1番 内 川 和 久 2番 ひぐち 和 正
3番 白 井 秀 史 4番 平 山 英 明
5番 つぼい え み 6番 いながき じゅん子
7番 森 たかゆき 8番 山 口 かおり
9番 せきと 進 10番 いでい 良 輔
11番 伊 東 しんじ 12番 佐 野 れいじ
13番 北 原 ともあき 14番 南 かつひこ
15番 小 林 秀 明 16番 林 まさみ
17番 の づ 恵 子 18番 近 藤 さえ子
19番 牛 崎 のり子 20番 欠 員
21番 吉 原 宏 22番 大 内 しんご
23番 きたごう 秀 文 24番 伊 藤 正 信
25番 久 保 り か 26番 やながわ 妙 子
27番 酒 井 たくや 28番 佐 伯 利 昭
29番 むとう 有 子 30番 長 沢 和 彦
31番 か せ 次 郎 32番 高 橋 ちあき
33番 山 崎 芳 夫 34番 市 川 みのる
35番 斉 藤 金 造 36番 篠 国 昭
37番 岡 本 いさお 38番 飯 島 謹 一
39番 江 口 済三郎 40番 佐 藤 ひろこ
41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子
1.欠席委員
な し
1.出席説明員
中野区長 田中 大輔
副区長 金野 晃
副区長 阪井 清志
教育長 田辺 裕子
政策室長 竹内 沖司
政策室副参事(企画調整担当、平和・人権・国際化担当) 小田 史子
政策室副参事(予算担当) 志賀 聡
政策室副参事(区民の声担当、調査研究担当)、経営室副参事(広報担当) 松原 弘宜
政策室副参事(情報担当) 藤井 康弘
経営室長 川崎 亨
危機管理担当部長清水 流作
経営室副参事(経営担当、用地管財担当) 篠原 文彦
経営室参事(契約担当) 村木 誠
経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) 田中 謙一
経営室副参事(人事担当) 奈良 浩二
経営室副参事(財産管理担当) 柿内 良之
経営室副参事(危機管理担当) 高橋 均
経営室副参事(防災担当) 鳥井 文哉
管理会計室長 尾﨑 孝
管理会計室副参事(管理改善担当) 戸辺 眞
管理会計室副参事(税務担当) 青山 敬一郎
会計室長 村田 宏
区民生活部長 鈴木 由美子
区民生活部副参事(区民生活部経営担当、地域活動担当) 瀬田 敏幸
区民生活部副参事(南地域担当) 岩浅 英樹
区民生活部副参事(中部地域担当) 小山 真実
区民生活部副参事(東地域担当) 辻本 将紀
区民生活部副参事(北地域担当) 長﨑 武史
区民生活部副参事(西地域担当) 中井 豊
区民生活部副参事(戸籍住民担当) 浅野 昭
区民生活部副参事(産業振興担当) 高橋 昭彦
区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 横山 俊
区民生活部副参事(ごみ減量・清掃事業担当、ごみ減量担当) 鈴木 郁也
清掃事務所長 伊東 知秀
子ども家庭部長 長田 久雄
子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当、地域子ども家庭支援担当、男女平等担当)
髙橋 信一
子ども家庭部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長 伊藤 政子
子ども家庭部副参事(中部すこやか福祉センター地域子ども家庭支援担当) 石濱 照子
北部地域子ども家庭支援センター所長 波多江 貴代美
南部地域子ども家庭支援センター所長 天野 秀幸
鷺宮地域子ども家庭支援センター所長 古川 康司
子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当)、幼児研究センター所長 海老沢 憲一
保健福祉部長、中部すこやか福祉センター所長 田中 政之
保健所長 田原 なるみ
保健福祉部参事(保健福祉部経営担当、健康推進担当) 岩井 克英
保健福祉部参事(保健予防担当) 山川 博之
保健福祉部副参事(生活衛生担当) 宇田川 直子
保健福祉部副参事(福祉推進担当) 平田 祐子
中部すこやか福祉センター副所長 野村 建樹
保健福祉部副参事(中部すこやか福祉センター地域保健福祉担当) 高里 紀子
北部保健福祉センター所長 大橋 雄治
南部保健福祉センター所長 町田 睦子
鷺宮保健福祉センター所長 齋藤 真紀子
保健福祉部副参事(障害福祉担当) 朝井 めぐみ
保健福祉部副参事(生活援護担当) 黒田 玲子
保健福祉部副参事(保険医療担当) 角 秀行
保健福祉部副参事(介護保険担当) 遠山 幸雄
都市整備部長 服部 敏信
都市整備部副参事(都市整備部経営担当、都市計画担当、住宅担当) 相澤 明郎
都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 滝瀬 裕之
都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 石田 勝大
都市整備部副参事(中野駅地区基盤整備担当) 石井 正行
都市整備部副参事(建築担当) 豊川 士朗
まちづくり推進室長 遠藤 由紀夫
まちづくり推進室副参事(まちづくり推進室経営担当、地域まちづくり担当) 上村 晃一
まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 松前 友香子
まちづくり推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 秋元 順一
まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当) 田中 正弥
まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 萩原 清志
教育委員会事務局次長 合川 昭
教育委員会事務局副参事(教育経営担当) 白土 純
教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 吉村 恒治
教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 古屋 勉
教育委員会事務局指導室長 喜名 朝博
教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 飯塚 太郎
教育委員会事務局中央図書館長 小谷松 弘市
選挙管理委員会事務局長 橋本 美文
監査事務局長 登 弘毅
1.本会の書記は下記のとおりである。
事務局長 山下 清超
事務局次長 石濱 良行
議事調査担当係長 佐藤 肇
書 記 荒井 勉
書 記 河村 孝雄
書 記 菅野 多身子
書 記 東 利司雄
書 記 丸尾 明美
書 記 土屋 佳代子
書 記 鳥居 誠
書 記 細川 道明
書 記 鈴木 均
書 記 岡田 浩二
書 記 竹内 賢三
午前10時00分開議
○いでい委員長 定足数に達しましたので、ただいまから決算特別委員会を開会します。
認定第1号から認定第6号までの計6件を一括して議題に供します。
昨日の理事会の報告を行います。
本日の委員会運営について、総括質疑の順番は、1番目に佐野れいじ委員、2番目に白井秀史委員、3番目にかせ次郎委員、4番目に伊東しんじ委員の順序で4名の質疑を行うことを確認しました。
以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 ただいまの報告のとおり、委員会を運営することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。
次に、理事者より、昨日の山口委員の総括質疑の答弁について訂正の申し出がありますので、これを許します。
○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 1件答弁修正させていただきます。昨日、山口委員のもみじやま保育園の異物混入事故の質疑の中で、事故の発生日を8月29日とお答えいたしましたが、正しくは7月29日であります。慎んで訂正させていただきます。申しわけありませんでした。
○いでい委員長 山口委員、訂正を受けたということでよろしいですか。
では、結構です。
ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。
それでは、質疑に入ります。佐野れいじ委員、質疑をどうぞ。
○佐野委員 おはようございます。総括質疑も3日目となりまして、皆様お疲れだと思いますけども、自由民主党の立場から、私、質問をさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、まず1番目、中野区の財政指標に見る健全性についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
財政指標を見る健全性については、いろいろな見方があろうかと思います。今まで、先輩諸兄の議員先生たちがいろいろと、いろいろな角度から質問をいたしました。私は、今までの角度とは違った角度、していない角度から質問させていただきたいというふうに思っております。
まず、平成21年度決算について、本定例会でそういったことでいろいろな質問、財政指標上から来る疑問や危惧を感じて皆さんが質問をしました。それに対して、理事者のほうでもいろいろお答えをいただいたわけですけども、まず一番最初に、私は今とは違った観点からやらせていただくということをまず申し上げたいと思います。
まず、実質収支、これまで皆さんが質問しておりませんでしたので、実質収支についてお尋ねを申し上げたいと思います。
21年度の財政白書によれば、一般的に言われている財政運用状況を判断する上で大切であるとこの実質収支は言われております。実質収支比率が、20年には3.2%だったものが前年では1.3%と、前年比1.9ポイントも大きく落ち込んでおります。実質収支比率は、通常だと3%から5%が望ましいというふうに言われております。平成16年から、要するに区長がこの体制をつくられてから、田中体制をつくられてから昨年20年まではその範囲内での推移だったというふうに私は認識しております。しかし、21年度の範囲内では、突然1.3%になってしまいました。21年度の歳入総額は1,229億5,690万円余で、歳出総額は1,213億926万円余でございます。歳入から歳出を差し引いた、翌年に繰り越すべき財源を引いたものは9億8,710万円余、したがって、実質収支額は前年度に比較して61%減となっています。これは、黒字幅が大幅に減ったという一つのあらわれだというふうに私自身もとらえております。
平成21年度になって実質収支が大きく落ち込んだ、まず要因というものは何だったんでしょう。そしてまた、それに対して御担当の方はどのようにお考えなんでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 平成21年度実質収支比率減少の要因でございますが、景気低迷の影響により歳入が当初想定を大分下回ったということが大きいと考えてございます。また、野方駅整備や警察大学校跡地整備、それから本町五丁目公園用地の取得など、投資的経費が195億円増加と大幅な増加となっておりまして、歳出全体が増加したことも実質収支比率減少の一因になっていると考えてございます。
○佐野委員 今のお答えですと、投資的経費が予測よりも大きく出てしまったということが大きな原因であろうということをおっしゃいましたけども、当然当初予算のときにそういったものが出てくる、例えば警大跡地あるいは西武新宿線沿線、こういったものが予算の段階でわかっているはずではなかったかというふうに思うわけですけど、どうでしょうか。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 想定した内容でございました。繰り返しになりますが、そうした歳出の増加に対しまして、予算上、歳入予算を組むわけでございますが、その歳入予算のほうが当初想定を下回ったということが大きいと考えてございます。
○佐野委員 分母と分子の関係で、当然分母は大きく予算を組んでいたけど、分母のほうの収入が少なかったと、分子は大きかったと、そういうことですね。わかりました。
ただ、問題は、やはり歳入が少ないとなったらば、歳入の手だてをどうしていくかということが今後の大きな課題になると思います。最初から支出はこうありきだと組んでいたわけですから、歳入が減っていくということを考えながら、黒字幅が61%も減になってきているということは、これは大きなことだと思うんです。これはやはり、いろいろ今まで、いろいろな先輩諸兄が質問しました。例えば区税の徴収のこと、いろいろな手だてがあると思います。そういったことを踏まえて、今後やはり考えていく必要があるのではないかというふうに思います。それがまず1点でございます。
2点目、もう一つの財政指標として見る観点として、経常収支比率というのがあろうかと思います。この件につきましては、我が会派の高橋議員が前回のときに御質問し、なぜ経常収支比率が87.5%と大きくなってしまったのかということについては御質問させていただきました。その原因等については、弾力性がなくなっていくのでという危惧を行政側も示していただきました。それについては、ですから反省をし、これから改善していくということだと思います。
この経常収支比率がなぜ大切なのかということは、単なる弾力性がなくなるとか何とかではなくして、少なくとも、この経常収支比率というところをちょっと調べてみたんですけども、経常収支比率は人件費、扶助費、公債費等のように安易に削減をするというような困難な経常的経費に、地方税、普通交付税を中心とする経常一般財源がどの程度充当されていくかによって、財政構造の弾力性を測定しようとするものだというふうに書かれております。歳入構造と歳出構造をリンクさせた総合的な表示であると、経常収支比率が高いほど新たな住民ニーズに対応できる余地が少なくなり、財政は硬直化していくことになると。普通一般的には70から80%と考えられるということで、ここに書かれているわけですけども、中野区の場合には、去年も高かったですけど、ことしはさらに高く、87.5%という数字になってしまっております。この辺につきまして、まずこの87.5%、そしてまた、これは義務的経費、今出ましたように義務的経費と関係してくるんですけども、義務的経費の構造も21年度は全体で46.3%と大きくなってきております。この数値について、まずお伺いしたいんですけども、この数値は23区内でどの程度の数値に当たるのでしょうか。そしてまた、23区で一番低い区はどこなんでしょうか。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 義務的経費の構成ということでございます。21年度特別区普通会計決算状況速報値、そうしたものが出されておるわけでございますが、その速報値によりますと、義務的経費の構成比の23区平均は46.5%となってございます。中野区が46.3%ということでございますので、区は平均に近い数字というふうに認識してございます。
また、一番低い区はどこかということでございますが、構成比の一番低い区につきましては港区でございまして、27.7%ということになってございます。
○佐野委員 港区は27%ですか。やはり、私がこれをなぜ質問するかというと、少なくとも7割以上はフレキシブルな予算が組めるというふうに私は考えるわけです。義務的経費というのは、御承知のように絶対に払わなければならない経費だと思うんです。一般家庭で言えば、電気、ガス、水道、借金、それから家賃があれば家賃、こういったものを払わなければそこを追い出されてしまいますし、また生活ができなくなるということで、行政で言わせていただくと人件費、扶助費、そしてまた公債費ということになるんだと思うんですけども、この比率をやっぱり高めるのではなく少なくしていく、そして、港区のような7割がフレキシブルに使える予算を組んでいく、こういったことは私は今後必要じゃないかと思うんですけども、その辺についてはどうなんでしょうか。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 経常収支比率につきましては、委員御指摘のとおり臨時的な対応、住民ニーズに的確にこたえるということから、ある程度の臨時的な支出にこたえるために経常収支比率というのは適正範囲におさめていく必要がある。そのためには、経常経費について継続的にやはり見直し、改善を図りながら、その増加傾向を抑制していく、そうした取り組みが重要だというふうに認識してございます。
○佐野委員 おっしゃるとおりだと思うんですよね。これは、非常に難しいんですよね。難しいんですけども、しかし、これをやっぱり少し考えていかないと、中野区もこのままで行けばどんどん伸びてしまうのではないかという危惧を私自身が持っていると。
これについて、私は今、非常に立派なお答えをいただいたんですけども、過去2年間、私はずっとこの件について質問させていただいたわけですけども、それについての議事録を見てみました。まず、平成20年の予算特別委員会の議事録の結果は、19年度11月に示された中野区財政白書の中で、区はこのことを懸念していると言っていますね。その中で、扶助費は年々増加しており、歳出全体を圧迫する要因となっていると書いています。区は、そのことに対して既に心配をしていたということですね、2年前に。そして、また、義務的経費、特に扶助費の増加とあわせて、隔たりと見えないような区の予算配分をしていくべきではないかとの質問に対して、確かに扶助費が多く、少子・高齢化社会において社会のセーフティネットとしての機能を自治体として果たしていくためには、これは必要不可欠なものであるというふうに認識している。ただし、扶助費の増加は――ここが大切だと思うんですよ。ただし、扶助費の増加は財政構造を硬直させる要因となるものであり、適正な給付を図っていくとともに、区の単独補助費等についてその必要性の再検討、PDCAサイクルで評価、改善を行う、検証する必要があるというふうに認識しているというふうに当時の理事者はお答えになっております。
その次の年、21年9月にも、やはり決算特別委員会で質問しました。毎年上がっている扶助費に対する義務的経費の割合を、今後どのような対策を考えられているのかとの質問に対して、扶助費の伸びの主な要因は、少子・高齢化対策のための費用あるいは生活保護費の増加などと考えております。扶助費は、少子・高齢化社会においてのセーフティネットとして機能を果たしていくために必要なものと認識しております。しかし、扶助費の継続的な増加というのは、財政を硬直させる要因ともなるものであり、限られた財源をどうしていくのかという視点から継続的にその内容を見直し、改善に取り組んでいく必要があると考えておりますというふうにお答えになっていますね。
これ、まさにこの二つのお答えは、共通しているんです。一つは、まずその目的というのは少子・高齢化に対するセーフティネットとしての機能を果たしていかなければならないから増大していかざるを得ないんだと。しかし、このままで行けば、義務的経費の増加は財政構造を硬直させてしまうんだということをお二人とも言っているわけですね。そして、そういう危惧を表明しておいて、今後に向けては見直しや改善が必要なんだというふうにおっしゃっております。これは議事録にはっきりと書かれております。
ということは、この見直しや改善が必要なんだと2年前におっしゃって、この2年間で逆に数字が上がってきている。具体的に言わせていただければ、この議事録により公の見直しや改善が必要と言っておきながら、その責任を持っての発言というものの重みがあったはずではないかというふうに私は理解しております。それに対して、現実には一向に改善されていない。改善されていないどころか、数値が高くなってきている。このことについて、一番、私は危惧を今持っております。
また、ことしもいいお答えをいただきました。しかし、このお答えどおりに努力はしたけど、結果が伴っていないんじゃないかというふうに思わざるを得なくなってくるような状況というのは、好ましくないと思うんです。そういう意味で、危惧を持っているのであれば、その危惧に対する対策等を立てて、それを実行に移す。それこそ、区長がおっしゃっていたPDCAサイクルにのっとってやっていくということが必要ではないかというふうに思うわけですね。
それで、これを私言いながら、今思い出していて、それからその前のときも思ったんですけども、今回この辺の危惧を持っている議員はたくさんおりました。例えば、我が会派の北原議員が、これも一般質問で我が会派としてやっております。その中で、こういうことを言っています。現在の中野区の財政状況を憂い、危機的水域に既に達しているというふうに考えていると、正直に答えてほしいんだというふうに先生は言っておりました。いつもゆとりを持って、北原先生というのは、あそこにお座りになっていますけど、話題もスマートなんです。ところが、そのときの質問の顔は全く目がきつくて、目が潤んでいました。そういうことからすると、やっぱり真剣さ、真摯さを、行政もはっきりとこたえていかなければいけないのではないかなというふうに思います。私は、今まで北原議員のあんな声と顔を見たことがありません、はっきり言って。それだけに、本当に真剣に言っているわけです。そういうことを思って、ぜひこれから、今、課長がおっしゃっていたことを全社的に、みんなで相談しながら、改善、改革を図っていただきたいというふうに思う次第でございます。
さらに、来年度以降も厳しいことが予想されます。この一過的な実質収入や経常収支は、確かに一過的かもしれません。その一過的なものであっても、やはり歳入歳出の構造を早期に見直して、財政の健全性を確保していかなければ中野区はならないというふうに思っております。
そこで、この項の最後になりますけども、扶助費に、前に御担当でありまして、今現在、新副区長になられました金野新副区長に、扶助費の前も御担当でございましたし、いろいろな意味で今私が言った公の議事録についても御判断をいただきたいと思いますので、これからナンバー2として中野区を引っ張っていく金野新副区長に御意見をいただきたいと思います。
○金野副区長 義務的経費、またその中の大きな割合を占める扶助費の増大についてのお尋ねでございます。扶助費につきましては、法令による制度として運営されている部分がかなりありまして、それは社会経済情勢、また高齢化などの社会的要因に大きく左右されるものでございます。そうした中でも、制度の運営に当たっては、制度の適正な運営、状況をしっかり把握するですとか、また生活保護におきましては、訪問調査の体制を整える、さまざまな民間委託を含めた工夫をするとか、そうしたことをしていきたいと思います。また、自立支援の強化も大事な視点でございまして、さまざまな形で経済的自立、また社会的自立の支援をしていくということを進めております。
さらに、生活保護を例にとりませば、生活保護に至る以前で若年者の就労などの支援をする仕組みをとりまして、生活保護に至らない以前に自立への道筋をつくるようにというようなことも必要なことだと思っております。
こうした法による制度を適正に運営するということが一つ、また、区が独自にやっております扶助費につきましては、給付の水準や所得制限など、区として判断できるものについてはさらに見直していく必要があるだろうと思っております。これまでも見直しておりますし、これからもやっていきたいと思っております。
また、全体として国の制度が現状でいいのか。例えば、地方自治体と国の負担割合がこれでいいのかということについても議論が行われておりますので、そうしたことについてもしっかりと意見を述べていきたいというように思っております。
○佐野委員 今のお答えも非常に優秀というか、優等生というか、全くそのとおりだと思うんですけども、現実として87.5%という数値に、毎年毎年伸びていっているということを、経常収支がですね。これはやっぱり、新副区長として重く受けとめるべきだと私は思っております。そういうことからすると、やはりこれからは、今言った決意をもとに取り組みをしっかりとし、改善を実行していただきたい、そういうふうに思う次第でございます。それでは、この件はこれで終わらせていただきたいと思います。
次に、職員2,000人体制の課題と組織体制についてお伺いさせていただきます。
区は、平成20年1月に、平成19年度から平成28年度の10年間で職員2,000人体制の実現を図るための基本方針として職員の採用、定数計画、職員活用のあり方等を示す職員2,000人体制に向けての方策を策定しました。この計画によれば、平成28年までに2,000人体制を達成すると、今後毎年約40名前後減らすことも見込んでおり、毎年4月1日現在の人数をそれぞれ算出しております。
そこで、まずお聞きしますけども、平成14年、田中体制が誕生したときの人数と、現時点、平成22年4月1日現在の人数はどれくらいになったんでしょうか。そしてまた、率で言うとそれはどのくらいの率の削減幅でございましょうか。
○奈良経営室副参事(人事担当) 平成14年度の常勤職員数は3,082人でございました。現在、平成22年4月1日現在でございますが、職員数は2,288人でございます。この8年間で794人の削減を行ってございます。削減率は25.8%のマイナスでございます。
○佐野委員 この8年間で798人、削減率が25.8%、このままで行って、平成28年には2,000人体制になるということだったんですけども、平成13年、14年には採用をゼロにしていますよね。この辺について、ゼロのひずみ、あるいは矛盾というものが今現在、私は出てきているような気がするんですけども、どれくらいの人数を今後採用していくおつもりなんでしょうか。
○奈良経営室副参事(人事担当) 平成28年度までの採用数でございますが、計画上では毎年おおむね40名程度を採用することを想定してございます。この数値につきましては、毎年退職者数ですとか事業の進捗状況、こういったものを見きわめながら、また職種なども考慮しながら見直しを行っていくといったことを考えてございます。
○佐野委員 特に、昨年度の削減状況は、これまでになく私は大きかったんじゃないかなというふうに思っておりますが、何人、昨年度は削減となり、何人採用しているんでしょうか。
○奈良経営室副参事(人事担当) 平成21年度中に退職者が165名ございました。退職等で165名の減がございました。これに対しまして、45名の採用を行ったところでございます。その結果、平成22年4月1日現在で120名の減となっておりまして、削減率はマイナス5%でございます。
○佐野委員 削減率が5%のマイナス、これは、一つには28年に向けて2,000人体制にしなければいけない。そしてまた、どうしても2,000人体制ありきというようなことで私はとらざるを得ないんですけども、この120名という大きな数字は、財政上大きく貢献してくることの一方で、職員構成や年齢構成から来るひずみ、そして矛盾があらわれてきているように私には思えるわけです。
例えば、平成21年4月1日現在の職員数があります。その中で見ていますと、事務系の構成比は1,056人、45.5%が事務系なんですね。その割に、一般技術系は121人、5.2%と極端に少なくなっております。こういったひずみ、要するに本来ならばやはり全体的なバランス感覚を持って採用もし、削減もしていかなければならないというふうに考えているわけですけども、一般技術系というのは御承知のように土木、造園とか建築、電気、衛生管理等でありまして、今後中野区は中野駅周辺まちづくりや駅開発等を考えた場合、このままの、要するに非常におかしくなったようなサービスになっていくのではないかというふうに思っているんですけども、こういった人数比に対して、特に専門職が少なくなっていく、一般技術系が少なくなっていくということについてはどのように考えておりますでしょうか。そしてまた、この比率は、23区の中ではどのような位置になっておるんでしょうか。
○奈良経営室副参事(人事担当) 一般技術職の職員構成比でございますが、23区の中では最も低い数字となってございます。
一般技術職につきましては、定年退職者による減と再任用の活用状況、こういったものを考えながら、必要な職員数については新規採用を行ってきたといったことでございます。大規模なまちづくり事業など、今後進めるに当たりまして、事業の進捗状況に応じまして、いつ、どのような職員が何人必要となるのかといったことにつきまして、現在事業部とともに検討を進めているといったところでございます。
今後、民間でできるものは民間にゆだねていくといったことを基本にしつつ、区の職員でなければできないことのために一定の技術職といったものは必要であると考えておりまして、まちづくりの事業の進捗状況に応じまして必要な職員数は確保していくといったふうに考えてございます。
○佐野委員 今おっしゃられた、まちづくりの事業の進捗状況に応じて、必要な人数を確保していくと今おっしゃいましたよね。そうしますと、今ある技術職25.2%、どうやってふやしていくんですか。もうまちづくりはすぐそこに来ちゃっていて、まちづくりという部署もできちゃっているわけですよ。どうやってふやしていくんですか、具体的に。そのふやしていきたいという気持ちはわかりますよ。気持ちはわかるけど、採用をすぐとるんですか、どうするんですか。
○奈良経営室副参事(人事担当) 今後、まちづくり、さまざまな展開をしてまいります。そのときに、どれだけの、どういった職のスキルを持った職員がどの時点で必要かといったことにつきまして、今、事業部とお話をしているところでございます。そういったものを、その事業の進捗状況に応じまして、数年前からということになると思いますが、計画的な採用といったものを行っていきたいと思ってございます。
○佐野委員 もう既にその部署はできて、動いて、JRとも交渉して、そこに新北口ができますよと皆さんにアピールしているわけです。それからあと、地域の皆さんともいろいろなお話をしているわけですよ。そういった中で、今後に向けて現場と相談をしながら採用を図っていく、これでは遅いんじゃないでしょうかね。もう一回お願いします。
○奈良経営室副参事(人事担当) 現在、これからまちづくりにつきましては大きく動いていくというふうに思ってございます。これから、さらに職員というのは必要になってくるというふうに思ってございますので、今後に向けてそういった体制をとっていきたいといったことでございます。
○佐野委員 今、これからとおっしゃったけども、ちょっと認識が違っているんじゃないかと思うんですよ。私は、もう既にだと思うんですよ。既に動いているんですよ。それで、実際的にこの数値を見ていただければおわかりになりますように、一般技術系は中野区では5.2%、121人しかいないんです、今いる体制の中で。それで、現場のほうだって当然それは欲しているわけですよね、多分。わかりませんけど、それは話し合っているんでしょうけども。だから、そういったことからすると、これは急務ですよ。今後じゃないんですよ。今動いているんですよ。したがって、私はそういうふうなことをぜひ人事担当も認識を新たにして、ぜひお願いしたいと思うんですけど、いかがでしょうか。
○奈良経営室副参事(人事担当) 私どもも同様の認識を持ってございますので、そのように進めていきたいというふうに思ってございます。
○佐野委員 ありがとうございました。では、そのようなことで、この技術系が少ない部分をどう補てんしていくか、どう補充していくかということについて、一つの力点を持っていただきたいと思います。
もう一つ、今、構成別に私は質問しましたけど、もう一つのひずみとして年齢別なひずみが私は出ているというふうに感じております。それは何かといいますと、今、構成を見ますと25歳から29歳が3.1%、30歳から34歳が3.9%、極端に少ないんですね。そしてまた、これに対して45歳から49歳が22.9%と、そこの世代がものすごく多いんです。これはやはり13年、14年採用しなかったという影響もあらわれているのかもしれませんが、2,000人体制ありきだけで進んだ結果ではないかと私は思っております。やはり、退職とあわせて採用も十分に検討しない結果がこういうところにあらわれているんじゃないかと思います。
組織というのは、御承知のようにピラミッド型が一番望ましいと言われています。しかし、そんなにうまくいくものじゃありません。今、中野区は逆ピラミッドになっているんじゃないかと思っているんですね。例えば、若い人が極端に少ない。そして、40代、50代は非常にふえてきている。逆ピラミッドの構成に年齢構成がなっているのではないかというふうに思っています。
