平成17年10月20日中野区議会財政制度調査特別委員会(第3回定例会)
平成17年10月20日中野区議会財政制度調査特別委員会(第3回定例会)の会議録
平成17年10月20日財政制度調査特別委員会 中野区議会財政制度調査特別委員会〔平成17年10月20日〕

財政制度調査特別委員会会議記録

○開会日 平成17年10月20日

○場所  中野区議会第2委員会室

○開会  午後1時02分

○閉会  午後2時39分

○出席委員(14名)
 大泉 正勝委員長
 はっとり 幸子副委員長
 佐野 れいじ委員
 奥田 けんじ委員
 小堤 勇委員
 大内 しんご委員
 伊藤 正信委員
 平島 好人委員
 山崎 芳夫委員
 高橋 ちあき委員
 こしみず 敏明委員
 佐伯 利昭委員
 岩永 しほ子委員
 江口 済三郎委員

○欠席委員(0名)

○出席説明員
 区長室長 寺部 守芳
 政策計画担当課長(政策担当課長) 川崎 亨
 計画担当課長 奈良 浩二
 総務部長(未収金対策担当参事) 石神 正義
 財務担当課長 篠原 文彦
 税務担当課長 遠藤 由紀夫
 区民生活部長 本橋 一夫
 区民生活部経営担当課長(地域活動担当課長) 登 弘毅
 子ども家庭部長 田辺 裕子
 子ども家庭部経営担当課長(男女平等担当課長) 合川 昭
 保健福祉部長 菅野 泰一
 保健福祉部経営担当課長(保健福祉担当課長) 寺嶋 誠一郎
 都市整備部長 石井 正行
 都市整備部経営担当参事(都市計画担当参事) 服部 敏信
 教育委員会事務局次長 金野 晃
 教育経営担当参事 村木 誠

○事務局職員
 書記 吉田 哲郎
 書記 菅野 多身子

○委員長署名


審査日程
○議題
都区財政調整について
財政自主権について
財政運営について
○所管事項の報告
1 新しい中野をつくる10か年計画改定素案について(財務担当)
2 その他
 (1)都区財政協議の現在の状況について
○その他

委員長
 定足数に達しましたので、財政制度調査特別委員会を開会いたします。

(午後1時02分)

