平成18年07月06日中野区議会総務委員会(第2回定例会)
平成18年07月06日中野区議会総務委員会(第2回定例会)の会議録
平成18年07月06日総務委員会 中野区議会総務委員会〔平成18年7月6日〕

総務委員会会議記録

○開会日 平成18年7月6日

○場所  中野区議会第1委員会室

○開会  午後1時01分

○閉会  午後4時46分

○出席委員(9名)
 伊藤 正信委員長
 奥田 けんじ副委員長
 小堤 勇委員
 大内 しんご委員
 長沢 和彦委員
 佐伯 利昭委員
 佐藤 ひろこ委員
 斉藤 金造委員
 大泉 正勝委員

○欠席委員(0名)

○出席説明員
 助役 内田 司郎
 収入役 山岸 隆一
 区長室長 寺部 守芳
 経営改革担当課長(経営改革推進担当課長) 奈良 浩二
 政策担当課長(調査研究担当課長、政策推進担当課長、調査研究推進担当課長) 川崎 亨
 総務部長(未収金対策担当参事) 石神 正義
 総務担当参事 橋本 美文
 広聴広報担当課長(平和人権担当課長、平和担当課長、人権担当課長) 浅野 昭
 財務担当課長 篠原 文彦
 営繕担当課長 豊川 士朗
 人事担当課長 長田 久雄
 情報化推進担当課長 白土 純
 防災担当課長 中井 豊
 危機管理担当課長 斎木 正雄
 税務担当課長 遠藤 由紀夫
 副収入役 村田 宏
 選挙管理委員会事務局長 柳澤 一平
 監査事務局長 石﨑 新一
 
○事務局職員
 事務局長 山下 清超
 事務局次長 高橋 信一
 書記 荒井 勉
 書記 松本 桂冶

○委員長署名


審査日程
○議案
 第62号議案 中野区職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例の一部を改正する条例
 第64号議案 校内緊急通報システム機器の買入れについて
 第66号議案 和解及び損害賠償額の決定について
 第70号議案 清掃車の買入れについて
○所管事項の報告
 1 区民公益活動の推進・支援について(政策担当)
 2 株式会社まちづくり中野21の経営状況について(政策担当)
 3 平成17年度中野区区政情報の公開に関する条例の運営状況の報告について(総務担当)
 4 平成17年度中野区個人情報の保護に関する条例の運営状況の報告について(総務担当)
 5 議会の委任に基づく専決処分について(総務担当)
 6 区を被控訴人とする控訴の提起について(総務担当)
 7 区を被告とする訴訟の提起について(総務担当)
 8 訴訟事件の判決及び同判決に対する控訴の提起について(総務担当)
 9 中野区歯科医師会委託事業に関する調査の中間報告について(総務担当)

委員長
 定足数に達しましたので、本日の総務委員会を開会いたします。

(午後1時01分)

 本定例会における審査日程及び3日間の割り振りについて協議をしたいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後1時01分)

委員長
 それでは、委員会を再開いたします。

(午後1時02分)

 本定例会における委員会の審査日程についてお諮りします。お手元に配付の審査日程(案)(資料1)に沿って、1日目は議案の審査と所管事項の報告をできるところまで行い、2日目は所管事項の報告以下を、3日目は残り部分を行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように進めます。
 なお、審査に当たっては午後5時を目途に進めたいと思います。また、3時ごろに休憩をとりたいと思いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ります。
 これより議案の審査を行います。
 第62号議案、中野区職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例の一部を改正する条例を議題に供します。
 理事者の補足説明を求めます。
長田人事担当課長
 それでは、第62号議案、中野区職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例--これはいわゆる「ながら条例」というふうに言っておりますが--の一部を改正する条例について、お手元の資料(資料2)に基づき、補足説明をさせていただきます。
 まず、資料が2枚ございますが、資料の1枚目、条例の新旧対照表をごらんください。表の左側が改正案の内容、右側が現行の条例の内容になってございます。この条例は、例外的に勤務時間中に組合活動を認めた場合、条例で特別の定めをしたときに限って、給与を減額しない例外を認めるものでございます。「給与を受けながら」という部分をとらえて、いわゆる「ながら条例」というふうに呼ばれております。
 改正案の内容は、条例で定める給与を受けながら活動できる場合として「適法な交渉及びその準備を行なう場合」とあるものを、準備行為を削除し、「適法な交渉」のみにいたします。さらに条文上「規則で定めるものに限る。」という限定を付し、規則によって、適法な交渉の範囲を明確にいたします。この規則で定める内容は、後ほど資料の2枚目で御説明をさせていただきます。
 これまでこの条例の施行規則は制定しておりませんでした。このたび、施行に関し必要な事項を規則で定めるため、新たに第3条により規則への委任の根拠を設けるものでございます。
 条例の施行期日は、平成18年8月1日からでございます。
 それでは、2枚目の「参考」としてお示しをさせていただいております、中野区職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例施行規則(案)をごらんいただきたいと思います。
 先ほど御説明をさせていただきました条例改正案第2条第1号の規定を受けまして、規則で適法な交渉の範囲を規定するものでございます。表でお示ししました内容は、左右二通りになっておりますが、左側が中野区の当局と職員団体との交渉に関する適法な交渉の範囲を示し、右側は特別区の共通基準に係る特別区統一交渉事項に関する適法な交渉の範囲を示しております。
 まず、左側でございますが、中野区当局と職員団体との交渉の範囲ですが、予備交渉及び団体交渉、それからこれに加えて、交渉と密接に関連する職員団体の意思決定を行う議決機関、執行機関の活動を定めたものでございます。
 次に、右側の特別区統一交渉に係る範囲でございますが、統一交渉の予備交渉及び団体交渉をはじめとする、さまざまな交渉形態による交渉、並びに交渉と密接に関連する特別区職員労働組合連合会--「特区連」というふうに略称しておりますが--の意思決定を行う議決機関、執行機関の活動を定めたものでございます。
 これらはあくまで公務に支障のない範囲で認められるものであり、規則に定める回数及び時間数については、承認の限度を示したもので、実際の運用については、必要な最小限度にとどめるものでございます。
 この規則の施行は、条例と同様に、平成18年8月1日を予定しております。
 以上、大変雑駁でございますが、第62号議案、中野区職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例の一部を改正する条例について、補足説明をさせていただきました。よろしく御審議いただき、御賛同賜りますようお願いいたします。
委員長
 本件に対する質疑を行います。
 質疑はありませんか。
大内委員
 この条例なんですけれども、千代田区の方では、この条例の文言から準備行為を削除するとともに、準備行為に有給職免を認めないという厳格な内容での改正に踏み切ったと。旧自治省の条例準則に沿った運用は23区であると、都政新報に出ているんだけれども、この一定の準備行為を運用の範囲で認めるという内容だと理解しています。最終的に自治省の条例準則に沿った運用になるのは、いつごろになるんですか。そうしたいという気持ちはあるのか。
長田人事担当課長
 いわゆる「ながら条例」についての見直しといったものを今回いたしたわけでございますが、この見直しは常に、今後もしていかなければならない重要な課題だというふうに考えてございます。今回、職員団体との交渉を経て妥結した結果として、こういう規則の中に具体的な限定列挙という形でお示しをさせていただきましたが、今後も見直しをしてまいりたいと。その方向としては、委員が御指摘になったように、旧自治省が示しました準則に沿う形で、交渉のみにするという方向を目指してまいりたいと考えております。できますれば年度内にはその方向がきちっと形にあらわせるように努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
長沢委員
 今のところからお聞きしますね。今後も見直しをされていくということで、総務省が準則を出していたんだけれども、それに沿った形でということなんですけれども、準則そのものは特に新しく示されていたわけではないと思っています。そういう意味では、長い期間にわたって、いってみれば適法な交渉というのがどういったものなのかというのは、それぞれのところで理解されて、それぞれの区でというんでしょうか、また職員との交渉の中でそういうのが理解された節もあったのかなというふうに思うんですけれども。今回こういう形で準則にかなり厳しくというんでしょうか、それに沿うようということで、東京都もそういうことで見直しをしをということだと思います。その辺は何か背景といいますか、理由としてはどういったことがあるんでしょうか。
長田人事担当課長
 まず、条例の制定の仕方の問題を御答弁させていただきますが、中野区の現行条例は「適法な交渉及びその準備のための行為」ということで、条例上明確に準備行為を規定しているところです。自治体によりましては、適法な交渉のみとして、具体的な運用の中で、適法な交渉に随伴する行為を、職免の認める事由として認めていくというやり方をとっているところがございます。それから、今回、条例の改正でお願いいたしましたように、中野区のやり方は、条例上は準備行為というのを削って、ただし条例の中に「規則で定めるものに限る」というふうに条件を付して、条例の施行規則の中でその対象とする範囲を限定的に明確に列挙していくという形をとってございます。その点が条例上は適法な交渉のみとしながらも、運用の中で拡大する余地を残すやり方と、中野区のように、条例の中には準備行為という規定を置かずに、施行規則の中で明確に、密接に関係する部分について限定列挙するというやり方が、大きく違ってくる点だろうというふうに考えております。
 それから、背景という御質問でしたが、旧自治省の示した準則は、昭和41年に通知という形で自治体に示されております。中野区の条例も昭和41年に制定したものであるわけですが、当時の判断としては、適法な交渉に加え、準備行為を認めるという団体の意思の確定がされたということで、以来40年を経過しておるわけですが、その中で平成18年1月に総務省見解というものが示されまして、旧自治省の示す準則を前提として、これと違う条例の規定の仕方及び運用の実態について、旧自治省の示す準則に沿うようにという見解を各地方公共団体に示しているというところでございます。中野区の見直しもこういったものを背景として見直しをしたということでございます。
長沢委員
 ありがとうございます。もうこれ1点だけなんですが、それで中野の場合は「適法な交渉及びその準備」ということで、「その準備」ということは削除をしたと。その「適法な交渉」については規則で定めるということで、冒頭御説明があったように、これまでは施行規則は定めていらっしゃらなかった。今回こういう形で定めて、これにのっとった形でやるんだということですね。
 例えばこれまでは適法な交渉ということで、ある意味では、どこかの自治体の例じゃないですけど、やっぱりその運用みたいな解釈というのはあったのかと。つまりここで定めた以外のことも、これまでは何らかあったというふうに理解していいのか。それともあくまでもそれは規則として定まっていなかったから、これまでもやってきたことではあるが、限度としてこういうものを改めて規則で定めるという。この「適法な交渉」の中身としては、どういうふうに理解すればいいんですか。これまでとの関係において。
長田人事担当課長
 本日、規則案という形でお示しをさせていただいております、交渉及びそれに関連する団体意思の決定のための行為につきましては、現行の、これまでの職免として認めておりました範囲よりもかなり絞り込んだ内容になっております。それとの対比で言えば。あくまでも今回、施行規則の中で明らかにしたということではなくて、必要最小限度のものに見直しをして絞り込んだということが前提になってございます。
 それから、準備行為という概念が、条例上、現行条例では認めていただいておりますので、これまでは施行規則がない状態でありましたが、準備行為の解釈運用ということで職免を認めてきたと、そういうものでございます。
委員長
 他に質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、委員会を休憩にして、取り扱いを協議したいと思います。
 暫時、委員会を休憩します。

(午後1時15分)

委員長
 委員会を再開いたします。
 
(午後1時15分)

