平成18年2月8日厚生委員会
中野区議会厚生委員会〔平成18年2月8日〕
厚生委員会会議記録
○開会日 平成18年2月8日
○場所 中野区議会第3委員会室
○開会 午後1時03分
○閉会 午後5時04分
○出席委員(8名)
岩永 しほ子委員長
吉原 宏副委員長
佐野 れいじ委員
近藤 さえ子委員
やながわ 妙子委員
かせ 次郎委員
山崎 芳夫委員
柿沼 秀光委員
○欠席委員(0名)
○出席説明員
子ども家庭部長 田辺 裕子
子ども家庭部経営担当課長(男女平等担当課長) 合川 昭
子育て支援担当課長 馬神 祥子
子ども健康担当課長 大久保 仁恵
保育サービス担当課長 竹内 沖司
子ども育成担当課長 小平 基晴
保健福祉部長 菅野 泰一
保健所長 清水 裕幸
保健福祉部経営担当課長(保健福祉担当課長) 寺嶋 誠一郎
保健予防担当参事(結核予防担当参事) 深澤 啓治
生活衛生担当課長 飯塚 太郎
健康づくり担当課長 今 恵里
中部保健福祉センター所長(北部保健福祉センター所長) 瀬田 敏幸
南部保健福祉センター所長 深山 紀子
鷺宮保健福祉センター所長 嶋﨑 江美
高齢福祉担当課長 冨永 清
障害福祉担当課長 田中 政之
生活援護担当課長 浅野 昭
保険医療担当参事 奥山 功
介護保険担当課長 藤井 康弘
○事務局職員
書記 永田 純一
書記 杉本 兼太郎
○委員長署名
審査日程
○陳情
(17)第139号陳情 改正介護保険法による施設介護利用者等の居住費、食費の自己負担増について、中野区独自の負担軽減策を検討することについて
○要求資料の提出
1 電子申請の手続きについて(保険医療担当)
2 区内介護福祉施設等の居住費・食費等について(介護保険担当)
○所管事項の報告
1 新しい中野をつくる10か年計画の策定について(子ども家庭部・保健福祉部)
2 「新しい中野をつくる10か年計画(案)」のパブリック・コメント手続の実施結果について
(子ども家庭部・保健福祉部)
3 平成17年度行政評価結果に対する区の仕事の見直しについて(子ども家庭部・保健福祉部)
4 麻しん・風しん予防接種制度の改正について(保健予防担当)
5 中野区地域包括支援センターの運営法人の選定について(保健福祉担当)
6 生活保護受給者自立支援プログラムの実施状況について(生活援護担当)
7 平成18年度国民健康保険における基準保険料率の設定等について(保険医療担当)
8 平成17年度国民健康保険料特別訪問催告の実施結果について(保険医療担当)
○その他
委員長
定足数に達しましたので、厚生委員会を開会いたします。
(午後1時03分)
委員会を休憩させていただきます。
(午後1時03分)
委員長
では、委員会を再開いたします。
(午後1時08分)
お手元の審査日程(案)(資料1)のとおり、陳情の審査に合わせて要求資料1件の提出を受け、陳情審査の後にもう1件の要求資料の提出を受け、そして、所管事項の報告については、1番と2番を一括して行いたいと思います。よろしいでしょうか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
では、そのように進めさせていただきます。
なお、3時ごろに休憩を入れ、5時を目途に進めたいと思いますので、委員の皆さんの御協力をお願いいたします。
それでは、議事に入ります。
陳情の審査を行います。
平成17年第139号陳情、改正介護保険法による施設介護利用者等の居住費、食費の自己負担増について、中野区独自の負担軽減策を検討することについてを議題に供します。
では、一たん保留といたします。それで、要求資料の2番の提出を受けたいと思います。区内介護福祉施設等の居住費・食費等についての補足説明を求めます。
藤井介護保険担当課長
それでは、区内介護老人福祉施設等の居住費・食費等について御報告させていただきます。(資料2)
上の介護老人福祉施設の居住費・食費という表が、いわゆる特別養護老人ホームの居住費、食費の金額になります。区内の特別養護老人ホームについて聞き取った内容です。
下の表、通所介護事業所昼食代金というのが、区内の通所介護事業所につきまして、昼食、おやつ代も含めてですが、10月以降、幾ら徴収しているかということで聞き取った内容になります。
まず、介護老人福祉施設の居住費・食費については、それぞれの施設ごとに上段、下段、2段書いてありますが、上の段が多床室の場合の居住費、下の段が食費になっています。なお、区内に一部、従来型個室を保有している施設がありまして、そちらについては上の段に括弧で後ろに記載しています。第1段階、第2段階、第3段階については、低所得者に対しての軽減措置がされていますので、多床室の居住費と食費については、指定されている金額になっているという状態です。第4段階につきましては、施設と利用者との契約に基づくということになっていまして、標準額というものは国の方で示しているものはありますけれども、必ず標準額でなければいけないということにはなっていません。結果といたしましては、7施設のうち6施設は標準額に対応した金額になっていますが、1施設につきましては、第4段階について少しずつ多目に負担額が設定されているというふうになっています。
通所介護事業所の昼食代金につきましては、ごらんのとおり、26施設それぞれいろんなケースがありまして、どういうパターンになるかというのが下に、パターンの集計をしていますが、500円台の施設が5施設、600円台が9施設、700円台が7施設、800円台が4施設、900円台が1施設というふうになっています。なお、設置者の種別で区となっていますのは、実際に運営しているのは民間事業所に委託していますが、今年度いっぱいにつきましては、設置者としては区が登録されているという状態です。ごらんのとおり、通所介護事業所の昼食代金についてはさまざまな設定があって、それぞれ利用者に負担していただいているということになっています。
以上です。
委員長
ただいまの補足説明に対する質疑はありませんか。
かせ委員
御用意いただきましてありがとうございました。確認の意味で何点かお聞きしますけれども、いわゆる上の段の特養ですが、これを見てみますと、居住費についてはそんなに開きがないわけですね。食費についてはおおよそ一緒に並んでいるんだが、第4段階に来ると、これも1,380円、これは同じになっていますね。
藤井介護保険担当課長
ごらんになっていただければ、D施設の第4段階だけが居住費、食費とも少し高いという形になっています。
かせ委員
わかりました。そうすると、特養についてはほぼこういう形で一緒になっていますけれども、それにつきましても、これは日額650円とかという値段ですね、第3段階ですと。第4段階にいきますと一気にはね上がって、これは先ほどの説明ですと、契約によるということですよね。そうしますと、現在のところでは1,380円とか、高いところですと2,000円というのがありますか、D施設。というところにおさまっていますけれども、これは今後、変動するというようなことも考えられるわけですね。
藤井介護保険担当課長
第3段階までの低所得者に対しては負担限度額の設定がありますので、こちらについては、国の基準が変わらなければ、同じままいくのではないかなというふうに思います。ただ、第4段階につきましては、先ほども言いましたが、契約に基づきますので、変更される可能性はあるというふうに考えています。
かせ委員
別の言い方をすれば、契約事項に基づくということですから、いわゆる天井知らずということもあり得るということだというふうに思います。それにしても、1日1,380円の食費というのは決して安いものではありませんし、これが長期にわたりますと相当の金額になるというふうに思われます。そして、第4段階の水準ですけれども、これはたしか第4段階といいますと、市町村民税が課税世帯に属する人ということですよね。だから、住民税が課税されているということになれば、こういう段階になるということです。それで、前にもちょっと聞いたことがありますけれども、税制改正によって、今まで非課税であったという方で課税になるという方たちがたくさん出てくると思うんですね。そういう方たちがどのぐらいいるかというのはつかんでいらっしゃいますか。
藤井介護保険担当課長
現段階では、実は住民税の課税最低限の金額が確定していませんので、あくまでも推計ということでしかないわけですけれども、事業計画を作成する際に推計した中では、およそ7,000名ぐらいの方が課税に移るのではないかということで推計しています。
かせ委員
新たに課税対象になるのが7,000名ですけれども、その方の、申しわけないんですけれども、いわゆる所得はどのぐらいの水準になるんでしょうか。
藤井介護保険担当課長
年金収入のみというふうに仮定した場合になりますけれども、155万円以上の収入のある方ということに想定しています。なお、先ほど言いました7,000人はあくまでも保険料を払う際の人数ですので、この方たちが利用されているということではありません。
かせ委員
年金で155万円以上の方たちが新たに課税になるということですよね。そうしますと、月に直すと十二、三万円というところなんでしょうか。そういう方がこれだけの、4段階の方ですけれど、食費1日1,380円で、320円の室料ということで、1,700円ぐらいになりますか。といいますと、30日といいますと五、六万円になるんでしょうか。大変な金額になると思うんです。だから、年金の中の半分近くを特養ホームの施設のために支払わざるを得ないと、そういう状況になります。そうしますと、それを考えただけでも相当の負担になるだろうと思うんです。そうしますと、まだ私は現実にどうなっているかというのはつかんでいないんですけれども、この制度が発足するときに心配されていたのは、こういうようなホテルコストを徴収されることによって、これまで施設に入っていたけれども、今後はやっていけないと、そういうような状況が生まれるのではないかというふうに心配されていました。これについての経過措置等はあって、今どうかというのはなかなかあらわれにくいんですけれども、そういう心配がいまだにあるわけです。そういう実態はつかんでいらっしゃいますか。
藤井介護保険担当課長
負担がふえるということは事実ではあるんですが、年金で支払えない金額になるのであれば問題なんですけれども、先ほどおっしゃられたように、年金で支払える範囲におさまっております。今回、居住費、食費が自己負担になりましたのも、本来年金で支払われている、年金が払われているのは、そういう1日の生活で必要な居住費、食費等も含めた生活を成り立たせるために支払われていると。それが一方で自己負担されていないというのが、在宅で生活されている方との公平を欠くのではないかということから、居住費、食費の自己負担化がされているというふうに認識しています。今回、税制改正によって住民税が課税される可能性のある方につきましても、毎月の支払い額は年金の範囲内でおさまると。かつ、これは特別養護老人ホーム等に入っていらっしゃる方ですので、有料老人ホーム等を使って自由に外の世界でいろんな活動をされている方とは少し対象が異なります。基本的には24時間365日、施設の中で生活されている方ですので、その生活が支えられることが一番重要で、それができているということで、特にこの自己負担化によって特別養護老人ホームの利用ができなくなるということはないのではないかというふうに思います。
かせ委員
そうではないと思うんですね。いわゆるこの介護保険、特別養護老人ホームに入ったとしても、その人たちがそれまで住んでいた住居、アパートであればアパートは維持していかなきゃいけないし、また、老老介護、だれかがそこにいるという場合には、その方の食費、部屋代というのがあるわけですから、双方で負担が出てくるというのは、これははっきりしているわけでありまして。やはりそういうことがこのままずっと推移していきますと、本当に、いわゆる憲法25条の生存権にかかわる問題ということにもなりかねないということで、いろんな方たちが指摘をしていることなんですよ。だから、そういうことに対して、やはりこれを軽減するための施策、こういったものは、介護保険というのは各自治体がやるわけですから、独自の支援策を行うということはあり得ることだというふうに思います。
それから、通所施設についてですけれども、これを見ますと、最低金額が最も多く500円ということになっています。最高金額は960円ということで、平均では678円ということになります。これはそれぞれの事業者の皆さんができるだけ安くしようということでいろいろ苦労されていることだと、その反映だというふうに思いますけれども、経営体によって差が出てきてしまうという実態があります。そして、これを見てみますと、平均でも670円、約700円です。これは昼食代とおやつ代ですよね。最近テレビなんか見ていますと、お父さんたちのお小遣いがなくなったとか減ったとか、それから昼食代についても、500円を超えるものは食べないとか、そういうようなことが言われているように、健康な方たち、働いている方たちでも昼食代が500円を超えるというのは困難というか、なかなか少ない状況です。ところが、これを見てみますと、平均500円を超えてしまっているという状況があるんですよね。こういう実態の中で、これによって、通所施設に行く、そういうことをためらうとか、あるいはお弁当を自分で持っていくとか、そういったことが起こるのではないかというのが心配されていました。10月から始まって、約3カ月過ぎたわけですけれども、まだはっきりしたものが見えてきていないとは思いますけれども、現場からの実態というか、声は届いていますでしょうか。
藤井介護保険担当課長
実際の利用実績について、区に来るのが遅くなるというふうなことですとか、当初の利用実績の推計については少しエラーが多かったというふうなことで、なかなか、待っていたのでは正確につかめないということで、区内の事業所について、金額を変更したところについては聞き取りの調査をしてもらいました。その結果ですが、4月から9月までの平均の利用率が69.43%程度なんですが、10月から12月の平均利用率が71.14%というふうに、逆に利用率が高まっているということで、一応どこの事業所も、食事代値上げによる利用率の変動とか、食事代によって利用をやめるというふうなことはないというふうに聞いています。
かせ委員
私も幾つかのところを聞きましたが、そこは努力して500円で頑張っているというところでしたが、現状ではまだそういうのはないということでしたけれども。ただ、これは確実にブローとしてきいてくるわけですよね。今、予測されているところでも、4月から介護保険料、料率とか利用料とか、これを変更されるわけでしょう。それと、あとは税制の改正による動きもありますし、そういうようなこと。それから、国保料であるとか、いろんな面で公共料金が引き上げられていくという状況がありますよね。しかし、年金が逆に下がっていると。収入が下がっているのに、そういう意味で負担が重くなっていくということですね。相当にきいてくるだろうと思うんです。そういう状況を見てみますと、これは、この面でも本当に、現実的に出てきちゃうということになると、それこそ一気にあらわれる可能性があるわけですよ。だから、そういう意味で、今、調査されたということですけれども、引き続きアンテナを張って調査をする、これが必要になってくるだろうと思うんですよ。その辺についてはいかがですか。
藤井介護保険担当課長
利用動向につきましては、引き続き調査をしていきたいと考えています。また、介護報酬の4月からの変更につきまして、当初想定されたよりも減額幅が少なくなったというふうなことがあります。これにつきましては、先ほどの施設のいろんな居住費、食費について、利用者に負担させず、事業者が自己努力で賄っていた部分があるということを踏まえて、そういうふうな処理がされたというふうに認識しています。
かせ委員
利用実態という単に数字だけの問題ではなくて、いわゆる一番困ってしまうのは、デイサービスを利用するけれども、自分で弁当を持っていくとか、それから、コンビニの弁当を持ってくるとか、そういうようなことになると困るわけで。実際に運営にも影響してくるということなので、単に利用実態ではなく、もっと中身の問題。それから、特に必要なことは利用者からの声、こういったものが必要になってくると思うんですね。そういうような調査というのは考えていらっしゃいますか。
藤井介護保険担当課長
今の段階で、利用者から直接アンケート調査をするということは予定していませんが、いろいろな形で、苦情ですとか相談というのは幅広くお受けいたしております。4月からは地域包括支援センターが開設されて、そこでもまた幅広くいろいろな声を聞くということが起こると思いますので、いろいろなアンテナを張りめぐらせて、状況については把握していきたいというふうに考えています。
かせ委員
地域包括支援センターでいろいろ相談事もやるということになると思うんですけれども、地域包括支援センターというのは、一つだけが区の直営で、他は民間ということですよね。そうではなくて、やはり介護保険の根幹というか、政策的な問題にかかわることですから、それは単に地域包括支援センターの苦情処理の問題ではなくて、区が直接やっぱり掌握する必要があるだろうと思うんですよ。そういう意味では、きっちりとした調査というのは、これは頻繁にやる必要があるだろうと思うんですが、どうですか。
藤井介護保険担当課長
頻繁というのがどの程度かという問題はありますけれども、時期を見て、折々には調査をしたいというふうには考えています。なお、利用者に直接という方法もありますけれども、事業所連絡会等を通じて、事業所から調査を行うというふうなことも可能だというふうに考えています。
かせ委員
適宜調査をしていただくということと、それから、最後にしますけれども、こういう状況の中で、やはり物的な支援ですよね。本当に困っていらっしゃる低所得者に対するホテルコストの緩和策、緩和というものは、区がやる気になればできるわけですから、これはきっちりとやっていくということが必要だろうというふうに私たちは思っています。そのことを発言しておいて、とりあえず質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
山崎委員
利用者側からの今度の改正介護保険法のホテルコストについての質疑がありましたけれども、今、課長も触れていましたけれども、事業者の側から見て、今度の改正介護保険法はどうなんだろうかと。新聞、あるいはテレビの程度しか私たちには情報が来ないんですが、事業者の努力によって今までやってきた。しかし、ホテルコスト導入によって、特に個室を持っているところについては、低所得者の方々が多いというような施設については、非常に経営的に存続が不可能ではないだろうかというような、社説なんかも含めて随分出ていたんですね。その辺は課長、どの辺まで把握なさっていますでしょうか。
藤井介護保険担当課長
経営的にどの程度かというのは、細かいところまではわかりませんが、先ほどの第4段階の設定を見ていただければわかるとおり、1カ所は高い設定になっています。これは国の言っているような標準の値段ではやはり施設が維持できないということから高くしているというふうに認識しています。ですから、施設規模ですとか、あるいは多床室と個室とのバランスにもよるとは思います。すべてが個室であれば、居住費をすべて自己負担していただけるわけですけれども、ほとんどが多床室である場合に、逆に御本人からいただけないわけですね。その分が逆に問題になるのかなと。個室については、長期的に個室化、ユニット化ということが課題としてありますので、それをどういうふうに進めていくのか、そのときにそういう事業所の経営自体が危うくならないように、またかつ利用者が入れなくなるということがないように、両方の側面を見ながら進めていくことが必要だというふうに認識しています。
近藤委員
前回私がちょっと質問させていただいたことで、もしこのお金を補てんするようなことになると、これは一般会計の方から出るということを課長がお答えになったんですけれども、介護給付費準備基金というものに積み立てとして5億円ぐらいのお金を今積み立てていますよね。それをこういった給付費的なものではなくてこういうものに充てるということは、中野の制度的にできることなのか。そしてまた、これは第4期事業計画のために積み立てていると思うんですよね、これから高齢者がたくさん出てきますから。そのためにまたこういうものを取り崩していくということについての考えは、まるで無理な発想なのか。そこのところを教えてください。