 本日の審査については、お手元に配付の審査日程(案)(資料1)のとおり進めたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように進めさせていただきます。
 それでは、議事に入ります。
 都区財政調整について、財政自主権について、財政運営についてを議題に供します。
 それでは、所管事項の報告を受けたいと思います。
 新しい中野をつくる10か年計画改定素案についての報告を受けたいと思います。
篠原財務担当課長
 それでは、新しい中野をつくる10か年計画改定素案、本日は財政運営を中心に御説明させていただきます。(資料2)
 お手元の「改定素案」の138ページをごらんいただきたいと思います。
 まず最初に、確認の意味で、16年度の決算の状況について簡単に御説明させていただきます。
 16年度決算につきましては、事業部制に移行いたしまして、初めて各事業部長の責任と権限で編成をいたしました。16年度の実質収支につきましては、おかげさまで29億円余りの実質収支を生み出すことができました。また、主な財政指標でございますが、財政の弾力化を示す経常収支比率、これが84.5%となりまして、行財政5か年計画の目標値でございました88.1%、これをクリアしてございます。また、公債費比率につきましても7.5%ということで、同じく目標値の8.4%、これを達成してございます。また、積立金でございますが、16年度末の現在高、これが、財政調整基金が75億4,000万円余り、減債基金が17億3,000万円ばかり、それから特定目的基金が31億8,000万円ということで、合計で124億6,000万円の積み立てが捻出することができました。一方、こういった積立金をためましたが、23区の平均につきましては、総括説明でもお話ししましたが、321億円ということで、これと比較しますとかなり低いという水準になっております。
 それで、現在の財政状況でございますが、行財政5か年計画、それから経営改革指針によりまして、再建期間中に財政状況から先送りいたしました施設維持補修、それから道路の改良等につきましては、本来の運営に戻すような状況に財政状態が回復をしたというふうに考えております。また、積立基金につきましても、財政調整基金や減債基金、これにつきましては、計画的に積み立てが行われまして、安定的な財政運営の基礎ができたというふうに考えております。また、16年度決算におきましては、当該年度の歳入によりまして歳入が賄えるといったような状況になりまして、結果として景気変動が見込みよりプラスに動いたこと、こういったことが大きな要因だというふうに考えております。まだ予算編成段階におきましては、財政調整基金の繰り入れ、こういったことが余儀なくされておりますが、歳出構造の見直し、こういったものがさらに今後も必要だというふうに考えております。それから、人件費の削減につきましても、計画どおり進んでおりまして、事務事業の見直し、こういったことが十分ではありませんが、時間外勤務手当、臨時職員の賃金、こういったものが増加をしてございます。さらに経費を削減するために、将来に合わせた事務事業の見直しが今後とも一層必要だというふうに考えてございます。
 それでは、138ページの「財政運営の基本的な考え方」、これにつきまして説明をさせていただきます。
 今回、財政運営の基本的な考え方といたしまして、基本構想が目指します将来像、これを実現する「新しい中野をつくる10か年計画」、これはやはり、いろんな質問でもありましたが、財政の裏付けのある計画でなければならないというふうに考えてございます。このため、景気変動などによりまして計画を変える必要がない安定的な運営とするために、年度間調整や大規模事業が確実に行える基金の積み立てを行っていきたい、そういった基金の積み立て計画を中心としました持続可能な財政運営を行っていきたいというふうに考えております。
 ここにあります基金運営の考え方でございますが、まず、財政調整基金でございます。
 財政フレームにつきましては、三位一体改革による税源移譲、それから税制改正によります収納率の変動等を中心に財政状況への影響を勘案した結果、影響が最小、それから中間、最大というふうに見込んでおります。
 139ページにグラフがございますが、これをごらんいただきたいと思います。一番上の三角が最大値になります。真ん中の四角が中間値、一番下のひし形が最小値というふうな歳入の見込みを考えてございます。今回につきましては、中間値、これで歳入の見込みをしてございます。ただ、景気変動などで最小値となった場合に、見込み差とか複数年型の予算編成、これの対応とするために、おおよそ最大値で45億円程度の年度間調整の基金が必要だと私どもは考えてございます。このため、毎年、財政安定化期間を3年間とっていますが、この3年間につきましては、まず、45億円になるような財政基金の運営計画、積み立て計画をつくっていきたいというふうに考えてございます。これは後ほどまた説明をさせていただきますが、142ページに「基金の積み立て・繰り入れ計画」がございます。私どもが試算した結果では、19年度には財政調整基金が年度間調整分としては45億円に達するというような計画をつくってございます。したがいまして、この表だとちょっとわかりにくいんですが、19年度、財政調整基金が残高が92億4,900万円となってございます。このうちの45億円が年度間調整分45億円に相当する部分というふうに御理解をいただきたいと思います。こうしたことで、計画的に景気の変動に耐え得る年度間調整基金をためていくということがまず基本になってございます。
 それから減債基金でございますが、また138ページの方にお戻りいただきますが、これは、起債の一括償還分、これに備えて計画的に積み立てる計画にしてございます。
 それから、その下の特定目的基金でございますが、こちらにつきましては、当該年度の歳入で当て込んで実施できない大規模事業、こういうものについては実施時期に合わせて積み立てを行っていきたいというふうに考えております。この積立基金の活用でございますが、事業費から起債相当分と補助金等の特定財源を除いた経費の2分の1相当額をこの基金で当て込みたいというふうに考えてございます。残りの2分の1につきましては当該年度の一般財源より充当するというふうに考えてございます。
 それから、その下の新たにつくりましたまちづくり基金でございます。特定目的基金の中の一つでございますが、まちづくり基金につきましては毎年度の繰越金を充当して積み立てていきたいというふうに考えてございます。繰越金につきましては、これまでの決算状況から安定的に見込まれることが予想される大体5億円程度、これを計画的に積み立てていきたいというふうに考えてございます。この積立額につきましては、その当該年度の積立金の見込まれる額によりますが、多く残る年につきましては5億円と言わずにさらに7億とか8億とか、そういったような額を積んでいきたいというふうに考えてございます。また、事業の実施段階で十分な積み立てが行われていないような場合については財政調整基金の繰り入れも考えていかなきゃならないというふうには考えてございます。また、逆に景気により多くの積立金ができた場合については、場合によっては事業の前倒しもできる、そんなことも可能とするような考え方で、今、こういったような計画をつくってございます。
 それから、そこの139ページのカッコ2でございますが、財政安定化期間の考え方でございます。
 これまで、行財政5か年計画、それから経営改革指針によりまして、財政運営としては対処療法的な手法を中心に行ってまいりました。個別事業の見直し、民間活力の活用といったようなことを行ってまいりましたが、本来経常的に実施すべき事業につきまして、計画期間は縮小などの、そういったことの方策をとってまいりました。
 ただ、こういう決算状況を見ますと、こうしたいわゆる先送りをした事業を本来の姿に戻すということがこれから重要な課題だと私どもは考えてございまして、そのためには、必要なサービスを安定的に提供する、質的な向上を図る、拡充をしていく、それから効果のない事業は廃止する、こういった設定した目標を実現するために、既存事業が目標達成に対しまして適切に寄与しているかどうか、こういった点も新たな視点から見直す必要があるだろうというふうに考えてございます。
 こういった事業執行のあり方を見直しまして、それからコストの削減を徹底する、こういったことを通しまして財政の健全化を進めていかなければならないというふうに考えてございます。
 このため、この安定化期間に取り組む期間は18年度、19年度、20年度、この3カ年としてありまして、20年度の本格的な税源移譲の際に財政運営そのものをもう一回見直すということも考えてございます。
 それから、140ページになりますが、この安定化期間の目標でございます。
 まず一つ目に、人件費でございますが、人件費のうち、時間外勤務手当につきましては5%を毎年削減することを目標としてございます。また、特殊勤務手当につきましては、今回、条例提案をさせていただきましたが、まさに真に必要となる経費、これのみに限定するということにいたしまして、事務事業の見直しをしていきたいというふうに考えてございます。
 それから公債費でございますが、公債費は一般財源の10%を上限とするというふうに考えてございます。
 それから、その下の3点目の扶助費でございますが、国それから都の補助事業につきましては、対象者や執行の適正化を図っていきたいというふうに考えてございます。また、区単独事業につきましては、支給率、それから額の見直し、所得制限の導入、こんなものを検証しまして、歳出の抑制を図っていきたいというふうに考えてございます。
 それから4点目の事業費でございますが、任意で行います事業、これにつきましては、見直し、それから統合、廃止を常に行うといったことを行いまして、経常的に行わなければならない法的に定められた事業につきましては1%程度のコスト削減を努めていきたいというふうに考えてございます。
 なお、事務事業につきましては、民間で行えるものにつきましては極力民間活力を活用するといったことは原則といたしまして、すべての見直しを行っていきたいというふうに考えてございます。
 それから施設改修や大規模事業につきましては、バリューエンジニアリング、建設工事単価、この辺の見直しを図りまして、5%以上の削減を図っていきたいというふうに考えてございます。
 そのほか、委託事業、それから工事、建設業を中心にしました市場化テストも導入をいたしまして、そういったものを検証していきたいというふうに考えてございます。
 次に、141ページでございますが、10か年の財政フレームでございます。
 この「新しい中野をつくる10か年計画」の財政フレームにつきましては、先ほども申し上げましたが、各年度の歳入の見込みを中間値で算定をしてございます。それぞれ各年度の事業、例えば学校再編とか施設整備、こういったものに対応する基金の繰り入れ、それから特別区債の発行額をこの歳入に加えてございます。それから歳出でございますが、義務的経費、繰出金、経常事業費、それから積立金、それと、10か年計画などに伴います新規・拡充事業、こういった経費もここに区分として計上させていただいております。
