平成16年11月30日中野区議会厚生委員会(第4回定例会)
平成16年11月30日中野区議会厚生委員会(第4回定例会)の会議録
平成16年11月30日厚生委員会 中野区議会厚生委員会〔平成16年11月30日〕

厚生委員会会議記録

○開会日 平成16年11月30日

○場所  中野区議会第3委員会室

○開会  午後1時03分

○閉会  午後4時24分

○出席委員(8名)
 かせ 次郎委員長
 北原 奉昭副委員長
 酒井 たくや委員
 近藤 さえ子委員
 やながわ 妙子委員
 若林 ふくぞう委員
 江口 済三郎委員
 昆 まさ子委員

○欠席委員(0名)

○出席説明員
 子ども家庭部長 柳澤 一平
 子ども家庭部経営担当課長 竹内 沖司
 (男女平等担当課長)
 子育て支援担当課長 新井 一成
 子ども健康担当課長 大久保 仁恵
 保育サービス担当課長 榎本 良男
 子ども育成担当課長 小平 基晴
 保健福祉部長 菅野 泰一
 保健所長 清水 裕幸
 (保険予防担当参事、結核予防担当参事)
 保健福祉部経営担当課長 寺嶋 誠一郎
 (保健福祉担当課長)
 衛生環境担当課長 遠藤 由紀夫
 (生活衛生担当課長)
 健康づくり担当課長 今 恵里
 中部保健福祉センター所長 瀬田 敏幸
 (北部保健福祉センター所長)
 南部保健福祉センター所長 佐々木 美枝子
 鷺宮保健福祉センター所長 石崎 泰江
 高齢福祉担当課長 冨永 清
 障害福祉担当課長 田中 政之
 生活援護担当課長 浅野 昭
 保険医療担当課長 奥山 功
 介護保険担当課長 藤井 康弘

○事務局職員
 書記 巣山 和孝
 書記 杉本 兼太郎

○委員長署名


○審査日程
陳情
〔新規付託分〕
   第54号陳情 混合診療の解禁に反対する意見書の提出について
   第57号陳情 安心して受けられる「成人健診」制度の存続をもとめることについて
〔継続審査分〕
   第41号陳情 介護保険制度の拡充をはかることについて

委員長
 定足数に達しましたので、ただいまから厚生委員会を開会いたします。

(午後1時03分)

 それでは、今定例会における審査日程について協議をいただくため、委員会を暫時休憩いたします。

(午後1時03分)

委員長
 それでは、委員会を再開いたします。

(午後1時04分)

 それでは、本定例会における委員会の審査日程についてお諮りいたします。
 本定例会では、常任委員会の日程が3日間設けられております。本委員会については、お手元に配付の審査日程(案)(資料1)のとおり審査すべき案件がございます。そこで、3日間の割り振りについてですが、本日は陳情3件の審査、2日目は所管事項の報告をできるところまで行い、すべて終了すれば2日目で終了しますが、もし所管事項の報告が残った場合には、3日目に残った報告以下を行いたいと思いますが、これに御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように進めさせていただきます。
 なお、審査に当たりましては、3時ごろの切りのいいところで休憩を入れ、5時を目途に進めたいと思いますので、ご協力をよろしくお願いします。
 それでは、そのように進めさせていただきます。
 まず初めに、陳情の審査を行います。第54号陳情、混合診療の解禁に反対する意見書の提出についてを議題に供します。本陳情は新規付託でございますので、書記に朗読させます。

〔陳情文書表朗読〕

委員長
 陳情者から補足説明をしたい旨の申し出がございます。委員会を休憩して、陳情者から補足資料(参考)を受け、補足説明を受けたいと思いますが、御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後1時08分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後1時26分)

