平成23年02月28日中野区議会予算特別委員会の会議録 1.平成23年(2011年)2月28日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。 1.出席委員(41名) 1番 内 川 和 久 2番 ひぐち 和 正 3番 白 井 秀 史 4番 平 山 英 明 5番 つぼい え み 6番 いながき じゅん子 7番 森 たかゆき 8番 山 口 かおり 9番 せきと 進 10番 いでい 良 輔 11番 伊 東 しんじ 12番 佐 野 れいじ 13番 北 原 ともあき 14番 南 かつひこ 15番 小 林 秀 明 16番 林 まさみ 17番 の づ 恵 子 18番 近 藤 さえ子 19番 牛 崎 のり子 20番 欠 員 21番 吉 原 宏 22番 大 内 しんご 23番 きたごう 秀 文 24番 伊 藤 正 信 25番 久 保 り か 26番 やながわ 妙 子 27番 酒 井 たくや 28番 佐 伯 利 昭 29番 むとう 有 子 30番 長 沢 和 彦 31番 か せ 次 郎 32番 高 橋 ちあき 33番 山 崎 芳 夫 34番 市 川 みのる 35番 斉 藤 金 造 36番 篠 国 昭 37番 岡 本 いさお 38番 飯 島 謹 一 39番 江 口 済三郎 40番 佐 藤 ひろこ 41番 来 住 和 行 42番 岩 永 しほ子 1.欠席委員 な し 1.出席説明員 中野区長 田中 大輔 副区長 金野 晃 副区長 阪井 清志 教育長 田辺 裕子 政策室長 竹内 沖司 政策室副参事(企画調整担当、平和・人権・国際化担当) 小田 史子 政策室副参事(予算担当) 志賀 聡 政策室副参事(区民の声担当、調査研究担当)、経営室副参事(広報担当) 松原 弘宜 政策室副参事(情報担当) 藤井 康弘 経営室長 川崎 亨 危機管理担当部長荒牧 正伸 経営室副参事(経営担当、用地・管財担当) 篠原 文彦 経営室参事(契約担当) 村木 誠 経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) 田中 謙一 経営室副参事(人事担当) 奈良 浩二 経営室副参事(財産管理担当) 柿内 良之 経営室副参事(危機管理担当) 高橋 均 経営室副参事(防災担当) 鳥井 文哉 管理会計室長 尾﨑 孝 管理会計室副参事(管理改善担当) 戸辺 眞 管理会計室副参事(税務担当) 青山 敬一郎 会計室長 村田 宏 区民生活部長 鈴木 由美子 区民生活部副参事(区民生活部経営担当、地域活動担当) 瀬田 敏幸 区民生活部副参事(南地域担当) 岩浅 英樹 区民生活部副参事(中部地域担当) 小山 真実 区民生活部副参事(東地域担当) 辻本 将紀 区民生活部副参事(北地域担当) 長﨑 武史 区民生活部副参事(西地域担当) 中井 豊 区民生活部副参事(戸籍住民担当) 浅野 昭 区民生活部副参事(産業振興担当) 高橋 昭彦 区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 横山 俊 区民生活部副参事(ごみ減量・清掃事業担当、ごみ減量担当) 鈴木 郁也 清掃事務所長 伊東 知秀 子ども家庭部長 長田 久雄 子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当、地域子ども家庭支援担当、男女平等担当) 髙橋 信一 子ども家庭部副参事(子育て支援担当)、子ども家庭支援センター所長 伊藤 政子 子ども家庭部副参事(中部すこやか福祉センター地域子ども家庭支援担当) 石濱 照子 北部地域子ども家庭支援センター所長 波多江 貴代美 南部地域子ども家庭支援センター所長 天野 秀幸 鷺宮地域子ども家庭支援センター所長 古川 康司 子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当)、幼児研究センター所長 海老沢 憲一 保健福祉部長、中部すこやか福祉センター所長 田中 政之 保健所長 田原 なるみ 保健福祉部参事(保健予防担当) 山川 博之 保健福祉部副参事(生活衛生担当) 宇田川 直子 保健福祉部副参事(福祉推進担当) 平田 祐子 中部すこやか福祉センター副所長 野村 建樹 保健福祉部副参事(中部すこやか福祉センター地域保健福祉担当) 高里 紀子 北部保健福祉センター所長 大橋 雄治 南部保健福祉センター所長 町田 睦子 鷺宮保健福祉センター所長 齋藤 真紀子 保健福祉部副参事(障害福祉担当) 朝井 めぐみ 保健福祉部副参事(生活援護担当) 黒田 玲子 保健福祉部副参事(保健医療担当) 角 秀行 保健福祉部副参事(介護保険担当) 遠山 幸雄 都市整備部長 服部 敏信 都市整備部副参事(都市整備部経営担当、都市計画担当、住宅担当) 相澤 明郎 都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 滝瀬 裕之 都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 石田 勝大 都市整備部副参事(中野駅地区基盤整備担当) 石井 正行 都市整備部副参事(建築担当) 豊川 士朗 まちづくり推進室長 遠藤 由紀夫 まちづくり推進室副参事(まちづくり推進室経営担当、地域まちづくり担当) 上村 晃一 まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 松前 友香子 まちづくり推進室副参事(中野駅周辺まちづくり担当) 秋元 順一 まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当) 田中 正弥 まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 萩原 清志 教育委員会事務局次長 合川 昭 教育委員会事務局副参事(教育経営担当) 白土 純 教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 吉村 恒治 教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 古屋 勉 教育委員会事務局指導室長 喜名 朝博 教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 飯塚 太郎 教育委員会事務局中央図書館長 小谷松 弘市 選挙管理委員会事務局長 橋本 美文 監査事務局長 登 弘毅 1.本会の書記は下記のとおりである。 事務局長 山下 清超 事務局次長 石濱 良行 議事調査担当係長 佐藤 肇 書 記 荒井 勉 書 記 河村 孝雄 書 記 菅野 多身子 書 記 東 利司雄 書 記 丸尾 明美 書 記 土屋 佳代子 書 記 鳥居 誠 書 記 細川 道明 書 記 鈴木 均 書 記 岡田 浩二 書 記 竹内 賢三 午前10時00分開議 ○いでい委員長 ただいまから予算特別委員会を開会します。 第7号議案から第11号議案までの計5件を一括して議題に供します。 お手元に総括質疑一覧を配付しておりますので、参考にごらんください。
平成23年(2011年)2月28日 予算特別委員会
総 括 質 疑 一 覧
○いでい委員長 本日は総括質疑の1日目となります。質疑の順番は、1番目に篠国昭委員、2番目に飯島謹一委員、3番目に岩永しほ子委員、4番目に酒井たくや委員、5番目に高橋ちあき委員の順序で5名の質疑を行います。 次に、要求資料の配付についてですが、前回の委員会で要求した資料212件すべての資料が提出されておりますので、御確認ください。資料作成に当たられた職員の皆さん、ありがとうございました。 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。 それでは質疑に入ります。篠国昭委員、お願いします。 ○篠委員 第1問目でございますので、今回、質疑時間が全体的に少のうございますので、できるだけ読むような質問が多くなっておりますが、よろしくお願いいたします。 質問項目は、鷺宮調節池上部多目的広場計画等について、公教育の現状と教科書採択について、その他となっておりますが、一番お金が出てくる部分で、その他の基金、その項目からやりたいと思っております。 平成23年度の一般会計総額は1,113億7,000万円で、平成22年度に比べ149億9,000万円余、15.6%の増となっております。一般会計の予算総額としては21年度の当初予算を超え、過去最大となる予算規模となりましたと区長はおっしゃっておられましたが、中野駅周辺地区のまちづくりなどの大規模プロジェクトが進行する中において、やはりしっかりとした財務規律が維持されなければならないと思います。 私は以前から、本町五丁目公園用地や南部防災公園用地など、ここ数年、立て続けに大きな土地の取得をしていることに対し、その取得の方法や財源についてお聞きしてきました。取得の方法についても適切な取得の方法であり、財源も確保されているので問題はないとの答弁をいただいているところであります。しかし、さきに配付された当初予算案の概要、これですね。48ページにある起債・基金を活用する事業一覧の中に、学校再編という項目、施設整備という項目があります。ここに記載されている25年度の事業費155億円とあるのは何でしょうか、お伺いします。 ○志賀政策室副参事(予算担当) おはようございます。お答えいたします。ここに記載してございます155億円につきましては、学校再編に要する経費25億円と、平和の森小学校、現野方小学校の移転を予定しております。その法務省矯正研修所東京支所を取得する経費130億円となっているものでございます。 ○篠委員 その下に起債と書かれていますが、土地取得に関する内訳はどうなっておりますか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 土地につきましては、学校教育施設整備事業債でございまして、充当率は90%、117億円を予定しているものでございます。 ○篠委員 それでは、残りがここに記載のある基金の繰り入れということでよろしゅうございますか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 残りの13億円につきましては、義務教育施設整備基金を繰り入れるものでございます。 ○篠委員 今お話がありました義務教育施設整備基金ですが、今後の積み立ての見込みについては何が考えられるでしょうか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 義務教育施設整備基金につきましては、決算剰余金に基づきまして、どの程度積み立てられるのか、そういったものを調整しながら積み立てていくといったもの、また、売却時期が確定していないことから、積み立ての予定には入ってございませんけれども、新しい10か年計画でお示しいたしました売却予定地でございます旧第六中学校、また、野方小学校の売却益などにつきましては、特定目的基金としまして、義務教育施設整備基金に積み立てていきたいというふうに考えているものでございます。 ○篠委員 もう1点伺いますが、この学校施設用地の取得については、何か特定財源のようなものはあるんでしょうか。例えば、大規模公園用地の場合、都市計画事業だと財政調整交付金の財産費が算入されるというような感じですね。そういったものを含めて、何かありましょうか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 学校施設用地につきましては、特定財源等は特にございません。今、委員のほうから御質問がございましたように、財政調整基金におきましては、財産費にかわるものといたしまして、公債費といったものがございます。しかし、統合新校用地につきましては、この公債費の該当にはならないといったものでございます。 ○篠委員 なぜならないんですか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) このような統合新校の場合ですと、移転による用地の取得ということである場合には、もともとの学校用地がございますので、その売却益をもって用地を取得するといったことが前提になっているということでございます。 ○篠委員 わかりました。いずれにいたしましても、130億円というこの金額、用地の取得として117億円も起債するわけですから、現在のような財政状況による、区の今のような財政状況から大変危ないように見えますが、大丈夫なんでしょうか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 総括説明におきましても御案内いたしましたとおり、区の財政状況は引き続き大変厳しい状況にあるといったことは間違いないと思います。しかし、平成23年度以降も引き続き事業全体の見直しを全庁的に取り組みまして、基金・起債の適切な管理、活用を行いまして、社会状況の変化にも柔軟に、かつ的確に対応できる財務体質を確保いたしまして、安定的な財政運営に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ○篠委員 結構です。 次に、鷺宮調節池上部多目的広場計画等についてお伺いします。 都営住宅の建てかえが進んでおりますが、工事前にありました集会室はどうなっておりますか。 ○中井区民生活部副参事(西地域担当) 工事前にございました集会所につきましては、現在進められている第2次建てかえ工事のエリア内にありまして、既に解体されております。 ○篠委員 新規に集会室をつくる計画があるとお聞きしていますが、どうなっているんでしょうか。どのようになっていらっしゃるか、あるいは都の要綱はあるのか、それについてもお伺いします。 ○中井区民生活部副参事(西地域担当) 都営住宅の第2期建てかえ工事の中で、都営住宅集会所を建設する計画であります。区はこの集会所の2階部分に地域集会室を整備するよう東京都に要望し、東京都が行う公共住宅建設に関する地域開発要綱に基づき建設するものであります。 ○篠委員 区の姿勢といたしまして、当該集会室は都営住宅の居住者のみが利用できるようになさろうとしているのか、それとも周辺の地域住民の方も利用できるようになさろうとしておるのか、それについてお答えください。 ○中井区民生活部副参事(西地域担当) 区が要望した地域集会室でもあります。鷺宮地域センターで行っている集会室利用と同様の手続によりまして、広く地域住民に利用していただくよう準備を整えているところでございます。 ○篠委員 この集会室の建設費の負担はだれが行うんですか。 ○中井区民生活部副参事(西地域担当) 東京都との覚書及び協定書をもとに、都営住宅集会所の2階部分に建設する地域集会室の建設費につきましては、区が負担することとしております。 ○篠委員 全部ですか。上も下も。 ○中井区民生活部副参事(西地域担当) 2階部分でございます。(「全部」と呼ぶ者あり)はい。 ○篠委員 上部の多目的広場整備基本計画では、人工地盤であるため備蓄倉庫等の防災施設整備は行わないとありましたが、この地域に関する防災上の考え方をお聞きしたいと思います。 ○鳥井経営室副参事(防災担当) 鷺の宮調節池の上部の多目的広場のある地域でございますが、広域避難場所でございます白鷺一丁目地区の中にあるということでございます。この広域避難場所でございますが、火災の拡大などによりまして地域にいることが危険となった場合に、住民の皆様が一時的に避難するという場所でございます。避難者の生活の場ではございませんので、避難所となってございます区立小・中学校等50カ所、これとは異なりまして、ここに物資を備蓄しておくとか、あるいは災害時にも使えるトイレの設置というような計画はしてございません。しかしながら、避難生活の場所ではないといいましても、災害時の状況を考えまして、これまで広域避難場所の区域内におきまして、区が防災公園を整備するという場合には、可能な範囲で災害時トイレを設置してきたということでございます。 ○篠委員 中央部防災公園や南部防災公園では、災害時トイレを設置すると聞いております。また、先日、防災特で北区の西ヶ原防災公園を視察してまいりましたが、備蓄倉庫やベンチ、普通のときはベンチなんですが、上を取るとかまどになると、いわゆるかまどベンチ、あるいは災害用トイレなどが設置されておりました。平常時には遊具として使用して、災害時には避難シェルターとして活用される施設もございました。多目的広場にはそういったことも弾力的に考えていらっしゃるんでしょうか。 ○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) お答えさせていただきます。人工地盤の上には、いわゆる荷重の条件でありますとか、備蓄倉庫であるとするならば、資材搬入のための車両動線の処理等も困難だというふうに考えておりまして、人工地盤の中には現時点でつくる計画はございません。 ○篠委員 これが図面なんですが、人工地盤じゃない部分もありますよね。ふたがけ部分でない部分、広場の下鷺橋付近の用地、あるいはさつき橋付近の用地はどのような位置付け、そして面積はどのぐらいですか。 ○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 下鷺橋の南側でございますが、面積が155平方メートル、それとさつき橋付近には約42平方メートルございます。いずれも妙正寺川の河川区域ということでございます。 ○篠委員 いずれにしろ、ふたがけ部分じゃないから、ここでしたら備蓄倉庫や災害時トイレの設置はできると思うんですが、どうでしょう。 ○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 今、委員の御指摘のとおり、人工地盤についてはまず難しかろうというふうに考えておりまして、その他、いわゆる地面の部分でございますが、その部分について、例えば災害用のトイレ等の設置ができないかどうか、これは東京都の河川部が所掌しておりますので、東京都の河川部と今後協議してまいりたいというふうに考えております。 ○篠委員 また、今の図で、妙正寺川沿いに親水広場が計画されておりますが、設置者はだれでしょうか。将来の管理者もわかればお聞かせください。 ○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 鷺の宮調節池の整備とあわせまして、1時間当たり50ミリの降雨に対応する河川改修や、水辺環境の向上の観点から、調節池北側に親水護岸を事業主体の都が整備することになっているところでございます。完成後につきましては、調節池は東京都、それから河川及び親水護岸は区が管理することとなっているところでございます。 ○篠委員 親水広場と、なかなか楽しみな場所と想像できるんですが、水を使った噴水とかあるんですか。 ○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 東京都におきまして、現在詳細を検討中であるというところでございます。噴水などの水施設につきましては、設置の予定はないということでございますが、河川管理用通路から1.8メートル下がったところにスペースを設けまして、そのスペースにおりるための階段及び階段横の斜面を利用いたしました植栽帯で構成される予定というふうに聞いてございます。 ○篠委員 河川の川底におりられるのかどうかと、あるいは川底はどのようになっているのか。整備の工夫によっては、魚は、きょう妙正寺川を見てきましたけど、押し流されそうな勢いでして、優しい水辺というのはなかなかつくりづらい、あるいは危険だというような感じを今日のような雨でもするわけですが、親水空間は実現できるかどうか、御見解があれば。 ○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 河川増水時の安全性確保の観点から、川底にまではおりられる構造とはならないというふうに聞いてございます。川底につきましては、現在はコンクリートとなっているところでございますが、今回の整備につきましては、土や砂利になるというところで聞いてございます。今後、自然環境に配慮した川づくりのために東京都と協議してまいりたい、このように考えてございます。 ○篠委員 ありがとうございました。 次に、公教育の現状と教科書の採択についてお伺いします。 子どもたちに自信と誇りを持たせるための真髄は、自分たちの祖先や先輩にはこんな立派な人がいるということを繰り返し教えること、そして同じDNAが継承されているから、努力すれば必ず立派な人になれると励ます、この2点だそうでございます。よく言われる、先祖は悪い、先祖は悪いというようなことを言い続けると軟弱になっちゃうんだと、こういうことなんだと思うんですが、平成22年度は、教育基本法が改正され、学習指導要領が改正されて初めての小学校の教科書が検定に合格し、各教育委員会でどの会社の教科書を使うかを決めた年であります。 教育基本法は約60年ぶりに改正され、教育の目標として、我が国と郷土を愛する態度を養うなどが規定されました。学習指導要領でも、例えば音楽では、国歌を歌えるよう指導するものとするとし、国歌の歌唱指導をすること等が義務付けられました。しかし、教科書を見ると、「君が代」は相変わらず冷淡な扱いをされています。教科書によっては、隣のページに「ルパン三世」の主題歌の演奏方法が詳細に説明されているといったのと対照的だというような指摘をされた教科書もあります。 社会の歴史の部分は、貴族や武士が庶民を虐げてきたとする階級闘争史観は健在です。具体的には、根拠のない強制連行説を事実として載せている東京書籍、日本のポツダム宣言拒否をアメリカによる原爆投下の原因とする説を平気で載せている日本文教出版等々、改善どころか改悪されている記述すらあるようです。 いよいよ平成23年度は、中学校での教科書採択に当たっては、小学校の轍を踏んではならない真剣な採択が求められるところと思っております。 2月2日の産経新聞社説では、これでは子供が育たない、公教育の現状というタイトルで、平成23年1月下旬の日教組の教育研究全国集会での問題授業の一端を明らかにしております。 抜粋を読ませていただきますと、佐賀市の小学校教師は、児童の考えを変えたことを誇らしげに報告した。将来の夢を自衛隊に入り日本を守るとした児童が、授業の最後には自衛隊を含め一切の武力を放棄すべきという意見に変わってくれたと。沖縄県の中学教師は、自衛隊の国際貢献を否定的に考えさせようとしたところ、生徒から、他国の人々を助けるなどプラス評価が高く出たことを嘆いている。領土問題もわからない。北海道の中学教師は、北方領土について教えているうち、どこの国の領土かわからなくなってきた。歴史的経緯をきちっと理解できていない様子。日本固有の領土であることを教えられないようでは、一体どこの国の教師か。 ただ読んでいるんですよ。平和教育などの分科会で、日本を悪者とする一面的歴史観や、戦争は怖いと強調する授業の報告が相変わらず目立つ。千葉県の小学校教師の発言。「桃太郎」で退治される鬼の立場になって考えてみよう。戦争を考えさせるという。世界史や国際情勢を無視した甚だ自己満足でしかない。そもそも桃太郎は勇気や正義を教える昔話だろう。あるいは、先人がいかに苦労して国を守ってきたか、そこを理解していない。結論的なことではね。それどころか、新しい学習指導要領で重視されている国や郷土を愛する心の育成、道徳教育の充実を強制などと否定する報告も相変わらずありましたと。 領土問題は最近特に言われるわけですが、鳩山首相が悪いわけでは私はないんだと思っているんです。やっぱり、いや、もっと悪いのがいる。領土に対する記述が教科書からほとんどない。 公民、あるいは戦後教育から消えた日露戦争と久松五勇士、これは明治38年、1905年、ロシア・バルチック艦隊が宮古島付近を北上中の情報を、同島宮古島の久松地区の漁民5人が170キロ離れた通信施設のある石垣島まで15時間かけて釣り船をこいで知らせたという逸話。情報は石垣島の郵便局から那覇市の郵便局を通じて大本営に打電されたと。これは一発で、本気になって国を守ろうというものの例としてわかるんですが、もうそういうお話は久しく消えているので、日本国だけのものじゃないでしょうなんていう発言が、やはり戦後生まれの総理からは出てしかるべき。要するに教育の分野、教科書の分野で欠落していた部分。公民、あるいは公民の教科書を見ましても、防衛が国家の第一の役割であるとか、もちろん書いていない。国益という言葉もゼロ。多くの教科書が、日本で外国人参政権を与えられていないことを差別ととらえている。これが今の現状でありますので、こういった日教組が勉強会を開くのはいいんですが、中野区としては、こうすれば子どもが育つという区を挙げての取り組み、こういった研究発表の場はあるのか、具体的な部分にも触れてお答えください。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 今年度からの新規事業でございますけれども、区の教育課題を重点的に解決するということで、学校教育向上事業の研究指定というものを行っているところでございます。これまで学校主体で特色ある学校づくりを進めてまいりましたけれども、今年度からは区として教育課題をお示ししまして、各学校に取り組んでいただいております。具体的には児童・生徒のコミュニケーション能力の育成、それから道徳の時間を中心とした心の教育の充実、ICTを活用した授業改善などでございます。 ○篠委員 あまり関連性はなかったみたいですが、一生懸命取り組んでいる。今年から特にそういう、こうやったら中野の子がよくなるという取り組みをされているのは評価できると思います。 教科書採択に当たって、教育基本法の改正や学習指導要領を踏まえることは当然でありますが、これを採択基準に明記すべきであると思いますが、いかがでしょうか。この採択基準という内容について、何点か質問したいと思っておりますが、まず、そのことについてお聞かせ下さい。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 採択基準につきましては、採択が始まる前の教育委員会の中で採択基準を教育委員会で決定していただいております。今年度につきましては、採択基準といたしまして、学習意欲が喚起される教科書、基礎学力の定着と発展的な学習にこたえられる教科書、児童にとって学びやすく、教師にとって教えやすい教科書ということで基準を設けてございます。 ○篠委員 平成23年度使用中野区立小学校教科書の採択基準等について、これ、平成22年4月30日付で裏表であるんですが、ここで言う意見聴取の方法として、学校からの意見とありますが、この、すべての教科書について上記2の項目ごとに意見を集約する。上記2というのは、調査項目の内容、構成、分量、表記・表現、使用上の便宜、特記事項でありますが、すべての学校から聞くんですか。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 すべての学校のすべての教科書について調査をしております。 ○篠委員 いわゆる絞り込みには当たらないんですか。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 絞り込み、順位付け等は行っておりません。 ○篠委員 例えば、ここに小学校の調査研究資料、東京都のですね。膨大な量なんです。これ、中野区に何冊来ましたか。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 都教委から1冊でございます。 ○篠委員 内容が大変よろしいので、例えば、国語だけでも22ページに上りまして、東京書籍、東書、学図、三省堂、教出、光村等で平均データから調査研究の総括表、調査項目の具体的内容、よくぞ調べ上げたというような、国語だけ――これだけの教科書ですから――でも膨大な量があるんですが、これを全部聞こうというんですか、各学校から。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 先ほど委員からお話しございました調査項目も教育委員会で決定しておりますので、この5項目について、それぞれ調査しております。 ○篠委員 それで、東京都のを見ますと、調査の留意点という中で、平成18年12月の教育基本法、そして平成20年の学習指導要領の改訂、これから目を離すなという前文があるんですね。それにのっとってやっておる。中野区もそういうことなんでしょうけど、これで見る限り、それと、それだけの姿勢を持ってやれという大前提をまず書かれると姿勢もぴっとする感じなんですが、中野区の場合、何にも、ただ裏表、こういう状況なんですか。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 まず、中野区立学校教科用図書の採択の、教科書採択に関する規則の中に、学習指導要領の目標達成のための教科書採択であることが明記されてございます。また、採択協議に先立ちまして事務局のほうから、教育基本法等の改正についてのお話をしているところでございます。 ○篠委員 この流れが一覧表になっているのは平成13年、これは文教委員会で渡されたの。ここに、児童からの意見。どんなふうに聞いているんですか、これ。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 子どもたちがどんな教科書を使いたいかということでございます。教科書の中身というよりも、こんな教科書を使いたいという中身を聞いてございます。 ○篠委員 教科書採択というのはもう少し神聖なものでして、教育基本法は変わった。例えば具体的にはどう変わったかってお聞きしたら何て答えますか。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 例えば旧法ですと、平和、普遍的、個性という言葉がございました。新法になりまして、正義、公共の精神、人間性、伝統という文言が変わっているところでございます。また、新たに道徳心、伝統文化、愛国心などが加わってございます。 ○篠委員 いわゆる、こういう姿勢から目を離すなという、もう儀式に等しいような現場ですよね。そこで子どものなんて言っている場合じゃない。子どもの権利条約、確かに教育に関する区民参加の条例を見るとありますが、日本人がジュネーブに行って、先生がどうしても制服を自由にしてくれないんですって訴えたところ、そういう、君たちが来る場所じゃないんだよ。もう1,000人生まれて200人、300人とばたばた死んでいる、その子たちから目を離すなという、そういう意味の権利だというような話がありますが、私は教科書採択というのは、姿勢として、教室から教壇を外して、戦後の教育がどんどん友達教育みたいになってきている。そういったのと流れを一つにしたような、こういう表なんかは私はもってのほかだと思う。やはりサッカーのチームでも、監督がいて、監督の言うとおりみんな頑張ってチームの勝利に貢献しようという、まさにそういう大切な場所で、子どもからの意見を聞きましょうなんて、そんなことを言っている場合じゃない。でありますので、ぜひ検討していただきたいと思います。 それで、2月20日の区報に、中野区中学校教科書採択のための選定調査委員会区民委員、これ18歳以上の区民、採択基準や調査項目の設定、活動内容、学校・保護者・区民の意見の集約、教科書選定についての協議、資料の作成とあります。選択基準や調査項目の設定、これはおかしい。あれ、自分たちで選択基準をつくれるのかなと思って参加する文章になっている。これ間違っていますね。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 最初にお話し申し上げましたように、教育委員会として基準等を設定してございまして、それを確認するという意味でございまして、誤解を招く文章であったことは事実でございます。 ○篠委員 もう1カ所、18歳以上の区民、これ、どういう意味ですか。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 先ほどお話しございました中野区教育行政における区民参加に関する条例には、年齢制限はございません。