 なお、142ページにあります、このフレームに相当します基金の積み立て・繰り入れと起債の計画が示してございます。それぞれ各年次ごとに、基金につきましては積み立てと取り崩し、それから起債につきましては、表の3になりますが、それぞれ年次ごとに発行額をお示ししてございます。こういったものも、141ページの財政フレーム、こちらの方に反映しているということで御了解をいただきたいというふうに考えてございます。
 最後になりますが、140ページにあります三位一体改革、それから都区財政調整制度の対応ということでございます。
 現在の状況を簡単に報告させていただきますが、最初に、国の三位一体改革の現状でございます。
 既に御承知のとおり、三位一体改革につきましては、補助金、地方交付税、それから税源移譲を一体的に見直すものでございます。全体で4兆円の補助金を削減することを条件といたしまして、所得税から住民税への3兆円の税源移譲を行うということにされております。既に国庫補助負担金の改革が行われておりまして、16年度につきましては、公立保育園、保育所の運営費の補助の廃止などで、1兆6,000億円の廃止・縮減がされてございます。それで、そのかわり、所得譲与税などといたしまして6,500億円の暫定的な移譲が行われたことになっております。
 それで、本年度でございますが、義務教育費国庫負担金、それから国民健康保険国庫負担金の廃止などが予定されておりまして、これらの総額は1兆8,000億円の額に上るというふうに言われております。この分の所得譲与税として来ますのが1兆1,000億円というような暫定的な移譲が行われるということが現在予定をされてございます。
 なお、この義務教育費国庫負担金の廃止につきましては、一昨日、中央教育審議会の特別部会におきまして、この負担金につきましては国が負担すべきであるというような答申が示されてございます。これにつきましては今後の政治的な判断にゆだねられたというふうに私どもは考えてございます。
 いずれにいたしましても、国庫負担金の廃止・縮減額、これが今3兆4,000億円に上ってございます。それに比べまして、暫定的な税源移譲として各自治体に来ている額は1兆7,000億円と約半分程度ということで、不十分なものとなってございます。
 また、交付金改革といたしまして、国に残されるものも多くあるということから、国の権限がかなり温存化されて、地方の自主性の拡大にならないといったような問題点も指摘されてございます。このように、区財政に大きな影響があります義務教育費国庫負担金の今後の取り扱い、それから、先送りになっておりますが、生活保護費、児童扶養手当などの見直しが今後どうなるのか、今後の国の動向に一層関心を持っていかなければならないというふうに考えてございます。
 それから、都区制度の改革でございますが、本年度で清掃事業の特例的な対応期間が終了いたします。それで、一方、都区財政調整にかかわります主要5課題の問題につきましては、現在、引き続き財政調整協議が行われておりまして、11月には最終的なまとめが出されるということを聞いてございます。とは言いながらも、やはり都区の溝は大きく、来年の2月の財調協議、ここにおきましてどのように決着できるか、これが依然として予測ができない状況にあります。今後とも、国や東京都、こういったような動向を注視するとともに、区財政の安定的な運営に努めていかなければならないというふうに考えてございます。
 ちょっと長くなりましたが、一応、「新しい中野をつくる10か年計画 財政運営の基本的な考え方」、これにつきまして報告をさせていただきます。よろしくお願いを申し上げます。
委員長
 御苦労さまでした。
 ただいまの報告について質疑はありませんか。
小堤委員
 これは、135ページから質問してもよろしいですか。
委員長
 どうぞ、何でも。
小堤委員
 公会計の改革ということで、今回、発生主義会計、これを導入するということですね。これを既に導入している自治体はあるんですか。
篠原財務担当課長
 東京都が平成16年度から、一部、企業会計に発生主義の考え方に基づいた会計を導入してございます。それで、18年度からは全会計にこうした発生主義の会計を導入するというふうに私どもは聞いておりますが、これにつきましては、やはり法律の縛りがございますので、本来は法改正がなければ発生主義会計には全部移行できないということになります。東京都につきましては、現行会計のほかに発生主義会計を持って、そういった視点を持ってコスト意識を持たせる、そういった考え方で18年度からは全会計に発生主義会計を導入するというふうに聞いてございます。
小堤委員
 従来は現金主義会計でしたね。これをカバーするような形で、現金主義会計ではわからないような部分を知るために導入したのかなというふうに思うんです。それ自体は、これから行うであろうかなりお金のかかる事業のためにこういう会計の仕方が必要なのかなというふうにして判断するんですけども、そういう認識でよろしいですか。
篠原財務担当課長
 発生主義会計は、先ほども申し上げましたが、この事業をやるためにどのぐらいのコストがかかっているのか、それでそのコストをどういうふうに埋めていくのかというような考え方に沿ったものでございまして、これまでの現金主義会計、お金の出入りだけを管理するものではなくて、そこにコスト意識を設ける、コスト管理をするということが大きな視点になっております。それで、現在、国でも総務省におきましてはバランスシートを全国統一の形でやっておりますけど、このバランスシートにも発生主義会計を導入するというような考え方を示しておりまして、今、検討を始めたというふうに聞いてございます。その辺の動向も踏まえまして、今後、対応していきたい、検討していきたいというふうに考えております。
小堤委員
 お聞きしたいんですけども、民間企業ではこの発生主義会計ということが行われておりますが、民間では逆に、それとこの現金主義会計というのをあわせてやっているんですかね。
篠原財務担当課長
 複式簿記で民間はやられておりますので、一般的には、現金、営業収益、損益、それから当期利益というような形で、そういったような形での会計だというふうに認識しておりまして、通常は、現金もありますが、発生主義会計が一般的だというふうに考えてございます。
小堤委員
 この小冊子で129ページ、カッコ1の「目標とする姿」、この4行目に、「発生主義会計の導入により、民と同一の基準で分析・評価が可能」と、こういうふうに書かれてあるわけなんですね。実は、10か年計画素案に係る地域意見交換会での、ここのやりとりの中で、これをお持ちならば26ページなんですけれども、こういう問いがあるんですね。発生主義会計は民間でいう発生主義会計と同じものかということなんですね。それに対する答えは、基本的には民間と同じようなものとは考えているが、行政の資産には道路や公園など他に活用できないものも入ることになり、全く同じとはならないと思うというような答弁なんですけども、このこととこの129ページに書いてある同一なものというのはどういうふうに勘案して考えたらいいですか。
篠原財務担当課長
 確かに区にはいろんな資産がございまして、それを当時の取得の簿価で今管理しております。それを現在の単価というふうに置きかえることができれば同じような手法で行うことができますが、道路、公園、そういった土地につきましては当時の簿価と今の額がかなり大きな開きがあるということで、それについては、まあ除くとは言いませんが、そこまで詳しくすることはできないというふうに考えてございます。やはり、この発生主義会計を導入するということは、これだけの事業をするのに幾らのコストがかかっているのか、コストをいかに最小限にとどめるのか、そういったことのために行うものだというふうに考えてございまして、民と同一というようなことでございますが、現金主義会計のほかに発生主義会計の手法も取り入れて、そこにコスト意識を持たせるような会計に変えていくということで私どもは今考えてございます。
小堤委員
 私もここのところは正直言ってよくわからないもので勉強しているんですけども、今まではやっぱり、発生主義会計を導入してこなかったというのは、そもそも官と民の違いがあるということだったと思うんです。ただ、これからは区としても大きな事業を長期的に行うと、そういう視点からのこういう発生主義会計の導入になったということだと思います。そういう点ではちょっとあわせて一緒に検討していきたいと思います。これは意見です。
平島委員
 私もちょっとお伺いしたいんですが、先ほど説明のありました139ページの図の4ですね。「一般財源の推移」というところで、平成22年度以降同じ数値で並んでいるんですが、これは見込みが立てにくいということでこの数字で並んでいるんでしょうか。ちょっとまずその確認を。
篠原財務担当課長
 この20年度以降の数値でございますが、20年度に実質的な税源移譲が行われるということになります。税源移譲につきましてもそれぞれ幅がございまして、最大値であるのと中間値と最小値、これで見ますと約20億円程度の差がございます。ただ、この違いはあくまでも特別区税の部分が違うだけでありまして、そのほかの特別区交付金とか地方譲与税等々につきましては同じ額で推移をさせてあります。ですから、見込めないということではなくて、20年度のベースのものをずっと歳入見込みとしては横に引っ張ったというだけでございます。
平島委員
 じゃあ、こういう見込みだということだと思うんですけど、今の御説明だと、まだその変動の可能性はあるということでよろしいんですか。
篠原財務担当課長
 税源移譲につきましては一定の考え方が示されておりますが、実際、中野区としてどのぐらい課税ができるのか、また、収納率がどのぐらいになるのか、そういったことも加味しまして最大値、最小値、中間値というような形で見込んだということで、最悪の場合と最良の場合、そういったことを想定してこういったような表にしたものでございます。
平島委員
 最大値、最小値はいいんですけども、結局、その基準となると言っていいかどうかわかりませんが、最大値にしても最小値にしても見込みとして上下する可能性というものはあるんですかという意味なんですけど、それは今のお答えでよろしいんですか。
篠原財務担当課長
 上下する可能性は十分あります。
平島委員
 とすると、あわせて、基金の積み立て等についても、それは定期的に検証して、また、その計画とか数値については、変更される可能性とか、今後また見直すとかという、そういうことも含まれているということなんでしょうか。
篠原財務担当課長
 実質的な税源移譲が行われる20年、ここで1回、またこの財政フレームにつきましては見直すことを今考えてございます。
平島委員
 じゃあ、また確認なんですけど、それは、先ほど言った安定化期間の中でそういうものも含まれているという認識でよろしいんですか。
篠原財務担当課長
 財政安定化期間につきましては、まず、年度間調整ができる基金、それを積み立てようというものでございます。これが、先ほど申し上げましたが、45億円程度。45億円あれば、最大値、最小値、その辺の景気変動がございましても対応ができる、年度間調整の基金の繰り入れができるといった額をこの期間にためるということで、そういったことも想定をして考えているものでございます。
平島委員
 じゃあ、最後に確認なんですけど、その45億円という幅の中で、最大値か最小値かは別としても、積み立ての繰り入れ等の計画については一応対応できる幅というふうに考えているんでしょうか。
篠原財務担当課長
 はい、そのとおりでございます。
佐野委員
 財政フレームのところでちょっと聞きたいと思います。141ページ。
