しい規定としていることは、まさしく今の組織体制に問題があるからと考えます。区長はこうした実態をどう受けとめていらっしゃるか、お考えをお聞かせください。

 その一方、組織図の上でありますが、管理職を配置しているポジションはかつてに比べて格段にふえております。部長の数が減っていることを勘案すると、参事、副参事のポジションがふえていることになります。1人が何役も担当しているので実人員がふえたわけではありませんが、わかりにくく、何かせわしない印象を持つのは私1人でありましょうか。

 フラット制を取り上げた参考書などをひもときますと、管理者の統制可能な人数には限りがあり、フラット化すると、直接一線の職員を指揮する必要があるので、いわゆる課の数はふえるとあります。そして、行政改革に逆行するイメージを和らげるため、「課」という名称を使わず他の名称を使うというようなことも書かれています。また、フラット化の問題点として、仕事を進める単位が係などの集団から個々人に変わるため、職員間の連携不足、職員の孤立感や負担感の増大、ポスト減による意欲の減退などが上げられております。これまで述べてきたものの見方や考え方を区長はどう受けとめるでしょうか、お考えをお聞かせください。

 次に、経営本部体制であります。この体制を取り入れるに当たり、中野区では二つの部長ポストを廃止し、副区長を3人置くことにいたしました。そして、計画・実践・点検・改善というマネジメントサイクル、こういった横文字を使い、これにおける三つの機能を分担して担う仕組みといたしました。

 そこでお尋ねいたしますが、この仕組みを取り入れたことによって中野区の区政運営や組織活動にどのような変化があらわれ、どのような成果に結びついたのか、お聞かせください。また、そもそもマネジメント、経営管理という働きを分割することは可能なのかという導入時に質された疑問を解消する、その実績が上がったのか、あわせてお答えいただきたいと思います。

 次に、この経営本部には「政策室」、「経営室」、「管理会計室」という三つの室が置かれ、ここには約20人の参事、副参事が配属されています。しかし、部長に当たる室長はおらず、担当の副区長から直接指揮・監督を受けることになっています。この体制が、それでなくても多忙な副区長の動きを制約することはないのでしょうか。私は、副区長と部長とでは経験や情報の量と質などに差があるのは当然として、仕事に向ける目線や仕事に臨む力点の置き方、部下に対する接し方や指導・育成のあり方なども微妙に違うのではないかと思います。事業部に配属された管理職は部長の指揮・監督を受け、経営本部では副区長から受ける、どちらがいいとか悪いとか言うのではありませんが、こうしたことの積み重ねが当人にとってはもちろん区の組織にとってマイナスの影響を与えることはないのでしょうか、伺いたいと思います。

 さらに、経営本部と各事業部との関係では、基本方針や戦略を示すのが経営本部であり、これに基づきそれぞれの部を経営して分担する事務事業の執行に最善を尽くすのが事業部の役割と聞いております。しかし、実際には骨太の方針が示されることは少なく、詳細な事業説明を求められることが多いため、各事業部は自立した経営を行うことを避けるようになり、資料づくりに忙殺されて疲弊しているというぼやきを聞いたこともあります。こうしたことについてどのようなお考えをお持ちでしょうか、伺いたいと思います。

 ここで、区長の経営哲学についても伺っておきます。区長は就任以来、ニュー・パブリック・マネジメント、新公共経営と呼ばれる手法に信頼を寄せ、積極的な導入を図ってきました。私は、新公共経営とは端的には公共部門へ企業経営的手法を導入して経営効率を高めることと理解しており、一般論としてはこれを否定する理由はないものと考えております。しかし、最近、この新公共経営をめぐってさまざまな考えが示されるのを目にするようになりました。

 かつて東京大学で教鞭をとられ、現在は関西学院大学人間福祉学部教授を務める傍ら総務省地方財政審議会会長の神野直彦氏、この方は、新公共経営にもアングロサクソン型とスカンジナビア型があって、スカンジナビア型は民間企業と政府は全く性格の異なる経済主体だと認識した上で学ぶべきところを学ぶのに対し、アングロサクソン型は両者を区別せず民間流に近づけようとする営みだと言っております。そして、このアングロサクソン型の背景にある経済学説をめぐって、次のような考えを述べています。

 経済学では、人間をホモ・エコノミクス、つまり「経済人」と仮定する。人間は利己心に基づいて合理的に計算して行動すると経済学では仮定している。しかし、これは理論的仮説に過ぎず、人間が経済人として生きなければならないという行動規範ではない。人間は悲しみや苦しみを分かち合い、やさしさや愛情を与え合って生きている。人間はホモ・サピエンス、つまり知恵のある人であり、知性人あるいは叡智人なのであると述べております。

 また、別の研究者による次のような主張もあります。

 自治体の現場では、新公共経営手法の早期導入が優先され、どういう目的で導入されたのか目的意識が明確でないまま導入自体が目的化し、形だけの改革に終わっているという声も聞かれる。また、世界的な一大潮流となっている新公共経営手法には改革の効果を測定するデータがなく、成功例の紹介も主として政策担当者へのインタビューに基づいていることが多いことから、喧伝されるほどの効果を上げていないとの批判がある。データ包括分析を用いて行った各都道府県の生産性効率の推計では新公共経営手法の普及している自治体ほど生産効率が低いという結果となり、我が国のように自治体が中央政府の統制を大きく受ける行財政制度のもとでは、民間的経営手法を公共部門に持ち込めば直ちに効率性が改善するほど話は単純でないことをあらわしているとの主張を展開しております。

 これらについて、区長はどのような見解をお持ちになるか、お答えをください。

 よく日本には戦略的な趣向がないと言われますが、本当にそうでありましょうか。狭い島国という条件の中で民族的な興亡や支配服従といったことを経験しないで、砂漠や大陸の民のような一神教的な思想や行動様式が定着せず、歴史の流れの中で混合を進め、和を尊ぶ、長期的な信頼の確立というところに戦略的力点が置かれてきたのではないでしょうか。日本の企業が目先の利益を追わずに長期的な顧客の信頼を勝ち得ることを目標に良心的なものづくりに徹したからこそ、戦後の驚異的な経済発展があったのではないでしょうか。日本には飛鳥時代にその起源を持つ「金剛組」という建築会社があります。ずっとお寺や神社を建て続けてきました。ここまで歴史をさかのぼらなくても、200年、300年という歴史を持ち、良心的なものづくりを営々と続けている会社は数え切れないほどあると言います。これは世界的には大変珍しいことなのだそうであります。

 アメリカ流の市場主義は、いかに短期的に効率よく株主に利益を生み出すかという戦略を至上命題とします。しかし、これは日本にとってはいわば戦時の戦略であって、平時の現在、今ここに取り入れることは経済的に失敗するばかりか、アイデンティティの喪失にさえ結びつきかねません。 日本は歴史文化の中で築き上げてきた、平時にこそ生かされる日本型経営を自信を持って再生させていくべきではないでしょうか。自治体にはその地域に住まう人々の暮らしや幸福を守る責務があります。社会環境が変わったからといって簡単に活動をやめるわけにはいきません。いわば永続性が求められる組織なのであります。そうした特性を持つ行政組織運営の究極の目標は何でしょうか。私は、住民の持つニーズにこたえて的確に課題を達成、解決する力量を常に維持向上させることであり、これを支えることのできる熱い情熱と高い能力と大きな志とを持った人材を常にはぐくみ続けることだと思うのであります。これもアメリカ流の短期的な戦略ではなく、長期的な戦略に基づいて地道に取り組むからこそ成し遂げられるものではないかと考えます。区長はどのようにお考えでしょうか、お答えをいただきたいと思います。

 最後になりましたが、2期8年にわたる、特に組織のあり方について、いつどのような形で御自身で評価・検証を行い、またこれを明らかにするお考えなのかを伺いまして、私の質問を締めくくります。ありがとうございました。(拍手)

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 市川議員の御質問にお答えいたします。

 まず、事業部制についての御質問であります。平成16年4月に事業部制を導入することといたしました。この考え方は、区政は縄張り別に職員が割拠して仕事をするのではなく、区政として明確な目標の体系に基づいて仕事をしているはずだと、区政の目標の体系の中で職員個人個人がまた目標をしっかりと定めて担うべきだと、こういう考えに基づいて始めたものであります。

 各目標ごとに部門を定め、部門の下位の目標は分野の目標と定め、それでさらに下位の目標が施策の目標であり、それぞれの事業がぶら下がると、こういった形の目標体系をつくり、その目標体系に沿って部をつくり、その部長の下に統括管理者、執行責任者を配置すると、こういった形にいたしました。事業部制にするということで、部長がみずからの分担しております目標をより明確に認識をするということ、その目標を達成するために、部門を人、もの、金という経営資源を最大限有効に動かして成果を上げていくと。事業部ごとにそうした成果をきちんと明確に認識できる形にする、また成果を評価できる形にしていくと、こういったことが事業部制の考え方ということであります。

 そのときに、ともすれば、区の組織の運営というものは稟議制といって多くの人の決定関与を得るということの中でスピーディな意思決定が行えないとか、あるいは関与者が自分は判子を押すだけという形の無責任になりがちというような傾向もあったと。そういったようなことから、スピーディな意思決定ができるように、また事業に取り組んでいるそれぞれがみずからの目標に基づいて責任を持って仕事をし、その成果もみずからの成果として実感できるようなやりがいのある組織をつくりたいと、そういったようなことからいわゆるフラット化というものも行いました。

 平成19年4月には「副区長」という考えが地方自治法で定められました。これに伴って3人の副区長を置いて、政策室、経営室、管理会計室、これがPDCAサイクルのそれぞれの機能を分担する経営本部を設けて区の経営機能を強化すると、このようにいたしました。事業部制にするということで、ともすれば縦割りが強くなり過ぎて事業部がそれぞれに何をやっているのかわからない、あるいは区全体としての統制が事業部に及びにくい。つまり、事業部をまたがる経営行動がなかなかうまく機能しないと、こういったようなことがありがちだというようなことから、経営機能を強化していくということで経営本部をつくりました。それで、経営本部のそれぞれの室を分担する責任者も部長よりもランクが上の特別職を配置するということで、明確に組織全体の経営機能を強化したと、こういった形であります。こうした形をつくることによって、社会経済情勢の変化にも機動的に対応できる経営体制を整備すると、このことをねらいとしてやってきたわけであります。

 区民にもっとわかりやすく組織名をつくるべきじゃないかと、組織の名称、窓口の名称はわかりやすいものでなければならないと、こう思っております。ただし、「課」「係」というのはこれまで本当にわかりやすかったかというと必ずしもわかりやすかったわけでもないと、こんなふうに思っております。区に来られる方の御自分の目的がきちんと担当の窓口で表示されていると、こういうことが大事だというふうに考えておりまして、区民の皆様に理解されやすい名称にしてきたと、こんなような形であります。必ずしも思いどおりにならない場合もありますけれども、考え方としてそのようにしてきていると、こういうことであります。

 それから、組織のフラット化については先ほど申し上げたような形であります。組織のフラット化が逆にそれぞれの職員を孤立させてしまって、また経験が共有されないというようなことから初歩的なミスなどが多発するのではないかと、確かにその傾向は否めない部分があると思っております。そういう意味で、事業部制であるとか個人に責任をもっと強く持ってもらうというような形にした場合には、事前にチェックをするということだけではなくて、事前のチェックはおのずと弱くなりますから、事後にチェックをして間違ったものをきちっと正していけるようにする。それから、横の連絡をきちっと強化をしていくと、そういったことが重要だということで、仕事をしている者同士の横の連絡を強くしていくこと。強いて言えば、組織の管理者がもっと組織管理をきちんとやるということがあるんですけれども、そういうことと、それから会計などについて、特に事後の統制をもう少し強化する仕組みを今後つくっていきたいと、こんなふうに思っているわけであります。

 それから、いわゆるニュー・パブリック・マネジメントについての御質問がありました。例に挙げられました神野直彦氏でありますけれども、神野先生はどちらかというと政府の役割を大きくとらえるタイプの方だと思います。国債の発行なども国債が国内で消化してもらえる限り発行していいんだと、どんどん発行して政府の役割をどんどん大きくしていいんだと、こういう考え方の方でありまして、いささか政府に対する物の見方が私とは違っているなと私は考えているところであります。そのニュー・パブリック・マネジメントに対する神野先生の評価も、神野先生なりのいわばレッテルをおつくりになってなさっているということでありまして、必ずしもそのレッテルと私どもが考えている新しい公共経営の考え方というものがなじむものとも思っておりません。

 ニュー・パブリック・マネジメントはこうだという決まったセオリーがあってやっているわけではなくて、中野区として、新しい時代に民間の手法をしっかりと学びながら、公共経営をより新しい時代に則した形で進めていくということでやってまいりました。そういう意味で中野区としてそれなりの成果も上がっていると思っております。三千何人いた職員が2,500人になってもこれまでやってきた以上の仕事ができているということでありますから、私どもとしては効率化は十分に進んでいると、こんなふうに思っているところであります。

