平成22年02月26日中野区議会予算特別委員会
平成22年02月26日中野区議会予算特別委員会の会議録
平成22年02月26日予算特別委員会(第3日) 1.平成22年(2010年)2月26日、中野区議会第一・第二委員会室において開会された。
1.出席委員(40名)
  1番  内  川  和  久        2番  ひぐち   和  正
  3番  白  井  秀  史        4番  平  山  英  明
  5番  つぼい   え  み        6番  いながき  じゅん子
  7番  林     まさみ         8番  山  口  かおり
  9番  せきと      進       10番  いでい   良  輔
 11番  伊  東  しんじ        12番  佐  野  れいじ
 13番  北  原  ともあき       14番  南     かつひこ
 15番  小  林  秀  明       16番  の  づ  恵  子
 17番  奥  田  けんじ        18番  近  藤  さえ子
 19番  牛  崎  のり子        20番     欠  員
 21番  吉  原     宏       22番  大  内  しんご
 23番  きたごう  秀  文       24番  伊  藤  正  信
 25番  久  保  り  か       26番  やながわ  妙  子
 27番  酒  井  たくや        28番  佐  伯  利  昭
 29番  むとう   有  子       30番  長  沢  和  彦
 31番  か  せ  次  郎       32番  山  崎  芳  夫
 33番  市  川  みのる        34番  斉  藤  金  造
 35番  篠     国  昭       36番  岡  本  いさお
 37番  飯  島  謹  一       38番  江  口  済三郎
 39番     欠  員          40番  佐  藤  ひろこ
 41番  来  住  和  行       42番  岩  永  しほ子
1.欠席委員
      な  し
1.出席説明員
 中野区長    田中 大輔
 副区長(経営室)石神 正義
 副区長(管理会計室)          沼口 昌弘
 副区長(政策室)西岡 誠治
 教育長     田辺 裕子
 政策室副参事(企画調整担当)      田中 政之
 政策室副参事(基本計画担当)      髙橋 信一
 政策室副参事(予算担当)        志賀 聡
 政策室副参事(区民の声担当、調査研究担当、平和・人権・国際化担当) 小田 史子
 政策室副参事(情報政策担当、地域情報担当) 平田 祐子
 政策室副参事(情報化推進担当)     藤井 康弘
 危機管理担当部長清水 流作
 経営室参事(経営担当、契約担当)    長田 久雄
 経営室副参事(サンプラザ関係事業担当、サンプラザ地区再整備担当) 田中 謙一
 経営室副参事(広報担当)        戸辺 眞
 経営室参事(人事担当)         尾﨑 孝
 経営室副参事(健康管理担当)      村田 宏
 経営室副参事(財産管理担当)      安部 秀康
 経営室副参事(用地・管財担当)     冨永 清
 経営室副参事(危機管理担当)      石濱 良行
 経営室副参事(防災担当)        鳥井 文哉
 管理会計室副参事(評価改善担当)    篠原 文彦
 管理会計室副参事(経営分析担当)    相澤 明郎
 管理会計室副参事(税務担当)      青山 敬一郎
 会計室長    村木 誠
 区民生活部長  鈴木 由美子
 区民生活部参事(区民生活部経営担当、地域活動担当) 遠藤 由紀夫
 区民生活部副参事(南地域担当)     松原 弘宜
 区民生活部副参事(中部地域担当)    小山 真実
 区民生活部副参事(東地域担当)     辻本 将紀
 区民生活部副参事(北地域担当)     伊藤 政子
 区民生活部副参事(西地域担当)     中井 豊
 区民生活部副参事(戸籍住民担当)    今 恵里
 区民生活部副参事(産業振興担当)    高橋 昭彦
 区民生活部副参事(環境と暮らし担当)  横山 俊
 区民生活部参事(ごみ減量・清掃事業担当、ごみ減量担当) 橋本 美文
 清掃事務所長  齋木 正雄
 子ども家庭部長 竹内 沖司
 子ども家庭部副参事(子ども家庭部経営担当、男女平等担当) 瀬田 敏幸
 子ども家庭部副参事(子ども支援担当)、子ども家庭支援センター所長 浅野 昭
 子ども家庭部副参事(中部地域子ども家庭支援センター担当、南部地域子ども家庭支援センター担
当) 天野 秀幸
 子ども家庭部副参事(北部地域子ども家庭支援センター担当、鷺宮地域子ども家庭支援センター担
当)波多江 貴代美
 子ども家庭部副参事(子ども健康担当)  町田 睦子
 子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当)、幼児研究センター所長 白土 純
 保健福祉部長  金野 晃
 保健所長    田原 なるみ
 保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 野村 建樹
 保健福祉部副参事(保健予防担当)    山川 博之
 保健福祉部副参事(生活衛生担当)    古屋 勉
 保健福祉部参事(健康推進担当)     岩井 克英
 保健福祉部副参事(福祉推進担当)    伊東 知秀
 中部保健福祉センター所長        鈴木 郁也
 北部保健福祉センター所長        大橋 雄治
 南部保健福祉センター所長        高里 紀子
 鷺宮保健福祉センター所長        大石 修
 保健福祉部副参事(障害福祉担当)    朝井 めぐみ
 保健福祉部副参事(生活援護担当)    黒田 玲子
 保健福祉部副参事(保険医療担当)    柿内 良之
 保健福祉部副参事(介護保険担当)    遠山 幸雄
 都市整備部長  石井 正行
 都市整備部副参事(都市整備部経営担当、都市計画担当、住宅担当) 登 弘毅
 都市整備部副参事(都市計画調整担当)  田中 正弥
 都市整備部副参事(交通・道路管理担当) 滝瀬 裕之
 都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 石田 勝大
 都市整備部副参事(建築担当)      豊川 士朗
 まちづくり推進室長           川崎 亨
 まちづくり推進室副参事(まちづくり推進室経営担当、地域まちづくり担当) 上村 晃一
 まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 松前 友香子
 まちづくり推進室副参事(中野駅周辺整備担当) 秋元 順一
 まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当) 角 秀行
 まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当、西武新宿線沿線まちづくり担当) 萩原 清志
 教育委員会事務局参事(教育経営担当)  合川 昭
 教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 吉村 恒治
 教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 寺嶋 誠一郎
 教育委員会事務局指導室長        喜名 朝博
 教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 飯塚 太郎
 教育委員会事務局中央図書館長      小谷松 弘市
 選挙管理委員会事務局長         奥山 功
 監査事務局長  服部 敏信
1.本会の書記は下記のとおりである。
 事務局長     山下 清超
 事務局次長    奈良 浩二
 議事調査担当係長 大谷 良二
 書  記     長﨑 武史
 書  記     荒井  勉
 書  記     河村 孝雄
 書  記     菅野 多身子
 書  記     丸尾 明美
 書  記     土屋 佳代子
 書  記     鳥居  誠
 書  記     杉本 兼太郎
 書  記     鈴木  均
 書  記     岡田 浩二
 書  記     竹内 賢三

      午前10時00分開議
○いでい委員長 定足数に達しましたので、ただいまから予算特別委員会を開会します。
 第7号議案から第12号議案まで及び第29号議案の計7件を合わせて議題に供します。
 お手元に総括質疑一覧を配付しておりますので、参考にごらんください。

平成22年(2010年)2月26日
   予算特別委員会

総 括 質 疑 一 覧
氏名・会派等 質   疑   項   目
篠 国昭
(自 民)
1 「新しい中野をつくる10か年計画(第2次)」案と財政運営について
 (1)(仮称)本町五丁目公園整備について
 (2)(仮称)鷺宮すこやか福祉センター・地域スポーツクラブについて
 (3)区立学校の再編について
 (4)区有財産の売却について
 (5)施設の長寿命化について
 (6)その他
2 教育問題について
 (1)新学習指導要領について
 (2)全国学力テストについて
 (3)学力向上対策について
 (4)読書活動の推進について
 (5)中後期の学校再編について
 (6)その他
3 その他
飯島 謹一
(公 明)
1 平成22年度予算の編成と事業見直しについて
 (1)編成方針と事業改善方針(案)について
 (2)財務監理のしくみの確立について
 (3)副区長の任務分担について
2 国民健康保険事業特別会計について
 (1)厚生労働省国民健康保険課長からの通知について
 (2)保険料の予算と収納について
3 建築物・住宅の耐震化促進について
4 土地開発公社の健全化について
5 情報政策官の設置について
6 その他
 (1)政策研究機構の見直しについて
 (2)その他





 
来住 和行
(共 産)
1 2010年度予算案と区長の政治姿勢について
 (1)予算案について
 (2)大規模開発について
 (3)住宅の耐震補強工事助成について
 (4)生活自立支援について
 (5)その他
2 新しい中野をつくる10か年計画(第2次)案について
 (1)児童館、学童クラブについて
 (2)保育園待機児対策について
 (3)売却予定の施設・用地について
3 障がい者の雇用促進について
 (1)特例子会社の誘致について
 (2)その他
4 東中野地域のまちづくりについて
5 山手通りの問題について
 (1)大気汚染調査について
 (2)その他
6 その他





 
のづ 恵子
(民主ク)




 
1 区民の公益活動について
 (1)NPO支援のあり方について
 (2)助成金について
 (3)その他
2 子どもの居場所について
3 地域ニュースについて
4 その他


市川 みのる
(自 民)
1 議会と執行機関の関係について
2 その他



 
岡本 いさお
(公 明)
 
1 救急医療安心情報について
2 就労支援の充実について
3 地域支えあいネットワーク事業について
4 その他
牛崎 のり子
(共 産)
1 障害者施策について
 (1)中野福祉作業所移転、建てかえについて
 (2)杉の子大和沼袋分場について
 (3)その他
2 特別支援学級について
 (1)沼袋小のびのび学級について
 (2)宿泊学習について
 (3)その他
3 高齢者施策について
4 西武新宿線新井薬師前駅の安全確保について
5 その他






 
奥田 けんじ
(民主ク)





 
1 4年間の政策について
 (1)行政評価と10か年計画改定について
 (2)その他
2 教育行政における責任について
 (1)『学び合い』について
 (2)その他
3 その他
 (1)区長の「つぶやき」について
 (2)職員懲戒分限審査委員会のあり方について
 (3)その他



 
山崎 芳夫
(自 民)


 
1 平成22年度予算と10か年計画について
 (1)財政運営の基本的な考え方について
 (2)基金について
 (3)起債について
 (4)その他
2 地方分権改革の推進について
 (1)子ども手当について
 (2)地域主権戦略会議について
 (3)その他
3 その他
 (1)退職した職員の民間企業等への再就職について
 (2)その他
10


 
白井 秀史
(公 明)


 
1 平成22年度予算案と財政運営について
2 平成22年度補正予算案について
3 子育て支援策について
 (1)待機児対策について
 (2)出産育児一時金の暫定直接払いについて
4 環境・リフォーム推進事業について
5 国際交流協会の日本語講座・クラスについて
6 内部障害者・内臓疾患者(ハート・プラス)について
7 脳脊髄液減少症の対策について
8 その他
11


 
せきと 進
(共 産)
     
1 区が掲げる「にぎわいと環境が調和するまち」について
2 非核平和のとりくみについて
3 沼袋駅北口の路上駐輪対策について
4 ホームレス自立支援について
 (1)就労支援について
 (2)精神保健について
 (3)中野寮について
 (4)民間との連携について
 (5)生活保護について
 (6)地域生活移行支援事業について
5 その他
12

 
伊東 しんじ
(自 民)

1 西武鉄道新宿線中井駅野方駅間連続立体交差化計画について
2 西武鉄道新宿線沿線まちづくりについて
3 その他
13


 
大内 しんご
(自 民)


 
1 地域センターの(仮称)区民活動センターと(仮称)地域事務所への再 編方針について
2 その他
 (1)学校再編について
 (2)予算の流用について
 (3)その他
14


ひぐち 和正
(自 民)

 
1 共同住宅等の住居表示と管理者の表示について
2 中野富士見中学校の跡地利用について
3 一人暮らしの高齢者について
4 その他
15


 
内川 和久
(自 民)


 
1 中野駅周辺開発について
 (1)駅前広場整備について
 (2)西側南北通路について
 (3)中野駅地区主要動線の考え方について
 (4)タウンマネジメントについて
2 その他
 (1)中野駅地区交通結節点あり方検討会について
 (2)(仮称)中央部防災公園について
16


 
きたごう 秀文
(自 民)


 
1 中学生への防災教育の推進について
2 (仮称)区民活動センター(南中野地域)について
3 (仮称)南部防災公園について
4 防災問題について
 (1)学校及び区施設の安全・安心な環境づくりについて
 (2)災害情報等告知付の自販機設置について
5 その他
17


 
佐藤 ひろこ
(無所属)


1 区民参加の検証について
2 里・まち連携について
3 高齢者・障害者の住宅施策について
4 その他
18


 
むとう 有子
(無所属)


 
1 消費者センターについて
2 環境保全費について
3 公益活動情報コーナーについて
4 中野駅地区基盤整備について
5 その他
19


 
いながきじゅん子
(無所属)


1 「成人のつどい」について
2 若者の投票率の向上について
3 選挙管理委員の報酬について
4 その他
20


林 まさみ
(無所属)