 これは非常に先行きを見通すのは難しいことだと思いますけども、5年間だけでもしっかりしたものを出されたなというふうに思っています。当然、これは各部の積み上げをもとにお出しになってきているというふうに理解してよろしいんでしょうか。
篠原財務担当課長
 この歳出につきましては、新規・拡充事業というのがございますが、これにつきましては、学校再編とか、あと、道路とか、そういったもの、大きなものを中心にここに積み上げたということでございます。ただ、細かな事業、経常経費についてはここからは除かれているというふうに御理解をいただきたいと思います。
佐野委員
 歳入があって歳出があるわけですよね。まず歳入をありきと。今までるる御説明いただいてつかんだのは、例えば歳入については、人口の推移とか収入とかを見込んで、財調の問題も含めながら、不安定要因も設けながら、この歳入合計が21年度は719億、18年度は681億というふうにまず組まれますよね。そこから今度は歳出というものを組むわけですよね。今おっしゃった、各部がこういうものをやりたいああいうものをやりたい、そして調整を最終的に財務の方で図られてこれができ上がったということで理解してよろしいかということをお尋ねします。
篠原財務担当課長
 はい、そういうことでございます。
佐野委員
 それでは、お尋ねしますけども、まず、歳入の方ですが、18年度681億、21年度719億、合計ですよね、約38億収入がプラスになっていくという4年間の数値ですね。その内訳を見ますと、特別区税が多くなってきておりますよね。18年度よりは21年度の方がふえている。それから、あと特別区債もふやしているというようなことから21年度は719億という数字が積み上がってきたということだと思うんですけども。単純に考えて、特別区税がふえるということ、279から332ですからかなりの額がふえてきているわけですけど、この辺の見通しというか根拠はどのように考えられて積み上げたんでしょうか。
篠原財務担当課長
 これは税源移譲に伴うものでございまして、今、地方税としてカウントしているのは、所得税が国が6持っていまして、地方は4持っています。そのうち、国の6のうちの2を税源移譲という形で地方を6にするというような考え方がございまして、その数字を人口割で計算しまして区長会事務局の方で試算した結果、中野区におよそこのぐらいの額が入るだろうということで、それに一定の収納率を私どもは掛けましてこういった数字になったものでございます。
佐野委員
 そうしますと、これもやっぱり不安定要因があるわけですよね、ある意味では。かなりの収納率を掛ける人口がどうなっていくかということも。中野区は、今見ますと、大体ここ10年間、30万から31万の人口推移がきていますよね。それで、この図を見ますと、今後もそんなに大きくは変わらないだろうということでのこういうことの試算が出たということですけども。したがって、5年間と言いながらも、結構その辺の38億プラスになる大きな要因が特別区税であるとすれば、その区税の収入自体も不安定要因がかなり大きく入ってきて、大きくと小さくというのはとらえ方の問題でしょうけど、入ってくる。しかし立てざるを得ないというところからこういうことになってきたという意味もあるというふうに理解してよろしいんでしょうか。
篠原財務担当課長
 この区税につきまして、今、段階がありまして、5%層、10%層、それから13%の層というのがございます。それで、国の税源移譲の考え方はそれを一律10%にならそうという考え方になりまして、逆に言うと、低所得者に対します増税感が出てまいります。そういったことから、私どもは、収納率、これはかなり厳しいものになるだろうということも考慮いたしましてこういったような数字を落とし込んだということでございます。
佐野委員
 わかりました。私が心配したのは、やはり、10年間組むのは結構いろんな社会的要因がありますからかなり無理な部分もあるけども、5年間はある程度しっかりしたものを出さないと。収入と支出のバランスが崩れると、すべてこの計画自体が崩れるのであって、そういう観点から御質問させていただいたわけですけども。特にこの収入が崩れると、幾らいい事業部でもそれぞれがおやりになろうとしていることの目玉ができなくなるということですので、ここはしっかりと見ていかなきゃいけないかなというふうに思うわけです。
 次に、ちょっとお尋ねしたいんですけど、義務的経費についてお尋ねをさせていただきます。
 義務的経費につきましては、今のところ、ここ数年間確かに人件費等が下がってきていますので、改善はされてきておりますが、少なくとも今回の予算を見る中でも約6割義務的経費が占められているということで、投資的経費が少なくなっているという現状があろうかと思うんですけども、これをずっと見ていきますと、義務的経費はほとんど変わらなくなっておりますね。これは何かといいますと、人件費が、2,000名体制をするために、18年度から21年度まで約256から249ですから約7億下がると、そういう計算で、ここは大きなポイントになってくるということですけども。扶助費が6%に抑えるということで扶助費が上がっていますよね。扶助費は多分上がるんだろうと思うんですけども、要するに、この辺のバランスといいますか、義務的経費が本当にこれでおさまるものなのかどうか。380億がずっと推移してきていますけども、これが私は一つの支出の方の大きなポイントではないかと思っているんですけども、その辺のお考えはどうなんでしょうか。
篠原財務担当課長
 人件費は、毎年毎年退職不補充ということでいきますので、最終的に2,000人体制になりますから、毎年毎年下がります。それで、その下がった分が逆に今度は扶助費にどうしても上乗せになってくる。例えば保育園1園が指定管理者になりますと、約1億5,000万円が扶助費にカウントされるような形になります。ですから、せっかく人件費を下げても扶助費の方に添加されるというふうな部分がございますので、そういったことも十分考慮して計算をした結果、おおむね大体6%の扶助費の伸びを見込めばこの数字でおさまるというような見込みを立てたものでございます。
佐野委員
 予算の中で、私は、義務的経費が6割強をずっといってしまうと、硬直した体制といいますか、バランスのとれた感覚、フレキシブルな予算というものは組みにくいと思うんですよね。やはりこの中で特に扶助費が伸びてきている。中野区の場合は特にそうです。これは23区全体的な現象ですけども、ここに一つの力点を置いていかないと、いつまでたっても義務的なものが変わらない現状になる。ということは、極端に言いますと、今度の水害のときにも何人かの意見か出ましたよね。そういった予算をある程度のところへ回して事前に道路の補修等をしておけば、あるいは川の改修、川のところの亀裂を直しておけば若干防げたんじゃないかとか、いろんなそういう問題も指摘されました。したがって、フレキシブルな体制を整えるためにも、やはりこの義務的経費を、このままでいくと5年間変わっていないですね。抑えると言いながらも、今、課長がおっしゃったように、人件費は抑えるけど扶助費が6%伸びちゃうから、結局行ってこいになってしまうということですので、この辺を一工夫していかないと、10年間のフレームの中で私はやっぱり大きな一つの問題になってくるんじゃないかと思うんですけども、将来的なことも含めて、この5年間こういう予算でいくわけですけども、どういうふうにお考えでしょうか。
篠原財務担当課長
 先ほどの財政安定化期間の目標値ということでお示しをさせていただきました、御説明させていただきましたが、その中で扶助費が、140ページになりますけど、扶助費につきましては、国や都の補助事業の部分につきましては、対象者や執行の適正化を行うと。それから区単独事業でございますが、これにつきましても、その目的、効果、支給率、額の見直し、所得制限のあり方、こういったものを検証して、歳出の抑制を図っていこうというふうに考えてございます。こういったことを通しまして扶助費の伸びを極力抑えて、それで、道路、公園、こういった整備費の方に、積立金を今度新たにまた設けましたので、そちらの方に積んでいって、計画的なそういった道路整備をしていく、改良をしていくというふうなことで今考えてございます。
佐野委員
 しつこいようですけど、積立金で道路等投資的経費の方へ持っていこうという考え方ではなくして、あくまでも義務的経費をどのように抑えていくか、それによってのバランスを再配分していくという考え方に持っていかないと。積立金があるから道路が補修できるんだとか、積立金を回せばいいんだと。あくまでも積み立てというものはいろんなファクターがあると思うんですよ。そのために積み立てているわけで、投資的経費のために積み立てているだけではないと思いますので、その辺は誤解のないようにやっていかなければいけないんではないかなというふうに思っております。
 それで、それはそれとしまして、次に、時間外手当のことについてちょっとお尋ねをさせていただきます。
 時間外手当を毎年5%削減するというふうにここにお書きになっておりますけども、私も質問させていただきましたけど、ここで約5,000万円ほどずっと毎年伸びてきているわけですよね、時間外手当が。5%という根拠というのはどこから出たんでしょうか。
篠原財務担当課長
 私どもの各部の努力目標として何%にすることが適切なのかといういろんな議論がございました。現在でも、行財政5か年計画、それから経営改革指針でかなりその抑制をこれまで図ってまいりましたので、さらに職員の努力を促すという意味では5%程度が適当だろうということで5%という数値をつくったものでございます。
佐野委員
 ということは、各部がそれは納得した上で--私は、必要な残業、必要な時間外勤務等はやるべきだということで、費用対効果を考えてやってほしいというふうに言っておりますので、あくまでもそれはそれでいいんですけども、各部がこれは納得し、ある程度精査した上でこういった数字が出てきたというふうに理解していいんでしょうか。
篠原財務担当課長
 私どもの方針として各部にお示ししたのが5%ということで、各部等納得の上ということではございません。あくまでも努力目標で数値をお示ししたものでございます。それで、これらにつきましては、ただ単に働き方、サービス残業をするんじゃないかというようなことじゃなくて、例えば勤務時間の柔軟性を持たせるとか、あとは繁忙期におきましては臨時職員を採用して、そこで超過勤務時間を縮減するとか、そういったあらゆる工夫をしながらこれを削減していただきたいということで各部に今投げかけているというようなものです。
佐野委員
