平成22年03月02日中野区議会予算特別委員会 平成22年03月02日予算特別委員会(第5日) 1.平成22年(2010年)3月2日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(40名)
  1番  内  川  和  久        2番  ひぐち   和  正
  3番  白  井  秀  史        4番  平  山  英  明
  5番  つぼい   え  み        6番  いながき  じゅん子
  7番  林     まさみ         8番  山  口  かおり
  9番  せきと      進       10番  いでい   良  輔
 11番  伊  東  しんじ        12番  佐  野  れいじ
 13番  北  原  ともあき       14番  南     かつひこ
 15番  小  林  秀  明       16番  の  づ  恵  子
 17番  奥  田  けんじ        18番  近  藤  さえ子
 19番  牛  崎  のり子        20番     欠  員
 21番  吉  原     宏       22番  大  内  しんご
 23番  きたごう  秀  文       24番  伊  藤  正  信
 25番  久  保  り  か       26番  やながわ  妙  子
 27番  酒  井  たくや        28番  佐  伯  利  昭
 29番  むとう   有  子       30番  長  沢  和  彦
 31番  か  せ  次  郎       32番  山  崎  芳  夫
 33番  市  川  みのる        34番  斉  藤  金  造
 35番  篠     国  昭       36番  岡  本  いさお
 37番  飯  島  謹  一       38番  江  口  済三郎
 39番     欠  員          40番  佐  藤  ひろこ
 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子
1.欠席委員
      な  し
1.出席説明員
 中野区長    田中 大輔
 副区長(経営室)石神 正義
 副区長(管理会計室)          沼口 昌弘
 副区長(政策室)西岡 誠治
 教育長     田辺 裕子
 政策室副参事(企画調整担当)      田中 政之
 政策室副参事(基本計画担当)      髙橋 信一
 政策室副参事(予算担当)        志賀 聡
 政策室副参事(区民の声担当、調査研究担当、平和・人権・国際化担当) 小田 史子
 政策室副参事(情報政策担当、地域情報担当) 平田 祐子
 政策室副参事(情報化推進担当)     藤井 康弘
 危機管理担当部長清水 流作
 経営室参事(経営担当、契約担当)    長田 久雄
 経営室副参事(サンプラザ関係事業担当、サンプラザ地区再整備担当) 田中 謙一
 経営室副参事(広報担当)        戸辺 眞
 経営室参事(人事担当)         尾﨑 孝
 経営室副参事(健康管理担当)      村田 宏
 経営室副参事(財産管理担当)      安部 秀康
 経営室副参事(用地・管財担当)     冨永 清
 経営室副参事(危機管理担当)      石濱 良行
 経営室副参事(防災担当)        鳥井 文哉
 管理会計室副参事(評価改善担当)    篠原 文彦
 管理会計室副参事(経営分析担当)    相澤 明郎
 管理会計室副参事(税務担当)      青山 敬一郎
 会計室長    村木 誠
 区民生活部長  鈴木 由美子
 区民生活部参事(区民生活部経営担当、地域活動担当) 遠藤 由紀夫
 区民生活部副参事(南地域担当)     松原 弘宜
 区民生活部副参事(中部地域担当)    小山 真実
 区民生活部副参事(東地域担当)     辻本 将紀
 区民生活部副参事(北地域担当)     伊藤 政子
 区民生活部副参事(西地域担当)     中井 豊
 区民生活部副参事(戸籍住民担当)    今 恵里
 区民生活部副参事(産業振興担当)    高橋 昭彦
 区民生活部副参事(環境と暮らし担当)  横山 俊
 区民生活部参事(ごみ減量・清掃事業担当、ごみ減量担当) 橋本 美文
 清掃事務所長  齋木 正雄
 子ども家庭部長 竹内 沖司
 子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当、男女平等担当) 瀬田 敏幸
 子ども家庭部副参事(子ども支援担当)、子ども家庭支援センター所長 浅野 昭
 子ども家庭部副参事(中部地域子ども家庭支援センター担当、南部地域子ども家庭支援センター担
当) 天野 秀幸
 子ども家庭部副参事(北部地域子ども家庭支援センター担当、鷺宮地域子ども家庭支援センター担
当)波多江 貴代美
 子ども家庭部副参事(子ども健康担当)  町田 睦子
 子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当)、幼児研究センター所長 白土 純
 保健福祉部長  金野 晃
 保健所長    田原 なるみ
 保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 野村 建樹
 保健福祉部副参事(保健予防担当)    山川 博之
 保健福祉部副参事(生活衛生担当)    古屋 勉
 保健福祉部参事(健康推進担当)     岩井 克英
 保健福祉部副参事(福祉推進担当)    伊東 知秀
 中部保健福祉センター所長        鈴木 郁也
 北部保健福祉センター所長        大橋 雄治
 南部保健福祉センター所長        高里 紀子
 鷺宮保健福祉センター所長        大石 修
 保健福祉部副参事(障害福祉担当)    朝井 めぐみ
 保健福祉部副参事(生活援護担当)    黒田 玲子
 保健福祉部副参事(保険医療担当)    柿内 良之
 保健福祉部副参事(介護保険担当)    遠山 幸雄
 都市整備部長  石井 正行
 都市整備部副参事(都市整備部経営担当、都市計画担当、住宅担当) 登 弘毅
 都市整備部副参事(都市計画調整担当)  田中 正弥
 都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 滝瀬 裕之
 都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 石田 勝大
 都市整備部副参事(建築担当)      豊川 士朗
 まちづくり推進室長           川崎 亨
 まちづくり推進室副参事(まちづくり推進室経営担当、地域まちづくり担当) 上村 晃一
 まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 松前 友香子
 まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 秋元 順一
 まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当) 角 秀行
 まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当、西武新宿線沿線まちづくり担当) 萩原 清志
 教育委員会事務局参事(教育経営担当)  合川 昭
 教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 吉村 恒治
 教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 寺嶋 誠一郎
 教育委員会事務局指導室長        喜名 朝博
 教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 飯塚 太郎
 教育委員会事務局中央図書館長      小谷松 弘市
 選挙管理委員会事務局長         奥山 功
 監査事務局長  服部 敏信
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事務局長     山下 清超
 事務局次長    奈良 浩二
 議事調査担当係長 大谷 良二
 書  記     長﨑 武史
 書  記     荒井  勉
 書  記     河村 孝雄
 書  記     菅野 多身子
 書  記     丸尾 明美
 書  記     土屋 佳代子
 書  記     鳥居  誠
 書  記     杉本 兼太郎
 書  記     鈴木  均
 書  記     岡田 浩二
 書  記     竹内 賢三

      午前10時00分開議
○いでい委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会します。
 第7号議案から第12号議案まで、及び第29号議案の計7件を合わせて議題に供します。
 初めに、理事会の報告を行います。
 本日、総括質疑3日目は、さきに御確認いただいたとおり、1番目に山崎芳夫委員、2番目に白井秀史委員、3番目にせきと進委員、4番目に伊東しんじ委員、5番目に大内しんご委員の順序で5名の質疑を行います。
 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。
 それでは、前回に引き続き、総括質疑を行います。答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。
 山崎芳夫委員、お願いします。
○山崎委員 おはようございます。自民党の山崎芳夫でございます。バンクーバーのオリンピックも終わりましたけれども、総括質疑はきょうから本番に入るということで、頑張りたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 なお、質問通告におきましては、2番の地方分権改革の推進について、1項の子ども手当、2項の地域主権戦略会議についてを、順番を逆にさせていただきますことを前もってお伝えしておきます。
 それでは、質問をします。
 初めに、財政の基本的な認識についてお伺いをさせていただきたいと思います。区の予算編成方針では、経済状況について、依然として潜在的なリスク要因や雇用情勢の一層の悪化が懸念されるとしていますが、どのようなリスクが今後懸念されるのか、御認識をお尋ねします。
○志賀政策室副参事(予算担当) お答えいたします。区のリスクをどういうふうに認識しているかというお問い合わせでございますが、景気の底上げをねらい、政府がいち早く打ち出した第一弾、第二弾の景気浮揚対策をはじめ、各自治体が取り組みました緊急経済対策への効果も期待されているところでございますけれども、こうした経済対策効果の減衰や、依然として雇用情勢が深刻であること、それからデフレの圧力の高まりによります需要の低迷、それから海外景気の下振れによります二番底のリスクが懸念されているところでございます。
○山崎委員 今、二番底が懸念をされているということで、なかなかの御認識をお持ちだなと思っておりますけれども、昨今アメリカ等々の議会に呼ばれまして、トヨタの自動車のリコール問題が、またさらにそうした二番底の要因になっているのではないかと、こういう思いが私はしております。そうしたリコールの問題が一気に日本売りにつながることになりますと、政府の経済月例報告は大きな修正を加えることにもなりかねません。そうした意味では、今、日本が大きな岐路に立っているという認識を自由民主党議員団は持っているところでございます。そうした認識に基づきますと、今後の区財政はいかなる状況になるのでしょうか、また、どの程度の影響が区財政にもたらされるのか、お聞きをいたします。
○志賀政策室副参事(予算担当) 景気の回復がなされないとした場合におきまして、具体的な数字でお示しすることはなかなか難しいということで、現状よりもさらに厳しい財政状況に陥るということになろうかと考えております。このことからも、今年度以降、少なくとも3年間程度は大変厳しい財政運営を確保しなければならない、そのことから、22年度の予算編成において3カ年予算という形でお示ししたものでございます。
○山崎委員 今後3カ年ぐらい厳しい状況でありますと、こういう御認識をお持ちだということがはっきりしました。それでは、その3カ年厳しいんだと、こう御認識をしているので、その3カ年についてお聞きをしますが、この3カ年というのは、22年、23年、24年と、こういうふうに考えてよろしいんでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) そのとおりでございます。
○山崎委員 この3カ年財政の基本的な考え方、短く的確にお伝えいただけますか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 今後の3年間の予算をお示しいたしましたのは、戦後最悪の歳入の落ち込みが想定されますことから、3年間の予算の大枠を設定し、22年度から24年度までの3年間におきまして、いかに起債や財政調整基金などを有効に活用し、財政負担の平準化が図れるか、そういったものを検討し、お示ししたものでございます。
○山崎委員 皆さんが出された、この10か年の第4章の「持続可能な行財政運営のために」という、今回もこの指標が何回も使われておりますけれども、財政の見通し、一般財源の推移と、このグラフがございますね。これは皆さんがつくられたものですが、このグラフを見ますと、平成22年、23年、24年、25年まで、標準財政規模というのかな、一般財源の基準となる数値、いわゆる650億円までには届かないという視点に立つと、3年間ではなくて4年間の予算ということではないんでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 今回こちらでお示ししました3カ年予算でございますけれども、こちらの第4章でお示ししました一般財源の推移として、25年度まではなかなか難しい財政運営を強いられるのではないかということですけれども、大体25年度にはおおむね景気等の回復により、中野区がお示しした基準となる一般財源規模、これに近づくということなので、22、23、24ということでお示しをさせていただいたものでございます。
○山崎委員 ここで志賀さんとやりとりしてもしようがないんですが、22年、始まりますよね。22年、1年間かかりますよね。23年も引き続いて一般財源規模は632億円で2年目かかりますよね。24年にやっと10億ふえて約641億になりますよね。しかし、650億という線にまだ至らないんです。3年間じゃない、これは4年間かかってやっと――1年間チョンボしたというふうに私は見ておりますが、ここでひっかかっても先に進めませんので、私は4年間をかけないと、この財政が複数年度で立ち直らないほど大変厳しい財政状況にあると、このように認識をして、以下質問をさせていただきたいと思います。
 それで、今のお話ですと、起債あるいは財政調整基金を有効に活用して予算の平準化を図りますと。これはいわゆる一般財源ベースで650億としておりますけれども、この650億を平準化と、このように考えて、もちろんよろしいんでしょうね。
○志賀政策室副参事(予算担当) 基準となります一般財源規模でお示ししたとおり、歳入の基準が満たない場合には基金を繰り入れ、基準を超えた場合には基金への積み立てを行うとしたものですから、歳出についても650億円に抑制するというものでございます。
○山崎委員 歳出についても、いわゆる650億円を目安に、歳出歳入についてこうした財政規律をお持ちになったと。この650億という数字が妥当かどうかの問題はともかくとして、そういう財政規律を持ちながら10か年の財政フレームをつくったと、このように考えれば、一定程度評価はできるものだと、こう思いますけれど、そうは言いながら、10か年の財政フレームと当初予算を比較しますと、22年度の今回の当初予算、歳入について一般財源はたしか688億。この650億、歳出について切っているにもかかわらず、歳出については688億から削れなかったと。この不整合、合っていない。初めから3カ年でやるんだと、その当初の年次からそれに合わないということは、どのように考えたらよろしいんでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) この数年間の財政状況が一定程度安定した推移をしてきたことも含め、時代の背景をもとに、区民の区政に求めます役割も多岐にわたってございます。それに対応するためにさまざまな施策を展開してきた結果として、財政規模が伸びを見せてきたというものでございます。しかしながら、このような財政状況下におきましては、投資的経費をはじめといたしました削減できる経費を全庁を挙げて圧縮したのですが、650億円までの抑制ができなかったというものでございます。
○山崎委員 今、投資的経費をはじめというお話でしたが、まあ、はじめなんだろうけれど、投資的経費はもちろんですよ。しかし、扶助費を含めた経費についても、これはやっぱり切り込んでいかなくちゃいけないんだと、私はこんなふうに思うんです。それで、その話は後からさせていただくといたしまして、22年度は650億円の歳出まで削れなかったと、しかし、3年間という区切りを皆さんがお持ちであれば、今後3年間の間には歳出について650億円まで絞り切りますよと、こういうことをおっしゃっているのと一緒でしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 本会議におきまして区長が御答弁いたしましたように、区政全体の目標体系をトータルで見直して、事業の重点化・効率化を図って、歳出を歳入に見合った形に近づけていくために、全庁的な見直し作業を進めることが必要だというふうに考えているところでございます。
○山崎委員 そのためには、投資的経費の話に戻りますが、義務的経費も削らにゃならん、こういうようなお考えはないんですか。投資的経費等だけで何とかしたいと、38億円出っ張ったものを3年間かけて削れるんだと、こう考えていらっしゃるのか、義務的経費についても投資的経費と同様に削減を一生懸命やって、この650億に合わせると、こういう姿勢をお持ちなのか、いかがでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 委員御質問の義務的経費について抑制していくのかということでございます。義務的経費の中には人件費、扶助費、公債費がございますけれども、人件費につきましては、この間、職員2,000人体制を目指して削減をしてきているところでございますけれども、扶助費につきましても、一定程度の増加に対応するための措置といいますか、そういった削減のための取り組み、そういったものが必要かというふうに考えてございます。そういった意味では、その状況をしっかりと把握した上で検証を行って、削減に向けた的確な取り組みをしていかなくてはならないんであろうと。また、公債費につきましても、一定程度の基準を持った、規律のある起債の活用といったものが必要になってくるというふうに考えております。
○山崎委員 公債費については後ほど触れますので、扶助費の話に戻りますが、財政当局は扶助費についても削減方を一生懸命やっていかなくちゃいけない、こういうことの御答弁だったよね。しかし、現実にはこの扶助費を削減していくというのは、志賀君も今言ったとおり、そう簡単なことではないんですよね。人件費はある程度減ってはきたけれども、これから時期的に減るというようなことはなかなかございません。それから、公債費については今までの借金を返していくということで、これもそう容易に削れる額ではありません。義務的経費で最後に残るのは扶助費なんですよ。しかし、扶助費は、今申し上げたように、人件費と相殺になっておるというような側面が一方ではあるんです。保育園を民営化する、学校給食を民営化する、人件費は減る、しかし、委託という形になりますので、扶助費という形でふえてくる。いわゆる人件費を削減した、そっくりとは言いませんが、かなりのみ込まれてしまう性質のものが扶助費にはたくさん入っているんです。釈迦に説法ですけれども、ましてやこういう経済状況の中で扶助費というのは非常に削りにくい。こういう中で38億円も具体的にどのように削るのかなと、僕は大変実は心配をしております。しかし、計画ですから、そういう気持ちになって今後10か年を達成するために、扶助費の削減も投資的経費も削っていく、また、不断の努力をしていくということは大変必要なことだろうと、こう思います。
 それで、ちょっと聞き方を変えますけれども、今申し上げたように、扶助費というのは非常に難しい側面がある。しかし、削減をしていかなくちゃいけない。こういうことをやっぱり区民に僕は言うべきだと思う。昨今の鳩山内閣を見ていると、消費税は上げないんだ、4年間は議論もしないんだ、それはそれで一つの考え方かもしれません。最近は議論もするんだなんて言っている閣僚もいらっしゃいますが、基本的には上げないんだと。いいことばっかり。増税はしないんだということばっかり。しかし、消費税を上げないことによって負の部分は何が出てくるのかということを言わない。借金は火だるまになって一般財源の50%を超える勢いになっているんですよ、国民の皆さん、これからの子どもたちがそれを背負う形になるんですよということを言わない。とても僕は不親切だと思う。やり方が汚いと思う。説明責任、説明責任とよく言われる。細かい数字を説明するのはともかくとして、一方で、国のあり方や区のこうした方針についてはしっかりと説明を僕はすべきだと思う。アカウンタビリティーというんだな、英語では。最近英語ばっかり使われるから、僕は半分ぐらい奥田さんの質問がわからなかったんだけど、このアカウンタビリティー、まさしくこれに僕は相当するんだと思う。そういう意味で、区は目指すべき10年後のすばらしいまちづくりと同時に、これを実現するためには、冒頭私が申し述べたようなかなりな部分に切り込んでいかなくちゃならんよということを説明する責務が皆さんにはあるんだろうと、こう思いますが、3人、経営本部の人たちがそこにがん首をそろえていらっしゃいますので、経営本部の方々、どなたか、こうしたことについて説明責任をしっかり区がするんだということを区民にお知らせするというようなお気持ちになっている人が手を挙げてくれますか。
○沼口副区長(管理会計室) 区の財政状況につきましては、毎年、財政白書もこの議会の決算審査のときに同時に提出しています。それにつきましては区民のほうにも知らせておりますし、毎年度の予算・決算の状況につきましても区報にも掲載して、区の財政状況が今どうなっているのかということを分析しながら、丁寧に説明しているつもりでございます。これからも当然、こうした区の財政状況については細かく説明していく必要があると、そのように思っております。
○山崎委員 細かくというお話をいただいて、僕はとてもうれしかったんですが、大ざっぱに説明してもだめなんですよ。具体的に細かくということになりますと、扶助費にこだわりますけど、うちは扶助費についてずっとしつこく追っかけている佐野さんというのがいて、プロフェッショナルなので、その方からのレクチャーも受けているんですが、この扶助費、現実、今も言ったように減らない。どうするか。具体的な例が全然挙がってこない。僕は決算のときにも申し上げたけれども、実際にはこの扶助費に切り込むのには、例えが悪いけれども、思いつきで言うと、子ども医療費、所得制限をかける。これは言いにくいですよ、選挙でそんなことを言ったら落っこちちゃうかもしれないけど、しかし、本当にすばらしい中野区をつくるんなら、そういうことも一方で考えていかなくちゃならん。それから、福祉に関係する部分だけで申し上げますと、横出しだ、上乗せだといって、都や国の基準よりもオーバーをして給付している事業がたくさんありますね。それを都の基準に戻す、年齢の制限はしっかりかける。こういうことをしないと、今、沼口さんが言ったようなことは具体的に一歩前に進まないんではないかなと、こう思いますが、決意のほどだけ一たんお答えいただけますか。
○沼口副区長(管理会計室) 扶助費につきましては、やはりこれから見直しをかけていかなければいけない大きな経費でございます。そういった意味で、今、委員からも御提案がありましたけれども、対象者をどういうふうにとらえていくかということがやっぱり重要な問題になると思います。そういう意味では所得制限の問題は当然考えていかなければいけませんし、それからまた――対象者ですね、基本的には。そういうところをきちんとやっていく。それから補助金ですね。こういうものも、今いろいろな形で補助金がかなりの数ありますけれども、やはり基本的な基準といいますか、ルールを定めながら、補助金のあり方をきちんと見直していくと、そういうことも含めて、これから全庁的に対応していきたいと、そのように思っております。
○山崎委員 実はもう少しこのグラフについて質疑があったんですが、これで20分も使っちゃいましたので、このグラフについての質問はとりあえず打ち切らせていただいて、先に進みたいと思います。
 さて、区の財政は、御承知のとおりに一般財源だけで成り立っているわけではございません。22年度の予算では、963億円のうち、基金を繰り入れた一般財源は、先ほどから言っているように688億円でございました。したがって、特定財源は幾らになりますでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) お答えいたします。特定財源の合計といたしましては、275億円ほどになります。
○山崎委員 275億というようなかなり大きな額なんですが、あんまり細かくじゃなくても結構ですから、上位三つぐらい、何と何と何がこの特定財源なのかということをお示しいただけますでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) まず、国庫支出金といたしまして133億円、都支出金が52億円、それから繰入金といたしまして27億円となってございます。
○山崎委員 今御紹介があった国庫支出金、国から来ますよと。都の支出金あるいは繰入金ということでお話がありましたけども、こうしたものについては10か年計画――これはもう(案)が取れたんですよね、10か年計画になっちゃうのかな。(「(案)」と呼ぶ者あり)(案)だそうですが、10か年計画(案)のフレームの中に入っているでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 10か年計画でお示ししてございますのは、特別区税、特別区交付金を中心とした一般財源のベースでございます。
○山崎委員 そうなんですよね。一般財源ベースでしか、まあ、事業は一般財源ベースで計画をして、それに上乗せを、特財を入れてというような物の考え方をする性格上、皆さんはこれを入れないんですよね。皆さんバーターの話は入れないんですが、私は少しこれは不親切だなと、実は前々から思っているんです。区の10か年計画を遂行していくに当たりましては、一般財源では実施することができません。第4章では基金や起債の計画が示されておりますけれども、特定財源については何ら触れられておりません。区は、警察大学校跡地や中野駅周辺整備、大規模公園整備、学校の耐震工事などについては、積極的に区の交付金や都の補助金を活用するとしています。もちろん私もこれが正しいと思います。特にさきの補正予算では、その交付金を確保するために、明らかに年度内に整備着手ができない事業につきましても、前払金という名目で、そして、しかも繰越明許まで行っているのが現状でございます。こうした10か年事業で特定財源をもっときっちり見込んで、起債・基金を活用する主な事業とあわせて、今後発行する財政運営の考え方、こういうものの中でしっかりとお示しをいただけないものでしょうか、どうでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 22年度に発行いたします財政運営の考え方の中でお示しできるかどうか検討してまいりたいと思います。
○山崎委員 志賀さんね、検討するんではなくて、もうだって、よくわからないでしょう、特財が入っていなきゃ事業がどうなっているか僕らレベルはわからないんだ。まあ、ちょっと横にそれるけど、特財特財と一言に言ったって、大きく今三つぐらいあった。どれが特財で入ってくるのか、あるいは本当に入るのかな、政府が変わっちゃって、事業仕分けにひっかかっちゃって、まち交なんてもうなくなっちゃう。都市計画交付金なんていうのはまさかひっかからないとは思うけども、そういう部分がどの事業にどのぐらい入っているのか、あらかじめある程度わかっていたほうが、僕はより親切だと思うんです。しかし、予算担当の方が検討しますと、こう冷たい言い方なので、予算担当よりもっと上のほうの方、こうしたものについて、10か年のフレームの中に今入れろと言っているんじゃないんです。今後、財政運営の基本的な考え方をお示ししていただくというようなお話を今いただきましたよね、そういう中でこの特財について取り扱っていただけますでしょうか。
○西岡副区長(政策室) 今、先生の御質問の中にもございましたけども、国の補助制度が今大きく動いております。年度末に随分動きがありまして、22年度予算には暫定的な形で組みかえが行われたと。今後、23年度予算に向かって本格的にまだ切り込みが入るという状況でございますので、現在私どもが予定しているさまざまな事業における国の交付金、あるいはひょっとすると、それがまた都の補助金にも影響を与えて、その特財全体の先行きについてはかなり不透明な部分が多いんですけれども、今、志賀から申しましたように、なるべく先生の御意向にこたえられるように努力・検討させていただきたいと思います。
○山崎委員 これもこれでやりとりしてもしようがないけれども、制度が変わる、要は、今、西岡さんの御答弁だと、よくわからないからなかなか入れづらいんだと、こういうような内容だったと思うんですよ。しかし、僕なんかに言わせれば、この財政フレーム、今お話しした10か年の一財の財政フレームそのものだってわからないんですよ。10年後の財政なんてだれがわかる。せめて3カ年の認識についてだって難しい状況の中で、しかし計画ができない、だからこういうものをつくったんでしょう。そういう意味では、ぜひ検討をしていただきたいと要望をして、次に移ります。
 次に、基金についてですが、中野区では基金が幾つ――数です――あるのでしょうか。また、それらの基金についての積み立てあるいは取り崩しの基準はどんなものをお持ちなんでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 積み立て基金の種類でございますけれども、一般会計では財政調整基金、それから減債基金、特定目的として社会福祉施設整備、義務教育施設整備、まちづくりなどの基金が9種類と、介護保険特別会計の2種類の合計で、計13種類ございます。
 また、その積み立て、取り崩しの基準でございますけれども、まず1点目、財政調整基金につきましては、毎年度の一般財源の歳入が650億に満たない場合、この不足分を財政調整基金から繰り入れるものでございます。また、毎年度の剰余金は財政調整基金の積み立て財源とするものでございます。2番目といたしまして、減債基金、こちらは起債の償還のための財源は計画的に減債基金に積み立てるというものでございます。減債基金には起債の元金償還に向けて一定額、借入額割る借り入れ年数、こういったものを毎年積み立てていくものでございます。続きまして、特定目的基金でございますが、施設建設にかかわります特定目的基金の繰り入れは、原則として施設の建設や建てかえ、それから計画的に行います大規模な維持補修、それから自然災害などのために対応する臨時的に必要となる大規模修繕等に限るものでございます。特定目的基金の積み立て財源は、土地の売却による収入及び毎年度の剰余金で行うこととしてございます。
○山崎委員 今、志賀さんのお話でありました、それでは財政調整基金についてお伺いをしたいと思います。財政調整基金は、特別区税、それから特別区交付金などの毎年度の歳入を担保するようなものであると、このように理解をしております。財源に余裕があるときに積み立てをして、厳しいときには取り崩しをするものですが、えてして、景気のよいときに区民への還元の声に負けて事業拡大に使ってしまって、積み立てはせずに、後々困る例がよく見られますが、この財政調整基金の運用はそのときの場当たり的な考え方ではなくて、積み立てる時期についてはしっかり積み立てて将来に備えるべきだと考えています。そのためにも今回、区では身の丈を踏まえた基準となる一般財源の規模を650億円と定めて、それに基づき計画的な財政調整基金の積み立て、取り崩しをするとしていますが、その基準としての650億円の算定、どうして650億円というところで線を引いたのかというような根拠について、これは証拠じゃありません、根拠について教えていただけますでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 基準となります一般財源規模を650億円とした根拠につきましては、区の基幹収入でございます特別区税や特別区交付金、そしてその他の交付金の合計収入を過去の収入増減、それから景気の変動を考慮いたしまして、将来の歳入推計をした上で基準となる一般財源規模を650億円としたものでございます。
○山崎委員 それは650億円にする作業でそういう作業をしたんだと。根拠。総合的な判断で650億に引いたと、こういうことなんですよ、志賀さんが今言ったのは。エイヤーと、こう引いたんです。そうじゃなくて、どうして650億だったのか、640億じゃなかったのか、660億じゃなかったのか。650億円に引いた根拠ということで聞いたんですが、志賀さんじゃ難しいでしょうかね。この線を引いた人はだれでしょうか。
○石神副区長(経営室) 予算を組む場合には、歳出の面と歳入の面、両方から組まなくちゃいけないわけでございます。そういう中で、今、志賀副参事が言いましたように、歳入的にはどのくらいの規模が安定的に予定できるのか、これは事業をやるときに、それを超えての事業は組めませんから、また、今現在行っております歳出の規模、これを見ていったときに、どこが安定的に歳出を組めるかというところで両面から検討した結果、平成20年度に650億ということで一度出しておりますが、その規模が安定的では……(「670億」と呼ぶ者あり)670でしたが、その670ではなくて、その前に出した650という規模、この規模が中野区が安定的に今後ずっと運営できる規模であるということを決めたわけでございます。
