平成18年3月7日予算特別委員会厚生分科会
中野区議会厚生分科会〔平成18年3月7日〕
厚生分科会会議記録
○開会日 平成18年3月7日
○場所 中野区議会第3委員会室
○開会 午後1時01分
○閉会 午後3時08分
○出席委員(7名)
岩永 しほ子主査
吉原 宏副主査
佐野 れいじ委員
近藤 さえ子委員
やながわ 妙子委員
かせ 次郎委員
山崎 芳夫委員
○欠席委員(1名)
柿沼 秀光委員
○出席説明員
子ども家庭部長 田辺 裕子
子ども家庭部経営担当課長(男女平等担当課長) 合川 昭
子育て支援担当課長 馬神 祥子
子ども健康担当課長 大久保 仁恵
保育サービス担当課長 竹内 沖司
子ども育成担当課長 小平 基晴
保健福祉部長 菅野 泰一
保健所長 清水 裕幸
保健福祉部経営担当課長(保健福祉担当課長) 寺嶋 誠一郎
保健予防担当参事(結核予防担当参事) 深澤 啓治
生活衛生担当課長 飯塚 太郎
健康づくり担当課長 今 恵里
中部保健福祉センター所長(北部保健福祉センター所長) 瀬田 敏幸
南部保健福祉センター所長 深山 紀子
鷺宮保健福祉センター所長 嶋﨑 江美
高齢福祉担当課長 冨永 清
障害福祉担当課長 田中 政之
生活援護担当課長 浅野 昭
保険医療担当参事 奥山 功
介護保険担当課長 藤井 康弘
○事務局職員
書記 永田 純一
書記 杉本 兼太郎
○主査署名
審査日程
○議題
第4号議案 平成18年度中野区一般会計予算(分担分)
第6号議案 平成18年度中野区国民健康保険事業特別会計予算(分担分)
第7号議案 平成18年度中野区老人保健医療特別会計予算
第8号議案 平成18年度中野区介護保険特別会計予算(分担分)
主査
では、定足数に達しましたので、厚生分科会を開会します。
(午後1時01分)
第4号議案、平成18年度中野区一般会計予算(分担分)、第6号議案、平成18年度中野区国民健康保険事業特別会計予算(分担分)、第7号議案、平成18年度中野区老人保健医療特別会計予算及び第8号議案、平成18年度中野区介護保険特別会計予算(分担分)を一括して議題に供します。(資料1)
審査に当たっては、3時ごろに休憩を入れて、5時を目途に進めたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
では、昨日に引き続きまして、保健福祉費の保健福祉活動推進費から質疑を始めたいと思います。
予算説明書の142ページから143ページの保健福祉活動推進費についての御質疑をお願いします。
〔「進行」と呼ぶ者あり〕
主査
よろしいですか。
では、進行いたします。
では、142ページから143ページ、同じページの権利擁護推進費です。
〔「進行」と呼ぶ者あり〕
主査
よろしいですか。
では、進行します。
では、144ページから145ページ、支えあい支援費です。
かせ委員
厚生資料の49、せっかく出していただいたので。高齢者見守り支援ネットワークの登録者数ということなんですが、16年から比べて登録者も伸びておりますし、協力員も71から90ということで、伸びてはいるんですけれども、プランでいいますと16件から81件と、登録者数から見ますとかなり、まだまだ少ないというふうに感じちゃうんですけれども、実態はどんなものなんでしょうか。
瀬田中部保健福祉センター所長
厚生の49で、元気でねっとのこれまでの取り組みの経緯の数字が出てございます。本年2月20日現在で約2,400名弱ということで登録の数が入ってございます。それから、見守りの協力員、ボランティアの数も90名ということで、伸びつつございます。
お尋ねの見守りプランでございますが、これも81件ということで、協力員さんと登録の方々の中から、見守り・声かけの御希望のある方等、意向を伺いまして、つなげてきているところでございます。この見守りプランというのは、実際には登録された方の御意向と、登録の協力員の方のいろいろ地理的な条件ですとか、週1回とか、2週間に1回とか、いろいろな形での見守りの形を御協議いただきながら、在介を中心に調整して進めているものでございます。
実はここの数字には出ていないんでございますが、在介センターを中心に見守りプランの相談件数というのが、この間、昨年の4月から2月20日までで730件ございました。結果として、この81件ということに集約されておりますけれども、さまざまな見守りの形につきましては、例えば外からの見守りというような、間接的な見守りでも十分そういうニーズがあるというようなことも、意向調査等を受けて把握してございますので、個々の状況や意向、そういったものに応じながら、条件も緩和しながら、今後、プランの数もさらに伸ばしていくような方向で考えております。
なお、元気でねっとでございますが、現在はひとり暮らし高齢者の見守りという枠組みの仕組みになってございますが、今後は、さらに認知症の高齢の方々ですとか、あるいは障害を持つ高齢の方々ですとか、さまざまな状況に置かれていらっしゃる方々についても、幅広く地域の支えあいをもっと強化・拡充する方向で、その中でこの仕組みもさらに充実させていく考えで予定してございます。
かせ委員
よろしいんですけれども、81件の中で、どうなんでしょうか。今まで協力機関であるとか、それから、新聞配達やら、郵便局やらという、そういう機関への協力なんかやっていましたよね。一方では、御近所の方の協力とか、いろいろありますよね。大ざっぱでいいんですけれども、どういう傾向なのかというのは教えていただけますか。
瀬田中部保健福祉センター所長
見守りプランの内容につきましては、さまざまなケースがあるんですが、比較的多いのはやはり、玄関まで御訪問させていただいて、そこで日常の御様子を伺うというようなことのサービスが基本になってございます。その他、間接的な部分でいいますと、例えば新聞受けですとか、牛乳ですとか、電気ですとか、そういったところのチェックで足りるので、そういったところで間接的に見守ってほしいというニーズの方を受けた形のものもふえてきてございます。
それから、協力機関に関しましては、現在までのところ204事業所あるわけでございますが、新聞販売所さんですとか、それから、区内の公衆浴場さん、これが約、それぞれ40カ所ずつ、40弱ですけれども。それから、最近は美容院組合の方からお申し出をいただいて、23事業所、こういったところも加わってきてございまして、昨年の10月末に協力機関の方々、約50事業所集まっていただきまして、情報交換等を進めてきてございます。
それから、協力員と民生委員さん、あるいは在介センターのスタッフ、ケアマネジャーとの地域での情報交換という場につきましても、それぞれ地域単位でこの間開催をしてきてございまして、さらにいろいろ工夫を図っていく方向で今進めてございます。
かせ委員
それで、見守りプラン、これをやることによって、何か特徴的な、例えば事故を防いだとか、何か別のサービスに移行したとかという、そういうような例なんかございますか。
瀬田中部保健福祉センター所長
実際に、部屋の中でちょっと応答がなかったものですから、ぐあいが悪いということで、かかりつけのそういった医療機関ですとか、病院等につなげたりですとか、それから、介護保険サービスのスタッフ等のホームヘルプ等にかかわっている方々との連携において、そういった情報をつかんで、大事に至らなかったというような例が事例としてこれまでございます。
主査
他にご質疑ありませんか。
やながわ委員
補助資料の方なんですが、229ページの地域ケアネットワーク運営支援、こう書いてあるんですが、これはどういうことなのか、ちょっと御説明していただければと。
瀬田中部保健福祉センター所長
昨年、保健福祉審議会等の中でも御議論をいただき、この間、保健福祉総合推進計画の中でも重点的なプロジェクトというか、テーマといたしまして、地域ケアのネットワーク推進ということを掲げてございます。今般、介護保険法の改正を受けまして、地域包括支援センターの整備、8カ所が予定されてございまして、そういったものを受けつつ、日常生活圏域、これは現在の保健福祉センター4圏域を基礎といたしまして、それぞれ生活圏域の日常的な生活場面で、地域の中での支えあいの活動、こういったものを支援していくといったような仕組みを今後さらに構築していくという流れの中で予定しているものでございます。
現在、ここにある地域ネットワーク会議(仮称)というものは、こういった名称のものはございませんが、地域支援会議という形で、在介センターのエリアを単位といたしまして、年、それぞれの地域で3回、延べ27回開催しているものがございます。こういったものを組みかえつつ、生活圏域ですとか、あるいは全区的な支えあいの関係機関のネットワーク、こういったようなものもさらに充実・拡充を図っていくというようなことを今、予定してございまして、ここにある予算につきましては、保健福祉センターを単位としたネットワークの枠組みとして予算をつけ、今後、地域の話し合いを大事に受けとめながら、意向を十分酌みながら、町会ですとか、民生委員さんですとか、あるいは介護保険のいろいろな日常的な事業者のスタッフの方々等交えながら、医療機関等も交えながら、十分な話し合いのもとに、支えあいの活動をしっかり支えていけるような、そういう仕組みとしてここに盛り込んでいるものでございます。
やながわ委員
今後、この地域の支えあいというんですか、これが介護予防につながる、あるいは認知症の予防・対応に、一番地域でどういう支えあいが必要なのかと、大変大事な分野になってくると思うんですよ。今までの人だけじゃ、もう限界が来るであろうと。新たな開拓とか、恐らくこういう会議体ができて、この4地域を中核にしながらおやりになっていくんだと思うんですが、新たな方法としていろいろ考えられるんですけれども、こういった、みんなが認識を持って地域でケアをしていくという、言ってみれば、この間も御紹介しましたけれど、大牟田市の、地域で本当にお年寄りを支えていくというのは、やっぱりそこに住んでいる人、その人たち自身が、みんながケアする、あるいはケアされる側になるわけですから、そういった本当に基盤となる仕組みになるんだと思うんですけれども、それはそうですよね。
瀬田中部保健福祉センター所長