ただ、この委員会の特殊性等からかんがみまして、教育委員会として18歳以上というふうにしているところでございます。 ○篠委員 これは、例えば自治基本条例、あるいは教育の参加、例えば大和市の住民投票条例なんか、投票ですから、中野区の自治基本条例は、要するに議会の議決の後にその条例について行動をとるという縛りがあるから問題ない。このひとり歩きしている大和市の住民投票条例、自治基本条例第31条第1項の規定により、年齢満16歳以上、それから、年齢満16歳以上の定住外国人、明記しているんですよね。中野区はいわゆる住民という、私は今回の選定で、たとえ教育基本法が変わっても、愛国心という言葉が出てきても、領土問題が出てきても、外国人を排除しないでも大して問題は起きないだろうという――これ以上の議論はしませんが、ただ18歳というのは、私は、どういう考えで出してきたのか、お聞かせください。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 区のアルバイト等につきましても高校生は参加させないということになっております。そういう意味で、高校生以上ということの18歳、高校卒業程度という意味でございます。 ○篠委員 やはり、もう少し教科書を選ぶというのは、そういった次元でない発想から行動をとってもらいたいということを――これ以上言ってもどうしようもないんだけど。ただ、教育基本法で改正のポイントは聞きましたが、いわゆる教育基本法、あるいは学習指導要領から目を離すなと。それで透明性が確保されていなきゃ、選定の中に。秘密会もあるでしょう。しかしながら、決定した後には至ってわかりやすいという、情報として区民が共有できるという姿は大切だと思います。 それで、どういったものがチェックポイントになるかといいますと、これは私とのやりとりの中でお話しするのは構わない。これ、書類にすると問題になる。教育委員会発表、学習指導要領をきちっとするときのポイントなんて教育委員会が発表しちゃうと、例えば歴史教科書であれば、不自然な中国、韓国読みはなく日本語読みになっていると。あるいは、代表的な日本人は出ているか、これは問題ないんですが、政治的に偏っておらず、バランスがとれた人物選定になっているか。 昭和57年、1982年の近隣諸国条項というのがありますね。要するに、進出、侵入、侵略という言葉、本当は朝日新聞の誤報だったということが共有されたんですが、しかし宮沢総理は慌てて、「外国人に配慮する」という言葉を談話として発表した。それがひとり歩きして、現在の教科書にも、例えば孫文をスン・ウェン、蒋介石はチヤン・チエシーですとか、教科書に書いちゃっているのがあるわけですね。あるいは、秀吉の朝鮮出兵を朝鮮侵略と書いて、イ・スンシン、巨人の選手かななんて。イ・スンシン。やはり旅順のほうも中国読みをしたいと。もう強烈にやりたい放題という流れ。一言の大切さというのはやっぱりそこまで及ぶわけですので、国家の成り立ちは階級闘争史観で描かれていないか、大和朝廷を大和政権と書いたりしていないか、聖徳太子の対等外交をしっかり描いているか、神話・伝説をきちんと描いているか、源氏物語が世界的な意義があることを書いているか、元寇として侵略性を書いているか、倭寇は日本人だというイメージを語っていないか、朝鮮出兵で外国人を英雄のように記していないか、江戸時代を暗い時代として一面的に描いていないか。 やっぱり一面的ですと、明治維新で、安政の大獄で亡くなられた梅田雲浜なんかのころ、外国から来た人たちは、こんなに明るい女性たちのいる国を見たことがないと。本屋で立ち読みしている。考えられない民族だと。それを一面的にとる。女の子がおふろから裸で飛び出しちゃったとか、こんな明るい国、女の子はいつもよく笑うとか、みんな外国人は驚いている日本文化というものがあるわけですよね。 それを一面的にとらえるというようなことがやっぱりあってはいけないわけで、やはり明治の、安政の大獄でと言った梅田雲浜は、もうあんまり貧乏過ぎて、冬でも夏着1枚という生活だったそうですが、やはり辞世の歌で奥さんに贈った歌が、「君が代を思う心の一筋に我が身ありとは思わざりけり」といって、その体制の中で活躍した。奥さんは、要するに、もうひどい生活なんですけど、それにちゃんと返し歌で、これ、「事足らぬ住まいなれども住めりけり、我を慰む君あればこそ」という、なかなか上級な夫婦の会話があるわけですね。これを、やれ男女共同参画だとかって言ってはとてもとても片づけられない、すばらしい文化をつくっている。命をかけるような。 私はそういう意味で、やっぱり教育基本法は60年ぶりの改革、改正といったようなものに真剣に取り組む姿勢を示していただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わります。 ○いでい委員長 以上で篠国昭委員の質疑を終了します。 次に、飯島謹一委員、お願いします。 ○飯島委員 平成23年度中野区各会計予算について、公明党の立場から総括質疑を行わせていただきます。 ピーター・F・ドラッカーは、そのあまりにも有名な著作、「マネジメント-課題、責任、実践」の第2章、公的機関の成果の扉で次のように語っています。すなわち、公的機関は、その成長と重要さに伴う成果を上げていないと。不振の原因は何か。公的機関が成果を上げる上で必要なものは何かと問題を立て、続けて、公的機関不振の原因としてよく挙げられるのが次の三つである。 1、企業のようにマネジメントしていない、2、人材がいない、3、目的や成果が具体的でないと述べた後、直ちに彼は結論を示します。いずれも弁解にすぎない。私は人材マネジメントの問題から質問をさせていただきます。 初めに、行政計画としては極めて興味深い、その記述に満ちている平成18年8月に策定された中野区人材育成計画を中心に、人材マネジメントの問題について質問いたします。 初めに、中野区の人材育成計画には、課題の実現に合わせて毎年見直しを図り、必要に応じて修正を行うとあるが、それらしい動きはこれまで見られていません。改定はいつですか。 ○奈良経営室副参事(人事担当) 現在、改定の作業を進めているところでございまして、できるだけ早い時期に改定したいというふうに思ってございます。 ○飯島委員 そうすると、それまでの間、本計画は有効ですか。 ○奈良経営室副参事(人事担当) 有効でございます。 ○飯島委員 その計画の中に、3ページでありますけれども、職員2,000人体制については、実現の時期を平成26年としておりますけれども、これは正しい記述ですか。 ○奈良経営室副参事(人事担当) 平成18年度に策定いたしましたこの人材育成計画の中では、計画策定の背景といたしまして、10年後の平成26年度は2,000人の体制で取り組むというふうに記されてございます。職員2,000人体制を目指すということにつきましては、10か年計画などでもうたわれてきたところでございますが、具体的な定数管理計画として定まったのは平成20年1月に策定いたしました職員2,000人体制に向けての方策でございまして、その計画年次といたしましては、平成19年度を初年度といたしまして、平成28年度までの10年間で職員数を2,000人とするといったことにしてございます。人材育成計画の中での表記につきましては、次回改定の際、改めることとしてございます。 ○飯島委員 今この人材育成計画と、それから職員2,000人体制に向けての方策というのがありますね。この中には、そういう今おっしゃっていただいたような認識は示されていないので、今生きている計画が26年になっているわけですから、その辺のことを意識して、直せる部分は直すということが大事だろうと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 それで、この中野区人材育成計画と、こういう計画なんですけど、この中に職員の意識の変化について、田中区長の体制後の変革について、これは中野区にとって必要なものだと、こうした上で、職員の理解が十分でないまま改革が次々と進められたことで、職員に負担感や不安感を与えたことが想像できると書いてあるんですけれども、この職員の負担感や不安感は解消できたんでしょうか。 ○奈良経営室副参事(人事担当) 制度やシステムが大きく変わる際には、一定の負担感が生じるといったことはやむを得ないものというふうに考えてございます。この5年余りの取り組みが進みまして、制度ですとかシステム、こうしたものが定着する中で、職員の負担感、不安感というのはなくなっているというふうに思ってございます。 ○飯島委員 なるべく端的にお答えをお願いしたいと思います。 その同じ計画の中に、また次のような記述があります。人材育成にかかわる基本理念のところでは、(3)自己開発を誘発し、支援する組織ということの中で、「生涯にわたって自己開発の場と機会が与えられる職場風土を築く」、こう述べております。生涯にわたってというの、これはちょっといささか大げさなんじゃないのかなと。こういう表現がかえって職員に負担感や不安感を与えたのではないかと思いますが、この大げさだと思える表現について、いかがお考えですか。 ○奈良経営室副参事(人事担当) 表現の感じ方ではございますが、あくまで公務に携わる職業人としての中で職員が自発的に学ぶことができる環境を整えるといったことでございます。 ○飯島委員 生涯にわたってやるんですか。 ○奈良経営室副参事(人事担当) 公務員生活の中でということでございます。 ○飯島委員 誤解を受けやすいものについては必ず注釈をつけられたほうがいいと思いますね。 それで、資料をたくさんつくっていただきました。その資料について、総務の資料73というのがありますが、この8年間、職員1人当たりの研修費は、決算ベースで多い年で1万7,000円、少ない年で7,300円。これは全部を足して、人件費を除いた研修にかかわるさまざまな経費すべてを足しての平均でありますけど、これはちょっと少ないかなという私なんかは実感がするときもあるんですが、分野担当としてはいかがお考えですか。 ○奈良経営室副参事(人事担当) 23年度予算案におきましては、職員1人当たりの研修経費1万1,000円ほどでございます。21年度の国の調査などを拝見しますと、民間における従業員1人当たりの教育訓練費、これは約1万3,000円ほどとなってございまして、大きな差はないのかなというふうに思ってございます。 経費にはあらわれてございませんが、区ではこれまで内部講師の活用も進めてきておりまして、工夫しながら研修の質を高めてきておるといったことでございます。 ○飯島委員 細かい質問は分科会でさせていただきます。 総務の資料71というのもありますし、総務の資料74というのもあります。管理職の定年退職数とか、あるいは年齢別階層、こういうのも出していただきました。この二つの資料を合わせてみると、年齢別の階層のゆがみ、それだけじゃなくて、つまり年が、若い人たちの構造がどうなっているかということだけじゃなくて、職層別でも何らかの対応を要するような構造上の課題がありそうに思えます。かえって、そのことについてはお聞きをしないで、次の質問、ポストの充足についてお尋ねしますけれども、充足のために必要とされる管理職の数については、内部からの昇任で足りるということでよろしいでしょうか。 ○奈良経営室副参事(人事担当) 管理職のポストにつきましては、中期的な視点を持ちまして管理職の需要数管理を行っているところでございます。職員の人材育成を進めまして、管理職の養成ですとか育成を図るとともに、内部昇格だけではなく、高度な専門的な知識を求められる職につきましては、外部からの登用も含めまして、必要な管理職数を確保することとしてございます。 ○飯島委員 内部からだけでも足りるようですけども、しかし、外から獲得してくるという道もそれはそれなりに考える。当然の話ですけども、できれば、ポストの充足って十分目線を配っていただく必要があるんですね、書いてあることを前提にすると。よろしくお願いしたいと思います。 それで、この育成計画が複線型人事、これについて述べたところに、「任命権者の経営判断により、既存の昇任選考等の人事制度の運用、人材活用情報に基づく計画的な配置により実現する」とありますけれども、これはいかなる意味なのか。非常にわかりにくい文章。また、最近の目標体系の見直し方針の報告の際に、複線型人事についての別紙1枚の書類があわせて総務委員会に提出されましたが、複線型人事について、何かこれまでと違う解釈が採用されたんでしょうか。 ○奈良経営室副参事(人事担当) まず、その任命権者の判断により実現するというところでございますが、現在の区の人事制度というのは人事委員会の統一した基準に基づくものでございますが、そうした中におきましても、制度の範囲内で任命権者が区政の課題、こうしたものを解決するための経営上の判断ということで、複線型人事制度など重要な、柔軟な運用を図っていくといったことでございます。そうしたことを目標体系の見直しの中でもうたっているということでございます。 ○飯島委員 最近、わざわざ総務委員会に1枚ぺらの資料を出された理由はなぜですか。 ○奈良経営室副参事(人事担当) 複線型人事制度につきましては、これまでも人材育成計画の中でこうしたものを取り組んでいくということで表現してございましたが、そうしたものを具体的に制度化していく、この考え方がまとまりましたので、目標体系の見直しの中の一つとして御報告をしたということでございます。 ○飯島委員 特段そうすると、考え方に大きな変化はなかったんだと、こういうふうに考えていていいですか。 ○奈良経営室副参事(人事担当) 基本的なところはそのような認識でございます。 ○飯島委員 それから、専任職についてお尋ねします。専任参事、専任副参事、専任主査、これを置いたらどうかって話になっていますけれども、そのそれぞれについて、現在の指定の状況はどのようなものですか。 ○奈良経営室副参事(人事担当) 現在、複線型人事制度の構築に向けまして準備を進めている段階でございまして、いずれも指定はしてございません。 ○飯島委員 この人材育成計画というのは、実は中野区全体でつくるだけじゃなくて、各事業部も部別の人材育成計画をつくることになっております。もうこれは既につくられているということですね。それで、その中に掲載事項というのが書いてあります。つまり、これを書きなさい、これを入れなさいというふうになっているのがあって、それが、各部が要するに必要とする、あるいは求める、こういうものを専任職にしたいということを書くことになっているんですけれど、これについては各部の人材育成計画に、そもそも、そういうものとしてつくりなさいというその極めて大事な条項が書かれているのかどうか、これについては部別に部長にお答えしていただこうと思いましたけども、時間がかかるので、担当からお答えいただきたいと思います。 ○奈良経営室副参事(人事担当) 各部で人材育成計画をつくっていただいておりますが、その中に書いている部も、現在書かれている部もございますし、掲載、記載のない部もございます。ただ、この複線型人事制度につきましては現在、制度構築をいたしまして、来年4月から実施していきたいというふうに考えてございますので、その中で各部ともお話し合いをさせていただきながら、その専任職の設置の場所、そういったものがどういったところがふさわしいのかということをお話し合いをしていきたいと思ってございます。 ○飯島委員 分野担当としてはおつかみになっているようですから、どの部が書いてあって、どの部が書いていないんですか。 ○奈良経営室副参事(人事担当) 例えば経営本部ですと、複線型人事の構築に合わせてそういったものを進めていくといった記載がございますし、また教育委員会におきましては具体的に、どの部分について専任職が必要といったことが書いてあるということでございます。 ○飯島委員 じゃあ、ほかの事業部は書いていないということですね。 ○奈良経営室副参事(人事担当) 専任職としての記載はございませんが、各部が必要とする人材、求める能力、そういったものについての記載はございます。 ○飯島委員 お尋ねしていることだけ答えてください。 それから、次に、職員の能力開発を図るための四つの戦略というのが定められている。四つの戦略ってどっかで聞いたなと思ったりするんですが、その中の配置・昇任戦略では、責任を回避する風潮があるという課題認識が示されています。つまり、管理職になりたくないとか、試験を受けたくないとかですね。確かにそういう風潮はいかにもありそうなこととは思えるんですけども、これはなかなかゆゆしき問題とも言えます。このこと、つまりこういう風潮があるということに対する対処はできているんでしょうか。 ○奈良経営室副参事(人事担当) 昇任選考に当たりまして、昇任対象となる2年前にキャリアデザインの研修ですとか、その前年にはリーダーシップ研修を行いまして、モチベーションを高める研修を行いまして昇任意欲の向上を図っているところでございます。 ○飯島委員 だから、解消されたのかとお尋ねしているんです。私の狭い範囲の経験ですけども、なかなかこういう風潮は解消されていないなという実感はあります。ですから、ぜひそういう取り組みをさらに強めていただきたい。これはお願いですから、お答えは結構です。 それから、これもまた今日の喫緊の課題と言えるのは、メンタルヘルス対策、これについても人材育成計画には記述があります。これは各部の経営分野に衛生管理者を置くんだ、こういうふうにしているんですけれども、この衛生管理者というのは資格も必要なんですね。したがって、これは現実にそういう体制は整っているんですか。 ○奈良経営室副参事(人事担当) 現在、各部の経営分野に衛生管理者というのは配置してございません。各部に安全衛生管理者と衛生推進者というのを配置いたしまして、各部の環境改善などの役割を担っていただきまして、安全衛生体制の強化を図っているところでございます。 また、メンタルヘルス対策につきましては、職員の健康管理を全庁的に進めるために、平成20年4月から専門医や保健師を配置した健康管理室を整備いたしまして、各部と連携を図りながら職員の健康管理に対応しているといったところでございます。 ○飯島委員 いや、だから聞いたことだけに答えてください。実現はされていないんでしょう。実現する予定なんですか。取り組みはあるんですか。 ○奈良経営室副参事(人事担当) 国家資格ということもございますので、そういった面、そういった職、衛生管理者というものを進めていきたいとは考えてございますが、衛生推進者を配置して現在も行っているというところでございます。 ○飯島委員 非常に大事な問題になってきているなと、いろんなことを見るにつけても思いますので、困難は承知していますよ。だからわざわざ聞いているんですから。でも大変なことかもしれませんけれども、ぜひこのいわゆるメンタルヘルスの問題については十分な特段の取り組みをお願いしておきたいと思います。 それから次に、研修という項目があるんですけども、そこには監査において基礎的な事務処理のミスが指摘され、基礎的知識の習得と法令遵守が求められているとしているんですけれども、一概に職員だけの問題ではないだろうなという認識を私は持っています。使っている財務会計システムの欠陥もあるので、本来はこのシステム改修についても求められるべきではないのかと思いますが、いかがですか。 ○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) お答えいたします。委員御指摘のとおり、本年度の定期監査、定期の財務監査報告でも、予算流用等の手続について、財務会計システムの流用手続、そうしたものに改善することも含め、適正化を図られたいという御意見もいただいてございます。そういった点を含めまして、現在、全事業部で点検・検証を進めておりまして、管理会計室が中心で、不正処理の原因分析をしているところでございます。そうした原因分析に基づきまして、今後抜本的な再発防止策を講じていく中で、そうした財務会計システムの改善についても所管分野と十分検証を行って、不正処理を未然に防止できるシステム、そうした観点からの見直しも進めて必要な改善を図っていきたいと考えてございます。 ○飯島委員 申し上げておきますけど、この監査においての意見は僕のものじゃありませんからね。 次に、この人材計画って、ほかにもいっぱいいろんな課題が示されている。非常に行政がつくった計画としては異例な表現に満ちていると言ってもいいかもしれません。この多くの問題点を、ここでは一々取り上げると瑣末ですから、取り上げませんけれども、それらの問題は、今度改定する中では問題としてはクリアになっている、そう理解していいですか。 ○奈良経営室副参事(人事担当) 人材育成計画に基づきましては、さまざまな取り組みを進めてきております。今年度、360度評価を実施に移しまして、また複線型人事制度の考え方も明らかにしたことで、必要な制度はほぼ整ってきているというふうに考えてございます。今後、現在の計画における現状分析を進めまして、より効果的な制度運用ができるよう取り組みを進めまして、課題解決に当たっていきたいというふうに思ってございます。 ○飯島委員 いわゆる見直し改定の実を上げるように、ぜひお願いしたいと思います。 あわせて、内部統制の仕組みについてはどのような検討状況になっておりますか。 ○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) お答えいたします。内部統制の仕組みの基本的な考え方、枠組みにつきまして、現在、経営本部会議を中心に検討しておるところでございます。内部統制の仕組みにつきましては、不適正な事務処理を防ぐというだけではなく、事業の有効性を検証する行政評価制度、それとか法令遵守、個人情報保護制度など、既に制度化されているシステムを含め、適正な業務の遂行を図るという観点から行っているところでございます。また、管理会計者を中心とした財務規律の確保のための組織整備、そうしたものについてもあわせて検討しているところでございます。 ○飯島委員 いわゆる、そう言うべきことを言っているなと、なかなか仕組みの検討は進んでいないなという感じもします。これはいつ議会に示されますか。 ○戸辺管理会計室副参事(管理改善担当) 当初、今定例会の中で報告を目途に進めてきたところでございます。しかしながら、定期財務監査報告、それの指摘事項を受けまして、不適正処理の原因究明、分析、そうしたものを現在進めているところでありまして、現在検討しております内部統制の仕組みが十分な再発防止に資するものかどうか、その中でまた再検証していく必要もあることから、内部統制全体の仕組みをお示しするには、もう少し時間をいただきたいと考えているところでございます。しかしながら、取り組めるものにつきましては、4月から実施できるような形で準備は進めているというところでございます。 ○飯島委員 まさにドラッカーの言う弁解にすぎないというような感じがしてしまいます。やるべきことはしっかり直ちにやっていただきたいなと申し上げて、次に移ります。 次に、社会資産・施設のマネジメントについて伺います。 初めに、社会資産のアセットマネジメントについて伺うことにいたします。 中野区の橋、橋梁ですね、これは20年後には全体の45%が建築後50年以上経過することになっています。現在、中野区橋梁長寿命化修繕計画の策定が進んでいるというふうに聞いているんですけども、いつまでに策定の予定か、その時期だけお答えください。 ○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) お答えさせていただきます。橋梁の長寿命化修繕計画につきましては、平成25年度末までに策定することになっておりまして、私どもは平成24年度から着手していきたいというふうに考えております。 ○飯島委員 中野区がいわゆる施行対象とする橋、これは91橋、中野区内にあるというふうに聞いていますけども、その中で特段に、緊急に対処を必要とする道路橋はあるでしょうか。あるとすれば、それはどこですか。 ○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 道路橋でいいますと、神田川の神田橋、南台五丁目でございます。それが緊急に対応しなければならないというふうに認識しているところです。 ○飯島委員 跨線橋という橋もあるんですね、鉄道にかかっている。これはどうですか。 ○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 上ノ原人道橋でございます。東中野二丁目31番地から東中野三丁目の3番を結ぶ跨線橋でございます。 ○飯島委員 緊急に対応しなきゃいけないことなので、いつ落橋してもうまくないわけですから、ぜひ特段の取り組みをよろしくお願いしたいと思います。 大手の調査機関の自治体へのアンケート調査によると、道路の維持・修繕・更新のための予算が必要とされる費用と比べ、不足しているというふうに答えたのは、このアンケートに答えた255の自治体のうち94.9%に上る。また、今後10年以内に道路の維持・修繕・更新の費用が自治体財政の課題になると考えている割合も90%を超えたとしているんですけれども、中野区の、つまりあなたがお考えになって、こういうアンケートの実感はございますか。 ○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 私どもが管理している道路、全体で約371キロメートルございます。公共財産でありますので、良好な維持管理を計画的に道路改良工事としてやっております。また、さらに陥没やバリアフリーのためのいわゆる維持・修繕もやっているところでございます。今、委員御指摘のとおり、中野区の道路も結構古く、老朽化が進む中でこの大手調査機関、私どもも見ておりますが、あのアンケートのように今後、財政上の課題になるなという感触は持っておるところでございます。 ○飯島委員 続いて、社会資産のアセットマネジメント、進化過程というのが実はあるんです。ライフサイクルコストの管理とか、ニューパブリックマネジメント型とか、それからPPP型とか、SOIT型とかあるんですが、これについては機会を改めて聞きます。英語がいっぱい出てきちゃうので、長くなるといけませんので。 次に、いろんなことをやっていく中で、今、中野区というのはいわゆるアウトソーシングをしていく、こういうことがいわゆる都市計画整備の分野で多くなってきている、あるいはどこもそうですけど。問題は、そういうことを出したやつをどう中野区側が評価できるか、この能力の問題なんですね。先ほどの人材育成計画でも、技術職の採用が少なくなったので、その辺にちょっと課題があるなという認識を示していましたけれども、この技術職の採用の減少で能力不足ということが懸念されているんですけども、これについては十分対処できる、このように担当としてはお考えですか。 ○相澤都市整備部副参事(都市整備部経営担当) お答えいたします。区では技術職の採用、こういったものも計画的に行ってございます。また、部内では人事異動の際に翌年度の事業分担などに照らし合わせて、その技術職の経験年数、また職務との関連なども勘案しまして、人事配置をしているところでございます。適正な人事配置、また、先ほどの人材育成計画などに基づきまして、技術職の体制は整備されていると考えているところでございます。 ○飯島委員 その人材育成計画の中に懸念が表明されているんですよ。計画的に、しかも順次やっていればそういう表現なんか出てこないじゃないですか。自語相違ですよ、行政自身。でも、そのことについて、それはここでこれ以上は言いません。 道路等について、いわゆる社会資産として評価したり認識したりするには、現在の会計制度のシステムではちょっと難しいだろうと。公会計の導入、あるいは公会計改革を発生主義にしなきゃならない、あるいは複式簿記の採用が必要だと、こういうことがこの、いわゆる現にそういう現業的に携わっている人の中の認識があるんですけれども、当区の分野担当の認識はいかがですか。 ○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 公会計改革というのは、私どもも勉強はさせていただいておるところでございます。昨年の平成21年度決算のときにも、いわゆる企業会計的手法による分析を評価しておるわけでございます。その中で私どもの公園・道路整備分野としましては、現状では、いわゆる個々の維持・補修等に力点が置かれておりまして、所有する資産、いわゆるアセットの現在価値を踏まえた維持・更新コストなどを正確に把握する仕組みはまだ確立されていないというふうに認識しているところでございます。 今、委員の御指摘のとおり、技術者としてということでございますので、私ども技術者としても、アセットマネジメントの視点で、いわゆる投資判断並びに手法ですね、LCC型にするとか、PPP型にするとか、その他もろもろいろんな手法があろうかと思いますが、そういった手法を的確に分析評価するための研究を積み重ねていく必要があるというふうに理解しておるところでございます。 ○飯島委員 導入を目指している中野区道路管理システムというのがありますけれども、これは概略でいいですから、どんなものですか。 ○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 中野区道路管理システムというのは、まさにアセットマネジメントの視点で平成21年度から準備を進めているものでございます。区が管理している区道、道路について、道路管理業務に必要な情報をデータベース化しまして、効果的かつ効率的な事業執行を目指すという考え方でございます。 ○飯島委員 このアセットマネジメントにとって大事なものは二つあるというんですね。一つは専管組織が必要である。それから、もう一つは、データベースの整備がなければこれはできない、こういうことなんですけれども、工事履歴あるいは点検結果などの、このそれぞれの財産に応じてね、そういうデータベース構築は進んでいるんでしょうか。 ○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) この道路管理システムの中で、工事履歴並びに点検ですね。点検結果についてもデータベース化をしておるところでございます。 ○飯島委員 かなり進んではきていて、このデータベースは、もうじゃあ整備されているというふうに理解していいですか。 ○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) それなりのデータベース化、繰り返しになるかもしれませんが、道路の路面の性状データでありますとか、いわゆるひび割れですね、わだち等々、それと道路の舗装構造でありますとか、そういったもろもろをデータベース化しておりまして、23年度から、来年度からそれをベースに効果的、効率的に道路改良工事を進めてまいりたいというふうに考えております。 ○飯島委員 そんなに警戒的にお答えにならなくても大丈夫ですから。皆さんの認識の中に、この工事をやっていく優先順位、ここからやろう、今年度はここだ、こういうことをお決めになっているんですけども、どうも、ある資料によれば、議会等への説明責任については優先順位の根拠などをもってなされていない。なぜかならば、データベースが整備が完全にできていないから、ここからやるんだということを客観的にやらない。いろんな苦情が来たりなんかするとすぐそれに対処してしまうというようなこともあるようだというんですが、それはそうなっているんですか、それともちゃんとしているんですか。 ○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 道路改良工事、繰り返しですが、私ども原則として、35年サイクルで改修するよう計画を立てているところでございます。しかしながら、年度ごとのその財政状況を踏まえながら、かつ道路の劣化状況等に応じて施行の対象路線を選択し、実施しているという状況でございます。 ○飯島委員 繰り返しの御答弁というところになかなか苦しさがあるなと。的確に客観性を持って、工事が次はこれ、したがって今年度の事業はこれ、したがって予算額はこれだけ必要なんだということがなかなか示せないなというふうに感じました。 