○山崎委員 それは、その言いわけとしては、石神さん、よくわかるんです。でも、そういうやり方でやったんだけど、結局は合理的な根拠なんかないんですよ、650億というのは。10か年のフレームをつくる、あるいは10か年をどうしても成し遂げるためには、ここで引かざるを得なかったというようなことを僕は言ってほしかった。だけど、もうこのことについて質疑をし合っても仕方がありませんから、先に進みますけど、私は、この10か年の計画を成功させるための財政の見通しのフレーム、これに650億円の線が引かれている、これが基準になって、足らないときは財調をつぎ込んで、この表ですと、平成26年度以降には税収が上がって、歳出がもし650億円以下に抑えられるとしたら、財政調整基金に積んで、このつぎ込んだのと積み立てたお金をうまく利用して10か年の計画をつくっているんだと、こう理解しているんですよ。したがって、この650億円というしっかりとした数字がしっかり守られるかどうかというのが、この10か年が成功するかどうかの喫水線になるんだと、こう思っているんです。いかがでしょうか。
○石神副区長(経営室) 今、委員が言われますように、数字的にはそういう形で読めると思いますが、実際には歳出の中で義務的に行わなければいけない歳出、事業をやらなければいけないわけです。その事業を無視してまで650億に落とせるわけではございませんので、650億という規模が私どもが区民に対してできるサービスということでございます。それをもとにして組んだときに、現在10か年で示したような形で、この25年までは非常に厳しい状況を迎えるわけですが、これまで積んできた財政調整基金、こういったものを使いながら、そこの間を埋めながら十分やっていけるという、今後の10か年で行う事業もその中で取り組みができるという形になったわけでございます。これが、歳入規模がもっと少ない状況を想定せざるを得ない状況になってくれば、当然その中では違った形での見込みを立てざるを得なかったということでございます。
○山崎委員 それはよくわかりますけれども、私も先ほど少し申し述べましたけれども、税収が足らないときに財調をつぎ込んで何とか平準化をしていくというのは、何とか、皆さんは3年と言っているけれども、三、四年でできるかもしれない。実際に本当に難しいのは、650億円という歳入規模を決めた以上に税収が入ったときに、本当に予算が削れるかどうか。これは非常に難しい問題ですよ。(「そんな難しくない」と呼ぶ者あり)いや、そうなんですよ。歳出、お金があるんだもの。それを、歳出を削減して計画的に積み立てるんだという、これはよっぽどの決意を持っていただかないと、この10か年の計画は成り立たないんだなと、私は個人的にこんなふうに思っております。
 それで、この財調基金についての質問を続けますが、財政調整基金、これは年度間調整をされるものとそうでないものと、幾つか性格があると思いますが、この財政調整基金はすべて年度間調整のために使ってもいいという基金なんでしょうか、いかがでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 財政調整基金につきましては、将来需要に的確に対応するためのものとして位置付けられたものでございまして、年度間調整の部分、それから施設改修部分、退職手当部分ということで、その三つの目的を持っているという内容でございます。
○山崎委員 志賀さん、僕はあんまり時間がないんで、ぱっぱっぱっと答えて、年度間調整だけじゃありませんよと、そう言っていただければ、僕も取材を受けておりますのでわかりますけど。そうなんですよね、年度間調整だけには使えないんです。しかし、我が会派の斉藤金造先生が本会議でこの財政調整基金についての御質問をしたんですね。そうしたら、本会議の答弁では、22年度末の財政調整基金の年度間調整枠は130億円であると、このような内容でお答えになっているんですね。そして、実はその後、資料にはないんですが、僕の記憶だけなんですが、しかしながら、23年度以降については、22年度同様の年度間調整を繰り入れることは大変困難であると、こう言われているんですね。少し矛盾をしたお答えなんですね、これは。130億あるよと。しかし、23年度以降は難しいですよと。単純に考えれば、まだ130億あるんだから、23年、24年ぐらいは少なくとももつだろうと、さっき僕は25年ぐらいと言ったけど、40億程度使ったとしたら4年間ぐらいはもつかなというような思いでいるんですが、この130億と今回の答弁なさった、これは年度間調整の枠だけじゃないんじゃないかな。僕はそう思っているんですが、いかがですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 財政調整基金の内訳でございます。年度間調整分といたしまして96億円、それから施設改修分が20億、退職手当相当分が14億円というふうになってございます。
○山崎委員 じゃあ、僕の聞き違いということで、実際には年度間調整ができる、22年度末の財政調整基金の内訳の数字は96億だったということにしておきたいと思います。そうじゃないと前に進みませんのでね。
 それから、起債の活用について若干お伺いをしたいと思います。現在の一般会計、これは用地特別会計も含めてでございますが、現在の起債残高、そして将来は起債残高はどうなっていくのかについてお答えいただけますか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 平成22年度の起債の残高でございますが、用地特別会計を含めますと595億円となっているものでございます。また、10か年計画の第4章でお示ししております23年度が551億円、24年度が490億円、その後の平均といたしまして584億円というふうになっているものでございます。
○山崎委員 今お話しになりました起債残高ですが、今後は550億から、おおむねざっくり600億円ぐらいの間、起債残高が続くと、こういうふうに思っています。一般財源規模、まさしく今お話をさせていただきました650億円というようなものから比較をいたしますと、約85~90%あるんだと、こう思います。私は決して起債をしちゃならんと言うわけじゃございませんが、区としてしっかりとした起債発行についての考え方を持つべきなんだと、こう思っておりますし、先ほども大規模な起債については、施設改修だとか、あるいは大規模な用地取得に限るんだというようなお話がありましたけれども、しっかりとした起債発行についての物差し、区はお持ちなんでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 今、委員お話しのとおり、大規模な施設の改修等に充てられるということを前提として、起債を活用する事業につきましては限定してございます。また、一定程度の制限というところでは、起債を活用する場合には公債費負担比率を10%程度を目安としているものでございます。
○山崎委員 公債費負担比率についてはちょっと後でいきますけど、少し時間を急ぎます。
 起債の必要性については、先ほども申し述べましたように、私は必要であると、このようには理解をしておりますが、しかしながら、将来、起債は、一方で償還や利払いなど、歳出構造を硬直化させて区の財政運営をより厳しくするものと、このようにも一方で理解をしております。起債発行と起債残高に対する管理の指標などは区はお持ちなんでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) まず、公共施設整備や公共用地の取得等という限定されたものへの起債の活用ということから考えますと、負担の公平性、それから平準化といった意味から、現役世代が過去の負担から将来にわたる負担までを担うのではなく、後年度の世代にも相応の負担を求めるのは必然的なものであるというふうに考えてございます。しかしながら、歳出構造を硬直化させると、こういった意味では、起債の活用については慎重でなくてはならないということでございます。先ほどの答弁と重なりますが、起債を活用する場合には公債費負担比率で10%を目安としているところでございます。
○山崎委員 少し重複しますが、公債費比率という物差しを持っていて、皆さんの考え方では。10%という物差しを持っていて、それを超えないように起債についてはコントロールをしますよと、こういうことなんでしょう。しかし、後で少し触れていきますけれども、公債費負担比率は10%を少し超えて数年続きますよね。――続きますよね。以内ではありませんよね。11%とか11.4%とかなんとかと少し推移をしていくんだろうと思いますが、私たちはこのパーセンテージで言われると、10%も11%もそんなに変わらないんじゃないのかなと、こういう思いではいたんですが、うちの篠国昭委員の質問で、1%は60億円に相当すると。1%狂うと、10%で計算したのと11%で公債費負担比率を計算したのでは60億円も違うんだと、こういうことの御答弁が確かにあったと思いますが、これは間違っておりませんか。
○志賀政策室副参事(予算担当) そのとおりでございます。
○山崎委員 それで、その……。答弁。もう一回どうぞ。
○志賀政策室副参事(予算担当) 失礼いたしました。一般財源ベースから見ますと、10%で60億円ということでございます。1%ですと、ですから6億円ということになります。
○山崎委員 一般財源ですと1%で6億円ということで、これはちょっと議事録を見てみますが、僕は、お話のときには60億というふうに思いましたので。パーセンテージだけで指標あるいは物差しを持っていると、大きく間違っちゃうんじゃないかなという思いで質問をさせていただいておりますが、この公債費負担比率の話に戻りますが、この10%というのは本当に安全ラインなんでしょうか。簡単に言ってね。
○志賀政策室副参事(予算担当) はい。22年度以降の起債の活用につきましては、10か年計画で予定していますすべての事業について起債を活用するといった形でのお示しをしたものでございます。結果といたしまして、これが限度としているものでございますので、すべての事業に起債を活用するかどうか、こういったものについてはその時々の状況を踏まえながら歳出構造に影響がないようにしていかなければならないというふうに考えておるところで……
○山崎委員 もう本当に釈迦に説法だけども、公債費負担比率というのは、一般財源で、この元利償還金と減債基金の積立金から繰出金を引いた額を割り返すわけですよね。この指標を見るだけでも、これはパーセンテージだけで物事を考えちゃだめなんだということがわかると思うんです。皆さんもわかっているんでしょう。いわゆるパーセンテージというのは、分母によって大きく変わるわけです。予定した一般財源が入ってこないということになれば、起債残高はそのままでも公債費負担比率はドーンと上がっちゃうんです。それから、大した努力もしない、借金を返していかなくても、一般財源がITバブルのようにボーンと膨らんでいくと、分母がボッとふえますので、公債費負担比率は必然的に下がっちゃう。こういう性格のものなんだ。したがって、10%という物差しは物差しとしてお認めはしたいと思いますが、さらにこの公債費負担比率については、比率だけではなくて、公債費というのは借金ですから、借金に対して何らかの区が管理する指標というものを、物差しというものを持ってもらいたいなと。できれば、数字的なものをどこかで。じゃあ、何なんだと言われても、僕は今すぐここでは答えられませんけれども、そういうものを持ってもらいたい。サラリーマンの人が家を買うときにローンを組みますよ。収入の何%だとかがありますが、結局は自分の年収のどのぐらいなものを買うんだということが数字として頭にないと、何%だから買えますよといっても、なかなか買えないんです、実際には。そういうことがあるので、数値目標については、借金、公債費の数量的なものもどこかで入れていっていただきたい。
 飯島さんの質問でも同じような質問がございまして、数量というようなお話はありませんでしたが、区としての管理する指標を持たないかというような質問だったと思いますが、僕は初めてその答弁の中で、これは沼口さんがおっしゃったと思うんですが、年次会計報告などに報告をして毎年チェックをしていきたいと、こういうことなんですが、年次会計報告というのは僕このとき初めて知ったんですが、こういうものがわかりましたので、こうしたものの中に私が今御指摘をしたような考え方を入れていただけますでしょうか。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) お答えいたします。公債費負担比率、これは毎年の一般財源に占める公債費の割合を中野区独自で見る指標でございます。これに加えまして、発生主義会計の視点から、起債残高、また負債残高全体を管理していくことも必要というふうに考えております。現在、そのような指標を設定していくということを検討しているところでございます。
○山崎委員 ぜひ検討していただきたいと、こう思います。
 それで、公債費負担比率については一定程度を保っているとしておりますけれども、一般会計や用地特別会計のほかに、区ではいわゆる債務負担あるいは債務保証というものを持ってございます。土地開発公社における金融機関からの借り入れについても別枠ということになっておりますので、土地開発公社における金融機関からの借り入れについてはどのようになっているんでしょうか。
○冨永経営室副参事(用地・管財担当) お答えいたします。土地開発公社の借り入れ残高は約103億円ございまして――金融機関から借りている借り入れ残高でございます。103億円でございます。
○山崎委員 22年でしょう、それは。23年は幾らですか。
○冨永経営室副参事(用地・管財担当) 借りかえをする金額がほとんどでございますけども、事業資金の貸付金ということもありまして、総額103億円ということですけども、23年度は98億円と想定してございます。
○山崎委員 そういうことになる。24年は86億なんですね。そのことはもういいですが。それで、一般会計では用地特別会計、先ほど言ったように土地開発公社を含めた、それでは起債の残高、開発公社を含めた起債、これはどのような経過になるんでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) お答えいたします。一般会計、用地特別会計、土地開発公社を含めますと、22年度で698億円、また、23年度では649億円、24年度が576億円というふうになってございます。
○山崎委員 先ほどから問題になっている中野区の一般財政規模の650億円というボーダーラインからすると、それを上回るだけの開発公社を含めた借金を持っているんだ、それが僕は悪いと言っているんじゃないですよ、しかし、そういうものなんだと、こう思っております。それで、区は、そうした開発公社の、ある意味借金というのか金融機関からの借り入れというのか、そういうものとは別に、なおかつまだ債務負担あるいは債務保証――債務保証というのは、いきなり金額にあらわれてこない部分もありますけれども、そうしたものを行っていますよね。――行っていますよね。
○志賀政策室副参事(予算担当) 予算書に掲載してございますが、債務保証等も行っているものでございます。
○山崎委員 もちろんこうした債務保証については、新規分で、予算書を見ると16億円、継続分で178億かな、というのがあるんですね。もちろんこれも公債費負担比率という中には入ってこないんでしょうね。
○志賀政策室副参事(予算担当) 公債費負担比率の中には計上してございません。
○山崎委員 したがって、先ほど公債費負担比率という基準で借金をしていくんだというような御答弁があったけれども、その後について前向きな御答弁がありましたけれども、こうした問題も含めて、区が借金をするについての安全性というのをしっかりと考えてもらいたい、こう思っているんですが、安全性についてはどのようにお考えでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 債務負担行為の支払い限度額につきましては、債務負担行為を設定いたしました翌年度以降の予算に対し、資金調達のための支払いの限度額を予約したわけですから、その分、翌年度以降の歳出構造を抑制しなければならないものでございます。また、各事業部におきましては、当然これを加味した上で翌年度以降の予算編成に対応してくるものですので、問題はないものだというふうに考えております。しかしながら、民間事業者に対します建設依頼をして整備をいたしました施設などにつきましては、長期の債務負担行為を設定してございます。そういった意味では、資金借り入れの予約をしているということでもございますので、慎重に対応していかなければならないと、このように認識してございます。
○山崎委員 慎重に対応していくのは予算課じゃないんですよね、各事業部なんだ。今、志賀さんがおっしゃったことは後ろの皆さんに言うべきお話なんですね。事業部の皆さんがこうした債務負担、債務保証、そういうものをしっかりと頭の中に入れて次年度以降の予算編成をするときに歳出構造をしっかりと抑制していかないと、こういうものが公債費負担比率のほかにのしかかってきて、事業がしっかりできないと、こういうことだと私は理解をしておりますので、その後ろに座っている事業部の皆さん、しっかりと、予算課が悪者になって嫌なことをお話しになったと、勇気を持って、思いますので、この意を酌んでいただいて、次年度以降の事業部の予算編成についてもしっかりと守っていただきたいと、このように思います。結構です。
 それで、最後にこの項の質問でお話をしますが、鳩山総理は衆議院の予算委員会等々で「平成の脱税王」と、こう呼ばれております。新宿の与謝野馨さんがおっしゃって、うまいことを言うなと、こう思いましたけれども、翻って中野区につきましては、今も何回もやりとりをしましたけれども、用地を買っちゃならんよというわけではございませんが、計画的に物を進めていかないと、公債費負担比率には乗っかってこない開発公社、債務負担行為、債務保証、もろもろあって、結局は持っているものまで売らないと何とかならないと。土地を一方で、出たものを買う、これは計画があって買うんだから区長さんは欲しくなるでしょう。しかし一方で、今使っているものを売らなくちゃならんと、こういうようなことにもなりかねないと、こういうことでありますので、将来に向かってはしっかりと今話をしたような財政運営をしていただきたい。23区で「不動産王」なんて言われるようなことのないように、ぜひとも計画を持ってやっていっていただきたい。不満そうな顔をされていますけれど、御答弁ありますでしょうか。
○田中区長 ずっとお話しされていましたので、あんまりひっくり返すようなことを言ってはだめなんですけど、公債費負担比率の中には、土地開発公社で買ったものを、要するに事業化して買い取るという、そこの起債の分も全部入っていますので、公債費負担比率があそこから出てきているよりも大幅に上がったりというようなことは今の時点では想定されません。また、事業化に伴って起こす起債ですので、そういった起債には財調で算定される需要額というものもありますので、その分が丸々一般財源に対する負担になっていくと、いわゆる独自財源に対する負担になっていくというものでもありません。したがいまして、10%~11%の範囲ということで健全にやっていけるということでやっております。また、土地も使っているものは売りません。使わなくなってから、目的がなくなってから売るんだということでやってまいりますので、十分今の質疑を忘れないように肝に銘じて財政運営していきたいというふうに思っています。
○山崎委員 区長にそれだけ言われちゃったので、僕も反論を少ししなくちゃならないんですが、一つ、財政調整交付金のことなんですが、財調で面倒を見てくれる、財産費で入ってくるというようなことのお話だったと思いますよ、今、区長のお話ですと。それはそのとおりですが、しかし、財調財源そのものが、少し後で出てきますけれど、落ち込んで、都税収がドーンと落ち込んでいる中で、幾ら財産費を100%算定しても、全体のパイが少なくなってくれば、当初予定をしていた財産費の金額そのものはなかなか入ってこないんだろうと。私はこんなふうにも思っているんです。あるいは、このことが何とかなるよというようなお話かもしれませんが、財政というのは、区長、何があるかわからないんですよ、本当に。そういう意味では、基準を超えてこのようなイレギュラーな場合についても算段をしているから大丈夫なんだというふうにおっしゃいますが、それじゃあ事故なんて起きないですよ。アポロは落っこちない、絶対落っこちない。しかし、やっぱり現実は落っこちるんです。あの世界の粋を集めたロケットだって落っこちちゃうんですよ。これで大丈夫だなんていうものはありませんので、反論をしておきます。
 それで、これは最後ですが、区民の暮らしを守り、将来にわたって持続可能な豊かさをつくり上げていくためにも、しっかりとした財政見通しを図り、適切な基金の活用、そして起債活用を進め、債務負担行為などによる財政への影響もしっかりと認識をし、さらに国や都の補助金をはじめとした特定財源をしっかりと確保して、税収の確保なども図りながら健全な財政運営をお願いして、この項の質問を終わります。
○志賀政策室副参事(予算担当) 失礼いたしました。答弁訂正をさせていただきたいと思います。私、先ほど委員のお話にございました、年度間調整分130億の内訳のお話を差し上げましたけれども、区長が本会議におきまして御答弁差し上げましたのは、21年度末をもって見込んだ年度間調整分が、全体枠、財政調整基金では180億円ございました。それを22年度の予算を編成するに当たりまして、50億円の取り崩しをしてございます。こういった意味では、130億円といったものが正しいものでございます。
○山崎委員 少し急ぎます。それでは、地方分権改革の推進について、何点かお尋ねをします。
 このお話は昨年の第3回定例会あるいは第4回定例会、もっとさかのぼれば、僕は平成6年に区会議員になったんですが、その翌年に特別区制度改革特別委員会という特別委員会がございまして、近藤さんのお父さんが委員長をやられていまして、私、すぐ副委員長にしていただいて、そのころから、国に言われたからやるんだ、都から補助金が来るからやるんだというんじゃなくて、中野区がみずから物を考えて、みずから自治ができるような分権の時代が必ず来る、そのときに困ったな、何にもできないということのないようにということで、議員活動のライフワークとして、16年この問題に取り組んできたところでございます。
 それで、昨年の質問の中で、国と地方の協議の場を設けて作業グループを組織し、協議を重ねていくと、こういうことについても御紹介をさせていただいたと思います。忘れていらっしゃる方がほとんどだと思って残念でございますが。それで、その続きを今日はしたいと思います。実務的などんな検討が作業グループの組織をつくるに当たってされているのか、もう時間がありませんので簡単に御説明いただけますか。
○田中政策室副参事(企画調整担当) お答えを申し上げます。国と地方の協議の場につきましては、国と地方で構成される実務検討グループが法制化に向けて検討を行ってございまして、「国と地方の協議の場」に関する制度案の骨子(案)という形でまとめられてございます。その中におきましては、設置の目的といたしまして、地方自治に影響を及ぼす国の政策につきまして、関係大臣と地方六団体の代表者が協議を行うことにより、地域主権改革の推進を図るとともに、国及び地方公共団体の政策の効果的かつ効率的な推進を図ることとされてございます。続きまして、その構成でございますけども、まず国側につきましては、内閣官房長官を議長といたしまして、地域主権推進担当大臣、総務大臣、財務大臣、その他内閣総理大臣が指定する大臣が参加をするとされてございます。また、地方側でございますけども、地方六団体の代表各1名が参加し、副議長を互選するということになってございます。また、内閣総理大臣につきましては、正規の構成員ということにはならないということでございますが、いつでも協議の場に出席し発言をすることができるとされてございます。
○山崎委員 今の田中さんの御説明ですと、構成員の中に、もう一度確認をしておきます、内閣総理大臣は入らないと、こういうことですか。
○田中政策室副参事(企画調整担当) 正規の構成員としては入らないというふうにされてございます。
○山崎委員 この地方と国の協議の法定な場というのは、地方主権戦略会議の座長を総理が務めていること、地方分権推進委員会の第三次勧告では、首相が構成員とされていることから、明らかな後退ではないかと、こういう声がさまざまな新聞に書かれているんですが、これは地方と国が対等の場で話をしますよということに関して、公約違反ではないのかなと、こういうような見解もございますが、区長の御見解をお聞きします。
○田中区長 公約違反というものをどうとらえるかは別にして、やっぱり対等の場というからには、総理大臣も当然メンバーとして入ってこなければ対等でないというふうに思うわけでして、姿勢を疑わざるを得ないと思います。
○山崎委員 区長会は地方団体側でありますので、当然そのような思いになられているんだろうと思いますが、残念ながらこの協議の場については、都政新報等々を見ますと、地方六団体側は不満に思っている、区長と同じように思っているんですよ。しかし、対等でないから総理は来ないんだ、官房長官がやるんだと、こう言われても、残念ながらこれを認めざるを得ない。まさしく発足をした第一歩から地方がないがしろにされている協議の場ではないかなと、私はこう思って大変残念に思っております。そうした地方と国の対等な協議の場というものをつくると、こういうことでございますが、地方自治に影響を及ぼす国の政策の企画及び立案並びに実施については、関係大臣と地方六団体の代表が協議を行うことと、こういうお話をしているんですね、座長は、総理がいませんけれども。しかし、残念ながら地方自治に甚大な影響を及ぼすさまざまな国の政策が地方の協議の場を経ないで勝手に決められていると、こう思っております。その代表的なものが子ども手当の財源措置なんだと、こういう思いで、私どもの吉原宏議員が一般質問で答弁を求めたところでございます。
 この視点に立って、子ども手当について数点お伺いをしたいと思います。まず、この子ども手当について、来年度の区の負担は本会議質問で2億2,000万円と聞いておりますが、満額支給をされる23年度以降の区の一般財源の負担はどのぐらいになりますか。
○浅野子ども家庭部副参事(子育て支援担当) お答えいたします。23年度以降の満額支給に関します国の方針というのはまだ示されてございません。しかしながら、もし仮に今年度の平成22年度におけます子ども手当の支給に関する法律案そのものが仮に継続されたとして試算しますと、23年度につきましても、今回お示ししたのと同様の2億2,000万の負担はかかってくるというふうに考えております。
○山崎委員 23年度以降については、これは22年度が単年度法なんですね、法律が。皆さんが補正を出されてきた法律そのものが22年度限りということなんで、それから以降の制度設計が全くわからない中で推定としてお話をいただいたんですが、そういう意味では、23年度以降、地方自治体の財源にどのぐらいこの子ども手当が圧迫をしてくるかということについては注視をしていかなきゃならんなと、こう思っております。
 少し質問をはしょります。そういう意味で、国が子ども手当についてどのぐらい財源を確保する、子ども手当についてどのぐらいな財源を見越しているのか、これは資料請求をさせていただいたんです、僕が。文教66で資料要求をさせていただいて、国の一般会計、先ほど衆議院を通りましたけれど、参議院に送られましたけれど、92兆2,992億円。これは単位が億ということで、僕らは単位が千円なんだけども、これは単位が億というんでなかなか読みにくいんですが、この政府の全体の歳入の中で税収が37兆円余、税外収入、これは特別会計もろもろ、単年度に入ってくるお金だと思いますが、これが約10兆円ほど、そして公債金、先ほども触れましたけれども、これは国の借金だと思いますが、これが43兆円、こういうことになっておりまして、子ども手当についての財源がこのうちのどれから入るかはわかりません。お金に色がついているわけではありませんのでわかりませんが、右側の歳出の一般歳出のうちの子ども手当というところを見ますと、1兆5,128億円と、こういうことで、1兆5,000億円程度、左の歳入から歳出をされると、こういうことでいいんですよね。
○浅野子ども家庭部副参事(子育て支援担当) そのとおりでございます。
○山崎委員 そういう視点に立つと、細かい数字は文教委員会でうちの同僚議員がさせていただくといたしまして、今回の子ども手当の財源については、とても僕たちは不安なんです。というのは、一般財源が92兆円余りある中で税収は37兆円しかないんですよ。比率にすると、約、これも本当に大ざっぱだけれども、92兆円の約半分は借金、お金を借りて何とかする、そして1割、10%は単年度の予算、特別会計からさまざま返してもらったり日銀からの納付金や中央競馬会からの納付金なんかを充てて、いわゆる埋蔵金等々の単年度による歳出が10%、それで、残りの40%だけが来年度の税収なんだということを考えますと、この子ども手当については、給付はするけれど借金が半分以上入っておりますので、考え方を変えれば、子どもが大きくなったときにこの借金を返すんだ、こういう見方もできると思いますが、いかがでしょうか。
○浅野子ども家庭部副参事(子育て支援担当) 今回の子ども手当につきましては財源的な問題がまだ何も示されてございません。その中で、今、委員御指摘のようなことをはっきりお答えすることはなかなか難しいなと思いますが、私どもの立場といたしましては、やはりそういった財源的なものは明確に国のほうから示していただきたいというふうには考えております。
○山崎委員 まあ、それ以上のことは、国会議員ではありませんので、私たちも注視をして指摘をしていきたいと思います。
 それで、最後にこれは区長にお尋ねをするんですが、私も議運の委員長という立場でなかなか聞きづらいんですが、区長の所信表明あるいは施政方針演説、さまざまお伺いをすると、この国と地方の問題については、先ほどの答弁でもございましたように、なかなか地方がないがしろにされているなと、子ども手当の財源についてもそういうお気持ちがあるのかなと。神奈川県でしたっけ、どこかの首長も、うちはやらないんだというようなことを……(「松沢知事」と呼ぶ者あり)松沢知事なんかもそんなことを言われていて、うちの区長も、お気持ちとしては同じようなお気持ちなんだろうなと思っているんです。勝手に僕は思っているんですが、しかし、議案を出されたのは区長さんなんですよね。通してほしくないなと思いながら通してくださいと。一方で、同じ人がそういうお気持ちで議案を提案なさっている。このことに多少、私たち自由民主党はとまどっております。区長の本当の真のお気持ちになれば、私たちは議決権をもって、そんなにお苦しみの制度であれば、反対をしてあげようと。一方で、反対をした結果、これは冒頭にも言いましたけれども、議員マターの話になりますが、さまざま法的な法定受託事務ということで、なかなか議会がノーと言ってもそうはいかないというような側面がございまして、私たちも非常に、区長、苦しんでいるんですね。そのことだけ区長にわかっていただいて採決の日を迎えたいと、こう思っています。御答弁をいただきますと、また……(「問題になるから」と呼ぶ者あり)問題にもなりますし、逆襲もされますので、そこまででとどめておきます。
 それから、少し都区制度の問題についても、実は質問をしたくて用意をしたんですが、若干時間がないということで、都区制度改革については、地方財政の偏在性について、あるいは東京富裕論、ひとり勝ち論等々について、違う場で触れさせていただきますので、御理解をいただきたいと思います。
 最後のその他の質問で、1点質問をさせていただきます。
 退職した職員の民間企業への再就職の是非に関する質問がございました。一般質問では、職員が区に在籍中、その職務に密接に関係する民間企業等への再就職の自粛が問われているようで、ここ数年、どのような職員がどの民間企業等へ再就職したのか、簡単に実績を教えてください。
○尾﨑経営室参事(人事担当) お答えいたします。平成19年度末の退職では、区民生活部環境公害担当係長が財団法人東京ケーブルビジョンに、それから平成20年度末退職では、拠点まちづくり推進室長が建築確認検査機関等であります日本ERI株式会社に、それから経営室経営担当係長が中野区国際交流協会に、さらに、保健福祉部食品衛生担当係長がスーパーマーケットであります株式会社Olympic及び社団法人東京都食品衛生協会に再就職しております。
○山崎委員 問題になったこの民間企業への再就職の趣旨については、私もそうだと思います。区の職員が一定の要綱に定められた以外に民間企業に行って、その職責にいたときの経験をもとに入札あるいは契約に関与すると、こういうのはもってのほかだというふうに思っております。今、御提示いただいたケーブルテレビ、ERI、もろもろ、それが相当するのかどうかは個別案件ですので私も調べてございませんが、ただ1点気になったのは、国際交流協会になぜ再就職をするときに自粛が必要なのかなと。国際交流協会というのは、仕事の内容は、文化交流の促進を区ができない部分を補完して、民間ではできない、営利団体ではできない部分をしていくのが実は仕事なんだろうなと、平たく言えば私はそう思っているんです。しかし、そこになぜ再就職を自粛させるのかなと、こう思っているんですが、自粛をさせているという事実はあるんですか。
○尾﨑経営室参事(人事担当) ちょっと背景的なことで御答弁させていただきます。中野区職員の民間企業等への再就職に関する要綱、今御紹介がありました。それとともに、区が積極的に人材支援を行う団体について、これを別途定めておりまして、これが中野区が人材支援を行う法人等への中野区職員の再就職に関する要綱というものがございます。その第3条に、人材支援を行う団体を中野区社会福祉協議会、中野区シルバー人材センター、中野区障害者福祉事業団の3団体としております。今御質問にありました国際交流協会につきましては、区が運営補助をしておりますけども、ここの協会につきましては、当初、民間から有能な人材の確保等が独自に可能であるという判断に基づきまして、他の民間企業等と同様に、職務に密接に関連した再就職を自粛する団体となったところでございます。
