平成17年07月28日中野区議会文教委員会
平成17年07月28日中野区議会文教委員会の会議録
平成17年7月28日文教委員会 中野区議会文教委員会〔平成17年7月28日〕

文教委員会会議記録

○開会日 平成17年7月28日

○場所  中野区議会第5委員会室

○開会  午後1時03分

○閉会  午後4時58分

○出席委員(9名)
 飯島 きんいち委員長
 酒井 たくや副委員長
 北原 奉昭委員
 久保 りか委員
 はっとり 幸子委員
 小串 まさのり委員
 篠 国昭委員
 昆 まさ子委員
 江田 とおる委員

○欠席委員(0名)

○出席説明員
 教育長 沼口 昌弘
 教育委員会事務局次長 金野 晃
 教育経営担当参事 村木 誠
 教育改革担当課長 小谷松 弘市
 学校教育担当課長 相澤 明郎
 指導室長 小林 福太郎
 生涯学習担当参事 大沼 弘
 生涯学習推進担当参事 生涯学習担当参事兼務
 中央図書館長 細木 博雄

○事務局職員
 書記 岩浅 英樹
 書記 鳥居 誠

○委員長署名


審査日程
○議題
 学校教育の充実について
○所管事項の報告
 1 新しい中野をつくる10か年計画(素案)について(教育改革担当)
○地方都市行政視察について
○その他

委員長
定足数に達しましたので、本日の文教委員会を開会いたします。

(午後1時03分)

 初めに、シティテレビ中野から議会広報番組制作のためビデオ撮影の許可を求める申し出がありますので、これを許可したいと思いますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、これを許可いたします。
 本日は、お手元に配付の審査日程(案)に沿い審査を進めたいと思いますが、これに御異議ございませんか。(資料1)