平成23年度予算説明補助資料、皆さんのお持ちの資料ですが、219ページ、これには当初予算、歳出説明の区政目標というのが書いてあります。この下のほうに、道路陥没や落ち込みの発生件数というのがある。あたかも成果の指標が陥没の発生というのはどうなのかなと。むしろ予防的な対処をする箇所がこれだけ、で、現実に陥没が発生したところがこれだけ、こういうふうなもうちょっと前向きなものじゃないと、成果指標としては、穴があいた件数を書くというのが目標になって見ているようなことになるとちょっとおかしなことになりませんか。いかがでしょうか。工夫が必要だと思うんですけど。 ○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 219ページでございますが、成果指標の考え方はいろいろあろうかと思います。道路環境、安全で良好な道路環境を目指すために、陥没や落ち込みを減らす取り組みという観点で指標として掲げさせていただいているということでございます。 ○飯島委員 何か、穴がこれだけあきます、陥没はこれだけですというのではなくて、じゃあ、対処した数とか、これだけやる、あるいは事前の予防はこうなるというようなことが示されて努力があるんだと思うんですよ。中野区では道路の空洞調査というのをやっているんですね。道路の下にどのくらい空洞があるかという。これは予防的対応に利用されていないんですか。 ○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 道路の空洞化調査につきましては、平成15年度から21年度でやってきたものでございます。その結果、空洞化の原因が地下埋事業者の埋め戻し不良等に起因する場合には、地下埋事業者に補修指示を行いまして、その他の場合は区が補修するということで、結果論としては予防的対応につながっているものというふうに認識しているところでございます。しかしながら、空洞化調査した後、新たに地下埋事業者さんがまた工事を行うこともありますので、その結果としてまた空洞が発生するということもあろうかと思います。調査の結果が100%そのまま予防的対応につながるとは限らないというふうに思っているところでございます。 ○飯島委員 だって、空洞調査するのは予防的対応の問題でしょう。それにつながらないとすれば、調査とそれを生かすシステムに問題があるというふうにしか理解できませんよ。じゃあ、そうならないのは予算上の問題ですか。 ○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 空洞化調査は、私どもそれなりに意味のあった調査だというふうに思っておりますが、いわゆる費用対効果の面で乏しいのかなということでございます。先ほどの繰り返しですが、23年度以降につきましては、道路管理システムによりまして優先順位を決めまして、計画的に道路改良工事を実施していきたいというふうに考えています。 ○飯島委員 これだけ繰り返されたんですから、必ず23年度以降って、新年度以降ですよ。ぜひきちっとした取り組みをお願いいたします。 1問飛ばします、同じようなことですから。 平成23年度予算に示された道路・公園整備基金の積み立てにかかわる特定財源、これは何ですか。 ○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 特定財源は道路占用料でございます。 ○飯島委員 わかりました。 それでは、次に、中野区施設白書というのが平成20年につくられています。この中にファシリティマネジメントという言葉があるんですが、これについてはどういう内容でしょうか。 ○小田政策室副参事(企画調整担当) お答えいたします。区が区政運営のために活用する区有施設を最小のコストで最大の効果が得られる最適な状態で保有し、維持するための総合的な経営管理活動でございます。伝統的な施設管理との違いは維持保全だけではなく、よりよいあり方、いわゆる最適な状態を追求する点が挙げられるというふうに思います。 ○飯島委員 その関係協会で書いているような文章ですね、それは。はい。 それで、白書作成の時点では、今後20年間の施設の維持管理経費、改築経費について、それぞれ760億円余、あるいは約290億円と見込んでいましたけれども、現在はどういう見込みになっていますか。これと同じ額ですか。 ○柿内経営室副参事(財産管理担当) お答えいたします。施設白書で想定しておりました施設の利用計画等が変化しておりまして、費用も変わってくるものでございます。現時点での金額の新たな算定は行っていないものでございます。 ○飯島委員 新たな金額の算定も行っていないのに、どうやってファシリティマネジメントってやるんですか。みんな言葉だけなんだよ。 次に行きます。固定資産台帳というのをつくることになっています。これ、公会計改革にあわせてもね。この整備は進んでいますか。いるか、いないかで答えてくださいね。 ○篠原経営室副参事(用地・管財担当) 公有財産台帳でございますが、これは過去に取得した財産の価格や取得に要しました付随費用、これらを再度資産評価をして検証しなきゃならないということから、現段階では整備は進んでございません。 ○飯島委員 この固定資産台帳の整備がかぎなんですね、公会計改革についても、あるいはこのアセットマネジメントについても、ファシリティマネジメントについても。つまりマネジメントの要諦の部分なんですよ。ですからぜひ、今おっしゃったようなことじゃなくて、取り組みを加速してもらいたい。そうじゃないといつまでも皆さんお答えになったようなこと。同情もしますよ。だって現実になかなかいかないんだもの。現場としてはそういう状況の中でやっているんですから、繰り返しの答えになってしまうのはやむを得ないんだけれども、ぜひそこら辺が大きなポイントなので、取り組み方についてお願いいたしておきます。 それで、今後10年間で耐用年数を超える施設というのはどのくらいになりますか。 ○柿内経営室副参事(財産管理担当) お答えいたします。廃止予定の施設を除きまして、平成32年度末で法定耐用年数の50年を超える施設は31施設を見込んでいるものでございます。 ○飯島委員 義務教育施設整備基金についての質問は、これは飛ばします。 今後20年間にわたって計算すると、この白書のテーマをですね。そうすると、1年間に38億円ぐらいのいわゆる予算、改修経費を予算計上しないとならないということになっているんですが、これは予算化されていますか。 ○柿内経営室副参事(財産管理担当) 各年度に必要な経費を見積もりまして予算化しているものでございますが、委員御指摘の数字にはなっていないものでございます。 ○飯島委員 平成12年度に、実は中野区の施設保全に関する方針というのが策定されているんですが、これは遵守されていますか。されているか、されていないかお答えください。 ○柿内経営室副参事(財産管理担当) この方針につきましては基本的な考え方を掲げているものでございまして、その基本に基づきまして具体的には取り組んでいるということで考えてございます。 ○飯島委員 じゃあ、これも遵守されているということでいいんですね。わかりました。 じゃあ、その先に行きます。鉄筋コンクリートづくりの法定耐用年数、先ほど50年というふうなお答えもありましたけれども、中野区は10年の延命措置を見込んで60年としているんですね。だけど実際に延命措置は行われていません。行われた施設って数少ない。役所もやったかどうかというぐらいの微妙なところですよ。やっていないのに、法定耐用年数50年から60年で計算しちゃっていいんですか。 ○柿内経営室副参事(財産管理担当) お答えいたします。経年劣化の状況によりまして、屋上防水や外壁改修などの建物の延命措置を行っているものでございます。 ○飯島委員 じゃあ、10年間みんな延びていると。大丈夫ですか、そう言い切って、あなた。計画のところどころには、これからやるというふうに書いてある。やったとは書いてありません。平成20年の作成ですよ。まあ、いいです。そのことについては、じゃあ、また場面改めて聞きますけどね。 そうすると、もう一つ、この施設白書、非常にユニークな考え方が示されています。施設利用度の評価による潜在的な余剰施設、これを可視化するんだ、こう書いてあるんですけれども、その可視化はできたんですか。 ○小田政策室副参事(企画調整担当) お答えいたします。現在のところ施設利用度評価は行っていないところでございます。今後、先行自治体の取り組みなどを参考にしながら、余剰施設の可視化に向けた検討を行っていきたいというふうに考えております。 ○飯島委員 そうですか。私はある施設が余剰施設として可視化されたと思っていましたが、ないんですね。わかりました。 じゃあ、次に伺います。施設の機能向上として、ユニバーサルデザインやLAN環境などの情報化対応が不可欠だ、これが認識として示されていますけれども、この認識には現状変わりはありませんか。 ○柿内経営室副参事(財産管理担当) お答えいたします。施設の機能に応じましてユニバーサルデザインや情報化対応などが必要と考えてございます。 ○飯島委員 だから、その認識は変わっていないんですね。どうしても必要だと、こう思っていらっしゃるんでしょう。いかがですか。 ○柿内経営室副参事(財産管理担当) 繰り返しになりますが、施設の機能に応じまして、それらのものは必要だということで考えてございます。 ○飯島委員 ありがとうございました。後の質問に関係しますので。 いつまでにこの区有施設全体の長期保全計画を策定して、いわゆるライフサイクルコストを最小化するか、こういう取り組みについてやるって書いてあるんですけど、いつまでにこの取り組みを開始される予定ですか。 ○小田政策室副参事(企画調整担当) お答えいたします。現在、施設ごとの老朽化データの収集分析をしておりまして、区有施設の長寿命化を視野に入れました長期保全計画策定に向けまして取り組んでいるところでございます。 ○飯島委員 それは先ほど伺った、いわゆる固定資産台帳等ともろもろのこととの連携の上できちっとおやりになっている、こう理解していいですか。 ○小田政策室副参事(企画調整担当) そのようにお考えいただいてよろしいと思います。 ○飯島委員 やっているんなら、もっと確信を持ってお答えください。 それで、この施設白書ですけども、これは改定はするんでしょうか。 ○小田政策室副参事(企画調整担当) 区有施設のあり方につきましては、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)でお示ししたところでございます。現在のところ、施設白書の改定の予定はございません。 ○飯島委員 だけど、現状で数字も変化してきている。先ほどお答えありましたよね、事情が変わってきている。で、いつまでも七百数十億円とか290億円とかという数字でいいんですか。改定しなかったら、区の区有施設全体についてのアセットマネジメントとか、それに基づく、いわゆる新しい手法でどれぐらい投資すれば、どれぐらい区民の皆さんの便益が高まるのか。つまり減らすだけじゃないんですよ、アセットマネジメントというのは。どう活用すれば最も最高のというかね、最大の価値を生み出せるかということを考えるから、ファシリティマネジメントになったり、アセットマネジメントになったりするわけでしょう。それなのに、片一方はそれなりに物は考えていますよ。片一方は、いや、それは改定するつもりはありませんよ。それでは、全体としての最適が図れないんじゃないんですか。こういうのって、1回つくっちゃったらいいんですか。これは、恐らくこの10か年の第2次のもろもろのベースになるものなんですよ、今申し上げてきたようなことは。これをちゃんとしないで、絶えず見直しをしないでどうやって区政が革新されるんですか。ぜひ、この施設白書についても、そうした取り組みをされることを強く求めて、この項の質問は終わります。お答えは結構です。 次に、財政マネジメントについてお尋ねをいたします。先ほど、篠委員からもお話もありましたし、区長も、あるいは皆さんも本会議場等々でおっしゃっているように、史上最大の規模、かつてない予算規模であります。これが23年度中野区一般会計予算でありますけれども、私は、こういう予算について――予算について、こういうのは要するに予算なんかについて、一片のレッテルで物事を処理することはできないだろうと、こう思っているという上で、このような質問をさせていただきます。史上最大規模の23年度中野区一般会計予算は、大規模開発優先の予算編成でありましょうか、それとも違うのでしょうか。違うのであれば、数字をもって示してください。 ○志賀政策室副参事(予算担当) お答えいたします。平成23年度の予算につきましては、安全・安心と魅力を高め、次の時代を切り拓く予算としての特徴を持ってございます。平成22年度の当初予算との比較では、大規模用地の再取得などに伴いまして、投資的経費は169%の著しい増加となっておりますけれども、扶助費につきましても21%の大幅な増加となっておりまして、区民の暮らしを守る施策とまちの活力を高めていく施策の両立を図ったものでございます。 ○飯島委員 数字的根拠ってそれだけですか。じゃあ、次に伺わないといけないですね。 平成23年度予算、中野区一般会計予算は、区民のニーズを無視したような予算編成ですか。違うのであれば、ここが違うんだ、そんなこと言われても、それは当たりませんよというところを示してください。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 22年度に補正で対応いたしました子ども手当や大規模用地の再取得などの特殊要因を除きますと、増減率は5.7%となってございます。これによりまして、区民ニーズを反映した結果の予算編成というふうになってございます。 ○飯島委員 具体的じゃないですね。区民のニーズはこれで、こういうことにこれだけの努力をして予算も配分していますよというのが普通だと思うんですね。僕は編成した側じゃありませんから、そういうことを説明するのは皆さんの側ですよ。だって、区民のニーズなんか無視して予算なんか編成できるわけないじゃないですか。ここにこたえているところがある、ここもそうだ、こう、あなたが胸を張ってお話をしていただかなかったら、あるいはどうだったのかなというふうなことになりかねない。もうこれ以上お尋ねしたって、準備はそれしかないんだから、しようがないから、次、また聞きます。 財政の安定性について危惧が表明されることは多々あります。私も手放しで大丈夫とは思いたくないという部分がある。思いたくないというか、思えないね。大丈夫だと思いたいんですけど、言葉に出せない。この財政の安定性について、それを損ないかねないような予算編成だというようなことについては、あなたはどうお答えになるんですか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) この予算につきましては、財政の安定化を損なうような予算編成ではございません。財政規模こそ大きくなってございますけれども、国や都の支出金の充当、あるいはこれまで積み立ててまいりました基金・起債の活用を図っておりますし、財政調整基金の繰り入れにつきましては、平成22年度と比較いたしますと20億円少なくなってございまして、36億円の繰り入れとなっているものでございます。 ○飯島委員 それってネガティブな数字じゃないの、今、減っちゃったというのは。つまり、今までは実質収支が生み出されてきている部分が大きかった。それはプラス・マイナスの評価があるんですよ。仕事をしなかったという評価にもつながりかねないし、しかし、一生懸命工夫をしてこれだけのものを残しましたということにもなるかもしれない。でも、それがだんだん圧縮されてきているというか少なくなってきている。実質単年度収支、赤になっていると。こういうことがあるわけですから、そうすると、安定性、持続性にどうなんだ。まるっきり青いシグナルだけじゃないんじゃないのという、そういう懸念は議会としては当然持ちますよ。そういう懸念に対して、そういう状況をどう財政運営方としてとらえて、財政運営に星を打っていくかということが大事でしょう。適切な数字だったかなと思うと、ちょっとわかりませんね。そういう視点でおやりになっていることはまだあるんじゃないでしょうか。私はそう思いますが、ここで私が述べる立場ではありませんので、申し上げません。 次に、繰り入れ、それから積み立て、そういうものを相殺した平成23年度予算における正味の財源対策額は幾らでしょうか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 繰入金は77億円で、一方、積立金につきましては39億円弱でございますので、差し引きますと38億円の財源対策となってございます。 ○飯島委員 この正味の財源対策額は、21、22、23、こう見てくると、増えているんですか、それとも減っているんですか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 減ってございます。 ○飯島委員 そうじゃなかったら、安定性に配慮した予算編成って言えませんよね。お答えになるんならそういうことをお答えになるべきじゃないでしょうかね。 繰越金、これが平成22年度は当初予算に計上されていませんでしたけれども、平成23年度予算では計上されました。これはなぜですか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 平成22年度の決算見込みにおきまして、繰越金が見込まれると、そういったところから23年度の当初予算に組み込んだものでございます。 ○飯島委員 繰越金って、いつの年度だってある程度見込まれているんじゃないんですか。今まで当初で組んでいない、そうしたら科目存置だったですよね。これ、何で平成23年度はそういう措置をされたんですかってお尋ねしているんです。なぜですか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 昨年までの経済状況からいたしますと、とても決算状況等からすると決算剰余金、大幅な見込みが立てられなかったと。しかしながら、平成22年度の決算を見込みましたところ、経済状況等の好転が見込まれ、また決算剰余金も見込まれるといったところから、今年度につきましては4億円。以前、10億円繰越金を組んでおりましたが、今年度については4億円を組ませていただいたといった内容でございます。 ○飯島委員 ある程度、区の財政状況について、好転したとは言えないんですけども、かなり底に向かいつつある状況は少しブレーキがかかったかな。つまり21年度の状況では、とても年度当初に繰越金なんて当て込めないよと。それが、22年度決算の状況が大体見えてきたところで、ある程度の繰越金が想定されるだろうと。したがってお組みになった、こういうことですよね。これ、お組みになったんだけど、直ちに財政調整基金に積み立てていますね、当初予算の中で。これはなぜですか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 財政調整基金に組み込んだ理由でございますけれども、いつも委員のほうからも御質問ございますように、持続可能性のある財政運営を的確に行っていくと、そういった意味から当初予算で計上させていただいたものでございます。 ○飯島委員 それはだって別に、おっしゃる意味だったら当初じゃなくたって、途中だっていいわけでしょう。なぜ当初なんですかって言ったんです。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 繰り返しになりますけども、22年度の決算の見込みをしまして、決算の剰余金が見込まれるといったことから、財政調整基金をしっかりと積み立てて持続可能のある財政運営を行っていきたいといったあらわれというふうに考えております。 ○飯島委員 そうすると、文字どおり年度間財源の調整に資するために、あらかじめ平成24年度に向かって財源対策を行っている。見方によってはですよ。そうは言いませんが。そういうことも考えられる。財政分野担当としてはそのぐらいしておかないと、手放しで少しよくなってきたななんていうふうには言えないんだと、こういう認識もここに示されているというふうに理解していいですか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) そのとおりでございます。 ○飯島委員 だとすれば、別にもうちょっと額が多くてもよかったかな。状況から、だって事情はある程度おわかりになっているんでしょう。僕はよくわかりませんよ。だけど、果たしてよくなったのかなというふうな気はしないではありませんけど。まあ、途中補正でもあるかもしれませんから、これ以上は申し上げません。 この前、先週配られた当初予算の概要というのがありましたけど、それの14ページ、15ページに財政フレームが示されています。いわゆる一般財源ベースの財政フレームで、15ページにはこのグラフが示されていまして、平成26年、27年には、このフレーム上から言うと見事に一財では、いわゆる事業費と収入が逆転するような絵がかいてあるんですけれども、これは私は見ると非常によくできている。だけど、どこが根拠になっているのか、これよくわからないんですね。どうしてこの26、27になると急激に回復していっちゃうのか。これはなぜこんなふうなことになるんですか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) お答えいたします。平成27年度までに、より一層の事業の見直し、改善を進めることによりまして、一つは義務的経費のうちの人件費の削減があります。また、一般事業費の抑制を図ることによりまして経費の削減を図っていく、そういったところが主な要因となっております。 ○飯島委員 先のことはなかなかわかりませんよね。常に当たらないのがフレームとか、あるいは経済予測とかと言う人もいるんですけども、これは事業費は努力ですよ。一般財源充当の事業の問題についてどう取り組むかについては行政側の努力。しかし一般財源の、いわゆる入ってくる側については、これはなかなかわかりませんよね、ある意味。そうすると、ちょっと不確実性を含んでいる、この財政フレームは。そう言っておいたほうが安全かなという気もしないではないんですが、いかがですか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 歳入フレームにつきましては、以前お答えしたことがあるかと思いますが、税等については、課税対象人口の減少により引き続き厳しいものがあると考えておりますけれども、財政調整交付金につきましては、経済状況等の好転を見込まれると。民間のシンクタンクの長期経済予測などから推計いたしまして回復を見込んでいると、そういったところから特別区交付金については増加を見込んでいると、そういったところも加味しているものでございます。 ○飯島委員 そういう見込みを使われて予測をされる。まあ、これは必要なことですよ。それより方法がないわけです。推計というのは、上位推計、中位推計、下位推計、上中下と三つ数字があるんですね。最もシビアなシナリオが下位推計。中野区というのは、こういう状況にあるわけですから、そういう推計のデータ等々予測を使うについては下位推計、これで厳しく見ておかないと、上位で見ちゃったらバラ色ですから。少なくとも中位もしくは下位を使ってやっていらっしゃる、こう理解していいですか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 歳入のフレームにつきましては、絶えず厳し目に見ているところでございますけども、今、御説明いたしましたとおり、民間のシンクタンクの長期経済予測等から推計し、財政調整交付金、主な財源が法人住民税、あるいは固定資産税でございますが、そういったものについては増加の傾向を見ているといったものでございます。他の財源については厳し目に見てございます。 ○飯島委員 ぜひ、フレーム上から言うと、このまんまの区政運営、財政運営を続けていけば、26、27ぐらいから区の財政状況は好転するんだと。手放しで行くとは当然思えませんから、十分手綱をしっかり締めてやっていただきたいと思います。 区民の資料の22というのは多分もうできているんだと思うんですが、これ、産業振興分野における当初予算、決算額というのをつくっていただいた。これを見ると、ものすごいですね。予算、それから補正、流用、予算現額、決算額、執行残と、こうあります。特にこの執行残がものすごくいっぱいあるという、もう稚拙な表現を使う以外にないようなことなので、これ、お組みになっているほうは、やらなきゃならないから予算を組むわけですよ。平成23年予算だってそれなりのものを組んでいらっしゃるんだけど、こういう執行状況に課題があるというものについてはどうなんですか。どう予算の担当としてはお考えですか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 産業振興分野におけます予算の内容につきまして、私も資料のほうを確認いたしました。私どもと担当所管部との調整の中でいろいろと計画と事業を確認した上で予算編成で予算の計上をしているところでございますが、全体的に見まして、予算に対して決算額、あるいは執行額を見ますと、必ずしもいい内容の評価ではないというふうに思われます。予算の編成におきましても、より適正に効果的な予算編成を行えるように努めるとともに、予算執行の進行管理も含めて行ってまいりたいというふうに考えているものでございます。 ○飯島委員 予算をお組みになって――昔は予算による統制というのがありました。これは、財政法の4条というのがあって、必要なこと以外にお金を使っちゃいけませんよという規定がある。だけど普通、これはつけた予算、必要だからつけたんだから、しっかりと実行しなさいよと。この産業振興費というのは、回り回って中野区全体にかかわってくるわけでしょう。そうすると、逆の意味で的確な執行が求められるという、そういう事業の最たるものですよ。その最たるものがこういう、良くない状況を続けてきた。1年じゃありませんよ。このことについて、担当としては何か物を申したことがありますか、あるいは、本来これはどこがこういうことを考えなきゃいけない。PDCAサイクルなんて回っていないよ、ここは、こう言わざるを得ないじゃないですか。厳しい財政状況の中で予算をつけるというんなら、それが生かされていく、使われていく。そして区民の生活に、あるいは産業振興にそれが生きているんだというふうにならないと、それは予算を編成した側の場合、最後に考えておかなきゃならないことなんじゃないかと思うんです。編成すればということだけじゃなくて、最終的にこれがどうなったのか、それを見届ける必要も担当にはおありだなというふうに思うんですけども、いかがですか、こういうことは。やっぱり予算措置なんか、部がつくってきたんだからみたいな話ではなくて、全体最適をやっぱり求めるべきじゃないですか。そのことについて、再度お尋ねをいたします。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 予算編成時におきまして、所管の担当と私どもの部担と調整し、その予算の中身につきましては、全体で私を中心として調整会議を行っております。その中におきまして、事業の内容の確認、予算規模の確認をしています。また、予算の執行状況等につきましても、途中経過を統括管理者を呼びまして話をしたり、執行状況、あるいは流用等について、私としては指導・助言を行っているところでございます。繰り返しの答弁になりますが、引き続き予算進行管理を含めてしっかりと確認し、対応してまいりたいというふうに認識しております。 ○飯島委員 地域情報化推進については、これは所管で、分科会でお尋ねしますから、これはやめておきます。 以上でこの予算に、財政のマネジメントについてお尋ねしましたけども、ぜひ責任は重大ですから、しっかりとお願いをしたいと思いまして、次に移りたいと思います。 次に、まちづくりについて質問いたします。この質問はちょっと説明的な質問になるので、申しわけないんですけれども、御容赦をいただきたいと思います。 まず初めに、まちづくりについては、この総合的な条例、これを制定するという考えは変更されたんでしょうか。 ○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) お答えいたします。地区まちづくり条例は都市計画マスタープラン、10か年計画で示した身近な地区を単位としたまちづくりを推進していくため、地区まちづくりに関する手続と区の支援の仕組みを定めることを目的として制定するものでございます。当初、さまざまな視点から地区まちづくりを推進するため、有効な条例づくりを検討してきましたが、基本的な考えを変更したものではございません。 ○飯島委員 お尋ねしている趣旨をどうかちゃんととらえてお答えいただきたいんです。私は、まちづくりについて、区長も本会議で御答弁された記憶があると思いますけど、総合的なまちづくり条例をつくりたい、こうお答えになった時期がありました。あったんだけど、それについての考えは変更されたんですか、どうですか、それをお尋ね申し上げたんです。変更したんですか、変更しないんですか。地区まちづくり条例なんて一言も言っていませんよ、僕は。 ○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 何をもって総合的な条例か、そういう定義はないわけでございます。地区まちづくり条例というのは、いわば自主条例と都市計画法に基づく委任条例の性格をあわせ持ったものということで、そういう意味から言えば、委任条例だけ中を定めているものではないというふうに考えてございます。 ○飯島委員 ですから、私がお尋ねしているのは、まだ提出もされていない議案についてお尋ねしているんじゃありません。まちづくりについて条例を――僕はもう制定すべきだという立場ですよ。だけど、区長もまちづくり条例は制定をしたい。そのとき区長のお考えは総合的なまちづくり条例、いろんなことね、福祉のまちづくりとかいろいろあるでしょう、環境のまちづくりとか。そういうのとして物を考えていらっしゃる時期があった。だから、今は、それはそのまんま考えは続いているんですか、それとも、そういう考えは一たん転換してほかのことになったんですかというふうにお尋ねしている。 ○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 委員御指摘の面を考慮しますと、当初のものという基本的な考えは変わってございませんが、10か年計画等で示した考え方に基づいて、そういうふうに制定するというふうにしたものでございます。 ○飯島委員 そうすると、じゃあ、総合的なまちづくり条例もお考えの中にはまだ残っているというふうに受けとめます。そうじゃないと話は先に進まない。 都市計画における区長の権限、首長さんの権限って非常に大きなものがあります。例えば、まちづくりに関する構想の登録とか、その抹消などについても、区長は自分の判断で、これはもう要らないと思ったら抹消できちゃったりなんかすることがあるようです。区長と言いません。首長ね。法の規定上から言うと、この首長の都市計画上、つまり、地区まちづくりとかっておっしゃっているから、あえて地区まちづくりかなんかの場合というふうにお尋ねしますけども、この場合の区長の権限って法的な規定はあるんですか。 ○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 地区まちづくり条例、これは地方自治法に基づく自主条例と、委員言われているのは都市計画法のことであると思いますが、都市計画法に基づく委任条例の性格をあわせ持つ性格を有してございます。委員御指摘のまちづくり構想の登録などは、その都市計画法で委任されているものではございませんが、地方分権化の中で、基礎的自治体として、みずからまちづくりを進めるために必要な仕組みであるというふうに考えてございます。そのために条例の中でその仕組みを定めていきたいというふうに考えてございます。 ○飯島委員 僕はだから、地区まちづくり条例なんて一言も言っていないと言うんですよ。