○山崎委員 何だかよくわからないんですが、少し具体的にお聞かせをいただきますが、要は、尾﨑さん、この国際交流協会に再就職をした職員あるいはさせた国際交流協会に瑕疵はあるんですか。
○尾﨑経営室参事(人事担当) 瑕疵というものはございません。自粛の要請というようなことでございますけれども、そういう再就職をした場合にも報告書を上げていただいて、一定の、例えば契約活動等については従事できないなど、そういうような規定を設けております。それで、そういう意味で、現職の職務に密接に関連する民間企業等であっても、再就職した場合の規定が設けられておりますので、その雇用関係については瑕疵があるというものではございません。
○山崎委員 わかりました。問題がないという御見解であったと思います。少し話が横に飛びますけれども、国際交流協会、大変な仕事を私はしていると、こう思っています。先ほどもお話をしましたけれども、区の区政目標に従って国際交流協会は動かれている。国際交流協会は勝手に区が目標としない仕事はしないんだと、私はこう思っておりまして、我が会派の斉藤金造幹事長からも、こうした点について本会議で、陽川区あるいは西城区について、これからも民間交流をちゃんと進めていくんでしょうねと、こういう質問をしましたが、大丈夫でしょうね。
○尾﨑経営室参事(人事担当) 我々の目標体系の中にも、平和・人権・国際交流、そういったものがございます。区政目標に明確に掲げられております。国際交流は区の基本的な目標になっております。
○山崎委員 ――――(発言取り消し)―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  それから、まだ16分あるので、もう1点だけ。それから、国際交流協会についての質問は閉じてしまいましたので、やめたいと思いますが、こうした国際交流協会への職員の再就職について、さまざま意見があるのはいいと思います、僕。いいとか悪いとか、いいと思いますが、相手があること、退職された職員あるいは御家族がまだ職員の中にいらっしゃったりすると、やっぱり傷つくということもございますので、言論は自由なんだ、何を言ってもいいんだというものじゃなくて、せめて記事にしたりするときには、交流協会に行って取材をなさったり、御本人に取材をなさったりして、デリケートな扱いをしていただきたい。これは区議会議員の側のお願いですので、よろしくお願いをします。
 それでは、最後の質問をしたいと思います。これはもう簡単に、14分ありますので、すぐ答えられると思いますが。せんだって自由民主党議員団で箱根の研修会に行ってきまして、さまざまな部分についての勉強をしてまいりました。そこで、大変おもしろい話を聞かせていただきました。それをそのまま引用させていただきます。
 「今、インターネットでは、永田町に舞う『謎の鳥』と題する話が注目を集めているそうです」と、こういう文章から入るんですね。「日本には『謎の鳥』がいる。正体はよくわからない」。正体はよくわからないと。「中国から見れば『カモ』に見える。アメリカから見れば『チキン』に見える」。アメリカは「チキン野郎」ということで、軽蔑をしたような言い方をするという意味なんだと僕は思いますが。「アメリカから見れば『チキン』に見える。ヨーロッパから見れば『アホウドリ』に見える」。本当に恥ずかしいですが、アホウドリにまでなっちゃったんですね。そして、「日本の有権者には「サギ」に見える」というんだ。続いて、この後が傑作なんですが、「それでも、鳥自身は自分で『ハト』だ『ハト』だと主張をしている」と。こういうふうに連綿と続くんですね。そして、最後は、「私はあの鳥は日本の『ガン』だと思う」という心で締めくくられているんです。なかなかユーモアがあって、そして的確に今の世相を表現しているなと、私はこう感じました。翻って、区長は文学部ということなので、こうしたことについての造詣はあると思いますが、ただ、区長はフランス文学で、日本文学についてはあんまり得意じゃないかもしれませんが、最後に、このインターネット上の問題について、御見解をお聞かせいただきます。
○田中区長 特に感想はございません。
○山崎委員 感想ですから、感想ぐらいは本当はお聞きをしたかったんですが、そうはいっても、区長さんもことし選挙を戦うということで、超党派で選挙をやってほしいというようなお気持ちがどこかであるのかな、苦しい立場なんだなと、こういうことが反映をしてコメントがなかったと、こう理解をします。
 以上で私のすべての質問を終わります。
○いでい委員長 以上で山崎芳夫委員の質疑を終了します。
 次に、白井秀史委員、お願いします。
○白井委員 もうおはようございますがこんにちはでしょうか。皆さんこんにちは。公明党の白井秀史でございます。実は、この場に立つのは議員になりまして本日2回目です。久方ぶりといいますか、初当選させていただきまして、平成20年の第1定で総括をやらせていただいて以来、それまでは大体一般のほうの一番手でかませ犬のような雑多の質問をずっとやっておりましたので、そのときも申しましたが、非常に緊張しながら本日質疑をさせていただきたいと思いますので、どうか本日はよろしくお願いいたします。
 初めに、1番と2番についてなんですけども、平成22年度財政運営についてと、それから2番の補正予算について、実は先ほど山崎委員のほうから御質疑がありましたけれども、実はかなりかぶるところがございまして、先生のように深い見識や洞察はないんで、ちょっと舌足らずな質問になりますけれども、ちょっと後追いのような質問になるようなところもあります。御了承いただければと思いますので、よろしくお願いします。
 では、午前中、できるところまで進みたいと思います。それでは初めに、1番目について、平成22年度予算案と財政運営についてお伺いしたいと思います。財政運営については、今後の財政運営というスパンでお聞きしたいと思います。
 これも既に山崎先生のほうから御質疑があったところなんですけど、年度間調整についてまずお伺いしていきたいと思います。平成22年度財政調整基金からの繰入金56億円余があります。この年度間財源の調整に繰り入れた額は幾らでしょうか、お伺いいたします。
○志賀政策室副参事(予算担当) お答えいたします。施設改修、それから職員の手当にかかわる分もございますので、年度間の財源調整といたしましては、50億円余の繰り入れをしたものでございます。
○白井委員 基準となる一般財源規模650億という先ほど来のお話がありました。650億まで足りなければ、それを調整基金から繰り入れますよと。超えていると、本来は積み上げなきゃならない部分なんですけども、この50億円余、超えている部分というのは幾らになるんでしょうか、お伺いします。
○志賀政策室副参事(予算担当) 財政調整基金からの繰り入れにつきましては、施設改修の分として3億円、退職金見合いとして3億円、合計6億円でございます。
○白井委員 そうではなく、先ほどの御答弁だと、650億を超えて繰り入れた38億ですね。56億円のうち、650億に足りない分が18億、650億を超えてなんで、上の積み上げた部分が38億円と、こういうふうになると思うんですが、いかがでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 失礼いたしました。38億円でございます。
○白井委員 ありがとうございます。そうすると、本来の650億で繰り入れますよと言っていた部分が18億、それの倍以上の額が、38億が本来本当の意味では財調に今度は繰り入れなきゃならない部分なんですけども、ここから引き出していることになります。そうすると、この650億円というのは、基準となる一般財源規模、こう言ってきたにもかかわらず、この言葉自体が反故になるのではないかと思いますけれども、この点いかがでしょうか、お伺いします。
○志賀政策室副参事(予算担当) 基準となります一般財源の規模に対しまして、財源が不足した場合に基金の繰り入れを行うというのが基本でございますけれども、この間の急激な一般財源の減少に対応するために、50億円余の基金を繰り入れたものでございます。これにつきましては、財政規律をみずから反故にするものではないというふうに認識しております。
○白井委員 続いてのものも先ほど山崎先生が既にお聞きになっているんですけれども、23年度以降では、今回はあえて臨時的といいますか、過渡期にあるため、臨時的対応として不足分以上を繰り入れましたよとお話しなんですけれども、本格的に切り詰めていくと言われている23年度以降、同じように繰り入れるようなことをなさるんでしょうか、お伺いします。
○志賀政策室副参事(予算担当) 本会議で区長が御答弁いたしましたが、今年度以降3年間程度は大変厳しい財政運営が続くと思われるんですけれども、22年度と同規模な財政調整基金の繰り入れにつきましては、23年度以降行うことは困難だというふうに考えております。
○白井委員 そうすると、もともとの財政支出の部分、一般財源規模のほうですね、事業ベースを見直していかなきゃならないとなるんですけれども、具体的にどのように23年度以降、あえて切り詰めていく、こういう御手段があるのでしたらば、お伺いいたします。
○志賀政策室副参事(予算担当) 全庁的な取り組みといたしましては、歳出を歳入に見合う形に切り詰めるということで全庁的な見直しをもって取り組む形のものを形成して、財源を650億円に近づけていくと、そういったものでございます。
○白井委員 全庁的なもの、本会議のほうでも区長が御答弁なさっておりました。具体的なそれ以上の踏み込んだ今考えておられる手段はあるのでしょうか。あえてお伺いいたします。
○志賀政策室副参事(予算担当) 現在考えてございますのは、まだ組織についての御説明等はこの委員会においてしておりませんが、予算書をごらんいただければわかるんですけれども、今度、管理改善という組織を予定してございますが、その中で財政的な構造そのものを見直していくといった組織となるように考えてございます。
○白井委員 実は、21年度予算の詳細の部分と22年度の詳細の部分をコピーしたんですけども、科目の目が変わっております。今、多分その辺のお話の部分だと思いますけども、管理会計費、22年度、管理改善費と入っているんですが、21年度は評価改善費というところと、それと経営分析費というふうに載っていました。これを見ると、経営分析費と評価改善費が統一されて管理改善費一本、22年度はもう既に予算が細かく組んであるんですけども、この点、組織の再編を行うということでよろしいんでしょうか、お伺いいたします。
○尾﨑経営室参事(人事担当) 委員御指摘のとおりでございます。平成22年度の組織改正においては、管理会計室の機能強化を図るため、評価改善分野と経営分析分野を統合いたしまして、管理改善分野とすることを予定しております。
○白井委員 詳細の制度設計だとか、どういうふうに組織改編するか、まだこれから検討段階にありますか。
○尾﨑経営室参事(人事担当) この二つの分野を統合いたしまして、それぞれ今までやってきた業務、そういったものを一体的に行うことにより、厳しい経済状況下のもとでも行政需要にしっかりこたえられるような体制の強化を図ってまいりたいというふうに考えております。
○白井委員 所管の委員会のほうでしっかり議論をお願いしたいと思いますけども、あえてまだ細かい、全庁的なというお話があったんですけれども、実はこういうところで組織改編をやった上で、ここがコントロールする場所になるのかなというイメージだったんで、あえてお伺いをさせていただいたところです。詳細につきましてはまた別途お伺いしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 もう一度戻しまして、23年度以降切り詰めた予算編成で複数年を乗り切りますよというお話が出ています。そうすると、22年度というのは、あくまでも過渡期なので臨時的な対応をしましたという予算なんですけれども、ちょっと二択な言い方で恐縮ですが、切り詰めたんだけども切り詰められなかった予算編成と言えるのか、それとも、あくまでも緊急対応だったので、財政出動型と言ってしまっていいのかわかりませんけども、どちらの予算に偏っているというふうな評価になるのでしょうか、お伺いいたします。
○志賀政策室副参事(予算担当) 22年度の予算編成は、何度も御答弁差し上げておりますが、大変厳しい財政状況下での予算編成となったことから、財政状況の共有、それから部間の均衡を保ちながら事務事業の見直しと経費の精査を徹底したものでございます。
○白井委員 それでは、ちょっと質問の角度を変えて、次は用地の売却についてお話をお伺いしていきたいと思います。22年度売却予定資産はあるのでしょうか、お伺いいたします。
○冨永経営室副参事(用地・管財担当) まだ売却時期を決めたわけではございませんで、売却の時期につきましては、先日本会議で御答弁申し上げましたように、不動産市況だとか国内景気動向を見きわめながら適切に判断いたしまして、売却予定資産につきましては着実に売却してまいりたいというふうに考えてございます。
○白井委員 用地はありますかというのに、売却時期まで話が走ってしまったんですけども、恐らく、今のはあれですかね、既に10か年の案の中でお示しになっている売却予定施設があります、だけど、それは具体的にまだ売れるという保証がついていないとか、契約がないところで、あそこがリストですよ、そのリストをこれから売却していくつもりなんですけれども、まだいつかはわからない、こんな解釈でよろしいんでしょうか。あえてもう一回お願いいたします。
○冨永経営室副参事(用地・管財担当) 10か年でお示ししたリストはございますけれども、まだ売却時期については決めていないということでございまして、ただいま委員の御指摘のとおりでございます。
○白井委員 そうすると、22年度、売れるものなら売ってしまい土地ってありますか。
○冨永経営室副参事(用地・管財担当) できるだけ条件が整い次第、できるだけ高い価格で売りたいというふうに考えてございます。
○白井委員 これはじゃあやめておきます。適時適切なタイミングでと、区長も本会議の答弁でおっしゃっていましたので。この土地売却による収入部分というのは、一般会計を通さずに基金へ積み立てる、これは直接可能なんでしょうか、お伺いします。
○志賀政策室副参事(予算担当) 先日、市川委員からの御質問に答えましたが、歳入歳出の一切は必ず予算に計上することということが地方自治法に定められております総計予算主義の原則でございます。一般会計を通さないことは不可能でございます。
○白井委員 そうすると、売れました、1回お金を基金に積み上げるために補正予算を組むと、こんな形になるんでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 売却収入の歳入、それから基金の積み立ての歳出ともに、議会に対して補正予算をお願いするといった内容でございます。
○白井委員 用地売却の、大規模の計画変更、入りと出という見方なんですけども、用地売却を優先します、もしくは出の部分での大規模な計画変更をします、どちらか択一でと言われたら、どちらが優先になるんでしょうか。入りを優先するのか出を優先するのか、お伺いします。
○田中政策室副参事(企画調整担当) 売却に当たりましては、先ほども御答弁させていただきましたけれども、市況の動向を見ながら適時適切に行いまして、収入の確保に努めていくということが基本方針でございます。特定の用地が売却できなかったから計画ができないというものではないというふうには考えてございますけれども、今後の状況もございますので、現時点でどちらが優先とかいう考えではございません。基金や起債の活用を行いながら、財政の体力に合わせながら取り組みを計画的に進めていきたいと、このように考えてございます。
○白井委員 質問した意図は、山崎先生もおっしゃっていましたけども、基金の中で、少なくなってきますよ、そのときに土地の売却をある程度当て込んでいる部分もあるんでしょうと。そうしたときに、もう売らなきゃいけないんですよとなるのか、いや、そこはもうとにかく凌いで、一方で計画のほうを見直しますよ、どちらかですか。まあ、択一ではありません、確かにほかに資金繰りもあるんで。というところでお伺いしたところです。適切なタイミングで一番いいときに売れて、何の問題もなければそのままスムーズに計画が実行できる。仮のリスクであえてお伺いをさせていただきました。
 次に、今度は収入面のほうのお話、どうやって歳入を確保していくのかなというお話をしたいと思います。国保については、我が会派の飯島委員の質疑がありました。私のほうでは、もう一方の住民税の収入率についてお伺いしたいと思います。特に過年度分と言われる滞納繰越額についてお伺いいたします。平成21年度の住民税の滞納繰越額について、収入率と目標金額は幾らでしょうか。また、その見込みは今幾らとなっているのか、お伺いいたします。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 今年度の特別区民税の滞納繰越分の目標収入率は20%でございまして、目標の収入額は5億110万1,000円となっております。それで、この特別区民税滞納繰越分につきまして、21年度決算時の収入率でございますが、およそ22%程度になるというふうに見込んでございます。仮にこの収入率を達成いたしますと、収入額につきましてはおよそ5億9,800万円程度になるというふうに見込んでございます。
○白井委員 非常に大きい金額になっているなと思います。ちなみに、平成22年度予算では、目標22%の収入率となっていますけれども、このままいくと、あとまあもう少しなんで、ほぼ22年度目標を達成したという形に言い切れるんじゃないかと思います。20年度がたしか20.8、22年度が幾つだったかな、2%ずつ増加で、来年度は本来であれば、現状もう22まで来ているとなれば、22年度、本来の目標は22%なんですけども、現状もうそこまで届きそうですよというのであれば、上方修正及び目標修正も可能なのかなと思います。ちなみに、22年度からは税滞納整理支援システムというのがいよいよ稼働するともお伺いしております。この収入率のアップについて、どのぐらいまで目標修正、上方修正するという決意があれば、お伺いしたいと思います。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 今年度につきましては、来年度、滞納整理支援システムを導入するということを見越しまして、仕事の進め方を見直し、的を絞った滞納整理ですとか進行管理の徹底などにより、現時点では特別区民税の現年度分及び先ほどお話のありました滞納繰越分ともに、昨年度の収入率を上回る見込みでございます。来年度につきましては、滞納整理支援システムの導入によりまして、滞納案件の抽出ですとか進行管理などが容易になります。それによりまして、より戦略的な滞納整理が可能になるというふうに考えてございます。目標につきましては、さらに上回るように職員一同一層努力しまして、税の公平性を保つとともに、区の歳入を確保していきたいと考えてございます。
○白井委員 無理な取り立てをやっていると、こんな話じゃなくて、現場のお話を聞いていると非常に丁寧に丁寧に対応なさった上で、少しずつ収入率を上げているというお話を聞いております。そういう部分では、今、青山さんになってから収入率がぐっと上がってきているというお話も聞いているんで、一層の御努力をお願いしたいなと思いますし、先日の国保のほうは苦戦しているもので、担当副参事は大変でしょうけども、ぜひそちらのほうも、ぜひ平等の関係から、逃げた者勝ちだとか払わなかった者勝ちだと、こういうのを放置しておくわけにはいかないんだという観点から、取り組みをお願いしたいと思います。
 ちょっと視点を変えて、中野区の財政について、かつて中野区も財政難の時代があったというふうにお聞きします。本当に厳しい中あらゆるものを切り詰めてきたんだというふうに聞くんですけども、その当時、中野区、一番厳しかった時代を迎えて、より今回の財政難に近づいているという御指摘もあったところです。前回の財政難のときから立ち直ってきた中野区で、一体どのような分析をなさって、何が原因であったのか、そしてその原因から何を教訓として現在に至っているのかというのを、あえていま一度お伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) お答えいたします。かつて中野区は平成11年度決算におきまして、経常収支比率が100%を超えたこともございました。これは、人件費、公債費、扶助費などの経常支出が歳入規模の縮小に見合って縮小できなかったこと、こういったことが原因であるというふうに認識してございます。したがいまして、健全な財政を維持するためには、公債費などの義務的経費の比率を一定に抑えると同時に、歳出を一般財源規模に見合ったものにするということが必要であるというふうに考えてございます。
○白井委員 具体的にどうやって抑えていくのかという話が出ました。山崎先生からも質疑があったんですけども、私も中野区独自として、その経験からどうやっていま一度厳しい、よりハードルの高い指標を置くのか、こういうのを定めたらどうかという御提案をさせていただこうと思ったんです。私も同じで、具体的にこの数字を置けというのはなくて、区独自で考えておられる、今検討しているという先ほどお話があったところなんですけれども、もう一度繰り返しで恐縮ですが、区独自の分析をやった上でどのような指標を置くつもりなのか、御検討をされているのか、いま一度お伺いします。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) 現在、中野区は基準となる一般財源規模を650億円とすることや、公債費負担比率を区独自の指標としてございます。それに加えまして、発生主義会計の視点から、経常経費であるとか起債総額を管理する指標の設定なども検討しているところでございます。
○白井委員 次に、財政調整基金のお話にもう一度戻ります。この基金の活用については、ステップではなくて、いわゆる年次による10か年財政フレーム、こういうふうに見ることが本当は一番細かくなるんだろうと思います。なかなか経済見通しが立たないだとか、先のことは難しいというのはあるんでしょうけども、年次に直すと、いつのタイミングで、後ろのほうにぶら下がっているのは31年までがかなり幅が広いです。どこでタイミング的にマイナスになるのかというのはわかりません。年次に直すと、何年が本当の意味でのマイナスになると予測できるのか、また、22年からはこの10カ年間の繰り入れと積み立て額、積算できるのであれば、お伺いいたします。
○志賀政策室副参事(予算担当) 新しい10か年計画の中でお示ししましたけれども、ステップごとに示しているものでございますので、年次でお答えすることはちょっとできません。第4ステップでマイナスになるということで10か年計画の中でお示しをさせていただいたものでございます。また、積み立て額につきましては50億円、それから繰り入れ金額につきましては246億円となるものでございます。
○白井委員 この積み立て財源についてなんですけども、用地売却収入って見込んでいますか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 10か年計画の中におきましては、基金の積み立てについて、繰り入れ計画としては用地の売却収入は見込んでおりません。
○白井委員 そうですよね、だからマイナスになるんですよね。ということは、このマイナスを穴埋めすると言ったらおかしいでしょう、取り戻すために、ここには概ねどの土地を売却という予定はあるんでしょうか、お伺いいたします。
○田中政策室副参事(企画調整担当) 用地の売却につきましては、市況の状況を見定める必要があるということ、それから、小学校内でのキッズ・プラザの整備など、施設全体の整備計画も見据える必要があるということから、現時点では明確にお示しすることは難しいと考えてございます。
○白井委員 実は、角度を変えて同じことを聞いたような形なんですが、なかなか難しい、現段階ではというところなんで、これも話をもう少し角度を変えてみます。飯島委員の質問の中で、年次会計報告の質疑がありました。言い方をかりれば、アニュアルレポートなんてよく言われるんですけども、その質疑の内容では、今年度はもう予算編成をしてしまったので難しい、まあ、最後まで努力しますとお話しでした。本来、このアニュアルレポート、年次会計報告、情報をしっかり皆さんにお知らせしますよと、区民の皆さんにわかりやすく区の財政状況等々、分析も含めてお知らせしますよというのが第一義的な目標ですけども、これだけではもったいない。本来は、年次会計報告書をつくった上で予算へ反映させるというのが、一番この分析をして利用する価値があるところなんですけれども、今年度は難しいとなれば、22年度は作成するおつもりがあるんでしょうか。それで、作成されるのであれば、予算に反映させるとすると、夏ごろというのが一つ目安かなと思いますけども、いかがでしょうか、お伺いします。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) お答えいたします。平成23年度の予算編成に向けまして、決算分析で得られました財務情報、こういったものを予算編成過程に生かせるよう、年次会計報告書、アニュアルレポートの発行に向けて現在検討を進めているところでございます。
○白井委員 検討段階であると。ここまででとどめておきます。
 最後、お時間もあれなんで、もう1問だけさせてもらって。財政規模の大幅な縮減がない限り、10か年計画で示されている財政フレーム自体が本当は難しいんだろうなというふうに感じるところです。現時点での想定は想定として置いておいた上で、財政規模の見直しを行った場合、フレームも当然見直しが必要になってくると思いますけども、その際、財政フレームを再構築していま一度提出される、こういうふうなことが必要じゃないかと思うんですけども、いかがでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) お答えいたします。現時点で想定いたしました財政フレームにつきましては、修正する必要はないというふうに認識しているところでございます。
 すみません、1点、答弁訂正をさせていただきたいと思います。私、先ほど委員のほうから御指摘がございました財産収入の売り払いについて、科目存置がしてあった場合どうかということの御質問でございました。ちょっと私勘違いしておりまして、科目存置された場合におきましては、一般財源の補正予算をせずに財政調整基金等に積み立てることができるものでございます。
○白井委員 そうすると、今回は科目存置されていますけども、直接繰り入れられるということでよろしいですか、補正を組まなくても大丈夫ということで。
○志賀政策室副参事(予算担当) そのとおりでございます。
○いでい委員長 白井委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
      午前11時59分休憩

      午後 1時00分再開
○いでい委員長 委員会を再開します。
 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。
 白井秀史委員、お願いします。
○白井委員 午前中に引き続き、質疑をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 午前中の質疑はちょっとしり切れトンボになってしまったんですね。答弁の御確認をさせていただきたいと思うんですが、一般会計を通さずに基金へ積み立てることができるかと。科目存置がしてあるので、補正は不要ですよということだったんですけれども、これでよろしいんでしょうか。改めてお伺いします。
○志賀政策室副参事(予算担当) すみません。私の御説明が不足していたために理解をしていただけなかったというようなことで、申しわけございません。
 先ほど私が申し上げた中で、科目存置がされていた場合においては、歳入科目の場合、財産収入を科目存置されていればそのまま歳入として受けることができる、それによって補正の必要はないということでございます。
 しかしながら、歳出につきましては、基金の積み立てにつきまして、どの特定目的基金に積み立てるかを定め、そして歳出補正予算として組むものでございます。
○白井委員 わかりました。対象基金に必然的に入るわけではありませんから、どの基金に積み立てるかというのも含めた上で、万一では補正が必要だということですね。
 次に移ります。
 2番目、平成22年度補正予算案についてお伺いしたいと思います。言わずと知れた子ども手当法案を受けての中身になるんですけれども、私はもともと、現在行われております児童手当の上に積み増した形のものが現在の子ども手当法案の形だというふうに認識しております。そもそも児童手当の積み増しですから、まず、児童手当とは一体どんなものなのかという、ここからお話をさせていただきたいと思います。
 昭和30年代後半ぐらいに、この児童手当の議論が地方でいろいろ始まったとも言われております。一番初めに、この児童手当をやったらどうだと声を上げたのが、昭和42年12月、千葉県の市川市議会、当時の公明党議員だったと言われておりまして、昭和43年4月に全国で初の児童手当が成立いたしました。そのときできたのが、第4子以降に1,000円というのが原点です。ちなみに、昭和47年に国の制度としてこれを取り入れようという形になって以来、拡充が行われてきております。ちなみに、前政権下、自公の時代に約10年間ありましたけれども、この制度、5回拡充してまいりました。この5回拡充してきたこれまでの内容について伺います。
○浅野子ども家庭部副参事(子育て支援担当) まず、昭和61年でございますが、先ほど、委員が第3子から始まったというふうにおっしゃいましたけれども……
○いでい委員長 4子。
○浅野子ども家庭部副参事(子育て支援担当) 4子から始まって、昭和47年に全国的な制度が発足した際には、第3子以降として始まってございます。それから、昭和61年に、これが第2子以降に拡大されました。それから、平成4年でございますが、これが第1子まで拡大されております。手当額につきましては、平成4年の段階で申し上げますけれども、第1子と第2子について月額5,000円、それから第3子以降が1万円というふうな形で制度が拡大されております。
 さらに、平成12年、これが義務教育就学前の子どもさんまで拡大されております。それから、平成16年、小学校3学年修了前まで拡大しております。それから、平成18年でございますが、これが小学校6年生修了前まで拡大しておりまして、翌年の平成19年でございますが、これは今度3歳児未満の子どもさんにつきまして、手当額を一律1万円というふうな形に拡大してございます。
○白井委員 御丁寧に、これまでの5年間、連立政権の10年間のお話でと私は言っていたんですけれども、今のお話だと、制度発足から全部お話しいただいたんですね。御丁寧な御説明ありがとうございます。
 ちなみに、この前政権下の10年間で約5回、特に拡充されているんですけれども、12年、13年、16年、18年、19年と連続で拡充がされてきました。この5回のうち1回は所得制限の緩和なので法改正が必要なかったんですけれども、4回法改正が必要になっております。ということは、国会において議論が行われて、各党が賛否を論じたということになるんですけれども、ちなみに、この4回の法改正すべてに反対してきた政党が一つだけあります。それが実は民主党さん、現の政権なんです。そういう部分では、このとき何と言っていたか。児童手当というのはばらまきだと言ってきたんですね。大臣答弁、これただしたことがありまして、今ちょうど国会でも議論されているところなんですけれども、そのまま引用したいと思います。この児童手当の拡充についてなんですけれども、過去、民主党が児童手当法改正に反対してきた理由としては、ここに当時の反対討論の議事録もございますけれども、給付内容が十分ではないということ等で反対いたしたところでありますけれども、ただ、子ども手当と児童手当は、子どもの健全育成を社会全体で支援するという面では共通する面もあると考えております。中略します。これらは、過去の反対理由と齟齬、食い違いを来すものではないと考えておりますと言うんですけれども、私はこれこそ食い違うと言うんではないかなというふうに思っております。それまでことごとく反対してきた制度の上に拡充して成り立っているというのが、今回の、ある意味、子ども手当の法案の体制というか、制度の体制ではないかなと思うんですけれども、あえて、子ども手当制度の概要についてお伺いします。
○浅野子ども家庭部副参事(子育て支援担当) それでは、今回の子ども手当制度の概要について御説明いたします。
 まず、対象者でございますが、15歳に達する日以降の最初の3月31日までの間にある子どもを看護――これは要するに養育ということでございますが――している者――要するに親御さん等です――で、平成22年4月1日以降におきまして、これは中野区の場合でございますが、住民基本台帳又は外国人登録原票に登録されている方です。また、公務員につきましては、それぞれの所属のほうから支給されるというものでございます。
 それから、支給額でございますが、対象となる子ども1人当たり月額1万3,000円でございます。支給月でございますが、これは年間3回でございまして、6月、10月、2月の3回でございます。これはその前月までの四月分をまとめて支払うという形になってございます。支給開始の原則でございますが、原則といたしまして、手当の請求、認定の請求をした日が属する月の翌月から支給をするというものでございまして、支給の消滅につきましては、その支給すべき事由が消滅した日の属する月というふうな形をしております。
 なお、今回の子ども手当につきましては経過措置がございまして、先ほど支給開始月と申し上げましたが、今回の場合につきまして、平成22年4月1日に子ども手当の対象となる者につきましては、平成22年9月30日までの間に手当の認定の請求をした場合、平成22年4月より支払うと、そういうものでございます。
○白井委員 ありがとうございます。
 あわせて、それぞれの負担が決まっております。年齢によって分かれておりまして、もとの児童手当自体が年金制度、国保なのか、厚生なのかというのもあるので、ちょっと難しい言い方になるかもしれないんですけれども、国の負担、都負担、そして中野区の負担、さらには年金のほうが入っていますと、事業主負担という形もあります。財源構成についてはいかがでしょうか。お伺いします。