 2期8年にわたるこうした組織を中心とした区政運営について、どのように評価・検証を行って、いつ明らかにするのかと、こういったこともありましたけれども、残された任期は約半年ぐらいあるというところにやってまいりました。私としては、残された任期を全うし責任を果たしていく中で、できたこともあればできなかったこともあると思いますし、改善しなければならない点も残っているだろうと、こんなふうにも思っております。その辺しっかり総括を行った上で、この次の時代に進めるべき新しい経営のあり方、こういったことについてもお示しできるようにしていきたいと、このように考えております。

○議長(伊藤正信) 以上で市川みのる議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 ひぐち 和 正

 1 都区財政調整制度と区税について

 2 防災協定と防災環境について

 3 その他

 

○議長(伊藤正信) 次に、ひぐち和正議員。

     〔ひぐち和正議員登壇〕

○2番(ひぐち和正) 第4回定例会に当たり、自民党の立場から一般質問をさせていただきます。

 質問は通告どおり、1、都区財政調整制度と区税について、2、防災協定と防災環境について、3、その他はありません。

 それでは、都区財政調整制度と区税について。

 東京都の財政政策の中で都区財政調整制度は、東京都が賦課徴収する市町村民税法人分、固定資産税、特別土地保有税の合算額の55%を特別区交付金、いわゆる財政調整交付金として各区に配分する仕組みであり、中野区にも交付されています。この特別区交付金は、特別交付金として5%、そして普通交付金として95%に分けられます。特別交付金は、災害などにより特別の事情があると認められる事業に対し事業算定し、各区に交付されます。また、普通交付金は、各区の特別区民税や特別区たばこ税などの基準財政収入額と教育費や民生費などの基準財政需要額とを比較して財源不足額に充てられ、各区の財源として一般会計の歳入になります。

 平成20年度の特別区交付金の結果では、港区は財源不足が生じないため特別区交付金は不交付でした。中野区は341億5,000万円ほど交付を受けており、23区中10番目で、特別区としてはほぼ中間に位置しております。この普通交付金と特別交付金を合わせた特別区交付金は、中野区において一般会計歳入の32%を占めており、重要な財源になっています。

 我が自民党の山崎議員がさきの一般質問で述べたように、特別区の基礎となる東京都の市町村民税法人分の落ち込みが中野区の財政状況にも大きな影響を与えることは火を見るより明らかであり、私も大きく懸念しているところです。今後、特別区交付金が落ち込むことはもちろん、ましてや中野区が財源とする住民税の減収も見込まれています。このような状況の中で、民主党政権がマニフェストに盛り込んだ施策では、ガソリンについての暫定税率の廃止で1リットル当たり現在より25円安くなるとしています。しかしながら、暫定税率廃止で約8,000億円の地方財源に対する手当は示されておりません。こういったことが地方自治体への負担の転嫁になると思いますし、ガソリン税以外にも新たな地方負担が出てくる可能性もあります。過去にも東京都の財政が3年間で1兆円という落ち込みがありましたが、それ以上に来年度の財政は厳しいと予想されます。

 また、平成21年11月21日の読売新聞では、板橋区の財源不足が196億円と見込まれたため、事業の縮小や見送りを含めた緊急財政対策に乗り出し、緊急度や優先度が低い未執行事業の洗い出しを始め、予定していた板橋区庁舎の改築も中断するという計画変更になりました。現実に中野区の21年度の特別区交付金は6年ぶりにマイナスになると聞いていますし、引き続き22年度もさらに落ち込むのが現実のものになろうとしています。また、先ほど述べさせていただいた新政府による自治体への負担転嫁の懸念や事業仕分けなど、地方への影響の不透明な部分などもあります。これら特別区交付金の落ち込み、政府予算編成が22年度中野区にどのように影響を及ぼすのか、22年度の財政見通しを含め、御見解をお尋ねいたします。

 さらに、このような状況の中で、第2次10か年計画は事業として進めていけるのでしょうか。第4章で示される予定の財政フレームについても大幅な見直しが必要と思われますが、区長はどのようにお考えでしょうか。お聞かせください。

 中野区の財政を歳入と歳出の見直しから考えるにしても、区の職員を減らすことは限界に来ていると思われますし、無駄な外部委託を除くことや基金積み立てを減らし、また基金を使うにしても一時的で継続が困難と考えます。限られた歳入の中で財政運営を行うために打つ手があるのでしょうか。

 中野区は、経済成長をかんがみ、警察大学の跡地に大学などの誘致を期待し、中野に若者が集まり、産学連携によって企業の発展を進めるまちづくりを目指しています。また、中野区に長く住み続けられるまちにするために、結婚して世帯を持つためには難しいワンルームマンションの規制を促し、1世帯の住居面積を多くし、ファミリー層の定着ができるまちづくりを進めようとしています。あるいは、中野区に定住し収入の多い年代層で住民税を払える人、あるいは中野区内にIT産業などの企業を誘致して人材の確保や事業の発展に伴うまちの活性化、また中野区の魅力をつくり出すため、漫画やお笑い芸人の推進でのコンテンツ産業の集積も考えていると聞いています。このような区の取り組みは住民税の増加だけではなく、特別区交付金の資源となる市町村民税法人分、固定資産税などの増収にも寄与すると考えていますが、今後のまちづくりや産業振興の発展の可能性とあわせて区長の見解を伺って、この項の質問を終わります。

 次に、防災協定と防災環境について。

 日本は地震の多い国と言われ、1995年1月17日に阪神淡路大震災が起こり、震度7の非常に激しい揺れを観測いたしました。この地震による被害は死者6,434人、負傷者は4万4,000人に上り、戦後最大の自然災害となりました。2007年7月16日にも新潟県中越沖地震が発生し、2,000人を超える死傷者を出したことも記憶にあります。中野区ではこのような大きな地震は最近は起きていませんが、大雨による神田川、妙正寺川の河川の氾濫の被害などがありました。環状七号線の地下に貯水槽をつくって災害に備えていますが、完全とは言えません。これらを契機に、必ず来ると言われる東京大震災に備えて、各地方自治体がいろいろな団体と多方面から援助の協定を結んでいます。当然中野区も各団体と協定を結んでいます。中野区は10か年計画で、「震災時の被害を防止し、軽減するためには、災害情報の収集・伝達体制の拡充、災害情報の共有化、災害時の避難生活などの支援体制の充実を図るとともに、震災被害からの速やかな復旧・まちの復興につなげるしくみづくりが必要」と記載しています。

 そこで、防災協定についてお伺いします。中野区地域防災計画別冊資料から、災害協定を結んでいる数多くある団体の中でなぜ医療救護に係る費用弁償などにだけ実費弁償金額を載せているのでしょうか、他の団体には金額が記載されていないのはなぜでしょうか、お伺いいたします。また、ほかにも単価や数量の計算方法が載せてある業種もありますが、すべての業種に災害時に出動した場合の想定できる見積り単価や料金表を載せることができないものでしょうか。あわせてお答えください。

 それから、災害が発生すると冷静になれないし、自分自身のこと、家族のこと、友人・知人のこと、町内のことなど心配事が数多くなり、その場にいなければ帰宅困難者になってしまい、せっかく中野区と災害協定を結んでもいざというときに活動ができなくては協定の意味をなさなくなります。中野区では災害協定を結んでいる団体の組織表やその団体の住所、氏名を把握していると思いますし、地域防災会組織の連絡網もあると思います。

 そこで、お伺いいたします。災害協定を中野区と締結している団体の横の連絡網、またその団体内部の連絡体制、連絡網は行き届いているのでしょうか。そして、電話連絡網によって連携が整っているのでしょうか。電話が通じない場合にはどのように対処するのでしょうか。また、どこが指揮・統制し、中野区に業務の結果を報告するのかまで取り決めてあるのでしょうか。各事業者の特徴から何が協力できるのか、機材や重機などどのぐらいの作業能力があるか、細かいところまで理解しているのでしょうか。さらに、この団体は町会や中野区で主催する防災訓練に参加しているのでしょうか、あわせてお答えください。

 中野区と災害協定を結んでいる団体の方々が複数の団体、あるいはボランティア活動などに重複していないかどうかを整理する必要があると思います。例えば、消防団に入団していて、協定している団体にも加入、さらに町会の防災会などに重複していたときは、どこから参加してどのような仕事の協力ができるのかを把握しているのか、お聞きいたします。

 中野区も平成20年度から総合評価方式が採用されています。既に各種の競争入札に採用されて、その中で防災協定に加入していると総合評価の加点が付加され、加点の点数が高いことによって競争入札でほかの業者よりも見積り金額が少し高くても仕事を受注することができます。その優遇的点数を得ることだけが目的で、紙の上だけでの協定書ではならないと考えます。中野区が防災協定に加入している団体の訓練や研修を指導し、災害対策に備えた活動を早急に行うべきと思いますが、どのように対処するのか、お聞きいたします。

 横浜市の土木事務所では、防災協定団体は神奈川県の各区合同で震災対策の説明を受けて訓練を実施し、あるいは橋梁などに出向いて安全の点検、または陥没した道路の復旧作業、倒壊した街路灯の撤去作業の訓練を実践しています。ほかでも訓練は緊急輸送路などを対象とした緊急巡回訓練や土木事務所と作業隊との情報受伝達訓練を行っています。中野区でも協定団体と災害対策の説明会や訓練を実施し、災害に備えた協力体制を早急に構築していく必要があると思います。御見解をお聞かせください。

 以上で私のすべての質問を終わります。(拍手)

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) ひぐち議員の御質問にお答えいたします。

 22年度財調の見通し、これについてどう考えるかという御質問であります。経済の落ち込みによります税収の大幅な落ち込み、減額という問題と、もう一方では、新しい政権になってさまざまな制度、事業の考え方等が変わるということが予想されながらなかなか国の予算の状況がはっきりしてこないということがありまして、収入が激減するということと、それから作業手順的に不透明になっていると、二つの状況を抱えているところであります。国の考え方でも場合によって地方の負担を求められるということが出てくるようであれば、そちらのほうもまた財政的な負担が大きくなるということでありまして、非常に懸念をしているという状況であります。特別区交付金の落ち込みということについては、22年度の企業収益というのは大幅な改善というものは見込めないだろうと、このように思っております。21年度に大変減額しましたけれども、これが復活するというような流れにはなかなかならないのではないかということで大変厳しい見通しを持っているというところであります。

 そういう状況の中で10か年の財政フレームについても難しいものになってくるだろうと、こういうお話であります。今議会でたびたび申し上げておりますように、これだけの大きい収入の落ち込みというものはこれまで例がなかったような状況でもあります。また、今後3年間ないしはそれ以上そういった財政危機が続くだろうと、こんなふうに考えているところであります。そういったことを十分に踏まえた10か年計画というものにしていかなければならないということでありますので、10か年計画の第4章としてお示しする財政フレームにつきまして、現在22年度予算、これに伴いますそれ以降3年間ぐらいの区の財政運営の具体的な形、そういったものをよく見定めながら、10か年計画における財政面の計画をきちんと固めていってお示しをさせていただきたいと、こんなふうに考えているところであります。

 中野区としてもやはり区の経済活力の伸長というものを図ることが、税収やあるいは財調の原資となる税収を上げていくという意味からも大事ではないかといったような御質問がありました。

 警察大学校等跡地での新たな企業や大学の立地は区内の経済活動に大きなインパクトをもたらすと、こう考えております。具体的には地域産業への取り引き拡大や関連事業所の立地、あるいは雇用機会の創出などさまざまな波及効果が予測され、結果として直接あるいは間接の税収増につながるものと、このように考えております。中野駅周辺まちづくりをリーディング・プロジェクトとしながら、あわせてにぎわい創出の仕掛けづくりに積極的に取り組んで、区内の経済活動を活性化させ、そのことを通じて持続的な自治体経営に資するよう努めていきたいと、こう考えているところでございます。こういった取り組みをしっかりと取り組んでいくことで中・長期的に効果も出てくるものと、こんなふうに考えております。

 それから、防災協定と防災の関連で御質問がありました。

 協定に費用弁償についての額が記載されているもの、記載されていないものがあると、こういった御質問であります。災害時に協定団体から業務提携を受ける場合には、その経費は区が負担することとしております。ここまではその旨各協定書に記載をしてあります。それで、医師会については、さらに覚書によって費用弁償の金額を定めているということであります。協定内容によりまして提供していただく業務の内容というものがなかなか事前には特定しにくいものもありますけれども、どのぐらいの費用弁償が必要になるのかと、こういったようなことについてできるだけ協定している団体とも相談をしながら、定められるものについては今後定めるようにしていきたいと、こう思っております。

 それから、協定団体と区の連絡体制であります。団体の組織図については協定締結時にいただいております。また、災害時の区からの連絡先についても把握をしております。また、電話や携帯電話としているのが通常の協定団体ですけれども、医師会、歯科医師会、薬剤師会、社会福祉協議会には防災無線を配備して連絡手段を確保しております。もし通信手段が途絶した場合には、区内にある団体ですので直接人的な連絡で行っていきたいと、このような考え方であります。

 それから、協定団体の内部の連絡体制はそれぞれ団体ごとに作成していると、このようなことで考えております。また、各協定団体で団体内部の連絡体制が作成されているのかどうか、この辺については今後着実に確認をしていきたいと、こう思っております。災害時に通信手段が途絶した場合の団体内部の連絡手段の確保についても今後団体に確認をしてまいります。

