平成22年03月01日中野区議会予算特別委員会
平成22年03月01日中野区議会予算特別委員会の会議録
平成22年03月01日予算特別委員会(第4日) 1.平成22年(2010年)3月1日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(40名)
  1番  内  川  和  久        2番  ひぐち   和  正
  3番  白  井  秀  史        4番  平  山  英  明
  5番  つぼい   え  み        6番  いながき  じゅん子
  7番  林     まさみ         8番  山  口  かおり
  9番  せきと      進       10番  いでい   良  輔
 11番  伊  東  しんじ        12番  佐  野  れいじ
 13番  北  原  ともあき       14番  南     かつひこ
 15番  小  林  秀  明       16番  の  づ  恵  子
 17番  奥  田  けんじ        18番  近  藤  さえ子
 19番  牛  崎  のり子        20番     欠  員
 21番  吉  原     宏       22番  大  内  しんご
 23番  きたごう  秀  文       24番  伊  藤  正  信
 25番  久  保  り  か       26番  やながわ  妙  子
 27番  酒  井  たくや        28番  佐  伯  利  昭
 29番  むとう   有  子       30番  長  沢  和  彦
 31番  か  せ  次  郎       32番  山  崎  芳  夫
 33番  市  川  みのる        34番  斉  藤  金  造
 35番  篠     国  昭       36番  岡  本  いさお
 37番  飯  島  謹  一       38番  江  口  済三郎
 39番     欠  員          40番  佐  藤  ひろこ
 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子
1.欠席委員
      な  し
1.出席説明員
 中野区長    田中 大輔
 副区長(経営室)石神 正義
 副区長(管理会計室)          沼口 昌弘
 副区長(政策室)西岡 誠治
 教育長     田辺 裕子
 政策室副参事(企画調整担当)      田中 政之
 政策室副参事(基本計画担当)      髙橋 信一
 政策室副参事(予算担当)        志賀 聡
 政策室副参事(区民の声担当、調査研究担当、平和・人権・国際化担当) 小田 史子
 政策室副参事(情報政策担当、地域情報担当) 平田 祐子
 政策室副参事(情報化推進担当)     藤井 康弘
 危機管理担当部長清水 流作
 経営室参事(経営担当、契約担当)    長田 久雄
 経営室副参事(サンプラザ関係事業担当、サンプラザ地区再整備担当) 田中 謙一
 経営室副参事(広報担当)        戸辺 眞
 経営室参事(人事担当)         尾﨑 孝
 経営室副参事(健康管理担当)      村田 宏
 経営室副参事(財産管理担当)      安部 秀康
 経営室副参事(用地・管財担当)     冨永 清
 経営室副参事(危機管理担当)      石濱 良行
 経営室副参事(防災担当)        鳥井 文哉
 管理会計室副参事(評価改善担当)    篠原 文彦
 管理会計室副参事(経営分析担当)    相澤 明郎
 管理会計室副参事(税務担当)      青山 敬一郎
 会計室長    村木 誠
 区民生活部長  鈴木 由美子
 区民生活部参事(区民生活部経営担当、地域活動担当) 遠藤 由紀夫
 区民生活部副参事(南地域担当)     松原 弘宜
 区民生活部副参事(中部地域担当)    小山 真実
 区民生活部副参事(東地域担当)     辻本 将紀
 区民生活部副参事(北地域担当)     伊藤 政子
 区民生活部副参事(西地域担当)     中井 豊
 区民生活部副参事(戸籍住民担当)    今 恵里
 区民生活部副参事(産業振興担当)    高橋 昭彦
 区民生活部副参事(環境と暮らし担当)  横山 俊
 区民生活部参事(ごみ減量・清掃事業担当、ごみ減量担当) 橋本 美文
 清掃事務所長  齋木 正雄
 子ども家庭部長 竹内 沖司
 子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当、男女平等担当) 瀬田 敏幸
 子ども家庭部副参事(子ども支援担当)、子ども家庭支援センター所長 浅野 昭
 子ども家庭部副参事(中部地域子ども家庭支援センター担当、南部地域子ども家庭支援センター担
当) 天野 秀幸
 子ども家庭部副参事(北部地域子ども家庭支援センター担当、鷺宮地域子ども家庭支援センター担
当)波多江 貴代美
 子ども家庭部副参事(子ども健康担当)  町田 睦子
 子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当)、幼児研究センター所長 白土 純
 保健福祉部長  金野 晃
 保健所長    田原 なるみ
 保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 野村 建樹
 保健福祉部副参事(保健予防担当)    山川 博之
 保健福祉部副参事(生活衛生担当)    古屋 勉
 保健福祉部参事(健康推進担当)     岩井 克英
 保健福祉部副参事(福祉推進担当)    伊東 知秀
 中部保健福祉センター所長        鈴木 郁也
 北部保健福祉センター所長        大橋 雄治
 南部保健福祉センター所長        高里 紀子
 鷺宮保健福祉センター所長        大石 修
 保健福祉部副参事(障害福祉担当)    朝井 めぐみ
 保健福祉部副参事(生活援護担当)    黒田 玲子
 保健福祉部副参事(保険医療担当)    柿内 良之
 保健福祉部副参事(介護保険担当)    遠山 幸雄
 都市整備部長  石井 正行
 都市整備部副参事(都市整備部経営担当、都市計画担当、住宅担当) 登 弘毅
 都市整備部副参事(都市計画調整担当)  田中 正弥
 都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 滝瀬 裕之
 都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 石田 勝大
 都市整備部副参事(建築担当)      豊川 士朗
 まちづくり推進室長           川崎 亨
 まちづくり推進室副参事(まちづくり推進室経営担当、地域まちづくり担当) 上村 晃一
 まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 松前 友香子
 まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 秋元 順一
 まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当) 角 秀行
 まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当、西武新宿線沿線まちづくり担当) 萩原 清志
 教育委員会事務局参事(教育経営担当)  合川 昭
 教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 吉村 恒治
 教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 寺嶋 誠一郎
 教育委員会事務局指導室長        喜名 朝博
 教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 飯塚 太郎
 教育委員会事務局中央図書館長      小谷松 弘市
 選挙管理委員会事務局長         奥山 功
 監査事務局長  服部 敏信
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事務局長     山下 清超
 事務局次長    奈良 浩二
 議事調査担当係長 大谷 良二
 書  記     長﨑 武史
 書  記     荒井  勉
 書  記     河村 孝雄
 書  記     菅野 多身子
 書  記     丸尾 明美
 書  記     土屋 佳代子
 書  記     鳥居  誠
 書  記     杉本 兼太郎
 書  記     鈴木  均
 書  記     岡田 浩二
 書  記     竹内 賢三

     午前10時00分開議
○いでい委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会します。
 第7号議案から第12号議案まで、及び第29号議案の計7件を合わせて議題に供します。
 初めに、理事会の報告を行います。
 本日、総括質疑2日目は、さきに御確認いただいたとおり、1番目に市川みのる委員、2番目に岡本いさお委員、3番目に牛崎のり子委員、4番目に奥田けんじ委員の順序で4名の質疑を行います。
 次に、追加の資料要求1件について、お手元に配付の資料要求一覧(追加分)のとおり整理しました。また、既に配付済みの文教66について、内容が適切でなかったため差しかえたいとの申し出があり、これを了承しました。
 以上が理事会の報告ですが、質疑はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 ただいまの報告のとおり委員会を運営することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。
 続いて、資料要求についてお諮りします。
 お手元に配付の資料要求一覧のとおり、資料要求することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。

追加分 
◆総務分科会関係
80 当初予算額と決算額比較一覧(現年度までの6年間) <共>

○いでい委員長 それでは、前回に引き続き、総括質疑を行います。答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。
 それでは、質疑に入ります。市川みのる委員、お願いします。
○市川委員 おはようございます。2日目の総括質疑のトップバッターを務めさせていただきます、自民党の市川みのるでございます。よろしくお願いを申し上げます。
 項目につきましては、議会と執行機関の関係について、いろいろとお尋ねをしたいことがありまして、通告をさせていただきました。
 早速ですが、質疑に入りたいと思います。
 議会と執行機関は車の両輪と言われております。区長もよく、さまざまな団体の会合に出席をされるたびに、この車の両輪というお言葉を使われます。自治体を構成する大変重要な、それぞれ機関、これは機関であります。その関係は、互いの役割を尊重し合い、節度と緊張感を持ったものであるべきだと私は常々考えております。しかし最近、主に執行機関の側に、こうした考えを本当に理解しているのだろうかというような、首をかしげるような、首を傾けたくなるような、そういうような事柄が目につくのが昨今であります。そこで、区長をはじめ執行機関の側で仕事をされている皆さんが、議会との関係、執行機関と議会との関係をどういうふうに考えているのか、改めて確認をする意味で質問をさせていただきたいと思っています。よろしくお願いをいたします。
 まず、二、三、例を挙げまして、その中から執行機関と議会の関係について、さまざまお尋ねをしたいと思います。
 まず、にぎわいフェスタについてでありますが、現在、にぎわいフェスタ2010という催しが行われております。中野駅周辺の地域で皆さん方が協力をし合って、2月から3月にわたっての期間、大変にこの催しに対して皆さんの協力があって、非常に盛り上がりを見せています。特に中野駅南口周辺の皆さんは、このにぎわいフェスタについては大変力を入れまして、何とかこれを契機にして南口のまちづくりのインセンティブを高めていきたい、引き出していきたいと、そういうようなお気持ちで取り組まれているんだと思います。
 にぎわいフェスタ2010という、この催しなんですが、この開催につきましては所管の委員会がありますね、区民委員会があります。この区民委員会に報告をされたのはいつでしょうか。それがまず最初のお尋ねです。よろしくお願いしたいと思います。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 本年1月29日の区民委員会に報告いたしました。
○市川委員 1月29日の区民委員会ということは、およそ何日前か、2週間ほど前になるのか10日前ぐらいになるわけですが、この催しの開催というのが決まったのはいつだったでしょうか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 準備期間は別といたしまして、関係する商店街、町会、事業者などにお集まりいただき、本イベントの全体会を昨年の12月17日に開催いたしました。これが事業のスタート時期となります。
○市川委員 みんなが集まって12月17日にスタートしたというのはいいんだけど、これを発案して、にぎわいフェスタをやろうということが所管の事業部のほうで、執行機関側でこれを決めたのはいつなんですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 12月の中旬ということでございます。
○市川委員 11月のおしまいじゃないの。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) イベントの方向性については11月の末から検討してまいりましたが、実際にその内容を固めた時期としては12月の中旬ということでございます。
○市川委員 イベントの方向性を検討し始めたのが11月の下旬ごろで、その内容を固めたのが12月の17日。もう固めたときに関係者というか、協力を仰ぐ団体の皆さんを呼んで協議をしたの。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 方向性が固まり、そして細部を調整するという段階に達しまして、12月17日に全体の会議を開催したという経緯でございます。
○市川委員 じゃあ、皆さんにこういう催し、2月7日から3月の末までありますよという報告をしたのが12月17日。そこから皆さんがそれぞれ動き始めたわけね。それで、そこで報告を受けている団体と、それから、例えば1月になってから、急遽、後から後追いの形で協力をしてくださいという形で協力を仰いだ団体と、それから極端な話を言うと、1月のおしまいごろになって協力をしてくださいと言って協力を仰いだ団体と、それぞれあるわけでしょう。全部が全部12月17日の段階でまとまってこのにぎわいフェスタの2月7日のオープニングに合わせた、いわゆる参加する団体が一堂にそこで介してスタートしたというわけではなくて、12月17日からスタートはしたけども、1月になってから、ああそうだ、ここにも声をかけなければいけない、中旬になって、ああそうだ、ここにも声をかけなければいけない、1月の下旬になって、ああそうだ、ここにも声をかけなければいけない、こういうことで進んでいったんでしょう。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 実際には12月17日につきましては、例えば商店街でありますとブロックの代表者ということでお集まりいただきましたので、その伝達についてはその後に代表の方から個々に伝えていただくということもございましたし、我々として想定していなかった部分についても仲間に入っていただきたいということもございましたので、時差はございました。
○市川委員 じゃあ、12月17日にもう一回話を戻すけども、所管の委員会の委員長にこういったにぎわいフェスタ、例えば区議会の場合は正副議長をはじめ所管の委員会の正副委員長に、こういったにぎわいフェスタというのをやることになったんですということを何で報告しなかったの。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 1月29日の区民委員会の直前には、委員長、副委員長にはお伝えしましたが、結果として開催間近の報告ということでございました。
○市川委員 そういうことを聞いているんじゃないんです。副参事も自分の産業振興が区民委員会の所管でありますということはもちろんよくわかっているし、そこには委員会参与としても出席をしているわけでしょう。それで、このにぎわいフェスタという事業を行うということは、平成21年度の予算、これは区議会のほうで議決を経た予算、この財源、このお金を使ってこの事業を行うということになるんだから、その決まった、固まった、スタートをさせます、関係団体を呼びます、招きます、この段階で、それぞれの正副議長をはじめ所管の正副委員長、それから例えば地元の議員、そういう議会側への報告、会派の幹事長への報告、そういうものが僕はあってしかるべきだと思うんだけども、そういうことは今、例えば何かある一定のルールのようなものを持ってルール化させていないの。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 今回の例で申し上げますと、事業の方向性は固まっておりましたけれども、予定していたイベントの詳細内容については地域の商店街、町会、事業者などの皆さんと調整しながら詰めていく考えでございました。議会に対しては、イベントの全体像と組み立てが明確になった段階で報告すべきと考えておりました。そのため、報告が遅くなってしまいました。
○市川委員 そういったルールというか手順というのが各所管に、今、これは産業振興の事業を事例にとって質疑をしていますけども、ほかの副参事の皆さんにも聞いておきたいんだけど、これは、そういった手順というものをちゃんと踏むような、何かこう、ホワイトボードに書いてあるとか、委員会日程が書いてあって、こういった事業が決まったら、即、例えば正副議長と正副委員長と地元の議員のところに飛んで行くんだとか、その連絡係は、参事はあまりにも忙し過ぎて権限が集中しているから、だれだれが行くんだとか、そういったようなものができているんですかということを聞いているんだよ。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) そういった明文化したルールというものはございません。
○市川委員 そういうものをきちんとしておかないとだめなんですよ。それがきちんとしていないから、僕たちが、我々が、例えば私が、年が明けて1月に新年会に出席をしました。地元の新年会、この中野駅周辺の商店街の新年会に出席をしました。それから、町会の新年会に出席をしました。そうしたら、皆さんのほうから、「にぎわいフェスタというのが2月にあるんだけど、市川さん、僕たちはこういう協力をする、ああいう協力をする、だから、いいんだろう、これで」と、こんなような確認のようなお話があるわけ。僕はそれを聞いていないから、「ん、何それと」、こういうふうになるわけ。「ん、何それ」と言うと、相手は何て言うと思う。「えっ、知らないの」と、こう言うんです。
 区民の皆さんというのは、議決を経て、いわゆる僕たちは予算を議決しているでしょう、だから、あらゆる事業について区議会議員は知っているものだと思って当たってくるわけ。それで、「えっ、知らないの」とやられちゃうと、こっちはぐうの音も出なくなっちゃう。「ああ、そういうのがあったんですか」と笑いながら、「ああ、あったんですか。へえ。じゃあ、協力してやってね。ところで、おたくの商店街はどうやって協力するの」と言うと、「いやいや、オープニングセレモニーがあってね、そこに織田学園さんにも参加してもらって、太鼓も呼んで、エイサーも呼んでやるんだよ」と。「ああそう、じゃあ、僕のほうからもよく声をかけておきましょうね」なんて言って、結局ごまかしたような話の仕方をするしかないんですよ。何でかというと、それは、こちらのほうの連絡が密にとれていないということが区民の皆さんにあまりわからないように、知ってもらいたくないから、そういう対応をせざるを得ない。それは、僕は執行機関をかばっちゃうのかもしれない。けれど、手厳しい議員がいたら、「いや、そんな報告は私たちは受けていませんから、協力なんかしなくたっていいんですよ」と言えば、それでおしまいなんだよ。そうしたら、議員の口からそういう言葉が発せられたときには、その関係者は、「えっ、そうなの。じゃあ、やるのはやめるよ」と、こうなるかもしれない。それでも、「やっぱり役所の言うことだから、どうしてもやっぱりやらなくちゃ」と言ってやってくれるかもしれない。そこいらのことが、円滑に事が運ぶようにすることが僕は大切だと思うんです。それについてどう思いますか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) こうしたイベントが盛り上がるためには、議会の御理解が欠かせないものということで考えてございます。適宜適切な情報提供に努め、提供時期についても十分に留意すべきであったと考えてございます。
○市川委員 そういうふうに、適宜という言葉があるんだけど、この催しを行うに当たっての予算措置というのがあるわけだ。まさかと言われちゃう。例えばこういう物の伝え方を議会側にしていると、まさかあの決算特別委員会のときに大内委員が指摘したような流用の問題があるのかなとか、またこうなっちゃうわけ。そのまさかの流用なんていうのは行っていないんでしょうね。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 今年度、にぎわい創出ということで予算を措置してございます。にぎわい創出費としては2,400万余の予算額でございますけれども、そのうち、にぎわいフェスタの事業に相当する部分につきましては1,300万円余となってございます。流用につきましては、執行方法の変更に伴いまして、同一目内の節間の流用を行っております。具体的には同一目内で委託料から需用費、役務費、使用料及び賃借料、報償費への流用を行っております。
○市川委員 この予算の措置、流用といった問題、今答弁いただいたんだけど、さっき言った、決算委員会で大内委員が質問をして、それでこの委員会室、あのときも決算委員会だから、この部屋で答弁をしているわけ。質疑、答弁というのは公の会議録にきちっと残っているわけですよ。これは後世にずっと残っていくわけだ、公式なものだからね。公開されているわけだから、ずっと残っていくんですが、そういった答弁というものがうんと大事になってくる。それで、大内さんが質問したときも、区民生活部長の答弁があって、それがしっかりここへ残っている。それから、産業振興担当副参事の答弁があって、これがしっかりと残っている。そういうものを踏まえて、「今度はもうそういうことがないんですね」という確認をする。それで、「もうございません」と言って、次へ進んでいく。それで、次へ進んでいくと、今度は、それがなければいいんだけど、またそれを繰り返しちゃうということもあるだろうし、またそういう何か疑いの目で見られてしまうというようなことにもなりかねないということが、日ごろの情報を密にとっていないことの一つの要因となるなということを僕は思うわけなんです。
 だから、こういったような催し、中野駅周辺の皆さん方がとても自分たちで積極的に取り組んでくれていますし、特に南口なんていうのは、今マルイが工事中だから商店街も閑散としている。けれども、2月7日のオープニングイベントのときは、本当にみんなが一生懸命取り組んでいらしたし、それから、それが終わった後の南口の商店街の新年会に行ったときには、その話題で持ち切りでしたよ。だから、ああ、よかったなと、こう思います。けれども、それには、やはりもっともっと日ごろのそれを決めた段階、やりましょうと決めた段階から、議会に対しての情報提供、それの委員会への報告、そういったものをしっかりととるようにしていただきたいと思います。
 現に区民委員会の委員長が中野区商店街連合会の新年会に出席をした。中野区商店街連合会の新年会はいつだったかな、1月の26、27日だったかな、あった。それで、区民委員会の久保委員長に、「委員長、知っていたの」と聞いたわけ。「にぎわいフェスタは知っていたの」と、こう聞いたわけ。「えっ」と言うから、「えって、どうしたの」と言ったわけ。そうしたら、「にぎわいフェスタというのは、今、市川先生から聞くまで知りませんでした」と、こういうことなんです。だから、それはきっと、さっき言った1月下旬の委員会で報告をすればいいんだろうと、こう思っていたから、そういうことになっちゃうんだと。だから、その打ち合わせの段階で、きっと委員長は知り得ることになったんだと思います。けれども、そうではなくて、もっと早目早目に情報提供するように努めていただきたいと思います。
 じゃあ、今度は産業振興と別の事業を取り上げて、このような同様の指摘をさせていただきたいと思います。
 キッズ・プラザ白桜についてでございます。キッズ・プラザ白桜の開所式、これはいつでございましたでしょうか。
○波多江子ども家庭部副参事(北部地域子ども家庭支援センター担当) お答えします。平成21年の10月26日に開所式を行いました。
○市川委員 その10月26日という日程はいつ決めたんですか。
○波多江子ども家庭部副参事(北部地域子ども家庭支援センター担当) 日程は小学校と協議して、9月に決定をさせていただきました。
○市川委員 所管の文教委員会は、8月の委員会のときに行政視察を秋に行うことを確認しているんですよ。それで、当日、10月26日がその行政視察の初日に当たっている。だから、開所式に文教委員会の正副委員長はもとより、文教委員さんは出席ができないんだ。しかも、御丁寧に議長にも案内状が届いているんだけども、議長が所属している区民委員会も、この10月26日が行政視察の初日になっている。こういうことを御存じでしたか。
○波多江子ども家庭部副参事(北部地域子ども家庭支援センター担当) 日程については、一たんは聞いていたんですけれども、開所式の日程を決定するときに、議会との日程のすり合わせを失念してしまっていました。
○市川委員 だから、さっきも産業振興担当副参事に話をしたように、この所管にも、いわゆる担当副参事のところにもそういったものがないわけで、手順を踏んでこうしましょう、必ずこうしましょうね、これが決まったらこういう連絡をとりあって、開所式の日取りを例えば決めるにしても、議会側の日程はどうなっているのか、もう一回確認した上で決めましょうねという、念には念を入れた作業をするという手順が外れていると思うんです。だから、議会のほうを向いていないということになってしまうんだけど、どういう事情があってこの10月26日を選んだのか。だから、なおかつ初日で、わかっていながらも決めたということではない。もう失念してしまったというのはわかったんだけど……(「何でも失念しちゃったで済ましたんじゃ、しようがないんだよ」と呼ぶ者あり)だから、失念しちゃったら困るんだからルール化しろと言っているんだけども、それはしてくれるよね。これは会議録に残しているんだから、残したものはやるんだよね。向こう1年僕たちは見ているんだから。そのためにきょうわざわざ時間を割いて、あと残り80分だけど、質問しているんだから。だから、きょう皆さんが一言一言答えていることは、向こう1年間我々もずっと見ているんですよ。それをまた同じことを、同じ轍を踏まないようにと言っているんだから、もう一回、じゃあ、どういう事情でこの日を選んだのか、これをお尋ねします。
○波多江子ども家庭部副参事(北部地域子ども家庭支援センター担当) キッズ・プラザ条例の施行日を10月26日にしておりましたので、これに合わせて開所式を行うということにいたしました。
○市川委員 別の観点からも伺ってみますけど、中野区ではキッズ・プラザ条例を昨年の第3回定例会に提案しています。議会では、10月15日に付託された文教委員会での審査を予定していました。そして、議会の意思を最終的に確定する議会、本会議は、会期最終日の10月22日に行うこととしておりました。これが議会側の日程です。こうした状況の中で、正確な日付というのがなかなか思い出せないんだけども、10月の半ばごろに、議員あてに正式な案内状が所管から手渡しで、委員会終了後、配られています。それで、このとき、内々のお知らせとか、事情の説明があったということなら理解ができるんだけども、これはどういうことなのかなと、こう思うんですが、どういうことなんですかね。
○波多江子ども家庭部副参事(北部地域子ども家庭支援センター担当) まことに申しわけないんですけれども、予定していた開所式の日まで日数が迫っておりまして、早くお知らせをしたいと考え、通知をしてしまいました。当然、議決後に正式な御案内をすべきことなんですけれども、本当に重ね重ね大変申しわけなく思っております。申しわけありませんでした。
○市川委員 あなたを責めているんじゃないですからね。あなたの役職を責めているんですからね。いいですね、職責というのかな。いいですね、職責ですよ。それぞれの職において果たさなければならないことをしてほしいということをきょうは申し上げておりますから、ひとつその点は誤解がないようにしてくださいね。ただ、今後はこういうことのないようにしてほしいと思います。
 ついせんだって、産経新聞にも載っていた区立小学校のわいせつ行為事件にしてもしかり、あれだって去年の夏に起きているんだよ。9月の末ごろに――9月かな、10月かな、教育委員会に報告があって、教育委員会はそれをわかっていて、議会にその話が届いたのは先週の火曜日ぐらいじゃなかったですか。(「新聞に出た日だよ」と呼ぶ者あり)新聞に出た日か。だから、新聞に出た日ですよ。あっ、新聞に出ちゃうからといって、慌てて議会に飛んで来たんですよ。(「いや、出ちゃったからだよ」と呼ぶ者あり)ああ。出ちゃったからといって、慌てて……。これじゃあ、やっぱりこっちを向いていないよね。議会は区民、いわゆる住民の代表だよ。代表というのは、いわゆる納税者、税金を納めているんだよね。納めたその税金で毎年毎年、毎年度毎年度、予算を編成して、その予算に基づいて事業を執行しているわけ。学校経営というのも成り立っているわけ。そういう中で、議会の議決があってこの事業が行われているんです。学校経営も行われているんです。だから、一般職の本当の末端の職員の皆さんまでそういうことを認識した上でお仕事をしてほしいと、こういうふうに思います。
 それで、やはり委員会というのはとっても大事なものだと思います。正副議長はもとより、正副委員長がそれぞれの所管の担当している事業というものを審査しながら、特に中野区議会は委員会中心主義でありますから、どこかの地方の議会へ行きますと、いわゆる議員定数が少ないから、本会議だけで全部審議が終わっちゃう。けれども、中野区議会は、さすがに都会にある都市部の自治体の議会ですから、きちっと常設された常任委員会を五つ設けて、それを常に、常任委員会ですから、いつでも正副委員長が招集することができることになっているんです。委員会の招集については、委員長が招集することになっている。また、委員の定数の3分の1以上が審査または調査すべき事件を招集して、それが招集の請求があったときには委員長は招集をしなければならないとかいう、こういう招集の規定もあるんです。急ぎ報告しなきゃいけないときは、日程の打ち合わせをしていなくても、委員長に言えば委員会は開けるんです。そうやって委員会が闊達に動くように、委員会の定足数も過半数そろえば委員会というのは開けるんですよ。そういうものを闊達に開きながらも、できる限り情報を議会側に伝えていくということを、今後、これから、これを皮切りにして、していっていただきたいなと思います。
 まだまだほかに事例はあるんでしょうが、続きまして、議案の先議についての幾つか事例を挙げながら指摘をさせていただきたい箇所がありますので、お尋ねをしてみたいと思います。
 これまでは情報伝達とか、その連絡にかかわる事例を挙げました。議会運営にかかわる事柄でも、節度と緊張という観点から見て、いかがかという事例がほかにもまだまだあります。それから、代表的な事例として、この根幹を成す議案の先議と予算の補正について、今度は尋ねてみたいと思います。
