平成17年12月05日中野区議会財政制度調査特別委員会(第4回定例会)
平成17年12月05日中野区議会財政制度調査特別委員会(第4回定例会)の会議録
平成17年12月5日財政制度調査特別委員会 中野区議会財政制度調査特別委員会〔平成17年12月5日〕

財政制度調査特別委員会

○開会日 平成17年12月5日

○場所  中野区議会第2委員会室

○開会  午前10時02分

○閉会  午前11時11分

○出席委員(13名)
 大泉 正勝委員長
 はっとり 幸子副委員長
 佐野 れいじ委員
 奥田 けんじ委員
 小堤 勇委員
 伊藤 正信委員
 平島 好人委員
 山崎 芳夫委員
 高橋 ちあき委員
 こしみず 敏明委員
 佐伯 利昭委員
 岩永 しほ子委員
 江口 済三郎委員

○欠席委員(1名)
 大内 しんご委員

○出席説明員
 区長室長 寺部 守芳
 政策計画担当課長(政策担当課長) 川崎 亨
 計画担当課長 奈良 浩二
 総務部長(未収金対策担当参事) 石神 正義
 財務担当課長 篠原 文彦
 税務担当課長 遠藤 由紀夫
 区民生活部長 本橋 一夫
 区民生活部経営担当課長(地域活動担当課長) 登 弘毅
 子ども家庭部長 田辺 裕子
 子ども家庭部経営担当課長(男女平等担当課長) 合川 昭
 保健福祉部長 菅野 泰一
 保健福祉部経営担当課長(保健福祉担当課長) 寺嶋 誠一郎
 都市整備部長 石井 正行
 都市整備部経営担当参事(都市計画担当参事) 服部 敏信
 教育委員会事務局次長 金野 晃
 教育経営担当参事 村木 誠

○事務局職員
 書記 吉田 哲郎
 書記 菅野 多身子

○委員長署名


審査日程
○議題
 都区財政調整について
 財政自主権について
 財政運営について
○所管事項の報告
 1 特別区制度調査会報告について(政策計画担当)
 2 都区協議会(平成12年2月10日)における5項目の確認事項に関する都区財政調整協議会   の検討結果について(財務担当)
 3 三位一体改革の現状について(財務担当)
 4 平成18年度適用税制改正の概要について(税務担当)
○その他

委員長
 定足数に達しましたので、財政制度調査特別委員会を開会いたします。

(午前10時02分)