○浅野子ども家庭部副参事(子育て支援担当) それでは、財源構成について御説明いたします。
 先ほど委員から御指摘がありましたように、今回の子ども手当につきましては、児童手当を支給する仕組みが一部取り入れられております。したがいまして、まず3歳未満時についてでございますが、児童手当の支給金額が1万円でございます。そのうち、これはそれぞれの親御さんが被用者、つまり、いわゆるサラリーマンのような方たちであるか、あるいは自営業者のような形であるかによって財源支給割合が分かれております。
 まず、サラリーマンのような被用者につきましては、事業主負担が10分の7、それから国、都、区で10分の1ずつの負担になっております。これは児童手当分でございます。それを超えます、今回の子ども手当は1万3,000円でございますので、その差の3,000円分につきましては、これを10分の10国が見るというものでございます。それから、非被用者というふうな言い方をしております、いわゆる自営業者のような方たちにつきましては、これにつきましては児童手当分の範囲では、国と都と区とで3分の1ずつの負担割合でございます。同じように、子ども手当分の3,000円につきましては、10分の10の国負担でございます。
 それから、3歳から小学校就業前の子どもさん、これは児童手当の対象者でございますが、この方につきましては、先ほど申し上げましたように、第1子、第2子は5,000円、第3子以降は1万円というふうな支給額になっておりますが、それぞれの費用負担につきましては、国、都、区それぞれ3分の1ずつでございます。子ども手当につきましては、5,000円の方につきましては8,000円分、それから、児童手当が1万円の方につきましては3,000円分、これは10分の10、国の負担でございます。それから、今回子ども手当によって拡大になりました中学生部分、これは1万3,000円全額でございますが、これは10分の10、国の負担になります。
○白井委員 うまくまとめていただきましてありがとうございます。恐らく、聞いているだけでよくわからないんですけれども、図に起こすと、相当複雑な制度になっていまして、多分区の事業の事務整理が相当大変だろうなと、これだけでもわかります。
 さらに、本来もらう方々、何というんでしょうか、所得制限がない方、本来所得の申請なんてしなくていいんです。ところが、児童手当分を含んでいるので、所得を超えている人たちに関しては国で持ちますよ、そうでない人たちは区で持ちますよというために、本来もらうという意味では必要ないにもかかわらず、所得の申請をしなければならなくなります。
 さらに、本年度は暫定的といいますか、1年こっきりでの形になっておりますので、ある意味、特殊な事務整理が必要ですし、事務経費も必要になってくるんだろうなと思います。ちなみに、事務経費は全部国庫で負担するという話になっているんですけれども、実際の事務は相当大変だろうということが想定できるところです。
 先ほど山崎委員のほうで、区の負担は幾らですかというお話があったところなんですけれども、この区の負担について、協議の場、国とのこういう子ども手当に際して区に負担してもらいますよというこういう協議の場はあったんでしょうか。お伺いします。
○浅野子ども家庭部副参事(子育て支援担当) 一般的に、特別区と国との間で何か協議をするという場はございません。今回の子ども手当につきましては、国のほうから子ども手当創設につきまして都道府県レベルでの説明会がございまして、それを受けまして、都のほうから都内の自治体に対する説明があっただけでございます。
○白井委員 説明があっただけで、何の協議の場もなければ、意見交換もなかった。「やりなさい」、これだけだったということですよね。ちなみに、時限立法的なお話が先ほどもありましたけれども、子ども手当法案の中の附則第2条というのがあります。23年度以降どうするか。これはいま一度、もう一回協議しますよ。つまり何も決まっていませんということなんですけれども、23年度以降、逆手にとるならば、財源構成について、今お話がありましたところの、全額国庫負担とすべきだというのが、私は考えとして正しいのではないかなと思うんですけれども、また、それに向けての働きかけが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。お伺いします。
○浅野子ども家庭部副参事(子育て支援担当) 今、委員、御指摘の全額国庫負担にすべきではないか等の御意見でございますけれども、既に昨年、地方6団体、また特別区長会におきましても、国に対しまして、今回の子ども手当について国の財源負担で実施するよう申し入れを行っております。やはりこの形は、仮に今後も手当が支給開始になったとしても、引き続き行っていっていただきたいというふうに思っております。
○白井委員 ちなみに、先ほど前政権下で5回、近年拡充してきたというお話をさせていただいたところです。民主党さんとして、実は3回、子ども手当法案というのは国会に提出されております。それまで否決されているんですけれども。その目的も変わっていることなんですが、財源についてはこの3回とも変わっておりません。全額国庫負担だと言い切ってきたんです。ところが、今回出てきたもののふたを開いてみれば、目的も変わったんですけれども、財源構成も変わってしまった。区の負担を求めるというふうになっております。ちょっと税制改正の部分のお話に触れたいと思いますので、結構です。ありがとうございます。
 政府の2010年度税制改正大綱では、所得税、住民税の年少分の扶養控除分、16歳未満の部分ですけれども、これが廃止、特定扶養控除、16歳から22歳の部分なんですが、高校生の16から18、ここが縮小というふうに盛り込まれております。これについて、税制改正面の概要をお伺いします。
○青山管理会計室副参事(税務担当) まず、16歳未満の年少分の扶養控除でございますが、現在、所得税分が38万円、それから住民税分が33万円となっておりますものが廃止となるものでございます。
 次に、16歳以上23歳未満の特定扶養控除についてでございますが、これは、現在所得税が63万円、住民税が45万円でございます。このうち16歳以上19歳未満の特定扶養控除につきまして、一般の扶養控除に上乗せしている部分、所得税でいいますと25万円、住民税でいいますと12万円を廃止するものでございます。
 なお、いずれも、所得税につきましては平成23年分から、住民税につきましては平成24年度分から実施の予定となっております。
○白井委員 区としては、住民税に反映される24年度以降からが、区税として、今度は歳入とも取れることになります。控除、扶養控除が16歳未満廃止されて、さらに特定扶養控除、高校生部分の16から18が縮小されているので、この部分を換算すると、区税収入、住民税、どのぐらいの額の増と見込めるんでしょうか、お伺いします。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 平成21年度の課税実績から試算いたしました年少扶養控除の廃止額と、それから特定扶養控除の上乗せ加算分の廃止額に対しまして、特別区民税の税率6%を掛けました場合、およそ3億5,000万円ほど増になるというふうに見込んでございます。
○白井委員 3億5,000万円、厳しい財政の中で大きい収入かなというふうに思いますけれども、当然、税制改正で得た区税の収入だというふうに思うんですけれども、例えばこれを見越して、他の歳入を圧縮する。例えば、国が子ども関係出ているんですから、その分は区税のほう丸々入りませんよ、こういうような動向に対しては牽制球を投げておく必要があると思います。全くそういう部分では、国の政策でいじられるようなものでもないし、当然入ってくると見越してほかの部分を削りますよと、こういう動きに対しては、区として意見をきちっと申し上げるべきだと思いますが、いかがでしょうか。お伺いします。
○志賀政策室副参事(予算担当) 政府は、住民税の扶養控除の廃止などによる地方財政の増収分につきまして、サービス給付等に係る国と地方の役割分担、経費負担のあり方の見直しにより、国と地方の負担調整等を行うこととしてございます。こうした検討は、地域主権戦略会議等で議論していくとしておりますけれども、今後、議論の行方を注意深く見守りながら、本来、国の責任において負担すべきものを安易に地方に転嫁することのないように、特別区長会を通じて国に働きかけてまいりたいというふうに考えております。
○白井委員 ぜひお願いしたいと思います。ちなみに、この子ども手当というのは所得とみなされるのでしょうか。お伺いします。
○浅野子ども家庭部副参事(子育て支援担当) 今回提出されております平成22年度における子ども手当の支給に関する法律案、これの第15条におきまして、この子ども手当につきましては公課――公に課するということの禁止が規定されております。したがいまして、これは所得とはみなされないものと考えます。
○白井委員 わざわざ所得から外されております。税制改正の大綱の中でも、実はそこだけ先に盛り込まれたんですね。ちなみに、所得とみなされなければ何なのか。扶助費に入るのかなと思うんですけれども、扶助費の定義についてお伺いします。
○志賀政策室副参事(予算担当) 扶助費の定義でございますけれども、生活保護法や児童福祉法などに基づきまして、地方公共団体から現金又は物品の別を問わずに、被扶助者に対して直接支給される経費のことでございます。
 一般的には、社会保障制度の一環として、生活困窮者の最低限の生活維持を図る目的で支出される経費とされております。子ども医療費の助成などについても扶助費となっているものでございます。
 また、今回の子ども手当につきましては、厚生労働省作成の資料に基づきまして、扶助費としたものでございます。
○白井委員 義務的経費の割合が、補正予算のこの子ども手当を加えると、恐らく59%を超えるのではないかなと思います。扶助費の割合も25%を超えるのではないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) そのとおりでございます。
○白井委員 子ども手当法案、そもそも時限立法なんですけれども、この法案を提出するたびに、例えば目的や支給額が変わる。その一貫性のなさというのは、結局、政府の子育て支援策の全体像の理念である。こういう構成がないということを反映しているのではないかなと、こういう指摘がありますけれども、この点についてお考えをお伺いします。
○浅野子ども家庭部副参事(子育て支援担当) まず、今回のこの国の制度設計のおくれというものは、当区につきましては、やはり当初予算の編成に影響をかなり及ぼしてきたというふうに思ってございます。今回も、補正予算を提出に至ったのもそこら辺のところがなかなか確定できなかったということが理由にあると思います。
 それから、先ほど委員のほうから、子ども手当法は時限立法というふうなお話がございましたが、これは厳密に言いますと、時限立法ではございません。単年度法という扱いになります。申し添えておきます。
○白井委員 ありがとうございます。時限立法というのはいついつまでですよという言い方ですからね。正しい言い方です。ありがとうございました。
 ちょっと重ねるような言い方で恐縮なんですけれども、一方、この福祉政策というのは、本来持続可能という枕詞がつかないと、ことしだけやる福祉政策というのでは意味がないんだろうなと思います。財源面において裏打ちされた政策であるということが必要だと思いますけれども、当該、子ども手当制度には不安を覚えるとの声が多いとも聞きますけれども、これについてのお考えもあわせてお伺いします。
○浅野子ども家庭部副参事(子育て支援担当) 今回の子ども手当でございますが、制度の趣旨を見ますと、「次世代の社会を担う子ども一人ひとりの育ちを社会全体で応援する観点から」というふうになってございます。そういう観点からいたしますと、やはり単年度だけということではなく、やはり政策の持続性、あるいはまた、それをきちっと裏づける財源というものは欠かせないものだというふうに考えております。
○白井委員 今さまざまな問題点を指摘させていただいたところなんですけれども、では、これが仮に、議会において、この補正予算が否決された場合、中野区民だけ支給されないということになるんでしょうか。そもそも法で定められているから、そういうことはありませんよということになるのか、またあわせて、否決された場合、区長は再議に付すと、もう一度議論してくださいということができるんですけれども、区長は再議に付されることを想定されているんでしょうか、お伺いします。
○田中区長 議会でまだ審議がされておりませんので、その先を見通して再議するとかしないとか、そういうことを申し上げるべきではないというふうに思います。
○白井委員 前半の部分、否決された場合に中野区民だけ受け取れない、こんなことが起こりますか。
○田中区長 当然、予算が成立しなければ事業はできないと、こういうことになりますので、中野区民だけ手当が支給されないということもあり得ると思います。
○白井委員 それはさすがに困ったお話ですねと。既に既得権がもうでき上がっているでしょうし、委託事務というんですかね、法の中には、市区町村は支給しなければならないと、「ならない」と書いてあるです。できるではありません。そういう部分では、法令違反という言い方ができるのかどうかわかりませんけれども、それに背いたという、こういう形で問われることもあるのかなというふうに思います。
 一方、子育て支援策というのはバランスが非常に大事だというふうに思います。現金支給と言われる今回の制度だけではなくて、現物支給と言われる、いわゆる保育サービス等の充実が大事でありますし、一方では、仕事と生活の調和、ワークライフバランスとよく言われますけれども、これが大事だと思いますが、これについて区長のお考えをお伺いします。
○田中区長 児童を育てるという子育ての社会的な責任をより明確にしていくんだという方向については、これはあまり反対する人はいないんじゃないかと、こういうふうに思います。
 そうした社会的な責任をきちんと政策に位置付けていくという中では、当然、さまざまな施策を複合的に、体系的に組み立てていくという考え方が大変重要だろうと、こういうふうに思っております。困っているところに必要な施策を効果的に打っていく。こういうことを組み合わせていく中で子育てがしやすい社会をつくっていくと、こういうことになるわけでありまして、困っているんだか困っていないんだかわからない、全部の人に定額で、しかも財源のわからないお金をばらまく、こんなことが子育て支援策になるとは思っておりません。
○白井委員 ありがとうございます。全体観に立った政策が大事だと、力強いお言葉をいただきましたので、補正予算についてはこれで終わりまして、その全体観についての次に、私の質疑3番目、子育て支援策のまず待機児童対策についてお伺いしたいと思います。
 保育園の待機児童対策について、近年の入園者の増加がしております。区はこれまでどのような取り組みをされてきたのか、そして、この来月、4月からはどのような状況になるのか、お伺いします。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 平成17年度から21年度までの5年間について見ますと、平成17年度が認可保育所全体の定員でございますが。失礼いたしました。区立保育園の建てかえ、民営化を計画的に推進するため、一時的な募集停止や保育所の閉鎖、これを行ったことや、耐震性能の問題から本郷保育園を移転するに至ったということなどの影響から、認可保育所全体の定員については若干減ってございます。しかし、認証保育園については、6施設から10施設にふえまして、定員でも120人増加いたしております。また、家庭福祉員は7人から9人にふえまして、定員でも5人増加してございます。
 次に、現在の待機児の状況でございますが、昨年4月は新定義で190人、旧定義で327人でございましたが、それ以降、昨年9月以降につきましては増加の一途をたどりまして、昨年12月には新定義で309人、旧定義で444人となりまして、一昨年の12月に比べまして、新定義で67人の増、旧定義で99人の増ということになってございます。昨年の12月の年齢別の構成を見ますと、ゼロ歳児から2歳児までの待機児数が全体の9割以上を占めてございまして、この年齢の待機児解消対策が急務となっているところでございます。
 また、来年度に向けての取り組みでございますけれども、昨年の4月からことしの4月までの間で、認可保育園については244人、認証保育所については86人、それぞれ定員増を行ってございまして、昨年の4月の時点での待機児童数190人規模への対応は確実に行っているところでございます。
 ただ、昨年よりも申し込み件数が急増いたしている現状から、特に低年齢児の待機児童の発生は避けられない状況にあるというふうに考えてございます。
○白井委員 今年度の予算の概要の中にこういうふうに文言が書いてあるんですけれども、「22年度予算の特徴に、緊急課題などに対応する施策に取り組む」とあります。保育園の待機児童の解消に向けた具体的な取り組み内容とその予算規模をお伺いします。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 来年度予算には、30人以上の認証保育所を2園新設するほか、家庭福祉員2名の増員をする経費を計上してございます。
 また、来年4月に開設予定の(仮称)南江古田保育園では、定員が12人ふえることになってございますが、この建設費補助等の経費も計上しているところでございます。
 これらの対策に要する予算でございますが、認証保育所関係の予算が、合計で9,194万円、家庭福祉員関係の予算が、合計で約372万円でございます。(仮称)南江古田保育園の建設費等の補助、引き続き児童処遇改善費の経費が、合計で約2億1,200万円でございます。
○白井委員 各地方自治体において、22年度の予算をまさに今議論しているところなんですけれども、概略というのをのぞくことができます。特に都市部の自治体においては、この待機児童対策、本当に積極的に財政を投入して、思い切った政策の転換もやってというところが多いようです。ちなみに、幾つか挙げたいと思いますけれども、新宿区では、21年度予算の3倍に近い19億4,529万円を計上しています。世田谷区では、22年度待機児童対策サービスなど保育サービスの充実に110億円を投じる。新年度は、保育園や認証保育園の定員を約1,500人ふやす計画、本年度は660人の定員増のため、認可保育園6園を新設したというふうな話が出ております。そういう部分では、特に待機児童で悩みが大きいといいますか、課題を抱えている都市部では、もう是が非でも、何とかしてでもこの問題に取り組むんだというふうな予算を盛り込んだものが、22年度の今審議を経ているということです。
 待機児の解消の目標は、中野区としていつに設定され、ここ数年間で幾人の待機児が解消できるのか、伺います。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 10か年計画(第2次)の案では、平成26年度に待機児を解消するという目標を立ててございます。認可保育園の建てかえ、定員の拡大につきましては、10か年計画の案でお示ししているところでございますけれども、認証保育所、家庭福祉員などについては、今後の予算対応となるものでございます。
○白井委員 確かに、10か年の中には平成26年度ゼロ人を目指してというふうに書いてありますし、現在もこれで進めているところなんですけれども、もはやそういう長期的スパンではなくて、緊急的な対策が必要な段階にあるんだというふうに思います。そういう部分では、緊急的かつ大胆な施策の展開が必要であると思いますし、この考えから、実は公明党議員団としても要望書を提出させていただいているところです。
 一つには、景気低迷の中急増した待機児童に対応するため、新たな保育計画をぜひ実行する、策定する必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。お伺いします。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 保育計画につきましては、児童福祉法で前年度の待機児童数が50人以上の市町村に策定が義務付けられてございますが、中野区におきましては、次世代育成支援行動計画の中に、待機児ゼロを目指す取り組みや多様な保育サービスの提供に係る内容が盛り込まれておりますために、現在、これをもって保育計画としております。
 平成26年度に待機児ゼロの目標を達成するための具体的な手だてについては、今後明らかにしていきたいというふうに考えてございます。
○白井委員 平成26年度は大変だとよくわかっているんですけれども、子どもたち、26年度までだと卒園してしまうので、今一番大変なときに思い切った施策の展開が必要だと、その意味から保育計画をつくってほしいという意図でございます。
 もう一つ。緊急的な、計画もそうなんですけれども、実態としてどこかで保育園をやっぱり開設せざるを得ないというふうになります。空き区有施設を活用したりだとか、保育所のその提案の方法なんですけれども、例えば桃丘小の跡地、小学校の跡地を利用する、児童館、地域センター、こうなれば、可能性があるところ至るところに、どういう使い方があるのか、このような区有施設の活用も具体的に講ずるべきではないかなと思いますが、お考えをお伺いします。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 本年4月1日につきましては、特に低年齢児について待機児童の発生は避けられない状況にあるというふうに考えてございます。待機児解消のための緊急対策につきましては、財源の問題や10か年計画(第2次)案との整合性、それから実施の方法や時期等の問題もございますので、本年4月の待機児童の発生状況を見て検討していく必要があるというふうに考えてございます。
○白井委員 ぜひ、そういう部分では、もう緊急対策なんだという部分では思い切った施策の展開をお願いしたいと思います。
 ちょっと補足といいますか、別段としてなんですけれども、新聞等々で現在の保育園の保育料、8段階目、今は7段階だと思いますけれども、全国でいうこの8段階目、いわゆる高額所得者に対して保育料を値上げしてもいいですよという基準算定値が出されたと聞いております。上げるかどうかは自治体の判断だと言われているんですけれども、中野区においては、この保育園の料金を改定する予定があるんでしょうか、お伺いします。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 厚生労働省のほうから平成21年12月25日付の事務連絡で、保育所徴収金基準表の改定の通知、これは第8階層を新設するというものでございますけれども、この基準表の徴収金額につきましては、国庫負担金を算定する際の基準となる金額でございます。
 したがって、国の通知に伴い、直ちに保育料を改定するということではございませんけれども、一般的には、受益者の適正な負担については常に考えていかなければならないというふうに考えてございます。
○白井委員 22年度改定する予定はありますか。まだ検討段階ということですか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 現在のところ、改定の予定はございません。
○白井委員 続きまして、もう一つの子育て支援策のお話に移りたいと思います。
 出産育児一時金の暫定直接支払いについてお伺いします。
 近年の出産育児一時金は、拡充がされてきているところなんですけれども、まずこれについて概要をお伺いします。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 平成20年12月31日までの出産につきましては35万円でございましたが、産科医療補償制度の導入に伴いまして、平成21年1月1日からの出産に対しましては38万円、また、緊急の少子化対策といたしまして、平成21年10月1日から平成23年3月末までの出産につきましては42万円と改定されたものでございます。
○白井委員 受け取り方法が変わってきております。今お話があった38万円から42万円に上がった、21年9月30日ですか、10月1日から42万円になっていますので、このときに受取代理というのと直接支払いというのが入れかわった――入れかわったというか、受取代理がなくなって直接支払いという制度ができておりますけれども、これについて違いをお伺いします。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 受取代理の制度等につきましては、世帯主が医療機関の承諾を得た上で、出産前に申請書を保健所に提出いたしまして、出産後、医療機関が出産を証明する書類などを保健所に提出した場合に、医療機関に出産育児一時金が支払われる制度でございます。これに対しまして、直接支払制度は、平成21年10月1日から実施されたもので、被保険者が医療機関で入院時に申請いたしまして、出産後、医療機関が国民健康保険団体連合会を通じまして保険者に請求して支払われるものでございます。
○白井委員 直接支払いというのは、病院に差額分だけ払えば、一切自分としては自己負担の立てかえもしなくていいですよと、こういう制度なわけですけれども、この制度は現在暫定で行われております。今月の3月31日で期限が切れてしまうんですけれども、国として、今後の方針を決められることというふうになりますけれども、この動向についてお伺いいたします。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 現在、国では、医療機関への支払いを月1回から2回へ変更すること、また、すべての医療機関への適用を平成22年3月まで猶予している措置の延長などをすることを検討しているというふうに聞いてございます。
○白井委員 さらに、半年間延長しました、10月1日から。もう1年延ばすという、こういう動きが強いというふうになっております。ちなみに、延ばすことによって、例えば医療機関や、もしくは出産する方のメリット、デメリットについてお話をお伺いします。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) この出産育児一時金の直接払いの制度でございますが、医療機関のデメリットといたしましては、出産から医療機関への入金まで最大2カ月以上かかることがございます。出産者へのメリットといたしましては、あらかじめまとまった現金を用意することがなく出産が行える点、また、医療機関で申請できるので、保険者が窓口に出向く必要がないことなどがございます。
○白井委員 現在、暫定になっていますから、病院によっては、うちは直接払いをやっている制度ですからお金大丈夫ですよ、そのまま差額分だけで結構ですよというお話であります。一方で、うちは暫定直接支払いをやっていませんので、差額分だけではだめですよ、お金を一たん納めてくださいねと、こんな制度になるわけなんです。医療機関のさっきのリスクのお話がありました。実は、2カ月間の資金繰りをやらなければなかなか難しい。そもそも昨年の段階で、10月1日に全面的に施行すると言ったんですけれども、そんなことすると、うちの病院はやっていけなくなる。お医者さんがもう経営を断念しなければならないというところから、暫定という話になりました。できるところはやってください。そうはもたないところは、そのまま現状で結構ですよと。その間をしばらく延ばしますよと言ってきたわけです。
 医療機関において、融資制度を受けられるようになっていると聞きます。いわゆる経営安定支援というやつなんですけれども、この医療機関が、2カ月間の資金繰りに対して受けられる、経営安定支援制度についての概要をお伺いします。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 区が関与する制度ではございませんが、独立行政法人福祉医療機構が出産育児一時金に係る経営安定化資金の融資を平成21年10月から始めたものでございます。これは従来の経営安定化資金に比べまして、償還期限の引き下げや無担保融資枠の拡充などを行ったというふうに聞いてございます。
○白井委員 一方、出産する側の人たちにしてみれば、貸付制度というものがあります。もちろん出産育児一時金として金額が出るんですけれども、この8割ぐらいしか実は貸し付けを受けられないこととなっております。この制度に対しての概要、例えばこの8割をもう少しアップさせる、こんなことが可能なのか、お伺いします。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 出産育児一時金の貸付制度につきましては、出産資金にお困りの方につきまして、出産育児一時金、先ほど、委員、御指摘のとおり8割ということで、33万6,000円を限度に無利子で貸し付けるもので、出産育児一時金の支給分に精算いたしまして、差額を世帯主に支払う制度でございます。
 なお、貸し付けを行っていない区もありまして、中野区として直ちに増額することは考えてございません。
○白井委員 この一時金の貸付制度の利用状況、例えば直接支払い、本人払い、受取代理というんでしょうか、昨年がちょうど制度の入れかわりになっているので、月割りにすると、この制度を使った人とこの制度ができてからこの制度を使った人が分かれてくると思うんですけれども、どのような利用状況にありますか、お伺いします。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 平成21年度では、1月末現在でございますが、総数で352件ございます。その内訳は、医療機関への直接払いが47件、世帯主への貸し付けを利用したのが11件、世帯主へ口座振替などで支払った件が294件となってございます。
 また、直接支払制度を利用できる支給額42万円を見ますと、総数で83件ございまして、内訳は直接払いが47件、貸し付けを利用した者が6件、世帯主へ口座振替などで支払ったのが30件となってございます。
○白井委員 そもそも直接支払いがあるにしても、自分で病院にお金を入れてくださいねというか、一たん自分にくださいねと、選択できる制度にもなっております。恐らく貸付制度を利用されている方は、その資金繰りができないから、まずは当面のお金が欲しい、こういう準備の方もいるんでしょうけれども、直接支払いが全面的に解禁になれば、この心配もなくなってくるかもしれません。そういう部分では、それぞれ利用されている人たちの割合が違ってきているところなんですけれども、現在、病院数としては難しいんでしょうけれども、実態として暫定が残っているんだなというふうにもとらえることができます。
 さて、現在行われておりますこの出産育児一時金42万円ですけれども、この42万円の4万円増額というのは、2011年3月までの措置となっております。あとしばらくで切れてしまうということなんですけれども、これに対しても、実は国で決めなければならないことです。しかしながら、都市部においては、出産費用が高い、高額だとも特に言われているところですから、区として、例えばこの制度を延長する、もしくは、さらに一歩拡充する、こういうような動きが必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。お伺いします。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) この制度につきましては、安心して子育てを生み、育てる社会をつくるために、出産費用についての支援も大切なことだと思ってございます。一時金の金額につきましては、そうした考え方に基づいて設定すべきであるというふうに考えてございます。
○白井委員 一時金についてのお話は終わりなんですけれども、先ほどの暫定について少し提案させていただきたいと思っております。1年間延長とはいえ、事実上8割しかなかなか資金繰りが貸してもらえませんよと。一方では、大体50万円前後だろうと言われておりますけれども、出産費用で自分で準備する分、そして、一時金が入ってくるにしても差額分がある。一方では、貸し付けを受けた人たちは、さらにその8割というふうになっております。
 もし医療機関がこの2カ月の資金繰り、先ほどの経営安定化支援のやつ、低利で借りられると言われているんですけれども、例えば区が2カ月間、一時金を担保に直接医療機関に貸してあげますよと、無利子でもいいですよとなれば、中野区は全国初の暫定ではなく直接支払いを行う区というふうになるかと思いますけれども、こういう制度を立ち上げる気はいかがでしょうか、お伺いします。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 区として、医療機関に直接資金を貸し出す仕組みについては考えてございません。
○白井委員 22年度から、現在行われている融資制度、さらに制度の改変もあると伺っております。これは柿内さんの課ではないですけれども。ぜひ、医療の部分からも組み合わせられる融資制度があってもいいかと思いますので、ぜひ御検討いただければと思います。結構です。
 続いての質問に移ります。
 環境・リフォーム推進事業について伺います。
 平成21年度の税制改正において導入されました、現在行われている住宅ローン減税なんですけれども、過去最大級と言われております。この住宅ローン減税について概要をお伺いします。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 御指摘の住宅ローン減税につきましては、基本的には所得税に関する改正でございますが、従来の制度は、平成20年中に居住を開始した方につきまして、最大160万円を減税するというものでございました。今回の改正では、平成21年から平成25年の間に居住を開始した方について、最大で一般の住宅の場合500万円、認定長期優良住宅の場合600万円を減税するというものでございます。
 また、住民税の控除対象とはなりませんが、バリアフリーや省エネルギーの改修工事を含む住宅ローンにつきましては、減税が平成25年まで延長されるとともに、平成21年、22年の2年間に限り、住宅ローンを利用しない方も工事費用の10%を控除できる仕組みが設けられてございます。
