平成21年09月03日中野区議会厚生委員会
平成21年09月03日中野区議会厚生委員会の会議録
平成21年09月03日厚生委員会 中野区議会厚生委員会〔平成21年9月3日〕

厚生委員会会議記録

○開会日 平成21年9月3日

○場所  中野区議会第3委員会室

○開会  午後1時02分

○閉会  午後4時54分

○出席委員(8名)
 長沢 和彦委員長
 内川 和久副委員長
 伊東 しんじ委員
 奥田 けんじ委員
 かせ 次郎委員
 山崎 芳夫委員
 岡本 いさお委員
 佐藤 ひろこ委員

○欠席委員(0名)

○出席説明員
 子ども家庭部長 竹内 沖司
 子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当、男女平等担当) 瀬田 敏幸
 子ども家庭部副参事(子ども健康担当) 町田 睦子
 保健福祉部長 金野 晃
 保健所長 田原 なるみ
 保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 野村 建樹
 保健福祉部副参事(保健予防担当) 山川 博之
 保健福祉部副参事(生活衛生担当) 古屋 勉
 保健福祉部参事(健康推進担当) 岩井 克英
 保健福祉部副参事(福祉推進担当) 伊東 知秀
 中部保健福祉センター所長 鈴木 郁也
 北部保健福祉センター所長 大橋 雄治
 南部保健福祉センター所長 高里 紀子
 鷺宮保健福祉センター所長 大石 修
 保健福祉部副参事(障害福祉担当) 朝井 めぐみ
 保健福祉部副参事(生活援護担当) 黒田 玲子
 保健福祉部副参事(保険医療担当) 柿内 良之
 保健福祉部副参事(介護保険担当) 遠山 幸雄

○事務局職員
 書記 菅野 多身子
 書記 鳥居 誠

○委員長署名

審査日程
○議題
 母子の健康について
 保健衛生及び社会福祉について
○要求資料の提出
 1 ペット等飼養にかかわる苦情相談の状況について(生活衛生担当)
○所管事項の報告
 1 中野区基本構想の改定の視点について(子ども家庭部・保健福祉部)
 2 「新しい中野をつくる10か年計画(第2次)」素案について(子ども家庭部・保健福祉部)
 3 平成22年度国・都の施策及び予算に関する要望について(子ども家庭部・保健福祉部)
 4 中野区次世代育成支援行動計画(後期計画)中間のまとめについて(子ども家庭部経営担当)
 5 平成21(2009)年度保健福祉に関する意識調査について(保健福祉部経営担当)
 6 新型インフルエンザに係る区の対応について(保健予防担当)
 7 「ペット等飼養に関する条例制定に向けた考え方」に関する関係団体との意見交換会の中間報
  告について(生活衛生担当)
 8 上告事件及び上告受理申し立て事件の決定について(保険医療担当)
○その他

委員長
 定足数に達しましたので、厚生委員会を開会します。

(午後1時02分)

 それでは、本日の審査日程についてお諮りしたいので、委員会を休憩します。

(午後1時02分)

委員長
 委員会を再開します。

(午後1時02分)

 本日の審査日程ですが、お手元に配付の審査日程(案)(資料1)のとおり審査を進めたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように進めさせていただきます。
 なお、審査に当たっては3時ごろに休憩を入れ、5時を目途に進めてまいりたいと思いますので、よろしく御協力をお願いします。
 それでは、議事に入ります。
 母子の健康について、保健衛生及び社会福祉についてを議題に供します。
 7月23日の委員会で要求のありました資料、ペット等飼養にかかわる苦情相談の状況についてをお手元に配付してありますので御確認ください。
 それでは、先ほど休憩中に御協議いただきましたとおり、要求資料1番と所管事項報告7番は一括して補足説明を受けたいと思います。
 本件について補足説明を求めます。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 まず最初に、ペット等飼養にかかわる苦情相談の条件についてという資料について御説明申し上げます。(資料2)
 前回、資料要求の趣旨としましては、飼い主のいない猫へのえさやりの苦情件数についてということでございました。これにつきましては、お手元の資料の下段2番のほうの相談件数のうち、現場等での指導件数の表の上から5番目になりますが、えさやり苦情という段にございます。平成18年度は34件、19年度は40件、20年度は56件という数字でございます。そのほか、死体処理とか不妊・去勢とかという項目もございますので、あわせて御確認いただければと思います。
 引き続きまして、ペット等飼養に関する条例制定に向けた考え方に関する関係団体との意見交換の中間報告につきまして御報告いたします。(資料3)
 この意見交換会は、動物愛護関係の団体や日ごろ飼い主のいない猫対策で活動している団体などと、この条例制定の考え方について意見交換を行っているものです。なお、意見交換会では、前回の厚生委員会で報告しました条例制定の考え方の内容に基づき説明を行い、御意見をいただいております。
 お手元の資料の1に記載のとおり、8月中に……。
委員長
 ちょっとすみません。委員会を休憩します。

(午後1時05分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後1時05分)

