平成17年12月01日中野区議会総務委員会(第4回定例会)
平成17年12月01日中野区議会総務委員会(第4回定例会)の会議録
平成17年12月1日総務委員会 中野区議会総務委員会〔平成17年12月1日〕

総務委員会会議記録

○開会日 平成17年12月1日

○場所  中野区議会第1委員会室

○開会  午後1時01分

○閉会  午後4時14分

○出席委員(9名)
 伊藤 正信委員長
 奥田 けんじ副委員長
 小堤 勇委員
 大内 しんご委員
 長沢 和彦委員
 佐伯 利昭委員
 佐藤 ひろこ委員
 斉藤 金造委員
 大泉 正勝委員

○欠席委員(0名)

○出席説明員
 助役 内田 司郎
 収入役 山岸 隆一
 区長室長 寺部 守芳
 経営改革担当課長 鈴木 由美子
 政策計画担当課長(政策担当課長) 川崎 亨
 計画担当課長 奈良 浩二
 総務部長(未収金対策担当参事) 石神 正義
 総務担当参事 橋本 美文
 広聴広報担当課長(平和人権担当課長、平和担当課長、人権担当課長) 鈴木 郁也
 財務担当課長 篠原 文彦
 営繕担当課長 秋元 順一
 人事担当課長 長田 久雄
 情報化推進担当課長 白土 純
 防災担当課長(危機管理担当課長) 斎木 正雄
 税務担当課長 遠藤 由紀夫
 副収入役 村田 宏
 選挙管理委員会事務局長 柳澤 一平
 監査事務局長 石﨑 新一
 
○事務局職員
 事務局長 山下 清超
 事務局次長 高橋 信一
 書記 荒井 勉
 書記 松本 桂冶

○委員長署名


審査日程
○議案
 第68号議案 中野区の一般職の任期付職員の採用に関する条例の一部を改正する条例
 第69号議案 中野区の債権の管理に関する条例
○陳情
〔新規付託分〕
 第143号陳情 核拡散防止のためにプルトニウム抽出試験中止を求める意見書を国に提出することに
         ついて
〔継続審査分〕
 第109号陳情 防災会の活動について
○所管事項の報告
 1 特別区制度調査会報告について(政策計画担当)
 2 議会の委任に基づく専決処分について(総務担当)
 3 平成17年国勢調査の結果(速報値)について(総務担当)
 4 平成16年度(2004年度)中野区のバランスシートについて(財務担当)
 5 区有施設のアスベスト気中分析に係る調査結果について(営繕担当)

委員長
 定足数に達しましたので、本日の総務委員会を開会いたします。

(午後1時01分)

 本日の審査日程ですが、お手元に配付の審査日程(案)(資料1)のとおり審査を進めたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように決します。
 なお、審査に当たっては、午後5時を目途に進めたいと思います。また、3時ごろになりましたら休憩を入れたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ります。
 議案の審査を行います。
 第68号議案、中野区の一般職の任期付職員の採用に関する条例の一部を改正する条例を議題に供します。
 理事者の補足説明を求めます。
長田人事担当課長
 それでは、お手元の資料(資料2)に基づき、第68号議案、中野区の一般職の任期付職員の採用に関する条例の一部を改正する条例について、御説明をいたします。
 まず、新たに導入する一般職の任期付職員の採用制度の概要について御説明をさせていただきます。資料の1枚目の表面でございますが、目的及び根拠でございます。複雑・高度化する行政課題や緊急の課題を速やかに解決していくため、期間を限定して外部の人材を活用できるように、地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律第3条第2項の規定を根拠に、条例で定めるところにより一般任期付職員の採用制度を導入するものでございます。
 採用することができる場合について、条例で四つの場合について規定をいたします。3番のところをごらんいただきたいと思います。第1に、専門的知識経験を有する職員の育成に相当の期間を要し、適任と認められる職員を部内で確保することが一定の期間困難である場合です。この部内という言葉ですが、これは公務部内という意味で、行政組織内では得られないにくい専門知識を持っている者を外部から採用すると、そういう意味合いです。
 第2に、専門的知識経験の活用期間が限られている場合です。急速に進歩する技術に係る専門的な知識経験など、その性質上有効に活用できる期間が一定の期間に限られる、専門的な知識経験を有する者を採用する場合でございます。この(1)(2)、二つの場合は法律に規定されているものでございます。
 次に、この二つの場合に準ずるものとして、改めて条例でさらに二つの場合を規定いたします。第3でございますが、専門的知識経験を有する職員を他の業務に従事させる必要があるため、適任と認められる職員を部内で確保することが一定の期間困難である場合を規定いたします。これは、さきに御説明をいたしました第1の場合によって任用している職員を他へ振り向け、その後任者を採用する場合を想定してございます。
 次に、第4でございます。外部における実務経験を直ちに活用する必要があり、専門的知識経験の活用期間が限られている場合でございます。これは、実務経験に着目した規定でございます。
 続いて、任用・給与条件でございます。項目の4番のところをごらんいただきたいと思います。任期は5年以内でございます。採用に当たりましては、書類審査、面接などの方法で任命権者が選考いたします。採用は7級以上、つまり管理職の採用を予定してございます。年齢の上限を除くほかは、原則として通常と同じ採用資格基準を適用いたします。給与につきましては、通常の職員と同一の給料表を適用いたします。
 実施時期でございますが、条例の施行期日は公布の日からとさせていただきますが、任用の開始は平成18年4月1日以降となります。
 次に、資料の裏面をお開きいただきたいと思います。中野区一般職の任期付職員の採用に関する条例の新旧対照表でございます。右側が現行条例、左側が改正案となってございます。現行条例の第2条以下を繰り下げ、新たに第2条として、先ほど御説明をさせていただきました専門的な知識経験を有する職員の任期を定めた採用を規定いたすものでございます。ごらんをいただきたいと思います。
 資料の2枚目の裏面をお開きください。資料の一番最後のページになりますが、中野区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の新旧対照表でございます。御提案をさせていただいております中野区の一般職の任期付職員の採用に関する条例の一部を改正する条例の附則において、この中野区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部改正の規定を設けてございます。年次有給休暇に関する規定で、一般職の任期付職員については、会計年度ごとの休暇とするものでございます。
 この条例の施行は、平成18年4月1日からでございます。
 以上、大変雑駁でございますが、第68号議案、中野区の一般職の任期付職員の採用に関する条例の一部を改正する条例の御説明をさせていただきました。よろしく御審議くださいますようお願いいたします。
委員長
 本件に対して質疑はありませんか。
佐伯委員
 この3番の採用することができる場合の4項目なんですけれども、これはこのうちのどれかに該当すればいいということですか。
長田人事担当課長
 そのとおりでございます。
佐伯委員
 それと、もう一つ気になるのが、採用資格基準、年齢の上限を除くとあるんですけれども、これはどういうことでしょう。
長田人事担当課長
 通常、一般職の採用につきましては、27歳など採用に当たっての前提の条件がございます。それからもう一つ、一般職については定年制が施行されてございます。こういった年齢の枠というものをとって、有効な人材を獲得していくという趣旨でございます。
佐伯委員
 だから、別に疑っているわけじゃないけれども、管理職が定年になって、そのままこの条件で採用しようとしているとか、そういったことはないですよね。
長田人事担当課長
 まず、通常の任期の定めのない職員についての経験等の活用につきましては、再任用制度といったものが、既に法律及び条例の制定によって制度化されてございます。その範囲内においては、幹部職員が定年退職した後のその経験等の有効活用というものも図っていかなければならないと考えております。この法律、ないしはこの提案をさせていただいております制度の趣旨は、内部では養成できない、育成できないということがこの重要な前提になってございますので、制度としては違うものだというふうに考えてございます。
佐伯委員
 その再任用を終わった人が専門的知識があるからといって、もう一回採用しちゃうとか、そういったことはないですよね。そういったことを目的にはしていないですよね。
長田人事担当課長
 ええ。法律の趣旨、ないしは条例の制定趣旨からこれとは異なるものだというふうに考えてございます。
長沢委員
 4番目、任用・給与条件で任期5年以内とありますが、法律のところでも3年とか、5年とかありましたけれども、これ自身は特に条例の中で何か定めなくちゃならないということではないんですか。
長田人事担当課長
 法律に規定がございますので、5年の範囲内で任期を定めるということでございます。
長沢委員
 それで、採用する職務の級が7級職~9級職、課長から部長級にかかわるというところだと思うんですが、施行が4月からということですが、今現在、採用することができる場合というのにこの4点が出されていますけれども、これにかかわった形で区側で何かこういう採用されるということを考えられているというのはあるんですか。
長田人事担当課長
 今回御提案をさせていただいておりますのは、まず制度の導入を条例によって団体の意思として決定していただくということが趣旨でございます。この制度導入後、必要に応じて先ほど御説明をさせていただきました採用をすることができる場合に該当するものがあれば、それぞれ必要に応じて採用していくという考えでございます。
長沢委員
 今、一つ前に質問した7級から9級職というのは、こちらの条例を見る限りでは、そこの規定というのは特に触れられていない。つまり、条例のところではそういうものの仕組みは入れる。ただ、考えているのは、採用職務の級としてはこういう課長、部長の管理職のところだよということで理解していいですか。
長田人事担当課長
 今回条例の提案の内容及び御説明をさせていただきました趣旨としては、そのとおりでございます。法律、それから条例の規定の内容そのものとしては、特に7級以上という限定はございませんけれども、現在私どもが持っている意思としては、7級以上の者の任用を予定しているということでございます。
長沢委員
 それで、私がたまたま今定例会の本会議の場で質問した、保育園にかかわる問題をしたときの区長の御答弁で、今後、一般職の任期付採用を検討するという御答弁もあったんですね。つまり、そこで言うのは、私の質問は、保育士が公立保育園でいなくなって、そのときにではどうするんですかといったときに、そういう御答弁だったことからすると、今区側で考えられている7級、9級というところではない範囲だと思うんですが、それも仮に検討ということを言われているから、まだ決められていないというふうに理解しますけれども、この条例を根拠にそういうことを図ることもあるということになるんですか。
長田人事担当課長
 かねてより人事制度の改革改善といったことについては課題として持っておりまして、一般職員への任期付きの採用といったことももちろん課題として持ってございます。これにつきましては、現在、17年給与改定交渉の中の人事給与制度の改正の関連の項目として交渉の俎上に上げさせていただいております。任命権者のサイドとしては、一般職員への拡大といったものも今後の人事行政の運営のためにぜひ必要なものだ、そういう認識はかねてより持っていたものでございます。
長沢委員
 その交渉の中での話だからまだ決まっていないので、そういうことも視野に入れているというようなお話なのかもしれませんけれども、それでもう一つ、法律的な中身というか、そこでのことでちょっと確認したいんですが、昨年の通常国会だと思いますけれども、法律ができて、一つは、今回中野でも1定において短時間の任用というのはやられたということがありますね。それで、例えば総務省なんかの説明でも、公務運営の基本というのは常勤職員で担っていくことが原則であって、任期付きの職員については限定的に取り扱うものなんだと。あくまでも公務労働の原則としては、そういう任期を定めない採用が原則だよということを言っていると思うんですが、その点についてはそういう理解でいいんですか。
長田人事担当課長
 私どもの方の認識といたしましても、あくまで人材の活用の基本はいわゆる内部職員、任期の定めのない職員を育成して活用していくところにございます。この任期付きの意味合いとして、簡素で効率的な組織というのを維持しつつ、目前にある課題、高度で複雑な課題に対応していくというための任用制度としては非常に有効である、そういう認識を持ってございます。
長沢委員
 簡素で効率的というのは、地公法でも、簡素で民主的かつ効率的、能率的という話だと思うんですね。その民主的というのが一方では大事かなと思っていて、つまり、長期にそういう形で採用されることによって、まさに区民サービスの向上を図っていくというところで大事なのかなと思ってはいるんですが、それで、戻りますね、採用することができる場合ということで3、4というのが出ていますけれども、とりあえずこういう根拠となる根拠規定自身を定めるんだということなんですが、現在、先ほどとちょっと同じことを聞くような話ですが、中野区内として今後考えられるというところでは、この1、2、3、4というところで言うと、どの点でまずは図っていこうというふうにお考えになられているんですか。
長田人事担当課長
 先ほども御説明させていただきましたが、行政課題に対応していくための新たな任用制度というふうに考えてございます。そういう意味では、この四つすべてが可能性があるというふうに私どもとしては考えてございます。
斉藤(金)委員
 至極簡単なので。専門的知識経験というのは、例えば中野区で考えているのは、こういう分野のこういう仕事ですというのを何か想定されているんでしょうかね。
長田人事担当課長
 先ほども御答弁させていただきましたが、直ちにこのような任用をするという想定を今持ってございませんので、一般的なお答えをさせていただきたいと思いますが、一つが、これはこの法案の立案をいたしました総務省の例示でございますが、大規模なイベント等の開催に対しての企画運営に習熟した者、こういうような者を一つ。これは、資料の3の(1)に該当する者としての想定として示されてございます。
 それから、2番目に該当する者としては、情報化推進に関する企画立案に伴い、システムエンジニアを採用するような場合というのを、総務省が(2)に該当する想定として提示をしてございます。
 それから、(3)は、(1)のいわば例外的な補完的な規定でございますので、採用する想定というのは同じものということになります。
 それから、(4)でございます。外部における実務経験を直ちに活用するというところでございますが、総務省の示すところによりますと、公金の運用管理に関して金融機関職員を採用するような場合と、こういうようなことを例示としては想定しているところでございます。
委員長
 委員会を暫時休憩します。