一概に、金太郎あめみたいに同じ世代が全部いるというのは、大変にこれは好ましいことではない。少なくとも、いろいろな柔軟な考え方が出てこないと私は思う。そして、現在の中野区で40代、50代が非常に高くなっていることについて、まずどのように考えていらっしゃるのか、そこをまずお伺いしまして、それからあと平均年齢、中野区の職員の平均年齢がどうなっているのか、それもあわせてお答えいただきたいと思っております。
○奈良経営室副参事(人事担当) 区では、行財政5か年計画などに基づきまして、区のすべての行財政のあり方について見直しを行ってまいりました。そうした改革を進めてまいりました。その一環として、区の事業への民間活力の活用を図ることとしまして、その結果といたしまして福祉系ですとか技能系職員については新規採用を行わないといったことに努めてきました。このため、特にこれらの職種で年齢構成が高くなっているというような状況がございます。
また、平均年齢でございますが、現在46歳ほどの平均年齢になってございます。
○佐野委員 他区はどうなんですか。中野区は、何年で、21年で、22年で。
○奈良経営室副参事(人事担当) 22年です。
○佐野委員 22年4月1日現在で46歳だというんでしょう。他区はどうなんですか。別に他区のことを気にする必要はないですよ。ただ、私はやっぱり一つの指針というか、見方としてどうなのかということが気になる。
というのは、今、ちょっと比較表を調べさせていただきまして、16年、田中体制が発足したときには29歳以下は3.5%だったんです。それが、21年には4.5%に上がっております。それから、30歳代が23.9%だったのが逆に減っております、21年では。13.7%。40歳代は36.5%だったものが39.7%、徐々にふえてきております。それから、平成16年が36.1%だった50歳以上の人たちが42.1%とふえているわけですね。
これ、このまま40人ぐらい、先ほど採用するということで、私ちょっと試算してみたんですけども、40人ぐらいの採用、何歳代を採用するかによっても違ってきますけども、このままでいくと50歳代は49%になるんじゃないかと思っていましたら、平成28年ですよ、2,000人体制を達成したとき、50歳以上は49%。今調べてみましたら、職員2,000人体制に向けての方策の中に区ははっきりと書いてあるじゃないですか。平成28年2,000人体制のときに、50歳代、二人に一人が50歳代になるということを、この2,000人体制の中に書いてあるということは、もうお認めになっているということですよね。どういうふうな採用をしていくかわかりませんけども、それに対して、僕は年齢が高いから悪いとは言っていません。それは若い人と年配の方とが一緒になってやっていくのが僕は一番理想的だと思いますよ。若い人には行動力、活力があります。しかし、年齢の高い人には豊かな知恵と経験があります。こういったものがはっきりミックスされてこそ、区民サービスが充実して行われるというふうに考えております。
そういうことからすると、今のままでいきますと、平成28年2,000人体制達成しました。達成したらば、実際には二人に一人の職員が50歳以上です。これに対して、どのように人事担当としてお考えになっているんでしょうか。
○奈良経営室副参事(人事担当) 今、委員からお話がありましたとおり、平成28年度に年齢構成を推計いたしますと、50歳以上というのは49%ほどになるというふうに私どもも思ってございます。こういった年齢構成の極端なアンバランスというものにつきましては、事業運営上は好ましいものではないというふうに考えてございます。現在、そのあり方につきましても検討を進めているところでございます。
また、ここ二、三年でございますが、新規採用者の増ですとか、また経験者採用というものを行ってございます。特に、経験者採用につきましては、30歳前後といった年齢で採用してございますので、年齢構成の見直しに一定の効果があるというふうに考えております。
○佐野委員 非常に素直なお答えをいただいたので安心をしていますけども、アンバランスと今表現されました。人事、それから組織というのはアンバランスがあってはならない。しかし、絶対にはできないわけですね。それは若干のアンバランスはあると思う。ただ、極端なアンバランスはいけないというふうに言われています。
その極端なアンバランスは、今私が指摘させていただきました年齢構成の50歳以上がふえているということ、それから技術職が少ないということ、こういった構成図の中を見ながら、今後やっぱり、そこには何が大切かというと、採用が大切になってくると思うんですよ。退職者の数、あるいは依願退職者の数というのはある程度読めるわけです。しかし、採用も読めるはずなんです。足りないところをどう補てんしていくか。平成13年、14年みたいに、ゼロということではいかんと思うんです。それは2,000人体制と、確かに先ほど言った義務的経費に非常に寄与した。人件費がぐっと少なくなりましたよ。これは大切な要因ですよ。しかし、この財政面だけで見て人を配置したり、組織を動かそうとしては決してならないと思う。そんなことはわかっていることだというふうに、今、区長、顔でうんとうなずいているけれども、そうじゃない。それをやっぱり認識してもらいたいんですよ。これは、やっぱり言いたいことはあると思うので、どうぞ区長。
○田中区長 大変大事な議論をしていただいていると思っております。50歳代の職員がふえるとか、そういうことは、はっきり言って改善のしようはありません、その数の構成自体は。それはもう若い人をとったって、とれる数に限りがありますから、その構成を変えることは無理だと思います。そういう意味で、大幅に変えていくんだったらたくさん人をとるということになりますし、たくさん人をとればまた義務的経費がふえるということですから、先ほどの委員の議論とも矛盾してくるということでありますので、いい議論をしていただいていると思っております。
○佐野委員 今、いい議論とおっしゃいましたけど、そこが知恵の出しどころだと私は思っていますよ。今、そういうふうにおっしゃいましたけども、そういうことを各企業、一般の民間企業は知恵を出し合いながら、将来に向かって人事構成、組織図というのをつくっているはずです。そういったものをやっぱり、区長、何か他人事みたいに、50歳になってしまうんですよ、 、やはり真剣にやっていく。確かに義務的経費等の問題が生じることは事実です。だったら、2,000人体制をもうちょっと後にして、ほかの義務的経費を抑えていくようなことを考える、あるいはほかの方法も考えていくということを考えないといけないと思うんですよ。
それから、総合的なバランス感覚を持って、この人事というものは考えないといけないということです。確かに、前にも言いましたけれども、何人かの議員が徴収率について非常に危惧を持って質問していましたよね。徴収率を高めることも、分母を高める一つの手だてなんです。分子ばっかりふえていったらつぶれちゃいますよ、民間だったら。だから、その辺をやっぱり、分母をふやすようなことを今後考えていく。それで、もし2,000人体制が28年じゃなくてもいいじゃないかというような理論になれば、それでそれなりの理論が通るということ。今、もう28年には2,000名にするんだということで進んでいるということではないかなというふうに思っているわけでございます。
いずれにしましても、この問題は非常に大きな問題だと思っております。そこに生じたひずみだとか矛盾を考えていて、果たしてこれでいいのかという議論が出てくると思います。このままでは職員の高齢化は進む一方であり、また技術専門職も少なく、職員構成のバランスを欠いてしまう、果たしてこのような体制で区財政に立ち向かっていけるのかと。これからは、いろいろな難問を中野区は抱えております。そういう中で、やるのは人なんです。人の、要するにそういったものの構成なりバランスを考えてやるのが、やはりトップとしての考え方ではないかというふうに思っている次第でございます。一日も早く、このひずみだとか矛盾を克服するようにぜひ考えていただきたいというふうに思っております。
次に、呼称についてお伺いさせていただきたいと思います。特に組織、モチベーションについてお伺いさせていただきます。人事担当副参事、たびたびすみませんね。ずっと申しわけないですけども。
中野区組織規則によりますと、第9条によれば、「室及び部に担当参事、担当副参事及び主査を置く」と書かれております。2番目として、「室又は部の事務分掌を分野に区分し、その分野の重要度に応じて、担当参事及び担当副参事のうちから統括管理者を指定する」、3番として「室長及び部長は、分野を施策に区分し、重要な施策について担当参事及び担当副参事のうちから施策の執行責任を担う執行責任者を指定する」というふうに書かれております。何か非常にわかりづらくて、私も何回もこれを読み直しました。どういう組織なのかなと思っておりました。1回でこれが理解できれば、すばらしいなと思いました。
それで、お伺いしたいんですけれども、中野区は今現在、参事を部長級、副参事は課長級ということで、処遇もそれぞれ分かれております。当然それぞれが権限と責任を持つと同時に、指示命令を部下に出せば、ラインとしてそれは行われているというふうに理解しております。
今の中で、「分野を施策に区分し」という文章になっておりますけども、課長級が担当する場合が、中野区組織規則では分野という言葉がそこにございます。分野、目的で大ぐくりだというふうに私は理解しておりますけども、この分野というものは条文上何ら出てきておりません。今の中の中野区組織規則9条にも何ら規定されておりません。ほかも全部見ました。しかし、出ておりません。一体分野って何なんでしょうか。また、その分野というのは組織上の問題なのか、ラインなのか、その辺をこの文章上から読み取ることができません。その点について、まず人事担当にお尋ねをさせていただきたいと思います。
○奈良経営室副参事(人事担当) 区では、目標体系と組織というものが一体的なものであるというふうに考えてございます。各部におきまして、組織規則に基づきましてそれぞれ部の目標、分野の目標、それから施策の目標を定めることとしておりまして、分野というのは、そうした目標体系の区分であると同時に、それを担う執行体制であるというふうに考えてございます。
また、先ほどラインかどうかといった御質問がございましたが、一般的にライン組織というものを部長、課長、係長といった直系のラインのみで構成されているピラミッド型の組織というふうにとらえますと、区の現行の組織はこれには当てはまらないというふうに考えてございます。
○佐野委員 私の質問は、ラインですか、ラインじゃないんですかというふうな質問なんですけど、それについてはどうなんでしょう。
○奈良経営室副参事(人事担当) 現在、区では、決定ラインとしまして執行責任者、統括管理者、部長という役割を担う者を配置してございます。その上で、組織運営を行っているといったことでございます。この統括管理者が担っていく目標のまとまりが分野ということでありまして、通常のラインの業務というのはその中で行っているというふうに考えてございます。
ただし、分野というのは、従来あった課のような職務目標から独立した、固定的、硬直的な組織ということではなく、目標達成に向けて仕事のあり方によって柔軟に変化をしていく組織単位というふうに考えてございます。また、場合によっては分野の中にスタッフ的な動きをするチームといったものも持つことの可能な組織ということで、柔軟な組織運営をしているといったことでございます。
○佐野委員 柔軟性は、組織の中で必要な要素の一因ですし、非常にいいことだと思うんですけども、通常の分野の中でラインではない。分野の中に、少なくとも今言った統括管理者、そして執行責任者というのがおるわけですよね、分野の中で。ということは、当然それは組織上ラインになるんじゃないですか。
○奈良経営室副参事(人事担当) ラインの機能としては、その中に持っているといったことでございまして、一般的に言いますピラミッド型の単一的な命令系統にある、そういったラインの組織ではないといったような意味でございます。
○佐野委員 何か非常に難しい論理で、わかりにくいと思うんだけども、今、中野区のやり方としてはフラット化を目指して、そして、どうなんですか、一番最初にある目標体系があって、目標体系を分野と呼んでいると。そして、その分野の中にそれぞれが分かれていて、分野の中で、例えば主査さんがいて、そして執行責任者がいて統括管理者がいるというふうな分け方をして、その分野というのは目標体系が一つであって、その中にさらに細分化されて、主査さんが責任を持って物事を解決していく、そういうとらえ方をしているんですよね。
○奈良経営室副参事(人事担当) 今、お話ございましたように、目標体系を中心に考えてございまして、部の目標、分野の目標、施策の目標ということで、それぞれ目標の体系をつくってございます。分野の目標を担うのが統括管理者、施策の目標を担うのが執行責任者といったような考え方を持ってございます。そういった意味で、そういう体制で執行しているということでございます。
○佐野委員 統括管理者がいて執行責任者がいるというと、その統括管理者、執行責任者は責任と権限を持っているわけでしょう。ということは、ラインですよね。スタッフじゃありませんよね、ラインですよね、一般でいう組織上は。ということは、ラインであれば分野がラインになるんじゃないですか。
○奈良経営室副参事(人事担当) 統括管理者、執行責任者というものは、確かにラインの機能を担ってございます。そういった意味では、分野というのもラインの機能を担う組織というふうに考えてございます。
○佐野委員 とすれば、中野区組織条例の中には分野という表現は一個もないんですよ。当然、みんなが仕事をして、わかりやすくやっていかなきゃいけない、職員がですよ。その組織条例の中に何もないところの分野の中に位置付けられて、あなた、責任と権限があるんですよ、ラインですよ、仕事をしてください、目標に向かってと言ったって、わかるわけないじゃない。少なくともその規則の中に、分野という位置付けをはっきりとしなければまずならないということではないかと思うんですけども、いかがでしょうか。
○奈良経営室副参事(人事担当) 組織条例の中には、最上位の組織を規定するといったことがございます。そういった意味では、部、室を規定しているといったものでございます。
その部、室のさらに下の組織につきましては、目標体系ということで、その中でそういうものを位置付けまして、その目標を実現するためにどういった組織がいいのかといったことを考えまして、毎年そういった見直しをしているといったものでございます。
○佐野委員 中野区組織規則ですよ。条例というのは憲法に等しいじゃないですか。我々が仕事をしていく中で、どういう方針を立ててどうやっていくのかということだと思うんです。その中に、今度は組織規則というのがありますね。中野区の組織規則というのが。組織規則の中にそういうことを書かれているならわかるんですけども、少なくとも分野というふうに言っているわけですから、分野は目標体系があるんだ、その分野の中でそれぞれの目標を持って、その目標に向かって解決するんだと言っているのであれば、その部とか室だとかだけではなくして、その分野についても条例の中に織り込むべきではないんですか。
○奈良経営室副参事(人事担当) 組織規則の中に、先ほど、冒頭のところで委員のほうから御発言がございましたとおり、室または部の事務分掌を分野に区分しということで、その考え方につきましては組織規則の中で書いているといったことでございます。そして、具体的なその分野というものにつきましては、毎年の目標体系の中でそういったものを定めまして、柔軟な執行体制を組みながら目標達成に向けて仕事を進めているといった形になっております。
○佐野委員 これで職員の皆さん、おわかりになっているんですかね、自分の位置付け。ただ執行責任者だとか、あるいは統括管理者ということはおわかりになっているかもしれませんし、その目標も、評価があるわけですから、面接をして、上司と部下とでやっていく。そして達成をしていく、目標に向かって。そういったことを理解させるためにも、今、中野区がある位置付け、分野という位置付けをはっきりとみんなに、さらに認識する必要があるというふうに私は思っているんですけども、これ以上言ってもお互いにあれでしょうけど、分野ということについてはやはり、何回もお使いになるわけですから、行政として。やっぱり分野としての位置付けをはっきりとすべきではないかというふうに、あえて私は申しました。区長、大変渋い顔をしておりますけども、この辺もまた含めて、いろいろ組織の中で見直しをしていきたいというふうに思っております。
それでは、次に移らせていただきます。次に、副参事、参事についての名称についてお尋ねさせていただきます。
これを、我が会派の高橋議員が質問してきました。その議事録を見させていただきました。中野区におきましては、目標と成果による管理という考え方を導入いたしておりまして、課という組織を廃止しているわけですから、課長という名称は用いてはならないんですというふうに答えています。私は、一般的になれ親しんだ名称が区民にも受けやすいし、そしてまたよろしいんじゃないかというふうな考え方を持っているわけですけども、この答えは、課というものがないから課長とは呼ばないんだということを、高橋議員の質問に対してはお答えになっております。それでは、今、分野というところに書いてあるわけですから、分野長、それから執行長、管理長でも、この理論から言えばいいんじゃないでしょうか。
○奈良経営室副参事(人事担当) そういったことも一つの御提案かと思ってございます。
○佐野委員 その中で、そのようなことも検討の分野に入りますというのでもいいんですけども、問題は、一番区民がなれ親しんでいて、言いやすくて、わかりやすいことを、やっぱり区民の目線で考えなきゃいけないと思うんですよ、この呼称は。そこが一番大切なんですよ。例えば、今言った分野長だ、また自分で言っておかしいですけども、分野長だ、それから執行長だなんて言ったってわからないじゃないですか、区民は。例えば、人事担当分野長をお願いしますなんて言ったってわからないでしょう。交換手だってわからないじゃないですか。そんなことを考えると、やっぱり親しみやすいこと、区民にとって一番親しみやすいのは何なのかということであって、副参事、参事なんて舌が回りませんよ。また、わからないですよ、そんなこと言ったってだれも。そこはやっぱり直すべきではないかというふうに思っています。簡単なことだと思うんですけど、やっぱりこだわりというものはあるんだなと私は思っております。
ところで、ちょっと話は変わりますけど、23区の中で副参事、参事というふうに使っている区はあるんでしょうか。
○奈良経営室副参事(人事担当) 他区におきましては、参事、副参事といった呼称につきましては、主にスタッフの職として、部長職、課長職として用いられるといった事例はございます。
○佐野委員 ということは、ないということですね、ラインとしては。
○奈良経営室副参事(人事担当) ラインとしてはございません。
○佐野委員 としますと、別に他区がどうこうじゃなくて、中野区独自のものでいいんですよ、フロアマネージャーでも、何とかデスクマネージャーでもいいですよ。だけども、やはりその中で、他区もそうだということになると、例えばちょっと伺いますけども、23区の中で課長会、人事部の責任者だけ集まる会があるそうですよね。それは何と呼んでいるんですか、23区の中では。
○奈良経営室副参事(人事担当) 人事に関しましては、人事担当課長会と言ってございます。
○佐野委員 23区副参事担当会とは言っていないわけでしょう。その人事担当会に、課長、出席されているんでしょう。
○奈良経営室副参事(人事担当) 出席してございます。
○佐野委員 その辺の意識がわからないんですよ。要するに、みんな、23区の人事担当課長会という名称のところに出席し、発言をしているわけですよね。自分は副参事なわけですよね、こちらで呼ばれると。どういうふうにして出席して、どういうふうに――その場合、みんなに何と呼ばれているんですか、中野区の副参事は。
○奈良経営室副参事(人事担当) 副参事というふうに呼ばれております。
○佐野委員 わかりました。だから安心感があるわけですかね。その場合、例えば墨田区とか港区の課長が、中野区の副参事と言って指名するわけですか。
○奈良経営室副参事(人事担当) そのとおりでございます。
○佐野委員 わかりました。かなりおもんぱかっているんだなと思いました、23区、優しい人だなと思いました。それはちょっと余談なのであれなんですけども、それからもう一つ、例えば私なんかも含めて区民が「何々課長をお願いします」と、「何々副参事をお願いします」というふうにラインに電話をしないですね。ほとんどの人がそういうふうに聞いているんですよ。例えば、「人事課長をお願いします」「建設部長をお願いします」、このように電話するわけですね。そうすると、交換手の方は、いえ、副参事ですよ、参事ですよと言いますか。
○奈良経営室副参事(人事担当) 私のところに電話がかかった場合には、電話交換の者が「人事担当課長をお願いしますと言っておりますが、よろしいですか」というような形でおつなぎをいただくことはございます。そういった職で確認をされて電話が回ってくるといったケースはございます。
○佐野委員 ということは、よろしいですかと言っているということになると、人事課長という認識があるから人事の担当の副参事のところに電話を入れるわけですね、電話交換手の方は。ということは、認識しているわけですね、課長だということは。外からは、「人事課長をお願いします」とかかってくるわけでしょう。そうすると、交換手の方は「何々副参事ですけども、課長と言っていますけどよろしいですか、おつなぎしていいですか」というわけでしょう。ということは、少なくとも交換手さんも、あるいは人事課長も「いいですよ」とそこで言うんでしょうから、認識しているわけじゃないですか、課長だということを、自分の呼称は。違いますか。
○奈良経営室副参事(人事担当) 区民の方は、そういう人事担当の責任者をといった意味でお電話してきているというふうに思ってございます。そういった意味で、交換手のほうも人事担当の責任者として私のところにそういった確認をして電話をつないできているんだというふうに思ってございます。
○佐野委員 わかりました。これも論議していても結局平行線だなと私は思っているんですけども、もう一つ、ちょっとお伺いします。
ここで、新聞報道によれば、ことしの7月に東京都は副参事、参事を廃止したというふうに書いてありました。それで、まずこの辺を認知しておりますか。
○奈良経営室副参事(人事担当) 東京都がそういった改正をしたというのは知ってございます。
○佐野委員 別に東京都のまねをする必要はない。独自性があって、参事、副参事でもいいんですけども、やはりその中で、なぜこうしたかということを調べましたでしょうか。
○奈良経営室副参事(人事担当) 東京都の今回の管理職制度の改正内容でございますが、参事、副参事というものを原則廃止いたしまして、担当部長、担当課長に変更するといった内容でございます。この見直しにつきましては、管理職の権限と責任を明確にしまして、都民にわかりやすい名称とするといったようなことを東京都は言ってございます。
○佐野委員 今おっしゃったのは重要なんですよ。都民にわかりやすくするということが一つの目的であったと言っているじゃないですか。課長、今そう言ったよね。――副参事、失礼しました。ということになると、都民にわかりやすいというのを一つの、東京都も考えているわけです。中野区も考えるべきじゃないんでしょうかね。
○奈良経営室副参事(人事担当) 繰り返しになってしまいますが、区では目標と成果による管理というものを導入しまして、課という組織を廃止してございます。そういった意味で、課長という呼称は用いないというふうに考えてございます。こうした区の経営の考え方に沿いまして、役職の名称なども定めてきたといったものでございます。
○佐野委員 それぞれの思いがあって、多分、非常に天の声というのが強いのかなというのはわかります。そのこだわりというか、それしか私にはとれないんですよ。なぜ、副参事、参事なのか。みんな、都も変えてきた。神奈川県も変えたはずですよ。そういうことを考えたときに、別に変える必要はないというのではないんですよ。何か根拠があるんでしょうな。その辺をちょっとお伺いしたいんですけども。
○奈良経営室副参事(人事担当) 区の、それぞれの自治体の組織ですとか、その役職の呼称、そういったものはそれぞれの自治体の事情によるんだというふうに思ってございます。中野区は、先ほどもお話ししましたとおり、目標と成果による管理というのを導入しておりますので、そういった意味で課がないといったことでございます。区のこうした経営の考え方、これに基づいて現在定めているといったことでございますので、この点につきまして御説明いたしまして、親しみを持っていただければというふうに思ってございます。
○いでい委員長 他に答弁する方、いませんか。
○川崎経営室長 ただいまその組織あるいは役職の呼称をどうするかという、いろいろ御意見をいただきましたけども、先ほど来副参事が申し上げておりますとおり、中野区としての経営のあり方、それをあらわすものということで御説明申し上げております。名は体をあらわすといいますが、課という組織運営をしていないところで課長を設けるということについては、適切ではないという判断のもとに、参事、副参事ということで呼称を設けているということで、これにつきましては、今東京都の例も出されておりますけれども、これはやはり中野区としての組織経営のあり方の考えに基づいて考えていくべきものというふうに考えております。
○佐野委員 すみません、もう一回お願いします。しつこいようですが、これは通告になかったので申しわけないんですけど、今おっしゃっていた、課ということを設けていないからというふうにいみじくもおっしゃいましたけども、課ということを設けていないから、どうしてもこれは課長と呼べない、あるいはもっと親しみやすい呼称はできない、そういうことなんですか。課がないと、課長と呼べない、何がないと何ができない、そういうことなんですか。もっと基本的に、区民の立場、区民の目線というものは考えられないんでしょうか。
○川崎経営室長 基本的に、課というものがないときに、その課の長、課長というのは課の長でございますので、そういった意味では課長という呼称を用いるのは適切ではないというふうに考えております。
ただ、委員おっしゃるように区民目線で考える、これは非常に重要なことがあるというふうに考えておりますので、今後ともその視点は忘れずに検討を進めていきたいと思います。
○佐野委員 今後ともその目線は忘れずにとおっしゃったけども、ずっとこれは、私だけじゃなくていろいろな議員さんが質問しているんですよ。いろいろな議員さんもそういう思いで、一般の区民はそう願っているよということで、私も別に課長という名称にこだわっているわけじゃないんです。いいアイデアがあって、いいものであって、区民が親しみやすい日本語であれば別に構わないと思っています。ただ、いかにも副参事、参事というのはわからないんですよ、一般の住民は。銀行か、あるいは何かかなということで思っている人が多いかもしれませんよね。だから、やっぱりそういった親しんだものを考える。課がないから課長と呼べないんだということは捨ててくださいよ。ほかの分野が分野長でいいじゃないかと、さっきの論理になっちゃいますから。そうじゃなくて、新しい発想、新しいものを考え出すという想像力をつくって、みんなに親しまれる中野というものを考えたらいいのではないかというふうに言っているので、その辺なんですけれども、どうなんでしょうか。
○川崎経営室長 繰り返しになりますけれども、区民の皆様に親しみやすい、わかりやすい組織名称を用いると、役職名を用いるということは大事なことだというふうに思っています。そういった意味で、現在の参事、副参事ということが、区民の皆様にまだ十分浸透していないという御指摘でございますが、そういった御意見も今後踏まえながら、十分、今の区の考え方について御理解をいただくよう努めていきたいと思います。
○佐野委員 わかりました。もう早くしてくれという意見がありますので、この辺で。確かに、いくらやっても論議は尽きないんです。ただ、根底にあるもの、あるいは意見の違いがどこにあるかということを相互に認識することが大切だと思うんです。それがわかっていただけただけでも、きょうはありがたいなというふうに思っていますので、いろいろ通告しないで申しわけなかったですけども、ありがとうございました。
それでは、次に移らせていただきます。中野新橋のバリアフリー化等について、3番目の質問をさせていただきます。
この件につきましても、やはり同僚議員である高橋ちあき先生が前回のとき質疑をさせていただきました。それで、そのときの回答が、中野新橋駅は、富士見町、新中野、そして中野坂上、これから比べると一番おくれてしまいまして、バリアフリー化がなされていないわけなんですね。そういったことで、かなり地域住民も、何とかしてほしいんだという強い要望が以前からありました。そういった中で、今回、隣のパチンコ屋さんが用地を売り出すということで、ようやくその取得ができた、そういうふうにこの間、高橋ちあき先生のほうで確認をしていただきました。そして、登記も移転されたというお話を中野区のほうから御回答いただいたわけですけども、交通バリアフリー法によりますと、22年までに各駅は整備することがたしか義務付けられていると思うんですね。土地が確保されても、完成までに時間がかかるものだと私は思うんです。当然、土地を買ったということは、下までバリアフリーが可能だからこそ土地を買ったのではないかというふうに素人的に判断するわけですけども、あわせて、まず土地を買ったということは、どこまで作業的に考えた上で買っているのか、そして、いつごろ完成になるのか、そしてまた、バリアフリー法との関係は、22年までといったらもうすぐですよね。どういうふうに区として考えているんでしょうか。その3点について、まずお答えをいただきたいと思います。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 中野新橋駅の遊戯場の隣接用地の買収が終了し、東京メトロの用地になったことから、駅舎の改築に当たり具体的な取り組みが進んでいると認識してございます。しかし、いつ、どのような形で駅舎の改築が進められるかにつきましては、東京メトロで今現在検討中でございます。区としても早期整備を働きかけていきたいというふうに考えてございます。
また、交通バリアフリー法の関係でいいますと、既存駅は、努力目標でございますが、平成22年までに整備ということになってございます。そういうことからいいますと、目標は達成されていないということになるかなというふうに認識してございます。
○佐野委員 その努力目標で、22年までにバリアフリー化ということは、達成していないということを認識しておりますと。認識しているんだったら、少なくとも働きかけをすべきじゃないんですか。中野区で、22年に、バリアフリー法というのは国の法律ですよね。これは確かにあるべき条項かもしれません、罰則条項はないかもしれない。だけども、やはりそういった22年までにバリアフリーに全国しようじゃないかという意向があるのであれば、少なくとも中野区としてもその辺はメトロに持ちかける、あるいはこうなったらどうですか、こちらから質問されるのではなくて、そのような姿勢というのが中野区の職員の方には必要ではないかと思うんですけども、どうでしょうか。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 御指摘の件は、もっともなことだと承知しております。繰り返しになりますけれども、条件が整ったということもありますので、区としても早期整備に向けて取り組んでいただくように積極的に働きかけていきたいと考えてございます。
○佐野委員 積極的に働きかけていただきたいというふうにこちらも思っていますので、ぜひ職員の方だけじゃなくて、こちら側も、地域住民は本当に思っています。ぜひお願いしたいというふうに思います。