 本日の審査について、お手元に配付の審査日程(案)(資料1)のとおり進めたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように進めさせていただきます。
 なお、審査に当たっては、12時を目途に進めたいと思いますので、御協力のほどよろしくお願いをいたします。
 それでは、議事に入ります。
 都区財政調整について、財政自主権について、財政運営についてを議題に供します。
 初めに、所管事項の報告を受けたいと思います。
 初めに、特別区制度調査会の報告について、報告を受けたいと思います。
川崎政策計画担当課長
 それでは、特別区制度調査会報告につきまして御報告を申し上げます。(資料2)
 本件は、特別区長会が特別区制度調査会に調査依頼をしておりました制度改革後の特別区のあり方について、同調査会から報告があったことについての内容でございます。
 本報告は、制度改革後の都区関係の現状と分権改革の大きな流れを踏まえた上で、都区制度そのものの転換、都区制度の解体論ともいうべき考えを示しているものでございます。
 論点は、大きくとらえて二つになりますが、一つは平成12年度改革における法改正の趣旨が実現をしなければ、長年にわたった都区制度改革の意義は失われるといった指摘。もう一つは、この東京大都市地域における一体的に処理すべき行政を、都に預けるのではなくて、住民に身近な基礎的自治体である特別区がみずから処理をすれば、どのようなことが考えられるかといったことを示しているものでございます。
 本日はお手元に別紙として資料を2点御用意しております。一つは調査会報告の本編でございます。別紙2といたしまして、その概要版をお配りしてございますので、本日はその概要版をごらんいただきながら、内容を簡単に説明させていただきたいと思います。
 報告ではローマ数字でIからIII を振っておりますが、これは便宜的に1章から3章ととらえて、説明をさせていただきたいと思っています。
 概要版の第1章の「都区制度の転換」ということで題しまして、都区制度のこれまでの経緯と今後の方向性というものを示しております。初めの第1のところでは、分権改革のうねりについて述べておりますが、この分権改革の進展により、基礎自治体が大きな役割を担っていくことになると。そうなったときに、現行の都道府県そのものの存在自体が問い直されて、都区制度の転換も時間の問題であるといったことが述べられております。
 第2の「未完の平成12年度都区制度改革」と題したところでは、都区の役割分担と財源配分に関する都区協議が硬直をしたまま、運用面から破綻を来そうとしているという、そういった懸念を示しております。
 第3では「急がれる分権型社会への対応」と題しまして、市町村事務のすべてを基礎自治体である特別区が担い、住民に対して責任ある基礎自治体としての地位を名実ともに確立していく必要があるということで、都区制度のシステム転換に踏み切っていかなければならないということで書いております。
 続きまして、第2章では、東京大都市地域の基礎自治体構想というものを示しているわけですが、その新たな制度構想の視点として、そこにありますように、首都性、一体性、財政の自主性・自立性、この三つの視点を基本的にとらえたというふうに述べておりますけれども、その初めの首都性につきましては、その範囲や機能があいまいなため、一たん検討要素から外すということが2ページ目にわたって書いてあります。
 そしてまた、財政の自主性・自立性についても(2)のところで書いてありますけれども、行財政の一体性の視点から、新たな基礎自治体の理論モデル、この検討を行った後に検討するということでございます。したがいまして、本報告では行政の一体性を中心としたものとなっております。
 その具体的な内容が、その2として「新たな基礎自治体のイメージ」ということで示しております。二つのシナリオと、シナリオ1については二つのモデル、合計3種類のイメージを示しているんですが、そこで文章表現で説明をしてありますが、これについては最終ページ、4ページの図をごらんいただきたいと思います。
 ここでは、まず一番上に三つ並んでいます。現行の都区制度というもの、これは市が行う事務の一部を東京都が一体的に処理をしているというのが現行制度でございます。シナリオ1というのは、東京都からそういう基礎自治体の事務を一たん全部特別区側に移した上で、その一部を横断的な組織を設けて統一的に処理をしていこうと。シナリオ2というのは、もう完全に一般の市と同じように、それぞれの区がすべての事務処理をしていくという、その二つのシナリオというか、イメージをここで示しています。
 シナリオ2については、一般市と同じということですから、話は単純になるんですが--単純といいましても、実際にそう移る場合には財政調整の問題など、いろいろ検討すべき課題はあるとしております。
 シナリオ1の方ですけれども、先ほど言いました東京都から戻す事務のうち、一体的に処理をする事務が大きいか、小さいかによって、その下に東京市連合機構のモデルと共同維持機構のモデルというふうに、二つ書いてあります。
 まず、上の東京市連合機構のモデルというのは、都から戻した事務の中で一体的に処理をしなければいけないという事務が大きかった場合は、こういう機構を設けて、その機構には公選議員によって組織をされる議会を設ける。また、課税権を持つような新たな特別地方公共団体を創設するという、そんなような構想でございます。
 その下は、共同して一体的に処理する行政の必要性が小さい、そういった場合には事務処理のための調整、そういった限られた役割の共同組織を置こうというものでございます。新しい基礎自治体のイメージということで、そのようなものを今回示しているところでございます。
 そして、ページを戻っていただきまして、3ページのところでは今後に譲った検討事項ということでございます。そこの最初2行目の中段から書いてありますように、幾つかのイメージを得たが、このイメージをもって新たな基礎自治体の制度設計となるものではないということ。そしてまた、中段のところでは、今回の検討は各特別区が現状の区域のままであることを前提としていると。この前提が変われば、新たな基礎自治体のイメージも変わってくると。加えまして、現在--下から2行目のところです--国の方では地方制度調査会を中心に、さまざま道州制などの議論がされております。そういった議論を見きわめた上で、東京大都市地域にふさわしい基礎自治体の姿を模索していくべきだというふうに述べております。
 最後、第3章のところでは、まとめというようなことで、第2までに書いてあったことを改めてまとめて、今後の動きを慎重に見きわめると同時に、関係者の幅広い論議と理解を得ながら、検討をさらに進めていく必要があるというようなことで書いております。
 以上、ざっとごらんをいただきましたが、これが報告書のあらましでございますけれども、ごらんいただきましたように、具体的な制度設計でありますとか財政の仕組みについては、これからの課題とされております。しかし、今後の特別区のあり方に関する重要な方向性が提示をされているものではないかというふうに思います。