(午後1時19分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後1時27分)

 他に質疑はありませんか。よろしいですか。

〔「はい」と呼ぶ者あり〕

委員長
 質疑がなければ、取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後1時28分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後1時28分)

 質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、質疑を終結します。
 次に、意見の開陳を行います。意見はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、意見の開陳を終結します。
 次に、討論を行います。討論はありませんか。
長沢委員
 第68号議案に対して反対の立場から討論を行います。
 まず第1に、本条例が今回この定例会に出されるという意味で、4月1日からの施行になっていますが、想定しているものというのはこの委員会の中で明らかにされませんでした。本来の法の趣旨からいっても、例外的、限定的に行われるというものがその制度の解釈としてされています。そういう中では、現実に今すぐ何が必要かということが明らかになっていないということでは問題があると思っています。
 例示として出されていた大きなイベントによる企画運営であるとか、あるいは情報化推進であるとか、または公金の運用管理といった問題についても、本来的には、現在もアウトソーシングとかさまざまな手法が行われているので、それ自身も確かに見直さなければならない点は多々あるかと思います。しかしながら、こうした制度を用いることですんなりそれが解決できるというものでもないと思います。
 二つ目には、そもそも今の日本国憲法上においても、人権保障の見地から住民に適切なサービスを提供するための公務労働が求められているというところでは、中立、公正、安定、継続性が求められています。これに当たる職員は全体の奉仕者として位置付けられているというのも、そのためだというふうに思います。公務業務を行う専門性といったものが一長一短に得ることができるものではなくて、職員集団の中で相当期間の間勤務を通じた研さんの積み重ねによって成り立つものであり、そういうことを通じて公務能率の向上に寄与するものだというふうに考えます。
 こうした公務労働を保障するという点においても、職員の身分の安定と賃金その他の労働条件の向上を図って、正規公務員を中心とする人事体制を確立していくことが不可欠であろうと思います。現在策定中であります10か年計画におきましても、職員の2,000人体制の構築ということを挙げて、専ら職員の採用を控えていくということが、中野区としても至上命題とされています。こうしたところを見ても、今回の任期付きでない職員の採用でなく任期付きの職員のこうした採用を図っていくというのは、やはり問題があるというふうに思っています。
 最後に、ここでは、今回考えているのは、課長から部長級という管理職のところで採用を図っていこうというものでありますが、同時に、この条文の規定そのものはそこにとどまっていない。つまり、これからの例えば保育園などそうしたところでも採用が必要となれば、任期付きでない職員の採用をするのではなくて、こうした一般職の任期付職員の採用を図ることによって、今後の民営化などのてこにしていく、そういう危険もあるというふうに考えます。
 したがいまして、この議案については反対を表明し、討論とします。
委員長
 他に討論はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、討論を終結します。
 これより、本件について挙手により採決を行います。
 お諮りします。第68号議案、中野区一般職の任期付職員の採用に関する条例の一部を改正する条例を原案どおり可決すべきものと決することに賛成の委員は挙手願います。

〔賛成者挙手〕

委員長
 挙手多数。よって、本件は可決すべきものと決しました。
 以上で、第68号議案の審査を終了します。
 続きまして、第69号議案、中野区の債権の管理に関する条例を議題に供します。
 本件について理事者の補足説明を求めます。
石神総務部長
 私は未収金対策担当参事も兼務しておりますので、私の方から説明させていただきます。
 まず、69号議案の資料(資料3)を見ていただきたいんですが、債権の管理ということでございますが、この債権の管理の対象は債権の発生から消滅まで、法令等に基づいて保全から取り立てに関して必要な措置を行うということでございます。
 具体的には、納付書の通知から始まりまして、督促状の送付、納付の催告、消滅時効の管理、徴収停止、強制徴収、債権放棄、不納欠損等のこの一連の事務のことを債権管理というわけでございます。
 また、この債権管理に当たりましては、今回提案する内容の趣旨でございますが、公法上の債権につきましては、国税徴収法であるとか、その他法律によりまして決まっておりますが、この区の抱えている債権の中では私法上の債権、例えば福祉の資金貸付金であるとか、学童クラブのおやつ代等、こういった私法上の債権がございます。
 この私法上の債権につきましては、死亡であるとか、転居で行き先が不明であるとかということで徴収できなくなって、時効に達してしまったものがあるわけですが、その時効につきましては、民法によりまして、債務者が時効の援用を主張しなければいけない。私は時効なので、それについて支払いをしませんということを言っていただかないと、この債権について民法上債権処理放棄ができないということになってございます。
 今回、長年にわたりましてそういったものが累積したために、こういった債権が消滅しないまま区の債権として存在しているものが多くなりました。そういったものにつきまして、きっちりとした債権回収等について行うと同時に、債権回収について客観的に不可能と認められる場合については、放棄を定めるという形にしたものでございます。
 条例とあわせてこれを説明させていただきますが、まず、条例の制定の目的というところについては、今言いました形でその根拠をつけようということでございます。それで、債権管理の対象は、今言いましたように区の債権すべてということで、これは地方自治法240条に規定する、金銭の給付を目的とします区の権利のことを言うわけでございます。
 また、債権管理の概要でございますが、条例の中では、それぞれ責務等を区長に対して設けてございます。この中で言っておりますのは、区長の責務を明確にするということでございます。その一つ目が条例の3条の方にも書いてございます。それから4条という形で書いてございますが、区の債権について、全庁各部、分野が共通認識に立って適切な債権管理に取り組むため、(仮称)債権管理対策会議を設置すると。それから、区の債権管理の方針の策定、債権の徴収事務の進行管理を行うということでございます。それぞれ今までは所管の分野で行っていたものを全体として行っていこうということでございます。
 二つ目に、区の債権について年間の徴収計画を策定するということでございます。徴収目標及び収納対策を明らかにして、債権徴収に取り組むということでございます。
 また、三つ目といたしまして、区の債権の徴収事務を徹底するために、徴収事務取扱要領を全体として統一しましょうということでございます。
 また、この4条の方には台帳の整備ということを書いてございますが、現在、台帳をそれぞれのところで持っているわけですが、その台帳に記載する事項をあらかじめ全庁的に統一しようということでございます。その内容で考えているところは、債権の名称、資料の方に書いてございますが、それから根拠法令、債務者(住所、氏名、生年月日等)、それから債権の状況(金額、発生年月日、当初履行期限等)について記入する。納入の状況、どういう形で納入されているのかということです。それから督促ということで、督促した年月日を明らかにしておく。履行の期限等をはっきり書くということです。それから、それぞれ交渉の記録をはっきりさせる。処分内容等をはっきりさせるというふうなことでございます。そういったことを明らかにすることによりまして、職員等の人事異動がありましても、十分その経緯を把握して、債権の徴収に対して引き継ぎができるということでございます。
 また、イというふうに書いてございますが、台帳については電磁的な記録。電子的方式、または磁気的方式、こういったことで行ったり、書面による方式があるわけですが、その内容等につきましては、台帳の持ち方もそれぞれあるわけですが、記録する事項については一定にしましょうということです。また、台帳を所定の場所に適正な方法で保管して、個人情報の保護に努めるという形も明確にしていきたいということでございます。
 また、今回の整理の中で大きな点でございますが、債権の放棄ということで第5条に書いてございます。第5条の中で書いてございますのは、債権の放棄については本来議決事項であるということでございます。しかし、債権の金額によって専決処分による放棄ができる範囲を定めたいということで、その合計額について100万円以下のものに限って、区長の専決処分による放棄ができるという形にしたいということでございます。
 また、債権を放棄するに当たって、どんな場合にそれができるのかということを明らかにしなければいけないわけですが、条例の中では、第5条のアと、それからイという形で書いてございます。まずアというところでございますが、当該区の債権について消滅時効が完成し、かつ、次に該当する場合ということで、債権者が特定できないために、その所在が明らかでないということ。それから、当該債務の履行の意思の有無を確認することができない。消滅時効が完成して、かつ、こういったことがあった場合。それから、債務者が当該債務を履行する意思がないと認められる場合ということで、時効が来て、さらに督促等を行いまして、そういった援用をするということが事実上所在が明らかでなくてできない。また、そういったことをしないというようなことが、はっきり払える状況にないということをあわせて意思がないと認められる場合ということです。
 2番目に、債務者が死亡して、その債務について限定承認があった場合、これは債権を持って遺産相続した場合、その支払うお金と、それを受けて、もって遺産相続を受けるということでございますが、限定承認があった場合において、相続財産の価額が強制執行した場合の費用並びに他に優先して弁済を受ける区の債権及び中野区外の者の債権の金額の合計額を超えない。いわゆるほかの債権者がいて、そういったものの順位があるわけですが、そういうものを取った後この金額が残らないといった場合、いわゆる相続財産からこういった財産が取れる見込みがないということがわかった段階ということでございます。
 それから、イとして書いてございますように、放棄した区の債権については、債権名称、件数、金額を議会に報告することになります。
 それから、区の債権の消滅時効が完成するまで、債務者への催告、また当該区の債権の保全に努めるということで、区の債権の放棄の決定ということで、先ほど言いました、仮称でございますが、債権管理対策会議を開いて、関係部課長によりまして審議の手続を経て行うことにするという形にしたものでございます。
 今回この条例を提案してございますが、これが規定されますと、今説明したような内容での債権の管理に関する条例の施行規則を制定するということになるということでございます。
 また、この施行の時期でございますが、平成18年の4月1日ということでございます。
 以上でございます。いろいろな形で債権の管理については、監査委員会からも、同じようなこういった手続等について十分検討するようにということも指摘されております。そういう中で、今回改めて債権管理のあり方、それから放棄するに当たっての手続をしっかりさせるということで定めるものでございます。よろしく審議のほどお願いいたします。
委員長
 本件に対する質疑を行います。質疑はありませんか。
小堤委員
 現在、区の債権全体の中で占める、債権100万円以下の件数の割合と金額の割合というのは出るんですか。
石神総務部長
 この債権の割合ですが、今、全体額についてはわかりますが、時効が完成しているものということでの割合で言いますと、時効の完成している債権について、全体で言いますと、100万円を超えるものについては、金額で言いますと3.1%。件数で言いますと0.1%でございます。また、100万未満ということですね、以下、これは時効完成しているもののうちの全体の2.5%。件数で言うと1.3%ということでございます。実数で言いますと、件数で言うと100万円を超えるものは5件、金額は約750万弱でございます。それから、時効が既に完成して10年を過ぎているということで、時効が完成しているものについては71件、610万円ほどでございます。これは私法上の債権ということで、いわば放棄を今度の規定の中でするものでございます。なお、公法上の債権につきましては、5年たちますと自然的に不納欠損という格好で落ちてしまいますので、これは議決が要らないわけですが、私法上の債権ということでの数字でございます。
小堤委員
 今回、100万円以下のものに限っては区長の専決処分ということなんですが、この100万円以下と線引きした根拠というのはどういうことなんですか。
石神総務部長
 現在、損害賠償等も含めて、議会から専決で処分してもらえる範囲については、これまで過去の経緯の中で100万というふうなことで言われてきた経緯がございます。また、100万円以上のものについてはさらに細かい説明が必要。それで1件ずつの議決が必要なのではないかということで、これまでの議会との経緯の中で定めさせていただきました。
斉藤(金)委員
 何と言ったらいいのかわからないんだけれども、債務者が特定できない、所在が明らかでないというのは普通の状態じゃないよね。本来はその前に何とかしなくちゃいけない。普通そうだよね。こういうのができちゃうと、どこかへ行っちゃった者はしようがないやとか、特定できないからしようがないやというのでは、かえって不利益が多くなっちゃうのかなというごく単純な考えなんだけれども、そういうようなところは、実際から言うと、何で特定できなくなったり、所在が明らかでなくなっちゃうの。
石神総務部長
 一番多いのはやっぱり貸付金生業資金、それから小口資金等の貸付金が多いわけですが、年齢が高くて死亡されたり、相続人が明らかでないと。相続した人が中野区内にいないと、そこで移転されてしまいますと、追跡できなかったりすることがございます。また、移転等があったときに、次々に移転されてしまいますと、うちの方から催告、督促を送っても、それがこっちへ戻ってきて、新たに確認しても、なかなか住所が特定できなくなってしまうということで、10年間の期間がありますので、さまざまな形では追跡するわけですが、それが明らかでなくなってしまうということが生じているわけでございます。
 ただ、これについて監査の方でもいろんな形で指摘もされてございますが、やっぱり台帳を明らかにしていくということが大事だったなというふうには、これは反省してございまして、今回はこういう放棄だけではなくて、そういう経緯が明らかになるものをしっかりするということから、台帳について基準を定めるということにさせていただいたものでございます。
斉藤(金)委員
 それで、100万円以下のはこういう専決処分の件で管理するというんだけれども、区は不利でもやらなきゃならないことがあるじゃない。意思なら意思で示さなくちゃならないことが。たとえ費用が10万かかっても、1万取らなきゃならないものがあるんだと思うんだよね。そうじゃないと、逃げちゃった者が勝ちだとか、わからなくなっちゃった者が勝ちだというのはどう見ても公平じゃないよね。だから、そういうようなところはどう判断して、どう運営をしていくの。
石神総務部長
 これまでは所管の分野だけで、自分のところで難しいね、どうだねという話を決めていったわけですが、やはりこの税だとか、国保だとか、それぞれ経験を積んで、債権の差し押さえも含めた経験を今積んできておりますので、そういったノウハウをお互いに出し合いながら、債権の放棄が適切であるかどうかということをしっかりさせる必要があるのではないかということで、今回は他の自治体ではそういうことをやっていないですが、そのための会議をしっかり設けていこう。そこでそれが適切であるかどうか、過去の経緯も考慮してやっていこうという形にしたものでございます。今言われるように、不利益が生じるような形をとらないということを明確にしていきたいということで、こういう仕組みも中に入れたものでございます。
斉藤(金)委員
 これで最後にしますけれども、そうすると、(仮称)債権管理対策会議というのはどんなメンバーを想定しているんですか。
石神総務部長
 現在考えていますのは、私が今のところは責任者でやっていますが、私、それから法規担当である総務の担当参事、政策担当課長、副収入役、それから、それぞれの各関係する分野、国保、税、そういったところの課長級を入れるという形で考えてございます。
委員長
 他に質疑はありませんか。
 質疑がなければ、取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後1時50分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後1時51分)

