平成16年10月18日中野区議会文教委員会(第3回定例会) 平成16年10月18日文教委員会 中野区議会文教委員会〔平成16年10月18日〕

文教委員会会議記録

○開会日 平成16年10月18日

○場所  中野区議会第5委員会室

○開会  午後1時02分

○閉会  午後5時02分

○出席委員(9名)
 岡本 いさお委員長
 小堤 勇副委員長
 奥田 けんじ委員
 高橋 ちあき委員
 小串 まさのり委員
 飯島 きんいち委員
 篠 国昭委員
 藤本 やすたみ委員
 江田 とおる委員

○欠席委員(0名)

○出席説明員
 教育長 沼口 昌弘
 教育委員会事務局次長 金野 晃
 教育経営担当参事 教育委員会事務局次長兼務
 部門経営担当参事 教育委員会事務局次長兼務
 教育委員会担当参事 教育委員会事務局次長兼務
 教育環境担当参事 教育委員会事務局次長兼務
 教育改革担当課長 小谷松 弘市
 学校教育担当課長 篠原 文彦
 学校教育管理担当課長 学校教育担当課長兼務
 学校健康推進担当課長 学校教育担当課長兼務
 指導室長 小林 福太郎
 生涯学習担当参事 大沼 弘
 生涯学習推進担当参事 生涯学習担当参事兼務
 生涯学習施設担当参事 生涯学習担当参事兼務
 知的資産担当参事(中央図書館長) 石﨑 新一

○事務局職員
 書記 荒井 勉
 書記 岩浅 英樹

○委員長署名

審査日程
○陳情
(継続審査分)
第22号陳情 娘の編入学不許可及び第四中学校焼却炉による煙害について

○所管事項の報告
 1 (仮称)中野区教育ビジョンについて(教育改革担当)
 2 中野区立小中学校再編計画(案)について(教育改革担当)
○その他

委員長
それでは、定足数に達しましたので、本日の文教委員会を開会いたします。

(午後1時02分)

 本日はお手元に配布の審査日程(案)(資料1)に沿い、審査を進めたいと思いますが、これにご異議ありませんでしょうか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 ご異議ありませんのでそのように進めます。
 なお、審査に当たっては、午後5時を目途に進めたいと思いますので、御協力お願いいたします。
 また、3時近くになりましたら、休憩をとりたいと思います。
 初めに、陳情の審査を行います。
 第22号陳情、娘の編入学不許可及び第四中学校焼却炉による煙害についてを議題とします。
 これより本件に対する質疑を行います。質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 質疑がなければ、取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後1時02分)

委員長
 それでは、委員会を再開いたします。

(午後1時04分)

 ほかに質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、質疑を終結いたします。
 意見の開陳はございますか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 意見の開陳を終結します。
 討論はございますか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 討論を終結いたします。
 これより本件に対する採決を行います。

