平成16年6月8日文教委員会
中野区議会文教委員会〔平成16年6月8日〕
文教委員会会議記録
○開会日 平成16年6月8日
○場所 中野区議会第5委員会室
○開会 午後1時03分
○閉会 午後5時23分
○出席委員(9名)
岡本 いさお委員長
小堤 勇副委員長
奥田 けんじ委員
高橋 ちあき委員
小串 まさのり委員
飯島 きんいち委員
篠 国昭委員
藤本 やすたみ委員
江田 とおる委員
○欠席委員(0名)
○出席説明員
教育長 沼口 昌弘
教育委員会事務局次長 金野 晃
教育経営担当参事 教育委員会事務局次長兼務
部門経営担当参事 教育委員会事務局次長兼務
教育委員会担当参事 教育委員会事務局次長兼務
教育環境担当参事 教育委員会事務局次長兼務
教育改革担当課長 小谷松 弘市
学校教育担当課長 篠原 文彦
学校教育管理担当課長 学校教育担当課長兼務
学校健康推進担当課長 学校教育担当課長兼務
指導室長 小林 福太郎
生涯学習担当参事 大沼 弘
生涯学習推進担当参事 生涯学習担当参事兼務
生涯学習施設担当参事 生涯学習担当参事兼務
知的資産担当参事(中央図書館町) 石﨑 新一
○事務局職員
書記 荒井 勉
書記 岩浅 英樹
○委員長署名
○審査日程
陳情
(継続審査分)
第22号陳情 娘の編入学不許可及び第四中学校焼却炉による煙害について
要求資料の提出
1 教育改革の課題(教育改革担当)
所管事項の報告
1 「基本構想・新しい中野をつくる10か年計画」検討素材(NO.2)について
(教育改革担当)
委員長
それでは、定足数に達しましたので、ただいまから本日の文教委員会を開会いたします。
(午後1時03分)
今定例会における委員会の審査の割り振りについて協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩します。
(午後1時03分)
委員長
(午後1時04分)
それでは、委員会を再開いたします。
本定例会における委員会の審査日程についてお諮りいたします。(資料1)
1日目は陳情審査と要求資料の提出、所管事項の報告1までを行い、2日目は残りの所管事項の報告以下をできるところまで行い、3日目は審査状況を見ながら改めてお諮りしたいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように進めます。
なお、審査に当たっては午後5時を目途に進めたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
また、3時近くになりましたら休憩をとりたいと思います。
それでは、陳情の審査を行います。
第22号陳情、娘の編入学不許可及び第四中学校焼却炉による煙害についてを議題に供します。
きょうは提出者は見えておりませんので、直ちに質疑に入りたいと思います。
本件に対する質疑はございませんか。
なお、文書は、一部文言が変わっておりますので、改めて配付してございますので、よろしくお願いいたします。
江田委員
前回、教育委員会の方から多少の発言があったんですが、あれだけでは、何とも審査のしようがないので、もう少し何か周辺のことで報告できるようなものはないのか、そうしたことも申し上げていたんですが、何らかのそういう報告というのは、できる理由というのは見当たらないんですか。
篠原学校教育担当課長
教育委員会と陳情者との間でいろいろと話し合いが持たれていまして、その議事録みたいなものはあるんですが、実際には意見がもう食い違っていまして、一致点が見られないということで、ここにお出しできるようなものではないということで、御理解をいただきたいと思います。
江田委員
これは、一たん出されて、前の文教委員会でいろいろと審査された後、陳情者との間でたしか取り下げということで処理がされたと聞いているんですが、今回、出されてきた背景というのは、何か行政の方でつかんでおられるものはありますか。
篠原学校教育担当課長
陳情文にもございますように、ことしの3月10日でございますが、教育委員会の次長、庶務課長、陳情者との間で話し合いが持たれております。そこの中では、最終的には、双方まだ立証できないということから、最終的にはもう裁判等でやっていただく以外はないというお話になったんですが、陳情者とすれば、やはり費用がかさむといったようなことから、そういったことをとらずにまた陳情を出されたというふうなことでお話を伺っています。
篠委員
裁判以外にはないということは、先方に申し上げたんですか。
篠原学校教育担当課長
過去の記録がないということで、どちらの意見が正しいのか、正しくないのか、言った言わないというお話に終始しまして、最終的に損害賠償ということになれば、区とすれば、しかるべき手段で法的なものに訴えていただく以外にないということは一応お話をしてございます。
委員長
ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
質疑がなければ、取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。
(午後1時09分)
委員長
委員会を再開いたします。
(午後1時19分)
お諮りします。休憩中に確認したとおり、第22号陳情は閉会中も継続審査すべきものと決することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
御異議ありませんので、そのように決定します。
以上で第22号陳情についての本日の審査を終了いたします。
次に、資料要求の提出でございまして、前回の委員会で要求のありました資料がお手元に配付されておりますので、御確認ください。
理事者から補足説明があるということですが、これを受けることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
小谷松教育改革担当課長
それでは、前回の当委員会におきまして、現在いろいろと教育委員会の方で教育改革を進めている、どのような課題を持ってやっているのかということでお尋ねがございました。本日、資料の方でまとめさせていただきましたので、御報告をさせていただきたいと思います。(資料2)
教育改革の課題ということで、現在、教育委員会の方で取り組んでおります主なものを一覧として提示してございます。これらの中には、既に具体的な計画策定の作業に着手しているものもございますし、また今後の調査・研究を踏まえて検討をさらに深めていくといったものもございます。順次御説明を申し上げます。
まず1番目、(仮称)中野区教育行政ビジョンの策定でございます。今後、中野区が教育行政を推進するに当たりまして、その指針となりますビジョンを作成するというものでございます。なお、このビジョンの策定に伴いまして、そのビジョンの理念、目標を達成するための具体的な基本計画、10か年計画もあわせて策定を予定しているところでございます。
それから教育施設の関係の配置等の見直しということで3点ほど挙げてございます。
まず1点目が区立小・中学校の再編でございます。学校の適正規模、適正配置につきまして、その作業を進めているというところでございます。
それから区立幼稚園の役割、機能及び配置のあり方でございますが、幼児教育の意義と区の責任という視点から、区立幼稚園の役割、機能等につきまして、現在、見直しの作業を進めてございます。
それから区立図書館のあり方でございます。施設配置の見直し等々につきまして、さらに図書館のサービスの拡充等につきまして、現在、検討を進めてございます。
それから地域が誇れる魅力ある学校づくりということで、5点ほど課題を整理させていただきました。
まず1点目が学校選択制の準備でございます。これにつきましては、区立学校におきます特色ある教育活動の推進等々のために、学校選択制の導入準備の作業を進めているところでございます。
それから2学期制の導入でございます。ゆとりある学校運営、教育の推進ということで、現行の3学期制から2学期制の導入ということで、その研究を現在進めてございます。
それから学校評価の改善でございます。内部評価、あるいは外部評価の項目の見直し等によりまして、評価方法の改善を現在行っているところでございます。
それから小・中一貫教育についてでございます。これにつきましては、まだその方向が明らかなところではございませんが、情報収集等を行いまして、今後、小・中一貫教育のあり方につきまして検討を進めていきたいと思ってございます。
それから地域運営学校の導入ということでございますが、これは現在、法改正の動きがございまして、各学校ごとに地域運営協議会をつくりまして、学校運営の向上を図るということでございますので、現在、情報収集等を行いまして、今後さらに調査・研究を進めてまいりたい、その課題の一つでございます。
裏面の方をごらんいただきたいと思います。
一人ひとりの個性や可能性を伸ばす学習指導ということで、3点ほど課題を整理いたしてございます。
1点目が学力にかかわる調査の実施でございます。中野区独自の学力にかかわる調査を実施いたしまして、今後の学習指導、あるいは子どもたちの学力向上に役立てていくということで実施を予定してございます。
それから特別支援教育に向けた取り組みでございます。これにつきましては、国や東京都の動向等を踏まえまして、障害のある子どもたち一人ひとりの教育的ニーズに応じまして、適切な教育的支援を行う体制を整備していきたい、そのような課題として持ってございます。
それから情報教育の環境整備でございます。IT時代、それに適切に対応できる子どもたちを育成するために、パソコンや校内LANの整備を通しまして情報教育の推進を図っていきたいと思ってございます。
それから地域スポーツクラブの設立でございます。区民がみずから運営の主体となりまして、自由にだれでも参加できるスポーツ活動を通して、総合型の地域スポーツクラブの設立に向けて検討を進めてまいりたいと思ってございます。
最後に、文化・芸術の振興でございますが、地域に根ざした文化・芸術活動、それを育てるための拠点となる施設の整備、あるいは文化・芸術にかかわります団体への支援等につきまして検討を進めているところでございます。
以上、現在、教育委員会で今後の改革の課題として目指しているものにつきまして整理をさせていただきました。
委員長
ただいまの報告に対して質疑はありませんか。
江田委員
細かい点をたくさん出していただいているんですが、この後の基本構想・新しい中野をつくる10か年計画とダブっている中身がほとんどですので、そこで改めて質問させていただきたいんですが、ここで二つだけお聞きしておきたいと思います。
一つは、行政ビジョンの策定なんですが、これは何度か説明をいただいているんですが、よく見えてこないんですけれども、基本構想と同じ扱いになってくるのか、基本構想との関係はどうなるのか。
それから今回、基本構想・10か年計画の中では、素案の前のたたき台が出ておりますけれども、教育行政ビジョンについては、区民への発表はまだありませんね。そこら辺の関係がどうなってくるのか。そこだけまず最初にお聞きしておきたいんです。
小谷松教育改革担当課長
まず基本構想とのかかわりということでございますが、これにつきましては、ビジョンの素案ということで以前、当委員会にも御報告をさせていただきましたけれども、その中でも明記してございますとおり、このビジョンが目指します理念、そして目標というものにつきましては、区の基本構想を土台といたしまして、そこから中野区の教育行政を新たに展開するビジョンというものを構築していくという関係となってございます。
それから素案につきましては、既に公にしたところでございますが、これをさらに今後、精査いたしまして、区の基本構想、素案がまとまりました段階で、このビジョンにつきましてのさらにたたき台となるものを区民の方々にお示しして、また広くご意見等をいただいてまいりたいと思ってございます。
江田委員
今のところがよくわからないんですが、素案が発表された段階でたたき台を出すというふうに聞こえたんですが、もう一度、関係を、どういうふうに位置付けて進めていかれるのか、もう少し説明をいただけないでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
このビジョンにつきましては、素案ということで既に出てございますけれども、素案は8月に公表の予定となっているところでございますけれども、それを待ちまして、その後、まだ具体的に何月ということは、はっきりと決めてあるところではございませんけれども、その後、秋ぐらいにビジョンについての一定の整理をしたものにつきまして、区民の皆様の方にお示しをしてまいりたい、そして広く意見を求めてまいりたいと思ってございます。
江田委員
基本構想があって、基本構想の教育の分野で具体化するのが教育行政ビジョンだというふうに聞こえるんですね。それとの関係がよく見えてこないんですが、まず最初に、先ほど教育行政ビジョンについては、素案を既に発表していると答弁なさっているものですから、素案としてこれはもう発表したという認識なんですか。発表という手続がとられているとすれば、いつの段階なんですか、お答えいただきたいんですが。
小谷松教育改革担当課長
済みません、私は発表ということで大分大げさな表現を使ってしまいました。素案につきましては、昨年の12月にお示しをしたわけでございますが、それらにつきましては、ビジョンの素案ということで、一つは区の方で進めてございます基本構想の審議会に対しまして、一定の教育にかかわります理念、そういったものをお示ししたという部分もございます。また、これから中野区の教育委員会としてビジョン、理念を構築していくに当たりましての基本的な骨格となる考え方、その部分を整理したというところでございます。
江田委員
11月議会には基本構想が出されますね。議案として議会に出されてくるわけです。そうすると、その中に教育行政ビジョンの骨格が含まれているという意味なのか、それとも基本構想が議案として議決される、それを具体化したものが改めて教育行政ビジョンとして発表されるということになるのか、そこはどうなんですか。
小谷松教育改革担当課長
教育行政ビジョンにつきましては、それだけで独立しているというものではございません。あくまでも区としての基本構想全体としてのそういった基本的な理念、それを踏まえた上で、中野区としての教育のあり方、どうあるべきなのか、それをしっかりと構築していくのがビジョンであると思ってございます。その意味で、改めて基本構想を踏まえまして、このビジョンをきちんと構築してまいりたいと思ってございます。
なお、基本構想を審議会等で御審議いただくときにも、このビジョン、素案ということで、中野の教育の理念というものを御参考ということで整理をしてお出しをしたというところでございます。
江田委員
たびたびで申しわけないんですが、ですから、基本構想は議案として議決されたとしますね。その後に教育行政ビジョンというのは、それを教育分野で具体化したものとして出されてくるのか、そこの関係を繰り返しお聞きしているんです。
沼口教育長
こういう計画は、当然、個別計画と言われるもので、教育の分野の個別の計画、そのように位置付けていきたいと思っています。ですから、結局、中野区の基本構想という大もとができて、そういう考え方に基づいて個別計画があるということになりますので、基本構想の状況を見て、その後に教育ビジョンが出てくるということです。ただ、今、素案は出しています。なぜ素案を出したかといいますのは、審議会等で基本構想は議論されますので、そのときに、教育委員会として教育についてどう考えるのかを、区民の審議会の中に考え方として示しておかないと、議論が全く違う方向に行っても困ると思いましたので、教育委員会の考え方はとりあえず出してあります。基本構想はこれからできてくるわけですけれども、それを踏まえて、今ある素案を肉付けして教育委員会の案として示すようにしています。それは、結局、議会、区民の意見を聞いて、12月以降に当然なると思いますけれども、年内には決めていきたい。ただ、案はもう少し前に出さないと議論はできませんので、案自体は、先ほど言ったように秋ぐらいには出さないと議論ができませんので、そういう議論を踏まえて年内にはつくっていきたい。基本構想よりワンテンポずれた形で、時期的には少しずれていく、結局それは基本構想を踏まえたものとしてつくりたいということでございます。
江田委員
とりあえず、そこのタイムスケジュール的なことだけにとどめておきたいと思います。改めてまた教育行政ビジョンについては、議論の場をお願いしたいと思います。
それからもう1点は、おもての一番下の(5)地域運営学校の導入ということですが、これは初めて示されたと思います。既に国会ではこれに関連する法が審議され、結論も出たのでしょうか、どういう状況になっているかということ。それからここの括弧書きで「保護者、地域住民により構成」する学校運営協議会ということになるわけですね。ここでは、学校そのもの、校長、教頭、そういった対象の方がこういうものには入っているというのは通常だろうと思うんですが、この場合は学校関係者が外れるということになってまいります。これが中野区の教育にとって地域が誇れる魅力ある学校づくりに役立つと考えておられる根拠がありましたら、お示しいただきたいんです。
小谷松教育改革担当課長
地域運営学校につきましては、今、委員の方からお話がございましたとおり、地教行法の改正、今回提出されているところでございますけれども、その改正を受けまして、まだ審議中でございます、各学校ごとに学校運営協議会、これは当該学校を設置しております区市町村の教育委員会が委員を任命いたしまして、学校の運営にかかわりますもろもろの事項に基づきまして、かなり大きな権限を持ちながらやっていくというものでございます。例えば具体的な学校経営、その学校の校長を初めとする人事に対する意見具申といったような内容も含んでございますけれども、非常に地域の教育、そして学校の活力といいますか、それを活性化する一つの手段ということで、大変注目をしているところでございます。これからこの制度がどういった形できちんと詳細にわたりまして明らかになってくるかわかりませんけれども、そういったものに着目しながら、これからの中野区の教育の一つの活力、活性化を目指す手段といたしまして、注目しながら、さらに研究を進めてまいりたいという意味で、改革に向けた課題の一つであると私どもの方は認識をしているところでございます。