藤井介護保険担当課長
準備基金につきましては、実際の給付に対して、第1号保険料で今18%、次期19%分は保険料で賄う必要があります。第1号保険料で賄うべき財源が不足した場合に、基金から取り崩すという性格で設定されているものになっています。ですから、給付本体の方が、1割負担をしていただいた方、そちらの方がふえた場合に、基金の方から支払うと。特に前回、保険料の設定についても事業計画案をお示ししましたが、準備基金から2億数千万円取り崩した上で、4,050円の基準額ということで設定した案をお示ししています。ですから、保険料の基準額を下げるということに基本的には使う、あるいは不足した場合に使うという性質のものだというふうに認識していまして、こういう個々の利用状況の一部に対して充てるというふうなことは、ちょっと制度的にできないというふうに認識しています。
近藤委員
制度的にできないというのは、国の制度ということですか。中野区で決めた制度ということですか。
藤井介護保険担当課長
国の制度です。
近藤委員
そうしますと、これは結局一般会計からということになりますか。
藤井介護保険担当課長
先日お出ししました事業計画の中で、生計困難者の利用を軽減する方法として、社会福祉法人等の事業所の利用減額を助成していくということで方針を打ち出しています。これについては、一般会計から区負担分については支払うという形になっています。
近藤委員
そうしますと、国で決めたことで、これから補助を出すとすれば一般会計ということになると、普通に生活していても、やっぱり、私なんかも家で母を見ていますので、大変お金がかかります。そういった面で、本当に特養とかに入れた方というのはうらやましいし、今も1,000人以上の方が待っていることを思えば、こういうところを一般会計で補っていくということは、本当に厳しくて、ちょっと無理なのかなという思いがあります。ただ、前回課長が答弁したんですけれど、社会福祉法人等の減額制度で一定の生計困難者に対して対応はできているということで、それに対応できていない層が一体現実にどの程度いるか、どういうふうにいらっしゃるか検討していく必要があると思うとおっしゃっていました。国で決まったからといって、検討していく必要があると思うと言っている場合ではなくて、本当に検討して、どう救っていくか、お金を出せなくても、どういったことができるか、これから見通しを持っていかなくてはならないと思うんですよね。その辺に対してはいかがですか。
藤井介護保険担当課長
一定の対応をしないといけないという認識があるからこそ、この制度を活用するというふうに方針を示しています。社会福祉法人等の利用減額というのは、確かに制度的な枠組みは国や都が示した部分はあるんですが、実際にこの制度を利用するかどうかは各市区町村にゆだねられているものだというふうに認識しています。ですから、実際23区の中でも、使っていないところもありますし、本当に社会福祉法人だけに限定していて、中野のように一般事業者にまでは適用していない区もあります。その中で、中野区としては、社会福祉法人が提供しているサービスだけではなく、民間事業所が提供している通所事業の方でも利用できるようにという形で拡充していると。前回、検討が必要になるだろうというふうにお答えしたのは、たしか住民税の制度改正の関係でどれだけ影響があるかが、そこがわからないということでお答えしたというふうに私は考えていまして、それについては、実際に新年度に住民税の課税されてからでないと、ちょっと不明ということです。
近藤委員
住民に一番近い自治体として、きめ細かく、やはり困窮者が出ないようにということを考え続けていっていただきたいと思います。要望しておきます。
かせ委員
今、社会福祉法人に対する減免策ということでしたけれども、いろいろ条件があったと思うんですよね。それで、まず、社会福祉法人を減免対象にするかどうかというのは、まず社会福祉法人がそういう制度を受け入れるということがないとだめだったんじゃないでしょうか。
藤井介護保険担当課長
社会福祉法人の方、あるいは一般事業所の方で、その制度を利用するという申し出がないとできない制度です。
かせ委員
現状はどうなんですか。社会福祉法人による減免、この制度を利用しますというような法人が出てきていますか。
藤井介護保険担当課長
17年度の状況の数字はちょっと今持っていないんですが、15年度に社会福祉法人3法人4施設、一般事業所が4事業者が利用されていたのが、16年度には社会福祉法人8法人9施設、事業者が11事業者が利用されている状態です。現在も継続して、ちょっとずつですがふえているというふうに考えています。
かせ委員
それで、この制度に社会福祉法人を使うという場合には、国と自治体の補助金と、それと、あとは、社会福祉法人自身が何%か負担をするという制度でしたね。ちょっともう一度お願いします。
藤井介護保険担当課長
制度がいろいろとわかりにくいというふうなこともありまして、前回お出ししました事業計画の参考資料として一応つけてありますので、もしお持ちでしたら、そちらの参考資料7、67ページをごらんいただければとは思いますが、今回のものでは、国や東京都の分も含めてですが、一括して区が助成をいたします。本人の利用料の4分の1を減額するという形になっています。公費助成の範囲というのは、利用者の利用料4分の1、事業所が減額をするんですが、そのうちの軽減した総額の2分の1を助成しているという形になっています。またややこしいんですけど、利用した軽減総額が本来の利用者負担収入総額の10%を超える場合には、その超えた全額を助成の対象としているという2段階で、事業者の負担が余りにも大きくなるようだと継続しにくいというふうなこともありまして、事業者の負担も一定の割合で抑えられるようにという形の制度になっています。
委員長
他にありませんか。
よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
では、以上で補足の資料提出についての質疑を終了いたします。
改めて平成17年第139号陳情を議題に供します。
この陳情につきましては、本日、1,765筆の署名を提出されております。前回提出分と合わせて1816筆となっておりますので、御承知おきください。
陳情者がお見えですが、何か陳情者にお聞きになるようなことはありませんか。
よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
では、質疑に入りたいと思います。
では、お願いします。
かせ委員
先ほど資料について質疑をしましたけれども、いわゆる軽減策の一つとして、ホテルコストに対する支援策、これを中野区でもやるべきだというふうに私たちは考えています。なぜかといいますと、これまで区の説明していたのでは、介護保険に対する支援策というのは社会福祉法人に対する支援策のみですよね。ほかについては特別考えていないということですけれども、先ほど言われたように、社会福祉法人に対する支援という形というのは、まず法人がその気がなければならないということと、それから、そのほかに申し込む場合の条件みたいなものがあったんじゃないですか、ケースに応じて。
藤井介護保険担当課長
これはあくまでも生計困難な方に対しての減額ですので、利用される人全員ということではなくて、あくまでも年間収入が単身世帯で150万円、世帯員が1人ふえるごとに50万円ずつ加算というふうな形での収入要件と、預貯金の要件その他、要は、資産があるけれども収入がないというふうな方の場合には、その資産である程度賄えるんじゃないかというふうなことで、そういう資産要件も含めて認定するような形になっています。
かせ委員
そのように、資産要件であるとか、いろいろ調査をしていくという過程で相当絞り込まれるわけですよ。そうしますと、本当にこれで使えるかというのは非常に不安があります。それと、あと、社会福祉法人が現在受け入れますよということですけれども、これは永久にそうなるわけじゃないでしょう。一定期間、年度ごととかなんとかという、そういうものじゃなかったですか。
藤井介護保険担当課長
年度ごとに申請していたという形にはしていませんので、一度これでやりますよという形で申請を受けましたら、その事業所がやめますと言うまではやっていただけるのかなというふうに考えています。
かせ委員
つまり福祉法人の任意性というのが大事にされるという制度ですよね。それと、さっき言ったようないろいろな調査とか、そういったもので絞り込まれるということです。ですから、この制度に期待するということはできないだろうと思うんですよ。それで、他のいろんな自治体で、経過措置ではあるけれども、軽減策がとられる。半額にするとか、いろいろな措置がとられているわけですよ。それで、今後もどうなるかということはまだ見えていませんけれども、新たな介護保険制度を検討していく中で、そういう動きも出てくるだろうと思うんですよね。だから、そういう状況というのは、やはり中野区にあっても、いわゆる区が主体になってできる制度なんだから、これはどのようにして軽減していくのか。それで、本当に介護保険制度、これを存続させるためには、安定的に、それこそだれでも利用できる、困ったときにはそれで利用できるんだと。生活に困っているけれども、困っている人でも利用できるんだという、そのためのささやかながらの支援というのは、行政としてあってしかるべきだと思うんですよ。そういうお考えには立てませんか。
藤井介護保険担当課長
真に必要な方には、利用料の何らかの措置が必要だというふうなことで、社会福祉法人等の利用料減額の制度を中野区として実施しているというふうに考えています。
かせ委員
だから、それは最低限やらなきゃいけないことですよ、その辺のことについては。それについても、先ほどから言っていますけれども、社会福祉法人の相当の努力、それを期待しているわけでしょう。そういうことであって、ずっとこの制度が存続できるのかと。経営そのものでも、今の介護保険の制度ですと、本当に今までの特養ホームの経営にしても何にしても、それについては人件費補助であったり、さまざまな支援策があったわけでしょう。それで、今は本当に厳しい状況の中で経営しているのが実態ですよ。さらにこういうことで御苦労をかけるということでしょう。それでは本当に冷たいというふうに思うんですね。だから、少なくとも低所得の方に対しては、こういうホテルコスト等についての支援というのはあってしかるべきだと思うんですけれども、全く考えがないんですか。
藤井介護保険担当課長
繰り返しになってしまいますが、本当に必要な方については措置をしているというふうに認識していまして、単に見た目の収入が低いからといって、忠実に利用減額をするというふうな性質のものではないというふうに考えています。
委員長
他に御質疑ありませんか。
よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
取り扱いに入ってよろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
では、取り扱いを協議するので委員会を休憩します。
(午後1時52分)
委員長
では、委員会を再開いたします。
(午後1時54分)
質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
では、質疑を終結いたします。
意見はありませんか。
よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
では、意見の開陳を終結します。
討論はありませんか。
かせ委員
第139号陳情に賛成の立場から討論したいと思います。
2回にわたって審議したわけですけれども、きょうは資料をいただきました。特別養護老人ホーム等、介護老人福祉施設の居住費・食費と、それから、通所介護施設昼食代の実情を示す資料でしたけれども、この資料を見てみましても、例えば特別養護老人ホームでは、入居費が1日で320円、そして食費が1,380円、これが多いわけですけれども、中には520円と2,000円というところもありました。第4段階については、さらに契約によるということですから、今後どれだけ高くなるかというのが非常に危惧されるところであります。年収が150万円以上の方はここに入るわけですけれども、そうしますと、月収の半分近くを特養ホームの食費、居住費にかけられるということになり、耐えがたい負担が生まれるというふうに思います。また、通所介護事業施設についても、安いところですと500円、高いところですと960円、平均して678円という昼食代が1日にかかるわけです。今、世間では、働いている人たちでも500円程度の昼食代で賄っているという状況の中で、この食事代というのは極めて負担が重いと言わざるを得ません。
介護保険は、それぞれの地方自治体が責任を持って運営するものでありますから、こういったことに負担の軽減策をとり得る立場にあります。ですから、こういった負担増に対して何らかの軽減策をとるというのは、行政にとってはしかるべき態度だというふうに思います。そういった意味から、私は、この陳情に示されているように、居住費や食費の自己負担増について、中野区独自の負担軽減を考えるべきだと、この陳情に賛成する立場で討論としたいと思います。
なお、本会議でもっと本格的な討論をしたいと思いますので、よろしくお願いします。
委員長
他に討論はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
では、以上で討論を終結いたします。
それでは、お諮りをいたします。
第139号陳情、改正介護保険法による施設介護利用者等の居住費、食費の自己負担増について、中野区独自の負担軽減策を検討することについてを採択すべきものと決するに賛成の委員は挙手をお願いします。
〔賛成者挙手〕
委員長
挙手少数。よって、本陳情は不採択とすべきものと決しました。
以上で陳情の審査を終了いたします。
では、次に、要求されておりました資料の1番の提出を受けたいと思います。電子申請の手続きについての補足説明を求めます。
奥山保険医療担当参事
それでは、前回の委員会で要求のありました資料につきまして御説明申し上げます。(資料3)
電子申請の手続きについてでございます。
まず、申請手続につきまして、利用者の登録を最初にやっていただくということになってございます。利用者の登録の流れでございますが、1から6まで書いてございますように、まず、利用者規約に同意いたしまして、利用者の登録をいたします。仮のパスワードが発行されますので、それに基づいて共同運営サービスからメールが送付されます。その仮のパスワードを本パスワードに変更して登録を終了するというのがまず最初の段階でございます。
次は、裏面にまいりまして、その次の具体的な申請の手続でございます。この手続につきましても同じように流れが書いてございますが、1から6まで。まず、中野区のホームページから入る場合について申し上げます。まず、トップページから手続一覧のページに入ります。それで、手続一覧のページから手続の説明のページにクリックして入ります。次は、手続の説明のページから共同運営サービスのページにクリックして入ります。電子申請の入り口をクリックして、利用者のID、パスワードを入力し、申請書を作成し、それを送信するという手続でございます。
また、共同運営サービスのホームページから直接入る方法がございますが、区のホームページから入る部分の上段の部分が省略できまして、まず、共同運営のトップページから自治体の選択をいたします。中野区を選択するということです。それで、申請・届出のメニューから具体的なナビゲーションという形で、それぞれのページごとに手続の仕方とかをガイドしてございますので、それに沿って申請手続を行うという流れでございます。
次に、セキュリティーの確保、3ページ目でございますが、まず共同運営センター、こちらの施設の管理セキュリティーでございますが、入退室についての監視カメラとか、生体認証などによりまして厳重にチェックがなされております。また、通信につきましては、不正データを排除するファイアウオール、また、不正アクセスを検知する侵入検知システムなどを設置して、24時間ネットワーク監視を行っているということでございます。
また、申請者・共同運営センター間の通信でございますが、SSLと申しまして、いわゆる暗号化をして通信する技術でございますが、こういったことで保護を行っているということでございます。
次は、共同運営センターと中野区の間の通信でございます。これは総合行政ネットワークを、これは専用回線でございます。これを利用しまして不正侵入を防いでおります。
次が、申請情報へのアクセス制御でございます。共同運営センター内の申請情報へのアクセス権限につきましては、担当者のみが所持をして、ほかの者はアクセスできないというふうになってございます。
続きまして、申請者の本人確認方法ということでございます。電子申請を受けまして、その後の処理ということでございます。多分一番多いのは郵送での通知なり、いろんな交付物が発送される場合でございますが、これにつきまして、例といたしまして国民健康保険の保険証の再発行を掲げてございますが、住民登録地に配達記録で行うといった方法で本人を確認するということをやってございます。また、訪問などによる本人確認。住民記録情報との照合による本人確認、これは交付物、訪問等がない場合でございますが、そういったことで確認をしているものでございます。
また、今申し上げましたのは一般的な電子申請の流れでございますが、もう一つ、公的認証、個人認証サービスというものがございます。これは、なりすましによります電子申請とか、通信途中の申請内容の改ざんなどを防ぐ、電子証明書を提供するサービスということでございます。公的個人認証サービスの電子証明書が必要になった場合には、住民基本台帳カードの交付とあわせて電子証明書の交付を受ける必要がございます。
手続及び電子証明書が必要な申請については、後ろに添付のチラシなんですが、つけてございますのでごらんになっていただきたいと思います。これは公的個人認証サービスの区民向けのチラシになってございますが、まず、公的個人認証サービスということで、なりすまし等による申請とか、先ほど申し上げたようなことを防ぐために、電子証明書を提供するサービスですということで、その右側にパソコンとICカードリーダライタ、それと住基カードというのがかいてございますが、こういった形で、住基カードの中に電子証明書を入れます。それで、住基カードを自宅で利用し、電子証明書が入った住基カードを利用して手続をできるという仕組みでございます。
電子証明書の発行の申請の際に必要なものといたしまして、住民基本台帳カード、ここの下に書いてございますように、電子証明書は住基カードのICチップに格納されますということでございます。
2番目の申請者の本人確認書類と手続の方法でございます。これは官公署発行の写真つき証明書、当然住基カードの写真つき、また運転免許証、パスポートなどでございます。あと、これらをお持ちでない方につきまして、持っている住基カードが写真のない場合には、来庁していただいて、申請書を提示した上で手続をしていただくということになります。
これにつきましては、電子証明書の発行手数料が500円かかるということで、有料になってございます。有効期限は3年間ということになってございます。
その下に、御利用いただけるパソコンの仕様と書いてございますが、windowsということと、あと、ネット接続できてCD-ROMの読み込みができる環境が必要。それと、ICカードリーダライタと、その接続できる環境が必要だということでございます。
その裏側、一番最後のページでございます。主な手続ということで、公的個人認証サービスポータルサイトをごらんくださいということを書いてございますが、一部の例といたしまして、各省庁、国の関係の申請手続、国税申告とか社保関係の手続、また自動車保有関係手続、こういったことができるということでございます。
また、東京都につきましても、地方税の申告などができるということでございます。