 協力業務の指揮あるいはその実施状況の把握と、こういうことについてはそれぞれの業務の団体の代表者が行うということであります。団体内部の指揮系統や区への報告、この役割分担がどうなっているかといったようなことについて可能な限り確認をしてまいります。また、協力業務で必要な機材等についての情報は協定時に得ております。今後とも最新の状況を得てまいりたいと、こう思っております。

 協定団体は、区主催の防災訓練や医療救護訓練等に参加をしていただいている団体が多いということであります。しかしながら、地域防災会などの訓練に参加している例は聞いておりません。

 それから、団体の構成員がさまざまな団体に参加している場合の対応力ですけれども、その重複の加入状況については把握をしておりません。実際に起きた災害の内容や規模によって臨機応変に優先度の高い活動から取り組んでいただきたいと考えております。また、団体の研修や訓練実施につきましては、団体と相談をして区として協力体制を構築していきたいと考えております。

 以上です。

     〔ひぐち和正議員登壇〕

○2番(ひぐち和正) 再質問をさせていただきます。

 22年度の財政見通しについて詳しく区長からお答えをいただきました。財政フレームについては、さらに突っ込んで再度お聞きいたしますが、我が会派の山崎議員の質問時にご答弁いただきました決算見込みと同じように、22年度の予算フレーム見込みについてできるだけ早い時期にお示しいただきたいと思います。板橋区では既に予算フレーム見込みを示しております。中野区でも予算フレーム見込みを早急に示すべきと思いますが、いかがでしょうか。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 財政フレーム見込みは、正確なものは現時点ではなかなか難しいというのが実情であります。しかしながら、財政の危機的な状況を踏まえた対策というものは予算編成の中でもやっていかなければならないということでありますので、あらあらなフレームについての考え方、ある程度の数字を見込んだ上でのフレームについての考え方はできるだけ早い機会にお示しをしたいと、このように考えております。

○議長(伊藤正信) 以上でひぐち和正議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 内 川 和 久

 1 保育園・幼稚園について

  (1)認定こども園について

  (2)国の保育所の基準緩和について

  (3)その他

 2 その他

 

○議長(伊藤正信) 次に、内川和久議員。

      〔内川和久議員登壇〕

○1番(内川和久) 平成21年第4回定例会に当たり、自由民主党の立場で一般質問をさせていただきます。質問は通告どおりでございます。その他についてはございません。

 早速質問に入ります。保育の充実・拡充については多くの議員が質問しておりますが、深刻な少子化に歯どめをかけるという意味で大変重要なことでありますので、自民党としても取り上げさせていただきます。

 昨今、乳幼児人口は年々減少傾向にありますが、長引く不況と夫婦共働きによる女性の就業率の高まり、またさまざまな事由による一時保育の需要の高まりなど、保育に関する需要は年々高まっており、また多様化しています。

 保育園待機児童の推移では、3月1日現在の新定義の数で、平成16年度が計186名に対し、平成18年度で224名、平成20年度においては283名まで増加しています。また、一時保育においても、平成16年度が961名に対し、平成18年度で1,552名、平成20年度においては2,325名と、こちらも急激に伸びています。区としても、21年度の緊急対策として区立保育園等の定員の弾力化や区有施設を活用した私立保育園の分園の設置、認証保育所の新設などを実施してきましたが、待機児童数の急増に対して保育所の定員増は追いついていません。事実、認証保育所の入所率を見ても、平成16年度が年間で97.2%、平成19年度は年間で109.4%となっています。早急に待機児童解消対策を練り直す必要があると私は考えます。保育所と幼稚園の制度的な違い、こうした垣根を超え、民間活力を活用し、保育サービスの拡充と保育環境の整備を強力に進めなくてはなりません。区は来年4月までに大幅な定員増を目指すとのことですが、現在就労していない母親の実に79%が就労希望を持っているということから、潜在的な保育需要はかなりの数があると予測され、幾ら施設をつくっても追いつかないという状況が考えられます。このことも今後精査しなくてはなりません。

 先日示された新しい中野をつくる10か年計画第2次素案では、成果指標と目標値として、平成31年度必要なときに子どもを預けることができた保護者の割合が100%と示され、また認可保育所の待機児童数は平成26年度にはゼロ人と示されております。また、保護者の就労の有無にかかわらず、子育て家庭への相談支援、交流の場の提供なども行う認定こども園への転換推進も挙げられております。これまで幼稚園の運営費等の助成については原則学校法人へ、保育所の施設整備費の助成については原則社会福祉法人等に限られていましたが、幼保連携型の認定こども園については設置者が学校法人、社会福祉法人のいずれであっても助成が可能となり、一定のメリットがあります。

 そこで、認定こども園について幾つか質問をさせていただきます。

 まず、最初の質問として、この認定こども園の開設が待機児童の解消にどのぐらい効果を上げるのか、お考えをお聞かせください。

 次に、平成22年度開設予定の常盤学園と八幡学園は、常盤学園が認可保育所と認可幼稚園が一体となって運営する幼保連携型、八幡学園は認可幼稚園が保育園的機能を備える幼稚園型であります。この2園の類型の違いは、まず、運営事業者の選択の結果なのか、お聞かせください。また、入園申し込みや料金、補助の点でこの2園はどのように違うのか。特に入園申し込みについては、八幡学園は保育・幼稚園とも運営法人へ直接申し込みに対し、常盤学園は、保育は区への申し込み、幼稚園は運営法人へ直接申し込みと分かれており、これは利用者にとってはわかりづらい。窓口の一元化はできないものなのか、お聞かせください。

 また、認定こども園については、運営母体の違いによって、さきに述べた幼保連携型、幼稚園型のほかに、認可保育所が幼稚園的な機能を備える保育所型、幼稚園・保育所いずれの認可もない保育施設が認定こども園としての機能を果たす地方裁量型と、大きく四つの分類に分けられていますが、入園申し込みや料金、補助の点等を総合的に判断すると、区の期待する運営類型はどれなのか、お聞かせください。

 次に、認定こども園の開設は全体的に思ったように進んでいないと聞いております。私としても大変心配しておりますが、その理由と他の自治体における認定こども園の開設状況について、お聞かせください。

 次に、今回、区内区立幼稚園4園のうち2園が先行して認定こども園に転換することになりますが、残る2園の区立幼稚園のうち、区立かみさぎ幼稚園の転換計画は現在のところないと聞いています。その理由をお聞かせください。

 最後に、私立幼稚園を認定こども園へ転換するに当たって現時点での課題や問題点をどのようにとらえているのか、区のお考えをお聞かせください。

 2番目として、国の保育所の基準緩和についてお伺いいたします。

 保育所の最低基準は、保育の質を確保するために1948年に設けられました児童福祉法に基づき、室内の面積や保育士の人数配置などの基準が示されています。地価の高い都市部では用地確保が難しく、保育所の新設が進まない状況にありました。ことし10月、政府の地方分権改革推進委員会が国による自治体業務の規制を大幅に見直すよう勧告しました。保育所の基準もその対象となっております。これを受けて、厚生労働大臣は11月4日対応方針を公表しました。これは待機児童の多い都市部での保育所基準緩和が目的で、待機児童が解消されるまでの一時的なものと聞いております。具体的には、東京23区のほか、横浜や川崎が検討対象となっているそうです。

 そこで、幾つか質問をさせていただきます。

 まず最初の質問として、今回基準緩和される内容はどの部分なのか、またそれが本当に待機児童解消につながるものなのか、お考えをお聞かせください。

 次に、政府は、来年の通常国会で児童福祉法改正を行い、その後各自治体で条例を定めることとしていますが、中野区も含め東京23区では一体いつごろから基準緩和が行われる見込みなのか、またこれが区の進める待機児童解消のスケジュールと具体的にどうリンクしていくのか、今から対応していく必要があると私は考えますが、区のお考えをお聞かせください。

 最後に、現在のところ新たな財源が確保されているわけでもなく、どの程度保育所が増設できるか、不透明であります。区として、条例制定をする場合、基準緩和のどの部分をどこまで引き下げるのか、現段階でのお考えをお聞かせください。また、私立保育園園長会からは、基準緩和はさらなる詰め込み、保育の質の低下を招く等の意見も寄せられています。それに対応するためには、現場職員の資質向上のための研修制度を充実させなければならないと私は考えます。これに対して、区として私立保育園へは十分な支援を行う考えがあるとのことですが、補助金等を出す用意があるのか、お聞かせください。

 これで私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 内川議員の御質問にお答えいたします。

 認定こども園をめぐる待機児解消です。認定こども園は、就学前の子どもに幼児教育と保育を提供する機能をあわせ持つ施設です。これも当然待機児童の解消策となるものと考えております。

 やよい幼稚園跡では、認可保育園としての定員を105人受け入れていただけるということであります。また、みずのとう幼稚園跡に開設予定のこども園でも認可外保育施設として、1歳児が6人、2歳児が12人の受け入れを予定しております。さらに、3歳から5歳児までの幼稚園児についても午後6時半までの長時間利用枠、定員15名を設けることとしているところです。

 この類型の違いが出てくるのは、認定こども園に応募をした際の事業者の方の提案内容で決まってくるということであります。 入園申し込みは原則として直接事業者あてに行うことであります。料金設定も事業者自身が設定いたしますが、認可保育園部分については区となります。それで、料金について、この認可保育園部分については条例で定める保育料と同額となりまして、他の認可保育園と同じであります。認可外保育施設と幼稚園部分については事業者がそれぞれ定めます。補助については、それぞれの機能に応じて既存の補助制度を適用していくということになるわけであります。

 窓口の一本化ですが、認可保育園部分の利用については、他の認可保育園と同様の手続のほうが利用者の方に利便性が高いという判断で区が行うことといたしました。こうしたことによって不便が生じないように十分連携をしていきたいと思っております。

 どういう類型を中野区が期待するかということですが、どの類型であっても就学前の子どもに幼児教育と保育を一体的に機能すると、こういった機能については十分に果たせると考えております。

 なかなか進まないということですけれども、運営する母体が認可幼稚園か認可保育園かなどの違いによって会計処理を分けなければならなかったり、また補助金が異なったりというふうに、制度が複雑であると、こういうことも要因の一つと言われているところであります。

 設置状況ですけれども、全国では358園、都内では33園、うち公立6園、私立27園と、こういう状況であります。

 残る区立幼稚園の転換予定についてでありますが、区立幼稚園2園の将来のあり方については、現時点で定まった方針はありません。今回転園した2園の成果を検証するとともに、それぞれの地域における今後の保育需要や近隣の私立幼稚園の設置状況などを総合的に検証した上で今後の方針を検討してまいります。

 それから、私立幼稚園が認定こども園になる際にどういう課題があるかということであります。保育園機能をつくっていかなければいけないということですので、3歳未満のお子さんへの対応とか、それから調理室の設置などが課題と言えるのではないかと、こう考えております。

 それから、保育所の最低基準の緩和についてであります。これは、地方分権改革推進委員会第3次勧告に対して公表された厚生労働省の対応方針であります。設置の施設基準について条例に委任した上で、人員配置基準、居室面積基準及び人権に直結する運営基準に限り全国一律の最低基準を維持することとされております。東京都に限り待機児解消までの一時的措置として、居室面積基準だけが自治体が合理的な内容を定められるとしているところであります。この考え方から、待機児解消のために運用することが可能であると、このようには考えております。いずれにしましても、現段階では方針を示すにとどまっているわけでありまして、具体的な内容や実施時期などについては明らかになっておりません。具体的な制度変更が出てきた場合には待機児対策としても適切に対応できるよう検討していきたいと考えております。

 それから、保育の質を向上するための補助制度についてであります。区では、区で実施する研修に私立園の保育士などの職員の参加を勧めております。また、保幼小連絡協議会や幼児研究センターの合同研究などにも私立園が参加して研究活動を実践していただいております。保育士だけではなく、看護師、栄養士についても公私一緒になって情報交換や課題検討を行っているところです。各園での研修については、通常の運営費の中で対応するべきものと考えているわけであります。

 以上です。

      〔内川和久議員登壇〕

○1番(内川和久) 1点だけ再質問させていただきます。

 かみさぎ幼稚園の転換の件なんですが、区長もおっしゃっているとおり、認定こども園に転換することが待機児童の解消につながるということで、なるべく早くかみさぎ幼稚園の転換も図っていただきたいと思っております。先ほど、先行して開園する2園の状況を見てとのことですが、具体的にかみさぎ幼稚園の転換計画は何年後になるのか、もう一度お聞かせください。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 再質問にお答えいたします。

 御質問の趣旨には必ずしも沿っておりませんけれども、先ほど申し上げましたように、まだ方針が定まっておりません。そういう意味で、また繰り返しになりますが、2園の成果を検証しながら、またそれぞれの地域の状況なども十分に総合的に検証した上で方針を定めてまいります。

○議長(伊藤正信) 以上で内川和久議員の質問は終わります。

 議事の都合により暫時休憩いたします。

      午後3時30分休憩

 

      午後3時50分開議

○議長(伊藤正信) 会議を再開いたします。

 この際申し上げます。議事の都合上、会議時間を延長いたします。

 一般質問を続行いたします。

 