 お諮りいたします。
 第22号陳情、娘の編入学不許可及び第四中学校焼却炉による煙害についてを採択すべきものと決するに賛成の方の挙手を願います。

〔賛成者挙手〕

委員長
 挙手なし。よって、第22号陳情は不採択とすべきものと決定いたします。
 以上で第22号陳情の審査を終了いたします。
 昨日の所管事項の報告の中で、(仮称)中野区教育ビジョンの質疑が終了しておりませんので、この質疑を続行いたします。
 質疑はありませんか。
飯島委員
 教育ビジョンということですので、私らはむしろ教育のビジョンをきちんとつくっていただきたいという立場ですから結構なんですが、7ページに幼稚園、保育園との関連等々があります。この方向性はわかるんですよ。行政、学校では。でも、この場合は、一体幼稚園とか保育園がどんなふうになっているんだというようなことについては、単純に「幼稚園、保育園などの幼児関連施設が連携した」と、こうなっているんですね。その後に、「適切な幼児教育を受けられるようにする」ということになっているので、保育園でもそれなりの教育が行われるという前提なんでしょうか。あるいは、その下には「調査・研究を行い、その成果を幼児教育の充実に生かす」と。ここまでのことがビジョンなのか、さらにもう少し、こういう方向性を踏まえて、じゃあ、どうなるのというようなことについては、それこそ10か年計画に落としていくとか、こういうことになるんですか。これだけでは方向性にしてもやや具体に欠けるかなと。幼・保にかかわる問題というのはそれなりにあるでしょうし、施設の配置の問題も出てくる可能性がある。一方では、保育園の場合などでは、指定管理者制度を使うとか、あるいは区立保育園を民間にとか、いろんな流れが出てきたわけじゃないですか。そういう方向性も踏まえていかないと何とも言えないし、その辺はどんなふうになっているんですか。
小谷松教育改革担当課長
 幼稚園、保育園も含めまして、これからの幼児教育のあり方ということで、今回のこのビジョンにおきましては、こういった形でその方向性、取り組みの方向というものを明らかにさせていただいたわけでございます。確かに、全体としての書き込みというような形になってございます。幼稚園、区立幼稚園をどうするかというその役割・機能を含めまして、そのあり方というものにつきましては、教育委員会の中でも具体的な形で検討を進めてございます。それらにつきましては、10か年計画との関連もございまして、そういった中でまた順次明らかにしてまいりたいというふうには思ってございますが、このビジョンの中で描く中野のこれからの幼児教育の姿というもので、さらにまた保育園も含め--保育園も今、教育的なプログラムというものも備えながらやっているところでございます。幼稚園、保育園含めての幼児教育の充実ということで、このような形で今回、ビジョンの中でその方向を明らかにさせていただいたところでございます。
飯島委員
 方向が明らかになったというのは、どういう方向なんですか。つまり、「同じ中野の子どもとして適切な幼児教育」という、その「適切な幼児教育」の方向性。適切というのだから適切には違いないんだろうけど、これはどうなんですかということ。
 それと、10か年計画に書かれてくる問題との間には、かなり次元の違いがあるんだと思うんですね。そうすると、10か年計画というのは、そんなにもろもろ理念的なこととか、方向性とか、考え方とかというのが書かれてくるとは思えない。そうすると、このビジョンの中にある程度計画段階に落とし込む以前のものまではないと、その間の飛躍がなかなか埋めがたいものがあるんじゃないのかなということがある。ここで終わってしまうとなると、この次の計画に落とし込まれるのが何だというものとの間にかなり落差があるような気がするので、その点はどうなんですか。これは検討資料だから、さらに中間まとめみたいなことになったりしたときには、もう少し書き込まれたり何かする予定なんですか。
小谷松教育改革担当課長
 確かに、今委員の御指摘ございました、かなりそういう意味では抽象的な表現にとどまっている部分もございます。これは今おっしゃったとおり検討資料というこで、今、教育委員会でも鋭意検討しているところでございます。中身について、これからさらに踏み込んだ形で議論を深めてまいりたいというふうに思ってございます。
 10か年計画に絡むということについては、確かに事業計画でございますので、相当具体的な形でのものになるかと思います。このビジョンにつきましては、これからの中野の教育の将来展望を見据えた中でその方向を明らかにするというものでございます。
 いずれにいたしましても、さらに検討を重ねまして、書き込める部分、踏み込んで検討すべき部分をしっかりと踏まえながらやってまいりたいと思います。
飯島委員
 それから、9ページですけど、再編するということで行政・学校の場合、始まっていますね。それはそのとおりだと思うんです。ただ、この教育ビジョンの場合、当面する10年間ぐらいでしたか、このビジョンの見通す範囲というのは。それとも、そういう期間は定めないで、ある程度中野区の教育に関してこういう方向がビジョンとして考えられるんじゃないのということなんでしょうか。何となくこれを読んでいると、基本構想と同じようなことが書いてあるのかなと。目標とかですね。だから、基本構想のところが前のこのところになって、それぞれの取り組みの方向というのがビジョンの中身になるのか。そういうことなら、それはまたそれで別の問題があるんですが、そうすると、再編するというだけじゃなくて、再編した学校のあり方がその次にあるんだろうとは思っていますが、「学校は、教育理念を明確にし」と、既に学校に行きますと、例えば私の近くの塔山小学校なら「塔山小学校は……」と書いてありますね。こういうようなことだとすると、明確にもう既になっている。こういうのを掲げてない学校はないんじゃないのかなということもあるので、それをどうするんですか。もう一度考えるのか、あるいは再編にあわせて新しい学校をつくるわけだから、そうすると、その新しい学校の教育理念を明らかにすると、こういうことなんでしょうか。でもやっぱり全体の話だから、学校の教育理念ということと、この教育ビジョンが持っている理念ということと、どういうリンクになるのかなということとか、今あることの整理はどんなふうにされているんですか。
小谷松教育改革担当課長
 このビジョンの中でいろいろ指し示す方向というものは、中野の教育全体に及んでいるものでございます。そういった中にありまして、各学校ごとにまたさまざまに特色ある学校づくりということがこれから本当に各学校の課題になっていくと思っております。そういった意味で、地域の方、保護者の方から望まれるような、また我が学校はこういったことでといったような特色というものをしっかりと打ち出しながらやっていく必要があるというふうに思ってございます。そういった意味で、この中では学校も、もちろん現在教育理念というものをそれぞれの学校の中で定めているわけでございますが、さらにみずからの学校の特色をはっきりとつくっていく、構築していく。そういったものも打ち出していく必要があるし、またそれが望まれているということで、このような形で記載をさせていただきました。ビジョンとして描く中野全体としての教育理念、そしてそれを踏まえる中で、各学校がさまざまな形で特色を出していくというような関係について言及をしたというものでございます。
飯島委員
 そうすると、これは指導室長にもちょっと伺っておきたいんですが、「各学校が教育理念を明確に示す」と。現に今お持ちになってやっていらっしゃる。その後に、「柔軟で特色ある教育課程を編成し」となっているですが、そんなに柔軟で特色ある教育課程が、それぞれの学校によって無制限ということはないわけでしょうけども、そう容易にこういうことが今の中でできるのかな。つまり、特色ある学校をつくることはいいんだけど、そこに至る以前の問題というのをきちんとクリアしなきゃならないこともあるだろうし、これはどうなんですか。現実にこういうことを方向性として考えるとすれば、どんな今からの取り組み、あるいはやりようをお考えになるんでしょうか。
小林指導室長
 ここにございます「柔軟で特色ある教育課程」ということでございますけれども、今回実施されている学習指導要領の編成の際に、これまでにない特色ある教育活動を実施するというようなことが新たに加わったわけでございます。ただし、各学校とも最終的な目的が特色というよりも、小学校・中学校でやはり一定の果たすべき基礎学力の定着であるとか、心の教育であるとか、たくましい体力をつくるとか、そういった大前提がございますので、そうした本来の義務教育が果たすべき目的に到達する際にどういった特色が出せるか、教育方法としてどういった特色が出せるかという視点から、このような形でお示ししてございます。したがって、初めに特色ありきというよりも、むしろ本来の義務教育の目的に達するために、地域の特色その他、子どもの実態に応じた特色ある教育活動という、そういった範囲の中でというふうに承知しております。
飯島委員
 それから、「地域運営学校や小・中一貫教育などの検討を進める」と、こうありますね。それからもう一つは、「学校への誇りとそこで学ぶことの責任を持てるよう、保護者や子どもたちがみずから希望する学校で学ぶことができるようにする」と、こう書いてあります。地域運営学校の検討とか、小・中一貫教育などの検討を進めると。進めるというのはいいんだけども、学校の主体性を尊重した特色ある学校づくりのためにこういうことが行われるということではなくて、子どもたちの教育を考え、そこで到達すべき水準その他もろもろのこと、それから生きる力を身につけるというようなことを考えたときの小・中一貫とか、そういう中での利益といいますか、メリットといいますか、効果というか、こういうことも踏まえてなんでしょうけども、単にここにまた出てくると、いきなり言葉だけすとっと出てくるような感じがするんですが、これは例えば基本計画である10カ年のうちにこういうことの検討を進めて、どこかで始めるというようなことも当然想定されていらっしゃるんでしょうかね。
小谷松教育改革担当課長
 地域運営学校、小・中一貫教育といったような課題がございます。それらにつきましては、これから教育委員会の中でも真摯に検討を進めていく必要があるだろうというふうに思ってございます。現在、このビジョンの中では、そういった方向を明示させていただいたわけでございますが、このビジョンに基づきまして、今後教育委員会が具体的に取り組むべき課題についての計画をしっかりとつくってまいりたいというふうに思ってございます。それは区で策定いたします10か年計画とも連動するところでございますけれども、こういった課題等につきまして、その計画の中で具体的なプログラムというものを明らかにしてまいりたいと思ってございます。
飯島委員
 たくさんあるので、一つひとつ戻りません。それで、さっき言ったもう一つの「保護者や子どもたちがみずから希望する学校」、要するに、学校選択制はやりますよと。一時導入は見送ったようなことがありますね。東京都の結論が出たのか、どうなのか、最少人数みたいなことにかかわって。一たん見送って、多分やらないんじゃないのと思っていたんだけど、この教育ビジョンの中に再び学校選択制が姿をあらわして、しかも「選択制」なんて書いていないんですね。いかにも「みずから希望する学校で学ぶことができる」なんて、これは選択制なんでしょう、早い話が。
小谷松教育改革担当課長
 学校選択制につきましては、確かに今委員がおっしゃったとおり、学級編制についての東京都が新たな考え方を出すということで、まだ結論として出されたわけではございませんけれども、そういった部分を含め、また学校再編とのかかわりの中で、17年度の導入ということにつきましては、これは延期をさせていただいたところでございます。しかしながら、選択制そのものについて、その理念を今回全く取り下げたということではございません。その意味で、ここに書かれている文章内容、選択制を意識してということ、そのとおりでございます。何らかの形で、さらに選択制についてもその理念をきちんと生かすための検討というものは必要であるというふうに考えてございます。
飯島委員
 そうすると、丸の二つ目の「保護者や地域社会に信頼される自主的・自立的な学校」、それからその次の「地域運営学校」、そういうようなもろもろの地域との結びつきを非常に重視するという方向性が片やあって、極端なことを言えば、学校選択制というのはそういう地域性とは一応切り離したところで、地域性ももちろん、そういう次元での判断も入れて選択する場合はもちろんあるでしょうけども、少なくとも選択が可能になるという、そういう方向性については堅持をしているというか、それはやめちゃったわけではありませんよということからすると、果たしてそういう二つの矛盾するとは言いませんけれども、相ぶつかりかねない、そういう選択があるとすると、むしろそうじゃなくて、みずから地域とのかかわり方を強くするならば、その地域にいる人たちがみずからの地域にある学校についてもろもろ自分たちが誇りを持てるような、あるいは希望するような学校にしようという働きかけがあるということが前提でしょう、前段階は。とすれば、当然、その学校に行くんだよね。それとは切り離してはいないんだろうけれども、何か自分の希望するところで学ぶということと、それから一生懸命その地域にある学校をよくしていこうということが結びついているという意味ならばそういう選択だけれども、そうじゃない選択だって選択制というのは可能にするわけじゃないですか。一面で、選択制についての議論の中では地域との結びつきが云々ということが言われますよね、希薄になっちゃうんじゃないのという。そうすると、この掲げている取り組みの方向の中に、二つの相反しそうな流れがあるというのは、どうなんだろう。むしろ、もう少しここのところは、その希望する学校というのも、地域みずからの学校として主体的にかかわっていくということを大前提とするならば、ここは言わずもがなのことになるような可能性もあるんじゃないのかなと。そういうのについては、どういう検討がなされたんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
 確かに、今委員の方からお話がございましたとおり、選択制と地域の中でさまざまに学校に愛着を持つような、誇りを持てるような学校づくり、地域参加型の学校というものは、ある意味においては確かにトレードオフのような形の部分もございます。しかしながら、基本として、自分の住むまちの学校が本当に誇りを持てるようなものになっていくよう、地域の参加型の学校という形でつくっていくことと、あわせてやはりよい意味での競争というものを持ちながら、お互いの地域がまた切磋琢磨をしていくという部分については、お互いに補い合う部分というものもあろうかと思っております。そういった意味で、地域に密着した学校づくりと、それからこの選択制というものがうまく歯車が合うような形で進んでいくと、そういった方向をぜひ目指したいというふうに思っております。
飯島委員
 なかなか苦しい御答弁だなと思いますよ。この教育ビジョンの中で、どっちが太い流れなんだということは考えなきゃいけないし、でも、どっちかというと、選択制という制度そのもののありようで極めてでかい部分を否定してしまう。と同時に、地域と学校とのかかわりを通しながら、これからいろんな意味で地域のいろんな人材を活用しようと、そういう地域力を使って学校をよくしていこうと、こういう角度が出てくるわけでしょう。部活やその他もろもろ、いろんなことに関して。そうだとすると、一方で制度として選択制として地域と切り離した選択もあるよというふうなことがあるということとそのこととはどうなんだ。中野の場合は、選択制という選択もあるけれども、むしろこの際、地域と学校という視点から、もう一度学校を構築し直そうじゃないのということを、それこそそういう方向を選んでもおかしくはないし、それは中野の教育ビジョンとして一つ成り立つ教育ビジョンだと思うんですね。総花的にあれもこれもといっていくと、何も特色のないものになってしまう可能性だって、逆に言うと心配があるので、むしろこの際は、地域とのかかわりとかそういう角度で中野の学校をもう一度、再編を機に新たに構築し直そうじゃありませんかと。そうじゃなくても、学校を取り巻く地域というのはある程度広がろうとしているわけだから、空間がね、再編によって。そういう時期の地域と学校のかかわりというのは、より強くむしろ意識した方がいいのかもしれないし、ぜひその辺は改めて御検討をお願いしたい。お答えは結構です。今お考えがあるなら、それだけ。
 それで、11ページは、一方、それぞれ学校で行われる取り組み、教育の内容についてもろもろ語られているところだと思いますね。授業のあり方とか、体験の重視とか、一人ひとりの学力の問題とか、教員の皆さんのもろもろのことが書かれている。先ほどの各学校別の教育理念とか、特色ある学校というのは、こういう中の工夫なんじゃないのかなと。だから、ここでこういうことを掲げちゃうと、むしろべたっとそういうのはみんなこうなんですよと。逆に言えば、指導室長が言うように、最低限ここはきちんとキープしましょうということなのか。そういう方向付けは私ははっきりさせるべきだと思うんですけど、ここに書いてあることはね。そういうどっちの意味合いなんだかということはここではっきりさせて、これを踏まえて特色ある学校づくりをしてもらうんだという言い方がないと、何か今ですら一つひとつやるのは大変みたいなこともあるわけですから、そういう方向付けなら方向付けのさらに角度付けはきちんと、そういうことなんですというのは明確にされた方がいいんじゃないかと思うんですが、どうでしょう。
小谷松教育改革担当課長
 確かに、おっしゃる趣旨、大変よく理解できます。先ほど、目標2の中で言われたこと、これは学校教育全体を通しての方向というような形で記載をさせていただきました。今、お話のございました目標3、あるいはこの後また目標4、5というふうに出てまいりますけれども、先ほど指導室長が申し上げましたとおり、学校がきちんと押さえるべき点、その部分についてはしっかりとやりながら、その過程、プロセスの中でいかに学校が特色を出しながら、その共通の目標というものを実現していくか。その中でいろんなまた、いい意味での学校ごとの競争なり、あるいは地域を巻き込んだ、そういった部分というのが出てくるんだろうというふうに思ってございます。その意味で、これは先ほどお話しございました、目標をさらに補充するような形での各論としての書き込みというような形で、学力を中心にこの部分では学校の特色などを出すようなきっかけというようなものを記載させていただき、その方向として示させていただいたところでございます。
飯島委員
 ですから、何でこれを選んで、そしてどういう方向を目指していくのか。このことは、それぞれのところで位置付けをきちんとされた方がいいのかなと思います。
 それで、13ページは、特に健康という視点で非常に大事な要素だと思いますので、これはこれで独立していることはかなっていることだと思うんですね、課題として。ただ、書かれていることについては、いわゆる食育という極めて大事な問題はもちろん一つ押さえていただいても結構だし、それを通して、いわゆる給食を通して食育というのはあるんですが、それだけではなくて、中野の子どもたちが抱えている健康の問題というのはそれなりにきちんと認識されたりしているし、体力の衰えといいますか、低下というのは否定できない部分があるとすれば、そういうことももう一つの課題として、どう学校で、この学校教育の中で物事を取り組んでいくのか。学齢期の中の話ですから。それと、「地域でのスポーツクラブ等」というんだけど、要するに、中野区としては総合スポーツクラブを一つは考えていこうとしているわけじゃないですか。そうすると、そういうこととの取り組み。そういうことだってやっぱりこういう中のこととして位置付けられてこなきゃいけないんだけど、ここでいう「地域のスポーツクラブ等」というのは、またちょっと違うスポーツクラブでしょう。行政がここの中でそういうことが、学校教育といわばこれからやろうとするそういうスポーツ政策と言っては変ですけど、総合スポーツクラブをつくって、    若い人からお年寄りまで健康の取り組みをしていこうというなら、そういうことがここでリンクしてくるということが必要じゃないかと思うんですけど、どうですかね。