江田委員
答弁としては、よくできた答弁だと思うんですが、第一、この中身が今聞くところによりますと審議中ということですね。それで、中野区の場合は、私たちは問題ありと言っているけれども、選択制を導入していく、その地域の学校ではなくて、子どもと保護者とが自分の行きたい学校をみずから選んで、地域にかかわりなくどこでも選んで行けるようにする、これが新しい教育改革の一つだという議論が一方ではされる。もう一方では、地域運営学校の導入という形でこういうものが入ってくるということで、正直言って一体どこが軸足で、これから教育がどういうふうに変わろうとしているかというのがまるっきり見えてこないというのが正直なところです。そういう中で、次々にいろいろなものが、国の方で、文部科学省の方でいろいろなものが出されてくる。出されてくると、それに対して、いかに中野に適用させていくかということが、もちろん行政の側は優先するから、質問すると、非常に答弁としてはまとまった答弁が出てくるけれども、具体的な中身が何も見えてこないというのが正直な感想なんです。それが既に地域が誇れる魅力ある学校づくりの中の一環として盛り込まれていく、そういうやり方、あり方でいいのか、中野区の教育委員会として、地教行法が変わった場合に、それを中野に適用していく場合には、どういう課題があり、どういう問題があるかということがまず先行して議論をされて、その上で中野に導入してくるとしたら、こういう課題があり、こういう努力をしていくというものが示されないままに、いきなりこういう形で出てくるというのはいかがなものかと思うんですが、いかがでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
中野区が抱えております教育上のさまざまな課題というものもいろいろとあろうかと思います。それらにつきましては、将来を見据えた中で、ただいまお話がございましたビジョンの策定等々の中でしっかりと理念、目標というものを明らかにしてまいりたいと思ってございますが、そういった中野区が目指すべき一つの理想像、そういったものを追求する過程におきまして、さまざまな手法があろうかと思います。現在、地域運営学校ということで、国の方で一定の整理がされまして、今、国会の方でいろいろと議論されているところでございます。これがどういった可能性を持っているのか、その辺のところにつきましても、私どもとしても大いに注目しながら、これをしっかりと研究、検討をして、そして今後、仮に中野区の中でこれを導入するということであれば、どういった形で中野区として展開できるのか、いろいろな検討素材というものにつきまして、もろもろ議論しながら、その方向を定めていきたいと思ってございます。
現在、地域運営学校につきましては、そういう意味でようやく骨格が見えてきたといった部分もございます。この先、さらに細かい部分につきまして、さらにいろいろな情報を収集しながら、中野区としてのとらえ方、それの運用のあり方等々につきまして、さらに検討を進めてまいりたいと思ってございます。
江田委員
これは、教育委員会では議論がされて、魅力ある学校づくりの中の一つの項目として位置付けていくというふうになっているんですか。
小谷松教育改革担当課長
地域運営学校につきましては、教育委員会の方にも情報提供をいたしまして、これらにつきまして一定の議論をいただいたところでございます。中野区として今後の教育行政を見据える中で一つの課題であるということで認識をいたしまして、そういった方向で今後取り組んでいくということ、確認といいますか、議論が行われたというところでございます。
江田委員
最後にしますけれども、まだ具体的骨格が国の段階で示された段階で、一体どういうものになってこようとしているのか。中野区が今やろうとしていることとこれとはどういうふうな整合性があるのか、どういう課題があるのか、そういった課題が十分に明らかにもなっていない段階で、国がこういう法律改正をやろうとしているということを先取りする形で出されてくるということについては、もっと慎重であるべきだということを申し上げておきたいと思います。これは意見としておきます。
沼口教育長
きょう御提示しました教育改革の課題につきましては、中にはかなり検討を深めているものもございますけれども、ここに示しましたような地域運営学校の導入のように、やや項目出し的なものもございます。これは今、国会で地教行法の改正で議論されていると思いますけれども、必ずしもこれが各自治体でつくらなければいけないというものではなくて、任意設置といいますか、できる規定になっていると思います。ですから、中野区でもしこういうものを導入するに当たっては、地域と学校との関係が十分にでき上がっていないと、こういうものをいたずらに導入しても、学校運営が必ずしもうまくいかないということもございます。そういう点で、これからの課題として検討はしてみなければいけない課題だと思っていますけれども、ただちに導入するとか、そういう方向は、教育委員会としても、まだそこまでの議論はしていない、検討の対象にはなるだろうというレベルです。これはいわゆるコミュニティスクールということで言われているものでございまして、学校経営の基本方針ですとか、先ほど課長から申し上げましたように、人事についての意見具申、そういう権限を持った地域運営協議会を設置できるという規定になっていると思います。法律改正の動向も見極めながら、しっかり議論して、やるときには、当然やるための検討ということで、当然、議会にも報告しながら進めていきたいと思っています。
飯島委員
ほかのもろもろあるんですけれども、一つだけ伺っておきます。教育長はさっき妙なことをおっしゃっていて、基本構想ができて、それを見て教育行政ビジョンをつくるとか、そんなようなことをおっしゃっています。そうすると、中野区の教育に関する理念やビジョンは基本構想に書いてあるんだと。それを受けて中野区教育行政ビジョンを策定するんだということですか。
小谷松教育改革担当課長
ビジョンが描く理念といいますか、掲げるべき目標というものにつきましては、当然、全く白紙から出てくるというものではございません。やはり中野区としての最も基本となります基本構想、その考え方をきちんと土台としながら、その中で教育について目指すべき目標、理念というものを明らかにするというのが教育ビジョンだと、そういう関係だと理解してございます。
飯島委員
いや、そんなことを言っているとおかしなことになりますよ。だって、基本構想に何が書いてあるんですか、教育の理念、何も書いていないのと同じですよ。そんなものをベースにして何をつくるんですか。もう、だって出ているではないですか、こういうのは。そこに中野の教育の理念や理想や目指すべき目標、そんな明快なものが書かれているんですか。今後10年間のスパンの問題ではないですか、今の基本構想は。中野の教育行政ビジョンというのは、たった10年のスパンのことだけに対応するんですか。中野の教育の長期的見通しというのはどこにあるんですか。そういうことになりませんか。
沼口教育長
自治体の行政の進め方は、当然、基本構想がもとになっていると考えます。現在でも基本構想をもとにいろいろな個別の計画ができているということだと思います。ですから、今回も具体的に教育について事細かなものは出ていないと思いますけれども、10年間だけではなくて、もう少し先を見た将来像ということで、いろいろと教育に関連するものが出ていると思います。そういうものにそごのないような形で進めていくのが我々の行政だと思いますので、やはり基本構想はベースになるということは間違いない事実だと思います。
飯島委員
ベースになるところにそれだけのものがあればいいんですよ。現に見る限りでは、では、それほどの基本的な方向性をきちんと示した教育の理念が語られているかといったら、そうはいっていないのではないか。むしろ基本構想の教育分野に関しては、教育委員会が考えている、行政ビジョンというからおかしなことになるのかもしれない、行政ビジョンならいいんです、基本構想を踏まえて、文字どおり行政のビジョンだから、教育のビジョンではないんですから、それならいいんだけれども、しかしいろいろと言っていると、どうも行政のビジョンだけではなさそうだから、基本的には中野の教育のビジョン、今後の長期的な視点を立ってもろもろを考えましょうということになっているわけですから、そうだとすると、これが基本構想の中の教育理念の部分になっておかしくないものではないですか、本当は。それがあって、そして中野区教育行政基本計画があるのならわかるんです。基本構想をベースにして個別計画をつくるんだったらビジョンではない、違いますか。行政計画ならいいんですよ、単純に、基本構想、そして個別計画としての教育の行政計画があるというんなら、計画行政の体系というのはそうなっているものですよ。個別計画ですよ。個別計画の方がよほど詳しく教育の理念が語ってあったりする。今の基本構想というのは、実はそういう分野別、もちろん今の5本の柱の基本構想だって、そう簡単に教育だけですということではないかもしれないけれども、しかしよりそれぞれの分野性は強い、それを受けて個別計画ならわかりますよ。だったら、こんなのはやらないで、基本構想ができるまで策定しなければいい。できてから個別計画をつくったらどうなんですか。その方がはっきりしている。逸脱もないし、そうではないですか。むしろもう少し理念性も高めて、同時に行政としての計画的な施策の推進、両方をねらっているから、こういうことになるのではないですか。なぜそんなことを言うかというと混乱が生まれるんです。教育行政のビジョン、計画なら、そうすべきだし、教育にかかわる理念を掲げるというのなら、ビジョンというのは、普通はそういうものではないですか。行政計画的な話ではないでしょう、ビジョンというのは。あるべき姿を描くのではないですか。だとすれば、言葉、ビジョンなんてやめた方がいいですよ。中野区教育行政基本計画にした方がいい。タイトルは非常に大事ですよ。では、計画の基本になる理念はどこにあるんですか、基本構想のこの部分にあります、それはわかりますよ。いたずらに基本構想のある部分に依拠して、なおかつそれはそれで踏まえて、そこからずっと膨れて教育委員会独自の中野区教育行政ビジョン、そうとしか思えない。もう少し整理された方がいいし、ここで聞きますけれども、中野区教育行政ビジョンで行くんですか、あるいは中野区教育行政基本計画で行くんですか、あるいは中野区教育ビジョンで行くんですか、三つぐらい選択肢がふえました、今のお答えを伺っていて、どうするんですか。ここに書いてある現題どおりのことで、(仮称)のこれを取ったものをつくろうとお考えになっているんですか。どうなんです。もうそろそろ決めた方がいいのではないですか。
沼口教育長
今(仮称)中野区教育行政ビジョンということで素案をお示ししている段階です。いろいろと御意見を伺って、最終的な案を次にお示しするということでございますので、その中で名称等についても検討していきたいと考えています。
基本構想の基本的な理念も当然掲げられているわけですけれども、その材料を当然、我々教育委員会としては、教育委員会の立場でお示ししていかないといけないということで、とりあえず素案を出してございます。最終的には、中野の要請といいますか、全体のビジョンでもよろしいんですけれども、基本構想に逸脱しない範囲で、当然、物事がすべてそこから広がっていくと考えています。ですから、我々が素案で示したように、社会に貢献していかなければいけないという人物像を素案でも描いていますけれども、そういうものは今回の中野の将来像の中にも取り入れていただいていますし、そういうものができた後にしっかりとビジョンとして描く、なおかつそれを実現するための基本計画は10か年でつくりたいという考え方でございます。
飯島委員
もうこれ以上、ほかのこともあるでしょうから、言っているわけにもいかないし、熱くなってもしようがありませんから、整理をして、だって変な話なんですよ。基本構想を策定するために教育委員会として考えているものについて、資料として教育行政ビジョン素案を示した、基本構想をつくるための素材として使ってもらった。それでつくった。それを受けて、またさらに素材として提供したのをまた計画として策定してしまう。一体何なんですか。基本構想をつくるための考え方として素案をお示しした。それをベースにして基本構想を考えてください、こういうことを考えているんですから、あらあら、それを考える。同時に、あらあらの素材として提供したものを、また教育委員会として改めて案にしたり計画にしたりするんですか。もっと簡単なのは、基本構想の教育の部分は、我々が考えているこれでぜひこれでお願いしたいです。そうすれば、もう何も策定する必要はありません、そこにみんな入ってしまうわけだから。基本的にあるでしょう、基本計画、10年なんてあるんだもん。基本構想は財政的な裏付けがあって、10年の計画があって、後は何が残るんですか、ここに。そうも考えられるではないですか。だって、詳細にでき上がったものをきちんと渡して、これをきちんと位置付けてください、我々はこう考えていますといったら、基本構想の中に文字どおり示され、同時に基本計画の中にも文字どおりきちんと位置付けられるのではありませんか。そうだとしたら、中野区教育行政ビジョンなるものについての策定という意味がどこに出てくるんですか。そういう基本構想や基本計画の中に取り上げられたそれぞれについて、一つずつその分野のことについて計画を持つことはあるかもしれないけれども、文字どおり使命をきちんと達することができるんだったら、これは要らなくなってしまうのではないでしょうか。そんなことも懸念として考えています。
それともう一つ、区立幼稚園の役割、機能及び配置のあり方というのが入っていますけれども、これは教育委員会の課題でしょう。では、幼稚園というのは、一体どこで、どうするんだということを前提にして、今回の組織の編成、あるいは執行のポジションを決めたんですか。これはかつての教育委員会の課題になるのではないか、組織再編前の。それは変わりないんですか。相変わらずこういうことは教育委員会で考えるんだ。ただ、区長部局は我々の考えたことを淡々と進めてもらえば結構なんだ。そういうことですか。でも、ここには幼保の一元とか、そんなことは全然出てきませんね。そうすると、これはこれで考える。保育園と幼稚園のあり方については、区長部局が考える。でも、どっちにも幼稚園のあり方でかかわっているということになると、一体どうなるんですか、この課題の整理はどういうことなんだろうか。
小谷松教育改革担当課長
幼稚園につきましては、具体的な事務執行ということにつきましては、補助執行ということで区長部局の方で担当している部分でございますけれども、幼稚園の教育をどうするか、幼児教育をどうするかという部分につきましては、それは教育委員会としてしっかりと責任を持って、基本的な考え方というものをまとめていく、整理をしていく、そして将来の方向をきちんと定めていく、その機能というものは教育委員会でしっかりとやっていくという考えでございます。
飯島委員
だって、ここに書いてあるのは、幼児教育の意義と区の責任という視点から区立幼稚園の役割、機能及び配置のあり方を見直す。だって、区立幼稚園の役割は明快ではないですか。今さらどんな役割を考えるんですか。こういうことを改めて見直すということになれば、当然、幼稚園だけではなくて、幼児教育、あるいは現下の子育て支援、もろもろの要素から役割を見直そうということになるんではないですか。あるいは、機能も同じですね。そして配置なんてことになると、設置者というのは一体どっちになるんだ、こういうことになってくると、では、教育委員会がこういうことを考えるといったって、教育委員会だけでは考えようのない課題ではないですか。そうもとれてしまうわけです。そうすると、こういうのは、今、いちいち組織、あるいは所管、あるいは組織の役割、分野、もういろいろなことをやったわけですけれども、結局は、どこでどうしているんでしょうか。しかも、こういう役割とか、機能とか、配置のあり方云々というのも、しょせんは基本構想の中における施設配置、その他いろいろなことの見直しを経てからでなければできないんでしょう。そうなってくると、こういう教育改革の課題と挙げているんだけれども、独自性を持ってこのことに取り組めるんですか。やり方を考えないと難しいのではないかと思うんですけれども、どうですか。
小谷松教育改革担当課長
区立幼稚園の役割、機能につきましては、しっかりと教育委員会で議論を深めてまいりたいと思いますが、当然、実行といいますか、実施ということにつきましては、区としての10か年計画の中できちんと位置付けまして、区立幼稚園の役割、どういう役割を展開していったらいいのか、機能として展開していったらいいのか、具体的な実行プログラムにつきましては、10か年計画の中できちんとお示しをさせていただきたいと思ってございます。
高橋委員
飯島委員が今聞いていた質問と関連するようなところもあるんですけれども、まず教育改革の課題というものを出していただいたんですけれども、私は以前、教育行政ビジョン素案についてというのをもらったときに、飯島委員がおっしゃったように、何で行政がつくんですかということを聞いたかと思います。それで、教育改革の課題の中の1番に中野区教育行政ビジョンの策定ということが入っているということが少し不思議かと思います。改革するからビジョンをつくるのか。ごく普通に思えば、教育ビジョンがあって、そのビジョンにのっとって中野区の基本構想が新たにできるから教育を改革しよう、そういう方向性に行っているのかと普通だったら思うのに、何で教育改革の中に行政ビジョンの策定が入ってしまうのかがまず1点、それが不思議でならないんですけれども。
小谷松教育改革担当課長
