平成18年03月22日財政制度調査特別委員会
中野区議会財政制度調査特別委員会〔平成18年3月22日〕
財政制度調査特別委員会
○開会日 平成18年3月22日
○場所 中野区議会第2委員会室
○開会 午後1時02分
○閉会 午後1時25分
○出席委員(12名)
大泉 正勝委員長
はっとり 幸子副委員長
佐野 れいじ委員
奥田 けんじ委員
小堤 勇委員
大内 しんご委員
平島 好人委員
山崎 芳夫委員
高橋 ちあき委員
佐伯 利昭委員
岩永 しほ子委員
江口 済三郎委員
○欠席委員(2名)
伊藤 正信委員
こしみず 敏明委員
○出席説明員
区長室長 寺部 守芳
政策計画担当課長(政策担当課長) 川崎 亨
計画担当課長 奈良 浩二
総務部長(未収金対策担当参事) 石神 正義
財務担当課長 篠原 文彦
税務担当課長 遠藤 由紀夫
区民生活部長 本橋 一夫
子ども家庭部長 田辺 裕子
子ども家庭部経営担当課長(男女平等担当課長) 合川 昭
保健福祉部長 菅野 泰一
保健福祉部経営担当課長(保健福祉担当課長) 寺嶋 誠一郎
都市整備部長 石井 正行
都市整備部経営担当参事(都市計画担当参事) 服部 敏信
教育委員会事務局次長 金野 晃
教育経営担当参事 村木 誠
○事務局職員
書記 吉田 哲郎
書記 菅野 多身子
○委員長署名
審査日程
○議題
都区財政調整について
○所管事項の報告
1 都区財政調整協議について(財務担当)
○その他
委員長
定足数に達しましたので、財政制度調査特別委員会を開会いたします。
(午後1時02分)
本日の審査については、お手元に配付の審査日程(案)(資料1)のとおり進めたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように進めさせていただきます。
それでは、議事に入ります。
都区財政調整についてを議題に供します。
所管事項の報告を受けたいと思います。
初めに、都区財政調整協議についての報告を受けたいと思います。
篠原財務担当課長
それでは、都区財政調整協議、主に主要5課題について報告を申し上げます。
報告の前に、2月9日の財政制度調査特別委員会以降の都区の協議の経過について若干触れさせていただきます。まず2月10日でございます。区長会総会臨時会におきまして、区長会会長と都副知事との交渉結果を了承してございます。この区長会会長と都副知事の交渉につきましては、2月6日に交渉が再開されたものでございまして、そこの中で、1月16日に都側から提案された内容について種々意見の交換がされたということでございます。その後、2月13日から14日にかけてでございますが、平成18年度財政調整協議が再開してございます。ここでは主に財政フレームの整理が行われてございます。その後、2月16日でございますが、区長会総会後に都区協議会で正式に都側提案事項について了承を--正式には合意を得たというようなことになっております。
なお、同日に、特別区議長会におきましては「真の都区制度改革の実現を求める決議」が行われておりまして、都知事、都議会議長外関係機関に表明をされたということでございます。
この決議の内容でございますが、平成17年度末までに都区が協力して解決することとされていたにもかかわらず、課題がすべて事実上の先送りとなるといった状況から、都区のあり方に関する今後の検討に重大な関心を持って注視するとともに、平成19年度以降、必要十分な配分率が確保されるよう不退転の決意で臨む決議を行ったということでございます。
それでは資料(資料2)に基づきまして、都区財政協議の協議会につきまして報告させていただきます。
お手元の資料の1枚目が合意の内容でございますが、2枚目にイメージ図がございます。18年度の財調協議での整理の概要ということでイメージ図をお示ししてございます。これに基づきまして報告をさせていただきます。
まず、主要5課題と呼ばれる一番左端でございますが、ここには五つの課題が掲げてございます。
まず、大都市事務。これは都区の役割分担を踏まえました財源配分のあり方でございますが、こちらにつきましては、矢印で右の方にございますけれども、新たな検討組織を都区共同で設置をいたしまして、都区の事務配分、特別区の区域のあり方、財政制度を協議するということになってございます。
それから、その下の清掃関連経費、小中学校改築等経費でございます。こちらにつきましては、右にありますように、過去の清算分といたしまして特別交付金200億円を18年度に限り別途交付するという形になってございます。
なお、この清掃関連経費につきましては、主に退職手当分の50億円相当分を想定をしてございます。また、小中学校改築等経費につきましては、平成12年から17年の需要分としての算定をするということで、このような形で200億円というようなものが示されてございます。
