平成18年12月06日中野区議会中野駅周辺整備・交通対策特別委員会(第4回定例会)
平成18年12月06日中野区議会中野駅周辺整備・交通対策特別委員会(第4回定例会)の会議録
平成18年12月6日中野駅周辺整備・交通対策特別委員会 中野区議会駅周辺整備・交通対策特別委員会〔平成18年12月6日〕

中野駅周辺整備・交通対策特別委員会会議記録

○開会日 平成18年12月6日

○場所  中野区議会第1委員会室

○開会  午後1時03分

○閉会  午後4時04分

○出席委員(13名)
 藤本 やすたみ委員長
 長沢 和彦副委員長
 いでい 良輔委員
 伊東 しんじ委員
 北原 奉昭委員
 久保 りか委員
 むとう 有子委員
 かせ 次郎委員
 若林 ふくぞう委員
 飯島 きんいち委員
 篠 国昭委員
 柿沼 秀光委員
 池田 一雄委員

○欠席委員(1名)
 市川 みのる委員

○出席説明員
 政策担当課長 川崎 亨
 土木担当課長 遠山 幸雄
 拠点まちづくり推進室長 石橋 隆
 公園・道路担当課長 野村 建樹
 江古田地域センター所長 戸辺 眞
 拠点まちづくり担当参事 秋元 順一
 中野駅南口周辺整備担当課長 上村 晃一
 都市計画担当参事 尾﨑 孝
 中野駅北口周辺整備担当課長 安部 秀康

○事務局職員
 書記 岡田 浩二
 書記 黒田 佳代子

○委員長署名


審査日程
○議  題
 1 中野駅周辺整備について
 2 交通対策について
○所管事項の報告
 1 中央環状新宿線の出入口名称アンケートの実施について(都市計画担当)
 2 コミュニティバス「なかのん」に関する関東バス(株)との協議について(土木担当)
 3 中野駅周辺まちづくりグランドデザインについて(拠点まちづくり担当)
 4 その他
○その他
(1)首都高速道路株式会社への要望書提出について(報告)

委員長
 定足数に達しましたので、ただいまから中野駅周辺整備・交通対策特別委員会を開会いたします。

(午後1時03分)

委員長
 本日の審査日程についてお諮りいたします。
 本日は、お手元に配付の審査日程(案)(資料1)のとおり進めたいと思いますが、これに御異議ございませんでしょうか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 それでは、そのように進行させていただきます。
 なお、審査に当たりましては午後5時を目途に進めてまいりたいと思いますので、よろしく御協力をお願いいたします。
 また、途中3時になりましたら休憩を入れたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、中野駅周辺整備について、交通対策についてを議題に供します。
 それでは、議事に入ります。
 所管事項の報告をいたしたい旨の申し出がありますので、報告を受けたいと思います。
 まず最初に、中央環状新宿線の出入口名称アンケートの実施について(資料2)、報告を求めます。
尾﨑都市計画担当参事
 中央環状新宿線の出入口名称アンケートの実施について、御報告いたします。
 首都高速道路株式会社では、平成19年12月の中央環状新宿線の中野区内を含む西新宿までの一部開通に先立ちまして、新宿線の出入り口名称についてのアンケートを実施いたします。
 これは、高速道路の利用者や沿道住民等の御意見をいただくことにより、よりわかりやすく親しまれる道路とすることを目的に実施するものでございます。
 実施主体でございますが、先ほど申しました首都高速道路株式会社です。
 実施時期は、平成18年12月から平成19年1月上旬ということになります。
 名称をつけていただく対象になりますのは、中央環状新宿線の新設・関連出入口で、現在仮称となっている池袋南第二出口、池袋南出入口、中野本町出入口、新宿南出入口、富ヶ谷出入口と、既に設置されている池袋の近くにあります高松入口でございます。
 実施方法でございますが、応募の方法は、専用はがきによる郵送、または首都高速道路株式会社ホームページへのアクセスとなっております。
 はがき等の用紙の配布場所でございますけれども、首都高速のパーキングエリア、料金所、あるいは区役所等でございます。中野区においても、沿道の地域センター等に置かせていただきます。
 それから、回答形式でございますが、幾つかの名称の案がございます。そこから選んでいただく方式でございますが、選択すべき名称がなければ、ふさわしい名称を自由欄に記載していただくことになっております。
 スケジュールでございます。12月11日にプレス発表・募集開始でございます。来年1月上旬に応募を締め切りまして、首都高速道路株式会社の社内選定委員会、そういうものが設けられまして、審査をいたします。1月中旬には名称を決定し、下旬に発表というような段取りと聞いております。
委員長
 以上の報告について、御質疑ありませんか。
むとう委員
 参考までに、わかっていれば教えていただきたいんですが、こちら側が用意している数案というのはどういうものなんですか、名称は。
尾﨑都市計画担当参事
 私ども中野本町でございますけれども、そこの案でお聞きしているのは、まず1が「中野本町」、2が「西新宿」、3がちょっと渋谷区に入りますけれども「清水橋」、4として自由欄ということでその他というようなアンケートのとり方だと聞いております。
委員長
 よろしいですか。そのほか御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕
 
委員長
 よろしいですか。質疑がなければ、ただいまの報告は以上で終了いたします。
 2番目に、コミュニティバス「なかのん」に関する関東バスとの協議について(資料3)、報告を求めます。
遠山土木担当課長
 それでは、コミュニティバス「なかのん」に関しまして、関東バス株式会社との協議が始まってございますので、御報告申し上げます。
 「なかのん」につきましては、平成17年11月30日から運行を開始いたしまして、1年が過ぎてございますので、関東バスと1年間の実績に基づきまして、検証を含めて協議を始めてございます。
 まず、乗客数でございますが、裏面をごらんいただきたいと思います。11月分はちょっと間に合わなかったのでございますが、約1年間の乗車人員の状況を資料として載せてございます。
 特徴的なことは、徐々に、一番右端でございますが、利用者の合計が1万7,000人の台を、大台も超える月が出てきたということで、徐々にではございますが、増加しているのかなというふうにとらえてございます。
 それから、(2)の平均利用人数でございますが、平日の1日平均が550人を超える月もございまして、1便平均が2けたを常に超えていると。当初は平均いたしまして2けたになるのはなかなか難しいかなということも事業者では考えていたようでございますが、9月、10月を見ますと11人の月も出てきているというところでございます。
 なお、土・日・祝日の1日平均につきましては、ごらんのとおり、10月におきましては610人もあったということでございます。
 それから、ちなみに2でございますが、最多、最少利用日の状況でございますが、10月には8日に768人という多い月を迎えているというようなことがデータから読み取れると思います。
 表面に戻っていただきたいと思います。
 2番目の問題点でございますが、上りの「鷺ノ宮駅入り口」バス停が、地先の方の事情等がございまして、現在廃止状態が続いてございます。今、関東バスでは、2カ所ほど代替のバス停に当たりをつけてございまして、区も一緒にその辺の復活を目指して、今対策をとっているというところでございます。
 それから、3番目の利用者・関係者の要望等でございます。こちらの方を関東バスの方に投げかけてございます。これまで「なかのん」の運行に関しましては、増便の要望、それから始発・終発についての増便も含めての時間の変更とか路線変更等の要望がございました。これを伝えてございます。
 それから、バス停の環境につきましては、例えば上屋の設置、ベンチの設置等も関東バスの方には投げかけてございます。打ち合わせの当日の様子ではなかなか厳しいというお話は承ってございますが、なお交渉といいますか協議を進めまして、可能な限りこちらの要望にかなうようなことができないかどうかにつきまして、今後とも協議を続けていきたいと、このように考えてございます。
委員長
 以上の報告について、質疑はありませんか。
篠委員
 いつまでこの運行は保証されていましたかね。区が手を引くということはこの間はあり得ないという期間をもう一回言っていただきたいんですが。確認したいと思います。
遠山土木担当課長
 関東バスとの協定につきましては、3カ年につきましては運行支援をするということは協定を結んでございます。
篠委員
 これも確認なんですが、その協定、中野区から毎年幾らずつのお金をつぎ込んでいるという形でしたか。
遠山土木担当課長
 一月当たり125万円の運行支援でございます。
篠委員
 それを3カ年といいますと、具体的に平成何年何月何日までだということでまず一つお答えいただきたいのと、その協定を結んでいる内容の具体的な、アメリカであれば契約は膨大で読むのも嫌になるほどのものが取り交わされますよね。このぐらいになったときには中野区は引くことを考えているとか、あるいは関東バスはこのぐらいになったら引くことを考えているとかという、そういった内容を一切盛らない約束事になっているんですか。その時点になったら、お互いに何となく考えましょうというような協定内容なんですか。その辺を確認したいと思います。
遠山土木担当課長
 まず1点目でございますが、17年11月から始めてございますので、20年10月分までというふうに、3カ年、36カ月というふうに取り決めてございます。
 それから、協定につきましては、もちろんこの運行支援につきましても予算の範囲内でという箇条書きのようなものは書いてございますが、今委員のご指摘のような、こういう状況になりましたら運行をやめる云々というものは入っていなかったと記憶してございます。
篠委員
 区が取り決めをするときには、いつもそういう--3年先はね、10年先なんかとても財政状況を読み切れませんし、3年先であってもなかなか読み切れるものじゃないんで、ですけど、世間ではそんな約束事ということはあり得ないわけですよね。それであっても、中野区においてはそういう取り決めをしている。ほかの例も同じですよという推測をされても構わないわけですね。
遠山土木担当課長
 お答えになるかどうかあれですが、今回、この「なかのん」の運行につきましては、議会も含めまして、住民の方の強い要望があり、区も一緒にその事業者に対して呼びかけをし、事業者がそれにこたえるという形で始まったものと認識してございます。その際に、当初はバスの購入費、それからバス停の設備費、それから今お話に出てまいりました運行費につきまして、運行費につきましては3カ年、36カ月支援をするということでスタートしたというふうに認識しております。
篠委員
 それと、鷺ノ宮駅の入り口の廃止ですよね。これは、上りの方だけなんですが、地元の議員も必死に対応を、具体的に行動を起こしたんですが--と言いますのは、その後の、区の方々の努力も真剣そのものであったことは高く評価するんですが、こういう3番で「利用者・関係者の要望等」という中で同じような考え方でこのことについて利用者はどう思っていますかというような調査はするんですけど、20年、30年をかけて、もう体を張ってそれだけを選挙公約のように掲げて頑張ってきた議員もいる。やっぱり、1回動き出したらまさに公共そのものである。そういったものを、具体的にその方の要望は知らんですが、お会いしてはいないのでわからないんですけど、そういうことで関東バスと中野区が引っ込んでいいという代物とはとても思えない。例えば、中野駅。迷惑でしょうがない、やめてくれといったようなことが起きたときに、そんな対応をする担当者がいるわけがない。バスなんかレベルが低いからそうだというような対応としかとられかねない対応に事実上なっています。ちょっとだけ休憩にしてもらいたい。
委員長
 休憩いたします。

(午後1時19分)

委員長
 再開いたします。

(午後1時19分)

篠委員
 やはりね、これはね、そんなことで引っ込んできて、とんでもないことですよ、これ。私も「少しずらしてくれ」というお願いをして、「わかりました」というところまでこぎつけてきた。ここには「議会の声」という欄を一つも設けていない。この対応については、私は強く反省を求めますけど、いかがですか。
遠山土木担当課長
 
 この間の経緯につきまして、若干補足説明をさせていただきますと、今回、問題になったその地先の関係者というのは、実は営業をしている、店舗をしているところでございました。当初から、前任者に聞きますと、当初、そのバス停設置につきましてもいろいろあったけれども、何とか御理解をいただいて、そこにバス停を設置したということを聞いてございます。ただ、いかんせんお店で扱う商品ですね、それに対して、バスを待つ方がいろいろと、悪意はなかったんでしょうけれども、例えば、雨の日に傘をさして、ちょっとお店寄りに寄るとぽたぽた落ちるとか、そうすると商品が濡れてしまって何とかというときには、その都度区の方にも「何とかしてもらいたい」という苦情はあったようでございます。また、ちょっとお店の横の方にちょっと段がありまして、そこへ腰かけるとかいろいろと、私も現場を見たわけではございませんが、その店の営業をなさっている方から見ると、なかなか営業上でも支障が出るので何とかしてもらいたいと。
 その声を受けまして、関東バスでは、かわりのところを探していたということを承っております。それで、その代替のところがほぼ大丈夫かなというところで、その地先の方にも御迷惑をおかけしましたと、何とかかわりのところができそうですというところで、お約束のような発言をしたと。ちょっと休憩にしていただけますか。
委員長
 それでは、休憩させていただきます。

(午後1時23分)

委員長
 再開いたします。

(午後1時23分)