もう1点、今現在、丸ノ内線の中野新橋駅は防災の避難通路の工事が行われております。民家のほうへ逃げるんだということでやっているんですけども、これについて今、道路を閉鎖したり、あるいは工事で掘り返したりしているんですけども、避難通路のことについてはいつ、この進捗状況ですか、これについてまずお尋ねをし、そして、もしこれが完成した暁には、どんなような説明というか、住民に対して行う予定なんでしょうか。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 避難通路につきましては、平成23年度中に完成するという予定であるというふうに聞いてございます。また、避難通路につきましては、着工前に近隣に説明を行っているということですけど、完成後の説明会などについては、今後の駅舎整備計画の説明会などの中で検討したいと東京メトロからは聞いてございます。
○佐野委員 東京メトロからは聞いておりますというのはそのとおりなんですけども、聞いておりますじゃなくて、そのように、要するに言っておりますとか、言わせておりますとか、そういうような、受けの姿勢、待ちの姿勢ではなくして、こちらから、確かにそれは民民ですから区としては言えない部分もあるし、なかなかこうせい、ああせいというふうに言ったって、お金を出しているわけじゃありませんから言えないと思うんですけども、やはりそういった中で、中野区にあって、この間の御答弁の中で、高橋先生の中での御答弁は、1万7,000人の乗降客があるわけです、中野新橋駅。この1万7,000人の利用者の人たちに対しても、少なくとも……。
〔「1万8,000」と呼ぶ者あり〕
○佐野委員 1万8,000人ですね。1万8,000人あるということですから、それを考えてみても、やはりもっと積極的に中野区はアプローチをかけていくべきではないかというふうに思うんですけども、どうでしょうか。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 今、委員からの御指摘も受けまして、区として東京メトロに働きかけていきたいというふうに考えてございます。
○佐野委員 ありがとうございました。ぜひお願いしたいと思います。
それで、この項の最後になるかもしれませんけども、実は中野新橋駅は、これは高橋先生も質問しました。男女共通のトイレなんです。これ、30年以上たっているんですね。東京都で一番古い地下鉄は黄色い線なんです。その次にできたのが丸ノ内線なんです。昭和36年に駅ができました。中ではいろいろ直して、オリンピックの前にできた駅なんです。銀座線が、黄色と赤で分けてあるんですね。当時は黄色と赤で分けて、黄色い線は銀座線が一番最初にできたんです。そのうちに赤い線ができて、丸ノ内線ができた。私は小さいときからあそこに住んでおりまして、非常に便利になったなと思ったんですけど、ところが、まさか、この今、50年間たってみて、全く駅舎が直っていないんですね。トイレがいまだに男女共通トイレなんですね。もう地元の人たちもびっくりしました。
そういうことで、実は5月23日、区長選が行われました。田中区長は、中野新橋の駅へ行きまして堂々と自分の所信を述べました。我々も応援をさせていただきました。そして、地元の住民の方が、区長にお尋ねしたいんですけれども、そのとき、ぜひ田中区長、トイレを見てください、そして、トイレを使用してくださいと言ったんです。それで、私が見ていたら、一緒にトイレの中に行きましたよね。できましたら、その辺の御感想も含めて、中野新橋駅はこれでいいのかと、中野区にある駅がいいのかと、男女共通トイレがいまだにあっていいのかという御感想も含めて、ちょっと一言御所見をいただきたいと思います。
○田中区長 お話のとおり、中野新橋駅、トイレもメトロさんの許可を得まして使わせていただきました。確かに私も、もしかしたらああいった場で男女共通トイレというのは初めて使ったかもしれないというような形で、大変放っておけない状況だなということは実感をしたところです。
今回、隣地をメトロさんが買収できることになって、二方向避難とバリアフリーということがいよいよ実現できると、こういうふうな状況になってきたわけです。ここに至るまで、佐野委員はじめ地元の委員の皆さんが大変御苦労されて、一生懸命活動して働きかけた結果が今日のようになったということでありますので、区といたしましても中野新橋駅のバリアフリーと二方向避難路の確保と、このことについては引き続き力を入れてメトロに働きかけを行ってまいります。
○佐野委員 力強い御発言ありがとうございました。やっぱり使用したときの思いを忘れずに、ぜひ新しいトイレ、そして新しいバリアフリー化にしていただきたいというふうに思います。
時間が大分残っておりますが、その他の項目はございません。一応、私はこれで質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○いでい委員長 以上で佐野れいじ委員の質疑を終了します。
次に、白井秀史委員、質疑をどうぞ。
○白井委員 おはようございます。平成21年度中野区決算について、総括質疑を行わせていただきます。公明党として3番バッターになりますけども、竜頭蛇尾の質問とならないように一生懸命に質問をさせていただきたいと思いますので、委員の皆様、理事者の皆様、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
それでは、初めに財政運営についてからお伺いしていきたいと思います。
厳しい財政状況だというお話を、区長も、理事者の皆様もお話をされております。ところが、歳入歳出とも過去最高に大きいんじゃないかなと思っております。では、厳しい財政状況というのはどこにあらわれているのか、そこからまずお話をお伺いしたいと思います。
平成21年度の普通会計ベースの歳入決算額である約1,230億円は、これまでの中野区の決算規模としては何番目になるのでしょうか、お伺いします。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 過去10年間で見まして、一番多い額だと思います。
○白井委員 歳出決算額である1,213億円についてはいかがでしょうか、お伺いします。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 歳出につきましても、同様10年間で一番多い額だと思います。
○白井委員 そうすると、過去10年と言わず、本当はもっと長いんですけども、10年間で見たときに一番大きい歳入、そして一番大きい歳出だと。普通は、大きい予算が組んであって、歳入があって、大きい歳出があると財政的には豊かなのかなと、こういうふうに見られるんですけども、では、厳しい財政状況は21年度決算のどこにあらわれているのでしょうか、お伺いします。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 委員御指摘のとおり、歳入総額につきましては、前年度に比べて187億円の増ということになってございます。そうしたものの、特別区債の増という要因が大きく、一般財源としては特別区交付金の大幅な減の影響で685億円と、前年比5.3%、38億円の減という状況になってございます。あと、歳出面につきましては、人件費は減少したものの、扶助費、公債費は増加してございまして、義務的経費全体では前年度比4%、21億円の増というふうになってございます。こうしたことから、経常収支比率の上昇の要因にもなってございまして、厳しい財政状況というふうに認識してございます。
○白井委員 他の委員からは、この件については実質収支比率ですとか、あと経常収支比率のお話がありましたので、私からは別角度で、プライマリーバランスについてのほうでお話をお伺いしてまいりたいと思います。
平成21年度普通会計歳入規模決算額から特別区債発行による収入を差し引いた額は幾らでしょうか、お伺いします。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 差し引き額につきましては、1,041億円余となってございます。
○白井委員 同じく、歳出決算額から公債費を除いた額は幾らでしょうか、お伺いします。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 1,122億円余でございます。
○白井委員 この歳入から歳出を引くと幾らになるのか、お伺いします。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) マイナス81億円余でございます。
○白井委員 この数字がプライマリーバランスと言われるものなんですけども、財政運営上いかなる意味を持つものなんでしょうか、お伺いします。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) このプライマリーバランスでございます。この指標につきましては、一般に単年度の財政赤字ではなく、公債費等でございますので、中長期的な財政赤字の累計を見る際の指標とされているものでございます。
○白井委員 そうです。そのとおりだと思います。中長期的な指標が見られると。プライマリーバランスがマイナスになったのは、何年ぶりのことでしょうか、お伺いします。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 平成7年度にマイナスになってございますので、14年ぶりということになると思います。
○白井委員 21年度中野区財政白書には、用地取得のために発行した特別区債の影響によってマイナスになったとの分析が示されていますが、この分析でよろしいのでしょうか、お伺いします。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) プライマリーバランスがマイナスになった要因でございます。起債発行額が大きいということで、公債費を大きく上回った、それが要因でございます。
その起債発行につきましては、本町五丁目用地など用地取得にかかわるものが大きくなっている、それが原因でございます。
○白井委員 今後の財政フレームのとおりに財政運営が行われると、プライマリーバランスは今後どのような見通しとなるのでしょうか、お伺いします。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 今後の見通しでございます。特別区債の発行額、それと公債費の推移から予測ということになります。一般会計と用地特別会計の合計額におきまして、平成24年度までは公債費のほうが大きく、プライマリーバランスはプラスの状況で推移していくものと予測してございます。
ただ、25年度、それから29年度、30年度は、特別区債発行額のほうが大きくなる予想でございまして、プライマリーバランスにつきましてはマイナスになるという予測を立ててございます。
○白井委員 久方ぶりにマイナスになって、今後、回復もあるんですけども、またその次には落ちてくると、こんな状況ですね。
今年度の予算ベースでのプライマリーバランスは、どのような見通しになっているのでしょうか、お伺いします。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 今年度の状況でございます。当初の予算ベースでございますと、約44億円のプラス状態でございました。ただ、今定例会におきまして、(仮称)南部防災公園に係る特別区債の追加計上をしたことによりまして、現在のところ4,000万円のマイナスという状況になってございます。
○白井委員 辛うじてぎりぎりのところというんでしょうか、もう少し踏ん張ればという状況ですね。今後、例えば10か年計画事業以外の大規模用地の取得を起債により行うことは、財政の持続可能性を低くすることにはならないのか、お伺いします。
○志賀政策室副参事(予算担当) 現時点におきましては、10か年計画でお示ししております主な事業以外に、大規模用地を起債による購入は想定してございませんけども、仮に取得の必要性が生じた場合には、10か年計画でお示ししました10か年の財政フレームの見直しを行うとともに、特定財源の確保に努めてまいりたいと思います。
また、今御質問の持続性のお話でございますが、財政の持続可能性を低くするかどうかにつきましては、その時点の財政状況にもよりますので一概には申し上げることができないというものでございます。
○白井委員 景気の動向等、さまざまな状況判断がありますので、一概には言えないところなんでしょうけども、私は今ここ平均的に見ると、間違いなく厳しくなってくるんだろうなと個人的には思っております。
次に移ります。21年度財政調整交付金の算定で、財産費の算定額は幾らか、伺います。
○志賀政策室副参事(予算担当) 平成21年度の都市計画交付金にかかわりますもので申し上げますと、15億9,780万円ほどになってございます。
○白井委員 22年度はどうでしょうか、お伺いします。
○志賀政策室副参事(予算担当) 22年度につきましても、同じく都市計画交付金にかかわるものとして申し上げます。16億662万5,000円となってございます。
○白井委員 財産費の算定がなされているところなんですけども、財調財源が減少してきた、こういうときに、他の事業費を圧迫することにはならないのでしょうか、お伺いします。
○志賀政策室副参事(予算担当) 都市計画交付金に係ります財産費につきましては、都市計画事業の区負担分につきまして基準財政需要額として算定するものでございますので、通常事業実施の翌年度から4年間で分割されて措置されてございます。財調財源の調整3税ですね。この増減により算定額がそれによって変わることはないというものです。しかしながら、財調財源そのものが減少した場合、当然特別区交付金の23区の総額も減少しますので、厳しい財政運営を迫られることになります。
また、財産費は、その区独自の財政需要として算定されておりますので、直ちに他の事業経費を圧迫するものではないというふうに考えております。
○白井委員 そこが大事なところでして、確かに財産費は算定されているんです。これは理事者の方々もおっしゃるように、東京都としてもそこは算定している、間違いなく入っていますというんです。ところが、他の財調のやつが、そこが圧縮されると、財調自体に色がついているわけじゃありませんので、財産費で算定されているやつが100%入っていると言われても、ほかのが圧縮されていれば結論として入ってきた額が減ってしまう。つまり、財調全体の規模が縮小すれば、じゃぶじゃぶで来るやつじゃないので、どの色がついているかわからない状態の中で減ってしまう、こういうことになると、結局一般財源的なものを圧縮する可能性があると、こういうふうな認識でよろしいんでしょうか。いま一度お伺いします。
○志賀政策室副参事(予算担当) 先ほど御答弁申し上げましたように、特別区交付金につきましては23区全体、総体の総額が減額されれば、財政運営が大変厳しくなってくるといったものでございます。
○白井委員 今後も行財政運営の基本方針は従前と変わらないように行われるでしょうか、お伺いします。
○志賀政策室副参事(予算担当) 行財政運営の基本方針につきましては、安定した財政運営を行うために財政調整基金等の積み立て、それから取り崩し、これによりまして財源調整を通じまして歳入規模を一定に保つこと、それから基金の活用の考え方、起債の活用の考え方を定めてございます。これらの方針によりまして、10か年計画に基づきます取り組みを体力に合わせて着実に進めていくということに変わりはございません。
○白井委員 今のところは変わりない、今後も変わらないということでよろしいのでしょうか、いま一度お伺いします。
○志賀政策室副参事(予算担当) 現時点におきましては、財政体力に合わせて着実に10か年計画を進めてまいりたいといったものでございます。
○白井委員 それでは、より厳しい目で見ていく必要があると思います。そこの意味では、新地方公会計による財務書類の作成をやらなければならない状態となります。これを財政運営に生かしていくおつもりがあるのでしょうか、お伺いします。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 負債の状況、それから人口や財政規模から見た資産の適正規模、また資産の維持、更新コストの財源確保、それから行政運営のコストの適正管理など、財務諸表から得られる財務情報を資産管理、行政評価、予算編成に反映させるとともに、さらに連携を強めていく、そういう考えで進めてまいりたいと考えてございます。
○白井委員 先ほど申し上げました、よりシビアな目で見ていかなければならない。確かに財産費、算定されているんだけど、それだけではなくて、新公会計が入ることになってさまざまな指標がまた新たにふえます。これを活用しながら、ある意味ブレーキ役ともいえる、お目付役ともいえる立場を今後ともお願いしたいと思います。改めて、もう一度お伺いします。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 委員御指摘のとおり、公会計改革によります財務書類、こちらにつきましては行政評価はもちろん、決算分析を予算編成に反映させるなど、今後ともその活用については強めてまいりたいと考えてございます。
○白井委員 この項の質問は以上です。ありがとうございます。
続いて、高齢者の見守り・支えあいについて、お伺いしてまいります。
昨今の高齢者を取り巻く状況から、見守り・支えあいは大変大事な課題となってきていると言えます。しかしながら、反面、行政にとっては不得意な分野だとも言えると私は思っております。今後の見守り・支えあいの体制整備によっては、区が行う生活サービス事業の大きな柱、基軸ともなると思いますが、この点について今後の施策の展開をお伺いしてまいりたいと思います。
まず初めに、その他として、総論という部分からお伺いしてまいりたいと思います。区の65歳以上、また75歳以上の人口は、高齢化の当面のピークと言われております2025年にはどのような推移となるのか、また、単身、夫婦のみの高齢者世帯、世帯数は、2025年にはどのような推移となるのか、お伺いいたします。
○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) まず最初に、65歳以上、75歳以上の推移でございます。現在、中野区の人口が31万2,379名、そのうち65歳以上が6万457名、75歳以上が3万588名となってございます。この人口が、2025年につきましては、政策研究機構の報告によりますと、人口30万8,608名、そのうち65歳以上7万7,099名、75歳以上が4万5,389名となってございます。
単身世帯についてでございます。こちらは、ことしの4月1日現在の数字でございますが、70歳以上の単身者が6,679名、75歳以上の高齢者のみ世帯が2,293世帯となってございます。これに、単純計算ではございますが、人口比を掛けたものになりますと、2025年には8,348名、それから75歳以上の高齢者のみ世帯は3,785世帯となってございます。
○白井委員 ふえていくというのはわかっているんでしょうけども、この伸び方が、非常に本当にふえていく状況です。
現在、この高齢者の住まいとしては、住宅か施設かの二択の状況にあるんですけども、この間に第3の選択肢として日常生活を送るに当たって困ったときには支援が受けられるケアつき住まいや、地域における見守り・支えあいという考え方を国も都も推進し始めています。家族や地域から孤立した、支えのない高齢者が大幅に増加するとの想定の中、区はどのような問題認識と課題認識を持っておられるのか、お伺いいたします。
○相澤都市整備部副参事(住宅担当) 新しい中野をつくる10か年計画では、多様で良質な住宅の誘導確保として、高齢者などの入居を受け入れる民間賃貸住宅がふえ、だれもが安心して住み続けられる住宅の供給が推進されていくことを目標としてございます。高齢者ケアつき賃貸住宅につきましては、国や都も補助制度を創設してございます。区といたしましては、事業者がこうした補助制度を活用し、区内に事業展開できるよう取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
○白井委員 見守りや支えあいを推進するため、これまで区はどのような施策を行ってきたのか、お伺いいたします。
○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) 区では、地域住民、事業者及び区が相互に連携し、地域全体で高齢者に対する見守りや声掛け等を行い、高齢者の安否を日常的に確認するとともに、異常等を発見したときに迅速に対応できる体制を確保することを目的としまして、平成16年度から元気でネット事業を行ってございました。対象としましては、65歳以上で区内に住所を有する高齢者、その中でひとり暮らし、もしくは高齢者のみ世帯に属する方を対象としてございます。
見守りの仕組みとしましては、登録者と協力員を募りまして、見守りや声掛けを行うとともに、地域包括支援センターの作成した見守りプランに沿った支援を行う仕組みでございます。
○白井委員 今、御説明いただきました、これまでの施策をどのように分析されているのか、また、欠如していた点は何だととらえられているのでしょうか、お伺いいたします。
○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) 元気でネット事業の主な反省点は、平成20年2月の時点で登録者と、それから協力員のバランスが崩れてしまっていたということでございます。具体的に申し上げますと、登録者が2,319人いらっしゃったのに対しまして、協力員は78名ということがございました。協力員の大幅な増加が見込める状況になかったという状況にありました。
○白井委員 これから展開しようとする、すこやか福祉センター、地域包括支援センター、地域センターからの転換による地域事務所、区民活動センターをどのような役割分担で実行されるおつもりなのか、お伺いいたします。
○野村中部すこやか福祉センター副所長 区民生活部の施設計画についても含まれてございますが、見守り・支えあい活動というところで私のほうから御回答申し上げます。
まず、地域包括支援センターでございますが、地域の高齢者、その家族、あるいは要介護高齢者を担当するケアマネージャー、こういったものの相談に応じ、介護や医療、それからその他の保健福祉のサービス、こういったことを包括的な利用支援をしていくということ、あるいは介護予防のケアマネジメントを行う。そのほか、ケアマネージャーに対しましては適切な情報の提供ですとか、技術的な助言ですとか、こういったことの後方支援を行ってございます。こういったことを行いながら、地域の高齢者の権利擁護ですとか、見守り・支えあい活動のネットワークの一翼を担うというような役割を果たしてございます。
すこやか福祉センターでございますが、こういった生活圏域内にございます地域包括支援センターの相談支援活動、こういったことを統括し、地域の相談支援機能の総合的な調整を図るというような役割を持ってございます。また、支援を必要とする区民の実情を把握し、町会・自治会などの地域の団体、区民の活動、さまざまな機関あるいは事業者、こういったところとの連携を行いながら、地域の保健福祉活動のネットワークのかなめ、高齢者だけではなくて、障害者ですとか子育て家庭、こういったところの支援のための総合拠点としての役割を担ってございます。
また、区民活動センターでございますが、こちらのほうは地域の自治活動ですとか公共公益活動、こういったことの拠点としての位置付けでございます。見守り・支えあいの地域づくりを進めていく、こういった観点におきましては、すこやか福祉センターと区民活動センター、こちらの活動が密接に連携をして、地域と行政が共通の情報を共有するというような取り組みが必要であるというふうに存じてございます。こうした連携によりまして、地域の力やコミュニティの力というものが向上していくというふうに考えてございます。
○白井委員 当初、今のお話を受けて、それぞれの施設、細かい点をお聞きしようと思ったんですけども、検討中ということで、なかなか私が納得いく御答弁が得られませんでしたので、細かな施策は今後検討ということで別の機会にします。
踏まえた上で、高齢者の見守り・支えあいについて、まず、今概略のお話なんですけども、具体的な、そういう意味では施策の全体像を示して個別的な役割や計画、さらには地域や個々人の十分な理解を得ないと、先ほどの元気でネットのようなことにもなりかねません。そういうことを踏まえた上で推進すべきであると考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。
○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) 委員御指摘のとおり、元気でネットの反省を踏まえまして、地域支えあいネットワークにつきましては地域の意見を十分伺い、区としての推進体制を示しながら進めていきたいと考えております。
また、すこやか及び保健福祉センターを中心としまして、地域での支えあい活動を行う町会・自治会などと十分相談いたしまして、具体的な支えあい活動を構築していくことにしていきたいと考えてございます。
○白井委員 この総論の一番最後に、まだまだ今後詳細を詰めていかなければならないところなんですけども、全体的な高齢者の見守り・支えあいについて、区長の構想の概要をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○田中区長 いろいろな場面で申し上げているんですけれども、地域でそれぞれの皆さんができる範囲で、自分たちが活動できる範囲で見守り・支えあいということを積極的に進めていただく、そのための援助ですとか、それからネットワーク、そうしたことも区がさまざまな組織を使ってしていくということが大事だと思っておりますけれども、区民の皆さんが安心してそういった活動をしていただくためには、まず、行政の側がきちんとすべての情報を把握して、また、支援が必要な方に対して適切な支援を必ずすると、区民の方が支えあいの中で困ったなと思ったときがあったら、行政が必ず解決できるんだ、そういった体制をつくっていくということが大事なのではないかといったようなことで、全体の構想を今つくり上げているところであります。
○白井委員 冒頭申し上げましたとおり、そういう分ではニーズはますます今後ふえていきますし、逆に言うと、行政がかかわらざるを得ない状況になるんだろうなと思います。しかしながら、この分野というのはそう簡単に、情報収集一つとってもできるものではなくて、行政が不得意とする分野、どうやって体制を整えていくのかというところが一番大事なところになろうかと思います。今後の検討に期待をしますけども、私のほうからもこの総論を分けて、二つ、シルバー交番と、それから緊急通報システムについて御参考いただければという思いで、続いての質疑をさせていただきます。
見守りや支えあいを推進するため、都が推進するモデルにシルバー交番という制度があります。どのような制度なのか、お伺いいたします。
○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) シルバー交番につきましては、東京都が少子・高齢化時代において在宅の高齢者が地域で安心して住み続けられる仕組みとして、介護・医療サービスだけではなく、生活支援サービスなど制度外のサービスも含めた支援を総合的、継続的に提供できる体制づくりとして、平成22年度から実施している事業でございます。
シルバー交番の主な機能は、4点ございます。まず第1点目に、在宅高齢者の生活実態の把握及び見守りでございます。2点目としましては、地域の組織、住民と連携した高齢者見守りの実施でございます。3点目、緊急通報システムを活用した24時間365日の安心の提供でございます。最後、4点目としまして、高齢者からの相談窓口となってございます。
○白井委員 このシルバー交番、何かイメージでいうと、施設ができ上がって、高齢者専用の窓口なのかというようなところなんですけども、実質は人件費分が出るというところなんですね。役割業務、今四つ挙げていただきましたけども、区が目指すこれからの見守り・支えあいについて役立つところがあるのではないかというところから、わざわざお話を、今御説明いただいたところです。
そもそも、このシルバー交番の施策、どこから始まっていますかといいますと、そもそも地域包括支援センターが担う分野です。しかしながら、ここが業務過多となって、地域包括ケアに十分力が注げていない現状を緩和するため、生活支援サービスなどの制度外のサービスを含めた支援を総合的、継続的に提供できる体制を目指すと東京都が組み上げた制度になっております。
そこで、区の地域包括支援センターの業務の現状と課題をどのように認識されているのか、お伺いします。また、地域ケアである高齢者の実態把握はどの程度まで進んでいるのかもお伺いいたします。
○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) 中野区では、区内に8カ所の地域包括支援センターがございまして、高齢者の総合相談窓口としての活動を行ってございます。中野区の地域包括支援センターにおきましても、ケアプランの作成や介護予防の相談が業務の大半を占めている状況がございます。
地域のネットワーク構築事業につきましては、出張相談、それからいろいろな講座の開催、講演会の開催にとどまるなど、アウトリーチでの高齢者の実態把握には至っていない状況にございます。また、地域包括支援センターでは、高齢者の実態把握といたしまして、年間約1,000件の訪問調査を行ってございます。しかし、75歳以上の高齢者だけでも中野区内に3万人いる状況から考えますと、十分な数字とは言えないと考えてございます。
○白井委員 今お話がありました1,000件の訪問、ただ、これも極端なことを言うと、区から、この人本当に大丈夫でしょうかという依頼を受けての訪問なんですね。そういう分では、先ほどお話しいただいたアウトリーチの部分での実態把握ができていないというところです。
今後、施策を組み上げる上でも、まず実態把握、一体どのようなニーズがあるのか、どこまで手を含めて差し伸べていかなきゃならないのかというような状況を図ることが非常に大事ではないかなと思っております。そういう分では、今後の施策を展開する上でも、一定以上の年齢を、高齢者を区切って実態を把握するため、民生委員とも協力をしながら、全件訪問による調査を実施してはいかがでしょうか、お伺いいたします。
○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) 中野区では、毎年、民生児童委員が70歳以上のひとり暮らし高齢者及び75歳以上の高齢者のみ世帯の実態把握調査をしております。ただし、家族と同居の高齢者の方につきましては、この調査の対象外となってございますので、区としてもそこの実態把握につきましては課題と認識してございます。
それらの世帯の高齢者の方々の把握につきましては、今後地域支えあいネットワークの中で課題をお持ちの高齢者の方については情報を区としても収集していきたいと考えてございます。
○白井委員 ぜひ、実態把握のため、今一部は確かに大丈夫でしょうけども、まずは取り組みをぜひ御検討いただきたいと思います。
続いてなんですが、先ほど御説明いただいたシルバー交番の3番の機能になります。緊急通報システムを取り上げたいと思っております。シルバー交番の機能である緊急通報システムと、現在、区が高齢者の見守り支援のために行っている緊急通報システム、また、生活リズムセンサーとはどのような制度なのか、またその相違点をお伺いいたします。
○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) 緊急通報システムにつきましては、まず区が行っているものを御紹介させていただきたいと思います。
区の実施しております緊急通報システムは、65歳以上のひとり暮らし、もしくは高齢者のみ世帯及び重度身体障害者の在宅時における緊急事態の速やかな発見、救助のために無線発信機を用いて通報する仕組みでございます。通報先は2種類ございまして、東京消防庁及び民間の緊急通報システムの会社でございます。また、民間受信センターに通報するシステムにつきましては、生活リズムセンサーとセットで導入してございます。