 また、本編にもありますように、国においても地方制度調査会を中心に、また東京都におきましても、東京自治制度懇談会が設置をされ、それぞれ議論を展開されているところでございますので、区長会としても、今後そういった動きをにらみながら、さらに検討を深めていきたいとしているところでございます。
 以上、簡単ではございますが、特別区制度調査会の報告に関する報告とさせていただきます。
委員長
 ただいまの報告について質疑はありませんか。
小堤委員
 これは10月に出て、この報告に基づいてこれから検討ということなんですね。それで、シナリオ1ではモデルが二つ、そしてシナリオ2と。一般市のイメージということなんですね。実は、都政新報がこれを報道しておりまして、23区でもこの三つのパターンで、これは区なんでしょうか、区長なんでしょうか、違いはあると思うんですけれども、それぞれ賛意を示しているんですよね。そういう点ではどうなんでしょうか。今、機構についての説明があったんですけれども、この三つのパターンを見たときのメリット、デメリットというような検討というのはどうなんでしょうか。
川崎政策計画担当課長
 これについては、まだイメージを示された段階でございますので、このそれぞれの案について具体的にメリット、デメリットというところまでの議論は進んでおりません。
小堤委員
 例えばこのシナリオ1の中でモデルが二つありますね。ここでは区が市として位置付けられているんですけれども、仮にこうなった場合にも、今の中野区の役割というんですか、位置付けというんですか、それは基本的には変わらないんですか。
川崎政策計画担当課長
 中野区の役割というのは、区民の皆さんに対する役割ということだとすれば、これはこれからも変わりません。あくまでも基礎自治体として、区は今、仕事をしているわけでございますので、その一部の仕事の調整の仕組みをどうしようかということでございますので、中野区としての役割ということについては変わりはないものと思います。
小堤委員
 今まで国があり、都があり、中野区があったという位置付けなんですけれども、これからは国があり、都があり、いわゆるこのシナリオ1の新たな機構があり、その下に区があると。4層という形になりますよね。私は新しいシナリオがどういうものか、これから議論したいと思うんですけれども、ただ一般的に、私は「小さな政府」に対しては批判的な見方をしておりますけれども、そういう流れから見ると、3層を4層にするということ自体については、財政的な面を含めて、どのように見た方がいいんでしょうか。
川崎政策計画担当課長
 財政的に見たという場合ですけれども、それは3層か、4層かということでいいますと、それは財政調整の仕組みをどういうふうに取り入れるかということでございますので、その仕組みの運用を見ないことには、財政的にどうであるのかということは、なかなか議論が難しいかというふうに思います。無論、全く財政調整がないというところでいいますと、大都市地域、特別区の地域のように税源の偏在というようなことがある中では、なかなか難しいことがあるというふうに思いますけれども、いずれにしろその仕組みをどうつくるか、その仕組みをどう運用していくかというところまで議論を進めないと、なかなかどのやり方が有利で、どれが不利であるというようなところまではいかないのであろうかというふうに思います。
平島委員
 確認の意味でお伺いしたいんですが、今後に譲った検討事項の中で、新たな特別地方公共団体の創設を想定しているというお話があったと思うんですが、それには法的な根拠、性格、その他もろもろいろいろあったと。今後の検討だということなんですが、今までどういう検討をなされたか。特に23区というのは特別な位置付けになっていると思いますので、そういったどういう検討が今あったか。現在ですね。
 それと、これは当然自治法との関係も出てくると思いますので、そういうことについて何か意見があったか。あったら教えてください。
川崎政策計画担当課長
 新たな特別地方公共団体のイメージということで示されておりますが、それを具体的にどういうふうに法制化を目指していくのかというところの議論まで、具体的に進んだ議論がされているかどうかということについては、申しわけございませんが、議論の中身までは承知をしておりませんが、この報告の段階では、具体的なイメージとまではまだ言えない、何というんですか、幾つかの考え得るパターンということで出されておりますので、具体的に法制化をする。例えば平成7年には広域連合制度というようなものが地方自治法の中で新たに設けられておりますが、そういったものをつくる際にも、当然かなりの時間をかけ、国の方でいえば地方制度調査会の議論など、かなり深めた上ででき上がっておりますので、今回この特別区制度調査会から一つの考え方が示され、この考え方について区、そして都との協議も含めて、具体的に特別区側と提案をして、それから初めて具体的に法制度に向けてどうするということになってくるのではないかと思います。
平島委員
 とすると、じゃあそれは地方自治法の改正も視野に入れて、同時並行的に検討していくというようなことも入っているのかということが一つと。
 あと、もちろんこれは東京都下の方の話ですから、三多摩の各市とかそういうところのかかわりなど、そういうところの整合といったらおかしいですけど、そういったことも図りながら、一緒に検討していくのか。
 それと、今、言ったように、緒についたばかりですから、これからスケジュール的なものがもし出ているようなら、わかる範囲で大ざっぱでも結構ですから、わかれば教えていただけますか。
川崎政策計画担当課長
 確かに新たな特別地方公共団体をつくるということになりますと、地方自治法の改正、その中で創設をするということになりますので、法改正も視野に入れた検討ということになりますが、ただいずれにせよ、先ほど来申し上げていますように、まだ検討の緒についたところということでございますので、具体的にまずは内容としてどういう仕組みがいいのかという議論をしっかりした上でのこととなるかと思います。都下の市町村というお話もありましたが、それだけではなくて、今、全国の自治の仕組みをどうするのかということで、先ほど一言御紹介申し上げました、例えば道州制。国の権限を広域的な地方公共団体に移すとか、さまざまな議論をされておりますので、そういったことも考え合わせながら、タイミングを逸しないような形で今後議論を進めていかなければならないというふうに考えています。
 今回の報告というのは、幾つかのイメージを示すにとどまったんですが、さらに今後具体的な検討を進める。そのためにも、まだ正式に決まってはいないということですが、事務的なところでは、引き続きこういった調査会などで研究を進めていきたいというふうに考えていると聞いております。
岩永委員