 質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、質疑を終結します。
 次に、意見の開陳を行います。意見はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、意見の開陳を終結します。
 次に、討論を行います。討論はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、討論を終結します。
 これより本件について採決を行います。
 お諮りします。第69号議案、中野区の債権の管理に関する条例を原案どおり可決すべきものと決することに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、そのように決します。
 以上で、第69号議案の審査を終了いたします。
 次に、陳情の審査を行います。
 第143号陳情、核拡散防止のためにプルトニウム抽出試験中止を求める意見書を国に提出することについてを議題に供します。
 本陳情は新規付託のため、書記に朗読させます。
書記

〔陳情文書表朗読〕

委員長
 陳情者の方はきょうお見えですね。陳情者から補足資料の配布と補足説明の申し出がありますが、休憩してこれを受けることに御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 御異議ありませんので、それでは、委員会を暫時休憩します。

(午後1時54分)

委員長
 それでは、委員会を再開します。

(午後2時06分)

 これより本件に対する質疑を行います。質疑はありませんか。
小堤委員
 この問題でどういうふうに理事者の方にお聞きすればいいのかなと思うんですけれども、過去にこういう陳情というのはあったんでしょうか。
鈴木広聴広報担当課長
 平和担当として申し上げますけれども、核拡散につながるのでプルトニウムの抽出試験を中止する、こういったような陳情はないというふうに認識しています。
小堤委員
 今、陳情の方から説明がありましたけれども、こういう原発事故というのは起きております。そうしたときに、遠いところの原発でも間接的な影響はもちろんあるわけですし、いわゆる直下型の地震で原発が被害を受けたらどうなるかわからないという現実的な問題があるわけなんです。そういうことを認識すれば、もしこういう原発事故に対して、区がかつて国とか電力会社に何か申し入れをしたというようなことはあるんですか。
鈴木広聴広報担当課長
 原子力発電所等に対するいわゆる災害だとか、そういったようなお話かと思うんですけれども、そういった申し入れをしたということはないというふうに理解しています。
小堤委員
 特にこの原子力発電で安全面について区の考え方というんですか、お答えできる範囲で結構なんですけれども、その辺いかがですか。
鈴木広聴広報担当課長
 安全対策につきましては、国が法律等に基づいて対応しているというふうに認識しています。
小堤委員
 日本の政府は、この原子力発電を引き続き拡大していくという方向らしいんですね。心配するんですけれども、ただ、その理由が、いわゆる地球温暖化対策で行うということを理由にしているというふうに聞いております。ただ、私は、この地球温暖化の対策というのは緊急を要する問題ですけれども、環境に配慮した対策ということで考えるならば、やはり自然エネルギーの開発、活用に本格的に取り組むということが必要だと思います。そのためにも風力発電だとか、太陽光熱の発電、地熱、あるいは小水力、あるいはバイオマスエネルギー等々という自然エネルギーの開発が、特に欧米なんかでは進んでおりますので、そういうことがこれからの日本のエネルギー政策に大事だなというふうに思っていますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
委員長
 委員会を暫時休憩します。

(午後2時09分)

委員長
 委員会を再開します。

(午後2時10分)

小堤委員
 そういう点で、区も自然エネルギーについてはいろいろ啓蒙というか、学校等々で進めていますよね。その辺についてどのように考えていらっしゃるのか。
石神総務部長
 これは、これまでも区の方針として、環境保全というようなことから、CO2削減だとか、いろんな形でエネルギーの使用量について全体を下げていく。また、そういったCO2を発生するような発生抑制をしていくということでやっております。また、エネルギーにつきましては、それとあわせまして、電力の削減であるとか、ガスの削減であるとか、そういった自治体で取り組むべきことについては、今回の本会議の中でも区長から答弁しておりますように、方針を持ってやっているというところでございます。
委員長
 他に質疑はありませんか。――よろしいですか。
 質疑がなければ、取り扱いを協議したいので、委員会を暫時休憩します。

(午後2時11分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後2時13分)

 質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、質疑を終結します。
 次に、意見の開陳を行います。意見はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、意見の開陳を終結します。
 次に、討論を行います。討論はありませんか。
小堤委員
 第143号陳情についての賛成討論を行います。
 青森県の六ヶ所村には、全国の原子力発電所から排出される核のごみを貯蔵する高レベル放射能廃棄物貯蔵管理センターが置かれています。2005年には使用済み核燃料の再処理工場が操業を開始する予定ですが、この再処理から核兵器に転用可能なプルトニウムが抽出されます。利用のめどが立たないプルトニウムがさらに蓄積されれば、それだけ核による汚染の危険性が増し、地震による核拡散も懸念されます。
 そもそも原発という未確立の技術に頼り、しかも、アメリカとか、ドイツ、フランスが撤退している危険性を増すだけのプルサーマル計画は中止すべきだと思います。世界は今、脱原発の方向に向かっており、地球温暖化ガスの削減に不可欠な自然エネルギーの開発や、安全優先のエネルギー体制が求められているのです。被爆国日本として核兵器の廃絶は切実な願いであり、その実現に向けて積極的に寄与すべきです。
 以上の立場から、第143号陳情の賛成討論といたします。
委員長
 他に討論はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、討論を終結します。
 これより本件について挙手により採決を行います。
 お諮りします。第143号陳情、核拡散防止のためにプルトニウム抽出試験中止を求める意見書を国に提出することについてを採択すべきものと決することに賛成の委員は挙手をお願いします。

〔賛成者挙手〕

委員長
 可否同数。したがって、委員会条例第14条第1項により、委員長裁決となります。
 委員長の採決は不採択であります。よって、第143号陳情は不採択とすべきものと決しました。
 以上で、第143号陳情の審査を終了いたします。
 続きまして、第109号陳情、防災会の活動についてを議題に供します。
 本陳情について報告したいことがありますので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後2時16分)