また、一方シルバー交番のほうでございます。シルバー交番の緊急通報システムにつきましては、区の事業と比較しまして疾病状況が緩和されております。65歳以上のひとり暮らし高齢者、高齢者のみ世帯及び日中独居高齢者のうち希望する方に対しまして、民間の緊急通報システム及び生活リズムセンサーを設置するものでございます。
○白井委員 制度自体は、ほぼ似たりよったりという言い方ができると思います。緊急通報システム、区はペンダント型、それと生活リズムセンサーですね。ドアが閉まるか、開きっ放しですよとか、トイレをしばらく使っていませんよというので自動的に通報する、こんな状況の組み合わせです。一番大きいのは、今御説明いただきましたけども、区が今行っているのは心臓病などの発作のある疾患の重い方々だとか、障害の重い方々のみに支給がされている状況です。しかも、有料でもあるんですけども、今回、東京都のこのシルバー交番の中の緊急通報システムの機能は、65歳以上で単身のみだとか、老々の高齢者のみ世帯、一方で日中独居も含めて大幅に広がります。しかも、これらの制度を活用すると、国や都からの大きな大きな補助金もできるようになりまして、これは使わない手は一方でないかなという思いもあります。
人による安否確認やネットワークだけでは、増加し続けている支援を必要とする高齢者への24時間365日の対応はどうしてもし切れないと思います。区においてもシルバー交番制度を含め、緊急通報システムの活用を検討するべきではないかと思いますが、お伺いいたします。
○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) 委員御指摘のとおり、シルバー交番事業につきましては、地域包括の手が回らない部分を補完する事業として非常に有効なものだとは考えてございます。しかし、人による見守りにつきましては、中野区では地域支えあいネットワークの中で区が行政としての責任を果たしつつ、地域と協働して推進していくことを考えてございます。
したがいまして、民間への委託事業となるシルバー交番につきましては、制度としてなじみにくいものと考えてございます。
一方、緊急通報システムについてでございますが、日中独居などの高齢者の方にとっては非常に有効な安心確保手段であると考えてございます。したがいまして、区としても活用を図りたい考えはございますが、先ほど委員御案内いただきましたように、対象者の拡大ということがございます。国・都の補助金はございましても、対象者の拡大による区の財政負担の拡大もございますので、諸要因を勘案して今後検討していきたいと考えてございます。
○白井委員 この制度なんですけども、実は私、まだ不備があると思っております。シルバー交番が設置されているエリアにしか緊急通報システムが整備できないんです。つまり、緊急通報システムだけ入れますよというわけにもいきませんし、大体そのシルバー交番、全域、中野区を1カ所で網羅するなんてことはできません。そうすると、仮に設置したとしても、そのエリアだけ緊急通報システムが、一部の方、要件を大きく踏まえて整備されてしまうとなると、かえって格差が生まれてしまうこととなります。そういう分では、この制度、東京都に、シルバー交番はシルバー交番、一方で緊急通報システムは緊急通報システムのみとして活用できるように申し入れをしていく、このような取り組みをすべきではないかと思いますけども、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) 先ほどの答えと重なりますが、単独補助となった場合でございますが、対象拡大による区の財政負担などを考慮する必要がございます。
都への要望につきましては、先行自治体の状況なども見守って検討していきたいと考えてございます。
○白井委員 シルバー交番と、それから緊急通報システムについてお伺いしてまいりました。総論に、区長にお伺いしたところなんですけども、今のお話を含めてぜひ御検討いただきたいと思いますけども、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○田中区長 今、御議論のありましたシルバー交番、それから緊急通報システム、そういったものを区の――現場は区のほうにあるわけでして、東京都の事業ではありますけれども、やはり東京都に対してより使いいいような仕組み、地域の実情に合ったような事業の推進といったようなことをこれからも積極的に働きかけをしていきたい、こう思っております。
○白井委員 ありがとうございます。この項についての質問は以上です。
次に、小児慢性特定疾患についてお伺いしてまいります。この項の質疑の主題は、小児慢性疾患医療券に基づく日常生活用具の給付制度の創設です。非常にまれなケースですね、恐らく制度の創設ができたとしても、中野区においては年に一人いるかいないかの事例になるのではないかと思っております。が、あえてその一人のために質疑を取り上げさせていただきます。
制度が非常に複雑でして、かつ、まれな事例であるため、理事者の方には資料や質疑の準備に相当な御苦労をおかけいたしました。質疑の前に御礼を申し上げます。
実は、ある御相談からこの問題を取り上げることとなりました。赤ちゃんを出産されたばかりのお母さんから御相談を受けました。その赤ちゃんは、胎児のときは健常であったと思われます。出産の際、へその緒が首に絡まり、15分間ほど脳に酸素が回らない事態となりました。未熟児として生まれ、保育器の中で経過を見守ることとなりましたが、やがて保育器から出られることにはなったんですけども、重い疾患のため、のどを切開して管を通さなければならない状況となりました。間もなく退院予定となっていたところなんですけど、また容体が悪くなって、今度は心臓の手術を急遽しなければならないという今現状になっております。
この件について、病院のメディカルソーシャルワーカーさん、専門の方からもアドバイスを受けて、東京都と、そして中野区にも赴かれたんですが、非常にまれなケースであるため、メディカルワーカー、そして東京都、区、それぞれ見解が異なってしまいました。お母さん本人も、これまでのこの出来事から、もう思いがこぼれてしまっている状況です。これからの不安も入り交じって、また本人もなかなか理解が進みません。その中、泣きながらの御相談を受けたんです。この人のために取り上げさせていただきたいんですけども、その赤ちゃんの疾患名が、小児慢性特定疾患という病です。
初めに、小児慢性特定疾患とはどのような疾患でしょうか、お伺いいたします。
○伊藤子ども家庭支援センター所長 児童福祉法第21条5に基づきまして、国は小児慢性特定疾患治療研究事業を実施しております。この事業の中で、厚生労働大臣の定めるところにより、11疾患群、510疾患が小児慢性特定疾患というふうに定められております。
○白井委員 医療券の種類として、小児慢性疾患医療券というのがありますけども、助成の内容はどのようなものなのでしょうか、お伺いいたします。
○伊藤子ども家庭支援センター所長 国が定めます小児慢性特定疾患治療研究事業実施要綱に基づきまして、都が実施主体と行っている医療助成制度でございます。市区町村は、申請受付窓口となってございます。
助成の内容は、治療に要する医療費、入院時食事療養費標準負担額、また在宅生活になってからの訪問看護治療費、さらに補装具に係る費用でございます。
○白井委員 1点、角度を変えてなんですけども、重度の障害者には在宅の生活に備えて障害者自立支援法に基づく日常生活用具の給付制度と、難病患者等には日常生活用具の給付制度がありますが、日常生活用具の給付制度というのはどのような制度なのでしょうか、お伺いいたします。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 重度障害者日常生活用具の給付事業は、身体障害者手帳、または知的障害者手帳の交付を受けている方を対象に、日常生活の安全などを確保するための用具を給付する制度でございます。難病患者等日常生活用具等給付事業につきましては、国の定める特定疾病である難病に該当する方に同様の用具を給付する制度でございます。
○白井委員 今お話しいただきしたように、日常生活用具の給付制度は確かにあるんですけども、条件としては身体障害者福祉法第15条による身体障害者手帳の交付がどうしても必要となります。障害の認定自体には年齢の制限はないのですが、実質的な、医学的な判断として3歳未満は難しいと言われていますが、確認のため、これでよろしいのでしょうか、お伺いいたします。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 東京都の身体障害の認定基準では、乳幼児に係る障害認定につきましては、障害の程度を判定することが可能となる年齢であります、おおむね満3歳以降に行うこととなっています。
しかし、3歳未満においても四肢の欠損等身体機能の障害が明らかな場合は、障害認定が行われる場合があるという状況でございます。
○白井委員 今御説明いただいたように、場合がある程度のケースになっているんですね。つまり、在宅に備えてさまざまな日常生活用具の給付制度があることはあるんですけども、障害認定されないとどうしても給付されない。つまり、難病ではなくて、障害認定がなされていないと、在宅に備えての、この制度があるにもかかわらず使えなくなってしまいます。
これを受けて、平成17年4月に小児慢性疾患事業の制度改正が行われました。それに先立って、厚生労働省は同年2月21日付で都道府県や指定都市に特別区を含むとのわざわざあて先を設けて通達を出しております。その内容は、特段の御配慮を願いたいとの異例の記述があるやつなんですけども、これはホームページから抜いたものなんですけども、こういう通達が出ております。
一方で、これを受けて東京都も同年2月24日付で、施策を広くPRしますと、わざわざPRの文章までつくって準備がされております。また、さらには広報を組みまして、これは当時、平成17年のやつなんですけども、わざわざ、プリントアウトしたので物はきれいです。半ページで特集まで組んであるんです、この小児慢性特定疾患の。
要は、どうしても障害認定が難しい、そういうときには小児慢性医療券、先ほど医療券がわざわざありますよ、お話をさせていただきました。ならば、医療券を使ってそのまま日常生活用具の給付制度ができないかと、こういうお話なんです。これは、実際の実施主体は市区町村になるんですけども、これを受けて、23区の中ではおおむね半分ぐらいが制度を実施している状況なんです。
つまり、先ほどのお話の御相談を受けた方は、この制度があれば使えるようになります。ぜひ、これは当時、どのような検証をしていたんだとは問いません。非常にまれなケースで、実はさまざま調べてみたんですけども、自治体によっては旧条文を使っていて、制度自体が昔のままのところもあります。問い合わせると、東京都も厚生労働省も担当者の方々がなかなか理解が進まなくて、なかなか返答が返ってこなかった問題なんです。そういう分では、これをわかっている人のほうがある意味すごいのかもしれません。御担当者を責めるつもりはないんですけども、ぜひ、この小児慢性医療券に基づく日常生活用具の給付制度、中野区も今すぐにでも創設をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○伊藤子ども家庭支援センター所長 委員の御質問にありましたように、生まれながらにして、または出生後間もなく長期の療養を必要とする慢性疾患というふうに認定されましても、障害手帳のまだ段階ではない、また難病でもないというお子様がいらっしゃる。自宅療養になって、日常生活用具の給付の必要があっても、そのはざまでサービスが受けられないというお子様がまれにでもいらっしゃるということは承知しております。この小児慢性医療券に基づく日常生活用具の給付につきまして、区としても検討してまいりたいというふうに思っております。
○白井委員 ぜひ、早期の実現に向けての検討をよろしくお願い申し上げます。
○いでい委員長 白井委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
1時まで委員会を休憩します。
午前11時55分休憩
午後1時00分開議
○いでい委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き、総括質疑を行います。
白井委員、質疑をどうぞ。
○白井委員 午前中、雨と雷が強かったですけども、防災の関係で理事者の方々出られるときがありましたら、遠慮なく対応いただければと思いますので。それでは、午前中に引き続き質疑のほうを行わせていただきます。
次の項に移りまして、4番、区内産業の支援についてお伺いしてまいりたいと思いますけども、一番初めに、順番を入れかえまして2番の入札制度からお伺いしてまいります。
我が党、公明党としては、この時期に区内の多くの団体から、来年度に向けた予算要望と意見交換会を行っています。既に多くの団体と懇談会を終えましたが、特に区内産業の関連団体からは悲鳴にも近い要望が多々ありました。特に、建設関連団体からです。昨今の経済状況のもとで、地域の建設業をめぐる状況が一層厳しくなる中で、建設業が地域の雇用を確保し、地域の産業の中核として持続的に発展していくことができるようにするためには、区の支援が不可欠であるとの観点から質疑を行います。
これまで、工事請負契約にかかわる入札については、平成19年12月に定めた中野区入札契約制度改革基本方針に基づく総合評価方式の導入以後、総合評価方式の評価点を臨時的対応として区内、準区内事業者に加点する修正はあったものの、これまで一貫して一般競争入札以外の契約方法を認めてきませんでした。しかし、今定例会においては、区長は、区内事業者の受注機会を確保するため、総合評価方式、一般競争入札を基本としつつ、制限付一般競争入札の時限的適用などについて検討していきたいと述べられ、これまでとは異なる踏み込んだ答弁がありました。この答弁は非常に重要な意味合いを持つと考えます。
なお、契約については、総合評価方式や最低制限価格、これから試行に入るという低入札価格調査制度や、その中の調査基準価格、失格基準など、さまざまのお伺いしたいところはありますけども、これらのテーマについては我が党の同僚の平山議員に譲るといたしまして、今回は質問が散漫とならないように、制限付一般競争入札の検討に絞り、その内容と課題について伺ってまいります。
初めに、制限付一般競争入札とはどのような契約方式なのか、地方自治法施行令第167条の5の2には、事業所の所在地についての記述があります。事業所の所在地を中野区に制限するという、こういうような意味でとらえていいのか、お伺いいたします。
○村木経営室参事(契約担当) まず、地方自治法施行令の第167条の5の2におきまして、普通地方公共団体の長は、一般競争入札により契約を締結しようとする場合において、契約の性質又は目的により、当該入札を適正かつ合理的に行うため特に必要があると認めるときは、一般競争入札参加資格を有する者で、かつ当該入札に参加する者の事業所の所在地や工事等に関する必要な資格を定めて入札を行わせることができる旨、定めてございます。これを制限付一般競争入札と申します。
さきの本会議におきまして、いでい議員の御質問に対し区長が御答弁申し上げましたとおり、昨今の経済状況を踏まえまして、区内事業者の受注機会を確保するため、中野区内という地域要件等を適用することにより、入札参加資格に制限を設けて工事の発注を行うもので、今回時限的に適用しようとするものでございます。
○白井委員 23区の中で、入札制度、さまざま形態がありますけども、区内事業者のみに限定している制度を設けていないのは、実は中野区だけです。区もいよいよ、本来であれば公平、公正の観点からいうと総合評価方式かもしれませんけども、緊急的に、経済的な動向を見た上で、いよいよ区内産業、どうやって事業者を当てはめていくのかというのが今の御趣旨だと判断しております。
そこで、工事請負のすべての業種に今の制限付を適用するのか、お伺いいたします。
○村木経営室参事(契約担当) 制限付一般競争入札の対象といたしましては、建築、土木、造園、設備、その他工事として、基本的にはすべての業種に適用したいと考えておりまして、入札参加資格の地域要件として区内、準区内業者に限るということを想定してございます。
ただし、業種によりましては区内事業者数が限られているため、数社のみによる競争が繰り返され、結果として独占禁止法との関係で問題になることも予想されるため、こうした業種につきましてはどのような工夫が可能か、検討してまいります。
○白井委員 今お話のあった区内、準区内についてなんですけども、入札参加資格に地域要件を設けて中野区内としたとき、区内業者、また準区内事業者に見せかけの区内事業者、いわゆる幽霊事業者が入り込むのではないか、また、既に入り込んでいるのではないかという話も耳にします。幽霊事業者の排除のためには、どのような対策を考えておられるのか、お伺いいたします。
○村木経営室参事(契約担当) 区内に実質的な事業所を有しない、見せかけの事業者が区内に入り込んでくるのを防止、または排除するため、必要に応じまして現地調査等を行った上で、事務所の実態が確認できる事業者を区内事業者として認定するなどの仕組みを検討していきたい、このように考えております。
○白井委員 事実上、電話一本引いてあれば事務所ですよ、こんなお話があったりします。それを認めてしまうと、せっかく区内事業者にと言っているにもかかわらず、区内産業の本当の支援にはならなくなります。ぜひこの点、検討をお願いしたいと思います。
制限を付す工事業種ごとの予定価格を幾らで設定されているのか、御検討のほどをお伺いいたします。
○村木経営室参事(契約担当) 土木、建築、造園、設備及びその他工事の種別ごとに地域要件等の制限を付す一般競争と、制限を付さない一般競争入札の額をそれぞれの工事種別ごとに、これまでの予定価格と落札額等の実績、あるいは他区での取り組み等を参考に設定したいと、このように考えております。
○白井委員 すべての契約案件を区内事業者にするわけではありませんよ。じゃあ、どこで線を引きますか。業種別、発注工事別にという話になります。例えばなんですけども、平成21年度の実績についてなんですが、これは22年3月、総務委員会の資料で提出された資料です。工事契約の状況というのがあるんですけども、この中では、高額契約というので一応線引きをされて、金額別に業種発注のやつが示されています。これを見ると、土木、建築、造園は約5,000万、設備は2,000万となっていますが、これは設定価格の一つの基準となるようなものなのでしょうか、お伺いいたします。
○村木経営室参事(契約担当) 土木、建築、設備につきまして、そのときのいわゆる入札件数と、それから落札件数、その中で土木につきましては5,000万、建築については5,000万、設備については2,000万以上の高額契約件数がそれぞれ50%近くを占めているという実態はつかんでおります。こうしたことも参考の一つにはなるかな、現時点ではそのようなお答えにさせていただきます。
○白井委員 大体半分ぐらいを目安に一つ基準を今検討されていると、こういうところでしょうか。
緊急対策として、契約方式の実施期間をいつまでとして設定されているのか、契約の期間ですね、お伺いいたします。
○村木経営室参事(契約担当) 緊急対策としての時限的な制限付一般競争入札につきましては、平成23年度の当初から公告予定の工事案件を対象に開始したいと、このように考えておりますが、経済状況、あるいは区内事業者の経営環境及び実績等を勘案いたしまして、一定の期間を設定の上、期間更新の可否等も含めて検討してまいりたい、このように考えております。
○白井委員 来年度からスタートしていきたい、一方で、大体1年ぐらいをめどに、その後の更新等々はあるのでしょうか、これも含めてお伺いします。
○村木経営室参事(契約担当) ただいま申し上げましたとおり、期間の設定をどうするか、あるいはその期間を定めた上で、なおこれを更新することが可能か否か等についてもあわせて検討させていただきます。
○白井委員 次は、JVと小規模事業者についてもお話をお伺いしてまいりたいと思います。
大規模工事における建設企業共同体、JVの活用について、区内の中小建設業者の受注機会を確保するためにさらに進める必要があると考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○村木経営室参事(契約担当) 中野区では、建設共同企業体取扱要綱に基づきまして、大規模工事に対する区内中小建設業者の受注機会を確保し、かつ、工事施工能力の増強を図ることを目的といたしまして、おおむね予定価格が8億円以上の建築工事、同様に6億4,000万円以上の土木工事、4億円以上の道路舗装工事及びおおむね9,000万円以上の設備工事、電気、給排水、衛生及び空調工事でございますが、これを建設共同企業体発注工事の対象としてございます。その際、本区での建設共同企業体発注に係る競争入札参加資格といたしまして、少なくとも代表事業者及び参加事業者のいずれかに区内事業者とのジョイントを義務付けをしてございます。
平成21年度につきましては、土木工事1件、予定価格は8億5,000万円、建築工事1件、予定価格9億6,400万円、電気設備工事1件、予定価格1億9,900万円、機械設備工事1件、予定価格2億900万円の建設共同企業体発注工事の入札を行ったところでございます。
また、今般、特例条項を適用いたしまして、造園工事、これは中央部防災公園整備工事で、今定例会におきまして議決案件として御審議をいただく予定となってございますが、これを共同企業体方式で競争入札を実施いたしました。
こうしたこれまでの事実経過等を踏まえながら、今後とも当該制度の活用を図ってまいりたい、このように考えております。
○白井委員 次に、小規模事業者のほうについてお伺いしてまいりたいと思います。
小規模事業者登録制度について、事業者の方々から登録はしたけども仕事の発注が少ないとの声があります。各部における予算の削減が大きいとは思いますが、さらなる活用策を検討していただきたいと思いますけども、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○村木経営室参事(契約担当) 小規模事業者登録制度につきましては、各部における随意契約の中で活用されるよう制度設計をしております。各部としても、この制度を活用することがなかなか難しくなっているのではないかという推測はしてございます。契約担当といたしましては、毎月、小規模事業者の登録状況等を新着情報に掲載いたしまして、その活用方をPRしており、登録更新に窓口へ来庁した事業者の方には学校などへの紹介もアドバイスをさせていただいております。
より受注が図られやすいような事業活動のしやすさという点について、どういった方法が考えられるか今後検討してみたいと思っております。
○白井委員 今、質疑の中でなんですけども、多くの区内事業者、待ち望んでいるお話ではないかなというふうに思っております。本来であれば、予算がたくさんあって、いろいろな工事、新たにつくってでも発注してあげれば、一つでも多く区内の事業者が受けることができます。しかしながら、財政的に厳しい中、工事案件、これまでは前倒しをしてやってきました。いよいよこれも息切れの状態です。一方では、区内の中小企業の方々への資金繰りあっせん、これも現在ストップしております。そういうふうな、本来政策的にばんばん打っていくというのはいいかもしれないんですけども、緊急避難的にやむなく制度を変える、それはもうここへ来たら仕方がないことかなというふうに思っております。ぜひ、今御審議いただいた点、さらに御検討いただければと思いますので、よろしくお願い申し上げます。私からは以上です。ありがとうございます。
次に、1番に戻りまして、災害時における対策についてお伺いしてまいりたいと思います。
景気の冷え込みにより、経営が苦しい企業や団体が多くなってきています。と同時に、財政状況が苦しい自治体も多くなってきています。災害に備えて、自治体は一定数量の備蓄物資を備えますが、財政状況に大きく左右され、満足に備蓄物資が整えられない自治体もふえているとの事例があります。区の状況を確認するとともに、備蓄の拡充を目指し、さらに新たな一手として企業や団体との連携により災害に備え、また協力を得られた企業や団体にはインセンティブを付与することができないかとの、この視点で質疑を行わせていただきます。
初めに、区が想定する大規模災害時の被災想定者数は何人か、また被災想定者人数に対応した備蓄物資である医療関係、日常生活関係、水、そして食料関係のそれぞれの備蓄目標と、その達成率は幾らかをお伺いいたします。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 現在の被災の想定者数でございますが、14万8,000人でございます。内訳は、公立小・中学校等の避難所に避難している方が最大が約10万6,000人、帰宅困難となると方が約4万2,000人でございます。
備蓄目標でございますが、主なものを申し上げますが、食料でございます。まず、区では、発災当初の最初の1日分、3食の備蓄調達を目標としてございます。最初の2食分は、クラッカーで備蓄をしてございます。残りの1食につきましては、東京都米穀小売商業組合中野支部、お米屋さんの組合でございますが、こちらからの調達、お米による焚き出しということで対応いたします。災害時要援護者の方の食料でございますが、これは倍の2日分、6食を目標としてございます。例えば、赤ちゃんの粉ミルク、高齢者の方向けのアルファ化米、おかゆ、そしゃく機能障害の方の流動食などを備蓄してございます。
次に、生活用品でございますが、毛布やござ、敷きマット等の備蓄をしてございます。飲料水でございますが、これは水道の対応が基本でございますが、万が一断水をした場合には備蓄による対応ということではなく、避難所施設の受水槽の水や、みずのとう公園などをはじめとしました3カ所の給水拠点から水を得まして、水を運ぶという形で給水の対応をいたします。医療資材の備蓄でございますが、拠点医療救護所となります15の避難所に医療資材を配備することといたしております。
それから、それぞれの主なものの備蓄の目標数と達成率でございます。食料につきましては、クラッカーは、目標数は約24万食、現在86%備蓄をしてございます。アルファ化米とおかゆにつきましては、目標数は12万8,000食、現在58%の備蓄をしてございます。赤ちゃんの粉ミルクは、目標数は缶で申し上げますと1,650缶でございますが、100%、流動食は、目標数は450食でございますが、100%備蓄をしてございます。
生活用品でございます。毛布につきましては、目標数は10万6,000枚でございまして、現在約60%の備蓄でございます。ただ、あわせてサバイバルブランケットの備蓄も開始してございまして、これが約5万枚ございますので、これを合わせれば、とりあえずかぶるものは100%以上になってございます。それから、ござや敷きマットでございますが、目標数は同じく10万6,000枚で、現在74%まで備蓄をしてございます。医療資材につきましては、目標数量は2日分でございますが、必要量を達成してございます。
○白井委員 そうすると、食料関係が少し心もとないなと、こういう数字になるかと思います。目標達成を目指しての今後の備蓄物資の補充計画を伺います。また、仮に目標を達成した際、備蓄用の倉庫は足りるのか、新たに設ける必要がないのか、お伺いいたします。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 今後の備蓄計画でございますが、目標数に達していない物資につきましては、財政状況も見ながら目標に向けて備蓄を進めてまいります。
目標数を達成した場合の倉庫でございますが、避難所となってございます学校によりましては倉庫が一部足りなくなることも想定されてございますので、今後防災公園等を整備する際に保管場所を確保していきたいと考えております。
○白井委員 順次、備蓄物資を補充していく、また場所等もこれから整備で、しばらくはちょっとかかりそうだと、こういうお話ですよね。
備蓄されている食料の内容について、1点お伺いしたいと思います。昨今、アレルギーや疾患のある、特に透析等の腎臓の疾患などにより食事制限を設けられている人にも対応できるような保存食がふえてきました。備蓄物資の内容に盛り込んでいる自治体が出てきていますけども、区も導入を検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 現在、中野区では、アレルギーや、御紹介の特定の疾患をお持ちの方に配慮した物資、食料の備蓄は行ってございません。他の自治体の事例等も見ながら、研究をさせていただきたいと存じます。
○白井委員 今、既に備蓄されている物資についてのお話に移りたいと思います。せっかくの備蓄物資も、期限が過ぎればごみとなってしまいます。今回、さまざまな自治体のさまざまな事例を調べてみました。ぜひ、区にも参考にしていただいて、御検討いただきたいものを幾つか御紹介していきたいと思います。備蓄物資の再利用、リユースというよりも、期限が切れる直前での利用ですので、キーワードはジャストユース、ちょうど使うという意味です。
初めに、区の期限切れ直前の物資の利用方法、ジャストユースはどのようにされているのか、お伺いいたします。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 使用期限のある物資でございますが、いわゆる期限切れになりました物資は、基本的には廃棄処分としてございます。
それから、アルファ化米でございますが、これにつきましては有効利用を行ってございます。平成20年度と今年度でございますが、賞味期限切れが近いものにつきまして、防災意識啓発のために、まず地域防災会、それから総合防災訓練、また地域での防災訓練等の場で配布をしてございます。
○白井委員 期限が切れてしまうとごみになってしまって、さらには廃棄料もかかるようになってしまいます。現在、区では購入されるときに、その費用も込みで購入されているんですけども、再利用できればこの費用も浮くことができる、もしくは購入費用を安くできるんじゃないか、こんな観点からの話が続きます。
防災訓練での試食や訓練での配布、今お話がありました。また、小・中学校での配布による防災意識の向上も兼ねているところ、また自治体によっては生活困難者への配布等、配布の事例は一番多くありました。一歩進めて、販売形式のバザーは導入できないでしょうか。収益を次なる備蓄物資へつなげることもできます。事例として、中越地震のあった新潟市では、過剰となった救援物資を含めてバザーを開催しています。また、三重県にある小・中学校なんですけども、学校行事で、バザーで備蓄物資を販売いたしました。ちなみに、その学校新聞がこれなんですけども、これを見ますと、買い損なった残念ランキングベスト、その1位というのが防災備蓄倉庫のかやくご飯であったそうです。備蓄物資のバザー導入の検討についてお伺いいたします。
○鳥井経営室副参事(防災担当) バザー等の御案内をいただきました。ただいま委員から御紹介いただきました例も踏まえまして、期限切れが間近となりました食料等の備蓄物資の有効活用ということで研究をさせていただきたいと存じます。
○白井委員 さらに、ジャストユースの事例を御紹介いたします。三重県新宮市においては、整理物資を小・中学校の学校給食の食材として提供しています。予算上の追加負担はゼロであり、原材料の高騰で献立に苦労する学校側にとっても朗報であるとのこと、さらにこれを中心に献立を組み立て、非常時を仮想体験する使い方も考えられています。防災対策課のコメントとして、児童・生徒が非常食を食べた経験を家庭に持ち帰り、防災意識が家族に広がればありがたいと期待を寄せているそうです。区においても、防災教育も兼ねての学校給食等への提供は考えられないか、お伺いいたします。
○古屋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 学校では、これまで安全教育の一つとして避難訓練や安全指導を通して、日ごろから防災教育を実施しているところでございます。その一貫として、児童や生徒に備蓄物資であるサバイバルフーズを利用した給食を提供して、お昼の放送などでその意味を説明すれば、防災意識の向上を図る上で意義のある試みになるかと思います。