 中野区議会議員 佐 藤 ひろこ

 1 国の政策の変化に対する区の対応について

 2 第2のセーフティーネットと緊急雇用対策について

 3 聴覚障がい者への支援について

 

○議長(伊藤正信) 佐藤ひろこ議員。

     〔佐藤ひろこ議員登壇〕

○40番(佐藤ひろこ) 第4回定例会に当たり、一般質問をさせていただきます。

 国の政策の変化に対する区の対応について、お伺いいたします。

 政府は、後期高齢者医療制度の廃止、障害者自立支援法の廃止などを表明し、さまざまな仕組みを変えようとしています。しかし、具体的にどのような制度に変えるのかは明らかになっていません。後期高齢者医療制度について、厚生労働大臣は2012年度に廃止し、2013年度に新制度に移行したいと表明しています。また、障害者自立支援法については4年以内に新しい法律に移行するとし、まず「障害者制度改革推進法」を制定し、委員会を設置し、3年後に新しく「(仮称)障害者総合福祉法」を制定するとしています。したがって、新制度移行まで約3年半は現行の制度が続くことになります。負担の軽減策は先に行われるようですが、それらの財源を安定的に確保していくための方策も必要です。新しく設置された税制調査会で抜本的税制改正に向けての議論がされているところですが、方向性はまだ見えていません。日々区民の暮らしを支え続けている自治体は国の制度が変わるまで動きをとめて待つことはできません。現在の10か年計画の第2次改定を行った上で、3年後以降に国の制度が大きく変わった時点で改めて第3次の10か年計画の改定が必要になってくると思います。区長はいかがお考えでしょうか。

 今回の基本構想の改定案は10年後の姿の一部を少し修正しただけです。改定の主な目的は、構想と計画の年次を合わせ、10年後を見据えた目標設定をしていくことにあるのかと思います。そうすると基本構想も今後5年ごとに改定を行うことになると思いますが、お考えをお伺いいたします。

 国の事業仕分けが注目を集めました。中野区においては外部評価制度を7年前から導入し、専門家と公募区民委員で構成される外部評価委員会が全施策の評価を毎年行っています。公募委員として区民が評価に参加でき、傍聴もできます。その評価結果が議会の決算資料として提出され、評価の仕方についても議会で議論がされ、毎年改善がされてきました。外部評価委員会では評価委員と職員が熱心に厳しいやりとりを重ねています。しかし、傍聴者が少ないのが残念です。傍聴のPRやインターネットによる経過の公表など、外部評価委員会の広報を積極的に行ってはいかがでしょうか。

 財政については見通すことがなかなか困難な状況になってきました。どのような状況に変化しようとも区民にとって必要な施策を実行していくために基金がさらに重要になってきます。10か年計画の財政フレームは毎年改定されてきました。第2次10か年計画の財政フレームも毎年改定していく必要があります。国の制度改正などに合わせた柔軟な予算編成ができる複数年度型予算も必要になってくると考えます。今後の財政運営の考え方をお伺いいたします。

 次に、第2のセーフティーネットと緊急雇用対策についてです。

 ことし出版された「日本における貧困世帯の量的把握」という本の中で、中野区における貧困量の測定と貧困の性格の研究が紹介されています。1972年に都の委嘱研究として故江口英一中央大教授らによって行われたものです。課税台帳などにより中野区の貧困の量をとらえ、高度成長期であるにもかかわらず保護基準以下の世帯の出現率は26.2%という驚くべき高さでした。この保護基準以下の世帯のうち、高齢や母子、障害など特別の事情を抱えていない世帯が8割あり、稼働、つまり働く能力がありながら、最低生活基準以下の生活レベルにある者、ワーキングプアが多いという分析がされています。37年前の調査で既にワーキングプアが多数存在していたのです。稼働年齢の単身者世帯が多いこと、流動人口が多いことなどは、現在の中野区の状況に通じるものです。経済状況はさらに悪化しております。中野区における貧困の現状の調査を検討してみてはいかがでしょうか。

 10か年計画の第2次案には新たに生活困窮者を対象とする総合的な生活相談支援の充実が打ち出されています。早急に取り組まなければならない重要な問題だと思います。失業して生活保護に陥る手前で救済するために、昨年から第2のセーフティーネットと言われる対策が行われています。訓練生活支援給付、就職安定資金融資、住宅手当、つなぎ資金などの制度です。しかし、窓口がハローワークや役所、社会福祉協議会と複数にわたり手続が複雑であることなどで利用しにくい状況にあります。10月末、政府は緊急雇用対策を出し、「貧困・困窮者、新卒者への支援」を最優先するとし、11月30日に第2のセーフティーネットの窓口を一つにまとめ、ハローワークで失業者の職探しと生活支援を一括して行うワンストップ・サービスを施行しました。自治体に協力が求められ、中野区の職員も新宿のハローワークで相談に当たったそうです。どのような状況であったのか、効果と課題についてお伺いします。

 政府は、これから本格的に厳しくなる時期に向けた具体的なプランをまだ示しておりません。その中、中野区は国に先駆けて失業者に対して来年の3月まで区の窓口で総合的に相談に当たる支援策を打ち出しました。先日の臨時区議会で離職者等支援総合相談の補正予算を全会一致で可決いたしました。内閣府参与として貧困や雇用問題に当たる湯浅誠さんは、中野区の素早い対応を評価し、政府の政策の参考にするために区に問い合わせをされたと聞いております。いつから始めるのか、わかりやすい広報が必要ですが、いかがでしょうか。区長が緊急に提案されたこの事業の重要性と課題についてお伺いいたします。

 国はワンストップ・サービスの実施後、検証を行うと言っております。財源の確保や制度の改善に向けて積極的に国に提案していくべきだと考えます。いかがでしょうか。

 ここからは、手話を使って質問をさせていただきます。

 聴覚障がい者への支援についてです。

 私は手話講習会でただいま手話を勉強中です。手話講習会の目的は手話奉仕員の養成ですが、手話を学ぶことだけではなく、聴覚障害者の理解を深めることができます。病院や会社やお店などでお仕事をされている方々が講習会に参加されていて、職場でも役立っているそうです。手話は聴覚障害者にとって大切な言葉です。聞こえる人は耳から言葉を覚えますが、音が聞こえず文字を見るだけで言葉の意味を理解することは難しいことです。聴覚障害者は言葉が通じないために不利益をこうむったりすることが多いのです。聴覚障害者への理解を深めるために区職員の研修を行ったり、手話講習会への参加を勧めてはいかがでしょうか。区の窓口に、「耳の聞こえにくい方は筆談をしますのでお申し出ください」と書いた表示板を置き、筆談や手話通訳者につなぐなど、聞こえにくい方、聞こえない方が安心して利用できる環境を整えてはいかがでしょうか。

 以上で私の質問を終わらせていただきます。丁寧な御答弁をお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 佐藤議員の御質問にお答えいたします。

 国の政策の変化を受けて、10か年計画等について3年後以降改正するべきでないかという御質問でありました。第2次の10か年計画においても、現行の10か年計画と同様に策定からおおむね5年後、または区を取り巻く社会経済情勢が大きく変化した場合に必要に応じて改定することを考えております。国の制度改革により区を取り巻く状況が大きく変化し、かつ施策の方向性が大きく変わる場合にはその時点で判断することになるというふうに考えております。基本構想について、次の5年後には当初の制定から10年を迎えるわけであります。さきに述べた大きな状況の変化ということが仮になかった場合とすれば、この10年の時期に全体を見直す本格的な検証と幅広い議論に基づく改定を行うことが望ましいと考えております。

 それから、行政評価の制度についてです。外部評価委員の傍聴の呼びかけについては、既に区報やホームページで行っているところでありますが、今後ともより多くの区民の方が参加していただけるようにPRに努めていきたいと、こう考えております。

 結果の内容についてですけれども、毎年度区報やホームページで公表をしております。特に昨年度は、アンケートを実施して区民から行政評価に関する意見をいただいたところです。これを毎年度実施することとしたいと、このように考えております。

 それから、財政の状況についてであります。国全体の経済状況が悪化をしております。この間何度も申し上げておりますように、数年間大変厳しい財政運営が予想されるというところであります。このことからも、現在有しております財政調整基金の年度間調整に使える残高なども勘案しながら、複数年型の予算編成を行ってまいりたいと、このように考えております。

 それから、中野区で貧困調査を独自に行うべきでないかということでありました。中野区は東京都の中にある自治体で、中野区だけでのデータというとなかなか正確性というか、全体の把握には弱い部分があると、このように思っておりまして、独自に調査をする考えは今のところありません。

 11月30日のワンストップ相談実施については、新宿ハローワークに職員2名を派遣いたしました。その結果、中野区の住宅手当や生活保護に関する相談として取り扱った件数は5件ありました。利用者の相談機会の拡大という点では一定の効果があったと思っております。一方、居住地のない相談者への生活保護の実施期の負担と、この負担の荷重というものをどういうふうにするかといったような課題は出てきていると、こういうふうに考えております。

 区におきまして、先日補正の予算を議決していただけましたので、12月半ばから離職者等の総合相談窓口の設置を行っていきたいと考えております。区民に身近なところで相談を実施できるということが重要だと思っております。特に住宅相談、生活相談等、そうした部分の相談を主に行い、かつハローワークとの連携をうまく進めていくということのほうが、効果が高いのではないかと、こんなふうに考えているところから区としての取り組みを決めてきたところです。結果をよく見ながら改善していくとともに、必要な点について国にも大いに提案をしていきたいと、こう考えております。

 手話講習会の区職員の参加についてであります。区職員の手話講習会への参加については、現在も若干名は参加をしております。大体いつも何人かは参加をしているという状況だと思っております。来年度以降の講習会開催に当たって、区職員にも十分にPRをしていきたいと、こういうふうに考えております。障害者への理解を深めるための研修については、接遇研修の中などで行っているわけですけれども、各部署においても窓口職場の職員などを対象に行っていきたいと考えております。全職員が障害のある人とのコミュニケーションについての意識を高めることができるように、手話に関する基本的な知識を区の職員研修に取り込んで、全職員がいつかどこかの時点で必ずこうした研修が受けられるような、そういう形をつくっていきたいと、こう思っております。

 それから、耳マークについてですけれども、区の障害者相談窓口をはじめとする窓口に耳マーク表示板を今年度中に設置して、聴覚障害者の方が来訪したときに安心して相談や手続が受けられるようにしていただけるように対応できるようにしていきたいと、こう考えております。

 以上です。

○議長(伊藤正信) 以上で佐藤ひろこ議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 むとう 有 子

 1 父子家庭支援の拡充について

 2 ごみ・資源の出し方・収集方法について

 3 住民によるまちづくり協議会等の運営支援のあり方について

 4 その他

 

○議長(伊藤正信) 次に、むとう有子議員。

     〔むとう有子議員登壇〕

○29番(むとう有子) 区民の方々から寄せられました御意見をもとに質問いたします。

 1番目、父子家庭に対する支援策の拡充について、お尋ねいたします。

 厚生労働省は、10月、日本政府として初めて1人当たりの年間可処分所得の中央値228万円の半分未満、つまり114万円未満で暮らす人の人口に占める割合をあらわす相対的貧困率を15.7%と発表いたしました。さらに、11月、ひとり親世帯の相対的貧困率が54.3%であることを明らかにしました。経済協力開発機構の集計によれば、日本のひとり親世帯の相対的貧困率は加盟30カ国中で最も高く、先進国で最悪の水準であることがわかりました。また、日本の子どもの7人に1人が貧困であることも明らかになりました。

 これまで、ひとり親家庭の母親の就労形態はパートなど非正規雇用が多数ですが、父親は正規雇用の方が多いとされ、父子家庭への支援策は後回しにされていました。新聞報道によりますと、家事や保育園の送迎などがあり、残業や出張が制限されることで部署異動や転職を余儀なくされ収入が減るなど、父子家庭の窮状を訴え、父子家庭への支援充実を目指し、11月、全国父子家庭支援団体連絡会が設立されたそうです。今や父子家庭への支援策を母子家庭と同様の水準にすべきであり、母子・父子の区別をなくしてひとり親家庭の支援策として拡充すべきではないでしょうか。区の認識をお答えください。

 さて、中野区では、10月現在父子家庭は579世帯ですが、その中で児童育成手当を受給されているのは122家庭であり、児童数は178人です。過去3年間を見てみますと、支給件数はじわじわと増加しており、父子家庭の厳しい生活状況がうかがえます。

 そこで、中野区ひとり親家庭のしおりを読んで気になることがあります。親の事業資金や子どもの就学資金、結婚資金などの福祉資金貸付と、医療事務や税理士などの国の指定訓練講座受講料を支給する自立支援教育訓練給付金事業、看護師や理容師などの資格取得のための高等技能訓練促進費等支給事業の対象が母子家庭のみとなっていることです。これらは父子家庭にとっても必要な制度です。

 そこで、厚生労働省に確認したところ、「児童扶養手当は来年度から父子家庭にも拡大する予定ですが、福祉支援貸付、自立支援教育訓練給付金、高等技能訓練促進費等支給事業については要望はあるが今のところ父子家庭に拡大する予定はない」とのことでした。残念なことです。この三つの制度について父子家庭にも拡大するよう、中野区として国に要望することを求めます。区の見解をお答えください。

