平成20年10月21日厚生委員会
中野区議会厚生委員会〔平成20年10月21日〕
厚生委員会会議記録
○開会日 平成20年10月21日
○場所 中野区議会第3委員会室
○開会 午後1時02分
○閉会 午後3時17分
○出席委員(8名)
佐藤 ひろこ委員長
小林 秀明副委員長
山口 かおり委員
やながわ 妙子委員
酒井 たくや委員
篠 国昭委員
市川 みのる委員
来住 和行委員
○欠席委員(0名)
○出席説明員
子ども家庭部長 田辺 裕子
子ども家庭部経営担当課長(育成活動支援担当課長、男女平等担当課長) 瀬田 敏幸
子育て支援担当課長(子ども家庭支援センター所長、地域子ども施設連携担当課長) 浅野 昭
子ども健康担当課長 原田 美江子
保育園・幼稚園担当課長(幼児研究センター所長、幼児教育担当課長) 白土 純
地域子ども家庭支援センター担当課長 野村 建樹
保健福祉部長 金野 晃
保健所長 浦山 京子
保健福祉部経営担当参事 岩井 克英
保健予防担当参事(結核予防担当参事) 本保 善樹
生活衛生担当課長 古屋 勉
健康推進担当参事 尾﨑 孝
福祉推進担当課長 伊東 知秀
中部保健福祉センター所長(中野地域包括支援センター担当課長、
北部保健福祉センター所長) 鈴木 郁也
南部保健福祉センター所長 高里 紀子
鷺宮保健福祉センター所長 大石 修
障害福祉担当課長 辻本 将紀
障害施設担当課長 大橋 雄治
生活援護担当課長 黒田 玲子
保険医療担当課長 柿内 良之
介護保険担当課長 飯塚 太郎
○事務局職員
書記 荒井 勉
書記 土屋 佳代子
○委員長署名
審査日程
○所管事項の報告
1 中野区健康づくりシンボルマーク・標語の決定について(健康推進担当)
2 中野区福祉サービス苦情調整委員(福祉オンブズマン)の委嘱について(福祉推進担当)
3 中野区成年後見支援事業の実施について(福祉推進担当)
4 中野区認知症地域支援拠点モデル事業の実施について(福祉推進担当)
5 中野区障害者福祉会館指定管理者候補者の選定について(障害施設担当)
6 生活保護費支給に関わる現金取扱い事件に関する調査結果について(生活援護担当)
7 訴訟事件の判決について(保険医療担当)
8 中野区介護保険の運営状況(平成19(2007)年度)について(介護保健担当)
9 その他
(1)訪問介護事業所の介護事業に係る指定の停止について
○所管事務継続調査について
○その他
委員長
定足数に達しましたので、厚生委員会を開会いたします。
(午後1時02分)
本日の審査日程ですが、お手元に配付の審査日程(案)(資料1)のとおり進めたいと思いますが、これに御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議はございませんので、そのように進めます。
なお、審査にあたっては午後5時をめどに進めたいと思います。また、3時ごろに休憩をとりたいと思いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
前回に引き続き、所管事項の報告を受けます。
中野区健康づくりシンボルマーク・標語の決定についての報告を求めます。
尾﨑健康推進担当参事
中野区健康づくりシンボルマーク・標語の決定について御報告いたします。(資料2)
健康づくりを推進するにあたり、健康づくり事業をより親しみやすいものとするため、シンボルマーク及び標語の公募を行い、選定委員会において最優秀作品を決定したものでございます。
公募は6月17日から7月31日まで、区報やホームページなどで募集いたしました。応募作品はシンボルマークが166点、標語が439点ございました。選定に当たりまして医師会や体育協会、小P連など区内関係団体と東京工芸大学の先生、区の関係部課長により選定委員会を設置いたしまして、9月5日に委員会を開催して最優秀賞、区長賞、選定委員会賞、入選作を選定いたしました。
裏面をごらんいただきたいと思います。最優秀作品がありますので、御説明を申し上げます。
まず、シンボルマークでございますが、中野の平仮名の「な」をモチーフにいたしておりまして、心身とも健康で元気な区民の姿をあらわしております。標語につきましては、健康づくりを応援・サポートする取り組みを端的に表現した「中野はげんき応援区」が選ばれております。
なお、右隅にあります数字でございますが、これは受付番号でございます。
また元のページをごらんいただきたいと思います。1ページ目でございますが、受賞者には副賞等を贈呈する予定でございます。また、最優秀作品については、区がキャンペーンなどに活用するため、受賞者との間で著作権などの譲渡契約を締結いたしております。
今後でございますが、10月24日、区長記者会見で最優秀作品を発表いたします。11月5日号の区報及びホームページで公表をいたす予定でございます。
委員長
ただいまの報告について質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で本報告については終了いたします。
続きまして、中野区福祉サービス苦情調整委員(福祉オンブズマン)の委嘱についての報告を求めます。
伊東福祉推進担当課長
それでは、中野区福祉サービス苦情調整委員(福祉オンブズマン)の委嘱について御報告いたします。(資料3)
この福祉サービス苦情調整委員につきましては、前回平成18年10月1日付で委嘱をしまして、2年間の任期が満了しましたので、今回次の者に委嘱したというところでございます。
委嘱者は、早稲田大学法学部教授の岩志和一郎氏、そして弁護士の大島やよい氏でございます。お二方とも再任でございます。委嘱期間、これは任期でございますが、平成20年10月1日から2年間でございます。根拠法規は、中野区福祉サービスの適用に係る苦情の処理に関する条例でございます。
報告については、以上でございます。
委員長
ただいまの報告について質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上でただいまの報告については終了いたします。
続きまして、中野区成年後見支援事業の実施についての報告を求めます。
伊東福祉推進担当課長
それでは、中野区成年後見支援事業の実施について御報告いたします。(資料4)
まず、目的でございます。この事業につきましては、認知症や知的障害、精神障害などによりまして判断する能力が十分でない区民の方の権利と財産などを守るための成年後見制度、これを普及・推進するために実施するというものでございます。
事業内容でございます。(1)の成年後見制度に関する相談。これにつきましては、電話や窓口での面談による相談のほか、こちらから出向いていくいわゆる訪問による相談、もしくは弁護士による専門相談を実施するというものでございます。
(2)成年後見制度の申し立て手続の支援。これは申し立てに関します書類の作成方法についての相談や、申し立てについての学習会を実施するということで、制度を利用される方の手続きを支援するというものでございます。
(3)成年後見人、補佐人、補助人及び任意後見人の支援。成年後見制度におきましては、対象となる方の判断能力の状況によりまして後見人、補佐人、補助人のいずれかが選任されることになっております。また、御本人が十分に判断能力があるときに、将来に備えまして、御自分の判断能力が十分でなくなった場合に、あらかじめどなたにどのようなことをしてもらうかということを契約で定めておく制度、これは任意後見ですが、こういった制度がございます。区民の中には、既にこういった成年後見人、任意後見人になっている方がいらっしゃいますので、そういった区民への支援、具体的には成年後見制度の学習会や後見人同士の情報交換会を実施するということで、そういった方の支援を行っていくというものでございます。
(4)地域ネットワークの活用。これは、そういった後見人の方を支えるために、地域における関係機関とのネットワークを構築していくというものでございます。地域におけるさまざまな団体と連携をして進めていくというものでございます。
(5)後見人等の候補者の育成及び活用。後見人というのは、基本的に親族の方とか、あるいは弁護士とか司法書士とか社会福祉士といった専門職の方が後見人というふうになってございますが、近い将来、制度が普及活用されるようになりますと、そういった親族や専門職の方だけでは担い切れない、後見人の数が足りないということも予想されます。そのために、社会に貢献をするといった精神で後見業務を担っていただく区民の方、そういった方を育成していく必要があるというふうに考えてございます。そういったことの将来後見人となる方の候補者の育成と活用を図っていくというものでございます。
(6)成年後見制度に関する普及啓発活動。この成年後見制度につきましては、介護保険制度とともに制度が発足しまして9年目を迎えますが、まだまだ十分に区民の方に制度が浸透しているとは言い難い状況となってございます。制度が利用されるためには、まずこの制度についてしっかりと区民の方にPRの普及をしていくということが大事になってきます。そのための普及啓発活動を行っていくというものでございます。
(7)その他区長が必要と認める事業でございますが、この事業の目的を達成するために、(1)から(6)に掲げてきた以外に必要な業務、これが必要になってきたときに実施するというものでございます。
実施時期につきましては、平成20年10月1日、今月1日から事業については開始してございます。
4番目、事業の実施方法でございますが、以上、説明してきました業務を中野区社会福祉協議会に区から委託をして、社会福祉会館(スマイルなかの)で中野区成年後見支援センターという名称を掲げて10月1日から実施をしてございます。
5番目、利用対象者ですが、認知症や知的障害、精神障害等によって判断能力が低下してみずからの財産管理や日常生活を営むことが困難な御本人やその御家族などでございます。
最後に事業の実施時間等でございますが、社会福祉会館の休館日である第3月曜日は除きますが、月曜日から土曜日に実施しております。時間は午前9時から午後5時まで。休業日が日曜日、祝日、第3月曜日、年末年始となってございます。
以上、中野区成年後見支援事業の実施についての御報告でございます。
委員長
ただいまの報告について質疑はありませんか。
やながわ委員
10月1日から成年後見支援事業が社会福祉協議会に委託して実施されたと。今、この成年後見人に何人の方がなっていて、これを利用している区民の皆さんはどのくらいいらっしゃるんですか。
伊東福祉推進担当課長
成年後見人に何人なっているかというものは、あくまでも成年後見につきましては、裁判所に申し立てて選任されるということになってございまして、区が直接区民の方で後見人が何人になっているかというデータについてはつかんでおりません。区のほうでは、そういった申し立てをする身寄りのない方について、区長名で後見人についての申し立てをする制度がございますが、それについては区で実施しておりますので把握しておりますが、区民の方が何人というのは把握してございません。
やながわ委員
これから必要な制度になってくることは間違いないと思うんですね。特に中野の高齢者というと、ひとり暮らしや老老夫婦という方々が大変多いというふうにも数字で出ておりまして、必ずこの中からそうした状況になる方もおられると思うんです。区は、これを社会福祉協議会に委託して事業を行ってもらうと。この成年後見支援センターとして何人ぐらいの人がここで仕事をされているんですか。
伊東福祉推進担当課長
センターの職員体制というふうに理解させていただきますが、相談員を含めまして4名の体制になってございます。
やながわ委員