遠山土木担当課長
 10月18日午前に当委員会がありましたが、その日の午後に、関東バスより「大変急で申しわけないけれども、廃止いたします」と連絡がありました。議会に対しましても大変御迷惑をおかけし、私どももちょっと御報告が後手に回ったというのはおわびしたいと思います。
 先ほど申しましたように、関東バスも次なるところというところで、私どもも一緒に中杉通りから近いところで代替のところがないか当たっているというのが現況でございます。
かせ委員
 そういうことはあるんだろうと思うんですけれども、できるだけ早く改善できるように私からも要望しておきます。
 それで、この文書の中で、乗客数、「1便あたり約11名」で、「採算ラインには届いておらず」ということですけれども、具体的には何人ぐらいで採算が合うんですか。
遠山土木担当課長
 これは関東バスのお話ということの前提でございますが、運転者さんが後ろを振り返ると十五、六人がいるという状況が大体採算ラインかなというふうには承っております。ですから、私どもも、今回も御報告申し上げましたが、1便当たり平均11人ということがございますので、関東バスのお話ですと、15人前後かなというふうには受けとめております。
かせ委員
 座席数はたしか14ぐらいですね。
遠山土木担当課長
 座席数は14で、定員が34だったと思います。
かせ委員
 そうしますと、車いすも乗れるスペースもあるということと、そうするといすは全部いっぱいで、車いすもいっぱいだと。さらに、立って座れない乗客がいるということで採算ラインということですから、これはだけど、座席数が満たされている、あるいは少しぐらい予備があるという状況でも採算が合うというような車両、そしてまたコースもそういうところでしょう。じゃあ、その採算ラインというのがどうなのかなという気がします。
 それで、私も、篠委員が質問していましたけれども、これはもともと南北交通の改善ということで議会でも長い議論がありました。私もそういう議論の中に参加したことありますけれども、そういう中でやっとできたということで、これが採算がどうのこうのというよりも、これは何としても守り抜かなきゃいけない重要な手段だというふうに思うんですよね。ですから、3年間で補助が打ち切られるということだけれども、それでは私も済まないだろうと。3年後を見込んで採算ラインというような考え方が出てくるんだろうと思うんですけれども、公共交通として中野区も関わって維持していくんだということで、この辺のところはもっとしっかりと検討すべきだと思うんですが、どうですか。
遠山土木担当課長
 この採算ラインにつきましては、この「なかのん」に限定して実際の収支等も関東バスからいただいて、うちの方でも分析をしたいなというふうには思ってございます。
 それから、コミュニティバスの存在といいますか、そのことについてのこれまで、長い間いろいろな要望の積み重ねでやっと実現したということですので、それについては深く思いをいたしているところでございます。
 先ほど、データの御説明の中で、だんだんふえてございますので、もう少しみんなで利用しましょうというところが今の所管の担当課長としてはそういう思いでございますので、ひとつよろしくお願いしたいと、このように思ってございます。
かせ委員
 何としても守っていくということで、ここにあるようにPRとかそういったものはもちろん必要ですけれども、こういう努力以外のほかでも維持していくということで検討していただきたいと要望しておきます。
 それと、3番の要望について、これこれこういうことを事業者に伝えたということですけれども、伝えたということだけで済ませてしまうとね、何とも私たち聞いていて「これでいいのかな」という思いがあるんですよ。子どものお遣いではないですから、じゃあ、伝えたことに対して関東バスはどういうふうに答えて、どういう方向を向いているのかぐらい、もう少し突っ込んで説明をお願いしたいと思います。
遠山土木担当課長
 ちょっと御説明が不足してございました。ただ、こういうことがありましたというのを伝えたということでございます。むしろ、こういう声があったときはその都度向こうの担当には伝えてございます。
 今回は、1年間経過したということで、従前は「検証する」という言い方をしてございました。それが始まったということで、うちの方でこういう要望が利用者や議会からもありますということで、これについて公式な返答といいますか、それを求めていると。それをいただいてから、また私どももその回答についてはいろいろと検討しながら、向こうとやりとりが続くのかなと。そして、適宜議会にもその辺のことは経過報告するのかなと、こんなふうに考えてございます。
かせ委員
 そういう説明をされればよかったと思うんですけれども、それで、やっぱり向こうの方とやりとりがあるわけですけれども、そのことが議会の中で、我々もそれに対していろいろ言うことができるという、そういう関係があってしかるべきだし、今答弁されましたけれども、そういうふうにこれからもこの問題については非常に大事な事業であるということと関心が高いということですから、ぜひそういう関係で、議会に対しての報告についてはぜひ積極的にお願いしたいと思います。
久保委員
 乗客数のところで、「11名で、当初の見込みよりは多いが」ということで、先ほど採算ベースに乗るには15名ぐらいということで言われていました。「今後とも事業者の努力」というのがありますけれども、これは具体的にはどのような努力を事業者としてはなさるおつもりでしょうか。
遠山土木担当課長
 直接、ストレートに「では、関東バスさんはどんな努力を」というのは直接まだ投げかけてはございませんが、当然、この検証といいますか協議の中でこういうことができるんじゃないか、ああいうことができるんじゃないかというのは向こうからも出てくるでしょうし、私どももそういった勉強といいますか、お話し合いの中でいろいろと出てくるかなということがございます。具体的にどんなアクションをというところまではまだ詰め切ってございません。
久保委員
 協議を行ったというのは、具体的なことは言われていたわけではなくて、「お互いに努力をしましょうね」というようなことだけを言われたということなんでしょうか。
 実際に、事業者の努力をされるのであれば、本当に必要な時間にどれだけ走らせるのかという努力もしていただきたいと思いますし、私はたびたびこの委員会でも申し上げておりますけれども、1日の利用者数というだけではなくて、多い時間帯にどれだけの方が乗られているのか。そういったところもきちんと統計をとるべきではないかということを申し上げてきたんですが、その辺はどうなっているんでしょうか。
遠山土木担当課長
 協議を行ったと、ちょっと私どもの記載の仕方が--協議を始めたというふうにお受けとめいただきたいと思います。
 それから、時間帯別の乗車数につきましては、事業者にお伺いしますと、5年ごとに大規模な調査を行っているというふうに承っています。では、前回はいつごろしたんだということですが、17年11月ごろに行ったということですので、通常で言うとぐっと間があいてしまいますので、この辺につきましても「なかのん」につきましてはそういったところも非常に大きく影響してくる話でございますので、乗車数の調査といいますか、その辺についても求めていきたいなとは考えてございます。
久保委員
 「利用者・関係者の要望」の中にも増便というのがございます。これは多分、そういったことを示唆しているんだと思うんですね。先日、多分、私が乗ったときも、34というのが定員だと思いますので、それを超えたと思われまして、大和通りで通過をいたしまして、二人乗客の方がバス停で待っていらっしゃいましたけれども、乗り切れないで通過ということがございました。そういったことがありますと、その後の時間はもう20分、30分たたないと「なかのん」は来ないということになります。そうなりますと、やはり乗客の方たちもなかなか来ないバスで、これで待たされて結局乗れなかったというような事態も生じてくるのではないかと思うんですね。平成17年11月に調査を行ったということですけど、そのときには当然「なかのん」は11月30日からの運行でございますので、その調査の対象にはなっていないと思います。1年たちましたので、早急にその調査をまずは行うということを、これだけの要望をしているわけですから、しっかりと区からも本当に年度内でも調査を行うように言っていただきたいと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
遠山土木担当課長
 答弁が繰り返しになりますが、調査につきましてはお願いをしていくといいますか、申し入れをしていきたいかなと考えてございます。
 それから、増便につきましても、御案内のとおり、ある一定のポイントを超えますと、バスの増車といいますか、新たに1台というような問題も出てございます。そうすると、また新たに運転手といった問題も出てございます。なかなかその辺は向こうの方からデータを示していただきながら、御説明をまず聞こうかなと思ってございます。委員のお話の増便とか、例えば間隔を今25分ですけれども、間を詰めたらというような、それが利用者増につながるんではないかという要望はあるということは承知してございます。
久保委員
 今、乗務員ですとかバスの台数、この辺の見直しを行わないと対応ができないような部分もあるというお話がありましたけれども、現在の乗務員ですとかバスの台数の体制のまま、いわゆるダイヤ改正というんでしょうか、ちょっとそれは電車の言葉なのかわかりませんけれども、そういったことというのは可能なものなんでしょうか。
遠山土木担当課長
 具体的にどこまで可能で、どこからが先ほど言った増車が必要かというところにつきましては、詰めた話はまだしてございません。改めまして、この協議が始まったときには、こういった要望がありますといったときに、じゃあ、そのまま帰るということではなくて、それなりの関東バスのデータは示していただけませんが、そのときのやりとりでそういった増車の必要があるのかなとか、そういったやりとりがあったというふうに現段階では受けとめていただきたいと思います。
久保委員
 それから、「始発便、終発便の時間変更」、これもやはり同じように乗務員の増員ですとか、そういったことがないとできないものでしょうか。
遠山土木担当課長
 断定するわけにはいきませんが、大いに関係する話なのかなというふうには、一般的には考えます。
久保委員
 その場合は、例えば始発をもっと早くとか、終バスを遅くといったようなことを区が要望していった場合には、運行経費の負担をもっと増やしてもらいたいというようなことがバス会社の方から要求がある場合も考えられるんでしょうか。
遠山土木担当課長
 現段階では、さらに上乗せの要望があるかどうかというのはちょっとお答えするときではないとは思ってございます。
久保委員
 ということは、終発便を例えば延ばした場合に、常に時間帯において15名以上の乗車客が見込まれるということであれば、採算ベースに合うわけですから、そうしたことではバス会社の負担も、区の方の負担もなくて済む場合もあるということもありますよね。その辺も調査のしようによってはできるのではないかなと思いますので、ぜひその辺もあわせて調査を行っていただきたいと思います。
 それから、「路線変更」というのが「利用者・関係者の要望等」というところでございますが、これはどのような路線変更というのが出ているんでしょうか。
遠山土木担当課長
 これは、今定例会で御質問がありました上鷺地域運行云々のことを想定してございます。
久保委員
 上鷺地域というのは、いわゆる上鷺の地域内を走るということでしょうか。幹線道路だけではなくて、細かく入るということですかね。
遠山土木担当課長
 そういう議会からの要望がありましたということをお伝えしているということでございます。
久保委員
 「バス停環境の改善」ですが、先ほど厳しいというようなお話がございました。当初、コミュニティバス「なかのん」を運行させる前には、歩道の幅員などがあるところにおいては上屋付きのバス停であるとか、待合室の設置というのが可能なものであるというようなお話があったと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
遠山土木担当課長
 この環境整備、具体的な今委員の御指摘のように、上屋とかベンチの設置について議会から要望等がございますというのはお伝えしました。その中での一般的なお返事の中で、委員のお話の中にもございましたように、なかなか歩道部分が狭いところという部分で、関東バスとしてはそういうお話が出てきたというレベルでございます。歩道状況によっては、幅員があるところもあるやもしれませんが、一般的な話として、1回目の協議のときには、関東バスとしてはそのような言い方をしていたということでございます。
久保委員
 ぜひその辺もバス停においては可能性があるバス停もあるかと思いますので、ぜひあわせて調査を行っていただきたいと思います。
 それから、中野区コミュニティバスの運行に関する協定の方に、「補助金の対象となる経費は、車両購入費、運行経費及び道路環境整備費とする」ということで、これは以前にも伺ったんですが、「道路環境整備費」の部分なんですけれども、その辺はどのようなところも含まれているんでしょうか。確認させてください。
遠山土木担当課長
 申しわけございません。詳細な資料を今手持ちにございませんが、バス停設置を中心とした周辺の工事を含めたものというふうに考えてございます。
久保委員
 先ほども「鷺ノ宮駅入り口」のバス停のお話がありました。これは、バス停設置に伴うような環境整備の経費というのは、区の方からもこうやって補助を出しているわけですから、もう少し区の意見を聞いて、関東バスとしてはバス停を廃止するというようなことも考えなければいけなかったのではないかと思いますし、また、今後バス停を設置するに当たっても、十分に区の意見というのを反映させるべきだと思いますが、その辺はいかがですか。
遠山土木担当課長
 お話の趣旨は理解できますが、補助金といいますか助成の性格上、購入費もそうなんですが、これについては一度きりという前提での補助金でございました。
久保委員
 一度きりということは、出したらもうその後は何も言える立場にないということですか。
遠山土木担当課長
 違います。その名目での補助金支出が一度きりであるということでございます。
久保委員
 私は何もこの整備費をまたさらに出せと言っているのではなくて、一度きりであっても、区がそういった整備費を負担したわけですから、その辺でもしっかりと区民の方たち、利用者の方たちの意見を反映されるようなバス停設置のためには、もう少し区もしっかりと意見を言っていただきたいと思いますし、責任も持っていただきたい。また、バスの事業者の方も、しっかり区の方の意見を聞くような態勢を持つべきであったのではないかということを申し上げているんです。