なお、学校給食は、学校給食標準献立の作成方針で提供しておりますが、その中では調理加工品については原則として使用しないこととしておりますけども、クラッカーのような備蓄物資につきましては、例えばジャガイモやタマネギを使用したポタージュの浮き身として砕いて利用するなど、有効な活用について研究してみたいと思います。
○白井委員 例えば、その日を9月1日、防災の日にするとか、これに近寄った日にする等々あるかと考えられます。備蓄物資も限りがありますので、一度に小・中学校、この日全部とはいかないんでしょうけども、エリアを分けて、この辺も御検討いただければと思います。
次の質問に移ります。防災食といえば、一昔前は乾パンが定番でしたが、近年においては不人気な乾パンを除外し、アルファ化米の備蓄をふやす自治体がふえています。また、海外における援助物資としても、乾パンは食べるときに水が多く要る等の理由が断られる事例がふえているとのことです。東京都においても、以前は期限切れ間近の乾パンを海外へ国際援助物資として輸送していたそうですが、制度自体が廃止となりました。
近年、備蓄物資の国際援助物資として、また単に備蓄物資として注目されているのが、缶詰のソフトパンです。備蓄物資として通常に購入する方法と、期限切れ半年前に国際援助物資として業者が下取りをするシステムを含めて購入する方法があります。導入した自治体としては、セーフコミュニティの、京都府亀岡市や栃木県さくら市や岩手県雫石町などがあります。区としても、この備蓄物資としての缶詰、さらには国際貢献としてのパンの缶詰を検討すべきと思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○鳥井経営室副参事(防災担当) ただいまの備蓄物資として、さらには国際貢献の物資としての御提案でございます。御紹介いただきました缶詰のソフトパンでございますが、賞味期限が3年ということでございます。私どもが現在備蓄してございます一般の方向けの食料はクラッカーでございまして、10年の保存でございます。そういった面でのコストを考えますと、それにかわるものとしての備蓄はちょっと難しいのかなというふうには思いますが、例えば高齢者の方の食料としての導入、そういったことも考えられますので、十分研究をさせていただきます。
○白井委員 実はきょう、実物を持ってまいりました。こちらになります。これなんですけども、普通のパンの缶詰のように、ちょっと大きい、二つ分ぐらいの大きさになります。ぜひ回していただいて見ていただければ、開けて食べてもいいんですけども、ちょっと委員会中ですので。
御紹介いたしますと、商品名とか企業名がありますので、ちょっとぼかした言い方をいたします。栃木県の那須塩原にある会社なんですけども、こちらの缶詰、実はNASAの宇宙食にも採用されることになりました。宇宙飛行士の若田光一さんが実際に宇宙ステーションまで持っていって、スペースステーションブレッドといってやったところからちょっと有名になっております。
ちなみに、このパンの缶詰についてなんですけども、この発明自体と、またこれを国際援助物資としてリサイクルさせていくという、そのシステム自体が評価されまして、日清食品の創業者である方の、インスタントラーメンを発明されたんですけども、それを受けて賞状を受けることになります。2007年、その発明発見奨励賞というのを受けている商品になります。もちろん、食べるときにお湯で戻すだとか、水を入れる必要がありません。開ければそのまま食べられる、この便利さ、そして中は、開けていただくと、しっとりしているパンが入っているものなんです。ぜひ御検討いただければと思います。
次の質問に移ります。事例の最後といたしまして、流通備蓄を御紹介させていただきたいと思います。現在の備蓄というのは現物の備蓄をしております。これだけではなく、スーパーや食品会社など民間企業と提携して支援を受ける仕組みを流通備蓄といいます。災害時を想定し、あらかじめ物資の詳細項目を協定として結んでおくことがかぎとなります。自治体にとっては、保存場所や物資の賞味期限、入れかえ時の予算に悩むデメリットもありません。震災に見舞われた兵庫県や新潟県に多く導入の事例がありました。提携相手先としては、一度に同じものをたくさん納めることができるコンビニやスーパーの事例が多々見受けられました。区としては、現在の米穀店への、先ほど御説明いただきました精米供給はこれに類似したものとなりますが、流通備蓄の拡充を図るべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○鳥井経営室副参事(防災担当) 現在、区が締結をしてございます災害時の食料等の供給に関する協定でございますが、今御紹介いただきましたお米屋さんの組合との協定がございます。また、ほかにも中野区商店街連合会や、区内のスーパーマーケットとも協定は結んでございます。
委員から御提案をいただきました流通備蓄につきましては、さまざまメリットございますので、私どもといたしましても今後十分研究をさせていただきたいと考えてございます。
○白井委員 これ、非常に役立つと思います。現物物資ではなくて、契約によってあらかじめ想定していく、さまざまな御検討をぜひお願いしたいと思います。
最後に、もう一度入札に戻ってなんですけども、今、例えば御説明させていただきました災害協定等の細目についてのお話になります。区内産業の支援等、今るる説明してきましたけども、災害協定に関して最後に、防災協定や実施細目について伺ってきましたけども、建設業界と区の間で結んでいる防災協定の内容は、現状詳細なものが定まっておりません。今後、具体的な支援のあり方や取り組みの内容、すなわち実施細目が明らかになった時点で、社会貢献としての評価ではなく、地元の貢献、地域の貢献として、現在区内、区外ともに1点となっているもの、この配点のあり方を考えられないかと思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○村木経営室参事(契約担当) 総合評価方式による競争入札におきまして、企業の信頼性、社会性に係る評価として、災害協定に基づく活動を障害者雇用、高齢者雇用、男女共同参画の状況と同様、社会貢献の一つとして区内、区外の別なく、現在は配点1点としてございます。今後、災害協定の具体的な支援の内容ですとか、取り組みの方法等が明らかになる上でとなった場合には、改めて地域、地元貢献としての配点のあり方を検討する余地はあると、このように考えております。
○白井委員 ぜひよろしくお願いいたします。流通備蓄のやり方、いろいろな想定ができます。例えば、企業の倉庫にそのまま商品を置いておいてもらうだとか、企業にその物資もお金を負担してもらう、いざというときはそれを供出してもらうとなれば予算的にはかかりません。これではだれも協賛してくれないので、一方で入札制度の中の総合評価点、ここで加点することによってインセンティブが与えられないか、こんな角度のお話です。ぜひ御検討のほど、よろしくお願いいたします。
次に移ります。施設整備について、初めに上高田一丁目都有地活用による地域密着型サービス施設についてお伺いしてまいります。
シルバー交番、その機能である緊急通報システムについて、さきに触れましたけども、これは東京モデル3と呼ばれたものです。上高田一丁目都有地活用による地域密着型サービス施設において、都市型軽費老人ホームが開設準備に入ることとなりますが、恐らく都内で第1号になるのではないかと思います。いわゆる東京モデル2なんですけども、ケア付き住まいの都市型軽費老人ホームに絞って質疑を行ってまいります。
事業の概要と今後のスケジュールを初めにお伺いいたします。
○遠山保健福祉部副参事(介護保険担当) 都市型軽費老人ホームの整備でございます。これは、上高田一丁目の都有地を活用する事業でございます。この軽費老人ホームとあわせて、地域密着事業であります小規模多機能型居宅介護、それから認知症高齢者グループホームをあわせて整備をするというものでございます。
スケジュールでございますが、現在、事業者の公募を終了してございまして、これから応募した事業者の企画提案を受けまして、区が東京都へ推薦することになります法人選定を11月に行う予定でございます。区の推薦を受けまして、東京都が1月に審査会を開きまして、最終事業者を決定すると、工事につきましては、着工が23年7月、竣工は24年2月、開設は24年3月の予定でございます。
○白井委員 本年4月に改正された厚生労働省令46号より、従来の軽費老人ホームの基準が緩和されて、今回の都市型軽費老人ホームについての記述があります。都市型軽費老人ホームとは何を言うのか、お伺いいたします。
○遠山保健福祉部副参事(介護保険担当) 新聞等で御案内と思いますが、平成21年3月に群馬県渋川市で見届け施設たまゆらの火災事故が起こりました。これを契機といたしまして、東京23区の要望を受けまして、東京都が低所得高齢者の入居施設として、従来の軽費老人ホームの基準を緩和した施設の創設、これを国に求めて実現したものでございます。
中身といたしましては、身体機能の低下等により自立した日常生活を営むことについて不安があると認められる高齢者で、家族による援助が困難な方、この方を入所させ、食事提供や日常生活の相談、援助等を提供する施設でございます。
○白井委員 これ、都市型と言っているんですけども、事実上は23区プラス2市限定のエリアでの施設ですよね。その施設の中で、今回、上高田一丁目がひょっとすると一番初めにでき上がる施設ではないかと、こういうお話です。
そもそも実施の事業主体といたしましては、社会福祉法第2条に定められた第一種社会福祉事業です。社会福祉法第60条で定められた、原則、国、または地方公共団体、または社会福祉法人が事業の主体者となるということとなっていますけども、今回の都市型軽費老人ホームは民間事業者も主体者となれます。事業者の選定においては、区が法人審査会を開き、都に推薦することとなりますが、その際、何を選定基準として、またどこに重点を起きながらの判断とされるのか、お伺いいたします。
○遠山保健福祉部副参事(介護保険担当) 都有地活用につきましては、東京都に地域の福祉インフラ整備事業に関する利用事業者審査基準というのがございます。これに準拠して行う予定でございます。具体的には、財務状況や採算性等の継続的運営の確立性、それから施設運営方針や理念、サービス内容、地域関係機関との連携、建物の設計プランなどについて審査を行い、事業者を選定していくことになります。
○白井委員 まずは民間事業者ですから、倒産の可能性もあります。しかしながら、途中でやめました、利益が出ませんからというわけにはいかないので、第1番は持続性、安定性、この辺が一番考慮になろうかと思います。まだ民間業者が決定したというわけではないので、一概に言えないところなんですけども、さらには社会性や公益性が非常に大きい事業となりますので、この点にもぜひ注視をしていただいて、事業者主体の選定をお願いしたいと思います。
次に、この都市型軽費老人ホームなんですけども、利用できる対象者はどのような人になるのでしょうか、お伺いいたします。
○遠山保健福祉部副参事(介護保険担当) 先ほど軽費老人ホームの定義といいますか、かぶる部分ございますが、区内に住民登録をしている60歳以上の高齢者で、身体機能の低下等により自立した日常生活を営むことについて不安がある方で、家族による援助が受けられない方、こういった方々を対象といたします。
○白井委員 施設入居の選定は、事業者ではなく区が行うこととなります。ここが最も大事なポイントだと思うんですけども、一体どのような基準と制度を設定するのか、これは区が定める基準でそれぞれできるようになります。公平性の担保が強く望まれると考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○遠山保健福祉部副参事(介護保険担当) 東京都が定めてございます都市型軽費老人ホームに関する指針、これがございますが、これに基づきまして、今後区としての入居基準を検討してまいります。具体的には、身体機能の程度、家族からの援助の困難性、住まいの困窮度、収入状況等々が勘案されることになります。困窮状況を客観的に評価する基準をつくる必要があると考えてございます。
○白井委員 ぜひ、選定の基準の厳格な設定をお願いします。かなり安価で入れる老人ホーム、こういう意味合いになりますので、希望者も殺到すると思いますので、厳格な判断のほどの基準設定をぜひよろしくお願いいたします。
最後になんですけども、施設の建築に当たって、この前面道路は学校統廃合によりまして統合新校のために新たに校門を設けて通学路に指定した道路となっています。以前より道路の歩道部分が狭く、安全対策上問題を抱えている場所になります。歩道部分を十分に確保できるよう、施設建設に当たってはこの点を考慮した設計となるように取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○遠山保健福祉部副参事(介護保険担当) 事業者公募の説明会におきましても、道路に沿いまして歩道上の空間を広げるということに関しまして東京都のほうから各応募する事業者に工夫をするよう求めてございまして、これが実現するように区としても努めてまいりたいと思います。
○白井委員 よろしくお願いいたします。
次の項に移ります。次に、上落合二丁目交差点地下横断通路についてお伺いいたします。平成22年度着工との予定となっていますが、いつごろになるのか、進捗と今後のスケジュールをお伺いいたします。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 上落合交差点の地下横断通路につきましては、地下通路構造に関する基本協定の締結に時間を要し、現時点では設計に着手できていない状況でございます。今年度中に実施設計は着手できると考えてございますが、工事時期の詳細については未定でございます。今後のスケジュールについては、現在東京都と東京メトロが調整中でございます。
○白井委員 予定の設計図面の内容、粗々が決まったというお話を聞きますけども、どのような設計になるでしょうか、お伺いいたします。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 計画段階の案では、上落合二丁目交差点の地下にある山手通りと早稲田通りの立体交差施設としてつくられた空間を利用しまして、東中野四丁目方面と改札を接続させる予定でございます。山手通りの歩道上にバリアフリー対応の出入り口を設置する予定でございます。
○白井委員 山手通りと早稲田通りの交差点の真下に空間がある、部屋が埋まっていると、こういう状態だったんですね、横断歩道に。今の出入り口のお話はわかりましたけども、この空間の利用についてはどのような検討状況にあるのでしょうか、お伺いいたします。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 地下の空間につきましては、横断通路建設に伴い東京メトロが駅施設等の改修に活用する方向で検討しているというように聞いてございます。
○白井委員 当初からお話もいただいているところなんですけども、この建設に当たって、財源の負担割合についてお伺いいたします。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 地下横断通路の施設の整備費は、東京都と東京メトロが負担し、中野区は新設構造物の維持管理経費を負担することになってございます。
○白井委員 建設に関しては、中野区負担ゼロです。しかしながら、今お話ありましたように、区としても都やメトロ任せではなく、より積極的にお話を進めていただくような対応をお願いしたいと思いますが、御見解をお伺いいたします。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 工事着手後、2年程度での完成を予定してございますが、山手通りの立体横断施設が早期に完成するよう中野区としても働きかけをしていきたいと思っております。
○白井委員 ありがとうございます。
次の項に移ります。東中野駅前広場についてお伺いしてまいります。これまでの駅前広場の図面の変更の経緯についてお伺いいたします。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 東中野駅前広場整備検討委員会で検討されました広場の案をもとに、駅前交通広場として一般車両の進入経路も必要と判断し、ロータリー部分を広げたという経緯がございます。
○白井委員 当初案では、ロータリーがもう少し小さかったんですね。現行の案では、ロータリーの部分が非常に多くなりまして、いわゆる広場部分と言われるようなものが、もう狭く狭くなってしまいました。現行のロータリーのこの設定、どうしても必要あるものなのでしょうか、お伺いいたします。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 駅前広場でございますので、バスの発着場などのほかに雨天時等の高齢者や障害者の一般車両の送迎も考えられるところでございます。ロータリーにつきましては、交通管理者とも協議を行い、東京都の事業認可もとってございます。交通結節点の強化という面から必要なものであると認識してございます。
○白井委員 もう一度だけ、どうしてもこの図面じゃなきゃだめなんでしょうか、お伺いします。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 繰り返しになりますが、交通結節点の強化という面で、やはり一般車両の送迎の部分も必要であるというふうに判断した次第でございます。そういう面から、ロータリーの計画の案どおり進めていくことが必要であるというように考えてございます。
○白井委員 図面の変更がなされて、駅前広場、公共性というよりも、どちらかというと駅の施設としての整備の意味合いが強くなってきたのではないか、こういうふうにもとらえられると思っております。図面の変更が行われてきた中で、その都度、JRと区の負担割合や予算の負担額の変更などの交渉は行ってきたのか、また、JRの追加負担を求めていくのが自然な流れとも考えられますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 東中野駅前広場整備では、平成9年に締結しました基本協定によりまして、駅前広場内のJR用地の無償使用を受けて、道路法を適用した区道として管理することとしてございます。このことから、区が整備費を負担するものというふうに考えてございます。
○白井委員 基本協定を結んで、その後図面が変わってきている、設計が変わってきている、だけど、区の負担は変わりませんよというんじゃなくて、より強く交渉する余地はあるんだと思っております。そのほうが区にとっても当然いい結果を招くことになりますので、JRの言い分をそのまま、はい、はいと言う必要はありませんので、ぜひ強く交渉していただきたいと思います。
どうしてもこの図面を変えられないというのであれば、広場の図面の計画変更前から地域行事等で使用できるようにとの要望が地域の方々から重ねられてきました。説明会等においてもそのように取り組んでいくとの答弁が行われてきたところです。実質的には協議が必要であることは理解しているんですけども、さらに進めて、地域行事を行う際には、例えば広場のロータリーを含む全面を封鎖して使用許可の交渉を前提にしていただきたいと思いますけども、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 駅前広場の地元町会の祭りであるとか商店街のイベントの活用については、委員御指摘の趣旨も踏まえて、関係機関としっかりと協議していきたいというふうに考えてございます。
○白井委員 今、しっかりとという力強いお話をいただきましたので、ぜひお願いしたいと思います。
次の項に移ります。東中野五丁目特別養護老人ホームについてお伺いいたします。施設の予定地のこれまでの計画の変遷と、これから整備が予定されている施設の概要についてお伺いいたします。
○遠山保健福祉部副参事(介護保険担当) 東中野五丁目の土地でございますが、予定地でございますが、新しい中野をつくる10か年計画、これが第1次に当たりますが――では、保育園及び(仮称)区民活動センターを整備し、活用する計画となってございました。その後、保育園、現在の陽だまりの丘保育園を民間活力の活用によりまして整備していく中で、この地域の施設配置につきまして引き続き検討した結果、第2次の10か年計画では特別養護老人ホーム等を整備することとしたものでございます。
整備施設の概要でございますが、特別養護老人ホーム50床、それからショートステイが5床、それから選定されました事業者の選択事業として想定している事業、ケアマネージャーを10人配置する居宅介護支援事業所、これが予定されてございます。
○白井委員 今定例会、ある党が二人も質問して、この五丁目の特別養護老人ホーム賛成ですと、こういうお話があったんですね。ところが、そのある党というのはそもそも統合の施設に反対しておいて、もともと、今お話のありました土地に広場を残せとずっと言ってきた経緯があるんです。これまでの経緯を清算した上で発言していただくならいいんですけども、私としては一貫性がない、よくもこんなことが言えるなと個人的には思っております。
さて、特別養護老人ホームの立地の特徴として、施設の隣が保育園であることが挙げられます。高齢者と子どもの交流に着目して相乗効果を生む交流、これを幼老交流といいますが、積極的に進めていくべきであると考えます。全国的な事例を調べると、たくさんの事例と検証がなされています。学術的な面からも、高齢者は子どもと触れることで笑顔と活力を生む、また心身とものリハビリ効果が認められています。支えられる存在から支える存在になるとし、生活リハビリ、幼老ケア、幼老統合ケアと定義付けている学者もいます。また、子どもたちはお年寄りに触れることにより、優しさや思いやり、いたわりを覚えていく、またさらに学習面においてもさまざまな知識やコミュニケーション能力の向上、そして、ここで初めて家族、大家族を覚え、時として人の死を学ぶとの検証もなされています。区としても、保育園、特別養護老人ホーム任せの交流ではなく、両者を結びつけるような積極的な関与の姿勢、進捗によっては支援策の検討も望みますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○遠山保健福祉部副参事(介護保険担当) 保育園にいたしましても、この特養ホームにいたしましても、それぞれ法人が責任を持って主体的に運営する事業ではございますが、区としましても、今、委員のお話にございました幼老交流の機会が多く持てるよう、相互の事業者に働きかけていきたいと考えてございます。
○白井委員 事例はありませんけども、実は調べたところではかなりたくさんの園で、この隣接もしくは近接しているような園で取り組みがありました。実際、この専門誌の医学的なところでも、心の元気を与えるという部分での検証、非常に多くなされているところです。ぜひ御検討し、推進をしていただきたいと思います。
さらに質疑を続けます。施設の整備においても、これから整備をする高齢者側の施設に子どもを安全に受け入れていくことが可能な整備、交流を前提とした施設の整備を図ることが可能であると思います。この点についても区の積極的な提案を望みますが、見解をお伺いいたします。
○遠山保健福祉部副参事(介護保険担当) 事業者には、施設管理上の安全を確保した上で、今、委員のお話にございましたような整備面の対応が可能かどうか、働きかけてまいりたいと思います。
○白井委員 この項の最後の質問になります。隣接の保育園を開設する際、園に通う子どもたちの施設だけではなく、地域の子どもたちや子育てのキーステーションとなるように、また地域に開かれた施設となるような取り組みを要望してまいりました。現在、園においてもそれを実行に移してくれています。
同様に、特養ホームの利用者のみの高齢者の施設としてではなく、地域の高齢者の交流の場となるように、また縦割りの世代間だけではなく、異なる世代の交流の場となるような、いわゆる老々と言っていいんでしょうか――交流というんですかね、なるような取り組みを進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○遠山保健福祉部副参事(介護保険担当) 施設の運営におきまして、地域の方々との交流、連携が重要であると考えてございます。選定されました事業者の整備計画の中では、多目的室を設けまして、地域交流にも活用したいとうたってございますので、区としても大いに期待しているところでございます。
○白井委員 隣の保育園の子どもたちが高齢者施設へ来る、それを見て、楽しそうに遊んでいる風景を見ると地域の高齢者の方もぜひ入ってみたいなと、かかわってみたいなと思われるのではないかなと思っております。ぜひこの点も考慮していただいて、いわゆる地域との交流を深めるような施策の展開をお願いしたいと思います。この項については以上です。
ちょっとお時間が足りないかもしれないですが、情報システムについてお伺いしてまいります。中央電算システムの再構築事業のこれまでの経過をお伺いいたします。
○藤井政策室副参事(情報担当) 中央電算システムの再構築事業につきましては、19年10月に住民情報系システム全体最適化計画を策定いたしまして、ホストコンピュータで稼働している住民情報の基幹システムを現行の機能のままオープン系サーバーに移行する方針を決定いたしました。この計画に基づきまして、19年度末にオープン移行システムへの再構築事業者を公募し、20年6月に2年間にわたる委託契約を結びました。
当初契約は、22年3月末までの契約期間でありましたが、この期間での契約履行が困難になった旨の申し出を受けまして、契約期間を7月末まで延長しました。さらに、その後、7月中旬の段階で移行についての確認をしたところ、その時点での移行システムでは契約で求めたレベルに達しておらず、本稼働するにはなおリスクが大きいと、契約期間をさらに11月末まで、システム移行期限を9月末まで再延長することにより履行ができるということが見込まれましたので、システム移行期限を9月末まで、契約期間を11月末までに再延長いたしました。
○白井委員 21年度に事故繰り越し、そして今年度は契約履行期限の延長となったわけですけども、その理由は何でしょうか。また、当初の計画は、今お話しいただきましたけども、妥当であったのでしょうか、お伺いいたします。
○藤井政策室副参事(情報担当) 受託事業者の事前のチェック及び初年度試算の調査をしたときの判断以上に、中野区の基幹システムは多様で複雑だったということで、オープン系への移行で使用する予定であった基盤が大幅に機能拡充が必要となりまして、それについてのテスト、検証についても多くの時間を要したということで、契約期間内の履行ができなくなりました。しかしながら、契約履行期間を延長することで、その基盤の拡充とテスト、検証も可能であるということで、履行期限の延長を認めたものです。
このもともとの19年度の契約につきましては、当時の計画に比べると実際の開発、履行の期間は、時間はかかりましたが、実際の履行が可能になったということを考えますと、大筋での問題はなかったというふうに考えております。
○白井委員 今月の18、19、20の連休に移行が行われたと聞きますが、問題なく移行は行われたのでしょうか。また、移行の無事完了との最終判断はいつなされるのでしょうか、お伺いいたします。
○藤井政策室副参事(情報担当) 移行後、事前のテストではなかなか検証が難しい、実際の現場で初めてわかる問題が幾つか生じましたけれども、原因はすべてその日のうちに確認し、対策をとってありまして、大きな問題は生じていないと考えております。
なお、事前のテスト、検証が十分に問題がないということを確認したということで移行しておりますので、今後特に何らかの別の判断をするということはございません。
○白井委員 時間がないので一つ飛ばして、損害賠償を、これまでの経過の中で相手事業者に対して行う予定があるのでしょうか。また、その行う際、損害賠償の算定は一体何を基準に算定するおつもりなのでしょうか、お伺いいたします。
○村木経営室参事(契約担当) 中央電子計算組織再構築業務請負委託の再変更契約におきまして、中野区は当契約の履行検査終了後、請負事業者の遅延により発生する区の損害額を算定し、事業者との協議の上、損害を賠償請求するとしておりまして、遅延による損害については現在算定作業中でございます。
また、契約条項の第12条によります遅延違約金については、損害賠償の予定額とせず、損害賠償に充当することとしております。したがいまして、実損害で算定をすることになります。
○白井委員 二つ問題を飛ばして、次に行きます。損害賠償ではなく、十分な成果物が上がらなければ、契約不履行による契約解除の選択肢もあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○村木経営室参事(契約担当) 当契約約款の第16条におきまして、甲、すなわち区の解除権について、指定期日までに履行しないとき、または見込みが明らかにならないと甲が認めるとき、このときには契約を解除することができるとする旨の規定がございますので、これに該当すれば解除権は発動できると、こういうものでございます。
○白井委員 となると、オープン化ではなくて、今までのホストを利用してサーバーを延長する、そして次なるシステムの構築を目指す、こんな選択肢も場合によってはあるかもしれないという話になります。
次世代を見越した場合、当時の18年、19年計画、オープン化、かなり思い切った施策ではなかったかなと思います。現段階で判断するというのは簡単なんですけども、当時の判断としてはなかなか難しかったかもしれません。
一方、次なる世代を見越すと、どうしてもクラウド化というのがテーマとなってまいります。二つ選択肢はあるんですけども、現在移行、これが無事完了したとしても、次世代のクラウド化を導入するため、仮称です、電子自治体最適化計画というようなものを策定して、個々の今ばらばらになっているシステムの集約を備える、こういう必要があると思いますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○藤井政策室副参事(情報担当) 今回のオープン系への環境の移行は、将来のシステムの発展に向けての貴重な第一歩であるというふうに認識しておりまして、クラウドも含めて将来のシステムについて検討していく必要があるというふうに認識しております。
既に、基幹システム以外の各種システムのサーバー集約等、最適化に向けた検討は既に行っておりまして、今後も、将来の安全で、かつ効率的なシステム運営について検討していきたいというふうに考えております。
○白井委員 飛ばしてしまったんですけども、ちょっと別の質問をします。
クラウド化、いろいろなパターンが考えられるんですけども、自治体と連携するだとか、離れたところとつないでしまうようなシステムはあります。中野区は、個々システムをつくってきましたので、例えば東京や23区、場合によっては中野区独自のクラウド化を目指したほうがいいような場合もあります。現段階ではどのようなクラウド化が想定されているのでしょうか、お伺いいたします。
○藤井政策室副参事(情報担当) クラウドシステムというものについて、特にインターネットを使ったシステムがマスコミではよく取り上げられますけれども、行政のシステムとしてはやはり機密性が重要である部分がありますので、内容により中野区独自のクラウドであったり、あるいは他の行政団体と連携したクラウドであったり、さまざまな手法を組み合わせた構築を考える必要があるというふうに認識しております。
○白井委員 お時間がなくなりました。中野区独自の中央電算システムの編さんから次世代を見越してのシステム構築、本当に最適化になるような計画の推進をお願いしたいと思います。
以上をもちまして私のすべての質疑を終わります。大変にありがとうございました。
○いでい委員長 以上で白井秀史委員の質疑を終了します。
次に、かせ次郎委員、質疑をどうぞ。
○かせ委員 こんにちは。日本共産党の立場から総括質問させていただきます。
質問は、中野駅周辺再開発について、区民参加のまちづくりについて、区民生活応援の施策について、そして入札制度の改善についてと、その他では中野総合病院前のバス停についてということでさせていただきます。なお、時間の都合から、その他を入札前に移していきたいというふうに思います。