中野区におきましては、公的個人認証サービスの電子証明を利用して手続を行うものといたしまして、転出届、住民票の写しの交付申請、軽自動車税の納税証明書の交付などがございます。その下に、電子証明書が必要ない電子申請というのが、先ほど申し上げた通常の手続ができるものといたしまして、これは居宅サービス、ケアプランなど。それと、前回の委員会で御報告申し上げました手続については、すべてこちらの電子証明書が必要ない電子申請ということで、こちらの方に追加になる手続でございます。
以上でございます。
委員長
ただいまの補足説明に対する御質疑はありますか。
かせ委員
いろんな手続ができるということですけれども、電子証明が必要ない電子申請というのは、一番最後のところに書かれていることで、その上の転出届とか、住民票の写し交付云々、こういうものについては電子証明が要るということですね。それで、そのために必要な設備について、ICカードであるとか、こういったものについては、これは無料でということになりますか。
奥山保険医療担当参事
ICカードといいますのは、いわゆる住基カード、これを区の方で発行しますけど、カードリーダライタは個人で負担して御購入いただくということになります。
かせ委員
やはりコンピュータを使うということになると、実際に目に見えないところでやられるわけで、特になりすましとか、セキュリティーの問題というのは非常に大事なんですけれども、このセキュリティーについて、自分の住基カードを使うというのは、それは当然なんですけれども、それぞれの職員のところでIDというのがありますけれども、それはそれぞれの職員の方が持っていらっしゃるんですか。
奥山保険医療担当参事
申請を受けたときに事務処理をするセクションの職員ということでお答えしたいと思います。現状でも、それぞれの端末についてはそれぞれがIDを持っていまして、パスワードを持っていまして、それで立ち上げるというふうになってございますので、当然それぞれが持っているもので利用していくということになります。
かせ委員
端末ではなくて、それぞれの個人が持っているということですね。そうじゃないと、その機械のIDだけだというと、その機械のIDを覚えちゃえばだれでも使えることになるわけですよ。
奥山保険医療担当参事
機械のIDじゃなくて、職員に振られたIDを利用して端末を開いて処理するということです。
かせ委員
それと、利用者については、住基カードを持っている人と持っていない人も使えると、内容は違うけれども。それで、住基カードを持たないで利用できるものについては、これについては、IDとかパスワードとかというのは自分で決められるわけですよね。それで、任意にいつでも変えられるという仕組みになっていますか。
奥山保険医療担当参事
ここに書いてございますように、御自身で考えられたパスワードをお持ちになって、必要があれば変更するという形になります。
委員長
他に御質疑ありませんか。
よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
では、以上で本件の提出は終了いたします。
所管事項の報告を受けます。
1番と2番を一括して報告を受けます。新しい中野をつくる10か年計画の策定についての報告をお願いします。
田辺子ども家庭部長
それでは、お手元の御配付しております資料(資料4・資料5)に基づきまして、新しい10か年計画及びパブリックコメント手続の実施結果につきましてもあわせて御報告をさせていただきます。
初めに、新しい中野をつくる10か年計画の策定についてでございます。これにつきましては、本計画の冊子、資料1と、それから、「新しい中野をつくる10か年計画 案からのおもな変更点」、資料2という二つの資料をお配りしております。本計画につきましては、今般、10か年計画という形で策定をさせていただきましたので、御報告をさせていただきます。
なお、区民の方々への周知でございますけれども、2月19日号の区報で公表いたしまして、あわせてホームページなどでも周知を図っていく予定でございます。
冊子はちょっと大部なものですので、「新しい中野をつくる10か年計画 案からのおもな変更点」ということで、子ども家庭部所管分につきまして御報告をさせていただきます。
これにつきましては、1ページ目でございます。これは、本文19ページにございますが、未来への扉をひらく4つの戦略と行政革新の、元気いっぱい子育て戦略ということで、子ども家庭部を中心にお示しを既にしているところでございますが、それの19ページにありますように、「家庭・地域・学校が情報と目的を共有することによって、子どもたちが地域の中で安心して育つ環境をつくります」という、星印のところでございます。ここにつきましては、基本的考え方は変わってございませんが、この間、いろいろ区民の方々の意見を伺いながら検討を進めてきた結果、今後、地域の中で、児童館活動でありますとか、小学校を拠点とする展開というようなことにつきまして、少し表現や考え方を整理いたしまして、今までですと、地域の方々のネットワークを再編したり、強化したりというような言い方をさせていただいたんですが、もうちょっと緩やかに進めていこうというようなこともございまして、「地域にあるさまざまな子ども育成に関する活動の連携・協力体制の再編と強化を推進し、地域の子ども育成活動の支援を行うとともに」云々ということで、地域の方々と連携するということを強めております。また、小学校へ拠点を移した遊び場事業等の機能等の展開でございますが、これについても文言を整理しております。
それから、その下、主な変更点の方でございますが、実現へのステップというところで、従来、「小学校への遊び場機能等の整備」というふうな書き方をしておりましたけれども、これにつきましては、今お話ししたような考え方の整理もしてきましたので、「小学校施設を活用した遊び場機能等の展開」という表現で、それぞれのところにありますページの表現を変えさせていただいております。
恐れ入ります。次のページをおめくりいただけますでしょうか。それから、2ページ目の7番でございます。本文66ページでございます。66ページにつきましては、領域IIの現状と課題というところでございまして、ここにつきましては、乳幼児にかかわります取り組みにつきまして記載をしてありますところです。「乳幼児人口は」云々とある3段落目のところですけれども、ここにつきまして、乳幼児の現在の状況は従来の案のところでも御説明をさせていただいておりましたが、幼児教育につきましての記述が余りなかったということで、今般、「幼稚園においても子どもたちの豊かな感性を育み、社会性や道徳性を芽生えさせる幼児教育を行うとともに」といったような表現で、幼児教育の考え方を加えております。
その下、67ページ、8番と書いてあるところでございます。これにつきましても、先ほどお話ししたような、地域の育成活動の考え方について文言を整理させていただいております。
次、3ページ目でございます。68ページのところの9番でございますが、これにつきましても同様の考え方で表現を変えさせていただきました。
3ページ目、10番でございますが、68ページと126ページが本文の記載になりますが、こちらでは、子どもの安全対策の強化ということが、従来からの案でも項目としてございましたが、18年度の取り組み等も踏まえまして、子どもたちが安心して通える施設としていくため、侵入者の防止など施設の安全性を高める方策を実施するというような表現で、より地域の中での施設としての安全性を掲げております。
次、11番、76ページでございます。こちらは、本文のところでは、質の高い幼児教育・保育の実施という項目で柱立てをつくっておりますが、それのマル2、乳幼児のための多様な保育や教育機会の充実ということでございます。これにつきましては、区立幼稚園の廃止という考え方を出させていただいておりましたが、少し表現をもう一度整理させていただいて、区立幼稚園は、幼稚園の就園需要等に対応するため順次4園を開設しましたが、幼児人口の減少などにより、区全体を見ると就園需要は満たされた状態にある。それから、区としては、公立・私立、幼稚園・保育所問わず、幼児教育全体の質の向上を図っていくというような考え方を解説させていただいた後、「この考え方に立って、区立幼稚園2園を、保護者の就労の有無等に関わらず、多様なニーズに応じた幼児教育・保育の機会の提供、子育て家庭への相談支援、乳幼児親子の交流の場の提供などを行う幼児総合施設へと、民間活力を活用して転換していきます」というような形で、少し説明を補わさせていただきましたとともに、考え方を整理させていただいております。
こうした考え方のもとに、その下にありますステップにつきましても、従来ステップ1では、区立幼稚園の再編に伴う廃止園の3歳児募集停止と出しておりましたが、区立幼稚園2園の幼児総合施設への転換に向けた検討・準備、それからステップ2では、区立幼稚園2園の幼児総合施設への転換に向けた移行準備・実施、ステップ3で、民営の幼児総合施設への転換という形で考え方を整理させていただきました。
4ページ目でございますが、こちらにつきましては、14番が子どもにかかわる施設でございます。最後に、146ページ以下、10年後の施設配置ということで一覧にさせていただいておりますが、これらにつきましては、今、御説明をしましたとおり、考え方を整理したり、それから、施設の考え方についても整理をさせていただいたものをここに掲げさせていただいておりますので、本文と合わせたという形で、基本的な考え方について大きな変更点はございません。
以上が10か年計画の子ども家庭部所管に関します主な変更点でございます。
続きまして、もう1部の資料でございます。「新しい中野をつくる10か年計画(案)」のパブリック・コメント手続の実施結果についてということで、これも子ども家庭部所管分について御説明をさせていただきます。
意見の募集期間、それから提出者等につきましては、既に御報告をさせていただいていますので、省略をさせていただきまして、主な内容につきまして、10か年計画に反映したもの、あるいは区の考え方を御説明させていただきます。
おめくりいただきまして4ページでございます。項目3、領域IIのところで、子育て全般ということで8件、全体では御意見をいただいております。ここでは全体的に、少子化の流れの中で、子どもたちが安心して育っていく環境をどのようにしてつくっていくかというような観点からの御意見を幾つかいただいております。例えば1番ですと、預かり保育の拡大などについては、子どもと母親の距離を広げる内容であるというようなことで、子どもを通して親教育が行える、そうした中野区であってほしいというようなこと。
関連いたしまして3番では、我が子を自分の手で育てたい人、働きたくても働けない人、子どもの多い家庭などについての支援策を入れてほしいということの御意見をいただいておりまして、この中身では、区の考え方として、10か年計画の中では、家庭の養育力の向上ということで、ただ単にサービスを提供するということだけではなくて、地域全体で家庭を支援するような、そうした取り組み、あるいは親教育といったようなものなどについて充実をしたというような表現をさせていただいております。
また、2番では、現在の子育てにはさまざまな困難がある。新しい中野は、子どもたちに優しい、また子育てしやすい中野であってほしいでありますとか、6番で、少子化対策に力を入れているようだが、10か年計画の取り組みを進めることで、逆に子育てしにくくなるのではないかというような御懸念など、今後の中野区の中での子育ての御不安といったものが御意見としてありましたが、今お話ししたような内容で、地域全体で家庭を支援し、行政も必要なサービスを提供していくというような考え方で、安心して子育てができるようなさまざまな取り組みを進めていくというような考え方をお示しさせていただきました。
5ページでは、子どもの虐待ということで1点御意見をいただいております。これは、子どもの虐待について、地域子ども家庭支援センターを設置するだけでは十分ではないのではないか。それから、地域の力をあまり当てにしないでというか、活力ということだけでは絵にかいたもちになるのではないかというような御意見でございましたが、私どもの説明の仕方が不十分だったかというふうに反省がございますが、地域子ども家庭支援センターで取り組む内容等について具体的に記述をさせていただいて、施設をつくるということが目的ではなく、地域でどういうサービスを提供していくか、あるいは地域全体の養育力をどのように高めていくかという考え方をお示しさせていただきました。
保育所というところでは26件御意見をいただいております。主には保育園の民営化にかかわります御意見でございます。例えば11番では、施設のいろいろな統廃合を進めていくというようなことが10か年の案の中では言われてきたが、こうした施策は中野に住み続ける人が少なくなってしまうのではないかというような御意見でありますとか、7ページで、17番で、民営化を進めるのであれば、メリット・デメリットをきちんと示してもらいたい。民営化のメリットはないと思われるので、計画の再考を望むというようなこと。関連しまして18番で、民営化によりコストカットされる部分が出てくる。保育所を民営化する場合、保育の質の低下につながるものにしないでほしいといったような、全体的に御不安のあるような御意見がございましたが、11番の区の考え方で書きましたように、民営化によりまして、多様で柔軟な保育サービスや質の高い教育・保育を実現していきたいという考え方でありますとか、7ページの18番にありますように、民営化のメリットといたしまして、これまで取り組んできましたいろいろなサービスの拡充策などについても詳しく御説明をし、18番では、事業者選定に当たっての公平・公正な取り組みでありますとか、第三者評価などの仕組みの導入といったようなことで御説明をさせていただいております。
次、8ページの25番以下は、住吉保育園と東中野保育園の民営化にかかわります御意見を幾つかいただいておりますが、これにつきましても、現在、当該園におきまして、区と保護者とで十分説明会の機会を設けておりまして、今後もそうした十分な説明会をしていきたいということで、十分話し合っていくという考え方を御説明させていただいております。
9ページで、33番、34番などは、区立保育園の保育士の年齢でありますとか、それから、私立保育園との経験の差というような御不安がございましたが、私どもといたしましては、経験年数の長短が保育サービスの質に比例するということは言えないというふうに考えているでありますとか、それから、2,000人体制の中で、34番ですけども、経験を蓄積する方法というようなことがございましたが、さまざまな工夫をしてそうしたことに対応していくという考え方を説明させていただいております。
9ページの下が児童館・学童クラブでございます。こちらは10件いただいておりますが、36番ですと、児童館や地域センターが減り、子どもたちが遊ぶ場所がなくなってしまう。子どもたちの居場所、遊び場を確保するなど、子育て世代が住みやすい区にしてほしいというようなことでございましたが、先ほど御説明をいたしましたような、小学校の施設を活用した遊び場の展開でありますとか、それから、児童館の今後の機能を特化したような形での展開、それから、地域子ども家庭支援センターにおける乳幼児対応等について御説明をさせていただいております。
それから、10ページの37番、38番でございますが、これにつきましては、今も話をしました小学校における展開でありますとか、そういうことにつきまして、それを進めていくに当たっての御懸念と申しますか、十分な対応を望むということで、教育委員会との十分な話し合いでありますとか、地域のネットワークの中心を小学校の中で十分果たしていってほしいといったような御意見で、これにつきましては、本文の中でも、先ほど申し上げたような形で御意見を反映して、訂正をさせていただいておりますが、教育委員会と十分調整をしていくでありますとか、地域の育成団体の支援や相互の連絡・調整の役割を十分果たしていくといった考え方を述べさせていただいております。
41番から以下、橋場児童館等の御意見がございます。こちらにつきましては、10か年計画の中で、桃三小学校を中心とする小学校の再編に伴いまして、橋場児童館を学童クラブ専用の施設としていきたいという考え方を述べさせていただいております。また、桃三小学校の施設を活用した児童館との連携事業の展開でありますとか、学童クラブにつきましては、安全対策なども対応を図っていきたいというような考え方を述べさせていただいております。
11ページが幼児教育全般ということで、一番下になりますが、22件ほどいただいております。これらにつきましては、区が10か年計画の案の中でお示しをした適切な教育・保育とは何かでありますとか、幼児総合施設の考え方、あるいは13ページの66番にありますが、(仮称)子育て・幼児教育センターについての具体的な考え方等の御意見、御質問等がございました。
これにつきましては、お読み取りをいただくということで御理解をいただきたいと思いますが、それに関連いたしまして、20ページ以降に、幼児総合施設ということで22件ほど御意見をいただいております。119番で、区が進めようとしている幼児総合施設の具体的な説明を書いてほしいでありますとか、121番で、幼児総合施設がどういうものかはっきりしない中で、区立幼稚園を廃止するのは順序が逆でないかなど。あるいは125番で、新しく幼児総合施設をつくるのではなく、区立幼稚園が核になって幼児総合施設をつくり上げていく方がよいのではないか。同じような御意見で127番、128番、131番等、幼児総合施設の内容についてやはり私たちも説明が不十分だったなという反省もしておりますが、こうした御意見につきましては、今般、10か年計画としてお示しをさせていただく中では、こうした区立幼稚園と幼児総合施設、それから、保育・教育全体の質の向上といったことについては、これからも十分検討していくというようなことで表現を改めさせていただいたこともございますので、こうしたことについて区民の皆さんに十分御説明をこれからしていきたいというふうに考えております。
子ども家庭部所管につきましては以上でございます。
菅野保健福祉部長
それでは、保健福祉部に係ります点につきまして報告させていただきます。
まず、資料2の「新しい中野をつくる10か年計画 案からのおもな変更点」でございます。ページといたしましては3ページ、一番下の12番、冊子の117ページのところでございまして、「豊かで適正なサービス供給の促進 実現へのステップ」というところであります。障害者のグループホームの誘導整備ということで、ステップ4につきまして、2カ所だったものが4カ所ということで、2カ所ふえてございます。これは以上でございます。
それから、次に、パブリックコメント手続の実施結果に基づきます意見でございます。こちらにつきましては、24ページ、上から二つ目です。項目4、領域III「支えあい安心して暮らせるまち」に関する意見が1件ございました。意見の概要ですけども、「中野区の財政が厳しいのは理解するが、もう少し障害を持った子どもや経済的に厳しい家庭など、弱者のことを考えた心ある対応をしてほしい」というものでございます。区の考え方といたしましては、障害のあるお子さんなど援助の必要な方のことを考えた施策は当然力を入れるべきものと考えております。10か年計画では、第3章の領域II-1の中で、発達のおくれや障害のある子どもへの支援の充実を主な取り組みとして示すなど、領域II、IIIの中で、援助が必要な方への支援を明らかにしているということでお答えしております。
以上でございます。
委員長
ただいまの報告に対する御質疑はありませんか。
山崎委員
子ども家庭部所管の、乳幼児のための多様な保育や教育機会の充実のところで何点かお尋ねをしたいと思います。案がついていたときの御説明はいただいておりますし、質疑をしたこともありますが、改めて整理をするために、重複をするかもしれませんが、質疑をさせていただきたいと思います。
まず、10か年の案ですと、前略のところですが、2園を廃止して、民間活力を利用して整備をするということで、そういう意味ではとてもわかりやすかったんですね。しかし、こちらの今度案がとれた方を見ますと、廃止ということが一つも書かれていないんです。しかし、私どもは、これはいい悪いを論じるんじゃなくて、この説明を見る限りは、廃止は当然せざるを得ないんだろうなと。廃止というものを条例化して、廃止条例を出して、新たな条例設置をしてという手続が書かれてあった方が、実はわかりやすかったんじゃないだろうかなと。なぜわざわざこれをわかりにくく、廃止をするのかしないのか、どうなんだろうというような表現になさったのは、何か理由があるんでしょうか。