 こういう予算を組む場合に、特に事業部制ですから、これは--私は厚生委員会に所属しているんですけども、厚生委員会の中でも山崎議員の方から質問が出ました。こういう予算を積み上げるのは当然ボトムアップで、各事業部から、いろんな新規事業だとか、人件費、残業、すべてを含めてこういうものが示されて、各部ごとに試算が出されているのかなと思ったけども、私もそう思っていました。結果で見ますと、全体像がコントロールされて財務担当の方でお出しになったというやり方で、当然それには、各部の積み上げ、各部の納得、各部の理解の上でこういう数字が出てきたというふうにやっぱり理解をしなければならないと思うんですよ。私は、予算は財務担当だけが先行してやっても仕方がないことであって、予算の組み方の基本は各部の方針、各部のやり方が必要だと思うんですよ。今、課長がおっしゃった中で、残業代については5%の目標をある程度暫定的に立てて、それの努力目標をやってくださいということでお願いしているんだということですけども、やはりそれぞれ各部の事情があると思うんです。私が残業代を調べてみますと、部によって違うわけですよ、すごく出ているところとすごく出ていないところと。だから、それぞれ部の特徴があって、部の仕事の仕方があって、工夫があると思うんですよ。したがって、単純に財務担当から一律5%の目標でお願いしますよというふうなやり方がいいのか、あるいは、ちゃんと各部の仕事を検証して各部から上げてもらって、5,000万円をどういうふうに削減していくのかという研究をしながらその5%の数字を出すというのがいいのか。ここは非常に難しいところだと思いますけども、少なくとも予算というのは財務担当で組む問題ではないと思いますので、その辺のところはしっかりと各部と連携をとって、特にお金というのは非常に働きと密接してきますので、何回も言うように、費用対効果というのを考えてやってもらいたいというのが趣旨ですから、工夫をする。工夫をするには、財務担当が工夫するんじゃなくて各部が工夫をする必要があるわけですから、そこはよく連携をとりながらやっていただきたいと思うんですけど、いかがでしょうか。
石神総務部長
 予算を組むときには、当然、積算をした上でそれぞれやってもらいますが、今の段階では、先ほど課長の方から説明しましたように、歳入でその年度の予算が全部賄えない、予算段階でですね。決算の段階になりますと、執行率だとかそれぞれ歳入の見込み差だとか、そういうものが出てきて繰越金が出てくるという格好になっていますが、予算の段階で見込む段階では、今、財調基金というものを入れない限り予算を組める状態になっておりません。それを組む状態、ここまで持っていかなければ予算というのは組めないわけです。積み上げたところが入ってくるお金よりも多い、フレームより多い状況、これは、この17年度予算もそうですが、今のままいけば当然見込まれてくる。そういう中で3カ年間の財政の安定化期間を設けたということは、そこの中でいろいろそれぞれの工夫をしてもらった上で歳入に合った予算を組むということの一つの目標が必要だということでございます。
 今、委員が言われるように、これからの予算を組む場合には、歳入予算、いわゆる歳入の一般財源という部分でそれぞれの事業ができるようにそれぞれが工夫してやっていくのが当然だと思いますが、まだまだ目標を設定しなければやっていけない状況にあるということでございます。これは、行財政の5か年計画のときには、仕事を一つずつ、これをやめる、縮小する、そこまでやってきたわけです。また、そういう状況は脱した。ただ、一つの数値的な目標というのは、年度の中で各部に5%という、一律に切っていくんじゃなくてトータルとして、ここで言うと5%を足した金額ですね、全体としてこれは必要だと。それから事業経費についても、それぞれ切れるところと切れないところがありますから、簡単に1%、5%切りなさい、3%切りなさいと言えませんので、トータルでそれぞれ工夫した部分を足してみてここのトータル金額になってくる、そういう形で各部に示しているということで、これから総務それから区長室で、各部担当という課長をつくっていますので、各部と話をしながら実態に即しながらやっていく、また、3カ年間にこれが一遍にできないということであれば、3カ年間の中で予算の段階、執行の段階、決算の段階を踏まえながらこの削減目標を達成していこうということで出しているものでございます。
佐野委員
 わかりました。予算の段階で、まずコントロールする部署である総務の方でこういった全体の枠のフレームをおつくりになる。そこから、例えば5%ありきということであれば、残業代の5%を下のそれぞれの部署に落としていく。そして努力目標としての協力を仰ぐと、そういうやり方をとっているということですよね。とすると、当然、誤差が出てくるとすると、各部が納得しなければ、5%それぞれ全体で積み上げて、2%のところがあれば7%のところもあったということで5%に帳じり合ってきたとしても、やはり各部が納得していかなければ、この問題一つをとってもなかなか最終的なところでは5%になっていかない場合があるし、努力目標とうたってもなかなか各部の事情があっていけない場合もあります。したがって、早急に、こういった幾つかのものは大きいとわかっていることですよね。わかっているものについては努力目標をやってもらいたいということについては、至急に各部におろしていただいて、精査をした上でもう一回確かなものを踏まえて、区民にこれから10か年計画の説明会をするわけですから、そうしたものをおろしていかないと、後になってここが5%じゃなくて7%でした、あるいは4%でしたとか、各部でこんなことはできませんよとかとてもやれませんよということが確かにあります。だけど、それを聞いていたら、総務としてもそれはできないということがわかりますので、その辺をやっぱり考えながらやっていく必要があるんじゃないかと思っていますので、ぜひそれはお願いしたいと思いますけど、いかがでしょうか。
石神総務部長
 区民に対して事業をやっていく場合に、やはり、佐野委員が言われるように、人件費だとかそういった内部で努力できる部分についてはっきり見せていく必要があるんではないかというふうに思っています。理念でこういう努力をして削っていく方向ですという約束は約束ではないんではないか。ただし、この段階で全体で5%削減していく目標を持っていますと言ったときに、達成すれば達成しましたという報告ですが、達成できない場合には、こういった理由で達成できない、ただし、こういったところで削減をさらにして、全体としてはこういう縮減にしましたという約束をするのが、今の財政健全化という方向に向けていく区民に対する約束のあり方だろうというふうに思っています。ですから、それぞれ各部の中でそれぞれ努力の視点が違いますが、努力をしてもらうわけですが、そのトータルとしてこのフレームの中で示したような形でいけば事業が安定的にやっていけるということを区民に約束しましたので、各部とよく話し合いをしながらそういった安定的な財政運営をつくっていきたいというふうに思っています。
岩永委員
 141ページの「一般財源ベースの財政フレーム」なんですが、三位一体改革による税源移譲は20年度から見込んでいるということですが、これはどのような見込み方をされているんでしょうか。
篠原財務担当課長
 国が示した考え方に基づきまして、区長会事務局、こちらの方で23区の試算をしてございます。その結果を区に盛り込んでございます。
岩永委員
 先ほども課長の方から御説明がありました、既に保育園だとか影響が出ていますね、負担金、補助金で。それはこの17年度、18年度、19年度という形のところではどのような見方をしているんでしょうか。
篠原財務担当課長
 所得譲与税という形でその分はそこに見られているというようなことで国の方から言われておりますので、当然、所得譲与税の中に含まれてきているというふうに私どもは認識をしております。
岩永委員
 所得譲与税でというのは、それは三位一体改革のこの税源移譲の中で言われていることです。ですから、このフレームの中に所得譲与税として見ているというのではなくて、所得譲与税をどのように見ているのかと。だから、さっきから保育園ではこれだけの影響があったと決算で出ていますね。義務教育費では今年度こうなりそうだとかというのがありますね。だから、18年度、19年度なんかは、じゃあどういうふうに見ているんですかということなんです。
篠原財務担当課長
 例えば16年度で申し上げますと、大体、影響額が7億ありまして、所得譲与税で見てもらったのが5億円程度です。ですから、2億円程度は入ってきていないというような認識は私どもは持っております。そういったものを踏まえまして18年度、19年度というものの予算をつくってございます。所得譲与税につきましては、当然、17年度につきましても、ほかの見直しがございますので、その分がまたそこに乗っかってくるという形になりまして、最終的には税源移譲という形で19年度に実際は来ますが、中野区が課税ができるのが20年度からということになりますので、そういった部分でそこに全部含まれてくるというような認識を私どもは持ってございます。
岩永委員
 要するに、その他の一般財源の中でそういうものがどういうふうに見込まれているかというのを数字がわかれば教えてもらいたかったんですが、どうもそこまでいかないのかなと、今、話を聞きながら思いました。三位一体改革の影響を受けて負担金や補助金が毎年変わるわけですね。だから、それをどういうふうにここで見ているのかという、考え方だけじゃなくて、具体的にどう見ているのかわかったら教えてほしいんですが。
篠原財務担当課長
 地方譲与税ということで、この中の一つに所得譲与税がございます。そのほか、自動車重量譲与税とか地方道路譲与税がございます。この所得譲与税につきましては、17年度予算につきましては5億1,800万円見ておりますが、18年度につきましては、およそその倍額、10億8,800万円、こういった額を見込んでおりまして、この中ですべて対応していくというふうに考えてございます。
岩永委員
 なぜこうしつこく聞いたかといいますと、中野区がこの財政フレームをどう見ているのかというのが余りにも漠然とし過ぎていてわからないものですから、例えば、そういう影響がある影響があると言われているものをどういうふうに区は見ているのかということが本当はもう少し細かく知ることができれば、もっと私たちも議論をするとか、これはどうなるんだとかというふうにいけるんではないかと思っているものですからお聞きをしたんですが、わかりました。わかりましたというか、ちょっと時間もあれなので、ここはこれまでにします。
 それで、142ページに「基金の積み立て・繰り入れ計画」というのがあります。その一番上のところに「財政調整基金と減債基金について、これまでの方針を踏まえた積み立てを行う」というふうに書かれてあります。それで、16年度予算のときに財政運営の考え方というのが出されて、16年度から20年度までの財政運営の考え方というところに基金運用計画というのが出されました。ちょっとこれで見てみますと、当然数字が違うわけですね。ただ、このこれまでの方針を踏まえた上でこの10か年計画に出したということですから、減債基金と財政調整基金がこの20年度までの予定をしている財政運営で出したものと違うのはなぜなのか教えてほしいんです。
篠原財務担当課長
 10か年計画の財政的な裏付けとか、あと年次でいろんな事業が出てきますので、それを実現するために多少の改正・変更をしたということでございます。
岩永委員
 例えば減債基金を見てみますと、この計画ですね、そちらの方で出したこの20年までの財政運営の考え方の中での基金計画は、減債基金、例えば17年度、18年度はほぼここに書かれてある積立額に相当するんですが、19年度以降、20年度は8億というふうに、ここでは、財政運営の考え方にあったものが約7億弱、6億7,000万円ですね。一方、財政調整基金は、18年度は2億と見ているのに、ここでは7億、19年度はゼロなのに1億というふうに、若干ではなくてそれなりに違う。さらに言えば、減債基金は減っている。こういう状況なので、これはどうしてこういうふうになったのか、私から見れば若干の違いというふうには思えないので、このあたりの考え方をもう一度お聞きします。