委員長
 それでは、委員会を再開します。

(午後2時17分)

 これより本件に対する質疑を行います。質疑はありませんか。
長沢委員
 本来であれば、陳情者の方がいたら少しただせればと思ったんですが、もう既に何度かやってきたことでありますけれども、少し確認の意味でお聞きしたいと思います。防災会ごとの課題を明らかになるように支援してくださいということでありますけれども、例えば防災会は117団体だったと思いますけれども、それぞれの地域ごとで、それぞれのそういう意味では地域の防災の集まりを持ちながら、常に防災会としての取り組みを行われているというふうには思っています。そのようなお話も出たかなと思います。
 同時に、今、震災でありますとか、この間の水害のような、あのような大きな災害というんでしょうか、予期しなかったものに対しての対応とかということでは、当然ながらより一層のことが求められているのかなというふうにも思っていますけれども、いずれにしても、いろいろ温度差はありながらも、そうした課題として、また、区としても当然ながら地域の防災計画等の中で防災会自身を位置付けているわけですから、その辺の取り組みについては承知をされていると思うんですが、そういう認識でよろしいですか。
斎木防災担当課長
 そういう認識で結構でございます。それで、今回、水害の教訓といいますか、そういったことで明らかになったのは、やはりこれまで震災対策を中心に防災活動をしてきたといったこともありますので、水害の発生する地域の防災会には、そういった水害にかかわる部分も考えていただくということでお願いしたいと思っています。それから、自助、共助、公助という考え方、そういったことを徹底するように今考えているところでございます。
長沢委員
 それで、2点目の方なんですが、この辺もやはり防災会によってはいろいろ違いというものがあるのかなと。到達点といいますか、ある意味では行政側から見ても、もう少し取り組みとしては強化していただきたいというか、そういうものは今の水害問題とも重ねてあるのかなというふうに思っています。
 それで、実際に例えば区との関係というんでしょうか、区が特に、任意のものですからここで言われる指導ということは極めて強い言い方かなとは思うんですが、仮にいろいろな意味で防災会に対する援助のところで、実務的な問題として区が見た限りにおいて、何かこうしたところをもう少し工夫していただかなければ、改善していただかなければ、そんなことを思われている点がもしありましたら御紹介いただきんですけれども、いかがでしょうか。
斎木防災担当課長
 それぞれ防災会は役割分担を決めてございます。それで、変わったときにはこちらにその都度提出していただく、そういう形になっています。ただし、その実務者のメンバーが決まっていますけれども、実際に機能しているかどうか。これについては、やはりそれぞれ防災会は何か活動したときに明確になってきますので、そのときに相談したり、それから機能を高める方向でアドバイス、そういったことをして防災会の行動力、活動力を高めていくということでやってきてございます。
長沢委員
 最後にします。先ほど課長の方からも水害の話が出ました。前にも、ここでの議論の中で、部長の方からも、区としての例えばこういう災害、水害に対する取り組みのようなお話の中でも、防災会の取り組み強化連携というんでしょうか、意思疎通を強めていく、働きかけていくような旨のお話もありました。そういう中で、先ほどちょっと冒頭に言いましたけれども、防災計画の中にもそういう位置付けがありますけれども、そういう意味では、特に今後防災会との関係において、区側としてはどういったことにこれから取り組みの強化なり、連携というのを図っていこうというふうに考えているのか、もしあれば御紹介いただければと思います。
斎木防災担当課長
 今、水害に絡んだ話でお話しさせていただきますが、今回水害では、やはり防災行政無線が聞き取りにくいといったことが指摘されてございます。そういった意味では、各防災会に配布してございます防災ラジオは直に音声が入ってきますので、それらをもう少し活用できればなと。今回も、支援のチラシを配布していますだとか、悪質なリフォーム会社が出回って戸別訪問しています、そういったことに気をつけてくださいといったことは何回か流してございますので、そういった防災行政無線のラジオを活用して情報提供を充実したいと、こんなふうに考えています。
委員長
 他に質疑はありませんか。――よろしいですか。
 なければ、取り扱いを協議したいと思いますので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後2時23分)

委員長
 それでは、委員会を再開します。

(午後2時27分)

 お諮りします。
 第109号陳情を閉会中も継続審査すべきものと決するに賛成の委員は挙手願います。

〔賛成者挙手〕

委員長
 挙手少数。よって、本件については質疑を続行いたします。
 質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 質疑がなければ、質疑を終結します。
 次に、意見の開陳を行います。意見はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、意見の開陳を終結します。
 次に、討論を行います。討論はありませんか。
長沢委員
 109号陳情に賛成の立場で討論を行います。
 質疑の中でも明らかになってきたと思っておりますが、主旨のところの1点目においては、やはり数多い防災会ですから、それぞれのいろんな到達点があるし、また、さまざまな課題もあると思います。区の方も地域防災計画などで防災会の位置付けもしていますし、先般の水害などにおけるそういう状況を見ても、今後もそういう取り組みを強めていくというところでは同じ認識に立っているのかなと思っております。
 また、2番目でありますけれども、私どもは、やはりこの中で自主的なそういう団体組織でありますから、それなりのそこの自主性をいかに重んじて行うか。ただ、同時に、区としても、防災という極めて区民の命と安全にかかわるというところでは、当然ながらそうしたところもきちんと見ていく。つまり、いろんな意味で支援をしていますけれども、それが的確に行われているかどうか。あるいはどちらかといえば防災会の方で困っていることがあれば、きちんとそれを受けとめて、それに対する助言をしていくというところでは、区の方もそういうことを実際にされているようなお話でありましたし、また、これからの新たな課題においても、そうした姿勢は今後とも強めていくという旨の御答弁だったというふうに理解しています。
 したがいまして、この陳情に対しては趣旨採択をすべきということで、賛成の討論といたします。
委員長
 他に討論はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 討論がなければ、討論を終結します。
 これより本件について挙手により採決を行います。
 お諮りします。第109号陳情、防災会の活動についてを採択すべきものと決することに賛成の委員は挙手を願います。

〔賛成者挙手〕

委員長
 挙手少数。よって、本件は不採択とすべきものと決しました。
 以上で、第109号陳情の審査を終了します。
 委員会を暫時休憩します。

(午後2時31分)

委員長
 委員会を再開します。

(午後2時33分)

 委員会を暫時休憩します。3時まで休憩にします。

(午後2時33分)

委員長
 それでは、委員会を再開いたします。

(午後3時01分)