所長を入れて4名だと思うんですね。この4名の中で、今スタートしたばかりですからわからないと思うけれども、今後の事業内容として(1)から(7)まで課長から御報告あったんですが、後見人等の候補者の育成及び活用、5番、6番なんかはこの4名で本当にできるのかどうかといったら、多分大変難しいことだと思うんですね。後見人等の候補者の育成及び活用、たくさんいなくてはならないんじゃないかと思うんですね。かなり前に世田谷の成年後見センターに行ったときに、人材の活用というんですか、これもいち早く手がけておりまして、後見人の候補者って、裁判所が認めなければいけないという。ちゃんとできる人は、弁護士だとか司法書士だとか、専門職を持った人がやれるわけなんですが、しかし、費用から考えると、果たして弁護士の先生たちがやるのかなというふうに、私は疑問なんです。
だけど、こうした人たちを支えていく、まちの中で。きのうも地域のネットワークづくりでいろいろお話ありましたけれども、まさにこの人たち、人材育成というか後見人の候補者の育成というのは大事な分野になってくるんだと思うんです。団塊の世代が2007年からリタイヤしていく。大手企業の、例えば建設会社だとか、いろいろな会社に勤めていた人なんか、法規担当とか、かなり専門知識を持っておられる方もたくさんいるわけですよね。そうした方々も登用しつつ、育成をしていくって、1回、2回の講習会を受けて、はい、いいわよというわけではならないと思うんです。
この1から7の事業内容の中に、この育成及び活用という、これだけやっていたって間に合わないだろうなと私なんかは思っちゃうんですが、こうした場合、委託したからおたくで全部やるのよと、これは到底無理だと思うんです。世田谷も2年間かけるんですよね。1年間はその人たちが住んでいる地域に、いろいろな行事に出てもらうというんです。そして、最後の1年間は法規担当で法律を学んでいただくと。地域になじんで1年間、わかっていただいた上で、そしてさらに法律を学ぶという、2年間の養成講座をつくっているわけです。そう考えたときに、区もこうやって事業内容をぽんと入れているけれども、私はむしろこういったところは区がきちんと担わないと、4名の方々でこれは無理だと。ましてプログラムをつくっていくなんていったら、到底できることではないと思うんですが、その辺、ここにこういうふうに書いてあるけれども、区の責任というか、支援はどのように考えておられるんでしょうか。簡単に書いてあるけれども、大丈夫なのかなという心配も含めてお尋ねします。
伊東福祉推進担当課長
確かにこの後見人の養成については、重要になってくるものでございます。委員御指摘のように、センターは4人の職員だけでできるのかどうかということでございますが、まず、成年後見制度については育成するためのカリキュラム、東京都の研修がございます。そういった成年後見についての理解ある方に研修を受講していただくということ。まず研修でそういった基礎的な知識等を学んでいただいた上で、今度は具体的に実務を経験しなくちゃいけないですから、社会福祉協議会の中に生活支援員という地域福祉権利事業、いわゆるお年寄りの金銭管理とか、そういった業務を行う生活支援員という位置付けの職員がおりますので、そういった業務を行いながら実務を経験していただくと。そういった方を、知識と経験を積んでいただいて、後見人の候補者というふうに育成をしていくということで考えています。設置する主体としての区の責任としましては、センターの4人の職員に任せ切るということではなくて、そういった方法も活用しながら後見人の候補者を育成していくということを考えてございます。
やながわ委員
生活支援員がどこまでできるかわからないんですが、やはり独自に、東京都の研修だけでいいのかというよりも、中野区として、中野区の区民の方々の成年後見ですので、中野区という地盤に密着した形で、ある意味でこれが実は普及啓発になるわけですよ。自分もこれならできるかもしれないな、なんて。地域で町会に出られない力ある人材は山ほどいると私は思っています。そうした人材活用も含めて、こういう形だったらできるなというような、そういう意味で、私はこの中の仕事の一つと同時に、支援体制を大きく、きのう言われた地域ネットワーク、この地域づくりの中でも違った方々の発掘、人材育成、活用という方向に私は向かっていくと思うんですよ。
だから、ここだけに任せるんじゃなくて、事業内容の一つではあるけれども、区は新たに、きのうも載っていましたけれども、この成年後見人の候補者をどのように育てていくかということを、きちんとした仕組みをつくっておくべきだと思うんです。多分、この事業内容で4名の人たちに投げちゃえば、恐らく手も足も出てこないと思う。こうしたものを区が、あるところはバックアップしていく。いろいろな形で大事なポジションになってくると思うんです。そういう人たちが出始めるということ。成年後見って、一緒に銀行に行ってあげたり、判こを持ってその人たちと。弁護士がそこまでやるかなと私なんかは思っちゃうんですけれども、そうやって使命と責任を持って地域の人々、中野区民を支えていただくという、大きなこれからの人材活用として、私はねらいどころだなと思っている1人なので、区としてもそうしたバックアップ体制、仕組みを、東京都のあれがあります、また生活支援員があります、こういう対応の仕方じゃなくて、区としてもこうした仕組みをちゃんとつくってバックアップしていきますと、こういう姿勢を示さないと、何でも絵にかいたもちになってしまうので、その辺は、要望と言うと答弁要らないと言われちゃうから、つくるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
伊東福祉推進担当課長
まさに中野において、中野でそういった後見活動を行っていく人材の発掘、これはすごい重要だというふうに認識してございます。先ほども少し説明差し上げましたが、そういった後見人を支える、もしくは人材を発掘するための仕組みとしまして、いわゆるネットワークを積極的に活用していくと。地域の町会自治会、民生委員、地域包括支援センター、後は先ほど言いました専門家である弁護士とか司法書士、金融機関等とも連携をとりながら、そういった人材の発掘、さらには制度のPR、区民への周知を図っていきたいと。そのために区としてもしっかりとやっていきたいというふうに考えてございます。
篠委員
有資格者をもう1回教えてください。
伊東福祉推進担当課長
弁護士の先生を専門相談員ということでお願いしてございます。
委員長
ほかに質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
それでは、以上でただいまの報告については終了いたします。
続きまして、中野区認知症地域支援拠点モデル事業の実施についての報告を求めます。
伊東福祉推進担当課長
それでは、中野区認知症地域支援拠点モデル事業の実施について御報告いたします。(資料5)
まず、目的でございます。認知症に関しまして、地域の拠点となり得る介護サービス事業者がモデル的に行う事業、自主的に取り組む事業といったものに対しまして、区としてその事業の補助を行うというものでございます。
内容につきましては、マル1、認知症の方とその家族が安心して暮らすための支援事業、マル2といたしまして、地域において認知症に対する理解を促進するための啓発事業、こういったものに対して補助を行うというものでございます。
具体的な対象事業でございますが、認知症の方と家族を支えるといったことに主眼を置きつつも、関係機関との連携を図りながら、地域において認知症ケアの拠点としての機能を発揮していただくための事業でございます。
(1)の地域コーディネーターの配置でございます。これは、介護サービス事業者がみずからの職員の中からこういった地域コーディネーターという位置付けの職員を指定していただき、その職員を中心として事業を実施してもらうということで、具体的には地域との連携や窓口といった役割を担っていただきます。
(2)地域向け相談・普及啓発事業。これは、施設を利用している方だけではなく、その地域で認知症の家族を介護している方を対象とした相談会の実施や地域住民に対する理解促進のための普及、PR活動を実施するということでございます。
(3)ネットワーク構築のための事業。これは、地域の住民の方や学校や商店街、そういった日常生活にかかわるところとの連携によって、地域において認知症の方やその家族を支援すると。また、地域包括支援センター、保健福祉センター、民生委員、町会自治会、社会福祉協議会、医療機関等との連携も図っていくというものがネットワークの構築でございます。
(4)その他独自の取り組みということで、(1)から(3)以外で地域特性、いわゆる事業者が地域で事業を展開しておりますが、その地域の特性を踏まえた事業者独自の取り組みというものでございます。
実施期間は、平成20年10月1日から平成21年3月31日までといたします。今年度の実施状況を踏まえまして、21年度も同一の事業者により継続をして実施する予定でございます。10月1日から来年度の1年半かけて実施をするという予定となってございます。
事業者への補助額につきましては、1事業所当たり、今年度につきましては半年で50万円、2事業所ですので、事業費総額としては100万円となってございます。
実施事業者につきましては、中野区認知症地域支援拠点モデル事業実施事業者募集要項により、応募のあった7事業所について選定委員会で審査を行い、次の2事業者を決定したところでございます。
なお、2事業者を選定するに当たりましては、中野区内の地域が偏らないようにするために、区域を南北に分けてそれぞれ1事業者ずつ選定を行いました。
まず、北部地域でございますが、社会福祉法人武蔵野療園、事業所としましては、グループホームゆうあいでございます。南部地域は、株式会社日本エルダリーケアサービス、事業所としましては、デイホームゆりの木中野でございます。
以上、中野区認知症地域支援拠点モデル事業の実施についての御報告でございます。
委員長
ただいまの報告について質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
それでは、以上で本報告については終了いたします。
続きまして、中野区障害者福祉会館指定管理者候補者の選定についての報告を求めます。
大橋障害施設担当課長
中野区障害者福祉会館指定管理候補者の選定について報告いたします。(資料6)
まず、指定管理者候補者選定までの経過についてです。募集期間としまして、募集要項の発表を平成20年6月3日に行いました。そして、それに基づいて書類の受付期間といたしまして、平成20年7月1日から7月3日の間を設定いたしました。
次に、対象法人といたしましては、都内及び近県(千葉県、埼玉県、神奈川県)において知的障害者施設または身体障害者施設を運営し、良好な成績を有するもの。そして、社会福祉法人であることという法人を募集いたしました。
3番目に、募集の周知につきましては、5月20日号の中野区報及びホームページでの周知及び該当法人への個別周知を行いました。この個別周知というのは、約60法人に対して事業者説明会を行うという通知を送ったものです。
4番目に、具体的に応募があった法人は3法人でした。
次に、選定方法といたしまして、保健福祉部の管理職ほかで構成した指定管理者候補者選定委員会において、法人が提案する企画提案書類の審査及びヒアリングを行った上で指定管理者候補者を決定いたしました。決定したといいましても、議会の議決をいただく前ですので、内定したという状態です。保健福祉部の管理職ほかにつきましては、沼袋地域センターを所管する区民生活部北地域担当課長がメンバーとして入っております。
3、選定結果といたしまして、社会福祉法人東京都知的障害者育成会に内定いたしました。
次に、主な評価事項といたしまして、以下の5点について評価した上で内定したというところです。
まず、施設運営に対する理念。ここには具体的な運営計画、事業計画等もあわせて評価しております。2点目に利用者の支援や支援プログラムに対する考え方、そして、事故防止や安全対策についての考え方、4番目に職員の確保・育成についての考え方、5番目に事業運営能力、これは財政等も含めて事業運営能力を評価しております。