古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 お手元の資料の1に記載のとおり、8月中に3団体との意見交換を実施し、9月には5団体との意見交換を行ってまいります。本日、主な意見として報告する内容は8月に実施しました3団体のものであり、9月に実施します5団体の意見につきましては、第3回定例会・常任委員会におきまして再度御報告させていただきます。
 では、2番の主な意見でございます。内容としましては、まずペットという用語についての御意見や、動物が嫌いな人からの意見聴取の必要性、また、飼い主のマナーについては小さいころから、あるいは学校など、教育の場においても普及・啓発が必要であるということ、また飼い猫の識別としての登録制度などについて御意見がありました。
 次に、裏面のほうをごらんください。まず、飼い主のいない猫に関してでございます。ここでは主に条例制定により活動が難しくなること。中野区でも飼い主のいない猫を減らすためのガイドラインを定めてはどうか。また、不妊・去勢手術費用の助成は早く実施してほしいこと。地域で合意を形成していくときには、区にコーディネーター的にかかわっていただきたいこと。さらに飼い主のいない猫を減らしていくための活動を広く区民の皆さんに知ってほしい。そのための普及・啓発を区にお願いしたいなどの意見がありました。あとカラスなど、野生動物へのえさやりの問題や第三者委員会の設置に関すること、迷惑行為に関する判断基準についての御意見などがありました。
 以上、雑駁でございますが、意見交換会の中間報告について経過を報告させていただきました。
委員長
 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
かせ委員
 雑駁な報告ということですけれども、それを感じます。もう少し丁寧にやってもらってもよかったかなと思うんです。
 それで、今回の報告は3団体の報告、3団体との懇談であると。9月は5団体ということですけれども、この団体というのはどういう方なんでしょうか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 日ごろ保健所の事業でいろいろと御協力いただいている、例えば獣医師会であるとか、あるいは動物愛護団体、あるいは飼い主のいない猫でもいろいろな情報提供等をいただいている団体がございます。そういう団体と意見交換会を実施していく予定としておりました。
かせ委員
 それでも、今の説明だとちょっとわからないんですよね。陳情も出されておりますけれども、小さなグループとか、そういった方たちも入っているんですか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 日ごろ保健所のほうにいろいろと御意見等をいただいたり、あるいは情報提供をいただいたり、そのような団体につきましては、一応お声かけをして意見をいただくようにお願いしたところでございます。
かせ委員
 それで、現在までは3団体、あと予定しているのが5団体ということですけれども、こういったことで全体の活動をされている方たちは網羅されるというふうに思っていますか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 もちろん、ほかにもいろいろと活動していらっしゃる団体、小さなグループとかはあるかと思います。私どものほうで承知しているところは、ここで予定をしています合計8団体ということでございます。
かせ委員
 この問題ですけれども、ペットの問題というのは長い長い歴史がありまして、人類の歴史と同じぐらいに長い歴史があるわけで、非常に身近な問題であるということなんです。そういうこともありますので、5団体というふうにこだわらないで広く呼びかけて、いろいろな方たちとの懇談というのは必要だろうと思うんです。ですから、そういうお考えはないんでしょうか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 今の段階では、まだ条例制定に向けた考え方というのは議会のほうで御議論いただいている状況でございます。まだ固まっている状況ではございません。今後、第3回定例会に向けて議会のほうでまた御報告して、その後で固まり次第、今度は一般の区民の皆さんとも意見交換を行っていきたいと考えております。
かせ委員
 私、逆立ちしているんだろうと思うんですよ。だから、固まってからではやっぱり物事はなかなか動かないわけですから、固まる前にどれだけ多くの区民の皆さんの意見が反映されるかというのが一番大事なことだと思うんですよ。ですから、今の段階に団体をこれだけに絞り込むということではなくて、例えば広報、区報であるとかインターネットであるとか、いろんなものの媒体を使ってこの問題について意見を求めていると。話し合いをしたい人については来てくれとかこちらが行くとか、いろいろな方策をとりながら、幅広く意見をやっぱり集約していくというのが大事だと思うんです。ですから、私はまとまってからということじゃなくて、今こそそういう姿勢に立つべきだと思うんですが、どうでしょうか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 今回はこれまでの検討の経過を前提にお話、御説明をし、そしてそれについて日ごろ事業にかかわっていろいろとお世話いただいている団体であるとか、あるいは日ごろから御意見をいただいている団体のほうに、直接生の声をお聞きしていく予定にしているところでございます。
かせ委員
 非常に不満です。やはりもっともっと丁寧なやり方をすべきだというふうに思います。
 それと内容なんですが、3団体との主な意見、それを見てみますと、2ページ目になりますか。この中で飼い主のいない猫ということで、やはり一番危惧されているのは条例制定についてですよね。これは中黒の5番目あたりにもあるんですが、「区民は飼い主のいない猫活動について認識がない。そのため、今のまま条例を制定すると、餌やりを行っている人が犯罪者扱いされかねない。条例を制定する前に、飼い主のいない猫活動についての普及啓発が必要である」というふうに言われているわけですけれども、今、えさやりの問題ね。これはやむにやまれずということだろうと思うんですよね。動物愛護の精神、そういうことからすれば、野良猫であろうと飼い猫であろうと、やはり命あるものは大事にされなきゃいけないし、それを虐待してはいけないし、それが動物愛護の精神だというふうに思うんですが、本来野良猫みたいなものに対して、行政がしっかりやらなきゃならないのにやられていないと。やむにやまれずこういうえさやりをやったりなんかしているということを犯罪視されるのは、本当はやりきれないという、こういう思いがあるわけですよね。
 当委員会の中でも前回ですが、この条例化をすることによって迷惑条例じゃないかとか犯罪視されるのじゃないかとか、同じような意見が出ているんですが、この辺が一番危惧するところだと思うんですよ。こういう方たちの思いに対してどのように思っていますか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 地域の中で住民の方々が、飼い主のいない猫でいろいろな大変な思いをされているというのはよく理解しているところでございます。そうであるからこそ区としましては、区の責務事項としても、飼い主のいない猫が近隣に迷惑をかけないようにしていくための必要な防止措置を促進していくということを区の責務としても上げていく考えでございます。こういうことによって地域の中で一定のルールづくりをしていきたい、そのように考えております。
かせ委員
 前回、この条例の中で言われていましたけれども、やはりそこのところが罰則の問題が入っているんですよね。委員会のやつで罰則というか、あれか。前回の資料ですと、これは11、そのあたりですね。「区長は、9 の勧告を受けた区民等が、正当な理由なく従わないときは、命令することができる。」とか、12には罰則なんていうことがあるわけですよね。こういうことになりますと、やっぱりえさやりをすることが犯罪視されるということになりますよね。問題はそこにあるのではなくて、やはり陳情者の方が言われているように、そういう野良猫、これがふえていかないためにさまざまな施策をとると。それはだからボランティアの活動として、陳情者の方たちは不妊手術等を実際にやられていると。だから、不妊手術についての助成をということなんですよね。もともとはそれが出発であったし、それから前期の委員会ではそのことについては全会一致で議決されているということですから、それはそれできっちりやってもらわなきゃいけない。それとセットでこの条例が出てきたということが、やはりいろいろ複雑な問題を起こしていると思うんですよ。ですから、モラルの問題であるとか動物愛護の精神であるとか、そういうものはだれも異存はないと思うんです。ただこういうことで、罰則を含めたものをやるということについてはこのように危惧はされていると思うんです。ですから、これは私はそういうふうに思っています。
 それと、カラスの問題ということです。カラスにえさを与えている人がいるということですけれども、与えてはいけない。これはモラルの問題としてやればいいと思うんですが、飼い猫と野生動物の違いというのはやっぱりしっかり区別しないとまずいと思うんです。ですから、この意見の中で区民の皆さんは条例に向けて非常に不安を持っているということのあらわれだというふうに思います。そういう思いについてはいかがですか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 今、罰則とかというお話がございました。一定のルールを定めていくものですから、ルールを遵守していくためには、最後は法機関的なものが必要だろうという考え方もございます。ただし、私どもは今、こういういろんな苦情につきましてはまず現地のほうに赴いて、何度も指導や注意を繰り返して、それでもなかなか従っていただけない場合には、ここの考え方にありますように勧告であるとか、あるいは場合によっては命令を出す場合については第三者的な委員会で、さらにそこで御意見をいただくと、求めるというような慎重な手続も用意してございます。そういう中で、このようなルールについては運用していきたいと考えてございます。
かせ委員
 いろんな仕組み、それを執行するためには、委員会をつくったりなんかをするということですけれども、やっぱり一番問題なのは罰則を含めた条例、命令に従わなければこういうことになるよということが一番の問題なんですよ。本来はルールとかモラルであるとかということについては、これは合意を得ながら、罰則じゃなくて、ルールとして確立していくというのが、それが一番の改善策ですよね。これをこういう形で、実際にはなかなか罰則ということには行かないというかもしれないけれども、条例を持っていくということ自身が圧力になっているわけですよ。それでまた、それを金科玉条にこういう罰則も含めて、おまえたち、何でえさをやるんだということで、善意でやっている方たちに対していろんな見方をするということになってしまうと、これはルールとして、モラルとしてもやっぱり後退してしまうということになると思うんですね。ですから、私はこういう罰則を含めてあるような条例化というのは、やってはいけない問題だというふうに思っています。
委員長
 よろしいですか。御答弁を求めるものじゃないですね。
かせ委員
 ないです。
奥田委員
 資料の御提出ありがとうございました。まず、お出しいただいた資料の中身を確認させていただきたいんですが、前回のお示ししていただいた資料、中野区における動物施策の実施内容についてという、別紙2でお示しいただいたものがあったと思います。その中で、1の(1)の苦情処理等の中で、中野区保健所で受け付けたものの苦情の処理の分類が、鳴き声とふん尿と悪臭と放し飼いで、その他という分類になっていると。それに対して、問題として7月23日にお示しいただいた考え方についての資料の中では、飼い主のいない猫の事項として、迷惑行為として具体的に出されているものが、鳴き声、ふん尿、悪臭、えさの放置等という形で、えさの放置というものが具体的に明記されていて、それに対して対応するものがないのはどういったことかということで、迷惑行為を具体的に名指ししているわけですから、もしそれに対応するものがあるのであればお示しいただきたいということでありました。
 比較して見てみますと、今回はタイトルというか、件数の名前が変わっているんですね。苦情処理等というふうな表現をしていたものが、今回の資料では1番で電話・窓口受付相談件数となっております。つまり前回の私の理解した、受け取ったイメージでは、苦情が来て、それに対して具体的な対応をした総数がここに示されているという理解をしていたんですが、実際にはこの総数というのは現場等に足を運んだのではなくて、窓口、電話での対応をしたもの、受け付けたものの総数ということであるということがわかったわけであります。一方で、えさの放置についての状況がわかるかということでお尋ねしたんですが、電話・窓口の受付相談の件数という意味では相変わらず同じ資料になっておりまして、ここはわからないということなのか、わかるけれども分類はされていないということなのか、そのことをまず教えていただきたい。
 それから、2番の相談件数のうち、現場等での指導件数という具体的なアクションを起こされたものについての詳細が出されているんですが、これについて見ますと、えさやり苦情という形の分類として、経年的に件数がふえてきているような状況があります。しかし、中野区の認識として、えさやり自体を迷惑行為としているわけではないわけですよね。えさの放置ということが問題として位置付けているわけですから、このえさやり苦情ということを問題として定義してしまうと、えさをやること自体が問題なんだという立場で中野区が立っているような表現にとれてしまいます。まずは1点目のこの電話・窓口での受け付けが、えさの放置というところの分類ができたのか、できなかったのかというところ、それから相談件数のうちの具体的なアクションの場合で、具体的に書かれているのが、えさの放置というものについての表現をちょっとえさやり苦情というふうに書いてしまっただけで、本来の趣旨としてはえさの放置ということなのか、この2点をまず確認させてください。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 1点目でございます。この1番の電話・窓口受け付け相談件数の中に、その他というところなんですけれども、その他の中ではえさやりに関して何件というとり方は特にしてございません。それに絡むということで、今回実際に現場等に赴いて解決させていった件数を別にとっていますので、その中でえさやりの苦情の関係が経過がわかればということでしたので、こちらの資料を今回提出させていただきました。
 二つ目の御質問で、区のえさやり苦情の内容なんですけども、これにつきましてはえさの放置ももちろん含まれていますけども、それ以外にそれにまつわるえさのあげ方等について、ほかの苦情も含まれているものでございます。
奥田委員
 そうすると、具体的におっしゃった内容は、前回の資料の考え方についてで示していただいた中の、えさの放置等という表現と同じ意味だというとらえ方でよろしいんでしょうか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 先ほど指摘いただいたえさやり等の中に、それ以外の苦情、近隣への迷惑をかけているという状態を含めた形で考えています。
奥田委員
 少し対立が生まれやすいここは内容ですので、えさやり自体に問題があるのではなくて、やり方であるとか放置されている状態が迷惑を生ずるということだというふうに中野区もとらえていらっしゃるわけですから、ここについては少し慎重な表現をしていただいて、仮に区民の方がこの資料をごらんになっても、中野区がえさやりを悪いというふうにとらえているわけではなくて、その中身の問題、あるいは放置の状況が迷惑な状態につながるといった認識だということがわかるように、ちょっとここのあたりは少し注意深い取り扱いをしていただきたいと思います。
 そういったえさに関する問題については、現場対応の件数自体はふえていて、行政としても何らかの対応が必要な状況であるということは、ここから読み取ることもできるわけですけれども、いずれにしても、資料の扱いについては白黒つけがたいような内容を含んでいるもの、あるいは誤解を生じやすいものについては、やはり慎重な対応をしていただきたいと思います。これについては要望でございますので結構です。
 引き続き、新たに中間報告として出していただいたものなんですが、最終的な報告については合計8団体の報告を次回、定例会中にというお話でありました。実際にこの団体へのヒアリングというのは、区内の中野区が把握されている団体すべてという扱いなのか、それとも区内の重立った、あるいは抽出した部分的な母集団の一部として聞かれたものなのか。この8団体という位置付けがどういうものなのか教えてください。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 日ごろ保健所の事業等で関係している、あるいはいろんな会議等がございますが、そういうところで御参加をいただいている、そういうような関係者で団体というのはすべて対象にしております。
奥田委員
 そうすると、すべてとおっしゃったのは、中野区として把握できている団体が8団体だという、そういう意味でいらっしゃいますか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 保健所で把握している、私どもが事業を進めている中でかかわっている団体という意味で、8団体でございます。
奥田委員
 そうすると、潜在的な活動をされている方、あるいは団体の方というのは、恐らく把握を超えて複数存在するとは思うんですね。当然、積極的に行政とのかかわりを持たれている団体だけではありませんし、個人としても継続的にやられている方もいらっしゃると思うんですね。そういった潜在化している方に対して、この条例で想定している団体というものがあって、現状ですと8団体しか把握できていない中で、仮に何らかの助成であるとか支援といった働きかけをする場合に、行政が予定するというか、働きかけができる対象というのは極めて限定的になろうかと思うんですけども、それに対して、潜在化している個人であるとか団体に対しては、何らかのコンタクトはおとりになることは考えていらっしゃいますでしょうか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 今後いろんな支援をする事業とかというときには、必ず区報やその他の広報等で呼びかけを行って募集等を行っていきます。そういうときに、潜在的な団体につきましても、私ども個別にいろいろと対応させていただくというふうになるかと思います。
岡本委員
 8月の暑い中、団体の皆さんとこういう意見交換をされたことに、非常に御苦労さんと言いたいと思います。
 細かいことはちょっと質問しませんが、この表題にある意見交換会の中間報告ということでございます。あと5団体等をやった後にその報告が出るんでしょうが、これをずっと見ると主な意見として、参加団体の方からの意見だけが羅列してありますよね。意見交換ですから、キャッチボールをしているはずなので、そういうことがこの報告にあらわれるような書き方をしていただきたかったなという思いでいます。ですから、これはそれぞれの団体の方がこういう思いでいますよというだけのことで、区はこれに対してこうだというようなやりとりがあったのがなかなか表現が難しいんでしょうけど、そういう報告でないと、意見交換会という表題にはちょっとそぐわないような気がしております。書きにくいんだろうけど極力努力して、区はこれらのことについてこういう説明をした。それがまた理解が得られたかどうかということまで書くと、相当こういう報告書としては複雑になるにしても、そういう報告にぜひともしていただきたかったなと思うんですが、どうしてこの意見を聞いただけで一つの意見交換会の報告にしてしまったのかだけ、ちょっと伺います。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 現在この条例制定に向けての考え方というのは、議会のほうで御議論いただいているところでございます。まだ固まっている状況ではございません。そんなこともございまして、正確な文書という形ではこれには載せてございません。ただし意見交換会の場では、それぞれについては今現在の区の考え方を説明したところでございます。
岡本委員