 先ほど来の質問と少し関連があるんですが、この報告の特に最初の方ですね。都区制度の転換に当たってというところで、何点か現状への問題だとか、今後この新しい再構築をしていくというような状況の中でも、解決をしなければならない問題点などが指摘をされておりますね。都の意識は改革前と変わっていないとか、都区協議が整っていないとか、都と区がどのような役割と責任を担っていくのか明確にできていないとか、ずっといろいろ書かれてあるけれども、なお急いで新しい基礎自治体として構築をしていかなければならないと。そして、都区制度のシステム転換に踏み切っていかなければならないというふうになっておりますが、これを出されて、区長会では当然報告を受けたり議論をしたりしていくんではないかと思うんですけれども、そのあたりの現在の特別区側の方は、これを受けてどういうふうな状況で、この先議論なり何なりをどうしていくのか。スケジュール的なことなどがあったら、ちょっとそれを教えてほしいんです。
川崎政策計画担当課長
 この報告がありましたのは、10月31日でございます。その後、区長会は1回開かれておりますが、まだこの報告があったという報告を受けた段階でございますので、今後区長会としてどうするのかという、具体的なスケジュールのところまでは示されておりません。今回こうやって議会に御報告をさせていただいておりますけれども、庁内的にも今後この報告を受けて、中野区としてどう考えるかというようなことを今後議論をしていかなければならないというふうに考えております。
山崎委員
 同時に主要5課題の報告をこれからいただくんだろうと思うんですが、これから将来に向かって自治法改正もにらんでの、大きな視点での東京都と国と特別区の関係、シナリオ1、2、さまざまに考えられて、この概要版が練られているのは、私も存じ上げているんですが、こうした特別区制度調査会の報告と、現実には主要5課題という、来年度の予算も含めて直近に解決をしなくちゃいけない課題を、特別区は同時にしょっているわけですよね。私はいつも考えるんですが、こうした少し長期あるいは中期から長期にわたる特別区のあり方の問題と、今抱えている主要5課題の解決というものが、どういう関係にあるんだろうなと、こんなふうにいつも考えさせていただいております。
 特に東京都の方は、こうした中・長期的な課題を踏まえて、現状の主要5課題を解決に向けての話し合いに乗っていこうと、こういう姿勢に見えるんですが、私たちはこうした制度改革の転換点は意識しながらも、現状の5課題は5課題の解決としてやっていかなきゃならないというところで、すれ違いになっているんだろうなと、こんなふうに思っているんですよ。こうした問題と5課題との関係をわかりやすくお示しいただけませんでしょうか。
石神総務部長
 主要5課題と、ここの前でも言っていますけれども、平成12年度の都区制度改革の中では、これは基礎的自治体ということで特別区が位置付けられて、二層制の構図になったわけでございます。ところが、これまでの間の都との関係の中では、内部団体としての考え方がいまだに払拭されないまま、主要5課題について議論をしているところでございます。そういう意味で、今回出たこの意味は、やはり23区それぞれが基礎的自治体として大都市事務の役割分担を担うということをはっきりさせるということでの方向では、今回出たということは大きい内容だろうというふうに思っています。今回、東京都の方が示しました、みずからの新しい行財政改革の方針というのを出していますが、その中で今回の報告については、余りいい評価をしてございません。それは一つは、今言いましたように、主要5課題の中で一番議論になっている大都市事務の扱いの仕方についてが議論になったままということで、都と区のそごが明らかにされたという点だろうというふうに思っています。
 ですから、私どもではこれまで主要5課題で議論をしてきた内容は、これは今回出た内容もあわせて、方向は間違っていない。これからもずっとそういう方針でやっていくんだということを改めて確認しているということでございます。
山崎委員
 そうすると、ちょっと確認なんですが、主要5課題の解決に向けて、私たちが報告を伺っている範囲内は、新たに大都市事務というような概念を持ち出してきて、この概念を区側と都側で話し合ってもなかなからちが明かなかったと。しかし、そうした合意点が見出せない中で、平成12年度の制度改革をもとにして、これからの都区制度というものを総体的ににらんで、お互いに話し合って、ある程度の方向性を決めていく中で、大都市事務の一体性というものの議論がかみ合うようになったと、こんなふうに理解をしてよろしいんでしょうか。
石神総務部長
 一つは、23区の中の考え方が一つになったと。一番大きな点だろうというふうに思っています。これまで委員が議長の段階でも、いろいろと国保の問題であるとか、いろんな形で各区でばらばらの方針が出たりなどしていたわけですが、それは財政だけの問題じゃなくて、大都市事務をどう扱うかということでの方向性を、改めて認識がこれでされているといった点が大きな点だろうというふうに思っています。ですから、そういう点で主要5課題についても、安易な妥協をしないということで、妥協点については課題を残したままになっていますが、現在都区財政協議の中で議論が続けられているといった点でございます。
委員長
 他に質疑はありませんか。よろしいですか。
 質疑がなければ、以上で本報告は終了いたします。
 次に、都区協議会における5項目の確認事項に関する都区財政調整協議会の検討結果についての報告を受けたいと思います。
篠原財務担当課長
 それでは、平成12年2月10日の都区協議会におけます5項目の検討事項に関する都区財政調整協議会の検討結果につきまして御報告を申し上げます。
 初めに、この前段となります都区検討会での検討結果につきましては、本年の7月26日でございますが、都区財政調整協議会に報告がされております。この内容につきましては、当委員会にも報告をしているところでございます。
 検討会からの報告後に、都区財政協議会におきましては、この主要5課題の解決に向けまして、基本的な方向を整理するといったことのために、8月22日から延べ6回にわたりまして、集中的な協議を重ねてまいりました。今回10月28日にこの検討結果の取りまとめを行いました。既に議会には検討結果の冊子--これでございますが--先週の月曜日にお送りをさせていただきました。本日はその検討結果の概要につきまして、概要をまとめたものをお配りしてございますので、その内容について報告をさせていただきます。
 それでは、お手元の資料をごらんいただきたいと思います。(資料3)
 検討結果につきましては、協議課題ごとに都区双方の考え方を整理いたしまして、取りまとめをいたしました。しかしながら、一部の項目を除きまして、結論をまとめるまでには至っておりません。したがいまして、概要につきましては、検討課題ごとに、現段階での到達点について報告をさせていただきたいというふうに考えております。
 それでは、最初に、協議課題の1、都区の大都市事務の役割分担を踏まえました財源配分のあり方についてでございます。こちらは論点は四つに分類をされておりました。