5番目といたしまして、指定管理者の指定期間につきましては、平成21年4月1日から平成26年3月31日の5年間を予定しております。
最後に、今後の予定といたしまして、きょう事業者の報告をさせていただきましたが、指定の議決に関する議案は、第4回定例会に提出する予定で進めさせていただいております。
委員長
質疑はありませんか。
山口委員
総括質疑のほうでも触れさせていただいたことなんですけれども、現在区のほうから障害者福祉会館の清掃業務の委託を障害のある方たちにされているかと思います。これについては、引き続きの雇用を指定管理者業務委託先のほうに働きかけていくという答弁であったかと記憶しておりますけれども、それについてはどのようになっていますでしょうか。
大橋障害施設担当課長
議決をいただきまして、事業者が決定された段階で、総括質疑でもお答えさせていただいたような事業者への一定の働きかけをしたいと、そのように考えております。
山口委員
実際に鷺宮体育館が指定管理に移行したことで、区が委託をしていた清掃業務の報酬が3分の1以下に下がってしまったというような実例もございますので、そういう意味では引き続きの清掃業務の委託というか、障害者の方の雇用の場が失われないように努力していただきたいのと、そういった報酬といいますか、その点でもぜひ業者の方と協議していただきたいと思いますが、いかがですか。
大橋障害施設担当課長
やはり、障害者の雇用を確保していくということは大切なことだと私たちも考えております。ただ、事業者に対する幾らで具体的にお願いするかという点につきましては、総括質疑でもお答えさせていただいておりますが、指定管理の事業者の事業の中身となっております。ですから、そういうことも含めて、指定管理の事業者に区として幾らの経費でお願いするか、そういう全体の中で清掃についての予算等も考えられていくものですから、そういう全体の幾らお支払いするか、そういう中で検討されていくものだと考えております。
委員長
ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、ちょっと一言。
副委員長
委員長を交代します。
佐藤委員
ここの指定管理者の指定期間のところなんですけれども、予定と書いてあって5年になっております。この前の日曜日にかみさぎこぶし園のお祭りがあって、あちらにお伺いさせていただいて、かみさぎこぶし園も同じ指定管理者ですよね。同じ結果になったんですけれども、当初、親の方の不安もいろいろあって、なれるということがすごく利用者の方にとって大事なので、なれるまでに期間があって、やっと地域とも、今4年目ぐらいでしょうか、なれてきて、地域のボランティアの方も含めてすごい盛り上がりの中で、これからという感じで頑張っていらっしゃるというところで、あそこはたしか10年の指定期間だったと思います。10年の指定期間だから落ちついて、段階を踏んでやれているというふうにお伺いして、10年の指定期間が自分たちが落ちついて事業展開していける、それから地域の方にも利用者の方にも安心してかかわっていただけるというふうにお伺いしてきたところなんです。なのに、これは5年になっているので、ちょっと5年では、せっかくこれからというときに、また次の選定に入るのということはちょっとあれかなと思いまして、できるだけ長くという形ではできないんでしょうか。というか、なぜ10年という期間があったからよかったと既におっしゃっているところがあるのに、5年というふうなことで予定を立てられているんでしょうか。
大橋障害施設担当課長
かみさぎこぶし園の場合には、10年という形でお願いしてあります。指定管理者制度を取り入れて初めということもありまして、今委員長から御指摘のあったような、なれていただく期間も含めて10年間という設定をさせていただいた経過があります。今回、なぜ5年にしたのかというところでは、確かになれていただく期間も含めて、ある程度一定の期間があったほうがよろしいという考え方も持ってはおりましたけれども、今これだけ制度が動いてくる中で、確かにかみさぎこぶし園の10年の設定の中でもことし4年目の中で、支援費制度からまた自立支援法に制度が変わる。世の中が変わっていく中で、福祉制度も変わっていく。そのような中で、今回10年という設定ではなくて、5年という設定の中でまた5年、6年目に次の事業者を決めさせていただく。そういう世の中の動きにある程度合わせた事業者選定もしていく必要があるのではないかと考えまして、5年という設定をさせていただきました。
ですから、今の事業、今回内定させていただいた事業者の方も本当に意欲のある事業者ですので、次回の事業者選定に向けても努力をしていただいて、また次の期間のときにもぜひ御応募いただいて選ばれる、そういう事業を実施していただきたいと、そのようなことを期待しているところもございます。
佐藤委員
なれてくるとか、それから事業者の落ち着きとか利用者の落ち着きのことを考えると、やはりもう少し時間をとったほうがいいのかというふうに思います、括弧して予定と書いてあるので。この辺は実際に今指定管理者で受けていらっしゃる方たちの御意見などもお伺いしながら、できるだけ安心して安定的に、何よりも利用者にとって安心できる運営の形ができるように、もう一度考えていただきたいと要望をしておきます。
副委員長
委員長を交代します。
委員長
ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
それでは、ただいまの報告については終了させていただきます。
続きまして、生活保護費支給にかかわる現金取り扱い事件に関する調査結果についての報告を求めます。
黒田生活援護担当課長
それでは、報告に先立ちまして、今回生活保護費支給にかかわる現金の取り扱いについての不明金の発生とそれに伴う不適切な事務処理が発生いたしました。これについては、委員の皆様をはじめ区民の皆様に御迷惑、御心配をおかけしましたことをおわび申し上げます。
この報告につきましては、この調査自体を経営室の危機管理担当において調査・作成を行ったものでございます。この報告をもとに、所管としての御報告をこれから行わせていただきます。
それでは、報告に入りたいと思います。(資料7)
報告につきましては、事件の概要と事件の起きた原因について経過をたどりながら御説明をさせていただき、最後に現時点での生活援護担当におきます対応策と今後の検討についての予定について御説明を行っていきたいと思います。
それでは、1ページをお開きください。
事件発覚の経緯及び事件の概要ということになっておりますけれども、生活保護の支給につきましては、通常、生活保護を受給されている方の口座に直接お金をお支払いするか、もしくは区役所まで御本人に来ていただいて直接保護費を支払っております。しかし、入院されていて御本人が銀行や区役所に来ることができない等、やむを得ない事情がある場合には、御本人にかわってケースワーカーが保護費を預かって入院先にお届けしたり、送金したり、また御自宅にお届けしたりというようなことがございます。こういったことが今回の事件の背景になっております。
A担当主事ということでございますが、このA担当主事は、平成20年4月1日の人事異動に伴い、都市整備部に異動しました。その中で、なかなか引き継ぎが進まない中で、不審な点があって係長等がこの事件について問いただして初めて明らかになりましたけれども、その中身につきましては、担当する受給者が入院中で、生活保護費を先ほどお話ししたように受け取ることができないために、受給者にかわって保護費を受け取り、家賃を支払い、病院に生活費を送金するということが予定でありましたが、今回、A担当主事は来客等がその日にあったりしたということで、その日のうちに家賃を払いに行くことができませんでした。そういったことが生じた場合には、本来決められた金庫のほうにお金を保管することになっておりますけれども、その決められた金庫にお金を保管せず、ほかの生活保護の世帯台帳等をしまうキャビネットがありますけれども、そちらのほうにお金を保管してしまい、そのうち保護費がどこにいったかわからなくなったということが平成19年度中に起きたということであります。
これについて本人は、どこからかお金が出てくるのではないかというふうに思い、係長に対する報告も怠り、先ほど言いましたように引き継ぎ処理を行っていた係長がいろいろな事務処理の中で不審な点があり、問いただして初めて明らかになったということでございます。
この事件の報告を受けまして、A主事の担当している事務処理についてほかにも調査をしました結果、不明な点や著しく事務処理がおくれているものが散見されましたために、とりあえずそのときは金銭の不明のあるケースについて不明額について確定をしまして、4月28日に区長のほうへ報告を行いました。その後、そういったほかのケースも散見されるというようなことも報告しておりますので、それを受けて、1ページ目の中段となりますけれども、調査委員会が設けられたということです。
その後、調査委員会ではA主事が在籍していた2年間ですけれども、その間に担当していました生活保護費にかかわる決定や金銭の授受などについての全件調査を実施いたしました。この調査を行っているさなかなんですけれども、この保護費については、国や東京都からも補助金が入っているということもございますので、東京都にもこの途中で報告を行ったところでございます。東京都としても、A主事の取り扱い業務については、7月2日から4日について特別検査を実施するということが言われまして、行われております。
結果的には、A主事の行っている事務処理が不明確な点が多かったために、区の行いました第一次調査についても7月の半ばまで時間がかかったということはございます。第一次調査、A主事の調査の結果報告としましては、2ページから3ページをごらんください。
主に3ページ目の初めでございますが、不明金としては、18年度分については3万円、19年度については16万8,089円、世帯につきましては計5世帯についての不明金がございました。その中身につきましては、アからオにありますように、送金すべき金額を下回っていたものとか、不動産業者への支払いを怠ったもの、また、エにありますように入院日用品費という言葉がありますけれども、これは入院をしている方の生活費についてです。この生活費について、本来の金額よりも上回って送金した月や、その金額よりも下回って送金した月等もありまして、結果的に200円の不明金が出ているといったようなケースもございます。
そういったことをまとめまして、A主事の不適切な事務処理としましては、4ページから6ページにそれぞれの事項について記してございますが、特に6ページの1行目からをごらんください。
アとしまして、収入申告があったにもかかわらず、事務処理をそのまま放置したために生活保護の減額処理等がおくれたケースがございます。
そのほかに、イとしまして、生活している方が入院に移った場合に、生活保護の基準が変更されるということはございますけれども、こういったときに、その後で保護費を返還してもらうケースがございますが、そういったものの返還の事務処理を怠っていたケースが2件。
ウといたしまして、施設に入っている方に、本来施設に払うお金とか食事代を分割して、御本人に渡すお金と施設に払うお金というのを分割して処理いたしますけれども、そういったものを一緒に渡してしまって、その方が支出をして施設のほうにお金が払えなくなったというようなケースが1件。
ほかにはエとしまして、交通費や家賃の更新料ですね。そういったことについて保護の申請を受けていながら事務処理が行われていなかったといったものが13件ございます。そのうち出産の医療費についても申請があったけれども、それも未処理といったようなこともございました。そのほかにも、各ケースについては年に1回から2回訪問をするということが少なくとも定められておりますけれども、そういったこともなかなかできていなかったというような、不適切な処理がございました。