 先ほども御報告がありましたけれども、バス停の廃止というのが決まった上でバス事業者の方から担当課長の方には説明があったようにうかがえますので、それはそもそもそのような声があった段階で区の方にも相談なり何なりということがあるべきだったと思いますし、当然、私たち議会側にも特別委員会がございましたので、そのときに御報告をいただけるべきであったと思います。その辺について私は申し上げているのでありまして、今後さらに整備費をふやすとか補助するということを言っているのではありません。その辺の責任についてはいかがお考えでしょうか。
遠山土木担当課長
 今回のバス停廃止にかかわる経過につきましては、先ほどお話し申し上げましたけれども、前後関係で大変申しわけなかったと反省してございます。
 それから、少し補足をさせていただきますと、今区とバス事業者であります関東バスとのお話でございましたが、今回のバス停廃止もそうなんですが、なかなかこのバス停の設置にかかわることに関しましては、もちろんバス事業者が大きいわけですが、それから交通管理者や道路管理者、それから地先の方、いろんな要素があってやっと誕生しているというのが実態でございまして、その辺では今後関東バスとの協議の中でも、この場合は例えば交通管理者や、道路管理者や、あるいは地先がどうだというようなところも大きなお話を進めていく大事なポイントかなというふうには考えてございます。
委員長
 よろしいですか。そのほか御質疑ありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 質疑がなければ、ただいまの報告は以上で終了いたします。
 それでは、3番目に中野駅周辺まちづくりグランドデザインについて(資料4)、報告を求めます。
秋元拠点まちづくり担当参事
 それでは、別冊ということで、A3版横型の資料に基づいて御説明を申し上げます。
 「中野駅周辺まちづくりグランドデザイン Ver.1.0」という形でお示しをしてございます。
 このグランドデザインの構成でございますが、これは表紙の左側に出てございます。一番の「グランドデザインとは」という定義から始まりまして、最後の「グランドデザイン実現のスケジュール」まで9項目に分かれているということでございます。
 次のページをお開きいただきたいと思います。
 まず、「グランドデザインとは」ということでございます。
 中野駅周辺まちづくり計画、これは昨年5月に示したわけでございますが、そこで掲載されているまちの将来像、これにつきまして、産業のあり方を含めて明らかにしたものということでございます。
 2つ目は、この将来像の実現を図るために、導入すべき諸機能やその実現方策を示したものということでございます。
 このグランドデザインにつきましては、情勢の変化等にあわせまして、その内容を適宜見直しまして、より望ましい姿へと進化させていくものということで、現在までの到達点を示したということで、「Ver.1.0」という形をとっているわけでございます。
 この「グランドデザインの策定目的」でございます。
 中野駅周辺でなぜかということをまず位置付ける必要があるということで、中野駅周辺の位置付けをしてございます。これは、区の中心に位置をしてございまして、区内随一の交通結節点。そして、中野の顔となるべき地区と位置付けられている。そういったことから、中野駅周辺まちづくり計画を策定したわけでございまして、ただ、このまちづくり計画の方は、都市整備の視点からまとめたものというものでございました。したがいまして、この本グランドデザインにつきましては、さらにまちの活力やにぎわいに主眼を置きながら、中野駅周辺に導入すべき産業とその活動展開の姿をかきまして、あわせてそれらの導入方策を示すことによりまして、中野駅周辺地区が真の中野の顔として拠点性のある機能集積をつくり出すことを目的としているというものでございます。
 「グランドデザインの基本的視点」といたしまして、これは警察大学校等跡地の開発、これを契機とするわけでございます。しかしながら、これを契機といたしまして、中野四丁目、あるいは五丁目、それから南口、さらには中野区全域の経済活動に波及効果を及ぼす。こういった連鎖型のまちづくりを推進していくということがまず第1点でございます。
 2点目は、まちの回遊性の確保・向上を図るということでございます。
 3点目といたしましては、民間企業のノウハウ、こういった民間の力を活用したまちづくりを実践していくということでございます。
 「グランドデザインの策定範囲」ということで、このグランドデザインの策定範囲は、この図に示すところでございますが、その基本的視点というものは、あくまでもこれを拠点として中野区全域の経済活動に波及効果を及ぼす、こういったところをねらっているということでございます。
 次のページをお開きいただきたいと思います。
 次のページでは、中野区の現状がどうなっているのか、「中野駅周辺の現状」を解説してございます。
 中野駅周辺の強みといたしましては、今申し上げましたような機能の集中、あるいは区の中心、鉄道・道路・バス等の交通結節点、それから多摩地区を後背圏に持つ固有な特色を持つその拠点、区部中心部に近接する交通至便なまち、こういったような強みがあるわけでございます。
 一方、課題といたしましては、そこに記載のとおり、商業・業務系のスペースが不足していると。したがって、こういった機能の集積がまだまだ不十分である。交通インフラ等もまだまだ十分でない。まちの防災性も弱い。こういったような課題を抱えているわけでございます。
 中野区の特徴は、そこに記載のとおりでございます。省略をさせていただきます。
 中野駅周辺の特徴でございます。駅乗降客数、こちらの方は、鉄道乗降客約20万人、バス利用者約5万人という数を示してございますが、この数値は年々減少傾向にございます。この鉄道乗降客数でございますが、これは東京の御徒町駅、日暮里駅、大井町駅、これらの駅とほぼ同じであるということでございます。
 人口密度につきましては、夜間人口の密度はまだまだ高い。昼間人口は低い。
 商業構成といたしましては、飲食店で約600店、従業者数4,000人。小売業で約550店、従業者数4,000人。こういった状況でございます。この状況は、他の主要駅と比較をいたしますと、上野駅周辺と大井町駅周辺のちょうど中間に位置をしているという状況にあるわけでございます。卸売業と小売業の販売額、卸売業の従業者一人当たりの販売額、これは新宿駅周辺や渋谷駅周辺を上回ってございます。しかしながら、小売業の従業者一人当たりの販売額、これはかなり小さいという状況にございます。商業集積地区の販売額等につきましては、北口周辺の売り場効率と従業者一人当たり販売額が非常に高くて、新宿駅西口地下街とほぼ同等である、こういった状況にございます。
 こういった現状を踏まえまして、それと中野区を取り巻く社会経済状況を勘案いたしまして、まちづくりの基本目標を4点にまとめてございます。
 この4点につきましては、次のページにその詳細を記載してございます。
 まず、1点目は「中野の地域経済やまちの活性化の起爆剤」としていくということでございます。2点目が「まちの個性の発揮と求心力、集客力の向上」、3点目といたしましては「働き・楽しみ・住みたくなるまちの実現」、4点目といたしまして「防災性能が高く環境と調和するまちの実現」、こういったものをまちづくりの基本目標としていきます。
 そういった基本目標から「めざすまちのコンセプト」を4項目にやはりまとめてございます。「多様な機能がつながり、個性を発揮するにぎわいの心」、こういったものを形成していく。これにつきましては、中央線沿線の文化・歴史を生かしながら、多くの来街者が集い、交流し、にぎわいの高まるまち。こういったものを目指していきますということになるわけでございます。
 二つ目は、「新たな交流が生まれ創造性のふくらむまち」、こういったものをつくっていくということでございます。ソフトなものづくりやヒューマンサービスを中心とした都市型産業の集積。こういったものによって新たな産業が創造されるまち、こういったものがコンセプトになってくるわけでございます。
 3点目といたしましては、「産業創造と人々の活力がみなぎるまち」、こういったものを進めていくということでございます。区民が生涯にわたって暮らし続け、企業が発展段階に応じて継続的に事業展開のできるまち、こういったまちづくりを進めていく。
 4点目が「安全で人に優しく地球に優しいまち」、こういったまちづくりを進めるということでございます。
 次のページをお開きいただきたいと思います。
 こういった「めざすまちのコンセプト」をイメージいたしましたのが次のページ、「将来のまちの全体イメージ」ということになってございます。ここでは、中野駅周辺におけるおおむね20年後のまちの姿をイメージしたものというふうに示してございます。この中では、駅前ということもございますので、当然商業業務、こういったものを集積をねらっていくわけでございますが、やはりそれぞれのまちの持つ特性、こういったものを将来とも生かしていく必要があるというふうに思ってございます。一つは、中野五丁目、これはサンモール・ブロードウェイ地区がその代表的な商店街になるわけでございますが、こちらにつきましては物販・飲食、こういったものが現在非常に発達している、入ってきて活気のあるまちになっている。こういったものを将来とも充実をしていく必要があると。それから、中野駅の南口につきましては、今後文化・芸術機能、こういったものを求めていくわけでございますが、そういった機能を背景とした、それに関連する商業業務、こういったゾーンをイメージしていく。さらには、中野四丁目地区、警察大学校等跡地を中心とする中野四丁目地区でございますが、こちらの方はその北側に公共公益機能、こういったものが配置されることが想定されてございます。そういったものを背景として、業務・商業、そういったものがここに張りついてくる。そういったそれぞれの持つまちの特性、あるいはそれぞれの個性、こういったものを発揮しながら、お互いが連携を図りつつ、中野駅周辺全体のまちが発展するイメージ、こういったものを示しているわけでございます。
 そのために重要なことは、次のページにございますように、来街者が楽しく集うことのできる回遊性の高いまちを目指していくことが重要であるということでございます。そのために、道路整備、これは回遊性を高めるために必要なことでございます。道路整備、左側の図の方は、どちらかというと車の流れにも配慮した道路整備ということでございます。警察大学校等跡地では、新しい道路を整備する、あるいは早稲田通りを拡幅整備していく。南口につきましては、現在機運が高まりつつございます市街地再開発事業、こういったものとあわせまして、南北道路の新設・整備、あるいはもみじ山通りの拡幅、そういったものの整備を進めて、車の流れにも配慮した道路整備を進めていくことが重要であるということでございます。
 それから、二つ目が、歩行者動線、ゆとりのある歩行者空間を整備していくということでございます。こちらの方では、今申し上げましたような警察大学校等跡地を中心といたしまして、中野二丁目の市街地再開発、そういったもろもろのまちづくりの中で、一番下でございますが、「民間活力による安全でうるおいのある歩行者空間の確保や個性的でアメニティの高い歩行者空間の整備を図ること」によりまして、中野駅周辺における歩行者の回遊性を高めていく。そういったことも含めて、中野駅周辺から、さらには北では平和の森、あるいは哲学堂、新井薬師、こういったところへの回遊性。あるいは南の方では、魅力のある鍋横商店街、こういったところに回遊性の範囲を広げていく。こういったことも想定しているところでございます。
 次のページをお開きいただきたいと思います。
 さらには、回遊性を高める仕掛けといたしましては、「中野駅及び駅前広場の将来像」、この中野駅の駅前広場、この整備が重要であるということでございます。その整備の目標といたしましては、中野駅及び駅前広場の改善を行いまして、公共交通機関の利便性や歩行者の東西・南北方向の回遊性の確保、ユニバーサルデザインにも十分配慮して整備を進めるという整備の目標を掲げてございます。これによりまして、現在、四つに分断されておりますコミュニティーを、中野駅を中心として一つにまとめていく。そういったことが必要であるということを考えているものでございます。
 それぞれの求められている機能といたしましては、中野駅駅舎については、中野の顔としてのシンボル性や風格を備えた駅舎。自由通路につきましては、駅と一体化をした東西・南北方向への自由通路の整備。現在ございます北口駅前広場につきましては、駅構内から連続した歩行者優先の広場として整備をしていく。新たに想定される北口駅前広場、これは区役所・サンプラザ前の広場でございますが、こちらの方につきましては、現在の北口駅前広場のバス乗降場を新たにこちらの方へ集約していく。その際には、バス動線と分離した安全な歩行者動線の確保を行っていく。そういったような立体的な構造、こういったものも想定しているところでございます。南口駅前広場につきましては、現在のバス・タクシー、こういったプールの再整備・再配置を行っていくということでございます。さらには、現在北口広場に都市計画決定されております駐車場を含めまして、駐車場・自転車駐車場、そういったものを適切に配置していく必要があるということでございます。
 その次のページでございます。
 その次のページでは、この20年間で中野駅周辺で備えていく導入機能、それから活動展開イメージ、これをあらわしてございます。警大等跡地で展開をされます教育研究機関の導入、これにつきましては、産学連携活動の拠点化、あるいは産業振興やまちづくりに貢献する地域に開かれた大学、こういったような活動展開イメージ。それぞれの街区によって今後の活動展開イメージをそこに掲載してございます。
 そのためのツールでございます。そのためのツールとして、次のページにございます。グランドデザインを実現するためのツールということで一表にまとめたわけでございます。
 上の方がソフト面でのツール、下に行くに従ってハード面からのツールということで、上の方から、「産業の誘導」といたしまして、その方策で「IT・コンテンツ産業等の誘導」、「シティセールスによる誘導」、「産業環境の整備・誘導」、こういったものを方策として掲げ、それぞれの内容についてそこに掲載をしてございます。
 「産学の連携」では、「大学等の教育・研究機関の誘導」、「産業と大学の連携」、「ヒューマンサービス機能の拡大」、こういった方策のもとにそれぞれの内容を記載してございます。
 以下、「まちのにぎわい」、それから「中心市街地の活性化」、こういったところまでがソフト面での対応ツールということでございます。
 それ以下が、どちらかというとハード面からのツールということで、「まちづくりの推進及びまちの管理・運営」、その項目では「まちづくり協議会の設置」、あるいは「まちづくり法人・会社の設立」、こういったものによってまちの管理・発展、そういったものを維持していくというようなことを想定しているものでございます。