まさにおっしゃるとおりでございまして、今後、認知症の高齢の方々もふえてきます。さまざまな御家庭、御家族、またおひとり暮らしも含めまして、いろいろな状況に置かれていますが、全体としてやはり地域で高齢化が進んできてございますので、いろいろな形で支えあいをさらに基本に進めていくことが求められていると思います。そのために大事なことは、こういった会議ももちろんなんですが、やはり人と人とのフェース・ツー・フェースのコミュニケーションといったことですとか、それから、それを担う、地域の核となっていただけるような、地域の中から1人でも多く、そういったものを支えていただけるような方々をふやしていくということで、何かあったときには、やはり必要なところに連絡をするとか、あるいは必要なニーズにしっかり受けとめていただくようなところがしっかりつながるような、そういうことがもっときめ細かくできるような体制をつくっていきたいというふうに考えてございまして、いずれにいたしましても地域の力をいかに酌み取ると申しましょうか、地域の中でそういったものを担っていただく方々と一緒につくり上げていくという視点に立って進めていくことが大事だというふうに思っております。 やながわ委員
中部保健福祉センター所長が今お答えになってくださっているんですが、これは全体的なことで、新たな手法とか、新たな手だてというのは必要になってくると思います。部内の関係各位、機関というんですか。私も中心となる分野が必要なんじゃないかという御提案をしましたけれども、地域ケアが本当に地域でひたひた浸透していくと、こういったものはすべて生きてくるというふうに思っております。ぜひ、こういう新たな地域ケアネットワークという会議体ができますので、その辺も、やっぱり先々大変重要なところですので、しっかりやっていただきたいと要望しておきます。
近藤委員
地域ケアネットワークの件で、私も総括で質問させていただいたんですけれど、中部保健センターの方もよくやられていて、毎回区報に出したり、呼びかけているんですよね。それでもやっぱり集まりがなかなか大変だということで、今年度に向けて何か具体的な策はあるんですか。
瀬田中部保健福祉センター所長
元気でねっとそのものをさらに充実するという視点が一つございますが、それに加えまして、やはりひとり暮らしの高齢者以外にも、さまざまな状況に置かれている高齢の方々で、ケアが必要とされる方々も大勢いらっしゃいますので、そういった方々も視野に入れながら、見守りの仕組みをさらに広げていくような取り組みということで、中部だけではなくて、これはまさに保健福祉全体の地域的な展開という中で受けとめて、組織的な部分も含めて、それの充実に向けて今、準備を進めているところでございます。大事なことはやはり地域の中の、以前、自治力というお話がありましたけれども、そういったところをきちっと受けとめながら、協働の部分の作業のこれは仕事の一つだと思いますので、そういったところを大事にしながら進めていくということが必要になってくると思います。保健福祉審議会の答申ですとか、今回の推進計画の中でも、大きなテーマとしてこの包括ケアネットワークの構築や、あるいは認知症の高齢者の今後の対応についても柱にしてございますので、全体として充実に向けて進めていくよう今、予定をしてございます。
近藤委員
担い手がなかなか育たないのが現状で、高齢者が多くなっていって、それをここの部でやらなくてはならないということは、本当に大変なことなんですよね。担い手を探してくるということは、何かを自分たちがすればいいのと違って、人を動かさなきゃならないということで、本当に大変な作業だと思います。
地域ケアのところで私ちょっと言おうかと思ったんですけど、ここで兼ねさせていただいて。やっぱり民生委員さんの仕事を見直していくというか、どうしても民生委員さんと高齢者の見回りというか、今までやってきたことがダブると思うんですよね。民生委員さんは、対象が1万4,000人に対して民生児童委員さん305人でやっているという。仕事が多くて、そして、高齢者のことがダブって入っているという、このネットワークでどういうふうに仕事を整理していくかということをされないと、これもある、これもある、地域でやってくださいといっても、人材は育てていかなきゃならないんですけれど、今のところは育っていないという状況ですと、ダブった方がたくさん抱えて、同じ高齢者のことなんですけど、違ったやり方でやっているという、ちょっとむだな作業もあるんじゃないかなと思いまして、そこのところをきっちり、民生委員さんの仕事で多い部分はどういうことなんだろうか、何かできないかとか、そういうリンクを考えていただきたいと思うんですけれど。
寺嶋保健福祉部経営担当課長
おっしゃるとおり、民生委員の皆様は24時間、地域の中で地域福祉のために活躍していただいています。この元気でねっとにつきましても、やはりもともとそういったようなネットワークは全然地域にないわけではありません。そういったような民生委員、あるいは町会の中のネットワークとも御連携をとりながら、一層強化していきたいというふうに思っております。
主査
他にありませんか。
進行してよろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
主査
では、進行します。
同じく、健康支援費です。144から145ページ。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
主査
では、進行します。
146から147ページ、障害者社会参画費です。
近藤委員
補助資料の233ページ、これは成果指標のところが、年金手当以外に給与など就労による定期的な収入のある障害者の割合というのが、2005年見込みが30.7%で、2006年目標も30.7%なんですね。これは昨日のとはまたちょっと違うと思うんですけれど、今年は、障害者の雇用促進に力を入れていこうとして、ジョブコーチさんなんかもふやしていったり、そういうことを試みているんですけど、拡充していこうというときに、ちょっと目標が同じというのはいかがなものかなと思うんですけれど。それにも間に合わないぐらい、障害者さんの割合がふえていくということで、この目標値になっているんですか。
田中障害福祉担当課長
この目標値の数字ですけれども、実は我々が目標を設定する際には、目標の設定、検証、またさらに目標の設定というふうなことを繰り返していくわけなんですけども、ここに掲げている外出する障害者の割合、あるいは定期的な収入がある障害者の割合というものの実証、実績を評価する手段といたしまして、3年に1回調査をやっております。これは保健福祉サービス意向調査というものなんですけども、これは比較的大きな調査をやっているわけなんですけども、これは経費もかかるというようなこともありまして、毎年はできないということで、3年に1回やってございます。前回は平成14年、今回は平成17年、次回は平成20年の予定ということになっておりまして、ここの部分につきましては、3年に1回の調査なものですから、3年に1回の目標値を設定し、3年に1回に実績を数字として出すという形にしてございます。
したがいまして、17年と18年が同じといいますのは、こういったように目標を、数字を挙げることは可能なわけですけども、その検証ができないということから、3年間は同じ数字という形にしてございます。ただ、3年後に数字を、順調にいけば、3年分を合わせて上げる形になりますので、そういった意味では、3年後には比較的、急に上がるというような形になってございます。ただ、実際の問題としては、毎年毎年少しずつ、1年ごとに目標を少し上げていくという形はもちろん持っているわけです。やがて3年後には、3年分についての実績の評価をしていくということで考えているわけですけども、ここに出ている数字としては、そういった理由から検証ができないということで、3年間は同じ数字を使わせていただいていると、こういうものでございます。
近藤委員
自立支援法などで、ことしから始まるということもあるし、拡大に向けている年なので、目標値が少しでも高い方がいいのかなと思いました。やっぱり雇用の拡大ということがとても大事なことだと思うので、ぜひここに力を入れて頑張っていただきたいと思います。
主査
他にありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
主査
進行してよろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
主査
では、進行します。
同じページですが、障害者福祉事業費です。
かせ委員
今もお話しがありましたけれども、4月1日から障害者の自立支援法が施行されるわけですけれども、詳細にわたってはまたどこかで報告を受けると思うんですけれども、いずれにしても、まだ不確かな中で見切り発車みたいなことをやって、今までの事業がどうなるのかということが非常にわかりにくいんですけれども。ここに書かれているさまざまな事業ですが、これはどうなるのかということでちょっと説明いただけますか。
田中障害福祉担当課長
ここに書かれている部分につきましては、基本的に、大きく影響を受けるものといたしましては、補装具の給付と、それから日常生活用具、更生医療給付等がございます。この中で、更生医療とか補装具については自立支援給付という形に、更生医療につきましては自立支援医療に移行します。それから、補装具につきましても、自立支援給付という形で位置付けられます。それから、日常生活用具につきましては、区市町村事業の地域生活支援事業という形に位置付けがされます。こういったような変更がございます。
かせ委員
としますと、ここに書かれている予算の執行についてですけれども、これはどういうことになりますか。自立支援法というのは見切り発車で、あろうということでとにかく始めると。支払いについては、これまでの応能負担から応益負担に変わってしまうわけです、4月から。そうすると、この予算との関係というのはどうなりますか。
田中障害福祉担当課長
予算の積算上は、現在のサービス水準と同じという仮定で、あるいはふえるものについては、ふえるという見込みをつけた上で予算を積算してございますので、予算の組み立てとしては、基本的な歳出は、今までのベースと同じように考えて組んでおります。
かせ委員
予算は今までのベース、それしか組みようがないと思うんですけれども、一方、サービスを受ける側というのは、どういう形になるんですか。今までのサービスを受けたと。人によって違うんでしょうけれども、相当の部分、負担増になるんじゃないかというふうに思うんですけれども、その辺についてはどう考えていますか。