 これより本件に対する質疑を行います。質疑はございますか。
若林委員
 こういうものは、素人だから余りわからないものがあるんですけれども、例えばお医者さんに行く、お医者さんに行って胃潰瘍だよと診断されたとする。そうすると、先生が、入院して少し長く治療しなさいという場合と、いや、いい薬がありますからね、アメリカ製ですよと、これを半年飲めば入院しなくても済むよと、こういうことを言われたとする。そうすると、いい薬があるよ、半年間というのが自由診療という意味ですか。どうですか。
今健康づくり担当課長
 それも薬の範囲によるかと思います。というのは、今の保険制度の中で適用される薬でしたらば、薬も含めて医療保険の範囲でやりますけれども、本当に安全性の確認等々の問題もありまして、まだ確認されていない、保険制度の適用になっていないという場合ですと、それを取り上げた場合には自由診療という形になって、通常の保険でかかれる部分についても、全部自己負担という形になろうかと思います。
若林委員
 それはそうだと思うんですけれども、例えば、そうであったとする、自由診療、その判断はお医者さんがするわけですよね。
今健康づくり担当課長
 そうしたものも含めまして、診療点数ということで、保険制度の中でシステム化されてございますので、それに該当するかしないかということになろうかと思います。
若林委員
 それでは、こういう質問で、例えば1カ月入院するよと、今言ったように自由診療になるだろうと思われる薬を飲んで半月で治ると、そういうふうになると、我々の方とすると、入院した方がいいのか、あるいは半年で少し高い薬を飲んでいいのかというのは、個人が判断する。しかし、それをどっちにさせようかと考えるのは医師なのか。医師だと思うんですよ。医師の判断というのは、今度の混合診療の中に入っているわけですか。
今健康づくり担当課長
 今回の混合診療に関しましては、患者の選択の機会を拡大するということが一つ言われております。例えば、委員のおっしゃったようなケースの場合に、私はお金がかかっても期間的に短い方がいいから自由診療で全部やるとか、もしくは今の公的な医療制度の中でやっていくという選択は、医師の説明を受けながら患者自身が行うことになります。それが、今の制度の中でもそうですけれども、今度、混合診療が解禁になった場合には、一定の保険診療をベースにしながら、そこからはみ出す部分をどうするかということで、医師の説明に基づく患者の判断と言われております。
若林委員
 説明を陳情者から聞いていると、今の課長の答弁と陳情者の方の説明とは若干違うんだな。どうも、混合診療になればお医者さんがお医者さんの考えで混合診療になるんだと思うんですけれども、その辺はどうですか。
今健康づくり担当課長
 最終的な判断は、もちろん患者自身だと思います。これはドクターであっても説明責任が伴いますから、そこの説明を各医療機関でどれだけきちんとできるのかということも問われてくるのではないかと思います。解禁のメリットとして言われていることは、そういう意味でいろいろな情報をもって、いろいろな機会が提供できる、医者自身が、そのことによって医療の質、全体の向上にもつながるのではないかというような言い方はされております。
若林委員
 保険で全部処理ができれば、行政の方も保険料というものが出てくるわけですね。混合診療になったときに、自治体の方の保険の支払いというものはどんなふうになるんですか。
今健康づくり担当課長
 保険制度全体の問題にかかわってくると思いますが、今のところ、原則的には保険診療と全く保険以外でやるか、どっちかの選択となってきます。全体として、そういう中で保険診療が日本全体の中ではベースになっておりますので、公的な医療費の問題というのが非常に大きな課題になっていることも事実でございます。一部、混合診療を解禁することによって、患者の負担というものを、選択的にではあっても、かなり門戸を広げるという考え方の中で、公的な医療費の問題そのものを抑制していこうという考え方があると聞いております。
昆委員
 混合診療の解禁に反対する意見書を国会及び政府に提出してくださいという陳情が初めて議会の方に出されているんですが、先ほどどなたか委員の方がおっしゃっているように、随分長いこと、この議論を政府と審議会といいますか、規制改革・民間開放推進会議というのが設置されて、いろいろな議論をされてきているという経過があります。ただ、なかなか区民の皆さん方にも、混合診療という言葉でお話ししても、まだまだ混合診療って一体何なのということで、わからない、そういう状況がありますね。ここのところ、先ほども新聞、マスコミの報道、記事のことが言われておりますが、私もこの場にその記事は持ってきております。マスコミでも、ここのところ、11月に入ってからだけでも、いろいろな角度からの記事の掲載、または社説等で挙げられておりますが、混合診療という言葉の定義が、今までの日本の医療の中にこういう言葉というのがあったのかということを考えますと、ないんですね。例えば、日本医師会医療政策会議というのが15年3月に出している混合診療についての見解というのがあるんですけれども、これを見てみましても、例えば健康保険法等の関係法令において、混合診療という文言は使用されていないと言われているんですよね。混合診療の持つ意味の医療のあり方というものが、こういうもので行われるとしたら、一体どういうふうになっていくのか、そもそも論から語らないとなかなかわからないと思うんですが、ただ、混合診療の問題について、いろいろな角度のものを読ませていただきますと、医療保障に対する将来ビジョンというものに大きく影響を与えるような、日本の医療のあり方、それから患者の立場でいえば、健康保険等、医療保険のあり方、負担のあり方というものに関係する、非常に深い意味を持つし、また幅広い議論と深い議論が必要なものと私は受けとめているんですけれども、その点については、区の担当する部、直接ということではないんですが、今議論されているのを情報として得たときに、どのように感じているのか、まずその辺からお聞きしたいと思います。
今健康づくり担当課長
 私の考え方を述べる立場には、この件に関してはございませんが、混合診療そのものの定義ですけれども、やはりこれは保険診療と保険外診療が混在する、混在できる仕組みをつくっていくという部分が混合診療という言葉になっているかと思います。今は原則、それは別のものだよと、保険診療と保険外診療は別のものとして扱うという考え方の中で、保険外診療を取り入れた場合には、もう全体を保険外診療という位置付けをするという仕組みになっているかと思います。それに対して、保険診療の場合には、国民にとって最低限必要だと考えられる、よりよい医療そのものを安全に提供していく、だれに対してでも、というような考え方の中で今の保険診療の仕組みが整えられているものという基本的な認識はもってございます。ただ、これからのあり方に関しましては、今そこが論議を呼んでいると思いますけれども、本当に国民医療費の問題等々も含めまして、それから新しい医療をどうやって国民が手にすることができるのかということも含めて、かなり根本的な幅広い論議が必要だと指摘されているものと考えております。そういうことを含めてマスコミ紙上も非常ににぎわわすような論議が展開されていると思っておりまして、その論議は必要だと認識しております。
昆委員
 患者の立場からいきまして、選択は患者がみずから行うもので、保険内で治療を受けるのか、または保険外の治療を受けるのか、それは患者の選択の領域だとお話をされていますけれども、しかしいろいろな角度から見ますと、患者さんが、例えばがん等の非常に重い病気を患ったときに、自分の病気を直すための治療が、どういう治療が一番ベターなのか、専門的な知識を駆使した形で治療していただかないと、なかなか素人の判断、または患者の立場だけでは判断できないと思うんですよね。そのときに経済的な負担ができる方は、保険外の高度の治療を望むという方も確かにいらっしゃるかもしれない。しかし、逆に経済的に、非常にそれまでの治療等にも相当の経費がかかるわけですから、そういうことを含めますと、自分で治療に必要な医療の判断をとてもできないという場合がございますよね。そういうものを考えたときに、端的にいえば、お金がなければ高度の医療は保険外医療としてしか受けられない、そういう考え方につながるものになるのかなと私は思うんですが、その点はどんなふうに考えていったらいいんでしょうか。
今健康づくり担当課長
 患者が判断するといいましても、その辺の情報をどれだけ患者が持てるのかという課題は確かにございます。しかも、各医療機関がどれだけ適切にその情報を患者に提供できるのかという意味では、医療機関そのものの、こういう言い方は少しきついかもしれませんけれども、質というのが問われているという指摘がございます。他方、例えば今の保険診療外のものを受けようと考えたときに、今ですと全額、保険診療の分も含めて患者が自己負担しなければならないけれども、混合診療が認められれば、そのうちの保険診療に該当する部分は保険診療で受けて、それ以外の部分を自由診療ということで自己負担で行うという選択ができるというメリットも片方では言われております。ただ、それが将来的にどういう仕組みにつながっていくのかという部分については、意見も二つに分かれておりまして、そういうふうにしていったときに、どんどんと格差が生まれていくのではないかという考え方も、委員の御指摘のように言われているところかと思っております。
昆委員
 日本医師会医療政策会議の文章を読ませていただきますと、いろいろと書かれているんですよ。ただ、その中で混合診療の影響というのがあるんですね。これを見ますと、公的保険と私的保険ということで書かれているんですが、医療が生命や健康に直結するものである以上、需要者である患者は費用を負担し得る限り、技術進歩と高い質を望む、供給者である医療提供者も、費用削減より新しい技術を用いたより高いレベルの医療を実行しようとする、これらの需要行動を前提とすれば、混合診療の容認によって患者負担割合が増大したとしても、端的な効果を除けば、長期的に医療需要が縮小するとは考えにくいと言っているんですね。この場合、公的医療保険の給付が総体的に小さくなり、患者負担が増大すれば、所得に余裕のある需要者は私的保険を通じた保障を求める行動をとることが予想される。しかしながら、皆保険を前提とした公的医療保険と営利を前提とした私的保険では、制度の基本的前提が異なる。一般的には、現に傷病に罹患しているものや傷病に対する高いリスクを持つものに対しては、私的保険は加入制度を厳しく設定するか、高い保険料を課す可能性が高い、つまり真に医療を必要とする状況にあるものが保険に加入しにくい状態に置かれるということで、ここが公的医療保険と私的医療保険との根本的な差異となり、私的医療保険は公的医療保険の代替とはなりにくいところであるということで、保険等の違いがどうなるのかということに触れている部分なんですが、こういうものの考え方も示されている中で、こういう制度が入ったときに中野区民にとっても非常に重要なことになるんですが、そういう状況等はどんなふうに得られているんでしょうか。
今健康づくり担当課長
 年内に結論を出す方向で首相が指示をしているということで聞いております。それに伴いまして、今、規制改革・民間開放推進会議の方でも、こういう形で着地をしていったらどうかという提案、それから逆に中医協の方でも、ある程度を取り入れながら、どうやって安全性を確保していくのかということ、両方で模索をしているという段階と認識しております。そうした推移を見ながら、その根底にある国民医療費の問題ですとか、制度の問題等々についても、それぞれの立場から考えていくことが必要だと思ってございます。
昆委員
 いろいろなものが出されているので、これは11月23日の朝日新聞に載っている記事なんですね。ここに李啓充元ハーバード大助教授の方がインタビュー形式で、そのインタビューの内容を朝日が掲載しているんですけれども、そこのところで、こういうふうな考え方かと思ったのがあるんですが、例えば混合診療が解禁されたからどうなるかということが聞かれているんですね、この方が答えているんですね。解禁は患者の選択肢を広げますかと聞かれたことに対して、すべての患者の選択肢が広がるわけではありません。自由診療分のお金を払える人だけに選択が許されるのです。混合診療は税と保険料で支えられる公的医療保険という土台に乗る形で、経済力のある人だけが高価な新薬や先進医療の恩恵を受けられるという不公平をもたらしますとお答えになっているんですね。ほかに問題はということで聞かれて、保険診療では薬価は厚労省が決めるので不合理なまでに高価にはなりません。混合診療が認められれば製薬会社は未承認薬を希望価格で販売できます。費用をかけてまで日本で臨床試験をして承認を取ろうとしなくなって、保険診療が空洞化しかねません。科学的根拠がないのに患者を引き込むという治療が保険制度にただ乗りするおそれがありますというふうに答えているんですけれども、その辺の考え方というのは、どう考えますかね。私は、ああ、本当にそうなるんじゃないのかなと思うんですが、大変難しい問題で済みません。
今健康づくり担当課長
 考え方という点につきましては、申し上げる立場にはございませんので、考え方ということではなくて、今御指摘のような意見も確かにいろいろと指摘されている。その中で、当面、保険診療が自由診療と併用されることによって、全部が自己負担にならなくても済むメリットをとっていくのか、それともやはり将来的なその辺の課題も含めて、さらに検討していくのかというところでの議論がさまざまあると承知しております。
江口委員
 まるっきりわからないので、本当に初歩的な質問で申しわけないんですけれども、混合診療が制度的なものになると、保険料というのは上がるんですか。