合川子ども家庭部経営担当課長
今回、表現を変えさせていただいたということに関しましては、ある意味、幼児総合施設への設置をするまでの手法といいますか、一たん募集を停止し、ステップを踏んで転換をしていく、つまり募集を停止するかどうか、あるいはどういった手法で幼児総合施設へ転換していくのかということも含めて検討していきたいというような形で、今回表現を変えさせていただいたということでございます。
山崎委員
それじゃあ、もう一回確認しますが、廃止はなさるんですよね。
合川子ども家庭部経営担当課長
幼児総合施設への転換ということですから、当然、区立幼稚園としての廃止ということは、一定の手続を踏まないといけないというふうに考えております。
山崎委員
よくわかりました。
それから、文章の表現でとても理解しにくいのでお尋ねをするんですが、案のときは、これは前略のところで、民間活力を活用して整備をしますと。これはそのまま今までいただいた御答弁なんですが、案がとれた方では、民間活力を活用して転換しますと、こういうふうになっているんですね。ここの説明が部長の説明でもありませんでしたが、何かこれは表現の仕方だけではなくて、具体的に想定して、こういう条件がこの文言では変わるんだと、こういうことがあればはっきり教えていただきたいんですが。
合川子ども家庭部経営担当課長
民間の活力を活用するという手法については、いわゆる民設民営、それから公設民営、いろいろな手法が考えられるというふうに考えてございます。まず、そういったことも含めまして、民間の活力の活用の仕方も含めまして検討していきたいということで、表現を改めさせていただいたということでございます。
山崎委員
課長、そうすると、民間活力を活用して整備しますというのは、普通この文章を読むと、民設民営なんですよ。公設民営とは受け取られないんですよ。それがこういう表現に変わったんだということで、今の答弁なんだろうと思うんですよね。当初、公設民営というものが、私は、この文章の表現の仕方からすると、考えられていなかったというふうに思っているんですが、当初からも公設民営ということをお考えになってこの案を出されたんでしょうか。
合川子ども家庭部経営担当課長
私ども、いろいろな民間活力の活用の仕方については、先ほど御答弁を申し上げましたように、いろいろな活用の仕方があるというふうに考えてございます。そのいろいろな活用の仕方の中で、やはり公設民営という、そういう手法も含めて考えていかざるを得ないというようなことで、今回こういった表現に改めさせていただいたということでございます。
山崎委員
ということは、少し考えの幅が広くなって、大きな視野で皆さんの意見を聞いてみられるようになったと、とりあえずこういうふうに理解をさせていただきます。議員団の方での見解はまた後ほどということになりますが。
それから、当委員会でも私も随分言わせていただいたんですが、公私間格差についてそれぞれ意見もあったはずです。また、当委員会でも私も発言をさせていただいて、それなりの御答弁をいただいたんですが、今回、案がとれた部分について、公私間格差について一つも触れられていないということについて、何か特段の理由があるんでしょうか。
田辺子ども家庭部長
公私間格差の是正については、基本的には区として、政策全体としてそうしたことを踏まえて、毎年度毎年度検討していくべきものだというふうに考えております。そうはいいましても、区立幼稚園と私立幼稚園の関係については、かなり公私間格差があるということで、今般、御提案をさせていただきました18年度予算案の中でも、少しでも是正をしていくという考え方はお示しをさせていただいたところです。それで、区としての御負担のしていただき方、つまり区のいろいろな施設について御利用いただく際の御負担のあり方については、区として、ある程度の間隔の年限で見直ししておりますので、そうした中で、一定の考え方を随時お示ししていくものというふうに考えておりまして、今回、18年度予算の中では、私立幼稚園の保護者補助金を少しアップさせていただくというような考え方も示させていただいた上で、改めて区立幼稚園と私立幼稚園の負担のあり方については、考え方を整理した上で、今後、18年度以降あるいは18年度中に、手続的なことを踏まえた上で、区立幼稚園のあり方についても考え方を整理した上でお示しするというようなことも、内部では考えております。
山崎委員
公私間格差については18年度の当初予算で内示を受けましたので、理解をしておりますが、そうした単年度の見方ではなくて、今、部長がそういうふうに御答弁をしていただいたんだとすれば、ステップ1、ステップ2、ステップ3というように行程表が出ているわけですから、細かい数字はともかくとして、大体この年次ぐらいにはこのぐらいの格差まで実現をしていきたいというような行程表が示されてしかるべきだったなと、少し残念な気持ちがいたしますが、どこかの時点でこうしたことをやっていただくんだろうと、こう思っています。
それから、とても私はわからないことがあるんですが、法律が未整備の状況の中でこうしたものを議論していくということで、皆さんも大変な思いをなさっているのは存じ上げておりますし、私たちも実は非常に戸惑っているわけでございますが。今、触れましたけれども、民設民営、公設民営、こうしたものの考え方を少し幅広くということなんですが、これと指定管理者、保育園なんかでは指定管理者、公設民営だとかいうものの導入をしてというようなこともございまして、この指定管理者と公設民営、民設民営とのかかわり方について、制度的なものがわからないでいるんです。例えば民設民営で指定管理者は、これは法律上無理なんだということであれば、それはそれで理解もできますが、また、幼児の総合施設について、現状のまま、幼稚園の指定管理者というのは、法律上私は無理なんだろうと思いますが、皆さんがお示しをしていただいた公設民営という形になれば、これは指定管理者というものも法律の中に含まれるということなのかどうか、勝手な私の考え方であれなんですが、教えていただけますでしょうか。
合川子ども家庭部経営担当課長
法律の概要についてまだ詳細な部分が出てきておりませんので、これも推測でしかないんですけれども、かなり柔軟な対応の仕方という形で国の方の方針も出ておりますので、いろいろの形で、運営上の問題ですとか、それから、もう一つ言えば経費の問題とか、いろいろな問題点があるかと思いますけれども、その辺のいわゆる今までかかっていた規制をどのぐらい緩和するのかというような部分につきましては、私どもとしてもかなり期待をしておりますし、それから、そういった方向で今、検討されているということは伺っておりますが、どの程度それが緩和され、あるいはどの程度柔軟に対応をこれからしていけるのかということにつきましては、まだ詳細な部分については、十分な情報というのは私どもも受けておりませんし、これからのそういった検討の中で、国の方向性も見据えながら検討していきたいというふうに考えております。
山崎委員
法が未整備だというのは私も冒頭に申し上げましたので、その辺のところは理解をしておりますが、一般論として、ここまで法律というものを変更しながら、政府も対応しようと懸命な努力をしているわけですよ。それで、一般論として、この幼児の総合施設というものを指定管理者でも運営できるというようなおおむねの方向が、私はあるんだろうなというふうに思っているんです。ここで答弁して、そうならなかったから責任をとれなんてことは言いませんから、おおむねの流れだけキャッチしている範囲内を教えていただきたいなと思いますが、どうでしょうか。
合川子ども家庭部経営担当課長
先ほど私が御答弁を申し上げましたように、かなり柔軟な形で国の方も考えられているということでありますので、公設民営、つまり指定管理者のそういった制度を利用できるというような、そういった方向性もあるだろうというふうに今の時点では考えてございます。
山崎委員
ほかの委員もいらっしゃいますので、最後にしておきますが。文教委員会が開かれて、うちの委員からの報告も聞いて、当委員会と少し相互乗り入れというようなところもございますので、そのときの議論を聞かせていただいて、基本的な当局の姿勢をお聞かせいただきたいんですが。さまざま、さっきもパブリックコメントで出ていましたけれども、よくわからない、拙速に進めないでくれというような御意見がたくさんあったかと思いますが、そのとおりだろうと思います。これは文教委員会の方で随分陳情が出ておりまして、地域、保護者の合意がなく進めないでくださいというような陳情の審査をしているらしいです。そのことについて私がとやかく申し上げるわけではありませんが、実はこうしたものを考える基準に、保護者の方、あるいは直接的に地域の関連した方々の御理解をいただくというのは、私は基本的にあってしかるべき話だろうと思いますが、その大前提にやっぱりタックスペイヤー、税金を払う側の総意というものがなくちゃだめなんですね。サービスを受けられる方々だけの意見を聞くと。これは利用論が多くなれば、間違いなく反対の理論が多くありますが、それを負担している方々の公平というものも一方で考えなくちゃだめなんです。地域の声もそうなんです。地域の財産であるからには、中野区の財産なんです。そうした視点に立って議論をしなくちゃならないんですが、なかなかそういう議論には私は今なっていなくて残念だなと、こういう思いでいるんですが。話をもとに戻すと、地域や保護者の合意をどのようにして取りつけて前に進められていくのか、基本的な姿勢をお尋ねします。
田辺子ども家庭部長
今般、こうした計画というものを、これは区として決定したものですが、議会にも何度も御説明をし、今回もこうした形で御説明し、御意見をいただいております。また、これの計画に基づきましては、単年度の予算で御審議をいただくということで、最終的には議会の御判断を仰いでという形になるというふうに考えておりますが、具体的な検討の中では、おっしゃいますように、保護者、地域といっても、保護者の中には私立の保護者もおられるし、区立の保護者もおられる。あるいはもう卒業になったり、あるいはこれから幼稚園に行かれるというような、いろんな立場の方がおられるというふうに思いますので、区としては、やっぱり子育てをどういうふうに考えていくかという中で、子育てを終えられた方も含めまして、全体中野区として、子育てしやすい、その幼児教育施設というのは何かというような御意見を幅広く伺った上で、区として、計画については随時議会の御意見を聞きながら、結果としては条例あるいは予算という形で議会の御判断をいただくということが、区としてのこれまでの手続ですし、これからも手続はこうした形で踏んでいくものというふうに考えています。
山崎委員
確認になりますが、そういった意味では、多少の困難を乗り越えていくんだと、こういうふうに受け取っていいんでしょうか。繰り返しになるけれども、直接的に関係がある方は、反対ということも当然として出てくるわけです。先ほどの公私間格差もそうです。公私間格差について、今払われている保護者の方々に聞けば、ほとんどが恐らく反対になるだろうと。しかし、税体系、それぞれを平等に考えると、公平性の方が高いと、こういう観点に立って進めていただきたいと思っているんですが、改めましていかがでしょうか。
田辺子ども家庭部長
公平性を担保すると、非常に難しいことだというふうには思いますが、御負担できない方についてはそれなりの対応をさせていただくということを前提に、公平性というのはできる限り追求をしていかなければいけないでしょうし、おっしゃいますように、御利用されている中、皆さん方が、御反対というようなこともあると思いますけども、きちんとした区としては説明をし、納得いただけるような御説明もしていきたいというふうに考えています。
佐野委員
今のところの項で、子ども家庭部にもう一回改めてちょっとお伺い、関連とはちょっと違った観点から御質問させていただきたいと思います。
私、この地域はちょうど自分のところなものですから、何回か集会にも出させていただきました。それで、お母様方の意見も直接聞きました。結構わがままな方もいらっしゃるなという感じを持ちましたし、それなりに真剣な方もいらっしゃいました。それで、私、今の文章、当初設立の目的を果たしたことから2園を廃止しますという、最初、案がありました。ここから、今見ますと、就園需要が満たされた状態にあるのでという表現に変わっています。この辺のなぜ文章上表現を変えていったのか。どうしてこういう表現になったのかをちょっともう一回お聞きしたいんですけども。
合川子ども家庭部経営担当課長
幼稚園を設立した当時の理由というのは、直接的には文教委員会、教育委員会の所管なのかなというふうに思ってございますが、私どもが認識をしている中では、やはりいろいろな設立当時の事情というのがあったというふうに思ってございます。私立幼稚園が中心に幼稚園教育を中野区では進めてきた。その中で、なかなか地域的には需要を満たしていないといいますか、要するに幼稚園に入れない方々がいらっしゃる。そういったものも踏まえて区立幼稚園の設立というようなこともあったかというふうに思ってございますし、そういった経過の中で、今回、そういったものも含めまして、表現を改めたというふうに考えてございます。
佐野委員
そうすると、この表現自体は、子ども家庭部とは連携がなかったと。教育委員会でやったということですか。
合川子ども家庭部経営担当課長
今お話しをしたのは、表現については当然、私どもと連携をして、協議をして、表現上の部分については詰めたということでございます。今、私がお話をさせていただいたのは、設置当時の考え方ということでのお話でございます。
佐野委員
わかりました。こういう表現というのは非常にナーバスですよね。それで、やっぱりお母さん方、この10か年計画が出たら真剣に見ると思いますよ。その中で、当然、前の表現を持っていますよ、お母さんたちも。そのときに、やはり当初言っていたものとどう変わったかというところが、確かにパブリックコメント、それから議会の意見、いろんな皆さんとの意見を踏まえて変えられたということはわかるんですけれども、そのところがはっきりと明確に出てこないとならないのではないかなと思うんです。
例えば、当初そこの場で皆さんおっしゃっていたのは、4園、区立の幼稚園の役割はもう既に終わったんだという表現をされていたわけですね。これはなぜかといいますと、就園率が低くなった。そしてまた、私立幼稚園が周辺にふえてきた。そういうことをおっしゃっていたわけです。そして、もちろん御承知だと思いますけれども、2園のやよいとみずのとうだけを廃止すると。そして、2園を残すと。ひがしなかのとかみさぎを残すというふうにおっしゃっていたわけですね。やっぱり私がその場にいて感じ取ったのは、やながわ委員もいらっしゃったと思うんですけども、そういった被害者意識といいますか、区としての四つの設置条件があって、いろいろな理由があって、区立の幼稚園をつくられた。しかし、2園だけが廃止になる。なぜ廃止になるかとは、今言った、設立当初の目的は終わった。役割は終わった。そして、就園率が低くなってきているということも理由の中で述べられました。そして、幼児総合施設へこれから転換を図っていくんだということであった。それじゃあ、なぜ4園にしないのかと。四つの区の施設をしないのかというところに非常に被害者意識を持たれているなと、私も思いました。その辺のことがこの文章上ではなかなか理解できにくい部分があるのかなと。例えばこの考え方に立って区立幼稚園2園を、保護者の就労の有無にかかわらず多様なニーズにするために総合施設、要するに幼児総合施設です。あとの2園は何なの、どうなるのと。2園については将来像が見えていますよね。あとの2園については、やるのだったら4園。全部やるのだったら、まだ話はわかるわけですよ。ところが、なぜ2園なのかという、非常に被害者意識的な発想に立たざるを得ないような状況というのは、この文章上からもうかがえます。
そして、もう一つ言わせていただければ、最初廃止という表現をしました。それから今、検討と。検討の中には、幼児総合ということの検討が入っているということなわけですけども、そういった流れの一貫性の中で、非常に見えない部分というのがあるわけですけども、まずその辺について、この表現と、今、私がお話ししました、4園あったものがなぜ2園か。これは区側としては説明がございました。就園率が低くなった。あるいは、弥生地区の幼稚園につきましては非常に多いから、少ない方の2園を残して、かみさぎ、ひがしなかのを残して、やよいとみずのとうだけは私立幼稚園が多いから、そういう理由にもなります。それから、就園率が非常に低いですと、やよい幼稚園は。面積比率が大き過ぎますというような話もありました。それはいろんな方がお聞きになっています。
先週ですか、区民の説明会がありました、弥生地域センターで。区長が参りました。そこでもやはり今の関心事は、皆さん集まって、ほとんどの方がこのことを区長に説明していました。区長は明快にお答えになっていましたよ。ただし、やっぱりそれは廃止するということをはっきり言っていました、2園は。考え方、だから、今ちょっと山崎委員がおっしゃったように、その辺のものもファジーに見えるわけですよ、この文章からすると。まず2園がどうなるのかということと、それから、もう一つは、廃止するということの文章がないわけです。読み取ればわかりますよ、確かに2園について総合施設になるんだということになるわけだから。でも、果たしてその表現がいいのか別としまして、非常にファジーでわかりにくい文章だなと私は前よりも思いました。その辺について、4園を2園にする考え方と、それから、その文章表現について、果たしてこれで、私はお母さんたちが理解ができるものだろうかということを非常に思っているんです。ですから、それについてちょっとお考えを伺いたいと思います。
田辺子ども家庭部長
幼稚園につきましては、合川課長からもお話ししましたように、設置条例、教育委員会というようなことがございますので、子ども家庭部として教育委員会とこの間議論している中でのお答えということで御理解をいただければと思いますが、幼児総合施設につきましては、幼稚園の年齢層のお子さん、就学前の幼稚園のお子さんだけではなく、基本的に乳児の時期、ゼロ歳、1歳などのお子さんから地域での子育ての支援をしていくというような立場で、保育・教育の機会を提供するだけではありませんで、地域におられる乳幼児親子の交流や、それから、学習の機会を提供していく施設、そして、教育・保育を提供する施設という考え方でおります。これにつきましては、それなりの施設的なものも必要となります。地域での一般的な開放のスペースも必要になりますので、比較的施設でも余裕があるということを考えますと、やよいとみずのとうというのは、施設的には合致するものではないかというふうなことを考えております。あわせて、今、委員がるる述べられたように、地域的には、幼稚園が必要という地域がやはりあるというふうに思っておりますので、そういう意味では、ひがしなかのとかみさぎについては、そういう地域であろうというふうに考えまして、今回、幼児総合施設へ転換するに当たって、幾つかクリアしなければいけない課題もございますので、こうした表現にさせていただいております。
ただ、これについて、保護者がわかりやすい表現かどうかというようなことでございますけれども、基本的に幼稚園と幼児教育施設がそういう形で違っておりますので、私どもこの間いろいろ議論している中で、ここにもありますように、もっと幼稚園あるいは保育園で満たせなかった需要にも今後は対応していくんだということを、幼児総合施設の検討の中、あるいは結果として皆さんに御説明する中では十分御説明していきたいというふうに思いまして、基本的に私どもの考えはこの表現で尽くしてきたというふうに考えております。
佐野委員
表現の問題ですから、私がやっぱりできるだけソフトランディングといいますか、そういったものをすべきであるという観点から申し上げているので、反対だとか賛成だとかという観点じゃありませんので、それは誤解していただきたくないと思います。やはり今おっしゃっていた中で、2園が廃止になって、その中で、幼児総合施設への転換が見えますよと。10か年の計画のスパンの中で、あとの2園、ひがしなかの、そしてかみさぎ幼稚園はどうなんですかということで触れていませんよね。先が見えません。ということは、10か年の中では手はつけないつもりであるんでしょうか。