 質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、質疑を終結します。
 次に、意見の開陳を行います。意見はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、意見の開陳を終結します。
 次に、討論を行います。討論はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、討論を終結します。
 これより本件について採決を行います。
 お諮りします。
 第62号議案、中野区職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例の一部を改正する条例を原案どおり可決すべきものと決することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように決します。
 以上で第62号議案の審査を終了いたします。
 続きまして、第64号議案、校内緊急通報システム機器の買入れについてを議題に供します。
 理事者の補足説明を求めます。
篠原財務担当課長
 それでは、第64号議案、校内緊急通報システムの機器の買入れにつきまして、補足説明をさせていただきます。
 お手元の資料(資料3)をごらんいただきたいと思います。本議案につきましては、議会の議決に付すべき契約案件、2,000万円以上の動産の買い入れといたしまして、今回提案をさせていただくものでございます。
 まず、件名でございますが、校内緊急通報システム機器の買い入れでございます。区立の小・中学校43校に受信ユニット、それから大型LED警報表示器、それから非常用押しボタンなどを購入するものでございます。具体的には、各教室に非常用の押しボタン、それからペンダント式の送信機--これは主に校庭等で使うものでございますが--こういったものを押すことによりまして、どこで異常が起こったのか、それが大型LED警報機の方に表示されるものでございます。
 納期につきましては、ここにございますように、本年の9月30日となってございます。
 契約金額でございますが、5,145万円でございまして、本体価格が4,900万円でございます。
 契約者は、神田通信機株式会社、公共プラットホームソリューションズグループでございます。
 それから、契約の方法でございますが、指名競争入札によって行ったものでございます。
 入札経過でございますが、この5にありますように、入札年月日につきましては本年の6月13日でございます。この表にございます9社に対しまして入札をした結果、神田通信機株式会社が落札したものでございます。
 契約者の営業概要は6の表にお示ししたとおりでございますので、ごらんいただきたいと思います。
 以上でございますが、よろしく御審議の上、御賛同いただきますようお願いを申し上げます。
委員長
 質疑を行います。
斉藤(金)委員
 もうちょっと詳しく、どうなって、どうなるのというのを、教えてくれるか。
篠原財務担当課長
 失礼しました。これは区内の小・中学校43校に、各教室に非常用押しボタンを設置いたします。また、校庭等におきましては、教師がペンダント式の送信機を持ちまして、何か異常が起こった場合、それを押した段階で、それが校長室、事務室、あとは職員室に、どこの部屋で鳴ったかがわかるというようなシステムでございまして、非常時に教職員が一丸となって対応できるようなシステムということでございます。
斉藤(金)委員
 職員の方には今のでわかったけど、それが例えば警察にいくとか消防へいくとかと、そういうところまではいかないのか。
篠原財務担当課長
 そちらにつきましては、既設の学校110番という、警察と直結した警報機がございますので、それがあった段階で、すぐ校長がそれを押すことによって、警察にはどこの学校で何か異常があったということで、すぐ警察が来るということになっておりまして、その際に例えば3年2組の部屋でボタンが押された。今、児童はすべて校庭に避難したとか、そういったような形での避難経路もすべて、そういったことで指示ができるというようなものでございます。
斉藤(金)委員
 わかりました。
小堤委員
 各教室にということなんですけれども、いわゆる特別教室も含んでなんですか。
篠原財務担当課長
 730個でございますので、すべての教室ということになってございます。
奥田委員
 先ほど職員の方が一丸となってということで御報告いただいたと思うんですけれども、押す場所がいろいろな場所であって、それが一元的に校長室と職員室でということだったんですけれども、授業中であるとかその他の、職員の方が職員室に集まっていらっしゃらないような状況であれば、押してもなかなか一丸となってというような動き方は難しいのかなというような印象を受けたんですが、いかがでしょうか。
篠原財務担当課長
 校長室、それから職員室に通報されることによりまして、非常放送を使いまして、例えば2階の3年2組で異常があったということになりまして、例えばその段階で即避難をしなさいということであれば、3年2組の関連する階については、どっちに逃げればいいかとか、そういうような指示がそこでできます。ですから、非常放送の設備を使うことと、あと校務主事、それから事務員、そういった手があいている者については、さすまた等を持って、すぐ即座に駆けつけるというようなことにつながるということで考えてございます。
奥田委員
 これが導入された経緯というのは、最近のいろいろな校内での犯罪の報道を受けてというようなこともあるとは思うんですけれども、実際に子どもたちが被害に遭うという事態の中で、被害の発生自体は、本来は学校の中ではほとんど起こらない。比較の意味で申し上げているんですけれども。実際は校外で起こることがほとんどですよね。校内で発生している--ニュースになれば、大きな話題にはなっていますけれども、実際はほとんど起こらない、想定がほとんどできないようなものに対しての備えということでよろしいんですか。
篠原財務担当課長
 本年度に各学校につきましては、校門の電子施錠システム、それからあと防犯カメラ等を設置してございます。そのほかにこういったような校内緊急通報システムということで、すべてこれで万全な備えをして、学校内では不審者の立ち入り、そういった緊急通報について即座に対応できるように、今回整備をしたものでございまして、校外の通学路等の安全対策については、今、行っておりますパトカーとか、あとは区民の方のパトロール、そういったことと連携をとってやっているというふうに聞いてございます。
奥田委員
 これに関しては、ハード的なというか、物でこういった対応を今回されるということなんですけれども、他区の事例で、人的な配置でというようなことをされているところもあります。そういったところの御検討というのはされたんでしょうか。
篠原財務担当課長
 私どもはちょっと所管でないので、そこまでお答えをできないんですが、そういった検討もされているというふうには聞いてございます。
奥田委員
 これで最後にいたしますけれども、財務的なところでの御質問であるべきですので、お答えできるかどうかわかりませんけれども、本来であれば、学校は学びの場ですから、防犯のための仕組みであるとか、防犯のための人が必要であるという発想よりは、多くの人の目がその場にあって、子どもたちの学びにつながったりとか、暮らしであるとか、安全につながるというような、人の目があって、子どもたちの環境が維持されるというのが望ましいんだろうというふうに、私たちは考えてはいるんですけれども、そういった意味においては、本来は個別、防犯に関してどういったことをするのかというようなとらえ方ではなくて、子どもたちの環境全体をとらえたときに、どういう取り組みをするのかというのを考えるべきだろうというふうに思います。その中では、今回もまた防犯に関してどうするかという視点で考えて、物で対応するということに関しては、やっていなかったときに理由として挙げることはできるとは思うんですけれども、実際、発生自体はほとんど起こってこない。その中で本来あるべき姿と合致したやり方を目指そうとするんであれば、例えば校内に多くの人がいて、子どもたちの学びを助けているとか、環境を支援している。そういった状況があった中で、物に頼らなくても、子どもたちの安全も含めてフォローできるような体制をつくっていくということを検討された方が、本来あるべきではなかったのかなというふうなことを、私たちは考えております。御見解があればいただいて、なければ結構でございます。
篠原財務担当課長
 各学校ではさまざまな取り組みをしておりまして、セーフティ教室については月1回、そういったことで、例えば非常ベルの鳴らし方、あとは緊急時どのように逃げればいいのかというようなことを教えておるように聞いてございます。
 また、地域の方の協力という面では、サポーター制度を取り入れた学校もあるというふうに聞いておりますので、今、委員の御指摘のあったようなことにつきましては、所管の方に十分伝えてまいりたいというふうに考えております。
委員長
 他に質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後1時26分)

委員長
 それでは、委員会を再開いたします。

(午後1時27分)

 質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、質疑を終結します。
 次に、意見の開陳を行います。意見はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、意見の開陳を終結します。
 次に、討論を行います。討論はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、討論を終結します。
 これより本件について挙手により採決を行います。
 お諮りします。
 第64号議案、校内緊急通報システム機器の買入れについてを原案どおり可決すべきものと決することに賛成の委員は挙手願います。

〔賛成者挙手〕

委員長
 挙手多数。よって、本件は可決すべきものと決しました。
 以上で第64号議案の審査を終了いたします。
 続きまして、第66号議案、和解及び損害賠償額の決定についてを議題に供します。
 理事者の補足説明を求めます。
橋本総務担当参事
 第66号議案、和解及び損害賠償額の決定につきまして、御説明をさせていただきます。
 住民税の賦課決定に関する事案であります。本件は、損害賠償額が100万円を超えることから、議会の御議決をお願いするものであります。
 資料(資料4)をごらんいただきたいと思います。1番目に、事案の概要が記されてございます。相手方の平成12年度分住民税につきまして、区が正しい税額より多く賦課決定するという誤りがありました。地方税法の規定によりまして、減額の賦課決定をすることができる期間、括弧にありますとおり、法定納期限の翌日から起算して5年間。つまり平成12年度分につきましては、法定納期限が平成12年6月30日です。起算をいたしますのは、平成12年7月1日から、5年経過は平成17年6月30日ということになります。したがって、経過をしているため、相手方が過分に納付した額を還付することができませんでした。このため、相手方に損害を与えたものであります。
 仮和解成立の日でありますが、本年の5月25日。
 区の賠償責任でありますが、本件は平成12年度分の住民税の賦課決定に当たりまして、相手方の夫の確定申告書に記載されていました青色専従者の給与額と、別途区に送付されました給与支払い報告書記載の相手方の給与額を、同一の青色専従者給与であるにもかかわらず、誤って合算したことによるもので、区の誤りにより相手方に損害を与えたことから、区の責任は免れないものと判断いたしました。本件は、相手方からの指摘で、平成17年度分の住民税の賦課決定で同様の誤りが判明したことから、さかのぼって調査をした結果、明らかになったものであります。なお、平成17年度の過誤納分につきましては、既に還付が終わってございます。
 損害賠償額ですが、相手方の損害額は119万4,700円で、これに平成17年7月1日から和解の日までの日数に応じまして、損害額に年5%の割合を乗じて計算した遅延損害金を合算した額を損害賠償額とするものであります。
 備考のところをごらんいただきたいと思います。その後、所管では他の青色専従者給与扱いの者につきましても点検し、誤りがないことを確認いたしました。
 今後の対応でありますが、平成18年度分の課税においても、このようなケースが起きないように、点検方法を見直し、事務処理を改善しているところであります。また、今後開発に着手いたします新しい税システムでは、点検方法の確実性を増すためのリストの出力などを検討していくこととしてございます。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
委員長
 質疑を行います。質疑はありませんか。
小堤委員
 お聞きしたいんですけれども、この方は確定申告書で--これは奥さんですね、恐らく--青色専従者の給料を出したと。青色申告で申告した場合、普通はこの給与支払い報告書というのは出すものなんですか。
遠藤税務担当課長
 この給与支払い報告書についても出していただくことになっております。
小堤委員
 それは、例えばこの専従者の給料が、その仕事の給料以外にほかに何かの収入があって、その分をこの給与支払い報告書に出すというんではなくて、青色申告書に出したものも含めて出すということなんですか。
遠藤税務担当課長
 そのようになっております。
小堤委員
 それで、この文章なんですけれども、これを見ますと、やはり区の誤りが明確なんですね。ところが、この文章の中で「区の賠償責任は免れないものとして判断した。」と、「判断」という言葉がついているんですよね。区の誤りが明確だったら「免れない。」というので文章が終わるんじゃないですか。
橋本総務担当参事
 こうした事案につきましては、慎重を期すために、庁内で争訟事務会議を開きまして、そこで検討をし、その検討の結果としてこういう判断をしたということで、そうしたことを踏まえた上で、こういう記述にしてございます。
小堤委員
 それで、この誤りは平成12年度ですね。ところが、平成17年度に先方の方の指摘でわかったということなんですけれども、この間の平成13年度から16年度というのは、どのような申告だったんですか。
遠藤税務担当課長
 専従者の課税については、確定申告書と給与支払い報告書をもとに課税しておりまして、その間の課税状況について点検し、若干の税額の誤りがありましたので、それらについても更正はしております。
小堤委員
 それで、この平成12年度の分は、いわゆる遅延損害金というのは平成17年7月1日以降に賠償額として払うわけなんですけれども、例えばこのことが発生した平成12年度から、この平成17年6月30日ですか、この以前の分の遅延損害金というのはどうなるんですか。
遠藤税務担当課長
 これにつきましては、5年間の時効というものがございますので、その時効になっていなかったという場合であれば、地方税法上の処理で、還付金と還付加算金という処理ができたということになってございます。損害といたしましては、昨年の7月1日以降に損害が発生したというふうに考えております。
小堤委員
 それと、なぜ誤って合算したのかということなんですけれども、課税事務が忙しい時期だと思うんですけれども、このときというのは、いわゆる正規の職員以外にアルバイトとかそういう方がこういうのに対応したということがあるんですか。
遠藤税務担当課長
 こういった事務につきましては、正規職員で処理しております。これは先ほど申しましたように、確定申告書に記載されている給与額と給与支払い報告書に記載されている給与額、これをコンピュータ上は合算いたします。合算したものについてチェックカードを出しまして、合算が正しいかどうかというものを職員が判断をしているということでございます。この場合につきましては、確定申告書と給与支払報告書、両方を確認して、それでその合算が正しいものかどうかというものをチェックしているわけでございますけれども、このケースについてはそれを見落としてしまったというミスでございます。
小堤委員
 今後の対応として2点書かれてありますけれども、これを実行することによって、こういう事故は起きないというふうに認識してよろしいんですね。
遠藤税務担当課長
 そのように考えておりますので、今後ミスのないようにしっかりと事務処理していきたいというふうに考えております。
斉藤(金)委員
 ちょっと不思議なのは、この人だけがこういう申告をしていたのか。もっといっぱい中野区民でいるのか。
遠藤税務担当課長
 青色専従者の方は大勢いらっしゃいます。基本的には確定申告書の金額と給与支払い報告書の金額というのは一致しているのが例なんですけれども、このケースについては、若干金額が違っていたと。金額が違っていると、コンピュータ上は同一の給与とは判断せずに合算してしまう。それを職員の目ではじいていたというのが現実でありまして、その後、点検いたしましたけれども、このような例はございません。
斉藤(金)委員
 「ません」ならいいんだけど、それでコンピュータも間違っていたし、職員も5年も6年も間違えちゃったと。
遠藤税務担当課長
 課税資料の記載内容がそのような形で若干の金額的な誤差があったということで、この方についてはその処理というのがいずれも若干違っていたということでございます。
斉藤(金)委員
 だから、若干違うといっても、毎年間違えちゃっていたんですと。コンピュータも、職員も。そういう理解でいいのかと聞いている。
遠藤税務担当課長
 コンピュータの方は、金額が違えば自動的に合算するという処理になっておりますので、そのような処理をしていたということです。それにつきまして、職員の目で確実にそれをチェックしていかなければならなかったものが、誤っていたということでございます。
斉藤(金)委員
 何年も同じことを過ちをしていたと、そういうことなんでしょう。だから、自分の目よりコンピュータの方を信じていたんだ。自分は信じていなかった。そういう職員が、かわっても何でも5年もやっていちゃったんだと、そういうことなんじゃないのか。
遠藤税務担当課長
 ちょっと私の説明に舌足らずのことがあって申しわけございませんけれども、課税額として誤っていたのが、12年度と17年度ということでございます。13年度以降につきましては、本来その方が実際に受け取っていた給与額で課税しなければならなかったところを、この確定申告書と給与支払い報告書に若干の誤差があったということですけれども、本来の給与額ではない金額で課税をしたと。実際に受け取っていたのが給与支払い報告書に記載されていた金額ということが後ほど判明しましたので、それに基づいて課税し直したと。一般的には確定申告書の金額で処理をするのが一般的なんですけれども、この方の場合については、給与支払い報告書の金額が正規に受け取っていた金額というのが判明しましたので、その点の更正をしたということでございます。
斉藤(金)委員
 もうこれでよすけど、普通だと、住民税だって、こんなに何でふえちゃったんだろうと、私なんか単純に思うんですよ。この人も思わなかった。かける方も思わなかった。すごいねと思っちゃうんだよな。大概は、前年度から比べて随分ふえたねとか、減ったねと、課税する方でもわかるんじゃないのか。だから、やっぱりこういうのはあまり好ましくないと思うよ。ずっとかと思っていたから、コンピュータも間違えていて、人も間違えていたのかなと思ったけど、その12年と17年だけ間違えるというのは、非常に上手に間違えちゃったというか、何というか。相手方も17年度になったから、あれなんだろうけど、少しそういうのはやっぱり気をつけて見ないといけないんじゃないのか。
遠藤税務担当課長
 委員おっしゃるとおりで、こういうミスに気づかずに処理してしまったというのは、大変申しわけなく思っております。この件につきましては、この方が通知書が届くとすぐ納税していただいていたということで、その税額の多寡については気をとめずに、区が通知したとおりに納めていただいていたということでございますので、大変申しわけなく思っております。また、こういう税額がはっきり違うものについては、慎重に再度点検して処理をするというようなことをやっていきたいというふうに思っております。
斉藤(金)委員
 はい、わかりました。
佐伯委員
 すみません。ちょっと会派で話題になったものですから、お聞きしたいんですけど、この遅延損害額、年5%というのは何か根拠はあるんですか。
遠藤税務担当課長
 これは民法上に損害賠償額の遅延損害金として5%という規定がございます。
佐伯委員
 例えば区民の方が税金を払わなくて延滞しちゃった場合の延滞金は、もっと大きいですよね。それと比べたときに、ちょっと不公平--まあ法律で決まっているんならしようがないですけれども、ちょっとこれは不公平じゃないかという議論が出たので、それだけ意見として言っておきます。