 報告書となりますと、これだけがひとり歩きしますよね。すると、区はこれだけ時間を使ってずっと皆さんの、この団体の方はまじめに取り組んでいる団体ではないかと思うんですが、そういう方の意見を伺いましたという報告書にどうしてもなってしまいますよね。それに対して区はこういうことを説明した、納得いかない場合もあれば、その部分は納得したというふうになるかわかりませんが、そういう報告ではないと、意見交換会の中間報告ではないということを言っているんです。そこで説明をしてやりとりをしたならば、それを細かく書くのは難しいけども、こういうことをこの団体の方には区は説明しましたというのがないと、中途半端になるんじゃないかと思うんです。同じ質問になりますけど、どうしてそうされなかったんですか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 通常ですと、きちんとこの条例制定については、今後確定した後にはパブリックコメントとかという、そういう手続もございます。それを前提とした意見交換のときには、きちんとした区の考え方も示して報告していきたいというのは考えています。
岡本委員
 先のことじゃなくて、この報告のことを言っているわけですよね。いずれもし条例を制定したいというなら、そういう方向まで一つの仕組みやルールがありますが、それをやっていくということはわかるんですが、この報告書だけがひとり歩きしたときに、区は何にも説明しないで、ただその団体の皆さんから聞いた意見の主な部分だけをまとめたということになるので、少なくともそういうことについては区はこういう説明をしましたという、1行でも2行でもそれぞれのところにないと、これだけいろんな人が見た場合には、どうしても区はただ時間をかけて意見なり要望を聞いただけで終わったような報告になるのは区としても残念なことだし、またこれを見た人も非常に中途半端になるんじゃないかと思うんですが、それはきちっとやるべきではなかったのかと思います。もしあとの5団体等をやられるのであれば、そういうことをきちっと報告するならば、区の考え方をこういう書類の中にもぜひとも示すべきではないでしょうか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 これまで私ども厚生委員会の、こちらの議会のほうで御説明した内容等は同様に、意見交換会のほうでも実施しております。ただし議会に、こちらのほうに示していない内容もいろいろとございますので、今後はこちらのほうも検討していくこととしております。まだ途中の経過ということもございますので、今回は団体側の意見ということで報告させていただきました。
岡本委員
 そうであれば最初にそう言って、中間報告、意見交換会だけど、とりあえず本当に主な意見を羅列するような形に今回の報告はさせていただきますということでもあればそうかなと思いますけど、これはそのまま読むと意見を交換したと。どういう交換をしたかなと見ると、区のほうは何も話をしていないみたいになってしまうのは、報告書としては中途半端というか、不備ではないかなということを指摘しておきます。あとの5団体と意見交換会をしたときには、そんな形で報告いただければ、またそこで質問したいと思います。
山崎委員
 僕も厚生委員会に久しぶりに戻ってきたので、経緯がよくわからないんですが、要は前回からお話を伺っていると、条例制定に向けて区民の皆さんの思いと、皆さんがどうして条例制定をしたいのかというところで意見が違うような気がするんですね。平場で両方の意見も私どもも聞いておりますと、罰則規定だとか区長の命とかというようなことが条例に入って、そこまでしなくても、東京都のガイドラインだとかルールだとかというものをきっちりまずもってやればいいじゃないのかというのが区民の皆さんの思いのような気がするんです。しかし、皆さんはそれも踏まえて条例制定をしたいんだと、こういうことなんですが、条例制定をするということについての皆さんの思いが区民の皆さんに僕は届いていないし、今もこの委員会でも全然出てこないんですね。私が前回の厚生委員会でお聞かせをいただいた説明では、区の責務というのはしっかり書かれるんですね。逃げられないんですよ、区は条例制定をしますから。そういう意味では区民の皆さんは賛同してくださると思うんです。しかし、その条例の内容によっては、とてもデリケートになっているということなんじゃないかなと。
 皆さんのお話をしたいことかどうかはわかりませんが、私は自民党の総務会長として側聞するには、不妊だとか去勢だとかさまざまそうしたことが条例制定をする中で明らかになって、補助金なりどういう団体に支給をするか、支給の方法、さまざま具体的には問題が出ますが、区の公金を支出するという視点に考えて立つと、規則や内規で定めるよりも条例できっちりそれを定めて、皆さんからいただいた税金をきっちり使うというような思いが条例制定には僕は入っているのじゃないのかな。こんなことを皆さんの代弁を僕はするつもりはないけど、私はそう思っているんです。それなのにどうしてこういうふうにすれ違っちゃうのかなと。罰則なんだ、ルールよりもっときつい区長の命みたいなものを押しつけるんだみたいな形で受け取られちゃうのか。条例制定の仕方によっては僕は反対じゃなくて、とても喜ばれる条例の制定、条例制定すること自身に反対する人はいないと思うんですよね。その条例の制定の仕方と中身と皆さんの思いだと思うんですが、いかがですかね。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 前回のこちらの厚生委員会のほうでもいろいろな御指摘をいただきました。それらを踏まえまして、また意見交換会での御意見も参考にしながら、第3回定例会において必要な修正等を入れて行って、改めて区の考え方を示していきたいと考えてございます。
山崎委員
 それでいいけど、僕はせっかく皆さんの思いを代弁して理解してあげたつもりなんです。しかし、東京都を見ると、条例制定をしなくたって補助金を出せるところはあるんですよ。不妊や去勢の手術に助成金を出せるところもあるんです。しかし、中野区はそうでなくて、しっかりと法律と根拠を持って出すほうが、タックスペイヤー、税金を払ってそれを支えている人たちにも公平でわかっていただきやすい制度だからと、僕はこう思っているんですが、皆さんそうじゃないんですか。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 この条例の経緯というのは、飼い主のいろんな義務とかをきちんと守っていただけるようにということから出発しています。それによって人と動物とが共生をしていく。あるいは飼っている人、飼っていない人たちがお互いに理解をし合う。そのような社会を目指しているということでございます。
 地域の中では動物の飼養に関して、あるいは飼い主のいない猫等の飼養等に関していろんな問題があり、近隣の迷惑等が発生している。そういうことにつきましては、きちんと区としてはルールを定めて、それぞれの例えば活動をしている方々は活動がしやすいようにするとか、あるいは迷惑をかけているような方々に対してはきちんと禁止事項については守っていただくというようなことをして、全体を調整していきたい。そういうような条例を目指してございますので、つきましてはそういう区の施策をきちんと条例の中に根拠も出していきたい。このように考えているところでございます。
山崎委員
 ちょっとしつこくなるけど、そうならガイドラインでいいじゃないですか。何も条例制定をすることはないじゃないですか。東京都のガイドラインでいいじゃないですか。23区でそうやっているところはたくさんあるんでしょう。そうじゃないんでしょう、皆さんが思っているのは。もっとルールだけじゃなくて、しっかりと区の責務を書いて、これは難しいんですよね。とてもこうしたものについては好きな人も嫌いな人も、いいとか悪いとか、あるいは政治問題にできない非常にデリケートな問題だから、逆にルールやマナーという形のほうがうまくいく場合もある。しかし、条例にしたいというその意味が、今の答弁じゃ全然わからないですよ。マナーを守ってもらいたいならマナーをつくって指導していけばいいじゃないですか。決定的な条例にしたいんだという根拠が見えてこないんですよ。もうこれ以上言わないけれど、私たちはそう受け取って、今回のこの制度についてうちの党は党のほうで結論を出していきますがね。
金野保健福祉部長
 この件に関して、条例の制定の考え方という形でお示ししているんですが、基本的にはこれまでの経過として、ペット等との共生に関する懇談会ということで、さまざまな形、ルールだけではなくて、飼い主がいない猫の問題、それから公園での犬の運動等の問題、また災害時のペットの避難の問題など幅広く議論してまいりました。そうした大きな課題につきまして、全体として区の責任も明確にし、役割も明確にし、また共通で守るためのルールを明確にするということから、一番きちんとした形としては条例であるというように考えております。これは毎年の予算というように、区の裁量で条例を定めた場合はできるものとまた違った意味合いになりますので、区としては条例の責務という形で、必要な施策は実施しなければいけないということが伴うものでございますので、一番しっかりした形は条例だということで、それで進めたいという考え方でございます。
岡本委員
 先ほどの答弁で、活動している人がこの条例でより活動しやすくするために条例をと答弁がありましたよね。すると、この3団体の方は、多分日常活動している団体の方が出ているんじゃないかなとは思うんですが、その方たちがこの条例で自分たちの活動がよりしやすくなったというような、そういう話は出たんですか。今、条例をつくることによって、活動している人たちがより活動しやすくするために条例をつくるとおっしゃったでしょう。それに対して団体の方、多分活動している団体ではないかと思うので、その人たちがもう条例を待っていますよというような意見ではないような報告じゃないかと思うんですよね。その辺は副参事が思っている条例制定に対して、こういう活動をしている団体の皆さん、全部じゃないですけど、この三つの団体の方だけを見ても、条例については条例でない方法があるんじゃないのというような意見が多かったように書いてあると思います。その辺はどういうふうに意見交換会をして、区としてそれをどうとらえたのか御答弁ください。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 3団体のうち2団体は飼い主のいない猫の活動をしている団体でございます。そちらのほうでは、やはりこの条例制定によって活動しにくくなる。えさやり禁止条例だと。そんなような受けとめ方をされてしまっていて、なかなか私どものほうの考え方が正確に伝わっていないなという感じはしております。
 また、もう1団体は動物愛護推進員の方々でございます。そちらの方々は、やはり基本的な動物愛護、あるいは飼い主の方々のマナー向上というのがございます。そういう方々から見れば、逆に飼い主の皆さんに対して、きちんと飼養の義務とか遵守事項というのはきっちり条例の中で定めて守っていただくと。そういうことが必要であるというような形で、私どもとしては受けとめているところでございます。
岡本委員
 これでやめますけど、説明の仕方、区の考え方がよく伝わらないということもあるんでしょうが、それ以前にこの条例制定をした後にどういうデメリットが生じるかということを考えてみると、やっぱりそこに懸念を、あるいは危惧を抱いている。そして、今順調に地域猫としての活動ができるところまでそれをストップさせたり、あるいはせっかく地域がうまくいっているのに、逆に分断してしまうようなことにこの条例によってなることをおそれているからではないかと私は思うんですけど、そういう意味で説明の仕方とか思いが伝わらないということもありますけど、そのほかのいわゆる有害なカラスとかそういう問題と違って、一番苦情も多いえさやりのことについて、そこをしっかりするのであれば、まずそこだけルールやガイドラインをしっかりつくって徹底して、港区や新宿区や東京都でやっているようなやり方で、飼い主のいない猫の地域問題として、地域猫としてやるような、そういう仕組みは条例なしでもできるわけです。そういうことの観点がないので、条例できちっとやりたいという思いが、この条例をつくった後にどんな地域での混乱が起こるかということを心配していてこういう意見が出てきたんじゃないかと私は思うんですが、その辺は.相変わらずやっぱり条例ありきでもってやるんだということに決めて、そういう方向でいるのかどうか。それも含めてちょっと御答弁ください。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 今の飼い主のいない猫の問題になりますと、やはり基本的には地域の問題である、課題であるという認識をしています。そういう解決には、やはり前回もこちらの委員会のほうでいろいろと御指摘いただきましたけども、地域における合意形成というのが非常に重要であろうということを私どもも認識しております。そういうところはきちんと今後検討していきますが、考え方としても示せるように、示せる案ということで検討していきたいと思います。
 それから、委員も言われたようにルールと。大体のお話でございますけども、これもやはりきちんとえさやりの方法であるとか、あるいはふん尿の処理とか、あるいは不妊、去勢、あるいは近所の合意をいただくとか理解をいただくとかというようなこともきちんとルールを定めて、別途それも条例とあわせて検討はしていきたいと考えています。
伊東委員
 今回いただいた意見の中で意見聴取方法、これが一番端的にあらわしているのかなと。好きな人たちだけでなく、嫌いな人たちの意見も聞く場をつくったほうがよいと。
 この議論を聞いていまして頭に浮かんだのは、それこそ中野区だからなのか江戸時代の犬公方、お犬様の問題、いき過ぎてはかえって大きな課題を抱え込むということになるんじゃないのかなと。この中で、ペット等の飼養に関する部分のマナーを徹底しようという部分では、私も当然だろうと思います。ただ、問題の飼い主のいない猫に関する活動について、この条例を定めることによって活動を続けていらっしゃる方は逆にマナー、要するに迷惑行為に対しての判断基準がどうとられるのか心配になる。一方で、でも徹底的に嫌いな人はこれが金科玉条になって、えさやり行為自体を認めてしまうんじゃないかという相反する考え方を当然持つ人もいらっしゃるので、今、条例を進める前に、もうちょっとそういう意見を広く吸い上げる場というのがあったほうがいいということ。
 もう1点、区のほうの姿勢が見えてこない。先ほど山崎委員もおっしゃっていましたけれど、区としてやっぱり飼い主のいない猫、これは当然何代か続けば野生化していく中で、区としてそれを捕獲して、積極的に区が去勢手術をするというようなスタンス、それが見えてこない。あくまでも区民の方の自主的な活動によるところを目指しているという部分で、区としては何らかの直接的な対応がとれないのか。それをとるためには条例が必要なのか。その部分がはっきりと見えてこない。その辺をもうちょっと整理しないとよくないのかなという気がしてやまないんですけれど、いかがでしょう。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 一つ目の御質問で、えさやりを認めてしまうのではないかというようなお話がございました。やはり地域の中には飼い主さんのいない猫の活動をされている方々と、それに伴って、逆に不適切な管理等によって迷惑をこうむっていらっしゃる方々もいらっしゃると、そういうこともございます。したがって、そういうところのルール化といいますか、中野区は中野区版のやはり何かそういう定めが必要なのかなというふうに感じます。
 あと、区の飼い主のいない猫に対する姿勢ということで、やはり今のお話に関連しますけども、団体に対する支援ということも考え方の中ではうたっております。それともう一つは、そういう支援を通じて一定のルールというのをきちんと明確にしていきたい。そういうことによって、地域の中においても適切な管理による飼い主のいない猫の活動ができるようになると考えております。
伊東委員
 お伺いしたいのは、飼い主がいなくなった猫について、これはえさをやり続けて営々とやっぱりこの地域で生き続けるということがあったほうがいいのかどうかという、そういう議論の中で、専門業者に例えば依頼して、捕獲の上、去勢手術というような方策を区は考えるだとか、区の職員みずから行うのではなく、そういうことまでやっぱりいろいろ検討してみて議論すべきじゃないのかなと。その辺が、区のスタンスが見えてこない。これはずっと命あるものですから、その生涯を全うするまでという考え方はわかるんです。でもその一方で、やっぱりすべてに対応することというのはまず不可能な議論でもありますし、その中で中野区がそうしてやってくださる民間の団体の人たちの支援だけ、ただその団体をどう認証するのかという議論だって当然出てくることです、この先。個人でもマナーを守っている。だから、その人たちがやっていて、それが捕まえる努力をしてくださっている。その方が捕獲して去勢手術をします、助成をお願いしますという先の議論にも当然なってくる話だと思うんですね。そうなったときに、じゃあその猫は本当に飼い主のいない猫だったのかどうかという、そこまで議論が及んでしまう可能性だってあるんじゃないのかなと。だから、もうちょっと慎重に議論するとともに、区のスタンスも明確に打ち出すことを考えてほしいなと思うわけです。ちょっと今の御答弁だとずっと平行線、今までの条例の考え方について、基づいた説明を繰り返すのみということで、暗礁に乗り上げてしまうような気がしてならないんですけれど。
古屋保健福祉部副参事(生活衛生担当)
 猫の今捕獲とかという、区のほうでというお話もございましたけども、犬と猫は違うという、制度上の違いがありまして、なかなか猫については登録制度もないし、捕獲ということはもちろんできません。むしろ動物愛護という、動物愛護法でもうたわれていますけども、そういう考え方に基づいて、この対策というのは進めていくべきだろうと区としては考えてございます。
 例えば新しい飼い主を見つけるとか、そういうことも、団体の方々でも努力されているところもあります。そういうことに対してもどういう視点ができるか、そんなことを行政としては考えるべきだろうと私どもは考えております。
委員長
 他に質疑はございませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 よろしいですか。それでは、質疑がなければ以上で要求資料の提出及び所管事項第7番の本報告については終了いたします。
 それでは次に1番、中野区基本構想の改定の視点について及び2番、「新しい中野をつくる10か年計画(第2次)」素案については補足資料の説明を受け、一括して質疑を行いたいと思います。
 本件について補足説明を求めます。
瀬田子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当)
 それでは、中野区基本構想の改定の視点について、「新しい中野をつくる10か年計画(第2次)」素案について、前回8月10日の委員会で御報告をいたしました本件に関連いたしまして、本日お手元に追加資料といたしまして、素案の主な改定内容についてということで配付をさせていただきました。(資料4)現計画の第2章部分の柱立てが、ごらんの資料の左の枠組みに示してございます。そして、真ん中の枠組みが、今回の素案の第2章部分の戦略展開の部分になります。このうち所管という部分でおめくりいただきまして、戦略3、元気いっぱい子育て戦略、それから、3ページのほうに戦略4、健康・生きがい戦略、戦略3が主に子ども家庭部所管、戦略4が主に保健福祉部所管になります。
 それぞれの戦略につきまして、右側に主な改定内容ということでお示しをしてございますが、そこにございます内容等を踏まえまして、それぞれ現計画から素案における展開の組み立てにつきまして、変更部分を対比してお示ししてございます。
 戦略3、2ページでございますが、例示をいたしますと、現在の計画の展開2、虐待ゼロのまちをつくると、展開3、地域が支える子どもと家庭、ここの部分の展開を統合いたしまして、素案では新たな展開2といたしまして、地域ぐるみで支える子どもと家庭という形で整理をしてございます。虐待防止ですとか早期予防等を含めた形での一貫性のある支援、地域子ども家庭支援センター等の展開などを視野に入れたものでございます。そして、他の項目も同様にお読み取りいただきたいと思いますが、太い矢印で示したところは展開の統合、それから点線部分の矢印で示したところにつきましては、それぞれ主な改定内容を踏まえて項目の表現を改めたものでございます。
 また、4ページになりますが、現計画で行政革新として第2章に盛り込んでいた部分につきましては、今回の素案では第3章の領域4などにお示しをしてございます。さらに下段になりますが、4ページ、素案の第2章部分で新たにごらんのような重点プロジェクト、なかの里・まち連携事業、以下三つの重点プロジェクトを盛り込んでいるところでございます。
 以上、追加資料の補足説明とさせていただきます。
委員長
 質疑はございませんか。
 ちょっと待ってください。
 休憩します。

