平成22年01月25日中野区議会環境対策特別委員会
平成22年01月25日中野区議会環境対策特別委員会の会議録
平成22年01月25日環境対策特別委員会

中野区議会環境対策特別委員会〔平成22年1月25日〕

 

環境対策特別委員会会議記録

 

○開会日 平成22年1月25日

 

○場所  中野区議会第2委員会室

 

○開会  午後1時01分

 

○閉会  午後2時01分

 

○出席委員(11名)

 佐伯 利昭委員長

 山口 かおり副委員長

 白井 秀史委員

 つぼい えみ委員

 いでい 良輔委員

 小林 秀明委員

 伊藤 正信委員

 酒井 たくや委員

 むとう 有子委員

 長沢 和彦委員

 飯島 謹一委員

 

○欠席委員(2名)

 山崎 芳夫委員

 市川 みのる委員

 

○出席説明員

 副区長(管理会計室) 沼口 昌弘

 管理会計室副参事(評価改善担当) 篠原 文彦

 区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 横山 俊

 清掃事務所長 齋木 正雄

 教育委員会事務局参事(教育経営担当) 合川 昭

 区民生活部長 鈴木 由美子

 区民生活部参事(ごみ減量・清掃事業担当、ごみ減量担当) 橋本 美文

 教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 寺嶋 誠一郎

 

○事務局職員

 書記 岡田 浩二

 書記 土屋 佳代子

 

○委員長署名

 


審査日程

○委員会参与の変更について

○議題

 地球温暖化の防止に関する方針について

 環境負荷の低減に関する方策について

○所管事項の報告

 1 自然エネルギーの活用について(環境と暮らし担当)

○その他

 

委員長

 定足数に達しましたので、環境対策特別委員会を開会します。

 

(午後1時01分)

 

 本日の審査について、お手元に配付の審査日程(案)(資料1)のとおり進めたいと思いますが、御異議ございませんか。

 

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 御異議ございませんので、そのように進めます。

 議事に入る前に、お手元に配付してあります資料のとおり、12月15日付で委員会参与の変更がありました。本日、当委員会参与から転出される方がお見えですので、初めに委員会を休憩してごあいさつをいただきたいと思います。

 委員会を休憩します。

 

(午後1時02分)

 

委員長

 委員会を再開します。

 

(午後1時02分)

 

 以上で、委員会参与の変更についてを終了します。

 それでは、議事に入ります。

 地球温暖化の防止に関する方策について及び環境負荷の低減に関する方策についてを一括して議題に供します。

 所管事項の報告を受けたいと思います。自然エネルギーの活用についての報告を求めます。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 それでは、お手元の資料、「自然エネルギーの活用について」(資料2)、これに沿いまして御報告させていただきたいと思います。

 本報告は、先の12月の当委員会のほうに、風力発電事業の立地調査の中間報告をさせていただいてございましたが、その後、最終報告がまとまってございますので、それを踏まえての報告とさせていただいているものでございます。なお、関連する委員会といたしまして、区民委員会のほうにも同じものを報告させていただくことになってございますので、御承知おき願いたいと思います。

 それでは、お手元の資料に沿いまして御報告させていただきます。

 この報告では、まず、大きなⅠ番とⅡ番というふうに分けて報告をさせていただいております。一つ目が立地調査そのものの概要の御報告、それから大きなⅡ番といたしまして、この立地調査を受けての区のほうの今後の検討についての考え方を報告させていただいているものでございます。

 まず、大きなⅠ番、風力発電事業立地調査の結果でございます。1の調査結果、別添調査報告書のとおりというふうにさせていただいてございますが、そのすぐ下の表でございます。これは中間報告のときにもお示しさせていただきましたが、開発可能性に係る経済性、特に経済性についての概要の部分について抜粋をさせていただいてございます。表中、アンダーラインが引いてあります数字が、経済的なところでの前回の中間報告から変わっているところにアンダーラインを引いてございますので御確認願いたいと思います。

 上から3行目の概算事業費でございます。(b)となって薄い網がかかってございますが、ここについて常陸太田市と北茨城市についてちょっと変更になってございます。どちらも前回の中間報告より増えてございますけれども、特に常陸太田市に関しましては、渡り鳥のルートということがございましたので、風車の位置を変更するということを中間報告以降やってございます。その関係で工事費等が3億円ほどその分経費が増額になってございます。その他、搬入路としての県道につきましても、中間報告の時点では改修の必要はないのではないかということだったんですが、その後、カーブ等々のもう少し見込んでおいたほうがいいだろうという部分で1億数千万円が増額になってございます。

 それから、今申し上げました渡り鳥のルートの調査費というものが若干、常陸太田市と北茨城市で500万円ずつほど増額ということで事業費は上がってございます。これに伴いまして、区初期投資額(d)のところでございますけれども、こちらについても15億3,000万円余、それから17億4,000万円余というふうに増額になってございます。

 売電収入につきましては、場所の常陸太田市に関しましては、風車を立てる位置が変わる関係で多少風況が変わってございまして、一番上の年間発電量の変更とともに売電収入のほうも変わってきてございます。単価のほうについては変更してございません。

 また、設備が一部変わってございますので、維持管理費のほうにも若干変更がございます。

 なお、3カ所とも固定資産税の積算方法、ちょっと見直しがございましたので、若干北茨城市と銚子市では維持管理費が減少してございます。最終的に売電収入額についても差し引きそのように変更になってございまして、一番下の投資回収期間でございますが、常陸太田市で21.2年、それから北茨城市で21.3年、銚子市で24.5年ということになりまして、常陸太田市が前回の18.数年に比べまして投資回収期間が長くなっているということでございます。その他、北茨城市と銚子市につきましては、先ほど申し上げました維持管理費が減しているということで、相殺した結果、若干回収期間が短くなるということになってございます。

 その他の部分につきましては、お手元の報告書の本体のほうをごらんいただければと思います。

 最初1ページから、こちらは調査委託した内容が改めて記載してございます。2ページから3ページにかけてのところにあります大きな4番の(1)①の風車の導入規模につきまして、2ページの一番下の行でございます。3基案のほかに1基のケースと6基のケースについての比較検討を今回つけ加えさせていただいてございます。