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように進めます。
 なお、審査に当たっては午後5時を目途に進めたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 また、3時近くになりましたら休憩をとりたいと思います。
 それでは、所管事項の報告を受けたいと思います。
 1番、新しい中野をつくる10か年計画(素案)について報告を求めます。
小谷松教育改革担当課長
 それでは、新しい中野をつくる10か年計画(素案)につきまして御報告をさせていただきたいと思います。(資料2)
 表紙をおめくりいただきたいと思います。目次でございますが、本素案につきましては、ごらんのとおり全体として4章構成となってございます。なお、既に本素案につきましては、去る7月25日に所管の委員会でございます総務委員会で報告をされているところでございますが、当委員会におきましては計画の基本的な考え方と、あと第2章及び第3章につきましては所管に係る計画内容を中心に御報告をさせていただきたいと思います。
 それでは、まず第1章でございます。計画の基本的な考え方でございます。まず一つ目に計画の意義でございますが、この10か年計画につきましては、基本構想の掲げる理念と10年後の中野のまちの姿を受けまして、それを実現するための基本計画として策定するものでございます。
 二つ目といたしまして、計画の性格でございます。これまでの行政計画のようにすべての計画事業につきまして10年間に取り組む事業量や事業経費などをあらかじめ明示し、固定的に進めるということではなく、10年後の中野のまちの姿を実現するために中長期的な目標と戦略を明示し、目標を達成するための手段である事業について予算や人員などの経営資源を最大限に活用し、最も効率的、効果的に展開していくための基本的な方向を示すというものでございます。
 それから、本計画の構成でございますが、第2章では特に区民生活に大きな影響を与える課題四つにつきまして、先導的、効果的に取り組むための戦略と、その戦略を有効に展開していくための行政革新についてお示しをしてございます。また、3章では基本構想で描く四つの領域と、その柱ごとに10年後のまちの姿を実現するため目標を掲げて、総合的、体系的に取り組む戦略として施策の方向を明示してございます。この施策の方向では、将来像の達成状況の目安となります成果指標と目標値を設定するとともに、それを達成するための手段として主な取り組みを示してございます。それから、第4章でございますが、行政革新を行い、持続可能な行財政運営のための具体的な取り組みを示しているところでございます。
 それから、4番目、計画期間と内容の改定でございます。計画期間につきましては、平成17年度から平成26年度までの10年間でございます。改定につきましては、おおむね5年後、または社会経済情勢が大きく変化した場合には必要に応じて改定をしていくこととしてございます。
 それでは、第2章に入ります。「未来への扉をひらく4つの戦略と行政革新」でございます。この章では、区民生活に影響を与える大きな課題を中野のまちから解決していくため4つの戦略を定めまして、10年間に優先的な取り組みをしていくこととしてございます。また、4つの戦略を有効に展開していくためのベースとして行政革新を行うこととしてございます。その4つの戦略といたしましては、こちらに図が示されてございます。戦略の1としてまち活性化戦略、それから、地球温暖化防止戦略、元気いっぱい子育て戦略、そして、健康・生きがい戦略でございますが、この中では、教育委員会の所管分としては元気いっぱい子育て戦略というところが中心になってございます。
 次に、4ページでございます。まず戦略の1、まちの活性化戦略でございますが、戦略の五つの展開を示してございますが、このうち展開の4、文化・芸術活動の光るまちに教育委員会の関係分がございます。
 恐れ入ります、6ページ、7ページをお開きいただけますでしょうか。展開の4、文化・芸術活動の光るまち、この展開といたしまして7ページに具体的な取り組みが掲げてございます。一つ目といたしまして、文化・芸術活動を盛んにすることによってまちの個性と活気をつくり出すこと、また、若手芸術家の活動や発表の機会をつくることによって、文化・芸術が発信されるまち・中野をつくるという取り組みを挙げてございます。
 それから、恐れ入ります、9ページをお開きください。こちらは戦略の2、地球温暖化防止戦略でございますが、ここでは三つの展開が示されてございます。このうち展開の3、「みどりを増やし、みどりをつなぐ」に教育委員会の関連の分がございます。
 10ページ、11ページをお開きいただきたいと思います。展開の3でございます。「みどりを増やし、みどりをつなぐ」展開といたしまして、11ページ、上から2段でございますが、校庭の芝生化や施設の屋上緑化などによって公共施設のみどりを増やすということを掲げてございます。
 それから、12ページ、13ページでございます。こちらは戦略の3、元気いっぱい子育て戦略でございますが、この戦略では四つの展開を示してございます。こちらの戦略の3は、特に教育委員会に係る部分が多く掲げてございます。
 まず展開の1でございます。愛情と責任を持って子どもを育てる家庭におきましては、所管分といたしまして、最初の中高生など若者への保育体験や育児学習の機会を提供することによりまして、子育ての意義や家庭の大切さの理解を進めるということを掲げてございます。
 それから、展開の3でございます。地域が支える子どもと家庭におきましては、14ページでございますが、まず地域の育成者との連携と区の取り組みを強化することによって子どもの安全を守ること、それから、一つ飛びますが、地域・家庭・学校が情報と目的を共有することによりまして、子どもたちが地域の中で安心して育つ環境をつくるということを掲げてございます。
 また、その次の展開4では、豊かでたくましい心と体を育てるというところでございますが、ここは教育委員会での取り組みが中心の展開となってございます。具体的には15ページに五つの取り組みを掲げてございます。一つが、聞く、話す、読む、書く力を高める教育を推進することによって、子どもの基礎学力と豊かな人間関係を育てること、二つ目といたしまして、一人ひとりに応じたきめ細かな教育的支援を行うことによって子どもの可能性を伸ばすこと、勤労体験・ボランティア体験などさまざまな体験学習を拡充することによって、子どもの社会に対する知識や希望をはぐくむこと、学校の再編を進め、適正規模化することによって教育環境を充実すること、そして、体育指導の充実やスポーツ環境を整備することによって、子どもの体力を高めることなどの取り組みを掲げてございます。
 恐れ入ります、少し飛びますが20ページをお開きいただけますでしょうか。ここでは行政革新でございます。この行政革新につきましては、新しい公共経営の考え方に基づきまして、柔軟で強い経営体質づくりを進め、4つの戦略の展開により基本構想が描く中野のまちの将来像を実現していきます。また、この行政革新といたしまして、こちらにお示しをしてございます三つの改革と八つの取り組みを掲げてございます。
 次に、第3章、10年後のまちの姿と目指す方向に入らせていただきたいと思います。
 この章では、基本構想で描きます四つの領域と、その柱ごとに10年後のまちの姿と現状と課題を示し、将来像の実現のための戦略となります施策の方向を明らかにしてございます。その上で達成状況の目安となります成果指標と目標値を設定いたしまして、それを達成するための手段として主な取り組みについてお示しをしてございます。この章の中では、領域のⅡが当委員会の所管分の中心となってございますので、その領域のⅡにつきまして御説明をさせていただきたいと思います。
 恐れ入ります、49ページをお開きいただけますでしょうか。領域のⅡ、「自立してともに成長する人づくり」でございますが、まず最初の柱でございますⅡ-1、子育て支援活動など地域活動が広がるまちでございます。ここでは五つの施策の方向を示してございます。
 50ページ、51ページをお開きいただきたいと思います。まず最初の施策の方向でございます。子どもの育ちを支える地域づくりでございます。主な取り組みといたしましては51ページ以下に記載がございますが、所管分といたしましては、まずマル2の地域・学校が連携した子ども育成の推進ということでございます。ここでは、児童館で行ってまいりました遊び場事業を、順次小学校を拠点とした地域、家庭、学校との協働による子どもの育成事業として展開をし、あわせて学童クラブも小学校内に設置を進め、保育時間の延長などサービス拡大を図っていくこととしてございます。
 52ページをお開きいただきたいと思います。マル4のところでございます。子どもの安全対策の強化でございます。緊急時の子どもの安全に関する情報を、インターネットや携帯電話のメールを活用いたしまして保護者に迅速・的確に伝達いたします。また、地域の人とともに学校の安全性を高めていくこととしてございます。
 それから、53ページでございます。下段の方の、特別な支援を必要とする子どもと家庭への支援の強化の施策でございますが、こちらは55ページでございますが、マル3、障害のある子どもの教育の推進でございます。特別支援教育の推進を図ることとしてございます。
 それから、56ページ、57ページをお開きいただきたいと思います。質の高い幼児教育・保育の実施の施策でございます。こちらの主な取り組みといたしましては、一つ目といたしまして(仮称)子育て・幼児教育センターの設置でございます。子どもの置かれている現状や課題、とるべき方策などを調査・研究いたしまして、幼児教育・保育の充実を図る体制を整備することといたしてございます。二つ目といたしまして、どの子も同じサービスが受けられる幼保施設でございます。どの子どもも同じように質の高いサービスが受けられるようにいたします。そのため幼稚園と保育園のサービスと負担の均衡を図り、また、区立幼稚園につきましては幼保一元化施設として民営化への転換を含め、再配置を行うことといたしてございます。
 58ページをお開きいただきたいと思います。こちらは2番目の柱でございます。子どもから大人まで地域の中で自分の力を伸ばせるまちでございますが、ここは教育委員会が中心となる取り組みの柱でございます八つの施策の方向をお示ししてございます。
 まず最初の施策の方向でございますが、だれもが等しく社会参加ができるまちづくりでございます。60ページ、61ページをお開きいただきたいと思います。ここでの施策の方向での主な取り組みといたしましては、マル2でございます人権教育の推進、それから、マル4、国際交流の推進がございます。この国際交流の推進につきましては、学校における国際理解教育などでございます。これらの取り組みを挙げてございます。
 次に、障害のある子どもの教育の充実の施策でございます。こちらの方の主な取り組みといたしましては、マル1といたしまして、先ほども少し触れましたが、障害のある子どもの教育の推進ということで特別支援教育の推進を図ることといたしてございます。
 次に、多様な教育を受けられ、生きる力をはぐくむ学校づくりの施策でございます。こちらの方は62ページに主な取り組みを掲載してございます。一つ目として、豊かな人間関係と基礎学力を身につける教育の推進でございます。これは、子どもたちが豊かな人間関係をはぐくむコミュニケーション能力を高めていくことができるよう、伝え合う力の育成を図ることといたしてございます。また、体験的な学習の充実をするとともに、情報環境の整備、情報モラルを身につけさせるといったようなことを含めまして、トータルなコミュニケーション能力の育成を図ることといたしてございます。
 他に少人数指導の推進、それから、教員の人材育成及び確保がございます。これは、高い指導力と技能を持った教員を認定講師として認定いたしまして、教員の授業力の向上につなげていきたい。また、優秀な人材の確保も図っていくことといたしてございます。それから、マル4、学校に適応できない子どもたちへの支援、それから、学校間の連携による一貫教育の推進、そして、区立学校の再編整備を進めることといたしてございます。
 なお、ここで1点追加して御報告をさせていただきたいことがございます。口頭ではございますが、1点追加の御説明をさせていただきたいと思います。去る7月11日の当委員会におきまして、学校再編計画案の論点と考え方を御報告させていただきましたが、その中で野方小学校と沼袋小学校の統合新校の建てかえ時期と工事期間中の仮校舎につきまして、区長部局と調整をしたい旨のお話をさせていただいたところでございます。この野方と沼袋小学校の統合案につきましては、平成23年にまず両校を統合し、統合とともに現在の野方小の建てかえを行うその工事期間中は、沼袋小学校を仮校舎として使用するというものでございます。
 まず統合新校の工事期間の変更についてでございますが、現在の野方小学校につくる新校舎の建設時期を、当初計画案から前倒しして工事を行い、統合時には完成させたいというふうに考えてございます。また、仮校舎の考え方も変更いたしまして、現在の野方小学校の建てかえに伴いまして、野方小学校の児童につきましては、統合新校設置までの間は、廃止されます第六中学校を仮校舎として使用してはどうかということを考えてございます。このことによりまして、現在の沼袋小学校への仮校舎設置に伴いますプレハブ教室等がなくなり、改築期間中の子どもたちの教育環境が改善されることになるのではないかと考えてございます。なお、これらの件につきましては財源調整等、引き続き区長部局と調整を行いまして、次のパブコメ案をまとめる段階で一定の方向を明らかにさせていただきたいと考えてございます。大変失礼いたしました。追加で1点、御報告をさせていただきました。
 引き続き、63ページのところから続けさせていただきたいと思います。地域に開かれ、地域とともに子どもをはぐくむ学校づくりの施策でございます。こちらの主な取り組みといたしましては、まず、地域に開かれ、地域とともに子どもをはぐくむ学校づくりということで、外部評価制度や学校評議員制度の活用、職業調べや職業体験、地域人材の活用、また、子どもに地域の一員としての自覚や役割意識をはぐくむといったことなどをその内容としてございます。それから、長期授業公開制度の創設、これは保護者や地域住民に一定期間授業に参加してもらい、地域に開かれた学校づくりを推進することといたしてございます。他に学校図書館の地域開放の推進などを挙げてございます。
 次に、健やかな身体をはぐくむ学校づくりの施策でございます。こちらは、主な取り組みといたしまして、まず子どもの体力づくりの推進でございます。これは、体力向上のためのプログラムを策定することといたしてございます。二つ目といたしまして、子どもの健康づくりの推進でございます。健康教育や食育を推進することといたしてございます。他に地域スポーツクラブの設立支援などを掲げてございます。
 それから、66ページでございます。新しい自分や仲間と出会う学習・スポーツ活動の推進の施策でございます。主な取り組みといたしまして、地域スポーツクラブの設立・支援がございます。スポーツクラブの設立を進め、学校再編によりまして使わなくなった学校施設を活用いたしまして、地域スポーツクラブの拠点を整備することといたしてございます。他に区民の学習活動支援の推進も掲げてございます。
 次に、利用しやすい魅力ある図書館の運営の施策でございます。主な取り組みといたしましては、魅力ある図書館の整備、これは特色ある蔵書収集や蔵書構成の充実などを図っていくこととしてございます。二つ目といたしまして、学校図書館の地域開放の推進。区立小学校図書館は、就学前の子どもや保護者を主な対象といたしまして地域に開放していきたいとするものでございます。
 次に、文化・芸術のまちづくりの推進の施策でございます。68ページにその主な取り組みが掲載してございます。一つといたしまして、文化・芸術活動の支援。これは、区民が主体的に行う文化・芸術活動に対しまして支援を行い、中野らしい文化・芸術が創造・発信されるような取り組みを進めていくこととしてございます。二つ目といたしまして、若手芸術家が育ち、活動しやすい環境や機会の提供でございます。若手の芸術家、芸能人が広く世に出て活躍できるようその環境を整備いたしまして、発表し、発信できる、そういった機会などを設けていくこととしてございます。
 最後に第4章でございますが、飛びまして105ページになります。
 第4章、「持続可能な行政運営のために」でございます。区は、これまで行ってきました目標と成果による区政経営を徹底させまして、この計画、実施、評価、改善の、いわゆるPDCAサイクルを完成させ、戦略的に施策の選択と集中を行い、機動的な組織を構築していきます。そのため行政革新を強力に進めることで持続可能な行政運営を行い、「小さな区役所」を実現していくものでございます。
 続きまして、107ページ以下の財政運営の基本的な考え方でございます。ここでは財政運営の基本方針といたしまして、平成17年度から20年度までの期間を財政安定期間とすることと、また、複数年で予算を編成・管理できる方式を導入するなどのほか、財政のマネジメントサイクルの改革の考え方などを記載してございます。なお、別添で10年間の収支の見通しを本日参考資料としてお配りをさせていただいてございます。
 最後に、今後の予定でございますが、8月中旬に区報の臨時号によりまして素案の公表を行いたいと考えてございます。そして、8月下旬から区民との意見交換会を行い、その後意見交換会でいただきました御意見を参考にさらに検討を行いまして区案として取りまとめ、10月下旬に計画案の公表を行い、10月下旬から11月中旬にかけましてパブリックコメント手続、そして、11月下旬に計画の策定をしていきたいと、そのような見通しを持っているところでございます。
 大変雑駁ではございますが、以上で御報告とさせていただきたいと思います。
委員長
 ただいまの報告に対し、御質疑ございませんか。
篠委員
 教育委員会で目標設定して達成度をチェックするのは、どの分野でやるんでしたっけ。10か年の中では一切そういった取り組みはないんでしたっけ。
金野教育委員会事務局次長
 今御説明しました、主には第3章の領域Ⅱのあたりですけども、ここにかなり教育委員会関係の指標、目標値が入っております。こういうものにつきましては、それぞれの施策に関連する分野が主に具体的な内容をやるわけですが、全体としての進行管理は区全体でやる。また、毎年のこの指標についての取り組み状況につきましては、行政評価の中でそれぞれの分野がデータを出して確認してやっていくという形になります。
篠委員
 目標をつくる段階で文教委員会が見る機会というのはあるんでしたっけ。
金野教育委員会事務局次長
 区全体で進めております、いわゆるPDCAサイクルですね、計画、実行、評価、改善というサイクルの中では、一つは目標に沿ってまず予算編成の段階でお示ししております。それから、それにつきまして行政評価という形で行政評価のそれぞれの施策ごとに、あるいは分野ごとに大きな方向、それから指標という形でお示しをして、それに対する実施のデータ、それから、評価結果という形でお示ししております。また、実際はこれがそれぞれの事務事業と連動しておりますので、事業の都度そういった形でお示しをしているということで、特にこの目標だけ取り出してということではなくて、予算の段階、行政評価の報告という中でお示ししているという形になります。
篠委員
 と申しますのは、教育委員会の分野というのは、どのぐらい達成したかというのはなかなか意味をなさなかったり、まして区民の方が理解できない。要は、どこの大学に何人入ったとかというような至ってわかりやすい形をとりませんでしょう。で、区民の目線も想定したような目標設定を、この10か年にしろ年度内にしろ、教育委員会で一切工夫が感じられないので、その辺の工夫を今年度している段階で我々にも御披露いただけたらという意味で申し上げたんですけど、そういう機会はないということでよろしいんですね。
金野教育委員会事務局次長
 具体的に見ていただいた方がわかりやすいと思います。例えば60ページ、61ページあたりですと、ここに指標、目標という形で入っておりますが、60ページの上の方では、学校は子どもに自他の生命を大切にする心を育てていると感じる保護者の割合ということで、これはだれもが等しく社会参加できるまちづくりの一環の指標という形になっております。それから、学校の指標では、就学指導が適切に行われ、また、この就学指導の対象となるような場、あるいは環境が整えられているかということで、就学指導と実際の就学との一致率というような指標を出しております。また、61ページの下の方では、中野区が行っております学力調査の結果で達成度、それについて目標値にしようという形でお示ししております。これについてはいずれも決算の段階、また、予算の段階ではこういった指標をこれまでも入れておりますし、今回計画でこういうふうに整備されたことに伴いまして、指標の項目なども再度適合するようにしてお示ししていきたいというふうに思っております。
篠委員
 私が知りたいのは、教育ビジョンの中でここ10年、20年の学校現場、あるいは教育委員会としての反省も踏まえて、社会性の欠落ということに相当前向きの姿勢を出されたわけですよ。そして、家庭教育の大切さということについても、また出てきた、また出てきたというほど重点を置きましたと。ところが、今お話を聞いた中だけでもそんなかけらも指標の中に表現しようとしている姿が感じられないので申し上げたので、ここの教育ビジョンなり、10か年をつくるメインテーマと指標の関係を真剣に取り組まれたかと聞いているんです。
金野教育委員会事務局次長
 今、委員の御指摘のとおり、社会性の涵養、それから、家庭教育の充実ということは、教育委員会では教育ビジョンの議論全体を通じて非常に重要な視点として論議してまいりました。それにつきまして具体的に対応する指標がきちんとないのではないかという御質問でございますが、社会性を涵養するためのさまざまな、社会参加のできる、あるいは人権などを理解するような教育、それから、コミュニケーションという意味ではコミュニケーションの基礎となる力が出てきているかと、いろいろ出しているところですが、その社会性の涵養そのものを総合的にとらえる指標はどういうものが適切かということにつきましてはなかなか難しいところがありまして、この案でもまだ十分な対応ができているとは言い切れないと思います。これからも指標につきましてはいろんな議論をしていきたいと思いますので、また適切な指標があったら随時加えたり、また教育委員会の行政評価、あるいは目標の中に加えるような努力をしていきたいというふうに思っております。
