平成17年3月17日文教委員会
中野区議会文教委員会〔平成17年3月17日〕
文教委員会会議記録
○開会日 平成17年3月17日
○場所 中野区議会第5委員会室
○開会 午後1時02分
○閉会 午後3時36分
○出席委員(9名)
岡本 いさお委員長
小堤 勇副委員長
奥田 けんじ委員
高橋 ちあき委員
小串 まさのり委員
飯島 きんいち委員
篠 国昭委員
藤本 やすたみ委員
江田 とおる委員
○欠席委員(0名)
○出席説明員
教育長 沼口 昌弘
教育委員会事務局次長 金野 晃
教育経営担当参事 教育委員会事務局次長兼務
部門経営担当参事 教育委員会事務局次長兼務
教育委員会担当参事 教育委員会事務局次長兼務
教育環境担当参事 教育委員会事務局次長兼務
教育改革担当課長 小谷松 弘市
学校教育担当課長 篠原 文彦
学校教育管理担当課長 学校教育担当課長兼務
学校健康推進担当課長 学校教育担当課長兼務
指導室長 小林 福太郎
生涯学習担当参事 大沼 弘
生涯学習推進担当参事 生涯学習担当参事兼務
生涯学習施設担当参事 生涯学習担当参事兼務
知的資産担当参事(中央図書館長) 石﨑 新一
○事務局職員
書記 荒井 勉
書記 岩浅 英樹
○委員長署名
審査日程
○陳情
〔新規付託分〕
第63号陳情 (財)中野区文化・スポーツ振興公社が団体に支払った謝礼等について、その用途 の報告を求める義務がある件について
○所管事項の報告
1 中野区教育ビジョン(素案)について(教育改革担当)
2 学校再編計画(案)意見交換会の実施状況について(教育改革担当)
3 中野区立学校教科用図書の採択に関する規則等の見直しについて(指導室長)
4 文化・スポーツ施設の指定管理者候補者の公募について(生涯学習担当)
5 「生涯学習・スポーツガイドブック(2005年度版)」の発行について(生涯学習担当)
6 もみじ山文化センター本館屋根の復旧工事について(生涯学習担当)
7 その他
○所管事務継続調査について
○その他
委員長
それでは、定足数に達しましたので、本日の文教委員会を開会いたします。
(午後1時02分)
本日はお手元の審査日程(案)に沿い審査を進めたいと思いますが、これに御異議ございませんでしょうか。(資料1)
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように進めます。
なお、審査に当たっては、午後5時を目途に進めたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
また、3時近くになりましたら、休憩をとりたいと思います。
初めに、保留となっております第63号陳情、(財)中野区文化・スポーツ振興公社が団体に支払った謝礼等について、その用途の報告を求める義務がある件についてを議題に供します。
この陳情については、きょうは提出者は見えませんが、資料を配付したいということの要望がありますので、休憩をして資料を配付いたします。よろしいでしょうか。
では、休憩をして資料を配付いたします。
(午後1時03分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後1時03分)
これより本件に対する質疑を行います。
質疑はありませんか。
飯島委員
陳情の理由等に書いてあることについて、事実の確認はされましたか。
大沼生涯学習担当参事
この陳情が出る前に、公社に対して文書での照会がございました。それについて、公社が文書で回答しています。それに対して、また教育委員会としての考えはどうかというような文書をいただきまして、文書で回答しました。ここで、陳情にある事実については、陳情者には確認してございませんけれども、公社については確認しているところです。ここの内容は、指導員派遣依頼の内容だということです。
飯島委員
要するに口頭でいわゆる業務委託、派遣の業務を委託したということについては、間違いないんですか。
大沼生涯学習担当参事
今回の指導員、いわゆる講師派遣依頼については、口頭で行ったということは確認してございます。
飯島委員
従来、口頭でそういうことをお願いした経緯はあるんですか。
大沼生涯学習担当参事
一般的に我々区役所の場合は、講師派遣依頼という文書を作成して、相手方の回答をいただけば、履行いただいて、契約の履行を確認して謝礼を支払っています。公社においては、独立した法人だということで、口頭による講師派遣依頼も行っていると。これについて、公社は有効だという解釈でいるということであります。
飯島委員
1回とか2回とかというのは、こういう事業に対して講師を派遣してくださいと。例えば今度、はつらつ体操なんてやりますよね、おふろ屋さんで。たしかそれは、文化・スポーツ振興公社からの指導員の派遣ということになっているんですよね。単発で何かやるというのは、それはもちろん文書で出す場合もあるでしょうし、口頭の場合もあるかもしれないんだけど、これは見ていると、何かこの文章を読んでいる限りでは、継続的にそういうことについて毎回こうやっているようなニュアンスがありますよね。そうすると、何か通年口頭でというのも、どうなのかなというふうな気もするんですが。それは文書にした方がいいとか何とかと、指導する立場なのかどうなのかという、教育委員会が。それはわからないんですけど、その辺はどうお考えですか。
大沼生涯学習担当参事
一般的に、公社といえども、やはりそういう誤解を与えないよう、文書でやる方が私は望ましいと思っています。
飯島委員
それともう一つ、あたかも、公社役員とP連盟役員との私的な関係に基づいて締結されたことは明白であるとかと、断定的な文章になっているんだけど、これを読む限りでは、何か公社の役員の人と、当該P連盟というところの役員の人と、個人的に何か頼み頼まれ、お金の授受はあるんだけど、実際に仕事した人に渡っているのかどうかがわからない。何かこれだけで見れば、あたかもP連盟役員みたいな人が自分でお金を受理して、その後の処理が不明朗であるみたいなことなんですが、ここはそういう私的な関係に基づいて締結されたものだとか何とか、この辺はどうなんですか。その辺きちっとしているんですか。
大沼生涯学習担当参事
これはあくまでも鷺宮体育館館長と連盟の契約でありまして、私的な契約ではありません。あくまでも公社と連盟との講師派遣依頼の契約であります。
飯島委員
でも、それを証明する何物もないんですよね、口頭なんだから。普通、文書なら、文化・スポーツ振興公社というのであり、片や何とか連盟というのでありということで、団体間の業務委託契約というのかな、かたくいえば。そういうものがあるけど、今回の場合は文書が存在しないから、それは、参事はそうおっしゃるかもしれないけど、本当にそうであるか、ないかを明快にする、とりあえず今の段階では、そうおっしゃっていただいても、そうなのかどうなのかわからないというか。こういう理由に対して、明らかにそれは事実と違うということが示せるんですか。
大沼生涯学習担当参事
契約の相手方である連盟の方は、私的な契約じゃないということで、公社との契約によって指導員を派遣しているということは、契約の相手方である方はそういう認識でいますので。第三者的な形での確証的な文書はないんですけれども、契約の相手方の認識、合意の形では、公社との契約だという認識でいます。
飯島委員
なかなか苦しいところじゃないのという気がしますけどね。
それともう一つ、支払った委託料は、支払いは当然、領収書その他はあるんでしょうね。そこにはきちっと、P連盟の代表者の受領になっているというふうになっていますか。
大沼生涯学習担当参事
これはあくまでもP連盟に対する謝礼として、連盟が指定した口座に振り込んでいるところであります。
飯島委員
それも何か、その先がどうだとかという話ですが。文化・スポーツ振興公社としては、指導員派遣をお願いする。それについて報酬を振り込んだと。ここで、税金の使い方として--税金の使い方なのかな、公社だから。何とも言えませんけども、いわば支払いが終わっている。この方は、その先、ちゃんときちっと、当該指導に赴いた人にそういう謝礼が、報酬が--謝礼なのかな。渡っているかどうかがわからないじゃないかと。そういうことについては、きちっと全額支払われたのか、報告を求めるようにということですが、この文化・スポーツ振興公社の委託契約内容、あるいは講師派遣の内容の範囲として、そこまでの仕事になるんですか。
大沼生涯学習担当参事
あくまでも公社とP連盟との講師派遣依頼であります。契約の内容の履行を確認して、謝礼を支払っているということです。それは連盟の指定した口座に契約の内容である謝礼を払っているということでありまして、連盟からの先については、連盟の中の判断という形で私たちは考えているところであります。
飯島委員
見ると、P連役員の銀行口座とかと書いてあるんですけども、これは、だけど、先方が指定した口座であり、なおかつP連の口座、P連というのがちゃんと書いてある口座。個人名だけの口座じゃなくて。そういう口座なんでしょう。
大沼生涯学習担当参事
連盟の指定した口座にお支払いしているので。口座の場合は個人名の役員だれだれという中で支払っているということです。
飯島委員
要するにP連盟役員何のだれという口座なんですか。P連盟役員とかというのが入っているの、ちゃんと。
大沼生涯学習担当参事
口座名までは確認していないんですけれども、連盟の指定した口座にきちんとお支払いしているということです。
飯島委員
口座名がわからないで、どうやって--番号だけということはないでしょう、だって。だから、何という口座に振り込んだとわかっているはずなので、ちょっとね。どうしてかというと、こういうのはやっぱり厳密にきちっとしなきゃならないというふうに認識されているとすれば、厳密にきちっと調べなきゃならないと思うんですよ。この方がおっしゃっていることについてはちょっと、理由の中で、そういうお言葉の使い方はいかがなものかという部分はありますよ。税金の不正使用という意味では、別に税金の不正使用かどうかというね。不正使用というのは、税金を不正に使用したという意味であって。一たん支払った報酬がどうそれが分配されたりするかというのは、その団体の中のさまざまなことのかかわりなんだろうから。私は、それが税金の不正使用と、受け取った側が報酬をどう、あるいは謝礼をどう分配したかは、また別の問題だと思うんですよ。だから、所々それは、果たしてそういう表現が当たるかどうかわからないけれども、一応ここに書いてある、これを読む限りでは、何か公社の役員と当該P連盟の役員の個人的つながりでお願いをした、派遣もした。その人の多分口座に振り込まれていると。個人の口座であって、あたかも私的にこの報酬を受け取ったかのごときニュアンスを感じるから、そういうこととして物が処理されているのかどうなのかははっきりしないと、なかなか別の問題が発生してくる可能性があるよね。相手方の問題だけじゃなくて、公社サイドのいろんな問題だって出てくる可能性があるので、一体どういうことなんですかということをお尋ねして、しかも有効な契約であったとかと。有効かどうかという、お願いしてお金を払ったというのは、それはそういうことなんだろうけど。でも、そうやってこれは契約として成立していますよということだけではない部分だってあるわけだから、きちっとその辺はお調べいただいて、まず、口頭の部分であるけど、口座その他のことについて、あるいは何かやってどうやったという、そういう事業報告みたいなのが来るのかどうか知らないけど、そういう報告書だって本当は、何か書きますよね、大概、やりましたよという。そうじゃなきゃ確認できないわけだから。だから、そういうのだって本当は書類が存在するはずなんですよね、多分。だから、領収書だって、そういうのできちっと来ている--領収書はないんだね、口座に振り込んじゃったんだから。そうすると、その口座名は、きちっと振り込んだという先が、連盟のそういう団体のものであるということの何かがないと困るとかということは、後々あるんじゃないですか。いろいろ聞いてみると、やっぱり何かちょっと十分ではないなという気がするので、その辺はちゃんと調べていただかないとまずいんじゃないですか。
大沼生涯学習担当参事
口座名をきちんと確認してはいないんですけれども、これはあくまでも連盟の指定しただれだれ役員という名の、口座に支払っているということでありますから、あくまでも個人の口座に支払ったということではありません。連盟の指定した、連盟役員としての、いわば連盟の組織の口座に支払っているということであります。