 それから5ページになりますが、中間報告以降、環境影響予備調査というものもこの調査の中で行ってございます。それが5ページの5番に記載されてございます。

 その結果は6ページのほうに表になってございますので、こちらをごらんいただければと思います。6ページ、表Ⅱ-1でございます。周辺社会条件と自然条件集約表というふうになってございますが――失礼しました。間違えました。申しわけございません。これは周辺社会条件と自然条件の一覧でございます。これは中間報告のときのものと同じでございます。失礼いたしました。

 それから、変更ですけれども、6ページの3番、風車の設置位置でございます。⑤としまして、環境影響予備調査におきまして、渡り鳥の飛翔の情報が発覚いたしましたので、常陸太田市につきましては飛翔のルートを避けた位置というふうに変更してございます。これが先ほど申し上げました事業経費のほうに反映されてございます。

 以上がこちらからの調査委託内容になってございます。

 次の7ページ、折り込みの表でございますが、常陸太田市につきまして、ちょっと縮刷が小さくなってございますけれども、先ほど申し上げたルートを外しての候補地点を新たに、右上のほうになりますが、④、⑤、⑥というふうに変更してございます。6基案につきましては、⑥、⑦、⑧という三つをつけ足しているということになります。地図で御確認をいただければと思います。

 その後に同じく、北茨城市とそれから銚子市の位置関係がついてございますので、お読み取りいただきたいと思ってございます。

 実際に調査結果でございますが、10ページに4.事業の開発可能性という形で記載されてございます。これが先ほど報告書の概要の表のほうで報告させていただいたもののもとになっているものでございます。先般若干御質問がございましたが、その表の中ほど、真ん中ちょっと下のほうになりますが、撤去経費の総額についても積算をしているところでございます。金額につきましては、常陸太田市、北茨城市、2億4,900万円、それから銚子市につきましては2億2,800万円という結果が出てございます。

 10ページが先ほどの3基の例でございますが、その後ろ11ページと12ページに、1基のケース、それから6基のケースをお示ししてございます。下から3行目の投資回収期間だけちょっとごらんいただきますと、1基の場合ですと21.8年、35.7年、36.3年というふうにそれぞれ3地点についての結果が出てございます。同じく12ページ、6基のケースでございますが、下から3行目の投資回収期間を見ますと、15年、17.1年、18.4年といったような結果になってございます。

 次に13ページでございます。こちらが5番、環境影響予備調査の結果でございます。表Ⅱ-3にまとめてございます。特に生態系のところで申し上げますと、左側のところに生態系となってございますが、その一番下のヒアリング結果でございます。ここに常陸太田市でいきますと、渡り鳥のルートがあるよと。それから北茨城市につきましては、クマタカ等の行動圏に一部該当する可能性があるという結果が出てございます。これに関係して地点の変更、あるいは調査費の増というものが先ほどの経済性の検討結果のほうに反映されているところでございます。

 その他、騒音、あるいは低周波音、そういったものにつきましては、環境省の基準等を下回っているという結果が出てございます。

 総合評価につきましては、また長いものがとじ込んでございますが、15ページに記載されてございます。15ページが3基の例でございます。一番上のほうの左に経済性評価とございますが、経済性の評価につきましては、先ほどの表の一部を抜粋転記しているものでございます。地点評価というのが「◎」「○」「△」で示してございますけれども、これが3地点についての相対評価というふうにお読み取りいただければと思います。「◎」が一番いいという結果になってございます。

 その下の行でございます。環境影響となってございますが、これも先ほどの表から抜粋転記したものでございます。

 その下の地元調整でございますが、これは地元との連携や開発民間事業者等の状況についての調査結果でございます。

 それから用途規制につきましては、法令等の該当があるかどうかという調査結果になってございます。いずれにしましても、特段規制があって開発ができないということではないという結果でございます。

 次の16ページですと、基本的には同じでございますが、6基案のものがまとめられてございます。

 次に17ページ、大きなⅢ番でございますが、今後の検討課題ということをまとめてございます。1番としましては、課題を整理していく必要があるだろうということで、阻害要因を明確化する必要があるということで何点かここに記載されてございます。生態系の影響についての調査、あるいは対策をするべきであること。それから工事のときの対応が必要なこと。その他、落雷対策ですとか、風況観測装置のための用地確保、これは事前の調査のための手順でございますけれども、そういったもの。それから年間の変動や乱流等についての対応。それから18ページになりまして、地元との合意形成といったことが今後進めるに当たって明確化すべき課題であるということでまとめていただいております。

 18ページになりますけれども、さらなるコスト縮減の提起でございますとか、あるいは2番、推進部署等についての整備というようなことが報告されてございます。

 それから19ページに今後のリスクマネジメントについても報告をいただいているところでございます。①といたしましては、立地・建設準備段階についてのリスクが記載されてございまして、一定の対策の方向性というものも示してもらってございます。次に、建設段階におけるリスク、それから運転開始後のリスクといったものをまとめてございます。

 このうち、③の運転開始後のリスクのうち、物的損害リスクにおける火災保険、それから賠償リスクの施設賠償責任保険につきましては、事業経費のほうに反映させているところでございます。

 19ページの一番下、事業工程を(3)に記載してございます。おおむね5年が見込まれることになってございますが、先ほど申し上げました渡り鳥のルート等の調査の関係で、この環境調査をもし前倒しでやるとなると、さらに1年延びて6年かかるという結果になってございます。これについても一番最後に折り込みのスケジュール表がございますので、後ほどもう一度確認させていただきたいと思います。

 それから、最後20ページになりますが、大きな4番、最後にということで、改めて風力発電の活用の意義についての考察をしていただいております。1番としましては、風力発電の導入状況、日本と世界というものが21ページにわたって記載してございます。