今健康づくり担当課長
 そこまではわかりかねます。それは医療全体の動向の問題になろうかと思いますので、予測が難しいかと思います。
江口委員
 それではもう一つ、本当に区民の素人的な立場で、お医者さんに行きますよね、今でも、例えばこれは保険がききますか、ききませんかと聞いて、済みませんが、保険がきく範囲でやってほしいとか、特に歯の治療なんかはそういう部分がありますよね。そうすると、保険でこれはできます、これは自己負担ですと言われますよね。混合診療というものが取り入れられた場合、現行とどういうふうに変わるのか。例えば、先ほど言ったように患者の選択権があるといっても、これは今でも患者の選択権はあるわけではないですか。その辺の違いはどうなんですか。混合診療が導入されると、どうしても、この治療に関しては、これを適用しなければいかん、そういう強制的なものになってしまうのが混合診療なのか。その辺はどうなんですか。
今健康づくり担当課長
 難しいんですけれども、強制的なものになるということではないと思います。医療の仕方というのは、どれがよりよい医療かという論議はあるにしても、さまざまな治療法はあろうかと思います。その中で、現状では保険適用外の診療を取り入れたときには、保険適用部分も含めて全部自己負担になるということで、なかなかそこの部分が取り入れられない、30%が保険適用外の治療だとしても、残りの70%の保険適用部分についても、これは自己負担だよということで、100%が保険適用外になってしまうというのが今の制度です。そういう意味では、なかなか30%の自由診療の部分を選択しづらいという状況が現状ではあろうかと思います。それに対して、混合診療になった場合には、70%の保険適用分はそのままにして、30%の分の自己負担、自由診療の分の自己負担をそのまま自己負担としてやっていくということですので、その辺をどう考えるのかという問題は、それぞれが判断をしながら、自分にとっての必要性、治療の中身等々で判断せざるを得ないと思うんですけれども、判断基準そのものがなかなか患者自身がつかみきれないという難しさも抱えながらの課題かと思っております。
江口委員
 今の説明を聞いてもわからないんだけれども、今日まで議論されているやつの部分的なものしかつかんでいないんですけれども、要は我々国民が患者という立場で、混合診療云々という立場に今なっているよりも、業界的な、例えば開業医さんの立場、大学病院の立場、薬屋さんの立場、さっき言った株式的なものが参入したい、そういう立場の中で、その辺で何か賛否が分かれているのであって、国民の中で賛否が分かれているわけではないんですが、といって、国民にとってわかりにくい、私たちが区民にこれから説明しなければいけない。わかりにくいのは、例えば、これがもし導入されるでしょう。そうすると、今までどおりに医者に通いますよね。そうすると、大体我々というのは素人ですから、言うのは、これは保険がきくのか聞かないのかで確認する方が多いわけで、お金があるならともかく、幾らでも使ってくださいという患者さんというのは、そんなにいるわけではないから、これだけかかると。例えば、これはどうしても保険外、それをやらなくても、先生、いいんですかといった場合には、できるだけやらないで保険適用でやりたいというのが一般的な患者さんの病院のかかり方ですよね。混合診療の場合は、今現在の保険適用されているものも一部外されて混合診療になるのか、例えば現在、高度医療の中でも特殊な例としては認められている部分がありますよね。そういう例外的な処置、そういう形で現在はやっているんですけれども、今の場合は全面解禁してしまえというのが小泉総理の考え方であって、そこに賛否が分かれているであって、現行は一部解禁していることは認めているお医者さんも多いわけですね。その辺の違いというのは、どういうふうに私たちはわかればいいんですか。
今健康づくり担当課長
 今のところ、基本は保険診療をベースに日本の医療は成り立っておりますので、大方のものが保険適用になっている。歯科の場合には、かなり例外がありまして、かなり混合診療的なものを取り入れていますから、これは自由診療で個人負担になりますよという部分がかなりあろうかと思いますが、以下の場合には、ほとんどが保険診療という形になっております。例外的に保険診療と一部自己負担の併用が認められているものが、二つの柱があります。一つは、高度先進医療、97医療技術と言われていますけれども、例えば心臓移植ですとか、遺体からの臓器提供ですとか、そういうかなり高度な医療については、特定承認保険医療機関に限って保険とそこの部分との併用が認められています。それからあと選定医療といって、よく話に出る個室ですとか、予約診療ですとか、こういう部分については、保険をやりながら保険プラス自己負担で診療が受けられるという仕組みになっています。それ以外のものについては、一つでも何か自由診療を受けたときには、保険適用部分も含めて全部が自己負担になるよというのが今の制度です。つまり、保険医療と保険外医療の併用が認められるのは、先ほど申し上げた高度先進医療と選定療養に限る。それ以外は一つでも保険外診療の部分が入れば、全体を保険診療外とみなすというのが今の制度です。それを一部保険診療外が入ってもいいではないか、保険診療とあわせてやれるようにしていきましょうよというのが混合診療解禁の考え方です。
 したがいまして、保険診療で負担する部分と自由診療で患者負担になる部分とをあわせて一つの制度にしてしまおうという意味で混合診療という言葉が使われています。概要的にはそんなところだと思います。
酒井委員
 保険外診療が一つでも入っていれば全額が自己負担になるわけですよね。それで、混合診療になりますと、保険外診療を除いて、ほかのところは保険で見ましょうよということですよね。そうしたら、患者さんの自己負担というのは、混合診療になると確実に減るという理解しかないのかなと思うんですけれども、違うんですか。
今健康づくり担当課長
 それに関しては、はっきりとは申し上げかねるんですけれども、今まですべて保険診療の中に取り入れていくという方向で、安全性の問題ですとか、提供の仕方の問題ですとか、さまざまな論議が積み重ねられて、安全な形で保険診療の中に取り入れるというのをベースに考えてきました。だけれども、そうではなくて、保険診療外でどんどんやれるよとなったときに、保険診療外の方が今後いろいろな意味で、いろいろな技術の発展なんかもありますから、ある意味では原則的に拡大していく可能性もあるのではないかという指摘はされているところです。
昆委員
 今の酒井委員の質問で、この制度が導入されると、患者の自己負担が少なくなるのではないかということでの御答弁だったんですけれども、率直にわからないんですが、例えば陳情者の方がお出しになった資料、図と説明書きを見ますと、この内容というのは、懸念される、こういうことになるのではないかと私も思うんですが、この考え方と今の御答弁とは一致するんですか。
今健康づくり担当課長
 この図に関しましては、保険外診療をその方が取り入れた場合には、こうなる可能性がある。ただ、保険診療だけでとどめるということも患者の選択肢の一つで、そうなった場合には、今と変わらず保険診療の範囲で費用負担ということになろうかと思います。
昆委員
 そうしますと、先ほどもお聞きしたんですが、患者の自分の自己選択ということで、現在の制度、絵で保険診療というブルーのところ、これを選ぶことも患者の一つの選択、それからもう一つは、混合診療を選択するということでいえば、保険診療はこの部分で、後は自己負担の保険外診療、この図を見ますと保険外診療の方が随分多いなと思うんですが、そういう二つの選択をするにも、自分自身で選ぶことができるような制度になるんだと受けとめていらっしゃるんですか。
今健康づくり担当課長
 原則的にはそうだと思います。ただ、患者が選ぶといいましても、先ほどから申し上げているように、患者そのものが、そう医学的な知識があるわけではございませんので、そこで医療機関がどういう役割を果たしていくのかということが大きな課題になろうかと思っております。
近藤委員
 例えば、歯科の例で挙げますと、例えばプラスチックの歯であろうと最高級のものを使おうが、選択するといったら何とかなると思うんですよ。どっちを選びますかと聞かれたときに、安い方でとりあえずやろう、選択できると思うんですよ、もう一つが何にしたらいいか、わからないんですけれども、医療になったときに、では、私は保険診療だけをとります。そして、こっちの方は自己診療も入れる混合診療をとります。そうすると、結果的なものとしては、これをとらなかったら命にまで何か影響があるようなことはないんですか。
清水保健所長
 私も臨床に若干おりましたので、その辺のニュアンスを少し申し上げたいと思いますが、基本的に医療というのは、保険診療であろうが、保険診療外であろうが、基本的に患者にいいこと、治療をきちんとするという前提に立てば、今お話になった部分が若干出てくる可能性があります。つまり、お金持ちで自由診療を選んだ場合に、その人が助かって、全くの保険診療でやった場合には、場合によっては不幸な点をとるということはあるわけでございます。ただ、それは、先ほど健康づくり担当課長が説明しましたように、そういう費用負担がかかって、しかも確実な有効性があるという場合には、特定療養費制度というのがあって、大体はそれでカバーはされているわけでございます。問題は、いわゆる抗がん剤とか、こういったものが安全性を含めて未確認、未承認という場合には、それを使うことによって、若干そういう差があるかもしれませんけれども、基本的には、私の臨床はもう10年以上前ですけれども、そんなに差はなかったように思います。さまざまな手立てが実は現場ではありまして、治験であるとか、これは患者の負担はかかりません、もう一つは特定療養費制度、それからもう一つは、いわゆる研究費制度の中で臨床行為が行われることがかなりございます。そういうことでいえば、可能性としてはゼロではないけれども、いわばお金で命があがなえた、あがなえなかったという行為は、そう頻繁に起こることではないと御理解いただければと思います。
近藤委員
 そうしますと、お金がすごくある方も、混合診療にする意味というのは、いいサービスを受けたい、入院の間に気持ちいいサービスを受けたいということは、お金のある方はどんどん受ければいいと思うんですよね。ただ、治療自体にそんなに差がなければ、では、保険の方がいいかなと普通は考えますよね。やはり差がかなりないと、何もお金持ちだって、それプラスもっとほかのことにかけて、医療の部分はそんなにかけなくてもいいという選択になると思うんですけれども、どうですかね。
清水保健所長
 先ほど例として申し上げました抗がん剤につきましては、玉石混交でございます。そういう意味では、自由診療の中でも使って命があがなえるという可能性が全くゼロではないわけですから、逆にそれを使うことで、現在の制度でいえば全額自己負担になるわけですけれども、そういう意味では、自由診療と保険診療を混ぜた混合診療のメリットというのはかなりあるわけです。
 それからもう一つは、これもよく事例に挙げられるんですが、いわゆる乳がんの手術をお受けになる女性が多い。乳がんの切除そのものは保険診療です。ところが、美容形成的な、ある意味では女性たる部分の象徴ですから、そこをきちんと形成していくという行為は、これは自由診療なんですね。ここがなかなか本来、保険診療に入れてもいいと私自身は思いますが、なかなかそうはいかない状況があるようでして、いろいろな手技があるということもあるんでしょうけれども、費用負担を全部自己負担でやるということは、かなり大変なわけで、両方を一貫して、手術をして、腫瘍を取って、形成をするということが混合診療の中では一貫してやれるといったメリットがあるわけですから、あながち、そうメリットがないというわけでもないんです。
近藤委員
 そうしますと、まず健康保険が、これから耐えられなくなるのではないかということがすごく大きな問題であるということはわかるんですよ。それだけれども、乳がんや何かの高くかかってしまうのを抑えていきたいという意味だと、余り抑えられなくはなりませんか、保険料の問題からすれば。今やろうとしていることは、がんや何かになった方の抗がん剤やそういうものが、今まで自己負担だったものも見ていけるという問題でいい面がありますよね。がんというのはすごく多い、そういうことに、混合診療によって、より皆さんの負担が少なくなるから、あながち悪いことばっかりではないといいますと、保険の方はそう減らなくはないですか、これをやったからといって。保険が抑制されますか。
清水保健所長
 基本的には、現行の保険制度に自由診療を乗せるわけですので、保険そのものが破綻するのを防ぐという役割、あるいは保険の全体の費用が減るということは、今の状況の中で、そのまま行けば考えにくいということになります。
近藤委員
 考えにくいですと、医療費全般は上がっていくということですよね。
今健康づくり担当課長
 今まで保険診療ですべてをやってきた中から、ある部分、選択的に保険外診療に回る患者さんが出てくるということの中で、公的な保険医療の部分が若干減るという予測はされているようです。
近藤委員
 それは、例えば乳がんとか、その患者さんがどのぐらいいて、どのぐらい抗がん剤を使うとか、厚生労働省の方でも出していらっしゃるんでしょうけれども、それと保険、どのぐらいの負担がどう変わっていくということをしっかり出してから、受け入れる、受け入れないをやらないと、やってはみたけれども、やはり医療費は膨れ上がりました、混合診療はだめでした、皆さんにやっと浸透したころに、何だろう、混合診療って、みんながわあわあやって、では、混合診療にするという話になったら、やはり負担は大きかったでしたとか、そういう話になりかねません。ここの時点でしっかりとした数字的なデータをきちんと政府なりに、これにしたら、どう変わっていくのかということをしないと、議論が、どっちがいいのと言われても、わからないですよね。いかがですか。