○白井委員 ちなみに、今所得税のお話をいただいたんですけれども、所得税から控除し切れない部分は住民税のほうから控除が可能となります。今年度からこの控除の方法が変わっております。区のほうでもホームページ等々で周知されているんですけれども、御宣伝です、ぜひ制度が今どうなっているのか、お話しいただきたいと思います。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 住民税の控除の関係でございますが、平成20年度、21年度につきまして、税源移譲の経過措置として住民税からの住宅ローン控除を実施してございますが、控除の適用を受けるためには、毎年度住民税用の申告が必要でございました。平成22年度からは、平成21年度税制改正による新たな住宅ローン控除と制度を一本化いたしまして、新旧いずれの場合も、確定申告や給与支払い報告書の資料から控除を判断することとされまして、住民税で住宅ローン控除の適用を受けるための申告は、原則不要となってございます。
○白井委員 昨年まで住宅ローンの控除を住民税から受ける場合は申請が必要だったんですけれども、今年度から要らなくなっていますよという話です。
 平成21年10月1日から施行された住宅瑕疵担保履行法というものがあります。ちょっと中身が難しいんですけれども、建物検査、インスペクションと言われるやつと保険商品、それと住宅履歴情報の蓄積、活用というのが柱になってきますが、この住宅瑕疵担保履行法の制度について、これもお伺いします。
○登都市整備部副参事(住宅担当) 従来、新築住宅の瑕疵といいますか、欠陥が見つかった場合は、10年間は住宅事業者が無料で直さなければならないということになっておりました。ただ、その場合、その事業者が倒産した場合はそれができなくなってしまうということで問題を起こしてきました。昨年10月から施行されました住宅瑕疵担保履行法での保険制度では、消費者に新築住宅を引き渡す住宅事業者が保険に加入するということで、万一その事業者が倒産した場合でも、住宅の欠陥を直すための費用については保険会社から消費者のほうに支払われるということになったという制度でございます。
○白井委員 今、新築というお話があったんですが、これはリフォームも実は適用される事業に含まれております。少し前に、住宅のリフォーム詐欺というのがありました。新築に対しては建築申請だとかさまざまな許可申請の中で細かくチェックを受けます。しかしながら、リフォームの場合には、そういうものは一切飛ばされていた。本当にこの住宅は適切なリフォームを受けてきたのか、どういうリフォームを受けてきたのかすら、実は住宅の履歴書というんでしょうか、がない状態だったんです。これを残しながら、この情報を活用するというのと同時に、検査機関が一定の基準と認めた場合には補償しますよというのがつきます。先ほどありました保険商品が新たに組まれたんですけれども、中小企業の業者さんは信用がないとなかなか受けられません。しかしながら、中小企業の業者さんがこれを受けた場合に、一定基準を満たすと、その保険制度が利用できると同時に、万が一倒れても、それを依頼した方々にお金が戻ってくるという、こんな制度なんです。そういう部分では画期的な制度だなと思います。
 もう1点。平成21年度、国の第二次補正予算、また今年度の22年度予算にも現在盛り込まれていますけれども、今月、3月8日から受け付けが開始されます住宅版エコポイント制度について概要をお伺いします。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 住宅版エコポイント制度でございます。これは、家電ですとか自動車につきまして、現在国のほうで実施しておりますエコポイント制度、これのまさに住宅版というべきものでございまして、一定の省エネ性能を満たします新築住宅あるいはリフォーム、改修工事、これをする住宅に対してポイントを付与するというものでございます。具体的に申し上げますと、新築住宅の場合ですと、工事着工が昨年の12月8日から22年12月31日までに着手したものとなってございまして、対象となりますのが、いわゆる省エネ法のトップランナー基準を満たす住宅、あるいは平成11年基準の省エネ基準を満たします木造住宅、こちらが対象ということになってございます。
 それから、付与されるポイント数でございますけれども、これは建物の大きさや工事費にかかわらず、1戸当たり30万ポイントとなってございます。1ポイント1円相当ということでございますので、約30万円に相当するというふうに御理解いただければと思ってございます。
 それからもう1点、リフォーム、改修のほうでございますけれども、こちらの工事着手が、ことしの1月1日から12月31日まで等となってございます。対象となりますのは、大きく三つの改修工事になってございまして、一つ目が、窓の断熱改修でございます。こちらが、内窓を設置したり、外窓を変えるもの、それからガラス交換をするものといったものがございます。それから、外壁あるいは屋根、天井、それから床の断熱工事が対象になってございます。
 それから、3点目でございますが、バリアフリーの工事でございます。こちらは、1点目、2点目いずれか一つと合わせて行う場合が対象となっているものでございます。付与されるポイントの数でございますけれども、窓の場合ですと、交換する場合で、大きいもので1万8,000ポイント、それから、ガラス交換で、やはり大きいもので7,000ポイント等となってございます。それから、外壁等の断熱工事ですと、10万ポイント等というような数字になっているところでございます。
 なお、先ほど来御質問ございました税制の特例あるいは融資の優遇、こちらとの併用も可といったようなところがございます。
 それから、太陽光設備あるいはコードレス給湯器などの補助金をもらう場合も、これだともう同時補助といいましょうか、支給が可能というふうになっているところでございます。
 具体的な対象の家としましては、借家、持ち家、戸建て共同住宅問わず対象ということになってございます。
 それから、先ほど委員からもございましたけれども、ポイントの交換の申請でございますが、3月8日に始まりまして、リフォームの場合ですと23年3月31日まで、新築の戸建てですと同年6月30日、共同住宅ですと12月31日等というふうになってございます。
○白井委員 ありがとうございます。これまで家電のエコポイント、それから自動車のエコポイントが行われてきました。第三弾と言われているんですけれども、いかんせん、組まれた予算が非常に小さいというのが私の思うところです。これでは、住宅の全体を動かすにはちょっと足りないだろうなと思うんですけれども、もともとの案は、実は平成20年ごろ、経済産業省、そして国土交通省、それから環境省、三つの合同プロジェクトでずっと審議されてきたやつなんです。いわゆる前政権で組まれてきたやつなんですけれども、いざ形となってきたら、予算額が少な過ぎで、今行われているいわゆる家電や自動車の額と比べるとゼロが違い過ぎるかなというところです。
 しかしながら、このポイント制度をうまく活用できないかというふうにも考えます。例えば、品川区は、これに乗じて、エコポイントを見越した上で区内の事業者、例えば建築設備等々が利用される場合には、エコポイントプラス区の独自のほうのインセンティブを与えますよと、こんな制度も検討しているようですけれども、中野区としても、これに便乗してといいますか、これを活用して独自の制度を組み上げることはできないんでしょうか、お伺いします。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 委員、御指摘のような環境対策といったものが、区内の事業者の振興ともなるようなそういった政策についても検討していきたいというふうに考えてございます。
○白井委員 今、中野区の環境基本計画の環境基金の設立と、その中のアクションプランも今後検討されていくというふうに聞いております。そういう部分では、環境推奨の新築、特にリフォームが大事だと思っております。先ほど御説明いただいたように、割と簡易なリフォームからこの制度を運用できるようになります。そういう部分では、この環境基本計画の中の具体的な策定の中にもぜひ盛り込んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 現在、中野区内の家庭等で取り組みますさまざまなCO2削減、これを促進するための仕組みといたしまして、地域エコポイント制度といったものを考えているところでございます。こういった制度を軸に検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○白井委員 もう一つ。環境・リフォーム推進事業の一方で、既にある中古住宅をどうやってストック化していくのかというような制度が並行で行われております。既存住宅流通円滑化事業というやつなんですけれども、これだけではエコポイントの対象にならないんですけれども、まず概要についてお伺いをいたします。
○登都市整備部副参事(住宅担当) 既存住宅流通円滑化事業につきましては、平成22年度から実施される国の新しい事業でございますけれども、現時点では、まだ詳細については明らかになっていない部分がございます。目的としましては、消費者が安心して既存住宅、つまり中古住宅を選択し、適切なリフォームを行うことができるようにするということでございます。内容としましては、既存住宅の売り主やリフォーム業者の瑕疵担保責任等をてん補する保険制度を整備していこうということでございます。
○白井委員 この中、私が着目しているのは、実は耐震化を進めるという制度が盛り込まれているところなんです。単に環境だけではなくて、耐震化を進める事業としても組み合わせることができるのではないかなと思っておりますが、これにあわせて、耐震化をぜひ、もう一歩進めた政策の展開が必要ではないかなと思いますけれども、いかがでしょうか。お伺いします。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 住宅の耐震化の促進につきましては、また実際におきましても、公的な助成メニュー等拡充していますが、なかなか進んでおりません。過日申し上げました地域的な取り組みとあわせまして、今、委員、御指摘のような項目も加えながら、重層的な取り組みを検討してまいりたいと考えております。
○白井委員 さまざまな制度をお話ししたんですけれども、実は、幾重にもチャンスが重なってきているタイミングかなと思います。
 一方で、どの制度を組み合わせるかというやり方もあるんですけれども、私は個人的には、幾重にも重ねて、パイが小さくても重ねれば重ねるほど波状効果があるんだろうと思います。税制面でも過去最大期の住宅の減税が続いております。リフォームでもこれは活用できます。さらに、エコポイント制度が始まります。また、今あったように新しい保険商品としての瑕疵担保、既存住宅の制度もあるし、一方では、既存住宅の流通支援として耐震化もある。翻って、区のほうでは、今検討されているのがスリーポイントと言われている制度があります。これは区内のほうの喚起、そしてできるんじゃないかとなると、中小企業支援策だとか、ほかにももっと幅を持たせる制度の運用ができるのではないかなと思いますけれども、ぜひ総合政策として、新たに組み上げをやっていただきたいと思いますが、これについてお伺いします。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) ただいま委員から御指摘をいただきましたような観点、そういったものも踏まえまして、地域エコポイント制度をはじめといたしまして、住宅や建築、産業振興など、関係所管と連携を図って相互の波及効果が出せるような施策の組み立てを工夫していきたいというふうに考えてございます。
○白井委員 ありがとうございます。私の質疑の進め方が下手くそで、全然項目最後まで終わらないような形になっております。ちょっと順番を変えさせていただいて、もう正直残ると思いますけれども、質疑通告をしておきながら質疑できないところもあるかと思います、御了承いただければと思います。
 ちょっと一休み的に、一番最後の項目から入らせていただきたいと思います。
 これは7番目に挙げたところなんですけれども、脳脊髄液減少症の対策についてというお話になります。これは具体的な対策をどうこうというよりも、正直言って、私、きょうはここでお話しするだけでも意味があるかなと思っております。というのは、なかなか知られている病気ではないんですけれども、こういう病気で苦しんでいる方がいるんだというのと、正直言ってレアケースかもしれません。まだはっきり実態がつかめていないところなんです。なんですけれども、この脳脊髄液減少症というのがまずあるんだというのを一人の方にでも多く知っていただく必要があるかなと思います。
 先日、この支援をする会の方にお話をお伺いしました。そういう意味では、まずいろいろな方々にはた目にはなかなかわかりません。だけれども、本人はすごく重いものを抱えている。偶然、つい先日、御相談を受けた方が、実はこの脳脊髄液減少症というのをお持ちの方でした。まず、この脳脊髄液減少症はどういうような状態というんでしょうか、どういうような患者さんなのかお伺いします。
○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 私たちの脳や脊髄は、頭蓋骨や背骨によって保護されている。その中に液体が含まれておりまして、言わば脳や脊髄が浮いている状態にあります。その液体が脳脊髄液というものでございます。脳脊髄液減少症は、何らかの原因で持続的にその脊髄液が外部に漏出したりすることで減少することによって、頭痛、めまい、視力障害、倦怠感、さまざまないわゆる不定愁訴と言われるような症状を来す疾患だと言われております。現在、国のほうとしても研究班を作成して、この病態、診断治療の改善に向けて研究を行っているという状況でございます。
○白井委員 ありがとうございます。なかなか言葉で言うと難しいので、きょうはまた図画工作をやってきまして、きんいち君という絵をかいてきました。ちょっと図解して、今御説明いただいたところの中身をお話ししたいと思います。
 ここに大脳があります。その下が小脳で、ここに脊髄があるんですけれども、この水色の部分が硬膜というもので覆われております。赤い斜線というのは、今お話しいただきました脳脊髄液というところなんですけれども、例えば、昔頭をぶつけたとなれば、頭のCTスキャンだけとったんです。頭無事ですよと、脳問題ありませんよと言われたんですが、実は、この脳を支えている脳脊髄液といっていまして、この圧が下がると脳がゆがむというんでしょうか、下がる状態なんです。腰をぶつけただとか、胸をぶつけたというところで、この硬膜というのが破れて、脊髄液が漏れ出すんです。それによって脳が下がることによって、今お話しいただいたように、さまざまな疾患が出てきます。一概にこの症状だけですよとは言い切れなくて、ひどい場合には、歩けなくもなれば、もう寝ているだけでもつらい状態。視野が狭くなったりですとか、しびれたりという病態が出てきます。一見軽い状態ですけれども、だらけているのかな、怠けているのかなというような状態なんです。よく交通事故等々でこういうのが起こると言われております。突然その場ですぐなればいいんですけれども、何年もたってから出てくるというやつなんです。よくむち打ちという言葉がありますが、一昔前まででしたら、脳の脊髄液が漏れるなんていうことはあり得ないと言われていたんですけれども、むち打ちの中で、実は結構含まれているんじゃないかと言われている病気なんです。
 ちなみに、つい最近、判例でこんなのがありました。本人はむち打ちだと言っていたんですけれども、病院に行ったら、やっぱり脳脊髄液減少症だと言われたです。ところが、相手の自動車会社の保険会社がむち打ちはわかるけれども、脳脊髄液減少症まで現在保険適用になっていないんです。そんな費用までうちが負担する必要があるのかというのが争われてまして、初めて法定の場で、これは因果関係を認めましょうというところから、費用が出たというところから少しクローズアップがされてきたところです。
 ちなみに、まだまだ、今お話しいただいたところでして、この概要というんですか、治療法についても研究段階にあるところで、厚生労働省が2007年にガイドラインを策定しようとして、この症例のかき集めをやっているところです。1週間か2週間ぐらい前に一般紙でもちょろっと出たんですけれども、この症例の集まりが悪くて、なかなかガイドラインの策定に時間がかかりそうだというところが現状なんです。そういう部分では、もしこういう方がいれば、当然専門的な治療機関へあてがってあげる必要がありますし、全国の医療機関もまだまだ少ない状況だというのがこの病気です。
 ちなみに、この治療で有効なのがブラッドパッチと言われる治療法なんですけれども、このブラッドパッチについての概要の説明をお願いいたします。
○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) ブラッドパッチというのは、ブラッドは血液という意味で、パッチというのはふたをするというような意味ですけれども、患者さん自身の自己血を採血します。血液は外に出た状態では固まる性質がございますので、先ほどの委員の図でいくと、背中の部分から針を刺して髄液が漏れている部分にその患者さんの血液を若干注入する。その注入した血液が固まることで髄液が漏れる部分を穴埋めするということをねらった治療法がブラッドパッチという治療法でございます。
○白井委員 丁寧な御説明ありがとうございます。そうなんです。自分の血を抜いて、自分の血をもう1回打つんです、その漏れている部分に。硬膜のところで凝固するので、それがふたとなってこの髄液が漏れるのを防ぐ働き、そうすると圧が戻ってくるので、正常な脳の位置に戻ってくるという治療法で、小さければ小さいほど、幼ければ幼いほどその効果がてきめんではないかと言われているところです。当然保険適用になっていないというのは、ブラッドパッチという治療をできる病院が少ないこともあるんですけれども、その費用が非常に高いというところで、この患者の団体さん方は早く保険適用にしてもらいたい。こういう動きが今あるところです。
 ちなみに、平成19年5月31日に文部科学省より都へ通達がありました。内容は、こういうようなお子さん、例えばいませんか。場合によっては、直接専門機関へ案内する。一方で、やっぱり日常生活があるので、こういうぱっと見るとなまけているんじゃないか、ふざけているんじゃないかというお子さんたちに対して支援の目を向けてあげるというのが大事なんですよと、こういう通達があったんです。これを受けて、東京都、区の教育委員会というのは、どのような動きをされたのでしょうか、お伺いします。
○喜名教育委員会事務局指導室長 平成19年6月27日に各小・中学校あてに「学校におけるスポーツ外傷後の後遺症への適切な対応について」という通知を出しているところでございます。これをもちまして、脳髄液減少症という疾患について周知を図るとともに、学校においての事故防止、それから事故後の児童・生徒への適切な対応が行われるようにということで依頼を申し上げました。
○白井委員 各教育現場に通知はなさったんですけれども、教育現場において、通知を受けてどのような行動をされたのでしょうか、お伺いします。
○喜名教育委員会事務局指導室長 交通事故ですとか、それからスポーツなどで外傷を負ったお子さんが、その後の後遺症といたしまして、頭痛ですとか、先ほど御紹介になっためまい等の症状があらわれている場合には、安静を保つこと、それから保護者に連絡をすること、それから医療機関への受診を促すということ、または、このような先ほどのお話の脳脊髄減少症の可能性があるというようなお話について、学校からも情報を提供していくということで、養護教諭を中心とした体制ということで構築をしているところでございます。ただ、現在のところ、区内の学校では、この本症例の報告はございません。
○白井委員 症例がないことはいいことなんですけれども、逆に漏れているという可能性がある。これが一番怖いことだと思います。そういう部分では、周知徹底や、また学校現場、特に研修会をぜひやっていただければなと思いますし、幾つかの地方自治体では、広く一般の方々に知っていただけるようにということで、わざわざホームページでこういう病気がありますよというのをお知らせしているところもあります。都道府県単位で、ところによりますと、専門の医療機関の紹介までされているところもあります。例えば、中野区において、こういうのを広く周知していただく。何とか広報に載せていただけないかなというところと、もう一方、教育委員会のほうでも広報する。こんなやり方があるかなと思いますけれども、いかがでしょうか、お伺いします。
○喜名教育委員会事務局指導室長 先ほど委員からもお話がございましたけれども、この疾患の特徴といたしまして、周りの子から見たときに怠けているとか、ぼうっとしているとか、そういう誤解を招くということがございます。そういう二次被害に遭わないということについても十分配慮する必要がございます。そういう意味において、保健主任会また養護教諭等にこのことについて周知徹底の研修を行ってまいりたいと思います。
○白井委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 残り時間少ないんですけれども、5番の国際交流協会の日本語講座・クラスについてお伺いしたいと思います。
 現在、国際交流協会が日本語講座またはクラスというものを実施しております。まず、この概要についてお伺いします。
○小田政策室副参事(平和・人権・国際化担当) それでは、今御質問のありました国際交流協会が行っております日本語講座・クラスの概要について御説明申し上げます。
 国際交流協会では、日本語の不自由な外国人の方などを対象に、日本語を習得するための支援として、日本語講座のほうを開催してございます。大人向けには火曜日の午前と午後、木曜日の夜間の3クラス、子ども向けには火曜、木曜の夕方2クラスを実施しております。また、子どもクラスにつきましては、春休み、夏休みにも開催してございます。多くのボランティアの皆様に御協力いただきながら、それぞれの受講生が習熟度に合わせて日本語を学習している状況でございます。
○白井委員 すみません。幾つか質疑を重ねたいところなんですけれども、本当に残り時間がなくなってしまいまして、せっかく準備していただいたのに恐縮なんですが、大半を省かせて質疑をやらせていただきたいと思います。
 教育委員会のほうでは、この国際交流協会以外に日本語適用教室通訳者派遣事業というのを行っておられます。さらには、教育センターのほうで子どもたちに対しての日本語講座というのを行っておられるところなんですけれども、国際交流協会のほうでも事業をやっておられます。しかしながら、今お話ししたように学校現場への派遣、もう一方では教育センターでZEROホールで行っている日本語講座、この場所しかないです。これを例えば地域展開、このような活動の幅を広げるということはできないんでしょうか、お伺いします。
○小田政策室副参事(平和・人権・国際化担当) 国際交流協会といたしましては、地域展開を行う際には中心となって運営に当たるスタッフですとかボランティア等人材の確保と、また定期的に使用できる会場等につきまして、幾つか課題があるというふうに考えているというふうに伺っております。区といたしましては、日本語の不自由なお子さんたちにとりまして、日本語を学習する場所がより身近な地域であることは好ましいことだと思っております。日本語講座の地域展開に当たりましては、講座の内容の調整ですとか、また会場の確保、実施体制など、さまざまな条件の整備につきまして、十分な検討が必要であるというふうに考えております。
○白井委員 ありがとうございます。実は、外国人だから日本語がしゃべれないというのではなくて、日本人なんだけども日本語がしゃべれないというお子さんがふえてきているとも聞きます。現に、私も実は御相談を受けたことがあるんです。お父さん、お母さんが外国に行っておられて戻ってきた。本人は日本人なんですけれどもしゃべれない。学校の授業についていけない。母国語がさまざまありますので、なかなかそういう部分では手当てをしてくれる場がないんですね。そういう部分では、今ボランティアでやっていただいているこの国際交流協会の動きが非常に大事だと思いますし、一方で、教育委員会の取り組んでいる事業も大事だと思います。
 しかしながら、お子さん方が中野の駅前まで通うというのは大変なんです。ボランティアの方々も1カ所まで通うというのは大変なんです。ニーズがあるならば、その地域で日本語の学べるそういう場があれば、また学力の面からも補足をしていただけるんならばと思っております。ぜひ前向きな御検討をいただければと思いまして、今取り上げさせていただいたところです。ありがとうございます。
 残り時間もすごく少なくなってしまいまして、この時間では1問もできませんので、以上をもちまして、私の質疑を終了とさせていただきます。大変ありがとうございました。(拍手)
○いでい委員長 以上で白井秀史委員の質疑を終了します。
 次に、せきと進委員、お願いします。
○せきと委員 2010年第1回定例会総括質疑、日本共産党の立場で進めてまいります。
 区が掲げる「にぎわいと環境が調和するまち」について伺います。
 区は、警大跡地の計画を公園中心から超高層ビルが立ち並ぶものに変えようとした当初から、「にぎわいと環境が調和したまち」という標語を掲げてきました。ここで言う「にぎわい」とは何か、「環境」とは、「両者が調和する」とはどんなまちか御説明ください。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) まず、「にぎわいと環境が調和するまち」でございますが、これは警察大学校跡地だけではなく、中野駅周辺全体のまちづくりを進めるに当たって、その目標を表現した言葉であります。
 ここで言う「にぎわい」とは経済活動をはじめとするさまざまな人々の活力、また、「環境」とは快適と感じる空間や美しい緑あるいは景観といったような、そのような人を支えるすべての要素ととらえているところでございます。このような活力を生むさまざまな経済活動を展開しつつ、それによって生じる環境負荷を抑制し、快適と感じられる空間で活発な活動が展開される、そんなまちの姿を「にぎわいと環境が調和するまち」と表現したものでございます。
○せきと委員 環境負荷を抑制するという表現がありました。こうした調和に向けた具体的な取り組みがあれば、御紹介ください。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) このようなまちづくりを行うために、警察大学校跡地につきましては、開発を先行する事業者と覚書を取り交わしております。その覚書の中には、既存樹木の保全や活用、あるいは良好な景観形成といった内容を盛り込んでおります。これに区とともに取り組んでいくこととしております。
○せきと委員 開発行為は、必ず環境負荷を伴います。対立関係にさえありそうなにぎわいと環境が本当に調和し得るのでしょうか。ここでは、警大の超高層ビル建設による環境負荷を二酸化炭素排出量に換算することで数値化し、区が掲げる「にぎわいと環境が調和するまち」なるものが成り立つのかどうか考察します。
 私は、2008年の第1回定例会で、当時、警大跡地に予定されていた2棟の超高層ビル建造について、原材料の調達や運送など係るすべてを含めると、竣工時点で1,000トン以上の二酸化炭素が排出され、中野区内の二酸化炭素排出量は年間5,000トンもの純増になるという試算を示しました。その後、建物の規模や用途が大きく変わり、しかし、概要がわかってきましたので、今回新たに計算してみました。建築行為による二酸化炭素排出量の推定には係数を用います。延べ床面積がわかれば、大体の数字が出せるようになっています。建築行為による環境負荷を二酸化炭素に換算する計算式について御存じであれば御紹介ください。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 二酸化炭素の排出量につきましては、現在、各種統計資料からエネルギー使用量を把握いたしまして部門別に計算したデータをもとにしているところでございまして、委員のお話にございましたような、原燃料との調達から運送、建設、廃棄とすべてのサイクルを含めたデータについては承知してございません。
 建築行為に限ったデータにつきましては、一部の調査研究のレベルでの数値があるとは承知してございますけれども、一般的に使用できるような公的な数値というものについては承知してございません。
○せきと委員 公的な数値はないというお話でありました。私は、今、御担当が紹介もいただきました研究レベルでの数値ですね。芝浦工大の中口教授らが公開しております床面積当たりの二酸化炭素排出係数を用いました。これはただ、御担当もおっしゃったように、工事に伴う燃料の採取、輸送、供用、または事務所等における排出量は算定していないため、実際よりもかなり控え目な数字であることをお断りしておきます。鉄筋鉄骨造の係数は7.5kgCO2/平米、したがって、業務商業施設の大きいのが1,138.5トン、旧囲町公園部分のが293.25トン、帝京平成大学が469.5トン、明治大学が481.5トン、合わせて2,382.75トンの二酸化炭素が警大跡地の建築行為によって排出される計算になります。建物が建った後の施設の運用についても、二酸化炭素に換算してみます。商業施設、業務施設、教育施設による二酸化炭素の排出量の目安はありますか。あれば御紹介ください。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 私どものCO2削減の目標数値にも使ってございますけれども、特別区協議会におきまして、23区の業務部門別の二酸化炭素の排出量の推計がございます。これから、床面積1平米当たりの二酸化炭素の排出量を計算いたしますと、おおむね事務所ビルといったもので約100キログラム、それから大型小売店舗で150キログラム、学校ですと約30キログラムといったようなことが示されてございます。その他東京都等でも公表しているかと承知してございます。
○せきと委員 東京都省エネカルテというのがあって、施設の性質別に単位面積当たりの年間二酸化炭素排出量を平均値と少な目の数値と二つ示しています。これを使って計算しますと、警大跡地全体で2万トンから4万トン、区が警大跡地に呼び込むにぎわいによって、中野区内の二酸化炭素排出量は2%から4%程度もふえることになります。このふえた二酸化炭素排出量を緑化によって相殺するには、中野区全面積の100倍以上を毎年緑化していかなければならないことになります。来年度は、中野区環境基本計画を改定し、温暖化防止の数値目標を変更すると伺いました。今述べた警大跡地の開発によって、二酸化炭素排出量が年間2万トン以上もふえる件は環境基本計画改定時に当然盛り込むと思いますが、確認したいのでお答えください。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 中野区の環境基本計画、これにつきましては、先ほども御答弁いたしましたさまざまな経済活動等々含めました中野区総体としてのCO2排出量、これをベースといたしまして、目標を立てるなどしているものでございます。
 したがいまして、個別具体的な案件一つひとつを盛り込むと、反映するといったことは難しいというふうに考えてございます。
○せきと委員 大変残念であります。日本国内の温室効果ガス排出量のうち、建築行為によるものはどれぐらいかお答えください。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 環境省のデータによりますと、2007年度になりますけれども、建設業で全体の約0.9%排出というふうなデータがございます。
○せきと委員 0.9%という数値でありました。私が調べました日本建設機械化協会の研究でいきますと、日本国内の温室効果排出量のうち、建築行為が占める割合は1割半から2割、建物の運用まで含めると三、四割になるというふうに出ています。開発はどうしたってたくさんの負担を自然環境にかけるのであって、なるたけ負担をかけない工夫を幾ら研さんしたとて、帳消しに至ることは熱力学の第二法則からいっても絶対にあり得ません。警大跡地の開発が2年後に一区切りつくらしいけれど、「にぎわいと環境が調和するまち」は2年後においてもなお、いつかこうなったらいいなという未来の願望的な政治目標にすぎないようであります。私は、大規模再開発に反対していますが、区がどうしても突き進むというのなら、せめてにぎわいと環境が調和するといった非科学的な誇大公告は取り下げていただきたい。温暖化問題だけが環境ではないけれども、警大跡地の開発による二酸化炭素発生量はわずか1.5ヘクタールの公園や屋上緑化などではとてもあがない切れる代物でないことを事実として認識し、向き合ってください。このことをお伝えして次の質問に移ります。
 次に、非核平和のとりくみについて伺います。
 きのう、3月1日は何の日だったか御案内ください。
○小田政策室副参事(平和・人権・国際化担当) 3月1日は、1954年に太平洋のビキニ環礁で行われました水爆実験で、日本のマグロ漁船「第五福竜丸」をはじめ、多くの漁船が死の灰を浴びて被爆した日でございます。「ビキニ・デー」というふうに名づけられているというふうに伺っております。
○せきと委員 ビキニ・デーでありました。現地のロンゲラップ島の住民らが大変な被害を受けたほか、今御案内がありましたとおり、日本のマグロ漁船「第五福竜丸」が死の灰を浴び、無線長の久保山愛吉さんがその半年後、「原水爆の被害者は私を最後にしてほしい」との遺言を残し亡くなるなどの被害がありました。広島の8月6日、長崎の8月9日と並んで3月1日は大切な非核平和の日であります。3月1日に区として何か平和事業はしていますか。
○小田政策室副参事(平和・人権・国際化担当) ビキニ・デーに合わせた特段の事業は区としては行っておりませんが、毎年、原爆の投下や被爆者に関する平和企画展示のほうを開催してございます。
○せきと委員 それは3月1日に合わせてということですか。
○小田政策室副参事(平和・人権・国際化担当) 基本的には、広島の8月6日ですとか長崎の8月9日の時期でございますので、夏の時期に開催をさせていただいております。