〔「休憩してください」と呼ぶ者あり〕

委員長
 委員会を暫時休憩いたします。

(午後1時42分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後1時58分)

 他に質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後1時58分)

委員長
 それでは、委員会を再開いたします。

(午後1時59分)

 他に質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 質疑がなければ、質疑を終結します。
 意見の開陳を行います。意見はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、意見の開陳を終結します。
 次に、討論を行います。討論はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、討論を終結します。
 これより本件について採決を行います。
 お諮りいたします。
 第66号議案、和解及び損害賠償額の決定についてを原案どおり可決すべきものと決することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように決します。
 以上で第66号議案の審査を終了いたします。
 続きまして、第70号議案、清掃車の買入れについてを議題に供します。
 理事者の補足説明を求めます。
篠原財務担当課長
 それでは、第70号議案、清掃車の買入れにつきまして、補足説明をさせていただきます。
 お手元に配付の資料(資料5)をごらんいただきたいと思います。本議案につきましても、議会の議決に付すべき契約案件、2,000万円以上の動産の買い入れといたしまして、今回提案をさせていただいたものでございます。
 件名は、清掃車の買い入れでございまして、LPGガスを燃料といたします小型プレス車を3台購入するものでございます。
 なお、区はこれまでCNG車を毎年購入してまいりました。しかしながら、最近の新潟県中越地震、それから大雨の災害のときに、被災地に東京二十三区清掃一部事務組合から清掃車の派遣をお願いしたいといったようなことがございます。その際、こういったCNG車でありますと、走行の距離が短い。それから、そういったCNGのスタンドが、例えば新潟ではないといったようなことがございまして、今回3台はCNGではなくて、LPGのガスを燃料とするものを買うものでございます。
 納期につきましては、ここにございますように、本年の12月9日まででございます。
 契約金額につきましては、1,870万7,370円でございまして、本体価格につきましては、1,740万円でございます。したがいまして、1台当たりの単価は580万円となってございます。
 契約者でございますが、東京日野自動車株式会社板橋支店でございます。
 契約の方法につきましては、指名競争入札によるものでございます。
 入札経過でございますが、入札年月日につきましては、本年6月16日。この表にございますように、8社に対しまして入札を行いました結果、東京日野自動車が落札したものでございます。
 契約者の営業概要につきましては、6の表にお示しをしたとおりでございます。
 以上でございますが、よろしく御審議の上、御賛同いただきますようお願いを申し上げます。
委員長
 質疑はありませんか。
佐伯委員
 ちょっと参考までにお聞きしたいんですけれども、こういうものの入札をしてもらうときというのは、車の仕様というのかな。例えばこれ、トヨタもあれば日野もあるじゃないですか。もともと車というのは同じ高級車でも、クラウンとセドリックじゃ、もともとの価格が全然違うわけじゃないですか。そういうこともあって、これだけの金額の差が出ているんだろうと思うんですけれども、仕様とか使いやすさとかいろんな機能とか、そういったものも吟味した上で入札にかけるのか。ただ金額だけでかけるのか。そのあたりちょっと教えてください。
篠原財務担当課長
 これは仕様書でその辺の取り決めをしてございまして、例えば小型プレス車であれば、圧縮板式の4立方のLPGごみ収集車ということになります。その中で車種につきましては、各メーカーのこれに該当する車種、例えば日野であれば、デュトロのLD-BZU300Xというような車種、これと同等以上のものと。また、トヨタであれば、ダイナ、トヨエース、それと同等なもの以上といったようなことで、それぞれのメーカーの車種を特定いたしまして、それに同等品以上のものを入札価格として入れなさいというような指示をしてございます。
佐伯委員
 そうすると、仕様を指定したとして、燃費とかそういったものも視野に入れて、条件を出したりもするんですか。
篠原財務担当課長
 燃費につきましては、そういった指定はしてございません。あと指定していますのは、架装品ですね。例えば後ろにつけます、ごみを入れる部分のものとか。あとは車幅とか、車の長さ、それがプラスマイナス5センチ以内とか、幅でしたら3センチ以内とか、そういったような指定はしております。
長沢委員
 この3台というのは、要するに純粋にふやすものなのか。3台もう使えなくなるというか、廃車なり、廃車じゃなくて何か別な処理の仕方をするのかわかりませんけど、それでこの3台を買いかえるのか。それが1点。それを先にお答えください。
篠原財務担当課長
 清掃車につきましては、今回買いかえでございます。使用年数が6年に達し、かつ走行距離が15万キロを超えているものということで、今回その3台を買いかえるものでございます。
長沢委員
 次に聞こうと思ったのを、今、言っていただいたので、6年と15万キロですね。これは先ほどちょっと御説明にあったCNG車においても、同じ考えなんですか。今度買われるのはLPG仕様ということであれですけれども、それは同じなんですか。あと小型とか、またそうじゃないのとか、大きさも幾つかあったかなと思うんですけれども、この辺は一律6年とか15万キロということでいいんですか。
篠原財務担当課長
 区が保有いたします清掃車は23台ございまして、これについてはすべて小型プレス車となってございます。これにつきましては、CNG、軽油、LPGとありますが、これは東京都の財調算定の基準がございまして、6年、15万キロ。それで買いかえを行うようにというようなことで行っておるものでございます。
委員長
 よろしいですか。他に質疑はありませんか。
 委員会を暫時休憩いたします。

(午後2時06分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後2時09分)

 他に質疑はありませんか。よろしいですか。

〔「はい」と呼ぶ者あり〕

委員長
 質疑がなければ、取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後2時09分)

委員長
 それでは、委員会を再開いたします。

(午後2時10分)