小谷松教育改革担当課長
 これからの地域スポーツのあり方として、地域型スポーツクラブというものをぜひ中野区としても立ち上げていきたいというふうに思ってございます。ただ、それにつきましては、もちろん地域を巻き込んでということもございますが、その中にまた学校とのいろんな連携というものも含まれているというふうに思ってございます。この目標の中で「地域におけるスポーツクラブ等との活動を通して」ということは、もちろん将来的にはそういった部分も見据えながら、またあわせて既存のさまざま地域にございます少年野球クラブだとか、サッカークラブとか、いろんな地域の中で活躍しているスポーツ団体等々もございます。そういったトータルとして、子どもたちを取り囲むスポーツの環境というものをぜひ子どもたちの成長の中に生かしながら、お互い地域と学校と、そしてまた家庭の子どもたちというふうな連携を図りながらやっていきたいという思いの中で、ここのところを目標として掲げさせていただいたようなところでございます。
飯島委員
 その後の方にちゃんと総合型スポーツクラブの問題も出てきますから、その活用方や何かはきちんと目線に押さえておいた方が物事全体としてリンクすると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、15ページは、特に先ほどの自然との体験とかいろいろなところがありましたから、ビオトープなんかが出てくることは非常に大事なことで、全体的にここは環境整備の話ではないんだろうとは思うんですけども、だとすると、ここに書かれていることと学校教育現場との関係性もどこかで明確にされた方が、「行政・学校では」と書いてあるわけですから、そういうこともちゃんと視点として踏まえていただきたい。これは要望ですから結構です。
 それで、ずっと見てくると、主として学校教育の部分が多くなるのは当然のことでありますけれども、その他、広い範囲でのもろもろあります。家庭とか地域というのはなぜ取り上げなかったかというと、ここはどういうことになるのか、この教育ビジョンの中で。確かに、総合的な中野区の教育環境にかかわるさまざまな取り組みの問題を扱ったのは結構なんですが、やっぱり教育ビジョンだからそこら辺とのかかわりをきちんとしておかないと、皆さんにこういうことをお願いしますよということなのか、そうなっていますよという話なのか、それこそ基本構想みたいにこういうふうになっていますと、10年後はと、そういう姿を描いたのかということになる。むしろ、これからどんなことをやっていこうとしているのか。その到達する姿は、こういう姿なんだと。その姿に到達するために、どういうことをやっていくのかということを考えようとするんなら、私は別に10年とか何とかというスパンにこだわる必要はない。もう少し長い目で、中野の教育についてはこういう方向で人づくりをしていこう。そういう学校教育、あるいは生涯学習を含めた、そういう中野の教育にかかわる取り組みについてビジョンをきちんと掲げようと。その際は、地域でも、家庭でも、こういうことを行政や学校が進めていくことによって、次第にそういうふうになっていくんじゃないかと。あるいは、逆に言えば、地域を巻き込んだり、あるいはお願いしたりすることを通じて変わっていくんじゃないのという視点の方がいいんで、余り家庭や何かのことまで細かく書き込んじゃうとなかなかつらいものがあるんじゃないのと、なかなか難しいんじゃないのかな。例えば、家庭の中で子どもに自分の役割を持たせると。それはもう当然の話だったりして、何でそれが中野の教育ビジョンなんだということだって言われかねないので、例えばですよ。そうだというんじゃなくて。だから、その辺のビジョンの示し方、全体的なものをするのは結構なんだけれども、その辺はよく整理をされて、確かにそうだなというふうなことで、次の中間まとめみたいなことになったときにはぜひお示しをいただきたいし、基本計画に落とすものとの間のギャップのないように、突然文言が出てきて、みんながそれぞれ自分の勝手な想像で物が言えるようなことのないように、中野区の教育委員会としては、このことについてはこういうものだと考えていますよというこちらの考えが、皆さんの考えが伝わるような、そういうものにぜひお願いをしたいと思います。要望ですけども、何かお答えがあれば伺っておきたいなと思います。
小谷松教育改革担当課長
 本当にありがたい御助言ありがとうございます。今、委員からお話しいただいた部分、本当に私どもの方も意を用いながら、さらにこのビジョンの完成に向けて一生懸命取り組んでまいりたいと思います。そしてまた、次の機会にまたさらに精査したビジョンの内容をお示しできるように、教育委員会の中でも鋭意検討を進めてまいりたいと思っております。
篠委員
 これは、中間のまとめでも最後でもないので、検討資料なんですけど、10か年計画、基本計画に向けての土台づくりという意味だけなんですかね、これは。
小谷松教育改革担当課長
 今回、策定を目指しております教育ビジョンにつきましては、これは中野区としての、教育委員会としての最も根幹となる考え方、将来展望を明らかにするということで、今、この教育ビジョンというものの策定を目指してございます。その意味で、これから中野区の教育がいろんな課題に取り組んでいく、その本当に基本となる考え方の整理を図るというものでございます。
篠委員
 わかりました。
 それで、飯島委員はするどい指摘をされたんですが、いわゆる家庭だとか地域については、教育委員会の研究、あるいは地教懇や何かを通したいろいろな意見を通して、それが網羅されるような形で、だれでもそうだなと、本当にそのとおりだなと思うようなことが各ページに出てきているわけですが、この目標設定、あるいは指標なんかをつくるには、進捗状況なんかをとれるのは、やっぱり「行政・学校では」という部分だけになる可能性があるわけですよね。施策展開、施設配置展開等を行動に移すときにはね。あるいは、我々一番目を離せないのは、区民挙げて、日本じゅう挙げて、権利の主張ということにはなっているんですが、義務について語り始めていないと。せっかくこれだけいい、まとめたものを出してきているんであれば、こういう姿こそ子どもたち、あるいは中野の区民の目指すべき方向としようじゃないかという約束事として区民の承認をいただくと。議会は区民の代表ですので、いわゆる罰則を盛るわけにはいかんですが、その中の子どもの部分だけでもとって、家庭では、地域では、行政の姿勢としてはというようなものを盛って、みんなの力で、みんなも知恵を出し合って中野の子どもたちを育て上げようよという形の条例化というようなものを考えることができると思うんですね。条例に反したからこれは違反だというわけにはいかないけど、条例化ということを基本構想の流れともう1個枝分かれさせて、それはそれ。本体は教育委員会の哲学だとして、その中の子どもの部分については、それは教育委員会発でもいいし、我々議員発でもいいし、みんなに力を出していただくことが必要なんだよという発声は、私は中野区民全員を巻き込んだ形という姿がとれる唯一の方法のようにも思うんですけど、御所見があったらお願いします。
小谷松教育改革担当課長
 今、目指しております教育ビジョンでございますが、確かに基本構想とは違いまして、議会の議決を要するといったような手続はないわけでございます。しかしながら、このビジョンの策定につきましては、基本構想と期を一にするような形で進めてございます。そういった意味では、基本構想がこれから素案、さらに議案というような形で明らかになってくると思いますが、そういった部分と含めまして、この教育ビジョンにつきましても、機会をとらえまして、委員会の方に報告をさせていただきながら、またきちんと議論を踏まえる中で、その策定を目指していきたいというふうに思ってございます。また、区民の皆様方にもある程度もう少しきちんとした形でお示しできるような機会がまいりましたら、しっかりと区民の皆様にもこの内容を明らかにした上で、いろいろ御意見等を伺いながら、このビジョンというものを区民の広い意見、合意の中でつくっていきたいと、そのように思ってございます。
高橋委員
 先日も質問させていただきましたけれども、そちらの答弁だと、基本構想にリンクさせてということでこのビジョンを作成されていらっしゃるようなんですけれど、なぜ基本構想にあわせてつくっているんでしょうか。そこがちょっと理解できないんですけど。
小谷松教育改革担当課長
 基本構想につきましては、これは本当に区政のすべてをそこに集約するような形で、議会の議決などもいただきながら、つくり上げていくものでございます。その中で、特に教育という部分につきましては、教育委員会がきちんと責任を持って果たしていくべきところでございますけれども、その基本構想を一つのバックボーンとしながら、この教育にかかる部分につきましては教育委員会として責任を持って、さらにそれを発展させる形で区民の方にお示しをしたい。そういうような形で、全体としての基本構想と連動する形で、このビジョンの策定を今進めているところでございます。
高橋委員
 別にこのビジョンがいけないとか悪いとか言っているわけじゃないんですけれども、ビジョンを作成するに当たりましては、基本構想より先に教育委員会の皆さんたちは教育行政という形でビジョンを考えていたというふうに私は理解しているんです。それなのに、何でまたここで基本構想とリンクさせて教育をPRしなくちゃいけないという理解になるのかなと。もう少し教育委員会としての主体性と言ったら失礼かもしれませんけれど、教育委員会は教育委員会としてのビジョンをつくり上げたから、基本構想もこれに合致したものにしてもらいたいとか、そういうふうに持っていけないのかなというのが私のふんまんやる方ないところですけれども、おいおいこれはすぐに決めて進めていくというものでもないでしょうから、さらに内容を煮詰めながら、お答えのとおり、基本構想、10か年計画にあわせていくというんでしたら、その計画どおりに進んでいっちゃうのかなという思いはありますけれども、やはり私の願いとしましては、教育委員会の予定をつくり上げて、基本構想とは別枠で考えていっていただけたらいいかなという思いがあります。お答えできればと思いますけれども。
沼口教育長
 おっしゃるように、かなり前から中野には教育のビジョンがないという意識がありまして、教育委員会としてつくらなければいけないんじゃないかということで議論を進めていきました。その中で、基本構想の策定や改定ということがありましたので、そうなりますと、どんどん基本構想が先行して、我々の思いが伝わらないのはまずいということで、素案をかなり、多分昨年だろうと思いますけども、基本構想がまとまる前に教育委員会の考え方を出して、それを構想に取り入れてほしいということで、素案を出したわけです。それで、最終的に連動しなきゃいけないというのは、ある意味では形式的には、今、同時に進んでいますのでやむを得ないのかなという考えはありますが、考え方はとにかく先に我々の方が出しているという自負はあります。
 それで、今回のこれは、あくまでも素案を出した後に、皆様方の議会から、あるいは区民からもかなり意見をもらっていますので、それをまとめたものを素案からさらに検討を進めている最中の検討資料になっています。ですから、これはまた最終的には案という形で年明けぐらいには示して、それをまた最終的に区民論議に付すという手順でやっていきたいと思っています。ですから、3月、4月に最終的な結論が出ていくのかなと。その後は、具体的な事業計画みたいなものを教育委員会としてつくっていかなければ具体性が出ませんので、そういうのも今考えているところでございます。
江田委員
 ちょっと細かくて申しわけないんですが、2ページ目の下から11行目ぐらいのところで、「豊かで利便性の高い社会は一人で生活することが可能な社会でもあり、人とのかかわりが希薄になる中、思いやりの心や社会性・規範意識をはぐくむことが大切となります」と、こういうくだりがあります。どういうことを言いたいのかよくわからないんですが、どういうことなんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
 今、日本の社会は、本当に世界の中でも豊かな社会ということが言えると思います。そのような中で、他とのかかわりを持たないで生きていくといいますか、生活していくということにつきましても、決してそれは不可能ではないというようなことがあるかと思います。しかし、この社会の中でお互いに、やはり自分一人で生きているわけではないし、いろんな助けを得ながら、また自分も何がしかの社会の中での役に立つといいますか、そういった中で社会と人とのつながりというものも大変重要な部分があります。この地域社会というものが、一人ひとりのそういった結びつきの中で築いていくというものであるならば、やはりこういった人とのかかわり、コミュニケーションというものも非常に大切になってくるというふうに思ってございます。そういった意味で、地域社会・コミュニティづくりというものを目指す中で、こういった人とのかかわりというものをしっかりと築き上げていきたい。それがまた中野の教育の目指す一つの目標にもなっていると。そのような意識の中で、こういった文章ということで書きあらわさせていただきました。
江田委員
 非常に短い文章で、凝縮した書き方をするわけですから、なかなか伝わらない部分があろうかと思うんですが、それにしてもちょっとわかりにくい文章だと思います。つまり、「一人で生活することが可能な社会でもあり」という、これ自体は肯定的な言い方のように聞こえるんですが、しかし実際は、現実には食べることにしても、働くことにしても、移動することにしても、いろんな人とのかかわりの中でそういうことが可能になってきているわけであって、そういう意味では、一人で生活することが可能な社会だというふうに言い切るということと、それからその後の文章との間に違和感があるように思うんですね。ほかにも幾つかそういうことを感じる部分があるんです。非常に短い文章の中で表現しようとしているから、そういう難しさがあろうかと思うんですが、少し検討をしていただきたいというふうに思います。
 それから、4ページで、全体に家庭の問題が第一に出てきますよね。それで、上から5行目ぐらいに「家庭は子どもの教育の原点であり、そこでの教育は何ものにも変えがたい大切なものです」というふうに言っているんですが、現実には、しかし、さまざまな問題が起きていますよね。ちょっときつい言葉で言えば、家庭崩壊という、そういうことに似たような事件というのがたくさん起きていて、ますますそれがふえてきているということだと思うんですが、そういう問題がその後の目標1、目標2というふうにずっと行く中で、「家庭では」という言葉がずっと出てくるんですけれども、家庭ではこうあってほしい、家庭ではこういう努力をすべきだというものはあるんですけども、そうした社会的な現象の中で、家庭が家庭としての役割を果たせなくなってきている問題がもう一方にはあって、そういうことに対して教育行政はどういう取り組みをしていくのかというのが非常に鋭く問われている部分だと思うんですね。権利とか、義務とか、そういうもの以前のさまざまな問題があろうかと思うんですが、そこら辺についてのとらえ方といいますか、そういうものはどういうふうになっているんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
 確かに、子どもの教育の原点というのは家庭、家庭というのは社会の中で一番小さな、しかしながら、最も基礎となる単位であろうかというふうに思います。そこがいろんな意味で社会性のすべての出発点になっているというふうに思ってございます。そういう意味で、家庭と地域、それから学校、行政というものがうまく連動する中で、教育というものが非常に効果的に、また相乗的な形で展開をしていくというふうに思っております。その意味で、このビジョンの中でも、家庭の役割というものにつきまして一定の書き込みをしながら、同時に、ともに進んでいくという形を示させていただきました。もちろん、家庭の中の個々の事情について行政が立ち入るというものについては限界があるかと思いますが、しかしながら、その家庭、本当に社会の基礎となっている家庭について、きちんと一つの最低限度の保障を与えるということについては、これは非常に大切なことだというふうに思っております。その部分につきましては、教育だけではなくて、広い意味での全体としての行政の役割というものがあるかというふうに思います。この中で、そういった個々の具体的な部分というものについては、教育という目標に対してのことで十分な書き込みということには至らないわけでございますが、当然そういったものを一つの前提としながら、家庭、それから地域、行政、学校というものが共通の目標を持って、連携を進めていくというふうに考えてございます。
江田委員
 ちょっとよくわからないんですが、具体的に7ページで、これは幼児期の教育の問題が出てくるんですが、先ほどもちょっと質問がありましたけども、10か年計画の方で幼・保一元化の問題についていろいろ質問が出ておりまして、中野区としてはそういう方向を目指していくというような答弁になっていたと思うんですね。それで、幼・保一元化とか、あるいは10か年計画では保育園の民営化、それから区立幼稚園の民営化と負担のあり方を検討するというふうになっているんですが、そういう問題は中野区が行政として直接幼児教育に責任を持っていくと。子どもたちの豊かな成長・発達の問題もあるし、家庭を支援していくという問題も両方あると思うんですが、そこら辺の問題というのが全然この中から見えてこないんですよね。一体、中野区はどういう幼児教育に対する責任を、直接的な責任を果たしていこうとするのか。そこら辺はどういうふうに考えておられるんですか。そういうものは、どうしてここには出てこないんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
 幼児教育を含めまして、子育てを積極的に支援していくということは大変大切なことだというふうに思っております。直接、例えば教育委員会がみずからの監督下にあるといいますか、そういった部分について言えば、これは区立幼稚園ということになるかと思いますけれども、ただ、中野区の子ども全体として見るならば、私立幼稚園に通っている子どもというのが圧倒的に多数いるわけでございます。さらに、保育園も含めて、全体としての中野区の子どもたちをどのような形で支援していくかというような形でのあり方といいますか、そういった部分というものをしっかりとこれから築いていきたいというふうに思ってございます。その中で、親の相談、いろんな相談等々の対応であるとか、あるいは子育てに対するいろんなサポート、情報の提供であるとか、交流の場や機会の創設であるとか、そういったものを含めながら、全体としての幼児教育を含めた子育てのサポートというものを区としてやっていきたいと。その中で、教育委員会としても一定の役割を果たしていく。そのように考えてございます。
江田委員