もう1点、次の、今回は初めてのケースだったということで、いろいろ事務処理的に不備な点があったということで、これについては、公社からも今後改善していくというお話をいただいていますので、これについてはきちんと、たとえ独立した法人の公社の会計といえども、やはりきちんと文書にて契約、相手の了解の文書を得てやるよう指導を徹底してまいりたい。また、公社の方で今後そういった取り扱いをしていきたいという回答をいただいております。
小堤委員
やっぱり契約の仕方からちょっと問題があったと思うんですけれども、こういう場合、公社の責任というのは大きいと思うんですね。相手の方からすると、それで済むと思う場合が多々ありますからね。その点、1点指摘したいと思います。
それと、今回この陳情を読みますと、どうしても団体と個人の方の意思疎通が当初から十分でなかったみたいなことをうかがわれるんですよ。だから、こういう業務委託の場合に、公社と団体という方法もあると思いますけれども、団体に申し入れて、団体の推薦される方と業務契約を結ぶということが、こういう問題が起こらないようにする上で必要と思うんですけども、その辺いかがでしょうか。
大沼生涯学習担当参事
明日、陳情されている方のお話を聞きまして、そういった内容を連盟の方にはお伝えしていきたいと思います。連盟においても、誤解のないよう、きちんと民主的な自治で行われているけれども、さらに運営に努めて、会員の意見を聞きながらやっていただきたいというようなお話をする予定でおります。
江田委員
確認だけさせていただきたいんですが。これを見ますと、休憩中に配られた、陳情者から出された資料を見ますと、大分前から問題になっていたようですが。それで、今、課長から、改善の指導をしていると。公社側も、そうした改善をするという回答をしているということですが、それはどこまで進んでおりますか。既にそういう正式な契約書を改めて取り交わすとか、P連のそういうやり方を具体的に、こういうふうに改善したとか、そうしたことがありましたら御報告ください。
大沼生涯学習担当参事
この問題というのは、15年の12月ころあたりからの話でございまして、6月あたりにいろいろ情報公開の文書が出まして、私たちにも9月ころいろいろ話が来たということで、私としては、やはりきちんと文書を出して指導してきたところであります。ただ、公社の立場からすると、区の会計事務規則を遵守するけれども、公社は公社で行えるんだと。この契約については有効だという前提なので、ここまで至っていると。遡及して文書を作成するかどうかと、また新たな問題が発生しますので、今回はこういう形で処理をしたいと。ただ、今後については、きちんと文書で、書面で契約をしてやっていきたいというような改善というのは、公社との話し合いで詰めている。今後こういう形でやっていきたいという話は伺っていますし、今後そういう形でやっていきたいとは思っております。
江田委員
今のお話ですが、そうすると、公社としては、口頭での契約というのは有効であって、何ら問題ないというのが前提なんですか。ただし、問題になったから、きちっとした文書での契約を結ぶ方向で今後検討するという、その程度の認識なんですか。
大沼生涯学習担当参事
原則は書面、文書にて行うということは、公社もスタンスとして持っています。ただ、これはなぜかと。中野体育館においては、きちんと文書でやっているところです。ただ、今まで鷺体というのは、今回、職員が、指導員が減ったという事実があって、その時間帯だけがこういうような形になったということで、いわば分掌の事務の不慣れだったのが1点と、口頭による契約も有効であるというような解釈のもとに至っているところです。ただ、公社はやはり、ある面では公的な性格、公共的仕事を担っているので、今後は区の会計処理の形でやっていきたいと、改めていきたいと。反省を踏まえながら、さらに改善をしていきたいと、そういうスタンスです。
江田委員
それで、そういう反省をして改善をしていくということですが、既に時間が随分経過していますよね。ですから、やっぱり文書での契約が本来交わされるべきであって、そういう方向に改善しなければならないとしたら、今後改善しますということではなくて、既にそういう指導がなされ、それに従った文書が双方で締結されると。そういうふうになっているのが、現時点では、それだけの時間的な経過がありますから、そういう改善がなされてしかるべきだったのではないか。それがまだ今後の問題というふうになっているということは、いかがなものかというふうに思うんですが、その点についての、教育委員会として公社に対する指導の姿勢としての問題をもう一度お聞きしたいんですが。
大沼生涯学習担当参事
我々は、11月から、それから12月で、私も文書にて指導してきました。立場としては当然、文書にて行うべきだという前提でいます。ただ、契約の相手であるP連盟の方が何ら異議を申し出ない。しかも相手の方がそれでいいんだというような形が、一方にあるのと、今後、やはり遡及して契約をつくることの方よりも、今後きちんとやっていきたいというようなところのスタンスでいますので、これからについては文書できちんとやること。今後の事務処理については、きょう、議会の委員の雰囲気を公社に伝えて、公社の処理ですから、公社については議会のやりとりとスタンスを伝えて、事後処理については話し合っていきたいと思います。あくまでも、我々は指導しますけれども、最終的な決定は公社の事務処理だということを御理解いただけたらと思います。
江田委員
公社は区が設立した団体でありますし、そこに対しては補助金等が支出されているわけですね。そういう中で、区民に対して文化・スポーツのそういう環境、条件を整えていくと。そういうサービスを提供していくということでこれまで運営されてきているわけですから。もちろん公社の独立性、そういったものを尊重するというのは当然ですが、行うべき当然の手続がなされていない場合には、やっぱりきちっと担当の部署として指導するということがなされてしかるべきだと思うんですね。それで、何も遡及して文書をつくれということを言っているわけではなくて、こういう問題が明らかになった時点で、これはやっぱりきちっと文書で取り交わすべきだと。今後の文書としてやるべきことであって、その点については、私は、今後の問題ということではなくて、早急にそうした努力をすべきであったということを申し上げておきたいと思います。答弁は結構です。
委員長
他に質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。
(午後1時27分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後1時27分)
お諮りいたします。
休憩中に確認したとおり、第63号陳情、(財)中野区文化・スポーツ振興公社が団体に支払った謝礼等について、その用途の報告を求める義務がある件については、閉会中も継続審査すべきものと決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように決定します。
以上で第63号陳情について本日の審査を終了いたします。
続きまして、前回に引き続き所管事項の報告を受けたいと思います。
1番、中野区教育ビジョン(素案)についての報告を求めます。
小谷松教育改革担当課長
それでは、中野区教育ビジョン(素案)につきまして御報告をさせていただきたいと思います。(資料2)
この教育ビジョンでございますが、これまで検討の途中経過ということで何度か資料を御提出させていただきました。前回、2月7日の当委員会におきまして、検討資料の2ということで御報告をさせていただきました。その際、当委員会におきましても、いろんな御意見等いただいたところでございます。その後、教育委員会におきましてさらに議論を重ねてきたところでございますが、今回、素案という形でまとめさせていただきましたので、その内容につきまして御報告をさせていただきたいと思います。
今回まとめた主な内容だけ、先にちょっと申し上げたいと思います。
一つは、この中に第3章のところで、家庭、地域、行政、学校の役割とあったものを、これを家庭、地域、学校の連携というふうに改めまして、家庭や地域に関する記述についての考え方を整理を図ってございます。
それからまた、学校内外の安全対策についても、この部分、記述を強化させていただきました。
また、障害のある子どもたちへの言及につきまして、発達障害者支援法におけます発達障害についての記述を加え、調整を図りました。
それからまた、豊かな人間関係づくりということについて言及した中で、ニートやフリーターなどの増加を踏まえまして、子どもたちの自己有用感、そういったものにつながる体験や、柔軟性、多様性をはぐくむ教育といったことについての記述を加えてございます。
それから、もう1点、最後の目標8につきまして、他の目標との関係、位置付けを明らかにするとともに、人材育成についての視点を加え、記述を強化してございます。
以上が主な内容でございます。
それでは、資料に従いまして、順番にちょっと御説明をさせていただきたいと思います。
まず、1ページの策定の趣旨のところから入ってまいりたいと思います。こちらの方、全体として、これまでの検討資料2と大きく変わったところはございませんが、ただ1点、ここの1ページの中ほどよりちょっと下のところでございますが、「しかし、変化の激しい時代の中で」というところの記述でございますが、中野区の教育委員会はここに教育ビジョンを策定しというふうに、教育ビジョン策定の趣旨をここの中で明らかにさせていただいたところでございます。
それから、その次が教育理念と目指す人間像というところ、2ページの方に入ってまいります。2つの教育理念、そして、4つの目指す人間像とございますが、こちらの方につきましては、引き続きこの教育理念と人間像についての内容をそのまま継続してございます。ここでは1点ほど、下から5行目程度でございましょうか。少子化が進み、子どもの数が減少する中で、これからの社会を託す人間として子どもたちを大切に育てていく必要がありますといったようなことで、少子化について言及をした部分を加えてございます。
それから、3ページでございます。先ほどちょっと冒頭申し上げましたが、ここの3、家庭、地域、学校の連携とございます。これにつきましては、前回までは、家庭、地域、行政、学校の役割といったような表題でございました。その中で、行政というものにつきましては、家庭、地域、学校を含め教育全体に対し支援し、施策展開を図る主体としてあるものということで、その部分、行政を分離いたしました。また、役割という言葉を連携というふうに置きかえてございます。このことにつきましては、冒頭の文章でございますが、教育は、家庭、地域、学校それぞれが、子どもを1人の人間としてそのすべてにかかわりながら、社会全体で子どもを育てていくという視点で相互に補完し、連携、協力して行うものですということで、連携についての意味といいますか、基本的な考え方を整理させていただきました。家庭、地域、学校というものがそれぞれみずからの役割に限定するといったようなことではなくて、それぞれが子どもたちに対して、1人の人間のすべてに全体としてかかわりながら、また相互に連携を図っていくという、そういう基本的な考え方をはっきりと打ち出してございます。
それからまた、それ以降でございますが、家庭は子育てに責任を持ち、豊かな体験と愛情の中で生活習慣が身につき、心の居場所となる場であるということ。また、その次に、地域は一人ひとりが主体的に学び、個性や能力を生かし、お互いを支え高め合う場である。また、学校については、生涯を通して学ぶための基礎となる生きる力をはぐくむとともに、地域コミュニティの核としての機能を果たす場であるといったようなことで、それぞれ家庭、地域、学校の機能といったものについての整理を図ってございます。
また、もう少し中ほど下あたりでございますが、行政は中野区の教育全体を推進していくという観点で、さまざまな支援や施策展開を行う必要があるということでの、行政としてのこれら家庭、地域、学校を支える、そういった役割といいますか、求められる機能についての整理を図ってございます。