 質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、質疑を終結します。
 次に、意見の開陳を行います。意見はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、意見の開陳を終結します。
 次に、討論を行います。討論はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、討論を終結します。
 これより本件について採決を行います。
 お諮りします。
 第70号議案、清掃車の買入れについてを原案どおり可決すべきものと決することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように決します。
 以上で第70号議案の審査を終了いたします。
 議案の審査を終了いたします。
 次に、所管事項の報告を求めたいと思います。
 1番、区民公益活動の推進・支援についての報告を求めます。
川崎政策担当課長
 それでは、区民公益活動の推進・支援について、御報告を申し上げます。(資料6)
 本件は、助成制度の再構築で、基金からの助成の実施、業務委託の提案制度の実施、大きく分けて三つの項目でございますが、相互に関連をしますので、区民公益活動の推進・支援ということで報告をさせていただきます。
 初めに、1番の助成制度の再構築ですが、これは別紙1をごらんいただきたいと思います。
 本件につきましては、4月の総務委員会で区民公益活動推進条例ができたことに伴い、区が行っております現行の助成制度について再構築を図りたいと御報告を申し上げた件につきまして、基本的な枠組みが案としてまとまりましたので、御報告をするものでございます。
 2番目の助成の基本原則、これは条例の施行規則で既に示しているものでございますが、マル1の事業が公益性を有することに始まりまして7項目、これは施行規則で掲げている内容でございます。
 3番目に、条例第8条2項の規定に基づく助成ということで、これは区民公益活動の特徴を生かしつつ、区の政策目的の実現に貢献する活動の推進を図り、区民みずからまちづくりに取り組むまちを目指すということで、ここでは「政策助成」というふうに名付けております。対象となる団体の要件でございますが、区民の皆さんが自主的に組織をする非営利の団体であること。主な事務所、連絡場所が区内にあること。次のページに行きまして、規約、会員名簿を有すること。希望者が任意に加入・脱退ができるというようなこと。そして、区民公益活動の実績は1年以上あって、継続的、計画的に活動を行っている。このような団体を対象として考えたいということでございます。
 (3)の対象となる活動領域と活動、これが今回の見直しの一番中心となる部分でございます。これまで区としましては、町会・自治会や青少年の健全育成など、区民の皆さんの活動に対して個々、別々の要綱などで助成を定めておりました。今回、全体を見渡しまして、助成の目的をより明確にして、助成基準でありますとか手続を統一したいということで考えているものでございます。
 その下にマル1からマル9まで、各活動の領域とその内容があります。1番、地域を住民自身で支える活動ということでは、住民自身で地域を支え、実りある活動を展開することを目標とするということで、具体的には町会・自治会の活動とか、高齢者の社会参加の支援、こういったものを想定しております。
 具体的には5ページの一覧表をごらんいただきたいと思います。今、ごらんいただいた九つの活動領域、この九つの活動領域といいますのは、区民の皆さんがさまざま現在活動している領域、これを整理したものでございます。助成対象とする活動メニューというものについては、具体的にどんな活動をこの領域の補助対象とするかということでございます。一番上「地縁団体として」というところは、これは町会・自治会に対する活動助成ということで、以下、具体的な項目があるところについては、現在具体的な助成を行っている、また今後も行いたいと考えているもの、あるいはこのように再整理をする中で、新たに項目として加えてみたいというようなものでございます。
 資料を戻っていただきまして、3ページでございます。(4)で助成対象経費、これについては講師への謝礼金ですとか交通費など、それぞれの対象経費をすべての助成について統一的に定めていきたいということでございます。そして、6番で施設使用料ということで、活動の実施、行事の開催等に伴う施設使用料ということでございます。これはこれまでも助成の対象となってきておりますけれども、今回、後ほど財務担当の方から御報告申し上げます使用料の見直しに伴いまして、減免制度が廃止をされます。これに伴いまして、従来減免を受けていたので、助成申請をしなかったという活動についても、この施設使用料の助成申請という形で申請をしていただくということになります。
 5番で、助成率、助成限度額、別表のとおりとするということで、4ページにあるんですが、実はここのところで具体的な助成率、助成限度額--助成率というのは、その対象経費の何分の1を助成するか、それと上限をどのくらいにするかということについては、もう少し検討の上、具体的な数値を示していきたいというふうに考えています。
 3ページに戻っていただきまして、4番、5番、6番と、交付手続でありますとか、実績報告、意見聴取、これらの内容につきましては、条例施行規則で定めておりまして、既に当委員会で御説明を申し上げておりますので、省略をさせていただきたいというふうに思います。
 以上が今回改めて助成制度を再構築してみようということで、案でございます。
 4ページのところで今後のスケジュールということでございますが、7月16日発行の区報で概要を載せまして、7月22日から3日間にわたりまして、使用料の見直しとあわせまして、区民の皆さんに御説明をし、意見をいただいていきたいと思っております。また、公益活動推進協議会の意見も聴取の上、最終的に案を固め、議会へ御報告をしていきたいというふうに考えております。
 次に、2番目、別紙2をごらんいただきたいと思います。これは公益活動推進基金からの助成の実施ということでございます。
 基本的なことについては規則で定めておりまして、内容につきましても4月の総務委員会で既に報告をしている内容でございますので、説明は一部省略をさせていただきますが、対象とする事業ということでは、これも条例で定めています、自発的に行われる不特定多数の者の利益の増進に寄与するものということでございます。そのほか、マル4までということで考えております。
 3番目で、助成額・補助率・対象となる経費でございますが、助成額としては、上限を30万円ということでございます。今年度につきましては、予算で200万円ということになっておりますので、これを予定しているということです。なお、上限の30万円につきましては、寄附者の意向がある場合には、別途これを超えることができるというようなことを定める予定でございますが、これは今年度の実施ということで、寄附については来年度以降ということで、ここでは上限30万という記述にとどめてございます。補助率は対象事業の3分の2ということです。
 対象となる経費、応募できる団体の基準というのは、先ほどごらんいただいたものと同じですので、省略をさせていただきまして、5番の応募から実施までの流れ、これにつきましても、既にこの図をもとに、4月の総務委員会で御説明を申し上げています。今年度につきましては、7月に募集をかけまして、7月から8月申請受け付け、9月に審査。これにつきましては、書類審査とプレゼンテーション、具体的に提案内容を説明していただきながら、内容を審査するというようなことを考えております。これにつきましても、推進協議会の審査を受けて、区が決定をして、助成を行うというものでございます。
 6番で、審査と助成の決定ということでございますが、審査基準につきましては、これは推進協議会の意見を聞いて定めるということで、せんだって推進協議会に意見を求めまして、下にあります6項目、区民生活への貢献性、先駆性・創造性に始まりまして、6項目について基準として設けて、審査をしていこうということになっております。
 3ページですけれども、審査結果の公表、事業実績の公表、区の調査、これらにつきましても、既に規則で定めてある内容でございます。
 10番で今後のスケジュールでございますが、区報等で公募をかけまして、8月の半ばまで募集。そして、この間助成を希望する団体への事業説明などもしていきたいというふうに思っております。その後の日程につきましては、先ほど図でごらんいただいたような形で進めていきたいと思っております。
 次に、三つ目の業務委託の提案制度の実施でございます。これにつきましては、規則で業務委託の提案を受けることができるということに定めておりまして、具体的な内容については、本日初めてお示しをするものでございます。趣旨といたしましては、団体の先駆性や機動性、地域性など、そういった特徴を生かして、これまでにない新たな公共サービスを区民に提供していきたいということでございます。
 対象とする業務といたしましては、区が現在行っている業務に加えまして、今後区として行うことが適当と考えられる、新しい業務についての御提案をいただきたいというふうに思っています。
 応募できる団体の基準については、基本的に助成の考え方と同じでございます。
 2ページに参りまして、応募から実施までの流れでございますが、これも先ほどの助成の流れと同じようにお示しをしています。7月に募集。7月から8月に内容の検討とありますが、今回具体的な事業提案、区の事業として行うことを提案していただきますので、まず所管部がその事業内容が果たして委託になじむか、なじまないかということを検討した上で、公益活動推進協議会に対し意見を求めます。その意見をもとに、最終的に区として委託内容とすべきということになりますと、さらに詳細な計画立案をいたしまして、予算に盛り込み、区議会の予算の御審議を経て、予算が確定ということになりますと、翌年4月以降の実施ということになります。
 5番で審査基準、別表1のとおりとありますけれども、これは所管部がその事業が果たして区民団体の委託になじむかどうかということを判断する際の審査項目、視点ということです。まず委託ができるかどうかということで、規制・指導など、区が直接行うような業務については当然外すということでございます。そのほか、そこに掲げてある内容について委託ができるかどうか。
 2番目は、委託の効果として、実際にその業務が区民生活の豊かさの向上に貢献するかどうか。費用対効果としてどうかというようなことを見ていきたいと思います。
 最後に、団体の業務の遂行能力ということで、提案はいいけれども、具体的にそれが実際にできるのか。その団体にお任せしてできるのかどうかというようなところについても、厳しく見ていきたいというふうに考えています。
 2ページに戻っていきまして、採用業務の取り扱いですけれども、上の図にありますように、具体的に委託に向けて考えようということになりますと、内容について詳細な詰めを行っていくということです。
 実績の評価ということでは、実施した業務について評価を実施すると。情報公開ということでは、業務の内容ですとか応募状況、そういったものについて公開をしていきたいというふうに考えております。
 3ページの上段でございますが、今後のスケジュールということで、先ほどの助成の募集とほぼ同じスケジュール、先ほど図で見ていただいたような形で進めていきたいというふうに考えております。
 以上、簡単ではございますが、今年度新たに始めます公益活動の支援の仕組み、そして助成制度の再構築の現在の検討状況ということで御報告を申し上げます。
委員長
 ただいまの報告に対して質疑はありませんか。
小堤委員
 最初の区民公益活動に関する助成制度の再構築について(案)なんですけれども、まずお聞きしたいのはこの4ページなんです。この助成率、助成限度額は検討中ということなんですけれども、この助成率、助成限度額というのは、対象経費によって違うんですか。
川崎政策担当課長
 対象経費ごと、例えば講師謝礼であれば何万円、交通費であれば何万円というようなことで、限度額を設けることと、あとその助成率につきましても、それぞれの何分の1にするかということを検討の上、お示しをしていきたいというふうに考えています。
小堤委員
 今、講師の謝礼についてお答えになりましたけれども、この講師の謝礼の中にもランクというのはあるんですか。
川崎政策担当課長
 その点も含めて、検討を加えたいというふうに思っております。
小堤委員
 もう一つ、これは2ページの方なんですけれども、一番上に「規約及び会員名簿を有すること」とありますけれども、会員名簿のときに、人数、会員数というのは何人いらっしゃるのかと、そういうことは問題になるんですか。
川崎政策担当課長
 人数については、制限といいますか、規定は設けておりません。団体ということでありますので、二人以上ということになろうかと思います。
長沢委員
 すみません。ちょっと使用料のところでまたお聞きできればあれなんですけれども。別紙1の2ページの(3)の対象となる活動領域と活動というのがありますね。使用料のところと関係しちゃうところかもしれないんですけど、結局ここで言っている、対象となる活動ということでこういうふうにしているわけだけれども、例えば使用料で、今度、見直しで施設使用料の減免をなくすという話があるじゃないですか。減免のときというのは、例えばこういう活動をしているからということで、減額なり免除というのがあったと思うんですよね。必ずしもその団体が、今度こっちの助成の方を申請するかどうかというのは、その団体の判断にもあるのかもしれないけれども、お金がかかるんだったら、やっぱりこっちの方で申請をしましょうとなりますよね。そういった場合、もちろん決めるのはその審議会のところで、結局決定はするのかもしれませんけど、その際の一応考え方としては、ここに書かれている9項目が、一つの活動として--その前に(2)のところで、これが全部満たされていなければならないというのが、もちろんあるんだけれども、それは全部満たした上でね--対象となる活動領域と活動自身はここに合致しないとなりませんよという、そういう理解でいいんですか。
川崎政策担当課長
 そのとおりでございます。
委員長
 よろしいですか。

〔「進行」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、以上で本報告については終了いたします。
 次に、2番、株式会社まちづくり中野21の経営状況についての報告を求めます。
川崎政策担当課長
 それでは、中野区が出資をしております中野サンプラザの所有会社であります株式会社まちづくり中野21の経営状況について御報告を申し上げます。
 お手元に第2期報告書と第3期予算書、そして本日席上で、第1期と第2期の貸借対照表と予算書を見比べる形でコピーしたものをお配りしておりますので、これは御参考までに御参照いただければというふうに思います。(資料7)
 本件は、議会の議決すべき事件等に関する条例第2条に基づきまして、今定例会に御報告するものでございます。
 初めに、第2期報告書について御説明を申し上げます。
 まず、ページを開いていただきまして、1ページから5ページまでが営業報告書となっております。株式会社まちづくり中野21は、運営会社である株式会社中野サンプラザに建物を定期貸借を行っているわけですが、第2期の賃料収入、中ほどにあります、建物賃料収入により5億4,000万円となっているということでございます。これはその下に書いてありますように、固定賃料4億5,600万円のほかに、歩合賃料8,400万円、これを加えたものとなっておりまして、純利益は、後ほどごらんいただきますが、7,500万円ということになっております。
 ページをめくっていただきまして、2ページのところでは、営業成績及び財産状況の推移ということで、売上高のところを見ていただいても、大きく数字に違いがございますが、これは第1期が9月から3月まで。第2期は、今回初めて1年を通しての営業となったもの。その結果がこの数字の差となってあらわれております。その2期の具体的な内容については、後ほどの別の資料で御説明を申し上げたいというふうに思っています。
 2の会社の概況以下、株式の保有数などを書いておりますけれども、これらについては第1期と変更がございませんので、説明は省略をさせていただきたいと思います。
 4ページの主要な借入先のところに、それぞれの借入額が記載をしておりますけれども、一番上の都市再生プライベート・メザニン・ファンドからの借入額、これについては返済が進みまして、10億5,600万円ということで、前期に比べて2億8,000万円ほど少なくなっております。
 続きまして、5ページの貸借対照表、これは御存じのように資金の調達と運用状況、つまり企業の財政状況を示すものということでごらんをいただきたいと思いますが、初めに資産の部でございます。初めに流動資産というのがありますが、これは1年以内に現金化可能というようなことで、総額6億9,000万円ほどになっています。その下にあります固定資産、これは1年を越えて活用する資産ということで、土地建物など、総額55億9,000万円ほどの額となっております。
 右の欄に行きまして、これは負債の部でございますが、負債合計額は全部で34億6,500万円となっております。流動負債、これも1年以内に支払うべきものということで、長期借入金の返済金をはじめ、そこに書いてあるような額というふうになっております。固定負債の部といたしましては、長期借入金などの額が31億6,800万円ということで掲載をしております。下の資本の欄につきましては、昨年度と変わってございません。負債及び資本の合計額が62億8,225万4,000円ということで、左側の資産合計と一致をするということでございます。
 次に、6ページの損益計算書をごらんいただきたいと思います。これは収益と費用及び利益、1年の経営成績を示したものということで、初めに営業の収益でございますが、5億4,070万円ということでございまして、先ほど申し上げました固定賃料と歩合賃料を合わせたものでございます。ここから減価償却費でありますとか税金を引いた当期利益、これにつきましては、一番下にございます7,525万3,000円という、この額が今期の利益として計上をされております。
 この利益をどのように処分をするかという内容が、9ページでございます。利益処分ということで、当期末、今ごらんいただいた当期の利益につきまして、これは定款の規定によりまして、A種優先株へ優先的に配当するということで、今期につきましては、全額A種の優先株の配当ということでございます。定款上でいいますと、A種の出資額15億円に対して9%に相当する額までは、A種優先株に優先して配当を行うという、その規定に基づいたものでございます。
 以上が第2期の決算書の概要でございます。
 次に、第3期の予算書をごらんいただきたいと思います。
 まず、営業収益については、これについても賃料収入のみでございますが、5億400万円ほどを見込み、利益、一番下にございますが、4,800万円ほどを見込んでいます。第2期の営業実績を踏まえまして、第2期の予算額に比べて、第3期は3,000万円ほど賃料収入を増額して計上しております。
 以上2点をもちまして、株式会社まちづくり中野21の経営状況の報告とさせていただきます。
委員長
 ただいまの報告に対して質疑はありませんか。
長沢委員
 ちょっと忘れちゃっているところもあるので、教えていただきたい。9ページの利益処分--第2期の報告書の方です。第1期の、要するに17年度といっていいのかな、17年の3月31日までのは、前に御報告いただいたときのは、結局当期の利益が出て、それをA種から優先的にやっていったと思うんですね。何%、何%と、たしかあったと思いますよね。今回は、これは結局A種だけの優先の配当だけで終えて、要するにB、Cとか、そっちには行かなかったと。要するにそういう理解でいいんですか。
川崎政策担当課長
 そのとおりでございます。前期、第1期につきましては、このA種優先株の出資、これは日割りでやった場合に額が少なかったために、他の株式に対する配当が生じましたが、定款の定めによりまして、9%、1年間ということになりますと、この全額がA種優先株の方に優先配当となったものでございます。
長沢委員
 あと、これと全く別な件です。せっかくサンプラザのというか、このまちづくり中野21のお話になったんですけれども、ずっと私どもが伺っている、いわゆる区としての第三セクターに及ぼす監査のことについて、この辺についてもあれ以降何も報告もないわけですけれども、どのようになっているのかというのを伺いたいんですが、いかがですか。
川崎政策担当課長
 このことにつきましては、昨年の9月の折にも御質問を受け、現在の法の枠組みの中ではできなくて、何か手だてができないか。国の制度改正というようなことの動きも期待しつつ、検討を進めたいということでお答えをしておりますが、現時点ではまだ自治法にかわる監査の仕組みということについては、具体的な案ができておりません。
長沢委員
 今のところ、そういう関係では何ら影響がないというんでしょうか、きているというふうに理解していいのか。結局、今回の定例会の一般質問の中でも、区長の御答弁の中で、今後どうするかというところは、これはこれまでも言われた2012年、平成24年でしたっけ。あと6年後でしたっけ。そのところで何かありましたよね、そういう検討していく場をつくってというお話でしたけれども。いずれにしても、ずっとこのままの状態でいいわけじゃないとは思っているんですが、どこかの時点で、それはいずれにしても、国の方とも相談をされているのかもしれないですけど、何らか対応していかなければならないと思うんですけれども、その辺はどうされるんですか。
川崎政策担当課長
 対応と、具体的にこの事業について、所有会社についての会計の状況を的確に把握をしてということでございます。一つには、このまちづくり21が、会社法で言いますなら大会社ということで、外部監査、会計監査人の監査も受けるということで、会計については一定の監視ができるというふうに思っておりますが、いずれにせよ自治法で行い得た区としての監査ができないということでございますので、これについて今、具体的にこの先どういうふうに、いつ、どこまでに結論を出すのかというのは、大変申しわけなく、お答えできない段階でございますが、引き続き検討させていただくということで御了解いただきたいと思います。
長沢委員
 関連で、同じことなんですが、今、そういう事態なので、そういう意味ではまだこの先もどうなるかというところなんですけれども、じゃあそういう中で特に区として、実際にメンバーとしては助役が行かれているわけですけれども、もちろんそういう意味では忙しい中でというか、兼務であるので、そんなかかわりとしたって頻繁にというふうにもいかないと思っていますけど、その辺で区としての監査が及ばないというので、そういう中で特段何か手だてを打っているとか、打たなければならないとか、その辺はいかがなんでしょうかね。
川崎政策担当課長
 所有会社の運営状況につきましては、その運営会社のことも含めまして、月1回の取締役会で、助役が取締役として出席をして、その経営状況については把握をしているということでございます。
 また、会計の取り扱いにつきましては、先ほど申し上げましたように、外部の会計監査人によりまして、これは監査法人による監査ということでございますが、そういったものの仕組みも取り入れられているということを通じまして、しっかり見ていきたいというふうに考えています。
佐伯委員
 そんなに質問はしません。先ほど長沢委員から話がありました、A種にしか配当が行かなかったのかということ、これA種には毎年1億3,500万ずつ払わなきゃいけないわけですよね。9%ですから。昨年とことしと合わせても、まだ1億ぐらいしかA種優先株の方には配当が出ていないということで、その後、残余財産の処分ということになったときの見通しというんでしょうか、お聞きしたいんですけれども、恐らくこれは1億3,500万を払うには、相当な売り上げがなければ、これは払っていけないと思うので、どんどん残余財産の処分のときまで積み重なっていっちゃうんじゃないかなと思うんです。その後、B種優先株、C種優先株とあるわけですけれども、今のところのこの出てきている数字から見て、10年後残余財産の分配をしたときの区としての見通し、区がどのくらい取れるだろうかとか、そういう見通しというのは立てていらっしゃいますか。
川崎政策担当課長
 10年後、出口のところでどうかということにつきましては、さきの委員会で、こういった歩合賃料がほとんど発生しない中でどうかということで、出資額の1.5倍程度という額をお示ししたことがあるかと思うんですけれども、歩合賃料が発生をしない中では、なかなか今、委員がおっしゃったように、1億3,500万というのが、毎年毎年の配当ということができず、それが累積をしていくということになりますが、そのぎりぎり歩合賃料が発生しない中でも、10年間の営業が、この事業全体が破綻しない、そういう仕組みをとっておりますので、先ほど申し上げた出口での数字というものは間違いないのであろうというふうに考えております。
奥田委員
 予算と決算の比較でお伺いしたいんですけれども、第2期の報告書の損益計算書で、営業収益のところで売り上げが5億4,000万という形で出ていますね。それに対して、第3期の予算の売り上げの見積もりが5億ということで、かなり1割ほど消極的なというか、見積もりを立てていらっしゃるんですけれども、これは賃料の見込みが、具体的に来期ネガティブというか、見込みが立たないような状況が何か見えているんですか。
川崎政策担当課長
 この歩合賃料というのは、株式会社中野サンプラザ、運営会社の方の利益がどう上がるかによって増減をするわけなんですけれども、そういった意味では、サンプラザ側の営業環境ということもございます。日本閣が通年営業を始めているというようなことなど、近隣のことも含めて、営業的な観点からということと、あともう一つは、実際に決算額で出た額との比較で、今、副委員長がおっしゃられましたけれども、決算額をそのまままた予算に盛り込むということは、なかなか難しいということで、一定のリスクを踏まえた収入ということでございます。
奥田委員
 そのまま盛り込むのは当然おかしいんですけれども、ふやすか減らすかというのは、今後の見通しを考えて、ふやすなり減らすなりということだと思うんですね。日本閣が営業を再開されるというのを要因ということでおっしゃっていただいたので、そのことを区が判断するということではないと思いますので、そのことについて中野区側から、なぜこういう形で--行政の予算書ではないわけですから、もう少し見通しを具体的に示していただいたものを、区として把握していただきたいというのが一つ。
 それから、もう一つは、やはり大きな借金がこの会社にはあるわけです。それが健全経営をしていくという上では、非常に心配な要素であるわけで、見ていますと、緩やかに減っているという状況でありますから、これがどういった見通しになっていくのかというところが、非常に関心としてはあります。もし可能であれば、現金収支といいますか、キャッシュフローの出入りがそれぞれの項目でどう出ているのか。具体的にはキャッシュフローの計算書がついてくればいいのかなと思っているんですけれども、キャッシュフローの計算書がつけられるんであれば、つけていただきたいのと、今後のこの負債の--借金ですね--返済の計画がどうなっていくのかというのを把握されていれば、教えてください。
川崎政策担当課長
 まず、前段の経営状況の把握については、これからもしっかり見ていきたいと思っております。
 後段のキャッシュフロー、全体の計画でございますが、これについてはさきに経営計画ということで10カ年の見通しというのをお示ししているかと思うんですけれども、その中では具体的に返済、ローンについては、劣後ローンについては元本も含めて、シニアローンについては利息の返済ということが、一番ぎりぎりの経営状況の中ではそうだろうと。それが今後利益がどのように上がっていくのかということにつきましては、なかなかこれからの経済状況の見通しも含めた上での利益推計ということでございまして、なかなか難しいと思いますけれども、それが可能かどうかは研究をしてみたいと思います。
委員長
 他に質疑はありませんか。よろしいですか。
 なければ、本報告について終了いたします。
 委員会を暫時休憩いたします。

