平成18年11月10日文教委員会
中野区議会文教委員会〔平成18年11月10日〕
文教委員会会議記録
○開会日 平成18年11月10日
○場所 中野区議会第5委員会室
○開会 午後1時13分
○閉会 午後3時26分
○出席委員(9名)
飯島 きんいち委員長
酒井 たくや副委員長
北原 奉昭委員
久保 りか委員
はっとり 幸子委員
小串 まさのり委員
篠 国昭委員
昆 まさ子委員
江田 とおる委員
○欠席委員(0名)
○出席説明員
教育長 沼口 昌弘
教育委員会事務局次長 金野 晃
教育経営担当課長 小谷松 弘市
教育改革担当課長 相澤 明郎
学校教育担当参事 大沼 弘
指導室長 入野 貴美子
生涯学習担当参事 村木 誠
生涯学習推進担当参事 生涯学習担当参事兼務
中央図書館長 倉光 美穂子
○事務局職員
書記 西田 健
書記 廣地 毅
○委員長署名
審査日程
○議題
学校教育の充実について
○所管事項の報告
1 平成19年度予算で検討中の主な取り組み(案)について(教育経営担当)
2 中野区軽井沢少年自然の家の食中毒事故について(学校教育担当)
3 その他
(1)文部科学大臣あてに届いた自殺予告に関する本区の対応について(指導室長)
○その他
委員長
定足数に達しましたので、本日の文教委員会を開会いたします。
(午後1時13分)
本日の審査日程について協議をしたいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。
(午後1時13分)
委員長
それでは再開いたします。
(午後1時15分)
本日は、お手元に配付の審査日程(案)に従って審査を進めたいと思いますが、御異議ありませんでしょうか。
〔「異議なし」呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように進めます。
なお、審査に当たっては、午後5時を目途に進めたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
また、3時になりましたら15分から20分程度の休憩をとりたいと思いますので、御承知おきください。
それでは、学校教育の充実についてを議題に供します。
所管事項の報告を受けたいと思います。
初めに1番、平成19年度予算で検討中の主な取り組み(案)についての報告を求めます。
小谷松教育経営担当課長
それでは、平成19年度予算で検討中の主な取り組み(案)につきまして御説明させていただきたいと思います。
現在、来年度、平成19年度の予算編成作業、これを進めているところでございますが、その編成作業の過程におきまして検討中の事業で、現在の利用内容が変わるなどの影響が想定される主な取り組みにつきまして、現在の検討状況を区民の方々にお知らせするとともに、また区民の方々からの意見を参考といたしまして、これからの効率的で効果の高いサービスを提供できるような、そういった予算編成を進めていくことといたしてございます。
この来年度予算で検討中の主な取り組みの案につきましては、この資料にございますとおり、11月19日発行の区報及びホームページを通しまして区民の方々に周知を図るとともに、また区民の方との意見交換、これは現在想定しておりますのは、12月5日に区民と区長との対話集会が予定されてございますが、そこでの意見交換などを行っていくというような予定でございます。
それでは、これら検討中の主な取り組み(案)のうち、教育委員会所管の事項につきまして御説明をさせていただきたいと思います。これにつきましては、資料の裏面をごらんいただきたいと思います。このうち、下から五つの項目がございますが、これらの事業項目が教育委員会所管にかかわるものでございます。
まず、特別支援教育の推進ということでございます。これにつきましては、(仮称)支援スタッフの設置、それから巡回相談の実施など、支援の必要な児童・生徒への特別支援教育体制、これを整備する方向で現在検討を進めているところでございます。
次に、区立図書館の図書資料の充実と民間委託の拡大でございます。図書資料購入費、これをできれば増額いたしまして、蔵書内容についてその充実を図っていきたいと考えてございます。また、あわせて図書館業務の委託内容をさらに拡大する方向で現在検討を進めてございます。
次に、統合新校の設置準備でございます。20年度の統合新校開校に向けた、これは桃三、桃丘、仲町の統合新校及び六中と十一中の統合新校でございますが、その統合する前年度でございますので、新校の開設に向けた準備を進めてまいりたいというふうに現在予算編成に向けての検討を進めてございます。
それから、耐震補強設計の実施でございます。耐震診断の結果によりまして補強が必要と判定された校舎及び体育館につきましては、補強のための設計を来年度実施を図ってまいりたいということで現在検討を進めてございます。
それから、桃園第三小学校体育館の改築でございます。この桃三小学校の体育館、かなり老朽化しているといったこともございますが、それに加えまして学童クラブや放課後の遊び場機能等を含めた体育館の改築、これに着手をしたいということで現在検討を進めているところでございます。
以上のような内容によりまして、来年度予算の編成に向けて現在検討中の主な取り組み(案)ということで、これらの内容を区民の方々にお示しを図り、また意見などを募集してまいりたいと思っているところでございます。
委員長
ただいまの報告に対して御質疑ありませんか。
久保委員
特別支援教育の推進で伺います。今年度から、試行年として何校かおやりになっていると思いますけれども、現在の状況を教えていただきたいと思います。それから、来年度の実施推進に向けて、今後のスケジュールといったこと、わかっていれば教えてください。
大沼学校教育担当参事
桃園小学校と第三中でモデル校として実施しています。中で校内委員会を設けて、コーディネーターを設置して、一人ひとりについて個別支援計画的なシートをつくってやっているところです。それについては、1月ころ、検証の結果を取りまとめて、発表を予定しているところでございます。
2点目の19年度体制ですけれども、19年4月には校内委員会、それから特別支援教育コーディネーターというような組織ができ上がります。そういった方を支援するための、仮称ですけれども、支援スタッフによる巡回相談などの支援をしていきたいと思っているところです。
久保委員
1月に取りまとめの報告ということですので、今、具体的なことがどのぐらいおわかりになるかわからないんですけれども、校内委員会と、あと個別支援計画ということを言われていましたが、個別支援計画というのは今どのような形で行われているんでしょうか。
大沼学校教育担当参事
形というか、一定の様式に基づいて、その子の特徴とか、それから支援する内容、それから保護者の同意とか、そういったものを含めて1枚のシートでその子の特色とか、それに対するどういう支援とか、そういったのを記述したものでございます。
久保委員
支援する内容とか、どういった、その子の特色とかに合わせて支援教育を行うわけですよね。それは、そこの部分はどういう形で行っていくのかということを教えていただきたいんですが。
入野指導室長
各学校におけるということでお話をさせていただきます。各学校といいましても、今、モデル校がやっているところにつきましては、それぞれの学校の中で支援計画を--今、巡回相談員等々と相談をしました計画を立て、それからコーディネーターが、その2校におきましては今それぞれ1名、2名というふうにして置かれておりますので、コーディネーターを中心に支援の内容を検討し、一人ひとりの支援計画を立てたものをもとに、具体的には中野養護の先生方のお力を借りたり、今は、桃園の方でしたらば、身障学級がございますので、そちらの先生のアドバイスを受けたりしながら進めているというところでございます。
久保委員
どういう教育を行うかというところまでが計画だと思うんですけれども、そのアドバイスを受けて、計画を立てる段階まではそれでいいんだと思いますが、その後、その子に対して普通級の中でどういう教育を行っていくことが必要かというところが出た後の段階で、例えば状況によってはやはり普通級でみんなと一緒に学習することが難しいのではないかとか、加配が必要ではないかとか、いろんなことが考えられるのではないかと思うんですが、その辺はどういうふうにお考えなんでしょう。ただ単に、こういう学習支援が必要ですねというだけでは、それではただモデルケースで、その子がどういう状況なのかというデータを出すだけであって、本来の特別支援教育の意味をなし得ないと思うんですが、その辺いかがですか。
入野指導室長
今のところ、これに対する加配ですとか、例えば取り出しでする場合の巡回の指導員という部分につきましては、ことしについてはそういうような対応はしてございません。いずれそういうことも考えてはいかなければならないというふうに思いますが、都の方としてもまだそういう方向性は出してございません。
久保委員
ということは、今回のモデルケースでこれができなかったということは、来年度全校特別支援教育の推進といっても、ただ、来年度は今年度と同じように、どういった支援が必要なのかというのを計画を出すとか、検討するという段階にとどまってしまうのではないかと思うんですが、来年度のこの特別支援教育の推進に関しては、非常に保護者の方たちも興味というか、期待を持っているところだと思うんですね。その辺にはこたえられるような方向で進んでいくんでしょうか。
大沼学校教育担当参事