(午後2時03分)

委員長
 委員会を再開します。

(午後2時04分)

 質疑はございませんか。
かせ委員
 今の補足もされたわけです。改定の主な内容ということですけれども、実は古いやつといろいろ調べて突き合わせてみたんですか。かなりの変更があるんですよね。ここで網羅されているのかどうなのか、かえってわかりにくくなってしまったんですけれども、例えばこの際ですから、いろいろ変更の点があって、たくさんあり過ぎちゃって、ちょっとちゅうちょするところもあるんですが、絞り込んでかいつまんで質問させていただきたいと思います。
 例えば、今度の場合には指標の問題であるとか計画の目標値であるとか、かなりの部分にわたって変更されているんですよね。どうしてそういうふうに変更されたのかということについての説明が十分されていないんです。
 具体的にお聞きをしてみますと、例えば104ページですが、「だれもが等しく社会参加ができるまちづくり」ということですが、ここで成果指標と目標値というのがあります。これは「性別による固定的な役割分業意識を持たない区民の割合」ということで、31年度は90%、26年度が85%、20年度実績については書いていないんですが、5年前のものですと、平成16年のところでは71%、それから現行のところですと80%になっているとか、これが……(「それはもう前のやつですよね」と呼ぶ者あり)104ページ。例ですけれども、このように目標値が下がっているというようなところも散見されます。それだけじゃなくて、いろいろなところにあるわけですけれども、こういうのはどうしてそうなったのかという説明がない。もうちょっと詳しくこの辺を説明してもらえますか。目標、指標、それが変わった。どうして変わったのかということ。
瀬田子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当)
 今、104ページの例を挙げていただきましたが、その例で言いますと、現行計画でも26年度の目標値が85%ということで、変更はないというふうに考えてございます。全体といたしまして、当然のことながらこれまで使ってきました成果指標、目標値については、現時点におきましてさまざまな観点から実績ですとか評価、検証を踏まえて、また内部評価等の毎年のそういった御指摘等もいただきました。そういったところを踏まえまして新たな目標値、また施策の内容によりましては指標そのものを修正しているといったようなところも出てきてございます。ということで、ちょっと全体としての説明を補足すれば、そういったような趣旨で今回変更させていただいております。
かせ委員
 今の説明ですけれども、現行の21年度目標というのが今のところですよね。これは80%になっているんですよね、現行ではね。20年度実績というのはないでしょう。書いていない。これはどうして書いていないんですか。
瀬田子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当)
 この指標につきましては、毎年の区民世論調査でとらせていただいていたんですが、実は区民世論調査につきまして、この指標については、今後調査の項目として除外をしてございますので、別の形で、同じ指標ではございますが、調査をさせていただきながら指標をとっていくといったようなことで、20年度実績につきましては世論調査、その調査から外れているということで数字が入ってございません。
かせ委員
 もうちょっとわかりやすいところがあるのかな。138ページあたりですけれども、これは高齢者の就労・社会貢献の支援ということです。これを見てみますと26年度目標値、これは現行だと60%ですよね。これが30%になっているんでしょう。それから、20年度実績のところでいうと33.8%が22.6%というふうになっていると。これはこっちのほうがあれなんですが、こういうことが全体的に変更されているんですよ。その説明がされていないんです。これはこれだけの問題じゃないですよ。全体的にわたってそうなんです。この辺はどういうふうに、区民の皆さんのところへ行ったらもっとわからなくなってしまうんだろうと思うんですね。前の資料を持っていないわけだから。
瀬田子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当)
 成果指標、目標値においては現在素案の形でお示しをしてございます。御指摘のように、現行の指標等との細かい部分についての変更点ですとか、特に数値の増減等が大きくあったようなところについては、やはりそういったものも含めた形で、今後計画案等にまとめていく段階におきましても、できる限り、また地域意見交換会も今後予定されてございますので、そうしたところでもしっかりわかりやすい説明を心がけて進めていきたいと思ってございます。現在のこの素案の段階での内容につきましては、一応お手元の資料ということで御容赦をいただければと思います。
かせ委員
 それで資料なんですが、そういう数値というのは全然ないわけですよね。それで、具体的に検討するときには目標であるとか数値であるとか、そういったものがやっぱり資料になるわけでしょう。こういうふうに文書で書かれているだけだとわからない。だから、区民の皆さんに出すときには、そういう目標値とか数値であるとか、そういったことがわかりやすいような説明がないとわからないと思うんですよ。それはぜひ検討していただきたいと思います。
 それと、122ページですけれども、領域Ⅲの支えあい安心して暮らせるまち、この中に人々が自分の健康や暮らしを守るために努力しているまちという中で、そのずっと下のほうの現状と課題のところに書いてあることですけれども、ここで高齢期に入る前からの介護予防のための取り組み云々というところで書かれている中で、生活習慣病のことが言われています。生活習慣病のことで特に注目されているのが、糖尿病、高血圧、高脂血症ということですが、前のところでは、その問題が125ページで主な取り組みですよね。ここでは生活習慣病として、糖尿病、高血圧、高脂血症というふうに書いてあるんですが、糖尿病対策、同じ資料の125ページです。こちらのほうを見てみますと糖尿病対策による健康づくりということで、糖尿病に特化されているというような記述があります。ほかにもあるのかもしれないんだけれども、読んでいくと違った文章というか、違った表現方法になっているというところもあるんです。これはちなみに122ページの問題と125ページの糖尿病対策による健康づくり、この特化した問題と、これはどういうふうに説明されるんですか。
岩井保健福祉部参事(健康推進担当)
 今、御指摘いただきました122ページの件でございますけども、生活習慣病を予防するというような認識をまず述べているところでございます。生活習慣病の中でも、糖尿病、高血圧、高脂血症などについては、かかっている有所見率は3%ふえているということをまず述べた上で、その中でも糖尿病についてはさまざまな合併症を併発するという、またそれらを踏まえて、その結果要介護状態になっていくというようなことも今後考えられますので、生活習慣病で3疾病について、122ページで掲げましたけども、その中で特に糖尿病については、今後積極的な予防対策について区としては進めていきたいというような考え方を述べているところでございます。
かせ委員
 私は122ページ、全体的な問題で、糖尿病にかかわらず、ここにあるように高血圧や高脂血症、これらの高血圧、高脂血症というのは、いろいろな病気に発展していく最初のステップになる場合が多いですよね。だから、その辺のところからきちっと管理していかなきゃいけないということになるんですが、だから、糖尿病に特化するというのは、やっぱりあまりにも荒っぽいと思うんです。もうちょっと総合的になるべきだというふうに思います。
 それと、糖尿病対策による健康づくりですけれども、自己管理を支援するための総合的な対策を進めるというような言われ方があります。それで今、糖尿病の問題で言えば、若年性糖尿病といいますか、小児の糖尿病という方たちもいるわけですよね。こういった方たちというのは自己管理云々というよりも、やっぱり小さいときからそういう要因を持って生まれてきてしまったとか、そういうことになるわけで、こういった方たちに自己管理を支援するということには当たらないと思うんです。ですから、糖尿病ということを一つにとっても、もっと幅広い対応というのが必要になってくるというふうに私は思うんですが、いかがでしょうか。また、自己責任論ということで片づけられない問題もあると思うんですが、いかがですか。
岩井保健福祉部参事(健康推進担当)
 まず先ほどの高脂血症、高血圧などの取り組みでございますけども、同じ125ページの一番上のところに、健康的な生活習慣の確立支援というようなことを述べております。健診、または保健指導、このようなことを重視することによって、例えば食生活の改善、または身体活動、さらには禁煙支援と。このようなことを含めた保健指導を充実することによって、高脂血症、高血圧などの予防に努めていくと。このようなことも区としては明らかにしているところでございます。
 また、糖尿病については若年、小さいときからの糖尿病ということの御質問でございます。ここには特定健診、長寿健診、健康づくり健診と、このようなことについて特に力を入れて、そんなようなことのハイリスク者に対するかかわり方を述べているところでございます。さらに若年層について、これまで保健福祉センターでの相談であるとか学校での相談であるとか、さまざまなことについて取り組んでいるところでございます。
かせ委員
 ほかにも結構あるんですが、例えばついでですから、136ページ、障害者の問題が書かれているところがあるんですけれども、ここの指標も20年度実績が18.1%ですけれども、前回のやつだと、いわゆる年金・手当以外の一般就労による定期的な収入のある障害者の割合では、30.7%であったのが18.1%に逆に下がっているという状況があるんですね。その原因というのはどういうことだったんでしょうか。
朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当)
 この指標につきましては、今回成果指標を変えました。一般就労による定期的な収入のある障害者の割合という中に、前回の現計画につきましては福祉作業所などに勤めている人、福祉作業所の利用者を入れていました。ただ、今回改定に当たりましては、福祉作業所ではない一般就労をしている人の割合を把握し、その目標値を高めていくべきであると考えまして、このように改定しております。そのため、パーセントについては福祉作業所の利用者を除いていますので、下がっている結果となっています。
かせ委員
 福祉作業所については除いてしまったということですけれども、まさに福祉作業所のところでいろいろ問題があるわけです。やっぱり実態に合わない手当の問題だとか利用料の問題だとか、いろいろあるわけですよね。単純にそれを除いてそうなったということですけれども、それではちょっと問題があるんだろうと思うんですね。それだったならば、今の福祉作業所に対する就労支援の問題であるとかといったことについても考えなければいけないんですが、ここには障害者就労支援施設への発注を拡大というようなことも言われております。現行の99ページに、これについて、企業内通所授産事業の推進ということがあるんですが、これはどういうことなんでしょうか。
朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当)
 福祉作業所についての工賃のアップなど、そこでの課題はもちろんあるというふうに認識していますが、ここで出しました成果指標につきましては、一般就労を進めなければいけないという目標に照らして、指標を設定しているものになっています。
かせ委員
 チェックしたところがいっぱいあるんですけれども、全部やっているわけにはいかないのであれですが、やはり議論すべき点というのは結構見当たるんですよ。ですから、この10か年計画について、そういうところまで含めてわかりやすく議論されなければならないし、もっともっと資料についてもそうですし、今後の進め方についても非常に気を使って多くの皆さんの意見が反映されると。そういうような進め方を要望しておきます。
佐藤委員
 190ページのところに、これからの施設配置について書かれています。(仮称)すこやか福祉センターについてですけども、仲町にまず1カ所、中部で先にできますよね。その後南部で、ステップがかなりずれていきますよね。一番最後に鷺宮ということになるんでしょうけれども、子ども家庭支援センターを地域に展開したときに、各児童館に機能だけは同時に展開していったりしましたよね。(仮称)すこやか福祉センターという機能を、例えば施設を待たずに、一応仲町の部分はもう来年度ですから、それでもちろん当然先行していくにしても、その後のほうが随分やっぱりおくれますよね、配置が。そうすると、こちらは(仮称)すこやか福祉センターで一括的にサービス提供がいろいろと相談もできるんだけども、ほかのところでは保健福祉センターが残っている形になりますよね。その辺の地域の格差が出てくる部分に対して、もう少し期間の溝を埋めるような工夫策というのは何かできないのかなというふうに思っているんです。施設整備の前に組織とか連携体制とか、機能だけは先にほかの地域でも、もちろん施設ごとの連携の上に立つしかないんですけれども、つくっていくとか、そういうことというふうなことは考えられないのかと思うんですが、いかがでしょうか。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
 今、委員から御指摘いただいた点については、大きな課題だというふうに思ってございます。仲町の(仮称)すこやか福祉センターができ上がった以降、最後が鷺宮、あるいは沼袋の小学校施設跡地、こういったところへの展開まで少しスパンが広いということもございますので、まずはこのすこやかというところで何をどうするのかといったようなことの次には、できるだけそういった地域間格差が出ないような方法というのを、組織のあり方も含めまして検討しているというところでございます。
佐藤委員
 とりあえず来年度、(仮称)すこやか福祉センターを立ち上げて、そこで本当にどういう連携体制ができるのかというところを先行してやってみて、さまざまな不十分な点も出てきたときに、ある程度の工夫策も必要になってくるのを見届けなくちゃいけないという部分もあるんですけれども、ある程度見届けた段階では、できるだけ地域間格差をなくすような形での組織とか連携のあり方を考えて、施設ができるまでを待たずに、何らかの検討を進めていただきたいと思います。
 それから、同じ190ページの障害者自立支援施設等のところです。「等」というところで、障害者の分野ということで広くくくってあるわけです。東中野小学校の跡地にそれを持ってくる。最初、東中野小学校には介護施設というふうな言い方をされていたんじゃないかと思うんですけれども、それが今回障害者施設という形での位置付けにしますということとか、アポロ園跡地もそんなふうに使います。それから、中野五丁目3の用地というのは、今自転車の保管場所になっているところですよね。あそこもずっと地域の方たちにとって、びん・缶の集積所のときからいろいろと御心配をいただいた土地であります。そこに障害者自立支援等施設を持ってくるということがここに打ち出されているわけです。そういう施設がふえることはすごくありがたいんですけれども、地域的な要望、ニーズとか、どういった自立支援施設が今足りない、さまざまな事業展開をしながら障害者の分野ではここの部分が足りない。そこの部分を、だからこういうふうな土地を手当てしていくことによってふやしていくんだという思いがあるからそう書かれているんだと思いますけども、その辺を御説明いただけますか。
朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当)
 ここで障害者自立支援施設等の中で考えていますのは、新法移行後も含めましたそういった民営の作業所、もしくは障害者福祉事業団の現在の場所が老朽化しているところから、そういったところへの施設を想定しているものです。
佐藤委員
 今ある施設の移動だけなんですね、御説明いただいたのは。新たに何かをつくるというんじゃなくて、じゃあここの今示されている三つの土地に対して後で、どこかに書かれているところがありますね。ちょっと御説明いただけますか。何が、事業団がどこに移るんですかとか、そのあたりをちょっと。
朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当)
 193ページのところに、今後活用方法を検討する施設等というのがございますが、そこの下から2番目のところに、新井福祉作業施設を中野5-3の用地へ移転するというふうに出しております。これが現在障害者福祉事業団が入っている新井福祉作業施設になります。ここの施設が障害者福祉事業団が今後機能強化するに当たりまして狭いということがございまして、中野5-3の用地に移転をするということで書いてあるものです。
 それから、先ほどの障害者自立支援施設などにつきましてですが、現在民営の作業所などで手狭であって、今後新法移行後、機能を拡張するに当たりまして、場所を探している団体・法人などもございますので、そこに何らかの場の提供ができないかということと、区内における就労移行支援といった事業所がまだ少なくなっていますので、そこの施設などの活用についても検討をしていくということに考えているところです。
佐藤委員
 じゃあ、五丁目の用地は事業団が移ってくることを予定していると。アポロ園とか東中野小学校とかは民間の作業所で場所を探していらっしゃるところに、そこを提供しようというふうなことで考えていらっしゃるわけですね、今の御説明でいくと。
朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当)
 探しているところももちろん地域的なものですとか、いろいろな立地条件などもあるかと思いますけれども、区内の作業所で今現在狭かったり用地を探している団体・法人などに対して、ここの利用についても検討いただくように働きかけというか、そういったことを伺っていきたいと考えています。
 なお、先ほどちょっと説明が足りなかったんですが、障害者自立支援施設等の二つ上のところに中野福祉作業所というのが出してございます。これにつきましても、中野福祉作業所が今後機能を強化していくに当たりまして、現在老朽化して狭い施設となっていますので、あわせて中野5-3の用地に移転をして開設するというのを計画はしているところでございます。
佐藤委員
 では、東中野小学校跡地とかなどは、これから作業所をどこか新しくやりたいんだというところが、そこをお使いになることを進めていきたいということでしたね。いずれも民間の方たちということですね。
 中野五丁目の用地とかは新しく建物を建てますよね。東中野小学校はもちろん校舎利用ということを考えていらっしゃるんでしょうけれども、それは区でおつくりになるんですか。それともこれから民間活用ということで、保育園も皆さん土地を貸して民間でつくっていただくということですよね。事業団も法人さんですよね。ということで、民間法人さんということで事業団に建物も建てていただくということで、中野福作は今、区の施設ですよね。その辺は転換するときに民営化を考えていらっしゃるのか、そういういわゆる建物に対する経費負担もあります。そういうことではどのようにお考えなんでしょうか。
朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当)
 中野福祉作業所につきましてはここに書いてございますように、移転に当たりましては民間活力を活用して移転をするということを想定しています。全体、中野5-3の用地への建物の建設につきましては、まだどういった施設がどのような運営形態で入るかということが決まっていませんので、あわせて建物の建設方法についても今後検討していくことになります。
佐藤委員
 既存の施設を使われるところはそれなりにいいんでしょうけれども、新しく施設をつくらなくちゃ新しくサービスが拡大できないところは区でやるのか、民間法人さんのお力をかりるのかというところで、随分やはり区のこれからの財政投入の仕方が変わってくると思います。そのところの方針をどうしていくのかも含めないと、次の中長期展望の財政計画のところにも入っていきますので、やはりそのつくり方の部分についてもきちっと詰めた議論をしていただきたいと思います。
 158ページのところに戻りますけれども、豊かで適正なサービス供給の促進ということで、介護保険サービスの基盤整備支援と障害者自立支援の基盤整備ということで書いてありますが、今後進めていくというところで、介護保険ではショートステイなどの今不足している在宅サービスの充実を図る。それから、小規模多機能介護施設を誘致していくということが、さらに誘致していくグループホームなどと書いてあります。この整備については、もちろん民間法人さんがされるわけですけれども、その誘致していく、あるいは充実していくことに当たって、いわゆるこういう土地活用はされていくというふうに考えていらっしゃるんでしょうか。そうすると、どういうところをその対象として、今具体的に考えていらっしゃるのか教えてください。
遠山保健福祉部副参事(介護保険担当)
 先ほど委員の御指摘がございましたように、190ページに福祉関連施設というところで小規模多機能、それから認知症グループホーム、いわゆる委員のお話のように民間事業者が、介護事業者が運営するものではございますが、区有地の活用という点では、私どもが考えているのは住吉保育園跡地を活用しましてこの小規模多機能、それから認知症グループホーム等を考えているというところでございます。いわゆる区有地の定期借地権の設定をして、区有地を活用して、事業を行っていただきたいというふうに考えています。
佐藤委員
 とりあえず、住吉保育園を小規模多機能、グループホーム等を誘致しようということで具体的考え方、そのほか、それだけじゃないですね。1個だけじゃないですよね。進めていくのにはまだ具体的にはないですけども、例えば今後活用を検討するところで193ページにたくさん上がっているのが、キッズ・プラザの整備に伴い、廃止する児童館だったり保育園だったりするわけですよね。そういうところを考えていらっしゃるのか。もう少し具体的に検討していることがあれば教えてください。
遠山保健福祉部副参事(介護保険担当)
 そのほか介護保険関連施設といたしましては、192ページの4番目でございますが、現在未利用となっている区有地の活用ということで、東中野5-17の(仮称)東中野区民活動センターの用地に特別養護老人ホーム、いわゆる特養を誘致したいという考えを持ってございます。当初は東中野小学校跡地に小規模特養という考えを持ってございましたが、活動センターの配置等の考えを進める中で、こちらのほうには小規模ではなく、29以下のベッド数ではなくて広域型といいますか、ここの場所では50以上のベッド数の特養が誘致できるのではないかと、こんなふうに考えてございます。この10か年計画の素案の段階では、想定しているのは区有地活用ということでは以上のところを考えてございます。
佐藤委員
 特に東中野地域に集中をしているわけです。東中野地域はそれなりに東中野小学校の廃止を含めて、区民の方たちがさまざまな不安とかいろんな思いをされている地域ですので、区民活動センターになる土地だと思っていたところが違ってきたり、いろいろするわけですよね、今回の素案の提示によって。その辺はより本当にきちっとした区民の方との意見交換とかが必要だと思います。それは今後、もちろん心がけていらっしゃると思いますけれども、お願いいたします。
 じゃあ、児童館とか保育園とか、そういうところはまだそこまでは、これは区全体の話になりますけれども、これからふやしていくということで言えば、そういうところも部としては考えていらっしゃるということなんでしょうか。それとも、そこまではまだ全然、ふやしていきたいけども、具体的にどこということは考えてはいないということでよろしいんでしょうか。
遠山保健福祉部副参事(介護保険担当)
 21年度から始まってございます介護保険の事業計画では、今お話しした数以上のいろいろな介護関連施設を整備することを想定してございますが、現在区有地を活用ということでは、今、委員の御指摘のあった施設を考えているという段階でございます。
佐藤委員
 それと、障害者自立支援施設のほうですけれども、ここでは相談機能、ケアマネジメント体制の整備が必要である。それから、短期入所のための施設やグループホームなどの必要な施設を誘致するということで書いてありますが、まず施設のほうです。短期入所とかグループホームとかをより今以上に整備していくということですけれども、その辺は、先ほどは作業所をつくり変えていくんだというお話でしたけれども、その辺で今御検討されているところがあれば、具体的にどこにどんなふうにさらに整備をしていこうというふうにお考えなのか、お聞かせください。
朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当)
 グループホームにつきましては、今、障害者のグループホームは最大でも10部屋まで、大体できているのが4部屋から6部屋までということで、一般の民間の一戸建ての家を改装して整備される場合が多くなっています。そういった住居の性格からしまして、区の用地を活用してというより、区内の中で出てきたそういった物件についてグループホーム化し、その中で短期入所についても一定数確保をしていくような方策が一番現実的となっております。それで、現段階で何年かにわたってふえていくという想定の具体的な予定はまだ立っていない状態ですが、東京都の整備費補助を使って整備が進められるように、区として支援をしていきたいと考えています。
佐藤委員
 在宅生活がより長く続けられるようにしていくためには、ホームヘルプももちろんのこと、短期入所、あるいは一時保護といいますか、そういうところ。今まで不足しているじゃない、もっと計画どおり進まないんだというところで申してきましたけども、それが計画どおりふやされていないというところがある割には、その部分は余りどうしていくのかが見えないでさらっと書かれているだけなんですよね。今までの計画でできていない部分がはっきりしている部分については、じゃあこれからの計画でどう具体的に詰めていくのかというのをもうちょっと見える形にしないと、全然これを見ていても期待が持てないですよ。言葉どおりいつもさらっと言っているだけだなと感じなので、その辺はもっと不足しているんだから不足している短期入所や一時保護についてはこうしていきますというめどは、まだやはり打ち出せない状況なんでしょうか。
朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当)
 グループホームにつきましては、必要とされている数に対してはまだまだ足りない状況というふうに認識しておりますが、ここ1年のうちに二つないし三つ開設が進んできています。いずれも一般住宅の改装によって、地域の住宅地の中で地域に溶け込んで暮らしていくような状況を整備することができていますので、そういった方向で整備を進め、それでもやはり足りないようであれば、またその段階で検討していく、そういったことで考えているところでございます。
佐藤委員
 じゃあ、グループホームに短期入所とか一時保護とか、併設する形で検討しているということでいいわけですね。
朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当)
 はい。日中一時支援につきましては現在の施設、生活介護などの施設も検討対象に加えたいと考えていますが、短期入所につきましては、グループホームの整備の中でできるだけ整備をしていく。そういった方向で考えているところです。
佐藤委員
 これで最後にしますけども、本当にもうちょっと具体的なことが見えるような記述にしていただければと思います。
 相談支援をはじめ、ケアマネジメント体制の整備のところ、これもすごく重要課題で、介護保険ではケアマネジャーさんがいてプランを立てて、それなりに自分でなかなかコーディネートが不可能な方も、そういうところでのサービスの総合的な調整を図ってもらえる。だけど、高齢で障害がある方は、介護保険のケアマネジャーさんは障害の部分まではケアプランできないわけですよね。そういうところで障害部分との橋渡しが必要な方、それから障害者だけの方は自分でマネジメントができない方、知的の方とか精神の方とか、そういう方たちのマネジメント体制をどうしていくのかというのを、本当に区だけではもちろん取り組めない問題だと思うんですけれども、国の法律の問題もありますし、国の支援策の問題もありますが、区としてここにケアマネジメント体制の整備というふうに書かれているからには、具体的にどんなふうにやっていこうという思いを今していらっしゃるんでしょうか。ケアマネジメント体制の整備というのは前から確かに言われていることで、課題であったわけです。それを今ここにもう一回言葉だけで載せただけでは、またなかなか難しいだけに終わっちゃうような気がします。これをどこにやってもらって、どんな担わせ方をして、どんなふうな支援体制をつくっていくのかというので、もっと具体的なところを考えていかないと、この整備は進んでいかないような気がするんですけれども、その辺はどのように考えていらっしゃるのか教えてください。
朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当)
 この相談支援をはじめとするケアマネジメント体制につきましては、(仮称)すこやか福祉センターがオープンする中で、そこの相談支援につきましては高齢介護、それから子どもとの連携のとれた一元的な相談体制を確立したいということと、ケアマネジメント体制につきましても、地域の中でのさまざまなサービス資源を組み合わせて提供できるような、(仮称)すこやか福祉センターができて地域の中にそれが、施設が入っていくことによりまして、その地域の資源の活用ですとか利用者の人への訪問などを充実させることによってケアマネジメント体制を強化し、発展させていきたいと考えているところです。
佐藤委員
 (仮称)すこやか福祉センターに、そういうふうなことになれば、場所としてはもちろん期待をするところなんですけれども、ケアマネジメントというのは具体的に行う人が必要なわけですよね。かなめになる人、ケアマネジメントをする人が、その人に対してだれがするのかということをやはり決めておかないと、漠然とこの施設でやりますといっても済まない問題ですので、どこのセクションのどういった方が、どういった職務が障害者お一人おひとりのケアマネジャーとしてやるのかということですね。区にはケースワーカーというのが、生活援護課とか障害福祉課にはありますけれども、お一人おひとりの本当にケースワークというのまでまだ届かないですよね、人数的にも。特に人数的にも職員体制として職員の人がすべてを担うとなると、すごい限界があります。じゃあ、民間の方の力をかりて、個別にどうこの方に対して責任のあるケアマネジメントをやる人を配置できるのかというのが、本当にこれからの課題だと思いますので、その辺を、場所はすこやかでやるにしても、具体的な人をどうしていくのか、どう動かしていくのかについてしっかりと検討していただきたいと思います。でないと、これがなかなか進まないと思うので、要望にかえますけれども、よろしくお願いいたします。
岡本委員
 1点だけ。障害福祉のほうのことで、障害福祉の基本であり、一方、大事なところが相談事業だと思っています。障害者自立支援法の中にも総合相談支援窓口とか体制をつくることになっておりますが、中野区でも1階の窓口、それからせせらぎとか民間で委託しているところがあります。今度は(仮称)すこやか福祉センターでも相談事業がありますが、障害者自立支援法でいう総合相談支援窓口に当たるのはどこを考えているのか教えてください。
朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当)
 (仮称)すこやか福祉センターにつきましては、法律上の指定相談支援事業所に位置付けるということで検討を進めています。
岡本委員
 4カ所にできるということ、それはいいことなんですが、本当は総合相談支援を行う場所は一番交通に至便なところ、中野駅周辺のところにそういう総合相談支援窓口があるのが一番適当なんですが、残念なことに4カ所に配置するために(仮称)すこやか福祉センターは非常に交通の便が悪いんですよね。その辺は今後どうされるんですか。
朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当)
 立地条件につきまして、そういったところがある場合におきましてはやはり訪問を強化して、訪問しながら利用者さんの不便のないような相談支援体制をつくっていきたいと考えています。
岡本委員
 もちろん訪問で対応するんでしょうが、やっぱり相談に行きやすいというところが障害者にとって大事な面なんですよ。ですから、それはいわゆる障害者自立支援法でいう総合相談支援の窓口を置くという考え方が、4カ所にあるというのがちょっとなんですけれども、本当は基幹的なところで一切そこで連携をとり合ってやるというやり方も、一つの自立支援法でうたっていることにもあったり、24時間365日相談体制を組むわけですから、そういう意味ではここですぐ御答弁がいただけないでしょうけど、本当に現場で障害を持っている方の御要望は、やっぱりバスを乗り継いだり、それから相当遠い距離を歩くようなところにそういう相談体制を置くのは非常に残念というか、不便だなという思いを持っている方が大勢いらっしゃいますので、新しく(仮称)すこやか福祉センターができるなら、それはそれとして、障害者自立支援法が中野区として本当に理念だけじゃなくて、実際に障害者の皆さんを自立する方向への大きな施策展開をする意味では、そういう相談体制、相談の窓口の強化をぜひとも図っていただきたいと思っていますので、何か御答弁があればお願いします。
朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当)
 御指摘のように、相談支援体制をつくって、どんな人にも必要なサービスが受けられるような、そういった体制を整備することが非常に重要であると考えています。相談支援のそういった職員にしても、なかなか限りがある中では、主にサービスを提供されている事業者との連携を強化したり情報を共有するなどして、少ない人数であっても相談支援体制がしっかりとつくれるような、そういった工夫もしていきたいと考えております。
伊東委員
 1点お聞きします。ページでいきますと134、135、障害者の社会参加の促進の中のユニバーサルデザイン化の推進、ユニバーサルデザインのまちづくりの推進ということで、この中に書かれております「ユニバーサルデザイン化推進のための方針を作成します」というのは、多分こちらの所管の分野のほうでつくられるんだと思うんですけれど、これについて詳しく。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
 個々のハードの面のまちづくりに、あるいは施設づくりにつきましては、それぞれの所管のところが行っていくと思いますが、それに対する全体的な区の考え方というような点、基本的なその後の考え方、視点、そういったものを、ガイドラインということではふさわしくないのかもしれませんが、一つ筋の通ったものというのを考えていきたいと考えてございます。
伊東委員
 その方針の持つ効果ということなんですけれど、この135ページの実現へのステップの中では、区内のユニバーサルデザイン化の推進という一言になってしまって、それぞれの所管でそれぞれの施設を有しているわけで、このわずか数行のステップの中に書かれている部分では到底対応できないかと思うんですけれど、この方針を定めて、その後はどう現実に対応していくのか。それを監督していくのはどこになるのかというのは、その辺はどう考えていらっしゃるんですか。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
 このユニバーサルの全体的な調整、進捗の確認といったようなことについては、私ども保健福祉部が担っていくべきものと考えてございます。
伊東委員
 そういった意味では、ちょっとこのユニバーサルデザイン化の第2次の10か年計画で見る限りですと、すごいスピードで進んでしまうように逆に見てとれちゃう。ステップ1で完了という形にしかとれないわけですよね。同じ内容が86、87ページの、だれもが利用しやすいユニバーサルデザインのまちづくりというところにも載っているんですけど、要するに区有施設の大規模改修、改築、新築に合わせて実施というのを、これもわずかステップ1のみに記載されている。要するに区有施設、箱物ですけれど、これはステップ1ですべてユニバーサルデザイン化が進むのかどうか。そうした部分が、道路についてもそうですし、公園についてもそんな単純にはいかないでしょうし、やるとなったら相当の経費をつぎ込んで進めていかなければならないかと思うんですけど、その辺がちょっと、ユニバーサルデザインの推進はわかるんですけれど、その方針を担保する施策、ステップの段階では具体性に乏しいのかなという気がしているんですけれど、いかがでしょうか。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
 今回このお示しをしている素案のステップの書き方、表記について、前回も若干御説明申し上げましたけれども、この時期に何をやるという展開をお示しすると同時に、今、委員がおっしゃられたように、これについては今後もずっと継続をしていくというところが、矢印を書くと煩雑になるということで、そこを割愛させていただいて表記をしておりますので、そのところを御理解いただきたいと思います。
伊東委員
 矢印が煩雑ですか。かえってステップ1で終わってしまうように誤解されるんじゃないのかなと思ってしまうんですけれど、その辺はもう一度考えてみてください。
委員長
 要望ですか。
伊東委員
 はい。
委員長
 委員会を暫時休憩します。

