平成20年09月19日中野区議会建設委員会
平成20年09月19日中野区議会建設委員会の会議録
平成20年09月19日建設委員会 中野区議会建設委員会〔平成20年9月19日〕

建設委員会会議記録

○開会日 平成20年9月19日

○場所  中野区議会第4委員会室

○開会  午後1時00分

○閉会  午後2時20分

○出席委員(8名)
 北原 ともあき委員長
 のづ 恵子副委員長
 ひぐち 和正委員
 南 かつひこ委員
 伊藤 正信委員
 久保 りか委員
 むとう 有子委員
 かせ 次郎委員

○欠席委員(0名)

○出席説明員
 都市整備部長 石井 正行
 都市計画担当課長(住宅担当課長) 登 弘毅
 都市計画調整担当課長 田中 正弥
 南部地域まちづくり担当課長 角 秀行
 中部地域まちづくり担当課長 上村 晃一
 北部地域まちづくり担当課長(西武新宿線沿線まちづくり担当課長) 萩原 清志
 土木・交通担当課長 遠山 幸雄
 公園・道路担当課長 石田 勝大
 建築担当課長 豊川 士朗
 拠点まちづくり推進室長 佐藤 幸一
 拠点まちづくり担当課長 松前 友香子
 中野駅周辺整備担当課長 秋元 順一

○事務局職員
 書記 河村 孝雄
 書記 岡田 浩二

○委員長署名

審査日程
○議題
 安全で快適に住めるまちづくりについて
○所管事項の報告
 1 警察大学校等跡地のまちづくりに係る覚書(案)及び建築基本計画(案)について(拠点まちづくり担当)
○その他

委員長
 定足数に達しましたので、ただいまから建設委員会を開会します。

(午後1時00分)