 さらには、「民間の活力の活用」、こちらの方では「民間からまちづくりの提案」、あるいは「開発者負担」、こういったものでにぎわいのあるまちをつくっていく。
 さらには、「協働で進めるまちづくり」、これは手法の活用ということでございます。それぞれの事業手法について、それぞれ方策として掲げている。
 一番下のハード面の一番重いものとして、「まちづくりの規制誘導」ということで、今後「まちづくり条例、あるいは「まちづくりガイドライン」を定めていくと、こういったことを考えているわけでございます。
 こういったそれぞれのツールを最大限に活用いたしまして、このグランドデザインの実現を図っていこうというものでございます。
 その次のページでございます。
 この次のページから、ソフト面でのツールを具体的にどのように展開をしていくかということであらわしたものでございます。「成長し、惹きつけ、憩えるまちへ(産業新生の展開)」ということでございます。
 まずすべきことといたしましては、「新しい中野のブランドづくり」ということでございます。そこに記載してございますように、中野区は住宅都市として発展してきたわけでございます。したがいまして、産業構造におきましても、そういったものを背景として区民の暮らしを支えてきたわけでございますが、近年はこういったものの廃業等によりまして、事業所の減少傾向が目立っております。さらには、少子高齢化の進行、あるいは人口減少、こういったものに伴いまして、税収の落ち込み、こういったものも危惧されてきているところでございます。
 こういったことから、地域の経営には力強い産業活動による経済基盤の確立、これが急務というふうに認識しているわけでございます。
 そこで、一番下にございますような「地域経済活性化を牽引する個性的な産業拠点の創出と文化発信基地としてのポテンシャルを確立し、業務・商業、時間消費型余暇、観光などによる来訪者、滞在者などの交流人口をふやしていく」ということでございます。
 そのために、右側にございますように、五つの重点プロジェクトを掲げてございます。「人を集める施設の整備」、二つ目が「産学連携の推進」、三つ目が「ヒューマンサービス機能の拡大」、四つ目に「産業の誘導策」、五つ目に「にぎわいの「タネ」を育てる」ということでございます。こういった五つの重点プロジェクトを掲げまして、それ以降のページでございますが、それぞれのプロジェクトごとに展開を書き込んでございます。
 「人を集める施設の整備」につきましては、にぎわいの中心をつくるということで、区役所跡地の利用、あるいは中野サンプラザの再整備、これを行いまして、集客力を高めたり、快適で楽しめることのできるまち、あるいはまちづくり整備と一体となって既存の商店街の整備、新たな回遊ルートの創設、そういった歩行者の快適性や駐車場を含めた交通環境、荷さばき場などの商業環境の整備などをトータルに進めていくということでございます。
 二つ目の「産学連携の推進」といたしましては、まさしくこれから中野区が展開をいたします、駅のそばに「知」を集積していきますということで、大学の誘導によって産業を誘導していく。あるいは、産業と大学の連携を支援していく、そういった施策の展開をしていきますということでございます。
 次のページでございます。
 「ヒューマンサービス機能の拡大」、これは医療・福祉機関との連携を進めるということでございます。これにつきましては、地域産業集積の新しいモデルをつくっていく、少子高齢社会を支えるヒューマンサービス機能の拡大を図っていくということが「地域産業のモデルづくり」で掲げてございます。
 それから、二つ目は「産・学・民の連携の促進」、これにつきましては、少子高齢社会を支える人材の育成と確保及び行政サービスの開発や協働事業を産・学・民の連携によって行っていく。
 さらには、「安全・安心の視点」から、高度医療対応病院として、東京都災害拠点病院としての警察病院、こういった機能の特徴を地域の安心・安全にかかわる取り組みとして支援をしていくということになるわけでございます。
 「産業の誘導策」といたしましては、事業立地を促進していきます。立地メリットを最大限に活用していきます。あるいは、IT・コンテンツ産業等の誘導を図っていきます。三つ目が、シティセールスによる誘導を図っていきます。四つ目が新たな産業集積を促進していきますということでございます。
 次のページでございます。
 「にぎわいの「タネ」を育てる」、これは現在、中野からいろいろなエンターテインメントの方が出現してきているという背景を受けまして、文化・芸術による中野の魅力・イメージアップを目指しまして、区外からの集客力を高め、地元商業などの産業の活性化につなげる。「「笑都・劇都」なかの」ということでございます。
 「活動拠点の整備」といたしまして、一つの策といたしましては、コミュニティ・アートセンターの整備、こういったものによりまして、自由なパフォーマンス空間を確保して、中野の地域文化を維持・発展させる場としていきますということでございます。
 さらには、「観光情報の収集・発信」、こういったものをまとめまして、広く発信をしていきますということでございます。
 一番最後のページになりますが、まちづくりと産業新生との展開を想定いたしまして、「グランドデザインの実現スケジュール」として示したものでございます。中野駅周辺まちづくりにつきましては、ここに記載された中野四丁目地区、中野五丁目地区、中野駅南口地区、中野駅及び駅前広場、こういった4地区をおおむね20年でほぼ完了するスケジュールを想定しているものでございます。
 今後でございますが、今後はこの本グランドデザインにつきまして、産業界等をはじめとする関係者、団体等に広く周知を図っていきたいと考えてございます。この一、二年ほどをかけまして、各界の御意見をお聞きしながら、さらにバージョンアップをさせた「グランドデザイン Ver.2.0」を作成していきたいと考えているところでございます。
委員長
 説明は終わりました。
 本件に関して、御質疑はありますか。
かせ委員
 何点かあるんですけれども、まず、今報告されましたこの「グランドデザイン Ver.1.0」ということなんですが、これは都市計画法上、どういう位置付けになるんでしょうか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 このグランドデザインにつきましては、都市計画法上の規定はございません。
かせ委員
 そうすると、中野区が任意の計画といいますか、グランドデザインですから絵柄をかいたということでよろしいですね。
秋元拠点まちづくり担当参事
 これは、冒頭にもお話を申し上げましたが、行政として今想定している到達点という形でお示しをしたというものでございます。
かせ委員
 そうしますと、この計画がどうなるかというのは、まあ、よくわからない。今後のバージョンアップとかということで、どんどん変化があるんだと。状況によっても変化があるんだということだろうと思うんです。
 それで、最後のところのスケジュールですが、おおむね20年後を見てデザインをしたんだということです。そうしますと、20年後にこうなっているということですけれども、これはあくまでも現在の視点、いわゆる今の何でもかんでも都市再開発であるとか、そういう風潮がありますけれども、そういう都市再開発の方針にのっとった、政府がそういう方向で進めていますけれども、そういう方向にのっとった考え方であるということと、それから、今どちらかといいますと、再開発、再開発ということよりも、一言で言えば、もったいない主義ですか、そういう方向で、むしろ環境であるとか、伝統であるとか、歴史であるとか、そういったものを大事にするんだ。そこに住んでいる人たちを大事にするんだという考え方が非常に大きな流れとなってきているわけです。まず、そういう流れがあるんだということをどういうふうに見ていますか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 これは、産業活性化の視点というふうな形でまとめたというふうに申し上げております。今委員の御指摘の環境保全型のまちづくりを進めるということは、これと昨年策定いたしました中野駅周辺まちづくり計画、こちらの方にきちんとうたわれているわけでございまして、当然そちらの実現も図っていくということになるわけでございます。
かせ委員
 しばしば指摘されているのは2007年問題、もう2007年はすぐですけれども、それ以降、団塊の世代が一斉にオフィスから去っていく。そうしてしまうと、働く場、いわゆるオフィスが過剰になってしまうとか、それから、そうなってくるとまちづくり全体にも大きな影響を与えていくと。業務ビルであるとか、そういった施設については、むしろこれからは必要なくなっていくんではないかと。それよりも住宅であるとか、環境であるとか、よく言われていることですけれども、自然の問題ですよね。それから、防災機能の問題。そういったことを中心に考えてまちづくりをすべきだということが大きな流れになっていると思うんです。今、その面についてはやっているんだと、警察大学校の跡地でそういうものを考えているんだということですけれども、そういう単位ではなくて、もっと大きなまちづくりの視点としてそういったものが大事にされるというのが今いろんなところで言われていることだというふうに思うんです。再度その辺についてお答えください。
秋元拠点まちづくり担当参事
 ちょっと繰り返しになる部分があるわけでございますが、このグランドデザインは活力・にぎわい、そういった持続可能な地域社会を構築していくという経済面からの視点ということで書き込んでいるというものでございます。したがいまして、今委員のおっしゃっているまちの整備、これは警察大学校等跡地ではなくて中野駅周辺まちづくり計画、これは昨年5月に策定しているわけでございますが、そちらの方に十分書き込んであるということでございます。
 さらには、環境につきましては、新しい中野をつくる10か年計画、あるいは基本構想、こういったものの中にもきちんと位置付けているわけでございまして、このグランドデザインの中ではそちらの方は省略をさせていただいたというものでございます。
かせ委員
 ほかのところで補完しているというような説明をされているわけですけれども、この絵柄を見た場合でも、決してそういうことが反映された計画には見えません。特に、この絵を見てみますと、まちの全体図を見てみましても、これを見てみますと、駅の周辺というのはまさに現在の区役所の跡地とサンプラザのことですけれども、これは本当に一つの固まりとして超高層のものができてくるというふうに思えますし、それから6ページの「導入機能と活動展開のイメージ」を見てみましても、下の方で、西側の方の複合施設と東側の方に道路があって、現在ある道路すら削ってしまっていると。それで、ここにはかなり大規模な高層の建物が出てくるんじゃないかというような絵柄になっています。
 それから、その周辺についても、今の囲町公園のところであるとか、それからその南側であるとか、これを全体的に見ても、まさに高層ビルのまち以外には読めない。とてもとても今のような環境配慮をするとか、今後の産業構造の変化に対応したとか、そういったふうには見えません。
 さらに、南の方に行きますと、これは南側の中野通りの現在の丸井のあたりですとか、これについても丸井さんがどうなっていくかというのはあとでまた報告があると思いますけれども、そういった関係からしても、まちの中ではここも含めたどういう開発がされるかと非常に心配しております。
 何点かにわたりましたけれども、これについてお答えください。
秋元拠点まちづくり担当参事
 この中野区役所、あるいはサンプラザ、この辺のところの開発のお話が御質問として出たわけでございます。まだ高層ビルというふうには決まったわけではございませんが、敷地規模も大きいことから、かなり大規模な再整備計画がつくられるのではないかというふうに思っているところでございます。
 ここでは、この展開イメージの中でも書いてございますが、やはり駅至近の位置にございますこの立地、これを最大限に生かしまして、高度な業務商業の集積やコンベンション、エンターテインメント機能の導入、こういったものの起爆剤、分散型まちづくりの起爆剤としていくという位置付けで考えてございます。先ほども申し上げましたような中野区の活性化の起爆剤、そういったイメージでこれは展開をされているわけでございます。
 それから、御指摘の南口につきましても、今丸井本店のお話が出ましたが、こちらの方の情報も既に来年閉店をされるというような情報も入ってございます。そういったことから、商業施設の再生、あるいはその再生に伴って、できるだけ協働等のまちづくりを進めてまちを活性化していくと。やはり、そういったものも一つの機会としてとらえていく必要があるというイメージでこれは想定をされているというものでございます。
かせ委員
 こういうふうに絵をかくのは簡単なんですけれども、まちの人たちがこれを見たら、そういうことになってしまうんだろうと、決定だというふうに思ってしまって、非常に不安を抱いていますよね。私も何日か前にあの辺を歩いたんですけれども、商売をやられている方は、「もうこれでやっていけないのかな」というふうなことを言われるわけですよ。だから、それについては本当に簡単にということじゃなくて、もっと慎重にあるべきだと思うし、それから私が心配しているというか、20年後の問題。20年後の問題で、こういうまちづくりはもう既に時代おくれになるんじゃないかというふうに思っているわけですよ。先ほどそのことについてお聞きしましたけれども、現在のところでは都市再生路線に乗っかった計画であって、これがずっとそのまま続くという保証は全くないと。今こういう大規模な、こんなに網を広げた、地域も広げた形でやっていくということにどだい無理があるし、これでいいのかというふうな思いがあるんですが、この辺、さっき答弁がなかったので、どうですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 これにつきましては、先ほどの4ページですか、「将来のまちの全体イメージ」の中で、この商業のあり方に若干触れさせていただきました。中野五丁目地区の商業業務、これにつきましては、やはりそれなりの、現在ですら特徴があるわけでございますから、将来もそういったものを継続をしていく。あるいは、南口は南口の特性があるわけでございます。そういったものを今後も生かしていく。あるいは、中野四丁目、警察大学校等跡地に入る商業業務施設、こういったものも当然大学と連携したような形での商業業務、こういったものが想定されるわけでございます。それぞれ地域特性に合った商業の営みを行っていただいて、それらが連携を図りつつ、全体で発展をしていく。そういったことを我々はイメージをしているわけでございます。
 したがいまして、現在の商業が衰退をするということではなくて、やはり人を呼び込むことによって、中野駅周辺全体が発展をしていく。さらには、中野区全体が発展をしていく。そういったイメージを持っているわけでございます。