また、その下の都市計画交付金でございますが、これは市街地再開発事業を交付対象の事業として追加をするというものでございまして、こちらについては、再開発組合等の助成も含むといったような内容になってございます。
それから、その下の三位一体改革の影響でございます。三位一体改革の影響に対応する配分割合の変更ということで、従来、1月16日の案では52%を54%にするという案が示されてございます。これを19年度財調で継続協議をした上で52%プラス2%以上、したがって、55%以上を確保したいということで、一応都区間では合意をしたというようなことになっております。具体的には、19年度財調で継続協議をするといったような内容でございます。
今後の課題でございますが、この清掃関連経費、それから小中学校改築等経費、都市計画交付金でございます。
まず、清掃関連経費につきましては、745億円のうち529億円が都債償還費となってございます。こういった都債償還が終了した後の当該財源の取り扱いが今後の大きな課題になるというように考えてございます。特に区側の方に清掃事業が移管になりますので、工事、それから灰溶融施設の建設等の起債償還金、返還金、これは最高で年間200億円見込まれます。そういったものの経費の取り扱いがどうなるのか、そういったことが課題として残されておるということでございます。
それから、小中学校等の改築経費でございますが、こちらについては、その改築単価、それから改築のピーク時、これは平成30年ごろに23区とも改築のピークになるというふうになっておりますが、都側の現在の算定では、起債償還費、こういったものを算定をしてございません。こういった起債償還経費を今後どのように算定していくか、これも一つの大きな課題になってございます。
それから、都市計画交付金でございますが、これは都市計画事業に見合った交付金額の総額の拡大、こういったものが大きな課題になっておりまして、特に区側は都市計画税の2割相当分、2,000億円のうちの400億円、これを要求をしてございますが、都側はそういったものをまだ受け入れていないというような状況になっております。こういったことが今後の大きな課題になっているということでございまして、こういった課題につきましては、今後設置されます検討会、検討組織、こちらの方で引き続き協議をするというようなことになってございます。
それから、今後の日程でございますが、これは想定で私ども考えてございます。実は、区長会事務局等にもまだ具体的な日程は示されてございません。恐らく、4月の上旬には財調の幹事会、ここにおきまして検討会の設置案が提示されるだろうというふうに考えてございます。
また、4月14日に区長会総会がございまして、ここでは、検討会の設置の考え方、こういったものが示されるのではないかというふうに予想してございます。
実際の検討会の組織、構成、それから所掌事項については、現在のところまだ未定ということでございます。今後、動きがあれば、また議会に逐次報告をさせていただきたいというふうに考えてございます。簡単でございますが、以上で報告を終わらせていただきます。
委員長
ただいまの報告について質疑はありませんか。
小堤委員
ここで新たな検討組織を都区共同で設置するということですけれども、今までの協議組織とどういうふうに違うんですか。
篠原財務担当課長
これまでは主に、平成12年の積み残しの課題を入れます主要5課題を主に検討してございました。今後は、特別区の区域のあり方、道州制、地方制度調査会の報告もございます。そういったものを中心に都区の役割分担、そういったことを協議していくというふうに聞いてございます。
小堤委員
これはいつごろ、あとメンバーなんていうのは大体検討されているんですか。
篠原財務担当課長
私も本日の委員会に当たりまして、都の区政課、それから区長会事務局等にも今後の日程について聞いてみたんですが、現在のところ具体的な検討会の構成とか、所掌事務がまだ決まっていないと。先ほども申し上げましたが、4月14日の区長会総会にそういった一定の考え方が示されるのではないかというふうに考えてございます。
小堤委員
19年度以降の配分率については52%プラス2%プラスアルファということなんですけれども、この2%というのは、都が提案で54%、2%アップということを提案していましたよね、その2%プラスアルファということで。例えば、特別区長会の会長がコメントで、少なくとも配分率が55%という発言がありますよね。少なくともというのは、合計で55%でもいいというようなことにも聞こえるんですけれども、これは会長独自の発言だと思うんですけれども、ただ私たちが2%プラスアルファといったときに、幾ら要求するのかという根拠がなければいけないと思うんですよ。その辺での見通しというのはどうなんですか。