田中障害福祉担当課長
基本的には新しい支援法に基づく体系に入りますので、利用者負担等につきましては、その体系に従った利用者負担になるということで、現在よりはふえる方もいらっしゃるというふうに考えております。
かせ委員
それで、大事なことは、そういうことが、現在利用されている方、障害者の方にどういうふうに説明されているのか、そういうことですね。あるいは相談とか、そういったものが当然持たれているというふうに思うんですが、どうですか。
瀬田中部保健福祉センター所長
現在、中部と北部で、現在受けている支援費制度の中での支給決定等をやってございまして、今回の自立支援法の本格施行、10月になるんでありますけれども、この4月にまず当面に向けてみなし支給決定というような形で、対象者全員の方に個別に御連絡、通知を差し上げ、現在、必要な書類等が集約されつつある状況でございます。加えまして、自立支援医療の方につきましても、東京都の方からこれも個別通知ということで、1月下旬、2月頭ぐらいに対象者全員に通知をしまして、こちらの方も3月いっぱいまでに基本的には手続をしていただくことで、現在、十分なその中に御説明、あるいはまた問い合わせ等につきましても、電話、訪問、それから、特に書類の提出がないような方につきましても、現在チェックをしながら、こちらの方から個別に御連絡を差し上げて、漏れのないような形で進めさせていただいております。
かせ委員
自立支援法や今度の新しい制度ですと、とにかく申請をしなきゃ始まらないわけですよね。今まで受けた、それでみなしとしてやっていくということでも、新たに申請が必要なわけでしょう。今言われたように、漏れがあると、本当にサービスが受けられなくなってしまうということですよね。だから、それだけに周知徹底というのは大事だろうというふうに思うんですが。個別に通知をしたということですけれども、それで十分なのかなと。あるいはいろんな障害者団体や、福祉団体があるわけですけれども、そういった中で、いろいろ研修なり学習なり、それから、意見を聴取するなり、そういったことが必要な時期じゃないのかなと。本当に困っていると思うんですよ。そういうようなことが、今のお話ですとまだされていないみたいですけれども、これは必要じゃないかなと思うんですが、いかがですか。
瀬田中部保健福祉センター所長
これまでに自立支援法そのものにつきます区民の方々への説明会をやってきてございます、延べ3回。それから、それとは別に、障害者団体の方々との研修と申しましょうか、勉強会的な意味合いも含めた形での、まとまった形での開催を2回ほどやってきてございます。それから、区報ですとかホームページ等を使いまして、当然必要な情報につきましてわかりやすい形でお伝えをしてきているところでございますが、いかんせん制度の詳細のかなり細かいところまでの分につきまして、まだ国の方からも通知がきていないような状況が一部ございます。しかも短期間の中でこういった法制度改正に対応しなければいけないという状況がありますので、どこの自治体も非常に今、苦慮している中でございますが、全力を挙げて、おっしゃるような区民の方への御不安ですとか、あるいは疑問点にも十分こたえられるように、こちらの方からそういったところを十分配慮した形で対応していきます。現在もそういった形で対応に全力を努めているところでございます。
かせ委員
本当に今おっしゃるとおりで、よくわからない内容の中で準備しなきゃいけないということと、それから、障害者自立支援法の場合には、ケースによって全然違うわけでしょう。支払いの方法も、それから、支給されるサービスの内容も全然違うと。一人ひとりが違うという中での対応ですから、これは大変だと思いますよ。だから、それだけに、わかりにくいから、いろんな、丁寧過ぎる説明をしないと、よくわからないということですから。努力されているようですから、今後とも不安にこたえていただきたいというふうに思います。
それと、それは個別のところでちょっと。この中で、6番の障害者福祉手当が1,314万円、それから、難病患者福祉手当が2,579万円、それぞれ減となっていますよね。これについては、制度が変わったのかなというふうには思うんですが、改めてちょっと説明していただけますか。
田中障害福祉担当課長
障害者福祉手当の減につきましては、対象者の減でございます。これは実績を見まして予想を立てているわけでございますけども、実績見合いで精査をしたというものでございます。それから、7番の難病患者福祉手当につきましては、これは肝硬変・ヘパトームが難病から3年前に外れたということで、3年間の経過措置を設けてございましたけども、それが、3年間の経過措置が終了したというようなこともございまして、減となっているというものでございます。
かせ委員
福祉手当の方については、そういうことだと受けとめますけれども、難病患者の福祉手当についてですけども、相当難病から削られたと。前にも報告を受けていますけれども。本当に障害者にとっては、こういう福祉手当ということがありがたいというのは私たちも聞いているわけです。励まされるというようなこともあるわけです。それが今度切られてしまったということについては、やはり非常に何か大変だなと、障害者にとってはというふうに思うんです。経過措置が切れたということですけれども、そういうような、障害者の皆さんの窮状ということからすれば、中野区としてさらにこれを継続させるというようなことが検討されてもよかったと思うんですけれども、そんな検討はなかったんですか。
田中障害福祉担当課長
この難病患者福祉手当は、いわゆる難病に指定された医療費助成に対応して手当を出すという形でございますので、もともとの指定が難病から外れたということに伴う措置でございます。難病に指定されれば追加をされるわけですけども、この場合につきましては、急に打ち切りとなっては、それぞれの方の生活にも不便を来すであろうということで、中野区としては3年間の経過措置を設けたということで、これは、東京都内の中でも最長の経過措置を設けたというふうな感じでございまして、それ以上の継続をするということは、ちょっと考えられないかなというふうに思ってございます。
主査
他にありませんか。
進行してよろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
主査
では、進行します。
146ページ、147ページ、148ページ、149ページにかけての障害福祉サービス費です。
〔「進行」と呼ぶ者あり〕
主査
よろしいですか。
では、進行します。
148、149ページの障害者相談、支給決定費です。
〔「進行」と呼ぶ者あり〕
主査
よろしいですか。
では、進行します。
それでは、障害施設支援・整備費です。
かせ委員
この中で、障害施設支援・整備費の2番、民営福祉作業所運営助成について125万円減となっています。それから、障害者福祉作業施設について631万円減となっていますが、これはどういうわけでしょうか。
田中障害福祉担当課長
まず、民営福祉作業所運営助成の120万円の減でございますけども、これにつきましては、昨年まで第5杉の子作業所の法内化を目指して頑張ってきたわけでございますが、これがなかなか難しいということがわかりました。また、自立支援法の施行によりまして、新たな体系に移っていくということから、18年度はこの部分について削除したものでございます。ただ、第5杉の子作業所につきましては、法内になっていないわけですけども、法内に準じたような形で、17年度から補助金を増額してございまして、事業自体については法内に近い形での事業運営ができるという状況にございます。
それから、障害者福祉作業施設の600万円の減でございます。これは、障害者福祉作業施設、実はここでは東部と谷戸というふうに二つ書いてございますけども、17年度までは弥生と大和がございまして、4カ所の施設がございました。今回、18年度から、生活寮が指定管理者制度に移りますので、生活寮がございます大和と弥生につきましては、指定管理者がここの部分についての管理も一括して行うということで、予算をそちらの方に組み替えてございます。それによる減でございます。実質的な減はございません。
かせ委員
わかりました。それで、杉の子でしたよね、法内化ということの要求があったんですけれども、というと、今後は、支援費制度の関係になると、やはり事業を行っていくためには、何か法人格とかなんとか必要になってきますよね。その辺との関係はどうなりますか。
田中障害福祉担当課長
支援法に基づく体系にやがては移行していくというふうに、あるいは移行していなければ事業展開ができないのかなというふうに思っております。ただ、法人化という意味では、既に杉の子さんは、いわゆる中野愛育会という社会福祉法人格を持ってございますので、そういった意味での法人格は必要ないというふうに思っております。ただ、現在法外の小規模作業所がどのような形を経て新しい体系に移行していくかということにつきましては、現段階ではまだ未定でございます。したがいまして、国の動向等を見ながら、何年かかけて新しい体系の方に移行するような手続を進めていくのかなと、そのように考えています。
かせ委員
私もよくわからないんですけれども、とにかく流動的になっていると。それで、法人についても、法人の種類によって、できる仕事というのはまた違ってくるんじゃないかというようなことも言われるようですけれども、いわゆる法内化を目指している趣旨というものを生かして、何でも希望するような仕事ができるようにということで、ぜひ協力していっていただきたいというふうに要望しておきます。
それと、もう1カ所ですが、5番の精神障害者共同作業所、先ほどとの関連もあると思うんですけれども、これもまた121万円減となっています。これはどういうことですか。
田中障害福祉担当課長
これの120万円ほどの減の理由でございますけども、大きい項目でいいますと、いわゆる家賃の更新料が2年なり3年に1回かかってまいりますが、昨年度は2カ所の更新がございましたけども、18年度は1カ所ということになりますので、その1カ所分の更新料が浮くという形で減になっているというものでございます。
主査
よろしいですか。
では、ほかに、ありませんか。
進行してよろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