 さらには、今委員の方から、20年後には時代おくれになっているだろうというような御指摘もあるわけでございます。現在、時代の進行というのは非常に速いものが確かにございます。やはり、そういったことから、最初に申し上げましたように、私どもはこれがすべてであるということではなくて、そういった時代の変化、そういったものをできるだけ早く読み取りまして、より望ましい姿へと進化させていく。そういったグランドデザインであるという性格付けをしているわけでございます。決して時代おくれにならないように、十分注意をしていきたいというふうに思っております。
かせ委員
 時代の流れというのは移っていくというふうに、私はそう思っていますけれども、また別の問題もありますし、別の問題で言いますと、今言われた大学の関係ですけれども、ここの大学の関係ですと、共同研究とか、技術移転の推進とか、知的云々とか、インキュベーションとかいろいろ書かれています。さらに、ここのところにも出ていましたけれども、これは8-1あたりにも書いてありますけれども、「警察大学校移転跡地エリアに大学が開設する立地を生かし、工業系大学・福祉系大学と連携して、知的人材、企業投資家、学生を呼び込み」云々というような書かれ方もしています。非常に具体的なんです。それで、これだけ掲げるということは、相当どういう大学が入ってくるという、その情報があって、その中での情報交換がないとここまで書き込めないというふうに思いますが、どうですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 御指摘の点、私どももこれをまとめながら非常に悩んだ点でございます。残念ながら、どういった大学が来るか皆目検討がついていないわけでございますが、ただ、私どもといたしましては、中野駅周辺のまちの発展とこの大学の誘致、こういったものをやはりある程度結びつけて考えていく必要があるということから、あえてこういった深い書き込みをしたということでございます。このことによって、中野区はこういった大学の誘致を考えているということを逆に周知をしていくことも必要なのかなという、逆提案型のものという認識でとめていただきたいというふうに思います。
かせ委員
 私たち、財務省には何回も何回も行って、いろいろ情報を集めて聞きましたけれども、その中で言われているということは、この大学への土地処分については随意契約であるし、それはどこに売却するかというのは財務省の権限だということをおっしゃっていました。それで、「中野ではこういうことを言っていますよ」というふうに言いますと、それは困ると、越権行為だというようなことまで当時は言っておりました。そうしますと、じゃあ、財務省との関係で相当すり合わせがなければ書けない内容だし、財務省の了承を得ながら書いているのかなというふうに思わざるを得ないんですけれども、どうですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 委員が今おっしゃったように、財務省の方では大学誘致について当然随意契約によって定めていくということでございます。したがいまして、先ほども御答弁申し上げましたように、中野区としてはどういった大学が決定されるかわからない状況にあることはあるわけでございますが、ただ、そういった段階におきましても、中野区といたしましては、この駅至近のところに大学が来ていただける。その大学は、できるだけ私どもの望んでいるまちづくりと整合したものであってほしいというやはり願いをここに込めておく必要はあるだろうということで、あえてここに書き込んだということでございます。決してその大学が既に決まっているとか、そういったわけではなく、逆に、こういったものを呼び込んでいきたいんですよというメッセージをここに書き込んだということで御認識をいただければありがたい。
かせ委員
 それではですね、この大学誘致の問題については願いであって、そういう入ってくるという見込みもあるわけではないと。単なる中野区の願いとして書いているんだという認識でいいんですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 おっしゃるとおりでございます。中野としては、そういった思いを込めてここの大学に期待をしているという、そういったところを書き込んでいるものでございます。
かせ委員
 そうしますとね、警察大学校等跡地の中で大きな面を占めているのがこの大学関係ですけれども、これはかなり大きな面積を持っていますけれども、そういうことについての中野区がこう願っているという、いわゆる願望を言っているだけであるということになりますと、この計画自身がそういう内容だと。実現性ということについては全くないし、それでただ書いてあるという。
 そうしますと、こういった計画のためにお金相当かかっているわけです。ちなみに、今度のこれをまとめたのにどれだけのお金がかかっていますか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 この「Ver.1.0」につきましては、行政が策定をしたというものでございます。冒頭にお話し申し上げましたように、関係分野--区長室、それから作業進行分野、それから私ども中野駅周辺整備拠点まちづくり担当、そういった分野がそれぞれ集まりまして、このグランドデザインを検討し、ようやくここまで到達をしたいと。そこできょう発表すると。そういう運びでございます。
若林委員
 大変御苦労さまでございました。これが、今も話が出ましたが、20年というあれが打たれているわけですけれども、この駅周辺というのは、過去にいろいろ変化をしてきました。ちょうど私も20年いるんですけれども、その間にどのぐらい計画が変わってきたかというのがよくわかるんですよ。しかし、今回はこれが最高にこれから肉付けをして、成功することによって中野区は変わってくるというふうに思っています。
 そこで、まず1点感じますが、まず、焦点となるべき中野駅は、駅舎について一言も書いていないんですけれども、どうなの。教えてもらえませんか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 このグランドデザインの中では、5ページということでございます。5ページのところで、「回遊性の高いまちをめざして」のその中心となるのかこの中野駅、それから中野の駅前広場の整備ということで、この中であらわしたつもりでございます。ここにつきましては、今年度からさらに深い検討というんでしょうか、実際の検討を進めまして、今年度中にはあるべき姿みたいなものが皆様の前にお示しできるのかなというふうに思っております。
若林委員
 ぜひ、20年間このことを言っているんだから。駅のこと。ぜひ何とかしっかりしてください。
 それから、さっきかせ委員が言っておりましたけれども、丸井も来年閉店ということで、これからの南口は丸井が閉店することによって相当変化してくる。昔からね、南口というのは、どうつくっていくかという考え方があったんですよ。今もそうだと思うの。あの南口を五差路まで引っ張っていくことによって、将来、先ほども話が出ましたが、鍋横商店街、あっちの方に回遊性を持たせるというふうになったものですが、ここにあの五差路をどうつくっていくかによっては大分変化が出てくると思います。既に情報としては東京都の方から、あの五差路の交差点周辺を変えていくというのが発表されておりますよね。そういうものも既にこの中のイメージの一つとして入っているのかどうか、お聞きしたい。
秋元拠点まちづくり担当参事
 委員の方からは、冒頭に、この20年のまち、確実につくっていただきたいという御要請がございました。私どももそういった思いを強くしてございます。その実現につきましては、最大限の努力をして、駅周辺のまちづくりを進めていく所存でございます。
 今、委員の御指摘の南口の整備につきましては、担当課長がございますので、そちらの方から御答弁をさせていただきます。
上村中野駅南口周辺整備担当課長
 ただいま丸井の閉店に伴う変化ということが委員から、また五差路について見通しというお話がございました。丸井本店の建てかえ計画につきましても、明年8月に閉鎖ということで新聞報道でもされているところでございまして、今現在、丸井で基本的な検討をしているというようなところで情報交換をしておるところでございますけれども、その丸井のきっかけに周辺の西側とか北側ブロックとか、そういうところも大きな課題を抱えているところでございますので、これは一建物の計画ではなくて、やはり周辺市街地の活性化につながるまちづくりや、集客性や回遊性を高め、にぎわいのあるまちづくりを実現すべきものと考えてございますので、そういうものを適宜伝えてまいりたいというふうに思ってございます。
 五差路につきましては、このグランドデザインの中でも6ページに「導入機能と活動展開イメージ」の中でしっかりと位置付けてございます。五差路自体は、変則交差点のため右折ができず、絶えず交通の流れが停滞しているという現状が交通状況ではございます。また、道路改良につきましては、平成16年3月におおむね10カ年、平成27年までに優先的に整備する第3次事業化計画、優先整備路線に位置付けられてございますけれども、交差点改良が整備の中心というふうに聞いてはございますが、現在のところ、都の方で具体的な検討が進んでいない状況と聞いてございます。
 しかし、ここにつきましては、非常に中野駅の南口につきまして、ある意味でアイスポットといいますか、一番目立つところでもございます。そこが今非常に再整備を求められて、待っているというような状況でございますので、このグランドデザインの中では商業業務・住宅の再生による五差路周辺地区の活性化という課題で、20年後を目指して展開していきたいというふうに考えてございます。
若林委員
 これの延長。五差路の改良からの延長。中野通りは、昭和22年に拡幅になることになっていた。でも、今なお拡幅になっていないんですけれども、将来、この問題がどう変わるか、おわかりだったら教えてください。
尾﨑都市計画担当参事
 中野通りにつきましては、例えば杉山交差点の改良、五差路の改良、そういったところがございますけれども、第3次事業計画では、もっと北のところですね。新青梅街道とぶつかるところを真っすぐ伸びるような形の計画がございまして、それが平成27年度までの優先整備路線の中に入ってございます。
若林委員
 聞きたいのは、南口に近い中野通り。ここを聞きたいわけ。もう1回。
尾﨑都市計画担当参事
 大変失礼しました。今、中野駅南口のお話しですと、その部分については、もう既に完了をしているという路線になります。ちょうど五差路のところまでですね。そういった状況になっておりまして、いわゆる中野駅の南側ですね、五差路の一帯までについては、既に整備が終わっていると。そういう状況でございます。
委員長
 それを聞いているんじゃない。青梅街道まで。
尾﨑都市計画担当参事
 すみません。その先はこれからの整備でございますけれども、先ほど申し上げました第3次事業化計画というのが現在ありまして、そこには交差点改良等はありますけれども、拡幅ということでは事業化にはなっておりません。
若林委員
 はい、わかりました。
 次。中野二丁目ね。ZEROホールの方だよ。あそこも既に地元の人たちが、先ほど話が若干ありましたけれども、地元の人たちがまちづくりを考えているわけですよね。それで、千光前通りから大久保通りに抜ける道路をつくると、こういうことも内定をしているわけですよね。それで、それが地元の人たちと現在どんなふうな話し合いで進んでいるのか、それを教えてもらいたい。
上村中野駅南口周辺整備担当課長
 委員の御趣旨は、中野二丁目、公社住宅を中心としました市街地再開発事業の進捗状況というようなところだというふうに認識をしておりますけれども、まず、その前に、道路の南北道路の話もございました。これにつきましては、5-1「回遊性の高いまちをめざして」の中の道路整備、歩行者動線のところに、2番目のひし形マークのところにございます。「中野二丁目では、現在、機運が高まりつつある市街地再開発事業と合わせ、千光前通りから大久保通りまでの南北道路(幅員12m程度)の新設整備をめざします。さらに、都市計画」云々とありますけれども、歩行者動線につきましても、そういうような回遊性を考えて、歩行者が歩けることを考えてございますけれども、これは再開発準備組合での検討がされており、この公共施設といいますか道路につきましては、区も支援、指導しているところでございます。これにつきまして、市街地再開発事業の原案がまだ確定しているわけではございませんので、ここら辺も含めて公共貢献のこととか、あと商業業務の可能性とか、そういうことにつきまして、まだ課題で内部検討しているところでございます。そこら辺につきましては、周辺のまちへの情報提供につきましては、まだもう少し固めてから提示する必要があるかなというふうに考えてございます。
久保委員
 確認をさせていただきたいんですが、この中野駅周辺なんですが、前回、3月でしたか、この概要版の中には、「中野駅周辺における導入産業と活動展開」というところに「対象地域約80ヘクタール」というふうに書かれておりますが、今回はこの中野駅周辺というのがどこを指しているのかということが具体的には書かれていないように思いますが、その辺はいかがですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 これも表紙をあけていただいた1ページ目の3番、「グランドデザインの策定範囲」ということでございます。これにつきましても、ほぼそれと同じような形態をとってございまして、約80ヘクタールを対象として考えているというものでございます。
久保委員
 約80ヘクタールがここで言われる中野駅周辺であるということですが、この中野駅周辺の現状の中にも、先ほどからいろいろ御質疑があります、例えば南口のことでございますとか、南口周辺のこと、また警察大学校等跡地についてというような記述がないと思うんです。いわゆる強みとか課題と言われるところにないかと思いますが、それはなぜですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 中野駅周辺の現状ということで、一般化した内容、中野駅周辺の一般化した内容ということで、そちらの方へ記載をしているということでございます。確かに、委員の御指摘のような、すぐ駅直近にああいう大きな空間があるとか、そういったものは既成事実としてこの現状からは省略をさせていただいた、割愛をさせていただいたということでございます。
久保委員