それでは、中野駅周辺再開発についてお聞きします。
まず、警察大学校跡地についてでございます。区民の参加と合意のもとでつくられた2001年の警大等跡地土地利用転換計画案では、4ヘクタール以上の防災公園と清掃工場、文化・スポーツ、保健福祉などの公共施設を配置する計画でした。ところが、田中区長は新たな清掃工場の建設計画が中止になったことを理由に計画の見直しを図り、警大等跡地を切り売りし、開発者負担の原則のもとで巨大ビルが立ち並ぶまちと、ビルの谷間のわずか1.5ヘクタールの公園という計画に変えてしまいました。現在でも係争中であり、決して区民合意が得られているとは思えません。しかし、現に工事が進行している中で、ただすべき事項については今回ただしていきたいというふうに思っております。
まず最初に、広域避難場所についてでございます。警大跡地を含む中野区役所一帯は、震災時に9万6,000人の命を預かる広域避難場所になっております。避難有効面積は約1ヘクタールで、一人当たりでは1平方メートルでしかありません。国土交通省の広域避難地の機能を有する都市公園に関する緒言では、一人当たりの有効避難面積を2平方メートル以上としております。この根拠は何でしょうか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 広域避難場所についてでございます。まず、規模でございますが、区役所一帯につきましては確保している面積といたしましては10ヘクタールを超えてございます。それと、この広域避難場所は東京都が広域的な観点から指定をしているものでございます。一人当たりの避難面積につきましても、東京都の地域防災計画におきまして原則として一人当たり1平米確保するというふうに記述されてございます。この基準にはのっとった内容となっております。
○かせ委員 07年改定の区部の、東京都の調査ですけれども、広域避難場所の特徴を見てみますと、一人当たりの避難有効面積の平均は3.4平方メートルになっています。中野区役所一帯の広域避難場所は1平方メートルですから、下から2番目という数字になっています。発災時に電車がとまり、駅からあふれる乗客も、また、たまたま中野におり立った買い物客も想定しなければならないと思います。病人や障害者もおり、疲れ切った人たちが避難する場所は、少なくとも横になるスペースは必要だと、こういうことだと思います。
このようなわずかなスペースで混乱は起きないのか。また、そのための対策を考えているのかについてお聞きします。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) まず、広域避難場所でございますが、これは災害時の大規模火災から住民を守るという趣旨で指定されております。したがいまして、火災が鎮火するまでの一時的に待つ場所ということでございます。したがいまして、こちらは避難所というように一定の期間、そこで暮らすというようなことを想定した空間ではございません。したがいまして、先ほどの規模の中で広域避難場所としての役割はきちんと果たせるというふうに認識しております。
○かせ委員 確かに、広域避難地についてはそのように国交省でも言っていますけれども、私は承知の上で聞いているんです。ただ、実際に短期間の避難であったとしても、そこに来る人たちは非常に疲れ切っている。そういう人たちをですよ、1平方メートル、つまり横になることができない、そういう状況の中で押し込めておくということは、これは極めて厳しい状況だというふうに思います。
私は、そういう立場から、民間開発によって生まれたオープンスペースや建物の一部について、緊急にそういうことにも対応できるように考えて、対応すべきだというふうに思っています。そのためには、避難所のことについて協定を結んでおく必要があるのではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 避難所につきましては、中野区の地域防災計画におきましても区内の小・中学校が指定されております。この警察大学校等跡地につきましても、大学のキャンパスが進出してくるということで、こちらについても避難所の機能として連携が図れるように、まちづくりの覚え書きに基づいて事業者と協議をしてまいりたいというふうに思っております。
○かせ委員 震災時には、想定できないようなこと、いろいろなことが起こると思うんです。その場合に、例えば一時的であっても、この部分についてはどうかとか、そういう細かい検討がされて、いざそのときの役に立つと、そういうような協定をぜひ結んでおいていただきたいと思います。
次に移ります。中央中学校南側の国家公務員宿舎についてでございます。
これまでの計画では、区立九中と中央中学校の統合新校は、地域内幹線道路、いわゆるF字道路に接し、中央部防災公園と一体になるよう計画されておりました。しかし、新しい計画では、警察庁宿舎が割り込んできて、そのまま統合新校南側が公務員宿舎用地とされてきました。2010年第1回定例会本会議での答弁では、公務員宿舎の整備方針が変わるような動きがあれば、用地取得を含め、より望ましいオープンスペースの確保につながる検討を行っていきたいとの区の意向を財務省に伝えているところであります。こう答弁しております。7月1日の建設委員会では、この地区全体のより望ましいオープンスペースを確保するため、当該用地を取得することとし、関係機関に働きかけていくと報告しております。今定例会でも、同僚議員の質問に対して、公園用地として取得したい旨、国に要望していると答えております。
そこで、伺います。国に対し、公務員宿舎の建設計画を中止し、区民の安全と教育環境を整えるため、何としても取得できるよう改めて働きかけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 宿舎計画の見直しが行われた際には、公園として取得したいという方針は変わってございません。関東財務局との協議の中でこのような働きかけをまさに行っているところでございます。
○かせ委員 ぜひよろしくお願いします。
次に移ります。公園の管理についてでございます。まちづくりに係る覚え書きでは、区の整備する公園とオープンスペースの一体的な整備と管理をうたっております。その場合の措置と運営はどうなりますか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 公園と公共空地の一体的な管理につきましては、それを担う組織、あるいは運営のあり方につきましてまちづくりの覚え書きに基づきまして関係事業者と現在協議を行っているところでございます。
○かせ委員 その協議の中で、ぜひ実現させていただきたいものがあります。中野駅北口広場は、都内でも知られた沖縄芸能のエイサーの練習場所となっております。また、囲町公園は、中野まつりなどのイベント会場としてもなくてはならない場所であり、気軽に利用できる憩いの場でもあります。
大学や病院の中にある公園で、これまでと同じような気軽に使える公園になるかということが心配されておりますが、これについてはどうお考えですか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 公園と公共空地の一体的な管理については、まさに事業者と協議をしているところでございます。ただ、その中で空地や公園の活用について、大きな音を出してしまうようなこと等については、近隣への配慮がやはり必要になろうかというふうに思っております。こういった配慮の上で、公園は広く区民に活用できる場になっていくというふうに考えております。
○かせ委員 そういうことが心配されているわけですけれども、こういったことについてはぜひ関係されている方たちの意見も十分に聞きながら進めていただきたいと思います。
それから、民間から提供されたオープンスペースの整備はどうなのか、将来にわたって区民に供用される保証はあるのかという疑問も出ております。これについてはどうですか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 警察大学校跡地、こちらは中野四丁目地区地区計画を定めております。さらに、再開発等促進区を定める地区計画ということをかけておりまして、その中で位置付けられた公共空地等のオープンスペース、これにつきましては将来にわたって一般の公衆の利用に供することが担保された施設でございます。
○かせ委員 わかりました。では、次、開発協力金について伺います。
これまで、開発協力金について、区はどう説明していましたか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 開発協力金につきましては、議会への御報告といたしましては平成18年12月に要綱を設置した報告をさせていただいております。さらに、本年7月には開発協力金について協定を締結できた旨の御報告をさせていただいているところでございます。
○かせ委員 7月6日の中野駅周辺・西武新宿線沿線まちづくり特別委員会で、開発協力金について報告がありました。明治大学と帝京平成大学、中野駅駅前特定目的会社の3者と中野区との協定が締結されて、開発協力金は平成22年から26年の間で支払われ、まちづくり基金に積み立てることという内容です。どうして支払い基金が延びたのでしょうか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 開発協力金につきましては、個々の事業者と中野区が個別に協議をして、御協力いただく額やその積み立ての時期等を協議して決定したものでございます。したがいまして、その支払い時期が延びたとか延びないとか、そういう話はもともとなくて、個別に協議をさせていただいた結果ということでございます。
○かせ委員 これまで、中野区は予算審議の中でいつも出てきたんですが、財政運営の考え方という中で、その年度の中での開発協力金の収入として約40億円、何回も書いていたわけですね。それを見ますと、その年度の中で40億円見込んでいるというふうに私たちは理解していたわけですけれども、この違いはどういうことなんでしょうか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 財政フレームの考え方の中で、協力金として約40億円、これは総額のおおむねの目安として計上させていただいたものでございます。
また、時期についても、10か年計画の中ではステップ1の中に計上しているところでございますが、先ほども述べましたように、この協力金につきましては各事業者と個別の協議の上、お支払いいただく時期、協力いただく時期が決まってくるということですので、ここで計上したとおりにならないから何かどうのというようなものではございません。
○かせ委員 少なくとも、財政運営の考え方という公式な計画の中に、年度内の財源として見込まれて何年も来た。それがこういう形になるということについては、やはり見方の甘さであるとか、やっぱりその辺の問題はあると思うんです。この問題については、これ以上詰めませんけれども、それでは、先行して開発した警察病院との協議、これについてはどうですか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 警察病院自警会につきましても、この協力金の趣旨を御説明して御協力いただけるように協議をしているところでございます。
○かせ委員 警察病院との関係については、もう当初からどうなっているのかとしつこく聞いてきたわけですけれども、そのたびに協議をしていますというようなことなんですね。もう、どちらかというと聞き飽きてしまったというような感じもします。本当に、この点については開発協力金、もらえるのかどうか、どうなんでしょうか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 繰り返しになりますが、御協力をいただけるように働きかけているところでございます。
○かせ委員 協力以外にはないという答弁だと思います。わかりました。非常に不満だと思います。
それから、早稲田大学との交渉、これについてはどうですか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 早稲田大学につきましては、現在協力金の協議をさせていただいているところでございます。また、こちらにつきましては、まちづくりの覚え書きにつきましても協力金の要項も含んでおりますが、まずまちづくりの覚え書きの協議をさせていただいているところでございます。
○かせ委員 これについても、きっちりと進めていただきたいと思います。
次に、中野駅地区整備について伺います。17日の本会議で、中野駅北口改札等改良工事について、JRが実施する業務、実施設計費の負担金4,500万円を含む補正予算が可決されました。北口改札口を南口からのコンコースと直線になるよう東側に移動することによって、段差問題はなくなり、北口広場に直結できるようになります。我が党議員団は、区民要望の強い北口改札口の段差の解消や駅舎のバリアフリー化については再三にわたり区議会で取り上げ、駅利用者の皆さんと直接JR本社に出向いて申し入れをするなど、積極的に取り組んできたことから、今回の措置は歓迎しました。しかし、今回の区負担金は、区が負担する工事費の設計費で、総工事費の3分の2のうちの9%相当で、4,500万円を計上しています。
そこで、お聞きします。JRの行う改札改良工事に区がこれだけの負担をする根拠は何でしょうか。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 現在の中野駅北口駅前広場でございますが、これは歩行者やバス、タクシー等が錯綜いたしまして、またユニバーサルデザインの面などでも非常に多くの問題を抱えてございまして、今後大きく変容を遂げようとしてございます中野駅周辺のまちづくりに対応できる広場となってございません。このため、中野駅地区整備基本計画では、現北口駅前広場を歩行者主体の広場として再整備し、北口改札をこの歩行者主体とした広場に直接面するよう改修することとしてございます。
根拠でございますが、今申し上げましたように、この中野駅の北口改修は、都市側の交通基盤整備の側面が非常に強いといったことから、中野区として応分の負担を行わなければいけないというふうに考えているものでございます。
○かせ委員 今回は、設計費相当ということですけれども、その設計費相当、残金というのがあると思うんですね。結局、今度の工事のが本体工事になった場合には、さらにどれぐらい費用を必要とするんでしょう。支払いはどうなるのか。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 実際の整備に要する費用につきましては、このたびの補正で行う設計に基づいて積算が積み上げられるといったことから、整備については正確に申し上げられないわけでございます。ただ、今回の設計の負担と同じような考えに基づいて、整備につきましても応分の負担をしていかなければいけないというふうに考えてございます。
○かせ委員 そうしますと、本体工事についても総額の約3分の2は区が負担しなければならない、このような理解でよろしいですか。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 全体としては、そういうようなことになってくるのかなというふうに予想してございます。
ただ、この本体整備工事につきましては、国等の補助、こういったものも十分勘案しながら、できるだけ区の負担が低減されるよう努めていきたいというふうに思っております。
○かせ委員 先ほどの計算式から逆算すると、5億円程度の支出なのかなという想定はできます。今度は、次の問題ですけれども、今後は新北口広場と中野三丁目の駅直近地区とを結ぶ南北自由通路と橋上駅化に伴う整備が予定されています。これまでの事例で、JRの負担の割合、これはどうなると思われますか。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) これまで自由通路整備につきましては、基本的には都市側負担といった事例が圧倒的に多うございます。こういったことから、昨年6月に国のほうで自由通路の整備及び管理に関する要綱を定めまして、鉄道側と都市側の負担のルールを行ったところでございます。中野駅の南北通路につきましても、この要綱に基づいて今後負担割合を鉄道事業者と協議をしていくということになります。
橋上駅舎でございますけれども、こちらのほうは今申し上げたようなルールが定まってございませんで、先行事例によりますと、新駅につきましては都市側負担、既存駅の橋上化につきましては都市側と鉄道事業者とで協議により負担割合を決定しているということでございますが、いずれの例におきましてもJR側の負担は非常に少のうございます。
○かせ委員 今言われたように、これまでの事例でも、また今後想定されるものとしても、都市側負担は非常に大きいということが言えると思います。そのような負担割合で、今後ともいろいろな工事がされるのかということになると、非常に不安になります。今後は、北口広場の整備、北口広場から中野通りをまたいで新北口広場につなぐ東西連絡路、1階部分が自動車・自転車駐輪場、2階部分がバス・タクシー乗り場、3階部分が人工地盤云々と、こういうことで大規模な工事が集中してくるわけですけれども、こういった計画が進むとどれだけの財政負担になるか、予想が立たないと思いますけれども、どのように考えていますか。
○秋元まちづくり推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) この中野駅周辺まちづくりにつきましては、東京の新たな活動拠点を形成し、持続可能な都市の実現を図ることを目的としてございます。駅地区整備は、そのまさに核となるものでございます。この実現には、長い時間軸を要することとなりますが、その間、財政負担が過度に集中しないように十分配慮いたしますとともに、先ほど申し上げた駅舎の整備と同じように国等の補助制度を十分活用いたしまして、区の財政負担の軽減が図られるよう工夫してまいります。
○かせ委員 財政負担の軽減を図る、検討するというのは当然のことですけれども、今、中野の状況がどうなのかという観点から厳しく見つめ直すということも必要だと思います。この計画が本当に必要なのか、今急いでやる必要があるのか、こういった区民の目線から見て再検討すべきだというふうに私たちは思っております。
それでは、次に、区役所・中野サンプラザ地区の一体整備についてお伺いいたします。
2014年には、10カ年間は中野サンプラザとしての運営を継続するとするサンプラ取得時の条件の期限を迎えます。その時点までに再整備計画を定めるとして、株式の発行や譲渡、不動産の処分を含むものとしています。その際には、財政スキームも一たんリセットされることになります。
そこで、伺います。2014年の時点で、融資残高、資金残高、A種優先株の売り払い配当についてどの程度見込んでいますか。
○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) 平成26年弁済期日時点におきます融資残高の見込みでございますが、融資残高は22億円余、出資金は区の出資を含め31億円余、合わせて53億円余を見込んでございます。また、A種累積未払い配当金につきましては、まちづくり中野21の売り上げがどのように推移するかによりますけれども、仮に株式会社まちづくり中野21の今後の純利益が毎年5,000万円程度として見込みますと、平成26年の弁済期日時点では7億円程度と見込んでございます。
○かせ委員 2014年時点でリセットされることになりますけれども、これらの清算はどうしますか。
○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) その時点で必要となる融資返済等の資金につきましては、保有している土地等資産価値を最大限活用し得る方策を検討していきたいと考えてございます。
○かせ委員 本年3月の中野駅周辺西武新宿線沿線まちづくり特別委員会で、区役所・中野サンプラザ地区再整備の考え方が示されました。そこでは、ケース1として既存建物活用案、ケース2としてサンプラザ敷地内での建てかえ、ケース3では区役所・サンプラザ敷地一体開発高層案、ケース4では区役所・サンプラザ敷地一体開発中層案の四つの案です。それぞれのケースで必要な資金はどの程度見込んでいるのか。また、その資金計画はどうなのかということについてお答えください。
○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) 必要な資金でございますが、具体的な導入機能及び規模が明確に定まっているわけではございません。したがいまして、現段階では詳細な試算を行う段階にはないことから、お示しする段階ではございません。
また、資金計画につきましても、今後の資金調達の方策などとあわせて検討していきたいと考えてございます。
○かせ委員 まだ検討段階で、言うことができないということだと思います。
それでは、株式会社まちづくり中野21は、区と協議の上、2012年5月末までにサンプラザ地区再整備の基本構想を作成するとしていますが、現在の検討状況はどうなっていますか。
○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) 区役所・サンプラザ地区につきましては、人々が集う交流とにぎわいの中心としまして、また東京の新たなランドマークとしての公益的な集客力を備えたまちの顔としていくため、具体的な導入機能、事業採算性、整備主体のあり方などの検討を行っているところでございます。
○かせ委員 これについての結論、スケジュールといいますか、その辺はどうなんですか。
○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) 先ほど委員からのお話もございましたが、平成24年5月までにサンプラザ地区の再整備等基本構想案を作成するということになってございます。
○かせ委員 16年度決算で、中野駅周辺整備に2億円余の税金が投入されました。このことによって、田中区長が就任し、警大等跡地の土地利用転換計画の見直しに着手した2003年以降、警大、中野駅周辺地区の大規模開発計画に139億円余の巨費が投入されたことになります。
警大等跡地地区の工事は始まり、今後は中野駅地区整備、中野サンプラザを解体し、移転後の区役所跡地の一体整備など駅周辺には莫大な税金が投入されようとしていますけれども、私たち区議団が行ったアンケートによれば、中野サンプラザについても解体して再開発するに賛成するのは22%です。存続すべきだと答えたのは78%もあります。また、中野区役所の移転改築に反対は70%で、サンプラザとの一体整備は30%にとどまっています。暮らしが悪くなったとする区民が64%もあります。こういった中で、特定の駅周辺地区に莫大な税金を投入することよりも、暮らしに回してほしいという区民の声となっています。こういった区民の声を真摯に受けとめるならば、本当に必要な計画なのか、今でなければならないことか、区民とともに考えていくときだというふうに思います。そのことを申し上げて、この項の質問を終わります。
次に、区民参加のまちづくりについてお伺いします。
まず、まちづくり条例についてであります。中野駅周辺地区整備や西武新宿線連続立体化事業が検討される中で、住民の中にまちづくり勉強会やまちづくり協議会などの動きがある一方、閑静な住宅街に超高層マンション建設の計画が持ち上がり、住民とのトラブルが発生するなど、まちづくりへの関心が高まっています。そういった観点から、本会議での牛崎議員に引き続き質問させていただきます。
まず、今後のまちづくりについては住民と施工者、行政とが協働したまちづくりのルールを確立することが大切であると思いますが、いかがですか。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) まちづくりを進めていくためには、住民や地権者の立場で身近な地区のまちづくりを促進することが重要であるというふうに考えてございます。
○かせ委員 練馬区では、23区で初めての総合的なまちづくり条例、練馬区まちづくり条例を制定しました。開発事業者などに関する手続や基準を条例で定めることによって、区民、事業者、区の責務を明確にしています。また、都市計画における住民参加を充実させるために、都市計画の原案からの公表、意見募集等を行う仕組みや、都市計画制度に関する独自の提案制度、地区計画の住民原案申し出の方法も定めております。また、身近な地域におけるまちづくりのルールや景観形成など、提案できる仕組みがあり、建築紛争防止のための協議の手続も定めております。そこで、まちづくり条例に盛り込むべき事柄について、提案方々お聞きしていきます。
まず第一に、都市計画やまちづくりに対する区民の参加の仕組みということです。区長は、自治基本条例に基づき、説明会やパブリック・コメントで対応するとしていますが、区民の提案制度や住民参加の開かれた協議の場が保証されるべきだと思いますが、いかがですか。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 身近な地区の多くの住民が加わり、合意形成を形成するための仕組みでありますとか、活動に対する区の支援というものを定めていきたいというふうに考えております。
○かせ委員 第二に、開発行為や建設等について、早い段階からの周辺住民への周知と開発事業者との協議、開発事業者と行政、あるいは開発等の審査の仕組みを制度化することが大切だと思いますが、いかがですか。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 開発行為などにつきましては、都市計画法などに基づき対応すべきものと考えておりまして、御提案のような内容のものを取り入れるということは考えてございません。
○かせ委員 都市計画法という法律、もちろんそれは承知の上なんですが、このまちづくり条例というのは、その自治体が独自の条例をつくることができるということで、それよりもさらに強化をするという内容だと思います。
多くの自治体は、そういう観点から住環境を整えたり、紛争防止のためだったりということで独自の条例をつくっていく、そういう方向でぜひ検討していただきたいと思います。
第三に、協議あるいは審査に当たっての基準、つまり土地利用の区分や景観などの基準、日影、道路等の技術的な開発基準を定めることが必要だと思います。いかがですか。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 繰り返しの答弁になりますが、開発行為などについては都市計画法などの規定による規制に基づき対応すべきものと考えてございます。別に基準を定め、まちづくり条例の中に盛り込むことは考えてございません。
○かせ委員 今、中野三丁目地区では、旧丸井駐車場跡地に29階建て、建物高さが115メートルの超高層マンション建設が持ち上がっております。閑静な住宅街に接し、駐車場の出入り口は6メートル未満の道路であることから、住民とのトラブルになっています。現在は都に審査請求が出され、建築審査会で審査中というふうに聞いております。こういったトラブルを防止するためにも、中野区は独自の条例をつくるべきだというふうに思います。そういった観点から、先ほど答弁がありましたけれども、ぜひ今後の検討課題としていただきたい、要望しておきます。
次の項に移ります。景観行政についてであります。
景観法では、自治体が景観団体になり、美しいまち並み、良好な都市景観を形成し保全するための景観計画をつくることができるとして、そのための条例が景観条例です。中野区都市計画マスタープランに記された良好な景観形成と中野らしいまちの景観を保全するため、すぐにでも検討すべきと思いますが、その観点からお聞きします。
まず、中野区の都市計画マスタープランには、景観都市づくり基本方針が定められております。区民と協働した景観行政を進めるためのルール、どのように考えておりますか。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 魅力ある都市景観の形成を図るため、新しい中野をつくる10か年計画で定められていますスケジュールに基づきまして、ステップ2で景観計画を策定していきたいと考えてございます。
○かせ委員 この景観計画を実効あるものにするために、新宿区などでは景観条例をつくっているわけですけれども、景観団体になって景観計画を策定して、既に09年4月から施行されていると聞いております。この条例の中で大きな権限を持っているのが、景観まちづくり審議会ということですけれども、区長の附属機関として、区長の諮問に応じて景観ガイドラインの制定や景観計画の制限に関する事項に適合しない場合には、勧告や命令に関する事項を答申することができるというふうに言っておりますけれども、御承知でしょうか。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) そのような定めが他自治体、新宿区などで定められているということについては承知してございます。
○かせ委員 中野区でも、このような事例を参考にすべきと思いますが、いかがですか。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 先ほど申し上げました景観計画を策定するスケジュールの中で、さまざまな視点から具体的な景観行政への取り組みを考えていきたいというふうに考えてございます。
○かせ委員 さまざまな角度から検討ということですから、当然景観条例を制定するということも念頭に入っているというふうに理解してよろしいですか。
○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) そのことも含めて、10か年計画に基づいたスケジュールに基づいて検討していきたいということでございます。
○かせ委員 ありがとうございました。それでは、次の項に移らせていただきます。
3番目に、区民生活応援の施策についてでございます。まず、私道舗装助成の改善について、お伺いします。
今定例会では、私道舗装助成が大きな問題になりました。私のところにも、私道舗装助成と私道排水設備助成を申請し、下水工事は完了したものの道路舗装については来年度に回され、つぎはぎだらけの仮舗装で正月を迎えなければならない、こういった苦情が寄せられました。どうしてこのような事態を招いているんでしょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 今、委員御指摘の事例でございますけども、申請者の方と打ち合わせをさせていただいておりまして、限られた予算の中で、いわゆる排水設備については生活上緊急性があるということでございまして、今年度助成対象にさせていただきまして、舗装については来年度の助成対象とすることで申請者の方の御理解をいただいているところでございます。
○かせ委員 そういう実態だということは報告受けました。もともと中野区では、私道舗装は区の行う受託事業として100%区負担で行ってきました。ところが、行財政5か年計画では所有者本人が行うものとして、2003年からは所有者が費用の2割を負担する仕組みになりました。所有者すべての同意を取りつけることさえ大変なのに、費用負担が求められれば、私道舗装が抑制されるのは目に見えております。
2003年を前後して、今日までの私道舗装についての実績はどうでしょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 2003年、すなわち平成15年前後から平成21年度までの件数については、大きな変化がないというふうに認識しているところでございます。
○かせ委員 私のお聞きしているのは、私道舗装についてであります。この私道舗装については、ちょっと資料をいただいたんですが、この私道舗装を見ますと、平成13年は総工事費が6,669万円あったのに対して、助成制度が開始されて以降、今日では4,615万円、どんどん、でこぼこがありますけれども、下がっております。しかも、その中で、執行率を見ますと、これもアンバラがありますけれども、当初はほとんど100%に近かったものが、その後は、平成17年が55.9%とかというふうにかなり低い、今日では81%程度ということになります。明らかに下がっているというふうに思います。予算編成の考え方はどうなっていますか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 予算の編成時には、区民の方々から、いわゆる事前相談を受けておりまして、その事前相談を受けた件数でございますとか、工事の概要等を踏まえまして、可能な範囲で予算の計上をさせていただいているところでございます。