篠原財務担当課長
 財政調整基金につきましては、先ほども御説明いたしましたが、18年度、19年度、20年度につきましては財政安定化期間という考え方を新たに設けました。この間に、年度間調整として、景気の変動に耐え得る部分としての積み立てを増額したということでこういった所要な数字になったものでございます。減債基金につきましては、これまでの起債の償還額、一括償還、こういったものがそれぞれの年次に今後出てくることがありますので、それを合致させたということで御理解をいただきたいというふうに考えております。
岩永委員
 さらに、まちづくり基金ですが、まちづくり基金は、全額を見ますと45億円積み立てることになっていて、10億円取り崩しますね。35億円残ることになるんですが、これは何に使われていくんでしょうか。
篠原財務担当課長
 中野区の全体のまちづくり、警大跡地、それから南口、それから南台一・二丁目、そういった全体のまちづくりのために活用するものでございます。
岩永委員
 35億円が警大や南口や南台一丁目等々のまちづくりに相当するということですか。そうしたら、10億円は何に使われて、残りの35億円は何に使われる予定なのか、もう一度教えてください。
篠原財務担当課長
 10億円につきましては、これは、22年度以降の警大跡地、それから中野駅南口の整備、こういったものに充てる経費でございます。
岩永委員
 のみ込みが悪くてごめんなさい。そうすると、10億円は警大跡と南口ですか。だから、45億円全部がこう使いますよというふうな説明でもいいし、10億円はこういうふうに使って残りの35億円はこういうふうに使いますよというふうにでもいいんですが、もうちょっとわかるように説明を欲しいんですが。
篠原財務担当課長
 例えば警大跡地でいえば、公園用地の買い取り、それから道路用地の道路の整備、それで、南口につきましては、あそこにあります、今、駐輪場で暫定使用しているものの買い取り、こういったものを含めますとおおよそ10億円というような意味でございます。
岩永委員
 わかりました。
 それと、この安定化期間ですね。45億円を年度間調整のために必要だということで、先ほど課長の御説明はその45億円は19年度で一応用立てができるようになるというお話でした。しかし、この安定化期間は18年度、19年度、20年度の3カ年というふうになっていますね。そうしますと、19年度でできるんだからもういいんじゃないか、年度間調整の積み立てはもういいんじゃないかと私なんかは思うんですが、これが20年度までになっているという、その理由は何でしょうか。
篠原財務担当課長
 私どもの計画でいきますと、年度間調整基金につきましては19年度には45億9,000万円に達します。その後、19年度につきましては額を少なくいたしまして、それまではおおむね5億円程度年度間調整として積んでいきますが、19年度以降につきましては1億円ぐらいに下げてございます。それで、この表ではちょっと見えないんですが、この財政調整基金の中には、年度間調整分と施設改修対応分、それから退職手当分が入ってございます。退職手当分につきましては17年度で終了いたしますが、それ以後は、施設改修分、それから年度間調整分ということで積んでまいります。それで19年度に、先ほど申し上げましたが、45億円となりますので、その分、今度、道路とかそういった方に回すということで額は下げてございます。積み立ての額は1億としてございます。
岩永委員
 そうしますと、年度間調整の中には、今言われた退職だとか施設とか、そういうものも必要なので、毎年、18年度までは年度間調整分として5億円積み立てていくということでしょうか。
篠原財務担当課長
 現在、年度間調整、これとしては5億円です。それから施設改修対策分については、例えば17年度でいえば10億円、それから退職手当分が8億7,000万円というような額で積んでございます。18年度につきましては、年度間調整を5億円、それから退職手当は2億6,000万円という形で積んでまいりますので、そういったような内訳になっております。それで、この年度間調整と申しますのは、例えばその年の歳入と歳出、歳入が足りない分を調整するものでございまして、そのほか、あと大規模事業、こういったものに繰り入れをするということを考えてございますので、そういったことで内訳はなってございます。
岩永委員
 今のお答えでは、さっきの私が、じゃあ、なぜ安定化期間が20年度まであるのかというところの答えがいま一つわからない。要するに、年度間調整は45億円必要で19年度には達成する、こういうことですよね。それで、安定化期間は45億円というのを頂点にいただきながら20年度までやると。だから、ここの違いがわからない。
篠原財務担当課長
 139ページで先ほどお話ししましたが、今回は、財源の見込みを、最大値、中間値、最小値とございますが、中間値で見込んでございます。これがもし最小値となった場合に、この年度間の額が約13億円変わります。この1年度に関して景気変動で約13億円の差があります。それで、3年間安定的にもしこういった期間が続いた場合、既に計画した事業ができなくなることもありますので、この3カ年分、それぞれ、実際のところは40億円になりますけど、15億円ずっと使うことにしても、45億円出せばこの3カ年は乗り切れる。税源移譲のないまま乗り切れるというような見込みで先ほども説明申し上げましたけど、そのためにこの年度間調整基金、これを積むと。要するに、景気変動に耐え得る部分として積むということです。
石神総務部長
 財政の安定化期間と基金の積み立てというのはセットではなくて、安定化期間というのは、先ほど佐野委員にも言いましたが、今の歳入で、その歳入の中で執行ができる歳出構造になっていないと。まだ予算の段階では基金を繰り入れないと予算を組める状態にない、そういう意味で、健全化と言われるようにその年の歳入で歳出が賄える体制に切りかえていきますよという期間を安定化期間、3年間とっております。それからもう一つが、景気変動だとかなんかによって、事業を計画しているものが、その年度、景気が落ちちゃったらば事業をやめなくちゃいけないということは、区民の方に約束できないことになってしまう、また、義務的にやらなくちゃいけないことも削らなくちゃいけなくなってしまう。そういうことになってしまいますので、そういうことがないように、そういう景気変動を見据えた上で財政の柔軟性を持つということで基金を積み立てていく。
 それは、景気変動は、大体今までは、下がると3年ぐらい、上がると3年ぐらい、3年ぐらいごとに来るということになりますと、1年に今見込んでいる一番悪い時点でいくと15億円ぐらいつぎ込まないとその年度がやっていけないわけです。単年度に15億しかないと、翌年度悪いと、今度はまた切らなくちゃいけないということで、最低でも3カ年間分45億というのが安定的な事業を進めていくためには必要だということで、その3年が一緒になっちゃったのでちょっと混乱されたと思いますが、安定化期間というのは、これまでやってきた5年に加えて3年間のいわゆる構造改革、今まではこれを切るあれを切るとやってきたものを、今度は、いろんな仕事の見直し、事務事業の見直しをしながら、いわゆる構造を整理していこうと。それから、事業については、安定的にこの10か年ということで出している以上は、約束して事業をやっていきましょうと。景気が変動したからこの事業をやめますということではない、そういう財政運営をしていくということで、3カ年間をサイクルに、大体45億最低でもないと、そういう安定した事業運営ができないということで言っているものでございます。
岩永委員
 そうしますと、財調基金でいえば、とりあえずこの45億円が19年度に調整できる額になるまでは財調基金にも積み立てを増していって、それで、19年度以降、この計画でいうと1億、5億と、こうなっていくのは、いわゆる安定期間を一応達成したということで積み立て金額を少なく見積もったと、こういうことですか。
石神総務部長
 先ほど課長の方が、財調の細かく年度間調整分と施設改修分と退職手当分という形で言いましたが、退職手当分は16年度のときに示したように、20年度以降、団塊の世代の方がやめていくことになりますと、退職金、いわゆる義務的経費と言われる分が一気に出ちゃう。そういう出ていくお金を安定的に、事業の方をいじめずに、それができるように積み立てをしていこうという計画を立てました。その計画どおりに積んでいくということでございます。
 それから、年度間調整部分というのは、一つの目標は45億ということですが、今の中野区の体力でいうと、もっと本来的には100億だとかなんかあって、建物・施設改修だとかなんかを先行してやっていけるような体制をとらなくちゃいけないんですが、今は全体を安定的に切り回していく最低の線の目標を持ってやっていこうということでやっております。ですから、23区、最初に課長が説明したように、基金の積立総額が23区平均で300億超えているけども、中野の場合には100億ちょっとであるということでございます。今回のこの全体を足しても、26年度末の金額でいうと200何十億ですね、そういう金額になっています。基金をどんどん積んで、ほかの仕事をやめるんじゃなくて、安定的にやっていくための財政の目標値としてこういう形に持っていく。基金積み立てのために仕事をやらないんではなくて、やっていこうと。特に基金については、投資的な経費、これに対してやっていくということになりますので、全体基金だけでは説明できないところがあろうかと思いますが、大きな事業がこういうところで行われるという目安にはなろうかというふうに思っております。
岩永委員
 いっぱい聞きたいことがあるんですが、あととりあえず1点。
 137ページで「職員2,000人体制の構築」というのがありまして、ここで職員をどういう職員体制にしていくかということが書かれていますね。例えば、専門知識や経験を有する外部の人材を生かすための一般職の経験者採用するとか、任期付きとか臨時的等々というふうなことが書かれてあって、職員は2,000人体制にするということになっています。これだけを読みますと、最後に残った2,000人をちょっと思い描いてこれを読みますと、中野の中での人材育成、職員育成、何と言ったらいいんですかね、要するに、若く新採なり何なりで入ってきて、本当に中野の中で、中野区民と一緒に、区政の中で中野区政の担い手の職員となっていくという、全然そういうのはここの中からなかなか読み取れないんですが、そのあたりの人事についての考え方というのはどういうふうになっているんですか。
石神総務部長
 職員2,000人体制といいますと、これは職員でのカウントですが、公共サービスを担うということでいいますと、委託をやっている部分だとか、そういったことでいうと2,000人ではないんですよね。そういう部分を、2,000人でこれまでやっていたことを全部やるということじゃなくて、いわゆる役割分担だとか民間の力をかりながら今までのサービスをやっていくということになります。これからは、2,000人になった場合の役所の行政としてやる役割ですね、こういう部分について、今、委員が言われるように、それなりのプロパーの職員が育ってこなければ、非常にサービスの質の転換が難しくなるということになろうかと思います。こういうことについては、今、人材育成計画という形で、人をどういう形で育てていくのか、どういうような形で役割を担っていくのかということでの計画を立てておりますが、採用された以上、それぞれの成果に対して責任を持って、その仕事が判断できて、その仕事を進めていける、そういう遂行能力を持つということの職員を育てていくためにやっていこうということがあります。また、ここではさまざまな任用形態がありますが、専門性を持った職員の採用の形態、こういったものについても、1から育てる場合と、外で育っている--育っているというか、そういう能力を持った人を職員としてその間活用するとか、いろんな形で職員がお互いに全体区民のために能力を発揮できる、そういう環境をつくっていく必要があるかなというふうに思っております。そういう意味でいうと、職員を育てる仕組みというのは、ちょっとここには書いてございませんが、当然この中ではなくてはならないというふうに考えて、今、取り組んでいるところでございます。
岩永委員
 そういう人材育成計画を区でつくっているのであれば、この2,000人体制との関係で、どういうふうに区としても職員を育てていくのかというようなことがここに一緒に出ていた方が、ああ、こういう職員体制になるのかとか、そういうことがわかるわけですね。ぜひそういう視点というのは--私は2,000人がいいと言っているわけじゃないんですよ。中野区としてどう職員を育てていくのかということがないと、本当にただ減らすだけ、そして外部の力をかりるだけという、そういう中野区であってはならないわけですから、そういう視点がぜひここの中にきちんと盛り込まれるべきではないか、人材育成の視点が盛り込まれるべきではないかと思うんですが、もう一度どうですか。