(午後2時59分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後3時20分)

 休憩前に引き続いて質疑を行いたいと思います。
 質疑はございませんか。
奥田委員
 審査日程案のところにあった内容で少し気になっておりまして、確認させていただきたいんですが、報告の1番、2番の1番で、基本構想の改定の視点についてとあって、今御説明いただいた内容が、計画に軸足を置いた内容でお示しいただいたように思っております。まずこの1番について、資料があるのかないのかで、もしないのであれば、先ほどの御説明が既に構想の視点についても含んだ内容でおっしゃっていたのかどうかよくわからなかったので、そのあたりをちょっと御説明いただけますか。
瀬田子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当)
 前回の8月10日の厚生委員会の際に、1番の件名で資料を含めまして御報告させていただきましたので、今回はその資料をもとに、継続での御質疑をいただくということでございます。
奥田委員
 継続というところが失念しておりまして、失礼いたしました。
 それでは、本題に入らせていただきたいんですけれども、先ほど御答弁、継続してやる事業については矢印が本来あるものが省略されているというようなお答えがあったんですけれども、これについてはお答えになった分野に限った記載の方法なのか、他の分野についてもそれは適用されているものなのか。仮に他分野にも適用されるとすると、非常に読みづらい資料だなと思いました。そのあたりを教えてください。
瀬田子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当)
 現在、素案の段階で確かにお示ししているところにつきましては、ステップはところどころで空白になってございます。そのまま空白になっているものも中にはございます。そしてまた、ほかの領域につきましても、同様に矢印を入れる形で継続した取り組みというような内容もございます。そういうところでちょっと読み取りにくい部分は確かにあろうかと思いますが、計画案、また最終的な内容について、今後よりわかりやすい形でのお示しをしていきたいと考えてございます。
奥田委員
 基本的な考え方としては、継続しないという読み方をするものだと思っていまして、仮にするのであれば、展開であるとか見直しとか継続とか、そういう表現がほかの分野ではあるなというふうに思っていまして、そのあたり、ここの先ほどの分野に限ってだけこの矢印を想定していて、今現在だけ省略しているということだとすると、やや表記の揺れが発生しかねませんので、ちょっと統一した上で、基本は書いていなければ継続しないということで整理いただきたいんですけれども、いかがでしょうかね。
瀬田子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当)
 全体、このステップの表現についてはそういったような側面もございますので、よりわかりやすくお示しをしていくように現在調整してございますので、計画案等の段階におきまして、また地域の方々への説明につきましても、わかりやすい形でお示しをしていくことで考えてございます。
奥田委員
 あと、この計画のそれぞれの取り組みについての責任者であるとか担当者といったものが、やや読み取りづらいんです。というのはこの計画の構成が、戦略があって、戦略の結果、領域ごとの状態をつくると。そういう構成になっているんですね。担当者とか責任者について、戦略をやった後の状態の領域ごとの結果のところですね。状態のところにそれぞれの担当が書かれているという形になっていまして、具体的なアクションをしている、行動に対しての責任という読み方をする場合に、少しはぐれてしまうような内容になっています。ですから、ここは少し領域をまたがる部分にはなるんですけれども、できましたら各所管が担当する戦略について、だれが責任を持ってやるんだということがわかるようにしていただいたほうが、読む側としてはわかりやすいのかなと思うんです。
 それから、この戦略と四つの領域との対応関係も、残念ながらこれはもう従前の基本10か年計画についても同様のことが言えるんですが、戦略1、2が領域のⅠに対応している、戦略の3が領域のⅡにおおむね対応している、戦略の4がおおむね領域のⅢに対応していると。今回については、重点プロジェクトと位置付けられたものが、自治とか行革の分野がおおむね領域のⅣに対応するような形になっています。それが、よくよく読み込んだ上で対応関係を見ればようやく見えてくるといった状況で、市民の立場からすると、どの戦略をすることでどういう領域の状態を確保していくのかという対応関係が、これははぐれやすいんですね。理想的には、この戦略のナンバーと領域のナンバーがそろってくるような形ができればよりわかりやすいとは思うんですが、それについては少し重みづけというものがありましょうから、ずれというのはいたし方がないと思うんですけれども、見え方として、戦略と領域の対応関係が見やすいような工夫について、ここは領域を超えた部分での協議も必要かと思いますけれども、工夫をしていただきたい。
 この重点プロジェクトについては、責任の所在というのがあいまいになりがちです。要するにまたがった領域についての表記があるわけですから、状態についての責任という形では書き切れない部分がありますので、ここの部分も少し整理していただいて、具体的にここの所管でいうと、支え合いといった部分についてはかかわってくるわけでありますから、そういった対応関係をわかりやすくするということ、それから戦略の部分について、担当であるとか責任の所在がわかりやすくなるような表記を少し工夫していただけないかなと思っているんですが、いかがでしょうか。
瀬田子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当)
 所管の表記ですとか、また戦略、領域との対応関係をよりわかりやすく、さらには重点プロジェクトを責任を持ってというような御指摘がございましたので、きょういただいた御意見を参考にしながら、また計画案、最終案に向けての検討の中で参考にさせていただき、また全体を取りまとめる所管のほうにも、きょうそういった御意見があったことはしっかり伝えていくということでお願いいたします。
奥田委員
 あと各論で、たくさんやっても時間がありませんので、新たに出てまいりました重点プロジェクトの中で、先ほど申し上げました各種ポイントの統合の取り組みについて、どういったお考えなのかということについて少し御説明願いたいんです。この所管については、支え合いポイントというところで第1ステップで取り組んでいこうと。第2ステップでその他のポイントとの統合という取り組みを検討されているというような表記になってございます。ただ、設計の思想としては、商店街については商店会の主体的なものを支援していくというような取り組みだという読み方ができる一方で、支えあいポイントについては、区が主体的に用意するものという読み方が資料の中ではできるわけでございます。この民間主導でやっていくポイントと行政主体でやっていくポイントとの統合の仕方について、第2ステップで少し難しい取り組みになってくるのかなというふうに思っているんですが、まずはこの所管分野の支え合いポイントの考え方について御説明いただいて、今後の特に商店街のポイントとの統合について、どのように統合していくのかについて御説明いただけますか。
伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当)
 まず、1点目の支えあいのポイントに関しましては、現在地域の支えあいネットワークの構築に向けて検討しているところでございますが、地域でそういった支えの活動に参加をしていただく区民のいわゆるボランティア意欲、こういったものを喚起する。あとは経費的な負担感、そういったことを視野に含めまして、ポイント制を考えているところでございます。またさらに社会的な貢献の評価ということも視野に考えてございます。
 そのポイントにつきましてはこれから検討をするところでございますが、今一つ検討の素材としては、ここにも書いてございますが、ポイントを還元するものとしては区内の共通商品券、こういったものが考えられるというところでございます。そういったことも含めまして、そのほかの商店街でのポイント、これについて所管が他の分野になりますが、今後の検討にもよりますけども、支えあいポイントについては区内共通商品券、これを活用して、それとどう互換性を持たせるかという大きな課題がありますけども、これについては関係する所管と今後検討して、難しい課題ではありますが、実施に結びつけていきたいと考えてございます。
奥田委員
 まず、支えあいポイントの設計についてなんですが、私がイメージしていたのは電磁的なといいますか、ICチップか何か、そういった電磁的な記録媒体を活用した、あるいは携帯電話であるとか、何かそういったものを活用されるのかなというイメージを持っていたんです。統合の際の受け皿が、商店街の紙ベースのものとの連携を検討されているとなると、やや運用方がかなり困難だなという印象を受けているんですが、年度としては余り時間がないんですね。第2ステップですから、2年間で個別のポイントをつくって、統合を3年ぐらい目には進めていかなきゃいけないという話なんですけれども、所管の側、所管の範囲内でポイントを活用した支えあいの仕組みづくりということについては、アナログなものを含めて推進されることは十分有意義だとは思うんですが、即座に統合への取り組みをここに盛り込んでいらっしゃるのが、計画として今の段階の視野に入れていらっしゃる絵ですと、実現の可能性というか、聞いている範囲では運用が非常に厳しいなという思いを持つんです。このステップの想定としては、これはある程度見えていない部分については、ほかのものについては、ステップの3とか4の大分目先の長い計画として書かれているものが多いと思うんですけども、これについては重点ということもあってなのか、ステップ2に位置付けるのはかなり挑戦的だなと、困難だなと思うんですけれども、そのあたりは見通しとしてはいかがなんでしょうか。
伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当)
 確かに時期的な観点ではスパンが短いということはございますが、関係する所管ともこれから具体的な検討に入るというところでございますので、それぞれの私どもでいうと支え合いのポイントについては制度をきちんと構築して、それぞれの制度が互換性を持つ。そのために関連する分野とはしっかり連携をしながら、統合に向けた検討をしていきたいと考えてございます。
奥田委員
 他の所管との連携を図られながらということと、早急に構想といいますか、計画の具体化をされて、今これは素案ですから、ステップとしても現段階でのステップ間でお書きになっていらっしゃると思いますけれども、恐らくここはステップとしては慎重にされないと、早い段階で、これは重点プロジェクトですから、市民が注目する場所なんですね。この三つの取り組みがどういう進捗になってくるかというのは、かなり目立ってしまう。
 今お伺いした範囲では、私がカードを活用してというようなところからイメージしたものと、お伺いしていた現状との差というのは想像以上に大きいんです。それを考えると、商店会側が思いのほか進歩的な取り組みをされて、磁気の対応を商店会側が主体的にされて、それを受け皿にさせていただくということが仮に想定できるような状況であるなら、このステップ感もあり得るのかなと思うんですけれども、現状そういうことはありませんので、素案の次の段階で絵が現実的になるか、現状の延長線の絵であれば少し慎重な書き方をされないと、実現性が非常に低い重点プロジェクトということで、これは10か年計画の顔になってくるわけですよね。極めてよくない状況だと思いますので、少し次の段階までに改めて御検討いただきたいと思います。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
 今、委員から御心配いただきました。我々も十分に検討していく、達成をしていけるというところで素案としてお示ししておりますが、何分まだ関係部、関係分野が協議を始めた、緒についたところでございます。
 この資料の51ページをごらんいただければと思いますが、ちょっと所管外のところになってしまいますけれども、例えば産業振興のほうでは、この第1ステップのほうで商店街ポイント制度の導入支援と。これを行く行くは共通ポイント化を進めていく。そういったものとボランティアの支えあい、見守りのようなポイントですとか健康づくりのポイントですとか、あるいはエコ活動でのポイントですとか、この辺を一体化させていきたいんだという思いのところでございます。それがアナログなのかデジタルなのか、その登録方法ですとか、そういった細部のシステム的なことについては、まだまだこれからの検討というところになってしまいますけれども、財源的にも例えばエコの関係ですと、太陽光ですとか風力発電によって売電によって得たような収入、これを基金のような形でこのポイントの原資のほうへ積み立てていくとか、そういった、じゃあその財源をどこがどのような形で負担をしていくのかといったようなことも、もうちょっと詰めさせていただきまして、案というところでお示しするまでには、あらあらの骨格のところがお示しできればなと思っているところでございます。
奥田委員
 想定外の所管外のところまでお答えいただけて、大変感謝申し上げたいところでございますが、やはり次の案までには具体的にということでありますけれども、恐らく具体的になってくる中で、今おっしゃっていただいた分野は所管外ですから、深くは追及しませんけれども、財源的な部分をどうするということの整理については、他の委員会でかなり整理に手間取っている状況もあって、こちらとしては他の進捗を待つしかない状況だと思いますので、そこについてはもうここでは議論の余地がないと思うんです。それ以外の部分について、この所管の中でどちらがどちらのインフラを活用していくであるとか、少なくとも恐らく紙媒体を複数のもので運用していくのは簡単じゃないと思います。そこは早い段階で紙ではないという結論は出された上で制度設計をして、ステップについて、第1ステップの段階で紙でやってしまって、第2ステップで媒体を変えなければならないとなると、恐らくこのステップ2のところで進捗が狂いますので、少し案の段階ではおっしゃっていただいた、財源の部分についてはともかくとして、媒体であるとかどこが主体的になるとかといった部分について、ポイントの互換についてある程度の想定をしたものとしてお出しになっていただいた上でこの計画は進めていただく。あるいは、それができないのであれば、ステップ感については若干のゆとりを持ってお書きになったほうが、前倒しになったということであれば、重点的なものについてはそれほど悪影響は出ないと思いますので、今の見えている範囲で、ステップ1、2で畳みかけるようにやると、意気込みと現状が見えている範囲とのギャップが結構ありますので、少しそのあたりは慎重にぜひ取り組んでいただきたいなということであります。
 これは要望でございますので、ぜひよろしくお願いします。
委員長
 よろしいですか。
奥田委員
 はい。
委員長
 他に質疑はございませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 よろしいですか。
 なければ、以上で本報告については終了します。
 次に、平成22年度国・都の施策及び予算に関する要望についての報告を求めます。
金野保健福祉部長
 それでは、お手元に平成22年度国の施策及び予算に関する要望書(資料5)、またもう1冊、平成22年度東京都の施策及び予算に関する要望書(資料6)がございますので、国のほうから御説明いたします。
 まず、表紙から1枚さらにおめくりください。目次がございます。このうち、4番のホームレス自立支援策の充実から9番の医療体制の充実と整備までが、当委員会の所管にかかわる国への要望事項でございます。なお、この中で6番の高齢者福祉の充実と9番の医療体制の充実と整備は、新たに追加した今年度の新規の要望でございます。
 それでは、ホームレス自立支援策の充実、5ページでございます。
 これは昨年からの引き続きの要望でございますが、具体的な文言で、若干現状を踏まえて追加の記述をした部分でございます。(1)の後段部分で、21年度の緊急措置とされている補助割合を22年度以降も継続すること。それから、特別区が行う施設整備について、実情に配慮した財政支援を講じるというようなことが追加でございます。
 また、6ページに進みまして、総合相談の拡充という要望もしてございますが、この項目もホームレス自立支援策の充実の中で追加した事項でございます。
 次に、7ページ、障害者施策の充実でございます。これについては、要望の趣旨は前回と同様でございますが、第2番目の段落、「昨年12月の社会保障審議会障害者部会報告書」というこの3行につきましては、その後の状況を踏まえて追加をした文章でございます。
 次に、8ページ、高齢者福祉の充実でございます。これはこの項目を新規で追加したものでございます。要望といたしましては、23区内で高齢者福祉施設の施設整備が進まないという状況を受けて、支援策の強化を求めているものでございます。また2点目は、高齢者が安心して居住できる住環境の整備と、住宅施策と福祉施策の連携による仕組みを整えるという要望を新規でしてございます。
 9ページ、7番、介護保険制度の改善でございます。これにつきましては、全体の要望の趣旨は前回と同様でございますが、3行目、平成21年度に報酬改定が行われたものの、なお不十分な状況にあるということにつきましては、報酬改定を行われた状況を踏まえて文章を修正してございます。
 次に10ページ、新型インフルエンザへの対策でございます。これは昨年からの引き続きの要望でございますが、いろいろ状況が変化をしておりますので、(1)番、(2)番、(4)番につきましては文書を修正してございます。
 まず1番目は、新型インフルエンザワクチンの供給体制ということで、現在の新型インフルエンザワクチンの発生を踏まえて文書を手直ししてございます。
 また、(2)でございますが、「新型インフルエンザに対する医療体制に必要となる施設・設備の整備に対する財政支援を行うこと。併せて、医師、看護師等医療関係者の確保のための対策を整えること」、これも追加の記述をしてございます。
 (3)は従来どおりでございます。
 (4)につきましては、「新型インフルエンザのまん延期においてもっとも憂慮される社会的弱者について、対策を実施する区市町村に対し、財政的支援を行う」ということで、これも追加の表現でございます。
 (5)は従来どおりの要望でございます。
 次に11ページ、9、医療体制の充実と整備。この大きな項目、全体が新しい追加でございます。この要望につきましては、周産期医療及び救急・搬送体制の確保ということで、3点にわたって要望しております。
 まず一つは、産科・救急科等の医師不足の解消のための支援策でございます。二つ目は、看護師・助産師等を含めた医療従事者の地位向上と勤務環境の改善でございます。3点目は、こうした救急医療・周産期医療を支えるためのネットワーク構築の支援でございます。
 以上が22年度の国の施策・予算に対する要望でございます。
 引き続き、平成22年度東京都の施策及び予算に関する要望を御紹介いたします。
 まず、目次をごらんください。表紙から1枚めくりまして目次でございます。
 3のホームレス自立支援策の充実から6の医療体制の充実と整備まで、この4項目が本委員会関連の要望事項でございます。このうち5番の新型インフルエンザへの対策、6番の医療体制の充実と整備につきましては、今年度、22年度に向けて新たに追加した新規の要望項目でございます。
 それでは、3ページをお開きください。ホームレス自立支援策の充実でございます。この項につきましては、東京都に対しては昨年度と同様の内容で要望しております。
 次に5ページ、高齢者福祉の充実でございます。ここにつきましては、これまでグループホーム等についての要望をしておりましたが、特別養護老人ホームにも言及し、また平成20年度で特別助成が終了したことを受けまして、それの復活という表現を追加しております。