一つは、今まで、見た目には普通でちょっと気になる子というのがいらっしゃいます。それに対して、通常の学級に在籍しているお子さんについて、今は担任が中心になってやっていたところですね。19年4月からは校内委員会という組織をつくって、学校全体で取り組んでいこうという組織的な動き、それからその校内委員会の中心となるのが、いわゆる特別支援コーディネーター、それを設けて支援していく、それでお子さんの一人ひとりの情報の処理というんですか、学習の内容、程度に合わせて、その子に合った指導をしていくというのが特別支援教育だと思っています。そのときに、やはり先生が、LDとかADHDとかいろいろあるんですけども、そういった特色とか、その子の気づきで、この子にはこうしたら、一つの情報をあげちゃったら、一発であげたらだめだ、一つひとつ時間をかけてやっていけば理解できるといった、きめ細かな一人ひとりの対応が求められていく、そういったものの研修を通じて、一人ひとりがその子に合ったものをやっていく姿勢とか、知識とか、ノウハウとか、そういったものを積んでいかなければならないと思います。
そのためには、12月あるいは1月にかけて先生向けの研修をやっていくと。それから、これについては特別支援教育に向けていろいろ学校でも研修をやっていますし、それぞれ学校で講師をお招きして、それぞれ自分たちの子ども、普通の子に、ほかの子の接し方もできますので、そういった指導内容を高めていくという努力はこれまで研修して積み上げていますので、19年度からは組織的な対応、それから教員の対応能力の高さなどがレベルアップを図られて、また取り組んでいくというような形で今考えているところです。
久保委員
個に合った指導というのが、通常の授業時間にできるものなんでしょうか。今の特別支援だけではなくて、学習の状況によっておのおのにカリキュラムを変えるとか、いろいろの少人数学級とかというのは行われているんだと思うんですが、それでもなお、まだ本当に学習力の低下というようなことを言われていると思うんですね。その中で、またこの特別支援教育が入ってきて、個に応じた形での支援とか学習というのは非常に厳しいのではないかと思うんですが、そこら辺を一人の担任が、授業の中では一人で行うんだと思うんですね。小学校であれば担任が行うでしょうし、中学になればそれぞれの教科の担任が行うという状況になってきますけれども、それが本当に可能だと思われますか。
大沼学校教育担当参事
実は、久保委員のような気持ちも私は持っていました。ところが、11月7日に中学校PTA連合会で研修を行いました。講師が、都立あきる野学園園長の池田様を呼んで、いろいろ1時間半の研修を行ったんですけど、そのときに、これは講師のお話なんですけども、学校には支援を要する子どもとしてはいろいろあると、不登校の子、規則や法が守れない子、家庭のサポートが得られない子、いじめに遭っている子、人とおつき合いが苦手な子、勉強が苦手な子、嫌いな子、軽度の発達障害のある子。上の六つについてはやっているけども、軽度の発達障害については専門家ではないから逃げようという姿勢はあるんだけど、やはりきちんとその子の特色とか個性をわかれば十分対応できるという内容の研修でございました。私も、やはり先生に対する研修としては、池田さんのこういったお話に大変勇気づけられるのと、やはり今まで通常の学級に在籍した子が、組織的に対応するとなると、それから臨床心理士のその子の特色などいただければ、いきなりすぐにはレベルアップは図れないと思いますけども、中野区としては臨床心理士、あるいは医師の見立てが必要なときは医師、あるいは先生の指導があったり、養護の先生の指導など得られれば、十分特別支援教育は充実発展を図られていくという気持ちは持っています。
久保委員
そう言っていただけるならば、期待をしたいと思います。
実は、その7日に出た保護者の方で、発達障害をお子さんをお持ちの方が、お話はわかったし、本当にそうだと思うと。けれども、中野区としては具体的に何をしてくれるのかということで御質問をいただきました。私としても、その方はあちこちの自治体でどのようなことが行われているかということで聞いて回ったと。本当に状況によっては、クラスに一人ずつチームティーチングのような形でつけるとか、そういったことをしていると。その辺のところまでを中野区としてはやってくれるのかという期待を持っていた。確かに、あきる野市の先生のお話はすばらしくて、本当に納得のいくものでしたということはおっしゃっていましたけれども、でも、それが本当に現実に今の学校の中で行うことができるのでしょうかという、そういう不安を持っていらっしゃいます。できれば、今後、来年度からスタートをして、個別の計画を立てるであるとか、またコーディネーターとか、校内のそういった充実を図るということ、また先生の指導力を上げるというようなことはもう具体的に行っていただきたいところではありますけれども、本当にさらに中野区としてどういったことが、中野区独自の教育内容としてできるのかということもぜひ検討していただきたいと思うんです。
教育ビジョンの中にも、学校内の指導体制を整備するというようなことがありますね。今言われているのは、この指導体制を整備するということなんだと思いますが、やはり非常に期待を持っている方もいらっしゃるし、逆に不安に思っている方もいらっしゃる。そうは言っても、学級内が本当に統制がとれずに授業がめちゃめちゃになってしまうんじゃないかというようなことを不安に感じていらっしゃる方もいらっしゃるわけなので、その辺のところをしっかりとサポートする体制と、また非常に先生にも負担がかかります。指導力があるとか、ないかとかという以前に、非常に負担のかかる部分で、今からこのことが不安であるというような声が教員からも聞かれているということも伺っておりますので、しっかりと区の姿勢を、また全面的に本当にバックアップしていくというような姿勢を見せていただきたいと思います。
大沼学校教育担当参事
私も中野養護学校の研修とか、北区の研修とか、いろいろ出ました。それで、今回は11月7日のあきる野学園長の池田さんのお話というのは、それぞれのお子さんの特色を明快に理解して、このときはこう対応したらいいんですよというような内容の研修で、すごく参考になったところです。この先生を、今度12月に校長あるいは副校長、コーディネーターを対象とした研修を考えているところです。
今、久保委員おっしゃったように、やはり接する先生方が不安を持たないように、いろいろ、この子についてはこういう対応がいいんですよといったノウハウを身につけていくことが大変大事だと思っているので、そういった研修は図っていきたいと思います。
あと、臨床心理士等のサポート体制も図っていく、それから地域における理解、啓発も進めていきたい、そういった三本柱で進めていきたいと思っています。
篠委員
特別支援教育という、発達障害だけが対象じゃないようなお話を今されたと思うんですけど、どういうとらえ方をすればいいんですか。
大沼学校教育担当参事
軽度の発達障害のある子、いわゆる私たちは気になる子というとらえ方をしてございます。
委員長
質問の趣旨は……。
大沼学校教育担当参事
すみません、訂正させていただきます。
全体で、今まで通常学級の中で、軽度の発達障害、その他気になる子、ほかの生徒を含めた全体の体制を考えているところであります。
篠委員
全体を含めた考え方というのは、今までなかったんじゃないですか。簡単にそういうふうにおっしゃるけど、全体って大変なことですよ。いわゆる、これは発達障害ということで焦点を絞っただけでも大変なのに、やれ不登校だ、やれ--かなり広げたような対応というふうに、今、久保委員との対話の中で言われたように思うんですけど、その辺、はっきりしていただきたい。
大沼学校教育担当参事
ちょっと混乱しまして、学校にはいろんな支援を要する子がいるということで、不登校とかいろいろ例を挙げました。ただ、軽度の発達障害のある子については、今まで往々にして難しいというような形でやってきた。特別支援教育については、通常の在籍する、いわゆる、LD、ADHDなどのお子さんに対する対応を注視しながらも、子ども一人ひとりに対する特別ニーズにこたえていくというような考え方で対応しているところです。
金野教育委員会事務局次長
ちょっと補足をさせていただきます。
特別支援教育の範囲は、障害のある子どもたちにその障害の状況や個に応じた適切な教育を行うということで、これまで養護学校、それから障害学級を設置して障害のある子どもたちへの対応をしていた教育はもちろん含まれます。そのほかに、これまで明確な、法的な位置付け、あるいは対応がなかった普通学級にいる発達障害のある児童、またその疑いのある児童についても、全体として障害のある子どもたちに対する統一的な対応をしようと、その状況に応じた対応をしようというのが特別支援教育の定義でございます。参事が答えておりますのは、その中でも特に通常の学級に在籍する発達障害の子どもたちが現在焦点になっていて、新しい取り組みが行われようとしているというようなことでございます。
篠委員
人数をつかんでいらっしゃるんですか。現時点で全校、小学校29、中学14全部にいるというようなとらえ方をしていらっしゃるのか。今の次長のおっしゃることだと、いない学校はないようにもとれる。莫大な費用を要する、予算付けを必要とする案件にも見える。最低限度、人数が現時点で明確につかんでいない話を展開されても理解に苦しむんですけど、いかがですか。
大沼学校教育担当参事
17年度に教育センターの指導員というんですか、各学校を2回ほど回りまして、18年3月にはある程度の、学校を見てその実態を把握してございます。それが1点です。
それと、各学校においても、やはり一定の支援を要するお子さんについては把握しているという認識をしています。
篠委員
具体的に、全校にいる、把握しているという内容を知りたい。
大沼学校教育担当参事
17年度の取りまとめたものは、今手元にないのであれですけれども、全校、各学校を見て、先生との聞き取り調査をやって、その把握はしているところであります。
委員長