 それから、22ページ、23ページのほうでは、コストや環境の効果といったもの、それから最後に風力発電活用の意義といったものを5点ほどまとめてございます。

 以降、24ページからは補足説明資料になってございます。導入候補地、計画地の選定に当たっての資料、これは中間報告の時点と同じものになってございます。

 最後、29ページと30ページ、一番最後になりますが、先ほどの工程表が示されてございます。29ページのものが常陸太田市の場合と北茨城市の場合でございます。これでございますと、小さい字で申しわけないんですけれども、真ん中辺、一番左ですが、1年目のところに上から二つ目に縦じまのような棒線が入ってございますが、これは環境影響評価(生態系詳細)となってございます。これが1年前倒しの必要があるだろうということで、常陸太田市と北茨城市ではこのようなスケジュール表になってございます。

 対しまして、30ページの銚子市のほうでございますが、同じ環境影響評価につきましては、上から2行目のやはり縦じまの棒線のところに該当しておりますが、風況調査とほぼ平行してやることになってございます。そういった関係で約1年の工程がずれてくるということが示されてございます。

 以上、駆け足でございますけれども、立地調査の最終報告の中身について概要を御報告させていただきました。

 次に先ほどの資料、表紙のほうに戻らせていただきたいと思いますが、こうした最終報告を受けまして、大きなⅠ番の2のほうに、調査結果についての簡単な受けとめについて触れさせていただいてございます。今回の立地調査によりまして、具体的な候補地点それぞれにつきまして事業規模に応じた初期投資経費、あるいはランニングコスト等が一定明らかにされましたが、これとともに、やはり財政負担の大きさ、あるいは今後の検討すべき課題についても示されたところでございます。これらについて十分な検討を深めていく必要があるというふうに受けとめてございます。

 また、この受けとめを踏まえまして、大きなⅡ番、今後の区としての自然エネルギーの活用に当たって以下のような検討を進めてまいりたいということを報告させていただきたいと思います。

 まず1番ですけれども、自然エネルギーの活用の動向について、非常に雑駁でございますが、簡単にまとめさせていただいてございます。温暖化対策におきまして、自然エネルギーを活用していく方向については異論がほとんどないところかというふうに考えてございます。非常に多岐にわたる自然エネルギーの活用についての実用化が研究とともに進められていると。また、生活レベルにおきましては、太陽光、太陽熱といったものがかなり浸透してきている状況にございます。ただし、日本におきましては、比較的他の自然エネルギーに比べまして、利用効率のよい風力についての取り組みが非常に遅れていると。山間地が多いといったような状況もございますけれども、コストが非常に高いといったようなことがネックになっているかと考えてございます。ただし、最近ですと、さらにこういった、風力に限りませんけれども、自然エネルギーの活用の技術革新が非常にめざましいものがございます。また、イニシャルコスト等においても大幅な削減といったものが見込めるなど、そういったコスト的な課題の解決もだんだん進んでいるという状況にあるかと承知してございます。

 今後こうした技術革新等々が見込まれる中、自然エネルギーにおいての風力の活用というものは、かなり中心的なものになるだろうというふうにも推測されているところでございます。

 2番といたしまして、さまざまな自然エネルギーの活用について触れさせていただいてございますが、主な自然エネルギー、風力と太陽光、それから太陽熱のソーラーシステムについてだけ比較の表を掲げさせていただいてございますが、以下のような特徴がございます。コストについては、いずれも今後改善が見込まれるところでございますけれども、そうした動向、それから財政状況等も踏まえまして、今後自然エネルギーの活用についてはさまざまな組み合わせについてさらに研究をしていく必要があるというふうに考えているところでございます。

 表の下になりますが、3番、取り組み方といたしましては、現在、日本も国際社会に向けまして25%削減といったような目標を掲げる中、昨今の報道によりますと、法的にも環境税、あるいは排出量取引、あるいは全量買取制度といったことも整備されていくやの状況にあるかと承知してございます。当然自治体といたしましても、積極的な役割を担っていくべきものと考えてございますが、特に中野といたしましては、御家庭、それから中小事業所が7割といったCO2の排出割合を占めているという特徴がございますので、当然各家庭等への促進策を区としてやっていくことに加えまして、国際的、あるいは地方との連携によっての自然エネルギーの活用等々でCO2削減を進めていくと、こういった必要があるというふうに考えてございます。

 また、温暖化対策につきましては、非常に長期的に取り組んでいく必要がございますので、その財源の確保についても十分考えていく必要があるというふうに考えているところでございます。

 先般、自然エネルギーを活用した事業モデルを示させていただきましたけれども、こういった具体化に向けまして、さらに研究していく必要がある段階というふうに考えてございます。

 最後、4番でございますが、今後の検討といたしまして以上まとめさせていただいてございますが、自然エネルギーを活用していくに当たりましては、効率などの有効性、あるいは財政負担のほか、今後の技術的な進歩やコストの削減の動向、それから環境への影響や地方都市との連携など、今後見きわめるべきさまざまな課題があるというふうに思われます。つきましては、自然エネルギーの活用の仕組みの具体化に向けまして、これらの課題や、あるいは実施の時期、方法等についてさらに今後十分な検討を加えていく必要があるというふうに考えているところでございます。

 以上、雑駁でございますけれども、御報告とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

委員長

 ありがとうございます。ただいまの報告について、質疑はありませんか。

長沢委員

 御苦労さまです。中間報告のところからの変更ということでは、経済性のところが主に変更ということで御報告いただいたのかと思っています。それで、今回新たに3基だけじゃなくて、1基、6基についてもこういうふうな形で比較検討できるようにと出されているわけですけど、その中、それぞれなんですけども、環境とか、そういった別なところの調査も今回出されていると。環境影響ですかね。それで、ちょっと見ただけなんですけど、環境影響とかそういったものは、それ以外、地元調整というんですか。ここで書いてある用途規制とかそういうので先ほど、「◎」「○」「△」ということで評価が出ておりますけれども、これは1基、3基――1基、3基は同じと覚えたほうがいいんだね。6基についても、この調査のそれぞれの3カ所の候補地点の評価自身は変わっていないというふうに見ていいんですか。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 そのとおりでございます。