そういったことで、なかなかわかりづらい事務処理もしておりますので時間がかかっていたんですけれども、その間、7月14日から18日に東京都の通常の指導検査が入りました。これにつきましては、毎年東京都から生活保護の業務につきまして指導検査が入っております。この指導検査の中で、全体の中野区の生活保護業務について検査が行われたわけですけれども、その中で、A担当主事以外にも2名のケースワーカーについて、生活保護の事務処理において不適切な処理があるということが講評でございました。そのために、8月にこの2名のケースワーカーについても特別指導検査を実施するという指摘がございました。これを受けまして、A担当主事の事務処理の不明な点を調査していた際にも、これはA主事だけにかかわる問題と、そうではなく、中野区の生活援護担当全体にかかわるような問題もあるということについて認識をしておりましたので、区としてもこれに先立ち、全体の生活保護の業務にわたって全件の調査を行うということを決定いたしました。
この全件の調査につきましては、6ページの2番目の第二次調査結果というふうになっておりますけれども、金銭の授受を行った者について全件の調査を行っております。この件数につきましては、18年度、19年度の2年間やりましたけれども、全体で1,029世帯、支払い延べ件数としましては、8,645件に上っております。金額としては3億18万3,134円ということになっております。
この業務は、通常の業務をとめることができませんので、生活援護のほうで通常の業務を行いながらこの8,000件について調査をしたということで、時間が多少かかったという経緯がございます。この全件ケースの調査の中から、新たな不明金の発生はございませんでした。ということは、2名のケースワーカーについても、収入申告をしていただいた処理がおくれたりとか、訪問がなかなか行けていなかったりというようなこともあったんですけれども、不明金の発生については、そのケースワーカーについても認められるものはありませんということでございます。
しかし、この調査の結果、生活保護の支給にかかわる金銭の取り扱いについて、職員がふだんから行っていることに重大な問題点があるということが明らかとなりました。これにつきましては、7から10ページですけれども、7ページのところで御説明をさせていただきます。
(2)のアのところでございますが、これまで保護費等の現金取り扱いについての内規といいますか、マニュアルを生活援護担当のほうでは作成しておりましたけれども、このマニュアルについての基準や取り扱いが明確に規定されていなかったために、各ケースワーカーによっての判断がまちまちになってしまい、金銭の授受についての領収書をとるとか、そういったことがあったんですけれども、そういったことについても形骸化されたものになっていたという問題点がございます。
イにつきましては、金銭を預かったり、お渡ししたりするときのチェック体制も仕組みが不十分で、お金を預かったところで係長にチェックを入れてもらうとか、渡した後に領収書をもらってチェックをしてもらうというところが一貫していなかったために、それについての組織的な点検ができないというような、仕組み自体が不備な点もございました。
ウといたしましては、そういったことがそれでも、不十分でありながらマニュアルはあったんですけれども、それについてケースワーカーの中に文書化されているものが全員に配布されていず、職員同士の引き継ぎやOJTで口頭により引き継がれていたために、分野全体として共有化されていなかったというような問題点もございました。
エといたしまして、そういったいろいろな問題があったわけですけれども、そこがケースワーカー任せとなっていて、査察指導員と書いてありますが、これは係長のことでございます。係長や管理担当の行うべき確認行為についても形式的なものになっていたということはございます。
オといたしまして、被保護者にかわって受領した金銭は、現在法的には公費としての扱いを規定していないために、区としての会計事務規則等にのった適用がされず、管理があいまいになっていたということも挙げられます。
これにつきましては、オの中で記していることが一番大きな背景になっていたかと思います。やはり、一たん生活保護から直接お金を受け取るときには、そこではケースの方から領収書等をきちんととっておりますけれども、そこを代理受領して公費から私費になってしまったという認識が生活保護担当のほうにはありました。公的に仕事をしているにもかかわらず、扱っているお金が私費だということで、なかなか取り決めがあいまいになったりとか、管理をすること自体があいまいになっていたという背景になる考え方というものがあったかと思います。これにつきましては、今回こういった事件が起きた中で、東京都の生活保護法の施行事務の指導検査の実施計画の中や、厚生労働省の監査の基準方針の中にも地区担当員(ケースワーカー)は基本的にはお金は取り扱わないほうがいいけれども、しかし、どうしてもやむを得ない場合は、複数の職員で取り扱うという規定もあることがわかりましたので、現在はたとえ私費であったとしても、公的な仕事の中で取り扱うのであるから、きちんとした管理を行っていくというふうな指導を行っているところでございます。
この一次調査、二次調査の結果、生活援護担当自体の組織全体に金銭管理に対する規律認識の欠如ということが日常化して、結果的にはA担当主事の不適切な事務処理と不明金を発生させ、また、それ以外の業務においても領収書等がそろっていなかったりとか、廃止してしまったものについては破棄をしているといったような事態を生じる結果となり、区民の皆様の信頼を裏切ることになってしまったということになるかと思います。
以上のところが区としての一次調査、二次調査の内容と結果となりますが、引き続き、今後こういったことを二度と起こさないために、現時点で事務処理についての改善を行っておりますので、それについて御報告をいたします。それは12ページから15ページにかけて記してありますけれども、特に14ページの(1)から(6)に対応して説明をさせていただきます。
現在は、具体的に預かり金についてはこれまでそれぞれのケースワーカーがビニール袋に入れ、それを金庫に保管し、出し入れはケースワーカーが1人でやっていたというようなことがございましたが、お金を一括して集め、現在生活援護担当課長の銀行口座により一括して管理する方法に変更しております。お金の出し入れについても、管理担当が一括して行うということに変更いたしました。
また、金銭を預かる場合にも私費ということで、これまでは委任状をとるというようなことを義務付けておりませんでしたが、これからは委任状を必ずとることを義務付けて、金銭を取り扱うケースについてもケースワーカーが任意に決めることはなく、課長の決済を受けるという台帳を作成してございます。
また、金銭出納簿や領収書についても破棄をしてしまっているというような状況がありましたので、必ずそれについては保存年限も定め、また、領収書等は、お金を渡しに行った場合、必ずその日のうちに持って帰って管理係のほうに渡す。その日のうちに領収書がそろわない場合には流用の可能性があるということで、課長がすぐに調査を実施するというような規定も設けてございます。
訪問活動等につきましても、半年ごとに未訪問の世帯を洗い出して、未訪問ケースについては組織的に対応して、必ず訪問業務を実施するというような仕組みを決定しております。
今後となりますけれども、生活保護の業務については、人数をふやしたとしても、これからこういったことが起こらないために、職員の意識をきちんと変えていくということについては研修等を行い、また生活保護の現金の取り扱い等についても適切な事務がよりできるような形で、何か具体的な方策がないかということの検討を行う予定でおります。
また、13ページに職員配置について記述がありますが、職員数については、区としての全庁的な調整を行わなくてはいけないところではございますけれども、職員数について増員をしていくという方向で検討を行っているというところがございます。
今後ともこれから半年、今年度に限ったとしても、今年度からも金銭を取り扱うということはずっと続いていくわけで、それについては細心の注意を払い、正確適正に業務を行うことについて努力を重ねていきたいというふうに考えております。
以上で本件の報告を終了いたします。
委員長
ただいまの報告について質疑はありませんか。
篠委員
総務委員会でも問題にされているんだと思うんですが、4月28日に区長に報告して、区議会には半年後ということが適切であったと思われているんですか。
黒田生活援護担当課長
時期としましては、決して適切であるというふうには考えておりませんが、まずA担当主事がやった仕事の内容を明らかにしないことには、不明金が最終的に幾らであるかということが確定することができませんでした。そういったところの確定をしない中で、議会に報告するというのは難しいというふうに考えたところでございます。また、調査を行っている中で、組織全体としての業務の不適切なところも生じてまいりまして、最終的には全貌を明らかにする中で御報告するという形にならざるを得なかったということがあるかと思います。
篠委員
6ページで見ますと、1,029世帯で金額のトータルが3億何がしになっていますよね。実際に扱うのは、中野区全体でケースワーカーの人が、今まで改善する前の状態で扱っていた、手元でこういう状況下にあった金額というのは、3億円じゃなく、どのぐらいなんですか。
黒田生活援護担当課長
こちらのほうが18年度と19年度、ケースワーカーのほうが直接ケースの方にかわって受領したものが1,029世帯で、金額としてはおおよそ3億円ということになります。直接お受けしないものにつきましては、それ以外の保護費という形になりますが。
篠委員
じゃあ、これ以外の金は、一切現金で扱ってはいないということでいいんですか。年間100億円を超える金額が18年度、また100億円を超える金額が19年度とあるわけですよね。そのうちトータルで3億円しかケースワーカーはお金にはさわっていないという理解でいいんですか。
黒田生活援護担当課長
ケースワーカーとしては、お金を扱っているものはこれだけになります。それ以外は、管理担当のほうが直接被保護者の方にお渡ししている場合もございます。全体としましては、銀行の口座にお払いしますのが大体8割、それ以外は福祉事務所のほうでお渡しするというのが基本となっております。
酒井委員
先ほどの篠委員の続きなんですけれども、6ページのところ。100億円あるうちの2年間で約200億円ぐらいの生活保護費のうちの3億円は、ケースワーカーが被保護者にかわって現金として扱っている。これはパーセンテージで見ると1.5%ぐらいになるんでしょうかね、全体の。そう考えると、多いのか、少ないのかというと、パーセンテージで見ると少ないような感はあると思うんですけれども、金額というのが非常に、3億円となりますと大きいと思うんですね、私は。
そういう中で、実際に先ほどから説明の中で、公金に対する私費になるというふうな説明がありましたけれども、そういった中でずさんな管理があったと。もしかするともう少し、本当にどうしてもこの1.5%はケースワーカーが直接被保護者に渡さなければなかったのか、もう少しこの間口を締めることができるかもわかりませんよね。こういうところがちょっとずさんといいますか、緩かったところがこの事件につながったところもあろうかと思うんです。そういう中で、この金額はどうしてもケースワーカーが被保護者の方に手渡ししなければならなかったんだというふうな分析はしているんですか。
黒田生活援護担当課長