 皆さん方御承知のとおり、中野区議会というのは、二つ先の定例会の確認、そのスケジュールの確認をしながら活動しております。これは議会だけではなくて、執行機関も含めて、仕事の見通しをかなり先まで立てながら進めることができるようにという配慮を、議会の先輩の皆さんたちが築いてくれた伝統であります。また、議会の運営についても、会議規則をはじめ、さまざまなルールを定めて行っております。当然これらは執行機関の側も御存じのはずですし、議案等の案件も、通常はこのルールにのっとって審査を行って議決を行うことを前提に準備をされているのではないかと思います。それで、議会の日程というのは、平成3年の第4回定例会以降、半年先の定例会の日程まで決めているんです。平成3年の第4定というと、大体議会運営委員会が法制化されて常任委員会になったころあたりから、二つ先の定例会の日程を内々定、それから次の段階で内定、次の段階で決定という形で踏んできます。それほどスケジュール、日程というものを大切にしながら、また、皆さんの側にも提供しながら事を進めているわけですけれども、しかしながら、さまざまな事情から、通常のスケジュールを待っていては不都合が生ずる案件があるのはもちろん承知のとおりです。
 決められたスケジュールを早めての対処が求められる、そういう場合もあります。議会では、これを議案の先議という言葉を使って、いわば別枠で対応をしています。私の理解では、これは特段の事情があった場合、広い意味では、区民福祉、区民の生活が著しく困窮してしまうとか、急に起きた災害だとか、よほど何か緊急的に発生したもの、それから制度改正に伴って生じた国の施策に対する急遽の対応の仕方とか、そういったようなもののために、言ってみれば、議会側はそれに対して便宜を図っているんだと思うんですね。
 ところが、中野区政、これが田中大輔区政になってから、この先議の回数が以前に比べて大きくふえているんです。これは区議会事務局で調べたところ、神山区政の最終段階の4年間では、平成10年度は先議が6件、11年度が6件、12年度が7件、13年度が5件であったものが、田中大輔区政になりまして、1期目が、14年度が9件、15年度が10件、16年度が10件、17年度が12件、2期目になりまして、18年度が15件、19年度が19件、20年度が12件、21年度、今まだ21年度中ですけど、これは3定で6件の先議案件があったほか、皆さんも御記憶のとおり、この定例会でも9件の先議を既に審議しております。どのような事情からこのような結果が生じているのか説明をしてほしいと思います。
○長田経営室参事(経営担当) お答えをいたします。当初予算の補正や条例の規定整備などが通常のスケジュールでは間に合わない場合に先議をお願いしているところでございます。平成14年度以降、中野区を取り巻く社会経済状況が変化いたしまして、臨機応変に対応を迫られる事態が生じているところでございます。最近の事例といたしましては、サブプライムローン問題に端を発した世界的な金融危機に伴う緊急経済対策等がございます。当初予算では予見できなかった緊急経済雇用対策、定額給付金等の施策のため、中野区としては早急な対応が必要であったというふうに考えてございます。こういった事情から補正予算の先議をお願いしたものでございます。また、法令の制定や改廃に伴います条例の規定整備を適時に行う必要があったことなどにより、先議を議会にお願いしたものでございます。
○市川委員 そういったことで、区民のために必要があるならば、便宜を図ることに別に異論があるわけではありません。けれども、先ほど述べたような数字の結果を見たときに、執行機関の側に節度があったなというふうに言えるでしょうか。その点についてはどのようにお考えですか。
○長田経営室参事(経営担当) 先議をお願いいたします議案につきましては、日程の関係から、真にやむを得ないものに限り、通常のスケジュールで間に合うものと厳格に区別をしてお願いしているところでございます。議案の先議に当たりましては、先議の必要性を慎重に検討いたしまして、議会に先議をお願いしていきたいと考えているところでございます。これまでも議案の提出に当たりましては、議会の予定を確認しながら事務を進めてきたところでございますが、社会経済状況の変化をいち早く把握し、必要な施策を準備するとともに、国会における法案の動向等を見きわめ、できるだけ早く議案の検討を行うことで先議案件を精査するよう努力してまいりたいと考えているところでございます。
○市川委員 じゃあ、さらに伺いますが、まず、総計予算主義の原則というのがあります。総計予算主義の原則。これは何ですかね。これについて説明をしてください。
○志賀政策室副参事(予算担当) お答えいたします。地方自治法第210条の規定によりまして、「一会計年度における一切の収入及び支出は、すべてこれを歳入歳出予算に編入しなければならない」とする原則でございます。これは、歳入と歳出を相殺した残額の計上ではなく、一切の歳入と歳出を予算計上することによりまして、収入及び支出の実態、いわゆる予算の全貌を明らかにするとともに、予算執行上の責任を明確にするものでございます。
○市川委員 自治体の予算は1年間の行政活動というものを財政面からあらわした計画だということが言われているわけですね、一般的に。加えて、今お話のあった原則にのっとった場合、今、当初予算を審議しているんだけど、この年度当初に想定される施策とか事業とか経費、これはすべてが予算に計上されるべきだと思っておりますが、その点について、当たり前のことを聞くようだけども、いかがお考えですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 委員御質問のとおり、予算は1年間にどのような施策がどのように実施されるのか、こういったものを明らかにしたものでございます。このことから、想定されます事業経費につきましては、すべて当初予算に計上されるべきであるというふうに考えてございます。
○市川委員 そうした考えを前提とした場合、年度途中の補正予算というのは、通常ですよ、どのようなものになると考えますか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 補正予算は予算の調製、予算編成の後において生じました事由に基づいて、規定の予算に追加その他変更を加える予算のことを指してございます。補正予算を追加計上されるものといたしましては、区民の生活を守るため、経済対策や災害対策、こういった緊急に対応しなければならないものや、先ほども長田参事のほうから申し上げましたが、国や都の制度改正に伴います国庫補助金等の増減、それから経費の増減に伴います予算の整理が必要なもの、こういったものが考えられます。
○市川委員 原則は原則ですから、一切例外を認めないと言うつもりもありませんけども、年度当初に想定されなかった環境とか事情の変化であるとか、先ほど来申し上げているような突発的な事故とか事件とか、直ちに手当てをしてあげないと、区民の福祉というものを大きく損ねてしまうというような場合に限ったものになるんだというふうに考えてよろしいんですよね。
○志賀政策室副参事(予算担当) そのとおりでございます。
○市川委員 ところが、これも区議会事務局に調べさせたんですけども、予算を補正する回数がふえてきています。一般会計予算を例にとりますが、平成10年度、これも神山区政の最後の段階ですけども、平成10年度が1回、財政が大変逼迫した状況下に追い込まれた11年度が4回、12年度が2回、13年度が2回であったものが、田中大輔区政になりますと、14年度が2回、15年度が3回、16年度が3回、17年度が5回、18年度が4回、19年度が5回と続きまして、20年度は何と8回も補正を行っている。それで、今年度はさすがに減って、先日の補正が第6次だったわけなんですね。単純に計算をしちゃうけども、定例会ごとに補正を行っている計算になっちゃうんだよね。そんなに環境変化とか、そんなに事件とか事情の変化とかがありましたか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 平成21年度、今年度の予算に限って申し上げます。緊急経済対策、それから新型のインフルエンザ、それから離職者の支援ですとか国の制度の創設に伴う対応ということで事情変化があったものでございます。これは、以前につきましても、早急に実施する必要のございました耐震補強や、あるいは子ども施設への非常通報装置など、緊急課題として対応してきたといったようなものでございます。
○市川委員 今、年度当初予算の審議をしているでしょう。それで、この当初予算というのを予算書で出しましたよね。これは、相当な時間と相当な皆さん方の労力をかけてつくり上げてきたもの。それを今、議会側に示して審議をしているわけ。これの当初予算の中に、最近ふえてきた傾向がある補正予算、世の中が目まぐるしく変わっているから、さっき話したサブプライムローンの問題からリーマンショックの問題、世界同時不況、それからデフレスパイラル、そんなような問題、渦の中に巻き込まれて、中野区政も本当に台所は火の車になっています。それでまた、国のほうもどんなような制度改正を行うかわかりません。それはもちろんこの平成22年度も予測をされています。21年度は初めてだったかもしれない、政権がかわったから。大きく政治が変わって、これは初めてのことだったからしようがないかもしれない。その前の年度に大きな世界同時不況というものが発生したからしようがないかもしれない。けれども、それらの経験則にのっとって、今度の22年度の当初予算は、ある程度の幅というのかな、金額的な幅じゃないんだよ、弾力的な動かし方ができるような当初予算にしてあるんだということを念頭に置いて予算編成に取り組んでいますか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 22年度の当初予算につきましては、この9月以降、きょうまでずっと編成をしてきたわけですけども、委員御質問の中にお話がございましたように、一昨年のサブプライムローンの影響もあって、世界同時不況、それから日本の経済が大変打撃を大きく受けていると、そういった中では、当然中野区の財政状況も大変悪化してございます。そういった意味で、弾力的な財政の幅を持たせた予算になっているかといったことでは、ぎりぎりの内容で予算の編成をしているといった内容でございます。
○市川委員 突発的にこんなことが起きたからまた補正をします、突発的にこんなことが起きたからまた補正をします、これじゃあ、さっき言った総計予算主義の原則が崩れちゃう。それで、財政規律という観点から見ても、予算補正を繰り返す財政運営のあり方というのは、僕はノーマルだと思わない。それはどう思いますか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 一つは、緊急課題に対応するために新たに実施いたします事業などにつきましては議会にお諮りし、迅速に実施すべき補正は一定程度必要ではないかというふうに考えているところでございます。また、予算計上に当たりましては、事業の計画の精査を行いまして、実施計画があいまいな事業につきましては予算に盛り込まないといったものも、これも原則でございます。なお、予算執行時におきましても、事業の進行管理、こういったものの徹底が必要になってくるだろうというふうに考えているところでございます。
○市川委員 当初予算の見積りをどのようにして示してくるかというのは、これは財政サイドの力量だと思います。それで、この世の中が目まぐるしく変化をしていくという、この状況もかんがみて予算編成に取り組むというのは、財政サイドの力量を示す、逆に言えば絶好のチャンスでもあるわけ。そういうものをやっぱりきちっと示してほしいし、発揮してほしいと、そういった願いを込めてこの質問をさせてもらいました。ですから、また補正があって補正があってと、それの繰り返しに対して、私たちが何も異論を挟む必要はありません。ただ、それが区民福祉のためになるならば、大いに協力はしていきます。けれども、当たり前のようにして、あっいけね、最初の見積りが間違えていた、だから補正ですというようなことにはなっていかないように、それから、補正というものをあんまり乱用するような形になっていかないように、世の中の変化が激しいからといって、それをよりどころにして補正補正の繰り返しをしないように、これは注意をしておきたいと思います。よろしくお願いします。
 次に、職員の指導についての質問をさせていただきます。
 いろいろ事例を挙げてお伺いいたしましたが、何度も何度も繰り返すように、情報連絡とか伝達にかかわる一連の事例は、職員の皆さんが仕事を進める際に議会というファクターを念頭に置かない、もしくは置いたとしてもあんまり重視していない、そういうことをあらわしているように思えてならない。現にそうだと思います。そこでお伺いするのですが、中野区では日ごろ職員に対して、それも議会とのかかわりが深い管理職に対して、議会との関係づくりをどのように指導されているか、この点を伺いたいと思います。
○長田経営室参事(経営担当) お答えをいたします。まず、議会日程や議会対応上、理事者が念頭に置いておくべき事項につきましては、執行機関側の窓口でございます経営室経営担当が必要の都度、各部に伝達をしているところでございます。また、庁議などの場で、区長以下、副区長、部長が議会対応について庁内の意思統一をしているというところでございます。
○市川委員 それをやっていても、それができていないのが実態です。だから、物事はかくあらねばならないという筋目、節目というのか、建前というのか、そういうものが世の中には何事によらずあると思います。それで、行政はそうしたことを特に大切にしなければならないと思うんです。特にそういったことを大切にしなければならない最たる存在だと思うんですが、その点については間違いありませんよね。
○長田経営室参事(経営担当) 議会との円滑な関係を築いていくということが非常に大事なものというふうに認識してございます。そういう意味で、私ども理事者が統一した意思を持って対応するということは非常に重要だと考えてございます。
○市川委員 議会も同様にそういった筋目とか節目というものを大切にしているつもりです。そうでなければ、これだけのさまざまな議員の皆さんがそろった機関を円滑に運営できるわけがないからであります。区議会事務局から、新任の管理職には、事務局次長を講師に招いて、そういったような形で研修に協力をしているんだという話も伺いました。だけども、いま一つ効果が上がっていないように思います。何か足りないものがあるのか、あるいはやり方がうまくないのか、いずれにしても、今申し上げたようなことも踏まえて相当見直していかなきゃならん、そう思うんですけども、どう思いますか。
○長田経営室参事(経営担当) 新任の管理職などに対しましては、議会の対応の経験が少ない、そういう状況がございます。こういった管理職に対しては、それぞれの部内で部長や各部の経営担当から、それぞれ必要に応じて助言、指導を行っているところでございます。また、議会に関する情報を適宜適切に庁内に発信し続けることで、各管理職の意識、注意を喚起してまいりたいと考えてございます。
○市川委員 ずっとこう質問して答弁をいただいているうちに、管理職のところに話が集中してくるわけ。副参事はすごい今大変な思いをしている。現に、例えばこの質問をしますと通告をすると、取材をさせてくださいという連絡が来ます。夜の8時過ぎごろ電話がかかってきます。今、携帯電話には着信の履歴が出るからね。そうすると、3228何とかと、こうなっている。これは役所だなと。それで出ると、何とか何とかの担当副参事ですと、こうなるわけ。うちはすぐそこだから、役所が見えるから、あっ電気がついているなとわかるわけ。そうすると、ああ、随分残業して頑張っているんだなと、こう思います。ところが、担当副参事のところに、こうやって研修もしますよ、議会の対応も教えますよ、事務局次長を招いて研修もしますよと、これを何度繰り返しても、ここだけじゃあどうも抱えきれなくなっちゃっているんじゃないのか。だから、もっと副参事以下、係長、一般職の職員の皆さんまでもが議会というものをもっともっと認識、理解をする必要があるんじゃないかと思う。
 僕なんかが入ったころ、平成3年から4年ごろ、バブルがはじける直前の常任委員会、あったでしょう。そのときの様子というのを今思い起こすと、廊下に係長以下一般の職員まで、みんな関係者が大体自分たちの所管事項の報告があるときは、みんなここに来ていた。その入り口のところにいて、こうやって耳を澄ませて中でのやりとりを聞いていました。すごくこれは大事なことだと思います。なぜかといえば、そこで発せられる議員の質疑というのは、まさしく区民の声だからですよ。区民が今何を求めているのか、それから自分たちが今行っている事業がどういう評価を受けているのか、またそれにどういう角度から物事を考えている人がいるのか、そういうものをさらに確認するためには、とっても必要な場だと思うんです。逆に言えば、議会というのは学習の場でもあると思うんです。だから、副参事に限らず、係長級をはじめ、一般職員の皆さんに至るまで、それは自分の仕事を放り出してとは言いませんよ、だけども、時間があるならば、こういった議会側の議会棟の廊下に足を運んで、その委員会の様子を聞いているとか、それから、うちの副参事がどういった質問を受けてどういった答弁をしているなとか、それから、もし私だったらこういった答弁をするなとか、それから、大事なことをあの議員は発言しているなというメモをとるとか、それから、あの議員はこういうことを言ったから今度これは事業に生かしていこうといったような、そういう機会としてとらえるとか、そういったことは僕はすごく大事なことだと思うんですよ。
 あまりにも副参事副参事といって、議会のことはそこに任せておけばいいんだという傾向が今あり過ぎるんじゃないか。確かに委員会のときには、副参事が答えられないこと、答弁できないことに対してはメモが出るように、きちっと係長級の方が見えて、担当者が見えて、傍聴席のところに座って、それがないときはメモを渡してくれますよ。だけど、それ以上にもっともっと廊下のところに、みんながこうやって耳を傾けるような職員が集まってきて、それで委員会を傍聴しています、廊下から聞いています、こういうような、何か廊下側からの反応というのが出てくると、議会の側ももちろん緊張しなきゃいけない、それによってこの議員がこんな発言をしていたということを聞かれることによって議員の力量も問われるわけです。そうすると、お互いに相乗効果を持たせて、よりよいものになっていくと思います。それで、そういったような委員会室の廊下の前とか、そういったところに、一般の職員、係長級、皆さんが足を運んでいく、こんなようなことというのはできないものですかね。
○長田経営室参事(経営担当) 区議会と執行機関の役割、それから区議会対応の重要性といったことにつきましては、庁内全体で管理職をはじめとした職員の認識をさらに深めていく取り組みを進めてまいりたいというふうに考えてございます。なお、議会運営に当たっての円滑な進行のための担当者を配置するということなどの体制については、今後とも整備を進めてまいりたいと考えてございます。
○市川委員 今、答弁の中にありましたように、議会担当の職員がだれなのというのを今後とも進めてまいりたいじゃなくて、今すぐ始めることです。担当のそれぞれの中に、あなたが議会担当だよ、あなたがメッセンジャーなんだよという人をやっぱりつくっていかなくちゃ。そういう体制、組織で議会との連携というのをとっていかないと、何でも副参事でいいんだよということにしておいたのでは、あまりにも副参事が大変だと思います。そこいらのところを参考にしていただいて、ぜひ即、議会対応の担当者というのを設けていただければありがたいなと思います。
 議会運営にかかわる事例、あと区長の見解についてお尋ねしますので、長田さんではなくなると思いますけども、いいですか。今言ったことはいいですか。本当にやりますね。――じゃあ、すぐやってくださいよ。見ていますからね、1年間。お願いします。
 議会運営にかかわる事例では、区長の考えとか姿勢も大きく影響しているのではないかと思います。これからは区長の見解をお尋ねします。
 区長のことですから、今私が話していることはもうよくわかっていると思います。さまざまな催しの際にも、区長に私がこういうことを申し上げると、よくわかっていますと、よく言っているんですが、なかなかうまくいかないんですよとよくおっしゃっているので、わかっていると思うんだけど、本当に釈迦に説法だけども、聞いてください。それで答えてくださいね。
 冒頭に述べましたように、議会と執行機関、とりわけ首長と議会との関係は車の両輪と言われますし、区長はよくこの車の両輪という言葉を使われます。車の両輪ということは、その車の片一方が小さくても片一方が大きくてもいけないし、片一方がまた大きくてこちらの片一方が小さくてもいけない。車を運転していたって、右の前のタイヤがパンクすればハンドルは右に切られちゃう。左のタイヤがパンクすれば左に切られちゃう。これは当然ですよね。両方のタイヤを真っ直ぐ向けてハンドルを持っているから、車は真っ直ぐ前に進んでいく。もちろんカーブを切らなきゃならないときも、両輪がそろっているから、左右へハンドルを切ったとおりに車を動かすことができるわけ。それから、空気圧、これは緊張関係だと思いますけども、空気圧というものも、適度な空気圧にしておかないと、車というのは高速道路なんかで走らせるとバーストを起こしちゃう。タイヤが破裂をしてしまう。そういうことにもなりかねないということで、そういったことにも気をつけながら、両輪というものの意味合いを今さらながらに確認してみたいと思います。
 それで、予算の編成権一つをとっても、区長というのは、これは全部あなたに専属しています。多数の行政職員を日々監督、指揮をしています。それで、執行機関優位の仕組みになっていることは、これは間違いのない事実です。どういうことかというと、例えば議会の側を見ても、区議会事務局の職員数なんてわずかなんですよ。区議会というのは立法機関なんだけども、うちの区議会だって定数42名だけど職員が18名。それで、隣の渋谷区だって、定数は34だけど15ですよ。杉並区だって、条例定数48のところ16ですよ。うちより少ない。議員数が多いのにね。それで、地方議会の区議会、市議会事務局、町村議会事務局の職員数というのは、どこを見てもみんな議員数より少ないんです。唯一全国の自治体の中で議員定数よりも職員数のほうが多いのは東京都議会だけなんです。東京都議会は議員定数が127人なんですが、議会局の職員数は148人。非常に手厚い。これは都議会に出入りしたことがある人はよくわかると思うんだけども、議会局の中に管理部と議事部と調査部と。これはすごいんですよ。管理部の中に秘書課というのがある。秘書課というのは、議長及び副議長の秘書並びに交際に関する事務を取り扱うと書いてある。総務課、経理課、広報課。議事部に議案法制課、もちろんこの法制担当、それから議事課。調査部に調査情報課、それからもちろんここが図書館を管理している。大きな自治体の議会だからこういったことになるんだろうけども、東京都議会だけは議会局職員数が議員定数より多い。
 それで、我々もこの区議会議員の日ごろの活動が円滑にできるようにということで、今、地方分権、地方主権が大きな声で唱えられていますけども、本当にそれが実現したときに、この地方自治体の議会を運営している議員、その議員の活動の充実、それをさらに強化させるための基盤整備についてという要望書も、平成20年の9月18日に特別区議会議長会の会長名で、23区の特別区の各区長あてに出している。それから、区長会の会長あてにも出している。その内容は、もう皆さん御承知のとおりですから、ここでは一々紹介はしませんけども、趣旨は、経済的な面で大変だから報酬を上げてくれということが何か全面的に出ているようだけど、真の意味は、この基盤整備を早急に行っていただきたいというのが真の意味なんです。基盤整備という中に、報酬だけじゃなくて、自分たちを囲んでいる、いわゆる区議会事務局、自分たちをサポートしてくれる区議会事務局の充実、強化というものが僕は含まれているんだと思うんです。それで、報酬の面では、一応報酬審にも、私が議長のとき、やながわ副議長と一緒に、当時は伺いました。報酬についてもいろいろと申し上げましたけども、区議会議員の議員報酬のあり方については、特別職の報酬審議会の会長の川島さんのほうからいただいたこの通知を見ましても、この答申を見ましても、議員活動が広範で専門的なことになってきている実態を重視すべきであるとか、議員報酬が中野区は23区で最下位にとどまっていることを考慮すべきであるとか、こうやって報酬面でのことは書いてくれています。だけど、私たち本当の意味でこの要望書、真の地方分権を支える議員活動の充実強化のためのさらなる基盤整備についての要望書というのは、何のために出したのかというと、報酬を引き上げてくれというだけのことじゃないんですよ。それよりも、私たちの議員活動がより円滑にできるようにしていただきたいという意味合い、願いを込めて出したつもりなの。それが、これからの地方分権、地方主権というものを支えていく一番の礎になるんだという意味で、この要望書を出した。そういうことなんです。
 私、前にある会で聞いたお話なんですが、元国土庁の事務次官を務めていた方で、近藤茂夫さんという方がいらっしゃる。西岡さんは知っているでしょう、近藤茂夫さん。この人は内閣広報官を務めた。この人は、金丸信さんが国土庁長官のときに、担当で秘書官を務めていた。だから、金丸信の裏話とか、そんなものもしてくれました。その次に、建設省の都市局長、国土庁の官房長、国土庁事務次官、阪神・淡路大震災復興対策本部事務局長など、さまざまな業績を残しているんだけども、最後にこの人はフィンランドの特命全権大使を務めているんです。フィンランド。それで、この方のお話の中で、ちょっと印象に残ったお話があったんです。フィンランドという国は、とても地方分権の進んでいる国でありますと。日本でも今、地方分権にかかわる地方分権推進委員会の答申が出ておりますと。けれども、その中で、今集まっているこの皆さんの中に、地方議会、自治体議会の議員の方がいたら、耳が痛いかもしれないけど、聞いてください。本当に地方分権を進めるならば、一番大事なことは何か。日本の国に欠落しているのは何か。それは、地方自治体議会、これの強化、それから、それぞれの自治体、都市が持っているローカル紙、これの充実でありますと。この2点を指摘していました。
 日本の国というのは、三大紙をはじめメジャーな新聞が中心で新聞報道というのがあります。近藤さんの話を聞いていたらば、フィンランドに行ったらば、例えばヘルシンキという町で、そのヘルシンキのニュースを報道しているローカル紙が30紙から40紙ぐらいあるんだそうです。それで、逐一市議会の情報なんかを一面トップにして、また、市の情報なんかを一面トップにして報道しているんだそうです。でも、我が国では、そういったローカル紙というものがまず充実していないし、ほとんどないと言って等しいですねという話。それから、やはりフィンランドでは地方議会に大きな権限を与えて、例えば先ほど私が紹介したような議会局の職員数を、議員1人当たり1人の職員を配置して、議会の立法機関としての機能を十二分に引き出している。日本の国は果たしてそうでありましょうか。そうではありませんね。まして、今の地方自治体の議会の議員がそれを望んでも無理でありますよねと。そういったたぐいの話でした。
 最後に区長に伺いたいんですが、そんなようなお話なども含めて、さまざま伺ったことなども踏まえて、区長は今後、議会との関係をどのように形づくっていこうと思われるのか、また、職員に対しての御指導、これもどういうふうにされるのか、所見を伺いたいと思います。
○田中区長 お答えいたします。きょうの御質問、こちらからの答弁、るる聞いておりまして、やはり基本的には私の責任ということなんだなというふうに、ひとつ痛感をしたということであります。我々は、区長が選挙で選ばれるということでありまして、執行機関を形成しております。区民の皆さんのために区民の意思を確かめながら運営をするということで、その区民の意思というのはどこが決めているのか、どこにあるのかというときに、それを議会というものに求めているというのが制度だと思っております。そういう意味で、事業執行は行政の責任で行うわけでありますけれども、一つひとつの事業の運営のあり方でありますとか、あるいはその予算の考え方でありますとか、そういったこと、一つひとつに区民の意思を確かめながら仕事をしていくという上では、議会との意思疎通あるいは議会の意向をきちんと踏まえながら一つひとつの手続を進めていくということがまず欠かせない仕事のやり方なんだと、そういうふうに認識をしているつもりなのではありますけれども、また、私としてはそれなりにいろんな機会を通じて指導しているつもりなのではありますけれども、やはり現実に実務をやっていく中で、そうはならない場面もしばしば出てきてしまうと。こういうことについては、やはり機会をとらえてということとか、そういうことだけではなくて、もう少し根本的な区の中での仕事の進め方の中で、議会との関係をどういうふうに手順の中にきちんと組み込んでいくのかという、このことをやはりつくっていくということが欠かせないのかなと、こんなふうに思ったわけであります。
 予算の流用でありますとか、あるいは補正を組んで事に当たる、あるいはそういったことをやっていく上で議会に先議をお願いする、十分御認識の上で御発言のことだと思いますけれども、必要だからやることであって、必要なことをやらないというわけにはいかないということなのだというふうには認識しているわけでありますけれども、それが本当に必要なんだというふうに議会のほうで認識していただけるような、そういう形で進めてきたのかというところで、やはり反省するべきことはきちんと反省しなければいけないのではないかと、そんなふうに思った次第でございます。
○市川委員 今、区長の答弁を聞いて、大変頼もしく思いました。議会の議員も毎日いるわけではないんです。ですから、担当者の方がたまたま議員の控室に来ました、そのときに議員がいませんでした、だから、終わってしまいました、こんなことにならないようにしましょう。携帯電話をみんな持っているじゃないですか。それをかけて、それからメールアドレスは区議会事務局がみんな持っていますよ。それをちゃんと調べて、即連絡していかなければならないことは、そういうふうな形で追っかけて、夜討ち朝駆けという言葉があるけども、そういうような姿勢で……(「迷惑だよ」と呼ぶ者あり)迷惑と言う人もいるけど、追っかけなきゃだめなんだ。こういう言葉に負けちゃだめなんだ。迷惑だと思っても追っかけて、それで、議員こうですよ、今こうなっていますよ、委員長こうですよ、今こうなりました、いいですねと確認をとっていく必要があると思いますね。(「それはそうだな」と呼ぶ者あり)そうですね。議長こうですよ、副議長こうですよと、これをお願いして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)
○いでい委員長 以上で市川みのる委員の質疑を終了します。
 次に、岡本いさお委員、お願いします。
○岡本委員 おはようございます。公明党議員団の立場から予算の総括質疑を行います。質疑は通告順に行います。その他として2点、特別支援学級の宿泊授業とがん対策について伺います。
 初めに、救急医療安心情報について伺います。
 高齢者や障害者等が緊急時に個人の医療情報を関係機関に知らせることは極めて大事だと思います。特に中野区は単身世帯も多く、緊急時に駆けつけた救急隊員に迅速かつ的確に医療情報が伝わるかどうかは、その方の命が守れるかどうかの大事な決め手にもなります。緊急時に1人でも多くの高齢者等の命を守りたいとの思いで質問をいたします。
 初めに、中野区の緊急連絡カードについて伺います。昨年、第4回定例会で我が会派の南かつひこ議員が、港区で実施している救急医療情報キットを中野区でも普及すべきだとの質疑に対して、保健福祉部長は、中野区は既に緊急連絡カードがあり、キットに変更する必要はないとの御答弁でした。改めて部長の答弁を見てみますと、部長は、「中野区の緊急連絡カードというものがございますが、これは緊急時に駆けつけた救急隊員などが速やかにこのカードを発見できるよう、玄関などの目立つ場所に置いてもらっており、定着をしているというところでございます。中野区の緊急連絡カードは、同じカードを民生委員や区が共有するというやり方でやっておりまして、現在のところ、あえて変更する必要はないと考えております」と述べています。また、再質問に対して、「どういう形が最もわかりやすい置き方なのかということについて研究してみたいと思います」と答弁されています。
 そのカードとは、ちょっと小さくて見にくいですが、A4の3分の2の大きさで、上に「緊急連絡カード」と書いてありまして、右のほうに――実はこれ、3枚つづりのカーボンコピーの写しになっておりまして、右のほうに保管場所が示してありまして、「区」と書いてあるのが中野区、次のページが民生委員の「民」と書いてある民生委員、最後のページには本人が所有するようなこういうカードになっておりまして、中には日付とか氏名、生年月日、性別、住所、電話、緊急連絡先があり、かかりつけの病院・医院、持病がどういうものがあるか、それから医療保険に丸をつける、それから地区担当民生委員の名前、連絡先等、一番下には救急車・火事119、警察110という、こういうふうに書いてあるものでございます。