委員長
 それではほかに。といっても、いきなり全部というのはなかなか進めにくいので、章ごとにお尋ねをしていただければと思いますが。
江田委員
 細かくは今、委員長おっしゃっていただいたように後で質問させていただきたいと思うんですが、10か年計画素案を見て、一体中野区がこれまで10か年計画をつくる目的と言っていたものがどこに行ったのかというのが、正直言って全くわからないというか、見えなくなってきたという感想です。それで、本来であれば総務委員会でお聞きしなければならないことなんですが、教育委員会でわかる範囲のことを御答弁いただきたいと思います。
 最初に、10か年計画というのは基本構想の裏づけとなるものだというのは、ずっと区長が言い続けたことですよね。したがって、その10か年計画というのは当然財政計画をきちっと持ったものとして出されると。当初は基本構想とこの10か年計画はセットだから一緒に示すんだというふうに言っていたんだけども、それができなくてこれだけずれてきたわけですね。ずれてきたわけですから、相当いろんな議論がされて、この素案の中では当然そうしたものがきちっと示されるだろうというふうに思っていたんですが、それがどこにも示されていない。別添で収支の見通しが示されましたけれども、これは少なくとも区長がおっしゃっていたフレームとは違うというふうに思うんですが、それは一体どういうふうに議論されているんですか。まずそこからお聞きしたいと思います。
金野教育委員会事務局次長
 今回のこの素案でお示ししている新しい中野をつくる10か年計画、従来の区のさまざまな総合計画、基本計画との大きな違いがございます。一つは事業の計画、あるいは事業の年次規模が示されていないということが大変大きな違いでございますが、これにつきましては、それをめぐりまして随分庁内でもさまざまな考え方、論議をしてまいりましたが、この内容でごらんいただきますように、個々の事業内容あるいは事業費を明示するということではなくて、中長期的な目標と戦略、それから、それを達成する上での測定の手がかりとなるような成果指標と目標値を示していこうというようなことになりまして、その具体的な事業につきましてはこの中長期的な目標を達成する上で可変的なものであると。毎年事業の規模あるいは事業の執行方法等については見直しをしていきながら、この計画の方向を支えていくものであるというような考え方に整備されました。そこで、この事業につきましては毎年度の行政評価、予算の中でPDCAサイクルの中で随時見直していくものであるので、事業の計画として個々に年次を追ったものの落とし込みをしないという考え方で今回の計画をつくるというふうに、これまでの中野区がつくってきた計画の考え方との大きな変更がありましたので、今回の計画につきましては事業の内容や規模、年次が入っていないというような形になっているものでございます。
江田委員
 その変更はいつどこで行ったんですか。それから、それは議会に対して、私ども繰り返し区長のそういうやり方に対しては異論をとなえてきたし、これほど変化が激しい時代に10か年間の財政見通しをきちっとさせる、財政フレームを持った計画が必要だということ自体が無理なんだということを繰り返し言ってきたんだけども、区長は、いや、それは必要なんだと。今までの基本構想はそれがなかったからだめだったんだということを言い続けてきたわけですよ。で、そのスタンスを今、次長がおっしゃったように変えたんだとしたら、それは議会にきちっとその時点で報告すべきだったんじゃないですか。今のようにスタンスが変わった。それはいつの時点でどういう議論を経て変わったのか、教えていただきたいんですが。
金野教育委員会事務局次長
 この10か年計画の構成及びその事業計画の明示の考え方につきましては、今私が申し上げましたように、当初からこういう形ではっきりと内容ないし考え方が整理されてきたものではございません。それぞれ10か年計画について考え方を出し、また、基本構想を策定する中でいろんな議論をしていく中で、次第に事業ではなくて目標、指標というものをより重視すべきではないかというような考え方が庁内で示されてまいりまして、そういう中の議論を経てなってきたものでございます。いつというように特に庁内では、基本構想の策定本部会議で何回か議論をする中でこういった方向でいこうというような確認がされてきたというようなものでございます。
江田委員
 そういうなし崩しの議論というのは、私は非常に心外です。これまでも、私どもの会派だけじゃなくてほかの会派も含めて、10か年計画で財政フレームを示すと。そのことが基本構想を実効性あるものに裏づけする大事な担保なんだということを繰り返し、これは区長答弁として出てきているわけですから、そういうもののスタンスが基本的に変わるとしたら、それはやはり議会にきちっと報告すべきだったということを申し上げておきたいと思います。
 それから、第2章なんですが、非常に全体のスペースとしては大きな部分を占めておりますが、この第2章の4つの戦略と行政革新という考え方というのはいつつくられたんでしょうか。これも、これまで10か年計画についてはナンバー5まで示されてきましたよね。で、基本構想が発表される段階まではこういう部分が入ってくるというのはどこにも示されていなかったように思うんですが、そういう意味では突然これが入ってきたという気がしておりますが、そこら辺の議論の経過を教えてください。
金野教育委員会事務局次長
 この未来への扉を開く4つの戦略という形で現在出ていますが、これにつきましては、特にこれが第3章の総合的な内容と別個にあるというよりは、第3章の総合的な内容に書いてあるものを現在の時代背景等を勘案しました新しい切り口で、再度明確に再構成したというような趣旨のものでございます。これにつきましては当初、ことしの初めごろだったと思いますが、単に全部の事業あるいは分野の考え方を同じように記述するのではなくて、その中の重点的なものについては抜き出して別途強調し、また、明確にできるような形で示してはどうだろうかというような議論をしてまいりました。一時はリーディングプロジェクトというような形でつくってはどうかというふうな議論もしていたんですが、最終的にはこういう形で示そうということに計画サイドの考え方を提案されまして、全庁的な場では基本構想の策定本部会議の方で了承してこういう形になってきたというものでございます。
江田委員
 後でこれについての感想を述べますが、もう一つ、私ども繰り返しこの10か年計画で一番懸念をしたのは、ゼロベースから物を考えていくというのがありましたよね。地域センターも廃止する。それから、児童館、学童クラブ等についてもゼロベースから見直しをしていく。そういったものがずっと示されていまして、一体区民生活との関係でこうした一番区民に直接つながっている区民施設がどうなっていくのか。そういったものを非常に懸念をして、一体どういうことが考えられているのかということを繰り返し繰り返し議会のたびに質問してまいりました。その中で学校の再編については10か年計画とは一応切り離した別個の形ということで見えるような形になってきましたけれども、それ以外のものというのはほとんどこの中では見えてきません。丁寧に読みますと、文章上はいろいろ書いてあるけども、じゃあ、児童館が幾つになっていくのか、将来保育園や幼稚園は一体幾つになっていくのか。民営化ということは書いているけれども、幾つになっていくのかとか、そうした具体的な、いわゆるゼロベース関連の数字というのはどこにも出てきていないというふうに思っているんですが、それは一体どういうふうになったんですか。
金野教育委員会事務局次長
 今、委員の御指摘のそれぞれの施設配置につきましては、比較的早い時期からさまざまに全庁的な論議を行ってきておりましたが、これにつきまして今回の10か年計画の全体的な考え方、特に具体的な事業内容や年次については明示をしない形でつくっていこうというようなこととあわせまして、施設につきましてもこの10か年計画の中でお示しするのではなくて、別にそれぞれ施設配置の具体的な案をまとめて区民に説明し、意見交換して定めていこうという考え方に整理されたということでございます。これから10か年計画の確定までの間にそれぞれの施設の考え方をさらに検討して、その内容が固まり次第示していくというようなことで、今の考え方としては確認されております。
江田委員
 区民との関係で言えば、区民が一番知りたいこと、自分たちの生活とこの10か年計画がどうかかわってくるのかという一番知りたい部分が全部ここでは書かれていないんですよね。逆の言葉で言えば、隠されてしまっているというふうに言っても言い過ぎではないと思うんです。区長はこれまでも繰り返し、今のままでは区の財政はもたないから、施設はゼロベースから考え直すんだということを就任当初から言い続けてきているわけですよね。10か年計画の中でもそのゼロベースというものの考え方がどういうふうに出てくるのかというのが、私たちも繰り返し質問したし、対区民との関係でこれから説明していく場合に、例えば児童館は幾つになっていくのか、保育園や区立幼稚園はどうなっていくのか、そういった具体的な問題との関係で、この10か年計画が私たちの生活にどういう影響をもたらすのかということをよりリアルに知るわけですよ。そこの部分が隠されたままに言葉上であれこれ説明されて、それに対して反論あるいは質問すればまた別の言葉で話が返ってくるだけで、全然そこら辺は具体的でなくわかりづらい。それを今まで繰り返してこられたわけですよね。で、10か年計画の素案として発表するわけですから、その肝心の部分が出されなかったら、これは区民との間でのキャッチボールにならないですよ。一番大事な部分が見えないままに区民に対して説明して意見をくださいといったって、それは抽象的な言葉のやりとりだったら区民の方々より皆さんの方はプロとしてこれにかかわっているわけだから、質問が出たら幾らでも説明はできるだろうけど、それどまりで終わってしまう。それでは本当の意味での区民に対する説明ということにはならないだろうというふうに思うんですが、そういう点でこの素案は、財政フレームの点でも、それから、これまで具体的に示すと言っていたゼロベースがどういうふうになっていくのかという点でも、肝心な部分が消されてしまっている。
 その一方で、先ほど第2章がなぜつくられたのかというのを私ちょっとお聞きしましたけれども、こういう形で4つの戦略ですね、未来への扉を開く4つの戦略ということでこういう説明の仕方をされれば、なるほど、中野区はこういう戦略でもって私たち区民生活はもっと豊かになっていくんだなという幻想を抱く。その幻想を抱かせるための第2章ではないかとすら私は思わざるを得ないんですが、その点についてはいかがですか。
金野教育委員会事務局次長
 施設配置につきましては、この10か年計画の素案、きょう御報告しているこの内容としては示されなかったわけでございますが、具体的な施設の、個々の施設がどうなるか、また、その施設数や配置についての今後の予定がどうなるか、大変重要なことでございますので、この10か年計画が決定するまでの間には内容を別にお示しして、区民の方と意見交換をするようにぜひしたいというふうに私の方でも考えております。ただ、10か年計画としては、全体的な整理の中で事業や個々の年次については計画として入れるという考え方ではない計画をつくろうということになりましたので、この中に入れるという考え方は出てこなくなったということでございます。
 なお、この4つの戦略につきましては、第3章の全体が特に特徴的に、また、重点的に理解できるようにというようなことで、この計画の理解のしやすさ、それから、区の目指す全体像をわかってもらうためというような趣旨でつくったというふうな考え方に立っているものでございます。
江田委員
 私の言いたいことを御理解いただけなかったようですので、もう一度言いますが、結局この素案では区民施設がどういうふうになるかというのは示せないわけですよね。だけど、私たちに一番身近なそういう区民のための福祉施設がどういうふうになっていくのか。引き続き今までどおり残っていくのか、あるいは廃止されるのか、あるいは中身が変わっていくのか、そういったことも含めてそういうものが説明されたときに、なるほど、素案で言っているこの部分はそういう意味なのかということが得心がいくわけですよ。その一番肝心な部分が10か年計画を最終的に確定する最後の段階でぼんと出されてきて、だけども、その前にこの素案で説明されて、何となくわかったような気分にさせられて、最後にこの素案が確定する段階では、実は地域センターはこういうふうに変わりますよ、児童館はこういうふうに減らされますよという一番肝心の部分が最後の段階で、言ってみれば駆け込みのような状態で明らかになってきて、幾つか議論しているうちにもう確定してしまうと。こういうやり方は極めて区民に対して失礼なやり方だし、まして区長が言っている区民参加という考え方、区民との合意形成を図りながら区政運営を進めていくというやり方とも全く違うやり方だし、しかもこのやり方は、これまで議会に10か年計画はこういうプロセスで進めていきますというふうに説明してきたやり方ともまるっきり違うやり方になってしまっている。そのことを私は言いたいわけなんです。最後の段階で区民施設がどういうふうになるかということを示すというやり方自体が、区民にとって納得のいかない、抽象的な議論だけ先にやらせておいて、最後、実は施設はこうなりますよというのを確定の段階で出していくというやり方は到底認められないということを私は申し上げているんですが、その部分についてもう一度答弁ください。
金野教育委員会事務局次長
 最後になってこの施設が急に決まるのではないかというような御意見もあったかと思いますが、この10か年計画の中では具体的な施設数ですとか、それから、施設の名称とかは、これから計画案を確定する段階までに入ってくるということではなくて、こういうレベル、こういうような全体的な目標、あるいは戦略の方向を示すという形で10か年計画はとどまるというような形のものにしようということになっております。したがいまして、10か年計画の中には最後になって具体的な施設名や数が入るということはないということです。そうしますと、施設配置については別に個々の計画なり考え方を出さなければならないと思いますので、それにつきましては10か年計画が決まれば直ちに施設数が確定するとか、個々の施設の名前が確定するということではなくて、施設のそれぞれの計画の中で、また区民と論議をしてやりとりをするという中で決めていくことになるだろうというように思っております。
江田委員
 非常に大事な答弁ですのでもう一度確認したいんですが、10か年計画の中では施設数は示さないということで庁内の全体の合意はできているんですか。それから、施設数についてはこの10か年計画が確定した後、改めて議論をするということで理解してよろしいのか。その点、再度確認しておきたいと思います。
金野教育委員会事務局次長
 この10か年計画の中では、事業の数、それから規模あるいは年次ということについては固定的に定めないということになっておりますので、施設につきましても施設の数や今後の施設を配置・変更していく場合の年次については10か年計画の中には入れないということで、考え方としては全庁的に確認されております。また、施設の具体的な配置計画がどうなるのかということにつきましては、この10か年計画が決まるまでには内容を別に示して区民の皆さんと意見交換をしていくということでございますので、その施設の内容によって、場合によっては時期等について必ずしも同じ時期に決まってくるということではないかもしれませんが、個々に議論が進んでいくというふうに思っております。
江田委員
 最後にもう一度確認しておきたいんですが、今の答弁も含めまして、私たちは何の報告も受けていないんですよ。区長は、10か年計画の中で施設のあり方等も含めて全部示すということを繰り返し答弁しているわけですよね。ところが、今いろいろ詰めていくと、最後の段階で今のような答弁が出てきたわけですが、それはどうしてそういうことになったんですか。やっぱりいろいろ議論していく中で財政的なフレームが固まらないために難しくなってきたとか、あるいは、区民との関係でいろんな議論をしていく中で、やっぱり今のままのゼロベースの考え方では難しいという議論になってきたとか、いろんな要因があろうと思うんですよね。10か年計画で施設配置を示さないというふうになってきた一番の要因は何なのか、それを最後にお聞きしておきたいんですが。
金野教育委員会事務局次長
 私も直接の計画所管ではありませんので、十分に答え切れるかどうかわかりませんが、私の理解では、この10か年計画の中で施設を示さないということは、この10か年計画のそもそもの性格づけについて、先ほどから申し上げておりますように具体的な事業内容や年次を入れないものとして策定するという大きな考え方が出たことに伴い、10か年計画の中では具体的な施設名や数は入れないということになってきたというふうに思っております。また、今の段階で、次は時期的なものですが、施設の具体的な数や考え方がお示しできないでいるということにつきましては、やはり財政的な見通しですとか、それから、これまでのいろんな意見を踏まえて施設の今後のあり方を探る上で、検討に非常に時間をかける必要が生じていると。そういったことがあるというように思っております。
久保委員
 済みません、私も江田委員と似たような感想でございますが、10か年計画がそもそも何も意味がないんじゃないかなと、今お話を伺っていて思いました。10か年計画というのは、そもそも私の認識では事業計画とか年次規模とか財政フレームというのが示されるのが10か年計画だというふうに今まで思っていたんですけれども、そういったものではないということでしょうか、今の次長のお話ですと。
金野教育委員会事務局次長
 従来区がつくってまいりました総合計画、あるいは区政の基本計画につきましては、委員御指摘のとおり事業規模や年次を示したものでございますが、今回の10か年計画につきましてはそういった考え方を大幅に変えたと。示さないことにして作成したというものでございます。
久保委員
 では、そういったものを示さないことにしたこの10か年計画というのは、現段階で意味があるんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
 個々の事業計画は示されておりませんが、それぞれの施策についての大きな方向、それから考え方、それから将来目指す目標というようなものについては一定の記述がありますので、この方向に沿ってそれぞれの事業を毎年度のPDCAサイクルの中で組み立てて工夫してやっていくというようなことでは、区政全体の運営、毎年度の予算の指針としての意味はあるというように思っております。
久保委員
 基本構想をさらに詳しくしたようなものがこの10か年計画というようなことなんでしょうか。それともこの10か年計画の中で、先ほど10か年計画を示すまでの間に個別の計画など、施設の再配置などについては、それもあらわしていけるようにというようなお話がありましたけれども、どうせこの10か年計画を示すまでの間に施設の再配置も計画が出るんだったら、何で一緒にしないのかということがよくわからないんですけれど。
金野教育委員会事務局次長
 繰り返しの答弁になりますが、内容的に一緒にしないということにつきましては、それについては是非の御議論はあると思いますが、この計画としては具体的な事業や年次を入れない形でつくるのがいいと。それは積極的な意味として説明されておりますことは、具体的な年次や毎年度の事業予算というようなものを示したところで、今のPDCAサイクルで毎年度見直していくということにはそぐわない点が出てきてしまっているというようなことと、それから、大きく制度が変わる中でいろんな工夫で事業の変更というものをもっと柔軟に考えるべきで、それをあらかじめ年次で決めるような従来の計画というものの限界も当然あったわけでございますので、そういうことを強く意識したということが一つでございます。それで10か年計画の中には入れないということになりました。
 それから、同時に示せないということにつきましては、私どもももう少し早い時期にお示ししたいと思ってやってきたわけでございますが、財政的なフレーム、それから、特に新しい施設として示されているものにつきましてどういう位置付け、考え方、あるいは見通しを持つのかということにつきまして、もう少し時間をかけて検討する必要があるということから、今の段階ではまだお示しできるまで煮詰まっていないということでございます。
久保委員
 具体的な案というのはおのおの出てくるんだと思うんですけど、具体的に例えば教育委員会に関係ある図書館ですとか幼稚園、こういったところの案というのはどこが検討されるようになるんですか。
金野教育委員会事務局次長
 図書館や幼稚園につきましては、一義的には教育委員会で検討しております。そして、区全体の施設配置や、それから施設の考え方との調整が必要でございますので、教育委員会で一定の検討をした上で全庁的な調整をして案として作成していこうと、そんな考え方で進めております。
久保委員
 ということは、個別にはまず教育委員会が計画を出す。それを全庁的に調整をしていくということですよね。今まではそういったことをのせていくのがこの10か年計画だと思っていたわけですけれども、そこのところが、今、次長の言われたようなことだと、施設の再配置に関しては計画はまた新たに考えられるということなんでしょうか。この10か年と切り離した形で考えられるということですか。
金野教育委員会事務局次長
 10か年計画とは別に--別にといいますか、10か年計画のレベル、この全体の方向や目標を示すということは施設にも関連する部分がありますので、それは10か年計画でやりますけれども、具体的な施設の数とか個々の施設の特定、あるいは年次という点については10か年計画とは別に、もう少し具体的な事業レベルといいますか、そういうものの施設配置計画として別に考えるということでございます。
久保委員
 一つひとつの計画というのが出てくるということでしょうか。例えば図書館だったら図書館、幼稚園だったら幼稚園、まあ、幼保という形でも結構なんですけれども。
金野教育委員会事務局次長
 それにつきましては個々に検討を各部でする、より強化をして進めるということになってございますが、最終的にお示しするときの姿というものについては、まだちょっと調整し切れておりません。区全体の施設をまとめたような形でお示しできるのか、それとも、それぞれの施設ごとに、あるいは関連施設ごとにお示しできるのかということにつきましては、まだちょっと調整し切れていないということでございます。