 国が父子家庭に拡大するまで、これらを補うための貸付・給付事業を区が行うよう検討を求めます。お答えください。

 さまざまな研究者が親から子への貧困の連鎖を問題視しています。国連総会で子どもの権利条約が採択されて、先月20周年を迎えました。どのような親のもとで生まれ育てられようとも差別されることなく、子どもたちが元気に生きる権利、自分らしく育つ権利を地方自治体の責任において保障すべきと考えます。

 次に、ごみ・資源の出し方と収集方法について、お尋ねいたします。

 昨年10月より廃プラスチックのサーマルリサイクルと称する焼却が実施され、1年が経過しました。また、廃プラと同様にゴム・皮革製品も可燃ごみとなりました。可燃ごみ中の廃プラ混入割合は、東京二十三区清掃一部事務組合の当初試算10%の予測を大幅に超え、約20%でした。廃プラ混入割合の増加に伴う熱カロリーの増加、さらに分別区分があいまいになったことで燃やしてはいけない金属ごみの混入がふえ、焼却工場では故障が多発し、ついに死亡事故まで起きてしまいました。また、廃プラ焼却開始後、排ガス等の規制値をクリアするために消石灰などの薬品類の使用量が大幅にふえ、それにより飛灰の質が変化し、主灰と飛灰の混合溶融が難しくなり、主灰単独の溶融の検討が始まったようです。さらに、廃プラ焼却による焼却灰や排水処理後の汚泥から重金属が検出され、工場敷地内の雨水からもダイオキシンが検出されるなど、焼却過程における大気汚染も気がかりです。中野区には清掃工場がないので分担金を払えば済むという問題ではありません。ましてや中野区長は清掃一部事務組合の副管理者です。廃プラ及びゴム・皮革製品の焼却を決めた23区の各区長の責任において、この1年の焼却工場の実態把握と専門知識に裏づけされた検証を行うべきであると考えます。焼却を決めたそのお一人である中野区長の見解をお答えください。

 プラスチックを資源化している区に所在する清掃工場にプラスチックの資源化をしていない区のごみが搬入されているというのはどう考えても不合理です。これを解消するために、全区でせめて容器包装プラスチックの資源化に取り組むよう、23区区長会で再検討することを再度求めます。お答えください。

 循環資源研究所の村田徳治所長によれば、ゴム製品にはさまざまな配合剤が添加されており、天然ゴムを焼却すると二酸化硫黄や亜鉛などが、合成ゴムを焼却すればダイオキシンなどが発生する。皮革製品はなめしの工程でクロム化合物を使用しており、焼却すると六価クロムなどが、合成皮革を焼却するとカドミウムや鉛などの重金属やダイオキシンなどが発生する。さらに、窒素を含むゴムや皮革を焼却すると猛毒のシアン化水素が発生するとのことです。廃プラ、ゴム・皮革製品を可燃ごみから除外し、燃やしてはいけないごみとするよう、23区区長会で再検討することを求めます。お答えください。

 お年寄りや障害のある方など、ごみを集積所へ出せない方には、安否確認も含め、現在約340軒に訪問収集を行っています。しかし、訪問収集においては、古紙、古布、びん、缶、ペットボトルなどの資源回収が収集主体の違いからできていません。このままでよいはずはありません。清掃事業が都から区へ移管される際に、区は身近な自治体できめ細かな清掃事業を実現するとさんざんPRしていたことを忘れては困ります。課題もありますが、訪問収集における資源回収の実施に向けた検討をすべきではないでしょうか。お答えください。

 最後に、住民によるまちづくり協議会等の運営・支援のあり方について、お尋ねいたします。

 現在、名称はさまざまですが、住民によるまちづくりの会が数箇所で進められています。まちづくりは、その地域に暮らす人たちにとってよりよい住環境となるよう、丁寧な話し合いの積み重ねによる合意形成を図りながら進めるべきものです。しかし、まちづくりは、総論賛成、各論反対に陥りやすい個人の資産にかかわるデリケートな問題をはらんでいます。よりよい住環境を構築するにはハード面とソフト面があり、幾ら立派な建物や道路や公園ができても、その地域に暮らす人たちの人間関係が豊かにならなければまちづくりが成功したとは言えません。ところが、逆に、これまでの人間関係が崩れてしまいそうな強引なまちづくりが進められている地域があると聞こえてきています。区の運営支援のあり方が問われています。区はこれまでに成功例や失敗例を経験として積み重ねているはずですが、それがどのように生かされ継承されているのか、またどのような理念や方針、ノウハウを持って運営支援に取り組んでいるのか、お答えください。

 心豊かに暮らせる中野を目指し、誠意ある答弁を求め、質問を終わります。(拍手)

   〔子ども家庭部長竹内沖司登壇〕

○子ども家庭部長(竹内沖司) 私からは、父子家庭の支援についての御質問にお答えいたします。

 まず、母子・父子の区別なく支援が必要ではないかというお尋ねでございます。ひとり親家庭への支援は経済的基盤の差から母子家庭の支援を主としてきておりますが、現在の経済情勢を考えますと確かに父子家庭も厳しい状況に見舞われており、支援が必要な場合もあり得るという認識を持っております。

 次に、給付金等の父子家庭への拡大についての御質問でございますが、母子家庭の母は専業主婦等であったために職業経験が乏しく、技能も十分にない場合が少なくないということから、こうした母子家庭の母が能力開発に取り組むことで自立を図ることを支援するために給付金などは実施しているものでございまして、直ちに父子家庭にも適用が必要なものとは考えてございません。また、父子だけを対象としたものではございませんが、東京都の就職チャレンジ支援事業や社会福祉協議会の生活支援貸付事業など類似の制度があることからも、国への要望や区としての独自実施については現在考えておりません。

   〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕

○区民生活部長(鈴木由美子) サーマルリサイクルの見直しについてお答えいたします。

 清掃工場の灰溶融施設などで発生したトラブルについて報告を受けているところですけれども、必ずしもサーマルリサイクルに起因するものであるというふうには考えておりません。

 また、いわゆる容リプラ回収は23区全区で一斉にやるべきだというふうな御提案でございますけれども、資源回収は基本的に各区の事項でありまして、それぞれの区がさまざまな条件のもとで判断すべきであるものと考えているところです。

 それからまた、このサーマルリサイクルについては再検討をすべきではないかというふうなお尋ねでございますけれども、その必要はないものというふうに認識してございます。

 また、常に私ども効率的な収集方法については工夫しているところですけれども、訪問収集と資源回収では曜日や時間帯に著しくずれが今はありますので、あわせての実施については現在のところ難しいというふうに思っています。清掃工場を持たない中野区にとりましては、分別の収集について区民の皆さんにより御協力をいただきながら資源化率を高めていけるように頑張って取り組んでまいりたいというふうに考えております。

   〔まちづくり推進室長川崎亨登壇〕

○まちづくり推進室長(川崎亨) まちづくり住民組織の運営支援のあり方について、お答えをいたします。

 まちづくりを進める上では合意形成は極めて重要でございますので、その前提となるのは住民組織の信頼であると考えます。そのために、住民組織の組織づくりの動きが始まった段階から、住民の皆様の自主性を尊重しながら継続的な話し合いを重ね、住民の相互理解が深まるように組織運営の支援を行っているところでございます。

     〔むとう有子議員登壇〕

○29番(むとう有子) 再質問をさせていただきます。

 まず、1番目ですけれども、父子家庭の部分で、先ほどおっしゃったさまざま研修を受ける部分については御答弁のようなことがあったかと思いますけれども、福祉資金貸付については父子家庭についても十分必要なものというふうに思いますので、これについて、やはり国が拡大する方針がない中で、何とか区としても国に対して要望をし、なおかつ国の支援策が拡充されるまで福祉資金貸付については区のほうでも検討すべきではないでしょうか。そのことについてもう一度お答えを願いたいということ。

 それから、訪問収集の資源回収ですけれども、課題があることは十分承知しておりますが、課題を克服しつつ、訪問収集における資源回収の実施に向けた検討をしてはどうでしょうかというふうに聞いているので、検討をするということについてはいかがお考えでしょうか。

 以上2点について、再質問をお願いいたします。

   〔子ども家庭部長竹内沖司登壇〕

○子ども家庭部長(竹内沖司) 先ほどお答えしたとおりでございまして、この制度実施の趣旨、それから類似制度があることなどからも国への要望といったようなことについては現在考えておりません。

   〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕

○区民生活部長(鈴木由美子) 再質問にお答えいたします。

 常に工夫をしていきたいということでございますので、全く可能性がないというふうなことではございません。いろいろ考え合わせながら、その可能性についても追求してまいりたいというふうに思っております。

○議長(伊藤正信) 以上でむとう有子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 近 藤 さえ子

 1 地域で高齢者を支える事業について

 2 子育て環境の充実について

 3 その他

 

○議長(伊藤正信) 次に、近藤さえ子議員。

     〔近藤さえ子議員登壇〕

○18番(近藤さえ子) 地域で高齢者を支える事業について。

 本年第1回定例会の一般質問において、私は、高齢者が地域で安心して暮らしていくためには中野区が現在行っている社会福祉協議会によるほほえみサービス、シルバー人材センターの家事援助の仕組みなどを評価しながらも、武蔵野市のように廉価で受けられる家事援助の事業が求められるのではないかと支援策を提案しました。現在の家事援助の仕組みでは、高齢者が買い物と食事の支度を依頼した場合、食材費を1人分500円に抑え、買い物と料理を1時間以内でしてもらうとしても、ほほえみサービスやシルバーの人材に払う人件費を入れるとその負担は約1,500円になってしまい、年金暮らしの高齢者にはあまりにも負担が大きく、だれもが気軽に頼めるサービスとは言いがたいと思います。

 2月のこの質問から9カ月あまりの間に、我が家の御近所で長く暮らしていた高齢者が4人続けて引っ越しされました。ある70代前半の女性は、お元気で何でも1人でできるのですが、もう少し年をとったとき、もっと買い物に便利なところがよいと、今後の利便性を考え、条件のよい地域に移住されました。また、80代後半の方は、長く地域活動をされ、死ぬまで自宅で暮らしたいと常に言われていましたが、実際の高齢者のひとり暮らしは困難が多く、ほかに移られました。また、他県の施設に移ることを決められた方に引っ越しの前日にお別れのあいさつに伺い、私が「ごみの処理をお手伝いしましょうか」と言うと、「申しわけないですが、明日の朝用にパンを一つ買ってきてくれませんか」と言われました。翌朝、子どもの弁当用に多めにつくったサンドイッチを持っていくと泣きながら感謝されました。高齢者は住みなれた我が家で暮らし続けることを心から望んでいます。しかし、残念ながら現状では高齢者のひとり暮らしは大変厳しく、続けることが困難です。お元気そうに見えても買い物に出られない、食事の支度ができない、火の始末に不安がある等、困り事、心配事を抱えてのひとり暮らしです。特に、若いときに地域の子どもたちや高齢者のために一生懸命地域活動をされてこられた方が、御自身が高齢化してお一人になったとき、その愛する地域に住むことができなくなってしまう現実を見て、私は本当に申しわけなく悲しい気持ちになります。地域が丸ごと高齢化していく中で、昔ながらの地域での助け合いではこの高齢者の生活は見守っていけないのです。

 このような高齢者の現状を改善しなければと、武蔵村山市でことしの10月から始まった「まいど~宅配センターおかねづかステーション」事業を視察してまいりました。

 この事業は、高齢者の生活を支援し、同時に地元の商店街を活性化する目的で始まった自転車タクシーによる高齢者の買い物の送迎と宅配サービスを行う事業です。商店街と商工会が主体となり発案しました。商店街の中の拠点となるステーションにはボランティアが詰めていて、そこに電話や伝言をすれば宅配サービスや送迎サービスの予約ができる仕組みになっています。商店街がレンタルした自転車が商店街で買い物をした高齢者を迎えに行き、買い物の荷物とともに自宅へ送り届けます。電話で依頼された品物も配達します。自転車タクシーは自転車の前の部分に2人乗りの座席がついた構造で、座席の足元に荷物が置けるように広目になっています。運転手は定年退職した方がボランティアで務めています。2時間500円と大変安い時給ですが、「高齢者に喜ばれて、退職後の生きがいとなり毎日が楽しい」と話していました。タクシーのように走っている自転車を呼びとめて乗せてもらうこともできます。いずれも料金は無料です。市から200万円の補助金を受け、商店街費毎月3万円を負担しています。経費は自転車のレンタル料とボランティアのわずかな謝礼と空き店舗の活用の資金だけなので、これで事業が成り立ちます。そして、地域で高齢者を見守る仕組み、買い物に行きたくても出られない高齢者の生活を支える仕組み、地域の商店街の活性化の仕組み、定年後に地域に戻ってきた人材に対する公益活動推進の仕組み、それぞれ現在どこの地域でも抱えている難しい問題解決が一挙に実現した形になっていました。