○せきと委員 第五福竜丸の焼津市に行けとは言いませんが、庁舎1階で展示会を開くとか何かやってください。第五福竜丸の被爆を契機に、原爆禁止の署名運動が燎原の火のごとく全国へ広がり、3,000万という驚異的な数を集めて政治を大きく動かしました。何度も申し上げておりますとおり、今核廃絶の気運が地球規模で高揚してきています。また、ことし4月、中野区における平和行政の基本に関する条例が制定20周年を迎えますから、平和事業はこれから盛り上がっていくことが望まれます。来年度に予定している平和の取り組みについてお聞かせください。
○小田政策室副参事(平和・人権・国際化担当) 委員、御指摘のように、中野区における平和行政の基本に関する条例が、施行しまして20年を迎えることにつきましては、平和のつどいですとか、その他平和事業を実施する際に、ポスターやチラシの中に記載するなどの方法によってPRをしていきたいというふうに考えてございます。
○せきと委員 中野区平和条例は全国初であり、沖縄県読谷村、三鷹市、神奈川県藤沢市、千葉県佐倉市、西東京市、宮城県気仙沼市、北海道苫小牧市がこれに続きました。かつて中野区は平和行政の先駆者だったのに、田中区長になってこのかた、署名に応じない、映画「日本の青空」の推薦を断る、平和行進へのあいさつの言づけもやめちゃった。平和献花への言づけもやめちゃった。その上予算まで大幅に削ろうとはあんまりではありませんか。今年度は、一般会計から47万5,000円が措置されていますが、新年度は一般財源からはたったの1,000円で、あとは平和基金を取り崩すとなっています。中野区の平和行政は後退してしまっているとお感じになりませんか。一般財源からの予算措置も必要だと考えます。伺います。
○小田政策室副参事(平和・人権・国際化担当) メッセージの送付や署名につきましては、平和に関します区の理念や取り組みと整合性があるか、また、その必要性や効果などにつきましてもきちんと吟味した上で判断しているところでございます。
 来年度、確かに、委員、御指摘のとおり、なかなか区財政が厳しい中、平和行政に関する予算も厳しくなってございますが、これだけ厳しい状況でありますと、予算の縮減はある程度やむを得ないものかなというふうには考えております。少ない予算ではございますが、NPOですとか区民団体と連携しまして、効果的な平和事業に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○せきと委員 お金のことで言うのであれば、核兵器が使用されたときの損失を考えると、10キロトンの地表爆発による初期損失額が1兆ドルという試算もあります。被害総額は見積もることさえ困難と言われます。こういうのを費用対効果とは言いませんけれども、平和事業というのは、究極の安全・安心の取り組みであるに違いありませんから、予算というのはきちんと措置していただきたい。このように思います。
 以前にも質問しましたが、平和市長会議について伺います。平和市長会議から加盟要請は来ていますか、御紹介ください。
○小田政策室副参事(平和・人権・国際化担当) 平和市長会議への加盟に関しましては、せんだって、特別区長会のほうで御案内がありまして、区長あてに加盟要請の文書が届いているところでございます。
○せきと委員 これまでの一般質問等で、区長は平和市長会議への参加は考えていないとお答えになりましたが、中野区が参加しています日本非核宣言自治体協議会は、2007年の第24回総会決議で、平和市長会議による国際的な平和推進活動を指示すると表明しています。でありますから、どうぞ御安心いただきまして、平和市長会議に加盟するよう求めます。答弁は要りません。
 沼袋駅北口の路上駐輪対策について伺います。
 店じまいしたところの軒先に買い物客がずらっと自転車をとめて道路が道路でなくなっていた状態が沼袋駅北口でありました。こういう事態があったことを区は存じていますか。
○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 今年度行った調査では、沼袋駅周辺の放置自転車100台前後といったところでございます。うち30台前後が沼袋駅北口に集中しているというところでございます。
 御指摘の箇所でございますが、ある店舗が閉鎖をいたしまして、また新しい店舗が入るまでの間、2カ月前から2週間ぐらい前までなんですが、この間に一時的に放置がひどくなったといったところは承知してございます。
○せきと委員 本当に道路が買い物客の自転車だらけで、とても通行できる状況ではありませんでした。空き店舗は、今は事業者も入りまして、大分通行できるようになりましたけれども、まだ自転車はたくさんあります。こうした点について、区として何か対策は講じていますか。
○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 駅周辺の実態にもよりますけれども、沼袋駅北口でございますが、大店舗がございまして、そういった大店舗付近等の放置が目立つ地域につきましては、該当施設と、例えば駐輪施設の設置や自転車整理員の配置になどについて、その実態を踏まえまして協議、指導、相談を行っているというところでございます。
○せきと委員 施設に出向いてお話もされているという話でありました。テレビで見たというおもしろい話を聞きました。駐輪場に自転車をとめると拍手の音やら景気のいい短い音楽が流れる機械を取りつけたところ、買い物客が喜んで活用するようになったという話であります。しかられるから駐輪場ではなく、楽しいから駐輪場が活用されるような視点を自転車対策に取り入れてください。伺います。
○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 委員が御指摘された技術的な駐車施設の利用向上策、そういったものにつきましても、より効率的で適正な自転車駐車場環境の確立に向けまして調査、研究してみたいというふうに思ってございます。
○せきと委員 とかく取り締まり強化だ、罰則だ、だれが悪いという議論になりがちでありますが、楽しく解決した事例に学ぶこともぜひ検討いただきたいと思います。ありがとうございました。
 次に、ホームレス自立支援について伺います。
 ホームレスはふえていますか。区または国の認識を伺います。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) ホームレスの数ということですが、ホームレスの数は年々減少傾向にございましたが、厳しい景気状況の影響で、平成21年1月の路上生活者概数調査結果より増加に転じております。中野区におきましては、平成21年8月現在、40人ということでございます。
 また、区または国のホームレスの増加についての認識ということでございますが、ホームレスの支援につきましては、東京都の23区が一体となって、路上生活者対策事業を平成12年度より行っているところでございます。この事業につきましては、一定の成果を上げているというふうに認識しております。
○せきと委員 ホームレス住居の喪失は、貧困が極まった状態であります。規制緩和と市場競争原理を拡大させた新自由主義が今日の格差と貧困をつくり出しました。つまり、間接的であれ住まいをなくす人がふえた外因は、その一端を新自由主義に求めることができます。住居喪失は、また孤立が極まった状態でもあります。少なくない人は、親族あるいは役所に頼ることなく、または事情あって頼ることができないままに仕事と住居を失ってしまい、さらに、住まいがない生活を継続し、あるいは住居を獲得するに当たっても自分一人の力だけで何とかしようとする傾向が見られるといいます。堤圭志郎さんはこれを、過剰に個人化された自立感と表現とし、自業自得、自己責任、加速責任といった自立主義的生活規範による社会的責任の免責であると批判しています。本来、社会問題であるはずの貧困が個人の問題へと転嫁され、矮小化されてはなりません。この点はいかがか伺います。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) ホームレスという状況は、個人にさまざまな問題が集中してあらわれるという傾向があり、そのことに加え地域から孤立するという問題もあります。これは地域社会における支え合う欠如や無関心な人間関係の希薄化にも原因があると言われておりますけれども、区としましては、社会問題または個人の問題どちらかといったような、どちらか一方に偏った課題というふうには認識はしておりません。
○せきと委員 責任という言葉は、英語レスポンシビリティの略語として明治時代につくられました。漢籍にも出ているよという話を聞いてちょっと調べたんですが、当たり切れなくて、「越絶書」にちょっと見かけましたがどうかと思います。レスポンシビリティの語源は「応答する」を意味するラテン語と言われます。レスポンシビリティの意味は、自分がかかわった事柄や行為から生じた結果に対して負う義務やつぐないであり、わざわざ取り出して自己責任とするまでもなく、責任といえば、つぐないとかそういうのは本人がもっぱら負うに決まっています。責任と言えば済むものを自己責任などと冗長に間延びさせてまで強調したいのは、要するに自業自得ということであり、その目的は公共の責任後退であるに違いありません。
 話がそれましたが、公共から地域に、地域から家族、家族から個人へと責任の所在を内へ内へと狭めていく自業自得論を過剰なまでに体現してしまった結果の住居喪失でもあり、だとすれば、規制緩和や市場競争原理の拡大は、住まいをなくすに至った内因か、少なくとも、それを助長している要素の一つであると言えます。こうした規制緩和や市場競争原理が住まいをなくした人をふやすのなら、こうしたものに甘い幻想を抱き、あまつさえ、牽引役まで名乗り出た中野区には、結果としてふえた住まいをなくした人への支援を他の自治体よりも熱心に行う自己責任があると考えますが、いかがでしょうか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 御質問のような件が中野区にあるとは考えておりません。ホームレスの支援は中野区だけで解決できるものではなく、都や23区一体となって取り組むべき課題と認識しております。
○せきと委員 人の命とお金をはかりにかけることは福祉増進機関の所業ではありません。以下、そうした観点で質問してまいります。
 12月24日、江原公園に住まいをなくした人が40人以上も集まりました。彼らはどこからやってきて、どこへ行ったのでしょう。駆けつけた警官から住民が聞いた話によれば、彼らはいわゆる公設派遣村へ行ったので江原公園は事なきを得ました。事なきを得たとは、公園は寝起きする場所ではないから、ホームレスは公園にいてもらいたくないと願う人の論理であり、多くの人がまずこうした立場だろうと思います。この件について、ホームレス入門という本におもしろい記載があります。公園は寝起きする場所ではない一方、避難場所ではある。仕事と住居を失った原因を貧困の拡大、雇用の規制緩和という人災、人が起こした災いに求めるならば、この災いから逃れて公園にいる分には公園の利用目的にかなっているとは言えないだろうか、いかがでしょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 公園は、基本的にだれでも自由に出入りできる場所ではありますが、しかしながら、ホームレスがいわゆる寝泊まりしたり、生活用具等、長期間占用することは想定しておりません。
 したがって、都市公園法並びに区の公園条例に基づき指導を行っているところであります。また、今、委員、御指摘の避難場所という概念でございますが、広域避難場所の指定区域にある公園もありますが、震災時を想定した避難場所であるわけでございます。
○せきと委員 ここまで住居喪失とか住まいをなくした人という呼び方を使ってきました。ホームレスという言葉は、正しくは適正な住居に暮らしていない状態にを指します。フランスなどでは、成人が独立していないのは適正な住環境ではないとして、成人してなお親元で暮らす者はホームレスとされます。私も半年前まで親元におりましたので、そういう意味でいくと、私も半年前までホームレスでありました。しかし、日本での定義でいいますと、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法が第2条で規定するとおり、都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし、日常生活を営んでいる者、つまり住まいをなくした人に限っていますが、ネットカフェ難民や住宅、友人の宅へ居候している人が対象とならないため、問題があると私は考えます。24時間店舗や友人宅にいるのは、特措法2条が言う、その他の施設に含まれますか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 特別措置法第2条にうたいます施設の中には、24時間店舗や友人宅は含まれません。
○せきと委員 こういう住居をなくしそうな人への支援も大変重要だと思います。昨年の決算特別委員会でも少し紹介しましたが、日本共産党員が市長を務める蕨市は、適正な住居を持たず、故なく24時間店舗で寝泊まりする人に対し、その店舗での住民登録を認めるようになりました。就職活動をする際に、住民票があるとないとでは天地の開きがありますから、この取り組みは大変喜ばれており、実際に何人もそこから仕事に通っています。中野区も24時間店舗から仕事に通いたい人に住民登録を認める制度を検討すべきではありませんか。
○今区民生活部副参事(戸籍住民担当) 24時間店舗で寝泊まりする人への住民登録ということですが、住民基本台帳法の第4条で規定する住所というのは、生活の本拠というふうに定められております。ネットカフェなどの24時間店舗は居住することを目的とした施設ではないということと、また、旅館業法で定める宿泊施設にも当たらないということでございます。そういう意味では、宿泊ができる施設としても認められておりません。
 したがいまして、居住の場ではない24時間店舗を生活の拠点として認め、住民登録を行うことは、住民基本台帳の記載内容の正確性と安定性を損なうことになるため、認められないというふうに考えております。
○せきと委員 就労の偏重について伺います。
 現在の日本では、福祉を受けようとする者には可能な限り働いて稼いでもらうように指導することになっています。住まいをなくした人がそこから脱却したいと役所に相談に行った場合、どういった経路をたどるか御説明願います。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 住まいがなくなった方やホームレスの方から相談のあった場合は、まず健康状況やこれまでの生活状況をお聞きしまして、例えば緊急に入院が必要とされる方には病院等の連絡をとりまして、入院の手はずを整えまして、入院をしていただくようなこともございます。また、特に体調に問題のない方につきましては、公的に設置している緊急一次保護センターや特別区人事厚生事務組合で運営しております施設や、または民間の宿泊所を紹介し、泊まる、宿泊の場を確保することとしております。その後、健康状態を取り戻した時点でいろいろなこれまでの生活のあり方について学び直すというか、反省をしたりとか、そういったようなことを通じまして、自立支援センターなどに移り、その後仕事を探し、アパートに移るといったようなことになります。
○せきと委員 全国の自立支援センターを利用した人のうち、就労による自立を果たしたのは3割から5割にすぎず、その上せっかく就労自立したというのに、また住まいをなくしてしまう人が随分おります。彼らが悪いのでしょうか。いえ、そうばかりではありません。北川由紀彦さんという方が批判しておりますが、自立支援システムは、現在では野宿者の再選別装置になっている。すなわち、野宿者を一たん路上からすくい上げた上で、二つの層、労働市場からまだ労働力とみなされ、かつ労働条件や職業適正上の問題があったとしても従順に働き続けられる層と、そもそも労働市場から労働力とみなされないか、せいぜいが使い捨て可能な労働力としかみなされず、かつそうした状況に堪えられない層に選別し、後者を再度路上へと切り捨てていく、こういう再選別装置である。このように申しております。
 名古屋の自立支援センターで仕事を見つけた人たちへの追跡調査を行った団体がありますが、それによりますと、就労し、部屋住まいの自立を果たしてから1年半が経過した段階で、自立の生活を維持している人はわずか3分の1しかなく、1年半で失踪が自立を上回るのだそうであります。求人を見ていますと、住み込み就労の募集をよく見かけます。住み込み就労は仕事と住居が一度に手に入る反面、失うときも両方一緒という再野宿の危険が高い、あまり進められない就労形態だと私は思いますが、御担当の認識はいかがですか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 就労に当たっては、社宅や寮などに入居することが望ましいといったようなこともございますので、住み込み就労等については、危険があるという認識はございません。
○せきと委員 私のところに来ました30代の住まいをなくした人は、一度は就職したのに、やがて離職してしまい路上に戻ったと話しました。公園生活だったという理由から職場で差別を受けたり、不安定雇用しか選択の余地がなかったり、いつも役所から就労による自立を半強制されるがうまくいったためしがないと語ります。役所は、住まいをなくした人に対し、働けるでしょう、働きなさいとばかり言います。では、社会が彼らにどんな仕事を用意しているというのか。ハローワークの情報端末は何十分待ちで、探しても仕事は見つからず、あっても年齢制限にひっかかり、ようやく見つけたと思ったら、200人も殺到してひっかからなかった。住まいをなくした人の稼働能力、働くだけの能力を活用していないのは、本人よりもむしろ社会ではありませんか。伺います。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 全く失業のない、失業者のいない社会の実現というのはなかなか難しいことだというふうに考えます。この間実施している、生活援護担当で実施しております離職者支援の事業などは、委員の御質問のような認識に立ったものではございません。
○せきと委員 毎日新聞2009年9月2日号は、路上生活者の6割以上がうつ病や統合失調症など、何らかの精神疾患を抱えるという医者らの調査結果が出たと報道しました。うつ病が4割、アルコール依存症が1割半、統合失調症など幻覚や妄想のある人も1割半、これらの合併症や不安障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)も見られました。路上や公園での生活により、精神を病む危険が高いのは自明であるし、そうならないためのセーフティネット、安全網でもあるはずでしょう。ところが、住まいをなくした人への支援施策においては、こうした精神保健の観点が極めて乏しいと言わざるを得ません。なぜなら、心身の健康回復を図る緊急一次保護施設でさえ、精神科医や臨床心理士による相談は任意でしかないのだから、精神保健の観点は乏しいと言えると思います。
 私が見てきた人たちで言えば、アルコール依存症、ギャンブル依存症、統合失調症、アスペルガー症候群、うつ病と、精神保健の問題を抱える人は8割を超えます。彼らは、精神疾患や発達障害上に仕事が続かず住まいをなくしたのか。それとも、住まいをなくした後、精神疾患となったのかはわかりませんが、役所は彼らに、働けるでしょう、働きなさいとしか言いません。住まいをなくした人への支援が就労偏重と精神保健希薄である限り、住まいをなくした人は減らないと、こう思います。
 今度、中野寮が建設されます。2011年4月から新型自立支援センターが開設し、2013年4月からは緊急一次保護センター機能が併設すると説明を受けました。今度の中野寮においては、精神保健を強化し、就労偏重を改めるよう求めます。この中野寮についてどこまで決まっていて、何が動いているのか。中野寮についての御説明とあわせてお答えください。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 新型自立支援センター、(仮称)中野寮は、東京都と特別区が協定を結び、一体となってホームレスの自立を支援する路上生活者対策事業の自立支援施設の一つとなります。この(仮称)中野寮――新型自立支援センターは、23区を五つのブロックに分け、各ブロックごとに各区が持ち回りで施設を設置し、ブロック内のホームレスの支援を行ってまいります。現在、中野区が含まれております第4ブロックでは、練馬区に緊急一次保護センターができておりまして、こちらは宿所や食事を一次的にまず提供し、心身の健康の回復を目的とした施設でございます。
 また、杉並区には、自立支援センターを設置してございまして、こちらのほうでは緊急一次保護センターで心身の健康の回復を行った後、杉並区の自立支援センターに移り、就労支援を目的として、こちらのほうで生活を行っていくということになっております。この杉並区の自立支援センターが平成23年3月をもちまして、杉並区の役割が終了し、閉鎖となります。ということで、この後を、平成23年4月から中野区に自立支援センターを設置し、平成25年よりは緊急対応の機能、緊急一次保護センターを加えて新型自立支援センターとするものでございます。
 新型自立支援センター中野寮の現在の進捗状況でございますが、平成22年9月より、中野区新井三丁目37番に、東京都のほうで建設を始める予定でございます。また、平成22年10月からは、特別区人事厚生事務組合のほうが運営事業者の選定の準備に入る予定となっております。また、運営内容につきましては、特別区人事厚生事務組合のほうで定めることになっておりますけれども、先ほど委員の御質問にありました精神疾患であるとか、精神疾患というか、入所後心の病気等に悩む方が出てきた場合や、また、それ以外の疾患、いわゆる胃が痛くなるとか風邪を引くとかそういったようなことも含めまして、医師による相談等の体制がとられるというふうに考えます。
○せきと委員 緊急一次保護施設に入りますと、体の健康診断は入所者全員義務で受けるんですが、そうした心の面については、先ほども言いましたけれども、最終的には任意です。本人が受けないと言ったらやらないという形になってしまっています。繰り返しになりますが、6割の人がそうした問題を抱えていると言われているので、ぜひとも、その内容についてもきちんとやっていっていただきたい、このように思います。
 現在の緊急一次保護施設である練馬寮ですけれども、扱っております杉並区と板橋区と練馬区は、希望者があらわれる都度、練馬寮に申し込みをしますが、中野区と豊島区そうではなくて、中野区でいえば10日に一度まとめて申し込むようになっています。中野区も希望者によっては即時申し込む場合があるといいますが、多くは、何日の何時にいらっしゃいと言われてそのまま帰されます。この方法は、緊急度の高い要保護者を保護していないかもしれないこと、募集と応募の倍率が他区より大きくなる公算が高いこと、二つの問題点が考えられますが、これはいかがでしょうか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 委員の御質問がありましたのは、ブロックの中でホームレスの方に対して、その緊急一次保護センターに入所する段階でのその選定方法によるものだと思います。中野区と豊島区は、10日に一度抽せんによって入所を決めておりますけれども、板橋区や練馬区、杉並区は予約制をとっております。この予約制ですと、ホームレスの方が来て緊急一次保護センターに入って予約をしたいということになりますが、いざ当該区の空きが出た場合に、ホームレスの方に連絡をとろうとしますと、どちらかの公園に行っていらっしゃったりしまして、なかなか連絡が実際はとれないというような状況があります。そういったことで、そちらのほうの、ほかの区につきましては、そこの事務手続がとても大変だというような苦情も聞いております。私どもとしましては、ここで一括で抽せんをしまして、抽せんをする必要がない空き人数の場合にはそのまま皆さん入っていただけますが、抽せんをした場合には、民間の宿泊所等を御紹介しておりますし、そういった問題からは中野区のやり方が一番ベストではないかというふうに考えております。
○せきと委員 先日ちょうどたまたま、緊急一次保護施設の中野の10日に一度の申し込みの締め切り直後に入りたいんだがという人が来まして、その方はもう仕方ないのでお帰りいただいて、10日後にまたいらっしゃいと言うしかなかったということもあります。善し悪しがあることはわかりましたが、今後、住まいをなくした人がふえていく中では、必要に応じて運用していただきたいと、このように思います。
○いでい委員長 せきと委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
 3時20分まで委員会を休憩します。
      午後3時00分休憩

      午後3時20分再開
○いでい委員長 委員会を再開します。
 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。
○せきと委員 生活保護について伺います。住まいをなくした人のうち、就労の可能性の高い層を選別して入所させ、手厚い就労支援メニューを集中的に提供している自立支援センターにおいてさえ、事業成果は十分とは言えない、こういう報告がされている以上、住まいをなくした人に対する生活保護の適用は何ら渋ることではありません。生活保護世帯が激増しておりますが、生活保護の申請理由に変化は見られますか、最近の特徴があれば御紹介願います。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 生活保護の申請につきましての申請理由の変化、また、最近の特徴ということでございますけれども、最近の特徴としましては、特に大きな病気もなくて働ける力があるんだけれども、仕事がなく、手持ちの預貯金等も使い果たして、やむなく生活保護の申請に至るといったような方がふえております。特にそういった方の中には若い方も多くなっております。また、世帯の傾向としましても、高齢者世帯が半数ぐらいおりますけれども、それ以外にその他世帯といいまして、今言ったような、特に病気もなく、本来であれば働いていただくというのが本筋でございますが、仕事がどうしてもないために生活保護になってしまうといったようなその他世帯もふえているというような状況がございます。
○せきと委員 しばしば問題とされます生活苦を理由にした生活保護の申請を抑制しようとする、いわゆる水際作戦は、よもや行われていないと思いますが、いかがですか。お答えください。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 申請の抑制につきましては、これまでもどういった状況でもやっておりません。
○せきと委員 御担当もお答えになりましたとおり、仕事がなくて生活が大変困窮している人がふえております。先ほど言ったとおり、その人の稼働能力を十分に活用できていないのは、本人以上にこの社会の自己責任であるのだから、これまでのような稼働能力を楯に生活保護の申請に難色を示すやり方は通用しなくなって当然だと思います。
 居宅保護の原則と施設収容主義について伺います。住まいをなくした人が年末年始のいわゆる公設派遣村を訪れ、中野区内において居宅保護、つまり部屋住まいをして生活保護を開始した人は何人おりますか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 年末年始の総合相談のうち、中野区で生活保護の申請をされた方は23人いらっしゃいます。この23人のうち、14人がアパートで生活を行っていらっしゃいます。
○せきと委員 生活保護法は第30条で居宅保護、部屋住まいの原則を定めていますが、住まいをなくした人の多くは、さまざまな理由をつけられて、無料低額宿泊所や簡易宿泊所や一時保護施設に入れられます。厚労省は2003年7月31日に、「ホームレスに対する生活保護の適用について」という通知を示しました。居住地がないことや稼働能力があることのみをもって保護の要件に欠けるものではないことに留意し、生活保護を適正に実施するとした上で、直ちに居宅生活を送ることが困難な者については、保護施設や社会福祉法第2条第3項第8号に規定する無料低額宿泊事業を行う施設等において保護を行うが、ホームレスの状況によっては、養護老人ホームや各種障害者福祉施設等への入所を検討することとしています。つまり、法の原則は居宅保護であって、無料低額宿泊所は直ちに居宅生活を送ることが困難な者に対して適用する例外措置であることを明示しています。
 ところが、2007年に厚労省がまとめた平成19年ホームレスの実態に関する全国調査、これを分析した山田壮志郎さんという方の研究によりますと、無料低額宿泊所が存在する市区町村では、生活保護開始の場所で最も多いのは無料低額宿泊所で6割、一般住宅での生保開始は0.4割であるのに対し、無低が存在しない市区町村では、生活保護開始の場所で最も多いのは医療機関で5割半、一般住宅は2割以上となっており、山田さんは、施設収容主義が居宅保護を妨げているのではないかと、こう批判しております。また、無低の多くは相部屋でありますが、極度の孤立が長かった多くの人にとっては、そのことが何よりも耐えがたい苦痛となっています。当事者の口からもよく語られますし、容易に察せられます。相談者が居宅保護を希望しているのにそれを認めず施設利用を促すのは、生活保護法と厚労省通知に違反しているのではありませんか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 厚労省通知に違反しているというふうには認識しておりません。委員の御説明にありました厚労省の通知におきましても、ホームレスの方が相談に見えた場合に、居宅生活を営むことができるか否かの点について特に留意することというふうになっております。こちらのほうの厚生労働省通知と同時に、生活保護法による保護の実施要領の取り扱いについての一部改正通知も出ておりますが、これによりますと、居宅生活ができると認められる者の判断としまして、居宅生活を営む上で必要となる基本的な項目、生活費の金銭管理、服薬等の健康管理、炊事、洗濯、人とのコミュニケーション等を自己の能力でできるか、または自分の能力のみではできない場合にあっては、利用し得る社会資源の活用を含め、できるか否かについて、十分福祉事務所は検討を行って、これに基づいてその方の保護の決定をするようにというふうになっております。ということで、私どもは、まずは緊急一時保護センターや民間の宿泊所に宿泊をしていただく中で、1カ月程度その方の生活を見ながら居宅に移していくというようなことを実施しております。
○せきと委員 より適切な運用をお願いしたいと思います。
 では、住まいをなくした人が中野区に相談に来た結果、養護老人施設や障害者福祉施設に入所したという例はありますか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) ホームレスの方が直接そうした施設に入所した例はございません。
○せきと委員 今後は、住まいをなくした人の状況に応じて、そうした施設への入所を視野に入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 養護老人施設や障害者福祉施設等におきましては、それぞれの入所後の手続がございます。こういった手続を、必要のある方はきちんと踏みながらそういったことの検討はしてまいりたいと思います。
○せきと委員 ありがとうございます。けさの毎日新聞によりますと、路上生活者の34%が知的障害の疑いがあるということが関係者らの調査でわかったと報道されました。また、北九州ホームレス支援機構は、住まいをなくした人のうち、知的障害があるのに本人も社会も見過ごしていた事例が多くあると、このように報告しています。療育手帳に関する国の指針が示されたのが1973年であることから、1973年以前に義務教育を終えた現在50歳以上の世代には、軽度の知的障害という認識がないかわりに、それを勉学が苦手だとか努力が足りないと、こういう自覚にすりかえて、人より苦労して生きてきた方が多いのだそうであります。北九州ホームレス支援機構では療育手帳の活用を念頭に置いて、住まいをなくした人への支援を行っています。こうすることで、障害基礎年金や障害者入所施設、通所事業など、有利に働く場合があるといいます。しかし、一方で、療育判定には当事者を傷つける危険があるため、細心の注意が必要だといいます。御担当におかれましても、住まいをなくした人には療育手帳を持たない知的障害者が少なからずあることを御理解ください。答弁は要りません。
 厚労省は、居宅保護の徹底をたびたび通知しておりますが、2009年3月18日の「職や住まいを失った方々への支援の徹底について」では、今後、景気がさらに後退すれば、職や住まいを失い、生活に困窮する方がさらに増加すると考えられる、このように見通しつつ、現在地保護の徹底やホームレス緊急一時宿泊事業、シェルター等の必要な施設の確保を図ることを求めています。
 通知のあて先は、各都道府県・指定都市・中核都市民生主幹部(局)長であり、中野区は対象とならない部分もあるとは思いますが、アパートを借り上げるなど、シェルター、緊急一時宿泊事業の施設確保は必要だと考えます。区の考えはどうか、お答えください。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 現在特別区では、23区が共同して路上生活者対策事業の一環として、緊急一時宿泊施設を設置しております。そういったことでは、ホームレスの課題は一つの区で解決のできるものというふうには考えないために、現在の方法で宿泊施設を確保することのほうが重要だというふうに考えております。