久保委員
 いつまでにということだと、先ほどのお話ですとこの10か年計画が示されるまでには、今言われたどういった形で示すかわからない施設の再配置の計画も出されるということですか。
金野教育委員会事務局次長
 はい、そのとおりでございます。この計画決定までには施設配置についての区の考えている内容をお示しして意見を聞いていくということでございます。
久保委員
 ということは、先ほどのこちらのペーパーだと、11月下旬に計画策定となっていますから、11月下旬には施設の再配置の計画案というのも、例えば仮称として施設再配置計画案というような形の、そういった一本化したものが出てくるというふうに思っていていいんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
 まず時期につきましては、遅くてもこの計画確定までですので、可能であればもう少し早い時期にお出しできるということもあるかと思います。それから、全部1本にまとまったものかどうかにつきましてはまだ調整できておりませんので、そういう形になるのか、それとも個々の施設ごとになるのかということについては、まだ未定の部分があるということでございます。
久保委員
 ちょっと施設の再配置と離れるんですけれども、1ページの計画の性格というところで、新しい中野をつくる10か年計画の外枠のところに各分野の個別計画(例示)というのがございますよね。これは、個別計画というのが今ここにないもの、例えば教育委員会の関係というのはここにはないように思うんですけれども、それはどのような形で個別計画は出されるんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
 ここで、例えば学校再編の計画というものができてくれば、当然この個別計画の中に入るべきものというように思っております。ただ、ここは例示ということでございますので、まだ案の段階の計画としては示されていなかったのかなというふうに思っております。
久保委員
 今、学校再編計画のことを言われましたけれども、ほかに教育委員会としてこの個別計画が考えられるようなものはどんなものがあるんですか。
金野教育委員会事務局次長
 現在、教育ビジョンの内容を実施する上で考えております実行プログラム、こういったものも教育委員会の個別計画に当たってくるかというふうに思います。
久保委員
 じゃあ、学校再編計画と教育ビジョンを推進するための実行プログラム、この2本というような形で個別計画というのは出てくるというふうに思ってよろしいんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
 ここでは区政の総合的な基本計画である新しい中野をつくる10か年計画と、各分野ごとに定めている個別計画との関係を示すためにこういうふうに枠をつくりまして、新しい中野をつくる10か年計画が全体を網羅するもので、各分野の個別計画はそれぞれの分野ないし課題ごとにつくるものですよというような性格の違いを示した図というように受けとめております。教育委員会のつくる計画というのはさまざまなレベルでございますので、どれが10か年計画と個別計画として取り上げて例示するレベルにふさわしいのかということについては少し議論が必要かと思いますが、そのほかにも、例えば教育委員会で図書館なり幼稚園なりの施設についての計画を定めるということになってくれば、それにつきましても入る可能性はあるというように思います。
委員長
 久保委員、総括的なことでお願いします。
久保委員
 はい、わかりました。ちょっと今のところだけ済みません、もう一つ確認させてください。実行プログラムというものがここにのるかもしれないけれども、実行プログラムというのはあくまでも教育ビジョンを推進するための実行プログラム、これに関しては特に10年間のプログラムではない場合もあるということですね。
金野教育委員会事務局次長
 実行プログラムは10か年計画のような長期的なスパンではなくて、もう少し、あるいはさらに短いものになることを今検討しているところでございます。
昆委員
 ちょっと重なるんですけれども、答弁を聞いていまして非常に納得できないんですよね。といいますのは、これ、平成17年1月、ことしの1月ですよ。区民の意見交換会で出した資料がありまして、区長室政策計画担当のところで出した検討素案ナンバー4というのがあるんですけれども、ここのところに計画の内容というのが書かれていまして、そこのところには、この計画では施策の方向、行財政運営の考え方、事業計画、施設配置等の主要な課題に関する方針を明示するとともに、取り組みの成果に関する指標と到達目標を示します。事業計画は前期5年と後期5年に分けて明らかにします。このうち前期5年では年次ごとに事業内容を示しますというふうに区民の皆さんにも説明しているんですよ。今出されている考え方というのは、こういう区民に対して説明したものと全く違うじゃありませんか。それに年次ごとに事業内容を示しますと言っているんだから、区民の皆さん方だって、先ほど江田委員の質疑にもありましたけれども、自分たちの住む区の施策が、または地域の施設が、必要なものがどういうふうになっていくのかという具体的なものを示されてきて初めて区民の皆さん方もいろんな意見を出せるということになると思うんですが、これはもう全然違ったものとして出されてきて、さっきの答弁を聞いていますと、施設内容についてもこれから検討していく、年次計画についても固定的な計画を立てない、それでいいというふうにだれかが言ったと言っていますけれども、そういうふうに考え方を変更したというのはどなたなんですか。区民の皆さんに説明したことと全く違う内容の計画になってきているんじゃありませんか、もとになる考え方が。その点についてはどういうふうにお考えなんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
 今御指摘のとおり、新しい中野をつくる10か年計画の検討素材ナンバー5としてお示しをして区民に意見交換をしたものには、委員御指摘のとおり事業計画や施設配置等の主要な課題に対する方針とか、それから、前期5年、後期5年に分けて示しますというようなことが書いてございます。そういった点で現在素案という形でつくったものにつきましては、検討素材ナンバー5とその点は大きく変わったものになったということでございます。それはいろんな議論を経てきておりますが、全体的には個々の事業を具体化して、それを実施するというような形ではなくて、目標に沿って事業を柔軟に組みかえていくというふうな考え方の方が、計画の考え方としてより望ましいという議論がされまして変更になったというものでございます。
 なお、だれがということにつきましては、そういう考え方が出てきた上で基本構想策定本部会議で何度か議論をした上で、そういう考え方でいこうということになってきたものでございます。
昆委員
 そういう考え方が途中で変更になってしまったと。そういう考え方になったと簡単におっしゃるんですけれども、それならば、やはり江田委員の質問にもありましたように、議会への説明だとか区民への説明だとか、そういうものをきちっとしないと、新しい中野をつくる10か年計画の素案という、これを区民の皆さん方に今度お示しするんですよね。これをもとに説明をするんですよね。そのときに区民の皆さんが、前に考えていた区の考え方と違うじゃないのというふうに言われるのは当然だと思うんですよ。説明責任を果たすと区長はいつも言いますけれども、変更になったものが何で議会にも、それから区民にも示されないままに、本部会議ではそういうふうになったからなんて簡単におっしゃるような区の考え方こそが、10か年計画、10か年計画と言うけれども、まさに絵にかいたような夢物語みたいなものでしかとらえようのない内容になっていませんか。具体的に年次計画を示して、そこにどの事業がどの年度に入り、その裏づけの財政はどうなるのか、そういうものがきちっとない限り、区民の皆さんは本当に意見の出しようもないというふうに思うんですよね。
 それと同時に、例えばこの計画の中に人口推移といいますか、そういうのも全然示されていないんですが、全体を見てみますと10年後の中野の姿、このようにいけば非常にそれは区民の皆さんにとっても、この計画がだめなんて意見はないような書き方になっているんですよね。そうしたときに、例えば中野のまちに住みたいとか、中野で子どもを育てたいとか、いろんなそういう層がふえるというふうなこともこの文章の中から読み取れるんですけれども、そのときに10年後の中野の人口推移というのはどういうふうに見ているのか。そこのところも何も示されていないんですけれども、それについてはどんな議論がされたんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
 人口につきましては、数字的に示されておりませんが、計画の人口フレームの見込み方として、私ども庁内で示されております考え方といたしましては、人口はそう大きな変化はないと。全体の数としてはやや微減というような形でいくのではないか。また、現在も進んでおります少子高齢化につきましては、これはさまざまな努力で歯どめをかけたとしても、一層少子高齢化が進むというような形で見込まざるを得ないということで予測されております。なお、この人口推計につきましては、本案の時点で詳細を明らかにしようというようなことで考えているということでございます。
昆委員
 例えば人口の推移がどうなるのか、そのことによって区長が好きな潤いのあるまちだとか、にぎわいのあるまちだとか、人が生き生きと暮らせるまちだとか、そういう姿というのが見えてくるような気もしますけれども、そういうものも何も示されていない。中野の10年後の姿の中に人口推移だとか、そういうものも示されていないし、何も見えてこないというふうに思うんですね。それから、この参考資料で10年間の収支の見通しということで出されていますけれども、これも10か年計画の中で年次計画を立てた事業展開を示されていない。それから、施設配置がどうなるのか、それによって職員がどうなるのかということも何も見えてきていませんからわからないんですが、この収支見通しそのものが、今こういう形で出されていますけれども、年次計画が示されていないということでいえば、10か年計画の財政裏づけがないというふうにとらえますので、この見通しというのが果たしてこれを参考資料と出した意味がどこにあるのかなというふうな気もしますけれども、その辺はどういうふうに考えたらよろしいんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
 これにつきましては総務委員会でお配りした資料ということで、各委員会とも配付をしているものでございます。このフレームにつきましては、中身につきましてはちょっと私どもも詳細に御説明しかねますが、これにつきましてこういうフレームを今の段階では想定していると。なおこれを精査して10か年計画の次の案にはもう少し精査した数字を入れていくということで、現時点での状況ということでございます。また、10か年計画が財政フレームを持つのか持たないのかということですが、こういった歳入歳出の枠の中でさまざまな工夫をしながら事業を進めていくというような考え方という意味では、これを一定のフレーム的なとらえ方をしていきたいというような説明になっております。
はっとり委員
 今、これまでの説明と今回示された素案との違いということが各委員からいろいろと出ていたように思いますけれども、私も2定の一般質問で10か年計画というものはどういう性格のものなのかということで質問をさせていただきました。そのときの答弁も含めて、私も今回はそれほど皆さんがおっしゃるような違和感というのは、私自身はなかったんですけれども、ただ、これまでの計画のつくり方と大きな違いがあるということの意味においては、非常に理解しにくいということがあると思います。先ほどの課長の御説明も、これまでの議論と今回出された素案との違いということに全く触れられていないというふうに思いました。だからこそ今のような質疑が出てくるんだろうというふうに思います。やはり庁内的なさまざまな議論の中でどのように考え方が示され、それをどう議論してきたのか。その結果こういう素案としてつくられたということの説明がもっと本当に必要だというふうに思います。そういうものが示されなければ、やはり私たち議会の中での議論というものが十分にできないだろうというふうに思いますので、その辺きちっとした御説明をしていただくということが大変重要だというふうに思っています。
 それから、これまでの、ここ30年ほどでしょうか、武蔵野市でつくられた総合計画以来、全国どの自治体でも同じような形での総合計画、あるいは長期計画というものがつくられてきて、いろんな事業が書かれてきたけれども、それがなかなか実現というところまで至らなかったという反省がどこの自治体でもあるように聞いています。そうした状況の中でこれからの新しい時代、本当に1年先のこともわからないというような、今、時代の転換期にあって、やはり今までの総合計画、長期計画のつくり方でいいのかというような議論はいろんなところで行われたというふうに考えています。そうした中で先進的な自治体では、やはりこれまでのような長期計画のつくり方ではなくて、新たなつくり方ということで、今、中野区がつくろうとしているような長期計画がもう既につくられ始めています。それが本当にどうこれから展開していくのかということについては、いろいろ議論はあるだろうと思いますし、結果がどう出てくるかということは、まだ本当に不透明な部分もあると思いますけれども、やはりそうした中でこれから先の10年の財政見通しをある程度立てた中で、固めてしまった計画ではなく柔軟性を持った計画にしていくという、これから中野区がつくろうとしている計画というのを何とか私も理解しようと思って、いろいろと本を読んだりやっているんですけれども、なかなかそのあたりの理解も私自身進んでいかないというのが実態です。
 今回の10か年計画の策定ということと、先ほど来の質疑の中で次長のお答えになられたところで、これからつくる10か年計画と、それから個別の、例えば施設の配置も含めた個別の計画というものが改めて本案作成のときにつくられるということですよね、先ほどの御答弁だと。(「作成までに」と呼ぶ者あり)そうすると、行政評価、この新しい計画の中ではPDCAサイクルが非常に重要な意味を持つと思うんですけれども、そのPDCAの制度、仕組みがきちんと機能した上での出た結果、成果というものがこの中でどう生かされていくのかということがちょっと見えてこないんですけれども、その行政評価制度の位置付けというものについてはどのようにお考えになっていらっしゃるんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
 まず前段の御質問にありました、この計画の考え方が従来区がつくってきた計画と、また、ナンバー5までに示していた考え方と素案の段階で大きく変わってきたことにつきましては、総務委員会でも御審議いただいたというふうに聞いておりますが、これから区民に説明する中でしっかり説明するように全庁的に考えていきたいというふうに思います。
 また、行政評価、PDCAサイクルとこの計画との関係、いかにしっかりと組み合わせていくかというふうなことでございますが、PDCAサイクルにつきましては、毎年度の事業について評価をして翌年の予算に反映していく。また、その結果も見ていくというように、決算ということで直ちに前の年の結果が翌年ということにいかない面もありますが、可能なものは翌年反映という形で進んできております。このPDCAサイクルをさらに強化して、そういった中で、例えば予算の組み方についても、今のような単年度だけの考え方ではなくて、複数年の取り組みのような形でより総合的な対応がとれないかというふうな議論も庁内では始まっておりますので、そういった中で評価をどう反映していくか。また、反映して個々の事業をつくっていくことが、今度はこの10か年計画との関係を問われるという形になってきますので、10か年計画の目標や指標、方向をどのように反映した内容になっているのかというようなことを区としても十分検討し、また、議会や区民の皆さんにもわかるようにお示ししていくという形での事業運営が必要になるというように思っております。
はっとり委員
 わかるようにというところなんですけれども、これだけ議会、この素案が報告された総務委員会を初めとしてきょうの委員会もそうですけれども、やはり区が何をやろうとしているのかということが、どのような計画をつくろうとしているのかということが本当に理解しにくい説明になっているというふうに思います。これがこのままでしたら、やはり8月の下旬から始まる区民との意見交換でも、本当に大変なことになるんじゃないかなという気もいたします。そうした中で、やはり今回示された素案の中で、計画の性格のところで図がありますけれども、こういう簡単な図では、これでわかれという方が私は無理な話だろうと思いますし、本当にこれから進めようとしているこの10か年計画というものがどういうものなのか、区民が本当にちゃんと理解ができるような絵をつくるなり、もっとわかりやすいやり方というのがこれから本当に重要だと思うんですけれども、そのあたりについてはどのようにお考えでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
 文教委員会でそういう御意見があったということで、また庁内に問題提起をして、もう少しわかりやすくするためにはどういう説明が必要かというようなことについて十分協議してまいりたいと思います。
委員長
 そういう総括的なことを踏まえて、時間もございますので、第1章、「計画の基本的な考え方」の部分で御質疑ございますか。
北原委員
 今さまざまな委員から質問がありましたけれど、本当にこれが計画と呼べるものなのかどうかというのを素朴に疑問を持ちます。それで、基本構想が総論とすれば各論編じゃないかなと思っております。そもそも計画というのは、夏休みの計画を立てろといったときも、いつ何をやるとか、しっかりそれを立てるものであって、当然10か年計画の中で実現できる可能性のあるものをしっかり入れていくというのが10か年計画である。そもそも計画というものはそういうものであるというふうに私は理解しております。
 ところで、今、次長からもたくさん答弁をいただいたので、それはそれとして、本来ならば5年で見直すということができますから、PDCAサイクルのきちっとしたチェックをしていくということはわかるんですけれども、そのほかに、例えば5年間なら5年間で全体の計画の見直しができるのであろうと私は思っております。そうした意味で、10か年計画というのはあくまでも計画ということでありますから、しっかり実現できる見通しのある事業、あるいは施設の配置、あるいは財政的なものをしっかりその裏づけとして持っているのが計画だろうと思っております。これは意見だけで結構です。
 ところで、1点だけ質問いたしますけれども、学校再編計画案が出ておりますが、これも前期再編校とか後期再編対象校というのがあるわけですけれども、この施設においても先ほど次長が言った施設の考え方というのは適用されるのかどうか。その1点だけお聞きしておきます。
小谷松教育改革担当課長
 学校再編計画につきましては、ことしの10月を目途に計画を決定していきたいと思ってございます。したがいまして、再編計画は再編計画という形でしっかりと形をつくってまいりたいと思っております。
北原委員
 今そういう話なんですけれども、現実に再編計画案というのは今既に区民の方に公表されているわけでありまして、例えばその中で再編計画という形で決定されたものについても、財政的見通しとかを含めて、その後、例えば前期対象校が年次的に2年ずれるとか3年ずれるとか、先ほど前倒しの話もあったんですけれども、そういうことが起こり得るのか、あるいは、大幅な見直しがあるのかということも含めてもう一度お聞きしたいと思います。