主査
では、進行します。
148から151ページにかけての障害者福祉会館費です。
〔「進行」と呼ぶ者あり〕
主査
よろしいですか。
では、150から151ページの就労施設費です。
よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
主査
では、進みます。
同じページ、精神障害者支援費です。
〔「進行」と呼ぶ者あり〕
主査
よろしいですか。
では、進みます。
152から153ページの生活保護費です。
佐野委員
生活保護費についてちょっとお尋ねをさせていただきます。
まず、18年の予特で出していただきました厚生資料の40をちょっと出していただきたいと思います。厚生資料の40の平成16年度のところの生活保護費は、99億9,000万円が、実績として上がっているわけですけども、その下にはまた平均値というふうに書いてあるんですけども、これはどういうような関係でお出しになったんでしょうか。保護世帯数、保護人数、保護率、ちょっとお願いします。
浅野生活援護担当課長
保護世帯数、保護人員、保護率といいますのは、毎月統計処理を出しております。したがいまして、その月々によってふえたり減ったりというのがございますので、これは年間の数値をトータルでならした形で、それぞれ平均値という形で出しておるものでございます。
佐野委員
そうすると、保護人数もそういうような出し方をしているということですね。
浅野生活援護担当課長
この場合はそのとおりでございます。
佐野委員
これを見ますと、ふえていますよね。
それと、もう一つ、厚生資料の41を見ますと、23区の平均の生活保護費が出されていまして、やはり保護人数、保護率が出ていますね。これは、保護率は平成16年3月分であると下に書いてあるんですけども、こことの平均との違いというか、当然これは3月の時点をとらえて書いたということですか。それとも、合計、1年間のトータルですか、ちょっとその辺を。
浅野生活援護担当課長
この厚生41における数値は3月分ということで、3月単独のものでございます。
佐野委員
そうすると、これは、当然23区がそういったことでお出しになっているから、それに合わせた形で出されたと、そういうことなんですよね。
浅野生活援護担当課長
そのとおりでございます。
佐野委員
そうしますと、これは比較の表の見方なんですけども、99億円という大きな数字なんですよね。全体の費用が、生活保護費はかなりの額で伸びてきているんです。保健福祉費は全体が303億円ですか、今年度の予算が。303億9,100万円という全体の中で、御努力があって、いろんなことも考えながら、マイナス1億2,900万円。ずっと伸びてきた中で、保健福祉費全体としては、いろんな角度からいろんな御努力をされているなということがあるわけですけども、その中で、どうしても生活保護費だけはずっと伸びてきているという現状があろうかと思います。例えば117億9,500万円、ことしとっているわけですね。これは約303億円の保健福祉費全体の中の3分の1強が、生活保護費で占められているという現状があるわけですね。それだけにやっぱり重要なセクションであり、重要なことを担わなきゃいけないということが一つうかがえると思うんですけども。その中で、やっぱりことし、全体では減っているけども、この部署だけは5,700万円伸びざるを得ないというか、伸びなければならない理由が、毎年ずっと来ていますので、あると思うんですけども、それについて課長の御見解をまず伺いたいと思います。
浅野生活援護担当課長
生活保護世帯そのものは、今年度で見ますと、上半期は年5%ないし6%近い伸び率を示していたんですが、後半やや、少し伸び率が鈍っております。ただ、それが横ばいになるという状況にはまだございませんので、やはりある程度の増加を見越して予算を編成したという次第でございます。
佐野委員
増加を見越したというんですけども、もちろん他区との比較で見ますと、人口の割合とか、生活のレベルとかによって、23区平均の厚生41を見ましても、真ん中ぐらいかなと思っていたんですけども。今、伸びていくということで、それを見越したというわけですけども、その辺は、今後課長はずっと伸びていく、要するに過去からずっと来ているわけですね、増額、増額で。その辺に対してどういうふうな対策、どういうふうな方法、要するに伸びることがいいことか。社会現象の一つかもしれませんよ。確かに大変な事実だと思うんですけども、中野区だけではとてもできない部分がいっぱいあると思います。課長、担当所管として、これはどういうふうにお考えでしょうか。
浅野生活援護担当課長
ある程度社会情勢というものも影響していますので、私どもの力ではという部分もございますが、一つの努力の仕方としては、来年度、自立支援プログラム等の就労指導の強化とか、ああいった形で、できるだけ保護費を100%世帯に支出する形ではなくて、御自分の力で働ける方については、少しでも働いていただくということで、できるだけ経費をふやさないような形は何とか努力していきたいなというふうには思っております。
佐野委員
こういう福祉施策を進めていく上で、私は、たしかこの分科会の去年ですかね、部長にも御質問させていただきましたけども、一番はやっぱりお金だけでは解決できない面がいっぱいあると思うんですよ。その中で、大切なのはやっぱり自立支援、自立をどう促していくかということではないかなと思うわけですけども。たしか生活保護法で、前、御質問させていただきました。目的は何なんですかというお話をしまして、目的の1項目は、最低限の生活保障をまずしなければならない国の義務があると、行政の義務があるということが一つです。2項目が一番私は大切だと申し上げたはずですよね。たしか自立支援という項目があるわけですよ。ということは、ちょっともう一回御参考に、こちらのブルーの方の253ページをちょっと見ていただきたいんですけど、保健福祉費という、生活保護費のところですね。成果指標のところの2番目、生活保護から自立した世帯、ずっと一緒ですよね、16、17、18、大体。今、課長がおっしゃっていた、自立をこれから目指していかなければいけないという一つの施策をなんておっしゃいながら、実際過去歴を見ますと、3年間大体これ、自立が同じ件数になってきている。そしてまた、増額、増額でこれから予算を組んでいる。こういったところに私は矛盾点がありはしないかというふうに思ったんですけど、ちょっとこの辺についてお話を。
浅野生活援護担当課長
生活保護から自立した世帯数を平成16年度123としております。実は、これは実績として123上がったものなんですが、当初はもっと低くて、100前後の目標値を立てておりました。ところが、16年度につきましては、ちょっと私どもも予想外だったんですが、非常に数値が伸びておりました。ですので、それをベースにしておりますが、この123のうち、いわゆる就労等で自立という世帯につきましては、大体年50前後なんです。これは、これまで私ども職員がいろいろな形で、被保護世帯に対する就労指導を努力していたんですが、なかなか50前後から伸びなかったんです。それが、今回の16年度につきましても同様の傾向がございます。それをどうにか打破したいということで、今年度、自立支援プログラムが国の方から導入されましたので、それを利用した。それから、来年度は新たに就労支援専門員を入れまして、さらに自立支援というものを拡大していきたいと。ただ、この123からあまりふえていないというところでは、まだ、今までの実績が50前後でしたので、それが一気に例えば倍とか、そういったところはとても、なかなかつなげられないものですから、少し段階的にということで、非常に遠慮した数字になってしまったと、そういうような次第でございます。
佐野委員
たしかにこれ、大変なことだと思うんですね。例えば、一つは生活保護費をどうとらえていくかというときに、チェックですよね。この人は本当に生活保護が必要なのかどうかという、そちらの側面からする。それから、もう一つは、その人をできるだけ早く卒業させてあげる努力をする。そういうことによって経費減に結びついてくるのではないかなと思うんです。社会的現象で、生活の困窮によって生まれてくるのは、これはやむを得ない部分がありますよ。中野区だけじゃどうしようもない面があります。それはそれとして、中野区として、それじゃあ、そういう人たちの中で、本当に厳密なチェックといいますか、確かにとらえ方が難しいですよね。その人が本当に困窮しているのかどうか、そういったものを厳密にやる。性善説と性悪説があるかもしれませんけども。私はやっぱり、チェックの場合には性善説にのっとるか、性悪説にのっとるかといいますと、性悪説にのっとってやっていかなきゃならない面もあると思うんですよ。疑ってかかると。失礼なやり方ですよ。そういったものもやっぱりしっかりと見ないと、区民のお金がかかっているわけですから。それがまず一つ大切だと。もう一つは、今言ったように、その人たちを卒業させてあげる努力をするプログラムを組んでいく。この二つの手によって、私は、毎年毎年膨らんできている、保健福祉費の約3分の1強になっている生活保護費、ここがやっぱりある程度目安が出てくるのかなというふうに思っているわけですよ。そういうことで、今おっしゃっていた、自立支援については件数はこうだけども、一挙に倍にはいかないというのはよくわかりますよ。そんなたやすいものじゃないと思います、確かに現実は。
もう一つの方のチェック面といいますか、例えば申請を出して、いろんなことがあると思いますけども、その辺についてはどういうようなシステムというか、どういうようなことを重点に置かれておやりになっているんでしょうか。
浅野生活援護担当課長
総括質疑のときに質問をいただいた法78条のケースなんですが、私どももいろんな形で、就労しているかどうかということについての確認、あるいは被保護者に対する届け出義務をきちっと説明するというふうなことは努力してきたつもりではあったんですが、正直申し上げて、ああいう数字が出てきますと、まだまだ努力が足りないなというふうに認めざるを得ないと思います。