それから、ここのページの一番下をちょっとごらんいただきたいと思います。一番下の段でございます。このうち家庭と地域に関するものは、中野区の教育をともに推進していくという視点で、家庭や地域への期待や提案として記述したものです。これを機に、区民の皆さんに議論して考えていただきたいと思いますということで、これにつきましては、それぞれ目標ごとに、目標に対する取り組みの方向ということで、行政、学校だけではなくて、家庭、地域につきましても記載をさせていただいたわけでございますけれども、それらの記述について、これが家庭、地域への決して押しつけといったものではなくて、こういった家庭や地域への一つの提案として、このビジョンを機にいろいろ区民の中に議論を広げていただきたいと、そういう形での書き込みを加えてございます。
それから、4番、次の4ページ、5ページでございます。教育ビジョンの概念、目標体系というところでございますが、これにつきましては、最も基本となるところでございます。特に変更は加えてございません。
それでは、個々の目標ごとに御説明申し上げたいと思います。
まず、6ページでございます。目標の1、幼児期に対応する目標のところでございます。ここの中で今回記述を改めたところは、中ほどの子育て支援の必要性といったところでございます。この中で、地域のつながりが少しずつ希薄になって、また核家族化や少子化が進んでいる中で、子育てに関する相談や情報交換する場が少なくなり、子育てに孤立感を募らせ、不安や悩みを訴える保護者がふえており、虐待に至るケースも少なくありませんといったようなことで、ここでちょっと虐待に至るケースなどにも言及をいたしまして、地域での子育て支援についての文章を精査いたしてございます。
それから、同じそこの項の一番下でございます。下から6行目のところでございますけれども、また、障害のある幼児に対して、できるだけ早期に障害の特性に応じた援助を開始し、障害児と家族に対する支援を行うことが大切ですということで、障害のある幼児への支援につきましても、ここで改めて言及をさせていただきました。
このようなことから、次の7ページのところでございますが、目標に対する取組みの方向というところで、まず、家庭と地域のところでございますが、家庭で一番下の丸、子育ての不安や悩みを家庭内で抱えこまずに、地域や社会とのつながりの中でともに解決していくといったところ。それから、地域の中の中ほどの丸でございます、子育て家庭が地域で孤立することのないよう、声をかけて交流を図っていくといったような、地域での子育て支援につきまして、この中で新たに書き込みを行ってございます。
それから、次の8ページをごらんいただきたいと思います。上から二つ目の丸のところでございます。幼稚園、保育園において障害のある幼児を受け入れ、交流教育や特別支援教育の推進を図るということで、障害のある幼児に対する支援ということで新たな書き込みをさせていただきました。
それからまた、下から三つ目の丸をちょっとごらんいただきたいと思います。将来親となる小・中学校の児童・生徒が、子どもを育てていくことの意義や大切さを体験的に学ぶことができるように、幼稚園や保育園における保育体験など子育て準備教育を推進するということ。
それからまた、その次の丸でございます。子どもをもつことへの戸惑いや不安を解消するため、これから親になる人を対象とした支援を行うといったようなことで、親への準備教育あるいは親教育といいますか、そういったものについての書き込みも加えてございます。
それから、最後の丸でございます。子育ての悩みや虐待に関する相談を受け、支援を行うといったようなことで、虐待防止に対する支援につきましても新たに書き込みを加えさせていただきました。
それから、次が9ページ以降でございます。学齢期に相当する目標でございますが、目標の2では11ページをごらんいただきたいと思います。11ページの下から二つ目の丸でございます。子どもたちが安心して学校生活を送れるように、学校内外の安全対策を強化するとともに、安全に関する情報を迅速に提供するなど、地域や保護者、関係機関との連携を図るためのシステムや協力体制を構築するということで、さきに申しました安全対策の強化ということで、ここのところをさらに書き込みを強化させていただいてございます。
次に、目標の3の方に移らせていただきたいと思います。目標の3でございますが、まず12ページでございます。ここのところで今回特に変更を行った部分につきましては、中ほどの学習意欲の向上のところ、最後の段落のところをちょっとごらんいただきたいと思います。子どもたちの学力や学習意欲の低下が社会の関心を集める中で、今後は家庭、地域と連携して、子どもたちの学習習慣が定着し、意欲が向上する社会環境としていく必要がありますといったようなことで、学習意欲向上に向けた書き込みを強化してございます。特に子どもたちの学力、意欲の低下が社会的な関心を集めている中で、このようなことで一つ書き込みの方を強化させていただきました。
それからまた、その下でございます。障害のある子どもの教育というところで、冒頭の文章でございますが、LD、ADHD、広範性発達障害等の発達障害を含めた障害のある子どもにとっても、自分の可能性を最も伸ばすことができる教育環境で、一人ひとりに応じたきめ細かな教育を受けられることが大切ですということで、これも冒頭に申し上げましたとおり、今回、発達障害者支援法ということで新たな法体系が整備をされたということもございます。そういったことから、ここで発達障害にかかわります子どもの教育に対する記述というものも新たに強化を図ってございます。ここのところでは、あとは特に変更はございません。
次の14ページのところは、目標4でございます。ここは健康、それから体力向上というところの章でございますが、この中では、特に前回お示ししました資料2からの変更点はございません。
次に、16ページに入らせていただきます。目標の5でございます。人権を中心とした徳育にかかわる部分でございます。こちらでは17ページをごらんいただきたいと思います。豊かな人間関係づくりというところでございます。ここのところで、いわゆるフリーターや、学業にも仕事にもつかず、就職活動も行わない、ニートと呼ばれる若者がふえていますということで、フリーターやニートに関する言及を行ってございます。将来の社会を担う若者が、仕事を通して継続的に成長する機会を持ち、社会の中で自分の役割を果たすことができるようにするためにも、子どものころから豊かな人間関係をつくり、人や社会とかかわり合って自分を高め、可能性を広げることや、互いが支え合って生きるような自己有用感につながる体験が必要ですということで、豊かな人間関係づくりや自己有用感の体験の必要性について言及を行ってございます。
またさらに、価値観が多様化する社会の中で、柔軟な発想を持ち、自分の可能性を伸ばす方向を見つけ、自己実現の意欲を高めるために、柔軟性や多様性をはぐくむ教育が大切になりますといったようなことで、柔軟な発想あるいは多様性をはぐくむ教育の大切さについても新たな言及を行ってございます。
これを受けまして、その次、18ページでございますけれども、ここの中では、目標に対する取り組みのところで、地域でございますが、その三つ目のところをごらんいただきたいと思います。近所のつながりや助け合いを大切にし、地域活動や社会教育活動にともに参加しやすい地域づくりを進めるということで、地域での人間関係づくりや参加による自己有用感を持つことの重要性ということから、新たな書き込みをさせていただきました。
それから、20ページでございます。こちらから生涯学習にかかわります目標に入ってまいりますが、ここのところでは、最初の人生に潤いを与える学習・スポーツというところで、ここの項の最後のところでございますが、また、急速に変化する現代社会の対応や、社会人として働きながら、あるいは退職してからもさらなる自己実現を図るため、生涯にわたって学び直し、ステップアップを図る機会が必要とされていますというふうなことで、退職後も含め、生涯学び続けるその大切さについての言及ということで記載を強化させていただきました。
それから、次に、目標の7、22ページの方に入らせていただきたいと思います。この目標7につきましては、文化・芸術に係る目標を掲げているところでございますが、特に前回から大きな変化といった部分はございません。若干一部、字句の修正等々整理を図ったところだけでございます。
それから、24ページ、最後の目標8、こちら、教育行政にかかわる部分でございます。こちらの方は大きく書き改めさせていただきました。この目標8でございますが、全体の集約といったようなことを意識した目標として、全面的に再検討を行ってございます。そこの一番冒頭の部分に、本目標は、目標1から7を達成するための共通の基盤整備を目指すものですということで、目標8についての意味と申しますか、この目標の位置付けというものを最初に明らかにさせていただきました。
それから、その次でございますけれども、目標に対する基本的な考え方ということで、これまでのものでしたら、教育行政のあり方と、それから、教育環境の整備ということで小見出しを入れていたわけですが、今回はそのうち、主体的な教育行政の推進、それから、開かれた教育行政運営ということで、主体的な教育行政と、それから、開かれた教育行政ということで、その部分、もう少し書き込みを大きくさせていただきました。
それから、その次でございますが、教育環境の整備と、それから教員の人材育成ということで、これも前回の資料2のところでは、教育環境の整備ということで一括してまとめてあったわけでございますけれども、ハードの面と、それからソフトの面ということで分けまして、特にソフト面でございます教員の人材育成ということにつきましては、これを独立した項といたしまして、さらに書き込みを強化させていただきました。特に最後のところでございますが、採用や異動など、教員の人事権について区の権限を強化する取り組みを行っていくとともに、研修内容の充実や評価体制の整備などを図り、教えるプロとしての教員育成に取り組んでいく必要がありますということで、本当に教員の人材育成についての重要性について言及をさせていただきました。
それから、25ページから26ページにかけましては、関連するグラフということで、資料ということで、新たに3点ほど入れさせていただきました。26ページには、期待される人材ということで、教師に期待することは何かといったような、そういった関係のグラフを入れさせていただきました。
それから、27ページ、目標に対する取組みの方向ということでございますけれども、この中では、上から五つ目の丸をちょっとごらんいただきたいと思います。子どもの遊び場機能の導入など、学校を地域の子どもの育成活動を行う場として活用を図っていくということ。それから、上の方でございますが、学校を災害時の避難所として、より一層災害に強い施設にするといったようなことから、学校が地域コミュニティの核となっていることについての新たな行政の目標と取り組みということで記述を追加させていただきました。
それから、その一つ下でございます。学校の活性化を図るため、民間の人材や発想を生かしていく方策を検討するということで、これは例えば学校経営、これからコミュニティスクール等々、いろんな構想を考えていく必要もございますし、また、民間人校長といったようなことについても議論をしていく必要があろうかということで、民間の人材、発想を生かした方策を検討するといったようなことでの書き込みを入れさせていただいたところでございます。
それから、下から二つ目の丸でございます。教員を対象とした研修や評価システムの内容を充実し、授業力・指導技術や、児童や生徒を理解する力の向上を図るとともに、使命感や熱意・感性などの人間性を培っていくということで、先ほど申しました教員の人材育成、それに対応する取り組みについて、さらにここの部分、書き込みを強化させていただきました。
そして、一番最後でございます。教育ビジョンを推進するための実行プログラムを策定するということで、最後に、この教育ビジョンを受けまして、具体的なビジョンに描かれた方向を具体的に実施していくためのプログラム策定をするという記述を入れさせていただきました。
それから、28ページ以降でございますが、今回新たに用語解説ということで、ビジョンのそれぞれの各目標の中で出てまいります、特に専門的な用語等々を中心に、用語解説を新たに入れさせていただいたところでございます。