1 都市計画道路の整備について
2 病気予防等の為の教育と啓発について
3 その他

○いでい委員長 本日は総括質疑の1日目となります。質疑の順番は、1番目に篠国昭委員、2番目に飯島謹一委員、3番目に来住和行委員、4番目にのづ恵子委員の順序で4名の質疑を行います。
 次に、要求資料の配付についてですが、前回の委員会で要求した資料212件すべての資料が提出されておりますので、御確認ください。資料作成に当たられた職員の皆さん、ありがとうございました。
 ただいまから総括質疑を行いますが、答弁される理事者は、答弁前に大きな声で職名を述べるようお願いします。
 それでは質疑に入ります。篠国昭委員、お願いします。
○篠委員 総括質疑の1番バッターといたしまして、自由民主党議員団8名が今回質問いたします。前のほうの割り当ては時間が大変長いんですが、私も今回のようにこれだけタイトルを並べたことは始めてでございます。多ければいいというものでもないんでございますが、区長のほうも3年間を見据えて予算に目を通さないと乗り切れる状況にはないという、まさにそのとおりの行動をとられるようでございますので、議会といたしましても、自民党といたしましても、そのように真剣な対応を続けていきたい。このように思っております。
 最初に、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)案と財政運営について。その他の項目で、財政フレームについてお聞きする予定でございましたが、あまりの御苦労に質問を立てづらいと。前年、平成20年の今ごろお示しいただいたこの財政フレーム、基金計画、方針、ここまで変えなきゃいけないかというほど御苦労されております。区有地の売却収入などの臨時収入は基金に積み立てる――これは同じなんですが、翌年度、決算剰余金を財源として10億円を財政調整基金等に確実に積み立てる――大きく変わっている姿勢ではないんですが、これまでの決算状況から、決算剰余金として安定的に見込まれる3億円程度をまちづくり基金に積み立てる――こういう不退転の決意を前年度はお示しいただいたわけでございますが、なかなかこの世界同時不況ということで、3年間は相当苦労しなきゃならないだろうと。こういう流れができたわけでございます。したがいまして、我々も議会として賛意を示した問題が果たしてそのとおりにスムーズにいくかどうか、大変危惧しているところでございます。
 本町五丁目公園整備につきましても、ぜひ御確認させていただきたい問題が幾つかございます。お互いの確認といたしまして、本町五丁目公園用地を中野区が依頼して土地開発公社で取得していただいたわけでございますが、確認の意味で、これはいつでございましたか。
○冨永経営室副参事(用地・管財担当) 取得年月日は、平成20年11月28日でございます。
○篠委員 取得価格、面積、それはいかがでございましょうか。
○冨永経営室副参事(用地・管財担当) 取得価格につきましては、139億円でございます。面積でございますが、取得面積1万1,924.13平米でございます。
○篠委員 用地特別会計での先行取得、あるいは一般会計での先行取得をせずに土地開発公社で取得したのはなぜなのか。また、土地開発公社は平成18年度から22年度まで、第2次公社経営健全化計画に基づいて長年にわたって放置されてきた公社保有地を国から起債の許しを得て計画的に区が買い取っている最中、このような大規模な用地を公社に取得させた理由は何だったんだろうか。
○冨永経営室副参事(用地・管財担当) まず最初の御質問でございますけども、なぜ公社に取得させたのかということでございますが、この土地につきましては、公有地拡大推進に関する法律に基づきまして、中野区に土地有償譲渡届書がまいりました。つまり、有償譲渡の届出書でございますので、既に売却先が決まっておりました。区が買い取るか、買い取らないか、早急な判断が求められていたわけでございます。区としましては、防災上の観点から、大規模用地を公有地として確保するため、都知事に対しまして、中野区土地開発公社、買取協議団体となる旨の申請をし、都知事から認められたものでございます。中野区がこの用地を確保するには、公社に先行取得させて、その後、中野区が引き取るという方法しかないとその当時判断したものでございます。
 金額につきましても、日付が決まっていれば3週間前に届けなさい。それから、買取協議団体との協議はおおむね3週間で協議を成立させなさいという公拡法の一つの制度がございまして、区としては、公社を活用して、そして金融機関から融資が受けられるというようなところで、今回開発公社を活用させていただいたという経緯でございます。
○篠委員 北に比べまして、この中央線の南のほうに何としても防災機能のバランスをとりたいというのは議会としての総意でもあったわけで、そのことについて云々というわけじゃないんですが、あらゆる努力をして買い取りたいというのは議会の意思でもあったわけですが、金額的に大変大きいということで心配の意味で質問させていただいています。
 二丁目についても、平成21年度中に用地特別会計で買い取ることになっていたんですが、何で買い取れなかったか。これも改めてお答えください。
○志賀政策室副参事(予算担当) 本町二丁目の用地につきましては、当初、中野区といたしましては、起債の許可がいただけるものということで起債の申請をしたものでございます。それで、この土地につきましては、しかしながら、平成19年に取得したことから、用地特別会計における取得につきましては翌年度に限るといったことの附則がございました。これによりまして、東京都との協議の結果、この用地につきましては取得ができないということでございました。それによりまして、起債によらず引き続き土地開発公社で請け負うと。いずれ事業決定した場合には、一般会計において引き取るといったものでございます。
○篠委員 今年度、用特で買うのは本町五丁目ですね。これは、用地特別会計で、買い取り価格は142億6,000万円ということですが、この内訳というんでしょうか、土地開発公社がみずほ銀行を中心とした協調融資団から購入資金139億円を借り、これまでに幾ら利子を払われましたか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 土地開発公社がこの用地を購入したのが139億円でございますけども、これに対し、現在までの利払いといたしまして、約3億6,000万円ほどの利子を払っているといったものでございます。
○篠委員 この利子支払資金は、どのように調達したんですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 中野区が土地開発公社に対しまして利子貸付金として貸し付け、土地開発公社が銀行に支払っているといったものでございます。
○篠委員 1日幾らですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) この土地を引き取りましたのが平成20年11月でございますので、仮にこの3月までの期間といたしますと約16カ月、480日間となりますので、1日当たりに勘定いたしますと、約75万円ほどになります。
○篠委員 これだけひとり歩きされると大変困るわけですが、この3月に用特で買い取るかに聞こえましたけど、3月のどのぐらいの時期なんですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 現在、起債の手続を進めているところでございますけれども、東京都との確認で、現在進行している予定では、3月15日に協議が整いまして、3月25日ぐらいには金融機関からの資金の借り入れができるといったような状況にございます。
○篠委員 75万円ずつ毎日かかっているということは、もう対応のしようがないお金ということであらわれちゃうんですか。それとも、それもちゃんと引き取ってもらうという、用特会計を立ち上げた時点で。その辺のところをしっかり言ってもらわないと、これは大変なことだという流れだけが残っちゃいそうなんですけど、どうですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 現在までの利子分として約3億6,000万円ほど乗っかっているわけでございますが、これは土地開発公社に対して、中野区が貸し付けているものでございます。結果、用地特別会計において引き取ることによりまして、買い取り価格のこの利子分を上乗せして支払っていますので、それに対しましては、土地開発公社から貸付金償還金という形で3億6,000万が中野区の返還されるものでございます。
○篠委員 それでですね、これから動きを出すときに、本町五丁目用地は、用地特別会計から一般会計で引き取る場合、国庫債務負担行為による都市公園事業補助を受けて取得するということになるんだと思いますが、間違いございませんね。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) はい、そのとおりに考えております。
○篠委員 国に直接申請するんですか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 都市計画公園事業として、私ども中野区が東京都に要望を出しておるところでございます。東京都からいわゆる国交省のほうに要望が出されるということでございます。
○篠委員 国会でそのお金を認めてもらわないと困る。確認方法はあるんですか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 現在、国のほうで予算審議をされておるわけでございまして、その国会で予算が通れば、例年ですと3月下旬とか4月の上旬に内示があるということでございます。その段階で確認ができるということでございます。
○篠委員 要するに、その確認ができたということの中から、都市計画交付金の対象事業ともなる。あるいは、都市計画交付金の対象事業になれば、特別区財政調整交付金の普通交付金にかかわる基準財政需要額の中で財産費として算定されるということの理解でよろしいんですね。
○志賀政策室副参事(予算担当) 国庫債務負担によらず、仮に5分割で購入をした場合におきましても、国からの補助金につきましては、土地の取得にかかわる3分の1の補助金が確保される。また、ここは都市計画公園でございますので、都市計画交付金も担保される。また、それに対します残りの起債をかけた場合、これに対しましても、基準財政需要額の中に算定されるといったような内容でございます。
○篠委員 今のお話の中に、特別区都市計画交付金というのは、対象事業が決まっているわけですよね。何と何、という理解でよろしいでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 都市計画交付金の中身でございますけども、まず、都市計画道路の整備事業、それから都市計画公園の整備事業、また連立立体交差事業、そして市街地再開発事業における将来管理者負担金、そして市街地再開発事業における再開発組合への助成、そして土地区画整理事業、火葬場整備事業、この7事業になってございます。
○篠委員 平成22年度予算案によりますと、本町五丁目用地の一般会計での取得は、面積120平米で1億3,800万円となっていますが、面積にしてわずか1%に過ぎないわけですが、どうしてこのような買い取り方をされるんでしょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 都市計画公園事業といたしまして、区の財政負担の平準化を踏まえて分割取得するという計画でございます。そのため平成22年度、来年度につきましては、頭出しとしまして、全体用地面積の約1%程度を要望したものでございます。
○篠委員 この10か年の中で、学校編成に関しまして、法務省矯正研修所の用地を購入することになっていたと思うんですが、この用地も1ヘクタールを超えているはずですが、財源の手当はどのようなことを考えていらっしゃいますか。
○志賀政策室副参事(予算担当) こちらの矯正管区の跡地の取得につきましては、学校再編に伴う取得ということで予定がされてございますが、現在、区といたしまして考えておりますのは、こちらの施設につきましても、義務教育施設の用地取得につきましては起債の活用ができるということでございますので、これを財源として充てていきたいというふうに考えているところでございます。
○篠委員 起債ということで、公債費負担比率を10%程度を保つことが中野区の財政規律で言われていたように思いますが、今後10年間、10%を維持できますか。1%違うと、65億という金額として出てくるんですが。
○志賀政策室副参事(予算担当) 委員お話のとおり、10か年計画の第2次の第4章の中にお示ししております財政フレームの中では、公債費負担比率についてはおおむね10%を上限とするということでうたってございます。今後数年間、一時的に11%台を上回ることもございますけれども、これにつきましては、起債・基金を活用する計画を最大限活用した場合の数字をあらわしてございます。ですから、そういった意味では、より健全性を保つためにそういったことも踏まえながら今後財政運営をしっかりしていきたいと、このように考えているところでございます。
○篠委員 この1%というのが大変な金額なんですが、それを上回る可能性も持っているという、大変厳しく受けとめさせていただきますが、今年度、区長は大変都と精力的に折衝されておりましたが、都区制度改革の平成12年度、いよいよ追い込まれたときの対応等についてのくだりがあるんですが、今年度の都区財政調整協議の結果、大幅な減収に対する措置として、起債の異なる活用や区市町村振興基金の貸し付け枠の増額を求め、平成12年度の都区合意をもとに、特別区長会として論陣を張ってこられたわけですが、都はなかなか区市町村振興基金の枠の拡大を認めなかったと聞いておりますが、その辺のやりとりの流れを簡潔にお聞かせいただければと思います。
○志賀政策室副参事(予算担当) 都区の財調協議の中におきまして、今年度の減収対策に対応するために東京都と区とどういったことをできるのかといったことがずっと、財政担当課長会、あるいは幹事会、そして特別区長会の中でずっと話されてきたものでございます。区長会といたしましては、論陣を張って、東京都に対し、減収に対応するための資金調達の手段を確保しろということでずっとこの間申し上げてきたところでございます。この結果といたしまして、都区財政調整協議は、この急激な減収が見込まれる21年度に限り、臨時応急的な措置といたしまして、東京都区市町村振興基金の活用ができるといったものでございました。また、この内容といたしましては、現行までの枠の範囲を拡大して、中野区においても財源対策として借り入れることができたという内容でございます。
○篠委員 具体的には、どこに幾らという形でお示ししてください。
○志賀政策室副参事(予算担当) 今回、東京都区市町村振興基金の活用をさせていただきましたのは、野方駅の整備、また学校施設の整備といたしましては桃花小学校の整備、この2点に充てさせていただいております。
○篠委員 それぞれ幾らですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 振興基金の要望額といたしましては、野方駅舎が4億6,000万円、桃花小学校の整備につきましては3億7,300万円ほどでございます。
○篠委員 これ、現金でいただけたというわけじゃないわけですから、やはり公債費比率というものには相当厳しい目を今後も、議会も含めまして、この大変な時代を乗り切りたいと。私どものほうもそのように思っております。結構でございます。
○田中区長 区長会と都のやりとりの関係で、もう少し私のほうから詳しくお話をしておいたほうがいいかなと思いましたので、出てまいりました。
 委員のほうから御指摘のありました12年度の改革の際のやりとりというところなんですけれども、財調財源になっておりますもののうち、住民税の法人分、これが大幅に減収した際に、この財調制度の中では、他の一般の市町村ですと減収補てん債を出せるわけですけれども、特別区の場合には財調制度があって都税にされているので、減収補てん債が出せない。そういうことが起きたときにどうなるのかということについて、12年度の制度改正の際に議論になったわけです。それに対して、東京都としては、都がかわって減収補てん債を出しますと。その分を市町村振興基金のほうに積みますから、そこから区が借り入れるという形での起債を起こしてもらうと。しかも、その場合には、都区財調制度の中の基準財政需要額にその償還財源を全部見ますよと、こういうやりとりでの協議がされてまいりました。21年度でも同じようなことを、これは約束なんだから、21年度大変減収したんだから、同じことをやってほしいということを東京都に申し入れましたところ、なかなか減収補てん債の発行というのが、21年度についても、22年度もこれ制度的な壁があってちょっと難しいと。こういうようなお話しでしたので、21年度については建設債として市町村振興基金から借り入れてほしいと。その枠は確保しましょうと。確保したその枠については、財調の中の基準財政需要額として償還分を全部見ますよと、こういうことになりました。22年度以降、これもまた同じような問題が発生してくる可能性がありますので、この場合については、都と区の間で、国との関係で法制度の改正も含めて一緒に働きかけをして対応していこうと。こういった結論になっております。
 いずれにしましても、財調財源といっても限りある話ですけれども、そこで借り入れを起こした場合の償還財源については、財調の基準財政需要額として見ると、そういう算入、算定をすると、こういうことが前提になっておりますので、財源対策上としては必要なことになるかなと、こう思っております。
○篠委員 ジャンボ宝くじを原資としているという理解でよろしかったろうか。
○田中区長 宝くじの振興基金というのは、また別の基金です。都と区市町村が一緒になっている基金なんですけど、宝くじのほうは。それとは別に、都の中にある基金です。
○篠委員 (2)の鷺宮すこやか福祉センター、地域スポーツクラブについてと(3)の区立学校の再編についてはちょっと後回しにさせていただきまして、区有財産の売却についてお聞かせいただきますが、区有財産の一覧が、売却予定ということで、10か年の第2次の中で207ページにいろいろ書いてあるんですが、例えば北のほうで鷺宮の周りだけを見ましても鷺宮児童館、鷺宮保健福祉センター、若宮児童館、西中野児童館及び西中野保育園、鷺宮詰所跡ぐらいでしたかね。これそれぞれですね、平米と公示価格と掛け合わせたら、今申し上げたトータルで幾らぐらいになりますか。
○田中政策室副参事(企画調整担当) 委員が今御指摘の施設、用地の総平米に路線価を単純に掛けて計算をいたしますと、大ざっぱで45億程度というふうに考えています。
○篠委員 1年か2年前の矯正研修所跡の金額についても、あのころのお金で考えていましたが、例えば使用中のあの周りにつきましても、相当今地価が下がっていますよね。そういった流れの中で、鷺宮児童館、これは鷺宮地区のすこやか福祉センターができたらそっちに移ると。あるいは、鷺宮保健福祉センター、それについても同様。そうしましたら、10か年で落している鷺宮すこやか福祉センター、これは第2次の10か年のどの辺になるんですか。
○田中政策室副参事(企画調整担当) キッズプラザの整備の関係で変わってきますけども、   の跡地につきましては、キッズプラザの整備の関係で変わってくるというふうに考えております。
○篠委員 一番おしまいのほうですからね。それで、すぐ売りに出して、買われるというわけじゃない。これは、未利用地にして売るということになっても、当てにできる金額にはなってこない。第2次10か年の間ではですね。鷺宮詰所跡ぐらいでしょうかね。あとについても、なかなか40数億というお金、とうとう手元に入らなかったよという状況の中で、中野区全体でいえば、囲町のあの土地ぐらいは順番が早いんだと思うんですが、そういった中で、これにあまり頼ってはいけないという財政運営を考えていかないとならないと、私はそう思っているんですが、そんな理解でよろしいですか。
○田中政策室副参事(企画調整担当) 10か年計画の第2次案の中で、財政フレームをお示ししてございます。その中で、考え方としては、当然売却費用というものも施設整備の財源とするという考え方は示させていただいてございますけども、フレーム自体には見込んでございません。売却の費用がそのときそのときによって変わってくるというような事情もございますので、必ずしもその部分を見込んだフレームという形にはなってございません。
○篠委員 次は、施設の長寿命化について聞かせていただきますが……、何かあるの。
○田中政策室副参事(企画調整担当) 大変失礼いたしました。最初の売却の額は幾らぐらいになるんだということで御質問をいただきました。そのときに私、45億円ぐらいかなということでお答えをいたしましたけども、これ実は、鷺宮地区ということで限定したお話ということでございますと、15億程度かなと考えてございます。失礼いたしました。
○篠委員 そういうことなんだそうでございます。施設の長寿命化に触れまして、平成20年3月発行の施設白書では、中野区の施設は老朽化したものが多く、施設改修費だけでも今後20年間で764億円かかると述べています。なおかつ、改築経費については289億円かかるだろうと。財政状況を考えると、現状の施設数のままではすべてに対応していくことは極めて困難であるとも述べていますが、今回、第2次10か年の195ページでは、施設の改修として54億円、耐震については37億円、トータル91億円というんですが、この落差の激しさについてはどのようなお考えでございますか。
○安部経営室副参事(財産管理担当) 施設白書の中では、ライフサイクルコストに基づきまして、すべての部位を改修するという経費を見込んでおりますので、20年間で改修経費だけで764億円というような数字が出ております。今回、10か年計画の中では、先ほど委員からお話がありましたとおり、改修経費と耐震補強工事、両方合わせまして91億で見込んでいるわけでございますけども、これにつきましては、施設の安全安心、それから機能の保全、例えばクーラーがきかなくなるというようなことのないように、そういう機能を確保するというようなことを優先しながら、計画的に保全を進めるというような考え方で長寿命化を図ろうというふうに考えております。
○篠委員 お金がないんですから、ないお金でどのように安心を、安全、機能の確保ということを本当に真剣に対応していただきませんとなかなか、現場の経費を削っただけではなかなかお金というのは生み出せない。例えば、教育委員会についても、もう何と言われるかわからないほど経費を削っても、1億円捻出するのはもう至難のわざなんですよ。あれもやめた、これもやめたでも決して1億円に到達することは難しいという、その中にありまして、これだけふえてしまった施設を修理すれば、あるいは改築すれば、トータルで20年間で1,000億かかるだろうと。安心安全を確保する、機能の確保で、必死でそれを100億円弱でやっていこうというんですから、真剣な努力を期待します。これ以上は質問しません。
 戻りまして、鷺宮すこやか福祉センター、これは何年に落されているかといいますと、地域スポーツクラブについても平成28、29というふうになっていますね。そういう確認でよろしいですか。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) ステップ4でございますので、そのとおりでございます。
○篠委員 地域スポーツクラブというのは四つ、すこやか福祉センター、すべて連動した動きで一生懸命やってくる流れの中にありまして、鷺宮もそのつもりなんですか。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) はい。連動してやっていくということでございます。
○いでい委員長 もうちょっと大きな声で、はっきり答弁してもらえますか。
○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 連動して進めていくと、そういうことでございます。
○篠委員 これ連動できるわけがない。同じ場所って、学校しかあり得なくなりますよ。中後期の学校再編に対して、今年度中に立ち上げる。それで、本会議答弁を見ていましても、ぜひ確認していただきたいことがあるんですが、平山議員なり共産党さんの質問が関連でありましたね。これだけの財政状況の追い込まれ方を無視した行動は大変危険であるという鋭い指摘があったんですが、学校というのは相当金かかりますからね。その中にあって、鷺宮と西中野、八中と四中というのが一つの学校になるだろうという方針が出ました。そして、時期は中後期であると。これも事実ですね。ですけど、この学校再編に当たっては、何としても人数の確保にメーンを置くのか。例えば、明治13年、鷺宮小学校ができたときは85名でしたから、人数。地域の団結たるやすごいものでした。一生忘れない場所として、学校を中心に人家を築くというほどのものを感じるわけですね。そして、今でも、できれば顔を見合わせたくないというような流れの中にあって、普遍的なすばらしい結びつきを持っている。地域を挙げて学校を応援したいという気持ちが働いている場所であるわけです。ですから、あくまで人数で解決していくのか。学校・地域・家庭ということをメーンテーマに教育界では据えている中で、地域の支えというものを大切にしていくのか。そういったところも考えに入れて、中後期を立ち上げるのか。それとも、そんなことはどうでもいいんだと。人数を集めて――適正人数、それはかなり理屈が通ってはいると思います。相当練っていますから。ただ、一クラスでいきますと、小学校ずっと一クラス、組みかえなしと。同じ人が中学校で、中学はもう見飽きたと。ほかを受けさせていただきますという流れが出るかもしれない。東中野と中野昭和についてですか、あれでもそれは残念ながら思うようにはいかなかった。今後は思いどおりになるかもしれない。こういう大きな様相を含んでいる中で、教育長答弁のように、これだけは一切変えるつもりはないんだと。これは有能な管理職であって、有能な管理職である必要は私は教育界ではないと思う。みんなで知恵を絞って1年間頑張って、そうであるならそうでもいい。それならそれで結構。しかし、これは変えないけど、話しをして決めてくださいという姿勢をとるのか、どっちをとるんですか。教育長。
○田辺教育長 学校再編計画につきましては、今委員からお話がありましたような少人数、小規模の学校の状況を見ますと、やはり教育活動に何らかいろいろ課題があるというふうに認識をしておりまして、そういう意味で、学校再編計画の基本的な考え方を組み立ててきております。それ以外にもいろいろ課題を解決するということは再編計画に書いておりますが、そういう意味で、基本的なスタンスとして、立場として学校再編計画を進めるという計画に、考え方に変更はないというふうにお答えをしてきております。
 ただ、現在の再編計画を策定した状況と現在の状況とまた状況の変化、異なっておりますし、またいろいろ現在これからの中野の教育検討会議で検討してきていただいたこともございます。そうしたことを踏まえまして、中後期の計画をお示ししていきたいというふうに御答弁申し上げているところでございます。
○篠委員 もう何しろ当初の計画ができ上がればいいんだというだけの有能な事務処理というようなとらえ方をされないような、1年間では無理だと。平山議員は3年かけるべきだという具体的提案までされていましたけど、ひょっとしてお金のことも考えると、地域合意まで考えると、そのぐらいが必要になるかもしれないぐらいの弾力的な考えで、何が何でもということじゃなく、もうこれしかないよというものを目指して、今年度は精力的に行動をとっていただきたいということを要望しておきます。
 新学習指導要領についてお伺いいたします。
 学習指導要領改定のポイント、教育内容に関する主な改善事項、この辺をまずお聞かせいただきたいと思います。
○喜名教育委員会事務局指導室長 まず、改正のポイントでございますけれども、教育基本法が変わりまして、それに基づいて新学習指導要領が告示をされた。それを受けまして変わったということでございますが、特に、規範意識の醸成でございますとか郷土や国を愛する心などが盛り込まれているところでございます。
○篠委員 小学校は平成23年度から、中学校は平成24年度から全面実施ということでございますが、総則や道徳は平成21年度から先行取得とありますが、この総則というのは何の、どういうことを指して総則というんですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 総則と申しますのは、各教科、道徳、特別活動をすべて大きく見て、教育のこれからのあり方、学習指導要領のあり方を示しているものでございます。
○篠委員 道徳については、きょうは鷺宮小学校でこの時間帯、1日かけて全国大会というんですか、研究――去年からやっていますけど、全国大会をやっていますね。鷺宮は、瀬川榮志先生のときも音読ということで、各日本全国から千数百人の方々が研究に来られた。かなり時代を動かすような行動をとっていますね。鷺宮小学校の吉本校長は、全国道徳協会の会長さんを今なさっているようですので、残念ながら総括と重なりますのでお伺いできないんですが、この中で今、教育で、中でも道徳については、各学校で精力的に、要するに地域に行動を見てもらうという試みがされていますが、具体的に伝統と文化を尊重する、あるいは我が国と郷土を愛することといった具体的なことに関して、中野区では何か行動を起こされていますか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 伝統文化にかかわる指導でございますけれども、学習指導要領の中にも示されているほか、特別活動といたしまして、例えば節分ですとか七夕にかかわる日本の伝統的な行事を行うですとか、社会科につきましては、小学校5年生の中で伝統的な工芸、または伝統文化の学習を行っているということがございます。また、中学校では和楽器の指導、それから邦楽の鑑賞、それから保健体育の分野でございますが、剣道・柔道等の武道の学習も始まるところでございます。
