平成18年1月23日文教委員会
中野区議会文教委員会〔平成18年1月23日〕
文教委員会会議記録
○開会日 平成18年1月23日
○場所 中野区議会第5委員会室
○開会 午後1時01分
○閉会 午後5時45分
○出席委員(9名)
飯島 きんいち委員長
酒井 たくや副委員長
北原 奉昭委員
久保 りか委員
はっとり 幸子委員
小串 まさのり委員
篠 国昭委員
昆 まさ子委員
江田 とおる委員
○欠席委員(0名)
○出席説明員
教育長 沼口 昌弘
教育委員会事務局次長 金野 晃
教育経営担当参事 村木 誠
教育改革担当課長 小谷松 弘市
学校教育担当課長 相澤 明郎
指導室長 小林 福太郎
生涯学習担当参事 大沼 弘
生涯学習推進担当参事 生涯学習担当参事兼務
中央図書館長 細木 博雄
子ども家庭部長 田辺 裕子
子ども家庭部経営担当課長 合川 昭
保育サービス担当課長 竹内 沖司
○事務局職員
書記 岩浅 英樹
書記 鳥居 誠
○委員長署名
審査日程
○陳情
〔新規付託分〕
(17)第154号陳情 中野区立やよい幼稚園の廃止案について
〔継続審査分〕
(17)第137号陳情 区立みずのとう幼稚園、区立やよい幼稚園2園存続を願う要望について
(17)第144号陳情 区立みずのとう幼稚園存続を願うことについて
(17)第145号陳情 区立みずのとう幼稚園存続を願うことについて
(17)第146号陳情 区立みずのとう幼稚園存続を願う要望について
(17)第147号陳情 中野区10か年計画における区立幼稚園廃止案について
(17)第148号陳情 区立みずのとう幼稚園存続を願う要望について
(17)第149号陳情 中野区立みずのとう幼稚園存続について
(17)第150号陳情 中野区立みずのとう幼稚園の廃止案について
(17)第151号陳情 区立みずのとう幼稚園廃園案をもう一度検討する事について
(17)第152号陳情 中野区立みずのとう幼稚園存続について
(17)第153号陳情 新しい中野をつくる10か年計画について
○所管事項の報告
1 新しい中野をつくる10か年計画の策定状況について(教育改革担当)
2 教育委員会所管施設における厨房機器のアスベスト対策について(学校教育担当)
○その他
委員長
それでは、定足数に達しましたので、本日の文教委員会を開会いたします。
(午後1時01分)
審査の進め方について御相談したいことがございますので、委員会を暫時休憩いたします。
(午後1時02分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後1時03分)
本日はお手元に配付の審査日程(案)(資料1)のうち、所管事項の報告の順序を変更して、休憩中に御協議いただいたとおり審査を進めたいと思いますが、これに御異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ございませんので、そのように進めます。
なお、審査に当たりましては、5時を目途に進めたいと思いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
なお、本日は傍聴者がたくさんお見えになっております。既に傍聴希望者が15名を超えましたが、これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように決定いたします。
それでは、初めに陳情の審査を行います。
それでは、平成17年第154号陳情、中野区立やよい幼稚園の廃止案について並びに、平成17年第137号陳情及び平成17年第144号陳情から第153号陳情の計12件を一括して議題に供します。
なお、第154号陳情は新規付託のため、書記に朗読をいたさせます。
書記
〔陳情文書表朗読〕
委員長
第137号陳情について、新たに20人の署名が追加されて合計2万3,644人に、それから、第152号陳情には、新たに123人の署名が追加されて2,234人に、第154号陳情については、353人分の署名簿が提出されていることを申し添えます。
なお、新規付託分の第154号陳情についても、それから、その他の陳情でも、補足説明をされたい、あるいは資料をお配りしたいというようなことがあるようです。今のところ確認しておりますのは、第154号陳情、第146号陳情、第147号陳情、第150号陳情、第151号陳情、第153号陳情について、陳情者から補足説明あるいは資料の提出の申し出が既にございました。したがって、6人の方の補足説明のお申し出が既に事務局の方に参っております。そのほかにもし、事務局の方に申し出がまだされていないけれども、補足説明をぜひされたいというような方はいらっしゃれば、陳情番号をおっしゃっていただけますか。(「137号陳情なんですが、一応依頼してあったんですけど」と呼ぶ者あり)それでは、137号陳情の方を含めて、以上7名ということで、よろしいでしょうか。
それと、伺ってからになると思いますけれども、あわせて休憩中に、この際陳情者に質問したいというようなことがあれば、それはその際、改めてまたお諮りをいたします。
それでは、一たん委員会を休憩して、補足の説明及び資料の配付を受けたいと思いますが、よろしいでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
それでは、委員会を暫時休憩いたします。
(午後1時10分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後1時27分)
それでは、報告1のうちの本陳情に関連した部分についての報告を受けるため、陳情審査は一たん保留といたします。それで、所管事項の報告の1番、新しい中野をつくる10か年計画の策定状況についてのうち、この12件の陳情に関連する部分についての報告を求めます。
小谷松教育改革担当課長
それでは、ただいまの陳情に関連いたしまして、新しい中野をつくる10か年計画の策定状況につきまして、関連部分を御報告させていただきたいと思います。
お手元の資料でございます。(資料2)別添1、2ということで、二つの資料を配付させていただきました。
まず、別添1の方でございます。新しい中野をつくる10か年計画(案)のパブリックコメントの手続によりまして、区民の方からいただきました意見でございます。今回いただきました意見、大変特徴的な部分がございますので、まず、全体のあらましを先にお話し申し上げたいと思います。
このパブリックコメントの手続につきましては、昨年12月5日から26日まで実施をしてございます。意見の提出者は279名。意見総数は全部で169件でございました。こちらの表紙のところにも記載がございますとおり、同趣旨の意見につきましては一括してまとめてございますので、提出者数と意見数は合ってございません。
この169件いただきました意見、10か年計画全体にかかわること、それから、計画の領域が四つございましたけれども、IからIVまでそれぞれ整理して分けてございます。全体に係ることが9件、領域のIに係るものが7件、それから、領域のII、これは子育て、教育など人づくりにかかわるものでございますが、これが149件と圧倒的な多数を占めてございます。なお、領域のIIIが1件、領域のIVが2件、その他1件ということでございます。領域IIにかかわります149件のうち、今、議題に供されてございます陳情にかかわる意見といたしましては、95件ございました。したがいまして、全体の意見総数のうちの約56%ということで、幼稚園にかかわります御意見が過半数を占めていたということになります。
それでは、個々に見てまいりたいと思いますが、恐れ入ります。別添1の資料の5ページをお開きいただけますでしょうか。ここからが今回の陳情にかかわる部分の内容となってございます。
まず、中ほどちょっと上でございますが、教育全般というところでございます。これは教育全般ということではございますが、幼児教育、ただいまの幼稚園にもかかわる御意見でもございますので、御報告いたします。内容といたしましては4件ございますが、区民の声を聞き、中野の教育に真剣に取り組んでほしい。あるいは、10か年計画はやめてほしい。それからまた、今の子どもたちを犠牲にしてほしくないといったような意見でございました。
それから、中ほど、幼児教育全般というところでございます。なお、個々の意見につきましてはそれぞれお読み取りいただくといたしまして、主な意見内容の概要ということで御紹介申し上げたいと思います。ここにつきましては、No.50から次の6ページのNo.71まで22件、幼児教育全般に係る御意見ということでいただいてございます。
主な意見といたしましては、幼児教育については非常に重要なものであると。区は幼児教育の考え方をしっかりと示してほしい。また、民間任せにしないでほしい。それからまた、区立はすばらしい教育をしてきていると。それを私立に提供するなど、区立と私立の連携を図るべきだといった御意見。またその一方で、私立への区の指導等についての疑問の意見もいただいてございます。それからまた、計画には幼児教育に関する指標も入れてはどうかといった御意見もいただいてございます。その他、(仮称)子育て・幼児教育センターについて、具体的にその内容を示してほしいといった意見などが寄せられてございます。
次に、6ページ、区立幼稚園の廃園についてということでございます。ここは意見No.72から9ページ中ほどまでのNo.118まで、計47件の御意見をいただいたところでございます。主な意見の概要といたしましては、区立幼稚園を急いで廃止にしないでほしいという、具体的には例えばビジョンの策定、あるいは審議会の議論を経てといった御意見。それから、もう少し計画の決定を先延ばしにしてほしいといった御意見。また、区立はよい教育をしてきたので、廃園はしてほしくない。それからまた、廃園は10か年計画や教育ビジョンの理念に反しているのではないのか。また、区立がなくなると選択の幅が狭くなる。また、民間には任せられない。それから、私立での教育や経営内容、あるいは障害児の受け入れ等について不安を指摘する意見もございました。そのほか、廃止に伴います財政内容や負担についての御意見もいただいてございます。さらに、廃止に伴い、在園児が単学年になることがないようにといった御意見もいただいたところでございます。
次に、9ページでございます。中ほど、幼児総合施設に関係する御意見でございます。ここは意見No.119から次の10ページ、No.140まで計22件の御意見をいただいてございます。主な意見の概要といたしましては、幼児総合施設の具体的な内容は何かといったようなこと。例えば入園予定者数、保育料、補助金の有無といったような具体的な御指摘などの御意見もございました。そういった幼児総合施設を具体的に示した上で、区立幼稚園の廃止ではないのか。また、幼稚園を核に総合施設をつくってはどうか。あるいは、幼稚園とは別につくってはどうかといったような御意見もいただきました。また、民間ということでありますけれども、区の関与はどれだけになるのかといったような御意見もいただいたところでございます。
以上、No.140までのところが、ただいま陳情に関係する部分でございます。
次に、別添の2をごらんいただきたいと思います。新しい中野をつくる10か年計画・改定素案(質の高い幼児教育・保育の実施)に関する意見交換会等実施状況というところでございます。これにつきましては、4定の際に改定素案を公表いたしまして、10月から11月にかけまして教育委員会で実施いたしました意見交換会の概要を一度報告させていただいたところでございますが、この幼稚園の件につきましては、引き続き意見交換会を続けてまいりましたので、その後の実施状況もあわせてまとめて御報告をさせていただきたいと思います。
まず、意見交換会等の開催状況でございます。教育委員の対話集会といたしまして、11月及びことしに入りまして1月13日と、2回実施をさせていただきました。
それから、教育委員会主催の意見交換会・説明会ということで、これは事務局対応ということで5回実施をさせていただきました。そのうちの3回につきましては、保護者の方々との意見交換会。また、来年度入園を予定しております保護者の方に対しましても、11月及び12月にそれぞれやよい、みずのとうで1回開催をしてございます。また、その他、団体等からの要請ということで、これはやよい幼稚園の保護者、また地域の方々から御要望をいただきまして、12月に意見交換の機会を持たせていただいたところでございます。
なお、このほかに、ここには記載してございませんが、区長との対話集会ということで、11月、12月、1月と3回、保護者の皆様方との対話集会なども開いてございます。そのほか、区長が例月で行っております対話集会の中でも、この幼稚園にかかわる課題が意見交換の場で上がってきてございます。
それでは、内容につきまして、概要をお知らせさせていただきたいと思います。
まず、1ページの下のところでございます。区立幼稚園についてというところでございますが、ここで主な意見といたしましては、2園を再編の対象とした理由、また、その提案が突然ではないのかという御意見。それから、保護者があえて区立を選択したことを認識してほしいといったこと。また、障害児の教育、義務教育への接続、幼保の連携などは、区立園だからこそできることではないのか。私立では障害児の受け入れが困難ではないのか。また、私立は独自のカラーが強過ぎないか。さらには、入園募集を停止すると、最終年には単学年となると。そのケアを考えるべきだといったような御意見などをいただいているところでございます。
これに対しまして、教育委員会の回答といたしましては、廃止対象園につきましては、私立の配置との関係が理由になっていること。また、園名の公表につきましては、もう少し早く示したかったが、区全体の調整の中でこの時期となったこと。それからまた、幼児教育の向上や障害児の受け入れなどにつきましては、公私を問わず取り組むべきものであり、私立でも努力し、工夫して実施していること。さらに、その受け入れにつきましては、受け入れやすい手だてを考える必要があるといったこと。また、最終年に単学年になる子どもたちへのケアにつきましては、適切な対応を行うことなどにつきまして回答いたしてございます。
それから、3ページのところでございます。(2)保育料等負担について。ここでは、公私格差をなくすというが、どのように進めるのか。また、入園料についての考えなどがただされました。
これに対しましては、私立と区立の保育料負担を同水準にする方向で検討していること。また、入園料につきましては、定まった考え方は持っていないといったことで回答いたしてございます。
それから、(3)幼児総合施設についてでございます。ここでは、主な意見といたしましては、現幼稚園の施設環境や居場所の継続、あるいは改修時期の工夫などによりまして、園の継続はできないのか。また、総合施設に対するニーズといったようなことについてのお尋ねがございました。それから、幼保一元施設を民間でとあるが、その選定基準、区の関与、あるいは民間の運営に対する不安、それからまた、運営を受ける民間の候補はあるのかといったような御意見がございました。
これらの御意見につきましては、総合施設は幼稚園廃止後の施設活用であること。また、中野区でもそれを必要としていること。また、選定基準などの具体的な検討につきましては、国の方針を受けて進めていること。また、総合施設によりまして、保護者の選択の幅が広がるといったことなどについて回答いたしてございます。
次に、4ページでございます。(4)幼児教育全般についてというところでございます。ここでは、主な意見といたしましては、私立園には介入できない。区がきちんと幼児教育をやっていくことが必要ではないのか。また、質の高い幼児教育とはどういうことか。さらに、(仮称)子育て・幼児教育センターの私立幼稚園に対するかかわりなどについての御意見をいただいたところでございます。
これらの御意見に対しましては、公私全体のレベルを上げるための条件整備に取り組んでいきたいということ。また、幼児教育の向上につきましても、公立だけではなく、私立や保育園を含め、全体的な向上を図りたいといったこと。さらに、子育て・幼児教育センターにつきましては、公立・私立を問わず支援をしていくといったことについて回答いたしてございます。
最後に、その他ということでございますが、ここでは、子どもの施設が減っていく中で、中野区が住みにくくなっていくことが心配である。少子化対策はどう考えるのか。また、限られた資源ということを理由に区立が廃止されるのはおかしいのではないか。幼児教育を民間にするといったことは間違いではないのかといったような御意見をいただいてございます。
これらの御意見に対しましては、子育て支援を強化し、子育て施策の拡充を考えていること。また、幼児教育の全体を考えて今回のこの選択をしているものであり、民間ではいけないといったようなことは考えていないといったようなことで回答いたしてございます。
以上でございます。
委員長
ただいまの報告に対して質疑を受けますが、皆さん、それぞれ委員各位から質疑があると思います。したがって、一巡するまでは時間的なことも一応心にとめていただいて、質疑をしていただければと思います。
それでは、質疑はありませんか。
篠委員
全体的じゃないんですが、今の課長の報告の中で、最後の4ページ、今おっしゃられた。全体的には、方針を示した時点、あるいは我々にはすべて示され、説明もされた内容で、それなりに理解できるんですが、(4)番の4番の「子どもの減る中で役割の増えている保育園を含め」、これはどういう意味なんですか。
小谷松教育改革担当課長
いただきました意見、これにつきましては、やはりいろいろな形で対応策を図っていかなければいけないわけですけれども、区立だけの充実を図るといったようなことではなくて、これからの限られた資源、また、もう既に、これからの時代状況を考える中で、右肩上がりといったようなことが期待されない中で、また現実的に人口減少社会にもなっているわけでございます。そういった中で、より確実な形で子育て充実、それからまた、少子化対応といったようなことも含めて対応していくためには、全体として取り組んでいく必要性というものがある。そういった中で、区立だけということではなくて、幼稚園・保育園を含め、全体の形で政策形成をしていかなければいけない。そういった形でのお答えということでございます。
幼児教育の質の向上につきましては、区立・私立を含め、さらにこれからの保育園の中におきましても、やはり幼児教育の推進ということも求められているわけでございます。そういった意味で、全体、幼稚園・保育園、また私立・公立を含める中で、そういった向上を図るということについてここで述べているわけでございます。前文から続きの中で、全体の向上ということでお読み取りいただければと思います。そういう趣旨で御回答したところでございます。
篠委員
そう読めるわけないじゃないですか、これ。何を考えているんだかわからないんじゃないだろうか。「もっと多くの中野区の子どもが通う私立幼稚園や子どもの減る中で役割の増えている保育園を含め」、これは日本語になっていないんじゃない。なっているのかな。私がなっていないのか。これはまじめに答えていないんじゃないですかね。全体的な向上を図りたいというのはわかるんですよ。いずれにしろ全体的な向上は図らなきゃいけないわけですが、「子どもが減る中で役割の増えている保育園」というのを固まりとして読み取っちゃうのが普通に私は思うんだけど、私が間違っているんだろうか。
金野教育委員会事務局次長
簡単な文章にしてありますので、ちょっとわかりにくいところがあるかと思いますが、趣旨は、公立の幼稚園と比較しまして、まず、私立幼稚園の方が公立に比べれば多くの幼稚園児がいるということで、公立に比べればもっと多くの中野の子どもたちが私立幼稚園に通っているという前段と、それから、「子どもの減る中で役割の増えている」というのは、幼児数が減っても、保育園に対する需要は減少していないわけでございます。また、その中で、さまざま多様な保育需要、あるいは保育園における教育的な役割など、そういったものが論議されておりますので、保育園につきましては、子どもが減る中で、規模の縮小あるいは需要の減少ということではないということから、このような表現にしているものだというように考えております。
久保委員
同じく4ページの(4)番のところです。幼児教育全般についてというところの回答部分なんですけれども、1番で、「幼児教育は重要であり、公私全体のレベルを上げる中で、私立も含めて区として条件整備をするという考え方にしようとしている」というふうに言われていますけれども、この質問が、「幼児期の教育が大事だと言われているが、私立園には介入できない。区がきちんと幼児教育をやっていくことが必要ではないか」ということに答えているんですね。公私全体のレベルを上げるということは、これは区が公私全体のレベルを上げるということを考えているということなんでしょうか。また、私立も含めて区として条件整備をするという、この条件整備というのは、どのように区はしようと思っていらっしゃるんでしょう。
小谷松教育改革担当課長
