平成18年03月15日中野区議会文教委員会(第1回定例会)
平成18年03月15日中野区議会文教委員会(第1回定例会)の会議録
平成18年3月15日文教委員会 中野区議会文教委員会〔平成18年3月15日〕

文教委員会会議記録

○開会日 平成18年3月15日

○場所  中野区議会第5委員会室

○開会  午後1時02分

○閉会  午後2時20分

○出席委員(9名)
 飯島 きんいち委員長
 酒井 たくや副委員長
 北原 奉昭委員
 久保 りか委員
 はっとり 幸子委員
 小串 まさのり委員
 篠 国昭委員
 昆 まさ子委員
 江田 とおる委員

○欠席委員(0名)

○出席説明員
 教育長 沼口 昌弘
 教育委員会事務局次長 金野 晃
 教育経営担当参事 村木 誠
 学校教育担当課長 相澤 明郎
 指導室長 小林 福太郎
 生涯学習担当参事 大沼 弘
 生涯学習推進担当参事 生涯学習担当参事兼務
 中央図書館長 細木 博雄

○事務局職員
 書記 岩浅 英樹
 書記 鳥居 誠

○委員長署名


審査日程
○議案
 第52号議案 中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
 第53号議案 中野区もみじ山文化の森施設条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
○陳情
〔継続審査分〕
 (16)第61号陳情 地域図書館7館を存続することについて
○所管事項の報告
 1 平成18年度の組織編成について(教育経営担当)
 2 採択された陳情及び主な検討事項の処理状況について(教育経営担当)
 3 中野区立小中学校校舎のあり方検討会について(案)(教育経営担当)
 4 教育ビジョン実行プログラム(素案)にかかる意見交換会の実施状況について(教育改革担当)
 5 教育ビジョン実行プログラム(素案)に寄せられた意見について(教育改革担当)
 6 教育ビジョン実行プログラム(案)について(教育改革担当)
 7 学校統合委員会について(案)(教育改革担当)
 8 連携教育調査研究会について(案)(教育改革担当)
 9 平成18年度就学予定者数(平成18年3月7日現在)について(学校教育担当)
10 文化・スポーツ施設の指定管理者との基本協定について(生涯学習担当)
11 区立図書館のあり方について(中央図書館長)
12 その他
○所管事務継続調査について
○その他

委員長
 それでは、定足数に達しましたので、本日の文教委員会を開会いたします。

(午後1時02分)

 本定例会における委員会の審査の割り振り等について協議をしたいので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後1時03分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後1時03分)

 本定例会における委員会の審査日程(資料1)についてお諮りいたします。
 1日目は議案2件の審査、陳情1件の審査とこれに関連する所管事項の11番の報告、2日目は所管事項の報告を1番から、3日目は審査の状況を見ながら改めてお諮りしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように進めます。
 なお、審査に当たりましては、午後5時を目途に進めたいと思いますので、御協力をお願いいたします。また、3時近くになりましたら、休憩をとりたいと思います。
 それでは、第52号議案、中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例を議題に供します。
 本件について理事者から説明を求めます。
相澤学校教育担当課長
 それでは、第52号議案、中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例について補足説明をさせていただきます。
 提案理由でございます。公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の改正に伴い、障害補償等に係る障害の等級について規定を改める必要があるというものでございます。
 それでは、お手元の中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例新旧対照表(資料2)をごらんいただきたいと思います。
 左の欄が改正案、右の欄が現行の条文となってございます。
 まず、別表2、傷病補償表(第8条関係)でございます。これは学校医が公務災害に遭った場合に適用される傷病補償に係る障害の程度の文言などの改正でございます。現行の第2級の項、第4号をごらんいただきたいと思います。「腕関節」と表示してございますが、これを改正案で「手関節」と改めるものでございます。
 続きまして、別表第3、障害補償表(第9条、第13条関係)でございます。これは学校医などが公務災害に遭い、障害が残った場合に適用される障害の程度の文言などの改正でございます。現行の2級の第5号、第5級の第4号の「腕関節」を同じように「手関節」に改正いたします。
 以下、同じように、現行の各級の表中で使われている「奇形」を「変形」に改めます。これは第6級の第5号でございます。同じように、恐れ入ります。3ページ目をお開きください。一番上の第11級の第7号、同じくすぐ下の第12級の第5号を同じように改めるものでございます。
 次に、「仮関節」を「偽関節」に改めます。もう一度、恐れ入ります。1ページ目をお開きください。これは1ページ目下の第7級の9号、10号。2ページ目をお開きください。第8級の8号、9号でございます。
 次に、「薬指」を「環指」に改めます。第11級の第8号、第12級の第9号でございます。
 次に、「末関節」を「遠位指節間関節」と改めます。これは、恐れ入ります。4ページ目の一番最後の級の第14級の第8号でございます。
 以上の文言の改正は、整形外科関係の用語について、学会で定着している用語に改めるという内容のものでございます。
 恐れ入ります。2ページ目にお戻りいただきたいと思います。2ページの中ほど、改正案の第10級の第2号、「正面視で複視を残すもの」。また、3ページをお開きください。3ページの真ん中からやや下の第13級の第2号、「正面視以外で複視を残すもの」については、新たに目の障害として加わったものでございます。
 また、手・指の障害については、政令の基準改正に基づき等級を一部変更してございます。例えば2ページをお開きください。2ページの第10級の第6号で、「1手の示指を失ったもの」とございます。これは示指、人さし指のことでございますが、これを失ったものに係る障害の等級は現在10級でございますが、改正後は1級引き下げて、3ページをごらんいただきたいと思います。3ページの改正案の第11級の8号、中指または環指、薬指を失ったものに係る障害の等級と同一の等級に改めるというものでございます。以下、同じような考えで、各級のところ、示指、つまり人さし指に係る障害については文言整理してございます。
 恐れ入ります。また3ページをごらんください。小指を失ったものに係る障害でございます。現在、13級の第5号でございますけれども、改正後は1級引き上げて、第12級の第2号とするものでございます。
 以上の改正は、労災保険の障害等級認定基準の改正、障害補償に係る障害等級の改正等のための国家公務員災害補償法及び地方公務員災害補償法の一部を改正する法律の改正に対応しているものでございます。
 なお、この条例は公布の日から施行し、平成16年7月1日から適用するものでございます。
 なお、必要な経過措置を設けているものでございます。
 以上でございます。よろしく御審議お願いいたします。
委員長
 これより本件に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 質疑がなければ、取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後1時11分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後1時11分)