○せきと委員 施設収容主義を批判してきましたけれども、こうした無低、 無料低額宿泊所や簡易宿泊所を否定するものではありません。むしろ、これら住まいをなくした人を支援する団体への公費助成が薄過ぎる点は本当に改善されなければならないと考えます。ある無低がまとめた利用状況調査によりますと、無低を退所した理由のうち、累積違反と無届け、つまり失踪が4割もおります。退所した人へ実施した意向調査では、「施設に満足」「やや満足」と答えた人はわずか3割しかなく、違反者や失踪者は回答していないだろうことを考えれば、実際には8割以上の利用者が施設に満足していないことがわかります。この無低で生活保護を適用された人には月3万円の小遣いが渡されますが、これで転宅資金を蓄えるなど、できようはずはありません。相部屋である、月3万円しかもらえない、規則が厳しい、こうした無低の実態からして、寮長さんの人柄がどんなによかろうと、窮屈で逃げ出したくなるのは無理からぬことではないでしょうか。失踪する人たちがどうしようもないのか、それとも無低が最低限度の人間らしい生活環境を満たしていないのか、どちらだと思いますか。無料低額宿泊所での生活実態について、御担当の見解をお聞かせください。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 民間の宿泊施設自体がベストであるというふうには私どもも考えてはおりませんが、こういった施設について、国についても来年度より指導員を置くといったようなことを検討しております。そういった意味では、今ある民間の宿泊施設について、なるべく生活自体が良好な環境で行えるように、区としても、訪問やいろいろな調査を通して指導していきたいと思いますし、東京都や国につきましても、そういったことについては認識をしてさまざまな対策を組んでいくものというふうに考えております。
○せきと委員 ありがとうございます。区内のとある簡易宿泊所は、全部屋個室のため絶大な人気があります。経営者兼管理人さんは、傘寿、80歳を超えたと思えないほどしっかりしておられます。管理人さんは、利用者の中には高齢のためか泌尿器系の問題を抱え、布団や便所を汚してしまう人がちょくちょくいて、中野区に布団代を要求するが、予算を理由に断られてばかりだと残念がっておりました。区が紹介して住まいをなくした人が簡易宿泊所を使うのだから、保護実施の面からも簡易宿泊所に対する区の支援を強めるよう求めます。お答えください。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 委員の御質問の布団代等につきましては、生活保護法の適用に照らし合わせまして、必要があるときにはお支払いすることができますが、布団代自体がそもそも民間宿泊所に対して支給するものではなく、各個人に対して支給するものであるため、その方が例えば失踪してしまって既に中野区で生活保護を受給していないような場合につきましては、どうしても布団代等はお支払いすることができないような制度になっております。また、こういったことにつきまして、中野区独自で予算を計上するということにつきましては現在考えておりません。むしろ、そういった民間の宿泊施設等には、先ほども申しましたが、23区共同で検討していく中でそういった支援をしていくというようなことが重要だというふうに考えております。
○せきと委員 必要があるときにはできるという規定の積極活用をお願いしたいと思います。
 簡易宿泊所は、繰り返しになりますが、全部屋が個室でものすごく人気があります。こうした簡易宿泊所をふやすことの必要性について、どのようにお考えか、お聞かせください。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 全室個室である簡易宿泊所について人気があるということは、個人が尊重されるということで重要であるというふうには考えますけれども、例えば緊急一時保護センターや自立支援センターにつきましても個別の空間を確保するというようなことはできておりますので、それ以外の簡易宿泊所等についても、団体というか、一部屋に何人かが泊まるような簡易宿泊所もございますので、一般的に現在の形での簡易宿泊所についてはふやす必要性はないというふうに考えております。
○せきと委員 地域生活に移行した後の支援について伺います。住まいをなくした人のための地域生活移行支援事業というものがありますが、どんな事業か御紹介ください。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 地域生活移行支援事業は、ホームレスの方を対象として、平成16年から19年度にかけて都区共同で行ったものでございます。この中身につきましては、大規模公園につきまして寝泊まりするホームレスの方をアパートへ重点的に移行させていくというようなものでございます。中野区でも、平成18年度に紅葉山公園を中心としましたホームレスについてこの事業を適用しまして、アパートへの生活を移行していただいたというようなことがございます。
○せきと委員 東京都の事業評価票等を見ますと、うまく機能した事例も多数あります。ですが、新聞等で報道もされていますが、入居してみたら定地借地権で、ずっと住み続けられると思っていたのに2年後に退去をさせられた人もあり、裁判ざたも起こりました。
 地域生活移行支援事業についてはわかりました。ここからは、地域での生活へ移行した後の支援について伺います。先ほども言いましたが、住居喪失から就労自立して1年半が経過した段階で自立生活を維持しているのはわずか3分の1しかなく、1年半で失踪が自立を上回るのだそうであります。いなくなってしまっては、それまで積み上げてきた自他の努力が水泡に帰します。だから、自立生活を始めた後の支援もまた手厚くすることが重要なのであります。ケースワーカー、地区担当員が定期的に訪問することが基本だと思いますが、これは実現していますか。聞き方を変えるならば、地区担当員の人数は足りていますか。伺います。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) ホームレスの方が民間の宿泊所等に入って、その後アパートに移られた場合には、おおむね生活保護を受給している方がというふうになっております。そういった場合には、ケースワーカーのほうが引き続き訪問を行うように努力しております。また、自立支援センター等、自立してアパートに住まわれる方につきましては生活保護を受給していないケースが多くございまして、そういった方につきましては、特別区人事・厚生事務組合のほうでフォローの訪問に入っているというようなことがございます。
 あと、ケースワーカーの人数は足りていますかということでございますが、平成22年度につきましては生活援護担当も増員をするというような予定でおりますし、今年度は高齢者の居宅介護支援事業という委託事業を実施させていただく予定でおりますので、全体としては業務の充実を図ることができるのではないかというふうに考えております。
○せきと委員 訪問するように努力しておりますというお答えですけれども、なかなか実現には至っていないというふうにも聞いています。その後の支援を惜しんでいますと、かえって扶助費全体がかさんでいくことになります。いなくなってしまっては、その人の支援が振り出しに戻って、また最初からやり直すということになるからであります。山田壮志郎さんは、ホームレスが喪失しているものとして、仕事と住居に加えて関係性を強調します。仕事や住居を確保しても、地域や社会との関係がうまく構築できなければ、また住まいを失ってしまう傾向が強いと、このようにしています。仕事と住宅の確保は自立の達成ではなく、自立の始まりである、これは至言だと私は思います。山田さんに限らず自立支援に携わる人は、ただ食う、寝る、働くだけでは、時間とともに労働意欲が減衰し、離職に至りやすいと考えています。自立生活を継続するためになくてはならないのは、家族のために働くであるとか、他人のために働く、社会貢献など、自分は必要とされていると思う気持ちになることだと思います。住まいをなくした人が自立生活を営み始めた後の生きがいづくりのようなことは、何か事業としてありますか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 現在はそういった事業については実施しておりません。
○せきと委員 大阪にあります大淀寮は、身体に障害を負った日雇い労働者の保護施設で、生活保護法では更正施設に位置付けられます。大淀寮には通所事業部というものがありまして、地域での自立生活を獲得した後の支援に力を入れています。債務整理の相談や、お酒やかけごとへの依存問題の相談、介護保険や病院の諸手続の手伝いや付き添いなど、彼らが尋ねてくるのを待つのではなく、こちらから訪問して力になっています。また、地域から仕事を受けて、地域での自立を獲得した人に働いてもらっています。これは季節性の不定期な仕事ではありますが、仕事の創出よりも地域とつながることが眼目であり、このことによって多くの人が自立した生活を継続しており、貴重な経験だと思います。
 私がかかわっているある老人の話をします。彼は今、刑務所にいます。何をやったかというと、おにぎり一つとチーズかまぼこ四つ、合計580円の物品を万引きした罪であります。窃盗はどうしたって許される行為ではありませんが、貧困のきわみで犯行に及びました。初犯ではないため、実刑判決が下されました。その数カ月前までは中野区内の簡易宿泊所で生活保護を受けていましたが、行方がわからなくなり、生活保護は廃止されました。後で国選弁護人の調査によってわかったことですが、彼には精神疾患の病歴がありました。役所はしかし、そのことを知らなかったに違いありません。そうでなければ、簡易宿泊所で保護を開始して、失踪するに任せるわけがありません。ほかに彼が生活保護を受けるにふさわしい場所があったと思われ、精神保健の視点が弱いことを露呈していると言えると思います。
 弁護士は、彼の子どもに身元引受人になってほしいと手紙を出しましたが、断られました。断っただけでなく、子どもや社会に迷惑ばかりかけて、刑務所か病院か、父は人生が終わるまで施設に置いておいてもらいたいと、実の子どもは弁護士に返事を返したのであります。この老人は孤立のきわみにあり、人とのつながりを完全に喪失しておりました。私が面会に行きましたら、以前より血色がよくなっていて、いっぱしの老紳士にも見えました。そしてなんと、看守さんはいい人だ、いい人だと、泣きながら笑いかけるではありませんか。地域生活で失った人間らしさ、生活保護で得られなかった人とのつながりを、よりにもよって刑務所で取り戻したとは、私はこの国の社会保障は貧し過ぎると言わなければなりません。自立生活を始めた後の支援について、これは口で言うほど簡単なことではないことは重々承知しておりますが、生きがいや働きがいを見出して初めて自立は達成される点によくよく留意され、御検討願います。お答えください。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 生活援護分野では、これまでもさまざまなプログラムを実施して、生活保護の受給者の方のための支援を行っておりますけれども、そういった新たな必要なプログラムにつきましては、必要に応じて今後検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○せきと委員 ぜひお願いいたします。
 住まいをなくす人の増加は避けられませんし、既に始まっています。住まいをなくしそうな人、住まいをなくしてしまった人への支援を強めるよう求めます。これは時代の要請でもあると思います。私は、あの老人が刑期を終えたら、支援団体に力をかしてもらうようお願いしたいと思っています。地域で生活していけるよう、私も何か力になれたらと考えます。それまでに、この国の社会保障が少しでもおくれを挽回し、困難を抱える人が地域でともに暮らしていける「人間のまち中野」に近づいていたらいいなと思います。
 以上で質疑を終わります。
○いでい委員長 以上でせきと進委員の質疑を終了します。
 次に、伊東しんじ委員、お願いします。
○伊東委員 どうもお疲れさまです。自由民主党の立場で総括質疑をさせていただきます。質問項目につきましては通告のとおりで考えております。
 いよいよ西武新宿線の中井・野方間が地下化決定されました。これを受けて地域の住民の皆さんは、大きな期待半分、そして大きな不安も抱えての朗報を受け取っていらっしゃるのかなと思っております。そういった意味で、今回の質問は、その大きな期待の部分は確実に現実につなげていきたいなと、そして不安はできる限り払拭していきたいなという趣旨で質問をさせていただきます。この趣旨を踏まえまして、理事者の皆様につきましては積極的な御答弁をお願い申し上げます。
 なお、私の持ち時間、今70分ありますけれど、一応60分を予定しておりますので、理事者の方も簡潔な御答弁を御協力よろしくお願いいたします。
 最初にお尋ねしますのは、西武鉄道新宿線中井駅野方駅間連続立体交差化事業についてです。
 西武新宿線の連続立体交差化は、平成13年、西武新宿線の検討会の設置、連立協議に始まり、それから踏切渋滞解消促進期成同盟の結成や、各駅におきます区民の皆さんの勉強会の設置、そして研究が続いて、一昨年には連続立体交差事業新規準備箇所として国の採択を受けたわけです。そしてようやく今年、先日の2月1日、2日に、上高田小学校、それから沼袋小学校の体育館におきまして、東京都が説明を行いました。その際、中野区も沿線まちづくりにつきまして説明を行っていただいたわけですけれど。この一連の流れを受けまして、今定例会におきましても各会派それぞれの立場におきまして質問がされまして、その中で、日本共産党の立場でこの連立事業に賛意をあらわしていただいたこと、また、野方以西につきましても推進を求められたことについては大変心強いなと。これからのまちづくりにおきましても、その方針を曲げることなく御協力いただければなと考えております。それで、それらの質問で明らかにされた点につきましては、重複を避ける意味で避けて、さらには、私は掘り下げる部分はどんどん掘り下げて、区民の期待に沿うように頑張ってまいりたいと思っております。
 それでは最初に、事業における役割についてお伺いしたいと思います。事業主体の東京都と鉄道事業者である西武鉄道、地元自治体である中野区の役割が現時点では明確に示されておりません。それについて、3者の役割について御説明をいただきたいと思います。
○萩原まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 東京都は、事業主体として都市計画決定手続、また国の事業認可等を行う事業統括を行う立場です。西武鉄道は、施工者といたしまして用地買収、補償、それから鉄道の施設工事等を行う。中野区につきましては、沿線のまちづくりを行う立場といたしまして、駅前広場及び関連街路等の都市計画事業を整備するということでございます。
○伊東委員 事業概要は、今までの質問の中でいろいろ出てきましたので省きまして、先日の一般質問の中で、西側の取りつけ部について質問があり、対する答弁では、沼袋第4踏切が歩行者、自転車の通行の用に供されるというそういう構造になるとのことでしたが、逆に東側取りつけ部はどのような検討がなされているのか。都の説明では、中井5号踏切は残るとの説明がありました。取りつけ部の範囲について、東側ですね、中野区へは事業者からどういう説明がありましたか。
○萩原まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 東京都の説明では、中井駅の西側からすぐに地下化をする案を検討したところ、妙正寺川に支障をしてしまい、地下に潜ることができない。このために、中井5号踏切付近から地下化をし、野方駅の東側で地表に取りつくという説明がございました。取りつけ部の範囲でございますけれども、中井5号踏切の西側から都市計画道路補助220号線の計画線の手前までという区間ということでございますけれども、詳しい位置については現在のところ示されておりません。
○伊東委員 中井5号踏切なんですけれど、その周辺の地形、東から西にかけて大変急峻に地形が駆け上がっていると。そして、距離も5号踏切から220号線のところまで220メートルほどあるということで、もし5号踏切がそのまま残るのであれば、移動困難者の方にとっては迂回が大変困難じゃないか、そう感じる次第で。実は5号踏切の西側直近に6号踏切というのが昔あったんです。その6号踏切は今閉鎖されてしまっていますが、逆に区道は軌道敷の両側まで延びていると、そういう状況はあります。逆にそれを迂回路として、人あるいは自転車の通行の用に供することができないのかな。妙正寺川西岸からすぐに潜り始めれば、地形の高低差、そしてその距離も考えて、十分に潜り切れるのではないのかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○萩原まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 御提案の趣旨につきましては、東京都としても既に検討をいたしました結果、物理的に不可能であったというふうな説明を受けております。
○伊東委員 物理的に不可能というのは、どういうことで不可能なんでしょう。
○萩原まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 鉄道の勾配と、それから既存の道路の勾配、それから道路の取りつけ、そういうものを見ますと、著しく道路が急になってしまったり、また、道路を掘り割りにして取りつけることによって、その接している家の玄関口が取りつかなくなるということもありますので、物理的に不可能ということでございます。
○伊東委員 要するに、中井5号踏切の部分での線路と、それから道路との取り合いがつかなくなる、その点で物理的に不可能ということでよろしいですか。
○萩原まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) そのとおりでございます。
○伊東委員 ありがとうございます。
 続きまして、環境影響評価についてお伺いしてまいりたいと思いますが、当該事業では、都市計画手続に並行して環境影響評価が、いわゆるアセスの手続が行われるということですが、この手続は既に最初の段階であります環境影響評価調査計画書が2月15日に公示され、24日まで縦覧に供され、意見書の提出が求められていました。今後の手続は、計画書の審査、その後に環境影響評価書(案)の作成、公告、縦覧、説明会による意見公募。続きまして、意見に関する事業者からの見解書の公告、縦覧、意見公募、そして評価書の作成、公告、縦覧というステップを踏んでいくとされています。住民は各団体で意見書の提出が可能とされておりますし、関係自治体も調査計画書、評価書(案)のそれぞれの段階で意見書の提出が可能とされております。
 そこでお聞きしますけれど、まず環境影響評価調査計画書の評価項目について、御説明を求めます。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 御説明いたします。環境影響調査の項目につきましては、東京都の条例施行規則によりまして、大気汚染、悪臭、騒音振動、水質汚濁、土壌汚染、温室ガスといったような17項目が指定されてございます。この中から選択をして評価を行えるということとされてございまして、今般の西武新宿線連続立体事業につきましては、このうち、騒音振動と地盤、それから水循環、史跡文化財、それから廃棄物の5項目が選定されてございます。これら騒音振動につきましては、建設機械を使っての騒音振動の調査、それから鉄道の運行に伴います騒音振動の調査、それから開削工事等によりまして躯体物が地下にできるわけでございますが、こういったことによりまして水の循環に影響が出ないかどうかといったような調査内容、項目が盛り込まれてございます。
○伊東委員 それで、先ほど申し述べましたけれど、区もこの調査計画書について意見の提出が可能とされているはずですけれど、それについては提出をされたのか、提出をされるおつもりはあるのか、今5項目挙げていただきましたけれど、それが当該事業に対して妥当な評価項目なのか。その辺も踏まえて御答弁いただきたいと思います。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) まだ今検討中でございまして、提出はしてございませんが、おおむね必要な項目については、環境影響調査項目の中に挙げられているものと考えてございます。今後さらに詰めまして、意見を出すかどうか決めてまいりたいというふうに思ってございます。
○伊東委員 どうもありがとうございます。
 続いて、一般質問にもありましたが、東京メトロ東西線との相互乗り入れについてお伺いしたいと思います。一般質問では、東京メトロ東西線と西武線が、いわゆる地下で相互乗り入れができるんじゃないかというような質問があったと思います。対する御答弁では、検討に値するが、現時点での政策上の位置付けはないという御答弁をいただいたと思います。東京メトロ東西線と西武新宿線が相互乗り入れをすれば、利用者の利便性向上に確実につながると、私は考えます。
 国では、都市鉄道の速達性の向上、交通結節機能の高度化によって利便性を増進することで、都市生活に活力とゆとりをもたらすことを目的とした都市鉄道等利便増進法が平成17年に制定されています。こうした背景から、平成19年に財団法人運輸政策研究機構が、既存の都市鉄道ネットワークの改良による速達性向上施策に関する調査を行い、報告書をまとめてございます。この報告では、西武新宿線沼袋駅と東京メトロ東西線落合駅間の地下連絡線による相互乗り入れ調査検討が行われ、その費用便益は、2という数字も示されております。この地下連絡線は、沼袋駅を2面4線の地下駅として、新井薬師前駅では上下2層の地下駅を検討しており、ここまで具体的に検討したわけですけれど、このたび東京都が発表した連続立体の計画でも十分可能ではないのかなというふうに推察されるんですけれど、こうした話を聞きまして、こうした検討を具体化するように、東京都あるいは西武鉄道に申し入れてはいかがかと思いますけれど、いかがでしょう。
○萩原まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 東西線との相互直通運転につきましては、現在のところ東京都における政策上の位置付けもなく、また西武鉄道からも予定はないというふうに伺っております。しかし、検討すべき課題であろうとは考えておりまして、今後とも情報収集に努めてまいりたいと思います。また、中野区にとってのメリット、デメリットということについても、よく考えていく必要があるのではないかというふうに思います。
○伊東委員 これは広域的な見地での速達性の向上や利便性の向上、じゃあ直接沼袋駅の方が便利度が増すか、逆に新井薬師前駅の周辺の住民の方が非常に利便性が上がるかということになると、まだ数値としては出にくいのかなと。逆に、西武線を利用されているはるか西の方、その方たちが都心を通過しまして、新宿を通過して、千葉のほうに延びる足としてすごく便利になるのかなと思っております。わかりました。どうもありがとうございました。
 続いて、西武新宿線の沿線まちづくりについて質問を続けさせていただきたいと思います。
 昨年11月、西武新宿線沿線まちづくり計画が策定されまして、新井薬師前駅、沼袋駅、2駅周辺のまちづくり方針並びに基盤施設整備方針が示され、2月1日、2日に開催された連続立体交差化計画説明会の折に区も説明を行いました。今後は、連続立体交差化事業と歩調を合わせて、中野区が主体となって、区民の理解、関係住民、事業者の協力を得ながら、沿線まちづくり事業を展開していかなければならないと考えます。
 そこでお伺いしますのは、まずスケジュールなどについてでございます。西武新宿線沿線まちづくり計画のスケジュール並びに検討手順についてですが、駅周辺沿線まちづくり特別委員会に示された内容について、まず伺いたいと思います。委員会に示されたスケジュールにはない、基盤施設整備計画書の作成が22年度予算案には盛り込まれてございます。そこで、着工準備採択箇所について、21年度中に基盤施設整備基本計画、基本が入ります、基本計画策定、そして22年度には、基盤施設整備計画、同じく22年度に、基盤施設都市計画素案の決定、23年度、都市計画決定、26年度、事業着手の予定でよろしいんでしょうか。
○萩原まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) お示ししましたスケジュールについては、現在のところ、これを目標としているスケジュールということでございます。
○伊東委員 今申し上げたスケジュールですと、21年度から22年度にかけて、要するに基盤施設の整備基本計画、それから基盤施設の整備計画、基盤施設都市計画素案の決定と三つ立て続けに策定していかなければならない。実際のスケジュールは、もう21年度も一月を切っているわけですから、実質13カ月しかない、そしたら大変厳しいスケジュールの中でこれらを決めていくと。名称としては、「基本」がつくかつかないか。要するに、基盤施設整備基本計画と基盤施設整備計画、これが両方入っているわけですけれども、その内容の違いというのは何なんですか。
○萩原まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 基盤施設整備基本計画のほうは、駅前広場や関連街路などの基本的な位置や規模、それから基盤施設整備とあわせて行う市街区の再整備について示したという内容でございまして、一方、基盤施設整備計画の方につきましては、駅前広場や関連街路、それぞれ個別の計画として作成するものでありまして、都市計画素案の含む概略設計レベルのものという内容というふうに考えてございます。
○伊東委員 整備計画のほうは、要するに、もう都市計画決定に向けての準備ということで、明確に線なんかも――線が入るという言い方が適切なのかどうかわからないんですけれど、要するに、都市計画決定する場合は線引きと言われますよね。それに近いようなものが個別に示されるという考えでよろしいんですか。
○萩原まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 都市計画素案の中では、都市計画の区域というものも素案として示していきたいと考えております。
○伊東委員 続いて、基盤施設整備計画をまとめるに当たって、委員会資料にあるように交通量などの現況調査を踏まえ、交通結節機能や駅前広場、関連街路、道路ネットワークの検討が十分に行われる必要があると私も思います。22年度予算案では、西武新宿線沿線まちづくり費として、駅前広場、関連街路などの都市基盤施設に係る測量調査並びに整備計画、都市計画素案の作成ということで4,800万円が計上されています。これまで、平成17年度に交通量実態調査、交通量配分シュミレーション……(「もっとゆっくりやれよ、わかんないよ。ゆっくり」と呼ぶ者あり)はい、わかりました。平成21年度現況調査、交通量調査、将来交通量推計調査が行われています。17年度の調査は、主に踏切による交通渋滞や駅利用者アンケートのようで、連続立体交差化の要望に資する調査であったかを私は考えるわけですけれど、一方で、21年度、22年度の調査の内容は、整備計画、都市計画素案の作成につながる調査であって、また、計画内容を区民に説明する際の貴重な論拠となるものと考えられます。また、こうした調査分析結果が示されないことには、区民のこれからの計画に対する理解も得がたいのではないかと考えます。
 そこでお尋ねしますが、これらの調査分析結果も計画とともに示されたいと私は思いますが、区のお考えはいかがでしょうか。
○萩原まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 平成21年度調査は、駅前広場や関連街路の検討、また関係機関等の協議などに一助するために行ったものでございます。今後、地域での説明におきましても、こうした調査データや検討経緯などを示しながら、地域の皆様の御理解をいただきたいというふうに考えております。
○伊東委員 22年度も同様ということでよろしいんですか。もっと調査内容を、具体的にはこういうものも調査していくというのはあるんですか。
○萩原まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 22年の委託の大きなところは、都市計画素案をつくるための現況測量の部分の測量調査のほうですので、そういうところも必要に応じて、丁寧に説明する材料には使っていきたいというふうに考えております。
○伊東委員 一方で、補助220号線都市計画道路整備の現況測量、予備設計については、21年度予算計上されました。しかしその後、執行が見送られ、22年度予算案には計上されていません。このことは、補助220号線の整備方針、計画策定が、この駅周辺の駅前広場、関連街路の整備方針、計画策定の後になるのか。要するに、スケジュール的にタイムラグが生じてくるのかということについてお伺いしたいのですが。
○萩原まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 基本的には駅前広場とこの補助220号線の整備というのは同じスケジュールで進めていきたいというふうに考えております。
○伊東委員 そうですね。住民の方も、やはり220号線が後回しにされるということでは、全体の理解は得られないのかなと思っております。
 続いてお伺いしますのは、基盤施設と都市計画施設について伺います。このことについて最初に確認させていだたきたいのは、それぞれの施設とそれらを総称する呼び方について明確にしておく必要があると感じて、まずお尋ねしたいと思います。というのも、それはこの後に質問する基盤施設整備計画に盛り込まれる内容にかかわるためでございます。特別委員会の質疑、答弁では、基盤施設は駅前広場、関連街路、鉄道敷空間と御説明されている、答弁ですね。それから都市計画施設は、駅前広場、関連街路という御答弁を出されています。こうした認識でよろしいんでしょうか。
○萩原まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 基盤施設そのものとしては、駅前広場や関連街路、それから既に決定されている都市計画道路ということになりますけれども、駅前広場やそういうものの中に、一部鉄道敷の空間が含まれるということもあります。
○伊東委員 鉄道敷は微妙ということととらえていいんですか。要するに呼び方の違いなんで、これから混乱を避ける意味でこんな質問をさせていただいているんです。要は、この後質問しなければならないと思っていたんですけれど、基盤施設整備計画の中には、鉄道敷の空間、要するに歩行者空間になるのか緑道となるのか、そういう範囲というのが示されてくるのか、示されてこないのかということをお尋ねしたいんですが。
○萩原まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 鉄道敷の空間というものは、鉄道が地下になった後も都市高速鉄道の都市計画区域ということで、既に都市計画法の制限のかかっている、そういう空間になっております。この上部の活用については、これは鉄道事業者の敷地でございまして、その活用については鉄道事業者との協議によって公共利用が可能になるということになっております。その中で、御案内の整備計画の中に含まれるのかということでいきますと、まず整備計画のほうは、必要な駅前広場、関連街路の計画をつくるということでございますので、この上部空間の計画が含まれるということではございません。
○伊東委員 今の御答弁ですと、都市計画決定の中は、鉄道の連立化による軌道敷が都市計画施設として位置付けられると、それは地下の部分になると。その地上の利用はどうなるのか。仮にそこを歩道上の空間、要するに道路のような整備がされたときに、それは都市計画決定が道路として必要なのかどうか。要するに、地下には鉄道の都市計画というのがある。それは上部まで及ぶと今おっしゃられたような御答弁だったんですけれど、改めて上に歩道上区域地あるいは緑道が整備される場合は、それはそれで、また別に都市計画決定が必要なのかどうか、それをお聞きしたいと思います。
○萩原まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 歩道や緑道にする場合に、それを都市計画決定する必要があるかということでいけば、それは都市計画決定の必要はありません。
○いでい委員長 ありません。
○萩原まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) はい。
○伊東委員 そうしますと、それはそれで先ほど西武鉄道さんと協議したりして決めていくということなんですか。そうすると、今度は基準法の扱いというのがどうなってくるのかなという疑問も生じてくるんですね。それが道路上に整備されたことによって、建築基準法で言えば道路に面したときは道路の車線制限だとか、それから採光だとか、いろいろなものが影響を受けるわけですけれど、そうした歩道あるいは緑道として整備をされた場合の建築基準法上の扱いはどうなりますか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 歩道、緑道の整備の仕方にもよりますが、一般的には建築基準法上の扱いといたしましては、空地、または公園の取り扱いとなると認識をしております。
○伊東委員 結構です。道路ということじゃないということで確認がとれましたので。
 続いて、都市計画道路について伺いたいと思います。今回の西武新宿線沿線まちづくり計画で、補助220号線の整備がうたわれたことによって、地域では既にさまざまな声が出ていると感じております。大別すれば、都市計画道路区域内における建築制限によって、土地の有効利用の制限が解消されることを喜ぶ声、あるいは一方で、都市計画決定されて久しく、決定時の事情と、現在、将来の状況をかんがみて事業を再評価すべきじゃないかという声もあります。もちろん権利関係者の方からは事業化で立ち退きを求められる際の不安をもらす声も既に私の耳にも届いております。補助220号線は、多くの区内未施工の都市計画道路同様、都市計画決定がされたのは昭和41年、その後40年以上経過しておりまして、こうした声が上がるのも無理はないかなと感じるところです。
 そこで、都市計画道路の必要性の再検証についてですが、都市計画道路は昭和21年の戦災復興計画の決定に始まって、過去4回見直しされていると認識しています。現在、現存する都市計画道路は、直近の昭和56年の見直しにおいて必要性が検証されたようです。そしてまた、現在は平成27年を目途とする都市計画道路の第3次事業化計画の中にあって、その計画策定時も必要性が検証されたと聞いております。