この金銭をお渡しするケースにつきましての絞り込みが、18年度、19年度の場合はというか、これまではケースワーカーが第一にその方と接して、判断をして決定するということがございました。そういう中では、ケースワーカーの判断に任せているところがありますので、どうしても最低3億円というふうには考えられないというか、着服するとかそういうことではなくて、過剰なサービスのもとに、少しお手伝いをしていたというようなことも多々あるかと思います。
ただ、今回につきましては、それについても課長にそういったことを報告して、長として判断するということになりますので、今後は多少減っていくという可能性はあると思います。
それと、先ほど言われましたように、このことについて取り扱わなくてはいけないというリスクにつきましては、今後何らかの形でこの業務について工夫をして、いろいろ法的な研究等を重ねていく必要はあると思いますけれども、例えば委託ができないかとか、そういったことについて検討していきたいというふうに考えております。
酒井委員
やっぱりこの入り口の時点で課長に報告するような形になって、多少減っていくんだろうというふうなことをおっしゃられましたけれども、そうでなくて、公金を扱う中で、こういったことは本当にまれ中のまれの中でやっていかなければならないと思うんです。ですので、ちょっと消極的な御発言じゃなく、こういったところをしっかりルールづくりして、どうしても仕方がないときに直接ケースワーカーが被保護者の方にお渡しするような形にすべきなんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
黒田生活援護担当課長
委員御指摘のとおりであると思います。例えば郵政民営化や個人情報の保護の問題等ありまして、なかなか病院等にいろいろな為替で送るといったようなことが難しくはなっておりますけれども、きちんと最低、どうしても扱わなくてはいけないというところについて、いろいろなパターンを見て、ルールを決めてこちらのほうでやっていきたいというふうに考えます。
酒井委員
職員配置の問題、部長にお尋ねしたいんですけれども、分科会でありましたでしょうかね、ケースワーカーが1人に対して80世帯というのが社会福祉法で定められているというふうな話でありますけれども、この社会福祉法自体がかなり古くからある法律で、そういった中さまざま制度が、介護保険の制度だ何だといろいろ変わっている中で、ケースワーカー1人に対しての世帯数の数というのは全く見直されてきていない中で、先ほど担当課長のほうから職員配置のことに関しても言及されておりましたけれども、部として今後この配置の問題、どういうふうに取り組んでいこうと思われておるのか、お考えをお聞かせください。
金野保健福祉部長
ケースワーカーの人数につきましては、この間生活保護世帯、それから受給者数が伸びる中で、何回か増員をしてきた経緯はあるんですが、ここ数年は増員をしておりません。そのために、世帯数がふえれば1人当たりのケースワーカーの持ちケースがふえまして、法の基準と乖離が少しずつ大きくなっているというふうな状況でございます。
今回の件ということだけではございませんが、適切な生活保護の業務執行という点からも、ケースワーカーの人数についてはぜひ見直したいというふうに考えておりまして、全庁的な定数担当とも協議に入っているという状況でございます。
篠委員
11ページの管理監督について、かなり穏やかじゃないほど厳しい指摘をされているんですが、行政の文章としては激し過ぎはしないかというふうに私はとったんですが。前担当課長についてと言われることだと、生活保護全体にもう金銭感覚をなくしていると言いかねないようなふうにとられちゃうと思うんですね、こういう文章ですと。それでいてこの報告は中間報告とは書いていないわけですから、それを受けて、総務委員会では違うところまで質問が及んでいるのかもしれないですが、これ、お金を返したからいいんだというようなくだりも前には書いてあるわけですね。ですけれども、そういうところも社会ではなかなか通じないと思うんですよね。どうしてもなかったから返したで済まされないのが実社会の厳しさだと思うし、この指摘、ここでもこんな激しいことを書くということは、やはり最終報告を受けて、区長はそれに、あるいは中野区としてはどう答えたか。改善したからすべて終わりと答えたのか、立てかえて終わりにした部分はそれは認めませんという結論を出したのか、そういったところの報告はここの報告書には一切書いていないんですけれども、そういったところはどうなんですか。もうこれを上回る報告はないということですか。
金野保健福祉部長
本厚生委員会につきましては、私ども事務の所管としてこういう形で状況があって、またこういう改善をしておりますという報告が主になってございます。ただ、今委員の御指摘の部分につきましては、事務の改善等を行ってそれで終わりということではなくて、職員に対しては既に懲戒処分が行われております。
それから、トップである区長、副区長につきましても一定の責任をとるということで、現在議会等への提案を準備しているというように承っております。
やながわ委員
この報告書を読ませていただきました。あってはならないことなんでしょうけれども、本当に驚いています。各区、日本全国の国の制度でもありますから、各自治体が福祉事務所を持っておられると思うんですが、おおむねこうしたやり方をしているんでしょうか。
黒田生活援護担当課長
福祉事務所は、どこの福祉事務所でもやむを得ず、ケースワーカーが直接ケースの方にかわってお金を受け取るということはございます。
やながわ委員
このA担当主事ほか2名が不適切なやり方をしてしまったというふうに書いてあるんですが、たまたまこのA担当主事が人事異動に伴って引き継ぎをしなかったことでこういったことが公にというか、表にあらわれたんだと思うんですね。しかし、長い経過があって、ことしだけじゃなくて、多分恐らく長い経過があってこういうふうになったんだとは思うけれども、それにしてはあまりにも、私はケースワーカーの職員の人をいろいろ拝見させていただいていますが、本当に一生懸命やっているわけです。偉いなあという、何人も抱えて、それこそ本当にさまざまな難問題を抱えている人たちを担当しているところだけに、こういうやり方をみんながやっているとは思わないけれども、でも、これを読んじゃうと、生活援護課の職員がそう見られてしまう。これは仕方のないことなのかもしれないけれども、それにしてもあまりにもずさんであり、油断があったんだなというふうに思うんです。恐らく一生懸命やっているケースワーカーの人たちもいる中で、今回のこの事件、そして調査、検査、4月以降今日に至るまで、職員の方々の受けとめ方、あるいは姿勢に何か変わりはありますか。
黒田生活援護担当課長
調査を行う中では、全員に周知をしなくては調査が行えませんので、生活援護担当の職員については、時期は結構早目に、こういった事故が起きたことについては報告をいたしました。初めはやはり職員数が少ないといったことについての不満もございましたので、そういった意見も出ておりましたけれども、結果的にこういった調査を行う中で、人数ということもあるにせよ、自分たちの中できちんとした仕事ができていなかったところもあるということについては新たに認識をして、そのときにきちんとしておけばこういった調査で、具体的にとても時間かかっておりますので、そういった時間をかける必要もなかったということでは、基本的な業務についての責任を持って仕事をしなくてはいけないということについては根付いてきているというふうに考えております。
やながわ委員
課長にお尋ねすることじゃないのであれですが、やっぱりふだんから――ここにも書いてありますね、11ページ。前任の担当課長が適宜担当主事と面接し、職務上の注意を与えていた状況が見られたと。しかし云々と書いてありますが、危険を冒すなあという、こういう職員に対して何らかの、事前に危険性があると、こういうふうに課長が適宜面接して注意を与えていたと、しかし、こういうふうに表に出てきてしまったと。そういったことをきちんとさらに上司が、報告も聞いているとは思いますけれども、こういったことをきちんと注意、あるいは喚起を促すというか、そういうことはしてこなかったんでしょうか。その辺があんまり見えないんですが、部長もいらっしゃいますので御答弁いただけますか。
金野保健福祉部長
日常的な業務について問題があったということで、前の担当課長は直接その職員を注意していたというような状況だというように承知しております。そして、ケースワーカーの上司に当たる係長は査察指導という位置付けになっておりまして、ケースワーカーの業務は大変複雑で、また困難な場面もあることですから、通常の係長としての上司というだけではなくて、その業務の内容に立ち入って、またケースワーカーの精神的な面も含めてサポートするということで部のほうも位置付けて、そうした役割を担っていただくように考えております。
また、分野の中でも問題のある事例や課題については随時検討会、研究会などを開きまして改善を図っていたわけでございますが、このケースについては十分その問題点の深刻さが把握できなかった。また、金銭については現金の取り扱いということで、個々のケースワーカーが当然責任を持って管理しているということで、甘い見方ということになるかもしれませんが、個々のケースワーカーの管理にゆだねる部分が多かったということで、それについては大変反省をしているところでございます。
やながわ委員
ケースワーカー、あるいは全職員がそうなんですが、自治体の職員は公務員ですね、地方公務員。今、さまざまいろいろな仕事を民間に委託していく、あるいは社会福祉法人に委託をしていく。その委託するに当たっても、反対をされる方もいらっしゃるわけで、この一番のもとになる公務員の方々のこの姿勢が、私は委託云々よりも一番しっかりしなければいけない。まして公金を扱う、国のお金も扱っているわけですね、さまざまな。そういう中で、一人ひとりの職員の姿勢が、これから大きく区の仕事をいろいろな分野の方にやっていただくに当たって、与える影響というのはものすごいはかり知れないんですね。これがこういった調査報告を見ますと、多分区民は何なのと、どこを信頼していいのという、やっぱり危機管理、職員そのものが持たなければいけないのに、わかっていたにもかかわらず、ちゃんと指導もできなかった。こういうのは、ここにいらっしゃるのはみんな課長以上の管理職ですから、この辺の意識が変わらない限り、私は今後スリムな自治体だの何だのかんだの言っていても、ここにいるメンバーの方々が本当に危機管理意識を持たない限り、失敗するなと思うんですよ。やっぱり芽はあったと、その芽が摘み取れなかったという責任は感じていただきたいなと思います。こういったことを、額が少ないとか何とかというんじゃなくて、先ほども申し上げましたが、あまりにもずさんであり、本当に甘いなという、この辺を切りかえなければいけないなというときに来ていると思うんです。そういう意味を含めて、担当課長というよりも部長だね。その辺の意識改革をどのように考えているのか、ちょっと御答弁いただきたいと思います。
金野保健福祉部長
今回の件につきましては、担当課長からも申し上げましたが、大変区民の信頼を裏切る結果になりまして申しわけございませんでした。職員については、日常の業務でその業務に伴うリスクをきちんと把握するということと、またそれに対する対応のルール、そうしたものもマニュアル等でできるだけ定めているところでございますが、中には十分ルールがないもの、また、あっても形だけになりがちなものもございますので、再度組織を点検いたしまして、こうしたことが二度とないよう適切な管理をする。また、職員に対する指導や支援についても組織を上げて改善に取り組んでいきたいというように考えております。
篠委員