篠原財務担当課長
昨年の末の12月27日の区長会総会におきまして、区側としては、12年積み残しの課題であります57%、これを基本として交渉していこうというふうに確認をしてございます。私どもできるだけそれに近づけたいというような希望を持ってございまして、55%は言わずに、さらなる上積みを今後19年財調の中で都側の方には要求をしてまいりたいというふうに考えてございます。
小堤委員
中野区として、または担当者でもいいんですけれども、今回の都区の合意事項というのはどのように判断されているんですか。
篠原財務担当課長
三位一体改革の影響額につきましては都側の譲歩があったというふうに考えてございまして、一定の評価はしてございます。また、都議会も含めまして、関係者のぎりぎりの努力の結果として、こういったような決着の形であるということで、交渉計画を踏まえた品川区長の判断は、一応了承せざるを得ないというような基本的な姿勢でおります。
ただ、12年度のそういった積み残し課題の中で、一定の額がまだ確保されていないというような状況がございますので、まだ不満が残る決着だというふうには考えてございます。
江口委員
ちょっと確認なんですけれども、ことしの結果というのは満足を得ないまま行ってしまったという、これは議会も行政も一致した考えだと思うんですけれども、区長が予算特別委員会で、中野は今後中野らしい発言をしていくというような、たしか発言があったような気がするんですが、問題は議会との関係ですね。区長会で区長がどんどん発言するのは構わないんですけれども、やはり両輪という一体の中で、議会と調整しながら中野らしく、特に今後の問題というのは、事務配分なんかをきちっと--事務事業のことをきちっとやっていけば、どれが都の仕事か、区の仕事かはっきりわかってくるわけだし、またそういうことも区民にも伝えていかなければいけない部分もあるので、その辺、今後、この1年間は非常に大事なので、議会側に事後で報告されても困るんです。だから、区長としてはどういうふうに中野区らしい発言をしていくということを考えていくのか、その辺をちょっと聞かせてください。
石神総務部長
区長と話していますのは、区長会があってから報告して意見をもらうのではなくて、区長会に行く前になるべく議会との話し合いの場面をつくって意見を持っていきたいというふうに言っております。
また、今回の都との関係だけではなくて、水平調整、これがしっかりできないことに対して議会からも意見を言われておりますので、そういった中では、中野区としての意見をはっきり言っていかないといけないのではないかということを言っておりますので、なるべく当委員会の委員長とも相談しながら、また正副議長とも相談しながら進めていきたいというふうに思っております。
岩永委員
一つは、三位一体改革の影響の対応ということで、都から提案された調整率の2%アップということですが、この三位一体改革の影響は、後から提案された2%の範囲の中というふうに区としても考えているんでしょうか。
篠原財務担当課長
区長会事務局の三位一体の影響額というのは600億円というふうに試算をしてございます。東京都につきましては500億円ではないか。特に、また富裕区がございますので、そこの分の財源の超過分を差し引けば300億円、したがって、1%が約150億円ですから、2%上げれば東京都はいいというふうに言っているわけでございます。区側といたしましては、あくまでも税源移譲がありまして、10%フラット化になって、都税相当分が3%、区税相当分が今7%というような状況があります。それが政府税調等の決定がありまして4%、6%というような結果になったことによりまして、それほど大きな、税源移譲によって財源がふえないということが今予想されております。
そういった意味では、この2%では私どもでは足りないと。少なくとも1%以上の上乗せがないと、とても三位一体改革の影響分についても対応できませんし、地方に権限を移すといったような国の方針からいっても、そういったような財源は足りないというようなことがありますので、そういったことは19財調の中で、23区案の意見として強く訴えていきたいというふうには考えております。
岩永委員
そうしますと、今ここで言われている2%プラスアルファというのは、三位一体改革の影響を主としたものですね。そうすると、今度、一方では今後の検討課題になりますけれども、事務配分等々がどういうふうになってくるかということでいえば、清算したものは別にしても、さまざまな影響を考えると、52%の範囲ではないだろうというふうに思うんです。そうすると、ここに出されている19年度以降の配分率は、プラスアルファをどう考えるかという問題がすごくあると思うんですが、そのあたりはどうでしょうか。