今後、今考えておりますことは、やはり被保護者の方にもきちっと意識していただく必要があるので、収入申告あるいは無収入申告というのは、ただ単に書類を、ちょっと名前を書いて判こを押せばいいということではない。きちっとした意味があるということを、来年当初に保護費のお知らせを配るときに、一緒に、そういったものをきちっと説明したものをお配りしようかというふうに考えております。あと、今度は、各ケースワーカーが訪問した際に、やはりそこら辺のことを説明しまして、まずそういった形で不正をなるべく防いでいこうと。それから、やはり働いたらきちっと届け出るという習慣というのは、被保護者の方にもきちっと植えつけていただくとともに、私ども職員も、やはりそこら辺は、そういったチェックがきちっとできるかどうか、そこら辺についても、各個人の目標等もありますので、そういった形できちっと自分の業務を見ていくというふうな形で、両面からやらないと、なかなか職員だけの努力といいましても、訪問頻度とか、毎月全世帯を回るということは物理的に無理ですので、やはり被保護者の方にもきちっと理解をしていただく努力はこれからもさらにしなければいけないなと。そこら辺が、78条というのが出てきたときに、これはちょっと被保護者の方が、ある面、弁解で言うのかもしれませんが、収入を申告しなきゃならないと思っていなかったとかいうふうなことをおっしゃられることがあるんです。ですから、やはりそこら辺がもしかしたら、我々は説明したつもりでいても、被保護者の方にはきちっと理解できていなかった側面もあるのではないかと思っておりますので、そこら辺を来年もう少しきちっとやっていきたいなというふうに考えております。
佐野委員
今、そういうお言葉をいただいたので、ぜひ自覚の中で、特に保健福祉部の中の約3分の1強になっているんだというセクションの意識でやっていただきたいと思うんです。毎年伸びていってしまう結果、これをどうしていくかという、これも一つのポイントになると思います。それぞれのセクション、大変だと思いますよ。私、未収金だ、未収金だと、責めているわけじゃありませんよ。それと同時に、今も言っているのは、課長のところはそれだけ大きい金額を扱っているところだということであるので、ある意味じゃ大きなことを担っているわけですので、ぜひその辺の両手を使いながら、どうしていくかの対策をしっかりとお立てになってやっていただきたいと思います。お願いします。
山崎委員
路上生活者対策のところなんですが、これは補助資料でその内訳はわかるんです。それで、23区でやっている分担金がほとんどなんだろうと思いますけれど、そうなんですよね、まず。
浅野生活援護担当課長
これは平成17年度は、分担金以外に、先日、補正予算で減額補正させていただきましたホームレスの就労支援というので1,000万円計上しておりました。それとの兼ね合いで、前年度から比較しますとこれだけ減額ということで、分担金自体は若干ふえてございます。
山崎委員
わかりました。それで、これはどこに入るのかわからないんですが、いわゆる路上生活者の方々のための保護費みたいな費用なんですよね、これ。うちの小串さんも一般質問でやられたんですが、撤去をする費用なんていうのは、ここに予算の項目としては入らないんでしょうか。
浅野生活援護担当課長
私どもは、例えば、都区共同でやっていますホームレスの方を対象とした自立支援事業とか、そういった事業を行っていく場合には、こういった費用が使われていますが、実際そこにいる方についての対応で、テント小屋を撤去する経費みたいなものは入っておりません。
山崎委員
わかりました。それで、自立支援のための費用だということなんですが、これ、大阪の方だったかどうかわかりませんが、就労すると、そのための書類として、住民票の提出をしなくちゃならんと。したがって、公園に住んでいるという住民票を出してくれというのが訴訟にたしかなったような記憶があるんですが。これは所管じゃないのかなと思いますが、どこで聞いたらいいかわからないので。こういうケースが中野区にはあったのかということと、もしあった場合の判断はどうなさるのかなと。
浅野生活援護担当課長
今のところ、中野区内にいる方でそういう話が出たというのは聞いてはおりません。なかなか難しいところがありまして、私どもだけではちょっと対応がし切れないところがありますが、そういう話の中では、先ほども申し上げましたような自立支援事業等を使って、少し時間はかかりますけども、そこで就労等という形ができれば、御自分でアパートを借りるとか、そういったことも道として開けていきますので、私どもとしては、そういう正規のルートにのってくださいとお願いするような形になります。
主査
よろしいですか。
他にありませんか。
進行してよろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
主査
では、進行します。
同じページの福祉資金費です。
やながわ委員
生業資金なんですけれども、貸付件数が2件。この予算が18年度は560万円なんですが、事務費等で280万円、貸付件数の額よりも多いと。どんな事務をやるんですか。
浅野生活援護担当課長
これは生業資金単独の事務ということではなくて、福祉資金全体の事務にかかわるものを予算の組み方の便宜上、生業資金の項目に載せておる、そういう関係でございます。そこで、全体の事務ということで280万円という形になってございます。したがいまして、例えば貸し付けた後の返還金、償還事務をするためのシステムの費用ですとか、そういったものをこちらの方に含めて計上している次第でございます。
やながわ委員
だとしたら、何か書いておいた方がいいですよね。全体にわたるとか、そうじゃないと。確かに応急資金とか、さまざまありますから。わかりました。
主査
他にありませんか。
進行してよろしいですか。
〔「進行」と呼ぶ者あり〕
主査
では、進行します。
154ページから155ページ、老人保健医療制度運営費です。
進行してよろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
主査
では、進行します。
同じページです。国民健康保険事業特別会計繰出金です。
〔「進行」と呼ぶ者あり〕
主査
よろしいですか。
では、同じページで、老人保健医療特別会計繰出金です。
〔「進行」と呼ぶ者あり〕
主査
よろしいですか。
では、進みます。
156ページから157ページ、介護保険運営支援費です。
よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
主査
では、進行します。
同じページです。介護保険特別会計繰出金です。
〔「進行」と呼ぶ者あり〕
主査
よろしいですか。
では、進行します。
158ページから159ページ、保健福祉部経営費です。
〔「進行」と呼ぶ者あり〕
主査
よろしいですか。
では、同じページの企画調整費です。
〔「進行」と呼ぶ者あり〕
主査
よろしいですか。
以上で一般会計についての質疑を終わりますが、歳入の分担分も含めて質疑漏れはありませんか。
佐野委員
部長にちょっとお尋ねさせていただきます。今、303億9,100万円、保健福祉部としてお組みになりました。これは、区全体の885億3,300万円の割合からすると、構成比率がかなり高いんですけども、今回、マイナス1億2,900万円ということでお組みになりました。これは非常な努力というか、皆さんでいろいろ工夫されて、結果、社会的なこともあるでしょうけど、そういうことではないかなと私は理解しているんですけども。内訳を大体見ますと、どういうふうに努力されたかわかってきているんですけども、今後も含めて、どういうふうに保健福祉費のあり方、全体、先ほど私言いましたように、生活保護はかなり伸びていくんじゃないかと私は思っているんです。ですから、そこの部署はかなりの工夫とか努力がより要るんだなと。それから、未収金もあります。いろんなことがあります、この部としても。その辺について、減になってきたのは、保健福祉部、3年間のうちに初めてですかね。その辺も含めて、今後の方針といいますか、どういうふうにしていくのかをちょっとお聞きしたいと思います。
菅野保健福祉部長
減の要因ですけれども、去年というか、17年にちょっと組み過ぎて、大分ことし、例えば介護保険の最終補正で10億円ほど減額しておりますけども、そんなものも含めまして、伸びとしては過去にない伸びの低さに加えまして、幾つか、例えば地域支援事業ということで、ほかの会計に移ったものがあったり、そういうことで伸びが非常に低くなっております。もう一つの要因としては、お話がございましたように、例えば生活保護の伸びが少し鈍ってきています。それから、国民健康保険、それから老人保健会計、こういった医療費も実は、医療費の改定がありまして、診療報酬のマイナス改定がございました。そうしたことで伸びが低くなっていまして、そういう面では、いろいろありますが、ここずっと非常な勢いで伸びてきた扶助費関係、繰出金も含めました義務的経費の伸びが少し鈍っているかなという感じがございます。あと、もう一つ、歳入の関係で、国保の保険料、これにつきまして、毎年非常に収納率がどんどん落ちてきていまして、これがまた繰出金の増に結びついておりましたが、17年度につきましては、多分決算では収納率がよくなると思います。我々がやっていますさまざまな努力もありますし、ほかの面もあると思いますけども、やはりこういった中では、今までのような、ただ右肩上がりで非常に伸びていくというような保健福祉費の伸びというものにつきましては、少し歯どめがかかっているかなという感じがしておりまして、以前、毎年7%ずつ伸びるみたいなことを言っていましたけど、そんなことはないのではないかと。
18年度以降、今後の何年間かの展望といたしましては、伸びにつきましては今後の、例えば先ほど生活保護で出ました。国の方も制度改正をいろいろ考えておりますし、伸びにつきましては、以前ほどの高度の伸びではなく、ある程度伸びが少し弱まった形での伸びが続くのではないかというふうに考えております。我々も非常に努力しなきゃいけない面がございまして、例えば生活保護も、国がせっかくいろんな制度をつくってみても、ちゃんと我々が努力しなければ自立支援に結びつかないというのがありますし、国保の保険料につきましても、やはり努力しなければまた収納率が下がってしまうということで、我々も非常に努力した上で、適正な、必要なことは必要ですから。我々の仕事というのは、絶対に必要な人には絶対にやらなきゃいけない仕事ですから、これを無理やり下げるということはできませんので、適正な運用の中で、適正な形での予算編成をしてまいりたいと、このように考えております。