 ということは、ここで言われている中野駅周辺の課題というのは、そういったところは割愛をされているというわけですから、現状の中からもう既に割愛をされているということは、一番ここで考えられなければいけないのは、ここの「中野駅周辺の強みと課題」の中の「課題」の部分ではないかと私は思うんですが、その辺の考え方はいかがなんでしょうか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 おっしゃるとおりでございます。ここでは三つに丸めているというふうに申し上げましょうか。商業業務のスペースが不足しております。したがって、そういった集積が不十分。あるいは、駅施設、あるいは駅前広場、道路、こういった交通インフラが不十分である。それから、まちの防災性が脆弱であるといったことから、今回の中野駅周辺の整備が、警察大学校等跡地整備があったり、そういったものを進めているわけでございまして、この三つの課題をどうやって克服していくか。これが今後のまちづくりの基本目標につながってきているということになるわけでございます。
久保委員
 であるならば、もう少しこの課題に忠実にこのグランドデザインは描かれるべきではないかと思うんですね。例えば、5-1「回遊性の高いまちをめざして」というところで、歩行者動線というところがございます。これは、多分この赤いエリアに一つずつ区切って動線というのを検討されているんだと思うんですが、駅を中心に発信をされるような回遊性というのが、すべてのこのコーナーに向けて発信をされる回遊性でありますとか、そういった形で考えられなければいけないのではないかと思うんですが、その辺はいかがですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 できるだけこちらへ来街者、来街される方が中野の駅周辺を歩いていただくというような観点から、中野駅を中心として、中野駅周辺地区の歩行者動線のあり方、こういったものをここで整理をさせていただいたということでございます。さらには、この中野駅周辺から、先ほども申し上げました平和の森ですとか哲学堂、こういったところまで、あるいは南の方は、先ほど若林委員が御指摘のように、やはり中野駅五差路まででなくて、そこから先の鍋横商店街まで回遊性を伸ばす。そういったような視点も当然必要であろうということで、そちらの方は書き込んではございませんが、そういう意図を持ってこの中野駅周辺の歩行者動線、こういったものをイメージしたものでございます。
久保委員
 私の聞き方が悪かったのかもしれませんが、私はこのエリアの外に対する動線ということを言ったのではなくて、駅からここに描かれている80ヘクタールの中の回遊性ということについて伺ったんですね。いろんな今まで御報告とか出ていますよね。南口は南口で出ておりますし、警察大学校等跡地で警察大学校等跡地で出ています。それらのものを駅を中心に結んでいくという、そういう発想のこのグランドデザインなのかなというふうに受けとめていたのですが、そうではないんでしょうか。一つひとつの計画そのものをここに全部集約をしたのがグランドデザインというふうにお考えですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 ここの中では、新たにやはり中野駅周辺の歩行者動線としては新たに確保していきたいというようなところもございます。これは、当然、中野駅周辺を回遊していただくという観点からまとめている。それプラス、そこからさらに輪を広げてということでございまして、当然、まず第1には、中野駅周辺を回遊性を持って歩行者動線を確保するということが第一義的にある。さらには、第二義的には、発展的な部分も一応考えの中には入れているということでございます。
久保委員
 であるならば、例えば、駅をおり立ってどこに進んでいくのかということがここには抜けているのではないかと私は思うんです。駅の中だけを、駅周辺といっても、駅そのものをぐるぐる回っているわけではないし、また中野駅から警察大学校等跡地にはどのような動線なのか、南側にはどのような動線なのかと、そういったところが欠けているのではないかと思うんですね。やはり、まちづくりで見たときに、一つひとつのいわゆる区間とかブースで見るということではなくて、連続的な流れで見るべきではないかと思いますし、非常に今の中野駅というのは、どこに行くにも、実際のところは回遊性が乏しいのではないかと思いますし、駅から例えば中野区役所に、サンプラザにというのでも、非常に不便を感じられているという方たちがたくさんいらっしゃる。その解消になるようなことをきちんと歩行者動線としてあらわしていかなければいけないのではないかと思うんですが、その辺が抜けているというふうにはお考えにならないですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 ここでは中野駅を中心といたしまして、今4カ所に分断されているコミュニティーを一つにまとめていきたいというのがあるわけでございますが、それぞれ四つの方向に動線を確保する、そういったイメージになっております。それぞれ中野駅から北西の方につきましてはこの北口広場、新たにできる北口広場を歩行者動線の機軸として、そこから警大跡地、あるいは中野区役所、そういったところへ行く歩行者動線のイメージ。それから、さらには北東の商店街、こちらの方につきましては、現在ございます北口広場、これも歩行者優先の広場を想定して、そこから既存のにぎわいのある商店街へ連続性を持たせる。あるいは、南の方につきましては、二丁目側、あるいは三丁目側、それぞれ連絡路をつくりまして、そこから二丁目のかいわい、あるいは三丁目のかいわいへ歩行者が自由に出入りができる、そういったようなイメージを想定しているというものでございます。
久保委員
 そういったイメージが伝わりにくいのではないかと思っています。
 それから、8-1のところですけれども、この「重点プロジェクト」の考え方なんですが、「人を集める施設の整備」ということで、これは駅舎のことを言われているのかと思います。今、中央線の通勤快速が停車する駅の中では極めて中野駅はおくれをとっているかのように感じています。例えば、この「商業施設の立地を誘導」というようなこともここには書かれておりますけれども、こうした計画というのは具体的にJRとしては持っているんでしょうか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 現在、JRからは直接そういったお話は伺ってございませんが、この中では集客力を高める施設、こういったものをやはりイメージしているということでございます。そういったことから、現在の区役所、それからサンプラザ、そういったものの再整備。そういったものの中で魅力ある商業施設の立地を誘導するというようなことも十分考えられるわけでございまして、あらゆる角度からこういったものを想定して、特色ある存在感、こういったものを高めていきたいというものでございます。
久保委員
 ということは、駅そのものに商業施設を併設をさせるですとか、例えば今高円寺の駅ではホテルの建設などということも行われておりますが、そうしたものを誘導していくという考えは特には今の時点ではないということですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 この書き込みの中では、そのJR中野駅の駅ビル、こういったものを想定しているということではございません。
飯島委員
 何点か伺います。
 まず初めに、この「グランドデザイン」としたことの意味はどういうものですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 先ほども申し上げましたが、持続可能な地域社会、こういったものをつくっていくためのデザイン、そういったものをイメージして、中野駅周辺の整備、それを拠点として中野区全体に波及をさせていくという観点から、グランドデザインという形でイメージをしたということでございます。
飯島委員
 端的に言えば、経済的な発展、あるいは成長、あるいは持続可能ないわゆる成長経路というのを考えてみたいと。グランドデザインというんですから、もう少し大きなものからものを考えなきゃならない。中野区が持続可能なというならば、じゃあ、都区制度なんていっても、これはまたこの二、三年の間に大きく変わろうとしている可能性がある。23区がどうなるかということすら議論される。その際の大きな機軸は、財政力ですよね。これで東京都はものを考える。そうじゃないとは言っても、取り上げられているわけですから、そういう意味で、中野区が立ち入っていく、そういういわば活力のエンジンの集積地としてこの中野駅周辺をとらえるという考え方に立っているということを、もう少しはっきり言うんなら言った方がいい。そうじゃないと、さっきの80ヘクタールといったって、そういう角度で切ったら、そういう角度じゃないところだって含んでいるわけですね。しかし、少なくとも駅周辺というあるエリアを想定するならば、それはなるほど商業・にぎわい・活力、こういうものに考え方が絞り込まれてくる。拡散した、いろんなところに波及して、傷のないようにというような計画も結構なんですが、しかし、少なくとも目的を定めたものだとすれば、ぜひそういうものにする必要があるんじゃないのかなというふうに思っています。
 それで、そういう意味からすると、2段階じゃないんです、絵はね。つまり、この中野区があって、駅周辺があってと2つじゃない。さらに絞り込んだ何かがある。もっと言えば、もう一つこの先にもっと大きな広がりがある。なぜかというと、じゃあ、このにぎわいとか活力の相手はどこなんですか。中野区民なんですか。それとも、中野区民周辺の人たちなんですか。それとも、この交通機関を使って中野駅に来てもらおうと思っている人たちなんですか。どういう人たちをターゲットにして、このグランドデザインを書いているんですか。その辺はちょっとここには、想像していると何か鍋横の方まで回遊するという人は区民を想定しているのかなとか、いろいろ思っちゃうじゃないですか。大体、だれを対象にしてこの--それはそれだけに絞って、区民は対象じゃないよということはあり得ないかもしれないけれども、区民を含めてどういう人を対象にここはものが考えられているんですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 委員から今御指摘をいただいたわけでございますが、目的を明確にということで、少し口頭で足している部分、こういったものについては、やはり今後この中にきちんと明確に位置付ける必要があるかというふうに思ってございます。
 それから、中野駅周辺からさらに大きな広がりということで、当然イメージとしては持っているわけでございますが、なかなかそこまで広げていきますと、このグランドデザインそのものがぼけてしまう、そういった懸念もありまして、今回のまとめ方といたしましては、中野駅周辺ということでまとめさせていただいたということでございます。
 それから、このグランドデザインのまとめたそのターゲットという質問でございますが、これにつきましては、当然、中野区民がございます。それから、中野区民だけでなく、やはりこの中野へ来ていただくためのいろいろな試みを行うことによって、中野区民が潤う。そういった視点も必要であるということから、中野区へ来られる方につきましても、十分快適な歩行者空間を確保することによって、長い時間滞在をしていただく。そういったことも当然考えなければいけない。そういった複眼的な考え方のもとで、このグランドデザインをまとめたということでございます。
飯島委員
 当然、複眼的な視点でと。その複眼の片一方の目、それから片一方の目。区民を対象にして中野駅周辺を組み立てる。区民にとって魅力的なものは、同時に中野区民以外にも魅力的である可能性はあるけれども、そうじゃない可能性だってありますよね。電車に乗っかってわざわざ来る、そういう人たちを対象にしてものを考えようとするならば、それなりの仕掛けが必要になるし、そういう集客施設が必要になるし、区民を対象にして考えるならば、じゃあ、中野区内から鉄道を使って中野駅にアクセスする人はどこから来ますか。東中野、落合、それから高円寺、阿佐ヶ谷、鉄道で入っているのはこれだけですよね。でも、バスもありますね。そうすると、公共交通機関の整備という視点で集客のパイプを考えなきゃならない。そういうのがまず骨格としてなければ、区内の集客、あるいは区内のにぎわいを集める、区民の皆さんに集まってもらうと、こういう構図にはならない。それで、集まっていただけるだけの魅力ある施設をどうするかと、こういうことになるわけでしょう。同時に、20万人の乗降客がいるというんだけど、これは行って来いで換算したら10万人なんですか、11万人になるんですか。じゃあ、ほとんど中野区民が行って帰ってくるだけじゃないのということだって計算上成り立っちゃうわけですね。そうすると、ここが乗降25万とか30万になって初めて外からのにぎわいが来ると。こういう視点だってないと、グランドデザインを考え、施設を考えるそもそもの根拠それ自体が非常に希薄なものになってしまう。だから、どこを目標に、どういうものを前提として考えるんだということは、やっぱりこの際絞り込んでものを考えなきゃならないということが必要になるんだろうと思うんですよ。そういう意味では、回遊性というのは、そういう人たちが来てくれてからの話ですから、人が来ないのに回遊性を云々なんて言ってみてもどうにもならないわけでしょう。だとすると、そういう集客の仕掛け、これもあるでしょうし、同時にどこからそういう人たちに来てもらうんだと。考え方としては、都心に通勤する人が中野駅で1回おりてくれるということ。それから、総武線、もしくは東西線を使って千葉の方面から人が来るかどうか。こういうラインでものを考えてこないと、この中野駅のにぎわいというものを持続的に人が、交流人口をふやしつつ、あるいはある一定の人口を、交流人口を確保しながら、そこが成長のエンジンになるというふうにはなかなかならないことになりますから、そういう視点もぜひ「Ver.2.0」では考え方として示していただけるとありがたいと思います。
 それで、最近、なかなか新しい考え方も書いてあるんですが、生煮えだなと思うところが非常に多い。シティセールスというんですけど、シティセールスというのはだれがやるんですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 委員から最初に指摘をいただきました、今回のグランドデザインが目標とする昼間人口の目標、あるいは夜間人口がどうあるべきか、そういったような検証は当然必要であろうというふうに我々も考えてございます。さらには、こういったデザインを実現することによって、中野区の経済効果がどの程度になるのか、そういった検証も必要であるというふうに考えてございます。それにつきましては、十分検討させていただいた上で、お示しをしていきたいというふうに思ってございます。
 それから、2点目でございますが、シティセールス。これにつきましては、第一義的には行政が積極的に展開をしていくという覚悟を持っております。
委員長
 ちょっとすみません。3時になりましたけど、いいですか。ほかに御質疑まだありますか。
 それでは、休憩しましょうか。15分でよろしいですか。