今、やながわさんがとどめのような質問だったんですけれども、14ページで、ケースワーカーの職務があまりにも大変だというくだりがあるわけですよね。要するに、年金のこともに精通している、健康保険のことにも精通している、介護保険のことにも精通していると。さらに、相談事を受けたときの助言やカウンセリングを行うという、ちょっと人間わざを超えたような、それぞれに専門家がいるようなものを一手に引き受ける業種なわけですね。それで、ケースワーカーが職務に専念できる環境を整備するという部分で、例えば今回でしたら、やながわさんもちょっと触れましたけれども、大変申しわけないけれども、区民を守るためには、この方に引き続き業務を、年度の途中であっても遂行させることは区民の利益にならない。相手方じゃなくて、区民全体の利益にならないといったときの決断ができるのは課長、あるいはその上司の部長であると思うんですね。そういったところまで決断してでも取り組むという決意がなければ、要は職員を守るんじゃなくて区民を守るのが仕事ですから、職員はダメージを受けるかもしれませんけれども、そういったケースというのは今までにありますか。もう4月に辞令を出したのであれば、これは到底耐えられないといったときに、耐えられなくても1年は耐えろというようなケースがほとんどなのではないですか。どうですか。
黒田生活援護担当課長
業務の知識や経験というところもございますが、業務、年度途中にそういったいろいろな難しいケース等に当たりまして、身体状況を壊してしまう者がございます。そういった者については、なかなかたくさんの係はないんですけれども、分野の中で異動をさせてケースワークの業務から外すことはございます。
篠委員
そういう意味で、今課長がおっしゃったんじゃない意味で前課長は対応しようとした形跡があるように読ませていただいたんですけれども、いずれにしろ、これだけの事件を受けて体制を整えましたよね。体制を整えて、中野区で言えば監査委員、あるいは第三者の監査にたえられる仕組みをつくろうとされたんだと思うんですけれども、要するに我々としては、こういう事件を4月に区長に報告した半年も後に報告されて今質疑しているわけですから、そういったところを考えると、この14ページの後ろのほう、以上の点に関してはの上のあたりの対応というのは今後のポイントになると思うんですけれども、その辺に触れて御発言していただきたいと思います。
黒田生活援護担当課長
今後の対応につきましては、現在、先ほど御報告しましたようにいろいろな改善策を実行しているものもございます。これにつきましては、また区長のほうに報告いたしまして、事故調査委員会のほうとすり合わせを行いながら、また不足する点については新たな形で検討して、課題を克服するようなことを行っていきたいというふうに考えております。
来住委員
起きてはならないことが起きたということで、本当に今後にどう生かしていくかということも含めて二、三お聞きしたいと思います。
まず、12ページですけれども、12ページの一番下に、ケースワーカー個々の能力や責任に依拠して仕事が進められており、組織として仕事を進める姿勢、仕事をチェックする体制が全くと言ってよいほど欠落していたと。本当に何とか、どこが出してきた報告書なんだろうと思うぐらい、これは中野区ですから区長がお出しになったということになるんでしょうけれども、チェック体制、それと同時に仕事の仕方ですね。52名ですか、現業員数が08年度はいらっしゃるという中で、地域担当がいらっしゃることは少なくとも知っているんですけれども、どういう組織的な固まりで仕事を進められているのか。それから、その上に査察でしたっけ、正式には査察指導員というのがいらっしゃるわけですよね。その仕事の進め方の体系というのをちょっと説明していただけますか。
黒田生活援護担当課長
生活援護担当の中には六つのケースワーカーのいる係がございます。そこはケースワーカーのみがおりまして、それぞれの係に区でいう係長、生活保護法でいいますと査察指導員という者がおります。それ以外に相談係がございまして、生活保護の分野の中ではそこが現業員というふうな形になります。ほかには管理担当5名、あと、生活保護のそういった係を全体的に、法的ないろいろな運用の変更点がございますので、そういったことを周知する調整担当というところがございます。こちらにつきましては、それとともに医療費のお金の支払い等を行っております。そこが現在6名というふうな形になっております。それ以外に、自立生活資金という全く生活保護法とは離れた係が一つございます。総勢で職員は課長を除いて73名という体制になっております。
来住委員
その日のうちの仕事がその日に完結しない仕事ですよね。要するに1世帯でいっても、訪問し、いろいろな病院とつながったり、支出の問題がありますので、常に抱えて、常に担当者にしてみると完結しないで、常に引きずった形で仕事を抱えながら進められる、立場上そういう仕事だと思うんですよ。ですからチームというのが、チームの中で、今六つのチームですか――の中で上に係長がいらっしゃって、それで構成されていると。ですから、50人余の人がいるわけですから、外を回る人が。そうすると、そういう人たちが50人いらっしゃれば、それぞれの能力もそれぞれだと思うんですね。そういう中で、抱えている仕事がどこまでいっているのか、何でその人がどこの部分で突っかかっているのか、抱え込んでいるのかということをチームとして把握できる体制というのがこういう仕事の場合には極めて大事だというふうに思います。それを係長を頭にして、チームとして協力する関係ができているかということが体制上極めて大事な構成だと思うんですけれども。そういう意味では、ここで指摘されているそういう体制、いわゆるチェックする体制が欠落をしていたというような意味ということなんでしょうか、この表現は。
黒田生活援護担当課長
日ごろの業務につきましては、訪問に行く先等を含めまして査察指導員、係長は把握をしておりますし、いろいろな困難ケースがありました場合には、所としてのケース診断会議や係としての事務研究会というのもやっておりますが、ここは特に、この12ページの記述につきましては、私費を扱う場合においてやはり係長が、お金を持っていって、持って帰って領収書を見せてもらったというところの、そういった一連の流れとしてのチェック体制というのが、領収書をとるんですよというようなことは決めてあったにもかかわらず、チェックをするというのも目で見てチェックをするのではなくて、必ず印鑑等を押して確実に領収書をもらってきたというチェック体制というところではケースワーカーに負うところがたくさんあって、なかなかチェックし切れていなかった。そういうところでは仕事をチェックする体制が欠落していたというような表現になっているというふうに考えております。
来住委員
現金を直接手にして扱うという職種としては、ほかに区の中ではそうないと思います、ちょっと調べていませんけれども。それだけに、3億円相当のお金を扱わざるを得ないという今のいろいろなケースの中で、そういう職種でありながら、一方では人手の問題も十分でない、これはずっと私が一貫して言っていることですが、同時に困難ケースが極めてふえてきている。抱えている対象とする人数も世帯としてはふえている。14ページで先ほども指摘がありましたが、チームをまとめる、いわゆるワーカーのいろいろな反応、いろいろな信号、仕事の上で起きている問題を、査察指導員が日ごろの状況をつかんで、その人に対してのアドバイスを含めてどう進められるのかというのが大事なんだと思うんです。
同時に、ここでもありますように、一人ひとりが現場に行っている状況を持ち帰って、私、紹介しましたけれども、突然訪ねたところで御本人が亡くなっている場面に出くわすケースというのもあるというふうに聞いているんですよね。そういう精神的なストレスが日々ある中で、カウンセリングも含めたことができる体制が職場になければ、やはり根本的な姿勢、厳しいチェック体制、もちろんマニュアルを含めたそれに基づく仕事があってのことなんですけれども、そういう職場の中でつくり上げていかないと、根本的ないい仕事、いわゆる区民の皆さんに喜ばれながら、働きがいのある、本当に誇りも持てる職種として継続していくには厳しいんだと思うんですよ。そういう意味で、ケースワーカーの方々の質的な向上、それから査察指導員のいろいろな意味での能力の啓発、教育、あらゆる知識を高めていただくそういう体制が同時につくられなければいけないと思うんですけれども、そこはどのように今後なさるんですか。
黒田生活援護担当課長
これまでも研修制度等については、生活援護担当はほかの分野に比べましても仕事の特殊性とかがありますので、やっていたほうではないかと思っております。ただしかし、その中身につきましては、生活保護制度自体を理解するといったようなところが多うございましたので、来年度以降、そういったところを含めて、それ以外の職員、係長、査察指導員は職員に対する心のケアといったようなこともできるような形での研修も充実させて取り組んでいきたいというふうに考えております。
来住委員
2,000人体制も一方にある中で、やはり直接区民の皆さんとの接点が多い、しかもそういう困難なケースを抱えながらの職種の部分では、常にきちんとした人員の体制は必要だということを申し上げてきましたが、ふやしていくというお話です。数字で単純に言うならば、今08年が世帯数が4,522世帯ですので、しかし今、52名ということでいうと4人から5人ですか、単純に80世帯に1人とすると、必要とするということになります。その体制強化と同時に、今おっしゃった職員の質的な向上、とりわけ査察指導員のチームを目配りができる、同時に相談も受けられる、そういう職員のまとまりを整えられるような、ここでも言っていますけれども、職員の心身の安定を図るという、そういうことも本当に職場として、区としてやっていかなければ方向が、区民の皆さんの願いとはいかないというふうに思います。職員をふやすという点で、社会福祉法に基づく数値を考慮に入れた増員ということを検討されているということでよろしいんでしょうか。
金野保健福祉部長
増員すべき人数については、社会福祉法の基準というのが一つの目安になると思っておりますが、全体の中でどういった形で定数を確保できるかということで、人数については今後の調整の中で議論していくことになります。
小林委員
ケースワーカーが本当に大変だということが十分わかっているんですけれども、私のほうは会計処理の件で2点ほど伺いたいんですが、ケースワーカーの配慮で本来払わなければいけないものを預かっているとか、そういうようなお金というのはあるんでしょうか。具体的にというと難しいんですが、さまざまな状況で、これだけお金が必要になる、また、年金もこういう形で払っていかなければいけない、家賃はあるということなんですが、AさんならAさんについてケースワーカーの判断でお預かりしているお金という、極端に言えば、あいまいなお金にかかわるようなことというのはあるんでしょうか、ないんでしょうか。
黒田生活援護担当課長
これまで預かっているお金というのは、大抵受給者の方が入院されていたりとか、もしくは生活保護の場合は浪費癖がある方がいらっしゃいまして、お渡しして2日、3日のうちに生活費がなくなってしまうといったような方の指導もございますので、そういったところでは、そういう方のお金を預かって1週間に1回とか3日に1回、分割してお金をお支払いするというようなことはございます。そういったことがこれまではケースワーカーの判断というところが多かったんですけれども、そこについては今後は組織としての生活援護担当としての判断にしたいというふうに考えております。
小林委員
現状としてそういうお金があるという部分、ちょっとお聞きはしているんですが、もう1点なんですが、16ページのほうで例えば年1回、委任者である被保護者あてに預かり金状況報告書(金銭出納台帳の写し)を提出するという部分なんですが、これはコンピュータで管理されているものなんでしょうか。16ページの右側の欄の一番下から2番目の項目なんですが。
黒田生活援護担当課長