田辺子ども家庭部長
10か年計画は今後10年間の計画ではありますが、状況によりまして途中でローリングもいたします。ですので、その先のことについて、私たちが今ここでどうこうと言う立場ではございませんけども、現在、10年間についてはこうした形で御提案をしているということでございます。
佐野委員
ということは、今現在、2園が廃止となる地域の人たちは非常に、先ほど言った感情論みたいなものをお持ちの方もいらっしゃるわけですね。あと2園はどうなるのと。10か年計画の中で全く触れていないじゃないのというような気持ちというか、感情というかね。例えばあと2園については、今、部長がおっしゃったように、現在は触れておりませんけども、将来像としてこういうふうにあるべきである、ありたいでもいいと思うんですよ。そういうものがあれば、まだ納得性というのはそこに出るわけですよ。2園だけはずっとこのまま区立幼稚園として残すのと。自分たちは要するに、それじゃあ、そのまま廃止になってしまうのという被害者意識と、先ほど私、表現をしましたけども、そういった感情論だけが残ってしまうんですよ。これは4園がすべてであれば、まだ納得性というのは出てくるわけですよ、合理性は。そういうところの配慮といいますか、そういうところの感情といいますか、お母さんたちの、そういったものもやっぱり配慮したものを、私はこの中に入れ込んでいくべきじゃないかなというふうに。これは大きな全体の中の一つの地域のことですから、確かにいろいろなことがあって大変さはあると思います。ただ、私は、この地域のことがやはり大きなものにつながってくるわけですから、その辺のものの配慮というものをこの文章表現の中に入れていくべきではないかと。特に残される2園について、今ここで決定報告は出せないのであれば、2園については今後の10年間はいじらない--いじらなくたって構わないですよ。そうしたら、例えば2園については今後総合施設としてとられないのだったら、今後については検討を行っていきますとか、そうすれば結構納得性が出るのかなと思ったものですから。いかがでしょうか。
田辺子ども家庭部長
就学前のお子さんの状況、今後どういうふうになるかと、いろいろシミュレーションはあると思います。先ほど山崎委員から御提案がありました公私格差の是正を進めていくことによって、どういうお子さんの流れができるのか。あるいは今後、女性の就労が進むことによって、保育園需要がもっと高まるのではないかというような予測もございます。そうしたことをいろいろ見据えながら、今般こうした計画を立てさせていただきました。今、私が言ったような社会的な状況や行政の対応というようなものもございますので、委員のおっしゃることはとてもよくわかるんですけども、私たちとしては、そうしたことを全体的に勘案しまして、2園についてこうした考え方を示させていただいたということで御理解いただきたいと思います。
佐野委員
御理解いただきたいで、御理解しなきゃならない立場なのかもしれませんけども。ただ、そういったことの意識というか、そういったものをとらえながら進めないと、いろいろな問題があります。それから、お母さんたちの感情もいろいろです。だけど、そういったことをやはり考えながら、勘案しながら物事を進めていくというのは、私は非常に大切なことだなと思うんです。10年先を見据えられませんから、今現在は触れられません--確かにそのとおりだと思いますよ。ですけど、今、4園全部であれば、それは理由が立つんですけども、2園という中で残すことについては、やはりその辺の配慮というか、その辺のものの、廃止された地域の人たちの考え方もやっぱり立ててあげるべきではないかなということで。これ以上ここで議論しても時間がたつばかりですから、あれですけども、私自身はここの文章をもってそう申し上げたので、今後ともいろいろなものの配慮、小さいことであっても、そういった感情論があるんだということをぜひお含みおきいただいて、今後進めていただきたいというふうに思います。
やながわ委員
さまざま議論がありましたので、ちょっと何点かお伺いしたいと思います。
今回10か年計画の中で、私、一番印象に残ったのは、さまざまな子どもを学ぶ、遊ばせる、守るという視点から、小学校の施設を活用した遊び場機能等の展開をしていくと。今までは小学校への遊び場の設置だとか、そういう表現から、小学校施設という言葉が何回もここに出てくるわけですね。さらに、今言いましたように、保育園と幼稚園が共同して幼児総合施設と。いずれにしてもこれは大変、教育委員会との連携が今まで以上というか、同じ立場に立って、こうした小学校施設という、きちっと明言されている以上、教育委員会もこうした視点で考えられているのかどうか。この間、私も文教委員会を傍聴させていただきました。子ども家庭部と若干温度が違うのかなという、こういう印象だったんですね。それはそれ、角度があることはわかっているんですが、こうした10か年計画の中で、小学校施設といえば教育委員会の分野そのものになるわけでして、ここを活用して子育てに寄与していくという、子育てということを学校現場に取り込んでいくわけですから、こうしたことが教育委員会とどう密接な連携をとるようにするのか。
もう一つは、せんだって、足立の幼保一元化の施設を見てまいりました。そのときも、お子さんたちはどうですかと言ったら、全く問題はないと言うんですね。一番問題があったのは、私は保育園から出てきた人間ですから、保育園の保育士と幼稚園の先生だった幼稚園教師との問題ではないのかとずばり質問したら、本当にそのとおりだと。全然違うわけですね。幼稚園の先生は2時から全く子どもがいなくなっちゃって、静かなところで会議を開く。保育園は午睡中、午睡だってみんな寝ているわけじゃありませんからね。ぎゃあぎゃあ騒いでいる子はいるし。そういう中で一切のカリキュラムを進ませてくという、この大きな違いで、幼稚園の先生たちの目が点になっていると。幼稚園の園長、そして保育園の園長が、ともかくどうしたらうまくできるのかと。やっぱり研修が必要ですと。こういった内部努力を、今回ここに、10か年の中に書き込めないのかもしれませんが、そうした配慮をやっぱり区としても、ここは本当に重要な視点だと私は思うんですね、教育委員会との連携。これはどう考えられているのか、ちょっとお伺いしておきます。
合川子ども家庭部経営担当課長
今までもこれからも当然、教育委員会との連携・協力、あるいは一緒に考えていくと、そういった立場というのは貫いていこうというふうに思ってございます。子育て全般という意味では、私ども子ども家庭部がある意味リーダーシップをとりながら、教育委員会と一緒に進めていきたいというふうに思ってございます。今回10か年計画の中でも、(仮称)子育て・幼児教育センターというような形で、いろんな意味での幼児教育も含めた形での連携・協力の中で、その部分についての研修ですとか、あるいは考え方の整理ですとか、あるいは統一的なプログラムの構築ですとか、いろんな形でこの子育て・幼児教育センターで活用して、検討していくというようなこともございます。そういったことも踏まえまして、教育委員会とのさらに密接な連携の上で、これからの10か年計画の到達といいますか、実現に向けて努力をしていきたいというふうに考えてございます。
やながわ委員
今、課長は、子ども家庭部がリーダーシップをとってやっていくとのことでした。いろんなところを見に行くんですが、幼児総合施設というのは比較的教育委員会がリーダーシップをとっているんですね。難しいんですよねとぽろぽろっと言う職員の方もいらっしゃいまして。私はやっぱりここが充実しない限り、よりいいものというのは目指せないんじゃないかなと思っています。お母様たちに聞くと、教育委員会の説明会と、それから子ども家庭部の説明会があったんでしょうか。やっぱり違うと言うんですね。こういうことからも、スタートが違うんだなと私なんか--感想ですよ。いたわけじゃありませんから。そういうお声を聞くと、ここを何とかしなきゃいけないんじゃないかと、正直言って。やっぱり、ですから、この計画にはのせられないまでにしても、この辺の充実をしっかり、うちがリーダーシップをとると。やっぱり子ども家庭部という事業部体制ができたわけですから、その辺、担当の方々にはしっかり決意を込めてやっていただきたいなと。これは要望です。よろしくお願いします。
委員長
まだ質疑があると思いますが、3時を過ぎましたので、ここで、委員会を休憩します。
(午後3時09分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後3時27分)
続きまして、御質疑ありませんか。
近藤委員
パブリックコメントを見たり、あと、10か年計画を見させていただいて、「子どもたちの居場所・遊び場を確保するなど、子育て世代が住みやすい区にしてほしい」と、パブリックコメントの9ページなんですけれど、「小学校施設を活用した子どもの遊び場を地域の協力と参加を得ながら展開することで、小学校を拠点に地域の大人たちに見守られながら子どもたちが安心して遊べる環境を整備していきます」。これは、私もしつこく言っているんですけれど、児童館を学校に入れることで、地域に見守られながらということがずっと言われてきているんですけれども、これは地域によっても、やっぱり育成団体ですとか、とても活力に違いがあると思うんですね。それを支援していきますということを、遊べる環境を整備していきますと、こう言い切っているわけです。どういうような支援というか、活性化できない地域もあると思うんですよね。そういうことはどういうふうにお考えですか。
小平子ども育成担当課長
小学校施設を活用した遊び場機能等の展開に当たりましては、特に現在児童館で行われている活動ですとか、あとは地域との関係ですとか、そういう部分も含めて小学校の中で展開していくということでございます。確かに児童館ですとか地域ごとによって、地域の育成団体の取り組み方ですとか、力といいますのは大きな幅があるかとは思うんですが、むしろそうしたものを引き出していくのが私たちの児童館の職員なりの役割というふうに考えております。小学校に入る際には、単に場だけではなくて、そうした地域の方々の活動というか、協力が不可欠になりますので、そうした部分を引き出せるような職員の働きかけですとか、地域の人材育成、あわせて取り組んでまいりたいというふうに思っております。
近藤委員
働きかけていかれるのは本当に大変なことだと思うんですよ。これは元気でねっとなどと同じ仕組みで、やっぱり入ってきてくださいと。今、本当にPTAでもなり手がなくて、地域の人というところに、必ずやっぱり町会の方とか育成団体の方、そういう方は入っているんですけれども、私なんかはそういうものに、本当に重複して、何か行事やなんかをやるたびに、まず名前が挙がるんですよ。それでも私はここで働いているわけですよ。例えば学校のクラブ活動でも、今は先生がいないから、じゃあ、出してくださいと。じゃあ、地域の人と言って、じゃあ、近藤さんと言うんですよ。児童館で何かやると、じゃあ、育成団体で、はい、近藤さん。でも、私はここで働いていて行けないわけなんですよ。
地域の人、地域の人と言って、もちろん善意で出るし、皆さん本当に頑張っていらっしゃいます。でも、それがやっぱり成り立たない地域もあると思うんですよ。すごく活発な地域もあって、本当に、ああ、うらやましいななんていうところもあると思うんですよ。それをどういうふうに、やるのでしたら、私は児童館でやってもらいたかったんですけれど、これがこういう方向で進むのでしたら、本当にどうやって人を集めてくるかというか、そこを考えないと、子どもたち、じゃあ、地域でやりますということが決まっても、極端なこと、ここで本当に民営化した方が、ちゃんと毎日きちっとした人が来てくださるなら、地域、地域ということに余りにも期待をして、そのまま、変な言い方ですけど、逃げられちゃって、地域の人はどうすればいいのかなという状態だと思うんですよ。そういう点をいかが考えていますか。
小平子ども育成担当課長
地域への期待ということなんですが、むしろ、地域のなかなか協力が得られないからといって、一方で、小学校で活動を展開するに当たっても、地域の協力なしではこの事業はなし得ないというふうに思っています。むしろそれが不可欠だというふうに考えております。繰り返しになりますが、まさにそうした力を引き出すのが児童館職員の役目というふうに認識しておりますし、例えば今年度について見ましても、子育てサポートを行う地域の団体等、新たに立ち上がってきているところがあります。また、私ども区の方で、文部科学省の地域子ども教室等の委託事業を行っておりまして、ことし2年目になりますが、新規団体等も着実に育って、活動自体がだんだん育ってきているという状況にございます。そうした育ってきた力をうまく逃がさないようにと申しますか、継続していけるような場づくりに引き続き努めていきたいと思いますし、小学校へ入ったときにも、そうした活動を継続できるような仕組みづくりというところに、行政としての役割を果たしていきたいというふうに思っております。
近藤委員
これは支援をして整備していってくださるという考え方なんですけど、本当にとても難しいと思うんですよね。支援という意味では、お金を出すという意味だと思うんですけれど、私なんかが属している子ども会は、育成活動で1万円もらえるんですよ。担当の方もいらっしゃると思うんですけど。でも、今期はちょっと活動できる暇がなくて、人手もいなかったから、1万円を返そうということにこの間決まったんですよ。無理してやってもみんな体を壊すからと。たまたまうちの子ども会だけなのかもしれないんですけれども、子どものために区は支援をすればいいとか、やっぱりどういうふうに支援していくかという方向も、児童館の職員がいるからといっても、その人1人に任せちゃったって、人を集めてくることなんて1人にできないですよ。そういったことで、本当に方向性をきちっと考えていただかないと、すごく活気のある学校と、地域が知らん顔の--知らん顔というか、それはみんな一生懸命やろうとはしても、無理がある地域と、本当にそこのところを整備します、支援しますというんですから、具体的にきちっとした支援の方向を考えていただきたいと思いますけれど。
小平子ども育成担当課長
確かに地域ごとに濃淡はあると思いますので、そういう部分でひとしく地域の力を発揮できるような環境整備に、私どもの区役所を含め、児童館職員ともよく話し合った上で対応を考えていきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
かせ委員
時間もありませんので、絞ってやりたいと思いますが。乳幼児のための多様な保育・教育機会の充実ということで、先ほども議論になりましたけれども、ステップ3で、民営の幼児総合施設への転換というふうに書かれていますけれども、先ほどの説明ですと、幼児総合施設は、運営形態については検討中だと。それで、公設民営もあると。それから、民設民営もあると。あるいは指定管理者というようなことを言われていますけれども、それでよろしいんですね。
合川子ども家庭部経営担当課長
先ほど御答弁を申し上げましたとおり、柔軟な形で国の方も考えられておりますし、私どももいろんな形での手法について幅広く検討していきたいというふうに考えてございます。
かせ委員
そうしますと、いわゆる民設民営は明らかに民間ですね。それから、公設民営あるいは指定管理者ということになりますと、これは区立ということになりますか。
合川子ども家庭部経営担当課長
区立でございます。
かせ委員
そうしますと、区立としての存続と。区立としての運営というものもあるということですよね。そうすると、ステップ1ですけれども、これは17年から18年に検討・準備ということですけれども、前回もお尋ねしましたが、募集停止ということについて、これについてはどういうふうに変更になりますか。
合川子ども家庭部経営担当課長
先ほども御答弁を申し上げましたとおり、幼児総合施設までの転換に関しましては、いろいろな手法について幅広く考えていきたいということでございます。計画案の段階では、募集停止という形でステップ1に掲げてございましたけれども、こういった募集停止をするか否かについても検討していきたいということで、今回の表現になったものでございます。
かせ委員
文教委員会では、18年の9月に募集するかどうか発表するというふうに答えられたそうです。そうですか。
合川子ども家庭部経営担当課長
少なくとも次年度への募集というのは、前年度の9月に募集を始めるということでございますので、それまでいろいろな形での手法を考えていきたいということでございます。
かせ委員
これもお母さんたちの陳情の説明の意見聴取の中であったかと思いますけれども、いわゆる幼稚園の募集については4月からいろいろ始まるんだそうですね、見たりなんかということで。それで、9月からということになってしまうと、もうそれは遅いということになります。ですから、多くのお母さんたちは、18年の9月ということでは困るんだということを言われているそうです。それで、このステップ2のところで、20年までに幼児総合施設への転換に向け移行準備というようなことを言われている。そこまで検討するわけでしょう。となれば、あえて募集について、やらないとかなんとかということを言う必要はないだろうと。あるいはこの段階で、先ほども御答弁ありましたけれども、区立でやるということもあり得るわけですね。区立でやっていくという可能性があるのに、区立園を廃止していくということになると、おかしなことになるんじゃないですか。つまり区立のまま移行するということもあり得るわけですよね。
合川子ども家庭部経営担当課長
区立幼稚園については廃園という形の手続を踏まないと、幼児総合施設への転換ということはあり得ないというふうに考えてございますので、区立幼稚園については廃止という形にならざるを得ないというふうに考えてございます。
かせ委員
だから、それはそのときの話じゃないですか。だから、あえてそれを急ぐ必要はないし、まだ時間があるわけですから。それで、つまり19年の園児募集について、やりませんよと言う必要はないだろうと思うんですよ。
合川子ども家庭部経営担当課長
先ほど御答弁を申し上げましたように、いろいろな手法が考えられるということでございます。区立といいますか、公設民営の場合もございますし、それから、民設民営という形でもございます。そういったことで、例えば民設民営という形になりますと、当然、参加事業者等の関係もございまして、一定の準備期間等が必要になってくるというようなこともございます。そういったことも踏まえまして、検討期間をこういったステップ1についての表現に変えさせていただいたということでございます。
かせ委員
19年度募集ということになると、18年度の9月に発表するというんでしょう。ところが、18年の9月では既にいろいろな幼稚園なり何なり、募集活動しようとするときにはもう遅いんですよ。もっと早くから始まっているというふうに、そういう議論があったそうですけれども。そうなると、少なくとも19年については、これを募集停止というふうに決定しなくても、募集するということにしておいても、計画には何ら支障がないんでしょう。
合川子ども家庭部経営担当課長
先ほども御答弁を申し上げましたように、どのような手法で設置をしていくかにつきましては、これを検討し詰めていかなければ、その先の募集停止をするかどうかという判断もできないということでございますので、こういった表現に改めさせていただいたということでございます。
かせ委員
そういうことじゃなくて、もっと現実的に。それから、お母さんたち、本当に心配しているわけですから、また、文教委員会では陳情が採択されているという状況もあるわけですから、そういうようなかたくなな答弁ではなくて、やはりもうちょっと血の通った考え方をすべきだというふうに思います。それはもう結構です。
それで、あと、ちょっと気がかりなところがあるわけですけれども、表現方法が大分変わっているわけですよね。先ほど、小学校のことなんかにもあるんですけれども、遊び場の設置とかいうようなことが、機能の展開とかと、そういうような言い方をしているわけですけれども、これは具体的にはどういう変化があるんですか、こういう文言の変化によって。
小平子ども育成担当課長