あなた、それ以上やると、事前審査にかかわりますよ。まあ、いいや。 次、まちづくり団体という、いろいろ何とかでこうつくられた。中野区として、まちづくり団体に関するイメージはどのようなものをお持ちですか。 ○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) この地区まちづくり構想、こういったものを実現していく、そういった団体、地域の団体を一定の要件で定めていく、そういうふうに考えてございます。 ○飯島委員 だから、だれでも、何でも、まちづくり団体ですと名乗れば、そういうものではありませんよと。やっぱり行政とも、そこに住んでいる人たちともきちっとした協働、コラボレーションができる。それから一定の見識に立って物に取り組んでいける。それから、それが持続できるような裏付けがある、こういうようなことが必要とされるんでしょう。僕はそういうことも要件の中に入っているんだろうと思うんですが、間違いありませんか。 ○相澤都市整備部副参事(都市計画担当) 一定の要件のもとのもので定めていきたいと思っております。そういったものについてはまた、委員言われたようなものを含めた基準の中で定めていくというふうな考えでございます。 ○飯島委員 いずれ提出される議案を拝見させていただくとしかここでは言いようがありませんね。 次に行きます。次は、無線LANによるまちづくりです。 その前に、いわゆるエコタウンの取り組みについて、先に質問をさせていただきます。 環境都市、いわゆるエコタウンの取り組みについては、私は極めて今後の都市、中野も都市ですから、日本の社会の中で都市、あるいは世界の中でも都市がやっぱり一つに、その生活する環境として極めて大事になってくる。その中でも環境都市の取り組みというのは非常に大事な取り組みになるだろうと思っています。中野区もぜひ目に見える形で中野の取り組みを私はアピールする必要があるだろうと思っています。 例えば、今後の中野駅周辺で、駐車場等の整備なんかの計画がありますけれども、その整備される駐車場の中に電気自動車の充電設備を設置して――駐車場を使っている人が電気自動車の場合はですよ――充電ができる、こういうふうにぜひして電気自動車を優遇して、中野のまちを電気自動車が走っている割合が他区よりも断然高いと、こういうことをアピールして、温室効果ガスの排出抑制の取り組みを示したらどうかと思っていますけれども、その充電する自然エネルギーが、いわゆる自然エネルギーから充電するというのは一番いいわけでありますけれども、それらの設置を、これはややもすれば行政がやりなさいと、こう言ってきましたけれども、私はそれは行政がやることではなくてもいいんだろう、こう思っています。いわゆる民間企業がそういうことをやる。その条件整備を進めていく、そういうことをお考えになる時代が来たんじゃないのかな。そういうことを通じて広く世の中に環境都市、エコタウンの取り組みをきちっと進めていますということをアピールするべきではないかと思っています。 とりわけ、日本の自動車メーカーも電気自動車等々発売した結果、いろんな都市と電気自動車についての取り組みを始めている自動車会社が出てきたりしています。私がこの前ちょっと行ってきた藤枝市なんかは、そういう取り組みがそのメーカーからあったというふうになっていましたけれども、一方、私は日本にとどまらなくてもいいんだろうと、そういう会社は。例えば、姉妹都市の友好締結をしている中国や、あるいは韓国のそういう企業とタイアップしてやってもらうことも考えられる。それは周知徹底とか広報するということにものすごくあれですよ、冠をつけてあげればいいわけだから。陽川区との締結1周年記念でこれをつくっていますというふうにやって、その下に陽川区にある企業の会社の名前があって、私は頑張っているんだというのだっていいわけでしょうから。だから、そういうことをやって、いわゆるアピールをしていく、あるいは中野区がやっている友好姉妹提携とか国際交流の取り組みも同時にアピールをする。そういう取り組みをこれからはやっぱり進めていく、そういうことにもなるので、しかも環境対策というのは、そういう意味からすると極めてテーマとしてはあり得るべきテーマだと思うんですけれども、そういう取り組みをこれからどんどん進めるべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。 ○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) お答えいたします。今お話にございました電気自動車の普及、こういったことにつきましては、今後検討していきたいというふうに考えてございます。 また、民間活力のお話でございましたけれども、省エネの推進につきましては、やはり民間の先進的、専門的なノウハウ、技術が必要不可欠と考えてございまして、何らかの形で民間活力の活用を図れるよう十分意識して取り組んでまいりたいというふうに思ってございます。 また、地球温暖化防止につきましては、この推進が地域の活性化等へも波及するよう考えてございまして、委員お話にございましたような友好交流、こういった側面でも効果が上がるようなことも含めて、今後工夫しながら進めてまいりたいというふうに思ってございます。 ○いでい委員長 飯島委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。 午後0時01分休憩
午後1時01分開議 ○いでい委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。 飯島委員、お願いします。 ○飯島委員 引き続いて質問を続けさせていただきます。 次に、無線LAN、この取り組みでまちづくりを進めたらどうかという質問に移らせていただきます。 スマートフォンが急速に普及いたしております。私も1台持っています。先ほど言いました電気自動車の充電と同じような手法で、私はこの際、中野サンプラザのロビーにこのスマートフォンの充電、いわゆるスマートフォンをはじめ携帯端末の充電のそういうスタンドというのをぜひおつくりになってはいかがかと思います。私はこの前、羽田空港からちょっとあるところへ行ってきましたけれども、羽田には何と韓国の有名な大手電機メーカーのそのスタンドが二つもあるんですね。もう企業名をびしっと書いて。ですから、私はぜひ陽川区との友好締結とかって書いて、韓国はその分野で先進的に、意欲的にやっているというところですから、ぜひそういうところが来る。そうすると、スマートフォンというのは電気がもたないんです、あまり、電池が。だから、充電したいという人はたくさんいますから、するたんびに、ああ、中野区は陽川区とこういうことをやっているんだなということがわかるという普及効果も抜群の方法があると思いますけれども、これをぜひ取り組んだらどうでしょうか。いかがですか。 ○藤井政策室副参事(情報担当) お答えします。顧客の拡大を目指しまして、携帯電話の長時間利用の機会を提供している店舗がいろいろと増えております。そういうところでは充電サービスの提供もされている事例が多いというふうに聞いておりまして、サンプラザでも、既に一部の店舗では充電サービスを提供されているようです。区といたしましては、それぞれの店舗で自主的に判断されることかと認識しております。 ○飯島委員 そういうことを言っているから、物が進まないんですよ。それぞれの店舗が当然やるのは当たり前ですよ。行政の問題として、いかにして周知徹底するんですか、陽川区との提携って。一発でわかるんですよ、これ、ある人。ああ、中野ってこんなことやっているんだってなるんですよ。その店舗はじゃあ、友好締結1周年なんて冠かけて充電させてくれているんですか。そういうことを言っているから、物事の一つひとつのことが進んでいかない。ほかがやっているからどうだって話じゃない。中野がやれって言っているんじゃないんですよ。友好締結、向こうから来てもらったらどうですかと。来てもらえれば、こっちからだって出やすくなるんですから。ぜひそういう、いわゆる役人の発想というのを転換すべきですね。 じゃあ、次に行きます。 中野区地域情報化推進計画というのがあります。これには、ユビキタス都市中野、よくわかりませんけれども、このユビキタス都市中野が目指すまち、次のように述べています。「ユビキタス都市中野が目指すまちは、いつでも、どこでも、何でも、誰でも、ストレスを感じることなく、簡単、便利にICTと情報ネットワークを活用し、いつまでも元気で活き活きと、充実した暮らしを楽しむことができるまちです」。そこで突然の提案なんですけれども、ここで述べられているまち、これを公衆無線LANの整備で実現してはどうかと思います。先ほど言いましたように、スマートフォンってすごい勢いで普及していますから、ぜひそういうことを念頭に置いて、中野というのは公衆無線LANを整備しているまちなんだと、中野駅をおりると、突然3Gからワイファイに変わるとかという、そういうことで、中野のまちっていうのはそういうところなんだな、こう強くイメージを訴える必要があると思います。 今、生活のあり方とか、情報の発信の仕方とか、企業の経営、活動なんかも、このスマートフォン中心にどんどん変わってきている。こういう時代として、区長がよく言う都市間競争ってありますけれども、こういうことを、都市間競争を戦っていくそういうインフラの一つになっていくだろうなというふうに思っていますし、もうおっしゃるようにレストランとかハワイ、先進的に取り組んでいるといいます。しかし、公衆無線LANのいわゆる検索をするソフトがありまして、出します。中野って、中野駅周辺、特に、圧倒的にありません。高円寺とか阿佐ケ谷とか新宿とか、あるいは大久保に比べたら、もうほとんどと言っていいぐらいない。この駅周辺に五つぐらいしかないんですよ、そういうところは。ロッテリアとか、マクドナルドとか、そういう限られた店舗でしかやっていない。そういう意味では、まだそういう基盤が極めて民間も少ない地域なんです。ですから、ぜひそういうことをおやりになるべきだなと。 それで、特に警大跡地なんかに大学が来るわけでしょう。若い人たちみんな今、もう女子大の人、女子学生なんかみんなアイフォンですよ。そういう意味で言えば、中野っていうのはそういうことに対して極めて、ストレスフリーって言っているんですから。だからそういう意味で、ぜひ公衆無線LANのアクセスについてしっかりと取り組んでいかれたらどうでしょうか。ぜひ、もう一度お考えを伺います。 ○藤井政策室副参事(情報担当) 中野区内では情報通信について、既に区内の選択でさまざまなインターネットの回線を選択できる状態になっていまして、高速の情報インフラについては整備されている状況にあると思っています。ただ携帯の機器について、活用する基盤について、ただ、今の段階で手薄い部分もあるのかもしれませんけれども、無線通信サービスを提供する店舗や駅も増えているということと同時に、携帯電話自体も、次世代携帯電話の中では有線回線並みに高速化したサービスは既に始まっているという状況にあります。そういうふうな民間の動向を踏まえますと、なかなか、区自体が直接何か整備をするということは難しいのかなというふうに考えております。ただ、今後、ユビキタス都市を目指す取り組みの中で、携帯情報機器等を活用できる基盤の整備について、民間のさまざまな取り組みについては、必要に応じて支援をしていきたいというふうに考えております。 ○飯島委員 煮え切ったのか煮え切らないような、そういう御答弁ですけども、先ほども言いましたけども、世の中的には普及しています。中野的にはないの。お確かめになると愕然としますよ。私もこの質問をするので、準備で調べてみました。駅周辺は本当に少ない。本来あるべきはずのレストランやカフェにもない。だから、来ても、そこでっていうふうになかなかいかないんですね。ですから、もう、私はこの後ちょっと提案をまたさらにしますけども、何も中野区だけがやりなさいと言っているんではないんです。しかし、そういう情報基盤が整っているところは、いろんな人がいろんな発想で起業、業を起こしてみたり、あるいは新しいビジネスを展開する、そういうことの非常にやりやすいところになってくるわけです。ですから、どうなんですか。やらないというお答えではないのか、それとも、やろうとは思うけれども、もう少し慎重に考えてみたいというふうなお答えなのか、しかし選択肢の一つとしてそういう方向性もあろうかなと、三つぐらい分けると、どういうお答えだったんですか。 ○藤井政策室副参事(情報担当) 区みずから整備をする環境にはないというふうなことでお答えいたしました。ただ、民間事業者がさまざまなお取り組みをする中で、区施設にアンテナをつけたいですとか、さまざまな支援をしてもらいたいというふうなことがありましたら、それについて個々に検討していきたいと、こういうふうに考えております。 ○飯島委員 区みずからがおやりになるつもりはないということでしょうけども、実は、もう半分ぐらい中野区は事業に乗り出している可能性があるんですね。それはなぜかというと、いわゆるオープン端末というのがあります。19カ所についています。何かと話題になるであろう地域センターにも実はあります。もうこれはつい最近までタッチパネルのすごい古いのが動いていたんですけど、今度、Windows7というのに切りかえが今進んでいます。オープン端末を一方で準備している。それはどういうことかというと、そこにLANケーブルが通っているんですよ。もう回線は通っちゃっている。しかもセキュリティもきちっと確立されている。だから、そこに無線LANルータをぷっと差すだけで、地域センターは公衆無線LANの場所になるんです。ほとんど何の手間も――予算は多少かかりますから、ゼロとは言いませんけれども、やろうと思えば、もうあしたからでもできちゃう。これを利用しない手はないと、こう思うんですけども。 そういう意味で、事業者としてやるかどうかは別ですよ。だって、もう既につながっちゃっているわけだから。そういうふうに無線LAN環境を整えることは、その気になればあしたからでもできるので、その点についてはいかがお考えですか。 ○藤井政策室副参事(情報担当) 区の施設のネットワーク環境についてですけれども、現在は事前に登録していない機器の利用については許しておりません。そのような中で、公衆無線LANを使って多数の方が匿名で入るというふうな環境を構築するのはすぐにはできないということがあります。また、多数のそういう端末を同時に動かそうとした場合に、バックグラウンドになります情報通信の帯域がかなり大きなものが必要になりますけれども、そこまでの経費をかけていないということがありまして、多数の情報端末が接続されますと、十分な通信ができない。公衆無線LANで入る方だけではなくて、区のほうで必要とする帯域も十分に確保できないというふうなことになりますので、今すぐそれを活用するということは困難というふうに考えております。 ○飯島委員 聞いている方はよくわからないといけないので、区はいわゆる中域的なセンターと庁舎を結んでいる。話題に何かとなる諸証明発行等々のインフラとしてのネットワークがあります。同じ専用回線を実は切り分けてオープン端末に使わせている。これはもう全く分かれていますから、同じ回線の中を通っても全く問題のない形になる。問題のない形になっていて、当然、区のオープン端末だから登録はされていますよね。だけど、そこにいきなり100人の人が集まって使うという、それは想定はほとんどあり得ないだろうな。しかし、そこに行けばアクセス上は非常に楽になりますよということが一つはあったりするので。いきなり、あしたからやりますよというお答えにはならないかもしれません。資源を生かしていく。せっかくあるんですから、これを生かさない手はないだろうし、そういうことを検討俎上に上げて一つひとつやっていく必要があると思います。 この中野区役所とサンプラの間を歩いてみると、スマートフォンは3Gではなくてワイファイに変わります。なぜか、わかりませんけどね。いろんな事業者がいろんなことをやっていて、ただで公衆無線LANをやっているところもあるんですね。だから、そういう環境を調べていくと、区だけじゃない。中野区の中にあるもろもろのものを文字どおりネットワークしていくことによって、それぞれの人が非常に楽に、いわゆるネットワークに接続ができる。接続している人に対していろんなサービスが実は可能なわけであります。そういうことをぜひ、どっかに一つひとつ歯どめをかけながら進めていくことは必要なことではあるとは思いますけれど、決して憶病にならずに前進をしていく。 このことは、だって、あなたの所管しているところなんでしょう、この地域情報化推進計画って。書いてあることを言いましたよね、さっき。いつでも、どこでも、だれでも、何でもというんですから、アクセスフリーだっていうんでしょう。そういうまちをつくろうとするんなら、一つはそういう今既に区の資源を活用していく、そういう方向をきっちりとやっぱり考えていく必要があると思います。 今までお答えをいただいて、ちょっと前半、その辺で、じゃあ次にと言っていましたけども、再度聞いたほうがいいよと、こういうふうにもありましたので、改めて、そういう全体的なことをベースに、これからこの地域情報化推進計画の実現に向けて取り組むとすれば、検討課題の一つとして公衆無線LANの整備も視野に入れるべきと私は思いますけれども、いかがお考えでしょう。 ○藤井政策室副参事(情報担当) いつでも、どこでも、情報通信が高速にできる社会というものを一つの想定としていることは確かです。それを実現するに当たりまして、さまざまな技術ですとか、さまざまな基盤が考えられることと思っております。その中野区全域における活用に向けて、さまざまな選択肢を検討していきたいというふうに考えております。 ○飯島委員 まず、この中野駅周辺でそうした取り組みを始められるというのは、区の方向性としては極めて理にかなっていることだと思います。 私たち公明党議員団の有志のメンバー数名と、区長にお話をしたことがあります。それは何か。アイバタフライという、チョウチョウが飛んでいて、このチョウチョウは現実に飛んでいるんじゃないんですよ。仮想現実の世界の中を飛んでいるんだけど、現実のリアルなところでやらないとそれはなかなかいかないという、この拡張現実というのがあるんだそうですが、このアイバタフライについてのお話をしました。 私も、自分の持っているスマートフォンにそのアイバタフライをつかまえるソフトを入れてみました。入れてみて、それでのぞいてみたらびっくりしたことに、この中野区役所の中にチョウチョウが飛んでいるんですね。おみくじ30何番とか、それから、私がつかまえたのは背広チョウ、係長チョウとか、不思議なチョウチョウが飛んでいたり、あるいは、この近くのお店が飛ばしたチョウチョウもいました。それは捕まえると1ポイントになるんですね。それを持っていくとどうなのかというのは、行っていないからわかりませんけれども、そういうことが既にここでも始まっているんです。 しかも驚いたことに、事務局にお願いをして、この委員会室をたまたまあけてもらって確認をしましたら、この委員会室にはチョウチョウは飛んでいないんです。それは、あるネットワーク環境とかもろもろの影響があるんですね、多分。よくわかりませんけど。そうすると、さっき言いましたように、公衆無線LANの環境のあるようなところには、どこからともなくそういうものが来ちゃう可能性が。逆に言うと、無線LANができていたり、そういういわゆる仮想現実をとめた、サーバーというのがあるようですけど、そこにアクセスできないと、こういうことってなかなか実現できないんだろうな。私の乏しい知識で考えるとそういうことになるんだろうと思います。 ですから、そういうのをやっていくということは、もう我々はそんなこと何も考えもしていなかったんだけど、現実にもう始まっちゃっているんですよ、この中野で、いつの間にか。ですから、そういうことをやっぱり行政はしっかりととらえていく必要があるなというふうに思っています。 携帯端末と位置情報を使ったサービス、これはもうどんどん今開発されています。中でも、フォースクエアというのがありまして、あるまちに行って、例えば商店街なら商店街に行く。そこでソフトを起動して、アプリで、チェックインってやると上に行くんですね。この商店街、お訪ねしましたよということになる。お店に入ってそれをやっていくと、いろんなポイントがたまる。ある1週間なら1週間、あるいは1カ月なら1カ月、一番来た人がナンバーワンとしてバッジをもらえるんです。こういうゲーム性と一緒になってものすごい人気が高まっている。世界の中で、このフォースクエアを使っている都市は日本が2番目なんだそうです、多いのは。だから、どんどん始まっちゃっている。 そういうふうに私が言えば、ひらめく人はもうひらめいているはずなんです。それは、地域の活性化にこれは使えるな。この商店街に来てチェックインってやる。チェックインをしたその商店街の中のいろんなことを、もし商店街側にそういう意欲があればいろんな活用ができる。それも、だけど情報インフラが整備されていればこその話なんですよね。 ですから、中野の逸品グランプリだって、そのお店の前に行ってマークを撮って、そして投票する、こういうことも可能になってくる。来街者を増やすという意味では、非常に友好な手段だというふうに、今されています。そういうことがどんどん進んでいけば、あるいは、今度産業振興で講演会をやって、ユーストリームといって、撮って配信をする。そういうことも、持っているスマートフォンで簡単にできちゃう時代なんですよ。したがって、地域センターが無線LAN環境にあれば、そこからユーストリーム配信なんて簡単にできちゃう。地域で取り組んでいるそういうことについて、皆さんにお知らせしようと思えば、スマートフォンで映像を撮って、それをすぐアップすることをやる。そういう時代がもう、すぐそこまで来ちゃった。そういうことを我々はやっぱり、なかなかふだん意識しませんけど、今、津波のようにそういう情報の新しい展開が起きているということをベースにして、ぜひそういう――なぜ公衆無線LANなんて言っているかというと、そういうことになってきているし、そういう地域の振興、活性化だけじゃなくて、防災関係だって非常に使い道は大きい。 防災訓練なんかやっているの、これはもう撮ってユーストリームにアップすれば、どこで今、何をしているかがすぐわかっちゃう。リアルタイムなんですよ。ですから、ぜひそういう意味でボリュームを厚くしていく、その一つとしてぜひお考えをいただきたいなというふうに思っています。それが地域情報化推進計画の実現につながるんじゃないのか、こう思いますので、重ねてお話をして、それで、沼袋の商店街なんていうのは、チョウチョウじゃなくてもいいわけですよ、飛ばすものは。この際、そういう商店街その他の取り組みの中で、ぜひ、私は蛍なんかを飛ばしてみても中野らしいなというふうに思ったりしますが、分野担当のお考えはいかがですか。 ○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 商店街のにぎわいを維持向上させていく、そのためには消費者に楽しい、行ってみようという気をいかに起こさせるかが重要かというふうに思っております。今、委員お話のありましたような携帯端末の利用など、そういった新たな媒体を用いまして、顧客獲得ができるということになれば、さらなる魅力づくりになるというふうに思いますので、まだ勉強が足りませんが、携帯端末の新たな媒体などの活用も視野に入れながら、商業の活性化、その可能性について研究してまいりたい、そのように思っております。 ○飯島委員 ぜひ、そういう目線があるならば、各商店街連合会も含めて、それぞれの地域で取り組んでいる人がいるかもしれませんから、お話の中のメニューの一つとして、こういうこともありますよという情報の提供をしながら、お互いにやっていく。区は何をするかということは、支援とか、基盤整備とかでいいわけですから、事業者になっちゃう必要はないので、もうやっている人はいるんですよ、既に。しかも、中野区のそういうお店で独自にチョウチョウを飛ばしている人もいれば、これからどうしようかなと。位置情報と何かを結びつけて考えていこうという人はいらっしゃるわけなんです。ぜひ、これからの仕事としてはそういう方向で提案をしてみる、話し合いをしてみる、やれるところからやっていく。案外簡単にできちゃうんですよ。ですから、ぜひそのメニューの一つとして働きかけをしていく、これが大事なことだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 もう一つ、先ほど地域センター等々にある開放系の情報端末ですけど、要するにパソコンがもう使えるようになったの、オープンでね。これは地域センターが区民活動センターになったらどうなるんですか。 ○藤井政策室副参事(情報担当) お答えします。区民活動センターになりましても、現在の区民向けの公開端末については存続させる予定でおります。 ○飯島委員 そうすると、そこに無線LANルータをつければ、じゃあIDを配ってもいいんですよ。今度そこで運営委員会の人たちはどうするの。自前のパソコンを持ってくる人だっているかもしれませんわね。むしろ区から何か物を貸与するよりもそのほうがいいのかもしれない。いろいろありますよ。そこにデータが残っちゃったりするから。そういうことがあるとすれば、ぜひそういう方法も頭に入れておいて整備したほうがいいかなと、こう思いますので、取り組みはしっかりとしていただきたい。お願いをしておきます。 そこで、区長に一つお尋ねをしたいと思います。 区長はツイッターをやっていらっしゃいますか。 ○田中区長 つい先日、登録はしましたけども、まだつぶやいてはおりません。 ○飯島委員 つぶやきというのはいいのかどうかわかりませんけれども、ぜひ、もうやっていただいたということで喜ばしく思っています。 先ほど来、情報分野担当のお答えもあったように、区がすべてをやる、すべてのメニューを用意するという、そういう時代じゃないと思います。私はなぜ区長には、ツイッターをやっていることはすばらしいなと思うのは、ぜひ区長、この際ですから、ソフトバンクの孫さんに、中野で、情報革命で人々を幸せにしませんかと、こうつぶやいてほしいなと思うんです。地下鉄の、都営地下鉄で携帯を聞けるようになる。これは猪瀬さんという副知事がツイッターで孫さんに呼びかけた、それがきっかけです。そういう意味では、そんな情報のキャッチボールの時代になっちゃっているんですよ、もう。ですから、そういう意味で、もしつぶやく気があるんなら、中野区とソフトバンク御社とは犬でつながっていますと、こういうことも一つはあるんだろうと思いますけれども。まあ、それは工夫はお任せしますけども、そういうことをぜひ区長、首長というのは中野区をどうアピールしていくか、どう外に訴えていくか、あるいはそういうことの役目も持っていると思いますね。だからぜひ、中野区だけじゃなくて、そういういわばいろんな人とコラボレーションすることで、中野のまちの次のあり方をぜひお考えいただければと思いますけれども、どうでしょうか、決意をして呼びかけてみるというようなことについては。全く考えていないというんなら別ですけども、お考えならば、もしあればお聞かせください。 ○田中区長 陽川区と姉妹提携をしたときに、陽川区の区長はツイットしているんですね、しょっちゅう。2人で話ししているのに、何か端末でつぶやいたりなんかしているんですね。何だか慌ただしいことだなと思ったんですけれども。区長という公の立場で情報発信するということについては、やっぱり随分いろいろ慎重というか、やっぱり間違わないようにしなきゃいけないなという、こういうふうに思いますけれども、おいおい勉強しながら、ツイッターでつながるものがあって、それがまた広がっていくということが可能であるということであれば、私としても勉強してみたいと、こういうふうに思っています。 ○飯島委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 もう一つ、まちづくりというのは、ICTの分野だけではなかなかこれはもう疲れてしまう。現実にある生活とつながっているということは非常に大事なんだろうと思います。そういう意味で、今この昭和が注目されています。昭和のまちづくりでは、ある意味、有名な豊後高田、これも見てきましたけれども、ここには昭和のいわゆる商店街をもう一回再生しようという事業をやっています。戻ってきてふと思ったんですが、どっかで見たことがあるなと思ったら、中野の地域には別段そんなことをしなくたって、そういう資産がいっぱい残っている。だから、そこにちょっと物を加えたりかかわったりすることによって随分変わっていくんだろうと思っていますが、教育委員会で中野区大正・昭和前期建造物調査というのをやっておりますけれども、この取りまとめの現況はいかがでしょうか。 ○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) お答えいたします。大正・昭和前期建造物調査につきましては、既に調査を終了いたしまして、報告書の作成に取りかかっております。3月中には報告書ができ上がる予定でございます。 ○飯島委員 その中には貴重な、そのままで登録文化財としての価値のあるものとか、あるいは豊多摩刑務所とか、ライトの弟子が設計した住宅などがあるとも聞いていますが、そうでしょうか。 ○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 旧中野刑務所正門、それから、ライトの弟子である遠藤新という方の設計した住宅も調査対象に含まれております。対象となった住宅には、国の登録文化財としてふさわしいものもございます。持ち主の中には、登録文化財として登録したいという意向を持っている方もおられますので、今後必要な手続を進めていきたいと考えております。 ○飯島委員 もちろん所有者の御意向もあるわけですけれども、中野のまちの魅力、これを形成するものの一つだというふうに考えられます。観光資源などの活用も視野に入れてこういうことの取り組みも進めるべきと思いますが、いかがでしょうか。 ○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 中野にはそうした大正・昭和初期の建造物など、歴史をたどることのできる資源、また、中野サンプラザ、中野ブロードウェイ、さらには人情味豊かな飲食街、商店街、さらには小劇場など、人が楽しめる食やエンターテインメントに関する資源も豊富にございます。中野にあるそうした資源、それらを観光の資源として有効に活用することを検討しまして、上手に発信していき、多くの人に中野に来てもらいまして、区内産業全体の活性化にもつなげていきたい、そのように考えております。 ○飯島委員 ICTという先端の部分でのまちづくり、それから、もう既に中野に資産としてある、現実に生活がそこにあるという、この両方の資源を生かしたまちづくりをぜひ進めることで中野の魅力をアップする、この取り組みをすることが必要だろうというふうに思っていますので、それぞれのかかわるところについては、ぜひ的確な対応をお願いして、次の質問に移ります。 それでは、最後にその他の質問について何点か伺います。 国保会計で、22年度の最終補正予算で国保の電子レセプト化への分担金を見込みました。進行状況はどうなっているかということと、その電子レセプト化によって、中野区の区民の健康状態その他の増進のための二次的なデータの活用、これは可能でしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保健医療担当) お答えいたします。まず、電子レセプト化についてでございますが、都の国保連では、現在、開発を進めております国保総合システムの導入、いわゆる電子レセプト化につきまして、当初、平成23年5月から本稼働させる方針でございました。しかし、新たなシステム仕様の一部確定が遅れていることや、それに伴いまして、区など各保険者での十分な検証期間を確保するというなどの理由から、本稼働の時期を平成23年9月に延期することとしてございます。その後はスケジュールどおり開発が進んでいるという状況でございます。 それから、二つ目のお尋ねでございますが、国保連のレセプト情報の活用というのは可能でございます。