小谷松教育改革担当課長
 先ほどもちょっと私、補足の中で区長部局と調整していますということをお話しいたしました。当然再編計画を進めるに当たりましては、きちんとした財源的な見通し等も持った上で、見通しを立ててしっかりとやっていくということがそのベースだと思います。そういう意味で、そこのところはしっかりと踏まえながら計画を策定し、着実に実行していくというものでございます。
委員長
 ほかにこの第1章の部分で御質疑ございますか。
 なければ、とりあえず第2章の方に進みたいと思います。
 先ほど担当課長の方から説明がありました部分が、当文教委員会に特に強くかかわっている部分ということを御意識していただいて御質疑をお願いしたいと思います。
久保委員
 済みません、もしかしたら前に質問が戻ってしまうかもしれません。第2章と第3章の違いなんですけれども、第2章、4つの戦略を定め、10年間で優先的に取り組みを進めていきますとなっているので、第2章の方がこの10か年計画では優先的に考えられているものがのっているというふうに、そういうふうな認識でよろしいんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
 特に重要なもの、それから、この全体の計画の中で重点的に考えるべきことを抜き出したものが第2章でございます。ただ、第2章は非常に重要な課題としてこういう展開を重視していくということではございますが、個々に例示しておりますさまざまな事業の方向、それから、取り組みの方向につきましては、ほかの第2章で示されている事業との関係というものもございますので、そういった中でどれをどういうふうにやっていくかという全体的な判断をしながらやっていくということになると思います。
委員長
 次長、ちゃんと教育委員会としてのお答えをしてください。
金野教育委員会事務局次長
 教育委員会といたしましてこの戦略の中に入っております、特に戦略3、元気いっぱい子育て戦略という中身につきましては、これを中野区として重点的なものとして出したいということで考え方の調整をするということで、私どもの考えも出してございます。教育委員会としてもこれは重点的なものというように思っております。ただし、これだけが重点なのかということではございませんで、教育委員会ではほかにも重点事項がございますので、そういった意味ではこれだけが重点で、ほかはよりレベルの低いものという位置付けではなくて、全体の中で判断をしてやっていくということになります。
久保委員
 よくわかりません。わざわざ第3章の中から抜き書きして、中野区として重点的にというふうにしたわけではないんですよね。特にそういうことではないんですよね。2章にも3章にも重なっているような部分もあるかと思うんですけれども。中野区して重点的に考えているけれども、教育委員会としてはこの戦略3にのっているところだけを重点的ととらえているわけではない。2章も3章も、教育委員会としては両方重点的ととらえているということなんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
 済みません、なかなか説明が難しくてわかりにくいかと思うんですが、ここの戦略4で出している課題、これにつきましては第2章の場合、第3章と違いまして、第3章は基本構想の領域の柱ごとに、いわば区分ごとにそれぞれこういうふうにやっていきますと書いてあるんですが、第2章の方は、例えば少子高齢化ということに対応するものとして元気いっぱい子育て戦略というように、よりわかりやすい切り口といいますか、時代状況を反映したとらえ方をして、再度構成についても第2章とはちょっと違った記述の仕方になっています。そういう意味では、この第2章が重点的な取り組み課題であるということははっきりしておりますが、個々の、この中で記述されております、事業そのものは書いてありませんが、事業の方向、施策の方向が書いてありますが、これにつきまして個々に書いてあるものは、例えば、ずばり申し上げまして第2章のものより優先的に予算措置をするのかどうかという議論になってきますと、それにつきましてそれぞれの事業の効果ですとか全体を見ながら判断していくことになると思いますので、今の段階でここの事業はほかよりも財政面で優先的なものだという位置付けにはなっていないということでございます。
江田委員
 総務委員会でうちの委員の質疑で、区報に発表するということで、区報に発表する際、この第2章を中心に出していくというような答弁をいただいているようですが、それはそのとおりなんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
 ちょっと区報の掲載の仕方については情報を得ておりませんので、私の方ではわかりかねます。
江田委員
 この第2章ですけども、今までにない章ですよね。切り口も今までにない切り口で書かれているんですが、そういう意味では、この10か年計画はどういうことを目標としてつくられているかということを区民に向けてアピールする部分がここに集中的にまとめられている--まとめられているというか、再構築されているというか、そういう部分かなというふうに思うんですが、その点についての認識はいかがですか。
金野教育委員会事務局次長
 この種の基本計画あるいは総合計画というものは、実際に執行する行政側で全体的な、体系的な理解を持つということと同時に、その自治体のすべての関係者に対して自治体の考え方、あるいは全体的な施策の方向を明示するというような二つの役目を持っているかというふうに思います。そういった意味では、この第2章につきましては、区民の皆さんにわかりやすい形で示すということにつきましても、かなりそれをねらいとした部分があるというように思っております。
小串委員
 言葉のことで悪いんですけど、戦略というのはどういう意味なんですか。それと、行政革新というのはどういう意味なんですか。
金野教育委員会事務局次長
 戦略というのは、本来経営用語から発生して、もともとは軍事用語かもしれませんが、一般的には今経営用語として幅広く企業経営とか、そういった中で使われている言葉というように思っております。次第に行政の中、あるいは政府のいろんな計画等でも戦略というような形で使われてきておりますので、今回中野でもここでは戦略という言葉を使ったものというように思っております。
 また、行政革新、確かに新しい言葉で、これまで中野では余り使っていなかった言葉でございますが、これにつきましてはここに書いてあるような内容で、行政のあり方を根本的に改めていくというようなことを表現する言葉として選んで使ったというようなものでございます。
小串委員
 意味を教えてください、両方とも。
金野教育委員会事務局次長
 戦略という意味は、もともと軍事用語でいえば具体的な行動を示す作戦とか戦術というよりも、より大きな概念、大きな目標とか、それから取り組みの方向とか、大きな枠組みを示すものというふうに使われてきておりまして、経営の分野でも個々の販売計画とかそういうものではなくて、企業全体の方向ですとか、あるいは市場のとらえ方とか、そういう大きな枠組みを示すものとして戦略という言葉が使われているというように思っております。
 それから、行政革新につきましては、行政改革というといろんなものがたくさん入って幅広い概念でございますので、行政自体の内部的なといいますか、みずからの取り組みというようなことで行政革新というような言葉を今回使ったというようなことで、そういうような考え方で私は受けとめておりますが、この行政革新の定義ということについては、ちょっとまだ庁内でもはっきりと定義されていないというふうに思っております。
小串委員
 庁内で定義されていないものが突拍子もなく急に出てくるという、その感覚がよくわからないんだけれども、行政改革という言葉は定着していてよく使われる言葉だからわかるんだけど、行政革新という一つの言葉、あるいはそれを使うに当たって、その言葉が先行してくるわけですよね。新しい言葉ですから余り聞かない言葉ですよね。だから、そこはこういう意味でこういう使い方をするということが、ある程度区民に対して説明できる状況というのがまずあってから使うべきだと思うんですよね。これを書いた人が急に思いついて使ったというような感じになるじゃないですか。説明を聞いても意味がわからないんですよね、行政革新という。あるいは、戦略にしても目標なら目標でいいわけだから、戦略という言葉を使うなら、何かを攻略するという意味でしょう。違うの。じゃあ、何に戦いを挑んでいるの。
委員長
 次長、お答えできる範囲でお願いします。
金野教育委員会事務局次長
 この「戦略」という言葉、あるいは「行政革新」という言葉を選んだということにつきましては、それぞれ計画担当の方で一定の考え方を持っていると思いますし、また、例えば行政革新ですと、20ページに中野区の考えている行政革新の内容というものについては、三つの改革と八つの取り組みで、これを行政革新というように呼んでいくんだということで、一応の言葉の中身は記述されているかというふうに思います。戦略につきましては、一般的なことでしかお答えできないんですが、何に戦いを挑んでいるのかということであれば、中野区のさまざまな将来に向けての課題、想定される困難、あるいは現状の問題点の解決ということのために、長期的に、また大きな方向づけとしての進み方、あるいはその考え方ととらえるというものが戦略というような使われ方をしているだろうというように思っております。
小串委員
 今ここでやりとりしていてもしようがないんですけど、私自身が言いたいのは、言葉を急に使うのならば、その言葉をきちっと定義づけをして、こういう意味で使うんだから、それでこういう目標に向かってこう進めていく道筋をあらわすというか、きちっと定義づけをしておかないと、起草した人が思いつきで言葉を、その人のアイデアでやっていくというものじゃないと思うんですよね。だから、そういうことをやっぱりきちっとしておいてもらわないと、今まで積み上げてきたもので急にそういう言葉が出てくるということすらちょっとよくわからないんだけども。そんなことを質問してもしようがないのでこれだけにしておきますけれども、やっぱり「行政革新」というような新しい言葉を使うならば、今までよく使われている「行政改革」という言葉とこういうところが違うんだと。中野としてはこういう取り組みをするからあえてこういう言葉を使いましたというような、当然説明が必要だと思うんですよね。ちょっと注意していただきたいと思います。
委員長
 要望ですか。
小串委員
 要望で結構です。
昆委員
 こちらの第2章のところでいろいろ書かれてはいますけれども、教育委員会がかかわっている項目の中で図書館についての記述がここの2章のところにはないんですけれども、これはどういうことなのでしょうか。第3章、「10年後の中野の姿とめざす方向」の中には書かれていますけれども、2章にはないので、なぜなのかということをお聞きしたいんですが。
金野教育委員会事務局次長
 第2章は全体を総合的にとらえたものではなくて、先ほどから御論議いただいております4つの戦略という形でかなり重点的に絞り込んで、そこに直接結びつくようなものにつきまして解決すべき課題、あるいは取り組みの方向という記述になっております。図書館につきましては、こういった中では直接取り上げた4つの戦略と結びつくというような記述の仕方をしなかったということでございます。
昆委員
 4つの戦略に結びついていないというふうなとらえ方なんですけれども、生涯学習だとか、85歳まで生きるために活動的な85歳を目指す展開4というのもあるんですけれども、そういう記述があるんですから、中野の図書館行政の考え方といいますか、そういう記述をこの第2章のところに載せなきゃいけないんじゃないかと思うんですよ。生きがい戦略というのがあるわけですから、そういう文化的なものがなぜ載らないのかなというふうに思うんです。といいますのは、先ほど江田委員がちょっとお聞きしておりましたけれども、区報に載せる掲載記事がどこを中心に載るのかということでいいますと、第2章というふうに私もちょっと聞いているものですから、そこのところだとしたら、より図書館関係の記述というのはきちっと挙げておいた方がいいんじゃないのかなというふうに思うんですけれども、どういうふうにお考えなんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
 ここの元気いっぱい子育て戦略の中のさまざまな、例えば豊かでたくましい心と体を育てるという中には図書館の役割というのは入ってくるわけでございますが、図書館という具体的な施設、あるいは施設の持っている機能を挙げて具体的に書き込むということをここでは特にしていないということでございます。それにつきまして図書館をここにもさらに明示すべきだということにつきましては、これからこの素案につきまして区民との意見交換などをずっとしていく中で、またそういった意見についても区の方で受けとめていくということになるだろうと思います。
昆委員
 その図書館の考え方なんですけれども、第3章の方には学校図書室と地域図書館の連携というふうな形で書かれているんですよね。その区の考え方がいいかどうかということはまた議論があるところで、私もいろいろ意見を持っております。しかし、だからこそこれからの中野区政が、地域図書館等についての考え方というのは、施設のゼロベースという考え方も含めて非常に関心が高いんですよね。そこのところをなぜきちっと示していかないのかなというふうに思うんですけれども。意見があったからそう伝えますということではなくて、基本的にその点をどうとらえて議論してきたのかということにかかわるのではないかなというふうに思うんですが、その点についてはどうでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
 この第2章の4つの戦略の中でも、子どもたちの書く、聞く、話す、読む力を高める教育という中では、読む力というようなことも書いております。これに図書館ということは大きくかかわってくるというように思っておりますが、ここでは具体的に図書館という言葉をどういうふうに書き込むべきかということにつきましては、これからさらに議論ができると思いますが、この戦略の出し方の中では、具体的な施設名として図書館というふうな記述を特にここでしていないという形のつくり方になっております。子どもの能力といいますか、聞く、話す、読む、書く力を高めるというようなことの大きな方向の記述をしておりまして、そのほかは具体的な新しい取り組みを始める場合、あるいは特徴的なプログラム等に取り組む場合というようなことを中心に記述しておりますので、そういうことで今のところ図書館の記述というものが入っていないということになっております。
昆委員
 それから、地域、家庭、学校が情報と目的を共有することによってということで、地域の中で安心した子どもたちの育ちの環境をつくるということが書かれているんですけれども、児童館の遊び場機能と、それから学童クラブを学校に入れるというこの問題なんですが、ここにもこれまでいろんな区民の意見も出されておりますが、子ども家庭部の方がこれまで所管という形でいろいろ議論も重ねてきているんですが、教育委員会としてはこの問題についてきちっとした考え方をまとめられたんですか。学校教育の場に児童館の遊び場機能、学童クラブを入れるということについての教育委員会の考え方というのは、きちっと定まったというふうにとらえてよろしいんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
 学校をさまざまな形で活用するということ、特に具体的に出ております子どもの遊び場機能、それから、学童クラブについて学校の中に入れていくということにつきましては、教育委員会では学校施設が区民のもの、地域の施設である以上、学校教育に支障のない限りさまざまな活用の仕方、さまざまな効果を発揮できるような使われ方ということについては、そういうことを探るということは妥当な方向だろうというように思っております。ただ、これにつきまして具体的にどういう規模でどんな形で学校に入ってくるかということによって、今申し上げました学校教育との関係というものがかなり違ってくるというように思っております。そういったことから現在子ども家庭部とは具体的な、入れる場合どんな形で入るのか、また、どんな運営が想定されるのかというようなことで調整を図っていて、そういうことがある程度見えてきた段階でまた教育委員会でも協議をしていくということになるだろうと思います。
昆委員
 これまでも学校施設が、地域のいろいろな防災の観点だとか、デイサービス等も学校施設の中に併設しているわけですけれども、そういう考え方がずっとあったんですが、この10か年計画の検討素材の段階から、学校の中に児童館機能、それから学童クラブ、それからもう一つは地域の図書館、乳幼児親子対応というふうな形で、いろんな考え方を学校施設の中に組み込むというふうな考え方を示されています。これについて本当にこういうものが学校の中に機能として入ったときに、教育施設としての本来のあり方、機能、また、学校教育にかかわるいろんな問題点、課題というものを本当に検証して皆さんのところではこういう考え方を示しているのかということが非常に疑問に思ってしまうときがあるんですが、それは教育委員会としてきちっとその辺の考え方を、実情も踏まえてもう少し検討すべきではないのかなというふうに思うんですが、そこはどういうふうに議論されてきているのか、全く見えてこないんですよね。それで、今の御答弁でもこれからの検討だというふうなことなんですが、具体的にはこの10か年計画の素案が区民に示されていくわけですから、教育委員会はいつまでも検討、これからまたいろいろ調整してというふうなことで説明会に臨むのかどうか。そこら辺が私はとても疑問に思いますし、教育委員会の考え方がわからないというふうにとらえていますが、その点についてはどうですか。
金野教育委員会事務局次長
 ここで言っている児童館の遊び場機能を学校の中に、学校を拠点とした形にしていく、あるいは学童クラブを学校内に設置を進めるということにつきましては、本来子どもの遊び場機能がどうあるべきか、それから、学童クラブをどういうような役割と配置の考え方にすべきかというのは、教育委員会が専ら考えるということよりは、それを所管する子ども家庭部が考えて、必要な調整につきましては教育委員会も入って行うということでございますので、私どもの方としては学校の施設とのかかわりになる限り教育委員会もきちんとした議論をしなければいけないというように思っております。もちろんそれ以外にも意見交換等は現に行っているわけでございますが、これにつきまして直接学童クラブはどういうふうな形であるべきかということを教育委員会では今までも論議しておりませんし、また、これからも論議するというような位置付けではなくて、区長部局の示された考え方に沿って学校教育とのかかわりについてどうなのか、あるいは、実際に学校の施設に入ってくる場合の具体的な内容を考える上でどうなるのかというふうな議論をしていく必要があるというふうに思っております。今の段階ではこれにつきまして、例えば全部の学校に一斉に一律に入れるなんていうふうなことはとても難しいというふうに思っておりまして、具体的な施設の内容を見ながら個々に協議をして、どういうふうな形でどんなふうに進めるのかということをやっていく必要があるというような認識で調整を図っているところでございます。
委員長
 ちょっと早いんですが、今5分前ですので、3時10分まで休憩をとりたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
 では、委員会を暫時休憩いたします。