佐野委員
まさしく今、部長がおっしゃったようなことではないかなと思います。私自身も、今後どうしていくのかなというふうに思っておりました。少子・高齢化の時代を迎えます。そういう中で、高齢者がふえれば、当然保健福祉費の費用というのは増大していくんじゃないかと。今、最後に部長がおっしゃいました、適切な経費の運用というところが一番大切であり、また、一番注意しなければいけない点だなというふうに思っております。特に、何回も言うように、全体で800から900億円しか中野区はずっと予算が組めない中に来ていた。その中で、保健福祉部の費用だけはどんどん伸びてきていたということですね。この現状を考えると、今、義務的経費とおっしゃいましたけども、扶助費と人件費、そしてまた借金を返しますと、ほとんどがそれが50%近くになっていっちゃっているという現実、投資的経費に回せないという現実、そういったこともやはり庁議でもしっかり論議されていると思いますけども、そういう中で、これは私の持論ですけども、できるだけ川だとか、病院だとか学校、こういったものも直していく、道路だとか直していくべきじゃないかというふうに思っているわけですけども、パイの取り合いになるわけですから、そのパイの取り合いの中で、保健福祉部だけがどんどん伸びていってしまうという現状、これはある意味じゃイレギュラーだというふうに思います。あるべき姿に持っていかなきゃいけないと思います。そういう意味からすると、できる限りその辺の工夫を、やはり保健福祉部長を先頭に立てて、みんながそういった意識を持っていただくことが、私はこの中野区にとって大切ではないかなと思います。
別な所管になりますけど、やっぱりそれとあわせて、今度は収入の問題ですよね。さっき私、生活保護の中で言いましたけども、二つの手と言いましたけど、やはり収入も大切だと思うんですよ。800から900億円しかない中野区のこの10年間の予算をどうしてふやしていくか。これはまちづくりとか、いろんなところに影響をしてきます。そういう中で、やはり保健福祉部の担っている大きな金額は大切であろうなと思っております。
あわせて、子ども家庭部につきましても、今回減額をされましたけども、子ども家庭部も大きな金額を担っているわけですよね、140億4,200万円。これを両方で合わせますと、先ほど皆さんで話していたんですけども、444億3,200万円なんです、この所管の二つの部は。885億円に対して超えてしまうんですよね、50%。それだけ私は重要なセクションだなと思っております、両部が。したがって、今後のことも含めて、真剣に討議をしていかなきゃいけないセクションだなと思っています。今、部長のお話を聞いて、非常に心強く思いましたので。ちょっと子ども家庭部の方の、今回子ども家庭部は140億円を組まれましたけども、今回、減額をたしかされていると思うんですけども、それも含めてちょっと総体的にお願いします。
田辺子ども家庭部長
今年度は、167ページを見ていただきますと、恐縮でございますけども、3億6,000万円ほど増額させていただいております。この原因は、予算の内示の際にも御説明させていただきましたけど、指定管理者制度を導入いたしました関係上、事業費としてはふえておりますが、実質的には、人件費で比べていただければ、事業費の中には人件費が含まれませんので、総体では、人件費としてはかなり減っている。保育園2園分の人件費がなくなっておりますので、2園指定管理者制度にしましたので。そういう意味で、事業の工夫によりまして、結果としていろいろ、改革に取り組んではいるんですけども、見かけ上、予算的には膨らんでいるというようなこともございます。ですので、単年度の増減だけではなく、なるべくスリム化するということは必要だというふうに思いますけども、そうした事業全体の見直しをしていく中で、委託や民間に任せられる、あるいは効率的に済まされるところは済ますというようなこと。あるいは昨日もお答えをしましたけれども、未収金等に対して、今、委員、両方の手とおっしゃいましたけども、そうしたことも含めて、全体的にはいろいろ工夫をしてまいりたいというふうに考えております。
主査
他にありませんか。
よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
岩永委員
では、ちょっと。済みません、歳入の関係なんですが、どういうふうにお聞きしたらいいのか。一つは国との関係で、例えば三位一体改革など、そうした制度的なもの等の関係で増減がどうなっているのか、子ども家庭部と保健福祉部のところで教えてください。例えば頭割り、人数割りとかそういうことではなくて、いわゆる制度が変わった。それから、そういう制度はなくなったとか、そういうものとの関係でどうなっているのか。それから、東京都との関係で、例えば都の財政再建推進プランですか、そういう東京都と区との関係で、制度がなくなった。例えば去年、おととしでいうと、三位一体の改革で、国が保育園の補助をなくした。それによって、東京都も随伴補助をなくしたとか、そういうのがありましたね。例えばそういうことも含めて、いわゆる単に基準が変わったというよりも、制度として大きく変わることによって、増減がどうなったのかという、それも子ども家庭部と保健福祉部で教えていただきたいんです。それで、たくさんあるのかないのか、そのあたりちょっと教えてください。
合川子ども家庭部経営担当課長
大きく制度として変わったというのは、私どもは国庫支出金の関係で、次世代育成支援対策交付金という形で変わってございます。これは17年度に変わってございます。18年度につきましては、予算説明書の43ページに、次世代育成支援対策費という区分ということで5,111万円ほど計上してございます。これにつきましては、次世代育成支援対策交付金の対象となる事業が決まってございまして、この対象となる事業それぞれに、一定の条件のもとにポイントを重ねて申請をするという形になってございます。全体として5,111万円というふうになってございますけども、補助金の当時と比べますと、若干、全体の歳入としてはふえているという形になってございます。
菅野保健福祉部長
三位一体改革ですけども、一つは、養護老人ホームの措置費、これにつきまして、補助金が廃止になりました。これの影響額は、1億5,000万円ぐらい、たしかあったと思います。それから、三位一体改革の関連でいきますと、緊急通報体制整備等補助とか、それから、細かいところで寝具乾燥サービス補助、そんなものが廃止になっております。あと、国保の事務費につきましても、三位一体改革の関係で廃止になっておりますし、あと、国保のいわゆる補助金の関係で、国の財源から都に財源が移譲されまして、国の補助金が都の補助金に変わったというものもございます。そのぐらいですね。
岩永委員
そうしますと、子ども家庭部関係では、先ほど紹介があった次世代育成支援対策の関係ということですね。あと、保健福祉部が、今、幾つかの事業の御紹介をいただきました。
それで、例えば、後で相談をしていただければと思うんですが、保健福祉部関係で、今、紹介をしていただいたものも含めて、例えばあしたまでに、増減がどうなっているかという何か一覧表のようなものをつくっていただくことはできるでしょうか。
菅野保健福祉部長
つくれます。
岩永委員
ということですので、できましたら、歳入の関係の増減、どういうふうになっているのかということを少し知りたいので、その資料をあしたまでに出していただけるということなので、ぜひ委員会で検討していただければと思うんですが。
副主査
では、休憩をいたします。
(午後2時24分)
副主査
分科会を再開いたします。
(午後2時25分)
主査
では、休憩中に御協議していただきましたけども、資料は、要求しないということになりました。
他にございませんか。
〔「ちょっと済みません。休憩していただけませんか」と呼ぶ者あり〕
主査
休憩します。
(午後2時25分)
主査
再開をさせていただきます。
(午後2時31分)
それでは、全体を通して、他になければ、一般会計の分担分についての質疑を終わりたいと思いますが、よろしいでしょうか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
主査
では、次に、国民健康保険事業特別会計の分担分について、これは歳入も歳出も一括して質疑を行います。247ページから309ページになります。ただし、276ページから277ページの人件費と296ページから305ページの給与費明細書は除きます。それ以外のところで質疑をお願いいたします。
山崎委員
一般会計の方と連動を実はするんですが、国民健康保険繰出金、こちら側の項目になると繰入金になるのかな。お互いにそういう関係になるんだろうと思います。先ほどのすべての質問というところでお聞きをしたいとは思ったんですが、これ、約30億円、その他の繰出金という形で一般会計から繰り出されて、繰り入れる側の国民健康保険は、これはその30億円を含めて47億円ほど繰り入れられていると、こういう仕組みなんですが。おおむねは、補助資料を見ますと、一般会計からの繰入金、その他の繰出金の項目の29億何千万円というところになるんだろうと思うんですが、まず、それが間違っていないだろうかということと、それから、これは約2,300万円減になっているんですが、この理由をお聞かせいただきたいというのが第2点目。
それから、一遍に質問してしまいますが、要はやっぱり収納率の問題がこれは大きく反映して、繰入金を繰り入れていくと、こういう仕組みになっているのだろうと、こう思いますが、依然として一般会計から約30億円の繰り入れをしないと、国保の特別会計がやっていけないと、こういう状況をどう見るか、どう対応していくか。短期あるいは中長期にわたっての対応ということで、できるだけ二つに分けた対応をお聞かせいただきたい。
奥山保険医療担当参事