(午後2時49分)

委員長
 それでは、委員会を再開いたします。

(午後3時17分)

 引き続いて、所管事項の報告を求めます。
 3番、平成17年度中野区区政情報の公開に関する条例の運営状況の報告についての報告を求めます。
橋本総務担当参事
 それでは、平成17年度中野区区政情報の公開に関する条例の運営状況につきまして、御報告をさせていただきます。
 お手元の資料(資料8)に従って、御報告をさせていただきます。表紙のところに記載のように、本報告は中野区区政情報の公開に関する条例に基づきまして、御報告するものです。
 ページをめくっていただきまして、1ページ、1番といたしまして、公開請求状況及び公開・非公開等決定状況が月別に記してございます。この表の一番右側、計のところをごらんいただきたいと思います。請求件数4,012件。決定の内訳ですけれども、公開が3,214、一部公開が745、このようになってございます。
 2番目が実施機関別の公開請求状況であります。区長部局全体で2,447件、教育委員会が149件。総計の上になりますが、区議会がございます。1,413件。このような公開状況になってございます。
 ページをめくっていただきまして、2ページ、4番で請求情報の内容ということで、やはり一般区政情報が大半を占めてございます。ここにありますように、3,648件。法人等の情報が292件と、このような状況になってございます。
 右側の3ページ、審査会の開催状況ということで、御案内のとおり、情報公開審査会、区長の附属機関ということで設置をされてございます。平成17年度につきましては、12回開催をさせていただきました。審査会での審議事項は、ここにありますとおり、情報公開事務処理状況の報告をしたり、あるいは不服申し立てについての審査、さらに条例第14条に基づく調査要請。条例第14条と申しますのは、実施機関における条例の運用解釈に改善すべき点があると考えたときは、そうした調査を区民が請求をすることができる。この請求を受けての調査ということであります。
 8番目、情報公開事務処理状況、別冊のとおりというふうに記してございます。別冊、お手元にこういう冊子がございますか。A4を横にしたものです。右肩に「別冊-1」「別冊-2」というふうに記してございます。平成17年度は公開請求が多うございました。4,000件を超える内容ということで、このような形で整理をさせていただきました。
 9番目、不服申し立ての処理状況。先ほど審査会のところで触れましたが、不服申し立ての審査につきましては、情報公開審査会で審議をいたします。状況といたしましては、審査事案が12件、うち5件につきましては、17年度中に答申が出てございます。答申につきましては、(1)から(5)までが答申が出たもので、いずれも実施機関の決定を支持するということですが、一部、6ページをお開きいただきたいと思いますが、6ページ(4)、請求情報の内容といたしましては、訴訟事件関係文書ということで、具体的に申し上げますと、住基ネットの訴訟に関するものであります。原告の氏名及び住民となった年月日、これについては個人情報の保護のため公開できないと、実施機関は判断いたしましたが、審査会としては、原告の氏名は公開してもいいんではないか。その理由としては、既に新聞等で公表されている、いわば公知の事実であるから、これはいいではないか。ただし、住民となった年月日については、これは実施機関の判断どおりでよろしい。これはその個人の生活情報に当たるから、保護すべき内容だということで、このような決定が下されたところであります。
 隣の(5)なんですが、これにつきましても指定代理人変更関係文書となってございますが、内容は住基ネット訴訟に関するものであります。原告の氏名ということで、左側の(4)と同じ判断基準に従いまして、答申がされたところであります。
 あと、以下8ページ以降につきましては、現在審査会で審査を続行している内容であります。
 以上が平成17年度の区政情報の公開に関する条例の運営状況であります。
委員長
 ただいまの報告に対して質疑はありませんか。
佐伯委員
 多分去年も質問させていただいたかと思うんですけれども、これ件数がふえたというのは、インターネットの請求からですよね。
橋本総務担当参事
 インターネットの申請ができるという、そういったアクセス手段が別途また用意をされたということで、その影響がございます。
佐伯委員
 もうそろそろ本音の議論をしたいと思うんですけれども、これだけ出たら、絶対に各セクションとも、正規の業務に支障が出ていると思います。そういったことをなかなか本音で言ってくれないから、本音で言ってくれれば、議会としても、じゃあどういう対応をつくろうとかできるんですけれども。多分去年は、そういったことはありませんというような答弁がされたと思うんですけれども、実際問題として、これの内容を見たって、何で中野区に江戸川区監査委員の選任についてなんていうのを請求してくるのかとか、八王子市助役及び……。結局こういうのを一つひとつやっぱり各課で取り扱わなきゃいけないわけでしょう。実際に私自身も議会事務局がすごく苦労しているのを目の当たりにしました。だから、本当に本音で、何か対策を考えなきゃいけない時期に来ていると思うんですけれども、いかがでしょうか。
橋本総務担当参事
 御指摘、お尋ねのとおりだと思っております。
佐伯委員
 そうすると、今後の対応として検討されていることというのはありますか。
橋本総務担当参事
 まだ検討自体が成熟してございませんが、例えば制度の運用面からの検討ということで、中野区の個人情報保護制度といいますのは、理由を問わず、請求があれば、個人情報その他障害のないものについては請求にこたえていく、そういう立場に立ってございます。その際に中野区でこれまでの考え方としては、非公開条項というのを持ってございません。これを持つことによって、公開の幅を狭めてしまうという考え方に立っておりました。同時に、運用の仕方としては、これまでの実施機関の判断や審査会の答申、こういったものを積み重ねながら、それを判断基準にしていこうという、いわば裁判でいえば判例積み上げ方式をこれまでとってきました。ここに来まして、やはり非公開の基準、こういったものを条例の中できちんと記していく必要があるんではないかというふうに考えております。
 また、同時に、これにつきましては、原則無料で交付をしております。ただし、写しの交付の請求があった場合については、実費、コピー代をいただいております。ところが、インターネットを通じて請求をされた場合ですが、これは電子的に処理をしますから、コピーという概念がございません。ただし、インターネットを通じて情報を提供する場合にも、事務処理上は一たんその文書をコピーするという作業が必要になってきます。送る前にコピーをして、それでPDF加工というんですか、改ざんされないような形をとって、公印を押して、それでもって送り返すということになってございますので、その辺を勘案しますと、写しの交付で手数料をいただいている方との間での公平感がどうなのかなということも、視点としては持ってございます。
 いま一つ、この制度そのものが平成15年の9月からスタートしているところであります。やはり今の時代、こうしたインターネットを通じての情報請求、あるいはいながらにしてその情報が手に入る。こういう時代なのかなあというふうに思ってございますが、その際にもうちょっとシステムを考え直して、職員が直接手を煩わせないでできるシステム改修ができないだろうか。この辺はまだ模索の段階でありますが、今年度そうした、具体的なシステム設計に至りませんけれども、骨組みというんですか、システム設計の前段としての考え方なり、あるいは構築の骨組みを検討していきたい、そのようなことで、今、その作業は進めてございます。
大内委員
 近隣区の情報公開請求というのは、近隣区はどのぐらい出ているのか。
橋本総務担当参事
 平成17年度で申し上げますと、杉並区が102件、板橋区が440件、豊島区が158件、練馬区が762件。中野区は4,012件です。
大内委員
 それを見る限り、かなり差があるんだけれども、この公開請求されているのが、課が偏っているんだよね、非常に。これは何か理由があるのか。
橋本総務担当参事
 理由につきましては、特定することはできません。
大内委員
 請求している方は、いろんな方から、いろんなところから来ているのか。ある程度特定されるような人から来ているのか。
橋本総務担当参事
 請求者については、特定の方が大量に請求をされております。
大内委員
 最初に言ったけれども、決して条例に基づいて請求している権利を侵すつもりはないけれども、4,012件あるうち、その方はどのぐらい出しているのか。
橋本総務担当参事
 約3,500件です。
大内委員
 ある特定の方から3,500件出て、その人の請求権を侵すつもりはないけれども、その出している内容も、これを見ていると、どの人がどれを出したか、はっきりわからないけれども……休憩にしてください。
委員長
 委員会を暫時休憩いたします。

(午後3時28分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後3時32分)