預かり金状況報告書というのは、現金出納簿のような形になっておりまして、これまでは全部ケースワーカーの手書きということになっておりました。今現在は一括して管理のほうで担当することになりましたので、システムの中で最終的な金額は出るということになります。あと、それを補完する形でケースワーカーのほうが個別の金銭出納簿をつけておりまして、それと一緒に金額を合致させるということになります。
小林委員
その金銭出納台帳のほうなんですが、これは日々全部出るような形になっているんでしょうか。
黒田生活援護担当課長
金額が、お金をお支払いしたりお預かりしたりするごとには出ますけれども、日々全件のケースを打ち出すような形にはなっておりません。
小林委員
この台帳をつくるのはというか、キーボードで打ち込むのはだれがやるんでしょうかね。
黒田生活援護担当課長
もともとお預かりをしてこの台帳を作成するというときにはケースワーカーのほうが所定の様式に書き込んでまいります。それについて課長が検査を行いまして、状況を確認してこの方を預かるということになりますが、それ以降の実際にお金を管理するところでは、そこからその方のお名前をシステムのほうに管理係のほうで入力するという形になっております。
小林委員
ということは、月々月末にはAさんならAさんという対象世帯の預かっているお金と、それから支払っているお金というのがきちんと、残高が残っていれば、それが幾らかというのも全部わかるということでよろしいでしょうか。
黒田生活援護担当課長
そのとおりでございます。
酒井委員
皆さん総括的な質問されたので、1点だけ気になったので、確認の意味もあるのでちょっとお聞かせいただきたいんですけれども、今回の事件は、担当部署が変わることによって、引き継ぎの中で発覚しましたよね、アパートに家賃が支払われていないと。そういたしますと、幾つかアパートの家賃が支払われていないのが、6万7,000円と5万7,000円が不動産業者への支払いを担当Aさんが怠ったというふうなのがあるんですけれども、これ、どうして庁内のほうで見つかったんですか。引き継ぎによって庁内で発覚したわけですよね。被保護者の方は、自分の支払わなければならない家賃が支払われていないわけでしょう。その方からどうして(「入院しているから」と呼ぶ者あり)入院しているからわからなかったんですか。その方に家賃払ってくださいよというのは、業者からいってもおかしくないわけですよね。どうしてなんですかね。
黒田生活援護担当課長
まず、入院をされたケースの場合は、そのままずっとアパートを借りるということが生活保護法上では保障はされていなくて、病状にもよりますけれども、おおむね半年ということがございます。このケースの場合には、引き継ぎの時点で半年を過ぎてもアパートを引き払っていないということがございました。それが決定記録の中に、ずっとアパートの家賃が生活費の中に上乗せをしてずっとあったということがございます。それを係長のほうが引き継ぎの事務処理の中で、半年を過ぎているのに家賃を計上している例えばCさんというケース、Bさんというケースについては、この家賃は一体どういうふうに処理をしているのだ、アパートについては引き払っていないのかというようなことを担当の職員に問いまして、実は払いに行っていないというようなことが発覚したということがございます。
酒井委員
被保護者の方は入院していますよね。すると、生活保護費の中で、入院した中では家賃が出ないわけですよね。それでいいんでしょう。それをAさんは切りかえしないで、そのままもらっていたということなんですか。そういうことになるんですか。わかりやすくお願いいたします。
黒田生活援護担当課長
もらっていたということではなくて、払いに行った月もあります。例えば、家賃が6万円ですと、7万円払ってきたりしていることもございます。その翌月には払っていなかったり、その翌月には5万円しか払っていなかったりと、なかなか事務処理上では理解しがたいような払い方をしているところがございまして、10ページの第4の(2)のところにございますけれども、本人からの聞き取り調査というところの中で、被保護者にかわって受領した入院日用品費から意味のない金額を自己保管し、残額を本人あてに送金している事例や、家賃を当該月に支払わず、数カ月まとめて支払っていたりとか、その金額が家賃分に相当していなかったということが見られ、ここではいろいろなパターンで考えられますということが述べてありますけれども、最終的に自己の所持金と預かり金を混同して管理していたというふうな形が見られるということでございます。
酒井委員
すると、3ページのところ、上回って送金したり、下回ってとありますよね。上のところの事例を幾つか見ていると、ほとんど支払う金額よりも下回って送金しているんですよね。上回って払っているよというのがちょこっと、エのところに出てくるんですけれども、これどれくらいだったか、細かくて申しわけないんですけれども、わかりますか。
黒田生活援護担当課長
今御指摘いただいたところは、家賃についての不明額が発生しているところで上回ったり、足りなかったところについての詳細ということでよろしいでしょうか。
酒井委員
下回って送っているケースは金額大きいんですけれども、上回ると自分が損するわけでしょう。その金額はどれくらいなんですかとお聞きしたんです。細かくて申しわけないんですけれども。
黒田生活援護担当課長
上回って送金した――ちょっと答弁保留させてください。
委員長
では、答弁保留。
酒井委員
どうしてそういったことをお聞かせさせていただいているかといいますと、10ページの結果のところがあるんですね。今回の担当主事の行為については、業務上横領を強く否定していると。これは人事の問題なので、ここで質疑できるかどうかわからないんですけれども、以前、たしかコンビニで保険料を納めるときに、その金額をいただいて、自分が使って、期限になったら自分でそれを振り込んでというふうな事件があったと思うんですけれども、要は、給料出るまでお金が足りないので、そのお金を借りてという、そういうふうな見られ方もできると思うんですね、これ。処分がこれでいいのかどうか。ここは担当所管じゃないと思うんですけれども、場合によっては横領という見方もかなり強く出てくるんじゃないかと思うんですよ。そうですよね。
それから、今まで委員会で何度も各会派の皆さんが生活保護費の適正な支給をやっていきましょうとかなり議会で出てきていた中でこういう事件が起こって、この処分というのは、ちょっと僕は、場合によってこういったところもあるんじゃないかと思っているんです。それで幾つか細かくお聞かせいただいたんですけれども、そのあたりはどのような見解あるんでしょうか。
金野保健福祉部長
この報告は、私どもの所管いたします生活保護に関する業務の関連事項で報告しておりますが、この調査委員会の報告をつくったものは、1ページにございますように、私ども保健福祉部は全く入っておりません。あくまで客観的な立場から区として指摘をするということで、私どもここの指摘はきちんと受けとめて、改善すべきところは改善をするという立場でございます。
また、処分につきましても、私どものほうで処分の範囲や処分の内容というものについては一切関与しないという形で進んでおりますので、御承知いただきたいと思います。
酒井委員
僕自身、この細かいところが気になったもので確認させていただきました。所管を飛び越えてしまって申しわけございません。
最後に、さまざま各委員の皆さんから部長のほうにケースワーカーが大変な激務である中で、それで抱えている世帯数があまりにも多過ぎる中で、増員をというさまざまな質疑があったかと思うんですけれども、そういう中で、先ほども御答弁あったと思うんですけれども、社会福祉法のケースワーカー1人当たり80世帯を目安にしてというような御答弁があったと思うんですけれども、これは古くからの法律で、それから篠委員の御指摘もあったように、ケースワーカーは生活保護の知識のみならず、年金、健康保険、介護保険など生活保護に関する広範な知識・経験、人間わざとは思えないまで、そういった中で、ケースワーカー1人当たり80世帯が適当じゃなく、2,000人体制の中で逆行して難しいところはあるかもわかりませんけれども、ここの数字というのは、やっぱりもっと抑えていってもいいところがあろうかと思っておるんです。そういった中で、また人員の配置等も考えていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
金野保健福祉部長
ケースワーカーについての増員については既にお答えしたところですが、ケースワーカーの増員以外にも、現在ケースワーカーの業務となっています事務の見直し、委託できるものは委託する、また、ケースワーカー以外のところの担当に振りかえられるものは振りかえるなどして、業務についてケースワーカーの負担を軽くするということも同時に行いたいと思っております。
また、先ほど組織についての御質問がありましたが、組織のあり方についての生活援護分野、どういった形がいいかということについてもあわせて検討した上で、適切なケースワーク業務ができるような人員及び体制を考えてまいりたいと思います。
やながわ委員
今、いろいろやりとり聞いていまして、確かに生活援護課のケースワーカーのお仕事が本当にたくさんあると。80世帯に対して1人ということで、中野区は84世帯ですか。この問題と今回の問題が私は違うと思っているんですよ。大変だからこういう事件が起きてしまいましたというふうに感じ取れたら問題だと思うんです、反対に。
激務なら激務とはいえ、私に言わせてみれば、いろいろな分野で働いてきているんですよ、職員は。介護保険でやっていたかもしれないし、さまざまなところへ来てここに来ているわけですよね。だから、言ってみれば公務員というのはプロ集団なのよね。これからお年寄り、あるいはこれだけ経済状況が厳しい社会になってきて、ふえていくのは当たり前で、どこに知恵を絞って工夫をこらして仕事をこなしていくかというのは、むしろ公務員が考え出さなければいけないと。大変だから人を送り込めと。大変だから、激務になるから人を送り込んでもらえると、もしこういう方向性で物事を考えるようになってしまったら、もっと脆弱で軟弱になっていくなと私は思うんです。ますます厳しくなっていく中で、それはそれとしての解決の方法を見出して、物理的にも何も、これはもう限度いっぱいだなというのはわかるわけで、しかし、とかく一般企業の仕事ぶりを見たりすると、まだまだ守られているし、大きく支えられているなという感が否めないんです。
だから、今回の事件、これが大変な職務の環境にあったからこういうことが起こったんだということは全く関係ないと私は思っているんです。それは資質の問題であって、一緒に考えてもらうと困るなと思っているんですが、その辺は分けていただいていますでしょうか。
金野保健福祉部長
まず、今回の事件の背景としてさまざまにございますが、やはり一番大きなものは、組織的なチェック体制、対応がきちんとできていなかったということと、従事する職員の意識やルールに対するきちんとした遵守というものが不十分だったということが一番大きいというふうに思っております。もちろんこれから生活保護業務全体の適正運用という中では、私ども増員も必要だと思っていますが、この事件に対して増員で解決をするというような簡単な考え方ではなくて、業務の見直し、意識改革、ルールの確立ということの中で全体的な対応を図ってまいりたいと考えております。
黒田生活援護担当課長
先ほどの金額を上回っての送金についてですが、入院日用費について200円の差額が生じておりますが、多く送金したときには自分で立て替えたんですが、その後の送金について少ない金額を送ったりしておりまして、結果的に200円少な目に最終的にはなってございます。
委員長
ほかに質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ以上でただいまの報告については終了いたします。
ちょうど3時になりましたので、一たん休憩して進行について協議をさせていただきます。