 本日の審査日程についてお諮りします。
 本日は、お手元に配付の審査日程(案)(資料1)のとおり進めたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように進めます。
 それでは、議事に入ります。
 安全で快適に住めるまちづくりについてを議題に供します。
 所管事項の報告を受けます。
 1番、警察大学校等跡地のまちづくりに係る覚書(案)及び建築基本計画(案)についての報告を求めます。
松前拠点まちづくり担当課長
 それでは、警察大学校等跡地のまちづくりに係る覚書(案)及び建築基本計画(案)について(資料2)御報告差し上げたいと思います。
 まず、本日のお手元の資料なんですが、タイトルの書いてあるA4の紙、そして大きく資料1、資料2と配付させていただいております。
 それでは、早速、このタイトルのある1枚紙から御案内したいと思います。
 まず、本日の報告に関しまして、その経緯でございます。当警察大学校等跡地の開発に際しましては、平成19年3月に中野区のほうで中野駅周辺まちづくりガイドライン2007を策定いたしました。また、東京都は平成19年4月に中野四丁目地区地区計画の方針、再開発等促進区、主な公共施設、そして地区整備計画の一部を決定いたしました。そういった計画に即しまして、事業者に対しては、それらに基づき、まだ最初の段階の地区計画では定まっていない未決定事項、これは主に容積率の最高限度及び建物の高さの最高限度、そういったものを定めるべく作業をしている最中でございます。また、その提案は区を経由して東京都に提案されるという、そういう段取りになってございます。そして、きょう御報告いたします覚書(案)と事業者の建築基本計画(案)でございます。
 まず、覚書(案)でございますが、これは前回、そして前々回と中野区が目指すべきまちづくり、それに関して、事業者に要請したい事項というものを投げかけております。また、前回はその要請事項に対して、各事業者から回答いただき、その内容を御報告差し上げたところです。今回はそういった回答をもとに、中野区と各事業者が目指すべきものを定めて、それを覚書として取り交わしたい、それの案というものをお示ししたいというところでございます。また、事業者の建築基本計画(案)でございますが、これも地区計画の変更に際して作業を進めている建築の基本計画(案)を事業者から示されましたので、それを御報告差し上げたいというものでございます。
 この1枚紙、裏面がございまして、4の今後の予定としてございます。これは前回も御案内差し上げたんですが、建設委員会で御報告差し上げまして、同じ内容を9月26日、来週の金曜日でございますが、区民説明会を行いたいと考えております。また、9月いっぱいをめどに覚書の取り交わし、そして事業者の建築基本計画の合意をしたいというふうに考えてございます。そして、10月下旬の第3回定例議会の建設委員会の中で、取り交わす覚書、そして基本計画を御報告差し上げたい、その内容につきましても、区民説明会を行いたいと、そういうふうに考えてございます。
 それでは、資料のほうに入らせていただきたいと思います。
 まず、資料1です。こちらは警察大学校等跡地地区のまちづくりに関する覚書(案)でございます。先行する3事業者について覚書を取り交わそうというふうに思ってございます。基本的に、この覚書の本文の内容に関しましては、現在のところ、3事業者ともに同じ文面になろうかというふうに思ってございます。したがいまして、資料1の中では、中野区を甲、そして「○○を乙」というところの「○○」は各事業者の名前が入るものというふうにお読みください。
 この覚書(案)でございますが、全体で第1条から第19条までございます。それぞれの内容を御確認したいと思います。
 まず、第1条、目的でございます。本覚書は、跡地地区の開発において、中野の顔にふさわしい賑わいと環境が調和した安全なまちを実現するため、甲・中野区及び事業者の乙が行う相互協力の内容を定めることを目的とするとしてございます。
 第2条が地区の定義でございます。本覚書における跡地地区、これは中野四丁目地区地区計画に定める再開発等促進区の区域とするとしております。
 そして、第3条、地域との連携・協力でございます。乙は、跡地地区の他の事業者並びに周辺の権利者や地域商店街及び地元町会等と連携して、その活動に積極的に協力するものとしてございます。これは主語として「乙は」となってございますが、甲である中野区は地域との連携は当然ということで、主語は乙というふうになっていることでございます。
 以降、第4条からは、いわゆる要請事項として掲げた内容を各条項として整理した内容になってございます。
 まず、第4条、既存樹木の保全・活用でございます。甲及び乙は、跡地地区に現在ある樹木を極力保存・移植するとともに、新たな植樹等を行い、防犯性、安全性に十分配慮し、快適で魅力的な都市空間を確保することを前提に、この地区全体でみどりの総量を現在よりもふやすものとするという内容でございます。
 そして、第5条、環境配慮施策の実施です。第5条は、内容として1項から5項まで定めております。1項から4項までの内容は、乙、事業者が主語というふうになってございます。まず、1項ですが、乙は計画建物による環境負荷の低減について、具体の数値目標を設計段階で示し、この実現に務めるものとするというふうにしてございます。
 2項といたしまして、乙は、跡地地区の他の事業者と協力して、地区全体の環境対策の具体的な数値目標を設定し、この実現に努めるものとするというふうにしてございます。これは少しページをめくっていただきまして、覚書(案)の3ページ目に別表のまちづくりの具体的な内容という表があろうかと思います。この覚書の中身に定める内容について、御回答でもいただいた具体的な数値等が掲げられているものに対しては、別表の中で改めて確認している内容となってございます。今申し上げました第5条につきましても、1項目につきましては、CASBEEによる最高水準を目指す、そして、2項目としましても、CASBEE-まちづくり、これを試行的に導入して、他の事業者と協力しながら最高水準を目標とするといったような要領で書いているところでございます。
 そして、第3項です。乙は、計画建物のCO2排出量の削減のために具体的な対策を設計段階で示し、この実現に努めるものとするとしてございます。こちらも具体的な別表で御回答いただいた内容を付記しておりますので、後ほどお読みおきいただければというふうに思います。
 ページをめくっていただきまして、4項目です。乙は、計画建物の雨水流出抑制対策の具体的対策量を示し、この実現に努める。また、中水道施設の設置、雨水・雑排水の有効利用を図るものとするという内容です。
 そして、5項目です。甲は、跡地地区でみずから行う開発事業において、前1項ないし4項に定める内容に準じて環境配慮施策の実現に努めるものとするということです。1項から4項まで事業者に求める内容も、中野区も将来開発する中央中学校、庁舎等の計画があるわけでございますが、そういった内容も同じ内容で実現に努めるということを記したものでございます。
 そして、第6条です。まとまったオープンスペースの確保ということで、甲の整備する公園と乙が整備する公共空地、これをオープンスペースとして一体的に機能するよう、適切な整備及び管理を行うものとするという内容です。
 そして、第7条、良好な景観形成です。甲は、中野区はこの地区の開発整備に際して、イメージアップに貢献する景観形成を図るために、学識その他を含む検討組織の設置を考えてございます。その中で全体のデザインコンセプトを作成するものとするということ、そして、第2項において、甲及び乙は、そのデザインコンセプトに基づき景観形成を実現するものとするというふうにしてございます。
 そして、第8条です。既存市街地への配慮ということで、こちらも1項から5項までございます。
 まず1項です。乙は、建物の風洞実験を行い、適切なビル風対策を講じるものとするという点です。
 そして、第2項、乙は、建物による日影の影響について十分な説明を行う、また、地区内の住民等の申し出に対しては、紛争予防条例に基づいて誠意をもって対応するものとするという内容を確認してございます。