○篠委員 「道徳教育推進教師を中心として指導体制を充実」とあるんですが、中野区の現状はいかがでございますか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 学習指導要領の中に「道徳教育推進教師」ということが盛り込まれました。その者を中心にして道徳教育を推進していくということでございますけれども、本区におきましては、この言葉ではなく「道徳主任」ということですべての学校に配置をしております。この道徳主任が中心になりまして、道徳教育の推進、先ほどお話のありました道徳授業地区公開講座などの運営をするということになっております。
○篠委員 「先人の伝記、あるいは魅力的な教材の開発や活用、児童・生徒の発達の段階や特性等を考慮して創意工夫ある指導」、このあたりについては、指導室長は中野区においてどのように組んでいく予定ですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 道徳の時間の指導の中に、この先人の伝記等を盛り込んでいきながら、指導を工夫するということでございます。これにつきましては、本区はすべて副読本を使って指導をしてございますけれども、その中に例えば不撓不屈を扱うということで野口英世でございますとか、それから米百俵の小林虎三郎さんのお話なども盛り込まれているところでございます。
○篠委員 子どもというのは、砂が水を吸うようにいいところをまねする。すぐ2、3日で終わっちゃったとしても、頭の中には残っているということはどなたも経験したことだと思うんですが、私も鷺宮小学校の校庭で小学校のころ見た、スクリーンに映された野口英世の伝記の映画で、帰ってきたら途端に掃除したり、家の手伝いをして、「おまえ、どうなったんだ」と言われたことがありますけど、やはり子どもというのは素直ですから、理屈を教えられても、それを行動に起こさないんですが、野口英世も弱点はきっとうんと持っていたはずですけど、伝記に出てくるものは大変影響力のあるものでして、ですから、これは吉原議員も以前取り上げていましたが、具体的には「心のノート」、これについて鷺宮小学校の吉本校長は、10月30日に、このむだで廃止という記事に対して、「鷺宮」というので全父兄に、あるいは協会に配っているんですが、「「心のノート」は、全国の小・中学生に配付され、みずからを振り返り、生きる希望と勇気を与えるすぐれた道徳教材です。子ども一人当たりわずか60円の費用に過ぎません。これもむだと断定することに私は憤りを覚えます。生まれ育った国や郷土の歴史や文化に親しみ、誇りを持つことは自然なことです。モラルが低下する中にあって、規範意識や公共心を養うことはだれもが認める社会的な課題です。そして、何よりも子どもたちの心豊かな成長は、すべての人たちの願いであるからです。教育は、国家百年の計と言われます。国づくりの基盤が教育であるならば、その教育の中で最も唯一すべきは人格形成です。その人格形成において、心の教育は極めて重要です。これを軽視して国が成り立つとは思えません」と、大変素直な方ですから、思われたことをおっしゃられたんでしょう。ですけど、民主党の政権になっても、このノート自体も最終的には動きをちゃんとつくっているはずですね。どんな動きになっているんですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 心のノートでございますけど、来年度の配付分につきましては本年度予算ということでございますので、すべての子どもたちの配付が予定をされております。ただ、23年度以降につきましては、現在のところ明確な通知等はございません。
○篠委員 ですけど、今の答えが正しいんだと思うんですけど、配付を希望する自治体に財政支援するなど、ノート自体は存続させることにしたという新聞記事はありますが、今後もやはり意外に皆さんの注目を集めているものですので、動きは注目の中に今後もあると思います。
 山口県の教育委員会が吉田松陰を推奨したのは、平成21年度からふるさとの先人に学ぶ教育の推進事業としてでした。新しい学習指導要領で伝統文化尊重や国や郷土を愛する態度の育成が盛り込まれたほか、昨年は松陰没後150年に当たり、県教委はタイムリーな年と考え、松陰の生き方について学校の活動の中で紹介することをお願いしたいという――校長の講話の中に盛り込むことや授業、地域調査など学校の実情に応じて学習を進めるものであると思うんですが、教育委員会発という、こうしたものに対して、山口県教職員組合は、子どもと教育を守る山口県民会議等は、特定の価値観を強制する道徳教育を進めないよう、県教委に申し入れた等々――これはどこでも、日教組との対立の図というのは山口県だけじゃないんですが、いずれにしても、県教委が出している。区教委から発信するということはあるんですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 特定の方、特に先人の伝記等でこの方をということを現在のところ区教委から発信するということはございません。
○篠委員 東京都からはどうですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 東京都からもございません。
○篠委員 何もしていないということですね、東京都はね。
 全国学力テストについてお伺いいたします。
 これにつきましては、どうなっているんですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 これまで、今年度も行われてきたところでございますが、来年度以降につきましては抽出となると、抽出実施ということで聞いておるところでございます。
○篠委員 これは日教組の運動方針ということなんですが、43年ぶりに復活したのがまた後退なんですが、それとは関係なく、中野区は中野区独自の学力調査を行っていますね。この内容の概略をお聞かせください。
○喜名教育委員会事務局指導室長 小学校2年生から中学校3年生、すべての学年につきまして、国語、算数、理科、社会、英語それぞれの教科、学年ごとに違いますけれども、実施をしているところでございます。
○篠委員 それがちゃんと活用されているという認識でございますか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 学校ごとに、また区教委といたしましても詳細な分析をしておりまして、それを学校に返しております。学校の分析も含めまして、授業を改善するですとか指導方法を工夫するということをしているところでございます。
○篠委員 ぜひ続けていただきたいと思うんですが、日教組の政策集には「自治体学力テスト廃止。全国学力テストとは別に自治体で実施されている学力テストについては中止や、競争・序列化を招く結果公表も行わないように求める」という運動方針を出しているところでございますね。めげずに頑張っていただきたいと思っております。
 学力の向上につきましては、文教委員会がありますので、そこで聞かせていただきますが、やはりこれにつきましても、区教委からの発信というのは何もないんですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 学力向上政策といたしまして、ただいま御質問のございました区独自の調査、これが活用されているところでございます。また、学力向上アシスタントということで人的配置をしてございます。ここで少人数指導ですとか習熟度別指導ということで、効果的な教科に配置をしているところでございます。
 また、東京都が指定をしておりますけども、確かな学力実践研究推進校ということで、小学校、中学校各1校ずつ今年度、来年度と指定を受けてございますので、ここの研究成果を普及していくということも考えているところでございます。
○篠委員 各学校に任せているという部分も相当あるんですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 各学校の教員の努力というところ、教員の授業改善ということもございますけれども、今お話をいたしましたように、区としてのできる限りの政策を今とってきているところでございます。
○篠委員 土曜日の使い方で、東京都から通達が出ましたね。内容をお教えください。
○喜名教育委員会事務局指導室長 東京都からの今回の通知でございますけれども、土曜日の月2回程度に限っては、学校公開等地域に開かれたということを前提に授業を、通常の授業をしても構わないというものでございます。
○篠委員 指導室長は、東京都のそういう通知はかなり誠実に実行される方ですので、この辺について既に行動を起こす、あるいは企画を立てている。そういった部分については、教育委員会としてありますか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 既に校長会等にお諮りをしてございますけれども、来年度につきましては、区として一律に実施をしていくということではございませんで、各学校の実態に合わせて、もう既に実は多くの学校が土曜日に公開授業等をやっておりますので、それにあわせてやっていくということでございます。
○篠委員 それで、時代が違い過ぎますので、あまり変わったことは言えないんですが、何としてもこの子はここがわかっていないから教えたいとかいう行動が許される環境になっていますか。「ちょっと目立つことやめろ、おまえ」なんていう環境になっていたんでは、地域の信頼はなかなか得づらいですよ。私立に差をつけられる本当のポイントでもあるわけです。何としてもこの子にやる気を起こさせたいといったときの行動ですね。私立の場合は、学校がそのまま倒れちゃうかもしれないという危機感を持って行動していますので、自発的ばかりじゃない部分もあるんでしょうけど、公立の場合は、放っておいたってどこからも文句言われないんで、「何もできない子だって、世の中でいえば偉くなっちゃったなんていうのだっていっぱいある」なんていう言いわけだってするわけで、そうじゃなくて、何としても教えたいという教師がいた場合に、それが実施できる環境とはほど遠いのか。いや、そんなことはないというのか。校長の指導力次第というのか。その辺はどんな感想をお持ちですか。
○喜名教育委員会事務局指導室長 もちろん一人ひとりの教員がすべての子どもたちに確かな学力をということで動いていて、それぞれ行動を起こしているということがございます。ただ、確かにいろいろな、学校週五日制の問題ですとか、かなり学校が忙しいという状態にありますけれども、各学校が工夫をして放課後子どもを残すですとか、朝早く来させて個別の指導をするですとか、また地域の御協力を得ながら土曜日等に、授業という形ではございませんけれども、補修をするというようなことを実施しているところでございます。
○篠委員 結構です。それで、「週刊とうきょう」というのがあるんですけども、田辺教育長は、幼稚園・保育園と小学校・中学校との連携を強化し、一貫した教育や実践によって学びの連続性を確保していく必要があるとお考えだそうなんでございますが、事実、中野区ではその研究をされていますね。ですけども、まとめたものを出していないというのが現状なのかどうかを確認させていただきたいと思います。
○喜名教育委員会事務局指導室長 これからの中野の検討会議の中で、連携教育・一貫教育について御検討いただいて、今後これについて具体的に動いていくところでございますけれども、既に小学校・中学校の連携という意味では、体力向上プログラムという形で一貫した体力向上プログラムももうでき上がっているところでございます。今後、ほかの教科でもこのようなものをつくっていくという予定でおります。
○篠委員 それで結構です。
 家庭福祉員事業の拡充とありますが、具体的には中野区はどのぐらいの行動を考えておられますか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 来年度につきましては、現在9人から11人、二人増員する予定でございます。
○篠委員 私は、2年に1回ぐらいは最低限度申し上げるくだりがあるんですが、亡くなられた中里喜一江戸川区長ですか、35年以上区長をされていましたね。やっぱりゼロ歳の子、あるいは3歳ぐらいの子は、どんな犠牲を払っても母親のもとで育てろというのにどのぐらい手助けできるかということを、国の方針は違ったことも入れて行動された区長さんですね。この方はもう、平成13年だったかに亡くなられましたが、見事な生きざまだったと私は思うんですね。中野区もいわゆる保育ママさんですね、これについて大きな行動をとったこともあったやに聞いているんですが、歴史的にいかがですか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 家庭福祉員につきましては、昭和61年1月に策定した保育基本計画、この中で、低年齢児、特に0歳児の保育の需要にこたえ、あるいは保護者が保育園での保育と異なる保育形態として選択できるようにする。この二つの観点から整備を進めるものとされてございました。昭和60年度の登録者については10人ということでございますが、その後、平成14年度につきましては4施設でございましたが、その後着実に増加して、個人9人で9施設となってございます。
○篠委員 保育士、いわゆる保育ママ制度を法制化という改正児童福祉法が成立して、4月から実施なわけですが、保育ママ制度に対しては、保育士や看護師でなくても子育て経験者などが一定の研修を受講した場合は、保育ママとして国が補助できるようになるということでございますが、細目は中野区にも伝わっているんですか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) これにつきましては、児童福祉法の一部改正ということで、この部分につきましては、本年4月から施行ということでございます。国のほうで家庭的保育事業ガイドラインというものを定めてございますので、それを踏まえて、委員御指摘のような資格要件の緩和、これを行いまして、研修を実施し、受講した方につきまして認定を行いたいというふうに考えてございます。
○篠委員 これは文教の予特要求資料の64ページに出ていますけども、保育園児一人に対する区の支出額、区立、私立、児童年齢別、前年度決算と書いてありますが、ゼロ歳児では中野区の持ち出しが1カ月47万4,000円なんだそうです。私立だと22万9,000円なんだそうです。家庭福祉員だと12万円なんだそうです。資料によりますとね。それで、1歳になりますと、人件費がやや楽になる傾向で、一月に31万5,000円かかるそうです。私立の場合は、17万5,000円、家庭福祉員の場合は11万2,000円なんだそうです。それで、2歳、3歳ぐらいになると一月18万8,000円、あるいは私立だと12万円。生活保護の一人当たりの対応費用ぐらいですね。ですけど、ゼロ歳児というのは、もう年間だと500万突破する金額が必要なわけですね。それで中野区も、江戸川の中里区長は、必ずこれが区の財政を倒すという仮説の上に力強い行動を出して、1万円以上も送り出した方ですが、中野区もそれを頑張ろうということで頑張った時期があったんですが、なかなか江戸川のようにはいかないんで、いずれにしろ、大変なお金がかかるわけですよ。ふやせばいい、ふやせばいいと言いますけど、どんな苦労をしてでも育て上げるという心のある人は応援しようというシステムにシステムチェンジしたほうがいい方向を見つけられるかもしれない。出せないから、保育園が足らないと大合唱やられるんですけど、もしかしたら、いい方策を知恵を出し合えば出せるかもしれない。大変な金額ということを抜きに我々も選挙公約なり何なり、もっと頑張れなんて言ったら、選挙必ず落っこちちゃうんですよ。3歳まではどんな苦労があっても手元に置くべきだなんて公約の1番目になんか掲げたもんなら、これはだめだ。とんでもない世界になりますが、いずれにしろ、我々は話をするのにお金抜きで行動を進めますから、そういったところで何か工夫がないかと。こういうことを拡充という形で姿を見せたわけですけど、取り組みを今後も続けていただきたいということを、要望と言わず、申し上げさせていただきます。
 インフルエンザワクチンについて少しお聞かせください。
 うちではいでい委員が大変頑張って、インフルエンザワクチンについては種々本会議等で質問させていただきましたが、これ輸入に巨費を投入したとあるんですが、国のことですから調べはつきかねているかもしれませんが、輸入ワクチンは何人分ぐらいで、幾らぐらいのお金を投入したんでしょうか。
○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 国が購入いたしました輸入ワクチンについてですが、接種開始当初、国がプレス発表してございます。その内容を申し上げますと、4,950万人分、契約額は1,126億円という内容でございます。
○篠委員 半分ぐらい余っちゃったというお話が報道されるんですが、本当に事実なんですか。
○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 当初、今申し上げました4,950万人分、当時一人につき2回接種という状況での公表でございます。その後、1回接種が主流になったため、回数で申し上げますと9,900万回分打てるということになっております。ただ、現在まだ全国的には2,000万人強という接種人数でございますので、国産ワクチンを主流とした接種が続いている。したがいまして、輸入ワクチンの接種が今後ワクチン量としては余る可能性があると。ただ、半数というものについては、明確な数ではございません。
○篠委員 いずれにしろ、そういう報道がそっくり事実ではないとは思うんですが、今後もまだ使う可能性もあるわけですから。ただ、いつまでも使えるわけではない。今のところですね。国が損害をこうむったときに、この流れの中で、中野区も連動して損害をこうむるという図式にはなっていないんですか。
○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 今回のワクチン購入につきましては、国産、輸入問わず、国が一括購入をすると。国が契約した医療機関で接種を行うという仕組みになってございます。したがいまして、ワクチン購入に関して、区の公費負担は一切ございません。
○篠委員 結構でございます。ありがとうございます。
 私が、だれに質問しても答えられない問題を一つ質問させていただきたいんですが、「「新しい中野をつくる10か年計画」の改定に関する有識者の意見について」という冊子が別冊で出たことがありましたですね。その7ページに、どういうとらえ方をしていいのかまずわからないのが、有識者全体の意見なのか、有識者会議の。何人もいる中の一人が信じ切って話した話なのか。その7ページに「ゼロ~1歳の乳幼児において、必要なかかわりを得られないと発達障害になる可能性が高い」、プリントアウトしているんですね。公明党さんは必死にこの問題については取り組んでいる姿、私たちも拝見させていただいているんですが、こういうことをプリントアウトして、これを受けての行動というのはあったんですか。
○髙橋政策室副参事(基本計画担当) 有識者の意見でございますが、私どもとしては各方面、都市計画にかかわる、子どもにかかわるといったもので有識者のほうから忌憚のない御意見をいただきまして、今言ったような形での御意見があったということで報告したところでございます。この意見につきましては、各所管、私ども検討する中で、こういった意見を踏まえまして、10か年計画の政策のほうに検討素材として盛り込むという形でございます。
○篠委員 私の時間は少し余りましたけど、必ず残すようにという指令を……。
 これをもってすべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○いでい委員長 以上で篠委員の質疑を終了します。
 次に、飯島謹一委員、お願いします。
○飯島委員 公明党議員団の立場から、平成22年度予算についての総括質疑を行います。
 この予算の審議につきましては、初めに編成方針から始めよう、第1は。第2に、総括表で全体像を把握しなさいと。3点目には、入りは一般と特定を、そして出は目的別、性質別で表裏を理解しなさい。そして、最後には、議案に戻って、みずからが何を受け継ぐのか、これについて知らなければならない。私が27本、今まで予算の審査をやってきてたどり着いた仕事の流儀の結論でございます。したがいまして、その結論の第1、初心に戻って、区長の予算編成方針から質問をさせていただきたいと思っております。通告順にやってまいります。
 平成21年9月24日に区長は、副区長及び各部長に対して、平成22年度の中野区予算の編成について方針を示しました。そこでは、今回の予算編成の取り組みでは、従来の手順とは異なる方式をとることとしておりますけれども、その従来の方式とは異なる方式とはいかなるものか、簡潔にお答えください。
○志賀政策室副参事(予算担当) 例年は、各部長が事業計画に基づきました経費の積算と精査を行いまして、各事業部の予算を組み、それを区長に提出し、区長の査定を受けてきたものでございます。これに対しまして、平成22年度の予算の見積もりに対しましては、区長に提出する前に各部と経営本部が調整を行いまして、その後、各部長が区長査定を受けたものでございます。これは、大変厳しい財政状況下におきまして予算編成を行う上において、財政状況の共有、それから部間の均衡、こういった観点から、経営本部が各事業本部を応援すると、支援するという立場で調整を行ったものでございます。
○飯島委員 従来よりもワンクッション入ったというか、いわゆる区長並びに経営本部というかその辺の予算に対する介入といいますか、事業部に対するいろんなさまざまなサポートがあったと、そういうことなんでしょう。
 次に、この予算編成方針の中で、区長はこういうことを言っていますね。基準となる一般財源の設定と、それを基本に持続可能な財政規模を誘導しようと、やったんだと。だけれども、その試みは、平成22年度は十分な成果を見ることができなかった。こういうふうにお書きになっています。それが、この編成方針の中に、予算編成の準備作業として行った各部の一般財源充当事業経費の調査結果、これが基準となる一般財源規模を大きく上回った。つまり、最初からこういう設定をしてやったんだけども、うまくいかなかった。こういうことを、区長は正直にこの編成方針の中にお書きになっています。
 ところで、ここでの基準額というのは、670億円ですか。それとも、650億円ですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) この時点におきます各部の要求限度額、これは650億円としてお示ししたものでございます。
○飯島委員 私は、なぜ670億と650億と聞いたかというと、かつてというかちょっと前まで、670億円というのがこのいわゆる基準となる一般財源の規模ではなかったんですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 平成22年1月にお示しいたしました「中野区の財政運営の考え方」の中におきましては、基準となる一般財源につきましては670億円といってお示ししたところでございました。
○飯島委員 我々議会には、この670億円から650億円についての変更、つまり20億ほど圧縮しなきゃならない。この辺についての御報告なり、あるいはお知らせなりはありましたか。
○志賀政策室副参事(予算担当) まず、この時点におきます基準となる一般財源をどう考えるかということでございますけれども、この時点におきましては、まず、10か年計画においても財政フレームがなかなか出てこないといったこともございましたけれども、この時点で私どもは、東京都の税収の推計をずっと見守っておりました。その関係では、東京都の税収が例年よりもかなり収入の入り方が悪いといったこと。そういったことから踏まえて、どうも景気の状態が芳しくないぞということで、必ずしもこの時点において基準となる一般財源規模が650億円であるといったことではなくて、この時点において650億円にすることによってより厳しい財政状況を乗り切らなくてはならないといったことから、この650億円としたものでございます。
○飯島委員 聞いたことだけ答えてくれればいいんで、時間がなくなると困るんですよ。
 それで、今あなた650億円だと言ったんじゃないですか。区長の予算編成方針の規模というのは。そうでしょう。9月24日の時点では、650億円になっていたんですね。だけど、我々議会としては、そのことについてこの9月の時点では承知をしていなかった。こんなふうに思います。いつまでもおっしゃるように、10か年の財政フレームが出てこないとか何とかと言っていたんだけど、既に皆さんのほうでは650億でもろもろを考えていた。我々は670億で物を考えていた。こういうそごがあった。若干――若干というと、またそうじゃないと。もっとすごいというかもしれませんけども、フェアじゃないなという感じがしますので、そのことについてはいつこの650億になったかというのは、今後いろんなところで課題になるかもしれませんが、ここでは申し上げておくことだけにしておきます。
 それで、この取り組み、これは今後も続けられる。そのようにきのう西岡副区長はお話をしたように思ったんですが、これは間違いありませんか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 予算編成方法につきましては、常に見直しが必要ではないかというふうな観点は持ってございます。見直し・改善を行うことによって、各事業部の経営機能が十分に発揮して、効果を最大限引き出す。そういったことが私どもの役割でございます。厳しい財政状況下の中をよく踏まえて、今後とも予算編成方針を検討することになるというふうに考えております。
○飯島委員 いや、そんなこと聞いていないんです。今後続くんですか、続かないんですかということ。時間を使うのはやめてください。どっちなんですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 引き続きこういったような取り組みの仕方をしていくということになると思います。
○飯島委員 そう答えれば、結構なんですよ。そうすると、どうやったらこの規模におさまるようにしていくのか。いわゆる一般財源充当の経費の圧縮、これを図らなきゃならないわけですね。この点については、区長も大変によく認識をされておりまして、今回の定例会でも極めて重要な、私としてはびりびりとしびれが来るような答弁を本会議でしております。それはどういうことかというと、区政全体の目標体系をトータルで見直し、事業の重点化・効率化を図り、歳出を歳入に見合った形に近付けていくための全庁的な見直し作業を行おうとしている。区政全体の目標体系をトータルで見直しちゃうと、こうおっしゃっているんですね。では、このトータルで見直す、事業の重点化・効率化を図る、こういう全庁的な見直し作業は、どのような体制で行うというふうにお考えですか。
○尾﨑経営室副参事(人事担当) 厳しい財政状況に対応しながら、(「どういう体制かだけ答えてよ」と呼ぶ者あり)はい。10か年計画などで示した中野の将来像を実現するために、現在の目標体系を見直すための体制について検討しているところでございます。
○飯島委員 ですから、だれが、どのような形でやる予定なんですか。そして、時期はいつからいつまで。つまり、こういうことなんですよ。どういう手順で、いつから、どの範囲でおやりになるのか。
○尾﨑経営室副参事(人事担当) 現在検討中でございますけども、全事業に対しまして、その中からピックアップするような形で事業の見直し、それから、効率的な執行につながるような目標体系をつくるということで、来年度着手する予定でございます。
○飯島委員 要するに、内容はまだ考えていないなと、こういうふうにしか受け取れませんね。だって、区長はですよ、区政全体の目標体系をトータルで見直すと言っているんですから。これを言葉どおり受け取ったら、今私たちがやっている、あるいは皆さんから言われている10か年計画の第2次、これについて踏み込まなきゃいけない。あるいは、ある機関については、今の出ているもの自体のやり方やら何やら、だって目標体系変えちゃうかもしれないんだから。そういうことにまで及びませんか。そうだとすると、全庁的な体制で本当にやるんなら相当大がかりなものになるし、今とりあえず平成22年度予算で出ているものについても、その後かなり大きな手直しや見直しや補正が組まれる可能性だって出てくるということになりますよね。今あなたがおっしゃったようなことで、ある意味ですよ、おやりになるというふうになると、とてもそこまでのことにはいかないんじゃないのかなと、こう思ったりするんですが、いかがでしょうか。
○田中区長 基本的に、基本構想の目指すあすの中野に向けた10か年計画、このことを改定しようとか変化を加えようとか、そういうようなことはありません。同じように、それを目指していく区政の、区の組織が持っている目標やその目標体系、そして仕事の体系、こういったものを、少ない歳入の中でもより効果的に達成できるように目標体系を全体的に見直す作業、こういうことで考えております。どこで、だれがということですが、経営本部において全庁的な見直しを統括的に行いながらトータルに見直しをしていくということです。見直しに当たって、まず現在の事務事業を全体的に洗い直していくといった準備の作業から、しかるべき時期にはそれなりの組織を設けた形での具体的な見直し作業に着手をするべきであると、こんなふうに考えております。