 所管事項の報告を受けたいと思います。
 1番、特別区制度調査会報告についての報告を求めます。
川崎政策計画担当課長
 それでは、特別区制度調査会の報告につきまして、お手元の資料(資料4)に基づき御報告をさせていただきます。本件は、区長会が特別区制度調査会に調査研究依頼をしていた内容につきまして、このたび「制度改革後の特別区のあり方」ということで報告がありましたので、その内容を御報告させていただくものでございます。
 お手元には報告書本文と概要版、これはホチキスどめでお配りをしておりますが、本日は、後ろの方につけております概要版をもとに内容について簡単に説明をさせていただきたいと思っています。今回の報告でございますが、制度改革後の都区関係の現状と分権改革の大きな流れを踏まえた上で、都区制度そのものの転換といった考え方が示されております。
 では、具体的な内容につきましては、その概要版をごらんいただきたいと思いますが、まず初めに、都区制度の転換ということで、「分権改革のうねりの中で」と題しまして、現在の分権改革の進展によって、現行の都道府県はその存在意義自体を問い直されるということでございます。そうした中で、東京大都市地域、これは特別区が存する区域ということで言葉を使っておりますけれども、ここでも圏域的に処理すべき行政課題の解決が急務となっていくことから、都区制度の転換も時間の問題であるというようなことをまず述べております。
 2番目につきましては、「未完の平成12年都区制度改革」ということで、これは改めて御説明するまでもございませんが、現在、都区間で協議を行っている課題を述べた上で、この都区協議が膠着したままであると、平成12年施行の地方自治法改正の趣旨が実現されないまま、機能不全に陥るというようなことで述べています。
 3番目で「急がれる分権型社会への対応」ということでは、ここでは、東京大都市地域における新しい基礎自治体の再構築を急ぎ、都区制度のシステム転換に踏み切っていかなければならないというようなことを述べております。
 続きまして、「東京大都市地域の基礎自治体構想」、「構想にあたっての基本的視点」ということで、ここでは、2行目にありますように、「首都性」と「一体性」、そして、税財政制度構築に当たっての「財政の自主性・自立性」、こういった三つの視点を基本に据えたとしてありますが、その続いて書いてありますところでは、「首都性」については、その範囲や機能があいまいというようなことから、これは一たん置いておきまして、「一体性」の視点を中心に論を進めたということでございます。
 その次に、(1)として「「行政の一体性」の確保について」ということでございます。この特別区の区域においては、これまで行政事務の一部が一体的に処理をされてきたところでございますけれども、その一体的な行政の必要性は決して不変ではないということで、その基礎自治体の事務の一部を広域自治体、すなわち現在都に預けているわけですが、これらについても改めて考える必要があるということでございます。
 2番目に、「財政の自主性・自立性について」ということで表題を立てておりますが、下から3行目のところでは、地域特性を踏まえながら、分権時代にふさわしい財源の安定的な確保を可能とする税財政制度が必要であるとしながらも、「しかし」ということで、これについての考察は、「行政の一体性」の視点から新たな基礎自治体の理論モデルの検討を行った後に行うこととしたということで、この「財政の自主・自立性」についても、今回の報告では一たん置いてあります。
 次に、「新たな基礎自治体のイメージ」という文章で表現をされておりますが、これにつきましては、4ページの箱の中にあります参考図をごらんいただきたいと思います。概要版の4ページです。ここでは、現行の都区制度、御存じのように、一般市が行っている事務の一部を現在、広域的な自治体である東京都が一部担っているわけですけれども、今回この報告の中で示されておりますのは、二つのシナリオでございます。一つは、シナリオ1にありますように、東京府が一般の府県事務を担うことにして、その他、現在東京都が担っております一般市の事務については、新たな横断的な組織をつくった上で処理をしていこうというものでございます。その横断的な組織のあり方というのが、その下に、東京市連合機構のモデル、共同維持機構のモデルということで、二つのモデルを示しております。
 初めに、東京市連合機構のモデルというのは、これは東京都から引き継ぎを受けた一般市の事務について、その事務が非常に大きい場合には、こういった東京市連合なるものをつくって、この東京連合機構につきましては、公選による議員で構成される議会を設けまして、課税権なども持った地方公共団体の位置付けにしていこうというものです。
 その下の共同維持機構のモデルというのは、一体的に処理をする仕事が小さい場合には、共同維持機構というようなことで、主に調整の場にとどめるというような内容となっております。
 これがシナリオ1から想定される二つのモデルということで示されているわけですが、もう一つ、シナリオの2というのは、これは完全に23区が一般市と同じようになって、特別な調整の機構を持たないという、こういった二つのシナリオを描いております。
 ページを戻っていただきまして、3ページのところですが、一番下(3)「今後に譲った検討事項」としてございます。ここの中段のところで、今回、各特別区が現状の区域のままであることを前提として検討しているけれども、この前提が変われば新たな基礎自治体のイメージも変わってくるというようなこと。
 そして、下から2行目中ほどから、現在、地方制度調査会を中心に国で行われている論議、道州制ですとか、あるいは大都市制度のあり方について議論されているわけですけれども、それらを見きわめた上で、東京大都市地域に最もふさわしい基礎自治体の姿を模索していくべきだと考えるというようなことでございます。
 最後、4ページの先ほどごらんいただいた図の上に「制度設計への取組み」とありますが、今読み上げたようなことを改めて、ここに与件となるさまざまな動きを慎重に見きわめると同時に、関係者の幅広い論議と理解を得ながら検討を進めていく必要があるということでございます。
 以上、ごらんいただきましたように、具体的な制度設計でありますとか、財政の仕組みについてはこれからの課題ということで置いてあります。先ほど申し上げましたように、国においても、道州制や大都市制のあり方について議論を重ねているというようなことから、区長会といたしましても、今後、区議会の皆様や関係者の御意見を踏まえながら、さらに議論を深めたいとしているところでございます。
 以上、簡単ではございますが、特別区制度調査会の報告についての報告を終わらせていただきます。
委員長
 ただいまの報告に対して質疑はありませんか。
斉藤(金)委員
 本会議でも今回質問させていただいたんですけれども、制度設計の取り組みとか、こういうあり方だとかというようなことがいろいろ出てくるんですが、制度を変える手順というか、法律的なものというのはどこにあるの。例えば、区側が全部総意でこういうふうにしたいんですということで変えられるものなの。それとも、法改正なら法改正のもとでそれなりの理由があって、要するに、そういうところはどういうふうにしたらいいの。どうなっているの。
川崎政策計画担当課長
 この間の特別区の制度改革の取り組みの流れと同じようなことになるかと思うんですが、やはり各区が十分議論をして、その意見を23区として取りまとめて、その内容の実現のためには、今回ここで提案されているような内容となりますと、当然地方自治法を初め関係法令の改正ということが必要になってきますので、まずは23区として一致した考えをまとめて、国の方にその制度改正を求めていく。それに必要な所要の法改正が行われていくという、そういう流れになるかと思います。
斉藤(金)委員
 すると、都の方はどういうふうになるの。要するに、23区だけで、早い話が法改正を全会一致で言えば、変えてもらえちゃうものなの。そういうものじゃないというの。どっちなの。
川崎政策計画担当課長
 おっしゃるとおり、東京の中における特別区、東京都と特別区との関係がございますので、当然これは23区にとっていい制度ということで提案をしても、東京都の方としてそれに対して異論があるというようなことであれば、それは両者の意見を加味した上で国会での議論、あるいは、当然その前の国における事務的な検討ということになろうかと思います。
斉藤(金)委員
 なぜそんなもとのところを聞くかというと、片や、地方分権で区のいろんな役割なり、制度上の立場を高くしてあげるよと、高くしなくちゃならないというようなことがさんざん言われるんだけれども、では実際的にどういう手法でどう行けば、都も入ってというところがいつでも、都区制度改革の一番最初のところから都の考えと23区の考え方が違う。そうすると、一番最初の入り口のところで、いつも区長会なり、東京都の方と堂々めぐりになってしまう。そうすると、本来的に自治なら自治を23区がもっと対応していくというなら、最終的には法に訴えてでもこうなるんですよというところに行っちゃうのかなという気がするんですよ。
 また、それにはいろんなことが当然ついてくるんだけれども、いつでもそんなところに行く前の段階で終始してしまうから、都の方と区の方との今度の積み残したところも、最終的にずうっと残って引きずってしまうのかな。やっぱり区なんて幾らやったって、都の方はたかをくくっていて、いつまでも内部団体みたいなものなんだ、区長の公選があったから幾らか認められてきて、その次に財調の割合を変えるのに清掃だけ区におろしてというような、ある意味の都の方からすれば、いつまでたっても都があっての区なんだと。税金を集めるのはほぼ大多数のところは都が集めてあげて、おまえらに幾らか渡してやっているんだという悪い口で言えば、そういうふうになってしまうのかな。だから、そこのところを少しはっきり整理して、ではこれこれこういう段取りでこうしますよというところまで行かないと、このシナリオをいろいろ書いたり、最終的な都区制度の物を申すにしても、同じ認識で区長さんたちが持っていないといかないのかなというふうに非常に思うんだけれども、区長会なり、区側としてはどういう認識でいるのかねというところを。
川崎政策計画担当課長
 今、斉藤委員おっしゃるとおり、十分な都との議論というのを重ねていく必要があろうかと思います。今現在では、この先どうするのかというところなんですけれども、今回は特別区制度調査会の方からの報告、それもかなり具体的な中身がない中での報告を受けておりますので、それを受けてどうするかというのは、まだ区長会の方でもはっきり方向性は出しておりませんが、今委員がおっしゃられたように、今後、特別区として実現をしていこうというものを明らかにし、それを本当に具体的に実現化させるためには、委員おっしゃったような形で早い段階からの協議が必要であるというふうに考えます。
 今回の都区制度調査会の報告内容の中では、いわば新しい3層の仕組み、区があって、その間に広域的な連絡会、その上に東京都、3層の仕組みを設けようというようなことで考えておりますが、東京都の方としては、なかなか3層の仕組みというのは効率の面からいかがなものかというようなことも、既に都の方の行政改革の新たな指針の中では見解を示しておりますので、今後、まず区としてどうあるべきなのかということをしっかり議論するのが先かと思いますが、その先にはやはりしっかり都と協議をして、その先というのは決して区の結論を勝手に先に出してということではないと思いますが、委員おっしゃるような形での協議は進めていく必要があるだろうと思います。
斉藤(金)委員
 やっぱりそこのところからやらないと、どうもいつまでたってもそうなのかなと。区側からすれば、現行の区でなくて、何区かを合併すればもう立派な政令指定都市になっちゃうという思いを持っている区の人たちだっていっぱいいるわけで、政令指定都市になれば、国の方でさまざまな都に準ずるような権限を持ったり、そういうふうになっていて、その後連合体になるのかといったら、ある意味で東京都の方がうんと軽くなってしまう。県の中の政令指定都市みたいになってしまうのかなというようなところまであるわけよ。本当に突き進めていっちゃえば。だから、急激にどうのこうのじゃないけれども、都区間でちゃんと整理するところはここまでなんですよというところを、不毛のことをいつまでやっていたってしようがないのかなという気がするんですよ。
 やっぱり同じ認識に立ってやるとしたら、こういう制度が、当面、これが一番いいんですというのが、都区間のそういう意味の合意がなかったら、とば口でいつまでたっても進まないのかなという気がするんだけれども、私の考えているようなことは全然助役会や何かで考えていないのかね。そういうふうになれば、もう少し区側としても都に対して強く言えるのかな。要するに、23区の方からすれば国に直談判なんだというような極論を言っているんですよ。極論を言っているけれども、前から比べると、5年も6年もあったものが、12年から18年に出しますよと言っていたものが、また一番最初のとば口のところで、うちの方の事務はこうなんだ、区の方はこうなんだと、そんなところで終始するということが、地方分権を進めなさいということと余り整合しないな。やるにしても、都区間でそこのところはわかった上でやるのか。そういうようなところの議論というのはあったんですかね。
内田助役
 この間、特別区においては、12年の制度改革についての都区合意を踏まえての積み残し課題についてさまざま議論をしてきたわけです。ここ2年ばかり、東京都との間でその問題をめぐって議論をしてきているわけですけれども、積み残し課題の扱いについて基本的には都区で合意をして、その具体化に向けた協議をするということになっていたはずなのに、ここまで来てみると、要は大都市事業において根本的な認識の違いがあるということが明らかになってしまったわけでございます。
 特別区側からすれば、それはやはり法の趣旨に照らして、おかしいという主張をしているわけですけれども、東京都は違う見解であるということで、この主要5課題については、その間いろいろおっしゃるような議論が実は助役会の中でもありますし、区長会の中でもなされたというふうに思います。膠着状態に入ってしまった主要5課題について、特別区として、区長会としてどういうふうに方向性を今後持つかということについては、区長会の役員会が一応引き取った格好になっておりまして、その対応がまだ出てまいりませんので、ここでなかなか23区としてはこうだということが申し上げられない状況にありますけれども、おっしゃるように、都区の間で一応合意してやってきたことが実はそうでなかったということからすれば、今後さらに新たなテーマ、議論の方向性が特別区側においても、あるいは東京都においても出されているわけですから、これからそういった議論をやるためには、改めてきっちり議論のスタート台をつくり上げていかなくてはいけない。
 23区の中においても、そして東京都との間においても、そういったものをしっかり構築していかなくてはいけないというのが今の状況であると思いますし、そのことへ向けた区長会の検討もされるものというふうに思っているところであります。斉藤委員がおっしゃられた問題のとらえ方と今後の方向については、私も同様に感じているところですし、そういったことに関しての議論は公式の部分ではなかなかしにくいところでありますけれども、助役会の場面、区長会のさまざまな場面ではこもごも交わされるということは、区長からも聞いておりますし、私も助役会の中でそんなふうなやりとりをすることがあるという状況でございます。
斉藤(金)委員
 ただ都区制度のあれが財調の配分だけでみたいに、どうもある反面とられてしまうけれども、実際から言うと、では、自治の中でどういう形態でどういうふうにするのが、区民の福祉なり何なりのところになるんだというところが最終的には行くのかな。それこそが地方分権なんだというように思うんですよ。どっちにしてもね。それが、いつまでたってもその制度自体がそれこそ大幅にいろんなシナリオまで書いているようなところに変わるとしたら、区の形態なんていうのはまさしく全然変わってきてしまう。区のあり方自体が全然違ってきてしまうのかな。大変なことなのかなというふうに私はある意味で認識をしているから、本当に都区制度の改革を考えるんだったら、最終的にどの方法がいいんですと。
 都区間でやれば、各区だって全然違ってきちゃうのかなと思う。ある意味で各区の職員の削減だ、財政の問題だというのは、何かまとまってこうなればこうなりますよというのがもう全然違う方向付けができたり、施設の数にしても、やっぱり職員の数にしても、うんと変わってくるのかなというふうに思うんですよ。だから、将来的に各区が確かにこういうふうにするのがいいんだと思って、それを持てば、都なり何なり、そして最終的には国に影響を及ぼせる。そしてまた、自治が拡大するんだというようなことの認識をやっぱり持って模索していかないと、いつまでたっても都区間、都区間というだけでは、なかなか進まないのかなというふうに私の感想としては思うけどね。お答えいただけるんだったら。
内田助役
 私も同じ受けとめ方をしております。主要5課題についての区側の主張については、これはもう譲れないものでございまして、安易に妥協すべきでない。これは議会側からもそういったお話を伺いますし、区長会側もそれは腹を決めているというふうに思います。ただ、やっぱり自治制度というのは大きく全国的にもいろいろ動いているときですから、特別区側が主要5課題の残った課題についてだけ言っていればいいかというと、そうではないと。やはり新しい分権の時代に向かっての都区制度、あるいは特別区制度のあり方ということを同時に考えていかなくてはならないという認識でもって、区長会がきょう御報告したような調査会を設置して、検討を始めたというわけでございます。
 区長側としてもそういう認識を持っているわけでございまして、あとは、23ありますから、それぞれの区のいろんな事情とか、思いとか、この違いがありますから、それをいかに一つの力にして、東京都も既にいろいろ検討を始めておりますから、そことの間でしっかりとした議論ができるような、そういうふうな各区における、あるいは23区全体としてのしっかりした構えと、そういう力量をつけていくことが大事かなというふうに思っています。
委員長
 他に質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 よろしいですか。なければ、本報告については終了いたします。