長沢委員

 それで最後に、環境等いろいろこれからも検討を深めなければならないということもおっしゃられていました。それで伺いたいんですが、ここで例えば、この表でいうと、15ページのところの環境影響の低周波音、「環境省の参照値を下まわる又は同等」ということが出ております。これは3カ所とも同じ。備考のところで、「現在、環境省において調査中である」とありますけど、これはどういった意味ですか。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 この備考の意味につきましては、今回立地調査の対象としました3地点のことではございませんで、その他低周波について、報道でもございましたが、既存の風車についての調査が進められているという意味での備考でございます。

長沢委員

 では、ここのところを初めに聞いておきます。それで、5ページのところを見て、この候補地の環境影響の予備調査ということでされていますけども、ここに出ているのは、こうした机上検討のところが出ているという理解でいいんですか。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 基本的には今回の立地調査の中では机上検討を委託してございまして、その他一部、現地等の関係者に若干ヒアリング等を行っていただいているところでございます。

長沢委員

 そうすると、これから現地にも赴いてということになるのか、先ほどのより一層検討していくと言ったことは今後のことで、ここの部分でいうと、5ページの風力発電の環境影響というところでいうと、どういったことをされていくことになりますか。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 例えば、5ページ5番の①の生態系調査でございますけれども、この報告書本体の一番最後に工程表をつけさせていただいてございますが、例えば、1年かけてやる環境影響評価、こういったものが必要になってくるということで該当いたします。

 それから、②の騒音調査や電波障害につきましては、風車のもともと出す騒音、そういったものは一定のデータがございます。またこれが地点によって、何メーター離れるとどのくらい低減するかといったような計算式がございまして、そういった机上の数値、計算式で出したものでございますが、実際には現地に行って風力発電がないときの状態の騒音、こういったものを調べまして、その複合的な影響を図るといったようなことが今後の調査として必要になってくるということでございます。

長沢委員

 それでは、ほかのところで。経済性の評価ということで変更ということが出ました。それで、ちょっとざっくりと聞くようなお話ですけど、この最初のA4版の2ページ目のところにも、他国と比べても遅れているけれども、しかし、コスト高が導入のネックになっているけど、最近では云々とありますね。そうすると、かなりこういったところでも技術革新等を進んでいくとなると、今回出していただいた、そういう経済性の評価も変わってくるという、そういうことは大いにあり得ると思っているんですけど、その辺はどのように見られているということになりますか。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 委員御指摘のような変更というものが出てくるというふうに考えてございますが、現時点ではどこにどのくらいといったことはなかなか推測が難しいというふうに考えてございます。

長沢委員

 そうすると、今日の時点でのそれは評価として、もう仮に進めていくというならば、やっぱりこれは、きょう示されたもの自身をベースにして区としては考えていくと。要するに、候補地だからこれを選ぶというような話、そこもちょっと聞きたいんですけど、これはどういうふうになるんですかね。候補地をどういうふうに絞り込むということになるんですか。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 本来でありましたらば、立地調査というのは、当初御報告をさせていただいたとおり、来年度に風況調査を予定するというようなことを中間報告のときにも触れさせていただきましたが、風況調査の前段階の立地調査という位置付けのものでございます。ここで候補地を1点絞って、それから風況調査をかけていくというのが一般的な進め方となっているものでございます。ただ、今回、先ほど御報告させていただいたとおり、財政的な負担も大きいところでございますし、実施の時期ですとかによりまして、技術革新、あるいはコストの低減といったこと等々もいろいろさまざまにらんだ上で、事業の場所、それから規模、あるいは時期等々については判断をしていく必要があるだろうというふうに考えているところでございます。

長沢委員

 何か慎重に判断していくようなお話ということでいいのかな。それと、18ページのほうから聞きましょうか。先ほど御報告いただいたところの計画推進の部署ということになりますけども、そうすると一定、今の御答弁からいうと、かなり慎重にまだいろいろ検討していかなければならない。風況調査等、これを踏まえてやっていくということでもあるみたいなんですけども。それで、そういったときの部署ということで何か少し出ておりますけれども、これは、どの時点でこういう形になるんですか。今現在は区民生活部の副参事がいらっしゃる環境と暮らしが担当しているけれども、これ自身は、例えば、具体的には来年度のところでもう変わっていくようなお話になるのか。その辺のところはどういうふうな見通しなんでしょうか。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 まだ具体的な部署をどうするかというところまでは検討してございません。

長沢委員

 じゃあ、もう一度、19ページのリスクマネジメントのところを教えてください。それで、このリスクのというところでは、これは一般的なお話になるかもしれませんけど、まだまだ風力発電等は、日本の中ではそれほど他国と比べては進んでいないということも、そういうことも背景的なものにはあるかもしれません。今、いろいろ建設をする段階で、あるいは建設した後で、さまざまいろんな問題が起きているというふうにも認識しているんですが、そういったところも踏まえてのこういうリスクということでありますけども、仮に建設をすると、どの段階でということで一応されているようですけども、そういったことを想定されているということではありますけど、これをどう回避していくかということ自身もあらかじめ、マネジメントという言い方でここへ出ておりますけど、こういったところもあわせて十分に検討していく必要はあるんだろうというふうに思っています。それが1点、それもちょっとお答えいただきたい。

 それともう一つ、具体的に運転開始後ということで、先ほど物的損害リスクともう一つ賠償リスクのほうでしたかね。これは事業経費にというお話でした。事業経費にということは、例えば事業経費のどれぐらいのパーセントにそれが見込まれているとか、そういうお話なのか、ちょっとそこがわからないので、その2点を教えてください。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 まず、前段の御質問でございますが、19ページに調査会社のほうから示されましたあらかじめとっておくべきリスク、これについても慎重に検討して対応を考えていくこととしたいと思ってございます。

 それから③の保険のところでございますが、火災保険と施設賠償責任保険につきましては、多少事例がございますので、そういったことをベースにいたしまして実際に積算をして、運営経費、維持管理コストの中に積算してございます。

長沢委員

 その後段のところでいいんですけども、計算をしてというので、例えば一定、これは調査したのはその会社のところなんでしょうけども、そういったものが、例えば全体の事業費の1基の場合、3基の場合とかそういう形でも結構なんですけども、そういうのが大体どれぐらいの割合とか、そういうことではお話はいただけないということですか、わからないんですか。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 保険料といたしまして、例えば常陸太田市でいきますと約600万円ほどが積算されて見込まれているといった状況にございます。ほかのところにつきましても、600万円前後から500万円前後が大体保険料という形で運営経費の中に入れてございます。