○飯島委員 区長がお出でになってしまいましたので、区長とやりとりすることになるんですけれども、そうすると、ある時点でこの見直しについてお考えを改めて整理をして、お示しはいただけると。その際の取り組みの、こういう体制でやります、こういう手順で行います、そして時期はいつからいつまでですと。そして、範囲については、このままだと目標体系そのものが見直されてしまう。こういうような感じでもありますから、改めてその辺については、区長のおっしゃっているように、僕は10か年がまだスタートもしないのに、第2次。それがもろもろ入れかわるようなことがある――そんなことがあってはいかんだろうと思うので、あえてそういうこの懸念を持ちましたと。その辺については払拭をさせていただこうということで質問をしました。区長、あるしかるべき時期に、私の言ったようなことについてお考えをきちんと、ペーパーの形になるんでしょうけどもね、お示しをいただけると。こういう理解でよろしいでしょうか。
○田中区長 そのように考えております。
○飯島委員 ということになりますと、この編成方針の中に3という項目があって、「事業の評価改善」というのがあります。「事業の改善に当たっては、管理会計室評価改善担当から示された事業改善方針案に基づいて的確に対応すること」、こういう書き方がされております。私もこの事業改善方針案というのを探してみました。そしたら、ありましたね。それは、これですね。こういうペーパーになっている。これで区長は今そうおっしゃっているわけですけれども、この見直しのなされた平成21年度事業改善方針案というのがありますけれども、これはこれに基づいて的確に対応しなさいと、こう区長は予算の編成方針で述べております。各事業部は当然、区長の編成方針に従って、見直しには的確に対応した。こういうふうに理解しておいてよろしいでしょうか。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 各部におきましては、この方針に基づきまして的確に対応したということでございます。
○飯島委員 その対応について、あなたがまとめられたんだと思いますけれども、こう書いてあります。「各事業部は、本方針案で示す事業改善の視点を踏まえて見直しを進めることとし、施策相互評価を経て具体的な見直し方針を区長へ報告するものとする」と。区長はこの報告を受けましたか。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 各部におきましては、8月25日までに各部の見直し方針を策定いたしまして、8月末になりますが、区長のほうに報告をし、確認を得ております。
○飯島委員 それで、「ここで確認された各部の見直し方針は、次年度の区政目標の作成及び予算編成に活用するものとし、次年度の予算に反映するものは、主な取り組みとして区民に公表する」と。これはこのとおりされたんですか。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 各部の見直し方針につきましては、予算編成の中で各部が主体的に見直しを図りまして、区民生活に大きな影響が及ぼす、このようなものにつきましては、予算編成の透明性の担保を図る、こういったことの観点から、主な取り組み事項として例年公表してございます。
○飯島委員 それは、この前、この区報に発表された主な取り組み。これ例年に比べると極めてシンプルというか、こんなことなんですかという程度ですけども、この大変な時期に、あなたがこういうふうな方針案を示されて、各部はこの方針に沿って見直しを決めて、見直し方針を区長に具体的に報告した。区長はその報告に基づいて云々という流れの中で、公表したものはこれだけなんですか。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 昨年12月に公表いたしました主な取り組み事項につきましては、その時期におけます来年度の財政状況、これが非常に厳しい状況にあるといった観点から、財政状況の部分について重きを置いて公表いたしまして、取り組み事項につきましては項目としてお示しをさせていただいたということで、従来とはちょっと違った方式をとったということでございます。
○飯島委員 そしてさらに、「見直し方針を予算編成に活用するに当たっては、平成22年度予算編成方針においてその取り扱いを指示するものとする」。この予算編成方針に、じゃあこの見直し方針という言葉はありますか。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 編成方針の中には見直し方針というものはございませんが、各事業部が見直し方針を策定し、区長の調整を得まして、その方向性、それから取り組みの内容について確認をするといったようなことでお示しをさせていただいております。
○飯島委員 じゃあ、あなたの書いたこれは、そのままは実現されなかったということですね。
 それで、「また、本方針案において見直しの対象とされた事業または施策の具体的な見直し内容については、(仮称)年次会計報告書として公表するものとする」、こう結ばれておりますけれども、この年次会計報告書において、見直しの対象とされた事業または施策の具体的な見直し内容が示されているんでしょうか。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 予算編成後におきまして、各部の見直し内容、見直し結果、こういったものを含めまして、事業改善方針の案を取ったものを年次会計報告書に掲載する予定で作業を進めておりましたが、本年度におきましては、年次会計書が策定をされていないということで、公表をしてございません。
○飯島委員 それから、この中に、いっぱいいろんなことたくさん載っています。非常に評価改善の立場から三つの視点で事業改善についてチェックをかけている。大変立派なものだと思いますし、これがそのままいけば相当大きなことになっていたんだろうなと思うんですが、そうはなかなかいかなかった。しかも、報告体制その他についても、当初想定したここに書かれているとおりには物は動いていない。
 それで、ちょっと気になるのは、評価改善の視点の3というのがあるんですね。これは、いろんなこと書いてあるんですけれども、その中に、経営本部の指定事業、進行管理にかかわって、特に経営本部が指定する施策もこういう改善の対象になると。改善の視点3にいうところの、特に経営本部が指定した施策というのは、これは何でしょうか。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 具体的な施策名でお答えしたほうがよろしいでしょうか。(「はい」と呼ぶ者あり)まず、外部評価結果がB-、もしくはCの評価を得た施策ということで、申し上げますと、情報計画、地域自治通信、環境行動、育成活動支援、地域子ども家庭支援センター、以上の4施策。それから、施策総合評価として区長に御判断を仰いだものが、男女共同参画、体験学習。それから、評価改善の部分のこの行政評価の関連です。それから、障害福祉事業、南部・中部・北部地域まちづくり、それから、福祉推進、地域支えあいネットワークの部分、この施策でございます。
○飯島委員 これは必要なことではあるけれども、やり方が、評価がB-、要するに、よく進んでいるとかということになっていないものですよね。この中に、私は、今後は保育園の待機児対策、これも本来は入れるべきだったんじゃないのかなと、こんな気もしますが、所管の感想でいいですから、お答えいただけますか。
○篠原管理会計室副参事(評価改善担当) 保育園の待機児対策については、区長も大重要案件として挙げてございますので、そういった面では次年度以降、そういったことも検討してまいりたいというふうに考えております。
○飯島委員 それで、同時にこの年次会計報告書で公表するというふうにされていますが、これはおっしゃったようにこの年次会計報告書が作成されていない、こういうことがあります。ここでいう年次会計報告書というのは、平成20年6月にまとめられた中野区の公会計改革の基本方針、そこでいうところの年次会計報告書と同じものですか。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) 同じものを想定しております。
○飯島委員 この年次会計報告書というのは、いつつくることになっているんですか。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) 予定では、今年度でございます。
○飯島委員 その方針、その予定が変わったという報告は議会では受けていませんから、当然今年度中にこの年次会計報告書がつくられると、こういうふうに理解してよろしいですか。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) この年次会計報告書の発行時期につきましては、決算分析、そういったものを予算編成の過程の中に生かしていくということもありまして、タイミング等もございます。想定では21年度ということですが、今年度についてはまだ検討中で、次年度に向けて取り組んでいきたいというふうに考えております。
○飯島委員 中野区経営本部の設置及び運営に関する規則というのがあります。その第2条、設置の中に、「区政の重要方針及び重要な施策を総合調整するため、中野区に経営本部を置く」、こうなっております。この今おっしゃった中野区の公会計改革の基本方針。基本方針ですから、これは当然経営本部で扱うべき、こういう規程に当たるものと、こう考えていいですか。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) そういう内容のものであるというふうに考えてございます。
○飯島委員 そうすると、この経営本部のメンバーは、区長はじめ3室の任務を担当している副区長と、こういうことになりますね。ここでは相変わらず、相変わらずというか何の変更もないわけだから、目指していくというふうになっているのか。それとも、どうなっているのか。相澤副参事のところで、これは、ここに書いてあることは、平成21年度はなかなか実現が難しいと。こう明言していただいちゃって構わないということでしょうか。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) 基本方針、このものにつきましては、公会計改革のねらいであるとか、目的とか、いろいろ定めてございます。それを実現する手だての一つとして、そういうものをスケジュールにも書かれているものでございます。その経営方針の中の具体的な手だてについては、その取り組みの課題として予定のとおりにいかないということも状況としてあるということでございます。
○飯島委員 ちょっと何か歯切れが悪いんですけれども、明確にスケジュール表ついていますよ、これに。この方針というのは、全体で方針ですから。この部分だけが、ある部分だけが経営本部のあれですよとかということにはならないんだけれども、やれるんですか、やれないんですか。
○沼口副区長 公会計改革の基本方針につきましては、経営本部会議で議論をして、決定されて、議会にも報告したところでございます。その中身の執行していくといいますか一つひとつを具体化していくのは、我々のところで議論をして、それを逐次また経営本部会議にかけてやっているところでございますけれども、現段階では、年次会計報告書の中身、これにつきまして検討しているわけでございますけれども、基本的には、財政分析、そしてまたこれからの事業の改善方針とか、そういうことを中心にやっていくわけですけれども、重要なものが一つありまして、今後の財政規律もやっぱりそういう年次会計報告書の中に明示していくことが重要ではないかと考えております。その財政規律の中身をどうしていくかということが今我々担当のところで議論をされていまして、なかなかこれについて明確なものが出ていないというのが現状でございます。今後引き続き検討して、そういう会計報告書にまとめていきたいと、そのように思っています。
○飯島委員 だから、聞いたことに答えてください。できるんですか、できないんですかというふうに聞いたんですが。
○沼口副区長 先ほどから担当の副参事から申し上げておりますように、タイミングの問題がここでございます。例えば、財政規律のお話も、次年度の予算の話をしますので、予算案ができた段階でいろいろこういうものをつくっていくのはなかなか難しいかなと。したがいまして、今の我々の考えでは、今年度中には出せないと、そのように考えてございます。
○飯島委員 だって、もう予算案できていますでしょう。出せないなら出せないと一言言ってくれればこんなに時間使わなくて済むので、よろしくお願いします。
 この公会計改革の基本方針、これはだけどやらないというわけじゃなくて、この21年度は間に合わない。こういうことなんですね。年次報告書に記載すべき事項というのを6項目挙げています。その一つに、行政評価を踏まえた事業改善要項というのがありますが、これは先ほど事業改善方針案でいうところの具体的な見直し内容を行政評価を踏まえた事業改善要項として示そうと、こういう考えだったんですか。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) そのとおりでございます。
○飯島委員 それからさらに、中長期の財務見通しも載せるとなっております。中長期の財政見通しというのはわかりますが、中長期の財務の見通しというのはなかなか聞きなれない言葉なので、これはどういう内容ですか。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) 経営分析に基づきます将来の財務諸表の見直しというような中身で使ったものでございます。
○飯島委員 見直しとは書いていない。見通しと書いてありますよ。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) 訂正させていただきます。将来の財務諸表の見通しというようなものでございます。
○飯島委員 それから、さらに次年度の経常的経費の上限額の考え方、これも示すんだと、こうなっています。これは、基準となる一般財源の規模とはいかなる関係にあるんでしょうか。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) 基準となる一般財源の規模650億円の範囲で、次年度の経常経費の上限を考えるという関係でございます。
○飯島委員 そうすると、何か財政フレームのこともそちらでお考えになって、この年次会計報告書に書くんだと、こういうように受け取れますが、財務担当とあなたのところと、それぞれどういう仕切りになるんでしょう。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) 中野区の示しているこういう財政フレームの考え方の中で、実際に予算を組む段階で、管理会計室として別の視点からこういうようなものを見ていくということを内部の編成作業の中で行っていくというようなことでございます。十分相談をしてやっていくということでございます。
○飯島委員 別の視点というんだから、ちゃんとした切り口を用意して、年次会計報告書にお書きになるんでしょうね。同じことをただ丸書きしたって、それは別の視点になりませんよ。あらかじめ申し上げておきます。
 さらに、基金の取り崩し額、起債の限度額、基金の積み立て目標額も記載する、要するに示していく。これも入れちゃうというのは、あたかもこの年次会計報告書は、予算そのものとは別ですけれども、財政にかかわるいわゆる短期から長期にかかわる見通しその他について記載していくんだと、こういうことに受け取れますが、そういうねらいというかお考えのもとなんですか。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) そういう財政の規律を考える際には、発生主義会計から得られた財務情報を生かして、起債の限度額であるとか基金の取り崩し、積み立て目標なども定めることも必要なことではないかというふうに考えているものでございます。
○飯島委員 それでは、発生主義の会計でこのことを考えると。いわゆる今の現金会計でやっている財政フレームの見通しと違う額が出てくる可能性もあると、こういうことですか。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) そういうことではなくて別の視点、例えば現金主義では出てこない退職給与引当金の負債の部分であるとか、ストックベースで見て起債の限度額というものをどういうふうに見ていくのか。そういうことで考えていくということでございます。
○飯島委員 それだって、数字が違わなかったら意味がないじゃないですか。あなたのおっしゃっていることは、前と後ろで矛盾しているんですよ。独自の視点で考えるならば、いわゆる現金主義で見たその数字と発生主義で見た数字とでは違いがあっていいんですよ、本来。そうであるならば。視点が違うんだから。より厳密に見る、より安全係数が高くなる。そういうことならわかるけど、同じ数字を載せるんだったら、何の意味があるんですか。そう思いませんか。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) 今おっしゃられたように、ちょっと違うというような視点から見ていくということで、またうちのほうからは、そういった発生主義会計からの情報をもとに規律というものを考えていくということも必要であるというふうに考えております。
○飯島委員 これ以上やっても、今の段階でお考えになっているところはそこなんですから、それ以上進みませんけれども、あえて申し上げておきますけども、年次会計報告書で違う視点から取り上げるのならば、数字は数字として片やあるけれども、しかしもう一面、違う視点から見れば、この数字は必ずしも安全係数上どうかな、リスクの負担からいったらどうかなということまで出すんなら意味ありますけど、同じことが、同じようなことがそれぞれに書いてあっても、さしたる意味はありませんよと。これだけは申し上げておきます。
 最後に、財産処分による資金調達ガイドラインというのをここに載せるとなっている。これは何ですか。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) 用地等、発生主義会計でいう資産に当たるわけですけれども、そういった際の売却先とか売却資金の使い方などのルールをガイドラインとして考えておくということでございます。
○飯島委員 調達した資金の使途をガイドラインで決めるというのは、いささかおかしいんじゃありませんか。区長の予算の編成、財源の手当、そこに踏み込んだことをこの年次会計報告書に書いちゃうと、そういうことですか。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) 年次会計報告書の記載内容の表現については、こういうものを載せていきたいというふうに考えて一定記載しているものですけれども、具体的な事項については現在検討中であり、また年次会計報告書を出す際にちょっと整理していきたいというふうに考えております。
○飯島委員 これは基本方針案ではありません。経営本部で確認をされていることです。まだこの記載については流動的ですなんていう御答弁は許されませんよ。担当としておかしいですよ、そんなこと言ったら。あなたの一存で、経営本部でこれを認めたものについて、変更も可だと、こうおっしゃっているんですか。
○相澤管理会計室副参事(経営分析担当) ちょっと言葉が説明不足な点があったと思いますが、そこに書いてある中身については書いていくということですけれども、実際にこれを、先ほど言いましたように、ガイドラインとしてどういうものを定めていくのかというものはなお具体的にこれから検討してきちんとやっていきたいというふうに考えております。
○飯島委員 ちょっと危ない答弁ですよ、今のも。だって、ガイドラインって、中身は決まっていないんだけれども、書いちゃったんだと。名目だけですというふうなことをお答えしているようにも思えるけれども、それはそれで。時間がありませんから、先へ行きます。
 それで、この財務管理の仕組みというのは、PDCAサイクルの上からいうと、ここがぱちっとはまらないと実際にはサイクルは回らない。このシステムの確立、21年度からと書いてありましたけれども、これはちょっとなかなか難しかろうと、こういうお答えだしたから、改めて副区長にお尋ねしますけれども、いつごろからじゃあこのシステム、財務管理の仕組みの確立はいつになるんですか。
○沼口副区長 来年度、きちんと考え方をまとめて、それから動くようになると思います。
○飯島委員 平成22年度中にはきちんとされると。それはそうですよね。だって、体系から何から見ながらいろんなことやるわけですから、当然きちんとしていただきたい。なるべく早くこれは確立されるべきだろうし、それは区長も今、地団太を踏む思いで聞いていると思いますよ。ぜひ早急に取り組んでいただきたいと思います。
 この項の最後に、中野区独自のと、こうあえて僕は言いますが、よくわからないので、副区長の担任制について質問をさせていただきます。
 地方自治法の第166条についての行政実例というのがありますが、これはどのようなものでしょう。
○尾﨑経営室副参事(人事担当) 地方自治法第166条の行政実例でございます。昭和27年のものでございます。当時の規定では助役ということになっています。現行法では副区市町村長。その副区市町村長に一般事務職員の職務を取り扱わせる必要が臨時に生じた場合においては、いわゆるその職務の事務取扱を命ずることができるとしたものがございます。
○飯島委員 そうすると、臨時に命ずるんですから、考え方として、逆規定を考えると、事務取扱を命じるためには、そういうポジション、セクション、あるいは役職、それが必要になる。こういうふうに考えるんですが、いかがですか。
○尾﨑経営室副参事(人事担当) 特別職、副区長がそういった事務取扱をする場合には、そういうポストがあらかじめ必要になってきます。
○飯島委員 したがって、中野区では、事務取扱ではなくて区長が委任をするという新しい、167条の規定で委任ができますよと。それから、167条の規定を用いると、これは直ちに告示をしなきゃならない。167条の第3項の規定で、告示をする。こういうことで中野区は副区長の任務を今やっていると、こういうふうに理解してよろしいですか。
○尾﨑経営室副参事(人事担当) 中野区の組織規則並びに今おっしゃった告示で担任の事項を定めています。
○飯島委員 私も法律のことは専門家じゃないのでなかなかこうだというふうに言えないんですけれども、この中野区の組織規則の第7条の規定、いろいろとあります。それから、平成19年10月1日に告示として第111号で、どういう告示かというと、中野区副区長の担任事項。中野区副区長の担任事項は次の表のとおりとするということで、副区長名が3名お書きになっていて、担任事項がこう書いてあります。担任事項の中に、中野区組織規則第7条第2項及び第4項、第9条第2項から第6項まで並びに第10条に関することが担任なんだと、こうお書きになっています。それで、これを見て、両方突き合わせてみました。そうすると、第7条の2項というのは、室長及び部長は、室または部に関する目標の体系を定めると、こうなっています。ただ、これだけ見ると、ああ、室長のやることをやるんだなと、こういう理解になっちゃうんですけれども、しかし、7条の本則といいますかその本体は、室に室長、部に部長を置くとなっていますけれども、括弧書きで「(政策室、経営室及び管理会計室を除く)」とこうなっていまして、この3室には室長はいないことになっています。したがって、この室長がいないから、副区長にこの事務取を命ずるというわけにいかない。ただし、その2項の規定は、室長及び部長は、室または部に関する目標の体系を定めると。室長並びに部長のいわば仕事というか、これを規定している項目なんですね。そうすると、副区長が室長を兼務兼職できない――することになっていないわけですから、特別職なんですから。だから、そういう論理で来たんだけど、この告示に書いてある組織規則の第2項云々かんぬんと、みんなこれ室長、部長の仕事なんですね。そうすると、僕はこれがどうなんだということは言いませんけども、室長でもないんだけど、室長の仕事を区長は委任する――これは167条の規定でできることになっていますから、それはそれでいいんだけど、しかし、室長としての責任がどうなの。あるいは、どういうことになってくるんですかといったときに、ちょっとこの規定は――本来、僕は告示の内容まで我々がどうだこうだと注文つけることではないんだと思いますけれども、むしろ、組織規則なんか引用しないで、ストレートに室の目標体系を考えるとかその他続いていることを書いたほうが、こういう条文規定そのものででき上がっているものですから、そのほうがむしろ全体としてはわかりやすかったんじゃないのかなと、こう思ったりしていますが、この点についてはどうでしょうかね。
○尾﨑経営室副参事(人事担当) 確かに、その御指摘は一理あるかと思いますが、当時、この役割を果たすためには、担任の事項、それを定めまして、室長及び部長の職責はそれぞれ副区長が行うというような、3室についてはそのような規定で整合性を図ったということでございます。
○飯島委員 それで、僕はそういう意見を持っています。これはやっぱりちょっと、何となく責任の所在その他についてはどうなんですかということになりかねないので、この際、区長としては、行革の体制としてこの3副区長制もあるんだと、こうおっしゃった手前もあるんだけれども、もう目標の体系から何からやっぱりトータルで見直そうかという時期なんですから、この際ですね、室長を置かれたらどうだろうか。それで、かわりに、副区長を3から2にするか1にするかわかりませんけども、減員をして、2,000人体制を目指したらどうか。私はそんなふうに思っています。なぜかというと、今の副区長はそれぞれに、総務部長とか企画部長のキャリアを持っています。全庁的な仕事の経験もあります。だけど、これから副区長をやるという人は、実はそういうポストがないんですね。総務部長とか、企画部長とかという。そういうことのキャリアを経ていない人が、事業部の部長から副区長になって決していけないとは言いませんけども、しかし、全庁的なことについてよくおわかりになって、区長のそういう補佐をするという本来の副区長の仕事を果たしていくには、そういうところを通っていったほうが、より中野区としては仕事がしやすいんじゃないか。この際ですから、副区長3人制はちょっとお考えを検討してみて、そしてぜひ総務部長、企画部長、これに当たるような政策室長と経営室長を置かれて、そこに人をちゃんと配置をされておやりになることが中野区のためになることなんじゃないのかなと、こう私は思っているんですけども、最後に区長にこれはお尋ねしないと担当は無理ですから、いかがでしょう。
○田中区長 経営的な立場から部課の調整を行ったり、総合的に調整を行って一つの経営方針にまとめていくと。こういう作業というのは、私の経験上ですよ。法則的にどうだとかそういうことじゃないんですけど、私の経験上、同じ部長級ではなかなかうまくいかないんですよ。本当にそうなんです。そういう経験で私は物を申しています。そういうことが一つと、それから、昔、助役盲腸説というのがあったですけどね。要するに、区長と同じ権限というか、区長の権限をただ横っちょにいてサポートするだけの人ですよ。仮に、この助役が存在感が薄い人だとまさに盲腸になっちゃうんですよ。この助役の大変存在感の強い人だと、区長は要らなくなっちゃうという、逆にそういう助役盲腸説みたいなそういう話のことなんかの経験とかしていまして、副区長という立場で、私と全くイコールの守備範囲を持った副区長だったら、私はいなくていいなというふうに思って、各部を経営的な立場から調整したり、全庁の統制を行っていくということをする、そういった具体的な事務分担を持ってもらうとすれば、特別職としての副区長というようなことがいいと、こんなふうに考えているわけですけれども、執行体制というのは、常にいいものを目指して改善を図っていくと、こういうことになっていくと思いますので、現在の私の考え方はこういうことだと。委員の御意見もいただきながら、よりよいあり方を追求していきたいと、こういうことです。
○飯島委員 区長のお考えは、十分そうだろうと思いながら伺いました。ただ、現実の問題として、その区長の思いやお考えがうまく浸透して動いているというふうにはなかなか思えない事態が多いので、諸悪の根源とは言いませんよ。そんなことではないけれども、しかし、うまく本当にかみ合っていけば、それはおっしゃるような力が出る。しかし、うまくいかなかったときにはどうなんだと、そういう心配もあります。この自治体、行政の組織というのは、確かに骨太に積み上がってきているものというのはやっぱりあるんですね。それは我々がそんなことを認めたらどうかと思いますけれども、しかし一面ではそのことも否定できない。そういうことについて、いろんなことを考えていくと、どうもそこに行き着くので、あえて申し上げさせていただきました。
 以上でこの質問は終わります。
○いでい委員長 飯島委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
      午後0時04分休憩