表現の変化で、小学校への遊び場機能等の整備という点にちょっと限ってお話しさせていただくと、非常に表現としてわかりにくい、ちょっと漠然としているという意見等もありましたので、小学校の施設を活用した遊び場機能等の展開という、わかりやすい表現に改めさせていただいたところでございます。
かせ委員
前は整備するということでしたよね。展開ということになると、整備までに至らないというようなことになるんですか。いわゆるあいているどこかの学校を使うけれども、決められたところじゃなくて、学校のあいている、使える状態のどこかを使うということですか。そういうイメージがあるんですけど。
小平子ども育成担当課長
遊び場機能等の展開に当たっては、まず、小学校の施設を活用するということが前提にあります。場合によっては、施設等の整備が一定必要なところの部分もありますので、事業の展開に当たっては一定の整備も含んでいるというふうにお考えいただければというふうに思います。
委員長
他にありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で本報告は終了いたします。
では、続きまして、平成17年度行政評価結果に対する区の仕事の見直しについての報告を受けます。
合川子ども家庭部経営担当課長
それでは、資料(資料6)に基づきまして、平成17年度行政評価結果に対する区の仕事の見直しについての御報告を申し上げます。
行政評価結果につきましては、昨年の決算の説明資料として、主要施策の成果別冊ということでこの別冊の資料を御提示し、外部評価委員の評価結果について御説明をさせていただきました。今回このピンク色の冊子をまとめてございますが、17年度行政評価結果に対する区の仕事の見直し報告書ということで、外部評価委員の行政評価結果に対しまして、区の仕事の見直しの状況、あるいは18年度の対応等について、その結果をまとめたものを冊子として御提示させていただいているものでございます。報告書ということで、このピンク色の冊子でございます。
報告書の内容でございますけれども、前の決算資料にございます外部評価委員の行政評価結果を受けまして、各分野で見直しの内容について検討し、その検討の中身についてお示しをしているということでございます。外部評価の指摘事項につきまして、全42分野における区の考え方と平成18年度の改善事項を記載してございます。さらに、この冊子の中には、行政評価制度への外部評価委員からの提言と、その制度自体の見直しの内容について、この冊子の116ページ以降に掲載してございます。
今後の公表のスケジュールでございますけれども、3月5日号の区報に概要を掲載いたしまして、区報と同時にホームページに全文を掲載し、地域センター等で冊子が閲覧できるような形で公表いたしたいというふうに考えてございます。
それでは、この冊子の中身をお開きいただきたいと思いますが、1ページ目でございます。評価結果の状況ということで、全42分野の評価結果の状況について記してございます。AA、「さらに推進すべき中野区として誇りうる分野」というのは、残念ながらゼロでございました。A、「改良の余地はあるが推進すべき分野」ということで3分野。それから、B、「内容的におおむねよいが、課題があり工夫すべき分野」ということで26分野。B-、「事業の十分な見直し再構築が必要な分野」ということで9分野。それから、C、「廃止も含め、抜本的な再構築が必要な分野」ということで4分野。計42分野の評価結果に対する区の考え方を示したものでございます。
それでは、子ども家庭部の所管ということで、48ページをごらんいただきたいと思います。48ページでございますけれども、まず、子育て支援分野でございます。外部評価結果B-ということで、先ほどの基準でいきますと、事業の十分な見直し、あるいは再構築が必要な分野というような評価を受けてございます。
まず、分野の目標につきましては、(1)のところで、少子化のそういった流れの中で、目標等が方向性で整理をされていますけれども、子育てを全面的に支援していくのか、あるいはどのような視点を絞って進めていくのかが具体的に見えてこないというようなことで、これが区としての成果指標が立てづらい理由になっているのではないかというような御指摘をいただいてございます。これらにつきましては、次世代育成支援行動計画の中での取り組みの中で、第一義的には家庭に責任があるというような観点から、この次世代育成支援行動計画に定めた目標達成に向けて施策を実施していくというふうに考えてございます。
さらに、区民に対する成果ということで、(1)のところで、虐待問題等についての十分な把握と対応がなされていないというような御指摘をいただいてございますけれども、平成16年度の児童福祉法改正によりまして、区市町村の役割が明確化され、さらに、より虐待への具体的な対応が求められている状況の中で、18年度からは虐待の早期発見とともに、未然防止に向けて、養育支援が必要な家庭を把握し、さらに、具体的には自宅訪問などを実施しながら、適切な対応を行っているということでございます。
さらに、次ページ、49ページですが、実施事業の実績ということで、(1)では、虐待の早期発見ですとか、相談があっても虐待件数の減少につながっていないというようなことを御指摘いただいてございますが、18年度の改善事項で、17年度につきましては、中野区要保護児童対策地域協議会などを設置しました。地域の関係機関ですとかネットワークを形成いたしまして、さらなる虐待の早期発見に努めるというようなことと、こういった解決に向けて、自宅訪問などを含めてきめ細やかな対応を行っていくということでございます。
さらに、経費の節減ということで、人件費の削減が難しいということであれば、今後は、事業によっては受益者負担などのコストの削減を考えていくべきではないかというような御指摘に対しましては、受益者負担の考え方ということは必要であるというようなことで、一時保育などの一部については既に実施してございますけれども、さらに今後、適切なサービスと受益者負担のあり方について検討していきたいというふうに考えてございます。
その次ページでございます。50ページですが、これも経費の節減ということで、全庁挙げての支援に対する的確なスタンスを決め、対象や支援の幅を再考すべきであるというようなことの御指摘をいただいてございます。子どもの成長ですとか、発達段階に応じた支援に総合的に取り組むというようなことを次世代育成支援行動計画で示してございますが、これを踏まえて施策を展開していきたいというようなこと。
それから、分野全体としては、(2)で、親子が歩いて行ける身近な気軽に利用できるような支援の場の設置ですとか、子育てを側面から支援する地域のネットワーク化が急務であるというような御指摘に対しては、子ども家庭支援センターの機能の地域展開を進めていき、地域のネットワーク化を初めとした地域での支援の仕組みづくりに取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
子育て支援分野につきましてはB-評価ということでございますけれども、こういった18年度に向けての改善事項ということで、これから施策を進めていきたいというふうに考えてございます。
52ページでございます。52ページは子ども健康・出産育児支援分野でございます。この分野に関しましては、外部評価結果Bということでございますけれども、目標ですとか指標の関連については好ましいというような評価。それから、区民に対する成果につきましても、的確な分野目標の設定ですとか、事業展開が図られているというようなこと。それから、分野全体につきましても、区民満足度も高いし、職員の対応の仕方や事業展開の仕方については評価すべき内容として考えられるというようなこと。おおむね、そういった意味では良好な評価をいただいているということでございます。
54ページにつきましては、保育サービス分野ということで、外部評価結果につきましてはBということでございます。分野の目標ということで、(2)では、多様な事業の展開がなされているにもかかわらず、区の役割が見えてこないというような御指摘をいただいてございます。これにつきましては、目標の設定において区の果たす役割が見えるように、今後工夫をしていきたいということ。
それから、区民に対する成果ということで、(2)では、定員の弾力化で待機児童率が減少している点も評価できるというようなことで、一定の評価をいただいてございます。
実施事業の実績ということにつきましては、幼保一元化、区立保育園の民営化などによるメリット、こういったことについても十分区民に周知をしていく必要があるけれども、そういった手だてが見えてこないというような御指摘もいただいてございますが、これらについては、今後、ホームページ等を利用して十分区民に周知を図っていく。あるいは、区立全園で延長保育などのサービスの充実を図り、どの園でも同様のサービスが受けられるように取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
分野全体として、(1)ということで、どの子も質の高い保育を受けるとはどのような高さかというようなこと。それから、第三者評価をすべての園を対象に行うべきであるというような御指摘をいただいてございますが、17年度につきましては、区立保育園2園、私立保育園2園、認証保育所2園から3園で第三者評価を受ける予定でございます。保護者の満足度調査につきましては、17年度9月に実施いたしております。これについては、今後、毎年度継続していきたいというような考えでございます。
56ページにつきましては、子ども育成分野でございます。外部評価結果Bということでございますが、分野の目標につきましては、分野の成果指標が施策目標の全体を反映したものになっていないというような御指摘をいただいてございます。分野及び各施策の指標につきましては、地域活動等への子どもの参加率ですとか、育成活動等に参加した大人の数などを設定したということで改善をしてございます。
実施事業の実績ということで、(1)では、学童クラブ事業につきまして、定員に関する区基準の弾力的運営ですとか、既存施設の活用などの工夫によって、待機児ゼロに向けた取り組みが必要であるというような御指摘につきましては、18年度から、待機児童の多い地域につきましては学童クラブを新設するというようなことのほか、定員の弾力化を行って受け入れ人数の拡大を図っていきたいというふうに考えてございます。
分野全体といたしましては、(2)で、地域の力をさらに生かして、限られた予算をより効率的に使うというような観点から、児童館事業ですとか学童クラブ事業を担当する常勤職員の業務の一部を、NPO法人ですとかボランティアに委託できないかというような御指摘に対しては、今後とも民間委託も含めてさまざまな形でサービスが提供できるようにしていきたいというふうに考えてございます。
次に、58ページでございます。男女平等分野でございます。これにつきましても外部評価結果Bということでございますけれども、分野の目標につきましては、審議会等への女性の参加率などが上昇して、おおむね指標の成果も上がっているというような、良好な評価。それから、実施事業の実績につきましては、女性問題講座の回数が減少いたしましたが、質を落とさずに工夫した点ですとか、男女平等推進の啓発パンフレットの作成部数をふやした点については評価をできるというようなことで、おおむね良好の評価をいただいてございます。
以上、雑駁でございますけれども、私ども子ども家庭部の行政評価結果に対する区の考え方について御報告を申し上げました。
以上でございます。
寺嶋保健福祉部経営担当課長
それでは、保健福祉部所管につきまして御説明申し上げます。
恐れ入りますが、2ページをお開きいただきたいと思います。2ページ真ん中ほどから下が保健福祉部ということで、10の分野があります。そのうちAが1分野、Bが6分野、B-が2分野、Cが1分野というような評価をいただいております。これについての区の対応につきまして、簡単に御説明いたします。
それでは、まず、67ページをお開きください。67ページ、保健福祉分野のところです。67ページの下から2番目です。福祉オンブズマンの活動が煩雑である、あるいはコストパフォーマンス上問題があるという御指摘でございました。区の考えとしては、確かにそのとおりだということで、改善事項としては、申し立ては完全予約制にする。それから、委員の報酬月額については見直しをするというものでございます。
続きまして、68ページでございます。上から3番目ほどですね。分野全体についての(1)ですが、ヒアリングでは自分たちの分野が各分野の連絡調整等をやっていたのだが、実際は文章に大きな隔たりがあるのではないかということで、御指摘のとおりということで、18年度の改善事項としては、保健福祉分野を地域ケア分野と、それから計画立案分野と二つに分けて、分野の目標をより明確に分離・整理し、組織も二つに分けるということにいたしました。それぞれについて指標化をするということでございます。
続きまして、72ページをお開きください。72ページ、高齢福祉分野でございます。72ページの一番最初ですが、10年後の将来像であらわれているキーワードが不明である。あるいは成果指標が重複していてわかりにくいということです。横の18年度の改善事項をごらんいただくと、グループホーム、小規模多機能など、地域密着型サービスの整備状況を指標とこれからしたいということでございます。
恐れ入ります。75ページをお開きください。同じ高齢福祉分野ですが、75ページ、分野全体についてということで(3)です。在宅介護を重視しながら、江古田の森の事業化など、もう少し理由づけが要るのではないのかというお話で、これは、江古田の森の施設イコール入所という視点が評価のずれにつながっているのではないかと思われるということで、江古田の森については、施設はもちろんですが、地域、区の保健・福祉・医療の中心地域として位置付けていると。通所介護や通所リハビリなど、入所ばかりでなく、在宅も含めた複合施設であるということで考えているということでございます。
保健福祉分野としては、3番目、最後ですが、84ページをお開きください。84ページは介護保険分野ということです。84ページの一番上、分野の目標についての(1)ですが、分野・施策名に整合性はあるけれども、施策を複数に分割しているけれども、同一目標になっているではないか等々、そのようなことです。改善事項といたしましては、18年度から介護保険の施設基盤整備が高齢分野から介護保険分野に移行されるということに伴いまして、施設体系をこのように変更し、それに沿った目標としたいということでございます。
それから、85ページをごらんいただきたいと思います。上から3番目、分野全体についてというのの(2)番ですが、サービス提供の事業者やケアマネジャーとどう連携するか。中立性の確保の十分な対策が必要であるというような御指摘につきましては、対応といたしましては、18年度以降は地域包括支援センター、あるいは事業所連絡会、あるいは地域包括支援センター運営協議会を通じた働きかけを強化していくというような対応をとらせていただきたいというふうに考えております。
以上、簡単ですが御報告とさせていただきます。
委員長
それでは、ただいまの報告に対する御質疑はありませんか。
近藤委員
今、お話はなかったんですけれど、一言。いろんなことがありますけど、目次を見て、生活援護分野の生活保護、福祉資金、これだけがAという、これは喜んでいいことなのか、何とも複雑な思いです。この委員会、両部合わせてこれだけAというのは、どういう見解なんでしょう。生活保護の説明がなかったんですけれど。
浅野生活援護担当課長
今、委員御指摘のように、私どももちょっと意外な受けとめ方をしておりますが、一つとしては、ある面、事業の目的自体は割とはっきりしてございますので、そこの部分では、説明の仕方等で絞りやすかったのかなというふうに思っております。いろんな形で生活保護、本当に区民の福祉を、生を支えている分野ですので、やはりその辺のところをいろいろと説明して、理解をしていただいた成果なのかなと。私どもも、自分たちのやった事業がすごく誇れる成果というんでしょうか、そういうふうに自信を持ってヒアリングに臨んだわけではございませんので、非常に何ともお答えしにくいんですが、そういう形で割と明快にお答えできた成果ではないかというふうに思っております。
委員長
他にありませんか。
よろしいですか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
では、以上で本報告は終了いたします。
では、続きまして、麻しん・風しん予防接種制度の改正についての報告を受けます。
深澤保健予防担当参事
昨年の7月29日に予防接種法施行令が改正されまして、麻疹・風疹予防接種制度が変わりました。これにつきまして御報告申し上げます。(資料7)
目的は、麻疹の国内における根絶の達成及び先天性風疹症候群の発生防止でございます。
この理由としましては、2004年の我が国の麻疹の患者数が約1万5,000人と、まだまだ多いという状況にございます。また、2004年の先天性風疹症候群の報告数が10件。それ以前の過去では年1件程度だったということでございます。また、ワクチンの2回接種によりまして、強固な免疫の獲得と長期にわたる免疫の維持が図れること。また、2回接種導入によりまして、接種機会の確保が図れるというような理由がございます。
改正の内容でございますが、まず、接種対象としまして、現在の予防接種法に基づきますと、生後12月から生後90月に至るまでの間の者ということになっておりますが、改正後は第1期、第2期に分かれまして、第1期は生後12月から生後24月に至るまでの間にある者、いわゆる1歳代の子どもです。それから、第2期が5歳以上7歳未満の者であって、小学校就学の始期に達するまでの日の1年前の日から当該始期に達する前日までの間にある者、いわゆる幼稚園の年長児に相当するお子さんでございます。
それから、接種方法につきましては、今までですと、麻疹ワクチン、風疹ワクチン、おのおの1回ずつの接種ということになっておりましたが、4月からは麻疹風疹混合ワクチン、これは混合されたものでございます。それを第1期及び第2期にそれぞれ1回ずつ接種するものでございます。
施行時期が、ことしの4月1日。
周知方法としましては、予防接種対象者全員への個別通知、区報、区のホームページ、保育園・幼稚園・小学校1年生でのチラシ配布等によりまして、制度改正の周知と未接種者に対する接種勧奨を行っているものでございます。
経過措置でございますが、国の通知に基づきまして、制度改正に伴う経過措置としまして、当面の間、麻疹と風疹のどちらかにかかったことがある、もしくはどちらかの予防接種だけをやったことがある子どもに関しましては、他方のワクチンについて、これは法律に基づかない、いわゆる任意接種の扱いで、公費負担で接種ができるというものでございます。
以上がこの報告でございます。
委員長
本報告に対する御質疑はありませんか。
よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
では、以上で本報告を終了いたします。
では、続きまして、中野区地域包括支援センターの運営法人の選定についての報告を受けます。
寺嶋保健福祉部経営担当課長
それでは、中野区地域包括支援センターの運営法人の選定について御報告申し上げます。
お手元の資料(資料8)をごらんください。
最初はスケジュールということで、第1回目の運営協議会が11月開かれて以降、このようなスケジュールになっております。
1の(2)から順に御説明いたします。
(2)番目、応募法人でございます。これは第1回目地域包括支援センター運営協議会、上のスケジュールでいえば11月21日ですが、そこで運営法人の募集概要をお示しし、社会福祉法人及び医療法人に募集要項を了承いただいて、その後、社会福祉法人及び医療法人に募集説明会を行いました。これが、上にもございますとおり、12月14日でございます。12法人の出席がありまして、それから、12月から1月13日まで公募をいたしましたが、13日までに7法人からの企画書類の提出、すなわち応募がありました。
3番目、選定方法でございます。保健福祉部内関係部課長による選定委員会を設置いたしまして、応募法人の事業実績、経営状況、運営方針等について審査を行ったところでございます。