長沢委員

 ごめんなさいね、くどいみたいなんですけど、それはどっちの保険ですか。両方とも合わせて600万円ですか。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 恐縮でございますが、合わせての保険料総額ということでございます。

長沢委員

 ありがとうございます。それで、もう最後にしますけど、見通しというんでしょうか。かなりこういう形が出てきたんですが――かなりというか、こういう形で最終の報告が出てきたんだけど、これからのところにおいては、かなり慎重に行っていくかのようなお話であるかというふうに思っています。そうではあるんだけれども、やはり区としてはこれを進めていくというところにおいては、これから議会に対してとか、区民に対してとか、そういったこと自身をどういう形で示していくのかということがスケジュールというんでしょうかね。どれぐらいのスパンで考えられているのか。その検討というのをですね。その辺のところを最後お伺いしたいんですが。あと、それと議会への示し方というんでしょうかね。その辺のところを教えていただきたいと思うんですが、いかがですか。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 現時点では、具体的にいつごろということがまだお示しできる段階にございませんが、まず、この風力発電事業そのものに関しましても多々検討すべきものがあると。あるいは、時間が経過するに当たって与えられる条件が少し変わってくる可能性もあるということでございますので、適宜その辺の情報を踏まえながら、区の財政状況ですとか計画の進捗等々を踏まえまして考えていく必要があるかなというふうに考えてございます。

 あわせまして、その辺の考え方がまとめられ次第、議会のほうにも御報告をさせていただくと、このように考えてございます。

長沢委員

 10か年の見直しをされています。それとあと、それに合わせた形で中野区の環境基本計画も見直すと。かなり、風力発電というんでしょうか。中野区の自然エネルギーの活用ということについては、その中でも力を入れていくようなお話でもあったし、ただ、今おっしゃられたような形で、見通しとしてというところでは、まだ具体的には示されないということになると、計画そのものをつくるというところではどういう影響になるのか。10か年を踏まえた環境計画ということも、個別計画にもかかわると思うんですけど、その辺はいかがなんですか。10か年計画との関係でも教えていただきたいんですが、いかがですか。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 ただいま御報告をさせていただきましたような検討課題を整理した上で具体的な計画化を図っていくということを考えてございますので、そういった考え方に沿って10か年計画、あるいは環境基本計画のほうにも反映していくというふうに考えてございます。

長沢委員

 そうすると、計画のところにおいては、なかなか落とし込むことが難しいんじゃないかと思いますけど、その辺はどういうふうに考えているんですか。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 この御報告でも若干触れさせていただきましたけれども、自然エネルギーの活用、これについては世界的な動向も踏まえまして、当然温暖化対策が必要というふうに考えてございます。中でも、風力についての有効性もあるものというふうに考えてございます。こういったことを踏まえながらも、先ほど来、検討すべき課題が多々あると。あるいは財政状況等々との見合いもあるということがございますので、この辺を全部合わせた上で、判断をしていかざるを得ないというふうに考えているところでございまして、具体的にすぐ、例えば10か年計画、あるいは環境基本計画の改定にどのように反映するかということにつきましては、今後お示しをさせていただきたいというふうに思ってございます。

むとう委員

 昨年10月に報告してくださった段階では、この立地調査に大体720万円ということでしたけれども、きょうの最終報告では新たに6基設置した場合であるとか、渡り鳥のことがわかったりというようなことで、調査項目が少しふえたように思うんですけれども、それはその調査費720万円の中で賄えたことなのか。新たな調査課題がふえたことによって、その調査費そのものが値上がったのかどうか、まずそこを教えてください。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 当初の契約金額内でございます。

むとう委員

 わかりました。10月の段階だと、22年度で風況調査実施ということで約3,000万円という御説明だったかと思うんですけれども、実は私、来年度の予算内示をちょっと私の都合で受けていないので、まだ資料を読み込めていないのでわからないんですけれども、この3,000万円というのは来年度の予算の中にはもうないということでよろしいんでしょうか。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 そのような予算を内示させていただいたところでございます。

むとう委員

 ないということで安心いたしましたけれども、今回の最終報告の今後の検討ということで、「今後さらに充分な検討を加えていく必要がある」という、あいまいな今後の結びで終わっているんですけれども、中野区の課題があるということで、中野区自身の財政の問題とか、技術の進歩の動向であるとか、さまざまな課題があるので、今後さらに十分な検討を加えていく必要があるというような結論になっているわけですけれども、これはどういう意味なんでしょうか。一たんここで、中野区の財政が一気に好転するということは考えにくいわけですから、この段階ではこの調査をもって風車建設については一たんここで休止するのか、もしくはずっと尾を引いて、区の動向、技術進歩が好転していく様子を見きわめながら担当をそちらで、ずっと日常的にまだ検討していくということなのか。そこはどういうことなんでしょうか。歯切れが悪くて、最終的にどうするのというのが見えてこないので、もう少しすっきりはっきりわかるように答えてください。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 ただいま御報告をさせていただきましたように課題がたくさんございますので、風力発電事業そのものについて今どうするということにつきましては、これ以上のお答えが難しいところでございます。10か年計画の中では、先ほども御答弁させていただきましたけれども、風力を含んだ自然エネルギーの活用、これについての検討ということは引き続き進めていきたいというふうに考えてございます。ただ、それをどのように具体化していくかにつきましては、この段階では具体的には申し上げられない状況にございます。