 そして、3項です。この1項、2項の主語が「乙は」となっているわけなんですけれども、同じ内容につきまして、甲は、みずから開発事業を行う場合において、前1項ないし2項に定める内容に準じた配慮を行うようにするということで、1項、2項に定める内容と同じものを中野区も対応するということでございます。
 そして、第4項です。乙は、区画道路と既存区道との間で、人や自転車等の往来ができるよう、段差をなくすものとするということです。こちらは、主に杉並区との境の区画道路のことを指すのでございますが、現状、段差が生じてございますので、道路整備の際にはその段差をなくすようにということをうたったものでございます。
 そして、第5項、乙は、甲及び周辺市街地の権利者が将来まちづくりを進めるに当たって、区画道路と市街地との間の土地が必要となった場合には、これに協力するものとするということで、こちらの具体のイメージといたしましては、囲町エリアがございます。将来このエリアのまちづくりが進む際には、区画道路を整備するに当たって生じる市街地との間の土地、それをきちんと御協力いただくようにということを確認している内容でございます。
 第9条に入ります。ユニバーサルデザインの導入でございます。まず、1項です。甲及び乙は、「中野のまち」の顔にふさわしいユニバーサルデザインに基づく施設整備を行うものとする。具体にいえば、「東京都福祉のまちづくりに条例」に定める「誘導水準」を整備目標とするとしてございます。これは、誘導水準というのが一般的な整備基準よりもややハードルの高い標準でございまして、それを整備目標としたいということでございます。
 そして、第2項でございますが、甲及び乙は、地区内の他の事業者と協力し、地区全体で統一感のある、だれもがわかりやすいサイン計画の整備を行うものとするとしてございます。これは、基本的に区が整備する公園、そして公共空地、この大きなパブリック空間において、だれもがわかりやすいサイン計画を行うといったようなところを確認している内容でございます。
 続きまして、第10条、防災拠点の形成でございます。甲及び乙は、跡地地区が都の定める避難場所であることを十分考慮すると。それに必要となる地域防災性の向上に努めるものとする。また、第2項といたしまして、乙は、甲が前項に基づき進める総合的な防災拠点の形成を補完する施設の整備を行うものとするというふうな内容になってございます。
 続いて、第11条、にぎわいの形成でございます。こちらは区の産業振興との連携が強まるかというふうに思ってございます。甲及び乙は、ともに中野の魅力あるいはまちの活性化する取り組みを積極的に推進するものとする。また、産業界と協力して地域振興のための組織づくりを行っていくものとするというふうな内容になってございます。
 続いて、第12条、エリアマネジメントの導入でございます。甲及び乙は、他の事業者とともに、地区内の公共施設、パブリックスペース等の一体的な管理を行う組織の設立に取り組むとともに、効果的な維持管理に努めるものとするという内容でございます。
 第13条、産学公連携の推進でございます。この跡地地区内には三つの大学の進出が予定されてございます。甲及び乙は、地区内の大学あるいは区内の産業界と協力し、区内の産業や人材育成、その具体化に向けた産学公連携を協議し、推進するものとするという内容でございます。
 第14条、駐車、駐輪対策の実施ということです。甲及び乙は、開発に伴う駐車・駐輪需要が駅周辺の交通環境を阻害することのないよう、適切な駐車及び駐輪対策を協力して行うものとするという内容になってございます。
 第15条、都市基盤整備への協力でございます。1項といたしまして、乙は、「中野区まちづくり基金として積み立てる中野駅周辺地区都市基盤整備等整備に係る開発協力金の運用に関する要綱」に基づきまして、開発協力金を負担するものとするという内容です。また、2項といたしまして、甲も、みずから開発事業を行う場合において、前項に準じた負担を行うものとするということで、中野区自身も基金に積み立てるというようなことをうたった内容でございます。
 この4項から15条までが前回の要請事項、あるいはいただいた事業者様からの御回答をもとに、それを条項別に整理したものでございます。
 そして、16条いたしまして、まちづくりの進行管理という項目を立ててございます。甲及び乙は、この覚書で記した内容を適切に管理していくために、相互に必要な段階において内容を確認して開発を進めようという内容でございます。具体に申し上げますと、都市計画の決定段階あるいは建物の設計段階、そして内容によっては、竣工段階において、甲及び乙がその取り組みを相互に確認して開発を進めると、そういった内容を記してございます。
 そして、以下17から19までですが、通常の覚書に付する内容として3点掲げてございます。まず、第17条、地位の承継ということで、乙が土地もしくは建物の権利や地位に変動がある場合は、この覚書の内容について、きちんと検証させるというふうに記したものでございます。
 また、第18条、まちづくりへの取り組みです。この覚書の内容のうち、必要とされるまちづくりの具体的な取り組み内容、これは続くページの別表の内容で記しているということを条文として書いたものでございます。
 そして、最後、第19条でございます。疑義の処理ということで、本覚書に定めのない事項あるいは解釈に疑義が生じた場合は、甲乙協議の上、処理するものとするという内容でございます。
 そして、3枚目に別表として、まず最初のページに中野駅前特定目的会社開発受託者である東京建物さんの具体的な御回答内容をベースにしたもの、そして、その裏面に2大学さんの具体的な内容ということで、基本的には前回御報告差し上げた回答に基づく内容になっていようかと思います。こちらにつきましては、後ほどお読みおきいただければというふうに思っております。
 続きまして、資料2のほうの御案内を差し上げたいと思います。こちらはA4の1枚とA3の基本計画(案)の概略プランが載っかっているかと思います。まず、概略の平面図をごらんいただきながら内容をお示ししたいと思います。
 まず、三事業者の施設配置の基本的な考え方でございます。基本的には、中央に配される公園及び公共空地で構成される広大なオープンスペースを中心に、各建物が取り囲むよう、にぎわいや交流を誘導する特徴的でまとまりのある空間を形成する。そして、2点目といたしましては、既存樹木の活用など、緑の保全、緑化の推進により、緑あふれる空間を形成する。3点目として、だれもが安全に安心して訪れ、行き交い、過ごせる都市空間を形成する。そして、最後に、災害時に広域避難場所の一翼を担う空間を形成すると、こういった基本的な考えに基づいた建築計画となっているということです。
 そして2点目の三事業者の建築計画概要でございます。これも平面概略図をごらんいただきながらお示ししたいと思います。
 まず、区域1-1です。こちらは明治大学さんで、図に示すところの区域1-1というところでございます。敷地面積としては約1万6,500平米弱、主要の用途としては、学校施設ですので、学校ということです。延べ床面積です。6万4,200平米ということで、容積対象としては5万7,600程度になろうかというところです。階数といたしましては、地下2階、地上16階、そして高さは約70メートルというような高さになってございます。
 続きまして、区域1-2でございます。帝京平成大学さんです。こちら、敷地面積は明治さんとほぼ同等の1万6,000強、そして用途は学校、延べ床面積は6万2,600平米、容積対象としては5万6,000強というところです。階数といたしましては、地下1階から地上12階という計画です。高さは約55メートルということで、これは後ほど平面プランでも申し上げますが、大学が並ぶエリアの高さにつきましては、北側に立地する病院がございます。病院の屋上にはヘリポートがある関係で、南から北に対して緩やかに下がるような、そんなスカイラインの形成ということで、明治大学さんの一番高いところで70メートル、そして帝京平成大学さんは一番高いところで55メートル、それが北に寄るに従って、少し階段状に低くなるような、そんなフォルムになろうかという計画でございます。
 続きまして、区域4です。こちら、図にある旧囲町公園の位置のところでございます。事業者は特定目的会社、SPCさんということです。敷地面積といたしましては、約6,000平米、主要用途としては、業務・商業ということです。延べ床面積は約3万8,000平米程度、階数といたしまして、地下2階・地上10階建てを想定されています。高さは約54メートルということでございます。