(4)は、その中で企画書類を評価し、点数を集計した結果、すべての提案について、すべての法人について、区が求める水準を一応は満たしていたと。得点順に、生活圏域ごとに高い得点から選んで、候補者の選定を行ったということでございます。これが1月19日でございます。
次に、地域包括支援センター運営協議会でございます。そこで、選定等の事項につきましては所掌事務でございますので、候補者につきまして、地域包括支援センター運営協議会で御協議をいただき、そして御了承を得たということでございます。これが1月23日でございます。
裏面をお開きください。その運営協議会の議論を踏まえまして、内部の選定委員会を開催した後、区長決定ですが、運営法人を決定いたしました。結果が、そこのごらんのとおりの表でございます。南部の保健福祉センター圏域は、社会福祉法人奉優会、社会福祉法人ケアネット。中部につきましては、社会福祉法人中野区福祉サービス事業団と、もう一つは区の直営でございます。北部につきましては、社会福祉法人フロンティア豊島と社会福祉法人慈生会。鷺宮につきましては、社会福祉法人フロンティア豊島と社会福祉法人武蔵野療園という結果になりました。
今後の予定でございますが、今後は、各生活圏域内における地域包括支援センターの担当区域を設定する必要がございまして、これは次回の運営協議会で御審議いただくということになろうかと思います。また、在宅介護支援センターの利用者が地域包括支援センターへスムーズに移行できるように、制度周知を図っていくというような予定でございます。
簡単でございますが、以上でございます。
委員長
ただいまの報告に対する御質疑はありませんか。
かせ委員
四つの地域で二つずつということなんですけれども、それぞれの事業所、事務所というんですか、どこになるのか教えてもらえますか。
寺嶋保健福祉部経営担当課長
それにつきましては、今度の運営協議会で具体的に、事務所の位置を含めて担当区域を決定するということでございます。それで、今、想定しているということはございますが、なかなかお示ししにくいんですが、各圏域ごとにバランスよく今のところは提案をされているというところでございます。
かせ委員
考え方なんですが、これは区が委託するわけですけど、事業所については、これまでの説明だと、それぞれの委託された事業者がそれぞれのところに整備するということでしたね。あるいは区立の使える施設については、それを利用するというようなこと、そういう説明だったと思うんですが、それはまだ決まっていないんですか。
寺嶋保健福祉部経営担当課長
一応提案としては決まってございます。従来、在宅介護支援センターから引き続きやっていただく予定の法人のところにつきましては、従来と同じ場所でということを考えております。
かせ委員
明確に答えていただけませんか。それだと、ちょっとよくわからないんですが。
菅野保健福祉部長
先ほど課長が申しましたように、これから地域包括支援センター運営協議会の方に協議しなきゃならない事項でございますので、きょうのところは、まだおこたえできません。
委員長
他に御質疑ありませんか。
よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
では、以上で本報告は終了いたします。
では、続きまして、生活保護受給者自立支援プログラムの実施状況についての報告を受けます。
浅野生活援護担当課長
それでは、生活保護受給者自立支援プログラムの実施状況について御報告いたします。(資料9)
自立支援プログラムにつきましては、経済的給付に加えまして自立助長を強化するため、平成18年度から経済的自立、社会参加、日常生活自立等への支援を行う自立支援プログラムを導入する予定でございます。これに先立ちまして、平成17年度は、公共職業安定所の行います生活保護受給者等就労支援事業を活用いたしまして就労支援プログラムを導入し、生活保護受給者の個々の状況に応じて、就労あるいは職業訓練受講の支援を実施していくものでございます。
この生活保護受給者の就労支援事業の内容でございますが、まず、福祉事務所の方から、定められた期間ごとに一定数の、これは生活保護受給者・児童扶養手当受給者と書いてございますが、児童扶養手当受給者についても同じような事業をやるということで話が来ているので、こういうふうに書かせていただいております。就労支援につきまして、公共職業安定所の方に要請いたします。福祉事務所と公共職業安定所の職員によりまして支援チームをつくりまして、そこで面接を行いまして、職業紹介や技能習得、職業訓練校、あるいは就労指導などのコースに振り分けて支援を行っていくものでございます。公共職業安定所の方には、この事業のために担当の職員あるいは受付窓口が配置されておりまして、この支援事業につきましては、1人の方について6カ月間行いまして、その間、福祉事務所の連絡に当たるというものでございます。
今お話ししましたことについて、裏面に図で示してございますので、ごらんください。
まず、福祉事務所サイドですが、福祉事務所の方で担当コーディネーターという、これは今年度につきましては、私どもは職員が担当しておりますが、職員が1人コーディネーター役を担当いたします。
あと、就労支援の希望者、そこの左の下の方に要件が、ちょっと小さい字で申しわけないんですが、四つほど書いてございます。稼働能力を有する方、それから就労意欲のある方、それから、その他就労の阻害要因がない方、事業の参加に同意をしている方を各担当のケースワーカーの方からコーディネーターの方に連絡いたします。この同意というのは、その際、同意書を御本人から受けまして、その後、推薦するものでございます。
福祉事務所の担当コーディネーターと、ハローワークの側では安定所のコーディネーター、それから担当職員が2人おりまして、そのうちの3人で就労支援のメニューの選定チームをつくります。その3人で、就労支援を希望している被保護者の方と面接を行います。この面接では、御本人のこれまでのいろんな就労経験ですとか、あるいは希望の仕事、それから、仕事に対する考え方など、かなり、1時間以上かけて十分な面接を行います。
その面接の結果、右の方に書いてあります1から5までの支援事業のどれかを御本人に提示いたします。1は、就労支援ナビゲーターによる支援というものでございまして、このナビゲーターというものは、飯田橋の方の職業安定所の方に配属されておりまして、1人で何区か担当する方で、この方が就労支援の希望者の方と個別に対応しまして、いろいろアドバイスなど指導を行っていくものでございます。
それから、2番目のトライアル雇用といいますのは、これは公共職業安定所の方から受け入れをしてくださる企業の方に打診をいたしまして、一定期間その方を企業で働かせてもらって、その方の適性等を見きわめていくという事業でございます。
それから、3番目は、これは公共職業訓練校の受講あっせんです。これは公共職業安定所の方で主催しています職業訓練に従事していただいて、その後、職業紹介をしていくという制度です。
それから、4番目は、生業扶助等の活用による民間の教育訓練講座の受講勧奨。これは、生活保護制度の中で生業扶助というのがございまして、生業扶助をすることによって民間の職業訓練の受講支援をしまして、一定の資格要件等を身につけていただくというものです。
それから、5番目が一般の職業相談・紹介。これは一般というふうに書いてありますが、この制度に対し、ハローワークサイドの方では受付窓口が一本化されておりまして、いわゆる一般にハローワークで求職活動する方とは別建てで、こういう事業の方については相談窓口を設けているものでございます。
今年度の今の時点、1月27日時点での実施状況でございますが、面接者数は45名。実際、この事業は新宿のハローワークと、中野、杉並、新宿、この3区の被保護者との間でやっておりますが、中野の場合は43名の割り当てが当初ありました。ただ、まだもう少し受け入れ人数に余裕があるということなので、公共職業安定所の方と協議いたしまして、少し中野については枠を拡大させていただいております。現在のところ45名の方が面接をしております。
その状況でございますが、今お話ししましたように、1から5までの支援メニューの中では、一番最後の5番の一般の職業相談・紹介につながっている方が一番多く、これが今のところ33名です。そのうち、既に職業につきまして、生活保護を受けなくて済んだ自立廃止の方が2名。それから、現在就労している方が15名。それから、就労継続といいますのは、この面接を受ける前から就労を続けていましたが、それを続けながら、再度さらに新しい仕事への相談を継続しているものでございます。それから、14名の方が支援中というのは、これは現在まだ相談をして、いろいろ仕事についてやっている最中でございます。
それから、あと、就労支援ナビゲーター、トライアル雇用といいますのは、本当に数が少ないんですが、これは、都全体としても非常に少ないというふうに聞いております。それから、ナビゲーターにつきましても、中野で受けた方は、1名が支援を受けたものでございます。
それから、公共職業訓練の受講あっせんは、これは既に6名の方が受けておりまして、そのうち3名が就労を開始しています。それから、現在、職業訓練の方に従事している方が3名。
それから、生業扶助等の利用の方が2名という状況です。
それから、その他というところで2名、自立廃止の方がいるんですが、この方は面接は受けられたんですが、御自分で仕事を探してきまして、その結果、保護を受けないで済むようになった方が2名おります。
それから、自立以外の廃止の方がちょっと1名おりますが、それはちょっと省略いたします。
現在、1月27日の状況で就労している方、これの扶助費削減の効果というものをちょっと試算してみました。現時点で就労している方の収入認定額で計算いたしますと、6月から12月の間に、扶助費の削減額としては628万円ほどになるので、この方たちが仕事をしていないとして、これだけの保護費を要したと。これは来年度の年間に割り返してみますと、1,437万円ぐらいの財政効果になるのではないかと。これは現時点での試算ですので、また全体が終わった時点でもう一度綿密に出してみたいと思っていますが、そのような状況でおります。
簡単ですが、以上でございます。
委員長
ただいまの報告に対しての御質疑ありませんか。
かせ委員
この制度によって、就労以外の保護廃止1名ということですけれど、どういう理由ですか。
浅野生活援護担当課長
大変申し上げにくいんですが、警察に起訴された方がおりまして、それで1名、起訴の時点では生活保護廃止になりますので、そういう方が1名いたということでございます。
かせ委員
実は、これは社団法人日本社会福祉士会というところが平成17年4月に厚労省に向けた意見書なんですけども、そこの中に、自立支援プログラムについていろいろ要望が出されているんですね。それで、その中でかなりの部分が、例えば本人の同意に基づく実施であるとかというのは取り入れられているんですけれども、本当にこの自立支援プログラムが有効に活用するために、いろいろな提案もされていますね。その中で、例えば本当に仕事をしたいんだけれども、阻害されている要因というものがある。例えば居住の問題であるとか、それから、保育所の関係であるとか、さまざまな問題があって、そういったものに対する柔軟な、一時的な扶助ということも考えるべきであるというふうなことを言っているんですけども、これで見ると、これはどういうところに生かされているんでしょうか。わかりますか。
浅野生活援護担当課長
今、委員から御指摘のあったことが、今お話しした制度の中で直接どこかに生かされているということはあまりないと思います。それは、まずその前段階として、福祉事務所の方でその方の状況というものを十分把握して、阻害要因というものがどういう形で解決できるかどうかの助言、指導等をした上で、この事業にのせていくという形にしませんと、なかなか難しいのではないかなというふうに思っております。
かせ委員
多分その前段階で、今言われたように、福祉事務所の方で全部いろんな情報があるわけですから、そういう面で配慮しながら、こういうものにのせていくということだろうというふうに思うんですけれども。それで、もう一つ、いろいろな方々から心配されていたのは、このことによって圧力をかけて、それで、生活保護の受給を廃止するというようなことがあってはならないという懸念、いろいろ表明されています。これは運用の仕方だと思うんですけれども、そういうことはないと思いますけれども、こういうことを口実として、働かないならば受給を打ち切ってしまうぞというようなことは、ないとは思いますけれども、そういう姿勢でやられているということを確認しておきたいんですけど。
浅野生活援護担当課長
まず、今年度私どもがこの事業に着手してみて非常に大きかったのは、やはり非常に意欲のある方がいますが、なかなかその方の今までの経歴の中ですとか、そういったところで、いい仕事につけるチャンスがなかった方もおります。例えば、先ほど、職業訓練についている方が6名おるというふうにお話ししましたが、大半が若い母子家庭のお母さんです。ですので、非常に職業経験そのものが乏しいということと、それから、普通に私どもが職業指導をした場合には、あまり条件のいい仕事にはつけないということがございます。今回この方たちの場合は、ハローワークの担当職員の方も、まず訓練を受けるのが先決だよと。まずそれから考えましょうという指導をしていただきまして、それで、非常にどの方も割といい条件の仕事に今つけております。また、あと、そういう訓練を終えたということで非常に自信をつけられて、非常に前向きに、じゃあ、次の資格を取ろうとか、そういった前向きな姿勢が出てきている方もおりますので、私は、この制度を使うことは非常によかったなというふうに思っています。
それから、あと、職員自体も、やはりハローワークのそういった面接に、本人の了解を得て立ち会った職員も何人かおります。やはりその中で、就労に当たっての心構えとかというものをハローワークの方からいろいろ、面接の場で御本人たちが言われています。中には非常にそれで発奮して、新しい仕事を見つけてきたなんていう方もおりますので、やはりなかなか、また違うところでの刺激を受けることで、我々職員も、それから被保護者の方たちも、仕事に対する認識を新たにするという部分では非常に効果があったなというふうに思っています。
それから、今後、問題になるのは、この事業をやっても就労になかなか意欲的に結びつかない方をどうするかというのが出てくるのではないかというふうに思っています。それは、先ほど、保護を排除ということではありませんが、やはり阻害要因のない方で、なおかつ意欲がもう一つ出てこない方をどういうふうにこれから対応していくかというのは、この事業、今の時点ではまだ全体の私どもの総括が出ておりませんが、そういった方たちに対してどういうふうに今後指導・指示していくかというのは、一つの課題だというふうには考えております。
委員長
他に御質疑ありませんか。
よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
では、以上で本報告は終了いたします。
では、続きまして、平成18年度国民健康保険における基準保険料率の設定等についての報告を受けます。
奥山保険医療担当参事
それでは、平成18年度国民健康保険における基準保険料率の設定等につきまして、お手元の資料(資料10)で御報告申し上げます。
まず、1番目の特別区国民健康保険基準保険料率についてでございます。これは毎年、区長会で特別区の共通の保険料率を取り決めてございますが、ことしにつきましては1月16日に、18年度の基準保険料率の設定等について区長会で、別紙を添付してございますが、別紙1のとおり了承されてございます。
概要でございますが、(1)のところに書いてございます。1枚目の資料でございます。基本的な考え方でございます。平成18年度の特別区の国保事業については、平成14年3月15日の区長会の総会の確認事項、これは共通基準でやっていきましょうと確認したものでございます。それと、平成16年8月6日の区長会総会で、引き続き統一保険料でやっていきましょうということの確認がされてございます。それの考え方に基づきまして、引き続き統一保険料による調整を行うということにしたものでございます。
この基準保険料率の設定に当たりましては、基本的には平成17年度におけます事業水準、これは賦課率とか賦課割合、賦課算定対象範囲、給付水準などについてでございますが、これを維持もしくは改善を図るということといたしてございます。また、診療報酬の改定、これは平成18年度にかなりのマイナス改定が予定されてございます。それとあわせて医療制度の改革、さまざま平成18年度から20年度にかけて予定されてございますが、その中の18年度の予定の部分、こういったことも視野に入れながら、また、税制改正が大きく予定されてございます。この中で、特に65歳以上の高齢者の方々の税控除等につきまして見直しが予定されてございまして、かなり大幅な税額の変更が予定されているということで、これについて、保険料の方でも激変緩和措置を講じなければいけないということで、そういった要因を踏まえまして、(2)に掲げてございます料率を設定してございます。
まず、基礎保険料というのは、これは医療費分の見合いの保険料という意味でございます。これはまず賦課率でございます。賦課率と申しますのは、保険者が医療費用を負担する総額について、保険料で何割分をいただくかということの意味でございます。保険料でいただく分は、賦課率は50%ということで、昨年と同様でございます。
賦課割合、これは、保険料の内訳でございますが、所得割と均等割というのがございます。均等割というのは被保険者1人幾らということでございますが、それと、所得割は、先ほど申し上げた住民税額、これの何%ということで設定してございます。それぞれ所得割と均等割の総額、賦課する総額の割合をここで決めてございますが、これは基本的には、国の基準では50対50とされてございます。ただ、23区の場合、現時点では、17年度は所得割の方が多く賦課されてございまして、59対41になってございますが、これは、区長会の確認事項では、できるだけ改善していこうということで、国の基準に近づけていこうということで、18年度については1ポイント改善ということで、所得割58対均等割42にするということでございます。
また、保険料率、具体的に、じゃあ、この結果を踏まえて計算したものがどうなるかということでございますが、所得割が100分の208から100分の182。これは先ほど申し上げたように、住民税額がかなり変わりますので、それに基づいてかなり率が低く設定できるようになったということでございます。均等割額につきましては、3万2,100円を3万3,300円ということで、先ほど申し上げた賦課割合の1ポイント改善の見合いの分がこちらの方に配賦されているということでございます。
賦課総額といたしましては、医療費の全体の所要額が大体、診療報酬のマイナス改定がございますので、17年度とほぼ同程度というような規模に積算してございまして、実際の保険料も、これに基づいて保険料を算出した場合には、1人当たりの保険料としましては、昨年度よりもほんのわずか、微増というような形になるような料率になってございます。
介護納付金につきましては、介護保険の2号被保険者の料率でございます。これは厚生労働省の方からそれぞれ割り当てと申しますか、額が示されるわけでございますが、その数値がまだ告示されてございませんので、推計ということで米印がついていますが、条件つきでこういう料率を設定してございます。基本的には、全く同じ均等割額になってございます。賦課割合も同じということで、均等割額も同じでございます。これに基づいて、それぞれ各区が所得割の料率を定めるというふうになってございます。
2番目のところ、下にいきまして、中野区の国民健康保険運営協議会への諮問、答申についてでございます。上記にかかわります保険料率、また均等割額の設定とか、激変緩和措置、東京都の調整交付金、また、障害者自立支援法への対応などにつきまして、1月26日に国民健康保険運営協議会を開催いたしまして、別紙2のとおり諮問してございます。添付してございます後ろの資料でございます。これらにつきましては、運営協議会の方からは、原案を適当と認めるというような答申を受けてございます。
ちょっと別紙2の方を簡単に御説明申し上げたいと思います。