むとう委員

 だれもが自然エネルギーの活用については否定する人はいないというふうに私も思っていますので、自然エネルギーの活用ということは本当に具体化していく必要があるということは私も認識しているわけですけれども、自然エネルギーが数ある中で、中野区はとにかく風力発電設置に向けてこういう調査にお金をかけてきたわけですから、さまざまある自然エネルギーの中でも特化してこの風力にお金をかけてきたわけですよね。その調査結果がここで一たん出たわけで、さまざまな課題があることもわかったという中で、これもまた何ていうかずっと、どうしていくかわからないというずるずるあいまいな答弁、自然エネルギー全体の中でこれまでは風力だけを特化してやってきていたわけですよね。それでその調査が一定ここで終わって結論が出てきたわけですから、それで来年度の次に進む調査の予算もつけていないというようなことですので、決定していないからわかりませんけれど、今の考え方としては。ということであるならば、一度ここで、あいまいな言い方で終わらないで、こういうことを踏まえてここで一たん進めず、他の自然エネルギーと同じ歩調の中で考えていくということにするのか。相変わらず尾を引いて風力だけを特化して、さらに十分な検討をそちらのところでずっとずっとやっていくんですか。その辺もまだ未定なんですか。この調査結果、720万円かけて税金をつぎ込んだ結果、何なのというところははっきりしていただかないといけないのではないかと思うんですが。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 今年度4月、あるいは環境特別委員会ですと6月になりますけれども、自然エネルギーを活用した事業モデルの考え方、あるいは12月に事業モデルというものを示させていただきましたが、区のほうといたしましては、風力発電そのものに特化しているということではなくて、それを含めまして自然エネルギーをどう活用していくのか。それによって区のCO2削減目標をどのような仕組みに整えてやっていくべきかについて考えているところでございます。やはり風力につきましては、専門性、あるいは技術性といったような特殊な状況がございますので、専門的な調査も必要ということで今回予算をつけて調査をさせていただいたということでございます。結果が今回出ました。それを踏まえて、これまでお示ししてきた自然エネルギーの活用のその仕組み、制度、そういったものについて改めて考えていく必要があるだろうというふうに考えているところでございまして、直ちにここで風車を休止するということでもございません。一方では、予算内示のとおり、直ちにこのまま進めるということでもございませんので、改めて風力を含めた自然エネルギーの活用、この仕組みについて具体化の研究検討を進めてまいりたいと、このように考えてございます。

むとう委員

 そうしますと、今後も検討していく中で、来年度当然風況調査の3,000万円はないということですけれども、何らかやはりお金をかけてまだ尾を引いて風力をやっていくんですか。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 繰り返しの答弁になりますけれども、まだ具体的にそこまで、きょうのところではお答えしかねる状況にございます。

小林委員

 ここまで調査関係が出ました。概要的な部分なんですけども、世界の中で日本が非常に遅れている部分というのがあるということなんですが、環境の状況でアメリカとかヨーロッパはかなり国土、中国もそうなんですけど、風力発電をやっている場所というのは山の上じゃないんですね。あくまでも平野のところでやって、送電が環境のいいところでやっていくということで、経費的にも安く、そしてまた経済的な部分は日本よりはるかに高いという部分が一つのポイントとだと思います。日本におきましては平野が本当に少なくて、そこには人口密度が高いということによって、やむなく山の状況の中でやっていくということで、かなり環境は違うと思うんですね。比較にはならないんじゃないかなと思います。大きな流れでいけば、太陽光熱が日本には合うんじゃないかなというか、これは全体的な考えだと思います。現在、技術進展ということもありまして、ここ7年とか10年の間に、今現在、試作的な部分はありますけれども、本当に10センチ四方の部分でのパネルで一軒家が1年間もつという、そのぐらいのエネルギーが出るというところの部分まで来ております。当然もちろん蓄電の技術がまだまだ遅れている部分もありますし、少なくとも、今10センチと言いましたが、30センチ四方、1メートル平米ぐらいでそれだけの光を電気に変えるという、そこまでの技術というのは技術的には出ているんですね。それは恐らく6年、7年以降という形での向上、実際に使える部分の形になるかなと。最終的には家電という感覚で太陽光発電、太陽光のそういうパネルがつけられるというような状況が十分あり得ると思います。これはもちろん、総務省のほうでもプロジェクトを組んで進めている状況であります。何種類かの部分でやっていますけども、これは今現在、風力発電が20年間でどうなるのかという設定でいった場合に、またその間の10年たったときに非常に後悔する――まあ、後悔しないか。という部分があるんですね。そんな意味で、中野区が東京にある以上、どのぐらいの価値があるのかというのは、やっぱり見直したほうがいいんじゃないかなということが1点ですね。

 それからあと、中野区において実質的に生活の中で自然エネルギーを使っていくということに関しては、本当に今半分以上が家庭のエネルギーというものを自然エネルギー、あるいは省エネにかえていくという、本当に小さなことかもしれませんけど、それを積み重ねていくという方向というのは、大きくやっぱり中野区がやるべきところじゃないかなと思うんですね。大きな風力発電でイメージをつくるというよりも、現実のこれからの20年、30年のことを考えると、やっぱりいろんな意味での家庭の中でやっていく部分を本当に細かく、急激に省エネの力が出てくる、数字が出てくるというわけじゃないんですが、都会の場合はそういうような状況を踏まえてやっていくべきじゃないのかというふうには僕は思うんですね。そんなようなことは、一応環境担当のほうでどのように考えていますでしょうか。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 ただいま御指摘、御提案等をいただきました中身でございますけれども、区といたしましては、当然区内のCO2の排出、これを削減していこうという目標を立ててございます。したがいまして、委員御指摘のございました一般の御家庭、あるいは中小事業所様においての太陽光等の自然エネルギーの利用、あるいは省エネの促進というものを図ってまいりたいというふうに考えているところでございまして、それを進めていくための事業モデル、自然エネルギーの活用の仕組みといったものを考えているところでございます。ただ、報告でも触れさせていただいたとおり、かなり長期にわたって取り組んでいくということがございまして、その財源確保も一定程度考える必要があるだろうということで、これまでの御報告をさせてきていただいたという状況にございます。ただ、同じく、委員のお話にもございましたけれども、風力発電に限らず、太陽光等々の技術革新も非常に目覚ましいものがございますので、この間のそういった状況を踏まえながら、慎重にどれを進めていくのか、どのように進めていくのかを判断していく必要があるというふうに考えているところでございます。