18年度って、年度中ですからね、まだ。それもあるし、どういうふうなものをどうって、よく御質問されている委員の意向も承知した上でよくお答えくださいね。
金野教育委員会事務局次長
ちょっと絶対的な形から言った方がわかりやすいかと思いますので、こうした支援が必要な子どもたちについては、国の方の調査では全部の児童・生徒の6%程度はいるのではないかという統計的なことが示されております。また、都の調査の方でも、4%程度はいるのではないかというふうなデータもあったというように記憶しております。
今、参事が申し上げましたように、それぞれの学校でどのように把握しているかという聞き取り調査はしておりますが、その聞き取り調査は特定の、一定の明確な基準があるわけではなくて、学校の把握ということでございますので、まだ根拠としては同一の尺度で判定したというものではないのでちょっと明確な形ではありませんが、それを見ても各学校ともそうした支援の必要な子どもたちはほぼいるという形は承知しているというふうな状況でございます。
篠委員
その程度でこういう大きな項目を挙げられたのは、ちょっと理解に苦しむんですが、やらなきゃいけないんだろうとは思うんですが、6%とか4%というと、対象から外れる学校を探すのが骨ぐらいな理解のされ方をすると思うんですよね。そういう大々的な取り組みに来年度予算付けをして入るということなんですか。それとも、モデルケース的なことで対応しようということなのか、それともまるで絵が描けてないのか、その辺を最低限度言っていただかないと。
沼口教育長
特別支援教育というこの概念は、法律が改正になりまして、来年の4月から、これが今まで特殊教育という言葉で語られていたものが、この特別支援教育というふうになります。ですから、例えば中野養護学校なんかの名称も変わりまして、特別支援学校と、そういうふうになります。そのほかに、今まで我々の方でも知的障害学級なんかも小学校や中学校に配置したり、あるいは通級で言葉の問題だとか、耳が聞こえないとか、いろんな問題がありました子どもたちが通級で通う学級があります。そういう子どもたち、従来やっていた、いわゆる障害児の子どもにプラスして、先ほど次長から申し上げましたような、各学校で、医学的な診断は別といたしまして、発達障害的な課題を抱えているんじゃないかという子どもについて、やはり支援の手が必要だろうということで、その子たちも含めた支援教育をやるということに、これはもう法律で4月からやるようになっていますので、現在その準備ということでモデル校を中学校と小学校1校ずつつくって、今やっているわけです。
それで、そのやり方につきましては、確かにピンからキリまでありますので、例えば先ほど久保委員からも話がございましたように、そういう課題のある子、一人ひとりに例えば指導者をつけるということになれば、これはもう大変な話になりますから、それはなかなかできません。そうしまして、今我々が考えていますのは、まず教員にそういう障害に対する理解をしっかり把握してもらって、そしてそういう障害を持った子に対して、どういう指導をすれば一番適切な指導ができるのかということを考えるということが一番重要になってきます。そういった意味で、個別の支援計画というものを立てて、どういう指導方法がいいのかと。その子一人ひとりに特別な--普通学級の子どもが中心になりますから、特別なカリキュラムを全員に一つひとつつくるというのではなくて、どちらかというと指導方法をどういうふうにしていったらいいか、この子に対してはどういうふうにしていったらいいかという個別計画を立てながら、それは立てるときは当然校内委員会というのを設置して、コーディネーターもいて、それからいろんな臨床心理士ですとか、あるいは養護学校の先生の応援なんかも得ながら、そういうものを立てていこうということです。
ですから、予算的にはそういうバックアップ体制、そういうための人件費、そういうものがこれからはちょっとかかってくると思いますけれども、各クラスに一人ずつ教員を増員するとか、そういう考え方は今のところはなかなかとれないので、そういう意味では膨大な予算がかかるというものではないようには認識しています。
これは、本当にかけ方についてはいろいろとありますので、これから進めながら、どういうことがこれから必要になってくるのか、それは順次考えていきたいと思っています。
江田委員
2点お聞きしておきたいんですが、一つは図書館の問題です。図書館業務の委託内容を拡大するというふうにありますが、これは具体的にはどういうことでしょうか。
倉光中央図書館長
現時点で検討しておりますのは、中央図書館におきますレファレンス業務、これを委託の対象に新たにしようかというふうに考えております。
江田委員
図書館業務の中でレファレンス業務は非常に大事な、中枢をなす部分だと思うんですが、本来図書館の中での、公立図書館として最も大事と言われているレファレンス業務を委託するということになりますと、残るのは、公立の図書館として区の職員が直接責任を持って携わっていく部分というのはどういうところが残るんですか。
倉光中央図書館長
レファレンス業務を委託した場合に残ります主な業務といたしましては、まず選書の業務がございます。それから、館内の予算あるいは人事、あるいは電算システムの維持管理等のいわゆる管理業務、これが残ります。また、例えば地域の学校との連携業務ですとか、そういったことも残るかと思います。
江田委員
これは、公立、区立を維持しようとすれば当然人事とか、そういう問題は区がやるべきことですが、基本的にはレファレンス業務を委託し、窓口業務を委託し、そういうふうになっていきますと、公立で、区立でやらなければならないという意味がほとんどなくなってくるのではないかというふうに思うんですが、そこら辺は将来の--将来といいますか、もっと近い将来ですが、図書館のあり方としては基本的にはどういうふうに考えているんですか。
倉光中央図書館長
図書館の運営主体をどうするかということについては、さまざまな考え方があろうかと思いますし、中野区についてはこれまで委託を一部導入して、効率的な運営に努めてきたというところは御承知のとおりと思います。当然ながら、図書館といいますのは、図書館法に定められておりますとおり、住民の教養、レクリエーション等に資する施設であるという位置付けでございますので、現在のところ中野区の図書館という形で運営をされている、こういうふうに考えております。
江田委員
私の聞きたいこととちょっとかみ合っていないんですが、レファレンス業務を委託している自治体というのは、今どういうところがありますか。
倉光中央図書館長
ちょっと今、手元に具体的に、こことここというふうな資料としては、持ち合わせがございません。
江田委員
私は、このレファレンス業務を委託するということについてはもっと慎重であるべきではないか、つまりこれからの中野区の図書館行政をどういう方向に導いていくのか、どういうふうに充実発展させていくのかという、その部分と非常に密接にかかわってくる部分だと思うんですね。つまり、それほどやはりレファレンス業務というのは、住民がどういうことを求めて図書館にやってきて、どういうことを勉強しようとしているかという、そういう意味では単に窓口で本の貸し出し、返却の受け入れだけではない、もっと踏み込んだ部分だと思うんですね。ですから、そういう意味では、来年からこういう方向を目指すというふうに言っておられますけども、もっとこれからの中野区の図書館行政のあり方をどうしていくのかという、その根幹部分にかかわってくる中身ですので、もっと慎重であるべきだということを申し上げたいと思いますが、その点についてどうですか。
倉光中央図書館長
もとよりレファレンス業務につきましても、区民の皆様の調査、調べ物等のお手伝いをさせていただくということで、非常に図書館業務として重要なものであるとは認識しております。また、レファレンス業務といいますのは、非常に求められる専門性の高い業務であるというふうに考えております。区民の方の調べ物に対する需要、関心はさまざまでございますし、日々、図書館としてもそれにこたえるべく、現在も職員は努力をしているところでございますけれども、現在の人事異動等の制度の中でなかなか専門能力を確保していく部分は、正直難しい部分もございます。そういった点を考えますと、レファレンス業務につきましては委託をすることでより専門性の高い職員を確保し、区民のニーズにこたえていくというのも一つの方法であるというふうに考えております。
江田委員
非常に一つの側面だけから物事を見ているように思えてなりません。もっと全体の、今後の中野区の図書館行政をどうしていくのかという、そこを見据えた議論が先行して、その上で中野区のこういうレファレンス、確かに区の職員での司書資格を持った比率が低いとか、そういう問題がありますよね。そういう事情は私も十分といいますか、それなりに承知しているつもりですけれども、それだけにこの問題については、一側面からだけの判断ではなくて、全面的な議論の中でもっと深めた議論が必要だということを申し上げておきたいと思います。
それからもう1点、一番下の桃園第三小学校体育館の改築の問題です。当然全面改築ということなんだと思うんですが、現在の体育館の規模から、新しく改築される図書館の規模はどの程度になるんでしょうか。
小谷松教育経営担当課長
桃三の体育館につきましては、現在544平米ございます。その後、桃三が仲町と桃丘と統合されまして現在よりも規模が大きくなりますので、当然それに見合うような形での体育館というものを想定してございます。どのぐらいの規模が適正かということにつきましては、これからまた詳細につきまして検討したいというふうに思ってございますが、その学校規模に応じた形での面積を有するような、そういった体育館ということを一つの前提として考えてございます。
江田委員