 私がこのカードを見る限り、大事な点が二つ欠落していると思います。一つは、カードの発行元が明記されておりません、どう見ても。袋には書いてあるんですが、このカードがひとり歩きしますから、全くこの発行元が書いていないという欠点。それから二つ目は、カードに書かれた個人情報の扱いについて、本人の同意の記述がないことです。重要な緊急情報カードと位置付けているのであれば、基本的に重要な表記がされていなくてよいのでしょうか、伺います。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) お答えいたします。この緊急連絡カードでございますが、先ほど委員御紹介のように、専用の袋に入れて設置しておいてもらってございます。袋には先ほどもありましたように、区の担当部署、それと問い合わせ先を記載しているということでございます。また、この緊急連絡カードでございますが、御本人さんの急病ですとか事故、そんなような緊急時に活用する旨、御本人さんの同意を得て作成しているものでございます。また、このカードの記入につきましても、御本人さんに記入をお願いしているということでございまして、現行の方式で問題ないというふうに考えてございます。
○岡本委員 発行元がありませんと、これは怪文書だというふうにさえ思われてしまいますので。それから今、同意を得てと言うのであれば、このカードに同意をする署名欄があるべきじゃないですか。これは身内の方とか他人が見ても、同意したと言って書いてもらっていると言っても、同意したという証拠は何もないわけですよね。その辺はいかがですか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 繰り返しになりますが、カードの記入は御本人さんに記載していただいております。署名につきましては、本人が書いたかどうかということにつきましての表記については、今後検討していきたいというふうに考えてございます。
○岡本委員 もう言うまでもないことですけど、中野区個人情報の保護に関する条例の外部提供の制限、第18条には、(2)外部提供することについて、本人が同意しているとき、(3)区民の生命、健康又は財産に対する危険を避けるため緊急かつやむを得ないと認められるとき、基本的にこの二つが該当すれば外部に提供することができるわけですが、今、副参事もお答えになりましたけど、やはりこのカードにきちっと本人同意の項目を入れれば、すべていろんな疑惑が解決するわけですので、この点については今御答弁がありましたから、よくわかりました。
 それから、このカードはいつつくられたのでしょうか。また、改めてこのカードの目的、配付対象者について伺います。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) この緊急連絡カードでございますが、昭和54年4月に制度が始まりました。目的でございますが、急病や事故などの緊急の場合に、救急隊員等が駆けつけたときに救護措置を円滑に行うために緊急連絡先などの情報を記載したカードを設置しているということでございます。対象につきましては、おおむね65歳以上のひとり暮らし高齢者など、見守りが必要な世帯に設置をしてございます。
○岡本委員 昭和54年というと今から31年前ですよね。すごく時代が過ぎたというか、そういうカードだということがわかりました。このカードの中ごろに、「このカードの内容は区の電算組織に記録します。また、災害時等には警察・消防に提供します」と書いてありますけど、電算組織というのは何かなじみがなくて、私は昔の電算記録かと思ったら、そうではなくて、今も電算組織という言葉を使うようなんですが、これを記録しているのはどの分野ですか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 保健福祉部の福祉推進分野でデータを管理してございます。
○岡本委員 そうであれば、そういう書き方をしたほうがわかりやすいですよ。区民の方から電算組織をお願いしますというような問い合わせだって来るかもわかりませんので、明確にそういう書き方にしたほうがいいのではないでしょうか。また、「災害時等には警察・消防に提供します」とありますが、これまで警察や消防にこの情報を伝えたことはありますか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 私の知る範囲では、警察・消防にこの情報を伝えたという事例はございません。
○岡本委員 そういうふうに書いてあっても、実態はなかったと。
 それから、私は個人的に、個人情報を中野区や民生委員に知らせる必要はないと思っています。このカードの目的が、救急隊員が駆けつけたときに見て現場で簡易処置をするとともに病院等と連携するカードであれば、個人情報を中野区や民生委員が保管する必要はないと思いますが、いかがですか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 御本人さんが外出している際、緊急事態となって活用されるケースが多々ございますので、自宅に設置するだけではなく、区及び民生・児童委員さんが共有する必要があるというふうに考えてございます。
○岡本委員 そういう場合にも、このカードではなくて、カバーする方法がいろいろあろうと私は思っています。
 それから、このカードを民生委員が毎年起こしていると伺いましたが、この5年間の設置数の推移を伺います。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 過去5年間の緊急連絡カードの設置数でございますが、平成17年度が3,846、18年度が3,990、19年度が4,870、20年度が4,654、そして昨年度、21年度が4,658でございます。
○岡本委員 その数は中野区が想定している対象者の高齢者の何%に当たりますか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 約7割、70%でございます。
○岡本委員 先ほど御紹介した、部長は、「このカードを玄関などの目立つ場所に置いてもらっており、定着をしている」と答弁されていますので、実態がどうなっているかを調べてみました。私の地元の上高田地域、新井地域、松が丘地域で、主に70歳以上の単身高齢者、高齢者だけの世帯を20軒、この緊急連絡カードについて、訪問してアンケートをとってみました。単身の方が13軒、高齢者のみの世帯が7軒でした。緊急カードのあることを知っていた方は、何と20軒中たった1軒だけでした。そのほか、19軒の方は、「現物を見たことはない」とはっきり言っていました。私がアンケートをとった範囲では、およそ定着しているとは言い難い実態でした。また、袋に入れてあるとはいえ、玄関などの目立つところに個人情報を置くことについては、おれおれ振り込め詐欺がいまだ頻発している今日です。95%の方が玄関先に置くことに反対でした。しかし、緊急時にこのような情報をすばやく救急隊に知らせることの必要性を皆感じています。また、「カードは見たことがないが、玄関先に置いてもよい」と答えた人は1人だけでした。また、「部屋の中にあれば張ってもよい」と答えた方も1人いました。その方は94歳になる女性のひとり暮らしで、1カ月前ほどに部屋で倒れた経験から、部屋に張っておいてもよいと言っていました。また、70代後半の男性から、「緊急時の通報で電話さえできない人がおり、緊急通報システムの普及が大事だ」との意見もありました。担当分野でこのカードを置かれている実態を本当に御存じなんでしょうか、伺います。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) この緊急連絡カードでございますが、あくまで緊急の際に活用していただくために、基本的には玄関先など、救急隊員が駆けつけたときに活用できるように置いてもらっているということが基本でございますが、委員御紹介のように、場合によっては室内に置かれていらっしゃる方もいるというふうに認識してございます。
○岡本委員 先ほど、既にこのカードを持っておられた貴重な1軒の方ですが、その方は75歳のひとり暮らしの女性です。どこに置いてあるのかと尋ねてみましたら、ふだんの生活は2階なので、階段を上がったところに袋ごと張ってあると言って、見せてくれました。カードの記録情報を見てびっくりしました。私は目がよいほうですが、何が書いてあるのか全く読めません。カーボンコピーの3枚目のためでしょうか、また、年月が過ぎたためでしょうか、文字が薄くて、何が書いてあるのか全くと言っていいくらい読めません。いつカードを起こされたのかと日付を見ましたが、記入されていませんでした。御本人が持病の欄をじっと見て、白内障と書いてあるらしいと判断。その手術は平成12年だったとはっきり覚えていたので、記入したのはそれ以前で、10年ぐらい前ではないかということがやっとわかりました。かかりつけの医者だって変わっている可能性もあります。もしかするとなくなっているかもしれません。しかも、それさえよく見えないのです。古いというか、いざというときに役に立たない緊急連絡カードを大事に10年も保管されていました。これが私が区の緊急連絡カードについて訪問アンケートした実態でした。このことについては、どのようにお感じになりますか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) まず、記載内容が薄くて見えづらいという御指摘がございました。この点につきましては、作成の際にきちんと確認できる、記載内容をきちんと読み取れるような形ですることを徹底していきたいというふうに考えてございます。
 なお、この緊急連絡カードでございますが、毎年、民生・児童委員さんが対象者の御自宅を訪問して、その際に、設置されていない方については御本人さんに説明をしてつくる、また、既に設置されている方については、記載内容に変更がないかどうか、これは民生委員さんが訪問する中で御本人さんに確認をして、変更があれば記載内容を変更――新たなカードをつくるということでございますので、こういったこともさらに徹底していきたいというふうに考えてございます。
○岡本委員 次に、救急医療情報キット、これですが――について伺います。
 私が訪問アンケートを行った際、冷蔵庫におさめるタイプのこの医療情報キットについても同時にアンケートをとりました。このキットを見せて使い方を説明すると、20軒すべての方が、それはよい、保管場所が明確の上、個人情報を守る立場から安心だと、皆おっしゃっていました。実は、この救急医療情報キットは、2007年3月に開催されたWHOの会議で、アメリカ合衆国ワシントン州ポートランド市が20年前から実施していて、高齢者等の救急対応に有効であると報告されているものでございます。冷蔵庫に医療情報があることを知らせるステッカー、これを玄関のドアの裏側に、それから冷蔵庫の扉にこのマグネットのステッカーを張ることで、救急隊員が確実に医療情報の保管場所が特定できます。このキットのキャップにも――これは港区のものですので港区のマークがついておりまして、その中にはかかりつけ医や持病、緊急連絡先などの情報、薬剤情報提供書やお薬手帳のコピー、健康保険証のコピー、診察券のコピー、また、本人確認用の写真を入れることもできます。個人情報を自分で管理し、随時更新できます。このキットを導入している港区は、情報の更新の忘れを防ぐため、区からキット保管者に更新のお願いを年1回郵送で通知しています。個人情報を民生委員や区に知らせる必要なく、自分で書きかえて更新するだけでよいのです。
 アンケート調査で興味深い話を伺うことができました。80代後半のひとり暮らしのお宅にヘルパーさんが来ていました。ヘルパーさんにもこのカードを見せました。その方は、多くの高齢者のホームヘルパーをしていますが、このカードは今まで全く見たことがないと言っていました。キットに保険証のコピーなどを入れてあると、私たちヘルパーも助かります。ヘルパーの仕事をしているときにも高齢者などが急にぐあいが悪くなるときがあり、その際、保険証のコピーや医療情報が冷蔵庫のキットの中に入っていると本当に助かりますと。
 訪問アンケートでわかったことは、すべての高齢者の皆さんが緊急医療情報を備えておくことの必要性を強く持っておられました。個人情報保護の観点からも、この救急医療情報キットはすぐにでも欲しいと言っていました。緊急時の機能向上のため、個人情報保護の観点から、区の緊急連絡カードを見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 現在行っております中野区の方式でございますけども、御本人さんの自宅に設置するだけではなくて、区や民生・児童委員さんなどがサポートできる仕組みとなっておりますので、委員御紹介の方式に変更するということは現在考えてございません。ただ、カードに記載する情報については、より救護等に必要な情報については今後検討していきたいというふうに考えてございます。
○岡本委員 今後もこういう緊急連絡カード等は必要であるとは皆さんおっしゃっていますが、玄関先に置くのはいかがなものかというふうに思っているわけです。それを冷蔵庫などに特定して置くこと、自分が管理するということで、そういうやり方ですと、皆さんどなたもこのやり方なら賛成しているとおっしゃっていますので、カードに私は個人の情報を提供する、そういう承認の署名をすることも含めて、キットに入れるようなカードをつくって、そして高齢者の皆さんがそういうものがいいということを区として進めるべきではないですか。もう一度お答えください。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 玄関先に置くのはいかがなものかということ、また、情報についても今の情報だけで足りているのかどうか、そういったことも含めて今後検討していきたいというふうに考えてございます。
○岡本委員 昨年、東京都の第4回定例会で公明党の高倉良生議員が、救急医療情報キット、これですね――を都内全域に普及するよう、区市町村を支援すべきではないかとの質問に対して、福祉保健局長は、「今後、事例発表会や事例集の配付などを通じて普及に努めるとともに、新たに本事業に取り組む区市町村に対して支援していく」と答弁しています。都の包括補助事業による支援を進めていくことになりますので、単価が半額の100円程度になると思います。区として緊急時の安心・安全につながる救急医療情報キットの導入を積極的に進めるべきだと思います。救急医療情報キットにおさめられる新たなカードを作成して、中野版緊急医療情報キットの導入を検討してみてはいかがですか。部長、どうでしょうか。
○金野保健福祉部長 今、情報の内容、また置き場所などについていろいろとお言葉をいただきました。どんな形が一番わかりやすくて内容的にもいいのかということについて、改めていろいろと調べて検討していきたいと思います。ただ、今の共有する仕組みということにつきましては、外出中に高齢者が例えば交番で保護された場合などにも連絡がつきますし、それなりに今は活用できておりますので、そうした仕組みの利点もあわせて考えていきたいと思います。
○岡本委員 共有する考え方もわかりますけども、それはそれとして、別にカードがあってはいけないということじゃなくて、要は本人が個人情報を提供するということだけは、カードをこれから改訂するときにどうしても入れてほしいと思います。
 次に、救急安心情報カードについて伺います。
 福島市で昨年10月から実施した救急安心情報カード事業を先日、南かつひこ議員と視察をしてきました。救急情報カードや救急キットの研究を行うとともに、議会からの提案もあり、消防救急センターを中心に検討して、本人が所持する名刺入れや財布に入れるカード式を採用したそうです。この実物が、ちょっと小さいんですが、書いて折って使うものでございます。対象者は高齢者や障害者に限定しないで、希望する人にはすべて配付するやり方です。消防救急センターの職員がパソコンでつくった手づくりで簡素なものです。しかし、救急隊員が作成したので、実用性の高いカードになっています。このカードには、緊急通報の手順をはじめ、病名の欄には主な病名が初めから書かれてあり、これまで治療を受けたことのある病名、今も治療中の病名にチェックするようになっています。医療機関と担当医師、意思表示ができない場合の搬送ルートを決めております。そして、救急隊がこの情報を利用することと医療機関に伝えることに同意する署名も入っています。このことは、個人情報を扱う意味で、先ほども言いましたけど、大変大事な点で、この点もきちんと配慮されています。カードに記入する記入例をわかりやすく親切に説明されています。この事業に対する市の予算はゼロです。12月までに800枚が配付され、順調に普及されています。今のところ、消防署員が配付するか、消防署に求めに来る人のみ配付していますが、今後は市役所、支所、開業医等にも置いて、希望者には配付するようにするとのことです。
 福島市では、カードを記入する手間や小さな文字で書かなければならないというデメリットを、あえてメリットとして生かそうと取り組んでいます。情報を記入することで家族や親しい人と健康や病気のことについて話し合うきっかけづくり、コミュニケーションづくりに利用しようと進めているわけです。また、病気も慢性病と急性期があるので、医者同士の連携、開業医と救急病院との連携を図り、効率的な医療ができるようにする仕組みづくり、さらに医師会の連絡会に救急隊も参加できるようにしているなど、カード記入のデメリットをメリットとして生かしています。このような取り組みは大いに参考にすべきではないかと思います。福島市の事故や急病時の救急隊出動で、屋内と屋外からの呼び出しで出動する割合は、屋内が7割、屋外が3割だそうです。ちなみに、野方消防署にこの割合を聞きましたら、事故別・病名別のデータはあるが、屋内・屋外の区別のデータはとっていないとのことでした。屋内だけでなく、屋外においても救急医療安心カードなどを身につけていることも重要ではないでしょうか。来年度からこのカードのネーミングを「救急安心お守りカード」と変えて進めるようです。さらに、将来はこのカードの電子化を目線に置いて取り組んでいるなど、担当者のパッションが強く伝わってきました。
 私は、自宅内での急病など、救急隊が活用する救急医療情報キットとあわせて、常時所持するカード方式の情報体も必要ではないかと思っています。区民の緊急時の命を守る立場から、まず、救急医療情報キットの導入に向けて積極的に検討すべきだと思いますが、改めて区長の積極的な、前向きな御答弁を伺いたいと思います。
○田中区長 中野区が今設置をしております緊急連絡カード、これについては民生委員さんが直接お話をしながら記入を促したり情報共有するという仕組みで、これ自体は大変いいものだというふうに思っております。これとあわせて、医療情報をきちんと、いざというときに提供できるような仕組みをつくっていく、その仕組みをできるだけ普及するということがとても大事なことだというふうに思っております。また、その情報の更新を御本人さんに任せきりになってしまうというと、なかなかそれがうまく更新されなかったりということもあるかと思っておりますので、緊急連絡カードとその個々に持つ医療情報等をどういうふうに組み合わせてよりよいものにしていくかという検討が大事なのだというふうに思っております。そうした観点で、改良・改善に努めてまいりたいと思います。
○岡本委員 次に、就労支援の充実について伺います。
 100年に一度と言われる不況の影響でリストラに遭ったという区民も多くなってきています。また、働きたいが働き先が見つからないなどと深刻です。また、就職困難者等もふえてきています。中野が元気になり活性化するために、区民の1人でも多くの方が職を持ち、働き、生きがいを持って暮らせるように雇用策を講じることが区の大事な役割ではないかと思います。
 初めに、就労相談について伺います。
 今春卒業予定の大学生の就職内定率が昨年12月の調査で73.1%と過去最低を記録し、就職氷河期の再来とも言われています。社会環境が厳しい状況で、区としても就労支援策が急がれます。しかし、現在の社会状況から、すぐに結果が出るという状況ではないと思いますが、ぜひとも雇用策・就労支援策を進めるとともに、持続して実施することが大事であると思っています。
 昨年10月からスタートした、生活援護分野での離職者等支援の就労相談について伺います。12月からは特設のブースを設置して、離職者等支援総合相談が行われています。また、曜日を決めて、ハローワーク及び社会福祉協議会の貸し付け相談とも連携して相談業務を行ってきていますが、その事業内容について伺います。
 具体的な内容をお聞きする前に、相談対象者について伺います。リストラに遭って求職中の若者が、昨年12月25日に行われた離職者等支援総合相談に行ったところ、生活困窮者対象の就労支援であると言われ、該当しないと断られた人がいました。自宅のある方の就労支援の相談はされていないのでしょうか、また、相談対象者を限定しているのでしょうか、どのような方を対象としているのでしょうか、改めて伺います。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) お答えいたします。離職者支援の総合相談に、窓口にいらっしゃったという方ですけれども、自宅のある方は住宅手当の対象ではないために一般的な就労相談ということになります。この一般的な就労相談となりますと、区では仕事のあっせんができないために、ハローワークのほうに行っていただいたほうが効果的な相談となるため、そちらのほうを紹介しているというような状況でございます。
○岡本委員 対象者が決められ、相談内容も生活支援のことが大きな柱の一つになっていることがわかりました。そうであれば、生活支援の文言も入れた相談としたほうがわかりやすいのではないでしょうか。例えば離職者生活等支援総合相談とすれば、相談内容もよりわかりやすく、誤解されないで済むのではないでしょうか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 委員から御指摘のありました総合相談の窓口の名称につきましては、今後検討をしていきたいというふうに考えております。離職者総合相談支援事業自体も、名前が漢字ばかりでなかなか親しみやすいというふうにはいきませんので、委員の御指摘も伺いながら今後検討を進めてまいります。
○岡本委員 これまで実施してきた中で、相談件数、相談内容、住宅手当支給、ハローワークにつなげた人数、実績などを教えてください。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 離職者相談は、先ほども委員の御指摘にもありましたけれども、10月から2月の4カ月をやっております。相談件数は全体で873件、住宅手当の支給者数は実人数で136人です。この住宅手当の実人数は、皆さんハローワークに行くことで住宅手当を出すことができますので、ハローワークのほうにも136人つながっております。相談内容といたしましては、この住宅手当の申請やアパートの入居の初期費用ですね、アパート代が払えなくて引っ越しを余儀なくされたような方がいらっしゃいますので、そういったところを支援するもの、また、ハローワークの紹介なども行っておりますが、そういった支援では今後の生活がやっていけないということで、生活保護の受給案内等もやる方がいらっしゃいます。
○岡本委員 その相談の中で、今、実績にはつながらないけれども、今後、求職中ということで相談されている方は何人いらっしゃるんですか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 就労へ結びついた方が38人で、求職中の方は98人いらっしゃいます。
○岡本委員 その98人については、今後もきちっと区としてフォローしていくんでしょうか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 求職中の方は、住宅手当の相談等々をして、求職の状況報告書を区のほうの窓口に来ていただいて、いろいろなことを報告していただいております。ハローワークの職員がいるときにはその職員が面接しますけれども、そういった職員がいないときには、住宅手当の委託事業者ですが、そちらのほうにも離職相談をやっていただいておりますので、そちらのほうの方が聞いて、就職活動の不足点や面接の受け方等についての指導等を行っております。
○岡本委員 せっかく相談に見えて、就職したいという方が98名おられて、そのフォローは、今お聞きしますと、もうハローワークのほうでとなっていますが、何かその人たちがきちんと就職へ結びつくようなフォローをやっぱり区として考えなきゃいけないんじゃないかと私は思っています。私も時々総合窓口をのぞいていますが、相談に見える方がそう多くないように感じますが、どのようにPRされているんでしょうか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) この住宅手当の相談は2回目から予約制をとっておりますので、時間帯によってはあいている印象があるかとも思いますけれども、PRはホームページの掲載やパンフレットを窓口に置きまして、窓口で配付して実施しております。
○岡本委員 力を入れている大事な事業ですから、例えば庁舎の入り口やエレベーター付近にも大きな立て看板などで周知してはどうでしょうか。新宿区や足立区では庁舎入り口に就労・生活支援の横断幕を掲げて、だれでも目につくようにしています。中野区でも一番目につく場所に離職者等支援総合窓口の案内を出し、たまたま来庁された方がこの事業を知り、身内や友人、知人にも伝えたいと思うようなPRをすべきではないでしょうか。いかがですか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) わかりやすいPRになるように検討していきたいと考えております。できれば、地域センターや保健福祉センターの掲示板等も使って、ポスターの掲示等も行ってまいりたいと思います。
○岡本委員 中野区では、この窓口に専任の就労相談員を配置して充実させて取り組む予定にしていますが、就労相談員の人数や相談日、期間など、どのような体制でやるんでしょうか、伺います。また、この事業を22年度以降も継続すべきだと思いますが、あわせて伺います。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) この離職者相談事業につきましては、平成22年度も継続して実施してまいります。就労相談員ですが、こちらのほうは区で1名を配置いたしまして、週4日行う予定でおります。それ以外の日につきましては、現在の住宅手当を委託している事業者によって就職相談を行ってまいります。その具体的な中身ですが、区は職業安定法によって、こちらのほうの就労相談員のほうも就職あっせんはできませんので、ハローワークと連携しながら求人情報の提供や、特に就労支援を必要とする場合にはホットラインを使いまして、職業相談の予約等をとる支援も予定しております。
○岡本委員 去る2月3日に、勤労福祉会館で正社員として近隣で働きたい方へ向けた合同就職面接会が杉並区とハローワーク新宿との共催で行われましたが、この状況について質問します。
 新宿のエルタワー23階のハローワーク西新宿庁舎には、1日約4,000人が来庁し、大混雑状態だと伺いました。コンピュータで求人情報を検索するのに1時間以上待たなければならない、また、相談窓口まで2時間以上待ちもあります。そのような中で、ハローワークの職員が中野区に出向いてきてくれるのは、区民にとって大変ありがたいことだと思っています。その合同就職面接会の相談数、企業者数、面接人数等、その結果の状況についてお聞かせください。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 2月3日に行われました合同就職面接会に参加した求職者数でございますが、160名となってございます。参加企業数は20社で、求人数67名、延べ面接人数は212名という状況でございました。面接の結果につきましては、開催直後の速報では、結果保留194名、不採用18名でございましたが、その後、2月23日現在では、採用が14名となり、引き続き各事業所で二次、三次の面接等を進めているとの情報が入ってございます。
○岡本委員 企業者側の求人数が67人もあったにもかかわらず、相談者の18名がいきなりその場で不採用となったことは穏やかでないと思います。不採用となった主な理由はどのようなものでしょうか、また、結果保留になった方については、今後区はきちんとフォローをすべきだと思いますが、いかがですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 開催直後の速報として18名が不採用ということでございますが、その場で不採用と伝えるのではなく、後日本人あてに通知するということになってございます。採用・不採用につきましては、各事業所のほうで面接によりまして求職者を評価した上で判断していることでございますので、その理由については把握してございません。参考でございますけれども、参加企業に対するアンケート調査の結果の中では、「福祉なら人手不足だし就職できるだろうという安直な気持ちで応募される方が多いのに驚いた」という声もございました。区として就労しようとしている人に対する準備を支援する役割を果たしていくことの必要性を感じているところでございます。また、結果保留という状態につきましては、二次、三次の面接を含めて検討している状態ということでございまして、最終的にはハローワークのほうで結果を把握することになります。
○岡本委員 この合同就職面接会の実施について、22年度以降の予定はどうなっていますか。私は拡充すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 区としても合同就職面接会につきましては有効だと認識してございまして、22年度の開催を2回にふやす方向で、現在ハローワークとの調整を進めてございます。
○岡本委員 年1回から年2回に拡充したことは評価したいと思いますが、もっと面接会をふやすべきだと思いますが、企業者と面接会の回数はそうふやせないと思います。新宿区では、常時就労支援総合窓口での相談体制を組んでいまして、中野区も就労相談員に委託をして、例えば庁舎1階に窓口をつくり、そこで就労相談を月2回ぐらいのペースで行ってはいかがでしょうか。その際、先ほどのPRと同じように、ホームページや掲示板など、あらゆる広告媒体を活用してPRをして、積極的に繰り返し取り組んでいくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 企業の求職情報の提供につきましては、現在も区の就労求人サイト、「ぐっJOBなかの」でも掲載をしているところでございます。今後、さらに登録事業者、利用者がともにふえるよう、さまざまな機会を通じてPR、働きかけに努めてまいりたいと考えてございます。直接の相談体制の確保につきましては、中期的な課題としてとらえ、検討してまいりたいと思います。
○岡本委員 若者のまち中野と言われていますので、若者への就労支援にも力を入れて取り組むべきだと思います。中野だけでさまざまな就労支援をするには限界がありますので、就労相談員などによる相談、カウンセリングや助言、他の支援機関等への情報提供や誘導を行ってはいかがでしょうか。例えば東京都や国は、失業者が生活を受けながら職業訓練を受講できる事業があります。また、独立行政法人雇用・能力開発機構東京センターでは、35歳までの方を対象とした就職応援システム、デュアルシステムがあります。また、この1月からスタートしたマイクロソフト社のITを活用した若者就労支援プログラムなどとも連携して、若者の求職者への支援を積極的に実施してはいかがでしょうか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 若者に対する就労支援につきましては、国・都との役割分担を踏まえまして、区としての役割を果たしていくことが必要だと考えてございます。今年度も若年者の雇用確保のために、合同就職面接会においては39歳以下の若年者向け求人の設定も行ったところでございます。他機関で実施してございます若者の就労支援に係る情報についても収集に努めまして、相談時に紹介するほか、「ぐっJOBなかの」のトップページへ掲載するなど、若者の求職者に対する支援について積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○岡本委員 生活援護分野で行っている離職者等支援総合相談と、勤労福祉分野で行っている就職支援相談とは連携して、どちらに相談されても、丁寧にスムーズに必要な相談がされるようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 生活援護分野で実施してございます離職者等の支援相談窓口との連携につきましては、就職求人サイト「ぐっJOBなかの」における求人情報の活用なども含めまして、引き続き連携の強化を図ってまいりたいと考えてございます。
○いでい委員長 岡本委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
      午前11時58分休憩