今健康づくり担当課長
 保険制度そのものの問題、それから混合医療をした場合に、どういうものがどういう形で適用されていくのか等々を含めまして、予測をつけかねる部分が多いかと思っています。もちろん、政府等の内部では、その辺の論議もされているんだろうと思いますけれども、情報としては、そこまで私どもの方には参っておりませんので、お答えとしては難しいと思っております。
近藤委員
 そうしましたら、情報を集めていただいて、混合診療のよさというのを、こういいんだ、こうよくないんだと、医療費削減や健康保険が膨れ上がってしまっているのをどうするかという問題と結びつかなければ、正解を出しかねると思うんですよね。そういうことでよろしくお願いします。
清水保健所長
 今のお話の趣旨はわかるわけですが、基本的に保険診療そのものの削減ということを大目的にしてやっているわけではないわけでして、一つは、これ以上、いろいろいな新しい手技が出てきた場合に、もうこれ以上はふやせないという前提はあるわけですけれども、それを減らすためというより、むしろそういった先進的なものを自由に選べる、そういう目的で規制緩和の一環として国は考えているわけですので、いわゆる今の国民皆保険の部分をこれでもって何か一挙にということではないように私どもは理解しております。
近藤委員
 そうしますと、自由に選べるということが1番の混合診療の目的だとすると、お金がある方はきっと自由に選べるのではないかと思うんですね。お金を医療に使えない方というのが自由に選べなかったときに、それを担保するのが最終的に行政の仕事になってしまうと思うんですよ。そういうことを自由に選べる方向にも考えていけるんですか。
清水保健所長
 そこまでの議論はなされていないと思います。つまり、自由診療の分を公費負担で何とかしろというお話、あるいは私的な保険の併用を含めて何とかするということは、一応想定にはされているようですが、そこを公的にどうするかというと、そこまでの議論は、自由診療の部分については、私費負担ということで、この制度そのものは理解するしかないと思っております。
昆委員
 何か質問があっちへ行ったりこっちへ行ったりで大変申しわけないんですけれども、なかなか難しい問題で、専門的な知識を要する問題なので、本当に頭の中が整理できないままに、いろいろとわからない点を質問するんですけれども、今、御答弁があったように、自由選択という意味、それは例えば医療に市場原理を導入するという考え方があるんだという意味でお聞きしてよろしいのか、その辺はどういう意味で今おっしゃったんでしょうか。
清水保健所長
 直接的な市場原理の導入には当たらないと思いますが、ただ、医療機関側の提供できる医療の内容については競争原理が若干働く。それは先ほど課長が医療機関の課題でもあるという、医療機関の機能そのもので、内容が場合によっては若干の競争原理が働く可能性は否定できないと思います。
昆委員
 例えば、本来ならば、今、議論している人をお呼びして、いろいろとお聞きするのが一番いいんだと思うんですよ。全然わからない、本当に何を考えてこういう議論をしているのか聞きたいので、そう思うんですけれども、ただ、いろいろと言われている中に、混合診療の内容論をいろいろと言っている理由を日本医師会等が分類しているんですよね。例えば、一つは規制緩和の一環としての保険診療と保険外診療との組み合わせの自由化による消費者の選択肢拡大、それが一つですね。それからもう一つは、医療費、保険給付費抑制を目的とした公費支出の抑制、実質的患者負担増、受診抑制、医療費のコントロールというのが二つ目ですね。それからもう一つは、日本で認可されていない技術や医薬品の使用ということですね。きちんと認められないものを使ってもいいですよという内容になるのかなと思うんですね。それからもう一つは、個々の医師の技術水準等に比例した上乗せ評価の必要性。もう一つは、不適切な保険外負担の実態の解消と言っているんですね。最後の五つ目の不適切な保険外負担の実態の解消というのは、がんの患者さんで、先ほどからお話が出ているように、保険外の治療を受けたりすると、それが全額、御自分の持ち出しということ、それはやはり今の医療制度といいますか、保険制度の中で、そういうものも本来ならば保険制度の中に組み入れて、やはり人の命にかかわる治療を安心して受けられるような制度にすべきだというのが医師会等の考え方の一つにあるんですが、もともと混合診療の議論を始めたのは、先ほども近藤委員が言われておりますけれども、本当に医療費の抑制というものが最大の目的としていろいろと議論されてきていると思うんですよね。だけど、医療費の抑制をすると言われているけれども、これは医師会の方の見解ですよ、ここの中にこういうふうに書かれているんですよ。我が国の医療費規模が強制的なコントロールを必要とするほど大きなものであるかということの検証である。医療費対GDP費の国際比較では、我が国は決して高い位置にいるわけではない。かえって人口の高齢化率と医療費の自然増の要因を考慮すれば、その規模は相対的に低いとさえ言えると言っているんですね。また、相対的に低い医療費で公正・効率的な医療を提供し、世界一低い乳幼児死亡率、世界一の長寿国達成など大きな成果を上げてきているのも客観的事実として国際的に評価されていると言っているんですね。さらに、健康保険等の一部改正によって患者負担がさらに増大している状況をかんがみれば、現状においても、医療費、もしくは給付費を患者の負担増によって抑制しなければならない客観的理由は希薄である。医療費の伸びをコントロールする必要があるのなら、医療提供体制や医療報酬体系のあり方の見直しの中で制度論的アプローチするのがあるべき姿だろうと言っているんですよね。
 また、高度な医療だとか、そういうことも言われていますけれども、その点についても触れているんですが、国民皆保険体制下において病状の重篤度や治療の困難度に応じて、これを必要とする患者に対して高い技術が優先的に配分される手法が望ましいことは言うまでもない。このような状況から医師の技術度に応じた実費徴収の上乗せについて軽々しく論じるべきではないと考えるという見解も出されているんですけれども、私、日本医師会のこういう見解をちらちらと拝見するにつれて、さすがに人の命を本当に守る、そういう医療現場の高い水準を持っている方々の見解だなと思うんです。医療政策会議委員会のメンバーの人たちのずらりとした名前も載っているんですけれども、ここの人たちのこういう見解というのは、本当に国の方が、医療費抑制ということを最大の目的として、こういう混合診療というものを検討し、それを早くに始めなさいということで言われているんですけれども、しかしそこに行き着くまでには、まだまだいろいろな議論もしなければならないし、医療現場、もう日本の医療の最先端を担っている人たちの中からも、これについての非常に危惧する意見が医師会という形で出されているということでいえば、なかなか区の皆さんのところでも勉強されていると思いますけれども、議論している人たちの意図がどこにあるのかということまでつかみきれないということも言えると思うんです。私も素人ですから、いろいろなものを読む、情報を得る範囲の中で判断しているんですけれども、しかし先ほども申し上げましたように、こういう制度を軽々しく結論を出して、日本の医療制度に組み込んでいくなんてことは、本当にあってはならないことだと思うんですよ。やはり日本の医療保険制度の原理原則、国の医療保障に対する将来的なビジョンに深く関連するものの考え方だと思いますので、そういうことからいえば、今、陳情者の方からいろいろと危惧されている点を挙げられて、国に対して、今出ている範囲のものに対しての情報に対して意見書を上げてくれと出されているんですが、理事者の立場からいって、陳情をごらんになって、今の段階での何か考えることがおありなのか、その辺を聞かせてください。
今健康づくり担当課長
 私ども区のレベルで、この問題に関して、こういう見解というものは出す段階にはないと思ってございます。委員御指摘のように、混合診療が取り上げられてきた背景にはさまざまあろうかと思います。やはり患者の選択権の問題ですとか、医療費の問題ですとか、規制緩和ですとか、さまざまなことを盛り込みながら今、国のレベルで検討が進められていて、何らかの形で当面の方向が出されようとしているというのが今の段階だと思いますので、その辺をきちんと見きわめていきたいと考えております。
昆委員
 そういう見解ではなくて、例えば陳情文書にあるように、経済的な理由で患者が受診を控えているような今の現状から見て、これ以上、患者負担が重くなるような制度になるかもしれない、今出されているのはそういう方向なんですよ。いろいろな状況が、わからない、わからないと言っているけれども、いろいろな文章を見るとそういうことなんですよね。そういうものに対して、皆さん方だって、区民の命を守る、国民健康保険事業をやっている、そういう立場からいえば、やはり区民の立場にたって、よりよい医療制度であり、保険制度をきちんと守っていくということがあると思うんですけれども、そういう立場からいって、どういうふうに考えているのかということを私は聞きたいんですけれども、お答えください。
今健康づくり担当課長
 今、委員も、なるかもしれないという表現をとられましたけれども、やはりまだなるかもしれないという段階の中で、私どもがこれに対してこういう見解を持つ、この見解がそれで正しいとか、いや、違うとかということは申し上げかねるかなと思っております。
やながわ委員
 この陳情を見ますと、混合診療の解禁はということから、理由の5行目のところでしょうか、長く続く不況と医療費の自己負担増により医療を受けたくても受けられない、いわゆる受診抑制が進み、医療機関の受診率が低下傾向にある今、国がすべきことは、混合診療や特定療養費の拡大により新たな患者負担をふやすことだけではなく、経済的理由で患者が受診を手控えるような現状を改善することです、こういうふうに書いてあるんですが、混合診療の解禁によって、一部こういうこともあろうかと思うんですが、これが全面的なそういう方向として出ることなのかどうかというのが私は疑問なんですね。この辺はどうお考えになりますでしょうか。
今健康づくり担当課長
 こういうふうにいえるかどうかということに関しては、私どもの持っている情報の範囲では判断できないと考えております。当面、混合診療が解禁されることによって、全額自己負担から一部自己負担にというメリットが、これは当面だけの問題かもしれませんけれども、そういうメリットを受けられる方もいるとか、さまざまな角度から見ないと、一言で、こういう角度だけでは申し上げかねるなと思っております。
やながわ委員
 坂口前厚生労働大臣が、閣議が終わった後の記者会見では、新しいルールづくりだと、混合診療、こういうことに関しては、前厚生労働大臣は反対ではないと。しかし、全面的に認めろと言われると、国民皆保険制度の崩壊につながる懸念もあるということで認めることはできないけれども、混合診療は新しい診療方法の一つなので、ある一定のルールをつくって、適正な枠の中で、範囲の中で、認めてやっていってもいいのではないかという、そういう中でも必要性を認めているコメントを発表しているわけです。私なんかは、今まで長い間の経過、余りよくわかりません。何が一定のルールづくりなのか、適正な範囲って何、極めて本当に申しわけない話、ここで審議や議論をするのに、なかなかはっきりものが言えないし、では、そういったものが何であるかということも勉強しなければ議論できないと感じている一人なんですね。ある一定の枠づくり、いわゆる範囲とはどんなことを言っているのか、その辺とルールづくり、どういう角度のルールをつくらなければいけないのか、専門の方もいらっしゃるので、教えていただければと思います。
今健康づくり担当課長
 これはあくまでも知り得る範囲での話ですけれども、規制改革・民間開放推進会議の方は、全面解禁といっても、それはやはりある程度の一定水準以上の医療技術を持っているところとしていく必要はあるだろうと言っていると聞いております。それと高度な技術を必要としない予防措置等々に関しては、ある程度、全面解禁ということでもいいのではないか、その辺のところが一つの考え方の論点になっているのかと思います。
 また、厚生労働省の方でも、今、高度先進医療と特定療養という二つの柱だけを保険診療と併用で認めているわけですけれども、そこにさらに第3の分野のようなものを設けて、新薬のことですとか、それから保健所長の方から話がありました乳房の再建ですとか、そういったような、もうごく当たり前に認められるものについては、そこをつくっていってもいいのではないか、そういうところで規制緩和をしていってもいいのではないかということも検討されていると、これも全部報道を通しての話ですけれども、聞いております。そういう状況の中で、どういう判断をしていくかという論議を今、年末にかけて詰めてやっているところだと認識しております。
やながわ委員
 わかりました。以前に厚生委員会で、御自分ががん患者であられて、こういう診療方法に枠があって、この薬とこの薬を合わせると自分のがんにうまく適用して治療が進むんだけれども、これは認めてくれていない。そういう中で、診療方法の拡大を国に意見書として上げてくれという陳情がありましたよね。事務局に聞くのかな。その経過報告なんてどうだったのか、もう忘れていますので、おわかりになれば。
委員長
 委員会を休憩します。