それから、最後に、今後の見通しにつきましてお話をさせていいただきたいと思います。本日、この委員会におきまして、素案がまとまったということで御報告をさせていただきましたが、これからこの素案をもとに、区民の皆様方に広く周知を図りまして、意見交換等を行ってまいりたいというふうに思っております。今週の日曜日、3月20日でございますが、区報の折り込みということで教育だよりを発行させていただきますが、その中でこのビジョンについての概要を掲載し、またあわせて、ホームページによりまして、区民の皆様方にこの全文をお示ししていきたいというふうに思っております。また、地域センターとか図書館等にこの素案を置きまして、区民の方々にいろんな意見をいただく機会とさせていただければと思っております。また、4月に入りましたら、区民の方々とこのビジョンの素案につきましての意見交換の機会を持ってまいりたいというふうに思っております。また、教育委員会として最も包括的な計画となるものでございますので、教育委員と区民との対話集会という形で、教育委員の方々によりまして直接区民の方々と意見交換をする機会も持ってまいりたいというふうに思っております。今のところ4月20日を予定してございますが、教育委員と区民との対話集会ということも計画させていただきたいというふうに思っております。
そのような中でいろいろ区民の方々からいただきました意見をもとに、さらにこのビジョンについての議論を深めまして、素案を次の案ということで、最終案ということになろうかと思いますが、それの整理を図ってまいりたいというふうに思います。そういたしましたら、パブリックコメントの手続に入りまして、これは5月ということになりますが、パブリックコメントの手続を経た上で、5月下旬から6月上旬にかけまして、このビジョンについての教育委員会としての最終的な判断、決定をしてまいりたい、そのように考えてございます。
以上でございます。
委員長
ただいまの報告について質疑を受けたいと思います。
質疑はありませんか。
篠委員
おくれて申しわけないです。おくれて来て、前後わからないで質問することがあるかもしれないんですが。これは文教委員会で皆さんから御意見をいただいて、まだ案を取る前の段階ですので、それを反映するという形を考えていらっしゃるんですか。
小谷松教育改革担当課長
今回のこの素案の中にも、前回いただきました検討資料の2ということで御報告をさせていただきまして、いろんな意見をいただきました。それらにつきましては、戻りまして教育委員会に報告をし、またそれらを踏まえて、教育委員会としても議論を重ねてまいったところでございます。これからこの素案ということでまとめさせていただきまして、区民の方々と意見交換に入ってまいりたいと思いますが、その意見交換の過程の中で区民の方々からいただきました意見、それからまた、それをどのような形で教育委員会として検討したのかといったことにつきましては、適時、この文教委員会におきましても御報告をさせていただきたいというふうに思っております。
篠委員
それで、文教委員会は、5月の終わりまでに最終案の案を取るということであると、最後には参加できないという形になるんですね。
小谷松教育改革担当課長
今後、これからの文教委員会の日程、どのような形で組まれるか、またこの後、いろいろ御相談の段取りになっているかと思いますが、できるだけ文教委員会が開かれるときに合わせまして、それまでに、いろんな区民の方々との意見交換の中で出された御意見の紹介、あるいはそれを踏まえた教育委員会としての議論の内容といったような形につきましては、その都度御報告をさせていただきたいというふうに思っております。
篠委員
施策やなんかは、推測されるところでは、教育委員会で完結しないものが大分見当たりますよね。そういったことについては、とりあえず教育委員会独自でこれを立ち上げるという姿勢で、その後の対応というのは、その後というふうなスタンスでやっていらしたんですか。
小谷松教育改革担当課長
今回、これからまとめますこのビジョン、これにつきまして、具体的に施策の形でやはりきちんと対応していく必要があろうというふうに思っております。したがいまして、このビジョンが決定いたしましたら、具体的なビジョンの構想を実現していくための実施プログラム、それを策定していきたいというふうに思っております。その中で一つひとつ、行政が取り組まなければならないこと、展開していく必要のあるもの、そういったものを整理いたしまして、計画化を図ってまいりたいというふうに思ってございます。
また、この教育ビジョンにつきましては、これまで基本構想、あるいは次世代育成支援行動計画、そういったものともすり合わせを図ってまいったところでございます。この教育ビジョンだけで、教育委員会だけで全面的な展開、実施、完結するものでもございません。そういった意味で、区長部局とも十分に連携をとりながら、しっかりとこのビジョンの実現に向けた具体的な取り組みというものもやっていきたいというふうに思ってございます。
篠委員
例えばニートという、大変な社会問題になっているんですが、我々もやはり看過できないというので、いろいろ、それぞれの委員が勉強していると思うんですが、やっぱりまじめな子たちだというんですよね。6割方は、本当は就職したいんだという気持ちがあると。それで、どういう教育を受けてきたかというと、これも個性、あれも個性、自分らしさを発見しろという中で育てられてきた。野球が物すごく好きだけど、どう見てもイチロー君や松井君みたいにはなれそうもない。要するに自分らしさを人よりも必死に、個性というものを追求した子どもたちの流れの上に乗っているということは最近よく言われているんですが、そういうことであれば教育委員会も看過できないわけで、個性の尊重、社会へ行って、人の話も聞いていないような子どもを育てて、通用するわけないんだから。価値観の多様性だとか、個性の尊重だとかと言っても、運動を見ればわかるように、剣道にしろ、柔道にしろ、サッカーにしろ、かなり力強い教え方をしていますけど、礼に、あいさつに始まってあいさつに終わるという姿勢は、教育現場よりは少なくともしっかりと身につく形をとっている。そういうことを避けて通って、やれ個性の尊重だとか、多様性だとか。社会性が欠落しているというあれはあるけど、収拾がつかないほどまでになっているという現実を、この教育ビジョンは、私は、本気でとらえようとしているとは思えない。成功した、すばらしい個性をつくり上げるそれぞれの型は、道、剣道にしろ、柔道にしろ、サッカーにしろ、必ず型から入っている。型はないんだと、どれも多様性だ、個性だという流れをこのぐらい声を大にして言い続けるというのは、運用の仕方一つとれば、かえって害になる可能性もあるように私は心配しているんですね。
そういったものについて、例えば小学校から、全部触れていますけど、中学までの間で完結しない。その前の時点からの取り組みを、部と部がまたがってでも対応しなきゃいけないというとらえ方を強烈に出す必要があると思っているんですが、つくってから相談しますというような問題意識ではだめなんじゃないですか。いかがですか。
小谷松教育改革担当課長
確かに最近、フリーター、ニートということが非常に言われてございます。彼らの中には非常に、今、委員の方からもお話ありましたように、生まじめな子どもたちが多いといった中で、そういった、いろんな状況というものがあろうかというふうに思っております。その意味で、いろんな、もちろん背景として経済的な状況といったものもあろうかというふうに思いますけれども、幼児期あるいは学齢期等々を通して、いろんな形で支援をしていく。またその中で、教育だけでできるものには限界があるわけでございます。広く地域の中での取り組みであるとか、あるいは今、委員の方からお話がございましたとおり、行政としても、部の枠を超えた中での連携というものも非常に重要な役割だというふうに思っております。そういう意味で、いろんな多面的な要素を持っているということに対応するためのいろんなつながり、連携というものを大切にしながら、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。また、教育委員会としましても、このビジョンを実現するための具体的なプログラムというものを策定してまいりますけれども、また教育委員会として実現できること、また実施しなければならないこと、そういった部分についてもしっかりと議論をして、計画づくりをやってまいりたいと思っております。
篠委員
例えば6ページなんかでも、国の方針が間違っているから、しようがないといえばしようがないんですけど、中野区の場合は、間違っていれば、それを逆手にとって、財政がもたないんだから、中野区独自の方法をつくるんだという言いわけもできるわけですから。例えば私も本会議で触れさせていただきましたけど、どうして女性の働いている率の割合が8割を超えたところで、子どもの問題行動がこんなに多くなってしまったのかといった問題があれば、教育委員会だけで取り組むべき課題ではなくなるわけですよ。やっぱりEUなんかは必死の対応で、家族責任という新しい理念を構築して、子育て環境を、例えばダッチミラクルと言われる子育て環境をつくると。その理念は、すべて家族責任。子どもたちの寂しさ、選挙権がないので始末が悪いんですけど、物申さぬ子どもたちが、隣の子もかぎっ子だ、こっちもかぎっ子だからと言っていたら、やはりそれだけではいやされない寂しさを持って育ってきているといったような現実が、既にデータとして幾らでもあるわけですよね。自分の小さいときを考えたって、「ただいま。お母さんは」と。あの小さな声が、訴えの言葉ということを受けとめられない流れを国を挙げてやっているんですけど、だけど、やっぱりEUでは家族責任という言葉、わかりやすくいうと、主婦の本業はそこにいることであると。であるけれど、働かなくてはならない。どうやったら上手な社会をつくれるかと。1.5労働とか、何かダッチミラクルとか言われて、いわゆる、本会議でも触れましたけど、保育所には、スウェーデンですら、6時以降はだれもいないという状況をつくるのに、それだけ真剣な対応をしたと。23区で、江戸川区ぐらいはそのことを正面から受けとめて、また文句を言われていないんですよ。子育てをやったことがある、もう全部終わったから、私のところで預かってあげましょうという対応で、1万人以上のそこの保育出身の子を出しているという現実が23区であるわけで、何で国の方針に従わないんだと言って文句は言われないわけですから。そこまでつくるのにやっぱり30年近くかかったと言っていますから、中野区で今、急にやったって、できるわけはないんですけど。やっぱり教育委員会だけでやり切れないものということが余りにも多過ぎる。もう小学校1年に上がってこられた時点で収拾がつかなくなっている。何で知っていて、各部の本気の対応というチームを構築できないのかということは、だから今、何をしろと言われても困るでしょうけど、重く受けとめていただかなくては、事業部制、経済分野では大成功している言葉ですけど、こと行政に関しては大成功するといった代物じゃない。それがわかっているのであるのだから、大切な教育の現場は特に率先してそういうチームをつくるような対応を期待します。希望します。
高橋委員
中身はまだ十分に把握はできていないんですけれども、1点だけ、今さらこんなことを言ってもと言われちゃうかもしれないんですけど、最後に進みぐあいの日程を聞いていきましたら、6月になると、これは私たちの勝手でしょうけれど、議会構成が変わってしまいまして、今まで議論してきたものが最終的に今度、私たちじゃない人たちになっちゃったときに、どこまでどういうふうに反映していかれるのかなというのがちょっと心配で、本当でしたら、この案がもっと早くに出てくるはずだったのが、若干おくれていて、こういうふうになっちゃったのかなとは思うんですけれども、閉会中になってしまう審議においても精力的に、篠委員もおっしゃっていましたけど、まとめたり、提案したりするものを私たち文教委員会に話をしていてくれないと、5月上旬から6月上旬には最終的提案をするとなった場合に、今、勝手なお願いなんですけど、ああ、私たちじゃないわねなんてふと思ってしまいまして、いかがなものかなというふうに思ったんですけど、どうなんでしょう。
小谷松教育改革担当課長