大内委員
 私もよくわかりませんけれども、4,000件ということで、区の職員の対応、要するに区に満遍なく情報公開の請求が来ているんじゃなくて、かなり課によって偏っている。じゃあ、その課に問題があるのかと。そんなに請求する理由があるのかというふうには、決して私が見ている限り、この条文はというのはとれないんですよね。そうすると、その課の中の本来業務に支障を来さなければいいけれども、支障を来すような形で来られている。決して請求権を侵すものではありませんけれども、やはり何らかしら、本当に言い方は、はっきり言って必要なのかどうかというところ、本当に情報公開をされている方の意思が尊重されるような形に直さないと、よくないんじゃないのかなということなので、至急この対応策については検討していただきたいなと思いますけれども、どうですか。
橋本総務担当参事
 集中した分野では、相当程度業務に支障を来しております。他の請求者とのバランス、公平性、そういったものも含めながら、この問題については、委員御指摘のとおり、我々としてはもう早急に検討し、対応策を講じなければいけないというふうに考えております。
佐藤委員
 情報公開請求の手続を経なくちゃいけないものというのは、そういう制度を使わないと見られないものですよね。普通に見られるものというのは、こういう制度を一々とらなくても見られるはずというか、そういう状況ですよね。別にこういう制度にのっとってもらわなくたって、どうぞごらんになってくださいとやればいいわけですよね。ぱあっと見ていると、別にあえて制度にのっとらないと出しませんよというふうなものじゃなくて、例えば区議会事務局の方がすごく多いんですけれども、例えば委員会の開会通知の、こういういつも私たちがもらっているぺらだとかというふうなものは、別に改めて制度を使って公開しなくちゃいけないというものじゃないし、そういうものというのは、例えば区議会事務局だったら区議会事務局に来れば、いつだってごらんになれますよということで御案内すればいいんじゃないかと思うんですけれども。だから、制度で請求しなくちゃ、その可否の判断ができないものは、じゃあ制度で要求してくださいと。だけど、それ以外のものは全部オープンになっていますよと。いつごらんになりに来たってオーケーですよと。そういうためのファイリングをしておくとか、それか本当に皆さんに提供する必要があるものは、既にホームページ上に、例えば文書登録で、こんな文書がありますとあるわけですよね。そこをクリックすれば見られるようにしておくとかというふうなことの方が、ずっと物事が簡単に進むんじゃないかと思うんですけれども、その辺はいかがなんでしょうか。
橋本総務担当参事
 この情報公開制度というのは、住民の知る権利を保障していくこと。それから同時に、それに対してきちんとこたえなければいけないという行政側の義務。これを法的にきっちり定めたものです。例えば情報公開請求ではなくて、もうちょっと概念を整理したときに、情報公開請求による情報と、情報提供による情報と、それから公表情報と、そういうふうに概念を分けた場合に、ある程度情報提供の幅を広げていく。ホームページその他を利用しながら、そこにアクセスすることによって情報が得られる。改めて情報公開請求をしなくてもいい。そういった概念をきっちりさせて、今、私の方で申し上げました情報公開請求による情報、それから情報提供による情報、それからそういったものよりか、もっともう公表していますよという情報。こういったものの整理がこれから必要なのかなというふうに思っております。
佐藤委員
 こういう4,000件のにこたえていく作業と、それから既にある文書について例えば見ますと、文書の登録の一覧表がありますよね。ああいうところに、もうこんなのはだれが見たってオーケーよというものは見られるようにしていくということと、どちらが簡単でしょうか。というと、多分最初から登録しちゃった方が簡単かなと思うんですけれども、その辺はそういう方向で検討の方がしやすいですか。
橋本総務担当参事
 登録といいますのは、例えばホームページでいつでも見られるように、そこに掲載をするということですね。そうですね。そういう方法は一つ有効だというふうに思っております。例えば請求されている情報の中で、お話の中に例示してありました委員会の開会通知であるとか、行事の開催のお知らせであるとか、そういったものについてはホームページに載せる方法もありますし、そういったものを一つに綴じて、区政資料センターの方に置いておくとか、そういうさまざまな提供の仕方によって、これは情報公開請求の対象となる情報ではなくて、もう既にいつでも見られる情報ですよということで御案内をしていくと。条例上でもそうした情報については、情報公開請求で請求するものではありませんと。そこでは取り扱いませんというふうに規定はされてございます。したがって、情報提供というんですか、それから情報の公表、公開、それをもうちょっと整理をさせていただきたいと思っております。
佐藤委員
 ぜひそのように、もし1件1件請求するごとに有料といっても、またそれに対してのお金のやりとりがかかってきて--いや、私もどうしようかといろいろ考えたんですよね。そうしたら、お金を取るのかといったら、それに対してまた手数がかかってきちゃうということもあるでしょうし、これを見てて、もし一番数が減らせるとしたならば、もう既に出ているものというのは、区政資料室に来ればごらんになれますよとか、それぞれの担当のところに来ればごらんになれますよとか、どうしてもごらんになりたければ、別にこの手続じゃなくても、ファクスで送りますよとかいう感じで、とにかく提供するという情報提供の幅を、先ほどおっしゃったように広げていくという方向での検討をしていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。要望にします。
長沢委員
 休憩していただいていいですか。
委員長
 委員会を暫時休憩します。

(午後3時39分)

委員長
 委員会を再開します。

(午後3時49分)

 他に質疑はありませんか。よろしいですか。

〔「はい」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、本報告について終了いたします。
 続きましても、平成17年度中野区個人情報の保護に関する条例の運営状況の報告についての報告を求めます。
橋本総務担当参事
 平成17年度中野区個人情報の保護に関する条例の運営状況につきまして、御報告をさせていただきます。(資料9)
 本件につきましても、個人情報の保護に関する条例に基づきまして、議会に御報告するものであります。
 ちょっとめくっていただきまして、1ページ、1番のところで「事務の登録の状況」と記されてございます。区が事務を進めるために個人情報を収集しようとするときは、事務の名称及び個人情報の収集目的、内容、収集対象者、利用状況等を登録することが義務付けられている。このための仕組みであります。この事務の登録の状況、表の1をごらんいただきたいと思います。16年度末で1,311件が登録をされました。17年度中に新規、廃止、変更などがありまして、17年度末で1,343件、この事務が登録をされてございます。
 2番目に、目的外の利用と、それから外部提供の状況であります。区が個人情報を収集した目的の範囲を超えて利用すること、または区以外の外部機関に提供することは、原則として禁止されています。ただし、法令の定めのあるとき、本人が同意しているとき、個人情報保護審議会の意見を聞いて、実施機関が必要があると認めた場合については、例外的に目的外の利用または外部提供が認められています。
 ちょっとページをめくっていただきまして、2ページ、目的外の利用及び外部提供の状況ということで、表2をごらんいただきたいと思います。右に年度末の登録ということで、目的外の利用あるいは外部提供ということで登録をしている事務がこのようになってございます。
 3番目、開示等の請求及び請求に対する決定の状況ということで、ここでは原則として何人も区が保管等をしている自己に関する情報について、開示、訂正、削除、目的外利用等の中止の請求をすることができます。その請求の状況なんですが、8ページをちょっとごらんいただきたいんですが、8ページ、表の3です。3の1で、開示請求等の状況及び決定状況ということで、ずっとこのようになってございます。やはり多いのが介護保険の認定調査票あるいは主治医意見書、それから印鑑登録の申請書とか、住民票の写しの交付申請書、そういったものが開示請求の対象になってございます。
 ちょっとページを戻っていただきまして、4番目、電子計算組織への記録項目ということで、電子計算組織による個人情報の処理につきましては、利用を誤りますと、大量の情報が流れてしまうという問題がございます。このため区は、個人情報を電子計算組織に記録するときは、あらかじめ審議会の意見を聞くこととしてございます。表の4にありますとおり、平成17年は19件、登録をしてございます。
 6ページをお開きいただきたいと思います。6ページ、6、その他のところです。(1)で個人情報保護審議会の運営状況ということで、個人情報保護審議会は区長の附属機関として設置をされております。ここでの審議の対象となりますのは、個人情報の目的外利用とか外部提供、外部委託、電子計算組織への記録項目等、そういった問題について審議をすることになっています。あわせて、住民基本台帳ネットワークシステムに係ります本人確認情報の保護に関する条例、こういったものも対象にしながら審議をし、御意見をいただいてございます。
 右側、7ページ(2)、個人情報保護審議会の運営状況ということで、自己に関する個人情報の開示等の請求に対する区の決定についての不服申し立てがあった場合について、審議をいたします。その処理状況でありますが、16ページをごらんいただきたいと思います。16ページ(1)請求に係る個人情報の内容、住民基本台帳ネットワークシステムにおける本人確認情報の外部提供の中止ということで、不服申し立てがされました。(1)から25ページの(10)までは、すべて同趣旨で住基ネットにおける本人確認情報の外部提供の中止を求めるものであります。これら内容につきましては、答申も含めまして、当委員会に御報告をさせていただいたところであります。
 以上、簡単ですが、個人情報の保護に関する条例の運営状況の報告を終わります。
委員長
 ただいまの報告に対して質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、以上で本報告を終了いたします。
 次に、5番、議会の委任に基づく専決処分についての報告を求めます。
橋本総務担当参事
 議会の委任に基づく専決処分についてでございます。(資料10)3件ございます。うち1件は、粗大ごみの収集の作業の誤り、他の2件は交通事故に関するものでございます。
 まず、報告案件の1。事故の概要ですが、本年4月15日午前10時20分ごろ起きた事故で、事故の発生状況ですが、清掃事務所の作業員が粗大ごみを収集する際に、粗大ごみでない、相手方が所有する自転車--これはマウンテンバイクです--を誤って収集して、粗大ごみ中継所に運搬し、区の粗大ごみの積みかえ業者の受託者に引き渡したというものであります。粗大ごみ中継所では、作業員が自転車をプレス車に積み込み、圧縮して破損してしまいました。
 和解は、破損した自転車の物損費等で計4万3,700円を相手方に支払うというものです。
 4番目の区の賠償責任ですが、本件は清掃事務所の作業員が粗大ごみを収集する際の粗大ごみかどうかの確認が不十分であったことによって生じた事故で、区の賠償責任は免れないものと判断いたしました。
 損害賠償額ですが、本件事故による損害額は、自転車の物損費--残存価格になりますが--それらを合わせまして、計4万3,700円で、区に全責任があることから、区の損害賠償額は損害額と同額となります。
 なお、損害賠償金につきましては、ここにありますとおり、特別区自治体総合賠償責任保険により全額補てんされました。
 備考のところで、事故後の対応ということで、このような形でもって、こういった事故が起きないように、とりわけいま一度粗大ごみ収集作業につきまして点検をし、マニュアルを精査し、改善をしていこうということで、現在取り組んでございます。
 ページをめくっていただきまして、報告案件の2。ここから交通事故になります。発生日時、場所は、ここに記載のとおりです。
 発生状況ですが、都市整備部の職員が区道維持補修作業の現場へ向かうため、原動機付き自転車で新青梅街道を東方に向かって走行していたところ、道路が渋滞していたため、道路の左端を走っていました。上鷺宮二丁目1番先の交差点、ここを通過しようとしたところ、渋滞中の車両の車間距離が開いたため、対向車線から右折してきた相手方の自家用軽貨物自動車と衝突したものであります。この事故によりまして、相手方の自家用軽貨物自動車の左前方のバンパー及びフェンダーが破損し、区の原動機付き自転車の前輪、防風カバー、左側バックミラー等が破損いたしました。
 和解ですが、相手方がこうむった損害12万2,010円、区がこうむった損害1万5,000円について、双方の過失割合、相手方8割、区2割に従って、相手方は区に対し1万2,000円、区は相手方に対して2万4,402円を支払うというものであります。
 4番の区の賠償責任でありますが、本件事故は双方の安全確認が不十分であったことによって生じた事故で、本件のような事例でも区に2割の過失があるというふうに認められています。相手方がこうむった損害額の2割相当額について、区の責任は免れないと判断いたしました。
 損害賠償額ですが、本件事故による相手方の損害額は、車両の修理費12万2,010円であり、区の過失割合は2割であることから、区の損害賠償額は2万4,402円となります。損害賠償金は保険会社から直接相手方に支払われました。
 ページをめくっていただきまして、報告案件の3。発生日時、場所は記載のとおりであります。
 発生の状況ですが、都市整備部の職員が区道維持補修工事周知用のビラを配布するため、原動機付き自転車で新青梅街道から北上し、江古田一丁目地区へ向かって走っていました。この原動機付き自転車が江古田一丁目39番先の交差点を通過する際、一時停止の標識を見逃して、一時停止をせずに当該交差点に進入したため、右側から相手方の自家用自動車が当該交差点に向かって直進してきたことを確認したが、避け切れずに衝突したものであります。
 和解は、相手方がこうむった損害18万2,875円、区がこうむった損害4万3,365円について、双方の過失割合、相手方2割、区8割に従いまして、相手方は区に対し8,673円、区は相手方に対し14万6,300円を支払うものであります。
 区の賠償責任でありますが、区の職員が一時停止の標識を見逃して、一時停止をせずに交差点に進入したことが主な原因であります。交差点内では双方に衝突を回避すべき注意義務があるため、本件事例では区に8割の過失があるものと認められます。このため相手方がこうむった損害額の8割相当額について、区の賠償責任は免れないものと判断したものです。これらにつきましては、保険会社から直接相手方に支払われました。
 以上3件の和解及び損害賠償額の決定にかかわります専決処分につきまして、御報告を終わらせていただきますが、報告事案はいずれも職員の不注意等に起因するもので、事故防止に向けたさまざまな取り組みの中で、職務遂行の注意度、集中度をいかに高めていくかが、今、問われているというふうに痛感してございます。これまでも事故報告におきましては、さまざま御指導をいただいたところですが、このような事故を繰り返しまして、まことに申しわけありませんでした。
委員長
 ただいまの報告に対して、質疑はありませんか。
大内委員
 簡単に。要は物損事故はわかったんだけど、体というか、けがはないのか。大丈夫なのか。バイクの。
橋本総務担当参事
 例えば案件2なんですけれども、案件2の上鷺宮二丁目1番先で、バイクが乗用車と接触した。これにつきましては、職員は全治2週間程度の打撲等をこうむっております。(「3はないのか」と呼ぶ者あり)3は、うまくかわしたみたいで、特に……。
大内委員
 そうした場合に、2の場合は、相手方に8割があるんだけれども、打撲か何かしらで役所を休んだ。そういう場合の部分の請求もされているのか。
橋本総務担当参事
 本件については、公務上の事故ということで、公務災害の申請をしてございます。
大内委員
 それはこちら側が保険に入っているからだけれども、相手方は何も払わないのか。
橋本総務担当参事
 その辺につきましては、本件和解と直接関係がございませんので、私の方では承知してございません。(「関係ないのか」と呼ぶ者あり)話し合いの中では、人身事故ということでの扱いをしませんでしたので、私どもで支払いをするという形になってございます。
長沢委員
 あまり繰り返してもあれなのかもしれませんけれども、最後に参事の方で言われた、起因するということでは、職員の不注意によると。程度問題ということでは、今、ちょっと報告案件を見ていえば、過失の割合としては、相手方の方がこれで見てもどうだったのかなというのはあるにせよ、いずれにしても、職員のそういう不注意によるということで、言ってみれば、毎定例会でずっとこういうのが報告されているわけですよね。ここに備考で--これは今回だけに限らず、これまでもずっとそうなんですが--事故後の対応ということで書かれているわけですね。ここで言われていることは、ある意味では当たり前というか、当然で、もっといえば、実際に事故を絶対に防ぐとか、絶対とか完璧にとかそんなことはない。やっぱりもらっちゃうこともあるし。その辺では注意をするという、個人の責任として当然だから、そこのところでいろいろマニュアルもつくるなり、教育的にやるなり、そういうのはあったと思うんですね。ただ、これだけ本当に多いということでは、もう少し組織的な分析が必要なんではないかというふうに、本当に思うんですよ。その辺については、対応方みたいなところではあまり触れられていないのかなというふうに思ってはいるんですけど。前にもちょっとこういうことも言わせていただいたので、その後どういう形でその辺はやられているのか。ちょっとお聞きしたいんですが、いかがですか。
橋本総務担当参事
 その都度、備考というところで、事故後の対応等、御報告をさせていただいておりますが、これはその職場、分野における具体的な対応ということでありますが、やはり組織的に全庁的な対応が必要だと思ってございます。庁内に設けられました安全運転管理者の会、そういったところでそれぞれの分野で起きた事故、事例、こういったものの原因はどこにあるのか。ある程度普遍的な部分もあるのではないか。そういったふうに考えてございますので、その庁内的なそういう検討の場でもって、これから詰めていきたいというふうに考えてございます。
小堤委員
 案件の1なんですけれども、これは粗大ごみかどうかの確認が不十分であったと。この確認というのは、普通どういうふうにするんですか。
橋本総務担当参事
 粗大ごみの収集の申し込みがありました。どういうものかということで、いわば伝票みたいなものを持ってそこに向かいます。向かった際に、その粗大ごみには収集シール、有料のシールが張ってあります。申し込みのあった物品とそれが一致するかということを、まずその現場で確認をします。それから、そばにとめたトラックにそれを持っていったときに、トラックに載せるときにももう一度それを確認するという、2回チェックをするというやり方をやってございました。今回の事例につきましては、いわば伝票と物との確認を怠ってしまった。他にも粗大ごみがあったために、一緒くたにしてしまったというふうに思われます。
小堤委員
 この件の場合は、マウンテンバイクにもシールはもちろん張ってあったわけですよね。(「張っていないよ」と呼ぶ者あり)張っていなかったんですか。そのシールを全部の持っていくものに張る必要はないんですか。
橋本総務担当参事
 張らないとだめです。
小堤委員
 そうすると、やっぱり持っていった職員の誤りは大きいと思うんですよ。こういうことがなぜ起きるのかということで、この間ずっと報告があったときに聞いていて、だってこれはちょっと言いわけはつかないでしょう。
 私は、粗大ごみではないんですけれども、よく収集のときに会うことがあるんですよ。ただ、その後に車が続いていると、作業を急ぐというのかな、そういうことはなきにしもあらずというような事例にもぶつかるんですよね。だから、そういうことを含めて、私は何回も言っているんですけれども、こういう間違いを起こしたくて起こしている職員というのはいないんだけれども、そういうことを起こさないような注意の喚起という点で、前に私は職員同士のグループ・ミーティングというのかな、そういうのも提案しているんだけれども、その辺というのはどうなんでしょうかね。
橋本総務担当参事
 業務遂行に当たっての注意度、集中度を高めていかなければいけないと思っております。ここにも記させていただきましたが、いま一度粗大ごみの収集作業の作業工程の点検、ここで確認をする、ここで確認をするという、そういったマニュアルについてもう一度見直し、それを徹底するということで対応したいということでございます。
小堤委員
 もう一つお聞きしたいんですけれども、こういう収集作業に入るときには、ルートがありますよね。そのルートがきつくなったとか、それにかかる時間が基準が短縮されたとか、そういうことというのはあるんですか。
石神総務部長
 ちょっと私どもでそういうルートはやっていませんので、答えられませんが、そういうことはないというふうに聞いてございます。
委員長 
 よろしいですか。