(午後2時29分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後2時30分)

やながわ委員
 どうもありがとうございました。その陳情が、そのときもやはり混合診療を推進してほしいという内容が何か記憶にありましたので、それを採択したのかどうかということは、今回の陳情を審査するのにもかなりの影響があるのかなんて思ったので、それは取り下げたということですね。わかりました。
 それはそれで結構ですが、実際問題、がんの患者さんで治療を受けながら、そういう陳情をお出しになったときの陳情者の発言を聞いていて、それはもう本当に切実で、自分がそういう立場にあったら本当にそう言うだろうなと、そういう意味では、こういった混合診療によって自分の治療も延命効果につながるとなれば、私はこれまたそういった意味では考えなければいけないのかなと、大変難しい混合診療、保険診療、あるいは保険外診療等々、議論をするのに大変困ったなと感じながらも、ただ、小泉総理大臣も、全面解禁をということで、そういう意味では要請したわけですよね。その辺の趣旨は、さまざまな利害関係がある中で、これはよくわからないので保健所長に聞くんですが、どこを一番ポイントに、例えば規制改革・民間開放推進会議議長なんていったら民間の社長だと聞いています。これはもう本当に民間の、そういう意味では何かを考えて拡大している、それはしようがないですね、民間は民間で。そうなると、政府が絡んで、また制度をどうするか、そこにさまざまな利害関係が入ってくる、何をどうやって、視点を置いて考えていったらいいのか、見方の切り口だけでも教えていただければと思います。
清水保健所長
 私が直接お答えするような立場にもありませんし、能力もございませんので、個人的な感想ということで申し上げれば、医療の現場というのは、さまざまなルールや医療者の考え方で成り立っているわけですが、基本的には、保険診療というのは、国民皆保険というのを日本がつくり上げて、それを土台にしているということは、もうこれは厳然たる事実でございます。その中で、これがさまざまな形で、経済性もあるんですが、私は経済性については余り論及する立場にございませんので、医療そのものの進歩というものに、ある意味ではついていけなくなった部分が確かにあるだろうということは感じるわけでございます。ちなみに、申し上げれば、新たな先進的な治療方法が確立されても、すぐには保険の適用にはならないという事実さえ、もうそれを物語っているわけでございまして、そういうことを速やかにやるという努力も必要でございますが、やはり多少の制度疲労が国民皆保険の中にあるのかなと思います。そういう意味では、国が混合診療というもので少し選択の幅を広げたというのは、素直に受け取ってもいいのかなという気がします。ただ、これを誤用したり、医師法、医療法というのは非常に性善説に立った法律でございますので、悪用という言い方はよくないと思いますが、さまざまな弊害の出てくることも事実でございます。これをきちんと整理しながら、いい形にしていければという期待もできるのではないか。積極的に言えば、いい面がかなりあるだろう。うまくやれればいいんですけれども、場合によっては、性善説に立った医師法、医療法で、必ずしも弊害を取り除くことは、現状では難しいのかなと。最終的には、さまざまな形で皆様方の中に情報が入っていって、いいところに落ち着くのではないかと楽観視を私はしておりますが、そういったところで御勘弁をいただけますか。
やながわ委員
 ありがとうございました。そういう意味では、現行の保険制度の制度疲労とか、専門家ではありませんので、どこが制度疲労なのかということをまた考えてしまうと、よくわからなくなってしまいますが、概略、今のお話、70%ぐらいは理解できるのかなと思いながら、私も勉強しないと言えないので、今のお話を参考にしながら検討させていただきたい。
委員長
 他にいかがですか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後2時36分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後2時39分)