区立の場合ですと、これは区が直接運営するわけですので、区の意見として、そういった形でレベルアップを図っていくということができます。また、私立につきましても、一定の教育水準を維持し、向上を図っていくということは、これは実際に子どもたち、大多数が、9割近い子どもたちが私立に通っておるわけですので、非常に大きな課題でございます。具体的な形で、直接私立が経営しております幼稚園の中に個別に指導するといったことは、大変難しいところはあるかと思いますけど、例えば今回のこの計画の中でも、幼児教育センターといったようなことで、私立も含めて全体として質の向上を図る、そういった手段を講じながら、私立に対しましても一定のレベルアップ、そういったものを含めてやっていきたいということでございます。
久保委員
これは全体に同じようなことを通して言っていらっしゃるんだと思うんですけれども、教育ビジョンの方にも、すべての中野の子どもたちが幼児期に適切な教育を受けられるようにする責務があるというふうに区のことを言われていますよね。今言われたことでありますと、今後考えている幼児教育センターの中で、私立に対しても関与していけるような、そういった指針のようなものとか、個別指導をするに当たっての、そういった何か中野区独自の教育の水準というんでしょうか。何かそういうものを示そうということですか。
小谷松教育改革担当課長
私立幼稚園に対します教育内容等についての指導ということにつきましては、これは東京都の方が対応するということになります。区としてできるところということでいえば、例えば私立幼稚園の教員の質の向上を図る、そういった研修の充実であるとか、あるいは、いろんな各園で行われているさまざまな実践、そういったものを調査研究する中で、これを生かしていく。そういった、直接的な教育内容に踏み込むというよりは、いろんな間接的な支援などを行う中で、全体としてレベルアップを図っていくということになろうかと思います。
久保委員
直接的な教育内容には踏み込まないということだと思うんですね。ただ、中野区独自の、逆に幼児教育に対しての、私立に関与していくということではなくて、区独自の幼児教育のプログラムみたいなものをきちっと策定して、そこに私立がのっとった教育をしていくというか、そういったことを検討していくことはできるんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
そういったことも当然目線に入れていきたいというふうに思っております。いろんな形で幼児教育の展開を図るための研究であるとか調査、そういったものをしながら、それを個々の私立の幼稚園に押しつけるということではありませんけれども、いろんな形で研修等の機会などの中でそういったものをお示ししながら、一緒に私立も含めて教育の内容の向上のために、幼児教育センターの場を活用しながらやっていくというふうに考えてございます。
久保委員
幼児教育センターの場というのは、公私とか幼保とか、そういった個々のレベルではなくて、中野区独自のきちっとした幼児教育に対する指針に基づいたものをつくる、その策定をする機関でもあるということなんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
調査研究などを通して、そういった一つの方向というものも、全体としていろいろ検討していくということもあろうかと思います。
久保委員
今のではなくて、10か年の方の意見の概要ですが、6ページの61番ですけれども、「幼児総合施設の設立など、保護者の多様なニーズに応じた幼児教育・保育の機会の提供とあるが、ニーズ調査を行うなど十分な検討を行ってほしい」というのがあるんです。今までいろんな説明会の中で、区側は、多様なニーズにこたえるためにとか、また、区民ニーズとか保護者のニーズという言葉をすごく使っていると思うんですけれども、ニーズの調査というのは実際、区はなさったんですか。
小谷松教育改革担当課長
今回のこの計画と申しますか、幼稚園にかかわる部分ということで、そういった形のものはございませんけれども、これまでいろんな形で区民の方々からの御意見であるとか、あるいは関連する調査の中で、例えば次世代の取りまとめといったような課題の中でも、いろんな形での御意見といいますか、そういったニーズにかかわります調査ということもやってきてございます。そういった中で、保護者の方々からいろんな形での御意見というものもいただいてございますし、また、全体として、こういった幼児をお持ちの方の就労形態なども非常に多様化しているという現実の状況というものもございます。そういったものを踏まえる中で、いろんな形での展開、そういったものを展望していく必要があろうというふうに考えております。
久保委員
いろんな形ということばかりで、具体的にこれこれこういう調査を行いましたというところを示していただきたいと思うんですね。先ほど、次世代を取りまとめる中でということも言われていましたけれども、次世代を取りまとめる中でも、多分、幼児総合施設のためのニーズ調査ということではないかもしれないんですが、今現在就労している方、していない方も両方含めてだったんでしょうかね、あれは。未就園のお子さんを育てている方に対する区内全域のアンケートというのを行ったかと思うんですが、それは教育委員会が行ったんでしょうか。また、それは行ったとしたならば、今の次世代の取りまとめには確かに生かされたと思うんですが、幼児総合施設の設立に対するニーズというのも、その中で読み取れたということですか。
合川子ども家庭部経営担当課長
平成16年5月に、これは次世代育成支援行動計画をつくる前提という形で調査をいたしました。子育て支援アンケート調査ということで、これは未就学児の保護者の方と、それから、小学生を持つ保護者の方を分けて、同一の問題ということもありますし、それから、それぞれ独自の問いかけということもございました。その中で、いろいろ、今、幼稚園の就園の状況ですとか、それから、保育園の就園の状況、それから、どうして幼稚園等を御利用になっていない、そういった理由等もここの中でお聞きしてございます。これは子ども家庭部が行った調査ということでございます。
久保委員
今、子ども家庭部で次世代に対しては行ったということですね。いろいろな形というふうに先ほど言われたんですが、教育委員会の方としては、そういったニーズ調査というのは行ってはいないんでしょうか、具体的に。
小谷松教育改革担当課長
直接的な形で、今回のこの検討のために特別な調査を行ったということはございませんけれども、先ほど子ども家庭部の方からお話し申し上げましたような調査とか、これまでいろんな形で区の中でも調査が行われてございます。そういったものは、やはり区全体としてのデータということもございます。そういう意味で、いろんな形でそういったものも含めて、また、国とか都の中でもいろんな形でそういったものが検討されてございますので、そういった部分もデータとして活用しながら、方向としていろんなニーズ、多様化している中での対応策というものを考えてきたというものでございます。
久保委員
教育委員会が主となってそういった調査を行ったことはないということですね、今のお答えだと。じゃあ、子ども家庭部の方でもニーズ調査を行ったわけではないと思うんですけれども、未就学児や小学生を持つ保護者に対してのアンケートをとり、それを次世代に反映されたということですけれども、その中で、幼児総合施設の設立ということを検討していくようなベースになる考えというようなのはお持ちになったんでしょうか。
合川子ども家庭部経営担当課長
次世代育成支援行動計画の中で取り組みがいろいろ定まって、決めてございます。その中で、子どもたちが生き生きと学び、成長することができる教育環境を整備しますという項目の中で、幼保一元化の推進というような、そういった項目を載せて、新規拡充という形で取り組みを載せてございます。そのベースとなっているのが、今、お話を差し上げましたニーズ調査といいますか。幼保一元化施設のためのということではございません。全体でそういったニーズの中での判断ということで、こういった政策を載せてございます。
久保委員
子ども家庭部の方では、そういったアンケート調査の結果を経て、具体的に幼保一元化のためのアンケートではなかったけれども、そういった中から、区として幼保一元化施設というのを設置することが必要であるという、一つの見解を見たということなんでしょうか、そのアンケートの中から。
田辺子ども家庭部長
今、子ども家庭部で調査はいたしましたけれども、次世代育成の支援行動計画につきましては、区全体としての計画という位置付けでございまして、当然、教育委員会の事務局にも検討会に入っていただいて、区としての計画ということで御理解いただければというふうに思います。
久保委員
区としての全体の計画として次世代を考えられて、その次世代の中で、幼保一元施設の設置ということが初めて区としては上ってきたということなんだと思うんですが、ということは、それは区全体であって、子ども家庭部だけとか教育委員会だけで幼保一元施設というのを検討してきたことではないということですね。
田辺子ども家庭部長
そのとおりでございます。
久保委員
ということは、今後もこの幼保一元施設に関しては、区全体、子ども家庭部、教育委員会として、両方で検討していくということなんでしょうか。どちらかに軸足を置くというようなことは考えていないということですか。
小谷松教育改革担当課長
今回お示ししております総合施設ということにつきましては、教育委員会、それから子ども家庭部、この両部が中心になりながら検討を進めていくという体制を考えてございます。
合川子ども家庭部経営担当課長
今、教育改革担当課長の方から御答弁を申し上げましたとおり、区として、教育委員会と私どもが連携をして進めていくということでございます。
久保委員
先ほどの幼児教育センターの方にちょっと質問が戻るんですけれども、先ほど、一定の教育水準というか、そういった、中野区としての幼児教育のプログラムとか指針みたいなものをここで策定していくということを言われたと思うんですが、それは子ども家庭部が策定していくんでしょうか、教育委員会が策定していくんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
総合施設と同様に、子育て・幼児教育センターにつきましても、やはり教育委員会と子ども家庭部、非常に連携が重要なところでございます。幼稚園あるいは保育園だけとかということではなくて、幼児にかかわります全体としての調査研究を進めていきたいというふうに考えているところでございますので、所管をどうするかということもございますけれども、教育委員会、それから子ども家庭部が、ともにこの子育て・幼児教育センターの推進、それから調査研究というものは、綿密な連携のもとにやっていく必要があるというふうに考えております。
はっとり委員
今の質疑を聞いていて、ちょっと、そうなのかなということを改めて感じたんですけれども。次世代育成支援計画、その計画をつくるに当たっての調査ということが行われたというのを承知しておりますし、今、そういう御報告もありました。その調査の中から、幼保一元施設が必要だという、ニーズとしてあるという、保護者の側からそういうニーズが出てきたというようなお答えでしたよね。
合川子ども家庭部経営担当課長
幼保一元施設、総合施設が必要であると、そういったニーズを直接このニーズ調査の中でとっているわけではございません。全体のそういった状況の中での判断ということでございます。
はっとり委員
もう10年ぐらい前になると思いますけれども、地方分権推進委員会の中間報告の中で幼保の問題が出されていますよね。そこから、これまで文科省としても厚労省としても、いろんな議論、さまざまな、中教審を中心にした国の議論の中で幼保一元化ということが出てきて、そして、その流れの中で、また新たに総合施設という言い方に今変わっていますけれども、そうした流れがあって、各自治体が、幼保一元化の施設から総合施設設置に向けた取り組みが進められてきている。多くの自治体がそうだと思うんですけれども、中野区としてはそうではなくて、親の調査の中から出てきたという、そういう受けとめ方でいいんでしょうか。
合川子ども家庭部経営担当課長
当然、国の流れというのもございます。そういった中で、私ども中野区として、どういう状況の中で判断をしたらいいのかという、そういった部分では、このニーズ調査というのは一つの資料といいますか、判断材料の中にはあると思いますけれども、そういった国の流れの方向性も含めて、総合的に判断をしたということでございます。
小谷松教育改革担当課長
総合施設ということにつきましては、幼保一元化ということで随分、今、委員の方からもお話がございましたとおり、相当以前から課題になっている部分でございます。幼稚園だけ、保育園だけといった、そういった縦割りということではなくて、多様化してきている国民のそういった実情を反映するような形での一元化の方向というものは、非常に古い歴史を持っているというふうに思っております。中野区におきましても、やはりこれだけ都市化された地域でございます。いろんな形で区民の方々のニーズも多様化している中にあって、以前から課題になっていたというふうには認識しております。今回、幼児総合施設という形で具体的にその展望をお示ししたと。これについては国の方でも、所管しております厚労省と文科省の方で、いろいろ合同で研究を進めるといったような機運も出てきて、そういった国の動向も踏まえながら、中野区としても、やはりこういった総合施設というものを中野の中で展開していきたいということで、考え方の整理を図ったという部分もございます。
はっとり委員
幼保一元化という考え方から今の総合施設という言い方になった、その理由というのは、国での議論の中で、どのようにして今のような言い方になったということでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
これまでずっと幼保一元施設ということで申し上げてきたわけでございます。国の方でも検討の中で、総合施設ということで、この言葉を使ってきているわけでございます。やはり単純に幼と保を足してということではなくて、より総合的な形で、子どもの全体にかかわる、そういった施策を展開する。また、幼稚園・保育園に就園していない子どもに対しても、広く対応を図っていくといったようなことから、この幼児総合施設という形で、はっきりと用語の統一をしたというところでございます。
はっとり委員
先ほどの議論の中で、新たに設置される幼児教育センター、仮称ですけれども、その中での取り組みによって、これまで私立幼稚園に区の教育委員会として介入できなかった部分を、介入していけるような取り組みをそこで、水準という言い方もあると思いますけれども、そうしたことをつくっていくというような、そういうイメージで受けとめてよろしいんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
先ほど久保委員の質問の中にも同じような形がございましたけれども、直接、区が個々の私立幼稚園に対して、今の言葉でいえば関与していくといいますか、直接な指導をするということではございません。教育要領に示されているような形での指導ということについていえば、これは東京都の方がその役割を負うということになるかと思いますけれども、区として幼児教育センターを設立するということにつきましては、私立・区立を含めて、幼稚園、また保育園なども含めた形での、全体としての調査研究の機関ということでやっていきたい。そして、そういった調査研究を行う中で、いろんな形で幼児教育、各私立・区立ともに展開しておりますけれども、それらの中に反映できるような形で、例えば研修を通して、あるいは私立や区立の教員の交流であるとか、そういったことを通しながら、それぞれの園の質の向上を図っていきたいというふうに考えております。
はっとり委員
私立幼稚園のレベルというか、保育の質ということがいろいろ議論されております。その中で、区立幼稚園の保護者の方々とお話をする中でも、やはりそういう御意見も出てきておりますけれども、私立幼稚園というのは、私立の建学の精神というものを大事にして運営がされてきているんだと思うんですね。そこで行政として介入していく、あるいは関与していくというようなことがあっていいのかどうかということも、きちんとやはり考えていかなければならない問題だというふうに私は思っています。
私自身、区内の本当に自由保育のいい幼稚園に子どもを入れさせることができて、それは、上の子のときの失敗もあってというか、やっぱり考え方の違いというものがあって、3番目のときに、本当にいい幼児教育をやっている幼稚園にめぐり会えた。たまたまそれも、うちから歩いて行ける近いところにあったということだったんですけれども。そうした、きちんとしたレベルを保って幼児教育を行ってきている区内の私立幼稚園があるということを、そこのことを私はしっかり押さえていく必要があるんだろうと思うんですね。
その上で、やはり問題になるようなところももしかしたらあるかもしれませんから、そういうところで、区が幼児教育をしっかりと進めていく、区全体のレベルアップ、質の向上を進めていくということの取り組みの中で、私立への関与ということが必要になってくる部分もあるのかもしれませんけれども、やはりそれは最小限度、本当に必要なところでの関与ということから私は踏み出すべきではないというふうに思っているんですけれども、そのあたりについてはどのようにお考えでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
おっしゃるとおりだと思います。今、委員の方からも、私立それぞれに設立の建学の精神といいますか、そういったものを持ちながらやっているということは当然だと思います。ただ、同じいろんなカラーを持つ私立でありましても、やはり一定の幼児教育の水準を維持していくということは、これは共通の課題でございます。そのために幼稚園の教育要領というものがあり、また、東京都の方でも、そういった意味での必要な指導を行っているというものがあるわけでございます。区の方で今回提案してございます子育て・幼児教育センター、この中では、直接的な指導ということではございませんけれども、そういった幼児教育共通にかかわる部分の質をいかに向上させていくか、いろんな形で調査研究をしながら、またそれを各私立・区立を含めて還元していくという、そういうことで考えてございます。
はっとり委員
中野区が、私立幼稚園の方々と、それから区立幼稚園の方々との幼児教育に関する研究会のようなものを持っているというふうにお聞きしているんですけれども、これは23区では中野区だけが、20年近くですか、20数年になるのか。約20年そういう取り組みを行ってきたというふうに聞いているんですけれども、その研究会が行われてきた20年間の成果というものがどのようなものなのか。そして、区立にも私立にも、幼稚園の幼児教育のレベルアップをしていくに当たって、どう反映されてきたのか、生かされてきたのか。そのあたりについてはいかがでしょうか。
小林指導室長
今、御指摘の公立と私立と連合しての合同の研修会については、これまでの成果、やはり公立・私立とも、日常の教育の実践の中に生かしているというようなことでございます。具体的に、その中でどういったシステムや制度が生まれたかという、そういうことではなく、日常の実践の中に。と申しますのは、研修の主題が、やはり日常の教育実践に生かすというような、そういうような方向性でやっているというようなことで御理解いただければと思います。
昆委員
中身に入る前なんですけれども、新しい中野をつくる10か年計画のパブリックコメントの手続をして、今、いろんな意見が出されたということの御報告を受けているんですけれども、まず初めに、今後の予定なんですが、10か年計画の決定は1月末ですよね。それで、今、報告になっておりますパブリックコメントの手続結果公表というのが、2月の中旬ですよね。そうじゃありませんか。そうですよね。表の報告の一番頭に出されているんですけれども。これは本来ならば、1月末に10か年計画の決定をする前に、パブリックコメント手続の結果公表というのが行われなきゃいけないんじゃないでしょうか。そうしなければ、何のために区民からのパブリックコメントという形での意見を出してもらったのかということがわからなくなってしまうというふうに思うんですけれども、この点についてはどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
パブリックコメントの手続につきましては、計画あるいは重要な方針等の決定の最終段階の案を示した上で、一定の定まった手続によって、期間ですとか、意見の申し出方法とか定めがあるわけですが、意見を聞くものでございます。そして、今回はこういう意見が出ましたという形で御報告申し上げておりますが、この手続結果公表のときには、それについてどう考えてこういうふうな決定をしたのかということを含めて、回答つきで公表いたします。そうしますと、決定前にはどういう回答になるかということがまだ定まらないものでございますので、決定をした後、そういう決定をするに至った理由というのを改めて整理した上でお答えするということから、決定後に公表するというやり方になっております。
昆委員
それはやっぱり逆だと思いますよね。区の考え方が決まってしまう前に、区民から出された御意見に対して区はどういうふうに考えるのかということを示して、それで、最終的にこの計画がこういう形で決まりましたというならば、それはそれで区民も納得いたしますけれども、計画が決定してしまって、決めた後に、区民から出された意見に対しては区の考え方はこういうことですというふうに示していくというのは、逆なんじゃありませんか。そうは思いませんか。