 非常に抽象的過ぎるんだと思うんですよね。例えば、これからの幼児教育のあり方について教育委員会がまとめた文書がありますよね。あの中では、一定の教育委員会の役割・責任というものが非常に鮮明に出ていたわけですが、教育ビジョンという中にあれもこれも具体的に書くことは難しいでしょうけども、少なくとも区民が見て「ああ、なるほど。中野区はこういう方向を目指そうとしているのか」というのが見えるようなものでなければ、それはビジョンとは言えない。単に希望の羅列でしかないんじゃないかと思うんですね。少なくとも、幼児教育なんかの部分については一定のまとめたものがあるわけで、そういうものがなぜ反映してこないのかというのが非常に理解できない部分なんですが、そこら辺はどうしてなんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
 今回、このビジョンの中で示しました部分、先ほど飯島委員の方からも少しお話もございましたけれども、このビジョンの中で一定の方向を示しながら、その後、またそれに基づきました具体的な計画というものも教育委員会としてしっかり、そのビジョンの個別具体的な実現プログラムということで明らかにしてまいりたいというふうに思ってございます。その中ではしっかりとした形で、具体的な形でこれからの方向というものをお示しすると、そのように考えてございます。
江田委員
 どうしても解せないんですが、ビジョンはやっぱりビジョンであって、これを読めば中野区の教育はこういう方向を目指しているんだなというのが、まさにビジョンとして見えてくるというふうにしなければ、希望の羅列、言葉の羅列だけではこれはビジョンというふうにならないのではないかと思います。
 それから、もう2点お聞きしたいんですが、11ページの下から4番目で「少人数指導・習熟度指導」、これが書かれております。これはこれで現実的に今の教育に対応していくという点で一定の役割を果たしているということは私たちも認めておりますが、同時に、そのことと少人数学級という問題とは目指している方向が多少違うわけで、少人数学級の方向を模索すべきだということを定例会のたびに繰り返し繰り返し申し上げているんです。それで、数日前に東京都の校長会が、小学校の1・2年生については少なくとも少人数学級を取り入れるべきだと、こういう要望を東京都の教育委員会に出したというニュースを見ました。全国的には、本会議でも申し上げたんですが、既に43の同府県が何らかの形で少人数学級の方向を目指している。恐らく、最後に残るのは東京都だけになるんだと思うんですが、方向としてはそういう方向を全国が目指している。特に、全面的な実施というのはなかなか難しくとも、せめて小学校1・2年生だけはそうした取り組みをすべきだということが今全国の大きな流れになってきております。ビジョンというわけですから、この問題についても私は方向としては目指すべきだというふうに思うんですね。これについては、本会議で真っ向から私たちの御質問とは対立するような形での答弁が今までは出ているんですが、いつまでもこのままでいいのかという問題を非常に感ずるんですよ。いずれそういう方向になっていくだろうというのが私自身はそういう思いを非常に強くしているんですが、何らかの形でそういう方向を目指すべきだというふうに思うんですが、もう一度、その点についてお聞きしておきたい。
小谷松教育改革担当課長
 基本的には、このビジョンの中では、特に30人学級等々についての言及はしてございません。今、中野区として教育を考える際には、少人数指導、あるいは習熟度別の指導といったものを多様に充実させながら、そういったところをしっかりと取り組みを図りながら、きちんと教育の効果を上げていきたいと、そのように考えてございます。
江田委員
 10年間のビジョンということからいえば、そのこと一つが大変新しい方向を模索する、切り開いていくという立場とは、その部分だけはまるっきり違う立場に立っておられるということを申し上げておきたいと思います。必ずそういう方向を目指さなければならない時期が早晩やってくるというふうに思っております。
 最後に、17ページの一番下で「図書館と学校図書館との連携を図り、学校図書館の地域利用の拡大を図る」というふうに書かれております。これは具体的にはどういうふうにされる予定なんですか。施設の問題とか、あるいは図書の内容の問題もあるでしょうし、それから人の問題も当然出てこようと思うんですが、そういったことでの具体的な方向というのはあるんですか。
石﨑中央図書館長
 学校図書館の地域利用の拡大をするためには、委員御指摘のとおり、蔵書の構成、施設の配置、それからそこに携わる人の問題、こういう問題がネックになっているわけでございます。ただ、方向性としては、学校の地域開放というのはそもそもの学校の方向性でございますので、今申し上げた三つの視点、こういうものを幾つかパイロットケース等を行いながら、どのようにしたら地域利用ができるか、こういうことを今後検討していきたいというふうに思っているわけでございます。
江田委員
 今、パイロット的にとおっしゃったんですが、例えばどこかの学校で特別に予算をつけてそうした取り組みをしてみるとか、そういった要するに教育委員会の方の心構えといいますか、こういう形でやっていきたいというものはあるんですかという質問なんですが。
石﨑中央図書館長
 今すぐ全体というのは非常に難しいわけでございますけども、先ほども申し上げたように、学校というのは最大の公共施設でございますので、学校という施設を地域の人々にできる限り使っていただく。そのような視点から、例えば施設の配置等についても当然ながら何らかの対応もしないといけないでしょうし、それから蔵書の内容についても、今のままではとても耐えられないような状況でございます。そういったことを拡大する必要もございます。それから、人の問題、そこに携わる人をどういう形で活用していくか、そういうことも解決すべき問題でございます。そういうものを幾つかパイロットケースの中で施策として展開していきたいというふうに思っているわけでございます。
江田委員
 これが実際にそういう条件ができてくれば、地域間の果たす役割は地域間の役割として大事にしていってもらわないと困るんですが、さらに学校がそういう形で開かれて、地域の人たちが利用できるようになることは機会の拡大になるわけですから、否定するものではない。ただ、一体どういうふうに考えているのか、いつぐらいからそういうことに着手しようとしているのかというのが全然わからないんですよね。ですから具体的に、例えばいつぐらいからパイロット事業として取り組んでいきたいというようなものがあるのか。それとも、まだそれらは具体化していないのか。もうちょっとそこら辺をわかるように答えていただけませんか。
金野教育委員会事務局次長
 学校図書館の地域利用の拡大につきましては、10か年計画、検討資料ナンバー3のあたりで示されまして、教育委員会も課題として受けとめて、検討しております。今、委員御質問のいつごろ、どういう形でということについては、教育委員会としては、図書館長が答えましたように、一部の条件の整ったところでまず先行してやってはどうかというふうな検討をしておりますが、そういった形でいいのかどうか。また、具体的にはどういうような対象で、どんなやり方になるのかということにつきましては、区の施設全体の考え方、あるいは10か年計画の中の位置付けということを含めて、教育委員会の考え方を出して協議をしているところですので、まだ具体的には決まっていないという状況でございます。
委員長
 ほかに。よろしいですか。
 質疑なければ、(仮称)中野区教育ビジョンについての報告を終了いたします。
 次に、中野区立小中学校再編計画(案)についての報告を求めます。
小谷松教育改革担当課長
 それでは、中野区立小中学校再編計画(案)につきまして、御報告をさせていただきます。(資料2)
 今回、取りまとめをいたしましたこの学校再編案についてでございますけれども、従来はこの再編案につきましては、基本構想、10か年計画と一緒に、あわせる形でということでお話をしてきたところでございます。しかしながら、基本構想、10か年計画の方、いろいろ財源問題等々ございまして、なかなかスケジュールどおりに事が運んでいないという部分もございます。その一方で、この再編計画につきましては、非常に区民の皆様方の関心の高い部分でございます。教育委員会といたしましても、教育委員会の主体的な判断に基づきまして、今回、この再編計画案を取りまとめさせていただきまして、御報告をさせていただく次第でございます。
 また、この案の取りまとめにつきましては、学校教育の充実を目指すという、そういった教育的観点を基本に検討を行いまして、取りまとめたというものでございます。
 それでは、ページに従いまして、順次御説明をさせていただきたいと思いますが、大変申しわけございません。全体としてかなりボリュームもございます。また、非常に大切な計画案ということでもございますので、場合によってはちょっと私の方の説明、少し時間がかかってしまうようなところもあるかもしれませんが、できるだけきちんと要領よくお話をさせていただきたいと思いますので、その点、あらかじめ御了承いただきたいと思います。
 ページをめくりまして、まず目次をごらんいただきたいと思います。今回の再編計画案、ごらんのとおり3章の構成となってございます。1章が「中野区の目指す学校像」ということで、今回この再編計画をまとめるに当たりまして、子どもの将来像、そして目指すべき中野の学校像ということで、きちんとその部分をまとめさせていただきました。この計画が再編のための再編といったようなことではなくて、中野がどういった子どもたちを育てたいのか。また、そのための中野の学校はどうあるべきかというものをしっかりと踏まえた上で、再編計画案というものを策定いたしたところでございます。
 続いての2章、3章というのが具体的な再編計画の内容ということで、各論という部分になろうかと思います。第2章が計画の概要について、そして第3章がこの計画のうち、前期の計画部分で実施いたします具体的な内容についての記載となってございます。
 それでは、順番にページを見ながらまいりたいと思いますが、1ページ、「はじめに」というところで、これは今回の計画案策定についての背景や経過、また今後の対応等について記述してございますが、一番下をごらんいただきたいと思います。「この再編計画(案)について、区民の皆さまからご意見をいただきながらさらに検討を進め、10か年計画と整合をとった上で決定します」となってございます。今回、教育委員会としてお示ししましたこの計画案でございますが、この後、いろいろ区民の皆様方と意見交換等を踏まえ、そして計画でございますので、最終的にはしっかりと財政的な裏付けを持ったものとして立ち上げていかなければいけないということもございますので、この計画が(案)が取れるというところにつきましては、10か年計画と整合をとった上で、ほぼ同じようなタイミングで、教育委員会として計画決定をするというふうな段取りを考えてございます。
 まず、第1章の「中野区の目指す学校像」ということでございます。こちらの方で全体としてのこれから中野区が目指す学校、それから現状分析、その現状分析を踏まえた将来展望というものをまとめてございます。
 まず初めに、「子どもたちの将来像」ということで最初にまとめさせていただきました。これは、先ほどいろいろ御議論いただきました教育ビジョンの中でまとめました目指す人間像というものを、今回の再編計画の中でも「子どもたちの将来像」として挙げてございます。教育ビジョンというものが中野の教育行政の最も根幹となる考え方ということで、その取りまとめを行っているところでございますが、この再編計画におきましてもその整合性を図り、子どもたちの将来像としてしっかりと据えていきたいというふうに思ってございます。そういった子どもたちの将来像を具体的に推進するための教育環境の整備ということで、その下の方に4点ほど記載をしてございます。こういった環境の整備を図りながら、中野区の教育をしっかりと推進してまいりたいと思ってございます。
 次に、「中野区の学校の現状」ということで、ここで一度中野区の学校の現状について改めて点検をさせていただきたいと思いますが、3ページの方に表が載ってございますので、こちらの方をちょっとごらんいただきながら、確認をしていただきたいと思います。
 中野区の学校数と児童・生徒数の推移というところをごらんいただきたいと思いますが、小学校については昭和54年、中学校については昭和35年から現行の29校、14校という数のまま推移しているわけですが、一方で、子どもたちの数につきましては、小学生は昭和30年代の前半には3万人を超えていたようなものが現在は1万人を切っている。中学生につきましても、昭和30年代の後半には1万5,000人ピークいたわけでございますが、現在は5,000人を切るというような形で、非常な勢いで少子化というものが進んでいるということがおわかりになるかと思います。
 また一方、「1校あたりの学級数」というところで、3ページ下から4ページ上段にかけまして小・中学校の表が載ってございます。現在、国の基準におきましては、学校の標準規模としましては12から18学級と言われてございます。この表をごらんになっていただきますとおり、昭和のころには中野区の学校はほとんどすべてが標準規模、ないしは、場合によっては大規模の方が多いというような推移で来たわけでございますが、昭和60年代、それから平成に入って以降、これがどんどん小規模化していく。そして、黒くなっている11学級以下、標準規模以下の学校ということになりますが、これが非常な勢いでふえてきているということがおわかりになるかと思います。
 4ページの中学校の欄を見ますと、もっとすごい勢いで小規模化が進んでいるということがこの表からお読み取りいただけるかと思ってございます。
 それから、もう一つ、学校の現状ということで考えなければいけないのは、施設の面でございます。学校の施設につきましては、国の補助基準によりまして、50年間ということになってございます。50年を経過いたしますと、国の補助対象ということになってくるわけでございますが、中野区の多くの学校は、昭和30年代から40年代にかけまして、木造校舎から鉄筋コンクリートの今の学校にどんどんつくりかえて、建てかえをしたわけでございますが、それが50年を経過する時期が間もなく迫ってまいります。その下に「校舎の主要部分が50年を経過する時期」ということで表を掲げてございます。平成19年から始まりまして、ほとんど毎年のように何校かの学校が改築の時期を迎えるということになってございます。これも今後の学校のあり方を考える際には、非常に忘れてはならない重要な点であろうかというふうに思ってございます。
 それからもう1点、学校の機能ということで忘れてはならないのが、地域社会との関係ということでございます。学校につきましては、町会や自治会、あるいは防災拠点としての役割というものも持ってございます。地域社会との密接なかかわりの中で今日の学校があるわけでございますが、その機能につきましては、さらに今後結びつきをしっかりと発展させていくということも大切な学校の機能ということになるかと思います。
 そういった現状を踏まえまして、これからの学校の適正規模について考えてみたいと思います。5ページの下段のところでございます。
 まず、学校というものが、集団での活動を通して子どもたちの学びや成長を応援する場であるということが一つ学校にとっての大前提となるものでございます。これを踏まえまして、集団教育のよさを生かす教育を進めるために、中野区が目指す学校をつくっていくためには、やはりどうしても学校の再編というものが不可欠になってございます。
 6ページ、7ページの方に入りたいと思います。そのような形で、学校を適正な規模にすることによりまして、6ページの上段に書かれてございますけども、一つは豊かな人間関係や活気ある学校をつくるための集団の活力を引き出していくということ。また、多様な形態の授業の充実や教員の確保によりまして、学力の向上を図っていくということ。さらに、活気ある運動会とか学芸会などの実施、多様な部活動の設置といったような、学校行事等の活性化を図っていく。こういった学校教育を推し進めてまいりたいというふうに思ってございます。
 あわせて、教育を進める上においては、どうしてもハード的な部分、基盤となる部分の充実も欠かせません。4番目の「未来を見据えた学校施設」ということで、先ほども申しましたが、学校を一度つくりますと、少なくとも最低50年はその学校を使うことになるわけでございます。そういった意味で、しっかりと未来を見据えた学校施設というものも建設していく必要がございます。何点か個別な課題で挙げてございますが、多様なスペースを設置する。あるいは、これから非常に重要な課題になってまいります特別支援教育への対応。そのほか省エネルギーやバリアフリー、あるいはトイレの洋式化や教室の冷暖房といったことも重要な学校施設の前提となってまいります。そのほか、安全対策というものもこれからは欠かせません。広い校庭とか、あるいは個々の特色ある学校づくりといったものも重要な学校施設となってまいります。
 それから、最後の6ページ下でございますが、なお書きがございますが、なお、学校の統合に際し既存の校舎を活用する学校でありましても、部分的な改築や建物内部の改修を積極的に進め、可能な限り充実した施設としていきますということで、今回の学校再編に当たりましての考え方をここのところでまとめさせていただきました。
 それでは、7ページ以降、具体的な再編計画案の部分に入ってまいりたいと思います。
 まず、概要についてでございます。「再編に関する考え方」ということで、基本的な事項をここで挙げてございます。これにつきましては、この再編計画を進めるに当たりまして、たしか5月の当委員会におきまして、具体的な考え方ということでお示しをさせていただきました。その後、またこの再編計画案、いろいろ教育委員会の中で議論を進める中で、このような形で今回の案をまとめるに当たりまして、最終的に取りまとめさせていただきました。
 一つ目は、再編は速やかに取り組むべき教育行政上の課題であるということで、はっきりとこの再編を教育行政の最も重要な課題の一つとして挙げてございます。
 それから、1学級の規模については、現行の40人学級を前提として計画を取り組んでございます。ただ、少人数指導であるとか、あるいは習熟度別授業といったものにつきましても、それは積極的に進めるべきものであるというふうにまとめてございます。
 それから、「再編は、統合、通学区域の変更により行います」となってございます。統合と申しますのは、基本的に二つの学校が対等の関係において、A、BがC校になるという形でございます。それから、通学区域の変更と申しますのは、例えばA校、B校があったとき、B校の一部が、A校が存続するそのままの中に一部組み込まれるという形でございます。後ほど具体的な形でお示ししたいと思いますが、この二つの方法によりまして再編というものを行っていくということでございます。
 それから、4番目が学校の望ましい規模と、それからこの再編計画の中で考えてございます計画期間中の学級の規模をここで示させていただきました。小学校につきましては18学級程度を目指す。しかしながら、通学区域や施設バランス等を考え、少なくとも12学級(学年2学級)を維持しますというふうになってございます。これは、小学校については18学級を一つの目標、理念といたしますけれども、しかし、この計画期間中、後ほど15年ということでまた改めて御説明申し上げますが、この計画期間中においては少なくとも12学級、これを最低限この計画の中で実現を図っていきたいというものでございます。中学校につきましても同様でございます。15学級を目指しますけれども、少なくとも9学級(学年3学級)を維持しますということでお示しをさせていただきました。