 そして、最後、区域5ということで、こちらは一番大きな区域となります。こちらの事業者さんは特定目的会社のSPC、敷地面積といたしましては、約2万5,000平米弱というようなところです。主要用途といたしましては、業務・商業、そして住宅棟という、計画では2棟立てという形になってございます。延べ床面積といたしましては、この2棟合わせて15万4,000平米程度という計画でございます。階数といたしまして、こちらは大きいほうの建物になりますが、地下2階・地上22階ということで、高さは約100メートルという計画になってございます。
 この中身につきましては、この表の下のほうに米印を示してございます。米印の2というところで、主要の用途、延べ床面積、階数、高さというところに米印が振ってございますが、この計画自体の最終決定権者は東京都ということでございます。したがいまして、こういった米印の付されている項目については、中野区とまたあわせて東京都とも協議中だという内容でございます。
 以上が報告内容でございまして、さきに御案内した資料1の覚書(案)についてでございますが、これはまさに現状ではまだ案ということで、各事業者様ともこの内容については、最終的な期間決定が行われたものではございません。ただ、こういった内容をこういった形で最終的に取りまとめていきたいというふうに思っているということで、覚書(案)ということで御報告をさせていただきました。
 以上が報告内容でございます。
委員長
 ただいまの報告に対し、質疑はありませんか。
佐藤拠点まちづくり推進室長
 すみません。こちらの本文のほうの2ページ目の4のところの今後の予定でございますが、9月26日のところでございます。覚書(案)及び事業者の建築計画(案)となっていますが、これは建築基本計画でございますので、追記をお願いしたいと思います。
委員長
 わかりました。
ひぐち委員
 ちょっとお聞きしたいんですけれど、この覚書というのは、例えば覚書を2通つくるというふうに書いてあるんですけれど、公正証書とか登記するとか、そういった事務というのはあるんでしょうか。
松前拠点まちづくり担当課長
 公正証書というか、それに準じる位置付けになろうかと思いますが、それぞれ事業者、また、区といたしましても、いわゆる公文として取り交わすというようなことになろうかというふうに思ってございます。
かせ委員
 何点かあるんですけれども、こういう形で覚書(案)が示されたということですが、この間、住民説明会とか、ここの委員会なんかでもいろいろ議論されてきましたけれども、そういったことがどのように反映されたんでしょうか。
松前拠点まちづくり担当課長
 この覚書(案)の内容は、区から事業者に対して要請をさせていただいた事項、また、それに対して事業者からいただいた回答がベースになっていることでございます。そういった要請事項や回答の内容につきましても、区民説明会を実施いたしました。その中で一番多く寄せられている意見といたしましては、環境に対する影響が相当大きいと、それに対してどういうふうな取り組みがあるのかであるとか、もろもろ心配な点が多いという声が多かったかというふうに思ってございます。基本的には、御不安の声あるいは環境に対する配慮、そういったことを区としては、要請の内容の中には、例えば環境影響、CO2への配慮、風害あるいは雨水対策等々といった想定される事項はきちんと盛り込んでございますし、最大限の御回答をいただいているというふうに理解してございまして、区民説明会において、そういった出されている声に対しては、きちんと覚書の中にも含まれているというふうにお答えしているところでございます。
かせ委員
 それでは、私も説明会に出ていまして、区民の皆さんの意見なんかも聞いてきたんですけれども、少し具体的にお聞きしたいと思うんですが、まず、覚書(案)という基本的なことですけれども、委員会でもそうだし、説明会でもそうなんですが、これまでやられてきた、いわゆるまちづくりガイドライン、それから、東京都で2006年に決定された地区計画、これを遵守するということで説明されてきましたけれども、間違いありませんか。
松前拠点まちづくり担当課長
 この覚書なんですけれども、基本的にガイドラインの中で定めていることは、都市計画にかかわるものが多いかというふうに思っております。ただ、いわゆる都市計画だけではないところの、環境配慮であったりとか、あるいはソフト的な面についても、覚書の中でお約束を交わすということで、基本的にガイドラインの内容の遵守事項としているところは、当然守っていただくと。それに加えて、新たによりよいまちづくりを目指すために、区と事業者間でこういった内容を確認すると、そういう位置付けでございます。
かせ委員
 ガイドラインと地区計画については、守るのは大前提です。それで不足する部分については、新たに覚書で交わしたということですね。そうしますと、私もいろいろ細かいところも見てみたんですけれども、ガイドラインや地区計画について、表現上の問題なのか、あるいは今後の課題なのかわからないけれども、いろいろ指摘しなければならない問題が出てきているんですね。住民の皆さんからもいろいろ言われています。
 全部言うわけにいかないので、気がついたところだけお聞きしたいと思いますけれども、例えば、住民の皆様からすごく怒りを交えたような意見が出ておりましたけれども、ガイドラインの2007の45ページ、お持ちですか。45ページのところに、「オープンスペースの整備について」ということで書いてあります。ここには、杉並区側のところに既存住居区との緩衝帯及びコミュニティ活動に資するオープンスペースの確保ということで、緑の枠があります。このことについて、いろいろ言われていたと思うんですけれども、これはオープンスペースをどのように確保するというふう考えているんですか。
松前拠点まちづくり担当課長
 おっしゃっているところの杉並区境のところでございます。主には杉並区境の区画道路エリアだというふうに認識してございます。ガイドラインの中では、こちらについては緩衝帯型オープンスペースというふうな位置付けになってございます。また、ここの部分につきましては、地区計画の中では2号壁面という位置付けを行ってございまして、道路境界からある一定の部分セットバックするようにというような内容になってございます。基本的にここで御報告差し上げている建築(案)につきましても、例えば区域1-2の帝京平成大学さんになりますが、これは道路境界から定められているとおりの6メートルセットバックをされている形になってございます。また、これは建物のアウトラインが示されていると思いますが、南の部分、少し角がとれたような形になってございまして、より空間を生み出すということで、恐らくここの幅は10メートル以上の空間が発生するかというふうに思ってございます。また、区域1-1でございますが、こちらは明治大学さんでございます。こちらはプランでも御確認いただけるように、かなり区画道路から建物が離れて建たれている状況になってございます。恐らく50メートル以上離れているかなというふうに推計できますが、かなり大きなオープンスペースになってございます。また、大学と大学の間でございます。こちらは地区計画の位置付けといたしましては、歩行者通路というような形を想定してございまして、計画の中では歩道空間としては4メートルをとるというふうに位置付けてございますが、実際の建物と建物の間、それはかなり空間をあけるような計画になっているということでございます。
 そうした点を踏まえまして、この区画道路のエリアにつきましては、区境でありまして、緩衝帯型オープンスペースというふうに位置付けておりますが、定められた内容を十分にクリアし、さらに大きな空地ができるような、そんな計画になっているというふうに認識しております。
かせ委員
 資料2のほうの絵を見てみますと、確かに明治大学のほうは広いスペース、西側のほうにあるんですが、ただ、帝京平成大学の1-2のほうについては、この絵を見る限りは、区画道路からセットバックしたとしても、本当に狭い。これはオープンスペースとは言えないのではないでしょうか。単なる建物が後退したスペースという、それもごくわずかという感じに見えるんですけれども、これでオープンスペースというふうに言えるんですか。