 次に、2番はあしたやるということにしておいて、3番目の議会の委任に基づく専決処分についての報告を受けたいと思います。
橋本総務担当参事
 それでは、議会の委任に基づく専決処分につきまして(資料5)、御報告をさせていただきます。
 報告案件は2件ございます。1点目は自転車同士の接触事故で、2点目は清掃作業中の物損事故で、いずれも職員の不注意から起きたもので、未然に防止、あるいは回避等のし得る事案であります。職員には厳しく注意を喚起し、適切な業務執行の徹底を求めたところです。
 それでは、まず報告案件の1でございます。事故の概要でありますが、発生日時は平成17年8月12日、発生場所は新井二丁目36番付近の交差点であります。発生状況ですが、保健福祉部の職員が業務のために自転車に乗って新井二丁目36番付近を走行中、信号のない交差点を通過する際に、自転車に乗って走行してきた相手方と接触をいたしまして、相手方の自転車前輪が大破したというものです。
 和解の要旨ですが、相手方の損害額は自転車の残存価格5,000円で、そのうち相手方、区とも5割の過失割合に従いまして、区は相手方に2,500円の賠償責任があることを認めたものであります。和解の成立ですが、10月19日。区の賠償責任は、職員、相手方とも自転車で交差点に入る際、双方が注意義務を怠ったことにより発生したもので、本件事故のような事例では、双方に5割の過失があるものと認められてございます。このため、相手方がこうむった損害額の5割相当額につきまして、区の賠償責任は免れないものと判断いたしました。
 損害賠償額でありますが、相手方の損害額は自転車の物損費(残存価格)が5,000円であることから、区の損害賠償額は2,500円ということで、この損害賠償額は特別区自治体総合賠償責任保険により全額補てんをされます。
 事故後の対応を2点記しております。所属長から関係職員に対しまして、事故直後の対応も含めて口頭により注意を行いました。また所属長から、分野内の職員に事故防止の徹底を図ったところであります。
 裏面の報告案件の2。事故の概要でありますが、発生日は10月12日。発生場所は、相手方の住所地ということで本町三丁目内であります。発生状況ですが、清掃事務所の職員が、ただいま申し上げました相手方の住所地の敷地内にあるごみ集積所の可燃ごみを収集する際に、可燃ごみ収集用の容器をごみ集積所から引き出そうとしたところ、容器が敷地内に駐車してありました相手方が所有する自動二輪車に接触して、転倒させてしまいました。その結果、自動二輪車の燃料タンク等を破損したものであります。
 和解の要旨でありますが、破損した自動二輪車について修理代11万4,712円を修理業者に区が直接支払い、また、相手方が負担した修理業者までの破損した自動二輪車の運送費1万6,800円を相手方に支払うということで和解が成立したものであります。
 成立の日は11月15日。賠償責任でありますが、職員が可燃ごみ収集用の容器をごみ集積所から引き出す際に、周囲の確認が不十分であったことにより発生した事故で、区の賠償責任は免れないものと判断いたしました。
 損害賠償額でありますが、損害額は自動二輪車の修理代と修理業者までの運送費の計13万1,512円で、区に全責任があることから、区の損害賠償額は損害額と同額となります。なお、損害賠償金は特別区自治体総合賠償責任保険により全額補てんされる見込みでございます。
 事故後の対応ということで、繰り返し清掃事務所ではこういった事故につきましてはその都度具体的な対応を行っておりますが、今回、所属長から関係職員に対する口頭注意や、あるいはヒアリングによる事故の原因、収集する際にどういったことを注意したらいいのか、その辺についてきっちり事故究明を図ったところであります。それから、ごみ収集作業に支障のあるごみ集積所の把握とか、所有者、管理者に対する改善要請、こういったことにつきまして現在検討しているところであります。
 以上で2件の専決処分の御報告を終わらせていただきますが、繰り返しになりますが、いずれも職員の不注意に起因するもので、このような事故を起こしまして、まことに申しわけありませんでした。
委員長
 ただいまの報告に対して質疑はありませんか。
佐伯委員
 報告案件1の方なんですけれども、8月12日の12時ごろ事故が発生して示談まで、この程度の金額といったら語弊があるかもしれませんけれども、わずか2,500円の金額を決定するために2カ月以上かかるというのは、どういう交渉で、何回ぐらい行われたんでしょうか。
橋本総務担当参事
 相手方もお勤めをされていて、なかなか連絡がとれませんでした。内容的には委員おっしゃるとおりなんですけれども、なかなか接触が図れなかったということで、このように時間がたってしまいました。
小堤委員
 案件1なんですけれども、相手方が自転車前輪が大破したと。接触した職員の方の自転車というのは大丈夫だったんですか。
橋本総務担当参事
 タイミングと申しましょうか、区の職員が乗っておりました自転車につきましては、特に破損はございませんでした。
斉藤(金)委員
 つかぬことを聞くんだけれども、特別区自治体総合賠償責任保険というのは出してもらうんだけれども、保険なんだから、区の方から保険料を払っているんでしょう。これは幾らぐらい払っているものなの。
橋本総務担当参事
 23区、それぞれ自治体の規模によって保険料が違っております。算定の基礎になりますのが区有財産、建物面積、あるいは住民基本台帳の登録している人口1人当たりということで、ありていに申し上げますと、建物としては10平米当たり93円で、人口にいたしますと1人当たり2円80銭、これを掛け合わせたものが保険料として支払うことになってございます。
斉藤(金)委員
 よく自動車保険や何かは事故をすると高くなっちゃうんだけれども、これはそういうことがないの。
橋本総務担当参事
 それに近いものがあるんですが、保険料の優良払い戻しというのがございます。一たん保険料を払ったんだけれども、事故が少ないということで保険料の一部が返ってきます。これは中野区とか一つひとつの区ではなくて、23区総体でカウントいたします。平成16年度につきましては、そうした優良払い戻しはございませんでした。ちなみに、カウントといたしましては、保険料に占める保険金の割合が20%未満ですと、優良払い戻しがございます。
斉藤(金)委員
 それで、これは上限はないの。上限はあるの。上限がある事例においてはこのぐらいきり出ませんよとか、そういうのはなくて、大体かかったらみんな出てしまうというあれでいいの。
橋本総務担当参事
 これにつきましては上限はございません。ただ、保険料の算定は自治体賠償責任保険の主管課のところで、保険会社を交えて算定をいたします。
斉藤(金)委員
 何でそんなことを聞いたかというと、この報告案件1の方で、この間、ラジオだかテレビを見ていて、自転車で人をはねた。それで、5,000万だか何だかの賠償が出たんだよね。自動車だとか二輪車じゃないんだ。普通だと自動車保険というのに入っているじゃない。だから、車両の場合は自治体でも入っているんだと思うんだよね。自転車には入っていないでしょう。すると、自転車はこっちで出るのかなと思って今聞いたんだけれども、そうなの。
 それで、ほとんど最後に全額補てんされるからいいやといつも言っているけれども、自転車であったって、そのぐらいの例の賠償金まで判決で出るような時代だし、実際から言うと、事故というのはやっぱりしかったり、注意したりというだけじゃなくて、もう本当に何遍も言うけれども、いつも議会が終わると2件ぐらい出てきてしまう。本当にうちの区の職員は事故が多いのかなと、だれが考えたって思うんじゃないかと思うよ。だから、少しそういうようなところも、あなたの払えないような判決まで出るんですよというようなことをちゃんと認識させないとよくないのかなと思いますよ。だから、これは要望にとめておきますけれども、事故は大変だと思いますよ。
橋本総務担当参事
 こういう案件につきましては、その都度、早朝事務会議を開きまして、事故の原因等々について追求をいたします。相手方に対するこちら側の過失がどうなのかという問題だけではなくて、なぜこうした事故が起きたのか、むしろそちらの方に着目をした早朝事務会議を繰り返し行っております。私ども総務としては事業部分でありませんから、そういったことに対して、実際に仕事をする上でこうしろということはなかなか申し上げにくいんですけれども、こうした事故が繰り返しございます。その際には厳しく業務点検、あるいは職員への指導を厳しくするように常にさせているところでございます。毎回こういうお話をさせていただいているんですけれども、繰り返しそういう会議を通じまして努めてまいります。
小堤委員
 この報告案件2なんですけれども、清掃業務については何回かこういう報告があったんですね。ただ、私は、好んで事故を起こす職員はいないと思うんですよね。ただ不注意というんですか、それはやっぱり正していかなきゃいけないんですけれども、ただ、ここでお聞きしたいのは、事故後の対応についてということで、例えばこの(3)の担当技能長による緊急ミーティングの実施というのは、いわゆる管理する管理職による事故防止の提案みたいのを話し合っているんですか。
 というのは、私は、今答弁ありましたけれども、厳しく言うとか指導するということも必要かもしれないんですけれども、例えば清掃業務だったら、職員の方は同じ仕事をしているわけですね。だから、上司とか、そういう意見だけではわからない。同じ業務をすることによって、ミーティングなんかでその職員の方が理解できると、こういうことをやったら事故が起きるんだと、そういうことがある意味では大事なのかなという気がするんですよ。そういうことの実施というのはどういうふうになっているんですか。
橋本総務担当参事
 個別具体的には現場サイドの問題でありますが、この担当技能長と申しますのは管理職ではございませんが、そうした収集業務を長年やってきて、技能長として経験豊富な職員であります。そうした職員が実際の現場を検証しながら、どこに原因があったのか、それぞれの職員がそのときにどういうふうに対応すれば望ましかったのか、こういったことを当該職員と一緒に考えて、ここにありますように、このときはこういうふうにすれば事故防止につながったのではないか。それを共通認識していこうというのが、この事故後の対応の(3)の主たる内容であります。
委員長
 他に質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、本報告について終了いたします。
 次に、4番、平成17年国勢調査の結果(速報値)についての報告を求めます。
橋本総務担当参事
 平成17年国勢調査の結果(速報値)につきまして(資料6)、御報告をさせていただきます。
 この調査は、10月1日を基準日に実施したものであります。多くの区民の皆様の御協力を得ながら、無事調査票の回収ができました。現在、内容の再確認、あるいは各調査項目における集計作業を行っているところであります。今回、速報として、全体像につきまして取り急ぎ御報告をさせていただきます。
 世帯数は、ここにありますとおり、速報値では17万2,288で、前回の確定値と比べますと、6,388世帯ふえてございます。2番目の人口の総数でありますが、速報値で31万181。前回確定値との比較では655人人口がふえてございます。内訳のところで、前回確定値の比較を見ますと、女性が655ということで、くしくも総数での増と女性の増が数字としては一致してございます。
 これら内容につきましては、東京都の内容も含めまして、来年の1月15日の区報に掲載をする予定になってございます。なお、備考のところに書かせていただきましたが、これはあくまで速報値として中野区の分を都の方に報告した内容でありまして、その後、総務省から示されます公表数値とは若干数字が異なる場合もあります。いずれにいたしましても、これらにつきましては来年の10月に確定値ということで官報に掲載される予定であります。
委員長
 ただいまの報告に対して質疑はありませんか。
斉藤(金)委員
 人口の総数と世帯数が随分違うよね。前回確定値との比較で6,388世帯ふえた。人口は655きりふえていないということは、ますます細分化されちゃって、単身者ばかりになってしまったという証拠なの。
橋本総務担当参事
 まだ細かい分析は、集計作業中で何とも申し上げられませんが、そのことは大いに考えられることだと思われます。
佐伯委員
 一つ参考までに聞いておきたいんですけれども、31万人、この中で中野区で住民税を払っている人はどのくらいかわかりますか。
石神総務部長
 これは国勢調査ですから、住民票の記録ではなくて現在住んでいる方なので、それとまだ分析が終わっていませんので、一概には言えないです。ですから、速報値として今すぐ使われるのは、この数値で議員定数だとか、そういったものは決まってくる話がありますので速報されます。ですから、この数値が決まった段階で少し分析して、将来的なまちづくりだとか、そういったことを含めて対応を考えていきたいというふうに思っております。
委員長
 他に質疑ありませんか。よろしいですか。