 ほかに質疑がありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 質疑がなければ、質疑を終結いたします。
 次に、意見の開陳を行います。
 意見はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 意見がなければ、意見の開陳を終結いたします。
 次に、討論を行います。
 討論はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 討論がなければ、討論を終結いたします。
 これより本件に対する採決を行います。
 お諮りいたします。
 第52号議案、中野区立小学校及び中学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例を原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように決定いたします。
 以上で第52号議案についての審査を終了いたします。
 次に、第53号議案、中野区もみじ山文化の森施設条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例を上程いたします。
 本件について理事者の説明を求めます。
大沼生涯学習担当参事
 それでは、第53号議案、中野区もみじ山文化の森施設条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例でございます。
 このたび指定管理者制度の導入に当たり、利用料金の仕組みを整備したところです。利用料金の限度額の設定については、現行の使用料の額を限度額と定め改定したところです。しかし、別表の中のもみじ山文化センター大ホールの利用料金の限度額のうち、入場料を徴収する場合の土曜日の午後の利用料金の限度額を17万8,500円とすべきところを、平日の午後の利用料金15万1,800円とし、誤りがありました。このたび、これを正しい額の17万8,500円に改めるものであります。まことに申しわけありませんでした。
 お手元の条例新旧対照表(資料3)には、土曜日17万8,500円で、誤りの15万1,800円のところにアンダーラインを引いているところです。まことに申しわけございませんけども、改正方よろしくお願いいたします。
 以上です。
委員長
 それでは、本件に対する質疑を行います。
 質疑はございませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 質疑がなければ、取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後1時13分)

委員長
 では、委員会を再開いたします。

(午後1時13分)