 次に、6ページでございます。新型インフルエンザへの対策でございます。この新型インフルエンザの対策は、昨年度は国への要望にはございましたが、都の要望にはございませんでしたので、新たに追加をした要望でございます。
 まず一つは、ワクチンの供給体制について、国に対して要望してほしいということでございます。次は医療体制について、都が率先して整備に努めると同時に、財政支援をしてほしいということでございます。(3)は検査体制について強化をしてほしいという要望でございます。4点目は情報の迅速な提供を求めるという要望でございます。
 次に7ページ、6番、医療体制の充実と整備でございます。これも国と同様に新しく追加した項目でございまして、要望内容につきましては国への要望と同内容ということになってございます。
委員長
 ただいまの報告に対し質疑はありませんか。よろしいですか。
山崎委員
 国への要望なんですが、7月に行われたんですよね。
金野保健福祉部長
 特別区長会がそれぞれ関係省庁が終わって、要望活動を行いました。
山崎委員
 御承知のとおり政府が変わりまして、22年度予算は新政府が編成をするという状況になっております。したがって、この間の新聞ですと各省庁の概算要求が出たけれども、たしか91兆円だったかな、全部だめだと。区で練り直すというような作業が行われるらしいと。こういうお話の中で、このまま新政府にはこの要望書を出さないということになるんでしょうか。それとも新たに出し直すということになるんでしょうか。
金野保健福祉部長
 政府が交代したことによる要望の取り扱いについては現在どうなるのか。いずれもこれまでも取り組んできた内容でございますので、受けとめていただけるということも考えられますし、また従来とは違った考え方が示されるということも懸念されることでございます。そこで私どもといたしましては、情報収集等を通じて、必要な事項があれば特別区長会としても、またより大きくは全国市長会としても、改めて要望したり働きかけを行う必要があるというように考えております。
委員長
 他に質疑はございませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、以上で本報告については終了します。
 4番、中野区次世代育成支援行動計画(後期計画)中間のまとめについての報告を求めます。
瀬田子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当)
 それでは、中野区次世代育成支援行動計画(後期計画)中間のまとめについて御報告させていただきます。(資料7)
 本件につきましては昨年10月の本委員会におきまして、後期計画策定に当たる基本的な考え方、策定に当たっての基本的視点、策定スケジュールなどを御報告させていただきました。また、本年6月には当委員会におきまして、計画策定に係る子育て支援アンケートの調査結果を御報告してまいりました。策定に当たりましては、さらに庁内に各部の部長で構成いたします次世代育成支援対策検討会を組織しての検討、さらに次世代育成推進審議会での現在までの御審議、さらには区民からの御意見をお聞きするために地区懇談会メンバーを対象といたしまして、地域におきまして意見交換会をこの7月から8月にかけまして区内4カ所で実施してまいりました。こうしたことを踏まえまして、今般区といたしまして、お手元にございます中間のまとめとして取りまとめさせていただきました。
 恐れ入りますが、ホチキスどめの冊子をごらんください。お開きをいただきまして、まず体系図をごらんください。
 体系は1番、健やかに育つ子どもたち、以下、裏のページまで四つの体系としてまとめてございます。また、取り組みの内容といたしまして、全部で14の取り組み内容として整理をしてございます。裏表になります。さらに個々の取り組み内容に応じまして、二つから三つの個別目標を掲げてございます。ここでは、本委員会での所管部分を中心に盛り込まれています体系1と体系4を中心に補足説明をさせていただきます。なお、体系2と体系3につきましては、文教委員会所管として御質疑をいただく予定でございます。
 それでは、おめくりをいただきまして、ページが振ってございます。1ページをお開きください。
 取り組みの内容1でございます。健やかな妊娠・出産・育児を支援します。この書式になってございまして、まず現状でございますが、ここでは少子化の傾向、それから第1子の割合が高い傾向、あるいは核家族化の傾向につきまして、現状としてお示ししてございます。
 その下段に課題としてございますが、こうしたことを受けとめまして、この取り組み内容1につきましては育児不安の解消、予防的支援ということを課題として挙げてございます。さらに下のほうに実現すべき状態という形で、ここでは妊娠・出産が健やかに経過し、健康な乳幼児が育っているといったようなことを、後期計画の目標を文章化した形でここで掲げてございます。それを受けまして個別目標、ここでは二つの目標、妊娠中の健康管理の支援ほか、ごらんのような二つの個別目標を掲げてございます。下のほうに、これも枠囲いになってございますが、ここでは後期計画で取り組む事業例という形で挙げてございます。
 見方でございますが、まず二重丸がついてございます。(仮称)すこやか福祉センターの開設に伴う相談機能の拡充、乳児全戸訪問事業、これにつきましては新規事業ということで例として挙がってございます。
 その下の丸でございますが、親育ち支援事業ほか三つの事業につきまして、拡充事業、前期計画でもございますが、拡充をしていくといった事業でございます。
 そのさらに下に四角いマークをしているところがございます。妊婦健診、妊婦保健相談ほか八つの事業につきまして、これにつきましては現行の計画に引き続きまして、後期計画でも継続をして取り組んでいくものとして例示を挙げてございます。
 その右側にアステリスク、星のマークがついてございますが、先ほど御審議をいただきました10か年計画の素案におきまして掲載されてございます事業につきましては、このアステリスクのマークをつけてございまして、10か年計画での整合がわかるような形でお示ししてございます。
 次に、2ページをごらんください。取り組みの内容2、子どもの健康増進でございます。
 現状におきましては、3歳児時点における発育に問題のある子どもの割合が増加傾向ということで、そこにございますような平成14年度から19年度におきまして、3歳児健診におきまして発育に問題のあるお子様の割合が1.2%から1.8%、あるいは東京都レベルにおきましても、それぞれ14年度、19年度におきまして数値が伸びてございます。
それから、現状の四つ目になりますが、朝食摂食率の悪化を象徴とする、食にかかわる現状の改善を目指した取り組みを開始したということで、朝食の欠食率につきまして調査を載せてございます。また、中野区におきましては、食育アクションプログラムの策定を19年度から進めてございまして、この取り組みによりまして小学校4年、それから中学校1年を例に挙げてございますが、平成17年度から19年度におきまして朝食を食べているお子さん、児童・生徒の割合がそれぞれ増加を見て改善されてございます。
 ここでは課題といたしまして事故防止啓発、あるいは子育て家庭の自主的な健康管理を支援する環境の整備ほか、四つの課題としてまとめさせていただきました。実現すべき状態、それから個別目標につきましては、ごらんのような三つの個別目標を掲げてございます。
 ここでの新規事業ですが、糖尿病対策による健康づくり、先ほどちょっと御質疑もありましたが、低年齢の方への糖尿病に係る部分も含めた形の健康づくり、健やかな身体をはぐくむ学校づくり、こういったようなものを含めて新規事業を二つ、それから風疹等の予防接種推進ほか二つの事業について拡充、子どもかかりつけ医定着推進ほか、11の事業について継続とさせていただいております。
 3ページに行きまして、取り組み内容3でございます。発達のおくれや障害のある子どもの成長を支援するといった枠組みでございます。
 現状といたしまして、障害児及び発達に関する相談の増加傾向が続いている点、具体的には小・中学校における障害児のお子様の増加傾向の継続として、巡回相談の相談件数の伸びですとか、あるいは就学相談における相談の伸び等が挙がってございます。またアポロ園、さらには学童クラブにおける特別支援児童の増加等についても、現状として把握をして記載させていただいております。
 課題といたしましては、療育センターアポロ園や小中学校の障害学級における専門施設機能の充実、以下五つの課題について整理をさせていただいております。実現すべき状態といたしましては、そこにございます記述のとおりでございます。
 個別目標は、ここでは二つの目標を掲げてございます。新規事業といたしまして、療育センターアポロ園の建て替え改築、機能強化ほか五つの新規事業、それから障害のある中高生の放課後等対策のための施設設置ほか二つの拡充事業、さらには特別支援学級の増設ほか九つの継続事業をごらんのような形でまとめてございます。
 ちょっと飛びまして、体系の4に移ります。ページで申しますと12ページになります。
 取り組み内容12、男女がともに子育てに取り組める条件づくりを進めますということでございます。
 現状といたしましては、1番目にございます乳幼児期に仕事をしながら子育てをしている母親の割合の増加傾向が続いている。五つ目になりますが、仕事と子育ての両立のために必要な取り組みとして、要望が引き続き多い項目として、子どもの看護休暇制度の義務化や取得促進、保育サービスの充実、性別役割分業意識の解消など、ごらんのような内容が引き続きアンケート等によって要望の多い項目として出されてございます。
 課題といたしましては、社会状況の変化を踏まえまして男女の働き方の見直し、また男性の子育てや介護などへの参画等々、男女共同参画のより一層の推進のほか、計二つの課題を挙げてございます。
 実現すべき状態、個別目標についてはごらんのような内容で挙げてございます。ここでは区ポータルサイトと連動した男女共同参画ホームページの開設・運営ほか、ごらんのような三つの新規事業を挙げてございます。それから、区民向けワークライフバランスの普及、仕事と生活の調和ということで、こうしたところへの普及・啓発促進、以下三つの拡充事業を掲げてございます。さらに女性のための再チャレンジ支援、再就職等への支援ということで、三つの継続事業を挙げてございます。
 13ページに行きまして、取り組みの内容13、子どもの安全を守る活動を推進しますということがございます。
 現状といたしまして丸の二つ目、児童が事件の被害者となるケースは増加傾向にあるということで、出会い系サイトに関係した事件の被害児童数は平成14年以降、毎年1,000人を超えている状況がございます。また、被害を受けられたお子様の95%以上が、アクセス手段として携帯電話を利用している、こういったデータを挙げてございます。
四つ目に、薬物乱用のケースが増加傾向にあるということで、大麻取締法により送致された少年の数、これは全国ベース、それから覚せい剤取締法違反により送致された中学生、高校生、こうしたような統計も挙げてございます。
 課題といたしましては交通安全指導の充実、さらには犯罪未然防止活動への支援の充実、被害児童や保護者への対応の取り組みなど、ごらんのような三つの課題として整理をさせていただいております。
 実現すべき状態といたしまして、子どもたちの安全を守るための地域ぐるみの取り組みが行われ、子どもたちは安心して過ごしている状態を目指すということで記述をさせていただいております。
 個別目標は、ここではごらんのような二つの目標を挙げてございます。ここでは拡充事業といたしまして、警察や消防等の関係機関との連携強化をはじめ、六つの継続・拡充事業として挙げてございます。また、さらには子どもに対する交通安全指導、セーフティー教室、青少年相談等々、七つの継続事業として事業を整理してございます。
 最後になります。14ページ、取り組みの内容14でございます。子育てに快適な住環境・生活環境のまちに整備するということで、現状といたしましては子育てに伴う住宅・住環境への悩みが多い傾向がアンケート等で引き続き出ているといったこと。二つ目の丸で、区外へ転出する世帯数、子育て世帯ということで、区内へ転入する世帯数を上回る傾向にあると。特に30代夫婦と18歳以下の子どもを含む30代の世帯で、転出が転入を上回っている状況が中野区住宅白書等で入ってございます。
 課題といたしましては、ワンルームマンションの建設の抑制とファミリー世帯向け住宅の誘導ほか、四つの課題として整理をさせていただいております。
 実現すべき状態はごらんのような内容、また個別目標については三つの目標を掲げてございます。ここでは、新規事業といたしましては安全適正な自転車利用を促す、家庭や学校における交通安全教育の推進ほか六つの新規事業、それからワンルームマンションの抑制と共同住宅の居住環境等の向上ほか八つの拡充事業、さらには商店街地域コミュニティ等推進事業(親子カフェ)とございますが、以下四つの継続事業として挙げてございます。
 最初の報告のページにお戻りください。今後のスケジュール予定でございます。
 本日厚生委員会、そして7日の文教委員会への報告を踏まえまして、11月をめどに本計画の素案を作成いたしまして、両委員会で報告を予定してございます。また、素案をもとにいたしまして、12月初旬ごろに一般区民へホームページ等の周知を広報いたしました上で、意見交換会の開催を予定してございます。その後、来年1月ごろには計画案として取りまとめ、パブリックコメント手続を経まして、3月には計画決定と公表を予定しております。
 以上、雑駁でございますが、本報告とさせていただきます。
委員長
 ただいまの報告に対し質疑はございませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 よろしいですか。
 なければ、以上で本報告について終了します。
 次に5番、平成21(2009)年度保健福祉に関する意識調査についての報告を求めます。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
 お手元にかがみとなる文書、それからホチキスどめの抜粋版、それと本編をお配りしてございます。(資料8)
 この調査でございますか、保健福祉部としましても例年行っているものでございます。内容としましては、継続的に傾向を見ていくべき項目、それから新規に調査をする項目というところに大別されます。
 対象となりますのは20歳以上の区民の方、調査標本数として3,000サンプルを抽出いたしてございます。有効回収率といたしまして37.7%、これは昨年が38%強でございましたので、大体同じというところでございます。
調査項目といたしましてはフェースシート部分、それから大きな調査項目、大項目としまして地域活動、医療・健康、介護保険制度等、それと保健福祉の相談窓口と、例年こういったような項目で調査をさせていただいてございます。
 今年度におきましては重点テーマといたしまして、介護保険制度について取り上げてございます。昨年は医療・健康面というところが重点項目でございました。
 それでは、こちらのホチキスどめの概要をごらんいただきたいと思います。開いていただきまして2ページ目のところでございます。
 地域活動についてでございます。
 一つ目の設問でございますが、これは例年行っている調査項目でございます。傾向といたしましては町会などの地域活動、あるいは地域祭り、バザー、こういった地域の行事への参加というのが数ポイント増加をしてございます。逆に参加していないというところが、本年度も68.7%となっておりますが、これは昨年度に比べまして5ポイントほど低下をしてきているという傾向が見られます。下の表につきましては、昨年とほぼ同様の傾向でございます。
 続きまして、4ページをごらんいただければと思います。医療・健康面でございます。
 健康増進のための運動習慣という調査項目、これは昨年とほぼ同様ではございますが、1回30分以上の連続した運動という文言、これを新規に追加いたしました。これまでは単に週一、二回運動していますかという御質問でございましたけれども、30分以上ということで追加をさせていただきました。結果といたしまして、継続的に運動をしている、時々しているというこの二つを合わせまして、昨年度より5.4ポイントほど増加してございます。
 その下です。新型インフルエンザについて考えたり、心がけていることというところでございます。ここも大幅に変化がございました。ちょうどこの調査が、ゴールデンウイークを挟んだ4月の終わりから5月の初めにかけまして調査を実施したということも反映しているのかと思いますが、新型インフルエンザが発生した場合、外出を控えようと考えているというところで6ポイントの増、新型インフルエンザについての情報を収集しているといったところは11.4ポイントの増と見てございます。それから備蓄、これについても昨年度より6.6ポイントの増というふうに大幅に増加傾向が見られてございます。
 隣のページのうつ病につきましては、全体的に昨年度までと同様の結果というふうになってございます。
 次のページ、介護保険制度でございます。介護保険制度の仕組みがわかっていますかという雑駁な御質問でございますが、ほとんど知らないと、41.5%というのが昨年度に比べて微増しているということが見てとれます。
(2)、下の部分でございます。これは今年度、新たに追加をした項目でございますして、介護予防についてどのぐらい意識しているかというものでございます。結果といたしましては、60数%の方々が意識をしているというお答えでございます。
 最後のページでございます。保健福祉の相談窓口等というところ、これも昨年度までと大体同じ質問の傾向、方式でございますが、回答の内容も昨年とほぼ同様でございます。保健所の知名度というのが昨年度より若干高いというようなところがございますが、全体的傾向としては同様であったと。
 その下、保健福祉施策についての満足度というところでお聞きをしてございますが、大きく変わっている点と申し上げますと、大体満足しているというところが昨年度より3.6ポイントの増、それから逆に不満だということで10.1%となってございますが、ここが昨年度より3ポイントの減、こういったような傾向が見られてございます。
本調査結果につきましては、9月20日号の区報でお知らせをすると同時に、区のホームページにこの本編についての電子情報として掲載を予定してございます。
委員長
 ただいまの報告に対し質疑はありませんか。
かせ委員
 今の報告なんですが、報告を聞いていると昨年度との比較というのはわかるんですけれども、実際はこちらのほうでも同じような図がありますけれども、今年度の調査結果ですよね。やはりこういうのを見た場合に、今説明されたように、近年どういう変化があるのか、ここが見どころだと思うんですよ。そういうことからしますと、せっかく調査されたんですけども、昨年、あるいは一昨年との比較はどうなのかということもわからないので、これはちょっと手を加えればできる話だと思うんですよね。だから、せっかくですからそういう比較できるような資料、こういう編成をしたほうがいいと私は思うんですが、どうでしょうか。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
 何らかの工夫をさせていただきたいと思ってございます。
かせ委員
 何らかの工夫と言いますと、どういうことでしょうか。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
 毎年毎年お示ししていると。これからお読み取りくださいということではいささか不親切という御指摘、そのとおりだというふうに私も思ってございます。ちょっとある程度の解析、傾向等をまとめるような形で、例えばホームページ等、あるいは区報のお知らせのところで、そういった内容についても加味できればと思ってございます。
かせ委員
 いずれにしろこれが本冊で、もうできているものだからなかなか大変でしょうけれども、概要版なり解説なりということで、今言われたような説明があるとわかると思うんですね。ぜひそういう資料、区民の皆さんにはそういうことが、それが出るように私はやってもらえればいいかなと思うんですが、どうでしょうか。
野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当)
 重ねてでございますが、やる方向で工夫させていただきたいと思います。
委員長
 他に質疑はございませんか。よろしいですか。