      午後1時00分開議
○いでい委員長 委員会を再開します。
 休憩前に引き続き総括質疑を行います。
 飯島謹一委員、お願いします。
○飯島委員 次に、国民健康保険事業特別会計について質問をさせていただきます。
 この国特会計といったりしますけれども、国民健康保険事業特別会計自体の所管はどこですか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 国民健康保険特別会計の所管につきましては、保健福祉部でございます。予算につきましては、区長が調整・編成しておりますので、予算担当も関知するものでございます。
○飯島委員 当たり前のことといえば当たり前のような答弁なんですが、事業はもちろん国保の分野でやっていらっしゃる。会計自体というのは、そうするとこの会計自体もあなたの分野のところで所管をされている。こういう理解でいいんですか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 所管の部長が予算につきましては区長等に報告しますので、私どもが担当しているものでございます。
○飯島委員 それでは、中野区予算事務規則に規定があります補正予算の手続の流れはどのようなものですか。簡潔に言ってください。
○志賀政策室副参事(予算担当) 所管の部長は、予算調整後に予算の補正を必要とする理由が生じたときには、その旨を政策室の副区長に報告をいたしまして、区長が補正予算を調整し、編成しているものでございます。
○飯島委員 それでは、この国民健康保険の保険料につきまして、かつて責任収納率、これが設定をされていましたが、平成12年度にこの廃止をされたというふうに伺っています。この責任収納率が平成12年度に廃止されたのは、なぜですか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 廃止されたことにつきましては、都区制度改革によりまして、特別区国民健康保険事業調整条例が廃止になったことによるものでございます。
○飯島委員 廃止になるまでの間、この責任収納率というのは、中野区は何%だったんでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 現年度分保険料につきましては、91%でございました。
○飯島委員 これはずっと91%だったんでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 私の記憶するところでは、91%がその廃止直前までだったというふうに記憶してございます。
○飯島委員 先ほど、廃止の理由については調整条例がなくなったからということで伺いました。常にこの国民健康保険事業特別会計のこの予算の編成に当たっては、厚労省の国民健康保険課長が、国民健康保険の保険者等の予算編成に当たっての留意事項、こういう通知を都道府県の担当のところに出している。同時に、その都道府県の担当の人には、そのところにある区市町村に伝えてくださいという話になっていますが、この通知というのは、予算編成に当たってどの程度重視されるんでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 予算の積算に当たりましては、基本的にこの通知に従っているものでございます。ただし、保険料の積算におきまして、これと一部違った取り扱いをしております高額療養費や審査支払手数料につきましては、23区の統一基準を加味しているものでございます。
○飯島委員 先ほど、中野区長の予算編成方針についてお伺いしました。この平成22年度の中野区の予算についての編成方針について、中野区長は、この保険料について、収納率の向上の取り組みについてだけ書いてある。その他のことについては、この国保課長の通知によって編成がされていると、こういうことなんでしょうか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 予算編成方針には、収納率の向上につきまして記載しているところでございます。これは、収納率向上の結果といたしまして、一般会計からの繰り出しを減少させる、こういったものがございます。また、収納率の向上に対する取り組み、または戦略、こういったものにつきましては、区長査定の場におきまして、担当所管部から提案をいただきまして、区長の御意見をいただいた上で、その年の対策をしているものでございます。
○飯島委員 そうすると、表向きというと変ですけれども、編成方針には、保険料について、区長は収納率の向上取り組みの言及があるだけですね。ただし、中野区の国民健康保険事業特別会計だから、予算を編成する権限、これは区長にありますね。一方、厚労省の課長の通知というのが一方にこれあり。これは、どっちが最終的に重きを置いて予算編成されているのか。私は当然、区長が、区長の指示というか予算編成方針、それからさまざまなやりとりがあってつくられているんだろうと、こう思うんですけど、どうなんでしょう。
○志賀政策室副参事(予算担当) 最終的な予算編成の権限におきましては、すべて区長にございます。このことから考えれば、区長査定の結果がすべてだというふうに考えております。
○飯島委員 そうすると当然、厚労省の課長の通知というのを無視している。そういうところもありますよね。中野区のこの国保の会計で、通知に書いてあることをそのまま実施していないことって、ありますよね。そういうことでしょう。
○志賀政策室副参事(予算担当) そういった厚労省からの通知も踏まえながら、予算編成におきまして区長が査定をしているといったところでございます。
○飯島委員 それはいいんですよ、別にね。区長は御自分でこの保険者の事業と同時に特別会計というのを予算編成するわけです。だから、課長の通知には、安定化のための基金を持ちなさいと。一応、基金の積み立てみたいなのはあるんだけど、現実には積み立てない。なぜかと。基金がないからと。こういう今中野区は構造になっていますよね。違いますか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 委員御指摘のとおり、なかなか基金を積み立てる余裕がございませんので、基金というのはつくってございません。
○飯島委員 したがって、厚労省の課長の通知どおりではないということがあると。それはそれとしながら、この厚労省の課長の通知には、歳入事項として、保険料について、予定収納率というのを出しなさいと、こういうふうに書いてあります。これは、この予定収納率というのは何でしょうか。また、責任収納率とはどこが違うんでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 予定収納率につきましては、保険料の賦課総額を決定する上で、過去の収納状況等を勘案して決定すべきとされている数値でございます。一方、責任収納率につきましては、かつて都の財源調整が行われているときに、特別区国民健康保険の交付金算定上の数値として示されたものでございます。
○飯島委員 意味合いがほとんど違いますね。同じ収納率とはいったって。今、副参事が説明していただいたように、予定収納率というのは、どれくらいの保険料賦課総額になるのかというのを計算するときに使うわけですよね。22年度の中野区の国民健康保険事業特別会計の予定収納率は何%をお使いになっていますか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 現年度分につきましては、82%を設定してございます。
○飯島委員 この通知によりますと、次のようなことが書いてあります。予定収納率。保険料(税)の賦課(課税)総額とは。ア、イ――アというのは、医療給付費分の保険料(税)。イというのは、後期高齢者支援金分の保険料。それから、及びウというのは、介護納付金分の保険料、こうなっていますけれども――において基準とした額と保険基盤安定繰入金として計上した額との合計額を予定収納率で除して得た額であるが、この予定収納率の設定に当たっては、過去の収納状況等を十分に勘案した上で、実行可能な予定収納率を設定されたいと、こうなっています。ですから、全体こういう賦課総額の計算をする際に、予定収納率でやりなさいよということになっているんですが、今おっしゃったように、82%ということになると、最初から18%は計算していないと、そういうことでよろしいんでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) やはり100%というのは現実的に難しいということでございますので、先ほど申しましたとおり、過去の収納状況とか区の取り組みを勘案して、年度ごとに設定しているということでございます。
○飯島委員 何か最初から敗北主義的に、これは無理だなというふうに聞こえちゃうんですけれども、そうすると、そもそもが、中野区の82%の予定収納率でいくと、18%はどこかでその財源を考えなきゃいけないんだと。こういうことが最初から、このスタートから想定されているんでしょうか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 23区につきましては、統一保険料方式というものをとってございます。その設定の仕方につきましては、100%収納できない場合につきましては一般財源の投入を想定しているのが実情でございます。
○飯島委員 いや、だから23区じゃない。中野区もそうなんですか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 同様に、一般財源の投入を想定しているものでございます。
○飯島委員 この予定収納率というのは、過去の収納状況を十分に勘案してということですから、当然82%に固定されているものではありませんよね。収納率が上がっていけば、当然この収納状況が改善されていけば、予定収納率は上がると。こういうふうに理解していいですか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 委員御指摘のとおりでございます。
○飯島委員 中野区というのは、82%とありますけれども、これは過去はもうちょっと高かったんですか。低かったんですか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 平成20年度の実績としましては、現年度分が81.5%ということで、実際としては81.5%が収納されたものでございます。
○飯島委員 それでわからないんですけど、予定収納率は82%ですね。僕が聞いているのは、予定収納率は82%でずっと来たんですか。それとも、過去の収納状況を勘案してパーセントを決めるから、85%とかというのを設定したことはあるんですかと、そうお尋ねしている。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 大変失礼いたしました。年によりまして、現年分の収納率も変わってございますので、82%は固定したものではございません。
○飯島委員 だから、どうしたんですかと聞いている。過去に、中野区は82%より上だったこともあるのか。あるいは、下だったこともあるのか。それはどうなんですか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 平成20年度に後期高齢者医療制度が始まる前は、現年度につきましては82%より高い収納率を予定してございました。
○飯島委員 つまり、その82%より高い時期があったと、こういうことですね。そう言ってくれればいいの。7秒ぐらいで済んじゃうんだけどな。そうすると、この予定収納率を超えて現実に保険料というのを徴収できたこともあるんでしょうね、きっと。予定収納率を常に下回っているということじゃないでしょう。それはどうなんですか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 過去には、予定収納率を上回って収納した時期があるというふうに考えております。
○飯島委員 それが、今はどうなんですか。趨勢として。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) なかなか今、現在の厳しい状況でございますので、設定した保険料の予定収納率には達しないというのが現状でございます。
○飯島委員 そうすると、予算でそもそも最初から一般会計からの繰入金で保険料の足らず米を補てんするような予算を組んで、これは通知がそうなっているんだから、そういうことなのかもしれません。基準額だし、賦課総額だから、何とも言えない。でも、それにも達しないと、どうなりますか。予定収納率でだって賦課総額を決めているんでしょう。予定収納率の賦課総額を決めたんだけど、その予定収納率にも保険料収入が達しないとすれば、またそこに足りない分が生まれてしまいますよね。そういうことになっていると、そういうことですか。今、国保会計というのは。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) なかなか保険の収納率に達しない部分につきましては、補正等で対応させていただいているものでございます。
○飯島委員 だから、対応させていただいているんじゃなくて、そういうことになっているんですか。この予定収納率に行けば、当初予算を編成した、その歳入の枠組みの中で、突発的な事項がなければ、例えば今回の新型インフルエンザみたいなことがなければ、それはそれで行けるんでしょうと。そういうことになっているんですよね。今、それに達しないから、さまざまな補正で財源の補てんをしなきゃならないという事態が起きているんだと。こういうふうに我々としては受けとめるんだけど、そういうことでいいんですか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 基本的にはそういう理解で正しいかと思います。
○飯島委員 そうすると、平成21年度の第6次補正、国保は2次だったかな、補正をやりました。最終補正。最終補正、上げましたよ、この前。ここでは繰入金の補正もしました、一般会計から。そうですね。これは、現状の国保会計の入りと出を見ていて、既に入りと出を比べたら3億円ぐらいもう出のほうが多くなっちゃっているわけですから、そういうことからすると、それを補てんして、財源の補てんをして均衡をとるための補正予算だった。そういうふうに理解していいですか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 必ずしも全体が保険料の不足分ということではございませんけども、その部分も含めて、保険料の不足分も含めて補正をさせていただいたものでございます。
○飯島委員 ですから、当然もう補正しましたから、これで大丈夫ですね。21年度は。だって、大丈夫なために補正をしたわけだから。今、やってからそんなに日にちたっていませんよ。大丈夫ですね。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) ぎりぎりの数字ではございますが、赤字にはならないという想定で積算したものでございます。
○飯島委員 ぎりぎりの数字という言い方に何か含みがあるような気がして心配なんだけど、そういうことでおやりになったんだと。
 それで、そういうことで、通知にはそう書いてあるから、最初から一般会計からの繰り入れである程度のものを考える。しかも、法定分以外の部分ですね、それは。だから、それはそういう構造になっているとは、それは理解しますよ。しかし、基本的には、国保会計、事業会計だから、それは自分の中の、一般会計とは別の中でやりくりをするということになっているのが、これは建前ですから、本来保険料の範囲でやっていただくということが大事なことだと思いますけれども、それはそれとして、例えば、平成21年度の最終補正、これが出されました。これを可決しなかったら、議会が。たしか僕の直近の記憶だと、反対をされた会派もあったような気がしたんですが――そうですよね。可決しないとどうなりますか、国保会計。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 繰入金に関して、国保改正の補正が行われなかった場合につきましては、歳入不足になる可能性がございます。
○飯島委員 可能性があるから、補正したんでしょう。可能性があるというか、もうほとんどそうなっちゃうから補正したんでしょうから、これを可決しないと国保会計というのはひょっとしたら赤字になる。そういうことですか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) そういう可能性がございます。
○飯島委員 赤字になったら、どうなりますか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 場合によりましては、繰り上げ充用という方法になります。
○飯島委員 繰り上げ充用って、何の繰り上げ充用なんですか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 22年度の予算のほうで、足りなかった分につきまして繰り上げて充用するということでございます。
○飯島委員 またこの通知に戻りますけども、この通知によると、赤字保険者に関する事項というのがあります。「平成21年度において新たに赤字を生じることが見込まれる保険者は、原則として平成22年度において赤字を解消することとし、その解消財源を明確にした計画を策定の上、必要な額を確実に計上されたい」と。「なお、平成21年度に赤字が見込まれる保険者のうち、やむを得ない事情により平成22年度単年度で赤字の解消を図ることが困難な保険者は、国保保険者の赤字解消基本計画書及び赤字解消計画実施状況報告書についてに示した赤字解消基本計画を策定の上、平成22年度解消分として必要な額を確実に計上されたい」と、こういうふうになっているんですね。だから、赤字であること自体をいつまでも許しませんよ。そういうことであっては困りますよ。なぜならば、これは国民健康保険事業だから、区民の生命にかかわる問題ですから、健康にかかわる問題ですから、そうそう赤字であっていいわけがない。そういうことが規定をされています。
 それで、この赤字解消基本計画というのは、どういうものですか。
○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) 赤字解消基本計画につきましては、実質収支が2年継続いたしまして赤字の保険者に課せられるものでございまして、都に提出するものでございます。これにつきましては、赤字解消基本計画、赤字解消計画実施状況報告、医療費及び保険料の算出基礎等を作成するものでございます。この計画書につきましては、計画期間内におきまして実質収支に赤字が生じないよう恒常的に支出する収入を確保しつつ、累積赤字を解消するための計画を作成するものでございまして、解消の期間は原則として5年以内となっているものでございます。
○飯島委員 先ほど、補正予算の手続については伺いました。そうやって事業部の部長から政策室の副区長のほうに補正予算の申し出がある。これが流れですね。この補正予算の申し出というのは、そのう受けた側、財政分野の担当の副区長の側でこれを拒否することは可能ですか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 全般的な事項として申し上げます。部が提出してきました補正予算案につきまして拒否はいたしませんけれども、予算担当といたしましては、その権限におきまして、ゼロ調整をする場合もあります。しかし、すべて予算編成権は先ほど申し上げましたとおり区長にございますので、区長査定の結果がすべてであるというものでございます。
○飯島委員 私は、いたずらに国保会計が赤字になっていいと申し上げているわけでは毛頭ありません。国民健康保険事業が着実に行われて、区民の健康が保たれる。これは大前提。ただ、この予算を積算する過程の中で、あらかじめもう既に一般会計からの繰り入れによって成り立つような構造ができ上がっている。当初予算で期日を組みます、計算をして。しかし、なおかつその予定収納率が達成できずに、またさらに補正をしなければならない。こういう状況が当たり前であるということについては、やっぱりそのまま何もしないでいていいのかということについては考えなきゃならない。こんなこともあろうかとは思います。しかし、補正の申し出をこれは拒否できる、そういう性格のものではないことも事実です。したがって、この会計を預かっているところは、あるいは国保事業をやっているところは、そういうもろもろのことを考えて、この保険料の予定収納率は最低限達成をしていく努力がどうしても求められるんじゃないのかなと私はそう思うんですけども、この点についてはいかがでありましょうか。会計を所管する責任である部長の御見解を伺います。
○金野保健福祉部長 国民健康保険特別会計につきましては、当初予算で保険料の収納を見込み、また医療費の支出見込み等をできるだけ正確に組むようにしておりますが、実際には収納率の変動、またさまざまな要因で年度中に医療費の変動が生じたということによって補正が必要となる場合がございます。このところずっと補正をお願いしている状況でございますので、そういったことがないよう、より正確な当初予算の編成に心がけていきたいと思います。
 また、特に保険料の収納につきましては、さまざまな収納対策の強化、また組織的な体制づくり等もあわせまして、十分にしっかりとやっていきたいというふうに思っております。
○飯島委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。以上申し上げて、次の質問に移ります。
 建築物・住宅の耐震化促進について伺います。
 委員長の許可をいただいて、こういうものを持ち込ませていただきました。これが地震発生時に閉塞を防ぐべき道路というのが、すみません、あまり大きいのをつくれなかったものですから、こういうふうな道路が、この線がついているところが指定されている道路です。これを見ると、かなり細かいところ、つまり幹線道路よりさらに中野区というのはそういう指定されている道路が入り込んでいるなということがわかります。このことをちょっと頭に置いていただいて、質問に入りたいと思います。
 この新規事業として、私も一般質問でやらせていただいて、時間が切れて御答弁がいただけなかったという、こういう事業であります。この新規事業の緊急輸送道路沿道建築物の耐震化ですけども、平成22年度の目標耐震化率は81%、このように補助資料に書いてありますが、この達成は可能ですか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 結論から申しますと、可能であるということでございます。
○飯島委員 すみません、結論だけ言われても困るので、少しね。あまり時間、丁寧だと困りますけども、一応言ってください。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 失礼いたしました。これは、平成21年度におけます緊急輸送道路沿道の全建築物の耐震化率、これは約80%ございます。これで年々の建てかえ想定、あるいは除却想定、これを加えますと81%になると、そういったものでございます。
○飯島委員 もう既にゼロから始める事業ではなくて、ある程度耐震化が進んでいると、こういうことですね。事業の概要について、簡単に説明してください。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) まず、対象建物でございますが、これは沿道建築物すべてではございません。昭和56年以前、いわゆる旧耐震の建築物であって、なおかつ高さが前面道路の幅の半分以上のもの、これが道路閉塞の可能性がありますので、これを法的には特定建築物と呼んでいまして、対象とするというものでございます。具体的には、この特定建築物の耐震改修工事を実施する前に、補強設計費、あるいは耐震改修工事費に要する費用の一部を助成すると。1件当たりの助成限度額は3,000万円となってございます。
○飯島委員 ちなみに、この事業の対象になる件数、つまり80%は進んでいますけども、でもこの残りの部分があるわけですから、それはどのくらいの数になりますか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) この特定建築物の総数は、区内で約1,600棟と想定されます。ただし、この中で約55%が耐震性能が不足すると想定しておりますので、実際は880棟程度ではないかと考えております。
○飯島委員 そこで伺いますけども、今年度予算が今おっしゃったように、新規として改修助成が3,000万円ついています。これは何件分ですか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 1件分でございます。
○飯島委員 このペースでやっていくと、何年かかりますか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 今回の1件に関しましては、これは先行的なモデルケースと考えておりまして、実際の目標といたしましては、平成31年度末には90%の耐震化率を見込んでおります。
○飯島委員 それは、見込まれているというのは、今の1件ずつやっていってということですか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 件数につきましても、来年度の状況を見まして、また判断したいと考えております。
○飯島委員 それは私が想像すると、じゃあ、実際にこれができても、使われなければ実績ゼロですからね。だけど、これは1件あった。申し込みがあった。その場合は、副参事として、この予算編成をする権限のある区長に、ぜひやっぱりこういう要望があるんですから、事業があるんですから、補正をお願いしたいと。こういうこともちゃんと腹に入れていると、こういうことですか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) そのあたりは区全体の財政のほうと相談させていただきながらやろうと思っていますけれども、この沿道に関しましては、耐震改修だけではなくて建てかえ等もあります。そういった誘導もあわせてしていきたいと考えております。
○飯島委員 非常に合理的というか、いろんなことを考えた上での御答弁だなと思いますが、実績が出てくるんなら、進めていくし、これはもろもろすべてが一般財源ではありませんね。補助金もつく事業。そういうのというのは、基本的にこのランキングの高い中野区では位置付けをされていますから、ぜひもしこれが進んでいくんなら、強く区長に要求をしていただきたいと、こう思っております。
 これはこれ以上やっていますと、区長がまた出てきていろんなことお答えされちゃうと困っちゃうので、次に行きます。
 それで、木造の耐震、これもあります。今、この細いところまで入ってはいますけども、すべての道路じゃありません。災害路というのは、実はこの緊急輸送道路より前に、まず自らを輸送するというか、避難しなきゃならない避難道路になっているところがあります。こういうところは対象になっていない。そういうところに面しているところについては、助成金が出るなんていうことになっていません。じゃあ、そういうところとでは随分違うねと。だけど、命にかかわるという意味でいえば、そういう災害路や何かのほうも非常に課題が大きいなというふうに思うわけですけれども、この辺に対する対応がこれからの課題になってくるんではないか。副参事は、この前、墨田区で行われた耐震改修フォーラムというのに出て、中野区のいわゆる簡易耐震の進め方について講演をされたようであります。なかなか盛況だったというふうに聞いています。ただ、私思うに、僕らがこの視察に行って、戸別に行って、やりなさいと言っていたときから比べると、やや足踏み状態のような気もしますけれども、ここで新たにもう一度そういう取り組みをされる予定のようにも伺っていますが、もう一度この戸別のこういう木造の、昭和56年以前ですか、そういう建物についての耐震診断をさらに進めていく、こういう必要もあると思いますが、いかがですか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 今回、前回の戸別訪問をやろうという形で、さらにきめ細かな対応のモデルケースにしたいということから、大和町全域で昭和56年以前の木造建築物約3,000戸を対象に先々週より戸別訪問を実施しておりまして、普及啓発や耐震に関する相談をお受けしているところでございます。また、今回は、区登録の耐震診断士にも加わっていただきまして、よりきめ細かい対応を試みております。現在のところ、具体的に耐震改修、または建てかえをしたいと、そういった意向を示された方が約8件ございました。
○飯島委員 ぜひこっちのほうもやっていただきたい。災害路ですから、そんなに高い建物じゃなくても倒壊すれば逃げ道をふさいでしまうという事実もありますし、ほかの要素もあります。私は、この緊急、沿道の耐震化に助成をするというならば、この災害路の我々が実際逃げる場合の避難道路になっているところの安全性もやっぱり確保することが同時に図られないとバランスがとれなくなると。物は通るようになりましたが、みんなが逃げられないんでは何にもなりませんので。ぜひこの住宅地内の災害路、避難路として住民の生命の安全を、非常性において劣るわけではありません。極めて大事な要素ですので、耐震診断はこれからもう一度馬力をかけるということですから、耐震化促進につなげるために、これまでの耐震補助・助成があるとかないとか、区長はそんなことしなくたって進んでいますよと、こうおっしゃったりなんかするわけなんですけれども、そういう視点ではなくて、改めて避難路のいわゆる安全対策、ブロック塀の倒壊をどうするかとかいうようなことも含めて、新しい総合安全対策につながっていくこの簡易耐震が、こういう施策化、この検討も早急に進めるべきではないかと思いますが、いかがですか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 例えば、住宅地内のブロック塀でございますが、現在、区内の通学路を中心に危険度の調査をしておりまして、これは今年度末にまとまる予定ですが、その結果を分析いたしまして、これから有効な対策について検討したいと考えております。
 また、現在、建てかえ助成の際は高さの高いブロック塀の築造は禁止しておりますけれども、今後、住宅の耐震改修の促進も含めた総合的な安全対策に関しましても検討したいと考えております。
○飯島委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。以上伺って、次の質問に移ります。
 土地開発公社の健全化について伺います。
 平成18年3月に土地開発公社の経営の健全化に関する計画書というのがつくられました。これを見ますと、目標に簿価総額というのが一つ。それから、5年以上の保有地の簿価総額というのが一つ。この両方のことがこの目標に掲げられていて、どちらも平成22年度には標準財政規模の0.08ポイントにするのが目標だと、こういうふうになっていますが、これは達成できるのでしょうか。
○冨永経営室副参事(用地・管財担当) 今、委員御指摘のように、二つの目標を掲げております。一つは、5年以上の公社が保有している土地のことでございますけども、それにつきましては、22年度末、8%以下に抑えることが達成される見込みということでございます。もう一つの、5年以上という前提条件ではなくて、土地開発公社が持っている保有の土地についても8%以下という目標設定をしたわけですけども、それにつきましては、目標達成が難しいと、困難であるというふうな状況でございます。
○飯島委員 これをつくったときには、両方とも同じ簿価総額だったんでしょうけども、だんだん土地を土地開発公社で取得しましたから、簿価総額は上がっていきますよね、当然。だから、同じパーセントにしてあること自体がおかしいと言えばおかしいんですが、どこかでこれは一たん、本来の実態の数字に合わせるべきであったのではないかなと、こんなふうにも思いますし、そういうことについて、もう最終年度ですから、来年度が。だから、今からどうだということにはなりませんけれども、これを5年以上の保有地の目標がクリアできれば、簿価総額について、全体の条件つかないわけですよ、これがクリアできなかったとしても、この土地開発公社の経営の健全化に関する計画は達成されたと、こう受けとめられるんでしょうか。
○冨永経営室副参事(用地・管財担当) 東京都に対して、あるいは総務省に対して5年以上については8%以下にするということについては、先ほど申し上げたとおりでございます、目標は達成されたというふうに思います。ただし、今の御指摘の公社が保有している土地については、22年度末の目標数値からは少し離れていまして、8%以下ではなくて14%というような見込みを持ってございます。東京都にいろいろ協議したり、ヒアリングとか年間、随時あるわけですけれども、総務省の公社の経営健全化について一定の指標を持ってございまして、それは25%を下回ることということでございますので、中野が独自で設けた8%には目標達成はしないけれども、総務省、東京都の目標、いわゆる全国の公社の経営健全化の指標としては25%以下、先ほど14%ということでございましたので、それについては東京都も何ら指導とか、監督とか、チェックをするというような考え方ではないというふうに都庁と確認してございます。
○飯島委員 当面はだからおとがめはないというような、平たく言えばそういうことなのかもしれません。しかし、区が掲げた努力目標であるかもしれないけれども、その努力目標は、一つのものについては達成できないと。しかも、それは、あなたがお答えになって、所管しています土地開発公社自体の問題というよりは、中野区の用地取得にかかわる計画、大きく言えば10か年とか何とかもかかわってくるんでしょうけど、こういうものの影響によって簿価総額の目標は、だって取得しているのが増えちゃうわけですから、だからそういうことになってきている。幸いにして14%ですから、総務省基準はクリアできているからいいけれど、そうじゃなくて、野放図に土地を買って、土地開発公社にため込んでしまったら、それこそ健全化計画、それ自身がどうなんですかということになりかねない。こういう問題をはらんでいるということですね。もう今さら、これは直す気はありませんよね。今数値を戻すわけにはいかない。
 ただ一つ、私は何でこういうことを言っているかというと、予定していた用地が平成21年度に取得できませんでした。本町二丁目の用地です。こういうのがあると、もしこれが仮に5年たっているものの中に入っていたら、ガクンですよね。だから、そういう点も目配せをしながら、もろもろ考えていただかなきゃならないし、取得できなかった理由は何かといったら、1年またがって起債ができなかったなんていう、本当にお粗末な理由。そんなことでいろんなことに影響が出るんだということをよく考えてやっていただかなきゃならんなと。したがって、あえてこういうことを聞きました。
 とりあえず、健全化計画については、これは認められるものになりつつあるし、達成はできると。こんなことを確認しました。それで、どうせこういうのをつくるなら、そういうきちんとした――途中で変わってくるんなら、私は2年目、3年目に変えてもよかったんじゃないか。平成19年とか20年に変えてもよかったんじゃないかなと。そういう意味での変更も弾力的に、計画を実態に合わせていくということをぜひ今後はおやりになったほうがいいんじゃないかなと、こう申し上げて、お答えは結構ですので、次の質問に移りたいと思います。
 情報政策官の設置について伺います。
 設置条例というのがありまして、この設置条例で情報政策官の設置についての目的がもろもろ語られております。時間の関係で、もう引用するのはやめました。ここに第5条というのがありまして、第5条にはこういうことが書いてあります。「情報政策官に対する報酬の額は、月額60万円を超えない範囲内において区長が定める額とする」と、こうなっています。この第5条の規定が置かれているというのは、なかなか珍しいこういう設置条例なんですけども、なぜこの規定が置かれているんでしょうか。
○平田政策室副参事(情報政策担当) 第5条につきましては、中野区非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の特例となりますために、別途情報政策官の設置条例において報酬額を定めるものでございます。
○飯島委員 特段にこの額がかさばっていると、こういうことなんでしょうね。IT専門支援員の報酬に関する規定もまた別途定めるということになっていますが、この定めについては、どうなっていますか。
○平田政策室副参事(情報政策担当) IT専門支援員の報酬につきましては、中野区非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の第2条に基づきまして定めてございます。
○飯島委員 ちなみに、どういう規定でしょうか。
○平田政策室副参事(情報政策担当) 非常勤職員の費用弁償に関する条例でございますが、第2条第1項に、「職員に対する報酬の額は、勤務1日につき2万3,500円を超えない範囲内において任命権者が定める額とする」と、こう定められてございます。
○飯島委員 したがって、働いた分に応じてと、こういうことになるでしょうね。場合によっては、情報政策官の方の月額報酬よりも多い場合がある。そういうこともありますか。
○平田政策室副参事(情報政策担当) 現状においては、ございません。
○飯島委員 規則の第8条第9項、10項、11項の規定によると、今そういう定めがこのIT専門支援員についてはあると、こうなっています。それで、この全体で情報政策官の方と、それからこのIT専門支援員、どちらかというとテクニカルなことなんでしょうかね、こちらのほうが、おやりになると。それで、この情報政策官の成果について伺いました。平成20年度に何を政策官の成果が上がっているか、年にだって予算で720万ですからね、なかなかのものです。ここに第1条関係で、「情報システムの効率的かつ効果的な活用を支援する」と、こういう目的に対して、第1条の規定に関して何をしたかということが書いてあります。その中に、例として、住民票自動交付機システム構築というのがあります。これがこの情報政策官の方の成果の顕著な例として挙げられています。これは、20年度に設置して、21年、ずっと仕事をしていただいた。22年に、そうすると、こういう流れからすると、住民票自動交付機システムというものの開発みたいなことが予算に組まれて行われるのかなと、こう思っておりました。ところが、当初予算にはこれが計上されていませんでした。なぜこれは計上されなかったんですか。
○平田政策室副参事(情報政策担当) 自動交付機のシステムに関しましては、引き続き導入に向けた検討を行っているところでございます。調達ガイドラインでは、構想企画段階を単年度と定めておりませんので、複数年間にわたって検討することも想定してございます。
○飯島委員 所管といっていいのかな、分野担当としては、ここまでいろいろやってくれたことですから、本来であれば予算に計上して、成果として定着させる。しかも、この自動交付機というのは、これはほかの施策とも関係している部分がありますね。そういうことあって、ここに一つは出てきたかとは思うんですけど。本来ですと、かなり区長が力を入れてやろうと、こう言っていたことを支援する、いわばインフラみたいなものですよね。これについてのある程度の取りまとめ、その他をこの情報政策官の人がやってくれと。本来であれば、予算に計上するんだけど、財政事情も云々だけど、しかし、もう既にスタートしていて、動いている部分がある。区民活動センター、こういうことですね。そうすると、23年云々なんていうことを予定しているとすれば、22年度中にこれは計上して取り組みをしているのが本来ではないのかなと私は思うんですが、お組みにならなかった。分野としては、ぜひこれは予算として計上してもらいたいんだと、こういう要求はされたんですか。
○今区民生活部副参事(戸籍住民担当) 自動交付機を直接所管する予定になっておりますところは私どもでございますので、私のほうからお答えさせていただきます。
 私どもとしては、一刻も早くこのシステムを導入したいということで、一応予算要求をさせていただきました。
○飯島委員 財政事情その他で、これが実現しなかったということなんでしょうね。ただし、これを実現しないことによって、当初想定されていたほかの、あなたが本来所管しているところかどうかわかりませんよ。恐らく違う方ですね。その仕事は大幅に影響をこうむりそうになっているじゃありませんか。それはどうなんですか。
○今区民生活部副参事(戸籍住民担当) これからその辺のところについては、交付機が入らなかったことによる影響をどのような形で、どう対応していくのかということについては十分検討させていただきたいというふうに思っております。
○飯島委員 規則の11条第7項には、情報システム政策評価委員会が設置をされると、こうなっております。この問題について、このシステム政策評価委員会は議論をされたという経緯はあるでしょうか。
○平田政策室副参事(情報政策担当) 自動交付機の構想につきましては、一定程度まとまったために、昨年12月時点で政策評価を行っております。
○飯島委員 まあ、いろんな手続はされたんですけども、なかなかその計上に至らなかったと。それはその評価はもろもろわかるでしょうが、この影響はそんな簡単なことではないと思います。ですから、十分それぞれに影響することを考えながら、おやりになる必要があるのかなと思っています。
 それで、平成21年度と22年度では報酬、この情報政策官、それからITシステム云々のこの報酬が減額されています。この減額の理由は、実績を評価したら、やっぱりそれは高いかなと、こういうことなんでしょうか。
○平田政策室副参事(情報政策担当) 実績の評価の結果として報酬を下げたものではございません。今年度の予算までは、民間のコンサルタントの報酬等を参考にして報酬額を定めておりました。ただ、今年度に入りまして、他の自治体でもCIO補佐官の導入等が進んでおります。ですので、そちらの報酬額なども参考にしながら、来年度予算では報酬額の見直しを行ったものでございます。
○飯島委員 妥当な額というか、大体見たらこの辺だなというところに落ち着いたと。初年度ですから、よくわからないので、若干高目についてしまったのかもしれないと。そういう反省もあったのかと思いますが、いずれにしても、仕事に見合って、あるいは報酬が出ているわけですから、十分その仕事をしていただく。その仕事は必ず区政に反映をしていくと。こういう過程が大事なので、ぜひ今後もよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、最後の質問に移ります。その他で、政策研究機構の見直しについて伺います。
 見直しで何もなくなっちゃうのかなと思ったら、何か一部残ったりするようなお話もありました。何が残るんでしょうか。
○小田政策室副参事(調査研究担当) 外部の専門家を非常勤職員といたしまして登用いたしまして、長期的な政策研究を行う自治体シンクタンクとしての看板のほうはおろすわけでございますけれども、今後も政策研究担当におきまして、職員が政策研究のほうは行っていきたいというふうに思っております。具体的には、政策研究機構が担っておりました機能・役割のうち、人口推計をはじめとしました基礎調査分析、区政の特定課題の調査研究のみを引き続き行っていきたいと思っております。調査研究のテーマや内容は、現在よりも企画部門や事業部の施策事業の立案支援に力点を置くような形で考えてございます。
○飯島委員 今おっしゃっていただいたことを前提にして、実は私は総務78の資料をつくっていただきました。特別区民税現年分の推移ということで、調定額、納税義務者数及び一人当たりの課税額ということを出してもらったものです。平成10年からこの21年度までの決算実績で書いていただきました。これを見ると、あることに気がつきます。税務担当分野は、どんなことをこれでお気付きになりますか。