石神総務部長
 先ほど財政のところでも言いましたが、区民の方がこれを見てわからないということではしようがないというふうに思います。私どもが区民の方に約束する部分ということについては、特に4章についてはそういった部分ですから、区民の方にわかりやすい形で書きたいというふうに思います。今、委員が言われましたように、どういう職員を育てていくのかということについても、一つの約束ですから、なるたけわかりやすい形で、今取り組んでいる人材育成計画と合わせて、この表現の仕方については工夫していきたいというふうに思っております。
伊藤(正)委員
 これはいろいろきのう、おとといあたりから各常任委員会でも説明はしているんですけども、きょうは特別委員会ということで、財政に限ってとは言っても各部長級さんもおられますし、何とかその辺も伺いたいなと思うんですけれども、先ほどの財務担当課長の説明だと、いろんな事業、また、施設の改修だとか、進めていく上に当たっては、基金で2分の1、一般財源で2分の1と言っていましたよね。そうすると、この「基金の積み立て・繰り入れの計画」と「起債の活用計画」と、一般財源のフレーム、この表を見比べてみますと、例えば146ページの「10年後の施設配置」というのが一覧表でぱっと出てきていますよね。例にとって何カ所か教えていただきたいんですけども、まず一番初めに出ているのが、桃三、仲町、桃丘小学校の統合新校ということで、これは仲町、桃丘を廃止して桃三にということで、これは施設の改修ですよね。それで、その下も、小学校の統合、またその下も、野方小学校、丸山小学校、沼袋小学校とありますけれども、例えば、この改修、私が聞いているところによりますと、野方小学校は完全に耐用年数も来ていますし、いずれ新校をつくるんだと。学校一つつくるには大体30億が必要だと言われておりますよね、この間の総括でもそのような答弁も私は聞いておりますし。そういった意味でいくと、この基金の積立金、例えば義務教育施設基金で幾ら、財調で幾ら、一般財源で幾ら、どういうふうな形をイメージしているのか、ちょっと教えてくれますか。
篠原財務担当課長
 例えば桃三小学校の改築でいえば、これは2カ年にわたって工事を行います。それで、これにつきましては、18年度につきましては、改修費がおおむね2億円を想定してございまして、基金で、これはたまたま十一中もこの年は改修がございます。それで、双方で5億円必要なわけでございますけど、起債で約3億、それから基金が1億、それから一般財源として1億、こういった形で5億円充当しようというふうに考えてございます。
 19年になりますと、野方小学校の、これは設計とか、そのほか、桃三小の第2期改修、十一中の第2期改修工事、それから、そのほか、中野昭和小学校と第一中学校、こちらも1期目の改修工事があります。総額で11億2,000万円想定をしてございまして、起債が3億、基金が4億1,000万円、それで一般財源が4億1,000万円というような計画でございます。
伊藤(正)委員
 今そうやって答えられるということは、結局、この「10年後の施設配置」一覧表、これにもやっぱり予算的、財政的な費用というのは書かれてもいいかなと思うんですよね。これは改定の素案ですから、恐らく、本編、新しく計画案というのは、来年の1月ですか、11月にかけて3カ所で説明会をやり、また、4定でもいろいろな説明をして、そして1月の計画案ということになろうと思うんですけども、実際にこの改定素案のつくり方は、これにもやはり財政的な裏付け、各個別の施設だとか事業に私は書くべきだろうと思っていました。まして、先ほど課長の説明では、138ページですか、基本方針として、「基本構想のめざす将来像を実現する「新しい中野をつくる10か年計画」は、財政の裏づけのある計画でなければなりません。」ということで、各小・中学校にしろ、子ども関連施設にしろ、スポーツ施設にしろ、みんなやはり、この施設をつくるには幾らかかりますよということで、議会にももちろんそうですけども、区民にもわかりやすく、お金がこうやって使われてこうやって流れがなっているんだよということを知らせるべきだと思っております。
 そういった意味でいくと、この施設再編するに当たっての、関係する各事業部でいろいろ実施計画するに当たっては、この学校をつくるには幾らかかりますよ、この子ども施設をつくるには幾らかかりますよというのが当然あろうと思うんですよね、各事業部さんから上がってくるのは。その辺と財政、総務部との関係というのはどのようなふうに調整されていくんですか。
石神総務部長
 予算を積算する場合には、各事業部から実際に積算をしてもらってやってもらいますが、こういう計画の場合には、ある見込みを立てて、単価を平米単価幾らだとか、そういったことでやっていきますから、これがそのまま財政計画の中でこの単価でやりますよという議論にはならないわけです。来年度予算については積算をした上でやりますが、それが10か年分という格好にはなりません。
 それで、財政の裏付けをつけたということは、こういう形で、この計画については、財政的な運営については大丈夫ですという約束をするわけです。幾らだから大丈夫ですという格好ではなくて、歳入見込みはこういうふうに立てていますよ、その歳入見込みの中でこういう財政運営をすることによって、ここで約束した施設についてはやっていきます。単年度でいうと、予算の中で幾ら幾らでこれをやっていきますということが出てくる。それから、計画によっては設計から区民の方と意見を話し合いしながらやっていくということになりますから、そういう時期の約束だとか、そういったものが一つずつ出てくるんだろうと思います。ですから、ここで言う約束の部分をどういう形でわかりやすく表現していくのか。フレームということで数字をばらばらと並べて、そのつなぎがないままではちょっとわかりにくいんだろうというふうに思います。どういう形で財政的な裏付けがあるのかということはちょっと工夫させていただきたいというふうに思っております。
伊藤(正)委員
 ぜひ、財政的な裏付けを明記、区民が見てもわかりやすく見えるようにしていただきたいと思いますけども。
 それから、いろんな各部の部長さんも出ていらっしゃいますので、お伺いしますけれども、147ページのスポーツ施設の体育館。改定素案には、体育館が九中の跡地に建設される予定。これは、開設は10年後以降と、10年後の計画ということで明記されていますけども、素案のときには何も書かれていませんでしたよね。改定素案を見て、唐突的に出てきたのかなと思っています。そういった関連で、区長室と教育委員会とはどういう連携をとっているのか、少し伺いたいと思いますけども。
金野教育委員会事務局次長
 この体育館につきましてはいずれ改築の必要があるということから、どんなふうに10か年計画に関連付けるかということで全体的な検討をしてきたわけでございますが、今回は、こういう九中跡地ということで見込んではどうだろうかというような考え方で調整がなされました。教育委員会といたしましては、現在地と違った場所に建てるということになれば、現在の体育館は休止をして改築の間は使用停止をする必要がないと。ずっと体育館があって使えるということと、それから第九中学校、学校再編等で校舎として使わなくなることを見込んでおりますので、用地としても確保できる。また、敷地の面積にも十分な広さがあるということから、こういう考え方で進めていこうということで調整いたしました。
伊藤(正)委員
 素案には全然触れていないんですよね。それで、改定素案で初めてこの体育館の跡地利用というんですか、出てきたと思っているんですけども、いずれにしろ、現在の体育館は、恐らく区役所等サンプラの一帯を再開発するに当たって区役所が移転するんだろうと思っていますし、そういったことでは、この意見交換をやってきましたよね、いろんな地域センターでね、17カ所でしたか。そういうところでの意見は出たんですか。
寺部区長室長
 警大跡地の使い方をめぐっての意見は幾つかいただいておりますけども、いわゆる公共・公益用地としている部分についての使い方みたいなようなことについては特に御意見はございませんでした。今、伊藤(正)委員がおっしゃっている、素案になくて今回の改定素案に載っているということでございますけども、素案の段階では体育館の位置を九中にという考え方は基本的には持っておりませんでした。持っておりませんでしたというか、公共・公益施設にどういう施設を配置するかということについての検討はしておりましたけども、詰め切っていなかったというのが実態でございます。改定素案をつくるに当たりまして施設全体の配置を調整してまいりましたけども、その中で、あそこの公共・公益用地の公共施設の配置についても、先ほど教育委員会事務局次長から申し上げましたように、そういった検討をした上で、今回あえて改定素案の中で体育館の位置についてもこういう方向でいこうじゃないかということで入れさせていただいたものでございます。
伊藤(正)委員
 この改定素案、計画案になるまでには2カ月ぐらいかかるんでしょうか。やはり、区役所だけの考えではなくて、これから外に出て説明もされるんであろうし、議会側の方にも説明はこれからもあろうかと思いますけども、よく区民の意見、特に体育館を利用される方々の、体育協会さんを初め、区民の皆さんからも意見を聞いて、まだ10年後の先ですから、まだまだ私は考えがいろいろ出てくると思いますので、その辺も踏まえてこの計画案をつくっていただきたいなと思っております。その辺、いかがでしょうか。
寺部区長室長
 これから議会、それから区民の皆様の意見を十分聞いた上で案としてまとめてまいりたいというふうに思っております。
小堤委員
 市場化テストについてお聞きしたいんですけれども、140ページの「安定化期間の目標」の中でも事務事業については市場化テストを実施しと、こういうふうに書いてあります。以前に篠原課長だと思うんですけども、市場化テストをやるには法整備が必要だというような報告が総務委員会でされたかなと思うんですけども、どうなんでしょうか。
寺部区長室長
 特に法整備は必要ないかと思いますけど、国の方でそういった法整備の検討はされているというふうに聞いているところでございます。
小堤委員
 それで、この中で、事務事業については、民間で行えるものは民間活力を活用することを原則とし、すべての見直しを行うと、ここまで書いてあるんですね。ただ、こういう事務事業で民間で行えないものがあるというふうに認識しているならば、具体的にどういうことがあるんでしょうか。
川崎政策計画担当課長
 例えば、一番端的な例を言えば、規制でありますとか、あるいは指導、そういった公権力の行使にかかわる部分、これについては民間にゆだねられない部分だろうというふうに思います。
小堤委員
 それで、この市場化テストについて、この小冊子の29ページなんですけれども、「行政サービスに市場化テストなど、サービスの提供主体について民間と競争するしくみを導入する」と、こういう競争するということが書いてあるんですけども、ただ、今、実際、区としては、民間でできるものは民間でということですよね。そうしますと、民間と競争するといっても、何か初めから官の方が腰が引けてしまうんじゃないかなということも考えるんですけども、その辺いかがですか。
川崎政策計画担当課長
 民間でできることについては民間でということでございます。それで、市場化テストというのは、そういった方向になって、行政がやった方がいいのか民間がやった方がいいのかということで競い合うということなんですけども、この場合は、当然、価格だけではなくて、その提供するサービスの質がどちらの方がよりしっかり維持できるか、そういったことも含めて総合的に判断をしていくということになるかと思います。
 なお、民間にゆだねてしまえばそれでいいということではなくて、当然、行政がみずから行うことについても不断の革新を続けまして、行政自身も民間に負けない事業執行のあり方を追求していくということになると思います。
小堤委員
 今の課長の答弁と同じようになろうと思うんですけども、民間でできるものは官でやらないという考えがありますけれども、やっぱり民間ではできない官での役割があるので、その辺は精査しながら仕事をしていっていただきたいというふうに思います。
委員長
 他に質疑ございませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、本報告は終了いたします。
 ちょっと休憩します。