(午後2時55分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後3時13分)

 休憩前に引き続きまして質疑がございましたら、第2章について引き続いて御質疑を受けたいと思います。なければさらに先に行きますけれども。
第2章、とりあえずはよろしいですか。最後に全体にまた戻れればと思っていますので。

〔「はい」と呼ぶ者あり〕

委員長
 それでは、第3章、所管の部分につきまして御質疑ございますでしょうか。領域Ⅱです。49ページから68ページまでが主な所管の領域というふうにお考えいただいてと思っております。
昆委員
 3章の全体に通じることなんですけれども、成果指標と目標値というのが出ていますよね。この実績というのは現在の実績のところといいますか、その数値でお出しになっているのかなというふうに思うんですが、21年度、26年度というこの目標値の出し方ですね、どういうふうに検討してこの数値が出てきたんでしょうか。
委員長
 全体ですか。
昆委員
 全体です。
金野教育委員会事務局次長
 それぞれ成果指標と目標値ということで出してありますが、実績は現在の数値、それから、5年後にここまで到達したい、実際には改善あるいは向上させたいというような数値につきまして、これまでの推移とか、それから、どの程度の範囲で変わり得るような指標なのかというようなことを議論しまして入れてあります。どうしても数値が出しにくいところは単に、体力のところなどは向上というような形でお示ししておりますが、これにつきましてもさらに議論が必要と思いますが、私どもの方でこの程度の目標値であれば5年後に達成の可能性があると。これを目指して進めていこうというようなことで5年後、それからさらに10年後という形で数字を出しているものでございます。
昆委員
 例えば51ページですね。子育ての自主的取り組みや地域の育成活動に参加した大人の増加というふうになっていまして、実績に数字が入っていませんよね。実績に数字が入っていなくて21年度は1万4,000人、26年度は1万5,000人というふうなこの数値の出し方なんですけれども、何をもとにこういう数値が出てくるのかというふうに思うんですよ。それから、地域活動やグループ活動への子どもの参加率の向上というのもあるんですが、これは現在、16年ということですから74%というふうになっていますが、これは何に基づいてこの数値をここに出したんですか。アンケートか何か、そういう参加状況みたいなものが資料として集計されていて、それによってこの数値が出されて、26年度には85%まで持っていきたいと。その持っていくためにはどういう方策をとるかということも検討して出されたんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
 まず、51ページのところの指標につきましては子ども家庭部の方で設定をして、計画サイドと調整した上で載っているものでございますので、具体的な数字の根拠については私どもの方では把握しておりません。ただ、一般に実績について空欄のものにつきましては、現在未調査であるとか未集計であるものにつきまして現在のデータがないという形にして、ほかの自治体の例ですとか、それからほかの、区以外での調査結果などからおおむねこんな形ではないかと言われるものについては目標値を出しているものもあるというようなことです。また、ここの数字についてちょっと、子どもの参加率74%がどちらのデータかわかりませんが、これは世論調査あるいは活動している団体への調査という、どちらかのデータを当て込んでいるものというように思っております。
昆委員
 済みません、ちょっと私の質問の仕方が悪かったです。例えば60ページでいいますと、これは教育委員会がかかわる数値ということになりますよね。60ページ、61ページというところが教育委員会がかかわるんですけれども、例えば60ページの、学校は子どもに自他の生命を大切にする心を育てていると感じる保護者の割合というのがあるんですが、これも何か統計をとって出てきた数値なんですか。
小林指導室長
 ここの成果指標につきましては、現在行っております外部評価の中にこうした項目を入れ込んでございまして、その調査、外部評価の結果をもとにしてこうした数値を掲げ、そして、向上させていこうという、そういったようなことでございます。
昆委員
 そうしましたら、向上させていくというのはどこの分野にも通じるんですけれども、26年度ですよね、10年後ということですから。そこのところに、この数値まで持っていくために具体的にどういう方向を示し、どういうふうにやっていくのかということは、なかなかこの文章だけでは、非常にいいことを書いているなというふうに思うぐらいなんですけれども、10年後の数値を出したというのはどういう議論のもとにその数値を出したんですか。
小林指導室長
 この数値に関しては、内容によっては100%が望ましいものもあれば、現実問題としてなかなか100を求めるというのが難しいようなものもあろうかと思います。この項目に関しては現状の数値、15年度のものを持ってございますので、それをもとにして少しでも高いものを望んでいこうということで算出したものでございます。状況に応じてこの数値が適当であるかどうかというものも、常に見直していくことも重要であるかというふうには考えておりますけれども、当面目標値を定めなければというようなことがございますので、これを目途に、またこれを上回るように努力していこうというふうに考えているところでございます。
昆委員
 そうしますと、具体的に年次計画も出されておりませんから、どういうふうにこの10か年計画を進めていくのかということが文章だけでしか私たちは今見ることができないんですね。ですから、例えば年次計画等を立てるときに、具体的に何年度までにはどこというふうな形で示すことができるんですか。
小林指導室長
 この部分だけに関しましては、具体的にその後の主な取り組みの中に幾つかそういった具体的な取り組みについて出ております。これが具体的かどうかというのはさまざまな見方があるわけでございますけれども、例えばこの欄でいきますと、生命を大切にする心を育てていくということでございますので、人権教育であるとか、さまざま重要なもの、もちろんこの目標、ねらいに迫るためには、これだけではなく、学校教育全体で行っていく必要があるものも大いにございますので、そういったものも含めて包含的に具体的な取り組みについて考えて、そして実践していく必要があると考えております。
昆委員
 なかなか具体的にお答えが出ないのかなというふうに思いますが、これはこれでいいです。
 もう1点、学校図書館の地域開放の推進というのがあるんですね。64ページですけれども。ここは、先ほどもちょっと触れましたが、乳幼児向けの図書や子育てに関する図書の充実を学校図書館--図書館というんでしょうかね、あれは図書室じゃないかと思うんですけれども、その充実を図っていくというふうに記述されているんですね。この考え方なんですが、現実に学校教育の事業をやっているところに乳幼児親子がどこからどういうふうに現在ある図書室に入って、そこを活用して乳幼児対応、また、子育てに必要な図書の利用というか、そういうものを現在のところから見てどういうふうにお考えになっているのか。その点についてお答えください。
細木中央図書館長
 学校図書館地域開放につきましては、学校の施設そのものを開放するということでありますから、小学校の図書館につきましては学校教育の課程に備えた事柄がその本質的な事柄でありまして、学校を開放することの一環という考え方で図書館も開放するという考え方も一つあって、図書館の側からいたしますと、図書館のスキルやノウハウを活用して学校の図書室を地域の方々に御利用いただくという、両方からのアプローチの仕方があるわけですが、逆にこの文章をお読みいただきますと、地域に開放するには条件を整えなければならないということです。時間もありますし、人もありますし、資料もありますということです。アクセスの条件整備もあります。そういうことを整えて地域に開放するということでございます。整えてです。ですから、かなりお金のかかる話ということになりますので、そう一遍に何もかも全部やるというふうなことにはなかなかしがたいというふうに思っております。
昆委員
 実は教育委員会と子ども家庭部、そのところといろんな調整をしなきゃならない点の一つにやはりここもあるんだというふうに思うんですよね。それで、一方では子ども家庭部の方で示されている(仮称)地域子ども家庭支援センターというのが新たに区内に4カ所つくるということなんですけれども、考え方として、例えばそういうふうな考えを示したときに、乳幼児親子対応だとか子育てに必要な図書の利用だとかというのは、むしろそういう家庭支援センターというものをつくるならば、その機能の中に入れ込むということだって一つの手法としてあるんじゃないか。なぜ学校の図書館をそういう形の利用の仕方で、今、図書館長がお答えになったように施設の改善をしなければ不可能だというふうな考え方があるし、施設の改善をするにはお金もかかるということですし、どの年次で実現の方向に向けての計画が立てられるのかということもありますけれども、そういういろんなことを考えて連携した議論というものをされているのかどうかということを私はお聞きしたかったんですね。その点についてはどなたがお答えしてくださるんでしょうか。
細木中央図書館長
 子どもの読書推進という観点から申し上げますと、図書館が一義的に所管しているというふうに思われますので私の方からお答え申し上げますが、子どもの読書推進を全庁的に、あるいは庁内のあらゆる部署でそれに取り組んでいただくというふうな考え方というのは、当然読書推進の立場からあるわけであります。しかし、場所を得られたとしても資料の問題でありますとか、サービスする人の問題でありますとか、いろいろございますので、図書館の方でそういった場所への援助をどうしようかということを今一生懸命考えているところでございます。現状整ってきていることとすれば、学校図書館への図書資料の団体貸し出し等を通じての支援の策というふうなことを今やっているところでございまして、子育て支援センターでの具体的な事柄というところまでまだ調整は進んでございませんけれども、読書推進という立場からあらゆるところでのサービスということについて推進していきたいというふうに思っています。ここに計画として載ってございませんけれども、考え方としてはそういう考え方をしています。
篠委員
 学校選択制は大きい問題だと思うんですけど、別にどこにも入れる気はなかったんですか。
金野教育委員会事務局次長
 学校選択制は具体的な一つの仕組みでございますので、この計画の中には特にそのものとしては言及してございません。教育ビジョンの中などにはそれぞれ保護者や子どもたちがみずからの判断で選ぶような仕組みというような形で言及してございますが、これについては一つずつの事業、あるいは仕組みについては言及しておりませんので、学校選択制という言葉では特に明確に出ていないということになっております。
篠委員
 62ページの教員の人材育成及び確保というのは、10年継続的に取り組みたいという意欲として感じられるんですが、私は文教委員会で何回も指摘しているんですが、小学校の区立は承認できると。しかしながら、公立の中学は、本当のことを言うと余り行きたくないんだというような流れを私は感じてならない。それはもう教育委員会が音頭をとって、体を張ってでも安いお金で最高の教育ができるという場所の提供という姿を、教育委員会が真剣に取り組んでいるんだという姿を見せろと何回言ったかわからないんですが、一人ひとりの力に合った教育をしますと。じゃあ、うんと頑張っちゃった人に限って基本的なことを繰り返してやることが大好きな子が多いんですけど、そういう人にも対応するという姿を想定して一人ひとりの教育に対応すると書かれたんですかね、ここは。
小林指導室長
 今御指摘の教員の人材育成及び確保ということからお答えいたしますと、やはり公立学校の信頼、そして教育の向上を果たしていくためには、詰まるところ教員の指導力の向上が必要であろうかというふうに考えております。そういう点では、従来公立学校は東京都全体で広域な人事異動が行われておりましたので、その全体の中での教員養成という視点が多かったわけですけれども、現在特に、それぞれの地域性であるとか、また、今、委員御指摘のように一人ひとりの多様なニーズというものにしっかりと対応していかなきゃいけないというような、そういう要求がございますので、やはり区の教育委員会としてしっかりとした質の高い指導を、一人ひとりに応じた指導を展開していくことができるような、そういった指導力を持った教員を育てていくという視点から、これはこの10年に限らず今後とも教員の人材育成、さらには確保に努めていく必要があるという観点からこのような形で入れ込んでいるところでございます。
篠委員
 場所を変えてまた質問させていただきますけど、例えば杉並区から越境してでも中野区の、例えば北中野中学なら北中野中学に10人単位で希望者がいるというような例もあるやに聞いているんですが、事勉強に関してかどうかは定かじゃないんですが、あの勢いが気に入ったとおっしゃるのかもしれないです。それは情報はつかんでいないんですが、いずれにしろ教育委員会の指導力というのは、やっぱり学校現場では相当高く評価される。ところが、学校の独自性、土曜日を使ってうちの学校は特別に講座をしたいんだとかいうような自由は与えられているんですか。
小林指導室長
 現在教育委員会では、それぞれの学校の特色ある教育活動を推進していくことが重要であるということで、そうした意味での重点校なども積極的に設置しているところでございます。土曜日の使い方に関しましては、現在学校週5日制というような枠組みの中で行っておりますので、この扱いについては教育課程の外でということになろうかと思います。ただ、今後この土曜日の扱いについては全体の、国や都の動向などを見据えながら検討していく余地があるというふうには考えております。
篠委員
 ここでやってはいけない問題にも入っちゃうかもしれないんですが、例えば熱心な先生がいて、こういう目標を持った何人かの子どものために放課後の1時間を使いたいといった行動は許されるんですか。それとも、教員同士の引っ張り合いがあって、目立つのもいいかげんにしろというような雰囲気の中で許されないのか。教育委員会でとめちゃって許されないのか。そういう熱心は大変結構という大きな心で教育委員会のスタンスが現時点であるのか。その辺はっきりしてください。
小林指導室長
 今の御指摘の内容に関しては、やはりその時間であるとか内容であるとか、そういったものによってもさまざま判断をしなければならないことだと思います。しかしながら、その時間とか内容、その範囲をしっかりと勘案して学校長が判断して、熱心に取り組む教員の意欲をそぐことのないように、また、そういった力を学校の一つの特色として位置付けていくことも大事だというふうに考えております。
はっとり委員
 52ページの子どもの安全対策の強化というところがあります。これは103ページにも関係しているんですけれども、ここで書かれていることは確かにそのとおりだと思うんですが、やはり学校あるいは保護者を初めとする地域の大人の役割ということと同時に、子ども自身の生きる力をつけていくための取り組みということも非常に重要なんじゃないかなと思うんですね。それがここに書かれていることでは読み取れないといいますか、その辺はやはり子ども自身の生きる力をつけるためにどうするかというところの対応策が必要なのかなと思うんです。そういう意味でいうと、103ページに書かれているのも区民の暮らしを守るということで、区民自身がどうじゃなくて、区民自身を守る、守る対象として区民を見ているということで書かれているんですよね。同じようにこの52ページの子どもの安全対策でもそう書かれていて、子ども自身が主体的に書かれる必要があるんじゃないかなと思うんですけれども、そのあたりについての考え方はお持ちですか。
小林指導室長
 この52ページに関しましては、子どもの安全対策の強化ということで、主に安全対策を考えた場合にはハード面、ソフト面、さまざまあろうかと思います。今、委員御指摘の点は、どちらかというと学校教育における指導にかかわっての御質問かというふうにお聞きいたしました。ここに書かれていることはどちらかというとハード面で、子どもを取り巻く状況に安全性を高めていこうという、子どもを守ろうという発想でございますが、今御指摘のように子ども自身がどのように安全に関しての認識を高めて、実践力を培っていくかということに関しては、当然学校教育の中で進めていくべきことだと思います。学校では従来から毎月安全指導を、教育課程の中に8月を除いて月1回は位置付けております。これ以外に避難訓練等もやっているわけでございまして、そうしたものは意図的、計画的に教育課程の中に位置付けておりますので、今後ともこうしたハード面の安全対策とリンクさせて充実させていきたいというふうに考えております。
はっとり委員
 確かに学校の教育のソフトの部分と、それから地域のさまざまな方々が取り組む、そこに子どもが入っていくということも当然あるんだと思うんですね。最近、地域の安全マップづくりというのが各地で行われていて、その安全マップを、ここが危険だよとか、ここには行くなよというようなことが書かれているものを子どもに与えたとしても、子どもは一方的にそこには行けない。だけど、行ってはいけないことを自分で考える力はそれでは育たない。だから、そういうことがきちんと子どもに力がつくようなやり方で地域の中でも進めていくということが重要だというふうに思いますので、ぜひそうした面での取り組みをお願いしたいと思います。これは要望です。
昆委員
 61ページです。これの下の表のところで、子どもたちの学力の状況を示すためということで、学力調査に基づいた指標が出ているんですが、実績が51.2%、21年度は55%、26年度が60%というふうになっているんですけれども、まさに学力の向上という取り組みこそ、10年待っても60%の数字しか出せないのかというふうにとらえられませんか。何かその辺のところはどういうふうに、今の学力調査をせっかくしていて、それに基づいて子どもたちの学力の向上をどうやって上げようかといろんな取り組みをされていると思うんですよ。その成果というのは本当に待ったなしだと思うんですね。成果を上げるということでいえば、10年待っても60%というその出し方自身が、どういうふうな検討のもとにこういうふうに出されたのかなと私は思ってしまうんですけれども、まずその点についてはどういう考えだったんでしょうか。
小林指導室長
 この指標については大変わかりづらいということで、まずその点はしっかりと説明しなければというふうに反省しているところでございますが、実はこの学力調査の指標に関しては前々からもたびたびそういった機会あるときにお話をしておりますが、現在の学力の調査の見方でございますが、いわゆる総合点とか平均点というような概念ではなくて、言ってみれば100点の中の60%で60点をとったという意味ではございません。これは各教科の項目、これはもう少し厳密に言うと観点というふうに申し上げておりますけれども、例えば読む力とか書く力とか、また思考力とか、そういったさまざまな各教科の項目、さらにはそれが各学年ごとにございますので、その指標が80以上にも上ります。その80以上の一つひとつについて、それが全体の7割以上を達成している項目が6割以上ということでございまして、60というと、ぱっと聞きますと低いようにお思いになろうかと思いますが、実際に一つひとつの項目について、それがおおむね満足した形、これが70%を超えた項目が現在では51.2%ということなんですね。その項目を6割以上に引き上げていこうということでございます。もちろんこれで満足するというものではないというのは、御指摘いただければそのとおりだというふうに思いますので、その点は真摯に受けとめまして、子どもたちの学力向上のためにさまざま取り組みをしていきたいというふうに考えております。
昆委員
 この学力の問題と、62ページになりますが、少人数指導の推進というのがあって、これも教育委員会は、私たちが議会で30人以下の学級をということを言いますと、必ず少人数指導と習熟度別指導、これをやっていくんだと。だから、東京都の40人という今の基準は変えないと。その上に立ってこの10か年計画も、学校の再編計画と同時にクラスの中で少人数指導と習熟度別指導を今後もやっていくんだというふうにずっと御答弁されているんですが、実際に今の、私も中学3年の子どもを育てていますから現状よくわかるんですが、40人に満たないクラスではあるんです。それでも1クラスが30人以上ですけれども。そういうクラスの中でも、なかなか子どもたちの学力といったときにどうなのかというふうに思われる点もあるんですね。それを学校再編を進めて、1クラスが40人近い人数にしていくわけでしょう、再編していくわけですから。そういうふうな形で学校の再編をし、人数をふやしていくというふうなことだとしたら、その中で幾ら少人数指導だとか習熟度別指導といっても、それは1クラスのクラス単位の学力を上げるというふうなことに結びつくのかどうかということを非常に私は疑問に思うんですよね。
 それぞれの教科、科目、数学だとか理科だとか、そういう特定した教科のところで習熟度別、少人数指導というふうなものを現在取り入れていますけれども、それはクラス単位ということにはならないわけだから、そういう考え方をこれからもずっと一貫してお持ちになって、それで40人学級にこだわり、学習内容は少人数指導、習熟度別指導だというふうにこだわり続けるということが、今の教育の流れからいって一体どうなんだろうかと非常に疑問に思わざるを得ないんですよね。そう聞けばこれまでと同じような御答弁が出るのかもしれませんけれども、10か年計画をつくるときにその辺の、今後の中野の教育のあり方としてもっと深く、今の全国の流れのようなそういう角度で、または文科省が考えているような考え方をきちっと議論していくという姿勢は、この計画の素案を見た限りは何も見えてこないというふうに思うんですけれども。同じような御答弁がまた出てくるのかもしれませんけど、私はそういうふうに思いますが、いかがなんでしょうか。
小林指導室長
 少人数指導と少人数学級というのは、根本的にかなり考え方が違っておりまして、少人数指導となりますと、例えば教科によって、音楽であるとか体育であるとか、これはある程度人数があった方が指導上効果的であるということもございます。また、社会性をはぐくむという観点からもある程度人数が必要だということは、従来からもさまざまなところからお話をさせていただいているところでございます。今のお話では、再編で40人近くなると。それは、必ずしもなるかどうかはともかくとして、仮になったとしても、逆にこの少人数指導は極めて有効になってくるというふうに考えております。すなわち習熟度において、しっかりとそれぞれの子どもの力に合った指導をきめ細かく行っていく。そういうことによって学力を確かなものとしていくということでございますので、40人の枠の中でそのままで指導するのではなくて、少人数指導を、習熟度別指導を取り入れることによって、それぞれの子どもたちの力をそれぞれの状況からさらに引き上げていくことが可能である、極めて有効な指導であるというふうに私ども考えておりまして、各学校でも成果が上がっておりますので、今後とも推進していきたいというふうに考えているところでございます。
昆委員