(午後3時01分)
委員長
委員会を再開します。
(午後3時01分)
続きまして、訴訟事件の判決についての報告を求めます。
柿内保険医療担当課長
それでは、訴訟事件の判決について御報告をいたします。(資料8)
本件につきましては、所管が総務委員会でございますけれども、私どもの国民健康保険に関する部分がございますので、総務委員会と同じ資料で御説明させていただきます。
本件につきましては、資料の3番目にございます訴訟の経過ということで、平成19年10月4日に東京地方裁判所の訴えの提起がございまして、それを受けまして、平成19年11月16日の本厚生委員会で区を被告とする訴訟事件の提起について御報告したものでございます。その後、3番目のところにございますが、平成20年9月26日、東京地方裁判所で訴え棄却判決の言い渡しがあったことを受けまして、今回御報告するものでございます。
事件名でございますけれども、裁決取消等請求事件(東京地方裁判所平成19年行ウ第629号)でございます。
事件の概要でございますが、原告が腱鞘炎につきまして柔道整復師から受けた施術の費用につきまして療養費を支給申請したところ、区のほうが減額を決定したということでございます。それに対して、減額について区の基準が誤りだということで、逸脱しているということで、支給部分について取り消しを求めたものでございます。
請求の趣旨でございますが、1点目は中野区が行った不支給の決定の部分について取り消すということです。
2点目は、訴訟費用は被告の負担とするということでございます。
判決でございますが、主文がいずれも棄却するということ、訴訟費用は原告の負担とするということでございます。
判決の要旨でございますが、争点が大きく分けて2点ございます。1点目が、療養費支給の裁量と基準ということでございますけれども、これにつきましては、国民健康保険法で定められているように、保険者の裁量にゆだねられているのが相当であるとされています。
裏ページをごらん願います。2点目でございますが、国が基準としているものにつきましては、中野区も含めてやっているということで、これについてはそれに沿ってされているということでございます。
(ウ)でございますけれども、基準につきましては、柔道整復師が行える部位等を具体的に列挙したものであるということで、合理性があるということでございます。
(エ)でございますけれども、保険者が不支給をしたことにつきましては、裁量権の逸脱、乱用はないということで、今回の不支給の決定は適法であるということでございます。
争点の2点目でございますが、本件各決定の適法性でございますけれども、これにつきましては、原告が受けた施術につきましては、基準に掲げられていない部分をやったということについては明らかであるということです。
したがいまして、この支給を決定しないことにつきましては、保険者の裁量権の行使につきまして裁量の逸脱、または乱用があるとは言えないということで、適法であるということでございます。
以上、雑駁ではございますが、本件についての御報告を終わります。
委員長
ただいまの報告について質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上でただいまの報告については終了いたします。
続きまして、中野区介護保険の運営状況(平成19(2007)年度)についての報告を求めます。
飯塚介護保険担当課長
中野区介護保険の運営状況について御報告を申し上げます。(資料9)
まず、概要でございます。中野区の人口構成とありますが、31万2,000人の中野区の人口のうち、65歳以上の高齢者人口約5万9,000人でございました。前年度比1.8%増ということでございます。
人口全体に占める割合は、前年度より0.2ポイントふえて18.9%ですが、全国は21.8%ですので、全国平均を3ポイント近く下回っているということで、高齢者も多いけれども、若い方も多いという中野区の状況がわかると思います。
(2)で被保険者の状況でございます。第1号被保険者、これは毎年増加傾向にあります。19年度末5万9,451人でございました。これは前期高齢者、65歳以上74歳未満が3万399人、75歳以上の後期高齢者が2万9,052人ということでございました。
それから、要介護認定の状況でございますが、要介護認定申請件数が1万1,451件、前年度より18.3%減でございますけれども、なぜ減ったかと申しますと、平成16年度に制度が変わりまして、認定有効期間が2年に延長されたわけでございます。その結果、認定更新者が1年おきに多い年と少ない年を繰り返すということで、19年度はたまたま少ない年に当たっているということでございます。要介護認定者数は1万277人、これは17年度からほぼ横ばいの状況でございます。
(4)にいきまして、介護サービスの利用状況でございますが、介護サービスの利用人数は毎年増加しておりまして、8,388人ということで、居宅サービス利用者が3.1%、施設サービス利用者が4.3%それぞれふえているという状況でございます。
(5)保険給付費でございますが、19年度の保険給付費は約140億円となりまして、前年度比約2.5%増でございます。
裏側をおめくりいただきまして、地域支援事業につきまして、18年度から介護予防事業、任意事業、包括的支援事業からなる地域支援事業が始まったわけでございまして、これについて記述がございます。
介護保険料でございますが、第1号被保険者の介護保険料納入額は30億5,900万円でございます。収納率94.9%という額でございます。収入済み額は3.1%前年より伸びたんですが、収納率で0.3%下がったという状況でございます。
介護サービス基盤の整備状況でございますが、平成20年4月現在で特養ホームが8施設・定員630名をはじめとしまして52施設・定員が1,956名と。それから、地域密着型サービスにつきましては、認知症高齢者グループホーム6施設・定員92名をはじめとしまして17施設・定員558名という現状でございます。
なお、PFI事業として平成19年4月に江古田の森保健福祉施設が開設されたということは御承知のとおりでございます。
(9)基金積み立てとございますが、これにつきましては約3億円を準備基金に積み立てたということがございまして、基金の残額約11億9,600万円となってございます。これは20年5月31日現在でございます。
その他、介護保険の利用者負担軽減策としまして高額介護サービス費支給、介護保険施設の居住費と食費にかかる負担限度額認定等を設定してございます。
それから、事業者に対しましては研修や実地指導といったものを行っておるわけでして、特に19年度、大規模介護事業者による不正事件が発覚いたしましたので、特に指導を強化したところでございます。また、区報、ホームページ、「介護保険だより」等で介護保険の仕組み、利用方法の周知に努めているところでございます。
今後の予定でございますけれども、12月5日号の区報、ホームページにこの報告を掲載するとともに、区施設で閲覧ができるようにして、区民周知を図っていく予定でございます。
委員長
ただいまの報告について質疑はありませんか。
小林委員
現在、認知症の高齢者グループホーム6施設・定員92名ということで、この後二つ、三つふやす予定であると思うんですが、先ほどの中野区の認知症の地域支援拠点モデル事業の実施についてということで、今回二つのところが一応実施するということなんですが、さらにこのモデル事業をふやしていくということになるんですが、それとの関わり合い方というのがわからないので、それだけ教えていただけますでしょうか。
伊東福祉推進担当課長
先ほど説明させていただきました認知症の拠点モデル支援事業でございますが、一つの事業所につきましては、認知症のグループホーム、もう一つにつきましては、認知症の通所の形の施設でございます。認知症の拠点モデル支援事業につきましては、先ほど御報告しましたとおり今年度半年間、来年度1年間、1年半検証しまして――地域支援モデル事業につきましては、こういった介護保険の基盤施設を利用しまして実施するというものでございます。
小林委員
理想的には高齢者のグループホームの施設が一つに対して、今言った居宅介護に近い形での拠点モデル事業というのが抱き合わせになるような方向でいくんでしょうか。最終的にそうなるのか。
飯塚介護保険担当課長
施設をこれから整備していくというのが介護保険分野の所管でございまして、それとこちらの事業というのは直接かかわりのあるものではございません。
委員長
ほかに質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上でただいまの報告については終了いたします。
次に9番、その他で何か報告はございますか。
飯塚介護保険担当課長
新聞報道されたので御存じかと思いますけれども、実は訪問介護事業所、1件行政処分が出ましたので、その点について、口頭ですが御報告を申し上げます。
事業所名は新聞報道にも出ているとおりなんですが、行政処分の内容につきましては、11月17日から平成21年2月16日までの3カ月間、訪問介護事業にかかる指定の効力の全部停止ということでして、事実上業務ができなくなるということでございます。
この理由でございますけれども、人員基準違反ということで、サービス提供責任者1名不足の状況が続いていたとか、管理者が事業所の一元的な管理等を行っていなかった。それから、退職者の名前を使用した報酬請求がありましたので、この分については返還を求めるということでございます。135万円ほどあるわけでございますけれども。
この経過につきましては、実は3月の終わりぐらいに不適切なのではないかという情報が入りましたので、中野区が東京都と共同で実地検査をやっていたと。実地検査につきまして、区で入ったのは3回でございますが、3回目には東京都と一緒に入りまして、そこから後は指定の権限を持っている東京都のほうが中心になって検査をやっていたということでございます。それで、処分が決定したので10月17日にプレス発表したと。そして18日に新聞報道されたということでございます。
実は、19名ほど利用者がおるんですが、これについてはケアマネとか地域包括支援センター、利用者の該当居宅介護支援事業所、こういうところに情報提供を行いまして、適切な対応、協力を依頼してございます。11月17日までの間に影響がないように処理してくれということをお願いしてございます。
委員長
本件について質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、ただいまの報告は以上で終了いたします。
ほかに報告はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で所管事項の報告を終了いたします。
次に、所管事務継続調査についてお諮りいたします。
お手元に配付の文書(資料10)に記載された事項について、引き続き閉会中も調査を要するものと決することに御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議はございませんので、そのように決定いたします。
審査日程のその他に入ります。
次の日程を協議したいので、委員会を暫時休憩させていただきます。
(午後3時14分)
委員長
委員会を再開いたします。
(午後3時17分)
休憩中に確認しましたとおり、次回の委員会は11月14日(金曜日)午前10時からということで御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議はございませんので、そのように決定いたします。
以上で本日予定した日程はすべて終了いたしますが、委員、理事者から特に御発言はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
以上で本日の厚生委員会を散会いたします。
(午後3時17分)