〔「ちょっと1点だけ。休憩して」と呼ぶ者あり〕

委員長
 委員会を暫時休憩します。

(午後4時10分)

委員長
 委員会を再開します。

(午後4時11分)

 質疑はよろしいですか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 本報告については終了いたします。
 次に、6番、区を被控訴人とする控訴の提起についての報告を求めます。
橋本総務担当参事
 区を被控訴人とする控訴の提起についてであります。(資料11)
 本件は、住民基本台帳ネットワークシステム差止等請求控訴事件ということで、訴訟の経過にありますとおり、平成18年4月7日に東京地方裁判所で請求棄却の判決の言い渡しがありました。判決内容につきましては、既に当委員会で御報告をさせていただいているところで、これに対しまして原告は、本年4月14日に東京高等裁判所に控訴を提起したため、この6月6日に高等裁判所から中野区に送達された控訴状を中野区が収受をいたしました。
 事案の概要と控訴趣旨についてでありますが、東京地裁への訴えと同趣旨でありますので、省略をさせていただきます。
 控訴の理由でありますが、控訴人は第一審判決には憲法を含め法令の解釈適用の誤り、事実認定の誤りがあるので、取り消しを免れないというもので、区としてはこの訴えについては、国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律、これに基づきまして、法務大臣に訴訟の実施の請求をし、現在認められたところで、法務大臣が一時的に対応していくという処理になりました。
 以上です。
委員長
 ただいまの報告に対して質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、以上で本報告について終了いたします。
 次、7番、区を被告とする訴訟の提起についての報告を求めます。
橋本総務担当参事
 区を被告とする訴訟の提起についてであります。(資料12)
 本件は、個人情報の違法な収集に関する訴えであります。訴訟の経過でありますが、本年5月15日、原告は東京簡易裁判所に訴えの提起を起こしました。6月19日に第1回の口頭弁論がありました。
 請求の趣旨ですが、被告中野区は、原告に対して50万円及びこれに対する平成15年10月30日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払えというもので、合わせて仮執行をも求めてございます。
 原告が主張する請求の原因でありますが、要旨で申し上げますと、原告が平成15年10月に、区報で募集のあった区民レポーターに応募したところ、応募に当たり、住所や電話番号などのほかに、原告の略歴とか家族構成などの情報提供が求められた。被告、中野区が、住所等の個人情報を収集することは、応募者の連絡のため必要であると原告は考えましたが、略歴、家族構成等が必要なのか。その収集に疑問を持つとともに、そのような情報提供をすることに不快感を持ったもので、この情報を提供しなければ、区民レポーターに応募することができないことから、原告は被告を信頼して区民レポーターに応募した。ところが、この略歴等の個人情報の収集は、中野区個人情報の保護に関する条例に違反し、違法な収集であることがわかったため、原告は被告の違法な収集等により著しい精神的苦痛を受けたことから、その損害を賠償しなければならないというものであります。原告がこうむった無形の損害に対する慰謝料としては、平成16年中野区条例第36号による改正後の中野区個人情報保護に関する条例第45条で規定する罰金50万円に準じ、50万円が相当であるというものであります。現在これは係争中ですが、原告としては、簡易裁判所の少額訴訟ではなくて、東京地方裁判所に訴えをするというようなことになってございます。
 以上です。
委員長
 ただいまの報告について質疑はありませんか。

〔「ちょっと休憩して」と呼ぶ者あり〕

委員長
 委員会を暫時休憩いたします。

(午後4時16分)

委員長
 委員会を再開します。

(午後4時20分)