金野教育委員会事務局次長
パブリックコメントの趣旨は、区の決定に関して、最終的に区民の意見あるいは区民の声を踏まえてどう考えるかということを、最終段階で決定に反映するというものでございます。したがいまして、意見を踏まえまして、今さまざま検討しておりますが、どういった形で10か年計画を定めるかという検討をして、最終的に固まるまでに、決定までの間に、パブリックコメントで出た意見にどう対応するかということを調整した上で意思決定をいたします。それ以前にということになりますと、意思決定をしない前に、こういうふうに考えますというものを出すということになりますと、なかなか難しいし、それがまた決定のときには変わってしまうということもあり得るということもありますので、決定前に、事前にパブリックコメントについて回答も含めてお示しすることは難しいというように思います。
昆委員
固まってしまったものに対して、皆さん方が、区がパブリックコメントというのをなぜやったかということですよね。それは、10か年計画に対して区民の皆さんから意見を寄せてくださいということで行ったんですよね。そこで、区民の皆さん方が一生懸命意見をお出しになっているわけだから、それに対して区の方が、意見に対しては区の考え方はこうですよと、こうでしたということを後で出して、決定は先に決めてしまうということが、それはできるんですか。パブリックコメントの手続条例等もありますけれども、それから見ても、区の今のやり方というのは何かおかしいんじゃありませんか。それについてお答えください。
金野教育委員会事務局次長
パブリックコメント手続条例及び規則で定めているわけでございますが、今、規則を見ておりますが、区長は、計画等について意思決定を行ったときは、意見の概要、あるいは意見に対する考え方及び修正内容等を公表するものとするという形でございます。決定するまでは中身は固まりませんので、仮に決定する前に公表いたしますと、またそれについての意見をいただいて、いつ決めるのかという議論になって、いつまでも決定の手続が進まないということも考えられますので、これは決定をするということに向かっての最終的な意見の聴取、手続ということから、パブリックコメントという制度があるものでございます。
昆委員
中野区のパブリックコメント手続に関する規則というのを私も持っておりますが、しかし、今お答えになったのでいいますと、意思決定を行うとともに、意見等に対する区の考え方を公表する一連の手続をいうというふうに言っているんですね。ですから、もちろん決定をするということになるんでしょうけれども、それとあわせて、意見等に対する区の考え方を公表するということですから、それは決めてから公表ということではないというふうに思うんですが。何のために意見をお出しくださいというふうに、区の方は区民の皆さん方にパブリックコメントという形でお出しになるんですか。それは区の考え方に対して、区民の意見を出してもらう、寄せてもらうということですよね。寄せてもらった意見に対して、区はどういうふうに考えるのかということを示し、それで、区の考え方を決定していくというならわかりますけれども、寄せられた意見に対する回答がなくて、もう決めましたよということになりますと、区民がどんなに意見を出しても、パブリックコメントの手続によって意見を寄せても、それは反映できない。区は何もそれを参考にしないというふうにとらえられませんか。
金野教育委員会事務局次長
10か年計画については、これまでさまざまな形で意見交換、あるいは各段階ごとの公表や意見募集をしてきたわけでございますが、その段階で、そのときにお示ししている案の内容については、こういう考え方でこういう案になっている。また意見についても、こう考えているというふうなお答えはしております。そして、最終的にパブリックコメント手続に入る前に、案という形で取りまとめをしたものについて、これでいいかどうかというふうな意見を聞く手続ということがパブリックコメントでございます。したがいまして、パブリックコメントで出たものにつきましては、最終的な計画の決定をもってお答えをすると。こういうふうに意見を聞いた上で決めました。それは、その意見を反映するというようなこともございますし、物によっては反映できないで、その意見とは違った内容で決定するということもあるかと思いますが、いずれにしてもパブリックコメントについては、それを十分踏まえた上で決定をして、決定後に、こういう理由でこういうふうに考えましたというように答えをお返しするというようなことでやってきております。
昆委員
このことで長く質疑するつもりはございませんけれども、それでは、決定に当たりまして、パブリックコメントで寄せられた意見をもとに、区の考え方を最終的に変更しましたというふうなことは、それは区民にはそういう形で、この部分は変更しましたとわかるような形でお示しになるんですか。
金野教育委員会事務局次長
これまでの計画でも、パブリックコメントで変更したものについては、ここを変更いたしましたという形で、パブリックコメントの公表のときに一緒に整理してお示ししてございます。
江田委員
パブリックコメントのことでとりあえずお聞きします。教育全般、それから幼児教育全般、区立幼稚園の廃園ということで分野が分かれているんですが、今度の区立幼稚園を廃園するということに対して、区の考えているのはなるほどわかったと、賛成だという、そういう意見というのはあるんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
今回、非常に多くの御意見をいただきました。確かに全体といたしましては、廃園をしないでほしいという御意見が多数を占めたわけでございます。ただ、いろんな形の中で御意見を伺う中には、区の示している考え方というものについても、理解できるものであるといった御意見などもいただいたこともございます。
江田委員
それはこのパブリックコメントの中でいえば、どこに当たるんですか。どれがそれに当たるんですか。
金野教育委員会事務局次長
このパブリックコメントは、提出者の住所・氏名等を明らかにして文書でいただくという内容でございます。いただいたものの中には、区立幼稚園の現在の区の考え方をそのままの形で積極的に進めてほしいという文書はなかったというように考えております。
江田委員
そういうことですね。それを1点確認しておきたいと思います。
それから、今の昆委員の質問とも関連するんですが、私は、パブリックコメントそのものが一体何の役に立つのかというのが非常に、最近になって大きな疑問になっております。これまで基本構想のときにもパブリックコメントがありましたし、最後の段階で意見を聞くけれども、その意見がどういうふうに取り入れられたのかというのは、終わった後でなければ見えてこないということになっております。同時に、今回の場合、区が区立園2園を廃園するということに対して、そのことを了とする意見は1件もなかったということだけども、それから、もっと慎重に扱ってほしいとか、区立園を残してほしいとか、そういうさまざまな意見があるにもかかわらず、ほぼ今まで、最後の段階でパブリックコメント手続をして、基本が変わったという事例は今のところないですよね。そういう中で、一体これはどういう役割をするのかというのが非常に、改めて制度そのものに疑問を持っております。
それから、こちらの別添2の方です。教育委員会の対話集会、あるいは教育委員会主催の意見交換会・説明会、こういうものをやってきたということで、これを一覧にしていただいております。その中で、先ほども何人かの委員から疑問として出されたんですが、4ページの幼児教育全般について、ここで、2のところで、「質の高い幼児教育とはどういうことか」という質問がありますね。これに対する教育委員会の答弁は、「教育ビジョンでは、幼児教育は、家庭の役割もあり、地域社会と連携しながら社会全体で進めるとした。区立幼稚園だけではなく、私立を含めた中で取り組んでいきたい」。これは、質の高い幼児教育とはどういうことかということの答弁にはなっていないと思うんですよ。中野区はこれから、より質の高い幼児教育をするためにこういう具体的な中身、こういう具体的な取り組みをしていくんだということを具体的に書かれて、初めて答になると思うんですが、ここには何も具体的なものはないですよね。これで答というふうに言えるんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
子どもを育てるということについては、いろんな場面というものがあろうかと思います。やはりその基本というものは家庭でございます。家庭の中でしっかりと子育てをしながら、あわせてまた地域社会、それから、子どもたちが具体的に通園いたします幼稚園・保育園といった、そういった施設内におけますいろんな教育の機会、そういったものがいろんな形で相乗的に効果を発揮する中で、全体として子どもとしての育ち、成長というものがあろうというふうに思っております。そういった意味で、質の高い幼児教育とはということが問われた中で、子どもを育てるそういった全体的な環境の整備、そういったこと、また、それを支えていくためのいろんな形での連携というものをこの中でお答えしたというものでございます。
江田委員
それは抽象的な言葉の羅列でしかないじゃないですか。その下の4に、「皆が区立幼稚園が必要で質の高い幼児教育を求めていると区に訴えているにもかかわらず、質の高い教育の具体的な話が聞かれない。納得いく話を聞きたい」と。こういうことに対して区が答えたのは、「幼児教育の向上については、これからは公立だけしっかりやっていれば良いということではない。もっと多くの中野区の子どもが通う私立幼稚園や子どもの減る中で役割の増えている保育園を含め、全体的な向上を図りたい」。先ほど篠委員が、意味がわからないというふうに質問なさった、こういう答になっているんですが、これも要するに抽象的な言葉の羅列なんですよ。保護者が聞きたい、区民が聞きたいのは、質の高いそういう幼児教育をあなた方が保障してくれるというのだったら、あるいはしようというのだったら、どういう手だてでそれを保障していくのかということが見えるようにしてほしい。私たちが納得いくようにしてほしいというのがここで言われていることだけども、それには何ら答えていないというふうに思うんですが、どうですか。
小谷松教育改革担当課長
ここのお尋ねの中では、区立幼稚園で質の高い幼児教育というようなことで、訴えているというような段がございますけれども、これから求められる質の高い幼児教育というものにつきましては、もちろんこれは内容的には、具体的に示されております教育要領、そういったものを踏まえながら、それぞれまた各園の中で、その園が教育を展開する中で、いろんな特色を出しながらやっていくと、そういったものでございますけれども、しかしながら、そういったことについては、これは区立だけということではなくて、子どもたちの多数を占めます私立に通う子どもたちをも含めた形の中で、やはり展開をしていかなきゃいけない。そしてまた、その教育の場というものについても、幼稚園だけじゃなくて、保育園も含めるような形での全体的な展開をしていかなきゃいけないということで、この中ではそういった形でお答えをしたというものでございます。
江田委員
教育委員会の対話集会が、よつば会とみずのとう幼稚園保護者会、2回やっていますよね。教育委員会主催の意見交換会が5回やっておられる。その他、団体からの要請ということで1団体と。こういう形で対話集会なり意見交換会はやってはいると。やってはいるけれども、父母が、保護者が、参加者が聞いたことに対しては、納得のいく答えが得られていないと。抽象的な言葉の羅列で終わっているというのが実態じゃないでしょうか。これ、ほかのところ、今、二つ事例を挙げましたけども、どれを見ても同じような中身になっているように思うんですよ。区立幼稚園をなくさないでほしいと。質の高い幼児教育をやっている、そういうものをもっと大事にしてほしいということに対しても、言葉の羅列だけで終わっているから、何も保護者の方々は納得もできない、理解もできない。それで、時間が1月末を迎えて、区長の決裁ということになってしまうと。これでは単に皆さんは、住民説明会をやりました、保護者への説明をしましたというアリバイづくりとしか思えないんですが、そういう性格のものになっているというふうに言わざるを得ないと思うんですが、どうしてもう少し中身を保護者と一緒に協議して、お互いが納得のいく方向を見出そうとする姿勢が出てこないのか。私はそれが本当に残念でしようがないんだけども、その点についてはどのように考えておられますか。
小谷松教育改革担当課長
意見交換会ということにつきまして、私どもの方で説明する内容について、いろんな御質問、あるいはそれに賛成・反対等の御意見をいただくわけでございます。基本的にはやはり、その時点で私どもの考え方というものをしっかりと御理解いただきたいし、そういった意味でのやりとりということになるかと思います。ただ、しかしながら、いただいた意見については、それに反論するだけで、その場で終わりということでは決してございません。また、いただいた意見をきちんとそしゃくするということも含めて、検討していきたいというふうに思ってございますけれども、ただ、やりとりの場でいただいた意見に対して、それはごもっともですと。じゃあ、わかりました、このように変更しますという形での御回答はできないわけでございます。その時点での教育委員会としての考え方、区の考え方というものでいろいろやりとりをするわけでございますので。そういった中では、確かにその場での不満といったような形で残るということはあるかと思いますけれども、しかしながら、それはそのまま聞きおくというような形ではなくて、いただいた御意見については、ここにございますとおり、きちんと持ち帰った上で、どういった意見が出たかということで整理を図って、その中で今後のさらに検討を進める上での素材としているものでございます。
江田委員
そうおっしゃいますけど、例えば父母から出たこういうものについては、とても大事で、我々もまだそこら辺については十分詰め切れていないから、それはさらに検討していく課題とか、そういうふうな、あるいは保護者の方が納得いくような、そういう取り組みをこういう形で保障していこうとか、そういうものはどこにも見当たりませんよね。10月17日の文教委員会に、みずのとう幼稚園とやよい幼稚園、2園を廃園しますということがたしか報告になったと思うんですが、その後に当該の幼稚園に対して、28日でしたか、説明会が行われると。それから、本当に、1月末が区長の決裁ですから、その間に議論しようにも、あるいは皆さんと一緒に共通の土俵をつくるための努力をしようにも、努力ができないような時点でそういう発表をして今日に至っていると。こういうさまざまな意見が出たとしても、答弁を見る限りは抽象的な言葉の羅列で、いかにもこの計画で納得してくださいと。後は一生懸命やりますから、信頼してくださいという、そういうやり方でしかないじゃないですか。これで何回対話集会を開き、意見交換会を開いたとしても、お互いが理解できる土俵というのはつくれる保障がない。保障がないどころか、あなた方は結論をつくっているわけだから、その結論を導くための、あるいは納得させるための集会だから、一致点が見出せるはずがないというふうに思うんですが、その点について最後お聞きしておきたいと思います。
金野教育委員会事務局次長
まず、先ほどから、まとめ方についての御意見をいただいておりますが、質の高い幼児教育、この質問に対する答えですと、もっといろいろ幼児教育の意義などを述べるべきだというようなことは、私も考えます。しかし、そういうことについては、この委員会に報告しました、例えば区立幼稚園の再配置についての案などの中では記述しておりますが、こうしたやりとりの中では、非常にその部分については簡潔に答えざるを得ないというような状況で、資料のまとめ方という制約もございます。
また、もう既に結論を出して、意見交換会あるいはパブリックコメントはむだではないのかというような御意見でございますが、そうではございませんで、私ども、さまざまに出た意見、それから、パブリックコメントで出された内容を踏まえまして、今、どういった形で10か年計画を最終的に考えていくべきかと。今までの提案の内容そのままでいいのかということを含めて、さまざまな検討・協議をしております。そうした中で結論を出したいというように考えております。
江田委員
今の次長の答弁は、私は納得できません。今、パブリックコメントと、それから説明会の報告ですから、具体的な中身については後でまた質疑をしたいと思います。
篠委員
先ほどは質問するつもりじゃなくてしましたので、ちょっともう少し深く。11月の時点で10か年計画の案を出されたわけですが、幼保一元施設というのが幼児総合施設という名前で出されて、我々もそれで検討したんですが、今の答弁の中にも、国についての動向、いろいろ我々も動向について文教委員会でお示しいただいてはいるんですが、この審議会というのはどこに属する審議会なんでしたっけ、国の。
小谷松教育改革担当課長
どこの審議会に属するかといいますと、総合施設についてはいろいろ合同で検討してきたというところがございます。文科省の方にかかわります中央教育審議会、それから、厚労省にかかわります社会保障審議会、それぞれの部会が合同で総合施設についていろんな検討を進め、考え方の整理を図ってきたということでございます。現在はそれに基づきまして、両省、厚労省及び文科省の方で、総合施設の設立に向けた形での法案の検討がなされ、今国会で関連法案が提出されるというふうに聞いてございます。
篠委員
今年度中に法整備がされるという、そういうものだとは、文章でも、ここにも書いてあるんですが、ただ、お母様方とお話の中にも、文科省は、私も議会で何回も言うんですが、3歳児保育は神話であるという、まさに本当に神話なんだというふうに、軌道修正しているんですが、文科省に対して厚生労働省は、働く女性の支援という方針を変えたとはとても思えない。3歳児保育は日本で築き上げた英知ではない。単なる神話であるというスタンスで今まで行動してきているわけで、お母さん方も勉強して、その辺のところまでお話の中に出てきたりもしたんですが。まだ法整備ができていないので、最終担当省はどこになるかというのはわからないんですが、東京都はどういう立場に立たされるんですか。
小谷松教育改革担当課長
今回予定されております法整備の中で、これまで明らかになっているものにつきましては、総合施設の認可ということについては、都道府県が認可を行うというような方向でまとまるというふうに聞いてございます。したがいまして、私立にしろ、あるいは公立にしろ、そういった形で総合施設を開設するということになりますと、具体的には都道府県知事の認可というような形になると思っております。
篠委員
幼保一元施設という方が至ってわかりやすかったんですが、総合施設というのは、これはやはり国の流れを受けて名前を変えてきたんでしたか。
小谷松教育改革担当課長
これまでは確かに幼保一元施設というようなことで言ってまいりました。しかしながら、国の方でも非常に法整備に向けての検討も詰まってきております。そこの中で総合施設という名称を使ってございますし、やはり私どもの想定しております幼保一元施設につきましても、国の検討の結果を待って、その姿が明らかになったところで、しっかりとそれを踏まえた形で展開していきたいというふうに考えてございましたので、ここで幼児総合施設という形で、その名称をしっかりととらえたと、統一したというところでございます。
篠委員
子育てにかかわるお母さんも支援したいという内容が盛り込まれることは十分理解できるんですが、少ない人数だと思うんですが、幼稚園にも保育園にも行っていないお子さんについても、しっかりと相談窓口をあけているという施設を称して、総合施設というんではないんでしたか。
小谷松教育改革担当課長
総合施設ということにつきましては、一つは、親の就労形態等にかかわらず、幼稚園・保育園といった区別がなく、幼稚園・保育園の両機能をあわせながらやっていく。それから、もう一つの特徴といたしましては、今、委員の方からお話がございましたとおり、地域に開かれた形で、具体的にこういった幼稚園・保育園、あるいは総合施設などに通園していない地域の子どもたちに対しても、いろんな形での交流、相談、支援といったものを行っていくという、そういった役割というものもこの中に含まれている。そういった機能も期待されているというものでございます。
篠委員
視察対象になったあるいは足立のように、文書整理、審議の経過が見えるような形の資料も出されたんですが、やはり法整備がされれば、そういうところも払拭されるんだとは思うんですが、お金追求型にどうしても民間というのはなる可能性を十分秘めているわけですよね。それがまた、お父様、お母様のニーズにフィットするときもあるんですが、かなり理想の方向を幼保一元施設というのは追ってきますので、その中で、公立じゃないと無理じゃないかなというような部分は残らないという確信があるかどうか、それだけちょっとお聞きしたいと思います。
小谷松教育改革担当課長
今、中野区として考えております総合施設につきましては、やはり民間の力というものを引き出す形でやっていきたいというふうに考えてございます。民間だから、私立だから、教育の質が劣るというようなことは決して考えてございません。公立だろうと私立だろうと、幼稚園の教育要領、また保育所の保育指針、それを踏まえて一定の幼児教育、保育に当たっているわけでございますので、決して公立だから、私立だからという、そういった格差というものは、それぞれに努力をして運営に当たっているというふうに私どもの方はきちんと認識してございます。