 お諮りいたします。
 休憩中に確認したとおり、第54号陳情、混合診療の解禁に反対する意見書の提出については、閉会中も継続審査すべきものと決するに御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように決定いたします。
 以上で第54号陳情についての本日の審査を終了いたします。
 委員会を休憩いたします。

(午後2時40分)

委員長
 再開いたします。

(午後2時40分)

 それでは、委員会を暫時休憩します。

(午後2時40分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後3時01分)

 第57号陳情、安心して受けられる「成人健診」制度の存続を求めることについてを議題に供します。
 本陳情は新規付託ですので、書記に朗読させます。

〔陳情文書表朗読〕

委員長
 本陳情につきましては、518名の署名が提出されておりますので、御承知おきください。
 陳情者から補足説明をしたい旨の申し出がありますので、委員会を休憩し、陳情者から補足資料(参考)を受け、補足説明を受けたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、委員会を暫時休憩します。

(午後3時04分)

委員長
 再開いたします。

(午後3時11分)

 これより本件に対する質疑を行います。質疑はございますか。
江口委員
 有料化という問題につきましては、このところずっと数年間、そういうことが起きておりまして、いつも、この委員会でも、もちろん区民ということと同時に、もう一つは実施機関である医師会の協力がなければ、これはどうやっても、有料にしようが、無料にしようが、医師会がやってくださらなければできないという制度ですから、参考資料に要望書もついているようですけれども、医師会とは、現在どういう話を進めているのか、その辺の報告があればお願いします。
今健康づくり担当課長
 医師会の方とは鋭意話し合いを継続しております。まだ最終合意という形にはなっておりませんが、最終合意に向けて今も極力協議を続けさせていただいているという状況です。参考資料として医師会の要望書が出ておりますけれども、それに対しては中野区長名で10月6日に私どもの方から回答をさせていただいております。その中で、やはり今の基本的な状況の中で、健診の有料化そのものが受診率に全く影響がないとは考えていないけれども、しかしこれからの健診の充実、現行の健診制度の持続ということを考えたときに、ぜひとも成人健診も含めた有料化をお願いしたいということで改めて出しているところでございます。
江口委員
 そうすると、今のところは、まだ話し合いが平行しているというだけのときなんですか。
今健康づくり担当課長
 基本的にはそうです。ただ、その中で、では、どういう状況をつくっていけば成人健診そのものの有料化が、区民に余り負担がなく、しかも理解される形で実現できるのかということについて、ともに工夫をさせていただいているところでございます。
江口委員
 実際的にこのことが数年続いている中で、もう少し突っ込んだ話し合いというのは、医師会でやっているのか。私たちとは、たまたま会派として年1回、医師会との懇談会というのを設けさせていただいて、話す機会は、医師会のテーマに沿ってやっていますので、これだけというわけにはいかないものですから、限定されてしまうんですけれども、例えば本当に減少している原因、これは医師会ではわからないけれども、区側の協力も得てということで、ここに書いてあるような、いつも言ってくるのは、経済的な負担が大変なので、有料になったから受けない、そういう理由がやはり第1位なのか、それとも、例えば経済的な負担の厳しい人たちも、健診を受けて、二次健診の場合、それ以降の場合は今度は自己負担になるわけですから、そういう場合には、逆に治療に専念していないのかどうか、そういう状況というのは、医師会との連携をとればわかってくる部分があるではないですか。必ず最初に言ってくるのは、受診が抑制されてしまうというだけで終わっているんですね。区民の健診というのは非常に大事だということであれば、もう一つは、例えば区の財政の状況から自己負担がふえたとか入ったという場合にも、各区の医師会というのは、多分そうだと思うんですけれども、そういう状況であるけれども、区民健診を受けましょうというPRというのはないんですね。必ず無料化にしましょうという運動だけで終わっているんですけれども、その辺、医師会とは、実際に区民を守るということになれば、受けていない人の実態調査というのはしにくいでしょうけれども、患者さんを抱えているお医者さんだったら若干の様子はわかるのではないかと思うんですけれども、その辺は、具体的な話し合いというのはしていますか。
今健康づくり担当課長
 昨年度、がん検診を有料化に踏み切りましたけれども、前年度比で健診全体が146人のマイナスということでした。この146人が何でマイナスになったのかという部分につきましては、私どもでもいろいろな分析は検討してみたんですけれども、確実にこれというのは、医師会も含めて、原因を特定するというまでには至りませんでした。そういう中で、受診率を落とさずに、必要な方に必要な健診を選択して受けていただくための働きかけという部分では、医師会の方からも私どもに、もっときちんとした中身のPRに力を入れてほしいという要望をいただいておりますし、医師会自身としても、そういう意味での患者さんに対する働きかけ、必要な方に対する働きかけという意味では、それぞれ各医療機関を通しての努力をしていただいているものと思っております。
江口委員
 例えば、大腸がんだとか、さまざまな検診項目のものがありますよね。例えば区民健診を受けていないといって、たまたま他区の大学病院で受けてしまえばわからないけれども、かかりつけ医師という形で近所にかかれば、その疑いがありということで、必ず専門病院の紹介をしていただいて行く例というのが一般的な例ではないかと思うんですね。その場合、あなたの場合は区民健診を受けましたかという質問一つでその結果がわかるわけで、多分、お医者さんというのは、データ的にとるという意識がないわけで、会話の中で、問診している間に、必ず私はあると思うんですね。区民健診を受けているんでしょうかとか、私なんかは、こういう立場ですから、まちのお医者さんをみんな知っているからあれなんだけれども、ちゃんとおまえ健診を受けているかということをよく言われます。そういう会話というのはされる率が高いので、もう少し突っ込んで区側もお願いすればわかるのではないかと思うんですけれども、わからないのでしょうか。
今健康づくり担当課長
 御指摘のとおりだと思います。医療機関では、それぞれそういう会話があるかと思いますけれども、申しわけありません、全体としてそれの掌握というところにまで至っておりません。個別にそういう話をしているよというのは聞いておりますけれども、それがデータ的にどのぐらいの割合になるか等については掌握できてございません。
江口委員
 大事なことなので、区民の健康を守るというのは、一つは区側、行政側の立場、医師会、お医者さんの立場でも、これはお互いに双方、健康を守るためには、働いていかなければいけない立場にあるわけですね。そういう場合、ただ値上げの問題だとか、自己負担の問題だけで議論するのではなくて、実際に本当に区民の実情が、そういうことが起きているのかどうか、そのことを区側がわかった上で、自己負担率を上げるとか下げるとかを考えなければいけないのが本来の行政の仕事だと思うんですね。他の財政負担があるから、厳しいからこっちへ回すとか、負担を上げる、そういうことではなくて、そういう形の中でも、医師会との話し合いの中でも、区民の健康を守れるという判断で自己負担を導入したと思うんですけれども、逆にお医者さんはそうではないと言っているわけですね。そうなれば、間に入る区民というのは非常に迷惑でありまして、本来、そういう状況が本当にこういう状況の中で受診することが不可能ということであれば、そのことの救済も考えざるを得ない部分があるので、そういう意味では、医師会とは協力していただいて、全部の細かなデータというのは無理にしても、大体の比率は出てくるのではないかと思うんですけれども、その辺の調査をすることはできるかどうか、お聞きします。
今健康づくり担当課長
 どういう形でそれができるかということについては、検討させていただきたいと思います。
近藤委員
 ずっと検討しています、検討していますといって、どういうことを検討しているというのが見えないんですよね。医師会とどういう内容を検討していて、例えば私がさんざんいつも言っているんですけれども、何か減らせるものがあって、検査というのは1万5,000円、一人かかるんですよね、1万5,000円分の検査が本当に必要なのか。今度、区民負担は1,300円を考えているんですよね、1,300円の負担というのはどういうところから出たのか、そういう検討というのはどういうふうになされているのか、教えてください。
今健康づくり担当課長
 まず健診の中身につきましては、医師会の健診委員会と各項目について細かく必要性を含めて協議をさせていただいております。経費的にも工夫できる部分については工夫するとか、やはりこの検査だけでは、もしかすると足りないよという部分については、では、どういうふうに充実していこうかということも含めて細かな協議を積み上げているところでございます。そういうことも含めまして、有料化だけの話し合いではなくて、健診そのものを充実させていくために、どういう工夫ができるのか、そのための経費をどうしようという部分での協議をさせていただいておりますので、医師会の方も、財政的な状況についてはある程度御理解をいただいていると考えております。
 1,300円の根拠につきましては、私どもは、今の段階では1,300円というふうに提案させていただいておりますけれども、これは国が費用徴収基準というものを持っております。成人健診そのものは、無料でということではなくて、受診者の負担をいただいていいよと。その額については基準を設けるという形になっておりまして、いただいていいよと言っている金額については、国の補助金からは初めから除かれています。つまり、その分は補助金が来ない仕組みになっております。そういう考え方でいったときに、1,300円という額の根拠ですけれども、これにつきましては、国の費用徴収基準の集団健診に準じさせていただいております。本来ですと、中野区のやり方は医療機関の個別方式になりますので、3,000円の費用徴収基準ということになりますけれども、余りにも額的にも大きいし、区民の負担そのものも大きいということで、集団健診の1,300円というのに準じて自己負担していただきたいという提案をしているところでございます。
近藤委員
 そうしますと、新宿区など、今の資料を見ると600円ですね。これは新宿区が負担をかなりするということで600円が成り立つので、健診の内容は新宿区も中野区も変わらないことになっているんですか。
今健康づくり担当課長
 定められている部分については、共通ですけれども、そこに各区独自にこの項目を検査で付け加えようとかという工夫をしておりますので、成人健診の中身そのものが全部同じかどうかわかりかねます。新宿区の場合にも、費用徴収基準からするとおそらく3,000円、もしくは集団方式の2,400円ぐらいのところが基準では当てはまるんだと思うんですけれども、その辺は区民にどのぐらい直接御負担いただくのかという判断の中で、今の金額に収まったのではないかなと思っておりますし、中野区の場合にも、では、1,300円というのは、こちらからの提案ですけれども、幾らぐらいだったらば医師会の方としても御納得いただけるのかということを含めて協議はさせていただいております。
近藤委員
 私が考えるのは、区民の健康を中野区が区として守るということはとても大事なことだと思うんですね。それが1,300円出さなくては、そこの入口にまで来れないということが、その後、病気が発見されたり、いろいろなことになったら、自分でお金を負担していかなければならないですけれども、地域でお願いしますと、地域でやっていきましょうと言っているのに、まず1,300円という負担が少し大きいのではないかなと思うんですね。内容をある程度少なくしてという言い方はおかしいんですけれども、まずは来てくださいという形で、そこから問題があれば次へ発展できるんですよという形を用意しないと、初めから有料化としてしまうと、どんどん離れてしまうのではないか、受診者数もデータでは減っている。そういうことはどう考えますか。
今健康づくり担当課長
 1,300円という額が多いか少ないかというのは、それぞれいろいろな考え方があろうかと思いますけれども、ただ、申し上げたいのは、国の基準でやれば3,000円なんだ、その辺のところは、区としてもいろいろな側面を踏まえた上で提案をさせていただいているつもりです。やはり必要な方に必要な健診を受けていただくというのを基本に考えておりまして、それでもその額がどうしても厳しいという状況の方につきましては、今でもがん検診について免除制度を設けておりますけれども、そういう制度を充実させる中で対応してまいりたいと考えております。
近藤委員
 このごろ区民とか国民に選択を与えて選んでいくんだという言い方をいろいろな場面でするんですよね。その選ぶということに必ずお金がついてきてしまうんですよね。そうすると、選べない方というのが出てしまうと、それは違うのではないかなと思うんですね。例えば、医師会の方も、どういう検査ができるか、多分すごく考えて、最低限、成人健診というのはどういうものが必要かと考えていると思うんですよ。そうすると、行政の方も、どういう形でコストを下げられるかということを考えた方がいいと思うんですよ。それで1,300円を少しでも安くできたり、医師会の方は医師会の方で健康面を考えてくださっていますよね。そうすると、今度は行政の方は行政として、どうやったらコストが減るかなと思ったときに、この間の決算特別委員会の資料であったんですけれども、事務費郵送料で700万円ぐらいかかっているんですよ。それは、調べてみますと自動的に毎回送るようになっているんですか、健診の時期ですよというのを。
今健康づくり担当課長
 経費の節減につきましては、できるところでは最大限の工夫をさせていただいていると思っておりますし、そういう工夫の方向については医師会も御理解をいただいていると思っております。郵送料の問題ですけれども、中野区は登録制をとっております。
 したがいまして、一たん登録すると、次の年にも郵送するというシステムになっております。ただ、それをずっと持続するのではなくて、2回お休みをした場合には、登録を抹消させていただいて、次に必要になったときに改めて申し込んで、新規登録をしていただくという工夫をさせていただいております。これは2回ということで、1年は受けられなかったんだけれども、受ける必要があって、受ける意思もあるんだという人には、その次の年も届くという形になっておりますし、かといって、ずっと引きずってしまった場合には、全然健診が必要でなくなってしまった方にも送る結果になりますので、2年ということで区切りをつけさせていただいている、そういう意味では、そんな側面も含めて工夫をさせていただいていると思っております。
近藤委員
 例えば、皆さんからしてみれば、80円の切手代という金額の問題で、そんな仕事をしていられないよとお思いになるかもしれないですけれども、これで例えば80円がカットされて1,300円だったところが1,200円になれば、区民はうれしいんですよね。そういう面でも、これは3カ月間、お知らせの期間がありますよね、受診期間、もう少しあるんでしたか、届いてから健診の間、健診に来てくださいという通知を出してから健診できる期間というのは、あるんでしょうね、期間が。例えば初めの1カ月の間だけは、とにかく健診に今お金がかかっているという状態を区民に知らせる、突然値上がりしてしまうのではなくて。これをどうにかして皆さんに負担をかけないようにやっていくために、こういうアイデアがあるという意味で、1カ月間は取りにきていただく、健診の通知を。もちろん、取りにこなかった方については送る、また次の年からは、行ったお医者さんと、来年ありますからねというつながりになっていくとか、これは一例ですけれども、いろいろな工夫の仕方で、区民も健診にお金がかかっているんだから、自分で努力する、ただ有料化一本でお金が上がっていってしまうのではなくて、いろいろな選択を考えられたら、区民にもいろいろな選択を与えると言っていますけれども、区の方も考えられたらどうかなと思うんですけれども。
今健康づくり担当課長
 その辺につきましては、決算のときにも御報告いたしましたように、バーコードをつけることで郵送料を抑えたという実績なんかも含めて、さまざまな工夫をさせていただいていると思います。それから郵送料だけの問題ではなくて、事務手続的に、やはり限られた職員数でこなせるような仕組み、しかもそれが合理的に進むような仕組みを整えていかないと、結果的に人員増とか、そういうことになっても困ると思いますので、やれる範囲での工夫を私たちとしては精いっぱいやらせていただいているつもりでおります。
近藤委員
 そういうことが健診だけではなくて、今まで区から、黙っていてもお知らせが来たという考え方を変えていって、自分でサービスを受けにいくという形にして、それによって自分の費用も安くなっていく、もちろん、それは高齢者や何かで大変な方とか、そういう配慮もありますけれども、全体的にどうやってコストを抑えていくかということを、保健分野はいろいろな通知を出すと思うんですよ。私なんかは帰るといろいろな通知が着いていまして、あら、さっき会って別れてきた担当の課長のところから来たというのが何通もある、そういうことを合理的に窓口で、それが進んでいってしまえばかからないと思うんですよ、努力次第で。そういう検討などをと思うんですけれども。
今健康づくり担当課長
 これは健診だけではなくて、全体的な問題だということでございますので、そういう意味では、各分野でさまざまな工夫をしていると思ってございますけれども、さらに検討できるものがあれば検討を進めてまいりたいと思います。
昆委員
 昨年度、がん検診の有料化ということを導入したときにもいろいろと議会の中で議論したんですが、当時の担当課長の方から、中小企業等で働いている、または会社で働いている区民の人たちも、不況等、会社の事情だとか、いろいろなものがあって、会社の健診を受けられなくなった方たちが区民健診の方に流れてくるんだと。そうしますと、人数が非常に多くなって中野の財政を圧迫するんだと。だから区民に公平な負担を求めていく、そういうシステムとしてがん検診の有料化を導入する、一部区民の人たちにも負担をしてもらうということでの理由をるる挙げられていたんですが、15年度、16年度の途中なんですけれども、そういう会社等でできなくなった人たちが中野区の区民健診の方にどれだけの人数として増加しているのか、その辺のところは、数としてはつかみきれないのでしょうか。
今健康づくり担当課長
 その辺は数としてはつかみきれません。そもそも区民健診の対象者が正確に何人ということは、各自治体でつかめないという今の制度になっておりまして、それは国全体の中でも、その辺が弱い部分、問題になっている部分ということになっております。区民健診を必要とする方がどのぐらいいるのかというところについては、都全体の人数になりますけれども、人口対象率ということで、大体中野区のその年齢の人口に対して、このぐらいのパーセンテージの人がそもそもの区民健診の対象になるだろうという数字が出されておりまして、区部につきましては、対象人口の43.9%が各区民健診を受ける対象者と推定されております。
昆委員
 なぜこういうことをお聞きするかといいますと、そのときにそういうことを非常に強調されたんですよね。会社の人たちが中野の区民健診の方に流れてきて、それで受診者数がものすごくふえるんだと。だから財政的に負担できなくなるんだということを何度も何度も言われていたと思うんですが、でも、議会の質問等でも、これは日本共産党区議団として質問させていただいているんですが、どう見ても、やはりがん検診等の有料化を導入した数字を見ますと、中野でも受診者数というものが落ち込んでいるというふうに出ていますよね。だから、そこら辺のところで、会社で受ける人たちが流れてきて多くなると言っていたんだけれども、それとあわせて、では、今までの中野区民の区民健診を受ける人たちの数がそれとプラスすれば、もっともっと受診者数というのが上がってもいいのではないかというのをずっと私は思っていたんですよ。だけど、そうならないというのが、一体どこに原因があるのかなと思うんですね。今、陳情者の方から資料として出されているものを見たとしても、2003年、がん検診等の受診者数を見るとやはり減少していますよね。だから、本来なら減少するという状況があり得ないのではなかったのかなと思うんだけれども、それでも減少している、ここはどう検証されているのか、そこら辺はどう考えていらっしゃいますか。