○青山管理会計室副参事(税務担当) ただいまお話のありました資料でございますが、そちらからは、中野区民一人当たりの課税額についてでございますが、毎年の税制改正の影響を除いて同じ条件で比較いたしますと、納税者が増加する一方で、区民一人当たりの所得は減少しておりまして、一人当たりの課税額はおおむね減少傾向にあるということでございます。
○飯島委員 おっしゃるとおりでありまして、これを見ると、平成11年度のいわゆる中野区の財政危機のその状況のときの一人当たりの課税額に戻りつつある。一時期よかったんですが、底を脱したかと思いましたが、16万8,310円ということで、16万7,507円ですから、ほぼそんなところに戻りつつある。しかも一方で、納税義務者数についてはおよそ2万7,000人ぐらい増えていると、こういう数になっていて、納税者は増えるんですけども、一人当たりの納税の額、つまり所得が下がってくると。こういうのは、本来的に出てきている絵柄の一つだろうなと。
 それからもう一つ、これは資料がありませんけれども、中野区、それから東京都の企業倒産件数及び負債額というのがありまして、この統計調査がありました。これは、平成20年度と平成21年度の倒産件数、それから負債額を比べたものです。私は、この中野区が打った緊急経済対策が確かにきいているなという一つの例証のようにも思うんですが、担当分野はどのように評価されていますか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 都との比較につきましては、前年からの推移を見ますとわかりやすいかと思います。倒産件数について比較いたしますと、東京都全体の倒産件数が平成21年3,005件、前年に比較すると3.6%増加しておりますけれども、一方、中野区内の倒産件数は平成21年39件であり、前年に比較しますと32.8%減少しております。また、負債額につきましては、東京都全体、中野区内ともに減少しておりますが、区の減少率は都を上回っております。区としては、緊急経済対策として平成20年11月から緊急経済対策基金、緊急経営応援資金を実施しているところでございますけれども、この間、件数にしますと3,600件、融資実行金額でおよそ208億円を超える融資をあっせんしてまいりました。東京都全体としては倒産件数が増加する中、中野では倒産件数が減少し、負債額についても減少率が都に比較して高いことは、区として行った緊急経済対策、これが功を奏したものと一定の評価をしているところでございます。
○飯島委員 そこで、政策研究機構について戻るわけですけども、長期的な云々かんぬんについてはおやりになるし、より政策的なことにかかわるところについてはやっていくんだと、こうおっしゃっておりました。私は、こういう問題こそ、政策研究機構というふうに言うのかどうかわかりませんけれども、区の長期的な計画、人口動向がどうであるかではなく、さらにその先に、その人口動向はどう区政、あるいは区民の生活に影響を与えるのか。それにどう対処していくのか。そういうことをやっぱり考えるセクションがあっていいんだ。また、職員の皆さんがそれをやるということは極めて大事なことなんだと、こう思っていますし、それから、今お答えがありましたように、区の施策がどうであったのか。PDCAサイクルで云々という以前にというか、とはまたおのずから違う視点できちんとした施策の位置付け、そしてそれが区税収入やあるいは区の雇用にどう跳ね返ってくるのか。そういう経済対策。こういう視点で物をお考えになる。そういうインフラベースのことをきちんと押さえた上で中野区のまちの将来像も考えられるんだというふうなことは引き続き、やっぱりしっかりとおやりになるところをお持ちになるべきじゃないのかと。そういうふうに私は考えているんですけど、御担当としてはいかがですか。
○小田政策室副参事(調査研究担当) 委員御指摘のような問題に関しまして、このような区政の重要問題に関する分析というのは今後も区政を経営していくに当たっては大変重要なもので、必要なものであるというふうに認識をしてございます。22年度意向も、政策研究担当におきましては、さまざまな区の現状や課題を分析していくとともに、課題の内容に応じまして、所管部が行う分析の支援等を行っていきたいというふうに考えてございます。
○飯島委員 ありがとうございました。
 最後に、いろんな質問を、限られた時間でありましたから、多少はしょったところもありました。多少区長とは考えが違うところ――多少じゃないな。かなり違うところもありました。それはそれとして、しかし今、私は、区の抱えている、区政の抱えている課題、あるいは区の職員の執行する機関としての課題、それから財政の見通しその他、それから本来きちんとすべきものはきちんとすべきである、こういう指摘もさせていただきました。最後には、今、中野区が行ってきたそういう仕事についても、一定の成果があるならば、それをさらに進めていく、そういう努力もされるべきであると。それが区民福祉の向上につながるんだというふうなことを言わせていただいたつもりでございます。
 そういうことを踏まえて、区長はこれから、またさらに意欲をお示しになりましたけれども、こういう御指摘を踏まえて、今後のかじ取り、予算のこれからどうなっていくのか。そういうふうなことも踏まえながら、今お考えになっている、またおやりにならなきゃいけないことも少し気がつかれたかもしれません。そういうことについて、最後に区長の見解を伺って、終わりたいと思います。
○田中区長 区政の改革をしながら、また施策も前進させてということでありますので、ある意味では、走りながら考えるというような場面がどうしてもあらざるを得ないということだと考えております。そういう意味で、当初考えていた改革や仕組みづくり、そうしたものが必ずしも想定していたように進んでいないということもあると思っております。また、その進んだ形が、そのままでこれからもいいものかどうかといったことについても、やはり検討するべきこともあるだろうと、こんなふうに思っております。そうした改革の現在ということをきちんと踏まえた上で、さらにそれを発展させていくということが今後の中野区政をより着実で安定したもの、そして中野区の未来を開いていくものとしていく上では本当に大事なことだなと、こんなふうに考えているところであります。
○飯島委員 区長の決意と、それから実際を強く期待をして、私のすべての質問を終わります。御静聴ありがとうございました。
○いでい委員長 以上で飯島委員の質疑を終了します。
 次に、来住委員、お願いします。
○来住委員 日本共産党議員団を代表して総括質疑をさせていただきます。
 項目に従って進めたいと思います。
 まず、この新年度の予算ということになりますが、田中区長は「人間のまち中野」を基本理念としてきたそれまでの区政の基本を転換され、さらに、基本構想や10か年計画も、開発の進捗に合わせて改定をされたということになりました。国の長期にわたる社会保障の削減というのが行われてきたこともあって、介護や福祉、医療というところで大変いろんなひずみが生まれております。そういうことと合わさって、雇用不安が貧困と格差を拡大するということから、所得が大きく落ち込むという状況が、私たちが地域に出ましても商店街の皆さんからも、区民の皆さんから、大変だという声がたくさん寄せられているわけです。
 そこでまず、区民の暮らし向きがどうなっているのかということで確認をしたいと思います。給与収入の状況がこの間どうなっているのかということを伺いますが、いかがでしょうか。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 中野区民の給与収入に関してでございますが、平成21年中の一人当たりの給与収入につきましては約480万円程度と見込んでございます。これにつきましては、この10年ほど減少傾向にあるということになっております。
○来住委員 もう少し具体的に、21年度480万とおっしゃいましたけども、前年と比べてどのような状況があるということですか。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 平成20年中の一人当たりの給与収入につきましては、約510万円ほどでございました。ということで、21年の見積もりと比較しますと、約30万円ほど減少したということになってございます。
○来住委員 大変な年間での給与所得者、給与収入の方々の一人当たりの所得が、年間で30万を超える額、落ち込んでいると。これは、この10年間で見ましても、確かに毎年給与収入は落ちてきました。10年間で見ると、年間で21万落ち込んでいるんですね。しかし、今おっしゃったように、この1年で30万を超える落ち込みになっている。これはこの10年の落ち込みを1年で、しかも30万を超える。したがって、この10年、11年でいうと、50万を超える給与所得者の年間の収入が減っているということでの理解でよろしいですか。
○青山管理会計室副参事(税務担当) 10年前、平成21年から見て10年前の平成11年の一人当たりの所得がおよそ530万円でございました。そうしますと、平成20年が先ほど申し上げましたように510万円、それから21年が480万円ということでしたので、11年から20年までの間に20万円ほどの減少、それから20年から21年の1年間で30万円ほどの減少ということでございます。
○来住委員 私たちが先ほど紹介したように、働き盛りの皆さんを含めて、それはもう直接商店の皆さんにも影響が出ているということだと思うんですね。10年間で、今言われているように、区内の給与所得者の状況はわかりました。今言われているデータでは、勤労者所得がこの10年間で27兆円マイナスになっていると言われておりますね。この影響、中野にももちろん直接あらわれているということだと思います。新聞報道によりますと、新しく卒業する高校生などの就職内定も74%と言われていますし、それから自殺の、本当に心が痛みますけれども、中野区内の方が77人、20年度にそうだったというふうにもお知らせをいただきました。特に20代から30代、若年層にかなりそういうところが広がっているということにあるそうです。こういう区民の暮らしの実態に直接やはり区政として温めていく、支えていくというのが本来予算を組むときの基本でなくちゃいけないというふうに私たちは考えているわけです。残念ながら、この提案されている予算を見ますと、高齢者の方々の健診の自己負担もそのままですし、また新たに後期高齢者の葬祭費の7万円、これも5万円になってしまう。さらには、特別支援学級の小・中学校連合宿泊学習の廃止というようなことも盛られております。こういう生活苦の中で区民の皆さんを支える、そういう視点の議論、区民の皆さんの生活の実態、そういうものを予算編成の過程の中でどのように反映しよう、どのように議論をされたのかを伺いたいんですけれども、どなたか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 財政状況が大変厳しい状況下におきましても、平成22年度の予算編成におきましては、区民の暮らしを守り、将来にわたって持続可能な豊かさをつくり出していくための予算編成を行ったところでございます。
○来住委員 とても区民の実態が見えていません。一方で、予算と関連しますので次のテーマに関連しながら入っていきますが、この本予算案の一つの特徴、特に大規模開発、この事業に、これだけはと熱心な内容になっていると言わざるを得ません。そこで、警察大学校跡地、また中野駅地区のこの4事業に対して、新年度の予算ではどのような計上が行われているんでしょうか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) まず、警察大学校跡地でございますが、22年度につきましては、道路・公園整備につきまして4億円、そして中野駅周辺整備に関しましては、計画調整で8,000万円、そして中野駅地区の基盤整備で6億5,260万円余を計上させていただいております。
○来住委員 この開発予算については、そういう形で組まれていると。中でも、新年度に関しては、中野駅地区基盤整備、これは本格的に始めるというような説明もあったかと思うんですけども、ここで今6億5,200万円ということでおっしゃいました。説明の中では、中野駅地区第1期整備に係る設計及び工事を行い、さらには、横断東西連絡路整備に伴う設計。設計と工事が一体となって説明がされていますが、その内訳はどのように考えていらっしゃいますか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 第1期整備事業の内訳でございますが、仮設駐輪場等の整備、中野通りの線形変更及び北口広場の樹木移植等にかかわる設計及び工事でございます。加えまして、現北口駅前広場、そして中野通りを横断する東西連絡路、この整備に伴う設計を予定しております。
○来住委員 設計工事についての内訳は、まだ不明ということですか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 繰り返しになりますが、設計の内訳としては、仮設駐輪場、中野通りの線形変更、そして北口駅前広場、東西連絡路の設計ということでございます。
○来住委員 おおよその予定されている額をお聞きしたかったんですけども、このように、開発についての部分については完全に聖域化をしたと。予算編成の段階でですね。一言で言うと、聖域化したということを言い切れるんじゃないかと思うんですが、それについてはどのように判断なさいますか。
○志賀政策室副参事(予算担当) 予算編成に過程におきまして、聖域はございません。
○来住委員 今後の事業について想定される事業費、重ねて今後の想定事業費について、この4事業について、答弁をお願いします。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 新しい中野をつくる10か年計画(第2次)案につきましては、これら駅周辺に関する事業及び警大に関する事業につきまして、まず警大跡地の公園整備に5億円、道路整備に8億円、中野駅地区整備に297億円を見込んでいるところでございます。
○来住委員 300億を超える将来の想定される事業費ということになります。私が昨年のこの予特で伺ったときも、この4事業は26年度までに211億円ということでありました。これが計画上、2019年までということになりますので、かなり長期にわたる事業費が予定をされたということになります。あわせて、区役所の用地取得なども別に入ってまいりますので、莫大な将来負担が生まれてくるということであります。そして、財源では、起債が158億円、示されておりますので、先ほどの議論もありましたが、こういう不況の中で将来、起債ですから、パイが決まってきますので、ふえる保証はありませんので、それが本当に将来的に財源の負担が及んでくるんではないかということが極めて懸念をされます。いずれにしても、これは国にしろ、都にしろ、税金ですから、税金を使う開発ということには変わりありません。したがって、今の、特にこの今回大きく踏み出す中野駅の地区基盤整備については、JRの負担が何ら明らかにまだされていませんし、その中でこの事業に踏み出していくということになりますと、本当にどうなっていくかということは、これはもう大きな問題です。したがって、私たちは、今少なくともこの事業については立ちどまって、今JRにやってもらわなきゃならないバリアフリー、段差の解消であるとか、そういうことについてはまずJRにやらせるということが私たちは今やるべき仕事だと思いますが、いかがですか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 中野駅地区の基盤整備、これは中野駅周辺まちづくりのかなめとなる事業でございます。まさに交通基盤施設のバリアフリー化や利用者の安全性の確保、これの確保を図るためにも、JRと協議をしながら、事業を着手しようとしているところでございます。JRの駅施設のバリアフリー化、これを実現するためにも、この事業を着実に推進してまいりたいと思っているところです。
○来住委員 まだまだ長期にわたる財政負担も含めて、将来的なものを踏み出していくことには立ちどまっていただきたいし、今やるべきことをやっていただきたいと。
 引き続きまして、この財源の問題にも絡みますが、区の説明はこれまでこの都市基盤施設の用地の生かし方といいますかその整備については、都市計画道路と防災公園について、開発者負担の原則で整備するというような説明が区民にも行われてきました。そこで、開発者協力金は事業者それぞれ覚書を交わされたと聞いておりますが、その額の確定、幾らなのか。それから、いつ入るのか。そして、一括して入ってくるのか。その使途、使い道はどうなのかという点。その4点について、あわせて伺います。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 開発協力金についてでございますが、これは開発を先行する事業者とは、御指摘のとおり覚書で協力いただくことを確認しているところでございます。その具体的な内容については、現在協議をしている最中でございます。使い道についてでございますが、これはまちづくり基金に積み立てた上で、中野駅周辺の都市基盤の整備、その財源に充当するということを要綱で定めております。
○来住委員 40億円というふうに言われてきましたが、いまだに具体的な数字が事業者との確定が行われていないと。しかも一方で、事業は税金を使って始まっていくということにあるわけです。この開発協力金を出す事業者、これから――まだだ、まだだと言われていますけども、当然出す以上はそれに見合う条件を求めてくるだろうと思われます。それについては、どのようにお考えですか。
○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 開発協力金については、先ほどの趣旨を事業者も十分理解をした上で覚書を取り交わしているところでございます。したがいまして、新しい条件を付すというようなことはございません。
○来住委員 形は違いますけども、オリンピック招致の寄附金なども報道されておりますけども、やっぱり出す側としては、当然それに見合うものを将来的には求めてくるというのは、これはもう当然のことですから、私たちは、皆さんがおっしゃっているように、いまだに話もつけられない、そしてその条件すら非常にあいまいだと。しかも、結果的に中野区が手にするのは、警大跡地でいえば当初4ヘクタールのこの公園が、広場と公園と合わさっても1.5ヘクタールということになりました。しかも、日中、冬時は、冬場は6時間に及ぶ日影だと。周りがビルに囲まれて、日影の公園ということにならざるを得ない。私たちは、専門家に依頼して日影図をつくってもらいました。本当に深刻な日影に公園はなります。そのことはお聞きしませんので、そういうものでしかないということを申し上げて、この項については以上です。
 それでは、耐震補強工事助成についてお伺いをいたします。
 この補強工事の助成については、依然として中野区が他の区に比べて実施がされていないと。23区で唯一だということからして、私たちは、こういう仕事、こういう区民の命を守るという仕事は率先してやるべきだと、そういう立場で伺いたいと思います。
 1月17日に、中野区耐震改修促進協議会が再発足して、第2回のフォーラムが開かれました。私も参加をさせてもらいましたが、ここでの実行委員会のあいさつでは、この阪神・淡路大震災からことしで15年だと。震災の犠牲者6,434人、死者の80%相当、約5,000人は木造家屋が倒壊し、家屋の下敷きになって即死をしたということから、住宅の耐震性をどう高めていくか。そして、あらゆる手だてを講じていく必要があるというようなごあいさつであります。また、座長で豊川副参事があいさつをされていますが、地域の中でこの事業が進むようにというようなごあいさつもされております。そこで、この促進協議会の目指す目的、目標というものを簡潔に。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 中野区耐震改修促進協議会でございますが、これは中野区登録の耐震診断士及び耐震改修施工者と区が連携することを目的にいたしまして、構成員の任期を2年といたしまして、平成19年11月に設置をされました。昨年末に任期終了したところから、今回新たに再発足をしたものでございます。
 この耐震改修促進協議会でございますが、これは地域の団体ですとか建築関係団体、それから区民及び区との連携と協力によりまして、住宅等の耐震化を一層促進すると。そういったことを目的としております。例えば、地域の建築の専門家や施工業者と地域住民とで一緒に地区全体の住宅の耐震化に取り組む。そういった活動も考えているところでございます。
○来住委員 協働しながら進めていくといった点では、極めて大事な役割を果たしていくんだろうと思います。耐震診断が進む中で、新築・改築についてはそれによって耐震化が進んでいくと。しかし一方で、古い建物については、昭和56年以前ということになりますが、補強になかなかつながらないということもございます。中野区が実施している不燃化促進の助成、それから木造密集地住宅の建てかえ等がありますが、これらは簡潔にどういう事業ということになりますか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 簡単に御説明いたしますと、いずれも建てかえの際に助成をすると、そういったものでございます。
○来住委員 個人の資産に対して、その価値を高めていくという点では、文字どおりそれも大事な事業だということが言えます。問題にやっぱりなるのが、昭和56年以前の古い建物ということになりますが、この木造についてはどのような把握をされているんでしょうか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 今御指摘の木造の状況でございますが、これは平成20年度末の推計でございますが、中野区内には昭和56年以前、いわゆる旧耐震基準の木造住宅が約2万4,000戸あると推計しております。このいわゆる旧耐震基準による木造住宅ですが、一般的にはその9割が現在の耐震基準を満たさないと想定されているところから、現在、区内に耐震基準を満たさない住宅は約2万2,000戸程度はあるものと推定をしております。ただ、これらにつきましても、実は中野区は年間約2,000戸以上住宅の建てかえがありますので、ですから、かなり年々減っているという状況ではあります。今後は、こういった建てかえの予定のないもの、かつ耐震基準を満たさない住宅、そういったものにつきまして、無料耐震診断ですとか普及啓発、相談対応、そういったことによりまして安全の確保を図りたいと考えております。
○来住委員 そうはいっても、なかなか建てかえまでは数からいっても時間もかかりますし、個人の力ではできないという部分もかなり残ります。私どもは、全面的な建てかえはできないけども、ほどほど耐震といいますか、例えばバリアフリー化やリフォームをするであるとか、そういうケースを生かして、その部屋だけだとか、部分部分で耐震化が併用して行われる。そういう考えもできるんではないかというふうに思っています。したがって、診断から耐震改修に踏み出せるように誘導をしていくと。そういう意味での助成のあり方、方法というものを十分工夫できるし、それが命を守る施策の展開につながっていくというふうに考えますが、その点についてはいかがですか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 中野区内では、住宅のリフォーム工事、これは非常にたくさん行われておりますが、なかなか耐震改修まで行われていないと、そういった状況がございます。中には、構造上極めて不適切なリフォームがあることも認識をしております。一つの住宅で何回も工事を行う、これは現実的ではありませんから、リフォームの機会をとらえて耐震改修を実施することも有効な手段ではないかというふうに考えております。
○来住委員 ぜひ耐震化が進むということで助成を具体的に誘導する、極めて助成制度が有効だというふうに考えますので、ぜひ踏み出していただきたいというふうに申し上げます。
 さきのフォーラムでも強調されていたんですが、命を守るという点で、家具転倒防止の対策というものが随分このチラシでも強調されております。これならばかなりできるかなというような方々もいらっしゃるんではないかと思いますが、実際に区の資料を見ますと、転倒防止の金具の取りつけはなかなか進んでいないようです。数字的にも年間、直近では20件とか、20年度で15件というようなことで、なかなか進みません。しかし一方で、これは東京都の補助制度になっておりますので、これを進めていくということは極めて大事な、重要だと思いますが、この辺をどのように進めていくのか。あわせてお聞きしますけれども、金具だけではなくて、建物と部屋と、例えば家具との間に何らかの突っ張り棒を使って、まず命を守るというようなやり方も含めて、この金具だけではなくて助成という方向で考えていく必要があるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 例えば、家具転倒防止金具を含みます安価で信頼できる耐震関連の装置や工法、こういった展示を、例えば区役所の1階部分で行ったりとか、あるいは区報の防災特集号でこういった御紹介をしております。さらには、昨年12月ですが、区内全域を対象にいたしまして、新聞折り込みによりまして家具転倒防止金具の取りつけをお勧めするチラシを配布しております。なお、こういった取り組みは、区の補助というよりは、これはやはり自主的にやっていただきたいということでございます。
 ただ、今回、以前からですが、高齢の御世帯には、家具転倒防止金具の取りつけ工事に当たりまして、無料で工事業者を派遣する。そういった制度もございます。
○来住委員 金具の取りつけも、それから耐震の補強工事も、これが事業として行われるということになっていけば、地元の業者の方々の仕事にもつながりますし、そしてそのことが地域の安全や安心を高めていくことにもなるというふうに考えますけれども、この点での地元業者さんのこの事業との関係でどのようにお考えですか。
○豊川都市整備部副参事(建築担当) 住宅の耐震化ですとか安全確保、これをより促進するためには、先ほども申し上げましたが、地域における取り組み、これが非常に有効であると考えておりまして、先ほど申し上げました耐震改修促進協議会の活動、こういったものを基軸に支援に取り組んでまいりたいと考えております。
○来住委員 それでは、ただいまの耐震については、一刻も早く実施をしていただけるように強く求めておきたいと思います。
 次に、その他ということで、先に職員の健康について質疑をしたいと思います。
 職員の一人ひとりが生き生きと働くことのできる職場環境を整えてこそ、区民の皆さんとの関係でも満足のできる仕事、満足のできる関係が保証されるというふうに考え、前回、1定でもこのことを、特にメンタル面においての質問をさせていただきました。それを受けて、さらに充実をしていただきたいという立場で質問を行います。
 総務委員会に報告をされているもので、メンタルヘルスチェックの実施結果というのが報告になっております。これは、社会的な健康度、それから心身の健康度、生活の健康度という形でとられたものが報告になっておりますが、特徴は、家庭生活での満足度は極めて高いという数値が出されておりますが、しかし、社会的健康度の中の職務共感という点、理念や運営方針に共感できる人が少ないというのが数値としては低いということがあらわれております。あわせて、体の健康では、自律神経系の症状の訴えが多いということ。さらに、ストレス問題では、サポート体制が低いと。相談相手がいないというような、全体の平均を考えると、これらが指摘をされておりますけれども、この理念や運営方針に共感できる人が少ないというこの職務共感の低さについては、どのように考えておられますか。
○村田経営室副参事(健康管理担当) 理念や職務共感が低いと、そういう結果をどう考えるのかという御質問でした。これは、自分なりの仕事の進め方ができていないと感じている職員が多いということだと思います。若い職員に多いんですが、これは役所だけではなくて、ほかの民間の会社でも基本的には若い人が自分なりの仕事ができない、そういうことが多い。これは、命令される立場にあるので、そういうことが一般的に言われておるということでございます。中野区役所におきましては、こういう事態を放置するのではなくて、管理職が部下に対して分野の目標等を丁寧にきちんと説明する、また日常的に職員間のコミュニケーションをとるなど、係長会等できちんとそのコミュニケーションの大切さ、そういうのを実践していくことによりまして、職務共感というのは高めていけるものと考えております。
○来住委員 職場のまとまりが仕事を進めていく上では極めて大事なことですので、それはこういう数値をやはりきちんと判断なり分析をして、共感が持てるような職場運営ということが、このメンタルという点では大事な課題だというふうに思います。
 この調査によりましても、この間の相談、保健士相談、メンタル医師への面談、相談というより面談ですね。この面談が、職員数は減っているんですけども、年々減ってきていますから、しかし、職員の数に対してはむしろ率がふえているというふうに見て取れます。例えば、19年と20年でいいますと、保健士、メンタル医師の面談は、それぞれ保健士の面談が287人――失礼しました。職員が1,453人に対して287人ということですから、19年から20年で見ますと287人ふえています。さらに、メンタル医師への面談もふえております。お聞きしますが、休職者数というのがこのメンタル、精神による比率が高まっていると思いますが、職員当たりに対する休職者数というものはわかりますか。
○村田経営室副参事(健康管理担当) 御質問は二つあったと思います。1件目は、メンタル医と保健士との相談件数がふえているというものでございます。今の19年と20年との比較において述べられたと思います。20年にふえた要因といたしましては、平成20年に始めてメンタルヘルスチェック、いわゆるストレスチェックを行ったんですね。そのことによりまして、精神面のそういうことに対する関心が高まり、相談に見える職員が多くなったんではないかなと。それから、毎月心の通信ということで各職員に情報を流しているんですね。そういうもので絶えず、メンタルで心配がありましたら、職員の健康管理室にぜひ足を運んでほしいと、そういうPRを毎月のようにしておりますので、そういうのをごらんになった職員が足を運んでくれているのかなと。それから、休職が終わりまして復職しても、私たちは半年、または1年にかけまして毎月1回は相談に来てもらっている、そういう方式をとっておりますので、やはり相談件数等上がるのは当然のことと考えております。
 それから、休職者の数は減っていないんではないかということで、比率は、委員言われましたように、確かに減っておりません。数字で言わせていただきますと、平成18、19、20年度でいきますと、休職者の割合が1.2%、1.3%、1.4%とふえてございます。御指摘のとおりです。これにつきましては、私たちは休職者の数は基本的には変わっていない。ただ、職員が毎年100名近く人数が減っておりますので、そういうことで比率的には上がっているように考えるのが妥当であると。ただ、それでいいということではなくて、一人でもメンタル疾患の方がいなくなり、または早く復職できる、そういう体制を整えていかなくてはいけないと考えております。
○来住委員 いろいろ努力をしながら改善を図っていくという点では非常に大事だと思います。新年度の予算では500万円が減となっております。休職をする前の段階、いわゆる休暇取得の、精神による休暇取得の把握がされているようですけども、これも決して少なくなっているわけではありません。休職に至る前にどうこれをフォローしていくかということが大事だろうと思うんですね。やはり、対処療法ではなくて、メンタルな部分ですから簡単ではないですけども、休職に至らない段階での対応・対策ということが大事だとは思うんですが、その点についてはどのようにお考えですか。
○村田経営室副参事(健康管理担当) 健康管理室では、職員が気楽に相談に来られるようということで、さまざまな工夫をしてございます。開かれた健康管理室を目指すということで、まず先ほどの質問にありましたように、相談者の増加が見られた。これはやっぱり気軽に相談に来ていただける職員がふえたんではないかなと、そういうことで、その相談を受ける過程で、早い時期にメンタル疾患、メンタル不調の職員を見つけて、例えば次の主治医を紹介したり、お医者さんに行っていただくようお話ししたり、そういうことで早期治療を勧めているということでございます。
 また、本人だけではなくて、職場の管理者に対しまして、先日も行ったんですけども、管理者向けのメンタルヘルスチェック、またその結果の組織分析、そういうので見て、おたくの分野ではどういうところに特徴があるのか、また特徴が欠けているのかと、そういうようなお話をいたしました。
 また、管理職の方は、早くそういうメンタルヘルス不調の職員を見つける方法等書いてありますメンタルヘルスの対応マニュアル、そういうものをつくりまして、各管理職には渡してございます。そういうことによりまして、専門医等の御協力によりまして、職場からなるべくそういう人が出ないように、またもし出た場合は早くに見つけて、早く治療を受けていただく。そういう体制をとってございます。
○来住委員 やっぱりメンタルヘルスのチェックをやったり、情報を発信したりすることで、相談に、面談にも出やすい環境が整うというようなことがあるのではないかと考えられるんですね。そういう点では、やはり予算上の問題ですけども、そのチェックを新年度はやめるということがこの500万円減だというふうにお聞きしているんですが、やはりこの啓発をしたり、自覚意識を持ってもらう。そして、休職に至らないように、できるだけ事前に健康管理ができるような、そういう手だてをむしろこの予算の使い方としてはそういう工夫の中で生かしていくということが大事だと思うんですが、その点には、今後のいわゆる循環器やら自律神経系が数値の中では出ていますね。非常に高まっているということになっていますので、そのサポート体制が弱いがゆえに相談相手が職場になかなかいないというような、こういうことも考え合わせて、何を健康管理分野としては打つ手があるのかと。そのためには予算も必要だと思うんです。その点については、いかがですか。これ最後にします。
○村田経営室副参事(健康管理担当) 今、御質問が2点ほどございました。1点目は、何でメンタルヘルスチェックをやめたのかということで、メンタルヘルスを行った目的というのは2点ほどございます。1点目は、組織分析、うちの役所全体ではどういう傾向にあるのか。また、各分野ではどういう傾向にあるのか。これを僕らは知って、対策を立てたいというのが1点目です。これにつきましては、メンタルヘルスチェックを終わった後、先ほど言いましたように、各管理職に来ていただきまして研修を行いまして、組織分析等どう見るか、そういう研修を行いました。もう1点は、チェックをすることによって、やっぱり体の健康と同様に、心の健康というのも大事だと。この両方が相まっていい仕事ができていくんだと、こういうことを職員みんなに気付いていただく。こういう目的がありました。これも先ほど相談件数、委員はふえているということを御指摘いただきましたけれども、これはやっぱりそういうチェックをやったことによってそういう自覚が出てきた、その一つの結果ではないかなと思っております。
 それから、今後どういうことを健康管理士が考えてそういうサポートをしていくのかと、そういう御指摘でございました。前回もお配りさせていただいたんですけども、メンタル不調の原因というのは一様ではないわけですね。職場が原因だったり、家庭が原因だったり、また本人の性格等も影響していると。一概にどこに原因があるんだということはなかなか難しい。メンタルヘルスチェックの結果の組織分析でもそういうことが出ております。区といたしましては、まず保健士を常駐させたり、メンタル医に来ていただいたりということで、医療面からのサポートをまず一つしております。それから、先ほどから何回も言わせていただいています管理職の研修、また対応マニュアルの配付等、職場からのサポート。それから、中野区では、職員が不調になった場合は、その御家族の方もお呼びして、いろいろ御家庭の状況を聞くと、そういうサポートをやっております。医師によるサポート、それから職場の上司によるサポート、それから場合によっては御家族からのサポート、こういうことを含めまして、できる限り区としては職場環境の整備、それから仕事をしやすい体制づくり、万が一不調に陥った場合は、いろいろな面からサポートしていると考えております。
○来住委員 やはり30代、40代の層が相談の年代としてはメンタルの面で年齢層が高いというふうに出ています。ですから、職場のやはり中核となる人たちがその点では苦労されているということがわかりますし、やっぱり成果主義の持ち込みが私たちはこういう結果につながっているんだというふうに考えておりますので、結構です。これでこの質問は終わります。
 順番がちょっと変わりましたが、生活支援の自立支援について伺います。
 昨年も私たち、私この場で派遣村の一昨年の開設に伴って、いろんな形でワンストップで相談を受ける体制が必要ではないかと。区役所のしかも1階でまず受けとめる必要があるんじゃないかということを申し上げていきましたが、そのときは、緊急性がなかなか考えられないというような御答弁もあって、そういう御返事でありましたが、その後、特に昨年末、年末年始にかけて、年越し派遣村で900人という、そういう実態があらわれて、深刻な状況になったわけです。そこで役所のほうも、全国的にそうですけども、そういう相談体制、それからワンストップで受けていく体制がかなり進んでまいりました。これは本当によかったというふうに思っています。
 まず1点、その生活援護の分野での相談件数についてはどういう特徴になっているか、お答えください。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 生活援護担当のほうでの生活困窮者の相談件数につきましては、今年度4月1日から2月1日現在のものですけれども、4,711件となっております。昨年度同月の4月から2月の相談件数は3,286件で、昨年度に比較し1.43倍というふうになっております。
○来住委員 それらについては、せきと委員がみっちりやりますので、譲りたいと思っています。
 次に、年末年始の生活総合相談というのが行われてきましたけれども、それについての状況。そして、その体制はどういう形で取り組まれたんですか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 年末年始の総合相談につきましては、東京都全体は先ほど委員のほうがおっしゃられましたようにおおよそ860人ございました。その中で、中野区に振り分けられた人数は36人でございます。その相談内容につきましては、生活保護申請の受理が23件、住宅手当の相談が4件、雇用保険の手続等の支援をさせていただいた方が1件で、8件はこちらのほうにいらっしゃらなかったというような状況でございます。
○来住委員 特に、相談者の年代はわかりますか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 30代から50代が中心でしたけれども、30代は6名、40代は9人、50代は8人というような状況でございます。
○来住委員 まだまだ働ける、そして働きたいという、そういう希望を持ちながら相談に見えたということだと思います。私のところにも33歳の青年が相談に来ました。この方は、男性ですけども、10月13日に札幌で派遣切りに遭って、手持ちの金を持ってフェリーで茨城の大洗にたどり着いたと。そして、歩いて土浦の市役所に行き、そこから今度は対応できないということで千代田区に切符を買って渡されたと。そこでもあなたが住める場所はないということで、台東区に回されて、最後は台東区から新宿公園に回されて、新年を迎えたということで、2月1日に中野区にたどり着いて、見えました。中野区は、もちろん対応がきちんとできたということになります。御本人は、自殺も考えたということでありました。このケースのように、生活保護から、そして寮に入り、そして生活を自立させて、短期間のうちに仕事につけたと。アパートにも越せたと。こういうケース、約2週間で自立につなげることができたケースです。こういう点から見ますと、働く意欲のある若者、元気な若者については、とりわけ働きたいという年代については、こういう一つのセットで支援をしていく。これが大事だろうと思うんですね。生活保護だけではなく住まい、そして住まいが定まることによって仕事に結びつくということになっていきますので、そういうネットワークがどうしても必要だと。自立への道にはネットワークが必要だと私は実感します。離職者の相談、先ほどおっしゃっていただいたように、若い方が多かったということに、働き盛りの方々が多かったと。そういう点で、青年、若い方への就職に結びつけることであるとか、それから相談をきちんと受けられる体制が必要だと。そういう点では、どのようにお考えですか。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 今年度より離職者の支援総合相談を補正予算を組んでやらせていただいておりますけれども、その窓口の中でも、若い方が見えております。現在でもハローワークから週1回、ハローワークの職員に来ていただきまして支援をしておりますが、若い方が休職をして、その休職状況をこちらに伝えていただく中で、そのフォローワークをするといったようなことをやっております。今後ともそういった支援は必要だというふうに考えております。
○来住委員 ハローワークが週1回という点では、まだまだ体制をこれは強化しなきゃいけないというふうに思います。あわせて、その相談の場所で直接求人にたどり着ける、就労に結びつけられるということが大事だと思うんですね。そういう点では、産業振興の分野との連携も出てくるんではないかと。うちの小堤議員がかつてこの問題を取り上げまして、「ぐっJOBなかの」のシールをネットカフェなどに張って、勧めたらどうだという提案をして、これが実現をしたものです。したがって、「ぐっJOBなかの」が相談の場で直接見れる、直接そのことを通して就労につながっていくような、そういう体制づくりもあっていいのではないかと思いますが、それについては産業振興でしょうかね。御答弁ください。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 就労求人支援サイトであります「ぐっJOBなかの」には、現在239事業が登録しておりまして、正社員、パート、アルバイト等の求人情報が掲載されております。就職相談において、この「ぐっJOBなかの」の求人情報を活用していくことは有効であると考えておりますので、引き続き生活援護のほうでやっております総合窓口のほうとも連携を強化いたしまして、充実を図っていきたいと思っております。
○来住委員 ぜひ連携して、具体的に結びつく方策にしていただきたいと思います。いずれにしても、企業が必要な雇用をしながら、必要とないと見たら勝手に首を切って路頭に迷わせると。ここに一番の問題があります。やはり、派遣法の抜本的な改正も必要ですし、それから公的な就労も大胆に確保できるような仕組みも今後必要になってくるというふうに緊急な課題だと思います。
 最後にしますが、こういう生保、住居、就労、このワンストップでのスピードを持った支援の体制が、その強化が必要だと思いますが、最後にこの点についてお答えください。
○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 離職者の総合相談窓口につきましては、平成22年度より就労支援相談員を配置する予定でおります。また、生活援護の相談担当につきましても、職員を増員して、なるべくスピード感を持った就労相談をしていく。また、住宅手当や生活困窮者の相談にも当たるというような予定でございます。
○来住委員 ぜひ、大変な中で頑張っていただいていると思いますが、引き続き体制を強化して、成果を上げていただきたいと思います。ありがとうございました。
○いでい委員長 来住委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
      午後2時50分休憩