      午後 1時00分再開
○いでい委員長 委員会を再開いたします。
 お手元に、先ほど要求しました資料、総務80と差しかえ資料文教66を配付しましたので、御確認ください。
 休憩前に引き続き、総括質疑を行います。
 岡本委員、お願いします。
○岡本委員 午前中の就労支援の充実について、途中ですが、その続きの質問をさせていただきます。
 リクルートワークス研究所の調査によりますと、大企業の求人倍率は0.55倍、一方、中小企業は3.63倍もあります。景気低迷で安定思考が強まり、中小企業よりも大企業を希望する若者などがふえているためにミスマッチしていると報告されております。私は、繰り返し、就労相談や面接会を行うということで、中野の就労支援策が定着するとともに、ひいては就労に対する意識が変わって、このミスマッチの解消へとつながると思いますが、いかがでしょうか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 今回の合同就職面接会では、20社の参加企業のうち約半数を介護分野の企業とするなど、地域の企業が求める人材と求職者のミスマッチの解消を目指した工夫をしているところでございます。今後とも就職面接会を継続実施することや、区内の中小企業に対して、求職情報の提供について協力を求めるなど、区として継続した働きかけを行い、就労支援策の定着を図ってまいりたいと考えてございます。
○岡本委員 公益活動に関する政策助成で、産業振興分野に「若者の就労支援に向けた活動に助成する」となっておりますが、平成19年度から21年度まで、就労支援に向けた活動を助成した団体はありますか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 政策助成の九つの活動領域のうち、産業の活性化、勤労者支援又は消費者のための活動につきましては、区として重点を置く取り組みとして次の三つを設定してございます。
 一つ目は、町の魅力を発見・発信する活動、二つ目が、地方都市との経済交流などを推進する活動、そして三つ目が、就労支援に向けた活動ということになります。これまで、この領域全体における応募実績につきましては、平成19年度3件、平成20年度4件、平成21年度6件となってございますが、重点を置く取り組み、就労支援に向けた活動に対応する応募の実績はこれまでございません。
○岡本委員 就労支援の応募の団体がなかったことについてどのように分析していますか。PRなどの積極的な検討をしてはいかがでしょうか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 応募条件等につきましては、区民の公益活動の推進に関する条例施行規則に基づいておりまして、この重点課題についてのみ特に応募しにくいという条件はないと考えてございます。今後とも、公益活動推進担当とも連携しまして、NPO等の活動の把握に努めるとともに、さまざまな機会を通じましてPRに努めてまいりたい、そのように考えてございます。
○いでい委員長 ただいま傍聴の希望が15人を超えておりますが、これを許可することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 御異議ありませんので、そのように決定します。
 傍聴を許可します。
○岡本委員 先ほども話に出ました、「ぐっJOBなかの」ですが、中野は区の就労求人サイト「ぐっJOBなかの」がありますが、このページを活用して就労に結びついた人数、その中で若者がどの程度あったのか、分析はされていますか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 就労求人支援サイト「ぐっJOBなかの」の平成22年2月24日現在での登録事業者数は239件、今年度、これまでの利用者アクセス数は6,500件余、1日当たりおよそ200件のアクセス数となってございます。常時掲載されている求人件数は、平均24件となっておりますが、実際に就労に結びついた数については、現在把握してございません。
○岡本委員 このアクセス数等、今報告がありましたように、大変関心のあるサイトでありますので、実際に就労に結びついた人数などのデータを集計をして、そういうデータに基づいて分析、収集をして、PDCAサイクルによる検討を行わなければ、「ぐっJOBなかの」の事業の充実発展はできないと思いますが、いかがですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 申しわけございません。先ほどアクセス数の件数を誤って述べてしまったようです。件数としては、6万5,000件でございます。
 また、現在、登録事業者に対しましてアンケート調査を行っておりまして、これまでの募集に対する応募状況や採用状況について把握をしているところでございます。その結果を分析いたしまして、今後の充実に活用していきたいと考えてございます。
○岡本委員 次に、10か年計画に示された雇用策等について伺います。
 私は、平成17年第3回定例会で、10か年計画にも示されたIT・コンテンツビジネスについて質問した際、区長は、IT・コンテンツビジネス産業は今後大きく発展する可能性を持っている。そのための環境整備が重要である。事業従事者の就労、事業従事者を育成したり、事業所で結びつけたりするコーディネートする機能も必要と考えている。また、必要であれば、構造改革特区の活用も視野に入れたいなど、私のさまざまな提案に対して積極的な取り組みの姿勢が示されました。
 第1次の10か年計画には、就業支援とコミュニティビジネスの拡大によって雇用ふやしますとして、ステップ3で実現する計画となっています。時期で言えば、平成21年度、22年度で、まさに今の時期に当たりますが、コミュニティビジネスの雇用創出の実態はどのようになっているんでしょうか、伺います。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) コミュニティビジネスの支援につきましては、区で行っております創業セミナーの中にコミュニティビジネスに関する講習を組み込んで開催したほか、NPO法人が事業資金として金融機関から融資を受ける場合に、その利子の一部を助成する制度などを実施しているところでございます。これまでの実績といたしましては、商店街の空き店舗を活用したコミュニティビジネスの支援を行いまして、2店舗が開業してございます。
○岡本委員 第2次の10か年計画の実現へのステップには「雇用の創出」という文言が消えていますが、雇用の創出施策について区のトーンが下がったように感じますが、いかがですか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 第2次の10か年計画におきましても、施策の方向といたしまして、「多様な雇用機会の創出」という項を設けまして、就業支援の推進につきまして産業人材の育成や人材マッチング、高齢者の就業支援等の内容を盛り込んでいるところでございます。
 実現へのステップには記述はございませんが、雇用の創出に向け、今後も着実に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○岡本委員 さらに、第2次の10か年計画には、ICT・コンテンツ関連産業の情報交換の場の創設とありますが、具体的には、情報交換の場をどこに設置されようとしているんでしょうか、伺います。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 情報交換の場の創設につきましては、ICTやコンテンツ関連産業の集積を図っていくためのステップといたしまして、区内のICTやコンテンツ産業事業者同士の結びつきを強め、そのネットワーク化を支援しようとしているものでございます。固定した場所の設置ということは想定してございません。
○岡本委員 バーチャルのネットワークだけでは、本当の情報交換の場にならないと、私は思っています。情報交換とあわせて、企業者や経営者同士が集まり、顔を突き合わせ、そこへ区の就労支援担当も交えて情報交換するサロン的な場が必要で、それが就労支援へと結びついてくると思っています。
 例えば、サンプラザを情報交換するサロン的な場とするような検討を行ってはいかがでしょうか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 情報交換の場につきましては、今後、予定してございます(仮称)産業振興センターの整備も含めまして、中期的な課題として検討してまいりたいと考えてございます。
○岡本委員 次に、地域支えあいネットワーク事業について伺います。
 初めに、高齢者見守り支援ネットワーク事業、いわゆる元気でねっとの課題についてお尋ねします。元気でねっとから地域支えあいネットワーク事業に変更する主な理由を教えてください。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 元気でねっと事業につきましてはさまざまな課題がございまして、十分に広がらなかったという点がございまして、そういったことを踏まえまして、今回の地域支えあいネットワーク事業に見直すということでございます。
○岡本委員 そうでしょうが、どうして支えあいネットワークに変更するかということがよく伝わってきません。平成20年10月17日の資料には、元気でねっとが低迷した理由として、「区が協力員を募って高齢者を見守る仕組みですが、地域で自然に行っていた活動との調整が十分に行われない状態で取り組みが開始したことで地域に混乱を生む結果となった」とあります。地域に混乱をもたらすような結果は最悪の事態です。区の常識が地域の非常識であった例ではないかと思っています。地域活動について、また、一生懸命取り組んでいる方々の苦労を本当に理解していなかったとしか言いようがありません。
 また、同資料には、支援の要望に十分に支える側の体制確保が困難になっている。新たな担い手をふやすための改革、育成支援に向けた方策を強化していく必要があると述べていますが、そのことで何かアクションを起こされたのでしょうか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 新たな担い手をふやしていくためには、広く支えあいについて区民の方にその重要性、必要性を理解してもらうということが必要でございます。そのため、元気でねっとの反省点を踏まえまして、今回、考え方を示させていただいて、今後、地域支えあいネットワーク事業を推進していくということでございます。
 また、人材の育成につきましては、社会福祉協議会ですとか、ボランティア団体などとも連携しながら、育成の支援に努めていきたいというふうに考えてございます。
○岡本委員 私がお尋ねしているのは、平成20年10月に示された資料に「評価していく必要がある」と述べていましたので、それから今日までどのようなアクションをされたのかということを伺っているので、支えあいネットワークの事業そのものではなくて、このときに区が示されたそういう手だてはされたんでしょうかということを伺っているんです。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 20年10月のときの厚生委員会報告の資料でございますが、元気でねっとの反省を踏まえまして、今後新たに進めていく地域の支えあいネットワークについての今後の考え方の中で、先ほど委員紹介のような表現ということでさせていただきました。今後、元気でねっとにかえて新たに地域支えあいネットワークを推進していく中では、そのような新たな担い手をふやし、人材育成をしていくということでございます。
○岡本委員 今回の予特の資料、厚生13には、平成22年2月現在で、登録者数が2,023人、協力員が69名、見守りプランは42件となっています。平成17年度以降、確実に減少の一途をたどっていますが、少なくなってきている原因をどのように分析していますか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 先ほどの委員紹介の内容とも重複しますが、既に地域でさまざまな見守り活動、支えあい活動が行われておりまして、それとの調整が不十分な状態で、元気でねっとについては事業を開始したものでございます。そのために、協力員の確保が十分できなかった。個人で見守り活動を行うという人を探すには、やはり地域で活動されている地域の団体ですとか、あるいは活動されている人、そのような人の協力を得なければなかなか難しいということでございまして、そういったことがありまして、十分に確保できなかったということでございます。
○岡本委員 元気でねっとの分析や反省点を、これから行おうとしている地域支えあいネットワーク事業に生かす手だてはもうできているんでしょうか。また、元気でねっとの失敗の二の舞を踏まないためも、その貴重な教訓を生かすために、きちっと記録してまとめるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 今回の考え方につきましては、元気でねっと事業についての反省点を分析をして踏まえて、地域の活動ですとか団体の力を生かしていくこととしているものでございます。その中で、区としましても、地域で行われているさまざまな支えあい活動、こういったものを区としても制度的に支援をしていくと、区としての役割を果たしていくというところでございまして、元気でねっとの反省点をしっかり踏まえた上で、今回の考え方をお示しさせていただいているということでございます。
○岡本委員 反省はされているんでしょうが、きちっと記録してまとめるべきだと思いますので、そこは、これから地域支えあいネットワークの事業について伺いますけれども、それが、何度も言うように、元気でねっとを本当に反省をして、それを生かすことは大変な労力が要りますので、そこはしっかりと記録をしてまとめることをしていただきたいと思います。
 それから、支えあいの担い手を町会、自治会、民生・児童委員にしていますが、この方たちと十分な話し合いがされているんでしょうか。昨年10月から11月にかけての地域説明会についても、説明会の対象者が地区町会長会議、地区民生・児童委員協議会だけです。これだけの説明会では不十分だと思いますが、その他のグループや団体の説明会は開催されているのでしょうか。
 さらに、区から一方的に事業をおろすような仕組みではなく、説明する対象者を広げ、何度も話し合い、新しい事業へのモチベーションか上がるとともに、地域から盛り上がるような協議が必要だと思いますが、それが行われているのでしょうか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) まず、地域説明、町会、自治会、あと民生・児童委員協議会でございますが、平成20年度に、まずもととなる考え方を御説明して、御意見をいただいております。今年度に入りまして、昨年秋でございますけれども、同様に、各地区の町会連合会並びに各地区の民生・児童委員協議会に今年度説明をさせていただきまして、さまざまに御意見をいただいたところでございます。
 また、地域では、さまざまな団体が活動されてございますので、例えばゆうあいクラブですとか、福祉団体連合会、自立支援協議会、現制度の元気でねっと協力員さんですとか、協力機関、さらには介護サービス事業者連絡会、あるいはシルバー人材センター、そしてボランティア団体などへの御説明をして、意見をいただいているというところでございます。
 また、委員、御指摘のように、今後とも、それらの団体、あるいはさらに地域の団体につきまして御説明させていただきまして、御意見をいただければというふうに考えてございます。
○岡本委員 先日、勤労福祉会館の3階大会議室で行われましたネットワーク推進条例に係る意見交換会に参加しました。100名も入る部屋にわずか数名の参加者でした。あまりにも少な過ぎます。5カ所で行ったと言われますが、意見交換会の参加者はどのくらいおりましたか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 区民意見交換会を5回実施しました。合計で36名の御参加をいただきました。
○岡本委員 これから取り組む大変大きな、しかも元気でねっとの反省を踏まえて、この意見交換会等を考えたときに、本当にそこで区の思いをお伝えしたいというそういう熱意が全然伝わってきませんでした。こういう意見交換会は、もうこの地域支えあいネットワークの事業を知ってもらう絶好のチャンスではないかと思います。ですから、福祉推進分野だけではなくて、保健福祉部、さらには全庁を挙げて、新しい事業に取り組む熱い思いがなくて区民が賛同して協力すると思いますか。いかがですか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 今回の考え方、元気でねっとでは高齢者だけの見守りの仕組みでございましたが、今回の考え方は、高齢者に限らず、地域で支援が必要な方を地域で支え合っていくと、そういった仕組みにしたいと考えてございますので、保健福祉部の所管を越えて、垣根を越えて関連する分野とも十分に連携、協議をしながら、また地域の方、地域住民、団体などとも連携をしながら推進をしていきたいというふうに考えてございます。
○岡本委員 それにしては、意見交換会平均7名ですよね。これで本当にその地域支えあいネットワークを進めるんだという、そういう熱意は、私は感じることはできません。条例が先でなく、やっぱり中野区が地域支えあいネットワークの考え方を示したパンフレットなどをつくって、それに基づいて地域で協議すること、さらに、支えあいネットワーク事業における公的機関と地域の情報共有のルールについてもきちんとガイドラインで定めるべきだと思います。意識を変え、モチベーションを高める作業をすることからスタートすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) これまでの地域説明、団体説明につきましては、資料とともに、今回、支えあいを推進していくためのパンフレットも配付するなど、丁寧な説明に心がけてきました。
 また、情報の共有につきましては、根拠は条例で定めなくてはいけないというふうに認識しておりますが、実際の活動で使用する際のルールなどについてはきちんとつくっていきたいというふうに考えてございます。
 やはり、区民の意識を変えて、新たな担い手を今後ふやしていくためには、広く区民に支えあいの理念、重要性を理解していただくということが何より重要であるというふうに考えてございますので、そのための今回の理念ですとか、区ですとか、区民の方の役割なども条例でうたわせていただいて、地域と一緒になって考え、地域の支えあいをより推進していくように区としても努力していきたいというふう考えてございます。
○岡本委員 本当に、今おっしゃったことをきちっと地域でしっかり取り組んでいただきたいと思います。今、たくさん活動している団体、個人の方がいらっしゃいますので、その方たちを本当によく評価をして、十分に話し合って進めていただきたいと思います。
 そこで、地域支えあいネットワーク事業で、高齢者や障害者の個人情報を町会、自治会、民生・児童委員などに要援護者の個人情報を提供することにした理由は何でしょうか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 防災担当の所管でございますのが、区はこれまで、手挙げ式名簿ということで、災害時に支援が必要な、救援が必要な方を把握し、地域に名簿等をお渡しをしてきましたが、地域の中で孤立しがちな高齢者、今、ひとり暮らしの高齢者が大変多くなってございますが、そのような情報は、なかなか地域では十分に把握し切れていない状況となってございます。見守り活動を行う上では、支援が必要な方を知る、いわゆる特定する必要があるというふうに区では考えてございますので、個人情報の保護には十分配慮した上で、希望される町会、自治会、見守りを行う町会、自治会に御提供させていただきたいというふうに考えているところでございます。
○岡本委員 支えあいの対象者をふやしたり、掌握するために、個人情報を提供すると考えたのであれば、私は根本的に間違っていると思います。元気でねっとでも、支える人さえどんどん減ってきている。それは個人情報が提供されていないからではなくて、やっぱり取り組み方が間違っているというか、本当に地域のことがわかっていなくて進めたことに原因があるのであって、個人情報を提供すれば、もっと拡充するんだというふうに考えているのは、まさに間違っていると思います。
 もちろん個人情報ですから、きちっと協定書を交わしたり、ルールをつくることにして、守秘義務も当然必要ですが、どうしても罰則規定があると、地域間条例の縛りがかかり、窮屈になり柔軟性がなくなると、私は思っています。そういう個人情報の提供ではなくて、きちっとこのネットワークの事業でキーパーソンを明確にして、個人情報の扱いには十分配慮していけばいいわけで、あえてそういう提供しなくてもという考えを私は持っているわけです。とにかく、柔軟な取り組みと地域で時間をかけ人脈を探り、人脈をつくることで人間関係がつくられていくと思います。孤立している人はいますけれども、それは時間をかけて、人脈をつくることは可能であると私は思っていますので、本人の同意がない、こういう場合の個人情報の提供については、私は慎重にすべきではないかと思っていますが、もう一度、そこの点を御答弁ください。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 今回地域で、住民の方が見守り、支えあい活動を行う上での必要な情報提供ということでございますが、今回提供する情報については、支援が必要な方の基本的な情報、氏名、住所、年齢、性別といった、どこにお幾つぐらいのどういった方が住んでいるかといった基本的な情報に限定しているということでございますので、こういった情報を地域での見守り活動に必要な場合に限って提供していきたいというふうに考えているところでございます。
○岡本委員 次に、10年後の目標として、高齢者などに対する見守りや支えあい活動をしている人の割合を30%としていますが、その根拠を教えてください。また、活動している人はどのような状況でしょうか。
 目標として数値を出すのは結構ですが、地域の支えあい活動が生き生きと行われ、地域のコミュニティが進んでいくことが大事だと思います。数値のみばかり先行してしまうことにならないようにすべきと思いますが、いかがですか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) より多くの区民に支えの重要性を理解してもらう。そして、より多くの人に見守り活動に参加してもらうということがこの事業のねらいでございます。そのような観点から、現在、数値としては20%、5人に1人というところでございますけれども、来年度からネットワーク事業を具体的に推進していきますので、段階的に、そういった参加者をふやしていく。そして、10年後には約3人に1人の方が見守り活動に参加しているというような地域社会を目指していきたいということでございます。
 また、実際の活動でございますけれども、見守りの活動はさまざまでございますが、まずは、これまで地域に関心のなかった層も含めて、支援が必要な人の存在に地域住民の方にまずは気づいてもらう。そして、それぞれが日常生活を送る中で無理のない範囲で、負担のない活動が広がっていけばというふうに考えてございます。例えば、ここにひとり暮らしの高齢者が住んでいるけど、最近見かけないとか、郵便ポストに新聞がたまり出したけど大丈夫かと、そういったことに気づいてもらう。あくまでも外部からの見守り、こういったものを区内全域に広げていただきたい。何か異変があったときには、区のほうにお知らせいただきまして、早期発見により区が対応していきたいというところでございます。
 また、お互いに信頼関係ができれば、もう一歩踏み込んだ訪問活動ですとか、一緒に地域に出ていくとか、そういった活動も将来的には広げていきたいというふうに考えてございます。
 あと、あくまでも、今回目標値、10年後の目標値が30%というふうに掲げさせていただきましたけれども、新たな活動者をふやしていく、そして、地域で団体などが連携、協力していくと、こういったことが何よりも重要でございますので、区としても、地域ごとの実情がさまざまでございますので、そういったことも踏まえて住民の方による支えあい活動を今よりも一歩でも活動が活発に行われるよう具体的な支援等を行って、一緒に考えて実施していきたいというふうに考えてございます。
○岡本委員 「新しい中野をつくる10か年計画(第2次)」には、地域支えあいの活動の促進として、活動を行う区民自身の意欲向上のためにポイント制度を導入し、商店街エコポイント制度、地域エコポイント制度と共通のポイント制度を構築するとしていますが、現在どのような検討がされているでしょうか、伺います。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) ポイント制度につきましては、どのような形で導入できるかが課題でありますので、今後、必要な検討をしていきたいというふうに考えてございます。
○岡本委員 昨年第4回定例会で、国のエコポイントに関する私の質問に対して区長は、「区のエコポイント制度の創設を予定しており、この中で、地域商業の活性化の視点も踏まえて取り組んでいきたい」と述べています。私は、地域支えあいネットワーク事業に導入するポイント制度も、中野区の商店街連合会の共通商品券へ交換できるように検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 委員、御紹介のような点も含めまして、今後検討していきたいというふうに考えてございます。
○岡本委員 私は、1月22日に、横浜市で取り組んでいる地域支えあいネットワーク事業について視察をしてきました。既に横浜市は、平成3年から保健医療、福祉等の連携した地域ケアサービスを提供する必要から、地域ケアシステム基本指針を制定をし、平成12年には、身近な日常生活圏におるエリアや拠点、推進組織の設定を記載した要綱やマニュアルを作成して、身近な地域におけるサービス提供の仕組みを地域ケアプラザが事務局となって、地域支えあい連絡会がスタートしています。
 さらに、平成17年には、地域支えあいネットワーク推進指針を策定し、地域の保健福祉活動をしている団体、グループ、個人等が連携を図ることにより、それぞれの活動の推進とともに課題の共有から地域課題の取り組みが進み、支えあいの地域づくりの発展を目指してきています。地域ケアプラザは、地域支えあいネットワークの事務局を担い、運営法人は地区社会福祉協議会や社会福祉法人です。そこに常勤のコーディネーター1人、非常勤のサブコーディネーター3人を配置し、地域を主人公に地域に応じたコーディネートを行い、地域支えあいの推進の中心的な役割をコーディネーターが担っています。実績だけ紹介しますと、地域支えあいネットワークの20年度の実績ですが、ネットワーク数が260、サポートする人数、いわゆる中野でいえば協力員が1万8,257名、これは中野区の人口に当てはめれば、中野区で約1,500名、地域センター単位でいえば約100名いることになります。中野で推進条例をつくって進めていると言ったら、担当者は「えっ、条例でやるんですか」とびっくりしていました。横浜市では、日常生活圏を地域連合町会単位、ほぼ中学校単位にしていますが、中野では、日常生活圏をこの地域支えあいネットワーク事業ではどういうエリアを想定しているんでしょうか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 中野区におきます日常生活圏域でございますが、保健福祉センター、将来的にはすこやか福祉センターになりますが、保健福祉センターの管轄区域で中野区内を四つのエリアに分けた範囲でございます。
○岡本委員 それではエリアが広過ぎませんか。今いろいろな地域へ行って見てみますと、一番小さな単位が町会の班なんでしょうか。それから町会全体、それから連合町会、地区連合町会という単位があるわけですので、今おっしゃった包括センターとか、これから進めるすこやか福祉センター単位では、連合町会が何個もまたがっていますので、地域性、考え方等がばらばらというか、違いますし、それから顔が見えないようなそういう取り組みになってしまうと思うんです。その辺は、あまりにも広いので、どうしても、そこが基幹的な拠点になるとするのであれば、コーディネーターを今設置するとなっているようですが、地域センター単位のコーディネーターをそこに配置をするようなことを考えなければ、この地域支えあいネットワークのキーパーソンになるコーディネーターは不十分であると思いますが、いかがですか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 委員、御指摘の職員による地域センター単位ごとの配置でございますが、例えば地域センター単位ごとに職員を担当制にするとか、そういったことについては今後の課題というふうにしたいと思っております。
○岡本委員 やっぱり身近な地域で支えあいネットワークをしませんと、横浜の場合ですと、やはりコーディネーターが中学校単位で、それぞれ全く同じような支えあいネットワークではなくて、そこで地域性や人間、人脈をもとにして、どういう支えあいができるかということで進めているわけです。横浜にも、このコーディネーターがまとめた「地域活動交流事例集」がありますけれども、すべてのエリアで同じ支えあいをやっているところはないぐらいにやっぱり地域性が大事ですので、これから検討するとおっしゃっていますけれども、そういう地域センター単位にコーディネーターを設置する方向でぜひとも検討していただきたいと思います。
 それから、ちょっと話を変えますけれども、中野区内にはボランティアや地域活動している団体がたくさんあります。昨年3月に、中野区公益活動コーナーが発行した「中野公益活動紹介ブック」、これですが(現物提示)、これを見ますとよくまとまっておりますし、この中は30団体の活動が紹介されていたり、公益活動支援サイトに120団体が紹介されている。また、中野区内に主たる事務所を置くNPO法人も123もあります。中野区地域の人脈を調べ、連携をとり、時間をかけて話し合い、この地域で支え合うことのできる事業は何か、何ができるかを、まずはそういう接点を見つけること、そして連携、協議することから進めるべきではないでしょうか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) この仕組みでございますけれども、より多くの活動団体が参加する、そしてそれぞれが連携できるというようにしていきたいというふうに考えてございます。そのために、団体相互が交流できるように、区が積極的に働きかけるとともに、地域での協議の場、会議体などを設けて、相互の交流、情報の交流などもしていきたいというふうに考えております。
○岡本委員 その公益活動情報コーナーのことについて質問しますけれども、今庁舎1階に設置してあるこのコーナー、委託をやめて9階に移動することになっていますが、私もこの公益活動情報コーナーについては何度も質問させていただいた経緯があります。当初は、公益活動情報コーナーはリサイクルプラザ内に設置を考えておりましたけれども、交通が不便であるとか駐車場がないとか等で庁舎の1階に設置することになって、大変これでこのコーナーが充実するかと期待をしておったところですが、しかし、委託をやめて9階に移すということで、極めて不便になるだけではなく、機能が低下することが目に見えています。私は地域支えあいネットワーク事業を展開する上でも、公益活動情報コーナーは大きな役目を果たすと考えています。これから地域活動を積極的に展開しようとされているのであれば、当面やむを得ず9階に移した場合でも、情報コーナーで行っていた相談などを引き続き担当する職員を配置して、これまでの活動がきちんと継続されるようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 公益活動情報コーナーにつきましては、これまでの公益活動推進の取り組みを通して、公益活動への区民の理解も進み、区内の公益活動団体全体の規模や活動内容が明らかになってきている状況を踏まえまして、運営方法を見直したものでございます。団体への情報提供や研修、交流機会の提供、これらにつきましては、職員が引き続き担っていくものでございます。地域の支えあいを含めた地域を豊かにする公益活動、これらを実践している団体の支援のあり方につきましては、今後とも検討してまいりたいと考えております。