 一つ目の論点でございますが、大都市事務の役割分担のあり方でございます。ここでは相違点のポイントといたしまして、三つございました。一つが、地方自治法の規定から都が行う大都市事務をどうとらえるのか。二つ目が、大都市事務を府県事務と区分して整理、それから明確化する必要があるのかどうか。それから、大都市事務を整理するために、都が行う個別事務について都区協議を行う必要があるかどうか。この三つのポイントについて議論がされてまいりました。この論点、相違点につきましては、こちらの資料の19ページに記載されておりますので、後ほどごらんいただきたいと思います。
 それから、二つ目の論点でございますが、都が行います大都市事務の考え方、範囲でございます。この論点では、東京都が行います大都市事務の範囲を具体的にどう整理するのか。大きな相違点となっております。いわゆる政令指定都市が行います事務、例えば事業所税、都市計画税、補助事業、事務処理特例交付金、それから都内全域を対象といたしました事業、それから都区大都市事務の重複などについての議論が交わされてございます。
 三つ目の論点でございますが、大都市事務の分担を踏まえました財源配分のあり方をどうするのかという点でございます。この論点につきましては、都区の役割分担を踏まえた財源配分をどのように具体化するかという点について、議論が交わされてまいりました。
 次に、四つ目の論点でございますが、配分割合の変更事由でございます。ここでは配分割合の変更はどのような場合に行うのかといったような点につきまして、議論されてまいりました。
 検討結果でございますが、当たり前のことですが、大都市東京におけます都区の役割分担のあり方を整理することが重要であるという点については、認識が一致をしてございます。しかしながら、特別区の区域におけます具体的な大都市事務の範囲については、都区双方の考え方に大きな隔たりがございます。現時点での取りまとめが行われておりません。区側としましては、少なくとも法令上、府県事務とされている事務を、大都市事務の範囲から除外をした上で、対応を協議すべきであるというふうに主張しているのに対しまして、都側につきましては、大都市東京におけます都区の役割分担のあり方を再検討し整備する必要があると。引き続き協議をすべきといったような、議論の先延ばしと思われるような主張に終始をしているような状況でございます。
 それから、次の協議課題の2でございます。平成18年度の都区の財源配分をどう定めるかについてでございます。ここでも論点は二つに分類されておりました。
 一つ目の論点でございますが、配分割合の決定方法でございます。ここでは18年度の財源配分をどのように決めるのかという点につきまして議論が交わされておりました。区側といたしましては、平成18年度の財源配分につきましては、都区の役割分担、これを踏まえました財源配分のあり方、それから平成12年度の配分割合に反映されなかった要素、それから12年度以降の変動要素を適切に反映をさせまして、配分割合を決定すべきというふうに、区は主張をしているところでございます。
 続きまして、二つ目の論点でございますが、平成18年度の配分割合に反映すべき要素でございます。ここでは区側が具体的な要素といたしまして、一つとして、12年度の配分割合に反映されなかった要素、それから12年度以降に生じました変動要素、それから三つ目に、今後見込まれます変動要素を示したにもかかわらず、東京都につきましては、12年度以降に生じた変動要素につきましては、既に財政調整算定をしているといったような考え方を示しておりまして、要素そのものを認めないといったような姿勢が感じられるような状況になってございます。
 検討結果につきましては、協議課題の1の三つ目の論点でございますが、該当大都市事務の分担を踏まえた財源配分のあり方、この取りまとめができませんでしたので、18年度の財源配分について、この割合をどうするかといった点については、結果的には整理に至っていないというような状況でございます。
 次に、資料の2ページ目になりますが、協議結果の3、清掃の関連4経費及び4経費以外の経費需要と財源の扱いについてでございます。
 ここでも論点は二つに分類されておりました。一つ目の論点は、清掃業務経費の取り扱いでございます。ここでは相違点のポイントといたしまして、三つ整理されてございました。いわゆる4経費にかかわります財源配分上の課題をどのようにとらえるのか。それから、18年度以降の4経費の財源の取り扱いをどうするのか。それから、4経費以外のうち、区に引き継ぐ経費は何か。この三つのポイントについて議論がされてまいりました。いわゆる清掃4経費とは、その経費が745億円でございます。人件費の不足分が76億円。地元還元施設補助35億円。それから、都債の償還費529億円。退職手当が105億円でございます。区側といたしましては、大都市事務に充当されます一般財源であり、都側に出向をゆだねた清掃関連経費といたしまして、都に留保してもらいたいというふうに主張をしてございます。
 それから、二つ目の論点でございますが、4経費以外の経費の取り扱いでございます。ここでは都が財調外で負担をしています経費のうち、財源配分に反映されていない経費でございますが、例えば灰溶融施設関連経費、それから中継施設改築大規模改修経費、この取り扱いについては、財源配分に反映するかどうか、大きな相違点になってございます。区側につきましては、12年度の協議で、区側の財源配分に反映することができなかった経費でありますので、当然適切に需要算定をすべきであるというふうに主張をしてございます。
 これらの検討結果につきましては、まず清掃4経費のうち、身分切りかえとなる都の派遣職員の退職手当につきましては、新たな需要として財源配分に反映することで、認識が一致をしたところでございます。
 しかしながら、都側は他の3経費につきましては、区に引き継がないというふうに主張いたしまして、4経費とは別の経費であります灰溶融施設、それから中継施設の改築等の経費、それから清掃工場の建てかえ・プラント更新、これなどについては、今後需要を算定しというふうに考え方を示しております。
 ただ、区側といたしましては、清掃関連4経費につきましては、都側に経費の負担がなくなることを踏まえまして、区側の切実な需要の財源とすべきであるという主張を繰り返し、結果、意見は一致することができませんでした。
 次に、協議課題の4でございます。小・中学校改築経費等の需要と財源の扱いでございます。ここでも論点は二つに分類されておりました。
 一つ目の論点でございますが、現行の財政調整算定の検証とその評価でございます。ここでは小中学校の改築経費の現行財調算定をどう評価しているのか、こういった点について相違点がございました。区側にいたしますと、現行の財調算定が数区の改築実績を見ても、単価が著しく低いと。しかも、起債の償還費も算定をされていないと。また、改築ピーク時の措置にも欠けておりまして、現実的には対応できるものになっていないというような主張をしてございます。しかし、都側は現行の財調の改築単価につきましては、一定の基準に基づいて算定をしておりまして、適切であると主張をしてございます。