このビジョンの策定につきましては、今、委員おっしゃったとおり、確かに当初のもくろんでいた予定よりは大分おくれてございます。基本構想と調整を図りながら進めてきたという実情もございまして、いろんな過程の中で、少し、こういったタイミングになってしまったところでございます。先ほど篠委員のお尋ねに対しましても申しましたけれども、できるだけ区民との意見交換であるとか、またいただいた意見について、教育委員会としての議論の過程、そういったものにつきましては、文教委員会の席上で漏れなくお知らせをしてまいりたいというふうに思っております。私の方からその日程等々について云々できることではございませんけれども、ぜひその機会を提供させていただきまして、また委員の御意見等承りたいというふうに思っております。また、いただいた意見等につきましては、これは教育委員会の方にも報告をしてございまして、そうした文教委員会の中でいただいた意見というものもきちんと踏まえながら議論をしているところでございます。今回、素案として出させていただいたものの中にも、いろんないただいた意見等々、教育委員会の中で議論を踏まえて加味してあるものもございますので、どうかこれからの機会、また御報告をさせていただければと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
高橋委員
これは委員長にもお願いしなくてはいけないことだと思うんですけれども、今まで出ていた意見を集約して素案にしたわけですから、その素案に対してもやはり私たちも責任を持って意見を言っていく場を与えていただければと思いますので、理事者の皆さんにもお願いしますけど、委員長にもぜひそういう場を設けていただきたいと思います。
江田委員
今まで出された教育ビジョン、何人かの方に読んでいただいて、感想を聞かせていただいたりしているんですが、そこで一様に出るのは、現状分析と、それから今後のことについては、いろんなことが書かれてあると。メニューについてはたくさん書かれてあるけども、現状がどうしてそういう問題を抱えているのかというところの分析なり、考え方、見方、それがこういう文書の中では見えてこないというところが非常に不満だという意見をいただいております。私もそのように感じているところなんですが。こういう文書になってくると、その原因がどこにあるかということを書いて、分析をしていくというのはなかなか難しいことなんだろうなと思いながら、そういう感想を強く持っているということを申し上げておきたいと思います。
それで、1カ所、17ページの豊かな人間関係づくりというところで、ぜひ御検討いただきたいと思うんですが、先ほどニートの問題が述べられました。ここでは、フリーターや、学業にも仕事にもつかず、就職活動も行わない、ニートと呼ばれる若者がふえていますというふうに書かれています。現象としてはこのとおりですし、それから、新聞・テレビ等も最近、ニートの実態ということでいろんな報道がなされるようになってまいりました。いろんな原因が当然あろうかと思うんですが、一つのやっぱり非常に大きな問題は、新しい正社員を企業が雇わなくなってきている。それから、行政自身も、正職員としての雇用が、かつてから比べれば大幅に落ち込んでいっている。企業なんかの場合は、特にこれからの企業を担っていくような、エリートとなるべき人たちはきちっと確保して育てていくけども、それ以外の人たちは派遣労働を活用すると。仕事の内容や濃淡によって、いつでもそういう派遣社員のところで調整をしていくという、そういうやり方がずっとふえてきていて、そのために正規の社員としての雇用の口が大幅に狭まってきていて、その結果、フリーターにならざるを得ないとか、あるいは何度も何度も就職活動をし、数十回も面接したけども、とうとう就職口が見つからないままに、自然に気持ちが、自分自身が社会から求められていないのではないかと、そういう気持ちに落ち込んでいく。そういう中で、きちっと職につこうという気持ちそのものがなえていくという、そういう問題が社会的にもやっぱり指摘をされてきていますよね。ここの文章を読む限りでは、どちらかというと、学業にも仕事にもつかず、就職活動も行わない若者の側の問題が書かれているように思うんですが、そちらに問題があるかのようなニュアンスにとれるんですが、私は、もっと背景というのは深いものがあるだろうと思うんですね。ですから、原因を記述せよというのは非常に難しいことでしょうけども、これではやっぱり、若者に問題があるという表現の仕方になってしまっていて、実態を正しくあらわしていないのではないか。先ほども、非常にまじめな青年たちだという話もありましたけども、そういう人たちの気持ちがきちっとあらわれるような、そういう表現にぜひ改めていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
飯島委員
一つだけ。27ページの一番最後のところの教育ビジョンについての実行プログラムを策定するとありますね。これはよく出てくる話ですが、実行プログラムの具体的な、より詳細の内容について御説明いただければ。
小谷松教育改革担当課長
ビジョンとして、今、まとめているところでございますけれども、このビジョンの中でいろいろ描かれております構想、それからまた、取り組むべき課題等につきまして、具体的な施策として実行プログラムというものを策定してまいりたいというふうに思っております。基本構想に対応する10か年計画という形での、基本構想の具体的な実施の計画ということがございますが、このビジョンは、中野区の教育行政におきます最も基本となる構想といいますか、理念体系でございます。それを具体的に実施していくという形での実施計画というものをしっかりとつくってまいりたいというふうに思っております。
飯島委員
どうして、じゃあ、実施計画じゃないんですか。実行プログラムって、個々のものに対する、ある時間の進行に伴って出てくるものじゃないですか。それは、束ねられたものとしてなるわけでしょう。そうすると、この実行プログラムだけなのかなというか、要するにこれだけのことではちょっとよくわからない。全然異質のものですよね、これは。全体コアじゃないですか。すべてを含めてこの一つが、別途一つ存在するというものなんだから。こういう、ころころころっと丸がある中の一つではない。つまり、このうちの一つどれを取り上げてもいいんですけども、子どもの遊び場機能の導入など、学校を地域の子どもの育成活動を行う場として活用を図っていくということと、教育ビジョンを推進するための実行プログラムを策定するということは、全然次元の違う話ですね。違うものとして出ていないと。これは取り組みの方向であるんだろうけども、すべてを集約して最後に一つ何かほかのものとしてないと、これはおかしいんですよね。これは全然違う。つまり、だから、具体的にいえば、教育ビジョンを推進するためなのか、要するに実現するためなのかわかりませんけども、そのための、何という名前のことになるのかわからないけれど、実施計画を策定するというなら策定するということで、これはまた全く別個の一つのあり方として本来示さないと、うまくないんじゃないのかなと思うんです。そうじゃないと、イメージが非常に矮小化されている、この1個だけだとすると。と思うんですが、いかがでしょう。
小谷松教育改革担当課長
確かに御指摘の点につきましては、視点が異なるということは十分理解できます。ここに入れたのがよかったのかどうか、またあれですけれども、最初の1ページのところをちょっとごらんいただければと思うんですが、この策定の趣旨のところで、冒頭、この教育ビジョンを策定する趣旨について、いろいろ背景等々述べられているわけですが、その一番下のところで、教育委員会では、今後、教育ビジョンに基づいて施策や事業の計画化を図り、その内容を実現するために取り組んでまいりますということで、具体的に計画化についてこのところで述べているわけでございます。改めてちょっと、一番最後に、その計画が終わった段階で、目標の8というのは、これまでの目標1から7に対する基盤の整備を図るというところで、ちょっと意味合いの違う、整理を図った目標ということでございます。その最後に実行プログラムという形で持ってきたわけでございますけれども、そのようなことで、今後、このビジョンについて、最後のところで具体的な実施計画を定めていくというところで結んだというような、そういう意味合いでございます。
飯島委員
この1ページの事業の計画化を図るということと、実行プログラムを策定する、つまり集合体としての実行プログラムですよ、私が言っているのは。個々の、一番最初は、それぞれのことですよ。ビジョンに基づく施策や事業の計画化を図ると、それぞれのこと。それともう一つ、そういうことと、実行プログラムというペーパーをつくる、一つは。一つひとつのプログラムをきちっと、それぞれ1から8までになるのかな、合わせれば。7までの、そういうそれぞれについてプログラムをつくって、それを束ねたものとするということは、ちょっと違うので。これは、何とか計画をつくるということだとすると、それは事業の計画化じゃないんですよね。計画化された事業を体系として、計画として示すということだから。計画行政と行政計画と違うという意味合いの意味です。それともちょっと違うかな。だから、個々の単一の目標達成のためのそれぞれのプログラムを束ねてやっていくとなると、それにかかわる時間と資源、つまりお金とか物とか場所とか、そういうもろもろがちゃんと位置付けられたものとして実施計画というのはあるんだろうと思うので。これは、だから、そういう意味合いだとすれば、やっぱりちゃんとしたものとして一つ出さなきゃいけないし。そうじゃないんですよと。それぞれの施策のビジョンの一つひとつの書いてある丸を実現するための実行プログラムをつくりますよというのならば、それは違う。ただ、策定するとなっているんだから。策定という言葉は、計画をつくるというときにほぼ使われる言葉だから、どちらかというと、計画体系をきちっと明らかにしながら、一つのものとしてつくり上げていく。だから、教育ビジョンという冊子と同時に、同じように、実施のための何とか計画、教育何とか計画というのがあるという、2冊単位になりますよということをここではおっしゃっているんだろうと思うから申し上げたので。だとすると、やっぱりそれはそれなりの、例えば期間はどうだとか、10年だとか何だとかというようなことをちゃんと示さないと、うまくないんじゃないのかなと、こう申し上げたんです。それはどうですか。
金野教育委員会事務局次長
この教育ビジョンの策定をした次の段階として、ここに記述してありますさまざまな課題や主要な施策の中、やはり重点的なものと、比較的細かい記述のものもございますが、そういったものを整理して、何らかの形で実行する考え方をまとめたもの、計画的なものをつくっていく必要があるというような認識をしております。ただ、それが、ここに書いてあること全体を網羅した総合的な計画かどうかということにつきましては、まだちょっと予備的な検討をしておりますが、10か年計画の事業との関係、それから、この中で、全体を網羅するような計画がいいのか、この中で特に先行してやるべき重要なものについて重点的にまとめたような形がいいのかというようなことも含めて、ちょっと今、検討を始めておりますので、いずれ今後、実行するためのプログラムの策定の考え方やつくり方については、議会に御報告して意見を聞きながら進めていきたいというふうに思っております。
飯島委員
どちらにするかは、お考えですから、あれですけども、ちゃんと、そういう意味では、中野の教育、教育ビジョンの体系みたいなのがあるじゃないですか。同じようなものが実行計画の体系として、基本構想、教育ビジョン、それから基本計画、それから実行プログラム集なのかどうなのかわかりませんが、そういうものとして示すとすれば、別建てで物はお考えいただくだろうなというふうなことなので。検討中だということですから、それは御検討いただいて。最後に一つついていれば、それは、これを受けて、このような形で基本計画にももちろん盛り込まれる部分もある。それから、骨の太い、細いというのはあるわけでしょうから、そういう体系のもとで物がつくられていくという、あるいは期間はどうだとかいうようなことが示されるものとしてあれば、これは、そういうプログラムによって実行が担保されるということになるので。そうしないと、せっかくこれだけつくって物を出したとしても、なかなか、ああ、つくりましたよ、そうですかで終わってしまうと思うので、残念でしょうから。ぜひその辺は、後段の意味で、つまりきちっとした一つのこういうものとして、わかるようなものとしてつくっていただいた方がいいのかなと。これは意見ですから、お答えは結構です。
委員長
ほかに。なければ、よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
なお、先ほど審議の中でありましたように、閉会中に極力、中野区教育ビジョンについての報告や審議をできる時間、この場を持ちたいと思いますので、よろしくお願いします。