 しかし、多くの区民の皆さんはこうした経緯はほとんど知らず、存在意義に対する十分な理解が得られていないということも事実ではないかなと。さらに、人口の減少による交通量の減少を見越し、新規道路整備の見直しを求める声もありますし、逆に、人口は減少しても高齢化による移動制約者の増加や、物流の多様化への対応や迅速性の向上のための道路整備を求める声があるのも事実です。これからの道路整備はこうした声を踏まえて、確かな分析、明確な位置付けが必要とされると私は考えます。そこで、都市計画道路が経てきた見直しの内容、現在の道路整備の目的について、確認をしたいと思います。昭和56年の見直しの際の基準である都市機能の確保、都市防災の強化、地域環境の保全、都市空間の確保について説明をお願いいたします。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) 昭和56年の見直しの件でございます。このときの基準でございますけれども、まず一点目、都市機能の確保でございます。これにつきましては、将来の交通量に見合う道路を確保するという点、つまりバスが通れる道幅等を持つ道路の確保等が課題になるわけです。それから都市防災の強化という点では、震災時の消防活動を確保するという点でございます。これは1キロメートルから1.5キロメートルの間隔でそういった道路を配置するという考えでございます。
 それから、地域環境の保全。これは地域の特性に応じた道路を配置するということでございます。場合によっては道路の緑化などの対策を講じるという点でございます。
 それから、4点目、都市空間の確保でございます。これは各種の地下埋設物の空間を確保するという点から、一定の道路幅員を定めて、また、通風や採光を考えた空間の確保、こういったことが課題ということでございます。
○伊東委員 続いては、先ほど言わせていただいた、平成16年に行われた第3次事業化計画策定時のことですけれども、その際の必要性の検証では、活力・安全・環境の基本項目に関する評価項目が設定されて、その必要性が検証されて、被該当路線は、さらに暮らしに関連する評価項目によって必要性が再検証された。ここでの被該当になったものが、16年の際の見直し対象路線とされたと聞いています。この検証自体を行ったのは東京都ですか、その際に地元の自治体である中野区の意見は参考にされているのかどうか、それをお伺いします。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) このときの検証でございますけれども、検討の例えば策定委員会というのは、東京都、特別区で組織をしております。したがいまして、都と特別区で検証しているということでございます。また、地元自治体の意見につきましても、当然参考にしているということでございます。
○伊東委員 中野区も参画されての見直しということで理解してよろしいんですね。
 それで、その際の検証結果というのは、中野区も参加しているということですから、当然、検証結果の内容というのは耳に入っているんだろうと思うんですけれども、いかがですか。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) そのときの検証結果につきましては、各区に示されております。
○伊東委員 ありがとうございます。
 都市計画道路の、今度は事業化についてお伺いしてまいりたいと思います。
 最初に、環境影響調査について伺いたいと思います。先ほどは鉄道の環境影響調査ですけれども、先ほどの件とはちょっと違います。沿線道路のこういった整備、道路が整備されることによって、環境に与える影響というのは大変大きいんじゃないかという懸念があると言われるのは、当然だと思いますし、また、住民の方もそういう心配をされているわけですけれども、東京都の環境影響調査の対象基準というのが決められていると思うんですけれども、今回の都市計画道路、220号線が該当するわけですけれども、東京都の基準でいきますと、それは調査対象になるんですか。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) 東京都の基準ですと、4車線以上の道路で、かつ延長1キロメートル以上の道路が対象ということになっております。もみじ山通りにつきましては、2車線ですので、対象外ということでございます。
○伊東委員 4車線以上というと、中野区は数本しかないのかなと。逆に、ほとんどの計画道路が2車線ということですので、東京都の基準に当てはまらない。そうなってきますと、中野区独自では、そうした都市計画道路の整備に関しての環境影響調査について、基準は設けられていますか。
○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 区としましては、そういった規定は持ってございません。
○伊東委員 ちょっと待ってください。設けられていないということなんだそうですけれども、ただ、先ほども言いましたように、当然、近隣住民の方、周辺住民の方は、そういう懸念があると思うんですけれども、まして、区内のほとんどの都市計画道路が2車線、そういうことで言うと、そういうものは、今後、検討は始まってもいいのかなと私なんかは思うんですけれども、それは今回ちょっと置いておきまして、今回の事業化で一定の環境影響調査を、私は、基準はなくても行うべきだと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) 確かにもみじ山通りにつきましては、都条例で言うところの対象事業ではございませんけれども、事業化に当たりましては、必要事項につきましては調査をいたしたいと思っております。
○伊東委員 ぜひやっていただきたいと思います。
 それともう一つは、こういう都市計画事業を行う際に日ごろ言われますのは、費用便益ということが言われます。今回は、この道路整備に当たりまして費用便益、いわゆるB/Cについて評価を行う予定はありますか。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) もみじ山通りにつきましては、これまでは費用便益の検証は行っておりませんけれども、事業実施時につきましては実施をいたしたいと思っております。
○伊東委員 ぜひ行ってください。そういう定量的な評価を住民の方に示されることによって、事業の理解は進むのかなと思います。
 それともう1点、今度は都市計画道路内の建築に対して、先ほど一定の制限がかかっているということは申し上げたんですけれども、逆に都市計画道路を全面道路と見なす制度や、事業決定後の路線敷の扱い方、こういうものもあるかと思います。建築基準法なのか、都市計画法なのか、これについて説明を求めたいと思います。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 都市計画道路の区域につきましては、都市計画決定だけでは建築基準法の道路になりません。敷地ということでございます。しかしながら、道路事業の施行は、おおむね2年以内で施行されることが明らかな場合には、建築基準法第42条第1項第4号の規定によりまして、道路の指定をうたいます。その場合には、これは都市計画道路区域内が建築基準法の道路、そういった扱いになります。
○伊東委員 わかりました。それは事業化ということですよね。事業化決定2年以内――事業化によって2年以内に整備されることが決まった道路ということですか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 一般的には、事業認可を受けた後おおむね2年以内に着工しますので、1項4号の指定、そういったことが多かろうと思います。
○伊東委員 それでは、補助220号線の整備について、より深く聞いていきたいと思います。
 先ほどの第3次事業化計画などとも検証が重なり合ったと聞いておりますけれども、実際には、この220号線は、先ほどの評価項目のどれに該当したのかなと。四つある――大きく分けて四つ、さらにその下に評価項目があるということなんですけれども、いかがですか。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) 評価項目で言いますと、活力・安全・暮らしといった項目に該当するということでございます。
○伊東委員 活力・安全・暮らしということですか。じゃあ、それはまた後でちょっと調べさせてもらいます。ただ、そういうものがしっかり位置付けられた道路であるという認識でよろしいんですね。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) そのとおりでございます。
○伊東委員 この計画で、補助220号線、早稲田通り以南の1.3キロの部分が優先整備路線に選定されました。選定では、広域的課題に資する路線なのか、あるいは地域的課題に資する路線なのか、大きく分けて二つありまして、それぞれに理由がつけられていると思いますけれども、220号線はいずれですか。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) この路線につきましては、地域的課題に資する路線という位置付けになっております。
○伊東委員 地域的課題に資する路線ということですけれども、その地域的な課題というのは何ですか。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) もみじ山通りでいきますと、例えば延焼遮断帯の形成ですとか、安全な避難路の確保、あるいは地域的な開発、これは中野駅周辺のまちづくりでございますけれども、そういった地域的な課題に資するということでございます。
○伊東委員 地域のネットワーク、これは理由として挙げられていません。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) 当然、都市計画道路ですから、すべてこれは交通のネットワークの形成ということでございます。
○伊東委員 ネットワークなんですけれども、都市マスのほうにも交通ネットワークという表記が、新しい都市マスでもあると思います。その優先路線の選定に当たる地域のネットワークというのと、都市マスの、交通ネットワークでしたっけ、それとの違い、要するに一緒なのかどうなのかなと。それについて御見解を。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) 基本的には同じものと解釈をしております。
○伊東委員 そうしますと、都市マスの位置付けどおりに補助220号線が位置付けられているという認識でよろしいんですね。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) そのとおりでございます。
○伊東委員 逆に、都市マスの中での位置付けなんですけれども、これは特に220号線に限って、限定されて言われているわけでは、書かれているわけではないんですけれども、補助幹線道路の整備については、歩行者や自転車のための整備、あるいは公共交通の充実、電線の地中化、街路の緑化というようなことは、当然目指していくと書かれています。今回の220号線に関しても、整備に際しては、これらをちゃんと目指していく方針なのかどうか、お伺いしたいと思います。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) 都市計画はすべて同じ性格ということではなくて、それぞれ特徴があると思いますけれども、基本的には、都市計画道路の場合は多様な都市活動を展開する軸であるということで位置付けられておりまして、その上で、歩行者空間ですとか電線類の地中化、そういった課題が、それぞれ対応すべきものというふうに位置付けをされております。
○伊東委員 これから十分にその辺を踏まえて検討されていくんだと思うんですけれども、実際にこれから住民の方にこれから説明していくときには、都市マスは一方で示されている、ここにこういうふうに書かれているではないかと、当然住民の方もおっしゃられるだろうと思いますから、ぜひ今の御答弁をもうちょっと踏み込んで、これからは検討していってほしいなと。今の段階で、これは確約をとれるのかと言うのでは、また変な話かもしれないので、ぜひその辺は、しっかりと検討してほしいと。これはお願いにしておきます。
 続いて、この優先整備路線に位置付けられているのは、先ほども言いましたように、早稲田通り以南です。ですから、鍋横の交差点から早稲田通りまでということなんですけれども、今後、北の部分ですね――220号線というのはそこより北が1.8キロぐらいあるのかな、そんなになかったかな――要は、妙正寺川にかかっている四村橋のところまでが都市計画道路に指定されているわけですけれども、それも都市計画決定はされているわけです。事業化に当たって、優先整備路線の位置付けのように、もっと強い意義付けというか、政府の方針付けというのが示されるのかどうか。それがちゃんと東京都のほうでも位置付けられるのか、お伺いします。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) 当然、事業化に当たっては、それぞれの路線の特性を踏まえて整備方針を定めるという考えでございます。
○伊東委員 ありがとうございます。そうしたものもしっかり踏まえて、これから検討を重ねていってください。お願いします。
 続いて、公共交通の充実、利便性の向上についてでございます。この補助220号線については、基盤整備の方針等で、哲学堂通りの交通の負荷を一定量補うというような説明をいただきました。地域の方にとってみれば、哲学堂通りの負荷だけ追わされて、要するに、交通は増えるわ、振動や騒音の心配はあるわけで、自分たちの生活に何が利するのかという考え方もあるかと思います。
 一方で、中野区の調査で、上高田の地域は公共交通の空白地帯という指摘もなされています。そうしたことを踏まえて、この道路を整備するに当たって、しっかりとそうした公共交通の整備が位置付けられることも、住民の方が納得していただける一つの方策ではないかと思うのですけれど。それで、平成20年に資料を、私いただきました。中野区のほうで、オンデマンド交通の調査、検討がされていますけれども、この検討で、オンデマンド交通を導入することによって、当該地域、上高田の地域の公共交通環境改善にどのような成果がもたらされると見込まれたのでしょうか。
○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) オンデマンド交通でございますが、10か年計画第2次案では、高齢者などの移動制約者が自由に移動でき、人々の交流やコミュニティの活性化につながる、環境に優しく利便性の高い交通システムを誘導するということとしてございます。また、ステップ2において、社会実験、検証を行うということでございます。
 委員御指摘の平成20年度の検討でございますが、サービス対象地域といたしまして、上高田を含む4地域をその対象として検討を行うというところでございます。これらの地域では、オンデマンド交通を導入することによりまして、高齢者等の移動制約者の病院や買い物などへの交通手段が確保されまして、地元商店街の利用拡大や地域コミュニティの活性化といったものも期待できるということでございます。
○伊東委員 そうですね、この報告では、事業者による単独の事業という部分では、採算性の観点から実施、導入はハードルがあるのかなと。一定の補助があることによって実現性が高くなるというような報告内容だったと思うんですけれども、その検討の際に、220号線の整備というのは入っていたのかということが大きな課題になるかと思います。220号線が整備されますと、地下鉄の新中野の駅から、それこそ新体育館が九中のところにできます。それから中野ZEROがあって、島忠がどうなるかはわかりませんけれども、それから、線路の周辺には専門学校が幾つかあります。その先を北に行きますと、今度は上高田の運動施設や哲学堂公園もございます。ちょっと外れると、中野総合病院なんかもあります。そうした魅力の――魅力というか、利用者の多い施設が存在する。さらには、もうちょっと広い視野で考えると、もっと北には江古田の駅もありますし、逆に、沼袋の駅が整備されることによって、江古田の駅や江古田の森の区施設ですとか、それから、平和の森が沼袋駅野間にあります。もっと南に行きますと、警察病院ですとか、もちろん中野駅もありますし、新しく開発されるこちらの土地もあるというような。それで、もっと南に行ってしまいますと、佼正病院ですとか、東京都の22年度開校の都立富士中学高等学校、これは正式名称がどうだか知りませんけれども、その辺にもつながると。ですから、うまく循環を考えれば、非常に採算性が高い路線というのが浮き上がってくるのではないのかなと思うんですけれども、その辺についての見解は。
○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 平成20年度に行いましたオンデマンド交通の検討でございますが、この中では、サービス対象地域、先ほど申し上げました上高田の4地域を設定して検討いたしましたが、具体的な運行路線の詳細につきましては、まだ精査を行っていないといった状況でございました。
○伊東委員 どうもありがとうございます。ぜひ、その辺は前向きに検討してください。国としても、コミュニティバスですとかそうした交通システムへの交付金制度だとかがあるようですので、今後の検討を期待しております。どうもありがとうございました。
 補助220号線に関連する地域・地区についてもお伺いしたいと思います。さらにこの路線の位置付けについて、中野区の都市計画マスタープランに関連してお尋ねしたいと思います。
 都市マスでは、この道路整備について、住居系、専用住居系と大別されていますけれども、この220号線はどちらでしょう。
○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 220号線の沿道につきましては、現道のないところでは、専用住宅系の用途地域になっているという現状がございます。道路そのものの沿道が住宅系か、あるいは商業系かという区分けは、特段、都市計画マスタープランではしておりません。
○伊東委員 一方で、質疑のほうでも出たんですけれども、東京都のほうでは、この220号線については延焼遮断帯、それも一般延焼遮断帯というふうに位置付けられていると思いましたけれども、こういうふうな位置付けがされた場合に、地域・地区を決めていく段階で何らかの制約があるんですか。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) この道路の場合、一般延焼遮断帯に位置付けられたからといって、地域・地区の指定条件が付されるということは特段ございませんけれども、やはり延焼遮断帯ということですから、当然、沿道は防火地域ですとか、あるいは場合によっては用途地域を含む地域・地区の見直しというのも、沿道については検討していく必要があるだろうというふうに思っております。
○伊東委員 今お聞きしてきたことは、これから先の話になると思いますけれども、当該路線、沿道、あるいはその後背の地の用途地域のような、要するに地域・地区を決めていく段階で大変重要なことになるかと思いますので、お聞きしておりますけれども、この項の最後に、新井薬師前駅、沼袋駅、双方とも、今回の中野区の基盤整備方針の説明では、線路を境に北側が住環境保全ゾーン、それで南側が住環境改善ゾーンという色分けにされているんですけれども、都市マスについては、またその色分けがもうちょっと違うのかな、もっと細かく色分けされていたと思うんですけれども、いずれの考え方で区はこれから地域に入っていくのか、お伺いします。
○萩原まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 沿線まちづくり計画は、都市マスタープランを上位計画として策定しておりまして、都市計画マスタープランのほうでは、この色分けのほう、これは土地利用方針を示しているものに対しまして、この沿線まちづくり計画のほうでは、住環境の保全または改善という観点でゾーニングをしたものでございます。補助220号線の整備事業に合わせて、防災性の向上、それから住環境の改善に配慮した補助幹線、沿道にふさわしい用途地域地区の見直しが必要ではないかというふうに考えております。
○伊東委員 要は、今回の方針のほうでは大ざっぱに分けていると。都市マスのほうは、より現実に近いということでよろしいんですよね。
○萩原まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) 都市マスのほうは、土地利用方針という視点で、沿線まちづくりのほうは、まちづくりの観点の中で、こちらの住宅が住環境改善を保全するゾーンなのか、それとも密集市街地を改善していくというゾーンなのかという観点の違いで分けているだけで、考え方としては違っていないということでございます。
○伊東委員 いや、お聞きしているのは、これから当然のように、整備と同時に用途地域を決めていかなければならないだろうと。そのときの大前提となるのは都市マスのほうなんでしょうということをお聞きしているんです。
○萩原まちづくり推進室副参事(西武新宿線沿線まちづくり担当) そのとおりでございます。
○伊東委員 ありがとうございます。
 続いて、道路整備の財源についてお伺いしたいと思います。都市計画道路というのは、中野区にある都市計画道路でも二つに大別されるのかなと。東京都が所管のもの、それから中野区が所管のものがあると思いますけれども、この所管について御説明お願い申し上げます。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) 都市計画道路の所管でございますけれども、東京都と特別区の間での取り決めといいますか、合意事項としまして、区内に起終点が幅員16メートル未満の道あるつきましては、区所管となっております。それ以外は東京都の所管という位置付けになっておりまして、実際の事業化を決定するまでの間は、それぞれの所管で、建築等のさまざまの問い合わせがございます。その際の、責任を持って説明するところはそれぞれの所管ということになっております。
○伊東委員 現実に補助220号線、これは中野区の所管の都市計画道路の位置付けなんですけれども、そうすると、この整備自体は中野区が当たると。整備後の管理も中野区が管理を行うという考え方でよろしいのかと。
 それと、もう1点続けてお聞きしますけれども、整備財源、これは都所管であっても中野区の所管であっても、違いがあるのかないのか。それについてもお答えをお願いします。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) 建前から言いますと、事業化を決定する段階で事業者を決定するということになりますけれども、この補助220号線につきましては、当然、これは中野区が事業者となるということになります。完成後も、中野区の区道として管理をするということになります。
 なお、整備財源につきましては、都道、区道の違いによって、国からの補助率等については一切差はございません。
○伊東委員 先日の北原委員の質問でも、土地・建物の収用ですとか、生活補償ですか、そうしたものが必要になってくるだろうと。ほかに整備に関して対象とされる事業というのはどんなものがございますか。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) 整備に当たっては、当然、土地・建物収用、生活補償ということでございますけれども、例えば仮住居に要する費用ですとか、営業補償等につきましても、基準に基づきまして補償するということになります。
○伊東委員 こうした費用についても、やはり国からの補助が得られるのでしょうか。
○登都市整備部副参事(都市計画担当) 補助対象になっております。
○伊東委員 ありがとうございました。
 もう一つだけ、まちづくりの財源についてお伺いしたいと思っておりましたけれども、少し時間も残したいという気持ちもありまして、それについては、今後また別の機会をとらえて質問させていただきたいと思います。ありがとうございました。
○いでい委員長 以上で伊東しんじ委員の質疑を終了します。
 今後の運営について協議するため、理事会を開会します。関係者は第3委員会室にお集まり願います。委員及び理事者の皆さんは、このまま自席でお待ちください。
      午後4時48分休憩

      午後4時50分再開
○いでい委員長 委員会を再開します。
 理事会の報告をします。
 このまま質疑を続行します。
 次に、大内しんご委員、お願いします。
○大内委員 5時近いですけれども、進行上、5時まできっちりやりたいと思います。
 まず、質問項目、その他のほうからやらせていただきます。その他の一番最後の、まず、予算の流用について質問させていただきます。
 先般の決算議会でも、この予算の流用については何点か指摘をさせていただきました。目・節の流用といったことに幾つか疑問がありましたので、お聞きをいたしましたけれども、平成20年度の予算の流用、目・節の流用はどのぐらいあったんでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 平成20年度の予算の流用件数でございますけれども、574件でございます。
○大内委員 そのうち1,000万円を超える流用が何件ほどあったか、御存じですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 1,000万円の予算の流用につきましては、21件となってございます。
○大内委員 後ろの各分野の方にお聞きしますけれども、1,000万円以上流用した分野の方は手を挙げてもらえますか。一人もいない。一人もいないよ。1,000万円以上の目・節の流用をやった自覚がないということなんですか。それともわからないということなのか。
○志賀政策室副参事(予算担当) まず、経営室経営分野、人件費から一般事業費への流用ということで、庁内印刷費の立替え、それから人事分野、庁内印刷の経費の立替え……(「端的で結構です」と呼ぶ者あり)はい。大きなものとして、あとは子ども家庭部、保育園・幼稚園分野、認証保育事業の支出の超過に伴う予算の流用、また障害福祉分野、超過交付の返還、教育委員会としては、校内LANの設備、新設の工事、こういったもので流用しております。
○大内委員 人件費の流用を聞いているんじゃなくて、あくまでも目と節だけの流用を聞いたんです――まあ、いいです。それで、今、後ろの方は手を挙げなかったからあれなんですけれども、要は、そういった流用を平成20年度にやった、あるいは21年度、今年度にやったときに、ちゃんと委員会等で報告はしているんでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 予算の流用につきましては、目・節につきましては執行部側の対応ということで、議会に対しては報告はしてございません。決算の段階において、決算書の中で御説明をしているものでございます。
○大内委員 目・節でも、やはり予算を編成する大切な要素ですから、金額で言う1,000万円以上、そういったものについては、しっかりとある程度報告するよう、予算担当から、あるいはその上の方からしっかりと各分野に提案してみたらどうでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 予算の担当といたしましては、予算の執行につきまして、予算執行方針等を年度当初に各所管に流してございます。その中で予算の流用等につきましても定めているところございます。
○大内委員 これは検討していただくというか、各委員会でしっかりとそれなりにチェックしていただくと。それで、この予算事務規則に定められた予算執行過程おいていたずらに変更したものではなく、真に執行上やむを得ない場合のものだと判断した場合だけ、各部の部長が予算担当と協議して流用を行っているんですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 平成20年度の予算の流用につきましては、部長の責任におきまして判断をし、流用を行っております。21年度につきましては、予算のほうに協議が回ってございます。
○大内委員 先日、市川議員から質問がありましたにぎわいフェスタの件ですけれども、これはたしか1,000万円以上の流用だったと思いますけれども、間違いありませんか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 今回のにぎわいフェスタでは、委託料を他の節に流用してございます。にぎわいフェスタに係る予算額としては、1,300万円という金額でございますが、このうち委託料としていた900万円のうち、およそ400万円を需用費等の流用してございます。1,000万円以上ということではございません。
○大内委員 1,000万円以下、わかりました。
 それで、この流用というものは、たしか決算議会であんまり安易に行うべきではないということを、あなたに厳しく指摘しておいたんですけれども、どうですか、この事業を開催する必要があったんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 今回のにぎわいフェスタにつきましては、中野駅周辺の個性・魅力・すぐれた資源を集積させまして、広く発信することによって、中野のまちを持続的に発展させていく原動力としていきたいということで実施しておりまして、その意義というものが大きいというふうに感じてございます。
○大内委員 あんまりそう言うと、次のほうにひっかかってくるんですけれども、やはりこれも委員会で市川委員のほうから指摘があったように、委員会に報告されていない。しかし、部長の案で大きな流用を行って、にぎわいフェスタした、そういったことだった思うんですけれども、委員会に報告する必要がなかったと。もう一度聞きますけれども、そういうことなんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) このにぎわいフェスタにつきましては、事業の方向性は固まっておりましたけれども、議会に対しましては、地域の商店街、町会、事業者等の皆さんと調整をした上で、イベントの全体像、そして組み立てが明確になった段階で報告すべきと考えておりました。そのため、報告が遅くなってしまったということでございます。
○大内委員 要は、私たちは区報に出てから知ったんです、みんな。区報に出てから、わかりますか。決算の特別委員会のときに、たしか部長が、大きな事業変更があった場合は報告すべきだと答弁したと思いますけれども、いかがですか。
○鈴木区民生活部長 先般の決算委員会で御指摘された点については、真摯に受けとめているところでございます。今回のにぎわいフェスタにつきましては、今、副参事のほうから御答弁したとおり、どうしても事業を効果的にやっていく企画を詰めていけばいくほど、一部流用を避けられない、そういった状況になってまいりました。議員からの厳しい指摘があった直後でございましたので、私としても、さまざま逡巡しましたけれども、一方では、執行責任を負う立場でありましたので、やむなく流用という判断をいたしました。議会に対しましては、委員会報告は当然のことなんですけれども、その前に適切な情報の共有のあり方、そういったことについて配慮が足りなかったというふうに反省しているところでございます。
○大内委員 もう終わったというか、終わったものを今さら配慮が足りなかった――足りなくないようにしなければいけないのがあなたたちの仕事だと、私は思います。
 それで、この22年度の予算書を見ますと、にぎわいフェスタというものを本年度行ったわけですよね。今言ったように、大切な事業だということで、にぎわいフェスタ2010だったかな、2011かわからないけれども。それで、2011、来年度に予算計上がほとんどされていない。2,480万円余だったのが、250万円ぐらいしかにぎわいフェスタ事業に計上されていないんですけれども、そんなに大切だった――大切というか、今年度気合いを入れてやった事業だったら、来年もぜひ行うべきだと思う。そうしないと、ことし何で無理してそんなに一生懸命早くやったんですか、そういうふうになりませんか。何で来年は計上しないんですか。
○鈴木区民生活部長 にぎわいをつくり出すという取り組みにつきましては、昨年、それからことしというふうなことで進めてまいりました。来年度に向けましては、いろいろ財政状況も厳しいことも一定私ども考えまして、本当ににぎわいつくり出す地域の、商店街でありますとか事業主の方々が主体となってつくっていくということを、やはり十分審議したい。そういうことから、最初は区のほうで一定の御負担をさせていただくんですけれども、次年度以降は、今年度の取り組みを踏まえて、主体的な取り組みの支援というふうにシフトを移していきたい、そのように考えているものでございます。
○大内委員 また来年もどこかから流用をして事業をやってしまうのかなとか、部長の判断で。そういうふうにもとれるので、気をつけていただきたい。
 本日、最後の質問として、これは予算書なんですけれども、ことし、私いただいて、予算書がどこにあるのかわからなかったんです。薄くなった。多くの方が今までより――去年より100ページほど減っている。中を見ると、多分収入のところをどんどん詰めて書いていることで、かなり削減をしたんですけれども、これはだれが提案して行ったんですか。ぜひ褒めたいんですけれども。
○志賀政策室副参事(予算担当) 22年度の予算編成におきましては、大変財政状況が厳しい中で、私ども予算担当のほうの職員の提案がございまして、このような薄い形の予算書ができ上がったというものでございます。
○いでい委員長 委員会を休憩します。
 大内委員の質疑の途中ですが、5時になりましたので、今後の運営について協議するため、理事会を開会します。関係者は第3委員会室にお集まり願います。委員及び理事者の皆さんは、このまま自席でお待ちください。
      午後5時03分休憩

      午後5時05分再開
○いでい委員長 委員会を再開します。
 理事会の報告をします。
 本日の総括質疑はここまでとし、あす、大内委員の質疑途中から始めることを確認しました。
 以上が理事会の報告ですが、質疑はありますか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 それでは、ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。
 以上で本日の総括質疑を終了します。
 次回の委員会は、3月3日(水曜日)午前10時から、当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
 以上で本日の予算特別委員会を散会します。
      午後5時07分散会