あそこの土地は、ちょっと一番高くなっていますよね。校地の、非常に傾斜がありますので。一番高くて、片方がたしか今の校舎とほぼ接する形になっておりまして、さらに奥の方に公園があったというふうに記憶しているんですが、あの地形上でさらに大きな規模の校舎を建てるという、そういう面積のゆとりというのは十分あるんでしょうか。
小谷松教育経営担当課長
お隣に中央公園がございますけれども、確かに今、委員おっしゃったとおり、敷地的な条件からすると大変厳しい部分があろうかと思いますが、まだ詳細について、例えばここで学童クラブあるいは遊び場機能等もできるだけ入れ込んだ形で建てかえを進めていければと思ってございます。
ただ、具体的に何をどういうふうに必要面積として算定するかということについては、詳細詰めてございませんので、その辺の部分もあわせてどのぐらいの規模が必要なのか、そういった中で敷地、どういうふうに有効活用できるかというものをきちんとこれから詰めたいというふうに思ってございます。
江田委員
ちょっとあまり納得できないんですが、つまり来年度予算要求するわけですよね。今のままの、544というのは私、江原小がたしか一番体育館規模としては小さい、面積が一番小さかったというふうに思うんですが、それに続く狭い方の規模ですよね、桃三の体育館。544というのは何校かありましたけども、その中でも区内の体育館、小学校体育館の中では一番小さい方ですよね。ここで建てかえをしていくというわけですから、当然校地の活用の問題、それからどの程度の面積のものが改築できるのかとか、そういったことについては、もうこの段階ですから当然わかっているんだと思うんですが、そこら辺をもうちょっと、こういうものを考えているというのは答弁いただけませんか。
小谷松教育経営担当課長
確かに現在544平米ということで、非常に手狭な状況と、特にこれから統合された段階で学校規模もふくれますので、それに合わせるような形で一定規模のきちんとした体育館をつくっていきたいというふうには思ってございますが、ただ、今、委員おっしゃったとおり、用地の形状の問題であるとか、あるいはこれから組み入れる施設等の状況など、当然そういった学童クラブとか遊び場機能等含めますと、中層的な形でつくっていかなければいけないということも出てくると思います。その中で、もう少しきちんとした形で、どういう機能が求められているのか、どういう形でそれを組み立てたときに有効に土地と一体となった形で活用できるのかといった部分を含めて、急ぎ検討を進めたいというふうには思ってございますけれども、ある程度きちんとその辺のところを踏まえた中で算定をしていきたいというふうに思ってございます。
今のところ、まだ具体的な形で、これこれというふうな面積表示というのは十分にまだ詰め切っていないところもございますので、その辺のところはこれからしっかりとやってまいりたいと思います。
江田委員
せめて、こういったことを考えているぐらいのことは答弁いただきたいというふうに思います。出てきませんので、繰り返しませんが、そのように思います。
それで、学童クラブや放課後の遊び場機能を含めた体育館ということになっておりますが、今までの考え、示し方というのは、既存の校舎の教室を利用して学童クラブを学校の中に入れるんだという、こういう報告でずっと来たというふうに思うんですね。子ども家庭部の話もそういうことだったと思うんですが、今回、桃三の場合は、学童クラブや放課後の遊び場機能は体育館に入れるというふうになっておりますが、これは今後こういうこともありということなんですか。そこら辺はどうなんでしょうか。
相澤教育改革担当課長
子ども家庭部の方で、この放課後の遊び場事業や学童クラブを学校にというような考えは、10か年計画等でも示されているところですけれども、例えばこの桃園第三小学校の例で言えば、3校を統合して桃園第三小学校の位置にするということで、普通教室化にした上でいろんな教室、その上で余裕教室をというと、なかなかこういった場を確保するのが既存の校舎だけでは難しいということがございます。こういった新しい体育館の中に入れるということも、ここの検討の中で示されたわけですけれども、施設の状況によりましてそれは総合的に判断していくことではないかというふうに考えてございます。子ども家庭部の所管の一方で、余裕教室のことは教育委員会の方とはすり合わせているところですけれども、桃園第三小学校の事例でいきますとこのようなことで対応するということでございます。
江田委員
とても納得できないんですが、私たちは、かつて中野の小学校の中に学童クラブがあって、それを学校の中にあるということではやはり不十分だということで、児童館を建ててそちらに移したという、そういう歴史的な経過があって、ところが今度学童クラブをまた学校に戻すということは、物の考え方として発想が違うじゃないか、逆行しているじゃないかということを繰り返し--物の考え方として我々は認めがたいということを申し上げたのと同時に、今の学校の中に学童クラブを入れ込んでいくような、そういうゆとりが本当にあるのか、それで本当に子どもたちにとっていいのかということを繰り返し、物理的な面も含めていろんなことを申し上げてきました。
今回、桃三においては、既存の教室を利用してということではなくて、新しく建てかえる体育館の中、たまたま建てかえるから、ここの一画を利用してこういうものをつくろうということなのかもしれませんが、場当たり過ぎはしないかということを非常に私は強く感ずるんですが、そういう意味ではもっと教育委員会としての考え方がきちっと確立されていかなければいけないのではないか、そういう意味で、もし今後体育館等の建てかえで学童クラブや遊び場機能をその中に取り込むことの方がより有効だという考えがあるのであれば、積極的な展望があるのであれば、それはそれでこういう考え方の方がいいんだということを示していただきたいし、そうでなくて、たまたま普通教室に取り組むゆとりがないからここにつくるんだということであれば、あまりにも場当たり的ではないかというふうに言わざるを得ないんですが、そこら辺はどうですか。
相澤教育改革担当課長
これは、学校の個々の余裕教室の状況を見てみないと、なかなか個々のそういった状況はわからないと思いますが、総体としましては、児童数が減ったことにより余裕教室はあるというように考えてございます。こういった遊び場事業、学童クラブを学校へ入れていくということについては、子ども家庭部と教育委員会のところで協議する場を持っておりますので、そういった場を通じて双方の立場で考えていきたいというふうに思っております。
江田委員
お答えいただいていないんですが、体育館の中にこういう学童クラブや放課後の遊び場機能を位置付けて入れるということの積極性は、教育委員会として考えている積極的な意味というのはあるのか、ないのか、その点だけお聞かせください。
金野教育委員会事務局次長
子どもの遊び場機能及び学童クラブを学校の中に入れていくということについては、区全体の10か年計画の論議の中でこういう方向性が出されております。それについては、教育委員会としても学校が地域の施設としてさまざまな形で利用されることは、学校教育に支障のない限り受け入れていくべきだという考え方を持っておりますし、また学童クラブや遊び場機能を入れることによる、それに連携の余地もあるだろうというように思っております。
それで、現実には施設的な条件がなければ学校の中にそうした機能を入れるということはできないわけですから、10か年計画の中では施設の条件が合うところから順次、何校かこういったものを導入していく、またそうした条件のないところについては、改築の時期などをとらえてそうした条件が整備されれば入れていくというような考え方を持っておりました。今回、桃園第三小学校については体育館の改築が見込まれるというようなことで、行けそうだということになってきましたので、あわせて学童クラブと遊び場機能等をこの桃園第三小学校の中につくろうということで、全体的な調整を進めております。
江田委員
全く納得できないんですが、具体的にはどういうものになるんですか。体育館の中に学童クラブや遊び場機能を持ち込むということは、そういうスペースを体育館の中にきちっと新たにつくるということなんですか。
金野教育委員会事務局次長
まだ中身については、これから予算の編成の中で詰めることになっておりますが、体育館としての機能の中に遊び場機能が、体育館の一部の、例えば体育館として使うところが、ここは遊び場機能の部分ですよというようなことではなくて、体育館機能以外に付随的につける、例えば二層構造というふうなことも考えまして、その部分は遊び場機能及び学童クラブ機能というようなことも含めて検討できるのではないかということで話をしております。
江田委員
ということは、教育委員会としては一応二層構造にして、その部分のどちらかを、当然上の方ということになるのかもしれませんが、そういうスペースを新たに確保するという考えしか出てこないんだろうと思うんですが、ほぼそういうことを考えているということでいいんですか。
小谷松教育経営担当課長
基本的にはそのとおりでございます。体育館、それから遊び場、学童クラブ機能と、二層になるか、重層的な形でやはり建てかえを行っていくという考えでおります。
江田委員
最後にもう一度お尋ねしておきたいんですが、基本的には現行の、既存の校舎の中に学童クラブを入れていくということが、子ども家庭部との間では合意事項になっていると、10か年計画の中でもそういうふうに示されているということです。先ほどから、そういうことが本当に可能なのかということを繰り返し質問をしてきたんですが、その中ではそういう方向が可能だという方向で、答弁で今まで推移してきたというふうに思うんですね。現実に今の状態の中で、学校の中に学童クラブを入れていくというのは難しいというふうに考えている学校というのは幾つかあるんですか。この桃三のような事例が他にも出てくるというのはあるんですか。