確かに理想といいますか、理念ということでいえば、今、委員がおっしゃったとおり、しっかりとしたビジョンを描き、その中で一つひとつの具体的な改革を実施していくというのは、確かに理想系といいますか、おっしゃるとおりだと思います。ただ、中野区としていろいろと取り組まなければならないもろもろの課題というものは、これは本当に待ったなしでたくさんございます。そういった中で、きちんと一つずつ実行を踏まえるとともに、また中野区の教育委員会としてのきちんとした将来的な方向というものもしっかりと持っていく必要がある、そういう意味では、同時並行的なといったらおかしいですけれども、そういった部分はあろうかと思います。ただ、今の段階でまたビジョンをしっかりと持ちながら策定して、それに基づいた教育行政というものを今後、中野区としまして展開をしていきたい、その契機としたい、そういうことでこのビジョンの策定を目指してございます。
高橋委員
そうすると、このビジョンの策定を目指しているということは、基本構想10か年計画とともにビジョンの策定もずっと永遠に続いてしまうという理解をしてしまうんですけれども、そういうことでいいんですか。
小谷松教育改革担当課長
きちんとした理念、目標を持ちながらいかなる行政も展開されていくということでいえば、教育行政だけが例外ということはないと思います。中野区の教育行政分野におきましても、しっかりとした将来目標を定める、そういったビジョン、そしてその実行プログラムでございます基本計画というものをあわせて持ちながら、着実な形で教育改革を一歩一歩やってまいりたいと思います。
高橋委員
同じことを聞いていても、答えも同じだとは思いますけれども、私の感覚でいうと、教育行政ではなくて、教育ビジョンを、新たな基本構想を策定するに当たって、新しい中野の教育ビジョンをまず立ち上げます。そして中野の教育はこういうビジョンに未来永劫頑張って続けていきたいビジョンを持ったんです。そういうビジョンの中において教育改革を幾つか策定して、それに努力をしてまいりますというのが普通ではないかと思うんですけれども、ビジョンと改革がずっと一緒に行ってしまうというのも何か不思議かと思ってなりません。だから、教育行政ビジョンであるとか、教育ビジョンであるのかというところも、これからも少し考えていただきたいと思います。
それと3番の地域が誇れる魅力ある学校づくりの改革の課題ですけれども、こういう学校選択制とか、2学期制とか、そういうことではなくて、魅力ある学校をつくるものとしたら、今まさしく文教の中でも問題、課題にしている学校の緑化とか、校庭の芝生化とか、環境を目的とした教育とか、どうして現実的なものを取り入れないのか。それから改革の課題においても、漠然としてしまって、またこうやって書いてくるだけで、いつ実行できるのかという不安があってなりません。そして地域スポーツクラブの設立だって、基本構想に合わせてつくっているのかもしれませんけれども、現実的なことが、教育委員会としては、もっと間近にとらえられる教育改革なんだというのが区民の皆さんにわかるように示していかなくてはいけないのではないかと思うんですけれども、余りにも課題を見ても漠然としてしまって身近にとらえられないという思いがあるんですけれども、いかがでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
確かにいろいろなものを同時並行的な形で取り組んでいくといったところで、焦点がぼやけながら、区民の皆様方の方に、確たる教育委員会として目指す方向というものが、なかなか難しい部分はございます。しかしながら、これら課題の一つひとつに真摯に取り組みながら、区民の皆様方に、中野区の教育が目指すべき方向、それをしっかりと示して、それにつきましては、またビジョンを策定する中できちんと区民の皆様方にお示しをしていきたいと思ってございます。
高橋委員
教育改革の課題はどなたがおつくりになったのでしょうか。それと、きちんとお示しをしていくというのは、確実に示されるというのは、いつごろになるんですか。
小谷松教育改革担当課長
改革の課題につきましては、教育を挙げて取り組んでいる課題でございます。課題をきちんと整理しました上で、目指すべき理念、目標というものをしっかりと定め、ビジョンの中に明らかにする形で、先ほども申しましたとおり、秋ぐらいを一つの目途としまして区民の皆様方の方にお示しをしてまいりたいと考えてございます。
高橋委員
そうすると、私たちにはいつごろ示していただけるんでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
今回お示ししました教育改革の課題、前回の委員会の質疑を踏まえまして、今、教育委員会で主に取り組んでいる課題を整理してお示ししたものです。このほかに、当然ご指摘のとおり、ここに出していない課題もありますし、また全体に対して体系的に整理をしたものではありませんので、それについては、教育行政ビジョンを今後策定し、また基本構想、それから10か年計画の教育分野の計画をつくっていきます。そういう中で全体像をお示ししていきたいと思っています。これにつきましては、先ほど申し上げましたように、検討課題として出ているもの、具体的に検討が進んで実施の準備等もあわせて行っているもの、さまざまなレベルのものがございますが、それぞれ課題として項目を列挙してお示ししているという内容のものでございます。
高橋委員
だから、いつごろ私たちに示してくれるんですか。
金野教育委員会事務局次長
これにつきましては、教育改革の課題とか、何かそういう本ができたり、資料ができるというものではなくて、それぞれの課題については、どう扱っていくか、先ほどからご議論いただいています教育行行政ビジョンを基本構想策定と並行して進めていく中で具体的に明らかにしていきますし、また区全体の取り組みの中で基本構想、あるいは10か年計画の事業計画として示していくという形にしていきたいと思っております。
委員長
休憩いたします。
(午後2時08分)
委員長
再開します。
(午後2時12分)
篠委員
大分激論ですが、これだけの資料でそれだけ激論していいかどうかも迷うわけですが、教育行政の行政を取ったとして、ビジョンがあるから、これだけの改革をしなければいけないという流れと我々と理解しております。これは教育改革担当課長を中心ではなく、今まで何十年にもわかる総括の部分は、指導室主動で細かい調査が行われたと理解をしているんですが、それでよろしいですか。
沼口教育長
もちろん教育改革担当の課長がおりますけれども、全体は教育委員会が総力を挙げてやっております。教育改革担当の中にも、教員の職員を一人配置して、そういう形で今進めております。ですから、当然、指導室とは連携をとりながらやっております。
篠委員
1ページで教育委員会として譲れない一文と私はとったんですが、何せ社会性が欠落している、なかなか反発を買う方がいるということを承知で遠慮なくいえば、道徳性だとか、倫理観というのは、ここのところ大人が見本を示さなければいけないとか、いろいろと言われるんですが、まさに大人が乱れているから子どもが乱れる、その図式が見事に総括の中でしっかりとらえられているのか。この社会性をどうやって構築していったらいいのかというので、一連の改革の展開があるというとらえ方を私はさせていただいたんです。そして、我が会派でも本会議でいろいろと質問させていただきましたが、区長が理念として、憲章という新しい言葉で、区長なりに譲れない一文ということで四つぐらい挙げられた言葉があるわけなんですが、個人の尊重、個人の何々、個人の何々、個人に塗りつぶされている。現在の学校現場における個人の尊重というのも、いい意味で作用することは大変いいことなんですが、人格尊重、人格完成を目指す教育界では当たり前のことなんですが、ただ、その反省を教育委員会は、大人と対等であるというとらえ方の部分に求めたのではないかと私は思ったんです。注意すべきときに注意できないような、理念が縛りになってはいないか。日本人が今まで探り当てた教え育むというのが教育なんだという部分が欠落したのが原因ではないか。何人か少ない人数で教えるよりは、かなりの人数で教えた方が社会性は育つとか、あるいは小学校から中学に、3割ないし4割の家庭が公立の中学を信任しませんといって私立に流れている10年来の現象をかなりしっかりとらえていく、親方日の丸的なぬるま湯さをかなり激しくチェックされている、暗黙のうちにチェックされている。これは姿勢をたださなくてはという、まさに行政マンではない教育委員会、教育者が総括した部分を譲れない理念、区長も勝手に手をつけられては困るという形で出された、こういう認識をしたんですけれども、そうではなくて、区長がこうやれと言ったら、こうやるというような、そんなものなんですか。
小林指導室長
今、篠委員の御指摘のところで、特に社会規範の育成、社会性の肝要という部分でございますが、まさにお話のとおり個人を尊重していく、そして人間を尊重していくというバックボーンには、こうした社会性の育成や社会規範の肝要というのは欠くことのできないことだと思います。そういう点では、教育行政ビジョンの素案の中には、そうした社会性や社会規範の育成というものが掲げられているわけでございまして、こういったビジョンに掲げられたものを達成していくために、例えば学校教育の中では、小・中学校でどのような施策というか、また取り組みをしていくべきか、これを今後またさらに具現化していく必要があるというふうに認識しているところでございます。
篠委員
我々議員で、ここにも書いてある、杉並区もきょう新聞で発表していましたけれども、再編のことが出されたんですが、人口動向をとらえただけで行動をとるのか、これではいい子が育たないという理念に裏付けられて行動をとって、譲れない一線があるんだというもので出してきたのか。揺さぶりをかけられたらすぐに変えざるを得ないようなものという認識なのか、ビジョンを大切にするかどうかというのは、それほど重要な意味を持つと私は思うし、ビジョンのことについて、ふらついて、区長部局から言われても、私たちはいい中野区の教育をやりたいからというものを総括して展開していきたいということでないと、見せた途端に説明責任も何もできないという結果になると思っているんですけれども、そのような形で教育行政、行政が先に来るのは不適当かもしれないけれども、このビジョンの展開をしようと思っているのかどうか。
沼口教育長
もちろん、教育行政を所管している教育委員会ですので、教育委員会の立場できちんとそういう理念は打ち出していきたいと思っています。
藤本委員
先ほどから議論を聞かせていただいて、まず資料の出し方というか、線引きがおかしいと思うんです。中野区教育ビジョンが1、2、区立教育施設、3ではなくて、中野区教育ビジョンの策定、これは一つの理念だから、教育ビジョンの中にこの項目が全部入っているではないですか。だから1、2、3、4ではないんです。ビジョンの策定はもう大前提としてあって、その中で改革をしていく、教育改革の課題、その辺の認識は、単なる項目の一つではないんです。非常に重要な策定ですから、それがまず違っているのではないか、その中にこういう項目があるのではないですか。ここのビジョンの中にみんな書いてあるではないですか。その中で、皆さん方が、こういう議論が恐らく大切な議論として、改革として取り組んでいく、だからこれは1、2、3ではないんです。ビジョンはビジョンなんてす。その下に1、2、3、もし項目を挙げるとしたら、そうではないですか。並列にしているから、まずそこで混乱が起きている。
小谷松教育改革担当課長
確かにおっしゃるとおりだと思います。その点につきましては、先ほど高橋委員からも御指摘をいただいたところでございます。もろもろの教育改革を進めていく上におきまして、バックボーンとなりますもの、それがまさに教育行政ビジョン、これから策定するビジョンだと思います。そこからさまざまな改革のものが枝分かれしていくということになると思います。ただ、現在、教育委員会の中で、これも先ほど申し上げたところでございますけれども、いろいろな課題に向かって取り組んでございます。そういった意味で、今回、資料の提示につきましては、ビジョンもその一つということで、大変申しわけなかったんですけれども、本当に実務的な部分で並列的な形でお示しをさせていただきました。本来のそういった理念的な部分ということからいえば、確かにビジョンがあって、そしてそのビジョンによって目指すべき方向、そこから個別の課題が鋭意記されるということ、それはおっしゃるとおりだと認識しているところでございます。今回はいろいろと実務的な部分で取り組んでおりますものを並列的に書いたということで誤解を生じてしまいました。その点につきましてはお詫び申し上げたいと思います。
藤本委員
先ほど質問していて、本当にそうだと思うんです。だから、認識はそうなのかと思うんです。
それとあと先ほどから改革ビジョンというのと基本構想、いろいろと議論されています。そこのところも、教育改革に取り組んできているというのは、基本構想は基本構想で新しく今つくっているんだけれども、そうではなくて、もう大分前から隔週の5日制、それから週5日制、完全5日制、少子化、子どもたち、児童数の減少という中で、もう当然取り組んでいかなければいけないという認識はしていたわけです。課題にも取り組んできた。そういったものが中野区は非常におくれてしまっている。そこと基本構想とが重なり合っているから、当然、整合性は持たなければいけないんだけれども、教育の改革として、そういう改革の取り組みのおくれが今、非常に難しく、基本構想との重ね合いとか、計画のという部分があるように思うんですけれども、それが例えばもっと早くそういったことに取り組んでいれば、必ずしもという気がするんですけれども、そこが基本構想と議論されているビジョンというのは、基本構想があってビジョンだったら、本当にこのビジョンというのはそれに基づいてだけれども、もうそれ以前、基本構想もそうなんでしょうけれども、時代がどんどんと大きく変化していく、教育の環境というのは非常に大きな変化をしているわけではないですか。その改革ということで皆さん方はビジョンをつくって取り組んでいこうとしている、そことの整合性というか、そこのところがうまく説明しきれていないのではないかと思うんだけれども、どうなんですか、そこのところは。
小谷松教育改革担当課長
これまでいろいろと行っておりました教育委員会としての課題、その中で、ちょうど今、区の方としまして基本構想の改定作業を進めているところでございます。ただ、繰り返しの話になってしまいますけれども、区としての本当の基本となります基本構想、そしてそこから出てまいります教育分野におきます一つの理念体系としてのビジョン、そういった形できちんと整理を図ってまいりたいと思ってございます。ビジョンが、これも先ほど飯島委員の方から御指摘いただいたところでございますけれども、確かに一つの個別行政分野といいますか、個別計画としてのものでもございますが、同時にあわせてきちんとした理念、時代に翻弄されないといいますか、そういった確たる理念というものも掲げて、それは先ほど教育長の方から、自立と社会に貢献できる人材の育成といった話もございましたけれども、そういったきちんとした理念を掲げながら、あわせて同時にまた一つの行政計画でもありますので、そういった部分で基本構想をベースとしながら教育委員会としてのビジョンの策定、そして計画行政の推進というものを図ってまいりたいと考えてございます。
奥田委員
他の委員と重複してくる部分も出てきてしまうんですが、資料を提出されている部署が教育を改革を担当されているという場所から出ているわけです。にもかかわらず、皆さん議論されて御意見を言われているように、ビジョンの策定が教育の改革のテーマであるというのは、そもそもおかしいんです。本来であれば、改革担当の場所ではなくて、もう少し統合的な部署から出されて、それを受けて改革担当の立場でどう整理していくかという順序を踏まれるものだと思うんですが、これだとビジョンを考えるのも改革ありきで、改革担当からビジョンをつくっていこうと、出されている場所を見るだけでも、そういう議論のあべこべさが見えてしまうという感じがするんですが、いかがですか。
小谷松教育改革担当課長
確かに、この資料は私どもの方で調整をさせていただいたものでございますけれども、中野区の教育委員会全体として、いろいろな改革に向けた課題、これらを一体となって解決をしていかなければならない、そういった中で一つの調整担当という形で、それらを将来の教育委員会として取り組むべき計画体系に取りまとめる、そういった役割につきましても、全体を調整する教育改革担当という形で、一定の組織として役割を持ちながら仕事の方を担当しているというものでございます。
奥田委員
それは教育改革担当のお立場でそういう認識をされているということだと思うんですが、次長の御認識をお示しいただきたい。
金野教育委員会事務局次長
教育改革担当という名称になっておりますが、教育行政、あるいは教育委員会事務局全体の中のさまざまな重要な課題の総合調整、教育行政全体の計画、企画のようなところについて担当のセクションを設けまして、そこを教育改革担当という施策の組み立てにしております。ですから、名前はそうなっておりますが、計画全体、企画全体を総合調整するという立場からきょうのような資料を作成したというものでございます。
奥田委員
そうすると、従来の組織でいうと、次長がされているようなところを改革担当の方が相当程度を担われていくということになるのでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
これまで従来の教育改革担当がなかった、たしか昨年から設置されていると思いますが、教育改革担当という明記的なものがないときには、教育委員会の当時の庶務課の担当、あるいは計画調整の担当というところが中心になっております。それにつきましては、当時と組織が違いますので、一概には言えませんが、教育の事務局の中の庶務的な部分、計画的な部分というもので担当していたという経緯がございました。
委員長
他に質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
休憩します。
(午後2時31分)
委員長
再開いたします。
(午後2時40分)
休憩中に確認いたしましたけれども、本日、提出いただいた教育改革の課題については、整理をしていただいて、またしかるべき委員会に報告していただくということにいたします。
以上で要求資料の提出を終わります。