○かせ委員 先ほどもありましたけれども、補正予算で計上しましたけれども、このような状況というのは続くと思います。また、これらの工事については、地域経済を活性化するという意味からも、また環境を整備するという面でもなくてはならない予算でありますから、新年度予算で大幅にふやすべきだというふうに思いますが、いかがですか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) まず、1点目の地域経済の活性化ということでございますが、平成19年から3カ年の、区民から申請を出されていただいている資料から見ますと、確かに地元の区内業者の方が5割以上ということでございまして、そういう面では地域経済に寄与しているという面もあろうかというふうに理解しているところでございます。
ただ、来年度予算についてという御質問でございますが、厳しい財政状況の中でございまして、来年度予算については今後引き続き検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○かせ委員 それから、現在の仕組みですけれども、前と同じように、中野区が直接この事業を行うという方式に変えるべきだというふうに思いますが、そういった検討はどうなんでしょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) すみません、もう一度御質問をお願いいたします。
○かせ委員 かつて、制度が変わりました。もともとは中野区が施行すると、受注するという仕組みだったんですが、そういう制度に戻すべきだというふうに思いますが、そういう検討はどうですか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) この総括質疑の第1日目でも御答弁させていただいておるんですが、私道助成については、区としては私道は個人所有地であり、管理主体はあくまでも私道所有者の方々というふうに考えておりまして、それで助成制度があるわけでございます。したがいまして、現時点で、かつてやられたような、いわゆる受託事業方式に変更する考え方はございません。
○かせ委員 私は、かつての受託方式ですか、それに変えるべきだというふうに思っております。そのことについては、今後もいろいろお聞きしていきたいと思います。
それでは、次の項に移らせていただきます。耐震改修助成について伺います。この項では、耐震性の高い住宅改修ということの関連から、3番の住宅リフォームについて、あわせてお聞きします。
中野区地域防災計画では、地震による住宅倒壊や家具類の転倒等を原因とする死傷者を半減するとして、建物の耐震化率を2015年までに、住宅については90%、民間特定建物については90%、防災上重要な区有建設物については100%にすると出ています。家具転倒防止の金具取りつけについては、1,600個を予定しています。
ところが、住宅の耐震化率は、2010年3月現在で、木造住宅では70%、非木造では89%、合計では81%です。特に木造住宅のおくれは問題と言わなければなりません。
耐震化率が上がらない理由は何なのか、また耐震化率を上げるための方策はどうでしょうか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 耐震化率のお尋ねでございます。耐震化率の向上といいますのは、これは特に中野区の場合は、もちろん耐震改修も進んではおりますが、むしろ新耐震基準での建てかえ、この促進によるところが大きいと考えております。
例えば、旧耐震基準でつくられました木造住宅、これを建てかえる場合には、これは木造で建てかえるのではなくて鉄骨造や鉄筋コンクリート造の住宅とする場合が多くて、しかも土地の有効利用の観点から共同住宅として建てかえることが多いと、そういうふうに考えております。
したがって、非木造の耐震精度を満たす住宅の戸数がふえまして、総体的に見て木造住宅の耐震化率は非木造住宅よりも低くなる、そんなふうに考えております。
木造住宅の耐震化率の推計値、これも実は向上しておりまして、平成17年度61.5%から、21年度末には御指摘の70%まで向上していると、そういったものでございます。
その辺の対策でございますけども、中野区では従来から耐震診断助成、それから情報提供、こういったことを軸に取り組んでいるところでございます。特に耐震診断につきましては、これは何度も申し上げておりますが、平成17年度、18年度実施しました区内全域にわたる戸別訪問、これによる普及啓発の成果といたしまして、自治体別では全区有数の実績数となってございます。耐震診断は、御自宅の耐震性能を向上させるための大きな動機付けとなると考えておるところでございます。
また、情報提供につきましても、区登録の耐震改修施工者の紹介ですとか、あるいは安価で信頼できる耐震改修工法・装置の普及、あるいは耐震改修促進協議会、これと連携いたしまして地区を絞った戸別訪問などを取り組んでおります。
それから、耐震改修工事の際につきましても、区からの工事管理費の設計費の補助、固定資産税及び都市計画税の減免制度、こういったものの御利用もしているところでございます。
○かせ委員 私は、やはり中野区が、住宅改修にお金をやらない、これが大きな原因だと思います。これはやるべきだというふうに思います。
一方では、本会議で来住議員の質問でも取り上げましたけれども、岩手県宮古市で実施されている住宅リフォーム助成、これが有効だというふうに思います。この助成制度は、国の補助金がついて、IS値1.0以上という基準、これではなかなか工事が行われないということで、独自の案で行っています。住宅改修、これは住宅の寿命を延ばす、あるいは耐震性を高める、そういった観点からの取り組みだというふうにお聞きしてきました。こういった観点で住宅リフォーム、取り組んではいかがでしょうか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 今、お話もありましたが、住宅の耐震改修、これは耐震改修と合わせてリフォームをやると、そういったことは有益ではないかと考えております。
中野区としましては、そういったリフォームも含めた耐震性の向上、これが促進できますようにさまざまな情報提供等を行っているところでございます。
○かせ委員 この住宅リフォームですけれども、宮古の例ですけれども、これが非常に地域の活性化に役立っていると。住宅戸数の約半分近くの世帯で何らかの改修に取り組んだ。それで、業者の方たちの多くがその施工業者になったということで、施工者も、また住民からも喜ばれ、そして大いに地域が潤ったというようなことがあります。そういう地域産業を活性化するという意味からも、この住宅リフォームは有効だというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 今、委員の御指摘のような側面もあろうかと思いますが、区としては、基本的に個人の財産を守る対策は個人の負担ではないかと考えております。
区としては、そういった、例えば住宅をリフォームする場合に、そういった側面支援という形ではありますけども、低利融資のあっせんをいたしまして利子の一部を補給する、そういった制度もございます。また、住宅を耐震改修する場合の低利融資のあっせんもしております。こういったことを併用することによりまして、住宅のリフォームに合わせた耐震改修を支援しているところでございます。
○かせ委員 宮古でもその点については相当議論があったようですけれども、今の緊急を要する経済状況の中では、地域経済を活性化することは優先課題だということで取り組んだというふうにも聞いております。ぜひ、そういった英断を求めて、この項については終わらせていただきます。
時間の関係から、その他のほうから行きたいと思います。その他については、総合病院のバス停留所の改善の問題です。写真を持ってきました。これ、見えますか。ちょっと小さいんですが、これが総合病院の前です。総合病院の前には公園がありますけれども、その公園はもともと中野総合病院から提供されたところにあります。このところには、木がありますけれども、この歩道上、これは非常に狭い上に、いすも何もない。そういう中で、利用者の方、これは特に病院の患者さんが多いわけです。車いすであったり、いすを使ったり、体の弱い方たちがこういう状況の中でバスを利用している、これを何とかしてほしいというのが第1点です。
その次に、この公園にはこういうスロープがあります。スロープを使って緑道に出るのはいいんですが、緑道に出て総合病院の入り口に行くためには約30センチの段差があります。おまけに、このように鉄の車どめ、何というんですか、鉄さくがあります。ですから、体の弱い方たちはなかなか使えないということになります。それで、その緑道の両側ですけれども、かなり離れております。一方はこのように車どめがあります。一方は、これは薬局ですけれども、こちらの薬局のほうからは車いすでも利用できるようになっております。しかし、ここのところは総合病院の救急車の出入り口に通じておりまして、よく救急車がここで待機をするという状況になります。そうしますと、せっかくバスをおりて、スロープを使って緑道に来たけれども、おりられない、こういう状況があります。こういったことについて改善してほしいという要望があります。これらのことについてお聞きします。
まず、バス停の改善についてどうお考えでしょうか。
○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 中野総合病院前バス停のいす等の設置についてでございます。
バス停に附帯いたしますいす、屋根などは、バス利用者の利便性などを考慮いたしましてバス事業者が設置をしているといったものでございます。実際の設置に当たりましては、歩道のくいなどさまざまな条件があるとは思いますが、病院利用者の利便等、設置の要望があることにつきましては区としてバス事業者にお伝えしていきたいと、このように考えてございます。
○かせ委員 特にこの土地自身が総合病院の所有だというふうに聞いております。ですから、病院との協議の中で、やっぱりこういった問題は優先的にやっていただきたいというふうに思います。
それで、その次ですが、2番目にこの段差の問題ですけれども、これについて改善できないでしょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 今、委員が写真でお示しいただいた場所でございますが、桃園側緑道と中野総合病院の間には幅員4.5メートルの区道がありまして、その区道と緑道との段差、今写真でお示しいただいた段差でございますが、約30センチほどあるというのは承知しておるところでございます。ただ、その段差解消は、緑道の地下に東京都の下水道施設の立ち上げの構造物がありまして、物理的にそれを解消するということは困難であるというふうに理解しているところでございます。
なお、委員がお示しされました薬局の前の通路部分でございますけども、そこは救急の緊急車両が常時とまる約束になっておりまして、その辺のいわゆる車の幅と緑道の幅をもう少し検証させていただきまして、車いすの利用の方にも迂回していただくことができるかどうか、迂回がよりスムーズにできる方法がないかどうか、検討してみたいというふうに考えております。
○かせ委員 今もお話がありました、薬局のほうですね。組合薬局のほうの花壇といいますか、そこのところは、私がちょっと見てきたところでも約五、六メートルはこの緑道の高さとそう段差がないんですね。ですから、この花壇を切り込むことによって、常時車いすが通行できるスペースは十分に確保できるのかなというふうに思います。これについては、区として実施できるわけですか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 緑道の管理者は私ども中野区でございますので、地下構造物に直接影響を与えないとするならば特段の問題はないかなと思っておるところでございます。念のために、土地所有者であります東京都下水道局と、今、別途調整をさせてもらっているところでもありますから、そういった調整確認をさせていただきたいと思っております。
○かせ委員 ぜひ、この問題については至急改善するよう求めて、この項については終わりたいと思います。
あと5分弱ですが、入札制度について、できるところまでやりたいと思います。
この入札制度ですけれども、一つはこの小規模契約の業者登録についてですけれども、この問題で業者の皆さんからいろいろ、るる私たちも要望が寄せられていますので、そのことからお聞きしたいと思います。
登録ですけれども、登録要件の中で、区民税が2年以上になると、このように言われておりますけれども、この緩和をしてほしい、こういう要望があります。これについていかがでしょうか。
○村木経営室参事(契約担当) 納税義務を果たしていただくということは、区民として当然の義務でございまして、これ以上の緩和を登録要件の中で考える必要はないというふうに思っております。
○かせ委員 今、本当に中小業者の皆さんが、もう生死をかけたような努力をしているという状況なんですね。今のように、そういう言い方というのはあんまりだというふうに思います。
それで、言っているのは、例えば区民税滞納が2年ということじゃなくて、これを1年ということにすることだけでも相当緩和されると、1年間は頑張る、しかし、2年はなかなか厳しいという方だっているわけですから、この緩和というのはやってできないことはないと思いますが、いかがですか。
○村木経営室参事(契約担当) 登録要件として緩和の期間を2年から1年に短くするということは、逆にこれは、要するに業者さんを締めつけることになるのではないでしょうか。そういうふうに私は考えます。
○かせ委員 そんなことはないと思いますよ。1年間は努力して、1年分については税金を払う、何とかして払う、そうするといくんじゃないですか。2年をまとめて払うというのは大変ですよ。だから、そういうことで1年にするということは、非常にその負担を軽くするということになります。ぜひ検討していただきたいと思います。
次に、今、地元業者の皆さんがいろいろ仕事をされているときに、営業活動をするときに不信を持たれたりすると、身分証明書を発行してほしい、こういった声があります。また、あわせてお聞きしますけれども、例えば区の発注した公園の小破修理といいますか、そういったことの仕事をしているときに、駐車するのは公園の中にせざるを得ない。そうした場合に、いろいろ不信を買ったり、トラブルのもとになっている、そうした場合に、工事車両証明書、こういったものがあればトラブル解消になるというようなことも言われています。これらのことについてどうお考えですか。
○村木経営室参事(契約担当) まず、身分証明書の件でございますが、職員でない民間人に対しまして区が身分証明書を発行するということはできないというふうに考えております。小規模事業者の事業活動のしやすさという点につきましては、先ほども御答弁してございますけれども、どういった方法が考えられるか検討してみたいと思います。
それから、駐車票の関係でございますが、私どもちょっと直接御答弁できるかどうかはありますけれども、区として駐車票を発行するということは考えていないというふうに聞いております。
○かせ委員 そのほかにもいろいろ質問を準備してまいったわけですけれども、時間の関係上これ以上は無理かなというふうに思います。準備をされた理事者の皆さん、本当にありがとうございました。
私は、今、おっしゃるように区民の生活は本当に厳しい、そういった中で少しでも区民の痛みを軽減させる、そういった施策は当然とるべきであって、さまざまな分野で大いに検討して、よりよい区民生活を守ってほしい、そういう区政になってほしいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。そのことをお願いしまして、私の総括質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○いでい委員長 以上でかせ次郎委員の質疑を終了します。
ここで休憩にしたいと思います。3時25分まで委員会を休憩します。
午後3時05分休憩
午後3時25分開議
○いでい委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き、総括質疑を行います。
伊東しんじ委員、質疑をどうぞ。
○伊東委員 伊東でございます。どうぞよろしくお願いいたします。早速ですけれど、質問のほうに入らせていただきます。
最初は、私道整備事業と生活道路拡幅整備事業についてでございます。私道整備事業並びに生活道路拡幅整備事業は、22年度6月の時点で当該年度予算のほとんどを執行してしまっていると聞いております。それぞれについて質問する前に、両事業の概要についてお伺いいたします。
まず最初は、私道整備事業については、中野区私道整備の助成に関する条例、生活道路拡幅整備事業では、中野区生活道路の拡幅整備に関する条例に基づき、区民からの申請あるいは協議に基づき、区が助成ないし整備を行うものだが、これに相違ありませんか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 間違いございません。
○伊東委員 そうした前提を踏まえまして質問してまいりますけれど、私道整備事業についてですが、最初に19年度、20年度、21年度の私道整備事業の実績について伺います。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 私道整備事業の実績でございますが、平成19年度の実績としまして舗装面積1,799平方メートル、下水道敷設延長が690メートルでございます。平成20年度実績としまして、舗装面積は2,452平方メートル、下水道敷設延長が660メートル、21年度でございますが、舗装面積2,032平方メートル、下水道敷設延長が672メートルとなってございます。
○伊東委員 披見いただいた実績に対する各年度の決算並びに予算額ですけれど、19年度決算額は8,200万円余、そして予算額が1億2,000万円余、20年度は決算額9,100万円余、そして予算額は1億100万円余、21年度決算額8,100万円余、予算額9,000万円余となっております。
そこで、お伺いしますけれど、22年度私道整備事業の予算額は幾らで、対前年度予算比で何%になりますか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 平成22年度の予算でございますが、6,540万8,000円でございます。対前年度比でございますが、70%となっております。
○伊東委員 前年比70%の予算ということで、この22年度の予算で執行できる舗装改良面積、下水道敷設延長の想定は幾つになりますか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 予算編成時の舗装面積でございますが、1,750平方メートル、下水道敷設延長は500メートルを想定しておりました。
○伊東委員 この予算に基づいて、22年度の事業が執行されてきたわけですけれど、本年度8月末の時点で本事業に対する申請の件数、そしてその申請に基づく面積、敷設延長は幾つになりますか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 本年8月末の申請件数でございますが、道路の申請件数につきましては11件、面積が1,306平方メートルでございまして、下水道の申請件数が15件で、延長722メートルとなっております。
○伊東委員 これからは予測のお話になりますけれど、通年平均から推測いたしまして、9月以降申請が予測される件数、面積、そして敷設延長はどのように想定されておりますか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 平成19年度、20年度、21年度の過去3カ年の9月以降提出されました申請件数の平均でございますが、舗装面積、舗装申請件数は3件で、面積が1,168平方メートル、下水道申請件数は6件でございまして、延長372メートルとなっております。
○伊東委員 既に8月末の時点で、年度の当初予算で敷設できている延長500メートル、それに対してもう722メートルということで、申請のほうが上回ってしまっている、そういうことに対して、やはりさまざまな部分から予算が少ないというような課題が上がってきていると認識しておりますけれど、22年度事業費の不足が懸念される総額については幾らと考えますか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 8月末時点でのいわゆる繰り越し分と、9月以降、今後申請が予想される件数の合計から推測しますと、道路舗装関係で6件でございまして、2,730万円余、下水道敷設分が10件でございまして、3,090万円余ということでございまして、当初の予算から比べますと約5,800万円余が不足するというふうに考えているところでございます。
○伊東委員 当初予算が6,540万円ほど、そして今後不足が予測される額は総額で約5,800万円ほどということで、当初予算に匹敵するぐらい年度の予算が不足するんじゃないかということですよね。
この事業に関しましては、先ほども委員のお話がありましたように窓口相談から始まりまして、区のほうの現地調査、そして申請代表者を決めるとか、それぞれの沿道の地権者の方に御承諾いただくだとか、大変な苦労を申請者、区民の方が伴っているわけですよね。そういう苦労を十分承知の上で、どうしてこんな予算を組んだのかという疑問が残ってくるわけですけれど、その点に関して区民の皆さんの大変な協力をも踏まえて、どのように御見解をお持ちですか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 予算の考え方も含めてございますけれども、担当分野としましては、常々区民からの御相談に対して誠意を持って対応させていただいているところでございます。
今年度につきましては、現地調査の結果、例えば生活に直接かかわります下水道については緊急性が高いというふうに判断しまして、下水道の助成を先行させるなどの工夫を行っているところでございます。また、今後は道路陥没等で緊急的に対応が必要な場合につきましては、いわゆる応急的な補修をさせていただくとともに、今後事前相談される区民の皆様方には早め早めにこちらの状況を説明させていただいて、何とか御理解を賜りますよう努めてまいりたいと思っております。
ただ、条例にもございますように、私道整備助成は予算の範囲内で助成をするという制度でございますので、その辺何分とも御理解をいただければと思っているところでございます。
○伊東委員 条例では確かにそのように示されておりますけれど、当初予算が少なめに組んであるんでしたらば、年度当初から、今年度の予算はこれだけなので、事前相談に見えた方に対しましては先延ばしを早期からアナウンスすべきだったと思います。そしてまた、緊急性を伴う事業もあるでしょうから、その辺は誠意を持って対応していただきたい、また、当然本年度積み残した事業分に関しては、次年度の予算に影響を与えるはずです。次年度の予算編成の折にはその辺は十分注意して取り組んでいただきたいとお願い申し上げます。
続きまして、生活道路拡幅整備事業についてお伺いいたします。19年度、20年度、21年度、本事業の申請件数、実績件数、繰り越し件数、拡幅整備延長についてお伺いします。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) まず、申請件数でございます。平成19年度は506件、平成20年度が461件、平成21年度が476件でございました。それに対して実績件数でございますが、19年度が458件、20年度が484件、21年度が374件となっております。繰り越し件数の御質問でございました。平成19年度が36件、20年度が35件、21年度が92件となっております。
拡幅整備の延長でございますが、19年度が4,944メートル、20年度が5,253メートル、21年度が4,319メートルとなっております。
○伊東委員 19年度、20年度、30件ほどの繰り越しがあったと。問題は21年度でございます。申請件数の20%余、92件の繰り越しが生じております。繰り越し分の拡幅整備延長は何メートルで、事業費は幾らぐらいかかるんでしょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 21年度の繰り越し分の整備延長が1,095メートルで、工事費は、工事費ベースでございますが、6,440万円であります。
○伊東委員 22年度予算は幾らで、対前年度比、予算比では幾らでしょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 平成22年度予算では、1億6,018万4,000円でございまして、対前年度比では54%となってございます。
○伊東委員 1億6,000万ほどの事業費ですが、そしてその中には前年度繰り越し分の6,440万円分が既に入っちゃっていると。そうすると、22年度新規については約1億円で工事を行えということですよね。それでよろしいですか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) さようでございます。
○伊東委員 先ほど54%、前年度比ということですけれど、それから6,000万円分引いちゃいますと、前年度比30%ぐらいの当初予算を立てた、これは大変なことじゃないですか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 私どもの生活道路整備事業そのものが、昨年度もしくは過年度からのいわゆる申し込み件数並びに実施件数、途中で実施に至らないケースもありまして、その分が順繰りその翌年のほうに入ってきておりますので、そういう考え方でやっておるということでございます。
○伊東委員 それはわかりますが、19年度、20年度、30件ほど繰り越しがあると。しかし、21年度はその3倍の92件繰り越しています。それに対して、予算は54%に削っていると、それが問題だと思います。そして、この生活道路拡幅事業につきましては、建築行為に伴う申請が、協議がございます。予算がないから拡幅整備は本年度整いません、建築は見合わせてくださいと区は言えるのですか。あるいは、でき上がる建物の前面道路が整備されずに、砂利のままで仮渡しを求めるんですか、建主さんにデベロッパーさんが。いかがですか、その辺は。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 建築行為そのものにつきましては、拡幅整備を行うということが建築着工の条件にはなっておりません。したがって、建築着工はもちろん可能でございます。しかしながら、今、委員が御指摘のとおり、その建築主様の敷地の外溝の一部でありますとか、私ども区が実施する拡幅整備については未了でありますので、建築主様等におかれましては大変な御迷惑、御不便をおかけしているという認識でございます。
○伊東委員 ありがとうございます。この件につきましては、あまりにも決算値を踏まえないで組んだ予算の結果がこういう事態を招いていると、そして一般質問でも区長のほうから、最善の努力をした上で必要とあらば財源的措置を考えていきたいということなので、ぜひ我々会派といたしましては、そうした部分、真剣に取り組んでいただいて、区民の皆さんに最小の影響でとどまるように努力していただきたいとお願い申し上げます。ありがとうございます。
続きまして、平成21年度決算について、最初に一般会計歳出における動向と今後の方針について伺ってまいります。
田中区政において、財政健全化、行財政改革が続けられてまいりました。その中で、職員2,000人体制が示され、平成12年3,283名いた職員が、21年末2,280名に削減され、それに伴い義務的経費である人件費もこの10年間で63億円減少してきたわけです。
一方、扶助費が人件費削減分を上回り、この10年間で88億円増加してきたことも区は十分認識しているところでありますし、同僚委員の皆様も既に何度も指摘しています。
中野区では、職員が行ってきました行政サービスを民間に委託等して、職員を削減してきたわけですが、こうした職員の削減、事業のアウトソーシングは現在の地方自治体に課せられた責務でございます。しかし、アウトソーシングによる委託費が人件費の削減分を上回ってはどうしようもない、元も子もないわけでありまして、その点、現在の財務分析ではそうした点が大変把握しづらくなっております。この10年間で削減された人件費と、アウトソーシングによって新たに生じた委託費等の比較資料はあるのですか。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 人件費の推移と指定管理者等の導入にかかわりまして、人件費が委託料に振りかわったと見られる主な事業についての資料は作成しているところでございます。
○伊東委員 比較により削減されたコストは、年間でどれほどになっておりますか。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 平成12年から平成21年度までは、人件費でいいますと321億円から70億円程度減少しております。一方、人件費から委託料に振りかわったと見られる主なもの、それの合計については30億円増加、その差は40億円ということになってございます。
○伊東委員 こうしてお尋ねしないと大変わかりづらい、そして決算説明書を見ても、どの事業が人件費削減によって新たに委託されているのか、そうした視点でチェックのしようがない決算になっているということで、せっかく取り組まれたものがこうして一々御報告いただかないとわからないというのは大変遺憾だと思いますので、今後改めていただけますようお願い申し上げます。ありがとうございます。
続いて、財政白書の10ページ、性質別歳出決算額の推移からその他の経費がこの10年間で98億円増加し、21年度決算では253億円に上っていることについて伺ってまいります。財政白書では、21年度その他経費が伸びた要因に定額給付金を挙げていますが、定額給付金を除いた21年度その他経費の総額は幾らになりますか。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 今御指摘の財政白書10ページの引用されました表でございます。その他経費が253億円、それから物件費が135億円ということになってございます。決算上は、この物件費とその他経費合わせた額でその他経費というふうに呼んでいまして、物件費だけわかりやすく別計上してあるという御理解でお願いいたします。
ここで書いてございます253億円、それにつきまして、定額給付金について44億円余かかってございますので、差し引きますと209億円という状況になってございます。
○伊東委員 確かにそうですね。総務省のくくりでは多分物件費を入れるということになっているんだと思うんですけれど、中野区の白書ではわざと外していただいております。結果として、20年度に比べ、その他経費は20億円ほど減少しているんですけれど、それでも10年前に比べると52億円ほど増加しております。21年度のその他経費の内訳は、財政白書31ページに記載されておりますが、繰出金98億円、補助費等95億円、このうちに定額給付金が入っていますから、実質は51億円になるんですか。そして、積立金46億円、維持補修費10億円、貸付金4億円となっております。各区分の10年間の推移と特徴についてお伺いいたします。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 維持補修費から、10年間の主な推移、特徴を簡単に御説明したいと思います。