〔「はい」と呼ぶ者あり〕

委員長
 15分まで休憩させていただきます。

(午後3時03分)

委員長
 委員会を再開させていただきます。

(午後3時18分)

飯島委員
 行政がまずは相当な決意を持ってシティセールスをするということなんですが、相当な決意をもう既にされているわけでしょう。じゃあ、伺いますけれども、中野の優位性、ここへ書いてありますけど、いろいろありますが、立地メリット、こういうのをお書きになっている。じゃあ、周辺の新宿、あるいは荻窪、あるじゃないですか。それに比べていわゆるオフィスの床単価はどのくらい安いんですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 具体的な金額等はお示しできないわけでございますが、中野区の利便性からすると、一般的にはかなり低目であるというようなことは言われております。そういったことから、立地メリット、コストパフォーマンス、こういったような優位性をここで記載をしたということでございます。
飯島委員
 中野にはこういうよさがありますよと行政みずから言っていこうと、こういう姿勢だとすれば、バックデータは持たなきゃならないし、そういうバックデータを整えるために本来調査というのはあるんじゃないの。だから、やっぱりそういうところを外してものを組み立ててもなかなかいかないし、本当に立地の優位性というのはどの程度なんだと。数字で置きかえてみたら30%、1.37倍ぐらいは優位性がありますよと言えば、1.37倍のほかのところに比べる、ほかの例えばまちづくりに協力をしても成り立つなとかどうだとかということが出てくるわけじゃないですか。ですから、ぜひそういうふうにできれば、優位性についても、多分そうだろうなということではなくて、押さえられる必要を僕は感じるので、ぜひそういうところを押さえていただきたいと思いますが、いかがですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 委員御指摘のように、実際にセールスに出かける場合につきましては、細かい数値を持って優位性をよく理解をしていただく。そういった作業が必要であるというふうに認識しております。
飯島委員
 それから、もう一つ、ちょうどこのエリアがありますね。エリアの中には確かに警察病院等々、医療機関の立地もあります。でも、エリアの周辺とそのエリアのちょっとのところには、医師会の医師会館がある。それから、歯科医師会の会館もある。それから、ちょっと道1本隔てますから、入っているか入っていないかという問題はあるんですけど、総合病院等もある。こういう既存の中野区にとっての資源。新しくできるところはもちろんそうなんですが、そういうところに対する目線も持っていないと、ちょっとそれは難しい問題があるよと思わざるを得ない。そうじゃないと、総合力で勝負ができない。要するに、20年間のプログラム、それからシナリオをお書きになろうと決めたからこういうグランドデザインを始めたわけですから、そうすると、それが20年たったり何年かたたなきゃできてこないものと、既にあって、もうすぐ立ち上がったり何かしたりするものとがあるとすれば、全体目線がそうなっていれば、その間の空白の部分が少なくなるわけでしょう。だから、そういう点もぜひ視点に置かれるべきじゃないのかなと思うんですが、その点どうでしょうか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 このグランドデザインの核について、まちの魅力、活力、こういったものを向上させるという視点があるわけでございます。そういった中では、当然、既存の中野の持てる資源、こういったあらゆるツールを使ってその実現に努めていく必要があるというふうな認識を持ってございます。
飯島委員
 あと二つにしておきますが、この「グランドデザインの実現スケジュール」とありますね。四つに分かれて書いてある。一面でするとわかりやすいように思うんですが、一体、この2年目から何がどうなっていくんだという、全部のプログラム。これがあった方が全体的にはわかりやすいんですね。だって、四丁目の産業新生というのはこうだけど、南口の産業新生はこれで、ちょっとずれているじゃないですか。全部のトータルでこういうプログラムがあって、いつ、何が、どこで、どうなっているのか。少なくとも、その4カ所の場所についての進行表が見えるというようなことの方がわかりやすいし、どこがどう進んでいるのと、どこがどう波及効果を及ぼすのと。この施設の完成と、この施設の整備は、このソフト部分の効果がここに出てくるよということは、そういうものがトータルになっていないと見えないじゃないですか。ですから、ぜひそういう形で整理をお願いしたいなと思いますけど、いかがでしょうかね。
秋元拠点まちづくり担当参事
 今、貴重な御指摘があったわけでございます。現在までの到達点という形でこういったスケジュールをお示ししたわけでございますが、今後、具体のまちへ入っていった段階で、あらゆる議論を通しながら、より成熟したスケジュールにしていかなければいけないと私ども思っております。次回お示しするときには、もう少し成熟したというんでしょうか、具体化のあるスケジュール、こういったものをお示ししたいというふうに思っております。
飯島委員
 そうしていただけると、時間の経過で成熟して、成長する都市ということでものがわかる。20年先になるとどうなるとわからないじゃない。20年たっていって初めて完成じゃなくて一つの姿に成長していく。それから、時が経過すればするほど、やっぱりそれなりにまちの深みというか、そういのが出てくるというのは、そういうトータルのもので見ないとわかりませんので、ぜひお願いします。
 それから、もう一つ、これはどっちがいいかという問題があるんだけど、御苦労して職員の皆さんが頑張ったというイラストなんですか何かわかりませんけれども、これが突然出てくると、全然これまでの流れと少し違う、かくっというふうになったり、なかなか、まあ、いいじゃないですかと。やわらかい感じもしてね、というのもあるかもしれませんけど、こういうことがにぎわいの「タネ」だと、これしかないんだというようなことではないだろうと思うので、これはこれでいいんですけれども、ほほ笑ましくてね。だけど、もう少し何か「どうなったのかな」というのがあるので、いろいろそのときはこういうことももちろんカットとしてはいいかもしれませんけれども、にぎわいの「タネ」というのなら、もうちょっとにぎわいというものについて、これ以外にもあるでしょうし、そういう研究やら検討やらを進めて、絵というものをかいちゃうとイメージになっちゃうんですよ。だから、使うときは本当に慎重にやらないと難しいことになる、「こういうことなの」というふうになっちゃうから、これはぜひ要望ということにしておきますし、判断はプラス・マイナスあると思いますけれども、ぜひその辺も含めて、最後に一言申し上げました。
 このお答えは結構です。
伊東委員
 グランドデザイン、将来像ということで提示いただきましたけど、本当に取っかかりだと思います。ただ、これだけのものをまとめるに当たりましても、先ほどの説明にもありましたように、拠点まちづくり推進室、それから区長室、そして産業振興分野、多岐にわたる連携が必要ということなんですけれど、これを実現に移していかなければまさしく「絵にかいたもち」だと、それに終わってしまうわけですけれど、区のまず執行体制、これに挙げられているような内容を着実に現実に落としていくためには、もちろん国、東京都、民間、先ほども議題に出ていましたけれど、大学関係、そうした分野にわたって強く働きかけて、また深い造詣を持って、また状況を的確に分析する力というものは必要だと思うわけですけれど、まずそれについて、現時点での中野区はこれをどう実現していくか、その体制ですね。区の体制はどう考えていらっしゃるのか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 現在、こういった総合的なまちづくりを進めていくために、中野駅周辺まちづくり推進会議というものを内部で持ってございます。こういった会議を中心として、各分野が連携を図りながらまちづくりを推進していくということがまず1点あろうかと思います。さらには、今後でございますが、やはり民間も交えました協議会、こういったものの設置の中で、にぎわいとか活力、こういったものの継続的なまちづくりを進めていく、そういったことが必要なのではないかと考えております。
伊東委員
 今おっしゃられたことは重々承知しているんですけれど、さらにもうちょっと踏み込んだ、例えば大学誘致につきましても、先ほど中野区のレベルでは関与できないということをおっしゃっていましたけれど、ほかにもいろいろとこの中に散りばめられている内容で、例えばテーマ型商業施設、こちらを誘致しなければ、導入しなければということが掲げられている。そういうものを真剣に誘導するために働くブレーンというものを、当てがあるのかないのか。逆に、足りなければどこからか中野区が引っ張ってくるのか。あるいは、民間にアウトソーシングしなければならないのか。そういう部分はどうなんでしょう。
秋元拠点まちづくり担当参事
 これはグランドデザイン実現のためのツールの中でも書き込んでいるわけでございますが、民間の活力という観点では、現在、事業企画勉強会、民間を交えたこういった勉強会を実際に行っている。そういった中で、現実的に民間の持っているノウハウ、あるいは導入機能、そういったもののリサーチもしながら進めていく必要があるというふうに考えているわけでございます。
 さらには、執行体制といたしましては、現有の行政の持っている勢力だけでなくて、ほかの力をかりていく、そういった組織運営もやはり別に検討していく必要があるなということは考えてございます。できましたら、来年あたりにもそんなようなものが活用できたらということで、今検討しているところでございます。
伊東委員
 要は、これらの分野をまとめていく権限、力量というものを、今の状況ですと可能なのかどうなのか。これは区政全般にわたる内容になりますので、軽々に御答弁いただけないかもしれませんけれど、そうした課題がついて回るんじゃないかということを御承知おきいただきたい。これはあえて要望にとどめておきますので、ぜひとも御検討いただけたらと思っております。
 それと、このグランドデザインを持って、これからどうこれを有効に活用していくか。単に区内部の構想、方針にとどめてしまってはもったいない。逆に、これをもとに肉付けしていくということになりますと、国、都、あるいは民間、要するに開発者負担と言われるべき民間事業者、あるいは大学関係機関にも働きかけていかなければならないんですけれど、これはどういう段階で、いつそういう部分に示される内容のものと今のところ考えられているんでしょう。
秋元拠点まちづくり担当参事
 この資料の御説明の中でも申し上げましたが、本委員会に御報告させていただいた後は、国、都等の関係機関はもとより、産業界、それからそういった関係団体、そういったところには十分この資料の御説明等をさせていただいて、さらに御意見等を広くいただく。そして、「Ver.2.0」につなげていきたい、そういった意識を持ってございます。できるだけ積極的にこのグランドデザイン、これの周知を図っていくという気持ちでございます。
伊東委員
 それで、あと2点ほどにしておきますけれど、この7番の「グランドデザイン実現のためのツール」ということで、これはツールなのか、コンテンツなのか、表現はともかくとしまして、こうしたものを資料として用意していただく場合に、これをどこが所管--所管と言いますと行政用語になってしまいますけれど、担っていく部分はどこに担っていただくのか。ですから、内容はわかるんですけれど、これは明らかに中野区が取り組むべきものじゃなければ、例えば民間事業者なら民間事業者というようにただし書きをつけて、そういう視点からの分類が確実にできるということが、今の段階では難しいかもしれませんけれど、これから先は必ず求められてくることではないかと思っているんですね。それが幾つにもまたがる部分も当然あると思いますけれど。そういう部分もぜひ入れていただけたら。
 もう一つ、これも要望ですけれど、こうしたものをこれから計画に具体的に落とし込んでいかなければならないといったときに、これは適宜見直しもということを冒頭に触れられていますけれど、やっぱりPDCAサイクルという部分での評価体制というものがなければならないのかなと。同時に、10年先、20年先のことは予見しがたい部分があると。そのとき、的確な状況分析を行っていかなければ、先ほどかせ委員が言っていたように、時代おくれになってしまっては困ると。ならないために、そうしたツールという部分もちゃんとこの計画の中に、将来像、グランドデザインの中に入るようにこれから取り組んでいただきたい。
 以上2点、要望にしておきます。もし御意見いただけるんでしたら。
秋元拠点まちづくり担当参事
 ここにお示しをいたしましたツールにつきましては、産業振興分野、あるいは拠点まちづくり分野、こういったところが対応していくということになるわけでございますが、その調整を先ほど申し上げた中野駅周辺まちづくり推進会議、こういったもので総合的な調整を行っていく。そういった行政がまず主体となって進めるわけでございますが、ただ私どもの力には限界がございまして、当然、民間のお力を活用できるものは順次活用していくことをやはり考えなければいけない。そうしなければ、この中野駅周辺まちづくりは実現できない。そういう認識のもとで取り組んでいきたいというふうに思ってございます。そういった民間のお力が活用できる段階では、この部分については民間のお力を活用していくということを明確に位置付けて、実現に努めていくということで考えております。
 PDCAサイクル、これは区政の抱えている土台、原点でございますので、その視点の中で発展的にこのグランドデザインをさらに推進していくということで考えております。
北原委員
 2点だけお尋ねいたします。
 先ほど、飯島委員からも質問がありましたけれど、せっかく中野駅の乗降客数20万人、それからバスが5万人という調査結果と、それからそれが減少傾向にあるというふうに最初のところで述べておられますけれど、今、中野駅は中央線、総武線、それから東西線ですか、この3線入っておりまして、ほとんどの列車は中野で停車するという状況でありますから、この3線を利用している通勤客、通学客というんですかね、その利用者の数についてはどのように把握しているでしょうか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 ここで記載をしてございます乗降客数という形で押さえてございまして、中で乗りかえをしてしまうお客様については、数としては押さえていないという、そういう状況でございます。
北原委員
 やっぱりこれだけのグランドデザインということでありますけれども、実際につくっていく上で、これは中野区民とか周辺の人たちだけではとてもとてもここを「にぎわいの心」にすることはできないと思うんですね。やっぱり中央線を含めて、その3線を利用している、中野駅を通過している人たちが、やっぱりここで何%かが魅力あるまちとしてここに回遊するというんですかね、やっぱりそういう誘導をするような魅力あるまちづくりをしない限りは、できても実際閑散としてしまう。例えば、ついこの間聞いた話ですけれども、六本木ヒルズの方がもう既に空き部屋が目立ってきたと。既にもう六本木にできた防衛庁跡地の方にオフィスビルだとかテナントが移動していると、そういう現状が見えるわけですね。そういうことを考えたときに、中野の立地条件は非常にいいわけですから、やはりそこのところの魅力を出さないと、立川、吉祥寺の方が乗降客数は多いわけですよね。それに連動して、地価も向こうが高いというのがあるわけですから、ぜひその辺を通過する人たちというんですかね。何というんでしょうかね、その利用している人たちが、恐らく100万人とかの数字ではないと思いますね。100万を超えていると思いますので、ぜひその辺もこの中に書き込む必要があるんじゃないかなと思っています。まだでしたら、ぜひ調べていただきたいと思います。
 それから、もう1点、伊東委員の方からも今ありましたけれど、大学を誘導するに当たりまして、あなた任せではなくて、せっかく中野はこういうものを求めているんだということを書き込まれていますから、やっぱりそれはぜひそういうものを持っている大学、あるいはこれから取り組む大学ですね、そういうのを誘導するだけの熱意を持って、特にこの問題については、もうそんなに時間がないわけですから、そのぐらいの強力な情報発信をして、「ああ、いい大学が来てくれたな」と、「いい研究機関が来てくれたよな」というふうな、そういうふうに言えるような働きかけは私はする必要があると思いますが、いかがでしょう。
秋元拠点まちづくり担当参事
 御指摘のように、私どももきょうの委員会報告後におきましては、各大学等へのセールス、働きかけ、こういったものをやっていく所存でございます。委員と全く同じ気持ちでございます。そういった働きかけを強く実施していたいと考えております。
いでい委員
 数点お伺いします。