 ほかに質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 質疑がなければ、質疑を終結いたします。
 次に、意見の開陳を行います。
 意見はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 意見がなければ、意見の開陳を終結いたします。
 次に、討論を行います。
 討論はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 討論がなければ、討論を終結いたします。
 これより本件に対する採決を行います。
 お諮りいたします。
 第53号議案、中野区もみじ山文化の森施設条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例を原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように決定いたします。
 以上で第53号議案についての審査を終了いたします。
 それでは、陳情の審査を行います。
 平成16年第61号陳情、地域図書館7館を存続することについてを議題に供します。
 それでは、最初に御確認いただいたとおり、陳情に関連した報告、11番の報告を受けたいと思いますので、陳情審査はいったん保留といたします。
 所管事項の報告の11番、区立図書館のあり方について報告を求めます。
細木中央図書館長
 それでは、区立図書館のあり方(資料4)について御報告を申し上げます。
 既にこの区立図書館のあり方につきましての案につきましては、昨年12月に当委員会に御報告を申し上げたところでございます。このあり方ですけれども、基本構想の策定検討、それから、10か年計画の策定に関する検討の中で、区立図書館の再編あるいは数の減少というふうなことが強く課題として求められたことから、区立図書館のあり方について検討をしてきたところでございまして、案の段階での10か年計画の検討の状況を見ながら、それに整合させるあり方を検討するということで今日までまいったわけでございますが、10か年計画が1月31日に策定の運びとなりまして、あり方の案の段階と変化がございませんでしたので、区立図書館のあり方につきましての案を取る形で内容の変更はせずに、区立図書館のあり方とするものでございます。
 簡単に御説明をしたいと思います。
 はじめにでございますけれども、ここには、これまでの中央館1館、地域館7館の8館体制ということで、区民の期待にこたえてまいったということ、それから、基本的な図書館の機能に加えまして、区民の交流、あるいは地域文化をはぐくむ共有空間という、そういったこと、あるいはITへの対応と、こういったことを含めまして、図書館の機能を維持、さらに充実させるという考え方で検討をしてきたということでございます。
 区立図書館の現状につきましては、簡単に書いてございますけれども、必ずしも施設的には魅力ある空間とは言いがたいということとか、それから、老朽化が進んでいるということ、それから、現在のところでは、魅力ある空間への建てかえというのが難しい地域館が多いというふうな認識を持っているところでございます。
 サービスと利用者の状況でございますけれども、区立図書館というのは、区立の施設の中では最も利用者が多いものでございますけれども、近年、蔵書におきまして、なかなか蔵書の更新が十分に行われないということもございまして、図書館の利用も低迷してきた。ここのところ若干、以前よりも少しは資料費等も増加をしてきておりますので、それに合わせた形で利用者もふえてはおりますけれども、まだ依然として低迷状況にあるという認識でございます。
 ITへの対応ですけども、これは積極的に私どもITを活用してきましたけども、さらなる活用が課題だというふうに認識をしています。
 開館日につきまして、委託ということを行うことの中で大幅に拡充をしてきた。
 学校図書館の連携につきましても、中野区として他区にないすぐれた連携の方式をとってきているところですが、さらなる連携の充実が課題だという認識でございます。
 運営の状況ですけれども、委託ということでさまざま充実をしてきましたし、それから、職員の資格レベルでも向上したという認識を持っているところです。財政状況、常に制約があるわけですけれども、資料の質の向上あるいはサービスの充実と、こういったことを今後の重要な課題だというふうに思っているところです。
 中野区がめざす図書館像というところですけれども、図書館の役割と機能、これは先ほど前書きのところで述べたようなことがございますけれども、本への魅力はこれからもなくなることはないというふうな認識の中で、最も基本的な資料の収集・整理・保存・提供という四つの業務によりますけれども、区民の調査研究などへの支援、こういったものをこれまでもしてきましたけど、さらに魅力ある施設としていくということが求められていますということです。子どもたちには特に、読書の大切さというふうなことを身につけていく支援をしていかなければならないということです。
 施設のあり方ですけれども、小さい図書館、あるいは老朽化しているということがあるわけですが、区民が足を運んでみたくなるような、暮らしの中で安らぎやゆとりが感じられ、文化の薫りを醸し出している、町の中の粋な空間というような施設であることが求められるというふうに考えてございまして、ただ、しばらくの間といいますか、ここ10年間、建てかえとかということが計画にのっておりませんので、現実論とすればなかなか難しいわけですが、そういう方向で物事を、館の運営を考えていきたい、そういう工夫をしたいというふうに思っているところです。
 サービスの向上というところですけれども、蔵書と選書ですが、基本的な図書を多彩に収集するということですけれども、専門的なものについての要求にもこたえていく必要があるというふうに思っていまして、タイムリーな課題についての収集を行って、利用頻度が高い図書を持っていこうというふうなことです。中央館と地域館のその場合の資料の持ち方について、ネットワークとして機能していくようにやっていこうということで、特色ある地域図書館というものも目指していこうというふうになっております。一方では、書架が満杯になってくるということがございまして、どうしても保存をしておきたいというものもございます関係で、ストックヤードも新しく設けていくということも考えていこうとしています。もちろん都内の図書館とのネットワークを活用するということは、今までどおりでございます。
 ITの一層の活用という課題に対してのことですけれども、現在でも民間のデータベースなどの活用をしてございますし、開放端末・PCの個人利用なども行っておりますけども、こういったものを組み合わせたサービスを一層努力していこうというふうに考えている一方、6ページになりますけれども、図書館の運営、それから、蔵書の管理といったことがございまして、ICタグの導入に向けた検討を行っていこうということになっております。
 子どもの読書活動の推進ですけれども、今年度、文部省のモデル事業を実行委員会の方式でやったという経緯もありますけども、子どもたちの自主的な読書活動をより積極的に支援していきたいというふうに思っています。
 魅力ある図書館を目指す活動ということですけれども、区民の皆さんの読書会を支援するというようなことなども含めまして、積極的に場を提供する、あるいは資料を提供する等の支援を行って、区民が交流できるというふうな活動も支援していきたいと。あるいは、場合によっては協働の事業の開催をするというようなこともすることで、魅力ある図書館にしていくということになっています。