 そこの皆さんのお考えが相変わらず同じような御答弁しか出ませんから、それをどうというふうなことは言いませんけれども、ただ、やっぱり子どもたちというのは、小学にしても中学にしても、1クラスの人数の中でお互いにそれこそ協力し合って一つの行事をこなして、いろんなことを学び合っていくということはクラス単位なんですよね。現実的にクラスで協力していく。それから、友達関係もつくっていく。いろんな意味でのクラス単位というのが非常に大事だというふうに私は思っているんですけれども、それを習熟度別ということで分けて、なかなかおくれがちな子どもたちにも個人的に指導して底を上げていくというふうな考え方も、それは私も否定するものではありませんが、しかし、やはり基本となるのはクラス単位のところで学習の向上をどうやって図っていくかということが、その子どもたちが後に社会に出たときも、同じクラスの友達と助け合って、協力し合ってこういう成果が出たんだと、一つのことをなし遂げたんだというものが非常に自信になるというふうに思うんですよね。だからこそ、少人数のクラスの中で一人ひとりの授業をきめ細かく行うことと、体育の話も出ましたし、音楽の話も出ました。それはある一定の人数がいなければというお考えもあるかもしれませんが、体育なんていうのは2クラスで一つの体育ということだって、それは可能性として、今だってあるんじゃありませんか。一定の人数になりますよね。そういうふうな考え方もあるわけだから、なぜそこにこだわるのかなというふうに私は思い続けております。これはいいです、お答えは。もういいです。
 もう1点、質問の方なんですが、65ページです。子どもの健康づくりのところで、学校教育のところで健康教育と食育を推進するというふうに言われているんですが、中野区ではかつて健康学園がありまして、99年に廃止されたんですけれども、その廃止されたときに学校健康づくり推進委員会を設置する。それにかわるものを設置して、そこのところで子どもたちのぜんそく対応だとか、アレルギー対応だとか、生活習慣病にならないような、そういう対応をするんだということをずっと言ってきたんですよね。だけどこれ、2004年までの健康づくり推進委員会の開催状況を資料で見ているんですけれども、ここのところでどれだけの成果が上がっているのかというふうな思いがしてならないんですね。ですから、ここで10か年計画でこういう食育の推進だというふうに言われておりますけれども、今だって肥満だとか、生活習慣病予防検診の10年間の推移というのが出ているんですけれども、子どもの数は減っているんですが、しかし、指導を要する生徒の数は減っていないんですよね。だから、こういうものを見たときに食育の教育といっても、実際に今置かれている子どもたちの健康をどう守り指導していくのかということが、なかなかこの文章では見えてこないんですけれども、どういうことをお考えになっているんでしょうか。
相澤学校教育担当課長
 今、委員から言われた学校健康づくり推進委員会などを通して、子どもたちの健康や食育については、私も課長になりまして初めてこの間参加しましたけれども、熱心に議論しているところです。そういった中で今言われたような食育、こういったものも、まず現状の子どもの生活環境も含めて食の状況がどうなっているのか調べよう、そういう必要があるんじゃないか、そういうような論議がされていて、近々そういった取り組みも行っていきながら、こういった健康の増進、推進について積極的に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
昆委員
 現在学校の中で、ぜんそくだとかアレルギーだとか肥満だとかというふうな子どもたちに対しては、どういうふうな指導をされているんでしょうか。
相澤学校教育担当課長
 それぞれの学校で健康診断の結果、そういったものも踏まえて養護教諭などを中心に指導しているところでございます。
昆委員
 それは現在でもその成果というのは上がっているというふうに受けとめていいんですか。その子どもたちの健康が改善されているというふうに受けとめてよろしいんですか。
相澤学校教育担当課長
 なかなか成果は目に見える形ではあらわれにくいという部分もありますけれども、そういった指導の部分の数値を抑えるとか、そういったことについては積極的に取り組んでおりますので、成果は上がってきているのではないかと思っております。
昆委員
 99年に健康学園を廃止するときに、区がこれからもそういう子どもたちに対してのフォローはきちっとやっていくというふうなことを議会にも約束しているわけだし、区民にもそういうふうに説明をして、学校健康づくり推進委員会というものを設けてやってきているわけですから、それはやはりきちっと、ここの10か年計画にこういう文書で書かれていて、実際にいつまで子どもたちの健康の、この資料で出されている生活習慣病の予防検診におけるこの数値、これがどこまで改善されていくのかというふうに思うんですけれども、これだって10年もかけてやっている問題ではありませんよね。きちっと対応してやらなきゃいけないわけですから、その辺のこともきちっと具体的にどうするのかということを区民に見える形で示していただきたいというふうに思うんですが、いかがですか。
相澤学校教育担当課長
 今言われたようなことについては、実際にはやはり健康づくり推進委員会などを通してきちっと、実際にやる上では行っていきたいと思っております。
江田委員
 時間が大分進んでいますので、なるべく手短にお聞きしたいと思います。何点かあります。
 最初は、先ほど昆委員も質問していましたが、少人数指導の推進の問題です。これは、過去に私、この部分について質問させていただいたんですが、現在の学校のクラスの人数、40人ですよね。上限が40人となっていますが、これを前提とした考え方がこの文書の基礎になるというふうに私自身は思っております。それから、63ページの区立学校の再編整備ということですが、これは、ここには書いていないけども、この前出された文書には明らかに40人学級を前提としてという、わざわざこういうただし書きが書いてありますよね。つまり、文部科学省も今の40人学級では子どもたちが多過ぎると。各自治体の取り組み、少人数クラスにしている自治体の実践のさまざまな積み重ね、報告の中から、文部科学省もやっぱり今の40人学級を見直さなきゃならないというところに来ているわけですよね。47都道府県のうち既に45が少人数学級に踏み出し、残っていた東京、香川のうち、香川は来年40人以下を目指すというところまで来て、最後、東京都だけが残っていると。そういう中にあって我が中野区は、東京都がそう言っているからあくまでも40人学級を前提とした計画なんだという、ここに一番の問題があるんだと思うんですね。つまり、10か年計画をつくると、これからの中野の新しい方向を示していくんだと言いながら、いまだにこの部分については40人学級にいつまでも固執しているというのが問題だということを、私も繰り返し言ってきたし、今の昆委員とのやりとりの中でもそこが言いたかったことなんだろうと思うんですが、その点について再度どういう考えなのか、ここには明確に示されていませんが、その部分についてどのように考えておられるのか、お聞きしておきたいと思います。
小谷松教育改革担当課長
 学級の規模と、それから実際に教育を行う過程の中で少人数のメリットを引き出していくというような、そういった考え方につきましては、先ほど指導室長の方からその概要についてお話し申し上げました。また、再編の関係で40人学級ということで今お話がございました。確かに国の方で見直しの検討に入ったということがございますが、ただ、その方向についてはなかなか見通しがはっきりしていないという部分もございます。また、東京都におきましても、今、委員お話のとおり40人学級を堅持するとしているわけでございます。学級編制の同意権というものにつきましては都道府県が持っているわけでございまして、やはりそういった枠組みというものを一つ前提とした中で、着実に実行可能な計画としていくということは必要だと思っております。そういう意味で、これから策定を予定してございます学校再編計画につきましては、40人学級を前提とした中でこれを推進してまいりたいというふうに思ってございます。
江田委員
 そこに、最大の問題、矛盾が含まれている。これで子どもたちに豊かな教育を保障する。いろんなところでそうした言葉が踊っていますけども、そうした努力を教育委員会が、教育条件の改善に責任を持つ教育委員会の姿勢として、それでいいのかということが厳しく問われているんだということを申し上げておきたいと思います。
 57ページでお聞きいたします。ここもこれまで区立幼稚園が一体どういう方向を目指していくのかということを繰り返しお尋ねしておりましたが、今まではあいまいな答弁でした。しかし今度は、幼保一元施設として民営化への転換を含め再配置しますと、こういうふうに明確に書かれております。区立幼稚園を私立の保育園にどのようにするんでしょうか。民営化していくということなんでしょうか。委託していくということでしょうか。わかりませんが、民営化と書いてありますから、まさに民間に渡していくということですね。それで、そういうふうに書きながら、もう一方で、このマル2の一番上では、どの子どもも同じように質の高いサービスが受けられるようにしますと、こういうふうに書かれておりまして、民営化することによって質の高い幼児教育が実現できるかのような印象になっております。まず、保育園の民営化ということ自体、私も大問題だというふうに思っているんですが、区立幼稚園を民営化していくことによって、幼児教育に中野の教育委員会はどのような責任を果たそうとしているのか。まずその点についてお考えをお聞きしておきたいと思います。
小谷松教育改革担当課長
 区立幼稚園につきましては、これは区立として設立したのは昭和43年以降、順次4園を開園してきたわけですが、当時は非常に子どもたちの数が多い。園児数にして当時1万5,000人を超えていたわけでございます。現在はその園児数が5,000人を切ると。これは私立も含めてでございますが、非常な勢いで少子化をしているという状況もございます。そういった中で区立の幼稚園が当初目指しておりました私立の幼稚園の幼児教育の需要を補完するという役割につきましては、これはもうその目的は達したというふうに考えてございます。
江田委員
 そのように答弁しておられるんですが、それで幼児教育に対する行政としての責任を果たしていけるのかという問題が出てくると思うんですね。このマル1では、子育て・幼児教育センターの設置というふうになっているんですが、ここで言う幼児教育センターは一体何をするんですか。
小谷松教育改革担当課長
 この子育て・幼児教育センターでございますけれども、中野区におけます、これは本当に公立、私立、また、幼稚園、保育園かかわりなく、子育て、そういった幼児教育にかかわるさまざまな機関が抱えておりますいろんな現状、状況というものを分析しまして、どういった課題があるのか、また、これからどういうふうな対応をしていったらいいのか、そういった調査研究を行うとともに、また研修とか研究の機会などを通しまして、中野区としての幼児教育のレベルを向上させていく。そういった一つの機関として幼児教育センターというものを位置付け、中野区全体としての底上げを図っていきたいと思ってございます。
江田委員
 ここではどういう人が配置されるんですか。どういう内容で考えておられるんですか。
小谷松教育改革担当課長
 現在想定しておりますここでの機能といいますか、ただいま申しました幼児教育・保育に関する調査や研究、あるいは企画、研修といったようなこと、また、相談機能の拡充といったような内容を通しまして、この幼児教育センターをやっていきたいと思ってございます。ただ、スタッフということにつきましては、これからその内容等をしっかりと把握して組み立てていかなければなりませんので、その中でしっかりと決めてまいりたいと思っております。
江田委員
 中野には教育センターがありますよね。ここは小・中学校の教育、あるいはアポロなどの障害児教育、それから、そうしたいろんなかかわりを持っている人たちの総合的な研究あるいは支援をやっているところですが、そういう実践と結びついているから、中野区内で何が問題でどういう努力をしなければならないかというのは、いろんな研究もできるし、バックアップもしていける。もう一方、保育園や幼稚園という幼児教育、幼児保育の一番大事な部分の実践をみずから全部手を引いて民間に出しておいて、補助金だけを出すと。あとは幼児教育センターというふうにおっしゃっているけども、一番大事なそういうところとの結びつきをみずから切っておいて、補助金を出すだけでそこと結びついた実効性のある、本当に頼れるような幼児教育センターができるのかという問題を私はずっと、余りにも絵そらごとではないかというふうに思い続けているんですが、残念ながら幼児教育センターと書いてあるけども、スタッフ等についてはこれから検討しますという答弁しか返ってきません。この点でも私は、幼稚園、保育園から、実質上子育てに対する責任ある部署から区が手を引いていくということについては、非常に大きな禍根を将来に残すということを言わざるを得ないというふうに思っています。
 時間の関係でもう2点お聞きしておきますが、図書館のことでお聞きしておきたいんですが、67ページで指標が出ていまして、図書館利用登録者数の割合が、実績が22.4%、21年25、26年28というふうになっていますが、インターネット登録が始まりましたね。これによって登録者数が大幅にふえたというふうに聞いておりますが、現在どのくらいまでいっていますか。
細木中央図書館長
 ここのところしばらく登録者数の全体が8万人ちょっとぐらいで推移しておりまして、22%強ぐらいの推移をしています。一番高かったときが平成12年だったでしょうか、その後若干減少いたしまして、昨年度少し持ち直しをしているという状況です。インターネット登録をするということで大幅に増加しているというのは、リクエスト予約が大幅にふえていることは確かです。これは、登録にどれだけ影響があるかということはまだちょっと様子を見たいんですけども、7月1日から始めまして、予約は3倍ぐらいにふえております。登録の方は、もちろんインターネットができる人でなきゃだめだということもありますし、それから、登録をまずしていただいて検索、それからリクエストという操作を習熟していただかなきゃならないんですけど、まだちょっと様子を見たいと思っています。私どもとすれば、こういったさまざまな努力を積み重ねていくことによって、図書の資料費が大幅に減らされたということがかなり影響して登録率が下がったということが一番大きかったんじゃないかと思いますが、資料の面でも努力するということと、それから、細々したサービスを充実させていくということで魅力を高めて、登録率を高めたいというふうに思っています。今のところリクエストはふえていますけど、登録率がどのくらいということは、影響がどれくらいということはまだつかんでおりません。
江田委員
 インターネット登録がだんだんPRが届いていきまして、登録だけでもしておこうかという意味での登録者がふえていくというのは、どこでも大体そういう傾向ははっきりしていますよね。そういう意味では、ここで言う図書館利用登録者数の割合を25%、28%というふうに出しておられるんですが、これはつまりやり方によっては急速にクリアしていける数字だというふうに私自身は思っております。問題は、登録者がどういう状況かということよりも、これからはむしろ蔵書数、あるいは蔵書の更新率、そういったものにどれだけ予算をとられているのか、結果として図書館が魅力ある図書館になってきているのかというふうにつながっていくのではないかと思っております。そういう意味では、ここでの成果指標、目標値というもののとり方というのも改めて考え直して、やっぱり区民との関係で魅力ある図書館にするためにどういう目標を持ったらいいかということを検討してみるべきではないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
細木中央図書館長
 利用登録者というのは、実は私どもは、区民の皆さんが図書館を魅力的に感じ、足を運んでいただいて図書館を利用していただくという、最も基礎的な指標だというふうに考えております。利用登録者の有効期限というのは1年ということにしていますので、1年たって2年間利用がない場合には、要するに登録してから2年目に登録がない場合には登録から落とします。ですから、かなり純粋に登録、利用している方々というふうに理解しているところですけれども、中野の場合には20代、30代の方の御利用が非常にパーセンテージが高いんですけども、20代の方々につきましては、御存じのとおりひとり暮らしの方、それから移動が激しそうだということもございますけれども、その層につきましても利用率は非常に高いということがあります。1年更新という形にしていますので、純粋な利用者の把握ということで最も的確ではないかというふうに思っていることを申し上げて、もう一つですけども、図書の更新率の話になりますが、一般的に全国的な意味での図書館の指標というのはありますけれども、物すごく古くからの蔵書も100万冊というふうな形で持っていて、それのうちの5%を毎年更新しなきゃいけないというふうなことと、それから、10万冊ぐらいの図書館で5%更新するということとはちょっと性格が異なります。一般的には5%から10%ぐらいは更新した方がいいというふうに言われていますが、私どものところは現在では3%程度の更新率にしかなっていませんので、もっと欲しいですねということは確かです。それは言えると思っています。
江田委員
 中野の図書館の最大の問題は、この間の行革の中で図書資料購入費が大幅に減らされたと。これがやっぱり一番大きな問題で、それをいかに回復するかということでさまざまな努力をしているけれども、まだ回復していないと。いろんなところで行革が進んだから、相当図書購入費が保障されるかと思ったら、500万単位でしかふやされていないというのが現状で、本当に図書館のあり方ということを考える場合に、少なくとも中野で言う限りは、いかに魅力的な図書がそろっているかということでの図書資料購入費、それから、更新率をいかに高めていくか、そこが一番大きな課題であって、そこに切り込む図書館としての努力を私はすべきだということを申し上げておきたいと思います。そういう意味で、この登録者数の割合だけではなくて、そうした指標もぜひ持っていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 最後に、68ページで、中野区に全国に知られるような文化・芸術活動があると思っている区民の割合というのが出てくるんですが、これは行政の方では、中野のまちで特色ある文化・芸術活動はどんなものがあるというふうに今思っておられますか。
大沼生涯学習担当参事
 中野は交通の便がいい住宅地という形で発展してきました。それで、サンプラザは全国的に名が売れています。ところが、一方ではそう目立った情報発信していないというようなところがございます。しかし、もっとよく見ていくと、中野には劇団、若者の演劇活動、それから、プロダクション、芸術関係、そういった資源がございます。そういったものを生かして、これが中野だと区民が思えるようなものをつくり上げていきたいと思っています。今現在、これが中野として言われているものは、一つは、サブカルチャー的ですけども、駅周辺にあるブロードウェイ、それから、お笑い芸人がかなり住んでいらっしゃるといったところの特色がございます。こういった資源をうまく活用して、中野区のまちが全国に知られるようなもので、区民がこれが中野だというのが20%ぐらいを目指していきたいというような考え方でいます。
江田委員
 本会議で既に議員が取り上げて、中野のそうした現在あるさまざまな、今触れられた芸人の問題だったり、劇団の問題だったり、幾つか触れましたよね。それ以外に区として中野に息づいている地域性のある文化・芸術活動というものを調べたり、あるいは、既にそういうものを登録したりとか、そういったことというのはあるんですか。
大沼生涯学習担当参事
 伝統的なものというのでは、江古田の獅子舞とか鷺宮のはやし、それから、新井の踊りとか、結構ございます。そういったものを我々は把握しています。今我々がやろうとしているのは、やはりまちの魅力をつくり出し、にぎわいがあって、それが全国に発信されるような、そういった文化・芸術活動を考えているところです。今現在、中野の資源はどんなものがあるかという実態調査を行いたいと思ってございます。
久保委員
 57ページの主な取り組みのところで伺いたいんですけれども、すべての取り組みを通して部がまたがっているのはここだけだと思います。子育て・幼児教育センターの設置と、どの子も同じサービスが受けられる幼保施設、ここだけが子ども家庭部と教育委員会とがまたがっていて、あとのところは各部個別なんですね。ここの子育て・幼児教育センターの設置なんですけれども、先ほど江田委員も伺っておりましたが、この目的というのは何が目的で子育て・幼児教育センターの設置というのをされるんでしょうか。もしおのおの、子ども家庭部においての目的と教育委員会の目的というのが違うのであれば両方提示していただきたいと思いますし、教育委員会の方しかわからないということであればそれでも結構でございます。
小谷松教育改革担当課長
 この子育て・幼児教育センター、その設置の目的でございますけれども、これは中野区全体の子どもを対象としまして、その子育て、また幼児教育、保育施策等と総合的に調査研究する組織としまして、またその成果をともに幼稚園、保育園現場との実践に結びつけながら生かしていくと、そういったようなものとしてこの幼児教育センターを設置するということとしてございます。また、幼稚園、保育園等々にかかわりなく、子どもたちの置かれている課題につきまして全体として調査研究するとともに、子ども家庭部、また教育委員会としての幼児教育に係るそれぞれの専門的な部分についての調査研究といったようなことも同時に行いますので、重複しているといいますか、全体としての機能、それからまた、それぞれ専門的な部分の機能もあわせ持ちながら、この子育て・幼児教育センターというものを設置してまいりたいというふうに思ってございます。
久保委員
 ということは、これは今、子ども家庭部で行っている子ども家庭支援センターといったようなものとはまた違ったものですよね。これは、例えば何かこういった施設を設置するということなんでしょうか。それとも、調査研究する機関を設けるということなんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
 基本的には、そういった組織としてきちんと位置付けた上で設立をしていきたいというふうに思ってございます。
久保委員
 ということは、特にこういった施設をつくるということではなくて、組織をつくっていくということですよね。子ども家庭部と教育委員会とが一緒になった、子育てと幼児教育についてのそういった組織をつくって、そして調査研究を行っていくということですよね。例えば、これを行った上でどの子も同じサービスが受けられる幼保施設というのがこのマル2にありますけれども、調査研究を行わないとこの幼保施設というのも、新たな試みとして幼保一元の施設を行うわけですから、できないのではないかと思うんですが、この一つの目的としては、このような幼保施設に対しての調査研究というのも入っているんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
 こちらの子育て・幼児教育センターにつきましては、当面の課題を解決するという幾つかの課題もございますけれども、基本的には子どもをめぐるさまざまな状況、あるいは、幼稚園、保育園としての活動、そういったものに対しての現状の分析とか、そういったことをしながら実態として幼稚園、それから保育園の活動を支援していくというものでございます。また、この幼保一元の関連の施設ということについて、ここで調査研究をしてその成果を生かすというような形は、今の課題の中では考えてはございません。
久保委員