○岡本委員 引き続き活動が継続するようにとか、担当職員をつけることは大事なことですけれども、これから地域支えあいネットワークを進めようとするときに、縮小とか利用しにくいというやり方はないんじゃないかと思います。むしろ、積極的にそれを拡充して、もっとさらに便利な、例えばこれから夜も土日も、こういう公益活動コーナーが設置をされて、地域支えあいネットワークを支援し、情報の交流とか発信ができるようにすることを考えるのが、区の役目ではないかと思います。そういう意味で、私は、この拠点になる場所をサンプラザのロビーなどに設置するような取り組みが必要だと考えていますが、区として検討してはいかがでしょうか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 運営方法の見直しを行っているところでございますので、今後、そういった点につきましても、運営の支援のあり方、これにつきましては検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○岡本委員 それから、この地域支えあいネットワークを推進する上で、中野区をいろいろな階層に分けて、その実態を徹底して集めるべきではないかと思います。横浜では、6層に階層を分けておりました。中野区も社会福祉のマップを作成するとしていますので、そのマップとあわせて、地域センター単位、大きな単位、小さな単位、それぞれの階層別の人口、ひとり暮らしの高齢者数、高齢者のみの世帯数、各種障害者手帳所持者の障害者数、要介護認定者数、子ども、ケアマネジャー、ヘルパー、学校、医療機関、特別養護老人ホーム、各種施設など、地域の社会資源、さらに民生・児童委員数、ボランティア登録数、NPO団体数、老人クラブ会員数、地理的な特徴なども掌握して、各地域でどのような支え合いができるかの計画をつくることも必要ではないかと考えていますか、いかがでしょうか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 地域ごとの実情ですとか実態、そしてさまざまな社会資源がございますが、こういったものをしっかりと区としても把握をして、それぞれの役割を踏まえながら、地域住民による支えあい活動が活発に行われるよう、区としても役割を踏まえてしっかり進めていきたいというふうに考えてございます。
○岡本委員 中野もそういう地域の人が集まっていろいろ協議することについて、決して状況が厳しいわけではなくて、例えば、西武線沿線のまちづくりのために、新井薬師前駅、沼袋駅などを中心として、長い期間にわたって地域で本当に熱心に、我が町をどうするかとの真剣な協議がきていることを考えましたら、コーディネーターを中心に協議会をきちっと設定して話し合いができ、地域支えあいネットワークのモチベーションが上がるような推進ができると私は思いますが、いかがでしょうか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 地域でより多くの団体、個人などが参加して、積極的に活動を行っていくことができるよう、区としましても、地域の皆様と一緒に考え、行動し、区としまして必要な支援を継続的に実施していきたいというふうに考えてございます。
○岡本委員 横浜ではコーディネーターの養成に大変力を入れております。今、区では、すこやか福祉センターに何名かのコーディネーターをつける、区の職員をつけるようですが、横浜の場合は、全部民間人でありました。こういう区のコーディネーターや、あるいはこれから指定管理者などのコーディネーターを設置するというのであれば、地域福祉のコーディネーター養成研修を実施して、コーディネートの機能を発揮できるような研修、特に大学や専門機関等の参画を得て実施してはいかがでしょうか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) これまで区では、地域活動を支えるための専門家を招いての講座、講演などを実施してきているところでございます。
 地域での見守り活動とコーディネーターとしての位置付け、役割については、今後整理が必要だというふうに考えてございますので、さらに今後研究をしていきたいというふうに考えてございます。
○岡本委員 私は、このシステムをつくるに当たって、本当に元気でねっとの失敗を繰り返さないでほしい、本当に中野に住んで、この地域支えあいのおかげで中野を愛し、中野に長く住み続けられるような、そういう事業になってほしいという思いで質問させていただいているわけです。その元気でねっとの失敗の二の舞を踏むことはないと期待はしていますが、決意をお聞かせください。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 支援の必要な方が、地域で本当に安心して住み続けられる中野のまち、そのためには、今回考えている考え方でございますけれども、是が非でも、この取り組みを進めていかなければならないというふうに考えてございます。失敗をしないということではなく、失敗は許されないという決意で取り組んでいきたいというふうに思ってございます。
○岡本委員 最後の質問をしますけれども、区長は、事あるたびに、地域支えあいネットワークは自助、共助、公助をバランスよく組み合わせた協働による取り組みを行うと話されています。私も、これからのコミュニティ社会形成の大事な視点だと思います。中野が目指す協働社会、共生社会の姿をわかりやすく区民に示すべきだと思いますが、区長のお考えを伺います。
○田中区長 高齢化が進むこれからの地域社会ということを考えたときに、こうした支えあいのネットワークが構築されていくということは、本当に欠くことのできない条件だと思っております。志のある方というのはたくさんいらっしゃると思いますから、そうした志のある方が、自分のできる範囲で気軽に支える側に回っていただける、その支える側に回った皆さんをきちんと区がサポートできる、それは情報的にもそうだと思いますし、行政としての組織的な対応もそうだと思います。ネットワークをきちっとコーディネートしていくという作業もそうだと思います。そうした行政が皆さんの志をきちんとサポートできると、こういう体制をつくっていくということが、本当に大事なことだと考えているところであります。
○岡本委員 今のような区長の思いを区民の方もわかるような、そういう資料というか、お知らせみたいな形をして、そして、この地域支えあいネットワークはそういうことのできる、そういうことをしていく、本当にすばらしい事業にしていきたいんだという思いが、こういう地域での協議の中でも伝わるような資料をぜひとも用意して進んでいただきたいということを要望しておきますので、よろしくお願いします。
 その他として、2点伺います。
 1点目は、特別支援学級の宿泊事業についてです。
 障害児が親元を離れていつも学習している日常生活訓練や集団生活における決まりや協調性を現地で具体的に体験訓練する宿泊事業は、大変に効果があり、障害児の皆さんがいつまでも思い出に残る、すばらしい大事な行事だと思っています。中野区は、教育費のうち特別支援学級の連合宿泊事業を見直して、平成22年度に廃止するとしています。これに対して、保護者や校長先生からも、この事業を廃止しないでほしいとの声が大きく上がっています。この特別支援学級の連合宿泊事業を廃止するとした理由は何でしょうか。
 また、教育委員会は、これからの特別支援学級における体験学習や校外学習のあり方をどのように考えているんでしょうか。あわせて伺います。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) まず、理由でございますが、特別支援教育の理念から、通常の学級との交流をより一層進めていくためでございます。また、小学校におきましては、100人近い大きな集団になりますので、安全確保の点からも懸念を生じているところでございます。あと、学校ごとの実情に合った事業展開ができる。こういったことで廃止といたしました。
 今後の方向、考え方でございますが、今後は、やはり学校卒業後においても、地域の中で自立していくためには、通常の学級との交流の促進が非常に大事であるというふうに考えてございます。
○岡本委員 今まで何年も続いている連合事業を来年度から学校単位で行えと突然言われても、学校としては戸惑いがあり、現に廃止しないでほしいとの声が上がっています。教育委員会では、このことについてどのように考えていますか。また、このことについて、学校側とか保護者の皆さんと話し合いをして決めたのでしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 学校ごとに今後さまざまな工夫をしていただき、それを学校間で共有できるように、教育委員会といたしましても情報の提供をしていきたい。また、必要があれば、介助員の派遣などもしていきたいと思ってございます。
 今後のことにつきましては、この予算案の発表後、逐次説明をいたしているところでございます。
○岡本委員 つまり、保護者とか学校側には教育委員会の今のような考え方は説明をして、理解を得てから予算案に出したということではないんですね。そこだけもう一度確認をさせてください。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 学校あるいは保護者の方々からは、常日ごろ、その学習のあり方あるいは特別支援教育のあり方につきましては、さまざまな御意見もいただき、また、みずから教育委員会でも実際に同行して、その実態を把握しているところでございます。今回の予算につきましては、教育委員会として判断させていただいたところでございます。
○岡本委員 廃止することについて、保護者などへはどのような説明をされているのでしょうか。今までされてきたのか、これからするのか。また、保護者の意見も聞いていますか。これから聞くのなら、そういう形で、今現状どういうふうにしているかをお答えください。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) これまで、学校及び保護者それぞれ3回ほど御説明をいただいております。また、3月にも説明をする予定でございます。
○岡本委員 教育委員会が考えている子どもや学校の状況に応じて体験事業を学校ごとに行っていくとしていますが、そのためには、教育委員会が適切に支援していく必要がありますが、どのようにこの支援策を考えていますか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 学校の状況に応じて対応できるような、単独宿泊事業につきましては、小学校につきましては、従来1泊2日を2泊3日に拡大してございます。また、単独宿泊を数校で合同で実施するといったようなことも、また可能であるというふうに考えてございます。そのほか日帰りの事業とか、それから通常の学級の移動教室等に参加するといったようなことを今後一層進めてまいりたい。そのために、教育委員会としては、先ほども申し上げましたが、介助員の派遣等、支援をしていきたいというふうに考えてございます。
○岡本委員 通常学級との交流や移動教室は、インクレッシブの実現を目指す大事な取り組みになると思います。私どももそういう何度も質問をしたり、そういう事業を視察をした経験がございますが、そのためには、双方で十分協議をして進めなければならないと思います。
 学校が子どもたちの可能性を十分に引き出せる新しい体験の機会を工夫し、保護者も安心できる事業の体制を早急に示す努力をすべきではないでしょうか。また、保護者への説明は丁寧に行い、何か押さえつけるような説明が時々見受けられますが、そういうことにならないように丁寧に説明を行ってほしいと思いますが、いかがですか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 通常の学級との交流を、日常的な交流の推進も含めまして、保護者の方にも安心していただけるような事業展開というものを学校と十分相談して、保護者の方にお示ししたいと考えております。また、それらを含めまして、今後保護者の方々には十分丁寧に御説明をいたしたいと考えております。
○岡本委員 最後に、中野区のがん対策について伺います。
 3月1日、きょうから8日まで、女性の健康週間です。女性の健康づくりを国民運動として今展開されています。女性の健康と命を守るために、これまで女性特有のがんである乳がんと子宮頸がんから亡くなる方を減らすために、検診率をアップするための無料検診クーポンが配付されてきています。今、30代、40代の女性が子宮頸がんによって命を落とす人が急増しています。しかし、死亡率をほぼ100%なくす、下げる効果があるのが、予防ワクチンの接種と検診と言われています。さきの一般質問でも、やながわ議員が、ワクチン接種の助成を求める質問をしたところです。
 都議会公明党は、2月25日、東京都知事あてに、予防ワクチン接種を行う区市町村に対して、都として財政支援を行うなどの早期実現を求めたところです。福祉保健局長は、市区町村の実施状況を調査し、検討する方向を示されました。東京都は、予防ワクチン接種を行う区などに対して、財政支援を考えていますので、中野区として、子宮頸がんの予防ワクチン接種の助成を検討してはいかがでしょうか。
○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 子宮頸がん予防ワクチンにつきましては、子宮頸がんの原因となるウイルスの60から70%の感染を予防することでがんを予防する効果をねらっております。ただ、現行の子宮がん検診との併用が極めて重要だということも言われております。御質問のワクチンは、昨年12月22日に日本における販売が開始され、まだ数カ月でございます。このため、日本におけるがん対策として、このワクチンをどのように位置付けるか、と同時に、現行との併用が重要であるとされる子宮細胞診による検診、この方法との効果的な実施方法の構築も必要だというふうに考えております。
 区としての公費助成については、都や国の動向を踏まえて見守る必要があるというふうに現時点では考えております。
○岡本委員 今の御答弁を聞きますと、ヒブワクチンの接種の助成と同じトーンで話されていることで、国の動向とか、そういう話をしている間にほかの区がどんどん進んでしまっているという、そういう実態があって、今回は、ヒブワクチンの助成は予算に盛り込まれることになりましたので、いいんですが。どうか、本当に女性の健康、命を守るために、区として積極的に取り組むんだと、そういう姿勢を示しながら検討していただきたいと思います。
 次の質問ですが、日本は世界一の長寿国となりました。長生きするようになってがんはふえています。日本人の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなっています。これほど死亡率が高いにもかかわらず、がんは自分には関係ないという意識が強いためもあって、がんのことについてよく知らないのが実情ではないかと思います。
 豊島区は、がん対策基本条例を制定するとしています。中野区も、がんについて学び、知り、予防や食生活のあり方、検診、治療などを盛り込み、区と区民と教育委員会、医療機関関係者などが取り組む中野区がん対策基本条例制定を視野に入れて、区民の健康と命を守るためのがん対策を行ってはいかがでしょうか。区長のお考えを伺います。
○田中区長 御質問の中にもありましたように、長寿化するに伴って、2人に1人ががんにかかるというような時代であるにもかかわらず、日本という国は、がんに対する知識とか、がんに対する向き合い方というんでしょうか、そういったものが非常におくれていると、そういったようなお話を耳にしているところであります。私もそのようなことで取り組んでいかなければいけないだろうと、こんなふうに思っております。国も、がん対策ということを大事な柱に位置付けているということでもあります。国を挙げて取り組んでいく中で、区としても地域の中でがんというものに対してどういう普及啓発、そうした取り組みをしていくかということについて、あり方をきちんと考えて、戦略的な取り組みをしていくべきだろうと、こう思っております。
 条例につきましては、条例という形でそれこそ進めていくべきものなのかどうなのかといったようなことについても、全体の取り組みを体系化していく中で検討していくべきものかなと、こんなふうに考えております。
○岡本委員 これで私の質問は終わりますが、本当に中野区の姿勢として、区民の健康と命を守る、そういう姿勢を内外ともに示していただいて、そして中野区民の方も安心して中野に住めるような、こういう施策展開を引き続きというか、これから積極的に行っていただきたい。そういう思いで、きょうは御質問させていただきましたので、よろしくお願いします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○いでい委員長 以上で岡本いさお委員の質疑を終了します。
 次に、牛崎のり子委員、お願いします。
○牛崎委員 2010年予算特別委員会におきまして、日本共産党の立場で質疑をさせていただきます。
 最初に、障害者施策について。中野福祉作業所移転、建てかえについて伺います。
 中野福祉作業所は、10か年計画(第2次)案で、中野五丁目の3、この用地に障害者自立支援機能を強化して、民間活力を活用して移転、開設するということが示されました。現在、中野福祉作業所に通所している方は何人でしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 現在、中野福祉作業所に通われている方は46人でございます。
○牛崎委員 利用対象者は一般就労が困難な18歳以上の障害者となっていますけれども、通所年数と年齢層についてそれぞれお答えください。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 通所年齢層については、30代が多くなっています。通所年数でございますが、46人のうち、10年未満の方が17人、10年以上20年未満の方が18人、20年以上の方が11人となってございます。
○牛崎委員 第1次の10か年計画では、現地での建てかえということでしたけれども、なぜ変更なさったのでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 第2次10か年計画の検討の中で、中野五丁目用地のほうが広い施設の建設が可能であること、それに伴いまして作業所の機能拡大が図れるということ、それから、移転であれば、一たん仮設の施設に移り、また戻るといったことが必要ないなどの総合的なことで、移転による建てかえに変更した案となってございます。
○牛崎委員 作業所を選択する条件の一つには、交通の利便性があるというふうに考えますけれども、現在の作業所を利用される方は、地域的にはどこから通っていらっしゃる方が多いんでしょうか。自宅からの通勤時間だとか、交通機関について教えてください。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 通われている場所としましては、野方や大和町、上鷺宮といった、区の北部から通われている方が比較的多い状況となっています。
 通所時間はそれぞればらばらでございますが、平均すれば30分ぐらい、バスを使われて利用される方が多くなってございます。
○牛崎委員 現地建てかえが変更になった件についてですが、素案の段階でも説明をしてきた、それから、意見交換会でも説明をして、意見聴取もしたということですけれども、どんな意見とどんな要望が出されているでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 場所が変わるということで、通所方法が変わり、なれるまで大変であるといった不安の御意見、それから一方、移転によって機能拡充がされるということに対する御期待の御意見などさまざまございました。
○牛崎委員 保護者会の役員会が移転に関するアンケートをとっていらっしゃいます。それについては御存じでしょうか。46人中39通が回収されて、お答えをされていらっしゃいます。
 それで、少し紹介をさせていただきたいと思うんですけれども、現在76歳になられるお母様なんですが、息子さんは20歳から通所されて、30年間この福祉作業所にいられるということなので、現在は50歳になっているわけなんです。息子さんは字が読めない。ですから、乗り物にも乗れない。移転先の交通機関を含めて、1人で通所をするということを覚え込むまで本当に時間がかかって至難のわざであるというふうにおっしゃっていました。これまでも散々苦労をして、既に自分たち親子のエネルギーはもう尽きてしまったんだと。それで、親子ともに高齢が進んでいくし、30年間通いなれたこの作業所にこのまま通わせてやりたいし、やっと手に入れた、この落ち着いた生活を、作業所をこの場に残してもらうことでしか保障されないんだと、このようにおっしゃっていました。
 また、別の保護者の方は、移転をすると通勤時間が長くなる。ですから、通勤途中で持病のてんかんの発作が起きたら本当に心配だと。通所に便利な地域に転居しなければならなくなる。しかし、今住んでいるところの地域とはなじんでいるし、大家さんも本当にいい方だということで、息子の命がかかっているので、現在の場所にも建てかえてほしいというふうにおっしゃっていらっしゃるんですね。現在の建てかえをこんなふうに切実に願っているこの声をどんなふうにお感じになっていらっしゃるでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 移転に伴いましては、通所時間が長くなる方、一方、移転に伴って通所がしやすくなる方などさまざまいらっしゃるような状況でございます。移転に伴う不安のある方もいらっしゃる一方で、新しい施設で整った設備の中で働くことへの期待もありまして、区としては、移転に向けたお一人お一人の不安に対応していくとともに、新たにつくる施設へのいろいろな要望を聞きながら、機能や設計を検討していきたいというふうに考えております。
○牛崎委員 移転して建てかえる時期が変更になりました。それで、福祉作業所の開設は、早くても平成28年以降になるということですが、それまでに利用者も保護者もさらに年齢を五、六歳重ねていくわけなんです。親御さんがついていくことが本当に困難になれば、通所できなくなるという人も出てくるのではないかと、そういう不安を抱えていらっしゃいます。
 また、現在はバス1本で通うことができるけれども、移転後にはバスを3本乗り継いで、その後30分歩くことになる人もいるということです。交通機関の案内が読めない人たちもいる。神経を使い、大変な負担を負わせる。さまざまな困難が想定されるわけなんです。利用者や保護者のために、寄り添った対応が必要です。思いを酌み取ってほしいと思いますが、いかがでしょう。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 移転に伴う不安がいろいろと出てくる、そういったことにつきましては、丁寧に対応して、円滑に移行ができるようにしていきたいというふうに考えております。
○牛崎委員 ぜひそのようにお願いします。
 また、民間活力を活用とあるんですけれども、利用者、保護者への影響はどのように考えていらっしゃるんでしょうか。安定的に継続していけるのか。しっかりと区としての責任を果たすことができるかどうかです。お答えください。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 民間活力の活用、どのような形態で行うかということにつきましては、今後検討することになります。
 いずれにいたしましても、民間の事業者の方への必要な支援や調整などによって、サービスの質が確保されていること、安定した経営が続けていけるように、区としても努めていきたいというふうに考えております。
○牛崎委員 しっかりそのようにしていただきたいと思います。
 福祉作業所等となっているんですけれども、にこにこ事業団も含めて、福祉関連の拠点となるような総合的な施策を考えているというふうにお聞きしていますけれども、障害者団体や関係者からの長年の要望であったわけですから、丁寧な議論と利用者、当事者が主体となって、基本的な計画の段階から参加が保証される仕組みをつくるということが大事だと考えていますが、いかがでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 新たな障害者施設の整備に当たりましては、関係団体、区民の皆様、それから地域の皆様、そういったところの方々から御意見を伺いながら、よりよいものにしていきたいというふうに考えております。
○牛崎委員 それでは、次に、杉の子大和沼袋分場についてお聞きいたします。
 先日、知的障害小規模通所助産施設、杉の子大和沼袋分場を訪ねました。平成21年4月より新体系に移行して、生活介護、就労継続支援(B型)の2事業を展開しています。ワンフロアの狭いスペースに20人を超える利用者がびっしりと肩を寄せ合い、満員状態でした。「それでも、きょうはまだいいほうなんです」と、施設の所長さんから伺って驚いているんですけれども、生活介護の作業場が更衣室を兼ねている。それから、昼はそこが食堂に変わっている。そういう状態です。利用者が体調の不調だとか、気持ちが不安定になり落ち着きたいなというふうに思っても、使える部屋がないという状態です。このことは御承知ですか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 現在の作業施設が狭いということについては、把握をしているところでございます。
○牛崎委員 また、受注作業の材料だとか仕上がった商品、それらが段ボールに詰めてあるんですけれども、置き場所がないために棚の上にいっぱい乗っていて、それから作業机の下に全部詰まっているんですね。それでも足りなければ、出入り口の半分をふさいで積み上げられているという状態なんです。また、あるときは、一時的に外にも出していて、雨になったらどうしようという心配をされているということなんですが、地震などの災害時に、逃げることも、机の下にもぐりなさいということもできない状態なんですが、改善が急がれると考えますが、いかがでしょう。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 民間の事業所さんの施設改善につきましては、事業者さんの努力というものが基本になってくるわけでございますが、区も御相談に乗ったり、必要な支援については検討していきたいと考えております。
○牛崎委員 ほかにも問題があります。トイレは男女1カ所ずつそれぞれあるんですけれども、作業所と同じフロアにあるので、作業中の利用者の目にさらされている状態なんです。中には、間に合わないで粗相をすることがあるというふうにもお聞きしているんです。つい立てなどを活用して着がえをしているということですけれども、プライバシーが守られないなど、本当に不安感を募らせる原因になっていると訴えられました。このような事情も御存じですか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) そういった御事情についても伺っているところでございます。
○牛崎委員 さらに、現在の施設のままだと、この請け負った仕事を制限をしなければならなくなってくるというんです。それから、時には断ることもあるとお聞きしています。ただでさえ少ない仕事なんですから、仕事は受注したいのにできないというのは本当に気の毒なことだというふうに思いますが、そうお思いになりませんか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 先ほども申し上げましたとおり、いろいろ課題があることは把握しております。いろいろ御相談を受けて、事業者の方の改善努力について御協力をしたいというふうに思っております。
○牛崎委員 今、移転先を探しているようなんですけれども、近辺に施設の条件を満たすような、快く貸してくれる民間の建物を探すのはなかなか容易ではないというふうにおっしゃっていました。地理的にも、財政的にも困難だとも言います。自立を目指し、生産性の高い作業に取り組んでいくというためには、現在の事業所のスペースでは足りないと訴えていらっしゃいます。近くにある沼袋小学校の廃校後の空き教室を移転先として利用できるようにしてほしいという要望が、施設の関係者から出されていると思いますけれども、これをどのように受けとめていらっしゃるでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 沼袋小学校の跡地は、10か年計画の案の中で、すこやか福祉センターとしていくことが計画化されております。すこやか福祉センター開設までの間ということになりますと、臨時的、一時的な施設活用になります。そのため、作業所に活用するための改修を行うということは、困難な状況であると考えております。
○牛崎委員 現在の施設状況を改善しない限り、大和沼袋分場の不安はなくならないというふうに思います。区として活動が保証できる施設を提供すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 民間の作業所など、そういったすべての施設を区の施設の提供によって対応していくということは困難であるというふうに考えております。
 10か年計画の案の中では、東中野小学校跡地など、事業者の方の作業所等に活用していただく施設として提案をさせていただいているところでございます。
○牛崎委員 施設の問題を相談に乗って、協力していくというふうにおっしゃいましたけれども、施設関係者の方たちが、こんないいところがあったよということで提案をしたらば、それに対してはこれまでどおりの補助が出るということでよろしいですか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 一定の家賃の補助につきましては、これまでどおり当面継続していく考えでございます。
○牛崎委員 それでは、次に、特別支援学級についてお聞きいたします。
 沼袋小学校ののびのび学級についてです。野方小、丸山小、沼袋小の統合に伴い、沼袋小の平成21年4月の保護者会で、のびのび学級は野方小には全員通所できないので、平成23年度に上高田小と若宮小の2カ所に開設すると報告を受けたと聞いています。しかし、平成22年2月9日、区教委から突然、上高田小1カ所だけに変更になったと報告されたということです。変更の理由は何でしょう。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 変更の理由は、長期的な財政状況を勘案した措置でございます。
 また、先ほどのお話で、全員が通所できないので2カ所つくるというふうにおっしゃいましたが、そのような説明はいたしてございません。
○牛崎委員 それでは、今おっしゃったような財政的な、長期的な見通しの中でというふうにおっしゃったんですか。それ以外におっしゃったことがあったら教えてください。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) その予算発表後の説明の中では、長期的な財政状況にあるというふうに申し上げました。
○牛崎委員 上高田小学校の特別支援学級等改修工事費は7,600万円余となっていますけれども、若宮小に開設する費用は幾らになりますでしょう。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) おおよそ6,000万円強でございます。
○牛崎委員 年々増加してきている通所児童に対応するためではなかったのでしょうか。沼袋小学校ののびのび学級、情緒障害、発達障害ですけれども、通級学級を2カ所にするという計画はそもそも何だったんでしょう。お答えください。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 情緒障害等学級の通級者、通級に通われるお子さんというのは年々増加しているということは事実でございます。そういったところから増設するというような計画を立てさせていただいたところでございます。
○牛崎委員 それで、年々増加することは承知していると。2カ所に開設するという計画をとりあえず1カ所に変更して、上高田小だけで対応できるという保証はあるのでしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 私どもの予測では、平成23年度においても上高田小学校の開設で対応できるというふうに考えてございます。
○牛崎委員 現在、沼袋小ののびのび学級の通級者は27人とお聞きしています。毎年、プラスマイナス七、八人はふえていると。3学級の沼袋小学校から同じ3学級の上高田小学校に移転することになるんですけれども、施設の規模だとか、それから面積も変わりがないのか、教室の配置はどうなっているのか、教えてください。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 沼袋小学校の場合には、約200平方メートル、上高田小学校に開設する予定の教室も約198平方メートルでほぼ同じでございます。配置といたしましては、三つの学習室、職員室、それにプレイルームでございます。