篠委員
それで、我々も審議の中で、また区の全般的な動きの中で、3,000人体制から2,000人体制へということで、区の役割の限界というものを十分認識しながら行動をとらなきゃいけないわけですが、そういった中にあって、かじ取りが相当しっかりしたものでなくてはいけない。例えば民間に任せるといっても、完全に任せちゃって、やはり苦情はどこに持っていったらいいんだというものが必ず残るということは、どなたでも理解できると思うんですね。指定管理者制度についても、地域の強烈な意見が出たときに、やはりしっかり受けとめられるかどうか。あるいはまるっきり民間に任せちゃった場合においても、その受け皿があるかどうかということは大変大切なことであり、嫌ならやめればいいだろうというのが民間であるというようなのは、ちょっと乱暴に思うんですが、事教育に関しては。その辺はどんな見解を持っていらっしゃいますか。
小谷松教育改革担当課長
基本的には、区で目指しております幼児総合施設ということについては、民間の力でやっていきたいというふうに考えてございますけれども、ただ、具体的な形でどういうふうに展開していくかというものにつきましては、もう少しきちんとした形で検討していければというふうに思ってございます。完全に民営化という形で、100%の民設民営という考え方もございますし、先日、品川区に視察に参りましたところ、あちらは公設民営といったような形でございます。いずれにいたしましても、民間のできるだけ活力といいますか、そういったものを引き出しながら、それをベースにしながら、いろんな形態、考えられる部分もあるかと思いますので、これからの検討の中でいろいろ踏まえながらやっていければというふうにも思ってございます。
北原委員
まず、意見交換会が開かれていたわけですけれども、この意見交換会の中に区側から、教育委員会側から資料として提出された中に、誤りはありませんでしたか。区立幼稚園に関する近隣私立幼稚園の状況についてという資料が、意見交換会の資料として提出されていると思いますが、その中で誤りはありませんでしたか。
小谷松教育改革担当課長
保護者の方々と意見交換した中で使用した資料というものにつきましては、その時点で十分調査を行い、作成を行ったものだというふうに思ってございます。
北原委員
現在も、先ほどもありましたけど、区内の幼稚園の中で1キロメートル以内と、みずのとう幼稚園の場合ですけれども、それから、1.5キロメートル以内の中での私立幼稚園の数、この辺には誤りはありませんか。それから推定の就園率、これについてはいかがでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
意見交換会の際に提出したみずのとう幼稚園にかかわります私立幼稚園の設置状況ということで、確かに園としてはあるんですけれども、たしか途中で園児の募集停止を行ったという幼稚園が含まれているということがございます。
北原委員
その募集停止しているという園も園の中に含まれておられたように、資料の中に入っていたように思いますが、それはいかがでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
当初お配りした中では、確かに途中から園児の募集を停止するという幼稚園は含まれております。
北原委員
どうも現状の、それから、今後想定される園の動向など、教育委員会の方はしっかりした調査を行っていないように思われるんですね。それから、推定就園率も大変実態とかけ離れて、極めて大ざっぱな、50%だとか60%だというような数値を示されておるわけですよ。こういう資料が意見交換会の場所で提供されていくということは甚だ問題でありまして、まじめに中野の幼児教育の将来を考えていくときに、これは区立・私立を問わず、保護者の方たちというのは大変不安になるものだと思いますね。その辺で、このデータにつきまして、改めて教育委員会として資料の作成をするというお考えはありませんか。
小谷松教育改革担当課長
近隣私立幼稚園の状況といったことにつきましては、私どもの方でも、各園詳細にわたりまして調査を行ってございます。ただ、言えることは、私立幼稚園のこういった就園率といいますか、言ってみれば、ある意味経営状況等にかかわる部分でございますので、個々の園についてそれをお示しするとかということについては、なかなか難しい部分がございます。とりわけ区外などにつきましては、やはりそういったところもございまして、公な形でそういった情報というものは公開してございません。したがいまして、ある程度のこういった形で、ここでは推定就園率という形で、数字を一定程度整理を図った中でお示しをしたというところがございます。
北原委員
これは保護者の方が大変熱心に調査をされまして、私どものところにも届けられた実際の就園率があります。これと、教育委員会のいろんな御事情があって、50%、60%という、まさに推定中の推定というのを出されたと思うんだけれども、余りにも実態とかけ離れ過ぎると思うんですね。これは保護者の方が調査されて出てきた数値があるのに、教育委員会がやる気があってできない調査ではないと思いますよ。もう一度お答えをお願いします。
小谷松教育改革担当課長
先ほど申しましたとおり、私どもの方も個別に園の調査を行ってございます。その中で、きちんとした数字というものは把握はしてございます。ただ、しかしながら、先ほどちょっと申しましたとおり、各私立園について具体的な数値を公表するということは、やはり非常に難しい場面もございます。その意味で、全体として一つのこういった、1キロ以内とか1.5キロ以内というような形で、数字として整理を図って、一つの目安という形でお示しをさせていただいた部分もございます。
北原委員
一つの目安として50とか60とかという数値が出ているということですね。そうしますと、これは、教育委員会からの調べた推定の就園率は、50、60というのはほぼ実態に近いという数値であると理解していいんですか。
小谷松教育改革担当課長
この資料を作成した時点におきまして、私どもの調査の中で、そういった個別のものを累計したものとして、一定の数字として出してきたというものでございます。
北原委員
じゃあ、このところはちょっと置いておきましょう。
それから、もう一つは、先ほどの別添の2の方のところで、保育料の負担についてお伺いいたします。ここで、公私格差をなくすというが、どのように進めているのかということに対しまして、区の方として、「私立と区立の保育料負担を同水準にする方向で検討している。区立の保育料改定と私立の保護者補助金の増額を考えている」というふうにお答えになっておりますけれども、私立と区立の保育料負担を同等にするんですか、これ。
竹内保育サービス担当課長
保護者負担金につきましては、片や区立幼稚園の保育料、これが私立と比べて極めて低いというような状況になっています。その分、税等で負担しているということになりますので、それの増額ということが一つ考えられます。それに対してまた、私立の幼稚園に通われている方々については、私立園の平均しますと高い保育料を支払っておりますので、それに対して、保護者に対しては補助金を出しておりますので、これの増額というようなところを考えておりまして、それが、その両方を合わせたものがある一定のところで均衡をとるということが、基本的には目標になっていくのかなというふうに思ってございます。
北原委員
同等というのが、私なんか個人的に考えますと、何か少しおかしいんじゃないかなという気がするんですね。やっぱり公立と私立というのはそれぞれ役割があると思いますので。もちろんそれは理想ですよ。理想でこうなるのが、もし中野がこれを目指すということであれば、それは一つの選択肢ではあると思いますけれども、実際にこういう財政的な支援をされて、中野区の財政がもつのかどうか。全体的な区のバランスの中で、子育てだとか、保育料とかの中で、区財政の財政スキームの中で本当にこれが実現できるのかどうか、もう一度お聞かせいただきたいと思います。
竹内保育サービス担当課長
それはどこで均衡点をつくるかによるのかなというふうに思ってございます。今、委員のおっしゃった御心配というのは、かなり私立幼稚園に行っている皆さんに対する保護者補助金の方を大きく引き上げるということになりますと、それはその分だけ区としての負担が大きくふえるということになります。そこら辺では、やはり区としての今後の財政見通しも含めたことも考えた上での均衡点というのを探していかなくちゃいけないというふうに思ってございます。
北原委員
3時になりますので、最後にさせていただきます。
例の10か年計画の案の中で、質の高い幼児教育、保育の実施というところで、ステップ1、ステップ2、ステップ3と来ますね。この中で、ステップ1の段階で、区立幼稚園の再編計画の策定、廃止園の3歳児募集停止。(やよい幼稚園、みずのとう幼稚園)というふうに記述されているわけですけれども、極めて、今回もそうなんですけれども、先ほど篠委員の方も質問されておりましたけれども、幼児総合施設ですか。これが中野区としてどういう形を目指しているのかということも余り明確にされない中で、なおかつ説明会に対しても、先ほどの提出した資料においても、かなり精度に欠けているんじゃないかなというところを踏まえまして、このステップ1、ステップ2という段階で、これについて改めて検討する必要があるというふうに私は考えますが、いかがでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
10か年計画そのものにつきましては、今月末決定をしていきたいというふうには考えてございます。ただ、今、委員の方からお話ございました、確かに幼児総合施設、どういう見通しを持って、どんな内容で、あるいは運営方法という、これは先ほど篠委員からのお尋ねにもございましたけれども、どういった施設内容、運営にするのか。あるいは、幼稚園から総合施設へ転換を図っていく。どういった施設を目指して転換を図っていくのか。そういったプロセス、そういったものも含める中で、やはりきちんと検討すべき課題もあるというふうには考えてございます。そういったものももう少しきちんと検討した上で、10か年計画への見通しというものもその中で示していければというふうに思って。いずれにいたしましても、計画策定までもう少し検討を要する課題はあるというふうに思っております。
金野教育委員会事務局次長
現在示しております10か年計画(案)の各ステップの考え方及び記述につきましては、さまざま出されました御意見を踏まえまして、考え方の変更、記述の変更を含めて検討しているところでございます。
委員長
じゃあ、3時になりましたので、一たん、報告の途中でありますけれども、休憩します。
(午後3時04分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後3時22分)
休憩前にさかのぼりまして、質疑を。
久保委員
先ほどパブリックコメントの件で、江田委員の方から、パブリックコメント案というのがまるで生かされないかのような御発言があったんですけれども、私は、小・中学校再編計画のときに、パブリックコメント案を受けてからの修正などがあったというふうに記憶しているんですけれども、きょう傍聴者の方もたくさんおいでになりますので、せっかくここまでパブリックコメントですとか、いろんな意見交換会で意見を出してきたことが、まるで区の方に反映されないかのように受け取られてもいけないと思いますので、過去にそういったパブリックコメントを反映したことがあったかどうかだけ、まずお答えください。
小谷松教育改革担当課長
今、委員の方から学校再編のお話をされましたけれども、最終的に意見交換会、あるいはパブリックコメントの手続、そういった段階を経て考え方を変更したというものは、今の学校再編の中でも、一部通学区域等、若干変えた部分もございます。組み合わせを変えたとか、そういうことではないですけれども。そういった意味で、今ここに出てございます幼稚園にかかわりましても、多くの御意見をいただいてございます。先ほど次長の方からも御答弁ありましたけれども、いただいたパブリックコメント、また、これまで積み重ねてきました意見交換会でお寄せいただいた意見、そういったものを十分しんしゃくした中で、最終的な区としての決定を行っていくというものでございます。
久保委員
ありがとうございました。
新しい中野をつくる10か年計画の策定状況についてということなんですが、先ほど北原委員の方からも質問がありましたが、今後の予定としては、1月末に決定をされるわけですよね。今、パブリックコメント等も受けていて、十分に今後、今まで私たちに示されていた(案)というのが取れて、決定段階までには変更が生ずるというようなふうに、今までの御答弁だと感じたんですけれども、実際には決定までの間に変更される予定なんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
いろんな御意見をいただいてございます。そういったものも十分検討した上で、1週間ほど後になるかと思いますが、今月末に決定をしていきたい。その決定の内容については、まだこれからさらに検討を深めなければいけない部分もございますけれども、いろいろ総合施設の展望であるとか、あるいはそれに向けてのできるだけ円滑な転換等を図っていくといったことも含めて検討した中で、計画を決定していきたいというふうに思っております。
久保委員
新聞発表で、幼保一元施設の命名、認定こども園というようなことも出されていました。先ほども、幼児総合施設の考え方ですとか、いろいろ質問が出ていましたけれども、こういったところも確認をしながら、例えば幼児総合施設の検討・準備というような言葉が、認定こども園の検討・準備とか、具体的に大きく名称等も変わっていくというようなことも考えられるんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
認定こども園ということで新聞などに出てございましたけれども、まだ具体的に国・都からそういった内容で通知をいただいてございませんので、まだマスコミ情報だけでございますので、そういった部分に踏み込んでということはちょっと難しいかと思いますが、ただ、考え方として、幼児総合施設ということにつきましては、これから法案なども国会に提出されますでしょうし、また、その法案の決定を受けて、いろいろ認可等の具体的な基準等も明らかになってくると思います。そういった中で、やはり区としても、そういったものを踏まえて、きちんと整理を図っていく必要があろうというふうに思ってございますので、それらの検討などもさらに詰めて、具体的な形で総合施設の姿というものを明らかにしていかなければならない。そういった検討という形で深めるということも、きちんと計画を決定するに当たっては十分踏まえていかなければいけないというふうに思っております。
久保委員
今のお話はすごく長いスパンのような感じで。私が今伺っているのは、1月末に10か年計画を決定するまでの間に、こういった部分で、例えば今の認定こども園ですとか、そういったことが、その段階ではきっと確認がとれるようなものではないと思うんですね。総合施設の内容なども明らかにはならないではないかと思うんです、1月末までに。ということは、そこのわからない部分は抜きにしておいた上での、とりあえずは1月末には10か年の計画を策定しなければいけないということだと思うんですが、その範囲での変更というのはどの程度考えていらっしゃるんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
確かにこれからいろいろな形で明らかになってくる部分が大きいかと思います。また、区としてどういった形で総合施設を展開していくかということも、きちんとお示しするような形で検討を深めなければいけない部分もございます。そういったところを、今月末に計画は予定どおりきちんと決定をしていきたいと思いますが、その中で、どういうふうな今後の見通し、検討過程を持つのか、そういったものも含めながら、計画決定に向けてさらに、もう少しきちんとした形で検討を進めてまいりたいというふうに思います。計画決定のための検討をさらに深めたいと思っております。
久保委員
検討を深めるということですけれど、あと1週間ですね。その間に文教委員会は開かれないかと思うんですね。ということは、きょうが決定までの間の最後の委員会なわけなんです。今からこの1週間で大きく変わるということではなくて、今の現時点で、何か変更として示さなければいけないと思われているようなことというのはないんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
教育委員会でも、また計画決定までにもう一度開催しますので、その中でも議論しなければいけないと思いますけれども、まず、総合施設のあり方ということにつきましても、やはりきちんとした形で、どういうふうな展開をしていくのか。先ほどちょっと篠委員の方からもお話ございましたとおり、運営形態であるとか、そういったものも含めた中で、やはりその方向というものも目線に入れなければいけない。また、そういった形で総合施設のあり方というものが定まってくれば、当然それに向けて、そのために現在の幼稚園を転換していく、そのプロセス、そういったものも明らかにしていかなければいけないというふうに思います。10か年計画を確定していく中で、今後どういうふうな道筋をたどるべきなのか、そういったところをきちんとお示しできればというふうに思っております。
久保委員
先ほども北原委員の方からも、意見交換会等で出されている資料に誤りはなかったのかというようなこともございましたけれども、一貫して区の方は、私立幼稚園を補完するという設立当初の目的を果たしたことなどから、2園を廃止しますというように言われているんですよね。さっき言われたような、資料がもし誤りがあったとするならば、そもそもの前提自体が崩れてしまうのではないかと思うんですね。例えばそうだった場合は、乳幼児のための多様な保育や教育機会の充実というところの文章の部分がありますが、そこも変更になる場合があるのか。また、幼児総合施設のあり方においては、幼稚園の今後の転換をしていくプロセス等も変更しなければいけないかもしれないということだと、ステップ1、区立幼稚園の再編に伴う廃止園の3歳児募集停止という、そもそもこれが発表になったことによって、今回さまざまな陳情が出てきているのだと思うんですが、そういった部分も見直さなければいけない、もしくは転換をしていくということも考えられるということですか。
小谷松教育改革担当課長
計画決定の中で、お示ししておりますけれども、3歳児につきましては、来年度以降の募集を停止すると。その上で廃止を行って、必要な工事等を行った中で、総合施設へ転換していくんだということでございますけれども、そういったものも一つの選択肢として、さらに総合施設のあり方、そして、それに向けての円滑な転換の方向、そういったものも含めて検討を進める必要があろうというふうに思ってございます。そういった中で、10か年計画の中でどういう形でお示しできるか、それを、非常に時間が残り少ないということはございますけれども、きちんと検討を踏まえた中で明らかにしてまいりたいと思っております。
金野教育委員会事務局次長
ちょっと私の方から補足させていただきます。
私どもが意見交換会で配りました推定就園率等のデータが、きょう陳情に合わせて配付されたものと異なっておりますが、私どもの方では、一つは、ある募集を休止するということで4月から対応しようと考えている園を含めるかどうかということで、まず数字の違いがあるのかと思っております。私ども、その園に直接問い合わせをいたしましたところ、休止をするということではあるけれども、そのまま廃園というふうな予定ということではなくて、再開を考えているというようなお話もいただいておりますので、この園は含めるべきだというふうに入れまして、それは資料のつくり方の問題だと思います。
それから、このもとになる私どもの数字でございますが、中野区内の幼稚園については、すべて学年ごとに定数及び就園児を把握しております。また、他の自治体につきましても、基本的にはその自治体から詳細な就園率をいただきましてやっておりますが、中には1区、具体的に区全体としての統計は出せないということでございましたので、そこにつきましては個別に、その園に問い合わせをいたしまして数字をいただいたというようなものでございまして、私どもとしては、この数字、確信を持って出したものでございます。
久保委員
今の次長じゃなくて、その前の課長のお答えで伺いたいんですけれども、先ほどのお話ですと、廃止園の3歳児募集停止というのも、変わってしまうかもしれないようにも聞こえるんですね。そうなりますと、今ここに出されている10か年計画の案というのは、物すごく大きく、この部分に関しては変更されてしまうのかなと思うんですけれども。そこが本当に大きく変わってしまうのであれば、これから行う陳情審査なども全く様子が変わってしまう場合もありますし、まして今後、この計画決定までの間には文教委員会はないわけです。教育委員会は開かれるとおっしゃいましたけれども、文教委員会としての審査はありません。それで、今、具体的なことが何も言われずに、このまま陳情審査をするというのは、まず不可能なのではないかと思うんですが、陳情にまつわる部分での変更ということもあるということですよね。