まず、維持補修費でございますが、平成12年度から21年度までの10年間で約4億円が増加してございます。平成18年度から20年度までの3年間は、7億3,000万円から8,000万円の中で推移しているところでございますが、平成21年度2億5,000万円余増加し、10億円ということになってございます。主な増加の理由でございますが、小・中学校維持補修費3億8,000万円の増ということになってございます。
補助費等につきましては、10年間で44億円増加してございます。これは、21年度、委員のほうも御指摘ありました定額給付金、それの増が主な要因でございます。平成14年度からは、42億円から46億円というところで推移していたところでございますが、平成6年度6億円増加し、51億円というふうになりました。この主な要因でございますが、中小企業者退職金共済会準備金不足の補てん3億円、それから年度間所得変動償還金2億円、定額給付金1億円という内容になってございます。平成21年度につきましては、定額金を除けば20年度とほぼ同水準という状況になってございます。
積立金につきましては、各年度の財政状況等によりまして変動しており、積立金の多い年度につきましては18年度の95億円、19年度80億円というふうになってございます。
当市出資金でございます。16年度と20年度行いましたまちづくり中野21への出資金、それが主な内容でございます。
貸付金につきましては、都市開発公社や自立生活資金などが主な内容となってございます。平成21年度、都市開発公社への貸付金が2億4,000万円増加してございます。
繰出金、こちらは各特別会計への繰出金となってございまして、この10年間で18億円増加してございます。80億円から90億円台で推移してございまして、平成21年度は対前年度比で5億円増加してございます。国民健康保険料特別会計への繰出金、そちらにつきましては、被保険者の高齢化による医療費の伸び、また収納率の低下、そうしたもので増加の傾向にあるという状況でございます。
○伊東委員 ありがとうございます。その中で、私が気になる項目について伺ってまいりますけれど、まず補助費なんですが、その内訳について伺いたいと思います。その内容は臨時的な歳出なのか、経常的な歳出なのか、またその動向について――動向は先ほど伺いましたので、性質についてお伺いします。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 補助費等の内容でございます。補助費等につきましても、経常的な補助費、それから臨時的な補助費というような分け方ができると思います。経常的補助費については38億円程度ございまして、内容的には一部事務組合負担金14億円、それから介護サービス事業者運営費補助2億円、私立幼稚園保護者補助4億円などが主な内容になってございます。また、臨時的補助費につきましては57億円ということで、この中には先ほどの定額給付金44億円が入ってございます。そのほかの主な内容といたしましては、中小企業者退職金共済会準備金不足補てん分3億5,000万円、それから一部事務組合負担金、これは臨時分でございますが、3億円、緊急経済対策利子補給3億円、そういった内容が主な内容でございます。
○伊東委員 また後でまとめて申しますけれど、この中のやはり経常的な支出38億円、法的な義務付けられたものもあるでしょうけれど、それが気になってまいります。
続いて伺いますのは、維持補修費についてでございます。数年、7億円台で推移してきておりますけれど、10億円、先ほど要因は説明いただきましたけれど、これは今後の動向はどうなんでしょう。施設白書というものを用意されていますけど、区のほうは。
○柿内経営室副参事(財産管理担当) 維持補修費につきましては、施設数や施設の機能によって決まってくるものでございます。また、施設の老朽化に伴って増えていくものでもございます。施設の廃止が進みまして、施設数が減少すれば、維持補修費も減少すると思われます。
一方、老朽化した区有施設もますますふえていくため、全体としての維持補修費につきましては大きな変動はないものと推測しているものでございます。
○伊東委員 白書のほうでは、20年間総額維持補修費、どれくらい計上されていますか。
○柿内経営室副参事(財産管理担当) 白書のほうでは、今回財政白書の中でのものと施設白書のものとは変わってございまして、施設白書のほうでは全体として改修と改築で約1,000億円くらいということで想定してございます。
○伊東委員 そうですね。そのうち、20年間に要する維持補修費、改修等の経費なんですけど、その辺が764億円、20年間ですから平準化して単年度でいけば38億円にわたるということも、白書のほうでは大体そのようなことを述べられておるんですけれど、その辺の対応は大丈夫なんですか。
○柿内経営室副参事(財産管理担当) ただいま施設の点検とかやってございまして、今後施設の長期保全計画等を策定するように取り組んでいるものでございます。
○伊東委員 7億円が10億円に上がった、これが一時的な要因じゃなく、さらに上がっていくという要素があるんでしたら、早めに対策を講じていただきたいとお願いしまして、結構です。ありがとうございます。
続いて、繰出金について伺います。総額の4割近くを占める繰出金は、この10年間で10億円ほど増加したとのことです。その内訳は、財政白書18ページの表によると介護特別会計への繰り出しが制度開始から13億円増加しております。ただ、ここ数年では横ばい傾向でございます。そして、国民健康保険事業特別会計への繰り出しは10年間で12億円増加しておりまして、特に国民健康保険事業特別会計への繰り出し分のうち、法定負担分を除いた繰出金は10年間で10億円増加していると示されておりますけれど、21年度国民健康保険特別会計への繰出金の内訳とその内容、法的根拠についてお伺いいたします。
○角保健福祉部副参事(保健医療担当) 繰出金の内訳と根拠について御説明いたします。
まず、繰出金46億円を大きく分けますと、法定分として約13億円、それから法定外分として約33億円という状況でございました。そのうち法定外分としましては、13億円の内容でございますが、保健基盤安定繰出金が6億円、こちらの根拠法令につきましては国民健康保険法第73条の3同法附則第24条というのが根拠になってございます。
それから、職員給与等繰出金ということで6億円、出産育児一時金繰出金が1億円余ということでございます。こちらの職員給与と出産育児一時金につきましては、平成21年4月24日付の総務省自治財政局通知が根拠となってございます。
それから、法定外分としての33億円の内訳でございますが、区単独事業分として約9億円、財政調整交付金未交付分として約16億円、保険料収納不足分として約8億円という内容になってございます。
なお、全国的に多数の保険者がこれら法定外の繰り出しを行っておりまして、23区でも全区においてこういった法定外の繰出金を支出しているという状況でございます。
○伊東委員 先ほどの御答弁につきましては、先日の我が会派、高橋議員の御答弁にもあったんですけれど、そのうちの法定外繰り出し分のうちの交付金不足分が16億円、一般会計からその分を繰り出しているという説明でございました。本来、これは国民健康保険法の調整交付金として交付されるべきものですが、不交付の理由についてお伺いいたします。
○角保健福祉部副参事(保健医療担当) 調整交付金の不交付の理由でございますが、ちょっと説明させていただきますと、まず国の調整交付金というのは医療費や被保険者の保険料の負担能力の格差というものに着目しまして、全国の区市町村間の財政力の不均衡を調整するために設けられた制度というものでございます。
そのうち、普通調整交付金につきましては、全国画一的な指標を用いまして、保険者の医療費等負担と、それから保険料の負担能力というものを比較しまして、需要額に満たない場合、その不足を埋めるために交付されるという性質のものでございます。全国規模で調整されるため、比較的被保険者の所得が高い保険者等には交付されない状況というふうに言われております。中野区では、介護分と、それから高齢者支援金分の交付を受けておりますが、医療費分は不交付であるというような状況がございます。
○伊東委員 大変、都区財調と制度が似ているということだと思うんですけれど、そうしますと、国の財調交付金が不足していると、要するに繰り出されない、それに対して東京都、ないしは国保の団体連合会よりの財源的な措置は中野区に対してあるんですか。
○角保健福祉部副参事(保健医療担当) この交付金というのが、財政調整を目的としているということから、ほかからの財源措置はないというものでございます。
○伊東委員 都区財調の場合、中野区はもらう立場ですよね、財調交付金を。不交付団体は2区でしか。港区、渋谷区、そうしたばらつきがある中で、じゃあ、ほかの23区すべて不交付、そういう状態でよろしいんですか。
○角保健福祉部副参事(保健医療担当) 説明が不足して申しわけございません。こちらの国保の調整交付金ということで御説明をさせていただいております。ちなみに、20年度の普通調整交付金につきましては、先ほど中野区は医療分について不交付ということをお伝えしました。23区の状況で見ますと、医療費分、交付を受けているのが9区、それから不交付が14区、介護分につきましては中野区も交付を受けておりますが、15区、不交付が8区、後期高齢者支援金分につきましては、中野区も含まれておりますが、19区が交付、それから4区が不交付といった状況でございます。
○伊東委員 今の御報告、決して財政豊かでない中野区が医療費分いただけていない、そのほか23区でもらえている区もあるということで、もうちょっとその辺については私のほうも調べさせていただいて、次につなげてまいりたいと思っておりますけれど、一方で、もう一つ、中野区の独自の事業に対する繰り出し分と先ほどございました。9億円とのことですけれど、その事業内容と推移について、どうなんでしょう。これからふえていくのか、減っていくのか。
○角保健福祉部副参事(保健医療担当) 区単独事業の内容と推移についてでございますが、こちらの内容は、区事業負担分としましては高額療養費、それから審査支払手数料、出産育児一時金、葬祭費、保険事業の一部というものは、現在、特別区の政策的配慮から保険料の賦課の対象となっていないため、ともに区の費用負担をしているというものでございます。21年度につきましては、総額約9億円ということでございます。
それぞれの内容と推移でございますが、まず一番大きなのが高額療養費となってございます。過去3年間、推移を御報告いたしますと、平成19年度では4億7,900万円余、それから平成20年度では5億4,000万円余、平成21年度では5億500万円余ということになっております。こちらのほうは毎年5億円前後で推移しているという内容でございます。
それから、審査支払手数料につきましては、毎年7,000万円から8,000万円というところで推移してございます。
出産育児一時金につきましても、平成19年度が5,300万円余で、20年度が5,900万円余、21年度も同じく5,900万円、横ばいの傾向でございます。
葬祭費につきましては、平成19年度には1億円を超えておりましたが、平成20年度に75歳以上の方が後期高齢に移られたということで、20年度は4,100万円余、21年度が2,500万円余ということになってございます。
一方、増えた事業につきましては、保険事業の一部の補てんということでございますが、19年度までは4,300万円余でしたが、20年度から特定検診、それから保健指導事業が開始されたために2億1,800万円余、21年度には2億2,300万円余ということで増加しているという傾向がございます。
○伊東委員 大変金額もばかにならないもので、経常的な支出を伴う経費という部分で、制度自体を改めない限りはこれを圧縮していくことはできないのかと思っております。うちの会派でも、山崎議員等がかねてより、こうした部分に関して所得制限を設けろ、あるいは繰り出し分の頭をカットするべきじゃないかというような議論もされているわけですけれど、今度、目標体系を見直していく中で、しっかりとその制度全体をよく考えていただきたいと思っております。
それで、続いて介護保険特別会計に関連して、一般会計より介護保険特別会計への繰出金が、先ほど申し上げましたが、この10年間で13億円増加しておりまして、21年度は26億円余繰り出されております。この介護保険特別会計繰出金26億円と、国民健康保険事業特別会計繰出金のうち介護納付金についての説明をお願いいたします。
○角保健福祉部副参事(保健医療担当) 国民健康保険事業特別会計繰出金のうち、介護納付金についての御説明をさせていただきます。40歳から64歳までのいわゆる介護保険の2号被保険者の方の介護保険料につきましては、医療保険から徴収することとなってございます。当然、国民健康保険料に御加入の40歳から64歳までの方につきましては、国民健康保険で介護納付分保険料として徴収し、介護納付金として社会保険診療報酬支払基金に納付しているというものでございます。
委員がお尋ねになりました介護分の保険料につきましても、保険料収納不足分として国民健康保険特別会計の繰出金から補てんしております。なお、この金額につきましては、約6,000万円補てんということで案分をしてございます。
○伊東委員 同時徴収ですからね、介護保険の部分に関しては国民健康保険。国民健康保険の保険料が納まらないと、必然的に介護保険分も入りにくくなっています。その不足分は、国民健康保険事業特別会計を経由して介護保険特別会計のほうに一財から、今の御答弁ですと6,000万円、不足分だけ、流れているというお話なんですけれど、やはりこの辺も収納率を上げていかなければならないのかなと思っております。
以上、物件費、扶助費、そしてその他経費について質問してきましたけれど、総括としてこれらの増加の要因である経常的に歳出を伴う事業は今後の増減を注視して、場合によっては事業の執行方法や見直しの必要性があるかと思われますが、こうした点について区の見解はいかがですか。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 委員の御指摘の事業執行方法の見直しを行えということでございますが、継続的に経常経費の節減を図っていく、そういった必要があるというところは十分認識しているところでございます。今回、目標体系等の見直し指針及び事業改善方針を各部に示したところでございまして、目標達成や経費節減の視点ですべての事業を再検証する作業を現在進めているところでございます。
○伊東委員 事業の精査と同時に、歳入の確保策が求められることから、次の質問項目に移ってまいりたいと思いますが、ありがとうございます。
次に、2番の財務諸表と区債権収納率向上対策について伺ってまいります。収入未済額、そして不納欠損額について最初にお尋ねしてまいりますが、20年度、21年度の特別区税、国民健康保険料、介護保険料、私債権等の収入未済額、不納欠損額の状況について御答弁お願いいたします。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 収入未済額と不納欠損額の状況でございます。
私債権につきましては、現在管理改善のほうで年間徴収計画を立ててございまして、そちらの計画の中で把握している数字ということで御答弁させていただきます。
収入未済につきましては、平成20年度総額で63億4,900万円、21年度が66億8,800万円、3億3,900万円の増ということになってございます。特別区税につきましては、20年度27億2,200万円、21年度30億3,500万円、国保料につきましては、20年度31億9,000万円、21年度32億1,600万円、介護保険料につきましては、20年度1億3,500万円、21年度は1億2,900万円、私債権分につきましては、20年度3億200万円、21年度3億800万円でございます。
不納欠損額につきましては、合計で20年度12億8,500万円、21年度につきましては13億5,000万円ということで、約6,500万円余増加してございます。
特別区税につきましては、20年度2億6,500万円、21年度2億7,100万円、国保料につきましては、20年度9億6,200万円、21年度が10億2,100万円、介護保険料につきましては、20年度5,200万円、21年度5,500万円、私債権につきましては、20年度600万円、21年度300万円、そういう状況になってございます。
○伊東委員 そうした数字につきましては、各委員御質問も出ています。また、十分皆さん御承知のことだと思うんですけど、やはりこの歳入未済額、不納欠損額に占める特別区民税、国民健康保険料分が大変大きなウエートを占めているということをまず御指摘させていただいて、その後、その収納対策についてはまた後ほど伺わせていただきますが、もう一つ、今回財政白書41ページの貸借対照表について、ちょっと変わった表記というか、総務省のまとめ方が改定されましたので、多少変わってきた部分がございます。その中で気になったのが、借方の部、投資等と、それから流動資産について、回収不能見込み額が計上されるようになりました。前年度まではない表記です。これについて伺いたいと思いますが、投資等、いわゆる滞納繰り越し分の回収不能見込み額は対前年度比6,770万円増の9億5,730万円、流動資産、いわゆる現年度未収金の回収不能見込み額は対前年度比5,774万円減の5億5,237万円と、これを合わせますと、普通会計の回収不能見込み額は15億967万円に上っております。21年度の普通会計の収入未済額の合計が32億1,490万円であることから、その半分が回収不能見込み額に相当するというような感じになっているわけですけれど、あまりにもこの比重というか、額が大き過ぎるんじゃないか、こうした額を計上した根拠は何ですか。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 委員御指摘の財政白書41ページの部分でございます。こちらの貸借対照表の状況について簡単に御説明いたしますと、まず、歳入歳出の決済における地方税、使用料・手数料、分担金・負担金、雑入等について、まず収入未済額のうち前年度以前に調定されたものが長期延滞債権というところで資産の部のほうのところに計上されてございます。
次に、当年度に調定されたもの、それを未収金として区別してございます。貸借対照表、こちら資産の部の2の投資等、(5)不能回収見込額、先ほど委員御指摘の9億円余の額でございますが、長期延滞債権のうち過去5年間の不納欠損累計額を過去5年間の滞納繰り越し収納額と不納欠損累計額を足したもので割って、その不納欠損の割合を出し、滞納繰り越し額にこの率を掛けて算出したというものでございます。したがいまして、滞納繰り越し分に単純に不納欠損分の率を掛けたものではない、収入できたものと不納欠損になったものの割合で、こちら滞納繰り越し分を分けているということから、不納欠損の率は大きなものになっているということでございます。
全体として、確実に収入できるとは言えない額の総計ということで計上してございまして、収入未済の資産評価として厳しく見ているという状況でございます。
○伊東委員 安全側の数値――安全側というのかな、これは。ただ、こういうものが一人歩きしちゃうと困るな。逆に、やっぱり収納率を上げる、滞納を少しでも解消するという視点では、逆にこういうものはあまり表に出ないで、しっかりとした目標を持って取り組んでいただきたいと思うわけですけれど、ありがとうございます。
続きまして、収納率向上対策について伺ってまいりたいと思います。多くの委員が収納率向上、滞納整理事務について質問してございます。また、平成20年度にも収納率向上対策が発表されました。しかし、先ほど御答弁いただいたように、21年度決算においては収納未済額が当時よりも13億円ふえ、74億円、不納欠損額は増減なしの結果となっておりますけれど、この特別区民税、国民健康保険料、介護保険料の対調定額収納率について、19、20、21年度の動向についてはいかがでしょうか。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) それでは、特別区民税、国民健康保険料、介護保険料について、対調定収納率について御報告いたします。
特別区民税でございます。現年度分、平成19年度が26.8%、20年度が26.3%、21年度26.1%ということになってございます。同じ特別区民税について、滞納繰り越し分についてでございます。19年度19.9%、20年度20.9%、21年度23.5%ということになってございます。
国民健康保険料につきまして、現年度分、19年度が84.4%、20年度81.5%、21年度81.1%となってございます。国保料の同じく滞納繰り越し分についてでございますが、19年度20.7%、20年度19.8%、21年度21.2%。
介護保険料でございます。現年度分、19年度が98%、20年度が97.9%、21年度が97.8%、滞納繰り越し分については、19年度15.8%、20年度13.6%、21年度13.3%という状況になってございます。
○伊東委員 いずれにしても、増えたり減ったりしている項目がありますけれど、向上対策、20年度に発表したものですね――につきましては、23年度の目標値が定められています。逆に、それに少しずつ近づいていくんでしたらいいんですけれど、19年度よりも下がってきている数値も幾つかあるわけです。ここへ来ての景気動向、大変影響していると思いますけれど、実際にはどういう収納対策を取り組んでこられたんですか。
○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 21年度の収納対策の主な取り組みを御説明いたします。税と国保につきましては共通する部分があるので、あわせて御説明いたします。
まず、21年度の取り組みとして、特別区民税については滞納整理の強化により、先ほど御説明したとおり収納率の向上を掲げたところでございます。現年度分については、未収金の発生防止を目的に、夜間休日窓口相談、それから電話催告を実施したところでございます。国民健康保険料につきましても、夜間休日窓口相談及び電話催告、そうしたものを行ってございます。また、特別区民税につきましては、12月、管理職と税務担当職員の臨戸徴収、それから国民健康保険料につきましても管理職と保健福祉部の職員による臨戸徴収を行ってございます。ただ、現年度分の収納率については、若干低下したということで、働きかけが弱かったというところで認識してございます。そうしたことを受けまして、今年度につきましては庁舎内の夜間窓口での特別区民税、国民健康保険料の収納業務の実施、12月から特別区民税のコンビニ収納の実施、それから全庁一斉臨戸徴収の実施と、これに連動した電話催告、納付相談の実施など、現年度徴収について取り組みを深めているところでございます。
介護保険料につきましては、平日夜間の電話催告、それから平日の訪問徴収を行っているところでございます。また、年1回、分野全体で休日訪問徴収を行っております。
○伊東委員 大変な御努力、新たな取り組みもされてきたんだけれど、若干下がってきてしまっている部分もあると。ただ、逆に特別区民税滞納繰り越し分の収納率は上がっておりますよね。これについてはどういう対策が功を奏したんでしょうか。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 21年度の特別区民税滞納繰り越し分につきましては、収入率が前年の20.9%から23.5%に上昇いたしました。これは、昨年度より職員個々の担当案件につきまして進行管理表というものを導入し、定期的にヒアリングを行うなど、職員の徴収努力が成果に結びつくような方向付けを行ったということ、それから長年懸案となっておりました高額滞納案件につきまして、交渉をうまく進めることで相当な額を徴収することができたことなどによるものと考えております。
○伊東委員 庁内でのヒアリング、これは事業管理を徹底されたということだと思うんですけれど、それと一つには、やっぱり大きな滞納物件が解決されたということが功を奏したのかなということだと思います。
続いて、債権回収、滞納処分の詳細について伺ってまいりたいと思いますけれど、19年度の税制改正により住民税のフラット化が特別区民税の徴収率に大きく影響しているんですけれど、保険料収入への影響はどうだったんでしょう。住民税のほうは大変苦労されたということなんですが。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 皆様御存じのとおり、19年度の住民税率フラット化によりまして、中野区の納税者の多くを占める税率5%の層の税率が10%に上昇いたしました。住民税につきましては、前年の所得に対する課税であります関係上、当該年度に課税される所得税に比べて滞納になりやすく、結果として比較的少額の滞納者が増加したというものでございます。
国民健康保険料につきましては、この住民税をもとに算定しておりますため、同様の傾向があるというふうに考えております。
○伊東委員 それで、それぞれの委員がいろいろな聞き方をしてまいりまして、低所得者の滞納状況だとかいうことを質問されていますので、質問項目に挙げていましたが、少し飛ばさせていただきますが、実際の滞納処分について少し伺いたいと思います。
地方税法には定めがございますけれど、区の滞納処分の実態、督促件数ですとか、そういったものについて質問したいと思いますが、いかがでしょうか。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 中野区におきます21年度の普通徴収分についての住民税の滞納処分の状況でございます。まず、督促状の発送件数でございますが、延べ10万2,147件、金額にいたしますと延べ42億1,929万2,096円でございます。それから、滞納処分の執行停止件数でございますが、1,251件でございまして、金額が1億1,738万4,301円でございます。それから、差し押さえ件数が462件、金額が3億1,312万4,470円でございます。このうち、差し押さえ件数と、それから交付要求というものを含めたものの中で、差し押さえた金額の中から看過した、つまり取り立てたものの件数と金額でございますが、件数が483件でございまして、金額は1億4,051万6,677円となっております。
○伊東委員 ありがとうございます。大変な督促件数、10万を超える件数、そして滞納処分の停止や差し押さえ件数の増につきましても、9万何千件というものがまだはざまにあると、調査をかけていたり、これから処分をやっていくと、だから大変な問題、これに必死になって取り組まれているのはわかります。ますますの取り組みを精査して行っていっていただきたいと思っております。ありがとうございます。
続いて、国民健康保険のほうについて伺いたいと思いますけれど、今、住民税のほうについて伺いましたけれど、国保のほうの滞納についてはどうなっていますか。
○角保健福祉部副参事(保健医療担当) 滞納処分の状況についてでございますが、まず督促状につきましては、納期が過ぎた翌月に、毎月2万5,000件ほど送付しております。それから、文書催告につきましては、催告書を4月、7月、10月、1月に文書で催告をします。そういったことと連動して、呼び出しについても6月、12月、3月、ボーナス期に合わせた呼び出しをやっております。電話催告につきましては、ほぼ毎日、通年で実施しております。特に9月には、平日夜間それから土日、1週間通して徹底的な電話催告というものをやってございます。ことしにつきましては、9月12日に全庁一斉臨戸やりましたけれども、翌13日から19日にまで、連続してこういった電話催告に取り組み続けたというものでございます。
それから、悪質な滞納者への対応ということで、こちら交付要求も含む件数ですが、差し押さえの件数、19年度には118件、20年度には219件、21年度には244件ということで、こういった差し押さえの件数についてもふやしているという状況がございます。
なお、執行停止、生保に加入した方だとか、不現住など合わせた執行停止については、年間約465件、4,100万円余というような状況がございます。
○伊東委員 ありがとうございます。次に、民間の事業者を使っての回収について伺いたいと思います。要するに、私債権のほうですね。区では、サービサーへの業務委託を行っていると聞いております。その実態と契約方法についてお伺いいたします。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 区のサービサーへの業務委託の実態ということでございますが、これまで貸付金で債権整備の手がつけられなかったもの等を中心としまして、債権回収業者に業務を委託しているところでございます。主な内容としましては、古い債権で時効が来ているものや滞納が長期化しているもので、およそ210件を選び出して委託業務を行っております。
○伊東委員 それに要した委託料はお幾らでしたか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 平成21年度は、年度の途中から、21年の7月から実施しております。ということで、委託費用590万6,250円となっております。平成22年度は、平年度化しまして787万5,000円となっております。
○伊東委員 先日、高橋委員の質問だったと思います。御答弁いただいた、こうしたサービサーを活用しての収納実績、前年度比600万円増加しましたと、これは指標の成果のほうにもしっかりとした数字で出ているわけです。600万円の滞納を整理するために590万円余の予算をかけている、大変な回収困難な案件について委託をしているんだと思うんですけれど、あまりにも費用対効果の点では疑問が生じるのではないのか、それが22年度についてはもう780万円を超えるような数字になっているということになっております。その辺も、これがほかの、それに労力を割いていた職員の方がほかに回って、ほかの事業でよりよい実績を上げているということが目に見えてわかるようでしたらばいいんですけれど、いずれにしても委託の方法をもうちょっと慎重に図っていっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 今、委員の御質問にもございましたけれども、生活援護のほうでは平成20年度は4名の職員が貸付業務を行っておりましたが、平成21年度からは2名という人員体制でやってございます。貸し付けにつきまして、サービサー法に基づいて委託ができるということでは、区でこのまま区の職員を使って実施するということよりも、民間を最大限活用してやっていくというようなことで、まずは古い債権についての整理を、これまでほとんど手が付けられて――付けてはいたんですけれども、なかなか進んではいませんでした。そういう中では、場合によっては債権放棄なども含めた事務処理を進めることによって、まず3年間はこういった形で業務をさせていただき、その後は現年度分の滞納になったものにつきましても債権回収業務委託できますので、そういったところを進めていきたいというふうに思います。
○伊東委員 ありがとうございました。最後に、納付の利便性の確保についてお伺いしようと思いましたけれど、うち、この後4人も控えておりまして、少しでも時間を残したい観点で、ちょっと時間を残したいと思いますが、山崎委員がかつて質問されていました、クレジットカードによる収納、いろいろな課題があると。ただ、ヤフーのほうで公金に対するクレジットカードの集金、要するに納められる、公金支払いシステムが既に稼働していまして、23区で、住民税では荒川区、豊島区では国民健康保険料の決済が可能となっています。これはもうホームページからすぐ探せる部分であります。より一層の納付の利便性の確保について検討いただきたいとお願い申し上げます。
さまざま質問してまいりましたけれど、経常的な支出を抑制して、なおかつ事務事業の見直しは必須だと思っております。単なるPDCAという言葉がお題目にならないようにお願い申し上げて、すべての質問を終えさせていただきます。ありがとうございます。
○いでい委員長 以上で伊東しんじ委員の質疑を終了します。
以上で本日の総括質疑を終了します。
次回の委員会は、明日、9月29日(水曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
以上で本日の決算特別委員会を散会します。
午後4時29分散会