 それから、その次の「小規模化の著しい学校については、早期に再編に着手します」となってございます。これは、5月の段階でお示ししたこの考え方の中では、小学校12学級、中学校9学級以下の学校につきましては、可能な限り早急に再編をとり行うということで、それだけの記述になっておったわけでございますけれども、今回の考え方におきましては、小12、中9学級以下の中でもさらに小規模化が著しい部分につきましては、その部分を前倒しという形で早急に再編に着手すると、そういう考えをお示ししてございます。したがいまして、ちょっと整理をさせていただきたいと思いますが、目標とするところ、これにつきましては、小18、中15という一つの理念形といいますか、そういった部分をお示ししながら、計画期間の中では小12、中9学校と。そして、その中でもさらに早急に早期に再編をすべき学校ということで、数字については後ほど出てまいりますけれども、小が9学級、中が6学級というような形で、レベルを設けながらこの計画というものをつくっているところでございます。
 それからまた、再編に当たりましては、既存の校舎を活用するとともに、それにあわせまして、教育環境の向上等につきましても、しっかりとやってまいりたいと思います。
 それからまた、通学区域でございますけれども、幹線道路や鉄道、それから小・中の通学区域の整合性、また通学距離、それから地域コミュニティ。この地域コミュニティにつきましては、前にお示しした案の中にはなかったわけですが、こういったものを含めまして、総合的に判断をした上でこの計画というものをつくっております。
 それから、統合を行う場合につきましては、当該校をいずれも廃止をいたしまして、新たな名称の新設校を設置するということを原則といたしてございます。
 それから、統合した場合の統合新校の位置につきましては、全体的なバランスや将来の改築を想定した学校施設の状況等を総合的に判断して、できるだけ広い、将来の望ましい学校を建てかえるということを念頭におきまして、広い敷地の学校というものを選択の条件としていきたいというふうにこの中で述べてございます。
 それから、計画期間でございます。当初、本計画につきましては10カ年ということで、10か年計画に連動するような形でお示ししていたわけでございますが、今回は15年ということで、ここで改めてその考えを述べさせていただきます。17年度から31年度までの15年間でございます。この15カ年を前期・中期・後期の3期に分けまして、それぞれ実施を図っていくということを考えてございます。5年ごとのローリングを行うということでございます。前期5年につきましては、具体的な再編スケジュールというものをしっかりと明らかにしてまいる。中・後期につきましては、今回の計画案の中では、対象となる学校名は挙げますが、またその組み合わせは挙げますが、再編の時期、あるいは統合新校の位置や手順等につきましては、今後のローリングの際に明らかにしていくということにさせていただきました。計画期間を15年としたということにつきましては、全体の工事を行うような学校につきましては、非常に長い期間、統合の検討から実際の開校に至るまで数年間を要します。そういった部分を含みまして、全体がすべておさまる期間ということで15カ年としてございます。また、いろんな再編の計画をつくるに当たりましての統計的な人口推計、児童・生徒の推計、あるいは学級数の推計といったものが年度によって少し異なってくる場合がございます。学校によりましては、数人児童・生徒の数が変わっただけで学級数が変動するといったようなこともございます。できるだけ正確な統計資料に基づきまして、データに基づいて計画案というものをつくっていく必要があろうということで、全計画期間15年間を前期・中期・後期という3期間に分けたものでございます。
 それから、再編に伴います諸課題の取り扱いということで、まず障害学級については現行の、あるいは統合の時点での学級というものを確保するということを原則としてございます。
 それから、「円滑な再編のための支援」ということでは、実際に統合の対象になりましても、統合に至るまでには何年間かの期間があるわけでございますが、その間、予定されております学校におきましても、引き続きしっかりとした教育を行っていくために、その間の円滑な再編に向けた支援というものも必要になってまいります。具体的には、統合の対象となっております学校に対してコーディネーターを派遣することであるとか、あるいは統合を予定しております学校の交流活動を推進していく。そういったことを踏まえながら、円滑に再編に向かって進むように支援をしていきたいと思います。また、実際に統合新校がスタートする時点におきましては、人的な措置も含めまして、その支援を行ってまいりたいというふうに思ってございます。
 それから、「通学区域の弾力的運用に関する考え方」ということでございます。これは指定校変更についてのことでございますけれども、統合に向けまして、その間といいますか、その対象となる学校につきましては、指定校変更の運用についてはできるだけ弾力的な形で検討していきたいということで、今回その考えをお示ししてございます。
 それからまた、今後の課題ということでは、一貫教育ということも、この再編を機に、教育委員会として調査・研究を進めてまいりたいというふうに思ってございます。
 それから「再編にあたっての手順」ということでございますけれども、実際に再編をするに当たっては、関係校が集まりまして、どういった新しい統合新校の名称にするであるとか、校歌であるとか、校章であるとか、いろんな課題があるかと思います。そういったものを検討する期間というものを置きまして、その間、ここでは「(仮称)学校統合委員会」というふうに名付けてございますが、学校の関係者やPTA、あるいは地域の方々の参加を求めまして、そういった委員会の中でしっかりと議論を踏まえて、統合に向けての準備を進めてまいりたいというふうに思ってございます。
 それでは、次に9ページでございますが、「前期における区立小中学校の再編」のところに入ってまいります。
 先ほどちょっと申しましたけれども、この計画全体として前期、それから中・後期というふうに分けますが、前期で取り組む学校については、小規模化が著しい学校ということでございます。その基準につきましては、まず小学校でございますけれども、今年度の実数値、それから向こう10カ年の推計におきまして、すべての年度で9学級以下--これは1学年1学級、単学級の学年が学校全体として半数以上ある。そういった学校につきまして、特に小規模化が著しい学校ということで、これを早期に解消することとしてございます。また、中学校につきましては、同様の期間、こちらの方は6学級以下、これは学年でいいますと1学年2学級以下ということになりますが、こちらの中学校につきましても小規模化が著しいということで、それを対象としてございます。
 ただ、この中で一つ、十中についてでございますけれども、十中については実は統合の検討をしたわけでございますが、後ほどまた述べたいと思いますが、隣の九中からの一部通学区域の変更をこちらの十中に予定している部分がございます。それが実施されるのが中期の期間ということになりますので、十中につきましては、確かにこの規模に該当して早期に小規模を解消する学校ということになるわけでございますが、今回の計画の中では前期の方には落とし込まないで、次の中期の方にこの部分は送ってございます。
 それからもう1点、警大跡に学校を新設するという問題でございます。警大跡地につきましては、その跡地のまちづくりにつきましていろいろ検討が進められているところでございますけれども、その警大跡地の周辺に校地を確保いたしまして、新たな学校を新設するという予定を組んでございます。そちらの方に中央中学校と九中の統合を予定してございます。これを前期の計画の中に位置付けるということを考えてございます。非常にこれは計画期間として大変長くなりますので、どうしても前期の中で、何らかの形で頭出しをして計画の中に落とし込む必要があるということで、この部分は前期の計画とさせていただきました。
 この前期の計画の組み合わせについてでございますが、以下に六つの組み合わせを明示してございます。一つが仲町・桃丘・桃三、それから東中野・中野昭和、沼袋・丸山・野方の統合、それから中学校につきましては、一中と中野富士見中、六中と第十一中、それから先ほど申しました警大跡の関係で九中と中央中の統合と、この六つの組み合わせを前期の計画の中で考えてございます。
 10ページの方にまいりたいと思います。中期及び後期におけます再編につきまして、御説明をさせていただきたいと思います。
 先ほど申しましたとおり、5年後の平成21年度を目途といたしまして、現行のこの計画を改定いたしまして、新たに予定しております学校について、さらに新しい統合新校の位置であるとか、スケジュールといったものをその中で明らかにしてまいりたいというふうに思ってございます。
 中・後期に実施いたします学校の規模ということでは、まず、先ほどの前期の計画と同様、今年度及び向こう10カ年の推計におきまして、おおむね12学級を維持していない学校、これを解消することを小学校では目指したいと思ってございます。中学校では、その期間、おおむね9学級を維持しない学校について、小規模化の解消を図っていきたいというふうに思ってございます。
 なお、ここで、この11年間のうちにどのぐらいその規模に該当するかということでは、おおむね大体3分の2程度ということで、小学校の場合ですけれども、11年間のうち7年以上この12学級を満たしていない学校。中学校では、11年間のうち7年以上この9学級を満たしていない学校というふうにさせていただきました。これは、先ほどちょっと統計上のことで申しましたけれども、毎年統計の数値を見ていく中で、数人変わるだけで学級数が変動をとるといったような部分もございます。できるだけ正確なデータを活用するという意味におきまして、11年間のうち7年間以上、この基準に該当するかどうかということで一つの判断をさせていただきたいというふうに思ってございます。
 そういったことで、この基準に該当する学校、統合の対象となる組み合わせでございますが、まず一つが新山小学校・多田・中野神明の3校を統合いたしまして、これを2校に再編するというものでございます。それから、向台小学校と桃園小学校の統合。それから、大和小学校と若宮小学校の統合。そして、西中野小学校と鷺宮小学校の統合でございます。中学校につきましては、三中と十中と五中でございます。この3校につきまして統合を行い、2校の統合新校を新設するというものでございます。それから、四中と八中の統合を考えてございます。
 なお、今回、この計画期間中に統合の対象としない学校につきましては、そちらにございますとおり、小学校につきましては12校、中学校につきましては3校ございますが、これらの学校につきましては、この15カ年の計画の中では対象とはしてございません。
 それから、12ページの方にまいりたいと思います。前期計画の具体的な内容ということでございます。先ほど申しました前期の計画の中で統合を推し進めます六つの組み合わせにつきまして、詳細にわたりましてこちらで述べてございます。
 ごらんのとおり、最初に「学校の歴史」から解きほぐしまして「統合校の選定状況」、また新たな統合となります「通学区域」の状況、そこに設置されてございます「障害学級の設置」の状況、それから「統合新校の規模」、「再編の時期」、「通学距離」につきまして、詳細にわたりましてこの統合に関係する学校の内容につきまして検討を行いました。それぞれの組み合わせにつきましては、この地図をごらんになりながら御説明させていただきたいと思います。
 まず、仲町・桃丘・桃園第三でございますけれども、ごらんのとおり、この3校につきまして統合を行いますが、統合新校の位置につきましては、最も広い校地を持ってございますし、またこの統合の中での中心的な位置を占めてございます桃園第三小学校を新たな統合新校にしたいと考えてございます。
 なお、その際、現在桃三の学区域となってございます青梅街道から南側の部分でございますけれども、これにつきましては、この統合に際しまして一部通学区域の変更を行いまして、中野本郷小学校の方に組み入れたいと考えてございます。このことによりまして、青梅街道、幹線道路を横切るということを避けていきたいというふうに思ってございます。それからまた、桃丘小学校についてでございますが、JR中央線から南側の部分につきましては他の2校との統合を進めますが、北側の部分につきましては通学区域の変更ということで、野方小学校の方に一部組みかえを行いたいと思ってございます。
 これらの学校につきましては、再編の時期としましては平成20年を予定してございます。
 それから、その次でございますが、東中野小学校と中野昭和小学校の統合についてでございます。こちらの方につきましては、2校を比べた場合、やはりどうしても東中野小学校が校地面積が狭く、統合した場合については広い方の中野昭和小学校を新たな統合新校の位置として設置したいというふうに考えてございます。
 なお、この統合によりまして、東中野小学校の区域の一部でございますけれども、通学距離が伸びるといったこと、また中央線を挟んでといったこともございますので、比較的距離の近い塔山小学校の方に、JR線から南側の区域につきましては一部通学区域の変更を行いたいと思ってございます。
 なお、この2校の統合につきましては、平成21年を見込んでございます。
 それから、沼袋小学校、丸山小学校、野方小学校の統合でございます。こちらの方は、16ページをごらんいただきたいと思います。沼袋小学校につきましては、ちょうど学区域の真ん中に西武新宿線が通っているといったようなこともございますので、この沼袋小学校につきましては、西武新宿線を挟み、北側につきましては丸山小学校との統合、また南側につきましては野方小学校との統合を予定してございます。統合新校に位置につきましては、西武線より北側につきましては丸山小学校しかございませんのでこちらの方に。また、西武線より南側につきましては、沼袋小学校と野方小学校両校を比べますと、確かに沼袋小学校の方が少し校地面積としてはあるんですけれども、ただ、改築の時期がかなり先ということもございます。野方小学校は比較的改築の時期が迫っているということもございますし、また野方小学校につきましては、改築した場合、この地域は比較的高層化が図りやすい地域ということもございますので、野方小学校の方に統合新校の位置を定めたいというふうに考えてございます。
 なお、その際につきましては、先ほど申しました桃丘小学校のJR線より北側の部分につきまして、一部通学区域の変更を行い、この新たな野方小学校の位置にできます統合新校の方に通学区域を移したいというふうに考えてございます。
 それから、中学校の方にまいります。
 第一中学校と中野富士見中学校の統合についてでございます。これは、中野富士見中学校の小規模化を解消するというものでございます。19ページの地図をごらんいただきたいと思います。中野富士見中の小規模化の解消につきましては、北側が二中、南側が一中ということになりますけれども、北側の二中と統合いたしますと、一中がそのまま残ってしまう。二中の場合、9学級以下ということで、いずれにいたしましても、将来的には何らかの形で統合を進める必要がある学校となりますので、富士見中と一中を統合いたしまして、その位置につきましては、比較的広い校地を持っております一中に統合新校を設置するという考えでございます。
 なお、その際に、現在、富士見中の通学区域の一部となっております、その図面上の網かけの部分でございますが、この部分につきましては、かなり一中への通学距離が長くなるということ。また、ここは向台小学校の部分でございます。現在、向台小学校につきましては、中学に進級する際、富士見中と二中に分かれてございますので、この際ということで、ここの部分につきましては二中の方に通学区域を変更いたしまして、その結果、一中と富士見中が統合された場合につきましては、多田、中野神明、新山の3校の小学校がすっぽり入るということで、小・中の整合性を図りたいというふうに思ってございます。
 なお、この再編の時期につきましては、平成21年を見込んでございます。
 それから、六中と十一中の統合についてでございます。これは、十一中の小規模化を解消するということでございますけれども、十一中につきましては隣接する中学としましては七中と六中というのが一番大きな隣接の区域となってございます。ただ、これを七中と統合した場合については、非常に七中の一部が通学距離が長くなるといった地域がかなり出てまいります。そのことから、十一中の小規模化を解消するためには、南側に隣接してございます六中との統合を予定してございます。若干一部西武線を横断するというようなこともございますが、ただ、距離にいたしまして最長で1.5キロ以内ということもございますので、この2校の統合を進めたいと思ってございます。
 なお、統合新校の位置につきましては、十一中を考えてございます。十一中は大変広い校地を持ってございますので、できるだけそういった広い校地を活用するという意味におきまして、統合新校を十一中といたしてございます。
 なお、この統合の際に、現在六中の区域の一部、環七から西側、それから西武線から南側の網かけの部分でございますが、ここの部分は現在の四中と非常に近い位置にございます。幹線道路を横断しない、あるいは鉄道を横断しないということからも、この部分につきましては、十一中と六中の統合を契機に四中の方に通学区域を一部変更したいと考えてございます。
 最後に、九中と中央中学校の統合についてでございます。先ほど申し上げましたけれども、この2校の統合につきましては、前期統合の条件には合致しないんですけれども、警大跡地の周辺に用地を確保いたしまして新しい学校を新設するということから、その計画の期間を前期からとって、この前期計画の中に落とし込んだというものでございます。図面を見ながら御説明申し上げますが、この中央中学校と九中の統合につきましては、新たな統合新校の位置といたしましては、中野駅周辺まちづくり計画の区域内に新しい土地を求めまして、そこに新校を設置したいと考えてございます。したがいまして、この両校の統合につきましては、その間、何らかの形で他に仮校舎をつくるとかそういったことが必要なく、直ちに新しい学校の建設に着手できるということを考えてございます。
 なお、この両校の統合に伴いまして、現在、九中の東側の部分がかなり通学距離が遠くなってしまうという問題がございます。そのようなことから、この図面にございます網かけの部分、現在九中の東側の部分につきましては、この両校の統合を機に十中の方に通学区域を一部変更したいと思ってございます。
 なお、この両校の統合につきましては、平成24年の開設を目指してございます。
 それから、ただいま申し上げましたそれぞれ六つの学校の組み合わせについてのスケジュールでございますが、こちら資料として添付してございますので、御参照いただきたいと思います。
 それから、その後に人口推計につきまして、こちらの方にあわせて添付をさせていただいてございます。
 なお、人口推計につきましては、特に警大の跡地、それから中野駅南口の再開発及び東中野の日本閣の跡地にできます大規模の集合住宅、これらにつきましては、一定数をこの推計の中に見込んで作成をさせていただきました。
 大変説明の方長くなってしまいましたけれども、以上のとおり区立小中学校再編計画(案)につきまして、御説明をさせていただきました。
委員長
 御苦労さまでした。
 3時に近づきましたので、休憩を先に入れたいと思います。
 なお、現行の学校区域を地図に落とした資料がございますので、参考になるかと思いますので、お配りします。
 それでは、3時10分まで休憩をいたします。