 それから、二つ目の論点でございますが、これは将来需要の取り扱いでございます。相違点のポイントといたしましては、今後の児童・生徒数や学校数の推移をどう考慮すべきか。それから、将来需要の急増に対する算定はどうあるべきか。こういった点について議論が交わされてございます。ここでは区側の改築急増期におけます現行財調算定額の上積み、これは845億円程度を主張してございます。これに対しまして、東京都につきましては、平成58年度までの改築等の需要についても、現行の算定で充足をしていると確認しているというような見解を示して、ここでも議論が食い違うような状況でございます。
 検討結果につきましては、今後小・中学校の改築経費等について、学校数、それから単価、起債償還経費などにつきまして、具体的な算定内容を協議していくということで、都区双方の認識が一致をいたしました。今後とも算定協議を注視していく必要があるというふうに考えてございます。
 次に、協議課題の5、都市計画交付金のあり方についてでございます。これについても論点と相違点がございます。
 一つ目の論点でございますが、都市計画事業の実施状況に見合った都市計画税の配分でございます。都区双方の相違点は、実施状況に見合った配分をどうとらえているかといった点に終始をしておりました。そもそも都市計画税につきましては、本来、基礎的自治体であります市町村の都市計画事業の財源であります。都市計画法規により、区の実績割合に応じた額が交付されるべきと、区側は主張をしているところでございました。しかし、都側は都市計画事業の実施状況のとらえ方が困難といたしまして、しかも事業費の決算により財源を分け合うというような考え方はなじまないということで、意見が食い違ってございました。
 それから、二つ目の論点でございますが、都市計画交付金の今後のあり方についてでございます。ここでの相違点につきましては、今後どうあるべきかという点について議論をされてまいりました。区側では、現行の150億円--17年度、本年度につきましては160億円程度でございますが--これでは少な過ぎるといったことから、都市計画税総額約2,000億円の20%、400億円規模まで交付金を増額すべきだというふうに、強く主張をしてまいりました。しかしながら、都側は特別区における都市計画事業の円滑な促進という観点から、現行の枠組みを維持することが必要であるという、従来の主張を繰り返すというような状況でございます。
 検討結果につきましては、都市計画交付金と都区財政調整での算定を通じまして、特別区の都市計画事業が円滑に行われるよう、今後算定の枠組みの中で改善を図るということで、都区双方の認識が一致をしてございます。
 以上が10月28日に報告されました各協議課題ごとの検討結果の概要でございます。しかしながら、平成12年の都区協議会での積み残し課題の多くの部分で、都区の主張は一致をさせることができませんでした。特に今後、地方分権が進む中で、住民に身近な基礎的自治体を確立するためには、大都市事務の分担のあり方が大きなポイントになるというふうに考えてございます。
 この主要課題5課題につきましては、先週の12月2日に第9回の都区財政協議会が開かれてございます。この中では今後のスケジュール、それから協議項目の確認がされてございます。
 なお、今後の詳細な検討につきましては、12月5日、本日からの開催されます幹事会、これの中で検討をするということで確認をされてございます。
 それから、区長会、議長会の動きでございます。11月16日に開催されました区長会総会でございますが、ここでは大都市事務の解決なくして主要5課題の解決はなしというような、強い姿勢を示してございます。また、都と話がまとまらなければ、18年度財調協議も含め決裂という強い姿勢で臨んでいこうということで確認をされているというふうになってございます。
 また、11月18日に開催されました議長会におきましても、理念なき改革と安易な決着はないといったようなことも確認されたというふうに聞いてございます。今後とも議会のさらなる御支援をいただきまして、協議を進めてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いをしたいと、このように考えております。
 なお、お手元の資料の3ページ以降につきましては、区側が東京都に示した資料でございますので、後ほどごらんいただきたいと思います。
 以上で財調協議会の検討結果につきまして、報告とさせていただきます。
委員長
 ただいまの報告について質疑はありませんか。
岩永委員
 ちょっと時間がなくて、その冊子を全部読むことができませんから、冊子を読めばきちんと書かれてあるのかもしれませんが。例えば今、御報告をいただいた報告というのは、私たちが8月23日のこの委員会で受けた報告の内容と、ほとんど状況が変わっていないというような状況ですね。例えば清掃関連の退職手当、それは一定協議が整ったというようなお話がありましたけれども、その他重要なところについては、ほとんど協議の中身が深まっていかないと。最後に18年度財調のことなどを含めた23区側の決意が示されたんですが、例えば小・中学校改築経費などを見ても、8月23日のこの委員会で受けた報告の資料では、都側の方では12年度問題との関係で、現行の算定額で充足していることを確認できた。こういうふうに私たちは受けているんですが、例えば区の側と協議が進んでいかない、その都の言い分が不当だということに対して、しかし都は確認をできたということであれば、以降、都がそう言う根拠になるものを区側に示すとか、この改築経費に限らず、都側が主張するさまざまな根拠が、じゃあこの間示されてきたのかという問題があるんですが、そのあたりはどうですか。
篠原財務担当課長
 確かに御指摘のように、前回委員会で報告した際に、清掃関連経費と小・中学校改築経費等については、多少歩み寄りがあるというような報告をさせていただきました。その一つとして、清掃職員の退職手当の問題、それからあと小・中学校の改築経費の問題でございます。一応東京都との間で、小・中学校の改築経費については確認ができたと言っておりますが、区側はすべてを了承したというわけではございません。結果的には、東京都は小・中学校1校改築すれば、大体20億程度で済むんではないかというような算定を示しておりますが、ここのところの23区の改築実績を見ますと、30億を超えるような実績がございます。そういったことについて、この財調協議会、6回開かれたわけですが、その中でこういったような需要と財源の問題についてさらに協議を重ねた結果、今回このような学校数や単価、起債償還額、こういった具体的な算定内容を協議していこうということで、認識が一致をしたということでございます。
岩永委員