○牛崎委員 のびのび学級は10人で1クラスが基準だそうです。27人いらっしゃるわけですから、3クラスで、1クラスに1人の教員なので、3人プラス1人の教員の配置になっているということです。30人を超えると4学級になる。上高田小では4学級は無理だと思いませんか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 私どもの試算では4学級にならないというふうに考えております。
○牛崎委員 そんなことは断言できることではありません。年々ふえていることです。突然ふえるということだってあるわけですから、そういうときにもちゃんと対応できるような学級編制というのが必要なのではないかというふうに思います。
 若宮小が開設をされるのは、平成24年以降になったと。それで、それまで間に合うという保証があるのかどうかということは今言ったことです。生徒は確実にふえてきているんですから、急にふえた場合とか、そういうことに対してきちんと対応できる対策はできているんですか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 先ほども申し上げましたとおり、私どもの予想では対応できると考えております。そうは申し上げましても、急にとか、そういったような対応もございます。そういったときには、指導方法の工夫等で対応できるというふうに考えてございます。
○牛崎委員 のびのび学級は、情緒障害や発達障害があることによって、社会性の欠如などさまざまな障害と必死に向き合って学んでいるお子さんたちです。新しい環境になかなかなじめない子どもたちにとっては、沼袋小から上高田小、そしてまた、若宮小と3回も移動しなければならない人も出てきます。こうした最悪のケースが出てくるわけですから、低学年は、三、四年通ってやっと安定するというふうに言われています。教師と保護者が子どもたちと築いてきた信頼や安心、そういうことが行政の都合で振り回されることで薄らいではならないと思いますが、いかがでしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 私どもといたしましては、できるだけ一人ひとりのお子様の可能性を十分伸ばせるように、通級学級をふやしていきたいというふうに考えてございます。
○牛崎委員 若宮小を延期するとしたら、上高田で対応できない児童だとか通級が困難な児童は、若宮小が開設されるまで沼袋小に現状のまま残してほしいという声もありますが、その点はどうでしょう。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 閉校後も特別支援学級だけ沼袋小に残すというのは、管理の面で非常に問題があろうかと思います。また、そういったような体制で管理運営していくための設備変更の工事費もかなりかかるというふうなことがございます。
 さらに、既に跡施設を利用すると、そういったような計画もございますので、沼袋小の跡地で学級の存続は考えてございません。
○牛崎委員 すこやか福祉センターの工事に着工するまでの間だけでもそこに置いてほしいということになれば、何とか若宮小学校に開所するまでに間に合うのではないかなというお考えなんだと思うんです、先生や保護者の方たちは。
 それで、管理者がいないということやいろいろな面で困難だというふうにおっしゃいましたけれども、桃花小の聞こえと言葉の教室というのは旧桃丘小に設置されているわけなんですね。だから、絶対にそういう選択肢がないというふうには言えないのではないかなというふうに私は考えています。とにかく先送りをせずに、若宮小に開設するということを強く求めて、この項の質問を終わります。
 それでは、次に、特別支援学級宿泊学習について伺います。
 区では、特別支援学級5校の子どもたちが、軽井沢少年自然の家で3日間ともに過ごす連合宿泊と、各学級で湯沢に1泊宿泊して、雪遊びやスキーなどを体験する学級宿泊を行っています。予算では、軽井沢の連合宿泊を廃止しようとしています。それにかわるものとして、1泊の学級宿泊を2泊に拡充するとしています。先ほど岡本委員の質問に対する御答弁で、これを廃止する理由は、通常級の子どもたちと一緒に移動教室等で参加してほしいというようなことを述べていらっしゃいましたけれども、何を今さらそんなことをおっしゃるんだというふうに私は聞いていて思いました。これまでに、そういうことであるならば、幾らでもこの問題について手をつけていくというか研究して、それで、保護者の方たちとか学校とかと一緒になって、相談をしながら、どうしたら一緒にやっていけるだろうかということを研究してこなければいけなかったことなのに、財政の問題が一番大きな問題だと言いながら、このことをやりたいがためにこれは廃止するというような御答弁は納得がいかないというふうに思います。
 それから、もう一つ、先ほどの岡本委員の答弁に関してつながって申し上げますけれども、連合宿泊の人数が100人になるので、とても危険性があってやり切れないというようなことをおっしゃいましたけれども、平成21年の参加者数というのが文教資料の67に出ております。5校で、今現在のところ86人です。100人に近いといってしまえばそれまでですけれども、それでも、14人という数が、差が出ているわけですから、そういういいかげんな答弁をされないでほしいなというふうに私は思います。
 それで、改めてお聞きいたしますけれども、宿泊学習の目的というのはそれぞれ違うと思うんです。それぞれの目的と効果についてお聞きをいたします。お答えください。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 宿泊学習でございます。連合宿泊と単独宿泊、学級宿泊がございますが、両宿泊とも、宿泊によって保護者の方から離れて基本的な生活習慣を自立的に身につけるとともに、外に行くんでしたら、自然に親しんだり、それから集団生活の中で仲間をつくって相互の人間関係を深めるというような目的がございます。
 連合宿泊は、これに加えまして、他の学校の特別支援学級の子どもたちとも仲間になるといったようなねらいもございます。
 いずれにいたしましても、子どもたちの成長を促すという一定の効果はこれまであったというふうに考えてございます。
○牛崎委員 そういう目的と成果があったにもかかわらず廃止をするということなんですね。保護者や教師からは、連合宿泊学習を経験した子どもたちの成長ぶりには目を見張るものがあるというふうに報告しています。親と離れて過ごしたことのない子どもたちが、身辺自立の確立、精神的な自立の第一歩を踏み出す大事な学習の場だというふうにおっしゃっています。1年ごとに体験を繰り返すことで、顔見知りもできるし、能力もついてくる。こうした経験の積み重ねが、将来につながる基礎をつくるという大変価値のある体験だというふうにおっしゃっています。低学年は、子どもたちに最低限のことが身につくと。身辺自立ができてこそ6年間の学習も身につくと言われています。特別支援学級の子どもたちにとっても、保護者にとっても、連合宿泊は、将来大人になって社会や地域で生きていくというために、その基礎をつくらなくてはならない事業であるというふうに思います。その認識はおありでしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 特別支援学級のお子さんが保護者の方から離れて、自分で独立して生活をするということの意義は、非常に私どもも感じているところでございます。ただ、それが連合宿泊だけからしか得られないのかと申しますと、そこにはさまざまな、私どもはそうではないというふうに考えてございます。
○牛崎委員 連合宿泊だからそういうふうな効果があるんです。連合宿泊は、全学年5校全校が参加するものですよね。それで、1泊の学級宿泊を2泊にすると、だから変わらないというふうにおっしゃっていますけれども、5校一緒に体験することが大きな意味があるというふうに私は考えていますし、保護者の方たちもそう言っていらっしゃいます。支援学級の生徒数は、多くても二十四、五人、少ないところは8人以下というところもあります。大勢の仲間と出会え、ことしもまた会えるという期待、それから低学年から積み重ねてきた関係が顔見知りになり、友達になり、仲間へと発展して、信頼関係をつむいでいくと言われています。異年齢の人たち、他の学校との交流は、自分の立ち位置を自覚できる貴重な体験です。そうお思いにならないでしょうか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 御指摘のとおり、私もそう思います。しかしながら、単独宿泊ということ、それをまた合同でやるということも可能でございます。また、それと同時に、やはり通常の学級との交流というものを一層進めていくというのが、私どもの考えでございます。
○牛崎委員 合同の宿泊を一層進めていくということについて、ここでやるとかなり長くなりますので、そこはこの次の機会にさせてもらいますけれども、移動教室は、単独校で5、6年の生徒だけです。8人に1人という教員の配置ですから、8人から8人以下の学級の生徒は参加できないということも出てくると思います。担任をつけないで参加させろというのか、低学年は体験できないということになりますが、いかがでしょう。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 低学年の方に対しては単独宿泊ということを考えております。
 それから、5、6年につきましては、もともと移動教室というものは、通常の学級のためのものではなくて、その学校の行事なんです。ですから、当然、特別支援学級のお子さんも参加するのが通常というふうに考えてございます。その中で、あるいは介護とか、そういったようなことが足りないということであれば、教育委員会は御相談に応じます。
○牛崎委員 先ほどは、介助員をつけるということも考えているというふうにおっしゃっていましたけれども、通常の学級の生徒さんたちと一緒に行くということで、特別支援学級の生徒も視野に入れて移動教室はやっているというふうにおっしゃいましたけれども、具体的にいろいろなケースがあると思いますが、これまでやれたんだったらやってきたと思うんです。非常に困難だからこそ、そういうところで一緒に、せめて4、5年が一緒にやれるようにということで、特別支援学級の連合学習というものを行って、そこで本当に積み重ねて、成長してきた人たちが、4、5年のこの移動教室に参加できるという、そういう仕組みになっているというふうに思っているんですけれども、これについてはいかがですか。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 確かに、事情によって非常に難しかったということはあろうかと思います。しかしながら、現に通常の学級と一緒に行っている学校もございます。そういったところも含めまして、今後は、通常学級の交流を今まで以上に、もちろん学校も今まで努力してきました、しかし、なかなかに難しい事情もあります。それを一層、我々教育委員会としても支援して進めていきたいというふうに考えております。
○牛崎委員 私は、今の連合学習を続けていくよりも、移動教室等を普通級と一緒に支援学級の生徒がやっていくことは理想ではありますけれども、かなりの困難がつきまとい、そこまで行き着くまでの間にいろいろなことがあるというふうに思います。
 財政面を理由にして、これまで支援学級の生徒、それから児童の成長に大変大きな成果を上げ、喜ばれていた事業をなくしてしまうということは、あまりにも冷たいと思わないですか。どうでしょう。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 財政面というよりは、やはり考え方。特別支援教育というものの考え方を一層推進、徹底していきたいというのが、私どもの考え方でございます。
○牛崎委員 先ほど1校だけ一緒にやっている学校があるというふうにおっしゃいましたが、それでは、1校だけ一緒にやれている学校がどうしてやれているかとかいうようなことも含めて、きちんと検証して、それをなぜ今までほかの学校でやれるような、そういう研究なり、相談なり、検証なりしてこなかったんでしょうね。非常に不思議で仕方がありません。
 今回の見直し、いわゆる廃止が、あまりにも唐突で、現場を無視しているということについてもただしておきます。現場の教師とか保護者には説明したのかということです。また、意見は聞いたのか。その際にどんな意見が出されたのか伺います。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 学校、保護者は、既にそれぞれ3回ずつ御説明しているところでございます。また、3月にもまた予定しております。
 御意見としては、連合宿泊の大切さを主張されているところでございます。ただ、社会性を身につける体験の機会が連合宿泊に限らずさまざまな機会が用意できるのであれば、それも歓迎するということ。それから、通常の学級との交流をもっと進めてほしいという御意見もありました。
○牛崎委員 そういういろいろな御意見があったと思いますけれども、先ほど、昼休みに、私たち議員団のところにも要望書を持って、特別支援学級保護者有志の会の方がお訪ねになりました。その中にも、特別支援教育とは、障害のある子どもたちの一人ひとりの能力に応じた教育を通じ、社会的自立を図ることのできる力や地域の一員として生きていける力を養っていくものだということで、どうかこれまでどおり実施してくださいという要望書なんです。私は、保護者から区長、それから教育長、学校教育担当に、こうしたこれと同じような趣旨の要請書が出されたと聞いていますが、内容はわかりましたけれども、これに対してどのような回答をなさったのかお聞きします。
○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 私どもといたしましては、先ほど来申し上げている支援教育の理念に基づいて動きを進めようというふうに考えてございます。
 ただ、それにいたしましても、それに至る条件、さまざま困難なところもあろうかと思います。そういうことについては、今後とも学校とも十分に話をして、どういったような活動あるいは日常的な交流が可能になるのかということを話し合っていきたい。保護者の方々等も含めて話し合っていきたいというふうに考えてございます。
○牛崎委員 ぜひ十分な話し合いをしていただきたいというふうに思います。やはり突然聞いて、こんな大事な、そして自分たちにとってかけがけのないこの行事をなくさないでほしいという方たちは、十分に話し合いをするといっても、こういうふうな情報の数値などでは信頼ができないというような思いもあるのではないかなというふうに思います。
 この項の最後に、特別支援学級をめぐる二つの問題に共通することは、いずれも関係者にきちんとした情報提供を行うことを怠っている。合意も得ないまま強行しようとしていることであります。教育委員会が教育の現場を無視して事を進めようとしていることは、大問題だと考えます。まして、財政効果だけが目的というのであれば、教育の名に恥ずべき事態だというふうに思います。撤回すべきであると思います。ぜひ教育長の見解を伺います。
○田辺教育長 特別支援学級の運営、また特別支援の必要なお子さんに対して、お一人お一人に合った教育をしていくということは、教育委員会としても重点的な課題として、これまでも、また今後も進めていきたいというふうに考えております。連合宿泊という行事ではなく、学校ごとあるいはお子さんに合った体験的な、あるいは通常級との交流も含めまして、十分保護者の方にも説明し、特別支援学級の意義、特別支援教育の意義を体感できるような、そうした教育委員会の運営を進めていきたいというふうに思っております。
○牛崎委員 保護者の方も、そして先生方も、この連合宿泊が本当に成果があるすばらしい行事であるというふうに思っていらっしゃるわけですから、ぜひこのことを要望書にあるように、これまでどおり実施してほしいという願いにこたえてほしいということを述べて、この項の質問を終わります。
 次に、高齢者施策について伺います。
 自立支援住宅改修の見直しについて伺います。新年度は、自立支援住宅改修事業に利用者の所得制限を設けている。今までは所得制限はなかったんですが、なぜ所得制限を設けるのか。そしてまた、所得制限の範囲についてはどういうことになっているかお知らせください。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 自立支援住宅改修等事業についてでございますけれども、この事業につきましては、介護保険給付と重なる部分も多くございまして、その部分は上乗せで実施しております。また、その対象にならないものもございますが、基本的には、介護保険で賄われるというふうに考えてございまして、今回、所得の高い方につきましては、この部分は自己負担で実施していただくというような考えにしたものでございます。
 また、この対象の範囲でございますけれども、自立支援住宅改修等事業、これはまず要介護認定で要支援、要介護とされた方が対象の住宅設備改修というものと、要介護認定自立とされた方が対象の住宅改修予防給付並びに日常生活用具給付の二つの柱からなっている事業でございます。今回、所得制限を設ける範囲はこの両方、すべてのこの事業を対象にしているところであります。
○牛崎委員 この制度は、介護保険制度を補うものです。65歳以上の身体機能低下の区民が、自立認定でも一定の住宅改修が必要と認められれば活用できるというものです。住宅設備改修、予防給付、日常生活用具の内容についてお聞きします。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) まず、要介護認定された方の、要支援、要介護の方の住宅設備改修につきましては、例えば浴槽の取りかえですとか電気の様式化というものがございます。もう一方、自立と判定された方につきましては、手すりの設置ですとか、あと段差解消、あとは入浴補助具などの給付でございます。
○牛崎委員 住宅設備改修の予防給付を合わせると、平成18年、19年、20年の実績についてはどうなっているかお聞きします。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 18年度が43件、19年度が63件、そして20年度が61件でございます。
○牛崎委員 今回の所得制限を設けることで、過去の実績から見てどれだけの人が影響を受けるというふうにお考えですか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 約30%弱の方が、今回所得制限を設けて対象外になるというふうに認識してございます。
○牛崎委員 削減額は200万に満たないものですね。厳しい予算だからと所得制限を設けるのは、区民に本当に冷たいなというふうに考えます。所得制限は設けるべきではないというふうに思いますが、いかがでしょう。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 冒頭申し上げたとおりの考えで今回見直しをするものでございますけれども、今回、この事業を見直すということは必要なことだというふうに考えているといったことでございます。
○牛崎委員 それでは、次に、後期高齢者葬祭費の給付について伺います。
 被保険者が死亡した場合に葬祭を行ったものを対象に支給する葬祭費給付について、広域連合の法定給付、後期高齢者医療特別会計へ制度を移動することになりました。つまり、葬祭費の給付については、広域連合の給付事業となり、これまで7万円出ていた葬祭費が5万円になってしまいます。これまで23区は、足並みをそろえて一般財源で葬祭費は7万円にしてきたのではないでしょうか。今度、広域連合の制度に移行されたことによって、23区の課長会では、昨年の5月、6月ぐらいから、葬祭費については議論をしてきたと聞いています。どんな議論がされたのでしょうか、お聞きします。
○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 葬祭費につきましては、後期高齢者広域医療制度につきましては、東京都内の移動につきまして、住所地特例の考え方がございませんため、住民登録がございます特別区、住民登録地にある特別養護老人ホームの所在地の自治体が葬祭費を支払うことになり、人口規模に比較して特老の比率が高い市町村におきまして、財政負担の差が著しいなどの課題があるということでございまして、それらを解消するための施策を中心に議論してきたというふうに考えてございます。
○牛崎委員 私は、22区にすべて電話をして、この葬祭費について伺いましたところ、22区すべてが2万円の補助をするという方向になっているそうなんです。74歳までは7万円出ていたのに、75歳になった途端に5万円になってしまうというのは、あまりにも不公平ではないか、これは差別ではないかというふうに考えるんです。こんなひどいことはできないね。だから、2万円の上乗せを22自治体が足並みをそろえてやろうじゃないかということに決めてきたんではないかと思うんですが、いかがですか。
○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 他区がこの葬祭費につきましてどのような考えで決定したのかにつきましては承知してございません。
○牛崎委員 先ほどのお話を聞くと、あまり課長会に御出席がよくないようです。中野区以外の22区の自治体がこれまでどおり足並みをそろえて、2万円の上乗せをしようとしています。なぜ中野区だけが2万円の上乗せをしようとしないのか、本当に理解に苦しみます。上乗せをすべきであると考えますが、いかがでしょう。
○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 保険者としての後期高齢者医療広域連合の給付事業として、これは妥当なものと考えてございまして、中野区としては上乗せを実施しないと考えてございます。
○牛崎委員 またまた中野区だけがやらない悪しき例が出てしまうのは、本当に残念です。ぜひ、上乗せをすべきであるということを申し上げて、この項の質問を終わります。
 次に、西武線の新井薬師前駅の安全確保について伺います。
 西武新宿線の開かずの踏切対策は、沿線住民の長年の懸案事業です。我が党は当初から、住民の皆さんと協力して、この問題に取り組み、完全地下化連続立体交差化事業の実現に取り組んでまいりました。このたび、西武新宿線連続立体交差化の地下化計画が報告をされ、地域の皆さんとともに喜んでいるところです。しかし、連続立体交差事業を完成するまでに十数年はかかります。新井薬師前駅の踏切の混雑状態は変わらず危険なまま十数年続くということになります。区民は、これからも、この十数年我慢を強いられるわけですけれども、どうしようとしていますか。
○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 踏切道路の拡幅につきましては、鉄道用地の管理者である鉄道従事者の協力が大前提となるというところでございます。区におきましては、これまで西武鉄道に対しまして、踏切敷地内の遮断機や警報器などの移設、それから拡幅整備に係る用地の使用といったことについて協力を求めてきたところでございます。しかし、踏切道路拡幅に伴います西武鉄道敷地の提供や設備の移設経費の負担についての協議が難行してございまして、合意に至っていないといったところでございます。
○牛崎委員 この問題では、再三再四お聞きしている踏切の安全対策ですけれども、要望してまいりました踏切の拡幅については、今度新しいこういう事態を迎えたわけですから、この機会に、西武鉄道に対して、新たな視点で強く要望してほしいと考えます。どのような交渉を行うつもりですか。
○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 踏切交通の根本的な対策につきましては、踏切の除却ということになるわけでございますが、東京都における踏切対策基本方針においては、踏切交通の円滑化を図るといったところで、踏切、道路の拡幅などの側溝対策につきましても、重要な方策であると挙げられているところでございます。
 こうした点を踏まえまして、今後も西武鉄道に対しましては要望していきたいと、このように考えているところでございます。
○牛崎委員 10年後には西武鉄道の土地の線路が取り除かれるわけですね。機材の撤去だとか移設も行わざるを得ないというわけです。踏切拡幅の部分だけ少し早目に工事を行い、歩行者の安全のために提供してほしいというふうに要望してきています。「西武鉄道がやることですから」などと言わないで、これまでも抜本的な対策の取り組みと同時に即効的な対策もとってきているではないでしょうか。このまま何もしないで、この危険な状態を放置するわけにはいかないということを述べて、この質問を終わります。
 それでは、その他の1点では、法務省の矯正研修所東京支所跡地利用について伺います。
 この跡地は、野方小学校、丸山小学校、沼袋小学校の統廃合に伴い、平和の森小学校の新校舎の建設予定地となっています。08年第2回定例会の教育長の答弁は、「昭島市では、法務省の移転計画を受け入れ、5月に市民説明会及びパブリック・コメントを行い、議会にも報告をした。あとは立川市、東京都の協議、そして国への提案をする」ということで、極めて近いうちに取得できるかのようなお話でした。ところが、その後の情報は示されていません。地域から本当に実現できるのかといった不安の声が広がっています。その後の状況はどうなっているんでしょうか、伺います。
○田中政策室副参事(企画調整担当) この件につきましては、委員が今御指摘いただいたとおり、それ以後について特に特段の変更はございません。
○牛崎委員 また、矯正研修所の移転の時期が来れば、中野区が必ず買い取れるとも言ってきております。本当に大丈夫でしょうか。その根拠をお示しください。
○田中政策室副参事(企画調整担当) 国有地の売却につきましては、地方自治体が優先して取得できるという仕組みがございます。この仕組みを活用して取得していきたいというふうに考えてございます。
○牛崎委員 それでは、次に、食事サービスの見直しについて伺います。
 区は訪問食事サービスとふれあい食事サービスの2種類を区民に提供しています。訪問食事サービスとふれあい食事サービスのそれぞれの対象はどうなっているでしょうか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 訪問食事サービスにつきましては、要介護1以上の方でひとり暮らし高齢者などの方が対象でございます。週3回まで昼食を提供してございます。また、重度障害等の場合は週6回まで昼食を提供しております。
 また、ふれあい食事サービスにつきましては、要支援あるいは虚弱の高齢者の方でひとり暮らしなどの方が対象、週1回昼食を配食、提供しているということでございます。
○牛崎委員 この事業の目的と、それから意図していることは何でしょう。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) ひとり暮らし高齢者など、自力で調理が困難な方あるいは地域でのなかなか出てこられない方についての見守り、触れ合い、そういったことを含めまして、食事を提供しながらそういった見守りなども行う。自力で食事ができない方へのサービス提供を行うというものでございます。
○牛崎委員 ふれあい食事サービスは週1回、訪問食事サービスは高齢者が週1回から3回、重度障害者は週1回から6回、現在のサービス提供の仕組みというのはどうなっていますか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) まず、利用される区民の方から区のほうに申し込みをしていただきまして、区が事業者もしくはボランティア団体の方に配食サービスを委託しまして、その委託された民間事業者もしくはボランティア団体の方が、対象の高齢者宅などへ食事を配食するというものでございます。
○牛崎委員 区が事業者とボランティアに支払う1食の委託料は幾らでしょう。また、利用者の自己負担額は幾らでしょう。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) まず、この事業でございますけれども、1食の配食サービスにかかり800円の経費で実施をしてございます。
 まず、事業者につきましては、事業者の方が利用される方から直接550円、これが自己負担になりますけれども、これを支払ってもらって、残りの250円分を区から委託、区が委託を250円分しているということになります。
 また、ボランティア団体につきましては、1食当たり800円、区から委託料をお支払いして、利用される方の自己負担は、区から直接利用者の方から支払っていただいているというような仕組みでございます。
○牛崎委員 利用者が支払う自己負担額はどちらも同じということですよね。予算で出された見直しによると、区のかかわりはこれからどうなるんでしょうか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) これまで区のかかわりとしては、申し込みの受け付け、それと事業の委託ということでございますが、今回の見直しによりまして事業が廃止ということになりますので、区との関係は直接はなくなると。利用者が直接、民間の事業者もしくはボランティア団体などと契約をして、サービスの提供を受けるというふうになるというものでございます。
○牛崎委員 要するに、自分で勝手に探して、自分で勝手に申し込みをしなさいということになるんでしょうかね。この食事サービスの利用登録数は、平成18年、19年で453人、平成20年で383人、平成22年2月24日現在では464人とふえてきています。4月から6月までの移行期間が設けられていますけれども、7月から食事サービスが廃止になる。そうすると、登録者はどうするんでしょう。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 先ほどの答弁と重なりますが、基本的に3カ月間の移行期間を設けた後、7月からは御自身での自主的な契約になると。事業者などからの配食サービス、ボランティア団体などからの配食サービスを受けるというふうになります。
○牛崎委員 長年食事サービスに取り組んできたボランティア団体に見直しを説明したというふうにお聞きしていますけれども、どんな意見が出されているかお聞かせください。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 現在、ボランティア団体は7団体ございますが、説明会が行われまして、既に半数以上の団体からは、7月移行も地域での配食サービスの活動を続けていきたいというふうに考えているというふうな回答を得ております。
○牛崎委員 7月以降に、これまでどおり配食サービスをボランティアでやるということは、これまでのような区の委託ではないわけですから、結局、利用者の方たちに自己負担が多くなるという形になるんでしょうか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 利用されている方から見ますと、ボランティア団体からのサービスの提供もございますが、現在、さまざまな民間の事業者が高齢者を対象とした配食サービスの業務を展開してございますので、その民間事業者の工夫などによって、料金設定もさまざまでございますので、中には、比較的安価のものもございますので、必ずしも利用されている方から見て、現在の自己負担がふえるというふうには認識してございません。
○牛崎委員 委託業者は、4月、5月、6月の移行期間が設定されていますけれども、このサービスを通じて、見守りの効果があった、7月からはそれができなくなる。利用者にとって、事業者やボランティアと直接契約することへの不安があると思います。また、新しく食事サービスを利用しようとする区民にとって、どこに頼めばよいかわからないということもあります。安心・安全な食事サービスが提供される。区としても見守りにつながるよう、区の対応が求められますが、どうでしょうか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 現在、利用されている方につきましては、御本人さんなどへの説明を丁寧に行って、7月以降も引き続きサービスが受けられるよう、区としてもしっかり支援を行っていきたいというふうに考えてございます。
○牛崎委員 ちょっと今のことをもう少し具体的にお答えいただけないでしょうか。どのようにしっかり行っていくのか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 利用されている方御本人への説明はもちろんですが、例えば、御家族の方への説明ですとか、あるいはどのような事業者があるかと、そういったことも知らない方もいらっしゃいますので、事業者の名簿なども示しながら、こういったサービスがあるというふうな説明も行っていきたいというふうに考えてございます。
 いずれにしましても、7月以降も必要な配食サービス、これはしっかり受けられるように、区としてもあらゆる手だてを尽くしていきたいというふうに考えてございます。