(午後2時33分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後2時33分)

 財調協議等々について財務担当課長から報告があります。
篠原財務担当課長
 特に、財調協議の現在の状況について情報提供させていただきます。
 先ほど10月中に取りまとめがあるというふうなことで私は御説明いたしました。
 実は、きょう、10月20日に第7回財調協議をやってございます。また、28日に第8回財調協議がございまして、ここで取りまとめがされるというふうに聞き及んでおります。
 その中で、情報でございますが、大きな大都市事務とか都市計画交付金等につきましてはまだ平行線だというような状況がございます。ただ、一方、小学校の改築経費、それから清掃事業に関しては、多少歩み寄りがあるんではないかというような情報が今入ってきてございます。いずれにしましても、この結果につきましては11月の上旬には各区に取りまとめ結果が送られてくると思いますので、それにつきましては閉会中等の委員会でまた報告させていただきたいというふうに考えております。
委員長
 ただいまの報告について質疑はございますか。
岩永委員
 せっかく今までの膠着状況からちょっとだけ進んだような報告を聞いたので、1点。
 いろいろ区の側でも努力されているんですが、ただ、小学校改築経費、清掃にどの程度の歩み寄りが出てくるのかというのも大きな課題だと思うんですが、同時に、これだけで決着するということではないわけでして、そういう意味では、今までの都の姿勢からこれだけの一定の都の情報を得たからということで、区の方で例えば万やむなくとかなんとかというふうになってはならないと私は思っているんですが、改めてそのあたりの姿勢をお聞きしておきたいんですけれど。
篠原財務担当課長
 この取りまとめ結果につきましては、都側見解、それから区側見解というのが示されまして、それで、協議結果という形に最終的には落とされることになります。それで、その中で、区長会等でそれについてどのような見解を持つかということがまだ私どもももちろん依然と判明しませんけど、ただいま委員がおっしゃったような安易に妥協しないというふうなことにつきましては、機会あるごとに、区長、役員会、助役会とか区長会、そういうところにお伝えをできればしていきたいというふうに考えてございます。
委員長
 他に質疑ございますか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、以上で本報告は終了いたします。
 
 他に、理事者の報告はないですね。

〔「ありません」と呼ぶ者あり〕

 次に、その他でございますが、次回日程について協議いたしたいと思いますので、暫時休憩いたします。

(午後2時37分)

委員長
 再開いたします。

(午後2時38分)


委員長
 次回は第4回定例会中とし、何か緊急の案件があった場合には正副委員長相談の上招集をするということでよろしいでしょうか。

〔「はい」と呼ぶ者あり〕

委員長
 では、そのようにさせていただきたいと思います。
 次に、その他、各委員、理事者から何か発言はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、本日の予定した日程はすべて終了いたします。
 以上で本日の財政制度調査特別委員会を散会いたします。

(午後2時39分)