次に、所管事項の報告を求めたいと思います。
1、「基本構想・新しい中野をつくる10か年計画」検討素材(NO.2)について、特にこの報告については、特別委員会との関係がございますので、質疑は教育委員会の所管部分についてされるようにお願いをしておきます。
それでは、報告を求めます。
小谷松教育改革担当課長
それでは、基本構想・新しい中野をつくる10か年計画に関する現在の検討内容を検討素材ナンバー2として作成をいたしましたので、報告をさせていただきます。(資料3)
本件につきましては、ただいま委員長の方からお話がございましたとおり、基本構想調査・江古田の森整備特別委員会の調査事項となっているものでございますが、今回、各常任委員会でも、各部関連事項を中心といたしまして、概要につきまして御報告をさせていただくものでございます。
なお、今回の資料をもとに、5月に区民との意見交換会が開催されましたけれども、また関係団体等とも随時意見交換を行っているという状況でございます。
それでは、資料の方でございますけれども、まず資料の1でございます。基本構想の構成案の方でございます。基本構想の全体構成と主な内容をお示ししてございます。今後、構成案をもとに新たな基本構想をつくり上げていくという予定となってございます。
なお、検討素材ナンバー2では、中野のまちの将来像を表でお示ししまして、想定される取り組み例につきましても、あわせてお示しをさせていただきました。これは新しい中野をつくる10か年計画で現在、想定される項目をあくまでも例示したものでございますので、今後、区民意見や財政上の見通しなどをもとに検討を行い、内容につきましてさらに加除訂正が行われていくものでございます。
資料1の基本構想の構成、組み立てでございますけれども、一つ目といたしまして、中野のまちの基本理念、それから横組みでございますが、中野のまちの将来像、10年後に実現するまちの姿、それから最後に基本構想の実現のためにという構成となってございます。
当委員会の所管分につきまして御報告をさせていただきます。
まず横組みの方の資料でございますけれども、4ページをお開きいただきたいと思います。領域II.自立してともに成長する人づくりの項でございます。中野のまちの将来像といたしまして、IIの2でございますが、子どもから大人まで能力を生かしながら地域の中で伸びやかに暮らせるまちということで中野のまちの将来像を描いてございます。IIの2、10年後に実現するまちの姿ということで、子どもから大人まで地域の中で能力を伸ばせるまちということで10年後のまちの姿を想定してございます。豊かな創造力と強く柔軟な心と身体をはぐくめるよう、学童期の子どもには創造的な活動の機会が広がる、こういった10年後のまちの姿を実現するために想定される取り組み例ということで、現段階におきまして想定している例といたしまして、家庭、学校、地域が連携した子育て環境の推進、不登校児童・生徒に対しての相談、援助を行う場の地域展開といった事業が取り組み例として示されてございます。
それから二つ飛びまして次の丸でございますけれども、区民が学習する機会が地域の中に多様に用意されているということでは、リカレント教育の推進、大学、専門学校との連携による生涯学習の推進といった取り組み例がございます。
また、芸術・文化活動が活発に展開されるといったところでは、芸術・文化振興プログラムの策定、実施、区立施設の利用方法の改善による民間の文化・芸術活動の活性化等がございます。
それからその次でございますけれども、既存の施設や地域の人材を活用した地域型スポーツクラブなどによりまして、地域でだれもがスポーツを楽しめるようになっている10年後のまちの姿を実現するために、地域スポーツ、健康づくりの施設の設置、それから地域スポーツ、健康づくり施設を運営する地域型スポーツクラブの設立等の取り組み例がございます。
それから一番下でございます学校図書館と地域図書館の複合的な活用によりまして、区民が身近な場で主体的な学習活動に取り組んでいるといった10年後の姿を実現するために、特色ある図書館の整備、それから図書館と学校、図書館との連携といった取り組み例が想定されます。
次に、5ページをごらんいただきたいと思います。
10年後に実現するまちの姿といたしまして、IIの3、適正配置される学校が生かされるまちということで、地域が学校を支え、学校と地域の連携が大幅に強まっているということでございます。ここで想定される取り組み例といたしましては、児童の遊び場や子育て支援の機能を小学校に取り込み、家庭、学校、地域が連携した子育て環境の推進、それから外部評価制度の拡充といった例がございます。
また、障害のある子どもが自分の可能性を伸ばすことができる教育環境で一人ひとりに応じたきめ細かい教育を受けているということでは、特別支援教育の実施というものが想定されます。
また、区立学校では魅力ある授業が行われ、子どもの基礎学力が向上している。
それから学校では、自分をかけがえのない存在であると認識するとともに、自他の生命や人権を尊重する教育が行われているということでは、学校選択制の実施、あるいは少人数指導や習熟度別指導など多様な授業の展開等々がございます。
それからその下でございます。区立学校は適正に配置され、子どもにとって適正な集団規模で教育が確保されるということでは、区立小・中学校の施設整備、それから学校の再編というものが想定されます。
それから安全に通学し学校生活を送れる環境が整っているということでございます。こちらでは、先ほどと同じでございますけれども、学校を児童の遊び場や育成活動の拠点といたしまして、地域の住民が学校を活動の場にすることによりまして、地域全体で児童・生徒の安全を支える仕組みづくりといった取り組み例が想定されます。
それから地域との連携などにより多様で特色ある課外活動などが活発に行われているということでは、地域、学校の連携によります子どもたちの創造的活動の推進、あるいは地域スポーツ・健康づくり施設によります部活動、子どもの体力づくりの支援、それから地域人材の活用制度の創設といった取り組み例が想定されるところでございます。
それでは、少し進みまして申しわけございません。資料の2の方をごらんいただきたいと思います。
施設配置の基本方針案でございます。施設配置の基本方針案と新たな施設展開をお示ししてございます。検討素材ナンバー2では、新たな施設展開の検討例をより具体的にお示ししてございます。今後、区民意見などを参考にさらに検討を進めまして、新しい中野をつくる10か年計画の中で、個々の施設数や運営方法などを示していく予定となってございます。
なお、こちらの施設方針案の構成でございますが、まず1番といたしまして検討の前提でございます。中野区の施設の現況や施設運営を取り巻く状況の変化をお示ししてございます。
それから2番目が検討の視点でございますけれども、今ある施設を一たんないものといたしましてゼロベースで考えることを基本に、これからの施設配置を検討する視点をお示ししてございます。
その次のページでございます。
3番目、求められる施設の機能ということでは、将来、必要な施設の機能をお示ししてございます。
なお、教育関連の施設ということでは、3ページに将来必要な機能ということで5点ほど記載をさせていただいてございます。
それから4番目、最後の4ページでございますが、土地、施設の活用ということで、新たな施設配置を行った結果、不用となる施設、建物、土地についての活用方針がこちらで示されてございます。
その次の新たな施設展開についてというところでごらんいただきたいと思います。時代の変化に伴います施設対応のあり方について、学校を中心にとなってございます。これまでの少子・高齢化の進展に伴いまして、一方で学校の少人数化、空き教室の出現といったこと、その一方で高齢者施設の不足、少子化に伴いますニーズの出現ということが出てまいりました。そのことから矢印が下の方に伸びてございますが、区立小・中学校の再編を行いまして、再編に望ましい教育環境の実現を、あわせてあきました学校を新たな地域の資産に活用するといった施設展開が想定されるところでございます。
それからページをまたおめくりいただきまして、3ページをごらんいただきたいと思います。
ここからは具体的な個々の施設についての記載でございます。
まず新たな小・中学校ということでございますけれども、自分の将来に希望や明確な目的の持てる子どもたちを育てるため、子どもにとって良好な集団規模によります教育環境を実現する。現在の学校では少人数化による集団活力低下や、クラス数減少によります専科教諭の確保が難しくなるなど、学校の小規模化によります教育指導の問題がございます。また、少ない教員で部活動や授業以外の公務を分担するため、個別指導や教育相談にかける時間が減少するなどの学校運営面でのマイナスもございます。こういったことを改善いたしまして、小・中学校ともに望ましい規模を維持できるように、次のとおりに学校再編を行うということで、第1点から第6点まで挙げてございます。これらにつきましては、前回の当委員会におきまして御報告をさせていただきましたので、申しわけございません、先に進めさせていただきたいと思います。
4ページ、次のページをお開きいただきたいと思います。
こちらでは、地域スポーツ、健康づくり施設ということで、三、四カ所ほどの想定でございます。地域で区民だれもが気軽にさまざまなスポーツ活動に親しみ、健康づくりを行う、あるいは総合体育館、グラウンド、プールを区内に確保する、また地域スポーツクラブを設置する、その施設の運営につきましては、これを自主的に行っていく。また、区内の保健医療機関と連携いたしまして健康づくりを支援するといった構想がここで掲げられてございます。
それからもう1点、その下でございます。新しい子ども施設、発展し分化する児童館ということにつきましても、少し触れさせていただきたいと思います。放課後児童の保護、遊ぶための機能、子育て相談などの機能につきましては、これを小学校に取り込みまして、現在の児童館は特色のある新たな子ども施設や中高生対応への施設として転換を予定してございます。
小学校でございますけれども、小学校に入れる児童館機能ということにつきましては、放課後も校内で校庭、体育館を使いながら過ごす場所とする。また、学校を中心に保護者や地域活動団体が連携する場所とする。あるいは、学校に多くの目が注がれることによりまして安全性が高まる。また、子どもへのかかわりをきっかけといたしまして、地域コミュニティ活動の活性化を図る。それから教員が地域との緊密な連携をとることによりまして、子どもたちのことをより十分に把握できるといったような機能が期待されているというものでございます。
それから5ページの方をごらんいただきたいと思います。
ここで図書館につきましての施設の機能がまとめてございます。図書館につきましては、施設の適正配置や学校図書館との連携を図りまして、利便性の高いサービスの提供を目指す。また、各館ごとに特色のある蔵書や収集、保管を行いまして個性のある図書館を再編する。それから図書館と学校図書館との連携によりまして新たな図書サービスの展開を行う。さらに、歴史民族資料館や平和資料室との連携なども進めるといったことも目指すことといたしてございます。
それから最後に保育園、幼稚園についてでございます。同年齢の幼児が施設の種別によらず等質な教育や育児サービスの提供を受けられるよう連携を強め、負担の公平化を行うといたしてございます。また、運営につきましては、これは保育園でございますけれども、指定管理者制度の活用や民営化を進めるということで、そのことによりまして多様な事業展開や保育時間の延長など区民の利便性の向上を図るといたしてございます。
関連部分だけ大変急ぎ足で申し上げましたけれども、このような形で現在、検討素材のNO.2について検討が行われている状況にございます。
委員長
3時が近づいておりますので、3時15分まで休憩いたします。
(午後2時55分)
委員長
それでは、委員会を再開いたします。
(午後3時16分)
休憩前に続きまして、基本構想・新しい中野をつくる10か年計画、検討素材NO.2についての質疑を受けたいと思います。
質疑ありませんか。
小串委員
質問というほどではないんですけれども、わからないので教えてもらいたいんですけれども、4ページの中ぐらいにあるリカレント教育のリカレントという意味がわからないんです。もう1点、地域型スポーツクラブ、これも前に説明を聞いたことがあるんですけれども、その概念でよくわからない部分があるので、説明をお願いできませんか。
大沼生涯学習担当参事
まずリカレントなんですけれども、社会の職業の中で、いろいろな技術発展とか、いろいろな変化があります。それについて、まずリセットします。そのためにはいろいろな準備が必要なんです、学習とか、そのための職業教育、教育的なものの考え方をリカレントといっています。ライフステージごとに、例えば定年なさって生涯学習というのがあります、ライフステージ、その中に40代、50代の職業を持っている方、新たな教育、あるいはいろいろな勉強するという機会をやっていくということでリカレントといっているんです。生涯教育の場合は、どちらかというと一生なんですけれども、60歳、70歳、その後の話です。リカレントというのは、現役世代のいろいろな勉強、技術革新とかいろいろなものを学んでいく、それで自分を再スタートする、リセット、そのためのいろいろな勉強をする、その勉強の機会を提供していく、それを行政が支援していくという構図です。講座としては、いろいろな大学との連携とか、専門学校との連携をつくって、場の支援、いろいろな活動を支援していく。行政がそういう場面をつくるのではなくて、支援の場面をつくっていくという考え方で私は今のところ整理しています。
それから総合型地域スポーツなんですけれども、一つは健康志向の高まり、余暇活動がふえてきた、スポーツ人口がふえてきた。今までのスポーツというのは、単一種目、例えば野球だと野球、テニスはテニス、どちらかというと地域とのかかわりというのはないんです。例えば小学生はスポーツクラブというのはあるんですけれども、中学に入ると部活になります。高校に行っても部活になってしまいます。社会人も社会人でのクラブになってしまうんです。そうではなくて、欧米型の地域の中でだれでも、いつでも、どの人でも、どのような種目でもできるような横的なつながりのスポーツクラブを考えています。多種目、多様性、どのレベルの人もできるという考え方です。その背景には、平成12年9月にスポーツ振興基本計画というのを文部科学省でつくって、平成13年から22年の間に総合型地域スポーツクラブをつくろうという大きな流れがありまして、各自治体で今取り組んでいるところです。中野で取り組む際には、今までの既存のいろいろなスポーツクラブがあるんです。これから、それの整理もしなければならないんですけれども、いつでも、どこでも、だれでも、どのようなスポーツでも、どのレベルのスポーツでもできるようなものがメインテーマなんです。一つは会員制なんです。会員制で金を出して運営していこうという感覚の地域スポーツ型クラブを考えています。現実に足立区とか練馬区では行われてございます。我々もいろいろと視察して、これからつくっていきたいと思います。その前に中野区の地域型スポーツクラブとはどんなものか、その構想づくりを今やっているところです。少し長くなりましたけれども、そんな状況です。
小串委員
1回で、聞けばわかるのかと思ったんですけれども、わからないんですけれども、リカレントというのは、日本語に訳すとどうなるんですか。これは私だけわからないということならいいんだけれども、わからない言葉をわざとわからなくするために使っているがごとく使うということがまずいのではないかと思うんです。もっとわかりやすい言葉でやってもらわないと、日本語に訳して、わかりやすい言葉にしてもらえればと思うんですけれども。
もう1点、地域型スポーツクラブというのは、ドゥースポーツプラザとかフィットネスクラブがあります、民間の施設で。あれの公共版というふうに考えればいいんですか。あれなんかも、会員制で、プールがあって、機械から何かが置いてあって、壁にぶつけてやるテニスみたいな、スカッシュ、ドゥースポーツプラザに通っていたことがあるんです、三日坊主で終わりましたけれども、そういうことなんですか。
大沼生涯学習担当参事
リカレントについてですが、リが入りますから、再とかという意味が入るんです。ですから再教育とか、何ていうんでしょうか、日本語に訳せないからそういう言葉を使っているんだと思うんですけれども、もう一度、研究したいと思いますので、適当な訳語があるのかどうか。ただ、リカレント、リカレントという形で我々はふっと入ってしまっているものですから、そういう訳し方をしなかったんですけれども、もう少しいろいろと勉強してみたいと思います。きょうは適切な訳語が見つからないので、済みません、次回あたりはきちんとやりたいと思います。
それからさっきの総合型地域スポーツが民間とどう違うのか。一つは多種目、多様だという意味では似ているかと思います。それからお金を払ってやっている。しかし、総合型地域スポーツというのは、地域の中に根ざすという意味合いがありますから、コミュニティというんですか、その中でまちづくりをしていこう、みんなでつくっていいまちにしていこうという芽生えがあります。それとみんなで地域のスポーツ、健康、それから余暇活動ですから、文化・芸術なんかも入ってくるんです、文化活動も入ってくるわけなんです。ですから、そこら辺からいうとかなり複合的な概念です。経営主体については、マネジメントが入りますから、そういう意味でいうと民間のスポーツあたりが経営とか管理はいいんだろうと思うけれども、運営については、住民主体でやっていく、あるいはいろいろな人がやっていくということでいうと、今までの単一種目に民間のノウハウを生かしたような総合型地域スポーツみたいなものをつくれないかということで、いろいろと模索している段階です。区別については、整理の仕方はあるんですけれども、これまでの地域スポーツとこれからの地域スポーツはどう違うのかというところでいうと、地域スポーツクラブについてはクラブハウスというのがあるんです。そこにいろいろな人が集まって、会員で交流を図る、そこで初めてコミュニティ的な発想があるんです。今までのスポーツだとクラブハウスという概念はないんです。活動の場はあるんですけれども、そこに集まって、プレーして、帰ってしまう。ところが、クラブハウスがありますから、そこでいろいろな人が触れ合う、いろいろな種目が集まる、それで地域にいろいろな人の輪ができ上がっていく、それで地域社会をよくしていこうという発想がありますので、どちらかというと交流の場、スポーツの場、それからいろいろな自己開発をしていくような場という意味合いで考えているんです。ただ、中野区の目指すものはどうかというのは、今いろいろと検討している段階なので、でき次第に皆さんに素案みたいなものを出しまして、いろいろと御意見をいただきたいと思っております。今いろいろと頑張っているところです。