〔「はい」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、以上で本報告について終了いたします。
 次に、5番目、平成16年度(2004年度)中野区のバランスシートについての報告を求めます。
篠原財務担当課長
 それでは、平成16年度(2004年度)中野区のバランスシートにつきまして(資料7)、報告を申し上げます。
 まず初めに、区では平成12年からこのバランスシートを作成いたしまして、公表してございます。通常、例年ですとこの16年のバランスシートにつきましては、翌年の3月もしくは4月にいつも総務委員会で報告をさせていただきました。今回、区議会各会派、それから区民の方から、なるべくこういったものは早く示すべきではないかといったような御意見をいただきまして、今回委託の会計事務所にお願いいたしまして、今回から遅くとも年内にはお示しをするようにしたものでございます。
 なお、このバランスシートを作成することによりまして、税金の投入などにより整備されました資産の構成、それから将来返済することになる負債と、返済をしなくてもよい正味資産の比率など、ストックに関する情報の把握が可能となります。
 それでは、初めにバランスシート、それから行政コスト計算書の基本的な前提について確認をさせていただきたいと思います。資料の5ページをごらんいただきたいと思います。このバランスシート、また行政コスト計算書でございますが、いわゆる総務省方式に基づいて作成をしております。対象の会計の範囲でございますが、これは普通会計でございます。作成の基準日でございますが、会計年度の最終日。なお、出納整理期間の出納につきましては、会計年度の最終日までに終了したものとして処理をしてございます。それから、基礎数値でございますが、こちらにつきましては、電算処理されました昭和44年度以降のデータを使用してございます。
 その他、有形固定資産、それから減価償却につきましては、取得原価主義を採用いたしまして、昭和44年度以降の決算統計の普通建設事業費の行政目的別データを取得原価とみなしております。また、減価償却につきましては、各行政目的別の主な用途の区分ごとに総務省方式で設定をいたしました耐用年数に基づきまして、最終的な残存価格をゼロとします定額法により計算をしてございます。
 また、以前より当委員会におきまして、民間企業において行われております発生主義会計を導入した比較を行うべきであるというような御指摘を受けてございます。現在、総務省の地方公共団体の総合的な財政分析に関する研究会におきまして、今現在検討が進められておりますが、まだ報告には至ってございません。
 それでは、バランスシート、それから行政コスト計算書、キャッシュフロー計算書などの概要につきまして、それぞれ特徴的な部分を中心に説明させていただきたいと思います。
 それでは、まず7ページのバランスシートの対前年度比較を参照いただきたいと思います。表の左側になりますが、借方の下段、資産合計でございますが、2,641億円でございまして、前年、15年度と比較いたしますと18億円の増となってございます。この主な要因でございますが、借方の1の有形固定資産について35億円の普通建設事業が行われました。しかしながら、施設の減価償却が51億。23ページの行政コスト計算書の方にその51億円の内容が記載してございます。この51億円がありましたので、差し引き16億円の減となってございます。
 また、借方の2.投資等では、(1)の投資及び出資金で、株式会社まちづくり中野21に2億円を出資してございます。(2)の貸付金、これは駐車場整備基金貸付金の廃止により4億円の減となってございます。
 また、借方の3の流動資産でございますが、(1)のマル3の歳計現金でございます。これは16年度の剰余金が29億円だったため、20億円の増となってございます。これは決算のときに御説明した内容と合致をしてございます。

 こうした要因がございまして、16年度の借方につきましては、一番下の段の資産合計欄になりますが、18億円の増となったものでございます。
 一方、貸方の負債の部でございますが、1の固定負債の(1)地方債でございますが、これが前年に比べまして33億円の減となりました。これは、新規の起債を抑制いたしましたこと、また、償還が進んだといったことによるものと分析をしてございます。
 また、2の流動負債の合計欄でございますが、特別区債の翌年度償還予定額が増加をいたしました。このため12億円の増になってございます。