小林委員

 何度か出ました財政難というのが、当然ここ1年、また下手をすると来年、再来年というふうに続くかもしれません。そういう意味で、今言った予算の使い方等、調査というのはやっぱりやっておかなきゃいけないというんだったらやらなきゃいけない部分もあるんですが、一応今言った予算の状況等もありますので、先に延ばしてもいいものかどうかも、かなり検討していただいて、いろいろと決断をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 十分そのように研究した上で御報告等をさせていただきたいと思ってございます。

酒井委員

 もともとこの風車に関しては、報告書の19ページのところに風況観測を開始してから運転を開始するまでに5年かかると。それまでに立地調査だ何だと。かなり期間のかかる事業ですよね。そうすると、中長期的なスパンで考えなければならない計画だと思うんですね。それが来年度大変に財政は厳しいと。もちろんそれは理解しているんですけれども、私なんかは風車は反対ですのでよかったなとは思っておるんですけれども、ただ、そういった中で、ぽんとはてやめちゃいますよというふうにやっていくのかなかなか理解できないんてすね。それで、例えば、先ほどから副参事の御答弁の中で、中長期的の計画で時間がたつとさまざま状況も変わっていくんだというふうなことを何度も御答弁されているんですけども、例えば、すると、このせっかくやった報告書に関しても、もしかするとさまざまな立地のところが状況も条件も変わっていく可能性もありますよね。すると、今までこれを一生懸命やってきたのが、はて、そのときにまたやりましょうよとなったときに、これがまたそのまま行けるのかというのは、僕はちょっと素人なんでわからない。そのあたりはどうなのかまず教えてください。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 委員、今御指摘ございました、時間とともにこの調査結果の意味合いというんでしょうか、正確さというものについても若干の変更が、全くないというふうに考えてございません。当然、風況もNEDOの風況マップをもとにしてございますけれども、これも毎年数年間にわたって変わっていくものでございます。だんだん更新等されていくものでございます。ただ、それがすぐに数年の間に劇的に変わるかというと、そういったものではないというふうに考えてございます。したがいまして、一番大きかった経済性に関する開発可能性のこの調査結果でございますけれども、具体的な3地点を絞ってどの位置にするかというピンポイントで定めましたので、この調査結果については数年の間は使うことができるだろうというふうに考えてございます。また、工程表でもお示ししましたが、今後の実際の環境の実地の調査、それから風況の実地の調査、こういったものによってより正確なデータを把握して事業を推進していくかどうかということをいずれやらなければいけないことになるかと思いますけれども、その段階でこういった立地調査のデータというものはまた修正等していくことは出てくる可能性はあると考えてございます。

酒井委員

 先ほどむとう委員のほうからの質疑の中で、こちらの調査に関しては720万円でというふうな御答弁もあったかと思うんですけど、今までちょっと、私はわからないので教えていただきたいんですけど、風車の調査にかけたのはこの720万円だけでしたか。全体としてどれぐらいなんですか。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 記憶が正確な数字でなくて恐縮でございますけれども、昨年度中に約1,000何百万円かの調査をしてございます。

酒井委員

 それを合算すると……

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 外部委託の調査といたしましてはそれが最初でございまして、今回の700万円と合わせまして約2,000万円ぐらいの調査経費がかかっているはずでございます。

酒井委員

 2,000万円ぐらいかかっておるわけですね。それから担当の副参事さんも置かれて、人件費もさまざまずっとかかっておるんだろうと思うんですね。これだけかけているというのは十分に認識していただきたいなと思っているのと、それから10か年とのかかわりの質疑があったかと思うんですけれども、中野区においては、家庭部門のCO2の排出量が一番多いわけですよね。そこをどうするんだというのが、この風車を進めていくに当たって、環境基金をつくって回していくというような考えだったと思うんですけども、風車のほうが先行しておって、本来やらなければならない家庭部門のCO2の排出の削減というのが他区に比べてかなり遅れていると思うんですよ。やっぱりそういったところをしっかり見直していただいて、これは、今回風車というのは白紙なんだろうなと思っているんですけれども、そういう中で、今後家庭のほうにどうしていくか。太陽光発電等々というお答えがあったかと思うんですけれども、最近では高効率の給湯器なんかが大変にCO2の削減に一番効果があるというふうなお話も聞いております。まだ行政の資料ではそういったものも出ていないんですよ。やっぱりそういったものも出していただけるように、やっぱり遠くの風車より近くで皆がCO2の削減に、温暖化防止に意識啓発できるような施策を展開すべきだと思うんですね。そのあたり教えてください。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 委員御指摘のようなことにつきましては、先般、地域エコポイントといったような、仮称でございますけれども、こんなことを推計の中に一部お示しをさせていただいたところでございます。その中では、太陽光発電設備や太陽熱システム等の設置の部分だけではなくて、各御家庭でできる、例えば冷暖房の温度の調整をしていただくとか、あるいは一般家庭向けのエコチャレンジに取り組んでいただくと、そういった御努力というものがCO2削減に反映した部分につきましてもポイントの付与対象というようなことを視野に入れて検討しているところでございます。こういった施策につきましても、できるだけ早い時期に具体化を図ってまいりたいというふうに思ってございます。

酒井委員

 そういった各家庭でどれくらいCO2を削減できたかだとかという、意識啓発の部分では、やっぱり現物のそういった何かがあってこそだと思うんですね。やっぱりそれが他区に比べて本当に進んでいないので、今後大きな課題だと思いますので、じっくりしっかりと検討していただきたいと思います。

飯島委員

 御苦労さまでした。この結果で十分検討を深めていくわけですから、検討は深めていただくということになるんでしょうけども、ところで当区の自然エネルギーの活用にかかわる全体的な事業の枠組みはどうなるんですか。つまり、無から有を生み出して、つまり風から銭をつくって、それで太陽の何とかをやっていこうという、こういう、北風と太陽の物語みたいなシステムがあったわけだけれども、これは結局どうなっちゃうの。そうすると、その全体の枠組みは。これはこれでわかりましたよ。とりあえず、だけど、お金はもう入ってこないわけでしょう。やったって5年先になるわけだよね。現実、お金が立ち上がってくるのは。そうすると、それまではこの基金にお金が一文も積めないよということになってくると、具体的に何も始まらないよという話になりかねない話なんでしょうけども、果たしてそれでいいのかなと。そこは今後どうするんですか。この全体のスキームは。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 ただいま御指摘ございましたとおり、区のほうとしては風車の売電収益を一つの基金の積み立て原資として非常に大きい当て込みをしたモデルを先般お示しさせていただいたところでございます。もし仮にこれが年次が遅れる、あるいは今後どうなるか今後の検討によるということになってまいりますと、その分について環境基金に直ちに積み立てができない状況でございますので、他の方法を考えるといったことも含めて、環境、温暖化対策施策の推進の仕組み、これをもうちょっと具体的に再度検討していく必要があるかというふうに考えてございます。