小谷松教育改革担当課長
今、委員お話がございましたとおり、計画決定に向けて、もう少しきちんとした形での検討をしていきたいというふうに思っております。その中には、今、委員の方からちょっとお話がございましたけれども、今お示ししている、先ほどちょっと申しましたとおり、とりあえずは3歳児の募集を停止した上で、経過を置いて幼稚園を廃止し、しかる後に必要な改修等を行って、総合施設を設置していくんだという、そういう見通しをお示ししているわけでございますが、総合施設のあり方、全体としてのあり方、またそれに向かって、現在の幼稚園をいかに転換を図っていくかといった部分なども含めて、計画決定までの間にそういった見通しというものをきちんと詰めていきたいというふうに思ってございます。今の段階でどういう形でということでのお話ではございませんけれども、1月末決定する計画決定に向かって、そういった部分も含めてさらに検討した上で、その後の展開をお示しできる、そういった計画の内容にしてまいりたいというふうに考えてございます。
江田委員
先ほど、私の具体的な名前で、学校の統廃合問題、適正配置問題についての質問がございましたので、その部分についてちょっと質疑しておきたいんですが。何点か変わったという答弁がありましたけども、具体的に変わった点、たしか2点だったと思うんですが、どういう点が変わったか、お答えください。
思い出せなければ、私の方から言います。2点です。一つは、啓明小学校の学区域が変わったんですね。環七を挟んで北原の学区域に一部入っているものを、その学区域を変更するかどうか。一たんは変更しないというふうにしたけども、区民の意見で変更するとした。最後の段階で、やっぱり変更しないと。二転三転して、またもとに戻したという、これが一つの経過ですね。それから、もう一つは、中央中学校にまつわる文言修正がありました。この2点なんですよね。
私が申し上げたのは、区民のさまざまな要望が出されて、パブコメが行われていくけども、基本的な部分については変わることなく、いろんな意見が出たとしても、そのままいってしまうと。それが今のパブコメの現状ではないかというふうに申し上げておりました。したがって、小・中学校の統廃合問題での最終的に何点か変わったというふうにおっしゃったけれども、それは、二転三転したり、あるいは文言修正だったりという、その程度のものだったということを申し上げておきたいと思います。
それから、もう1点、今、非常に大事な答弁が久保委員の質疑の中で出てきたんですが、これから1週間ですよね、区長が最終的に決裁の判こを押すのは。そういうわずかな時期だけれども、公式な答弁として、3歳児の募集停止を1年延ばす可能性もあるという答弁が今出されたと思うんですが、それはどの程度の、教育委員会の事務局部内で、そういう方向でいこうというふうに意思確認された答弁なのか、そこら辺をお聞きしたいんですが。むしろこれは次長の答弁をいただきたいと思うんですが。
金野教育委員会事務局次長
今、事務的に教育委員会内部にとどまらず、区全体の中でも、幼稚園の部分の10か年計画の考え方については調整を図っているところでございます。そうした中では、現在の10か年計画の表示は、ステップ1で廃止園の募集停止というふうに、非常に明確に方向性を定めているわけでございますが、それについて、10か年計画上さまざまな形が考えられるように、計画としては、そこまでかたく縛ってしまわないというような考え方が一つあるのかというような議論をしております。それから、次の幼児総合施設の移行につきましても、現在のところ、これまでの考え方では、かなり具体的なイメージを持っていたわけですが、もう少し幅を持たせた検討も必要ではないかというような議論もしておりまして、そうした中では、その考え方が是とされれば、10か年計画の表現についても、それに沿って修正をしていくということで考えたいというふうに思っております。まだ今、協議中の内容でございますので、具体的にこうするということは確定しておりません。
江田委員
非常に重要な部分なんですよね。陳情審査との絡みでも極めて重要な部分ですよ。例えば1年間それが延期されるということであれば、1年間かけて何ができるのか。例えば改めて審議会をつくって1年間検討するとか、そういうゆとりが出てくるわけですよ。だから、もし皆さんが教育委員会の事務局内部でそういう方向がある程度見えてきているとすれば、むしろそれはこれにかかわる報告事項として、皆さんから報告があってしかるべき内容ではないかというふうに思うんですが。わざわざ委員から聞かれなければ、そういう重要な部分が答弁として出てこないというのは、いかがなものかと思うんですが。そこら辺はどのようにお考えになっているんですか。
金野教育委員会事務局次長
この間、区民とのさまざまな形での意見交換会、パブリックコメントをしておりまして、その中で出た意見について、どういうように我々で受けとめて対応していくべきかということで、いろんな議論をしております。そうした中で、今申し上げましたように、少しこれまでの考え方を、枠をきちっと固めて、またその方向についても、これでいくというような形で計画上固めてしまわないで、もう少し幅を持たせた議論を計画ではしておくべきではないかと。その上でまた実施については、改めて具体的な実施をどうするかというようなことも進めていくべきではないかというふうな議論をしております。まだ考え方としてまとまった形で論議された、あるいは教育委員会の協議を経たというような形まではいっておりませんので、そういったことも、これまでの意見、それから、パブリックコメントで出された声などを踏まえると検討する必要があるということから、検討しているというものでございます。
江田委員
じゃあ、最後にしますが。それはパブコメで出された意見とか、あるいは、先ほど私、教育委員会の対話集会や意見交換会、こういうものが生かされていないじゃないかという質疑をしたんですが、こうした区民からの意見、保護者からの意見を踏まえての検討ということで理解してよろしいんですか。
金野教育委員会事務局次長
そう考えていただいて結構でございます。
はっとり委員
今、いろいろお話を伺っていたんですけれども、ステップ1に書かれている質の高い幼児教育・保育の実施というところ、その実現に向けてのステップですけれども、幼児教育・保育推進のための仕組みの検討とありますね。これは、具体的に仕組みというのはどういうことなんでしょうか。これはすごくこの2行だとわかりにくいんですけれども、幼児教育と保育の連携をしていくための推進の仕組みではないのかなと思うんですけれども、このあたりお考えをお聞かせいただきたいと思います。
合川子ども家庭部経営担当課長
この幼児教育・保育推進のための仕組みの検討というのは、次のステップ2でございます(仮称)子育て・幼児教育センターの開設ということがございます。主に子育て・幼児教育センターの開設に向けて、その総合的ないわゆる役割ですとか、あるいは中野の幼児教育のあり方、こういったものを含めて、この仕組みの中で検討していきたいというふうに考えてございます。
はっとり委員
そうすると、具体的に取り組みを進めていくという、プログラムという意味ではなくて、もっとその前の段階の仕組みということでよろしいんでしょうか。
合川子ども家庭部経営担当課長
そのとおりでございます。
はっとり委員
それから、その下に私立幼稚園の預かり保育の拡充とありますね。預かり保育の現状といいますか、実態、現在はどのようになっているんでしょうか。
合川子ども家庭部経営担当課長
現在、私立園22園ございます。いろんな意味で、早朝の預かりですとか、あるいは長期休暇の預かりですとか、いろんな場面がございますけれども、それら全部含めますと、22園中21園が今預かり保育をやってございます。ただ、そうはいっても、全体を通じてといいますか、場面場面の預かり保育という意味では、まだまだ御協力をいただく部分がたくさんあるのかなというふうに思ってございますが、そういった意味での拡充を図りながら進めてまいりたいというふうに、そういったことでございます。
はっとり委員
場面場面でというのは、時間帯も含めた場面場面という意味ですか。
合川子ども家庭部経営担当課長
そのとおりでございます。
委員長
それでは、本報告については終了させていただいて、先ほど保留いたしました第137号陳情及び第144号陳情から第154号陳情の計12件を一括して議題に供します。
これより本件に対する質疑を行います。
質疑はありませんか。
小串委員
きょう改めて、子ども家庭部の理事者の皆さんには御出席をしていただき、本当にありがとうございます。本来、この陳情審査を行おうとするならば、やっぱり教育委員会だけでは、なかなか我々が質疑をしにくい部分というのが従来ありまして、特に今後のまさに幼児総合施設なるものを含めて、幼児行政というのかな。教育というと、こっちだけのということになっちゃうと困るんだけど、広い意味での幼児教育行政というものをどう当区として担っていこうとしているのかというところを、時間がありませんので、暫時お聞きをしてまいりたいというふうに思いますけれども。
まず、改めて、幼児教育、広い意味での、幼児行政と言った方がいいんでしょうか。現在の教育委員会と子ども家庭部の分担について、子ども家庭部としてはどのように認識をされているのか、まずこの点をお聞きしたいと思います。
合川子ども家庭部経営担当課長
現在、いろんな形で私ども、補助執行という形で業務を担当してございます。教育本体、中身につきましては教育委員会という、そういった仕切りの中で、私ども、経理ですとか、そういった環境整備の部分等を補助執行という形で担当してございます。そういった意味では、その中で私どもも教育委員会と連携・協力をしながら、幼児教育という全体像を共通にしながら行政を進めていきたい。そういったことで努力をしているというところでございます。
小串委員
私の方の聞き方が悪かったかもしれませんけれども、要するに今の課長さんの答弁は、区立幼稚園のことに関してですよね。そうじゃなくて、広い意味で、保育園もありますよね。私立の幼稚園もありますね。公立の幼稚園、私立の幼稚園、保育園、それを総合して考えた場合の全体としての役割分担という意味でお聞きしているんですよ。そういう観点からちょっと御答弁していただきたいですね。
竹内保育サービス担当課長
幼児教育という場合において、決して幼稚園において行われているものだけではないというふうに私ども認識しております。保育園においても同様に幼児教育といったものを、保育の中で教育を行っているというふうに考えておるところでございます。それから、幼稚園・保育園に行っていらっしゃらない方もいるわけでして、子ども家庭部としては、子どもさんの育ちを保障していく。子どもさんたちが、お一人お一人がきちんと育っていくといったところについて、家庭への支援も含めて担当しているところでございまして、そういった中では、当然にその一つとして、幼児期における教育というようなことについても、いろんな形で所管を進めていかなきゃいけない部分があるというふうに考えてございます。
小串委員
私がお聞きしているのはそういう意味でなくして、要するに先ほど御答弁していただいたように、現在行っている幼児教育の中で果たしている教育委員会の役割というのは、区立幼稚園の本体の運営、ここの部分だけじゃないですかと、極端にいえば。ほかの部分は、例えば保育園は皆さんのところですよね。今、私立幼稚園というのも皆さんのところへいっちゃったんでしょう。幼稚園に通っていない子も、今の答弁で、皆さんのところでしょう。だから、総合的には子ども家庭部なんじゃないですかということをお聞きしているんですよ。違いますか。今の区政の中の幼児教育の役割分担というのは、まさに皆さんの方に逆に任されている分野なんじゃないですか。違いますか。
田辺子ども家庭部長
子ども家庭部と申しますのは、教育の部分だけでなくて、支援ですとか、それから、障害のお子さんに対する対応など含めまして、総合的に対応させていただいております。そうした状況なども踏まえながら、またそれを教育に生かしていく、あるいは保育に生かしていくというようなことでは、子どもと、それから家庭への支援全般を区として担っていくのは、子ども家庭部であるというふうに思っておりますし、その部分での教育の部分については、教育委員会と連携をとりながらやらせていただいているということでございます。
小串委員
事業部制というようなことの中で、子ども家庭部が新たにできましたよね。それまでの段階の教育委員会では、私立の幼稚園は教育委員会が担当していたんですよ。そうでしょう。それは今どうなっているんですか。どっちなんですか。
田辺子ども家庭部長
私立幼稚園に対します区としての行政の役割としましては、許認可というようなこととか、それから、一般的に補助金等のお手伝いをしておりますけれども、教育面での指導というのは、直接東京都から指導があったりしております。そうした役割分担があるんですけども、子ども家庭部が担っているものにつきましては、今まで教育委員会がやってきたということで、委員のおっしゃるとおりだというふうに思っております。
小串委員
そうですよね。だから、今、全体を考えた場合に、教育委員会が果たしている役割--いいとか悪いとかというんじゃないですよ。事業部制ということになった段階で、補助執行が逆に皆さんの方にいっちゃって、教育委員会として、幼稚園の経営は行っているけれども、全体としての幼児施設、今後のあり方について、総合施設も多分そうなんだろうなというふうには思うんだけれども、それに限らず、私立幼稚園の将来について、どういう見通しを立てて、どういうふうにしていかなければいけないのか。あるいは区立の幼稚園についても、どのように今後していかなければいけないのか。あるいは保育園、これも含めて。あるいは、家庭で面倒を見られているお子さんなんかも含めてという答弁がありましたよね。だから、そうすると、皆さんの方かなという認識を持っていたわけですよ。そうじゃないというなら、そうじゃなくていいんです。むしろ教育委員会でそれをやっていくというならいいんだけど、その辺がどうもあいまいなんですよ、今の状況というのは。だから、こっちをつつくとあっちだと言われて、こっちをつつくとあっちだと言われて、一体だれが責任を持ってそういうことをやってくださるのかということが非常にわかりづらい状況に今なっている。そう思っているので、あえてお聞きしているので。その辺をきちっと整理してくださいよ。もう一回、じゃあ、答弁してください。
田辺子ども家庭部長
今の中野区の事業執行のあり方につきましては、委員おっしゃるとおり、子ども全般を子ども家庭部で対応しておりますので、私立幼稚園も含めまして、子ども家庭部が第一義的な責任はあるというふうに思っておりますが、法律の枠の中でということであれば、学校教育法の所管ということは教育委員会ですので、そこの部分については、協力しながら連携してやらせていただいております。
小串委員
そういう意味で、責任の両方として、いずれにしたって協力しながらやっていくんだということは間違いない事実だとは思うんですけれども。その中で、今、主たる、通わせていないお子さんは別にしまして、保育園がありますよね。区立の幼稚園があって、私立の幼稚園があると。この三つの立場というか、観点から物を考えていった場合に、私立の幼稚園も含めて、幼稚園に関しては、皆さんおられなくても、教育委員会で答弁しますということで今までやってきていたんですけれども、保育園の側から、すなわち幼保の総合施設なるものをどのようにとらえているのかという部分、この辺がぜひきょう聞きたいところなんですけれども。
その中で、まず保育園の今、日常というのはどういうふうになっているんでしょうか。特に幼稚園児、私立と公立の場合にもまた違いがあるんでしょうけれども、一般的に幼稚園での過ごし方と対比しながら、どのような認識を持っているのか、ぜひ聞かせていただきたいんですね。1歳児、2歳児ということは別ですから、同じ年齢の範囲の答弁で結構ですから、3歳、4歳、5歳、ぜひ答弁してください。
竹内保育サービス担当課長
幼稚園と保育園の大きな違いの一つが、時間の長さでございます。保育園では基本的に11時間の保育ということを行っておりますのに対して、幼稚園では4時間でございますので、まずはそこでの時間の長さの違い。そして、家庭での保育に欠ける、保護者の方が保育できないお子さんをお預かりしているということで、家庭の代替というような役割も果たしているものでございます。そうした意味で、長い1日の保育園の生活の中での生活のリズムといいますか、そういったものを含めて、子どもたちの保育園での生活というのを組み立てているということでございます。
それで、基本的には、さまざまなクラス単位の中での遊びの中で、子どもが幼児期に身につけるべきさまざまな生きる力といいますか、そういったことを身につけさせるというのが、保育園における保育の基本であろうというふうに思ってございます。その部分につきましては、私どもも、幼稚園での子どもさんの過ごし方、いわゆる幼稚園における幼児教育のあり方、なされようというのも見ているところでございますけども、そういった意味では、別に幼稚園も、机を並べてお勉強しているわけではございませんので、遊びですとか、いろんな体験の中で、子どもたちにいろんな力を身につけさせるということをやっているわけですので、その部分については、私としては、基本的に幼稚園と保育園では変わらないのかなというふうに思ってございます。
小串委員
そういう中で、特に教育的な、例えば教育というと、具体的に読み書きとか、絵をかくとか、そういうことに関しては、どのように保育園ではとらえているのか。それと同時に、もう一方はしつけという面がありますよね。この辺についての考え方と取り組みについて、御答弁をお願いしたいと思います。
竹内保育サービス担当課長
これにつきましては、保育園におきましては保育所保育指針というのがございまして、各年齢に応じた、そういった、それぞれ事細かにねらいが決まっております。そうした中でも、それぞれの年齢に応じたしつけの問題等々については、目標というのは決まっているわけでございます。ただ、先ほども言いましたとおり、例えば読み書きというようなお話がございましたけども、そういったものは、読み書きの勉強という形ではなくて、遊びの中で自然にそういうものが身につくような形での指導、子どもに対する働きかけといったようなことをやっているところでございます。例えば平仮名を読んだり、数字を覚えるというのも、トランプというような遊びの中でやるとか、かるたというような遊びの中でやるとか、そういった中で、それぞれの年齢に応じた取り組みというのをやっているといったことでございます。
小串委員
どういう方法でやっているかということじゃなくして、要するにどういうような方針でやっているかということなんですよ。例えば保育園を卒園した段階では、少なくともあいうえおについては書けるようにしているとか、あるいは、数字についてはどの程度までどういうという。幼稚園ならある程度そういうのは持っているはずだと思うんですよね。私の経験でも、うちの子のときにはそういうことをきちっと、私立幼稚園だったんですけども、こうしたいという方針は、園長先生なり、担任の先生の方からお話をお聞きしたこともあるんですけれども。そういうことを、教育的な部分、あるいはしつけの部分でもそうなんですよ。私の経験で言わせていただくと、少なくとも私立の幼稚園の園長先生がおっしゃったことは、入園児にみんな座っていますねと。ばらばらにぎやかにやっていますよね。この子たちが卒園する状況では、少なくとも一定の時間はきちっとそこに座って、園長先生なりの話が静かに聞いておられる状態にはしたいんだと。それも一つのしつけだと思っていますと。3年保育が終わった段階で、見事にそれができていましたよね、うちの子が通っていた幼稚園に関しては。ああ、なかなか大したものだなというふうな認識を持っているんですけれども、そういうことに関してのことなんですよ。どういう、トランプで教えるなど、そういうことを聞いているんじゃないんですね。しつけについてもそういう観点から、あるいは教育的な内容も含めて、ぜひそういうレベルからのちょっと答弁をお願いしたいんですけども。
竹内保育サービス担当課長
例えば6歳児の保育でのねらいといいますか、そういったところで申し上げますと、自分で衣服を着脱し、必要に応じて自分で調節できるようにするとか、自分の衣服や持ち物などを清潔にするとか、そういった個別にかなり事細かな、それぞれ健康面、それから人間関係面、それから環境面、それから言葉、表現、こういったものについて事細かな目標というものを定めておりまして、単に、恐らく委員がおっしゃったようなことというのも、その中の一つであろうかと思いまして、6歳の子どもさんにとって身につけておくべき事柄について、それぞれの保育園で目標を立てて、保育指針というのがございますので、それに沿った形で目標を立てて、それが子どもさん一人ひとりが身につけられるような取り組みを、働きかけを行っているといったことでございます。
小串委員
ですから、幼稚園で行われていることと、保育園でやっている、教育的な、あるいはしつけ的な意味を含めて、そう大差ないよと。きちっと保育園は保育園でやっているんだよというふうな認識を持っていいですか。
竹内保育サービス担当課長