金野教育委員会事務局次長
現在は、大部分の学校がそうした、直ちに遊び場機能や学童クラブ機能を入れるだけの施設条件はないというように思っております。したがって、条件の合うところから何か所か順次入れていくという形で10か年計画も示しているところでございます。
江田委員
今のは、ちょっと理解できないんですが、大部分のところは無理だという今の答弁だったんですか。
金野教育委員会事務局次長
現状では、教室がある程度ある、また利用の動線とか、そうしたものもそれにふさわしいところが確保できるということで考えますと、ある程度教室に余裕もあり、そういう動線も確保できそうだというような見きわめのつく学校は限られているということでございます。
10か年計画上も、最初に塔山小学校、次が江古田小学校という形で、順次何校かについては見通しをつけておりますが、それ以外につきましてはまだこうした形で施設的にも動線的にもできるという見通しがついてないという状況でございますので、これからさらに検討もしていかなければいけないというように思っております。
江田委員
一方で、子ども家庭部は児童館を統廃合していくと、7館ぐらいにしていくという、そういう考え方を示していますよね。どういうふうに教育委員会と子ども家庭部の間ですり合わせができているんですか。10か年計画の中では、具体的に、じゃ何校は学童クラブを入れることが可能だというふうに見ておられるんですか。
相澤教育改革担当課長
10か年計画は、遊び場機能の展開のところとしまして塔山児童館、江古田児童館、それと丸山児童館、野方児童館、大和児童館、上高田児童館、こういう具体的な児童館を、小学校を、施設を活用した遊び場機能の展開にしていくということまでは記載されております。ただ、学童クラブについては、小学校に移設していくというような方向は示されていますが、どこの小学校を学童クラブにということは具体的ではなくて、民間活力を活用した学童クラブ運営の検討とか、準備とか、そういう文言でステップ2、ステップ3には書いてございます。順次、条件が整ったところからというような……。
委員長
児童館が入って、学童クラブは入らないの。
大丈夫ですね、今の答弁で。
相澤教育改革担当課長
すみません、答弁訂正させていただきます。
今、遊び場機能の展開で例を出しました塔山、江古田、丸山、野方、大和、上高田については、学童クラブも一緒に入れていくということで示されてございます。訂正をさせていただきます。
江田委員
少なくとも、この学校は学童クラブを、あるいは遊び場機能を入れていくのに十分なゆとりがあるというふうに教育委員会としては判断をしているということでいいんですか。
相澤教育改革担当課長
そのとおりでございます。
江田委員
そうすると、そのほかの問題についてはどういうふうになるんでしょうか。まだすり合わせができてないと、子ども家庭部は児童館の廃止というのを大前提で、いずれ7館にするんだということを既に言っているようですが、それとの関係は一体どうなっていくのか、向こうの計画だけは進んでいって、教育委員会が、言ってみれば押し込まれていくというようなことになりはしないかということを非常に考えるんですが、そこら辺はどういうふうに基本的には考えているんですか。
沼口教育長
この学童クラブと、それから児童館の遊び場機能、これを学校に取り入れていくということについては、基本的には我々は、先ほど次長が答弁しましたように、学校は学校教育だけで使って、あとは認めないというような排他的な考え方じゃなくて、広く、学校教育に支障のない限りは活用してもらおうというスタンスです。その範囲において、我々は協議に乗っていくということで考えています。
ですから、区長部局の方では、できれば学童クラブなり、こういう児童館機能を全部一度に入れたいというふうに考えているかもしれませんけれども、我々は具体的な個々の学校の状況を見ながらでなければできませんよということで、こういう10か年計画もでき上がっているわけです。
今度の桃三小学校につきましても、なかなか難しいと、学校の既存の校舎の中では難しいという話で押し返していたわけでございますけれども、体育館の改修の問題が、今回の耐震診断の話から改修が場合によっては必要になるということが検討の中で出てきましたので、その中であわせてこういうことが検討できないのかということで持ち出された問題です。我々は、それは校舎の中にそういうものができようが、体育館と一緒のところにできようが、それは別に場所的にはそれほど教育上問題はないと、そのように考えてございます。
江田委員
今までさんざんこの問題については議論をして、私どもの主張と行政の主張とは平行線をたどったままでした。それで、今も私どもはこういう形で本当に子どもにとっていい環境ができるのか、同時に教育機能としてのさまざまな制約が出てくるのではないかということを繰り返し、心配な点を指摘してまいりましたけれども、一致点は見出せないままに来ました。
今回、桃三小学校体育館の改築に当たってこういう計画をするということなんですが、逆に言えば、たまたま桃三については学校関係者からも、あるいは議会からもこのままでいいのかという議論がいろいろされる中で、体育館の建てかえということが方向として出てきたので、その中でそういう案も浮上してきたわけですけれども、そうでない場合というのは、もっとさまざまな問題を生み出してきたのではないかというふうに率直に考えております。そういう意味で、この計画全体がどう考えてもやはり場当たり的なものになっているのではないかということを強く考えております。
改めて、今のところ残念ながら具体的にどういうことを考えているかということの答弁がきちっといただけていませんので、私自身もイメージできません。4定ではまた改めて、もう少し踏み込んだ説明もいただけるでしょうから、そこでまた議論したいというふうに思うんですが、そういう感想を非常に強く持っているということをとりあえず申し上げておきたいと思います。
北原委員
図書館のところでちょっとお尋ねいたします。
図書資料購入費を増額し、蔵書を充実するということが来年の検討中の取り組みの中にあるわけですけれども、蔵書はできるだけ長期に利用されるのが望ましいと私は思っておりますが、区民の要望にこたえていくために、例えば同一タイトルのものをできるだけ早く、しっかりそろえていくというのも一つの形であろうと思いますし、それからCDを収集するというのも、また区民の要望があれば必要かなと思っていますし、あるいは雑誌の種類を拡大していくとか、そういういろんな手法があると思うんですけれども、あるいは中野が少し考えているようですけれども、特別な目的を持った収書をしていくとか、こういういろんな選択肢があると思うんですけれども、これらをすべてやっていくのか、それともある程度一定の方向を出して来年の蔵書の拡充というんですか、蔵書をふやしていくというところで、何らかの方向性ですよね。それがあればお尋ねいたします。
倉光中央図書館長
蔵書の充実にはいろいろな方法があるという御指摘だと思いますけれども、具体的な金額を見ながら細かいことは検討していきたいと思いますが、一つ方向性として考えられますのは、現在、子ども読書活動の推進計画の作成に着手しておりまして、そういった観点から児童関係の蔵書につきましてはできれば充実を図れればなというふうに考えております。また、お尋ねのありましたCDの収集につきましては、CDをはじめとする視聴覚資料の収集につきましては、過去この6年間にわたり中止しているところでありますが、区民の方からのニーズが寄せられていることも踏まえまして、検討をしていきたいというふうに考えております。
北原委員
今、収書の目的の中で、児童書を拡充するというのが第1点目に挙げられましたけれど、この児童書というのは、また各学校の図書館もありますよね。各学校図書館での児童書の収書もあると思うんですが、その辺と、例えば中野区の中央図書館とか地域図書館の方の収書と、何らかの連携とかいうことがとれると思うんですけど、その辺はどのようにお考えでしょうか。
倉光中央図書館長
児童図書は、図書館で御利用いただくことはもちろんのこと、各学校に対してこれまで団体貸し出し等の形をとりまして、学校においても利用いただいているところでございます。こういった連携につきましては、今後も強化を図ってまいりたいと思います。
北原委員
最後の質問ですけれども、児童書というのはすごく大切だと思うんですね。当然、今そういう方向にあるわけですから。しかし、やはりできるだけ長く、引き続き利用されていくということがすごく大事なんですね。中野区のさきの報告を見ますと、3年後ぐらいでどんどん本が入れかわっていくと、廃棄する本の割合も非常に高いわけですよね。そういうことは、本来必要ではあるけれども、そういう割合を少しずつ抑えていって、長期に利用されるということが非常に大切だと思うんですよね。そういう意味では、寿命の長い本をある程度そろえていくということが、そのときには利用されなくても、長い期間では持っている本が利用されていくわけですよね。ぜひそういうことも踏まえて、来年の予算の配分を考えていただけたらと思っています。要望で結構です。
委員長
それは要望ということで、特に御答弁、ありますか。あれば。
倉光中央図書館長
確かに、例えば児童書など典型的にあらわれておりますように、よい本を後世に伝えていくということは非常に大切なことと私も認識しております。また、それと同時に、現在年間6万とも7万タイトルとも、新刊書が出される状況の中にありまして、本自体の利用者の方のニーズというのもさまざまでございます。そして、一定の期間に比較的ニーズ、利用が集中するという図書も中にはございます。そういったことと、それからよい本をどこに場所に保存していくかというストックヤードの問題等、さまざまな条件を勘案いたしまして、今後も図書館としましては蔵書の充実に努めてまいりたいと思います。