松前拠点まちづくり担当課長
 1-2でございますが、先ほど御案内の中でも申し上げましたが、どうしても北にある病院の関係で、スカイラインを北に行くほど低くしなくてはいけないという関係がございます。したがいまして、どうしても建物といたしましては、高さが限られると。そうすると、明治大学さんのように、形として東に寄るよりは、敷地の中で、ごらんのような形状になってしまうということがございます。ただ、この形状の中でも、北に寄るほど階段状になる、あるいは杉並区側にとっても、建物の壁の高さとしては、恐らく55メートルよりも低いものになるのではないかというふうに想定されます。したがいまして、そういった建物の圧迫感もなるべく軽減できるように、また、いわゆる緩衝帯型のオープンスペースといたしましても、決められた以上の最大限の空地を拠出している。また、市街地のほうにかかるエリアについては、大学側の間にもなるべく広くとれるように最大限の配置を行っているということで、区といたしましては、これをいわゆる緩衝型のスペースと認識ができるというふうに思ってございます。
かせ委員
 そういう見解だというふうに思うんですけれども、私は、これは問題を残すところだというふうに思っています。
 そのほか、いろいろあるんですけれども、例えば防災の関係なんかですけれども、防災公園について、これは70ページに書いてあるんですよね。民間や大学等の敷地にまとまったオープンスペースを確保し、これが一体となって3から4の――これは個々の説明ですけれども、その中に防災公園には防災水槽、情報伝達装置、防災井戸、仮設トイレの設置など必要な防災施設を設けるということで、これはそのとおりやられるということですね。
松前拠点まちづくり担当課長
 こういった内容につきましても、基本的には区と協議の上で整備の決定をするということでございます。
かせ委員
 その場合に、これは今、協議の上とおっしゃいましたけれども、例えば費用負担なんかについてはどうなんでしょうか。
松前拠点まちづくり担当課長
 まさにそういった点につきましても、実際は協議を行ってから決まっていくものというふうに思ってございます。
かせ委員
 それと、これは4番目なんですが、大学等との連携というのがありますね。それによりますと、防災設備機能の確保や救急救援物資の提供、さらに帰宅困難者の受け入れなど、災害時の救援体制について、区と大学等で緊密な連携を図るということ、区と大学等ですから、もちろんSPCさんなんかも含まれると思うんですけれども、これについては、どのようになりますか。
松前拠点まちづくり担当課長
 防災に関する内容でございますが、こちらは本日お配りしている覚書(案)の中の最後の別表の内容にも記しているところでございます。一番最後のページが2大学さん共通の内容で整理をしてございますが、その中の第10条として少し具体の内容が記されているかと思います。少し細かくなりますが、備蓄倉庫、防災倉庫、無線あるいは避難者収容スペース等々、もろもろあるわけでございますが、そういった整備を甲とともに協議をして、整備に協力するということでございます。
かせ委員
 第10条には備蓄倉庫ということですけれども、実は備蓄倉庫ではなくて、そのほかにガイドラインに含まれているようなさまざまな機能、特にここで重要なのは、救急救援物資の提供ということで、しかも、帰宅困難者の受け入れということになりますから、この文章からしますと、そこに住んでいる方、あるいは学生さんだけではなくて、そこに避難してくる方たちのことも想定しているように読み取れるんですが、それでよろしいですか。
松前拠点まちづくり担当課長
 そのような対象の人がどのようになるのかとか、そういった物資はだれがどのように負担をして、どの程度必要なのかとか、そういったものもまさに今後協議を進めていく内容であろうかというふうに思ってございます。
かせ委員
 非常に大事なことなんですよね。ここの地域一帯が10万人の避難場所ということですし、これは防災公園だけじゃなくて、もちろんその周辺一帯を含めての関係になってくると思います。ですから、ここには書いていないんだけれども、今後の課題としては、緊急物資の提供であるとか、帰宅困難者の受け入れ、どこに何人ぐらい受け入れるのかというような細かい計画というのが出てくるわけですね。
松前拠点まちづくり担当課長
 今後、細かい内容が出てくるかという御質問ですが、こういった防災に関する具体の内容につきましては、また、当区の中でも防災分野というところがございます。そこと今後、各開発事業者がまた連携協議していくということになろうかというふうに思ってございます。
秋元中野駅周辺整備担当課長
 先ほどかせ委員のほうから、70ページの防災公園等の整備、防災公園の中に入れる施設についての御質問がございました。防災公園の中に入れる施設、防火水槽、情報伝達装置、防災井戸、仮設トイレの設置、これらについては、区が責任を持ってやるというふうに事業というふうに思っております。これは訂正しておきます。
かせ委員
 わかりました。実はそうじゃないかなというのがあったので。いや、やってもらったほうがいいんですよ。特に開発行為について利益を享受するわけですから、そういうことで負担するというのはやってもらって大いに構いませんけれども、そうではなかったということですね。わかりました。
 それから、基本的なことですが、地区計画では、容積率とか高さとか、そういったものが規定されたわけですけれども、高さということになると、一番高いところでは約100メートルということですけれども、これを超えるということは、ここに書かれている高さというのは最高高さというふうに見てよろしいんですか。
松前拠点まちづくり担当課長
 最高の高さととっていただいて結構です。
かせ委員
 これからまちづくりの提案という形で、スケジュールのところであったように、それぞれのところから提案がありますよね。区がまとめて東京都に提案していくという過程になって、東京都の都市計画ということになりますよね。そのときに、今の御答弁のように、ここに書かれているそれぞれの区域の最高高さが指定されていて、いろいろな変更があったとしても、これを超えることはないんだと、そのような提案があった場合には受け取れないという理解でよろしいんですか。
松前拠点まちづくり担当課長
 基本的には先ほども申し上げているとおり、この基本計画(案)の高さが最終的な最高高さであるというふうに認識してございます。
佐藤拠点まちづくり推進室長
 今お話の、東京都の方に提案書が出されるわけですけれども、区の立場としましては、それを受けまして、申達するという立場でございます。したがいまして、今、事業者さんからはこういうことで出てまいりましたが、これは決定しているわけではございませんので、最終的には東京都が決定する事項になります。ただ、事業者さんが出してきていますので、当然日影も計算して複合日影等の調整をしていますので、これが法律の制約を受けた高さになってくると思いますので、現段階ではこれが最高と、先ほど課長がお話ししたような形になると思いますが、決定というか、これだから都が受けられないとかという性格のものではないということでございます。
かせ委員
 東京都の決定だから、中野区は通過させるだけだということですけれども、ただ、中野区は、再開発を進めていく上でのリーダー的役割というか、まとめ役をやっているわけですから、立場として、それを遵守させるんだということがないと、東京都の決定だから通過させるだけだということでは、何のための行政なのかということになってしまうじゃないですか。だから、その辺の決意としてどうなのかということをお聞きしたいんですが。
佐藤拠点まちづくり推進室長
 申達する立場としては、今おっしゃっているようなことでございます。ただ、決定はどうしても東京都でございますので、受けられないということではないというところだけを答弁させていただきました。
かせ委員
 私ばっかりがあれなので、そろそろ終わります。
 それで、もう一つ、住民の皆さんが大きな関心を示していたのは環境の問題だというふうに思うんですけれども、これまでの説明だと、第8条のあたりにありますね。1項としては風洞実験を行って、ビル風対策を講ずるんだとか、2項については、日影の影響についてやるんだということですけれども、この点について、これまでの説明だと、都の条例に基づいた環境影響調査をやるんだということを言っていましたよね。それは間違いないですか。