私としてはそのように考えてございます。それで、先ほど来申し上げております保育所保育指針に掲げております目標というのも、幼稚園でいいますと、幼稚園教育要領に沿った形での定めになっておりますので、基本的には、ねらいという部分においては大きく違いはないというふうに私ども認識をしております。
小串委員
保育園もそういうふうにしている、あるいは幼稚園もそういうことをきちっとやっているということならば、安心なんですけれども、それはそのように聞くとしても、じゃあ、何で小学校でああなっちゃうのかなという疑問は残るんだけどね。皮肉で言っているんですよ。小学校へ行くと、教室の中を飛び交って、落ちつきのない子どもになってしまうというのは、やっぱり幼児教育にどこか足らない部分があるからなわけで、そういう要するに反省点も持ってもらわないといけないかなとは思いますけども、きょうはそういう場じゃありませんので、それはそれといたしまして。
そこで、もう1点ちょっと別の観点からお聞きしたいんですけども、費用負担、特に保育園の場合、一つのモデルで、負担している親の状況によって違うので、一概に費用負担が幾らですということもなかなか統計上は言いづらい部分があろうかと思うんですけれども、一般的に私立の幼稚園あるいは区立の幼稚園と比べて、要するに保育園の親の費用負担、これは幾らぐらいというふうに比べればよろしいんでしょうか。なかなか難しいのは承知の上で質問していますけども。
竹内保育サービス担当課長
ちょっと今、資料がないんですが、中野区の中で保育園に通っていらっしゃる方の負担が大きいところというようなことで申し上げますと、大体、月額でいいますと、たしか1万5,000円ぐらいのところが一番多いのかなというふうなところでございます。
小串委員
全部比べられるように言って。区立の幼稚園と私立幼稚園と保育園、その三つを。
竹内保育サービス担当課長
答弁保留させてください。
小串委員
じゃあ、私立と区立の幼稚園、もう一回、確認の意味でちょっと答弁してください。
小谷松教育改革担当課長
幼稚園の保育料ということで申し上げたいと思います。区立の場合は月額7,900円でございます。それから、私立の場合ですが、私立の保育料、これは各園によって多少ばらつきはございますが、中野区内の幼稚園の平均月額ということでは2万3,284円、今年度そういう額になってございます。それから、保護者補助金につきましては、月額9,000円を支出してございます。
小串委員
保育園、さっき1万5,000円という話でしたけど、もう一回ちょっと答弁保留ということなので、正確な数字が出た段階で、なかなか実際には比較というのは難しいんでしょうけれども、比較をした上でちょっと質疑を進めたいというふうに思いますけれども。それはそれとして、費用のところは答弁をちょっと待ちたいと思います。
文教委員会で先日見てきた品川の総合施設、幼保の施設についての私なりの印象というか、感想を述べさせていただくと、あそこの施設については、幼保ということですので、幼稚園的な機能と保育園的な機能を合わせたということなんですけれども、補助金の関係があって、保育園に近いものになっているという説明だったんですね。運営は私立というか、幼稚園の関係者の方からの説明ですから、お聞きした段階では。日常の生活なんかも見せていただくと、要するに保育園的な幼稚園というよりは、幼稚園的な保育園という印象を受けたんですね。これは私の印象ですから、それぞれ受けた人の印象は違うかもしれませんけれども。
今後の制度がどうなるかは別にしまして、今の段階から見た場合に、幼稚園的な保育園、あるいはその逆というようなことを考えた場合に、特にうちの区の場合には--今後新しくなるものがどういうようなイメージであるかというのは別問題ですよ。別問題なんだけれども、現行ある公立の幼稚園の2園をそういう方向にして持っていこうという計画ですよね、現段階で。そうではなくして、保育園を総合施設に変更するんだという考え方があってもおかしくはないわけですよね、持っていき方ですから。そうではなくして、現行のような考え方になった。それはそれなりの考え方があってのことだと思うんですが、その辺の考え方をお示しください。
竹内保育サービス担当課長
幼稚園は幼稚園という制度がそのまま残ります。それから、保育園は保育園という制度がそのまま残る。そして、保育園でもない、幼稚園でもない、第3の施設として、就学前の教育・保育を一体としてとらえた一貫した総合施設といったものをつくりましょうというのが、この総合施設の考え方でございます。ですから、保育園はこれまでどおり保育園、幼稚園は幼稚園で、制度上は残るわけでございます。それで、今ここでは、幼稚園、区立2園については廃止をするということになりますので、そこに、幼稚園でもない、保育園でもない、第3の総合施設というのをつくるということでございまして、基本的には保育園の需要というのはまだまだございますので、保育園の数を減らすといったようなことは考えていないということでございます。それで、いずれにしてもそれは、保育園という制度は残るわけでございますので、私どもとしては、ある意味役割を果たした幼稚園の後に、総合施設というものをつくりたいという考えでございます。
小串委員
だから聞いているわけで。総合的な幼児政策という中においては、数は変わらないわけでしょう。今まで2種類、幼稚園を私立・公立一緒にしますよ。すると、幼稚園と保育園とやっていたものを、第3の施設としての総合施設というものの中で幼児教育を、三つの施設でやっていこうということなんでしょう。だとしたら、保育園の2園を総合施設、要するに幼保施設に変えるという考え方があってもおかしくない。それが、今日のような幼稚園2園を廃止して、そこに総合施設を持ってくるという考え方に至った経緯。その方がすぐれていると皆さんが判断したからなんでしょう。だから、そこの、どうしてそういう判断がされたのかということを聞いているんですよ。それに答えていないじゃないですか。言っている意味わかりませんか、質問。そんな難しい聞き方していないんだけどな。
竹内保育サービス担当課長
保育園に対するニーズ自体は、今も御答弁したんですけども、私ども、子どもの数が減っても、同程度引き続きあるというふうに考えていますので、保育園自身を少なくするということは考えてございません。そうした意味で、今、保育園という施設を違う施設にしていくという考えは持っていないということでございます。
小串委員
だから、冒頭、私、言ったじゃないですか。品川の施設は幼稚園的なニュアンスを持った保育園かなという印象を述べたじゃないですか。言っている意味わかりませんか。要するに、だとすれば、現行の保育園に幼稚園的なエキスが入った保育園を新たにつくろうということだって、品川の施設と同じようなものをイメージすれば、できるわけじゃないですか。総合的に考えれば、幼児の、性格は違うかもしれないけど、キャパは一緒なわけでしょう。違うんですか。
田辺子ども家庭部長
今、幼稚園と、それから保育園という二つの施設類型で御質問いただいているんですけれども、幼児総合施設につきましては、これまでも皆さん方で御論議いただきましたように、地域の子育て支援ということも、今までの保育園・幼稚園がやってきた経験を踏まえて提供していきたいという、そういう施設であります。先ほど御質問いただきましたように、子ども家庭部としていろいろな問題を抱えておりますので、そうしたことを解決する施設というような位置付けでもございます。そうしますと、それなりのスペースも必要になりますので、保育園と幼稚園でどっちを変換していくかというお話になるかと思うんですけども、やはり施設的には、中野区の保育園がいい悪いと言いたくないんですけども、ある程度狭小な施設も多うございまして、今の中野区の保育園の中では、今、御論議いただいていますような幼児総合施設にはなかなか転換しにくい面はあるかというふうに思っております。そういう意味で、今回、2園の廃止と、それから、幼児総合施設の設立ということにつきましては、施設的なものも勘案いたしまして御提案申し上げているところです。
小串委員
そういう検討というか、調査をされているわけですね。じゃあ、保育園の平均的な面積というと、ちょっと比較にならないので、広い方の有効面積というか、施設状況と、今、検討がされているやよい、みずのとう、これをちょっと比べたいので、手持ち、持っていますか。ほぼ同じようなスペースを持っている保育園というのはありますか。ありませんか。
竹内保育サービス担当課長
一番床面積の広い保育園で、ちょっと今、さあっと見たところですと、白鷺保育園が937平米というところでございます。それから、沼袋がもうちょっと広いですね。987平米ということで。建物の広さが1,000平米を超える保育園はないという状況でございます。
小串委員
どっちでもいいですけど、やよいとみずのとうの。
小谷松教育改革担当課長
みずのとうとやよい幼稚園の面積でございます。どちらも敷地面積は2,000平米を超えてございます。建物そのものの延べ床面積ということでは、みずのとうが912平米、それから、やよいが1,250平米でございます。
小串委員
さっき、白鷺というのは、要するに1,000で2,000というような比較でいいんですか、数字として合わせると。どっちなんですか。
竹内保育サービス担当課長
ただいま申し上げましたのは延べ床面積でございます。敷地面積というお話もございましたので、敷地面積につきましては、御紹介いたしますと、沼袋については1,377という面積でございます。
委員長
白鷺はわかりますか。
竹内保育サービス担当課長
失礼いたしました。878平米でございます。延べ床面積が、白鷺が937ということでございますので、白鷺は一部3階部分もございますので、基本的には2階ですが、そうした意味から、敷地面積が878ということでございます。
小串委員
単純に敷地の面積として比べても、幼稚園の方が圧倒的に、倍ぐらい広いというような認識でいいですか。ちょっとそこのところをはっきりしないと。
委員長
それは建物、敷地、どっち。
小串委員
敷地でいいです。
田辺子ども家庭部長
委員も保育園の事情を多分御存じだと思いますけども、中野区の保育園はなかなか園庭の広いところはございませんで、そういうことを考えますと、区立幼稚園の方が敷地面積的には広いというふうに私どもも認識しております。
小串委員
面積的にというふうに言われちゃえば、それまでなんだけど、そういうような広い意味での検討というのがなされたのかなということをお聞きしたいんですよ。すなわち、陳情者の方なんかも特に心配されているのは、どういう幼保施設になるのかわからないにもかかわらず、何かぱっと思いつきでやっているんじゃないかみたいなニュアンスなわけですよね。やっぱりそこに対する疑問というものにはきちっと答えていかないといけないと私も思うんです。
私ばっかり質問していてもあれなので、そろそろというふうに思いますが、保育園の側から見て、総合施設というものは必要だというもちろんとらえ方はしているんだと思うんですけど、その理由。なぜそういう方向性が必要なのか。そこで首をかしげられても困るんだよ。まじめに考えてよ。だって、そういうのがあったればこその提案じゃなきゃおかしいわけよ。幼稚園だけの問題じゃないんだからね。幼保なんでしょう、あくまでも、名前は別にして。だったら、保育園側から見て、やっぱり教育的な課題というものを認識を持っていて、今の保育園ではなかなか果たせないことが、その施設では果たせるんだというものを持っていなければ、やる意味何もないじゃないですか。首をかしげられたって困るよな。まじめにちょっと答えてよ。まじめだとは思うけど。
竹内保育サービス担当課長
これまでやはり保育園においても、私ども、保育の中で、子どもたちに幼児期に身につけてほしいこと、これをきちんと子どもたちに働きかけを行ってきたところでございますけども、それがなかなか保護者の皆様、それから世間一般で、幼児期における教育というような形で見えない、見ていただけないという部分もございました。そういったことから、保育園では幼児教育をやっていないんじゃないかというような、子どもたちにそういったことを教えていないんじゃないかというような、世間一般のお考えみたいなものもあったかなというふうに思っております。
ですから、そういったところを、保育園自身がこれから、保育園自身で行っている幼児教育の部分というのも、一つは目に見える形にもっともっとしていかなくちゃいけないと思うのと同時に、保護者の就労のいかんにかかわらず、より幼児教育としての姿が見えやすい、そういった施設の選択もできるといったところが、私どもとしては大変重要なのかなというふうに思っております。これまでですと、やはり幼稚園は、御両親がお仕事をされている場合には、なかなか幼稚園には逆に預けにくいというところがございましたので、そういったところは、総合施設というような、より幼児教育に力を入れたといいますか、そういった施設に預け入れということが、保育園の保護者の皆さんにとっては大変選択肢が広がるといった意味では、必要なんじゃないかというふうに思ってございますし、それから、今後の問題としては、保育園、幼稚園、それから総合施設を含めて、幼児期における教育・保育の充実の一体とした取り組みとして、お互いにいいところを学び合って、高め合っていくといったような取り組みが、より一層やりやすくなるというふうに思ってございます。
小串委員
最後にしておきますけれども。ちょっと、今の答弁以上のものをやっぱり期待している部分があるんですよ、部長。やっぱり建前としての保育行政というものの限界があるわけじゃないですか。親の形態というのか、職業を持っておられるのか云々というようなことも含めて、状況というのもあるだろうし。ただ、本音の部分では、そこはファジーになっている部分も非常にありますよね。保護者の方から見てもそうだし。一番大切なのは、子どもの方から見てですよね。子どもが成長する段階の中で、今までは保育園あるいは幼稚園という選択しかなかったものの中で、新たにそういう施設をつくって、そこでは、今までやっぱり両方に欠けていた部分のよさというものを持った施設にしていかなければいけないし、また、その効果が、既存の保育園あるいは幼稚園というものに及んでいかなければ、当区の幼児教育というのは発展していかないわけじゃないですか。それと同時に、少子化という問題を並行して解決していこうという一つの政策にならなければ、何ら意味ないですよね。と思うんですよ。だから、その辺の哲学を私はあえて聞きたいんですよ。今の段階ではっきりしているものはないにしても、こういうものを目指していますというものがなければ、非常に残念なんですけれども。最後にしますから、部長、お願いします。
田辺子ども家庭部長
基本的には、幼児総合施設で実現したいというふうに思いましたものは、竹内課長からお答えをさせていただいておりますが、現在、委員、今、御質問の中でもおっしゃっていましたように、就労というのも、1日8時間の就労ではなくて、さまざまな就労形態がございます。また、毎日毎日お働きにならない方もおられましたりしますので、幼児総合施設の中では、時間を限った利用でありますとか、期間を限った利用というようなことも、国の検討の中ではされておりまして、そういう意味では、保護者の状況によっていろんな選択肢がふえるということは必要であろうというふうに思っております。保育園の中でも受けとめ切れない需要もございます。幼稚園の中でも受けとめ切れない御事情もございます。それから、育児の困難さということからいいますと、私どもが子ども家庭支援センターの御相談を通じまして、やはり保育園や幼稚園だけでなくて、地域のお子さんに対してもいろいろ御提供していきたい、教育の観点から見たそういう課題もございます。そうしたことを幼児総合施設の中で実現するとともに、施設的な限界はありますけれども、やっぱり保育園や幼稚園の中、あるいは公立・私立を問わずに、中野の中で実現していきたいということを、幼児総合施設の検討を通じましてきちんと私どもも考えていきたいというふうに思っております。
委員長
先ほどの答弁保留は答弁できますか。
竹内保育サービス担当課長
失礼いたしました。保育園の5歳児で、平均でとらせていただきます。5歳児のことしの4月から10月まででございますが、5歳児全部の保育料の平均ですが、月額が1万3,098円といったような状況でございます。
昆委員
先ほどの質疑の中で、10か年計画の中で、ステップ1というところで、区立幼稚園の再編計画の策定、廃止園の3歳児募集停止というこの考え方が、1月末に計画を決定するに当たって、今後、幼稚園部分については、かたく絞っていかないという考え方。それから、幅を持たせた施設の検討をしていくというふうなことが御答弁で出されました。といいますと、この10か年計画の案で示されているこの計画が、このような示し方ではなくなるというふうに受けとめてよろしいんですか。まずその1点をお聞かせください。端的にお答えください。
金野教育委員会事務局次長
現在、この案については修正の方向で検討しております。
昆委員
そうしますと、陳情に入るんですけれども、例えば新しく提出されております第154号陳情、主旨のところが、幼保一元施設の概要が明らかになるまで、やよい幼稚園の園児募集を停止しないでくださいというふうになっております。それから、理由の方では、幼児一元施設をつくるということについても、区の考え方を、いろいろな検討をするという、そういう方向で考えてほしいというような内容が示されているんですけれども、10か年計画の修正ということになれば、今、区が出しております、やよい幼稚園とみずのとう幼稚園の園児募集の時期というのも、これも先に延ばすという可能性が含まれるというふうに受けとめてよろしいですか。
金野教育委員会事務局次長
現在、園児募集の3歳児の停止時期というのは計画に書き込んでございますが、これをどういう形で扱うかということについて検討したいと思っています。ただ、今、委員がおっしゃいましたように、明確に延ばすとか、そういう形になるのか、あるいは計画上はそういう、時期について、この時期ですというふうな示し方をしないで、さらに執行の段階で調整を図って、実施に向けて調整していくのか、さまざまな計画のつくり方があると思いますが、それを含めて協議しております。
昆委員
それは実施の時期も含めての検討ということですから、これまで陳情をそれぞれ取り組んできた関係者の皆さん方の大きな努力が、そこに大きく反映されればというふうに期待をしております。
それで、その後なんですけれども、教育委員会で、新しい施設についても幅を持たせた検討ということなんですが、この検討に当たっては、どのような方向で、どこで検討を進めていくのか、お答えいただきたいと思います。
合川子ども家庭部経営担当課長
さまざまなそういった国の動きですとか、それから、今、私ども検討している中身につきましては、教育委員会と私どもとの検討会を設けまして、今、現在も検討を続けているわけですけども、これから以降につきましても、そういった検討部会を中心に検討していくというふうに考えてございます。
昆委員
先ほど、新しい施設について、小串委員の方の質疑の中でも出されましたけれども、すぐれた施設になるのかどうかということですね。それから、御答弁としては、現在の就労形態状況によって、保護者の選択の幅を持たせるような、そういう新しい施設というふうなことも述べられております。しかし、区の示している幼児総合施設の考え方ですが、これはパブリックコメントの意見だとか、それから、区民との対話集会での質問の中で区がお答えしているんですが、今まで幼保一元化の問題は区全体として検討してきたというふうに述べられましたけれども、区全体で検討してきたというのは、いつ、どこで、どのような人たちがかかわって検討されてきたのかということをまずお聞きしたいと思います。
合川子ども家庭部経営担当課長
中心的には私ども子ども家庭部と、それから教育委員会の間で検討してまいりました。当然、区全体のかかわりということであれば、区長室も入って、その中で検討してきたということがございます。
昆委員
実は対話集会の中で区長が御答弁をされているんですけれども、区の職員、幼稚園等にかかわる職員の方々が入った形で、幼稚園教諭等が入った形で検討をしてきたというふうな御答弁が、対話集会のときに区長の方から出ているかに思いますけれども、これは、陳情を出されている人たちの補足説明の中でも、審議会の設置というような補足説明がありました。こういうものをこれから、どういう施設にしていくのか、今後の中野の幼児教育のあり方についてどういう方向を目指すのか、そこも含めて、審議会の設置という陳情者からの声が出ているんですけれども、そのことについてはどのようにお考えになるのでしょうか。
田辺子ども家庭部長
今、担当課長からも申し上げましたように、庁内で実務的にはいろいろさまざま、かなり前から検討してきております。今般、10か年計画の中でこうした形でお示しをさせていただいておりますけれども、国の中でも、これまでの経過の中でいろいろ御提案や御質問もございましたように、法律制定に向けた準備も進められたというふうに聞いておりますし、全国でモデル事業もやっているというようなこともございます。ですので、こうしたことを踏まえて、区としましては、子ども家庭部の中に所管を設けまして、その中で教育委員会と連携して、今後早急に詰めていきたいというふうに思っておりますし、先ほどからありますように、私立幼稚園ですとか私立保育園、それから、区立の教育・保育にかかわる関係者の意見も聞く場を設けたり、あるいは関係者との意見交換会というような形もあるかと思いますが、実務的には区の内部の作業として進めさせていただきたいというふうに思っております。