小串委員
聞けば聞くほどわからなくなってしまうので、もっとわかりやすく説明してくれれば、もう1回で終わってしまうんですけれども、そもそも今ある、例えば野球のチームだとか、少年サッカー、野球チーム、練習する場所が非常に不足していて困っているという現状があります。そういう人たちに、一方で統廃合をやったことによってできる空き学校というか、廃校になったところを利用して、一方では地域型のスポーツクラブという発想で運営して、結局、形態としては、さっき言ったように公共的な、公が一部関与する総合スポーツクラブ、フィットネスクラブ的な、今あるプールだとか体育館だとかを利用しながら、そこに来て、プールといったって屋外だったら夏しか利用できないけれども、室内にあるところがそうなれば、そこを利用するということもあるのかもしれないけれども、そういうことなんですか。一方では、そういうことをやろうとしていて、一方ではあいたところをそういう人たちに、少年サッカーだとか、少年野球だとか、あるいは社会人野球の練習の場、要するに野球場が少ないです。二つしか野球場がないという状況を改善しようという二とおりでやっていこうということなんですか。
大沼生涯学習担当参事
そこら辺の整理が一番難しいんですけれども、今まで単一種目でサッカーならサッカーということで、どちらかというと同じ志向で同じ競技レベルを目指して、レベルを上げてやっていこう、それに楽しみを見出すというのが今までのスポーツ形態なんです。今後の総合型というのは、まず種目は多様性なんです、どの種目もいいです。そのときのレベルも、本当のきっかけづくりから競技レベルまでの人もいる、そこで多様性ですね、それからクラブハウスがあって、できたら、そこの専用グラウンドがあるような構想が一番望ましいんです。そのときに、クラブをグラウンド、あるいはプール、体育館などを運営するのが、さっきマネジメントと言いましたけれども、マネジメントがいて、原資は会員制でやるとか、いろいろな事業を展開してお金をいただいて運営に充てるとか、そういった形の総合型地域スポーツクラブを考えているんです。どちらかといえば今までのスポーツというのは、単一的でそこだけのつながりであった。今後はいろいろなつながり、横に広がっていくような形の総合型スポーツクラブを考えているところなんです。足立もそうなんですけれども、ほかの区では既存団体とこれからつくる地域スポーツクラブとの関係で、どう理解を示して、そういうものに発展させていくかというのが大きな課題ですから、準備期間がかなり必要なんです。ですから、小串委員の言われている、これまでのスポーツと総合型スポーツクラブはどう違うんだということを明確に出して説明していかないと、なかなか難しいと思っています。そこについては今、構想をつくっている段階なので、中野区は中野区の考え方をつくっていかなければならないので、今いろいろと検討している段階です。ですから今後どうしたらいいかと本当に悩んでいるところです。ただ、これは必要なものですから、交流とか、いろいろな人がその場で触れ合っていく、地域社会にも参加していただく、そこで文化活動も行われるという複合的なものを考えていますので、これはぜひ考えていきたいとは思っています。
高橋委員
ここで聞いていいのかどうかわからないんですけれども、確認だけしたいんですけれども、そうすると、将来的に地域スポーツというのを考えていらっしゃるんでしょうけれども、現在行っている体育館開放というのはどのように考えていらっしゃるんですか。
大沼生涯学習担当参事
確かに、学校開放とか、PTAの使われ方とか、いろいろとあるんです。そこら辺を整理するのが大変だと思っています。田舎でしたら、大きなグラウンドがあって、大きな体育館があって、会員というのは、協会単位とか自治会単位で入って総合スポーツクラブはできやすいんですけれども、都市部においては、場所がない、活動時間が限られているという制約条件がありますから、どうつくっていくかというのは、体育指導員、いろいろな団体、協会、自治会、地区委員会、青少年委員、いろいろな団体と話し合って進めていかないと、本当に混乱だけになってしまうというおそれは持っています。
高橋委員
混乱にならないように進めていくんでしょうけれども、基本構想から10か年計画において学校だって適正配置をするわけだから、現在行っている学校開放、いわゆる体育館開放、校庭開放、教室開放とかがありますね。それだってきちんと整理していかないと、学校の適正配置が先に行ってしまったけれども、開放だけ置いていかれてしまって、どうしたらいいのというわけにはいかないわけですね。今そういうことを検討されているんですか。
大沼生涯学習担当参事
実際に進めていく際には、そこら辺が本当に大きな課題として考えています。ですから、既存のスポーツクラブと学校開放、体育館開放の利用者の場が限られていますから、なおかつ少ないという現状がありますので、そこら辺でどう話して、説明して、地域型総合スポーツクラブを立ち上げていくかというのは、本当にそこら辺が大きな課題だとは認識しています。ですから、理念をきちんとつくって、こういう考え方です、手順はこうですというものをつくっていかないと、なかなか難しい問題をはらんでいる。それと今までのスポーツの方がありますね。それが今度はどのスポーツでもできる、どのスポーツも用意されているという話ですから、きちんとした構想をつくって進めていきたいと思っています。
高橋委員
よくわからなくなってきてしまったんですけれども、生涯学習課としては、今現在、活動している単位グループがありますね。そういう人たちに地域スポーツを推進してもらいたいとか、手伝ってもらいたいとか、そういう思いがあるわけですか。それとも単位スポーツ団体さんたちには、この場所を確保しますよとか、そういう考えなのか、それとも今一生懸命やっている団体さんたちは、どんどんとこっちの地域スポーツ型に移行してもらいたいという思いなのか、よくわからないんですけれども。
大沼生涯学習担当参事
今現在、体育指導員の東京都の研修では、地域スポーツ振興計画に基づく総合スポーツクラブの考え方をいろいろな場面で説明しているところなんです。ヨーロッパなんかだとよくサッカークラブが引き合いが出されるんです。地域の中には、それなりのサッカーがあって、その中で会員があって、いろいろとスポーツ展開がされている。あっちは部活とか企業単位はありませんので、すんなり入っているんですけれども、日本の場合は学校単位があったり企業単位があったりして縦のつながりが強かったんです。今度は地域という舞台の中でいろいろなスポーツを展開していくというのが大きな考え方なんです。そのときに会員制にする、会費をいただいて、それが全部運営に回るかどうかは別にして、会費をいただく。会員制になる。会員の方がスポーツ展開をする。もちろん、ほかの人が来ても利用はできるんですけれども、基本はクラブですから会員制でもって展開していくということになります。では、今、学校開放とかをやっている方にどう説明しているのかについては、まず構想をつくって、こういう考え方というのがあってから説明したいと思っています。ですから、今現在、体育指導員の方については、東京都の研修では、総合型地域スポーツクラブの考え方が研修では示されているところです。
高橋委員
私の聞き方が悪いのか、どんどんと聞いていくうちにわからなくなってしまうんですけれども、まず平成13年から22年の間に総合的な地域スポーツ施設をつくらなくてはならないのか、それとも中野区はそうではなくて、既存の従来から区民の人たちの要望にこたえて体育館を開放したりとか、各チームがありますね、そういう人たちだって別にただでやっているわけではなくて、会費を取って、募って、夜、体育館を借りてやっているわけですから、お金の面は違わないとは思うんですけれども、方向性がそういうふうに変えていかなくてはいけないのか、それとも別に変えなくても、従来のままやっていてもいいんだけれども、中野区はこう変えたいのか、そこがよく見えないんです。体育指導員さんにお話をされていても、それは中野区の姿勢がこうだから、体育指導員さん、よく理解して、今後はこういうふうに変えていきたいんですというお話をされているのか、今現在、体育館とか校庭をお借りしてやっているスポーツチームの人たちは、こんなことすら知らないわけです。法律で地域スポーツにしなさいとか、努力して推進していってくださいということすら知っていない人の方が大半だと思うんです。だから、基本構想をつくるに当たっても、基本的に中野区が変えていきたいのか、変えなくてはならないのか、そういうところからお話を聞いてみないとよくわからないんですけれども。
大沼生涯学習担当参事
平成12年のスポーツ振興基本計画では、13年からの10年計画の中で、各自治体に一つ総合型地域スポーツクラブをつくろうという目標です。中野区としては、今言った健康の高まり、スポーツ人口の高まり、あるいは地域の中でコミュニティ活動もできる、それから文化活動もできるということを含めた総合型地域スポーツクラブを立ち上げていこうという考え方です。その際、さっき言った既存の団体をどうするのか、そういう方向に収れんしていくのか、あるいは併存していくのかというのは、話し合いでいきたいと思うんですけれども、総合型地域スポーツクラブといったときには、できたら、いろいろと御理解をいただいて、併存というよりも、いいものでしたら、総合型地域スポーツクラブというもので地域の中に根ざして、だれでも、どの種目でもできるという構想が、ずっと先の構想なんですけれども、それに収れんしていくのが望ましいと思いますけれども、ここ一、二年とか、5年、どうするのかというのは、まさしくいろいろと悩んで、どうしていくかの話だと思います。ただ、総合型地域スポーツクラブの構想そのものは、構想ですから、それはきちんとつくり上げて、それに向かって努力はしなければならないとは思っています。
高橋委員
そうすると、中野区としては、これは目標だから、中野区としてはつくりたいという目標を持っていらっしゃる。ただし、既存の団体さんたちに今後どう説明をしていくか、御理解をいただくか、中野区の目標に入っているというか、手助けをしていただきたいという理解でいいのか、それとも基本構想と10か年計画の中において、併記していくか、既存の人たちとずっと話し合いをしていくのか。きちんと中野区がスタンスを持っていないと、今やっている人たちは、どうしたらいいのになってしまうような気がするんです。何かとても心配なんですけれども。
大沼生涯学習担当参事
実は足立の入谷南小学校の再編された跡に総合型地域スポーツクラブというのが現に立ち上がっているんです。その中では、校舎を使ってクラブハウスをやっています。その中には種目があって、文化活動もあったり、スポーツ活動もなさっています。そのときに聞いたんですけれども、既存の学校開放はどうなっているのかといったら併存しているんです。将来どうするんですかといったら、ゆくゆくは御理解を賜ってすそ野を広げていきたい、その方も総合型クラブの中に入って、地域の中のスポーツ、あるいは健康、そういったものをすそ野を広げていきたい。それでいろいろな子どもから高齢者まで参加できるようなものをつくっていきたいと考え方を持っていました。都内では練馬もやっているんですけれども、あといろいろとやっているところはあるんです。そこら辺を見まして、中野は既存の校庭開放とか、いろいろと伝統のあるところがありますから、体育協会とか、いろいろとありますので、そこはこれから話し合って、ソフトランディングしていくというのが大事だと思っています。急ぐことも大事だろうけれども、きちんと理解して中野区のスポーツを発展していきたいというのが基本的なスタンスです。
飯島委員
新たな小・中学校というのが検討素材にありますね。ここにはいろいろと書いてあるんですが、結局、ここでいっているのは、良好な集団規模を実現したのが新たな小・中学校なんだということぐらいで、何かあるんですか。要するに、新たな小・中学校と書いてありますね。これをよく読むと、再編による新たな小・中学校の中身は、良好な集団規模による教育環境の実現、その反面として、問題として認識されているのか、学校の小規模化による教育指導の問題、これが裏腹にあるということ以外に、あんまり新たな小・中学校では書いていないんですけれども、結局はそういうことなのか、基本構想の中における新たな小・中学校というのは。
小谷松教育改革担当課長
確かに適正な学校規模を実現するということにつきましては、望ましい教育を推進するに当たっての前提条件、基本となるものだと思います。しかし、それだけで終わるというものではございません。前のページをごらんいただきたいと思います。検討素材NO.2の1ページの方でございます。こちらの方に一定整理をさせていただい部分もございますけれども、区立小・中学校の再編を通しまして、再編による望ましい教育環境の実現ということで、こちらの方に適正な規模による教育の活性化ということ、これは今申しましたとおり物理的なハード面における前提条件ということになるわけでございますが、それを通しまして、教科学習の充実、あるいは部活動の充実、それから魅力ある事業の展開、そういったことなども、そこから展開される学校教育の全体的な充実、発展というものも、当然目線に入れた上で再編というものをやっていくということになると思います。
飯島委員
適正な規模による教育の活性化、選択教科や部活動の充実、魅力ある授業の展開、地域住民、ここから違うんでしょうけれども、上の三つぐらいは、結局は量的な規模を確保することによって実現される、そういう読みですね。でも、本当はそれだけではないのではないか。つまり、ある程度の規模の教育集団をつくっていく、私は賛成だと思っています。そうであるべきだし、ある程度、小・中を通じて、人間関係が20人ぐらいの範囲の中でものが収まっているよりは、50人、100人というループの中にいた方がいいとは思うんですが、同時にそのことによる教師の配当がふえたり、選科の先生がふえたりという、その人たちがふえることによって期待できるもの、もう一つは、そういうことはそういうこととしてありながら、同時に質的な充実の仕掛けが新たな小・中学校の中にはきちんとセットされていないと、確かにここで読めますよ。だけど、これは再編によって地域人材を生かした特色ある課外活動ができるか、それは違うわけで、それとは児童が放課後、安心して遊べる環境は、別に再編しなくたって、本当はそうでなければいけない話だし、学校を中心に地域の子育て連携というのは、再編したら非常に難しくなる可能性だってある、広がってしまうわけですから、エリアが、ということを考えると、3ページにそういうことをきちんと書いておいて、わかるようにしておく必要があるのではないかと思うんです。ぽちぽちのところの下から2番目ぐらいには、再編後の小・中学校は、地域全体で子どもたちを見守り、地域の健全育成の拠点、地域全体の学びの場として新たな機能を生み出せる施設に進化させるとなっているんだから、この辺をもう少し先の見通しとして押さえておかないと、単純に規模を大きくしただけの話ということになってしまうのではないかと思うので、そこら辺は目線として、どなたかが先ほど指導室はどう絡んでいるんだということを言われましたけれども、もう少しそういう点は、施設とか、配置とか、統廃合とかということの中に、本当はやらなければならない教育的な対応の側面もきちんと入れ込んでいかないと、ここをベースにして、教育ビジョン、教育行政ビジョン、そろそろ行政ビジョンを取ってもいいと思うんですが、をつくって、さらに教育委員会として具体化を図ろうとはならないのではないかと思うんだけれども、どうですかね。
小谷松教育改革担当課長
今、委員の方からお話がございました。本当にそのとおりだと思います。学校規模を適正な規模に押し上げるということにつきましては、学校教育というのは集団教育でございますので、その条件をまずきちんと整理を図るということが大切だと思います。当然、その上でいろいろな学校教育、教育指導面であるとか、あるいは教職員の研究や研修活動、学校の運営面につきましても、いろいろな改革に乗り出すことができると思います。もちろん、規模だけではなくて、たとえ規模が小規模であったとしても、いろいろな改革といいますか、学校教育における取り組みというものは普段からなされているわけですし、そういったものをきちんと踏まえながらやっていくということは大変大切なことだと思います。当然、規模だけに収れんするということではなくて、再編が目指すべき方向はきちんと明らかにした上で、目指すべき学校というものをしっかりと持って再編に当たっていきたいと思ってございます。
小林指導室長
今、御指摘の点、特に新たな小・中学校の部分につきましては、御指摘のとおり量的な部分に重点が置かれておりますので、特にこうしたことを通しての教育内容の充実について、今後さらにビジョンを掲げて、具体的にどのような施策、そしてどのような取り組みが必要なのかを、さらにこういう中で取り組んでいくようにしてまいりたいと思います。
飯島委員