松前拠点まちづくり担当課長
 間違いはございません。
かせ委員
 そうしますと、単にビル風とか日影という関係ではなくて、ほかにもいろいろあると思うんです。例えば、この建物が建った場合に大きな影響が出るものとして、交通発生量であるとか、騒音であるとか、いろいろありますよね。そういうことについては、どういうことになりますか。
松前拠点まちづくり担当課長
 この開発によって、もちろん新たな交通発生量等々が想定されます。そういった点に関しましても、まさに事業者、そして区も交えて、いわゆる道路管理者あるいは交通管理者と協議を進めているところでございます。
かせ委員
 交通発生量についても、それぞれの地域だけではなくて、全体の関係であるとか、区域の問題であるとか、事細かにいろいろチェックポイントというのはあると思うんですね。それについては、どのようになるんですか。それぞれの区域でやるのか、全体でやるのか、あるいはそれをやるために費用はどうするのかとか、この辺はどうなんでしょうか。
松前拠点まちづくり担当課長
 発生交通量や道路からという点に対しましては、この開発エリア全体で見てございます。主に早稲田通り、中野通り、そしてこの区画街路、各道路というふうにできるわけですけれども、この中での交通発生量等々を検証しながら、各関係諸官庁に適切な指導をいただいていると、そういうことでございます。
かせ委員
 例えば駐輪・駐車場ですけれども、敷地内にこういうものを設けるとか、それぞれのところで書かれているわけですけれども、これについても、例えば大学さんが学生さんの自転車とか来訪者の駐車場をつくればいいという話じゃなくて、この地域全体の交通量の発生に対する対策というか、もっとトータルなものが求められているんだろうと思うんですね。そういうことはどういうふうに考えますか。
松前拠点まちづくり担当課長
 その点につきましても、お手元の資料の覚書(案)の中の一番最後、例えばこの2大学さん、そしてSPCさんも共通内容となってございますが、第14条の駐車・駐輪対策の実施ということで、今後、この開発によって発生する駐車・駐輪の需要、そしてまた、これに関連して、駅周辺で想定されるそれぞれのボリューム等々を勘案しながら、区と事業者がそれぞれ協議をして、適切な対策をとっていきたいというふうに思っているところでございます。
秋元中野駅周辺整備担当課長
 環境アセスの問題でございますが、これは東京都の条例に基づいて行うということではなくて、それに準じて行っていくということでございまして、要するに規模等が当然対象にならなければ、東京都の条例の対象にならないということになりますので、あくまでもそれに準じた方法で風などについて検証していくということでございます。
かせ委員
 ちょっと話が違ってきちゃうんじゃないかと思うんですよね。東京都のアセス条例ですけれども、ここのところ随分緩和されてきて、例えば高さでいうと100何メートルでしたっけ、ということでしょう。そうなってしまうと、どういうことをやるのかということになっちゃうんですよ。それじゃ、足らぬだろうと思うんですよね。やはり中野は中野の、準じてと言うんだけれども、東京都の水準でいいということではなくて、不安にこたえられるだけの内容を持ってやっていく必要があるんだろうというふうに思うんですよね。だから、今の御答弁ですと、ちょっと不安が残ってしまうと。もう一度お願いします。
秋元中野駅周辺整備担当課長
 東京都のアセス条例のほうは、要するに、対象になる建築物の縛りがあるわけでございまして、当然対象となる建築物であれば、東京都の環境アセスメント条例に基づいてきちっとやらなければいけない。ただ、規模等が到達しない場合についても、それに準じて、風などについての環境影響評価をやると、こういうことでございます。
かせ委員
 よくわかりました。
 それから、最後のところが気になりまして、風などのということですけれども、ちょっとこれも確認なんですが、そのほかどういうことをやりますか。
秋元中野駅周辺整備担当課長
 今のところは風、日照、そういったようなところが主な対象になるのかなというふうに思っております。
久保委員
 一つ確認です。覚書の第16条なんですけれども、各々の跡地地区の開発計画の進捗にあわせて云々とありますよね。「各々のまちづくりの具体的な取り組み内容を、書面により相互に確認し、開発を進めるものとする」となっているんですけれども、これはどういった形で確認されるんでしょうか。例えば区と今回覚書を結ぶSPCや帝京平成大学や明治大学各々でということなんでしょうか。何かほかに第三者というか、チェック機能みたいなものはないんですか。
松前拠点まちづくり担当課長
 基本的には区と事業者間で確認をきちんとするということで、その間に第三者をというところは想定してございません。
久保委員
 大丈夫なのかなと思ってちょっと伺っているわけなんですけれども、本当に進んでいってしまったら、取り返しがつかないところがあると思うんですね。この計画が出てきた段階で一つひとつの書面をチェックし合うということなんだと思うんですけれども、区においては、どこがチェック機能を果たすようになるんですか。
松前拠点まちづくり担当課長
 まず、計画段階においては、拠点まちづくり推進室が主体になろうかというふうに思います。ただ、こういった内容につきましては、この計画自体、非常に大きなプロジェクトでございますし、庁内としてもしっかりと確認していきたいというふうに思っております。
久保委員
 ということは、あくまで庁内でやられるということですね。それで絶対に大丈夫であると責任を持って言い切れるということでよろしいんですかね。わかりました。ということで、そういうふうに認識いたします。
 幾つか細かいところを伺いますけれど、例えばここの中に、これは地区計画でまた具体的には出てくるのかと思いますが、覚書の中の3条ですとか4条というのがより具体的になる部分について、これに関しては、どういった形であらわされるんでしょうか。一つひとつの地区計画の中なんでしょうか。それともまた個別の、例えば協力であれば協力体制についてですとか、緑化については、具体的な緑化計画をここの中だけで持つですとか、そういったことになっていくんでしょうか。
松前拠点まちづくり担当課長
 例えば第4条の既存樹木の保全・活用という内容でございますが、これはまさに区の都市計画公園、そして公共空地を含む、この地区全体の中で今よりも緑の総量をふやそうというふうにしているものでございます。したがいまして、実際の公園の計画であったり、あるいは事業者様のほうの公共空地、その計画自体も、まさにこれからでございますので、先ほどの進行管理の中身にもつながることではございますが、設計段階でおのおの確認していくということになろうかと思います。
久保委員
 それから、例えばエリアマネジメントの導入がありますね。これも多分まだこれからということなんだと思うんですけれども、一体的な管理を行う組織の設立、また、効果的な維持管理に努めるというようなものもありますけれども、これも全くまだ白紙状態ということなんでしょうか。具体的にはどういった内容を、もし検討されていることがあるのであれば、お示しください。
松前拠点まちづくり担当課長
 エリアマネジメント等につきましては、具体的な検討はまさにこれからというところでございます。したがいまして、現状で何か構想があるかといいますと、今は白紙状態ということで、ただ、この覚書にもありますように、将来的には一体的に管理が行えるようにという目標を掲げていると。そして、具体的については、今後詰めていきたいというふうに考えているところでございます。
久保委員
 先ほども高さのことがありました。ガイドラインの中では、区域5については、おおむね110メートル程度の高さを可能にするというふうになっているんですね。110メートルというところから比較すると、今回出された建築基本計画案の概要については100メートルとなっておりますけれども、この辺はどうなんでしょうか。どちらが重視されるものになるんでしょうか。
松前拠点まちづくり担当課長
 ガイドラインの中では、高さ110メートル以上とならないようにというふうに記してございます。そして、今回お示ししている計画は、最高の高さが100メートルということで、区としてはガイドラインに定めた遵守事項がきちっと守られているというふうにとらえてございます。