以上で1の報告については終了します。
2、学校再編計画(案)意見交換会の実施状況についての報告を求めます。
小谷松教育改革担当課長
それでは、学校再編計画(案)意見交換会の実施状況につきまして御報告をさせていただきたいと思います。(資料3)
本日御報告をさせていただく内容につきましては、昨年の12月18日からことしの2月6日までに開催されましたこの再編計画(案)に関する意見交換会の実施状況でございます。これまで何度かこの再編計画(案)の意見交換会の実施状況につきましては御報告をさせていただきましたけれども、その中で特に区民の方からいただいたものとして、ほとんど夜間にやっておりましたもので、特に小さなお子様をお持ちの幼稚園とか保育園の保護者の方の中からは、やはり昼間の時間帯にやってほしい、あるいは休日にやってほしいという御意見をいただいておりましたもので、今回、特に昼の時間帯、また休日ということで、地域センター、それから区役所を会場に実施させていただいたというものでございます。
それでは、ちょっと、その間に出されましたいろんな御意見等まとめたもの、2ページ以降に要約をしてございますので、幾つか主なものにつきまして御紹介をさせていただきたいというふうに思います。
特にこれまで出されたいろんな意見の中で、大体重複するものがほとんどでございますけれども、まず、計画(案)全体にかかわるものということですけれども、この案が一応夏ごろにはまとまるのかと。その間に出された意見等々についてのまとめたものに対するまた意見を述べる機会があるのかということでございましたけれども、これにつきましては、最終的に案をまとめた段階で、また再度皆様方の方にお示しをした上で、またパブリックコメント等の手続なども経て決定をしてまいりたいということでお話をさせていただきました。
それから、その次に、中野区の目指す学校像に関するものということですが、今回、この再編計画(案)の中に将来像ということで挙げてございますけれども、それらについてさらに踏み込んだ形での検討をできないのかということでありましたけれども、これについては、先ほどちょっと議論いただきました教育ビジョン等の中でいろんな検討を進めてやっており、そういった中でまた意見交換をさせていただきたいというふうにお話をさせていただきました。
それから、3ページの方に飛びたいと思いますけれども、望ましい規模に関するものということで、望ましい規模に関するもの、中ほどのところでございますが、最初に、小規模校をモデル校として残す考えはあるのかということでお尋ねをいただきました。これにつきましては、12クラスより小さい学校をつくる考えはないということでお話をさせていただいたところでございます。
それから、もう一つ、5番目でございます。小規模校がよくないからつぶすということが前提だがということについてお尋ねがございました。これにつきましては、小規模校が他の規模の学校に比べて決してよくないというようなことではない。これまでそれぞれの学校の中で、伝統や地域の支え、あるいは教職員の努力もあって、よい教育をしているということについては十分認識しているし。ただ、これからの教育をどうするかという議論をしたとき、やはり一定の適正な規模は必要であるということで考えを述べさせていただいたところでございます。
それから、あと少し、ちょっと、申しわけございません。飛ばせていただきたいと思いますが、5ページをちょっとお開きください。ここのところで、再編に当たっての手順に関するものということでありますが、そこの1番のところで、学校が統合された場合、統合新校には何人程度両校の先生が配属されるのかということで、これも保護者の方にとって非常に気になるところだろうというふうに思ってございます。この御質問につきましては、できるだけ両校の先生が一定程度統合新校に配属されるように配慮をしていきたいということでお話を申し上げたところでございます。
それから、その次にありますけれども、ちょっと6ページの方に飛ばせていただきたいと思います。こちらの方は、中・後期に関する計画の中で出された意見でございますが、3番、4番などでは、統合新校の位置について具体的な形で、この中では個別の学校名を挙げてお尋ねになってございますけれども、中・後期につきましては、どの位置に統合新校をつくるという結論は出していないということで、これからいろんな条件等々を勘案する中で決定していくと。必ずしも小規模校に統合新校を置かないというわけではないというようなことでお話をさせていただいたようなところでございます。
非常に雑駁ではございます。いろいろこれまで出されてきた意見等々もございまして、今回もいろんな形での御意見をいただいたところでございます。
なお、今回発表させていただきました学校再編(案)についての意見交換会ということにつきましては、今回の意見交換の場をもちまして、とりあえず一通り一応の区切りをつけさせていただきまして、これから、今までいただいたさまざまな意見につきまして整理を図った上で、論点整理を詰めまして、さらに教育委員会としての議論を詰めてまいりたいというふうに思ってございます。
委員長
ただいまの報告に対し、質疑はありませんか。
飯島委員
ちょっと一つ気になっているのは、5ページに、再編に当たっての手順に関するものの中の3、警大跡地に小・中一貫校ができないかという話ですが、既に素案が示されたりなんかしているわけですね。その中では、改めて当該地域にある、警大の跡地じゃないんだけれど、中学校が現に存在したところで、少し事情が展開をしているようなところがありますね。この質問は、跡地だから、跡地の中にはそういうのはどうなんだということはあるかもしれないけど、駅周辺ということになってくると、ここの問題はまだ何か、無理ですよみたいな話に決着がついたわけではなくて、可能性が芽生えつつあるみたいなことになっているわけですね、何となく議論が。このことについてはすり合わせをしてお話をしているのか。聞かれたことじゃないから。跡地の中には、小学校と中学校の敷地を両方確保するのは難しいよというのはあるのかもしれないんだけれども。ここら辺はもう少し議論というか、要するに情報提供としてはまたちょっと違うニュアンスのものがあるんじゃないのかなと思うんですけど、どうでしょう。
小谷松教育改革担当課長
ここに載っておりますのは、今、委員お話しになったとおり、警大跡地、当該用地ということでの限定された話でございます。ただ、小・中一貫教育ということにつきましては、教育委員会としても非常に重要な課題であるというふうに思っております。具体的な形で個々の学校ということではないんですけれども、小・中一貫教育についてこれからどうしていくのかということについて、先ほどのビジョンでもございませんけれども、これからの具体的な検討を、教育委員会として何ができるのかという検討を進める中で、重要な課題の一つとして協議といいますか、いろんな形での検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
金野教育委員会事務局次長
警察大学校跡地との関係について、ちょっと補足をさせていただきます。私ども、この点は、これまでの意見交換会でもかなり質問が出ておりますが、答え方といたしましては、これまでの区長部局等との調整の中では、この警察大学校跡地周辺ですが、小学校・中学校あわせてつくるような形の想定はなかなか難しいということで今の段階では整理をしてきている。しかし、警察大学校跡地については、利用計画案、また今後計画の検討が進むので、そういった中でさらに議論をしていきたいと、そんなような答えをしております。
飯島委員
もう一つ、仲町小学校の二度の再編ということについて、案があったら教えていただきたいと。これは非常に、極めてオープンなスタイルで御説明しているといえば御説明しているんだけど、案があったら教えていただいて、教えていただいたらどうしちゃうんですか、だって、もし仮に。こういうのにしてください、こういうのどうですかと言われたときに、これはなかなか、これは結構、案があったら教えていただきたいというのと、これだけだと何か、じゃあ、何か言えばそうなっちゃうのかなとか、そう思うじゃないですか。それもすばらしい姿勢だとは思いますよ、一面からいえば。だけど、それはそういう意味なのかと言ったら、意見具申はしましたよと。案はプレゼンしましたよと。でも、何かそれっきりだったねというんじゃ、これまたちょっと困っちゃうなという部分があったりとか。
それから、もう一つは、小・中の再編の手順といいますか、この際ですからちょっと申し上げておきますけども、積み上げていって再編なのか、出口からやっていくのか。つまり教育改革は、出口からだろうというのが専らなんですね。つまり大学から変わらなきゃ、下は変わらないよという。そういう意味からいうと、中学校という、事情が非常にタイトなわけですよね、実情として。そうすると、中学の再編が先に進んでいるということになって、初めてそれに見合った小学校の再編みたいなことになったりするんじゃないのかなと。そうじゃないと、小学校を再編して、それがずずっと来て中学校にというのは、ちょっと物の順序だと--どっちがどうなんだとわかりませんよ、なかなか。ケース・バイ・ケースで言えないこともあるんだけど、やっぱり小学校を受ける中学の体制をまずきちっとするということも非常に大事なことなんじゃないのかなと。だから、そういう意味からすれば、手順が変わることによって、一度で済むということがあるんだろうと思うんですね。だから、そういうこともよくお考えになって。案があったら教えていただきたいという話があれば、そういう案も出てくる可能性があるじゃないですか。先行してそういうところの中学校の再編を先にしておけば、1回で済んじゃうわけだから。そういう柔軟性を示したことだとするのなら、よく今、担当の課長さん、これからいよいよ詰めていくということですから、そういう際の考え方も出てくる可能性があるのかなと。ぜひ柔軟な対処方、それから、案があったら教えていただきたいと、この意味、これはちょっと確認しておかないと、こう言っていましたよと言って、それっきりだというんじゃ、ちょっとどうなのかと思いますので、その点だけちょっと伺っておきます。
小谷松教育改革担当課長
ここの部分につきましては、特に仲町を含めた小・中の二度にわたる統合ということで、いろんな形で検討を進めてまいりました。確かに委員おっしゃるとおり、中から先に進めるということの方が理想的な形で実施できるということは、そのとおりでございますし、また、教育委員会としての議論の中でも、そういった形でいろんな検討を進めてきたところでございます。ただ、個々、個別のこの地域のことについて申し上げますと、九中、中央中につきましては、先ほどちょっと警大の関係でも話も出ましたけれども、そういった中でのいろんなスケジュールの関係というようなこともございます。ただ、その関係で待っていると、特に仲町、それから桃丘ということで、非常に小規模化が著しく進んでいる学校について、その期間の対応ということもございます。いろんな形で検討を積み重ねてきたんですけれども、ここの九中と、それから仲町の統合につきましては、どうしても時間差というものを設けることがなかなか厳しい部分でございました。そのようなことで、その過程につきまして御説明したんですけれども、非常に厳しい中での今回のスケジュールの策定ということになったということでお話を申し上げたところでございます。案があったらというようなことでございますけれども、この部分につきましては、いろいろ本当に考えてきた結果として、なかなか厳しい状況だということを言ったつもりだったんですけれども、このような表現ということになったものでございます。
飯島委員
別に責めているわけじゃなくて、案があったら受け入れてくれるんですから、これはありがたい話だとは思うんですよ。それは一つとして。ただ、警大跡地との関連でということになると、先ほど次長もおっしゃったように、展開によっては、スケジュール的な折り合いがついてくる可能性もあるかもしれないし、劇的に展開することもあるかもしれません。ですから、その辺もちょうど、柔軟に織り込みながら、なるべく再編が二度にわたるようなことのないようなことが、可能性があるのなら、大胆に実行スケジュールを変更する、あるいは調整する。変更じゃなくて、調整する。そういうことがあってもいいんだろうと思いますので、その辺はぜひ柔軟にしていただきたいと。これもお願いだから、お答えは結構でございます。