 学校図書館との連携ですけれども、たびたび話題になって御質問もございましたけれども、学校図書館は施設設備面の条件と、蔵書、人的対応を中心としたソフト面の条件が整備された学校から順次開放を進めていくということで、一方では連携強化を図りつつ、地域開放ということにも進めようということです。
 施設の運営ですけども、毎年アンケートをとりつつ、利用者の皆さんの満足度といいますか、そういうものを図っておりますけれども、できるだけ機動的な運営をしていこうというふうに思っております。目下、16年から委託をしてきたわけですけれども、この方式が一応安定してきたということ、それから、これからそれを充実しようとしているところでございまして、指定管理者制度の導入が可能となってはおりますけれども、なかなか指定管理者制度についての評価というものも難しいところがございますので、他の自治体の状況を踏まえながら研究していこうということになっております。
 図書館の再編ですが、10か年計画におきましては、図書館の建てかえ・再編は計画化されてございません。しかしながら、狭小のものもございますし、いずれ改築によって改善を図り、魅力あるものにしていくということが必要になっているところです。整備に当たりましては、安らぎやゆとり、あるいはゆっくり図書を閲覧したり選択できるような、そういったスペース、あるいは講演会、文化活動などに利用できるスペース、区民が積極的に交流できるスペース、あるいは小学校との連携等が果たせるような、そういった要素を含めたものを視野に考えていこうということでございます。その際、地域図書館の質を高めながらですけれども、これまでの議論の結果、現在の8館体制を維持していくということが、財政的にも敷地条件などからも難しいという認識がございまして、安定して持続的にサービスを提供していくためにも、将来の改築に合わせて具体的な再編を検討していく必要があるというふうになってございまして、ここのところが今後に向けた課題というふうに認識をしているところでございます。
 以上でございます。
委員長
 ただいまの報告に対し、質疑はありませんか。
江田委員
 これまでも何度か質疑をしてきましたが、案が取れたということですので、改めて再確認みたいなことになりますが、質疑をしておきたいと思います。
 一つは、5ページ目でちょうど中ごろ、30万人都市において開架図書更新率は10%が望ましいとされており、現在は4.6%の向上を目指しながら云々という言葉があるんですが、通常10%の更新率を目指すというふうになった場合に、今の図書購入費がどの程度保障されないと、ここに到達することにならないのか、そこら辺の見通しみたいなものは持っておられるんですか。
細木中央図書館長
 更新率といっても非常に考え方が難しいわけでございまして、例えば中央館だけを考えた場合に、閉架の図書資料があります。古くから蓄積されている図書資料と、それから、開架式でやっているのがあります。全部のうちで10%というか、開架に対して10%というか、そういう難しさがあるわけです。ですけど、一般論とすれば、全体の10%というと膨大な量になりますので、開架部分の10%というふうに考えるのが妥当なところだろうというふうに私は思っております。ですから、地域図書館は全部開架ですから、それを合わせたものというふうに思うわけです。ですから、50万程度開架だと思いますので、それの10%ぐらいと、あらあらそんな計算になろうかというふうに思っています。
江田委員
 そうしますと、現在の図書資料購入費をどの程度までふやしていけば、そういうことが可能になっていく見通しですか。
細木中央図書館長
 図書の単価その他もありますけれども、今現在、来年度予算では8,500万円と言う図書資料費の予算を入れさせていただきました。いろいろな資料がありますので、図書だけではない資料も、従来からも買っているものも、中止しているというようなものもありますから、そういうものも含めてですけれども、一番うちの図書館で、平常になってから、初度調弁のとき、中野中央館を開館したばっかりのときにはたくさん予算がありましたから、それは除きまして、平常化した段階では、これまで1億円ちょっとの予算措置がされておりましたから、そこが、現状におきまして最低それぐらいは望みたいというふうに思っています。
江田委員
 逆に言えば、今まで図書資料購入費が減らされていく前、例えば10年前ぐらいを基準にとった場合に、その当時の更新率というのは大体どのくらいだったんでしょうか。
細木中央図書館長
 申しわけないんですけれども、今、数字を持ってございませんので、計算もしていませんので、お答えできないんですけども、10年前にはちょうど中央館の開館時に当たっておりまして、それで、予算をたくさんいただいて、新しい資料を充実した時期だったと思いますので、その時期との比較はちょっとしない方がいいかなという感じがしております。
江田委員
 資料が手元にないということですので。いずれにしても、いろんなものを読みますと、更新率、10%というのはなかなか額的には相当なものだと思いますが、更新率10%というのは一般的に言われていることですので、ぜひそれに向けて一層の努力をお願いしたいというふうに思います。
 それで、サービスの向上のところで、ITを活用した情報提供、あるいは子ども読書活動の推進、魅力ある図書館を目指す活動、学校図書館との連携・支援ということで、課題がそれぞれ述べられているんですが、これは一つひとつ、文章上は全くそのとおりだというふうに思うんですが、これを具体化していく上に当たっては、個別にまた計画をつくる予定があるのかどうか。そこら辺の、これを実際に推進していく上ではどういう努力をされるのか、お聞きしたいんですが。
細木中央図書館長
 ITの活用というところにおきましては、今のシステムは平成15年からシステム更新をしまして使っているもので、これは5年のリースの形でもって運用しています。これを次のシステムにバージョンアップするというときに合わせて、ICタグを使えるようなことを構想するとか、今でもさまざま細々とした運用上の改善はしているんですけれども、そこに向けて次のシステムをこれから考えていこうというふうに思っています。
 学校との連携の部分で、学校図書館の開放といった事柄については、先ほど申し上げましたように、学校の方の準備、それが具体になってくる中で考えていきたいというふうに思っているところです。子どもの読書活動の推進というところにつきましては、図書館にもちろん子どもたちに来てもらって、図書館を使いながら読書活動を推進するということは当然ですけども、これまでも相当やってはきておりますが、学校等への支援あるいは病院等への支援と、こういったことを読書案内とかブックトークといったことを通じながら進めていきたいというふうに思っています。
 施設的なところでは、具体に施設を拡張するとかいうことはなかなかできないということがございますが、何とか可能な限りは、求められている、少しは余裕のあるといいますか、そういうふうな空間をつくっていけるような努力をしていきたいというふうに思っています。
江田委員
 ここで書かれている課題、私どももぜひこうした点を充実していただきたいということばかりなんですが、これを推進するに当たっての具体的なプランをぜひつくっていただきたいというふうに思います。そのことを要望しておきたいと思います。
 それから、もう1点、10か年計画の議論の中で、地域図書館をそれぞれ、要するに特色のある地域館にしていくんだという、そういう言い方がいろいろされておりました。私どもは、特色ある図書館ということもいいけども、基本的にはやっぱり地域館が基礎的な設備をきちっと備えた、蔵書の点でも地域の方々のニーズにきっちりこたえられるような、そういうレベルアップが必要だと。その上で、地域図書館としてのそれぞれの特色ある内容を備えていくということではないかという、そういう議論をした部分があるんですが、そこら辺はこの中に余り出ていないようですが、どのような議論がされたんでしょうか。