特に学校の小規模化による教育指導の問題が片一方にあるとすれば、規模が拡大することによる問題もまた出てくる可能性があるんです。少ない規模であるがゆえに目の届いていた範囲が、だんだん拡大することによって、今までのやり方では追い付かなくなることがある。それは先生が一人、二人ふえたことでは済まない。子どもたちの方は友達がたくさんふえるからいいかもしれません。しかし、子どもたち一人ひとりに注がれる教師の目線というか、それは今までとは違うんだというぐらいになっていかないと、これはなかなか難しい問題があるのかと思ったりするので、ぜひそういうところを、基本構想なのか、教育行政ビジョンなのか、わかりませんけれども、どちらかには、中野の教育のあり方として、今後の新しい小・中学校を、ある一定の規模を確保した上で構築し、形成していくというのなら、そこの中における教育のありようといいますか、こういうこともあわせてお示しをいただく必要があるのかと思っています。同時に、新しい小・中学校は、ここでは確かに原則として最小限度の改修等の工事を行った上での既存の校舎を利用する、とりあえずはそうなんだけれども、新しい酒は新しい革袋というのがあるんです。それなりに、こういうところで新しい中野の小・中学校というのは出発をしたんだと思わせる部分があって、初めて統廃合、再編に区民の皆さんも子どもたちも希望を持つ。統廃合されて新しい学校ができたら、そういうところで勉強ができるんだ、こういうところで友達といろいろなことができるんだということがあって、初めてみんなでそういう方向で進めて頑張っていこうではないか、いろいろとあるけれどもということになってくるのではないでしょうか。それは目に見えるものとして示していただく必要があるので、最小限度の改修、どういう改修なのか、下駄箱をふやしたとか、そういう話ではないんです。ひょっとしたらそんなことで終わってしまうかもしれないからね、生徒がいっぱい来るからということで、そういうのではなくて、ぜひそういう見通しも、新しいというんだから、新たな小・中学校でそういうことをぜひ示していただく。そういう環境の中の子どもたちというのは、影響を受ける部分も非常に大きいと思うんです。そういう中で、命の尊さとか、いろいろなことが肌でわかるようにしていただきたい。それが今後の何かとなれば、なるほどとなると思うんです。ぜひそういう取り組みをお願いしたいと思います。もちろん、お金がないからできないという話もあるかもしれないけれども、金を確保してやるんだという決意があってもいいかと思うんだけれども、指導室長なんかは、そういうのはびしびし言った方がいいのではないですか、ほかの人たちに。
小林指導室長
今、御指摘のお言葉と大変力強く受け取らせていただきました。とりわけ、こうした学校再編については、数の問題だけではなくて、教育は教師の指導力、授業力に負うところがかなり大きいわけでございますので、再編を通して教育指導面の充実、教師の指導力、事業力の向上、こういった点も視点に入れて、こういう計画の中に組み入れていくように努力してまいりたいと思います。
飯島委員
もう一つ、スポーツの問題が出ていましたから、私も触れさせていただいて、僕は練馬のスポーツクラブに行ってきました。あそこは体育館ごとにクラブハウスをつくって、六つの体育館で、今度は七つ目ができる、七つ目の総合スポーツクラブというのができるんです。立ち上げたいということで、社会体育指導員の人といろいろとやってきた。中野区の場合は、特に、先ほど触れませんでしたけれども、社会教育委員の会、何かあるでしょう、あれが非常に大事なんです。立ち上げのときには補助金が出る。補助金の受け皿は社会教育員の何とかというのか、もう一つつくらないと直接は来ないんです、検討するときに、そういうことを練馬でも言っていました。だから、中野区さんはもらおうと思えばすぐにもらえる体制になっていると言っていましたけれども、そんなこともあって、ただ問題は、これは何のためにやるのかということをはっきり書かないとわからないんです。総合型スポーツクラブをスポーツをするという視点ではなくて、健康維持とか、地域コミュニティの中の交わりとか、そういうことを主眼に、少子・高齢社会の中で健康づくりのあり方、こういうことで今注目をされているわけです。
問題は、スポーツクラブをつくるのはいいんですけれども、必ず言っているのは、今ですらやる場所がないのに、そんなクラブをまたつくってしまったら、またできなくなってしまうではないか。だから、クラブをつくるのはいいけれども、非常に無責任な話で、やりなさいとやって、もう検討のための補助金をもらっていろいろとやった。やろうと思ったら、やる場所がない、これはおかしいので、こういうことを考えるのなら、スポーツの場の確保のための手だて、方策がくっついていなければいけない、同時に。これを見るとそんなものはありませんよ、書いてあるのは。場の確保なんてほとんどない。ただ、そういうものをつくってしまおうという極めてショートな話ですよ、これを見ていると。どうかと思ってしまうんですけれども、IIの2なんていうのは、施設整備の話なんかはどこにも出ていない。クラブはつくるけれども、やる場所がない、体協の人たちはみんなそう言っています。今までだって検討の会を体協の人たちを入れてやったではないですか。報告書も出ているんです、中間報告は。出したかどうかは知らないけれども、ここに。そこにはいろいろな課題も整理されている。ただ、皆さんいずれも言っていたのは、場所がないんだ、わかるけれども、どこでやればいいのかということが非常にありましたから、そういうものもセットに考えないと難しい。統廃合された学校をそういう場所として想定しているだけでは、なかなかうまくいかないだろう。今の体育館だって使っているわけだから、授業をやらなくなれば、あいている時間は出てきますけれども、もちろん、だからそういうこととセットにしてやるということ、幾つかのパターンがあるようですから、こういうスポーツクラブ。もう話を聞いてもわかりません。わからないんです。なぜかというと、ほとんど定型のものはない、種目も差別はないんだけれども、では、全部やっているか、そんな10種類も20種類も普通はやらないんだそうです。競技型スポーツではなくて、単体の何とか協会とかとあるようなものはあんまりやらない。したがって、フットサルとか、新スポーツみたいなものが多いらしいんですけれども、だから、そういう具体的なものをそちらでおまとめになって、幾つかのパターンを、それでお示しをするか、あるいは総合型スポーツクラブというところにぽちぽちをつけて、解説版の資料もつけるとか、そうしないと、みんな言っているうちにだんだんわからなくなってしまうということがありますので、ぜひ整理をして、なおかつ施設との関係性をきちんと明白にして、あるいは充実するなら充実する、使えるところはあるではないですか。平和の森公園だって、もっと劇的にコンセプトを変えて、普段は、あそこをひとつ何かしようではないかというのは出てこなければいけないんです、こういう中に。基本構想を新しくつくるんだから、あそこの位置付けだってスポーツという視点から劇的に見方を変えてしまおう。初夏はホタルが飛んで、後は運動をしている、あるわけだから、その辺は位置付けを、やるのならそこまでやらないと、単なる組織づくり、お金もかからないだけの話になってしまう。では、おやりになるつもりがあるんでしょう、だったら、きちんとそういうところまで目配りをして、きちんとした対応でやっていただきたいと思いますけれども、どうですか。
大沼生涯学習担当参事
ねらいとしては、先ほど委員が御説明いただきました少子・高齢化の背景がありまして、子育てももちろんあるんですけれども、健康づくりへの高まり、それから地域コミュニティの高まりといいますか、あるいは交流といったものがバックボーンにはあります。今までの単一種目から、さらに地域を舞台としたいろいろなスポーツを通してのかかわり方が1点、それから文化・芸術などもできる、そういう要素も含んでいるということの構想でございます。先ほど言った都市部においては、今でもある種目によっては、もう場の獲得が大変だという現実の声もあります。ですから、そういったときの活動の場をどう確保していくのか。あるいは既存の活動している人等の活動の場の問題、そこら辺をどう整理するのか、そういうことを整理していかないと、本当に構想だけに終わってしまってはいけないので、現実にいろいろな人が参加して、スポーツ、あるいは文化、地域の中でいろいろな触れ合い、交流が深まっていくという形のスポーツクラブ、総合型地域スポーツクラブを目指していきたいと思っています。
先ほどからいろいろと課題はあるんですけれども、確かに既存団体、いろいろな団体とのつながりは、本当にきちんと説明して理解を深めていかなければ、なかなか難しい問題だと認識しています。私もいろいろな自治体を、23区なんですけれども、取り組んでいる各区を見て、中野区にふさわしいようなものを考えていきたいとは思ってございます。
金野教育委員会事務局次長
現在、検討素材NO.2としてお示ししている中には、御指摘のとおり書き込みが十分にされていない部分があります。特に今のスポーツでいいますと、4ページのところでは、横組みの方です、地域スポーツ、健康づくり施設の設置という取り組み例として1行だけ書いてあるという状況ですので、これについては、ナンバー3、あるいは素案に向けて、さらに書き込みをして、具体的に地域でだれもがスポーツを楽しめるようになるという姿をどう実現するのかというふうに書き込んでいきたいと思いますので、きょうの御意見も踏まえて、さらに検討を調整していきたいと思います。
飯島委員
僕は賛成なんです。あるときは野球ができる、あるときはバスケットボールができる、あるときは水泳もできる、普通の単体の場合は毎回同じことをやるわけだから、それはもう必要だし、もうすごいキャリアのある人からきのう始めたアマチュアの人まで一緒になってやって、すごい人からアマチュアの人にいろいろと教えることも可能だとか、非常にメリットも大きい。だけど、一方では課題も多いわけですから、ぜひその辺は整理をしてください。同時に、平和の森のあそこの広々とした空間があるんだから、位置付けは、もし本当にそれをやろうとするのなら、ぜひこの際、変えるべきだと思います。基本構想の策定なんていいチャンスなんだから、新しい視点であそこの活用方を考えていく。こういうことがないと、確かに何か組織だけつくってということになることですし、次長も書き込みをしたいというんだから、ぜひその辺は考え方を変えてみたらどうでしょうか。あそこは変えるだけですから、考え方を。整備に多少お金がかかるかもしれませんが、そんなすごいことにならなくて済むわけなんで、ぜひお願いをしておきたいと思います。
それから図書館ですけれども、書いていただいていることは、非常に結構なことが書いてあります、5ページに。問題は具体的にどうしていくのか、つまりもろもろの蔵書の多様化を図るとか、あるいは学校図書館との連携を図るとか、歴史民族資料館とか平和資料展示室、平和資料展示室なんか活用されていないと指摘されているような人もいらっしゃるぐらいだから、どう連携を図るのかという問題もあるわけですけれども、ここにあるのは、集約するところ、資料の収集のやり方と連携の方法なんです。だとすると、具体的に区民一人当たりどのくらいの蔵書数になるのか、総体として、それからエリアとしてどのぐらいの特色のあるものを目指していくのか、こういうことを具体的に、ほとんどどこにでもある話ですね。そういう意味では、別に中野区でなくたってやっているような話なんで、中野区としての図書館のあり方、この辺をぜひもう少し、利便性の高いサービスの中身とか、そういうことについて具体的な記述をもう少しされるのではないか、もちろん途中だから、これから書き込むというのはいいんですが、ぜひ、蔵書の充実ならばどの程度のものを目指していくのか、区民一人当たり何冊ぐらいの本が用意されているのか、学校図書館との連携とは、何を目的に、どうするのかということを、何を目的とする、具体的なそういう目標をきちんと掲げて、学校図書館との連携というふうに書いていただく。子どもの読書活動の推進、受賞されたわけだから、これをどう進化させるんだとか、こういう方向が次の段階で出てきていいんですよ。もう表彰されたら終わりではなくて、そういうことを全国に発進できるような、そういう連携のあり方を探るとか、もう少し、おっと思えるようなものはないんですか。
石﨑中央図書館長
今、教育委員会の中でさまざまに協議しているところですけれども、飯島委員から御指摘のあった点も踏まえて今後、協議していきたいと思っているところでございます。
飯島委員
さまざまな論議がされているということですから、ぜひこれができ上がって見えるようになったときにはしっかりしていただきたいということ。
それから最近、これは報告事項にないと思うんですが、何か図書館の検索の研修をするというではないですか、6月の10何日かな、3回ぐらいに分けて、だけど、やる人数は何人ですか、1回で。
石﨑中央図書館長
6月25日が第1回目でございますけれども、最初がオーパックというんですか、オンライン・アクセスカタログ、図書館の専門の利用者開放端末の使い勝手でやるということでございまして、オーパックの台数が6台ということでございますので、一番最初は6名でやるわけでございます。2回目、3回目は開放用、いわゆる普通のオンライン端末も使いながらやりますので、2回目、3回目につきましては、さらに拡大していきたいと思っているところでございます。
飯島委員
なぜ例を挙げたかというと、中央図書館で中野区民の人たちを対象に図書館のアクセスにかかわる研修をするわけです。6人とか、何人とか、それで何年かかったら皆さんができるようになるんですか。具体的な話を聞いているのではない。図書館というのは、区民の皆さんの情報に対するアクセスを高めてあげる、そういう機能が非常に強くなっていくわけでしょう。企業、あるいは産業振興、さまざまなことに図書館というのをベースにした、区民の知的資産というか、これに対する手の届き方を保証してあげるというか、そういう使命をこれから持つわけではないですか。そういう角度のことを、そういうことを目標にいろいろなことをやっていくんだということをお示しいただくことは大事だし、今やったことはいいんです、一つひとつは。だけど、いかにも少ない、量が。6人ぐらいの研修を1回受けて、3回しかやらないんですから、何人の人がそれを使えるようになるんですか。総計したって100人未満ですよ、1年間で。そういう視点もきちんと押さえて、項目が出てくる1項だけがすばらしいというのではなくて、ぜひ地に足をつけて、どのくらいやっていくのか、中央館だけではなくて、地域館、あるいは学校図書館と中央館との連携で何を目指していくのかということをより明解にしていただければと思っております。
お答えを求めると長くなりそうなので、要望しておきますから、ぜひ取り組んでください。
藤本委員
皆さん、スポーツのところで、私もよくわからないというか、現在の施設から考えると、例えば中野体育館があります。中野の体育館はフル稼働をしていますね、そういった意味では。それと今の地域型スポーツクラブというか、そういう施設というものは、どういう関連なのかがよく見えてこないんですけれども、そこから説明してください。
大沼生涯学習担当参事
地域型スポーツ、健康づくり施設の3から4カ所というのは、学校再編した後のグラウンド、あるいはプールなどの活用を考えているところです。ですから、体育館は体育館としてございます。
藤本委員
そうすると、そこの体育館もいずれ新しく、そこの運営は全く違う形、今言われているのは、学校の再編の中で、教育施設だけではなくて、地域センターの総合公共サービスとか、学校の再編であいたというか、そういうところをそういう形で施設としてつくって活用していこうという基本的な考え、そうすると鷺宮の体育館、プールがありますね。そことは全く別の形で、あくまでも区がやろうとしているのは、そういう学校のあきになったところを、そういうところにスポーツ施設、地域型スポーツクラブを設立していこうという理解でいいんですか。
大沼生涯学習担当参事
総合型スポーツ、健康づくりというのは、今言った学校を再編した後のその施設の活用で、区内に三、四カ所をつくり上げていくという考え方です。既存の学校開放とか、そこら辺の整理はもちろんあるんですけれども、もちろん体育館の問題もあるんですけれども、今の構想としては、再編後の学校に区内3カ所か4カ所の総合型地域スポーツクラブ、スポーツクラブが運営するものをつくっていくという考え方です。
藤本委員
そうすると、既存の校舎そのものは残っていく中でということなんでしょうね。
それとあとお聞きしたいのは、前にスポーツクラブのような議論があったときに、逆にいうと中学校の部活ができないということがあって、それを地域のそういうものをつくっていこうと、そうすると部活、またそこのところはもとに戻して、学校の部活は部活、かなりの生徒数になりますね、それでやっていく。それと地域というのは、欧州のスポーツクラブというのは全く違うと思うんです、考え方が。日本の場合は、教育の中での部活という位置付けがされて、それが難しくなって、地域型のスポーツクラブが必要なんではないかという考え方が出てきたように私は理解しているんですけれども、そうすると、もう一度、生徒は部活の中に戻っていくということなんでしょうか。部活の中に戻るといったらおかしいんですけれども、適切な規模ですから、スポーツができますね。それはそれ、地域型スポーツというのは、そういう人も入るんでしょうけれども、どっちかというと地域を対象にしたというか、そこのところは区分が、一時はそういう動きがあったと思うんですけれども、そうではないんです、部活は部活で中学校の位置付けみたいなものができてくるのかというところを含めて。
小林指導室長
中学校の部活動については、現在、学校が小規模化し、しかしながら今後再編していくということで、部活動の活性化を図っていくということで、地域型スポーツクラブとの連携をどう図っていくか。しかしながら、今後、地域の指導員の方に御協力をいただきながらやっていくということは、5日制の趣旨からも重要なことだと思いますので、そういう面では、地域における部活動という面を開拓していかなければいけないという考え方は持っております。しかしながら、一方、学校教育の中における部活動という位置付けも、これまで多大な成果を得てきましたので、そのあたりで、今後どのように展開していくかというのは、少し中野区として検討していかなければいけない部分があろうかと思います。
藤本委員