久保委員
 ということは、110メートルではなくて、区として示したガイドラインよりも高さを配慮して100メートルにとどめたということでよろしいんですね。
 あと、もう一つ、具体的な内容のほうですが、にぎわいの形成、ここに2,000から3,000平米程度のスペースを活用し、そこで展開するにぎわいに資する事業についてというようなことがあります。これは公共空地の1.5ヘクタールの中でのことを指しているんでしょうか。それとも、そうではなくて、また別途こういったスペースを設けるということなんでしょうか。
松前拠点まちづくり担当課長
 別表の14条に示してございます2,000から3,000平米のスペースにつきましては、基本的に建物の中の空間としてこの程度のものをというふうに位置付けているものでございます。
久保委員
 建物の中ということは、まとまったスペースではなくてということですか。オープンなスペースとして、2,000から3,000平米があるということではなくて、それぞれの建物の中のいろんなスペースを合わせていくと、このぐらいのスペースになるということですか。
松前拠点まちづくり担当課長
 このスペースの具体的な配分であったりとか、配置やあるいは具体的な内容については、今後の協議の中で固まっていくかというふうに想定してございます。
久保委員
 多分これもまだ決まっていないことなのかなと思いますけれども、トータルプランといいますか、デザインコンセプトというようなことがここに出てきておりますけれども、これについて何か具体的な形で動いているようなことがあるんでしょうか。まち全体のデザインコンセプトを作成するものとするとなっておりますが、どこが中心となって作成されるんでしょうか。
松前拠点まちづくり担当課長
 これは覚書の本文の中にもあろうかと思いますが、これから区が、仮称ではございますが、景観検討委員会というものを立ち上げようというふうに想定してございます。その委員会の中でこのエリアのデザインコンセプトを定めていこうというふうに想定してございます。
久保委員
 景観検討委員会というのは、区が設置されるということですが、区だけでということではないですよね。だれか専門的な方が入ったりとか、また、建築関係が入るというようなことですか。
松前拠点まちづくり担当課長
 その内容につきましては、覚書の第7条に該当するかというふうに思ってございます。学識経験者や跡地地区内の事業者等々を含むということで、恐らく建築あるいはその他都市空間の専門家も入るであろうというふうに想定してございます。
久保委員
 この景観検討委員会というところなんですが、これはいつぐらいに設置される予定なんでしょうか。
松前拠点まちづくり担当課長
 この秋口には設置したいというふうに考えております。
久保委員
 秋口というのは、具体的には覚書を交わした後にはこういった作業に移っていかなければいけないということで、覚書を交わした後になるということですよね。景観検討委員会の学識経験者ですとか、また、こういった中にかかわる事業者について、どういった方たちが入るかということは公開されるんでしょうか。
松前拠点まちづくり担当課長
 この委員会の中で協議をするもろもろについて公開か非公開か等々に関しましても、今後また調整をしていきたいというふうに思ってございます。
久保委員
 それと、第8条の5なんですけれども、周辺市街地との間に云々というのがありますね。ここに土地が必要となった場合ということがあります。これは緑地の1,000平米のことを指しているんですか。
松前拠点まちづくり担当課長
 この8条5項で指すところの土地と申し上げているのは、この事業者が整備する区画道路がございます。ただ、この道路を整備する際に、既存の市街地との間では、若干の土地が生ずるであろうということが考えられます。したがいまして、1,000平米の緑地を指しているものではございませんで、市街地との間に生ずるすき間の土地のことを指しているという内容でございます。
久保委員
 先ほどもありましたけれども、ガイドラインの中の明治大学のところで、道路から50メートルぐらいはあかせてあって、土地があるような話でしたが、ここのところに「コミュニティ活動に資する」となっているんですね。コミュニティ活動に資するということであると、自由に地域の方たちがこの土地を使って何かできるというか、そんなようなイメージを描いてしまうのではないかと思うんですが、コミュニティ活動というのはどういったことをイメージしているんでしょうか。
松前拠点まちづくり担当課長
 現段階では、区としては建築の基本計画(案)を受け取っているという状態でございますので、明治大学さんのオープンスペースがどのように活用されるかといったようなところは、また今後のお話になるかというふうに想定してございます。ただ、明治大学さんの建物の形からいいますと、杉並区寄りに少し小さな四角があるかと思いますが、こちらで伺っているところでは、コミュニティプラザというようなものを考えているということで、単に大学施設として学生だけが使えるものではなく、地域の方の利用も視野に入れた、そんなところを想定しているというふうには伺ってございます。
久保委員
 わかりました。それと、都市計画公園と公共空地なんですけれども、これについては、一体的な機能というようなことを言われています。一体的な機能というのは、どういうことを言われているんでしょうか。
松前拠点まちづくり担当課長
 公園が約1.5ヘクタール、そして、公共空地が合わせて1.5ヘクタール程度、合わせて3ヘクタール程度のかなり大きなオープンスペースになろうというふうに思ってございます。一体的な利用というのは、この公園と空地が例えばさくで囲われてしまうとか、そういうことではなくて、空間として一体的につながりがあって、また、この公園を利用する人や街区を訪れる人が一体のものとして通行できる、あるいはこの空間で過ごすことができるといったような、そんなところを想定しているところでございます。
久保委員
 ということは、都市整備上のくくりとしては都市計画公園と公共空地というような扱いになっているけれども、そこに集ってきた人たちにとっては、3ヘクタールがすべてオープンな都市計画公園というふうに思われるようなデザインにするということですか。
松前拠点まちづくり担当課長
 公園と隣接する公共空地が全く別の土地ではなくて、景観的にも、ここを歩いたり、くつろぐときにも一体的な空間であるというふうにとらえていただけるような、そんな整備を目指していきたいということでございます。
久保委員
 今、ばらばらと伺いましたけれども、まだ多分いろんな点でこれからの部分は当然あるかと思うんですね。一番初めに申し上げましたけれども、この計画がきちっと進んでいくことが一番重要なことではないかなと思っております。先ほど景観についての検討委員会とかそういったものが設置されるということがありましたけれども、各段階において、区だけではなくて、さまざまな形でチェック機能を働かせるということが非常に重要ではないかと思っておりますので、これは要望になりますけれども、この計画についてはそつなくといいますか、進めていただければと思います。
むとう委員
 とりあえずこの3事業者と先行してここまで進んだということだったかと思うんですけれども、その後、早稲田であるとか、区域3-4の財務省宿舎とか、この辺との関係はどういうふうになっているんでしょうか。
松前拠点まちづくり担当課長
 前々回の、区が要請する事項という内容につきましては、早稲田大学及び財務省のほうにも同じ内容を御提示させていただいてございます。大学あるいは財務省にとっては、先行する3事業者とまずはきょう御報告する内容で覚書を交わすということになってございますが、基本的には同じように御回答いただき、また、それをもとに覚書等々の取り交わしを想定しているところでございます。
むとう委員
 じゃ、もう早稲田大学、3-3の警視庁の宿舎、3-4、このあたりについてもきちんと出されてはいるんですか。どういう進捗状況になっているんですか。今、回答を待っている段階なんでしょうか。どういうところまで来ているのか、もう少しわかるように御説明ください。
松前拠点まちづくり担当課長