篠原財務担当課長
都側が1月16日に提案しました2%というのは、単純に言えば三位一体改革の影響によるものだと思います。まだ、大都市事務の関係については、都区双方の主張の開きが大きくて決着するには至っておりません。その中には、清掃の問題とか、学校の改築経費の問題も入ってまいりますし、都市計画交付金の問題もあります。そういったことは今後、こういった都区の共同組織の中で検討する中で、三位一体の影響額とは別に、そういったものについては需要額というものを主張していかなければいけないというふうに考えてございます。
岩永委員
今、課長のお答えのとおりで、52%に幾ら上乗せするかというだけではなくて、やはり全体--その三位一体改革の影響も含めてやはりこの配分率をどうしていくのかということが、大都市事務配分との関係でも影響してくると思いますので、この間、3年間、三位一体改革の中でも区は大きな影響を受けていますから、そこのところはぜひきちんとした主張をしていただきたいと、これはお願いです。
もう1点お聞きしたいのは、先ほどのお答えの中で、今後の検討組織を設置したその中には道州制のことなども、一応念頭にあるというか、そういうことも当然話題になってくるということですが、まだ議会の場では、区民の中でもそうなんですが、この道州制については議論もされていない、どうするかという話ももちろんないというこういう中で、この新たな検討組織を設置する、それにこの道州制の問題をどう扱うのかというのはかなり難しいというのか、大きな問題になってくると思うんです。そのあたりはどんなふうになるんでしょうか。
篠原財務担当課長
道州制といいますか、今後、共同で設置します検討会におきましては、特別区の区域のあり方が主に中心となるというふうに考えております。都知事も、再三、第3回定例会でも言っていますが、そういったような特別区の区域のあり方を抜本的に見直す必要があるというようなこともおっしゃっていますので、そういったこともこの協議会の中では議論の素材に上がるのではないかというふうに考えております。
岩永委員
やっぱり議論をするのがいいとか悪いとかということだけではなくて、どう考えるかというのは、一番それぞれの自治体や住民がどう考えるかというのが基本だろうと思うんですね。だから、そういう意味では、まだ何の議論にもなっていない、何の話題にもなっていない中で、この検討組織の中で検討を進めていくという状況にはないだろうと思うんです。
だから、そういう意味でいえば、区長が今後区長会の中で発言をされるということについての姿勢が示されましたけれども、本当にその立場で、きちんと議会や住民の声を聞いていく、それで何を検討していくのかということなどについても十分反映していくという、そういうことが重要なんだろうと思うんですけれども、それはそういうことでよろしいんですか。
篠原財務担当課長
この特別区の再編問題につきましては、非常に大きな問題でございまして、当然、この検討組織だけで結論が出るような問題ではないと思います。特に、かつての特別区改革と同じような、それほどの大きな問題でございますので、23区、それからそれぞれの議会、そういった中で十分に議論された中で合意を得ていくものだというふうに考えております。その辺についてはしっかりと区長会事務局の方にも伝えていきますし、当然、区政課の方とも十分そういったことを理解した上で、今後、こういった検討を進めていきたいというふうに考えております。
委員長
他に質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で本報告については終了いたします。
その他、所管事項の報告はありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、所管事項の報告は終了いたします。
次回日程について御協議いただきたいと思いますので、休憩をいたします。
(午後1時25分)
委員長
委員会を再開いたします。
(午後1時25分)
次回は、第2回定例会中とし、何か緊急な案件があった場合には、正副委員長が相談の上、皆さんにお集まりをいただくということでよろしいでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのようにさせていただきたいと思います。
その他、各委員、理事者から御発言はありますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、本日予定した日程はすべて終了いたします。
以上で、本日の財政制度調査特別委員会を散会いたします。御苦労さまでした。
(午後1時25分)