細木中央図書館長
 確かに特色ある図書館という議論といたしましては、何か個別のテーマに特化した、専門図書館みたいな格好のものをという考え方があることはあるんですけれども、私ども教育委員会といたしましては、その考え方には立ってございませんで、地域図書館、どの図書館もきちんとしたものをともかくは確保するということを前提にしながら、中央館の機能を背景にして全体としてのネットワークの中で、地域館の利用者であっても、中央館の図書館であっても、できる限りの公平なサービスが受けられるということを実現したいというふうに思っているところです。
江田委員
 最後にしますが。学校図書館で、司書の問題がいろいろ国の段階で議論されておりまして、司書の配置ということが一つの課題になってきておりますが、ここら辺については、地域の図書館と学校図書館の連携ということを考えていく上でも、司書の配置ということは大事なことだというふうに私ども思っております。今は中野独自の指導員が配置されて、非常に大きな効果を上げておりますが、それを一層充実させていくという意味での司書の配置ということとして考えていきたいというふうに思っているんですが、そこら辺の動きはどういうふうになっているのか、最後にお聞きしておきたいんですが。
細木中央図書館長
 私ども、今現在、図書館のあり方についてということの中で御報告を申し上げている範囲で、学校図書館との連携ということを申し述べております。学校の方の施設面、あるいはソフトの条件が整えばということを述べているわけですけれども、それで、なおかつその先に、どういうソフトで運営していくのかということがあります。学校はどういうふうな、人的というところと、どういうソフトでというところがあります。公共図書館、私どもの方は、やっぱりそれにどう支援するか、どういうふうに絡むのか、あるいはこちらがやるのかみたいなことを含めて、その中身をこれから検討するということにしてございますので。学校図書館に、司書あるいは従事する職員という課題につきまして、整ってくる中での検討の中で結論を得ていくと、そういうスタンスでおります。
江田委員
 図書館の側からはそのとおりだと思うんですが、国の動向としてつかんでおられる方がおりましたら、教えていただきたいんですが、最近の動向。
金野教育委員会事務局次長
 学校における司書教諭の配置と図書の配置については、これまで何度か議論になっておりますが、最近特に新しい動きが出ているというようなことについては、私の方では把握しておりません。
久保委員
 前回案として出されたものが、全く変わらず今回、この区立図書館のあり方についてというふうに出されたようですけれども、そもそもこの区立図書館のあり方についてというこれをまとめるに至った経緯は、どのようなことだったでしょうか。
細木中央図書館長
 図書館側あるいは教育委員会の側にも、資料費が大幅に削減されるというふうなこととか、それから、狭小で老朽化した図書館をどうしていくかといった課題が独自にあったことは確かだと思います。けれども、それ以外にまた10か年計画におきまして、再編あるいは廃止というふうな事柄が大きく提起された関係から、それに対応する図書館はどう考えるべきかということを検討してきたということでございます。
久保委員
 10か年計画には、再編とか配置というのは図書館についてありましたか。
細木中央図書館長
 10か年計画には結果としてございません。
久保委員
 ということは、これは現状維持と言ったら変ですけれども、10か年の中で特に再編とか廃止、また、改修ですとか建てかえというようなものが具体的には示されなかったので、この区立図書館のあり方についてという検討そのものが不必要なものになってしまったということですか。
細木中央図書館長
 建てかえということを前提としたあり方ではなくなったということです。
久保委員
 ただ、やはり結論的には、図書館の再編という最後の4番目を読みますと、施設面でも改善を図り、魅力ある空間としての図書館に整備をしていくことが必要であるというようなことですとか、今後も安定して持続的に図書館サービスを提供していくためにも、将来の改築に合わせて具体的な再編を検討していく必要がある。これが結論的に、図書館のあり方についてを検討していく中で出てきた結論のように私には思えるんですが、そうでしょうか。
細木中央図書館長
 そのとおりです。
久保委員
 具体的に、先ほども具体的なプランというようなお話がありましたけれども、これはいつ示される予定ですか。
細木中央図書館長
 具体的なプランというのは、備えなければならない、つまり10か年計画にしても、もしかしたら改定になるかもしれないということがありますので、私ども所管の責任とすれば、それに備えて、困らないようにあらかじめ検討していって、準備をしておくという意味合いで、プランを検討していくというふうに考えています。この次の改定等があるときに、どういうふうに課題が設定されるかということに合わせて、また物を考えていかなきゃならないというふうにも思っています。
久保委員
 あくまでも10か年が改定されるとか、そういった形で示されない以上は、区立図書館のあり方というのを教育委員会側から発案することはできないということなんでしょうか。
細木中央図書館長
 発案するということができないことではないんですけれども、目下は10か年をまとめるということの過程の中での現在の結論がここにあるということでございまして、例えば耐震診断とか、何かいろんな条件が新たにといいますか、あったりしますと、それは当然にも現実対応しなきゃいけないわけですから、そこでもって、そこをどうするということもテーブルにのせて動かしていかなきゃならないと、そういうことになると思います。
久保委員
 具体的に18年度に、野方図書館ですとか鷺宮図書館というのは耐震精密のような計画が出ているかと思うんですけれども、それはその結果を見てからでないと、教育委員会側からは何も御提示する必要はないということなんでしょうか。
細木中央図書館長
 目下、ここに至るまでの間に相当のやりとりをさまざましてきてございまして、ある意味では、再編ということにおきます、あるいは建てかえにおきます施設サービスのレベル、質というものについての詰めが成り切っていないところでありますので、現在の館数を維持するということの方が、目下のところベターな選択だったのではないかというふうに思っております。
久保委員
 館数を減らすとかいう話は、今、私は具体的に伺ったわけではないんですけれども、今、館数を維持するということがベターというふうにおっしゃられましたね。それは10か年の中ででしょうか。10か年の計画の中に、再編ですとか、そういった具体的なものが何もなかったので、この10か年の期間の間は館数を8館維持することがいいというふうに、そういう判断をされたということですか。
細木中央図書館長
 今の流れの中では、それが図書館にとってはベターだというふうな判断が正しいと思っています。
久保委員
 具体的に8館を維持しつつも、耐震精密診断の結果、とてもこれは老朽化をしている、また耐震で危険であるというようなことで、改築ですとかということが、実際にそういうことが示される場合もあるわけですね。その場合は8館を維持したまま、そこで建てかえですとか、もしくは館数は減らさずに改築をしていくという、そういう考えでよろしいんでしょうか。
細木中央図書館長