体制にしても、先ほど体育指導員のお話があったけれども、今は体育指導員のメンバーはかなり限られていますね。本当に1地域センターに2人とか3人とかという形の中で、まず人材をきちんと育成していかないと、とても地域で、ではといって受ける受け皿というか、そういう体制がないというか、あるいは何年か後にそういうものを目指してつくっていくということならば、それなりのものをきちんとつくっていかないと、とても考えていらっしゃるようなことは、なかなか難しいのか。一つはほかの区であるというので、私どもも研究をして、ああ、こういう形だったらできるのかというのはあるんですけれども、その辺の今の体育指導員、日常的には仕事を持ってやっているわけですね。あいている日にちに指導をしている、しかも人数は少ない。そうすると、とてもそういう体制の中で受け皿としてはできない。どういうような形のものを考えていらっしゃるのか。
大沼生涯学習担当参事
今の体育指導員は、たしか四十一、二名だと思っています。先ほどスポーツの指導とか、ある程度、アマチュアからある程度プロに近い方までの養成のレベルがあるということです。それを指導する方というのも当然必要になりますから、そういうスポーツに参加する人とスポーツを指導していく人、あるいはスポーツクラブを支える人、お金とか、いろいろとあるんだと思うんですけれども、そういった人材をどう確保していくかというのが、まさしく課題だと思っています。その前に、総合型スポーツクラブというのは、健康づくり、地域コミュニティをさらに深めていくといったねらいもありますから、そういったものをきちんとわかりやすくつくって、それを説明していくのが1点、それから既存のいろいろな団体の理解をしていただいて、そういうものに参加していただけるような道筋、あるいは協力体制、それから新たに指導していただける方を地域の中から発掘していく、かかわっていただくということを、すぐにはできないと思うので、地道に着実に広げていくということが大事かと思っています。
江田委員
時間が大分過ぎましたので、幾つかに絞ってお聞きします。
最初は横長の3ページ、先ほどの説明の中ではなかったんですが、この中で、想定される取り組み例の中、自立してともに成長する人づくりという囲いの中に、小学校に児童の遊び場、子育て支援の機能を形づくり、家庭、地域、学校が連携した子育て環境を推進というのが3カ所に出てきます。それぞれのくくりのところにいずれも出てきます。これは一体どういうことが具体的に話されているのか、それを教えていただきたい。今のところ、ほかの例を見ますと、児童館、学童クラブを小学校に取り込んでいく、吸収していくんだということが書かれているようですが、一体どういうことが具体的に話し合われているのか、教えていただきたい。
小谷松教育改革担当課長
横長の方に出ておりましたものにつきましては、改めて施設の方にも、先ほど少し御説明申し上げましたが、新しい子ども施設ということで、発展し、分化する児童館といったところでございます。児童館の機能につきましては、現時点でございますけれども、大きく三つに分けるような形で、一つは小学校の中に、学童クラブを中心といたしまして遊びの機能を小学校等の施設の中に取り込みながらいくというもの、それから特色のある児童館、子ども施設として対応していくというもの、それから中高生対応の施設といったような形で、これからの児童館については、そういった形で機能の方をいろいろと特色のあるものとして整備を図っていくということになってございます。その中で、小学校の施設を活用する中で、小学校にございます校庭だとか体育館、そういった施設を活用しながら、そこで遊びを中心とする児童館機能を学童クラブを中心にして展開を図っていくというものがここで目指す一つの機能ということになってございます。ただ、その中で単純に学校の中に児童館機能、遊びを中心とする機能を入れ込むということだけではなくて、学校を一つの拠点にしながら、地域と学校を結ぶ一つの接点となるような新たな結節点ということで、学校により多くの地域の方々の目が向けられる、そういったものを基盤としまして、学校のコミュニティの核という形で展開を図っていく、そしてまた子どもたちの安全性についても確保をしていくといったような機能がここで想定されているというものでございます。具体的にどういったところでこれが展開するかということについては、今、私ども教育委員会の方も区長部局の方と調整などをしながらやっているところでございまして、ただ、実際問題としまして、かなり施設的な面等、非常にそういった部分もございますので、まだまだ調整しなければならない課題だと考えてございます。
江田委員
児童館、学童クラブを学校に吸収するというわけですね。特色ある子ども施設とか中高生対応がいろいろと書いてあるんですけれども、それは別として、小学校の中に学童クラブ、児童館の機能を取り込むということになっているわけですから、小学校の場合、29校を21校に減らすわけですね。その21校の中にそれぞれ取り込んでくる。そうすると、学童クラブ、あるいは児童館としての活動の機能をきちんと保障していくということになると、当然それなりの空き教室を使っていく、保障していくということに当然なるでしょうし、それにかかわる職員の問題とか、いろいろな問題が出てきます。一方、先ほどから出ていますように、統廃合の問題が出てきて、一定の小学校の場合は、先ほどのあれでは、18学級程度はどこの学校もあるようにしていきたいという考えがもう一方では示されているわけです。そうすると、今のような小規模の学校ではなくなってくるわけで、そういう中にこういうものを新たな機能として入れてくるには、それなりのスペースを教育委員会がどれだけ保障できるのかということが具体的になければ、この話は空中に浮いてしまう話ですね。だけども、既にこういう形でたたき台の中で出てきているということは、恐らく教育委員会としては、それが可能だということで当然受け入れたからこそこれが出ているんだと思うんですね。これから調整するというようなものではないのではないかと思うんですが、そこら辺を教育委員会としてはどう保障していこうとしているのか、そこら辺の考えをもう少し明確に示していただきたいんです。
金野教育委員会事務局次長
小学校の中に児童館機能の一部を入れ込むということで、検討素材NO.2では考え方が示されております。そうした場合、当然、学童クラブのスペース、それから児童館機能を入れて、どれだけのどういう機能のスペースが必要になるか、それが本来の学校教育の施設に対してどういう影響があるか、さまざま考えられます。今の御質問で、もうそういうことができるという前提で書いてあるのではないかという御質問でしたが、こういう考え方で今、具体的にどういうふうにできるかということで論議をしている段階でございます。全部の施設で同じようにできるのかということですと、学校の施設規模もさまざまですし、先ほど21という御質問でしたが、21校程度の学校という想定で進めておりますが、そのときの一つひとつの学校の学級規模も18という一律ではございませんで、規模によっても違ってくるかと思います。そういう校舎の状況、児童館機能を入れるということで、どういう規模や機能を想定するのかということについて、それぞれ考え方を出し合って、今論議を詰めているという状況でございます。
江田委員
もうそういうふうな答弁になるんですけれども、これから話し合って詰めていくという答弁なんですが、区長の対区民との説明会、この前、5回行われましたね。次長も参加しておられましたから、どういう説明になっているかというのは、もう重々御承知だと思うんですけれども、これはこれから皆さんの意見をお聞きしながらという前振りはありますけれども、区側の提案として出ているわけです。区側の提案として出されれば、答弁、教育委員会は、児童館、学童クラブが学校にまた戻ってくる、かつて学校の中に学童クラブはあったけれども、児童館が整備されていく中で、さらに発展してつくられていったものが、もう一度、学校に戻ってくる、それを教育委員会としては当然理解し、それを受け入れた、その前提でこれは出てきていると思うのは当然だと思うんです。先ほどのような答弁では、私はとても区民は納得しないだろうし、私自身もとても納得はできません。
それから、こちらの5ページ、施設配置の方で5ページを見ますと、保育園、幼稚園、ここで運営は、主語がありませんけれども、恐らく保育園、幼稚園の運営はということだと思うんですが、指定管理者制度の活用や民営化を進めて、多様な事業展開や保育時間の延長など区民の利便性の向上を図るとなっていますね。これは当然、幼稚園も入っているわけですから、区立幼稚園を民営化するということなんだと思うんですが、この方針は教育委員会はいつ決めたんですか。
金野教育委員会事務局次長
まず先ほどの前段の御質問ですが、今申し上げて検討中、協議中という答弁になってしまっているわけですが、ずっとそのまま行くということではなくて、検討素材ナンバー3、あるいは素案という中では、具体的にこういう形で実施をする、またどれだけの年次でどういうふうにしていくかということもあわせてお示しするということで考えております。検討素材の説明の中では、具体的な検討を詰めていく中で、ここに書いてあるものについても、加除修正があり得るという前提ですので、教育委員会としても、そういう前提での議論を今やっているという状況でございます。
それから保育園、幼稚園につきましては、ここで指定管理者制度の活用、あるいは民営化というような考え方が出されておりますが、教育委員会として、まだこの部分については方針を決定しておりません。今、こういう検討素材に沿ってどう考えるかという議論をしている、まさに議論の最中という状況でございます。
江田委員
それも私はとても納得できないんです。この前、文教委員会で、これからの幼稚園のあり方、幼児教育に対する区の責任ということで、これは昨年の7月に示された文書です。区立幼稚園の役割、機能及び配置のあり方について、この中で区の果たす役割というのは、どういうことを言っているかといいますと、民間で提供可能なサービスはできる限り民間に任せていくことが基本である。しかし、すべての幼児教育を民間に委ねてしまうのでは、さきに述べた区の責任を十分に果たすことができないことになる。したがって、今後、区立幼稚園は実践的な教育を通して研究を行い、中野区の幼児教育を質的に向上させる中核的な存在として役割を果たすとともに、障害児を積極的に受け入れるなど、私立では取り組みにくい分野で公立としての特色を生かしていく必要がある、公立、区立が果たしていく役割というのは、幼児教育の分野でも非常に重要な分野があるんだということを明確に述べているわけです。これは前段があって、例の幼稚園を1園廃止するという話がある中で、さまざまな住民運動があって、それでは中野区の教育委員会としての考えをまとめようということで、これが出てきたと思っているんです。そういう経過があると思っています。ですから、幼児教育についての教育委員会の現在の到達点は、この7月3日の文書だと思うんです。それがいつの間にかこういう文章になってしまう。これからは保育園も幼稚園も区としては直営はやらないとしか読めない文章になってしまっているんです。これから教育委員会は、区長部局といろいろと調整をするというふうにおっしゃるけれども、教育委員会としての方針はきちんとあるわけですから、幼児教育にきちんとした責任をとっていかなければならない、その重要な分野があるんだというのが教育委員会の一つの到達点なんだから、これは譲れないところとして、区長部局にきちんとした意見を言わなければならないところだと思うんです。ところが、それがいつの間にかこういう文章でまとめられてしまう。区長が参加したところで、区長がこの立場で区民に説明するということになれば、その結果、どういうことになっていくのかというのは、私はもう明らかではないかと思うんです。そういうことに対して、どういうふうに思っているのか、このことについてもお聞きしておきたいんです。
金野教育委員会事務局次長
検討素材NO.2の表現が区立保育園を持たないというふうに読めるかどうかということで、私は必ずしもそういうふうに明確な表現ではないと思っておりますが、教育委員会のこれまでの検討結果は委員の御指摘のとおりでございます。そういった考え方に沿って教育委員会はこれまで検討してきておりましたし、またこういった考え方に対して、区長部局を中心にまとめた検討素材NO.2で示されてきた考え方についても、これまでの教育委員会の検討結果を踏まえて、どういうふうに考えていくかという協議を進めていくということで予定しております。その上で、区全体で施設配置全体をどうするかという論議になってくるかと思いますので、そういう調整を踏まえて、今、やや簡単に書いてあって不明確な部分につきましては、検討素材ナンバー3等で順次明らかにしていきたいと思っております。
江田委員
それから図書館なんですが、何度か質問していますので簡単にしますが、施設の適正配置や学校図書館との連携を図り、利便性の高いサービスの提供を目指す。つまり、現在の中央館1館、地域館6館、恐らく地域館6館の統廃合を進めて、学校図書館との連携でその部分を補充するんだという意味かととっているんですが、この意味はどういうことなんですか。
石﨑中央図書館長
地域館は7館でございます。
施設の適正配置というのは、我々も昨年、教育委員会として、あり方として考えたところでございます。それ以外に学校図書館との連携、ここにも書いてありますように、そもそも大事な地域資産ということでもございますし、これからの学校図書館がより地域の人に使っていただくというのは、教育委員会としても、そういうふうに思っているところでございます。そういうことからいって、学校図書館を決して代替施設ということではなくて、基本的なあり方としては学校図書館を開放すべきであると思っているところでございます。その学校図書館と区立図書館がより一層の連携を図って、さまざまなサービスポイントになるのかどうか、これは今後、検討する必要がございますけれども、利便性の高いサービス、IT関係のサービスもありましょうし、それ以外のまたさまざまなサービスもあるでございましょう。そういうことも含めて総体として検討しているところでございます。
江田委員
それは学校図書館の一般論なんですか。それとも、もう既に教育委員会としては、ここの地域館は廃止の対象と恐らく持っているだろうと思うんです。それがあれば出してもらいたいんだけれども、例えばA地域図書館を廃止する、そのエリアがブランクになるから、その地域の学校の図書館を特別に充実させて、地域の人たちに不便が起きないように代替をするという意味かともとったんですが、別にそういうことではないんですか。学校図書館全部を一般開放して、当然、中身を充実させていかなければならないんだけれども、そういう意味なんですか。
石﨑中央図書館長
現実に今すぐ開放といっても、施設的なハードの面、さまざまな条件整備、ソフト面の条件整備もございますし、すぐに開放というのはしにくいわけでございますけれども、あり方として学校図書館というのは基本的に開放して、地域資産としてさまざまな住民の方の利用に供するというのは、代替手段ということではなく、そういうふうにあるべきだとは思っているところでございます。
江田委員
図書館問題については、私は本当に不満に思っているんですが、これからの図書館がどういう役割を果たしていかなければならないのか、そのことについての教育委員会の考えはまるっきり見えてこないんです。繰り返し私は言っていることですので、館長には聞きづらいことだと思うんですが、もう1回、改めて言いたいんですが、これだけ図書館に対する環境が変わってくる、地域館を廃止する、そういうことまで踏み込んでいく以上、これから中野の図書館はどういう方向を目指していくのか、区民にどういう図書サービスを保障していくのか、それからIT化とか、平和、男女共同参画、産業振興など各館ごとに特色あるものにしていくと書いてあるけれども、一体中身はどういうことなのか、そういった全体像が見えてこないままに、こういうことだけが先行していっている。これでは本当に区民にとって、これまで23区の中で中野区の図書館行政が、8館構想を一つの大きな力にして引っ張ってきた、そういう歴史があるわけですから、その歴史が一方的に後退をして、23区の中でも貧弱な図書館行政になってしまうということは、もう本当に私は耐えられない思いがするんです。図書館に限らずですけれども、これからの中野区の図書館政策、図書館行政はどういう方向を向いていくのかということを区民に示す責任があると思っております。これは何回もこの場で訴えていることですが、それに対する返事が帰ってきておりませんけれども、もう一度強く要望しておきたいと思います。
最後にしたいと思うんですが、もう1回、先ほどの小学校が児童館、学童クラブを取り込んでいくということとの関連なんですが、こういう表現があるんですね。新しい子ども施設のところの4ページで、教員が地域との緊密な連携をとることにより、子どものことをより十分に把握できるようになる、こういうことが書かれてあります。それからもう一つは、3ページの新たな小・中学校のところの6の下の方ですが、再編後の小・中学校は地域全体で子どもたちを見守り、地域の健全育成の拠点、地域全体の学びの場として新たな機能を生み出す施設に進化させる。これが現実に可能であるならば、私は非常にいいことだと思うんです。だけれども、今の学校施設の中で、それから今のように教員がさまざまな仕事に追いまくられて、教材研究も十分にできない、放課後、授業の後もいろいろな報告事項に追われていて、まともな教材研究もできないというのが実情ですね。そういう状況に置かれていながら、その学校に、児童館、外にある学童クラブを廃止して、もう一度、学校に呼び戻しておいて、先生たちに、その子どもたちにもっと目を行き届かせるようにしろと、地域の安全のため、あるいは子どもたちの健全育成のために、先生たちも、そうなれば、そういうふうに目が向いていくだろうという文章に読めてしまうんですが、これは余りにも現状と違うのではないかと思うんですが、文章にしてしまえばこういうことなんだけれども、余りにも現状と違い過ぎると私は思うんですが、指導室長としてはどのような考えをお持ちですか。
小林指導室長