例えば、どこに費用がかかっているのかなど、中野区の医療費の分析ができるものと考えてございます。そういったことで、区民の健康増進に資するデータの活用等について研究していきたいというふうに考えてございます。 ○飯島委員 ぜひ、分担金を負担するんですから、これは区民のために有効に、しかも電子化されるというのは非常に活用が多様になる。ぜひその取り組みは進めていただきたいと思います。 それで、国保の保険料のコンビニ収納、これは実は平成16年から始まっているんですね。このデータをこう見てきますと、現年分にかかわることは全体の金額では2割、件数では3割、滞納繰り越しでは金額で37%、件数でも29%を占めるまでになっているというふうに聞いているんですけど、それでよろしいでしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保健医療担当) 委員のおっしゃるそのとおりでございます。 ○飯島委員 かなり3分の1近くというふうになりそうなぐあいですね、金額から言うと。じゃあ、コンビニ収納って本気になっていけば相当、しかもコンビニですから、収納されちゃうわけですよね、皆さんが何かするということ以前に。今後の見通しについては、どの程度までこれはコンビニ収納は進みそうとお考えですか。 ○角保健福祉部副参事(保健医療担当) コンビニ納付につきましては、利便性が高く、制度開始から広く浸透してきているというものでございます。今後も納付額、件数とも増加するものと考えてございまして、今、口座振替等の利便性も高めておりますが、そういったところに迫る勢いで広がっていくというふうに考えてございます。 ○飯島委員 ありがとうございました。 税の分野でもコンビニ収納が始まっているんですけども、状況はどうですか。 ○青山管理会計室副参事(税務担当) お答えいたします。住民税のコンビニ収納につきましては、昨年12月の開始から本年1月末までの2カ月間の状況につきまして、収納全体に占める割合は、金額は1億2,750万2,000円で14%、件数は4,137件で18.3%となっております。この間に発行しましたコンビニ用の納付書につきましては、ほとんどが現年分第3期の督促状のみでございましたが、今月16日には、その時点での滞納者全件に対する催告としてコンビニ用納付書を送付しておりまして、さらなる収納効果を期待しているところでございます。 ○飯島委員 見通しはどうですか。今後、要するに、その滞納分とかなんとかじゃなくて始めたときには。 ○青山管理会計室副参事(税務担当) 先ほど申し上げましたように、今月、滞納者全件にお送りしまして、新年度には6月に当初課税のときに1年分、第1期から第4期分、全員の方に対して、コンビニで納められる納付書をお送りします。そうした場合、納税者の方の利便性が非常に高まって、納付の率が高まるのではないかというふうに期待しているところでございます。 ○飯島委員 国保に比べて税が遅れた事情については、分科会でお尋ねします。 それから、平成23年度予算の債務負担行為の継続分というところに、証明書類のコンビニ交付にかかわる債務負担額3,100万円余があります。前年度支出見込額には横線が引いてありますね。つまり、22年度にはこのお金を使っていないんだということになるんでしょうけれども、見ると、あまり今年度そんなに力を入れていないのかなという気がしてしまうんですが、これはそうなんですか。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) お答えいたします。現在、証明書の自動交付システム開発につきましては、今年度中に業者契約をするということで、現在、業者の選定作業を進めているところでございます。業者が決定すれば、速やかに開発に取りかかる予定でございます。 経費の支払いにつきましては、2年間にわたる債務負担行為ということで、23年度中に一括して支払う予定でおりますので、22年度分についてはまだ支払いはないというふうな形をとっております。 ○飯島委員 皆さんからいろいろ御指摘があるように、今年の7月には区民活動センターへ転換したいとかっておっしゃっておりますから、決まったら相当力を入れてこの開発に取り組まれると、それ以上、開発がされていないだけの事情であって、その先のネックってほとんどないんですね。やれば、できちゃうんですよ。ですから、ボーダーなんか2月とかなんとかって言わないで、もうちょっと前倒しでできるように全力で取り組まれたらどうですか。お考えを伺います。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) 証明書の自動交付システムの開発は、大体これまで10カ月程度かかるというふうに言われております。ただ、今、委員御指摘のように、やはりできるだけ早く運用開始できるように精いっぱい努力していきたいというふうに考えております。 ○飯島委員 ありがとうございました。ぜひ頑張ってください。 次に、成年後見制度の区長申し立ての件数についての資料をつくっていただきました。23区の中でも、中野区の人口その他の割合からすると、非常に中野区は区長申し立ての制度を活用しているという実績が上がっていると思います。平成22年度から始まりました市民後見人養成の成果の見込みはいかがなものでしょうか。 ○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) お答えいたします。現在、社会福祉協議会への委託事業としまして、5名の社会貢献型後見人の養成を行っております。 ○飯島委員 なぜこれを1問だけ伺ったかというと、支えあいネットワーク、この無縁社会の最後の構造というのはこういうところにやっぱり行かざるを得ない。最後の最後のセーフティネットとして機能する必要がある。私はそう思っていますので、ぜひこの養成にも力を入れていただきたいと思います。ありがとうございました。 それでは、最後に入札制度について伺います。 施政方針説明で、田中区長は、みずからに課せられた大きな使命として、経済が低迷し、将来の見通しが立たない中で、区民の暮らしを守り支えていくことを挙げていらっしゃいます。我が会派として、区内産業の育成と中野区経済の発展にも資する景気対策として、この視野に立って中野区の建設事業者が優先的に受注できるように、地域要件を加えて入札制度の見直しを提案してまいります。公明党としてはなかなか異例のことであります。 そこで伺いますけれども、公正な競争を確保しつつ、区内業者が優先的に受注できる地域要件、これによる制限付一般競争入札を景気回復のサンセットの条件がついた上で、平成23年度に導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○村木経営室参事(契約担当) 入札監視委員会等から疑義を持たれないよう、工事請負に関する入札・契約の公正公平な競争性を維持しつつ、あわせて現下の厳しい経済環境のもと、区内産業の育成と経済の発展にも資するため、本年4月1日以降の公告案件から地域要件を付した制限付一般競争入札の時限的導入につきまして、現在検討を進めているところでございます。 ○飯島委員 ということは、この4月から区が発注する事業については、制限付一般競争入札、しかも地域要件、このスタイルといいますか、やり方を導入する努力を、つまりそれに向かって今進めている。するかしないかということではなくてね。一歩、川を越えて、どういう制度設計にするか、あるいはいつからどういうふうなことにするかについて、今、具体的検討に入っていると、こう理解してよろしいでしょうか。 ○村木経営室参事(契約担当) そのとおりでございます。 ○飯島委員 その際、問題になるのは、どういう案件を対象とするのか、そういう対象の工事案件の選定、あるいは先ほど言いましたように、これは何も制限をつければいいという話をしているのではなくて、一方で競争を確保する、こういうことがあって、この確保している、していないについては、客観的にやっぱり示せるデータがないとだめですね、これは。確保されていますよ、幾ら言ったってだめなわけであります。だから、そういう上限価格の設定、実態に合わせた。あるいはまた、いつまでの間やるんだというようなことについても、このことが、そういう現下の厳しい経済情勢に対処していくということが一つあるわけですから、そういう時間の要件も必要になってくることは、やっぱりこれは否定はできないんだろうと思います。こういうことについての検討、あるいはお考えはどのようなものですか。 ○村木経営室参事(契約担当) まず、対象となる工事につきましては、建築、土木、電気、造園など、工事種別ごとに設定することを考えております。 それから、競争性を維持する上で必要な入札参加者数、これを確保するために、これまでの契約実績、あるいは工事施工能力などを勘案いたしまして、この工事種別ごとに予定価格の上限として現在検討を進めているところでございます。 また、対象とする期間につきましては、緊急経済対策の成果から原則は1年間といたしまして、区の経済状況等による更新の可否についてもあわせて検討中でございます。 ○飯島委員 経済の動向というのはどうなるか、今の段階では確実な見通しなんていうのは立ちませんね。したがって、このサンセット条項というのは当然、ある一つのありようとしてやっぱり持っていなきゃならないのかなと、こういうことは。ただ、それが更新ができる。1年なら1年で終わりだとかということではなくて、更新がされるという制度のそもそもの設計で行くと、そういうお考えですか。 ○村木経営室参事(契約担当) はい、そのとおりでございます。 ○飯島委員 そうすると、そのサンセットの期間の判断、これが非常に大事になりますね。これについては、だれがどの時点でどんなふうな判断をしようというふうにしているのか、あるいは、だれが最終的にということになってくると、どういうことを今――お答えしにくいかもしれませんけども――想定されて、この条件について、別に一つまたぐのか、またがないのか、こういうことについての判断はどんなふうなことになるのか。 ○村木経営室参事(契約担当) そこまでの突き詰めた議論はまだしておりませんけれども、契約担当といたしましては、1年間で未更新のままこの時限的な対応を終了するということは極めて難しいだろうというふうに、現時点では判断してございます。 ○飯島委員 それから、この区内業者の受注機会を確保する、これは非常に大事なことの一つの視点ですね。そうすると、今、建設共同企業体方式、いわゆるジョイントベンチャーの方式をいろいろ言ったり、警大でもそういうようなことで、区内業者の参画の余地を広げていますけども、そういうところの目指すところは、その受注機会の拡大ですから、それを達成するためにも、いわゆるジョイントベンチャー方式、共同企業体の方式の活用法を、現状のままじゃなくてね、さらにこの活用法を、私は、この際、考えていったらどうだろう、こう思っています。 それで、対象要件の緩和を含めて、この方式を工夫してやっていくことができるんじゃないのか。今のことじゃなくて、その対象要件の緩和でジョイントベンチャーの窓口というか、を広げていくことも可能になるのではないかと思いますが、お考えはいかがですか。 ○村木経営室参事(契約担当) 建設共同企業体方式につきましては、区内建設業者の受注機会の確保、そして工事施工能力の増強、これを図ることを目的にしているものでございます。すなわち、代表企業または参加企業のうち、1社は必ず区内事業者であることが要件ということになってございます。建設共同企業体取扱要綱によりますと、対象工事ですとか、あるいはおおむねの予定価格等が定められてございますけれども、こうした件につきまして、当制度の目的達成に有効と判断できる場合には、これらの要件を緩和し、活用する方向で検討はしてみたいと、このように考えております。 なお、この点も含めまして、今定例会中に開催されます常任委員会、総務委員会におきまして、制限付一般競争入札の基本的考え方、この案につきまして御報告をさせていただくという予定を立ててございます。 ○飯島委員 ありがとうございました。 私が通告した質問は以上で終わります。 大変長い時間、そして長い期間、皆さんに御清聴いただきましたこと、心から感謝を申し上げるとともに、それぞれ担当分野で課題として御指摘をさせていただいたこともありますし、それぞれ認識が一致したこともあります。ぜひ区民のためにこれからも全力で働かれるように最後にお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○いでい委員長 以上で飯島委員の質疑を終了します。 次に、岩永しほ子委員、お願いします。 ○岩永委員 2011年予算特別委員会におきまして、日本共産党の立場から総括質疑を行います。 まず1点目、区長の政治姿勢と新年度予算案について、大規模開発プロジェクト優先の予算案になっているという視点で質疑をしていきたいと思います。 まず、この図をごらんください。中野区の財政力指数を示したものです。この30年間、ほぼ横ばいを示し、23区では大体中間の位置にある状況です。この表から見ましても、中野区の財政基盤には大きな変化はないという認識でよろしいでしょうか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) お答えいたします。そのとおりでございます。 ○岩永委員 ということは、この区民の暮らし、子育てを支える財政力は一定あるということで予算が組めているのかどうか、そこが問われるんだろうというふうに思います。 今年度と比較しまして、新年度の歳入の状況を見てみました。国庫支出金は48%以上、都支出金は36%以上伸びております。国の子ども手当負担金は、子ども手当の皆増により、248%伸びております。また、生活保護が10億円の増となり、健康福祉費負担金が11.6%の伸びを示しています。同じように都負担金でも、子ども手当が伸びて43%ほどです。ところが、補助金を見ますと、国の補助金では中野駅整備の都市政策費は482%伸び、都補助金では中野駅周辺整備の皆増を含む都市政策推進費が319%と伸びています。都補助金の中では、緊急雇用創出を積極的に活用しているということがうかがえて、そのことは評価いたします。 このような国、都の支出金の伸びは、区がこの間進めてきております投資的要素が大きく伸びていることが影響していると思いますが、いかがでしょうか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) お答えいたします。今、委員の御質問のとおり、国庫支出金におきまして最も大きな伸びを示しておりますのが子ども手当の負担金、次いで本町五丁目公園にかかわります社会資本整備総合交付金、そして生活保護の負担金でございます。また、東京都における支出金におきましては、本町五丁目公園にかかわります都市計画交付金、次いで子ども手当の負担金、緊急雇用創出事業の補助金が伸びているといったものでございます。 ○岩永委員 今、私がお聞きした開発関連のところでのお答えはありませんでした。伸び率としては大変こうした中野駅整備関連の伸びが大きいということは、予算説明書などの中にも書かれているところです。歳出ではタウンマネジメント導入、都市型産業支援、まちづくり開発の人件費など、中野駅周辺開発に関連して、ハード、ソフトの面で増額していることがうかがえます。区が新たな組織改編で力を入れておられる大規模開発プロジェクトが取り組むまちづくりでは、今後、今年度予算以外で新たに増えてくる事業は何でしょうか、また、それらの事業費の見込みはどれだけでしょうか。 ○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 平成23年度以降につきましても、中野駅周辺については、警察大学校跡地の公園整備、中野駅地区の整備、そして中野駅南口のまちづくりなど、周辺のまちづくりを着実に進めてまいります。想定される事業費でございますが、これらについては、内容や時期、整備手法など現在検討している最中でございます。その内容が明らかになる中で、想定される事業費もお示しをしていきたいというふうに考えております。 ○岩永委員 区としては、この大規模開発プロジェクトが抱えていく、推進していく事業は、中野区にとっても重要事項だということです。それは区民にとってどのように税金が使われていくのかという観点から見ますと、それはさらに重要なことになってきます。今お答えをいただきましたが、事業費がどれほどのものになるのか、そのあたりが示されないままに、毎年度の予算の中で事業が出てくるということは大変大きな問題だと思っています。 さて、国の補助金のうち、中野駅周辺整備などにつぎ込んでいる社会資本整備総合交付金がありますが、この交付金は今後はどのような見込みになるでしょうか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) お答えいたします。社会資本整備総合交付金につきましては、その多くが一括交付金化のほうに移行していくというふうに考えられております。 ○岩永委員 一括交付金化の問題につきましては、今さまざまな問題点なども指摘をされているところです。区としては十分注意をしていく必要があると思っています。 こうした開発関連ですが、例えば警察大学校等跡地活用では、道路・公園用地取得費は、区は最初、85億円と見込んでいました。しかし実際は132億円となりまして、1.5倍となっています。要は、こうした開発事業がその時々の状況の中で影響を受けて、区が当初見込んだ以上につぎ込まざるを得ないというような状況が出てくるということが指摘できると思います。 私たち区議員団は、この警察大学校等跡地活用では、防災公園、街区整備の手法を提案していました。先日、防災まちづくり特別委員会で、北区の防災公園を視察しました。防災公園街区整備手法によるものでありましたし、その一角には、災害時に対応できる保育園までつくるという計画がありました。結局、限られていると区は盛んに言います。この税金の使われ方が、改めてここに来て問われていることになると思います。 この予算特別委員会に出されました厚生資料の14によれば、中野区の生活保護受給率は23区中、上から13番目となります。今日の生活保護の増加は、政治がつくり出している貧困から生み出されていることが指摘されています。必要なことは、雇用や生活支援の財源より、区長が国、都に求めておられる開発関連の財源頼みでは、結局、区民生活へのしわ寄せが強くなっていくということを指摘したいと思います。その上で何点か、区民の子育て、暮らし支援の施策実施についてお聞きをいたします。 区議員団は、区民アンケートや区民生活の状況から、機会あるごとに、この開発予算を聖域化せずに見直し、区民や子どもたち、区内業者を支援する施策を求めてまいりました。ここでは、一つ目に、木造住宅耐震補強工事と住宅リフォーム助成の実施を求めます。 建設資料の9でも、この木造住宅耐震の成果が出ておりますが、診断を受け、そして実際に耐震化に進んでいくということになりますと、その割合が低いということがうかがえます。地震などでの惨事は想定以上ということからも、命を守る対策は中野では待ったなしの課題です。しかし、区の耐震診断助成では、都の木造住宅耐震化助成を活用することはできません。また、現在の住宅リフォーム融資制度は利用しにくく、その活用実績はほとんどありません。今、全国的に取り組まれている住宅リフォーム助成は、住宅の耐震化にもつながり、区内業者の仕事確保、雇用創出にもなり、住民にも喜ばれる。そして、地域の経済効果が高まる成果を上げています。国の社会資本整備総合交付金も活用でき、現在、全国では50以上の県や市などが実施をしているという実績もあります。中野区として、この木造住宅耐震補強工事助成と住宅リフォーム助成を実施すべきと思いますが、いかがでしょうか。 ○相澤都市整備部副参事(住宅担当) お答えいたします。中野区ではバリアフリー修繕、一定の条件を満たす住宅の増改築につきましては、低利融資をあっせんし、利子の一部を補給する制度を設けてございます。また耐震改修につきましても、耐震補強設計及び工事の監理に要した費用について、一定額の助成も行っております。個人の財産を守る対策、これは基本的には個人の負担と考えております。したがいまして、住宅リフォーム工事費用そのものの助成は考えてございません。 ○岩永委員 私の質問を聞いていただければ、今、副参事がお答えいただいた内容では中野区では対応できないということがわかったのではないかと思っています。 時間がありませんので、次に行きます。 2点目は、つなぎ融資の実施を求めたいと思います。区内業者の方などから多く、この間、相談もあったり、要望もあったりします。消費税を納めるというこうした時期でもあるということも反映しているんだと思いますが、一、二カ月の支払いをやりくりできる融資があれば廃業しなくても、また、ヤミ金に行かなくても済むと言われます。こうした区内業者の抱えている状況は、区も認識されておられると思いますが、区として短期間、少額でもつなぎに活用できるような融資や、活用できる制度の実施が必要と思いますが、いかがでしょうか。 ○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 緊急な資金需要にこたえるための資金対策につきましては、東京都に再建・資金状況改善融資、通称クイックつなぎという制度がございます。この制度は、区市町村の実施している融資制度で保証協会の保証付融資を利用していて、保証付融資の元金を原則として1年以上、約定どおり返済していることなどを条件としておりますが、条件の合う場合には、この制度に関する利用の情報提供などを行っているところでございます。都に、区の制度融資を意識した制度もあることから、区として独自のつなぎ融資を行う考えはございません。 ○岩永委員 3点目、後期高齢者入院時負担軽減助成の対象者の拡大を求めたいと思います。この制度の対象者は非課税という条件もあり、予算案では210件の支給を見込んでいます。高齢者の所得減少と負担増の状況から見ても、この対象者を生活保護基準の1.2倍に広げることが必要だと思いますが、いかがでしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保健医療担当) 後期高齢者入院時負担軽減事業は平成20年度の制度発足時に、新たに保険料を御負担していただきます低所得者への対策としまして、特に住民税非課税世帯を対象としたものでございます。また、制度発足以来、現在では低所得者対策としまして、保険料の減額制度も充実してきております。こういった状況の中、区として対象を拡大する考えはございません。 ○岩永委員 4点目は認証保育所の保護者補助の増額を求めます。2月24日に中野区の保育園措置の可否を知らせる通知が各保護者に届きました。入れなかったところの保護者は、もうその日のうちから認証保育所などを選ばざるを得ないような状況に追い込まれています。区は保育園待機児を認証保育所の誘致で乗り切ろうとしておられるわけですから、こうした認証保育所の保護者補助金を少なくても今より1万円増額すべきと思いますが、いかがでしょうか。 ○海老沢子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) お答えいたします。現在のところ、保護者の方が利用している認証保育所の保育料と、その方が認可保育所に入った場合の保育料を比較いたしまして、その差額につきまして最大2万円の補助を行っているところでございます。区といたしましては、さまざまな保育サービスについて総合的に保護者負担のあり方を検討していく必要があるということは認識しておりますが、この限度額につきましては、現時点におきましては適正な補助額であるというふうに考えております。 ○岩永委員 この表をごらんください。これは中野区の性質別歳出に占める構成比の推移ですが、特に義務的経費、この間ずっと、この間というか、上がり下がりしながらですが、今下がっています。一方で投資的経費は、上がり下がりはあるものの、09年度、大きく伸びました。その内容を見てみますと、例えば普通建設事業費では23区と比較しますと、中野区は23区の中で上位3番目を占めています。扶助費は中野区は23区平均以下という状況になっています。これは09年度決算によるものです。土木費、これはやはり中野区、23区の中で3番目という上位を占めています。一方、民生費、これは扶助費が平均以下ということでありますから、この民生費も23区平均以下という状況です。そして教育費は23区の中で下から3番目という状況にあります。 この間の区のこうした区政運営の中で、特に今、区民が切実に求めているものの事業費が削られてきていることがわかると思います。その上、新年度の歳出で減額は、健診、また融資創業支援、商店街支援など減額をされています。中野区より財政力が小さい区でも、福祉が中野区より上位というところもあります。投資的な経費は上位を占め、福祉や教育が平均以下になっているということは、区民が、中野は暮らしにくくなったという実感を裏付けていることになります。 改めて、きょう求めたことも含めまして、やはり区民の暮らしや子育てなど支える、そうした予算にすることを求めて、この項の質疑を終わります。 2番目、区役所の移転・新築についてお聞きします。 今年度最終補正で、土地開発公社に区役所移転用地として36億円の債務負担行為が行われました。区役所の移転・新築の必要性は何でしょうか。 ○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) お答えいたします。区役所、区庁舎の移転・建てかえにつきましては、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)に基づきまして、区役所・サンプラザ地区を広域的な集客力を備えたまちの顔として再整備することをあわせまして着実に進めていかなければならないと考えているところでございます。 ○岩永委員 この区役所が移転・新築する場合の事業費はどのくらいでしょうか。 ○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) 区庁舎移転の検討を進めている段階でございまして、現時点では庁舎建設費等について一定の想定はございますが、お答えできる段階ではございません。 ○岩永委員 そうしたことが議会にも示されない中で、移転・新築の計画が進められようとするということも問題と思います。本会議におきまして、区役所用地の有効活用を図るという答弁がありました。どのようなことが考えられていますか。 ○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) 資産価値の有効活用策についてでございますが、民間事業者等への売却もしくは貸し付け等を想定してございます。最適な有効活用策について検討していきたいと考えているところでございます。 ○岩永委員 都の土地活用で行った土地信託事業は失敗しているというのが都の中でも明らかになっています。今、有効活用というお返事の中で、本当に区民の目線に立っているのか、そのあたりが大変疑問です。 中野区役所は1968年に建てられました。中野区と同時期に建った品川区、荒川区、中央区などは、建てかえそのものの未検討という状況にあります。中野区庁舎は耐震性に問題があるんでしょうか。 ○柿内経営室副参事(財産管理担当) お答えいたします。東京都都市計画局策定の建築物の耐震診断システムマニュアルの耐震性のランクによりますと、ABCDの四つのランクがございます。そのうち中野区の本庁舎は平成8年度に実施しました耐震診断の結果、耐震性能は上から二つ目のBランクとなってございますので、大丈夫だというふうに考えてございます。 ○岩永委員 今お答えいただきました。結局は耐震性の問題、それから区民目線の問題というよりも、中野駅周辺等の開発整備の中で区役所も移転させられるという計画につながってきたんだということが明らかです。このような区役所の移転計画はやめるべきだということをもって、この項の質疑は終わります。 3番目、国民健康保険制度についてお尋ねいたします。 中野区の国民健康保険加入者は9万8,000人近くいます。そのうち各種の減免制度を受けておられる方は、例えば非自発的失業者の軽減では、2月21日現在1,744人、保険料の均等割減額、7割、5割、2割などの各減額を受けておられる方、そうした方を含めますと3万6,395人となり、国民健康保険加入者の37%以上にもなる状況です。 さて、こうした各種減免制度の中で、申請減免がとても少ないという状況にありますが、その理由はどのように分析しておられるでしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保健医療担当) お尋ねがありました条例減免についてでございますが、実績につきまして、昨年度、条例による減免が合計5件――すみません。今年度の実績について、これまで実績が5件ございます。そのうち3件が火災などの災害減免、それから2件が生活困窮によるというもので5件になってございます。 保険料というのは、前の年の所得に応じて賦課されております。しかし、今言ったような災害だとか失業など、前年の状況と大きく異なる特別な事情によって、一時的に生活が困難になったときに、申請によりまして保険料の減免の適否を判定しているというものでございます。 ○岩永委員 国民健康保険法第44条には、医療費本人負担、一部負担金の免除ということがあります。減免した医療費の2分の1を区が財政措置をするというものです。中野区でもこのことについて活用されておられるということは、私もそういう意味では評価したいと思いますが、こうした、先ほど紹介しました各種減免制度などを含め、区民にとって条件を緩和していくということが必要だろうと思っていますが、区の国民健康保険のホームページでは、保険料の減免や納付相談がわかりやすく表示をされていないという問題があります。例えば杉並区を見てみますと、「保険料の減免制度」というメニューがあります。そして、納入困難なときは、まず御相談をくださいと呼びかけていますが、当区では、「滞納すると」というメニューになり、開くと、差し押さえをするんだということが最初に目に入ってきます。 また、「納付困難な場合は、納付相談が受けられます」となっています。まずは御相談をくださいという呼びかけが伝わってきません。こうしたホームページの表示につきまして、減免制度などにアクセスしやすく、また相談しようというふうになるような表示の改善が必要と思いますが、いかがでしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保健医療担当) 今の減免制度につきましては、当然、当初の通知とか、もしくは支払いが遅れている方に対しまして、毎月督促状というのを送っていますけども、そういったところでチラシ等で周知しているという状況がございます。 またホームページにつきましては、見にくい状況があるということでございますが、確認して、そういったことがあれば、順次改善をしていくべきだというふうに考えてございます。 ○岩永委員 よろしくお願いします。 さて、新年度から保険料の計算式について、23区区長会ではさまざまな話し合いが行われてきた結果、賛成14、反対9ということで、最終的には区長会役員会に一任になったというふうに聞いておりますが、中野区ではどのような態度をとられたのでしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保健医療担当) 平成23年度特別区国民健康保険基準保険料率の設定につきましては、区長会で十分な検討協議を経て全会一致で決定されたというものでございます。 ○岩永委員 最終的にはそういうことになったんだというのはそのとおりだと思いますが、その過程では、それぞれの住民の状況などについて、各区長からいろんな意見が出されているとも聞いています。中野区民の国保加入者の平均所得は130万円ほどだと言われています。収納率は減少傾向にもあります。