 このサービスを始めてから商店街はテレビ等でも取り上げられ、数々のマスコミや視察者が訪れ、商店街のイメージアップになっています。高齢者が地元の商店街に戻ってきたことで商店街の売り上げは伸びました。また、商店街側も知識を出し合い、例えば、これまで米の配達だけをしていた米屋がみずからおにぎりを握って届けるサービスを行うなど、高齢者に必要なサービスは何かを商店街の皆さんが真剣に考え、それが商店街の売上高アップにつながっています。商店街が絶えず高齢者に関心を寄せることで高齢者の安否確認作業も補完され、地域包括支援センターとも連携し、まち全体が高齢者を見守る体制ができていると感じました。介護保険など現行のホームヘルプサービスは買い物に出られない高齢者には大変ありがたいサービスですが、ヘルパーさんや会員さんは決められた時間内で動かなくてはならないので、短時間で一度に買い物ができるスーパーを利用することが多いといいます。商店街発の高齢者支援サービスであれば、地元の小売店の品を配達することができます。また、地域の高齢者の見守りも地元の商店街だからこそできることもあります。

 中野区では商店街の活性化のためにさまざまなイベントの支援をしてきています。近年ますますイベント制が高くなってきたように思えます。商店街に人を集めるために華やかなイベントをすることも確かに一つの方法だと思います。しかし、イベントが一過性のものになってしまっては商店街の活性化にはつながりません。中野区の商店街の活性化に資する予算は今年度約1億1,000万円です。地域の商店街とボランティア活動が連携し、高齢者向けの宅配・買い物支援サービスを実施することは商店街の活性化と高齢者の豊かな生活の二つを実現することにつながると思いますが、いかがでしょうか。

 2番目に、子育て環境の充実について。

 中野区は、小学校にキッズ・プラザを整備し、児童館を廃止する方向で施設の配置を進めています。児童館がなくなる地域では子どもや保護者が気軽に集う場所がなくなってしまうことに対する懸念が出ています。ことしの決算特別委員会の総括質疑でも質疑いたしましたが、丸山児童館が廃止されれば、丸山地区の乳幼児を持つ保護者の居場所は遠くなり、外に出づらくなる親子も出てくるでしょう。また、丸山小学校の体育館にできるキッズ・プラザには活動室が一つしかありません。他のキッズ・プラザに比べて部屋数も少なく、面積も狭くなっています。校庭や体育館は使えますが、室内遊びが好きな子どもたちにとって狭苦しく、活動室が幾つもある児童館に比べ居心地がよいとは言えません。丸山小学校の体育館に整備されるキッズ・プラザは他よりも狭いのですが、放課後の子どもたちの居場所の充実を図るために今後どのような対策を考えているのでしょうか。

 児童館は、子どもたちだけではなく、地域の子育ての拠点として育成者や保護者、地域の方が気軽に立ち寄ることのできる使い勝手のよい場所でした。新しいキッズ・プラザを保護者や育成者などが集う拠点として利用できるよう、学校の他の部屋を気軽に借りることができるなど、学校の協力や連携を図る必要があると思いますが、いかがでしょうか。

 また、丸山地区のように、近くに子育ての拠点を失う地域においては、乳幼児親子の交流や仲間づくりのために子育てサポーター養成講座修了者を活用したり、積極的な配慮が必要ではないでしょうか。地域に子育ての拠点がなくなってしまう乳幼児親子と春夏秋冬朝から夕方まで小学校の中で過ごすことになる小学生が伸び伸び過ごせるような環境をつくることをお願いして、この項の質問を終わります。

 その他で、犯罪被害者講演会について。

 11月25日から12月1日の犯罪被害者週間に当たり、中野区では東京都と共催で犯罪被害者週間行事を行いました。11月27日に全国犯罪被害者の会、あすの会の幹事と会員、ノンフィクションライターの藤井誠二氏をお招きして、中野ZERO小ホールで講演会を開きました。この会は事前にマスコミにも取り上げられ、他の自治体職員、教育関係者の方、被害者支援団体の方、民生委員など社会のリーダーが多く集まりました。

 講演会では、区長も、犯罪被害者支援について住民が安全に暮らしていくために取り組んできたこと、またさらに充実していかなくてはならないとあいさつをされ、大変ありがたく拝聴しました。

 講演された幹事の方は、お嬢さんが被害に遭った池袋通り魔殺傷事件と昨年の秋葉原無差別殺傷事件を例に挙げて、加害者、犯人を取り巻く地域の無関心さが生んだ事件として二つの事件の共通点を指摘され、地域のネットワークやつき合い方が安全・安心の社会をつくっていくことに絶対必要であることをみずからのつらい経験を通して話されました。また、中野区の犯罪被害者支援窓口について、被害者支援だけではなく、子どもたちが被害者にも加害者にもならないよう、人権教育を行っていることを高く評価してくださいました。

 会の終了後、「いろいろな犯罪被害者行事に出ていますが、派手さはありませんでしたが、中身の濃い必要性の高い講演会でした」と、被害者団体の方、マスコミ関係、自治体職員の方からの高い評価の言葉を幾つもいただきました。犯罪被害者のための窓口設置から1年半あまり、中野区が関係者から高く評価される行事を催せたことをうれしく思います。区の見解をお聞かせください。また、今後、さらなる充実をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

 質問は終わります。ありがとうございました。(拍手)

   〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕

○区民生活部長(鈴木由美子) 高齢者向けの宅配・買い物支援サービスについて、お答えいたします。

 高齢化社会に対応したサービスの質的向上の観点から、高齢者への買い物サービスの充実などを考えていくことは非常に必要なことだというふうに思っております。中野区の商店街連合会でも平成18年度から高齢者向けのしんせつ相談員の活動を行っているわけですけれども、高齢者とのコミュニケーションの和が広がるまちづくりを目指しているところでございます。こうした活動の発展の形として、やはり宅配や買い物支援サービスの可能性もあるだろうというふうに思います。それで、このような取り組みを含めまして商店街が地域の多様な資源を活用するコアになっていくように、新たな取り組みにチャレンジしていただけるように、商店街とも相談しながら区としてもその実現に向けて必要な支援を組み立てていきたいと、そのように考えております。

   〔子ども家庭部長竹内沖司登壇〕

○子ども家庭部長(竹内沖司) まず、丸山小学校のキッズ・プラザについてでございます。丸山小学校に整備するキッズ・プラザは体育館と併設であることから、放課後の体育館の活用が容易であるというふうに考えております。子どもたちには新たに整備する活動室だけでなく、校庭や体育館などさまざまな学校施設を活用できるようにし、放課後の活動を充実させてまいりたいと考えております。

 次に、学校との連携についてでございますが、キッズ・プラザは家庭・地域・学校と連携し、子どもの健全な育成を図る場でございます。学校との十分な連携を常にとって運営していく考えでございます。

 それから、乳幼児親子への支援についての御質問がございました。子育てサポーター養成講座は乳幼児親子の交流や遊びの場の運営を行うなど、地域で子育てを支援する人材の育成を図るために行っているものでございます。この講座の修了者や地域の育成団体の方々などが乳幼児親子の交流や遊びの場を運営する場合には区として助成を行っているところでございます。今後も引き続き地域で子育てを支援する人材の活用や活動団体との連携に努めてまいりたいと考えております。

    〔保健福祉部長金野晃登壇〕

○保健福祉部長(金野晃) 犯罪被害者支援についてお答えいたします。

 まず、先日の犯罪被害者講演会の反響でございますが、当日は約340名の参加がございまして、終了後にアンケートを実施したところ、犯罪被害者や家族の思いが理解できたということなど、ほとんどの方から好意的な御意見をいただいたところであり、大変好評だったと受けとめております。

 次に、事業の今後の進め方でございます。区が開設した犯罪被害者相談窓口については、次第に周知されていき、相談件数もふえてきている状況でございます。引き続き関係機関との連携を図りながら、被害者やその家族からの相談に応じて必要な支援を行っていきたいと思います。また、被害者支援の必要性や理解を深めるための講演会の開催などの啓発事業も継続的に取り組んでいきたいと思います。

○議長(伊藤正信) 以上で近藤さえ子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 いながき じゅん子

 1 中野区土地開発公社経由で取得した土地について

 2 その他

 

○議長(伊藤正信) 次に、いながきじゅん子議員。

    〔いながきじゅん子議員登壇〕

○6番(いながきじゅん子) 無所属のいながきじゅん子でございます。

 公有地の拡大の推進に関する法律に基づき、区の外郭団体として昭和63年に設立されました中野区土地開発公社は、設立当初から合計80以上の土地を区に代わって先行取得してまいりました。まず、区の用地委員会が土地の取得を審議決定し、最終的には区長名で公社に依頼書を出し、契約を結んで土地を先行取得させるわけですが、用地委員会の委員長は副区長、委員も全員区の職員、一方の開発公社の理事長も別の副区長、理事も全員区職員ということで、区と公社は事実上一体であると私は思っております。

 では、なぜ区は公社を使って土地を取得するのか。それは、区にとって公社が非常に都合のいい存在だからではないのでしょうか。なぜなら、取得予定地の詳細な事業計画も必要なく、議会の承認を得る必要もなく、区を保証人として金融機関から資金も全額借り入れできるなど、区で直接取得するよりも公社を使ったほうがはるかに簡単に土地を買えるからです。ちなみに、用地委員会の議事録は非公開となっており、区がその土地の取得を決定した理由及び経緯の詳細を我々は知ることはできません。ルール上、公社に取得させた土地は一、二年のうちに区が買い戻さなければならないことになっています。しかし、区は財政難を理由に利子や維持管理費だけ肩がわりして買い戻しをせず、バブル崩壊前後の高い地価で買った土地を5年以上、ひどいところは20年近く放ったらかしの塩漬け土地、さらに言えば不良債権をふやし、結果、23区で唯一、土地開発公社の健全化計画を東京都に提出することとなりました。しかし、これで公社の借金が消えるわけではなく、公社が金融機関から全額借り入れするよりは区が起債して借り入れするほうが金利の面で多少有利ということで、特例として公社から区に借金をつけかえさせてもらえただけで根本的な問題解決には至っていないと私は理解しております。

 さて、多額の利子と維持管理費を上乗せした上、バブル崩壊前後の高い簿価でようやく区が公社から買い取った土地でも多少雑収入が入る程度の暫定利用という名目で、当初の目的どおり事業化もされず、高値で買ったのに有効活用されているとは言いがたい土地が幾つもあります。15年前に2度にわたって公社が先行取得し、健全化計画に基づいて来年度中にようやく区が引き取る予定となっている中野五丁目の土地のように、最初の取得目的は公園用地だったものがいつの間にか用途変更されて福祉施設を建設することとなり、その後(仮称)区民活動センターの建設予定地に変わったと思いきや、最近になってまた障害者関連施設をつくることに変更。しかし、現在は撤去自転車保管所として活用中と、結局何のために先行取得したのかさっぱりわからない、区の計画性のなさばかりが目立つところもあります。

 ほかにも、平成3年と6年に公園用地として公社が取得した上鷺宮五丁目の土地には維持管理費等を含めおよそ23億円もの税金が投入されましたが、結局10年以上暫定利用されたあげく、最終的には東京都の事業である乳児院が建設され、区はそれを運営する社会福祉法人に無償で土地を貸与する結果となりました。予定ではここのスペースの一部を区の子育て広場事業や病後児保育事業に利用させてもらうことになっていますが、いまだ実現されていないようです。

 区は「機会損失」という概念を御存じでしょうか。高値で先行取得させた土地を長年有効活用できなかったことで、我々区民の利益をどれだけ毀損してきたのか。民間企業ではございませんので具体的数字は出しにくいかもしれませんが、ぜひ一度真摯に考えるべきだと思います。その上で、今後も有効活用が見込めない土地については、無理に箱物をつくろうとせず、かつその場しのぎの暫定利用はもうやめて、この財政難の折、定期借地権の活用とともに、聖域を設けることなく、売却できるところはすべて売却するくらいの覚悟でもっともっと真剣に土地の整理と活用を考えていくべきなのではないでしょうか。見解を求めます。

 また、こういう歴史を経て、健全化計画を2度も提出するはめになったにもかかわらず、区は公社を通じて土地を買うことをやめないのは率直に申し上げ不思議でなりません。確かに公社を通せば中野区という強力な保証人をバックに簡単に借金ができて土地を買えますので、区にとっては大変魅力的かと思います。しかし、その借金がのしかかってくる将来世代は大変です。

 平成20年度末の中野区土地開発公社の金融機関からの借入金残高は23区の中で2番目に多い256億円に上り、23区合計のおよそ20%を占めています。公社がこの時点で抱える土地の分だけで区は11億円以上の利子と維持管理費を払ってきました。ちなみに、借入残額第1位は足立区、3位は練馬区ですが、両自治体とも中野区より財政規模がかなり大きなところです。そもそも開発公社自体が存在しない区が3区、あっても借入残額ゼロの区が5区です。地価が右肩上がりの時代はとうに終わり、公社そのものの存在意義も問われる中、中野区はいまだこれに頼り、多額の借金をして土地を買い続けている。この財政難の中、区民は本当にそれを望んでいるのでしょうか。