まず、一般会計の繰出金と国保会計の繰入金、この関係ですが、御質問のとおりイコールの金額で、一般会計から繰り出している金額がそのまま国保会計に繰り入れている金額でございます。ただ、この繰入金のうちのその他繰入金でございますが、まず、その他繰入金というのがどういう内容なのかというようなことから申し上げたいと思います。このその他繰入金と申しますのは、いわゆる三つぐらい要因がございまして、まず一つには、国民健康保険会計と申しますのは、財源としまして、御案内のとおり、保険料で2分の1、公費負担2分の1。公費負担は基本的には国庫金というようなことで、昨年、三位一体改革で東京都の負担も割合が変わりましたが、基本的には公費負担2分の1でございます。その2分の1の公費負担のうち、いわゆる医療費に係る2分の1の公費負担すべきところの金額について、2分の1、国庫または都費から来ていないという実態がございます。
これはなぜこういうことが生じてしまうのかと申しますと、国民健康保険の内訳としまして、全体を100%としますと、そのうちの40%を定率交付してございます。残りの10%についてなんですが、この残りの10%については、調整交付金という形で、保険者間のアンバランスを一定程度、全国的な規模でならしていくというような趣旨の交付金の性格を持たせた制度にしてございます。ですから、その10%見合いの部分について、いわゆる富裕団体と仕切られている23区については、ほとんど実態として、入ってこないという状況がございます。そこの部分で、財源として不足する額が生じます。
それと、もう一つの要因としましては、保険料の方でございます。この保険料2分の1につきましては、基本的には保険料を料率賦課しまして、それで、被保険者からいただいて成立するという仕組みなわけでございますが、このところの中で、一つは、本来保険料に算入すべき費目のうち、23区の統一保険料方式の中では、高額療養費の部分は政策的に保険料に入れてございません。ですから、その分、ほかの都市から比べれば、保険料が安くなっているということになっているわけでございます。
もう一つは、おっしゃられていますような保険料の収納率、この実際の保険料を賦課しているものについて、収納が100%に満たないということで、その差が生じます。その部分が不足額ということで生じてまいります。
大きくいいますとその三つぐらいの要因が、このその他繰入金の中の大きな要因のところでございます。ただ、この財源不足につきましては、すべて中野区の一般会計からの繰り入れで賄ってございますが、都区財調の算定項目として、今申し上げたような、保険料だとか、国庫金の不足額だとか、そういったものについて、財調の一定の算式に基づきまして、決算の数字で交付されるということがありまして、2年間のタイムラグがありますけど、そういった都区財調で算定されているという状況がございます。
ですから、実質的に、中野区のこのうち純粋な一般財源を幾ら充てているのかということの御質問かと思うんですが、それについては、計算式がいろいろ複雑で、大体私どもとしては五、六億円程度が、中野区の自主財源を充てている部分というようなことで試算をしているところでございます。
あと、2,300万円の減額になっているというお話でございます。これにつきましては、先ほど申し上げたような、調整交付金の仕組みだとか、いろいろ変更になっている部分とかがございまして、一部東京都の方に三位一体改革で、東京都の財政調整交付金の制度ができました。国の制度のときよりは、東京都の方に移ったことによって、その分、歳入が少し多くなるとか、そんな要素もございまして。そういったこともございまして、ちょっと、全体から比べれば小さな額ですが、全体の中で2,300万円ほど、減額になっているという状況でございます。
山崎委員
元来の制度、今言った公費が半分と、保険料という形で半分という基本的な枠の中ではなくて、高額療養費というのは別建てでしていると。今の御答弁を聞きますと、10%入ってこない分は相殺して少し勘弁しろと、こういうような理由を言われてしまうような結果にもなりはしないかなという、言いわけを言われかねない制度設計になっているのかなという思いで聞かせていただきましたので、しっかりその辺は計算をして、将来にわたって高額療養費という現実の費用を、この枠の中で見ると。しかし、しっかりと、決められた半分半分というものを払ってくださいというような交渉に持っていったらどうかなと、素人考えでそう思いましたので、そうしたことが可能ならお願いをしたいなと思います。
それから、財調で算定をされているからというお話なんですが、私は、おっしゃる意味はわかるんですが、財調、約300億円近くの真水で来るわけですよ。これ、お金としては、色はついていないんです。したがって、5億円、6億円の中野区の影響額というお話ではあっても、うまく運用すれば、その分使えるお金がふえるというわけですから、財調で算定項目になっているのだからという、私の聞き方があまりうまくなかったから、そういうお答えをしたんだろうけれども、いつも私はここだけじゃなくて、財調で面倒を見てくれるんだからというようなお話を伺うと、どうしてもその考え方に対して一言、今のようなお話をしたくなるんです。当然の割合をもらっているわけで、それを、面倒を見てもらっているんだからというような考え方は、できるだけ理事者の皆さんは捨ててもらいたいなと思いますが、反論があればどうぞ。
奥山保険医療担当参事
財調の部分と申しますのは、ちょっと政策的な部分だとか、あとは、いわゆる東京都として上乗せ的な部分をやっている部分だとか、そういった財源なんかについての部分があるわけでございますが、おっしゃるとおり、財調のお金には色がついていないわけでございますので。特に保険料の収納率、これについては、保険者として最大限努力するという、これは求められているわけでございます。ですから、そういった部分については、保険者としてできるところについては最大限努力していって、確保していく。また、制度的なものについては、国などへ制度改正の働きかけとか、そういった、医療制度改革なんかのきっかけを通じてそういった働きかけ、今でもやってございますが、そういった制度的な問題については、そういった働きかけをしていくと。そういった両方の対応策を、当然保険者としてできることはやった上で、そういったこともやっていきたいというふうに考えてございます。
山崎委員
最後にしますけれども。私、これ、最終的には本会議で、一般会計からずらっと特別会計まで採決になるんですよね、議会側が皆さんの提案を受けて。いつも思うんですが、一般会計にある意味で反対をなさっている人たちがいるんですよね。それはそれなりに理由があって、議員の採決ですから、それなりの重みもあると思うんですが。一般会計に反対をされて、国民健康保険には賛成をされる方がいるんですよね。今のお話しだと、大きく財政的に連動している仕組みになっているんです。会計の仕組みそのものがそういう形になっているのにもかかわらず。賛成・反対の部分で皆さんは答弁しにくいんだろうけれど、とても私は不思議だなといつも思うんですよ。国民健康保険の方は賛成をされると。賛成をされた中の繰入金になるわけかな、項目としては。これについては、一般会計の繰出金と連動しているということで、不思議に思うんですが、何かコメントありますか。
奥山保険医療担当参事
国民健康保険特別会計は、やはり一般会計からの繰入金、これは47億円という大きな、多額の繰り入れをしているわけでございます。これがないと、やはり国保財政はもたないという仕組みでございます。ですから、やはり一般会計の繰入金をしていただいた上で、国保会計の健全な運営を進めていくと、これが国保の特別会計の趣旨でございますので、そういった御理解を願えればと思ってございます。
やながわ委員
出産育児一時金についてちょっとお伺いしたいんですが。今回、前年度から考えると2,100万円減額しているわけですね。これはどういう見込みでそうしたんでしょうか。
奥山保険医療担当参事
出産育児一時金の予算でございますが、これは現在の出産育児一時金の給付状況、それを見まして、それで、ここのところ出産件数は減少傾向にあるということがありまして、現状に合わせた数字で編成したということでございます。
やながわ委員
大変、子育て支援あるいは少子化対策の方向としては逆行していくような、多分下がるだろう、予算見合いもこのくらいじゃないかという、これだけ聞くと、中野区は本当に後ろ向きなのかなという気さえ起こしてしまうような、確かに実績数としては年々下がっているし、その結果、0.75ということなんだと思います。今回質問にはしなかったんですけれども、国の方としても30万円から35万円に引き上げると。23区はもうとっくに35万円を支給しているわけなんですが、この辺で、これは国保会計で、出産育児一時金という名目はここから出ているわけなんですけれども、私は、子育て支援という立場では、この辺、大変重要なところにある一時金の支給だと思っているんですが、経過だけでそういうふうに言ってしまうと、確かに年々下がっていっていくんだけれど、これをやっぱり何とか下げないで持っていかれるような、あるいは子育て支援の一つの対策として考えられないのかどうか。この辺はいつも思うんですが、国保の担当としてどういうふうに感じていらっしゃるのか、ちょっとお聞かせください。
奥山保険医療担当参事
出産育児一時金につきましては、国保の給付として、議会からもいろいろこれまでご意見をいただいて、 今年度から貸付制度も成立しまして、できるだけ御利用いただきやすい仕組みというものをつくってきております。保険給付額につきましては、一つには、これは財源が一般会計からの繰入金で対応している事業でございます。それと、この出産育児一時金など国保の給付については、23区の共通基準と申しまして、給付水準を23区合わせて対応していくというようなことで、共通基準を設けてございまして、これについて、区長会において、現行の据え置きというようなことが申し合わされてございます。そのようなこともあって、中野区の国保としましても、国保の給付額については、現行どおりにするということにしてございます。いろいろな議論の過程では、国保の出産育児一時金の見直しということも議論されましたが、やはりこの出産育児については、国保加入者だけということではなくて、一般施策としてのさまざまな施策の中での位置付けというものが当然出てくるといった意見が多数を占めたということで、国保の事業の中では、現行の額で継続するということになったものでございます。
やながわ委員