      午後3時10分開議
○いでい委員長 委員会を再開します。
 休憩前に引き続き総括質疑を行います。
 来住委員、お願いします。
○来住委員 時間の関係で、調整をしながら進めますので、よろしくお願いします。
 次に、新しい中野をつくる10か年計画の第2次案についてでありますが、児童館・学童クラブについてお聞きします。
 児童館の役割・機能については、これまでたびたびいろんな形で評価をされてきていると思いますが、簡潔に、これまでの役割についてお聞きします。
○波多江子ども家庭部副参事(鷺宮地域子ども家庭支援センター担当) 中野区の児童館は、児童の遊びの場を提供し、心身ともに健やかに育成するために設置をしてきました。また、放課後における子どもたちの遊び場として、地域とともに児童の健全育成を進める場として機能してきたと評価しております。
○来住委員 地域の中になくてはならない施設ということで、地域に支えられて、育てられて、その役割を果たしていると思います。10か年計画の中では、児童館の廃止や学校の中に学童クラブを持っていく等々のいろんな統廃合が行われる、また民間委託も計画をされています。今、武蔵台児童館をめぐる今回の幾つかの点で、この10か年計画の絡みもありますので、お伺いしたいと思います。
 武蔵台児童館は、地域の中での建てかえをする検討委員会などが設けられて、長い間建てかえの議論がされてきておりました。その経過は、検討結果についてはどのような内容だったのか。簡潔にお願いします。
○波多江子ども家庭部副参事(鷺宮地域子ども家庭支援センター担当) 1995年から建てかえ検討委員会が始まりました。基本設計案について協議をしていただいたというところで、1999年3月にこの計画については凍結というふうになってしまいました。
○来住委員 そういう経過の中で来まして、昨年、21年度の当初予算の中ではこの方向が、児童館について、学童クラブについて予算化をされていたと思いますが、中身は何でしょうか。
○波多江子ども家庭部副参事(鷺宮地域子ども家庭支援センター担当) 21年度予算としては、設計委託料として325万5,000円を計上しておりました。
○来住委員 その設計委託料は、どこに、どうするための委託料ですか。
○波多江子ども家庭部副参事(鷺宮地域子ども家庭支援センター担当) 鷺宮五丁目にあります土木の詰所跡地に児童館を移設・整備するという計画のための設計委託料でございました。
○来住委員 当初予算の歳出説明書の中では、児童館運営という中に丸め込まれておりまして、その設計委託はこれでは一切わかりません。確認をしますけども、この内容の。192ページけども、当初予算の。これでよろしいですか。
○波多江子ども家庭部副参事(鷺宮地域子ども家庭支援センター担当) そうです。
○来住委員 そうしますと、詰所跡に設計の予算が組まれていたという中で、今回、その計画がキッズプラザという形で学校の中につくられるということになりますが、校庭にキッズプラザを整備するということについては、学校との話、協議はだれと協議をされてきたのか。また、教職員を含む了解はとれているのか。
○波多江子ども家庭部副参事(鷺宮地域子ども家庭支援センター担当) 校庭にキッズプラザを設置することに関しては、教育委員会や小学校の校長、副校長と協議を進めてきております。学校としての組織的な対応をしていただいているものと思いますので、教職員の方はお知りになっていると思います。
○来住委員 その学校の中の状況は、教職員の了解がどうかというのは、そこまではわからないということだと思います。校庭の該当する場所にプレハブを建てられるということに計画されておりますけれども、示されている委員会への場所では、今の教育の施設、例えば芝生の影響であるとか、それから砂場がありますけども、その砂場の移設も必要になってくるだろうし、それから、芝生を管理する新しい倉庫がしっかりとつくられておりますけども、その位置が極めて心配をされますし、その隣にあるジャングルジムや、さらに開放日に常駐される倉庫、プールの前の菜園等が影響を学校としてはかなり想定されますけども、それについてはどのようにお考えですか。
○波多江子ども家庭部副参事(鷺宮地域子ども家庭支援センター担当) 学校の建設予定場所にある学校施設については、移設すべきものも含めて、今後学校と十分協議をした上で進めていきたいと考えております。
○来住委員 学校の教育現場が実際かなりの影響を受けることは、現場に私も行って見てきました。したがって、今の少なくとも予定されている場所、そして、その大きさからして、これは容易なことではないというふうに考えますので、ここは改めてその場所については、学校に持ち込むということ自身が問題だということを申し上げておきます。
 児童館がなくなり、そして乳幼児の親子事業はどのようにお考えになっているのか。U18でやっていく事業になっていくのかと思いますが、そこについての対応はどのようにお考えですか。
○波多江子ども家庭部副参事(鷺宮地域子ども家庭支援センター担当) U18プラザがゼロ歳から18歳までの対応をしていきますので、乳幼児の受け皿としてU18プラザということになります。また、こちらの地域については、予算の中でお示しをしておりますけれども、オデリア・ホーム乳児院のほうで子育て広場事業を行うことを考えております。また、区では、子育てサポーター養成講座や子育て支援の活動への助成制度がありますので、そういった制度を活用しながら、乳幼児親子の遊びや交流の場を提供する自主的な活動を支援することによって、さまざまな形で乳幼児親子の場所を確保していきたいと考えております。
○来住委員 今まで進められてきていた、やはり身近なところで親子の交流も含めて、そして職員を通して進められている乳幼児の親子事業ですから、これは距離が遠くなる、U18として予定されているところでの距離の問題もあります。したがって、この武蔵台児童館については、そもそも検討会まで設けて現地で建てかえるという方向を長期にわたって、地域の合意を含めて話し合われてきたわけですから、この小学校の校庭に設置するのではなくて、少なくとも一時的に鷺宮土木詰所の跡に建てかえの期間移るにしても、やはり現地での建てかえを検討すべきだというふうに思います。いかがですか。
○波多江子ども家庭部副参事(鷺宮地域子ども家庭支援センター担当) 新しい中野をつくる10か年計画(第2次)案でお示しをしていますように、区としては、すべての小学校にキッズプラザを設置する考えで進めていますので、現段階において児童館を建てかえると、現地建てかえをするということについては考えておりません。
○来住委員 学校の中にキッズプラザを持ち込むという、これがこういう事態を招いているわけですから、やはり児童館の、最初にお聞きしましたように、地域の中で果たしてきた役割、独自の役割を育ててきた児童館の事業というものをやはりしっかり生かしていく。児童館という館があってこそ、子育てが取り組まれてきた。この歴史と、豊かに培われてきたつながり。これを十分今後も発展させていくということで、この事業については改めて変更をお願いしておきます。答弁は結構です。
 次に、待機児の対策についてお伺いをいたします。
 10か年計画では、待機児ゼロという、そういう年に当たるわけですけれども、第2次の案では、その待機児のゼロ目標値が平成26年度ということで先送りにさらになりました。今現在、この4月1日ということになりますが、直近の待機児の数、また、この入園措置が行われてきていますが、その数字についてお答えください。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 12月現在でございますけれども、旧定義で444、新定義で309人ということでございます。
○来住委員 それは、待機児の数でよろしいですか。444という……。ちょっと確認。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 待機児の数ということで、旧定義で444人ということでございます。
○来住委員 昨年、1年前と比較すると、どのような変化になりますか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 昨年の12月現在の数字については、答弁保留させていただきます。
○来住委員 新年度の入園について、認証保育所であるとか、建てかえで民間の認可園であるとか、いろいろ定数の増を図られてきているという面はあります。しかし、区立園をはじめとして職員を増員しないで定員の弾力化ということも一方では行われております。この定員の弾力化において、なかなか現場の状況、子どもの保育の状況は厳しい状況が一方にはあるんではないかというふうに見ています。ちょっと今、写真を紹介しますが、区立園の昼寝をする前のこれはベッドをホールに並べて、午睡をさせます。見ていただければわかりますように、保育士が歩くスペースもないぐらい、びっしりと詰めないとベッドがつくれないと、敷けないという状況にあります。ここは定員に、これ以上ふやすと職員をふやさなければ対応できないという、そういう保育園の数字になっておりますので、そういう意味では、この詰め込みはもう限界というふうに私は見ましたが、現場を恐らく副参事も見ていらっしゃると思いますので、この状況についてどのようにお考えですか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 4月に向けまして、一人でも多くの待機児を解消したいという考えから、定員の弾力化を予定してございますけれども、現状見て回った状況ですと、あまり大幅に弾力化できる余地は少ないんだろうというふうに思っております。
○来住委員 さらに、国のほうでは、この設置基準を緩和する、廃止をするというような動きが強まっております。さきの一般質問でも紹介させていただきました山口議員の質問でも、認可園での死亡事故、園児の死亡事故がここ特に10年ふえているという数字を紹介させていただきましたが、やはりこの設置基準をきちんと守って、子どもたちの成長をきちんと保証していくという点では、この基準自身はきちんと守られる――最低基準ですから、これはもう60年になると言われていますが、全国で等しくこの最低基準を守って、等しく保育が保証されるというものであると思いますが、今の中野の現状から見ても、これ自身を外していくということは極めて保育としては困難な事態が生まれるというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 児童福祉法に基づきます福祉施設の最低基準でございますけれども、これにつきましては、保育所につきまして国の考え方が示されたところでございます。居室面積基準の緩和ということで、例外的に東京都等の大都市につきまして、緩和できる場合があると認められてございますけれども、これにつきましては今後検討していくことになりますけれども、現状でも決して余裕があるというふうには考えてございませんので、基準を緩和するにしても、その余地はそれほど大きくないというふうに考えてございます。
○来住委員 緩和するにしてもという言い方は極めて心配です。やはり、今の現状でさえ厳しいという状況にありますので、きちんと少なくともこれはむしろ基準を拡充していくということでなければならないというふうに思いますので、中野では基準をさらに緩和するというふうにはしてはならないということを申し上げておきます。
 そこで、待機児に対して対応をどうしていくかという問題です。これは、弾力化をしたり、認証保育園の民間の立ち上げを待っているということでは、とても解消できる数字にはもう至っていないというふうに思います。待機児ゼロを10か年で示しているわけですから、まずはこの4月に生まれてくる待機児、しかも、申請をして、育児休業をとっている方が入れない。4月から職場に入れない、戻れないという実態が生まれています。認証保育所もほとんどいっぱいです、もう。4月は。そして、今の4月からの職場に復帰できないという事態が生まれている。これはどのように認識されますか。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 待機児童急増の現状につきましては、大変深刻な状況が生じているというふうに認識しているところでございます。
○来住委員 認識をしているのは、去年から、特に4月から、もうその事態は広がったわけですから、きちんとすべきだったし、繰り返し私たちは要望もしました。桃丘小学校の跡地の準備もあるし、すぐにでも開ける状況が整っているんですから、ここを開いて、まずは受け入れをしていくと。ですから、弾力化や認証を待つんではなくて、区みずからがやはり保育園をこの状態ですと三つぐらいは必要でしょう。そういうやっぱり積極的な区としての責任を果たしていくということなしには、もうとてもこの待機児の解消はできないと思いますが、決意と方向をもう一度お聞かせください。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 待機児問題につきましては、社会的にも非常に大きな問題になっているということがございますので、大変厳しい財政状況のもとでございますが、できる限りの努力をしていかなければならないというふうに考えております。
○来住委員 具体的な、言葉の努力ではなくて、保育園そのものをここにこういう形でつくると、設置をするという方向に、見える方策をぜひ、新年度すぐとは言いませんけども、準備をしてできるだけ早くこの事態を受けとめて解決を図っていくという努力、そして実践をしていただきたいということをお願いしておきます。
○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 先ほど答弁保留させていただきましたが、平成20年12月現在の待機児数でございます。旧定義の待機児数が345人、新定義の待機児数が242人と、12月現在ではこうなっております。
○来住委員 ふえ続ける待機児対策については、真剣に取り組んでいただきたいということを申し上げておきます。
 次の売却予定の施設用地について伺いますが、かなり児童・教育関係が並んでおります。保育園、児童館、保健所と。保育や福祉、学校、教育ということで予定地を出されておりますけども、こういう出し方については、今現在既にまだ事業が行われている。児童館もそうですし、保育園もそうですし、保健所もそうです。そういう事業が行われている施設に対して売却の施設として区民に表示をするというやり方。これはやはり乱暴だと思います。先ほど午前中もありましたが、学校にしても、児童館にしても、地域の文化をはぐくんでいく、教育をはぐくんでいく、そして地域の皆さんがそこに思いを寄せてきた場所です。廃止をいずれすることがあったとしても、今事業が行われているものについて売却ありきという、こういう出し方は、これはやめるべきだということをまず申し上げたいんですが、これについてはいかがですか。
○田中政策室副参事(企画調整担当) 今回、10か年計画(第2次)案におきまして売却予定としてお示しをさせていただきましたのは、施設の整備財源確保のために10年先を見据えて考えますと、対象の施設の活用の方向性につきましては、できるだけ早く区議会、あるいは区民の皆様に明らかにする必要があると。こういう判断でお示しをしたものでございます。
○来住委員 そんなね、乱暴です。しかも、いただいた資料でも、耐震性能もかなりの部分でAランクというふうに出されました。したがって、十分機能できるし、たとえその機能をほかに転換するにしても、それを生かして、地域の合意を得ながら、それを活用していくということが今後特に必要だと思います。言うならば、地域が大事に耕してきた公共的な施設であり、場所ですから、そういうことに対してやっぱり活用方も地域に相談もなく売却ありきというやり方は、これは直ちにやめるべきだというふうに思いますが、時間もまだおっしゃるように先のことです。したがって、地域での活用方も相談するということもあわせて、今後についてはやるべきだと思いますが、いかがですか。
○田中政策室副参事(企画調整担当) 御指摘の耐震ランクがAというものもございます。ただ、耐震ランクがAのものでございましても、築年数は30年、あるいは40年を超えるという施設も多々ございます。施設設備等にかなりの劣化が生じているというものもございます。今後の活用につきましては、改修費を含め、相当額の維持経費が必要になるというふうに考えているところでございます。
 また、10か年計画(第2次)案で示した用地等につきましては、売却を基本に今現在考えているわけでございますけれども、廃止年次等にあわせて計画策定後も随時活用方法については検討を行っていきたいと考えてございます。
○来住委員 売却ありきはやめていただいて、活用を、今の機能を生かしながら行っていただきたいということを申し上げておきます。結構です。
 次に、障害者の雇用を促進することについて伺います。
 障害者の雇用については、10か年計画でも目標を示しているところです。この中で、今後については、就労支援、雇用促進については、特に障害者が一般就労にその必要な能力を生かしていけるようにということで、特例子会社の誘致での就労の場の拡充もうたわれております。
 そこで伺いますが、商工会館に特例子会社を誘致されました。平成20年9月24日の区民委員会の資料によりますと、中野区在住の社員が、当時4名、これを含む11名が雇用をされているというふうに資料が出され、さらに、21年の早い時期に16名までふやす計画を立てておりということで、議会での説明がされておりますが、現状は何人の雇用になっているんですか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 商工会館1階を貸与しています特例子会社の区民の雇用数については、ふえていないというふうに聞いております。
○来住委員 ふえていないということだけで、いいんですか。だって、3,000万もかけて改修を、予算ですけど、予算段階では行って、誘致をされて、それで社員4名は――当時4名いたんですか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 区民の障害者の雇用されている数については、ふえていないというふうに聞いておりますが、特例子会社に対して、今後区民の障害者を雇用していただく、そういったことについて強く働きかけていきたいというふうに考えております。
○来住委員 山口議員がさきにも質問をして、その努力をされるということだったけども、結果は雇用の増員はないということです。契約上は、障害者の雇用を進めるということになっているわけですから、その契約上の約束も満たされていないということになりますので、ここはきちんとした契約を果たしていただくように、区としても責任を持ってやっていただきたいというふうに思います。
 新年度の予算案の中で、印刷業務、庁内印刷についての予算が計上されています。この事業を今後外に出すということでありますけども、これを通して、区内の障害者の方々の雇用がここで確保されるということが極めて大事だというふうに思います。その際、この契約を今後されていくということになるんでしょうが、どういう形でその相手を選んでいかれるのか。私は、ちょっと提案なんですが、やはり事業協同組合的なものをつくっていただく。これは中野区政策研究機構が8年3月に提案をしている中身ですけれども、障害者の雇用を進める上でこういう事業体がありますというような紹介を含めてされています。その中にある事業協同組合や、また合同会社形式なども考えられると思います。そういうこともあわせて、この予算との関係で、雇用が拡大されるというやり方をどのように生かしていくつもりですか。
○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 庁内印刷の委託に伴いまして、区内の障害のある方の雇用がふえていく。そういったことは大変重要であるというふうに考えています。
○来住委員 ぜひそういう契約のあり方で進めるにしても、そのことをきちんと整えていただきたいということを申し上げておきます。結構です。
 東中野のまちづくりについて伺います。
 東中野のまちづくり検討会が開かれて、800万円の調査委託費がこの年度計上されていますが、この間、東中野のまちづくりに関する調査業務委託は、合計でどのくらいこの間使われていますか。合計で結構です。
○上村まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当) 平成18年から20年の3カ年につきましては、合計2,226万2,100円となっております。
○来住委員 かなり調査を委託されてきていますが、一向に形になって見えてきません。それよりも、質問したいのは、この検討会の要綱に基づいて行われていますが、この検討会に原則非公開ということで地域の方が傍聴ができないという要綱になっていますが、これで進められているんですか。
○上村まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当) おっしゃいますとおりでございますけども、区としましては、委員会における忌憚のない率直な意見、考え、提案などの交換が行えることや、議論される内容が検討段階の確定されていない情報となっていることなどを考慮し、非公開としているものでございます。
 なお、検討会委員には、非公開に当たって、その趣旨を御理解いただき、初回の検討会において御承諾をいただいております。
○来住委員 委員の方はそれでいいんですが、やはりまちづくりは、地域の下からの議論参加がなければ整わないと思いますよ。繰り返し言っていますけど、このことはね。こういう会合を非公開にして、地域にも聞かせない、見せないというやり方はやめるべきですよ。お金をかけてやっているわけでしょう。だって、この中で、識者に対してはお金払っているんですか。
○上村まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当) 学識経験者3名に払っておりまして、座長を含めて3人に払っております。(「幾らですか」と呼ぶ者あり)座長に1回につき2万2,000円、その他二人に2万円でございます。
○来住委員 本当に学識経験者も必要かと思いますが、地域の中に出てこそこの話はまとまっていくし、まとめようと本当に思うんだったら、この要綱を改めて、住民の皆さんも参加できる。少なくとも、そこに話が聞ける。その場をぜひ保障すべきだと思いますが、いかがですか。
○上村まちづくり推進室副参事(地域まちづくり担当) この検討会メンバーの24名でございますけども、学識経験者を除きますと、町会、自治会、それから商店街の代表、公募区民も含めておりますので、かなり地元の方に議論をしていただいていると思っております。先ほど繰り返しになりますけれども、委員会における忌憚のない意見、考えなどの交換が行えることなどで、そういう趣旨から非公開にしているものでございます。
 なお、資料につきましては、お求めがあればお渡しできる体制は整っております。
○来住委員 そういうことじゃなくて、地域にかかわる問題を今後検討されるんですから、だれでも関心のある方は参加できる。少なくとも意見が言える場も保障されるべきだというふうに思います。これからまちづくり条例も今後検討されていくわけですから、本当に区民参加、地域参加があってこそ、この条例に魂が入るわけですから、そういう立場でまちづくりを進める上では必ずその姿勢を貫いていただきたいということを申し上げておきます。
 これで私の質問をすべて終わります。
○いでい委員長 以上で来住委員の質疑を終了します。
 次に、のづ恵子委員、お願いします。
○のづ委員 予算特別委員会の総括質疑におきまして、民主クラブの立場から質問させていただきます。通告順で、よろしくお願いいたします。
 政権交代は、新しい政治の幕が上がったと同時に、新しい社会づくりがスタートしたと位置付けられると思っております。その中で、1月末に「新しい公共をつくる市民キャビネット設立協議会」が都内で開催されました。市民、住民、NPOの側も市民団体やNPO団体の声を集約する市民キャビネットが必要ではないかという思いから、この市民キャビネットの立ち上げに至ったことが紹介されました。その上で、政府民主党は、市民キャビネットとの対話、各部会や関連部会との定期的な協議の実施をお願いしたいと、一緒に力を合わせ、市民の側、住民の側、そして生活者の側に立った新しい日本の社会づくりに協力し合って、立ち上がっていこうと参加者に呼びかけがありました。新しい公共をつくる上では、官の下請としてのNPO・NGOからの脱却というコンセプトからつくっていかなければならない。対等な関係で一歩一歩活動していき、それが次の活動につながっていくようにしたいと新しい公共の連携を強化し、決意が示されました。
 そこでお尋ねします。区民の公益活動についてです。
 NPOの支援のあり方についてからお伺いします。
 これまで中野は、私の知っている限りですけれども、社会福祉協議会の中にNPOの支援コーナーをつくったり、ネットワーク会議が開かれてきました。3年ぐらい前から、区役所の1階に公益活動情報コーナーが設置されました。このいきさつや設置したときの区の考え方を教えてください。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 公益活動情報コーナーでございますけれども、中野区区民公益活動の推進に関する条例の趣旨に基づきまして、平成19年2月1日に区民の公益活動団体の行う公益活動に対する支援及び区民の公益活動への参加促進を目的として設置したものでございます。区民サービスの選択肢をふやすためにも、区民の公益活動団体の力を伸ばし、区民の公益活動への参加を増加させることが必要であるということから、公益活動の相談窓口として開設したものでございます。
○のづ委員 その3年間の情報コーナーの成果というのは、区はどういうふうに思っていらっしゃるんでしょうか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 公益活動情報コーナーでは、全体の設立やNPO法人格の取得といった一般相談、運営相談や各種助成制度に関する情報の提供、区内の公益団体を紹介するイベントや講座等を開催すること。こういったことを通しまして、区内の団体の公益活動を顕在化することができたということが成果として評価しているところでございます。
 一方で、業務委託の提案制度への応募業務などは、区民が享受するに適したサービスのレベルに至らないケースが見受けられるなど、課題も明らかになってきているところでございます。
○のづ委員 すみません、課題のところをもう一度お願いします。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 業務委託提案制度を設けまして、業務の委託の応募を募っているわけですけれども、区民へ享受するに適したサービスレベルまで至らないケースが見受けられるということで、そういった課題も明らかになってきているところでございます。
○のづ委員 今の至らないところというのは、どこが判断したんですか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) これは、公益活動推進協議会で協議もいたしますし、提案のあった主管のところでも判断し、区の委託業務として適しているレベルかどうかというのを判断しているところでございます。
○のづ委員 その推進協議会のメンバーというのは、どなたですか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 学識経験者が4名、公募が2名、あと団体推薦の方が4名といった構成でやっております。
○のづ委員 それは、どのぐらいの頻度で開かれているものですか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) この推進協議会につきましては、年8回開催してございます。
○のづ委員 10か年計画の第2次のほうの案のところに、第3章のところに自治の仕組みいう項目がありますけれども、前からどういうふうに変わったかというところに、「情報活動コーナーの積極的運用を図り、さらに事業者も含めた活動への幅広い参加促進を図ります」ということから言葉が随分変わっていて、この支援コーナーということがなくなり、そして「重点的な分野での活動に対し、積極的な支援を行っていきます」というふうに変わっておりますけども、この辺というのは、どういう経過なんでしょうか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 今後の事業遂行に当たりまして、事業の見直しというものを行っているところでございます。そういった中で、当初の中では情報コーナーを強化していくという考え方に立っておりましたけれども、事業の見直しというところを行いまして、この情報コーナーにつきましては、委託を廃止するということで取り組んでいるところでございます。
○のづ委員 そのきっかけというか、さっきの推進協議会の中と担当者の方で諮ったということになりますか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) この事業の見直しにつきましては、区の内部で検討しているものでございます。
○のづ委員 一般質問の中で、佐藤議員とか林議員が、この公益活動情報コーナーの、あれは廃止ですか。それとも、見直しですか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 1階の情報コーナーにつきましては、廃止でございます。
○のづ委員 その廃止を問う一般質問に対して、縮小とは考えていないというお答えがありました。その業務は9階の職員が担うということでしたけど、9階のどういう担当の方が担っていくんでしょうか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) その前に、区の公益活動推進への取り組み、これにつきましては、公益活動情報コーナーの運営ということだけではありませんで、基金助成、政策助成、業務委託提案制度といった施策で総合的に取り組んでいるところでございます。情報コーナーが担ってきた団体への情報提供や講座、交流会の提供、これらにつきましては、地域活動担当の公益活動担当の職員が引き続き担ってまいります。また、庁内の各担当職員や関係機関とも連携しながら、公益活動団体の支援に努めていきたいというふうに考えております。
○のづ委員 下でやっていた、支援コーナーがやっていた中間支援というのは、区とか、それから社会福祉協議会にしても、そういう役所の枠の中で同じようなことができるんでしょうか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 先ほども申しましたけども、団体への情報提供、また講座・交流機会の提供、こういったものについては、区で担当していきたいというふうに考えておりますし、また、先ほど委員おっしゃられました社会福祉協議会等との連携も深めながら、取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○のづ委員 情報提供とか講座を開くというのは確かに区でもできると思うんですが、それ以上の支援というのが必要なんじゃないかと思いますけれども、その辺はどういうふうにお考えなんでしょうか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) それらにつきましては、この情報コーナーを立ち上げた当初と比較いたしますと、やはり区民の公益活動に対する理解も深まり、またNPOの法人格を取得し、本格的な公益活動をスタートさせている団体もふえていると、こういった状況がございますので、また、委員おっしゃる中間支援のNPO法人等もありますので、そういったところにつないでいきたいというふうに考えております。