 例えば、昨年139億円で本町五丁目の土地を取得したのに続き、今年の7月にも現在高齢者農園として利用中の上鷺宮の土地を目の前の八成公園の拡張用地として公社がおよそ3億1,600万円で先行取得しています。この地域は歩いてすぐのところに別の公園や広場があり、決して拡張するほど公園に不足しているとは思えません。区は平成2年にもこの地域に都市計画道路が完成した場合、元の公園用地の面積が削られるという理由で、公社でこの公園の拡張用地を先行取得し、整備したと聞きました。ここの都市計画道路は優先整備路線でもなく、事業の着手のめども全く立っていない状態ですが、地図上では平成2年時買い増しした土地の一部にもその道路が通ることになっています。将来削られるかもしれないとわかっている土地を取得しておいて、またさらに買い増すということなのでしょうか。私はてっきり農園存続のために公社に取得させたのかと思いきや、担当課には公園にするのだと断言されました。名目上はとりあえず公園用地として買っておいて、利子だけ払い続けて公社から引き取らず、また暫定利用という錦の御旗を掲げて高齢者農園という形で目的外使用を続けるのでしょうか。いずれにしても、この厳しい財政状況の折、この土地を買うか買わないかは議会を含めもっと議論する必要があったのではないでしょうか。ちなみに、ここは土地の物納を迫られた地主さんから区に買ってほしいと依頼が来たところだそうですが、仮に国に物納されても、必ずその土地が所在する自治体に最優先で取得権が与えられ、自治体が希望を出して審査に通れば2年間の取得猶予が与えられます。ウェブ上にも物納物件の所在地とその取得を希望する自治体や開発公社のウェイティングリストが公開されています。農園は地主さんが無償で貸与してくれている間のみ利用でき、返却を求められたら速やかに返すという前提で区が利用者に提供しているはずですし、他区の区民農園でもいつ返却を求められてもいいように、常に準備・調整しながら住民に利用してもらっているそうです。公社が取得した今年の7月前にはその後の大変厳しい財政状況がある程度予測できていたはずです。なのに、また全額借金をして、3億円以上の土地を急いで買った、その理由について御説明をお願いします。

 その他として、区役所本庁舎1階の総合案内について伺います。

 企業の総合案内や受付は通常その会社の顔として非常に重要な役割を担っており、そこでの対応が組織のイメージや第一印象を決めると言っても過言ではありません。区の総合案内にも全く同じことが言えるのではないでしょうか。実際にそこに立ち寄らずとも、来庁者のほとんどがその前を通るわけで、総合案内の発するメッセージ性は大きく、その役割は非常に重要なものであると私は考えております。区では、その担当を「知識があるから」という理由で退職した元職員の方々に長年任せてきており、接客の研修等も特にしてこなかったということですが、行政はサービス業であるという認識が高まる中、今後は知識があるだけではない、接遇のプロフェッショナルを配置し、運営にあたっていくというのが理想なのではないでしょうか。もし、庁内でそういった人材を育てる余裕がないとすれば、外部に求めるという手段もあるかと思います。また、中野区には観光課がございませんので、地図を置くだけではなく、関連の情報ももっと充実させていくべきではないでしょうか。区の情報、イメージの発信源として総合案内の何らかの改革が急務だと思います。区の御見解をお願いいたします。

 以上で私のすべての質問を終了いたします。ありがとうございました。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) いながき議員の御質問にお答えいたします。

 土地開発公社の問題であります。確かに土地開発公社でいわゆる不良債権と言われるような土地を取得していた、そういった苦しい時代もあったということで、これは中野区としての大きな反省材料として持ち続けなければならないことだと、こんなふうに認識はしております。しかし、一方で、土地開発公社での土地取得というものにも必要性があるということでもあります。区が計画的に事業を行って公園建設をするとか、あるいは施設建設をするとか、そういったような場合でも直ちに事業には着手できない、そのような場合も多々あるわけであります。その間、計画をしたり、あるいは検討したりしていると、そういう間にせっかくそのとき出た土地が民間で売却をされてしまうというようなことになっては公有地としての活用が図れないと、こういうようなことから先行取得を行うというようなことが出てくるわけであります。

 例示がありました本町五丁目の公園用地でありますとか上鷺宮の公園用地でありますとか、そういったものも当然そういうものというふうに考えております。起債をしたり、あるいは国の補助金等々を導入したりしながら公園などの整備を行っていくわけでありますが、そういったものを計画的に行っていく上で土地開発公社の活用というものも一つの有効な手段と、こう考えているところです。

 いずれにいたしましても、区の未利用地について、高齢者向けの住宅等での定期借地権の設定や民間活力の活用による整備を進めてまいりました。今後ともさまざまな手法を用いながら、さらに有効活用ができるように努めていきたいと思っております。また、今後、施設の整備等にもいろんな費用がかかってくるということもあります。そういうことも含めて、民間への貸付や売却などをさらに積極的に行っていきたいと、このように考えております。

 八成公園ですが、先ほども触れましたけれども、八成公園は昭和50年に開園後、上鷺宮地域の中心的な役割を担う公園というふうに考えて、隣接地を取得したり拡張してきた公園であります。今回の拡張用地の取得も、より一層上鷺宮地域の中心公園としての役割を高めるために行ったということを御理解いただきたいというふうに思っております。

 それから、総合窓口の外部委託化を検討したらどうかということであります。現在、委託化も含め検討しているところであります。まさに区役所の顔として、また一番最初に区民サービスの入り口となる窓口ということですので、区民の皆様にとってより親しみやすく利用しやすい窓口にしていきたいと、こういうふうに考えております。

 観光情報の発信ですけれども、既に総合案内では中野区の魅力を多くの人に知ってもらうため、お散歩コースを案内する「よりみちナビ」でありますとか、「中野を読む・知るマガジン」などの広報誌を配布しているところです。今後も引き続き情報発信の場としても活用をしていきたいと、こう思っております。

 以上です。

    〔いながきじゅん子議員登壇〕

○6番(いながきじゅん子) 再質問させていただきます。

 八成公園の拡張用地ですが、ただいまの御答弁ですと、公園として今後整備していくということでよろしいのでしょうか。今、高齢者農園として使われているところを公園に今後必ず転換するということでよろしいのでしょうか。再質問させていただきます。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 公園として整備します。

○議長(伊藤正信) 以上でいながきじゅん子議員の質問は終わります。

 

 中野区議会議員 林 まさみ

 1 待機児対策と保育の質の向上について

 2 その他

 

○議長(伊藤正信) 次に、林まさみ議員。

      〔林まさみ議員登壇〕

○7番(林まさみ) 第4回定例会において、生活者ネットワークとして市民自治を広げる立場で質問いたします。

 まず、待機児対策と保育の質について伺います。

 2008年夏のリーマンショック以降、派遣切りや雇用不安の中、共働きがふえたことで待機児は増加しています。中野・生活者ネットワークにも保育についての要望や意見が寄せられています。

 ことし4月の時点で新定義190名だった待機児は、11月1日時点286名となっています。区は待機児解消のための対策を立て、待機児は解消すると言っています。しかし、11月1日を前年度と比較すると待機児が70名もふえていることから、来年4月の待機児解消は困難であることが予想されます。また、認可保育所と認可外保育所の料金格差問題は積み残したままです。想定を上回る待機児対策と認可保育所相当の保育料を望む声にこたえるために、区として公共施設の積極的活用を検討するべきです。

 例えば、杉並区では、待機児の緊急対策として企画室と保育課とが連携し、区民用の会議室や区有施設の空きスペースを利用した区直営の認可外保育所を5カ所、委託保育所を3カ所開設しました。今後もふやす方向です。区直営の認可外保育所では、設置基準が認可保育所に満たないけれども、区が再任用した元保育園長やベテラン保育士を活用することで質の高い保育を目指しているそうです。料金設定も、中野区の認証保育所の上限5万6,000円に比べて、世帯年収700万円未満の家庭の保育に対し8時間まで2万5,000円とするなど認可保育所により近づける取り組みを行っています。また、世田谷区では中学校の1階の空き教室3部屋を認可保育所の分園として活用していると聞いています。

 以上のことを踏まえて、一つ目の質問をします。想定を超える待機児に対応するためにも、保育料の面から認可保育所を希望する育児世帯に対応するためにも、企画調整分野と保育分野とが連携し、学校の空き教室など公共施設を活用した区独自の保育施設をつくることが必要です。区が目指している多様な保育を実現することで中野区に共働きが可能となる世帯がふえ、ファミリー層の誘致・定着につながると考えます。区の考えをお聞かせください。

 次に、保育の質について伺います。ビルの一室の狭い空間に子どもたちが長時間押し込められるような保育が行われないためにも保育の質の向上の取り組みは必要です。中野区でも平成19年に保育の質の向上を実現するために、保育現場の調査研究を行う「中野区幼児研究センター」を設立しました。ほかにも、公立・私立保育園に対し月一回保健衛生会を、年4回栄養士調整会を、そして年2回保育園情報交換会を開催し、情報提供を行っています。また、保育施設の巡回を行い、保育技術が備わっているか、保育士同士の連携やコミュニケーションがとれているか、子どもの心に寄り添った保育がなされているかなどについて指導や相談に乗り、保育の改善につなげています。しかし、保育園への巡回指導や幼児教育センターの調査結果による保育の質の向上を保護者が実感していないのが実情です。

 保健福祉サービス向上委員会を設置している世田谷区では、保育所を選択するために必要な情報を利用者の視点に立って明らかにし、ホームページ等に掲載しています。

 対象施設は、区立保育園や認可保育所だけではなく、認証保育所、保育室、家庭福祉員などすべての保育施設です。

 情報内容は、入園料から超過保育の料金の単位、兄弟・姉妹割引の有無などの料金設定だけではなく、テレビやビデオを子どもに見せる時間の有無、アレルギー対応の有無、外遊びの平均回数や平均時間、保護者参加行事を行う設定曜日や時間、保育に携わる職員の保育経験年数別の人数や正規職員数、栄養士や看護師資格者の人数、また昨年度の保育士の退職者数など、保護者の知りたいことを公表しています。そのほかにも、区が主催した研修に何人職員が受講したのか、巡回指導回数は何回か、東京都指導検査実施が行われているかも一覧表にして掲載しています。

 サービス向上委員会では、保育の量的な整備が不足している現状下、保護者が求める保育情報は保護者にとっての利便性に偏り、子ども自身の成長達成という視点が弱くなっている。これまでの保育情報とは違う情報を行政が提供することで、保護者の選択する権利を保障し、区内すべての保育の質の向上に結びつくと考えていると、公表の意義を説明しています。世田谷区では情報を公開する前に、どのような保育内容を知りたいか、約1,000人の保護者に向けアンケートを行い、子ども施策の専門家の意見も交え、公表する内容を選定したそうです。アンケートの回収率は80%と保護者の関心の高さがうかがえます。

 以上の点を踏まえて2点質問いたします。

 1点目は、認可・認証保育所などに対して実施の責任を負う自治体が子どもの目線、保護者や専門家の視点に立った保育関連情報を責任持って公表するべきと考えます。子どもたちが長時間過ごす保育所などの情報を公表することで、保育所間の競争を生み、保育の質の向上や保護者と保育所などへの信頼につながると考えます。区の考えをお聞かせください。

 また、中野区幼児研究センターでの調査研究内容を保育現場で生かすことも保育の質の向上には有効と考えます。そのためには研究センターで効果があると考える保育内容を保育園、幼稚園の年間計画や中・長期的な保育計画に反映させ、そのための専門スタッフを配置することなどが必要です。

 2点目として、中野区幼児研究センターの調査研究内容をどのように保育施策に反映しているのか、どのように反映していく予定なのか、お答えください。

 次に、その他として、食の安全の一つとして食肉の生食について質問します。

 近年、鳥刺し、鳥わさ、牛レバ刺しなど、食肉を生で食べたことが原因の食中毒が多発していることが東京都食品安全情報評価委員会により報告されました。食の安全を守るために委員会が消費者、事業者に特に伝えたいことは、「新鮮であっても生や半生の牛肉にはカンピロバクターやO157などがついていることがあるため、食中毒となる場合があること」、「まれな事例ですが、子どもが食肉を生で食べると腎機能障害や意識障害を起こし死に至ることや、カンピロバクターによる食中毒の後、手足のまひ、呼吸困難を起こすギランバレー症候群を発症すること。特に9歳以下の子どもが重症化すること」、「厚生労働省によると、生食用の鳥肉は流通していない」という3点でした。

 これを受け、区の保健所は、関連事業者や食肉を生で出すと考えられる飲食店、給食サービス事業者や業界団体に対して情報提供を行ってきたそうです。特に、ことし7月、鳥肉を提供する区内の飲食店2軒から食中毒が報告された後、保健所は店名に「とり」などが表示された飲食店を抽出し、約90店舗のお店に積極的に情報を提供したと聞いています。

 しかし、食中毒患者が多い20代、30代と子どもの保護者など、対象となる消費者への効果的な普及啓発はされていません。特に今回は食中毒が重症化しやすい小さな子どもの保護者に向けて、保育園、幼稚園、学校を通じた情報提供や乳幼児健診など、保護者が集まる機会をとらえて保護者への啓発を進めるべきです。そのためには食の問題が発生したとき、対象となる消費者に向けて情報提供が速やかに行われる食の危機管理であるリスクの情報を交換する場、いわゆるリスクコミュニケーションの仕組みが必要です。しかし、現在中野区にはその仕組みがないため、せっかくの情報が対象となる消費者に広く周知されません。