(午後2時49分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後3時13分)

 休憩前に再編計画(案)についての報告をいただきましたので、その質疑を受けたいと思います。
 質疑はありませんか。
藤本委員
 恐らくこちらが十分理解していないと思うので、もう少し。前期・中期・後期に分けましたよね。例えば、前期で、一緒になるまでの統合委員会をつくると。2年間つくりますよね。そうすると、いずれにしてもスタートは3年後ということになるのかなと。何かそんなこと書いてありませんでしたか。統合する学校は統合委員会をつくってということになると、スタートは3年後。だから、一番早いのが3年後ということになるのか。例えば、この5年間なら5年間ではどことどこが具体的に統合するんですよというような、もしその辺がちょっとわかりましたら、説明していただければ。
小谷松教育改革担当課長
 説明が大変荒っぽくて申しわけございませんでした。改めて今の再編計画(案)の23ページをごらんいただきたいというふうに思います。横組みになっております再編スケジュールでございます。
 こちらで申しますと、先ほどの仮称の統合委員会を設けるということでお話ししたと思いますけれども、一番上の例えば仲町・桃丘・桃三でございますが、この3校の統合につきましては、特に新しい校地を探し求めて、そこで全面的に建てかえ、あるいは新築ということがございません。桃三の校舎を活用いたしまして、3校を統合するというようなこともございますので、統合の準備期間としましては2年間を見込んでございます。この間に、統合する学校の中でいろいろ新設いたします学校の校名であるとか、校歌だとか、あるいは本当に細かいことですと統合のジャージをどうしようとか、そんなものがございます。それで、私どもの方で既にほかの区でそういった統合の実績を持つところを調べてみました。そういたしましたら、やはり最低でも1年から2年は統合に向けてのそういった話し合いというものが必要になってくるということがわかりました。今回、この統合に向けてのそういった話し合いの中では、学校の関係者、PTAの方はもちろんですが、地域の方も含めて、いろんな新しい学校に向けての話し合いというものをしっかりとやっていただく必要があるだろうと思ってございます。その期間が2年間というふうに見込んでございます。したがいまして、仲町・桃丘・桃三でいいますと、18年度にはそういった統合に向けての話し合いの場を設けまして、そして18年度、19年度の2年間じっくりと話し合いをしていただいたところで、19年の年度末、平成20年3月31日になるかと思いますが、その日にこの3校を廃止いたします。そして、翌日、平成20年4月1日に新しく統合された学校を新設するというような手はずと思ってございます。
 ただ、この統合に先立ちまして、19年度には統合新校を予定しております場所であります桃三の改修工事を行う必要があるだろうというふうに思ってございます。統合に向けていろいろ整えるべき場所というのもかなりあるかと思いますので、その辺のところを改修工事を入れた上で、20年4月に新しい学校として立ち上げると、そういった段取りでございます。
 以下、東中野と中野昭和をごらんになっても、同じような形でずっと行きます。
 ただ、工事が入りますところにつきましては、やはり工事に向けたいろんな話し合いというものがまたその上にかぶさってまいります。そういう意味では、少なくとも3年間はいろんな話し合いの期間を設けた方がいいだろうということで、先ほどの2年間にプラスもう1年間の期間を設けてございます。その後に、いろいろ工事等の期間が入りまして、そしてそれが終了次第、新しい学校の設置ということになるかと思います。その下の沼袋・野方はそういった例でございますけれども、そういった形でのスケジュールというのを現在想定しているところでございます。
藤本委員
 そうすると、17年度は、今回再編の計画案を出して、これから学校説明。それを1年かけて理解を得るというようなことで一応考えていらっしゃるんですか。18年から始めるということは。
小谷松教育改革担当課長
 そういったとおりでございますけれども、この計画は今回、教育委員会としての再編案ということでお出ししたわけでございますが、最終的にはやはりその裏付けとなります財政等々とのすり合わせがどうしても必要になります。その意味では、10か年計画としっかりと整合を図った上で、今回のこの「(案)」が取れて「計画」となるものにつきましては、10か年計画で現在想定しておりますのが、来年の夏ごろには10か年計画ということで区長部局の方では予定を見込んでございますので、そのタイミングと合わせる形で今回お示しいたしました案から「(案)」を取って、きちんと教育委員会としての計画として決定をしたいというふうに思ってございます。そういった意味で、17年度につきましては、計画決定の年と。それまでにはもちろん、今、委員がお話しになりましたように、区民の方とのいろんな意見交換をやってまいりたいというふうに思ってございます。
高橋委員
 今の藤本委員の関連なんですけれども、17年度が、この表で見ると説明を始める年だと、計画決定の年だというんですけど、決定したまま、その説明を1年もかけてするんですか。何か整合性をとってやるとおっしゃっていますけど、1年一体どうしちゃうのというような思いがするんですけど、どうなんですか。
小谷松教育改革担当課長
 現在の見通しでは、17年度中に10か年計画とあわせて、この案を計画というふうにさせていただきたいと思いますが、当然計画としてしっかりと決定したら、直ちにいろんな動きをしていきたいと思います。したがいまして、18年度、きちんとこの統合委員会を立てられるように、17年度中にはいろんな行動に着手してまいりたい、そのように思ってございます。
高橋委員
 それで、これは前期の部分だと思うんですよ。この表に書いてあるのは前期の再編のスケジュールをまとめると書いてありますけども、17年度にはしっかりと説明をして、進めていくための基盤をつくるとおっしゃいましたよね。そうすると、2番、3番、4番、6番というのは1年とか、2年とか、最初に統合の検討をするのからずれ込んでいるんですけれども、それは全部をやると大変だという思いもあるんでしょうけども、同時に進めていかないと何かすごくちぐはぐになってしまわないかなという思いがあるんですけど、それはどうなんですか。
小谷松教育改革担当課長
 一つには、この統合委員会をつくりまして、統合に向けての地域の論議を進めていただきたいと思ってございますけれども、できるだけ同じ期間に、同じ地域の中で統合の計画が進むということにつきましては、かなり負担の部分もあろうかというふうに思ってございます。例えば、一番上の仲町・桃丘・桃三のところと一番下の九中・中央中のところをごらんいただきたいと思いますけれども、ほとんど地域としては重なる部分がございます。その意味で、少しその辺のところをタイムラグをつくりながらやってまいりたいというふうに思ってございます。また、沼袋・野方と、それから沼袋・丸山、それと六中・十一中というのもやはりそういった関係になるのかなというふうに思ってございます。その意味では、六中・十一中を先に着手いたしまして、その後に小学校の分--これは野方の方が実際に工事の期間、建てかえの時期もありますので、必然的にこういった部分になるわけでございますけれども、同じ子どもたちが小学校で再編を経験して、また中学校で再編を経験するといったことがないように、できれば中学を先にきちんとやれば、その後に同じ子どもがそういったことをダブルで経験するということもございませんし、そういった部分、全体としていろいろ考慮しまして、地域との関係の中で再編のスケジュールというものを調整させていただいたところでございます。
高橋委員
 そうすると、関連している小・中学校のそういう計画的なずれを考えてやっているということだと思うんですけれども、そうしますと、関連していない一中・富士見中とか、沼袋・丸山というのは、この説明を受けてから一中・富士見中は3年たっちゃうと現在の1年生がもう卒業しちゃうわけですよね。そういうタイムラグがあったりして、実際に全くこの子たちは小学校から関係ない中学校の統合なんですけれども、説明を受けるまま、そのままずっと実際に地域のそういう委員会が立ち上がるまで待っていなくちゃいけないというような、そういう状況になっちゃうんじゃないかなと思うんですけど、そこはどうなんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
 これは最終的には10か年計画ときちんと整合を図ってまいりたいと思いますけれども、その際、財政的な、財源的な裏付けというものもきちんとつけていく必要がございます。やはり、どうしても同じ年度に相当数工事が重なってしまうということにつきましては、学校の改修はある意味億単位のお金が用意される必要があろうと思いますので、その辺の財政的な均衡というところも考える必要があろうかというふうに思ってございます。そういった意味で、こういった形で統合の時期についての調整を、先ほどの地域とのかかわりも含めまして、全体として調整を図っているというところでございます。
高橋委員
 確認をさせていただきますけど、これはきちんと財政の裏付けがとれていて計画を立てているんだという確認でよろしいんですか。
小谷松教育改革担当課長
 今回のこれにつきましては、教育委員会として、もちろん区長部局の方にも情報提供はしてございますけれども、基本的には教育委員会としての考えを整理したものでございます。そういう意味では、まだしっかりとした形での財源の裏付けというものは現時点ではございません。その財源の裏付けということにつきましては、まだ10か年計画の方もいろいろ三位一体等々あって十分な財政的な見通しがまだできていない部分もございますけれども、最終的にはきちんとその辺のところのすり合わせを行った上でやってまいりたいと思います。その意味では、現時点での教育委員会としてのスケジュール案ということで御理解いただきたいと思います。財政的な裏付け、それが出てきたところで、場合によっては当然このスケジュール案というのもそれに連動いたしまして変わってくる可能性というのも十分ございます。
飯島委員
 早くおやりくださいと。同時に、基本構想の策定、基本計画の策定とは切り離して、ここで副題がついているように教育環境の問題として、教育委員会が責任を持ってこの再編計画案については取りまとめるべきだと、こう申し上げてきたので、御苦労さまでしたととりあえずは申し上げておきますけれども、個々の再編の組み合わせ等々について、きょうは質疑・論評等はいたしません。
 今、各委員からも御指摘や質問があった問題ですけども、こういう組み合わせは一定の集団教育の実を確保するために必要な措置として組み合わされたものとして考えられるわけですよね。ですから、そういう意味からすると、一番大事なのは、考え方としては、巻末についている資料、人口の推計とクラス編制の動向ということが問題になるわけですよね。これで見ていくと、小学校というのは、多少中身においてここが早くなるのかなと思うような部分もあるんですが、おおむねこの組み合わせの小学校分というのは、ほぼ同じような状況にあるのかなというふうにも考えられますよね。したがって、どこからこういう23ページのような順番が、1年ずつ遅れているわけだから、出てくるのかなと。果たして1年ずつ遅れていて大丈夫なのかなとか出てくるわけじゃないですか。これはきちんとそれぞれのタイムラグで大丈夫なのかどうなのか。そういう点についての検証は、一応行っていらっしゃるというふうに理解していいでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
 まず、教育委員会としては、基本的には先ほど申しましたけれども、最終的な財源のすり合わせは行ってございません。その意味では、この計画案、このとおりに行くということについては、これから変わる可能性もあるということでお答え申し上げましたけれども、教育委員会としての考え方といたしましては、この統合に向けてのスケジュール案、17年度に計画決定を行い、また直ちにその準備を始めまして、遅くとも18年にはしっかりとした形で統合委員会をつくった上で、順次統合できるところから統合していきたいというふうに思ってございます。全体のスケジュールの中で、できるだけ、こちらの方が財源的な部分も少し考えた部分もありますけれども、基本的には教育委員会としての考えの中でこのスケジュール案というものをまとめたというところでございます。
飯島委員
 そういうことを伺っているんじゃなくて、大丈夫なんでしょうねということが聞きたいわけです。つまり、この推計は、普通、推計というのは上位推計、中位推計、下位推計--つまり、下位推計というのは一番変化が厳しい場合はこうですよと。一番楽な場合は上位推計。それと大体真ん中の中位推計、まあ、この辺かなというのをとるのが統計的な処理なんで、そういう中位推計に基づいて教育委員会としてもこういう再編の計画とスケジュールをおつくりになっていらっしゃるのかな。まず、その辺をちょっと確かめましょうか。
小谷松教育改革担当課長
 この統計でございますけれども、これにつきましては、各学校別に過去5年間の推移を確認いたしまして、そして実際には平成22年度までには現在既に出生をしております子どもの数--これはゼロ歳児までもう既に確定してございますけれども、それをベースといたしまして、さらに各学校別に入学率等--これもきちんと過去にさかのぼりまして、そういった一定の比率を掛け、また学年進行時におけます社会増減率等もあわせて、過去の推移等から判断いたしまして、一定の値を掛けながらやってきたというものでございます。ただ、もちろん学校によっては年次年次でかなり異なった動きを見せる部分もございますが、全体としてのトレンドという形でいいますと、大体これまで過去において作成をしてきております、統計やってきてございますが、多少のいじくりといいますか、多少の誤差というのはどうしても生じざるを得ないんですけれども、全体として見れば、基本的にはほぼ推計の方向で、傾向の方向といいますか、その中で推移をしてきているというところは言えるかと思います。
 ただ、一つ気をつけなければいけないのは、確かに全体の数としてはそういった傾向を示す部分というのは把握できるんですけれども、学校の場合、基本的にはクラス数がベースとなってございます。どうしても場所の確保、教室数の確保、あるいは教員の確保、そういったものも基本はすべてクラス数。したがって、学校につきましても、学級数がベースとなります。ただ、学級数についていいますと、非常に微妙な部分--例えば、40人のクラスでは一クラスなんですが、一人ふえただけで二クラスになるといったような、そういったところが実は学校の推移の中で一番統計上の見通しを難しくしている部分でございます。そういった部分をできるだけ緩和するような形で、今回の計画の中には勘案しながらやってきたというところはございます。
 したがって、先ほど前期・中期の計画の中で、例えば今年度含め向こう11カ年の推計の中で、7年以上はその基準に該当するというような基準を先ほど示しましたけれども、そういった部分も含めて、多少ファジーなところもきちんと織り込みながら、全体としての計画を作成してきたというところでございます。そういったことを基本に、今回この統計を活用しながら計画をつくったところでございます。
飯島委員
 それで、一つ心配しているのは、デモンストレーション効果というのがあるんですね。つまり、こういう組み合わせが発表されます。それで、新規開設校についての位置もおおむね計画として明らかになる。そうすると、人々の気持ちとしては、最初からそこのところを選択しようじゃないのと。特に、通学区域そのものが隣接するような場所、その他に関していうならば、現状の実態からいえば、選択制が一部施行されていると同じぐらいの部分があるから、別に選択制を選ばなくてもいいんじゃないのという議論があったぐらい、学校の指定校変更というのはそう難しいことではないとすると、1年間検討している間に、17年度計画決定していったら、18年度から1年間かけて検討する以前に、この統計的な部分を越えて再編新設校に、人情としては、しかも2年か3年たったら統合でそこに動きますよというよりは、最初からその学校にできるものなら行っておいた方がいいやというふうになりませんか。そうすると、そういうデモンストレーション効果もあるということを考えると、果たして1年、1年というような、つまり2年かけて云々ということの妥当性ですね、逆に。もちろんそれはそうだとしたって、1年間の分というのは、まだ再編される学校3校が同時に、並行にあるわけだから、そういう傾向はないわけではないにしても、そういう過程で何か事が、いわゆる再編のための検討のそういう会議を設けて議論が冷静にできなくなるような、そういう状況だって一方では逆に心配はされる。とすると、やっぱりこの再編に手をつけようとしたら、2年とか3年という期間はちょっと長いのかなと。なるべくなら、決めて、再編に至る過程というのは、1回入学・卒業式があるぐらいが越えるべき山なのかなという気もしないではない。それはわかりませんね、実際にはどういうふうな反応になるか。ただし、そういうことだってないわけではないので、そういうことも織り込みながら、1年間かけて議論していく、そして云々というのがいいかどうかということもよく考えていただいて、私は統合にかかわる、あるいは再編にかかわるプロセスをきちんとしていただく。そして、再編校の設置をされる場所以外の学校の生徒さん、あるいは児童、それからその保護者の皆さんとのかかわりをどういうふうにしていくのか。こういう問題もやっぱり大きいだろうと思うんですね。そこをよくお考えにならないと、単に行政的な対応の仕方だけでは、こういう問題というのはなかなかいかないのじゃないのかなと。
 それからもう一つは、ありようの問題として言うならば、財源の裏付けをきちんとする。これは当然の話ですよ。そして同時に、私は教育長も区長部局にはっきり言わなきゃいけないのは、教育委員会が責任を持ってこういう中野の教育環境の整備に取り組む。区長部局は責任を持って、教育委員会が決めたそうした再編に当たっては、十分意を尽くしてこの財源措置を講じるんだと。こういうお互いの合意があって作業が始まらなかったら、教育委員会として案を考えましたよと。果たして、だけどこれは財源上の問題があるから一応案はつくったんだけど、みたいなことであっては責任あることはできないわけで、その辺は今言ったように、もう一つこのプロセスについては十分、どういうふうな時間のかけ方がいいのかということを御検討いただきたいということが一つ。それから、教育委員会が責任を持ってやるという作業を始める前に、区長との間にきちんとしたそういう確認を、もちろん100%の話じゃないにしても、少なくてもそういう教育委員会の考え方をきちんと財源的にバックアップしますよと。設置者は区長なんだから。そういう対応方についての話だってなければ、事は行かないわけじゃないですか。そういう点はどうなんですか。まず課長の方からお答えいただこうかな。
小谷松教育改革担当課長
 一つ目、実際にこういった計画を発表した後、統合に向けての期間、その間のプロセスの中でいろいろアナウンス効果みたいなものもあって、いろんな動きが出てくるだろうと。確かに、それにつきましては教育委員会の中でもかなり真剣に議論をしたところがございます。こちらの計画の中で、8ページのところに「円滑な再編のための支援」というような書き込みも行ってございます。今、本当に委員の方から御指摘いただいた点については、かなり心を配るべき部分だろうというふうに思っております。そういったアナウンス効果が出てきて、新入生が減ってくる傾向があって、そうなるとやはりどうしても在校生にとっては教育環境が少しずつ統合までの間心配される部分が出てくると思います。できるだけそういった部分がないように、教育委員会としましても各学校が本当に円滑に再編に向けての期間を乗り越えて、無事に統合されるような形での支援というものもしっかりやっていく必要があるだろうと。少なくとも、統合の対象となった学校につきましては、将来統合はされるけれども、でもその期間、たとえ一時期であったとしても、その学校に在籍したことが本当にプラスになったと思えるような形での支援というものもしっかりやってまいりたいというふうに思ってございます。
 それから、財源の裏打ちということでございます。今回の教育委員会としまして考えをまとめるになりましたときには、きちんとこれは区長部局の方にもその旨、教育委員会としての考えをまとめるということでお話をいたしまして、区長部局としましても、教育委員会がまとめた案については最大限の尊重を行っていきたいということでのお話はいただいてございます。そういったことで、区長部局の方ともきちんと整合性を図って進めてきたというところはございます。
沼口教育長
 まず、区長部局との調整は、私の方からも区長との話の中で教育委員会の考え方を最大限尊重してほしいということで申し入れて、区長の方も当然それを意識していただいていると、そういうことでございます。
 確かに、再編の計画案を出せば、直ちに短期間のうちにこれを実施するということは当然のことだと思いますので、我々も例えば17年度、計画が固まれば、その地域の中の話し合いになると思いますけれども、やっぱり急ぐべきだという話になってくれば、当然こういう検討委員会や何かも早く立ち上げて、できる限り前倒しでやっていきたい。したがいまして、最終決定案を出すときには、この計画が前倒しにもなるということも前提で考えていきたいと、そのようにも考えております。
飯島委員
 ということは、要するに、この23ページのスケジュールですか。これはぎりぎりここまでにはという、そういう認識だと。それはそれでよろしいのかしら。
沼口教育長
 当然、我々の方は、もうこれ以上は全体としておくらせることができない。やはり、先ほど飯島委員の方からもあった問題がありますので、できる限り早くやるべきだと。
 8ページに、先ほどの指定校変更のことが若干触れてあるんですけれども、ここは教育委員会の中でも最後まで議論があったところです。8ページのマル3になりますけれども、これは再編計画が固まった段階でどうするかと。指定校変更を認めるか、あるいは今までどおりの基準でやっていくかと。これで大きな議論がありましたけれども、最終的な結論は、やはり再編を一つの理由として指定校変更ができるように検討すべきであるというのが今の教育委員会の考え方です。ですから、最終案が決まるまでに、例えば18年度からの入学について再編を理由とした指定校変更、これを認めていくような方向でこれから検討していくということでございます。
飯島委員
 いや、だからそうだとすると、別の意味の財源問題というか、この23ページのスケジュール表のような形で財源的な手当を想定して、一、二年の余裕はあるというふうに考えることはなかなかできにくくなってくる可能性がある。つまり、そういうことを教育委員会としてもやっぱりこれは認めざるを得ないだろうというのであれば、それによって前倒し圧力というのは高まってくるわけですよね、現実の問題として。それは人情だということもあるだろうし。とすると、改修その他についても早目にやらなければならない。こういうことが出てくるとすれば--やっぱり教育委員会としては大決断だったと思うんですよ。きょう、こういう形で文教委員会に報告がある。当然これはそのまま文教委員会から、あるいは教育委員会から外にどんどん伝わっていくわけですね。それで、我々のように、こういうスケジュールはどうなんだろうかと、もろもろ皆さん同じように疑問を持ったりする。それが、こういうところを読んでいって、もしそういうことを理由に指定校変更も可能だということになれば、それはそういうことを理由に指定校変更をされる方が減るというよりは、むしろそういうことがふえるということを考えた方がいい。とすると、やっぱり再編されるグループの中では、学校が設置されるところに6年間通うというのであって、通って3年目ぐらいにそうなるとするならば、そこを選んでおいた方が子どもたちにもというふうに思うのが保護者の心情としては考えられることじゃありませんか。とすると、2年置いて改修して云々というよりは、確かに早くなる可能性があるでしょう。早くなる可能性があるということは、必要とされる財源を措置する期間も早くなるということが想定されるとすれば、これは容易ならない話だと思うんですよね。先ほど来聞いていると、課長は慎重だから財源上の問題があるから云々ということを絶えず振っていらっしゃるけれど、そこは一定の結論を出しながら今日来ているんだから、こういう外に出してもいいようなことがあるわけで、出して、その後からこの財源の問題をというのでは、ちょっと当面かかわるこの前期5年に関して言うならば、それはなかなか追いつかない話なんじゃないかなというふうに思うんですね。財源の問題については、もちろん不透明なところはありますよ。だけど、なおかつ十分区長部局との調整をし、区長部局も再度この問題については教育委員会の意向を尊重して、ぎりぎり財源の手当を考えるということになっていないとおかしいんだろうと思う。だから、説明される以上はそういうことをきちんと踏まえて、おっしゃっていただく必要があると思います。
 それで、この計画案ですけど、最後にこういう数字が、もちろん資料だから、最初にこういうのがあったら途端にそこで思考がとまってしまうというところがあるかもしれませんけれども、これがベースで物が組み立てられているわけだから、そういうことはやっぱりきちんとしていただきたいのと、こういうスケジュールを出してくる際に、50年たっている学校はどこだとか、そういうのも一つの選択肢として、タイミングというか、時期をはかる選択肢として、判断基準としてあるわけでしょう。同時に、一番小規模化しそうな、あるいは人数の少なくなりそうな学校の問題ももちろんある。中学校はもちろん、そっちの方が大変かもしれません。そういうことがあって時期が決まるというふうにしてもらった方がわかりやすいかなと。学校のグループごとの中にいつごろが時期と書いてありますけれども、それはそれで一つのやり方だけど、どういうグループ編成になるのかということと同時に、いつからそういうことになっていかなきゃいけないのかということの説明の際のつくり方といいますか、あるいは説明の仕方というのは工夫をされないと、どうしてここが最初なのかと。どうしてこの辺が何番目なのということがよくわからないし、その何番目なのということは、どちらかといえば、改築時期を迎えるということとか、財源的なこととかということとリンクしてくるわけじゃないですか。同時に、多少子どもの数の動向からいっても、1年ぐらいの余裕があるところと、そういうグループということもあるかもしれないし、そういうところからグループ編成と、着手をし、実施をする時期の説明は、後ろの方で分けて物事が出てくるんではなくて、それだからこういうグループ分けと時期になるというふうにしていただいた方が私なんかはわかりやすいかなと、こう思っております。