 他に質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、本報告について終了いたします。
 次、8番、訴訟事件の判決及び同判決に対する控訴の提起についての報告を求めます。
橋本総務担当参事
 訴訟事件の判決及び同判決に対する控訴の提起につきまして、御報告をさせていただきます。(資料13)
 本件控訴の提起につきましては、7月4日の本会議で専決処分の御承認をいただいた事案であります。事件名は、地位確認等請求事件、原告は中野区の非常勤保育士4名ということで、訴訟の経過につきましては、平成16年3月に東京地裁に訴えが提起され、平成18年6月に東京地裁で請求の一部容認の判決言い渡しがありました。中野区といたしましては、この6月19日に東京高裁に控訴の提起をしたところであります。
 事案の概要を簡単に申し上げますと、非常勤保育士として採用されていた原告ら4名について、中野区が指定管理者制度の導入に伴う保育士の配置見直しによりまして、非常勤保育士の職の廃止を決定したところ、16年度以降任用しないことの通知をしたところ、本件訴えが提起されたものであります。
 請求の趣旨でありますが、原告らの非常勤保育士たる地位を有することを確認すること。原告らに任用しないこととした平成16年4月1日以降の報酬を支払うということ。さらに、(4)にありますとおり、原告らそれぞれに100万円及びこれに対する本訴状送達の翌日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払えというものであります。
 これについての判決ですが、6番目にございます。主文にありますとおりで、被告は原告ら各自に40万円及びこれに対する平成16年4月1日から支払い済みまでの年5分の割合による金員を支払え。原告らのその余の請求をいずれも棄却するというものです。
 判決理由の要旨でありますが、まず原告の非常勤保育士としての地位の有無についてでありますが、原告らと被告中野区との関係は、私法上の雇用契約とは異なることは明らかで、その任用関係は公法上の任用関係である。原告らの地位は、任用行為の内容によってのみ決定され--裏面になりますが--任用行為以外の事情や当事者の期待、認識によって、その内容が変わる余地はなくて、期間を1年として任用されている以上、原告らが再任用を請求する権利を有することはないというものであります。したがって、原告らはいずれも平成16年3月31日をもって非常勤職員としての地位を失っているから、その地位確認と同年4月以降の報酬の支払いを求める請求に理由はないとしています。
 次に、原告らの期待権の侵害の有無についてですが、判決では、原告らの任用の際に、長期間の稼働に対する期待を抱かせるかの説明がなされ、その後も本人の意思を明示的に確認しないで、再任用が10回前後にも及んでいることや、常勤の保育士が担当するべき職務に従事していたこと等を考慮すれば、みずから退職希望を出さない限り再任用されるという原告らの期待は、法的保護に値するというふうに言ってございます。
 また、これに対しまして、中野区の行財政5か年計画とか経営改革指針において、非常勤保育士の廃止につきまして直接に言及した部分はないし、原告らに平成16年度以降の再任用の期待を抱かせる運用が続いていたこと。さらに15年度の任用が満了する直前まで、被告の正式な方針を直接原告らに伝えていなかったこともあわせて考慮するならば、被告が原告らの期待を解消するに足りる措置をとったということはできないということで、被告中野区は原告らの再任用を繰り返し、原告らに再任用の期待を抱かせながら、一転して非常勤保育士を廃止して再任用しなかったものであり、このような事態を招いた原因は専ら被告にあるとして、被告は原告らに対して、その期待権を侵害したことによる損害を賠償する義務を負うべきであるというものであります。
 控訴の提起ですが、この判決に対しまして、中野区は控訴することといたしました。控訴の趣旨は、控訴人である中野区の敗訴部分を取り消すというものです。それから、被控訴人である非常勤保育士らの請求をいずれも棄却するということです。
 控訴の理由ですが、2点ございます。非常勤保育士の廃止について、区のとった手続は違法な点はないということです。また、本訴訟において区は、職の廃止は行財政改革を進めていく上で必要なものであったということを主張したが、このことが原判決において全く考慮されていないということ。さらに、最高裁判所の判例なんですが、国家公務員に関してですが、任期を定めて任用する職員についても、そもそも期待権は認められず、具体的な確約があった等の特段の事情がある場合のみ、国家賠償法に基づく損害賠償を認める余地があるというもので、本件に関して見ますと、そのような特段の事情があるとは考えられません。原判決は最高裁判所の判例に反すると考えたということで、この2点を理由に控訴したものであります。
 なお、ここに記しました控訴理由につきましては、控訴状の提出に当たり、考え方を整理したものでありまして、現在この考え方に基づきまして、人事・厚生事務組合の本部と詳細を協議し、民事訴訟規則にのっとり、所要の手続を踏むこととしてございます。
 最後に、専決処分でございますが、ここにありますように、6月8日から2週間以内に提起する必要があるということで、議会を招集するいとまがないということで、6月14日に専決処分をさせていただきました。
委員長
 ただいまの報告について質疑はありませんか。
佐藤委員
 相手方はどうされているんでしょうか。
橋本総務担当参事
 私どもが得ている情報では、相手方も控訴をしたというふうに聞いてございます。
佐藤委員
 まだ控訴理由とかはわかっていないですか。
橋本総務担当参事
 まだ書状が届いてございません。
佐藤委員
 それで、判決のところですけれども、二つ理由があって、一つが地位の有無について、それからもう一つが、期待権の侵害についてというところで、地位の有無については、原判決がそのまま中野区の主張が通ったということですよね。2番目の期待権のところについては、中野区の主張は通らなかったから、控訴を今回はするということの理由でよろしいんでしょうか。
橋本総務担当参事
 おっしゃるとおりです。
佐藤委員
 期待権のところで、普通の気持ちでいきますと、私自身は地位の保全のところですか、そこのところは当然いたし方がない制度になっているだろうと、原判決のところを認めるものではございますが、その期待権の有無のところでいくと、当事者の方たちが、いわゆる10年前後そういうお仕事をされてきたという状況からすると、期待権の有無については、気持ちとしては抱かざるを得ない状態ではあったんじゃないか。それに対して控訴の理由というのが、国家公務員に対する最高裁の判例というのが控訴の理由になっております。たまたま国家公務員に対する最高裁の判例をこういうふうに引かれて、期待権に対する控訴の理由にされているんですけれども、もしこういう判例じゃなくて、それを引っ張ってくるんじゃなくて、期待権に対しての中野区の控訴理由がほかにあるんでしょうか。それがあれば、お聞かせいただきたいと思います。
橋本総務担当参事
 現時点では、控訴の理由の考え方としては、一つは、委員がおっしゃられました最高裁判所の判例、これに反しているということ。もう一つは、区のとった手続としては、行財政5か年計画あるいは行政改革指針、こういったものでお示しをし、また相手方の属している組合とも交渉し、相手方にそういった内容についてつまびらかに説明した。そういう手順を踏んできた。したがって、裁判所が言っている、十分な相手方への情報提供がされていない中でこういった判断をしたことについては、手続的には不十分ではなかったとのかということに対して、私どもとしてはきっちり手続を踏んできたと、そのように判断しておりまして、裁判所はその辺の考慮がされていない、配慮していないというところに、私どもとしては不満を持っておりまして、それらも含めて控訴したわけであります。
佐藤委員
 それがアに書かれている控訴理由になるわけですか。今、おっしゃった言い方は、アのところの言い方とは何か違いますよね。ここには書かれていないということでの理由であるというふうに受け取ってよろしいんですか。
橋本総務担当参事
 アに書かれている内容を幾つかの問題として、行財政5か年計画その他を引用しまして、お話をしたところで、内容総体としてはアに書かれている内容であります。
佐藤委員
 この文面を読んでいるだけでは、私はそこまでの理解が行き届かなかったんですけれども、いわゆる職の廃止についてのところの理由だけを言ったところであって、十分な説明をしていたかどうかについてのところは、このアのところでは読み取れない。つまり十分な説明をしていたんだよという主張をしたいわけですよね。だから、控訴理由の一つに、つまり急に言ったんじゃなくて、十分なる説明を以前からやっていたということを言いたいわけですよね。最高裁の判例以外のところでとお聞きしたときに。だから、そこのところが非常に控訴理由として、私は不明確じゃないかと思いますし、それが本当にどうだったのかというあたりを説明している文章としては、十分ではないというふうに思います。そういうところで期待権についてはどうだったのかのところについては、しっかりと、今後きちっとした議論を望むしかないですよね。それは裁判上でもう既に控訴されちゃった問題ですから、そう思いますので、ほかに控訴の理由をもう少し説明したいことがあればおっしゃっていただきたいと思いますし、なければここまでですということでおやりになるということでしょうか。
橋本総務担当参事
 本件の御説明、ちょっと控訴の理由その他で冗長な御説明になってしまいました。アにしても、イにしても、後段でお話ししましたように、控訴理由の考え方をここで現時点では整理をしたところです。この考え方をベースにしながら、これから人事・厚生事務組合の本部とその内容の詳細について詰めていく予定です。したがって、アにつきましても、もうちょっと詳しい内容になるかなというふうに思っております。ただし、アの内容と申し上げれば、1行目にあります「非常勤保育士の職の廃止について区のとった手続に違法な点はない」この問題につきましては、きちんとした行政計画を段階を追って示しながら、その中で非常勤保育士の廃止や職員全体の見直しなどにつきましても、記してきたところですし、また御説明をさせていただいたところですので、そうした手続的な面については違法な点はないというふうに考えております。
長沢委員
 これからも係争、裁判の方になるので、1点だけ、わかれば教えていただきたいんですが。今の控訴の理由のイの部分ですね。最高裁の判例のことなんですけど。この中で「任期を定めて任用する職員についてはそもそも期待権は認められず」とありますね。その後に「具体的な確約があった等の特段の事情がある場合のみ」ということで、「具体的な確約があった等」というのは、一体何を指しているんですかね。もしここで言っていた判例としてわかれば、教えてください。
橋本総務担当参事
 判例の中で引用されている部分で、例えばある研究職が、あるテーマに基づいて2年ないし3年を限って、それを研究していく。その2年ないし3年後に研究の成果を示していくというような内容の雇用契約をした場合に、1年が終わりました。次の2年については当然にその研究の職につくだろうということを、その被使用者は考えると。そこにおいては当然に期待権というのは保障されなければならないというふうに記されておりました。
長沢委員
 そうすると、例えばこれはこの間の地裁の方で出た判決の中身として、10何回任用をやってきたと。繰り返してきましたと。だから、当然それで「あなたはもうここまでで、ことしまでですよ。本年度までですよ」と。もし仮に区の方からそういう通告がなければ、当然ながらそれは任用されるんではないかと。15年度の任期が満了する直前まで云々というのが、地裁の判決の理由として出ていますよね。その期待権ということで。
 そうすると、今の逆の言い方になれば、だからずっとなってきたから、どこかで「あなたは実は今年度までですよ」とかそういうのがなければ、そこは具体的な中身として「特段の事情」というふうに--これは争うことではあるけれども--そういうものとしての解釈というのもね。だから、区は一体どの時点で「あなたはここでおやめください」というような話になっているのか。そういうものがあると思うんですけど、ここで言っているように、任期満了する直前まで、それはこの原告の方々にはそのことを言っていなかったということなんですか。いわゆるおしまいですよということを。
橋本総務担当参事
 まず、非常勤保育士については、次年度の雇用契約、任用については、特段の事情は認められません。任用しません、あるいは任用する前にその職は廃止になりますよということは、明らかにしてきたわけであります。その職を廃止するということは、任用されないということを、当然に理解をしなければいけないというふうに考えております。したがって、アについてのきちんとした手続を踏んでおりますし、イについても、特段継続させなければいけない事情は、そこには存在していなかったというふうに考えております。
委員長
 他に質疑はありませんか。よろしいですか。
 なければ、本報告について終了いたします。
 次、9番、中野区歯科医師会委託事業に関する調査の中間報告についての報告を求めます。
 ちなみにこの報告は、所管の厚生委員会でも報告しておりますので、よろしくお願いいたします。
石神総務部長
 お手元の方に中間報告についてということで資料(資料14)をお渡ししてございますが、それを見ていただきたいと思います。これにつきましては、5月9日、歯科医師会から平成9年から12年の4年間で、今、歯科医師会に委託している事業、障害児(者)歯科医療、それから要介護高齢者等訪問歯科医療の事業につきまして、委託費の一部1,227万1,453円、これを清算をしないで留保していたという報告がありました。その結果、報告を受けて、この金額についてどういう事情でそういうことが起きたのかを含めて調査をするということで、5月9日に区理事者5名で構成する調査委員会を設置いたしました。
 その後、調査委員会を開催しまして、ここに書いてある経過のとおり、所管課から経過の報告、それから検討項目を特定するために必要なヒアリングを続けてきました。その間、契約書であるとか、積算内訳書、契約書についている部分、清算に必要な書類等について、どういう関係にあるのか、それぞれヒアリング調査を、事情調査をしてきました。
 そういう形で現在まできていたわけですが、実際に5月25日に、各年度の契約書内容、それから支払い内訳書、こういった内容についてすべて知りたいということでやったところが、文書の保存年限、これが契約等については5年ということから、11年以前については見当たらないということでした。それについて私どもでは調査をする中では必要だということで、何らかの形での書類がなければ調査できないということで、さらに調査をお願いしました。お願いしたというのは、そういう文書を出すようにということで、所管部に言いました。その結果、5年の保存年限の文書の保管ではなくて、永年保存の文書の保管にこれを保管してあるということがわかりました。その結果、それが全部すべて出されたということでございましたので、全体の調査の方針を決めようということで動きました。
 6月20日に、担当部につきましては、自分のところで報告のあった1,227万1,453円についての清算の内容について、歯科医師会から調査の経過報告を受けたり、調査をしたりということでやってきた状況がございます。その報告を受けました所管部からその報告を受けて、その報告の中では、消費税については消費税の支払い領収書ですね、納付書があって、実際に支払った金額との差額がほぼ解明できたということでした。ただ、ほかの部分については、まだ調査ができていないという御報告を受けました。その中で、所管部の方の内容を待っても、調査がなかなか進まないということになります。そういう中で、調査委員会では別途そういう報告すべてを受けた中ではなくて、書類等が全部出てきたということから、調査の方針を固めまして、調査の方法に基づいて、全部を調査するということにしました。
 そこに書いてございますように、調査の内容については、次の2ページの方にも書いてございます。上から4行目になりますが、障害児(者)歯科医療事業については、平成7年度から--始まった年ですね--現在まで。また、かかりつけ医ということで、高齢者の訪問歯科医療については、平成9年から始まっていますが、9年から17年度分まで、現在までの分について調査をするということにしました。その内容は、契約の内容が部分部分で変わっていることと、契約してチェックをする仕方を聞いたわけですが、その内容では十分把握ができる要素がないということで判断をして、調査を事業の始まった段階から現在までということにさせていただきました。
 調査の具体的な方法について確定した部分が、別紙1に書いてあるような内容でございます。契約書に基づいて、それぞれが支払い額を決める支払い内訳書、それに基づいて支払い報告書がされるわけですが、その報告書との差額を、この事業が始まってから全部チェックする。その支払い報告書と内訳書の違いが出ている部分について、歯科医師会に説明を求めるというやり方を全部するということにしました。また、収入部分についても、今回のこの契約については、診療報酬については、診療所を開設している歯科医師会に請求権があるという形にしていまして、委託料に対して清算をするというやり方をやっています。そのために収入された金額が報告どおりになっているかという調査を行うことにしました。これについても、平成7年から17年度分は全部を行うということで、その中で過払い分を確定しようということでございます。
 今後の調査の内容というのは、今、言ったような形ですが、支払い額については、区が保有する委託費の支払い内訳書と清算報告書の異なる支出について、すべて委託年度ごとに項目ごとに明らかにして、歯科医師会に対して、突合して報告を求める。また、消費税については、所管部から報告がありました納税領収書により確認をして、支払い額との差額を確認するというやり方にする。それから、収入金額の調査については、清算報告書によって、収入金として医師会から提出されたその証拠の突き合わせを行うということです。その結果、収入金額との違い、また支払い額の違い、両方から差し引いた金額、この金額が支払い超過額ということになりますので、各年度ごとにその額を確定しようということで作業をしているところでございます。
 今後のスケジュールですが、今、言いましたような形で5月25日、ここで帳票等がすべて出されたということで、今月の末までに各区の各年度ごとの清算報告書、実績報告書、こういった関係の調査を終わりまして、歯科医師会からの、私どもからそごする部分についての報告を求めた、その報告を提出していただきまして、8月には支払い超過額について精査、確定をしようということです。それから、調査報告書を策定して、議会に報告したいと。9月にはしたいというふうに思っています。
 これは今の段階では支払い額、この額がどうなっているかという調査の方向でございます。これがどうして起きたのかというのは、その後調査するわけですが、この額を確定することが現在一番大事なことでございますし、その額の調査をどういうふうに行うかということで、調査委員会で方法を確定した内容で行うということでの報告でございます。申しわけありませんが、そういったことから、現段階では額を確定する段階に至っていないということで、方法について、それからこれまでの経緯について報告させていただきました。
 以上でございます。
委員長
 ただいまの報告について質疑はありませんか。よろしいですか。
 なければ、以上で本報告について終了いたします。
 委員会を暫時休憩します。

(午後4時46分)

委員長
 委員会を再開します。

(午後4時46分)

 以上で本日予定した日程は終了いたしますが、委員、理事者の皆さんから特に発言はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、次回の委員会はあす7月7日午後1時から当委員会室で行うことを口頭をもって通告いたします。
 以上で本日の総務委員会を散会いたします。ありがとうございました。

(午後4時46分)