 今後の協議の仕方や、それから区議会も含めて都議会や住民も含めての取り組み等のかかわりもあると思うんですが、要するに協議が整わなかったら18年度財調についても決裂という、そういうことも辞さないんだという決意です。それはそれで評価をしたいと思うんですが、もし決裂という状況で入っていった場合、そうすると、例えば当区もその財調算定等々は予算上の見込みで立てていくわけですね、一定、当初から。そういうものについてはどういうふうな考えになるんでしょうか。
篠原財務担当課長
 決裂した場合の現行の財調算定がどのようになるかといったような御質問だと思いますが、この主要5課題にかかわります財調の再算定や配分については、当然決裂したことによりまして来ませんが、現行これまで来ています経常経費的な、要するに基準財政需要額から算定されます部分については、これまでどおり来るというふうに考えております。48・52というような配分割合がございますので、それを維持する形での配分がされるだろうというふうに考えております。
岩永委員
 万が一、もしそういうことになるとしたら、再調整はしないと言いながら、毎年毎年100億を超える再調整、再算定をやってきていますけれども、そうすると、18年度は当初からなるべくそういう額が起きないように、最初の方からかなりしっかりと東京都と協議していくということが大事になってくるのかなと思うので、そのあたりはぜひ、やはりきちんとした東京都との協議を整えていくということも込めながら、しっかりやっていただきたいと思います。
篠原財務担当課長
 この件につきましては、11月16日に特別区区長会、それから議長会の正副会長の方々におきまして、意見交換がございました。要するに区長会、議長会、一致団結して、この問題に取り組んでいこうということで確認をされてございますので、そういった決意で今後も臨んでいきたいというふうに考えてございます。
小堤委員
 これからの方向をちょっとお聞きしたいんですけれども、5課題のうち、例えば3課題、この小・中学校の改築経費とか清掃関連経費、都市の交付金等々では、話し合いの土台をつくったみたいな報道があるんですけれども、ただ制度の枠組みとなる大都市事務の見解の不一致が大き過ぎて、問題はそのままということなんですけれども、この大都市事務に対する意見が一致しないと、ほかの課題も進まないものなんですか。そういう性格のものなんですか。
篠原財務担当課長
 大都市事務につきましては、先ほど総務部長からも答弁ございましたが、都区制度改革との大きなかかわりがございます。その他の、例えは清掃関連4経費、それから小学校の改築経費、それから都市計画交付金の関係でございますが、これについては一定程度の妥協点が見出されているというふうには考えております。しかしながら、清掃関連4経費につきましては、すべてが区側の需要であるということは、私どもも主張をしてございますし、都市計画交付金についても、一定の割合、現行の7.5%を20%にしろというふうなことについても譲る考えはございません。そういったことで今後も取り組んでいこうというふうに考えてございます。
委員長
 他に質疑ありませんか。
 質疑がなければ、以上で本報告は終了いたします。
 次に、三位一体改革の現状について報告を受けたいと思います。
篠原財務担当課長
 申しわけありません。本日、資料をお配りしてございません。本来であれば、生活保護費の関係について、現状を御報告しようというふうに考えてございました。ただ、状況が一変いたしまして、その内容につきまして報告をさせていただきたいというふうに考えてございます。
 まずは生活保護費の関係でございますが、去る11月4日に開催されました第6回生活保護及び児童扶養手当に関する関係者会議、これは国と地方の協議機関でございますが、ここにおきまして、厚生労働省からの見直しの提案がございました。見直し案は、国の制度であります生活保護制度の抜本的な改革、これを先送りにいたしまして、約9,000億円という膨大な負担を地方に負わせるといったような、到底地方自治体とすれば受け入れることができないような内容でございました。
 この見直し案の提示を受けまして、東京都知事、特別区区長会会長、それから東京都市長会会長名で国に要望書を送付いたしましたり、厚生労働関係国会議員への要請行動を行ってまいりました。
 その結果、政府は、11月29日でございますが、強く反発をいたしました全国知事会や地方団体に配慮をいたしまして、生活保護費の国庫負担金の削減を見送るというような発表を行いました。しかしながら、児童扶養手当、それから児童手当などにつきましては、削減していきたいという方向を示しまして、最終的には11月30日に、こういったことについては正式な決定をされたということになってございます。
 本日につきましては、まだ削減の詳細が示されておりませんので、新聞報道、それから内閣府のホームページ、こういった内容について口頭で報告をさせていただきたいというふうに考えてございます。
 まず、児童扶養手当、児童手当でございますが、厚生労働省分の影響額でございますが、これは一部、記者会見等に出された数字でございます。
 まず1点目の、ひとり親家庭に対します生活扶助でございます児童扶養手当でございますが、これについては国の負担割合を現行の4分の3から3分の1に引き下げるという内容でございます。その影響額はおおむね1,800億円というふうに発表をされてございます。
 それから、二つ目に、子どもを持ちます一定所得以下の世帯に対します児童手当でございますが、これにつきましても、その負担割合を現行の国の3分の2から3分の1に引き下げるという内容でございまして、その影響額はおおむね1,580億円というふうに発表されてございます。
 また、厚生労働省所管の特別養護老人ホームの施設整備費の削減でございますが、これでは約1,800億円。合計で厚生労働省所管で大体5,300億円に及ぶというふうに試算をされてございます。
 中野区の影響額がどのぐらいかというようなことでございますが、まだ詳細が不明でございまして、東京都を通じた随伴補助、この廃止分についてはまだ算定をしてございませんが、仮に国の負担割合の部分だけで試算をいたしますと、児童扶養手当と児童手当だけで約4億円を超える影響額になるというふうに、現在のところ試算をしてございます。
 その他、国土交通省、文部科学省、それから経済産業省など6省庁におけます施設整備費についても、今回の削減の項目に入ってございます。合計で約1,200億円というような削減額になるというふうに想定をしてございます。特に文部科学省の小中学校改築経費につきましては、170億円の削減が見込まれるというふうな報道もございます。今後も国や東京都から正式な通知があり次第、当委員会または所管委員会に報告をさせていただきたいというふうに考えてございます。
 本日のところは以上でございます。
委員長
 ただいまの報告について質疑はありませんか。
 質疑がなければ、以上で本報告は終了いたします。
 次に、平成18年度適用税制改正の概要についての報告を受けたいと思います。
遠藤税務担当課長
 それでは、平成18年度適用の税制改正の概要につきまして、お手元の資料に沿って御報告いたします。(資料4)