○牛崎委員 委託業者は区の補助金を受けているために利用負担額が高くならなくて、そして何らかの条件できちんとバランスのとれた、安心できる食事の提供、その見守りを支えてきていると思います。そうは思いませんか。
○伊東保健福祉部副参事(福祉推進担当) 事業者の企業努力といいますか、そういった形でさまざま、配食サービスだけではなくて見守りも含めたサービスを展開してございますので、先ほども言いましたように、利用者の方がそれぞれ選択できる、今と同じようなサービスを見守りの仕組みも含めたサービスも受けられるというふうに考えてございますので、先ほど言いましたように、料金設定もさまざまでございますので、従来のような配食サービスを安心して引き継ぎができるというように考えてございます。
○牛崎委員 ボランティアの方たちにお話を聞いたところでは、本当に食事サービスをしている中で、自分たちがしっかりとその地域の高齢者の見守りをしているなという誇りというか自覚というか、そういうものを感じているというふうにおっしゃっていました。やはり、見守りというのは、さまざまな形で、数多く網の目のようにあったほうがいいわけですから、私は、やはりこの見守りということも、当初の意図の中に、目的の中にあったわけですから、このことを廃止しないで、続けるべきだということを述べて、私のすべての質問を終わります。(拍手)
○いでい委員長 以上で牛崎のり子委員の質疑を終了します。
 ここで休憩にしたいと思います。3時20分まで委員会を休憩します。
      午後2時58分休憩

      午後3時20分再開
○いでい委員長 委員会を再開します。
 委員会の運営について相談したいことがありますので、ただいまから理事会を開会したいと思います。
 委員会を休憩します。
      午後3時20分休憩

      午後3時27分再開
○いでい委員長 委員会を再開します。
 理事会の報告をします。
 民主クラブから奥田委員の質疑の冒頭で、通告した質疑項目の表記の訂正をしたい旨の申し出があり、理事会として訂正を認めることを確認しました。
 以上が理事会の報告ですが、質疑ありますか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 それでは、ただいまの報告のとおり訂正を認めることに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○いでい委員長 御異議ありませんので、さよう決定します。
 なお、お手元に該当箇所を訂正した総括質疑一覧を配付したので、御確認ください。

○いでい委員長 休憩前に引き続き、総括質疑を続行します。
 奥田委員、お願いします。
○奥田委員 民主クラブの立場で総括質疑をいたします。通告内容に不適切な表現がありましたことを、まず冒頭でおわびを申し上げます。
 それでは、質疑に入らせていただきます。
 1番目に、4年間の政策についてであります。この4年間、学校再編、耐震化、あるいは中野駅周辺まちづくり計画の具体化などの取り組みもあって、全くの無策というわけではありませんが、明らかに改善努力の不足や経営の不適正さが散見されます。1期目の4年間は、財政再建という喫緊の課題に取り組んでまいりました。民主クラブもこれを評価いたしまして、民主党として2期目の推薦をした理由の一つともなりました。しかし、2期目は新しい公共、そして子どもたち、子育て、教育といったテーマ、これを最優先する区政を期待しましたが、残念ながら、成果は見られません。
 鳩山首相の所信演説での新しい公共とは、以下のとおりです。
 「新しい公共とは、人を支えるという役割を官と言われる人たちだけが担うのではなく、教育や子育て、まちづくり、防犯や防災、医療や福祉などに地域でかかわっておられる方々一人ひとりにも参加していただき、それを社会全体として応援しようという新しい価値観です」とあります。新たな価値観は、公共=官、そして市場=民、こうした切り分けではなくて、官、そしてコミュニティ、市場、官とコミュニティが公共を担い、コミュニティと市場が民を担っていく。特に、既存のコミュニティであるローカル・コミュニティ――地縁・血縁団体などのようなものでありますが、こうしたもの以上にテーマコミュニティ、こうしたことをやりたい、特定の分野を頑張りたいという思いを持った集まりをしっかりと支えていく時代と言えます。
 区長の目指した「民間でできることは民間に」という方針であります。実際には、不適切なサンプラザの経営や、無謀な風力発電事業計画の形となってあらわれました。二つの民、つまり、市場、コミュニティに相手にされない区政になってしまった結果、3副区長制度については、推薦及び支持した各派から批判が出ております。
 区民風車について、これも頓挫いたしました。これを含む環境基本計画については、エコドライブを含めて形骸化が懸念されております。区民活動センターについても、一斉実施はできません。NPO支援に至っては、予算削減、窓口やホームページも閉鎖されるという見込みであります。元気でネットも現在見直し中、行政評価については、PDCAサイクルの断絶があるということを、2年前に既に指摘をさせていただいたところであります。公会計改革については、4年間進捗はございません。待機児童の解消につきましては、我が会派の酒井幹事長から指摘させていただいた内容でありますが、潜在待機の現状把握さえされていない状況の中で、効果が出ておりません。起創展街会社というものも構想されておりましたが、今はほとんど存在感のないキャッチコピーとして使われているだけでありまして、まちのにぎわいフェスタというのも現在行われているようですが、ほとんどの方に知られておりません。こうした状況の中で、だれも知らない中のにぎわい、非常に疑問に思います。なかの里・まち連携についても同様です。区民のための連携は、いまだに不在であります。ほとんどの政策が空転し、改善が果たされなかったと言ってよいと思います。
 具体的には、その他の項で指摘することにいたしますが、今回示されました10か年計画の改定案で、財政再建1期目の成果として、私たち民主クラブとして評価していたものでありますが、今回、財政再建につきましても、振り出しに戻ってしまうことが確認されます。成果らしい成果は、ほぼなくなったと言えるのではないでしょうか。
 そこで、まず、行政評価と10か年計画の改定について伺います。
 行政評価については、2年前の予算、この場ですね――予特で私が、なぜPDCAサイクルが回っていないと言えるのか、具体的な事例を引き合いに出し、改善を求めたところです。その後、会派の見解としても、一貫してその課題を指摘し続けました。予算補助資料を見ると、この改善の兆しがいまだに見られません。現在、このことについて御担当としてどのようにお考えなのか、見解を伺います。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 2年前、その年度の、翌年度の目標値を定める際に、実績値、それから、21年度の見込み値という部分の見込み値の部分が検証されていない。その結果、22年度予算の目標値が信頼できるものではないというような御指摘を受けております。
 それにつきましては、当時、沼口副区長のほうから、精度を高める努力をしていきたいというふうな答弁をさせていただいておりますが、私どもといたしましては、22年度の目標値を定めるにあたりまして、20年度実績値、これは既に検証して評価をしてございます。それから、21年度の見込み値でございますが、これも経営的な視点から検証いたしまして、過去の実績値とかそれまでの経験値、そういったものを総合して22年度の目標値を定めているといったようなことでございます。
 したがって、改善がされていないということでございますが、そういったような中で目標値というものを定めておりますので、私どもとしては、適切な目標値だというふうに考えております。
○奥田委員 それは、残念ながら、行政の中での改善をしているということでありまして、今申し上げましたのは、このまさに予算を審査をさせていただく議会の側での状況の改善を求めたことについて、一切の改善が見られないということの指摘でありますので、そのことについてお答えください。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 先ほどの繰り返しになりますが、22年度の目標値につきましては、20年度の実績値、それに基づいた行政評価、行政評価を踏まえた事業改善方針、それを踏まえた各部の見直しを通じまして、21年度の見込み値、そういったものを出しております。それを踏まえて22年度の目標値を出しておりますので、適切な数値を示しているというふうに考えおります。
○奥田委員 この後段で、具体的にいかに機能していないかということについては、それぞれの御担当にもお伺いさせていただきながら、御指摘を進めさせていただきたいと思いますけれども、2年前に御指摘申し上げたのが、少なくとも補助資料の中に前年度の目標、これを盛り込むべきだということを申し上げました。今は、2年前の実績値、ことしの見込み値、これは目標との乖離がわからない。それで、来年の目標となっているんですね。
 結果が出ていないものについては、これも2年前に指摘したところでありますけれども、見込み値が非常に甘い数字で出るんですよ。要するに、昨年の実績と、一昨年の実績と来年の目標の間ぐらいの数字を無難にとっているというのがうかがえる。具体的に幾つも、後ほど事例としてお示しいたしますけれども、こういうことになるので、予算審査をする際に非常に手間がかかるんです。行政評価の結果を2冊、3冊と見て、この補助資料についても、現年度分だけでは全くわからないということですから、推移がわからない。改善傾向なのか、改悪傾向なのか、指標が適切なのか、読み取れないので資料として改善してほしいということを申し上げたんですね。そのことを御理解いただいた上で今の御答弁だとすれば、少なくとも今回、私としては前回期待していたところでありますけれども、最低でも前々年度、前の前の年の実績値の確定を載せて推移だけでも追えるようにするというのが、せめてもの御努力としてあったんじゃないでしょうか、いかがでしょう。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) そういった改善も図るということで検討してまいりました。実は、今回、施策総合評価の中で、行政評価につきましても評価の対象になりました。外部評価委員会も見直しを求められている項目もございます。今、御指摘があったように、見込み値について比較ができないということであれば、例えば20年度の中間値を1回出しまして、21年度の同時期の中間値を1回出すということで比較ができるような、そんなことも今検討をしてございまして、もう少しお時間をいただきたいというふうに考えております。
○奥田委員 その中間値の確定の比較をしてはどうかということも、2年前にこちらから御提案申し上げた内容でありまして、つまり、2年間かかってまだ検討中ということなので、ですから、残念ながらと申し上げながら、現状どうかと伺っているわけでありますが、今検討中ということでありますから、少なくとも次年度、予算の補助資料の中で改善をしていただきたいと思います。
 そして、できれば、可能であれば、今後の検討として、企業が四半決算を当たり前のようにやっていまして、今の段階で出る数字というのは、スリークォーター、4分の3の確定値を比較するんですよ。そうすると、75%のところで比較ができますから、見込み値、どれぐらいの数字が見込めそうかというのの乖離が、非常に角度の高い数字を出すことができるんです。少なくとも半期を出さなければ、後半がどう動くかということについてのぶれが大きくなってしまうので、せめて半期での予想をしてくれということを申し上げたわけでありますけれども、理想的には4分の3、予算の審議のときにスリークォーターの数字が出るような形にしていただくのが理想です。
 ですから、これについては、まさに検討事項としてやっていただきたい。半期については2年前に申し上げていることですから、速やかに実行していただきたい。この実行――これについては、もう2年前ですからすぐに実行していただいて、スリークォーターについては検討いただくということをお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) どの時点でその数値をとらえるかについても含めまして、検討していきたいというふうに考えております。
○奥田委員 来年度は、最低でも年度間の比較、前の前の年と前の年の比較ができるようにすること。それから、前年度の目標、見込み値がどうか、見込み値が目標に対してどうかというのがわかりませんので、せめて目標値も入れる。この二つぐらいはやってください。いかがでしょうか。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) そういった御意見も踏まえまして、検討させていただきます。
○奥田委員 行政評価、チェックの部分でありますけれども、予算補助資料の不適切な表現のために、今回のまさにこの予算の審査の中で、十分に生かすことができないという状況にあるということを、具体的にこれからお示しをさせていただきたいと思います。
 補助資料の105ページ、区民参加にかかわる部分でありますが、必要な区政情報を入手できるとする区民の割合。これは現在の、現行の10か年計画では、21年度の目標は47.6%、26年度には50%という数字が上がっておりました。実績値がどうなっているかと申しますと、行政評価の結果を見ますと、目標値が50%に対して実績値が28.5%です。要するに、10か年計画では、21年度に47.6%というものを目指していたものに対して、目標自体に少し上方修正をかけたと。上方修正をかけて、大幅に下回ったという結果なんですね。それで、21年度見込みが30%です。直近の行政評価結果で50%を目指すと出して、直近の見込み値が30%です。
 この見込み値30%が10か年計画、当初47.6%に対しての見込み値30%ですが、一たん行政評価の評価のときに60%に上方修正しているんです。60%に上方修正して、今回、予算審査になったら見込み値30%です。どうですか、あまりに目標との乖離が大きいんですよ。これが、今指摘申し上げた、せめて中間地点で把握しない、あるいは実績ベースで数字を追っていかないことで問題が見えにくくなっているということの具体的な事例の一つであります。しかも、新10か年――新しい改定案の中では、この指標が変更になっているんです。なぜ変えたのか、教えていただけますか。
○戸辺経営室副参事(広報担当) 今回の10か年計画の中で、当初、成果指標につきましては2点設定してございました。1年目が区政情報を十分に提供されていると思う区民の割合、それと、必要な区政情報を入手できるとする区民の割合、この2点でありました。区政情報が十分に提供されていると思う区民の割合の指標、それにつきましては、区政情報がサービスの利用、または区民参加の推進に役立っているかどうか、それを示す指標として設定したものでございます。
 ただ、区政世論調査の調査項目としてやってまいりましたが、平成19年度に世論調査から区民意識調査というものに変更になりまして、調査の内容も従来のものとは変わり、経常的に指標数値を把握できなくなったということがございます。
 また、サービス利用者や区民参加により活動している区民、そうした方を対象に意識調査をしなくてはいけないということになりまして、現状では、単独でそうした意識調査をするということは困難であるということから、一つの区政情報を入手できるとする区民の割合、その1本にさせていただいたという次第でございます。
○奥田委員 ちなみに、その変更になった二項目については、いずれも目標値は50%になっていたものが、実績ベースで20%とか30%という数値になっていて、今回、外されているんです。それで、新たにまた同じような目標数値、50%とか60%という数字が掲げられていて、極めて類似した内容で目標値がほとんど一緒。ただし、現行で掲げられているものについては、もう悲惨なぐらい数字が下がっている。調査対象の時点が一番よくて、どんどん下がっているという状況ですよね。一たんV字で回復はいたしましたけれども、目標からは半分しかいかないという状況。これについて、これは指標を変えたからといって、類似のこの2項目が参照できないような状況になると、比較できないんですね。参考値で結構ですから、極めて類似な指標ですので、ここの類似指標についてはいずれかの数字を残して、同じような目標ですし、参考という形で比較ができるように、新しい10か年計画改定の部分で反映させるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○戸辺経営室副参事(広報担当) 新しい10か年計画の成果指標でございますが、一応このほかに各年度ごとに行政評価に当たっての指標、それをもとに積み上げてございます。各年度の中で経過がわかるような形で対応していきたいと考えてございます。
 それと、もう1点、数字についていろいろ、目標値の乖離が激しいということもありました。今年度から、実は経年で、区民意識調査の中で全区的な調査ができないということから、区報、それからホームページ、それぞれの分野の中で単独でアンケート調査を図りながら、その中で区政情報を入手できる区民の割合、そうしたものを把握しようとしてございます。その点で、当初の世論調査による調査の数値と個別によるアンケート調査の積み上げということですので、若干数字的な開きが生じているということで、御理解願いたいと思います。
○奥田委員 この項は結構でございます。
 次に、補助資料204ページ、待機児の解消にかかわる部分で、同様の御質問をさせていただきます。
 待機児率で、現行の10か年計画では指標として示されているものでありますが、21年度には待機児率、これは待機児数も同様でありますが、ゼロ達成の予定でございました。残念ながら、年々この数字は悪化しております。つまり、待機児はふえているという状況です。これについては、先ほども申し上げましたように、我が会派の酒井幹事長から指摘いたしましたとおり、潜在の需要というのが既にあって、次世代の育成行動計画の後期計画をまとめる際のアンケート結果から民主クラブで試算をいたしましたところ、少なくとも1,000以上の不足があるという推計数字が出ました。つまり、これは行政として現在不足数というものに対して対応するという政策をやっていては、目標達成は到底無理なんです。結果として、率では平成20年度4.78%、21年度6.28%、これは目標が4%にもう既に下がっていますけれども、26年度0%目標となっています。人数については、144人から増加の一途です。来年減るのか、あるいはなくなるのかというような目標を立てられているかもしれませんけれども、潜在需要が仮に1,000あったとすれば、二、三百ふやしたところで、潜在需要が顕在化するだけで、五、六百の待機が出る可能性もあるということであります。まず、既に認識を持っていただきたいということは、民主クラブからも要求済みでありますけれども、潜在需要予測をされるべきではないかと思っておりますけれども、この点はいかがでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 待機児童の潜在的な数字の把握ということでございますけれども、これにつきましては、昨今の経済情勢によって急増しているわけでございますが、次世代育成支援行動計画を定めます際に、次世代支援アンケートを実施して潜在的な需要、特に1年以内に働きたいと答えていらっしゃる保護者の方の割合、それから在宅している、つまり、保育園にも幼稚園にも通っていらっしゃらない在宅のお子さんの人数、それに基づきまして、ある程度の推計はしてございますけれども、かなり予測としては難しいかなと。
 もう一つの数字といたしましては、4、5歳になりますと、ほとんど保育園か幼稚園に通うわけでございますが、5歳児の認可保育園の定数、それから、一番待機の多い1歳児の……(「端的にお願いします」と呼ぶ者あり)はい。定員の差というのがおよそ100人ということがございます。そういった数字を見ながら、潜在的な需要を把握してまいりたいというふうに考えてございます。
○奥田委員 潜在の需要については、まさに政策研究機構等で、実際どういう考え方をとるべきかといったことを含めて、挑戦的にやられるやられるべき項目だと思うんです。なぜなら、これについては、区長もマニュフェスト等に掲げられて、堂々と10か年計画でゼロにすると言ったんですが、明らかにこれは無理なんです。それについて、どうしたら解決するのかということが、今のような御答弁ではわからないと言っているのと同じですから、じゃあ、来年どれぐらいの待機になるかわからない中で、今ある需要だけはこたえていこうということにしか聞こえません。非常に不十分な内容です。ですから、この10か年、あるいは行政評価で示された数字、そもそも狂うのがわかっている数字だということも含めて、ここでは指摘をさせていただきたいと思います。この項は以上で結構です。
 次に、349ページ、図書館にかかわる部分であります。
 昨年の2定で、指標の改悪、悪くなっているという状況については、既に指摘をさせていただいたところであります。図書館の登録率、カードを持っている人の割合です。この登録率の重要性については、「重要だ」「なお重要だ」ということはお認めになってわけでありますけれども、指標自体は10か年計画からは落ちている、あるいは変更になっている。そして、行政評価に至っては、項目から削除になっているんですね。重要だと言っていることについて削除になっているのでは一貫性がない、あるいは何らかの意図を感じてしまいます。この指標について、復活をさせるべきというお考えはありませんか。
○小谷松教育委員会事務局中央図書館長 図書館の指標でございますけれども、これまでの利用登録率から区民一人当たりの年間使用、貸し出し冊数ということに切りかえた。これにつきましては、要するに図書館としての運営の施策、それが、先ほど来、委員いろいろおっしゃっていますけれども、要するに施策の成果としてきちんと反映できる、そういうものとしてやはり指標というものを設定し、それに向けた努力をしていくということでございます。したがいまして、今回、10か年計画、あるいは予算の中でそのような指標を活用させていただきました。
○奥田委員 前回の定例会でも、変化がなかなか見れないので10か年計画の指標としては変更する、こういった旨の御発言があったわけでありますけれども、既に私が事業評価と同じような方法で現場に足を運んで調査をした結果、この指標自体が現場に伝えられていなかったということも、既にわかっているわけです。改善ができるかできないかの検討さえ行われていないという状況の中で、改善できないんだから指標として外すというのは、答えにならないんですね。それでもなお、この指標について変更するということが適切な判断だとお思いですか。端的にお答えください。
○小谷松教育委員会事務局中央図書館長 今、図書館の現場は委託しておりまして、事業者の方々にやっていただくわけでございますけれども、事業者の方々にも、今、委員お話しになりましたけれども、御指摘いただいた上で、全事業者のほうにきちんと周知をさせていただいたところでございます。
 指標につきましては、やはりきちんとその努力の成果といいますか、図書館として一生懸命努力をする、それがどういうふうに成果に結びついているのか、上がっているのか下がっているのか。それをきちんと分析して次の施策にステップを進めていくというのが、先ほど来、委員おっしゃっているとおりだと思いますけれども、それに基づく成果指標というものを活用させていただきたいと思ってございますので、今回のこの変更をさせていただいたというものでございます。
○奥田委員 現場にも伝えて、改善努力をしていくということでありましたけれども、残念ながら、行政評価からも、10か年計画からも、今申し上げました登録率、なお重要だとおっしゃったこの登録率が、数字としてもうないんです。要するに、目標としているものではなくなったにもかかわらず、どうやって目指すんでしょうか。議会にも、この数字はもう示されないわけですよ。示していないものを、現場にだけは届ける、議会には報告しない、そういうことになるわけですか。
○小谷松教育委員会事務局中央図書館長 区民の利用登録率というのは、これは委員御案内のとおり、ほとんど変化がございません。ある意味、非常に安定した値をとってずっと推移しているというものがございます。しかしながら、だからといってそれでいいというものではございません。できるだけ掘り起こしをしながら、その利用登録率の向上に努めるというのは大切なことだと思ってございます。ただ、それが敏感な形で我々としてキャッチできるというものではございません。
 しかしながら、一つの施策として、この利用登録率を上げるという努力はしてございます。特に子どもを対象とした形で読書好きの子どもに登録してもらいながら、それがずっと生涯を通じて継続されるような取り組みということで、例えば、中野区民の平均的な利用登録率というのは20%ちょっとでございます。しかしながら、10代の子どもたちの登録率というのは44%というふうになってございます。かなり我々としても、そういった意味で、学校と連携を図りながら利用登録率の向上を上げているんですが、ただ、これは少しずつ年代が上がってくるに従って、ほぼ一定の割合に推移しながらずっといくというのが一般的な傾向でございまして、そうはいっても、そういった意味での努力は続けていきたいというふうに考えております。
○奥田委員 ちなみに、この登録率については、16年度に22.1%だったものが、17年度に21.6%、18年度に20.8%、19年度に20.1%、これは21年度の目標が25%なんですね。どんどんどんどん乖離が出ていっている。これも既に指摘済みですけれども、この数字、ちなみになんですが、既にわかっているところで、20年度の実績値、それから21年度の見込み値は幾つになっていますでしょうか。
○小谷松教育委員会事務局中央図書館長 20年度の実績値は、前年度の19年度、20.1%に対しまして20.3%と、若干、0.2ポイントですけれども、上がってございます。なお、今年度につきましては、まだ年度途中ということで、数値のほうは出してございません。
○奥田委員 つまり、指標から落としたので見込み数字を持っていないということですか。
○小谷松教育委員会事務局中央図書館長 数字としては、いつも年度末にその数字を統計してございます。今年度はまだ途中でございまして、年度末比較ということでは、まだその数字は出していないということでございます。
○奥田委員 今、まさにおっしゃったとおりなんですよ。指標から落とすと――ほかの指標がある部分については見込み値を出しているんですよ。指標から落とした途端に確定値待ちになっている。つまり、政策目標から外されているというふうに理解されても、これはもう仕方ないですよ。実績値待ちじゃないですか、今のお答えは。違いますか。
○小谷松教育委員会事務局中央図書館長 先ほどお答えしましたとおり、なお、この目標につきましては、我々としても努力を重ねていくということを申し上げました。ただ、数値としてはまだ年度途中なので出ていない。努力の具体的なやり方としては、先ほど申しましたとおり、できるだけ児童・生徒、子どものときから読書好きの子どもを育てながら、それができるだけ将来にわたって継続するような、そういう一つの政策といいますか、そういうものを掲げながらやっていると。具体的な行動としてはそういうふうなことをやっているということでございます。
○奥田委員 ぜひ、この指標については、少なくとも行政評価に戻すべきです。そのことについては御検討いただくといたしまして、現行の変更された指標について、若干ですけれども御指摘させていただきますと、新しい目標についても、既に上方修正に無理が来てきまして、本年度見込みが目標を既に下回るというような予想をされていますね。6.5冊を目標にしていて、6.4冊が見込みなんですね。それで、来年度の目標は横ばいで6.5冊というふうに、要するに下方修正が明らかなんです。これは下方修正なんですよ。長期的な目標については、26年度は6.8冊、31年度については7.3%というふうに上がっていく目標を立てているんです。これは横ばいが続きますよというのを来年度に出してしまったら、もうこれはだめなんですよね。
 それで、言いたいのは、目標の変更についての不適切、しかも、新しく掲げたものについても既に乖離が出ている。こういった非常に無理の出やすい成果指標の立て方に問題があるということであります。ここをしっかりと定めなければ結果は出ない。このことを、繰り返しになりますけれども、ここを外してしまうと、政策目標というのは結果が出ません。
 一つお言葉を御紹介させていただきます。物流会社で経営コンサルティングの権威のゴールドラットさん、TOC、制約条件理論の博士でありますが、その方が『The Goal』という著書の中で、「あなたが私をどう評価するか教えてくれれば、私はどう行動するかあなたに教えてあげます。もしあなたが理屈に合わないやり方で私を評価するなら、私が理屈に合わない行動に出ても驚かないでください」。これは、つまり何が言いたいかといいますと、目標に対する成果及び指標の設定が不適切になっていると結果が出ない。つまり、職員も、あるいは区民の方も十分に期待どおりに動いてくれない、あるいはこたえてくれないということなんです。このことをぜひ、指標が簡単に変えられるということについて、極めて軽々しく扱われているということが非常に心配でございます。
 やみくもな目標や政策判断の変更、これは優先順位が極めて大事でありまして、登録率向上をまずは優先すべきです。やみくもに冊数を目指していくということについては、もう既に無理が来ている。このことを指摘させていただきまして、指標の改悪のうち――実は、今、具体的に示させていただいたものは、10か年計画の中で改悪指標、悪くなっている指標のうちで、改定案の中で削除、または変更になっているものの一部なんですね。つまり、これについては、見方によっては改善しないで数字を入れかえてしまったとふうにも見えてしまう。これは非常に残念な取り組みに見えてしまいます。指標をよくするために入れかえているというふうに読まれても仕方がないんですよ。今のような、中身を見ると非常にずさんな状況ですから。いかに行政評価が形骸化していて、10か年計画、このタイミング、不誠実な形で行われているかがわかると思います。このことについて、区長から御所見いただければお答えいただきたいと思います。
○田中区長 評価改善を常に繰り返しながらということでやっているわけです。目標もまた、その目標の設定の仕方などについても、常に見直しをしながらやっていかざるを得ない、こういうことだと思っております。そういう中で、目標を見直す、また、成果指標のあり方を見直す、そういうことも出てくるというふうに思います。
 委員が言われたように、数字が下がっちゃって成果が上がっていないから、目標そのものを変えちゃうんだという、そういうことではやっぱりいけないとは思いますけれども、事業全体をどういうふうに組み立てていくかという、全体の中で判断をしていただくしかないと思っています。
○奥田委員 その他の項に移らせていただきまして、当初予算案の概要についてであります。基準となる一般財源規模についてであります。670億円から650億円との下方修正についての説明の不十分さについては、既に他の議員が指摘済みでありますから、ここでは飛ばさせていただきますけれども、後半7年間、25年度から31年度についての問題について御質問をさせていただきます。
 一般の財源規模、年度で平均いたしますと、685億円、財政調整基金の繰り入れ状況、これは、43ページの説明では650億円に満たない場合は、その不足分を繰り入れるとありますけれども、超える見込みで、この年度間ずっと超えるという予想の中で、74億円、つまり、年度で10億円以上財調が減っていくというような数字になっているんですが、財政調整基金の後半の7年間の繰り入れの状況はどうなっているんでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 10か年計画の第4章でお示ししてございますけれども、財政調整基金の繰り入れにつきましては、第4章、192ページでございますけれども、財政調整基金、ステップ1で繰り入れが102億円、第2ステップで77億円、第3ステップで24億円、第4ステップでは43億円という形で、計画上では示しているところでございます。
○奥田委員 お伺いしたいのは、650億円に満たない場合は不足分を繰り入れるという説明があったにもかかわらず、一般財源規模が685億円程度が想定される時期に繰り入れがされていることになるのかならないのか。なるとすれば、これはどういう意味なのか、御説明ください。
○志賀政策室副参事(予算担当) 予算編成を行っていく過程の中におきまして、平成21年度の4月の段階においては、標準財政規模670億円と定めてきたところですけれども、平成22年度の予算編成をしている段階におきまして、一昨年のリーマンショック以降の経済状況の悪化、こういったところの状況を踏まえて、一般財源規模を650億円としたわけですけれども、急激な財政状況の悪化に伴いまして年度間の調整をせざるを得ない、そういったような状況にある……