委員長
他に質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
それでは、進行します。
以上で2の学校報告については終了します。
3、中野区立学校教科用図書の採択に関する規則等の見直しについての報告を求めます。(資料4)
小林指導室長
中野区立学校教科用図書の採択に関する規則等の見直しについて御報告をいたします。
この規則等の見直しの目的でございますが、資料にございますように、教科書の採択につきましては、教育委員会の責任と権限において行うものであるということを明確にするということでございます。現行において採択そのものに課題があるかということではなく、現行においても適正・公正に行っている採択をより明確に維持していくということでございます。
この規則の主な点でございますが、ローマ数字のII番に4点掲げてございます。
1点は、教科書採択の基本方針の一つに、学習指導要領の目標達成に適した教科書を採択する旨を加えるものとするということで、本来はすべて検定を通った教科書、すなわちそれは学習指導要領に準拠しているという教科書が採択の対象になるわけでございますが、これを規則で明確に改めて明記していくということ。
2点目は、教科書採択に当たって調査研究をしていくわけでございますが、その基準等については教育委員会がしっかりと定めると。これは、これまでもこのようにしてきたわけなんですけれども、現行の規則・要綱等では多少あいまいな部分もあったということがありまして、実際にこのようにしておりますけれども、これも明確にしている。
さらに、選定調査委員会については、教育委員会が定めた基準等に基づいて調査研究を行うということを明らかにする。さらには、この選定調査委員会につきましては、現行の規則では、複数の教科用図書を推薦するという文言がございますけれども、現実にはすべての教科書について報告をしております。したがいまして、ここは各教科書の種目ごとにすべて意見を付し、教育委員会に報告するということをしっかりと明記していくということでございます。
それから、ローマ数字のIII番の要綱の見直しにつきましては、児童・生徒の意見を幅広く聞くというこの調査については、学校長が行うわけですけれども、これは教育委員会が定めた方法で適切に行う。これも現行このとおりやっておりますが、これもしっかりと要綱に明確にしておくと。
さらに、調査研究会、これは調査選定委員会が実際に調査研究会にまた調査を依頼するわけでございますけれども、この調査項目につきましても、選定委員会がいわゆる調査項目を決めまして、報告をしていただくということでございます。これを明確にすると。
さらに、選定調査委員会の議事録につきましては、発言者名は記載しないものとすると。現行も採択終了後すべて公開しておりますけれども、公正な議事、公正な採択を進めていく上で、発言者名については記載しないで公開をするということも、改めてこのように明記をするということでございます。
以上、こうした主な見直し点を踏まえ、目的にかなった今、見直し作業を進めているということで御報告をさせていただきました。
委員長
ただいまの報告に対し、質疑はありませんか。
篠委員
我が会派の本会議での質問だっただろうかを大分考慮していただいたんですが、まだ問題認識が大分薄いように思われるのは、平成13年2月の東京都の通知がございますよね。教科書採択に当たっては、文部省告示の指導要領に示された各教科、分野の目標等を最もよく踏まえている教科書を選定するとの観点から、教科書の専門的な調査研究を行うことを指示したわけで、これが日本中に相当な影響を与えて、上田知事などは、40年間手つかずだったものに切り込みをしたと。高橋先生という方を教育委員に入れたということで大変、朝日新聞はたたきましたけど。ですけど、事中野区においては、これがしっかり生きていると、13年の。13年というのは4年前ですけど、なぜこれを生かそうとする取り組み、学習指導要領というのは、我が国は法治国家ですから、法律に当たるわけですよね。そういったものについて、私どもが4年前からいただいている調査一覧の項目の中には、学習指導要領に激しく迫った項目が一つもないと他から言われた。その一覧表もお見せしたんですが、そういった中で、改革に着手したというのはすごく高く評価いたしますけど、各分野ごとにどのぐらい厳しく、要するに文部省の検定自体は、100メートルを2時間で走っても一応合格なんですよね。ですけど、目標達成にどこが一番激しく迫るかを選ぶという大変難しい立場にあるのが教育委員さん。子どもの意見だ、どこの意見だじゃない。要するに区民の意見、良識ある区民の代表。これは法律で縛っている。現場の意見という縛りはない。そういう流れの中で、どのぐらいそれに迫ろうとしているんですか。
小林指導室長
これまでの本区における教科書採択、平成13年度と本年度の採択に関しましても、教科書採択についての指針というものを教育委員会の中でしっかりと御議論いただきまして、その中で、学習指導要領の目標達成に適した教科書、これが採択の基準として明確に指針の中でうたっており、実際に選定、採択の作業を進めてきたところでございます。今回、これについては、今、委員御指摘の平成13年度の東京都からの通知の中にも、学習指導要領に示された各教科、分野の目標等を最もよく踏まえている教科書を選定するなどの観点から、教科書の専門的な調査研究を行うということが一番冒頭に述べられております。この点については、それをしっかりと受けて、今後調査研究も進めていくということでございます。したがいまして、選定調査委員会の報告等も、こうしたものに当たる、すなわちこれをしっかりと踏まえた報告をしていただくように、教育委員会としても求めるような方向になろうかと思います。そのために、規則の中にも、やはり学習指導要領の目標達成に適した教科書を採択するという文言もしっかりと明記すべきではないかということで、見直し作業を図っているというところでございます。
篠委員
現実、学習指導要領にどのぐらいしっかりとこの会社の教科書は対応しているかと。指導要領にしっかり準拠している。それで、次の会社を見ると、指導要領にしっかり準拠している。次も指導要領にしっかり準拠している。指導要領にしっかり準拠しているじゃない。各項目、各分野の目標にどのぐらい激しく迫っているかという大変な作業なんですよ、この調査委員会というのは。法的にも認められているんですけど、教育委員さんという方は、それを無視して選んでもいいという権限を与えられているわけですから。ですけど、余りにも資料が膨大過ぎて、文教委員会には4年前に開示できなかったのかもしれない。だけど、私の資料から推測する範囲では、そんなに激しく迫った様子はうかがえない。ですから、そこを問題にしているのであって。やれ子どもの意見がとか。調査委員会が本気で取り組んでも膨大な時間がかかる。片手間仕事ではできないほどの仕事量を要求されている。そういった中で、さらに強い権限を教育委員さんたちが与えられている。この認識がない要綱の変更であってはいけないと思うんですけど、姿勢なり決意なりをしっかりお聞かせください。
小林指導室長
今、委員御指摘のとおり、学習指導要領の各教科、各分野の目標を最もよく踏まえている教科書という観点から調査研究していただくと。また、その御報告もいただくと。さらに、教育委員会においても、こういった最も教科書の採択の基本的なことに関しては、当然、御論議をいただいた上で採択されるものというふうに私ども思っております。そのために事務局の方も努力をしていきたいというふうに考えております。
委員長
他に質疑はありませんか。よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
それでは、以上で3番目の報告は終了いたします。
4番、文化・スポーツ施設の指定管理者候補者の公募についての報告を求めます。
大沼生涯学習担当参事
文化・スポーツ施設の指定管理者候補者の公募について御報告申し上げます。(資料5)
これまでも文化施設、体育館、それから運動施設等については、指定管理者制度を導入するということを決めたところでございます。その理由としては、民間事業者の創意と工夫に基づいた施設の運営と、運営経費の効率化を図ることを目的として、応募者が提案する企画競争方式により指定管理者の候補者を募集するものでございます。
対象施設としては、原則としては施設ごとですけれども、合理的な理由がある場合には、グループ化することができるということを考えています。合理的な理由があれば、グループ化した方がいいということで、文化施設、体育館、運動施設の3グループでそれぞれ募集要項を作成して、企画競争方式による指定管理者の候補者を募集したいと思ってございます。グループの理由ですけれども、それぞれが、例えば文化施設ですと、もみじ山文化センター、野方区民ホール、芸能小ホール、それぞれの特色と、もみじ山文化センターの施設、補完することによって、多様な、あるいはいろいろな事業が展開できること。それから、スケールメリットが期待できること。ある程度の事業能力がある、一定規模のものを募集することによって、管理候補者の質の確保ができることという3点の理由から、グループ化を図っていきたいと思います。文化施設については、もみじ山文化センター、野方区民ホール、芸能小劇場です。
それから、スポーツ施設は、体育館と運動施設がございますけれども、体育館については、いろいろな事業展開が図られること、運動施設は、どちらかというとグラウンド整備が主になるということを考えまして、体育館と運動施設を分けました。体育館には、中野体育館、鷺宮体育館がありますけれども、鷺宮運動広場も鷺宮体育館のそばにありますので、その管理もグループに入れたいと思います。それから、運動施設。上高田運動施設、哲学堂運動施設のほかに、哲学堂公園の清掃等の維持管理、それから、妙正寺川運動広場も含めて募集したいと思います。
指定の期間です。これは5年間を想定してございます。18年4月1日から平成23年3月31日までの5年間を規定しています。
募集等のスケジュールです。募集要項の発表は3月下旬にしたいと思います。これは、先ほど言った文化施設、体育館、運動施設、それぞれの施設ごとの募集要項をつくり、公表したいと思います。
公募の説明会は4月上旬を考えてございます。それぞれの施設の説明会を行いたいと思います。
質問受け付け、4月中旬から電子メールにて受け付けしたいと思います。公募した全員に、質問を全部送付しまして情報の共有化を図る。もう1点、質問コーナー的なものを設けまして、常に見られるような状態にしておくというような形を工夫したいと思います。質問の受け付けは4月の中旬ころまでだと思います。
応募の申請の締め切りは5月の末を考えています。第1次選定結果通知は7月中旬ころ。その後、1次審査を通ったものについては、プレゼンテーションあるいはヒアリング等を行います。この段階で、応募した方の専門家による財務診断を行いたいと思います。候補者の選定は9月下旬を考えています。区議会による指定管理者の議決は、17年第4回定例会を考えているところです。一方、候補者の提案を反映した施設設置条例等の改正もあわせてこの時期に行いたいと思います。指定管理者制度に基づく協定締結は、平成17年12月下旬ころを考えています。その後、事務引き継ぎ等を行いまして、指定管理者による運営開始は、平成18年4月1日から行いたいと思います。
応募の資格です。応募できるのは、施設の運営と事業の展開に理解と熱意を持ち、能力のある者、施設の効率的かつ安定的な運営を行うことができる法人その他の団体及び複数の団体で構成するグループであります。法人等の団体と、団体で構成するグループ応募、この二つをとりたいと思います。応募の制限については、入札に参加できない者、法人税、消費税等を滞納している者、それから、指定管理者の指定の取り消しを受けたことがある者、地方自治法の請負禁止、区長とか、行政委員会の委員、区議会議員等の請負、区との請負に当たる者、自治法上で請負禁止規定に該当する者については、応募資格はございませんということであります。
それから、指定管理者が行う業務。これは施設種類ごとに定めますけれども、ここでは共通したものとして、施設の運営に関する業務、施設の管理に関する業務、事業に関する業務、その他の業務という形に分けてございます。この中でその他の業務では、自己評価の実施、あるいは教育委員会との調整などを入れていきたいと思います。