 この下の方の幼保施設のことなんですけれども、区立幼稚園については少子化が進む中で云々というのがありますが、設立当初の目的を果たしたことなどからというふうに言われているということは、区立幼稚園そのものはもう設立当初の目的を果たしたので必要ないということなんでしょうか。すべてこれは廃止してしまうという考えですか。
小谷松教育改革担当課長
 先ほどもちょっとお答えの中で申し上げましたけれども、区立幼稚園のそもそもの発足そのものは、ちょうど60年代から70年代にかけまして、中野区、当時園児数が1万5,000人を超えるというような非常に子どもたちの多い状況でございました。そうした中で幼稚園がなかなか区民の需要を満たしていないというようなことで、この区立幼稚園を昭和43年から順次設立してきたわけでございます。ただ、その後非常に少子化が進みまして、現在5,000人を切るというような状況の中で、また、私立も含めて全体の就園率というのが70%ちょっとという状況でございます。したがって、そういった中で区民の幼児教育に対する需要、これについてはほとんど満たしている中で、区立幼稚園は当初の役割として設置した目的そのものについては、既にその役割を終えたものだというふうに考えているものです。
久保委員
 ということは、もう区立幼稚園は中野区にとって目的を果たしたので必要ない施設ということで、すべての廃止ということを視野に入れているということですか。
小谷松教育改革担当課長
 今後の再配置につきましては、これは最初のいろんな御質問の中にございました、施設の配置をどのような形で検討し、その結果を区民の方々に明らかにしていくかということにつきましては、この後さらに検討を進める中でそれぞれ各部で個別に、あるいは区として全体の施設計画として出すか、その辺はまだはっきりしてございませんが、そういった中で明らかにしてまいりたいと思ってございます。
久保委員
 今、明らかにするのは再配置というふうに言われていました。ということは、あくまでも幼保一元施設として民営化への転換をした、その再配置自体を明らかにするのであって、私が今伺っているのは、今ある4園の区立幼稚園そのものは廃止するのか、そのままの形で残る園があるのかどうかということを伺っているんですが。
金野教育委員会事務局次長
 区立幼稚園につきましては、今、課長の方からお答えしましたように、当初の数を補完すると、足りない分を担うというような役割については、既に状況が変わって必要ないという認識でございます。ただ、区立幼稚園、今新しく幼保一元施設として民営化へ転換するという一つの考え方を出して検討を進めておりますが、その際に4園ある現在の区立幼稚園をどうしていくのか。そのうちの一部を転換して、残りについては別な考え方をとって、実際には区立幼稚園として残すようなことがあり得るのか、あるいは、そういうことは考えないのかということにつきましては、まだ検討が確定しておりません。今さまざまな考え方を出して、これから配置については具体的な考え方をまとめていきたいという状況でございます。
久保委員
 だったら、こういった書き方はおかしいと思うんですね。今言われているのだと、設立当初の目的、数を補完するということが目的であって、ほかの目的は全くこの区立幼稚園というものにはなかったのかということになってしまうと思うんです。数を補完するという目的は果たしたんだからということで書かれてしまうと、すべての園が廃止されるというふうに、これを読んだら思うのではないかと思うんですけれども、その辺はいかがですか。
金野教育委員会事務局次長
 それにつきましては、ちょっとこの書き方でいいのかどうか御意見をいただきましたし、これから区民意見の交換などをして説明していく中で、この表現についてはもっとわかりやすい形にしていきたいと思います。
久保委員
 それと、教育ビジョンの中には、自然の大切さとかビオトープのことですとか、また、自然体験活動とかスクールカウンセラー、心の教室相談員というような、そういった言葉が幾つも出てくると思うんですけれども、この計画の中には、幾つかこの教育ビジョンの中にはあるけれども、計画にはないというものがあると思うんですね。これは、教育委員会としては教育ビジョンを優先させて考えていくのか、それとも、この10か年計画にのせたものを優先的に考えていくのか。その辺のお考えはどうなんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
 教育ビジョンは、これは教育委員会としての教育理念、そして、その教育理念に基づきます将来に向けた目標と、目標に基づく取り組みの方向というようなことで、一種理念的な形で教育行政を進める中での最も根幹となる考え方をお示ししたものでございます。そういう意味で、この10か年計画と比較してどちらがどうという関係に直接結びつくというものではございません。この10か年計画は、区全体としての向こう10か年をにらんだ中での取り組みを示すというものでございます。これは教育委員会も含めた中で、目標の達成に向けた取り組みを図っていくというものでございます。
久保委員
 先ほど次長は、私が個別計画のことを伺ったときに、教育ビジョンを推進するための実行プログラムですとか、学校再編ですとか、図書館ですとか、幼稚園の再配置の問題、これも個別計画のような表現をされたと思うんですね。ということは、教育ビジョンを推進するための実行プログラムというのは、この新しい中野をつくる10か年計画を成立させるための個別計画に含まれるのかなと私は思っていたんですが、そうではないということですよね、今の課長の御説明だと。
金野教育委員会事務局次長
 個別計画と新しい中野をつくる10か年計画の関係についてもう一度お話しさせていただきますと、新しい中野をつくる10か年計画は、区政全体にわたる総合的な基本計画という位置付けでございますので、区政の担うところ全体についてすべて網羅的にとらえた上での計画、教育委員会の所管部分からほかの部の所管部分まですべて含んだ計画ということになっております。それから、個別計画というのはさまざまな目的がありまして、法定で義務づけられたものから、この分野に、あるいはこの課題については特に区として計画をつくって明示した方がいいというようなものでつくる計画、さまざまございます。ここで1ページに書いてありますのはあくまで例示で、いろんな計画が10か年以外にもこういうふうにそれぞれの分野ごと、課題ごとにありますよというような形でお示ししたものでございます。ですから、この計画の位置付けを一つずつ見ていけば、10か年計画との関係では10か年計画の補完的な意味が強い--どれがどれとは今にわかには言いにくいんですが--ものもあれば、それとは違ってより10か年以上にもっと大きなスパンを持っている都市計画マスタープランのような、より違った性格のものまで含まれております。そういうことから、この個別計画は10か年計画のような総合的な基本計画以外にも、いろんな課題についての個別の計画があって、それぞれ10か年計画と計画体系の中では関連づけられていくというような概念的な意味でございますので、これから教育委員会でつくるさまざまな計画、プランというものにつきましては、やはりそれぞれの個別計画として中野区の計画体系の中で関連づけられていくということになります。ただし、それが10か年計画とのつながりの仕方というものについては、計画の性格とか計画の期間、それから範囲によってそれぞれ異なるもので、一律にこれは10か年計画を支える、これは違うというような、そういう区分はなかなか難しい--難しいといいますか、そういう区分はできないと思っております。
久保委員
 ということは、この10か年計画にとらわれずに、教育ビジョンというのは教育委員会として確固とした考えがある。この教育ビジョンのもとに実行プログラムというのがあるわけですよね。だから、それはこの10か年計画には特に左右されることなく、個別計画として進んでいくということなんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
 独立性のある計画ということでは御指摘のとおりと思います。ただ、全く関係なくということでもございませんで、10か年計画、ここに書いてあるものと教育ビジョンを実行する上での実行プログラムで重なってくるものもございますし、また、全体の考え方については、相反する考え方というのはちょっと不適当でございますので、施策の方向や実現する将来像の考え方については、整合あるいは論理的なつながりを持たなければいけないというふうに思っております。ただ、事業につきましては10か年計画に入っていないものを教育ビジョンの実行のために実施するということもありますし、独自の部分がかなり許されるというように思っております。
久保委員
 先ほど第2章のところでも、ここにのっているものが財政的な優遇を特にされるわけではないというようなことがありましたけれども、それもやはり同じようにとらえてよろしいんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
 そのように考えております。
久保委員
 ということは、財政的な優遇を特に実行プログラムで、いわゆる教育ビジョンにのっているものであろうが、10か年計画であろうが、どれがどこに書かれているから優遇されるということではなく、そのときそのときに必要とされるものを年次計画の中に入れる、また、予算に組んでいくというようなことなんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
 今回の10か年計画は事業というレベルで、いわゆる計画事業として、これは財政的にもはっきりとやるということを決めましたよという組み立てをしていない計画でございますので、この計画の中に出てくるそれぞれの施策の方向につきましては、事業のような記述がございますが、あくまでこういった事業が考えられるというような方向づけというような意味でございます。したがいまして、この中で述べられている事業につきましても、これからさまざまな部で考える事業の方がよりこの計画の目標や指標の達成の上で重要なものが出てくれば、そちらの方をやるということになると。そういう意味では、かなり事業につきましては柔軟な対応を前提にした計画という形になっております。
昆委員
 今の御答弁なんですけれども、例えば子ども家庭部の方では次世代育成支援行動計画という計画をつくりましたよね。その議論の中でも10か年計画との関連でどうなるのかというふうにお聞きしたことがあったんですけれども、それはやはりそういう10か年計画の中に当然組み込まれていく計画、整合性を持たせていく計画というふうに伺っているんですが、今のお話だとそれぞれの計画が個別の計画として成り立っていく。それで、10か年計画とは整合性をとらなくても、その計画はその計画として動いていく、つくっていくというふうにお答えになっているようにお聞きしたんですが、本当にそうなんですか。
金野教育委員会事務局次長
 かつて中野区がつくった総合計画あるいは基本計画ですと、事業レベルで事業計画という位置付けをしまして、その事業は何年次に何をやります、また、財政見込みはこうですというような計画になっておりました。しかし、先ほどから御論議いただきましたように、今回の10か年計画は事業レベルを定めたものではありませんで、それぞれの課題についてこれからの目標、それから、施策の方向を定めたもので、事業レベルについてはフィックスといいますか、固定的な計画を持っておりません。したがいまして、ほかの計画との整合は、考え方や方向性のレベルでは当然10か年ととらなければいけませんが、事業については10か年の方で事業計画が示されておりませんので、10か年の事業計画と整合をとるというようなことがないということでございますので、かなり事業についてはいろんな組み方ができる。共通の目標を達成するということであれば、その中で工夫ができるというような考え方ができるものと思っております。
昆委員
 そうしますと、10か年計画というのは一体何なのというふうに聞かざるを得ない状況なんですよね。10か年計画、そこまで固定したものを定めるものではない。個別の事業計画はそれぞれの計画にのっとって進められる。財政フレームもまだそこにきちっとはめ込んでいくということではないというふうな、いろんなことを言っていますけれども、じゃあ、10か年計画って一体何なんですかというふうに言わざるを得ないんです。別に方向を示すという基本的な考え方というふうな、今後の10年間の区の区政運営のあり方とか考え方とかという形で示せばそれで済むというふうにもとらえられてしまうんですよね。計画なんてつくらなくたって、基本的な考え方を示してそれぞれの計画をそれぞれの年度で予算化して進めていけば、それはそれで済むのかなというふうにも思ってしまうんですけど、一体どういうことなのかということを私は再度聞きたいんですけれども。
金野教育委員会事務局次長
 今回の10か年計画は、事業ごとに示していないということは再三申し上げておりますが、示しているものは、10年後のまちの姿を実現するために区が取り組むべき方策について、中長期的な目標と戦略を示しているということで、具体的な事業ではないというような形になっております。それが従来の事業まで記述した計画とは違うわけでございますので、その意義についてはいろいろ論議があるところだと思いますが、区の方ではそういった大きな目標と戦略、方向というものを基礎にしながら、PDCAサイクルの中で一つずつの事業については毎年度の予算の中で方向づけをして、また、評価に基づく改革を行いながら進めていくという形でいこうということになっております。
小串委員
 1点だけ。57ページのところで、幼保の問題についてちょっと1点だけ確認というか、質問させていただきたいと思うんですけども、現行の幼児教育--幼児教育というか、広い意味での幼児教育というものを考えた場合に、前にちょっと質問もさせていただいたこともありますが、現在は保育園と幼稚園、幼稚園の場合には私立幼稚園と区立の幼稚園ということで、それぞれ分担して幼児教育を担ってきたと。もともとは教育機関というのは皆さん方がやって、今はその位置付けがちょっとまた変わってきていますけれども、保育園に関しては旧厚生省ですか、文部省という垣根の中で行われてきたものが、時代がたつとともに、やっていることはそんなに違わない中で、それぞれの所管が違うというような中で来たということで、そこを見直していこうということは非常に必要な、重要なことだと思うんですね。ただ、幼保を進めていこうという場合に、公立の幼稚園だけの問題だけではないんですよね。幼保ですからね。それを考えた場合に、例えば現状の区立の保育園、これの幼稚園的な機能というものをどうとらえていくのか。あるいは、ここに私立幼稚園の預かり保育を拡大すると書いてあるけど、それだけじゃ単なる幼稚園の機能なんですよね。現在も預かり保育なんてことはやられているわけだし、そこをやっぱり私立の幼稚園としてはきちっと政策として充実させていかなければ、私立の幼稚園の存続にかかわるような状況に今なっているわけですよ。
 今後ますます少子化というものが進んでいった場合に、公立の幼稚園だけの問題としてその幼保をとらえるのではなくして、やっぱり現在の保育園、ここの幼稚園の機能ということをどう考えるのか。あるいは、私立の幼稚園の幼保の一元施設、すなわち私立の幼稚園ですから保育的な要素というものをどうとらえていくのか。そう全体的にとらえていかないと余りやる意味がないんですよ。全体でやるから行革的な要素も加わってくるわけですよ。そこの考え方というものが、残念ながらこれだけのことでは示されていないというふうに思わざるを得ないんですけれども、10年でそんなことができるはずないんですよね。ただ、将来的には大変重要な問題になってきますから、さらには私立の幼稚園の経営自体の問題というのもますます深刻になってきますよ。私立の幼稚園の皆さんといろいろお話をしていても、まだそれほど深刻なとらえ方というのはされていないのかなという印象も受けているんですけれども、私立幼稚園がこの幼保の問題を本当に真剣に考えないと、今後経営自体が成り立たなくなっていくんじゃないでしょうか。そういうことを考えた場合に、今言ったような総合的な幼児教育のあり方というものを考えてもらいたい。すなわち公立の幼稚園のサイドだけじゃなくして、保育園のサイド、あるいは私立の幼稚園のサイドで考えてもらいたいと思うんですけど、その辺はどうなっていますでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
 おっしゃる将来への展望というのは、本当にそのとおりだろうというふうに思っております。幼稚園にしろ保育園にしろ、これまでの垣根を越えるような形でさまざまな形で取り組みが行われてございます。また一方、親の就労形態というのも非常に多様化している中で、幼稚園、保育園に求めるニーズといいますか、そういった求めというのも非常に多様化しているというものがあります。そういったものにやはり時代を先取りするような形で、先を見据えながらやっていくんだということは大変大切なことだと思います。ただ、当面施策という形で展開していく中におきましては、将来的にこういった幼保が一体となったような総合施設への展望という中では、まず区立幼稚園のそういった再配置を通した中で総合施設化、幼保一元施設化というようなことで、その呼び水的な展望を示していくということからまず始めていくということになろうかと思います。また、私立幼稚園につきましても、預かり保育の拡大というようなその方向、これは子ども家庭部の方では掲げてございますし、また、保育園からの取り組みというのもこれからいろんな模索が始まるだろうと思っております。いずれにいたしましても、今、委員がおっしゃったように、将来的なスパンというもので見た中では、そういった方向を試行するという動きはあるだろうというふうに思っております。今はその中で区といたしまして、この幼保一元施設化への再配置を通した展望というものをまず切り開いていきたいというふうに思っております。
小串委員
 意見がかみ合いっこないのでもうやめますけれども、とりあえず自分らの与えられた所管だけ、エリアのことだけ考えていけば楽なんですよ。だけど、それぞれがその垣根を越えてやっていかないと改革というのは進んでいかないわけですよね。本当に今の答弁で、ある意味しようがないといえばしようがないんだけども、そこをやっぱり越えていかないと本当の意味でできませんから、それこそ私立の幼稚園の方といろんな意味での話をして、その交流を通じていろんな意見の交換等もしていただきたいと思うし、あるいは、同じ区の中だって教育委員会と子ども家庭部という大きな塀があっては困るんですよね。やっぱりそこのところのきちっとした話ができるような体制というものがないといけないと思うので、とりあえずここからとか何とかというんじゃなくして、もっと大きな視点に立って、幼児教育が将来どうあるべきなのかという部分をぜひ考えていただきたいと思いますので、その点は区長部局の方にもぜひ言っておいてほしいと思いますので、要望させていただきます。
飯島委員
 それでは、済みません、一つだけ聞かせていただきます。
 基本構想とこの10か年計画が出て、基本構想とその展開というのは一応完結をして、全体としては基本構想の姿が固まったのかなと。先ほど来次長は、事業に係る計画については個別に事業部で今後計画をつくりますということなんですが、教育委員会に関していえば、教育ビジョンとその実施プログラム、これは既に示されている11月下旬にこの計画策定ということになっていますから、同時に基本的な形を示すというなら、こういうスケジュールの中で実施プログラムも教育委員会としては検討されるのかどうかということが一つ。
 それから、もう一つは、その際は、じゃあ、予算的なとか、あるいは財源的なとか、そういうことは教育委員会としてとりあえず独自の試算はしてみるんだと。そうじゃなかったら実施プログラムなんかつくれませんから、そういう立場なのか。これまではどちらかといえば、区長部局から配当される予算の枠の中で云々ということであったんだろうけども、今後についてはどういうふうなことでこの実施プログラムというのを考えようとされているのか。これが一つです。
 それから、教育長に伺いますけども、これを見ると、区長部局は区長部局でつくっているからいいんじゃないのと。教育委員会はとりあえず教育ビジョンをつくったし、これはこれでやらせてもらいますよというような雰囲気もあるので、この基本計画というか10か年計画、教育委員会としても自分たちの意見の主張というか、こういうことについては十分満足できるものとして考えられた、あるいは受けとめられていらっしゃるんですか。つまり、皆さんから意見をいただいて変えていきますよということだけじゃなくて、教育委員会としても本来的にみずからの御主張はあっただろうし、それは十分主張した上でこうなったんだと、こういう位置付けなんですか。この二つだけちょっと最後に伺わせてください。
沼口教育長
 最後の点は私の方への質問でありますので、お答えしますけれども、当然この10か年計画をつくる策定過程の中では、我々も今現在も教育ビジョンの実行プログラムの策定作業をやっていますので、それとの整合性もとりながらこの10か年計画の組み立ても考えています。そういう意味では、我々の考えていることについては、100%満足とは言いませんけれども、かなりの部分できちんと受け入れられている。そういう10か年計画になっていると考えています。
小谷松教育改革担当課長
 実行プログラムについてでございますけど、基本につきましては今、教育長の方からお話がありましたとおり、10か年計画との一定の整合等を図りながら今後策定を進めてまいりたいというふうに思っております。その際、財源的な見通しといったことにつきましても、来年度から早速そのプログラムの実行を図っていくわけでございますので、一定の財源的な見通し等もしっかり立てながらやっていく必要があるというふうに思ってございます。
委員長
 済みませんでした。ほかにあれば。
 なければ、以上で本報告については終了いたします。
 そのほか理事者から何か御報告はございますか。
 なければ、以上で所管事項の報告を終了いたします。
 次に、地方都市行政視察について協議をしたいことがありますので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後4時49分)

委員長
 再開いたします。

(午後4時54分)

 休憩中に御協議いただきましたとおり、文教委員会の地方都市行政視察の日程は、10月31日、11月1日で行うこととし、視察先につきましては愛知県半田市のさくら小学校、成岩中学校、それと三重県津市の南が丘小学校に決定させていただきたいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ございませんので、そのように決定させていただきます。
 以上で地方都市行政視察についてを終了いたします。
 議題のその他に入りたいと思います。
 次回の日程を協議させていただきたいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後4時55分)

委員長
 委員会を再開します。

(午後4時57分)

 休憩中に確認しましたとおり、次回の委員会は9月1日、午後1時から行うということで御異議ありませんでしょうか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように決定いたします。
 以上で本日予定した日程はすべて終了いたしますが、まず委員の皆さんから何かございますか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 理事者の皆さんからは。

〔「ありません」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、以上で本日の文教委員会を散会いたします。

(午後4時58分)