篠委員
江田委員が桃三の件を大分されましたけど、検討委員会というのはもう桃三に関しては終わっているんですね。
相澤教育改革担当課長
学校統合委員会のことだと思いますが、これについては統合されるときまでということですので、20年3月末まで統合委員会は設置されるということでございます。
篠委員
それで、体育館の改築という形で予算要望の検討中の項目で出てきているんですけど、校舎全体では10か年の中では予算付けは幾ら考えていましたか。
相澤教育改革担当課長
5億円でございます。
篠委員
5億円で、どの辺にお金をかけるつもりでしたっけ。
相澤教育改革担当課長
外壁でありますとか、特別教室を普通教室化することでありますとか、バリアフリー対策でありますとか、この中では体育館、既存の体育館を外壁の改修、内装改修、そういったものを含めた金額で見込んでございました。
篠委員
そうしますと、こういう結論を出したということは、お金の手当てについてもただ頼むというんじゃない対応を考えていらっしゃるんだと思うんですが、体育館の改修って、この取り組み方によっては15億円以上もかかる、3倍以上もかかる案件になっちゃうと思うんですね。それで、幾らぐらいかかるだろうかというめどもつけないで行動をとるとはとても考えられないんですが、今回、当初予定したお金に対して、その何倍の幾らを目指して行動をとるつもりでいるのか、まだ決められたわけじゃないから、つもりだと思うんですが。
小谷松教育経営担当課長
体育館、これは全面建てかえということになると、今、委員おっしゃったとおり相当額の経費がかかります。ただ、体育館、今あるものをそのまま建てかえるということではありませんで、先ほど来から出ておりますとおり、学童クラブあるいは遊び場機能等も含めた中で建てかえを図ってまいりたいというふうに思っております。そういう意味で、もう少しこの体育館の機能がきちんと見定まったところで、かなり概算として出てくると思いますが、今の段階ではまだちょっとそこまで詳細にわたって試算は、中身がまだ十分にかたまってございませんので、その辺のところをまず精査していきたいというふうに思っております。
篠委員
予算要望するときには、やはり統廃合、統合新校を15年間にかけて、前期5年分では幾らのお金はつくり出せるはずだという形での行動をとってきたわけですから、無責任な行動をとっているとはとても思えないんですね。お金もないのに始めちゃったとはとても考えられないんですが、一切財務とも交渉を持たないで、教育委員会独自に進めていらっしゃるんですか。
金野教育委員会事務局次長
この体育館の改築につきましては、先ほどから御答弁申し上げていますように当初は改築まで想定していなかったものですから、この費用は10か年計画で想定していた学校再編に伴う校舎整備費の枠外、プラスの分というように想定しております。これについては、金額がまだ確定はしていないんですが、想定される金額については基金の対応、また起債等で対応しようということで、財務の方もそうした対応を図るということで考え方が示されておりまして、その上でこうした方向を全庁的に確認をして示しているというものでございます。
篠委員
かなりお金とのかかわりで、相当厳しい議論をこの何日間かで詰めるんだと思うんですが、ただ、20年までに桃三、桃丘、仲町、それから六中、十一中のことがありますよね。中後期については、この忙しい時期に来て、同じ平成20年に方針を出すということを文書でもう全区的に流しているわけですよね。桃三の体育館一つ取っても3倍の金額がかかるというような、耐震を見据えた流れはまだつかみ切ってない時期に、中後期についてそんな精力的な地元説明等に入れるつもりでいらっしゃるんですか。もう平成18年度も終わろうとしているんですよ。そこの辺については明快なお言葉がいただけるんでしょうか。
沼口教育長
学校再編につきましては、再編計画を発表しまして、その中で確かに中後期の計画ですね、それについては平成20年度に示したいというふうに書いてございます。前の本会議の中でも御質問ありましたけれども、これについては我々の予定としてはそれで進めていきたいと思っていますけれども、当然学校に通ってくる子どもたちの推移の問題もございます。それから、今言ったような財政的な問題もありますので、それらを総合的に勘案して、方針としては20年度に出す予定でございますけれども、全体は改めて検討しながら進めていかなければいけないと、そのように考えてございます。
江田委員
1点だけ要望しておきたいと思います。
学童クラブ、遊び場機能を持ち込むということになりますと、学校体育館の場合、例えばバスケットなんかをやっているとものすごく響きますよね。体育館全体に響いてくるわけで、そういう中にそういう場所をつくるといった場合に、その影響がどういうふうに出てくるのかというのが非常に大きな危惧として私は持ちます。
つくる以上は、やはりそれが子どもたちにとって、その場がストレスを与えるような場でなくて、しっかり安心して使えるような場所でなければならないでしょうから、計画を進めるということであれば、その点は十分に考慮していただいて、子どもたちが安心して使える場として整備をするようにということを、この点については強く要望しておきたいと思います。
委員長
では、御要望ということでよろしいですね。
ほかになければ、次の報告に移りたいと思いますが。
それでは、ただいまの報告に対して以上で終了いたします。
次に2番、中野区軽井沢少年自然の家の食中毒事故についての報告を求めます。
大沼学校教育担当参事
中野区軽井沢少年自然の家の食中毒について御報告申し上げます。御迷惑をかけましてまことに申しわけございませんでした。
概要です。平成18年10月10日の朝、中野区立中野神明小学校から、4日から6日にかけて中野区軽井沢少年自然の家で移動教室を行いました。そのところ、10日の朝、20名ほどの児童が学校を欠席し、また登校した児童からも下痢、発熱、腹痛、嘔吐などの症状を呈したとの報告をいただきました。直ちに中野区保健所へ連絡して、食中毒及び感染症の疑いから、学校に職員を派遣しまして対応したところです。まず、校内での二次感染を防ぐために、休み時間、昼食等の手洗い及び消毒の徹底を図ったところです。
また、5、6年生の児童に、中野区保健所と連携しまして食事の聞き取り調査と便の採取を決定するとともに、学校から保護者に文書を手渡し、医療機関への受診と検便の協力をお願いしたところです。そういった二次感染の対応をとりました。
さらに、この件については直ちに東京都教育委員会に事実を報告するとともに、中野区保健所を通じまして、東京都福祉保健局から長野県佐久保健所に調査を依頼したところでございます。12日に、中野区保健所から、区内医療機関から、移動教室に参加した児童から食中毒菌であるサルモネラを検出したとの報告がありました。次いで、中野区保健所が10日に持っていった検便等の細菌検査から、66名中37名からサルモネラを検出したということであります。軽井沢には、保存食21、それから調理従事者の検便を佐久保健所が検査しましたので、その結果についてはサルモネラ菌は検出されなかったです。これは10月17日に結果が出たところです。
最終的に、参加者131名のうち、児童65名、教師1名が腹痛、下痢、発熱の症状が出たところであります。現在、既に全員回復しているところです。
10月27日に、佐久保健所は、発症の状況等から移動教室中に提供された食事を原因とする食中毒であると断定し、2日間の営業停止を命じたところでございます。
4番目に、保護者説明会については10月26日、児童の保護者への説明会を開催しました。午後4時から4時半にかけて行ったところです。中野区保健所職員と我々が行って説明しました。佐久保健所の調査状況と、医療費給付金の適用等について説明したところです。
それから、調理委託業者である八風が、10月31日に中野区教育委員会に衛生改善計画を提出していますので、それの確認等、調理等の安全指導を11月2日に私たちも行ったところです。
以上が食中毒事故についての御報告であります。
委員長
ただいまの報告に対して、何か御質疑ございませんか。
よろしいですか。それでは、以上で本報告については終了いたします。
それでは、その他について報告と説明を求めたいと思います。
委員会を暫時休憩いたします。
(午後2時35分)
委員長
委員会を再開いたします。
(午後2時59分)
他に報告はありますか。
入野指導室長
11月6日の夜、文部科学大臣あてに届きました自殺予告の対応について、本区の対応について報告をさせていただきます。
本区におきましても、速やかに全公立の小・中学校に再度確認をいたしましたが、この予告に該当する件はございませんでしたが、この封書等が豊島郵便局というふうにも読み取れるというような話もあり、本区といたしましても明日の土曜日、日曜日につきましては公立の各小・中学校、管理職等の勤務をお願いいたしました。これは、土日においても相談ができるということと同時に、校内の見回りをしてもらうという意味で出勤をお願いいたしました。
2点目は、管理会社の方におきましても、そちらの方にも要請をいたしまして、見回り等の強化、それから児童・生徒が登校した場合の対応等もお願いをいたしました。
さらに、3点目といたしましては、両警察署の方にも見回り等の要請をいたしました。あわせて、教育委員会におきましても事務局に待機するということで、職員が何人か待機するというような形で万が一を考えて対応を図ってまいる予定でございます。
御報告いたします。
委員長
ただいまの報告について御質疑ありますか。
昆委員