 いずれにしても、説明に行くのだって、こういう順番で行くわけじゃないでしょう。この学校が終わったらこっちへ行って、同時並行でしょう、みんなこれ。これが発表されたんだから。要するに、大分先だからうちの方の、例えば沼袋・丸山小学校の話はもうずっと、平成19年度か20年度ぐらいにならなきゃしませんよという話じゃないんでしょう、これは。だとすれば、全体、ここにかかわるグループ編成の中でお話をされるわけでしょうから、ぜひ手が足りないとか、学校によって説明の仕方の水準が違うとか、そういうことのないように。その辺は異論はないと思うけど、次長、その辺の体制については十分、それから説明の仕方も、どうしてうちはこの辺なんですかとか、あるいはこの学校のグループはこうなるかということは、よくよく御理解いただけるように話をするような体制になっていらっしゃるんでしょうね。
金野教育委員会事務局次長
 今、委員からいろいろ御指摘いただきました再編の時期とそれに先立つ再編までの期間がどうしても生じるという問題と説明との関連ですが、説明につきましては、この案を出しましたら、区民を対象に説明するほか、各前期で名前が出ている学校ごとの意見交換会も行いたいというふうに思っています。それで、実際は、ある程度意見を交換した後、具体的な作業に入るまでという時期は多少、それぞれ見込んでいる開設の時期によって変わってくるかと思いますが、それに先立つ地域での話は、この再編計画案を出した以上、十分きちんとやって、案が取れるまでには一定の地域合意を取りつけるようにしていきたいと思っております。
江田委員
 23ページのこのスケジュール表に従って、これが一番わかりやすいものですからこれに従って、例えば、1の仲町・桃丘・桃園第三、これを統合した場合に、何クラス、何名になるか。そういう形で6までまず教えていただけますか。
小谷松教育改革担当課長
 この六つの組み合わせ、それぞれ統合を終了した段階での予想される規模ということでお答えしたいと思います。
 いずれも本文中には記載をされてございますけど、順次お話し申し上げます。
 まず、仲町・桃丘・桃三のケースでございます。これにつきましては--これは22年度の推計ということでお話し申し上げたいと思います。と申しますのは、先ほどもちょっとお話し申し上げましたけれども、22年度までにつきましては、実数値をベースにしてこれまでの過去の推移をそれに掛けて出してございますので、かなりそういう意味では統計的には信用といいますか、実際には近い数字になっているのかなというふうに思いますので、まずこの3校の統合でございますけれども、予測では535人の17学級を見込んでございます。ただ、これは一部、桃丘の北側が野方に行く、それから桃三の青梅街道から南が本郷に行くというようなことで、その部分を除いてということでございますけれども、17学級ということで見込んでございます。
 それから、東中野と昭和でございますけれども、これにつきましては、362人で12学級を見込んでございます。
 それから、沼袋・丸山・野方の3校の統合になる部分でございますけど、まず丸山と沼袋の西武線から北側の部分、こちらを統合いたしますと、見込みとしましては492人の15学級を見込んでございます。それから、野方小学校と沼袋の西武線から南の部分、それに桃丘のJRから北側の部分が一部編入になりますが、これらを合わせますと680人の19学級を見込んでございます。
 それから、中学校の方にまいります。一中と富士見中でございますけれども、両校の統合が終わりますと、現在富士見中の一部から二中の方に区域の変更がございますので、その部分を除きますけれども、そういたしますと361人の11学級を見込んでおります。
 それから、六中と十一中でございます。こちらにつきましては、一部四中の方に通学区域の変更があって、その部分を除いて、383人の12学級を見込んでおります。
 ちなみに、今のは本文は21ページの一番上段にございます。
 それから、九中と中央中でございます。こちらは本文の22ページの上段にございますけれども、411人の12学級を見込んでございます。
 いずれも今お話ししました数値につきましては、本文の中にその統合後の見込みの数値ということで記載をさせていただいてございますので、後ほど御確認をお願いしたいと思います。
江田委員
 幾つか実務的なことだけお聞きしておきたいと思うんですが、沼袋・野方の統合の欄を見ますと、23年に一応統合というものがあって、その下にまた実施設計、工事・仮校舎というふうになっているんですが、これはとりあえず統合して、例えば沼袋を使っていて、その間に野方の方も建てられるだろうという、こういうことなんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
 はい、そのとおりでございます。野方小学校につきましては、これは統合前に全面的な改築を行います。その間、2年間、工事期間を見込んでございますけども、その期間につきましては、沼袋小学校に統合新校を、一時的に仮校舎を設置いたしまして、そちらの方で教育、授業を行うということで、野方のところの建てかえが完了いたしましてから、新しい校舎の方にそろって移転をするということを考えてございます。
江田委員
 具体的には、沼袋小学校は、校名はもちろん変わるんでしょうけども、25年まではそのまま校舎が使われるということになるわけですね。
小谷松教育改革担当課長
 はい、そのとおりでございます。ただ、今の既存の沼袋の校舎の中では、野方小学校の子どもたちをすべて入れてもちょっとおさまり切れないので、その場合は、今の沼袋小学校の校舎と仮の校舎を少しつくる必要はあるかと思いますが、それは新しく野方が完成したときには、みんなでそろって野方の方に、新しい校舎の方に移るということを考えております。
江田委員
 その下の沼袋・丸山は、増築工事というふうに書いてありますが、これはやっぱりあふれるということなんですか。どの程度の増築工事をやることになるんですか。
小谷松教育改革担当課長
 そのとおりでございます。沼袋小学校の西武線北側の部分をこちらの丸山小学校の方に一緒にいたしまして統合新校をつくるとなりますと、現在の丸山小学校では少しきつい部分がございます。ただ、今の丸山小学校を見てみますと、少しゆとりといってはおかしいですけれども、増築のスペースがございますので、それを活用いたしまして、こちらの丸山小学校につきましては、統合を契機にしっかりと増築を行った上で、十分子どもたちがそこで勉強できるスペースを確保した上で統合を図っていきたいと、そのように考えてございます。
江田委員
 どのぐらいの。
小谷松教育改革担当課長
 申しわけございませんでした。こちら、丸山の方にいきますと、見込みの数が15学級というふうに予定してございますけれども、現在、可能な教室数としては12学級でございますので、一応3学級程度はこの部分で増築を必要とするだろうという現在の見込みでおります。
江田委員
 一番下の九中・中央中ですが、これは全く校舎新築ということになるわけですが、この間は、そうしますと、それぞれの学校で授業を行いながら、新校舎が完成した段階でということになるわけですね。
小谷松教育改革担当課長
 はい、そのとおりでございます。警大等跡地の周辺に新しい用地を求めまして、そこに統合新校を新築することを考えてございます。したがいまして、その新しい校舎が完成するまで、中央中及び九中につきましては、現在の校舎を利用しながら、統合までの間、そこで学校活動を継続するということを考えてございます。
江田委員
 それから、改修だけで統合が可能だというところが四つあるんですが、そのうち二つは小学校の関係ですが、これらはまだ最終的に例の学童クラブの移行の問題についてまだ報告を受けていないんですが、今の予定では、学童クラブが学校に入ってくると。児童館機能も一部入ってくると、そういうことになっているようですが、その問題はどういうふうになってクリアされているんですか。
小谷松教育改革担当課長
 学校に学童クラブ、遊び場機能を入れるということにつきましては、全体といたしまして、やはりそのままの規模で学校を活用するということについては、かなり難しい部分がございます。その意味で、できる学校について先行する形で、モデル的に計画期間内でそういった試みをやっていこうということで考えているところでございます。現在、前期で統合を予定しております各学校の中に、それらを取り組むかどうかということについてはまだ決定はしてございませんけれども、いずれにいたしましても、統合のところではかなり統合に伴って教室数を使うということがございますので、今のところ、きちんとした確約の形でお答えはできませんけれども、やはり統合の方が優先するだろうというふうには思ってございます。当然、そちらできちんと教室をまず確保、当然のことですけど、やるということでございます。どの学校にパイロット的な形で学童クラブ、遊び場機能を設けていくかということについては、今のところまだ個別の形では決まってございません。
江田委員
 まだ決まっていないということですので、いずれにしても非常に、余りにも、私の立場からすれば、学童クラブを移行するのは無理な計画だというふうに思っております。そこら辺については、教育条件をきちんと確保するということが教育委員会の立場ですから、ぜひ頑張っていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 それで、もう1点ですが、一番上の仲町・桃丘・桃園第三を一つにするということで、そうしますと、桃丘が今までカバーしていたエリアが桃三の方に移るということになりますね。先ほど桃丘の一部を野方の方にという話がちょっとありましたが、どの程度の部分を野方に移行するのか。それから、これをやった場合に、一番遠くなる子どもたちで、距離的にはどれぐらいになるのか。その点、二つ教えてください。
小谷松教育改革担当課長
 現在、この桃丘のところですけれども、実は今年度の数字で見ますと164名ですか、実数として在籍してございますけれども、桃丘の場合、ほとんどの児童についてはJR線から南側の方に住んでいる児童がほとんどでございます。北側については1割かそのぐらいじゃなかったかなと、多くても2割ぐらいだったと思います。全体といたしましては、こちらの大勢の方は桃三の方に来る予定になるかと思います。ただ、将来的に警大の跡に大規模な集合住宅等々ができた場合については、それらの子どもたちは野方の方にということになるわけでございますが、現在の推計の中では、大半は桃三の方に、新しい統合新校の方に通学するというふうに見込んでございます。
 それから、通学距離でございますけれども、新しく桃三の跡地につくります統合新校、そこの場合、現在想定しております新しい通学区域の中での最長距離は1.1キロでございます。
江田委員
 今、ちょっとお話が具体的にあったんですが、要するに、線路から北側もほとんど桃三に来ると。この桃丘のエリアの人たちは、線路北側の人たちは1割か2割というお話でしたね。それが、今の計画では、野方に移るのか、それとも桃三に行くのか。まずそのことを最初に教えてください。
小谷松教育改革担当課長
 ただいまのことにつきましては、本文の中の13ページに図面がございますけれども、桃丘小学校につきましては、今回の統合によりまして、JR線を挟みまして、JR線から南側の地域につきましては他の桃三及び仲町と一緒に統合を予定してございます。その際は、現在あります桃三の校地のところに統合新校を予定しているところでございます。
 それから、JR線から北側の部分につきましては、野方、それから沼袋の西武線から南側の部分、これらと合わせて野方小の跡にできます統合新校に桃丘のJR線から北側の方々につきましてはそちらの方の学校の方へ、これは通学区域の一部変更という形で統合といいますか、そちらの方への通学を予定してございます。
江田委員
 今の1.1キロというのは、ここの桃丘の地域のことですか。それとも、統合していく全体の中での一番遠いということなんでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
 13ページの地図をごらんいただきたいと思うんですけれども、桃三の跡地に統合新校を設置しますが、これを起点といたしまして、この新しい学区域の中で一番遠いところということでございますので、仲町の一番東側の部分といいますか、そこが通学区域の中では一番距離があって、ここの部分がおよそ1.1キロというところでございます。
江田委員
 全体では、一番遠い距離というのはどのくらいなんですか。
小谷松教育改革担当課長
 現在といいますか、統合を予定しております学校の中では、東中野小学校と中野昭和、こちらの統合によりまして、本文の15ページをちょっとごらんいただきたいと思いますけれども、新しく統合新校を設けます中野昭和の位置に一番遠いところということで、小滝橋のところでございますけど、ここが1.4キロございます。
藤本委員
 この再編のスケジュールで、前期の再編のスケジュールということで出ていますけども、中期とか、後期とか、そういったことは議論をされてきたのか、まとめ切れていないのか、ちょっとよくわからないんですよね。というのは、こちらの学校の50年の耐用ですか、経過する時期というところで、例えば平成24年に七中、北中野中、統合の対象にはなっていないんだけども、当然、校舎の改築というか、新築というか、行っていかなければいけない学校の対象になりますよね。あるいは、小学校もそうですけれども、それがこのタイムスケジュールには入っていないということ。そうすると、その辺は、これが全部終わった後に取り組むという形なのか、あるいは並行して取り組んでいかなければいけない--統合再編はされないんだけども、校舎としては新しい校舎をつくっていかなければいけないというような課題も両方抱えているわけですよね。その辺がこれには載っていないんだけども、その辺はどのようにお考えになっているのか。タイムスケジュールという、これは前期だけですけども、その全体像というのはなかなか明らかにできないのか、議論がそこまで詰まっていないのか。前・中期ぐらいまではある程度、その後はかなりあいているのかなと思うんですが、そういったことの必要性というのはあるような気もするんですけども、その辺についてはどのようにお考えになっていらっしゃるんですか。
小谷松教育改革担当課長
 今回、スケジュールの中には、統合を予定しております学校についてだけ記載をさせていただきました。今、委員の方からお話がございました二中、七中、北中野中、確かにこれら3校につきましては今回統合の対象にはなってございません。しかしながら、その一方で、おっしゃるとおり、改築の時期が近づいているということもございます。それらにつきましては、今回、この計画の中では明らかにはしてございませんけれども、いずれ何らかの形できちんとお示しをする必要はあろうというふうに思ってございます。それが今回、前期の中ではこれら3校は改築ということは見込んではございませんけれども、いずれにいたしましても、将来的にはきちんとした形での対応というものは必要になってくるというふうには思ってございます。それは、これら3校につきましては、統合という形ではございません。単独でいろいろ改築が必要な部分は出てくるかと思いますが、それはこの統合とはまた別途、検討を進める必要があろうというふうには思ってございます。
藤本委員
 再編ということで考えてみると、当然一つの対象校ですよね。それがそのまま残っていくという。それのタイムスケジュール的なものというのは、これとは別個に全く考えてスケジュール的なものを示されるのか、これとリンクした形で発表されるというか、その辺のところが議論がきちんとされているのかどうか。あるいは、財政の問題もあるのかもしれないけれども、その辺がちょっとこれで見る限りはわからない。そこの学校はじゃあ、どうなるんだろうと。統合される学校もあるけども、そのまま残る、存続する学校にしても、新しい学校というものが当然迫ってくるわけですね。その辺についての考え方というのは、やっぱり何か明らかにしておく必要があるんじゃないかなと思うんですけども、それがこれではちょっと明確になっていないので、その辺について、教育委員会としてはかなり議論して、明確な姿勢というのは持っていらっしゃるのかということです。
小谷松教育改革担当課長
 正直言って、単独で、今回対象にならなかった学校についての改築を要するタイミング、その計画のあらわし方ということについては、この統合の検討の中では、正直申しまして、あわせて検討は十分行ってはございません。ただ、必要ということにつきましては、その点についてはこれは本当に十分認識しているところでございます。いずれにいたしましても、今後、この統合の計画、またきちんとローリングをしていかなければいけないわけでございますので、その部分を含めてどうするかということにつきましては、課題としてしっかりとその辺のところを検討していく必要はあるだろうというふうには思ってございます。
沼口教育長
 この4ページに出ています改築の時期ですけれども、これは一応50年というのが一つの補助対象の目安ということで、通常は50年を過ぎても実際はまだ使えると思います。確かに、通常の維持管理がきちんとできていないとまずいわけですけれども、そういうことで、単独で残る学校、例えば二中とか、北中野中、こういうものについて、いつごろ改築していくべきか。これは別途検討はいかなきゃいけないと。場合によっては、10か年計画で落とさなければならないものも出てくるかもしれません。例えば、北中野は、検討の中では、かなり生徒数がふえていますので、場合によってはあそこは最低限増築をしきなゃいけない可能性が出てくるおそれもありますので、そういう単独校について新たな増改築計画、そういうものはまた別途明らかにしていきたいと、そのように思っています。
藤本委員
 それと、今、再編・統合ということで議論されているんですけども、新しい学校は、小・中学校にしても、どういう学校であるべきかみたいな、校庭も含めて、校舎もですよね。その辺がかなり議論されているのか。あるいは、プロジェクトチームをもう既につくられて、そういったことが研究されているのか、議論されているのか。それは非常に重要だと思うんですよね。その辺はどうなんでしょう。
沼口教育長
 学校を新しくつくるときの考え方は非常に、当然これから先50年以上また使うようなことになりますので、かなり慎重な検討が必要になると思います。したがいまして、私、この間もちょっと申し上げましたけれども、やはりしかるべき検討委員会みたいなものを立ち上げて、要するにどういう学校にしていったらいいかという改築計画みたいなものは考えなきゃならないと思います。それで、ある程度の方向が出ましたらば、そういうものを各、例えば改築が来た学校ではまた議論してもらうと。それから、庁内でも当然施設検討委員会がありますから、具体的な計画はそこでまた検討するとかですね。ただ、やはり基本的なところはどこかの場で議論をしないと、ただ教育委員会だけで議論していればいいのかなというのはちょっと疑問に思っていますので、できればそういう組織体を設けて検討した方がよろしいかなと、そういうふうに今、私自身は考えているところです。
飯島委員
 50年たっても使えるからとか、そういう視点というのはちょっと、教育長が言うのはいささかどうかな。50年で改築の時期を迎える--もちろん、使える使えないとか、耐震上の問題とかいろいろあるかもしれませんよ。だけど、問題は、50年前の教育環境なわけでしょう、逆に考えれば。やっぱりそれは、50年たって改築時期を迎える学校については、基本姿勢は改築をするなり、建て直しをするなりという教育委員会のスタンスはやっぱりそうで、50年目なのか、53年目なのかはいろいろあるのかもしれませんけど、そういう姿勢だけはきちんとされておいた方がいいのかなというのが一つ。だって、教育ビジョンとか何とかやって、最後のところに何て書いてあるんですか。「主体的な教育行政を行い、充実した教育環境の中で学ぶことができる」と、こうなっているんですよ。とすれば、まだ使えるからとかそういうんじゃなくて、教育環境として整備を目指すんだというのがあってしかるべきじゃないのかなと。今のがそのままいいですよとなっちゃうと非常に困るので、そういう趣旨ではないと思いますよ、もちろん。教育長がおっしゃったのはね。建物としてはまだ倒れたり何かしないという意味合いだと思うし、指導室長なんかもう非常に何か言いたくてうずうずしているようなんだけど、御両者から、まず室長から聞いて、教育長のきちんとした考え、本当はこう言いたかったんだということを言ってください。
小林指導室長
 学校の教育活動については、近年、例えば少人数指導等、これまでにない形態が出てきております。チームティーチングであるとか少人数指導を進めていく際に、これまでのような一律の大きさの教室でいいかどうかということも一つ大きな課題になってくると思います。また、地域に開かれた学校という観点から、例えば図書室の位置などもどのような形にしたらいいかとか、今後さまざまな課題が出てくると思いますので、建てかえ時期と相まって、そうしたものを検討していく必要があろうかと思っております。
沼口教育長
 この50年というのは、主要な部分が50年を迎える学校が出ているわけですけれども、そういう意味では、一つの目安にはしたいとは思っていますが、今のこの段階で50年たったら建てかえるということはなかなか言えないものですから、先ほどのような発言になっているわけでございます。したがいまして、できる限りよりよい教育条件を目指して、施設の整備をしていくというのは当然のことだと思っています。
飯島委員
 教育長も、50年以上たったところについては、新しい建てかえを目指したい。建てかえができると言い切るかどうかは、それはね。だけど、教育委員会の姿勢としては建てかえを目指していく、新しい教育のあり方や教育環境、あるいは時代の動向、さまざまなことを勘案すれば、当然そういう時期を迎えたということをとらえて環境整備をしたい。そういう御意向だということでしょう。そうじゃないですか。
沼口教育長
 一つの基準として考えていきたいと思っています。
篠委員
 中野区の予算だけではとても校舎が建つわけじゃないんですから、そのとき、現実問題として、何年たったものに現実どれだけのお金が出てきたというようなわかりやすい例はお示しできるんですか。
小谷松教育改革担当課長
 一つのモデルということでお話し申し上げたいと思いますけれども、学校を全面的に建てかえるとなりますと、現在の試算では約30億を要するだろうと言われてございます。これもいろんな機能であるとか、そういったものがこれからますます、先ほど指導室長の方からも話がありましたけども、いろんな機能というものがこれから学校教育の中には付加されていくだろうというふうには思ってございますけれども、現時点ではおよそ30億程度だろうと。具体的にそれが建てかえということになりますと、先ほど来から話が出てございますとおり、国の補助基準としましては50年が一つの目安ということになってございます。50年を経過した校舎の建てかえにつきましては、国補助といたしまして3分の1の補助という形が出ます。ただ、これはあくまでも補助基準と照らしての補助額でございますので、正直申しまして、実態としてはその3分の1を下回るということはあろうかと思います。いずれにいたしましても、国の方からの補助という形で全体補助基準3分の1が出ますので、それをベースといたしまして、あと起債を充当するような形で学校の建てかえというものが行われるということでございます。
篠委員
 あと使えるお金は、あとは自前ですか、全部。
小谷松教育改革担当課長
 補助以外は全部一般財源ということではなくて、補助が当然つけば、義務教育整備にかかる起債の発行が認められてございますので、そこのところで起債を発行して、残りの部分については一般財源を充当するというような、全体としての財源構成になろうかと思います。
篠委員
 いずれにしろ、一遍には30億のうち10億来るわけじゃないとして、起債をかけて、一遍に残高を払い切るというんじゃないにしても、払わなくちゃならない状態に入る。お金というのは一番大切な部分ですので、適正配置の検討会、審議会の中では、相当重い意見として私も出ていて受けとめたんですけど、1校をつくり上げるのにそれだけの大変な労力が要るということで、区の財政運営状況によっては、しかるべき時期に対応できなくなることだってあり得るわけですから、それについて、やっぱり明解な、これは別に区長部局に全部お任せという形じゃなく、教育委員会でもそれに踏み込んだことが一切ないという認識で我々受け取られちゃいますよ、きょうの文教委員会のお答えだと。それでいいんですか。
金野教育委員会事務局次長
 この学校再編の中でも、二つの学校については全面改築、あるいは新築ということで頭出しをしているわけですが、こういう財源についても、区長部局といろんな協議をしてございます。そういった中では、基金の積み立てというようなことも来年度から順次ふやしていかなければいけないという議論も既に始めておりますし、それから起債の区全体の10年間の財政フレームの中でどれだけ対応できるかという議論も今後していきたいと思います。
 なお、この改築期に来た学校施設の問題については、中野区だけではなくて、23区とも共通の課題になっておりますので、都と区の財調協議の中で主要課題として論議をしているところでもございます。
篠委員
 今、財調では基準はないんですか。
金野教育委員会事務局次長
 特に、改築に当たってということではなくて、50年に1回ぐらいの建てかえだというようなことで、全部の学校施設の面積の、おおむねそれに見合った50分の1程度を積算基礎として持っているというようなことで、個々の建てかえに対応するということにはなっておりません。
小串委員
 説明を聞いたばかりなので、いろいろ聞きたいことはあるんですけども、ちょっと細かいことでまず最初にあれなんですが、先ほどちょっと説明を聞きそびれちゃったので、九中と中央中の関係でいうと、これは全面改築を中央中にするということですよね。