今健康づくり担当課長
 減少の原因というのは、一言で申し上げられるようなものではなくて、いろいろな条件の中でそれぞれの方が選択した結果としか言いようがないと思っております。がん検診につきましては、確かに15年度は若干下がっている、受診者数が減っている検診がほとんどだということになりますけれども、そういう意味では、有料化したことの影響が全くないとは私どもも考えてはおりません。ただ、では、健診そのものがずっと右肩上がりで人数も含めてふえていくのが一番望ましいことなのかというと、その辺につきましては、さまざまな選択の機会が区民にあって、その中で自分に一番ふさわしいものを選択していくという考え方も今広まりつつあるのかなという側面も考えさせていただいているところです。
昆委員
 右肩上がりの状況と財政規模ということでの御答弁を、総括質疑等の中でも、課長の方がそういう御答弁をされているんですが、それは脇に置いていただいて、がん検診の有料化を導入するときの最大の理由は、普通の企業、会社、中小企業等で働いている人たちが、そこの職場の健診をもうやらなくなってきている、そういう人たちが中野区の区民健診に流れてくるわけだから、だから人数がおのずとふえるんですと。それによって中野の区民健診の無料化という制度の財政規模がどんどん多くなりますよと。それではもう耐えられないから、一部有料化を導入して公平な負担を求める、そういう仕組みにするんですと言ったんですよ。だから、その理由が当たっているとしたら、そういう状況があるとしたら、中小企業、会社ではもう健診をやらなくなった人たち、その人たちも自分の健康を守るために中野の区民健診を受診される、それと同時に中野区内の商店だとか、中小だとか、自分のうちで自営をやっている人たちだとか、そういう人たちと今まで受けている人たちをプラスすれば、落ちるというか、受診者数が減るということよりも、若干でも上がっているということが、そのときの理由から見たら当然ではないのかなと思うんだけれども、やはり下がったということは、どこの層の人たちが受けなくなったのかという分析もしなければいけないのではないかと思うんですよ。例えば、自営業、商店の人たちが、有料化になったし、今、商売も大変だし、行こう行こうと思っていても、なかなか足が向かなくなったわという方もいるんですよ。そういう人たちの数が多くなるということは、皆さんが区民健診の内容、区民の健康を守るとか、命を守るとか、病気の早期発見をするための本当に有効な施策で、しかし財政事情によって、ある一定の規模を保った、そういうやり方をしなければならないんですという理由と何か違うという気がするんですよ。だから、有料化になってしまったことなんだから、がん検診を受ける人たちの数が若干でも上がっていれば、皆さん方の有料化導入のときの理由が成り立つんですよ。受診者数がふえ、やはり会社で受けられない人たちもここに流れてきて受けるようになったんですねという説明が私たちにも区民にもできると思うんだけれども、そうなっていないということは、やはり経済的な理由もあって、無料のときは受けていた人たちが足を運ばなくなった、そういう見方もできるのではないかと私はずっと思っているんですけれども、そこが、数を調べたり、どういう人たちがどうなったかということを調べていないというから、わからないのかもしれないけれども、やはり検証というのはあるべきだと思うんですよね。その辺は、そういうことを抜きにして、ただただ区の施策を一層充実させるとか、区民の健康を守るためには一層の努力をするとか、いろいろなことを言われても、なかなか言葉と実態が伴って私たちには映らない、そういうことをどういうふうに考えていらっしゃいますか。
今健康づくり担当課長
 区民健診全体の受診者が大体14万人なんです。その14万人に対して、この人はどういう理由で区民健診を受けるようになったとか、そういうところまで、私どもの方でも本当はデータとして欲しいんですけれども、掌握しきれないというのが実態です。確かに、中小企業等、健診をやらなくなったことで、区民健診の方に来ていらっしゃる方も、これは、窓口なんかで接している範囲でもあると思っています。ただ、その人たちの割合がどの程度で、逆に区民健診を必要としなくなった人たちが、どういう理由で、どういう割合でというところまでつかみきれてございませんので、大変申しわけないんですけれども、今あるデータの中で私たちとしては判断をさせていただいているというところでございます。
昆委員
 さっき御答弁の中で、有料化の負担が重くないような実施をしていくということも検討していると言われましたね。それがどういう内容で負担を重くしないような検討を考えていらっしゃるんですか。
今健康づくり担当課長
 私どもは、提案としては、1,300円というのをそれなりに妥当な金額として提案させていただいております。ただ、その辺は、医師会の方で負担をどうとらえるのかということも含めて、協議の中でも話し合いをさせていただいているところでございます。では、幾らならばいいのかということにつきましては、いろいろな考え方が出てくるかと思いますけれども、少なくとも多大な負担にならないこと、本当に客観的に見て低い金額だというつもりであっても、どうしても負担できないという方についての減免制度、その辺の部分は堅持していきたいと思っております。
昆委員
 減免制度というのは、どのぐらいの線といいますか、減免制度の考え方については、どんな検討をされているんですか。
今健康づくり担当課長
 今でも、がん検診につきましては、生活保護世帯、非課税世帯につきましては免除という形で進めさせていただいておりまして、一定割合について減免措置をさせていただいているところですけれども、成人健診の有料化につきましては、それプラス、例えば高齢の方の扱いですとか、その辺のところが今後の実際に向けての検討という形になろうかと思っております。
昆委員
 例えば、今、減免制度については、これまでどおり生保の方とか、非課税の方とかという減免制度を同じようにしたいということなんですけれども、そういう人たちももちろんいらっしゃいますよ。だけど、御商売をされている自営業の方たちの年代を見て、例えば八百屋さんの奥さんだとか、御主人だとか、そういう人たちのところで見ると、生保だとか非課税世帯ということからは、もちろん該当しませんよね。だけど、例えば中野区のがん検診の有料化に伴って、女性の乳がん検診を見ても、二通りあるんですが、600円と400円、1,000円ですよ。それに成人健診1,300円という金額が出ていますけれども、2,300円ですよ。それからさらに子宮がん、これだって現状のところで1,000円のがん検診の有料化ということの値段が出ているんですが、成人健診と合わせれば2,300円という金額になるではありませんか。やはりそれは、今の自営業の人たちの実態からしてみたら、一つの検診だけでいいのかといったら、なかなか年齢的にも、子宮がん検診だとか、乳がん検診だとか、そういうものを行っていないと、自分の体が本当に心配だと、それでも仕事をしているんです、そういう人たちは。だけど、この機会に健診を受けようかといったときに、成人健診が1,300円プラスになるということになったら、今の受診者数が若干減っているとおっしゃいますけれども、成人健診そのものが大きく落ち込むと考えていないんでしょうか。そういう検討はどういうふうにされたのでしょうか。
今健康づくり担当課長
 まず免除者のことでございますけれども、がん検診につきましては、12.4%から20.4%まで、検診によって幅がありますけれども、そのぐらいの方たちが免除という形になっております。そういう意味では一定の割合になっているのかなと思っていますし、成人健診の場合には、さらにそれにプラスという要素を医師会とも協議をさせていただいているところでございます。健診そのもののお金がかなり負担になるということでございますけれども、例えば子宮がん検診、乳がん検診などにつきましては、国の基準でも今回2年に一遍でいいということも出てきております。そんなことも含めまして、どの検診を自分は必要としているのか、また客観的にもどれを受けた方がいいと思うのか、その辺のことも含めて選択をしていただきながら、できるだけ、例えば子宮がんを2年に一遍にしても大丈夫だという方向が出ておりますので、その場合には2年に一遍で経費的にも節減していただくということも含めて、トータルで考えていっていただきたいなと考えております。
昆委員
 国がどういう見解で2年に1回でいいですよと言っているのか、よくわからないんですけれども、医療機関のところでは、私なんかももう大分前から該当する年齢ですので検診を受けますけれども、医師からは、やはり毎年きちんと受けなさいと。忙しくて行けない時期もあるんですよ。でも、去年は来ていませんでしたね。毎年受けなさいよと言われるくらいに、やはり毎年受けるということが本来なら基本ではないでしょうかね。国が2年に1回でいいですよと言ったから2年に1回受ければ、負担の額も安くて済むではないのかという考え方というのは、成り立たないとは言いませんけれども、区民健診のあり方としては、そういうのがいいのかな、どうなのかなと思いますよ。1年で、例えばがんの早期のところが、ことし少し疑問だったけれども、来年受けたら、それがやはりそういうものだったという事例だってあるわけでしょう。中野の保健福祉の概要を見せていただくんですが、これでもやはり成人健診の健診結果というのを見ると、有所見というんでしょうか、再検だとか、いろいろなものがありますよという数だってふえているではありませんか。そういうことを考えたときに2年に1回でいいですよなんて、とても私は区民の皆さんに言えないんですよね。有所見者の内訳なんかを見ても、血圧もそうだし、高脂血症もそうだし、肝臓疾病もそうだし、いろいろなものがふえている、減っていない、そういう状況を見たときに、それは健診の中で指摘をされて、それで再検をしたり、また必要な治療を受けたりということで、重くならないということの効力を上げている健診でしょう。だから、そこのところを言ったら、お値段が高くなると言えば、2年に1回でいいと言われているんですと、そういうところの考え方というのは、区民健診の議論をしている区の立場では疑問に思いますけれども、有所見者がふえているという実態と健診の有料化ということで、区民の受診者数が落ち込む、こういう状況というのは、どういうふうな検討をされてきたんでしょうか。
今健康づくり担当課長
 まず区民健診というのがすべてではないと考えております。さまざまな選択肢の中で、区民健診を必要として、区民健診が一番適切であるという方については、ぜひ受けていただきたいというのが私どものスタンスでございます。毎年かどうかということにつきましても、それはその人の健康状態と国の基準では2年に一遍でいいということになったということは御紹介しましたけれども、そうしたことを踏まえながら区民健診を活用していただくということになろうかと思っております。そういう中で、区民健診の結果で有所見になったと。では、その先、重くさせないためにどうするのかということについては、区民健診を受けたら受けっ放しということでもなくて、そこから先、どういう行動を区民がしていくのかという部分が重要だと思っておりますし、そこの部分も含めて、区民健診でどう働きかけられるのかというのが課題だと思っています。同時に、区民健診で有所見が出ないように、どうやって日ごろからの健康づくりを進めていくのか、むしろそこの部分の方が、これから先の日本の社会だとか、医療費の問題等々を考えたときに、よりこれから先、比重が大きくなるだろうと思っておりまして、そんなことも含めて、区民健診が区民健診として単独でということではなく、総合的に活用できればというのが区としての考え方です。
昆委員
 今、御答弁いただいたことに、私は反対だとか、違うとかということではないんですよ。やはり有所見が出ないような日常の生活、暮らし、自分の健康を大事にするということでの啓蒙だとか、啓発だとか、区民一人ひとりが自分で常日ごろ気をつけるということが大前提だと思うんですよ。それでもやはり区民健診を受診する区民の人たちの実態を見たら、毎日毎日、それこそ商売をやっている人なんか、お休みもないくらいに朝から晩まで立ちっ放しの仕事をして、病院に行くだとか、自分の体が少しどうだといっても、休みをとるとかという人たちではない人たちが、身近なところでやっている区民健診に行って、健診を受けてみようと思うんですよ。受けた結果が、有所見という形で言われた人たちの数が若干ふえてきていますから、それはそれとして見なければいけないんですけれども、それでもそういう人たちが、ここの健診によって有所見だというところにあらわれてきた、その後は個人の問題ですよ。病院に行ってきちんと検査をしたり、治療をしたり、日常の生活を変えたりということはね。だけど、そういうもののきっかけになる一つの健診が区民健診、成人健診ではないんですか。だから、それがとても大事なんですよ。
 きょうの新聞等を見ておりましたら、やはり長引く不況だとか、いろいろな問題で自営業者の自殺の数がものすごくふえているんですよね。全国的にも自殺の数がふえているんですが、中小企業の人たちが自殺者が2003年度の151人が過去最高、それも40から60代、働き盛りですよね。そういう人たちというのは、町場のお店の人だとか、自営業の人たちのところを見たら、みんなそういう人たちではないですか。日常、無理して、無理して、無理して働いている、だけども、区民健診には年1回、時間をとって行っている、だから大きな病気を、進まなくても、そこで発見されて治療できるという制度なんだから、やはりそこのところは有料化が、一番最初に区の財政ありき、それから一定の財政の規模のところで安定した健診を進めていくんだということの考えではなくて、まさに区民の今の暮らしの実態と健康と命と重い病気につながらないような早期発見というものの角度から、成人健診、区民健診というのは非常に重要な施策であって、そこのところが1,300円、重くならないように検討しますということではなくて、これまでの無料の継続をするという方向での検討がなされなかったのかどうか、その点について伺います。
今健康づくり担当課長
 区民の暮らしはさまざまだと私も思っておりますが、先ほど申し上げましたように、健康をどう維持していくのかというところで、区民と一緒にこれから先も考えてまいりたいと思っています。その中での区民健診ということでありまして、健康に対して区民にどのぐらい投資していただくのが一番適切なのかという側面も含めて、みずからの健康をどうすれば一番合理的に、しかも一番確実に守っていただくことができるのか、その辺のさまざまな啓発ですとか、働きかけを含めて考えながら、その中で区民健診、成人健診の部分については、過重な負担にならない範囲で、この健診制度を維持していくためにも一定の御協力、利益を受ける人について御負担をお願いしたいと考えているところです。
近藤委員
 あと1点だけ、さっきお答えになっていた中で気になったことがあったんですけれども、減免措置のことなんですけれども、では、そういうふうに負担になったら、払えない人はどうするんですかという会話に必ずなっていくんですよね、いろいろなことで。そういったときに、それは配慮しますということで、生活保護の方やと、そういうふうになってしまうんですけれども、そういう考え方というのを1回やめないと、生活保護や何かの少し上のところにいる人たちというのが今すごく大変で、生活保護になった方がいいやという思いが、ここでいつも会話している、そこの部分を何か、では、払えない人はどうするんですか、いつもいろいろなことで会話をしたときに減免措置がありますとばあっと出るのがとても気になって、そこは検討のところで、皆さんにどうしていくか、払えない人たちには減免があります、払えない人は手厚くという部分が、私はもう80円の郵送料をがたがた言っているのは、何か努力によって、自分にある程度、能力がなくても、区に頼っていくことの方がいいやという発想にさせないものを、ある程度、区民が取りにいったことで健診が受けられる、あなたが参加してくれればというものを、まず払えない人は減免をやりますよ、払えない人はどうするか、いつも議論になるんですけれども、払えない人には減免をやりますから大丈夫ですよという感覚は、いろいろなことを議論する中で変えていかないといけないのではないかと思います。
今健康づくり担当課長
 まず減免等々につきましては、やはり客観的な基準がないと、私が苦しいという個人の思いでは実現できないという部分がありますので、そういう制度として活用させていただいております。それと同時に、委員がおっしゃるように、確かに本当に少しの負担でもいいから、自分が負担することによって、この制度全体がうまく動いていく。それが過重な負担になったときには負担はできないよ、これは当たり前のことだと思いますので、やはり過重な負担にならないように、でも、ちょっとした御負担をいただくことによって、逆に健診に対する自覚、認識等々を高めながら、同時に健診だけではなくて、健診は何のためにするのといったらば、やはり健康をその人が維持していく、そのために必要なことですから、健診だけではないさまざまな施策と一緒にとらえられるように働きかけてまいりたいと思います。
近藤委員
 少しニュアンスが違うんですけれども、私はちょっとしたお金の負担でいいとも別に言っていないんですよ。減免措置の人というのは、もう初めからこの人たちは守るから大丈夫ですよという姿勢がどこかで、みんなレベルを上げていきたいというか、それに向けてどういうふうに、行政は行政でどこのコストを削っていけるか、医師会は医師会でどの部分を削っても区民の生活は守れるかで、今度、働くのが大変だという人たちは、どうすれば、このサービスを受けるために、何か負担でもいいし、労働、取りにいくことでもいいし、何かみんなが歩み寄れる、そういったものにしていかないと、基準を定めた、そこのところから下の人はいつでも守られる、ここが少し上になったら、何か負担が決まったときに、もう行けなくなってしまう、そういうふうなつくり方ではなくしていく話し合いや医師会や行政と歩み寄っていけないかということで申し上げているんですけれども。
今健康づくり担当課長
 趣旨はわかりますが、実際の問題として、これの検討というのはかなり難しいものがあるかと思いますので、その辺はこれからの研究材料とさせていただきたいと思います。
昆委員
 一つ数字のことで、先ほどの自殺者の数なんですけれども、2003年度の151人というのは、全商連の共済会というところで、亡くなった方たちにお悔やみといいますか、そういうもので払った数ということで出ている数字なんですね。ですから2003年度の全体の自殺者の数というのは、年間3万4,427人という数が、いろいろな理由で自殺をされた数だということで、訂正をさせていただきます。
 それともう一つは、この間、介護保険の予防の事業のところでも少し質疑をさせていただいたんですが、今、区民健診、健康の分野での議論をしておりますけれども、介護保険制度の見直しに当たっていろいろなところで言われているのは、介護保険というのは、高齢福祉分野の一部分であって、中野区もこれまでそうだったんですけれども、医療、福祉、保健、そういう一体のものとしてこれから考えていかなければいけないだろうと思うんですよ。そのときに区民健診という分野だけではなくて、介護保険制度にもかかわるような、そういう事業の一つとして考えたときに、介護予防というのが非常に重視されてきています。それは非常に大事なことなんですね、寝たきりにならないとか、いろいろなことで予防するということは非常に大事なことなんですけれども、予防の中に健康ということも一つは大きな重点を置く問題ではないかなと思うんです。区民健診で早期発見・早期治療というものができていたとしたら、病気がもとで寝たきりになったり、介護がうんと必要な、そういう重い介護度にならなくても済むという状況だってあり得るわけだから、そういう角度での健診のあり方というのは検討されているんでしょうか。
今健康づくり担当課長
 介護予防の新予防給付等々との関連につきましては、まだ全体像がはっきり見えてきておりませんので、直接それについてということではございませんけれども、健診で出てきたデータそのものをどう生かしていくのかという部分については検討させていただいております。
委員長
 他にございますか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後4時07分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後4時08分)