○のづ委員 この辺が本当にできるのかなというのと、9階にあった職員でやる部分がわざわざ支援コーナーになったということの、その辺をもうちょっと考えてほしいかなと思ったんですけども、やはり下でやっている例えば講座にしても、あの中にいらっしゃる方のノウハウを持って、本当に小さいNPOの方から、いろいろな大きい額をとったNPOの方でも、話を聞いて、本当に裏打ちされた、実際にやってきた方とは違うなというのは、この間の2月でしたか、ありました補助金の説明会みたいな、助成金をとる説明会でも思いましたけれども、今度また3月にもありますけれども、この3月でやめたときの引き継ぎというのはどうなっていくんですか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 相談等につきましては、9階の公益活動の担当のほうで引き継いでまいりたいというふうに考えております。
○のづ委員 事業的な引き継ぎというよりも、相談しかけている方もいらっしゃいますし、それから、あそこではホームページの開設もしていましたけれど、その辺というのはどうなっていくんですか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 適切な中間支援のNPO法人等につなげていくというようなことを行ってまいりたいというふうに考えております。また、ホームページにつきましては、この委託の終了に伴いまして閉鎖ということになりますけれども、そこで載っていた情報等につきましては、区のホームページ等を活用して、団体等の紹介をしていきたいというふうに考えております。
○のづ委員 ホームページの移行は、どうやってやるんですか。ちょっとシステムと違うように思ったんですけれども。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 全く別のシステムでございますので、その内容をそのまま移行するということはできません。その内容について、区のホームページで紹介をしていきたいというふうに考えております。
○のづ委員 そうすると、先ほどおっしゃったように、同じように9階で対応しますということはできないということじゃないですか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 事業の見直しによって、そういった変更というのも生じてきているというところでございます。また、既に区のホームページにつきましては、地図情報を活用した形で区内のNPO法人の所在地や活動内容、代表者等を既に掲載しているところでございます。
○のづ委員 そのNPOという中に、町会とか自治会も入っているんですか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 今私が申しましたNPOの地図情報上のデータの中には、町会・自治会は含まれておりません。
○のづ委員 じゃあ、現在区でつかんでいるNPOの数とかは、今下が行っている、支援コーナーがやっているだけの情報とどのぐらいの量の差があるんですか。全く同じようにできるというふうに思っていらっしゃいますか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) それは、いろいろ工夫していきたいというふうに考えておりますけれども、情報の収集には努めてまいりたいというふうに思っております。
○のづ委員 もう一つ、ちょっと気になったのは、同じ第3章のところで、情報コーナーがなくなるというほかにもう一つ、町会・自治会のほうの推進で、「自治会の加入促進を図る条例を制定し」というのを、その「条例を制定し」をなくして、「組織力強化に向けて支援を進めます」というふうに書いてありました。資料要求で町会の加入率をお聞きしたときに、そういう資料は持っていないとおっしゃいましたが、もう一度お尋ねします。資料は持っていらっしゃるんでしょうか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 区として中野区内の町会・自治会の加入率、こういったものを収集したことはございませんので、そういったデータはございません。
○のづ委員 そのデータがなくて、現状の把握というのをこれから始める中で、町会・自治会にいろんなところの、ここに書いてあるように、重点的な分野での積極的支援というところも町会も入ってきますよね。そういうところで、今情報がないということで、それというのはその先というのが、本当に町会は今、自分の町会は割と加入率がいいんですけれども、ほかの町会を見ると、現実的には中野の6割が一人世帯ですよね。一人世帯で、そして後退している現実を見たときに、どういうふうに支援をして、どういうふうに加入率を上げたいというふうに思っているんですか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 中野区内の町会・自治会の加入状況といった実態につきましては、今後町会・自治会の協力を得ながら、その実態把握に努めてまいりたいというふうに考えております。そういったものをもとにしながら、その加入率向上の取り組みというものを今後構築していきたいというふうに考えております。
○のづ委員 もう一つ、健康・生きがい戦略のほうにも同じように書いてありました。「サービスの担い手になる」というところが、こちらにはもうちょっと細かく、「地域の子育て支援や高齢者の地域での暮らしを支える活動」というふうになっておりましたが、ここについては今の自治の仕組みのほうとどういうふうに違うのか教えてください。
 すみません、私がきっとNPOのことから同じような項目を見つけたので、派生した質問をしているので、答える方がいらっしゃらないんだと思うんですが……。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 委員、申しわけございませんけれども、ただいまの質問、もう一度お願いしたいと思います。
○のづ委員 第2章のほうに、健康・生きがい戦略のところに、今のNPOのほうと同じような項目があるんですね。「サービスの担い手になることができるように、助成制度や公益活動情報コーナーの積極的な運用を図ります」と全く同じことがあって、今度、新しい10か年のほうのところには「子育ての支援や高齢者の地域での暮らしを支える活動など、重点的な分野での活動に対し、積極的支援を」というふうに言葉が変わっているですけども、こちらに対しての説明をお願いします。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 申しわけございませんでした。今後とも、この政策助成や基金助成等の助成制度を活用しまして、支援に努めてまいりたいというふうに考えております。
○のづ委員 ちょっと質問と違うと思うんですが、資料は……。(「質問はわかってる」(「資料を見ないとわからない」と呼ぶ者あり)
○いでい委員長 不規則発言は控えてください。
○のづ委員 10か年計画の第2次の素案との変更点ですね。私が先ほど質問したのは、第3章のところの自治の仕組みというところに書いてあるんですが、今言っているのは、第2章の健康・生きがい戦略のところにも同じ文章が載っているんですね。それでも変わったほうには子育て支援とか高齢者の地域での暮らしを支えるということが細かく載っているので、ここの違いはなんですかという質問です。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) その戦略の違いによりまして、その項目につきましては、自治の推進のところで公益活動を担当しておりますので、そういったところで第3章について記載しておるものでございます。第2章につきましては、子育て戦略というところで、ただいま委員おっしゃられた内容が加わっているものでございます。
○のづ委員 じゃあ、公益活動情報コーナーはなくなるけれども、その子育て支援とか高齢者の分野も上の9階で担いますということなんですね。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 公益活動の推進につきましては、9階の公益活動の担当だけが行っているものではございませんで、それぞれの担当分野で子育て、高齢者の分野におきまして担当しているものでございます。
○のづ委員 じゃあ、助成金のところについてお伺いします。
 公益活動の先ほど言った政策助成、そして基金助成の予算は2割カットになっています。資料でいただいた区民の20の資料を見るとわかるんですけれども、去年、おととしという2カ年で出ていますけれども、大体執行率が1割弱ですけども残っているということは、2割ぐらい削減されてもこの辺は賄えるということがあるのかなと思っています。そこがあっても、返還率が1割ぐらいあるので、ここで予算が削減されるというのはあまり、逆に取るところによってはそんなに影響はないのかなと思っていますが、この審査があると思うんですね。活動領域ごとに審査があって、そして、項目を出すと点数がつくんですね。その点数は、つけていらっしゃるのが、どういう方がどういうふうにつけているかということを教えてください。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) この領域ごとにその担当の部で申請を受け付けまして、その内容について審査し、判断しているところでございます。それぞれの部で審査会を構成し、取り組んでいるところでございます。
○のづ委員 その点数をつけるときに、何か一定の基準というものはあるんですか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) それらの基準がございまして、それに基づいて各部で判断してございます。
○のづ委員 ホームページをよく探すとその点数が出ているんですが、例えば、ミニリーダーとか、地域でやっていることにそんなに差がどこにあるのかなと思うようなところでも、点数に差がついているんですね。やっている、活動している方たちからすれば、どうして同じことをやっているのに点が違うのかしらというのは、もしかすると審査の書類の出し方かもしれませんけれども、ある程度金額が今度厳しくなってくるんであれば、その辺の基準を明確化してほしいという要望があります。また、その審査の後の報告書なんですけれども、私たち出している中で、交通費とかすごく厳しく言われているのが、窓口によっては結構その対応に差があるということも聞いておりますので、その辺の後の報告書の審査も公平になるように統一した基準をつくってほしいと思っていますが、いかがでしょうか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 統一した基準で取り組んでいるところでございますけれども、おっしゃられたような形での項目の判断の違いというようなところにつきましては、特に必要ということで個別に相談を受けて、それを例外的に認めるというようなこともございます。そういった中で、やはりこれまで3年間の実績がございますので、そういった実績を踏まえまして、統一がとれる形で判断例というものを集約しながら、公平な審査に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○のづ委員 もう一つ、そのほかで、家庭地域教育学級のほうでお伺いします。
 そちらは予算がゼロということですけれども、今期の予算の削減をしなくてはいけない中では一定の理解は示しております。ただ、家庭教育学級から家庭地域教育学級に移行する過程が、17年度でしょうか、文部科学省の委託事業で家庭教育支援総合推進事業を中野区で3年間受けていたと思います。そこの対象には、乳幼児と保護者、そして子育て支援親向け、妊娠期の親向け、あしたの親となる中高生や祖父母向け講座と幅広い対象でした。この家庭地域教育学級がなくなるということは、公益活動のほうに助成金はシフトするというふうに考えたほうがいいんでしょうか。
○浅野子ども家庭部副参事(子育て支援担当) 家庭地域教育学級、これはこれまでも小・中学校と拡大してまいりましたが、来年度からは廃止という予定でございます。今後の対応でございますが、今委員御指摘がありましたように、区民公益活動助成の中で、私どもが担当しております中でもう少し助成をしていく仕組みを今検討しているところでございます。
○のづ委員 今、先ほど言った乳幼児と保護者ですね。それとか親子対象というのが家庭教育学級の中にはありませんでしたけれども、国のほうの支援で、正しい名称がもしかしたら違っているかもしれませんが、学校・家庭・地域の連携協力推進事業というのがあります。それは、国と都と、それから自治体との応分の負担になるかとも思いますけれども、上限が今やっている公益活動よりも、公益活動の上限は30万ですか。それよりも3分の1負担にした場合に、30万ということは90万の事業ができるわけですから、そういうところの活用というのも――そういう情報ですね。それを自治体のほうでも、区でも積極的にとって、活用ができる方法というのを探っていただきたいんですけれども。
○浅野子ども家庭部副参事(子育て支援担当) 今委員御指摘のありましたような、文部科学省のほうで来年度事業を進めるとしております学校・家庭・地域の連携協力推進事業でございますが、今私どもがやっております事業とのいろんな関連性なども含めて、可能性も含めまして、研究していきたいというふうに考えております。
○のづ委員 ありがとうございます。
 2番の子どもの居場所についてお伺いします。
 いろいろと間際の変更があるにせよ、キッズプラザやU18プラザの事業が順次整備されています。塔山、白桜、新山小学校のキッズプラザの登録児童数を聞いてびっくりしました。お手元の文教資料の69を見ていただくとわかるんですが、新山小学校においては210名、小学校の児童数211名中210名の登録があります。そして、1日平均60人ぐらいの利用になっています。これは数字からはいろいろ推しはかれない部分もありますけれども、登録しないとキッズプラザは利用できないので、まずは登録ということなのかもしれませんが、保護者にとっては安心安全の策だということはこの数字を見たときにはわかりました。
 ただ、先ほど来住委員もおっしゃったように、児童館というのは地域の方のボランティアの活動拠点だとか、そして乳幼児、小学生、中学生に至るまでの各世代の交流の場になっています。本当に込み入って狭いところはトラブルもあったり、事故もありますけれども、そういう中でお互いの気遣いとか思いやりをはぐくむ場だと私は思っております。
 文教の資料の49、50の中に、乳幼児親子の利用率、そして子育て支援の活動の一覧、そして文教の51に地域の団体と児童館の共済事業というのが書いてあります。先ほど波多江副参事がほかのキッズプラザ、9館になりますけれども、そこで対応したいというふうにありましたけれども、皆さんもお手元でその9館残る、キッズプラザになる南中野、城山、宮の台、橋場、そして昭和、北原、みずの塔、大和、そこの丸をつけた以外を全部バツにすると、この中のやっている活動は全部なくなるという、それが少し移行したとしても、極端な話、そういうふうになっていくと思います。それから、乳幼児の親子のところも同じように9館にラインを引いて、今16万人の利用があるうちの5万5,000人はU18になる9館の利用ですけども、それは約3分の1とすれば、3分の2の親子はどこかに行かなくちゃいけないんですね。この9館というのを地図で落してみるとわかるんですが、かなり離れています。地域的に、本当にこれだけの親子の利用があるというのは、本当に自分のお家の近くだったり、もちろん遠くても行く方もいらっしゃいますけども、これだけ利用がある人たちをU18という9館の中しかなくなってしまう。それから、ほかの方に聞くと、支援センターに行けばいいとか、さっき言った保育園ですか、その中でも親子事業をやるよというふうにありますけれども、やはりもっと身近なところにつくってほしいというのもありますし、先ほどの公益の事業をとって新しいグループがといっても、なかなか補助金をとってやろう、助成金をとってやろうというよりも、近くの児童館にボランティアへ行こうという方はいらっしゃると思いますので、その辺のもっと観点からすると、キッズプラザに全部転換してしまう。それから、小学生は、私は安心安全からすれば、親御さんのことを考えれば、いいというあれはあるかもしれませんけど、小学生だけが囲われてしまわないかというおそれもあります。先ほど言った児童館の中でつながった関係でいるというのは大事なことだと思いますので、全部そういうふうに移行するのではなく、必要なところは児童館を残す選択肢を、学校に行ってもいいし、それから児童館で遊んでもいいという選択肢を残してほしいと思います。この塔山と白桜と新山の三つ、キッズプラザを開いてみて、どこかその辺の矛盾にもし気がついたか、気がつき始めたとすれば、その転換の必要があると思いますけれども、その辺は課題とは思っていませんでしょうか。
○天野子ども家庭部副参事(中部地域子ども家庭支援センター担当) まず、キッズプラザでございますけれども、キッズプラザは、この目的といたしまして、地域住民や御家庭の方々と協力して、児童に多様な体験ができる場をつくりまして、あわせて相互の交流や仲間づくりの機会を提供することを目的としております。ですから、これまで児童館で築かれてまいりました地域のつながりというものは、今後さらに発展させていくように努めてまいります。
 それから、U18プラザですけれども、U18プラザは地域における利便性を考えた上で、全中学校区にそれぞれ1カ所ずつ整備することを目指しております。また、キッズプラザにつきましては、すべての小学校に開設することを目指しておりますので、今後も児童の活動場所を確保してまいりたいと、このように考えております。
○のづ委員 今言ったのは、それはよくわかっているんです。計画ありきで、鷺宮でも事情をいろいろ変えて、学校に、狭いところに部屋を足してつくったりとかじゃなくて、選択肢をふやしてみませんかという話なんですね。もし予算的に児童館をなくすことで予算を大幅な削減というんでしたら、今9,000万ぐらいかかっているんでしょうか。その予算を減らすためにそういうことをするのか、子どもたちのことを考えてそういう事業をするのか、どっちかといったら、先ほど担当がおっしゃいましたけれども、子どもたちのことを考えたらどういうふうにするかという選択だとすれば、今のキッズプラザに全部、本当は計画の中では、U18だったら乳幼児も小学生も中高生もつながるというふうにイメージしていたと思うんですけれども、今の段階だと、乳幼児は乳幼児、小学生は小学生ということで、切り離れてしまう。本当にコミュニケーションが大事な時代に、そういうことではなかったんではないかと思うんですね。予算のことだけでそういうんではなくて、本当に子どもたちの現状を考えたときに、キッズプラザに行く子もいてもいいし、児童館で遊ぶ子もいていいという中で、今の9館に狭めてしまうことは、子どもたちの遊ぶ範囲からしても、ちょっとこれは違うんじゃないかなということを思っているので、今のお答えだと文書に書いてあるのと同じなので、そういうことの課題に気付いていませんかということを質問しているんです。
○天野子ども家庭部副参事(中部地域子ども家庭支援センター担当) U18プラザというものは、すべての世代を対象としております。ですから、小学生もU18に行くことは可能でございますし、U18は、先ほど申しましたけれども、中学校区にそれぞれ1カ所、9館整備してまいります。それとは別に、キッズプラザにつきましても、先ほど委員からお話がありましたように、児童の利用登録率が大変高く、児童にとっても人気があるものでございます。キッズプラザにつきましても、今後すべての小学校に整備していくつもりでございますので、そのような形で選択肢は確保されているものではないかと考えております。
○のづ委員 もう一度、ちょっとしつこく言わせていただきます。キッズプラザができることも、U18ができることも、それは全く否定するものではないんです。ただ、選択肢としてそこ以外にふやしてほしいということを、今の現状の中だと本当に中高生が、今児童館に来ている中高生がなぜ来るかといったら、幼稚園のころから、小学校のころからずっと来て、地域の人たちと顔も知っているから、中高生になってもふらっと来るんですよね。全然そういうところじゃないところに、ふらっと本当に行くんでしょうかということがありますし、世代の交流ということを今のこういう時代だからこそ求めるんであれば、今のU18とか以外にも、今の児童館のよさを残して、地域事情によっては幾つか残すということも考えていただけないでしょうか。
○天野子ども家庭部副参事(中部地域子ども家庭支援センター担当) U18プラザは、先ほど申しましたけれども、すべての世代を対応することを考えておりますので、児童館を整理統合してはまいりますけれども、これまでの児童館のあり方決して否定するものではございません。むしろ発展的に解消するというような前向きな方向性で考えてございます。
○のづ委員 じゃあ、一応要望にしておきます。今の数とか場所の位置とかいうものを考えたときに、もうちょっと今の時代に合わせて柔軟に考えてほしいということを要望しておきます。
 3番目に、地域ニュースについてです。
 区は、来年度から地域ニュースの印刷の見直しや、シルバー人材センターへの委託による全戸配布を廃止して、職員の対応に変えるというふうに聞いております。この地域ニュースの変遷というか、何年か前ですよね、全戸配布になったのは。その辺の事情をちょっとお知らせ願えますか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 地域ニュースにつきましては、昭和56年4月から全戸配布をしているものでございます。
○のづ委員 シルバーさんに全戸配布になったのはいつからですか、委託をして。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 全戸配布は56年から実施しております。
○のづ委員 それを今やめる理由というのは、予算削減ですか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) 事業の見直しを行いまして、全戸配布ということをやめるものでございます。
○のづ委員 私が本当に小学校で委員をやったときには、広報の皆さんも受けたことあるかもしれませんけれども、広報の講習会というものがあるので、一番最初に教わったのが、すべての人に公平に伝わるのが広報だというふうに教わりました。本当に公平に伝える手段が広報だとすれば、そのことを思って、意義を忘れずに、今も編集委員として地域ニースにも、ほかの広報にもかかわっております。その地域ニュースが全戸配布されることで、シルバーさんも含めて、地域のコミュニケーションがとれてきたというふうにも思っております。地域ニュースはただのお知らせではなく、つくっているほうの自負としては、コミュニケーションのツールだと思っている方たちも多いと思います。そういう声はありませんでしたか。
○遠藤区民生活部参事(地域活動担当) この事業を見直ししまして、全戸配布から、やはり来年度につきましては、区のお知らせ板への掲示や区の施設への配付、また民間のさまざまな協力を得るなどして、多くの地域住民に読んでいただけるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。これにつきましては、まだ予算の段階ですので、対外的には発表してございません。
○のづ委員 今後、この削減というか数を減らすということですけれども、回覧で回したりというほかに、なるべくできればこの予算的なものが――今度、全部手刷りにするんですか。外注にしていたところの予算が手刷りにすれば減るというのと、あと配布の分だけの人件費が浮くということでの削減だと思うんですけれども、できれば多くの方たちに読んでもらうということを基本にして考えていただきたいと思います。要望しておきます。
 4番のその他ですけれども、これも本当に何かに反対しているというのではなく、計画の伝え方について2点お願いしたいことがあります。
 一つは、(仮称)本町五丁目の公園についてです。
 今、この公園は、暫定利用の説明会も終えて、4月に開園の予定で工事が進んでいます。地域では防災公園というイメージが多く、皆さんがイメージされているのは防災公園ということです。この公園の位置付けをまず説明をお願いいたします。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 本町五丁目公園につきましては、先般、都市計画審議会におきまして、都市計画としての種別が近隣公園として位置付けられております。
○のづ委員 仮称でも本町五丁目公園となったときに、イメージは防災公園ということがあったので、どうして防災公園じゃないんだろうというのが地域の中の声に多かったと思いますけれども、公園の今の近隣公園という仕分けについて、もうちょっと詳しくお願いします。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 先ほど申しましたように、都市計画決定の内容でございますが、種別が近隣公園となっておりまして、その中の整備の内容としまして、沿路、広場でありますとか休憩施設とか休養施設、その他防災に関することにつきましては、災害応急対策施設と。例えば、耐震性貯水槽ということでございます。この都市計画決定の中で、理由書の中で、防災機能の向上でありますとか景観の保全、利用の促進を図るためということで書いてございまして、防災機能を融資ながら、地域の利便性を図っていくという考え方で都市計画決定がなされているということでございます。
○のづ委員 去年10月ごろに、都市計画審議会のほうで、今後の大規模公園の整備の基本的な考え方というのを示されました。そこには図面も入っていて、それから細かく使い方が書いてあったんですね。その中に、位置付けとして具体的な項目があって、主たる使い方みたいなところに少年野球という言葉がありました。こういうことまでが審議会の中で、委員会の報告はあるのに、地元には全く説明がされていませんけれども、暫定整備の説明会のときにも運営の話という仕切りで多分進んでいって、本整備に向けてのこの基本的な考え方が示されていませんでした。それはどうして示されなかったんでしょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 昨年10月にお示しさせていただきました今後の大規模公園整備の基本的考え方でございます。委員御指摘のとおり、今後6カ所の大規模公園整備の基本的考え方を取りまとめたものでございまして、この中身につきましては、都市計画マスタープランでの位置付けでありますとか、その敷地が置かれているコンセプト等を取りまとめ、各公園が担う機能の分担の考え方(案)ということでお示しをさせていただいたわけでございます。したがいまして、今後、本整備に移行する際には、移行するときの計画設計に当たりましては、この基本的な考え方を基本として、区民からも御意見をいただきながら進めてまいる所存でございます。
○のづ委員 総務の資料の33にスケジュールが示されていましたけれども、本整備に入る前に、平成24年度で基本設計と書いてありますので、その基本設計に入る前に地域に、野球場は案ですから、できるかどうかというよりも、今は全くそういうことを考えていないですよね。野球場をつくるんだとすれば、フェンスをつくらなくちゃいけないとかありますけれども、地域の中の方たちは、あそこを防災公園という位置付けの中ではそういう思いにはなっていないと思いますので、その辺をしっかりと早目に示して、そして議論の中に上げていただかないと、そういうはずじゃなかったとかいう言葉が出てきてしまいますので、その辺は基本設計の前にもう一度地域の中にしっかりと説明を行っていただけるでしょうか。
○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 中野区の10か年計画によりますと、今委員の御指摘のとおり、ステップ2で設計を行い、ステップ3で整備をすることになっているということでございます。したがいまして、公園の具体の整備の中身につきましては、そのステップ2の中で、先ほど申しましたとおり、区民の皆様方の御意見もいただきながら、進めてまいりたいと思っているところでございます。
○のづ委員 もう一つ、本町四丁目のことでお聞きします。
 本町四丁目の鍋横高齢者会館とインキュベーション施設ということで、10か年の今後の活用する用地の中に(仮称)鍋横高齢者会館・インキュベーションオフィスの整備用地としての活用とあります。ここはもう消防署跡地になって10年ぐらいたちますか。その前に、産業情報センター、商工会議所と一緒になって、商工会議所が鍋横の消防署跡地に移転をするということで、産業情報センター、青少年ふれあいセンター、鍋横地域センターの分室として、そして総合的な計画を、委員会が開かれて2年ぐらい検討した過程があると思います。もし違ったら、ちょっと言ってください。
 そこのインキュベーション施設というのは、商工会館が移るということがあったのでそういう計画になったんですが、商工会館はこの今までの計画の中で、施設も、耐震性もすぐれているということで、移転しないということはもう決まっていますよね。その中で、昔あったインキュベーションオフィスという名称がそのまま残っているんだと思いますけれども、今区の中では、産業振興ということではインキュベーションオフィスが有効ということでこの計画に載ってしまったんだと思うんですけれども、地域の中ではそういう思いはほとんどないというふうに思っていますけれども、手順を踏んだ丁寧な説明が必要と思いますが、いかがでしょうか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 本町四丁目の用地につきましては、中野消防署の移転に伴いまして、都から土地を取得したものでございますが、その用途につきましては、これまで幾つか変遷はございます。平成8年になりますけども、(仮称)青少年ふれあいセンター、(仮称)産業情報センター、鍋横地域センター分室ということで整備内容をしました事業用地選定計画書を策定しまして、その後、財政危機のもと経営改革を進める中、平成15年の中野区経営改革指針の中で建設計画が廃止になりました。その後、新しい中野をつくる10か年計画を策定する中で、地域説明等も行いながら話し合いを進め、そして、その中で高齢者会館、インキュベーションオフィス、民間住宅ということで活用法を示したと。今回の10か年計画(第2次)の改定の中で、(仮称)鍋横高齢者会館・インキュベーションオフィスの整備用地として活用することを示したと。以上が経緯でございます。
○のづ委員 これは、逆にステップ3から4に計画が遅くなったので先の話になると思いますけれども、その時期が来る直前ではなく、やはり地域の中で、反対とかそういうことではなくて、ちゃんと理解を得るということの中で、地域で意見交換の場を持ってほしいと思っていますが、いかがでしょうか。
○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 今後、施設機能の検討を進めながら、必要な時期に、適切な情報提供に努めてまいりたいと思います。
○のづ委員 ありがとうございます。当初の計画といろいろ違ってきた中で、それでも今の時代に合わせて改善していくという努力を本当に惜しまないでやっていただきたいという思いがいっぱいです。
 これですべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○いでい委員長 以上でのづ委員の質疑を終了します。
 以上で本日の総括質疑を終了します。
 次回の委員会は3月1日(月曜日)午前10時から当委員会室において開会することを口頭をもって通告します。
 以上で本日の予算特別委員会を散会します。
      午後4時37分散会