 まず、区域3-3でございますが、こちらは警視庁様がまだ土地を取得されていないということで、要請自体はまだ行ってございません。早稲田大学と財務省様に対しましては、申し上げたとおり、要請事項の投げかけを行ってございます。また、早稲田大学に対しましては、回答を出していただくようにお願いしているところでございます。財務省様については、現状では要請事項を投げかけていると、そういう状態でございます。
むとう委員
 そういたしますと、3-4の財務省のところ、ここがまだ回答を出すように要請していないということで、一番おくれている進行状態なんですか。
松前拠点まちづくり担当課長
 今後、この3-4につきましても、御回答いただけるような働きかけをしていきたいというふうに思ってございます。
むとう委員
 3-4の国家公務員宿舎については、ここの議会に陳情も出ていて、新しい中学校の建てかえの問題で、ここがどこかに変えられないかということで、さんざんこの委員会でもお話をしてきたときに、私の記憶では来年度には着工したいということでスケジュールは動かせないので、新たな土地を見つけるのは厳しいんだというような御答弁だったと思うんですけれども、そういたしますと、次年度着工というようなスケジュールの御説明だったんですけれども、まだ御回答ももらえていないという中で、あちらのスケジュールはずれ込んでいるということなんでしょうか。中野区に対しては、きちんとした回答もなければ、覚書の取り交わしもまだ全然至らないけれども、財務省としては、次年度は着工ということで進んじゃっているということなんでしょうか。どういうことになっているのか、その辺、詳しく御説明ください。
松前拠点まちづくり担当課長
 委員のおっしゃるように、平成21年度中に着工を目指すというふうに伺ってございます。その点について変更したとか、そういうふうには伺っておりませんで、我々の認識としても、平成21年度の着工を目指しているんだという認識を持ってございます。また、こういった要請事項に対しては、区としても今後も働きかけて回答をいただきたいというふうに思っているところでございます。
むとう委員
 一番早く着工したいとおっしゃっている財務省がまだ回答もなく、覚書の取り交わしもないというのは、どういうことなんですか。もしかして、財務省側は中野区とこういった覚書の取り交わしであるとかは結ばないで、独自に進んでいっちゃうという可能性があるということなんですか。じゃなくて、次年度着工でも、今この進み方で十分間に合うということなんでしょうか。
佐藤拠点まちづくり推進室長
 3事業者につきましては、これから東京都のほうに提案する段取りに来ていますが、早稲田大学さんはことしになって土地を購入、それから、財務省さんはまだ設計事務所も決まっていないという段階でございます。今、準備を進めまして、企画提案するんですが、都市計画審議会にかける時期が大分ずれます。今回のものは先行して3事業やりますので、この段階に来ていますが、来年度そういった形で早稲田さん、財務省さんが進めると思います。そういう段階でございますので、こういった要請事項についてまとめるのは、多少今の3事業者さんよりおくれても、それには影響しないのではないかと思います。
むとう委員
 それから、もう既に建ってしまいました東京警察病院なんですけれども、既に建ってしまったから、こういった覚書等を取り交わさずに建設ができてしまったわけなんだけれども、実際、今回、新たにこれからつくられる3事業者とは覚書を取り交わし、区も具体的に別表に書いてある内容を要求しているわけですけれども、もう建っちゃったものはしようがないんですけれども、警察病院というのは、今回の覚書の状況、詳しい別表なんかと比較すると、満たしている建物と言えるんでしょうか。
松前拠点まちづくり担当課長
 委員のおっしゃるとおり、こういった要請が区から出る前にもう既に竣工されているということでございます。ただ、竣工自体も本当に最近のものでございますので、規模も大きいですし、東京都が条例上定める景観であったりとか、あるいは施設の整備水準、そういったものは満たしているんだというふうに我々は認識してございます。
むとう委員
 私はよくわかりませんけれども、盛んに今回言われているCASBEEというんですか、これの最高水準をこれからつくるところには目指してくださいと言っているわけですが、警察病院については最高水準なんでしょうか。どのランクなんですか。
松前拠点まちづくり担当課長
 警察病院のCASBEEの水準はという御質問なんですけれども、こちらの評価自体を実際行っているかであるとか、その結果がどうなのかということについては、現段階で私どもでは確認し切れていないという状況でございます。
佐藤拠点まちづくり推進室長
 CASBEEにつきましては、施設の目的としまして、最高水準を目指しますが、S、Aとか5段階あるんですが、例えば病院につきましては、どうしても負荷がかかってまいりますと、Sという数字自体、今出ているかというのは、ちょっと確認は難しいんですが、恐らく24時間、いろんな手術もありますから、そういう意味で環境に相当負荷がかかっておりますので、確認はしておりませんけれども、最高水準を満たしているかというのは、ちょっと難しいかなというような想定はしております。
むとう委員
 話が行きつ戻りつで申しわけないんですけれども、まだ覚書を取り交わすまでに至っていない早稲田と財務省については、いつまでをめどにというタイムスケジュールをもう一度教えてください。
松前拠点まちづくり担当課長
 この2開発事業者に対しましては、先ほど室長のほうからも申し上げたとおり、東京都の都市計画審議会にかけるタイミングといたしましては、先行する3事業者よりも恐らくある一定程度は後ろにずれるというふうに思ってございます。したがいまして、この2事業者がいつのタイミングにかけられるかというところもまだ定まってございませんので、この段階で、いつまでに逆算して覚書を交わせるのかというところは、なかなか申し上げにくいところではございます。ただ、基本的にはなるべく御回答いただきまして、覚書を交わせるような準備は整えたいというふうに思ってございます。
南委員
 さまざま今、具体的な内容等の確認とかもありましたけど、CASBEEもそうなんですが、最高水準、Sランクということで、この内容自体、覚書の中で努力目標とするというふうになっておりますけれども、そのほかにも雨水貯留量は敷地面積1,000立法について70立法を目標とするというふうになっていますけれども、これは努力目標ということなんでしょうか。
松前拠点まちづくり担当課長
 この覚書は、環境配慮であるとか、今、御指摘いただいた雨水対策であるとか、そういったものについては、基本的に今、考えられる最高水準を目指すと、その実現に努めるものとするという表記をしてございます。この覚書につきましては、事業者も区も、よりよいまちづくりを目指したいと、そのために目標とする姿は、一番高いところを目指したいという意思を表示しているということで、もちろん最高水準を目指しておりますが、設計を進める段階、あるいは開発事業者さんは民間企業でございますので、実際、経済的な問題等々がございます。したがいまして、覚書の中にもまちづくりの進行管理ということで、各設計段階等々において相互に確認するというふうにしてございますが、実際に計画を進めていく段階の中で、区やあるいは事業者様が最大の努力ができているかどうかということを確認しながら、基本的には最高水準を目指していくと、そういう趣旨のものでございます。
委員長
 他に質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 質疑がなければ、以上で本報告については終了します。
 他に報告はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 それでは、以上で所管事項の報告を終了します。
 次に、審査日程のその他に入ります。
 各委員、理事者から何か発言はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、次回日程についてお諮りいたします。
 次回の委員会は、第3回定例会中としたいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように決定します。
 以上で本日予定していた日程はすべて終了しましたので、本日の建設委員会を散会します。

(午後2時20分)