 このグランドデザインにも書いてありますけれども、「東京圏においても人口減少、少子高齢化が進展」ということで、人口の増加が望めないというふうな感じで書いてありますけれども、今現在、御存じだと思いますが、東京警察病院が開設に当たり、早稲田通り近辺はリート型分譲住宅、投資型の分譲住宅なんかがかなりいい値段がついていて、またさらに病院の近くに、中野区に住んでいたけれども、病院の近くにもう1回越してきたいという、引退された団塊の世代の方々が第2の住居としてたくさん居を構える予定があるというふうに伺っております。東京警察病院ができることによって、そういった高齢者の方や、またそういう方々がたくさんふえてくるというのはわかっているんですけれども、それに伴って、まちのにぎわいをつくるという上では、そういった高齢者たちだけではもちろんだめなわけで、「にぎわいの心」というのは、いろんな世代にわたっていろんな方々が集う場所ができるべきであると僕は思っているんですね。ここに大学の誘致ですとかありますけれども、それに伴って学生たちもたくさん来るでしょうし、また大学に通いやすいということでワンルームアパートですとか、そういったところに引っ越してくるでしょうし、でも中野区が今抱えている問題は、そのこともあるんですけれども、30代前半から40代前半までの子育て世代の人たちが、家賃の割には子育て環境がよくないということで転出されてしまう。そういったことが問題だということを認識されているにもかかわらず、このグランドデザインにおいてはその転出をどうやって引きとめていくかが、またそれを引きとめていくには何が重要なのか、それは僕は住宅の政策だと思うんですよね。このグランドデザインについては広く枠で囲ってありますけれども、住居とかいろいろ書いてありますけれども、このグランドデザインの中において、住宅のことについてちょっと説明が薄いんじゃないかなと思うんですけど、その辺はいかがですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 中野区の人口のお話しから申し上げますと、2005年から微増傾向にあるという状況でございます、おかげさまをもちまして。ただ、日本全体で言いますと、いよいよ人口減少時代に突入したということでございますので、中野区がそういう事態に陥らないような施策を展開することは重要であるというふうに私どもも認識してございます。
 そういった面では、住宅施策等についても、このグランドデザインの中で触れるべきか悩んだところでございますが、住宅マスタープランといったものがございます。やはり、住宅施策については、そちらの方できちんと体系立てて対応していくということが必要であろうということで、このグランドデザイン、焦点がぼけるといけませんので、住宅施策等につきましては割愛をさせていただいているということでございます。
いでい委員
 焦点がぼけるのもそうなんですけど、このグランドデザインにおいては、その住宅も必ず、住宅マスタープランがありますけれども、その住宅と一緒にひっくるめて考えていかなくちゃいけないという姿勢をもしお持ちならば、私はやっぱりこれに載せていくべきだと思うし、その考え方だとか方向性だとか、そういったことについては強く訴えていくべきじゃないかなと思います。その辺いかがでしょうか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 まちづくりの目標、この中で基本目標3点目に、3ページにあるわけでございますが、この中で、やはり働く、楽しむ、そして住みたくなるまち、そういったまちの実現を図るということで、全体的な考え方としてはここで述べさせていただいているというところでございます。
いでい委員
 わかりました。それでは、住宅のことについてもしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 あと、引き続き商業について伺います。
 今後20年間、これは20年後に完成予定ということになっておりますけれども、先ほど同僚委員からもいろいろな質疑の中でありましたとおり、商業について、まずオフィス用の敷地がなくて、敷地というか、オフィスがなければ会社ができないわけで、仕事もそこでふえていかないというふうな考えはもちろんわかっているんですけれども、ここのIT・コンテンツビジネス、これが今後20年間で増加傾向、最も重要になってくるんじゃないかということで、このIT・コンテンツビジネスにおいて重点を置いて誘致に努めるなんていうふうにありますけれども、先ほども委員からありましたとおり、20年後もどうなっているかということは全くわからないことであって、IT・コンテンツだけに特化しないで、もうちょっと柔軟にいろいろなサービスだとか製造・物づくりですとか、そういったものに関しても入れていった方がいいんじゃないかなと。例えば、知的財産ですとか、今後そういったもののライセンスだとかそういったものがどんどん取り組みを進めていく、国でもそうですけれども、取り組んでいくと思いますし、産学連携という意味では、大学が主導するまちづくりだとかそういったものの中でまた新たな商業だとかも生まれてくるかもしれませんから、そこはそのIT・コンテンツビジネスだけではなくて、もっともっと枠を広げて、いろんなところに、もし誘致をしたいならば、もっと枠を広げるべきだと思っていますが、いかがでしょうか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 今の委員の御指摘はもっともなことであろうというふうに思ってございます。私どもとしては、現在考えられる中で、中野に合った産業としてIT・コンテンツ、こういったものの産業ということが現段階ではよいのではないかというふうに考えて、こういう位置付けを行ってございます。当然、時代の変化等をできるだけ早く読み取りながら、中野に合う産業、にぎわい、活力、こういったもののためのツールをできるだけ早い段階で取り入れていきたい。そういったアンテナを常に張っていく必要があるというふうに思っております。
いでい委員
 しっかりと取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。
むとう委員
 1点お尋ねしたいんですけれども、このグランドデザインは、区民に対して今後どういうふうに説明をし、意見を聞き、膨らませていく予定なのか。区民との関係性において、今後の予定を教えてください。
秋元拠点まちづくり担当参事
 この委員会報告後におきましては、できるだけ広い範囲の方々に周知を図っていきたいというふうに考えてございます。したがいまして、中野区報、あるいはホームページ、こういったものへの掲載、こういったものも十分検討していきたいというふうに思っております。
むとう委員
 直接的な説明会等は計画の中にはないんですか、予定の中には。
秋元拠点まちづくり担当参事
 このグランドデザインだけで特別にということは考えてございません。先ほども申し上げましたように、これから私どもはまちづくりの会合、こういったものに出るわけでございますので、そういったあらゆる機会をとらえて、こういったものの紹介、こういったものを十分させていただいて、まちづくりに取り組んでいただく、そういったことを考えているものでございます。
長沢委員
 さっき他の委員さんも言われた住宅のということでもあるんですけれども、例えば、2ページでいいのかな。「中野区の特徴」として「人口及び人口動態」とありますね。これは--ついでに聞いちゃいましょう。「従業者動向」というのもありますね。この二つについて、中野区の現在の認識としては、これには課題があると。つまり、この周辺まちづくりを進める中で、これ自身は変えていきたいという、そういう御認識なんですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 ここにも記載してございますが、人口につきましては、中野区としては微増にあるという状況ではございますが、日本全体の動きの中では、これから十分減少していくことが考えられると。そういったところの中で、やはり競争力をつくりながら、こういった人口の確保を図っていくことは非常に重要であるという認識でございます。
 それから、もう1点は、従業者。これも小売業、いわゆるサービス業の減少、こういったものが顕著になってきてございまして、やはりこういったものに対しても、私どもとしては危惧を持っている。やはり、持続可能な、活力ある地域社会を築くためには、こういった機能の導入、こういったものを当然真剣に考えていかなければいけない、そういう認識で取り組んでいくというものでございます。
長沢委員
 それで、ちょっとお答えいただけないのかもしれないけど、さっきの答弁を聞いていると、例えば4ページにですね、色を分けてゾーニングしてあるんだけれども、例えば「商業業務・居住」というのがピンク色とオレンジっぽい色の両方ありますよね。これはどういう意味なのかね。ついでに聞いちゃうと、6ページのところでは、それが「複合」という形になっているわけだけれども、「複合」というのは「各地区の機能」ということで、「商業・業務・居住等」となっているのね。何が違ってくるものなんですかね。要するに、ここで分けている、区別しているというのは、これを見た限りではよくわからないんですが、どういうことなんですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 この色の違いでございます。これにつきましては、千光前通り沿い、あるいは桃園通り沿い、こういったところでこの色を使っているわけでございますが、この色の違いは沿道型と面的なものと、そういったところでの色の使い分けということで認識をお願いをいたします。
長沢委員
 違うと思うんですよ。じゃあ、4ページだけにしましょうか。4ページのところで、例えば警大等跡地の中に「商業業務・居住」というのがありますでしょう。区役所の上のところにも「商業業務・居住」とあるじゃないですか。これは色を違えているじゃないですか。それはどうしてという、単純にそういう話なんですよ。それで、6ページを見たら、そこが「複合」という言い方になっているんだけど、それだって「複合」というものはやっぱりかっこして「(商業・業務・居住等)」となっているじゃないですか。これは一体どういうふうに読み取ればいいんでしょうかという、そういう単純な、素朴な質問なんですが。
秋元拠点まちづくり担当参事
 この色でございますけれども、こちらの方につきましては、どちらが主従という関係にあるわけでございまして、赤の強い方が商業業務が主というような認識でございます。それから、この若干オレンジがかっているところは、そういったものがほぼ同等というんでしょうか、そういった色合いということでございます。あくまでも主と従というところの色の使い方ということで御理解いただければと思います。
長沢委員
 そうすると、例えば警大等跡地の公園の下の「商業業務・居住」は、商業業務が主なんだけど、例えばここのところにビルができると。ビルができるときに、そこのときには住宅以上に商業業務の方が比重としては高いと、そういうふうにとらえていいんですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 この赤の強いところは、要するに商業業務が主で、居住が従ということでございます。
長沢委員
 じゃあ、また別の機会にします。
 それで、もう一つ、最初のグランドデザインというところなんですけど、先ほど来ちょっと御質疑の御答弁を聞いていて、これまでの周辺まちづくり計画との違いといった点というんでしょうかね、そのときには都市整備の視点から周辺まちづくり計画というのをつくりましたと。今度はその中にというか、要するに活力やにぎわいに眼目を置きながら、中野駅周辺に導入すべき産業とという、そういうところですよね。そうすると、都市整備のところで、ある意味ではこういうようなものをつくっていきましょう。どんな建物になるとか、どんな高さになるかというのはその辺でもあまり明らかになっていなかったけれども、ある意味ではそういう箱物になって、そしてその中に入れるためにこういう産業とかそういったものを入れていくと。その入れ方としては、もっぱら、ここに書いてあるように、導入、誘致すると、呼び込むと。そういうものとしての計画であると。平たく言えば、そういうことなんですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 今委員の御認識のとおり、中野駅周辺まちづくり計画では、都市整備の観点から、開発の具体的な姿ということで、環境も含めてあらわしたものということでございます。それに対して、このグランドデザインと、まちのにぎわい、活力、こういったソフト面の観点から検討を深めたもの、そういった位置付けでこのグランドデザインができているということでございます。
長沢委員
 先ほど、他の委員さんの御質疑で、そのターゲットはどこなのというお話で、御答弁では複眼的にと。区民と区民以外からということでね。もうほかの方も言われたけど、例えば、区民以外というところでは、あそこに行ってみようかということね。物珍しいというか、仮にですよ、こういうものができたらいくということはあると思うんですね。
 もう一つは、じゃあ、区民は、区民にとってここはどういうものになるの。要するに、言ってみれば、中野のある一部のところではあるけど、全区民のところに対してある意味でこういったものが実際に恩恵というか、さまざまなところで享受されなければならないというふうに思うんだけれども、そういったものが、例えばそういうふうにいろいろ誘導していきましょう、何しましょうということと、実際にそういう地元での障害、あるいはもっともっとこの80ヘクタール以上の周辺のところとの近隣との関係とか、そういうところとの共生していこう、共存していこうというところがやっぱり見えないんだけれども、そういうのはどのようにお考えなんですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 この基本的視点の中でも御説明をさせていただいたわけでございますが、あくまでもこの中野駅周辺の経済活動、こういったものをこの波及効果が中野区全体に及ぼす、そういったような連鎖型のまちづくりを考えているということでございまして、ただ、中野駅周辺だけが発展するということではなくて、この中野駅周辺が発展することによって、中野区全体のレベルを上げていく。そういったことから、あくまでも周辺のまちとは協調、連携、当然そういったものがなければ発展はないというふうに考えております。
長沢委員
 それで、ちょっと行ったり来たりで申しわけないんだけど、ここの2ページのところで「まちづくりを取り巻く社会経済状況」というのがありますね。別に中野に限ったことではないというふうに思っていますけど、二つ聞きますね。
 2段目の「外延的拡大からコンパクト化に転換」というんだけど、80ヘクタールというのが果たしてコンパクトなのかなという素朴な質問なんですよ。これが一つね。
 もう一つは、その下にある「高い経済成長が望めない中」ということで、「都市間の競争が激化」ということなんだけれども、都市間の競争というのが一体何が激化しているのかね。こういうまちづくり自身が、今都市間をめぐって激化して、いろんな自治体で行おうとしている。それに負けちゃならんということでこうやってやろうとしているのかね。そういうことなんですけれど、いかがですか。
秋元拠点まちづくり担当参事
 これは、経済成長が望めない中での都市間の競争ということでございますので、これはまちづくりだけを指していることでなくて、それを含む全体を指して、都市間のいろいろな競争が出てきているということの状況を説明してございます。
 それから、外延的拡大からコンパクト化に転換、これにつきましては、いろいろな地方都市の中でこういったことが言われてきている。そういった現象を的確にとらえていく必要があるよということからこの位置付けを行っているというものでございまして、これが即中野のことということではなくて、あくまでも中野を取り巻いている全体的な状況をこの中で指している。こういったところもきちんと視野に入れてまちづくりの基本目標をつくらなければいけないということで、こういったことを書き込んだわけでございます。
委員長
 そのほか御質疑、よろしいですか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 質疑がなければ、ただいまの報告は以上で終了いたします。
 そのほかで何か報告はありませんか。
 なければ、所管事項の報告は終了いたします。
 次に議題、その他に入りますけれども、各委員、理事者から何か発言はございますか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 それでは、1点、中央環状新宿線沿線の地域環境保全についての要望書の提出につきまして、先日、正副委員長、それからいでい委員、行ってまいりましたので、そのことをちょっと御報告をさせていただきます。
 10月19日に、正副委員長といでい委員の3名で首都高速道路株式会社東京建設局に出向き、要望書を提出してまいりました。首都高速道路株式会社東京建設局長、副局長、そのほか技術系の人とかかなりの人が御出席をいただきまして、お話をして、その中で、当委員会における委員の皆様方の御意見について、その場で伝えさせていただきました。
 首都高速道路株式会社側からは、「現在の状況等を分析して、最善の技術・方法を採用している」ということで、「現時点で排気塔は必要と認識をしているけれども、今後の調査や研究は進めていきたい」との回答がございました。
 以上、大変簡単ではございますけれども、中央環状新宿線沿線の地域環境保全についての要望書の提出についての報告をさせていただきます。
 よろしいでしょうか。

〔「はい」と呼ぶ者あり〕

委員長
 それでは、次にお諮りしたいことがありますので、委員会を暫時休憩をいたします。

(午後4時03分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後4時04分)

 次回は1定中に開会することとし、それまでの間に緊急の案件があった場合は招集するということで、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 それでは、さように決します。
 以上で本日予定した日程はすべて終了しますが、委員各位、理事者から発言はございませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、以上で本日の中野駅周辺整備・交通対策特別委員会を散会いたします。
 ありがとうございました。

(午後4時04分)