 目下のところ計画がそもそもありませんから、改築を計画するということであったらば、このスタンスと変わると思うんです。10か年計画の中身が変わるということになりますので。その際には、その際の議論をきちっとしないとならないだろうというふうにも思います。再編前提に建てかえるという話にするのか、館数維持という前提でもって改築するのかということについては、結論が出ているわけじゃありませんので、改めて議論をするということになろうかと思います。
久保委員
 10か年の中には、館数を維持するとか、そういったことも何もないんですね。だから、場合によっては、これは特に10か年を改定しなくても、結果的にとても老朽化していて、建物そのものがだめなのであるということで、これは危険であるので建てかえなければいけないだろうというような判断が例えば出てきたとしますね。そういった場合は、特に10か年を改定しなくても建てかえなければいけないわけですから、その場合は新たに、図書館のあり方というか、図書館の再編として、教育委員会として今後のあり方をその上で検討されるという、そういうことでよろしいんでしょうか。
細木中央図書館長
 検討せざるを得ない場面だろうというふうに思います。むしろそうであれば、受け身でなく、積極にこうありたいということを申し述べないといけないだろうというふうに考えます。
篠委員
 5ページで、蔵書と選書とありますよね、サービスの向上に。これは選書とか、蔵書から外すという権限はどなたにあるんですか。
細木中央図書館長
 廃棄ですよね。除籍、廃棄につきまして、私が決定をしております。
篠委員
 それで、新聞で時々、こういう図書は余り、考え方として、個人的な考え方で、一連の蔵書は廃棄されたというようなニュースを聞くんですが、現実、最後の決定は図書館長がするとしましても、現実の事務はそんな状態じゃないわけでしょう。
細木中央図書館長
 実務はもちろん図書館員が行うわけです。基本的には、もう古くなったので利用がないとか、破損しているとか、そういったものが中心になるわけです。まだ、利用者が少なくなっているけれども、維持しておいた方がいいというものをできる限り維持したいわけですが、それでもなおという場合には、都立の中央図書館なり、蔵書を確かめまして、そちらの方で受け入れてもらうというふうな方法もとりつつ、その資料が何らかの形で利用できるような形をできる限りとっているというのが実態です。だれかが恣意的に一定の本について廃棄してしまうというふうなことは、私どもの図書館にはございません。
篠委員
 ですけど、方針として、利用頻度が高い図書を蔵書していくというのは、余り格調高くないですよね。よく使う、これはみんなが要る。そうじゃなくて、何の役にも立たないかもしれないけど、そのことが大切なんだという思想がどこにも感じられないんですけど。そういうところにもしっかり思いをいたしているんでしょう。
細木中央図書館長
 その前段には、知性をはぐくむのに必要な基本となる多彩な図書を収集する、あるいは専門的な図書に対する要求にもこたえていくという、基本的にそう認識をまずしております。とはいいながら、その時々にどうしても必要な分野とか物事というのがありますから、そういうふうなものについてはタイムリーに集めて、なおかつ残すべきものは残す。利用頻度が高いもの、あるいはいいものは残しつつというふうな考え方をここにつなげてあるというつもりでございますので、御理解をいただきたいと思います。
篠委員
 図書館長の考えがしっかりと下におりていれば、余り心配しないんですが。例えばここでいう、人権という言葉はないですが、平和ですとか、男女共同参画、まるっきり両面から鋭い指摘があるわけですよね。片方の意見としては、差別、人権を激しく言えば言う人ほど、いざというときに一切行動を起こしていないという強烈な指摘もあるわけです。やはり現実我々も、拉致の問題を通してでも実証済みで、そんなことがあるわけないと言った方々はただ黙るという図式しか見えてこないんですが。やっぱり本物を目指すためには、両方の考えがあるという切り込みが必要であるというような、館長の気持ちがしっかりと下におりていく必要があると、このように思っておりますので、これは要望いたしておきます。
 そして、学校の図書も含めての考えでいいんですけど、まるっきり流れとして減ってしまった流れの中に、教科書もそうですけど、人物に対する子どもの影響力の強さというのは、我々も野口英世の映画を見た途端に、うちに帰って掃除を始めるなんていうほど影響力があるわけですよね。そういったものについて、歴史的な60年間の流れの中に少しずつ、伝記をおろそかにしてきたという流れは感じ取れるんですけど、その辺は学校図書館も含めて、全体的にどんな把握の仕方をされていますか。
細木中央図書館長
 児童書では、伝記物、あるいは歴史的な人物といいますか、あるいは歴史小説、子どもたちにもそういうものがありますけど、そういうふうなことの中で、人物についての図書はきちんとそろえて利用に供していると思っております。子どもたちも、なかなかそういう本に興味がある子どももおりますので、たくさん読む子もいるようです。学校の方でも、学校図書館の蔵書を見させていただきますと、伝記物等もそろってございますので、バランスがとれた形になっていようかと考えております。
篠委員
 6ページでは、ちょうど魅力ある図書館を目指す活動の上のところ、子どもたちの自主的な読書活動を支援という部分と、このページの一番最後で、いろいろ考えたけど、やはり地域に開放していく学校図書館というとらえ方の一端が示されているんですが、地域の乳幼児親子を対象としていくというところまでは方針がほぼ決まっているんだというように読み取れるわけですが、私が最初に申し上げた子どもたちの自主的な読書活動、これは放っておいても、本が好きで、寸暇を惜しんで読むというような子もいますよね。こと受験勉強なんかで見ると、やはりそういう習慣がついた人は、受験勉強専門で頑張らなくても、大変高いハードルを超えるというケースを私も多数見てきているんですけど。学校が大変、小・中含めて読書指導に力を入れているということは感じられるんですが、子どもたちの読書ということに関しては、やはりその問題自体に深い関係者の努力があったと感じられるんですが、学校と図書館との連携という部分で、話し合いを定期的に持っているとか、いや、学校現場で朝の読書なり何なりの習慣がついてきたのは、教育委員会の目線の正しさが行き渡り始めたんだとか、いろいろな判断があると思うんですが、その辺に関連してどのようにお考えでしょうか。
小林指導室長
 今、御指摘の学校の指導におけるあり方ということですけれども、一つは、学習指導要領の中に、小学校に関しては、社会科の中で取り上げるべき人物42名というのが明記されておりますので、学校では、最終的には学校長の判断でそういったものを関連し、子どもたちが学習しやすいような環境をつくり上げていくという視点から、限られた予算の中ではありますけれども、図書を購入して、子どもたちによりよい環境を培っていくというような状況がございます。
 一方では、学校全体でやはり、いわゆる社会科だけに限定せずに、また国語も含めて、全教育活動を通しての中で朝読書を進めていくとかという取り組みも徐々にございます。ただ、これは当然、今、学力調査等もやっておりまして、読解力の課題なども学校によってさまざまでございますので、そうしたものに学校を正対していくというような、一つのあらわれだというふうには思っております。
 今後、今、委員御指摘のような、そうしたそれぞれの活動については、状況に応じて積極的に学校に対しては働きかけていきたいなというふうに考えております。
北原委員