昆委員
実は、皆さん方は専門家ですから、国が例えば幼保一元化という考え方を出したときのいきさつ等も十分承知されていると思うんですね。これは政府の経済効果を優先する構造改革の目玉として、幼稚園・保育園を一元化するというふうな、そういう案が示されて、そこで、総合規制改革会議というところで、いろいろな形で議論をされてきているんですね。それで、そのときの議論を、この問題にかかわる専門家の人たちがさまざまな角度で見てきましたけれども、その一つとして、幼保一元化というふうにいった場合には、そこのところで問題になったのが、例えば給食調理室等の問題だったんですね。保育園にどうしても必要な、そういう調理給食施設を、一元化によって外すことができるじゃないかと。それは財政効果から見ても、そこのところが大きいメリットだみたいなことで議論をされてきた経過もあると思うんです。しかし、さすがに保育関係者のところからとんでもないと。そういう低年齢の子どもたちの給食調理室等が施設からなくなるということになったならば、どうなるんだということで、いろんな異論が出されて、それで、幼保一元化というものがなかなか進まない。そういう中で、今度は、就学前の教育・保育を一体と据えた総合施設というのを国の方で示してきているんですね。
だから、そういう経過を見ますと、幼児総合施設というものが、先ほど小串委員の方からも出されているように、すぐれた施設として区民の皆さん方に、本当に今、区が示しているさまざまなメニューを出し、子育て支援と幼児教育の一環としての施設になるのかどうかというところは、今後、国の方での法案を示してくる中で明らかにはなってくると思いますけれども、しかし、総合規制改革会議というところでは、やはり施設の問題だとか、人員配置の問題だとか、そういう新しい施設が守るべき基準を、幼保の基準を比較して、低い方向で定めるよう強く求めてきているというのも、これまでの議論の経過の中にあるわけです。ですから、国が法を定めて、それに従って中野も幼児総合施設をつくるといったときに、私たちが本当に望んだ形のいいものになるのかどうかということも含めて、それは国の基準で決めていくならば、そこのところが、今求められているような充実したものになるということでは決してないと思いますので、だからこそ、いろんな角度で新しい施設の検討というものが重要になってくると思うんですね。
ですから、教育委員会と子ども家庭部を含めて、また、区民の中のいろんな子育てにかかわっている保育園の保育士だとか、幼稚園の教諭含めてですけれども、しかし、こういう、これからの幼児教育に関しての専門的な立場でいろいろ議論ができるような、そういう専門的な人も入れた、学識経験者なども入れた審議会をやはりきちっと設置して、今後の中野の幼児教育のあり方、子育て支援の施設のあり方というものを、時間をかけて検討すべきではないのかなというふうに思いますけれども、その点についてはどのような議論をされているのでしょうか。
田辺子ども家庭部長
国におきます検討につきましては、12月の中でも中間まとめという形で評価が出されております。この中では、レベルを下げるというような結論にはなっていないかなというふうに思っておりますし、区の中で、幼稚園も、それから保育園も、専門の職員もおりまして、これまで長い期間かけて教育・保育に携わってきましたので、私どもといたしましては、国での検討と、それからこれまでの区の検討、それからこれまでの実績を踏まえて、きちんとした施設になるように十分内部で検討していきたい。また、それにつきましては、関係者を集めて意見交換などの機会を持ちたいというふうに思っております。
昆委員
この新しい陳情なんですけれども、第154号陳情の中で、他の自治体の中で相当時間をかけて、5年から7年もの歳月をかけて協議をして設置してきたというふうな理由の文章になっているんですけれども、私も資料をいただいているんですが、例えばこれは和歌山県の白浜というところで、幼保一元化を取り組む、つくるというときの取り組みの状況などもちょっと資料でいただいているんですが、これはやはり長い期間をかけて、よりよいものをつくっていくということでいえば、相当丁寧なやり方で取り組んでこられたというふうに見ているんです。それが今、必要なのではないかなというふうに思うんですね。
区の方は、10か年計画で2園の区立幼稚園の廃止を先に考え、そして、総合施設をつくるという考えを示しておりますけれども、その総合施設というものが本当にいいものになるような議論をして、その方向を区民に示して、区民もそれで、これならば中野で子育てができる、中野の幼児教育が本当に区民が望むような方向で進められるという、そういう納得のもとに、それなら区立幼稚園の廃園もあるのかなと、そういうふうな方法も一つの可能性として生み出せるというふうに思うんですけれども、今の区の考え方は、とにかく区立幼稚園の2園を廃園するということを先に打ち出して、何年かの空白を置いて、それで、22年だったでしょうか。新しい総合施設を開設するという。これはちょっと逆なのではないかなというふうに思うんですね。そこのところが、やはり陳情を出されている関係者の人たちも、区の今の考え方が納得いかないから、これほどの陳情が何本も出されているというふうに私は見ているんですね。その点についてはどのように考えているんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
区立幼稚園のあり方につきましては、幼稚園教育全体の中、公私の役割の考え方、それから、子どもの数や園の定数、これまでの経過など全体で考えた上で、進め方を提案しております。また、幼児総合施設に、園の施設や敷地を活用していこうという方向もあわせて出しておりますが、決して区立幼稚園については、幼児総合施設が前提で、そのために廃園にするというような形ではなくて、幼稚園自体の必要性、それから、私立を含めた幼児教育全体の方向をどう考えるかというふうな議論もしてきましたので、私どもとしては、そういった考え方に立って出しているものでございます。
昆委員
そういうお答えを出されますと、せっかく区の10か年計画の考え方が、これから1週間ぐらいしかありませんけれども、1月末に10か年計画の決定を示すときに、区民のいろんな意見を取り入れて修正もあり得るという方向に区は今考えていますよね。非常に前向きだというふうに思うんです。そういう意味では、区立幼稚園の廃園が先にあるわけではないというふうなお話ですけれども、やはり関係する区民の皆さんから見れば、区立幼稚園の廃園が先で、それで、民間の私立幼稚園の補完だったというふうに言われることが、なかなか納得いかないと。なぜ2園の廃園が先だったんでしょうと。これからの幼児教育がどうあるべきかというものが示されているならば、そこのところでいろんな意見を交わしながら、納得の方向もあるけれども、何もそういうものは示さずに、こういう区のやり方に対して意見が出されているわけですから、やはりそこのところはもう少し区の方も、今、陳情で見えている皆さん方が納得するような、そういう御答弁というものは出せないのでしょうか。区立幼稚園の廃園を先に考えたわけではないといっても、形はそういう形になっているわけですから、そこのところはもう少し気持ちを込めた考え方を示してもいいのではないかなというふうに思いますが、お答えください。
沼口教育長
今、次長から御答弁申し上げましたけれども、やはり教育の立場から考えたときに、学校の再編問題もそうでしたけれども、例えば学校でも、あいた土地を何かに使いたいために学校の再編を進めているわけでは、教育の見地からいえば、そういう考え方で進めているわけではございません。したがいまして、この区立幼稚園の問題につきましても、何かをつくるために区立幼稚園を廃止していくんだという考え方で我々は考えてきたわけではありません。あくまでも公立・私立含めた幼児教育、中野の子どもたちの教育全般を考えたときに、どういう形をとっていくべきか。そこで考えたのが、今、区立としての全体的に足りている中で、やはり今、4園は必要ないのではないか。そのかわりに幼児教育センターなるものをつくって、全体の教育水準を上げていくことに力を入れていくべきではないかという立場から、教育委員会としては議論してきたわけです。その後に、あいた土地について、これはやはり、例えば処分をするとか、ほかの施設に利用するんじゃなくて、今まで一番我々としても議論してきた幼児の教育総合センター、そういうものができれば一番いいということで、そういうものを提案してきたということでございます。ですから、教育の考え方からいけば、次長が申したような考え方が理論的には今までとってきた立場です。ただ、同時に今回発表しているものですから、なかなかその辺が区民の方にも御理解できない点があるかと思いますので、その辺については、区立幼稚園の廃園問題とその跡地の利用問題が同時に出ていますので、その辺は少し考えながら、我々も柔軟な対応で推し進めていきたいというふうに考えてございます。
昆委員
柔軟な考え方というんですけれども、そうしましたら、やはり今後の総合施設をつくるに当たっての考え方だとか、今後の中野の幼児教育のあり方だとか、また、そこを拠点とした子育て支援の方向だとか、そういうものを、先ほども申しましたように、専門委員も含めた、専門家も含めた、そういう審議会的なものをきちっと設置して検討すべきではないかというふうに考えますが、そのことについてはぜひ検討してもらいたいというふうに思うんですが、いかがですか。
田辺子ども家庭部長
重ねての御答弁になって恐縮なんですけれども、全く制度を新しくつくるというものではございませんで、法体系もあらあら見えてきた中で、実現すべき課題についても、区立・私立問わず、幼稚園・保育園の長い実績の中で現状も十分把握できておりますので、私たちとしては、審議会までつくらなくても、区の内部で検討し、関係者との意見交換を含めて十分検討できるものというふうに考えております。
昆委員
その内部というのは、例えば幼稚園の園長さん含めた職員の方々で検討をこれまでもされてきたと御答弁が出ていますけれども、それはやはりあくまで区の職員という立場ですよね。それから、やはり区の出した方針のもとに検討を進めるわけですから。それは専門家だと思うんですよ。長年培ってきた幼児教育の専門家であり、また実践をしている立場ということでいえば、経験も豊富ですから、そこのところでは深めた議論ももちろんされてきているというふうには思いますけれども、それにとどまらない、新しい方向が国から示され、それに沿ったといいますか、そのもとで中野の新しい施設をつくるということであれば、やはり和歌山の白浜で取り組んできたような、これから時間をかけて議論をしていく場というものはどうしても必要だろうというふうに思うんですね。それを早急に、ただただ区の庁内の中で検討するというふうなことにとどまらないでほしいというふうに思うんですけれども、それはどうでしょうか。
田辺子ども家庭部長
これまでの経験の中で十分検討できると思いますし、質を高めていくという意味では、いろんな方々の御意見は必要だというふうに思っておりますので、それは意見交換の場などを設けて、十分伺う機会もつくっていきたいというふうに思っております。
昆委員
私1人の意見ではなくて、陳情者、これだけの陳情を出されている保護者の皆さん、関係する区民の皆さん方もそれを望んでいるんですよね。ですから、その辺のところは前向きにぜひ検討していただきたいということを申し上げておきます。
委員長
要望ですね。
江田委員
時間が大分迫ってきましたので、質疑したいことを大分抱えているんですが、端的に二つに絞りたいと思います。
一つは、改めて、これまで区立幼稚園のあり方について教育委員会が出してきた文書を読み直しました。それで、14年、それから15年、17年とありますよね。14年の文書の中では、区の責務ということで、区はみずからも幼児教育に取り組み、課題を認識して、先見的な教育実践を行うとともに、私立幼稚園や公・私立の保育園への支援を通じて、区内の幼児教育全般の質的向上を図っていくことが重要であるというふうに、ここに区の責務があるというふうに言っているんですね。15年の文書を見ますと、ほぼ区の責務は同じようなことが書かれてあります。今後、区立園は実践的な教育を通して研究を行い、中野区の幼児教育を質的に向上させる中核的な存在として役割を果たすとともに、障害児を積極的に受け入れるなどということで、区立幼稚園の果たすべき役割というのが示されております。
ところが、17年になりますと、区が実践的な部分を通じて中野区全体の幼児教育の質的な向上を図る、その中核的な役割を果たすんだという、その部分が抜けてしまうんですよ。それで、区が果たすべき役割は17年の一番新しい文書でどういうふうになったかというと、区が果たすべき役割は、区全体の幼児教育の環境を整えるための施策の展開であると、こういうふうに変わりますよね。つまりどういうことかというと、実践の場、あるいは幼児教育の質を高めていく中核的な役割を果たすという部分がすぽっと抜けてしまっているんですよ。その中から何が出てくるかというと、区立幼稚園を廃止する考え方が出てきて、17年の文書でどういうふうに言っているかというと、民間で提供可能なサービスは、できる限り民間に任せていくという基本的な考え方から、区立幼稚園4園とも存続する必要はないと考えるというふうになってきますよね。17年の文書で、民でやれるものは官でやらないという、区長が言い続けているこの考え方がぼんと出てくるわけですね。ここには、14年の文書、15年の文書と17年の文書は、明らかに質的に違うものに変わったわけですよね。私は、ここが非常にやっぱり重要な部分だというふうに思っているんですが、ここの部分について、こういうふうに変わった経過について質問をしたいと思うんですが、御説明ください。
小谷松教育改革担当課長
14年度と15年度の報告の中でございますけれども、今、委員がおっしゃったような役割、この中では、当時は幼児教育センター的機能というような形で、いろんなそういった機能を今の幼稚園が持つ、そこを起点に展開をするんだという考え方でございました。今回お示ししている考え方というものは、そういった幼児教育センターというものは、1点に集中して、そこで実践を伴いながら展開するんじゃないと。ある意味、区立・私立すべての幼稚園を含みながら、一体となったネットワーク的な、そういう広がりの中できちんと対応していくんだと。また、それが公立・私立、幼稚園・保育園の枠を超えた中で、区としての幼児教育の向上を図っていくと、そういう方向に考え方をシフトする。そういったことから、これまで持っていた幼稚園を起点とする幼児教育センター的機能の考え方から、それを一つ、私立も公立も幼稚園も保育園も含めた中での組織ということで、それを別に出したわけでございます。そこから全面的な展開を図っていくんだということでございます。そういう意味で、ちょっと、確かに、委員おっしゃるとおり、経過の中で考え方は変化を遂げてございます。
江田委員
14年、15年の考え方の中は、公立園4園とも維持するという考え方から配置を見直すという、そういうものもありながら、同時に、幼児の教育センターとしての役割を果たしていくというのが入っていましたよね。それはそれで私は、園を減らすという部分を除いては納得できるんです。ところが、17年の考え方の中は、民でできるものは官でやらないという新たな物の考え方が入ってきたんですよ。その中で、後でまた、私立を補完する役割というのを聞きますけども、それと、もともと区立というのは私立を補完する役割だったんだという考え方とが合体して、とりあえず2園減らしましょうということになってきているわけですね。
だから、一番の大もとは、幼児教育、中野区のこれからの教育にとって、民でできるものは官でやらないという、こういう考え方で物を考えていくという、そういうことでいいのか。もっとやっぱり公立が果たすべき役割を全体で議論して、その中で、中野区の幼児教育のあり方を、基本をつくっていくべきではないかという、そこのところと大きな差がここに生み出される、大きな要因があるんだというふうに思っているんですが、その点について。要するに民でできるものは官でやらないというふうに書き込んだ部分について、どういう考え方なのかというのをもう一度聞かせてください。
小谷松教育改革担当課長
民間でできるものは民間でという考え方は、今回初めてお示ししたものではございません。15年の報告の中でも、民間でできることは可能な限り民間に任せていくという考え方というのはお示ししてございます。ただ、その中で、先ほど言ったとおり、当時は幼児教育センター的機能というふうな言葉を使ってございましたけれども、そういった機能というものを幼稚園の中で展開しながら、そこから全体としての牽引的な、そういう役割を期待するという感じはあったわけでございます。しかしながら、今回、同じように、民間でできるものは民間で進めるとともに、私立も区立も、また幼稚園も保育園もなく、全体として質的な向上を図っていくんだということで、その拠点として幼児教育センターというものを設ける。その中で、それぞれ区立・私立の幼稚園、その連携を図りながら向上させていくと。そういった区としての役割、機能というものを改めて仕切り直した、整理を図ったということでございます。
江田委員
時間が大分迫っていますので、私も大分端的にお聞きしていますので、端的にお答えいただきたいんですが。もう一方の、区立は私立の補完的役割を担ってきたということがありますよね。これも調べてみて、私が知る限りでは13年の教育委員会の文書の中に既に、私立幼稚園を地域的に補完するために設置されたという文言が出てきて、改めて、随分前からそういうことを言い始めていたんだなということを思ったんですが。もともと中野区で公立の幼稚園をつくってほしいと、区立をつくってほしいという運動が30年当時から起きてきましたね。それで、さまざまな曲折を重ねながら、かみさぎ幼稚園が初めてできると。41年でしたか、初めてできて、その後、次々にできてくるわけですが、この当時は、私立を補完するという、そういう物の考え方というのはどこにもなかったですよね。むしろ幼児教育に対する区民の要求が非常に高まってくる中で、保護者みずからが、私立だけではなくて、やっぱり公立の幼稚園をつくってほしい。その要因としては、一つは経済的な理由もあったでしょうし、それから、私立の場合は、設置者の個性や考え方、独自性、あるいは、さっき建学の精神という言葉が使われましたけども、そういったものが大きく影響してきますし、場合によっては宗教的な色彩の問題があったりして、そういうものを好まない方から、公立の幼稚園がぜひ中野区でも必要だということで、つくられてきているわけですね。
だから、そういう経過を見れば明らかなように、補完的役割というのは、それは、区立4園をつくっていく過程の中ではどこも出てきていないですよ。私自身も改めて調べてみましたけども、そういう言葉は出てきていない。むしろそれは、皆さんが、子どもたちが少なくなっていく中で、私立も定員割れが生じてくると。そういう中で、子どもたちを今のまま公立で受けていくというよりも、私立の方にシフトしていけば、それだけで十分子どもたちの受け入れ先は満ち足りてくると。だから、区立はもう要らないんだという、単なるそういう発想の中から、補完的役割は終えたという言葉が出てきたんだと思うんですが、その点についての認識はいかがですか。
小谷松教育改革担当課長
中野区の幼児教育につきましては、これは以前から私立を中心に中野区の場合は対応してきた、運営されてきたということは言えると思います。今、委員の方からも、既に昭和30年代から、区立幼稚園の設立に向けた動きもあったというようなお話もいただきましたけれども、当時、昭和30年代あるいは40年代のころにつきましては、中野区内、私立幼稚園だけで、当時はそれとしても、私立だけでやっていってもいいのではないかというような意見もあったわけでございます。しかし、そういった中で区立をつくってきた。それは委員おっしゃるとおり、経済的なそういったものとか、あるいは、やはり私立だけではいかがなものかといったような考え方もあったと思います。しかしながら、全体として中野区の幼稚園需要に対する提供というものは、これは純然たる、本当に私立が中心になってその役割を果たしてきたわけでございます。
しかしながら、ここに来て、想像以上に非常に少子化が進んでいるという状況がございます。中野区内、その間に非常に私立幼稚園の数も少なくなってまいりましたけれども、それでもまだ就園率が全体として73%というようなところもございます。そういった中で、やはりこのまま現状でいいのかということを考えたときに、これまで果たしてきた私立としての、中野区としての流れの中で、区立がそれを下支えするといいますか、ある意味補完してきた、そういった役割というものについては、ある程度この辺できちんと整理を図る必要があるというふうに考えたところでございます。
江田委員