提案内容、これについては、それぞれ特色が出るかと思います。施設の運営上の基本方針、事業計画、施設運営の方針、文化・スポーツ事業の展開の仕方、経営能力などについて。
それから、運営体制と組織、職員配置です。ここでは、既存職員の採用の考え方なども提案をしていただく考えでございます。その他としては、個人情報の保護などを考えています。
収支計画としては、施設管理及び事業運営経費の収支計画、支出、経費の削減などの収支計画を提案していただきます。
それから、区が払うもの。経費に関する事項です。区は、経費の支払い方法については協定で定めます。区が支払う経費に含まれるものとしては、人件費、事務費、管理費でございます。
それから、指定管理者の収入として見込まれるもの。利用料金、事業からの収入、その他、施設の目的外収入に伴う収入などが考えられます。それと、別個に会計を設けていただきたいということと、別の口座で管理してほしいということです。
それから、候補者の選定については、文化・スポーツ施設指定管理者選定委員会の審査に基づいて選定します。この選定委員会の中で募集要項を論議し、選定基準、それから審査などを行うものでございます。審査方法については、書類審査、プレゼンテーション、ヒアリングによるものでございます。財務状況については、外部の専門家による診断を行います。
10番として、選定の基準でございます。これについては、それぞれの施設ごとの選定基準がございますけれども、共通しているものとしては、ここに網羅したものでございます。
一つは、区民の平等及び公平な使用の確保。新たなサービス創出など、区民サービスの向上。3、経費の節減と効率的な運営。4、区民の安定的な施設サービスの継続的提供、区民が満足する事業提供など。その他として、利用料金制の導入や施設管理の基本事項の変更は、条例の改正が伴います。条例が改正されなかった場合には、現行の条例の中で行うということであります。
以上、今回、指定管理者候補者の公募についての考え方、それから手順、スケジュール等について御報告するものです。
以上です。
委員長
ただいまの報告について質疑はありませんか。
奥田委員
指定の期間についてお伺いしたいんですけれども、5年間とされた根拠は何でしょうか。
大沼生涯学習担当参事
一つは、いろいろな指定管理者候補者として投資を行う場面があります。それと、もう一方では、安定的な運営をしていただきたいということの両方の点から、3年から5年なんですけれども、安定的な数字として5年間を想定したものでございます。
奥田委員
ちょっと1点、委託に関するところで確認させていただきたいんですが、前回の予算の分科会で、図書館の業務の委託に関して、単年度でずっと委託をしていることで、安定的な運営に問題がないかどうかというところでお伺いしたと思うんですが、そことの考え方の整理というのはどのようにしたらよろしいんでしょうか。
大沼生涯学習担当参事
これは委託ということじゃなくて、施設の管理の代行をお願いする。この中に、区民のニーズに沿った場合には自分たちの工夫により、例えば附属品を提供して運営するということで、一定期間の安定的なものを行うということで、期間があって、基本協定は期間を定めて、1年ごとの協定を結ぶ。基本協定は5年。1年ごとの協定を結ぶと。一定の期間を想定したものでございます。なおかつ行政評価、1年ごとに利用者の満足度、あるいは経営についての問題の処理とか、そういったものを1年ごとに評価を行っていきます。これについては、5年の期間の中で施設の代行をお願いするという考え方でございます。
石﨑知的資産担当参事
今、大沼参事の方から御説明がありました。指定管理者と委託というのはかなり違うわけでございまして、図書館で行っているのは、図書館業務の一部を委託するということで、指定管理者制度になると、図書館政策、図書館の基本的なこと、こういうものにつきましても、行政がとやかくということじゃなくて、指定管理者の方で積極的な、自分自身の意思として行うということでございます。今現在は、図書館業務の一部を委託するということで、期間的なものにつきましては、図書館が留保するという状態でございますので、指定管理者と委託とはまた別個の制度でございます。
高橋委員
手順は説明いただいてわかったんですけど、公社との関係はその後どういうふうになっていますか。
大沼生涯学習担当参事
我々が公社について指定管理者制度導入に当たっては、一番留意しているのは、そこに長年勤めてきた職員のその後の処遇についてどう考えていくか。いわゆる募集要項の中では、2点ほど盛り込みたいと思います。一つは、現在施設管理や事業企画等を担っている人材を採用する予定がある場合には、その内容を示してくださいとか、あるいは、円滑な引き継ぎについてということで、指定管理者として業務を始めるに当たって、円滑に引き継ぎを行うための提案と具体的な方法を示してくださいというような文言を募集要項には入れてございます。そこら辺で、いわば事業の円滑な引き継ぎと同時に、指定管理者の創意工夫を生かしたような余地、幅を持たせていきたいというのが1点と、それから、そこにいる職員の採用についての考えがあったら述べてもらう。ただ、採用するかどうかは、指定管理者の方の候補者の判断なものですから、そこまでが限度だろうと思ってございます。
それから、あと、今まで文化・芸術とか、いろいろ区民との協働でやってきた面がございます。それについては、やはり区が、私たちが責任を持って展開していくことと、指定管理者と教育委員会との連絡会を設けて、きちんと引き継いでいきたいと思ってございます。
高橋委員
さまざまな課題を投げかけられていたわけですけれども、現状は、話がある程度煮詰まってきているという理解をしていてよろしいわけですか。それと、区民に対しての周知徹底ということもきちんと、このスケジュールに合わせて行っていくという理解でいいんですか。
大沼生涯学習担当参事
昨年の9月、10月に施設利用者あるいは団体に説明しました。今回、こういう募集要項があって、ある程度の候補者が出た段階で、利用者の意見などを聞きたいと思います。やはり我々は、一般、特定されない利用者についての意見はホームページ等で求めますけれども、やっぱり団体の意見というのは大事なものですから、そういう場を設けてきちんと反映させていきたいと思っています。
委員長
よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
それでは、この報告については終了いたします。
3時を回りましたので、20分休憩をいたします。3時25分に再開をいたします。
(午後3時05分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後3時27分)
所管事項の報告を続行いたします。
5番、「生涯学習・スポーツガイドブック(2005年度版)」(資料6)の発行についての報告を求めます。
大沼生涯学習担当参事
区民の主体的な生涯学習活動、スポーツ活動を支援するために、区内で行われるイベントや講演、教室、講座、大会の情報提供を網羅してございます。これは区だけじゃなくて、区の外郭団体、あるいは国際交流協会、大学、区内官公署などの事業も含めてございます。これは4,500部を作成してございます。経費としては、印刷経費が105円の4,500ですから、約50万円弱です。
それで、今回は、一つは、目次を充実しました。前回までジャンルだけで、イベント、大会、展示等とあったんですけども、今回、目次を見れば、大体どこが何かとわかるような配慮をするため目次を充実ししました。それから、レイアウトも変えました。関心の高い順から網羅していく。スポーツ分野については、これは今までどおりの配列でございます。これが1点目です。
それから、最後に中野区の生涯学習マップ、これをつけました。最後に、どこにどういう施設があるかという生涯学習マップをつける。これが2点目です。
それから、ページ数を、今まで68ページを92ページの、30%アップのボリュームを図ったということです。
置いているのは、区役所、地域センター、図書館などで配布する予定でございます。
以上です。
委員長
ただいまの報告について質疑はありますか。
高橋委員
すごく何か、聞いて失礼かと思いますけど、これは無料ですか。1冊幾らとか。
大沼生涯学習担当参事
先ほど、印刷経費が1冊当たり105円かかっているんですけれども、配布については無料です。広く生涯学習を進めていきたいという趣旨から、無料にしてございます。
委員長
ほか、いかがですか。いいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
委員長
それでは、以上で5番目の報告は終了いたします。
6番、もみじ山文化センター本館屋根の復旧工事についての報告を求めます。
大沼生涯学習担当参事
もみじ山文化センターの剥離した屋根の復旧工事についてです。(資料7)これについては、平成17年1月12日に剥離及び施工仮工事のことを報告しました。2月7日には、原因を調査していますということと、今後の対応について報告したところです。今回、それを受けまして復旧工事を行うということです。復旧工事の施工は、ZEROホールを新築し、本件事故発生以降、その対応と原因究明を行った当該新築工事施工会社に依頼しました。業者を指定して契約したものでございます。工事については、3月31日をもって完了する予定でございます。
復旧工事の内容ですけれども、剥離した部分の緩勾配のところを全部、今までの材質の鋼板で全部張りかえます。ただ、前回はピースをポイントで押さえていたのを、こういう板状のもので強化を図って、剥離しないような工事を行うものです。経費については、724万円ほどでございます。
以上です。
委員長
ただいまの報告について質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で本報告については終了します。
以上、予定した報告は終わりますが、理事者から何か報告はございませんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
17年度の校庭芝生化につきまして、学校の希望を募りまして検討しておりましたが、ほぼ学校を内定いたしましたので御報告申し上げます。具体的には若宮小学校について、校庭の芝生化を予定しております。今回、小学校5校、中学校2校から希望が上がりましたが、いずれも区の北半分というような状況でございましたが、その中で、校庭の使用状況、それから日当たり、それから子どもの使い方、それから地域との協力体制の考え方などについて検討しました結果、若宮小学校が最も適当であるということで内定いたしました。これから東京都との補助協議、また学校との協議などを行いながら進めていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
委員長
ただいまの報告について質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、ほかに報告ございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、以上で所管事項の報告を終了いたします。
次に、閉会中の当委員会の所管事務継続調査についてお諮りいたします。
お手元に配付の文書(資料8)に記載された事項について、引き続き閉会中も調査を要するものと決定することに御異議ありませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように決定いたします。
議題、その他に入ります。
次回の日程を協議したいので、委員会を暫時休憩いたします。
(午後3時34分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後3時36分)
休憩中に確認しましたとおり、次回の委員会は、4月27日(水曜日)午後1時から行うことで御異議ありませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
以上で予定した日程はすべて終了いたしますが、委員、理事者の皆さんから特に発言はございませんでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
なければ、終了いたします。
以上で本日の文教委員会を散会いたします。
(午後3時36分)