ちょっと関連するんですけれども、その対応の仕方は今御報告を受けて、そういう対応をするのかというふうに承知しましたけれども、関連してお聞きしたいことがあります。これは、10月20日の教育委員会の資料で出されております最近の子どもの状況についてということで、3年間のデータが出ているんですが、ここに不登校といじめというふうに二通りの3年間の数値が出されているんですけれども、そのいじめの方ですね。これは15年度も16年度も中野区としても小・中学校あわせて、15年度は18件、16年度は15件、17年度はゼロというふうになっていますよね。
それで、今、問題になっているのは、ゼロという報告を上げなければならなかったというふうな、そういうことがマスコミ等で報道されておりますけれども、この17年度のゼロというふうな数値を出されたという、その経過、本当になかったのかどうなのかということも含めて、ちょっとこの点についてお聞きしたいと思っておりますが。
入野指導室長
ただいまの資料につきましては、10月20日に教育委員会の方でお話をさせていただいた、今回の事件の前のときの対応でございます。この数値につきましては、文部科学省に提出をしております問題行動調査のデータでございます。これにつきましては、いじめについてはこれからお話をいたしますような定義になっております。まず、自分より弱い者に対して一方的に行われたものであるということ、それから身体的、心理的な攻撃を継続的に加えられているものであるということ、相手が深刻な苦痛を感じているものであること、なお、起こった場所は学校の内外を問わないというような、このような定義のもとに報告をしたものでございます。
文教委員会の資料等でも御報告してございますように、スクールカウンセラーですとか心の教室相談員に、いじめという言葉を使って相談を受けているケースがあることは、もう既に御報告しているとおりでございますが、この文部科学省の定義には精査をしてまいりますと合わないということで、ゼロという報告をした次第でございます。
昆委員
その文部科学省の定義に合わないということで、ゼロというふうになったということなんですけれども、それじゃ、その15年度、16年度、それからまた16年度と17年度、この定義が違ったんですか。変わったんですか。
入野指導室長
15年度、16年度におきましては、定義は変更してございません。その前におきましては若干変更はございましたけれども、この3年間につきましては変更はございません。
昆委員
3年間にはその定義の変更はなかったと、変わっていないということなんですね。
それで、これは18年度の決算特別委員会、文教の38という資料を手元に持ってきているんですけれども、これはスクールカウンセラーに寄せられた相談の件数及び分野ということで、前年同というふうになっているんですけれども、この内容別相談回数のところで見ますと、いじめというのが、個別の名前を挙げて申しわけないんですけど、表がそうなっていますからね。二中が48件ということで、あわせて69件というふうになっておりますよね。この69件の定義も変わってないんですか。文部科学省のこの定義と同じなのか、それとも中野区独自の定義があって、この69件という数値が出ているのか、その辺についてはどうなんでしょうか。
入野指導室長
これは、スクールカウンセラーに相談に来た者ということでありまして、この定義でというお話はしてございませんが、子どもの方、またはこれの場合は親がという場合もございますが、保護者がという場合がございますが、いじめという言葉を使って相談には来たということで、相談の内容からこういうふうに書かれてございます。
昆委員
そうしますと、文部科学省のこの諸問題に関する調査の、そのゼロというのがちょっとやはり不自然に思ってしまうんですよね。文部科学省の定義から見て合っていないからゼロだというけれども、でも、15年度も16年度もその定義で調査をしたら数値が出ているわけでしょう。それから、スクールカウンセラーの方に寄せられている相談件数だって、この数値が出ているわけですよね。
ですから、中野でゼロということが果たしてあり得るのかというふうに単純に思ってしまうんですけれども、これは区民の皆さん方が聞いても、みんな同じようなことを言うんですよ。何で中野はゼロなのって。これほどやはりいろんな形で、その数値が多く上がっていればいいというふうに私は思っておりません。それは少なければ少ない方がいいと思うんですけれども、少なければ少ないほど、潜在的に、表に出てこない、いろんなそういうものがあるんじゃないかということを思うのが当然であって、今回のいろんな全国で起きている事件を見ますと、ああいう、本当に親としても胸がつぶれそうな思いがするんですけれども、そういう報道を見ますと、本当に中野がこの文部科学省の定義に沿ってだけ見ているのか、それに合う合わないという基準はどこでやっているのか、その辺のところが全く不透明に感じてしまうんですよね。その点については現在どのように考えていらっしゃいますか。
入野指導室長
私どもは、先ほどもお話をしましたようにカウンセラーからのこういう報告書、または直接お電話でいただくようなもの、やはりいじめという言葉を使われたものに関しましては学校に連絡をとり、その中身を全部学校とともに精査をしてございます。その上で、確かに17年度はこの定義に合わなかったものはございますという言い方をしていると、ちょっとすみません、言い方が悪いですね。この定義に合ったものとしてはゼロという報告を文科省にいたしましたけれども、いじめがなかったという、いじめという訴えがなかったということではないということでございます。それについても、学校とともに解消を図りまして、私どもとしても10数件、きちっと訴えがあったものがありましたので、それについては対応したところでございます。今年度もそのように行っております。
昆委員
全国といいますか、起きている事件を見ますと、やはり第一報を聞いたときに思いましたのは、中野区でかつて本当にそういういじめによってみずからの命を絶った子どもがいるという、そのことがすごく頭に浮かんだんですよね。あのときに、やはり中野が全国に二度といじめによって子どもたちがみずから命を絶つようなことのないようにというふうな取り組みを、学校も、保護者も、地域も、教育委員会も挙げて取り組んだはずだというふうに私は思っているんです。それが、こういう形でゼロというふうな数値で出されているんですけれども、今お聞きしたら10数件そういうものがあって、そこにちゃんと対応しているというふうなことなので、きちんと対応ができているのかなというふうには思いますけれども、しかし、やはりゼロ報告が自治体として文部科学省の考えに沿ったものだからというふうな、そういうこともマスコミ等で言われていますよね。文部科学省の意向に合った、そういう数値を上げなければというふうな、ゼロ報告をしなければというふうな、そういうことまで言われているんですけれども、それだとしたら、やはりその本質といいますか、いじめの本質というか、そういうものが見えなくなってしまう。本当に芽のうちに摘むといいますか、みんなでいろんな知恵を出して、本当にゼロというふうな形で、なくすというふうな考え方ではなくて、何か覆い隠してしまう、そういうものになっていないのかなというふうに思いますから、こういう質問をしているんですけれども、それはないですか。大丈夫ですか。
沼口教育長
教育委員会の資料をもとにして言っていると思いますけれども、そこでも、わざわざそういう資料を出して、マスコミで、文科省の調査にゼロという自治体が多いじゃないかということがあったので、我々もそれを議論しなきゃいけないということで、我々の資料を教育委員会に出したわけです。その中で、今、委員が言ったような議論も当然出ています。我々はそういう議論をしてもらいたくて出したわけです。ですから、いじめの実態というのは必ずあるわけですよね。我々もそれは把握しています。ただ、文科省の統計上は、こういうことがありましたよという事実を知ってもらいたいために出した資料なわけです。ですから、それが、中野区がそれを積極的に出して、うちはゼロだ、ゼロだと言っているわけではないということは御理解いただきたいと、そのように思います。
昆委員
もう1点なんですけれども、これは中野区内にある都立高校で、東京都の教育委員会教育長名で緊急アピールというのが出ているんですね。これを読んだ子どもたちがどういうふうに考えるかというふうに思って、いろいろ感想も聞いたりしたんですけれども、相談する場所だとか、自分の悩みを受けとめてくれるところだとか、本当にあるかよというふうな言葉が、やっぱり子どもたちのところから出ているということは、子どもたち自身が学校の中、学校で自分の悩みをきちっと話しても、それを受けとめてくれるのかどうかということ、それからもちろん教育委員会等で相談の窓口をつくって、いじめ問題対策室というのもあるんですけれども、そこのところに相談したときに、本当に自分の気持ちをくみ取って、そういうアドバイスができるのかということもあると思うんですね。
それと同時に、私は親の立場もありますから、親のところでも、今の子どもたちのいろんな学校等で起きている、そういう問題についてきめ細かくフォローするといいますか、目を配っていくということがとても大事だなというふうに思っているんですけれども、この点については何か小・中学校のところでのそういう対応策、先ほど最初に報告いただきました対応策のほかに何かとっていらっしゃるんでしょうか。
入野指導室長