保険料の引き上げは滞納者の増加につながることが予測されますが、そのあたりはいかがでしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保健医療担当) まず、国民健康保険料につきましては、ここ数年、保険料の値上げということが続いておりますが、その主な原因としましては、皆様のお使いいただいています医療費の増加、それから、後期高齢者の支援金の増加というものが主な原因になってございます。国民健康保険としましては、そういった財源については、その半分を保険料のほうから賦課徴収するという制度になってございますので、そういった意味で、保険料のほうを毎年、区長会のほうで決定しているというものでございます。 なお、平成23年度の保険料の策定では、低所得者への対策としまして、均等割額を据え置きしているということがございます。また、算定方法の変更によりまして経過措置をとらせていただいています。激変緩和策として妥当なものというふうに考えてございます。 ○岩永委員 今、御紹介をいただきました経過措置ですが、結局は高額療養費分なども保険料に転嫁した、そういうことが保険料を高くする影響が出てくることを避けたのではないかというふうにも思いますが、この経過措置をとられた理由は何でしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保健医療担当) 先ほども言いましたけども、来年度の国民健康保険料の算定方式が、これまで住民税方式というのをとっておりましたが、それを旧ただし書き方式というものに変更する予定がございます。旧ただし書き方式への変更ということで一番大きな影響が出ますのは、これまでいろいろと保険料の算定につきまして加味されていた税金的な控除、扶養控除だとか、いろいろな控除がありますけども、そういったことがなくなるという意味では、一部の方にそういった保険料の変動があるということで、そういった方々を対象に激変緩和策として2年間の経過措置を考えているという状況でございます。 ○岩永委員 結局、国民健康保険料の引き上げは、計算方式も変わる、税制も変わる、さまざまな影響の中で保険料が上がる、そういう考えが反映されたものだということになります。 中野区での影響がどうかということでは、厚生資料の25に比較表があります。本会議でも、32%の世帯が平均1,374円の増額になり、22%の世帯が下がるとの答弁がありました。これは、今、御紹介をいただいた軽減策が実施された場合のものです。実際に軽減なしの場合ではどうなるのかをお聞きします。 まず、均等割保険料ではどうなるのか、何%の世帯が影響を受けるのか、減額になるのは何%の世帯なのか、増額になるのは何%の世帯になるのか、これをお答えください。 ○角保健福祉部副参事(保健医療担当) 平成22年の7月1日現在のデータで算出すると、保険料が平成22年度と、それから平成23年度で比較した場合、増減なしの世帯が3万2,494、全体の世帯に占める割合は約46%でございました。それから、減額される世帯は1万4,760世帯で約21%、それから、増額される世帯は2万2,938世帯で約33%という結果でございます。 ○岩永委員 さらに、先ほどありました、税制が変わって住民税非課税だった世帯が新たに賦課されるという世帯はどれだけでしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保健医療担当) 住民税非課税世帯で、平成23年度に所得割がかかる世帯は2,602世帯、約3.7%でございます。 ○岩永委員 今、御紹介をいただきました。このように今度の計算方式や、また、税制が変わることで新たな保険料が賦課をされてくるという世帯も大きく出てきているということがわかります。 それで、この医療費と後期高齢者支援金分の影響に加えて、高額療養費の上乗せ、税制が変わることによる影響などで、保険料も引き上げられるという、その数字も今お答えをいただきました。 国民健康保険制度は社会保障であり、国民保健の向上に寄与することを目的としているということは御承知のことだと思います。だからこそ国保法で、国保事業の運営が健全に行われるよう国が努めなければならないことや、一般会計から国保会計への繰り入れをしなければならないことなどが定められています。何でも保険料に転嫁をさせていって、高い保険料にして、払えなかったら保険証を取り上げるというやり方では、社会保障制度そのものを壊してしまうことになります。 区は、区民の所得や生活実態から、保険料が負担増にならないようにすべきです。その責任があります。そのためには、法にのっとって国や都に責任を求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保健医療担当) 今、委員がお話しになりました国の責任云々ということがございますが、私たちは区としまして、国民健康保険制度を責任を持って運営するというところでは、きちっとそういった保険料について算定をさせていただいております。そういった保険料を納得の上に皆さんからお支払いいただいて、そういった制度の持続可能性を図っていきたいというふうに考えてございます。 なお、保険証につきましては、いきなり取り上げるということはしてございません。まずは短期証といいまして、普通の一般証よりも有効期限、期間の短い半年程度の有効期間のものを配付しまして、なかなかそういった御相談とかによる回数をふやさせていただいて、どうして払えるのか払えないのかというところも含めて、きちっと個々のケースについて相談をさせていただいた上で、さまざまな取り組みをしているという状況でございます。一律そういった保険証に切りかえるとか、無理やり取り上げるといったことはございません。 ○岩永委員 私も、無理やり、いきなり取り上げるとは言っていません。要するにそういう仕組みになっていると。今お答えをいただいた内容については承知しております。 それで、今、大事なことをおっしゃったと思います。国・都よりも保険者として中野区が責任を持ってやっていくということについて、もしそういう立場で国に、法にのっとって国等に求めない。区が責任者としてやっていくということであれば、それでは区が財政的な措置をとって保険料を引き上げないようにすべきだというふうに思いますが、いかがですか。 ○角保健福祉部副参事(保健医療担当) 私が言ったのは、現行制度では区としての責任を果たすのは、今の制度の安定的な運用ということでお答えをさせていただきました。なお、委員のおっしゃるみたいに、例えば国の負担を増すということは、その財源としまして税金を新たに国民健康保険以外の方々、国民の方にも転嫁することということにもなります。ふえ続けます社会保障負担について、自治体や国がどう負担していくのか、国民の方にどれだけ負担をお願いするのかというのは、さらに大きな議論が必要だというふうに考えます。 ○岩永委員 国に求めれば、それがまた税になってはね返ってくる。その考えでいる以上、その答弁になるんだと。やはり税をどう使っていくのか、国の中で無駄な税の使い方があるわけですから、そこをきちんと見直せばいいわけです。例えば都で言えば、オリンピックを招致するということで1,000億円もため込んでいる。そういうことに使うんじゃなくて、まず命や健康をどう守っていくのかということで使う。そのことを優先させるべきだし、そのことを法にのっとって区が保険者としてきちんと求めていくという、これが本来のあり方ではないかと思います。 さて、先ほど個別の実態をつかむという努力をされておられるようなことを聞きました。先日、NHKの番組で兵庫県の豊岡市で、なぜ滞納になったのかという、その滞納になった理由を調べて、場合によっては多重債務整理などを一緒に取り組むことで保険料も納められるし、生活に必要なお金も確保できるというような、そうしたことが紹介されていました。私は自治体の職員としては、これが一つあるべき姿だと思います。ただ紙の上で、どうですかではなく、例えば中野で言えば臨戸徴収をしているわけです。一件一件、なぜ滞納になったのかということなども把握できるいい機会だと思いますし、また、委託をして催促などもしているわけですから、そういうときにきちんと滞納している理由などをつかむという、そうした努力と、その努力に見合うきちんとした成果が出てくる必要があるだろうと思いますが、いかがでしょうか。 ○角保健福祉部副参事(保健医療担当) 現在も、納付相談時に相手の方から個別に事情をお伺いしまして、経済状況も加味した上で、その方に適した分納とさせていただいています。そういった相談の中で、滞納の実態というのは把握できており、滞納者の方を直接の対象とする調査について実施する予定はございません。 なお、委託業者によりますそういった聞き取りについては、今現在、法の縛り等もございますので、そういったことはできないという状況でございます。 ○岩永委員 委託業者が臨戸徴収に歩くなんていうことはできません。それから、実態を調査しているのであれば、必要な、例えば軽減策だとか、どういうふうにしたらいいのかというようなことにもつながるはずです。そうすれば、滞納状況ももっと中野区としては改善されていくんだろうと思うんですね。そこが改善されないということで、今の中野区の滞納整理の仕方に問題があるんだろうということを指摘しておきたいと思います。 以上で、この項の質疑は終わります。 続きまして、教育行政についてお尋ねをいたします。 新年度から各学校などで、開校記念日や毎月の第2土曜日などに授業を実施することになったというお知らせがあります。ますます学校現場に人が増えていく、いわゆる子どもたちにかかわる人が増えていくということが大事になってきていると思います。都は新年度からスクールカウンセラーの増員予算を確保しました。中野では中学校には全校配置、小学校では統合新校の桃花、白桜、そして武蔵台の3校、武蔵台は統合校ではありませんが、ここと3校配置されています。新年度の配置はどうなるでしょうか。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 新年度につきましては6校の配置の予定でございます。 ○岩永委員 6校ということになりますと、小学校25校で考えますと、とても少ない。学校間格差が生じてしまうんじゃないかというような心配にもなります。小学校全校に配置していくということを進めることが大事です。区のスクールカウンセラーを配置する要綱の第3条には、区教委が適任と認めた者もスクールカウンセラーとして配置できるという定めがあります。区費による確保も視野に入れた全校配置の計画を持つべきだと思いますが、どうでしょうか。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 区費でのスクールカウンセラーの対応でございますけれども、そういうことではなく、現在も行っております心の教室相談員であと埋めていきたいというふうに考えております。 ○岩永委員 心の教室相談員は、その役割がまた別にあるわけです。スクールカウンセラーに対する関心、それから期待が高まっているということで、ぜひ区としても小学校全校に配置できるように取り組んでいただきたいと思います。 学力向上アシスタント、これは全校からの配置要求が出ていると思いますが、新年度も全校配置できますか。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 全校配置をいたします。 ○岩永委員 特別支援教育の支援も大事になってきています。区では1校につき年5回程度の対応をしていると聞きます。現場では、今、教師の採用状況というのが、教師の仕事の状況というのが、経験のある教師が減っていて、新卒や新規教師が増えているという状況にありまして、教師集団がどのように学校を運営していくのかという力量が問われています。そういう中で特別支援教育を進めていくためには、こうした支援体制が必要になってきます。教育委員会としても対応策をとるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ○喜名教育委員会事務局指導室長 教員の大量退職に伴いまして、教員の若返りが増えているところでございますけれども、それにつきましては、体系的な研修の実施で人材育成を進めているところでございます。また、特別支援教育等に関係しましては、巡回相談員をこれまで同様、巡回をするという予定でおります。 ○岩永委員 そうした中で学校再編の中後期計画を予定どおり策定するということを区教委は繰り返し答弁されておられます。この中後期計画は、当初計画の40人学級を基準としたままでしょうか。また、前期計画を推進する中で子どもたちにしわ寄せされた校舎などの改修、これは例えば統合してから図書館や職員室の改修をするとか、体育館の工事をするために、子どもたちは弁当を持って廃校になった学校に登校するというような状況が出ていて、本当に乱暴であきれるという状況です。こうしたことをどのように検証しているのか、前期計画の最後になった野方小の統合でも、校庭や体育館が文科省基準以下になるという問題もあります。前期計画の乱暴なやり方をそのまま踏襲されるんでしょうか。 ○吉村教育委員会事務局副参事(学校再編担当) お答えいたします。まず、一定の学校再編計画につきましては、学校行事など集団活動を活性化いたしまして、多様な子ども同士のふれあいなり社会性をはぐくむために、学級数だけではなく、一定の集団規模を確保することが必要であり、子どもたちに集団教育のよさを生かしたよりよい教育環境を整備するために学校再編に取り組んでいるところでございます。 また、今後の再編につきましても、引き続き小規模校を解消いたしまして、適正規模の確保を図っていくというこれまでの基本的な考え方については変更ございません。 また、改修工事につきまして御質問がございました。統合に伴う校舎の改修工事等につきましては、できる限り児童・生徒や学校に影響がないように夏休み期間を中心に行っているところでございますけれども、統合時に限らず、教育環境の整備をする際には、子どもたちの学校生活に何ら影響がないという形にすることは非常に難しいと考えてございますが、今後の再編工事につきましては、可能な限り学校運営、児童・生徒への影響を抑えられるような取り組みをしてまいりたいというふうに考えております。 ○岩永委員 1点、お答えいただいていません。40人学級を基準としたままに中後期もされるんでしょうか。 ○吉村教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 40人学級を想定しているかどうかということでございますけれども、学級編制の変更につきましては、統合する普通教室への対応を将来的にシミュレーションするなど、再編計画を総合的に判断していくための要素の一つでございまして、法整備もこれからという段階で直ちに基準云々といった形では考えていないところでございます。 ○岩永委員 結局、小規模校の解消ということを口実にして、1校の学校のクラス基準なども設けてきた。それがここに来て進められなくなってきているんだということをきちんと受けとめた上で、改めてどうするのかということを区教委としては検討すべきだということを申し上げておきたいと思います。 次に、区立図書館の拡充についてお尋ねをいたします。 新年度の予算案で選書業務の民間委託ということが出されました。この選書業務の民間委託により、新たな区民サービスにつながるものは何でしょうか。 ○小谷松教育委員会事務局中央図書館長 新たなサービスという、具体的な形ではございませんけれども、窓口での貸し出し、返却、レファレンスなど、受託している事業者が選書業務も含めまして、より一体的に図書館業務を担うことによりまして、区民のニーズや図書情報を的確に反映でき、より効率的な業務運営ができると、そのように考えてございます。 ○岩永委員 私は、選書は公共図書館にとって心臓部のようなものだと思っております。それを委託するのでは、区が公共性を否定し、貸し本屋にしてしまうのではないか、こうした区民の声も聞かれてきます。選書業務の民間委託はやめるべきだと思いますが、いかがですか。 ○小谷松教育委員会事務局中央図書館長 基本的には区の選書方針や選書基準にのっとりまして業務を遂行するものではございます。さらに、先ほど申しましたけれども、窓口やレファレンスとの一体的な業務運営を図ることによりまして、効率的な図書館運営に資するものと考えてございます。したがいまして、着実に、円滑に進めてまいりたいと、そのように考えてございます。 ○岩永委員 私は、こうした選書業務の民間委託は大きな禍根を残すことになるということを申し上げておきます。 さて、8款で新年度の図書資料費は7,500万、今年度と同額ですが、この間の図書館の委託等の経過から見ましても、今求められている、いわゆる区で言えば知的財産の提供ということになるんでしょうが、区立図書館のサービス展開を考えても、これは増額をすべきときだと思いますが、いかがですか。 ○小谷松教育委員会事務局中央図書館長 区の置かれてございます財政状況、それを考えますと、図書資料購入費についての増額ということについては、やはり慎重な判断を求められると思います。その中で工夫をしながら、より効率的な執行に努めるということだと思います。具体的に申しますと、副本の抑制をし、できるだけタイトル数の維持を図る、あるいは各図書館の個性づくりを進めるための選書等に工夫を凝らすといったような、限られた財源の中でこれを有効に活用いたしまして、蔵書構成の充実に努めるということだと思ってございます。 ○岩永委員 区民からの図書資料などの寄附を呼びかけている張り紙が、教育委員会や図書館などでもあります。それはそれで私は大切なことだと思っていますが、やはり中野区として、区立図書館にどういうものを図書資料として蔵書していくのかということは、それは大事なことです。ですから、ましてや区の図書館の職員をやめさせて――やめさせてというか、区の図書館から職員をなくして民間に委託した。そのときには区民の要望にこたえて区立図書館を充実するんだと、蔵書資料も充実するんだという、そういう説明をされておられた経過から見ても、改めて増額を求めていきたいと思っています。 以上で、この項の質疑は終わります。 最後に、その他で2点お尋ねいたします。 まず1点目、山手通りの工事についてお尋ねします。山手通りの工事もこの3月末の完成が迫ってきました。2月9日の日に都に要求してまいりました歩道の整備やバス停の改善などについて、地域の住民の方たちと改めて対策を求めてきました。都は、完成間近には全線を歩いて最終チェックをし、問題点は改善するとのことでした。区として、この山手通りに接道している区道、または私道の状況を直接チェックをしておられるでしょうか。さらに接道の勾配はどうか、整備に問題はないかなど、細部のチェックを直接歩いて調査をすべきですが、いかがでしょうか。 ○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) お答えいたします。山手通りに接続いたします区が管理している道路、こちらにつきましては、設計の段階で勾配等について東京都と区の間で協議を行っているというところでございます。施工が完了した部分につきましては、都から施工を受託してございます首都高速道路株式会社と区が現場立ち会いの上、協議どおり施工されているかどうかを確認を行いまして、区へ引き継いでいるというものでございます。 路線ごとの勾配や不具合のチェックにつきましては、施工完了段階ごとに行った上で区に引き継いでいるということでございますので、再度歩いてのチェックというものを行う予定はございません。 ○岩永委員 その設計図があるからいいという状況にないから、私は求めているんです。設計図どおりにやっているつもりでも、現実には歩道が傾いていたり、また、段差等がきつくなったり、いろいろ起きているわけですから、区としては直接歩いて見てみるべきだと。歩いてでもいいし、要するに直接、区としてちゃんと点検をすべきだ。それは完成後に新たな工事など無駄なことにつながらないためにも必要なことだと思いますので、改めて直接の点検を求めたいと思いますが、いかがですか。 ○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 御答弁の中で、施工が完了した部分につきましては、その都度、首都高速道路株式会社と区のほうで立ち会って確認を行っているというものでございますので、再度の答弁になりますが、再度歩いてのチェックというのを行う予定はございません。 ○岩永委員 区としては、やはり沿道住民の方たちが本当に20年近くも我慢してくる中で、この工事が進んできたというようなこともあるわけですから、直接チェックをしていくということは大事だろうと思います。 さて、バス停の改善では、バス会社が屋根の設置を住民に示してきているという状況もありますが、区はその状況を承知されておられますか。 ○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 山手通りを通行する路線バスでございますが、現在、中野駅発渋谷行き、それから池袋駅東口発新宿駅西口行きの計2路線が走っているという状況でございます。バス事業者からは、宮下交差点バス停の内回り、こちらは塔山小学校下でございます。及び中野坂上バス停の内回り、外回りの計3カ所へのバス停上屋の設置を検討しているというふうに聞いてございます。 ○岩永委員 この工事によって歩道が広くなったことはよかったと思っていますが、ところが、例えば本町二丁目側にあります100円ショップなどの前では駐輪場がないために、店舗の前の歩道に自転車が並ぶという状況が起きていますが、ここに限らず、この歩道が広くなった、自転車帯があるということで、歩道側に自転車がとめられるという状況が起きてくる可能性が十分にあります。歩行者の安全性が脅かされないように、こうした問題について都と協議をすべきと思いますが、いかがですか。 ○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 山手通りにおきます放置自転車対策といたしましては、自転車放置規制区域内では従来から放置防止指導員による放置防止指導、それから自転車整理撤去活動等を行っているところでございます。また、自転車放置規制区域外の場合におきましても、店舗前などで迷惑駐輪が目立つ箇所におきましては、自転車放置規制区域内に準じた取り組みや、店舗への申し出などを行っているところでございまして、今後も歩道環境の向上を図っていきたいというふうに考えてございます。 ○岩永委員 それでは、その他の2点目、商店街支援についてお尋ねをいたします。 中野区の商店街の地域コミュニティ推進等事業は、南台夢ひろば、川島げんき村、アイロード広場、ブロードウェイ地域交流広場の4商店街で取り組まれています。例えば川島げんき村では、商店街運営の貸し店舗のほか、地域の読み聞かせの会と区立図書館が協働して、子どもたちへの読み聞かせをするイベント、また、社協によるボランティア相談、保健福祉センターによる健康相談、さらには日常的な休憩所などとして交流効果の成果を上げています。区は、商店街の空き店舗対策と活性化対策として取り組んできたこの事業はどのように評価されておられますか。 ○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 本事業につきましては平成18年度から実施しているところでございますが、各施設とも、買い物時の休憩スペースとして、また地域に密着した各種イベント会場、展示会場など地域の交流スペース、地域におけるコミュニティの場として活用されていると認識してございます。 ○岩永委員 そういう地域コミュニティの役割を果たしているこの事業の補助は、初年度は改装費を上乗せした家賃が出ます。そして、家賃補助として3年間補助されます。補助期間が終われば、区は自立すべきだと補助を打ち切るという意向を示しています。しかし、そうなれば商店街で家賃を捻出することになりますが、例えば川島で言えば、年90万円も商店街が家賃を捻出するということは容易ではありません。また、コミュニティとの役割を果たしているこの事業で、休憩所になったり、コミュニティイベントでは収益を上げられないという状況にもあります。収益を上げることを優先させれば、日常的に貸し店舗や貸し会場となり、休憩所やコミュニティの活動ができなくなります。区が言っているコミュニティ活動のこの自立とはどのようなことを指しているんでしょうか。 ○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 本事業につきましては、単にコミュニティの場を確保するというだけではなく、商店街に人の流れをつくりまして、商店街での消費行動を促すという目的で行っているところでございます。該当するスペースだけではなく、商店街としてどのようにこの事業を活用して、商店街全体の活性化につなげていくか、その点も踏まえながら、収益とコミュニティのバランスを考え、事業モデルを構築していく必要があるという認識をしてございます。 ○岩永委員 区の働きかけで始まったこの事業です。それを受けとめた商店街の気概が発揮されていると思います。今お答えをいただきましたが、その自立をするということを商店街に求める。しかし、区としての支援がそこでどのように出されていくのかということはちっともわからないというのが商店街からの声です。家賃も補助しない、具体的な自立に向けたプログラムも示せない、商店街任せでは区の責任だと言わざるを得ません。 この事業は経費の4分の3を区が補助していますが、区の補助分には都の元気出せ商店街補助金が含まれています。商店街活性化につながるコミュニティ事業をどう継続していけるのかなど、区の対応が問われます。商店街と一緒に相談をして、方向性が確認でき、そして軌道に乗るまでは補助を継続するなど、商店街の気概が実を結ぶように支援をしていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 本制度につきましては、もとより補助期間の中で自立するための事業モデルを構築していただき、補助期間の終了後につきましては、補助金によらない運営をしていただくことを想定しているものでございます。中野ブロードウェイ商店街振興組合についても、この事業に取り組んでいるところでございますが、本年の3月で補助期間が終了いたします。この商店街につきましては、これまでの実績を踏まえ、自主運営をしていくことを決めたと聞いてございます。南台、また、お話のありました川島の2商店街につきましては、補助期間があと1年余りとなっておりますので、これまでも話し合いをしてきているところでございますが、区としても引き続き自立できるモデルづくりに協力していきたい、そのように考えてございます。 ○岩永委員 以上で私の質問を終わりますが、最後の問題でも、ぜひ区が商店街活性化に責任を持ち、また、その立場でぜひ区内の商店街活性化の取り組みを進めていただきたい、このことを求めて終わります。 以上です。 ○いでい委員長 以上で岩永委員の質疑を終了します。 ここで休憩にしたいと思います。 午後2時47分休憩
午後3時10分開議 ○いでい委員長 委員会を再開します。 休憩前に引き続き総括質疑を行います。 酒井たくや委員、お願いします。 ○酒井委員 平成23年第1回定例会予算特別委員会におきまして、民主クラブの立場から総括質疑を行わせていただきます。 質問は通告のとおりでございますが、順番を変えさせていただき、まず1点目、学校給食の公会計化について、そして2点目が震災対策について、そして3点目が生活保護についてでございます。4点目、その他はございません。理事者の皆様におかれましては、前向きな御答弁をお願い申し上げ、質疑に入らせていただきます。 それでは、学校給食の公会計化について、お尋ねさせていただきます。 静岡県熱海市では、先月、1月下旬、給食費の未納が深刻な状況になり、給食を取りやめ弁当を持参にいたしました。給食費の未納により、食材のやりくりができず、4回分見送ることを決めたそうです。給食費のこのように未納が社会的な問題となっております。成長期の子どもたちに栄養価の高い給食を安定的に提供するには、学校給食はどうあるべきか、こういった観点から質疑を行わせていただきたいと思っております。 学校給食に関しては……(「何のために子ども手当あるんだよ」と呼ぶ者あり)それも公会計化しなければ引けないんですよ。それで学校給食に関しましては、学校教育費の学校健康推進費の中に事務事業として、給食維持管理、給食調理業務の委託、栄養業務の委託等で計上されておりますが、給食費、すなわち食材費ですね、こちらは計上されておらず、これは学校徴収金として私費会計として取り扱われておりますのは、皆さんも御存じかと思いますが、まずは給食費、こちら食材費ですね。こちらはどのようなものなのか、それから学校徴収金もあわせてお答えいただきたいと思います。 ○古屋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 学校給食法では、学校給食の実施に必要な施設、人件費等の経費は学校の設置者が負担し、これらの経費は保護者が負担するものとしております。中野区では、食材費についてのみ給食費として保護者から直接徴収し、私費会計として各学校で管理しております。また教育委員会では区立学校における私費会計事務の適正かつ効率的な運営と会計事故の未然防止を図るために、私費会計事務処理要綱を定めておりますが、その中で学校徴収金としましては、給食費や教材費、修学旅行等の校外学習費などがこれに該当するものとしております。 ○酒井委員 ありがとうございます。修学旅行費、教材費、PTA会費等は学校がすべて取り次いでいる状況で、私費会計の学校徴収金の中で唯一、給食費が直接のサービスを提供している状況でございます。学校給食は法に基づき教育の一環として運営されております。成長期にある子どもたちの健康の保持増進を図り、日常生活における食事について正しい理解を含め、食に関する適切な判断力や望ましい食習慣を養うことを目指し、学校における食育の推進を図ることを目的とされておりますが、今、給食費の未納が社会的な問題となっております。 文部科学省の推計では、学校給食がある全国の公立小・中学校で、2009年の給食費未納総額は26億円、未納者のいる学校の割合は55.4%と、過半数に達していると言われております。未納の原因について、学校が一番多く指摘しているのが、保護者の責任感や規範意識の問題と経済状況、経済的問題でありますが、現在の中野の未納状況は近年どういうものなのか、また、御担当者としての御見解もお聞かせください。 ○古屋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 平成21年度の決算結果になりますが、給食費の未納がある学校数は、小学校と中学校を合わせて14校、区立学校全体の約33.8%になります。また、児童・生徒数では29名で、全体の約0.23%になります。 先ほど御説明がありましたように、文部科学省が実施しました平成21年度の調査結果では、全国の学校の約55.4%において未納がありますが、また児童・生徒数では全体の約1.2%になっております。したがいまして、中野区は全国平均と比較しまして、未納は少ない状況にあると認識しております。 ○酒井委員 ありがとうございます。中野区は他区と比べると、それから全国平均から比べても、そう高くはない状況であると。ただ全国的には、これ2割増という傾向になっているんですね。もちろん分子が非常に低いので、まだ大きな影響は与えていないところではあるんですけれども、ここで、未納家庭の児童の分をほかの家庭が負担することにより、この給食費の未納問題は公平性が欠けているところがあるのではないかと私も思っております。こういった状況下、教育委員会として未納者に対して踏み込んだ対応を来年度より行いますが、どのような方策でしょうか。 ○古屋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 教育委員会では、昨年の12月に、学校徴収金未納対応マニュアルというものを作成しまして、区立学校におけます給食費を中心とした学校徴収金の未納対応事務統一を図ることといたしました。