 まず1点目です。定率減税の引き下げでございます。これにつきましては、現行所得割額の15%の控除、4万円を限度としておりますけれども、これを所得割額の7.5%を控除、2万円を限度とするというものでございます。定率減税につきましては、平成11年度から実施されておりますけれども、この定率減税を半減するということでございます。
 2点目が、65歳以上の者に係る非課税基準の見直しでございます。年齢65歳以上の者のうち、前年の合計所得金額125万円以下の者に係る非課税措置を廃止するものでございます。ただし、経過措置といたしまして、平成17年1月1日現在65歳以上の方につきましては、平成18年度分につきましては、均等割及び所得割の税額3分の2を減額する。平成19年度分については、均等割及び所得割の税額の3分の1を減額するというものになっております。平成20年度からは税額の減額なしということになります。
 3点目は、老年者控除の廃止でございます。年齢65歳以上の者で、前年の合計所得が1,000万円以下の者につきまして、一律48万円を控除していたものですけれども、これを廃止するという内容になっております。
 4点目が、公的年金控除の引き下げでございます。公的年金控除は、公的年金等の収入から収入金額等に応じまして一定金額を控除するものでございますけれども、この控除額を引き下げるものです。公的年金等の収入金額と公的年金所得控除後の額の表を、平成17年分と、裏になりますけれども、平成18年度分を載せておりますので、お読み取りいただきたいと思います。
 5点目が、生計同一の妻に対する均等割非課税措置の廃止に伴います経過措置の終了ということでございます。夫婦で区内に居住する場合、均等割を納める夫と生計が同一の妻に対しまして、その妻に課税すべき所得があっても、均等割を非課税としていたものを、平成17年度住民税から廃止しましたが、これに伴う経過措置といたしまして、平成17年度は均等割2分の1、区民税につきましては1,500円、都民税につきましては500円軽減しておりましたけれども、平成18年度からは全額課税になる内容でございます。
 6点目が、給与支払報告書の提出対象範囲の拡大でございます。給与支払い者で所得税の源泉徴収義務のある者に対し、給与の支払いを受けている者のうち、年中途で退職し給与の支払いを受けなくなった者につきまして、給与支払い報告書を提出する義務を課すというものになっております。ただし、支払った給与の総額が30万円以下の場合は、提出をしないこともできるという内容になっております。平成18年1月1日以降に給与の支払いを受けなくなった者から適用する内容になっております。
 7点目が、金融・証券税制の改正でございます。これについては3点ございます。1点目が、特定口座で管理していた株式の無価値化によるみなし譲渡損の特例設置でございます。2点目が、エンジェル税制の延長になっております。3点目が、公開株式に係る譲渡所得等課税の特例の廃止という内容です。
 8点目が、租税特別措置法及び所得税法改正の自動影響によります地方税法の整備ということで、4点ございます。これにつきましては、お読み取りいただきたいと思います。
 9点目が、肉用牛の売却による事業所得に係る所得割課税の特例の適用期間の延長でございます。
 10点目が、国民年金保険料等に係る社会保険料控除に関する書類の添付ということで、住民税の申告を受け付けする際に、社会保険料のうち国民年金の保険料及び国民年金基金の掛金に係る社会保険料控除の適用を受ける方については、保険料等の支払いをしたことを証する書類の提出を求めることができるようになったという内容になっております。
 大変雑駁ではございますけれども、以上で平成18年度適用税制改正の概要についての報告とさせていただきます。
委員長
 ただいまの報告について質疑ありませんか。
佐伯委員
 今、所得税に関しては御説明があったんですけれども、住民税の方はどうなるんですか。
遠藤税務担当課長
 御質問の内容がいま一度、理解できないものですからお願いします。
佐伯委員
 所得税が減税されていますけれども、住民税の減税措置もあって、我々、特例交付金なんてもらっていますよね。住民税に関しての現行の措置はどうなるのか。それをちょっと教えてもらいたいんですけれども。
石神総務部長
 今、説明しました定率減税等については、住民税の減税でございます。全体の所得に対しての減税を、住民税で減税するということで、所得割額の15%控除で今までしていたものを、7.5%、2分の1にするというような格好になっているわけでございます。
 岩永委員
 65歳以上の方にかかわるということで、非課税措置がなくなりますね。そうすると、例えば125万円以下の方が、今、報告をされたものの中で、特に5番までのようなことでの影響を受けたとすると、どのくらいの税額を払うことになるんでしょうか。
遠藤税務担当課長
 ちょっとどのぐらいの税額といいますのは、その所得によりまして、控除等が異なっておりますので、一般的にはどの階層という形でないと、お答えできません。
岩永委員
 ですから、125万円以下の者にかかわる非課税措置がなくなるわけですね。そうすると、125万という所得があったと、収入があったというふうに考えた場合、どのくらいになりますか。
遠藤税務担当課長
 年金収入で合計所得金額が125万円のために非課税の例ということで、単身の方の場合ですと、年金収入が245万円という例で試算いたしますと、18年度の住民税につきましては、1万5,400円という金額になります。
岩永委員
 本当に負担が大きくなっていくんだけれども、この前の本会議でも聞いておりますが、もう一度、この今まで非課税だった人たちが18年度課税になるという、中野区の区民の方の対象人数というのは何人ですか。
遠藤税務担当課長
 納税者数といたしましては、約7,000人でございます。
委員長
 他に質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 他に質疑がなければ、以上で本報告は終了いたします。
 これですべての所管事項の報告が終わりますけれども、その他、所管事項の報告はありますか。
 それでは、所管事項の報告は終了をさせていただきます。
 次に「その他」でありますが、次回日程について御協議願いたいので、委員会を暫時休憩いたします。

(午前11時08分)

委員長
 では、委員会を再開いたします。

(午前11時11分)

 それでは、休憩中御協議いただきましたが、次回日程でございますが、2月9日(木曜日)午後1時から開会するということでよろしいでしょうか。

〔「はい」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのようにさせていただきたいと思います。
 その他、各委員、理事者から何か発言はございますか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、本日予定した日程はすべて終了いたします。
 以上で本日の財政制度調査特別委員会を散会いたします。御苦労さまでした。

(午前11時11分)