飯島委員

 そうすると、仕組みをもう一度一からやるかと。だって、当て込んでいたお金は入ってきませんよと。しかも、当て込んでいたお金をよく聞いてみたら、5年先じゃなきゃぐるぐる回りませんよと。風車も回らなければお金も回らない。こういう話になっちゃっているわけですよね。そうすると、うまくやったって10年先だと。10年先になったらもう話が違っていますよと。おっしゃるとおりだと思う。ストーリーが変わっちゃうわけですよね。その間、ずっと中野区は基金もお金もたまらないのでできませんよという話にはいかないわけだから、改めて、じゃあ区内における取り組みをどう進めていくのか。そのための資金というか、こういうようなものについてどうするんだと。ポイント制云々かんぬんと言っていますから、そういうものをどこでもたせるんだとかということをもう一度考えなきゃなと。だから短期的に、つまり3年ぐらいでものが立ち上がるぐらいのことを、そんなにすごくなくても始めていかないとだめなんじゃないのかなと。ちょうどいい機会だから、10か年で全部やめちゃって一回、この風車によるスキームはね。だめなんだから、だって。お金が入ってこないんだもん。どんなに早くたって10か年のうちの5年はだめでしょう。これから先ですよ。とすると、もう一度そこで考えるところを、少なくても、組み立てを22年度か23年度中にして、25年にはものが回っていくなというふうにしないと、それまでは区の施設や何かに太陽光のパネルを設置して云々かんぬんという取り組みをやるにしても、区民の皆さんのそういう活動を支えていく。だって、本来そこでやっていくはずだったわけだから。だとすると、そういうものをもう一回つくらないとだめだなということになってくると、じゃあ、平均、押しなべて、区の初期投資が13億円から17億円というんだから、15億円ぐらいのことを、それを3分の1ぐらいにして5億円ぐらいでとりあえず基金をつくってみるかというようなことで始めたほうが事は簡単なんじゃないのかなと。3分の1でもいいし、または5分の1でもいいですよ。そのぐらいで始めると、大概、3億円から1億円ぐらいからものが始まる可能性が強いですから、そんなことでも考えてみるとか、それは財政上の問題はもちろんあるからね。さまざま計算するにせよ。そういうふうな枠組みをつくらないと、うちは取り組みの仕組み、そもそものファンダメンタルな仕組みがなくなっちゃうから、その辺はむしろ検討を深めるというのは、そこを深めないとまずいんじゃないのかなというふうに思うんですけど、いかがですか。

横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当)

 先ほど御報告をさせていただきました最後の、今後の検討でございますけれども、先般お示しした自然エネルギーを活用した事業モデル、これが今ベースの考え方になってございます。ここでお示しした地域エコポイントも含めまして、具体的に区内の一般御家庭、中小事業所のCO2削減が促進されるような仕組み、施策といったものについて、いかに具体的に進めていくか、取り組んでいくか。これはこれで検討してまいりたいというふうに思ってございます。委員御指摘のように、全体の事業モデル、スキーム、これについての見直しに至るか、あるいは先行して将来的にはそういったモデルを構築していくけれども、先行して施策の展開をしていくのか。そしてまたその財源についてどのように手だてを講じていくのか。こういったことについて全部含めまして検討していく必要があるというふうに考えてございます。

飯島委員

 基金を設置してものを考えるというのは、あり得る一つの選択だと思いますよ。そこに最初にどこからお金が来るかという。これは区が出すか、あるいはだれかが出すか。だれかというのは、奇特な方がいて寄附をしていただけるということだってあるわけですよね。それは、こういう事業を考えているんだから御協力をいただきたいという、ああ、なるほど、それなら協力しようかというものがないと、今のところ、申しわけないんですけど、じゃあ、皆さんがこういうスキームを区が考えていますよと。じゃあ、私も及ばずながら御協力しましょうかというふうにならないわけでしょう。そもそもがだって、あれっとかというふうになっているわけだから。そうするとそういう、じゃあそれならというところをまず組み立てることが先じゃないのかなと。これは庁内でやれるわけですよ。5万円ぐらいの経費で。事務費そのぐらいだもの。ペーパーだけでいいんだから。まずそういうことを先行されることをぜひ検討しないと、中野区ってどんなことをしているんですかというときに、ちょっとこういうことというふうに申し上げられないのは、非常に区民の皆さんにとっても申しわけないのかなと思いますので、ぜひそういう方向に一つ考え方を進めていただいたほうがいいんじゃないのかなと思うので、お答えはともかく、一応御要望として、そういうこともぜひ御検討を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

委員長

 ほかに御質疑ございませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 質疑がなければ、以上で本報告は終了いたします。

 次に2番、その他で所管事項の報告はありませんか。――なければ、以上で所管事項の報告を終了します。

 次に、その他に入ります。各委員、理事者から何か発言はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、次回日程等について協議したいので、委員会を休憩します。

 

(午後2時01分)

 

委員長

 委員会を再開します。

 

(午後2時01分)

 

 休憩中に御協議いただきましたとおり、次回は第1回定例会中とし、急を要する案件が生じた場合は正副委員長から連絡させていただきたいと思いますが、御異議ございませんか。

 

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 御異議ございませんので、そのように決定いたします。

 以上で本日予定した日程はすべて終了いたしますが、各委員、理事者から何か発言はありませんか。

 

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

 

委員長

 なければ、以上で本日の環境対策特別委員会を散会します。ありがとうございました。

 

(午後2時01分)