また、今後は学校だけでの負担で未納者の対応をするのではなくて、教育委員会も学校と一体的になって取り組むことといたしました。その役割分担としましては、学校が督促や納付交渉を行い、それでも未納状態が6カ月以上継続している場合には、教育委員会事務局が当該案件を引き継いで、裁判所に対し支払い督促など法的措置を行っていくものとするものでございます。 ○酒井委員 学校現場の負担の軽減、それから悪質な滞納者には教育委員会として毅然とした対応をとられるという姿勢には私は大いに評価をしております。その一方で、区長が債権者として督促するところにおいては、地方自治法上少し疑問も生じるところでございますが、この取り組みは大きな一歩であり、この件に関しましては議論は行いませんが、給食費未納の問題は社会的な問題になっており、それだけ、この問題に関しては放置することができない。このまま放置していると大変なことになってしまう側面もあるからの取り組みもあるんだろうと思います。 この給食費は食材費として集められ、その中で各学校はやりくりといいますか、その中で子どもたちへの給食の提供を行っているところでありますが、例えばですけれども、例えば、これはあってはならないことですが、全体の1割が未納というふうになれば、学校給食はどういうふうになるんでしょう。 ○古屋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 給食費の1割が未納になるということは、9割の給食費で給食全体を実施するということになりますが、これでは児童・生徒の健康面に十分配慮した栄養価の高い給食を提供することは難しい、そうした影響が出てくると考えられます。私どもとしましては、栄養面を損なうことはできませんので、食材の品目を工夫しながら、いろいろやりくりの中で対応していくことになると考えております。 ○酒井委員 現在では未納率は大変に低い状況でありますが、これがどんどん増えていってしまうと、その中でやりくりしなければならず、学校給食の質、量ともに大きく影響を及ぼすおそれがあると。同じ見解なんだと思うんですけれども。 また一方で、例えばこの学校徴収金の給食費、私費会計ということで、各学校でお金を管理している中、皆さんも御存じかと思いますが、2010年5月にさいたま市において、学校栄養職員が給食費540万円を着服した事件がありました。同年7月には愛知県で学校事務長が給食費321万円着服したという事件も起こり、これは皆さんも御存じかと思いますが、また、隣接区の渋谷区の笹塚中学校では、給食の食材費高騰を見込んで、食材費を年度当初非常に抑えた結果、年度当初に不必要な粗食となり、カロリー等も不当に抑えられました。年度末には今度余剰が生じて、上乗せする形で本当に豪華な給食が提供されたというふうな事例もありました。 このようなさまざまな問題が明るみになり、学校給食の公会計化が今、議論されております。公会計化にすることにより、保護者が負担する費用の徴収に関して、必要な事項を定めて透明化を図ることもできます。また公会計化となれば、区の予算会計制度の中で、区教育委員会と保護者の間の金銭授受の適正化が図られるようになります。それからまた学校現場の負担の軽減も図られるんだろうと。さらに、現在は集められた給食費の入金額の範囲内で食材の調達が行われていることから、未納が発生した際には、給食費を適切に支払っている家庭の児童・生徒が実費以上に負担することになるという不公平感があります。こちらは、さっきも指摘させていただきましたが。これが区の歳入未収金となることで、教職員による立てかえや、正しく支払っている家庭の児童・生徒の分からの補てんがなくなり、不公平感は解消されると思います。 また群馬県では、県教委が中心となって給食費の公会計化への移行を進めております。 それからまた福岡市、横浜市も順次公会計へと移行しており、全国ではおよそ約3割の自治体が公会計へと移行しております。もちろん、この給食費の公会計に関しましては、メリットとデメリットがあるのは私も理解しておりますが、幾つか述べさせていただいた点からも、学校給食の公会計化に関して、教育委員会としてぜひとも研究を行っていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。 ○古屋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 給食費の会計上の取り扱いを歳入や歳出として計上する、いわゆる公会計による管理というのは、給食費の未納に起因するさまざまな問題を解決していくための一つの方策になるものと認識はしております。公会計の導入によりますメリットやデメリット、得られる効果と事務負担や経費負担の程度、また、他の自治体の動向など、いろいろな面から調査研究を行っていく必要があるだろうと考えております。 ○酒井委員 ありがとうございます。地方自治体を所管する総務省は、昨年7月末に学校事務にかかわる職員団体との協議の中で、学校徴収金のうちの給食費について、3点の法律違反があることを指摘されました。まず1点目は、学校給食費が地方自治法第210条の総計予算主義に反するとのことです。これ210条は、一会計年度における一切の収入及び支出は、すべてこれを歳入歳出予算に編入しなければならないという規定です。そして2点目は、学校の雑務金の取り扱いをすることが地方自治法第235条の4に反するということです。これは歳入歳出に属する現金、あるいは法令または政令に定めのある現金以外は保管することができないという規定があります。そして3点目は、235条の4に反する以上、勤務時間中に学校給食に関する事務を行うことは、職務専念義務違反であると、こういった3点を指摘されたんです。 学校の監督官庁である文部科学省とは意見が相違しておりますけれども、文部科学省も昨年、5年ぶりに学校給食費の公会計化もしくは私費会計で行っているのかという調査も行っております。このような流れの中から、文部科学省も見解を改める可能性もある中、ぜひ、先ほど研究に励んでいただけるという御答弁ございましたが、成長期の子どもたちに栄養価の高い給食を安定的に提供するために、引き続きこの研究を行っていただきたいと思っております。 以上で、私の学校給食費の公会計化についての質疑を終わらせていただきます。 次、2点目、耐震対策についてお尋ねさせていただきます。こちらは、緊急輸送道路等沿道建築物耐震改修等事業助成について、お尋ねしたいと思っております。 先日、ニュージーランドの第二の都市、クライストチャーチで発生した大地震により、多くのとうとい命が失われました。犠牲者の御冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、改めて、いつ起こるかわからない大震災に自治体として備え、区民の生命と財産を守っていかなければならないと考えております。私のふるさと淡路島も、阪神・淡路大震災により大きな被害を受けました。6,434名ものとうとい命を奪ったこの地震の約90%が木造家屋の倒壊や家具の転倒による圧死であったことは皆さんも御存じかと思いますが、これにより震災対策として、住宅の耐震化が大きく求められるようになっております。 区は今年度より、緊急輸送道路及び区が指定した閉塞を防ぐべき道路の沿道建築物耐震改修助成制度を始めております。今まで23区の中では唯一、耐震改修助成制度を中野区は設けておらず、この施策は中野区の耐震施策において大きな一歩であると高く評価しておりますが、まずはこちらの事業内容を教えてください。 ○豊川都市整備部副参事(建築担当) 大規模な地震災害が発生した後は、避難や救援物資の輸送等のために道路交通の確保、これが非常に重要となります。こういった道路の中でも特に重要な役割を果たします主要な幹線道路を緊急輸送道路として位置付けまして、この道路沿道の建築物が地震によって倒れたりですとか、あるいは大破したりして道路をふさぐことを防ぐために、耐震改修工事の助成を行って、道路沿道の耐震化を促進しよう、そういった事業でございます。 中野区内では現在、青梅街道や環七通り等、東京都が指定しました緊急輸送道路、それから、もみじ山通りですとか、本郷通り、東中野本通り等、中野区が指定したもの、この沿道にあります旧耐震の建築物で、建物の高さが道路の幅のおおむね半分以上のもの、これが耐震改修工事の助成対象となっているものでございます。 ○酒井委員 ありがとうございます。そうですね。阪神・淡路大震災以降、地震災害のみならず、風水害においてもライフラインの中で道路の重要性が際立って大きいことが明らかになっております。災害が起こった直後の応急対応から復旧、復興の過程でこれらのライフラインの不通が救援の遅れから始まって、被災地を致命的に回復不能にしてしまうおそれがあります。この緊急輸送道路沿道建築物耐震改修助成制度は今年度、新規事業として3,000万円計上されておりますが、事業の現状をお聞かせください。 ○豊川都市整備部副参事(建築担当) この事業、実は昨年10月に開始をしたばかりで、まだ実績としてはございません。 ○酒井委員 昨年10月からということでありますが、まだ実施されていない。実績がないような状況ではありますが、その一方で、この厳しい財政状況下、来年度もこの事業においては1億1,200万円余ですかね、計上されており、拡充していく方向だということなんですけれども、そちらの理由も教えてください。 ○豊川都市整備部副参事(建築担当) 確かに、まだ補助をした実績はございませんが、実際に沿道で耐震改修をしてみたい、あるいは耐震改修、どうしたらいいかと、そういった相談は多数寄せられております。あるいは、そういったことから、当然区としてもこの緊急輸送道路の沿道の耐震化は重要であると、そういった観点から予算計上させていただいたものでございます。 ○酒井委員 私もこの事業を高く評価し、必要な施策であると考えておりますが、例えばマンションなどの場合は、実際の負担だとか、それからまた耐震診断をすることによる資産価値を低下させてしまうおそれもあります。合意形成が非常に難しいことが予想されます。今年度の実績、まだ10月から始めたところではありますが、なかなかゼロ件というふうな状況下、来年度拡充していくならば、改善していかなければならないところもあるんだろうと思っているんですけども、そのあたりはいかがでしょう。 ○豊川都市整備部副参事(建築担当) 確かに、今、委員御指摘のとおり、中野区内の緊急輸送道路沿道の建物、かなりの部分がいわゆるマンションでございます。当然、分譲マンションであれば権利者多数いらっしゃいますが、なかなか合意形成が難しいということも承知をしております。そういったことから、例えば、こういったマンションの耐震化を促進するには、現在、事業開始しておりますが、耐震アドバイザー制度、これは専門家が合意形成の側面支援をすると、そういった事業ですが、そういったものを組み合わせをしながら助成を進める。さらに、実際その助成事業を進める上で、もし改善が必要な点があれば、それも取り組んでいく、そういったことで取り組んでいきたいと思っております。 ○酒井委員 これ、中野区の中で都道じゃない部分もあるんですけれども、東京都の見解では緊急輸送道路、都道であるというふうな見解の中、道路閉塞を防ぐための沿道建築物耐震化促進は基本的には東京都主導で行うべき施策なんじゃないかと思っております。例えばこれ、東京都と中野区の役割分担はどのようになっているでしょうか。 ○豊川都市整備部副参事(建築担当) 現在の東京都と区の役割分担でございますが、実際この助成事業を行うのは区でございます。東京都の役割でございますが、財政支援、それから制度設計、あるいは普及啓発、こういったものが現在のところ都の役割でございます。 ○酒井委員 基本的には、都道の閉塞を防ぐ東京都の事業でありますので、例えば東京都に対して、より一層の人、物、金の面ですよね、そういった負担すべきであると、区として声を上げていくべきだと思うんですね。もしくは、例えば東京都の直接助成事業を望む等、こういった形で取り組まれて、中野は中野で基礎的自治体としてやるべきことがあるんだろうと思うんです。こういった東京都に対しての働きかけというのはどのように考えていますでしょうか。 ○豊川都市整備部副参事(建築担当) 現在、この緊急輸送道路沿道耐震化事業に関しましては、東京都と23区で役割分担等について協議を開始したところでございます。この緊急輸送道路の交通確保といいますと、これは東京都全体にとって非常に大事なことですので、東京都に対しては、広域自治体としての役割を強く求めたいとともに、区としては基礎的自治体として区民の安全を確保する、こういったことを観点に置きながら調整してまいりたいと考えております。 ○酒井委員 新聞報道によりますと、来年度以降、重要な都道の沿道の耐震診断費用の助成については、区の負担分を東京都が全額負担することも検討しているということでありますが、そうであるならば、区の耐震改修促進事業への余裕も出てくるんだろうと思うんですけれども、どれぐらいの余裕が生じると予想しておりますでしょうか。 ○豊川都市整備部副参事(建築担当) 委員御指摘の点、私も承知をしておりまして、まだ未確定の部分はありますが、もし報道のとおりだとしますと、例えば来年度、この緊急輸送道路沿道の耐震診断助成、1,250万円ほど計上させていただいております。このうち区の負担分は540万円余。したがって、この540万円余が余裕が出る、そういったことになります。 ○酒井委員 540万円ではありますが、その余裕が生じた部分での対応も考えていく必要もあるのではないかと考えているんですけれども、いかがでしょうか。 ○豊川都市整備部副参事(建築担当) ちょっとまだ未確定部分も多いんですが、今、具体的に検討はしておりませんが、もしそういった状況が生じた場合には、状況に応じて検討もしてみたいと考えております。 ○酒井委員 先ほども担当副参事もお答えいただいたと思うんです。すなわち東京都は震災時に主要幹線道路沿いに建つビルの倒壊による救助活動の遅れを防ぐ施策を打ちますよと。そして中野区は中野として地域性をかんがみて、きめ細かい実効性のある耐震対策が求められるんだろうと思うんですね。例えば、ほかの区の例を見ても、単に改修工事を補助するだけではなかなか耐震改修は進んでいない状況です。中野も耐震化率は上がっておりますが、建てかえによるやっぱり自然増なところも私はあるんだろうと思っているんですね。そういった中、例えば隣の渋谷区では、老朽化した木造家屋に対しては、簡易の耐震助成を行ったりだとかやっております。 例えば、広域避難場所である東京大学附属中等教育学校周辺地区は、不燃化促進区域と指定されております。すると、中野区では木造家屋の密集地域なんかもある中で、そういったところにはどういうふうにできるのかも私は考えることも可能なのかなと思うんですね。例えば老朽化した木造家屋の耐震化の効果は、地震による死者を減らしていくのは当たり前であり、火災発生件数を減らす、広域延焼火災の発生も抑制することができます。例えば、このまま老朽化した木造家屋の密集地域が放置され続けますと、個々の住宅耐震化の努力などが報われないおそれもあるのではないかと思っております。 また、例えば社会的弱者である方々の住宅に対してどうするんだだとか、新しい発想に立った、中野は中野のきめ細かい、より実効性のある耐震化の促進施策をぜひとも検討していただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。 ○豊川都市整備部副参事(建築担当) 今、委員の御指摘もありましたが、なかなか各区とも単に耐震改修助成だけでは耐震化率は上がらないと、そういった悩みを抱えております。これ、中野区も同様かと思います。 そこで、これは昨年から取り組みを開始しておりますが、例えば地域での耐震化の取り組み、こういったことが必要かなと考えております。現在、中野区に組織をしました耐震改修促進協議会ですとか、あるいは中野区登録の耐震診断士、耐震改修施工者、こういったものを活用しながら、他のさまざまな事業制度等々組み合わせながら、地域での耐震化の取り組み、こういったことが必要ではないかと考えています。 それから、あとはなかなか耐震改修、1件、かなり費用もかかります。そういった面から、今、現にありますが、例えば防災ベッドですとか、あるいは家具転倒防止、そういったものも組み合わせながら、バリエーションの多い安全対策を進めていきたいと考えております。 ○酒井委員 ありがとうございました。以上で、こちら、震災対策についての質疑を終わらせていただきます。 次に、最後に生活保護費についてお尋ねいたします。 2009年度、国、地方の生活保護費の合計が今までで初めて3兆円を超えました。リーマンショック以降、失業者が生活保護に大量に流入し、働ける年齢の受給者が急増したためであるそうです。保護受給世帯は昨年10月時点で過去最多の141万世帯、このうち病気や障害がなく働ける年齢の世帯は23万世帯で、2年で倍増したそうであります。全国市町村で最多の受給者を抱える大阪市では、18人に1人が受給を受けているような状況です。生活保護費はこの厳しい経済状況下においても、どこの自治体においても増加傾向にあり、自治体の財政を圧迫しているような状況です。このような生活保護費が増加することにより、区財政が硬直化し、新たな施策を打つことができなくなってしまうおそれもあります。 こちら、平成23年度の当初予算案の概要でも、急激な景気の後退により生活保護受給者は大幅な増加を続けていると書かれております。一方で、法定受託事務であり、さまざま自治体としての裁量がなかなかない中、国のほうで現状に即した法改正などの議論が必要であると私も思っておりますが、一方で、増加傾向にある生活保護費に対し、自治体として何ができるのか、こういった観点から幾つかお尋ねさせていただきたいと思います。 まず、中野区の生活保護費と受給者のここ数年の推移を教えてください。 ○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 生活保護費の推移でございますが、平成20年度の決算額では112億4,000万余りでございました。平成21年度の決算額は120億5,000万程度で、20年度比、20年から21年度は約7%増額しております。金額としては8億2,000万円余りでございます。 また、平成21年度から22年度の決算見込みでは、120億5,000万円程度から136億円程度になりますので、13%の増、15億4,000万円程度の増額というふうになっております。 ○酒井委員 21年度から22年度に関しては約13%も増えているような状況で、とんでもない勢いでこの受給者が増加していることとなりますが、一方で、担当分野としての現場はどういうふうな体制をとっているのか、こちらをお尋ねしたいんですけれども、社会福祉法第16条において、1人のケースワーカーさんが担当する世帯数は標準数80と定められておりますが、中野区の現在のケースワーカーの持ち件数はどのようになっているでしょうか。 ○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 今年23年1月末現在でございますが、ケースワーカー49人と相談員6人がおります。これが社会福祉法で定められている現業員でございますが、これで割りますと、およそ101世帯というふうになります。また、現在委託事業を行っておりますので、その委託部分を除きますと、およそ90世帯というふうになってございます。 ○酒井委員 割ると100世帯で、委託を実施したことにより90世帯でしたかね、担当していると。すると、標準数の80よりも持ち担当世帯数が多いと思っておるんですけれども、一方で、件数だけの問題ではなく、そもそも生活保護の制度は昭和25年の制度創設以来、抜本的な改革が行われておりません。社会状況も大きく変化し、生活保護のケースワーカーの業務も質的な変化をしているんだろうと思います。精神的な疾患を持つ方が多くなったりですね。例えば、介護保険の利用支援や就労支援、ホームレスの対応など、多岐にわたった広範な知識が必要なんだろうと思います。こういう状況を踏まえて、現在の職員数の状況、担当さんといたしまして十分だと考えていらっしゃいますでしょうか。 ○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 十分かといいますと、十分とはなかなか言えない状況にはございますけれども、来年度に向かいましては職員の増員を考えて、予定をしておりますとともに、委託事業についても拡充をする予定でございます。 ○酒井委員 来年度、増員されると。何人ぐらい増員されるか決まっておるんですか。答えられる……。 ○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) ただいまの段階では数名程度というふうにお答えをしたいと思います。 ○酒井委員 職員2,000人体制へと向かっている中、分野として増員されたというところは、私は区の姿勢は評価するべきなんだろうと思っております。ただ、保護世帯数がどんどん増えていっている中、追いついていないのではないかと思うんです。担当分野として対応することが本当に厳しいんだろうと思っております。ケースワーカーさんの担当世帯数は現状限界であり、その上、難しいケースも多く、警察を呼んだり、苦情を言われたり、毎日が大変なんだろうと思います。こういった中、現場の職員の方々のメンタル面の支援、それから、広範な福祉の知識、経験を求められる中、職員の人材育成が大切だと考えております。メンタル面のケアと人材育成に関して、担当分野として考えていかなければならないと思いますが、いかがでしょうか。 ○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 生活援護の職員の精神的な負担は確かにございますけれども、そういったところを、それは処遇困難ケースを1人で抱えたりとかというようなことで負担が増加するものというふうに考えておりまして、係全体や分野の中で事例検討を行う中で、分野全体のスキルアップにつなげるとともに、精神的な支えをしていくというようなことを実施しております。 また、職場の中でのスキルアップという意味では、今年度、来年度に向かいまして、公募の職員も、生活保護の仕事をしたいという公募の職員も応募しまして、そういった人たちからも力をもらって仕事を進めているところでございます。 ○酒井委員 ありがとうございます。ぜひ、その現場の最前線で働かれております職員の方々のメンタル面のケア、それから人材育成に関して引き続き力を入れていただきたいと思います。 次に、先ほど来年度の体制をお聞きしましたときに、職員の増員と委託事業の拡充について御答弁いただいたんですけれども、まず、この委託事業、内容を教えていただけますでしょうか。 ○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 65歳以上の高齢者のみの世帯で比較的安定した世帯について、今年度600世帯を委託を行いました。来年度につきましては1,200世帯を増加しまして委託をする予定でございます。 ○酒井委員 民間活力の活用により、現場の職員の負担も軽減し、そして全体として、よりきめ細かい対応をすることができ、大変に意義のある施策なんだろうと思っておるんですけれども、今年度は600世帯の委託ということでありますが、この委託費用は幾らかかっているんですか。 ○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 委託事業全体としまして、おおよそ3,200万円程度かかっております。 ○酒井委員 600世帯でおおむね3,200万円。例えば区の職員が、委託しない場合およそ100人程度担当すると答弁がありましたが、そういたしますと、区の職員6人分であり、区の職員の人件費は約800万円だったと思うんですけれども、そう考えると6人分で4,800万円であります。4,800万円と3,200万円を比べた中、一方で、こちらの委託内容のほうは65歳以上の比較的安定した高齢者世帯を担当しているというふうなことを考えると、この委託内容に関しましても、決算特別委員会でさまざま委員の方々から指摘があった中、今後、私は民の力、活用していくべきなんだろうと思っておりますが、より精査し、効果のある委託事業にしていただきたいと思っておりますが、いかがでしょう。 ○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 来年度につきましては、およそ1,200世帯の中で委託額が倍増するということではなく、若干、若干というか、6,000万円程度に落ちる予定でございます。事業全体ではございますが。そういう面からも、費用の面からも、来年度につきましては効果が出る予定ではありますけれども、その委託をする中身につきましては精査をしていきたいというふうに考えております。 ○酒井委員 時間も参りましたので、不正受給については、お尋ねしたかったんですけれども、仲間の森委員に分科会で託させていただいて、私、酒井たくやの質疑を終了させていただきます。ありがとうございました。 ○いでい委員長 以上で、酒井たくや委員の質疑を終了します。 次に、[1]高橋ちあき委員、お願いします 。 ○高橋委員 外の天気は雨から雪に変わっているようでございますし、もう何か皆さん大変お疲れの御様子でございますので、私がきょうは最後でございますので、速やかに、なおかつさわやかにやってまいりたいと思いますので、明快なるわかりやすい御答弁をいただければと思います。 それでは、早速質疑に入ります。 子ども手当、いろいろありますけれども、きょう1番目から始められた先輩議員の皆様方の質問の中で、予算に関連してですけれども、るる、前置きはもう置いておきまして、過去最大となる予算規模の1,113億7,000万円という予算になっているという、いい、悪いにして、両方からの御指摘をいただいていると思います。平成22年度に比べますと、149億9,000万円余、15.6%の増であるというふうに述べていらっしゃいますが、まず基本的に、予算編成時においての区の体力としての財政規模は何によりはかるのでしょうか、教えてください。 ○志賀政策室副参事(予算担当) お答えいたします。予算編成時におきまして、財政規模をはかるために、その年々の歳入のうちの主たる財源でございます特別区税、そして特別区交付金をはじめとした一般財源でございます。 ○高橋委員 22年度に策定した当初予算案の概要によりますと、財政運営の基本方針での基準となる一般財源規模を示されたはずだったと思いますけれども、それはどれくらいだったのでしょうか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 平成22年度に設定いたしました基準となる一般財源規模は650億円でございます。 ○高橋委員 よく私も、復活しましてから650億円、いずれは足りなくなってくるのではないかという話を聞いておりました。そのときの財政運営の基本方針では、22年度以降の区の財政規模に応じた事業運営に転換するために、基準となる一般財源規模、650億を目指す取り組みを徹底するとしていらっしゃいますけれども、今回の23年度予算の一般会計における財源規模はどのくらいになるんでしょうか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 657億3,412万3,000円となってございます。 ○高橋委員 それでは、お伺いをさせていただきます。 22年度と今回の一般財源規模の差は一体何なんでしょうか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 地方譲与税と自動車取得税交付金等につきましては減少いたしましたけれども、主要財源でございます特別区税が9億円余り、また、特別区交付金につきましては11億円の増となったことによります。また、他の交付金につきましても全体的に伸びたことによるものでございます。 ○高橋委員 一般財源の規模については、景気の動向などにより、特別区税や特別区交付金などの歳入状況がかなり、若干なりとも向上しているというのはわかりました。事業を見てみますと、警察大学校跡地とか、中野駅地区のまちづくり、そして法案成立が危ぶまれている、先ほどから言われている子ども手当など、時勢に沿った支出もあることから、必ずしも基準となる一般財源規模に固執する必要はないと思っておりますけれども、しっかりした財政規律の維持が図られないといけないと思っています。 今回の予算規模の増加原因についてですが、投資的経費で89億円、それから扶助費で51億円、積立金で9億円という増加になっているようですけれども、それぞれの項目での要因は一体何なのでしょうか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 投資的経費におきましては、本町五丁目公園、そして南部防災公園の大規模公園用地の取得、そして高齢者会館用地、旧中央中の統合新校の拡張用地の再取得、そして中野駅周辺整備や小・中学校の施設整備、このようになっています。 また、扶助費におきましては、生活保護費や障害者の方々への介護給付、訓練給付等の増、そして児童の保育委託等が伸びたほか、当初予算に子ども手当を計上したことによるものでございます。 積立金におきましては、旧警察大学校跡地の開発者、事業者からの開発協力金をまちづくり基金に積み立てましたほか、前年度からの繰越金を原資として積み立てたこととしたことによるものでございます。 ○高橋委員 今お答えをいただいたように、投資的経費は89億云々、169.6%の大幅な増をもって23年度の投資的経費が約142億円に膨れ上がっています。この142億円の財源はどのように確保するのか、いま一度教えてください。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 主たる財源といたしましては、国庫支出金、都支出金をはじめといたしました特定財源を45億4,100万円余予定してございます。また、このほか基金や起債を80億2,800万円余充当する見込みでございます。残りが一般財源となるものでございます。 ○高橋委員 そうすると、基金や起債で80億云々を充当するとのことですけれども、このうち特別区債はどれくらいになるんでしょうか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 今年度の特別区債の合計額は61億9,500万円を予定してございます。 ○高橋委員 国庫支出金、都支出金については、事業規模に応じて増加するとか、また繰入金も特定目的基金からということで、事業の実施に伴うことでの増加はわかりますけれども、問題は特別区債だと思います。22年度の特別区債は19億6,000万ぐらいだったかな、23年度は61億9,500万円、で、42億2,000万円ぐらいの増加になっているんですけれども、こんなに大きく増加している原因というのは一体何なんでしょうか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 特別区債の増加の要因でございますけれども、まず、大規模用地の買い取りが始まりましたことから、その取得に要する経費が39億9,900万、そして中野駅地区整備と警察大学校跡地の周辺整備に要する経費、これが10億3,600万円、そして学校施設整備にかかわります経費、これが11億6,000万円となっているものでございます。 ○高橋委員 それではお伺いしますけれども、中野区では、中野区方式と呼んでいらっしゃる、公債費負担比率というものがあるように聞いているんですけれども、23年度末の起債残高と、あわせて公債費負担比率についても教えてください。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 平成23年度末の起債の残高でございます。これは一般会計と用地特別会計を合わせた合計額でございますが、508億3,980万円となってございます。また、公債費負担比率につきましては、11.2%となる見込みでございます。 ○高橋委員 その公債費負担比率についてですけれども、中野区は一般的な財政指標である公債費負担比率より厳しく算定しているということですけれども、どのように厳しいのか。また、中野区の起債の規模というのは本当に大丈夫なんでしょうか。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 公債費負担比率につきましては、公債費、借金の返済金に充てられる一般財源のことでございますが、この一般財源を一般財源総額で割って算出された比率のことを言いますけども、中野区ではこの公債費に充てられた一般財源にさらに当該年度の償還分を差し引きました減債基金積立金を加えまして、一般財源総額で割り返した比率をもって公債費負担比率、中野区方式と呼んでいますけども、そういったものとしてございます。このことから、厳しく起債の活用については見ているといったものでございます。 また、中野区では公債費の抑制を図るために、公債費負担比率を平成22年から27年度までの間におきましては、9%から11%台で推移すると見込んでございます。 また、起債の規模につきましては問題ないものというふうに判断してございます。 ○高橋委員 問題がないというふうに判断をしていらっしゃるということですから、まあ、安心はできないでしょうけど、その答弁にゆだねるしかないんですけど、財源の中でもう一つ大変重要な項目である財政調整基金というのがあります。これについてお伺いしますが、政策室長が総括説明で、いまだに財政調整基金を繰り入れなければならない状況にあるとおっしゃっていましたけれども、23年度末の財政調整基金の目的別の残高と基金全体というのはどのようになるのでしょうか、教えてください。 ○志賀政策室副参事(予算担当) 平成23年度末の財政調整基金の残高でございます。146億6,500万円となってございます。内訳でございますが、年度間調整分といたしましては96億1,000万円、施設改修分といたしましては46億5,200万円、退職手当分といたしましては4,300万円となってございます。また、特定目的基金を含めました全体の総額でございますが、348億9,313万8,000円となる見込みでございます。 ○高橋委員 一般的に区民が聞いても、これだけの数字を聞いても、えっというような感覚でしか聞けないと思いますけれども、国債や借入金などを合わせた国の借金の総額というのが、2010年度末時点で919兆1,511億円、前年に比べて47兆6,407億円も増加し、過去最悪を更新したそうであります。もともと私たち自民党も悪いとか言われておりますけれども、それ以上に今の国政がこんなにしちゃっていいのかなという心配が多々ありますけれども、国民1人当たりに換算すると722万円も国民は借金を背負っているということになります。中野区でも23年度末の起債残高は、一般会計と用地特別会計を合計すると、508億3,980万円余にもなるそうであります。財源となり得るとらの子といいましょうか、財政調整基金の残高が146億云々、で、起債残高をすべて賄うことはできません。一括返済という事態はあり得ませんが、くれぐれも現在の国のように政策的経費が税収で賄えず、新たな借金を重ねる財政構造にはならないように、一般財源、起債、基金のバランスをしっかりとっていって、予算の組み立てをしていただきたいということを要望しておきます。これは答弁は結構でございます。 それでは、次に、今回の一般会計予算の中で、先ほど申しましたとおり大規模予算ということで、1,113億円余りで、前年度比15.6%、金額で約150億円の増となっておりますが、当初予算の概要によりますと、歳出の状況は人件費は大きく減少しましたが、扶助費が21.8%と大きく伸び、義務的経費全体では7.7%増となっております。支出予算の約150億の伸びのうち、扶助費の伸びは約51億5,000万円で、伸びの3分の1を占めます。しかも、これは投資的経費と異なり、経常的に支出すべき義務的経費となります。 さて、今回の扶助費の増加の大きな要因と増加の金額を教えてください。 ○志賀政策室副参事(予算担当) お答えいたします。扶助費につきましては、生活保護費や障害者への介護給付、訓練等給付の増加、そして児童の保育委託が伸びたほか、前年度には補正予算で対応いたしました子ども手当を当初予算に計上したことからによります。前年度比較で51億4,993万4,000円、21.8%の大幅な増となったものでございます。一般財源ベースにしてみましても、約8億円の増となっているものでございます。 ○高橋委員 ありがとうございます。お答えをいただいたとおりに、子ども手当や生活保護費、先ほど酒井委員も質問していらっしゃいましたけれども、この二つがほとんどを占めている状態ではないかなというふうに思います。子ども手当の支出については、御周知のとおりでありますけれども、生活保護費は受給者の増加とはいえ、約14億1,000万円の増になっております。生活保護費ですけれども、平成22年度の1人当たりの月額受給額は幾らでしょうか。また、平均の月額受給額を教えてください。 ○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 平成22年度の4月から12月の平均でございますが、20万4,677円でございます。月額平均です。 ○高橋委員 月額20万4,677円ということですね。そのうち一般的に65歳以上の住宅扶助を除いた年額平均受給額と月額は幾らになるんでしょうか。 ○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 年金などの収入認定を引いた額になりますけれども、年額の平均は153万5,000円程度でございます。また、月額平均につきましては12万8,000円程度で、こちらのほうは医療費が10割分入った金額というふうになります。 ○高橋委員 現在、国民年金をこつこつと40年間払って、65歳から満額で受け取る金額は幾らなんでしょうかね。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) お答えいたします。年額にしまして79万2,100円でございます。 ○高橋委員 年額79万2,100円ですよね。(「はい」と呼ぶ者あり)そうすると、しつこいんですけど、月額にすると幾らですか。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) 月額にしますと、それを12で割りますから、6万、7万円をちょっと割るぐらいということです。 ○高橋委員 ありがとうございます。12で割ればすぐわかるというふうに言われてしまえばそうですけど、これも副参事から答えてもらいたかったかなとか思いましてお伺いをしました。 この中で、今聞きましたら、国民年金40年間をこつこつと払って、今、問題になっていますけどね。奥さん、サラリーマンだった奥さんが、サラリーマンさんをやめちゃったら国民年金に入るのを忘れちゃっていて、とんでもない案が出ちゃって困っちゃっているという話もありますけれども、こつこつ払って、もらうのが年間79万円。しかし、一方は153万円。この国民年金をもらっている人は、自分たちで一生懸命、自立している人が医療費を工面し、タクシーなどに乗らないで電車、バスなどで医療機関に行ったり、しかし、一方ではタクシーで行っちゃったり、それから、医療機関のはしごをしてしまったりというような状況があるようにも聞いております。景気により、就業の環境の悪化や孤独な高齢者の増加などで、生活保護費が増加することは理解ができます。先ほども、大変増えたというお話もありました。そして法律によるものとして、裁量の余地がないということもわかっております。一方では生活保護費の支給に関しては、認定審査というのは厳しいかもしれませんけど、支給を受けてからのチェックが甘いのではないかという声も周りの方からお伺いしたりすることがあります。 一般的に生活保護費と言われている扶助費というのは、六つぐらいあるというふうに聞いているんですけれども、生活扶助、住宅扶助、介護扶助、医療扶助、その他の扶助というのがありますけれども、23年度の当初予算でこれらの扶助費のそれぞれの金額と合計はお幾らぐらいになるんでしょうか。 ○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) まず、生活扶助費としまして47億7,001万5,000円になります。住宅扶助は34億3,591万3,000円となります。医療扶助につきましては、54億3,151万4,000円で、介護扶助が2億1,005万3,000円程度になります。また、教育扶助は2,705万9,000円程度で、残り、生業扶助や葬祭扶助等ございますが、その他としまして、1億2,273万8,000円程度になります。合計額としましては、139億9,729万1,000円というふうになります。 ○高橋委員 そのうち医療扶助はどれくらいで――医療扶助は今聞きましたけど、構成比は何%を占めるんでしょうかね。 ○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 医療扶助54億円程度でございますが、構成比は全体の約39%というふうになってございます。 ○高橋委員 介護扶助とか医療扶助、本当に大きな割合を占めていると思います。扶助費は、今お伺いしたように54億円、構成比が今お伺いしたように39%というふうになっております。22年度の第4次補正でも、生活保護費は約10億の補正が出たように記憶しております。来年の今ごろはもっと医療扶助は増えているんではないかなというふうに予想をしてしまいますけれども、この医療扶助はもちろん必要があって、医療機関に行くことは何にも問題がないとは私は思いますけれども、中にはこの制度を大変悪用したものもあるというふうに聞いております。 先日、私はテレビを見てびっくりしちゃったんですけれども、これは大阪のほうだったと思いますけれども、生活保護世帯の医療費をめぐっては、医療機関が受給者に過剰な診療を繰り返して、診療報酬を不当に得ていた疑惑とか、それから受給者が無料で手に入れた向精神薬や睡眠剤を不当に売買するなどの貧困ビジネスの特集をやっておりました。その中で、例えば医療機関からの治療薬ですが、精神科での睡眠薬とか、向精神薬というのは、風邪とか、けがとかで客観的に判断して出すものではないので、本人がぐあい悪いんですというふうに申告をすると処方してくださるというふうに聞いております。そのために保護受給者宅にはたくさんの薬があったり、本人は別に治療、真剣に考えて行っている様子ではないんですけど、ただ、病院は無料だから定期的に行って、薬の処方をしてもらっているとか、中には、薬の売買のために処方してもらって利益を得ちゃっているケースもあるそうです。テレビの取材に応じた方は、何か別に悪びれる様子もなくて、制度をうまく利用しているんだよというような感じでお答えしていたのにはすごいショックを受けました。 また、受給したらすぐにじゃらじゃらというパチンコ屋さんに行っちゃったりとか、そういう現状を目の当たりにして画面で見ると、じゃあ、一生懸命働いて大変、年金で暮らしている人たちは一体何なのよというふうな憤りを感じてしまうんですけれども、区では医療費の適正運用、例えば重複診療の是正とか、処方せんのチェックとか、また治療効果に差のない場合の近隣病院への指示とか、タクシー利用者の再認定など行っていらっしゃるんでしょうか。また、このようなことをどのようにチェックしているんですか。 ○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) まず、処方せんの点検ということでございますけれども、医療機関から届きます医療内容についてのレセプト等、また調剤薬局から届きますものにつきましては、毎月点検を行っているところでございます。その都度、先ほどの受診回数が多いといったようなことにつきましては、点検結果を各ケースワーカーに伝えまして、嘱託医との協議の上でいろいろな指導を行って改善を行っております。 ただ、先ほど委員の御指摘のところがありました重複診療につきましては、レセプトがおよそ2カ月遅れで届くことなどで、病名と個人名とのチェックに時間がかかることから、今現在は点検のほうが難しく、来年度からはレセプトの電子化等予定しておりますので、点検が進むものというふうに考えております。 また、近隣の病院の紹介でございますが、同じような、近隣の病院でもかかれるというような病名の方で遠方にいらっしゃっている場合には、嘱託医等と相談や主治医の先生とも相談をしまして、なるべく近い病院のほうに変わっていただくというような指導も行っております。 また、タクシーの利用についてでございますが、こちらのほうは主治医の意見をもらい、嘱託医の審査を受けて初めて支給をするというようなことを今現在やっております。 ○高橋委員 大変チェックをするのは非常に御苦労があるかと思います。現場のケースワーカーさんの苦労は本当に、仕事が多かったりとか、またこういう不正をする人に対しても、生活の援護をしていかなければいけないというジレンマもあるように聞いております。先ほど酒井議員のお答えにもあったように、来年は増員するというようなお話もありましたし、レセプトのオンライン化ということもあるでしょうから、それぞれが上手に運用できていけばいいかなというふうに思っております。 この年々増え続けている保護受給者を抱える職員の処遇はもとより、チェック体制の強化のため、数名を増やすというような御答弁がありましたけれども、こういう扶助費の膨張を抑える一つの方策にもなると思っているんですけれども、かなりチェック体制をきちんとしていっていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。 ○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 例えば、先ほどからのお話がありましたように、医療扶助につきましては、レセプトのオンライン化等によりまして、ケースワーカーはそれぞれの担当のところでチェックを深めるといったようなこともできると思いますので、そういったところを増員を充てたところで、何とかやっていきたいというふうに考えております。 ○高橋委員 大変厳しい現状だとは思いますけれども、不公平のないように、ぜひ体制を整えてやっていただきたいと思います。要望にしておきます。 時間も迫ってまいりましたので、次の区民活動センターの運営費についてお伺いをいたします。 区長は施政方針説明の中で、基本構想で描く真に豊かで持続可能な地域社会を目指し、現行の地域センターを本年7月をめどに区民活動センターと地域事務所に再編すると述べていらっしゃいました。また、区民活動センターは地域の課題解決に向けた地域住民の自主的かつ主体的な取り組みを促進するため、地域住民による地域自治の活動拠点として、また地域事務所は地域の窓口サービスを行う場として設置すると述べていらっしゃいます。 そこでお伺いいたしますけれども、区民活動センターの財政的な面で伺ってまいります。この活動センターの設置によって、職員は何人引き揚げることになるんでしょうか。 ○瀬田区民生活部副参事(地域活動担当) お答えいたします。約40名程度引き揚げることを予定してございます。 ○高橋委員 その引き揚げた総額はお幾らぐらいになるんですか。 ○瀬田区民生活部副参事(地域活動担当) 人件費につきましては、約4億円程度と見込んでございます。 ○高橋委員 区民活動センターの設置に伴って、職員が担っていらっしゃった集会室や、運営のための各種を委託することになりますけれども、その委託がそれぞれ何か、その委託の料金等々がわかれば教えていただきたいと思います。 ○瀬田区民生活部副参事(地域活動担当) 委託の関係ですが、大きく二つございます。まず、集会室などの受付業務の委託料でございますが、約1億3,700万円を予定してございます。もう一方、運営委員会への業務委託料につきましては、約9,000万円を予定してございます。合わせまして、約2億2,700万円を見込んでいるところでございます。 ○高橋委員 区民活動センターの設置に伴う各施設の改修経費とかがあると思いますけれども、それはどれくらいになるんですか。 ○瀬田区民生活部副参事(地域活動担当) 施設の改修に伴う経費は、初期投資分ということで23年度を予定してございますが、約6,300万円程度を予定してございます。 ○高橋委員 そうすると、この区民活動センターの設置に伴いまして、今まで地域センターで行っていた住民票や印鑑証明、それがコンビニ交付までの期間、現行サービスの維持のために、地域事務所から職員を毎日派遣して、ファクスを活用して従来どおりの体制を整えるというような答弁を、いでい議員の一般質問のときにおっしゃったと思いますけれども、これは本当にそういうふうにするのかどうか、費用はどれくらい見積もっていらっしゃるんですか。 ○奈良経営室副参事(人事担当) この人件費でございますが、地域事務所に配属する職員の中で対応していくといったことで考えてございまして、既定の関係人件費全体の中で対応していくというふうに考えてございます。 ○高橋委員 そうすると、今確認しましたけど、毎日職員を派遣するということはやるということの理解でよろしいんですか。 ○瀬田区民生活部副参事(地域活動担当) はい、さようでございます。 ○高橋委員 そうしますと、先ほどのいろいろ御答弁をいただいた中で、活動センターの設置に伴う経費は、るる運営委員会等の委託の合計が2億円、人件費が4億円、そして改修費が6,300万円ですね。そして、住民票、証明書を出すのは今までの職員の中からということでございますから、合計すると、従来の費用を合計したら、約3億円ぐらいになるかなというふうに思うんですけれども、一方、差、その金銭的な差を言ってはいけないとは思いますけれども、ほとんど私は何か変わらないような気がするんですけれども、いかがでしょうかね。 ○瀬田区民生活部副参事(地域活動担当) おっしゃるように、業務委託などの経費はかかる部分がございますが、先ほどの人件費等の削減効果等も含めまして、現状の経費に比較いたしまして、約1億7,300万円ほどの削減効果が見込まれるものと見ております。 ○高橋委員 それは数字の上ですから、1億7,000万円ぐらいの差があるといいましても、まだまだそのほかにも、細かく言ったら切りがありませんけれども、本当に私はそんなに大して変わらないんじゃないかなというふうには思いました。すべてが金銭で評価されるものではありませんけれども、コンビニ交付のサービス効果が不透明であって、また現段階では財政効果、本当に有効と言えるかどうかって、はっきり、1億ぐらいはっておっしゃっていますけれども、目に見えて、本当にあるのかなというふうに心配になってしまいます。政策室長はどのようにこれを考えていらっしゃいますか。 ○竹内政策室長 住民の皆さんの利便性の向上と、それから経費節減の効果、両方あるものというふうに考えてございます。 ○高橋委員 何か、あっさり言われちゃうと、すごいショックなんですけれども、それほど区長はすごい思いを持ってこの区民活動センターにしようという心意気があるというのは私たちは感じております。なのに、政策室長はほんの何か少しの答えで終わっちゃうのかなっていうのがちょっとがっかりしちゃうんですけれど、では、コンビニ交付をするのになぜ24年の2月になるんですか。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) お答えいたします。コンビニ交付に関する開発の予算を昨年の4定で補正予算で認めていただきました。そこから業者の契約と、それから開発を、先ほど飯島委員のときにも御答弁いたしましたが、約10カ月ほど要するということで計算をしていきますと、24年2月というふうな状況で申し上げているものでございます。 ○高橋委員 それは相手のあることですから、早くしてくれって言ってもかなり難しいことかもしれませんけれども、でき得る限り早くする努力をしていることを私たちにあらわすとか、もう本当に24年の2月じゃないとだめなんだみたいな感じに受け取られるのが、ちょっと損しているように思います。 そしてコンビニを使う場合には、住基カードが絶対必要になるというような御答弁をいただきましたけれども、住基カードの普及率を聞くと10%ぐらいしかないというようなことで、これを活用するがためのある程度一定の、推進期間じゃないけれども設けるというような御答弁も聞いているんですけれども、地域住民の皆さんは、まず、つくりに行かなくてはならない。そして住基カードを持っても、これは公的なところでは証明書として使えないということがよくわかっているというようなお話も聞いたりとかしております。本当に住基カードをつくってもらって、このコンビニの交付機を使ってもらうがためには、かなり御苦労されて周知徹底をしないといけないと思うんですけれども、そこのところはどうお考えですか。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) まず、コンビニ交付のシステムが大まかでき上がった時点で、お知らせを大々的にやろうというふうには考えております。これは普通の区報、ホームページのほかにさまざまな催し物のところにもちょっと参加させていただきまして、いろいろ周知を図っていきたいというふうに考えております。 それから、一般質問でも答弁をいたしましたが、今まで住基カードをつくる方については手数料をいただいておりましたが、この期間、今年度と来年度いっぱいぐらいを想定しておりますが、手数料を免除して普及の拡大を図っていきたいというふうに考えております。 それからあと、普及率、先ほど8%から9%ぐらいということですが、来年度は先ほど申し上げましたように24年の2月ぐらいを一応の、現時点ではめどとしておりますので、あまり多くの住基カードの枚数は出回らないとは思います。ただ、例年、大体3,000枚から4,000枚ぐらい住基カードを作成しておりますが、来年度につきましては、一応2カ月弱でございますけども、8,000枚ほど上乗せをする形で予算計上をしております。それからまた24年度につきましては、さらに多くの枚数を出そうというふうに考えております。 そういった形で普及の拡大を図っていきまして、23、24年度で大体普及率を2割近くまで持っていきたいというふうに考えております。 ○高橋委員 ぜひそういうふうに御努力をしていただきたいと思います。不公平のないためには、実施する時期を、現行、先行しているところ4カ所がありますよね。それをスタートさせてみて、その4カ所を検証してから実施してみたらどうかなというふうな思いもあるんですけれども、これについてはいかがでしょうか。 ○浅野区民生活部副参事(戸籍住民担当) いろいろと先行している区が、渋谷区さんなんかがもう既にやっていますが、そういった区のいろんな……(「浅野さんの答えることか」「住基カードじゃないよ」と呼ぶ者あり)すみません。申しわけございません。 ○瀬田区民生活部副参事(地域活動担当) 失礼いたしました。先行4地域につきましては、今年度、さまざま運営委員会準備会、全地域で立ち上げまして、また他の地域におきましても、先行のところにいろいろと視察に伺ったり、意見交換などもしてございますので、そうしたことも踏まえまして、23年の7月をめどに転換時期を予定しているところでございます。 ○高橋委員 時間もなくなってきましたので、あまり言ってもいいお答えが出てこないかもしれませんけど、私たちは区民活動センターに反対しているわけではございません。どちらかと一緒にされては困るんですけれども、私たちは反対しているんじゃないんです。地域の人たちがわからないから、より一層親切丁寧に進めていかないと、せっかく区民主体の活動センターにしたいんだっておっしゃっているんだから、何年もかけてやってきたわけじゃないですか、こういうふうにしようって。それを台なしにしたくないために、いろいろとお願いをしているところでありますので、さらに地域の区長室として、今まで地域センターが活用されていたわけですから、それも大事な思い、みんな地域の人は思っているわけです。ですので、皆さんの思いを伝えるように、大事に大事に進めていっていただきたい。その思いをお願いいたしまして、お答えは結構でございますので、これで活動センターの質問を終わりにします。 もう6分しかありませんので、最後の三つのポイント制度についてお伺いをさせていただきます。読売新聞の夕刊に、高齢者の活動にポイントをとかいうので、ボランティア活動をすると介護保険料が軽減される制度があるって、ポイントが介護保険料に還元できるような、そういうポイント制度を活用している地域があるというふうに載っておりました。いろいろ実施している自治体は45市区町村あるというふうに新聞に載っていたんですけれども、我が区はそれ以上に区長が進んでいらっしゃるので、エコ、支えあい、商店街の3ポイントというふうに取り組みをしていきたいというふうにおっしゃっているところでありますけれども、このポイント制度でちょっとよくわからないところがありますので、お伺いをさせていただきます。 エコポイント、それから支えあいポイント、商店街ポイントってありますけれども、エコポイントはひぐち委員がやりたいということで、ひぐち委員にお任せをいたします。そして、ポイント全体の交付なんですけれども、ポイント自体は、いろいろ一般質問にもありましたけれども、電子マネーとかいろいろありますけれども、何を想定していらっしゃいますか。 ○小田政策室副参事(企画調整担当) お答えいたします。当面はエコポイント、支えあいポイント、お買い物ポイントそれぞれシールを交付するというふうな方法を考えてございます。シールは共通の台紙に貼っていただき、合算して金券や商品等と交換できるようにしていきたいというふうに思っております。将来的にはICカードへ移行することも想定しております。 ○高橋委員 シールということでございますけれども、地域支えあいポイントについてちょっとお伺いをいたします。地域支えあい活動や、それからスキルアップ講座とか健康づくり事業の参加者や、支援を必要とする人に対してボランティア等の謝礼用としてポイントを交付するとなっておりますけれども、まず、支援をする人とか手伝う人に対してのポイントを差し上げるというのはわかるんですけれども、支援を必要とする人に対して交付するというのが理解ができないんですけど、どうしてなんでしょうか。 ○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) お答えします。支援を必要とする方にお渡しするポイントでございますが、みずからが地域との接点を持ち、また社会的な孤立を防ぐことを目的としまして、一定程度のポイントを差し上げることを考えてございます。 ○高橋委員 もう一回、最後のところがよく聞こえなかったんですけど、最後のところ。 ○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) 社会的な孤立を防ぐことを目的としておりまして、支援を必要とする方に対しましても一定程度のポイントを差し上げることを想定しております。 ○高橋委員 その一定程度というところがよく理解ができないということなんですけれども、支えあいに対しても、エコに対しても、商店街に対しても、一定程度、一定程度っていうお答えなんですけれど、そこがわからないんです。そして、交付の判断基準は何であって、交付はだれが行うんですかっていうことと、それから支えあいは、とりあえず、例えばですよ、支えあいの場合は地域の力を活用することが基本であって、交付の判断も地域にゆだねちゃうのか、ゆだねるとしたら地域での新たな負担にはならないのかなとか、もう交付の判断基準と、だれが交付してというのが全然ちょっと理解ができないんですけど、教えてください。 ○平田保健福祉部副参事(福祉推進担当) まず団体等に交付するポイントでございます。こちらにつきましては、現在のところ、区のほうで一定程度の基準を設けまして、例えば活動時間や活動内容ですね、そういったものによって算定することを考えてございますが、詳細につきましては今後十分詰めていきたいと、関係団体と協議しながら詰めていきたいと考えております。 また、支えあいを必要とする方に対するポイントでございます。こちらにつきましては、一律に年間、現在5,000ポイントを差し上げることを考えてございます。 また、交付の方法についてでございますが、原則として手渡しを考えてございます。また手渡しにつきましては、今後、すこやか福祉センター等を中心とした活動を考えておりますけれども、詳細については今後、事務手続の検討の中で詰めてまいります。 ○高橋委員 もう時間が本当に1分しかないんですけど、やはり、そのように年間5,000ポイントを手渡しとか、具体的に言っていただくと、ああ、そうなのかってわかるんですけど、一定程度、それから、これから協議するとかいうお答えですと、全然理解に苦しんじゃうんですね。エコポイント、地域支えあいポイント、そしてポイント制度を導入する商店において、取り扱い商品等の全部または一部について、販売時にポイントを交付するお買い物ポイント、それぞれが異なった趣旨でポイントを交付するっていうものであって、それぞれのポイント付与の判断があって、ポイントの記録方法はシールとかいう話でしたけど、そういった三つのポイントの統合についての構想がよく見えないんですけど、具体的に教えてください。 ○小田政策室副参事(企画調整担当) お答えいたします。三つのポイントの直接的な目的は異なるわけですけれども、区民の公益的な活動を活発化し、相互協力の機運を高めていくという大きな目標の達成に向けまして、三つのポイントを連携させるものでございます。また具体的な運営の中では、ポイント制度全体の運営委員会組織などを設置いたしまして、付与方法の基準などについて調整し、連携を図っていく予定でございます。 ○高橋委員 運営委員会も設置するというようなお答えもいただきまして、やはり、ポイント制度ってすごく楽しみがあってつくるものだと思うんですね。区民も楽しみを持って参加されると思いますので、ぜひとも失敗のないように、そして区長がこれを地域通貨につなげたいというふうな思いをおっしゃっておりましたけれども、地域通貨も一時期もてはやされまして、いろいろ自治体が試したときがありましたけれども、失敗している自治体があるという話も聞いております。ですので、そのようにならないように、しっかりと地道に事業展開を進めていっていただいた上で、三つのポイント制をさらに発展させていただければというふうに希望しておきます。よろしくお願いいたします。 今、要望で終わりましたけれども、いろいろるる、中野区、一般質問でも総括でも、住んでよかったまち、中野が1位だよという話が出ておりました。やっぱり区長が目指している、中野区は安心して安全で、住んでいてよかったという区を目指したいんだとおっしゃっておりますので、住んでいてよかったじゃなくて、今も住んでいて一番いい区と言われるように、私たちも努力していかないといけないと思っておりますけれども、ここに住んでいて最高だよって思えるような区をつくっていっていただきたいと思います。 最後に、区長のその思いを聞かせていただければと思います。 ○田中区長 私の住みたい区、住んでよかった区、いずれのランキングでも1番になれるようにしていきたいなと、こんなふうに思っております。いずれにしてもやっぱり、中野区民が本当に持続可能な豊かさの中で、また本当に心が通い合って支え合って生きていける、そういうまちであることが何より大切だと、こんなふうに思っておりますので、全力でそうしたことの実現に力を注いでいきたい、こう思っております。 ○高橋委員 力強いお言葉をありがとうございました。これで私のすべての質問を終わらせていただきます。最後まで御清聴ありがとうございました。お疲れさまでございます。 ○いでい委員長 以上で高橋ちあき委員の質疑を終了いたします。 以上で本日の総括質疑を終了します。 次回の委員会は3月1日(火曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告いたします。 以上で本日の予算特別委員会を散会します。 午後4時34分散会 |