いわゆる繰入金なんだけれど、毎年毎年実績件数は少なくなっている。確かに少子化なので、490件。来年度はどうなるかわかりませんけれど、いろいろ今、参事に、出産育児一時金の貸し付けとか、提案させていただいていますので、そういう形で、少しでも子育て支援に寄与していただいているわけですよ。中野区では、給付金を退院時に間に合うようにといって、入院している間にいただけるようになった。これは大変喜ばれている。また、貸し付けにしても、8割だか9割、お金を1カ月前ぐらいから準備金として借りられる。やっぱり子どもを産むという、国保加入者だけだからというんじゃなくて、中野はそういう一つの制度をいかに最大限子育て支援として提供していくかという、この努力がやっぱり出生率も上げていくだろうし、子育て支援に、どこの分野であれ頑張っているという、これは発信していくわけですね。今の参事の話というのは、それはもうよくわかっているんです。だけど、その中で、減額するのだとしたらば、何かできる方法は、産んでいこうと、あるいは2人目も頑張ろうかなという、そういう方々に少しでもバックアップしていくような。やっぱりここに、出産育児一時金という、こういう項目がある以上、やっぱりここは子育て支援という、常に施策とそれは連動していただきたいなと思っております。今まで一生懸命いろいろやっていただいたことに対しては感謝していますが、今回、二千数百万円という減額に対して、何かほかに寄与できたのではないかなという気持ちがあって、今こういう質問をしているわけで、そのことに対して参事はどういうふうに思っていらっしゃるのか、明快に御答弁ください。
菅野保健福祉部長
参事の言っていることのとおりなんですけども、もう少し言わせていただきますと、国民健康保険制度につきましては、23区統一基準でやっています。これは、23区は一体であるということから、区によって保険料が違ったり、給付水準が違ったりするとまずいということからです。法的には、それぞれで自治体でやっていいんですけど、23区の場合は一緒にやろうということで、全部毎年、区長会で協議いたしまして、ことしは出産一時金は35万円で統一しておりますので、これを破るわけにはいかないんですよ。これをもしここで中野区だけが破っちゃいますと、国保制度自体が成り立たなくなる。つまり先ほど言いましたように、財調で措置されているということは、これは23区が一緒だから財調で措置できるんです。これをもしどこかの区が破っちゃうと、都としては、こんなものは財調に入れないぞということで、300億円削ってくるんですよ。したがって、これは申しわけないけれども、出産一時金につきましては、35万円は守らなきゃいけないので、これは御勘弁いただきたいと。
ただ、港区でしたか、40万円出すとかいう、ございます。(「中央区」と呼ぶ者あり)中央区でしたか。これは一般会計、つまり一般施策としてやるということで、国保以外で、うちでいえば子ども家庭部で、何かそういうような施策をつくるということにつきましては、これは可能性はあると思いますので、そのようなことになると思います。
やながわ委員
私は単純な考え方で、中央区なんかもやっぱり上限を決めて、50万円までかかった分だけお支払いします。それは一般会計の方の子育て支援という施策で対応していると。これはよくわかります。ですので、こっちがそういう、2,000万円減額しているわけだから、だったら、そういう減額する予定を何か施策に結びつけられないのかというね。同じ所管なんだし、そういう意味でね。来年度やるというんじゃなくても、何かこういう、一つのことを連動していって、子育て支援の施策に。将来的には出産費を無料にしていくというような、今はそういう発想が出ているわけで、ぜひそういった意味で。確かに枠組みだとか、ルールだとか、言われれば、ふうん、そうなんだと、私なんか素直ですから、理解しちゃいますけれど、それはそれとして、何か工夫して、将来的には。ただ、まだ私は、出産費無料というのは、これはいろんな議論があるだろうから、こうだというふうには言い切れないんですけれども、何とか、産むことに対する支援が拡大できないものなのかと思っております。将来的な検討をどう考えるか、子ども家庭部長、お聞きします。
田辺子ども家庭部長
出産の段階でなくて、妊娠する、あるいは今、とても結婚する人たちもすごく少なくなっている状況もありますから、社会全体で考えていかなきゃいけない問題ではありますが、いろいろな、保険の制度ですとか、それから、社会保障の制度なども私たちも見渡しながら、なるべく安心して産む環境をつくっていくということは、これからも本当に真剣に考えていかなきゃいけないと思っています。
主査
他にありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
主査
よろしいですか。
では、以上で国保会計の分担分についての質疑を終わります。
では、続きまして、311から331ページにかけて、老人保健医療特別会計について一括して質疑を行います。
〔「進行」と呼ぶ者あり〕
主査
よろしいですか。
では、質疑がありませんので、老健会計についての質疑を終わります。
では、続きまして、333ページから395ページにかけて、介護保険特別会計分担分について一括して質疑を行います。
なお、364ページと365ページの人件費、それから、382ページから391ページの給与費明細書は除きます。
近藤委員
介護保険で、地域支援事業というか、地域密着型事業というのが始まりますよね。それで、介護予防の考え方について私は納得していますし、地域で密着してこういうふうにやっていくということもわかるんですけれども、介護保険のお金からこういった地域でやっていくこと、例えば事務費的なものが発生して、例えば「銀のしおり」作成とか、そういったものの、直接今までは一般会計でやっていたようなものが、かなりこっちの地域密着事業に入っているような、私はちょっと漠然と申し上げているから、違っていたらあれなんですけれど、事務費的なことがかなり介護の給付費から出ているという考え方になっているんじゃないかと思うんですよ。それで、それが介護保険をより圧迫する形にならないか、ちょっと心配なんですけれども、その辺はいかがですか。
藤井介護保険担当課長
御指摘のとおり、今年度までは、介護保険の給付については、実際の介護保険の給付、認定された方の御利用になる分についての扶助費的なものにしか使われていませんでした。これが来年度から、地域支援事業としては、今まで高齢福祉あるいは高齢保健の事業で実施していた内容が幾つか入ってきますので、一見すると事務費的なものが入ってくるという状態です。ただ、これにつきましては、介護予防を中心とした地域支援事業を行うことによって、将来の介護保険の給付を抑制するという効果が期待されていますので、一時的には確かに、委員御指摘のとおり、地域支援事業の事業実施分の費用が負担にはなるわけですけれども、10年、20年という長期的な介護保険財政というものを考えた場合には、将来的な抑止効果ということで、バランスがとれるのではないかというふうに期待しています。
近藤委員
私はやっぱり、介護の直接のお金が減っていってしまうということに大変心配だったんです。10年、20年を考えているとしたら、こういうやり方しかないのかなと思うんですけれども。四、五年先というところを、どう考えていくかということをきちっとしていかないといけないかということもあります。本当に地域支援としてお金が出ていますけれど、そこのところはやっぱり大切な使い方をしていかないと、これから介護保険料が上がっていく形になってしまうと思うので、気をつけながらやっていかないといけないなと思います。いかがですか。
藤井介護保険担当課長
地域支援事業の用途につきましては、保険料だけではなくて、国や都の税金等も入った公費負担、やはり半分以上は公費が入るということで、全国的に一定の水準に保つ必要があるというふうに認識しています。そのために、地域支援事業として使っていい範囲というものについても、かなり限定的な部分があると。それと同時に、地域支援事業について、行政が勝手に実施するということではなくて、事業計画をつくる中で、区民の意見も取り入れながら、また、学識経験者等の意見も取り入れながら、具体的にどういうふうな事業に財源を充てていくのかということを検討しています。今後、実際に実施した後は、地域支援事業の効果についても定期的に評価をして、もし効果のない事業があった場合には、それについて取りやめる、あるいは事業の実施方法について再検討するというふうな形で、やはり長期的に効果のある事業を継続的にやっていきたいというふうに考えています。
近藤委員
今のお言葉を聞いて、本当に効果のないことに使っていってしまったら、介護保険が成り立たなくなってしまうと思うので、ぜひ効果の検証をよろしくお願いいたします。
主査
他に御質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
主査
よろしいですか。
では、なければ、以上で介護保険会計分担分についての質疑を終わります。
以上で厚生分科会分担分についての質疑は終了することになりますが、委員の皆さんのところで質疑漏れはありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
主査
よろしいですか。
では、以上で、第4号議案、第6号議案、第7号議案及び第8号議案の当分科会分担分の質疑をすべて終結したいと思います。よろしいでしょうか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
主査
では、御異議ありませんので、第4号議案、第6号議案、第7号議案及び第8号議案の当分科会分担分の質疑をすべて終結いたします。
次に、意見についてです。
意見がある場合は、あす3月8日正午までに、議案名、会派名を明記して、文書で事務局まで提出するようにお願いをいたします。よろしいでしょうか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
主査
では、次回の厚生分科会は、あす3月8日(水曜日)午後1時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。
以上で本日予定していた日程は終了いたしますけれども、何かありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
主査
では、以上で本日の厚生分科会を散会いたします。
(午後3時08分)