 そこで、消費者にとっての食の安全のために1点伺います。

 今回のような食の問題が発生したとき、即座に対象分野で対応することができるように、中野区食品安全委員会を常設し、対象と想定される関連分野が横断的に情報交換の場に参加できるリスクコミュニケーションの仕組みを早急に委員会内に組み込むことが食の危機管理対応には必要と考えます。区の考えをお聞かせください。

 以上で質問を終わります。(拍手)

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 林議員の御質問にお答えをいたします。

 待機児童の解消に向けて取り組みをということでありました。待機児童の解消に向けては、区立保育園の建て替え民営化による定員増や認証保育所の開設誘致、家庭福祉員の増員などさまざまな対策を組み合わせて総合的に行っていく考えであります。

 ことし4月に発生していた待機児童数、これを基準に考えるわけでありますが、来年の4月にはこの数については何とか待機児童として発生しないような、そういう対策を講じていくように努力をしているというところであります。

 また、認証保育所に関連してですけれども、認可保育園に入園できずに認証保育所を利用する場合には利用料の補助を行っているところであります。利用者負担についても考慮した上で認可保育園に限らずさまざまな対応をとっていきたいと考えております。

 それから、保育施設に関する情報の公表についての御質問がありました。現在、保育の質に関する情報といたしましては、各施設が受審をした第三者評価の結果、その結果が公表されております。区が把握している情報でも公表できるものについては必要な都度公表をしていきたいというふうに考えております。

 それから、幼児研究センターにおける研究成果の反映ということですけれども、幼児研究センターで実施をした子どもの身体能力や遊びに関する調査について、調査結果を報告書にまとめて、各園へ配付するとともに、保育関係者向けの報告会を開催して調査結果の周知に努めました。さらに、身体能力測定に参加した保育園や幼稚園に対して、幼児研究センターの研究員が当該園のデータを示しながら子どもたちの傾向を伝えたり、保育の中で有効な取り組みを助言したりする機会を設けたところであります。この結果、今年度の区立保育園では、子どもの体づくりに保育の重点を置いたり、園内研修で取り組んだりしている園が25園中11園あるなど、保育施策に反映されつつあると認識をしております。さらにこういった結果が反映できるように努めてまいりたい、このように考えております。

 それから、食中毒に関する情報提供を充実するべきだと、こういう御意見であります。食中毒の防止などについて、学校や保護者への情報提供を拡充していくように考えてまいりたいと思っております。

 それから、食品安全委員会でありますけれども、現在設置されている食品安全委員会は直接消費者に対する普及啓発等を担う機関ではないということであります。今後、これからリスクコミュニケーションということが大事な課題になっているというような認識を持っているところであります。一方で、国が最近消費者庁を設置したと。それで、消費者庁がこれからさまざまな事業を行っていくという動きがありますので、そうしたことを踏まえながら、今後の動きの把握をしながら、リスクコミュニケーション強化の観点から情報共有の仕組みをつくっていきたいと、食品安全委員会もまたこの中で再編強化を行っていくことになるだろうと、こんなふうに考えているところです。

      〔林まさみ議員登壇〕

○7番(林まさみ) 1点だけ再質問させていただきます。

 区独自の保育施設をつくるということについて、待機児童対策は大丈夫だからつくらないということですが、昨年の11月に比べて70名もふえているということは緊急的に庁内で考えるべきだと思うのですが、そういうことをなさらないということでよろしいのでしょうか。

      〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 何をするとか何はしないとかいうことではなくて、待機児童対策について多様な方策を講じていきたいと、こういうことです。結果として、ことしの4月の水準の待機児童対策についてはとにかくできるようにすると、こういう見通しを持っているということであります。

○議長(伊藤正信) 以上で林まさみ議員の質問は終わります。

 以上をもって質問は終了いたしました。

 これより日程に入ります。

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 第79号議案 中野区基本構想の改定について

 第80号議案 訴えの提起について

 第81号議案 地上デジタル放送対応テレビの買入れについて

 第82号議案 地上デジタル放送対応テレビの買入れについて

 第91号議案 平成21年度中野区一般会計補正予算

 

○議長(伊藤正信) 日程第1、第79号議案から第82号議案まで及び第91号議案の計5件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

     〔副区長石神正義登壇〕

○副区長(石神正義) ただいま上程されました第79号議案から第82号議案まで及び第91号議案の5議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第79号議案、中野区基本構想の改定については、区を取り巻く社会経済状況の変化を踏まえて、基本構想を平成22年度から10年後を見据えたものにするとともに、10年後に実現するまちの姿について所要の改定を行うものです。

 第80号議案、訴えの提起については、区民住宅の明け渡し及び滞納使用料の請求に関し、訴えを提起するに当たり、議会の議決をお願いするものです。この訴えの提起に係る請求の要旨は、使用料を滞納したことにより区民住宅の使用許可を取り消された被告に対し、当該区民住宅の明け渡しを求めるとともに、滞納している使用料等の支払いを求めるものです。

 第81号議案及び第82号議案、地上デジタル放送対応テレビの買入れについては、財産の取得に当たり、議会の議決をお願いするものです。取得する財産は、いずれも区立の小学校及び中学校における学習環境を整備するための地上デジタル放送対応テレビです。取得する財産の数量及び取得に要する金額は、第81号議案が52インチ201台、32インチ19台で3,949万1,025円、第82号議案が52インチ241台、32インチ19台で4,613万5,740円です。

 第91号議案、平成21年度中野区一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ4億902万8,000円を追加計上するものです。これにより、既定予算との合計額は1,057億9,578万3,000円となります。

 初めに、この補正の歳出予算の内容を説明いたします。

 まず、保育園・幼稚園費ですが、弥生保育園の増築及び耐震補強工事を行うための基本設計費及び実施設計費1,247万9,000円を追加計上するものです。

 次に、介護保険費ですが、区内の介護保険施設等に緊急雇用創出事業として離職者等を雇用させ介護補助業務に従事させるとともに、ホームヘルパーの資格講座を受講させる事業の委託費2,094万9,000円を計上するものです。

 次に、都市計画費ですが、野方駅整備工事を前倒しで実施することに伴い増額となる工事費2億7,600万円を追加計上するものです。

 最後に、公園・道路整備費ですが、警察大学校等跡地の都市計画道路の整備工事を前倒しで実施し、電線共同溝設置工事とあわせて施工することに伴い増額となる工事費9,960万円を追加計上するものです。この補正の歳入予算といたしましては、国庫支出金3億2,600万円、都支出金2,294万8,000円及び繰入金6,008万円を追加計上するものです。

 次に、繰越明許費の補正について説明いたします。これは、弥生保育園の増築及び耐震補強工事を行うための基本設計費及び実施設計費1,247万9,000円、野方駅整備工事を前倒しで実施することに伴い増額となる工事費2億7,600万円並びに警察大学校等跡地の下水道施設設置工事費2億6,947万1,000円について、今年度内にそれらの支出が終わらない見込みであるため、翌年度に繰り越しを行うものです。

 次に、債務負担行為の補正について説明いたします。これは、介護保険施設等に対する緊急雇用創出事業の委託費3,340万円及び警察大学校等跡地の都市計画道路の整備費7億4,849万円を追加計上するとともに、追加計上する都市計画道路の整備費に電線共同溝設置工事費が含まれることから、警察大学校等跡地の都市計画道路の電線共同溝設置工事に係る債務負担行為を廃止するものです。

 以上5議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(伊藤正信) 本件について御質疑ありませんか。

     〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊藤正信) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、総務委員会に付託いたします。

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 第83号議案 中野区地域センター条例の一部を改正する条例

 

○議長(伊藤正信) 日程第2、第83号議案、中野区地域センター条例の一部を改正する条例を上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

     〔副区長石神正義登壇〕

○副区長(石神正義) ただいま上程されました第83号議案につきまして、提案理由の説明をいたします。

 第83号議案、中野区地域センター条例の一部を改正する条例は、東部地域センターの音楽室を宮園高齢者会館の洋室とするために廃止するものです。この条例の施行時期は、平成22年4月1日です。

 本議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(伊藤正信) 本件について御質疑ありませんか。

     〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊藤正信) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、区民委員会に付託いたします。

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 第84号議案 中野区立児童デイサービス施設条例の一部を改正する条例

 第85号議案 中野区立高齢者会館条例の一部を改正する条例

 

○議長(伊藤正信) 日程第3、第84号議案及び第85号議案の計2件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

     〔副区長石神正義登壇〕

○副区長(石神正義) ただいま上程されました第84号議案及び第85号議案の2議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第84号議案、中野区立児童デイサービス施設条例の一部を改正する条例は、療育センターアポロ園を新築した施設に移転することに伴い、その位置を変更するものです。この条例の施行時期は、平成22年4月1日です。

 第85号議案、中野区立高齢者会館条例の一部を改正する条例は、宮園高齢者会館を塔山児童館の跡施設に移転することに伴い、その位置を変更するとともに、集会室等の名称及び使用料を改めるものです。この条例の施行時期は、平成22年4月1日ですが、一部は公布の日です。

 以上2議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(伊藤正信) 本件について御質疑ありませんか。

     〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊藤正信) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、厚生委員会に付託いたします。

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 第86号議案 中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例

 第87号議案 中野区営住宅条例の一部を改正する条例

 第88号議案 特別区道路線の認定について

 

○議長(伊藤正信) 日程第4、第86号議案から第88号議案までの計3件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

     〔副区長石神正義登壇〕

○副区長(石神正義) ただいま上程されました第86号議案から第88号議案までの3議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第86号議案、中野区自転車駐車場条例の一部を改正する条例は、杉山公園地下自転車駐車場を有料制駐車場として設置するに当たり、その名称及び位置を定めるとともに、1日利用の登録について定めるものです。この条例の施行時期は、公布の日から起算して5月を超えない範囲内において規則で定める日ですが、設置する駐車場の利用開始はこの条例の施行の日から起算して1月を超えない範囲内において区長が定める日からです。

 第87号議案、中野区営住宅条例の一部を改正する条例は、新井住宅を区営住宅として設置するに当たり、その名称、位置等を定めるものです。この条例の施行時期は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において規則で定める日ですが、一部は公布の日です。

 第88号議案、特別区道路線の認定については、特別区道の路線を認定するに当たり、道路法第8条の規定に基づき、議会の議決をお願いするものです。この路線は、区有通路を特別区道路線として認定するもので、区間は中野区鷺宮六丁目859番2から860番22まで、延長は92.47メートルです。

 以上3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(伊藤正信) 本件について御質疑ありませんか。

     〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊藤正信) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、建設委員会に付託いたします。

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 第89号議案 中野区母子生活支援施設条例の一部を改正する条例

 第90号議案 中野区保育所条例の一部を改正する条例

 第92号議案 中野区立少年自然の家条例の一部を改正する条例

 

○議長(伊藤正信) 日程第5、第89号議案、第90号議案及び第92号議案の計3件を一括上程いたします。

 理事者の説明を求めます。

     〔副区長石神正義登壇〕

○副区長(石神正義) ただいま上程されました第89号議案、第90号議案及び第92号議案の3議案につきまして、一括して提案理由の説明をいたします。

 第89号議案、中野区母子生活支援施設条例の一部を改正する条例は、さつき寮を新築した施設に移転することに伴い、その位置を変更するとともに、さつき寮で実施する事業について規定を整備するものです。この条例の施行時期は、平成22年4月1日ですが、さつき寮で実施する事業に係る規定整備につきましては公布の日です。

 第90号議案、中野区保育所条例の一部を改正する条例は、本郷保育園を廃止するものです。この条例の施行時期は、平成22年4月1日です。

 第92号議案、中野区立少年自然の家条例の一部を改正する条例は、軽井沢少年自然の家において、指定管理者制度を導入するに当たり、指定管理者の管理の基準及び業務の範囲並びに利用料金について規定するものです。この条例の施行時期は、平成22年4月1日です。

 以上3議案につきまして、よろしく御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○議長(伊藤正信) 本件について御質疑ありませんか。

     〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(伊藤正信) 御質疑なければ、質疑を終結いたします。

 上程中の議案は、会議規則に従い、文教委員会に付託いたします。

 次に、請願・陳情の常任委員会への付託について申し上げます。

 お手元に配付の請願・陳情付託件名表(Ⅰ)に記載の請願・陳情につきましては、記載のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。

 

    請願・陳情付託件名表(Ⅰ)

 

《総務委員会付託》

第12号陳情 非核三原則の法制化を求める意見書の提出について

 

《区民委員会付託》

第7号請願 改正貸金業法の早期完全施行等を求める意見書を政府等に提出することについて

第13号陳情 地域センターを存続することについて

 

《厚生委員会付託》

第6号請願 食料の自給力向上と、食の安全・安心の回復に向けて、食品表示制度の抜本的改正を求

      める意見書の提出について

 

○議長(伊藤正信) 本日はこれをもって散会いたします。

      午後5時24分散会