〔「はい」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、本報告については終了します。
 次に6番、新型インフルエンザに係る区の対応についての報告を求めます。
山川保健福祉部副参事(保健予防担当)
 それでは、新型インフルエンザに係る区の対応について御報告いたします。(資料9)
 資料の前に、新型インフルエンザについては都内の発生状況の監視体制がどうなっているか、おおむね290の医療機関においてインフルエンザ症状を診断した場合に、東京都が一括把握をしております。それを各医療機関で割りかえして、1医療機関の数が1を超えた場合、流行期に入ったというふうに判断をしております。これは全国的に同じ考え方でございます。
 既に直近の8月24日から30日の週、都内の定点当たり、1医療機関当たり既に3を超えております。これが10に達すると注意報、30を超えると警戒ということで、季節性インフルエンザについても同様の監視体制で例年行ってございます。ですから、インフルエンザの流行は、既に季節性インフルエンザ同様に流行期に入って、1を超えた3の状態にあるということでございます。
 もう1点、今お話ししたのはインフルエンザの診断をした患者についてですが、その報告の中から患者の検体を採取して、ウイルスの同定を行っております。これはすべてではございませんが、そのウイルス同定を行った結果、インフルエンザ陽性と確認されたウイルスすべてが新型インフルエンザウイルスでございます。ですから、今現在流行しているインフルエンザ症状、A型と診断された場合はもちろんですが、B型と診断されたもの以外は、すべて新型インフルエンザとみなして対応しているのが現在の状況です。ですから、改めてまして事業所、あるいは区民の方に対して基本的な予防策、あるいは現状の周知ということで、資料に示したような対応をいたしました。これは主に危機管理対策本部からの発信ということで行っておりますけれども、御報告については私のほうから報告いたします。
 1点、区民に対する啓発活動の強化でございます。これは区立小・中学校、保育園等の福祉施設で、感染予防や感染者発生時の対応等に関する周知文書を配布した。区立施設で手洗い方法など、感染予防に関する啓発文書の掲示を行った。民間福祉施設等に対して感染予防啓発活動への協力要請を行った。これは民間の介護保険と関係の施設を集めて、患者発生の状況についてきちんと探知をするということと、1名でも発生した場合は、例年の季節性インフルエンザ同様の対策を徹底するというようなことをお話ししております。また、9月20日号でインフルエンザ予防に関する特集を行う予定で、現在準備を進めているということです。
 2点目、施設利用者等の感染予防、これは先ほどこの入り口にもありましたけれども、不特定多数の区民が利用する区役所、地域センター等の出入り口にアルコール製消毒剤を配置、カウンターやドアノブなどの消毒・清潔保持の徹底、多数の区民が参加する事業については、会場にアルコール製消毒剤を配置、施設利用者、職員が発症した場合の早期対応による蔓延防止策を徹底すると。どのように対応すべきかという内容を文書にて発出しております。
 区立学校等においてですが、区立小・中学校等において、東京都教育庁からの発出した文書をもとに、区内においても教育分野のほうから休業措置を検討する場合の基準について定めてございます。
 以上、現在までの対応状況について御報告いたしました。
委員長
 ただいまの報告に対し質疑はありませんか。
かせ委員
 まず、290の医療機関ということですが、これは東京都全体で見ると290というのは少ないかなと思うんですが、これは特定した病院なんですか。
山川保健福祉部副参事(保健予防担当)
 各区、あるいは多摩地域であれば、東京都の医師会を通じて定点の医療機関として定めた数で、もちろん個別の特定された医療機関でございます。数的には特に少ないというふうには考えておりませんで、全国でいうと4,800という状況でございます。
かせ委員
 そうすると確認になるんですが、それは大学病院とか大手の病院ということではなくて、医師会がいわゆる最もサンプルが集めやすい、そういう病院を特定するという、そういうことですね。
山川保健福祉部副参事(保健予防担当)
 定点医療機関の具体的な名称は基本的にオープンになってございません。区内においては基幹病院と地域の開業医が中心になってございます。
かせ委員
 それと、現在中野区は1医療機関当たり3ということですけれども、この1医療機関、3というのは、今言われた特定された医療機関の中で平均で3ということですか。
山川保健福祉部副参事(保健予防担当)
 そのとおりです。
かせ委員
 そうすると、実際の医療機関というのはもっとあるわけですから、実態的にはどうなんでしょうか。
山川保健福祉部副参事(保健予防担当)
 これは全国的な患者把握のシステムがございまして、数において問題はないと判断しております。ただ医療機関によって偏りがあるのは確かですが、全体的に見れば、それは押しなべて平均化されると。先ほど委員が中野区が3というふうにおっしゃいましたけども、東京都全域が3です。
かせ委員
 それと、それに対応していろいろな手がとられたということですが、そこにもありましたですね、控室の――事務局のところにもありますから、それに基づいてということなんでしょうけれども、ここで3番なんですが、これは休業措置を検討する場合の基準を定めたということですが、これは御報告されていないと思うんですが、これはどういう……。
山川保健福祉部副参事(保健予防担当)
 これについては、9月1日に中野区教育委員会のほうから各小・中学校に基準が発出されております。それについてはおおむね生徒の10%が診断されたとか、ただこれはあくまで基準でございまして、最終的には学校医とかが状況を判断した上で決めていくという状況になろうかと思います。
かせ委員
 10%が多いか少ないかというのはいろいろ議論があるとは思うんですが、特に小・中学校の場合に、閉鎖された教室の中で勉強する。もちろん隔離したりとか、いろんな手はとられるんだろうと思うんですけれども、10%というとこれは何ですか、今までのインフルエンザの対応と同じということですか。
山川保健福祉部副参事(保健予防担当)
 基準を出した考え方については、季節性を20から30%と考えて、新型については新型だということで10%ということで、早目に手を打つということで基準を設けたという説明でございます。
かせ委員
 それと、これはどういうことになるんでしょうか。例えば子どもの関係からいえば、幼稚園、保育園ということですけれども、これについては特別な基準を設けていないということなんでしょうか。
山川保健福祉部副参事(保健予防担当)
 基準を設けておりません。
かせ委員
 いろいろ微妙な問題が出てくるんですけれども、今死亡されている方がありますよね。それを見てみますと年齢は問わずということですね。若い人たち、30代ぐらいの方たちも亡くなっていますし、お年寄りも、それから子どもの場合には、やっぱり脳症だったりとかいろいろなところに影響を与えるかもしれないということで、今後の研究であったり、実際に治療する中でいろいろはっきりしてくることもあるんでしょうけれども、深刻な問題を抱えているということだと思うんですね。ですから、基準がないというのはわかりましたけれども、対応ですが、この対応について何か考えはありますか。
山川保健福祉部副参事(保健予防担当)
 対応というのは保育園等に関してということでしょうか。
かせ委員
 はい。
委員長
 ちょっと休憩します。

(今後4時28分)

委員長
 再開します。

(午後4時28分)