 ストックヤードのことについてお聞きしたいんですけれど、中野の図書館は床面積が大変狭いですから、特に地域図書館の方は、蔵書ということになりますと、本当に維持管理というのが大変だと思いますよね。それで、一番最後にできた、平成5年に開館した中央図書館の方というのは、蔵書数が多いのはわかるんですけど、今はスペースの関係、特にストックヤードの関係についてはどうなっていますでしょうか。
細木中央図書館長
 実は中央図書館も満杯に、地下の閉架の書庫の方も、集密書架ですけども、今ある集密書架は満杯なんです。無理をすれば、集密の書架を2台か3台入れられるんですけど、それ自体が非常に高価なものですから、今、それを追加的に導入するということには踏み切っておらないんですが、どこか区有の施設であいている施設を利用して、ストックヤードにするしかないというふうに思っているところです。野方図書館の旧青年館部分につきましては、野方図書館の図書館施設というふうになって、既に位置付いているものですから、1階部分の部屋につきまして、そこをストックの場所として今、活用しているところです。まだ本が全部運び切れていないところがありますけども、当面、レファレンス用の図書で、そう利用頻度は高くはないけれども、どうしても維持をしたいというものを、野方のところに維持していきたいというふうに思っているところです。
北原委員
 わかりました。それで、すべての図書館がほぼ満杯ということですから、恐らく図書の更新率なんかを見た場合、必ず一定量これは廃棄しないと、多分立ち行かないんじゃないかなと思いますけれども、今、蔵書の廃棄についてはどのようにされていますでしょうか。
細木中央図書館長
 まずはリサイクルということを考えておりまして、実はこれを廃棄するとなると、廃棄にもお金がかかったりするものですから、できる限りリサイクルをしてもらいたいということで、児童書については学校が相当に利用します。保育園も利用しますし。児童の本については、本当にぼろぼろになってどうしようもないもの以外は、かなりの程度でリサイクルされています。一般の図書につきましても、毎月1回、かなり大量にリサイクルになりますけれども、リサイクルに回せる程度のものについては、ほぼ100%はけてしまいます。本当にもう利用に供せないというふうなものは、やむを得ずリサイクルには回せませんけれども、相当の程度にリサイクルに回せておりますので、かなり有効には使っているというふうに考えています。
北原委員
 区民にそういう形で、廃棄されるのが再利用されていくということは大変重要だと思っておりますので、ぜひ今後とも続けていただきたいと思います。
 それから、あと、今後の10年間は図書館の方を建てかえるとか、あるいは存続とか廃止とかということはないというような話でありますけれども、いずれにしても、築35年を現時点で経過している図書館があるわけですから、図書館の建てかえということは、10年以降に、恐らく中野区の図書館行政の中で、地域図書館の見直しということは必ず日程に入ってくると思うんですね。そのときに、中野は一体最終的にどういう、中野として地域図書館あるいは中央図書館をどういう形で維持していくのか、あるいは新たな再構築をするのかということは、やっぱり広く前もって議論しないといけないと思うんですね。
 というのは、ある東京都に隣接する図書館なんですけれども、実は県立図書館の大きな分館がある1か所にできたんですね。それは県庁所在地ではなくて、中規模都市の中にできたんですが、実はそれ、開館してから数年後に閉館しているんです。そのときに、閉館するためにかかったお金、すごいお金がかかっているんですよ。結局維持できなかったということなんですが、実は最終的に廃棄した冊数は何十万冊なんですね。それは自治体の方で、県民の方に無料でと処分されたんですけれども、それ以外の本が物すごい量だったんですよ。それで、私もその本を見させていただいたんですが、非常に高度な専門性の高い本でありまして、例えば数学とか物理とか、そういったものまで網羅していまして、非常に質の高い図書館なんですけども、逆に言うと、それだけ利用頻度がなかったということであったかもしれません。
 そういうことを考えたときに、中野が将来目指すべき図書館像というのは、これは示されているわけですけれども、もう少し具体的にやっぱり検討されておいた方がいいかと思うんですが、その辺はどうでしょうか。
細木中央図書館長
 運営上、選書をする、どういう本を入れていく、どういう本を維持していくということについては、ずっと蓄積経過の中でやってきておりまして、それを大幅に変えるということではなくて、大方いけるというふうに今でも思っていますけども、ただ、必要な質はどうしても確保したいということがあります。余り難しいというか、高度過ぎて利用が余りされないということでもいけないというバランスの中で考えなきゃいけないと思っていますけども。ただ、どこかの時点で、図書館の改築なりということは必ず日程には上ってきますので、将来的にどの程度の蔵書量を持っていくかというふうなこと等も含めまして、そういうあり方についての検討をしていかなきゃいけないと思っています。
飯島委員
 初めに、この区立図書館のあり方については、今後の図書館のあり方を検討してきたということでまとめられているんですが、この考え方のスパン、つまり今、要するに10か年計画ができましたけども、この10か年計画の期間の中における考え方なのか、つまりあり方について。それとも、そういう期間にはこだわらないものなのか。この辺はどうなんでしょうか。
細木中央図書館長
 期間にはこだわっておりません。10か年と整合をつけているということは事実ですけれども、これ自体は期間をいつからいつまでにするということではなくて、どういう内容の方向で進みたいということを述べているということでございます。必要に応じて、あり方について、あるいは具体的な事柄についてつけ加えていくということになろうかと思っています。
飯島委員
 そうすると、時期も限らず、いつまでもという話でもない。有効期限を持ちながら、賞味期限ははっきりしませんよというあり方ということになると、これはなかなか問題があるなと、一面では、と思います。ですから、それぞれ先ほど来、皆さんおっしゃっているように、考え方の一つひとつについては、より詳細に計画を詰めなきゃいけないとか、あるいは立地にかかわる問題についてはどうするんだとか、再編についてはどうするんだ、いずれまた細かく考えなきゃならないだろうと。それはその時そのときで考えますよと。当面、図書館のあり方についてはこういうことだなということだということを前提にしてお尋ねをしますが、やっぱり今後、敷地条件などから現在地で魅力ある空間としての図書館への建てかえが難しい地域図書館が多いということで、資料の2で、地域館、中央館、こう書いてあるわけですが、現状の現在地での建てかえが難しいというふうに考えていらっしゃる図書館は、どれと、どれと、どれですか。
細木中央図書館長
 今、どういった図書館にしていくかということにもよるわけですけれども、例えば本町図書館も敷地が非常に狭うございまして、規模を大きくしようとすると、無理かなというところがございます。南台図書館も同様かと思います。そのほかの図書館につきましても、現状よりも規模を大きくするとすると、敷地的になかなか厳しいものがあるというふうには思っています。野方図書館は敷地はありますけれども、敷地があの場所でいいかどうかということも含めてありますが、敷地は、野方図書館には多分あると思います。鷺宮図書館には、建築条件がここでは合わないということになっていますので、それなりの別の困難さがあると思っています。
飯島委員
 そういう判断は、図書館長の判断ですか、教育委員会としての判断ですか。
細木中央図書館長