〔「違う。新築」と呼ぶ者あり〕

小串委員
 だから、全面改築だから、新築ということだよね。

〔「場所が違う」と呼ぶ者あり〕

小串委員
 まあ、いいです。それで、その間は九中に通うという説明だったんですか、先ほど。それでいいですか。
小谷松教育改革担当課長
 はい、そのとおりでございます。新しく新築される学校ができるまで、中央中と九中につきましては、現在の校舎にそのまま通学を継続して、できたところで……。
小串委員
 いや、だから、中央中をつぶしちゃうわけでしょう。

〔「別のところにつくるんでしょう。警大跡地に」と呼ぶ者あり〕

小谷松教育改革担当課長
 警大周辺に新しい用地を確保いたしまして、そこに新しい校舎を、新築を予定してございます。
小串委員
 勘違いしていた。だから、中央中のそばにできて、その間は使えるということだね。わかりました。それで一つ疑問は解決しました。
 それと、先ほどの説明で、沼袋小学校と野方小学校、これがこの計画でいくと680になるという説明だったですよね。それで、さらに警大等跡地との関係でどういう状況になっていくんだか今後わかりませんけども、四丁目に住宅が建つ可能性も想定して数字を落とし込んだというような説明だったと思うんですけれども、そうすると、それも加味して680という数字が出てくるんですか。それとも、将来的にはもっとふえる要素というのを想定して。というのは、ちょっとほかの数と突出して多い数。だから、そのままの状況の再編計画に入っていない学校なんか入れると300名ぐらいが一番少ない学校になるんでしょうかね。そうすると、その約倍以上ということになるので、その辺のことをお聞きしておきたいなと。
小谷松教育改革担当課長
 野方小学校、沼袋、それから桃丘のJRから北側の部分、これを含めて新しい統合新校680人、19学級ということで見込んでございますけども、これにつきましては警大等の跡地に大規模集合住宅が建設されるということを前提といたしまして、試算の中に組み込んでございます。これも現時点ではどのくらいの規模の集合住宅が果たしてできるのかということは、まだ警大等跡地の、駅周辺の計画の全容が明らかにされていない中での話でございますけれども、ただ、できるだけ最大限考えられるだろうと思われるぐらいの数字を利用いたしまして計算をする必要があろうかというふうに考えまして、全体としまして約3,000名くらいの入居があろうという一つのモデルをつくりまして、それで将来推計を行いまして、そしてその中で、当然ファミリー世帯が入ってくるわけですので、一定の割合の子どもたちが地元の小学校、中学校に入るという計算を行いまして、シミュレーションを行いました。その結果といたしまして、統合した場合については、野方小の跡地にできます統合新校には約680名、19クラスの規模の学校ができるというふうに見込んだところでございます。
小串委員
 そうすると、野方・沼袋の再編をした学校が一番大きな人数の学校という想定になりますよね。そうですよね。それにしても、昔から見ればそうでもないんだという話になるんでしょうし、また19学級というとぎりぎりの数字ということなんでしょうが、ただそれにしてもちょっと多いなというような印象はありますよね。ここに限らずなんですけども、御説明の中で一部、校区を変更したところがありますよね。そういうようなことは、地域勘もありませんし、全体のことはちょっとわかりませんが、そういう意味での工夫というものをもうちょっとした方がいいのかなという場合が当然あろうかと思うんですね。先ほどのこともそうですけど、全体の学校の人数なんかのこともそうでしょうし、あるいはなるだけ近い方がいいというようなこともあるんでしょうから、そういうことを考えた場合に、もうちょっとそういうことを検討の余地があるかなという気もするんですけれども、いかがでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
 統合に伴いまして、一部学区域の変更を行うということで、幾つかのところでそれを実施してございます。それぞれの各統合のケースごとに考えまして、通学距離の問題であるとか、あるいは幹線道路や鉄道の関係等々いろんなことを考えまして、個々のケースに応じて一番ベストだろうと思われるような形での通学区域の変更ということを当てはめてみました。今、委員の方から児童・生徒数のそういった部分というのもそういった要件になるのではというようなお話でございましたけれども、確かに、非常に大規模な学校ということではそういった部分も考慮しなきゃいけないのかなというふうには思ってございますが、確かに、この野方小の跡地にできます統合新校、600人を超えるということで、19学級ということでございますので、一時的にはかなり規模が膨らむということもございます。ただ、その中で全体として考えたときに目標と、当初お示ししました理想としますといいますか、目指す学級規模は18学級ということで、かなりその意味ではようやくここがその目指す規模を得たというようなところがあるかというふうには思ってございます。そういったことで、今回、いろんな統合、それから区域の変更などを伴いながら、いろんな組み合わせをさせていただいたというところでございます。
沼口教育長
 これは案でございますので、区域変更につきましては、これからまちへ出まして、いろんな意見があると思いますので、必要な場合は区域の変更というのは当然あり得ると思います。
小串委員
 そのことはわかりました。
 それで、特に、中学の場合の通学距離との関係で、自転車通学がどうだとかという議論もあるんですけども、その辺はどう考えているんですか。
小林指導室長
 自転車の通学については、現行も認めておりません。こういった再編後も、安全確保という点でも、自転車通学については今後検討の余地はあろうかと思いますが、現時点においては考えていないということでございます。
小串委員
 別の機会にと思います。
 それで、この統計の話なんですけど、先ほど飯島委員が質問されておりましたけれども、最初の説明で児童・生徒数がこのグラフで激減していると。長期減少傾向というのが、これを見ればそうだなというグラフが示されておりますよね。ただ、最後の参考の今後のとなると、若干ふえてくるような数字統計上になっているんですが、これはどういうことなんでしょうか。いつも4月になるとこういう表が配られて、いつも数字のマジックで何か掛け算をしたり何かするというのでいつもごまかされちゃうというか、よくわからないんですが、例えば最近の傾向として、特に中学なんかでは、私立に行かれる生徒の数というのがふえていますよね。その割合というのは今後もますますふえていくんじゃないかとか、あるいは少子化というのがかなり進んでいますよね。この勢いというのもさらに増してくるように思うんだけど、統計上は、この図からいくと、むしろ人口は残るような感じでとられているのかなというような気もするし、あるいは一部説明がありましたけど、小・中一貫ということで、まだその動向ははっきりしないので云々ということですけども、これなんかも近いうちに時代の流れというのか反映してくるのかなと思ったり、あるいは富士見中学校のそばにある富士高ですか、あそこに中・高一貫校ができるとか、それの影響が全体でどれくらいあるんだか、それもわかりませんけども、さまざまな不確定要素というかそういうものがある中で、この将来的な部分の数字というものがかなり信憑性があるということでとらえていいのかという素朴な疑問があるんですけど、この辺はいかがでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
 人口推計についてでございますけども、全体のトレンドということでいえば、私どもの方で作成しておりますこの推計表についてはかなり妥当性はあるというふうに思ってございます。これまでずっと毎年のようにつくってきた統計数値でございますので、それなりの実績はあるだろうというふうに思ってございます。ただ、これも先ほどちょっと申し上げたんですけども、学校の規模をはかるのが、一つ学級数を単位としているといったようなこともございますので、必ずしも児童・生徒数がそのまま学校の一つはかるための基準になかなか結びつきがたいという部分もございますので、若干の変動を伴って学級数が動いたりとか、そういった部分についてはちょっと予測がなかなか難しい部分もございます。
 それから、先ほど委員の方からお話しございましたけれども、確かにこれから10カ年を見ますと、若干横ばいか、わずかながらでございますが、微増の傾向は出てございます。ただ、これはちょっと本文の方にも書いておきましたけども、長期的な推計ということで、専門機関等々との中で出てきた数字につきましては、その後にまたかなり少子化の傾向がはっきりと見て取れるということで、確かに10年ぐらいは横ばいが続くんですけど、その後がまたそれ以前の段階に戻っちゃうというような、そういう予測も出てございますので、ちょっとその辺のところの人口推移につきましては注意深く見ていく必要があるだろうし、またこの計画そのものが5年ごとにローリングを予定しているところでございますので、その中でしっかりと将来推計というものをベースとして、次の5年間についてのしっかりとした計画というものを持つ必要があるというふうに思ってございます。
小串委員
 先ほどの680名の学校じゃないですけども、余り上限でやっちゃっていて、今、江東区なんかは困っていますよね。マンションができて、もう来てくれるなと。果たしてそれが許されるかということが私はあると思うんですけども、計画自体はやっぱりきちんと持たなきゃいけないし、あるいは外国人の増加傾向、最近ね。それなんかもどう考えるのかとかいろいろ聞きたいことはあるんですけども、篠さんが後でということなので、私はあと一つだけにしておきますが、別紙で配られた意見交換会、これは区長と語る会ということですよね。これはまだですか。置いてあるから。でも、関連しているからちょっとお聞きしますが、これはこれでいいです。じゃあ、これはないとして質問しますけども、いずれにしても、当該校、前期に限らず名前が出ちゃった以上は、前期だろうが、後期だろうが、地元の学校がどうなるということですよね。それで、そうした場合に、一番最初に説明をすべき人たち、ところというのは、やっぱり名前が挙がった学校だと思うんですね。ここにきちんとまず説明をするということが大切なので、見なかったことにしますので、区長と語る会云々よりまず私はそちらをやるべきだなというふうに思っています。その辺の前期に限らず前期・中期・後期、これについてはきちんと、なるべく早くやっていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
 学校別の説明会というのをしっかりとやってまいりたいというふうに思ってございます。今、予定としましては、一通り地域に対する説明が終わった後、各個別の学校の方にお邪魔をした上で、いろいろお話をしていきたいというふうに思ってございますけども、ただ個別に各学校別のPTAであるとかそういったところから話の要請があったような場合につきましては、これはもう積極的にお話し合いの方に応じて、きちんとやってまいりたいというふうに思ってございます。
小串委員
 何か、今の答弁だとはっきりしないんですが、要望があればやるんではなくて、やっぱりこちらから行って十分説明をしてというところが、文教委員会だとか、教育委員会というのは中の機関ですからね。外に対する説明というのは、そこから始めなければ、要するにうわさだとか何とかがさらに先行しちゃうだけになっちゃうんですよ。きちんと当事者に説明をするというところ。案なんでしょう。だから、そこからやっぱり進めるというのが私は筋だと思うんです。これは会派の中でも、そこのところはきちんと言っておいてほしいというふうにも言われているんですけどね。私も全くそのとおりだと思うんです。ここからやっぱりやるべきだと思いますけどね。いかがでしょうかね。
沼口教育長
 お手元にこれからの意見交換会等の日程をお配りしてございますが、これは、最初にやりますのは、区長が今基本構想で回りますけれども、それとは別途の教育委員会が主催してやるものです。重なってもいろいろと区民の方も一緒のところに出られないという事情等もおありでしょうから、基本構想が一段落して11月に入りましてから、我々とりあえずこの再編計画案を、教育委員会としてこの案を3カ所でまずやると。その後、個別の統合・再編校ですか、それにつきまして個別に説明をして回るということで考えております。
小串委員
 逆んじろと言われているんですけども、私も本当にそうだと思うと同時に、また前期だけじゃなくして、名前が挙がったところについては、なるべく早くやった方がいいに決まっているんですよ。もちろん全部は全部ですけれども、まずその中でも優先すべきところというのは名前が挙がったところ。前期だろうが、中期だろうが、後期だろうが、それは別問題だと思うんですね。ぜひそうしていただきたいというふうに思います。
篠委員
 今、小串委員が申し上げた最後のところ、再編に当たって、不確定要素があるにもかかわらず中後期まで出されたんだから、「統合新校は廃止される各学校の歴史を継承します」、「学校は統合されてもこれまでの歴史は脈々と受け継がれていきます」と、必死にこれを申し上げる以外に今のところ説明のしようがない状態であろうなと。地域なんて特に。まだ地域議論を含めてどう変わるかわからない部分も含んでいますので、これは小串委員のお話の最後の部分を受けて、そういうことを重ねて申し上げておきたいと思います。
 そして、統計はしかるべき機関を通してやられたんだと思うんですが、文教委員会ではね、実際指摘されているように、なぜ1割ぐらい中学が私立に流れたのが2割になって、場所によってはそれを上回ってしまったか。何か原因があるんではないかという教育の内容、姿勢、地域に支持されない理由があるんではないかと。ゆとり教育だけじゃなく、学校が乱れているとか、あるいは一部の思想に絡んだ行動を、高校ほどではないにしても、やはり卒業式・入学式で地域の人が見る機会に遭えば、これは任せられないと。いろんな原因を非常に厳しく検証する。統廃合も大切ですけど、この流れを体を張ってでも地域の信用を勝ち取るという部分が文教委員会では第一に問われているはずなんです。それで、しかるべき統計機関にお願いして、統計学は大学にまでありますけど、そういうところまで考慮しなさいという指示を与えたんですか。
小谷松教育改革担当課長
 地域の中で本当に信頼を得ていくということは、とても大切なことだと思います。いろいろ私立の方に流れている人材もかなりいることは事実でございますが、しかしながら、本当にこれからの中野の教育をきちんと、地元の地域の人たちにとって魅力あるものにしていきたいという思いにつきましては、これは教育委員会として皆一様に強く持っている思いでございます。その意味で、またこの再編、あるいはこれからの中野の展望を示すビジョンの策定等もございますけれども、そういった中できちんと地域の方々の信頼を得るような学校づくりに一生懸命励んでまいりたいと思います。
篠委員
 だから、そういうことを、もうここまで来ちゃった流れをそのまま加速されるなり、同じ状態が続くなりという認識の上で600何人、18クラスという数字を出されたんですかと。これだけを聞いているんです。
小谷松教育改革担当課長
 この統計のとり方につきましては、先ほど申しましたとおり、これまでの中野区におけます傾向、これを過去5年間の平均といたしまして、それに実際に現在未就学の児童の数、実数値として把握をいたしまして、過去5カ年の平均的な入学率を掛けまして、さらに学年の進行にあわせて社会変動率等も掛け合わせるような形で、この推計というものをつくってございます。そういう意味では、これまでの一定の傾向、それをある程度平均化したというところはございますけども、一定の傾向を踏まえての中での統計の作成ということはできるかと思います。
篠委員
 これは要望にしておきますが、統廃合のきょう解禁の書類がもう中野区じゅうに回るという認識の上で、それ一色になる可能性が十分あるわけですね。ですけど、もうこの文教委員会では、私、ほかの委員の方が、公教育の信用の回復ということから目を離すなという議論を積み上げてきたんですから、もうそれの一部であるというぐらいの姿勢を、大変な時期だと思いますが、貫いていただくことを要望しておきます。
奥田委員
 ちょっと視点を変えて質問をさせていただきたいんですが、中野区の学校の再編計画ということで今回出されているんですが、短期の計画としては当然施設にかかわる部分になってくると思うんですが、中・長期の計画まで含めてということで出されておりますので、今後、統廃合された利用されない側の学校跡地といいますか、跡地利用に関しての何らかの提案というものが今後なされてくるのかどうか。この中にも入ってくるべきだろうと私考えているんですけども、そのあたりはいかがでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
 今回は教育委員会の案ということでお示しをさせていただきました。今、委員の方からお話がございました跡地利用をどうするかということにつきましては、区全体の計画の中できちんと整合性を図っていく必要があろうというふうに思ってございます。その意味では、10か年計画の中で明らかになってくるというふうには思ってございますが、今回は教育委員会の案ということで、この統合の、再編の個々の学校の組み合わせといいますか、そういったものを中心とした案としてまとめさせていただきました。
奥田委員
 教育委員会内ということですから、今回は今後の利用についてはまだ書かれていないということだと思うんですが、他区の例を見ますと、10年以上跡地利用がなかなか進まないまま、未利用のままの状態なってしまっているとか、駐車・駐輪場にしているだけでとどまっているとか、なかなか有効利用を見出せないような状況が見受けられると聞いております。そういう中で、教育財産というところでの縛りが今後必要かどうかということも含めて考えていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
小谷松教育改革担当課長
 ちょうどこれから間もなく、基本構想の地域での説明会が順次始まると思います。その中で、本日、この文教委員会を通しまして、この再編計画も明らかにさせていただいたわけでございますが、いろんなそういった中での議論、基本構想、10か年計画を含めて、この学校の再編というものも非常に大きな話題として、その中でいろいろやりとりが出てくるだろうと思ってございます。そういった中で、今、委員の方からお話があったような、跡地をどうするのか、どう活用していくのかということも非常に大きな視点として区民の方からの御指摘も恐らくあるだろうというふうに思います。そういった中で、区全体としての10か年計画の検討作業の中で、当然そういった部分というものもいろいろな議論というものが出てくるんだろうというふうに思ってございます。私どもとしては今回、先ほども申し上げましたとおり、今回は教育委員会の案ということで、具体的な形での再編にだけ着目してお示しをさせていただいたというものでございます。
奥田委員
 そういう形で出されたと思うんですね。それで、今後ということなんですけれども、10か年計画がまとまってくる中で、教育委員会として、ここの現有の教育資産を今後どうするべきなのか。例えば、生涯学習の場にしていくのか、それとも地域のNPO等の社会教育的な育成に当てていくのかといった、何らかの教育委員会としての声を10か年計画の中に上げていかないと、今後未利用のままずっと続いてしまうとか、無計画にただ空き地として使われるとか、そういった可能性もありますから、今回は再編の計画の中で示していかれたとは思うんですが、10か年計画に反映されてくるものだと思いますから、教育財産としてどう活用していくのか。それとも、そうじゃなかった場合にどうなっていくのかというところも含めて、今後視野に入れて考えていただきたいと思います。
小堤委員
 実は、9月7日に中学校PTA連合会と各派への懇談会があったんですね。再編問題に集中したんですけれども、ちょっと主な意見を紹介したいんです。すべての思いは子どものために、再編することは子どもにとってどうなのか考えてほしいと。あと、再編は数の問題ではなくて、質の問題として進めてほしい。そして、再編によって、施設面でよくなるのは大前提というような意見があったんですね。それで、今回、報告の中でも施設については改修、増築、改築、新築という言葉が先ほど出されましたけども、実は以前に検討素材の幾つかだったんですけども、例えば「原則として最小限度の改修等の工事を行った上で、既存の校舎を活用する」という表現があったんですね。これについてはどうなんですか。
小谷松教育改革担当課長
 今回お示ししました計画案の中では、かなり施設につきましても踏み込んだ形での記載をさせていただきました。今、委員の方からお話がございました、再編の具体的な計画案を練るに当たっての最初冒頭に基本的な考え方を示して、今御紹介にあったようなところを記載したわけでございますが、今回、この案につきましては、7ページにちょっとその基本的事項について、先ほどもちょっと御説明させていただきましたけれども、たとえ既存の校舎を活用するということでありましても、あわせて教育環境の確保・向上を行うための工事をきちんと行った上で、しかるべく統合新校を立ち上げていくということでの記載などもさせていただきました。そういう意味で、この再編計画を行うということは、中野の子どもたちにとっての将来を託すという意味での再編計画でございます。冒頭にも子どもたちの将来像ということを掲げてこの再編計画をつくったわけでございますので、その意味で、きちんと子どもたちの教育が前向きに実施されるような教育環境というものをしっかりとつくっていきたい、そのように思ってございます。
小堤委員
 あと、学校の状況を知る上で、運動会に行きますとわかるんですね。非常にグラウンドが狭いんですよ。今から児童とか生徒の数が2倍、3倍いたころは一体どういうような使い方をしていたのかなと逆に疑問に思うんですけども、これから統合されるところでは、校庭については緑化の問題というのは必ず議論しなければいけないと思うんですけども、いかがでしょうか。
金野教育委員会事務局次長
 学校の施設のあり方の中で、緑化というのは大変重要な課題と思っています。この中にも一定の記述はしてございますが、緑化とか、環境に配慮した全体の学校施設ということで進めていきたいというふうに思っております。
小堤委員
 最後ですけども、例えば学校給食なんですけども、委託校と直営校がありますね。これはどのように、報告の中にないんですけども、考えておられますか。
篠原学校教育担当課長
 学校給食につきましては、行財政5か年計画で、全校委託ということで考えております。
委員長
 ほかに質疑は。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 それでは、2番目の中野区立小中学校再編計画(案)については終了いたします。
 5時になりましたので、残りの報告とほかのことについては明日ということで。
 ほかに委員、理事者から発言ございますか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 では、次回の委員会は10月19日(火曜日)午後1時から同委員会室で行うことを口頭をもって通告いたします。
 以上で本日の文教委員会を散会いたします。

(午後5時02分)