 お諮りいたします。
 休憩中に確認したとおり、第57号陳情、安心して受けられる「成人健診」制度の存続を求めることについては閉会中も継続審査すべきものと決するに御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように決定します。
 以上で第57号陳情についての本日の審査を終了いたします。
 次に、第41号陳情、介護保険制度の拡充をはかることについてを議題に供します。
 これより本件に対する質疑を行います。質疑はございませんか。
昆委員
 前回の陳情の審査のときに、まだ国の方がそういう考え方に、ここで言われているような、そういうことを決めたわけではないという御意見も少し出されているんですけれども、今日の状況の中で、介護保険制度の見直しに当たって何か明らかになってきたものはあるんでしょうか。
藤井介護保険担当課長
 陳情で出されています1から7の項目についてなんですが、やはりまだ決定されていないことが多いんですけれども、ただ、方向性として確定してきた内容というのは、5で書かれている介護保険施設の部屋代、食費などの利用者負担については、在宅の場合の経費に見合う負担をしていただくという方向で具体的な案が出てきています。それ以外については、今の段階では、特にここで言われているような形での利用料の2から3割への引き上げですとか、保険料の20歳からの徴収ですとか、要支援、要介護度1の介護度の軽い利用者へのサービス縮小ですとか、障害者の負担増につながる拙速な制度の統合というふうなものについては出てきていないと考えます。
昆委員
 介護保険部会の意見の取りまとめという形で出されておりますけれども、来年の見直しに当たって、これからの進捗状況といいましょうか、部会での意見をどこでどう反映した、そういう国の制度の見直しになるのか、その辺のスケジュールというんでしょうか、進捗状況というんでしょうか、それはどういうふうに情報を得ていらっしゃるでしょうか。
藤井介護保険担当課長
 昨日も保健福祉審議会の介護保険部会で被保険者の拡大がされたということで報道がされています。12月には取りまとめをするということで報道されていまして、こちらの方で以前に厚生労働省の方から聞いているスケジュールとしても、12月から1月には法案の大綱をまとめる、次期国会に上程すると聞いていますので、1月から2月くらいまでには法案の内容が固まるのかなと考えています。
昆委員
 国の方の動きが先ほど御答弁されているような動きになってきまして、いよいよ法案にまとめようという時期に来ていますが、陳情の文書で出されている7点について、大体見えてきたというところは、5番目の施設の部屋代だとか、食事代の利用者負担のところが見えてきたというお話なんですけれども、ただ、これまでのいろいろな議論の中で、介護保険料の問題やら、利用料の問題、障害者の支援費制度との統合だとか、そういうものがいろいろと言われてきておりますので、そういう内容が法案の中に盛り込まれると見ていいと思うんですけれども、担当のところではどんなふうに考えていらっしゃいますか。
藤井介護保険担当課長
 一つひとつどういう状態かお話ししたいと思うんですが、1番の保険料の引き上げの関係なんですが、以前にも御説明したかと思いますが、保険料の引き上げ自体は、給付総額が決まれば自動的に出てくるという仕組みですので、特にそういう制度を変更して保険料の負担をふやすという形での検討はされていません。利用料を1割から2割、3割へ引き上げということについては、先日の本会議の答弁でもありましたけれども、確かに国の財政審議会の方の建議の中で負担をふやすべきだという意見が出ているということは承知していますが、実際に法案づくりを行う厚生労働省の方では、そういう検討については慎重な取り扱いをしていると理解していますので、現在の検討状況からすれば、利用料の負担を2割、3割に一律に引き上げるということはないのではないかと考えています。
 2番の保険料の20歳からの徴収と4番の障害者の制度の統合の件については、昨日の介護保険部会での議論も結局まとまらなかったという報道がされていまして、私どもの方もそれ以上の情報はないものですから、本来ですと11月にはある程度は取りまとめたいという意向があったわけですけれども、介護保険を若年の40歳以下の障害者にも適用するという形での制度改正は、今の段階では難しいのかなと思います。ただ、絶対にされないということも、まだ決まりませんので、やはりこれは12月、あるいは1月の法大綱づくりを見るしかないのかなと思っています。
 3番の介護度の軽い利用者へのサービス縮小ということで御指摘されている件なんですが、これも前回、多少御説明しましたが、サービスの縮小を行おうという形では検討は進んでいないと理解しています。確かに新予防給付という介護予防に重点を置いた形でのサービスの質的な転換をするという検討は確かにされてはいるんですが、サービスの質的転換をすることとサービスの縮小ということはつながらないのではないかと考えていますので、こういう表現では法案はつくられないのではないかと考えています。
 7項目のうち6番と7番は介護保険制度の見直しとは別の話ですので、もともと制度の見直しにおいてされているわけではないものです。6番は労働行政の方の話になってしまいますので、また別のものなのかと思います。7番の施設補助の縮小の話というのは、三位一体の改革の中で補助金をどうしていくのか、全く別の議論の方になりますので、これについても、介護保険制度の見直しということではなくて、別の議論が進んでいるのかなと思っています。
委員長
 他にございますか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 他に質疑がなければ、取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後4時18分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後4時22分)

 これより継続審査について挙手により採決を行います。
 お諮りいたします。
 第41号陳情、介護保険制度の拡充をはかることについては、閉会中も継続審査すべきものと決するに賛成の委員は挙手をお願いいたします。

〔賛成者挙手〕

委員長
 挙手多数。よって、本件は閉会中も継続審査すべきものと決しました。
 以上で第41号陳情についての本日の審査を終了いたします。
 委員会を暫時休憩します。

(午後4時23分)

委員長
 委員会を再開します。

(午後4時24分)

 次回の委員会は、明日午後1時から、当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。
 以上、本日予定した日程は終わりますけれども、委員各位から何か発言はございますか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、以上で本日の厚生委員会を散会いたします。

(午後4時24分)