 現在地での建てかえが困難なものが多いという書き方をしている中身は、そういうところというふうに。
飯島委員
 どういうところ。
細木中央図書館長
 ここに……。
飯島委員
 そうじゃなくて、今の考え方は図書館長のお考えか……。
細木中央図書館長
 私の認識を述べました。
飯島委員
 そうすると、教育委員会として、じゃあ、図書館について、それぞれの要するにより以上の延べ床が要求されるのか、どういう図書館として考えるのか、そういうことについては何もここには、個別具体的な図書館のあり方は書いていないんですね。それは、そういうことは今後それぞれ、教育委員会としてもお考えになる。それとも中央図書館の館の限りとしてお考えになる。どういう手法をおとりになるんですか。
金野教育委員会事務局次長
 現状の図書館で規模の向上等を図る上で、建てかえが難しいことについては、この区立図書館のあり方については教育委員会の論議でまとめたものでございますので、教育委員会の考え方でございます。個々の施設について個別にどうかということについては、いろいろと経過では論議はいたしましたが、全体として一つひとつの図書館について判定をしておりませんので、所管の図書館長の現状のお話ということで受けとめていただければと思っております。これからの図書館の施設のあり方については、この文書の中でもありますように、新たな機能・スペースの充実など、また蔵書の拡充などが必要と考えておりますので、教育委員会としても改めて図書館の施設の拡充の方向を考えて、施設をつくっていかなければいけないという認識を持っておりますので、教育委員会として検討していきたいというふうに思います。
飯島委員
 もう少しでやめますけど。図書館立地に関して資料がここについています。この図書館、地域館の館数等について、人口と面積という両方の指数がここではとられているんですが、どっちがどっちということもないのかもしれませんが、面積当たりの館数が、本来図書館サービスからすると、どちらかというと、人口となると、図書館の規模という今度は問題になってくるでしょうから。そう考えると、中野区の数字を見ますと1.95ということで、東京都の平均は3.0で、3.0以下のところが13と、過半数を超えているわけですけれども。そうすると、大体こんな配置の割合なのかなということなんでしょうかね。この辺の数字の評価はどうお考えですか。
細木中央図書館長
 当然に、密集している地域においては、人口数に比べて、人口が薄いところに比べれば、逆のことになってくるわけで。10万人が広いところに住んでいるのと、10万人が狭いところに住んでいるということでいえば、狭いところに住んでいる方が集密ですから、それだけ頻度が高くなりますから、効率よくなるので、それなりのやり方というのがあります。広さということからいくと、原則的施設の考え方は、稼働距離といいますか、歩いて行けるか、楽にそこに行ける。生活しながら、利用施設ですから、楽に行けるという距離が考えられているというふうに思います。中野の場合には、適切にきちんと配置されればもっとよくなると思いますけれども、今のところ、余り格好のいいといいますか、上手な配置には必ずしもなっていないのではないかなというふうなところもあると思っています。
飯島委員
 それは配置は関係ないんですよ。これは面積に割りかえだからね。単純な比較ですから。つまり8館の配置と、15.5ぐらいの平方で割って、おおむね2キロ平方当たり大体1館ぐらいだなと。東京都全体の平均は3.0だから、そういう意味からいえば、平均よりは密度の高い館の配置にはなっているんですが、一方、人口から見ると、4万人というオーダーからすると、大体、今、館長がおっしゃったような人口のかかわりからすると、8館程度の範囲が平均におさまるのかなと。こういう数字のようにも読めたりするんですが、館長はどうお考えかと、そういうことを伺っている。
細木中央図書館長
 きちんとしたものであって、なお身近にあるということが、利用者の方々にとっては最善ということになろうかと思いますけども、区の力といいますか、財力といいますか、そういうこととも関連しますので、断定的なお答えをすることは控えたいかなと思います。
飯島委員
 これでやめます。あり方について2種類これはあると思いますね。一つはサービスという点で、蔵書その他ももちろん含めた上で。もう一つは、図書館といういわば空間の問題。これまでややもすると、空間の問題というのはなかなか、図書館としては取り上げられる機会が少なかったかに思います。中小レポートの時代からしても、とにかく本を貸していくという、そういうサービス面についての改善が主力に行われてきた。ただ、中野のこういう図書館のあり方というのは、ある意味では、時代を考えた上での考え方として評価をしたいなと思うところもあるんですが。だとすると、10か年にこだわらず、もちろん整合をとりながら、なおかつあり方の方向で追求するとすれば、そういう今後の図書館というものの場所の意味。今後やっぱり何を消費していく時代になるかというと、時間を消費していく時代になると、こう言われていますけれども、その時間を消費する場所としての図書館の価値というか、空間の、こんなことをお考えになっているとすれば、それはそれなりに図書館の新しい方向が一つはあるんだろうと、こう思うんですけれども。そこまで聞くと褒め過ぎかなと、こう思ったりしますが、館長は、このまとめたあり方の一つに、私は、図書館の空間ということが非常に高い位置を与えられているように思うんですが、館長はいかがお考えですか。
細木中央図書館長
 地域の中での公共空間という言葉を使っていると思います。地域の公共空間というのは、いわゆるコミュニティの空間ということになろうかと思いますけれども、図書館も、図書等の資料を背景にしながらの知的な空間として、地域の中で機能していくということが、おっしゃられた中小レポート以降、私どもの図書館は整備が8館という格好になりましたので、言ってみれば、普及という作業はできたかと思いますけど、これから質とか、それから、安らぎとかいった、そういう機能というのが歴史的にこれから求められるんだというふうに思っているところです。
委員長
 ほかに御質疑ございませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 質疑がなければ、以上で本報告については終了いたします。
 それでは、先ほど保留しておりました平成16年第61号陳情を改めて議題に供します。
 これより本件に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 質疑はないようですので、取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後2時18分)

委員長
 それでは、委員会を再開いたします。

(午後2時19分)

 ただいま上程中の第61号陳情、地域図書館7館を存続することについてを継続審査とするに賛成の方の挙手を求めます。

〔賛成者挙手〕

委員長
 挙手多数。よって、本陳情については継続審査とすることに決しました。
 以上で本日予定した日程はすべて終了するということで、予定の案件は終わりました。休憩前でもありますけれども、先ほど3日間の割り振りを御協議いただきましたので、本日のところはこれで終わりますけれども、委員、理事者の皆さんから特に御発言ございませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、次回の委員会は3月16日(木曜日)午後1時から当委員会室で行うことを口頭をもって通告いたします。
 以上で本日の文教委員会を散会いたします。

(午後2時20分)