竹内子ども家庭部長
 保育園でのインフルエンザの対応ということで御質問を承りました。保育園ですので、なかなか一斉に閉鎖というわけにはまいりません。それで、園児の中に発症した者がいる場合には、まずそういった状況を保護者らにきちんと伝えた上で、可能な方については登園の自粛をお願いしております。特にゼロ歳、1歳というようなお子さんについては体力も弱いということで、できる方については保護者の方に御協力をお願いするという対応をしております。
 あとは、例えば同居の親族の方で発症者がいると。そのお子さんが発症していなくてもという方についても、できる方についてはということになりますけども、登園の自粛に御協力をお願いするということをしております。
 それから、具体的に園におきましては、これまで発症児がいる場合には、昼間の時間帯の合同保育をやらずに、あくまでもクラス保育を行って、できる範囲で広がるということの、予防をするようなことを考えておりますし、送り迎えの折に、保護者の方に手洗い・うがいということをお願いするというような対応をしております。
かせ委員
 わかりました。それで、ちょっと気がかりなところで、まずこういうテレビなんかを見ていましても、38度を超えたら医者へ行くんじゃなく保健所だよと、発熱センターだよとテレビなんかでは言っていますよね。そうすると保健所、そちらのほうの窓口の対応はどうなっているのかなと心配なんですが。
山川保健福祉部副参事(保健予防担当)
 今、委員おっしゃいましたが、熱があったら保健所に相談というのは、既に前回の委員会でも御報告申し上げたとおり終了しております。一般の医療機関にインフルエンザ症状として受診をする、すべての医療機関で対応するという状況になってございます。
かせ委員
 一般の病院に行ってもらうということで、一般の病院でどうなんでしょうか。そうしますと、病院が通常の対応をしてしまうと、また困った問題が起こる可能性もあるわけでしょう。そうした場合には、一般外来としてそのまま行くというシステムになっているんですか。
山川保健福祉部副参事(保健予防担当)
 既に各病院で事前に電話で受けた場合に、受診の時間帯とかを工夫しているところもございますし、委員今おっしゃったように、一般外来のような形で対応している病院もございます。
山崎委員
 かせ委員もいろいろ御心配で御質問したと思いますが、とても皆さん心配をしていると思うんです。それで、ウイルスの検体をとって陽性はすべて新型だったと、こういうような御報告、検体からとられてということですが、僕ら素人なのでよくわからないんですが、新型であった。しかし、強毒性なのか弱毒性なのかなんていうことは非常にテレビなんかでやられていて、今のところは弱毒性ということなんでしょうか。
山川保健福祉部副参事(保健予防担当)
 そのとおりでございます。
山崎委員
 それから、これもかせ委員がおっしゃっていたけど、インフルエンザ脳症について、普通のインフルエンザであれば、解熱ということがまず最初に考えられてということなんですが、新聞報道等々では、新型についてはあまり最初から解熱剤の投与ということになると、さっきおっしゃっていたインフルエンザ脳症という形で、対応の仕方が全然違うんだということもこの報道はされているんです、実際にテレビでね。報道ですと、お医者さんの中にもその辺がよくわからないということで、医療の間違いがあるかもしれないなという報道がなされているんですが、その辺のところは医師会の皆さんと徹底して現状把握について、認識について、失礼な形になりますけれども、改めて確認をしているということはあるんでしょうか。
山川保健福祉部副参事(保健予防担当)
 保健所から特に発出したり文書したりはしてございませんが、日本小児科学会が最近インフルエンザ脳症について注意をしてほしいということで、当然新型におけるインフルエンザ脳症と今までの季節性におけるインフルエンザ脳症の違いはまだわかりません。インフルエンザと脳症のメカニズムそのものも厳密に言ったらわかりません。ただ、特定の解熱剤を使うと脳症の発症が高いというデータは、研究班の結果で季節性インフルエンザについてはできております。ですから、やたらに解熱剤を勝手に飲まないようにということは当然、もう以前の季節性インフルエンザの段階から周知されていますし、特に小児において、小児科の先生でそういった解熱剤をお使いになる先生はまずいないと考えております。
山崎委員
 それから、インフルエンザの流行期に入っているけれども、早期に手を打って10%、普通より低い水準で学級閉鎖だとか、そういうことをするんだということで、保育園なんかについてはクラス保育みたいなことで工夫をしているという報告があったんですが、これから秋に向かってさまざまな区が主催をするイベントというのが予定されていると思います。区が、各町会だとか商店街だとかがやられることについて、あまり手を突っ込めないなとは思いますが、区が主催をして大々的にやるような事業については、現在のところ続行というような考え方だろうと思うし、僕も実行させてあげたいなと思いますが、場合によってはどこかで歯どめをかけなくちゃいけないことも生じるな。具体的に直近で考えれば、中野まつりなんていうのがそのいい例でありまして、このままで、この状態でいくならできるのかなと思いますが、そうした流行の程度によってガイドラインを持っていて、こういう状況であれば、ある意味残念ながら中止というような判断をするのか、どうであれやってしまうのかということについてもある程度見解をお持ちなのかなという思いなんですが、いかがでしょうか。
金野保健福祉部長
 区の対応につきましては、随時、健康危機管理対策本部会議というものを持っておりまして、区長をはじめ関係の部、それから当然保健所の担当も出て対応を協議しております。今のところ、事業の中止ということは現在予定はしておりませんが、今後の流行状況を見ながら必要な協議をして、場合によっては何らかの対応をするということも検討したいと思っております。
山崎委員
 そうすると、現在のところはそうしたガイドラインは持っていないということですね。
金野保健福祉部長
 現在、こうした場合こうするという基準は特に定めてございません。
委員長
 よろしいでしょうか。
山崎委員
 はい。
岡本委員
 いろいろ区のホームページを見ておりましたら、昨年の3月に、保健福祉部と保健所で新型インフルエンザ対策マニュアルという大変立派なものが出ておるのがわかりまして、丁寧に読ませてもらいました。去年の段階でマニュアルができておるんですが、ことしに入って3月、4月ぐらいからこの流行が始まったのに対して、そのマニュアルをそのまま使えるのか。あるいは、去年の3月に出したマニュアルとはやっぱり若干修正・変更をすべきなのか。その辺は検討されているんでしょうか。
山川保健福祉部副参事(保健予防担当)
 インフルエンザのマニュアルについてですけれども、全国的には国がつくったマニュアルで、各都道府県単位では東京都が作成したマニュアル、それと連動して各区の作成するマニュアルということで、強毒性の鳥インフルエンザを前提に作成したものが委員がごらんになったマニュアルでございます。今回の新型インフルエンザは鳥インフルエンザとは違って弱毒性ということで、既に国全体が行動計画、いわゆるマニュアルに沿った対応ではなく、基本的対処方針ということで、別な形で方針を出してございます。それに基づいて一応基本的には各自治体が対応している。ただ、中野区といたしましては、今回の新型インフルエンザの対応の教訓も踏まえて、今までのマニュアルについては改定をすると。現に旧マニュアルと現在の対応の内容で基本的に違うところもございますので、そういったものは根本的に変えて、新しいマニュアルを作成するということで予定してございます。
岡本委員
 多分そうではないかと思って、去年の3月のを見ますと、発熱外来の診療の中身を区民に知らせるみたいな、そういう何かちょっと危ないというか、そんなことを書いて、これは多分今は発熱外来の場所も公表しないのに、診療の中身を区民に公表するということはまずあり得ないと思うんです。その辺は当然変えなきゃいけないんではないかなと思っておりましたけど、いつごろそれは改定しようとされていますか。
山川保健福祉部副参事(保健予防担当)
 できるだけ早く、間もなくというところで、いつという具体的な期日はちょっとお答えできないんですが。
委員長
 よろしいでしょうか。
岡本委員
 はい。
伊東委員
 先ほど御報告いただいたのは東京都の数字で、指標としては3ですか。中野区についてはどうなんですか。
山川保健福祉部副参事(保健予防担当)
 中野区については、先ほどのは第35週という報告で、8月24日から8月30日なんですが、中野区の一番最近の直近ですと、既に定点当たり4.8です。この中野区の報告が東京都に上がって、東京都が全体を集めた上で集計して全体数を出すと。ですから、先ほど3.3を超えたといった報告は、今週末にはもう既に当然3以上の東京都全域の報告をして数が出てくるというふうに想定しています。
伊東委員
 調査の時期が学校の夏休みが終わって、新しいというか授業が始まる時期、それまででも学童クラブですとか子どもたちが集う場所というのは幾らでもあったと思うんですけれど、やはりそれはふえる傾向が見られるのか、あるいは地域によっての偏重があるのか、その辺は把握されているんですか。
山川保健福祉部副参事(保健予防担当)
 地域別の偏重については、特に注意して把握はしてございませんが、予想外にクラブ活動、あるいは臨海学校等の移動教室、あとはスポーツ大会、そういったところを介した複数の発生は夏休み中の間ほぼずっと続いていたと。ただ、それはあくまでクラブ活動単位で、特定のクラブという集団の中での発生ということと、2名ぐらいの発生の段階から対応しているということで、クラブ活動を超えた生徒間での広がりまでは至ってございませんが、それだけ子どもたちの活動がやっぱり活発で、学校の夏休みといえどもなかなか感染をそこでストップさせるということはできなかったということが状況です。
 今後でございますが、今後は学級閉鎖については、考え方としては学校内で感染を広げないために、事前の策として早目に閉じるという考え方と、もう患者がふえちゃって授業が成り立たなくて対応策として閉じるといういろんな考え方がございますが、中野区の場合は今のところ事前の早目の対応として、なぜかというと、例えば土曜・日曜の休みの日をあけた月曜日に学級閉鎖が多いとか、それは学校ではやったんではなくて、日常生活の中で感染して、月曜日に学校へ行こうと思ったら熱が出たという状況等について学級閉鎖をしたというケースもございます。早目早目の対応で、今後学校教育の分野で対応していただくということになってございますし、また先ほどの基準も、都内の蔓延状況によっては当然随時見直されるものだと考えてございます。
伊東委員
 先ほど山崎委員のほうから中野区のこのような授業について、感染の拡大によってはそれを実施するのかしないのか、判断の基準は今のところ持っていないという御答弁だったんですけれど、一方でなかなか民間にはこうしなさいとは言えないんですけれど、やっぱり民間でも集まった集会ですとか、あるいはふだんの活動の中で、どうしても複数の人間が集まってしまう。それに対してのこういうことは注意したほうがいいですよという呼びかけの方法というのは持たれているんですか。
 例えば先ほど学校じゃなくても、地域のスポーツクラブみたいなところでは、やっぱり土・日に集中して練習を行ったり試合を行ったりという場合があったり、土・日であれば子ども会行事があってみたりというようなことがあると思うんですけれど、どれくらいまでいったらばこういうことは最低限、どういうルートを通じてどういう呼びかけをしなきゃならないかなという、方針とまではいかなくても、そういう考えをお持ちなんですか。
山川保健福祉部副参事(保健予防担当)
 区内の各セクションが関係する事業所とか人の集まる場所については、事前に掲示をするなりして注意喚起を行うと。あと民間の事業所については、特別、保健所のほうから特定の相手に対しての周知は行ってございません。やはり電子情報を通していろんなところで情報をとりつつ、民間も対応しているというのが現状でございます。
かせ委員
 報告にはなかったんですが、国のほうでもワクチンの話はいろいろ言われているんですけれども、予防接種について中野区は今どのように考えていますか。
山川保健福祉部副参事(保健予防担当)
 新型の予防接種については、来週早々に国が各自治体の担当に招集をかけております。そこで何らかの考えが示されるというふうに考えてございますので、それを受けてということになろうかと思います。
かせ委員
 いろいろ先ほどの要望の中にもありましたけれども、区としては議長会であるとか区長会であるとか、じゃないか。さっきの要望書にありましたよね。あの線でやっていくということで、特別あれですか。こういう方針でというのはないと。向こう待ちというか、こういうことですね。確認しておきます。
山川保健福祉部副参事(保健予防担当)
 基本的に今の新型インフルエンザの予防接種は、供給量がかなり十分ではないと。ですから、各自治体はやはりできるだけ平等に対応すべきと考えてございますし、季節性インフルエンザのワクチンも、新型インフルエンザのワクチンを製造する等の理由もあって、例年の8割程度の供給になるだろうと言われています。それについてはもう既に国のほうが受給調整と供給量の把握とか、そういったことの準備について対応を進めているということですから、できるだけ我先にの買い占めがないように対応して、平和的に何とか乗り越えられればと思ってございます。
委員長
 他に質疑はございませんか。よろしいですか。

〔「はい」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、以上で本報告について終了します。
 次に8番、上告事件及び上告受理申し立て事件の決定についての報告を求めます。
柿内保健福祉部副参事(保険医療担当)
 それでは、上告事件及び上告受理申し立て事件の決定について御報告いたします。(資料10)
 本件につきましては総務委員会が所管でございますが、当部の保険医療分野も関係してございますので、厚生委員会でも報告するものでございます。
 事件名でございますが、裁決取消等請求上告事件と裁決取消等請求上告受理申し立て事件でございます。
 当事者でございますが、上告人兼申立人は中野区民でございます。被上告人兼相手方は中野区でございます。
 訴訟の経過でございますが、平成18年5月17日に、東京都国民健康保険審査会に審査請求の提起がございました。平成19年7月25日でございますが、審査請求に対する請求棄却が出ております。それを受けまして同年の10月4日、東京地方裁判所に訴えを提起されまして、平成20年9月26日に同地方裁判所のほうで訴え棄却判決の言い渡しがありました。それを受けまして、また10月8日に東京高等裁判所のほうに控訴の提起がございました。平成21年3月18日でございますが、東京高等裁判所で控訴棄却判決が言い渡されました。同年4月1日に最高裁判所に上告の提起及び上告受理の申し立てを行いまして、それを受けまして、7月31日に最高裁判所で上告棄却及び上告不受理の決定がなされたものでございます。
 事件の概要でございますが、本件は中野区国民健康保険の被保険者である上告人兼申立人が左長拇指伸筋腱の腱鞘炎につきまして、柔道整復師から受けた施術の費用につきまして、国民健康保険法の規定の療養費として各支給申請をしましたところ、区長から当該施術の費用は療養費の支給対象とはならない旨の各減額支給決定処分を受けたことにつきまして、上告人兼申立人が、本件各決定は支給基準の理解を誤り、裁量の範囲を逸脱するなど違法であるとして、本件各決定のうち不支給額決定部分の取り消しを求めた事案でございます。
 第1審では請求が棄却されたため、上告人兼申立人はこれを不服といたしまして東京高等裁判所に控訴を提起いたしましたが、第2審でも控訴が棄却されたため、上告の提起等をしたものでございます。
 5番目でございますが、上告の提起等の趣旨でございます。
 1点目でございます。上告の提起の趣旨は、原判決を破棄し、さらに相当の裁判を求めるというものでございます。
 2点目でございます。上告受理の申し立ての趣旨でございますが、上告申し立てを受理することを求めるということです。
 裏面のほうをごらんください。6番目、決定でございますが、1点目でございます。主文でございます。アでございますが、本件上告を棄却する。イでございます。本件を上告審として受理しない。ウでございます。上告費用及び申立費用は上告人兼申立人の負担とするものでございます。
 2番目、理由でございます。アの上告についてでございますが、民事事件につきまして最高裁判所に上告することが許されるものは、民事訴訟法の規定の特定の場合に限られるところ、本件上告理由につきましては違憲ということを申し立ててございますが、その実質は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しない点でございます。イでございますが、上告受理申し立てにつきましては、本件申し立ての理由によれば、本件は民事訴訟法の規定により、受理すべきものとは認めないというものでございます。
委員長
 ただいまの報告に対し質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 質疑がなければ、以上で本報告については終了します。
 次に9番、その他で何か報告はあります。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 ありませんか。なければ、以上で所管事項の報告を終了いたします。
山崎委員
 前回、後期高齢者の保険証の誤発送についての御報告がありましたが、その後どうなったか御報告いただけますでしょうか。
柿内保健福祉部副参事(保険医療担当)
 その後、私どもで回収を図っておりまして、残り9件ということでございますが、実績には4件ということです。既に御本人が破棄されたのが2件、期限切れというのが2件ということ、届いていないというのが5件ございました。残り4件につきましては再度お願いをしているということと、あと2件については返送をお願いしてございます。あと残りの2件でございますが、何度か訪れており、電話でも連絡をしておりますが、その連絡がとれないということで、引き続き行っているものでございます。残りの連絡がつきました7件につきましては、既に1割の保険証については使っていないということでございますので、今のところ誤った形で保険証を使われたということはないということで報告が入ってございます。
山崎委員
 連絡がついていない2件については今後どうするんでしょうか。
柿内保健福祉部副参事(保険医療担当)
 今後とも訪問等を繰り返しまして、接触を図っていきたいと思ってございます。
山崎委員
 口頭で結構ですから、ぜひ報告をいただきたいと思います。
柿内保健福祉部副参事(保険医療担当)
 次回の委員会のほうで報告をしたいと思ってございます。
委員長
 審査日程のその他に入ります。
 次回の日程について協議したいので、委員会を暫時休憩します。

(午後4時53分)

委員長
 委員会を再開します。

(午後4時53分)

 休憩中に確認しましたとおり、次回は第3回定例会の委員会とし、急な案件が生じた場合は正副委員長から連絡をさせていただくということで御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように決定します。
 本日予定した日程は終了しますが、委員、理事者から発言はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、以上で厚生委員会を散会します。

(午後4時54分)