ですから、最後におっしゃいましたけれども、私立を補完する役割は終えたという、そういう考え方は、区立をつくってきた経過からしてもおかしいではないかと。これからの幼児教育のあり方、私立と公立がどういう役割を果たすかとか、それから、これからの保育園の問題もありますよね。そういうもの全体を議論する中で、中野区らしい幼児教育あるいは保育のあり方をきちっと確立していく。その中でいろんなことが議論されていくということであれば、もう少し納得はいくけれども、勝手に私立を補完する役割はもう終えたんだという言い方で公立を2園廃止していく、そういう考え方は到底納得できないというのが私の思いであり、それから、住民の皆さんが言っていることなんですよ。そこの大きなギャップがまだ埋まっていないんですね。
先ほどから、募集停止についてもう少し検討するという方向が出てきているわけで、そこの辺を埋める努力がなされないと、幾ら皆さんが、国の指針がそろそろ出てくるから、一定の方向を部内で検討すれば事足れりというふうに考えたとしても、もともとの考えが、民でできるものは官でやらないだったり、補完的役割だったという、そういうところに立っている以上、そのギャップは埋まらないんですよ。そこを埋める努力をあなた方はどういうふうにするのかというのが、今、大きな課題になっているんじゃないでしょうか。もう一度お聞きします。
小谷松教育改革担当課長
私立幼稚園、それから区立幼稚園、決して教育内容が両者の間において極端な開きがある、レベル差があるというような感じでは見ておりません。いずれにいたしましても、区立も私立も教育に向かって非常な努力を重ねていると。区立がそういった形で残らなければならないということではなくて、全体として、中野区としての幼児教育の質をいかに高めていくかということが、今、一番求められていることだろうというふうに思っております。そういった意味で、何か区立でなければ幼児教育の展開ができないというふうな形では考えてございません。
江田委員
最後にしますけども、今、意図的に私が先ほどから申し上げていることをずらした答弁をしているように思えてしようがありません。そこで、時間がありませんので、実は12月21日の産経新聞に、橋本龍太郎元首相のインタビュー記事が出ています。これを見て、正直言って驚きました。国鉄民営化を進めたときの総裁で、いろんな質問をしているんですが、その中で橋本龍太郎元首相は、国鉄民営化を褒めてくれる方がいるが、JR西日本の福知山線脱線事故が起きて、物すごく後悔していると。記者が、民営化したことを後悔しているのかという質問に対して、行革というものは長いスパンで見なければ、成功かどうか、後悔すべきものか判断がつくものではないと。今の郵政事業の民営化問題でならば、阪神・淡路大震災のときに死亡者・行方不明者の確認に郵便局員が果たした役割は大きかった。だから、私は民営化すべきではないというふうに思い続けてきた。だから、僕は何でも民営化すればいいという結論は導けなかったというのが、橋本元首相のインタビュー記事なんですね。これと同じようなことを後藤田正晴元官房長官が言っていますよね。民でできるものは官ではやらないと。民営化の流れが一方あるけども、ここは民営化してもいいと。だけど、ここはきちっと行政が、あるいは政府が守っていかなければならない。その線引きをしないと大変なことになるということを後藤田元長官が言ったということを私も新聞で見て、今のやっぱり民営化路線、規制緩和路線が非常に大きな問題を抱えているということを、御当人、中枢にいる方々も、別の面からそのことを非常に強く感じておられるんだなということを改めて思いました。
そういう意味で、私、先ほど、幼稚園教育についても、民でできるものは民間でという考え方がこの中に書き込まれましたけども、そういう方向を目指すにしても、その大前提として、それじゃあ、どうあるべきか。中野区の幼児教育、中野区の子どもの保育がどうあるべきかということを、もっともっと専門家も含めた、部内だけじゃないですよ。学者、研究者、そういう方も入れた総合的な検討をして、そういう方向を目指すにしても、そういう中で全体が納得いく方向を生み出していくと。そのことがせめて行われなければならないし、あなた方の大事な責任ではないかというふうに思っております。再度、その点について強く要求したいと思いますが、御発言を。
金野教育委員会事務局次長
幼稚園につきましては、現に大半の幼稚園児が私立幼稚園での教育を受けているというふうな現状を踏まえて、今後のあり方を考えていく必要があるというふうに思っています。私ども、幼児教育の重要性ということについて、まず、教育委員会ではそれを踏まえて議論してまいりましたので、これから資源をどういうふうに振り向けていくか。私どもの行政の資源といいましても、もちろん根源的には区民の税金、あるいは区民の力をどういう形に振り向けていくかということでございますので、区立幼稚園4園をこれまでのように運営するという形にとどまらず、私立を含めた全体の向上のためにさまざまな展開をしていこう。また、現在供給されていない新しいニーズに対する提供という形で、新しい施設も考えていこうというようなことで全体を組み立ててきたわけでございます。それについて、今もいろいろと考え方についてお唱えいただきましたので、これからも進める中では、考え方を再度意見交換をしてやっていきたいというふうに思っております。
酒井委員
もう余り時間もありませんので、1点だけ。皆さんたくさん質問されましたので、ちょっと要望のような形になると思うんですけれども。
公私全体のレベルアップが必要であるというふうなお話がありまして、しかし、一方で、先般、はっとり委員が質問の中で、私立への関与をどうしていくのか。直接的な関与はなかなかできないというふうな御答弁もありました。それから、私立幼稚園の補完で区立の役割は終わったという、区立幼稚園廃園の理由ですよね。そこで、私立の幼稚園を、やっぱりちょっと経営の圧迫の問題もあると思うんですけれども、そうしたのであれば、今度、幼保一元化の施設をその場につくると、よりおかしくなっちゃうところもあると思うんですよ。そういった矛盾点ですね。それから、財政的な問題にいたしましても、幼保の保の部分が出てきまして、やっぱりお金がまたこれ以上かかってしまうと。なかなか今回の廃園、それから幼児総合施設に関して、矛盾点といいますか、ちょっと駆け足過ぎるのかなというのが私、非常に、皆さんが質問されて、それから答弁をお聞きしまして思ったんですけれども。
だからこそ、ぜひとも、もう少しゆっくり、陳情者の皆さんもたくさん来られていますし、皆さん、幼稚園の廃園、それから幼児総合施設が本当に中野区の子どもたちにとってすばらしい施設であるのならば、廃園も仕方がないという方もおられました、実際に話しまして。やっぱり皆さん、よりよい幼児教育をつくっていきたいというふうに考えていらっしゃいますので、ちょっとそのあたりをぜひともかんがみていただきまして、もう少しゆっくりと御検討していただきたいなとまず思っているところがあります。
それから、民営化に関してなんですけれども、私も品川の幼保一元化の施設を視察に行ってまいりました。NPOの園長先生とお話ししたときに、非常に子どもたちに対する熱い思いと、そういった気持ちが伝わってまいりました。そういったハートの面でも、それから、財源等々の体力のあるところが名乗りを上げていただけるのかどうかという心配もあると思うんですよ。さあ民営化いたしますとなりましても、そういったハートの面でも、それから体力の面でも、きっちりしたところが名乗りを上げられるのかなと。それから、名乗りを上げなかったらどうするのかなというのも、ちょっと聞かせてください。
小谷松教育改革担当課長
委員おっしゃったとおり、ぜひよりよい幼児教育を目指して、しっかり検討はしてまいりたいと思います。
それから、民営化のことです。どういうふうな運営形態にするかということは、これからしっかり検討してまいりたいというふうに思いますけれども、基本的には民間の活力を生かす方向でいきたいと考えています。区ができるだけきちんとした方向を示し、その中で展開できるような民間の事業者、NPOも含めてということでありますけれども、そういった中できちんとできるようなことを示していくということが大切だと思いますし、また、全くそれを担う者がいないというふうなことは、考えてございません。何らかの形でそれなりに魅力ある、先ほど委員も、熱い思いというような言葉をおっしゃっていましたけれども、新しい展開を図っていく中で、しっかりとした形で運営できるだろうと。その見通しもしっかりとつけられるだろうというふうに見込んでございます。
酒井委員
例えば区立から民間委託しまして、それでまただめになっちゃって、区立に戻ったりするような状況も、ほかの自治体で何か例があったような気がするんですけれども、今回の耐震偽装に関しましても、やっぱり私は、官から民へというのは、この流れは必要なものだと思いますが、何でもかんでも民間委託することによって、きっちり公が責任を負うことができなかったことで、このような事件が起こったと思うんですよ。やっぱり幼児教育に関しましても、民間委託されます。その中で区がどれほど責任を持てるか、もしくはどれくらい関与されるか、ここが大事だと思うんですけれども、そのあたりちょっと教えてください。
田辺子ども家庭部長
民間への関与というような御質問もございました。永続的に運営できる団体をというようなこともございまして、一つは、保育園の例で申し上げますと、民営化した場合は、区の土地は無償貸与、建物は無償譲渡というような形で、きちんと協定を結んで、契約を結んでやっておりますので、そういう意味では、施設運営については当然、区もきちんと関与できるものと、しなければならないというふうにも考えております。また、これまでも議論していただきましたように、子育て・幼児教育センターというような機関も設置しようと思っておりますので、その中で、幼児総合施設の運営についても、十分質の高いものになるような、そうした運営もしていきたいというふうに思っております。どちらにしましても、それこそよりよい最良の団体に運営をしていただきたいというふうに思っておりますので、それにつきましては、やっぱり参入の条件などもきちんと区として示していく必要もあるというふうに思っておりますので、そうした検討も十分していきたいというふうに思っています。
酒井委員
例えば足立区の幼保施設なんかに関しましていいますと、区立幼稚園の先生、私立幼稚園の先生、区立保育園の先生、私立保育園の先生、それから有識者の方、皆さん集まってお話しされました。それで、やっぱり、保育の現状から気づかないことを幼稚園の先生に教えていただいたり、お互いのこういったしっかりした情報交換がされた中で、幼保の施設がつくられたんですけれども、それで、足立区に関しましては、1園しかつくらないと、幼保の施設を。それで、きっちりと区全体に、そこをモデル事業として幼児教育を発信していくというふうな形をとっているんですけれども、中野区としては、この幼児総合施設をどうしていくんでしょうか。それから、ひがしなかのとかみさぎ、それに関してもどうやっていくのか。今後の幼児総合施設、幼保一元化等々の施設の考え方をちょっときっちり教えてください。
田辺子ども家庭部長
先ほども小串委員の御質問にもお答えをさせていただきましたが、私どもは、幼稚園と保育園を一緒にするような施設ということではなく、今のお子さんや御家庭の状況に合ったサービスを新たに提供できる施設というふうに考えています。それは、先ほどからもありますように、親の就労でありますとか、就労もいろんな形態がありますし、子育て不安の状況もあります。そうした就労要件に問わない方も御利用いただけるようなものというふうにも考えております。そういう意味で、区としては、新しい事業展開ができる施設を目指していきたいというふうに思っておりますのが一つと、それから、もう一つは、やっぱり就学前のお子さんに、幼稚園も保育園も、また幼児の総合施設も、同じような統一的な理念や視点を持った教育や保育をこれから展開していきたいというふうに思っておりまして、それは、幼児総合施設だけではなくて、保育園や幼稚園でも当然やっていかなければいけない。民間も、それから公立もやっていかなければいけない施設だというふうに思っておりますので、そうしたことの内容の検討ですとか、職員の研修については、子育て・幼児教育センターの中で対応していけるものというふうに考えています。
金野教育委員会事務局次長
ひがしなかの幼稚園、それから、かみさぎ幼稚園につきましては、近隣に幼稚園が比較的少なくて、この地域から通える幼稚園というものが、仮に廃止した場合、難しいというような状況も生じかねませんので、幼稚園として存続をするという考え方でおります。
はっとり委員
先ほどの質疑の中で、10か年計画(案)の中身が、今回の議論されている部分のところで変更もあるというようなお話がありました。その一方で、これからの総合施設を検討していくに当たっての検討の組織、その部分については、審議会を新たに立ち上げるということはしない。それから、外部の専門家を入れて検討するのではなくて、内部のところでの検討というようなお話がありました。これまで、今回のこの計画の中に出されてきたことにかかわる問題、今回のいろいろな、12本の陳情もそうなんですけれども、やはり区の出し方について疑問を持ったところからスタートしているというふうに私は思えるんですけれども、今回、この後の検討を進めていく組織については、検討の中身というか、検討自体が、保護者を初めとする区民にわかる形でやっていくということが、私はすごく大事なんじゃないかと思うんですね。その部分については、やはり透明性を持った検討ということについて、ぜひ私はそうした形でやってほしいということを要望したいと思うんですけれども、そのあたりのお考えだけ最後にちょっとお伺いしておきたいと思います。
田辺子ども家庭部長
先ほどからもお答えしておりますように、検討につきましては、区として責任を持って、関係者等の意見も聞きながら進めていきたいというふうに思っておりますし、一定の結論といいますか、中間的な場面でも、意見交換の場というようなものもつくっていきたいというふうに思っております。
委員長
それでは、とりあえずきょうのところ質疑がなければ、取り扱いを協議したいので、暫時休憩をいたします。
(午後5時31分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後5時35分)
お諮りいたします。
休憩中に確認したとおり、第137号陳情及び第144号陳情から第154号陳情の計12件を、本日のところ保留とするに賛成の方の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
委員長
挙手多数。よって、本日のところ保留とすることに決しました。
以上で、第137号陳情及び第144号陳情から第154号陳情の本日の審査を終了いたします。
子ども家庭部長、それから経営担当課長、保育サービス担当課長、大変御苦労さまでございました。御退席くださって結構でございます。
ちょっと休憩させてください。
(午後5時35分)
委員長
委員会を再開いたします。
(午後5時38分)
では、所管事項の報告に移ります。
1番の新しい中野をつくる10か年計画の策定状況について、既に報告をいただいた残りの部分についての報告をお願いします。
小谷松教育改革担当課長
新しい中野をつくる10か年計画策定状況の文教委員会にかかわります残りの部分、御報告申し上げたいと思います。
恐れ入りますが、後ろの方になりますが、10ページをお開きいただけますでしょうか。
10ページ中ほどでございますが、学校教育・再編に係るものということで、これは意見のNo.141から次のページの149まで、9件いただいてございます。内容につきましては、学校教育に関連しましては、先生は余裕を持って生徒を見てほしい。あるいは基礎・基本を徹底してほしい。それから、体力の低下対策などを進めてほしいといった内容でございました。それからまた、学校再編に伴いましては、安全対策や、あるいは個々の特定の学校について残してほしい。あるいはまた、新たな場所に統合新校をつくってはどうかといったような御意見をいただいてございます。
当委員会にかかわります意見の内容については、以上でございます。
それから、今後の予定でございますけれども、先ほど来からお話ございますとおり、この10か年計画につきましては、1月末に決定をしたいと見込んでございます。そして、2月中旬に、決定されました計画及びパブリックコメントの手続結果についての公表を予定しているところでございます。
以上でございます。
委員長
ただいまの報告に対し質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で本報告について終了いたします。
それから、報告の順番では番号3、教育委員会所管施設における厨房機器のアスベスト対策についての報告を求めます。
相澤学校教育担当課長
それでは、教育委員会所管施設における厨房機器のアスベスト対策について御報告させていただきます。(資料3)対象機種、使用箇所、台数でございます。
まず、ジェットオーブンでございますが、これは株式会社フジマック製で、平成12年までに製造されたものでございます。ファンを回すモーター周辺の断熱材としてアスベストが使用されております。台数は、全小・中学校の調理室で計43台でございます。
次に、ガス回転釜でございますが、日本調理機製の昭和62年までに製造されたものです。回転釜の外釜の内面に断熱材として使用されております。台数は、常葉少年自然の家、軽井沢少年自然の家、それぞれ2台、計4台でございます。
経過及び対応でございます。
アスベストが含まれる厨房機器の取り扱いにつきましては、昨年9月、東京都から送付された使用機器一覧を参照し、区独自でも調査を行ったところです。その際、当該機種のジェットオーブンについては、アスベストの使用は把握できませんでした。その後、さらに慎重に調査した結果、アスベストの使用が判明したものでございます。
ガス回転釜については、当初は対応する必要がないと判断しておりましたが、その後の調査の結果、今後の飛散の可能性も否定できないことがわかりました。
ジェットオーブン、ガス回転釜、両厨房機器に使用されているアスベストは成形品、つまり石綿を他の材料にまぜて、石綿が固定化している状態のもので、現在は飛散のおそれはないものでございます。しかし、経年使用により、今後の飛散の可能性も否定できないため、このたび対応することとしたものでございます。
ジェットオーブンについては、使用箇所を囲い込む金具を取りつけ、ガス式回転釜については、買いかえをするものでございます。いずれも今年度中に対応してまいりたいと考えております。
所要経費でございます。
おおむねジェットオーブンについては258万円、ガス式回転釜については180万円でございます。
以上でございます。
委員長
ただいまの報告に対し質疑はありませんか。
江田委員
2の経過の5行目で、「ガス回転釜については、当初は対応する必要がないと判断していたが、調査の結果、今後の飛散の可能性も否定できないことがわかった」ということですが、これは、経過、もうちょっとわかるようにしていただけませんか。それから、例えばどこかからの指導があってのことなのか、それとも独自の判断なのか、そこら辺も含めて。
相澤学校教育担当課長
ガス回転釜、当初対応する必要がないと判断したのは、アスベストが使われていることは承知しておりましたが、先ほど申しましたように、成形品といいまして、ほかの材料をまぜてあって安定している状態なので、飛散のおそれはないとそのとき判断したものでございます。しかし、その後、担当が他区の給食の担当者と相談して、情報交換等がございます。また、業者等にも再度確認した結果、機種も、昭和54年に買ったものというもので、かなり古いということなので、今後の飛散の可能性も否定できないということがわかりましたので、念のためというか、対応するようにしたいというふうに判断したものでございます。
江田委員
今までは建物についていろいろ気を使っていたんですが、こういう調理器具の問題というのは初めて報告を受けたように思うんですが、こういう事例というのはまだほかにあるんでしょうか。例えばアスベストを使っているけども、とにかく大丈夫だろうということで、当面このままでよろしいというふうに判断しているものというのは、このほかにもいろいろあるものなんですか。
相澤学校教育担当課長
常葉、軽井沢に使っております熱風消毒保管機というものがございますが、これも中にアスベストを使ってございますが、これについては、完全に囲い込まれている状態なので、特段、古くなって使えなくなるような状況になるまでは使えるということなので、注意してそういうものを見ていくことで対応は可能であるというふうにしております。
江田委員
あとはない。
相澤学校教育担当課長
ほかに使用はございません。
委員長
よろしいですか。
江田委員
はい。
委員長
なければ、以上で本報告は終了いたします。
そのほか理事者から何か御報告はございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
では、残りについては次回報告していただくというふうにいたします。
以上で、本日の所管事項の報告を終了いたします。
議題のその他でに入ります。次回の日程ですが、12月の委員会で、2月6日午後1時からということで確認されておりますので、よろしくお願いいたします。
以上で本日予定した日程はすべて終了いたしますが、委員、理事者の皆さんから特に発言はございませんでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で本日の文教委員会を散会いたします。
(午後5時45分)