○奥田委員 御答弁ください。
○志賀政策室副参事(予算担当) 650億円の一般財源規模を設けているわけですけれども、それを、歳入が下回った場合には財政調整基金の年度間調整を繰り入れ、また、一般財源規模の650億円を上回った場合には基金を積み立てるといった財政フレームを、10か年計画の中でお示しししたものでございます。
○奥田委員 ですから、670億円のままであれば、まだ理解のできる数字ですけれども、650億円というふうに改めた上でこの数字を見てしまうと、繰り入れ自体は説明と整合がとれないので、どのような説明をされるのか、あるいはどのように理解したらいいのかということをお尋ねしているので、もしこれに間違いがあるのなら、670億円のままでやっているのなら、そう言っていただきたいですし、もう少しわかる形で御説明いただけませんか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 年度間調整の部分につきましては、施設の整備、退職金の見合い、それから年度間調整、その三つが主なものとして考えられますけれども、それ以外におきましても、特定目的基金で対応できない部分につきましては、財政調整基金の繰り入れを行うといったものでございます。
○奥田委員 残念ですが、結構です。
 財政フレームについて伺います。今の御説明で、今後10年で財調が底をつくと。つまり、142億円程度ダウンするということであります。区債残高については、ほぼ横ばいで10億円程度の減でありますから、実質的な財政に対する賦課は、今後10年で130億円程度が見込まれるということであります。つまり、年度の財政の不均衡が13億円程度であるということが見込まれるわけであります。少なくとも、後半の7年間、フレームについて824億円程度予定されておりますが、この13億円の乖離を見て、110億円程度に絞るべきではないでしょうか、いかがでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 現在の財政状況をもとに、これからの10年間の財政フレームを算定しているものでございますので、特に変更する必要はないというふうに考えております。
○奥田委員 つまり、財調が底をついても平気だと、今、そうお答えになったことになってしまいます。だからこそ、先ほど冒頭で、財政再建についても振り出しに戻ったというふうに申し上げたのは、まさにここのことなんです。
 新規投資で、後半7年間については137億円予定しているんですね。この137億円は何かといいますと、10か年計画を実行するための予算なんです。つまり、本来であれば、こうした経済状況の変化の中で、10か年計画については、計画の先送りではなくて規模の縮小、あるいは政策的な選択の中で、主の選択、幾つかやるやらないを決めなきゃいけない、こういう状況だと理解すべきなんです。新規投資についても、こういった環境の中で、年度間、今137という数字になっていますけれども、125億円程度に新規投資を抑えるべきではないかと考えていますが、いかがでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 先ほども御答弁したとおり、現在の財政状況のもとでの財政フレームを検討して、結果としてお示ししてございますので、現段階において変更する必要はないというふうに考えております。
○奥田委員 本当に、この10か年計画の改定の素案から案に変わる際に、さまざまな事業、例えばすこやか福祉センターとか地域事務所の整備とか、いろいろ先送りになったんですね。先送りになったことで、財政的な負荷が後ろに、しわ寄せになっているんです。この資料に出されている基金残高のグラフは、後ろの7年間が全部パックになっていますから、あたかもなだらかに減っているように、グラフ上は見えますけれども、実は急激に減っているんです。当然、当局はおわかりのはずですけれども、これを見てしまうと、要するに3期目の――区長は目指されるというお話ですから、3期目は何とか財政はもつけれども、引退されるころには財政は知らないよというふうに書いてあるとしか見えないんですよ。このことについては、当局ではもうお答えできないと思いますので、ぜひ区長に――これは区長が決めていることですから、区長にぜひお答えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○田中区長 10か年計画の財政フレームということですけれども、10カ年運営していく中で、一番厳しい財政運営ということを想定したフレームで見ているということであります。その運営している途中の中で、またさまざまな財政運営、あるいは政策の変更といったようなことも生じ得るわけでありまして、現時点の10か年計画としてはこれでいいというふうに思っています。
○奥田委員 100年に1回の経済不況というふうに、メディアでは言われておりますけれども、これは10年に1回ぐらい来るんですよ。例えば、私が就職活動をしておりましたころには、山一証券が倒産したんですね。あのころも非常に大きな経済不況だ言われていて、就職氷河期とも言われておりました。スピード感とかグローバルな連動性という意味では、若干の違いはありますけれども、これは100年に1回なんていう数字じゃないんですよ。まさに十数年に1回は、こういったものが来るんです。この10か年計画を新しくつくった中で、ようやく一息ついたというころにもう1回来る可能性だって十分にある。つまり、こんな積極財政じゃもたないんじゃないですかということを心配して、だんだん景気がよくなるという読みは甘いんじゃないですかということを含めてお伺いしているんです。区長、いかがですか。
○田中区長 一定の前提を置いて将来を見ないと、見通しというのは立たないものですから、どこでこういった経済危機が訪れるかなんていうことは、予測することは難しいですから、そういう意味では、政府の経済見通しにしても、どこの自治体にしても、同じように一定の見通しをまず前提として置くものだと、そういうふうに思います。
 この10か年計画の中でとにかく大事なことは、経常的な支出の幅を一定の中にきちんと抑えていくと。投資をする計画は計画としてあるという、これは私は、将来を見て必要な事業をやらなければいけないと思っていますけれども、そういうことができるようにしていくために、経常的な支出というものをきちっと抑えていくと、こういったことも大事だということを繰り返し申し上げているというようなことであります。そういうこと全体を組み込んだ財政運営というふうに考えていきたいと思っています。
○奥田委員 区長さんは経済の専門家ではありませんから、これ以上申し上げても仕方がないと思います。私は、少なくとも証券アナリストでありますので、一定の見識を持ってございまして、少なくともサイクルというものがあって、このことについては、ある程度見込んでおくというのが経済的な常識――そんなことよりも、区長さんがそういったことについて見識が十分にないということが心配されるわけです。そのことも含めて、この見込みについてはかなり甘いということを指摘させていただいて、この質問については終わらせていただきます。
 次に、2番目です。教育行政における責任について、お伺いをいたします。
 公教育においては、教育格差をなくしていく、あるいは基礎学力をしっかりとつけていく。このことが一番の使命であると、私は考えております。小学校の教員の61%が、「教え子は教科書の内容を8割以上理解している」。こう考えているのに対して、実際は、8割理解している子は20%にも達していない。あるいは4割から5割程度の児童、つまり、半分程度しかわかっていない児童が41.4%いるというのが実態。これが中央教育研究所の調査結果で出ております。一方で、ベネッセの調査では、45%の生徒は既に塾、通信教育等で、授業の内容についてあらかじめ既にわかっているという状況も、一方ではあるんです。これは極めて二極化傾向が示される数字なんですね。半分は授業前に既にわかっている、そして、半分が授業後もなお5割程度しか理解できていないという数字が一定の報告として出ている。中野の実態も同様ではないでしょうか。
 例えば、私の地元になります南中野中学校、この「芽吹き」という報告書の中で、数学の結果の分析というのが出ているんです。「2、3年生の約40%の生徒が、計算力を含めた基礎的な内容を完全に理解していないことがわかります」。こうあるんですね。まさに数字としては符合するなというところでありますけれども、ここの問題については、行政として、今置いている政策的な指標では結果が出ないということを、ぜひ区長並びに教育長に理解していただきたいんです。
 これからの中野の教育検討会議の報告の中で、私が従前提案をさせていただきましたミニマムスタンダード、この考え方が盛り込まれました。このことについては高く評価をしております。まず、このミニマムスタンダードの考え方、実施のあり方、今後の取り組みについてお伺いさせていただきます。
○喜名教育委員会事務局指導室長 これからの中野の教育検討会議の報告で、ミニマムスタンダードのことが出てまいりました。学力向上の取り組みについて、今後、教育委員会の中で具体的に協議される予定でございます。特に、仮称でございますが、ミニマムスタンダードについても議論いたしまして、取り組みの方向性が示される予定でございます。いずれにしましても、各学年で確実に身につけるべき内容を明らかにすること、さらにその内容をすべての教員が確実に教えるということが大事でございますので、今後、研究・実践を深めてまいりたいという所存でございます。
○奥田委員 ここで、そうしたミニマム、最低保障をしっかりとしていくための具体的な取り組みとして、ぜひ教育長並びに指導室長にもしていただきたいこととして、『学び合い』の取り組みを御紹介させていただきたいと思います。
 『学び合い』と、あえて括弧をつけているのは、学び合いの取り組みには幾つか種類があって、今回御紹介させていただきたいのは、上越教育大学の西川純先生が提唱されているものが、『学び合い』と呼ばれているために、こう表現させていただいているものであります。
 先日、横浜市立日限山小学校に他の民主党の地方議員とともに視察をしてまいりました。『学び合い』の授業では、教師は学級の経営者に徹しておりまして、先生は授業の際、生徒の邪魔をしない。適切な評価をするだけで、ほとんど主体として動くことはありません。ただし、最初に一人も見捨てない。全員が課題をできるようにすることがみんなのゴールだということを、しっかりと子どもたちに伝えます。
 そして、先ほど申し上げました、45%の子どもが授業に入る前に既にわかっている。そして、授業が終わってもなお半分以上がわからない状態で終わっている一斉授業に対して、この授業では、既にわかっている子どもたちが、どうやったら友達がわかるようになるのかというのを必死で考えて、与えられた時間の中で――最初に既にわかっている子どもたちは、10分から15分程度で問題をクリアしてしまう。残りの20分から30分で一生懸命友達に教えるんですね。その中で、先生が思いもよらなかったような教え方、あるいは解法を見つけ出す。このやり方で非常に重要なのは、一斉授業は本当に真ん中の子だけを相手にしていて、既にわかっていて余裕がある子には退屈、ちょっとでもわからない状況が積み重なっている子については非常につらい時間、一斉授業の弊害というのはまさにそこにあって、この授業のやり方というのは、先進国では既に日本と韓国ぐらいしかなくて、ただ、残念ながらまだ民主党政権になっても、改善の方向では動いておりますけれども、一斉授業の形式は続いているわけです。
 ぜひ、この取り組みの中で、一人も見捨てない実践ということが、現に急速に日本の授業の現場で広がっております。生徒同士が学び合う、あるいは教え合うというこの取り組み、これは全員による個別指導といってもいいと思います。時間とともに、先生がどんどんふえていくようなイメージなんですね。
 コミュニティスクールというのを、私は繰り返し御提案申し上げましたけれども、これは、問題を解決していく。当事者、解決者の数をふやしていく。これをねらったものとして御提案申し上げたんですけれども、解決者の最大化をねらっていくためには、この『学び合い』の取り組みというのは、非常に有効だというふうに感じております。教師がわからない生徒をなくす、残り時間があと何分だよ、こういう注意の喚起をする。あとは、全員がわかるようになったかということを評価のポイントにすることで落ちこぼれを限りなくゼロにしていく、こういう取り組みです。
 多様な解法の発見、コミュニケーション力の向上、落ちこぼれをなくすことに効果を発揮しています。教科領域で活躍できる児童・生徒が変わる。例えば7時間で到達する目標を持っている単元について、5時間もあれば十分にこの方法でクリアできる。こんなお話もいただきました。落ちこぼれをなくすこと、これは公教育の最大のテーマであります。ぜひ参考にすべきと考えますが、いかがでしょうか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 御指摘いただいた上越教育大学の西川教授の『学び合い』でございますけれども、それについては、もう既に各教員が授業デザインで対応しているところでございます。例えば45分の一斉授業の中でも、15分間の個別指導の場面をつくるとか、または隣の子どもと一緒に考えていくとか、ノートを交換するとか、多様な解決方法を出し合うとか、既に実施をしているところでございますので、改めてこれを導入していくということは、拙速ではないかなというふうに思っております。
○奥田委員 急な取り組みで、いきなり導入ということについては課題もあると思いますけれども、まずは、指導室長が現場に足を運んでいただいて、どういったものか知っていただく、あるいは検討可能なものかどうかということをぜひ知っていただい上で、可能性を模索していただきたいと思います。これは要望にさせていただきますので、答弁は結構でございます。
 それから、公教育の中で、落ちこぼれをなくしていく、教育格差をなくす、基礎学力をしっかりつけていくということについて、仕組みの上での改善、あるいは指標の上での改善というものも大切であります。そこで、仕組みの改善の1案としてぜひ知っていただきたいのが、私がコミュニティスクールの事例で御紹介させていただいている和田中の中で、今回、地域本部の土曜寺子屋、通称「どてら」というふうに現場では呼んでおりますけれども、この取り組みの中で、落ちこぼれをゼロにしていくという取り組みが新たに始まっております。教材にスモールステップの考え方を取り入れました、自学・自習による教材、ここではラクダ式という――そんなに有名ではないんですけれども――スモールステップで少しずつ学んでいける教材です。これを導入いたしております。週1回の取り組みで、確かに習熟を深めるという意味では課題もありますけれども、改善に向けた非常に効果の見込める取り組みだと思います。
 あるいは、私は今、児童養護施設の学習ボランティアを派遣する事業をするNPOにかかわっているんですが、その団体も、単に今の学年を一生懸命教えるというでは結果が出ないという課題にぶつかって、私も一緒に関西に視察をさせていただいて、解決する方法がないか、仕組みとしての改善ができないかということを一緒に研究をさせていただいているんですが、その中で、公文式等で学習支援の取り組みを検討していくということを具体的に始めようとしています。これは他の会派の方も、公文式は世界的に評価されている、こんな御紹介があったかと思いますけれども、世界的に評価されているのは、日本の一斉教育ではなくて、公文式なんですね。要するに、一斉教育をまねしているところは、今は韓国しかないんです。ですから、最低保障をしていく、この際にスモールステップで結果を出していくために、一番、困難な状況を抱えている児童養護施設で成果を出している、あるいは成果を出そうとしているこの取り組みについても、ぜひ知っていただきたいと思うんです。
 虐待、経済的な環境により、自己肯定感を持つことが非常に難しい、そんな子どもたちがいっぱいいる児童養護施設です。そんな彼らに30分後には成功体験を提供できる、そんな仕組みになっています。スモールステップで着実な理解と習熟を期待することができている。ぜひ、この取り組みについても知っていただきたい。
 共通するのは、習熟度別学習などの学年相当レベルでの難易度を分けた指導では、今の二極化傾向では十分改善できないんです。無理なく理解できる水準からの挑戦を支援する対策が、ここで必要になっていると私は考えます。多くの子どもたちが、児童養護施設では2学年下からスタートして、現在ではほとんどの子どもたちが学年相当の計算力を身につけている、こんな状況でした。ぜひ、このことについても知っていただきたい。
 ラクダ式、あるいは公文式、別に教材を限定するつもりはありませんけれども、スモールステップによる理解、習熟の仕組みや教材の導入をぜひ御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 先ほどもお話をいたしましたけれども、教員の授業デザインの中でそういう時間をとっていったり、また、学校の教育課程の工夫として、朝学級等の中で、そのような取り組みをもう既にしているところが多くございます。また、議員のお話のございましたスモールステップでということでは、学年をすべて取り払った形での教材などをつくって実践している学校もあるようでございますので、そういうものも紹介してまいりたいと思います。
○奥田委員 ぜひ御検討いただきたいと思います。
 そして、仕組みの改善の二つ目でございます。その際、時間の捻出については十分な工夫が必要であります。杉並区の和田中学校、ここでは5分間の短縮授業という形式をとって、時間の捻出をしております。和田中では、1時間ふやすというような取り組みをしていますが、例えば5時限で5分ずつ確保すれば25分、25分確保できれば、毎日モジュールな形で授業――自分のレベルに合った習熟を重ねることが可能になります。広島の土堂小学校、ここでは具体的にモジュールの取り組みを始めております。もちろん中野でも、朝の読書時間とか、さまざまな個別の実施というのはありますけれども、まさに一斉授業の弊害を解消する取り組みとして、読み・書き・計算等のモジュールの授業で、徹底した自主学習支援の取り組みを全区的に行っていただきたいと思うんです。そうした仕組みづくり、時間を確保する仕組みづくりについても御検討いただきたいんですが、いかがでしょうか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 時間を捻出する方法で、先ほど御提案いただきました、例えば中学校の50分授業を45分にするとか、小学校の45分授業を40分にするとかということにつきましては、1単位時間がそれぞれ45分、50分となっておりますので、時間の調整が大変必要になってまいります。そういうことは必要がないということで、朝学習等で、今の話ししたようなことをやっていただいているところでございます。
 また、時間割の弾力的な運用ということで、例えば小学校の1年生なんかでは、45分の中を30分と15分に分けて、15分の中で基礎・基本の徹底を図るとか、個別指導に当てるなどの工夫をしているところでございます。
○奥田委員 さまざまな取り組みの中で工夫を重ねていただいて、目指すべきところをしっかりととらえていただいて、施策をしていただければ結構でございます。例えばこういった取り組みもあって、その方向で動いていただきたいという、これは御提案でございましたので、しっかりと授業デザインの中、あるいは取り組みの改善の中で実践をいただければと思います。
 さらに、御質問をさせていただきます。先ほど、学力の二極化傾向の把握と指標の改善をすべきではないかということについて、御指摘をさせていただいたところでありますけれども、10か年計画では、学力水準、これを上方修正しているんですね。つまり、さまざまな分野ごと、観点ごとの到達目標が既に10か年計画の目標を超えたということで、上方修正されている。これは一見すばらしいことだなというふうに思うんですが、落ちこぼれをつくらないといった視点で見た場合には、残念ながら不十分です。現在の学力調査の方法は、観点別の通過率が目標になっています。現状では、一人ひとりの子どもの達成状況、これを一覧的に把握することは、残念ながらできません。先ほどの南中野中学校の状況の報告については、文章でそういったことが示されているだけで、グラフではそのことはうかがい知ることはできません。学力調査において、まず、この二極化傾向を把握できるよう改善していくべきだと私は考えているんですが、いかがでしょうか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 区の指標でお出ししておりますのは、区全体の指標ということでございますけれども、御承知のように、この区の学力テストの結果につきましては、お一人お一人に個票をつくっておりまして、それをもとに個人面談等で丁寧に御説明をしております。また、学校も、それぞれの授業改善等で、子どもたちに対して丁寧に対応していくということを進めているところでございます。
○奥田委員 この中野区独自の取り組みについては、意味のある取り組みなんですね。意味があるんですが、残念ながら大切な部分が――大切な部分を補っていただきたいという趣旨で申し上げているんです。非常に意味がある取り組み、しかし残念ながらというところでありますので、ぜひ、成果指標の中に中野のミニマムスタンダード、これの達成率をぜひ盛り込んでいただきたいんです。これをぜひ10か年計画の中にも入れていただきたい。そうでなければ、真ん中ぐらいのちょっとよくするというのが目標になっちゃうんです。そうではなくて、中野の公立に行ったら必ず全員しっかりと面倒を見るんだという、これを成果指標に入れていかなければ、どんどん私立に流れてしまう状況はとまりません。ぜひ、成果指標に中野のミニマムスタンダードの達成率、これを入れていく――言葉はどうなるかわかりませんけれども、もう明らかなんですね、正規分布、つり鐘型で一人ひとりの分布がなっているんではなくて、高得点を取っているグループと、非常に得点が伸び悩んでいるグループと、三角になっているんですよ、分布の状況が。それで平均点がどうという話になったら、真ん中と上の子をちょっと改善することで平均点を上げるという努力になってしまうんです。ですから、しっかりと見ていくということが、現にできる方法もあって、ぜひ取り組んでいただきたいと思いますので、このことについては、ぜひ前向きに御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 先ほど委員からもお話がございましたけれども、この成果指標につきましては、教育委員会が設定いたしました目標値に達したお子さんの割合でございますので、それを上げるということは、いわゆる平均点を上げるということではなくて、達成をしている形の数を、割合を上げるということでございますので、基本的にはいわゆる下の部分のお子さんたちを持ち上げていくというところでございます。ただ、いずれにしましても、どの成果指標にしても、若干の理解の、そういうお子様たちがいるということで、そういう意味では、先ほどお話をいたしました個別指導ですとか習熟度別指導、少人数指導等で対応していくということでございます。
○奥田委員 ありがとうございました。
 この項の最後に、こうした教育政策についても、高い結果を出していくためには、実は実際の自治体の長の決意が非常に大切であります。まさに市長、あるいは区長が決意を持って臨んだことによって結果が出ている事例は多くございます。
 例えば、先日テレビでも報道されました大分県の豊後高田市、永松博文市長の取り組みで、「学びの21世紀塾」、平成14年からスタートしているものでありますけれども、地域の施設で退職校長のボランティアが指導する、あるいは幼稚園から中学校3年生を対象にして、月曜日から金曜日まで毎日面倒を見てもらえる。主婦、あるいは商店主が講師になったり、ケーブルテレビ講座で中学校3年生向けに受験対策ができるような取り組みも、新たに始まるようです。このことについては、首長の決意がなかったら、これは絶対無理なんですね。結果、今どうなっているかといいますと、県内ワースト2だった学力結果が、昨年は断トツでトップに上がっているんです。これは偶然だとかほうっておいても直ったというものではなくて、まさに首長の決意が結実したものなんです。
 あるいは愛知県の犬山市、石田芳弘前市長、現在は民主党の代議士になっております。基礎・基本、この徹底の指導をする。あるいは校長の裁量による少人数指導、学びの共同体という形で、先生同士が一生懸命学び合う。どうやったら子どもたちに成果が出せるかというのを一人で考えるのではなくて、先生同士が一生懸命学ぶ。あるいは子どもたち同士の共同学習という形で、それぞれが役割を持って、先ほどの『学び合い』と少し似た形ではありますけれども、お互いに学び合う。あるいは副教材を自主的につくっていく。こんな取り組みの中で高い成果を出している。
 あるいはお隣の杉並区の山田宏区長。みずからの責任で教員を養成していくんだ、こういった決意のもとで杉並師範塾というのを設けて、教育の水準を人的に確保していこう決意、取り組みが見えます。教育格差をなくす、基礎的学力をつける、この取り組み――ぜひ中野区でも、区長の決意があれば、必ず変わると私は思っています。
 しかし、残念ながら、個別の取り組みで、中野区では学校再編、耐震化といったハード面の取り組みが目立っている一方で、独自の学力調査、これは評価していますけれども、教育格差をなくす、基礎学力、基礎的な学力をつけるための調査としては、今申し上げたように不十分なままですし、中野区の教育ビジョン、あるいは実行プログラムの重大プロジェクト、これは区長が1期目のときにつくったものですよね。重大プロジェクトについては、18年度から20年度の3か年計画でした。もう終わっているんですよ。新しい教育ビジョンがまだできていない。この中で、今現在、空白なんです。現在の教育ビジョン、実行プログラム、ともに区長1期目の取り組みのままでとまっていて、2期目は3期目の準備のみ、こう言われても仕方がない状況ではないでしょうか、いかがでしょうか。区長の教育行政の無関心による不作為の責任について、御所見を伺いたいと思います。
○田中区長 独自の学力調査に基づいて、教育委員会もさまざまに指導のあり方を工夫する。学校の現場でも、教育マイスター制度というような、教員の資質向上のための取り組みをさまざまに取り組んでいる。そうした結果として、着実に学力が数字で向上している、数字にあらわれた形でも向上していると、そんなふうに思っておりますので、これまでの取り組みそのものを、そんなに悪しざまに言われなくてもいいかなというふうに思っております。
 体力向上プログラムも着実に数字が出ているというようなこともありますし、これから先のことを見ると、やはり、一つはわからないというお子さんを出さない努力をするということが大事だということ、これはあると思っています。あと、もう一つ大事なのは、中野の教育の中からとてもすぐれた人材が養成されると、そういったようなことも大事だなというふうに思っているところです。
○奥田委員 これは区長が教育の分野について、私たちの2期目の選挙の推薦の中でお話しさせていただいたこともありますけれども、教育行政については、教育委員会で、政治がそんなに介入しちゃいけないんだというようなことがあって、マニュフェストの中でもほとんど触れていないということについて、ぜひもう少し関心を持っていただきたいというのは申し上げたと思うんです。確かに関心を持っていただいている、そして数字としてもあらわれているということは、一定理解はするんですが、ぜひこの取り組み、ボトムに視点をしっかりと今移していただいて、真ん中をよりよくするとかということになりかねないんですね、今の数字の、指標を今、上方修正することで、そういう改善になりかねない。ぜひそういったことも含めて御検討いただきたいと思います。このことについては御要望にさせていただいて、次の項に移らせていただきます。
 最後に、その他の項であります。区長の「つぶやき」についてということで、御質問をさせていただきたいと思います。
 まさに、区長のつぶやき、ひとり言についてお伺いをさせていただきたいんですが、近年、ツイッターというサービス、インターネット上で、日本では「つぶやき」というような表現でされております。実際には「つぶやき」という訳が正しいかどうかはともかくとして、この間、区長が、例えば事業仕分けについて御批判をされる、行政評価、国も見習っていただきたいというようなことをつぶやかれた。あるいは、政権党の幹事長を批判されて、非常に私はびっくりしたんですが、こういった、報道ベースでおっしゃっているということでありましたので、非常に。ひとり言であればという期待感を含めて――ただし、マイクに向かって議事録も残るような形でつぶやかれておりますので、聞かされる側の区民としては極めて迷惑なんですね。
 ぜひ、こういった内容については、当事者に言ってほしいんです。例えば事業仕分け、文句があるんだったら、蓮舫さんもツイッターをやっていますから、蓮舫さんに直接つぶやいてみたらいいんですよ。あるいは政権党について批判をされたいということであれば、鳩山さんもやっていますよ。鳩山さんに見習ったらいいとか、幹事長についてどうだということをおっしゃったらいいんです。全然聞こえていっていないですよ。ひとり言をおっしゃっているようなことで、区民だけが聞かされているというのでは、非常に残念な思いをするんです。ぜひ、こういったことを含めてツイッターの活用を御検討されてはいかがでしょうか。
○田中区長 ツイッターというのは、150字とか200字とか……(「140」と呼ぶ者あり)140字、字数の制限も非常に少ないですし、私が議会でお話をするとか、あるいは発言をするということとツイッターとは、全く結びつかない話だというふうに思います。
 私は、聞こえないようにつぶやいているつもりもないし、だれかに聞かせたくてつぶやいているわけでも、発言しているわけでもありません。区長として、区民の皆さんに対して発言をして行っております。そういう意味で、そういう声が区民の皆さんに届く場で、届く形で発言をさせていただいているところです。発言しちゃいけないとか、発言したからおかしい、だれそれを批判したからおかしいとか、そういうお話じゃなくて、内容について批判が、私の発言について御批判があるなら、内容でお話しされたほうがいいんじゃないですか、と思っています。
○奥田委員 残念ながら、この議会では反問権はございませんのでお答えできませんが……(「反問権は持っているよ」と呼ぶ者あり)結構です。このことについては、ぜひ区長にそういった御認識を伺ってみたいという思いで質問させていただいたことでありますので、そういったお考えがおありなんだということが確認できたところで、この質問については結構でございます。
 最後の項になりますので、最後に質問させていただきます。2番目、職員の懲戒分限審査委員会のあり方についてであります。
 先般の本会議上の一般質問の中で、近藤議員から質問が出ていた部分でありますが、簡単に申し上げますと、処分を受けた職員が委員となっている状況の是正、あるいは代理の人材の活用について求めた質問でありました。このことについて、区長のお答えは、決定機関ではないんだと。懲戒分限審査委員会は決定機関ではない、決定者は区長だからというようなことをおっしゃった。つまり、自分が決めるんだから大丈夫というような趣旨で答えられたということであります。
 しかし、一方で、区長は処分する立場であって、極端に言えば、司法の判断以外、処分されることはあんまりないんですね。司法での連続敗訴についても無反省の態度には、私は若干違和感があります。少なくとも、一定以上の処分を受けた職員については懲戒分限審査委員会のメンバーに一定期間以上なれないとする規定を設ける。こうした検討をされてはどうかと思うんですが、いかがでしょうか。
○尾﨑経営室副参事(人事担当) 職員の懲戒処分については、これは自治体の長の権限でございます。
 それから、今、御質問のありました件につきましては、先日の本会議でも区長が答弁されております。懲戒処分を受けたことを理由に職員懲戒分限審査委員の職責を果たせないということはございません。したがって、御提案の件は検討する考えはございません。
○奥田委員 残念なお答えでありますけれども、質問は以上になりますので、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○いでい委員長 以上で奥田けんじ委員の質疑を終了します。
 以上で本日の総括質疑を終了します。
 次回の委員会は、3月2日(火曜日)午前10時から、当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
 以上で本日の予算特別委員会を散会します。
      午後4時50分散会