私どもとしましては、10月の定例校長会、11月の定例校長会、18日と1日でございますが、そちらの方に、学校の方にお願いをいたしました。まず、早期発見、早期解決に当たるための教員研修を改めてしていただきたい、この10月の下旬から11月を防止月間というふうに設定いたしまして、改めて研修をしていただきたい。さらに2点目としては、子どもたちと、でき得れば、道徳の時間であろうが、ほかの時間であっても結構ですが、いじめを題材としたような学級でのディスカッション等を考えていただきたい。それから、3点目として、必ず多くの人の目から見る子どもたちの実態把握をこの期間にやっていただきたい。例えば、教育相談週間を持っていらっしゃる学校もあるでしょうから、そういうことも、それからスクールカウンセラーや心の教室相談員、中野区独自で配置しておりますそういう人たちとの連携を図りながら、実態把握に努めていただきたい。さらに、相談窓口の明確化をしていただきたいということで、私どもの教育センターにあります、子ども110番についての周知のポスター、場合によってはそれのポスターを小さくしていただきまして、子どもたちに配っていただいてもいいということ、それから校内の相談窓口の明確化も図っていただきたいということでお話をいたしました。
小串委員
関連してなんですけれども、いじめということが今すごく新聞、マスコミをにぎわしていて、特に自殺というようなことが数例あって、それに今そういう対応をされているということで、本当にきちっとやっていただきたいという思いが強いんですけれども、先ほどのデータじゃありませんけれども、恐らくいじめというものは、自分の経験で言うのも何ですけど、自分が子どものころに考えても、いじめたこともあるし、恐らくいじめられたこともあると。いじめたということはよく覚えてないんですけどね、多分あったとは思うし、またいじめられたということは痛烈に覚えているんですね。なぜかと言えば、いじめられた経験というのはすごく覚えているんだけど、自分に意識があったかどうかわからないけど、それが人を傷つけたということについては記憶がなくなってしまうと、これはすべての人がそうだと思うんですけれども、幸か不幸か、私の周りには自殺をしたり、それが原因で不登校になったという友達関係はなかったということだけの事実だと思うんですね。
ですから、教育委員会に上がってきているものがすべてのデータの根本であるというようなとらえ方をすること自体が間違いで、いじめはまずあるものだという前提に立って、各学校、こういう問題があったから云々--それはもちろんこういう問題があったわけですから必要なことなんだけども、こういうことがマスコミをにぎわそうが、にぎわせまいが、常日ごろからやはりいじめだとかということは、友達を傷つけるということ、こういうことがいじめなんだよ、あるいはこういうことが人を数つけるということなんだよということは口を酸っぱくして子どもたちに、あるいは保護者等に御家庭でそういう教育をしてほしいということを常日ごろから言ってないと、これは減っていかない。私はゼロにはなり得ないというふうに思いますけども、少なくとも、でも、なくす、ゼロに近づけていくという努力は最大限していただきたいと思うんですけれども、今そういうような対応をしておられるということで、それはそれで尊重いたしたいというふうに思いますけども、やっぱり校長以下、せっかくスクールカウンセラーの方や、あるいは心の相談員の方もおられるわけだから、それを一つのテーマにして、朝礼をやるとか、あるいは道徳の時間にもうちょっと詰めて、そのことを中心で議論するとか、あるいは子どもにディスカッションしてもらうというようなことを含めて、やはり常日ごろからきちっと取り組んでもらいたいというふうに思うんですけれども、感想があれば聞かせていただきたいと思うんですが。
入野指導室長
いじめというのは、委員お話のようにどこにでも起こり得るものという認識と、さらに中野区においては二度といじめで不幸なことは起こさないということの認識を、常々教育委員会の方から校長会を通じてお話をしてきております。
この6月と11月をそういうふれあい月間ということで取り組んでおりますので、そこを中心に今お話を申し上げましたが、日ごろからそういう意思のもとに教育委員会としても、学校としても、一丸となって、保護者や地域の方の御協力をいただきながら今後ともやってまいりたいというふうに思います。
久保委員
今の文科省の御報告が、この定義に合ったものがなかったということで、ただ、私は17年度にこの定義に合ったものを幾つか伺っております。これは、どういった形で調査をなさって、どなたが報告をされたものなんでしょうか。
入野指導室長
これにおきましては、学校の方へ私どもが調査をかけまして、学校の方の認識のもとに上がってきたものが根本でございます。ただ、私どもの方にもいろいろな情報が入っておりますので、それもあわせて、さらにまた学校に返すということをやっておりまして、学校から認識として、例えばゼロに上がってきたとしても、私どもが受けていましたものが1本ありましたら、それを戻して再度精査してという形で出した数字でございます。
久保委員
これは子どもの側には調査というのはしてはいないんでしょうか。あくまで学校ですか。
入野指導室長
はい、そうでございます。
久保委員
先ほどディスカッションですとか、いろんな形でということを言われていましたけれども、私はディスカッションできるような子は、いじめて、亡くなるようなことはないと思っています。私自身は、我が子がいじめに遭ったときに不登校になりました。私は、学校に行かないというのは一つの防御策だと思っています。今、そういう指導もあると思うんですね。もし、だれにも言えない、学校に行くのも本当に怖い、そう思ったときには学校を休んでいいんだよ、そういう方法もあるんだよということを学校側からも提示してあげるべきではないかと思うんですが、その辺いかがですか。
入野指導室長
そういうふうな不登校が、いじめの原因から起こる場合もあるということも承知をしております。そういうことで、いじめが原因で不登校になるというお子さんには、そういう方法も一つの方法かというふうに思っています。これは、いじめにしても不登校にしても、一人ひとりの状況が違いますので、その子に合った対応がとれるということが一番であろうかというふうに思いますし、さらに、どこかに相談できるというんでしょうか、自分の方から声をかけられるような状況を周りの大人がとっておくことが大事なことかなというふうに考えております。
久保委員
学校に行っても、保護者にも話せない、友達にも話せないというような環境があるからそうなってしまうわけです。もちろん、保護者側も気づかない、弱いからやられるというような認識を持っている方もまだまだいらっしゃる。いじわるといじめは違うという、そういった大人側の認識を変えなくてはいけないとも思います。それをまずはきちっと保護者にもいろんな形で伝えていただきたい。やっている側の保護者というのは、なかなか気づいてはいただけないものだと思います。やられている側の保護者も気がつかない場合もありますし、またそれを恥じてしまうような部分もあるかと思います。その辺をきちんと指導していくことというのが重要なことだと思います。
本当に、子どもにとって、だれでもいいから、だれかが味方になってくれているという、その安心感をどこかにつくっていただきたい。それは学校のスクールカウンセラーであってもいいし、心の教室相談員であってもいいし、担任の先生であってもいい。私は、できれば保護者がそういう形で受けとめるというのが一番いいとは思っていますが、なかなかそれが現実にはままならないのかなとも思います。その辺のところをしっかりと、大人側に対して教育委員会としても何か指導というか、きちっとした形で提示をしていただきたいと思いますが、その辺は何かされているんでしょうか。
入野指導室長
実際には、私どもは教育相談センターの発表会等におきましても、そこに来ていただいた保護者という形で、お話をしていくという場合もございます。さらに、今年度はまだ考えておりませんけれども、これからそういう部分についても考えてまいりたいというふうに思っております。今回の緊急アピールのことにつきましても、それから今回の対応につきましても、学校を通じてお話はお願いしているところではございますけれども、教育委員会の取り組みとしても今後考えていきたいと思います。
委員長
よろしいですか。それでは、以上で報告については終了いたします。
ほかに報告はありませんか。
それでは、議題のその他に入ります。
次回の委員会の日程ですけれども、第4回定例会中の12月1日、4日、5日ということでよろしいでしょうか。
〔「異議なし」呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように決定いたします。
以上で本日予定した日程はすべて終了いたしますが、委員、理事者の皆さんから特に発言はございませんでしょうか。
小串委員
何ということでもないんだけど、今せっかくいじめのことが出たので、もう一つ、履修漏れの問題というのがあるじゃないですか。小学校、中学校でそれがあるという話は、一部の私立学校では何かあるような話も聞いていますけれども、公立であるという話は聞いてないんだけれども、これこれこういうわけだから、小・中では履修漏れはあり得ないという説明でも結構ですので、この点についてもちょっと教えていただければと思って。
入野指導室長
基本的には、小学校、中学校におきましては標準授業時間数が各教科において決められておりますので、数学ですと何時間というふうに、年間何時間やらなければいけないというふうにはなっておりますけれども、高校のような単位制という形ではございませんので、今、私立が問題になっておりますのは、その部分を、私立の中学校としては授業時間数をかなりその標準時間数よりも減らして行っているということで、多分あれは3分の1ぐらいの時間数で、ほかのものに回していたということになっているかと思いますが、その辺のことで問われているということでございまして、公立においてはその標準時間数を私どもが毎年どの程度クリアできているかを教育課程届けのときにチェックをしておりますので、そういうことはないということでございます。
委員長
ほかに御発言ありますか。
なければ、以上で本日の文教委員会を散会いたします。
(午後3時26分)