 この結果、正味資産の合計は、資産合計の増減額と負債合計の増減額を引いたものでございますが、これにつきましては40億円の増となってございます。結果的には設備投資を控えて、資産をためたといったことによるものと分析をしてございます。
 なお、これらの詳細な説明は次の8ページから9ページに記載をしてございますので、後ほどごらんいただきたいと思いますが、特に8ページの冒頭にございますように、資産合計が18億円増加し、将来の世代の負担となる負債が22億円減少したと。差し引きで正味資産が40億円増加したということから、対前期の比較では財政状況が改善したというふうに考えてございます。
 次に、24ページの行政コスト計算書の対前年度比較をごらんいただきたいと思います。行政コストにつきましては786億6,895万円でございまして、前年に比較いたしますと209万円の微減となりました。
 これらの要因でございますが、まず1の人にかかるコストでございますが、合計で22億円の減となりまして、職員数の計画的な削減の効果がここにあらわれているというふうに分析をしてございます。
 次の2の物にかかるコストにつきましては、物件費は2億円減となりましたが、維持補修費が1億円増となりまして、結果1億円の減となってございます。
 また、次の3の移転支出的なコストにつきましては、扶助費が生活保護費の増などで18億円の増、繰出金につきましても、国民健康保険会計の5億円を初めとしました特別会計への繰出金で8億円の増となってございます。合計では25億円の増ということで、これも決算のときに御説明いたしましたが、こういった扶助費、それから特別会計への繰出金が今後大きな課題になるというふうに考えてございます。
 次に、収入項目についてでございますが、16年度は819億円と、前年度に比べますと24億円の増となりました。これは主に税収。税収でも特に地方譲与税、それから交付金の増によるものというふうに考えてございます。
 それから、一番下の7、期末一般財源等につきましては、前年度に比べまして40億円の増となりまして、結果的には黒字経営だったというふうなことを示してございます。
 なお、これらの分析結果につきましても、21ページから22ページに記載をしてございますので、後ほどごらんいただきたいと思います。
 次に、キャッシュ・フロー計算書の特徴について御説明いたします。33ページをごらんいただきたいと思います。対前年度比較をごらんいただきたいと思います。
 初めに、Iの行政活動によりますキャッシュ・フローでございますが、扶助費が18億円増加いたしましたが、人件費が14億円減少した上に、税収が6億円、交付金が17億円増加したことによりまして、16年度につきましては対前年度比25億円の増となってございます。
 それから、IIの投資活動によりますキャッシュ・フローにつきましても、15年度に江古田の森保健福祉施設用地の取得など、有形固定資産の取得によりまして37億円の増となってございます。
 また、IIIの財務活動によりますキャッシュ・フローにつきましては、江古田の森保健福祉施設用地の取得に伴います地方債発行収入の減によりまして、40億円の減となっております。
 なお、VIの歳計現金の年度末残高につきましては、前期末よりも20億円増加しておりまして、これはバランスシートの流動資産の(1)現金預金のマル3、歳計現金の増減と一致をしてございますので、後ほど確認をいただきたいと思います。
 最後に、連結バランスシートについて御説明をさせていただきます。40ページをごらんいただきたいと思います。
 最初に、資産合計につきましては132億円増加をしてございます。この主な要因につきましては、流動資産が146億円ふえてございます。その内訳でございますが、それぞれの会計が持ちます未収金が41億円ございます。そして、残りの104億円余りにつきましては、土地開発公社の保有地となっているものでございます。
 また、負債の合計につきましては107億円増加をしてございますが、このうち固定負債につきましては104億円の増となってございます。この内訳でございますが、各会計の退職給与引当金が26億円、それから土地開発公社の金融機関借入金が78億円となってございます。
 次の正味資産の合計につきましては25億円増加しておりますが、これは公営企業会計の合計正味資産が12億円、それから財政支援団体の正味資産が12億円によるものでございます。
 最後に、連結バランスシート上の将来世代の負担率でございますが、普通会計の33.8%に比べますと、38.3%と、4.5ポイント高くなっております。この原因につきましては、土地開発公社にまだ多額の借入金があるということで、この影響がございまして、さらなる公社の健全化が必要であるというふうに考えているところでございます。
 以上、簡単でございますが、16年度のバランスシートの概要の説明とさせていただきますが、後ほど内容につきましてはお読み取りいただきたいというふうに考えております。
委員長
 本報告について質疑はありませんか。
長沢委員
 あした、10か年の方は入るということなのであれなんですが、たまたま説明の方で出まして、発生主義会計の導入ということでは、総務省の方なんでしょうか、何か考え方というのはまだ示されていないということで、中野区においても、そういう意味では例年の出されているものにとどまっている。総務省の方でのひな形というか、一応これ自身も総務省の方にも報告をしている中身というふうに受けとめていいんですか。ちょっとその2点、教えてください。
篠原財務担当課長
 発生主義会計につきましては、一応総務省の検討結果を今様子を見ている状況でございます。その理由といたしましては、いろんなシステム改正が必要となる部分がございますので、総務省の検討に先んじてシステム改修することによって、後に違ったシステムになった場合についてのことを考えて、こういった対応をしているものでございます。なお、東京都におきましては、平成16年度から公営企業会計に発生主義会計を導入してございます。また、来年の18年からにつきましては、一般会計につきましても発生主義会計の考え方を導入していくということで考え方を示してございます。そういった国の動向、都の動きを注意深く見ていきたいというふうに考えてございます。
 それから、このバランスシートの内容につきましては、やはり総務省方式ということで全国統一的なものということで、各自治体間で比較ができるものというふうになっておりまして、御質問にあったように統一のものというふうに考えてございます。
長沢委員
 これまでの現金主義の会計、俗に言う公会計から企業のそういう発生主義の会計にということなんですけれども、それを導入することによって、そのあらわれ方としてはどういうふうにあらわれるんですか。例えば決算書とかも変わってくるみたいな、ちょっと具体的にこういうものがこういう形になるみたいに、イメージがうまくできないんですけれども、どんな感じなんですか。
篠原財務担当課長
 すぐに発生主義会計を導入するような制度につきましては、地方財政法上、そういった改正が必要になります。これまでの現金主義会計の主義を持ちながら、発生主義会計に移っていくということはコスト意識、これこれこういう事業に対してこれだけのコストがかかっていますよということがあらわれてくるというようなことがあります。そういった意味では、職員がコスト意識を持つことができるというような利点があるというふうに考えてございます。
長沢委員
 ここにも出ていたかもしれませんけれども、俗に言われているところで、ストック情報なんかをうまく示していない。それが今度は示すようになると。あるいは、ディスクロージャーが進めることになるよと。そういうことがいろいろ指摘されて、そういう意味で議会、区民に対してそういうものが明らかに、これまでの現金主義というか、公会計の中ではなかなか表にというか、わかりづらかったものが明らかになるということは望ましいのかなと思うんですけれども、一方で、いわゆるこれまでの行政がやっていた単式簿記というんですか、今までのやり方というのは、言ってみれば、収入と支出というのは、目標としては一致させるというのがあり方ですよね。ただ、企業の方の複式簿記というのは、当然ながら企業の目的としては利益を上げるというところで、そういう意味では性格は違うものであるのかなと思うんですね。
 今言われた情報として、確かにそういうものが明らかになって、コスト意識を高めていくということも当然必要なこと、あり得ることだと思うんだけれども、もともとの行政がやった収入に対して、それを支出したことに対して、いわゆる企業であれば、当然そこの中で原材料から製品をつくって、それを販売して、もうけ、利益は幾らですかというようなところなんだけれども、行政の場合というのは、当然ながらそこでやってきたサービスそのものが、どう住民サービスに貢献しているのかと。要するに、公共的なそういう住民サービスに貢献していくというところが、要するにそれをもって福祉の増進を図るというのが目的だと思うから、そこのところがやはりここの発生主義のところでどう読み取ればいいのかなというのが、もう一方で課題になるのかなと思っているんですけれども、そういうのはどのようにお考えですか。
篠原財務担当課長
 今御指摘のように、職員、人にかかるコストとか、いろんな事業を進めるに当たりましても、その実施に当たってのいろいろなコストがあります。そういったものがはっきりわかる。限られた予算の中で成果を上げるというようなアウトカム指標でこれからやっていくわけなんですが、そういった中でやっぱり職員がコスト意識を持っていく。区民の方にも、こういった事業についてはこれだけのコストがかかっているんだというやはり説明責任を果たしていくべきだというふうに考えてございますので、ただ、そういった内容につきましても今検討を始めているところでございますので、もうしばらくそれについてはお時間をいただきたいというふうに考えております。
大内委員
 このバランスシートの有形固定資産のところで、19ページのところから書いてあるんだけれども、その内訳が11ページに出ているんだけれども、道路とか橋りょうという土地の明細表は、土地のことを言っているのか、それとも設備のことか。橋は設備も入るの。減価償却とかいってこれは何年かとかがあるの。
篠原財務担当課長
 こちらにつきましては、先ほど総務省方式の前提のところで報告をさせていただいておりますが、普通建設事業費につきましては、昭和44年の電子データ化されたものを使っております。道路・橋りょうにつきましては、土地の取得も入りますし、その整備費も全部ここに含まれてございます。例えば小学校、中学校なんかにつきましては、例えば耐用年数を50年なら50年ということで設定をしておりまして、それを定額法で毎年幾らずつという形で減価償却しているものでございます。そういったことで、昭和44年にデータ化したものが、今こういったような資産の状況になっているというものでございます。
大内委員
 では、この小学校とか中学校では土地のことは入っていなくて、建物の減価償却だけ。土地の値段も入っているわけですか。
篠原財務担当課長
 土地の値段も入ってございます。
大内委員
 ということは、たしか小・中学校というのは必ずしも区が持っているわけじゃなくて、今で言う文科省というか、ああいうところが持っていたり、地主さんが持ったり、いろんなのがあるでしょう。そういうのは全部引いて、中野区が独自に持っている部分だけを細かく計算して入れているの。
石神総務部長
 これは、行政の場合には土地が価値を生むということではありませんので、土地については有形固定資産には入っておりますが、減価償却の対象からは抜いております。ですから、施設だとか建物、そういった今後経費を入れていかなければいけない、維持していかなければいけない部分だけが減価償却ということで、残存価値をゼロとする定価法によって出しているということで、5ページに書いてある、有形固定資産及び減価償却というところに書いてあるとおりの内容でございます。ちょっと今課長が勘違いして答えておりますが、土地は入ってございません。
大内委員
 となると、その下の主要な施設の状況はあるでしょう。これもやっぱりそういうふうに、これは土地じゃなくて建物を毎年毎年、これも50年で減価償却を全部やるの。
篠原財務担当課長
 これは取得年度がありまして、現在までにどのぐらいの減価償却が行われたかというものを、主な施設としましてお示しをしたものでございます。
大内委員
 何年で割っているの。
篠原財務担当課長
 これは、それぞれ施設の用途によって減価償却の年数が変わってきますので、例えば学校であれば50年というような基準がございます。運動施設等につきましては、場合によっては30年とか、そういったような減価償却の期間もございますので、そういったもので毎年毎年の定額法で割り返していったものでございます。
大内委員
 それでもう一度、やっぱりさっきの学校とかも土地の値段は計算しないの。
篠原財務担当課長
 さっきの答弁訂正ということで、土地は入ってございません。
大内委員
 それとあともう一つ、次の12ページのところのまちづくり中野21の出資割合が7.3%なんだけれども、こういう書き方になっちゃうの。
篠原財務担当課長
 この総務省方式につきましては、自治法上の出資割合ということになりますので、まちづくり21は総資本が27億円。そのうちの2億円を出資してございますので、出資割合は7.3%ということになります。ただ、民間のバランスシートにおきましては、あくまでもこの出資割合については議決権をこのパーセントとしてのせるというふうに聞いてございますので、議決権でいきますと、この出資割合は67.7%という数字になります。ただ、自治法上はあくまでも総出資資本に対する割合をここにのせるというようなことで処理をしてございます。
大内委員
 だから、金額が動くわけじゃないから、出資の方の書き方だけの問題なんだろうけれども、要はこういう書き方は誤解を招くと言われても仕方ない。ただ、そういう書き方なんだからそうなんだろうけれども、やっぱり私は出資は3分の2というようなイメージでいたものだから、自治法上で書くとこうなっちゃうよと。でも、そうだというのはわからない。では、もう一回そこをちょっと言ってくれる。
篠原財務担当課長
 総務省方式によりますと、ここにもございますように、文・スポ公社につきましては5億円出捐金を出しているわけですけれども、それについては出資割合は100%ということになっています。文・スポの総資産は一応5億円となってございますので、これを全額持っているわけですから100%ということになりますが、まちづくり21につきましては、都市再生ファンドとか、他の株式がございます。その総出資額が27億円ですから、自治法上総務省方式でやりますと、どうしてもこの7.3%という数字をのせざるを得ないというような状況になります。ただ、区民の方には誤解を得るというような御心配もありますので、できれば何か本文の中でそういった注釈をつけられれば、検討してみたいというふうに考えてございます。
大内委員
 半年前の話だから、ちょっと言い方を忘れちゃったんだけれども、要は議決権のある株は3分の2持っていると。あとのやつは議決権がない株ということでいいんだっけ。たしかそうだよね。
川崎政策計画担当課長
 今委員がおっしゃったとおり、議決権のある株については区が3分の2を保有しているということでございます。
委員長
 他に質疑はありませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、以上で本報告については終了いたします。
 次に、区有施設のアスベスト気中分析に係る調査結果についての報告を求めます。
秋元営繕担当課長
 区有施設のアスベスト気中分析に係る調査結果につきまして、御報告を申し上げます。
 お手元の資料(資料8)をごらんいただきたいと思います。今までアスベストを含む吹きつけ材につきましては、目視によって技術陣が、我々が調査をしていたということでございますが、このたび、これを科学的に検証しようということで、実際に気中分析を行ったというものでございます。
 その内容でございますが、これは室内の空気を一定時間捕捉いたしまして、その空気1リットル当たりに含まれているアスベストの繊維でございますが、その本数を分析するというものでございます。通常では、空気1リットルあたり0.1本から0.5本程度を含むと言われております。都内の大気の測定値などを見ますと、0.6本、0.7本といったものも見受けられているわけでございます。
 3番でございますが、その結果でございます。ここに記載されてございますように、本庁舎、沼袋西保育園・児童館、ひがし中野幼稚園、障害者福祉会館、中野体育館、もみじやま文化センター、こういったところでそれぞれ測定をいたしたわけでございますが、いずれも0.5本以下ということでございます。ただ、1カ所、沼袋西保育園で0.8本という測定結果が出ておりますが、ただ、これにつきましても、ほぼ自然界と同様の数値ということが言えるわけでございまして、全く問題はないというふうにとらえております。
 ちなみに、表の右側でございますが、参考値という形で、これは大気汚染防止法の基準、施行令規則第16条の2に、これはアスベストを取り扱っている事業所のところでの基準でございますが、そこの敷地境界線上で1リットル当たり10本以下という規定があるわけでございます。こういったものから比べてもはるかに低い数値ということが言えるわけでございます。
 この分析結果の本数の右側に括弧書きで(1)(2)という記載があるわけでございますが、これにつきましては、4番の実施機関でございます。(1)につきましては環境管理センター、(2)につきましては環境リサーチ株式会社で行ったというものでございます。
委員長
 ただいまの報告に対して質疑はありませんか。
小堤委員
 一つは、一定時間の捕捉とありますけれども、何時間ぐらいかということと、あと、実際にそれぞれ調べたわけですよね。沼袋西保育園の0.8以外はみんな0.5以下となっているんですけれども、それぞれはかったんだったら、0.1とか、0.4とかと書くのが普通じゃないですか。
秋元営繕担当課長
 失礼申し上げました。まず後段の方の御質問にお答えをいたします。この表の下に注意書きで「定量下限値は、0.5本/リットル」という書き込みがございまして、現在の技術では測定がここまでしかできないというものでございます。
 それから、この捕捉の時間でございますが、2時間というふうに聞いてございます。
大内委員
 それで、結局自然界と同じ程度ということで、特に処置はしないということでいいんですか。
秋元営繕担当課長
 全く問題ない数値ということで、除去措置は行いますが、すぐ部屋を使っちゃいけないとか、そういった措置は行わないという意味でございますが、いずれにしましても、除去措置は行うというものでございます。
委員長
 他に質疑はありませんか。よろしいですか。

〔「はい」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、以上で本報告について終了いたします。
 7番、その他、何か報告はありますか。
 ございませんので、委員会を暫時休憩いたします。

(午後4時14分)

委員長
 委員会を再開いたします。

(午後4時14分)

 休憩中に確認したとおり、本日の審査はここまでとしますが、委員、理事者の皆さんから特に発言はございませんか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

委員長
 なければ、次回の委員会は、あす12月2日、午後1時から当委員会室で行うことを口頭をもって通告いたします。
 以上で、本日の総務委員会を散会します。

(午後4時14分)