学校の教員には、教員としての本分、あるべき勤務、そして取り組むべき仕事があるわけでございますので、それを損ねてまで全体に目をやってしまうということについては、これは本末転倒ではないかと思います。本来のやるべきことをしっかりと見据えて、そして施設面、その他も慎重に進捗状況を検討しながら、ここに書かれてあるようなことが実現できれば、よりすばらしいことであるということでございますので、ここに書かれてあることを実現するためには十分な検討が必要であると認識をしております。
江田委員
幾つか例を挙げましたけれども、一番気になっている点を幾つか挙げたんですが、一番気になるのは、さっきからき答弁にもありますように、教育委員会としてきちんと方針を持って、区長部局とすり合わせをした中身がここに出てきているのではなくて、まだまだこれから議論をしなければならない、実際にここに書かれているようなことが学校に持ち込まれてきた場合、学校はどういう状況になるかというのはこれからの検討だという状況にあるというのが先ほどの室長の答弁だと思うんですけれども、そうであればあるほど、教育委員会が本来の教育行政として、あるいは子どもたちに教育を保障する教育施設として何をきちんと守り、何が可能なのかということを教育委員会自身が、事務局だけではなくて、教育委員さんを含めた教育委員会としての考えもきちんと確立をしないと、このまま進んでいったのでは、教育委員会の独自性、自主性、そういうものが損なわれてしまうという非常に重要な段階になるように思うんです。8月には素案になって、11月には議会に議案に提出しようというわけですから、残された期間は本当にわずかしかないわけです。ですから、ここに盛られている中身を、教育委員会がみずからの問題として、教育委員会としてこれを責任持って受けられるのかどうか、あるいは今まで教育委員会が積み上げてきたものと中身が違う、問題があるということであれば、きちんと押し戻していく、そういう立場で臨んでいかないと大変な問題が起きてくるのではないかと思っております。その点についての教育長のお考えを最後にお聞きしたいと思います。
沼口教育長
今回、こういう検討素材NO.2という形で、いろいろな施設について考え方が出されていますけれども、当然、教育委員会は、学校再編につきましても、図書館につきましても、あるいは幼稚園につきましても、この委員会にも現時点での考え方はお示ししているところでございます。そんな中で今、区長部局とも調整をしているわけでございまして、我々も児童館とか学童クラブの学校への参入というんですが、あるいは学校図書館と地域図書館との連携、こういう問題についてはなかなか簡単にはいかない問題だという教育委員会委員の理解の仕方もあります。ただ、可能な限り、学校教育に支障がない範囲では、例えば学校施設は地域の施設ですから、学校教育に支障がない限りは大いに利用してもらっても結構ではないか、そういうスタンスで今議論をしているわけです。ですから、先ほどから議論になっていますように、学校の余裕といいますか、例えば空き教室、あるいは校庭のスペースとか、そういうものに影響がない限り協力していきたい、そのような今のスタンスでございます。
地域図書館、学校図書館についても、ほとんどが2階にあるとか、一般開放するとか、余りにも利用勝手というんですか、そういうのが悪いです。もしやるならば、ある程度のお金もかけて、安全性も高めなければいけないでしょうし、本当に地域の一般開放するならば蔵書の問題もあります。我々は今、そこまでは、学校図書館というのは難しいのではないか。せめてできるレベルは、今教育委員会で議論しているのは、これは結論ではありませんけれども、例えば乳幼児おやこ対象にした図書を若干ふやして、将来、その小学校に来る子どもや親が学校図書館に足を運ぶとか、そういうやり方でしたら、ある程度の施設整備をすれば可能ではないか、そんな議論を進めているわけです。ですから、必ずしも区長部局で出されたものは、すべて教育委員会で飲み込んで、この案が出ているというわけではございません。そういう意味では、資料の一番最初のページにも書いてありますけれども、検討素材の取り組み例というのは、あくまでも想定される項目で、これから変わり得るということをここにわざわざ書いてもらっていることもあります。教育委員会としても、このまま出されて、全部を教育委員会が了解しているという前提で理解されても困るという意味でも書かれているわけです。ですから、さらに検討を進めて、最終的なナンバー3、あるいは素案の形にしていきたいと思います。ですから、区長と教育委員との話し合いというんですか、具体的な検討の場といいますか、そういう話し合いの場をこれからもつくって議論していきたいと思っています。
奥田委員
手短にお伺いさせていただきたいんですが、検討素材のNO.2の図書館にかかわる部分ですが、幼保のところでも書かれているんですが、今後、指定管理者制度等で委託、もしくは民営化という流れがさまざまな施設で出てくると思うんです。その際に、それぞれの施設間での連携ということがたくさんうたわれているんですが、実際の現場では、委託業者、もしくは民間の事業者との連携というところがなかなか難しくなってくるのではないかという懸念があるんです。これまでの既に実績のあるところで、図書館長にお伺いしたいんですけれども、委託した後、図書館と学校図書館の連携というのは、今年度の実績、それから今年度の予定というところを含めて、どういうことになっているのか、教えてください。
石﨑中央図書館長
学校から地域館、中央館に図書館訪問というのがございます。そういうものにつきまして、委託業者の方が受けまして、委託業者の方が地域館の案内、中央館の案内をしているところでございます。また、ブックトークというものにつきましては、中央館の職員が対応しているところでいるところでございます。ですから、委託になったら学校との連携がなくなったということはないわけでございまして、学校の生徒が地域館、中央館の訪問というのは、今までと同じように、ある意味では今まで以上に行われているところでございます。
奥田委員
これまでは、ブックトークのような形の活動というのは、地域館から学校という形でやられていたのではないですか。
石﨑中央図書館長
今までは地域館の職員が学校にブックトークに行っていたわけでございます。15年度の委託の内容をさまざまに検討した中で、ブックトークというのは、業者の習熟というんですか、こういうところをやっているところは、なかなかなかったということでございますので、経過的に中央館の職員が対応するところでございます。
奥田委員
そうすると、現状では、受けていただいている委託業者の方での受け入れ体制がないので中央館で受けているけれども、地域的な状況を理解されている地域館から本来であればする方が望ましいという認識なんですか。
石﨑中央図書館長
特にブックトークに行くのが地域館であるか、中央館であるか、どっちが望ましいかということはないと思います。ブックトークをやるには、かなり習熟というのがあって、例えば今までの地域館の職員の異動が最近は早くなったということがあって、なかなか対応というのが難しかったわけでございます。普通のきのうまで税金を集めていた職員がきょうからブックトークというのも、なかなか難しいところで、かなり質的な面で問題はあったと思っているところでございます。今は中央館でブックトークはかなり経験のある者が対応しているところでございまして、今後、委託業者の中で、そのあたりについてさまざまな習熟の機会というのを設けていきまして、将来的には、その部分も含めて委託していきたいと思っているところでございます。
奥田委員
サービスの質的な低下がない中で、時間延長であるとか、コストを下げながらサービスの幅を広げていかれるということで、今回の場合は委託の方を進めてきたと思うんですが、詳細を伺ってみると、このような形で、実際は地域館で連携が学校ととれていたものが、現在は中央館でしか対応できなくなってきているという現状が、現段階ではということかもしれませんが、発生をしてしまっているわけです。税金を集めていた人が急にはできないとおっしゃいますけれども、今までの方が非常勤の方で習熟を地域館でもされていたわけですから、対応できたものが今はできていないということですから、今後、どういったところが指定管理者制度を利用されるのか、民営化されるのかわかりませんけれども、そういった表面上はサービスは落ちていないけれども、実際にふたを開けてみると少しずつ劣化しているという部分が出てきかねませんから、そういう意味では、委託、もしくは民営化した先との連携をどう図っていくかというところ、施設全体として、教育行政の全体としてのあり方を今後どうされていくのかを次長に御見解をお願いします。
石﨑中央図書館長
学校図書館との連携というのは、学校から図書館への訪問もありますし、学校への団体貸し出しというのもございます。ブックトークというのはほんの一部でありまして、それ以外の部分につきましては、従来どおり、ある意味では従来以上の対応をしているところでございます。例えば団体本の貸し出しにしても、今までは持ってきたものを学校の図書館指導員が逆戻ししないといけないのを、これからはそういうことではなくなったということで、かなり喜ばれているところでございます。それから中学校のメールカーの貸し出しについても、今までは非常に要望があったわけでございますけれども、財政的にかなり難しいということでございまして、対応できなかったのが、今回、委託に伴って財政的な部分が出てきたということで、全中学校にメールカーの貸し出しをやったところでございます。これについては、中P連から非常に強い要望があったわけでございますけれども、16年度から対応したというところでございます。それからブックトークにつきましても、東京都の児童会館というのが青山にあるわけでございますけれども、今までは常勤の職員が対応をしていたのが、13年度からですか、委託に変えて、専門業者でございますけれども、かなり評判がよくて、非常に人も集まってきたという話がございます。東京都の子ども読書推進計画の私は策定委員だったわけでございますけれども、そのときに東京都の福祉局の担当の部長がおっしゃっていて、必ずしも委託が悪ではない、委託することによって専門的なサービスが向上したという例でお話ししていらっしゃったところでございます。
金野教育委員会事務局次長
施設の管理運営について民間の活力を幅広く導入していこうという基本的な区の考え方があるわけでございますが、一つは、もちろん財政や人的な負担をなるべくほかの限られた資源の中で節約するという効率化を図るということがあるわけですが、もう一つ、サービスの質を確保する、可能であれば、それを契機にしてサービスの向上を図るということをあわせてやっていくという考え方でございます。図書館につきましても、今回の委託に伴いサービスの向上をいろいろな点で図っておりますので、これからもそういう考え方に基づいてやっていきたいと思っております。
藤本委員
学校の再編に恐らく全部が伴ってきているんですけれども、児童館と学校との関係にしても、中野区はかつて1小学校に1児童館ということですね。それで行くと29が21になれば21ということなんだけれども、児童館の行っている活動とか、その辺は今、どういうふうに認識して評価しているのか。それから、先ほど江田委員も言われたんだけれども、そのときどきで理由はつけられるんです。だけども、一度、児童館に、もう議論したかもしれないんだけれども、学童保育が出されたときには、学校にそのままいたらかわいそうだから地域にということで児童館に学童保育を持ってきて、それをまた戻す、その理由付けが、そのときはそういう理由、今度はまた別の学校で先生の目が届くという、そのときどきでいろいろな理由はつけられるんだけれども、その辺の児童館と学校との関係というのは、これからどうなっていくのか。児童館の運営も恐らくこれから議論されてくるのかと思うんですけれども、すべての児童館はわかりませんけれども、かなりの子どもが児童館に行って、それこそ遊んでいますね。その辺をどう評価して、どうしようとしているのかというのがわからない、学校との関係。
これは青年館にしても、今度は青少年活動センターと言われているけれども、行政の一つの継続、本当に財政が厳しくなって、あの当時つくっていた青年館は、もう時代の移り変わりの中で必要なくなりましたという形の中で青年館はストップしてしまったわけですね。財政が厳しいから南部児童館は売った。野方の青年館は、まだ活用できるけれども、結局、そこに人を配置できないという財政的な困難状況の中で、それもストップしてしまっているということをいっていて、今度はまた青少年活動センター、これはどこにどうするのか、余った児童館の中につくっていくといっても、行政が変わったから、だけども、そういうものはもう少しきちんとした説明がつかないと、あるときは自分の都合ですぱっと切る、またやはり必要なんだと言われても、では、今の児童館の中で、中高生が遊べるような児童館の施設かというと、私は必ずしもそう思わないし、その辺を一体どういうふうに考えているかというのが見えてこないので。
金野教育委員会事務局次長
学童クラブが現在のような状況になったという経過については承知しておりますし、また今回、学校の中にそういう機能を入れていこうということについても、ほかの子どものいろいろな活動や動き方の問題で、どういうふうに考えるのかという論議は、子ども家庭部を中心に、教育委員会なんかも一緒に入ってやっております。それから青年対象の施設といいますか、青年館は廃止ということで行財政5か年計画の中でやったわけですが、今回の中高生対応として出ている施設の考え方は、教育委員会の所管というわけではないんですが、私が承知しております限りでは、児童館の中の比較的規模が大きくて転用できるようなところを中心に、こういう機能を持たせてはどうか。また、場合によっては、ほかの施設で転用可能なものについて、こういう機能を持たせてはどうかという検討がされているという状況でございます。決して、従来の青年館の再登場ということではなくて、新たな考え、新たな機能に基づいて整理をしていると承知しております。
委員長
他に質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
質疑がなければ、以上で本報告については終了いたします。
以上で本日予定した日程は終了いたしましたが、委員、理事者の皆さんから何か発言はありませんでしょうか。
奥田委員
我が会派の一般質問との絡みもあるんですけれども、学校評議員のあり方についてという資料、もう既にいただいている部分にプラスして、どういった母体といいますか、どういったところから出られている方が構成員となられているかというところも含めて、委員会として資料要求をさせていただきたいんですけれども。
委員長
休憩をさせていただきます。
(午後5時02分)
委員長
再開いたします。
(午後5時15分)
篠委員
教育委員会で本会議中にお答えになった校長がPTA会長にやめるように辞意を求めたといったくだりの質問があったんですが、今回は我々議会挙げての努力で、中野区中にテレビで3回も流れるんです。そのときに校長は特定される可能性が十分にある。やめさせられたという質問をされた奥田委員のところの幹事長、むとう議員がそういう質問をされて、それに対して教育委員会が答えているわけです。校長がやめさせられたという質問が画面に出たときに、それがひとり歩きすることは十分に考えられる。校長にやめさせられた。それの対応というのは、個人情報、校長の個人情報なんかは守る必要はないということは許されない。教育委員会としては、この質問は我々の調査では事実と全然違いますと、そして質問自体もどういう事件のことについて話しているのか、本会議場にいる議員ですらほとんどわからない。校長がPTA会長をやめさせた、これはどういうことだという質問としてしかとられていない。それに対して、教育委員会の回答、並びに個人の名誉を守るための努力はどの辺に考えていらっしゃるのか。
沼口教育長
本会議での質問はそういうふうにあったわけですけれども、私はあのときの答弁で、PTAの会長さんがやめたのは本人の御意志だということをはっきりと申し上げたつもりです。ですから、質問としてされてしまったものは、我々の方ではどうしようもないといいますか、後でそういうことは当然大きな問題になるんだということはわかりましたけれども、答弁としては否定したつもりでございます。
高橋委員
質問をする前に取材とかもおありになったかと思いますけれども、そこで、ある程度、個人が特定されてしまうような質問に対して、御理解をいただいて、十分に質問者に対して説明のできるような場面というのはなかったのでしょうか。
小林指導室長
この点については、こちらとの見解に差がございましたので、十分に御理解いただくようにお話をいたしましたけれども、お話の筋はやめさせられたというような主張がございましたが、私ども学校からの報告では、さまざまな状況の中で本人から辞任をしたというふうに報告を受けておりますので、そういう形で答えざるを得なかった、そういう努力はいたしましたけれども、そんなような状況になってしまったというところでございます。
江田委員
今、お二人の御発言があったんですが、このままですと、私も含めて何も発言しなかったということになりますとまずいことになるので、一言申し上げておきたいんですが、議員の発言ですから、それはその議員の政治生命にかかわるようなものです。発言がまずければ、それは次の選挙で区民から厳しい批判があるわけです。ですから、そういう議員の発言は最大限に保障されなければならないわけで、もし間違いがあれば、取材のときにただすというのは当然のことですけれども、そうでない場合は、この前の発言というのは、議員の取材と信念に基づいた御発言でしょうから、それは何ら問題はないと私は考えておりますので、一言申し上げておきたいと思います。
委員長
休憩いたします。
(午後5時20分)
委員長
再開いたします。
(午後5時23分)
その他、御発言はございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
委員長
次回の委員会は、明日6月9日、午後1時から当委員会室で行うことを口頭をもって通告いたします。
以上の文教委員会を散会いたします。お疲れさまでした。
(午後5時23分)