先ほど申し上げましたように、諮問内容のうちの料率につきましては、先ほどの区長会の考え方を踏まえて設定したものでございます。それと、(1)と(2)、それと(3)のところが減額額でございますが、これは均等割額について低所得者を減額するというものですが、これも区長会で共通基準で設けられましたものにつきまして、一部均等割額が変更になりましたので、それについて所要の改正をするということでございます。
あと、(4)のところは、これは税制改正に伴います激変緩和措置に関します規定を整備するということでございます。これについては、政省令が示され次第、そういったことで整備する予定でございます。
また、(5)は都の調整交付金の新設、これは昨年度の三位一体改革の中で、国民健康保険につきまして、今までは都道府県のこういった財政の役割というのはなかったんですが、都道府県にも財政の役割を一定程度持たせるというようなことで新設された交付金でございます。それに関連する条文を整備するということでございます。
あと、自立支援法に伴いまして、現在、精神障害者の上乗せ給付の分を一部やっておりますが、それについての一部改正をするという内容でございます。
以上、来年度の国民健康保険料の関連の件につきまして御報告申し上げました。これらにつきましては、第1回定例会におきまして、議案として提案させていただく予定でございます。
以上でございます。
委員長
ただいまの報告に対する御質疑はありませんか。
かせ委員
これを見ますと、いわゆる均等割の方が上がっているんですよね。それで、先ほどの説明だと、国では50対50だから、それで、23区としてもそれに倣って縮めていくというような考えがあるような聞き取り方をしちゃったんですが、そういう考えもあるんですか。
奥山保険医療担当参事
基本的に国の保険料についての基準を示す政令がございます。その中でそういった基準を示しているわけでございます。これはなぜそういった方向を目指すのかという理由でございます。それは、所得階層のうち、いわゆる中間所得層と申す所得階層、ファミリー世帯などで年収が五、六百万円、そういった層なんですが、そういった層について、ここのところ非常に負担が重くのしかかっているという状況がございます。と申しますのは、税額をもとに所得割を出しますので、そういった層が非常に高い保険料になってしまう。ただ、ある程度の所得以上になりますと、上限額が58万円ということでカットされますので、そういった中間所得層が非常に重くなっている現象をやはり解消しなければいけない。それで、広く薄くという部分の均等割を、やはり政令基準で示します50%になるべく近づけていく。それによって徴収率なども過剰な負担にならないように配慮していきたいと、そんな背景がございます。
かせ委員
逆じゃないかと思うんですよね。今、本当に困っているというのは、一番最初の陳情にも出ていましたけれども、いわゆる税制が変わったとか、そういうような関係で、これまで非課税だったのが課税になるということ、当然これはランクが変わってきますよね。それで、それに加えて、今後のいろいろな公共料金の引き上げというのが計画されている中で、さらに保険料が均等割の部分で上げられるというのは、今の経済不況の中で痛めつけられている人にさらに追い打ちをかけるという考え方になりませんか。
奥山保険医療担当参事
この均等割がかかる世帯層、所得階層につきましては、もう一方で、均等割のみ世帯に対する減額措置というのがございます。これは国の基準では4割、6割減額というのがあるんですが、23区の場合それに上乗せして、5割、7割減額という制度にしてございます。そこの中で、一定所得以下の階層についてはそういった措置を講じていますので、どうしても払えないというような形にはならないような手当てをしているということでございます。
かせ委員
その辺の数字がちょっとこれは全然見えていないんですけれども。だったら、今度の改定によって保険料が高くなる人、どの階層でどのぐらいあるのかとか、それから、それに対する減額対象者がどれであるとか、そういうような資料が欲しくなってしまうんですが、今は無理でしょうけど、出ますか。
奥山保険医療担当参事
ちょっとこれは、議案の審査等もこれからお願いするわけでございますので、議案の審査のときにそういったことについては提出させていただきたいと思います。
山崎委員
これは仕組みがとても難しくて、私も全部理解をしているわけじゃないんですが、今の話、質疑、それから補足の説明を聞かせていただくと、賦課割合50対50ということです。私の記憶だと、これは50対50を目指しながら、手つかずだったと思っているんですが、やっとこれ、1ポイントですけど、改善されてきたと、こう思うんですが。説明書を読みますと、1ポイント賦課割合が改善したことによって、一方で応益の割合が45%を超えてしまうと。それによって2割減額が生じる区が出てきたと、こういうことなんですね、2区だということで。17年度も恐らくそうした区が出るだろうと、こう書かれているんですよ。
そうすると、全体の国民健康保険の仕組みを考えますと、新しい今度は財調の交付金の新設ということがありましたけれども、今までは財調の中で面倒を見ていただいたんですよ。一方で、財政調整交付金で面倒を見ていただいたということは、23区の統一性にかんがみて面倒を見てもらったと、こういうことだと思うんですよ。このポイントを改善すればするほど、ある意味では統一性が崩れてくると、こういうことになりますと、23区統一料金方式ということで区長会が申し合わせたにもかかわらず、こうした2区、あるいは3区が、4区がということが出てくると、なかなか財調という観点からすると、諮問をした運営協議会の方では原案を適当と認めるというふうに結論づけられておりますけど、交付金を払う側にとっては、適当と認めないよと。23区独自性を発揮してやりなさいよと、こう言われる一方で危険性がないんだろうかなという、これは私の取り越し苦労だといいんだけど、そういう点についてもうちょっとわかりやすく御説明いただけますか。
奥山保険医療担当参事
統一保険料を採用しているというのは、過去のこれまでの経緯だとかございまして、もう一つは、国民健康保険制度そのものについて、医療保険全体について今言われているわけなんですが、やはり医療保険というのは行く行くは一本化すべきじゃないかという議論があります。ただ、国民健康保険につきましても、目指すべき方向は都道府県単位で一本化するような形でやるべきじゃないかということです。統一保険料方式をとっているということは、ある種、23区は今のところ先行してそういった形をとっているというようなことで、抜本的な制度改正、それは要するにもっと広域化して、都道府県レベルでやるとか、国レベルでやるとか、そういった見直しが図られるまでは統一保険料方式でやっていきましょうという申し合わせをしたところです。
財政調整については、現在の東京都の調整条例が廃止された後に、いわゆる公費負担と申しまして、本来保険医療以外で支払われる、国、これから東京都もありますけど、その分と保険料の差額分については財政調整で決算値で見るという、そういう仕組みをつくっています。これも基本的には継続されるということになってございますので、そういったことで、全体の広域化を目指した動きを見据えて、国保の再編、そういったことの時期に、もう一度この統一保険料については区長会として意思決定をしようというような、そういった申し合わせになっているところでございます。
山崎委員
あまりよくわからなかったんですが、要はこうした、道州制を含めて、そうした延長線上のところはともかくとして、現状の中で、今、統一保険料方式をとられていて、その中で、賦課割合を国の基準に照らして、できるだけ理想的な形で、50対50に合わせていこうという努力を、1ポイントしただけでこういうことが出てくるというふうに読めるんですよ。そうすると、もっと言えば、賦課割合が50対50になったら、もっと応益割合が、45%もはるかに超えてくるところが出てきて、現在でも2区がそうした対応を行っている。もっともっとたくさんの区がこうした対応をせざるを得なくなるのかなという思いがあるんですよ。そうなったときに、実際に、財調の話をしましたけれども、財調の方で、中野区あるいは23区側がいくら原案が適当であると保険者が思っても、向こう側は適当でないんだというような言い方をされたときに、困りはしないのかなということなんですよね。わかってもらえましたか。私がちょっと誤解していたかわからないけど、もし誤解していたら、ここが違うんですよとはっきりおっしゃっていただけませんか。
奥山保険医療担当参事
2割減額のお話を御答弁申し上げませんでした。この2割減額と申しますのは、委員から御指摘のとおり、一定割合の所得、均等割と所得割の割合が一定以上、50対50に近づくと、2割減額の部分を新たに導入できるということで、その発生している区が、2区ほど生じているということでございます。これについては、これから先行き、50対50に近づけば近づくほど、当然ふえてくるわけでございます。ですから、23区としましては、この2割減額についての部分も含めて共通基準の中で示していこうという方向で議論しているところでございます。ですから、統一保険料の中にその2割減額も取り込んで、統一保険料方式を維持していこうという、そういう考え方でございます。
委員長
他によろしいでしょうか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
では、以上で本報告は終了します。
続きまして、平成17年度国民健康保険料特別訪問催告の実施結果についての報告を受けます。
奥山保険医療担当参事
それでは、お手元の資料(資料11)で御報告申し上げます。
平成17年度の国民健康保険料の特別訪問催告でございますが、これは日常的に、平日なんかでも、電話なんか差し上げてもなかなか連絡がとれないといった滞納者のお宅に、直接日曜日に、休日に出向いて、訪問しまして催告または徴収をやっている事業でございます。
今年度につきましては3回実施してございまして、まず、第1回目が9月18日(日曜日)に行ってございます。この第1回につきましては、55万3,000円ほどの当日の収納金、また、その後に納付交渉等を行いまして、約400万円ほど収入してございます。
第2回目が11月27日(日曜日)でございます。この日は当日89万3,000円ほど徴収いたしまして、その後、納付交渉等を行いまして、訪問した世帯の対象者の方から1,260万円ほど徴収したということになってございます。
第3回目を去る日曜日の2月5日に実施いたしました。これは、前2回は分野でやってございますが、この第3回目の2月5日は保健福祉部を挙げて、部として取り組みを行いました。約90人ほど動員をかけまして訪問いたしまして、当日の徴収金が132万8,000円ほどございました。これらについては、これから納付相談交渉を訪問された世帯と行ってまいりまして、できるだけ収納に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
以上です。
委員長
ただいまの報告に対する御質疑はありませんか。
佐野委員
大変御苦労さまでした。これを見ますと、日曜日に出られたということで、まして保険医療分野の職員の方と保健福祉部の職員の方、全体的に、総合的に取り組んでいるという姿勢が非常に見られると思うんです。これ、過去にこういうことを報告されたことはございますか、この委員会で。
奥山保険医療担当参事
特別訪問催告につきましては数年前からやってございまして、その都度ということではやってございませんで、一応、1年間の計画が終わった時点でまとめて報告させていただいているという経過でございます。
佐野委員
今、中野区の財政は逼迫しています。私は非常にこういう問題に関心があります。その理由は、一つは、中野の財政が逼迫していると同時に、納税をしている人たちがばかを見る、一生懸命やる人が損をするという風潮が立ったらば、きっと中野区の区民はそちらの方に走ってしまう。そういうことを考えたときに、やはりこういう姿勢というか、強いものを持っていく必要があると思うんです。この3回で大体、私、ぱっと計算して約2,000万円入ってきているんですね。これは残念なのは、この資料の中に、現状御苦労なさっていて、現在の中野区の滞納の総額、要するに保険に対する滞納の総額。たしか前回、私も一般質問のときにさせてもらったのかな。幾らぐらい--(「26億円」と呼ぶ者あり)そうですね。そのぐらいあったんですね。たしか、保険料と区民税を足して50何億円あったと思います。そういうことを思うと、かなりこれ、厳しい中でやっていかなきゃいけないなという覚悟をお示しになっていると思うんですけれども、やはりこういう資料をお出しになるときに、現状はこうあって、せっかくここで合計で2,000万円ぐらいやっていただけたわけですから、こうなっていますよと。それで、現在さらにこれぐらいまだ残っているんですと。まだ残っていることは事実ですよね。要するにそういうものの資料づくりの中で、やはりそういった方法をすれば、皆さんも納得性があって。一部、2,000万円は一生懸命頑張りましたけど、じゃあ、全体の額の中では一体その比率はどのぐらいなのか、今後どうしていくのか、そういうことを示さないとなかなか、一部だけは一生懸命頑張っているのはわかりますけども、そういう全体像の中でどうなのかという資料のあらわし方の方がいいのではないかと思いますけど、いかがでしょうか。
奥山保険医療担当参事
今回はこの特別訪問催告と限った形にしてございます。ただ、委員の御指摘のように、全体が見えないということ、確かにそのとおりでございます。そういった報告の仕方につきましては、そういった委員から御指摘のあったようなことについてわかるような報告の仕方を工夫していきたいと思ってございます。
佐野委員
それから、もう一つ、済みません、最後に。これ、特別訪問と書いてありますけども、何かこういうことをおやりになったのは今回初めてかなと思って、特別という表現をなさったのかどうか。あるいはほかの方法、電話、特別、それから、あるいはそういう、保健福祉部の職員以外に、都から何人かいらっしゃったようなお話もあって。そういうようなこともできれば総合的に、こういうようなもので督促、催促をしているんですよというようなものがあれば、ちょっとお話をいただきたいんですが。
奥山保険医療担当参事
催告という言葉の中身なんですが、これは訪問して催告するということで訪問催告。お金をいただける分があれば徴収もさせていただくということなんですが、このほかに電話催告というのがございます。電話催告は通常日常的にやっている催告でございます。また、夜間とか休日も電話催告しております。それと、文書催告というのがございます。文書催告と申しますのは、まず、督促というのが毎月、保険料が発生しまして、その未納が発生します。そうしますと、約1カ月後ぐらいに督促状を送ります。なおかつそれでも納めていただけない場合には、3カ月置きに文書催告書というのをお送りしています。その文書催告書でもなおなかなかつかまらない方については、電話なり、こういった訪問。特別訪問催告という意味は、通常も日常的に訪問しているわけなんですが、これは特別に日曜日に多数の職員を動員してやっているという意味で、特別訪問催告ということでやっております。これは私が来てからもずっとやっておりますし、ことしに限ったことということではございません。
佐野委員
私、初めてここで、何で特別訪問、これは当たり前のことなのに何で特別をつけたのかなと思ったら、そういうことで組織的に保健福祉部として全体でおやりになっているということですね。1年間の催告のスケジュールがあるにもかかわらず、3日間、3回に区切ってやっているという、そういうものをやっぱりアピールすべきだし、区報、それからメール、そういったもので、こういった結果こうなりました、一生懸命やっていますというふうなものを、ぜひこういういいことは区民に対しても、職員に対してもアピールをしてほしいと思いますけども、その辺はどういうお考えでしょうか。
奥山保険医療担当参事
庁内には新着情報という形でグループウエアに登載してございます。外部の方には、そういった意味では、実績まではちょっと出してございませんので、そういったことについては、できるだけこれからは、国民健康保険の事業の実態をなるべく知っていただくというようなPRの仕方、そういった中で、こういった催告もこういった形でやっていますとか、そういったことをできるだけ情報発信していきたいと思います。
佐野委員
今おっしゃった、いいことをすごく言ってくれていると思いますよ。特に現状がどうだということをやはり区民に認識してもらう。これは恥ずかしいことでも何でもないわけですよ。これだけ現状たまっていますよということも知ってもらう必要がありますよ。その中で、これだけ努力をして頑張っているんですよということも知ってもらう必要があると思うので。ぜひそういった角度から、今後このPRなり、推進をしていくということをお願いしたいと思います。いろいろ御苦労さまでした。
近藤委員
大変御苦労さまでした。この数字を見て本当にこんなに収納ができたんだなと思って、ちょっとびっくりしてしまう金額の多さなんですけれど、3回のこれでこれだけの徴収ができたわけですよね。そうしたら、もっと行けばもっと取れるんじゃないかと、本当に、単純なんですけれど、そういうものじゃないんですか。これが、何回も電話をして行ったからとか、そういったことで、これが目いっぱいの額なのか。やっぱりこの3回でこれだけの金額が取れるということは、もう一歩の努力がこの後にあれば、あれだけの滞納がなくなっていって、本当に滞納問題というのはすごくひどいことですから、取っていっていただきたいというか。それは職員の方じゃなくてもいいんですけれど、5か年計画で結局徴収員を切ってしまったことなどにも問題があるので、やっぱり取る仕組みというのをきちっと考えて、職員が毎回毎回こうやって出るわけにはいかないでしょうし。しっかり取っていけば取れるのか、それとも取れないのか、そこのところはどうなんですか。
奥山保険医療担当参事
なかなか難しい御質問なんですが。一定程度は取れると思いますが、それが費用対効果とか、全体の仕事の中で、私どもがやっているのはこれだけではございませんで、先ほど申し上げたようなこととか、そのほかに日曜日、毎月1回相談日を設けたりとか、あと、滞納処分、いわゆるいろんな財産調査をして差し押さえるとか、そういったことでの回収とか、強制徴収も含めてさまざまやってございますので、その中で、費用対効果とか含めて、やっぱり検証しながら、できるだけ効果のあるものを優先して手当てをしていくと、そんなことでこれからもやっていきたいと思っています。
山崎委員
佐野委員の広報の仕方についての御指摘を聞き入れていただいてあれなんですが、一方で気をつけなくちゃならんのは、ちょっと例えが悪いけど、NHKの不払いみたいな形で、みんな払わないじゃないかと。26億円も30億円もあるじゃないかというような形で受け取られるような広報の仕方をすると、これは私は逆効果だと思う。今、大衆の心理というのは非常にそうしたところに向かいやすい傾向も踏まえて、うまく工夫しないと逆効果になりますので、頼みますよ。
委員長
他にありませんか。
よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
では、以上で報告を終了いたします。
その他、9番になりますが、何か理事者の方から報告はありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で所管事項の報告を終了いたします。
次に、その他、各委員、理事者から何か発言はありますか。
よろしいでしょうか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、次回の委員会についての日程協議のために休憩をいたします。
(午後5時03分)
委員長
それでは、委員会を再開します。
(午後5時03分)
次回の委員会は、第1回定例会中、当委員会室において開会することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
では、そのように決します。
以上で予定した日程はすべて終了しますが、何かありませんか。
よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
では、以上で本日の厚生委員会を散会します。
(午後5時04分)